がっこうぐらし!~皆で生きる~ (どらえふ)
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第1話 それは突然訪れた

佐倉慈が感染しなければ・・・

祠堂圭が美紀から離れないで、あのままいて救出されていたら・・・

そんな思いで作りました。

第1話は、アニメ3話を元に色々改変などしています。




一体どれ位たつのだろうか?

 

あの騒動から・・・。

 

僕は今、姉さん・・・佐倉慈と5人の女の子

「丈槍由紀」「恵飛須沢胡桃」「若狭悠里」「直樹美紀」「祠堂圭」

と学校で暮らしている。

 

「学園生活部」

姉さんと悠里さんが設立した部活だ。

 

 

 

どうして学校で暮らしているか?

それは・・・・

 

 

 

 

 

僕の名前は佐倉大樹(だいき)

 

そう。めぐねえ・・佐倉慈先生の弟だ。

 

 

 

 

ーあの騒動の前ー

 

~朝~

いつものと変わらない朝。

 

「ほら、大樹起きなさい。朝よ」

「ううん・・・めぐねえおはよ・・ムニャムニャ・・・」

 

「おはよう。朝食出来ているから食べなさい。私は先に行くから戸締りお願いね」

姉さんはそう言って学校に行く準備をしていた。

 

紫色のウェーブヘアーを白いリボンで後ろに纏め、濃紫色のロングワンピースを着て首からは十字架をさげている。

ちょっとアホ毛があり、見た目が子供っぽいがこれでも高校の国語教師だ。

まだ若手なので、教頭からは生徒との距離の取り方で怒られている。

 

「めぐねえ」と皆からお姉さんの様に慕われている事について教頭は怒っているんだろう・・。

 

ただ、男子が姉さんに近寄るのがあまりいい気がしない・・。

なんでか解らないけど・・・。

 

 

 

 

 

「めぐねえ~一緒に行こうよ~」

「もぅ・・しょうがないわねぇ。何時まで経っても甘えちゃって。じゃ早く食べて支度しなさい」

 

 

僕の両親は、姉さんが高校卒業して大学に通いながら一人暮らしを始めた辺りで亡くなった。

 

 

 

姉さんの自宅から学校まで車で15分。歩いて30分。

時々姉さんの車で一緒に登校する。

友人達は「シスコン」と言われているが、別にシスコンじゃないよな?

 

 

 

「ハァ・・・」

姉さんは運転しながらため息をつく。

「めぐねえどうしたの?」

 

「大樹、今はいいけど学校ではめぐねえと呼んじゃ駄目よ?この間だって・・・」

「解ってるよめぐねぇ・・・佐倉先生?」

 

「うん・・昨日教頭先生にね・・」

「また?」

「そう・・。私、教師に向いてないのかなぁ・・・」

姉さんは目を細め、今にも泣きそうな顔をしてた。

 

「・・・(ボソッ)大丈夫だよ。自信持って」

 

 

ウゥ~

さっきからパトカーと救急車と何度もすれ違っている。

「何かあったのかな?」

 

この時、既に日常が非日常になっていたなんて、思いもしなかった・・。

 

 

 

~教室~

「あ!大ちゃん!」

教室に入ると一人の女の子が僕の所に寄って来る。

僕の幼馴染の丈槍由紀。

桃色のショートカットで小柄な身体の女の子。

年頃の女の子なのに背は低いし・・胸も・・いえ何でもないです。

ちょっと子供っぽい所もあるし、鞄には天使の羽みたいなのを装着している。

そんな彼女をクラスの皆はクスクスと笑う。

由紀はちょっと浮いている存在だ・・・。

 

 

 

「ねぇ~今日アニメインで新刊の漫画が出るんだよ。一緒に行こう~?」

「いいよ。今日のテストで補習か追試がなければね」

 

「はぅ・・」

由紀は毎回テスト追試を受けている。

そもそもよくこの高校受かったな・・。

ま、俺も人の事言えんがな。

 

 

 

 

「放課後に補習ね?」

あぁ・・やっぱり・・・。

僕はなんとかギリギリ赤点を回避出来たが、由紀は駄目だったか・・・。

 

 

「めぐねえ酷い……」

「めぐねえじゃありません、佐倉先生でしょ」

「だいきぃ~」

僕に助けを求めて来たが、僕にはどうする事も出来ない。

「頑張れ!」

すまん。由紀。今の僕にはそれしか言えないんだ・・・

 

 

 

 

~放課後~

「由紀、アニメインは明日にしようぜ。土曜日だし。な?俺、ちょっと林先生の所に行くから」

「うん・・・分った・・」

由紀は不機嫌そうに返事をして補習を受ける。

「大樹とアニメインに行こうとしてたの?でも補習受けないと由紀ちゃん留年しちゃうから・・・」

「別に留年してもいいもん・・・めぐねえと一緒に居たいし・・・」

「もう・・佐倉先生でしょ?これ頑張れば明日は大樹とデート出来るでしょ?頑張ろう。ね?」

「・・・・はぁ~い」

由紀は渋々シャーペンを走らせ補習を受ける。

 

 

空は夕日に染まって真っ赤だ。

運動場では野球部や陸上部の掛け声が聞こえる。

 

僕は特に属さない帰宅部。

委員会にも属さない。

 

何か部活でもやれば高校生活の青春の1ページにもなるんだろうが・・・・・・

小中と帰宅部だったし・・・あの頃は由紀と遊ぶのが何よりも楽しかったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

~理科室準備室~

「林先生いますか?」

準備室の扉を開け、奥に進むと林先生はカップ麺を食べていた。

 

「ふぁくらか?」

先生・・・食べながら喋らないで下さいよ・・・。

 

「またカップ麺ですか・・・。」

僕は呆れながら言う。

 

 

「お前も食うか?」

そう言いながら袋から大量に買ったのか、ゴソゴソと探しながらどれがいいのか聞いてきた。

 

「いえ・・・それより買ったんですか?」

「おぉ!買ったぜ!」

先生が買ったのはSDゲームの「ファイナルクエスト」

僕と先生は同じゲーム趣味で話が合う。

時折僕は先生に呼ばれ遊んだり、教えたりする。

 

 

 

僕はこの時間が好きだ。

 

 

でもそんな楽しい時間を失ってしまうなんて・・・

僕はどうしても理解出来なかった・・・

 

 

 

 

「な、佐倉。この装備でどうだ?」

「いやいや先生、この装備じゃきついですよ。この鎧か盾どれかを買わないと・・・」

 

そんなやり取りをしていたら突然、校庭からキャーと悲鳴が聞こえて来た。

 

「な、なんだ!今の悲鳴は!?」

僕達は急いで準備室を出て廊下から校庭を見た。

 

 

そこで僕達は恐ろしい光景を目にした。

 

 

 

なんと人が人を襲っている!

しかも襲われた人は立ち上がり、他の人を襲っている・・・

 

 

なんだよこれ・・・

 

 

これって・・・

 

 

まるで・・・ゾンビ映画じゃないか・・・

 

 




佐倉慈みたいな姉が欲しいです(切実)

ファイナルクエスト・・・某有名なRPGがネタです。
アニメインは・・・某アニメショップ


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第2話 再会

次々と襲われる生徒

 

林先生は我に返り、僕の手を取り、準備室に向かった。

 

 

「せ、先生!!」

 

 

「いいからここに入れ!いいか?絶対開けるんじゃないぞ!」

 

 

林先生は強引に僕を準備室に押し込み、理科室の出入り口を椅子などで簡易なバリケードを作っていた。

 

 

 

「先生あれは一体・・・僕達どうなるんですか!?」

 

 

「いいからお前はそこにいろ!絶対音や声をたてるな!」

 

いつも穏やかで優しい先生が激しく怒鳴る。

 

 

 

一体なんなんだ?何が起きているんだ?

 

 

バリケードを作ったら、先生は薬品などを調合していた。

液体が空気に触れたら引火する薬品・・・硫酸・・・・。

よく解らないが、何か危険や薬品などを調合していた・・・。

 

 

一通り調合が終わったら僕の所に来た。

 

「先生な・・・先生・・・ちょっと出るから・・・」

先生は泣きそうな顔で僕に語り掛ける。

 

「お前は何があってもこの部屋を出ては駄目だ!いいな?先生・・・お前と過ごした時間忘れないよ・・。もし・・・無事に帰れたら・・・」

 

先生?何言っているの?先生?

 

僕はその意味を知るのはずっと先だった・・・。

 

 

先生は僕をギュと抱きしめ、頭を撫でる。

 

「いいか、絶対何が来ても開けては駄目だ!さ、早く扉を閉めてカギを!」

 

僕は言われた通り、準備室のカギを掛けた。

 

先生はニッコリ笑い、理科室を出て行った・・・・。

 

 

それから数分しただろうか・・・

 

 

ガチャン

 

 

何かが割れる音がした。

 

 

それと同時に「グオオオオオオ」と不気味な声が聞こえて来た

 

 

ドンドンドンッ

 

激しくドアを叩く音

 

「な、なんだ!?」

 

 

理科室の扉を激しくゾンビの群れが居た

 

 

「ど、どうしよう・・・あれじゃいつ破壊されてもおかしくない・・・な、何か武器になるものは・・・」

 

 

 

周りを見渡すと、木刀と果物ナイフがあった。

 

 

木刀の先端にナイフを紐で固定し、槍の代わりにする

 

 

 

「気休にしかならないが仕方ない。来るなら来やがれ!」

 

 

僕は槍を構え、いつドアが破壊され、この準備室に来てもいいように戦闘態勢をとった。

 

 

その時、ドアを叩くのを止め、その場を立ち去るゾンビ達。

 

 

 

「な、なんだ一体・・・どうして・・・?」

 

 

窓を見ると外は真っ暗だった。

 

 

「もしかして・・・夜になったから帰ろうと・・・している?」

 

 

 

理科室を出て校庭をみると、ゾンビ達が学校を出ようとしている

 

 

 

「やっぱりそうだ・・・人間だった時の記憶が少し残っているんだ・・・映画と一緒だ・・」

 

 

その時、スマホが鳴った

 

 

ブブブブッ

 

 

姉さんからだ!

 

 

 

「めぐねえ、今何処!」

 

 

『大樹!無事なのね?私は屋上よ。由紀ちゃんも一緒よ!』

 

 

「良かった・・・今、理科準備室にいるんだ。そっちは大丈夫なの?」

 

 

『大丈夫よ。さっきまでドアを叩く音がしたけど今はしないわ・・・』

 

 

「やっぱり・・・。取り敢えずそっちに向かうね」

 

 

良かった・・・。姉さんも由紀も無事で・・・

 

 

 

 

僕は涙を拭いて、槍を構えて屋上へと向かった。

 

 

 

 

~屋上~

 

 

屋上の扉を開けると、姉さんと由紀、後女の子が2人に・・・遺体?

 

 

 

 

前髪をバレッタで髪留めしている女の子。確か若狭悠里さんだったかな?

 

もう一人の女の子は・・・なんかシャベル持っているけど・・・?恵飛須沢胡桃さんだっけ?

 

 

それにこの遺体は・・・??

 

 

由紀は・・・泣いている・・・。無理もないか・・・・。

 

 

姉さんは事の経緯について語った・・・。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

あの後、補習が終わった由紀が帰ろうとしたら、電車が止まっていると言うので学校に留まった。

お腹が空いた由紀は、屋上の菜園で何か食べようと姉さんと向かい、園芸部の若狭と出会う。

若狭さんの手伝いをしていたら、あの騒動がおきた・・・。

それを逃れた恵飛須沢と負傷したOBの先輩を連れて来たが、もう先輩は既に感染していてゾンビ化になってしまい、傍にあったシャベルで恵飛須沢さんは殺害してしまったのか・・・。

 

 

「皆無事で良かった・・・取り敢えず生徒会室に行こうか?さっき見たけど無事だったよ?」

 

 

一同は一瞬不安になったが、僕が大丈夫だからと言うと一旦生徒会に向かった。




アニメ・原作でも屋上から生徒会に向かうシーンは語られてないが、こんな感じじゃないかと解釈しました。

本当はこの2話に生活部設立まで考えていましたが、あまり文字数が多いのも
どうかと思い、生徒会に向かうまで書きました。


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第3話 設立!学園生活部

~生徒会~

 

「さて、これからどうしましょうか・・・」

パイプ椅子に座り、頬に手を添える若狭さん。

 

 

「今、下手に外にでてもねぇ・・・」

姉さんも椅子に座り外を眺める。

 

 

「大丈夫!いざとなったら私がこのシャベルで・・・」

恵飛須沢さんはシャベルを振り回す。

 

 

「・・・・・・・・・」

由紀は一向に俯いたまま喋らない。

それどことか僕の手を握ったまま離れない。

 

 

「取り敢えず、この生徒会で様子を見るのはどうでしょうか?下手に外に出ても

危険だし、もしかしたら救助がくるかもしれないし・・・」

僕の提案に一同は「そうね」と納得してくれた。

 

本当に救助はくるんだろうか?

 

 

「取り敢えず・・・何か食べようか?確か準備室に林先生のカップ麺がまだあると思うし・・・」

 

「そうね・・・職員室に災害用の備蓄のカンパンがあったはずだわ。先生取ってくるわね」

 

 

「じゃ、僕はラーメン取ってくる」

僕が立ち上がると、由紀も私も行くという感じで腕を掴む。

 

「ん?由紀・・・一緒に行く?」

コクコクと頷く由紀

 

皆は心配するが、生徒会と理科室は近くだし、幸いこの3Fには誰も居ないので大丈夫と

言いながら由紀と理科室の準備室に向かう。

 

 

 

~理科準備室~

かなり荒らされてるが、なんとか通れそうだ。

 

僕は由紀の手を握りながら準備室に入る

 

由紀はずっと黙ったままだ・・・。

 

 

「由紀・・・その・・・無事で良かった・・・」

頭を撫でると、由紀の顔が段々赤くなる

 

 

「////・・・さっ、さぁ行こ・・・?」

 

 

~職員室~

「えっと確かここに災害用のが・・・あった」

 

慈は備蓄の倉庫からカンパンを取り出した。

 

「そういえば・・・私がこの学校に赴任した時に、教頭先生が緊急避難マニアルの事言ってたわね・・・確かこの棚にしまっていたはず・・・」

 

慈は書類棚からマニアルを取り出した

 

「非常事態の時に読む様にって言ってたわよね・・・」

慈は袋から開封して中身を読んだ

 

パラ・・・・パラ・・・

 

 

「!!!!!!」

 

 

感染・・・研究・・・製品・・・・生物兵器・・・

 

 

「な・・・何これ・・・!どうゆう事・・・?」

 

地下1階2階・・・避難区域・・・

 

 

「この兵器でここの生徒達は・・ああなったの・・?」

 

 

「どうしよう・・・今、あの子達に伝える?・・・いえ、駄目よ・・今の状況でこの話は酷だわ・・」

 

慈は悩んだ末、落ち着いてから話そうと考えた。

 

 

 

~生徒会~

「「ただいま」」

 

「お帰りなさい・・・あら?由紀ちゃん顔赤いわよ?どうしたの?」

 

 

「な、なんでもないよ////」

 

 

「それにしても何でこんなに大量のカップ麺があるんだ?」

恵飛須沢さんが頭に「?」を浮かべながら質問してきた

 

「あぁ~あの先生、新作のゲーム出るとラーメンを買い占めて学校で過ごしながら遊ぶんだよ。

金無くて光熱費払えない時は、学校に寝泊まるんだ」

 

 

丁度姉さんがやってきた。

 

「姉さん遅かったね。何かあったの?」

 

 

「な、何でもないわ」

 

「そう?」

 

 

僕達はラーメンとカンパンを食べ、職員室休憩所や天文部の布団を運び出して就寝準備をする。

若狭さんは姉さんを呼び出し、何かを話していた。今後の事だろうか?

 

 

ーそして翌朝

 

 

 

 

朝食は昨日のカンパンとラーメン

 

 

朝食を食べていたら、姉さんと若狭さんが提案してきた。

 

 

 

「学園生活部・・・ですか?」

 

 

 

「えぇ、そうよ。ただ、学校で暮らすだけじゃあれだし・・・何か目的があった方がいいかなっと・・」

 

 

「由紀ちゃん。どうかな?」

 

 

若狭さんと姉さんが由紀に聞いてきた。

 

 

 

「部・・・活?」

由紀は少し考えてうんと頷いた。

 

 

 

「よっしゃ!じゃまず階段付近に机でバリケードを作ろうぜ」

恵飛須沢さんがシャベルを片手にしてやる気満々でいた。

 

 

「そうだね。今日は土曜日だし生徒も登校しない・・・土日でなんとか出来るかもね」

 

 

 

「じゃ、学園生活部活動開始!」

 

 

 

こうして、僕たちは昇降口を板で封鎖し、階段付近、廊下付近を机でバリケードを作った。

 

それから校庭にある防災備蓄倉庫から、医療品・米・缶詰・レトルト・飲料水、家庭科室から食器・箸・鍋・包丁・炊飯器・ポッドなどを運んだ。

 

 

これだけあればなんとか生活が出来る。

 

 

それにしても、この学校は凄い。

入学した時から思っているが、電気は太陽光発電、水は浄水設備がしっかりしている。

地下室もあるみたいだが、シャッターが閉じていて入れない・・・。

 

地下もある学校・・・そんな学校なんてあるんだろうか・・・・?

 

いや、考えても仕方ない。今は彼女達と生きていく事を考えよう。

 

 

この日の夜は、久々の白いご飯とサバ缶・味噌汁を食べた。

ご飯の有難味を身に占めた日だった。

味噌汁は具がないが、美味しい。

若狭さんは料理美味いな。

 

 

 

そして、月曜日。

あいつらが登校してきた・・・・。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~佐倉慈の手記~

あの騒動の翌日。

あれは夢だったんじゃないかと思った。

でも違った・・・。

 

職員室にあるあのマニアル・・・・

 

あの子たちが見付けない事をただ祈るだけだ・・・。

 

ごめんね・・・こんな先生で・・・

 

今、私が出来る事。それはあの子たちを守る事だ・・。

 




地下がある学校・・・調べるとあるんですね・・。

慈が緊急避難マニアルを見つけるのは、ほぼ原作と同じですね。


防災倉庫は、学校にあるあれです。
実際、中をみた事がないのですが・・・。


次のお話には直樹美紀と祠堂圭が書けたらなと思います。


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第4話 彼女達の戦い

今回は2部構成になっています。
学園生活部で暮らす由紀達と、ショッピングモールで暮らす直樹美紀。

またグダグダの駄文でちょっと長いですが、最後までお付き合い下さい。


~寝室(旧職員室休憩室)~

 

「ふぁぁ~眠い・・・って何で由紀が俺の部屋に・・ってあれ?」

よく見渡すと、職員室休憩だ・・・。

 

そうだ!僕達は学校で生活しているんだった・・。

 

まだ慣れないなぁ・・・・。

 

「由紀・・由紀・・起きて・・・朝だよ?」

 

「スヤスヤ」

 

ありゃ、夢の中だよ・・・。仕方ないなぁ

 

僕は職員更衣室で制服に着替え、生徒会・・・部室に向かう。

 

 

~学園生活部(旧生徒会)~

 

「おはようございます」

部室に入ると姉さん、若狭さんが朝食の準備をしていた。

 

恵比須沢さんは窓を見つめている。

 

 

やはりゾンビ化した生徒達は登校してきた・・・・。

 

「やっぱり・・・」

恵比須沢さんは呟く・・

 

 

人間だった記憶が少し残っているんだろう・・・。

 

「昇降口は板で塞いでいるし、侵入の心配はないと思うけど、一応警戒しましょう」

姉さんが僕達に警戒するように促す。

 

「さ、朝ご飯にしましょう」

若狭さんが朝食を作ってくれた。

それにしても若狭さんの制服+エプロン姿って・・なんかえっちぃなぁ・・・。

 

「りーさんおはよう♪」

由紀が若狭さんの胸に飛び込む。

ぽよん

 

「由紀ちゃんおはよう。顔洗った?」

 

「えへへ~」

 

 

 

朝食を食べたら、それぞれ分担を決める事にした。

 

若狭さんと姉さんは家事担当。

由紀は若狭さんと姉さんのお手伝い。

 

僕と恵飛須沢さんは見回り兼討伐

 

 

3Fは大丈夫だが、2F1Fはまだ少しいる。

階段が苦手なので上がって来ないが、なるべく制圧したい。

無理に仕留めるのではなく出来る範囲は制圧しようと恵比須沢さんと計画を立てる。

 

 

「じゃ、僕と恵飛須沢さんは見回りに行ってきます」

 

「はい。いってらっしゃい」

 

僕は木刀と果物ナイフで組み合わせた簡易な槍。

恵飛須沢さんはシャベル。

 

RPGだと「装備した」だが、出来れば鎧や盾みたいに防御もあればいいのだが 

恵飛須沢さんは「攻撃は最大の防御」とか言っている。-が、やはり防具が欲しいな。

 

 

 

廊下はまだ血の臭いがする。

 

「相変わらず酷いな・・・」

僕は壁にこびり付いた大量の血痕を見て眉を顰める

 

「あぁ、なんでこんな事になったんだろうな・・。」

 

僕達は窓を見つめる。

 

校庭にはウロウロするゾンビ達

 

 

 

2-A・女子トイレ付近の階段のバリケード異常なし!

