オーバーロードと魔族の王 (ニャルザイ)
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1話

皆さん新年明けましておめでとうございます

お久しぶりの方はお久しぶりです。そうでない方は初めまして。本当なら投稿するのはもっとあとの予定でしたが新年だー!めでたいぞー!という変なテンションのせいでプロローグのみ先行して投稿します。感想や質問等あればドンドンして下さい、それが作者のモチベーション向上に繋がりますので(笑)

あ、批判コメ等も募集です作者のハートは黄金の鉄の塊なのでそっとやちょっとじゃびくともしません。むしろ喜びます(アへ顔)


VRMMORPG、『ユグドラシル』。かつては大人気だったゲームだが、ユグドラシルは終わりを告げようとしていた。

 

そんな中ユグドラシルにおいて異形種のみで構成されたギルド、アインズ・ウール・ゴウンの本拠地であるナザリック地下大墳墓の第9層に1人の異形種がログインしていた。

 

 

「ふぅ、想像以上にアプデに時間取られたけどなんとか間に合ってよかった。」

 

手に握られた懐中時計を目に時間を確認するがこれはナザリック全部を見て回る時間は無さそうだ。

 

うーん、どうモモンガさんに謝罪しようかな。ま、会って話しながら考えますかね。ま、それはさておきモモンガさんは円卓にでもいるのかな?さっさっと転移しちゃお

"ルーラ!"なんて事を心の中で叫ぶと右手に嵌められた一つの指輪が反応し視界が一瞬暗転した。

 

「さーて、モモンガさんお久しぶr」

 

「ふざけるな!」

 

「!?」

 

「あ……デスピサロさん」

 

転移してみたら机を思いっきり叩きつけ怒鳴ってる骸骨。そしてタイミング悪くそこに出くわしてしまった美形でエルフ耳の男。字面だけみると物凄くカオスだが両者の間には気まずい空気だけが存在していた。

 

「あー、とりあえずお久しぶりです、モモンガさん。もしかして、私がログインするの遅すぎて怒ってます?」

 

「いやいや、そんな事ありませんよ!こうして来てくれただけでも俺は嬉しいですし。」

 

慌てた様子で両手をバタバタとするオーバロードという普段では見れない光景を眺めながら円卓の自身の席に座る。

 

「そう言ってもらえると、私もありがたいです。本当はもっと早くにログインする予定だったんですけど予想以上にアプデに時間を取られまして...あはは」

 

「そうだったんですか、私はてっきり来れないものだと思ってたんですが最後に会えて良かったです。」

 

そう言って笑顔アイコンとともにギルド長は私を迎えてくれた。そんな彼を見つつ周りを見渡すが・・・

 

「あれ、もしかして私だけですか?」

 

「ええ、けどほんのさっきまでヘロヘロさんがいたんですよ。ちょうど入れ替わりにデスピサロさんが来たかんじでしたよ。」

 

「あちゃー、そうだったんですか。」

 

「デスピサロさんが来るって分かってたらヘロヘロさんもきっと残ってたんでしょうがタイミングが悪かったですね」

 

「ですね。そういえばモモンガさんは最後はどこで迎えるとかって決めてるんですか?」

 

「私は玉座の間にしようかなと思ってるんですが・・・」

 

そう言いながらモモンガが一つの杖を眺めることに気づく

 

「あぁ、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンですか。せっかくだし持っていっていいと思いますよ?」

 

「え、ですが・・・」

 

「最後ですし、何よりそいつも1度も出番がないなんて可哀想じゃないですか、それにその杖はモモンガさんに良く似合うと思いますよ?というか、そうなるようにモモンガさんに内緒でみんなで形は決めましたし」

 

「え、そうだったんですか?」

 

「そうですよ、それなのにモモンガさん結局使わずじまいでしたし、最後くらい持ってやって下さい」

 

「それじゃあお言葉に甘えて」

 

モモンガはイタズラがバレた子供のような態度をとりつつ杖を手に取る。すると予想以上にその姿が似合いまるで世界を支配する魔王のようであった。

 

「おおおお!モモンガさんカッコイイですよ!いかにも悪の魔王って感じです。」

 

「それを言うならデスピサロさんは本当の魔王じゃないですか」

 

そう言う彼は表情こそDMMO-RPGという性質上変化はないが明らかに照れ隠しというのがまるわかりであった

 

「つまり、モモンガさんは本当の魔王のお墨付きってことですよ」

 

「んー、なんとも言えない感覚ですよ。あっ、そうだ以前デスピサロさんから預かってた装備一式今返しちゃいますね。」

 

ピロローン♪というシステムコールとともにモモンガにかつてあずけた装備である魔界シリーズが返却される。その一つ一つの思い出を思い返しつつも早速魔界シリーズをすべて装備する

 

「有難うございます、でも売却してもよかったんですよ?」

 

「いえ、これらは全部私が預かってたものですから売却なんてする訳がありませんよ!」

 

「でも、ギルドの維持費とか大変だったのでは?」

 

「まぁそれなりには大変でしたけどずっと私一人でやってた訳でもないので大丈夫でしたよ、それにまたデスピサロさんの装備姿が見れたので私は満足です。」

 

「あはは、そう言われるとこちらからは何も言えませんね。それにまたこうしてこの装備を着ていられる喜びを噛み締められるのはモモンガさんのお陰ですし感謝の念がつきませんよ」

 

「それはよかったです。さて残り時間も僅かですし私は玉座の間に行こうと思ってるんですがデスピサロさんはやはりあそこで?」

 

「えぇ、初めから最後はあそこでって決めてたんでモモンガさんには申し訳ありませんが・・・」

 

「いえいえ、気にしないで下さい。さっきも言いましたけど最後にこうしてデスピサロさんと話せてよかったです。それじゃあまた何かあったらメールしますね」

 

「えぇ楽しみに待ってます。それでは」

 

モモンガさんに別れを告げてリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンで第11階層(・・・・・)へ向かう

 

本来ならナザリックは第10層のみなのだがさらにその地下にこのデスピサロ、課金に課金をかさねナザリック地下大墳墓の全階層を合わせても全く足りない程の広大な地下空間を作りそこに自室とは別の個人的に作成したデスキャッスルという城とその先にデスマウンテンというナザリックのいわばエクストラフィールドを創っていた。

 

そして当の本人はというとデスマウンテンの最深部の帝王の間で人間形態から一時期、スレッドで地獄の帝王と呼ばれる怪物形態の一つ目の姿であるエスタークの姿となっていた。

 

「うーむ、久々にこの姿になったけどやっぱり最大サイズになるとかなりデカイな。まぁ、そっちのが雰囲気でるしいいか」

 

そう言ってデスピサロはエスターク姿の時の常時装備である二振りの巨大な剣を地面に突き刺しあらかじめ用意してあった部屋のギミックを発動させる

 

「さて、魔王は魔王らしく最期は封印されて終わりますかね」

 

その言葉を待っていたかの如くデスピサロは部屋のギミックである外部から第十位階魔法でないと溶けない完全凍結を自身に施してユグドラシルの最後を迎えた。

 

その行動がドン引きするほどモモンガをはじめとするナザリックの全NPCを混乱に陥れる事をまだ彼は知らない。




ここに多少のキャラ設定を公開
容姿は全てドゴンクエスト準拠

デスピサロ   | 異形種
desupisaro


役職――――至高の41人。
      ナザリックの魔剣士
ナザリックの隠しボス

属性アライメント―――極悪――――[カルマ値:-500]

種族レベル
魔族――――15Lv
魔王――15Lv
帝王――15Lv

職業クラスレベル
マモノツカイ――10Lv
レギオン――10Lv
ほか

[種族レベル:45]+[職業レベル:55]―――計100レベル

能力表 [最大値を100とした場合の割合]
HP(ヒットポイント):100/200(人型/怪物形態)
MP(マジックポイント):100/999(人型/怪物形態)
物理攻撃:80/120 (人型/怪物形態)
物理防御:70/180 (人型/怪物形態)
素早さ:90/80 (人型/怪物形態)
魔法攻撃:70/90 (人型/怪物形態)
魔法防御:70/80 (人型/怪物形態)
総合耐性:75
特殊:80


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第2話 解かれる(数分の)封印

思いのほか反響が良く、過去に投稿したものよりダントツで伸びがいいので今年はいい年になりそうです(笑)

それと前回の最後に意味深な発言で終わりましたがなんか書いてたらそこまでフラグ回収できてない!?的な感じになりそうです(汗

誤字脱字等あれば報告していただけると助かります。


視界の隅に映る時計には23:57。

サーバー停止が0:00。

 もう殆ど時間は無い。

 空想の世界は終わり、普段の毎日が来る。

 

 当たり前だ。人は空想の世界では生きれない。

 

 明日は4:00起きだ。このサーバーが落ちたら直ぐに寝なくてはならない。

 

 23:59:35、36、37……

 

 モモンガもそれにあわせ数えだす。

 

 23:59:48、49、50……

 

 モモンガは目を閉じる。

 

 23:59:58、59―― 

 

 時計と共に流れる時を数える。幻想の終わりを――

 ブラックアウトし――

 

 0:00:00……1、2、3

 

 

 

「……ん?」

 

 モモンガは目を開ける。

 見慣れた自分の部屋では無い。ここはユグドラシル内の玉座の間だ。

 

「……どういうことだ?」

 

 時間は正確だったはず。今頃サーバーダウンによる強制排出されているはずなのに。

 時計を確認する。

 

 0:01:18

 

