ポッケ村駐在日記 (青山羊)
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ポッケ村到着まで

 プロローグなので短いです。


 ○月○日

 ギルドからの指令でポッケ村に行くことになった。

 話によると雪山のふもとにある小さな村で、ベテランのハンターがいるらしい、おそらく彼のもとで実践経験を積ませるのが目的だろう。

 ライセンスを取ったばかりの新米ハンターの私だが、早く一人前になれるよう頑張ろう。

 

 ○月□日

 今日はポッケ村に行く準備をした。

 かなり寒い地域なので防寒具にもなるマフモフ一式と山越え用の道具、それと保存食を買い込んだ。結構な値段になったが、領収書はギルド宛にしたので問題なく経費で落ちる筈だ。

 

 ○月△日

 ポッケ村に続く雪山の山頂付近に、何か巨大な生き物に食い散らかされたようなポポの死骸が散乱していた。

 その惨状を作り出した奴はすぐに見つかった……いや、見つかってしまったと言うべきか、何せ奴は崖の上から私を狙って降りてきたのだから。

 情けない話だが奴に睨まれた途端、私の心身は竦んでしまっていた。 翼と一体化した強靭な前足、人間など一飲みにしそうな巨大な口、大地を揺らすかのような咆哮、こちらを射殺すような鋭い眼光、そのどれもが私を恐怖という鎖で縛りつけたのだ。

 突進してくる奴に対して、震える腕を押さえ盾を僅かに前に出すことしか出来なかった私は崖下に突き飛ばされ、全身を砕かれるような痛みと僅かな浮遊感とともに意識を失った。

 

 ここからは聞いた話になるが、あの後私は雪山の中腹よりやや下辺りに転がっていたところを、雪山草を取りに来た村の住人に助けられ目が覚めた時には見知らぬ部屋に寝かされていた。

 正直な話あの状況から生還してこの日記を書いていられることが、まだ信じられないくらいだ。

 まだ数日は安静にしていなければならないようなので、最後に今の偽らざる気持ちを書いて休むとしよう。

 

 生きている、ただそれだけの事がどうしようもなく嬉しい。



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村人との交流と状況整理

 ○月×日

 私を村まで運んでくれた男が事情を聴きに来た。

 彼との話で分かったことだが、私を襲った奴は轟竜の異名を持つ凶暴な飛竜で、ギルドでもまだ生態をほとんど把握していない危険な相手だったみたいで、生息地自体は別の場所で雪山には獲物を狩りに来ていたようだ。そんな奴と遭遇して生き残るあたり私の悪運は相当なものだろう。

 まあ、ああいう化け物は私のような新米ではなく例の村付きのベテランハンターが相手をするのだろうが、いずれは私もどんなモンスターだろうと狩れるハンターと成るべく精進するとしよう。

 

 彼は、客観的に見るなら、冗談が過ぎるところがあるが、なかなかいい奴だと思うのだが何故か生理的に受け付けられない男だった。

 初対面の時もまだ気を失ったままだった私の様子を見に来た彼を、見知らぬ部屋と目の前の知らない男の顔という状況で不埒な輩と勘違いした私が殴り飛ばしてしまったのだが、物音を聞いて駆けつけてくれた他の村人のおかげで誤解はすぐに解けて、平謝りする私を彼はむしろもっと殴ってほしいなどと冗談を言って私の事を許してくれたのだが……目が本気だったように見えたのはきっと気のせいだろう。

 我ながら命の恩人に対して酷い感想だと思う、私はこんな人間だったのかと少し落ち込む。

 

 ○月☆日

 体が回復したので今日は村長に挨拶して、村を見て回ることにした。

 村長はかなり高齢の竜人族の女性で、雪山に倒れていた私の事を随分と心配してくれたみたいだ。

 村長の配慮で暫くの間は村の付近で出来る簡単な依頼をこなしながら体を慣らす事になった。

 住居に関しては私が寝かされていた家が新しく来るハンターのために用意してあったものみたいで、私がそのまま使うことになった。

 

 ギルドの支部にもなっているこの地域の集会所に、ポッケ村に到着した報告に行くと、そこでトレジャー収集に情熱をささげるトレジィさんという高齢の竜人族の男性と知り合った。話をしていると何故か農場の管理を任されることになった。農場で採取したものは自由に出来る上に基本的な世話は農場のアイルーがしてくれて、農場の拡張等は村にいる彼の弟子に話せばいいようだ。

 

 雑貨店のおばさんに、ベテランという話だった村付きのハンターが既に引退していたことを聞いた……え?

 

 ○月▽日

 昨日は半端なところで日記を終わってしまったが正直あれ以上は書く気が起きなかった。反省はしている。

 村の人に聞き込みを行って得た情報を纏めると、村付きのハンターだった男……というか私を助けた男がそうだったのだが、彼が狩りで利き腕に傷を負って引退する羽目になりギルドに新しい村付きハンターの派遣を要請、そこに私が到着したという流れだったみたいだ。

 うん、明らかに新しい村付きのハンターと誤解されているな、実践研修に来た新米相手に待遇が良すぎると思ったよ。ギルド本部とポッケ村ではかなり距離が有るせいで郵便の類は届くまでにかなり時間がかかる……おそらく要請の書類が届いたのは私が出立した後だったのだろう。

 

 村の主要な人物に集まってもらい話し合った結果、新しいハンターが来るまでは私が村付きとして働くことになった。

 

 ○月◇日

 元村付きの男が来て、自分にはもう必要ないからと狩りに役立つ薬や道具、下級のモンスター素材や鉱石をくれた。

 貰えるものは貰う主義なので素直に受け取ったら何故か少し唖然としていたようだが、自分が不甲斐ないせいで私に迷惑をかける事を気にしていた云々と、聞いてもいないのに語りだして鬱陶しかったので家から蹴り出した……その時の表情が恍惚としていたように見えたのは気のせいだと思うことにした。

 

 今日はアイテムの整理で一日が終わった。

 

 ○月●日

 ギルドの支部に行ったら、支度金としては破格のz(ゼニ―)を支給された。どうやら状況を鑑みての特例という事らしくこれで装備を整えろと言われたので、帰りに加工屋に寄り大剣を買ってそのまま強化を頼んだ。

 

 明日には大剣の強化も終るようだし、いよいよ村付きのハンターとして本格的に働くことになる、まだまだ未熟な身だが死なないように頑張るとしよう。



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嬉しい出会いと最悪の再会

 ○月■日

 強化したばかりの大剣を背負って、村長のところに行ったら雪山草摘みの依頼を紹介された。

 ……村での記念すべき初依頼だから凄く楽しみにしていたのにしょぼい採取クエストでがっかりとかしてないし、気合入れて武器まで強化していた自分が馬鹿みたいだとかそんなこと全然全くこれっぽっちも思ってなんかないし、そもそも依頼に貴賎なんてないし、依頼に関係ないガウシカを倒したのだってただの試し切りで八つ当たりとかじゃないんだから。

 

 全く落ち込んでなんかないけど今日はお酒飲んでさっさと寝ることにする。

 

 ○月▲日

 私の背の半分ほどしかない小さなおばあさんが、大人3~4人分はありそうな体積の荷物を背負って訪ねてきた。

 おばあさんはネコバァという方で、アイルーの就職を斡旋しているそうだ。今日は調理技能を持ったキッチンアイルーを紹介してくれた。初回サービスで紹介料がタダという話だったので、野菜料理が得意なランマルというアイルーを雇うことにした。

 日が暮れるまでランマルと一緒に使っていなかった部屋をキッチンに改装した。

 

 ランマルの料理は素朴な感じで美味しかったが、難点を上げるなら量が少ないところだろうか、もっとキッチンアイルーを雇えばたくさん作ってくれるらしいけど今の私では二匹以上雇うことは出来ないみたいだ。

 

 美味しいごはんをたくさん食べるためにも明日からのクエストを頑張ろう。

 

 ○月★日

 今日はガウシカの角の納品クエストを受けてきた。いくつか多めに取ってきたので以前にもらった素材と合わせて大剣をさらに強化できるようになったので加工屋に頼んできた。明日受け取りに行こう。

 

 ○月◆日

 ネコバァが訪ねてきた。今度はクエストに連れて行けるオトモアイルーを連れてきてくれたので、白い毛並みのピートと黒メラのブルースを雇った。

 ピートには、さっそく今日からクエストについてきてもらう事にして、ブルースは平和主義で今はあまり戦力にならないので、私たちがクエストに行っている間はキッチンの一画で訓練をしていてもらった。

 

 クエストに行く前にランマルに料理を作ってもらったのだが、何かが傷んでいたみたいでお腹を壊した……幸先が悪い。

 嫌な予感がしたので討伐系の依頼は避けて、おとなしいポポを倒せば済むポポノタン集めの依頼を受けた。

 

 加工屋から受け取った大剣は随分と様変わりしていて、性能もかなり良くなっていた。前の強化では見た目も威力も大して変わらなかったので、正直な話あまり期待してなかったのだが、嬉しい誤算だった。

 

 ポポがなかなか見つからなかったので山頂付近まで行ったら奴――轟竜がいた。

 

 クエスト自体は奴から逃げ回りながら即行でポポを狩ってポポノタンを集めたので何とか達成出来たけど、全く生きた心地がしなかった。

 

 何とか無事に帰ってこられたけど、凄く怖くて正直泣き叫びたい気分だったが、そんなわけにもいかなかったし、まだ怖いので代わりに日記に書いておく。

 

 轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い轟竜怖い。



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珍しく順調な時期

 ○月▼日

 ギアノス五匹の討伐クエストに行ってきた。冷たい粘液を吐くちょっと大きなトカゲに過ぎないので、大規模な集団でもなければ大した脅威じゃない。

 

 クエストの帰りに行商のおばあさんが連れていた子豚を撫でさせてもらったのだが、そっぽを向かれてしまった。

 

 今日はお酒を飲んでさっさと寝ることにした。

 

 ○月Д日

 ブランゴ三匹の討伐クエストに行ってきた。ボス猿がいないならただのちょっと大きな猿なのですぐに終わった。

 

 クエストの帰りに子豚を撫でるが、やりすぎたのか頭突きを食らってしまう……痛かった。

 

 今日もお酒を飲んでさっさと寝ることにする。

 

 ○月Ю日

 ギアノスの群れを率いたドスギアノスが村に迫っているらしく、村長からドスギアノス狩猟の依頼を受けた。無事にクエストを達成すれば私の実力を認めて砂漠や密林での依頼や少し難易度の高い依頼を紹介してくれるようだ。

 

 ドスギアノスならギルド本部にいた時に初心者演習で倒したので大丈夫だろう。

 

 村に来るまではまだ少し時間が有るみたいなので、今日は準備に費やして明日の朝一で狩猟に向かうことにした。

 

 ○月я日

 ドスギアノスを倒した。演習の時はろくに動きも見ない内に眠りナイフと支給された爆弾で倒したから少し警戒していたけど、取り巻きのギアノスが鬱陶しいだけでギアノスより一回りほど大きかったが思っていたよりも弱く、十回位斬りつけただけで倒せたので思ったより早く村に帰れた。

 

 帰りに子豚を撫でると初めて喜んでくれた。行商のおばあさんに聞くとプーギーという名前で、ちゃんと世話をするならと子豚用の服と一緒に譲ってもらった。

 

 今日はピートが、ドスギアノスをスタンさせる大活躍をしたので、ご褒美に高級マタタビをあげたら、酔って踊り出した……凄くかわいかった。

 

 今日は、最近では珍しく気分よく眠れそうだ。

 

 ○月Θ日

 今日はギアノス20匹の討伐クエストに行ってきた。おそらく昨日の群れの残党だろうと思って気楽に行ったら別の群れと合流していたみたいでドスギアノスがいて驚いたけど縦斬り7回で動かなくなった。

 

 ○月ф日

 今日はドスファンゴの狩猟クエストに行ってきた。突進を躱して一撃入れるだけの単純な作業の繰り返しだった。ドスファンゴの素材が手に入ったので加工屋に行った。店で売っていたハンマーを今ある素材で限界まで強化してもらうように頼んだ。最近大剣ばかり使っていたので今度のクエストにはハンマーで行こう。