 

「うん、大丈夫だね」

 

「じゃ、奥の資料室とトイレの所だな」

 

「恵飛須沢さん、シャベル重くない?」

 

「大丈夫!運動部だし、躰鍛えているからな」

恵飛須沢さんは親指を立てて答える。

 

「それより・・・その恵比須沢なんて他人行儀みたいな事言わないで、下の名前で言わないか?」

 

「え?・・でも・・・」

 

「なんだぁ~女の子の名前呼ぶの恥ずかしいのかぁ?由紀の時は平気で言っているのに」

恵飛須沢さんはニヤニヤしながら言う。

 

「あいつは・・幼馴染だし・・・ん・・じゃ・・胡桃さん・・?」

 

「おーけー。じゃ私も大樹って呼ぶからな」

 

 

資料室・トイレ付近の階段異常なし!

 

 

「よし、今の所大丈夫だね。」

 

「さぁ、戻ろうぜ」

 

 

学園生活部に戻ろうとした時、2-Aの階段から物音がした

 

 

「!!!」

 

 

「グオオオ」

 

 

どうやら一体階段の踊り場にいた。

 

「一体か・・・どうする大樹?」

 

「僕が槍で動きを止める。その隙にシャベルで・・・。胡桃さんいける?」

 

「いけるいける」

 

「じゃ・・3・・2・・・1・・・0」

 

僕が槍で突き刺して胡桃さんがシャベルで突き刺す。

 

 

 

 

「ハァハァハァ」

 

「ハァハァハァ・・・大丈夫か?大樹?」

 

「ハァハァ・・ああ大丈夫」

 

二人の息の合うコンビネーションでなんとか迎撃した。

 

ふぅ。なんとか迎撃出来た。一体ならまだいいが、数体現れたらきついな。

いや、それ以上に体力がない自分が情けない。

この機に少し運動しよう。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの騒動の前。

 

私は授業が終わって真っ直ぐ帰らずショッピングモールに行った。

 

友人の祠堂圭が欲しいCDを購入する為の付き添いに。

 

~ショッピングモール~

 

 

「あ~♡あった~。ほらこれこれ」

ワインレッドの瞳で肩にかかるくらいの髪をハーフアップの女の子、祠堂圭が嬉しそうにCDを取り出す。

圭が見付けたのは海外のCDだった。

 

彼女は今時珍しいCDポーダブルを愛用している。

周りはスマホ・ipodなどで音楽を聴いているのに・・。

 

「圭は海外系の音楽が好きだね」

 

青色の瞳でパールホワイトのショートヘアーの女の子、直樹美紀が言う。

 

「うん」

 

圭と私は中学時代からの仲だ。

いつも一緒にいるのが当たり前。

 

「じゃ、今度は私の買い物に付き合ってね」

 

「本屋さんね。今日はどんな本を買うのかな?」

 

「ホラー系」

 

「あっはは(汗)相変わらず好きだねぇ」

 

私達が本屋に着いた時、外から悲鳴が聞こえた。

 

「え?何?」

 

私達は状況が解らなかった。

ただ、人々がモールに逃げ込んでいたのは確認出来た。

 

よく見ると、人が襲われている。

ゾンビ映画みたいだ・・・。

 

逃げなきゃ!

 

体の本能が動いた。

 

でも何処に?

 

エレベータは人がいっぱいで動かない

エスカレーターは人が押し寄せて今にも将棋倒しになりそうだ

 

非常階段!

 

私達は非常階段で5Fのある部屋に逃げ込んだ。

 

椅子や段ボールでドアを塞ぎ、怯えながら抑えていた。

 

幸いこの部屋はバックヤードでトイレも有り、食料も僅かだが有る。

 

この閉塞状況の中で私達は暮らす。

 

情緒不安定との闘いながら

 

だけど、そんな暮らしは長く続かなかった・・・。

 

3日目後には圭も私も何も語る事は出来なかった

 

 

「・・・」

 

「・・・・・」

 

 

沈黙が続く・・・。

 

救助は来るんだろうか?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

~恵飛須沢胡桃の手記~

今日はあいつと見回りをした。

軟弱な野郎かと思ったが、いざという時はやる男だ。

一体だがあいつと一緒に闘った。

息の合うコンビネーション。

もしかしたら制圧出来るかもしれない。

 

 

 

~直樹美紀の手記~

圭と過して3日・・。最初は話も出来たが、数時間後にはお互い喋らなくなった・・

どうしてこうなったの?

圭と再び話せる日はやってくるの?

もう嫌だ・・。

 




当初、美紀達は2巻のリーダーに助けられる・・を考えていましたが、やっぱ原作通りになっちゃうし、これ以上書くのが私にも美紀や圭にも辛くなっちゃいそうなので、辞めました。

次のお話しにはアニメ4話、原作2巻のようにショッピングモールに行くお話を
考えています。

後、これ書いていて気付いたら、あまりめぐねえとの絡み少ないですね(苦笑)

校内は原作4巻の緊急避難マニアルの見取り図を参考にして書いてます。
着替え=更衣室
寝室=休憩所
など。





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第5話 歓迎!新入部員

遂にモールで由紀達は美紀達と出会います。
アニメ・原作と一味違う二人の出会いをどうぞ見守って下さい。


~学園生活部(旧生徒会)~

 

「「ただいま~」」

 

「「おかえり~」」

 

お互いの生存確認。

 

「お昼、お好み焼きでいいかしら?」

若狭さんがお好み焼きの下ごしらえをしている。

 

 

「はい!いいです!」

相変わらずエプロン姿やばいです・・

 

 

「お前、何かしこまっているんだよ・・・」

いや、気のせいですよ胡桃さん。

 

 

その隅で姉さんは由紀に勉強を教えている。

 

「じゃ、丈槍さん。この問題を解いたらお昼にしましょう」

 

「う~めぐねえ・・」

 

「めぐねえじゃないでしょ。」

 

 

学園で生活・・といってもただ過ごすだけではなく、部活・委員会・勉強など

様々な部署に親しみながら生活しようっていう事。

 

なので、勉強もしっかりしなくてはならない。

 

 

 

お昼を食べ終わり、僕も由紀と一緒に授業を受ける。

 

若狭さんと胡桃さんは屋上で菜園作りに行ってしまった・・・。

本当は屋上に行きたいが、由紀に一緒に勉強しよと誘われたからだ。

 

「あ~あ・・つまんないなぁ~」

開始5分で由紀は既にゆるモードに。

おいおい・・・

 

「由紀ちゃん・・まだ5分も経ってないわよ(苦笑)」

 

「だって、解らないんだもん~」

 

「ほら由紀、ちゃんと受けないと・・な?」

 

「う~」

 

頬を膨らませる。

 

「じゃ、いいよ?夕飯の牛の缶詰は僕が頂くから」

 

「や、だめぇぇ!」

 

由紀は牛の缶詰を取られない様に真面目に授業を受ける。

 

う~ん、この手は使えるな。

 

そして授業が終わり、夕食の時間がやってきた。

 

由紀は好物の牛の缶詰を無事食べる事ができた。

なんともまぁ幸せそうな顔しちゃって

 

こうして今日も1日、無事に過ごせた。

明日もこうであって欲しい・・・

 

出来ればあの日常も戻って欲しい・・・。

 

 

 

 

ーそして翌日

 

 

 

今日は生憎の雨。

 

電気はまだ使えるが、明日の事も考えなるべく電気は使わないで過ごしましょうとの事

 

だが、校庭にいるゾンビ達は昇降口に集まってきた。

やはり雨さらしにされるのが嫌なのだろう。

 

「昇降口大丈夫かなぁ?」

由紀が心配そうに見る。

 

確かにあんな大勢が押し寄せて来たら、突破の可能性も十分ある。

 

「大丈夫だよ」

僕は由紀の頭を撫で安心させた

 

とは言っても、由紀と同様不安を覚える。

 

僕と胡桃さんは警戒態勢を取りながら、いつ戦闘になってもいい状態を保つ

 

 

 

午後には晴れ、なんとか突破の危機は免れた。

 

「なんとか免れたけど、少し強化しないと・・・」

姉さんが心配そうに言う。

 

 

「そうねぇ・・でも・・・」

そう、強化するには何処かで調達しなければならない。

 

 

「そうだ!遠足!」

由紀の突然の発言に一同「は?」となった。

 

「だ~か~ら~遠足。ショッピングモールでお買い物するの」

由紀の提案に一同は迷ったが、物資の調達も考えていたので、賛成する。

 

「よし、そうと決まれば今日の夜に行こう。夜はあいつらの活動も鈍いからな」

 

「そうね。じゃ私の車・・は全員乗れないわね・・・」

姉さんが(´・ω・`)とする。

 

「確か天文部にキャンピングカーがあったよな?それなら皆で行けるし、物資も大量に載せるだろう」

胡桃さんの発言で姉さんはパァと明るくなる。

 

「そうね。あの車なら行けるわね」

 

ーそして夜

 

 

「じゃ、行きましょうか」

 

「はーい(^O^)/」

由紀の元気な挨拶に一同はシーッとやる。

 

2F1Fにはまだウヨウヨいるが、忍び足で物音を立てず、昇降口に向かう。

 

校庭に数体まだ彷徨っているが、気付かれない様に車に乗り込む。

 

「それじゃあ」

 

「「出発~」」

 

僕達は学校を出た。

 

 

 

学校の外は悲惨だった・・・。

 

車はあちこちでぶつかって道を塞いでいて、何度も遠回りをした。

 

「学校も酷いが、この辺りも酷いな・・」

 

 

僕達は辿り着けるのか?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

避難生活から4日目

 

 

圭は荷物を纏めていた

 

「圭?何しているの?」

 

 

「・・・・私、ここを出る」

 

「え!?」

 

「もう嫌なの!このまま、ずっとここにいるのが!」

圭はもう精神的に限界に来ている。

 

「ま、待って・・もう少ししたら・・」

 

「・・・もう少し、もう少しっていつなの?」

 

「それは・・・」

それを言われた私は言葉に詰まる

 

 

「もういい!私行くから!」

 

「お願い!待って!」

私は圭に抱き付いた

 

「っ!?」

 

 

「嫌だよぉ・・もし圭が噛まれてああなったら・・」

 

「・・・・」

圭は少し冷静さを取り戻し、解ったとその場で収まった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌朝、僕達はショッピングモールに着いた。

 

「着いた~♡」

由紀はテンションが高い。

 

さて、車を何処に停めようか。

 

「俺、少し偵察してきます。」

 

「危ないわ!」

若狭さんが止める

 

「大丈夫!すぐ戻るから」

 

僕はモールに入った

 

1Fには大量のゾンビがウヨウヨいる。

恐らく避難しようと大勢が1Fに逃げてああなったのか・・。

となると、2F以上は安全?

 

僕は皆の所に戻り、状況を説明する。

 

「そう・・やはり1Fから入るのは難しいわね・・」

 

「車を屋上に停めるのはどうでしょうか?屋上ならもしかしたら・・・」

 

「可能性はないわけでもないが、行ってみるか!めぐねえ」

 

「そうね。それとめぐねえじゃなくて佐倉先生でしょ」

 

僕達は車を屋上に停車させた。

 

案の定屋上にはあいつらの気配がない。

 

屋上を降り、5Fに向かう。

 

「誰も居ないね♪」

由紀は嬉しそうに言う。

 

由紀は今の現状をちゃんと解っているのだろうか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「!?」

 

誰かの声が聞こえる

 

「美紀・・美紀・・人の声聞こえない?」

 

「え!?」

 

耳を澄ませば確かに人の声が聞こえる。

 

本当だ。人の声だ!あいつらの声じゃない!

 

私達はゆっくりと部屋を出て、人の声がする方向に向かった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

5F(寝具・本・電化製品)

 

「漫画あるかな~♪」

由紀は漫画探しに出掛ける。

 

「由紀ちゃん、単独行動はめっ」

若狭さんが由紀の額にデコピンする。

 

「そうよ由紀ちゃん」

 

「はぁ~い」

由紀は(´・ω・`)とする。

まぁこのフロアには誰も居ないけど、由紀一人で行かせるのも危ないしな

解ってくれ由紀・・。

 

 

「!」

僕は誰かが近づいてくる気配を感じた

 

「どした?大樹」

 

「誰かが近づいてくる気配がする・・」

 

「やつらか!?」

胡桃さんは戦闘態勢にでる。

 

「いや、あいつらじゃないと思う・・・」

あいつらなら特殊な声がする。だが、そんな声じゃない・・。

 

 

「「!!」」

 

驚いた。まさか生存者がいたなんて。

 

「貴方達二人だけ?他には?」

姉さんが質問したが、二人は首を横に振る

 

「そう・・・」

 

取り敢えずお互い自己紹介をし、今までの経緯を説明した。

 

 

 

 

「学園・・生活部・・ですか?」

 

「ええ、ただ過ごすのもと思い、合宿みたいに過せたらなと・・」

 

「ねぇ。一緒に学校に来ない?」

由紀が嬉しそうに言う

 

「学校・・にですか?」

突然の由紀の発言に驚く直樹さん

 

 

「うん。今学園生活部は新入部員募集中なんだよ?」

 

 

「どうかな?ここにいるよりいいかなと思うんだが・・・」

二人は少し考えたが、二人でいるより皆といる方が安心感があるというので

一緒に来る事になった。

 

 

「やったぁ~♪新入部員だよぉ~♡」

ハイテンションな由紀

 

 

「そろそろ物資の調達にでもしましょうか?」

 

そうだ、新しい仲間が出来て本来の目的を忘れていた。

若狭さん、覚えさせてくれて有難う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~丈槍由紀の手記~

遂に私にも後輩が出来たんだよ~♪

直樹美紀さんに祠堂圭さん

 

 

新入部員まだまだ募集中だよ~

 

 

 

~佐倉慈の手記~

私達以外にも生存者がいた・・。

 

まだ他にも生徒はいるのかしら?

 

それとも・・・・・

 

 

~若狭悠里の手記~

生活部に新たな仲間が増えたわ。

直樹美紀さんに祠堂圭さん。

 

二人はどんな女の子かな?

 

 

~佐倉大樹の手記~

驚いた。まさか生存者がいたとは・・。

女の子二人・・・

5人の女の子に囲まれているなんて、これなんてギャルゲ?いやエロゲ?

 

由紀にも後輩が出来た。

由紀は・・・今の現状をどう思っているんだろう?

 

 

~祠堂圭の手記~

美紀に辛く当たってしまった・・・

ごめんね美紀・・・

 

今日は生存者に会った。

先輩に佐倉先生・・・。

二人で過ごすと考えたら不安だらけだった

でも先輩や先生がいるなら安心感がある・・。

 

 




いかかでしょうか?
今回は手記が多いですね(汗)

やっと佐倉慈・祠堂圭生存させる・・・。
その願いが叶いました。

さて、この生存ルートどうなるか?
皆様、小並感なグダグダ駄文ですが、どうか私にお付き合い下さい。

では次回もよろしくお願いします。


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第6話 お買い物

モールでお買い物です。

女の子のお買い物は・・・原作・アニメと同じですので割合します。

由紀のスク水は原作5巻より。




さて、新入部員が入って浮かれていたが、目的を忘れてはいけない。

 

 

「私は地下の食品見てくるよ」

 

「胡桃さん一人で大丈夫?」

 

「大丈夫だ!心配すんな。お前は資材の調達頼んだぞ」

胡桃さんは僕の肩をポンッと叩く

 

 

「じゃ、僕は板とか針金とか色々調達してくるよ。他の皆はここで待っていてよ」

 

僕と胡桃さんはそれぞれ調達に出掛ける。

 

 

「二人とも無理しないでよ」

若狭さんが心配そうに言う。

 

僕は大丈夫と親指を立てて出掛ける。

 

 

 

 

「お、この板いいかもな・・・針金・・・ピアノ線・・これもいいな・・・ん、これ枝切鋏?」

 

ほほう、この枝切り鋏は使えそうだな。

 

大樹は鋏を装備した!

攻撃力が・・・って何中二病みたいな事してるんだ俺は!!

 

 

なんとか物資を調達出来た。

よし、皆の所に行くか。

 

 

~5F~

 

「ただいま。なんとか手に入れたよ。ピアノ線・・これなら多少の衝撃でも机は倒れないよ」

 

「そうね。これだけ強化すれば大丈夫ね。流石大樹」

姉さんが安堵する。

 

「私達もこれを見つけたわ」

若狭さんはプラスチックの様な棒を見せる。

これってアイドルなどのコンサートで使うペンライト?

 

「これ、奴らの注意を引き付けるのにいいかなと思って・・・」

 

おぉ!成る程。

奴ら音に敏感だからな。万一はこれで遠ざける事が出来るな。

 

「ただいま・・・」

丁度胡桃さんが帰ってきた。

 

「お帰り。どうだった?」

 

「駄目だ・・多すぎて近寄れない・・」

 

「これ・・若狭さんが見付けたペンライト。これで何とかなるかもよ!?」

 

「ペンライト・・・そうか!これがあれば!よし!もう一度行ってみるよ!」

胡桃さんはシャベルを持って再度挑戦しようとする

 

「待って!僕も行くよ。」

胡桃さん一人じゃ無理だ。僕も行かなきゃ!

 

「お前っ・・資材とか調達してきて疲れただろ?無理すんな」

 

「大丈夫!それに女の子一人で行かせるなんて出来ないよ」

 

胡桃さんは少し考え、頼むと言ってきた。

 

 

よし、ペンライト何本か持って再度侵攻しますか。

 

「じゃ、行ってくるよ。」

 

 

 

 

 

 

「なぁ、前々から思っていたんだが、お前・・由紀が好きなのか?」

 

「は?」

な、何を言っているんですか?

 

「いや・・由紀に対して色々目を掛けているというか・・・さっきだって・・・」

 

 

僕は少し考え・・・

 

「はぁ・・・。そうだね・・・好き・・・だね」

 

「なぁなぁ!何時あたりから意識したんだ」

女の子は興味津々と言うのは本当だな。

姉さんもよく由紀ちゃんとはどうなの?と聞いてくるし・・・。

 

 

「中学の時はあまり意識してなかったんだが・・・高1の時かな・・・プール掃除の時、

水を撒くスク水姿の由紀に・・・その・・・」

 

 

「あ・・あぁ・・そう・・(おいおい)」

あれ?胡桃さん、引いてない?

