再誕の獣と戦慄の闇が夢見た世界 (只ノ2号)
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第1章 蠢く獣
プロローグ


事の始まりは様々な世界で起こった。

それも…同時に。

 

゛それ゛は、まるで最初からそこにあったかのように存在していた。

 

”それ”は、建造物だった。

…それも、とても広大で巨大。

 

”それ”は、地上とその世界の衛星に現れた。

 

地上には、三種類の”それ”が多数…。

衛星には、柱のようにそびえ立つ”それ”が一つ。

 

”それ”は、遺跡と呼ぶには異質過ぎた。

”それ”は異質な金属で出来ており、風化や劣化した形跡はない。

表面には、緑色に光るラインが血管のように走っていた。

 

しばらくして、それぞれの世界で、”それ”の調査が開始された。

 

『グラニデ』という世界では、グランマニエという国を代表に、軍を護衛に付けての調査団が結成され…

 

『ミッドチルダ』という世界では、『時空管理局』という組織が”ロストロギア”の可能性があるとして、数隻の時空航行艦をいれた大規模な調査団を…

 

『ハルケギニア』という世界では、『アカデミー』という研究機関が、調査団を派遣し…

 

『地球』という世界では、それぞれの国が、国連での話し合いの後、それぞれの国で協力しながら慎重に調査を進め…

 

『ヘリオス』いう世界では、『東シュレイド連合国』と『西シュレイド皇国』が積極的に調査団を送って、調査を進めた。

 

全ての世界は、『新たな文明が発見された』という期待と歓喜と言い知れぬ少しばかりの不安に包まれた。

 

たが、数週間後に事態は一変する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての世界で同時に、調査団との連絡が途絶えた。

 

それぞれの世界の政府は原因を調べるため、”それ”にギルド、人、部隊を送り込んだ。

 

たが、それは様々な世界、組織、人々を巻き込んだ”荒唐無稽なおとぎばなし”

の始まりであった。

 



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暗躍した闇、引っ張って行かれた科学者

注意!しょっぱなからラスボスが出てきます!


とある施設…もとい、遺跡と呼ばれる巨大な建造物の内部。

 

その地下最深部より三つ上の階にある広大な格納庫。そこには、とある平行世界でAC『アーマード・コア』と呼ばれる機動兵器が大量に並べられていた。

 

その格納庫の中を横切るように、数本の連絡橋が走っていた。

その連絡橋の真ん中。そこを歩む一つの影がいた。

 

黒い長袖の服に長ズボン、その上にボタンを掛けずに羽織っている漆黒のロングコート。

ベルトには、黒い鞘に収まった一本の日本刀。銘は【黒帝】という。

 

髪は夜の闇を溶かし込んだように黒い。

蒼い瞳はまるで玉。しかし、その鋭い目と眼光が、相手に多大な畏怖を与える。

もう一つ付け加えると、瞳孔はまるで爬虫類を思わせる。

 

その影は青年だった。

だがその身に纏う雰囲気は、人にしては異質過ぎた。

それはそうだ。

なぜなら彼は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人を止めた存在なのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

青年が連絡橋の真ん中辺りに差し掛かった時、向こうから一人の人影が近づいてきた。

 

どうやら、男性のようだ。

医者や科学者が着る白衣の上からさらに金色に縁取られた赤い外套を身に着けていた。

髪の色は金色。

瞳も金色だ。

 

「御帰りになられましたか、ダーク殿。いかがでしたかな、今回の成果は?」

男は、ダークと呼ばれた青年に話しかける。

 

「…まぁまぁと言った所だ。…゛地球゛の南極大陸の中央、南アメリカ大陸にあるアマゾンの熱帯林の奥地、太平洋のど真ん中、日本…特に沖縄と北方領土付近、そのほかの場所で大量の例の゛鉱石゛を大量に見つけてきた…。詳しくは後で伝えよう…。」

「おぉ、それは喜ばしい誤算ですな。あの世界に゛あれ゛は存在しないものと思いましたからな。…ところで、私の頼んだ例のものはありましたかな?」

「…あの゛鬼械神゛に関する資料か…?一応゛リベル・レギス゛と゛ロードビヤーキー゛、゛クラーケン゛のを手に入れることはできたが…だが、此方には゛ドミナント゛がある。正直、必要ないのではないか…?」

「保険ですよ。戦力は多いことに越したことはありませんから。」

「…そうか。オレは今から少し休む。…人を止めた身だが、やはり疲れがあるからな。」

「承知いたしました。…では、御ゆっくりと…っとその前に」

男はハッとしたかのようにダークに訪ねる。

 

「どうやら、人間共が゛施設゛を次々発見しておるようですが、どういたしますか?」

「…人間共め…まだ計画の実行まで時間がある。手段は問わない、奴らの妨害を行え。出払っている他の者達にもそう伝えろ…」

 

ダークはそう言い終えると、そのまま最深部に向かった。

 

「…ふむ、では今から他の者達に連絡するとしよう。それが済んだら資料を調べてみるか。」

男は、そう呟くと、闇の中に消えてい…

 

「アンセス殿」

「ぬわぁ!!?;」

 

突如、目の前にフードとガスマスクを身に着けた男が現れた。

背はアンセスより高く(アンセスは172cm)、腰のベルトには拳銃と一振りの剣が携えてあった。

 

「な…なんだ、“静かなる牙(サイレントタスク)”のモノか;…何用だ?」

「もう消灯時間が過ぎております。部屋へお戻りください」

「へ?いやまだやることが…」

「先ほどの話は聞かせていただきました。我々にお任せください」

「いやしかし…」

「問答無用」

 

 しゅばばっ

 

 がしっ

まだなにか言おうとしたアンセスの両脇に、同じ装備をした二人組が現れ、アンセスの両腕をホールド。

そのままズルズルとアンセスの自室へと引っ張っていったのだった。

「な、なにをする貴様らーーー(°Д°;)」

 

そしてアンセス+αが闇に消えたのを確認すると、彼はいそいそと仕事に掛かるのであった。

 

 




 +今回の登場人物+

ダーク=ブルズアイズ…『オリジナル』
アンセス・ゼムノート…『オリジナル』


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魔弾と召喚士(変態淑女)

~とある惑星~ ここは、管理局が第67管理外世界と呼んでいる世界。

 

特徴は人が住んでおらず、森林や草原などが広がっていること、比較的穏やかな気候であること、危険な原生生物がほとんどいない事。

 

要するに、平和以外何もない世界である。

だが、この世界にもあの゛遺跡゛が存在する。

その内部にも、あの巨大兵器群や機械兵が有象無象のごとく存在するのだ…。

その遺跡の地上にある出入口。

そこから、二人の人影が出てくる。

 

一つは肩を露出させた黒のローブ。

金色の長髪。

赤い瞳に切れ目の外見20才前半の女性。

もう1人は白色の髪に、フードの付いたパーカーに短パン。

同じく赤い瞳に無表情な目の、15才辺りの少女。

「レイちゃ~ん。今日は一緒にこの世界であの゛メタトロン鉱石゛を探しましょうね~♪」

「…それは良いのですが、変なことしたら眉間をライフルでぶち抜くので気をつけて下さい。」

「あぁんもぅ冷たいわねぇ~。…でも、お姉さんはレイちゃんのそんなところもス・キ・♪」

「…このロリショタペド変態痴女(-"-)」

 

少女‐レイは、彼女の可愛さ?の余り身悶えている女性に、かなり凄い暴言を吐くが、女性はまったく気にしないどこれか、何やら顔にほんのり赤みを出して、息を少し荒げる。

「あぁ…、レイちゃんに罵られるのって、いつヤられてもイイものだわ…(うっとり)……………………あ~んレイちゃぁんっ!!もっと罵っt(ターンッ!)あうん」

「…だ・か・ら、変なこと言ってないで、さっさとリオレウスなりビヤーキーなりオルガロンなり召還してください。ミラさん。…真逆(まさか)、歩いて行くなんて言いませんよね?(ゴゴゴゴゴ」

 

レイは、女性‐ミラの眉間をライフルで狙い撃った。ゼロ距離で。

そして、背後から何やら黒いオーラを出しながら、倒れたミラを見下ろす。

 

 

「…は~い、分かったわよレイちゃん。さすがに歩いて行くのはイヤだから、゛あの子゛でも喚びましょうか。」

 

ミラは、何事も無かったかのように起き上がった。なんということでしょう(°Д°;)

