デート・ア・ディフェンダー (名無しのめがね)
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レイディフェンダー1

どもも、初投稿ですので長い目で見てくださると嬉しいんですけども…


プロローグ

 

 

あの日の事を俺は一生忘れないだろう…………

全てを失ってしまったあの日の事を

精霊の災害に巻き込まれて親も、友達も、夢も、希望も無くしてしまった俺にはこうすることしか出来なかった。そう…………戦うことしか……でもそれは復讐の為ではなく俺が俺自身を保つためにしていた事だ………………だがあの最低の日々から救ってくれた人がいた、あの人には感謝してもしきれない、その恩を返す為に俺は違った。

「俺はこんなところで…………こんなところで倒れる訳にはいかないんだよ!!!エレン・メイザース!」

守ってみせると誓った。

たとえそれで俺が傷ついてしまっても、死ぬことになってしまったとしても………………………………

 

これはフラクシナスのもう一つの戦い

一人の少年の生き様を描く物語

 

 

数ヶ月前

部屋にシャッ、シャッ、シャッとガンプラを削る音が響く。

静かな時間が過ぎていく……ひたすら無心に【彼】の部品を削っていく。この作業が終われば、最後の仕上げだ。

だがその前に、一つ一つを完璧に削り、磨きあげなければならない。……そしてその時がやってきた。「終わった」そう呟くと同時にスプレー缶を取り出す。速くしないとほこりがついてしまう。迅速にスプレー作業へと移ろうとしたその瞬間に「総員直ちに戦闘態勢!空間震を確認、艦内にいる者はただちにブリッチヘ急行してください。シキバ君は出撃準備を」艦内の放送がそう鳴り響いた

……すぅっと俺は息を吸いこみ

「これからって時に!タイミングが悪すぎるだろおいッ!」心から全力で叫んだ。

俺は今、趣味のガンプラ作りをしていたのだ。今さっきまでやっていたのは紙ヤスリで部品の細かい部分まで削り、よりシャープに、よりカッコよくする為の作業だ。その作業が終わった為、仕上げの作業、スプレーで色をつける作業をしたかったのだが仕方ない。俺は制作中のガンプラを傷つけないように優しく収納して自分の部屋からでて

「はぁ……仕事か……」と悲しそうに呟いた

 

出撃準備に取り掛かるために俺は耳に通信装置をつけ、リアライザの起動を始めた。リアライザの起動といっても頭に命令すればそれでオーケーなんだけどね

「やっぱガンプラ作ってないで装備を作ってたほうが良かったか?」

前回、空間震が発生してからそんなに時間が経ってなかったせいもあって装備を増やしてなかったのだ

……いや、別にガンプラが作りかけだったから完成させたかったとかそういう理由ではない、断じてそんな邪な理由では無い。……違うからな!?

俺がそんな事を思いながら出撃準備に取り組んでいると不意に通信が入った

「当たり前よ……だからあれほど先にやっておきなさいと言ったのに、聞かなかったバカは何処のどいつかしら?」

「……すみません。それで、用件は何ですか?小言を入れるために通信してきたわけじゃ無いでしょ?」

「話がはやくて助かるわ、今回の精霊は前回同様、プリンセスよ十分に注意して挑みなさい。」

「あらら、やっぱりあのお姫様ですか。了解しました、すぐに出撃します」

そう言うと俺は通信を切って出撃準備に取りかかった

今の通信をいれてきた相手がこの艦の指揮官であり俺の上司の琴理艦長だ。普段あんなに無邪気なのにスイッチが切り替わった瞬間超ドSになるんだよねぇ…っと出撃しないと

「脚部装備、腕部装備、バックパック装備、展開!」

俺がそう気合いを入れて言うと体の周りに装備が展開された。

俺は空中に展開された装備に足、腕と順番につけていく。

「脚部、腕部、装着完了!バックパック装着確認、ブースター起動確認、よし。全武装の安全装置解除を確認完了」

武器はビームライフル、ビームサーベル二本だけなので正直心もとない。

……やっぱりガンプラ作ってないで真面目に装備のチェックしていたほうが良かったなー(遠い目)