まぁ仕方ないか・・。

 

 

「ま、まぁ男の子だもんな・・お前ってエッチィなwwwww」

 

う、何も言えない・・・。

 

「さ、さぁ、そろそろ食品売り場だよ///胡桃さん準備はいいかい?」

 

「あ、話題逸らしたwwwwはいはい大丈夫ですよ」

 

さて、食品だな。

新たな部員も入ったし、米とかもいるな。

 

僕はペンライトで奴らの注意を逸らし、その隙に缶詰・蕎麦・饂飩・パスタ・レトルトなどを入手する。

 

お、このお菓子って由紀の好きなものだ。

これも持っていこう。

 

「お、由紀のか?」

 

「あぁ、由紀これ好きだからな」

 

「流石幼馴染。ちゃんと把握しているんだな」

 

 

後は米だな。米は・・・10kgでいいかな?

 

「おい、そんなに持てないだろ!5kgでいいから」

 

「でも足りないかもよ?僕なら大丈夫」

 

「何かあったらどうする!?逃げられないぞ!また来ればいいんだから無理するな」

 

うん・・・確かにそうだな。

僕は5kgの米を担いで、またペンライトで逸らす。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方、胡桃達が食品を取りに行っている間、残りの5人は女子トークをしていた。

 

「あの・・男の子・・・佐倉先輩と一緒で大丈夫なんですか?」

美紀さんが質問する

 

由紀は?となる

 

「え・・だって・・男の子は一人だけなんですよね?それって・・その・・」

美紀さんの言っている事に由紀は意味が解ってないが、若狭さんと慈はすぐ理解した

 

「大丈夫よ!大樹は・・弟はそんな事しないから。ね、部長さん?」

 

「えぇ。彼は昇降口で封鎖したり、色々やってくれるわ。確かに男の子と暮らしているから

そんな事思うのは解るけど、彼は大丈夫よ^^信用していいわ」

 

「へぇ~思春期の男の子なのに凄いね~普通の男の子ならムラムラしちゃうのにね」

祠堂さんが関心する。

 

「そう・・ですか・・。その・・すみません」

 

「いいのよ」

美紀さんの発言に慈は笑顔で対応する

 

「ねぇねぇ、それより・・由紀先輩って・・佐倉先輩の事好きなんですか?」

祠堂さんの発言に皆「!!!」となる

 

「え・・・えっと・・大樹とは幼馴染というか・・その・・」

由紀は増々赤くなる

 

「私も興味あるわ。ね、由紀ちゃん。弟とはどうなの?」

慈も興味津々

 

「う~・・・高1の夏辺りにね・・色々誘ってくるの」

 

「さ、誘ってくるって♡」

祠堂さんは更に津々だ。

 

「プールに誘ったり、勉強に誘ったり・・遊びに誘ったり・・だよ?中学の時はそんなに誘ってこなかったのにどうしてかな?」

 

祠堂さんは「へ?」とポカーンとなった。

どうやら期待してたイベントではなかった様だ。

 

若狭さんと慈は「高1の夏」でなんとなく察した。

 

そんな女子トークをしていたら、胡桃達が帰ってきた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「「ただいま」」

 

「「お帰りなさい」」

 

 

「さてと・・食糧とかはこれでいいかな。後は・・3F行ってみる?服とかあるよ?こんな状況だけど、

服とか着て少しは気分をリフレッシュするのもいいんじゃないかな?僕はよく知らないけど、女の子は

気分転換になるって姉さんが教えてくれたから・・その・・」

 

あれ?なんで皆黙っているの?

僕何か間違っていた??

 

 

「そうね・・・少し気分転換したいし・・下着とかも必要だし・・」

 

 

3F(婦人服)

 

「じゃ、僕は4Fの紳士服行ってくるから」

 

「あれ?大樹いっちゃうの?」

いや、こんな婦人や下着コーナーに男の子一人は罰ゲーム並ですよ・・

 

「僕もワイシャツとか靴下とか買わないといけないから・・」

由紀はつまんないのといい、皆の所に向かう。

 

 

4F(紳士服)

 

「はぁ・・・ワイシャツにトランクスに・・靴下に・・」

男の買い物は短時間で終わるな・・・。

 

 

トボトボ辺りを歩くとバックヤードを見つける

 

「おや、直樹さんと祠堂さんが避難してたバックヤードに似てないか?」

 

部屋は5Fと同じだった・・・。

 

・・・・・

 

食糧も備蓄されている・・・

 

まるでこんな状態を想定してたかの様に用意周到過ぎないか?

あの学校だって・・

 

「ん?これは・・・?」

 

 

 

 

3F(婦人服)

 

「さて、女の子達は終わったかな?」

 

 

 

キャッキャッ♪

女の子達は最新のファッションや下着などを楽しんでいる。

 

おいおい・・・まだでしたか・・・・。

 

「あ!大樹~」

 

由紀が僕に気付いた。

 

「終わる?」

 

「もう少しかな?大樹は終わったの?」

 

「う、うん・・」

 

僕はソファーに座って待つ

 

・・・・・

 

やべぇな・・さっき胡桃さんが変な事いうから余計意識しちゃったじゃないか・・。

 

はぁ・・疲れたな・・少し寝よ

 

 

・・・・

 

ユサユサ

「・・・き・・・大樹・・・」

 

「ん?姉さん?」

 

「お待たせ。行きましょうか」

 

ふぅ、やっと終わったか・・・。

 

 

荷物を車に積み、モールを出る。

 

時刻は夕方。

 

赤い夕陽が空を染める。

 

早く帰って若狭さんのご飯が食べたい。

 

 

車内では皆スヤスヤ寝ている。

 

皆疲れたんだな。

 

 

由紀は僕に寄り掛かり夢の中だ。

 

 

しかし・・腰が痛い・・・。

 

僕も少し寝よう・・・

 

 

そして、僕らを乗せた車は学校に向かう。

 

 

帰ったら昇降口と階段補強しなきゃ・・・

 

 

~佐倉大樹の手記~

 

バックヤードで見つけたアレ・・・

いや、今は生きる事を考えよう。

 

 

 

 




実際、米10k担いでみました。


当初、アニメ2話の肝試しで由紀の行動で「緊張感ないなぁ」と思いましたが、
その後、原作を買い漁り、1巻のカバーの裏に載っている設定資料を見て、由紀を
好きになりました。



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第7話 体育祭

3巻にあったうんどうかいが主にメインです。

祠堂圭生存ルートにはこういう事をしたかったので、頑張って書きました




なんとか無事に学校に到着

 

「「ただいま」」

 

 

~学園生活部(旧生徒会)~

 

「ここが生活部よ。と言っても元生徒会だけど・・」

 

二人を案内する。

 

「ここで先輩達は生活してたんですね」

 

「えぇ、この部屋だけは窓も割れてないし、荒らさせていなかったし、何よりミニキッチンが備えているから

生活には申し分ないわ。」

 

姉さんが設備などを説明する。

 

「後、こっちが寝室だよ~皆で寝るんだよ♡」

由紀が会話に割り込む。

姉さんはまだ説明しているのにと(´・ω・`)とする

 

「み、皆って・・佐倉先輩もですよね?」

 

「そだよ~大樹も一緒だよ♡」

 

「・・・・・・」

直樹さんは沈黙する。

そうだよなぁ~男一人に女の子6人が一緒に寝るのは躊躇うよな。

 

「美紀大丈夫だよ~佐倉先輩ならそんな事しないし、そ・れ・に♡」

祠堂さんが僕を見る。

な、なんですか?祠堂さん。語尾に♡なんか付けて・・

 

「いえ・・大丈夫です。すみません・・」

美紀さんが謝る。

いや、直樹さんは悪くないよ?

 

 

「後お風呂もあるのよ。二人とも入って来たら?胡桃に警護させるから」

若狭さんに言われ二人は自分の臭いを嗅ぐ

 

「お風呂もあるんですか?凄いですねこの学校」

 

・・・僕もこの学校に入学した時に思った。

シャワールームはまぁ解るが、お風呂とは整い過ぎる・・・。

天文部があるからか?それとも・・・

 

「ってか皆で行こうぜ!女の子同士裸の付き合いだ」

 

 

 

~お風呂場~(男湯)

カコーン

 

「ふぅ・・・」

 

隣の壁から女子の声が聞こえる。

 

「わ~若狭先輩すごーい。先生といい勝負だぁ~」

 

「由紀先輩も着痩せするタイプなんですね~」

 

祠堂さん、声大き過ぎ・・・

 

 

 

「祠堂さん、隣には男の子がいるのよ?刺激させちゃ駄目よ」

 

 

はぁ・・・

 

 

僕は湯船に浸かりながら、疲れを癒した。

 

 

さて、お風呂から上がったら作業しなきゃ。

 

・・・・・・

 

思ったより時間掛かったな。

 

もう深夜3時か・・・。寝よ・・・・

 

 

 

翌朝

 

目覚めたらお昼だった

 

 

「あ、あのその・・おはようございます?」

 

 

「あら大樹、遅いお目覚めね。もうお昼よ?」

 

「ったく・・遅くまで作業しているからだ。昨日言っただろ?無理するなって・・」

 

「そうよ?無理して躰壊したら元も子もないわよ?」

 

「先輩、無理しないで下さい」

 

皆に心配掛けてしまったな・・・

 

「す、すみません・・・」

 

 

「ね、体育祭しない?」

由紀のまた唐突な発言に、某国民アニメみたいに皆「?」となる

 

「新しい部員も入ったし、親交を深める為にスポーツをやるの」

ふむ成る程・・・。

 

「いきなりだな」

 

「いやぁ~最近りーさんのご飯が美味しくて~」

 

「ダイエットかよ!」

胡桃さんのツッコミに由紀はえへへと笑う。

 

ってか由紀そうでもないけどなぁ・・チラ

 

「・・・・・」コツン

 

姉さんに小突きされた。

どうやら女の子の秘密をあまり探るのはいけないようだ。

 

 

 

「という訳で、組み合わせを決めま~す。3人一組で~す」

いつの間にクジを作ったんだ・・

 

チーム組み合わせは

僕・由紀・祠堂さん

 

胡桃・美紀さん・若狭さん

 

 

「え?私は~(´・ω・`)」

 

「めぐねえは保健の先生兼監督だよ。じゃ皆準備してね♡」

 

姉さん、段々存在薄くなってない?

 

さてと・・・この3Fで出来る範囲となると・・・

 

短距離・玉入れ・綱引き・ムカデ走り?

 

 

・・・・・・

 

「それじゃ、体育祭はっじまるよ~」

 

最初の種目は短距離か。

僕は胡桃さんと勝負だ。

 

「よし、いっちょ勝負と行きますか!」

胡桃さんやる気満々だ。

 

「そのシャベルは?」

 

「ハンデだ」

ほほう。

この私にハンデですか?いいでしょう・・・

って何某アニメの真似してるんだ俺は

 

「よーい・・ドン」

 

・・・・・

 

・・・

 

「ハァハァハァ・・・ハンデで負けるなんて・・・」

 

「それにしちゃ早かったじゃないか。お前にしちゃいい勝負だったな」

 

「大樹~惜しかったね~。よ~し、次は私だね」

 

2回戦は・・・

由紀と若狭さんか・・・

 

 

「よーい・・・ドン」

 

タップンタップン

若狭さんの胸が揺れる

 

小柄の由紀の方が圧倒的に有利だった。

 

「わ~い。一位だぁ~♡」

 

「ハァハァハァ・・・」

若狭さんは走るのは苦手なんだな・・。

そういや、体育祭でもいつも最後だったな・・・。

 

3回戦は・・・

後輩組の祠堂さんと直樹さんだ。

 

「久しぶりに勝負だね。美紀」

 

「負けないよ圭」

 

「よーい・・ドン」

 

・・・・

 

へぇ~祠堂さん早いじゃん。

 

・・・・

 

結果発表

祠堂さんの勝ち

 

僕のチームの勝ちだ。

 

 

「ふん、まだまだ~次は玉入れだな負けないぞ~」

 

 

玉入れ勝負

 

 

蛍光灯に吊るしたバケツにテニスボールを入れるんだが・・・

これ入るか?

 

 

由紀は思いっ切り投げる

ガコン

ボールが跳ね返り由紀の顔面に当たる

 

「はうっ」

 

直樹さんは下からゆっくり投げる

ポスッ

おぉ!お見事・・・って関心している場合じゃない!

俺もやるぜ

 

 

・・・・

 

結果発表

 

僕6つ

胡桃さん8つ

 

胡桃さんの勝ちだ。

 

 

「♪~」

胡桃さん、余裕ではないですか。

でもここからですよ。

 

綱引き勝負

 

組み合わせは・・・・

 

 

大樹ー若狭さん

 

由紀ー胡桃さん

 

祠堂さんー直樹さん

 

 

若狭さんには悪いが負けないよ。

 

・・・・・・・

 

「あれ?」

僕引っ張っているのに、若狭さん片手で持ったままだ。

おいおい・・・マジかよ

力一杯入れているのに動かねーよ

 

「えい♡」

若狭さんに引っ張られ、バランスを崩し、胸に飛び込んでしまった。

ポヨン

 

「あらぁ~」

なんとも柔らかい・・・感触

ってわざとじゃないですよ?

 

「・・・・む~」

由紀なんか怒っている??

 

若狭さんの勝ち。

 

 

次は由紀と胡桃さんだ

「由紀頑張れよ」

肩を叩くと、プイッとそっぽを向いてしまった。

?何を怒っているんだ??

 

・・・・

 

流石胡桃さんだ。

重いシャベルを持っているだけあって、あっという間に引っ張ってしまった。

 

胡桃さんの勝ち。

 

「惜しかったな」

笑顔で手を振ると、由紀はまたそっぽを向く。

なんで怒っているんだよ?

 

次は祠堂さんと直樹さんだ。

 

・・・・・

 

 

祠堂さんも引っ張られてしまったか・・・。

 

「すみません・・・先輩」

 

「いや、よく頑張ったね」

 

「・・・・・」

 

結果発表

 

胡桃さんの勝ち

 

 

最後はムカデか・・・。

 

 

ムカデ勝負

 

これは3人とうまくシンクロしないといけない・・

 

胡桃さんー若狭さんー直樹さん

 

僕ー祠堂さんー由紀

 

 

「よーし、これで勝てば引き分けだな」

 

 

「じゃ、最初は左からだ。大丈夫かな?」

 

「大丈夫です先輩」

 

「・・・・・」

 

あれ?由紀返事ないぞ?

「由紀?いいかい?」

 

「・・・・」

だからなんで怒っているんだよ?俺何かしたか?

 

「よーい・・ドン」

 

「せーの・・・1・2・1・2・・・」

 

左・右・・と一緒に動く。

 

胡桃さんは・・・

 

「1・2・・・キャッ」

若狭さんが転んだ・・。

 

よし、この勝負もらた!

 

ゴールまで後少し・・・

 

「いけるぞ・・・うわっ」

バランスを崩した・・

どうやら由紀がタイミングを逃した様だ

 

「うぐ・・・大丈夫か?」

 

「はい先輩」

 

「・・・・」

 

由紀は・・大丈夫そうだな

 

「よし、気を取り直してもう一度だ。1・2・・・」

 

形勢を整えもう一度息を合わせる・・・。

 

結果・・・・

 

 

僕のチームの勝ち。

 

「引き分けだな。お前にしちゃ頑張ったんじゃねーか?」

 

う~む・・・

 

「でも先輩、いい運動になりましたよ。ね?美紀?」

 

「そうですね・・気晴らしにもなりましたし・・・」

 

ほっ・・・後輩にも楽しんで貰えた

 

「・・・・・・・」

後は・・・由紀がなんで怒っているかだ。

ってか俺何かしましたか?

 

「皆お疲れさま~頑張ったわね。夕飯は先生が作りますね~」

 

「いいんですか?」

 

「えぇ」

 

そういって姉さんは調理を始める

 

夕飯はミートソースだ。

僕の好物だ!

 

ってか、僕のだけ某泥棒アニメ風みたいに特盛山盛りになってないかい?

 

 

その日は皆疲れたのか早めに寝た。




ムカデ・・私が中学の時はクラス全員で走りましたが、今は組体操とかの問題で
無くなっているみたいですね・・・。

綱引きは・・アニメで若狭さんと由紀がそれらしい事をしていたので、それを
ヒントにしました。

ミートソースの特盛は、ルパン三世のカリオストロの城でルパンと次元が
食べていたパスタです。
あれ、食べてみたいですね~。

お風呂のはアニメで「部室棟に・・」を引用しました。

さてさて、2人のメンバーでどうなるか?
次もどうかお付き合い下さい。
では~



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第8話 緊急避難マニュアル

由紀と仲直りするの早いかな・・(´・ω・`)

原作7巻の表紙の眼鏡の女の子可愛いです。

後、遅くなって申し訳ないです。




体育祭の翌日・・

 

由紀の様子がおかしい・・

 

 

「なぁ、由紀何怒っているの?」

 

「別に・・・怒ってない・・」

 

いや、あからさまに怒っているではありませんか・・・

 

「僕・・何か怒らせる事した?謝るからさ・・・」

 

「・・・大樹、りーさんの胸に飛び込んだ・・・」

 

胸?

 

あぁ。綱引きね・・・って、それが原因かよ・・・。

 

「あれは事故だよ。不可抗力だよ」

 

俺は誤解を解こうと説明する。

 

「そう・・。」

 

う~んまだ疑っているのかなぁ・・・。仕方ない

 

「後な・・由紀・・・。僕にとって一番の女の子は由紀だからな」

 

「え?!」

 

いきなりの発言に吃驚する由紀

 

「・・・つまりだな・・僕は由紀が好きって意味だよ////」

 

僕はそう言い残し、職員室に向かう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

~バックヤード~

 

「この部屋、直樹さんと祠堂さんが避難してた部屋ににてるな・・」

 

似てる・・いやまったく酷似している。

 

トイレ・微量な食料・・掛け布団・・・

どうゆう事だ?

 

 

 

「ん?これは・・・?」

 

 

棚にある一つのファイルを見つける。

 

『緊急マニュアル』

 

 

「緊急マニュアル・・・?」

 

パラパラ

 

 

!!!

 

 

 

「これを読んでいるという事は、地震でも火災・水害でもないだろう。まずこれを読む前に扉を完全封鎖したか確認せよ」

 

な、なんだこれ!

 

どうゆう事だ!

 

「逃げ込んだ人間が感染してないか?また自分も感染してないか確認せよ」

 

「感染者は速やかに部屋から隔離するか、試作品の薬を投与せよ。」

 

パラパラ

 

「緊急の連絡先■■■■」

「■■■■基地」

 

黒い線で連絡先や、会社名・基地・駐屯地が隠されている

だが、一つだけ塗りつぶされてない所がある

 

『巡ヶ丘高校』

 

今僕達がいる高校!

 

 

「あの高校にも何か秘密が・・?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーそして、現在に至る

 

 

「そういや、あの騒動の後、姉さんが職員室からカンパン取りに帰った時、様子がおかしかったな・・」

 

皆は生活部で座談している・・・

 

「今の内に職員室に行ってみるか・・」

 

 

~職員室~

 

「あのマニュアルは棚にあった・・恐らく何処かの棚に隠されている・・・」

 

僕は職員室の棚を捜索した。

 

 

・・・・

 

 

「緊急避難マニュアル・・・これだ!」

 

 

パラパラ・・・・

 

 

「モールより詳しく記載されている・・・そういや、この高校とモールはランダルの系列だったな・・・。」

 

「これ・・開封されている・・・」

 

 

恐らくカンパンを取りに行った時に思い出して見つけたんだろう・・・。

 

 

慈姉さんがこれを知っている・・という事は・・

 

林先生や神山先生も中身は見てないが、マニュアル自体の存在は知っていたとなるな。

 

あの時の林先生の対応・・・恐らく中身をみてしまったんだろう・・・。

 

ガタッ

 

物音がする。振り返ると姉さんが居た

 

「大樹?何やってい・・・!」

 

姉さんはマニュアルの存在に気付き、急いで僕の所に駆け寄る!

