ルフィの妹兼副船長 (グランド・オブ・ミル)
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プロローグ


この小説は完全なる処女作であり、まだまだ未熟です。また、作者はワンピースのにわかファンであるため、要所要所にズレがでると思われますがご了承下さい。好評であれば、続編は出す予定です。


よく晴れた日、東の海フーシャ村の海岸から一隻の小舟が出航しようとしていた。

 

「お~い、ホノカ~!準備できたか~?」

今、少女に向かって叫んだ少年はモンキー・D・ルフィ。麦わら帽子と左目の下の傷が特徴的な活発そうな少年だ。

 

「はい♪ 食料もたっぷり積みましたし、お兄ちゃんでも半月はもつと思います。」

 

そして、ルフィに笑顔で返事をしたのがフレイム・D・ホノカ。ルフィの義妹だ。紫の髪の毛に左胸のあたりに目玉が浮いており、そこからコードのようなものが体につながっている身長が低い少女である。

 

ル「お♪ 肉は積んだのか!?」

 

ホ「えぇ♪ お兄ちゃんの好物ですから♪ あと、お酒も少しですが積んでおきました。」

 

ル「おお!サンキュー!よーし!じゃあ・・・

 

 

 

 

出航だぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

ホ「おぉーーーーーー♪」

 

二人を乗せた小舟は海へと出航した。

 

 

 

 

 

しばらく進むと・・・

 

「グルルルゥ・・・!!」

 

大きな海王類が姿を現した。この辺の海の主である。

 

ホ「おー、なかなか大きいですねー。お兄ちゃん、海には落ちないように気をつけて下さい。」

 

ル「おう!こいつは冒険前の準備運動だ!いくぞ~・・・ゴムゴムの~~~・・・」

ルフィは素早く腕を後ろへ伸ばして・・・

 

ル「ピストル!!!」

 

海王類に拳を打ち込んだ。

 

ドゴォォォン!!

 

「グェェ・・・」

 

ル「へへっ!どーだ!っとわっわっ!」

 

ホ「危ないっ!!」

 

海王類の撃退に成功したが、ルフィは舟から落ちそうになり、ホノカが助けた。

 

ル「危ねぇ危ねぇ。ありがとな、ホノカ。」

ホ「もう、私もお兄ちゃんも泳げないんだから落ちたって助けてあげられないですよ?しっかりして下さい。」

 

この二人は悪魔の実といわれる果実を食べてカナヅチである。ルフィはゴムゴムの実を食べて全身ゴムのゴム人間に、ホノカはロシロシの実を食べて幻人間になった。

 

ル「さーて、まずは仲間探しだ!10人は欲しいなー。」

 

ホ「未来の海賊王の仲間ですから、なかなか難しそうですね。」

 

ル「あと、でっけぇ船もほしいなー。今よりもドーンとでかいヤツ。」

 

ホ「まぁ、そのへんは ボチボチ考えるとして、まずどこに行きますか?」

 

ル「知らん!!波任せ風任せだ!!」

 

ホ「(-_-;) まぁそんなことだろうとは思いましたよ。・・・ でも、そのほうがお兄ちゃんらしいですね。」

 

ル「しししっ!さっ!どっかに着くまで暇だし腹へったしメシにしようぜ!!に~く!に~く!」

 

ホ「ふふっ、はいはい。」

 

この能天気な船長と優しい副船長が海賊王になるのはまだまだ先の話である。




今回はプロローグなのでここで終了です。好評ならば続編は出します。ホノカの設定は次回かまた機会があるときにでも書きます。


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設定


本当ならコビーの出会いから書きたいとこですが、作者は、コミックスを23巻からしか持ってません。いろいろな食い違いを防ぎ、皆様を不快にさせない処置と思っていただきたいのですが、話はアラバスタ終了後から始まります。誠に申し訳ございません。


麦わらの一味

 

 

 

 

船長:モンキー・D・ルフィ

 

異名:麦わらのルフィ

 

懸賞金:1億ベリー

 

誕生日:5月5日

 

年齢:17歳

 

 

麦わら帽子と左目の下の傷が特徴の少年で、海賊王になるため、シャンクスから預かった帽子を返すために義妹のホノカと共に海へ出た。強さは日々精進しており、秘めた可能性は大きい。肉と宴が大好きで、事あるごとに仲間達と楽しく騒ぐ。ホノカ曰く「お父さんと同じ匂いがする」らしい。

 

ゴムゴムの実

悪魔の実シリーズの一つであり、パラミシア系。体中がゴムのゴム人間になる。ゴムの伸縮性や柔軟性、絶縁性をもつようになる。そのため打撃、防弾、銃なども効かず、電気も無効である。しかし、刃物など、鋭利な攻撃は受けてしまう。

 

 

 

 

 

副船長:フレイム・D・ホノカ

 

異名:幻想少女ホノカ

 

懸賞金:8000万ベリー

 

誕生日:9月29日

 

年齢:16歳

 

 

 

紫の髪と低い身長、そして何より左胸あたりに目玉が浮き、そこからコードが体につながっているのが特徴の少女。地底に住む某さとり妖怪そのままの容姿をしている。

しかし、その「第3の目」は閉じており、心を読むときだけ開く。つまりコントロール可能。昔、海賊王ゴールド・ロジャーのNo.3戦闘員だったアルザス・D・キルトを父に持つ。フレイムの名は母親の旧姓。キルトはロジャーの処刑後もピースメインの海賊として悪政をしく王や、略奪を繰り返す海賊から人々を守るために戦っていたが、丁度戦闘後を海軍に襲われ、処刑された。さらに母親も天竜人に連れて行かれそうになり、ホノカは必死で止めようとしたが、機嫌をそこねた天竜人がホノカを殺そうとし、海兵がいたにも関わらず、母親がホノカを庇って射殺された。このことから、「人々を守ったお父さんは捕まえるくせに、人を平気で殺す天竜人は捕まえない。」と、海軍や世界政府、天竜人をひどく憎む。そんなある日、ルフィの祖父のモンキー・D・ガープに拾われ、ルフィ、エース、サボに会い、3人と「兄弟の盃」をかわし、3人のことを愛する。特にルフィからは父親と全く同じものを感じ、かなり心酔している。つまり、ブラコン。ルフィの夢を応援したいとガープをそそのかして海軍本部へ行き、三大将の能力をロシロシの実の能力でコピーし、劣化版ではあるが使うことができる。キレたりすると髪が白く逆立ち、両目は赤く輝く。

 