「ま、贅沢言ってらんないよね。じゃお仕事始めま『うッわぁあ!寝過ごしたぁッ!』

と俺が気合いを入れ、出撃しようとした時に

耳に着けてた通信装置から叫び声が響いた。

俺は出撃をやめて耳鳴りが酷いのを気にせずに

通信をいれてきた相手に言った

「……やッッと起きたか!この、グータラ娘!」

『いや~やっぱり先輩の声じゃないとどうも

目覚めが悪くて……テヘッ♪』

「あら可愛い。とでも言うと思ったか!仕事しろ、仕事!!」

今お前が言うなと思ったやつ、覚悟しとけよ……

『えーー可愛いと思ったんだけどなぁ~むぅ……ま、いっか!』

今の通信相手が俺の戦闘での相棒、メイである。

顔は……まぁそこそこ。黙ってれば可愛いんだが、色々抜けてるので

プラマイゼロ……むしろマイナスな気がするな

俺が戦闘の時に困らないように逐一情報をくれる。ようは俺専属のオペレーターだ。仕事は出来るので信頼はしてる。してるのだが、さっきも言ったように色々抜けてるので、時々ミスをする…今まで何回死にかけたことか…

『ハッチオープン完了ー。セーフティーロック、オール解除~。出撃お願いしまーす』

まったく、と呟いて俺は改めて気合いを入れる。

「さて、今度こそお仕事始めますかね。

シキバ・レイ【 エクストリームガンダム】出撃する!」

おっとそう言えば俺の紹介をしてなかったな。

俺の名前はシキバ・レイ。

ここ空中艦フラクシナスの唯一無二の戦闘員だ。戦闘員と言っても俺の仕事は相手を倒すことではない、むしろその逆。俺の仕事は人と精霊、二つの存在を守り通すことだ。と言っても守り通すほどの力は無いから毎回、毎回、大変だけどね。

ちなみに趣味はガンダムに通ずるもの全て。

好きなガンダムシリーズは……まぁ強いて言うならば、全部かな。

そうだ、そのまさかだ。気づいてた人もいると思うが

俺は、正真正銘の

ガンダムバカだ

 

 




ええ、そうですよ……ガンダムが好きですけど
何か問題でも?(笑)
という訳で始まりましたけども、基本、後書きは装備の説明をしていく予定です。
【エクストリームガンダム】(知らない人はググってね!)
基本装備はライフルとビームサーベルだけですね。
見た目はASTと変わらないですけど腕、脚、バックパックなどに違いがあります。カラーリングは白基調で所々に赤色が。
もちろん角は黄色です


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レイディフェンダー2

2話目です



「メイ状況はどうなってる?」

『まだASTが到着してないのでまだ戦闘は起きてないですが、あと数秒程で現地に到着してしまいます。……あれ?』

「どうした?何かあったか?」

『先輩、民間人がいます!プリンセスと何か話してるようですが……

わぁ!吹っ飛んだ!』

クソッ!と悪態をついて俺は現場へと急いで向かった

間に合え、間に合え、間に合え!とかって連呼したいところだが

ふざけてる場合じゃなさそうだしね、出力全開でいこうか!

普通なら空間震警報が聞こえた時点で近くのシェルターに避難する筈なのだが、迷ったのかそれとも怖いもの見たさのバカなのか

「さてと見えてきたな、あそこに民間人がいるのか」

どうしたものか……最悪な事にASTも到着してもう戦闘を開始している

ASTとはアンチ・スピリット・チームの略でその名前の通り

精霊を倒すことを目的としている。

え?利害関係が一致してるから協力すればだって?

バカ言ってじゃねえ!

俺の目的は精霊と人間、どっちも守ることだ!

…とは言ったもののASTとプリンセスが交戦に入っている以上

俺が無闇に突撃すれば挟まれて潰されるだけだし、何よりあの民間人を保護しなきゃならねぇ。

「よし、メイ今から民間人の保護を開始する。安全の為、通信を一時的に切るぞ」

『え?え??ちょっ先』

俺はそう言うと通信を一方的に切った

どうやらASTはこちらにも民間人にも気付いてないみたいだ

気配を殺しながら俺はゆっくりと、だが着実に民間人へと近づいていく。

(……男か)

手が届く距離まで来たので、まずは怪我の確認だ。

……どうやらプリンセスとASTがドンパチした衝撃で気を失ってるだけのようだ。

不幸中の幸いか、誰一人こっちに気がつく者はいない。

(あとは、こいつをシェルターまで届けられれば良いんだが……誰も気付くなよ?)