 

「ど、どうしてこれを・・・?」

 

「これ、モールで見付けたマニュアル・・これにこの学校の事も記載されていた・・だからこの

学校にもあるだろうと思って探した・・・」

 

「っ!?」

 

苦虫を噛み潰したような顔をする・・

 

 

「・・・ハァ・・。私がこの学校に赴任した時に、教頭先生からこのマニュアルの事を教わったの」

 

成る程・・・教頭も知っているのか・・・。

となると・・教頭も内容を知っているだろう・・・。

 

 

「でもあのモールにもそれがあったなんて・・・。」

 

確かに準備万全過ぎる・・・。

 

「姉さん・・・皆にこれ話すよ?」

 

「!!」

 

慈姉さんは待ってと僕の腕を掴む

 

「今・・あの子達にこれを見せるのは・・」

 

俯いたまま黙る・・・。

 

「慈姉さん・・いつか話そうと思っていたんだろ?ならもう話そうよ?」

 

慈姉さんは首を横に振り、言わないでという。

 

「姉さん・・・言わないでいたらずっと言えないままだよ?今言わなかったら、言う機会が無くなると

思う・・」

 

慈姉さんは少し黙り、そうねと決意を決める。

 

「大樹・・・少し変わったわね・・」

 

「?」

 

 

「今まで私に甘えてばかりだったのに、いつの間にか頼りになる男の子になって・・」

 

確かにそうだな・・・

 

あの騒動以来、僕は姉さんに甘えていない・・・。

 

いや・・・男一人しかいないからしっかりしなきゃといけない本能が動いたんだろう・・。

 

 

 

「じゃ、私も変わろうかな」

 

姉さんはそう言うと、鋏で長い髪を切った。

 

由紀みたいなショートヘアーだ。

 

な、なんか可愛い

 

「ど、どうかな?」

 

僕は親指を立てて、GJとサインを送る。

 

 

 

~学園生活部~

 

「ど、どうしたんだよめぐねえ」

 

「ちょっと子供っぽかったから思い切って切ってみたの」

 

いや、今の方が子供っぽいといいたいが、そこは触れないでおこう・・。

ってか姉さん可愛いよ姉さん。

 

 

 

「皆に話があるんだ・・・」

 

僕は机にマニュアルを置く

 

「これ・・・何・・?」

 

 

「このマニュアルはあのモールと職員室で見付けた・・」

 

 

「!!!!」

 

一同が驚く。

 

 

「何・・・これ・・・?」

 

「どうゆう事だよ!」

 

 

「解らない・・・。でもこの生物兵器・・・この兵器で街の人や・・」

 

「っ!!その兵器で先輩はああなってしまったのか!」

胡桃さんが僕の胸ぐらを掴む

 

 

「・・・・・」

僕は何も答えられなかった・・。

というよりどうしてこうなったのかも解らない・・・

ただ僕はじっとしている事しか出来なかった

 

 

「っ!!!」

胡桃さんは僕を解放する。

 

胡桃さん・・・。

 

「・・・このマニュアルに地下一階が避難区域と記載されている・・。何か手掛かりがあるかもしれない」

僕はマニュアルに記載されている地下を指さす。

 

 

「こんな事態を作った人がいるなら、何か手掛かりがあるという事ですか?佐倉先輩?」

 

「ご名答。流石だね。直樹さん」

 

 

「そういえば、ランダルってこの辺の地区開発の大元でしたよね?モールも傘下だったはず」

 

「確か1970年に都市計画をしてたよね?」

 

そういや、入学案内にそんな風に書いてあったな。

まぁ今はそんな事より

 

「-で、その地下に行ってみようと思うんだが、皆で行く?それとも僕が偵察してこようか?」

 

「いや、皆で行こうぜ・・・」

胡桃の提案に、皆も一緒に行ってくれる事になった。

 

 

「・・・大樹・・・さっきは悪かったな・・・」

 

「気にしないで・・・気持ち解るから・・・」

 

 

「でも地下に行くにしても一階を歩くのよね?昇降口の所を・・無事に全員で行けるかしら?」

若狭さんは頬に手を当てながら言う

 

「先輩、ここにEVってありますよ?これなら直通で行けるんじゃないですか?」

祠堂さんが指さしをすると、確かにEVって記載されている。

 

「本当だ・・。職員室休憩(寝室)の所に・・しかも階段も」

全然気付かなかった。

 

 

「よし、早速行こうか!」

僕が先導しようとした時・・

 

「ちょっと待った!」

由紀が何時もなしく真面目な表情をする。

ど、どうしたんだ?

 

「由紀どうしたの?」

 

 

「おなかすいた~(´・ω・`)」

 

ズコ~~~

 

 

なんともまぁ、緊張感の欠片もないというか、由紀らしいというか・・・

 

由紀の発言に皆が苦笑する。

 

まぁ、少し周りが和んだからそれはそれでよしとするか。

ってか相変わらず可愛いなぁ由紀は。

 

お昼は簡単にカップ麺を食べる。

そういや、林先生のカップ麺まだあったんだな・・・。

 

林先生・・・貴方は今何処にいるんですか?

無事に外に出れて助けを求めているんですか?

それとも・・・・・

 

 

 

 

~恵飛須沢胡桃の手記~

大樹に当たってしまった・・

生物兵器・・・あれで先輩は・・・

 

 

~佐倉慈の手記~

まさかあのモールにもマニュアルがあるなんて・・

 




緊急避難マニュアルが出てきました。
アニメでは若狭さんと美紀さんが発見。
原作3巻では美紀さんが発見。

ここでは、僕と慈が皆に見せています。

手記で何度か「モールで見付けたあれ・・」
など所々意味深(?)などがあった伏線です。

モールで見付けた避難マニュアルは私のオリジナルです。
原作でモールがランダルの傘下とあったので、それがあるかもと
独自設定でやってみました。

バックヤードは、アニメでは敷布団・食糧などがあったので、そこに
備蓄しているのでは?と思うんですが、どうなんですかね?



EVは3巻の緊急避難マニュアルの見取り図をみると、職員室休憩
の所にありますね。アニメ・原作ではそれに触れてませんね。

9話は地下のお話しです。
皆で地下に・・・。
アニメ・原作では慈が居て、胡桃を感染させてしまいましたね。
この話では慈は皆と一緒に地下に向かいます。

どんな風になるのか?

どうか彼女達を見守って下さい。
では次回もまたお会いしましょう

                         どらえふ






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第9話 地下へ

地下です・・
アニメ・原作では佐倉慈先生がいましたね・・・
そこで胡桃ちゃんは感染してしまいました・・・。

この地下では・・?


お昼を食べ、一同は地下へ向かう準備をする。

 

「あの・・先輩」

 

「ん?どうしたの直樹さん?」

 

「何か武器みたいなのはありませんか?私も先輩達と一緒に闘いたいです」

 

武器か・・・・。

 

「僕が初期に使っていた木刀とナイフで作った簡易な槍ならあるけど・・?」

あの理科室で作った簡易な槍を手渡す。

 

「ありがとうございます」

直樹さんは嬉しそうにする。

 

直樹さんは槍の素振りなどをし、自分に馴染む様に軽く練習する。

 

なんか某潜入ゲームの忍者みたいだな・・・。

 

 

 

 

「美紀、武器使うの?」

心配そうにする祠堂さんに、直樹さんは頷く

 

「先輩にあまり負担掛けたくないし、少しでも私が闘えればより有利になるし、圭も守りたい」

 

おぉ、頼もしい後輩だ。

僕も頑張ろう!

 

 

「さて、そろそろ行きましょうか?」

 

 

職員室休憩の先の扉を開け、EVに向かう

マニュアルを見ると、EVのある1~3Fの所は生徒の立ち入りが禁止されている所だ・・。

 

今思うと、よくあいつらはここにこなかったなと思う。

あそこだけ机でバリケードしてなかったし・・・。

 

 

 

~地下~

 

シャッターが僅かだが少し開いている・・・。

机で固定しているのか・・・。

でも一体誰が・・?

 

シャッターを潜り、ペンライトで辺りを照らし、周りに注意する。

 

「暗いね・・」

由紀は僕の手を握る

 

 

 

ピチャピチャ

 

 

何かが近づく足音がする

 

 

「!!」

 

僕と胡桃さんと直樹さんは戦闘態勢に入る。

 

 

 

「!」

僕は足がすくんだ・・・

 

 

近づく足音の正体は

 

 

 

林先生だった・・・。

 

 

「そ・・そんな・・・林先生!!」

 

まさか先生・・・感染したのかよ・・・

 

 

「おい!大樹行くぞ!」

 

 

 

「・・・・」

僕は放心状態だった・・・。

胡桃さんの声も聞こえない・・・。

 

ただじっと立っているだけだった・・。

 

 

「っ!美紀!」

胡桃さんと直樹さんは武器を構え、戦闘に入る。

 

 

僕は我に返り、モールで見付けた試作品の薬を思い出す

 

「待って!・・この・・この試作品の薬を投与したら・・もしかしたら・・」

 

「大樹!目を覚ませ!もうあれは・・先生じゃない・・・」

 

 

「でも・・・!」

 

僕はじっと胡桃さんを見つめる・・・・。

 

 

「っ・・解った・・でも駄目な時は・・・解ってるよな?」

 

解ってる・・・。

 

多分手遅れだと思う・・・。

 

でも後で後悔するなら・・・

 

 

胡桃さんと直樹さんがなんとか先生の動きを止める。

 

「先生・・」

 

僕は試作品の注射器で薬を投与する、

 

「グオオオオオォ」

 

もがく先生・・・。

 

すると見る見る内に奴らの顔から、あの先生の姿に戻る。

 

「先生!解りますか?先生・・・」

 

 

「う・・・ここは・・・?」

 

「学校の地下です・・。」

 

 

「そうか・・・私は一体・・・?どうして・・確か私は・・・」

 

 

「モールで見付けたこの試作品の薬を投与しました」

 

「ゴホッ・・・そうか・・・」

 

なんか先生の体力低下してないか?

効果ないのか?

 

取り敢えず、今の状況を先生に説明した。

 

「ゴホッ・・生活部か・・た、楽しそうだな・・・」

 

「はい・・・。姉さんと若狭さんの提案です」

 

 

 

「そうか・・。・・あの後私は・・ゴホッ・・噛まれてしまった・・。だが、一時的に人間だった意識が残っていてここにたどり着いた・・・。」

 

「じゃ、先生がシャッターを開けたんですか?」

 

「ゴホッ・・いや・・・私がたどり着いた時は・・シャッターは開いていた・・・」

え?何だって。

じゃ誰が・・?

 

 

「この奥にコンテナがある・・・。しょ、食料もある・・・多分・・お前が打った薬も・・・」

やはりマニュアルに書いてある通りか・・・。

 

 

「先生・・もう駄目だ・・・佐倉先生・・・私の教え子の直樹と祠堂を・・お願いします・・」

 

 

「・・・・解りました・・・」

 

 

「良かった・・・人間の姿のまま死ねて・・・・」

 

 

「先生・・・先生!!」

美紀さんと祠堂さんが呼びかけるが、先生は何も語らなくなった・・

 

「・・・・・」

 

先生は静かに息を引き取った・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・もう少し早く地下に気付いていたら・・・先生助かったのかもな・・・」

胡桃さんが僕の肩に手をポンと当てて言う。

 

 

「大樹・・・」

由紀が心配そうにのぞき込む

 

 

「・・・大丈夫だよ・・」

 

 

 

 

奥に行き、扉を開けると大量のコンテナが置かれた部屋があった。

 

コンテナの中には水、チョコ・安易トイレ・怪我などで応急出来る救急セットなど備えていた。

 

 

若狭さんは急いでノートに何があるか記入していた。

 

若狭さんは家計簿をつけている。

家計簿と言っても主婦がやっている光熱費や食費などのお金じゃなく

学校の電気や電気・食品などを管理するのにつけている。

 

こうする事で若狭さん曰く明日の事が解るらしい。

 

 

「凄いわ・・こんだけあれば暫くは購買に行く事もないわ」

 

 

 

僕は部屋を一回りすると、床に血痕が点々と続いているのに気付く。

 

ゴクリ

 

生唾を飲み、点々と続く所にたどり着く。

 

扉を開け、武器を構える・・・。

 

 

「!」

 

その部屋には教頭と校長が首吊りをしていた・・・。

 

床には遺書なのが置かれていた。

 

「これを読んでいるのは生徒なのか?教師なのか?私はあの騒動の後、一直線にこの地下に避難した。

本来なら生徒を誘導する立場なのに、私達は自身の保守の為、ここに逃げた。でも逃げてどうするか解らなかった・・。ならせめて罪の償いとして、命を絶とうと考えた・・。」

 

文章はここで終わっていた・・・。

 

 

「ふっざけんな!」

 

俺はそういい、この部屋をでた。

 

これは墓場まで持っていこう・・・。

 

「先輩どうかしたんですか?何かありましたか?」

 

「祠堂さん・・ん・・なんでもないよ」

 

あっぶな・・

祠堂さん・・何も見てないよね?

 

「あの・・先輩さっき言った台詞覚えていますか?」

ん?さっき言った台詞??

 

「??」

 

「あの・・ランダルコーポレーションがあのモールの傘下のと、1970年に都市計画の事です」

 

「あぁ・・そういや言ってたね。それがどうかしたの?」

 

「その・・・」

 

 

「皆~来て~」

由紀が呼んでいる。

 

「あれ?由紀が呼んでいる・・祠堂さん。ごめん後でいいかな?」

 

「あ、はい」

祠堂さんの話も気になるけど、由紀が呼んでいる。

何かあったのかな??

 

 

どうやら大きな冷凍庫を発見したそうだ。

 

業務用の冷凍庫・・もしかしたら、ハムとか肉とか??

 

 

恐る恐る扉を開けると・・・

 

 

 

 

 

 

 

~学園生活部~

 

「いっただきま~す♪」

 

ジュ~と美味そうな音を立てるお肉。

冷凍庫にはステーキやハムなどが大量に置かれていた。

 

久しぶりに食うステーキだ。

 

「ふぅ~完食」

3分で食べ終わる由紀。

 

 

「由紀・・・もう少し味わって食べようよ・・」

 

「だって(´・ω・`)」

 

あぁ~もう可愛いなぁ由紀は・・って!!

 

「まっ、気持ちは解るけど、も少し味わって食べような」

 

「満腹~♪ちょっとソファで休むね~」

 

由紀は部屋の隅のソファで寝る。

 

俺の話聞いてよ(´・ω・`)

 

 

あ、そういや祠堂さんの話の途中だったの思い出した。

 

「祠堂さん、そういえば話の途中だったね?」

 

「お、何だ何だ?~」

胡桃さん、茶化さないでよ~。

 

「あ、はい。先輩方は入学案内の内容覚えていますか?」

 

ん?入学案内?なんでまた?

 

 

「んあ?入学案内?あんま覚えてないけどそれがどうかしたのか?」

 

「私も覚えてないわ・・それがどうかしたの?」

 

「はい・・年表をみると、1968年に痛ましい事件で人口が半減と書いてあります・・これ気になりませんか?」

 

「まさか・・過去にゾンビ騒動が・・!?」

 

「それは解りません・・・。でもその2年後に都市計画を申請し、男土市から巡ヶ丘に改名しています・・

ランダルコーポレーションは地区開発もしているので・・もしかしたら、ランダルが一枚噛んでいるのではと思うんです・・・」

 

「そんな・・・」

一同が唖然とする・・・。




原作1巻の学園案内で人口が半減とありましたが、やはり過去にも騒動が
あったんでしょうかね?

ランダルが地区開発だとすれば、都市計画にも噛んでいるのではと
私が解釈しました・・。


先生に薬を投与したのは、アニメ12話の太郎丸に投薬した後、元に戻りましたが、
衰弱していて最後はそのまま亡くなったので、それをヒントにしました・・。

もしかしたら、あの時、めぐねえにもやったら戻るのかな?

後、美紀さんが武器を手にしました。
祠堂さんを守ると言っていたのは、アニメ・原作が影響しています。


アニメではゾンビ侵入・・原作ではヘリ墜落・・・

どんな風にしようか迷いますね・・・。

果たして彼女達はどうなるか?

では次回も宜しくお願いします。

              どらえふ




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第10話 就職か進学か

前作の投稿から2か月半と遅くなりすみませんでした・・。

今回は少し長いですがよろしくお願いします。

きららを読みましたが胡桃ちゃんどうなるんでしょうかね?
最後何処かに去ってしまいましたが・・・。




~屋上~

僕は一人フェンスに寄り掛かり空を見上げた。

 

ー回想ー

 

「それは解りません・・・。でもその2年後に都市計画を申請し、男土市から巡ヶ丘に改名しています・・

ランダルコーポレーションは地区開発もしているので・・もしかしたら、ランダルが一枚噛んでいるのではと思うんです・・・」

 

 

「まだ何とも言えないね・・・なんにせよ僕達はイシドロス大学かランダル・・どちらかに進学か就職だな」

 

「??」

 

「このマニュアルに書かれている手掛かりにたどり着くには進学か就職どちらかになるだろう・・」

 

僕は立ち上がり部室を出ようとすると若狭さんに止められた。

 

「貴方はどうするの?」

 

僕は少し考えて

 

「・・・進学かな・・。僕、屋上にいるから・・・」

 

 

 

ー今に至る

 

校庭では風に流されたボールを追いかけるゾンビ

 

「今日もボール遊びですか?いいですねぇ君達は・・」

 

外をみてもトラック・・自衛隊の車は通らない・・。

ヘリも飛んでいない・・

 

何処までこの現象は広がっているんだろうか・・・

巡ヶ丘市内だけ?東京は?埼玉や東北・関西は?

 

いや・・・もし埼玉や関西が無事なら

自衛隊が出動するだろうし、海外なら部隊が動くはずだ・・。

 

でもそれがないとなると・・・全滅・・か・・・

 

 

 

それにしても、あれから何日過ぎたのかの感覚が段々鈍くなったな・・・。

 

 

 

 

その時屋上の扉が開いた。

 

振り返ると由紀が駆け出してきた。

 

「お、おい!走ると危な・・」

 

「キャッ・・」

 

危ないと言う前に、由紀は派手にすっころんだ。

 

「あ~あ・・だから言ったのに・・・大丈夫か由紀?」

僕は由紀を抱き起す。

膝から血が出ている。

他には・・うん怪我は無さそうだ。

 

「うにゅ~ごみんごみん」

由紀はそう言い笑う。

 

全く・・・

 

「それで?由紀は何しに来たの?」

 

「んとね・・・大樹は将来何になるの?」

 

おぉ・・唐突の話だな。

 

「そうだなぁ・・・警官か先生・・かな?」

 

「そうなんだ~私はねぇ~めぐねえみたいに先生になろうかなぁ~と」

 

「それじゃもっと勉強しないとね。」

 

由紀の頭を撫でる

 

 

「でも・・・この世界で私はなれるかなぁ・・・」

 

 

「!!!」

 

やっぱ由紀はちゃんとこの世界の出来事理解しているんだな・・・。

 

「大樹・・・無理してない?」

 

「な、何が・・」

 

 

「・・・林先生があんな事になっちゃったから・・・」

 

「っ・・」

 

 

由紀には敵わないなぁ・・・

 

 

僕は耐えきれなくて泣いてしまった・・・

 

 

「よしよし・・」

 

由紀は何も言わずに僕を抱きしめ、頭を撫でる。

 

 

「大丈夫・・大樹は私達の為に頑張っていたんだよ・・・。少しは弱音を吐いてもいいんだよ?」

 

「ううっ・・・」

 

由紀の小さな胸・・優しい声・・・

 

僕はそれに甘えてしまった・・・

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~学園生活部~

 

 

「あら二人とも遅かったわね?まさか・・・」

 

ゴゴゴゴッと黒いオーラを出す若狭さん。

 

 

「大丈夫だよ。りーさん。大樹はそんな事してないよ」

 

流石に由紀の胸で泣いた・・・なんて言えない・・。

 

 

この日は疲れたので早めに就寝した・・・・。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・

 

 

・・・・・

 

 

~朝~

いつものと変わらない朝。

 

「ほら、大樹起きなさい。朝よ」

「ううん・・・めぐねえおはよ・・ムニャムニャ・・・」

 

えっ!?