 0時は確実に過ぎている。そして時計のシステム上、表示されている時間が狂っているはずが無い。

モモンガは困惑しながらも、何か情報は無いかと辺りをうかがう。先ほど、自分が目を閉じたときから何も変わっていない。玉座の間だ。

 

「サーバーダウンが延期した?」

 

 何らかの要因によってサーバーのダウンが延期しているのか?もしそうならGMが何かを言っている可能性がある。モモンガは慌てて今まで切っていた通話回線をオンにしようとして手が止まる。システムコマンドが一切出ない。

 

「何が……?」

 

 システムコマンドだけではない。本来なら浮かんでいるはずのシステム一覧も出ていない。モモンガは慌てて他の機能を呼び出そうとする。シャウト、GMコール、システム強制終了入力。どれも感触が無い。

 まるで完全にシステムから除外されたようだ。

 

「どういうことだ!」

 

 モモンガの怒号が広い玉座の間に響き、そして消えていく。本来なら反応するはずの無い八つ当たり気味のものだったはずだ。そう、先ほどまでならば――。

 

「――どうかなさいましたか、モモンガ様?」

 

初めて聞く女性の声。モモンガは呆気に取られつつ声の主を見る。そこには頭を上げ、戸惑う様な表情をしたNPC、アルベドがいた。

 

本来なら話しかけてくるはずが無い存在に話しかけられあまつ、システムさえまったく反応しない状況下に置かれていてもモモンガは何故か冷静でいられた。

 

「い、いやなんでもないで……なんでもない。ただGMコールが効かないだけなのだ。」

 

・・・訂正しようモモンガは冷静だとしても適当な対応をとれるとは言っていない。

 

「申し訳ありません、無知な私ではモモンガ様に問われました、じーえむコールなるものに関してお答えすることが出来ません。ご期待にお応えできない私に、この失態を払拭する機会を……」

 

(やっぱりNPCの表情からなにまでシステムだとは思えない。それに口が動いて言葉を発してるし、もしかしてゲームの中に取り込まれた?)

 

「よい、アルベドよ。お前の全てを許そう」

 

理解出来ない状況だが今は誰も助けてくれない。まずすべき事は情報……誰も?

 

瞬間脳裏に最後までログインしていたデスピサロが思い浮かび彼にメッセージを飛ばす。

 

(お願いですから出て下さい)

 

しかし、返ってくるのは耳障りなノイズのみ。不審に思い思い浮かぶ限り他のPLにメッセージを飛ばしてみた

ところ返ってくるのは完全な無音

 

(あれ?デスピサロさんだけノイズが入ってるってことは……もしかしてあの人前に最後は自分を封印するとか言ってたけどそのまま来ちゃったのか!?)

 

「ーーッ!?セバスよ、プレアデスを1人連れ大墳墓を出、周辺地理を確かめ、もし仮に知的生物がいた場合は交渉して友好的にここまで連れてこい。交渉の際は相手の言い分を殆ど聞いても構わない。行動範囲は周辺1キロだ。戦闘行為は極力避けろ。残りのプレアデスは第九階層の警備にあたらせろ」

 

「了解しました。モモンガ様」

 

「それと万が一戦闘となった場合プレアデスを即座に撤退させ情報を持ち帰らせろ」

 

「ーー直ちに」

 

セバスは深く頭を下げるとその場を立ち去り、それに応じてプレアデス達も警備にあたりに行く。

 

「モモンガ様、私はどういたしましょう」

 

「そうだな......今から2時間後で良い、階層守護者を第6階層闘技場に集めよ。私は少し寄るところがある。」

 

「分かりました」

 

アルベドが玉座の間から出るのを確認したらモモンガはリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンで第11階層の帝王の間の扉前まで転移する。

 

「さて、ここに来るのはいつぶりだ?それにしてもやっぱりここ広いなぁ、デスピサロさんいったいいくら課金したんだろう。」

 

改めて第11階層の広さに関心していると門の前で佇んでいた緑色の鎧のみの騎士が一礼してくる

 

「これは、モモンガ様お久しぶりでございます。何か御用でも?」

 

「ん?ああ、ピサロナイトか。実はこの先にいるデスピサロさんに用があってな通ってもよいな?」

 

「そうでしたか、もちろん大丈夫でございます。」

 

門番に話をつけモモンガは帝王の間に入る、するとそこには氷漬けにされたエスターク姿のデスピサロが眠っていた。

 

「あぁやっぱり封印されちゃってましたか。けどこれどうやって溶かすんだろ?とりあえず色々試してみるか」

 

 

〜数十分モモンガ様格闘中〜

 

「はぁはぁこれ第十位階の魔法以外跳ね返すってどんな鬼畜仕様ですか。しかも氷が溶けてもさっぱり起きる気配がないしどうしよう。」

 

モモンガが見つめる先には未だ目を閉じたままのエスターク姿のデスピサロが佇んでいる。しかしそれも少し経つとその身はいつもの人型状態に戻り、その場に倒れる

 

「うわ!デスピサロさん大丈夫ですか!?」

 

・・・・・・返事はないただの(ry

 

「一応、呼吸はしているようだしとりあえず自室に連れていきますか」

 

モモンガはこれからの事に頭を悩ませながら未だ眠り続けるデスピサロを連れ彼の自室のベッドに寝かせその場を後にした。

 

side:デスピサロ

 

夢を見ている。

 

決して大きくはない村で、人間たちによりルビーの涙を流すようエルフの少女が暴行を受けている。助けたくても自分のこの身は動かない。

だがそこに駆けつけた1人の青年により人間達はは殺される。しかし時すでに遅くあの少女は青年の胸で息絶える。

 

ああそうか、これは私が好きなドラクエシリーズのピサロのあのシーンか。もう何百年も昔のゲームだから実際にプレイしたのはリメイク版だけどここだけはよく見たシーンだ。

 

そういえば私はこのピサロの生き様に魅せられてユグドラシルでも異形種を選択してたんだっけかな。

 

叶うならばもう一度モモンガさん達とまた一緒に冒険したかったなあ

 

 




YYKKさん、憑藻大御神さん、形成さんご感想有難うございました。その他お気に入り登録して下さった方々にも有難うございました。

もしよろしければ今後もこの作品をよろしくお願いいたします。


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第3話 ただいまアインズ・ウールゴウン、お帰りアインズ・ウール・ゴウン

1話目投稿してから1日経ってここまで評価されるとは正直思ってもみなかったので作者は狂喜乱舞しております。今回のサブタイトルはHELLSINGという漫画のセリフをパク(ゲフンゲフン)オマージュしました。
それと、活動報告の方で今後出して欲しいドラクエのキャラやヒロインの募集もしておりますのでよければそちらもご参加下さい。
それでは前書きもここら辺にして本編をお楽しみください。

※誤字脱字等ありました感想欄にてご報告下さい


「ーーーん」

 

あぁまた今日から仕事を頑張らなくちゃなと若干欝になりつつ目を開けるとそこは何処か見覚えのある、しかし明らかに自宅とは違う造りの部屋の天井だった。

 

「自宅じゃない・・・?」

 

今自分が寝ているベッドにしてもここまで高級で上質なものは使っていない、使うとしたらもっと安物の筈である。部屋全体の装飾といいこれは完璧に自室ではない。

「いや、自室ではあるのか」

 

これはどういう事だ?私は確かにあの時封印プレイを楽しんでユグドラシルの終わりを迎えた筈だが何故まだナザリックの自室にいる?

 

そんな事に頭を悩ませていると扉からノックがなり「ガチャリ」という音と共に入ってきた人物に目を見張る

 

「失礼します。ーーーッ!デスピサロ様!?お目覚めになられましたか!」

 

「.........ナーベラル?」

 

「っ!はい!ナーベラル・ガンマです!」

 

思わずこう聞き返してしまったのも仕方がないだろう。何故NPCである彼女が自分の元に来たのか、そしてなによりも、NPCって喋れないよな?

 

そんな事を思っているうちにナーベラルはベッドに腰掛けるデスピサロの近くにまで来ていた。

え?やばいやばいやばい、ナーベラルってこんな美人だったっけ?なんかいい匂いもするし。

 

「お体のご調子はいかがでしょうか?」

 

「ん?……あぁ特に問題はない。えーっとここは?」

 

なんかテンパっていつものキャラプレイの口調になったが素朴な疑問を伝える。

 

「ここはナザリック地下大墳墓のデスピサロ様の自室でごさいます。第11層にてモモンガ様が意識不明だったデスピサロ様を保護致しました。」

 

あー、やっぱりナザリックにある自室だったか。……って待て意識不明だった?あ、そうか封印プレイしてたから意識なかったのか。ってちょっと待てそれじゃあまだユグドラシルの中ってこと?けど、それじゃあなんでNPCの対応がこんな現実味があるんだ?だとしたら現実?いやユグドラシル?あぁもう訳分からん!