 

 ○月Å日

 加工屋でハンマーを受け取った。ファンゴの頭を模したユニークな形だった。

 

 ネコバァが新しいキッチンアイルーを雇うのを認めてくれた。雇う数を増やすほどお金がかかるようになるって言われたけど、美味しいごはんの前にはそんなことは些事なので肉類と魚介類の扱いが得意なボギーというアイルーを雇った。

 

 ……確か珍味って噂のガレオスの肝を獲ってくる依頼があった筈、明日行って多めに獲ってこよう。ガレオスは魚竜種だしボギーなら、きっと凄く美味しく調理してくれることだろう。

 



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砂漠の珍味と苦い経験

 ガレオス漁1日目

 暑い……砂漠にマフモフ装備で来るのはもうやめようと思う。

 

 ガレオスは砂漠を泳ぐ非常識なモンスターで、まともに攻撃を当てるには、砂から出たところを狙うくらいしか無い面倒なモンスターだった。支給品の音爆弾や小樽爆弾をうまく使えば砂から出すことも出来たのだが、それらを使い切っても結局今日は私の分どころか依頼の分の肝すら集めることが出来なかった。

 

 今日の収穫と言えるのは、途中で出てきたドスゲネポスから剥ぎ取った麻痺袋と、砂に潜ったガレオスに渾身の力でハンマーを叩き付けると砂から飛び出ることがあると分かったくらいだった。

 

 だいぶ疲れたので今夜はベースキャンプで休むことにした。持ってきた回復薬も半分以上使ってしまったし明日が不安だ。

 

 ガレオス漁2日目

 なんとか依頼の分と自分で食べる分の肝を確保出来たが、回復薬も残り1つしかなくなっていた。今回はかなり危なかった。

 

 ○月φ日

 村に帰ったのでさっそくボギーにガレオスの肝を調理して貰った。コリコリした歯ごたえと後を引く旨味でお酒がすすんだ。

 

 これから砂漠でクエストが有るときは、ついでにガレオスの肝を獲ってくることにしよう。

 

 ○月Ψ日

 今日は砂漠でのクエストに備えて装備を整えた。

 

 加工屋で既製品のバトルメイル一式を私に合わせたサイズ調整と、ついでに砂漠のモンスターに有効な氷属性の片手剣の作成を頼んだ。

 

 黄金魚の調達依頼を受けたので、明日からまた砂漠に行ってくる。砂漠の宝とも呼ばれている位だし美味しいのだろうか……自分の分も獲って来ようかな?

 

 オアシスの村滞在1日目

 黄金魚は意外とあっさり釣れたのだが……全身金ぴかの魚は流石に食べる気になれなかった。

 

 ゲネポスとランゴスタに何度も邪魔された。奴らの麻痺の鬱陶しさは異常だと思う。

 

 そういえば、ガレオス達のボスのドスガレオスがいた。黄金魚を運んでいる途中だったので相手にしなかったが、アイツの肝は食いでがありそうだ。

 

 オアシスの村滞在2日目

 この地方の貴族からの依頼で、輸送隊の安全確保のためにドスゲネポスを倒した。新調した片手剣は氷で出来たような見た目で強度に少し不安があったのだが、全く問題ないどころか以前戦った時より随分早く倒せた。

 

 オアシスの村滞在3日目

 滞在しているオアシスの村の村長からドスガレオス狩猟の依頼を受けた。砂漠を渡る際にガレオスの群れに襲われて馬車を失ったそうだが、酷い怪我をした人がいなかったのは不幸中の幸いと言える。

 ……おそらく一昨日見た奴がやったのだろう。無意味な仮定だとは思うがあの時、私が奴を倒していれば……。

 

 今日は音爆弾や大樽爆弾を可能な限り用意して明日の狩りに備えた。

 

 オアシスの村滞在4日目

 どうにかドスガレオスを倒した。強力な体当たりや、取り巻きのガレオスとの連携など、今までの相手よりずっと手強くかなり危ないところもあったが、音爆弾や大樽爆弾を積極的に使ったのが効果的だったのか、思ったより早く片が付いた。

 

 村の人にドスガレオスの肝の調理を頼むと、他の村の人達も料理を持ち寄って来て小さな宴会になった。美味しそうな料理だったのに、どうしてか苦く感じた。

 

 村の人達の感謝の言葉に居た堪れなくなった私は、宴会が終わると逃げるように村を出た。




 作中ではゲームでのクエスト時間の15分が過ぎるか1回力尽きる毎に1日経過するとして扱っています。
 また、演出の都合でポッケ村に帰らずに現地でクエストを受けたり、複数のクエストを同時に受ける描写を入れることもあります。


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初めての密林と農場の謎

 ○月♯日

 今日は、プーギーやアイルー達と思いっきり遊んで癒された。

 

 ……明日からまた頑張ろう。

 

 密林の村滞在1日目

 密林でキノコの採取クエストがあったので、今回はブルースを連れて行く。

 ドスランポスが出て来たが、群れのボス争いに敗れた個体だったのか取り巻きもいなかったのでさっくり倒して指定されたキノコを集めた。

 今日は付近の村に泊り、明日にはお土産を買って帰る予定だったのだが、村の人から大量発生したランゴスタの討伐を依頼された。

ランゴスタは蜂を大きくしたような甲虫種で1匹ずつなら危険は少ないが、集団で襲ってきたり、他に強いモンスターがいると不規則な動きと強力な麻痺針のせいでかなり危険な相手になる。

 

 密林の村滞在2日目

 大量に用意した毒けむり玉を半日かけてばら撒いた。結構な数を殺したから、しばらくは大丈夫だろう。

 

 密林の村滞在3日目

 お土産を買って帰ろうと思ったのだが、密林の見学に来ていた貴族の令嬢からコンガ討伐の依頼を受けた。コンガに触ろうとして放屁を食らったらしく、酷い匂いをさせながら怒鳴っていた。コンガは、ファンキーなピンク色の体毛と放屁による攻撃が特徴の下品な牙獣種なのだが、あんなのに触ろうとか怖いもの知らずな令嬢もいたものだ。

 

 放屁だけは絶対に食らいたくないので速攻で倒した。ドスランポスがいたのでついでに倒しておいた。

 

 討伐の報告に行ったら私が放屁を食らってないことを令嬢に怒られた……理不尽だ。

 

 明日こそお土産を買って帰ろう。

 

 密林の村滞在4日目

 色とりどりのキノコも、甘い香りを漂わせる果物も、村の特産の魚の燻製も、大型のモンスターから僅しか取れない貴重な部位の肉も、その全てが、許し難い汚物によって汚され、穢され、蹂躙されていた。

 お土産を買いに寄った食材屋の惨状は目を覆いたくなるようなものだった。店主に事情を聴くと、大きく太った体躯と極彩色のトサカが特徴のコンガ達のボス――ババコンガがやったのだと分かった。

 

 店主からの依頼で明日はババコンガを狩猟することになった。食べ物を冒瀆した奴を、私は絶対に許さない。

 

 密林の村滞在5日目

 ババコンガを倒した。コンガのボスだけあって、汚物での攻撃のバリエーションが増えていたが、何とか全部躱すことが出来た。力が強く、少し危ないところもあったが、攻撃後の隙に抜刀斬りを当て続けてトサカを粉砕してやった。

 

 お土産はまた今度にして、ポッケ村に帰ることにした。

 

 ○月¢日

 最近、他の地方に行ってばかりだったので、今日は雪山でブランゴの討伐クエストに行ってきた。

 

 ○月〆日

 今日は村のおばさんに頼まれて、雪山草を摘みに行ってきた。無事に終わったのだが、何故か悪寒がするので今日は早く休むことにする。

 

 □月α日

 トレジィの弟子に農場の拡張を頼んだら、1日で畑のウネが二つになり、高級キノコの木が設置され、虫の茂みが広がっていた。……頼んだのは私だが、よくこれだけの事を1日で出来るな。

 

 そういえば農場の隅に在る洞窟、厚い氷の壁のせいで奥には進めないが、一体何が隠されているのだろうか。



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忍び寄る不気味な影

 □月ρ日

 村のおじさんから青白い光を放つ不気味なモンスターの噂を聞いた。……嫌な予感がする。

 

 イャンクックとドスランポスの狩猟依頼を受けたので、明日からまた密林に向かう。

 

 船泊1日目

 今日はドスランポスを倒した。やはりというか弱かった。

 

 明日はイャンクックを狩りに行くので、今日のところは移動に使った小型船で休むことにする。

 

 船舶2日目

 イャンクックは強敵だった。こちらの動きを制限する風圧を翼の羽ばたきで発生させたり、巨大なクチバシでの連続攻撃や、口から吐く高温の体液、長い尻尾を振り回しての攻撃などで苦戦したが、何とか倒すことが出来た。

 

 イャンクックの肉は美味しいと聞いたので部位ごとに切り分けて、お土産にして持ち帰ることにした。

 

 □月◇日

 ポッケ村に帰ったのでさっそくランマル達にお土産を調理して貰った。イャンクックの肉は鶏肉に近い味がして凄く美味しかった。……少し勿体ない気もしたが流石に一人では食べきれないので、余った分はポッケ村の皆に配った。

 

 □月☆日

 村長から、村人がフルフルに襲われたことを知らされ、その討伐を依頼された。幸い今回の被害は家畜だけで済んだようだけど、次はどうなるか分からない。

 

 ギルドの資料だと、フルフルは動きこそ鈍重だが強烈な咆哮に加え、電撃のブレスや放電攻撃などの強力な攻撃をしてくる危険な飛竜種だ。……それに人間の女性を捕えて繁殖の為の苗床にする、なんて噂まである。

 ……絶対に近づきたくない類のモンスターだが、逃げる訳にもいかない。せめて遠くから攻撃する為、加工屋に今作れる中では、一番強力なガレオス素材を使ったヘビィボウガンの作成を頼んだ。

 

 正直かなり嫌だが、明日はフルフルを狩りに行く。

 

 □月●日

 実際に目にしたフルフルは私の想像よりずっと気味が悪かった。ブヨブヨした白い体皮には所々血管が浮いていて、胴から伸びる地虫のような首の先にある頭は、退化し失った目の代わりとでも言うように、その半分以上を不気味な口が占めていた。

 加工屋から受け取ったヘビィボウガンのおかげで、あまり近づかずに済んだのだが、1度だけギアノスからの攻撃で足が止まり、飛び掛かりを食らってしまった。何とか体勢を立て直し、倒すことは出来たのだが、あれは今思い出すだけでも怖気が走る。

 

 村に帰ると村長からご褒美が貰えた。それと今度からは森丘や沼地での依頼も紹介してくれるらしい。

 

 少しずつ難しい依頼も回してもらえるようになり嬉しくはあるのだが、後任のハンターはまだ来ないのだろうか? 流石にそろそろ来てもいい頃だと思うのだが。

 

 □月Д日

 フルフルベビーを獲って来る依頼を受けた。名前の通りフルフルの幼生で、せめて大きくなる前に出来るだけ数を減らしたいのだが、焼け石に水というやつなのだろうな。

 

 珍味という話なのだが、流石に食べる気にはなれなかった。

 

 加工屋で鉱石素材を使った太刀の作成と強化を頼んだ。

 

 □月Ю日

 ネコバァから新しくオトモアイルーを雇った。毛並みは白黒で、名前はムサシ、爆弾一筋のアイルーだ。

 さっそくブランゴ討伐のクエストに連れて行ったのだが、何度か誤爆されてしまった。私の動きが悪いのか、ムサシのミスなのか、どちらにせよまだ息が合っていないという事なのだろう。

 

 今回は加工屋から受け取った太刀を使ったのだが、割と良い感じだった。鉱石が有ればまだ強化出来るみたいなので積極的に集めようと思う。



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憂鬱な日々

 ヤオザミ漁1日目

 不覚を取った。

 今回は漁師達からの依頼で陸揚げの邪魔をするヤオザミの討伐に密林に来ていた。

ヤオザミは小型の甲殻種で、甲羅を背負った蟹のような見た目をしていて、その身から採れるザザミソは珍味として有名だ。

 小型と言っても人間の大人と同程度には大きく、そんなのが地中から急に出てきて攻撃してくるのだから普通の人にはかなり危険な相手だ。とは言え、ハンターならばそれ程苦戦するような相手でもないので気楽に狩りつつザザミソを集めていたのだが、ババコンガと遭遇して交戦、既に倒したこともある相手なので順調に戦えていたのだが、ランゴスタの麻痺針を受けて動けない隙に怒り状態の奴の攻撃をまともに食らってしまい、回復することすらままならず、力尽きてしまった。

 

 意識が戻ったのは、アイルーによるハンター救助部隊――通称ネコタクにベースキャンプに転がされたときだった。

 ……傷の手当はきちんとされていたし、救助を受ける身で贅沢を言っているのは分かるのだが、もう少し丁寧に扱っては貰えないのだろうか?