そーと近づきうつ伏せの民間人に触れた瞬間

「その人をどうするつもりなの」

俺は後ろから銃口を突きつけられた。……チビりそうになったのは内緒だ

俺はゆっくりと立ち上がりながら後ろへ振り返り、薄ら笑みを浮かべた

「おお!?これは、これは、鳶一折紙さんじゃ無いですか~

どうしたんですか?プリンセスならあっちですよ?」

目の前にいる人物は鳶一折紙、ASTの隊員だ。見た目は控えめに言っても超がつくほどの美人。そして俺の職業上、何度も戦った相手だ。……端子端麗なその顔はいつも人形のように無表情なのだが今はゾッとするぐらいの敵意を浮かべている……

「もう一度だけ言うその人をどうするつもり」

わ~お次ふざけたら迷わず撃ってきそうな雰囲気だねぇ……

やべぇ凄い怖い……俺は表情から笑みを消して言った

「こいつは民間人だ、ここにいれば死ぬ。運が良くて大怪我だ。

しかも最悪な事に気絶して動けないみたいだったからな、保護しようとしていたんだ」

「そう……」

鳶一から敵意が消えた。俺はホッと息をつき民間人を保護しようとした、のだが

「その人は私が保護する。貴方はどいて」

と鳶一が言ってきたので俺は動きを止めた

(おいおいおい、一体どういう風の吹きまわしだ?今までこいつが精霊とドンパチやる所意外は見たことが無かったのに……一体何が?)

民間人が戦闘に巻き込まれる事はほぼないのだが、それでもたまに巻き込まれる奴がいる。そういう場合は俺か、ASTの別のメンバーが

救出、または保護しているのだが…こいつがそういった事をした事は一度も無かった、むしろ積極的に精霊と戦ってたのだが…何故だ?

と俺が躊躇していると鳶一が民間人を起こし肩に担いだ。

っとそこで民間人の制服が目に入ってきた。

(この制服はたしか来禅高校の。なるほど、確か鳶一は来禅高校だったな)

何で俺が鳶一が通ってる高校の名前を知っているかと言うと

決してストーカーではない。艦長のお兄さんも来禅高校に通っているからだ。近々とある作戦の為に艦長のお兄さんの事を知っておかなければならなかったので高校の方にこっそり忍び込んだのだ。

ASTの鳶一が来禅高校にいるのを見たときは度肝を抜かれたね

高校生であの落ち着きようはヤバイって……

軽い狂気を感じゲフンゲフン

(時間的にそろそろプリンセスがあっちに戻る頃か。くそ…誰も死んでなきゃ良いんだがな…)

っとそうだ、メイに民間人の保護は任せた事を伝えなきゃな

俺は通信装置を起動した

『あの~先輩……』

起動した瞬間にメイが話しかけてきた。何かあったのか?

「ん?どうしたメイ」

『非常に言いにくいのですが……』

「何かあったのか?」

『さっきの民間人の事なんですけどー……』

どうやら観測用の装置を飛ばして見ていたらしいな

「珍しいよな、鳶一が保護を優先するなんて」

と俺が軽いノリで話しているとメイは

『さっき鳶一さんが肩に担ぐ時、顔が見えたんですが……艦長のお兄さんでした』

静かに、俺がやらかした事を告げてきた

「あー……マジ?」

……いや、何処かで見たことはあるなーと思っててさー

きっと忍び込んだ時に見かけた人なんだろなーって自分で納得してたんだが……

『……はい、マジです』

「オーケー……取り返してくる!!!」

まさか、艦長のお兄さんだったとは……あれ?これ取り返さないと俺、死ぬんじゃね?

 

すでに飛び立った鳶一を追いかけて俺も戦場へと飛び出した。

クッソ、ASTに借りを作ったなんて艦長に知られたら……

考えるだけでも恐ろしい!どこだ!鳶一!!どこいった!!!

俺はまだ死にたくない!