 

「ナーベラル、少し確認したい事がある。鏡を持ってきてくれないか?」

 

「こちらに」

はやい!はやいよナーベラル!速すぎて残像すら見えなかったよ、これはあれだなつっこんだら負けなやつだな。

 

「すまんな。」

 

部屋に置いてあった姿見を光の速さで持ってきたナーベラルをひとまずスルーしておいて、目の前に映る自分の姿を見て一言・・・ウホッ♂イイ男じゃない。もう一度確認の為自分の姿を見るが

 

「……......……ふむ、いつも通りの姿だな」

 

と言っても現実世界の姿ではない。

鏡に映るのは銀の長髪に真紅の瞳、エルフのようにとがった耳を持つ端正な容姿、衣装は黒と赤を基調とした貴族服で、何処からどう見てもユグドラシル時代に愛用していたアバターそのものだった。

 

「はい!紛れもなく至高の41人の1人でおられるデスピサロ様でございます!」

 

口調こそ変わらないもののナーベラルが歓喜と興奮を持った声色で肯定してくれる。さて、この状況どうするべきか。

 

まず状況を把握しよう、とりあえずコンソール開いてどのぐらいの時間が経ってるか確認しなければ。そう思い、私はいつも通りコンソールを開こうとするが……。

 

あれ?反応しない、故障か?仕方ない懐中時計で時間を確認するか……うん。やっぱりサービス終了時間は余裕で過ぎてる。ってことはユグドラシル2でもサービス開始したのか?けどそれだと何の事前通告もないのがおかしいしなぁ。そんな事を考えながら顎に指を添えるていると

 

「デスピサロ様どうかなされましたか?」

 

ナーベラルに話しかけられて我に返り、声の方向を向くと心配そうにナーベラルがこちらを見ていた

 

「いや、なんでもない。気にするな。」

もう今更口調変えてもおかしいしこのままキャラプレイを続けちゃおう。

 

仕方ない、判断材料が少なすぎるからまずは情報収集をするか。とりあえず体をほぐして万が一戦闘になっても多少は動けるようにしておこう。

 

腰掛けていたベッドから立ち上がりコート掛けに掛けられていた毛布のマントを羽織り髑髏の装飾を着用する。そして、ベッドのすぐ脇に置いてあった柄や鞘が禍々しく装飾された大きな剣を左腰に携え、最後に赤いハチマキを額に巻き付ける。

そうして手首を軽く振り右手を左腰の剣の柄に添え一気に抜刀し音を置き去りにして虚空を斬る。

その姿はさながら芸術作品のように美しくまさに神域に達していた。

 

そこでデスピサロはナーベラルが心ここにあらずといった様子で惚けているのに気がついた

 

「ナーベラルどうかしたか?」

 

「ーーーッ!も、申し訳ありません!至高の御方の前でとんだ失態を、この失態は私の命で」

 

一瞬体を震えさせ我に返った様子を見せる。いとかわゆし。けど後半なんかとんでもない事言ってませんでした?確かにアインズ・ウール・ゴウンのNPCはギルメンに仕える設定だった筈だけど、これ忠誠心高すぎじゃないの?想像以上に重いよ!

 

「いや、私は特に気にしていない。それとこの程度の事で簡単に命を捨てるような行動は慎め」

 

「お心遣い深く感謝致します。それとデスピサロ様、差し支え無ければお聞かせ下さい。体のお加減は如何でしょうか?」

 

心配そうな様子で聞いてくるナーベラルに1人心の中で感動する私。正直ここまで心配してくれる相手なんて全然いなかったから涙腺が崩壊しそう

 

「起きたばかりだからか本調子ではないが特に身体に異常はないな。そういえば、ずっとナーベラルが私の看病を?」

 

「はい。モモンガ様の命によりデスピサロ様を看病するなら仲のよかった弐式炎雷様に創造された私が丁度よいだろうと特例で個室に入らせて頂く許可を頂きました。」

 

「ほぉ、そうだったのか。なら礼を言わねばならんな。ナーベラルよありがとう。」

 

「も、勿体無きお言葉。至高の御方にお仕えする者として当然の事を果たしたまでです!」

おお、さっきからコロコロ表情が変わるななにこれ可愛い。それにしてもこんな上から目線のお礼なのにこんな喜んで貰えるってやっぱり忠誠心重すぎだよぉ

 

「ところでナーベラよ、先程お前はモモンガさんが私を保護したと言っていたが今モモンガさんが何処にいるか分かるか?」

 

「は、はい。モモンガ様なら恐らく第10層の玉座の間におられると思います。」

 

「そうか、重ね重ねすまないな。私はこれからモモンガさんの所に行こうと思うのだが・・・」

 

「は!元よりモモンガ様はデスピサロ様がお目覚めになられ次第こちらに伺うご予定だったらしく」

 

という事はナーベラルは私が目が覚めたらモモンガさんに連絡する予定だったのか

 

「ふむ、それならばこちらから行ったほうが手間が省けるな。ついでだナーベラルも一緒に行くか。案内してくれ」

 

「かしこまりました。第十階層へご案内致します」

 

それにしても第十層・・・ってことは玉座の間かなんでモモンガさん円卓じゃなくてそんな所にいるんだろ?まぁいいか。

 

それにしても何年ぶりかのナザリックか。最後に来た時はろくに見て回れなかったしな。

私の目の前には久しぶりの、ナザリック地下大墳墓の第九階層。ナザリックに帰って来たって感じがする。それにしてもこの装飾やっぱり凝ってるな、まぁ私も結構手伝った記憶があるんだけどやっぱりギルメン総出で作り上げたっていう思い出はいいもんだ。

 

と、そんなこんな感動しているうちにモモンガさんがいるであろう第十層の玉座の間に到着。

 

「モモンガ様はデスピサロ様と二人きりでのお話を御所望ですので、私はここで失礼致します」

 

「そうか、道案内ご苦労だった。」

 

ペコリと頭を下げナーベラルがそそくさと去っていく。うん。やっぱり可愛い。

 

さて、とりあえずはモモンガさんに会って現状の整理をしなくちゃいけないな。でもまず先に言わなきゃいけない事もあるしそれ言ってからにしよう。

そんな事を考えつつ私ははやたらでかくて無駄にゴージャスな扉を開いた。

 

おお、玉座も相変わらず珠玉の出来で何より。気圧されそうな雰囲気を漂わせてるが、私にとっては実家の廊下みたいなもんだ。

 

この玉座の間にNPCをズラリと並べるとそれはもう壮観だ。モモンガさんは一対一で話したいとの事らしく、ここにはいないようだ、うーむ残念。

 

さて、目の前の玉座に座る神器級アイテムに身を包んだどこかラスボスめいた死の支配者。どこからどう見てもモモンガさんだ。

 

さて、もう会えないと思っていたモモンガさんをいざ目の前にするとサービス終了まであんなに話せていたのに今は何を話せばいいのか分からなくなってくる。だがここに来る前に決めたあの言葉だけは伝えよう。

 

「…………」

 

「…………」

 

互いに無言。だが気まずい空気の無言ではないのは確かだ。ただずっとこうしてる訳にもいかないので私はモモンガさんにあの言葉を送る

 

「ナザリック、そしてモモンガさん、……...ただいま!」

 

「お帰りなさい!デスピサロさん!」

 

モモンガさんは骸骨だ。だから人より表情は読み取りづらいかもしれない。けれど、今だけは今だからこそ自信を持って断言できる。この時のモモンガさんは満面の笑みだった。

 

ああ、またこうして帰ってこれてよかった。私は心からそう思う。

 




この作品を評価してくださった九尾さん、ののかさん、モノクロさんどうも有難うございました。かなりの高評価を頂けた事に深く感謝致します。これからもこの評価を落とさずよう精一杯頑張りたいと思います!
また、感謝をしてくださったファイナル諒さん、九尾さん、フートさん、MUGEN0525さん、ヘルズ・エンジェルさん、ただの無気力高校生さん、その他多くのお気に入り登録してくださった方々にも有難うございました 。

これからもどうぞこの作品をよろしくお願いします!


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4話 解ける誤解と生まれる誤解

Fate/GOでモードレッドさんが出たんですけどスカサハさんが一向に出て来そうになくて泣きそうな今日この頃です。

※誤字脱字等ありましたら感想欄にてご報告下さい。


「いやー、それにしてもデスピサロさんの意識が戻ってよかったです。デスピサロさんが氷漬けになった時なんか結構焦りましたよ!」

 

「なんか色々と心配をかけたみたいですみませんでしたモモンガさん。けど封印プレイもなかなか乙なものでしたよ?」

 

「乙なものでしたよ?ってこっちがどれだけ心配したと思ってるんですか、もう金輪際やらないで下さいよ!」

 

「は、はい。」

 

瞳があるべき場所にある炎がメラメラと燃え上がって低音ボイスで迫ってくるモモンガさんに思わず気圧されてしまうが、そろそろ本題に入らせてもらおう

 

「あ、そういえばモモンガさん、私さっき目覚めたばかりでよく状況が理解出来てないんですけどこれってユグドラシル2のサービスが開始したんですか?」

 

「ああ、そのこと何ですけど立ち話もなんですし座って説明しますよ」

 

モモンガさんがそう言うと応接室にありそうな椅子をどこからともなく取り出してくれたのでそこに腰掛ける。やっぱりモモンガさんは気遣いの出来る頼りがいのある人だなあ。

 

「それでですね、今私が確認出来てる情報なんですが……」

 

 

「それってマジですか?」

 

「はい、本気って書いてマジです。」

 

「どうりでナーベラルの忠誠心が高すぎな理由がよく分かりました」

 

とりあえずモモンガさんから聞かされた情報をまとめてみよう。

 

1つ、現在ナザリックはユグドラシル以外の異世界に飛ばされている

2つ、その際にNPC達に生が宿り私達となんら変わりのない生物となっている。

3つ、ギルメンを至高の41人と呼び神様の如く信仰している。

4つ、NPC達の忠誠心がMAXで手の施しようがない。

5つ、星空が凄く綺麗

 

なるほど……え?5つ目の必要性?特にないけど、凄く気になるじゃん?私星空とか見た事ないし。

 

「私がとりあえず確認出来ている範囲の情報はこのくらいですけどデスピサロさんはこれからどうしていきたいですか?」

 

「え?」

 

「いや、私はもう両親とは死別してますし友人も特にいる訳でもなかったので現実世界に戻りたいって気持ちはそこまでないんですがデスピサロさんはどう思ってるのかなと思いまして」