 

 

ここは・・・僕の部屋?

 

どうゆう事だ・・・?

 

 

「ね、姉さん。生活部は?皆は?」

 

「?何寝ぼけてるの?」

 

 

「学校がゾンビで・・僕達は生活部で・・・」

 

 

「はぁ・・・昨日遅くまでバイオハザードで遊んでいるからそんな夢みるんです!」

 

「夢・・・・?あれが夢?」

 

それにしちゃリアルな夢だったな・・・。

 

 

テーブルに着き、TVをつける。

 

「昨夜起きた火災現場では・・・」

 

「都知事は・・・」

 

 

どのチャンネルもゾンビ騒動のニュースがやってない。

 

やっぱ夢?

 

 

 

~教室~

「あ!大ちゃん!」

教室に入ると一人の女の子が僕の所に寄って来る。

僕の幼馴染の丈槍由紀。

 

「ねぇ~今日アニメインで新刊の漫画が出るんだよ。一緒に行こう~?」

 

「お~朝からラブラブですなぁ~」

そう言うのは四月一日一(わたぬきはじめ)

僕の友人である。

 

「く~相変わらずお前ら仲いいよなぁ~」

 

「お前だって十一月二十九日(つめずめ)とはどうなんだよ?カレンダー夫婦?」

 

カレンダー夫婦。二人の名前がカレンダーの日付でもあって、付き合っているので

皆からはカレンダー夫婦と呼ばれている。

 

「うっさいwwwお前こそ丈槍とはどうなんだよwww」

 

「黙れwww小僧www」

 

大抵俺達はこんなやり取りをしている。

 

あぁ、なんだか懐かしい感じがするなぁ・・・。

 

 

~授業~

 

「ーであるからにして・・・」

 

 

ぼんやりと外の校庭を眺める・・。

 

あれは夢だったんだろうか?

 

そう思った時に、フッとゾンビが校庭を彷徨っている姿が現れた。

 

ガタンッ

 

僕は思わず立ち上がり、机を倒してしまった。

 

 

「ん?どうした佐倉?」

 

もう一度窓をみると、ゾンビはいなかった

 

 

「あ、いえ何でもないです」

 

「しっかりしろよ~もうすぐ期末だし、卒業だろ。」

 

「はい・・」

 

そして何事もなかったように授業が再開する

 

あれはなんだろう・・・?

 

 

 

~理科室準備室~

「林先生いますか?」

準備室の扉を開け、奥に進むと林先生はカップ麺を食べていた。

 

「ふぁくらか?」

先生・・・食べながら喋らないで下さいよ・・・。

 

「またカップ麺ですか・・・。」

僕は呆れながら言う。

 

 

「お前も食うか?」

そう言いながら袋から大量に買ったのか、ゴソゴソと探しながらどれがいいのか聞いてきた。

 

「いえ・・・それより買ったんですか?」

「おぉ!買ったぜ!」

先生が買ったのはSDゲームの「ファイナルクエスト」

僕と先生は同じゲーム趣味で話が合う。

時折僕は先生に呼ばれ遊んだり、教えたりする。

 

 

「な、佐倉。この装備でどうだ?」

 

「いやいや先生、この装備じゃきついですよ。この鎧か盾どれかを買わないと・・・」

 

「面倒だな・・・」

 

「面倒でもそれしないと死にますよ?いっぺん死んでみる?」

 

「それはそうと・・お前丈槍とはどうなんだ?」

 

林先生は急にあいつの話題を振ってきた

 

 

「先生?それとゲームは関係ないですよね?」

 

一応笑顔で対応していますが、漫画みたいな感じで少し怒っています。

 

「いやぁ~お前と丈槍は仲がいいからな」

 

「・・・まぁあまり発展もないですよ。相変わらず」

 

「そかそか」

 

林先生は頭をポンポンと叩くと、再びゲームを再開する。

 

 

夕焼けを染める廊下。

由紀はまだ補習でもしてんのか?

 

教室に向かうと誰も居なかった。

 

「あれ?居ないな・・・?」

 

 

 

校舎を探すと、由紀と姉さんを発見する。

 

「あ、居た居た・・。お~い由紀~」

 

由紀の肩を叩く。

振り向いたその姿はなんともいえない姿だった・・・

 

そう・・

 

まるでゾンビの姿だった・・・。

 

僕は無我夢中で校舎を走り回った。

 

気付けば校舎にいた生徒や教師はなんとも言えない姿になっていた・・。

 

「ウ・・・ウ・・・ウ・・・」

 

後ろを振り返ると大量の人が追いかけてくる・・

 

空き教室に逃げ込み、急いで鍵をかける。

 

 

「ハァハァハァ・・・何なんだよ・・・」

 

ドンッドンッ!!

 

激しくドアを叩く音。

 

「くっ」

 

もう逃げ場がない・・・

 

 

「ハハッ・・これが絶体絶命ってやつか・・アハハハッ」

 

もう僕の思考もおかしくなっていた。

 

無数のゾンビが教室に侵入して、僕に襲い掛かる

 

「うわああああああああああああああぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「・・・き・・・だいき」

 

 

「!!!!!」

 

起き上がると寝室だった・・・。

 

 

「良かった~」

 

 

由紀が僕を抱きしめる

 

 

「ここは・・・?」

 

 

「職員室休憩所・・寝室だよ?」

 

 

「大樹、あの後ずっと眠ったままだったんだよ?心配したんだよ?」

 

そうか・・・夢だったのか・・・

 

そう思ったら涙が出てきた。

 

「どうしたの?大樹~」

 

「ん?何でもないよ・・・ちょっと懐かしい夢と怖い夢を見ただけさ・・」

 

 

 

~学園生活部~

 

「おはようございます」

 

「あらおはよう」

 

「おうおはよう」

 

「おはよう大樹」

 

「先輩おはようございます」

 

いつもの皆。

 

いつもと変わらないメンバー

 

先生・・これが僕の大事な部活のメンバーであって、仲間です。

 

 

 

「それで・・皆考えてくれたかい?僕と由紀は大学に行くよ」

 

「由紀が大学~!」

胡桃さんが驚く

 

「な、なにお~。私にもちゃんと将来の生計を考えているんです!」

由紀は腰に手をあてて、ドヤ顔でいる。

 

「そうなんですか。由紀先輩はあまり考えていないのかと思いましたが、ちゃんと考えていたんですね」

 

「みーくん酷いよぉ~」

 

「そうよ美紀。いくら由紀先輩がああでも言い過ぎよ?」

 

いや、祠堂さんも酷い事言っていますよ?

 

「ま、いいんじゃね?実は私達も大学に行こうと考えていたんだ。な?りーさん」

 

「ええ」

 

 

「みーくんと圭ちゃんはどうするの?」

 

「え?私達ですか?」

由紀の突然の質問に吃驚する。

 

「私達と一緒に大学に行く?それとも就職するの?」

 

「いえいえ私達はまだ2年生ですし・・大学も就職もまだ・・」

 

 

「いいんじゃね?皆で大学に行こうぜ」

胡桃の発言に皆も一緒に大学に行こうと賛成する。

その言葉に美紀さんは戸惑いながらも、行きますと一緒に行く事になった。

 

 

「じゃあ皆大学で決まりね。後は・・車の免許ね」

 

「車?」

一同が首をかしげる

 

「そうよ?貴方達は18歳。もう車の免許も取れる年齢よ」

 

そうか。取れる年齢になったんだ・・。

 

「でもめぐねえ・・取るって・・この状態じゃ・・」

 

「私が教習の先生になります。幸い他の先生の車もあるし、校庭で練習出来るでしょ?」

 

姉さんが胸に手をあて、任せなさいという。

まぁ確かにそうだが・・。

 

「私取りたい」

 

一番に手を挙げる由紀

 

「え」

 

一同が凍る

 

「え?え?どうしたの?皆?」

 

由紀が車の運転・・・?

いやいやいや危ないだろ・・。

それに背が低いから難しいし・・

なんか危なっかしいし・・。

 

「由紀ちゃんはもう少し大きくならないと無理よ」

姉さんはなんとか宥める。

 

「ちぇ・・運転したいなー」

 

 

結局由紀以外の俺・胡桃・りーさんが運転を教わる事になった。

 

 

ー夜ー

 

~校庭~

 

 

教頭のクレスタか・・・。

そういや、教頭クレスタ買ったとか自慢してたな。

あのハゲ・・無茶しやがって。

 

 

辺りにはいない事を確認して、教頭の車で練習する。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

ふむ・・。胡桃さんはゲーセンでよくやっているのか、ハンドルさばきも美味い。

ってか某Dみたいにドリフトするとはなぁ・・・。

 

 

俺はよく姉さんの隣にいるので、大体は覚えているが、胡桃さんみたいに

スピードを出さない・・・。

胡桃さんはもっと出せよと追い打ちをするが、小心者なので出せません・・。

 

 

 

悠里さんもすぐ覚え、もう姉さんが教える事は何一つなかった・・。

彼女も僕と同じ小心者なのか、スピードは控えている・・。

 

でも彼女、窮地に追い込まれたら、凄い運転をしそうだな・・。

 

 

 

数時間で僕達は運転を覚えた。

 

ちなみに教頭のクレスタは廃車寸前の状態であるのは言うまでもない・・。

教頭よ。スマン。




目を覚ましたらいつもの日常・・・
まぁよくアニメで使われてますよね・・(エンジェルビーツとか)

教頭のクレスタは・・某アニメですね。

私は高校卒業してのんびり車の免許を取ってそれから求人で仕事探しました(苦笑)

学園系のアニメ見ていると、あの頃に戻りたいです・・。




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第11話 崩壊

自分は会社に行く時によくラジオを聴いています(車のFMラジオですが)

今まではiPodに繋いで音楽を聴いていましたが、たまにラジオもいいです。

もし、少しでもお時間がありましたらラジオなど聴いてみてはどうでしょうか?







~学園生活部~

 

「おはようございます・・って悠里さん、それ・・・」

 

「あらおはよう。これ?ここ最近色々あって電源入れてなかったから・・何かあるかなと思って・・」

 

机の上にはラジオが置かれていた。

 

「どう・・でしたか?」

 

「・・・・」

 

悠里さんは無言で首を横にふる。

 

震災でライフラインが使えなくなり、情報を掴むのに

必ず必要なアイテム・・ラジオ。

 

今の僕達には情報が必要だ。

 

だが、ラジオのスイッチを入れても何も聞こえない。

 

スマホのYahoo!ニュースを見ても

「巡ヶ丘で集団暴行」「巡ヶ丘駅で相次ぎ飛び込み自殺!?」「各地で相次ぎ・・」

 

あの日のままだった。

 

Twitterを見ても

「やばい・・巡ヶ丘で人が襲っている」

「おい、大阪でも・・」「青森でも・・・」「全国で相次いで?どうなってんだ!」

 

その呟きのままだった・・・。

それ以来誰も呟いていない・・・。

 

電源が切れて呟けないのか?

生き残る為に必死で、そんな余裕がないのか?

 

 

ザァーー

 

 

「駄目なのね・・」

 

悠里さんが肩を落とす・・。

 

「悠里さん、そんな方を落とさないで。きっと電波が悪いのか、もしくは向こうが

放送をする時間ではないとか、放送を終えたとかあるんだよ・・きっと」

 

そうでありたいが・・・

 

「そうね・・そうでありたいわね・・。所で・・・さっき私の名前呼んだわよね?悠里って」

 

あ、やっべぇ・・

 

「ううん。怒ってないのよ?寧ろ嬉しいわ。だって名前で呼ぶって事はもう大事な仲間って事でしょ?私も

貴方の事、大樹君と呼ぶわね。さて、皆を起こして朝食を食べましょ」

 

 

 

「ザァーー・・こ・・・ザァー」

 

「あれ?今声が聞こえたような・・」

 

ザァー

 

「気のせいか?さて、由紀達を起こすか・・。」

 

 

 

 

~生徒指導室~

机をコの字にして勉強を開始する。

 

由紀は相変わらずゆるモードだ・・・。

 

「由紀ちゃん・・」

姉さんの声にも反応しない

 

「クスッ。由紀先輩可愛いね」

 

由紀のそんな姿に微笑む圭ちゃん。

後輩達よ、こんな風になっちゃ駄目だぞ?

 

 

「おい、由紀。進学するんだろ~眠ってちゃ留年しちゃうぞ~」

 

胡桃の言葉にビクンッと反応し、急に勉強モードに入る由紀

 

「あ~あ~進学も大変だな~。いっそ就職にしようかなぁ~」

 

「由紀ちゃん、就職もテストあるのよ?」

 

「え!?じゃ、じゃあ主婦もテストあるの?」

 

「主婦は職業ではないよ。テストはないけど、お料理教室はあるかも・・」

 

「え~・・。それじゃ何もしないで・・」

 

「駄目よ!!」

 

ゴゴゴゴッ

 

「由紀ちゃん。ちょっと職員室に行きましょうか♪」

 

悠里さんの黒いオーラが現れる。

 

「ひっぃ・・」

 

 

 

 

 

 

 

お昼休み。

 

ステーキが出された。

 

ドンドンドン・・ちま。

 

ん?由紀のだけ小さくないかい?

 

「あ、あの・・悠里さん?由紀のはなんだか小さくないですか?」

 

「ふふふっ。」

 

不敵な笑みを浮かべる悠里さん。

 

これ以上聞いては駄目だ。

体が本能的に動いた・・。

 

由紀はワナワナしながら食べている。

 

 

お昼を食べ終えた後、ラジオの電源を入れ、アンテナを立て、窓の方に向かい

色々方向転換しながら受信出来ないか試してみた。

 

ザァー

 

 

相変わらず受信せず・・。

 

 

「う~ん・・駄目か」

 

肩を落とす・・。

 

すると、由紀は「こっちも何か放送してみようよ!」

と提案する。

 

確かにここの設備があれば、AM放送が可能だけど、かなり範囲に限りがある。

 

「まぁ・・出来ないことはないけど・・やってみますか?姉さん?悠里さん?」

 

「そうね・・・。何もしないよりかはいいかもね。」

 

「はい」

 

 

 

~放送室~

 

「えーっと、これでいいのかな?じゃ、放送するよ?」

 

 

「は~い。こちらGSHで~す」

 

「は?GSH?」

 

「学園生活部放送局。略してGSH」

ドヤ顔で説明する由紀

 

ははっ・・もうなんでもいいや。

 

 

「こちらGSHで~す。巡ヶ丘高校からお送りしています~。GSHとは学園生活部放送局の

事だよ。皆宜しくね~」

 

「学園生活部とはね・・・」

 

ふむ。出だしは好調だな。

後は・・これをうまく受信してくれる人がいるかどうか・・・。

 

 

「~そんな訳でGSHでは新入部員を募集しています~。興味がある方は是非こちらに遊びにきてね~」

 

 

 

 

~学園生活部~

 

「あの放送で大丈夫だった?」

 

「あぁ。由紀らしい放送だっだぜ」

胡桃さんが親指を立て、GJと褒める。

 

悠里さんも姉さんも「良かったわよ」と褒める。

 

「みーくん、圭ちゃんどうだった?」

 

「えぇ・・GSHはどうかと思いましたが、いいんじゃないでしょうか?ねぇ?圭」

 

「うん。とっても良かったわ。由紀先輩」

 

うん。僕もいいと思うよ。

 

後は・・・聞いてくれる人がいるか・・だな。

 

 

 

翌日

 

再びラジオの電源を入れる・・・。

 

ザァーー

 

ガガッ

 

 

「・・ら・・・局・・・」

 

 

「!!」

 

 

『ワンワンワン放送局~』

 

「入った!」

 

「人の声だわ」

 

「僕達の他に生存者がいたんだ!」

 

久し振りに僕達以外の人の声を聞いた。

嬉しかった。

 

僕達以外にも人がいた!

 

少しだが希望の光が見えてきた。

 

 

『昨日、GSHの放送を受信したよ~』

 

「あ、私達の放送だよ!届いたんだね」

 

「由紀・・シッ。静かに」

 

『GSHの皆、これ届いているかな~?楽しそうな生活部だね。私、今一人だから、淋しいんだ~』

 

声の人は若い女性の様だ。

 

多分20代?

 

『他にもこれ聞いている人いるかな?もし聞いてたら遊びに来て欲しいな~。じゃ、今日はこの

音楽を流すね』

 

 

♪~※ガールズ&パンツァー BGM「アメリカ野砲隊マーチ」を参照

 

 

「この人も一人で生活しているんですね・・物資とかどうしているんでしょうか?」

 

「みーくん、そんなの決まっているじゃない。この人も遠足したんだよ」

 

美紀さんの疑問に、由紀は楽観的に言う。

 

確かに由紀の言う通り、コンビニやモールで調達しているんだろう・・。

 

でも一人で行くのはあまりにもリスクが大きすぎるんだが・・・。

 

「遊びにって言われても、何処に住んでいるのかわからないな。」

 

「そうね・・せめて住所とか言ってくれたら行けるんだけど・・」

 

皆が考えていると・・

 

「でも、他にも生存者はいたわ。少しだけど希望が見えるわ」

 

姉さんの言葉に、皆一同明るくなる。

 

 

 

そしてまた翌日

 

今日もお姉さんのラジオが放送されるかな?

 

そんな期待をしながらアンテナを調節すると・・・

 

『・・こちら・・・・・生存・・い・・』

 

 

今度は他の放送が届いた。

 

「おい!!」

 

胡桃さんが大きな声を出す。

 

「ああ、恐らく駐屯地か自衛隊だと思う。もしかしたらヘリが来るかもしれない。

急いで屋上に行ってみよう!!」

 

僕達は屋上に向かった。

 

 

辺りを見渡す・・

 

 

・・・バリバリバリッ・・・

 

 

遠くからかヘリの音が聞こえてきた。

 

 

「本当にきた・・」

 

僕達はヘリに向かって叫んだ

 

 

「おーい!!ここだ~!!」

 

 

手を振るが、向こうは気付かない。

 

ペンタイトで、モールス信号を送る。

 

「おまっ・・出来るのか?」

 

「見よう見まねさ。」

 

チカッチカッ

 

ヘリが方向転換する。

どうやらここの存在に気付いてくれたみたいだ。

 

 

不時着しようとしているが、何だか様子がおかしい。

フラフラとしている・・。

 

 

そう思った瞬間

 

 

ガガガガ

ベキベキッ

 

ドォン・・・

 

 

ヘリがグランドに落下した・・。

 

 

激しい爆音と共に、校舎にいたゾンビ達が次々と落下したヘリにへと外に出ていく。

 

 

「そんな・・・」

 

「嘘だろ・・」

 

「折角助かったと思ったのに・・・」

 

漫画や映画では助かるのにどうして現実はこうなんだろう・・・。

 

そして、落ちた場所は最悪だった・・・。教員達の車が停めてある付近だ。

 

引火したら只事ではない・・・。

 

でも、本当にその事態が起こった・・・。

 

 

ドォォン

 

ヘリから漏れたガソリンが引火し、車にも炎上する・・。

 

次々と車から車と引火し、爆発を起こす。

 

 

 

「車がっ!!」

 

「大丈夫!キャンピングカーはここから離れているから!」

 

激しい炎に包まれるヘリと車。

そんなのにお構いなしにゾンビ達は炎の中に入っていく。

 

そして、黒煙が校舎の中にも入ってくる。

 

「ゴホゴホッ」

 

やべぇぞ・・・。これ!