だが、無傷という訳では無いらしく、眉間にはバッテンのようにバンソコウが張ってある。

ミラはそれを気にすることなく、右手を上に掲げる。

すると、そこに炎が燃え上がり、すぐに消える。

 

そして、消えると同時に、その手には奇怪な刃゛バルザイの偃月刀゛が握られていた。

 

ミラは、その偃月刀で目の前の空間を切り裂いた。

 

何もない空間に、大きな切れ目が出来、その切り目の向こうから、何やら禍々しい眼光が煌めく。

 

数秒も経たないうちに、切れ目はさらに広がり、広がりきると同時に、向こう側から巨大が出てくる。

それは赤い甲殻に、空を溶かし込んだかのような色の、爬虫類を思わせる瞳、そして大地を踏みしめる二本の足に、一対の力強そうな翼。

 

それは首をもたげ、空を仰ぎ見て、咆吼をあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

『餓■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

それは異世界の飛竜…リオレウスである。

 

「さ、行きましょうか。レイちゃん」

「…では、速く終わらせて帰りましょう。」

ミラとレイは、低く屈んでいるリオレウスの背に跨る。

二人が跨るのを確認すると、リオレウスは翼を力強くはためかせ、一気に上昇。

あっと言う間に、点にしか見えなくなる。

 

そして、二人と一匹は目的の場所に向かって、飛翔するのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

=おまけ=

 

ミラ「ねぇレイちゃん。帰ったらお姉さんと良いことしない?」

レイ「…もう立てなくなるほどヤられるのがイヤなので、お断りさせていただきます。」

ミラ「もぅ、レイちゃんって恥ずかしがり屋さんね。それにヤられてたねはレイちゃんじゃなくてわたs「証拠隠滅!(タアンッ!)」あふぅ」

リオレウス「(・_・;)」(二人をどう落ち着かせようか考えている)

 




 +今回の登場人物+

◇レイ・トライアド…『オリジナル』
◇ミラグレスラ=アルヴァーグ…『オリジナル』
◇リオレウス…「モンスターハンター(3)」


ダーク「…一匹人じゃないがな…(Y;)」


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暗躍する騎士と跳躍者、帰還した英雄

~中華人民共和国、首都のとある高層ビルのてっぺん~

 

ここ、中華人民共和国、略して”中国”は近年、驚異的な経済発展を遂げたのは、皆様のご存知の通りである。

 

たがそれにより、様々な問題がおこっているのもまた事実。

 

また、その中国の動きを不愉快に感じている国や組織もあるようだ…。

そして、この高層ビルの屋上にも、そんな不満を持つ人物が一人…。

 

「まったく…、この国の奴らは後先考えずに突っ走りやがる。その先に何があるか理解しないままにな…。」

そう呟いたのは、一人の17歳辺りの少女。

青い髪に、緑色の瞳。右目に眼帯。

そして何より、目を惹くのは右腕と右太股の無骨な機械の手足…。

 

それは、異世界の技術の結晶、゛機械鎧(オートメイル)゛である。

そんな思想に浸っている少女の背後に、突如一人の影が現れる。

それも歩いてなどではなく、まるで最初からそこにいたかのように…

その影は、16歳ぐらいの少年だった。

髪は灰色で、瞳は水色。

青色がメインカラーの何処かの学園の制服に長い赤色のマフラーと言った、妙な格好であった。

 

「゛ミゼル゛、また何か考え込んでるの?」

「…゛アツヒロ゛か。随分と遅かったな?」

「まぁね。゛時空管理局゛の゛ロストロギア保管庫゛には簡単に侵入できるから、少しあの゛クラナガン゛って都市を観光してたのさ。…自由気ままにね。」

「流石゛ジャンパー(瞬間移動能力者)゛、行き先は無制限とはそのことか。…ところで、゛あれ゛はあったのか?」

 

「゛ジュエルシード゛と゛レリック゛でしょ?ちゃんとあったよ。今頃はもうダークさんに届いてるはず。」

アツヒロと呼ばれた少年は、前髪をいじりながら答えた。

それに対して、ミゼルは疑問を口に出す。

 

「…なぜ、ダークはそんな物を集めさせたんだ?単純にエネルギー目的だとしても、レリックですら゛メタトロン鉱石゛の百分の1にも満たないぞ?」

「…正確に必要としてるのは、アンセス博士なんだけどね。」

「あぁ、あの天災か。」

「あれ、なんか違う意味に聞こえたんだけど?;」

「気のせいだろ?…なぁ、今何時だ。」

 

ミゼルは、唐突に尋ねる。

 

「えっと……、もう1時半だよ。」

アツヒロは、腕時計を見ながら答えた。

 

「もうそんな時間か。」

「じゃあ、奈良市の青山町近くの゛大黒゛って食堂に行く?」

「…またそこか。飽きないな、お前も…;」

「良いじゃないか。あそこのカツ丼定食、かなり美味しいからね。ほら、手を握って?」

アツヒロは、手を差し出し、その手をミゼルが握る。

 

ヴォンッ!

 

その瞬間、2人の姿が一瞬で消え去った。

 

僅かな空間の歪みを残して…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+日本、関東のとある街+

 

 

 

 

 

 

 

 

この街の、とある一軒家で少年は目覚めた。

 

少年は、゛あの世界゛を救うため、奮闘した。

 

結果、世界は救われた。

 

しかし、彼は…大切な存在を守ることが出来なかった。

 

少年は役目を終え、゛この世界゛に戻ってきたのだった…

 

 

 

少年は、ベッドから上半身を起こし、隣を見る。

 

そこには、蒼い髪の少女が、少年の記憶通りに眠っていた。

 

その時、ドアの向こうから、幼馴染が立てているであろうドタバタと騒がしい音が聞こえてきた。

 

そして、少年は窓の向こうに広がる青空を眺め、涙を流しながら呟く…

 

 

 

 

 

 

「…やっと、戻ってこれたんだな…」

 

 

 

 

 

これから先、少年とその仲間達は、大きな運命に巻き込まれていくだろう。

それは、同時に新しい出逢いももたらす。

 

神よ。もし、あなたが本当におられるのならば、彼らに祝福を………。

 




+今回の登場人物+

◇ミゼル・オルフェン…『オリジナル』
◇湯浅 篤弘(アツヒロ)…『オリジナル』

◇???…『マブラヴオルタネイティブ』

ダーク「最後の少年については、皆は察しがついてるだろうが伏せさせてもらうぞ…(Y )」


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地球に降り立った虚無一行、狂気を纏う弓術士

平城宮跡…それは近畿地方の奈良県に存在する古い都の跡である。

 

2010年に゛平城遷都1300年祭゛があり、その時は大いに賑わっていたが、今は元の静かな都の跡または草原に戻っている。

 

普段なら、この中には散歩をしている人がいたり、子供がいたりするのだが、今の時刻は朝の6時20分前であり、人影は殆どない。

その平城宮跡にある県道104号線沿いにある休憩所…

 

その休憩所の中の空間に有り得ない現象が起こっている。

 

‐……ピキッ……‐

 

゛ひび゛だ…ひびが入っている。

 

本来ひびが入ることなど有り得ない空間に、大きなひびが入っているのだ。そのひびは次第に大きくなり、遂に…

 

 ‐ガシャァァァァンッ!‐

 

割れた。まるでガラスのように割れたのだ。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」」

「「「きゃあぁぁぁぁぁっ!」」」

「……っ!」

「きゅいぃぃぃぃぃっ!」

そうして出来た黒い空間…その中から、少年2人と、少女5人が放り出される。

 

その内の2人…黒髪の少年と、蒼い髪の小柄な少女は何とか受け身をとったが、残りの5人はズベベっと地面を滑ることになった。

 

「ふぅ;お~い、みんな大丈夫か?」

黒髪の少年‐サイトが、立ち上がりながら声をかける。

 

「私は大丈夫。」蒼い髪の少女‐タバサが、ズレた眼鏡を直しながら返答する。

 

「僕も無事…なのかなこれは;?」

金髪の少年‐ギーシュが鼻を押さえながら、体を起こす。

 

「だ、大丈夫な訳ないでしょ!?顔から地面にダイブしたのよ!!#」

長い桃色の髪の少女‐ルイズが、目尻に涙をためて叫ぶ。

よく見ると、鼻が少し赤くなっている;

 

「「きゅ~…;」」

「きゅい~…;」

残りの三人‐キュルケ、シエスタ、シルフィードは目を回して伸びていた。

 

 

カランッ

 

 

「いてっ!」

その時、塞がりかけたひびの間から一本の剣『デルフリンガー』が吐き出された。

 