ロシロシの実

図鑑にも実の形しかのっていないまさに「幻の実」。その全貌を知るのはホノカのみ。体を幻にする事ができるので、ロギア系ではないかと言われる。幻や幻想を司る能力であり、食べた瞬間「第3の目」が出現し、心という幻を読む力が備わる。また、能力者の心を読み、その魂に宿る「悪魔」とリンクすることでその能力をコピーし、その劣化版能力が使えるようになる。ホノカはこれを「想起」と呼んでいる。(悪魔の実そのものを見ると完全にコピー可能。)

今までコピーした能力

ゴムゴム

マグマグ

ピカピカ

ヒエヒエ

モクモク

メラメラ

スナスナ

トリトリ モデル隼

ハナハナ

など

 

※使えるか使えないかは別として能力者にあったらとりあえず想起している。

 

 

また、自分そっくりの意思を持つ幻の分身をつくり、飛ばすことができる。しかし、力は本体の10の1ほどしかでない。記憶は共有する。一見無敵に見えるこの能力だが実は少し特殊で、通常の能力者よりもさらに水に弱くなる。

 

この実にはまだ何か秘密があるようで、ホノカはそれにうすうす気づいている。

 

 

 

 

 

ゾロ達は原作通りです。チョッパーとホノカは仲がいいです。




タグにつけ忘れましたが若干グロが入るかもしれません。


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第1話

ホノカの心を読む力は見聞色の覇気よりも高性能なので、ホノカは見聞色の覇気まがいのことができます。


 

~どこかの海~

アラバスタから遠く離れた海で一隻の軍艦が波に揺れていた。軍艦の船首には葉巻を二本くわえた男、「白猟のスモーカー」ことスモーカーとその部下であるたしぎが座っていた。そしてテーブルには3枚の手配書があった。

 

"モンキー・D・ルフィ" 1億ベリー

"フレイム・D・ホノカ" 8000万ベリー

 

"ロロノア・ゾロ" 6000万ベリー

 

た「・・・手配書を見ました・・・」

 

ス「奴らにゃ当然の数字だ。特にフレイムが何したか知ってるか?海兵の大群相手にたった一人で無双しやがった。・・・チッ、海軍をなめくさりやがって。ロロノアはウィスキーパークで100人斬り、そして今回ダズ・ボーネスを討ち取った。」

 

た「・・・殺し屋ですか!?」

 

ス「西の海でそんな異名をとった賞金稼ぎだ。Mr.1と名乗っていた。」

 

ス「名のある奴らを傘下につけてたのはクロコダイルもさすがというべきだが奴らは敗けた。麦わら達とはまたいずれ・・・

 

 

 

仕切り直しだ!!!」

 

 

 

 

 

 

~ゴーイング・メリー号~

 

ゾ「何の用だ!!?組織の仇討ちか!!?(チャキ・・・」

 

ナ「何であんたがここに!!?」

 

ホ「・・・返答によれば、解りますよね?」

 

サ「キレ~なお姉サマ~~❤」

 

ウ「敵襲だ!!敵襲~~~~!!!」

 

チョ「うわぁぁぁ~~!!ホノカ!ホノカ!」

 

ホ「安心してチョッパー。あなたとお兄ちゃんは私が守りますから。」

 

ウ「オレも守ってくれ~!!」

 

ホ「・・・男でしょう?女の子に助けを求めるのはあまりにも情けないですよ?勇敢な海の戦士さん?」

 

ウ「そうだ!!よ~し、よく聞けお前!!オレは勇敢なる海の戦士!!キャプテ~~ン・ウ・・・」

 

ル「あ!何だお前じゃねぇか!!生きてたのか。」

 

ビビと別れてからしばらくして 船内では、ある人物を前にして大騒ぎしていた。その人物とは・・・

 

ロ「そういう物騒なもの私に向けないでって前にも言ったわよね?」

 

さっきまで敵対していた。ニコ・ロビンである。

 

ナ「あんた一体いつから・・・」

 

ロ「ずっとよ。読書したり、シャワー浴びたり、あとこれあなたの服でしょ?借りてるわ。副船長さんのは小さくてね。」

 

ホ「むっ、心外です。」

 

ロ「モンキー・D・ルフィ」

 

ル「ん?」

 

ロ「私を、仲間に入れて。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全『はぁぁぁ!!!!?』

 

ロビンの衝撃発言に全員が驚く。

 

ロ「死を望む私をあなたは生かした。私には行く当ても帰る場所もないの。だからこの船に置いて。」

 

ル「なんだそらしょうがねぇな。いいぞ。」

 

全-ホノカ『ルフィ!!!!』

 

ルフィの実にあっさりとした許可にホノカ意外の全員が遺憾の意をとなえる。ホノカはルフィがいいのなら特に意見はないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

今、メリー号ではウソップによるロビンの取り調べが行われている。ロビンは8歳で考古学者、賞金首になり、その後20年政府から逃げ続けているという。そのため、様々な悪党に付き従ってきており、裏で動くことは得意だという。

 

ウ「ほう、自信満々だな・・・何が得意だ?」

 

ロビンはウソップの質問に少し間をおき、恐い笑顔で「暗殺❤」と答えた。

 

ウ「ルフィ!!取り調べの結果危険すぎる女だと判明!!」

 

しかし、とうのルフィは・・・

 

ル、チョ「ぎゃっはっはっはっは!!!」

 

ロビンのハナハナの能力でチョッパーと遊んでいた。

 

ウ「聞いてんのかおめぇら!!!」

 

 

ナ「まったく軽くあしらわれちゃって情けない。そいつは今の今まで犯罪会社の副社長やってたのよ?そんなヤツをどう信用しろっていうの?アホの目は誤魔化せても私は騙されない。妙な真似したら私がたたき出すからね!!」

 

ロ「えぇ、肝に銘じておくわ。」

 

一見、ナミが優勢に見えるが・・・

 

ロ「そういえばクロコダイルの宝石、少し持ってきちゃった。」

 

ナ「いやん❤大好きお姉様❤」

 

ウ、ゾ「おいおいおいおい。」

 

完全に手玉にとられていた。

 

ウ「ナミがやられた!」

 

ゾ「悪の手口だ。」

 

ちなみにホノカは・・・

 

ホ「私はフレイム・D・ホノカです。昨日の敵は今日の友。改めてよろしくお願いします。」

 

ロ「こちらこそよろしく。あなたとは気が合いそうね。」

 

ホ「奇遇ですね。私もそう思います。」

 

性格的に気が合うのか仲良くなっていた。サンジは・・・

 

サ「ああ恋よ❤漂う恋よ❤僕はただ漆黒にこげた体を・・・(以下略)」

 

当然のごとく、目をハートにして訳がわからないことを意味不明な踊りにのせて言っていた。

 

ゾ「こうなりゃ、オレ達二人が最後の砦ってわけだ。」

 

ウ「まったく世話のやける奴らだぜ。」

 

そういうウソップも・・・

 

ル「おい、ウソップ!」

 