俺が必死になって鳶一を探していると

「む?貴様はたしか……ゲイ!」

と後ろから失礼な名前の間違えかたをされた

「違うよバカ!レイだよ!!」

誰だよこんな忙しい時に失礼な間違えかたしやがっ

「って!?プリンセス!!??」

よりによって精霊とエンカウントかよ…。今、俺の目の前にいる超が付くほどの美人が精霊だ。

人と精霊、二つの存在を守るのが俺の仕事であるので度々

この精霊とも何度か戦ったのだが、未だに名前を覚えて貰えてないとなると傷つくな…

が、

「今は構ってられないからまた今度!アデュー!」

プリンセスはこっちが危害を加えなければ見逃してくれる。だから今日はこのままスルーして

っと俺が考え再び鳶一を探しにその場から飛び立った瞬間、後ろから斬撃が飛んできた

「!?クッ!」

とっさにリアライザでガードは成功したが、一体どこかr……

「何で攻撃してきてんのさ!俺からは攻撃して無いじゃん!?」

「む…なんとなく貴様の今の態度にイラっときたのだ」

…俺、結構友好関係を築いてきた筈なのにな……

プリンセスの事を真っ直ぐに見て俺は

「ハッハッハッハ……逃げろ!」

その場から全力で逃げた…

ちくしょう!精霊から追いかけられるとかどこのマゾゲーだよ!

後ろから迫ってくる斬撃をかわし、流し、時に防ぎながら鳶一を探す

くっそ!何処に行った?まだこの辺にいると思うんだが……

ん?あれは!

「いた!!とびいちー!!止まれー!」

「?」

何事かと鳶一が振り返り足を止めた瞬間、俺はそのまま鳶一の横を通りすぎた。勿論、民間人…いや五河士道君を鳶一から取り返して。

一瞬何が起きたかわからない様子だったが鳶一は士道が俺に取られた事に気づくと、、、ものっ凄い剣幕で追ってきた。だがその後ろから迫っていたプリンセスの存在に気がつくと足を止めた

恐らくどちらを止めるべきかで迷っているのだろう。

だが、すぐにこちらを追ってきた。

精霊を無視してまで取り返そうとするとは……正直、驚きだ

多分なんだが…鳶一は

っと俺が邪推なことを考えてるいると、プリンセスが俺と鳶一をまとめて吹き飛ばそうとしたのか

剣を構え、横に凪ぎ払った

とっさの事だったが鳶一はリアライザを展開して防いだらしい

俺もそうしたかったのだが、生憎とこちらには士道君がいるので

リアライザを展開すれば士道君がはみ出してしまい、目を当てられない状態になってしまう。

なら広げれば良いじゃないか?と思っている人もいるだろうが

広げればリアライザの密度が下がり、俺ごと吹き飛ばされるのだ。

だが、今回に限って言えば防ぐ必要は無いのだ。なぜなら

「じゃあな鳶一、プリンセス、また戦場で会おうぜ」

俺はキザったらしくそう言うとその場から士道君と共に姿を消した

まぁ消したって言っても艦の転送装置使っただけだけど。

フラクシナスが近くまで来ている事はわかっていたので

今回は転送装置を使ってショートカットさせて貰った。

「任務完了っと」

俺は艦に戻った瞬間にそう呟いた

あー……最後の鳶一怖かったな…

足が震えていたのは内緒だ

 



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レイディフェンダー3

前から思ってたんだが
ここで言うことってあまりない気がするんじゃが……
取り敢えず三話目です


当然と言えば当然だが……

俺はあの後、艦長から大目玉を食らった

内容は

「私のお兄ちゃんが怪我でもしたらどうすんのよ!」みたいな内容だった。兄思いの良い妹ですね、けど

なーんか怪しいな……

怪我でもしたらとか言ってた割には緊急の対策とか何も練ってなかったし結構落ち着いてた。……何かあるのは間違い無い。

ま、そんな事を考えても仕方ないか。

 

艦長のお兄さんを助けてから既に数時間が経過していた。あの場所か離脱して数分もせずに精霊は消えた……恐らく戻ったのだろうあっちの世界に。それからまもなくしてASTも撤退していった。当たり前と言えば当たり前なんだけど。