 

 流石に今日はもう戦えそうにないので、明日に備えて体を休ませる。

 

 ヤオザミ漁2日目

 やられたままというのは性に合わないのでまずはババコンガを倒しに行った。私を目の前にして堂々と寝入る様はとても腹が立ったので滅多切りにしてやった。

 

 痛い思いもしたが、ザザミソが美味しかったので良しと思うことにする。

 

 □月▼日

 砂漠でダイミョウザザミの狩猟クエストがあったので砂漠に行くことにした。

 

 ダイミョウザザミは一角竜の頭骨を背負う大型の甲殻種だ。

ヤオザミが成長した個体で、もちろんザザミソが採れる。食べるのが楽しみだ。

 

 □月◎日

 ダイミョウザザミは倒した。地中に潜ってからの突上げによる急襲や、大ジャンプからのボディプレス、口から吐く水のブレス、それらを掻い潜って何とか仕留めることが出来た。……だというのに、ザザミソが採れないとはどうなっているのだ?

 

 密林でもダイミョウザザミが出たらしいので、今度こそ奴のザザミソを食べてみせる。

 

 □月я日

 今回も駄目だった。

 なかなか姿が見えず、長時間探し回りやっとの思いで倒したというのに……。

 

 今日はお酒を飲んでさっさと寝ることにする。

 

 □月φ日

 村長からの依頼ばかりではハンターランクが上げられないので、大剣の強化用の素材集めも兼ねて、集会所のクエストにも手を出すことにした。

 

 今日はドスファンゴを狩ったのだが、必要な素材は手に入らなかった。

 

 □月Ψ日

 今日はドスファンゴとついでにブランゴを狩ってきた。必要な素材は手に入らなかった。

 

 □月Э日

 今日もドスファンゴを狩って、ついでに雪山草を摘んできた。必要な素材が出ない。

 

 □月Θ日

 今度はババコンガを狩ってきたのだが、トサカを壊せなかった。必要な素材も出ない。

 

 ……不毛なことをしている気分になってきた。

 

 □月¢日

 試しに村長のところでドスファンゴ狩猟のクエストに行って来たら、1回で必要な素材が手に入った。……今までの苦労は何だったのだろうか?

 

 釈然としないが加工屋に大剣の強化を頼んだ。

 

 □月▲日

 集会所で紹介されたキノコ採りのクエストに行ってきた。ドスランポスが出たので強化したばかりの大剣の試し切りの相手にしたのだが、何度も攻撃を避けられてストレスが溜まった。

 ……何だか最近は、悪い事や嫌な事ばかりが続いている気がする。



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沼地での狩りと砂漠の宝

 □月γ日

 クエストに行く度にピッケル持って行っていき採掘してきた結果、必要な鉱石が集まったので、太刀を強化してもらった。

 

 村長のところで、沼地での狩猟依頼をまとめて受けてきたので明日から行ってくる。

 

 VSドスイーオス

 強化した太刀の試し切り相手になってもらった。口から毒液を吐く以外は、ドスランポスとそう変わらないので苦戦はしなかった。

 

 VSババコンガ

 貴族の令嬢が汚物をぶつけられて怒っていた。既視感を感じる光景なのだが、以前コンガに怒っていた令嬢とは別の人のようだ。……貴族の令嬢には変わり者が多いのだろうか?

 

 今回はトサカに加えて右手の爪も壊すことが出来た。途中で落とし物をしたので確認したら、ババコンガがなわばりを示す際に使う糞だった。こいつは、どこまで汚物に塗れれば気が済むのだ。

 

 VSゲリョス

 毒液を吐き散らしながら走り回ったり、鞭のようにしなる尻尾を振り回して攻撃したりと、近接武器なら苦戦していたと思うが、ヘビィボウガンを使っていたのでほとんど当たらなかった。

特徴的なトサカを打ち合わせて閃光を発することも出来るらしいが、何とかそれをやられる前に破壊することが出来た。

 死んだふりをされたが、事前にそういう事もあると聞いていたのでそのまま撃ち続けた。壊した後もトサカを打ち合わせようとしていたことといい、なんだか間抜けな印象のあるモンスターだった。

 

 VSイャンクック亜種

 亜種と言っても色以外は、原種とあまり変わらないようだった。以前の私なら苦戦しただろうが、今の私には大した敵ではなかった。

 

 □月Π日

 密林でゲリョスの亜種を倒してきた。

何度か閃光で目が眩んでしまったが、何故かその間に強力な攻撃を食らったりはしなかったので、特に危ない場面は無かった。

 原種よりは動きが素早く体力もあったみたいだが、壊れたトサカを打ち合わせようとしたり、バレバレの死んだふりをしたりとやはり間抜けな印象が拭えなかった。

 

 □月ν日

 村長のところで依頼を受け、砂漠にゲネポスの群れの討伐に向かう。

 

 VSゲネポスの群れ

 数が多かったので時間はかかったが、ドスゲネポスを含めて問題なく討伐することが出来た。

 

 滞在していた村で、かなり落ち込んだ様子の男のハンターに話しかけられた。

 聞くと別のモンスターを狩猟した帰りに、偶然水竜――ガノトトスを見つけて戦ったそうだが、ほとんど水中にいる相手にハンマーでは分が悪かったようだ。せめて音爆弾か、釣り用カエルが有れば、とは彼の弁だ。

 武器まで失ってしまったみたいで、このままでは悔しいから何としても奴を狩って来て欲しいと頼まれた。

 

 ガノトトスは魚竜種に分類されるモンスターで馬鹿でかい胴長の魚に、ヒレのような羽と脚が生えたような姿をしていて、その羽も水から飛び出す際に滑空するのに使うくらいが精々で、飛行能力は無いと言われている。

 彼の話だと水にいるときは一方的に水のブレスで攻撃され、陸で戦っていても巨体を活かした強烈なタックルや這いずり攻撃、水のブレスなどの強力な攻撃をしてくる油断ならない相手らしい。

 

 気休め程度だが、水に入られても攻撃が出来るように、ヘビィボウガンを使うことにしよう。

 

 VSガノトトス

 カエルが好物だと聞いていたので先ずはカエルを餌にして釣り上げた。これまでにない強烈な引きだったが、陸揚げされた奴は魚のように跳ねていた。

 圧縮された水のブレスは強力ではあったが、陸では正面に真っ直ぐしかやってこなかったので余裕をもって躱すことが出来、その隙に奴の首に弾を撃ち込んだり、リロードしたりした。

 事前情報のおかげか、今回は珍しく無傷で倒すことが出来た。

 

 村に戻るとようやく立ち直ったらしい男にお礼だと言われて、黄金魚を振る舞われたのだが、驚くほど美味しかった。……以前は見た目で食べるのを躊躇ってしまったが、やっぱり食わず嫌いは善くないな。今度はフルフルベビーも食べ……いや、やっぱりあれだけは無理だ。



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新しい仲間と新しい防具

 □月ι日

 トレジィの弟子に頼んで畑のウネを増やしてもらった。どうやら畑の拡張はこれで限界のようだ。

 

 牧場の前に、不規則に揺れ動く怪しい樽が有ったので調べると、さすらいの料理ネコを名乗るアイルーが入っていて、自分を雇わないかと言ってきた。都会暮らしだったそうなのでそっちの料理に期待して雇う事にした。名前はコナンで乳製品の扱いが得意らしい。

 さっそく料理してもらったのだが、食材の取り合わせが拙かったのか気分が悪くなった。……まあこんな事もあるだろう。

 

 明日からは船大工からの依頼で、造船の邪魔をするガノトトス亜種の狩猟に密林に向かう。

 

 VSガノトトス亜種1日目

 体調が悪く、相手が思っていたより大きかったこともあり不安はあったものの、途中までは順調に戦えていたのだが、狭い場所にいたせいか這いずりを躱し切れず、体勢を大きく崩してしまい、そのまま踏みつけられ力尽きてネコタクのお世話になった。……いつもの私ならまだギリギリ立てたと思うのだが、やはり体調が万全でないときに狩りなどするものではないな。

 

 流石に今日はもう無理だが、相手もかなり弱っていたし明日には片が付くだろう。

 

 VSガノトトス亜種2日目

 最低の気分だ。

ガノトトスは無事に倒すことが出来た。背ビレを破壊することも出来た。……問題はその後だ、奴は素材を剥ぎ取っていて無防備な私の背中に思い切り屁を……ああ、今思い返しても腹が立つ! 100回殺しても気が済まない! ホントに滅べばいいのに、あのファンキー汚物!

 

 □月ω日

 前回汚物にやられた事とは全く関係ないが、遠距離武器用の防具としてクックDシリーズを揃えることにした。

 村長にイャンクック亜種の狩猟依頼を出来るだけ回してもらおう。

 

 1頭目

 加工屋に頼んでまずは胴用防具を作ってもらった。

 

 2頭目

 今までで戦ってきたクックより1回り大きい個体だった。3個あったペイントボールを全て外してしまい、何度か見失ってしまった。次からはたくさん持ってこようと思う。今回はシビレ罠を使って捕獲してみた。そういえばモンスターを捕獲するのはこれが初めてだった。今度は腕用防具をお願いした。

 

 3頭目

 捕獲のためにシビレ罠を設置したらすぐ脇を通って別の場所に飛んで行った。追いかけて倒したけど納得いかない。腰用の防具を頼む、大分揃ってきた。

 

 4頭目

 ムサシの爆弾で動きが止まったのでその隙にシビレ罠を仕掛けてそのまま捕獲した。脚用防具の素材が揃った。ムサシにはご褒美に高級マタタビをあげよう。

 あとは頭用だけ、もう少しだ頑張ろう。

 

 5頭目

 またシビレ罠をスカされた。素材も欲しいのが出ない。

 

 6頭目

 どこかに飛んで行ったと思ったら寝ていたのでそのまま捕獲した。欲しい素材は出なかった。

 

 7頭目

 やっと目当ての素材が出た。あと1つ必要だが、きっと次で揃うだろう。

 

 8頭目

 駄目だったが、まあそんなものだろう。焦らずに行こう。

 

 9頭目

 やっと必要な素材が揃ったので、頭用防具の作成を加工屋に頼む。防御力重視か属性耐性重視か聞かれたので、悩んだが防御力重視にした。

 

 □月♯日

 久しぶりに元村付きの男が訪ねてきた。

 話によると彼が現役の頃に追い払ったブランゴ達のボス――ドドブランゴが再びこの村付近に戻って来ているみたいだ。

 どうにも、私はモンスター達に侮られているらしく、ドドブランゴが戻ってきたのも、それが原因の1つのようだ。

 

 それ以外にも雪山の崖に起伏をつけて登れるようにしただの、なんだと現役時代の武勇伝を鬱陶しいくらいに語ってくれたのだが長くなってきたので丁重にお帰り願った。

 以前の事を反省して暴力的な手段は採らなかったのだが、……彼が残念そうな顔をして見せたのは気のせいだということにした。



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クック先生の教え

 □月¶日

 イャンクックの狩猟とキノコ採りの依頼で森丘に向かう。

 まあ、素材集めで散々亜種を相手にしていたのだし、今更イャンクックに後れを取るようなことは無いだろう。

 

 クック先生の特別授業1日目

 見事にやられてしまった。

 怒ったイャンクックに突進を食らって吹っ飛ばされ、起き上がり際にもう1度突進で吹っ飛ばされて、フラフラになったところに、尻尾の一撃を食らい力尽きてしまった。

 

 モンスターとの戦いは常に真剣勝負一瞬の判断ミスが生死を分けるのだという事を、頭では分っていた……いや、分かっていたつもりでしかなかったと言う事なのだろう。

 

 今日身をもって知ったことを、私は決して忘れない。いかに相手が戦い慣れたモンスターであったとしても、いかに瀕死の相手であったとしても、確実に息の根を止めるまでは決して油断せず、冷静に着実に仕留めることが大切なのだと、それを教えてくれたイャンクック――いやクック先生にはお礼をしなければいけないな。

 

 クック先生の特別授業2日目

 クック先生に、お礼(弾丸)をたっぷりプレゼントして来た。

 

 キノコ採り1日目

 クック先生が居たので、動かなくなるまで弾丸をプレゼントして来た。

 

 1日中キノコを探し回ったのだが、依頼の分を集めることが出来なかった。

 あまり効率が良いとは言えないが、背中に目的のキノコが生えていることを期待してモスを狩るしか無いのだろうか?