 

「まずい・・早くここを出よう!」

 

でも何処に・・・・

 

考えるんだ・・・

 

 

 

・・・・

 

 

「・・・地下に・・・あの地下に避難しよう・・・」

 

 

「解ったわ。皆、大事な物は持って避難しましょう」

 

姉さんが避難指示を出した。

皆急いで大事な物をリュックに入れ、避難準備をする。

 

エレベーターは使えない・・・。

 

階段で降りるしかない。

 

幸い、1Fのやつらは外に出ている。

1F以外は胡桃さんや美紀さんと駆除したので、速やかに降りられた。

 

1Fに着くと黒煙が校内に入っていて、周りが見えない・・・。

 

皆で手を繋ぎながら、地下へと向かった。




タイトル通り、ヘリが墜落して学校が崩壊になりました・・・。

さて、ワンワンワン放送局が出てきましたね。
あのお姉さんは一人で電波を飛ばしています。
一人・・コンテナに食料があるので、大丈夫でしょうが
一人であそこにいるのは恐らく淋しい思いと、恐怖と不安・・
色々あると思います・・・。

原作では噛まれていないのにゾンビ化になってしまいました・・。
空気感染とも流説はありますが、今の所不明ですね・・・。

さて、いよいよ高校編もラストを迎えました。
高校編→大学編と続きますので、どうが由紀ちゃん達。
また私、どらえふの事も、どうか宜しくお願いします。


            どらえふ。



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第12話 卒業

高校編最終回です。




ハァハァハァ・・・皆いるね?」

 

僕は皆がいるか再確認する。

 

「大丈夫よ。皆いるわ」

 

 

よし・・・。

 

 

 

1Fに着くと、黒煙が廊下に広まり、視界が悪い・・・。

 

タオルを水につけて、口に当てる。

 

小学校の時に、避難訓練でやった事が活かされるなんてな・・。

 

 

~地下~

 

 

 

ドンッ

「くそっ・・・なんでこうなったんだよ・・・!」

俺は壁に殴りつけた。

 

 

「ちくちょう・・・折角助けが来たと思ったのに・・・!」

 

胡桃さんが悔しそうに、拳を握りしめる。

 

「もういや・・・もう耐えきれない・・・」

悠里さんらしくない、情緒不安定に陥っている・・・

 

「・・・」

後輩の美紀さんや圭ちゃんも俯いたままだ・・・。

 

姉さんは皆を宥めている。

 

それにしても、一体何故ヘリは墜落したんだろう?

 

いや、今はこれからの事を皆で考えないと・・・。

 

「暫くここで体を休めよう・・なんだ色々疲れた・・」

 

 

 

~翌日~

 

少しだが、皆落ち着いてきた・・

 

コンテナにあったチョコと水を食べ、地下を出る。

 

1Fに向かうと、廊下一面黒い煤だらけ・・・。

 

「部室や屋上の菜園は大丈夫かしら?」

悠里さんは不安なのか、急いで部室に向かう。

 

 

~3F学園生活部~

 

ここも煤だらけ・・・。

 

スクリンプラーが作動し、部室は水浸し。

 

 

「もう駄目ね・・」

 

炊飯器など電化製品はもう使えない・・。

 

 

「ここはもう使えないわね・・。皆、地下に行きますよ・・」

 

 

~地下~

 

 

「電気は駄目・・今予備電源で動いているだけ・・」

姉さんが状況報告をする。

 

 

「じゃ、巡ヶ丘高校(ここ)での生活はもう無理なんですね?」

 

「・・・・(コク)」

 

 

「・・・・・っ」

一同沈黙する

 

 

暫くすると

 

「ならここを卒業して大学に行こうよ?」

 

由紀が突然大きな声を出した。

 

 

「大学・・・か・・・。」

 

 

高校(ここ)を卒業したら、イシドロス大学に行くんだし丁度いいか。

それに・・緊急避難マニュアルにも載っていたし・・。

 

皆を見ると、もうそこに行こうと一致団結していた。

 

 

「お、決まりだな。そうとなると色々忙しくなるぜ」

胡桃さんはニッと笑う。

 

相変わらず頼もしい相棒だぜ。

 

「そうですね。今ある予備電源を活用して、ここを出る準備とかした方がいいですね。

先輩、私達も手伝います。何すればいいですか?」

 

姉さんは周りを見渡して、何をすればいいか考える。

 

「そうねぇ・・・あ!じゃあ・・美紀さんと圭さんは食料や医療品の仕分けをお願いしようかしら?」

 

「「仕分けですか?」」

 

 

「そう。保存食とか、怪我とか熱などの医療品は車に積んで、そうじゃない日持ちしない食料は

この準備期間で食べきるの。それをやって欲しいのよ。」

 

「「解りました」」

 

後輩達は仕分けか。美紀さんは悠里さんのお手伝いをしていたから大丈夫だろう。

 

「さて、私達はソーラーパネルとかで車をする改造わよ。ガソリンとかなくても、パネルがあれば

いけると思うわよ?」

 

「よし、早速行動・・・あれ?由紀は?」

 

さっきまでいた由紀がいない・・。

 

 

「あれ?そういやあいついないな」

 

僕と胡桃さんは辺りを見渡す。

 

 

辺りを探すと、由紀は隅っこでポツンと座っていた。

 

「あ、居た・・。お~い、由紀?なにやっ・・」

 

僕が声を掛けると、由紀はビクンッと体を震わせる。

 

恐る恐る由紀は振り返る。

 

「あ・・・」

 

 

そう。由紀はこっそり「うまか棒」を食べていた。

 

「あのね・・その・・・えへへ」

 

笑って誤魔化んじゃない・・・。

 

 

「由紀ちゃん・・・」

 

ゴゴゴゴッ

 

はっ!?この気は・・・

 

 

僕も振り返ると、悠里さんと姉さんが仁王立ちで、しかも般若のお面を被っている(?)

ではありませんか。

 

 

 

 

 

 

 

「さ、準備に取り掛かりましょう。時間は限られているわ」

満面の笑みの悠里さん。

 

この人と結婚したら大変だな・・。色々と・・・。

 

 

由紀はゆるモードから覚醒モードに切り替わっている。

一体あの2人はどんな事をしたんだろう?

 

 

 

 

~数日後~

 

なんとかパネルを装着させた。

これでガソリンが無くなっても車は動くだろう・・。

 

 

後は水と食料・・この人数なら数ヵ月はいけそうだ。

モールに行った時と違って、今度は長旅になりそうだ・・・。

 

しっかり準備しないと・・。

 

 

 

「これで準備は万全だね。後は・・由紀が卒業式やりたいと言ってたが・・」

 

「卒業式かぁ・・・別にどうでもいいんじゃね?」

 

「胡桃ちゃん嫌?高校最後の思い出にしたいなぁ・・(´・ω・`)」

 

 

「うっ・・・ったく。しゃーねな。」

 

しょぼーんとする由紀に、胡桃さんはやれやれと折れる。

 

 

 

「やった♡じゃ、私。教室をお掃除してくるね~」

 

「あ、おい由紀・・・」

 

僕が止める前に由紀はスキップしながら、さっさと行ってしまう。

 

「まぁいいや。じゃ、飾りつけとか、卒業証書でも作りますか」

 

由紀が掃除している間に僕達は卒業の準備をする。

 

 

暫くすると・・・

 

 

 

「わぁあああああああ!」

 

 

「!!!!!」

 

 

由紀の悲鳴が聞こえてきた。

 

 

「今の由紀だ。俺ちょっと行ってくる!!」

 

僕は由紀の悲鳴がする教室に向かう。

 

 

由紀は廊下で蹲っていて泣いている。

 

 

「どうした!」

 

 

「大樹~!!」

 

由紀は泣きながら僕に抱き付いてくる。

 

 

「うっ・・うっ・・」

 

 

僕は教室を見る。

 

「はっ!」

 

 

教卓の所に一体のゾンビが黒焦げで倒れている。

周りにはモップが落ちていて、血痕が付いている・・・。

 

ま、まさか由紀が?

 

 

由紀は泣いている・・・

 

 

 

僕は由紀を思いっ切り抱き締め、大丈夫大丈夫と頭を撫でながら由紀が泣き止むまで

抱き締めた・・・。

 

あのゾンビ・・確か由紀の友達だったな・・。あの見覚えのあるパンチパーマは・・・。

 

 

 

※♫~「仰げば尊し」のBGM

 

由紀が落ち着きを取り戻した所で、僕達は卒業式を始めた。

一人一人答辞を読み、証書を授与した。

 

この高校では色々あったが、こんな形で卒業とはな・・。

 

「仰げば尊し~わが師の恩~」以下略

 

 

「先輩、ご卒業おめでとうございます」

 

「やだぁ~美紀ってばぁ~。私達も一緒に卒業するのにぃ~」

 

「もう・・圭ったらムード台無し・・」

 

「ふふっ、二人とも有難う。後、これからも宜しくな」

 

 

 

 

~地下~

 

「予備電源は明日で無くなるわ・・。なんとか間に合ったわね・・」

 

「ええ」

 

 

「さて、明日は皆さんはここを卒業ですね。今日が最後のお風呂です。

ゆっくり体の疲れを癒して、明日に備えましょう。校舎で過ごす最後の夜です。」

 

 

最後のお風呂か・・。

 

ゆったり浸かろう・・・。

 

皆が寝静まった後、僕もお風呂に入る。

 

 

 

~男子風呂~

「ふぅ・・もう明日には大学生かぁ」

 

 

そんなしみじみと思い出に慕っていると、扉が開いた。

 

「大樹・・」

 

「ちょ・・由紀・・ここ男湯・・」

 

「うん・・久し振りに一緒に入らない?」

 

チャポン・・

 

 

背中合わせで湯船に浸かる・・。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「うん・・・あのね・・私・・・仲が良かった友達を殺めちゃったの・・」

 

「・・・・・」

 

 

「教室にいてね・・私の足を掴んだの・・・それがとても怖かった・・」

 

「・・・」

 

 

「自分でも解らないの・・・でも体が勝手に動いてね・・」

 

 

あの時の事だろうな・・・。

 

「私・・・」

 

 

「大丈夫だよ・・・。きっとあいつは由紀に感謝していると思う・・。由紀が

苦しみを解放したんだと思う・・・。だから・・自分を思い詰めるな・・・」

 

僕はそう言い残し、風呂場を出る。

 

 

由紀・・・ずっと思い詰めていたんだろうな・・・。

 

 

 

~翌日~

 

僕達は校庭に一列に並び、学校に一礼をする。

 

「さ、皆。そろそろいいかしら?もう思い残す事はないですか?」

 

「・・はい」

 

僕達は最後の校舎を目に焼き尽くした。

 

 

車に乗り込み、学校を出る。

 

 

「次はイシドロス大学に向かいますよ・・って先生も引率でいいのかしら?」

 

「姉さんは僕達にとって必要な大人です。だから一緒にいて下さい」

 

「・・・そうね・・・。私は先生であって、貴方の姉でもあって、親代わりですものね」

 

 

「それじゃ皆~」

 

 

「「レッツゴー」」

 

 

 

次の大学ではどんな事が待ち構えているかな?

 

大学にはどんな先輩がいるんだろう?

 

怖い人かな?

 

もしかして人間同士の争いになるのかな?

 

 

そんな不安と期待を持ちながら僕達は大学へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回:大学編突入!

 

「るーちゃん・・」「ワンワンワン放送局~」

「なめかわ小学校?」「久し振りだね。るーちゃん」

「ここがイシドロス大学?」「新入部員になるかもよ♪」

「このコンテナ・・・」「出てけ!」

「あの餓鬼を連れてこい!」「ふふっちょろいね」

「!しまった!!」「自堕落サークル?」

「あの子・・」「どうしたんですか?先輩」

「うっ・・・」「急げ!」

「ようこそ。イシドロス大学へ」

 




由紀とのお風呂シーンは「新世紀エヴァンゲリオン鋼鉄のガールフレンド」
の霧島マナとシンシが背中合わせで温泉に入るシーンがあったので、それを
拝借しました。

最後のは「グリザイアの果実」っぽい予告をオマージュしました。

大学・・「ゴールデンタイム」「げんしげん」とか
見てると、行けば良かったなぁと・・・。
羨ましいキャンパスライフですね・・・。

さて、佐倉慈も大学に向かいます。
今の所、誰も死亡していません。

原作キャラ死亡を生存ルートにするのって難しいですね。
色んな人の生存ルートを見ていますが、皆、この作品が好きなんだな
と伝わってきます。

でも大学編では・・・どうかな?

私はあまり死亡ルートは好きじゃないですね・・。
好きな人・嫌いな人・・十人十色ありますが、
私は出来れば生存ルートで、それぞれのキャラには幸せになって欲しいです。

例えば「ドラゴンボール」の16号。
あれも死亡しないで、どこかの自然な所で過ごして欲しいな
とか・・

あまり関係ない話でしたね。すみません・・。
では次回「大学編」でも、由紀達や私、どらえふ共々
宜しくお願いします。


               どらえふ



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第13話 卒業旅行

お久しぶりです。

いよいよ大学編に突入しました。

ワンワンワン放送局のお姉さん名前「秋月弥生」

不明のままですので、勝手に命名しました。




僕は今、姉さん・・・佐倉慈と5人の女の子

「丈槍由紀」「恵飛須沢胡桃」「若狭悠里」「直樹美紀」「祠堂圭」

と学校で暮らしていた・・・。

 

「暮らしていた」

 

何故過去形?

 

それは・・・あまり思い出したくないが・・・・

 

助けが来たと思われたヘリが墜落した・・

 

墜落したヘリは爆発し、校舎にも甚大な被害を齎した。

 

電気も水も全ての設備は使えなくなった・・。

 

もう学校では暮らす事は不可能。

 

 

職員室にあった「緊急避難マニュアル」に記載されていた

「イシドロス大学」と「ランダルコーポレーション」

のどちらかに進学か就職をしようかと迷った。

 

「大学に進学しよう」と意見が合致した為、進学にする事になった僕達。

 

巡ヶ丘高校に3年間のお礼を述べ、僕達は高校を卒業した。

 

目指すは「イシドロス大学」

 

 

 

 

 

 

ブロロロロ・・・

 

学校を出て、大学に向かう僕達。

 

「学校・・・もう見えなくなったね・・・」

 

後ろの席の窓側に座る由紀が淋しく呟く・・。

 

「そうだね・・。本当に卒業しちゃったね」

 

僕も由紀と同じく窓から校舎を見つめる。

 

 

 

暫く沈黙する僕と由紀。

 

「由紀先輩、そんなに卒業がいやならもう一年・二年と留年しますか?一人で」

 

「や、やだなぁ~。も~。みーくん酷いよ~」

 

「冗談ですよ。先輩」

 

美紀さんの冗談に焦る由紀。

 

 

「でも・・確かに淋しいですね・・。」

 

 

暫しの沈黙

 

「お、おい・・・そんな通夜みたいな暗い雰囲気はやめよーぜ。そだ、ラジオ付けてみよーぜ」

 

 

助手席に座る胡桃さんがラジオの電源を入れる。

 

 

ガーピー・・・

 

「ワンワンワン放送局~」

 

 

「!!!!」

 

 

『皆~今日も元気にこれ聞いているかな~?そう言えば『GSH』の放送がないけど、どうしたんだろうね?何か

あったのかな?』

 

 

「うん、ヘリが落ちてね・・」

 

ワンワンワン放送局のお姉さんの問いに答える由紀

 

 

「ラジオですからこちらの声は聞こえませんよ?先輩」

 

「解ってるよ~(;´・ω・)」

 

『そういえば遊びに来てねといいながらここの住所言ってなかったね。住所はねぇ~』

 

お姉さんが住所を言う。

急いでメモを取り、地図で確認する。

 

『じゃ、今日はこの音楽を流すね~』

 

※ガールズ&パンツァーBGM「カチューシャ」

 

 

僕は地図を確認しながらお姉さんの住所を探した。

 

「場所解ったよ。この住所だと・・鞣河小学校の付近だな・・」

 

「!!(ピクッ)」

 

僕が小学校の名前を出すと、悠里さんは体をピクンと震わせる。

 

「?どうしたの悠里さん?」

 

「・・・・な、なんでもないわ・・・。」

 

「?」

 

 

「それで、大樹。ここからだとどう行けばいいの?」

 

「あぁ・・えーと、次の角を曲がって・・次のT路地を左に行って・・」

 

流石に思う通りに通行出来ない・・・。

 

車同士が衝突して道を塞いだり、奴等が徘徊して道が通れないなど

行き先を阻んでいる・・・。

 

 

あっちこっちと進み、目的の場所に辿りついた。

 

「・・・ここだよな?」

 

「えぇ、ここだと思います」

 

四方を分厚いコンクリートに囲まれた家・・

 

家って言うより・・シェルターだよな・・。

 

「でもどうやって入るの?」

 

シャッターがあるが、電動式なのでこちらから開くことは出来ない・・。

 

「こんにちわ~」

 

由紀が大きな声で叫ぶ

 

「ばっ!大きな声出したら奴らがくるだろ」

 

胡桃さんが由紀の口を塞ぐ

 

「ん~ん~」

 

 

さて、どうしましょうか。

そんな事考えているとシャッターから声が聞こえた。

 

『誰?』

 

「あの・・僕達GSHの・・・」

 

『GSH!?嘘!?本当に遊びに来たの!?』

 

「あ・・はい」

 

『わぁ~本当に来てくれたんだ~あ、ちょっと待ってね。今シャッター開けるから』

 

シャッターが開くと、ショートカットの女の人が現れた。

 

「いらっしゃ~い。ささ、ここだと危ないから中に入って!」

 

 

 

「私は弥生。秋月弥生。ワンワンワン放送局のDJよ。」

 

「僕達は・・」

 

弥生さんに一通り自己紹介をする。

 

そしてこれまでの経緯を話した。

 

 

 

「なるほど・・・そんな事があったんだ・・。大変だったね。私もあの騒動の後、急いでここに避難したの」

 

 

「ここは災害とか起きた時にラジオや放送で呼び掛けをする所なのよ。後、食料保管庫でもあるのよ。ほら」

 

扉の先には学校と同じ食料や薬品が備蓄されたコンテナが沢山あった。

 

ふ~ん・・ここにもランダルコーポレーションの息が・・・。

 

 

「それより皆、疲れたでしょ?今日はここに泊まらない?久し振りに人と会えたし、も少し皆とお話がしたいんだけど・・・」

 

秋月さん・・・。

 

そうか、ずっと一人でラジオを通して呼び掛けてやっと人に出会えたんだもんな。

 

 

「ではお言葉に甘えて。秋月さん」

 

「私の事は弥生でいいよ」

 

久し振りに僕達以外の人に出会えた。

もしかして他の人もこんな所に避難しているんだろうか?

いいぞ。少し希望が見えてきた!