 

「あー、そういう事でしたか。私も両親とは死別してますし特に兄弟もいないのであっちに対する未練はありませんよ。それにモモンガさんの話を聞いて改めて考えると、こっちで第2の人生を送るのも悪くないなって思ってますし。もう人間じゃないですけどね!それに、」

 

「それに?」

 

「ここがナザリックって事なら此処にはアウラ、マーレ、ソリュシャンがいるってことですよね!」

 

「え、ええそうですけど」

 

「つまり、生エルフですよ!生エルフ!それにソリュシャンはモモンガさんは知らないと思いますけど一応私がホワイトブリムさん、ばりあぶる・たりすまんさん達と共同で作成したNPCなんでそれなりに愛着があるんですよ」

 

「えぇ!?そうだったんですか!?ってふぅ・・・・・・。てっきり私は弐式炎雷さんと仲がよかった記憶があったんでナーベラルを気にかけていたのかと」

 

「いやー、プレアデスのメンバーってみんな色々と残念な所とか設定で沢山あったのでせめて1人くらいは仕事に忠実で結果も出せる仕事人でも作りましょうって話になって少しづつ案を出し合いながら作ったんですよ。」

 

「そうだったんですか。じゃあこれからはデスピサロさんの世話係はソリュシャンにしておきますね」

 

「ありがとうございます。あっ、けどたまにナーベラルの事も呼ぶと思いますけど大丈夫ですかね?」

 

「全然問題ありませんよ。」

 

「あと、さっきモモンガさん驚いてる最中に急にテンションが戻った気がしたんですけどどうかしたんですか?」

 

「ああ、それは精神作用効果無効のことですね、この世界だと感情がある一定の部分まで強制的に沈められるんです」

 

更に聞くところによると、この世界だと自分が持ってるスキルや魔法や装備も問題なく使えるらしい。

じゃあ私のスキルや装備も使えるって事なのか。そういえば試し斬りした時なんかスキル発動してた気がするし、早いとこ試さなくては。

そうこう考えてるとモモンガさんが真剣そうな?顔で私に爆弾を投下してきた。

 

「あ、デスピサロさんの意識が戻ったことですしこれから階層守護者達とセバス達を集めますのでみんなに挨拶してください」

 

「え?」

 

「え?」

 

「モモンガさんちょっと待って下さい。さっき貴方NPC達の忠誠心MAXって言ってましたよね?」

 

「言いましたね」

 

「それを踏まえたうえでもう一度さっき言ったこと確認してもいいですか?」

 

「デスピサロさん、これから階層守護者達とセバスを集めますのでみんなに挨拶してください」

 

誰か助けて私の事を怖い怖い骸骨が虐めてくるの

 

「モモンガさん私は貴方に失望しました!」

 

「いや、何でですか!せっかく帰ってきたんですからみんなに挨拶くらいしてくださいよ!」

 

「嫌ですよ!なんであんな話聞かされた後で挨拶しなくちゃいけないんですか!絶対私の事ナザリックを捨てた裏切り者とか思ってるに違いありませんよ!そうじゃなくてもいい思いを持ってる人なんていませんから!下手したら集団リンチされる可能性もありますよ!?」

 

「なんでそこまでネガティブなんですか!?あくまで予想ですけど恐らくデスピサロさんが考えている真逆の事が起きそうな気が私はしますよ」

 

「そうだとしてもそれはそれで、期待の眼差しとか向けられたら何話していいのか分からなくなっちゃいますよ!」

 

「デスピサロさんなら大丈夫ですよ!いつもみたいに私は魔族の王だ!とかそんな感じでキャラプレイしてたらきっと大丈夫ですから。それにみんなデスピサロさんが意識不明って分かった時それはもうナザリック全体が地獄絵図の如く混乱に陥りかけたんですからね?特に第11層のデスピサロさんが巡回させてるモンスター達を鎮めるのにどれだけ苦労したと思ってるんですか!」

 

「ぐぬぬぬぬ、それを言われると断れないじゃないですか」

 

もしここに他の誰かがいたら全員デスピサロに対してこう思うだろう……こいつチョロイと。

 

「それじゃあデスピサロさんの挨拶は決定って事で今から1時間後に挨拶できるようにしておきますね。」

 

「分かりました。場所は何処にするんですか?」

 

「第6層の闘技場にしようと思ってます。そこで挨拶が終わったあとデスピサロさんがスキルとか試してみたそうな感じがさっきしてたのでついでにやってもらおうかなと」

 

「了解です。それじゃあ私は一先ず先に第6層に行ってアウラ達とふれあって来ますね!」

 

待ってろよ愛しのエルフ達!今私が存分に愛でに行くぞ!

 

「あ、ちょっと待って下さいデスピサロさん!」

 

「はい?どうかしましたか?」

 

「あーー、えーーっとですね……」

 

何だろう?モモンガさんにしてはやけに歯切れが悪いな。それに気まずそうに顔を背けてるし

 

「モモンガさん?」

 

「………………そのですね、デスピサロさんに謝っておかないといけない事が1つあるんですよ」

 

「私に?」

 

モモンガさんが謝らないといけないこと?何のことだろう?

 

「…………すみません。アルベドの設定を独断で変えてしまったんです。」

 

モモンガさんから話を聞くにどうやらサービス終了前にアルベドの設定欄に書いてあったビッチ設定を『モモンガを愛している』に変えてしまったらしい。

 

「・・・・・・っぷ、アハハハハ!そんな事でしたか!」

 

「そんな事っていいんですか?私が勝手にタブラさんのNPCを汚してしまったんですよ?」

 

あー、モモンガさんはあの事を知らないのか。通りでここまで悩んでる訳だ。それにしてもモモンガさん狙ってやってるのか疑うレベルでピンポイントでいい意味でやらかしてくれたな

 

「あー、その事なんですけどねタブラさんアルベドをどんなコンセプトで作成したかモモンガさん知ってます?」

 

「え?守護者統括者としてNPCをまとめ上げるリーダーじゃないんですか?」

 

「それもありますけど、それは副産物の様なもので本来はいつもギルドマスターをやって私達をまとめ上げてくれているモモンガさんにお礼の意味も込めてモモンガさんの女性のタイプや容姿を集結させたいわばギルメン公認のモモンガさんのお嫁さんなんですよ!」

 

「え、ええええええ!?」

 

「あははは、だからモモンガさんはアルベドの事を意識する事があっても気に悩む必要はないんですよ。ちなみに私はぶくぶく茶釜さんにアウラの事は頼んだとか言われたんでいつでもお嫁にとれますよ!」

 

「お、おおうなんだか、気が楽になったのか重くなったのかよく分からない心境ですけどデスピサロさんはロリコンだったってことは理解できました。」

 

「ちょっと待って下さいモモンガさん!日本にはですね光源氏なる素晴らしい計画があってですね…」

 

「あー、はいはい。分かりましたとりあえず私は準備をしてきますのでまた後でお話は聞かせて頂きますね」

 

「ちょ、まっ!私はロリコンじゃありませんよ!ただエルフが好きなだけです!」

 

モモンガさんにあらぬ誤解をかけられそう叫ぶがその時には既にモモンガさんの姿はそこになかった。

 




この作品を評価してくださったゼェらさん、魔損さん、卵割りさん、犬好きさんありがとうございました。また感想をしてくださった、さみんさん、しろおにさん、九尾さん、謎の人物MORさん、物見雄山の猫さん、他お気に入りに追加してくださった方々にもありがとうございました。

また、活動報告でのアンケートはまだ行っていますのでばんばん参加しちゃって下さい(笑)また今後追加の設定等出てきましたらその都度活動報告で投稿しますのでその時にはまた後書きでご報告させて頂きます。


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5話 挨拶ほど大切な事ってそうそうないよね?

気づいたら過去最高の文字数になってました。けどこれでも他の人と比べたら少ない気がするのは何故でしょうか?

アンケートの中間報告としてヒロインはソリュシャン、アウラが決定しました。まだ増える可能性もありますのでアンケートにどしどし参加して下さい!

※誤字脱字等ありました感想欄にてご報告下さい


デスピサロの知られざる性癖を垣間見たモモンガは現在第9層にいるアルベドの所へと向かいながらアウラにメッセージをする。

 

『はい!モモンガ様、何か御用でしょうか?』

 

『ああ、デスピサロさんが先程目を覚まされたから度々ですまないがまた闘技場を使わせて貰いたいのだがいいか?』

 

『も、もちろんです!至高のお方が闘技場をお使いになるのに許可なんて必要ありませんよ!』

ん?デスピサロさんが目が覚めたって言ったらいつも以上にテンションが上がったな、やっぱりみんな嬉しいんだな。

 

『そうか、では闘技場でデスピサロさんの挨拶が終わったらデスピサロさんのリハビリを兼ねて少し模擬戦をする予定だが大丈夫か?』

 

『はい、大丈夫です!それにデスピサロ様の戦う姿をまた見てみたいくらいですし!』

 

『ん?そうなのか、じゃあ見学するか?』

 

『ええ!?いいんですか?』

 

『ああ、その程度なら私もデスピサロさんも構わないだろう』

 

『そ、それじゃあマーレや他の人も誘っても大丈夫ですか?』

 

『ああ。闘技場を使わせて貰ってる礼だ。いくらでも呼んでいいぞ』

 

この時、モモンガは近所の子供にお菓子をあげるノリでこんな事を言っていたがのちのちにそれを後悔することとなった。

 

『ありがとうございます!では直ぐに準備に取り掛かりますので準備が出来次第またご連絡しますね!』

 

『よろしく頼むぞ』

 

『はい!』

さて、これで場所の準備はいいとして、今度はアルベドに階層守護者達を集めるよう言わなくちゃいけないが、正直あの話を聞いた後にどんな顔してアルベドに話しかけていいのか全く経験がないから分からない。

けど、こうしてウジウジしている間にもアルベドの自室の前にまで来てしまった。ええい、こうなったらままよ!なるようになれ!