 

「おい相棒!いったい何が起こったんだよ!?゛奴゛と戦ってる時に、いきなり緑色の光がピカッと光ったら、いきなりこんなところに…」

デルフは混乱しているのか、サイトに慌てて尋ねる。

 

「落ち着けよデルフ!俺にも何が何だか…って」

サイトは当たりを見渡しながら、あるものを見つける。

 

「じ…自販機?」

「自販機って、この妙な鉄の箱の事なの?」

「どんなもの?」

ルイズとタバサは、その自販機をみる。

 

「簡単に言ったら、金を入れれば、あとは商品を選べば良いってやつだよ。」

「それは随分便利だね。」

サイトはタバサとルイズに簡単に説明する。

ギーシュも、その説明を聞いて自販機をまじまじと見る。

 

「…自販機が此処にあるって事は…」サイトは辺りを見渡す。

彼の目には…

 

アスファルト舗装された道路…

 

見慣れた形の住宅…

 

休憩所にある建物の自動ドア…(今は時間外なので動いてないが)

 

そして、遠くに見えるビル…

 

彼はやっと気づいた…そう、此処は、この世界は…

 

「戻ってきたんだ。もとの世界に…」サイトは呆然と立ち尽くす。

無理もない、このようになんの突拍子もなく、いきなり自分の生まれ育った世界に戻ってきたのだから。

 

「えぇ!じゃあ此処がサイトのいた世界なの!?」

「……!!?(驚きのあまり絶句」

「ま、まさかこんな形で君の世界に来ることになるとはね;」

「それにしても、なかなか良いところしゃない♪」

「キュルケ!?あんたいつの間にか…;」赤い髪に褐色の肌の少女‐キュルケが、いつの間にかルイズとサイトの後ろに立っていた。

 

 因みに、まだシエスタとシルフィードは起きておらず、休憩所の中にあったベンチに寝かしてあります。

 

「さてと、とりあえず此処が何処か調べないと…ギーシュ、ついてきてくれ。ルイズ達は此処で待ってて。」

「分かった。それじゃ行ってくるよ。」

「早く戻ってきなさいよ―;」

 

サイトはギーシュを連れて、休憩所から出る。

ルイズ他4名は待機することになった。

 

休憩所を出て、2人はすぐ石で出来た案内板を見つけた。

 

「お、これは此処の地図じゃないかな?サイト、ちょっと見てくれないかい。なんて書いてあるかさっぱりだ;」

「了解。えーと、ちょっと待てよ…」

やはり、ギーシュはこの世界の文字が読めないようだ。

サイトがその案内板を隅々まで見つめる…

 

「…ん?」

調べてる最中、サイトの目に案内板の左下に書いてある文字が止まる。

 

 

 

゛平城宮跡゛

 

 

「へ、平城宮跡?……ってことは…」

その数秒後、サイトは驚愕?の声をあげる。

 

 

 

「跳ばされた場所って…奈良県かよぉ!!?;」

 

因みに、この場面…

 

「若いもんは、ほんと元気じゃの~」

 

朝のジョギングしてたじぃチャンにバッチリ目撃されてました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 +ハルケギニア・ネスト24 地下10階+

 

「…また、手に入れられなかった」

 

“ネスト”と呼ばれる建造物の中にある円形の広さ数十キロにもなる巨大な広場。

その広場の中央に、一人の黒い髪の男が立っていた。

背は約175cmぐらいだろうか…ジーンズにチェック柄の長袖シャツを身に着け、左手に和弓を持ち、背中に矢筒を背負っている。

 

 男は、先ほどまで戦っていた存在のいた場所を食い入るように見つめ、唸るように呟いた…

 

 「彼奴等や俺以外の人が当たり前のように持っていて、俺だけが持っていないもの…彼奴等を殺してでも奪い取ってやる…そして俺は、“マイナス(-)”からゼロ(0)、そしてプラス(+)”になる…」

 

 この時の男の顔は、明らかに狂気に満ちていた…

 

 




+今回の登場人物+

『ゼロの使い魔』
◇ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
◇平賀 才人
◇ギーシュ・ド・グラモン
◇シエスタ
◇キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー
◇タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン)
◇シルフィード(イルククゥ)
◇デルフリンガー

『オリジナル』
???

ダーク「…最後の奴については、いずれ纏めて話してやろう…(Y )」


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獣に協力するもの、銃剣携える邪悪と後悔する剣士

日本の都市の一つ、横浜。

そこのとある街にある30階立てのビル。

 

このビルを所持しているのは、最近急成長している企業。名称は『ムラクモ・ミレニアム』と言う。

…どっかで聞いたような名前だが、スルーでおk。

 

そのビルの25階にある社長室。

中は窓際に大きめのデスクと黒色のシンプルだが、高級感を漂わせる椅子がある。

因みに、中には誰もいない。

 

デスクの上には、何かの資料が何枚か置いてある。

 

よく見ると、幾つかの単語が見て取れる。

『メタトロン鉱石』

『時空管理局の最近の動向』

『ネスト、アーセナル、ポート、ベースの内部構造』

『鬼械神の記述が掲載されている魔導書の捜索』

『ドミナント』

『遺跡調査隊の妨害または排除』

『各国、特にアメリカ、中国の現在の動向』

『武器弾薬その他兵器の追加発注』

 

…内容からして、平和的な商業関連の資料ではないらしい。

 

 ‐ガチャッ‐

 

 

しばらくして、部屋に2つの人影が入ってきた。

 

一人は、眼鏡をかけ、スーツを着た黒髪の男性。

見た目は20歳以上だろうか…

 

もう一人は、紅いジャケットに黒のジーパンを着た、首まで伸びた金髪に糸目の青年。

一見穏やかそうな印象だが、青年が発する゛人外゛の気配がそれを否定する。

 

「さて゛アラン゛、例のものは…」

「えぇ、しっかりと持ってきましたよ。」

 

 アランと呼ばれた青年は、内ポケットから数本のUSBメモリを出し、男に手渡す。男はそれを受け取って、満足そうに笑う。

 

「確かに、゛デバイス゛と゛リンクス゛、゛MT(マッスルトレーサー)゛、゛戦術機゛のデータ、受け取らせて貰った。これで゛彼女の願い゛に貢献できる…。」

「それにしても、あなたが彼女の願いを理解してくださって助かりましたよホント;」

「寧ろ、彼女の願いを理解出来ない奴らの考えを私は理解出来ん。彼女の願いこそが、゛全ての世界゛を救済することが出来るたった一つの方法だというのに…」

「仕方ないですよ。゛今の人類゛には、彼女の願いは到底受け入れられないものですからね。」

 

男の疑問に、アランは悲しそうに微笑みながら、答える。

 

「…では、僕はここで失礼させてもらいます。」

アランは、そう言うと部屋から出て行く。そして、出るときに振り返り、こう告げる。

 

「これからも仲良くやっていきましょう。…黒柳(くろやなぎ) 颯斗(はやと)社長…」

 

 

 

 

 

 

 

 

   +とある管理外世界+

 

 

 

見渡す限りに広がる砂漠…その中にそびえ立つ金属でできた忌まわしい遺跡…

 

ダーク達は『ネスト』と呼んでいる。

 

 そのネストの入り口の前に夥しい数の死体が散乱していた。

服装から見て、゛時空管理局゛の魔導士とその調査隊のようだ。

どの死体にも、何本もの゛銃剣゛が刺さっていた…。

 

 その中を平然と歩く影がいる。

 

よく見ると、モスグリーンのロングコートをはおり、コートの下にコンバットスーツを着た、黒い髪の青年?だった。

なお、左目は青で、右目は赤のオッドアイである。

 

青年?は近くにあった魔導士の少女の死体を掴むと、その首にかぶりついた。

 

じゅるっ じゅるっ じゅるっ

 

そして、血を美味そうに啜り始めた。

 

 

 

   ‐数分後‐

 

 

 

青年?が血を吸い終わると同時に、入り口から一人の男が出てきた。

 

黒いマントをたなびかせ、黒い鎧を纏った、黒い髪の男だ。

背に『ヒートグラディウス』と呼ばれる無骨な大剣を背負っている。

 

「おやおや、゛グラン゛。もう終わらせたのですか?」

青年?が男‐グラン に気づき、話し掛ける。

 

「あぁ、中に入り込んだ60人全部片付けた。あとは奴らの戦艦だけだ。」

「そちらはあの三人に行かせました。もうカタが着く頃ですよ。」

青年?のその言葉に、グランは顔を歪める。

 