 

 

 

皆が弥生さんと女子トークしている。

 

だが、悠里さんは参加しないで隅の方に座っている。

 

「どうしたんだ?向こうでお話ししないのか?」

 

「私は・・いいわ。今そんな気分じゃないの・・」

 

「?」

 

「あのね・・私・・妹がいるの・・歳の離れた妹がね・・。忘れちゃった?」

 

「あっ!」

 

思い出した!そういや、悠里さんとは高1で同じクラスだったな・・・。

前に悠里さんが休んだ時にプリントを届けに行った時に小さな女の子がいたなぁ・・。

 

「私ね・・今の今まで忘れていたの・・・。いえ、正確には忘れていなかったわ・・・」

 

「・・・・」

 

「由紀ちゃん・・あの子を妹の代わりにしていたのよ・・。ふふっ・・酷いお姉ちゃんよね・・自分は助かって・・あの日、私は屋上にいたけど、あの子は・・るーちゃんは・・・。」

 

 

「・・・明日、小学校に行ってみるか?」

 

「えっ?」

 

「・・・もしかしたら・・・って事もあるだろ・・」

 

「・・・そ、そうね・・」

 

 

ー翌日ー

 

「皆、ちょっといいか?」

 

「?」

 

「悠里さん・・妹がいるんだ・・。歳の離れた妹さんがね・・。この近くの鞣河小学校にいると思う・・それで行ってみようと思うんだが・・」

 

「よし!行こうぜ!妹さんを助けに!」

 

シャベルを振り回し、戦闘準備に入る胡桃さん。

 

「大勢で行くのはまずい。何かあった時に身動き出来ない・・。ここは二手に分かれた方がいい!」

 

「二手に・・ですか?」

 

「そう。小学校に行くチームと、ここに残留するチームを作るのさ」

 

「そうか・・。確かにこの大勢で行くのは危険だな。なら私と大樹と・・」

 

「いや、僕と胡桃さんが一緒に行ったら、ここを死守する人が居なくなる。僕が行くか、胡桃さんが行くか。どちらかになるだろう。戦闘の経験値があるどちらかが」

 

誰が行くか?それぞれ協議した結果・・・

 

僕と悠里さんと由紀と圭が行く事になった。

 

胡桃さん・美紀さん・姉さんはワンワンワン放送局に留まる事に。

 

 

「佐倉先輩、圭の事お願いします。圭はちょっと調子に乗る所があるので、本当にお願いします!」

 

「うん、解った」

 

 

「いいか、あまり無茶するなよ?絶対無事に帰って来いよ?」

 

「あぁ、解っている。胡桃さんもここを・・姉さんを頼むぞ!」

 

お互い笑顔で以心伝心の様に交わす。

 

 

 

「じゃ・・行ってくる・・」

 

悠里さんに先導され、小学校に向かう。




遅くなってすみません・・。

原作ではお姉さんは既に見送られてしまいましたが、なんとか
生存させています。

お姉さんがどんな人なのか、原作では不明ですが(名前もですが)
もし、お姉さんがいたら、きっと彼女達にも心強いでしょうね。


では次も宜しくお願いします。

                     どらえふ


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第14話 るーちゃん

るーちゃんですね。

るーちゃんで本当の名前が不明なので、「留美(るみ)」と命名しました。

留美ちゃんの年齢が不詳ですが、小学2年生の7~8歳だろうと推測です。




悠里さんに先導され、僕達は小学校へ向かった。

 

 

グォォ

 

 

 

ドスッ

 

 

グェェ

 

 

 

枝切狭で心臓を突き刺し、激しい流血が辺りに飛び散る。

 

 

 

「ふぅ・・」

 

 

行き先何体の奴等を倒しただろうか・・・。

流石に疲れた。

 

少し休もうとするが、また何かが近づいてくる気配を感じた。

 

 

「ちっ・・」

 

また来るのか・・

 

そう思い枝切狭を構える

 

 

「!!」

 

 

向かってくるゾンビは小さな男の子だ。

小学生低学年と思われる小さな男の子。

 

男の子の首からは何かぶら下げている。

 

 

『なめかわ小学校にいます。おなかすきました。たすけてください』

 

スケッチブックに書かれたSOSの文字を首からぶら下げているのか・・

 

 

「そうか・・例え噛まれても誰かがこれを見たら・・・・。」

 

枝切狭で足を突き刺し、動きを止める。

 

 

 

「先輩・・・」

 

「・・・うん・・・」

 

 

ザクッ

 

 

 

「今助けに行くからね・・。頑張ったね・・・。」

 

男の子の亡骸にそう呟いて、その場を去った。

 

 

 

 

「鞣河小学校まであとどれ位?」

 

「あそこを曲がればすぐよ・・っ!!」

 

曲がった先には拳銃を構えた警察官と思われる人物がいた。

 

でも警官は・・・

 

言うまでもないな・・・

 

 

 

「まずいなぁ・・・拳銃をもったままとはなぁ・・」

 

迂闊に発砲したら、音で奴らが集まってくる。

それだけは回避しないとなぁ・・。

 

撃つ前になんとか倒せないかな?

 

まだ警官はこちらに気付いてない。

 

枝切狭を思いっ切り投げた。

 

 

グエェ

 

「よしっ!心臓を貫いたぞ」

 

ブシャァ・・

 

激しい鮮血が辺りを真っ赤に染まる。

 

 

「ね、ねぇ大樹・・。あの警官の銃貰えないかな?」

 

「音が出るから駄目だよ・・。これならいいけど・・」

 

警官の腰に装着している警棒を取り出す。

 

「先輩・・・それ、私が使ってもいいですか?」

 

「ん?警棒を?でも接近戦向きだから、危険だと思うけど・・」

 

「大丈夫です。美紀だって頑張っているんだし、私も頑張りたい」

 

少し考えたが、祠堂さんも頑張ろうとしているし、ここは本人の意思を尊重してあげるか。

僕もフォローすればいいんだし。

 

「解った。でも無茶しちゃ駄目だよ?」

 

警棒を祠堂さんに渡す。

 

「いいなぁ~。私も何か武器が欲しいなぁ・・」

 

「由紀は・・僕が守るからいいんだよ?」

 

「でも、あの時は私も戦えたよ?」

 

「それは・・そうだけど・・・もう少ししたら、何か考えるから待っててよ?ね?」

 

「・・解った・・」

 

 

 

 

ー鞣河小学校ー

 

「着いたわ・・。今行くからね・・るーちゃん」

 

一足先に昇降口に向かう悠里さん。

 

 

「わっ・・ちょっと待ってよ・・」

 

僕達も遅れを取られないように、慌てて後を追う。

 

 

懐中電灯をタオルで覆い、ペンライトで様子を伺いながら教室に向かう。

 

 

1年生の教室。

 

 

入口は机で侵入を塞いでいるが、奥からは奴らの声がする。

 

他の教室もバリケードがあるが、奴らの声・・声・・・

 

 

 

2階の教室も3階の教室も何処も駄目だった・・。

 

 

「・・・一旦外に出よう・・。これ以上闇雲に探すのは危険だ・・」

 

「待って!まだるーちゃんが!!」

 

「気持ちは解るが・・そろそろペンライトも無くなる・・・明朝にもう一度出直そう」

 

悠里さんの手を握り、一時撤退する。

 

 

 

 

校舎の裏にある体育館に向かう。

 

幸い、ここには子供達は・・奴らは居ない・・。

校庭にはウヨウヨいるけど・・まだこちらには気付いていないようだな・・・。

 

 

ガチャガチャ

 

「あれ?扉が開かないぞ?」

 

「えっ!!」

 

ガチャガチャ

 

何度も扉を開けようとしたが開かない。

 

「もしかしてるーちゃん!?」

 

「まさか・・単に鍵が・・」

 

鍵が掛かっていると言う前に小走りで体育館に回る。

 

 

体育館の下にある小さな窓を開ける。

 

「・・・るーちゃん?」

 

 

「悠里さん・・・」

 

 

少し間を開きながら「りーねぇ・・?」

と微かな声が聞こえた。

 

「聞こえた!?今のるーちゃんの声よ!るーちゃん!」

 

「りーねぇ!」

 

居た!本当にいたんだ・・。

 

小さな女の子がこちらに向かってくる。

 

「大丈夫?他に人はいるの?」

 

ふるふる

 

小さく横に振る。

 

「悠里さん、兎に角ここを出よう。今の声で奴等、こちらに気付いたみたいだ・・。

るーちゃん、この窓から出れるかい?」

 

コクコク

 

るーちゃんは四つん這いになり、小さな窓から抜け出す。

 

「るーちゃん!」

 

悠里さんはるーちゃんを思いっ切り抱き締める。

 

「良かったですね。若狭先輩」

 

 

「久し振りだね。るーちゃん。さて、感動の再会だけど、悠里さん。一先ずここを出よう。もうすぐそこまで来ている」

 

「そっ、そうね。」

 

 

るーちゃんを抱き、小学校を出る。

 

 

 

 

 

ーワンワンワン放送局ー

 

「た、ただいま・・」

 

 

無事に皆の所に戻った。

 

 

「おーお帰り~どうだった・・って、その小さな女の子は?」

 

 

「悠里さんの妹さんだよ。」

 

「・・・・?」

キョトンとするるーちゃん。

 

「大丈夫よ。ここにいる皆、お姉ちゃんのお友達よ」

 

 

「姉さん、取り敢えずるーちゃんに何か食事を作ってあげて」

 

「解ったわ」

 

 

 

 

 

 

「ご、御馳走・・・」

 

姉さんが作った料理をペロリと平らげる。

 

 

「躰の方は大丈夫?」

 

コクコク

 

姉さんが留美ちゃんの体を改める。

 

少しやせ細っているが、栄養のある食べ物を食べれば大丈夫そうだ。

 

 

「一人で体育館にいたそうだね?」

 

 

 

「・・・うん・・・あの時・・・」

 

 

 

 

 

「丁度帰りの会だったの・・・。そしたら他の先生が『今すぐ避難するんだ!』と呼びかけをしてたの・・。でも学校の外は・・・急いで先生は机や椅子でドアを塞いだの・・。4年生や5年生の先輩も手伝ってくれて・・だけど、先輩達は突然人が変わって、いきなり襲い掛かってきたの・・・。担任の先生が私を抱えてくれて、体育館に避難させてくれたの・・・先生は体育館の全てのドアを施錠して、どこかに行っちゃった・・・」

 

 

「そうか・・・あ、食べ物とかはどうしたの?」

 

 

「先生がランドセルに飴とカンパンを入れてくれたの……。水は冷水機があったから……夜は倉庫にあったマットを布団代わりにして寝てた……。時々ドアを開ける音がして怖かった……」

 

 

「・・・・っ」

 

僕達は息を飲んだ。

 

こんな小さな女の子が一人淋しく頑張って過ごしていたなんて・・・。

 

僕達は皆と一緒に過ごしてきた・・・

 

淋しいと思った事なんかなかった・・。

 

でも、留美ちゃんは独りぼっちでいた・・。

 

どんなに淋しかっただろう・・。

 

どんなに不安な一日を過ごしていたんだろう・・・。

 

そう思うと、僕は涙が止まらなかった・・・。




無事に留美ちゃんを助ける事が出来ました。

留美ちゃんがマッドと冷水機で過ごしていた所は、前に北海道で男の子が行方不明に
なった事件のを参照しました。
マッドで寒さをしのいだのと、外にあった水道水で過ごしたそうですね。


さて、留美ちゃんも助けた生活部。
これから先どうなるのか?
次回も宜しくお願い致します。

  どらえふ


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第15話 イシドロス大学

お久しぶりです。

仕事・プライベートが忙しいのと、少しスランプしていました・・。





「いやあああああああああああああああ!!!」

 

 

寝静まった部屋で、女の子の悲鳴が聞こえる。

 

 

女の子の悲鳴で目覚める。

 

 

「大丈夫よ・・るーちゃん・・・あ・・・ごめんなさい・・起こしちゃったわね・・・」

 

悠里さんに抱かれて泣いている女の子・・・留美ちゃん。

 

 

「うっ・・うっ・・まどかちゃん・・・ゆかりちゃん・・・」

 

 

「・・・無理ないよ・・・あんな出来事で、現実を受け入れろ・・・なんて・・しかも

友人がああなってしまっては・・・・」

 

「留美ちゃん?どうしたの?」

 

胡桃さん達が何かあったのかと心配そうにやってきた。

 

「ごめんなさい・・・るーちゃん悪い夢をみてしまって・・・」

 

「うっ・・・うっ・・・」

 

泣き崩れる留美ちゃん。

 

悠里さんは留美ちゃんをぎゅと抱きしめ、大丈夫だよと宥める。

 

次第に留美ちゃんは安心したのか、眠りについた。

 

 

「仕方ないよな・・。昨日まで普通の日常が崩されてしまったんだから・・」

 

 

「スースー」

 

寝息を立てる留美ちゃんに大丈夫だろうと、僕達も眠りにつく。

 

 

ー翌日ー

 

 

「・・・っ・・・おはよう・・ございま・・す・・」

 

留美ちゃんがぎこちない挨拶をする。

 

 

「おはよう」

 

僕達は普通に挨拶をする。

 

今の彼女には不安があるだろう。

 

僕達が出来る限りその不安を取り除いてあげればいい。

 

今、頼れる人は姉である悠里さんと僕達大人だ。

 

 

今日の朝食は炒飯だ。

 

弥生さんと姉さんが作ってくれた。

 

「(小声で)すみません、お二人に作って貰って」

 

「(小声で)いいのよ。なるべく妹さんの傍にいてあげたいでしょ」

 

 

何とか留美ちゃんは朝食を残さず食べてくれた。

 

 

 

「そうだ!」

いきなり大声をだす由紀。

 

僕はその声に、飯を喉に詰まらせる。

 

「ゲホッ・・ちょ・・お前なぁ・・いきなり大きな声を出すなよ。」

 

「るーちゃんも生活部に入部しちゃいなよ?まだまだ新入部員募集しているよ。ね?りーさん?」

 

って!俺の話きーて!全く・・・。

 

「るーちゃん、どう?お姉ちゃんの部活に入ってみる?」

 

「りーねぇの部活に?」

 

留美ちゃんは少し考え、入部する事を決意した。

 

 

「やったぁ~また新入部員が入ったよ~」

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーー

 

 

「さて、そろそろ僕達も大学に向かいましょうか?」

 

「そだな。無事りーさんの妹さんも救出でしたしな・・。」

 

 

「そっか・・君達は大学に向かうんだったね。短い時間だったけど人と話せて良かったよ」

 

「弥生さんもここを出て一緒に行きませんか?」

 

弥生さんは首を横に振りここにここに残ると言う。

 

「本当はここを出て、貴方達と一緒に行きたい・・。でも、あの日から私はここでワンワンワン放送をしている。私の放送なんて聞いてくれる人なんていないと思ってた。でも、貴方達が聞いて来てくれた。もしかしたら他にも私の放送を聞いてくれる人がいるかもしてない・・。そう思うと・・・ここを離れるのはなんだかなってね。ありがとね。誘ってくれて」

 

 

「そうですか・・・。」

 

 

「・・・でも、もしこの騒動が無事に解決したら・・皆でまた集まってお喋りしたい・・な」

 

「弥生さん・・・。解りました!それまで弥生さんも無理しないで下さい」

 

弥生さんに別れを告げ、僕達は大学に向かった。

 

 

 

 

弥生さんが住んでいた家(?)から段々遠ざかる。

 

僕は見えなくなるまでずっと見つめていた。

 

 

「水洗最高~」

 

キャンピングカーのトイレから出てくる由紀。

その顔は満足そうだ。

 

「由紀ちゃん、はしたないわよ?留美ちゃんもいるんだし、それに弟も一応男の子なんだから・・・」

 

 

「えへへ~」

 

 

「由紀先輩、そこは笑う所ではありませんよ。佐倉先輩も何か言ってはどうですか?先輩いっつも

由紀先輩には甘いですよね。」

 

美紀さんに強く問い詰められるが曖昧に答えてしまう。

由紀は昔からの付き合いでもあり、もう慣れてしまっている。

 

 

 

「先輩?どうしたんですか?もしかして・・怒ってます?すみません・・生意気な事言って・・でも・・」

 

「あ、あぁ・・別に怒ってないよ。ただね・・弥生さん、一人で大丈夫なのかなと思ってね。本当は僕達と一緒に行きたいんじゃないかな?」

 

 

「大丈夫よ。人は生きようとする強い意志があれば生きていける。貴方の好きなアニメや漫画にも

そんな台詞あったでしょ?大丈夫!」

 

「姉さん・・・」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーー

 

 

 

ー夜ー

 

既に夢の中にいる由紀と留美ちゃん達

 

夜が明けるまで、僕たちはファミレスの駐車場で停泊をする。

 

 

 

 

「思ったより時間掛かりそうだな。まぁ、前にモールに行った時から解っていたけど」

 

 

僕と胡桃さんは地図を広げ、×(バツ)印を付けながら、ルート捜索をする。

×は車が道を塞いでいて通行出来ないor奴らが大量に生息している。

 

 

 

「少々危険だが・・・最悪奴らが数体なら・・こちらで迎え撃つしかないけど・・・?どう?胡桃さん?」

 

「だよな~。それっしかないよな~。」

 

「よし、そうとなれば寝るか。お前もしっかり寝とけよ?それと明日、俺が運転だから宜しく!」

 

 

「へいへい。お休み~」

 

 

 

ー翌朝ー

 

今日は僕が運転だ。

 

「さて、行きますか」

 

ブロロロロ・・・

 

 

車を走らせ15分。

 

助手席では由紀が地図を見ながらナビをしてくれている。

本当なら胡桃さんが座っているんだが、地図が苦手なのか、頭の上には某国民的

アニメみたいに「?」が浮いている。

 

仕方なく由紀をサポートとして助手席に座らせている。

 

 

 

「ねぇねぇ、あれじゃない?ほら」

由紀が指さす方向をみると、大学らしき建物を発見する。

 

 

流石大学だ。

建物も大きい。

 

 

車を停車させ、周りに奴等がいないか辺りを見回す。

 

「・・・っ・・・居ないな・・・」

 

どうやら周りにはいない様だ。

 

 

「動くな!!」

 

 

ドアを開け、降りようとすると声が聞こえた。

 

何処から声が聞こえるのか、辺りを見回すと眼鏡を掛けた小柄な男性が現れた。

手にはボーガンを持っており、こちらに撃つ体制で身構えていた。

 

 

「あ、あの・・・」

 

「動くなと言ったはずだ!少しでも動いたら、矢を撃つぞ」

 

声を掛けようとする間もなく、ボーガンを身構えた小柄な男性はこちらを睨んでいる。

 

「り、りーねぇ・・」

 

怯えている留美ちゃん。

悠里さんの裾をギュっと握りしめている。

 

「僕達は奴等でもない。人間だ。ほら、小さな女の子が怯えている。だからー」

 

「まぁまぁ。この子達がこう言っているんだから信じてあげなよ?」

 

眼鏡を掛けた女の子が現れた。

 

「出口・・!・・っち。勝手にしろ」

小柄の男はそう言い残し、その場を去った。

 

「やーやー、危ない所だったね?怪我とかしてないかな?ん?」

 

眼鏡を掛けた女の子、「出口」っと言ったかな?

フレンドリーの様に僕達に話しかけてきた。

なんなんだろう・・あの小柄の男とも知り合いなんだろうか?

油断させて、背後から襲ったりとかしないだろうな?