目標が居なくなった以上その場に止まる意味は無いからね。

それにしても……

(鳶一恐い……次に会うのが憂鬱だよ……)思い出したらまた震えが

っとそうだ、そろそろ目を覚ますかもだし村雨さんの所に行ってみるか。検診も受けなきゃいけなかったし

リアライザを用いた戦闘では脳に多かれ少なかれ負担が掛かってしまうので使った後は検診を受けるのが一般的(?)だ。

今回は特に何もしていないが一応何があるかは分からないので受けておこう。

俺はそう思い、村雨さんが居るであろう医務室へと向かった

 

俺が医務室へと入ろうとした時に

「ケタが違ぇ!」

っと人の叫び声……いや、ツッコミが聞こえてきた。

中を覗きこんでみると村雨さんと艦長のお兄さんが話をしているのが見えた

「お、気がついたみたいだね」

俺がそう言いながら部屋のなかに入ると、艦長のお兄さん……

五河士道君が俺に気付き

また知らない人がきた

みたいな顔付きでこちらを見てきた。

「どうでしたか?村雨さん」

「ん?……あぁ、彼の体調なら問題は無いよ……今から彼女の元へ案内するとこだよ……」

「ありゃ、なら検診は後ですかね

おっと俺の名前はシキバ・レイだよろしくね五河士道君」

俺がそう言うと彼は少し困った様子で

「はぁ……ど、どうも」と返してきた。

あぁそっか、まだここが何処かとかわかってないみたいだね

艦長のお兄さんだからてっきりこっち側の人間だと思ってたけど……この様子じゃ違うみたいだね

「……では行こうか……と。ああ、失礼、薬の時間だ」村雨さんはそう言って突然懐を探ると錠剤の入ったピルケースを取り出した。

そしてピルケースを開けると、錠剤をラッパ飲みの要領で一気に口の中に放り込んだ。

「「っておいッ!」」

何の躊躇いもなく錠剤をラッパ飲みする村雨さんへむかって

五河士道君と俺は一緒になってツッコミを入れた……

なんだこっち側(ツッコミ側)の人間か

 

「……さ、入りたまえ」

そう言って村雨さんは中へと入って行った。

もちろん俺もその場にいた。検診を受けるまで暇なので士道君達についてきたのだ。

「君に会わせたい人がここに居るのさ。さ、どうぞどうぞ」

俺はそう言って士道君の背中を押して中へと入らせた。

「……っ、こりゃあ……」

扉の向こうに広がっていた光景に驚いてるみたいだねぇ……

一言で言うと船の艦橋のような場所。ガンダム的に言うと

「左!弾幕薄いよ、何やってんのぉ!」とか「ウォンバット!ぅてえ!」とかってやってる場所って言えばわかるかな?

あ、分かりにくいですか。そうですか……

「……連れてきたよ」

村雨さんがふらふらとしながら言うと

背の高い日本人離れした鼻梁の持ち主の青年が

「ご苦労様です」っと執事のような調子で礼をした。

「初めまして。私はここの副司令、神無月恭平と申します。以後お見知りおきを」

「は、はぁ……」

彼は頬をかきながら、小さく礼を 返した。

「司令、村雨解析官が戻りました」神無月さんがそう声をかけると、こちらに向けていた艦長席が、低いうなりを上げながらゆっくりと回転した。

そして。

「歓迎するわ。ようこそ、ラタトスクへ」

そう言って司令……

五河士道君の妹さんの

五河琴理艦長がチュッパチャップスをくわえながら五河士道君と向き合った。

「……琴理?」

訳がわからないと言った様子で彼はそう小さく呟いた……

ちなみに俺は後ろで必死に笑うのを我慢してたよ。

いやー艦長も人が悪い。あれ絶対驚く顔が見たかったからわざと後ろ向いてたでしょ、まったく。うちの艦長は可愛いなぁ

俺がそう考えながら必死に笑うのを我慢していると艦長がチラリとこちらを見てきて、口パクで

「後で話があるから」っと言ってきた……

おっと艦長はニュータイプでしたか、どうやら心を読まれたようだね…これ死んだわ

 

 




今回はあまりガンダムネタを入れられ無かったな……
あ、今回のネタがわからない人は
ガンダムSEEDとか見てくださいね!(宣伝)


