~μ’s Forever Lovers~ μ’sic Start! (絢未)
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【絵里×海未】 ほんの少しでも
社会人えりうみです。
絵里が結婚するので、海未が手紙に今までの気持ちを書くという思い付きで始まった小説ですが、良ければお読みください。
サブタイをえりうみとかにしないのは、見栄えの問題です。
手紙難しかったです。
拝啓 絢瀬絵里様
雪吹雪が舞う寒さ厳しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
このたびはご結婚のお知らせをお伺いし、心からお祝い申し上げます。
ご家族の皆様もさぞお喜びのことと思います。
つきまして、ささやかですがお祝いの品をお送りいたしますので、
ご受納いただければ幸いです。
まずは略儀ですが、書中にてお祝いのご挨拶を申し上げます。
敬具
追伸
追伸とはいわず、長文失礼いたします。貴女がご結婚されると聞いて、とても嬉しく思っております。
学生時代からのお礼はたくさんありますが、少々失礼させて頂きたいと思います。
理由は後述致しますが、御式のほうは失礼ながら欠席させて頂きます。申し訳ございませんこと、お詫び申し上げます。
では、早速ですが本題の方をお読みになっていただけると幸いです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
絵里へ
学生時代から、私は貴女のことを尊敬しておりました。
真っ直ぐにみんなと向き合い、真剣な顔でいつも練習をしている貴女の姿が凛々しく、その姿に憧れを抱いておりました。私はよく、貴女のようにみんなをまとめ、引っ張っていけるようになりたいと思って精進して参りました。でも、穂乃果のような太陽の輝きも。貴女のような金剛石の煌めきも。そのような立派なものはないのです。
私は日舞の家元の娘に生まれ、昔から武道を嗜んで――。いや、真剣に向き合っていたものです。ですので、穂乃果やことりに尊敬の眼差しを向けられることも、少なくはありませんでした。
幸い、嬉しいことによく後輩にお手紙を頂くこともありました。その手紙にはいろいろなことが書いてあり、靴箱に入っていたり、直接手渡されたりしたそのお手紙を読むのも少し楽しみでした。中には『いつも園田先輩の試合は見に行っています!また優勝できるように頑張ってください、応援しています』というような真面目な分もあれば、『園田先輩のことが大好きです。この気持ちに答えをください、校舎裏で待っています』などという直接的なものもありました。そのときは校舎裏に赴き、丁重にお断りさせていただきましたが。
でもそれは貴女も同じ。
前に見ましたよ。廊下の死角となっている場所で、後輩の方に無理やり抱きしめられて少々困惑していた貴女の姿を。また、キスされかけていたようなこともありましたっけ。
でも、それだけ貴女が魅力的だということです。
だから私はとても貴女を尊敬していました。広い心で悩みを聞いてくれたりする、心の支え――とでも言いましょうか。幼馴染に話しにくいことは、貴女に聞いてもらっていましたよね。
そんなことばかり考え、しているからこそこの気持ちに気づいてしまったのです。
私が貴女に抱いている感情は尊敬などではないということに。
それは、恋。
自覚したのは貴女が卒業するとき……。
私は見ました。
3月にしては早く桜が咲いた学院の、一番の桜の木の下で貴女と穂乃果が抱き合い、そして幸せそうに何度も唇を重ねていたことを。あのときの貴女はとても、綺麗でしたよ。
今となれば、何をしているんだと自分に言えることもできます。でももう遅いのです。
あの日は悲しくて、いや……。自分の気持ちに気づいてしまった自身への悔しさを握り締めて、家まで夢中で走りました。すぐにお風呂に駆け込み、声を上げて泣きました。
なんでもっと早く気づけなかったんだろう。
私は貴女が――、絵里が大好きで大好きで仕方がないということに。
悲しくて、悲しくて、そして悔しかった。自分を憎んだ。
それだけ貴女のことが好きだったんですからね。
この手紙は貴女に気持ちをお伝えしておきたいということもありますが、おおよそは自己満足でしかありません。結婚する貴女にとっては、私の気持ちなどどうすることもできないのですから。貴女に少しでも気持ちを伝えたい。それで貴女が振り向いてくれれば、という私のほんの少しのわがままなのです。
貴女と穂乃果が付き合い始めたと聞いたのは、あの卒業式から約2週間ほど経ってからでした。あのとき穂乃果に満面の笑みで『絵里ちゃんのこと、大好きなんだ!』と言われたとき、私はどんな顔をしていたのでしょう。
でも無理です。
あんなに眩しい穂乃果の笑顔は、目が眩んでしまって『私も絵里が好き』なんて言葉、かき消されてしまいます。所詮、私たちのファーストライブと同じなのです。
短いスカートが嫌だ。恥ずかしい。やっぱり歌えない。などと言っていた私は何も成長していません。衣装の下にジャージを履くのは逃げ。貴女に気持ちを伝えなかったのも、フラれるのが怖いという逃げです。
でも、もう隠しません。
私はもう逃げません。貴女の――絵里のことを受け止めると決めました。
私、園田海未は絢瀬絵里のことを愛しています。
今ならそう、胸を張って言える。そんな気がします。
こんなものただの憶測です。でも、もう後悔したくないのです。だからあえてこの日を選びました。
もし、ほんの少しでもこの気持ちに応えてくれるというなら。
私は貴女の結婚式の日、学院のあの桜の木の下で待っています。
そのときは必ず、口で伝えます。
貴女の――絵里のことが大好きだと。
園田海未
海未ポエマースギィ(*_*;
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【絵里×海未】 止まらない泪。
なるべく投稿したいとは思っておりますが、私も学生の身分ですので冬休みが終わってからペースが遅くなるとは思いますが、なるべく投稿できるように精進していきます。リクエストやこんなCPがいいとか教えてくれましたら、どんどん取り入れたり書いたりしていきたいと思います。
絵里の結婚相手は一般男性にするかどうかとても悩みましたが、やっぱり穂乃果にしました。そのほうが面白いので。
では本編をどうぞΣ(・ω・ノ)ノ!
「それでそれで、絵里ちゃんがね!」
あの手紙を書いた一週間後、私、園田海未は穂乃果と絵里の住む家に来ていました。ですが私はあの手紙を読んだと思われる絵里には到底会えるはずもなく……。穂乃果に絵里が仕事に出ている時間を教えてもらいました。
穂乃果に『久しぶりにお話したいな』と誘われたときは悩みましたが、私も絵里のことが気になったので、話を承諾しました。
久しぶりの穂乃果との会話。絵里との結婚が決まる前から少しずつ感じていたことではありますが、最近グッと穂乃果が可愛くなったように思えます。
それもそのはず。絵里も穂乃果も大学生になった頃からでしょうか。自由になれる時間が増えたからか、よく二人で出掛けていたようです。私は大学時代も稽古と講義を両立していた為、穂乃果や絵里と話す機会も減っていました。ので、穂乃果の変化にも気づかなかったのです。
化粧も濃いわけではありませんがしているのはわかりますし、そういう趣味があるわけではありませんが、穂乃果はいい匂いがとても強くなりました。きっと絵里を意識しているからなのでしょうが、男性にもよく声をかけられるようになったようです。
そして今日。穂乃果に絵里とのことを次から次へと聞かされています。惚気話やら何やら聞かされ、もう頭が破裂しそうです。かれこれ話してもう二時間程経ってるのでしょうか。そろそろ疲れてきました。
「あ、あの穂乃果……そろそろ」
流石にもう限界です。こんなに楽しそうに絵里とのことを話されては、このどうしようもない気持ちが爆発してしまいます。
私が疲れてきていることを察したらしい穂乃果が、『あっ、ごめんごめん』と立ち上がり、お茶を入れてくれました。
「もうお開きにしよっか?いやー、今日は海未ちゃんと久しぶりにいろいろ話せて楽しかったよ!あ、そうだそうだ……結婚式、海未ちゃん来れる?」
ギクッ……!
ついにその話題になりましたか……。いつか来ると思っていたことですが、どう断ればいいのでしょう。何も考えていませんでした。
「あ、え、えぇ……」
『えぇ』を肯定と捉えてしまった穂乃果がにこにこと日時や詳細を話してきます。あぁもうダメです。私はこの穂乃果の太陽のようなこの笑顔に弱いんです。どうしたものでしょう……。
一口お茶をすすり、深呼吸。
穂乃果にはしっかり伝えなくては。
「すみません、穂乃果。その日はどうしても外せない用事がありまして……本当にすみません。すみません……穂乃、果……」
私はやるせない気持ちになり、涙が零れてしまいました。はぁ、なんで私はこんなことで泣いているのでしょう。絶対に行かないと誓ったはずなのに。
「う、海未ちゃん……?な、なんで泣いてるの?そんなに穂乃果の結婚式に来れないのが悲しいの……?仕方ないよ、用事があるならさ。だからそんなに気にしないで、会える日にまたさ、会おうよ!」
うっ……穂乃果が鈍感で助かりました。これ以上何か言われたらまともでいられる自信がありません。涙を拭い、もう一度お茶を飲みました。少し苦い緑茶が体の中に染みていきます。あぁ、なんて美味しいのでしょう。
「ありがとうございます、穂乃果。私はこの後も稽古がありまして……そろそろ失礼させていただきます……」
席を立ち、上着を着て穂乃果に見送られて穂乃果と絵里の家を出ました。穂乃果と絵里の住むマンションのエレベーターに乗り、ロビーに降りて玄関ホールを出ると、外はもう真っ暗。携帯の時刻を確認すると、もう六時を回っていました。寒い時期なので日が落ちるのが早く足早に駅へ向かいました。
歩いて数分。前からコツコツとヒールの音がしました。前をじっと見つめるとスタイルのいい女性が歩いてきました。金髪のその髪は、どこかでよく見たものと同じように……。いや、同じの髪が揺れています。私の大好きで、今一番会いたくて会いたくなかった貴女のものと同じ。
そうでしょう……?絵里……。
バサッ、と絵里の持つ紙袋が落ちました。私に気づいた絵里は驚いた顔でこちらを見つめています。それもそのはず、だって穂乃果と絵里の同居先を知っているのはμ'sのメンバーで私ただ一人なのですから。
「……う、海未……?」
私は何食わぬ顔で絵里の横を通り抜けていくと、ガッ、と強い力で腕をつかまれました。何をするんですか絵里……。私に何の用があるというのです。
「っ、ま、待って」
体の奥底から絞り出したようなその声は小さくて、震えていました。
やめてくださいよ。貴女と話せば、私は気がおかしくなって……。
気づけば私はその手を振りほどいて駅に向かって走り始めていました。あの場にいれば私はまた手紙のような意味の分からないことを絵里に向けていたかもしれないからです。私は今、あの手紙を後悔しています。無我夢中で書いたあの手紙、恥ずかしくてもう一度読むことなんてできません。
真っ暗な一本道を駆けるとなんだか気持ちが少し楽になりました。そのまま走っていると、後ろからカッカッカッと音が。後ろを振り返れば金髪の髪が揺れています。まさか、追いかけてくる気ですか。でも無理でしょう。もう運動なんてロクにしていないはず。稽古を続けランニングだってしている私に追いつけるわけありません。それに貴女は仕事帰りですからスーツでヒールで荷物だって、コートだって……。そんな状態で追い掛けて来ないでくださいよ……。ヒールが折れてしまったらどうするんですか。怪我でもしたら、その綺麗な身体が傷ついてしまうではありませんか。そんなことになれば、穂乃果も悲しみますよ。結婚式も近いんですから、だからやめて……。
そんなことを考えていると、私の足元がふらついて私が転んでしまいました。はぁ、私が転んではダメじゃないですか。こんなんじゃ人のことを心配する権利なんて……、ないです。
膝に広がるヒリヒリする痛み。暗いのではっきりわかりませんがきっと傷は深く広いでしょう。はぁ、さっきからため息ばかり。……痛いです。
何とか立ち上がりトボトボと歩いているとまだヒールの音が聞こえてきました。あぁ、貴女はまだ探しているのですか?すぐに家に帰って、穂乃果にその顔を見せてあげればいいじゃないですか。私のところになんて来ないでいいんですよ。
でも、会いたい。
そんな気持ちが自分の心にあるのがわかりました。
「やっぱり、まだ好きなんですね」
貴女のことはもう諦めた気でいたんです。でも、心の中ではやはりずっと貴女のことを想っていたようで。こんなかっこ悪い姿を見せるわけにはいかないんです。貴女に会うなら、うんとお洒落して化粧もして会いたいんです。こんな姿で会いたくなんて……。
「ないのに……」
自分の口からそう零れたその言葉を飲み込んで、最後に一度だけ。と思い後ろを振り返りました。でもそこに、大好きな人の姿を見つけることはできませんでした。
「もう、帰りましょう」
また足を進めると、後ろから声が――。
今一番聞きたかった声。その声を聞くと安心して、楽になって、また大好きなんだなって思えるその声。その声で囁いて、抱きしめてくれる。そんな大好きな貴女の声がしました。
「海未―――――っ」
ダメです。もう自分が抑えられなくなるのがわかりました。貴女に抱きしめてほしい。そんな私の気持ちが一気に身体から、目から溢れました。
「――――絵里、っ」
その瞬間。涙が瞳から溢れだしました。どんなに拭っても止まらないその涙。きっと、貴女にしか止められないんですよ。――絵里。
ギュッと自分の身体が抱きしめられたその瞬間――更に溢れてきました。
「ずっと会いたかったの、海未っ……あの手紙のことを聞きたいのもあったけど、なにより貴女をこうして抱きしめたかった。ちゃんと貴女と話したいの。謝りたいこともあるの……ねぇ、海未……?この後時間――」
それを聞き、私は声を荒げていました。なぜでしょう。貴女に抱きしめられて、こんなに嬉しいはずなのに。
「やめてください……!こんなの、ダメですっ……!貴女は早く穂乃果のところに帰って、早く抱きしめてあげてください!穂乃果は早く貴女に会いたいんです!だから、だから……は、やく……」
そう言って絵里の腕を振りほどこうとしました。でも全然力が入らないんです。涙が止まらなくて、今にも崩れそうなんです。
私がそうすると、絵里が私を抱きしめる力が強くなりました。なんでですか、なんでですか。こんなのダメですよ……。浮気ですよ。穂乃果が、穂乃果が悲しみますよ。
耳元に囁いてくる貴女の声が聞こえます。っ、ダメです……。破廉恥ですよ、絵里。
「なんで貴女はいつも人のことばかり……私は、私は今貴女を、海未を抱きしめていたいのよ。そりゃ、浮気なんて指摘されたら否定できないし、穂乃果には見られたくないけどね?あんな手紙寄越したのは海未じゃないの。気になって気になって夜も眠れないのよ。穂乃果を抱きしめたって、キスしたって何したって頭に浮かぶ顔は海未……貴女なのよ……だから最近は穂乃果に怒られてばかり。『穂乃果以外の女の子のことかんがえてるでしょ!』って、怒られるのよ。だから最近は穂乃果と仲が良くないのよ。ねぇ、どうしたらいいの?私、わからないわよ。海未の気持ちが……」
震える声でそんなこと言われたって、私だってどうしたらいいのか分かりませんよ。なんで私のことをそんなに……。あんな手紙を読んで、なんで嫌いにならないんですか。
「そ、そんなことあるわけないです。穂乃果は楽しそうに貴女との惚気話を聞かせてくれました。あんなに楽しそうな穂乃果は久しぶりに見たんです。『早く帰ってこないかな』ってつぶやいたりもしてました。だから貴女はこんなところにいるべきじゃないですっ!」
ほら、またそうやって抱きしめる力を強くするんですか。こんなの穂乃果に見られたらどうなってしまうのでしょうか。怖くて、でも、今はこうしていてほしいです。
「やっぱり来ていたのね……家に。貴女がそこまで言うなら、今日はここまでにします。でも今度はちゃんと貴女の本音を口できかせてね?」
あっ、嫌です。絵里の腕が身体から離れてしまいます。お願い、もう一度だけでも抱きしめてほしいです……。
「っ、え、絵里……」
気づけば私は絵里の名前を呼んで、絵里に抱き着いていました。こんなこと初めてで、ドキドキが止まりません。自分でも何をしているんでしょう。
「う、海未……?どうしたのよ急に。って、大丈夫!?その膝……転んじゃったの?もう、急に走るからよ。びっくりしたんだからね、久々にあんなに走ったわよ」
私は膝の痛みがきてその場に崩れ落ちてしまいました。やっぱり歩けそうにないです。痛いです。
立ち上がろうとしても、生まれたばかりの小鹿のようになってしまって。絵里に肩をかしてもらって、近くのベンチへと腰を掛けました。そのまま絵里はコンビニに絆創膏を買いに行き、軽く手当をしてもらいました。でも、傷があまりにも深く絆創膏は何枚も使いました。両膝を怪我した所為で歩くのが難しかった私はなんとか一人で帰ろうとしましたが、あまりにも見ていられなかったようで絵里にタクシーで家まで送ってもらってしまいました。まったく、情けない話です。
絵里にも『本当は歩けるけれど、少し絵里に甘えたかった』なんて口が裂けても言えません。やっぱり誰にも言えないですね。
「あの、絆創膏代とタクシー代を……」
車中でそういいましたが、まるで相手にしてくれませんでした。『少しくらいカッコつけさせて』とウインクまでされては何も言えません。その仕草にキュンとしてしまったなんて、誰にも言えません。今日は秘密がいっぱいできてしまいましたね。
家に着いて、私だけ降ろしてもらうと絵里が口を開きました。
「海未は本当に結婚式の日に待っててくれるの……?」
絵里はなぜか目にうっすら涙を浮かべていました。
一度は躊躇いました。でももう逃げないと誓ったのです。
「はい。絵里のこと、ずっと、いつまでも待っていますよ」
そして絵里は微笑んで、それと同時にドアは閉まり車は走り去っていきました。
まったく、意地悪な運転手さんです。もう少し絵里と話していたかったのに。
そのまま家に入り、お風呂に苦労しましたが一日は終わりました。
後日、保健委員だったことりに怪我の手当をちゃんとしていただきました。
それから三週間後が経ち、ついに結婚式の当日を迎えました。
『海未ちゃんは結婚式行かないんだよね?』
当日の朝、ことりに電話をもらいました。
「はい。きっと気が狂ってしまうので……来るとは思っていませんが、一日音ノ木坂で待っていようと思ってます。それから先は、前に話した通りです」
『そっかぁ……頑張ってね、海未ちゃん』
私が絵里のことを好きなのは、ことりだけには打ち明けていました。だから、結婚式の日のこともすべて教えていました。
さぁ、おめかしの時間です。
とびっきりの私で、学院に向かいましょう。
二時間ぶっ通しで書いてしまいました……。
英検と漢検の勉強があるのになにをやっとるんだ。
本当は二話で終わりにさせたかったのですが無理でしたね。次には終わりにしたいですが、少々熱が入りすぎました。
音ノ木坂学院の桜の木はオリジナル設定です。
次は甘い話にしたいのですが、難しいですねぇ……。
まぁあまり期待しないでください。
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【絵里×海未】 どんなときもずっと。
今日から学校で部活もあんのに、なにをしているんだろう。
タイトルはパクったわけではないですよ?
パクったわけではないですよ?(威圧
冗談はさておき。
本編をどうぞっっ(@ ̄□ ̄@;)!!
「絵里ちゃーん!そろそろだよー?」
バタンと急に開いたドアから顔を覗かせるのは純白のドレスに身を包んだ穂乃果の姿。高校時代を思い出せばそんな姿になるとは思ってなかったわ。ふふ、意外と似合うじゃない。
可愛いわね。
その一言を私は飲み込んで、おめかしの時間を終えた。
私の衣装はドレスではない。穂乃果が『穂乃果がドレス着る!』と譲らなかった為、必然的に私がタキシードを着ることになったのだ。鏡を見つめてみると、その真っ白なタキシードが輝いている。タキシードを着るのは、『Love wing bell』のとき以来かしら。慣れないものね。
後ろを振り返ると、穂乃果がぽかんとした顔で私のことを見つめていた。今から式を挙げる花嫁とは思えない形相である。口は半開きよ、穂乃果。
「ぅ絵里ちゃん!凄いカッコいいよ!ほ、穂乃果ちょっと緊張してきちゃった……穂乃果のドレスどうかな?に、似合ってる……?」
少し恥ずかしそうに上目遣いでこちらを見つめてくる穂乃果。もう、理性がいうことを聞いてくれないわ。とっても可愛いわよ。
「えぇ、とても似合ってるわ。……ふふっ、ハラショーよ」
私がそう穂乃果に微笑んだら、穂乃果ははにかんで私の方にきて手を掴んできた。そのまま腰に手を回されて、穂乃果の顔がとても近くにある。その感触はすぐに理解できた。穂乃果が私を抱きしめているのだ。
「えへへー、ありがと。ねぇ、心臓の音聞こえる?穂乃果、緊張してドキドキだよ」
目線の下にある穂乃果の顔がもぞもぞと動くたび、くすぐったく感じるけれど、穂乃果の心臓の音の前に私もそれなりに緊張しているのよ。だから、私の音も聞こえちゃいそう。
「もうすぐ始まるわね。……穂乃果、最高の式にしましょうね」
私は穂乃果の身体を引きはがすと、今度は私から穂乃果のことを抱き締めた。でも、今脳裏に浮かんだのは海未の顔だった。今頃待ってるのかな?