ウ「アァ!!?」

 

そこには頭からロビンの手を生やしたルフィが・・・

 

ル「チョッパー」

 

ウ「ププーッ!!!」

 

ル、ウ、チョ『ぎゃっはっはっはっは!!!』

 

残念ながらロビンには敵わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロビンもめでたく麦わらの一味入りをはたし、航海は極めて順調であった。

 

ロ「航海士さん、ログは大丈夫?」

 

ナ「西北西にまっすぐね。」

 

ル「次の島は雪が降るかなぁ?」

 

ロ「アラバスタからのログをたどると、確か次は"秋島"よ。」

 

ホ「あ、じゃあ私がスイートポテトでも作りますよお兄ちゃん!この前サンジさんに教えてもらったんです。」

 

ル「おう!それゃ楽しみだ!!」

 

 

 

 

 

コツ・・・コツ・・・

 

 

 

 

 

 

ゾ「何だ?雨か?」

 

 

 

 

 

パラ・・・パラ・・・

 

バサ・・・バサ・・・

 

 

 

 

 

 

 

サ「雨じゃねぇな。」

ウ「何か降って来・・・・・え?」

 

見上げると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空からガレオン船が降って来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全『うわああああああああああああ!!!!!!!』

 

 





作者はまだ小説を書く身としては未熟で改行の仕方も分かってません。どなたか知りませんか?


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第2話

お気に入り、感想ありがとうございます!それでは第2話どうぞ!!


それからのメリー号は実に慌ただしかった。ガレオン船が降って来たと思ったら、指針が空に奪われてガレオン船からは"空島"の地図が見つかり、沈んだガレオン船をサルベージしようとしたらサルが登場し、船を引き上げ、今度は船を丸ごと食べる巨大カメがでて、突然夜になって巨人の何十倍もの大きさの人影を見た。

 

・・・・・・うん、実に慌ただしかった。

そしてここまで苦労した収穫はというと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナ「何のために海底へ潜ったのよあんた達!!!!」

 

ナミの前には、ボロボロの鎧、錆びた剣、古い食器・・・見事なまでのガラクタの山。

 

ナ「空への手掛かりなんて一つもないじゃない!!」

 

ゾ「だから、なかったんだ何も!」

 

サ「ああ、ホントなんだナミさん。あの船は明らかに荒らされた後だった。でなきゃ、内乱で殺しあったかだ。」

 

ナ「だったら尚更情報が必要じゃない!いい!?もし私達が空へ行くならあの船に起こった事は私達にも起こるかもしれないの!!"情報"が命を左右するのにこんなガラクタばっかり!!必要なのは日誌とか海図とかなの!!」

ホ「そのヨロイかっこいいですねお兄ちゃん!」

 

ル「ホノカもそう思うか?男のロマンだよな~!」

 

ホ「私、女の子ですけどね。」

 

ナ「船長と副船長!!なにほのぼのしてんの!!この船は今行き先を失ったのよ!?」

 

ホ「あぁ、それなら心配いりませんよ。ほら。」

 

ナ「え?それ、"エターナルポース"!?」

 

ホ「一応ロビンと一緒におサルさん達の船からくすねたんです。」

 

ナ「・・・うっ!!・・グスッ・・・私の味方はあなた達だけ!!」

 

ロ「航海士さん、相当苦労してるのね。」

 

ホ「・・・申し訳ないです。」

 

こうしてメリー号は"ジャヤ"へ向けて進みだす。ルフィはどうしても空島に行きたいようで、一時反対したが行き方が分からない以上人に聞くしかなく、ログが書き換えられる前に島を出るということで妥協した。

 

ホ「・・・・・・・・・・・・」

 

ウ「?何してんだホノカ?」

 

ホ「あ、いえ、何も。」

 

ウ「?」

 

ホ(どうやら、分身は無事たどり着いたようですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モビー・ディック号に・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~モビー・ディック号~

 

かつて、海賊王ゴールド・ロジャーと唯一互角に戦った"世界最強の男白ひげ"ことエドワード・ニューゲートが乗るこの船ではちょっとした騒ぎが起きていた。

 

「おい!!てめぇ何者だ!!?」

 

「船がどこにも見当たらねぇ・・・こいつどうやって・・・?」

 

「あいつさっきから浮いてるぞ・・・」

 

「マルコ隊長!!あいつ銃弾が効きません!!」

 

船員の一人が隊長と呼んだパイナップルのような髪型の男は突然の事態にも冷静に指示をとばす。

 

マ「慌てるなよい!間違いなく何かの能力者だ!ロギアかもしれねぇ!若ぇ衆は下がってろい!!」

 

彼は白ひげ海賊団一番隊の隊長であり、これくらいの対処はお手のものだった。そしてそんなマルコ達の前には・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ホ?「だから言ってるじゃないですか。私は挨拶をしに来ただけですって。」

 

ホノカそっくりの少女がふよふよと浮いていた。

 

「このやろっ!!(バァン!バァン!」

 

船員の一人が銃をうつが・・・

 

スッ・・・スッ・・・

 

「なっ!!!」

 

「やっぱり効いてねぇ!!」

 

銃弾は少女をすり抜け、向こう側の壁に当たる。

 

ホ?「"幻"に銃弾なんて効きませんよ。(クスクス・・・」

 

マ「幻?・・・!!?まさか!?」

 

白「グララララ、オレに挨拶だと?くそ生意気な。」

 

ホノカそっくりの少女に白ひげが話かける。三日月のようなひげが特徴の大男だ。

 

ホ?「ええ、あなたがエドワード・ニューゲートですね?うちの兄がお世話になってます。」

 

ホノカのような少女は白ひげの前にふよふよと移動し、ペコリと可愛らしく頭を下げた。

 

白「兄?エースのことか?小娘、何者だ?」

 

ホ?「申し遅れました。私は麦わら海賊団副船長のフレイム・D・ホノカです。と言っても今あなたが見ているのはロシロシの実の力で作った分身なんですけどね。」

 

白「!?」

 

全-白、ホ『!!!?』

 

マ「やっぱりかよい!?」

 

「ロシロシの実だって!?」

 

「親父とロジャーが昔、探し回っても結局見つけられなかったあの!?」

 

ホノカの分身から出た「ロシロシの実」という言葉に船員達はどよめく。

 

白「ロシロシの実・・・今、確かにそういったのか?」

 

ホ「ええ、すみません。本当なら本体が来るべきなのでしょうが、麦わら海賊団はアラバスタで手がはなせなかったもので・・・」

 

白「まぁいい。それにしても"フレイム・D・"か・・・その名には聞き覚えがあるな。」

 

ホ「じゃあ、この名にも聞き覚えがあるのでは?"アルザス・D・キルト"。」

 