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レイディフェンダー4

4話目です


「ここの装甲はもっと軽くしてっと…う~ん、やっぱこっちを軽くした方がいいのか?いや、でもそれだと可動域が狭まるか…」

俺が今、何をやっているのかと言うと…決してガンプラ作りをしているわけではない。

俺は今、新しい装備を作っていたのだ。

あの後艦長からさっさと新しい装備を作れと言われたのでね。

まぁ俺もそろそろ装備を増やしたいと思っていた頃だったんで

こうして熱心に作ってるわけだけど……人手が足りない、足りなさすぎる

次いでに言えば時間も足りない。

「まぁ、それでもやるしか無いんだけどね」

俺はそう悲しげに呟くと、また手を動かし始めた。

さて、今回の新しい装備なのだが

近接用の装備を作ろうと思っている。

理由は単純明快。

今までの戦闘で近接戦闘時の火力不足を感じたからだ。プリンセスといい、鳶一折紙といい、やたらめったら切り刻んでくるのだが…全てを防ぎきれた事は無い

というか、命の危機を感じた事は数えきれないほどだ

なので、少しでも楽にしようと思って近接戦闘用の装備を作ろうと思っているのだが……これが、中々に難しい

まず、プリンセスの一撃に耐えれるような装甲でなければ

近接戦闘は厳しいだろう。だがそうなると必然的に装甲が重くなってしまい、機動力が失われてしまう…

機動力が無ければいざという時、

例えば一般人が巻き込まれてしまった際などに助けられないかもしれない。

ある程度の機動力を保ちつつ、装甲を厚く……

「となれば、こうするしか無いよなぁ」

俺はそう言いながら試しに装備を手足に着けてみた。

「うーん、もうちょい重くても大丈夫か」

手足を動かしながら俺はそう言った。

機動力を保ちつつ、装甲を厚くする。

その為に俺がおこなったことは、部分的な装備の強化と排除だ。

要するに

手の回り、足の回りの装甲を増やし、

肩まわり、胴体などの装甲を減らしたのだ。

「まぁ結局の所、近接戦闘って言ったらゴッドガンダム系列だよねぇ」

やっぱ近接戦闘っていったらゴッドガンダムだよね。男のロマンだよね。ちなみに知らない人は是非ゴッドガンダムを観てね!(宣伝)

 

「よし、なんとか完成が見えたな。あとは調整が間に合うかどうかなんだがな」

っと俺は伸びをしながら装備を脱いだ。

 

この装備の名前はまだ決まってないんだが

まぁそれはおいおい付けるとして、ひとまず、トレーニングルームで動いてみるか。

俺がトレーニングルームに向かおうとし、部屋から出た時

「うぉ!ビックリした」

目の前に青年が立っていた。

「あ、すみません」

目の前の青年、五河士道君はそう頭を下げた。

「あれ?士道君?どうしたのこんな所へ」

「実は、琴理からちゃんと挨拶をしてこいって言われまして」

あぁーなるほどね~。

「そう言えばちゃんと自己紹介してなかったしね、じゃあ改めて

俺の名前はシキバ・レイ。しばらくの間、君の護衛を勤めるよ宜しくね」

俺はそう言って手を差し出した。

「五河士道です。あの…これから宜しくお願いします」

そう言うと士道君は俺の手を握り、握手をした。

「んで?ここに挨拶に来たって事は…やるんだよね?精霊の攻略」

俺は握手をしながらきいた。

「……まだ実感はわいてません。けど、ちゃんと話してみたいと思ったんです。だから」

そう士道君は闘志を宿した目でこちらを見てきた。

ははっ、良い覚悟だね。

それでこそ…… 守りがいがある

「対話の為に戦場に出る…か。まるで刹那・F・セイエイだね。

気に入った!背中は任せてくれ、全ての攻撃、邪魔を防ぐからさ。

君は自分が正しいと思った事を精一杯やってくれ」

そう言いながら俺は右手を握って差し出した。

ははッと笑いぽりぽりと頬をかくと

士道君は俺と同じように右手を握って差し出し、軽くコツンっと合わせるのだった。

 