私は気持ちを切り替えて、もう一度ぎゅっと抱きしめた。すると穂乃果は満面の笑みで、ちゃんと宣言してくれた。
「うんっ!」
~♡~♡~
時刻は午後十九時五十九分。
私が音ノ木坂学院に来て既に十時間が経過している。でも、待ち人がやってくる様子はなく、校門も閉められてしまった為に、私は校門の前で立ち続けていました。
とはいえ、もう凍え死んでしまいそうで堪りません。二月の夜に野外で立ち続けているなど、自殺行為に近いです。流石にもう限界です。私はその場にうずくまり腕を組みました。
ふと絵里の顔が頭に浮かびました。今は何をしているのでしょう。式は昼頃からとことりが言っていましたから、お食事でもしているのでしょうか。
なんだかそんなことを考えていると、少し悲しくなってきました。もうこの腕に貴女を抱くことはできないのだと思うと、心が痛みます。でも、仕方ないのです。もうやり直すことはできないんですから。
私は立ち上がって近くのコンビニエンスストアに向かいました。本日三回目の店に行き、御手洗いを済ませると暖かいお茶を買いました。この店には少しの食事スペースがあり、少し夕食の足しになるものを買い、そこで頂きました。
(寒いので、まだ戻りたくないです……)
私は店の中で少しのときを過ごしました。
~♡~♡~
「あら、もう九時なの」
私は式を終えて、控室のような場所で一息ついていた。紅茶を片手にスマホを眺めて、海未のことを考える。きっと今はもう帰ってしまったんだろう。もしかしたら学院にすら足を運んでいないかもしれない。電話帳を開いて『海未』という名前をタッチする。電話、かけてみようかしら。そう思って触れようとすると、バタンという音と共にドアが開いた。慌てて電話帳を消して、ドアの方を見るとそこには妹の姿があった。
「あ、亜里沙……」
昔と比べて髪が長くなり、もうおでんが飲み物じゃないということも理解しているようなくらい大きくなった亜里沙。今では本人曰くイケメンの彼氏もいるようで、姉としてはとても嬉しいのだが、いつもの笑顔じゃなく真剣な顔をしている亜里沙に私は違和感を覚えた。
「お姉ちゃん、何してるの?海未さんのところ、行かなくていいの?」
久しぶりに見たそんな亜里沙の顔。亜里沙には私が海未に言われたことをすべて話した。妹だから、という理由ではなく、海未のことが亜里沙は大好きだったから。だから話したのだ。
「もう九時よ。待ってるわけないじゃない」
そうよ、もう待ってるわけ……。
「わからないでしょ!相手はあの海未さんだよ!?どんなに暑くても、どんなに寒くても、なにがあってもどんなときもずっと……海未さんは待ってるよ!海未さんは絶対約束は守るよ。亜里沙はそう信じてる。だから、お姉ちゃん」
ありがとう、亜里沙。
私はもうすっかり諦めてしまっていたわ。そうよ、相手はあの海未なのよ。きっと待ってる。きっと、待っていてくれる。あんなに力強く宣言してたんだから、いないわけないわ。
私はそう言い聞かせ、貴重品だけ持って式場を後にした。
亜里沙には感謝しなくちゃいけないわね。
ありがとう。
~♡~♡~
「もう一日が終わりますね……」
本日四回目のコンビニ訪問を終え、最後にと思い校門に足を進めていました。遅い時間ということもあり、周りにまるで人はいなく少しの光が周りを照らしているだけの空間がそこには広がっています。周りはとても静かで、どこか遠くで響くヒールの音がします。あとは少しの息遣い。こちらに近づいているようです。
「ま、まさか……っ」
私はふとそう思いました。貴女が近くに来てくれているなら、私はもう死んでもいいです。ヒールと息遣いを頼りにして、私は走りました。心の中ではずっと貴女の名前を呼んでいます。
そして音ノ木坂の校門に辿り着いたとき、正体がはっきりとわかりました。
美しい綺麗な金色の髪。スタイルのいいシルエット。すらりとした長い脚。数えればきりがありません。私はもう我慢の限界です。今すぐ貴女の腕に飛び込みたい。すぐに抱き締めてほしい。
「絵里……」
「海未……」
お互いを呼ぶ声が重なり、私は絵里のもとへ飛び込みました。絵里はしっかりと私のことを抱き締めてくれて……。やっぱりとても安心します。
「絵里っ」
もう一度貴女の名前を呼ぶと、背中をさすってくれました。暖かい貴女のぬくもり。とても心地いいです。私も絵里の腰に手を回すと、私の名前を呼んでくれました。
「海未」
「絵里っ、絵里っ」
私は気が狂ったように絵里の名を呼びました。絵里は驚いた顔で私のことを見つめています。それもそうでしょう。ここまで取り乱したのは久しぶりです。
「もう、どうしたのよ……海未らしくないわ」
貴女に会えたことが嬉しいんです!と叫びたいけれど、それは近所迷惑になるので自重しました。でも本当に思っていますよ。
「だって、絵里の所為ですよっ。いつまで待っていたと思っているんですかっ!……凄い寒かったんですよ?もう、絵里のばか」
そう私が絵里に訴えると、絵里が私を抱き締める力が強くなりました。
「そうよね、こんなに冷たくなってしまって……本当はもっと早く来たかったけど、もう海未は帰っちゃっただろうなと思って……でも、亜里沙に諭されたの。海未さんなら約束は絶対守る。絶対待ってるってね」
亜里沙がそんなことを……。なんだか嬉しいですね。
絵里はそのまま続けました。
「だから私は行かなくちゃって思って……本当に遅くなってごめんなさい」
いえ、私はもう絵里が来てくれただけで満足なんです。だから伝えなきゃ。
そう思って、私は一つ深呼吸をしました。なぜか緊張はしません。とてもリラックスしています。もっと緊張するものだと思っていましたが。
「いえ、大丈夫です。……絵里、聞いてくれますか?私の想い」
私が一度絵里の腕から離れ、真っ直ぐと絵里の瞳を見つめると、絵里はゆっくりと、そしてしっかりと頷いてくれました。
「……絢瀬絵里さん。私は貴女のことを愛しています。何があろうと、どんなときもずっと……貴女のこと、大好きです。少しでも私の気持ちを受け入れて下さるのなら、この手を握って頂けませんか」
あぁ、言ってしまいました……。
私は頭を下げて、手を前に出しました。
一瞬の沈黙。
そして、身体が抱き締められました。
「少しじゃない、全部受け入れる。……私も、海未のこと愛してるわ」
そして、絵里の手が私の両頬に触れて、そのままくちづけを交わしました。
私と絵里は手を繋ぎ、私の家まで向かいました。今日一日は、私の旦那さんでいてくれるそうで。先程、『海未は私の大事で自慢の花嫁よ』とウインク交じりに言われたときは、心臓が飛び出そうでした。
今の私、どんな顔をしているのでしょう。きっと頬は緩み切って、口は半開きとかなのでしょう。だらしないけれど、今日くらいは。
「海未の家、綺麗ね」
家に入るなり早々、絵里がそう言いました。至ってシンプルな家だと思いますが。
「ありがとうございます。絵里、そこのソファに座っていてください。コーヒーと紅茶、どちらがいいですか?」
リビングのソファに座ってもらうように促すと、絵里は『前者でお願い』と微笑みをくれました。
コーヒーを飲んでいるときの絵里はとても可愛かったです。
「ねぇ海未」
ふと絵里が私のことを呼びました。でももう遅かったのです。私が絵里のほうを向いた瞬間には、私の口は塞がれていました。
「ん、んっ」
舌が入ってきて、深い深いキスをする。その未知なる感覚に私の脳はもう蕩けてしまっていました。私はそのまま絵里にベットまで連れていかれました。そのまま押し倒されて、もう一度口を塞がれて……。
口を話した絵里は、自分がきているシャツのボタンを片手で器用に開け始めました。
「え、絵里……?」
もう何が何だかわかりません。でも、とても幸せです。
「私、まだ穂乃果のことも抱いたことないのよ」
「え、ええっ」
衝撃発言ですよ、絵里。浮気相手にそんなこと言うなんて。というか、私抱かれるんですね。なんだかドキドキします。
「なるべく優しくするわ。でも、あまりにも海未が可愛くて理性が利かなくなったら……ふふっ、ごめんなさい」
そのままもう一度くちづけを交わして、私と絵里はベットへ沈んでいきました。
後日、駆け落ちをするという案がでましたが、流石に危険なので却下されました。
~END~
マジ眠いんだけど。
おやすみなさい。
次はにこまきあたりを予定。
予定は未定。
寝ます。
宿題もなんとか終わったし。
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※【にこ×真姫】 素直に大好き
こんかいは甘めにしてみました。R15です。
R指定時はサブタイに※印つけるので確認してくださいね。
まぁとりあえず本編をどうぞっ( ;∀;)
※最後の部分が抜けていました。申し訳ありませんでした。
「ゲストの西木野真姫さんと矢澤にこさんでした。ありがとうございましたー!」
あるトーク番組の収録。私、西木野真姫は二つ先輩で恋人のにこちゃんとある番組に出ていました。
え、なんで私がこんなことしてるかって?
私、今は作曲家をしてるんです。医学部を卒業して医者になることも決まってたんだけど、作曲家にならないかって有名な作曲家の方に誘われて……。私がμ'sのときに作曲した曲を聴いてすごい感動したとか言われて……。
半ば強引だったけど、自分自身もやっぱり音楽が好きだからパパにお願いして今は作曲家として活動させてもらってます。そして、“美人作曲家・西木野真姫″とかいう異名までつけられて、最近はテレビの出演ばっか。
そして私の恋人。矢澤にこちゃんは、無事に超有名なアイドルになることができました。とはいえ彼女はもう25歳。アイドルはすでに引退して、タレントとして活動しています。未だその人気は絶えず、たまに音楽番組とかにも呼ばれてる。
そんな私とにこちゃんが共演している理由は、私がにこちゃんに一度きりの復活シングルの作曲をすることになったから。そんなお話をもらったのは、当のにこちゃんだったけど。
収録が終わって、私が携帯弄ってると楽屋のドアが開いた。そこから顔を出したのはスタッフさんの一人。内容は、生放送の打ち上げのお誘い。まぁ、この後は特に予定ないしいいかな。そんな簡単な気持ちで誘いを受けてすぐに店先に向かおうとした。
荷物をまとめて楽屋を出ると、そこにはにこちゃんがいて急に開いたドアに頭をぶつけていた。
「いでっ!ちょ、なにすんのよっ!」
ちょっと怒ってたけど、こういうときは頭を撫でれば落ち着くのよ。ほーら、よしよし。
「ん、もう……別にいいけど。あ、そうだ。真姫、このあと予定ある?」
私が20になる日、にこちゃんは私のことをちゃん付けで呼ばなくなった。なんか私が大人になったから、とかいろいろ言ってたけど、あんまり覚えてない。だってもう3年前だしね。それにその日の夜は……秘密よ?
でも、もう打ち上げ了承しちゃったし……。うーん……。
「あ、ご、ごめんなさい。打ち上げに誘われてて……今日は、ダメかな」
なんだか申し訳なくて下を向いちゃったけど、にこちゃんはどんな反応してるのかな……?そっと上を向くと、そこまで怒ってる顔じゃなかった。
「はぁ……もう、仕方ないわねぇー。今日はおとなしく家で真姫が帰ってくるの待ってるわ。あんまり遅くならないで帰ってきなさいよ?」
もう、という表情でそう言ったにこちゃんは、軽く手を振ってさっさと帰って行っちゃった。ちょっと悲しそうな顔してたな……。なるべく早く帰ろう。そう思って打ち上げに出かけた。
~♡~♡~
ぶるるるるる
び、びっくりした……!部屋に一人も寂しいものね。いつもは隣に真姫がいてくれるから、寂しくないけど。今は打ち上げ行っちゃったから……。
最近私から真姫が離れていくようで悲しい。人気になったからっていうのは分かるけど、共演者の人にも引っ張りだこで最近はろくにデートもしてない。
「寂しいなぁ」
ってつぶやいて、鳴ってる携帯をとった。
画面には【真姫】の2文字。
「よっしゃ」
気づいたらそう言ってたけど、すぐに応答を押した。
「もしもし」
期待していた真姫の声。でも聞こえてきたのは真姫の声じゃなくて……。
「あ、もしもしー。すいません、矢澤にこさんでよろしいでしょうか」
「え、そうですけど。なんで真姫の携帯に?」
まったく状況が読み込めない。ていうか誰なのこの人……。真姫は大丈夫なの?
「あ、申し遅れました。西木野さんと打ち上げに来ていたものですが、西木野さんが一人で帰れないレベルまで酔ってしまって……私どもも家がわからず西木野さんにお伺いしたところ、矢澤さんならということでお電話かけさせていただきました。えーっとですね、今〇〇駅にいるので、ご住所を教えて頂ければそちらに向かいますが」
真姫がそこまで飲むなんて、珍しいこともあるものね。でも近くだし、早く会いたいから迎えに行こうかな。
「迎えに行きますので、少し待っていてもらって大丈夫ですか?すみません」
適当な恰好に着替えて、私は家を飛び出した。
~♡~♡~
「ちょ、ま、真姫……いい加減に」
べろんべろんに酔った真姫を家に連れて帰ってくると、まったく私から離れないのだ。どこに行くにもくっついてるし、酔ってるからか超甘えん坊さん。まぁ珍しいからすっごい私としてはラッキーだけど……。流石に限度ってものがあるでしょ!
「んー、ぎゅー」
もうぎゅーしてるしっ!流石に暑くなってきた。ちょっとくらいなんかしても大丈夫かな?
私はそう思いつき、とりあえずほっぺにキスをしてみた。くすぐったそうな顔をしたけど、嫌がる様子はない。今なら何しても平気かもしれない……。そう思い立っていろいろしてみた。
とりあえず口にキスをしてみよう。
「……ん、真姫」
名前を呼んでみると、舌っ足らずに「にこちゃん」と呼んでくれた。ちょっとずつキスを激しくしていって、舌を入れるまでキスをしてると気付いたら真姫のことを押し倒してた。無意識のうちなのよ?
真姫はちゃんとキスに応じてくれるし、本当に可愛いし今日は最高だわ。よーし、もうちょっとしちゃお。
次に耳に攻撃してみることに。まず真姫の右耳に舌を這わせ、一回ペロッと舐めてみる。
「ひゃぁんっ!」
ヤバいでしょこれ。こんな声上げるなんて思ってなかったけど、予想以上だわ。顔を真っ赤にして少し涙目の真姫が私のことを上目遣いで見つめてくる。ん?なんか口が動いてる。
「なぁに?」
真姫の口元に耳を寄せると小さい声で衝撃の言葉を告げた。
「っ、も、もっと……舐めて」
だめだぁ!可愛すぎでしょっ!
私のなかの何かに火がついたので、もうちょっと舐めることにした。耳たぶを甘噛みして、ぺろぺろ舐めてみる。もっと甘い声を出してよ。私も我慢できなくなるくらい、とびっきりのを。
「ん、ちゅ、ぺろっ……はむっ、んん」
両耳を舐めること軽く十分。真姫の顔は蕩けていて、フルで感じてるみたいになってる。そんな反応をする真姫が可愛くて、私も我慢が利かなくなってる。
「んぁ、あっ!……っあ、あぁんっ!」
“我慢なんてしないでいいから”って耳元で囁いてみたら、身体が跳ねるまで感じちゃって。
だんだんエスカレートしていく私の愛撫ももう止まることなく、そのままソファで一夜を過ごした。
「ん、あぁ……」
カーテンの隙間から溢れこんでくる日差しとピアノの音色に目を覚ますと、赤毛の彼女はピアノを弄ってた。重い身体を起こすと、夜のことが鮮明に思い出されて……。シてた方だからって、流石に恥ずかしいかも。
真姫のもとへ寄ると、どうやらピアノに集中しているようで全然気づかない。後ろから抱きしめてみると変な声を出した。こっちがびっくりするじゃないの、もう。
「な、なにすんのにこちゃん!」
ふんっ、とそっぽを向いたその顔を覗き込んだら顔を真っ赤に染めて。まったく、ほんとに可愛いんだから。
「抱きしめただけよ。……ん」
いろいろ言ってるその口がうるさかったから、唇でふさいじゃった。何が起こったのか分からないみたいな顔してる。そんな間抜けな顔、私以外に見せちゃだめよ。
「ば、ばかぁぁあ!!!」
不機嫌になっちゃったから、コーヒーを淹れてあげた。少し取り戻してくれたけど、その真っ黒なコーヒーにちょっと憧れる。なんでそんなもの飲めるのよ。って思って私も一口。
「うぇっ……苦っ」
舌を出すほど苦いそのコーヒーは、私にはまだ早いみたい。ミルクと砂糖を入れてたら、ふふっ、って真姫に笑われた。
「……なによ、悪い?」
そう言うと、真姫は私に向かって微笑んできた。その無邪気な笑顔に少しきゅんとしたのは私だけの秘密。
「だって、可愛いんだもん」
自然と零れたであろう素直な真姫の気持ちに、また自分の何かが……。
「真姫も可愛いわよ」
少しだけでも素直になれればな。なんてわずかな望みを胸に抱えて、私は真姫にキスをした。
これからはもっと素直に気持ちを伝えれるようになれますように。
どうでしたかね?
初のにこまきでした~
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【穂乃果×海未】 なんでもお願い
本日漢検が終わりました。これで元のペースに戻したい!というところなのですが、一月中は試験づくしでして、来週は英検。週末は学力試験なのであんまり投稿できないと思いますが、気長にお待ちくださいませ。
今回はかなり眠いのでここで一旦切ります。
ほのうみの試験勉強話。海未ちゃんがかなり破廉恥な感じになってます。じぶんで破廉恥です!とか言ってるのにねぇ……。まぁそんなところが大好きなんですけどね!
現在の時刻、9時24分。
「はぁ……先が思いやられますね」
期末試験まであと三日。まったくやる気のない穂乃果の家に泊まり込みで勉強を教えていますが、まったく進む様子がありません。一体どうしたらいいのでしょうか……。
「うーみーちゃーん!おなかすいたぁーっ!勉強疲れたよー」
かれこれ一時間。そんなことばっかり言ってる穂乃果に罰を下さなくてはいけませんね。身体に直接何かをすれば、少しはおとなしくなるでしょうか……。
「穂乃果、いい加減にしないと……ほら」
穂乃果を後ろから抱き締め、耳に息を吹きかければイチコロです。穂乃果は甘い声を上げて、身体をくねらせました。
「んぅ……海未ちゃんっ、いじわるしないでよ」
上目遣いで見つめてくるものですから、少し理性に攻撃が……。いえ、まだまだ戦いはこれからです。
「勉強に集中できない穂乃果が悪いんですよ。ほら、ここは……?」
腰回りを撫でると、ぶるっと身体を震わせてくるのが可愛くて……。もう堪りません。
「そんなことされたらっ、集中なんてっ、できないよ……」
シャーペンを持つ手が震えていて、まともに字が書ける様子ではなさそうです。穂乃果の右手に自分の手を重ねてみると、とても震えているのがわかります。
「じゃあ集中できますか?」
そう囁くと、コクコクと頷きました。とはいえ、私の理性メーターはそろそろ限界です。なにかしてしまいそうで……。落ち着かなければ。
「では、これから一時間。静かに勉強に集中できたなら、なんでも一ついうことを聞きましょう。できる範囲で、ですが」
私がそう告げた瞬間、穂乃果の顔色が変わりました。ギュッとペンを握って、テキストに真っ直ぐ目を向けています。そんなに私に言うことを聞かせたいのでしょうか。
「ほんとに、ほんとになんでも聞いてくれるんだよね……?海未ちゃん」
振り返って顔を近づけてくるものですから、『ぅえ、えぇ』と曖昧な返事になってしまいましたが。でも穂乃果が勉強してくれるなら嬉しいですね。
一時間後にどうなっているか、とても楽しみです。
~♡~♡~
「んあーっ……疲れたぁー!海未ちゃーん、一時間経ったよー?あれぇ?」
穂乃果がまじめに勉強してたら、海未ちゃん寝ちゃったみたい。後ろからすーすーって寝息が聞こえてきて、なんかすごいドキドキするかも。よく考えたら穂乃果と海未ちゃん、夜に部屋で二人っきり。ちょっと……ううん、かなりドキドキするよ……。あ、海未ちゃん風邪ひいちゃうかなぁ……。
「んん……ほ、のか……」
ドキっ……!
い、今穂乃果の名前呼んだ……?呼んだよね!うそーっ!海未ちゃんに寝言で名前呼ばれちゃったぁ……。
と、とにかく。海未ちゃんが風邪ひいたら大変だから、ベットに寝かせてあげなきゃ。そう思って穂乃果は海未ちゃんの肩をゆすって声をかけました。
「海未ちゃん、海未ちゃん風邪ひいちゃうよ?起きて起きて」
「ぅ……あ、すみませんほ、のか……寝てしまっていたみたいで……」
目をごしごししながら申し訳なさそうに立ち上がった海未ちゃんは、ふらふらとベットに倒れこんでそのまま寝ちゃったみたい。少ししたら寝息が聞こえてきたから、今日はちょっと早いけど穂乃果ももう寝ることにしよ!
おやすみ!大好きだよ、海未ちゃんっ!
穂乃果はこころの中でそう呟いて、海未ちゃんのおでこにそっとキスを落しました。
穂乃果の運命がどうなるのかは、次回に回します。
とりあえずミルキィホームズの『オーバードライブ!』を聴きながら、みるみるミルキィ見てねますかね。
みなさまおやすみなさい。
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【穂乃果×海未】 夕焼けの想い出。
今日の部活がしんどすぎて結構眠いんですけど、結構自分でもいい話かなって思います。自画自賛ですけどね。
みなさんがどう思ってくれるかはわかりませんが……。
期末試験・最終日
最終試験、テスト中にて。
「……はぁ」
期末試験の最後の数学のテスト、斜め前の穂乃果をふと見て思わず溜息をついてしまいました。だってテスト中ですよ?それなのに、それなのに寝ているなんて……。泊まり込みで教えて少しはやる気になったかと思えば、試験中これじゃ何の意味もありません。なんだか悲しくなります。
試験時間は50分。そして残り時間は35分弱。
試験を解き終わり、見直しをして残り20~10分ほどで寝ている生徒はよくいます。ですが今回は問題が多く、私ですら解き終わっていないのに苦手な穂乃果が終わるとは思えません……。解き終わって見直しを終えたら、観察してみましょう。
なんとか解き終えて見直しを終え、解答用紙から時計に目を移すと残り時間は10分弱でした。今回の数学の問題は計算と、複雑な問題が多くかなり時間を要します。まだペンを動かしている生徒も少なくはありません。そして穂乃果に目をやると、頭が完全に下に下がってしまっていました。
「……はぁぁ……」
もうダメなのでしょうか。なんとか睡魔に勝って、問題を解いてください!
~♡~♡~
部活が終わった後。
「海未ちゃぁ~ん!機嫌直してよー!穂乃果が悪かったって……」
試験が無事に終わってホッとしてたのに、二人で下校中に海未ちゃんに怒られちゃった。穂乃果だって好きで寝たわけじゃないよ~!昨日、っていうか今日まで勉強してたから眠くなっちゃったって仕方ないよ……。で、でも半分以上は書いたんだよ?今回頑張ったから、問題を解くスピードも速くなったんだよ?前の穂乃果だったら、半分も終わってないと思う!自慢できることじゃないけどね……。穂乃果ってもしかして、『やればできる子』なのかなぁ~!!