 

 キノコ採り2日目

 疲れた。

 目的のキノコが生えたモスが中々狩れず、結局丸1日近くモスを探して回る羽目になった。

 

 □月ш日

 村長からブランゴ達のボス――ドドブランゴの狩猟を依頼された。

 力量を試す意味もあるらしく、今の私なら倒せなくとも、いい勝負は出来るだろうと言われた。

 村長にも、ドドブランゴが私を侮って雪山に戻って来たのだろうと言われた。

 

 私の事を舐め腐ってくれている馬鹿猿には、少し痛い目を見てもらおうと思う。

 

 □月τ日

 雪の下から呼び出したブランゴとの連携や、素早い動きから繰り出される強力な攻撃の数々と厄介な相手だったが、ボスの証でもある牙を壊してからは手下にも見捨てられたのか呼んでもブランゴが現れなくなり若干だが哀れに思えた。

 ……まあ、だからと言って舐めた真似をしてくれた奴に、慈悲をくれてやるほど私の心は広くはないので、しっかり止めを刺してきたのだが。

 

 村に帰ると村長がご褒美を用意してくれていた。それと、次からは火山での依頼や今までより更に難しい依頼も紹介してくれるみたいだ。

 

 □月@日

 沼地で大型モンスターが暴れているそうなので、狩猟依頼を受けた。

 

 VSフルフル亜種

 フルフルの亜種の狩猟。出来れば戦いたくない相手なのだが、ハンターとして何時までもそんなことは言っていられないだろう。

 通常種と違い、血のように赤い体は不気味で怖かった。

普段の動きこそ鈍いが、攻撃に移る際には思いのほか素早く、奴の口が目の前を高速で過ったときは背筋が冷えた。

 

 VSイヤンクックとその亜種

 2頭が同時にいるところに出くわしてしまい、片方にしか対処できず何度も吹っ飛ばされたが、幸い片方が別の場所に飛んで行ったので1頭ずつ対処することが出来た。

 

 □月η日

 トレジィの弟子に頼んで農場の崖に梯子を架けてもらい、採掘できる場所を増やしてもらった。

 

 今度は密林でのクエストを受けた。

 

 VSイャンガルルガ

 黒狼鳥とも呼ばれる凶悪なモンスターで、中でも顔に傷のついた個体は多くの戦いを経た危険な相手だと聞いていたのだが、今回の相手はそうではなかった。

 基本的な動きはイャンクックに似ていたが、その凶暴性は段違いで火球のブレスやサマーソルトなどの強力な攻撃もあり、厳しい戦いだった。

 罠を仕掛ける際ランポスに邪魔されたりもしたが、何とか捕獲することが出来た。

 

 傷の無い個体でこれだけの強さなら、傷のついた個体はどれ程の相手なのだろか?

 

 VS2頭のドスランポス

 弱い。あと、久しぶりにムサシに誤爆された。

 

 カンタロス駆除

 カンタロスはバッタの様な外見の甲虫種で近隣の村の畑を荒らしているらしい。

 ランゴスタと違って毒を食らっても中々死なないのが面倒だった。

 ババコンガがいたので消毒()しておいた。



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不穏な空気

 □月π日

 後任のハンターの件で集会所のギルドマネージャーに聞きに行ったのだが、随分前に本部のある街を出たと連絡が来ていて、既にポッケ村に着いていなければおかしいとのことだった。

 ……何か問題があったと見るべきだろうな。最悪、後任のハンターが来ないことも考えなければならないか。

 

 集会所の販売所に珍しいものが売っていた。力の護符と守りの護符、持っているだけで力が強くなったり体が頑丈になったりする不思議な道具だ。もちろん値は張るが、それだけの価値は十分にある。

 2つ合わせると所持金の半分以上の値段がしたが、迷わず買った。財布が大分寒くなったが、後悔はしていない。

 

 □月♪日

 今のところ村の周りも落ち着いていることだし、暫定とは言え村付きのハンターがいつまでもハンターランク1では格好が付かないので、ランクを上げるために集会所のクエストをやる事にする。

 

 イヤンクック狩猟クエスト

 以前痛い目を見たこともあり慎重に戦ったのだが、油断さえしなければ大丈夫なようだ。

 

 イヤンクック亜種狩猟クエスト

 やはり油断さえしなければ、今の私なら苦戦するような相手ではないようだ。

 

 ドスギアノス狩猟クエスト

 こいつなら油断していても楽に倒せる気がする。いや、しないけど。

 

 □月∮日

 太刀を強化することにした。強化に必要な電気袋がフルフルの素材なので後回しにしていたのだが、他の素材も揃っているし、いつまでも特定のモンスターが苦手というのも、ハンターとしてはどうかと思うので、苦手克服も兼ねて村長にフルフルの狩猟依頼を回してもらおう。

 

 1頭目

 まだ近づいたりはしたくないので、まずはヘビィボウガンを使って倒した。電気袋は出なかった。

 

 2頭目

 少し危ない場面もあったが無事討伐出来た。電気袋が出たので、あと2つだ。

 やっぱり不気味で近づきたくない。まだ近接武器で戦う気にはなれない。

 

 3頭目1日目

 リロードのタイミングを間違えて帯電した状態での飛び掛かりを受けてしまい、体勢を立て直す暇もなく放電を食らい力尽きてしまった。

 迫ってくるフルフルは凄く怖くて、それ以上に気持ち悪かった。

 3頭目2日目

 少しでも早く終わらせたかったので、弱っているのを見て即座に捕獲した。

 

 今回の分だけで強化に必要な数以上の電気袋が採れた……嬉しくはあるのだが、複雑な気分だ。

 

 強化用の素材は揃ったけど、フルフルは更に苦手になってしまった。正直もう見たくもない。

 

 □月∫日

 太刀も強化されて斬破刀になったことだし、ハンターランクを上げるため、また集会所のクエストに行く。

 

 ドスファンゴ狩猟クエスト(雪山)

 斬破刀が強い。斬り続けるとすぐに怯むので、1度も反撃させずに倒すことが出来た。

 

 ドスランポス狩猟クエスト

 ドスランポスよりブルファンゴの突進が厄介だった。ピートがドスランポスをスタンさせたので、ご褒美に高級マタタビをあげるとまた酔って踊り出した。他の子はここまで酔わないので余計に可愛く見える。

 

 ドスファンゴ狩猟クエスト(沼地)

 周りのブルファンゴが邪魔だったので先に片づけた。かなり小さい、俗に最少金冠と言われるサイズで、一緒にいた大型のブルファンゴとあまり変わらない大きさだった。

 

 ダイミョウザザミ狩猟クエスト

 普段はほとんど砂を泳いでいるだけのガレオスだが、ダイミョウザザミの近くだとアグレッシブに攻撃してきて凄く鬱陶しかった。ゆっくり近づいてくるアプケロスが、大型と戦っているときには、こんなに鬱陶しくなるとは思っていなかった。

 ダイミョウザザミの左爪が、私を狙ったガレオスの攻撃に当たって壊れていた。右の方は私が壊したが、こういう事は初めてなので驚いた。

 ピートがダイミョウザザミを麻痺させていた。……麻痺攻撃を覚えさせていたのを忘れていた訳では無いが、こんなに活躍するとは思っていなかった。

 

 最近のピートは調子が良いので、思いっきり褒めて可愛がった。……マタタビに酔って踊るピートを見ることが出来て、私のほうが喜んでいる気がする。

 

 ドスゲネポス狩猟クエスト

 遠くで走っているのを見つけたのだが、向こうがこちらに気付かなかったせいで、しばらく追いかけっこをする羽目になった。相変わらずガレオスが鬱陶しい。

 

 ドスガレオス狩猟クエスト

 流石に以前ほど苦戦はしなかったがすぐに砂に潜るので面倒な相手ではあった。今回はシビレ罠で捕獲したのだが、やはりゲネポスの麻痺は鬱陶しい。

 

 ババコンガ狩猟クエスト

 平均的な個体より1回り大きいサイズの奴でゲネポスに麻痺を食らったり、迂闊にも放屁を食らってしまったりと危ないところもあったが、トサカと片方の爪を破壊して討伐出来た。

 すぐに消臭玉を使ったのに、まだ嫌な臭いがするような気がする。ホント最低、何であんな汚物が生きているのだろう。




今回初めて予約投稿を使ってみました


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ハンターランク2

 □月∬日

 前回までのクエストで、ハンターランク昇格の為のクエストを受けられるようになった。

 

 今後に備えて、近接武器用の防具にガルルガシリーズとガルルガフェイクを揃える為、村長にイヤンガルルガの狩猟依頼を回してもらおう。

 

 1頭目

 危ない場面もあったが無事捕獲出来た。頭を中心に狙った結果、まずクチバシ次いで耳、それに背中の甲殻を破壊することが出来た。今回手に入った素材で、腰用防具の分が揃った。

 

 2頭目

 背中の代わりに翼の1部を壊して捕獲した。脚用防具の分の、素材が揃った。

 

 3頭目

 翼とクチバシしか破壊することが出来ずに捕獲、胴用防具の分が揃った。

 

 4頭目1日目

 今日は、散々だった。

 探し回っても見つからず、千里眼の薬で居場所がわかっても、そこに着いたときには既に移動済み。やっと戦えたと思ったら、火球の射線を見誤って連続で食らってしまい力尽きた。

クチバシと耳は壊せたのだし、明日は頑張ろう。

 

 4頭目2日目

 集中力が切れたところに、突進を連続で食らってしまい力尽きた。

そういえば、同じ相手に、2度力尽きたのは初めてじゃないだろうか?

 背中は壊せたし、弱ってはいたので、私がもう1度力尽きるようなことがなければ倒せるだろう。

 

 4頭目3日目

 ……水冷弾3発で倒れた。欲しい素材も出ない。

 

 5頭目

 平均的な個体よりかなり大きい、俗に最大金冠と言われるサイズだった。

 前回の事もありかなり慎重に戦っていたつもりなのだが、主にランゴスタが原因でかなり危ない場面があった。

 厳しい戦いだったけど、何とかクチバシと耳それに翼を破壊して討伐できた。今回で、必要な素材の内、ガルルガを倒して手に入る素材は全て揃った。

 

 とりあえず、頭用以外のガルルガシリーズ1式の作成を加工屋に頼んだ。

 後は火山で採れる紅蓮石が1つ有れば、必要な素材が全て揃うので火山での依頼のついでに採ってくればいいだろう。

 

 □月∀日

 火山で採掘の邪魔をする小型モンスター達が暴れているらしく、その関係の依頼をまとめて受けることにした。

 

 燃石炭採掘

 砦の迎撃兵装を動かすために必要らしいので、少し多めに集めた。

 紅蓮石は出なかった。

 

 ガミザミ漁1日目

 見た目は青いヤオザミで動きも似ているのだが、ヤオザミより素早く、毒液を吐く事もあり危険度は上がっている。当然ザザミソも採れる。

 地面に隠れている奴が多く探すのに手間取ってしまい今日のところは予定の半分ちょっとしか倒せなかったが、明日は気合を入れて行こう。

 

 ガミザミ漁2日目

 無事依頼完了。

 紅蓮石も採れたし、ザザミソも美味しい、今回は良い事ずくめだった。

 

 イーオスの群れ討伐

 広範囲に散らばっていたので探すのが面倒だったが、無事依頼完了。

 

 加工屋にガルルガフェイクの作成を依頼した。

 

 □月Å日

 アメリカザリガニと名乗る変な奴から挑戦状が届いた。

よくわからないが、闘技場でヤオザミ20匹を討伐すればいいらしかったので、さっくりやってきた。

ザザミソが沢山採れたので私は満足だが、アメリカザリガニとやらは何がしたかったのだ?