 

そうしてモモンガは1人これからの予定についてアルベドと2人で話していた。(深い意味はないよ?)

 

その時ナザリックには『第6層の闘技場にてデスピサロ様の帰還式の後模擬戦を行う。なお見学は自由』という知らせが出回りナザリックにいるシモベ達はその事に心を踊らせていた。また当然この知らせはモモンガを含めデスピサロを除く全シモベに知れ渡っていた為モモンガは1人自ら撒いた種に頭を悩ませつつ、この事を逆に利用し全体の士気を上げようと画策していた。

 

その為モモンガはアルベドに加えデミウルゴスを交えた3人で短い時間ながらも入念な打ち合わせをしていた。

 

 

一方そんな事が起きているとは露知らずデスピサロはというと、モモンガにあらぬ誤解をかけられて1人玉座の間でこれからどうするか考えていた時重要な事に気がついていた。

 

「あ、もしかして私が実質ナザリックのナンバー2なのか?」

 

そんな気付きたくなかった事に気付き今更ながら緊張したきたところにモモンガさんからメッセージが入る

 

『あ、デスピサロさん挨拶の準備がそろそろ出来そうなので今から言う段取りでお願いしますね』

 

そこからしばらくの間モモンガさんと挨拶の流れについておおまかに話し合い、打っ付け本番と相成った。

それにしてもなんでモモンガさん最後に私が用意できる最強の装備を準備しておいてくれなんて言ってきたんだろうか?

 

 

 

 

現在ナザリック第6層の闘技場にて帰還式の為にアルベドを除く各階層守護者とセバスやプレアデスの面々が揃いコロッセオの観客席には自我を持つシモベ達が全員集まり今か今かとデスピサロの帰還を待ち遠しにしている。またそこには普段なら自らの守護階層から出てこない筈のピサロナイトや第11層のシモベ達の姿もあり普段ではお目にかかれない貴重な光景が広がっていた。

 

中でもアウラ、マーレ、ピサロナイトといった特にデスピサロとの関係が深い者達は今直ぐにでも駆け出してしまいそうな感じですらある。

 

するとコツンコツンという足音が地に足がついてないシモベ達の耳に入ると一斉に姿勢を正しその場に跪く。そうして直ぐに彼らの支配者であるモモンガとその半歩後ろを歩くアルベドが現れモモンガは守護者達の前にアルベドはモモンガに一礼をし守護者達と同じ列に入り跪く。

 

「面を上げよ」

 

モモンガの一言でシモベ達が寸分の狂いなく同時に顔を上げる。

 

「よく、集まってくれた。今日集まって貰ったのは他でもない我が盟友であるデスピサロさんが帰還された。」

 

その言葉によって一瞬にして空気が変わる。当然シモベ達は微動だにしていないが全員が胸の内に秘めている思いは同じであろう。

 

「そこでまずデスピサロさんには今までどうしていたかお前達も気になっているであろうから話してもらおう。デスピサロさん」

 

「ええ、分かりました。モモンガさん」

 

その言葉と共にモモンガのすぐ横の空間が闇に染まりそこからデスピサロが現れる。

 

 

 

ふぅ、何とか出だしはカッコよく決められたぞ……ってなんでこんなに人?がいるの!?精々いるとしても階層守護者だけかと思ってたこっちの身としてはビックリだよ!

 

予想以上の集まり具合でデスピサロが内心戸惑っているが現実は非情で彼が回復するまで誰も待ってはくれない。

 

大丈夫、大丈夫打ち合わせ通りやれば絶対大丈夫!ふぅー、よし!

 

「まずは皆のその態勢は疲れるだろう、立ち上がって楽な姿勢になるといい」

 

そう促すと全員立ち上がり集団行動で言うところの休めの態勢になる

 

「では、遅らばせながら先程意識を回復した至高の41の1人であるデスピサロだ。これから私に見に起きた事を話そうと思う」

 

そして私は彼らに告げる

 

「知っている者もいるだろうが私達至高の41人と呼ばれる者はユグドラシルという世界の他にリアルと呼ばれる世界に行く事が出来る。」

「そこで私は我々アインズ・ウール・ゴウンの活動領域を増やそうとある秘術を生み出した。それは人や動物、魔物などの生物を従来の成長の過程を無視して進化させる力を持っていた為それによって本来の進化が歪められる事を危惧した者達が襲撃してきた。」

「当然それに対して抵抗したが奴らの攻撃は予想以上に激しく継続的に行われた為こちらもかなり消耗してしまっていた。」

 

一旦話を区切りみんなの様子を見てみたところ全員顔が恐ろしい形相になっている。ひぇっ!!

なんか凄い罪悪感に襲われる

 

「そしてそんな時を狙ってか私が再びリアルに侵攻出来ないよう私をユグドラシルに押し戻し態勢を立て直そうと帝王の間に戻った所でその秘法と共に私の存在ごと封印されてしまい、その事に気付いたモモンガさんに封印を解いてもらうまで私には封印状態を感ずかれぬよう認識阻害の術をかけられたままだったのだ。」

 

そこで話を切り私はシモベ達に頭を下げる

 

「皆に心配をかけた事と、事情があったとはいえ長い間このナザリックを放置しておいて本当に済まなかった。」

 

その姿を見てシモベ達がざわついているがそれを無視して続ける

 

「もし皆が許してくれるならばこの汚名は今後の働きによって返上しようと思う」

 

そこで私は頭を上げ一呼吸おき腰に携えている剣を抜き高らかに振り上げる

 

「ここに私は宣言をする。二度と私はナザリックから消える事はしない!そして私が愛するこのナザリックの皆を守る事をここに誓おう!!」

 

「最後に皆にこのナザリックをそしてモモンガさんを今まで守り、そして支えていてくれて深く感謝する。私からは以上だ。」

 

そう締めくくり剣を鞘に戻し視線だけで様子を伺うと嗚咽を隠すことなく大号泣している人があちらこちらといる事に気付く。

 

『モ、モモンガさん、どうしましょ号泣する程私が帰ってくるのが嫌な人達が沢山います!特にアウラとマーレが酷くて私の心はもうズタズタなんですど』

『え・・・いや、これ多分感激の涙だと思いますよ?』

『そ、それならいいのかな?』

『それじゃあ問題なさそうなんで続けますよ?』

『あ、どうぞ』

 

「デスピサロさんありがとうございました。では皆に問おう。デスピサロさんの帰還に異議のある者はいるか?いるのならば、理由を聞こう」

 

辺りが一気に静まり返るが誰も反対する者がいないようで、とりあえず一安心だ。

 

「無いようですね、デスピサロさん」

 

「それを聞いて安心した。皆本当にありがとう、そしてこれからよろしく頼む」

 

「では最後に守護者達に聞きたい事がある。おっとそう身構えるな、簡単な事を聞くだけだ。」

 

ん?モモンガさん何を聞くつもりなんだ?

 

「では各階層守護者達に問おう。お前達にとってデスピサロさんとはどのような存在だ?」

 

!?まさかモモンガさんその質問する!?シモベ達全員いる前じゃん!なんて羞恥プレイだよ!!

そんなデスピサロをお構い無しにモモンガ達は続ける

 

「まずシャルティア」

「デスピサロ様はカリスマの象徴。そのカリスマは収まるところを知らずありとあらゆる者達を魅力しその姿は神すら霞むでしょう」

 

「ーーーコキュートス」

「デスピサロ様ハ、戦士トシテ、マタ1人ノ将トシテモ、誰ニモ引ケヲ取ラナイ力ノ持チ主カト」

 

「ーーーアウラ」

「デスピサロ様はどんな大軍にも恐れず戦い抜く強者であり……私のお慕いする人です」

 

ガタッ『おい、そこのロリコン落ち着け!』

 

「ーーーマーレ」

「デスピサロ様は、す、すごく頼もしい方です」

 

「ーーーデミウルゴス」

「デスピサロ様は聡明でいて、即座に実行に移す行動力や配下を自らの赴くままに操る智謀や戦略に秀でた方でまさに海内無双という言葉が相応しきお方です」

 

「ーーーセバス」

「デスピサロ様は配下達を大切にされ我々のような使用人にすらお声をかけて頂けるほど慈悲深きお方です」

 

「ーーーピサロナイト」

「デスピサロ様は我々魔族の王で在られる方で我々魔族の存在理由でございます」

 

「では最後にアルベド」

「デスピサロ様は一つの世界を支配する程の力をお持ちでありながらモモンガ様や我々を守って下さると仰って下さったナザリックの守り神でおられるような方です」

 

「そうか、ではこれからより一層諸君らの働きに期待する。それではこれより10分後にデスピサロさんの模擬戦を開始する!」

 

闘技場に大きな歓声が沸き上がりデスピサロの帰還を誰もが声を上げて歓迎する。その様を見ていたデスピサロは涙腺を緩ませながら夢心地の気分でいたがアウラとモモンガの会話でデスピサロは固まった

 

「モモンガ様、つかぬことお伺いしますがデスピサロ様の模擬戦ではどのようなモンスターをご用意致しましょうか?」

 

「ああ、それなら問題はない。デスピサロさんの模擬戦の相手は・・・・・・私とアルベドのペアタッグだ」




この作品を評価してくださった方々、多くの感想やお気に入り登録をしてくださった方々に本当にありがとうございました。感謝を込めて1日一万回の正拳突きを夢の中でやろうと思います!