ことりちゃんは教室で『しょうがないよ』って慰めてくれたけど(ほんとに慰めてくれたのかな?)、海未ちゃんは教室からずっと怖い顔してる。
「あんなに頑張っていたのに……自分でそれを台無しにするなんて悲しくならないんですか?」
うぅ……。やっぱり自分の時間を無駄にされちゃったから、怒ってるのかな……。海未ちゃんに悪いことしちゃったなぁ……。
「ごめん、海未ちゃんがせっかく教えてくれたのに」
下を向いて小さい声で『ごめんなさい』ってもっかい呟いたら、急に海未ちゃんに頭を撫でられた。びっくりして頭が起こったことに追いついてない。
「そんなに気を落とさないでください。別に私はそんなこと何も気にしてないですよ。それに穂乃果に迷惑かけられるのはもう慣れっこなんですから。逆に穂乃果に迷惑をかけられるのが、私の日課みたいなものです。……私は穂乃果がしっかりと目標をもって勉強をして、試験に臨んでくれたことが素直に嬉しかったんです。だから私はそれを無駄にしてしまった穂乃果がどう思っているのか。それが心配なんです。穂乃果が低い点数をとったって、今回は頑張ったんですからいいじゃないですか!私からすれば、穂乃果の数学の点数は100点ですよ……?」
う、海未ちゃん……!海未ちゃんがこんなこと言ってくれるなんて思ってなかったよ!
なんだか今日は嬉しくてなんでも出来ちゃいそう!
あまりにも嬉しくて、目頭が熱くなっちゃった。泣いてるところ見られるのは恥ずかしいなぁ……。
「海未ちゃん……ありがとうっ!」
穂乃果は思わず海未ちゃんに抱き着いちゃった。海未ちゃんは凄い動揺してたけど、穂乃果は嬉しすぎて海未ちゃんのほっぺにすりすりしちゃったぁ……。えへへ……。
「……もう。あ、そういえば……あの件については、決めましたか?」
へ、あの件……?
「ええーっと……なんだっけ?」
穂乃果がそう言ったら海未ちゃんはガクッとした表情を浮かべちゃった。だってほんとになんのことかわかんないんだもん!
「忘れたんですか?まったく……勉強を一時間頑張ったら、なんでも言うことを聞くという話です」
あぁ思い出した!
ほんとはいい点が取れたら告白しようって思ってたけど、無理そうだしなぁ……。
「あーっ!どうしよー」
なんにも考えてなかったからなぁ……。すぐには思いつかないよ。
「別に今日でなくともいいんですよ?ゆっくり考えた後でも―――」
海未ちゃんが言い終わらないうちに咄嗟に穂乃果は叫んじゃったみたい!
「今日言う!伝える!次のテストで90点以上取ったら穂乃果は海未ちゃんに告白します!だからずっと穂乃果のそばに―――穂乃果の隣にいてくださいっっ!!」
気づいたらとんでもないこと叫んじゃってたみたい。思い出すだけで恥ずかしいよ。これじゃまるで、愛の告白みたいじゃん……。まぁいずれはするんだけどさ。
海未ちゃんは呆気にとられた顔をしてて、次第に穂乃果の言葉の意味を理解したみたいで顔が真っ赤に染まってく。なんか穂乃果の顔から湯気が出てるみたいに顔が熱いよ……。
「ほ、穂乃果……え、えぇっと。こほんっ……あ、えっと。も、もちろんですっ……」
下を向いて、赤くなった海未ちゃんの口からこぼれたその言葉に、穂乃果はちょっと我慢できなくなっちゃって。ぎゅって抱きしめた。
嬉しくて抱きしめたときとは違う。心の底から海未ちゃんのことを想ってる気持ちが聞こえちゃうくらいくっついて、優しく、強く抱きしめた。
静かな住宅路のなか。海未ちゃんの顔は見えないけど、心臓の音が聞こえる。ドクドクドク―――って、凄い速い鼓動。きっと穂乃果もこんな感じなんだろうなぁ。
「海未ちゃん……大好き」
「わ、私もっ……私も穂乃果のこと、す、好きですっ……」
海未ちゃんの声は震えていて、緊張してるのがわかった。なんだかこういうのって初めてで、凄い。
「ちょっと我慢、してね―――」
そう言って海未ちゃんの唇に自分のそれをそっと重ねた。
夕焼けの住宅路、影に映る繋がれた二つの手は、二人の中で大切な想い出になった。
この話の後日談はまた今度書きたいって思ってます。いつになるかは未定ですが。
なんかヒガンバナ見てたら妄想が進んで、にこえりのネタが浮かんだんで次はそれになるかもしれないんですが、内容が鬱ネタなんでちょっと悩んでます。
あらすじのとこに説明追加しておく予定です。よければご覧ください。
明日は一日外にいる予定なので、投稿は難しいです。
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新企画企画書①
今回は授業中に考えたネタ的な新企画や今後やろうと思っていることをまとめてみました。優先的に見てみたいというものがあれば、教えてください。なるべく早く実現できるよう頑張ります。
今回は別に見なくても大丈夫です。
①成人にこえり鬱ネタ 【完】
かんたんなあらすじ↓
学生時代から恋人関係にあったにこと絵里。だが二人が25歳になったある日、絵里はにこから別れ話を切り出される。理由を訊いても何も答えてくれないにこ。絵里は戸惑い仕事にも身が入らなくなっていた。
一週間後、久しぶりに会った希に聞いた衝撃の事実。それは『にこが結婚する』という知らせであった。
あらすじを書くのが苦手なもので……。すみません。これだけ見たら、なんで鬱ネタ?と思われるかもしれませんが、それは投稿されてからのお楽しみということで。
②本当に穂乃果と絵里が結婚して幸せな家庭を築いていたら。
海未に不倫されてしまった不憫な穂乃果ちゃん。ということでちゃんとえりちと結婚させてみようと思いました。まぁこの話はただ新婚の二人がいちゃいちゃしているだけの話になるので、後回しかもしれません。ごめんなさい。だってにこえりのことで頭がいっぱいなんですもん。
③もし〇〇が〇〇だったら(したら)シリーズ 【没】
よくあるかもしれないやつ。みなさんに誰が、と何をに分けて送ってきてもらって私が面白そうな感じにくっつけてみてネタにする話。
例↓
もしμ'sが男の子だったら
もし海未が穂乃果だったら
もしμ'sがポケ〇ン世界の登場人物だったら
みたいな感じでやっていきます。まぁこれじゃあんまりおもしろくないんで、皆さんにエロネタでもなんでも送ってきてくださいね。なにも来なかったら自然消滅すると思いますよ。よろしくお願いします。
④もし〇〇が〇〇に〇〇したらシリーズ 【没】
上とあんまり変わりません。誰が、誰に、何をに分けて送ってきてくださいね。
⑤オリ主で物語 【この案は没】
これはいつかやろうと思ってました。とりあえず俺くんを考えなくちゃいけないんですけど、二パターン考えたんでどうにかして二人使おうと思ってます。もちろん音ノ木坂は共学設定で。名前を仮名なんでなにか良い案があれば。後者は『海』と『未』が入らない名前でお願いします。
【学生】
吉川柊也(よしかわしゅうや)
穂乃果たちと同い年で、中学からの同級生。サッカー部の10番だがベンチ。中学時代に脚に重傷を負った後、完璧なプレーができなくなった。穂乃果たちのことは知っていたが、特別仲がいいわけではなくたまに話すほどの仲。思ったように動かない脚を引きずり荒れていたが、真剣な穂乃果たちを見て目を覚ます。
【先生】
逢澤裕翔(あいざわひろと)
音ノ木坂学院の数学教師であり、海未の兄。μ'sメンバー以外には、海未の兄だということを隠している。面倒見がいいのが長所で、生徒の質問などにもよく親身になって答えている。男子生徒にも人気はあるが、イケメンのため女子生徒の人気が高い。本人は知らないが密かにファンクラブもあり、μ'sの一人もファンクラブに所属している。ちなみに彼女持ち。
裕翔から見て柊也は従弟ということにしておきましょうかね。
基本的に原作は無視していきます。いつ始まるかは未定ですが。
なにかあれば質問お願いします。
次の予定はにこえり一話です。長編になるかもしれないです。わざとのばすかも。
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※【にこ×絵里】 別れ
物語が動き始めましたね……。
にこがいるとエロくしたくなるんですよね
「ひぁっ……え、絵里ぃっ」
指を掻き回す度に跳ねて痙攣するその小さな身体が可愛くて。ついいじめたくなっちゃう。普段は強がって弱みを見せようとはしない。学生のころからそうだったわね。なんでも一人で抱え込んで爆発しちゃう。どこか自分と似ているあなたに、少し親近感を覚えたの。今ではこんな関係になっているけど。
「可愛いわ、にこ。……もっと感じていいのよ……?」
耳元で囁いて耳たぶを舐め回し、甘噛みすると声を我慢して下唇を噛んでる。そんなに我慢しなくていいのに。ここは家よ?二人だけの場所なんだから、遠慮することなんてないのに。
にこの嬌声と淫靡に響く音だけが寝室に広がっていた。
「んっ、あぁ……!ひぅ……っ……あっ、あぁっん!」
ちょっと激しくしただけで軽くイっちゃったみたい。いつからこの子はこんなに敏感になってしまったのかしら。わたしはこんなに調教した覚えはないわよ。
「あら、イっちゃったの?……もう、早いんだから。ほらっ……もっと」
少し指の動きを早くしたら、流石に我慢が利かなくなったみたいで、大きな声を上げて私の身体に抱き着いてきた。両腕の力が強くなるたびに、イきそうなのが分かる。ほんと可愛い。もっと啼いてよ。もっと、もっと……!
「あっ……ひぁぁんっっ!っぅ……んあぁぁんっっ!」
さっきより激しく身体を震わせて、甲高い声を上げて絶頂に達したにこはなんともいえない表情を浮かべていた。頬は真っ赤に染まり、身体全身や顔からは汗が噴き出している。ベットのシーツにはにこの愛液と思われるしみが大きく広がっており。部屋の中にはそのようなにおいが充満していた。
倒れこんだにこの身体を前から優しく抱きしめたら、両足が微かに震えてた。それだけ気持ちよくなってくれたってことだから、私としては嬉しいのだけれど。
「ふふ、大丈夫?ちょっと激しすぎちゃったかな、ごめんなさい……にこ」
頭を軽く撫でたら、私の身体を抱き締め返してくれた。全然力が入ってないから、それほど今日はやりすぎちゃったみたい。
「……しばっか」
にこが何か言ったみたいだけど、よく聞こえなかった。細々とした声は、においにかき消されてしまったみたい。『どうしたの?』と聞き返すと、ちょっとの力で私を押し倒そうとしてきた。でも今の力じゃ無理だろうと思って、半分自分の力で押し倒される形をとった。
するとにこは、私のYシャツのボタンを外してブラまで外してきた。急にブラを下げられるものだからびっくりして変な声を上げちゃったけど、そのまま胸を舐められちゃったから更に声を上げることになったけど。
「ん……ちょ、ちょっとにこ。急に、どうしたのよ……?」
言っても聞かないから流れる時に身を任せていたけれど、じっとしてたらベルトにまで手をかけられちゃった。
「私ばっかり、ずるいの。絵里も、気持ちよく……なって」
一生懸命な姿にドキッときちゃって、もうこのままなのもいいかもしれない。そう思った私は、にこの唇にそっと唇を伸ばした。
~♡~♡~
いつ切り出そうかって悩んでた。ずーっと悩んでた。エッチの最中もずっと。
でも、これだけはちゃんと絵里に伝えなきゃいけない。もうエッチもできなくなる。抱きしめてもらうことも、キスすることもできなくなっちゃう。でも、伝えなきゃいけないの。
ぶっ通しでエッチしてたから、私も絵里もベットに倒れこんでた。もう身体は限界。私は一人で歩けないくらいかもしれない。そのくらいシてたってことだから、最高記録更新かも。
放り投げられてた絵里の手を握ったら、こっちに寝返りをうってくれた。私のことをいっぱい気持ちよくしてくれたから、凄い疲れてると思う。実際疲れてるはずなのに、微笑んでくれた。
つらい、つらい、つらい。絵里に伝えるのが苦しくて、すごくつらくて……。
そう思ってたら、涙が零れちゃった。
それが絵里に見られちゃって、心配そうな顔でよしよしってされたらもうとまらなくなっちゃう。
「私、絵里のことがだいすきなの。愛してるの。自分でも、なんでもっと早く気づかなかったのかなって思うほどに大好きでね。ずっとこうしてたい、抱きしめててほしいの。普段は全然素直になれない自分が大嫌いだったけどね、それでも絵里は私のこと好きって言ってくれて……。すごくつらいし、言いたくないし、苦しいの。悲しい、離れたくないっ!絵里のそばにずっとずっといたいのに……それはできないの……ごめん、なさい」
感情が溢れて、止まんなくなっちゃったから伝えちゃったけど。
「絵里っ……別れよ……」
そう言って、無理やり足を引きずり服をもって絵里の家を飛び出した。
それから二週間、絵里から一切の連絡が来ることはなかった。
にこはなぜ、絵里と別れなくてはいけないのか……
そのわけは、二話で……!
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【にこ×絵里】 ”結婚”
「はぁぁぁぁ……」
カタカタとキーボードをタイピングする手も進まず、仕事にも身が全く入らないここ最近。にこに別れをつげられてからというもの、私、絢瀬絵里はズタボロの生活を送っていました。
「だめだなぁ、こんなんじゃ」
夜はにこのことを思い出して、自慰にふけるばかり。持って帰った仕事なんて手を付けられない。こんな生活じゃダメだってことくらい分かってるつもりだけど、にこに触れたくて仕方ない欲求が自分に向かっている。にこがいないとこんなになっちゃうって知って、にこがいないとダメなんだなぁって自覚させられちゃう。
気分転換に会社のカフェテラスへと足を運ぶと、そこには予想外の人物がいた。
「やっほー、久しぶりやなぁ……えりち!」
紫色の髪、結ばないで下してある姿は久しぶりに見る。一年どこかに行ってしまっていて連絡も寄越さないから心配してたのに……。急に現れて、しかも会社に来ちゃうなんて!
普通の社員に混ざって普通にしてるから、最初わかんなかったわよ。馴染み過ぎよ、希。
「の、希!?何やってるのこんなところで!びっくりするでしょ、もうっ」
とりあえず希が座っている席に腰を掛けて、話を聞くと、あることを私に伝えにきたらしい。
「あ、あることって……なに?」
希の口から出た言葉は、衝撃の二文字だった。
「にこっち、結婚するらしいよ」
~♡~♡~
「ただいま……」
午前4時38分、家に帰宅したのはそんな時刻だった。急いで絵里の家を飛び出してきて帰ってきたけど、帰ってきたところで何かあるわけじゃ……ないんだよね。
「おかえりー、にこ」
笑顔で駆け寄ってきて、抱きしめてきたその男。
「……ん、俊哉」
私、矢澤にこの婚約者です。
妹たちのために学費を稼ごうと頑張っていたけれど、アイドルとタレント活動だけじゃ足りなくて。ママにはかっこ悪くてそんなこと言えないから、金持ちと結婚するしかないのよ。ここあ、こころ、虎太郎にいろいろなことをしてほしいから、少し無理してでもどうにかしなくちゃいけないの。
普段はこんな顔してるけど、本性はただの暴力男。私が帰るのが遅くなれば殴られ叩かれ……。挙げればキリがないくらい。そんなことをされても、私はやらなきゃいけない。それでも私は……。
悲しいことや苦しいことを考えると、頭に浮かんでくるのは絵里の顔。本当は私だって別れたくない。でも、俊哉に絵里のことがばれてしまった以上、付き合い続けるのは無理。今だって、ほら……。
「なんで遅くなったの?もしかして、また絢瀬さんのところに?」
隠したって私がほんとのことを言うまで、自由な時間はやってこない。そんなの嫌だし、第一そんなことしてる暇はない。明日の収録の打ち合わせをしなくちゃいけないんだから。
「……そうだけど……ぐあぁっ……!」
案の定、俊哉のこぶしが私の鳩尾にヒットする。めり込んでくるような強い力。貫通しちゃうんじゃないかな、って思ったこともあったけど、もう最近は思わなくなった。
「いい加減に俺の言うこと聞いてくれないとさ、困るよ。にこのこと、考えてんだよ?勝手なことされたくないから。……言ったよね?日付が帰ってくるまでに帰ってこなかったらダメだって」
「……っ、知らないわよ……はぁっ、私仕事あるから、離してよっ」
引き剥がそうとしても、腕をグイッと掴まれてしまって自室まで向かうことができない。
「いやだね。今日は一日俺の言いなりになってもらうよ。……ほら、ベット行くよ?」
それとコイツは性欲の塊でもある。毎日のように犯されまがいのことをされ、いい加減に限界がきている。誰かに助けてほしい。絵里に助けてほしいけれど、それはもうできないんだよね。だから今日も、耐えるしかない。
抱きかかえられ、私はベットへと連れていかれた。
~♡~♡~
「結婚って、ど、ど、どういうことよ!?」
突然押しかけられて、突然結婚だなんて言われても頭が追いつかない。にこが結婚する……。ダメよそんなこと!にこは私の恋人で……って、もう違うんだったわ。
「そのままの意味やん。お金持ちの御曹司さんと結婚するって聞いたんやけど、えりちがいるのににこっちが結婚なんて、考えられへんよ。ウチ、絶対なんかあると思うんよね。……ここは一度、にこっちに話を聞く必要がありそうやん」
妙にノリノリな希はよくわからないけれど、私の心には”結婚”という言葉が重くのしかかってきていた。
「……にこが、結婚。そんなぁ……」
にこと別れて仕事のやる気もなくしたというのに、こんなことが重なったら更にできないわよ。にこの”元”恋人がそんなこと許すはずないでしょ。
にこが結婚?認められないわぁ。
にこには会いたかったけれど、このことを訊きたくて更に会いたくなってしまった。でもさすがにそんなこと、できない……。仕事の休みはいらないと思ってすべて仕事を入れてしまったし。もうダメだわ。
「とにかく、ウチがにこっちのことよく調べておくから、えりちは精神の維持と仕事を頑張るんやで」
そう言うと希は席を立ち、私に手を振っととっとと去っていってしまった。
デスクに戻り、仕事をしていると気付けばもう午後七時を回っていた。私は仕事を片付けて帰路についた。
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※【注】【絵里→にこ×真姫】 Sweet Night
今回は進行中のにこえり小説の続き、ですが絵里は出てきません。
絵里とにこが別れたあとのにこサイドでのお話です。
今回も甘めにしてみたつもりなんですが、前振りがかなり長いです。前振りはシリアス目で、今回も暴行表現ありです。いわゆるDVですね。
私の初恋は、高校一年のとき。
初恋を自覚したのは、進級して少し経ったあと。
初恋をあきらめたのは、三年生になった頃。
音楽室でピアノを弾いているときに、穂乃果に誘われて始めたスクールアイドル。
今思い出せば、とても懐かしくて――あの頃は幸せだった。自分の気持ちに気づくまでは。
二月上旬。
「……ふぅっ……んんーっ……」
手術の執刀が終わり、数時間。私、西木野真姫は病院内の自室で休憩中。コーヒーをすすりながらファッション誌を眺めてぼーっとしていた。今日は二件続きで執刀。疲れが急に襲ってきたのだ。
まだ23歳だが、それなりに経験は積んだつもり。パパ……じゃなくて、お父さんのおかげというのもあるけれど、簡単な手術なら執刀してきた。もともと少し勉強していたというのもあるけれど、高二の夏が終わるころから猛勉強していたせいか、志望校の医学部にも一発合格。医師免許もすぐに取ることができた。
最近は幸いなことに執刀することが多い。”親が医者だから”という理由でなった医者も、まだ年月はそれほど経ってはいないけど、やっているとやりがいを感じてくる。人を助けられたときは達成感や安心感、なによりご家族に感謝をされること。それがなによりも嬉しい。
ファッション誌を読み終わり、デスクに置いてある別の雑誌を取る。それは何種もあるなかのある芸能誌。表紙には大きなピンク色の太字で『元超人気アイドル・現在はタレントとして活動中!矢澤にこ、スペシャル特集』とある。気分転換に書店に立ち寄った昨日。ふと気になり雑誌コーナーで見つけたこの一冊。気づけば迷うことなくレジへと運んでいた。