白「!?・・・ほぅ、そういうことか。お前ぇあのガキの娘か。その紫の髪は間違いねぇ。チビなのは母親譲りか。」

 

ホ「むっ、小さいのは気にしてるんです。私だっていつかお姉さんみたいな"大人な女性"になるんです!」

 

そう言ってホノカは白ひげの側でカルテをつけるナースを指さす。

 

ナ「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。頑張ってね。」

 

ホ「はいっ!!えへへ~~//」

 

ナースに応援されて照れるその姿は低い身長もあって子どもにしか見えない。

 

白「"麦わら"か・・・そういやそいつもエースの弟らしいな。」

 

ホ「はい!お兄ちゃんは海賊王になる男です!!まだあなたには敵いませんが、いつかあなたを超え、ワンピースを手に入れてみせます!!」

 

マ(親父相手にここまで言うとは・・・さすがエースの妹、肝っ玉が違ぇよい。)

 

白「グララララ、くそ生意気な。どうだ?折角来たんだ。船でも見ていくか?」

 

ホ「わぁ!いいんですか!?こんな大きい船を探検できるなんてわくわくします~♪」

 

マ「こっちに来いよい。色々見せてやるよい。」

 

ナース達『ホノカちゃ~~ん!私達と一緒に行かない?』

 

気が良く、肝も備わっているホノカは白ひげ海賊団に気に入られたようだった。

 

白「グララララ、野郎共~~!!宴だ~~~!!」

 

全『おおーーーーーー!!!!!』

 

その間ホノカの「第3の目」はじっと白ひげを見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ゴーイング・メリー号~

 

ホ(ぐっ!来た!!これが世界最強の男の能力"グラグラの実"ですか。これは制御するのが難しいですね。ん?分身がまた能力を?これは・・・"不死鳥マルコ"ですか。グラグラの実だけでも収穫できれば万々歳でしたが、分身は上手くやってるみたいですね。それにしても白ひげ海賊団の皆さんと仲良くなれたのは嬉しいですね。父の日記にあった通り、気のいい人達ですし。)

 

ホノカはアラバスタでエースにあったときから白ひげの居場所を能力で探し、分身を飛ばしていた。エースが世話になっている挨拶という目的もあるが、一番の目的は"グラグラの実"の想起であった。

 

ホ(それにしても"黒ひげマーシャル・D・ティーチ"ですか・・・何が目的か知りませんが要注意ですね。エースや白ひげさんの心を読んでも得体の知れない男ですし・・・

本当なら協力したいですが、ここはエースに任せるとしましょう。でも、もし会ったら欲しいものですね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"ヤミヤミの実"・・・・)

 

 

 

ホノカはルフィのために静かに着々と力を蓄えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




ホノカの紫の髪は父親から、チビは母親から譲り受けてます。ホノカは身長が低いことを気にしていて、理由は「お兄ちゃんに似合う女になりたい。」らしいです。


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第3話

台本形式が読みにくいというご指摘を多数いただいておりますが、これは物語を書く際の作者のクセのようなもので、簡単には直りません。改善する努力はしてみます。これからもよろしくお願いいたします。


~ゴーイング・メリー号~

 

ルフィ達8人を載せたメリー号は順調に航海中である。

 

ル「まだか?ウソップ。」

 

ルフィの質問に展望台のウソップが答える。

 

ウ「ああ、まだ見えねえ。」

 

ゾ「ま、あのサルどもがさっきの地点を"ナワバリ"って言ってたからな。そう遠くはねぇはずだ。」

 

チョ「ジャヤはきっと春島だな。ポカポカして気持ちいい。」

 

ホ「ホントですね。あ!見てくださいチョッパー!カモメも気持ち良さそうに飛んでますよ!」

 

チョッパーとホノカが空を見上げると・・・

 

 

 

 

 

 

 

ボトッ・・・ボトトッ・・・

 

 

 

 

 

 

 

カモメが3羽甲板に落ちてきた。

 

 

 

 

ホ、チョ『っあああああ!!!撃たれた~~!!!』

 

ル「お!焼き鳥にしようぜ!!」

 

ホ「ケロッ)あ♪いいですね♪」

 

ウ「撃たれたって・・・銃声なんて聞こえなかったぞ?」

 

ナ「まだ見えてもいない島から狙撃~?それはムリよ。」

 

ル「サンジ~~~。カモメカモメ。」

 

ホ「サンジさ~~ん。最高の焼き鳥にして下さいね~~。」

 

チョ「だってオレずっと見てたんだ!ほら!銃弾!」

 

チョッパーはカモメから取り出した銃弾を見せる。

 

ウ「おいおい、それゃどんな"視力"でどんな"銃"でどんな"腕前"の狙撃主だよ。ありえねぇって。どっかで撃たれて偶然今落ちたのさ。」

 

チョ「えぇ~~~、そうかな~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジャヤ(西海岸)~

 

そこには、銃口から煙をふく銃を持った男が佇んでいた。

 

?「可哀想に・・・一匹即死させてやれなかった・・・だが、それもまた"巡り合わせ"。お前の日頃の行いの賜物なのである。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ゴーイング・メリー号~

 

一方ルフィ達は無事、ジャヤに到着していた。メリー号を港につけるがそこには海賊船と思われる船がズラリと並んでいた。

 

ウ「港の船が全部海賊船に見えるのはオレだけか?」

 

ナ「や、やーねー、ウソップ!海賊船が堂々と港に並んでるわけないでしょ!」

 

 

 

ルフィ達は知る由もないがここはジャヤの西に位置する町。そこは夢を見ない無法者達が集まる無法地帯。人が傷つけ合い、歌い、笑う・・・そんな町。人呼んで、「嘲りの町モックタウン」。

 

 

ル「いろんな奴らがいるなーここは。」

 

ゾ「楽しそうだ。」

 

ルフィとゾロは楽しそうにモックタウンに入っていく。

 

ナ「・・・ムリよ。あの二人がトラブルを起こさないわけがない!」

 

ウ「ああ、ただでさえヤバそうな町だ。限りなく不可能に近いな。」

 

ナ「それじゃダメなの!!いくわよ、ホノカ!!」

 

しかし、そこにホノカの姿はない。

 

ナ「あれ?ホノカは?」

 

チョ「さっき、ルフィを追っていっちゃったぞ。」

 

ナ「あのブラコン!!」

 

ナミはホノカに悪態をつきながら走っていった。

 

チョ「・・・大丈夫かな?」

 

ウ「まぁ、あの3人がいるし、大丈夫だろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ル、ゾ、ホ『ワタクシはこの町では決してケンカしないと誓います。』

 

ナ「絶対よ!?3人共!!」

 

現在ルフィ、ゾロ、ホノカはナミにトラブルを起こさないことを固く誓わせられていた。

 