やっぱりストックなしで毎日投稿ってなかなか背水の陣で楽しいですね(笑)いったい何日間毎日投稿が続くかな?


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6話 魔王の強さ

今回は戦闘回です。ですが作者の力量が低すぎて皆さんが満足できるクオリティかは分かりません!なので生暖かい目で見守って下さい(笑)

今回はドラクエⅢの勇者の挑戦を聴きながら執筆したので戦闘の際の推奨BGMとして紹介しときます。
それでは本編をどうぞ!

※誤字脱字等ありましたら感想欄にてご報告下さい


突然だが、アインズ・ウール・ゴウンにおいて最強と問われたら恐らくたっち・みーさんやウルベルドさんを思い浮かべるだろう。たっち・みーさんは戦士職最強、ウルベルドさんは魔法職最強なのだからその予想は間違いではない。だがアインズ・ウール・ゴウンにはもう一人最強と呼ばれる人物がいる。それがデスピサロさんだ。

 

 

 

 

 

現在、モモンガ&アルベドVSデスピサロの模擬戦というかつてない程のビックイベントを観戦する為多くのシモベ達がコロッセオの観客席にいた。そんなシモベ達とは別に特等席にいるアウラやマーレといった階層守護者達が各々の戦いの予想を話していた。

 

「お姉ちゃんはどっちが勝つと思う?」

 

「んー、普通なら数の差からしてもモモンガ様達が勝つと思うけど相手はあのデスピサロ様だから私はデスピサロ様が勝つと思うわよ。そういうアンタはどうなの?」

 

「え、ぼ…僕?僕もデスピサロ様が勝つと思うなあ」

 

「おや、アウラとマーレはデスピサロ様が勝つと予想しているのですね?」

 

「うん、デミウルゴスは知らないと思うけどデスピサロ様には魔法は悪手なんだよ」

 

「そういえば貴方達はデスピサロ様の戦闘を過去に拝見してた事がありましたね。」

 

「シカシ、アルベドハ守リニ於イテハ我々力ヲ、ハルカニ超エル。ソレニ加エテモモンガ様ノ攻撃ガ加ワレバ至高ノオ方デモ苦戦ハスル筈」

 

「ええ、アルベド様の防御面ならそれこそ至高のお方すらお認めになる程ですからこの戦いは少々デスピサロ様には不利かと」

 

「正直私は勝負の勝ち負けよりもモモンガ様とデスピサロ様の戦闘スタイルに興味がありんす」

 

「ならシャルティアはデスピサロ様の動きをよく注意して見なければいけないな」

 

「え?それはどういうことでありんす?」

 

「簡単な話しだよ、デスピサロ様の攻撃は速すぎて視認出来ないものがあるって事だ。今回それを使用されるかは分からないがね」

ピサロナイトの言葉にシャルティアは既に最高潮であった興奮がさらに増していた。

 

そんな事を話していると闘技スペースの一方から漆黒の鎧を身に纏った完全武装のアルベドとスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを手にしたこちらも完全武装のモモンガが先に現れると闘技場内に、はちきれんばかりの歓声が上がった。

 

その後に続くようにその身に白銀しかしたっち・みーのそれとは別の神々しい鎧と兜そして盾を手にしたデスピサロが登場する。

すると先程とは売って変わり場内が静まり返る

 

「アレガ、たっち・みー様ト同ジワールドチャンピオンノミガ身ニ付ケラレル魔界シリーズ……」

コキュートスの漏らした一言で何人の守護者が意識を取り戻しただろうか。そのあまりの神々しさにシモベ達の殆どがデスピサロに意識を奪われていた。

 

 

 

 

 

 

はぁー、モモンガさんにはしてやられたなあ。まさか模擬戦する為に最高装備を用意しといて下さいって言われてたとは想像もつかなかった。しかもアルベドとペアタッグとかもう初の共同作業とでも言いたいんですか!この野郎!

と、まぁ巫山戯るのもこのくらいにしておいて真面目にどうしようかな、まさかモモンガさんから真剣勝負の試合を申し込まれるとは思ってなかったしなあ。一応どんな攻撃でもHP1以下にならないフィールドだから死にはしないけど、やっぱり前にモモンガさんとPVPした時リベンジは何時でも受け付けてるって言った後に引退したのがまずかったのかな、モモンガさん結構な負けず嫌いなところあるし。

 

『デスピサロさん準備は大丈夫ですか?』

っうお!?いきなりのメッセージはちょっとビビるな

 

『はい、いつでも大丈夫ですよ』

 

『ではそろそろ開始しますね』

するとモモンガさんがシモベの1人に合図を送る

 

「それではこれよりデスピサロ様対モモンガ様、アルベド様のタッグペアによる模擬戦を開始致します!」

その開戦の言葉と共にゴーン!とドラが鳴る

 

それと同時にぷにっと萌えさん直伝の戦略をすぐさまに頭の中に組み立てる

まずは基礎作りからだな。そう考え最初にスキル【山彦の悟り】を発動させる。これで呪文は1回の動作で2回発動できる。そしてすぐさま相手から仕掛けられる前に防御力強化、敏捷力強化、攻撃力強化の呪文を発動させる。通常なら重ねがけが必要だが山彦の悟りのお陰で1回の動作でそれは済む。ついでにモモンガさんを警戒し3回だけだがあらゆる魔法を跳ね返す対魔防御も自身にかけておく。

 

「さて、モモンガさん来ないのならこちらから仕掛けさせて頂きますよ!」

 

どうやらモモンガさんも私と同じ事を考えていたようで自身とアルベドにバフ効果のある呪文をかけていた。しかしそれは私の前では意味をなさない

 

「いてつくはどう!」

このスキルがある限り相手のバフ、デバフは全てリセットされる。デハフすら消しちゃうのが難点だけど使いどころさえ間違えなければこれ程便利なものはない。

 

どうやらモモンガさんはその事を忘れていたようで少し動揺しているのが分かる。アルベドの方はフルフェイスだから分からないが恐らく平常心ではないだろう。だからその隙を突く!

 

今手にしているのは魔界の剣ではなくはやぶさの剣改、威力こそ劣るがこの剣の真髄は攻撃力ではなくその手数、まずはアルベドから削らせて貰おう

 

「はあっ!」

 

アルベドが自身の間合いに入るところまで一気に加速しそのままトップスピードで4回切り込む

そして続け様に回し蹴り等の足技を撃ち込むが直ぐにモモンガさんから攻撃魔法が飛んできた為追撃を中止する。

 

「流石ですね、デスピサロさん。ですがこのまま好きにはさせませんよ《中位アンデット作成:死の騎士(デスナイト)》」

 

モモンガさんの声と共に空中に黒い靄がかかりそこから死の騎士が出現する。それも1体ではなく全10体だ。それに加え追加作成したのか蒼褪めた乗り手(ペイルライダー)も4体程確認できる。またスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンから出現させられる根源の火精霊(プライマル・ファイヤーエレメンタル)や無数の月光の狼(ムーンウルフ)もいた。

 

「流石にこの量はキツイな……」

とりあえずちまちまとこの量を相手にすると物量で押し潰さる危険がある為カードを一つきらせてもらう。

多少ダメージを貰うのは覚悟の上である程度距離を取ったら動きを止め魔力を集中させスキル【魔力覚醒】を発動させる。動きが止まっている為攻撃を食らうが魔法は何発か跳ね返したりしていた為そこまで痛手にはならない。

さて、準備は整った。これより先は魔王の1人舞台にならねばならない。故に用済みの役者にはご退場願おう。

 

「イオ系最強呪文《イオグランデ》」

呟くように呪文を口にし、魔力を込めるするとモモンガさんを中心に想像を絶する大爆発がモモンガさん達を襲う。だがこれでは終わらない。始めに発動した山彦の悟りにより追加のイオグランデが再び闘技場内で大爆発を起こした。これによって一撃では倒す事は出来ない死の騎士でも倒しきれることが出来る。

 

「これであらかたの奴は倒せた筈だがアルベドとモモンガさんはまだ無傷とは言わなくても多少のダメージは与えられた筈だが年には念をいれるか…ドルマ系最強呪文《ドルマドン》」

 

爆煙によりその姿は視認出来ないが2人がいるであろう所に目星を付けて呪文を放つ。

その容赦の無さや圧倒的な制圧力はデスピサロが最強だと言われる所以でもある。

 

デスピサロは未だ攻撃の構えを解かず既に手にしている剣ははやぶさの剣改から魔界の剣に変更している。

デスピサロが追撃しようか判断を決めかねていると爆煙の中からモモンガが放ったであろう特大の火球が飛来し、それを避けると両手剣を手にしたアルベドが突進してくるがこちらも剣を立てて受け止める。

 

「くぅ……中々アルベドもやるではないか」

 

「お褒めに預かり光栄でございます!」

 

やはり、片手剣と両手剣では重さに差があるため押し返す事が出来ず鍔釣り合いになってしまう。

・・・拙い状況だ、こんなチャンスをモモンガさんが見逃す訳がない。

 

そう考えているとやはり、モモンガさんはこちらに向かって何発もの上位攻撃魔法を放ってくる。

 

「チッ!」

咄嗟に剣に込めていた力を抜き拮抗していたバランスが崩れた所を狙いアルベドを蹴りつけそれを足場にその場を離れる。

 

予想通り反撃を食らったが先程のダメージの蓄積かアルベドは既に満身創痍、モモンガさんの方もあまり余裕は見られない。ならば此処で一気に畳み掛ける!