”あきらめた”
そう思っていた私の初恋にして、最後の恋。
やっぱりまだ未練があるのかな。手にしたその雑誌の表紙を開くと、トップには満面の笑みの矢澤にこ。何とも言えない気持ちになった私は、表紙を閉じ自室のゴミ箱へ落した。
”力が抜けた”というほうが正しいかもしれない。これ以上見ているのがつらかった。
学生時代、三年生が卒業すると同時にμ'sを解散すると決め、九人だけの海で宣言したあの日。気づけばにこちゃんに向かって放っていたあの言葉。今でも深く心に残っている。
『にこちゃんたちのいないμ'sなんて嫌なの!』
今思えば、バカみたいと思う。
卒業はいつかは必ずやってくる。考えれば分かることだったけど、あの頃はまだ子供だったからその考えには至らなかったのかもしれない。
にこちゃんたちがいなくなるのは、悲しかったし、寂しかった。でも、自分の心にはその感情とは違う”何か”があった。それが何なのかはわからなかったけど、三年生が卒業したあとはかなり精神が不安定だった。
卒業したあとも三年生に会えなくなるわけじゃないけど、やっぱり寂しい。そう思ってた。
でもにこちゃんのことを考えると、心がキリキリと痛んだ。
にこちゃんに会いたい。
にこちゃんに触れたい。
にこちゃんを抱きしめたい。
にこちゃんと――
そんな願いばかりが頭に浮かぶようになって、次第にやっと自覚したんだ。
”私は矢澤にこが好き”
でも自覚した瞬間、私はあきらめた。
常識的に考えて、同性愛というのは世間的にはあまりいいこととはいえない。
気持ち悪い、そう思って軽蔑してきた私。
でも、そう思われる側の感情を持った私は、にこちゃんに伝えることなんてできないと思った。伝える勇気もなければ、まず怖くて言う気にならない。”当たって砕けろ”なんていうけれど、実際このことでは砕けたらもう終わりだろう。と思っていた。
正直逃げているだけだったと思う。にこちゃんに嫌われる、軽蔑されるのが怖い。と思っていたし、他のメンバーや両親、身内に知られたくはなかった。
ふと告白――というか、”好き”と伝えたことは二回あるけれど、あの時はにこちゃんにも”私も真姫ちゃんのこと好きよ”と、適当に流されてしまったから。
でもまだ迷っていた。
頭の隅には”告白する”という選択肢も残っていたけど、あの人の言葉で追い打ちをかけられた。
穂乃果たちも卒業した頃、にこちゃんはアイドルになるべくオーディションなんかを受けまくっていたようで、会えない日が続いていたのだけれど。
ある日、いつも通りの学校生活が終わり帰宅しようとしていると校門から見知った姿が現れた。
『久しぶりやな、真姫ちゃん』
『の、希……」
一年ほど会っていなかった為か、最初は希だと認識することができなかったけど。
希は少しだけ。たったそれだけ言ってとっとと帰って行ってしまったけれど。
私をその場で崩れさせるには十分だった。
『唐突やけど、真姫ちゃん。こころして聞いてな。えーっと、正直に肯定か否定で答えてな』
『真姫ちゃんの好きな人は、にこっち』
『その恋はあきらめている』
『でもあきらめきれていない自分がいる』
『今も好き』
圧倒されていたからかもしれないけれど、私はうんうんと頷くことしかできなかった。
『えっと、にこっちがアイドルとしてデビューすることが正式に決まったんよ。それで、伝えておこうと思って。知らなかったかもしれないんやけど、にこっちはえりちと高校時代から付き合っているんよ。現在進行形でな。……真姫ちゃんがにこっちに告白するのは自由やけど、今はやめておいたほうがいいと思うで』
そう言って希は去っていってしまった。のだと思う。
実際このことははっきり覚えていないのだ。現実だったのかもしれないけれど、夢だったのかもしれない。いつまでも結論が下せない私に、私自身が告げたのかもしれないけれど。私はその場から数分動けなかった。
別に絵里に嫉妬しているとかそういうのではない。むしろ絵里には感謝している。私の恋にピリオドを打ってくれたのだから。
結局、それから今まで希とは会っていない。にこちゃんとも。絵里とも。
気づいたら、自室で一人で泣いてた。ゴミ箱から雑誌を取りだして中をみる。久しぶりにみるにこちゃんの姿。素直に愛おしい。そう思った。
会いたい、にこちゃんに。
少しの希望を持って、私は自室を出た。
立ち寄ったのは小さな穴場のバー。カクテルを頼み、うとうとしたりぼーっとしていると、気づいたら数時間経過していた。
(何してるのかしら……私)
もう帰ろう、そう思って会計を済ましバーを立ち去った。
特に空腹感もなかった為、どこにも寄らずに帰ろうとしたとき、死角のところから出てきた女性と激突した。
女性はその場でしりもちをついてしまって、私が手を差し伸べると軽く立ち上がった。
「すみません……大丈夫ですか?」
女性はサングラスをかけていた。夜なのに、とも思ったが顔を隠したい職業なのかもしれない。
私の問いには”大丈夫です”と返してくれたのだが、その声には聞き覚えがあった。
昔、よく聞いた声。好きな声。好きな人の声。今一番会いたい人の声。
にこちゃんの声。
そう思った。
そしたら私にも気づいたみたいで、サングラスを外してこちらをじーっと見つめてきた。
そして、互いを呼ぶ声が重なる。
「にこ、ちゃん……」
「真姫ちゃん……」
にこちゃんとの再会を果たしてから、一時間くらいして私の家に来ていた。にこちゃんも私に久しぶりに会ったからか、話したいこととかがいっぱいあったみたいで家に呼んだら軽くOKしてくれた。
にこちゃんは、雑誌なんかで見るより断然可愛くて、綺麗で。見惚れるほどだった。
せっかく再会できたんだし、私はもう砕けちゃっていいや。と思ったわ。正直、にこちゃんに会えたことがすごい嬉しかったんだけど、もう気持ちが抑えられないの。
今日、告白する。
三度目の正直よ。
にこちゃんに色々話を聞いた。全部聞いた。にこちゃんは泣きながら話してくれた。
にこちゃんがどんどん話をするものだから、告白するタイミングを逃してしまったけれど。
私はにこちゃんが自分の口から全て、全て話してくれたのが嬉しかった。
高校時代から絵里と付き合っていたこと。アイドルやタレントになっても、ずっと交際を続けていたこと。身体を重ねる仲で、どんどん絵里から離れられなくなっていったこと。でも妹や弟の為に、望んでいない結婚をすることになったこと。絵里には結婚のことは伝えず、突然別れを告げて飛び出してしまったこと。そのことを後悔していること。婚約者の人に暴力を振るわれていること。必ず自分の手で、妹と弟を大学卒業させるんだ。だから、それまで私は耐えるんだ。って……。聞いている方が辛くなる内容だった。でも、にこちゃんは話してくれた。真剣に話してくれたその姿は、誰よりもカッコよかった。あの決意は、きっと誰にも負けないと思う。
にこちゃんは数時間かけて余すところなく話してくれた。
二月とはいえ、かなり着込んでいたにこちゃんの身体はもうボロボロだった。医者の私から見たら、もう身体は限界なはず。一般人から見たって、相当ひどい傷。
切り傷のようなものもあれば、火傷のようなもの。青アザや煙草を押し付けられたような痕。両腕には切り傷が多数。目を背けたくなるようなものばかり。
私はにこちゃんに伝えた。無我夢中で叫んでた。
「一生残っちゃうわよ、こんな傷。今すぐ病院に行って、警察に行かないと!私が治す、治すから!このままじゃ、このままじゃっ……にこちゃんがっ……!お願い、お願いだから……!お金なら私が出すわ、もうにこちゃんに辛い思いさせたくないのっ!お願い、お願い、もうやめてよ……」
にこちゃんの手を握る力が強くなっていって、自分がそのとき何を言ったかは覚えてない。ただ、にこちゃんを助けたくて必死に叫んだことは覚えている。
でもにこちゃんは、泣きながら私のこと抱き締めてくれた。声は震えてた。身体も、震えてた。
それでもちゃんと宣言してくれた。安心させてくれた。
「私は……大丈夫よ」
今まで見たことないような笑顔で、ほほえみをくれた。
「あ、あのねにこちゃん……話があって」
にこちゃんが落ち着いて、お風呂に入ったあと、私はついに告白を切り出した。声が震えちゃって、ちゃんと伝えられるか心配で……。でも、きっと大丈夫。どこからくるのかはわからないけれど、今の私は自信に満ち溢れてる気がするから。
髪を梳かしているにこちゃんは、『んー?』と声を出した。私たちは今、ベットに座っている。私はにこちゃんの横に座り直すと、真剣な顔で向き直った。私の表情を見て察したのか、にこちゃんも一度梳くのをやめる。
「突然で申し訳ないんだけどね……うぇぇ、えっと……わ、私にこちゃんのこと……」
”好き”
その二文字を一瞬”躊躇った”――わけではない。
”喋れなかった”というほうが正しいだろう。
なんせ私の口はにこちゃんに塞がれたのだから。
「……ん……んぁっ、ちゅっ……はむ」
最初は起こったことがわからなかった。でも、自分の口ににこちゃんの舌が入ってきたときに状況を理解することができたんだ。
あぁ、私……、にこちゃんに”キス”されてるんだなぁ。
別にキスが初めてなわけではない。それでも、こんな熱いのはじめてで……。きっと顔は真っ赤よ。
「……ふぁぁっ、んんっ……ちゅ、ん」
にこちゃんに応えるように、頑張ってみるけれど……。にこちゃんのキスが上手すぎてそれどころじゃない。脳内がトロトロになっちゃうくらい、甘い甘いキス。私たちはずっとキスを続けていた。
先に唇を離したのはにこちゃん。唇を離して周りについた唾液を舐め取られる。にこちゃんって、こんなキャラだったのかな……?
「真姫の唇、すんごい甘かったわよ」
その表情に思わずドキッ、と大きく心臓が高鳴った。一瞬にして鼓動が早くなるのを感じる。”真姫”って呼び捨てにされるのも、意外といいかもしれない。
でも唇を塞がれちゃったから、結局告白できてないまま。どうしようって、思ってたらにこちゃんが私のシャツの襟を掴んでグイッ、って引っ張ってきた。その体制は、まるで私がにこちゃんを押し倒しているようで……。
「ちょ、ちょっと……にこちゃん」
こんなことしたことないから、どうしたらいいのか分かんないけど、とりあえず気持ちを伝える。すべてはそれからよ。せっかく覚悟を決めたのに、結局告白しないとかカッコ悪すぎ。
「ねぇ、真姫?……さっき言おうとしてたこと、教えてよ」
初めて見たにこちゃんの大人の表情に、またもや心臓が早まる。早鐘は止まることなくバクバクバクバク、となり続けている。
それでも、伝えるのは今しかない。
私は勇気を振り絞り言った。
長年の想いを。
「私は、にこちゃんが好き。自覚したのはにこちゃんが卒業してからで、最初は告白しようとも思ったけど、怖かったから。にこちゃんに嫌われたくなかったから……。付き合いたいとかそういうんじゃないけど、想いだけは伝えておきます。大好きです」
言い終わって、恥ずかしさなどが相まって目をギュッとつぶると、唇に優しく触れたにこちゃんの唇。さっきとは違った優しいキス。すごく新鮮な気持ちがする。
形勢逆転。
体制が変わって今度は私が押し倒された。にこちゃんは私が貸したシャツのボタンに手をかけている。ま、ま、まさか……。ちょ、ちょっとそれは早くないかしら?順序ってものがあるでしょっ!
だけどそんなこと言える雰囲気でもなく。私は黙ってにこちゃんのされるがままになっている。
「今は真姫の気持ちには答えられないけど、すべて終わったら答えるからそれまで私を好きでいてよ。約束よ?ふふっ、もう逃げられないんだから。今日から私の愛人、西木野真姫ちゃん。……冗談よ、まぁ半分は。あなたがいいなら愛人でいいわよ。……さぁ、決めて」
ここで否定すれば、私とにこちゃんは会えなくなってしまうかもしれない。でも、愛人になれば会うことができる。私は迷わず、にこちゃんを受け入れた。少し躊躇ったけれど、愛情って止められるものじゃないわよ。
「にこちゃんとずっと一緒にいたいもの。愛人とやらで構わないわ」
私がそう言うと、にこちゃんは私のシャツのボタンに手をかけた。片手で器用に外しているその姿。ボタンを外すのが初めてではないことくらい、容易に分かる。
にこちゃんが私に馬乗りになると、いきなりブラのホックに指をあててきて。展開が早すぎてついていけていないけれど、ちょっとだけ嬉しい。やっぱり好きな人と一緒にいれるのは幸せ。
にこちゃんに初めて?と聞かれて、コクっと頷くと少し手の動きが優しくなった気がする。
「いつもはされる側だったから、するのはあんまり慣れてないけど頑張るから。真姫も痛かったりしたらすぐに教えてね?なるべく今日はリードするわ。……でも、いずれは真姫も私にシてほしいな。愛人っていうのは、そういうもの……なの、よ。たぶん……」
カッコいいこと言ってるつもりかもしれないけれど、顔が赤いのは私だけが知ってることで。
「……あ、あんまり見ないでよ」
運も悪くたまたま赤い下着だった今日。最悪よ。
「照れてるんだ。可愛いとこあるのね」
チュっとほっぺたにキスの雨。
そのまま私は流れとにこちゃんに身を任せた。
とびっきりの甘い夜になると信じて。
あと二話くらいで終わらせる予定です。
バットエンドだけだと悲しいとおもって、最後にはGOODとBAD両方作ることにしました。だって死んで終わっちゃったら悲しいじゃないですか。
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【絵里→にこ×真姫】 判断
スター喫茶は=スターバッ○ス。
「……痛っ」
真っ赤に腫れ上がって傷や痕だらけの小さな背中に薬を塗ってあげれば、苦しそうな顔をして足をバタつかせるから抱きしめてあげるの。そうすると、彼女は嬉しそうにする。
私とにこちゃんが身体を初めて重ねた日、その日から私たちは愛人の関係になった。あの日から既に一か月以上経過している。私たちは仕事の合間の時間や休みの日、毎週、いや毎日のように会っては身体を重ねてきた。それでも、私はそろそろ限界だった。日を重ねるごとに酷くなっていくにこちゃんの傷。医者として、愛人、いや親友としてこれ以上見過ごすことはできない、そう思ってた。
それでもにこちゃんは私との関係をやめようとはしなかった。にこちゃんの心のより所は私しかなかったのかもしれない。でも私は言った。『愛人は、もうやめにしよう』。
でもにこちゃんは私のことを離してくれなかった。
『真姫がいないとダメなの……私にはもう、真姫しかいないのよ……っ』
私はそう言われて、口をつぐんでしまった。本当は眠らせてでも病院に連れていくべきなのかもしれない。でも私はその選択肢を自分で消した。悪魔が私に囁くの。”一緒にいたいんでしょ?”って。
そりゃ一緒にいたいわよ。昔から大好きだった人と一緒にいたいに決まってるじゃない。でも、それは私しか得しないと思う。にこちゃんが私のことをどう思っていても構わないけれど、にこちゃんが傷ついていくことに変わりはない。それほど彼女の傷は深く、酷いの。
だから私は、決めた。
~♡~♡~
〔分岐点〕
【END①】……最後の文章に飛んでください。
次からの文はまだ上の文の続きです。
~♡~♡~
私は自分の気持ちを優先したの。
にこちゃんのことを守らないで、自分の感情を優先した。
それほど私はにこちゃんが好き……、いや、違う。
私はただ、にこちゃんに”依存”しているだけだ。
にこちゃんは貴女のものじゃないの。
にこちゃんは、私の”モノ”よ。
~♡~♡~
「お疲れー」
と無人のオフィスに声を残して私はとっとと会社を出た。
希ににこのことをきいてから丁度一か月くらいかしら。雪の降るこのロマンチックな日に、一人で深夜まで残業なんて悲しすぎるわ。ロマンチックのかけらもないわよ。
その寂しい心を満たすため、最近お気に入りのバーへと向かった。
バーの店内にはあまり客はおらず、私と同じような会社帰りと思われる男性が3人。無人のカウンターに座り、何を頼もうかと悩む。お財布に相談すると中には諭吉さんが1人、英世さんが4人。諭吉さんはもったいないわね。うーん、でも奮発して後悔しないかしら……。
ここは英世さん3人にしましょう。あまり使いすぎるのも良くないわ。どうせ明後日くらいには飲みたくなってきちゃうんだろうし。
ショックやストレスのため、最近は仕事帰りによることが多く人間的にダメになってきている。仕事も大変で、手が働かないからいつも仕事残って残業になっちゃうのよね。
私が悩んでいるのが注文を悩んでいるのが珍しいって思ったみたいで、マスターが『いつもので?』と聞いてきたから、反射的に首を横に振った。
3人だと……あ、ちょうど3人分のお値段のがある。これにしましょう。
慣れないように頼むと、マスターが『かしこまりました』と一言つぶやいた。
ウイスキーが出されて、飲んで酔いに浸っていると、ふと頭ににこの姿が甦った。
付き合っていた日々や、学生時代のこと。
笑顔や泣き顔、いろんなものが頭のなかに浮かんできて。
走馬燈ってこんな感じなのかな?
もう、いっそ死んでもいいかもしれないなぁ。
生きてる意味が感じられない。
そうよ、なんで私生きてるの?
教えてよ、誰か教えて――誰が私をこんなにしたんだろう。
生きてても、何の意味も――。
そのとき、バーの入口が開いて、カランカランって鈴が鳴った。
それでハッとして我に返った。なんだかとても今いけないことを考えてた。
私、なんでこんなになっちゃったんだろう。
自分がどうしようもない人間になってきているのは分かっている。自分でももうどうにもならないことも。一度でもいいからにこに会いたい。にこに……。
「……会いたいよ」
気持ちが声に出てしまって慌てて周りを確認する。幸いマスターも近くにはいないし、聞かれてないみたい。ほっとして、もう一口。
それから数十分、ぼーっとグラスの中を見つめ、酔いがかなり回ったので英世3人を置きバーを出た。すぐにタクシーを拾って家へと帰宅する。
道が渋滞していて、なかなか動きそうにない。まだ着きそうにないな、と、タクシーの中で外を見ていると、あの小さい姿が――。
にこだ。間違いない。
私は紙幣を1枚置いてタクシーから飛び出した。
にこを見た場所へ全力で走る。もういないかもしれない、なんて思わなかった。私の頭の中はにこでいっぱいだった。でもかなり酔いが回っているため、まともに走ることができない。それでも必死に走った。
その結果、にこの後姿を発見。某スターバックスの店前に立っている。私は急いでにこのもとへと向かった。
「にこーっっ!!」
もはや人違いという可能性などないようなものだった。無我夢中で走り寄ると、なぜか私の視界が地面に――。
転んだわ、派手にね。
「だ、大丈夫ですか……!?って、え、え……絵里?」
にこらしき人も急に人が走ってきて急に転んだのだから、かなり驚いているみたい。でも、今最後に絵里って。
聞いたことのある声。やっぱり……。
「……に、にこ?」
見上げると、あの可愛い顔が。
「きゅ、急に走ってくるものだからびっくりしたわよ……え、えっと、久しぶ、っ……!っっぁ……!」
気が付いたらギュッとにこの身体を抱きしめていた。数カ月ぶりなものだから嬉しくてつい力が入っちゃったみたいで、にこが苦しそうな顔をしている。……それにしては痛がり過ぎじゃ。って、ちょ……!
「うぁぁっ……」
すっとにこの身体が腕からすり落ちていく。膝から地面に崩れ落ち、うずくまってしまう。私も最初は何が起きているのかよくわからかった。それでもにこが苦い顔を浮かべていることだけは確か。
「ご、ごめんなさい。強く抱きしめすぎたわ……ねぇ、にこ?ね、だ、大丈夫!?」
私の腰のあたりにギュッとくっついて呻くような声を出している。ただ抱き締めただけでこんなになるかしら?大丈夫?という意味で背中をさすると、今度は苦しそうな声を出して……。背中になにかあるの?
そのとき、私の後ろからヒールの音が速く近づいてきた。こちらに急接近してくる赤毛の女性。
「にこちゃんっ!!」
私のことなど無視してにこをすぐに私から離させて、軽く抱き留めた。
「……真姫」
なんで真姫とにこが一緒に……?