「゛ロウザン゛やっぱり彼奴等も戦わせるのか…」

「…えぇ、あの三兄弟が望んで…ね」

グランの問いに、ロウザンは当たり前のように答えた。

 

「では、私は中に戻ります。暑いのは苦手ですので。」

ロウザンは、そう言うと遺跡の中に入っていった。

 

残ったグランは雲一つ無い空を仰ぎ見る。

 

「…結局、こうなる運命だったのかよ…スッキリしねぇ…。」

 

彼の顔には、後悔の念がありありと浮かんでいた…

 

 

 




 +今回の登場人物+

『オリジナル』
◇アラン・ブロード
◇黒柳颯斗
◇ロウザン・グレイス
◇グラン=レオニクス


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動く機動六課、不動の闇、現れた転生者

拠点であるネストの地下最下層にある円形の広場。

内部には、メタトロン鉱石から作られた六角形の柱が円を描くように立ててあった。

 

その円の中心に向かって、シナプスのような光の線が走っていた。

その光は、まるで鼓動しているかのように点滅していた…

 

 

広場の中央…光が行き着く先に、一人の影が立っていた。

それはまるで、鎧かロボットのように見える…

色は黒く、鋭角的で、見る者に禍々しい印象を与える。

 

中央に辿り着いた光は、足元から吸い上げられ、体全体を廻っていた…

 

光がそれに吸い上げられていくにつれて、それのY字型のバイザー状の目らしきものが緑色の光を爛々と輝かしていた…

 

『ダーク殿、少しよろしいですかな?』

突然、それの目の前に空間に浮かぶ半透明のディスプレイが浮かび上がり、そのディスプレイにアンセスの顔が映る。

 

数秒後、それの頭部から煙が噴きだし、装甲が展開して、複雑な変形を行いながら、胴体部に収納される。

 

収納された装甲の下から、あのダークの頭部が露わになった。

 

「…なんだアンセス?厄介事でも起こったのか…?」

『えぇ、その通りですよ…しかしダーク殿、メタトロンのエネルギーを吸収する度にその姿になられておりますが…面倒ではありませんか?;』

「…生憎、まだこの状態の方が通常の姿でやるのに効率が良い…それより、何があった?」

 

ダークがアンセスに問いかけると、アンセスは苦虫を噛み潰したような表情になった。

 

『…゛ミッドチルダ゛にあるアーセナル02に向かって、゛機動六課゛が派遣されました。』

「…機動六課…あのエースオブエースのいる…」

『その通りです。…しかもスターズ、ライトニング、ロングアーチの主力を総動員しております;』

「…随分と豪勢なことだ…」

『な~にを暢気なこと言ってんですか!;まだ始まってないうちに、奴らに我々の計画がバレたりしたら、進行に多大な悪影響がでるのは確実なんですぞ!

あなた様はそういったことも考えてもらわんと困ります!!』

「…すまん…」

アンセスの説教されて、ダークはショボーン(´-ω・`)となる。

 

『ダーク殿、一刻も早く奴らを始末するかなにかしないといけませんぞ!』

「…言っておくが、始末は出来ん。…彼奴等はこの計画の要の一つだ…」

『では、いったいどうするおつもりですか?;』

 アンセスの疑問にダークはこう答えたのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…オレが直々に迎え撃つ」

 

 

 

 

 

 

 

 

… 暫しの沈黙…

 

 

 

 

 

 

 

 

『………はい?;』

 

 

side:機動六課

 

ミッドチルダのとある広大な森林地帯。

その上空を、7機のヘリがある場所を目指して飛んでいた。

 

そのうち、先頭を飛ぶ2機に起動六課の主力、スターズ、ライトニング、ロングアーチのメンバーが乗っていた。そして残りのヘリには、それに同行する事になった、各部署の武装局員達が乗っている。

 

 

 数分後、機動六課の部隊長である゛八神 はやて゛からほかのヘリへ通信が入る。

 

『みんな、改めて説明させてもらうで。今回の任務は、最近になって各次元世界で確認されてる゛遺跡゛に向かい、行方不明になった調査団の捜索や。』

はやての説明に、皆耳を傾けている。

 

『これには、あの反管理局組織の゛ネームレス・ワンズ゛が関わってる可能性が高い。十分気をつけて今回の任務に挑んでな。』

『『『はいっ!』』』

はやての説明が終わり、皆返事を返す。

隊員達の士気は、非常に高いようだ。

 

 

「待っててね、ユーノ君…!」

先頭を飛ぶヘリの中で白いバリアジャケットを纏った女性…高町 なのは が、見え始めた遺跡…ミッドチルダ・アーセナルを見つめていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 その目に確かな不屈を宿して…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「主はやて、やはり今回の出来事も…」

「間違いない、あの男や…!」

なのは達のヘリとは違うヘリの中では、はやて と彼女に仕える守護騎士達(ヴォルケンリッター)が向かいあっていた。

その顔には、なにやら緊迫したものが感じられる。

 

「はやて、今度こそ…!」

「さぁ、首洗って待っときや!ダーク=ブルズアイズ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、最後尾を飛んでいるヘリの中に一人の青年がいた。

髪は銀色で、青と黄色のオッドアイをしていて、緑色のコートタイプのバリアジャケットを着こんでいた。

 

「ここに彼奴のいってた“ダーク”って言う奴がいるんだな…探し回る手間が省けたぜ」

青年は大剣型のデバイスの刀身を指でなぞり、黒い笑みを浮かべた。

ほかの隊員はそれに気づかない…

 

「さてと、着いたらちゃっちゃとぶっ倒しますか。なのは達に良いとこ見せれるし、“女神様のお願い”も済ませれるしなぁ…」

 




+今回の登場人物+
『リリカルなのは』
高町なのは
フェイト・T・ハラオウン
八神はやて
ヴィータ
シグナム

『転生者』
???

ダーク「…なぜか転生者には負ける気がせんな…(Y )」


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始まる余興、放たれる三つの閃光

~ミッドチルダ・アーセナル02 地下20階(全40階)~

 

機動六課がアーセナル入口に到着した頃、ダークはこの階で待ち伏せていた。 (ダーク本人は、入口で迎え撃ちたかったそうだが、アンセスの猛反対をくらった。)

 この階は、一つの大きな円形の広場だけで構成されている。

広さは半径10kmもあるので、戦闘にも問題はない。

しかもアーセナルの兵器庫から、直に兵器を転送できるとのこと。

 

そしてダークは広場の真ん中にたっているのだが、 何やら顔色が悪い。

表情は何時も通りなのだが、顔に青い縦線が走っており、冷や汗が大量に流れていた。

 何故かって?

それは、この場にいるのが”ダークだけではない”からである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いか貴様等!!敵はあの機動六課だ全力を振り絞れ!!!」

「「「「「「「サー!!イエッサー!!」」」」」」」

「ふざけんな気合いが足りん!!!タマ落としたか新兵共!!!!」

「「「「「「「サー!!!イエッサー!!!!」」」」」」」

 

 

 

「おい聞いたか?今回は機動六課が攻めてきたんだと。」

「なん…」

「…だと…」

「オワタ\(^O^)/」

「嗚呼…人生五十年とはこのことか…」

「諦めんなよあんた家に奥さんと娘さんがいるんだろ!!?」

「そうですよ!今は生き延びることを考えましょう!!」

 

「野郎共ぉ!久々の大物だぁ…気合い入れていくぞぉぉぉっ!!!」

「「「「「「ヒャッハーーーーっ!!!」」」」」」

「新鮮な肉だぁぁぁぁ!!!」

「頭ねじ切っておもちゃにしてやるぜぇぇぇっ!!!」

 

 

 

「やった間近でなのはさんがみれるZE☆」

「あんたねぇ…あんな冥王の何処が良いのよ?;」

「…おめぇ魔王様をディスッたな?」

「うなことぁ良いんだよ!やべぇよまさか管理局裏切ったのバレた!?」

「しょうがないさ、こっちの方が俺らのようなあぶれ組に対する待遇良いし…」

 

 

「隊長…我々は機動六課に勝てるのでしょうか?」

「ククク、何を恐れる必要がある?こちらには重装型パワーアーマー(F.E.A.R.3に出てくる6m以上の二足歩行型の兵器。武装は6連装型ミサイルランチャーとガトリング砲2門)が20機あるのだ。負ける要素はあるまい。…それにあのお方の御手を煩わすまでもないよ。」

「はぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、ダーク以外に大量の一般兵がこの場にいるのだ。

しかも初っ端から諦めている奴が何人かいるし、世紀末思想のモヒカン軍団がいるし、ロボット部隊いるし、武装したpowアーマーとタロンシャダーがいるし… 武装も一部を除いて剣、拳、斧、銃火機、デバイス、etcとバラバラである。たが、個々の技量は決して低くない。低くないのたが………

 

 

 

「…アンセス…」

『何か問題でも?』

「…数多くね…?」

『このぐらいが妥当かと。』

「…オレいるからこんなに数いらないんだけど…」

『だ・か・らあなた様が早くから手の内明かしたらまずいでしょうが。此処は彼等に任して、ダーク殿は後ろでくつろいでいてください。』

「……ショボーン(´‐ω・`)」

『では、私はこれで…』

 

ダークはどこか残念そうな雰囲気を漂わせはじめ、こう呟いた。

 

 

「…なぜこうなった…」

 

 

 

 

 

 

 

 ~ミッドチルダ・アーセナル02 地下25階

 

同時刻、アンセスは地下25階の監視室にいた。室内には数多くのモニターがあり、それぞれにアーセナル内部の映像が映されていた。

そして、アンセスの他にも複数の人間が、モニターを確認したりしている。

 

モニターのひとつには、”高町なのは””フェイト・T・ハラオウン””八神はやて”をはじめとした機動六課と、武装局員達が映し出されていた…

 

「エネミー、現在18階に到達しました。」

「兵器庫か…さすがは機動六課。管理局の切り札は伊達ではないか…」

「…速いですな。この速度だったら20階到達まであと2,30分ぐらいかと。」

「まぁ、邪魔する物は何もありませんからね。あるとしても、タレット(天井に取り付けられた小型実弾砲台。質量兵器)ぐらいですし。」

「ところで、あの高町という方、なにやら階の隅々を必死に調べてますが?」

部下の1人が、小さく呟く。

それを耳にしたアンセスは目を細めながら答えた。

 

「なに、簡単な事だ。彼女は”彼”を探しているのだ。」

「彼…あの”ユーノ・スクライア”殿をですか?」

アンセスは口元を歪め、楽しそうに呟く。

「なにしろ彼女にとって、彼は大切な存在だ。…しかし残念だったな…彼はもうこの世界にはおらんよ…」

言い終えた瞬間、アンセスの影が一瞬だが、姿を異形に変える。

しかし、それに気がついた者は誰もいなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、機動六課の面々と武装局員達は地下18階の兵器庫の連絡橋を疾駆していた。

 

「全く、この建物のどこに遺跡要素があるんだよ。どこもかしこも機械ばかりじゃねぇか。」

「これでは、まるで要塞そのものだな…」

「連絡橋の周りに何か張り巡らしてある。…結界の類か?」

「あれは限定的な空間断層ね。こっちからの攻撃なんかは一切無効化されるわ。」

上からヴィータ、シグナム、ザフィーラ、シャマルといった”ヴォルケンリッタ”ーの面々は思ったことを口にする。

 

 なお、シャマルの言っていた空間断層だが、連絡橋から兵器への攻撃を防ぐ為のものである。

 

「わ~、見てよティア、この階にはたくさんのロボットがあるよ!」

「突然動いて襲いかかってくる…なんてないわよね?あんなデカいのに襲われたらひとたまりも…;」

「今の所、そんな気配はないですね;」

 ヴォルケンズの後ろを、スバル、ティアナ、エリオ、キャロ+フリードが追いかける。

だか、フリードの様子がおかしい…

 

 まるで、何かに怯えているような…

 

「キュ、キュク~…」

「大丈夫フリード?」

「どうしたの?」

「エリオ君…さっきからフリードがしんどそうにしてて…」

「そう言えば、この建物の中に入る前からやたらと怯えてたわね。」

「うーん、何か感じ取ってるのかな?」

 

人間以外の動物は、第六感が非常に鋭敏であることが多い。

 

恐らく彼は感じたのだろう…゛彼゛の存在を…

 

 

 

 

 

 

「うわー…なんや此処。さっきから兵器庫か広場ばっかやん。」

「まるで質量兵器の展覧会ですぅ;」

スバル達の後ろ、武装局員達の前、よーするに真ん中辺りにはやてとリイーンフォースⅡ(通称リイン)の二人がいる。

 

はやてはうんざりとしており、リインは不安そうに辺りを見回していた。

 

「まぁ、ようやくダークを捕まえる事ができるんや。そしたら、全部片がつく。」

「そう言えば、今までに押さえてきた違法研究所や反管理局組織なんかは、大部分が゛ネームレス・ワンズ゛が唆してたんですよね?」

「ホント、何がしたいんやろうな彼奴等は…まるで愉快犯や。」 そう言い終えると、はやてはため息をはくのだった…。

 

…とりあえず、ダーク達の悪行(笑)については、機会があれば語るとしよう。

 

 

 

「おいおい、これって『アーマードコア』に出てくる奴だろ?なんだってこんなに…;」

殿を務める転生者は、この大量のACが鎮座されている光景にただ驚くばかりであった。

 

「…だが、ダークを始末しちまえばこんな物騒なもの使われる心配もないし、別にいいか。」

とりあえず、彼はあまり深く考えないことにした。

…これが後にある意味最悪の事態を彼等にもたらすことになる

 

 

 

 

 

 隊列の先頭、そこには高町なのはと、フェイト・T・ハラオウンがいた。

 

「ユーノ君、この階にもいなかった…」

なのは は落ち込んだように、そして悲痛そうに呟いた。

 

゛もし、彼が死んでいたら゛といったネガティブな考えが彼女の脳内を駆け巡っている。

そんな彼女に、フェイトは語りかける。

 

「大丈夫だよなのは、今はユーノが無事なことを祈ろう。」

「う、うん。わかったよフェイトちゃん。…まだ諦めるのは早いよね…!」

 

 フェイトの励ましに、なのは は頷きながら微笑む。

彼女の目には、強い光が灯っていた…

 

そして、次第に次の階層に進むためのトランスポーター(簡単に言うと、転送装置の一種)が見えてきた。

 

「フェイトちゃん、また先に行って探してくるね。」

「分かった。気をつけて。」

 

なのは は、速度をあげ、真っ先にトランスポーターの中に入り、一足先に次の階層に進んだのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ~その頃~

 

 

 

 

ミッドチルダ・アーセナル02 地下20階

 

 

「…暇だ…」

広場の真ん中で、ダークはを体育座りをしていた。

周りは相変わらず喧しい…

 

「ドナドナドーナードーナー…アイルーのーせーて………」

ぁ、なんかドナドナ歌い出した。

それに歌詞も違うし…。

 

あと、目が虚ろになってる;

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ~十数分後~

 

 

 

「ダーク様、ダーク様!」

「………( ‐Д°)」

現在、兵士の一人がダークに呼びかける

だが、ダークに反応がない…

まさに『魂此処に非ず』状態である。

 

「どしたの?」

そこに、ハンマーを背負った少女がやってくる。

えぇ、彼女も一兵士です。

 

「あぁ、呼びかけても全然反応がなくて…;」

「だったら、こうすりゃイイんじゃね?」

そう言うと、彼女はハンマーを振り上げて…

 

「ちょっおま、やめ…;」

「だが断る★」

 

ぐしゃっ!