ナ「あんた達が騒動起こすとね!この町にいられなくなるの!!そしたらもう空になんて行けないんだからね!!」

 

ル、ゾ、ホ『はーーい。』

 

そしてしばらく歩くと・・・

 

?「ドサッ・・・)ああ!!」

 

ルフィ達の目の前で変なおっさんが馬から落ちた。

 

ル「落馬した。」

 

ゾ「落馬したな。」

 

ホ「落馬しましたね。」

 

?「ゲホッ!!」

 

今度は口から血を吐いた。

 

ル「お、血ぃ吐いた。」

 

ゾ「吐血だな。」

 

ホ「吐血ですね。」

 

?「すまんが・・・お前ら・・・立たせてくんねぇか?」

 

ゾ「・・・お前自分で立つ気ねぇだろ。」

 

 

ルフィ達は怪しいおっさんを馬に乗せてあげた。

 

?「いや・・・すまんな・・・オレは生まれつき体が弱くて・・・お礼といっちゃ何だが、おひとつどうだい?」

 

そう言って彼はリンゴがたくさん入ったかごをさしだす。

 

ル「お、リンゴだ。いただきます。(シャリッ」

 

ホ「お兄ちゃん、そんな怪しいもの食べないで下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボガァァァン!!!!!

 

全『!!!!?』

 

「うわぁ!!!何だ!?何があった!!?」

 

「わからねぇ!!さっき、妙な男からリンゴ受け取った奴らがそれを食って5人爆発した!!」

 

町人の会話を聞いたナミが血相を変えてルフィの首を持って振り始める。

 

ナ「!!!ルフィ!!吐きなさい!!今食べたリンゴすぐに!!」

 

ル「うえ!!もう飲んじまったよ!!」

 

ゾ「てめぇ!!何のつもりだ!!!」

ホ「・・・・・・・・・・・・!!!(プルプル」

 

ゾロは戦闘態勢に入り、ホノカはただただ震え続ける。

 

?「ああ、大丈夫だ。"ハズレ"を引いたんだったら・・・一口目であの世行きだった。・・・お前・・・」

 

ル「?」

 

?「運がいい・・・なっ!!!?(ドゴォォォ!!!」

 

彼が言葉を最後まで言うことはできなかった。なぜなら・・・

 

 

 

 

ホ「運が良かっただと・・・!!!貴様、兄さん殺そうとしといて言いてぇことはそれだけか!!!」

 

髪を白く逆立たせ、両目を赤く輝かせるホノカに馬もろとも蹴り飛ばされ、家の壁を突き抜けていったからである。

 

ゾ「!!ホノカっ!!」

 

ナ「きゃあああ!!ちょっとホノカ!!何やってんの!!?早く逃げるわよ!!(ガシッ」

ナミ達はホノカの突然の行動に驚きつつも騒ぎになる前に逃げ出そうとホノカを連れて走り出す。

 

・・・・もう十分騒ぎになっているのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~町のはずれ~

 

ホ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・・・・」

 

町のはずれでホノカがルフィに泣きながら土下座をし、壊れた人形のように謝り続けていた。髪の色はもう戻っている。

 

ゾ「も、もういいって。」

 

ナ「そ、そうよ。気持ちは分かったから。」

 

あまりにもシュールな光景にゾロとナミもドン引きしている。

 

ホ「でもっ!!!これで空島の情報が手に入らなかったら・・・!!!・・・・やっぱり私はお兄ちゃんにとって邪魔な存在・・・役立たずのゴミ・・・ハハッ・・・消えてなくなったほうがいい・・・」

 

ホノカは先が輪になっているロープを近くの枝に結びつける。それを見たナミ達がまた血相を変える。

 

ナ「!!ちょっとルフィ!!何とかいってよ!!」

 

ル「おい待てホノカ!!お前はオレのためにやってくれたんだろ!?だったらお前は悪くねぇ!オレは嬉しいぞ!!」

 

ホ「・・・ホント・・・ですか・・・?」

 

ナ「そうよ!!ルフィへの愛がひしひしと伝わってきたわ~。ね~ゾロ!?」

 

ゾ「え?あ、そ、そうだな!!アハハハハ!」

 

ホ「パァァァ)お兄ちゃん!!(ガシッ」

 

この世の終わりのような顔から一転、太陽のような笑顔でルフィに抱きつく。その表情にルフィ達は安堵の息をもらす。

 

ナ「しっかし何なのこの町!!いきなり殺されかけるとかありえないわよ!!」

 

「おい、またあいつやらかしやがったぞ!!」

 

「またかよあの格闘チャンピオン!!」

 

「これで犠牲者何人目だ!?」

 

人々の視線の先には屋根の上で雄叫びをあげる大男が・・・

そしてチャンピオンと聞けば・・・

 

ル、ゾ『チャンピオン!?』

 

ナ「張り合おうとすんな!!」

 

ホ「(ニコニコ)///」

 

この二人が反応する。ホノカはずっとルフィの側でニコニコしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騒ぎは間違いなく起こるだろう。

 

 

 

 




ヤンデレ入りました。それとホノカがキレるときに怒りを表現するため、目も赤く輝くようにしました。


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第4話


今回は、ホノカsideに挑戦してみました。では、どうぞ!


 

~ジャヤ(モックタウン)~

 

ーホノカsideー

 

その後、私達は引き続き探索をしましたが、この町はホントに感じ悪いです。何なんですかまったく!「TROPICAL HOTEL」っていう所は静かで良さそうな所だったのに、「べラミー海賊団」っていう奴らの貸し切りだって言われるし・・・って誰ですかそいつら!!!そしてその副船長の・・・えーと・・・「なんとかサーキース」でしたっけ?一体いつの時代のチンピラですか!!今時あんなのいませんよ!!とにかく不愉快です!どいつもこいつもお兄ちゃんをバカにして!「スナスナの実」とか「グラグラの実」とかの練習したいですし、一発ぶちかましてやりましょうか・・・

 

・・・いや、ダメです。ここで暴れたら"空島"への手掛かりがつかめなくなってしまいます。ここは我慢するとしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~酒場~

 

店主さんが言うには、この「モックタウン」は海賊が使っていくお金で成り立っている町だそうです。なので、よっぽどのことがない限りは町も海賊達は放置なんだそうです。・・・お兄ちゃんに手を出した時点でもう大罪なんですがね・・・

 

ル、?『おい!オヤジ!!』

 

ん?

 

ル「このチェリーパイは死ぬほどマズイな!!」

 

?「このチェリーパイは死ぬほどうめぇな!!」

 

?一体誰なんでしょう。あの歯が欠けた人。とりあえず心を覗いてみますか。

 

「第3の目(サードアイ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!!!!!??