すると真姫は私のことをジッと睨み付けてきた。こんな顔、久しぶりに見たわ。
「にこちゃんに何したの?」
「私はただ、抱きしめただけで……その、ごめんなさい」
私は真姫に威圧され、謝ることしかできなかった。
「とにかく、にこちゃんは今大変だから。にこちゃんはもう絵里の恋人じゃないんでしょ?私のモノだから」
真姫はそれだけ言い残して、スター喫茶の紙袋とにことを連れて、とっとと行ってしまった。
家に帰宅して、シャワーを浴びてすぐにベットに倒れ込んだ。
頭に浮かぶもの。それはにこと真姫だけ。
前から真姫はにこに気があったようだけど、今一緒にいる理由は分からない。
「はぁ……せっかく会えたのに」
抱きしめてもにこを嫌がらせてしまったようなものだし、なんだかあまり嬉しくなかった。
そのまま考え事をしているうちに、私は眠りについていた。
~♡~♡~
「……ん」
どうやら眠ってしまっていたみたい。今日の手術は結構大変だったし、疲れたわ。
腕時計を見ると、午後6時過ぎを指す針。そろそろ帰ろうかしら。今日はもう特に仕事もないし、にこちゃんに会えればいいなって考えてたんだった。さぁ、帰る支度しましょ。
BGMもなにもないし、テレビでもつけようかな。
リモコンに手を伸ばしワイドショーをつけると、そこには大きな字で【速報】と書かれていた。
「何かしら……って、う、そでしょ……?」
画面に映る大好きな人の顔。その横には大きく【意識不明の重体】とある。
紛れもなく矢澤にこが意識不明の重体だということ。そして――
部屋のドアが開く、看護師が青ざめた顔で手術手術と言っている気がする。もう、私にこちゃんと一緒にいる資格ないわ。私、私……。
「西木野先生!緊急搬送です!階段から転落し、意識不明の重体で、至急準備をお願いします!」
はぁ、なんでこんなことになっちゃうのよ。私以外に手が空いてる人いないのかしら。にこちゃんの担当?できるわけないでしょ。死んじゃったらどうするの。
私は、判断を間違えた。
あのとき素直に病院に連れてきていれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに。
私がぽかんとしたままその場に立ち尽くしているためか、看護師の声が大きくなる。ハッと我に返って、私は手術室へと走り向かう。
責任を果たすしかない。
私にできること。それは”にこちゃんを救うこと”それだけ。
~♡~♡~
ここから【END①】です。
~♡~♡~
医者なら薬くらい簡単に手に入る。それでもにこちゃんに直接睡眠薬を飲ませるのは気が引けるし、副作用で眠くなる痛み止めのような薬を用意した。
家でそれをにこちゃんに飲ませ、眠っている間に病院に運んで警察に通報。
にこちゃんの婚約者は暴力などで逮捕され、求刑通りとはいかなかったものの、懲役五年となった。
あれから二年が経った。
にこちゃんの傷は、少し痕が残るもののだいぶ良くなった。今は私とは暮らしておらず、復縁した絵里と同居生活を送っているが、ほぼ私も二人の家にいるため、三人暮らしのようになっている。
私と絵里は誓い合ったの。
五年後、また世間に舞い戻る魔の手から、にこちゃんは護ると――。
次の話からにこえりに戻す予定。
真姫ちゃんには身を引いてもらいます。
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【にこ×絵里】 これからも
なんとお詫びをしたらいいものか……
だらだらと続けてしまったこのシリーズも今回で最終回です。
「……絵里」
手術が終わって手術室を出ると、外のソファには絵里が座っていた。
にこちゃんの手術は無事に成功した。それでも今夜の0時が山場。今夜にすべてがかかっている。
絵里は立ち上がって、缶コーヒーを手渡してくれた。
「お疲れ様。そして、ありがとう」
頭を下げられた私は、なんだか今までの感情がすべて湧き上がってきてしまい目から涙がとまらない。
「ごめん、絵里。私、にこちゃんのこと、見捨てたの……自分がにこちゃんといたいから、にこちゃんの傷については目をつむってた。一度は通報して、病院に連れていこうともした。それでも、それでも足が動かなかった。ごめんなさい……ごめんなさい。私、なんて謝ったらいいのかわかんない。にこちゃんがこんなになっちゃったのも、もとはといえば私のせい。……それに、あの夜の日。絵里に悪いことした。ごめんなさい」
謝罪しかでてこない口をふさぐ様、絵里が優しく抱きしめてくれた。
「真姫のせいじゃないわ。全部、犯人が悪いのよ。あなたは、悪くないわ」
そっと抱きしめて、頭を撫でられて。手術が無事に終わった安心感かな。涙がおさまらない。
「みんな来てくれてるわ。……病室にいる。行きましょう」
【矢澤にこ】と書かれたプレートがある病室に入ると、そこにはベットに寝ているにこちゃんと懐かしい面々がいた。ベットを取り囲むようにしてみんなが周りに集まっている。みんなの目線の先には、目を閉じているにこちゃんの姿。
みんなやっぱり大人になった。
穂乃果は結局実家を継ぐために、和菓子の勉強をしてお店の手伝いをしているらしい。そして、絶賛婚活中。
ことりはデザイナーとして、海外と日本を行ったり来たりして大忙し。ことりがしているデザインは人気があるみたいで、忙しくてみんな会うことができていないみたい。それでも、彼氏はいるみたい。
海未は公務員になってバリバリお仕事してるそう。空いた時間で日舞の先生としても活動しているみたいで、昔から忙しいのは変わりないみたい。でも海未にはそれがあってるのかも。彼氏がいるのかは不明だけどね。
凛は最近できちゃった結婚したばっかで、幸せ大絶頂なのよね。まだあんまりおなかは膨らんでないけど、西木野総合病院のかかりつけなの。旦那さんはラーメン屋で知り合ったそう。
花陽は凛の上をいき、結婚して子供が1人おなかにも一人という完全なママになりました。仕事で知り合った男性と早めにゴールイン。今年で三年目くらいかしら。
希は日本やら海外をふらふらと放浪しては写真を撮って、写真集を出している。いわゆる写真家だ。
みんな華やかになっていって、白衣を着ている自分が少し恥ずかしい気がする。そんなこと考えてたら、急に凛が私に抱き着いてきた。
「ちょ、ちょっと凛!あなた、おなかに赤ちゃんいるのになにしてるのよ!」
昔みたいに『ま~きちゃ~ん』って、言いながらにゃー、ってほっぺをすりすりしてくる。凛の身体は小っちゃくて、暖かくて……。なんだかまた安心して、涙が出てきてしまった。
そんな私を見た希が心配そうに顔を覗き込んできた。
「どうしたん?ぎゅってされただけで泣いちゃうなんて……真姫ちゃんらしくないやん」
凛が身体を離すと、今度は絵里が頭を優しく撫でてくれた。さっきみたいに優しく、優しく手のひらで包み込んでくれる。こころが暖かくなって、涙がなんで出るのか分かんない。
「もう、さっきから泣きっぱなしで……大丈夫?」
コク、って頷いて私はみんなに向き直った。私がにこちゃんと何があったのか。それを全部話さなくちゃいけない。私が真面目にみんなの方を見たら、みんなもこっちを見てくれた。
「絵里は知ってると思うけど、私はにこちゃんに酷いことをしました。……にこちゃんがこうなっちゃったのも、元はといえば私のせい。今から全部、みんなに話します」
私は重い口を開き、全てを話し始めた。
みんなは真剣な顔でずっと聞いてくれてた。途中で感極まって泣き崩れても、ずっと聞いてくれて。嬉しかったんだと思う。にこちゃんはその間もずっと、ずっとベットの上で目を閉じていた。
かれこれ一時間くらい話しているけど、今はもう私の話は終わって、近況報告をしている。この提案をしたのは穂乃果。みんなの気分が落ちちゃったからだそうで。
そして一番最初、みんなに話を振ったのは希だった。希が話を振るとなると嫌な予感しかしない。生憎、的中してしまった。
「……それで、みんなは彼氏とかいるん?」
結婚している凛と花陽は除外されるこの質問だが、聞いた瞬間みんなの顔色が変わった。絵里と私はなんとも言えない顔をしているけど、穂乃果は絶望的な顔をしている。……確か、穂乃果に彼氏はいない。
逆を言えば、穂乃果の隣でずっと腕を組んでいた二人――海未とことりは幸せそうにイチャイチャしている。希はニヤニヤとしながらみんなの顔を眺め、凛と花陽は楽しそうに笑っていて……。
みんなが黙り込んだ後、最初に口を開いたのは希であった。どうやら誰も口を開かないため、しびれを切らしたらしい。
「じゃ~やっぱりリーダーの穂乃果ちゃんから!」
それを聞いた穂乃果は『えぇっ!?』と驚いて焦っているようで。まったく、ここは病室なんだからもう少し静かにしなさいよ。……それで、にこちゃんの意識が戻るならいいけれど。
穂乃果は渋々と、『……いません』と口を開いた。
「じゃ、好きな人はいるん?」
追い打ちをかけるように、次々と質問を投げかける希。
穂乃果は顔を赤らめて、渋々口を開いた。
「ぅ……い、いる」
こんな穂乃果久しぶりに見たから、ちょっと懐かしくも思える。
みんなからは意外そうな反応。ちょ、ちょっと可哀相じゃないの。
「へぇ……穂乃果の好きな人ですか……それは私も気になりますね」
穂乃果の隣でことりに腕を抱かれている海未がニヤっと穂乃果のことを見つめる。
穂乃果はそんな海未にぶんぶんと頭を振って、『絶対教えないもん!!』と騒いでいた。
「大体、そういう海未ちゃんはどうなのさ!どーせ、毎日ことりちゃんとイチャイチャしてるんでしょ!?穂乃果、知ってるんだからねっ!」
頬を膨らませて怒るその姿は一つ上の先輩だとは思えない。
海未はそれを聞くと、眉を八の字に曲げた。
「心外ですよ、穂乃果。……確かにことりとはお付き合いしていて、同棲もしていますが……穂乃果の言うような、いかがわしいことは――」
”していません”とでも言おうとしたのだろうか。だがその言葉をことりがかき消した。
「海未ちゃん、そんなこと言っても激しい時は激しいよね~?」
ことりがわざと海未を煽ると、顔を真っ赤にして激怒していた。初心な所は変わってないみたい。
そんな話を続けること一時間弱。お開きにしようと最初に口を開いたのは絵里だった。
「みんなも疲れてるだろうし、今日はお開きにしましょ。真姫もへとへとだろうしね」
みんなに別れを告げて、私と絵里以外が部屋の外に出ると、私は口を開いた。
「……ねぇ、絵里?私、決めたわ」
にこちゃんにふさわしいのは、やっぱり私じゃない。絵里なのよ。
にこちゃんを見捨てたからとかそういう理由じゃない。ただ単に、その方がお似合いだと思ったから。大体、高校からずっと付き合っている二人に入り込もうとした私が悪いのよ。
「……真姫?」
絵里は『どうしたの?』という顔で私をみつめている。
「私、にこちゃんのこと諦める。……別に深い意味はないわよ?でも、やっぱり絵里には敵わないしね。……にこちゃんのこと、幸せにしてあげてね」
泣く気なんてなかったのに、目からは涙が少し出てきてしまって。そこで病室を飛び出した。
~☆~☆~
「……にこ」
真姫が部屋を飛び出したあと、私はずっとにこのことを撫でていた。目が開くことのないその身体を見つめると、なんだか悲しい気持ちになってくる。
もしかしたら、もう目を開けることはないのかもしれない。
もう名前を呼んでくれないのかもしれない。
悪い方向にしか頭が動かない。そんなことは絶対に嫌なのに。
シーツに一つの跡ができた。私の目から出た一筋の涙。目を擦るたびに止まらなくなるその涙。私は数十分、一人病室で泣いていた。
そうしたらどこからかにこの声がした。会いたすぎて遂に幻聴が聞こえてきたのかも。
それでも私の名前を掠れる声で呼んでいるその声が、耳から離れない。
「……にこ?」
間違えない、にこの声だ。
にこを見ると、うっすらと目が開いている。まさか……。
「……ったく、いつまで泣いてるのよ」
「……にこっ!」
抱きしめたくても抱きしめることができないその身体に何度も名前を呼んだ。
「絵里らしくない……そんなに心配してくれたの?」
「心配、なんてモンじゃないわよ。もう本当にどうしたらいいのかわかんなくて……にこがいないと、私、ダメで……よかった。本当によかった……」
にこが目を覚ましたことに対する安堵感が身体を巡り、一気に力が抜ける。
「ちょ、ちょっと……大丈夫?絵里の方が重傷じゃない……私は平気よ?」
そんな元気に振舞うにこを見てると少しずつ気持ちが楽になる。
興奮していたからあんまり覚えてないけど、あの後は結局ずっと泣いていた気がする。
にこが外にある程度動けるようになって、改めて警察に被害届を提出して、後日にこの相手は逮捕されることとなった。私たちがだした求刑は無期懲役。流石に死刑にはならないそうで、それならと考えた案がこれだったのだ。でももう関係ない。にこのことは私が守るって決めたから。
もう一人にはしないわ。
愛してるわよ、にこ。
~☆~☆~
あれから二年の月日が流れた。
見事、求刑が実刑になり、私とにこは安全な生活を送っている。
にこは階段から突き落とされたせいで、下半身に少しの麻痺が有り一人で歩くことができない。だからといってもずっと隣にいれるわけでもないため、昼間はことりに世話を頼んでいる。
ことりも海未が仕事に言っている昼間に私たちの家に来ていろいろとやってくれる。海未も仕事がない日はことりと一緒にやってきては、手伝ってくれているみたいで。
本当に、助かります。
車いす生活にもなれたけど、やっぱり大変なものは大変で。
それでも幸せなの。私はにこと一緒にいれるだけで幸せだから。
これからもよろしくね、にこ。
眠いテンションでgdgdで本当にすみません。
反省しております。
これからはもうちょっと短くできるように頑張ります。
次回は未定ですが、新しい企画書を投稿する予定です。
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新企画企画書②
やりたいことが増えました。
前回の企画書と共にまとめてみます。
見なくても平気ですよ。
優先順とかではないです。
①本当に穂乃果と絵里が結婚して幸せな家庭を築いていたら
②あのまま絵里が海未と不倫してたら
③ホスト絵里×OL希
④先生×生徒でエロ
⑤オリ主
以下説明↓
①本当に穂乃果と絵里が結婚して幸せな家庭を築いていたら
海未ちゃんに不倫されてしまった不憫な穂乃果ちゃん。このままではかわいそうなので、ちゃんとえりちとイチャイチャさせてあげたいと思っています。ストーリーもなにも考えてないけど、いつか書きます。
②あのまま絵里が海未と不倫してたら
嫁の穂乃果を抱く前に海未を抱いた絵里。というわけでその続きというか、後日談です。どっぷりエロくしたいので、もう少しネタを考えさせて下さい。
③ホスト絵里×OL希
某Pi○ivのある作品に感化されて妄想した挙句、実行することにしました。先に言っておきます。パクリではありませんが、影響されています。その点を忘れないでください。
妄想が進んでいるので、早めの投稿になるかと。長編にしたいので、月二回投稿を目標にしていきます。
詳細は秘密で。
④いろんなCPで先生と生徒に分かれてエロい話をしたいです……。R18にしたいので注意です。あと多分生やすかも。そっちの方がエロくないですか!?
今決まっているCPは↓
【先生】×【生徒】
【絵里×海未】
【海未×絵里】
【絵里×希】
【希×絵里】
【花陽×凛】
【ことり×海未】
【ことり×穂乃果】
【?×ことり】
【にこ×真姫】
【真姫×にこ】
基本的にマイナーな感じのCPにしたつもりです。ことりの相手はまだ未定です。
どんな教科の先生なのかとかも考えてます。もう少しお待ちください。
⑤オリ主
前の企画書で出した案は却下で、R18の作品にすることにしました。すべて忘れていただいて結構です。
これは四月から始めていく予定ですので、その頃になればまたお知らせします。
【オリ主】
榎本翔琉
東京の進学校に通う高校二年。小学生のときからクラブチームに所属し、サッカーをしていたが中三の引退試合前に事故で脚の靭帯を損傷し、サッカーが出来ないようになる。サッカーをやめ、必死に勉強し有名進学校に入学。勉強を続ける一年が続いていた。その頃に高三の先輩に告白されて付き合うこととなり、無理矢理童貞を奪われて捨てられた。そのため少しの女性恐怖症がある。
走ったりすることは出来るが、昔からやっていたサッカーを完璧に出来なくなったため、サッカーは進んでやらなくなっていた。得意科目は国語、社会、英語という男子には珍しいタイプ。足はもともと早く、運動はある程度はできる。
R18の小説は別のタイトルで連載するつもりです。
質問は受け付けています。
宜しくお願いします。
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※お知らせ+【にこ×真姫】 First Jealousy
お知らせと短編です。
お読みください。
久しぶりの更新です。
お伝えしたいことがあり、こういった文にさせてもらいました。
①Twitter始めました!!
気が向いたら更新しています。後は変態アピールしたりしてます。
愛を叫んだりしてるのでよかったら見てください。
リンク↓(貼れてないかも、ごめんなさい)
『https://twitter.com/ayami1112_Rahme』
②一時休載
来週から期末テストの為、11日まで休載。
26日から30日は合宿の為、休載。
31と4月1日は6thの為、休載。
テストがヤバいと、ライビュに行けないので小説書けないんですよ。
ごめんなさい。
③これから
前の企画書で言っていたことの優先順が決まったので、ここで公開します。
1、ほのえりが幸せになる話
2、うみえりの穂乃果が絵里に不倫される話
3、先生×生徒or生徒×先生
マジでやりたい。別の小説として投稿予定。R指定。4月の中旬には18歳になるので、待っててください。
4、のぞえりの何か
ホスト×OLにするかは分からないのですが、とりあえず社会人ののぞえり、オトナなのぞえりが書きたいです。そういう野望を持っています。ねるねるねるね(構想)に時間がかかるのでお待ち下さい。
5、にこまき
シリアスなにこまきが書きたい。
6、オリ主
一部はR15~R17
二部R18として、別小説で連載予定。
予定は4月くらいから。
詳細はまた企画書としてお知らせします。
記念日や、バースデー企画というものは4月から開始します。
海未の誕生日はツイッターでやるので確認してください。
更新した時やお知らせはツイートするのでよろしくお願いします!
コメントやメッセージをくれたりすると嬉しいです。フォローもよろしくお願いします!
文が足りないので、ミニ小説でも書きたいと思います。
閲覧数を見ると、にこまきと、にこえりの鬱話のにこまきが人気あるようですね。やっぱにこまきいいよね。
という訳でにこまきです。
――――――――――――――――――――
嫉妬なんてバカみたい。そう思ってた。
子供みたいにそんなこと、私にないと思ってた。
でも、私もまだ子供だったみたい。
自覚したのは、26になった今年だった。
私の恋人は、人気のあるアイドル。それが私も嬉しかったし、彼女が楽しそうに仕事をしているのが好きだった。
28歳になった恋人ーーもとい、にこちゃんはタレントとして活動しており、ここ数年ではバラエティやドラマにも引っ張りだこ。それは人気があるということだし構わないのだけれど、やはり一緒に入れる時間は激減した。
私も留年すること無く、医学部を卒業し研修医として勤務していた。その頃からにこちゃんの人気が急上昇してきたので、会える時間は減っていた。私は数ヶ月前に研修医の肩書きを塗り替え、現在は脳外科医として働いている。
そのため更に会う時間は減っていた。それでもお互いに連絡し合ったり、電話をしたり、空き時間で会うなどしていた。が、そんな時間は今は全くと言っていいほど取れなかった。
にこちゃんがどう思っているかは分からないけど、私はもう我慢の限界だった。にこちゃんのことしか頭に浮かばないほど、にこちゃんのことばかり考えていた。
そんな私に止めを指したのは、にこちゃんがヒロイン役として出演している恋愛ドラマだった。
芸能界で交際報道がされるのは特別珍しい訳では無い。それを考えると、にこちゃんが報道されたら……と考えてしまう。だからいくらにこちゃんが仕事だから、演技だからと言っても、恋愛ドラマを見ることは出来なかった。
だが、ある日の夜。帰宅してテレビをつけるとそこには会いたいけれど会えない恋人の姿があった。
ーーあぁ、まずいなぁ。
最近にこちゃんが撮影しているこのドラマは、深夜にやっていることもありかなり濃厚なシーンが多い。そして、ちょうどにこちゃんが演じているのは主人公役の人気アイドルとのラブシーン。まさに今、キスをしようとしているところで、私は慌てて目をそらした。だけど音声は聞こえてくる。私も久しぶりに聞くにこちゃんの甘い声。何度も聞いたことはあるけれど、今回のは気持ちが違った。ほかの男とのキスなんて許せない。にこちゃんは、にこちゃんは私だけを見てて欲しい。
キリ、っと心が痛んだ。仕方ない、これは仕事なんだから。にこちゃんが望んでいること。だから私に”やめて”なんて言う資格ないし、言うつもりもない。にこちゃんは芸能活動が大好きだから、逆に私も奪いたくない。
それでもこの2つの行き場の無い感情に、私は、私に少しの怯えを感じていた。
なんて独占欲が強いんだろ、なんて思ったことは何度かあるけど、今回が一番の嫉妬。もうドラマは見たくないってテレビの電源を切ろうとしたら、急にリビングのドアが開いた。
私の家の合鍵を持っているのは、にこちゃんだけ。というか、今いるこのマンションは、にこちゃんとお金を出し合って買った2人専用のお家。だからここに入ってこれるのはーーにこちゃんだけ。
「ただいまー、真姫ちゃんいるー?」
そんなのんきな声で入って来ないでよ。さっきはあんな声出してたじゃない。他の男と、キスしてたでしょ。私だけのことを見ててよ。私だけのこと考えててよ。他の男とキスなんてしないでよ。
そんな気持ちが頭の中を交差してぐるぐると駆け回る。にこちゃんは大画面のドラマに映る。自分のラブシーンを見て、驚きを見せた。持っていた鞄も、紙袋もすべて、床に落としたのだから。
「な、なんでこんなもの見てるの」
呑気な声はどこかに消え、冷たく真面目な声でテレビのリモコンを私から取り、すぐさまテレビの電源を切った。
にこちゃんは困惑していた。なんせ家に帰ったら、それなりの音とそれなりの大画面で、自身のキスが流れていたのだから。自分がもしそうだったら、と考えると気持ち悪くて仕方ない。
リモコンを取られるとき、にこちゃんの手が私に触れた。冷たい手。
きっと寒いところを帰ってきたのだ。こういうときはお風呂を入れて、あったかいカフェオレでも淹れてあげるのがいつもなんだろうけど、今日はとてもそんな気分じゃない。
下を向いていると、にこちゃんが突然私の手を掴んだ。私はそのまま、リビングにあるソファに押し倒されて、唇を奪われた。
無我夢中に唇を求め合う。にこちゃんとのキスはすごく久しぶりで、とても嬉しかったけど、今はキスに集中しないと、意識が飛んじゃう。それくらい、今日のにこちゃんは激しかった。
「んん……は、ぁつ……にこちゃ、ちょっと……」
キスをしていたと思えば、にこちゃんの手は私の胸に伸びていた。そのままシャツのボタンを片手で器用に外し、手を入れてくる。
「いいでしょ……別に。真姫ちゃんだって、お久じゃない」
もう数えられないくらい、にこちゃんとは身体を重ねてきた。学生時代はお互い時間がまだあったから、お泊まりとかもよくしていた。そんな時はもう何回戦も寝ないくらいしていたけど、最近ば時間が無くてトイレに隠れてキスしたり、前戯くらいならしていた。にこちゃんが私が勤める西木野総合病院に出向いて、私の個室でしたこともあった。とにかく全盛期は本番はともかく、前戯くらいなら毎日のようにしていた。
前置きが長くなったけど、それくらいしてきたことだからにこちゃんは私の身体をすみずみまで知っている。逆をいえば、私もにこちゃんがどこが感じやすいとか、嫌いなところとか、弱いところとかいっぱい知ってるから。だから、私が胸だったらどこが弱いのか、にこちゃんは知ってるのだ。
そんなにこちゃんのテクニックと、久しぶりというのが相まって、かなり感じやすくなってしまったみたい。
我慢しようとしても、いいとこを重点的に刺激されては我慢なんて出来たものじゃない。必死に足掻いても、結局は疲れるだけなのだ。
「んあぁっ、だめっ……そこは、あっ……!っっっ、ああぁつ!」
にこちゃんの手は止まることなく、私の胸をまさぐっていた。
するとにこちゃんは私の耳元で、軽く囁いてきた。それだけではあり私の胸に下腹部は強く反応するので、改めて感じやすい身体をさなんだと自覚する。
『ほら、我慢しないで、イっていいのよ。それと……まだ、続けるわよね……?』
私はコク、っと、頷くと同時に絶頂に達し、そのままベットに沈んでいった。
――――――――――――――――――――
愛しの赤髪を撫でると、んんーっ、と声を上げた。
少しやりすぎちゃったみたい、なんて思って私も深くベットに潜った。
久しぶりに真姫ちゃんに会って、気持ちが昂ったっていうのもあったけど、よりによってあのドラマを見ているなんて思わなかったから、動揺したんだと思う。
あれから休むことなくぶっ通しで3時間、行為を行っていたということが重労働過ぎて、腰が痛い。
明日の仕事、ヤバイなぁ……。
私は赤髪にそっとキスをして、目を閉じた。
その日、二人揃って遅刻したのは言うまでもない。
フォローお願いします。
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※【にこ×真姫】 もう一度
……って、いつも書いてる気がします(笑)
にこまきが大人気なのでまたにこまきです。この話は多分しばらく続きます。ダラダラならないように頑張ります。
真姫ちゃんはビッチじゃない!!にこの為なんだ!!