 

 □月√日

 明日はハンターランク昇格の為の最後のクエストに挑む。相手はドドブランゴだが、村長の依頼で1度倒している相手とは言え、前と同じようにいくとは思わない方がいいだろう。

 

 昇格クエスト1日目

 一撃の威力が村長の依頼で戦ったときよりはるかに強くて、回復薬をかなり消耗したが牙は折ることが出来たし、既に以前戦ったときよりも多くの弾を撃ち込んでいるので、いくらなんでもそろそろ倒せるだろう。

 

 昇格クエスト2日目

 やはりかなり弱っていたみたいで、すぐに足を引きずるようになったので捕獲した。

 

 これでハンターランクが2に上がった。まだ先は長いが今くらいは浮かれてもいいだろう。



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轟竜の影

 □月〆日

 元村付きの男が訪ねてきた。

 話によると、轟竜がまた雪山に現れたらしい。そもそも彼がハンターを引退しなければならなくなった原因の傷を負わせたのも轟竜だったようだ。いずれ村長から話がされるだろうから、戦うときは強靭な顎と爪に気を付けろと言われた。

 

 後任のハンターが来ない以上、私が戦うほかないのは分かる……だが怖くて堪らない、私は勝てるのだろうか? いや、それ以前に奴を前にしたら、立ち向かう事すら出来ないかもしれない。奴と戦うイメージを浮かべようとしても、私が様々な方法で殺されるイメージしか浮かばない。

 ……それでも戦わなければならないから、せめてその時までに少しでも強い私になろう。

 

 ココット村からの依頼はいい機会かもしれない。

 

 ココット村滞在1日目

 ココット村の村長からの依頼でモノブロスを狩猟した。

 一角竜とも呼ばれる飛竜種で、砂に潜ってからの急襲に強力な突進や長い尻尾を使った攻撃、何より防具の効果で並の咆哮なら気にせず動ける私が、耳を塞がずにはいられない程の強烈な咆哮をして来る強力な相手だった。幸い尻尾はすぐに切れたので攻撃の範囲が狭くなり思ったより楽に戦えた。

 モノブロスハートが2つ剥ぎ取れたのだが、飛竜には心臓が2つあるのだろうか?

 

 ココット村滞在2日目

 私が遠いココット村まで来た理由、かつてこの村のハンターを引退に追い込んだという白銀の一角竜、こいつを狩ることが出来れば同じようにハンターを引退させた轟竜も倒せる自信が持てるのではないかと思っての事だった。

 

 通常種より動きが素早くやり辛さはあったが、割と早い段階で尻尾を切り攻撃範囲を狭くすることが出来た。それでも楽な相手ではなかったが。

 特に、こちらに向かって軌道修正してくる突進が厄介だったが、うまく躱して角が壁に刺さるようにすると逆に攻撃のチャンスになった。

 最後は捕獲したが、それでも丸1日かかった。

 

 まだ轟竜を倒せる自信は持てないが、それでもこの村での戦いで少し強くなれた気がする。

 

 △月ф日

 ポッケ村に帰ってきた。少しだけ不安もあったのだが何事もなかったようだ。

 

 火山で大型のモンスター狩猟の依頼があったので行ってくる。

 

 VSドスイーオス

 弱い。

 

 VSバサルモス

 鎧竜と呼ばれる強力な飛竜種の幼生なのだが、バサルモス自身はまだ弱く普段は岩に擬態していて、甲殻の堅さだけなら生態より上だ。

 

 擬態その物は一見して本物の岩と見間違えるような物なのだが、何も無かった所にいきなり地面から生えてきたら馬鹿でもおかしいと思うだろうに。

 まずは水冷弾で堅い胸殻を破壊して、内側の柔らかい肉を集中的に撃つつもりだったのだが、胸殻が壊れてすぐに倒れてしまった。

 

 VSショウグンギザミ

 ショウグンギザミは、鎧竜の頭角を背負う大型の甲殻種なのだが、ザザミソが採れない残念なモンスターだ。

 動きは速いし、堅い鋏で攻撃をはじかれる、避け辛い地面からの急襲、その上怒ると鋏を広げて攻撃範囲が広くなり更に攻撃を避けることが難しくなるなど、かなり面倒な相手だった。

 ヤドを壊したら、地面に潜って別のヤドをつけていたので、地面の中に予備のヤドを隠しているのだろうか? だとしたら、そこまでして守るヤドの中は相当脆いのだろうな。

 

 △月я日

 村長から轟竜――ティガレックスの狩猟を依頼された。

 再び現れた奴の目的の1つは、奴の好物で村の重要な労働力にもなっているポポだ。既に村の家畜のポポにも被害が出ている。そして奴はポポだけしか狙わないわけではなく、このままでは村人に被害が出るのも時間の問題みたいだ。

 村の為に、そして私の為にも奴を狩って欲しいと、頭を深く下げて頼まれた。

 

 ……轟竜は怖い。だけど村長は今の私なら、奴を倒すことが出来ると言ってくれた。

 大した腕も無い新米ハンターの私に良くしてくれた村の皆の為にも、こんな情けない私を信じてくれた村長の期待に応える為にも、刺し違えてでも奴を倒す。



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番外編・ピート

活動報告で予告してた番外編です。

オトモアイルーのピート視点の一人称になっていますが、主人公のイメージが壊れるかもしれないのでご注意ください。

あと、いつもより長いです。


 最近旦那さんの様子が、おかしいのニャ。

 ちょっと前までは少しでも暇があれば、ボク達仲間のアイルーやプーギーを撫でたり、抱っこしたり……正直ちょっと鬱陶しいくらいだったのニャ、それが最近じゃ少しでも時間があったら装備の手入れか、トレーニングをしているのニャ。

狩りに行っても、目の前のモンスターじゃなくて、もっと別のモノを見ているみたいな感じがするニャ。大物を倒しても全然嬉しそうじゃなくて、「まだ、届かない」とか「このままじゃダメだ」とか、そんなこと呟いていることがあるニャ。

 

 何より、このところ毎晩酷くうなされているニャ、旦那さんは気付かれてないと思っているみたいニャけど、みんな心配しているのニャ。

……そういえば、前にもこんな風に旦那さんがうなされてたことがあったニャ、あれは確か、ボクとブルースが旦那さんのところに来てすぐ、ボクが初めてオトモとして旦那さんと一緒に行ったクエストでの事ニャ。

 ポポノタンを三個集めるだけの簡単なクエストだったんニャけど、そこで予想外の事態が起こったのニャ、危険な飛竜、ティガレックスが現れたのニャ。クエストの間は我慢してたみたいニャけど、家に帰った途端ボクに抱きついて震え出したのニャ。その後、暫くの間、夜はボクが抱き枕にされてたんニャけど、その時も随分とうなされていたのニャ。

あの時は、単に旦那さんが怖がりなだけニャと思ってたんニャけど、今思うと、あの怯え方は普通じゃなかったのニャ。

 今回旦那さんがおかしくなったのも、先代のハンターにティガレックスの話を聞いてからニャし、やっぱり何か関係あるのかニャ?

 

 まあ、考えても分かんないなら、直接聞けばいいニャ。

 旦那さんは、村長の所から帰って来てからいつもの日記を書いてたみたいニャけど、流石にもう書き終わってる頃なのニャ。

「旦那さん、ちょっと聞きたいことがあるんニャけど、いいかニャ?」

「いいぞ。私からも話があるしな。それで、聞きたいこととは?」

「最近の旦那さんの様子がおかしいのは、ティガレックスの話を聞いたことと、何か関係あるのかニャ?」

 ボクがそう聞くと、旦那さんは苦虫を噛み潰した時みたいな顔になったのニャ。

「……気付いていたのか。ああ、我ながら情けない話だが、怖いんだ。ティガレックスが。……どうしようもないくらいに、な」

 そう答える旦那さんは、少しだけ震えていたのニャ。

「……旦那さんの様子がおかしくなった理由は、分かったニャ。それを情けないとも、少なくともボクは思わないニャ。」

「そうか。……ありがとう」

「でも、分からないのニャ。なんで旦那さんはそんなにティガレックスが怖いのニャ? 確かに、強そうな奴ニャったけど、今の旦那さんがそんなに怖がるような相手とは思えないニャ」

 昔の旦那さんならともかく、今の旦那さんはアイツよりでっかいモンスターも、散々嫌がっていたフルフルだって、何だかんだ言いながらも狩って来たのニャ。

 この間ココット村に行ってきた時なんて、村のハンターだった男を引退に追い込んだ白銀の一角竜相手に、一歩も引かずに渡り合ったニャ。

 ……そんな旦那さんが、ここまで怖がるっていうのはちょっと普通じゃないニャ。

「何で、か。トラウマ……なのかな、やっぱり」

 旦那さんが力無く答えるニャ。

「トラウマ、かニャ? ボクやブルースが旦那さんの所に来る前に何かあったのかニャ?」

「ああ。私がこの村に来るときに、ちょっと……な」

 そう話す旦那さんの顔は青ざめていて、それだけでも相当酷い目に遭ったことが判るニャ。ホントはこういう事はあんまり聞かない方がいいのかもしれないニャ、だけど……

「何があったのか、ボクに話して欲しいニャ」

「……面白い話じゃないぞ?」

「面白い話を期待してる訳じゃ無いニャ。……どうしても話したく無いなら無理にとは言わないニャ。だけど、ボクは旦那さんのオトモニャ。旦那さんが辛いなら支えるのは、きっと1番一緒にいるボクの役目なのニャ。だから旦那さんには一人で抱え込まないで欲しいニャ」

「ピート……分かった、話すよ。……とは言っても、雪山でティガレックスに襲われたって、ただそれだけの話なのだがな」

 そう自嘲気味に話す旦那さんの顔は、言葉とは裏腹にすごく辛そうで見ていられないニャ。だから――

「辛いなら、泣けばいいニャ」

 こんな言葉が出たのニャ。

「え?」

「ボクは現場にいた訳じゃないから、想像しか出来ないけど、きっと凄く怖かった筈なのニャ。辛かった筈なのニャ。……そうゆうのって溜め込んじゃうともっと辛くなるのニャ。だから、そうゆうの全部吐き出す為に思いっきり泣いちゃうのニャ。泣いて、叫んで、喚いて、そうしたらきっと少しはスッキリするのニャ……多分」

「多分、なんだ?」

「多分、ニャ。ボクは旦那さんじゃないから、断言は出来ないのニャ」

「随分いいかげんなのだな」

 そう言いながらも旦那さんの口元は笑っていたのニャ。

「そんなもんだニャ。……泣くんだったら、ボクの胸で良ければいくらでも貸すニャよ?」

「ふふ。残念だけど、貸してもらう程ピートの胸は広く無いようだけど?」

「ニャ! ヒドイ言いぐさニャ」

 まったく、せっかくボクが心配してあげてるのに旦那さんときたら――「だから」

「ニャ?」

「しばらく、このままでいさせてくれ」

 ――抱きしめられた。そう自覚するのにちょっと時間がかかったニャ。

「こういうのって、普通やる方が逆なんじゃないかニャ?」

「仕方がないだろう? 抱きしめて貰うには、君の体はいささか小さすぎる」

「まあ、いいニャ。……それで、これだけでいいのかニャ?」

 泣いても良いって、そう言外に伝えながら、ボクは少しでも旦那さんの体を抱きしめる為に腕を伸ばすニャ。

「……かった」

「ニャ?」

「……怖かった」

「そうかニャ」

「凄く、怖かったんだ。あんな大きな飛竜なんて初めてで、凄く大きな声で吼えられて、怖くて、怖くて、全然動けなかったんだ」

「そうかニャ」

 旦那さんは、最初の一言を呟くように洩らすと、堰を切ったように涙を流しながら、今まで溜め込んできた思いを、言葉にして吐き出し始めたのニャ。

 今ボクに出来るのは、背中に落ちる涙を感じながら相槌を打つことくらいニャ。

「周りにはあいつに食い散らかされたポポの残骸が広がってて、私もこうなるのかと思って、もっと怖くなって、逃げなくちゃって思ったんだけど、やっぱり体は全然動かなくて、死んじゃうと思った」

「……そうかニャ」

 こんな旦那さんは初めてニャ。そりゃ偶に情けない時もあるけど、それでもいっつも頑張って、みんなの期待に応えてたのニャ。……無理、させちゃってたのかニャ?