士道君とわかれた後、俺は当初の目的通りトレーニングルームへ来ていた。

ここでは様々な運動や、スポーツを仮想的に体験することが

できる。勿論、擬似戦闘も

「んー難易度はHARDで良いかな、人数は…100人っと。よし」

俺は設定を終えると部屋の中央に立った。

そして、音声が静かに流れた。

 

『戦闘訓練を開始します、準備は良いですか?』

 

ふーっと息を吐き出し。俺は装備をチェックし、静かに言った。

「スタート」

俺がそう呟くと同時に景色が変わった。

辺りには崩れた建物が散乱としている。どうやら前回の空間震

のデータを参考にしているらしい。とすれば当然……

「くッ!!」

ガガガッ!!と音と同時に俺はその場から飛び退いた。

 

着地と同時に俺がいた場所をチラッと見てみると、銃弾の後が残っていた。

「もう出てきたか、速いな…」

俺は銃弾が飛んできた方を見上げた。そこには…

機械を纏った人達……ASTがいた。

 

「さて、何処から切り崩したものかねぇ」

と、俺がそう呟くと同時に

考える暇は与えないとばかりに、大量の銃弾とミサイルが飛んできた。

「チッ!」

俺は舌打ちをしながらその場から離れ、移動しながら考えた

さて……どうしたものかね?

 



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レイディフェンダー5

5話目です


「ラス……トォォッ!!!」

 

最後の1人を掛け声と共に吹っ飛ばすと共に、俺はその場に倒れこんだ。

 

「流石に100人相手は……キツイな」

 

仰向けになりながらレイはそう呟いた。

当然シュミレーションなので、怪我は無い。

だが疲労は別の話だ。

昼間からずっと働きっぱなしだったのでシュミレーションの後に倒れこむのも仕方がない事だった。

 

「だぁー疲れた……。えーっと装備の出力調整と念の為点検をしてー、あと検査も受けなきゃだった」

 

レイはそう呟くとゆっくりと体を起こし、立ち上がり、トレーニングルームから出るのだった。

 

 

「脚部ブースターの出力を15%上昇、メインブースターの出力はそのままでっと。よし、こんなもんだな。さっきの戦闘での不具合も無いし終わるとしますかね」

 

調整を終えた装備を2番コンテナへ収容すると、レイは次の場所へと向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……うん、特に異常は無いようだね」

 

令音さんは静かにレイに告げた。

何も異常が見つからなかった事に安心して

ふーっと安堵の溜息をレイはこぼした。

 

「ありがとうございました、こんな時間に」

 

部屋に掛けてあった時計を見ながらレイはそう言った。

時刻は深夜の3時過ぎ……どうやら熱が入り過ぎてしまったみたいだ。

 

「……何、構わないさ。それよりも早く寝た方が良いのでは?」

 

「そうしようと思ってた所ですが……何かありましたっけ?」

 

ここ最近プリンセスの現界する間隔がだんだんと短くなってきている。なのでいつでも出撃できるように休んでおくことに越したことはないんだが……令音さんのこの言い方、それとは別に俺に何か用事があるような?

そう、明日の朝早くから任務があるような……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「そういえばそうでした、今日からでした、忘れてました……」

 

そう小さく呟くと、俺は校庭の掃除を始めるのだった。

 

レイは今、士道君の学校、来禅高校に来て掃除をしていた。何故か?

それは勿論、これも立派なレイの任務であるからだ。

 

レイの任務は大きく分けて二つ

一つ目は精霊を守る事

二つ目は今後フラクシナスの重要な戦力となる士道君を守る事だ

 

まさか士道くんが、精霊の力を封印する能力の持ち主とはね。

いやもう本当に助けられて良かったよ……

 

検査の後に令音さんから士道君の事を教えて貰い、今に至るのだが……

もしあの時、士道君の事を救出出来ていなかったらと考えるとゾッとする。

 

司令からお怒りをくらうのが怖いのではなく

精霊を守れなくなる可能性があったからだ。

 

もう一度言おう、怒られるのが怖かったわけではない!