「っは……っ、ぁあっ!……ぁ、だ、め……」
高校を卒業して8年目の真夏の暑い夜。私は年のとった男と身体を重ねていた。
医者が夜にはこんなことをしてるなんて、とてもパパには言えない。バレれば病院の評判を落とすことにもなる。それにそんなこと、人生の恥。それでも1回セックスするだけでお金が大量に貰えるなら、私はそれで良かった。それくらいのことなら、充分我慢できる。それに、私には大好きな人がいるから。
全部終わったら、金を受け取って家に急いで帰る。気持ち悪い身体を洗い流して、寝室に向かえば愛しい人がすーすーと寝息を立てていた。
「にこちゃん……ただいま」
額にキスを落とすと、少し唸ったような声を上げて身体を動かした。
といっても、動くのは上半身だけ。下半身は麻痺で動かない。それが今のにこちゃんの状態だった。
原因は二年前、人気アイドル兼タレントとして活動していたにこちゃんとのデート中に起きた。
死角から飛び出してきた軽トラックに、にこちゃんは跳ねられた。私の病院に搬送され、長時間の手術に耐えたにこちゃんは生死の境をさまよった果てに、一命は取り留めた。だが、残った代償は大きく下半身麻痺のせいでタレントも引退することとなってしまった。
命は助かったものの、現在では車椅子生活を余儀なくされている。1人じゃ立つことすら出来ないにこちゃんにはもちろん、介護が必要。極力私がやろうとは思っているけれど、仕事中はヘルパーに頼んだり、μ'sのみんなが手伝いに来てくれたりもする。といっても、近くにいるメンバーは数人だから、手伝いに来てくれる人もいる限られているけど。
にこちゃんの髪を撫でながら横に座って顔を眺める。するとにこちゃんの目が開いた。うっすらと開いた目は私をじっと見つめている。
「真姫ちゃん……?おかえり」
自分が気持ち悪いけど、にこちゃんを見てると安心する。落ち着くっていうか……幸せ?そんな感じ。
「ふふ、ただいま。夜ご飯作るわね?少しだけ待ってて」
にこちゃんが自力じゃ動けなくなってから、私が家事を全てやるようになった。最初のうちは全然出来なかったけど、最近ではもう料理は趣味みたいなもの。日課みたいになってきている。
にこちゃんの部屋から出てキッチンに向かう。今日の夜ご飯はハンバーグにするつもりだった。冷蔵庫にはすでにハンバーグのたねを用意してあるから、それを焼くだけ。至極簡単だ。
焼き終わって、にこちゃんをダイニングに移動させいただきますをした。今日のハンバーグはいい感じに焼けた。にこちゃんも美味しい、って言ってるけど今日はいつもと違う。
不審に思っているのに気づいたのか、にこちゃんのほうから話を切り出してきた。
「真姫ちゃんさ……私になにか隠してることあるでしょ?最近帰りが遅いのも、そのせいじゃない?」
私が夜遅く帰るようになったのは今から半年くらい前のこと。一週間間に1回ヤればいいくらいだったが、最近は誘われることが多く、一週間に一二回は行為に及んでいる。
そのせいもあってか最近の帰りは11時程。にこちゃんをそれまで待たせておくのも辛いのだが、お金の為なので致し方ない。
なので休みの日には、にこちゃんの行きたいところに連れて行ってあげている。それでにこちゃんは満足しているようだったから、よかったものの。痛いところをつかれては弁解することも難しい。
今まではオペが多かったとか、急患が入ったとか言ってたけど、今日はそれでは済まないような気がする。嘘をつくにしろ、もう理由がない。正直言うことも出来ないし……。
「別になにも隠してないわよ?」
まるで何もない様に装う。幾度となくしてきたことだけど、やっぱり心がキリキリ痛む。
私がそう言うと、にこちゃんはニッと笑った。
「そっか、ならいいの。真姫ちゃんが浮気でもしてるのかと思ってね。絶対にそんな事しないでね?にこは、真姫ちゃんのこと……だーいすきなんだから♪」
浮気……セックスは浮気なのかな……?
「そんなこと、するわけないでしょ」
私はにこちゃんに情けない顔を見せたくなくて、私はにこちゃんの口を塞いだ。
にこちゃんとのキスは、デミグラスソースの甘い味がした。
私が好きでもない人とセックスを繰り返す理由。
それは―――
―――μ's全員でもう一度踊るため。
踊る=○○と考えて下さいね?μ's"全員"ってとこが重要なんです。
Twitter始めました。フォローよろしくお願いします。
『@ayami1112_Rahme』
近況とか愛を叫んだりしてます。メッセなどはこっちに送ってくださっても構いません。気づいたら返信します。
更新予定日は未定です。
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【にこ×真姫】 尾行
タイトル思いつきませんでした。ごめんなさい。
みなみけ―――
「はい、南です。……あ、にこちゃん?久しぶりー♪どしたの?……うん、海未ちゃんね。ちょっと待っててねー……海未ちゃーん」
ある日の昼下がり。私の家にはにこちゃんから電話がかかってきました。にこちゃんが用があるのは海未ちゃんみたいで、私はすぐに海未ちゃんのいる部屋に向かいました。
海未ちゃんは部屋で仕事をしていました。海未ちゃんは税理士の仕事をしていて、今日はお休みだったけど、結局仕事をしているみたい。
凛々しい横顔、綺麗な眼―――えへへっ、やっぱり、ことりの自慢の旦那さんです♪
「ことり?どうしたのですか?」
真姫ちゃんから電話がきていることを教えると、すぐに海未ちゃんは電話に出て話し始めました。
「真姫ちゃんが?」
にことの電話が終わり、ことりに話の内容を話しました。
内容は『真姫がなにかを隠している』ということ。半年程前から帰りが遅く、問いただしてもはぐらかされてしまうそう。
「はい。私は浮気とかではないのですか、と言ってみたのですが……にこは真姫が浮気しているわけではないと思っているようです。現に、浮気しているのかと訊いたようですが、否定されたそうで」
確かに高校生のときから付き合っていた真姫ちゃんとにこちゃんは、ケンカとかはよくしてたけど、浮気とかそういうことは一切していないみたいだったし。真姫ちゃんはにこちゃん一筋っていうのも、μ'sの中では有名な話。でもそれはにこちゃんにも言えること。
ことりが思うに、真姫ちゃんが浮気するなんて考えられない。もし本当に浮気しているなら、きっとなにか大きな理由があると思う。
「真姫ちゃんが浮気してるなんて、絶対ないと思うけど……」
「そうですね。真姫が浮気なんて、ありえないです」
ことりと海未ちゃんで考えた結論は―――
―――真姫ちゃんを尾行する。
~♡~♡~
「お疲れ様」
手術も終わって、休憩が入った。今回は執刀医だったから、周りの看護師たちに適当に応対して自室に戻った。
現在の時刻、午後9時53分。
今日は本当に遅くなりそう。これで男から連絡でも入っていれば、家には帰れない。ことりなら、にこちゃんのことも見てくれるかな?
スマホに手を伸ばすと、メールの件数は5件。迷惑メールが4件、そして若い男から1件来ていた。
前にも1回くらいシたことがあったはず。金持ちだったからそこまで期待してなかったけど、全然乱暴な男じゃなかったからよかったのを覚えてる。それにある程度顔も整ってるから、彼女がいないのが不思議なくらい。
本文には『お久しぶりです。本日僕も予定が空いておりまして、西木野さんのお時間がありましたら連絡いただけると幸いです。病院の方までお迎えにあがります。よろしくお願いします』
礼儀正しい癖にこんなことしてるなんて。なにか親にでも捨てられたのかな、とか考えつつ、病院までお願いしますと返信して着替えに入った。
「はぁ……来ないですね」
真姫の尾行開始から一週間が経過しました。一週間のうち、毎日家に帰宅していましたから、今日も普通に病院の外で待機しています。ですが今日は少しずつ遅いようです。10時を過ぎているので、ことりも心配しているでしょう。ことりに連絡しようとすると、通話中で繋がりませんでした。
とにかく気長に待つしかないようです。
30分程経つと、紺色のコートに身を包んだ真姫が出てきました。流石院長の一人娘といった所でしょうか。お付きの人らしき方が真姫の鞄を持って一緒に出てきました。そのまま鞄を受け取り、近くに止まっていた黒の車体の車に乗り込みました。その後を追うよう私もタクシーに乗り、車を追いかけました。
車が着いた先は、小さながらもそれなりに繁盛しているくらいのバー。車から降りたのは真姫と20代後半くらいの男性。……やはり、これは浮気ということなのでしょうか。
私は真姫に気付かれないよう、少し間を開けて店の中に入りました。店の中に入る前、ことりに連絡をするとことりはにこと真姫の家にいました。どうやら真姫から電話があり、今日は家に帰るのが遅くなるから夕食を頼みたい。ということでした。私とことりの家からにこと真姫の家まではそう遠くありません。こういうことはよくありましたが、その時は私もことりに同行していましたから、なんだか落ち着かないものです。
店の中に入ると、2人はカウンターに座っていました。私はそこから離れたテーブルに座り適当にカクテルを頼みました。
普段あまりお酒は飲みませんが、メニューにはお酒しかないので一番度数が低そうなものを選びました。
それから1時間弱、2人は話し込んだ後店を出ました。
また2人を追いかけようと店を出ると、今度は車には乗らず徒歩で移動を始めました。お酒が入っているのですから当たり前かも知れません。バレないように尾行を続けると、電灯でキラキラ輝く繁華街のような場所に着きました。
2人は少し歩いた後、豪華で洋風の雰囲気が漂う建物―――通称、ラブホテルに入っていきました。……っ、やはり、真姫はこんな破廉恥な行為を行っているということですか……!いえ、きっとなにか深い理由があるはず。真姫がここから出てくるのを待つしかありません。
とはいえ、中に入るわけにもいきませんし……やはり外で待つしかないようですね。
私は真姫が出てくるのをただ待つことしか出来ませんでした。
~♡~♡~
「はぁっ…………っん、ふぅ……」
行為が終わって時計を確認すると、時刻は1時過ぎ。にこちゃんはもう寝たかな、なんて考えながら彼の方を向くと、バスローブを被り鞄を漁っていた。そこから封筒を何束も取り出し私に差し出してきた。もちろん封筒は分厚く、それなりの額は入っていると思う。
「これで足りる?」
彼だけには今日全て話した。彼女のために医療費を稼ぐため、こんなことを続けていることを。
「えぇ、でもこんなにいいの?」
構わない、と言うふうに手を振り、シャワー室に向かっていった。
私も身支度を整えて、すぐにホテルを出た。
~♡~♡~
紺色のコート。
ついに、ついに真姫が出てきました!数時間も待った甲斐がありました。私は問い詰めるべく真姫をしばらく尾行することにしました。
真っ直ぐ駅に向かっていった真姫がたどり着いた先は、家までの帰路でした。真姫は暗闇の住宅路で足を止め、私の方を振り返ってきました。どうやら気づかれてしまっていたようです。
「なんのつもりよ、海未」
振り返り、私の方に歩みを進めてくる真姫。私は怯むことなく口を開きました。
「なんのつもりはあなたの方です。こんな遅くまでラブホテルに入り浸って、なにをしていたんですか」
目を背ける真姫、私はもう1歩距離を詰めたました。
「海未には関係ないわ。私が勝手にしてる事でしょ?……大体、そっちこそどうなのよ。ずっと備考してたんでしょ?誰に頼まれたの?」
そんなこと、あなたにはとっくに分かっているのではないんですか?そう思いつつ、私は真姫の胸ぐらを掴みました。その瞬間、真姫が持っていた鞄から大量の札束が溢れ出た。こんな大金、貰うためには相当なことをしなければ……手に入らないのではないですか?
「関係なくないです!!……あなだがあんなことをしている理由、教えて下さい。教えて欲しいと思っているのは私だけでは無いです……元々は、あなたの恋人から頼まれたことですから」
それを聞いて、真姫ちゃんは顔を歪めました。流石に自分の恋人に頼まれていたとは思わなかったようです。
真姫は渋ったように重い口を開きました。
「にこちゃんが……?はぁ、何よもう。何も無いって言ったのに……なんでそんなことするのよ……にこちゃんにだけは秘密にしておきたかったのにっ……」
真姫は目に涙を浮かべ、理由を話し始めました。
「私はにこちゃんの足を治したいの。でも、新人医師の私じゃ稼ぎも少ない。手術もあるとはいえ、簡単なものばかり。こんなことするしか、道は無いのよ。……みんなには、秘密にしておきたかったから……ごめん」
私は真姫から手を離すと、散乱した札束を拾い集めるのを手伝いました。本物の札束のようですし、大金をあの1回で物にしたのは間違いではないようです。
「にこには、伝えないのですか?」
私は拾いながら立ち尽くしている真姫に話しかけた。
「……えぇ、言ったら心配かけることになっちゃうしね。……海未もこのことは言わないで」
それだけ言うと、真姫は鞄を拾いスタスタと家に帰っていきました。
今帰られては困ります。まだ聞きたいことが……。
「ま、真姫!」
咄嗟に私は真姫の名前を叫んでいました。すると真姫はイヤそうな顔をして振り返り、何よと戻ってきました。
「にこに……このことは話していいんですか?」
真姫はそれを聞いて、勝手にすればと言い残し、去っていきました。
はい、終わりです。
もう少し続く。
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【にこ×真姫】秘密のすべて
スマホとパソコン両方で書いてるので、文頭ズレたりしてるのは明日修正します。すみません。
3月23日、修正しました。他の小説の誤字脱字も修正しました。
次で終わらせたい。
なんかめっちゃ箇条書きでごめんなさい。
投稿するときダルいんで、章で区切るのやめました。
「はぁ~ご飯食べよーっ」
海未に真姫ちゃんの浮気調査を頼んだ日から9日くらいが経った。特に海未から報告はなく、浮気ではないのかなと最近は考えている。
今日は家に一人。真姫ちゃんは仕事に行っている。車いすを動かしてキッチンまで向かう。お湯を沸かして適当なカップ麺を開けた。
テレビの前にあるテーブルにカップ麺を置いて、おもむろにテレビをつけた。
「面白いもの全然ないじゃない」
目を引くような番組がこれといって無く、元々挿入してあったディスクを再生した。
ディスクのなかには、私たち――μ'sの躍っている姿。
全員が楽しそうに、笑顔で踊っている。でも、もうこれは二度と出来ない。
私の麻痺が原因ということもあるけど、今9人が一度に集まるのは難しい。
私たちの近くにいる海未やことりならまだしも、穂乃果と花陽と凛はそれぞれの家庭を持っている。絵里と希なんて、海外で呑気に暮らしてるみたいだし。……仕事もあるみたいだけど。
近くにいるといってもことりは海外と日本を行き来しているし、海未も仕事が忙しく調査を頼んだのが悪いくらい。
真姫ちゃんだって、忙しいみたいだし。
私はもう一回だけ、みんなで踊りたい。
無理だとは分かってるつもりだけど、それでも――。
私の今の夢は、もう一度μ's全員で踊ること。
「……はぁ」
嫌な気持ちになった。
好きなドラマのBDでも見ようとして、テレビ台の下の大きな引き出しを開けると――。
「……っ、な、なに、これ……?」
そこには大量の札束が詰め込まれていた。
~♡~♡~
「……ふぅ」
一呼吸整え、玄関のチャイムを押――そうとする。
あぁもう!中々家のチャイムが押せません……。こんな情けない姿、ことりだけには見せられないです。
今日は私の調査結果をにこに伝えるため、こうしてにこの家に出向いたのですが。
緊張して中々押せないのです。
結果を聞いたにこはどう思うのか、真姫との関係が悪くなってしまうのではないかと考えると……。
「……あぁ」
これだけを見れば私が不審者みたいに思われてしまいます。
もう、押さないと……。
震える指を抑え、私はチャイムを押しました。
しばらくの沈黙。そして、ドアが開きました。
「……あ、海未。いらっしゃい」
バリアフリーの玄関から顔を出したのはにこでした。
中に入ると、リビングのテレビの前に案内され適当にコーヒーを貰いました。コーヒーより お茶や
にこはテレビのしたを指さして、
「これを見て」
と、引き出しを開けるように促してきたので、私はテレビ台の引き出しを開けました。
そこに入っていたものは、私が今からにこに話そうとしていたことに関係しているものでした。
「……っ、こ、これは」
「やっぱり、海未はこれのこと知ってる?」
にこは大金をじっと見つめて、抑揚のない声で私にそう呟いて、椅子に座るよう促してきました。
「あの、にこ。何から話せば……」
自分で考えた憶測を話そうかとも思ったけれど、にこが聞きたいことを一番話すべきだと思いました。
「……海未がどう考えてるのか、教えて」
ジッと私を見つめてくる真剣なにこの目。
「すべて話します。……真姫を尾行して一週間ぐらいたった頃、彼女は病院を出た後男性の車に乗り込み、そのまま離れたところにあるバーに向かいました」
にこは視線をテーブルに向け、微動だにせず……ただ一点を見つめています。ただその瞳は少し震えているように感じます。やはり、にこは辛いのでしょうか。
私はそれでもにこに伝えることを止めませんでした。きっと、にこもすべてを聞く覚悟でいるのでしょう。
「バーで小一時間話した後、2人は徒歩で移動し……そ、そのまま……ら、ら」
どうしても恥ずかしくなってしまい、私は''ラブホテル''という単語を言うのを躊躇ってしまいました。
「なによ、怒らないからハッキリ言いなさいよ」
そ、そんなこと言われましても……。ここで言わなければ、あの日の寒さに耐えた苦労が台無しに……!それだけは、嫌です。
決意を固め、一度咳払いをした後その単語を口に出しました。
「2人はそのままラブホテルに入っていきました……」
「なっ……ぐ、ぐ、ら、ラブホ……!」
にこも驚いて……いや、悔しがっている様子です。
じゃあやっぱり浮気じゃない……。とにこはテレビの前に車椅子を動かし、一つの札束を取り出しました。
「これの話は?」
と、札束をパタパタしお金について聞いてきました。
「浮気じゃないんです。まだ話は終わってませんよ、にこ」
どういうこと?と振り返り私の方を凝視してきました。
「私はラブホテルから出てくる真姫をずっと待っていたのですが、真姫は1人で出てきたので、少し尾行を続けました。その後は真っ直ぐこの家に帰っていました。……まぁ、途中で尾行を気付かれてしまいましたが……」
興味津々、というかかなり真剣な顔で私のほうを見ています。
「私は真姫にホテルの中で何をしていたのか、にこという恋人がいるのになんでそんなことをするんだ。と真姫に問いかけました」
「……それで、真姫ちゃんはなんて言ったのよ」
「真姫はにこの足を治すため、不純な行為を行っていました。……にこの足を治すには膨大な金額が必要と聞きました。ですが真姫の稼ぎでは足りず、仕方なくそのようなことをしているようです。実際、私は真姫の胸ぐらを掴んでしまったとき、真姫の鞄が落ちたときに札束が溢れ出ました。1回で何束も貰うということはやはり、そういうことだと思います。……真姫は貴女に心配をかけたくなかったようです。秘密にしておいてとは言われましたが、私は黙っていることが出来ませんでした。……これがすべてです」
にこはそう、と言って自室の方へ姿を消しました。
「悪いけど、今日は帰って」
と、捨て台詞を吐いて……。
Twitterフォロー宜しくお願いします。小説を読んでからのフォローでしたら、それを教えてくれるともっと助かります。
【@ayami1112_Rahme】
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【にこ×真姫】 Tickled Pink
しばらく休載します。
あと1話で終わる予定です。
三森すずこさん、ライブツアー開催・武道館2daysおめでとうございます!Twitterでこれについて思いを暴走させているので良かったらどうぞ見てください!
「ただいま」
暗い家の中へ声をかけても、返事はない。それもそのはず。
現在の時刻、午前3時過ぎ。駅まで送ってもらったからこの時間に帰ってこれたけど、男が送ってくれなかったら朝帰り位にはなっていたかもしれない。
当然今日もしてきたわけで、正直疲れ果てている。ホテルを出たのは2時半位だったから、男と一緒にいた時間は5時間にも及ぶ。ホテルの前にお酒を飲みに行っているとはいえ、流石に辛い。
シャワーを浴びて、リビングで水を飲んでいるとにこちゃんのことが気になった。
流石にもう気づいているのだろうか。海未はもうにこちゃんに教えたのだろうか。そんなことばかり、頭の中に浮かんだ。
鞄から大量の封筒を取り出して、テレビ台の引き出しに詰める。この引き出しがいっぱいになれば、目標の金額に達成する。あと少し、もう少しの辛抱だ。
にこちゃんのために。そう頑張ってきた。
私だって、好きでもない男と寝るなんてことしたくない。
それでも私はやめなかった。すべてはにこちゃんのため。にこちゃんが喜んでくれるなら、私はどうなってもいいんだ。
不意に、にこちゃんの顔が見たくなった。もうこの時間ならとっくに寝ている時間。私たちの――いや、にこちゃんの寝室に入ると寝息は聞こえてこない。
にこちゃんは入口に背中を向けて寝ていた。普段なら仰向けで寝ている。それが普通なのに――。この状態なら起きてるのだろうか。
「にこ、ちゃん?」
ぼそっと名前を呼んだ。返事はない。起きてるの?にこちゃん……。
にこちゃんの顔の方に近寄ると、突然ギュッと腰のあたりを掴まれた。突然のことにビックリして、変な声を上げてしまう。やっぱり起きてるみたい。
ベットから乗り出すように私の腰を抱きしめてきた。なんだかにこちゃんに触れられたのが久しぶりで、感動して涙が零れた。にこちゃんのぬくもり、とってもあったかくて心地よい。男なんかとは、大違いな小さい身体でギュッと抱きしめてきたその姿は小動物みたい。
「真姫ちゃん……おかえり」
「ただいま、にこちゃん」
そのまま私はベットの中へ潜り込んだ。私はにこちゃんを抱きしめるつもりだったけど、にこちゃんの方から腰に手を回してきた。私の胸元に顔を埋めているけど、苦しくないのかな。
「ねぇ、真姫ちゃん。……全部聞いたよ」
"全部"ってことは、海未は話したのね。
にこちゃんはそのまま続けた。
「真姫ちゃんが、にこのためにしてくれてたこと。聞いて……凄い嬉しかったよ。あんなお金、用意するの大変だったと思う。なにより、身体のこと。私の身体、治そうとしてくれるのは嬉しいの。でも、自分のことも考えてよ……今日もしてきたんでしょ?別に、にこは怒ってない。……にこは、真姫ちゃんにもうそんなことしてほしくないの。だから、お願い……!もうにこから離れないで、にこのそばに……にこの隣にいて……!」
振り絞るような声でにこちゃんは私にそう言った。胸が微かに動いているのが分かる。にこちゃん、泣いてる。
にこちゃんがそんなこと思っているなんて知らなかった。にこちゃんが私を抱きしめる力が次第に強くなる。
「にこちゃん……うん、わかった。もうしないから……ずっとそばにいるよ……だから、泣かないで」
私もにこちゃんに呼応するように抱きしめる力を強くした。
にこちゃんは胸から顔を上げてにこっと笑った。暗闇の中でも眩しいくらいの笑顔。
「大好き、真姫ちゃん」
「にこちゃん、大好き」
私とにこちゃんは暗闇の中で、そっと唇を触れ合わせた。
久しぶりのにこちゃんとのキスはすごく、すごく幸せな味がした。
~♡~♡~
「今日だっけ、にこちゃんと真姫ちゃんが日本を発ったのって……」
「はい、確かにこが退院できるまではあっちにいるようです。お土産も頼みましたよ、ことり」
真姫ちゃん浮気騒動から一か月と少し。だいぶ幸せな毎日に戻ってきていました。
ことりは仕事で二日後に日本を発つ準備をしていて、海未ちゃんも手伝ってくれています。そんなときにことりがこれを言ったのが始まりで……。えへへ……。
「もう、海未ちゃんは呑気なんだから」
笑いあいながら準備を進めていたら、突然海未ちゃんに後ろから抱きしめられました。
口を耳に近づけて、耳元で囁いてきます。海未ちゃんのあまい声にことりの脳はメロメロです。
「ことり、突然ですみません。……左手を出してくれますか」
こういうときもちゃんと謝ってくれるのが海未ちゃんのいいところ……?なのかなぁ?