「あいつが私の方に迫ってきた時も怖くて、何とか持っていた盾を構えようとしたんだけど、盾ごと吹き飛ばされて、痛くて、怖くて、本当に死んだと思ったんだ。……今でも、時々思うことがあるんだ。私はあの時に本当は死んじゃっていて、今の状況が死んだ後に見てる夢なんじゃないかって」

「……大丈夫ニャ。旦那さんは生きてるニャ、今いるここは現実ニャ」

「うん、頭では分かっているんだ。そんな筈無いって事も、そんな事考えてるのは君や他の皆に対しても失礼だってことも。……それでも不安になる気持ちを止められないんだ」

「だったら、不安になる時はボクが一緒にいて教えてあげるニャ。旦那さんはちゃんと生きてるって、ここは夢なんかじゃないって」

「……そうか、ならずっと私の傍に居てくれるか?」

 抱きついていた手を放して、ボクの顔を不安そうに見ながら、そんな事を聞いてくる旦那さんは、なんだか小さな子供みたいに見えたのニャ。

「そんなの当たり前ニャ! 旦那さん普段しっかりしてるのに、偶にすごく抜けてるのニャ。そんな危なっかしいハンターほっとけないニャ!」

「……ありがとう」

 そう言って笑う旦那さんは、すごくいい顔してたのニャ。

「危なっかしいって言われて笑うなんて、やっぱり旦那さんは変わってるニャ」

「そうかな? そんな危なっかしいハンターとずっと一緒に居てくれるなんて言う、君ほどじゃ無いと思うがな」

「ニャ、だったらボク等は似た者同士ニャ! きっと相性が良いニャ!」

「そう、だな。改めて、これからもよろしく頼むよ」

 そう言ってはにかむ旦那さんは、少し吹っ切れたような感じがしたニャ。

「こちらこそニャ! ……そういえば旦那さんの話って、何だったのニャ?」

「あー……そう、だったな。私の話は、だな」

 ボクの、と言うよりは旦那さんのトラウマの話で忘れそうになってたけど、旦那さんからも話があるって言ってたのニャ。

 まあ、旦那さんも忘れてたみたいニャし、大した事じゃないと思うけど、何か妙に歯切れが悪いニャ。

「……ティガレックスの狩猟依頼を受けてきた」

 ……ニャんですと?

「ごめんニャ。旦那さんが何言ってるのか、ちょっとよく分かんないニャ」

「あー、だから、そのさっきまで話していた私のトラウマの相手が、この付近で暴れてるみたいでな、それの狩猟を村長から直々に依頼されたんだ」

「……分かったニャ。旦那さんは、馬鹿だったんニャね」

「そ、そんなしみじみ言わなくても、良いんじゃないか?」

「別に、トラウマと向き合って乗り越えようとしてたって言うなら、文句は無いニャ。でも、どうせ旦那さんの事だから「刺し違えてでも奴を倒す(キリッ)」みたいな感じで悲壮な覚悟(笑)を決めてたんじゃないかニャ?」

 そこまで言うと、旦那さんは顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせるだけで何も言えなくなってるみたいニャ……図星かニャ。

「沈黙は肯定と見なすニャよ?」

「あ、えーと、その……あ! わ、私の日記を読んだのか!」

 ……何か言わないとって、テンパってたのは分かるニャ。だけどそれは――

「日記にまで書いてたのかニャ」

「えっ? あっ! ひ、卑怯だぞ! 誘導尋問なんて!」

これがボクの旦那さんかと思うと、なんだかボクまで情けなくなって来たニャ。

「旦那さんが勝手に自爆しただけニャ。大体初めから刺し違えようなんて考えてたら、それすら出来ずにやられちゃうのが落ちニャ。生き残る意志の無い相手にやられるほど、ティガレックスが安い敵とは思えないニャ」

「そう、だな。私が間違っていた。……だからこれ以上このネタは引っ張らないでくれ」

「まったく、しょうがないニャ。狩りは明日ニャね? 準備は出来てるのかニャ?」

「ああ。この日に備えて準備だけは前からしていたんだ」

 そう言って見せられたのは、閃光玉に落とし穴シビレ罠、大樽爆弾Gと回復薬G、それらの調合素材に、二種類の護符etc……持って行ける限界まで用意された道具だったニャ。

「旦那さんって普段は、採取用の道具以外は、二種類の護符と回復薬にペイントボール、後は怪力の種くらいしか持って行かずに、支給品で間に合わせてるニャよね」

「それが、どうかしたのか?」

「……まあ、有って困るわけでもニャいし、別にいいニャ」

 さっきはああ言ったけど、これだけの道具が有れば普通に倒せてた気がしないでもないニャ。

「? まあいいか。明日は早いし、そろそろ寝よう」

「そうニャね。お休みニャ、旦那さん」

 そう言って部屋を出ようとしたんニャけど、旦那さんに抱えられてベッドに入れられたニャ。

「何で、ボクは旦那さんのベッドに入れられてるのニャ?」

「一緒に居てくれるのだろう?」

「……ベッドの中までかニャ?」

「当然だろう? ……お休み、ピート」

「ま、こういうのも悪くないニャ」

 やたら寝つきのいい旦那さんの寝息を聞きながら、ボクも眠りについたのニャ。

 

 翌朝、ボクと旦那さんはティガレックスを狩猟するために雪山に来たニャ。

 フルフェイスのヘルメットのせいで顔は良く見えないけど旦那さんが緊張してるのは分かるニャ。

「旦那さんなら、落ち着いてやれば大丈夫ニャ。頼りないかもしれないけど僕だっているのニャ」

「私は、大丈夫だ。君こそ無理をするなよ?」

「大丈夫ニャ。危なくなれば潜るから平気ニャ!」

「……いや、うん。いいんだけどさ、君、昨日あれだけカッコいい事言っておいて、それ?」

「ニャ。オトモに期待しすぎニャ」

「まあ、それも君らしいか」

「そういう事ニャ。……多分あいつは山頂にいるニャ。気合入れて行くニャ!」

「ああ、行こう!」

 ……上手く緊張を解せたみたいニャ。多分ボクの攻撃じゃ有効打はあまり与えられないのニャ。だからボクに出来るのはこうやって、旦那さんの状態を良くすることと、遊撃手として、雑魚を旦那さんに近づかせない事ニャ。

 

 ……山頂に奴はいたニャ。夢中になってポポを喰っていたのニャ。

「ふっ!」

 旦那さんが背中の太刀に手をかけて、奴の方へ駆け出したニャ。

「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

 こっちに気付いた奴が、咆哮を上げるニャ。

 まずは小さい方からという事なのか、奴は自分の方へ向かってくる旦那さんを無視してボクの方に向かって突進してきたニャ。

「ピート!」

 旦那さんが悲鳴に近い声を上げるけど、奴の体が大きい分ボクがすり抜けられる隙間は多くて、とりあえずは避けることが出来たニャ。

「避けたから平気ニャ! それに多少食らっても大丈夫ニャ。旦那さんは自分の事を心配するニャ!」

 実際、ボク等アイルーの回復力なら、1撃で死んじゃうような攻撃か、それこそ食べられでもしない限り大丈夫ニャ。

「鬼さん、こちらニャ! かかって来るニャ!」

 言葉が通じるとは思わないけど挑発で攻撃が雑になればきっと隙も増えるニャ。

「グルルルルゥゥゥ」

 ドゴッ

「ニャァァァ!」

 遠距離攻撃は無いと高をくくってたら、奴が飛ばしてきた雪の塊に吹っ飛ばされたニャ。

「ピート! 無茶をするな!」

「わ、分かったニャ!」

 とは言ってもこいつ――

「グルアアアア」

 何か執拗にボクだけ狙ってないかニャ!?

「ピート! しばらく休んでいろ!」

 何度目かの突進を躱しきれずに食らってしまい、旦那さんにそう言われたのニャ。

「ごめんニャ! すぐ回復して戻るからそれまで頑張るニャ!」

 正直虚勢を張ることも出来ないくらいだったので素直に地面に潜るニャ。

 

「ニャ! 旦那さん、大丈夫ニャ?」

 急いで戻ると、見た感じ無傷とはいかないまでもたいしたダメージは無いみたいニャし、かなり善戦して――

「ああ、私は大丈――って後ろ!」

「ニャ?」

「グルアアア」

「ニャァァァァ!?」

「ピート!?」

 戻ってすぐに死角から突進を食らってまた潜る羽目になったのニャ。

 ……そんな感じで何回も出てきては潜っていたら、いつの間にかティガレックスの尻尾が切れてたのニャ。

 結局、ボクが攻撃を当てたのは数えるほどしかなかったニャ。旦那さんが奴を倒したときだって、ボクは地面の下だったニャ。

 

 旦那さんは村長に報告があるから、ボクは先に家に戻ったニャ。

 ブルース達は、ボクと旦那さんの無事を喜んでくれたニャけど――

「……ニャァ」

 散々偉そうなこと言った割に、全然役に立てなかったとか流石にへこむニャ。

「どうしたんだ? ピート。溜息なんか吐いて」

 ……いつの間にか、旦那さんが帰ってきてたのにも、気付かなかったみたいニャ。

「村長の話は、もういいのかニャ?」

「ああ。それで君は、どうして溜息なんて?」

「……旦那さんには偉そうなこと言ってたのに、結果がアレじゃ溜息の一つも吐きたくなるニャ。……旦那さんだけでも倒せたんじゃないかニャ?」

「そうか? 私は君のおかげだと思っているのだがな。……まあ、戦力としては微妙だったのは確かだがな」

「旦那さんは、フォローがしたいのニャ? それとも止めを刺したいのニャ?」

「ふふ。君には本当に感謝しているんだ。君が一緒にいてくれたから、私は奴に立ち向かうことが出来たんだ」

 旦那さんは本気でそう思ってるみたいニャけど、

「それでもボクは、自分が情けないニャ。旦那さんが言ってるのは精神的な話ニャ。ボクは、実力で旦那さんの役に立ちたいのニャ!」

「そうか。……なら、これから強くなればいい。もちろん私と一緒にな」

 落ち込む僕に、旦那さんはすごくいい笑顔でそう言ってくれたのニャ。

「そうニャね。ボクはもっともっと強くなるニャ。これからもよろしくニャ、旦那さん!」

 

 これから先、ティガレックスより強いモンスターとも戦う事もあるニャ。だけど、旦那さんならきっと大丈夫ニャ。ボクはそれを少しでも助けられるように頑張るのニャ!




最後まで読んでいただいてありがとうございます。

ちなみに戦闘シーンは実プレイ準拠です。

そして、多分もう番外編は書きません。疲れました。


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轟竜の狩猟と古龍の脅威

 △月∥日

 道具を大量に持ち込んでティガレックスに挑んだ。……落とし穴が使えないことに戦っている時に気付いて凹んだ。

 

 戦いそのものは、怖いくらい順調に進んだ。突進後の隙に後ろから斬りつけて尻尾を切ることが出来たし、……そういえば尻尾を切ったとき、ティガレックスは崖の端の何も無いように見えるところに顎が固定されて動けなくなっていたが、あれは何だったのだろうか?

 

 最後は閃光玉で動きが止まったところに、大樽爆弾Gを連続で起爆して、転んだところに鬼刃切りで止めを刺した。……こんなものだったろうか?