 

 

 

 

 

 

そんな・・・ウソでしょ!!?ど、どうしましょう!?あ、まずは分身に白ひげさんに報告させて・・・いや!この人を追っているのはエースのはず。白ひげさんに報告したところで何にもならない。とにかく私にできることは・・・!そうだ「想起」!!考えてみればこれはチャンス!!あの実の力をコピーするチャンスだ!!よ、よーし・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐっ!!!これは・・・!!な、なんておぞましい・・・しかもまだ完全じゃない・・・恐ろしい・・・これが最凶の力・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤミヤミの実・・・

 

 

~ホノカsideーend~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィと歯が欠けた知らない男がチェリーパイとドリンクの味をめぐってなぜかケンカをはじめた時、突然ホノカが苦しみだした。

 

ホ「ハァ・・・ハァ・・・」

 

ナ「ちょっとホノカ!大丈夫?」

 

ホ「あ、はい・・・大丈夫ですよぉ・・・」

 

歯の欠けた男はその後お土産のチェリーパイを受け取り店を出ていった。ホノカはその男を第3の目でじっと見つめ、

 

ホ「想起完了。」

 

と呟いて第3の目を閉じた。

 

ゾ「お、なんだ?さっきのヤツ能力者だったのか?」

 

ホ「えぇ、それもかなり強力な。これは慣れるまでむやみに使えませんね。」

 

ゾ「ほ~面白そうだ。しかし、前から思ってたがお前の能力って反則級だな。劣化版とはいえ、他の能力も使えるんじゃほぼ無敵じゃねぇか。」

 

ホ「ハハハ、でもそんな上手い話でもないんですよ。これはあくまで、その力を幻で"再現"してるだけですから、当然本家と比べれば威力も落ちますし、能力によっては体力もごっそり持っていかれます。」

 

ゾ「へ~。ま、オレとしては対能力者用の特訓相手としてお前がいてくれるのは大いに助かってるがな。」

 

ホ「そうですね~。いつ、またクロコダイルみたいなのが出てくるか分かりませんし、日々訓練はするべきですね。」

 

そんな会話をしていると・・・

 

?「"麦わら"をかぶった海賊がここにいるか?」

 

右目の上にキズがある金髪の男が入ってきた。

 

『べ・・・べラミーだぁ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ル「何だ?」

 

ゾ「お前に用みてぇだなルフィ。」

 

ナ「ねぇホノカ。べラミーって・・・」

 

ホ「ええ、さっきのホテルを貸し切ってた連中の頭みたいですね。」

 

そしてべラミーに続いて・・・

 

「なにこの店。クサイし汚い。」

 

「しかも安そうなラムばっか。」

 

べラミー海賊団が続々と入ってくる。

 

ホ「だから一体いつの時代のチンピラですか。」

 

ナ「まあ、確かに今時あんなのはいないわよね。」

べラミーはルフィの隣に座り・・・

 

べ「オレに一番高ぇ酒だ。あとこのチビにも好きなモンを。」

 

と注文した。

 

店主「ほら、お待ちどう。」

 

べ「まぁ飲め。」

 

ル「おお、ありがとう!なんだ、いい奴だな!」

 

ルフィはご機嫌でドリンクを飲もうとするが・・・

 

ホ「!!?」

 

ナ「え!?」

 

ゾ「ルフィ!!」

 

べラミーが後ろからルフィを狙っていた・・・が・・・

 

 

 

 

ガシィ!!

 

 

べ「!?」

 

ホ「・・・何のマネだ・・・?」

 

ホノカがそれを許さない。

 

べ「チッ!ガキが!!」

 

べラミーがホノカに殴りかかるが・・・

 

サッ・・・バキィ!!ドゴォ!!

 

べ「ぐわっ!!」

 

あっさりかわされ、逆に殴り飛ばされる。

 

「うわっ!!やりやがったぞあいつ!!」

 

「べラミーに手を出した!!」

 

ナ「ちょっとホノカ!!何やってんの!!まだこの町で何も聞き出してないのよ!?」

 

ゾ「いや、あいつは売られたケンカを買っただけだ。」

 

ガラガラ・・・

 

べラミーはゆっくり立ち上がる。

 

ホ「・・・貴様、覚悟はできてんだろぉな・・・」

 

ゾワァ・・・

 

ホノカの髪が白く逆立つ。

 

べ「ハッハァー!!おもしれぇ!!来い!!テストだ!!力を見てやる!!」

 

ホ「貴様に試されるほど落ちぶれちゃいねぇ・・・」

 

ナ「ちょっと待って!!ねぇおじさん!!私達"空島"に行きたいの!!何か知ってることはない!!?」

 

全-ル、ゾ、ホ、ナ『!!』

 

ナミが店主にそう聞いた瞬間店内が静まりかえる。そして数秒後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぎゃーはっはっはっはっは!!!!!』

 

ルフィ達を店内の海賊達が大声で笑いはじめた。

 

ナ「な、何よ!!だってログポースはちゃんと空を指してるじゃない!!」

 

「ひゃーはっはっは!!ログポースってのはすぐイカれちまうもんさ!!」

 

ナ「っ・・・」

 

べ「ハハハハハハハッ!おいおい、お前らどこのイモ野郎だよ。そんな大昔の伝説信じてるのか?呆れたぜ。とんだ妄想やろうだ・・・」

 

べラミーは怪しく笑う。

 

ル「・・・・・・」

 

べ「オレはそういう夢追いのバカ見てるとムシズが走るんだ!!」

 

ブンッ!

 

べラミーは再び殴りかかるがホノカは危なげもなくかわし、ルフィの近くまで下がる。

 

べ「てめぇらみてぇな軟弱ヤロー共が海賊でいるから、オレ達の質まで落ちちまう!!」

 

パリンッ!!パリンッ!!