あまい声に脳の処理が追いついてないことりは、考えが及ばないまま左手を差し出しました。
海未ちゃんは一度抱きしめている腕を離して、ポケットから何かを取り出しました。紺色の小さな箱。
左手に海未ちゃんの手が触れて、そっと薬指になにかが通る。目線を手に移せば、薬指にはキラキラ光る指輪が輝いていました。
これって、婚約指輪だよね……?海未ちゃん……。
「ことり、結婚しましょう」
そう簡潔に、たった一言。海未ちゃんの口から言葉が零れました。
ことりは迷うことなく海未ちゃんに抱き着いて、何度も頷きました。
「海未ちゃん、大好き!」
「私も、ことりのこと愛してますよ」
準備なんて忘れるくらい、蕩けちゃうあまいキスを海未ちゃんにもらいました。
にこまきといいつつ、少しずつ混じってくることうみ要素www
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【ayami1112_Rahme】
参考にさせて頂いたサイトさん
【http://english-talk-wit.me/happy-words/】
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【にこ×真姫】 私たちの宝物
だいぶだいぶ適当かもですが、一応完結です。
「……んぁぁ、っんぅ……うぅ」
重い身体を起こして目を開けると、バッとオレンジ色の光が差し込んできた。
身体はいろんな線が付いている所為であまり動けないけど、周りを見渡すくらいならできる。
部屋の窓際には夕日の光が当たって光り輝いている赤髪があった。
「真姫ちゃん」
そっと名前を呼んでみた。それでも、返事は無い。小さな声で呼んだから聞こえなかったのかな。
そのとき、真姫ちゃんがスッとこっちに振り返ってきた。そのまま私のところまで来て、ベットの横にある丸椅子に腰を掛けた。
そのまま私の右手をギュッと握ってきた。右手をじーっと見つめているだけで、特に何もしてこない。
「ねぇ、にこちゃん……目、瞑ってくれる……?」
素直に目を瞑り、何をされるのかと思えば今度は左手を……いや、左手の薬指をそっと握られた。
突然のことに、頭が追いつかない。すぐさま小さな箱がキィィィ――と開き、薬指に指輪がはめられた。
「目、開けていいわよ」
目を開けて左手を見ると、夕日に照らされてキラキラと輝くダイヤの指輪があった。こんなもの、いつ用意したんだろう。こっちに飛んでから買ったのか、前から用意していたのかは分からないけれど……。とにかく、嬉しい。
「っ、こ、これ……どうしたのよ」
なるべく平静を装っているつもりだけど、多分装えてない。それだけ心の内はドキドキしている。
「別に。……手術成功祝いみたいなものよ。それと、婚約指輪……」
こんなこと、はじめてで。されると思っていなかったプロポーズ。すると思ってなかったし、第一籍は入れられない。
「……ほんと?でも、籍は……」
「式だけなら挙げられるし、籍にこだわらなくたっていいじゃない。私はにこちゃんといれるだけで幸せだし」
にこちゃんといれるだけで幸せ!?あぁ、なんて幸せなフレーズなの……。
私は無我夢中、自分の身体が手術明けだなんて考えもしないで真姫ちゃんに飛びついた。
「真姫ちゃん!大好き大好き大好き~っ!!すぐしよっ、結婚するわよ!!」
「ちょ、ちょっと!手術明けなんだから落ち着いてよっ、それと病院では静かにね。……日本に帰ったら、すぐにしましょ」
真姫ちゃんはそれだけ言って、私のほっぺに軽くキスをした。
~♡~♡~
あの夜のこと、私は二度と忘れない。
にこちゃんが事故に遭ってから数日。私がお見舞いに行くと、部屋の中から声が聞こえてきた。
”もう踊ることはできない”
そう医者に告げられた日の夜のことだった。
それは泣きながら自分自身に訴えている声。事故に遭った自分への、怒りや、悲しみなどがその声に紛れていた。
「……なんで、よっ……なんで、なんで……もう、踊れないのっ……!なんで、なんでこんなことになるのよっ……嫌だよっ、もう一回……まだ、踊りたいっ!また、みんなで踊りたいのにっ……」
だから私は決めたの。
にこちゃんを、もう一度踊らせる。と。
~♡~♡~
「にこちゃん!真姫ちゃん!ほら早く、こっちこっちー」
結婚式の後、μ's全員である場所に来ていた。
もちろん、真姫ちゃんもにこも着替えてある。ドレスのままこんなとこ来れないもの。
「穂乃果ー、ちょっと待ちなさいよーっ!主役はにこと真姫ちゃんなんだからぁー」
どんどん入口へと走っていく穂乃果。大人になっても変わらないのね。
今、全員でアキバドームに来ている。みんなでここを借りてやることなんて、あれしかない。
せっかく真姫ちゃんが、私の体を治してくれたんだから、しない手は無い。
9人だけのライブ。9人の曲。μ'sの曲。
私が叶えたかった夢、今叶う!
「にこっち、踊るのは数年ぶりやろ?大丈夫なん?」
希が衣装に着替えながら私にそう訊いてきた。
「心外ねー。踊れない間、家で何してたと思ってるのよ、もう」
毎日のように、自分たちの踊る姿を見ていた。また、こんな風に踊りたい。そう思いながら。
「さぁ!9人しかいない、本当に最後のライブ。にこのために集まってくれてありがとう!お客さんはいないけれど、みんな楽しんでみんなを笑顔にする気持ちでいくわよ!」
舞台袖、バシッと決めてステージに飛び出すため私はそうみんなに言った。
もうすぐ、始まる。
「1!」
「2!」
「3!」
私たちの。
「4!」
「5!」
「6!」
最後のライブ。
「7っ!!」
「8!」
「9!」
今日のμ'sコールはにこの担当。
「μ's!!!」
「「「ミュージック、スタートっっっ!!!」」」
~♡~♡~
今でも家に飾ってある、9人だけのライブで撮ったμ'sの集合写真。
それは、μ'sの――、
――私とにこちゃんの、宝物。
ツイッター見てください。
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※【穂乃果×絵里】 本能に忠実に
海未ちゃんにえりちを横取りされてしまった穂乃果ちゃんにわたしという救世主が救いの手を差し伸べてあげたのです!(笑)
今回はかなりえっちな感じに仕上げました。執筆期間はたしか二日です。
オリ主もよろしくね。
私も本能に忠実に書いたので、語尾がだいぶ怪しいです。ごめんなさい。
「うーみーだーあーっっっ!!!」
笑いながら砂浜を裸足で駆けていく、眩しい太陽。私には少し眩しすぎるくらいだけど、それが今はちょうどいいかもしれない。
「絵里ちゃーんっ!早くおいでよー!」
はしゃぐその姿は、私にはとても真似出来ない。あんなに元気に砂浜を駆け回ることなんて私が出来ると思う?
サンダルを鳴らして彼女の元へ歩いていくと、私に向かって満面の笑みをこれでもかというくらい見せてきた。夕日に照らされたその顔が普段の彼女より、断然可愛くて、魅力的。……あぁ、だめ。そんな顔しないでよ。あなたの前では、カッコよくいたいのに。理性が飛んでしまいそう。……砂浜に二人きり、誰もいないから何でもしていいわけではない。そんなこと分かってる、常識だってある。でも、それを覆そうとしてくるのが本能。
……我慢なんて、できない。
「……っ、穂、乃果」
駆け寄って、ギュッって抱き締めて、そっと両手を穂乃果の頬に当てた。ジッと見つめると、次第に穂乃果の頬はオレンジに染まり、下にあたまあが下がっていく。夕日に照らされて赤いのか、単に照れているのかはわからないけれど、私のことは見てくれないようだ。少し強引だけど顔を少し上げると、今度は目を逸らしてしまった。
「私のこと、見てくれないの?」
少し、少しだけイジワルだったかな。顔を固定してるから、目を逸らすことが出来ない。なのに見てくれないの?……なんて、流石に酷いかな。
「だ、だって……恥ずかしいもん」
頬をちょっと膨らませて、下を見る穂乃果。こんなときにも私の脳裏に浮かぶ言葉は可愛い、キスしたい、めちゃくちゃにしてやりたいとかそういったものばかり。自分で言うのも何だけど、理性は完全にどこかに飛んでしまっているのかも。穂乃果は嫌なの?こんな広い場所で、誰が来るかもわからないような場所で、抱き締められること。やめてよ、って言えばいいじゃない。そしたらすぐに手を離してあげるのに。嫌なら嫌って言ってくれないと、私、穂乃果に夢中で分からないわ。
「なら、見つめないで欲しい?」
「え、それってどうい……っ」
けどそれは私が塞いであげた。くちびるを塞げば、見つめ合うこともできない。
……結局、本能に理性は勝てなかったようで、その後も私が一方的にキスし続けた。穂乃果もそこまで抵抗する素振りを見せず、危ないところまで行ってしまって……少し自重した方がいいかも。
〜♡〜♡〜
「……穂乃果、機嫌直してよ。お願い……私が悪かったわ」
今更感は拭えないけど私、絢瀬絵里と愛し……こほん、花嫁の高坂穂乃果と一緒にハネムーン旅行に来ている。結婚してからすでに半年経っているけれど、なかなか二人の休みが重ならず旅行に行くことが出来なかったのだ。
私は四捨五入しちゃいけない歳になったし、穂乃果も来年にはその歳になる。節目ということもあり、二人で考えた結果、結婚することになったのだけど……もちろん、籍を入れることはできない。海外に行けば籍を入れることも可能だけど、穂乃果に提案したところすぐに却下されてしまったの。穂乃果曰く、『絵里ちゃんとすぐに結婚したいもん!』と、海外に飛んでいる時間はないらしい。まぁ、結局はμ'sメンバーと身内のみで式を挙げたわ。
実はその式のあたりで、海未といろいろあったのだけど、私は丁重にお断りしたわ。決して海未のことを嫌っているわけではないのだけれど、やっぱり心に決めた人がいるわけだし、浮気なんで逆に穂乃果にも海未にも悪いわ。そんなこと、私には出来ないもの。
なんだか話がそれた気がするけど……。もう時刻は12時を回っている。そんなときに私は情けなく、ずっと穂乃果に許しを求めていたのだけれど……。私はホテルの部屋で穂乃果を膝枕し、ひたすら頭を撫でていた。なぜなのか?それは、実に簡単なこと。まぁ簡単に言えば、自業自得なのよ。私が砂浜で穂乃果にしたことは、冷静になって考えるとかなりやばいレベル。穂乃果もなかなか機嫌を直してくれなくて、どうしたらいいかと悩んだのだけれど……。
『じゃあ、穂乃果のいうことなんでも聞いてくれる……?』
私が断る義理もなく、もちろんやるしかなく。……現在も穂乃果のいうことを聞いている最中で。最初はホテル内にあるバーでお酒に付き合った。そしたら特別強くもないはずなのに、やけなのかガバガバと飲んで部屋まで戻ることすら困難になってしまったのだ。部屋に帰ったら帰ったで、ベロンベロンになった穂乃果にまず水を飲ませることにしたんだけど……。それにも時間がかかって……。また意味わからないこと言い出して、結局口移しで水を飲ませることになってしまったし。次はマッサージしろって言われたから、大人しくマッサージをしていると、人が変わったような発言をして驚いたわよ。
『んぁ……っ、穂乃果……エッチなからだになっちゃった……すごい、絵里ちゃんのマッサージ……きもち、いい……もっと、して……?』
そのときまた、理性が飛びそうになったけどなんとか堪えて。無心でマッサージを続けた。
……そして、今に至る。
右手で頭を撫で、左手は……まぁ、下腹部にある。今は膝枕はしないで、私が穂乃果を後ろから抱き締めている体制になっている。下腹部に伸びている、というのはもちろん穂乃果のお願い。私は下着越しに少し愛撫してるだけだけど、お酒のせいもあるのかかなり感じやすいみたい。いつもよりも、感度がいい気はする。
「っはぁん、っんぅ……あっ、ん、そこ……きもちい……っ」
穂乃果が喜ぶなら愛撫するのは構わないけれど、襲っていいのかダメなのかがよくわからなくて。私の胸がかなりモヤモヤしている。
そのまましばらく愛撫を続けると、穂乃果が私の左手を下着のなかへと誘い込んできた。穂乃果自ら体制を変えて、私に足を向けて……それを少しだけ開いてくる。下着は少しだけ湿っていて、穂乃果が興奮しているのが充分伝わった。
穂乃果の身体は快感に溺れて震えている。力も入らないようで、私が手をギュッと握り、力を振り絞って耳元へと口を寄せてきた。
「……がま、んっ、できない……指、入れて……っ」
穂乃果は生まれたままの姿になると、私の手を秘部まで動かしそっと触れさせた。久しぶりの感触に、私自身も気持ちが高まってくる。指を少しだけいれると穂乃果は甘い声を漏らした。そのまま穂乃果自身が腰を落として、指を奥深くへと射し入れた。
そして穂乃果が絶頂に達すると、穂乃果は力尽きたように私の膝を枕にして、寝息をたて始めた。
「……私は、どうすればいいのよ」
まだ続くと思ってたのに、穂乃果が寝てしまったからなにもすることが出来ない。こんな中途半端にされて……穂乃果、家に帰ったら覚悟しなさい。眠る力も残らないくらい、メチャクチャにしてあげるわ。
〜♡〜♡〜
朝起きて、シャワーを浴び部屋に戻ると穂乃果は目を覚ましていた。私が置いておいたバスローブを着ていて、おそらくバスローブ1枚しか身にまとってはいない。……なんだか、夜のことを思い出して……。
「おはよう、穂乃果。シャワー、先浴びたわ」
うん、と小さな返事が返ってきたけど、なんだか元気がないみたい。……いや、なにか考えているような。
「ねぇ、絵里ちゃん。穂乃果って昨日の夜なにしてた?……なんか思い出せなくて……起きたら裸だったから……びっくりしちゃって。もしかして穂乃果、酔っちゃって絵里ちゃんとシちゃったかなって思ったんだけど……」
……覚えていないのね。
「……あ、いや、まぁ……ムードみたいなものがあってね。ごめんなさい、ちゃんと昨日のことも謝ってないのに」
「ううん、大丈夫だよ。あのときはびっくりしただけで……す、するなら二人っきりが良かったから……」
……あぁ、なんという天使。可愛い、嫁にしてよかったわ。
「……あ、あのときはまぁ……もうやめましょう。ほら、シャワー浴びてきちゃいなさい。お昼にはここを出なくちゃいけないんだからね。
返事とあくびが一緒になった返事をして、穂乃果はシャワールームへと歩いていった。
~♡〜♡〜
「ただいまー」
旅行から帰ってきて自宅へと着いた。
「あーっ、疲れたぁー」
どちらも身体を伸ばしている穂乃果の声だ。さぁ、やっと家に着いたところで、昨日の鬱憤を晴らさせてもらうわよ、穂乃果。
「穂乃果、片付けは明日でいいから、今夜は私に付き合ってもらうわよ」
穂乃果はぽかーんとした、間抜けな顔でふぇ?とこっちを見ている。口じゃわからないわよね。手を引いて半ば強引にベッドまで連れていった。私が大金叩いて買ったキングサイズのベッド。穂乃果をそこに寝かせると、私は穂乃果の身体に馬乗りになって上着に手をかけた。
「ぅえ、絵里ちゃん!?……す、するの?」
すぐにそういった予測変換が出てくるなんて、穂乃果ももう立派な大人なのね。
「穂乃果は嫌?昨日の夜、私がちゃんと気持ちよくなれなかったからね」
かなり自分勝手ではあるけれど、もうすでに私のメーターは上限を超えている。すぐにでも穂乃果に触れたい。気持ちよくなってる穂乃果を、メチャクチャにしたい。
穂乃果は少し悩んだ後、馬乗りになってる私をジッと見つめて。
「いいよ……っ、穂乃果のことメチャクチャにして……?」
そのまま私と穂乃果はキングサイズのベッドに沈み込んでいった。
エロいのがもっとほしかったら教えてください。
オリ主も宜しくお願いします。
『https://novel.syosetu.org/82252/』
感想待ってます。舞ってます。
そしてエス氏さん!見ていたらですが、ほのえり遅くなってすみませんでした。三か月以上経ってしまいましたが、無事にお届けできました……。長編投稿する前に、短編は書くつもりなので、近々ほのゆきとほのツバも投稿する予定です。
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【穂乃果×雪穂】 なかなおりのしるし
夜ご飯食べる前にクレープはダメ、ゼッタイ。
というわけで、だいぶ日が開きましたがほのゆきです。今回は二人がケンカします。
時間かかった割には、あまり長くないですけど許してください……。
やっちゃった。
お姉ちゃんにやっちゃいけないこと、言っちゃいけないこと。
お姉ちゃんを傷つけちゃった。
「もういいよ……雪穂なんて、っ……雪穂なんて知らない――っ!」
私の耳に深く残る、重くて大きいドアが閉まる音。
私、高坂雪穂は久しぶりに姉の高坂穂乃果と、盛大な大喧嘩をした。
ことの発端はお姉ちゃんが勝手に私のデザートを食べてしまったこと。祝日で学校も休みだったお姉ちゃんは、私が親友の亜里沙と出かけている間に、大事にとっておいたショートケーキを食べてしまったのだ。普段なら私が少し怒るだけでお姉ちゃんのことは許すけど、なぜだか今日はそううまくはいかなかった。私もお姉ちゃんも、日頃の不満をすべて言い放ってしまって、私が最後にとどめを指す発言をしちゃったから。……だから、あんなことになっちゃったんだ。
『だいたい、本当にお姉ちゃんたちで廃校がなくすことなんて出来ると思ってるの?……そんなの、ただの女子高生にできるわけないじゃん!ロクにダンスなんてしたことなかったんでしょ?そんなんで廃校をふせぐとかか、絶対無理でしょ』
今まで溜まってたものを、その場の勢いですべて吐き出してしまった。お姉ちゃんがどんな思いでスクールアイドルをしているのか、どれだけスクールアイドルが好きなのかを誰よりも近くで見てきたのに。メンバーの人なんて関係なく、家族として、妹として見守ってきたのに。なのに。
それを聞いたお姉ちゃんはただ怒ることもなく、声を張り上げることもなく静かに、ただ悲しそうに呟いた。
『……雪穂、もういいよ。……もう、いいから』
――もう、いい。
その一言が、今でも私の心に残ってる。それが頭から離れない。お姉ちゃんは私の目をじっと見た後、何かが込み上げたように泣いて――、
――そして、現在に至る。
お姉ちゃん、どこいっちゃったの。
シーンとした静けさの中、ロールケーキの匂いが微かに漂う部屋の中で、私はぼそりと呟いた。
〜♡〜♡〜
「穂乃果……もうそろそろ帰らないと。穂乃果のお母様も……雪穂も心配しますよ……?」
雪穂と喧嘩したと、家に泣きながら駆け込んできたあなたが部屋に来てすでに3時間が経ちました。現在の時刻は、7時半過ぎ。喧嘩した雪穂はともかく、お母様は心配しているはず。そう思って穂乃果に声をかけるのは、もうこれで三回目です。三度目の正直と思って声をかけましたが、ベッドに横になったままこっちを見ることはありません。
「穂乃果……いいかげんに――」
してください、と言おうとすると本人にかき消されてしまいました。
「海未ちゃんも、本当はスクールアイドルなんてやめた方がいいって、廃校なんて阻止できるはずないって思ってるの……?」
穂乃果がそんなことを言うのは、雪穂とそのことをキッカケに喧嘩してしまったからなのか。そう考えると、私もなんと答えたらいいのかわからなくなってきます。今、穂乃果に答えるベストな答えはなんなのでしょうか。
やはりここは、穂乃果を安心させないと……。
穂乃果をギュッと抱きしめて、背中をさすり安心させるようにしました。
「いえ、そんなこと私は微塵も思ってませんよ。私は穂乃果がスクールアイドルに一生懸命なのも、スクールアイドルが大好きなのも知っています。……それに、穂乃果が中途半端に取り組んでいたら、今頃私はスクールアイドルの楽しさを知りませんでした。大体、そんなこと思っていたら、私があなたに協力して一緒にアイドルなんてしているわけないでしょう。……もうそんな、馬鹿なこと言わないでください。誰もそんなこと思ってないですよ。雪穂だって、本当にそう思っている訳では無いと思います。……そんなことでいじける穂乃果じゃないでしょう」
「海未ちゃん……ぐすっ、ありがど……うっ、う、うわぁ~~~んっ!!」
子供の様に盛大に泣き出してしまった穂乃果を泣き止ますと、穂乃果は荷物をまとめだしました。どうやら帰る決心がついたようですね。
「穂乃果、帰るね。……ちゃんと、雪穂となかなおりするから!」
それだけ言うと、ばいばーいと部屋を飛び出して行ってしまいました。
せわしないあなただから、なんというか……。
……まだ、この気持ちは穂乃果には秘密です。
~♡~♡~
「雪穂っっ!!」
「うわっ!……お、お姉ちゃん」
散々泣いた後、自分の部屋でボーっと天井を見上げていたら、突然名前が呼ばれると同時にお姉ちゃんが入ってきた。まさか、こんなに早く帰ってくるとは思わなかったし、第一お姉ちゃんのほうから来るなんて……。
「雪穂……ごめんっっ!!」
「うぇっ!?な、なにっ、急に……」
悪いのはお姉ちゃんじゃなくて私でしょ……?スクールアイドルのこと、お姉ちゃんのこと、μ'sのことを、馬鹿にしちゃったのは私なのにっ……なんでっ……。
「穂乃果が悪かったよ……雪穂の大事なデザート、いつも食べちゃうし。雪穂のこと考えてなかったんだよ……いつも店番とか、練習のせいで押し付けちゃってるし……」
それからずーっとお姉ちゃんは自分の非を喋り出してしまった。あぁもう、お姉ちゃんは悪くないのに……。
それを打ち消すように、私は大声で「あぁぁっっ!!」と叫んだ。それを聞いたお姉ちゃんはびっくりしてたけど、私はそのまま喋った。
「お姉ちゃんは悪くないんだよっ!全部私が悪いの!……お姉ちゃんのこと一番わかってるのに、お姉ちゃんを傷付けるようなこと言っちゃったし……関係ないようなことまで言っちゃって、本当にごめんなさい。本当はスクールアイドルのこと、全然悪く思ってないよ?でも、最近あんまりお姉ちゃんと一緒にいる時間減ったし……なんかさびしかったから。前みたいに二人でお散歩とか、近くでもお出かけとか……なくなっちゃったから……」
なんか、いろいろ言っちゃったけど、すっきりしたかも。あーあ、なんかつまんないことで大ゲンカしちゃったな……って。
「ちょ、ちょっと、お姉ちゃ――」
お姉ちゃんにギュッと腕を引っ張られて、そのまま部屋の外へ連れ出される。
「お姉ちゃん、どこ行くのっ!?」
ニコッと笑ったお姉ちゃんは、クレープ屋さんっ!!と叫んだ。
そのまま私とお姉ちゃんはクレープ屋さんに直行。お姉ちゃんのおごりと言って、一つ大きなクレープを頼んだ。生クリームとイチゴがたくさん入ったクレープを二人で食べて、ゆっくり家に帰る。久しぶりのこういう時間。なんだか懐かしくて、とっても楽しい。
「雪穂ー、はい」
はい、と差し出された手をギュッと握り返すと、お姉ちゃんが笑った。
「また、クレープ食べに行こうね!雪穂っ!」
満面の笑みに一生懸命答えるように返事をした。
「うん!」
夜ご飯、食べれるかなぁと考えながら、私もお姉ちゃんに笑顔を向けた。
今日のクレープは、お姉ちゃんと私だけの秘密。
また食べに来ようね、お姉ちゃん。
大好きだよ、お姉ちゃん。
これからもよろしくね。
次はオリ主かなぁ……。
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【穂乃果×ツバサ】 次こそは
なんかもうすみません。
一週間程宿泊行事や試合が続きまして……。言い訳です。
以前からリクエストを頂いていたのでほのツバを書いてみたんですが……何とも言えない仕上がりになってしまいました。
ある程度書いた状態で放っておいたので矛盾してるとことかおかしいとことかたくさんあるとは思うし、後半は半ば適当になってしまったかもしれません。
次からは気をつけます。
「ツバサ、少し休憩したらどうだ?」
ある日の休日。英玲奈とあんじゅと共にダンスレッスンをしていると、私の異変に気付いた英玲奈が水を差しだしてきた。私は水を受け取って三口ほど飲み、はぁっ、と溜息をついて、その場に座り込む。すると、私に気付いたあんじゅも近くに寄ってきて、英玲奈とあんじゅが私を取り囲む形になった。
「大丈夫?具合でも悪いの?」
「最近集中できていないようだし……ツバサが心配だ」
二人が次々と私に心配の声をかけてくれるが、私はありがとうと言って少し笑うことくらいしかできなかった。気分が重い。2人に悪いことをしてしまっている。でも、きっとこのままレッスンしていても何の成果にもならないのだろう。
「ちょっと休んでくるわ、ごめんなさい」
2人に軽く手を振って、隣の部屋に移動しソファに横になった。
部屋の証明が顔にかかり、目を眩ませる。それが眩しくて、まるであの日のことを思い出した。あのたった一回の出来事で、自分がこんなにも変わってしまう。あの人たち、いや違う……あの子にはきっと私たちとは違う何かを持っているのだろう。
「はぁっ……なんでこんなに」
A-RISEのリーダーとして、役目を果たして、ファンのために精一杯パフォーマンスをして、必死に頑張ってきたのに。こんなに情けないなんて、リーダー失格かもしれない。
英玲奈の言う通り、レッスンには集中できていない。でもそれは、今日始まったことではないのだ。自分でもそのわけがわからない。ただあの日から、私の気持ち、心のなかにはいつもあの子の笑顔がある。
「高坂、穂乃果さん……」
同じ東京地区の学院、国立音ノ木坂学院のスクールアイドルμ'sのリーダーで、眩しい太陽のような人だということ。それはわかる。……ただ、言い方を変えればそれしか知らないのだ。
もっと穂乃果さんのことを知りたい。純粋にそう思った。それから私の毎日は、μ's――高坂穂乃果に満たされていく。
~♡〜♡〜
「あ、いいなぁそれ!にこちゃん、穂乃果にも見せてよ〜」
地区予選が終わってから、穂乃果たちの人気は上がっているらしい。それはスクールアイドルを知っているなら誰でも知っているであろう、A-RISEの影響が大きいんだと思う。
最終予選ではきっとまた、A-RISEと戦うことになるはず、とμ's全員で打倒A-RISE!を掲げて頑張っている最中なんだけど……。
放課後に部室に行ったら、にこちゃんが1人でA-RISEのライブを見ていた。パソコンを除くように見てみると、華麗に踊るA-RISEの姿があった。
やっぱり、凄い。
μ'sも負けてない!って大声で言いたいけれど、これを見るとやっぱりA-RISEの存在が大きいことを知る。なんていうか、こう、凄いんだよ!あー、凄いとしか言ってないけど……。とにかく、凄いの!