 

「たわらば!!!………ハッ!?」

ダーク、痛恨の一撃だが、よーやく正気に戻ったようだ。

 

「おぉ、起きた起きた♪」

「しっかりしてくださいよまったく…;」

「…なんだ夢か…」

「「?」」

「…なんか一握りの天才という奴が『お前の魂を連れて行く!!!』ていってごついのに乗って襲ってきたり…ぎっちょんって奴がAC?に乗ってどっかの街を焼き払ってるのを見たりしてた…」

「「それなんて臨死体験?;」」

 

兵士二人がそう呟いた時…

 

「ダーク様!もう奴らこの広場の隔壁前に来てますぜ!」

なにやら、無精髭生やした中年辺りの兵士が、慌てて報告してきた。

もうこの隔壁の前にまで機動六課がきているらしい…。

他の兵士達も、既にバリゲートを造ったりして、準備を整えていた。

 

「…さて、奴らはどうやって入ってくるか…」

「普通に開けて入ってくるのでは?」

「で、その瞬間に総攻撃仕掛けてミンチより酷い状態に…」

「…だから殺すなと…」

ダークと先ほどの二人と話していると…

 

「………;」

「どうしましたか?」

「…なんか、凄くいやな予感がするのだが…」

「あー、確かに…」

 ダークがそう呟くと、確かに命の危機が迫っている気がする…

 

「雷光一閃!プラズマザンバー………」

「響け終焉の笛!ラグナロク………」

「全力全開!スターライト………」

 

「…(ササツ」

「うじゃまかせた(ササツ)」

「…俺を盾にするとは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『ブレイカーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!』』』

突如、隔壁が三条の巨大な閃光に完膚なまでに粉砕された。

それらは、ダークに向かって突き進んでいく。

 

「あべし!」

「ひっひでぶ!」

「ぬわーーーーーーーっ!!」

「アミダっ!!!」

「タコスッ‼」

「にちぇっ‼」

「ヤッダーバァアアアアアアアアアアアアアア!!!」

「アイエエエエエエエエエエエエ!!?」

「アバーーーーーーーーーーッ!!!」

「ニャアアアアアアッ!!!」

「アッーーーーーーーー!!!!」

「じょ、冗談じゃ(ジュッ」

「私は、思い出にはならないさ…(ジュッ」

「ひ、光が逆流する…!ギャアアアアアアアアアアアッ!!!」

「なのは様やっぱりお美しーーーーーーーーっ!!!!」

「…無念」

「各機シールド展開!!急げぇっ!!!」

「だ、だめです!間に合わな…ウワァァァァァァァァ!!!?」

「あぁ!7番機がやられた!!」

「緊急回避イイイッ!!!」

「元ハンター嘗めんなぁぁぁぁっ!!!」

「たわば!!!!」

「うぼああああああああああっ!!!」

「これが、選ばれし者の…(ジュッ」

「ノーカウント!ノーカウントd(ジュッ」

「ぎょえーーーーーーーーーーーーっ!!!」

「イ”ェアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

運良く射線上にいなかったり、耐えきったり、なんとかかわしきった者達がいたが、大多数の兵士は、閃光に飲み込まれていった。

 

「………」

「わー!来たーーっ!!!!;」

「あいむしぃんか~とぅとぅとぅとぅ…」

 

閃光は、後少しでダークに直撃しようとしている。

たが、彼は非常に落ち着いていた。

 

そして、左手を前にかざし、唱える…

 

 

 

 

 

「…゛常闇【起承】゛…」

 

 

 

 

すると、ダークの前に闇が集い、壁を作り上げる。

 

ーーーーーーーっ!!

 

閃光が壁に激突する。

だが、壁はそれを平然と受け止める。

 

「…常闇【転結】…」

ダークがそれを唱えた瞬間、閃光が壁に吸い込まれていく。

 

「…すごっ…」

「おぉっ!」

 

 ダークの後ろに退避していた二人が、感嘆の声を上げる。

 

 だが、ダークは気にも止めない。

なぜなら、目の前にあの彼女達が、あの憎くて愛らしい怨敵がいるからだ。

 

 

 

あの高町なのはが!

 

あのフェイト・T・ハラオウンが!

 

あの八神はやてが!

 

あの守護騎士達が!

 

あの未来のエース達が!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネームレス・ワンズ首領、ダーク・ブルズアイズ…あなたを逮捕します…!!!」

「…征くぞ、オレの愛しき怨敵達よ。今宵は余興だ。楽しもうじゃないか…!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

今宵…余興が始まりを告げる…

 




+今回の登場人物+
とくになし…でも二人ぐらいはレギュラー陣に入る予定。

「…次回から初戦闘が始まるだろう…多分(Y )」



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外典 ~追憶の災厄~

ちょっと前に書いた外伝めいたお話です。


えぇ、あっちはまだまだ掛かりそうです;


 …“私”…■■■■はどうして産まれたんだろう…

 

 …“私”は何を目的に”創られた”のだろう…

 

 “私”は誰にも生んでなんて頼んでないの、創ってくれなんて願っていないの…!

 

 どうして…どうシて…ドウשןて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 “私” ヲ! この“獣ヲ” こ ノ 宇宙【残酷な世界】 に 産み落とシ た אלוהים!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界、今の地球と同じ科学水準と様々な課題を持つ生命の星…この世界は、数ヶ月前に突如現れた『敵』の脅威に晒されていた。

 

『敵』は突如として世界各地に出現した25ヶ所の『ネスト』、5ヶ所の『アーセナル』、3ヶ所の『ポート』から蟻のごとく湧き出してきたのだ。

 

『敵』は、黒い装甲にフルフェイス型の漆黒のヘルメットをつけた機械人形【レギオン】。

戦車、戦闘機、空中戦艦、さらに全長10mの人型兵器や数kmもある巨大な戦略兵器【アームズフォート】などの兵器を、大量に用いて世界を侵し、壊し、陵辱しはじめた。

 

この世界の人類は、『敵』の数には押されていたものの、なんとか戦い続けており、一進一退を繰り返していた。

しかし、『敵』が“あれ”を持ち出してきたことにより、人類の敗北が決まってしまった…

 

まず、最初に北半球の2つ大陸が滅ぼされた。

この世界で最高の軍事力を誇る二つの大国が、僅か1か月で滅ぼされたのだ。

 

そこから、“あれ”は世界各地に飛散、進路上の国々を次々に圧倒的な力で潰していった。

 

“あれ”に襲撃された各都市は、忽ち戦場に変わった…いや、一方的な虐殺は戦闘とは言わない。

…各都市は処刑場に変わった…

 

”あれ”は、剣/拳/斧/槍/を振るい、拳銃で/アサルトライフルで/狙撃銃で/ガトリング砲で銃弾を放ち、砲弾で/ミサイルで/爆弾で爆砕し、六連装チェーンソウで/長大な火砲で/百門のパルスキャノンで/『ハープーン』に酷似したミサイルで/推進機関を取り付けた只の柱で焼き尽くし、あらゆる方法で、無慈悲に、情け容赦なく障害を排除していった…

 

都市の住民、掛け替えのないものを守る為に戦った兵士達は…

 

ある者は斬り殺され、ある者は殴り殺され、ある者は撃ち殺され、刺殺され、絞殺され、喰い殺され、なぶり殺され、焼き殺され、轢き殺され、爆砕され、砕かれ、陵辱され、様々な方法で殺されていった…

 

そして、人類は遂に一つの大陸に追い詰められた。

 

人類は必死に抵抗するが、抗い切れず…遂にその星から一人残らず駆逐されてしまった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…此処に、ある時の『敵』との戦闘記録を残す…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南半球にあるとある大陸、そこのとある軍事国家に、『敵』が押し寄せて来た。

 

必死に抗戦するが、一つの要塞まで追い込まれてしまった。

 

だが、この要塞は有事の時の為に造られたもので、『敵』を迎え撃てるだけの武器は大量にある。

 

要塞に押し寄せた『敵』を、備え付けられていた武器で次々となぎ倒していく。

要塞の方にも被害がでるが、微々たるものだ。

 

そうして三日三晩戦い続けていると、『敵』は突如として攻撃を止めた。

軍隊は、これを期に反撃に移ろうとした。

…しかし…

 

 

 

  ドォンッ!!!

 

突然、要塞に轟音が轟き、大きく揺れた。

 

何が起こったと軍の司令官が動こうとしたとき、司令官の首がはね飛ばされた。 彼の首をはね飛ばしたのは、体に密着するような戦闘服を身につけた、膝まである桃色の髪をした17、8歳ぐらいの女性だった。

手には水色の、半透明の刃を持つ長剣が握られていた。

 

女性は、その長剣をいきなり巨大な銃に変える。

そして、自分に銃を向けていた兵士達を、巨大な砲口から吐き出される閃光で次々に射抜いていった。

偶に、隙を突いて白兵戦を仕掛けて来た兵士を、長剣で一撃の下に斬り殺していった。

 

 

 

 

 

数分後、兵士達を殲滅した彼女は、要塞の入り口に向かった。

 

彼女が入り口向かう途中、戦闘は殆どなかった。

彼女が戦っている間に、この要塞の全戦力は彼女の仲間達によって駆逐されていたのだ。

 

彼女は満足げに歩みを進めていく。

 

ダァンッ!

 

その時、彼女の肩に一発の銃弾が直撃する。

だが、傷らしい傷はない。

 

彼女が振り返ると、片腕と片目をえぐり取られた血まみれの兵士が、拳銃を構えて立っていた。

 

「化け物め、殺してやる…!」

 

兵士はさらに発砲。彼女は次々に被弾していく。

それでも彼女には痛手にはならない…

 

ダァンッ!

 

最後の一発。

それを撃ち切った瞬間…

 

ガンッ!