 

「そろそろ決めさせて貰うぞ」

魔界の剣に暗黒の力を纏わせる。すると元々禍々しかった剣がさらに凶悪なものになる。

 

「ダークマター!」

掛け声と共に自身の内包する闇のオーラを開放し、モモンガさん達を空間ごと真っ二つに切り裂く。この技はワールドチャンピオンのみが使用できるスキル、次元断絶とスキル暗黒を組み合わせた応用技だ。

そんなダークマターをモロに喰らってしまったモモンガさんとアルベドは見るからに戦闘不能に陥っていた。

 

その為ここで試合終了の宣言がなされる。

「モモンガ様とアルベド様が戦闘不能状態と判断される為この勝負デスピサロ様の勝利です!」

 

その宣言と共に闘技場に歓声が湧き上がる。それに応えながら私はモモンガさん達が倒れている所に小走りで向かいすぐさま回復呪文をかけて、モモンガさん達の体力を全快にさせる。

 

「いやー、やっぱりデスピサロさんは強いですね」

 

「いえ、こちらも思いの外手こずってしまい負けるかと思いましたよ。」

そう言いながらモモンガさんに手を貸して立ち上がらせる。

「そんな事言ってノーダメージ(・・・・・・)だってことは気づいてるんですよ?」

 

「ははっ何の事ですかね?それよりも、アルベドの方は大丈夫だったか?」

 

「は、はい。デスピサロ様のお手を煩わせてしまいましたが全く問題はありません。」

ボロボロの鎧を纏いながらも問題ない所を確認する。

 

「さて、モモンガさん今日はここら辺にしておきますか」

 

「そうですね。デスピサロさんの健在もアピールできましたし。でも今度こそは負けませんからね!」

 

「くくく、いいですよ。私は何時でも受け付けましょう。」

 

そう言ってモモンガさんと握手をする。

そうすると観客席の方から

『デスピサロ様万歳!』

『モモンガ様万歳!』

『至高のお方万歳!』

『アインズ・ウール・ゴウン万歳!』

とシモベ達による大喝采が響き渡り、デスピサロ達がその場をあとにしても暫くは大喝采が続いていたという。




評価、感想また多くのお気に入り登録ありがとうございました!感想はいつもワクワクしながら全て読ませて貰っています。

また、活動報告のアンケートは今月中は募集していますのでまだ参加でない方は是非お願いします。それでは皆さんまた次回お会いしましょう!


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7話 魔族の晩餐会①

今回は思っていた以上に文量が多くなり全部一括で投稿すると恐ろしい文字数になりそうだった為区切って投稿する事にしました。また、この日常会が終わったらカルネ村編に入りそこから暫く原作とは違うオリジナル回に入る予定です。(奴隷エルフ開放の時は近い)

また更新を楽しみにして下さっている読者の方には申し訳ありませんが来週のセンター試験が終わるまで投稿をお休みさせて頂きます。試験が終わり次第また投稿を再開しますのでお待ち下さい。


モモンガ達との模擬戦が終わった後デスピサロは第11層のデスパレスにある玉座に座って1人ワインを嗜んでいた。

 

「ふぅ、モモンガさんには悪いがこうして酒が飲めるのは最高だな。だが……」

 

なんとなく玉座に座ってグラスに注いだワインを飲んではいるが、如何せん物足りなさを感じる。

ざっと玉座から辺りを見渡すが第10層にある玉座の間と対して間取りは大差なく、唯一違う点としたら壁に等間隔で地獄の門番の形を模した石像が置いてある点だけだ。

だが、今は逆にその壮大さが私の心を酷く虚しく感じさせる。そう思ってくるとこのワインもすすまなくなる。

 

そんな感情を感じとったのかすぐ後ろに控えさせていた専属メイドのソリュシャンが話しかけてくる。

 

「デスピサロ様、どうかなさいましたか?もしや、ワインがお口に合いませんでしたか?」

 

「いや、ワイン自体はいいのだ…だがそれを1人で飲む気には今はなれんな。ソリュシャンよ、お前は酒は飲めた筈だな?」

 

「はい。しかし、今まであまり飲む機会がありませんでしたのでお酒についてあまり詳しくは……」

 

「ふむ…ではこれを機に少し酒を学べ。確かナザリックにはBARがあった筈だ。食事と入浴が済んだら行く事にする。準備はしておけ。」

 

「はっ!分かりました。」

 

「それと、私と2人でいる時はその堅苦しい喋り方も普段の話し方に戻せ」

 

「い、いえ!私のようなメイドが至高のお方にそのような無礼をする訳には」

うーん、私としてはせっかく専属になったんだしもっと仲良くなりたいだけなんだけどなあ

 

「構わない。それにいつもそうしろと言っている訳ではないだろう?それともソリュシャンは私が苦手か?」

 

「そんな事はありません!む、むしろ……」

ん?何か最後ボソボソと言ってたから聞き取りずらかったけどもう一押しでいけそうだな。

 

「なら、別に構わないだろう」

 

「で、ですが……」

 

「私に二度言わすつもりか?」

 

「わ、分かりまし…分かったわ」

うん、なんか最後の方殆ど強引だったけど嫌々というよりは照れてるって感じがするから結果オーライだな

 

「よし、ではそろそろ食事にするか。私はピサロナイトの所へ行ってからダイニグルームへ向かう。ソリュシャンは料理長に食事の準備をするよう伝えろ、それと1人分ではなく11人分作れと言っておけ」

 

「承りました。」

命令をすると直ぐにお仕事モードに入り深く礼をするソリュシャンに苦笑しつつ立ち上がり持っていたグラスをソリュシャンに渡す。

 

「それはお前にやる。いい酒の味を覚えておいて損はない。」

そう伝えると一気にソリュシャンの顔が真っ赤になり心配してどうしたかと聞いてもなんでもありませんの一点張りだった為、触れない方がいいのだろうと勝手に判断し玉座の間を後にする。扉を閉めた瞬間『キャーー/////』という叫び声が聞こえた気がするがきっと空耳だろう。

 

 

さて、ピサロナイトのところまで歩いてい移動しているとデスパレス内にいる配下のモンスター達にすれ違う度に名前を言いながらお辞儀をしてくるのだが、これが中々に微笑ましい。元々私はロシアで日本語のALTをやっていた為生徒達が日本人である私を珍しがってよく挨拶をしてきたのを思い出す。シモベ達の挨拶を返しながら目的の場所につき扉をノックする。

 

「ピサロナイト、私だ開けてもよいか?」

 

「デスピサロ様!?ど、どうぞお入り下さい!」

慌てた様子で扉を開き私を部屋に招くがそのままでいいと断り、本題に入る

 

「ピサロナイトよ、これより食事にする。故にお前を含めた残りの私が1から作り上げた9人のシモベをダイニングルームに全員集めろ。いいな?」

 

「分かりました。至急連絡しダイニングルームに向かわせます」

 

「頼んだぞ、私は先にダイニグルームへ向かう」

ピサロナイトに用件だけ伝えてそのままダイニングルームへ向かう。第11層は帝王の間以外リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンですら転移出来ない仕様になっている為少々移動が手間になるが食前の軽い運動と考えながらシモベ達を横目に改めてデスパレスを見て回るのも悪くなかった。

 

 

 

デスパレスのダイニングルームは中世の貴族のダイニングルームの間取りの様になっており、長テーブルには上品な純白のテーブルクロスが敷いてありシャンデリアと蝋燭の光がさらにその上品さを引き立たせていた。

 

その最上席にデスピサロは座り背後にはソリュシャン達メイドを控えさせている。また呼び寄せたシモベ達は上席の順にピサロナイト、エビルプリースト、ギガテーモン、ヘルバトラー、アンドレアル、キングレオ、暗黒の魔神、バルザック、ジャミラス、ドラゴンガイアが座っている。因みにギガデーモンを始めとする体格的に無理のあるシモベにはモシャスをかけ人型にしている。

 

「ソリュシャン、食事のメニューはなんだ?」

 

背後に控えていたソリュシャンがさっと、前に出てきてはいと返事をしメニューを読み上げる

 

「食前酒にナザリック特製のフォーティファイドワイン。

オードヴル1品目は海竜とシャークマジュのマリネ。

2品目に黒い仔山羊の肉とバジリスクの卵を使ったスフレ。

スープはホウレン草やブロッコリー等をふんだんに使用したグリーンポタージュ。

パンはナザリック自家製で小麦粉は金の小麦を使用しました。

ポワソンはツァトゥグアのモモ肉を使ったソテー。こちらはガーリックとパセリで風味を出しております。

口直しに黄金リンゴのソルベ。

ヴィヤンドには無花果のソースをかけたヨトゥンヘイムに生息するフロスト・エンシャント・ドラゴンのテールステーキ。

チーズはブルーチーズとビヤーキーの蜂蜜。

アヴァン・デセールはメロンのグラスゼリー。

デセールはオレンジを焼きこんだタルト生地にフレッシュなオレンジを合わせタルトにショコラアイスを組み合わせた料理長渾身の一品です。

食後酒にはアルヘイムで造られた甘口の妖精酒を用意しております。」

 

とりあえずフルコースってことは理解出来たけど使ってる食材が未知過ぎて味が全く想像出来ないぞ。視線をテーブルに落とし置いてある無数のナイフやフォーク、スプーンといった食器はピカピカに磨いてあり完璧の一言に尽くされる。

 

(そ、それにしても付き合いで高級ホテルのフランス料理やイタリア料理のフルコースに行っておいて良かった。あれに行ってなかったら多分今盛大に恥をかいてたな)