 

外野から酒の入ったグラスが投げ込まれ、ホノカとルフィに当たる。

 

「出ていけ!!ウジ虫共!!」

 

「ヒャハハハハ!べラミーの言う通りだ!酒がマズくなるぜ!!」

 

サ「おいべラミー!店中がショーを希望してるようだぜ?」

 

海賊達が笑い、サーキースがべラミーを煽る。

 

べ「そりゃお安い御用だ!!ハハッハハア!!」

 

ナ「ルフィ!ゾロ!ホノカ!約束はもういいから早くあいつらぶっ飛ばして!!」

 

ナミが3人に叫ぶが・・・

 

ル「・・・ゾロ、ホノカ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このケンカは絶対買うな!!」

 




ホノカは髪が白く逆立つと言葉遣いが粗くなります。


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第5話

遅くなりました。すみません。あと、ホノカの設定を少し書き換えたのでまずそちらを見てください。それと、読者様からセリフの前の名前がいらないとご指摘を受けたので、今回から外します。




ゴーイングメリー号

 

~ホノカside~

 

「ルフィ!ゾロ!ホノカ!」

「何だお前らそのケガ!?何があった!?」

 

「ホ、ホノカちゃん!!何てことだ!!」

 

あの後酒場でべラミー達にボコボコにされてメリー号に帰るとみんなが驚く。てか、サンジさん大げさすぎですよ。

 

「い、い、医者ー!!」

 

「お前だろ!!(バシッ」

 

チョッパー・・・落ち着いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずいぶん荒れてどうしたの?」

 

「あ、ロビン。」

 

私達がチョッパーの治療を受けているとどこかに行ってたロビンが帰ってきました。どうやら服の調達と空島への情報を集めてくれてたみたいです。

 

ロビンが言うにはこの島のはずれにジャヤのはみ出し者、夢を語ってこの町を追われた「モンブラン・クリケット」という人がいるらしいです。さすがロビン、仕事が早いですね。

 

「よし、行くぞ!!」

 

そんなこんなで私達麦わらの一味はクリケットさんに会いに出発!

 

 

 

途中にまた変なサルに出くわしたことを除けば無事に私達はクリケットさんの家に到着しました。

 

「あれがそいつの家か!?」

 

「すっげー!お城じゃん!!」

 

そのお家はまあ立派なお城でした。・・・正面から見れば。

 

「お兄ちゃん、横から見てみて下さい。」

 

「げっ!!ただの板!?」

 

そう、そのお城は横から見ると小さな家にハリボテのお城をくっつけてただけでした。。ずいぶんと見栄っ張りな人なんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後クリケットさんの家で寛いでいると

 

「てめぇら誰だ!!」

 

頭に栗を乗っけた男の人が海から飛び出してきました。この人がクリケットさんでしょうか?

 

「狙いは金だな?死ぬがいい!(ブンッ」

 

「っ!!」

 

そう言ってクリケットさんは一番近くにいた私に蹴りかかってきました。私は一瞬遅れますがなんとかしゃがんでよけます。

 

シュッ!

 

ですがクリケットさんも手強く、しゃがんだ私に左手で手刀を繰り出してきます。私はゾロやサンジさんのように体力があるほうではないのでこれはよけられません!

 

「想起『モクモク』!」

 

スカッ!

 

「!?」

 

咄嗟に私は体を煙に変えて手刀を受け流します。そしてそのままモクモクとクリケットさんの背後に回りこんで

 

「想起『ゴムゴム』!」

 

グイーーン!

 

ゴムゴムの能力で腕を伸ばして吹っ飛ばそうとしますが

 

バタッ!

 

「ハァ!・・・ハァ!・・・」

 

突然クリケットさんが苦しそうに倒れこみます。

 

「おい!おっさん!?」

 

「大丈(ボカッ へぶっ!」

 

「あ、ごめんなさい。」

 

伸ばした腕の勢いが止まらず、クリケットさんを狙ったパンチはウソップに直撃してしまいました。ありゃりゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チョッパーによればクリケットさんは「潜水病」という病気みたいです。どうやらクリケットさんは何故か毎日毎日無茶な潜り方をしてこの病気が持病になってしまってるんだとか。

 

「「おやっさんっ!大丈夫か!!」」

 

「「「ん?」」」

 

私達がクリケットさんの看病をしていると海であったサル二匹が家に飛び込んでくる。静かにして下さいよ。

 

「てめぇら!ここで何してる!?」

 

「おやっさんに何をした!?」

 

「お二人共、静かにしてくれませんか?今クリケットさんの看病をしてるんです。」

 

「バカ!話なんて聞いてくれるか!!窓から逃げるぞ!」

 

ウソップが怒る二匹のサルに怯える。でも・・・

 

「「いい奴らだな~。」」

 

「聞いてるよ!!」

 

話は聞いてくれてるみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後気がついたクリケットさんに詳しい話を聞くとクリケットさんは大昔にここに山のような黄金があるとウソをついたモンブラン・ノーランドという人の子孫で、そのせいでクリケットさんは笑い者にされて生きてきたみたいです。

 

そしてクリケットさんは黄金を見つけ、ノーランドと決着をつけるために毎日潜り続けてるみたいです。

 

「よし!おめぇら!どうしても空島へ行きてぇのか?」

 

「ああ!もちろんだ!」

 

クリケットさんの問いにお兄ちゃんが気合いバッチリで答える。あぁ、お兄ちゃん。そんなあなたが愛しい❤

 

「ふんっ!ならよ、俺達が手を貸してやるぜ!」

 

「まじか!!おっさんありがとー!!」

 

クリケットさん達が私達に協力してくれるみたいです。お兄ちゃんの勇ましさに心打たれたんでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第6話


この小説は結構なハイペースで進みます。
すみません、早く頂上戦争を書きたいので。


 

~ホノカside~

 

「「しまったぁ!!!」」

 

「な、何だ!?どうした!?」

 

出発を明日に控えた私達はクリケットさんの家で宴をしていました。夜もふけてきた頃、二匹のサル、マシラさんとショウジョウさんが突然叫びます。な、何事?

 

「こりゃまずい!お前ら!南の森へ行け!"サウスバード"を捕まえてこい!」

 

「どうしてですか?」

 

「その鳥が何だよ?」

 

私とサンジさんが聞くとクリケットさんが話しはじめます。

 

「いいか、よく聞け!お前らが明日利用する災害"ノックアップストリーム"はこの岬から真っ直ぐ南に位置している!そこへどうやって行く!?」

 

「? 船で真っ直ぐ進めばいいだろ?」

 

「ここは"グランドライン"だぞ!?外海で方角なんか分かるか!?」

 

「! なるほど、目指すのが島ではなく海なので頼る指針がないということですね。」

 

「そんな!じゃ、どうやって南へ!?」

 

ナミさんが疑問を投げ掛けるとクリケットさんは教えてくれる。

 

「そのためにサウスバードの習性を利用するんだ。」

 

聞けばサウスバードはハトやサケのような体内磁石能力の最たるもので、どんな広大な土地や海に放り出されても自分の体に正確な方角を示し続けるんだとか。

 

「この鳥がいなきゃ何も始まらねぇ!!夜明けまでに必ず捕まえて来い!!考えてみりゃ宴やってる場合じゃなかった!!」

 

「何で今ごろ言うんだよ!!」

 

「ガタガタ言うな!船の強化はオレ達がやっておくからさっさと行け!!」

 

何でそんな大事なこと忘れてたんですか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、釘よこせ。」

 

「はい。」

 

みんなが南の森でサウスバードを探している頃、私はクリケットさん達のメリー号強化作業を手伝っていました。たかだか鳥一羽くらいお兄ちゃん達だけで充分です。

 