 

兵士の頭上にあったダクトを塞ぐ網が外れ、そのダクトから一本の腕がぶら下がり、兵士の頭部を鷲頭し、ダクトに引きずり込んだ。

 

べきっ! ぶちぶち!

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!」

 

 響き渡る絶叫、ダクトから流れ出る夥しい量の鮮血、人体を破壊していく音、そして、食い千切り、咀嚼する音…

 

 そして…

 

グシャッ!

 

 

何かを潰す音が響き、そして静寂に包まれる。

 

「エンジェ、おまたせ~。」

数秒後、ダクトから一人の人影が降りてくる。19歳ぐらいの、膝まで届くボサボサの緑色の髪を持つツリ目の女性だ。 服装は、同じ戦闘服である。

 

 その美しい肢体には、大量の血がこびり付いていた…

 

「“ファルティス”か。こっちも今終わったところだ。…しかし、そっちは撃ち漏らしがいたようだな。」

「うー、此処はおれじゃなくて、“シグ”と“シータ”がやったんだよ~;」

「またか、相変わらず奴は詰めが甘い…;」

「それよりもさ、もうみんな入り口でまってるよ!“エンジェ”で最後だよ!」

「分かった。行くとするか。」

そして、彼女…エンジェは入り口に向かう。

そこでは、仲間達が彼女を待っていた。

そして数分後、輸送用の大型ヘリが到着し、次の戦場へとむかっていったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

彼彼女達の名は『ドミナント』。

『旧』世界を侵すために、「」に創られた機械人形であり、機械仕掛けの神である…

 



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激突する闇と機動六課、空から落ちてきた者達

 ども、お久しぶりです。
長らくお待たせしました;


+ミッドチルダ・アーセナル25階+

 

 

 機動六課がダークと邂逅した頃、25階のとある一室にあの場にいなかった兵士たちが集結していた。

「狙撃班、総勢10名集合しました。」

「強襲部隊、1班、4班、総勢50人いつでも出撃可能。」

「重装歩兵隊、全班総勢35人推参。」

 

『狙撃班』の兵士は、紺色のミリタリースーツの上からボディアーマーを身に着け、目出し帽で顔を隠している。

武装は『PSG-1スナイパーライフル』と『イングラム サブマシンガン Mac-11』、『サバイバルナイフ:Seal2000』の3種類。

 

『強襲部隊』の兵士は、全身を異世界の『ヘリオス』で製造され、さらに改造された『リオソウルU【ver.C】シリーズ(スキル:高級耳栓・見切り+1…+攻撃力UP【大】・移動速度UP【中】)』で固め、武装は『MP7A1サブマシンガン』、『Scar-Hバトルライフル』、『ハイニンジャソード』。

 

『重装歩兵隊』の兵士は、全身をヘリオスから採取された“エルトライト鉱石“と”メランジェ鉱石“の複合金属で固められた鋭利かつ分厚く強固な『A‐03パワードアーマー』を身にまとい、頭部全体を覆うヘルメットには、緑色に光るモノアイを光らせている。

武装は、十字型の全身を覆い隠せるほどの盾に埋め込まれた『GE M61 バルカン』、両肩に取り付けられた『H&K MG4機関銃』と『バレットM82 アンチマテリアルライフル』、『US M202A1 フラッシュ ロケットランチャー』背中には機動力を補うための『A‐02 スラスター・パック』そして、本来“両手”で振り回す『A‐04 バトルハンマー』を右腕だけで保持していた。

 

「この多忙な時期によく推参してくれた。感謝するぞ諸君。」

そう言葉を述べ、彼らの前に立つ一人のネームレス・ワンズの軍服を身に着けた老人。

その身からは、まさに歴戦の戦士の風格を漂わせていた。

老人は語り続ける。

 

「今回集まってもらったのは、現在此処『ミッドチルダ・アーセナル』に『時空管理局』が抱える『機動六課』に攻め込まれていることにある。」

「そして、その機動六課は数十分でダーク殿と兵士共が待ち構えている地下20階に到達。突入の際に特大の砲撃を放ち、ダーク殿は無傷だが、かなりの数の兵士共が一気に戦闘不能に陥った。…まったく、奴らは腹立たしいまでに優秀である。」

「諸君らには、ダーク殿の援護を頼みたい。本来なら機動六課の殲滅も行いたかったのだが、ダーク殿がなぜかそれを許可しない。故に、護衛にのみ専念してくれ。」

「それでは、諸君らの健闘を祈る。」

 

『『『『『名も無き我らに勝利を、再誕の獣に救済あれ!!』』』』』

 

そして彼らは務めを果たすべく、主の元へと進軍する・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+ミッドチルダ・アーセナル02 地下20階+

 

 

「い、いかん!魔導士どもをダーク様に近づかせるな!!!」「ハッ!先程の砲撃で11機が大破、5機が戦闘続行不可能、現在動けるのは我々含め4機だけです!」

「な…!なんと出鱈目な!!」

 

「こんなの無理ゲーじゃないですか、ヤダー;」

「よ…余波だけで体の節々が痛い;」

「うごごごごご…;」

「どないしろと言うんですか(ノД`)・゜・。」

「…あの巨人共のほうが可愛く思えてくる強さ;」

 

「お、俺は、もう…ダメ…だ…(ガクッ」

「ふざけんな!あんた奥さんと娘さん置いて先に行く気か!?」

「ノゾミガタタレター」

 

「えぇいサッサと立たんか新兵共!!!あれぐらいで根を上げるな!!!」

「「「「「イ…イエス・サー;」」」」」

 

 

 

「…ふむ、コメントに困る…」

「あ、あばばばばば(ガクブル」

「あっしらもうだめかもしれんね(笑」

 ダークの目の前に惨劇が広がる。

今の砲撃で大多数の兵士達が一気に薙ぎ払われた。

「勿論」死人は出ていないが、殆どが戦闘不能に陥っている。

 

 …そして、機動六課とダーク(+2名)を一直線に結ぶ“道”が生まれた…

 

「…征くか…」

「「え”」」

 

                ガオンッ!!!

 

「あばーーーーっ!!;」

「あーれーーー‼」

ダークが呟いた瞬間、背後に隠れていた二人は突如『爆音』と『衝撃波』に襲われ、後方へ吹き飛ばされた。

 

 そして、吹き飛ばされた二人の片割れの青年は飛ばされながら垣間見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…一瞬で機動六課との間合いを詰め、巨大な片刃の双剣を振り回し、彼彼女らを薙ぎ払う我等が闇を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゃー!?;」

「嘘やろっ!!?;」

「早いなんてものじゃない…!」

 彼女達は目を疑った。

爆音が響いた瞬間にはダークの一撃が、みんなを吹き飛ばしていた。

しかも、わざと“峰”の部分で、“デバイス”で防がれるように…

彼女たちは、彼が『本気を出すまでもない』と表しているのを確信した。

そして、この一撃で皆離れ離れになってしまった。

 

 

 

「こ…このぉ!」

「く、うぅ!」

なのは達から離れ離れに吹き飛ばされた、六課の面々のうちのヴィータとシャマル。

2人はかなり遠くに飛ばされ、空中で無理やり体勢を立て直す。

 

「不味いぞ、あのままじゃはやて達が!」

「でも、此処からじゃ間に合わない…!」

 体勢を立て直した二人は見たのは、なのは、フェイト、はやての三人が、あのダークと真正面から対峙している姿だった。

シャマルの“旅の鏡”を使っても、どうにもならないほど3人とダークの距離は近すぎた。

 

「そんなの、まだ決まったわけじゃn「SYAAAAAAAAAAA!!!」うわっ!?」

「キャア!?」

それでも3人のもとに向かおうとしたヴィータだが、突如ヴィータとシャマルの間に2本の楔型のアンカーがついたワイヤーが横切り、2人から離れたところにある“そこに無いはずの何本もの柱”のひとつに突き刺さる…と同時に一つの影が高速で駆け抜け、2人をすれ違いざまに斬りつけた。

その斬撃は2人の首を狙って放たれたものだが、ヴィータは ハンマー型デバイス“グラーフアイゼン”の柄で軌道をずらし、シャマルは体を逸らすことでその一撃をバリアジャケットを掠る程度で事なきを得た。

 

「っ!『シュワルベフリーゲン』!!」

 ヴィータはとっさに数発の鉄球状の魔力弾を放つが、影は柱を盾にするように回避、最後の一発も片手間で片付けるように叩き斬った。

 