 

 村長は私が居ればこの村は安泰だと言ってくれたのだが、私はまだまだ未熟だ。これからも精進しよう。

 

 △月я日

 今日は村長に呼ばれた。

ギルドの検分で、私が倒したティガレックスから、轟竜の大鳴き袋というかなりの希少素材が見つかったようで、なんでも村長とトレジィが長年探していた、農場の奥の洞窟の氷壁を砕くのに必要な特性を全て備えた稀有な物質だったみたいだ。

 実際に氷壁を砕くところを見せてもらったが、凄まじい音だった。

 

 ……氷壁の奥にあったのは、刃渡りだけで優に大人三人分以上は有りそうな巨大な黒い剣だった。

 洞窟にいたアイルーの話では、村長とトレジィは初めからここの事を知っていたらしく、村長にこの巨大な剣が大昔に強力な古龍の素材で作られたものだと聞かされたらしい、さらに不思議なのは、表面を削ってもしばらくすれば再生する、まるで生きているかのような不気味な特性だ。

 ……もっともその特性のおかげで、この黒剣から素材を取ることが出来るのだが。

 

 VSグラビモス

 火山で以前戦ったバサルモスの成体、鎧竜グラビモスの狩猟クエストに行ってきた。

 

支給用樽爆弾を設置したところにムサシに誤爆され、吹っ飛ばされる。……死ぬかと思った。

 

 1対1なら、強力な熱線や巨体による体当たりなどの攻撃は、距離さえ取ればまず当たらないが、当たれば痛いでは済まないので、周りに小型のモンスターがいるとかなり厄介なことになる。特にガミザミが鬱陶しすぎる。倒したと思ったら新しい奴が地面から出てきて……あそこまでイラついたのは久しぶりだった。

 グラビモス自体も突進で行ったり来たりで面倒な相手だった。

 堅い胸殻を破壊するのに拡散弾や徹甲榴弾も使ったが、水冷弾と貫通弾をメインにした方が効率が良かったかもしれない。

 

 △月□日

 雪山に風を纏う古龍クシャルダオラが現れたので、撃退に向かう事になった。

 

 鋼の如き甲殻から鋼龍の異名で呼ばれる相手だが、厄介な風を纏っていて、そのままでは近づく事も儘ならず、かと言って弓やボウガンの遠距離攻撃では弾かれる。

 角を折るか毒を与える事で対処が出来るらしいが厄介な相手であることには変わりないだろう。

 古龍らしく並のモンスターとは比較にならない生命力を持つ相手だ。時間はかかるだろうが焦らず行こう。

 

 VSクシャルダオラ1日目

 支給された毒投げナイフのお陰で戦いがだいぶ楽になった。

 やたらと吼えていたが、防具のお陰で影響が無く逆に攻撃のチャンスになった。

 風のブレスは強力だが意外と隙は多く、攻撃を積み重ねて角を折ることが出来た。

 特に意識して攻撃していた訳では無いが、翼がボロボロになっていた

 

 VSクシャルダオラ2日目

 風を纏うことが無くなった為、戦いやすくなった。

 止めを刺すには至らなかったが、尻尾切断して撃退に成功。

 

 △月〇日

 今度は雪山に幻獣キリンが現れた。

 古龍種に分類されているが、その姿は龍という言葉のイメージからはかけ離れていて、額から円錐状の角を生やした蒼白の馬と言うのが一番近いだろうか?

 

 素早い動きとどこに居ても落ちてくる雷撃、そして見た目からは意外なほど、突進が痛い。

 他の古龍と比べ体力が低いおかげで討伐にかかった時間自体はそれ程でもなかったが、回復薬の消費が激しく長期戦になっていれば危なかった。

 

 △月Д日

 密林にクシャルダオラが現れたらしい。以前、雪山から追い払った個体かも知れないし、撃退に向かう。

 

 鋼龍追撃戦

 やはりと言うか以前戦ったのと同一の個体で、かなり弱っていたらしく、意外と早く倒せたのだが、流石は古龍と言うべきか最期まで弱った素振りは見せなかった。

 

 △月Ю日

 角竜とも呼ばれる凶暴な飛竜ディアブロスが、国境付近の防壁を破壊したらしく、国境警備隊から狩猟の依頼を受けた。

 被害の拡大を防ぐためにも砂漠に向かう。

 

 VSディアブロス1日目

 タフなのも攻撃力が高いのもいいのだが、すぐに潜ったり、突進で動き回るせいで戦いづらい。

 学習能力が無いのか、何度も壁に角を突き刺して悶えていた。

 睡眠弾で眠らせてから大樽爆弾を起爆して片角が折れた。明日はもう片方も破壊出来るよう頑張ろう。

 

 VSディアブロス2日目

 潜ってばかりで面倒だったが、なんとかもう片方の角も破壊して討伐。

 

 △月◇日

 コナンの都会での友達のキッチンアイルーが訪ねてきたのだが、話の流れで私が雇う事になった。

 毛並みは漆黒で名前はアップルだった。……赤い毛並みならピッタリの名前なのだが、どうしてこんな名前にしたのだろうか?



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闘技訓練と農場の大拡張

 △月☆日

 訓練所の闘技訓練を制覇すると、特別な効果を持つピアスが貰えるらしい。

 闘技訓練は、あらかじめ用意されている装備を使って闘技場の中で大型のモンスターと1対1で戦うもので、1種類のモンスターに対して5種類の装備が用意されているようだ。

 

 普段使わない武器の練習も兼ねて挑戦してみることにした。

 

 訓練所の日々

 最初の相手はイャンクックで、特に変わったことは無かったが、練習相手には丁度いいかもしれない。

 

 2体目の相手はババコンガ……訓練所に来てまで、この汚物の相手をする羽目になるとは思わなかった。

 慣れない武器(双剣)でやった時は放屁を受けるわ、足の遅い武器(ガンランス)の時は投げつけられた糞を盾で受ける羽目になるわで、最低の訓練だった。

 

 3体目はフルフル。相変わらず不気味な奴だが、何度も戦って少しは慣れることが出来た。……それでも、積極的に戦おうとは思えないが、大分ましにはなったと思う。

 動きは鈍いが攻撃は強力なので、しっかりガード出来る武器か、動きがよく見える遠距離武器が戦いやすいみたいだ。

 大剣で2回失敗。

 

 4体目はダイミョウザザミ。

 どのタイミングで攻撃してくるか分かりづらい相手なので、攻撃と回避が切り替えやすい武器が戦いやすかった。

 

 5体目はドドブランゴ。

 ちょこまかと動き回るせいで、攻撃のタイミングが計りづらくかなり鬱陶しい相手だった。攻撃後の隙に少しずつ攻撃を当てて行くのが確実だが、面倒だ。

 用意されていた中では比較的ライトボウガンが楽だったが、あくまで他と比べたらの話で鬱陶しい事に変わりなかった。

 ハンマーで1回失敗。

 

 6体目はイャンガルルガ……かなり凶暴な奴なのだが、どうやって管理しているのだ?

 予備動作無しでいきなり突進してくるのが、ここまでやり辛いとは思わなかった。今までこいつと 近接武器で戦ってこなかったせいもあるのか、かなり失敗してしまった。

 近接の時はブレス後の隙に攻撃を当ててすぐ離れるのが安定していた。

 大剣で1回、ハンマーで2回、ランスで1回、計4回失敗。

 

 7体目はティガレックス……おい、どうやって捕まえているのだこんな奴!?

 下手に触るとそれだけでダメージを食らうし、間近で咆哮を受けると衝撃で吹っ飛ばされるし、突進は痛い。

 盾があると比較的戦いやすい気がする。

 大剣で1回、笛で二回、計3回失敗。

 

 8体目はディアブロス……非常に攻撃的でプライドが高い飛竜の筈なのだが?

 尻尾の下側が柔らかいので安定してそこを狙える武器がやりやすい、それが難しい武器なら脚を狙って転ばせるのがいいか。

 

 9体目はグラビモス……強力な熱線を吐くこいつをどうやったら捕まえておけるのだ?

 近接だと、その場でクルクル回って尻尾を振り回すのが鬱陶しすぎる。突進でかなりの距離を移動するので追いかけるのが面倒。

 熱線で薙ぎ払いでもしてこない限りこいつと近接武器では戦わないと思う。

 ハンマーで1回、ガンランスで1回、計2回失敗。……誤爆した支給用樽爆弾はすごく痛かった。

 

 最後の相手はキリン……確か、個体数が少なく生態も殆ど知られていない幻の生物の筈、この訓練所はいったいどうなっているのだ!? ……それとも、私の認識の方が間違っているのだろうか?

 胴体が非常に硬いため、下手に攻撃すると弾かれて手痛い反撃を食らう。頭や角を的確に狙えない武器なら、弾かれないようにする手段が無いと厳しい。

 ヘビィボウガンで1回失敗。……リロードの遅いボウガンは使い勝手が全然違うものだと知った。

 

 闘技訓練制覇の証として増弾のピアスを貰ったが、次は特別訓練とやらを準備しているらしい。……あまり想像したくないが、また非常識な相手がいるのだろう。

 

 △月Э日

 農場がすごいことになっていた。

 

 今出来るだけの拡張をして欲しいと頼んだのだが、釣り用の桟橋は限界まで伸びて、キノコの木は更に貴重なキノコが生えるようになり、何も無かった筈の場所には立派なハチの巣箱が出来ていた。

 更に茂みの傍の木でも虫が採れるように専用のハンマーが用意してあったり、坑道を掘って爆弾採掘なんて事が出来るようになっていたりもした。

 トレジィの弟子のトレニャーと言うアイルーも来ていて、資金さえ出せば色んな所から素材を採って来てくれるらしい。



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蟹料理とリオ夫妻

初出のモンスターも減ってきたので、今回から少し書き方を変えていきます。


 △月▼日

 食道楽を究めた貴婦人からの依頼で、究極の蟹料理完成の為に鎌蟹と盾蟹を狩ることになった。

 究極の蟹料理……きっと素晴しく美味しいのだろうな。頼めば少しくらいなら食べさせて貰えるだろうか?

 

 鎌蟹漁

 沼地でショウグンギザミは火山のとは違い巨大な巻貝を背負っていた。あれだけ大きな貝は見たことが無いが、何という種類なのだろうか? 機会が有れば是非とも食べてみたいものだ。

 

 盾蟹漁

 ショウグンギザミよりずっと楽な相手なので、気楽に戦っていたのだが、2匹目が来てかなり焦った。

 幸い1匹目のダイミョウザザミはかなり弱っていたので、2匹同時に相手にしていた時間は短かったが、今の私には大型2匹と同時に戦うのはかなり厳しかった。

 

 今回は何とかなったが、これからは同じ場所で複数の大型のモンスターを狩るような依頼も増えてくるだろうし、何か対策を考えるべきだな。

 

 出来上がった蟹料理を分けてもらえたのだが、今まで食べてきた蟹料理の中で1番美味しかった。それでも依頼人は究極の蟹料理には程遠いと言って満足していなかった。目指すモノは違うが、見習うべき素晴らしい向上心だと思う。

 

 △月◎日

 前回の依頼の報酬の素材で加工屋のカタログに有ったメラルーを模したライトボウガン、メラルーラグドールが作れるようになったので作成してもらった。見た目は色物だが火炎弾の速射が出来る優秀な武器だ。

 ついでに属攻珠を3つ作ってもらいクックD防具に装着してもらった

 

 密林でゲリョスの通常種・亜種同時狩猟

 メラルーラグドールの試し撃ちも兼ねていたのだが、かなり相性が良かったみたいで、すぐに終わった。具体的には1頭につき火炎弾を10回も速射しない内に倒れたので死に真似かと思ったのだが実際に死んでいた。

 

 村長から火竜のつがいの狩猟依頼を紹介された。どうやらティガレックスを討伐した事で私の名もそれなりに売れていたらしい。急ぐ依頼でもないようなので、準備が整ってから行こうと思う。

 

 雪山でドドブランゴ2匹同時狩猟

 1頭目とは最初は麓で戦っていたのだが弱らせると雪山内部の洞窟に逃げたので追いかけて合流される前に止めを刺した。

 2頭目も最期は一頭目と同じ場所で止めを刺した。

 何故か2頭とも取り巻きのブランゴが居なかったが、どうしたのだろうか?