兎に角話でも聞いてみるか。

 

 

 

「あの・・貴女は?それとさっきの人は?」

 

「まぁまぁ。取り敢えず中に入ろうよ?ね?」

 

彼女の後に続いて大学に入る事にした。

 

 

ー大学構内ー

 

「いやぁ~危なかったねぇ~丁度トイレに行こうとしたら、外に見慣れない車が見えてね。救助が来たのかなと思ったら君達が見えてね~」

 

「は、はぁ・・」

 

「まぁ、取り敢えず・・ようこそ!イシドロス大学へ。-そして・・」

 

出口さんはある部屋のドアを開ける

 

 

「僕のサークル『自堕落サークル』に」

 




12月にはがっこうぐらしの連載も再開するようですし楽しみですね。

大学かぁ・・。




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第16話 武闘派と穏健派

いよいよ大学編が始まります。





「僕のサークル『自堕落サークル』に」

 

扉の向こうには3人が出迎えていた。

 

「ではようこそ。『我が自堕落サークル』へ。僕が代表の出口桐子だよ。」

 

「-で、右から順に茶髪のポニーテールしているのが光里晶、黒髪セミロングのが喜来比嘉子、黒みがかったショートヘアのがサークル唯一の男の子、遠藤元樹(もとき)。ほら遠藤君、こっちに来なよ」

 

遠藤という先輩はゲームをしながら頭を下げる。

 

 

「ごめんね~遠藤君、見ての通り、人見知りでね・・ほらちゃんと挨拶しないと・・」

 

「・・・遠藤です・・」

 

そう言うと、再び奥の椅子に座りゲームを始める先輩。

 

 

 

「あ・・・えっと、じゃ僕達も・・・」

 

一通り、お互いの自己紹介を終え、今までの出来事を話した。

 

 

「へぇ~君のお姉さんなんだ~。てっきり由紀ちゃんのお姉さんかと思った」

 

出口先輩は僕と由紀と慈姉さんを見比べる。

 

 

 

 

「そっかそっか・・色々大変だったんだね・・でもどうしてこの大学に?」

 

「この緊急避難マニュアルに大学の事が記載されていてね。本当ならランダルに行ってもいいんだけどね・・

大学ならランダルについて何か情報があるんじゃないかと思いまして・・後はまぁ・・僕達みたいに避難している人もいるかなと・・・」

 

緊急避難を出口さんに渡す。

 

「・・緊急避難マニュアル・・・何々・・・」

 

出口さんはふむふむと言いながら、マニュアルを捲り、一通り読んだのか、一旦閉じて再び読み始める。

 

 

 

「あの・・先程の人達は・・・?」

 

 

「ん?あぁ・・あいつらはねぇ・・・」

 

プルルルルッ

 

悠里さんが質問しようとしたら部屋の電話が鳴った。

 

 

「はい・・あぁ・・居るけど?・・えっ?・・・」

 

 

 

・・・・・・

 

 

「あの・・今の電話は・・?」

 

「ん?あぁ、あいつらからの電話さ。と言っても内線だけどね。で、あいつらが君達に話があるそうだけど・・

どうする?さっきの出来事があるから会いにくいと思うけど・・」

 

 

「・・・っ・・」

 

どうしようかと僕達は見つめ合う。

さっき僕達にボーガンを向けようとしたんだ。何かあるに違いない・・

 

「いや、いやならいいんだ。後で僕があいつらに連絡するからさ」

 

笑顔で大丈夫だよと出口さんは言うが・・。

 

 

「もし・・断ったら・・はい解りましたと納得する人達じゃありませんよね?」

 

美紀さんの質問に何も答えない出口さん。

 

だろうね。あの連中だ。きっとここに乗り込んでくるだろう・・。

 

「まぁ、この状況を見れば解ると思うけど・・僕達がこうして自堕落にゲームして遊んだり、食べているのも

あいつらのおかげなんだけどね・・。気は進まないと思うけど・・出来たら・・」

 

会いに行ってくれ・・・か。

こっちには留美ちゃんがいる。

あまり危険な目には合わせたくない!

 

 

 

「まぁ・・いきなり攻撃なんてしてこないと思うし・・トーコも同行するから」

 

 

光里先輩が出口先輩も同行させるからと言うと、出口先輩は僕も?な感じで、半ば嫌そうにしてたが、

まぁ先輩だしな感じで一緒に同行してくれた。

 

「先輩じゃなくて、トーコでいいよ」

 

トーコさんはそんなに改めなくていいよと言いながら、先程の連中がいる部屋に向かう。

 

 

 

 

「一応・・これから向かう会議室までは僕達のテリトリー・・陣地だと思ってくれ・・。会議室から先はあいつらの陣地だから、あまり立ち入れない様に・・。後は色々あるけど、それは追々説明するよ・・」

 

ふーん、縄張りがあるのか・・。

僕達は兎も角、留美ちゃんが誤って踏み入れない様に注意が必要だな・・。

 

などと考えていると、会議室に着いた。

 

 

中に入るといかにもな感じの連中がいた。

「ふんっ付き添いご苦労・・ここからは俺達『武闘派』が質疑に入る。『穏健派』の方々は早急にご退散を」

 

武闘派?穏健派?なんだそれ?

 

釘バットを持った男がトーコさんに退席を求めるが、トーコさんはそれを拒む。

 

バットの男はまぁいいさと言いながら僕達を見つめる。

 

「まずは・・うちの高上がいきなり攻撃を仕掛けてしまい、すまない」

 

男は一礼をして先程の件について謝罪をしてきた。

 

 

「本当だよ!こっちには小さい女の子がいたんだよ!いじめ良くない」

 

珍しく由紀が真面な事を言ってくれた。

や、真面な事なんだけど・・・。

 

 

「さて、本題に入るが・・お前達は何処から来たんだ?何故この大学に?それと本当に人間か?」

 

どうやら外部から来た僕達が脅威に思えたんだろう。

僕達はなんとか解ってもらうために色々説明した・・。

 

 

「・・・まだ信じられないな・・その高校がウチの大学みたいにご都合よく設備が整っているなんてな」

 

「・・・・・・」

 

 

「・・・緊急避難マニュアルか・・ふんっ、まぁいい」

 

緊急避難マニュアルをテーブルに放り投げる釘バットの男

 

 

「そういや、まだ自己紹介してなかったな。さっきお前達をクロスボウで攻撃したのが高上聯弥、隣のサイドテールの女が右原篠生、キャップを被り煙草を吸っているのが城下隆茂、腕を組んでいる女が神持朱夏。んで俺が頭護貴人」

 

「見ての通り、戦えるのは俺達だけだ。出口達は非戦闘で何も出来ない人達だ」

 

「なっ、地下の発電機や備蓄などを発見したのはこっちだろ!?」

 

「おっとそうだったなwww」

 

 

 

「・・・もういいだろ?この子達連れて帰るよ」

 

トーコさんが僕達を連れて行こうとすると、頭護先輩が胡桃さんの腕を掴む。

 

「な、なにしやがる!放せ!!」

 

「ほう・・威勢がいいじゃないか。しかもそのシャベル・・・お前中々の使い手だな?」

 

「だったらなんだ?」

 

「どうだ?俺達側に来ないか?お前のその戦闘能力使えそうだ」

 

「断る。私はりーさん達と一緒に居たいからな」

 

「ふーん。まぁいい。おい、出口!これ」

 

頭護先輩はダンボール箱をトーコ先輩に渡す。

 

「・・・ありがとう・・」

 

「・・・ふんっ・・・おっと、そこの男子・・佐倉と言ったな。お前ちょっとこっちに来い!」

 

 

げっ・・なんだよ・・。

 

 

頭護先輩はこっちに来いと手招きする。

 

「な、なんですか?先輩」

 

 

「女の子に囲まれて生活していたそうだな」

 

「・・それが何か?」

 

「あの中に誰か好きな女の子でもいるのか?」

 

「・・えぇ・・いますが・・?」

 

 

「ふ~ん・・まぁ、精々頑張ってそこ娘を守れよ!」

 

「?」

 

そう言うと先輩はもう行っていいと、手でシッシッと追い払う。

その為に俺を呼び止めたのかよ!何だよ!

 

「・・・失礼します・・」

 

 

 

「戻りました」

 

「大丈夫だったかい?何か酷い事言われなかったかい?」

 

「大丈夫ですよ。それより・・凄いお菓子とジュースですね・・」

 

「うん?あぁ、これは君達の歓迎会のだよ」

 

それにしても凄い量だ

 

「(ボソッ)・・・さっき、あいつからダンボール箱貰っただろう?たまにあいつら外に出て、食料を手配してくれるんだ・・だからさっきああ言ったのはそうゆう意味なんだ・・」

 

あぁ成る程ね。トーコ先輩達がカップ麺や、スナック菓子・缶詰・飲み物があるのは頭護先輩が配給しているな。

だからあんな事言ったのか・・・。

 

 

 

「ーってな事で、乾杯~」

 

それぞれ紙コップで乾杯をしあう。

 

 

「なんだかモールで圭と一緒に食べたの思い出したね」

 

「うん。あの時は備蓄してたお菓子を食べて過ごしていたもんね」

 

「あの時は・・ホントごめんね・・。」

 

「ううん・・あの状況じゃ仕方ないよ・・圭は悪くないよ」

 

 

 

 

「るーちゃん美味しい?」

 

「うん♪」

 

留美ちゃんは嬉しそうにクッキーを食べている。

 

 

「わーい、お菓子お菓子♫」

 

「おい由紀、もう少し落ち着けよ・・」

 

ボロボロとクッキーのカスを落とす由紀。

おまけに口の周りににもカスを・・。

 

ウェットティッシュで綺麗に吹いてあげると由紀はニコニコ笑う。

 

「えへへ・・有難う大樹」

 

そんなやり取りをしていると周りの人達がニヤニヤ笑っている。

 

 

 

歓迎会の宴も終わり、外は真っ赤な夕日が空を染めていた。

 

色々あったけど、新たな生活がスタートする。




メリクリです。

2015年の12/21に書き始めて2年が経ちました。

自分でもこんなに続くとは思いませんでした・・。

さて、穏健派にオリジナルキャラの遠藤君。


こちらにも男性がいるので、出口さん達にも男性を入れてみました。

さてさて、大学生活はどうなるか?

次回は年内か1月には投稿する予定です。

では次回も宜しくお願いします

  どらえふ


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第17話 協力しあって生きて行こう

5年も間が空いてしまった・・。


歓迎会も終わり、外は真っ赤な夕日がキャンパスを染めていた。

 

トーコ先輩は部屋は沢山あるから自由に使っていいよと言ってくれた。

 

 

「個室だよ。みーくん、大樹。キャンパスライフって大人の香りだね~」

 

由紀はネームプレートに自分の名前の「由紀」と書いて、トレードマーク(?)であるヘアピンの熊の絵を描いて嬉しそうに見せびらかせる。

 

「はいはい・・先輩は個室があると大人なんですね・・」

 

美紀は呆れた顔で嬉しそうにクルクル回る由紀を見つめていた。

 

 

「これで私も大人の女になるんだね~」

 

う~ん、それは違うような・・。

ま、由紀が楽しそうにしているので別にいいか。

 

 

・・・・・・・

 

 

部屋割りが決まった。

 

美紀さんと圭さんは同室。

まぁ二人は長い付き合いだから当たり前か・・。

 

若狭姉妹も同じく同室。

 

僕は姉さんと同室になった。

 

胡桃さんは由紀と同室だ・・。

 

最初は由紀は一人部屋だと喜んでいたが、美紀さんと圭さんが同室になると、自然に若狭姉妹も同室に・・

由紀はやっぱり一人部屋より同室がいいなと言うので、僕と一緒の同室を希望したが、

皆から「駄目よ!」と言われ、由紀は胡桃さんと、僕は姉と一緒の部屋になった・・。

 

 

結局、由紀の大人キャンパスライフは数分で終了した。

 

 

部屋割りも終わり、荷物の整理もひと段落してトーコさんが集まる部屋に入った。

 

 

「終わったかい?私達これからお風呂に入るけど一緒に入らない?」

 

トーコさん達は洗面器やタオルを持って部屋で僕達が来るのをを待っていたそうだ。

 

 

お風呂か・・・。

 

そういや、卒業してからお風呂に入ってなかったな・・・。

 

 

 

ー男湯ー

 

「お前達か・・風呂入るんだろ?遠慮しないで入って来いよ」

 

 

どうもこの頭護先輩は苦手だ・・。

 

先輩は早く来いと手招きするので、言われるまま湯船に漬かる

 

大学の風呂は高校の風呂より少し大きい。

 

高校の風呂は小さな旅館並みだが、大学のは銭湯並みの大きさだ。

 

 

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

 

か、会話がねぇ・・・。

 

頭護先輩は兎も角、遠藤先輩も会話ねぇよ・・。

 

この二人に囲まれている・・・助けて。

 

 

 

「あ、あの城下先輩達は・・?」

 

取り敢えず会話の糸を繋げる為に話題を振り出した

 

 

「お前たちが部屋割りをしている間に入ってたよ」

 

「な、なんで部屋割りの事を・・」

 

「・・・声が聞こえたから・・」

 

「あ、そうですか・・・」

 

「・・・・・」

 

 

長い沈黙・・

やべぇ・・会話無いよ・・

 

 

「明日・・・街に出て食料とか調達する!お前も来い。どうせさっき渡した段ボールの食料、半分以上食べたんだろ?」

 

 

「は、はい」

 

 

「じゃな・・明日迎えに行くからな」

 

そう先輩は言うと、浴場から出て行った・・・。

 

どうも解らないなぁ・・。あの先輩

 

 

「い、行くの・・かい」

 

後ろからいきなり遠藤先輩が話しかけてきた・・

 

「わ・・せ、遠藤先輩・・・・。えぇ・・」

 

 

「行かない方が・・いいんじゃないかな・・あいつは危険だよ?」

 

「そうは言っても、あんだけ食べたんだし、それにこれから出口先輩達にお世話になるんだから・・。やっぱそれ位のお手伝いはしないと・・」

 

 

「・・・・・・・」

 

黙り込む遠藤先輩。

あの先輩もそうだが、この遠藤先輩も全然しゃべらねぇ・・

この先大丈夫かな・・・

 

 

翌日

 

「おい、迎えに来たぞ!」

 

頭護先輩が自堕落サークルの部屋に来た。

 

トーコ先輩にはあの後伝えたが、トーコ先輩は別にいいんだよと言っていた。-が、やっぱ先輩の

お世話になるんだから、少しは何かお手伝いをしないとな。

 

 

「じゃ、トーコ先輩行ってきます」

 

 

「後、若狭悠里っといったかな。お前も来い」

 

頭護先輩は手招きをして悠里さんを呼ぶ

 

「な、なんで私が・・・」

 

「妹の服とか下着とかあるだろ・・姉であるお前に来てもらわないと。俺にはよく解らんからな」

 

 

「・・・解ったわ・・・。るーちゃん、お姉ちゃんちょっと行ってくるね?」

 

「う、うん・・」

 

不安そうな留美ちゃんに見送られ、僕達は部屋を後にした。

 

 

外に出ると、高上先輩が待機していた。

 

 

どうやら出掛けるのは僕と悠里さんと頭護先輩と高上先輩の4人だ。

 

 

 

ーモールー

 

まさかまたこのモールに来るとはねぇ・・・。

 

「さて・・と、食料の前に、お前の妹の服とか探さないとな」

 

「あ、あの・・・どうして・・」

 

なんで私達の事を気にかけてくれるのかを聞こうとすると、高上先輩が先に答えた。

 

 

「頭護は妹を亡くしているんだよ・・。あの騒動でな・・・少し落ち着いてから妹さんの中学に行ったんだが、妹さんは既に・・・」

 

 

「・・・高上!それ以上言うな!」

 

成る程ね・・・

留美ちゃんを妹さんと重ねているんだな。

本当はこの先輩、妹思いの優しい人なんだろうな。

不器用であんなぶっきらぼうな態度にでるんだろう・・・。

 

 

ー子供服ー

 

「えっと・・るーちゃんのパンツと服はこれとこれと・・」

 

 

悠里さんが選んでいる間、近くの椅子に座って待っていた。

 

「・・・・彼女が気になるのか?さっきから若狭をずっとみているが」

 

「別に見てませんし、彼女でもなんでもないです」

 

「はぁ?好きな女がいるとか言ってたじゃないか?」

 

「居ますが、若狭さんではないです!」

 

「じゃ、まさか・・あの女の妹か!?おまっ・・いくらなんでも小学生って・・ロリr」

 

頭護先輩は僕から少し距離をとった。

 

ちょ待てーい。

どうして俺が小学生に!

 

 

「違います!僕の好きな女の子は、あの背の低いピンクの髪の・・由紀です」

 

「あぁ、あのへんてこな帽子を被った高校生に見えないあれか」

 

そこは何となく否定出来なかった。

由紀には悪いけど、あの幼児体型・・。

胸は小6の時と変わらないし・・。

 

「そうゆう先輩達はどうなんですか?」

 

今度はこちらから質問しようとしたら悠里さんがこちらに戻ってきた。

 

 

「終わったのか?じゃ、佐倉と俺は食料調達に行くから、若狭は先に車に戻ってろ」

 

「あ・・あの・・・あ、有難う・・」

 

悠里さんのお礼の一言を言うが、先輩はそっぽ向いてスタスタと行ってしまう

 

 

 

ー食品売り場ー

 

「うっ・・」

 

鼻にツーンとくる強烈な臭い・・

 

暫く振りに来たが、前と違って魚・肉などの腐敗の生臭いが強烈すぎる。

 

「うっ、おえっ・・」

 

あまりにの腐敗の臭いに耐え切れず、嘔吐しそうになった。

 

 

「いいか、必要最低限だけ持って行くぞ」

 

「は、はい」

 

カップ麺・缶詰・インスタントラーメン、由紀や留美ちゃんの好きそうなお菓子をリュックに無造作に詰め込んで

その場を立ち去った。

 

「さぁ、ここを出るぞ!恐らくもうここには来れないだろう。前に調達した時よりも奴等、ここに集結している・・」

 

奥をみると、前に来た時よりもかなり多くのやつらがいた。

こちかとの距離はまだ十分はあるが、いずれここも危ないだろう・・。

 

 

 

ーイシドロス大学ー

 

「大丈夫かなぁ・・あいつ・・」

 

胡桃はシャベルをギュと握りしめ、窓の外を見つめる。

 

窓の外では大樹が笑顔で手を振っている。

胡桃もつられて笑顔で手を振る。

 

車はゆっくりと奴らに気付かれずに大学を出る。

 

 

「まぁ頭護がいるし大丈夫だと思うよ?」

 

トーコ先輩はポンッと胡桃の肩をたたき、ニコッと笑顔で答える。

 

 

「邪魔するわよ」

 

ホッと一息するとガラッと勢いよく扉を開け、ズカズカと部屋に入ってくる神持朱夏先輩。

 

一同は警戒態勢に入った。

 

「ちょっと・・そんなに警戒しないでよ・・何もしないわよ」

 

そういいながら近くの椅子に腰かけ、ポケットから煙草を取り出す。

トントンと箱を叩きながら煙草を取り出し、ライターで火を着ける。

ふぅ~と煙を吐き出すと、部屋が煙草の匂いが充満した。

 

ゴホゴホとせき込む留美ちゃん。

 

「ちょっと・・・ここ・・禁煙・・・」

 

ヒカ先輩に言われると、チッと舌打ちをしながら、ポケットから携帯の灰皿を取り出し煙草の火を消す。

 

 

「・・・何しに来たのさ」

 

そっけない態度でトーコ先輩は質問する。

 

 

「今から皆で畑を耕すわよ」

 

「はぁ?」

 

「あら?高上君から聞いてなかったの?」

 

食料調達は聞いていたが、そんな事は話してない。

というかなんでそんな話になったの?

トーコや胡桃達は意味が解らなかった。

 

大きなため息をつきながら神持先輩は答える

 

「はぁ~・・あのね。今私達が食べているそのカップ麺、そのポテチ、レトルトカレーやウィンナー等。あのモールで調達しているけど、無くなったらどうするの?私達が持って行っても誰も棚に補充なんかしてくれないのよ?倉庫から調達しても無くなったら?トラックが来る?どうやって?その配送業者今でも稼働しているのかしら?」

 

トーコ達ははっと気付く。

 

「はぁ~・・・そう。私達が普段買い物で食料が手に入るのは、それを作っている食品の会社などがいるからよ。この状況で生産しているとは思わないわ。だから、自給自足をするのよ。ジャガアイモ・サツマイモなどを作るのよ・・・・もしかしたら、もう人類は私達しかいないかもしれない・・・・だから・・・生きて行くには私達が協力しあないといけないのよ・・・悪かったわね・・・こんな私達だけど・・一緒に・・」

 

 

神持がすっと手を伸ばして来た。

トーコ先輩は少し迷ったが・・・

 




お久し振りです。
2017年12月以降以来ですね。
まずはがっこうぐらし!12巻完結して良かったです。
結末は・・私は仮設で作ったプレパブで学校を作っていただろうと考えていましたが、仮設ではなく高校をそのまま使っていたんですね。
私の考えとは少し違いましたが、似た様な感じで嬉しいです。



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