その影は次々に柱や“そこに無かったはずの壁”にワイヤーを突き刺し、狂ったような立体的機動で飛び回り、そして一番高い柱の頂上に高く飛び上がり、回転しながら着地。その姿を現した。

それは、黒く、体に密着するような上下のスーツに、4分割フィールドの盾に赤い二つの薔薇のエンブレムが目を引く茶色のジャケットを身にまとった16,7ぐらいの少女であった。

髪は赤いショートウルフで、目の色は同じく赤色。左腕にも、背中と同じエンブレムが存在するのだが、そこにはネームレス・ワンズのシンボルである“スワスチカをもとにした風車(かざぐるま)”の腕章が取り付けられていた。

 そして、一際目を引くのが腰にある装置と太ももあたりに取り付けられている長方形の箱にボンベが取り付けられたもの…それらは何本かのケーブルでつながれており、彼女の持つ双剣の柄頭と繋がっている。

 

「…シャマル、彼奴はともかく、あんなところに壁とか柱ってあったか?いきなり現れたように見えたぞ;」

「それで間違いないわ。…恐らく“レアスキル”の一種ね。」

「くそ、やっかいだな;」

 

「…おいおい、ぼさっとしてて良いのかい、“ヴォルケンリッター”?」

 

「「!?」」

 2人がその姿をはっきりと確認した瞬間、少女が僅かに顔をこちらに向け、嘲笑を浮かべながら言い放つ。

 その瞬間、2人めがけて銃弾、魔力弾が幾多も放たれた。

とっさに回避行動をとり、あたりを見渡すと…

 

「急いで取り囲め!各個撃破だ!」

「少しでもダーク様の負担を減らすのだ!!」

「おい、俺は赤いのをやる。手ぇ出すなよ。」

「それは出来ない相談でっせ…?」

 

2人の周りを20人以上もの兵士たちが取り囲んでいた。

それぞれが獲物を二人に向け、殺気をぶつけてくる。

 

「これは…?」

「あ、あんまり良くない展開になってきたわよ;」

ヴィータとシャマルは辺りを見渡す。

 

(敵は今周りにいる雑兵20人以上、いやもう増えてるな。ざっと34人ぐらい。そして明らかにそいつらと別格の赤毛の奴…あれは手強い)

(いくらヴィータちゃんがいたとしても、状況は明らかにこっちが不利…このまま長引くと余計に敵が集まってきて数で抑え込まれる。)

「…でも、うだうだ考えてても仕方ねぇ…」

「えぇ、どっちにしたって…戦うしかないもの。」

 2人はデバイスを構え直し、眼前の大軍と対峙する。

「とにかく此奴等を蹴散らして、はやて達と合流する!…道を開けろぉぉっ!!!」

 

 

 

「さて、少しは持ってみろよ?まだ始まったばっかりなんだからなぁ…。」

その様子を柱の上から眺めていた少女は、舌なめずりしながら2人を見下ろすのだった…。

 

 

 

 

 

「はぁっ!!」

「ぐぎゃす!!」

 シグナムは正面にいた兵士を逆袈裟斬りにより打ち倒し、背後から2本の剣を構えて突撃してきた兵士に振り向きざまに逆袈裟斬りによって掲げていたレヴァンティンを振り下ろした。

 

「おおっとぉっ!…て!?アバァ!!?」

兵士は咄嗟に防ぐが、レヴァンティンの一撃は易々と双剣を砕いて顔面に直撃する。

憐れ兵士は泡を吹いて卒倒した。

 

「!!」

 ドゴォン!

 

その瞬間、シグナムが突如爆炎と大量の黒煙に覆われ、姿が隠れる。

 

「やった!命中したぞ!!」

そこから少し離れた場所に、煙を上げる『RPG-7対戦車ロケットランチャー』を構えた2人の兵士がいた。

「油断するな…確実に止めを刺すぞ。」

「了解!」

彼らはRPG-7を背負い、腰の留め金に掛けていた「H&K XM8 アサルトライフル(本来の物と違い、銃剣の取り付けを可能にし、反動を10%軽減した改造銃)」を構え、安全装置を外し、黒煙に近づいていく。

 その黒煙の中には、一つの影が揺らめいていた。

 

そして近くにまでたどり着き、引き金に指を掛け…。

 

「そこぉ!!」

「ぶぎゃー!!;」

…ようとした一瞬の隙に隣にいた相方が吹っ飛ばされた。

そこには、煤にまみれながらも無傷なシグナムが立っていた。

 

「くっ!!」

生き残った兵士は、銃剣で彼女に刺突による一撃を加えようと試みた。

シグナムは、回避すると当時にレヴァンティンで銃身を斬りおとし、もう一撃を繰り出す。

だが、兵士もそれを身を後ろに仰け反らせ躱す。

刀身は下顎を擦れ擦れのところで通り過ぎた。

 

「う・・・おぉぉぉぉ!!!」

「っ‼」

 そして、ホルダーから大型のナイフを引き抜き、突撃。

それを彼女の首を掻き切らんと振るう。

だが、それよりも早く刃を振りぬいた

兵士の体は突っ込んだ勢いのまま、前のめりに倒れ伏した。

 

「こ・・・こんな・・・」

 こんなにダメージを受けながらでも立ち上がろうとするが、もはや限界を迎えた彼は、そのまま意識を手放してしまった。

 

(私は、心の何処かで・・・此奴等を一兵卒だと甘く見ていたかもしれん)

シグナムは、倒れ伏す兵士達に視線を向けながらそう思い自嘲、または恥に近い感覚を覚えた。

(技量は個々にバラつきが多いが、目を見れば解る。誰もが決死の思いで挑んできた)

そして、その視線は数キロも先の目標・・・ダークに向いていた。

彼はあの三人を相手に空間を高速で、縦横無尽の大立ち回りを演じている。

(それほどの忠誠を・・・彼奴に、あの男に誓っているのか・・・)

 

「・・・・・・」

一瞬、ダークがこちらに視線を向けた。

シグナムはハッとなり、主たちの下に向かうべく疾駆する。

 

「き、来たぞぉぉっ!!!;」

「あの騎士を近づけさせるな!ダーク様に有利な状態を・・・!!」

「急いで隊列を組め!!此処で少しでも足止めをするんだぁ!!!」

「「「「「応ッ!!!」」」」」」

その行く手を遮るかのように、多くの兵士達が彼女の前に立ちふさがる。

 

「だが、こちらも譲るわけにはいかん・・・」

シグナムはレヴァンティンに内蔵されたカートリッジをリロード・・・薬莢が幾つか排出され、後方に流れていく・・・魔力が劇的に跳ね上がるのを彼女は感じた。

そのまま、敵の大軍に向かっていった。

 

「そこを・・・退けッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+日本の近畿地方+

 

 少し遡り、ミッドチルダでダークが機動六課を大剣2本で吹っ飛ばしたころ。

奈良県の吉野付近、木々が鬱蒼と生い茂る山の中を彷徨う・・・3つの影があった。

 

「・・・ねぇ、ホントにこの方角で会ってるの?」

「あぁ、間違いねえよ。空から落ちてくるときにしっかりと町が見えた。」

「・・・しかし、他の者達は何処へ行ってしまったのか。心配でここら一帯の山を禿山にしたくなってきた」

「「おいばかやめろ」」

「冗談だ、冗談」

 

声からして、青年が2人と少女が1人のようだ。

彼らは町の見えた方角に向かって歩みを進めていた。

 

 そして、彼らの持ち物に明らかに“この世界では”異常なものがあった。

 

 それは、『2メートル弱の刀身を持つ細見の長剣』、『それぞれ僅かな熱気と冷気を放つ、赤と青の双剣』、『全体的に青い輝きを放つ大鎌』といった、この世界の常識から半歩か一歩逸脱した“武器“であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …此処で一つ、付け加えなければならない情報がある。

『2メートル弱の刀身を持つ細見の長剣』を持つ人物についてである。

服装は黒い上下に紅いコートであるが、それに関しては問題はない。

 

 問題は…彼の顔と髪型、体つきなどが表情以外、現在機動六課と戦闘中である『ダーク=ブルズアイズ』そのものであるということだ…

 

 

 

TO BE CONTINUS・・・

 




+今回の登場人物+

『オリジナル』
???
???
???
???
一般兵と特殊部隊の皆様+老司令官


(;Y)<・・・なんだこれは!?どうすればいいのだ?・・・(一言的な意味で)

( Y)<・・・後、今回は上中下と別れることになる・・・ドレダケカカルノヤラ


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