 

 小さいフルフルの狩猟

 体は小さいのにタフさも力も通常サイズの個体に劣らず大変だった。

 

 ババコンガ2頭同時狩猟

 初めは1頭を相手にしてそれなりに上手く立ち回れていたと思うが、合流されて2頭のババコンガに連続で突進され力尽きた。

 

 復帰して最初の攻撃で1頭目が倒れたので、2頭目は気持ち楽に戦えた。

 

 クロオビボウガンを作成

 

 砂漠でティガレックス狩猟

 1回り大きいサイズだったが、闘技訓練で何度も戦っているので落ち着いて戦えた。

足を引きずったので捕獲しようと思いエリア移動するのを待ってからシビレ罠を設置したのに、すぐにまた移動したのでかなり腹が立った。

 

 △月Ψ日

 火竜のつがい――空の王者と恐れられるリオレウスと陸の女王の異名を持つリオレイアの同時狩猟。

 どちらも強力な飛竜として有名なモンスターでそれぞれ空と陸での戦いに秀でている。

 最初はリオレウスと遭遇したが、すぐにリオレイアが飛んでくるのが見えたのでこやし玉を使っていきなり合流されるのは防いだ。

 後から合流されたが、1対1で戦っている間に尻尾を切断したりして弱らせていたので、別れた際にリオレウスを捕獲

 残ったリオレイアはサマーソルトが怖いので真っ先に尻尾を切断して、最後は弱って巣に戻ったところを捕獲した。

 風圧で動きが阻害されるのがかなり厄介だった。防具の中には風圧を無効化出来るものもあるらしいので作成を考慮しておこう。

 

 村では行商のおばあさんから、ココット村の英雄がリオレウスを討伐したときの話も載っているらしいココット村英雄伝と言う本を貰った。以前ココット村に行ったときは直接会うことは無かったが、村人の話では相当な実力のハンターらしいし、いつか会ってみたいものだ。



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物欲センサーがアップを始めてきた辺り

 ガノトトス通常種・亜種同時狩猟

 まずは亜種と遭遇したのだが、這いずりでダウンして起き上がり際にタックルを食らいふらついた隙に水のブレスを受けて力尽きる。

 復帰して最初の攻撃で倒れた……この間のババコンガと言いこんなのばっかりか。

 通常種はブレス中の隙に首辺りに火炎弾を速射していたら割と早く倒せた。

 やはり亜種の方が体力も多く厄介だった。

 

 ショウグンギザミ2匹同時狩猟

 1匹ずつ戦えた上に2匹とも麻痺させたりしてピートが活躍したので比較的楽に終わった。

 1匹目が最小金冠サイズだった。

 

 リオレイア亜種狩猟

 やっぱりサマーソルトが怖いので、まずは尻尾を切断した。翼がやたら堅く弾かれてしまい戦いづらかったが、ピートが麻痺させたりしてかなり活躍してくれたので、なんとか翼の1部と角を壊して倒すことが出来た。

 

 雪獅子の素材を使い氷属性のガンランス、ヘルスティングを作成。

 

 △月ω日

 旧時代に造られた古塔の調査に協力した。……とは言っても古塔に住み着いたガブラスを退治しただけなのだが。

 ガブラスは飛竜種としてはかなり小さなモンスターで、常に飛んでいる為あまり強くは無いが武器によっては面倒な相手だと思う。

 古塔の内部に大雷光虫が生息していたので、ついでに雷光エキスを集めて来た。

 

 

 チャチャブー退治

 珍妙な仮面が特徴の獣人種だが、コミカルな外見に似合わず鉈を振り回して襲いかかる好戦的で危険な種族だ。普段は周囲の物に擬態して姿を隠して奇襲してくる上に小柄な外見にそぐわず力も強い。

 

 ハンマーを強化した。ブルタスクハンマーといってこれ以上の強化は望めないがかなりの性能だ。

 

 斬破刀を強化する為の素材がキリンの雷尾があと1つ足りなかったので、キリンを狩って来たのだが、今回は出なかった。まあ、こうゆう事もあるか、前回は出たのだしそう確率が低いという事もない筈だから次辺り出るだろう。

 村長にキリンが見つかったら教えてもらうように頼んだ。

 

 キッチンアイルーのコナンに弟を紹介されたので家で雇う。名前はシンバルで、乳製品の扱いなら右に出るものはあんまりいないとか。

 

 △月√日

 姿を消すという特異な性質から目撃情報が極端に少なく、霞龍と呼ばれる古龍種オオナズチ、それの撃退を依頼された。

 と言っても状況からおそらくオオナズチに襲われたと思われるだけで、実際の依頼内容は原因の究明と危険の排除だが。

 襲われたのは名のあるハンターらしく、そんな人が負傷するだけの危険な相手には違いないので気を引き締めて行こう。

 

 霞龍戦1日目

 基本的に透明で姿を確認出来ないが、常に完璧に姿を消せるわけでは無いみたいで、居場所が歪んで見えるときに攻撃すると完全に姿を現す。

 その見た目は、全体的に曲線的で紫の体皮にぎょろりとした大きな目玉と長い舌、不気味なモンスターだった。

 出会い頭に、緑色の不気味なブレスを食らってしまい、異常な疲労感に襲われてしまう。

 平たい尻尾を団扇のようにパタパタして風圧を起こしていたが、今回はライトボウガンで来たのでその時は攻撃し放題だった。

 舌を伸ばして薬を盗んでいく……姿を隠す事と言い、やたら汚いなこいつ。

 スタミナがかなりまずい、厳しい戦いになってきた。

 

 霞龍戦2日目

 何とか撃退できたが、スタミナが殆ど尽きていることもあって姿を消してからの急襲がかなり厳しかった。

 

 

 古龍種に有効な大剣を作成する為、リオレイアの亜種を狩猟。破壊可能部位は全て壊して捕獲、珍しく1度で必要な素材が揃ったので、ベースの大剣からティタルニアに強化してもらう。

 

 リオレウス亜種狩猟

 手強くはあったが、特殊な行動は無いので意外と戦いやすかった。最後は弱って巣に移動したところを捕獲した。

 ……戦いに集中しすぎて危うく尻尾の剥ぎ取りを忘れるとこだった。

 

 今度こそ雷尾を手に入れる為キリンに挑むが、今回も出ない。

 ハンマーのスタンプが決まると面白いように吹っ飛んでいた。

 

 沼地でオオナズチの追撃

 いきなり薬を盗まれてしまったが、尻尾を切断すると姿が見えやすくなり、角を折るとほとんど姿を隠せなくなった。

 ムサシも爆弾で何度も怯ませていたので割と早く終わった。

 

 ティタルニアは中々の性能みたいだ。

 

 3度目の正直と言う言葉を信じてキリンを狩るが、2度あることは3度あった……この言葉、誰が言い出したのだろうか? すごく殴り飛ばしたい。



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初めての街の防衛戦

 ニクスファーボウを作成し強化の為にドスギアノスを狩ったのだが、足りない分は僅かだったのに、最後の1つが中々出ずに3頭も狩る羽目になった。

 

 トレニャーさんから龍頭の竪琴を貰った。依頼を沢山していた感謝の印としてくれたらしいが、加工すれば弓としても使えるらしい。

 

 ディアブロス亜種狩猟

 遭遇したと思ったらいきなり移動するのでイラついた。

 まずは毒を与えようとしたのだがすぐに砂に潜るせいで、蓄積出来ず毒ビン35本を無駄にしてしまった。更に背後からゲネポスに麻痺を食らう事2回、2本目の角も折れず、報酬も……2日かけてストレスだけ溜めてきた気がする。

 

 キッチンアイルーのトニーを雇う。肉類と酒類の扱いが得意な深い青の毛並みのアイルーだ。

 

 △月〆日

 炎を纏う古龍――炎妃龍ナナテスカトリの撃退依頼を受ける。

 その異名が示す通り炎を操る危険な古龍らしく、普通の装備では近づくだけでその身に纏う炎に焼かれ体力を失う。角を折ることが出来れば炎を纏う事は無くなるらしいが、相当の傷を負わせなければ其れすら不可能、今回は遠距離からの攻撃を徹底してダメージを蓄積させる事だけ考えた方が良さそうだ。

 

 炎妃龍戦1日目

 舐めていた訳では無いが想像以上に戦いづらい。特に突進中に急カーブして来るのがすごく厄介だった。

 ピートの援護もありなんとか翼の1部を破壊出来たが、矢に塗る薬液を詰めたビンが残り少ない。

 

 炎妃龍戦2日目

 不覚を取った。注意していたつもりだったのだが、例の突進を連続で受けてしまい力尽きた。ナナテスカトリの方もかなり消耗していたらしく、私がベースキャンプで治療を受けている間に何処かへ飛び去っていたので、依頼自体は成功だが実質は痛み分けといった所か、だが次は確実にしとめてみせる。

 

 

 キリンが見つかった。今度こそ雷尾を!

 ……駄目だった。

 

 珍しくすぐにもう一頭見つかったが、またしても駄目だった。

 

 ナナテスカトリ追撃戦

 角を折る為に大剣ティタルニアを振るって戦ったが、弓の時殆ど気にならなかった粉塵爆破と炎のブレスが厄介だった。

 

 角を折るまでは大変だったが、尻尾を切断することも出来たし戦果は上々だろう。

 

 行商のおばあさんからジャンボ村武勇伝を貰った。巻末に珍しい武器の設計図が載っていたので今度加工屋に見せてみようか。

 

 グラビモス亜種狩猟

 普通にやっていたらどれだけ時間がかかるか分かったものではないので、睡眠弾で眠らせてからの支給用大樽爆弾、更に水冷弾をぶち込んで腹の甲殻を大分壊した。

 回りに小型のモンスターが少なかったので、原種と戦った時より随分楽だった。

 

 □月〇日

 通常のディアブロスと亜種の同時狩猟の依頼をされた。

 ディアブロスのタフさを考えると憂鬱なものがあるが、爆弾などを用意すれば大丈夫だろう。

 

 角竜通常種・亜種同時狩猟1日目

 ハンターが嫌いなモンスターのランキングが有ればランゴスタは絶対ベスト10に入っていると思う。片方だけでもなるべく早く倒そうと通常種を眠らせて爆弾を設置したと言うのに、ランゴスタにディアブロスを起こされ睡眠時の初撃における大ダメージを与える機会が無駄に終わった。

 

 通常種は何とか倒せたし、亜種には睡眠時にうまく爆破出来た。順調と言える筈なのだが、ランゴスタのせいですっきりしない。

 

 角竜通常種・亜種同時狩猟2日目

 依頼は無事完了したが、角をうまく折ることが出来ず残念だった。

 

 □月*日

 街にあるギルド支部から救援要請が届いた。

 災害指定のモンスター、シェンガオレンが迫ってきているらしい。

 仙高人などと呼ばれるふざけた図体の甲殻種だと聞いているが……もしこいつを素材に出来たなら究極の蟹料理も完成するのだろうか。

 

 

 ライトボウガンを担いでクエストに向かうが、爆弾の類も強力な弾も使い果たしても奴は健在で防衛線が突破されるのを呆然と見ているしかなかった。

 ……という夢を見た。

 不吉なのでボウガンを使うのは止めておこう。幸いシェンガオレンが街に到着するまでまだ猶予はあるのだから、それまでになるべく強力な装備を用意しておこう。

 

 新たにキリンを2頭倒してようやく素材が揃ったので鬼斬破を作ってもらう。

 

 □月□日

 シェンガオレンを討伐して来た。

 1歩脚を動かす毎に地面が揺れるため戦いづらく、街に備えられた古龍迎撃用の兵装と爆弾を全て使い、脚を1本ずつ集中的に攻撃して体勢を崩させ、それでも長い時間がかかった。

 

 ほとんどまる2日休む事も出来ず戦い続けたので、今回は酷く疲れた。今はとにかく休みたい。



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