「打倒A-RISE……にこたちも本気で踊らなくちゃね。そのためには、穂乃果!リーダーのあなたが、部長であるこのにこをサポートして……」
正直もうにこちゃんの話を聞いている場合じゃない。穂乃果、燃えてきた!絶対にA-RISEに勝つ!早くみんなを呼んで――、
「練習ーーー!!!しよーーーっっっ!!!」
憧れのA-RISEに勝つために、μ's全員でやり遂げるよ。
〜♡〜♡〜
レッスンを1度休んだ日から、私はレッスンを見ているだけになった。これは私個人の意思で決めたことで、今レッスンを続けてもなんの意味もないと思ったからだ。そのため最近はμ'sのダンスを研究している。研究なんて言い方、大袈裟かもしれないけど、それくらい時間があればμ'sのライブを見ている。
μ'sを見ていると、やっぱりどうしても穂乃果さんに見とれてしまう。気がつけばすぐに穂乃果さんを目で追ってしまう。気がつけば穂乃果さんのことを考えてしまう。私は、どうしたらいいの?
この気持ちは、なんなの?
自分がもうわからない。なんでこんなになってしまったの。
そのとき不意に、部屋のドアがノックされた。返事も言っていないのに、ドアを開けて入ってきたのは英玲奈とあんじゅ。入ってくるなり一枚のメモを差し出してきた。
メモに書かれていたことを簡単にまとめると、どうやら私は使いっぱしりなようだ。メモには『和菓子屋 穂むら』という和菓子屋の住所、それから英玲奈とあんじゅのメッセージ。
『最近話題になっている和菓子屋でおまんじゅうを買ってきてください』
私は嫌そうな顔をして2人を見た。だけど2人はそんな私を見て笑い、とっとと立ち去ろうとする。ちょ、ちょっと待ってよ。
私は我慢出来なくて2人に反対した。
「こ、これ、ただの使いっぱしりじゃない?私はレッスンに出ない代わりにμ'sの研究してるんだから、おまんじゅう買ってきてなんて酷いわよ!」
それを聞いてあんじゅは一笑、英玲奈ははぁ、とため息をついた。
「レッスンに出ないと代わりにと開き直るのか……」
「安心して、ツバサ。きっといいことがあるから」
そんなこと言われても……と、思いつつ2人に諭されて私はその話題の和菓子屋、『穂むら』へと向かった。
最近ダンスレッスンをしていなかったためか、穂むらまでの距離がいい運動になった。店の前に着くと、2人に頼まれたものを確認する。
おまんじゅう15個セット1つ。
至極簡単、おまんじゅうを買ってくるおつかいなんてこの私にかかればすぐに終わる。とっとと帰っておまんじゅうを食べましょう。
ガラガラっ、と店の戸を開けると私の目の前にあったのは私が今ここにいる原因をつくったと言っても過言ではない人。
眩しい太陽のような笑顔。
「いらっしゃいませー!……って、え、えぇ!?」
そこにいたのは私を悩ませている張本人、高坂穂乃果さんだった。
「な、な、なんで……?」
私がそう呟くと、彼女は少し笑って、
『話します、どうぞ上がってください!』
そう言って彼女に家の中へと案内された。待ってまだ心の準備ができてないのいきなりどこに案内されるの教えて。
頭の中がパニックになる。私とは反対に穂乃果さんはどんどん階段を上っていく……私はそんな穂乃果さんについて行くと、案内されたのは穂乃果さんの自室だった。
「ちょっと汚いかもですけど、どうぞ!入ってください」
いまお茶とお菓子を用意しますね、と微笑んで穂乃果さんは下へと駆けて行ってしまった。……ちょっと、この状況。
綺羅ツバサ、今世紀最大の大チャンス。
お菓子はともかく、お茶を煎れるのは時間が少しかかる。そして、穂乃果さんの部屋には私1人。つまり、縛られるものは何も無い。
気づくと穂乃果さんのことを考えている自分。本人に会ってから、この胸のドキドキが止まらない。普段のライブのときなんかより、よっぽど緊張する。あの笑顔を見るたびに思う。私は高坂穂乃果さんという1人の人間の虜になっているんだ、と。
認めたくなかった。このA-RISEのリーダーでもある私が、ライバルグループのリーダーに心をとらわれているなんて。カッコ悪いし、第一私は女。普通はやっぱりこんなふうに思ったりしないと思う。
この気持ち、やっぱり私は……。
そっと私は、手を伸ばした――。
〜♡〜♡〜
「……緊張する」
雪穂が亜里沙ちゃんと遊びに行ってしまったから、少しだけと思って店番してたら、あのA-RISEのツバサさんが来るなんて。誰がこんなことを思うの……。突然のことにびっくりしちゃって、とりあえず部屋に入れたけど……この後、どうしよう。
ツバサさんはただおまんじゅうを買いに来てくれたみたいだし、あんまり長居とかさせない方がいいよね。でも……いろいろお話聞きたいなぁ。
あのA-RISEだよ!?目の前にいて二人きりなのに、何も聞かないで帰るなんてもったいないよ!
さっさとお茶とおまんじゅうを用意して部屋に戻らなきゃ。って、店番どうしよう……!あぁ……早くツバサさんを帰らさなきゃ行けなくなっちゃった……。
とぼとぼと部屋に戻ると、ツバサさんはあるひとつの写真立てを手に取って見ていた。それは穂乃果たちμ'sの集合写真。
真姫ちゃんの別荘に合宿に行ったときに撮ったもので、みんなでおそろいの写真立てに飾っている。他にもいっぱい写真があるけど、一番のお気に入りはこれだ。
「……えっと、ツバサ、さん?」
写真立てを持ったまま動かないツバサさんに、恐る恐る話しかけてみるとハッとしたように穂乃果のほうに振り返った。そのときに写真立てが手からスッと落ちて床に当たる。
「ごっ、ごめんなさいっ!」
写真立てを拾おうとする穂乃果とツバサさん。触れた瞬間にバッと手を引いて、写真立てに目を移すとツバサさんがこっちに差し出してきてくれた。
「あ、ありがとうございます。えっと、おまんじゅうとお菓子用意したんですけど……」
でもツバサさんは荷物を持って横に手を振った。
「上がっておいて悪いけど、帰ります。おまんじゅう買いに来ただけだし、穂乃果さんも店番があるでしょう?お邪魔になるしね」
「そんなことないですよ!私はツバサさんとお話したいです」
気づいたら本心が口からこぼれてしまっていて……。
ツバサさんは驚いたような顔を浮かべてニコッと微笑んだ。
「相手の偵察、といったところかしら?……それはまた、地区予選が終わったあとにしましょ」
ツバサさんはすたすたと階段を降りていってしまう。急いで後について行くと、最後にウィンクと共にそっと一言。
たった一言なのに胸がドクンと跳ねた。
「……っ」
顔がみるみる赤くなっていく。だってそんなこと言われたら、意識しなくてもしちゃうし……。
「穂乃果もですよっ!」
と、ドアを開けてツバサさんの見えなくなった住宅路に叫んだ。
〜♡〜♡〜
私のバカバカ。なんてヘタレ、情けない。
ドキドキが止まらないから逃げてきてしまったけど、そんなことよりも私が口走ったことが問題なのだ。
自分であんなこと言っちゃうなんて思ってなかった。
『また、あいたい』
そうウィンクと共に囁いて、お店を飛び出してしまったのだ。
そんな中途半端なこというなら、いっそのこと気持ちを伝えてしまえばいいと思った。
もう後悔したくない。
次、会ったときは言わなきゃ。
今日しっかり自覚したこの気持ち。
『あなたが好き』と。
この小説を投稿した後に私のツイッターで次の百合は何がいいかを投票するので、お時間ありましたらそちらも宜しくお願いします。
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【絵里×にこ】すれ違った心
長い間休載してしまい申し訳ありませんでした。
Twitterで復活してほしいというありがたいお言葉をいただいたので、復活致しました。たまにちまちま更新するかもしれないので、改めてよろしくお願いします。
ある雨の日。
練習が雨のせいで出来なくなり、メンバーがバラバラに帰り始めた頃。私、絢瀬絵里はふと生徒会室へと足を向けていた。
いつも一緒に帰っている希はなにか用事があるようで、今日は一緒に帰れない。かといってほかの子に私から一緒に帰らない?なんて誘うのはなんだか気恥ずかしい。それに、周りのメンバーはみんな付き合ってるし。穂乃果、ことり、海未は幼馴染み。凛と花陽は付き合ってるらしいし、にこと真姫は……希もよくわかんないし。みんな青春してる。帰る気分にもならないので私は気分転換でも、と思っていた。
私は好きな人がいる。それも完全に一方通行、空回り、一方的に好きなだけだけど。その人には恋人もいるし。叶いっこない恋だけど、まだ好きな人が居るだけマシよね。
そんなことを考えながら。生徒会室に入り適当にコーヒーを淹れた。窓から見える雨と、相合い傘をしている生徒たちを見つめていると、ふとあることを思い出した。確かまだ終わっていない書類があったはず。それを終わらせたら帰ろうかな。
そう思い立ち、椅子に座って書類をまとめていると、生徒会室のドアが叩かれた。
「はい」
こんな時間に誰かしら?もう校内に残っている生徒は少ない。それなのに生徒会室に来る物好きなんていないはず。雨が弱い今、早く帰った方がいいと思うけど……。
コーヒーを持ったまま立ちたがり、先生かしらとドアを開けると、そこには予想外の人物がいた。
「……え」
驚きすぎて私は手に持っていたコーヒーを落としてしまう。それを見たその人はいつもみたいに呆れながら片付けを手伝ってくれた。でも、なんだか嬉しそうな顔をしている。……いつもより、笑顔が変な気もするけど。
「まったく、仕方ないわねぇー」
矢澤にこ。私の好きな人で、μ'sのメンバーである西木野真姫の恋人。
これほど雨を好きになった日は、きっと今から先の人生にもないだろう。そのぐらいの出来事が、今から起こる。
~♡~♡~
「ねぇ、別れよ」
ほんとに、雨なんて嫌い。
「にこちゃんが私のこと好きじゃないの、知ってるから」
雨が降ってなければこんなことにならなかったのに。
「にこちゃんが私のこと飽きちゃったんでしょ?だから、」
やめて。
「だから、」
やめて。
「もう、」
それ以上言わないで。
「別れよ」
私の大事なものを壊さないで。
「ごめんなさい」
雨なんて、嫌い。
結局恋なんて、恋人なんて脆いもの。
ただ、脆いわりには辛い。
心が痛い。涙が出てくる。
なんで、こんな思いしなきゃいけないの。
それだけ、それだけ私は、
真姫ちゃんが好きだったんだ。
みんなが帰った後、真姫ちゃんと二人で部室にいた。特に何かを話すわけでもなく、ただぼーっとして。雨が弱くなるのを待っていた。通り雨、だと思ってた。恋もそんなものだと思ってた。ただ気持ちを伝えて、キスして、抱き合って、一緒にいて。それだけで幸せだった。最初は。
普段は毎日一緒に登下校していた私たち。でもそれは最近までのこと。ここ一週間くらいは二回くらいしか一緒に登下校していない。それもそのはず。真姫ちゃんは最近、車で登下校するようになった。それはつまり、私の一緒に登下校する気がないということになる。
最初はそんなこと考えてなかった。でも、部活中に自然と真姫ちゃんの目を見ていたらわかった。もう自分のことは好きじゃないんだ、と。それがわかった瞬間、自分の中の何かが割れる音がした。大切なものが、大事なものが割れる音。それから、自分の気持ちが覚めたことを自覚した。
私が
ただそれは、通り雨のように一時的なもの。中身のない、からっぽな恋愛。恋なんて、しなければよかった。
私は真姫ちゃんに訊いた。
『もう、にこのこと好きじゃない?』
そしたら真姫ちゃんは特に
そして何の前触れもなく、別れ話を切り出された。
気を紛らわすため、と言い訳して私は生徒会室へと向かった。生徒会室にはきっと
気づけば自然と足が動いていた。目の前には
声が聞こえた。やっぱりいる。
ドアが開いて、彼女は私の顔を見て驚いてる。口も半開きだし、生徒会長がこんな姿晒しちゃだめでしょ、って思うけど。でもそれがなんか嬉しかった。自分の妄想に過ぎないけど、私に心を許してくれてるのかなって感じがした。ほんの少しだけ、こころに余裕ができた気がした。
まるでそれを否定するように――次の瞬間、彼女の持つカップが落ちた。
ガシャン、という音と共に床にコーヒーが広がっていく。しばらくそれをぼーっと眺め、ハッとしたように彼女は片付けを始めた。いつまでも暗い顔していられない。余計な心配かけたくない。そう思って作り笑いを浮かべた。仕方ないわね、と片付けを手伝って。笑顔を作るのは得意だけど、今日はニコっと笑う気にもなれなかった。ただ、誰かも一緒にいないと気がおかしくなりそうだったから。だから私は絵里のもとへ向かったんだと思う。
それを手伝って、運良く割れはしなかったカップなどをしまった後、一緒に帰ることになった。
まだ外は雨が降っている。鞄から折りたたみ傘を取り出して足を進めようとすると、腕を絵里が引っ張った。
「……?なに?」
絵里はもじもじとした態度で、傘がないの、とぼそっとつぶやいた。
背伸びをして相合い傘をさして帰る。
もうこのときの私は、絵里のことしか考えていなかった。
~♡~♡~
「……んぅ、んっ」
にこと帰る帰り道、雨の中を相合い傘でゆっくり歩いている。それまではいい。1度は好きな人と相合い傘をしてみたかったし。
でもこれじゃ、私が小さい子に傘をささせているみたいになっている。私にが傘を持っていなかったから仕方ないかもしれないけど、今の私たちはにこが傘を持って、私の体制がだいぶ辛い感じだ。
手を伸ばして、背伸びして持ってくれているのは嬉しいし、何より可愛い。もう少し眺めていたいという気持ちはあるけれど、流石にそろそろかわいそうだ。
「ねぇ、にこ。傘……持つわよ?」
おそるおそる尋ねると、にこはちょっと嫌そうな顔を浮かべた。小さいことをバカにされているようだったのかもしれないけれど、にこはスッと傘を渡してくれた。
傘を受け取って、今日はにことの距離を縮めるチャンスだと思い、にこの腰に手を寄せた。傘から出たら濡れちゃうからと嘘をついて。腰に手が触れるとにこは少しくすぐったそうな顔を浮かべた。でもいやそうな顔ではないし、意外にもうまく距離が縮まった。
そのまま住宅路を歩き、にこの家の近くにたどり着くと何も言わず家の中に案内された。にこは少し雨宿りしていきなさいよ、と言っているが私からすれば好きな人の家に好きな人と二人きり。たまったもんじゃない。
体についた水滴を落し家の中に入る。適当に椅子に腰を掛けるとにこがコーヒーを出してくれた。にこが作ってくれたという事実だけでもうおなかいっぱい。ゆっくりすすっていると、にこが向かいの椅子に座った。
しばらく沈黙が続いたが、先に静寂を破ったのはにこだった。
「にこね、真姫ちゃんと別れたの」
衝撃だった。
あんなに仲良さそうにして、磁石みたいに反発し合ったりくっついたりしていた2人が別れた?冗談でしょ。受け止めきれない。もう、にこは真姫のものではない。叶わないと思った、ずっと秘密にしてきたこの気持ちを、どうしていいのだろう。告白する?したところでどうなる?……自分の気持ちだけでにこの人生を左右するわけにいかないし。とにかく、頭の整理がつかない。
「どういうことよ」
にこに理由を聞くと、ためらいもなくすべて教えてくれた。真姫ちゃんのことは大好きだったけど、雨が降ったせいで練習がなくなり別れ話を切り出され、気づいたら何を言えなくなってただ泣いていただけだった。ということ。もう未練はないということも。
「にこは、いいの?それで、それで終わりなの?」
「終わりよ。……真姫ちゃんとは終わり。寂しい独り身に逆戻りよ」
嘘のない言葉だった。それほど綺麗に終わったんだ。にこの恋は。
「……にこ、話があるわ」
にこには悪いと思ってるけど、今しかないと思ってしまった自分がいた。こころが弱っているにこに、今告白すればOKを貰えるかもしれない。前の恋なんてどうでもいい。今すぐに抱きしめて、こころの傷を癒してあげたかった。
「なに?」
ごめんなさい、真姫、にこ。
「私ね、にこのこと……」
言ったらもう戻れない。
「好きなの」
それを聞いたにこの
そしてにこが私の手を引っ張り、自分のことを押し倒させた。突然ことに脳が追いつかない。今、私はにこのことを押し倒している?わからない。なんで――。
「ん……っ」
「……んぅっ」
その瞬間、唇に温かいものが触れた。初めての感触、これはそうだ、きっと――
キス。
私の身体をにこがグッと引き寄せた。顔と顔が近い、にこの顔が赤く染まっている。それが鏡のように私の顔のことも表していた。
「ねぇ、絵里。……にこのこと、好きにして」
耳元でそっと囁かれた。
「「めちゃくちゃにして」」
私のナカの理性のタガが外れた音がした。
〜♡~♡~
愛しの彼女
不本意だけど、にこちゃんが幸せになってくれるならそれでいい。にこちゃんはきっと絵里のことが好き。ただそれを本人が気づいていなかっただけ。
私は今でもにこちゃんのことが大好きだけど、絵里といることで1番幸せになってくれるなら私の幸せになる。
ただもうちょっとだけでも、一緒にいたかったな。なんて。
雨が酷くなる前に家に帰ろう。
大好きだったよ、にこちゃん。
雨と一緒に、私からしずくが1滴落ちた。
その瞬間、にこが絵里に
お疲れ様でした。
Twitter「@ayami1112_Rahme」
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