 

……話を戻そうか。

 

こうして清掃員の格好をして学校に潜入してるのは

士道君の護衛兼、援護をする為だ。

 

士道君の能力はまだASTの連中に知られていない。だが今後、精霊達を攻略していくにあたって、士道君の能力は知られてしまうであろう。

そうすると士道君の能力を利用しようとする輩が出てくるかもしれない、てか出てる。

 

ウチが一番士道君を利用しようとしてるから

あまり良い気持ちでは無いんだわ……

 

「せめて、巻き込んでしまったからには普通の日常生活を送らせてあげないとなぁ」

 

それはそうと眠い。ひたすらに眠い。

あの後結局、この任務思い出してから色々と準備するのにバタバタとして、あまり寝れなかったのだ。

 

「一応、清掃業者として来てるからなぁ。それなりに綺麗にしとかないといけないなぁ」

 

ふわぁ〜っと間伸びしたあくびをしながら、ひたすらに手を動かす。

取り敢えずこの場所を綺麗にした後に何処かで一眠りさせてもらおう。

なんて考えていたのだが

 

……やっぱり睡眠って大事ですね

すっかり忘れてましたよ……

彼女の!存在に!!

 

「ここで一体、何をしてるの?」

 

そう声をかけられて、俺は振り返った。そして絶望した。

 

「や、やだなぁー、見れば分かるじゃないですか、掃除ですよ掃除」

「とぼけないで、シキバ・レイ何故貴方がここにいるの」

 

いつものように無表情で、そう俺に対して問いかけてくるのだった。

精霊をも殺せそうな殺意を混ぜながら



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レイディフェンダー6

6話目です


最悪だ、最悪だ、最悪だ!本当に最悪だ!

どれぐらい最悪かというと買おうと思って楽しみにしてたガンプラを買いに来たら既に転売ヤーに買い占められてた時ぐらい最悪だ!

(良い子のみんなは絶対に転売したり転売ヤーから物を買ったりしないようにね?……転売ヤー死すべし)

 

「ここで掃除をしているのは本当だ。なにせ、俺の本業は清掃業なんでね」

 

手を軽くはたきつつ、懐からつい先程手渡されていた校内への入校許可証と、清掃業者である証明書を提示する。

 

「流石に精霊を守ってばかりじゃ俺も食っていけないんすわ。まぁその話は置いときまして、いやー、偶然って怖いね!こんな所で会うなんてさ!」

 

なるべく軽やかに、それでいてどこか憎めない調子を出しつつ俺はベラベラと喋った。

 

ここで嘘を看破されても何に対しての嘘なのか

バレなければ俺の勝ち!

 

「ついでに言っておくが昨日保護した少年は記憶処理を施して、五体満足の状態で解放しといたから、傷ひとつ付けてないぜ?」

 

「それに関しては此方でも確認している。

もし、かすり傷一つでも付いていたら

貴方は今ここで死んでいた」

 

サラッと恐ろしいことを言ってるが

とりあえず殺気は抑えてくれた。

……てかいつ士道君が無事なのを確認したんだ?

彼は彼で結構遅くに家に帰り着いたはずなんだが

 

まぁいいや!

兎にも角にも、常日頃から命を取り合うようなやりとりをしなかった事が良かったのだろう。

 

普段、鳶一女子は精霊を殺すため、俺は守るために

戦場で顔を合わせている。

俺は守ることが目的なので、ASTの連中

もとい鳶一女子にはあまり攻撃を加えてない

それが今回は良い方向に働いた、と思っておこう。

 

正直に言って、この鳶一折紙という少女は

得体が知れないというのが本音。

なので今、何を考えているのか、

昨日の士道くんに対しての異常な執着。

もっと言えば精霊に対しての異常な殺意などなど。

……まぁ考えたところで分かんないんですけどね

 

とりあえず今は、

「じゃあそろそろ仕事を再開しても良いですかね?流石に初日から仕事サボるのは気が引けるので」

 

「……」

 

「……どーも」

 

俺が少し大袈裟に仕事を再開したいような素振りを見せると、鳶一は無言でコクリと頷き、そのまま去っていった。

もっとコミュニケーション取りませんか?

おじさん寂しいや……

 

何はともあれ、最悪の事態は免れた。

場合によってはここでドンパチするかと思ったが、何もなく無事に事が済んで良かった良かった。

 

鳶一女子の殺気で目が覚めた事だし

真面目に仕事しますかなぁ。

昼寝は無しだな、もし鳶一女子に

見つかった時が怖すぎる。

 

 

 

 



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