 

そんな事を思いつつ給仕のソリュシャン達全員のグラスに食前酒を注いだグラスを手に取り蝋燭の光に当てるようにグラスをかざす。

 

「それではこれからのナザリックに乾杯」

 

『乾杯』

 

その一言でデスパレスでデスピサロを交えた魔族の晩餐会が始まった。

 

まずはワインを口にし味を楽しむが、今までゲームではバフ効果しか求めていなかった為特に何も効果がない酒類のアイテムは放置していたが今思うとそれが幸を奏して美味い酒が飲めるんだから世の中何があるか分からない。まぁ、私が体験している現状以上の分からない事はそうそう無さそうだが

 

「それにしても、まさかデスピサロ様からこうして食事に誘われるとは思いませんでした」

 

「今までここを留守にしていたからな…それの詫びではないがお前達を労う必要もある。それに私としては1人で食事をするよりもお前達と親睦を深めながら食事をする方が遥かに有意義だと思っている」

これは本心だ。今までNPCだった者達が生きている以上これからは彼等とのコミュニケーションも必須事項となる。そうなると部下と上司以上の繋がりがあった方が後々にも役に立つだろう。

 

「そ、そこまで我らを思って頂いているとは!このピサロナイト全員の気持ちを代弁して深く感謝申し上げます!」

 

しかし、ここまで感謝されるとは思っていなかったな…

暗黒の魔神とかもう完全にあれ泣いてるし、確か帰還式の時も泣いてた気がするから案外涙もろいのかな?自分で作成したNPCだけど設定とかはちょくちょくタブラさんと話しながら作ってたから量が夥しいことになって正直全部憶えてないんだよな

 

「そこまで畏まるな、今宵は存分に楽しもうではないか。ソリュシャン、料理長に美味い料理を期待すると伝えておいてくれ。」

 

「かしこまりました」

 

デスピサロのその一言でデスパレスのキッチンにいるコック達は水を得た魚のように調理に勤しんでいたという。

 

ー✱ー✱ー✱ー

シモベ達との会話を楽しみつつ、辛口の白ワインを飲んでいるとソリュシャン達が料理を銀のワゴンで持ってきた。

ソリュシャンは私に他の給仕達はそれぞれのシモベ達にミス一つなく完璧に配膳をこなす。

 

「オードヴルの1皿目は《海竜とシャークマジュのマリネ》でございます。」

 

「ほおこれは美味そうだな」

海竜とシャークマジュ、どちらもユグドラシルが期間限定のドラクエコラボをしていた時に出てきていたサメのような見た目のモンスターだ。恐らく海竜であろう切り身の方は白身魚のようにも見えるが若干薄がかった青色なのが分かるそれに対してシャークマジュの方だが、こちらはこうして調理された状態で出されると一見サーモンのマリネのようにも見える。これはなかなかに味が楽しみだ。さて味の方は・・・・・・

 

「・・・・・・美味い」

“美味い”ただその一言に尽きる。味は見た目同様にサーモンに近い事もあって一緒に添えられている玉ねぎとの相性もよく程よい酸味もサッパリとした味付けをまとめ上げており、オードヴルの仕事を十全に果たしている。そして何よりもその鮮やかさに目を惹かれる。料理とは目、耳、鼻、口で味わうものと何かで見た気がするが本当にその通りだ。

 

ただ美味いものを食べる。生物の三代欲求のうちの一つ食欲を満たすだけでこうも生の充足感を感じさせてくれるという事を初めて知った。

こうなると今後の料理にも期待が高まる。

 

ー✱ー✱ー✱ー

「2品目は黒い仔山羊の肉とバジリスクの卵を使ったスフレでございます。 」

 

スフレ…確かメレンゲに様々な材料を混ぜオーブンで焼き上げた料理だったか?

なるほど、こうして見るとカップケーキのように見えるが中を割ってみるとフワフワとした卵に薄く切られた黒い仔山羊の肉が優しく包まれていて先程の鮮やかな色彩と打って変わって優しい色彩だ。黒い仔山羊は確かその肉を食べると子宝に恵まれるとかいう裏設定があった気もするがクトゥルフ神話系統の生物で数少ない食用可能な神話生物だった筈だ。

 

「確か黒い仔山羊の肉を食べると子宝に恵まれるという逸話があるようだが、これは料理長から私に対する世継ぎの心配かな?」

巫山戯た調子でそう言うと揃ってみんな「早くご子息の顔が見たいですな」とか「デスピサロ様の妾に選ばれる女性は余程の強運の持ち主ですね」等と酒が入った影響か初めよりはだいぶ砕けた感じで会話をできるようになっていた。

 

「ならばソリュシャンでも嫁にとるか?」

 

「お、お戯れを・・・」

私が軽い調子でソリュシャンに言うと瞬時に顔を真っ赤にして俯いてしまう。恥ずかしがるソリュシャン超可愛いです、はい。

 

「ククク、冗談だ。本気にするな」

ただやり過ぎはよくないのでこの程度にしておく。嫌われちゃったら元も子もないからね、仕方ないね。

 

「デスピサロ様も悪いお人だ。」

 

「花と女は愛でるものとよく言うだろう?」

 

「違いありません」

その言葉で食事の席に笑顔が灯る。やはり大人数で食事をするのは楽しいな、久しくこの感じを忘れていた。

 

リアルでは毎日1人で安い飯をただ淡々と食べ仕事に向かうというただ作業的に生きていたものだった。だが今はこうしていずれ家族とも呼べるであろうシモベ達がここにいる。それにモモンガさんだっている。それを考えただけで心が満たされた。

きっとこんな事を思うのも卵の純粋な優しい味とそれを邪魔しないよう絶妙なバランスで味を整えた黒い仔山羊の肉、そしてスフレ特有のふっくらとした柔らかさによって包まれたような感覚に陥ったからだろう。

 

ー✱ー✱ー✱ー

「スープはグリーンポタージュでございます。尚、食材は全てアースガルズのベジタブルスカイで採られた野菜を使用しております。」

 

「ほお、ベジタブルスカイの野菜か」

 

ベジタブルスカイ…ユグドラシル時代ではそこそこ需要の高かった領域。その理由はベジタブルスカイで採れる食材を使った料理には全て敏捷や索敵値を三段階向上させるという破格のバフ効果が付いてきていたからだ。しかしその代わりベジタブルスカイにいる敵MOBは総じて平均レベルが高く市場にも滅多に出回らなかった為そこの食事は希少性は入手難易度に比べて高かった。けれど、私のアバターはとある欠点があった為とにかくスピードを上げ相手に行動を起こさせる余裕を与えない必要があったためそこの食材はアホみたいにかき集めた記憶がある。確かデスパレスの何部屋かはそう言った食材だけを貯蓄する部屋だった筈だ。恐らく今回の材料もそこから持ってきたのだろう。

 

「ベジタブルスカイの食材は久々だな。どのような味に仕上がっているかな」

 

皿によそわれたグリーンポタージュを上品にスプーンで掬いとり口に含む。その瞬間口全体にポタージュの深い味わいと野菜1つ1つに含まれる旨みが広がる。今までの料理と違い少し濃いめの味付けだがそれがしつこい訳でもなく野菜本来の甘みを感じさせた。それがさらにスプーンをすすませた。

 

そうして、スープを食べきると今度は口直しの意味も兼ねたパンが配膳される。それを食べつつワインも飲みシモベ達が食事をしながら楽しそうに談笑する様子を見ていると自然と顔が綻ぶ。

 

「なぁ、ソリュシャンよ」

「なんでございましょう?」

「私は本当にここに帰ってこれて良かったよ。ここには私を慕ってくれるあいつらがいる。私を友と呼んでくれるモモンガさんがいる。そんなナザリックに帰ってこれて良かった。」

同じような事をさっきも思った筈だがやはりこの気持ちは誰かに伝えたかった。

「それは私も、いえ私達もデスピサロ様がお帰りになられて本当に嬉しく思っております!」

 

「その通りですよデスピサロ様」

「ピサロナイト・・・」

どうやらソリュシャンとの会話は他のシモベ達にも聞かれていたらしい。あー恥ずかしい

 

「私達はデスピサロ様のお力によって生を受けこうして生きていられるのです。つまるところ我々魔族はデスピサロ様あってのこの命、デスピサロ様が我々の存在理由なのですよ。故に次からはデスピサロ様には我々をもっと頼って頂きたいのです。」

 

「エビルプリースト・・・」

あー、駄目だ泣きそう。ここでまた何か言われたら絶対に私泣いちゃうよだから私は笑ってしまおう

 

「ふふふ、エビルプリーストも言うようになった。ではこれからは望み通り存分に頼ってやろう。」

 

私が不敵に笑うとこいつらも笑い返す。他者から見れば完全に悪巧みをしているように見えるが私達はこれでいい。何故なら私達は魔族で私は魔族の王なのだから。

 




デスピサロ様は天然の女誑し!天然だから仕方ないね

また、多くの評価、感想、お気に入り登録ありがとうございます。それと、評価の際☆5以下の場合改善点等ありましたら一言に書いて下さると書く側としても問題点を改める機会となり作品の更なる向上に繋がりますのでよろしければお願い致します。

それと、評価の一言や感想等、自分でも読み直し考えた結果6話の戦闘回は後日加筆修正を加えて投稿し直す事に決めましたのでそちらもよろしければお楽しみください。それでは今後ともこの作品をよろしくお願い致します。
では皆様次回までしばしお待ちを!
追記:活動報告のアンケートまだ募集しています。


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