「しかしこの船はずいぶんボロボロだな。いったいどんな航海してきたんだ?」

 

「あはは、メリー号には苦労かけます。」

 

言われて見なくてもメリー号はかなりボロボロです。ハチャメチャな私達を東の海から乗せてきてくれたメリー号が一番がんばってるのかもしれません。

そんな会話をしていると

 

「あんたがクリケットか?持ってんだろ黄金。よこしな。」

 

昼間のチンピラどもがやって来ました。黄金ってクリケットさんが10年潜って手に入れたノーランド黄金都市のやつでしょうか。

 

「おうおう、兄ちゃんオレ達を怒らせるなよ。」

 

「夜分遅くに黄金よこせはねぇだろ。帰んな!」

 

「くっくっく、他人が苦労の末に手に入れた宝ってのは格別な味がするもんだ。人がオレをなんて呼ぶか教えてやろうか?"ハイエナ"べラミーだ!!ハハッハハ!!」

 

自分でハイエナって・・・恥ずかしくないんでしょうか。

 

「嬢ちゃん下がってな。これはオレ達の問題だ。」

 

「・・・分かりました。」

 

クリケットさんの指示に私は素直に従いました。正直思うところもありますがクリケットさんにはクリケットさんなりに譲れないものがあるのでしょう。だから私は見守ることにしました。まあ、もしもの時は助けますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ?そんなもんか?クリケットさんよぉ!」

 

ハイエナどもはそこそこやるようで、しかも人数も多い。クリケットさん達3人はとても不利で為す術なくやられてしまいました。

 

「ハァ・・・!お前らに・・・あの黄金を持つ資格はねぇ!!」

 

クリケットさんは血だらけになりながらも立ち上がります。

 

「資格?これじゃ資格にならねぇか!?"ビッグチョップ"!!」

 

チンピラどもの一人のサーキースと呼ばれていたやつがクリケットさんに斬りかかりますが

 

ザシュッ!

 

「ウギィ!!・・・」

 

ドサッ

 

マシラさんがクリケットさんを庇い、斬られてしまいます。

 

「マシラ!!」

 

「ハハッハハ!おめぇらよりオレ達の方が強ぇ!!これ以外にどんな資格が必要なんだ!?」

 

ハァ、クリケットさんが言ったことはそういうことじゃないのに。・・・もう見てられませんね。

 

「おやっさん、よけていろ!!"ハボック・ソナー"!!」

 

バリバリッ!

 

ショウジョウさんが初めて会った時にやっていた衝撃波の波状攻撃をしかけますが

 

「ふんっ!オレが息の根を止めてやる!(グググ」

 

「くっ!またバネバネの実の力か!!逃げろショウジョウ!!」

 

べラミーが両足をバネに変え、狙いをショウジョウさんに定めます。

 

「スプリング"スナイプ"!!」

 

そしてその勢いでショウジョウさんに突っ込んでいきます。クリケットさん、安心してください。

 

バキィッ!!

 

「ぐあっ!!」

 

「べラミー!?」

 

「ここからは私が相手です。」

 

あとは私が片付けますから。

 

「てめぇ!!」

 

今度はサーキースが斬りかかってきますが

 

「想起『ピカピカ』。」

 

ピュンッ!

 

「何!?」

 

私は光の速さでサーキースの後ろに回りこみ

 

ガキィ!!

 

「ぎゃあ!!」

 

その速度で蹴り飛ばします。

 

「なっ!?てめぇ!!何をした!?」

 

さっき蹴り飛ばしたべラミーが起き上がって驚いてますね。

 

「蹴っただけですよ?」

 

「!?・・・ああ、そうか。まともに答える気はねぇようだな!死にやがれ!!」

 

べラミーがさっきと同じようにバネバネの力で加速し突っ込んでくる。なんていうか、芸のない人ですね。ちょうどいいです。新しい能力の実験台になってもらいましょう。

私は突っ込んでくるべラミーに右手を向け

 

「想起『グラグラ』。」

 

ビキィ!ドゴォン!!

 

大気にひびを入れ、地震を発生させます。ぐっ!やはり結構体力持ってかれますね。

 

「うがあ!!」

 

ズドォン!!

 

べラミーはそのまま自分の船に突っ込んでいきました。

 

「なっ!?嘘だろ!?」

 

「5500万の大型ルーキーのべラミーがあっさり・・・」

 

部下達がなんか言ってますね。5500万だったんですかコイツ。

 

「さて、チンピラども。あなた達のハイエナさんはあの通りですが・・・まだやりますか?」

 

「「「ひぃ!!」」」

 

私が少し睨むと部下達は一目散に逃げて行きました。情けないですね。さてと

 

「みなさん、大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ。」

 

「嬢ちゃん、すげぇな。」

 

「ふふ、私なんてまだまだですよ。お兄ちゃんのほうが強いですし、海にはもっともっとすごい人がたくさんいます。」

 

「ほう、謙虚なところもまた器が違うな。さて、作業を再開・・・うっ!!」

 

クリケットさんが立ち上がろうとして傷が痛むのかうずくまる。

 

「ああ、動かないでください!今治療しますから!」

 

「ああ、悪ぃな。」

 

クリケットさん達に包帯を巻いてメリー号の強化作業を終えた頃、お兄ちゃん達は帰って来ました。しかし、「メリー号フライングモデル」・・・ニワトリじゃないですか!!

 

一抹の不安を残し、私達は余裕を持って出航しました。さあ!いよいよ空島です!!

 



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第7話


ペースは上がるよどこまでも。ホントすみません。とっととマリンフォード行きたいんです。


 

モビーディック号

 

グランドラインに浮かぶ白クジラ、白ひげのモビーディック号にホノカの分身はいた。そしてその船には今もう一人客が来ていた。

 

「これがシャンクスからの手紙か。」

 

「ええ、重要な話らしくて確実に届けるためにオレが。」

 

「そうか、そりゃあご苦労だったな。」

 

ツンツンした髪形が特徴の赤髪海賊団新入りであるロックスターという男だ。

 

「え!?それシャンクスさんの手紙ですか!?オヤジさん!」

 

「ああ、そうらしい。」

 

白ひげのヒザにねこのようになっていたホノカの分身がシャンクスという名を聞いて飛び起きる。ちなみにホノカはすっかりこの船に馴染み、一応敵同士ではあるのだがちゃっかり白ひげの娘になっていた。

 

「シャンクスにも挨拶したいですね。お兄ちゃんの命の恩人みたいですから。」

 

「おい、あの嬢ちゃんは新入りかい?」

 

「ああ、うちの末っ子だ。」

 

ロックスターが白ひげ海賊団の面々と話していると

 

ビリッ!ビリリッ!

 

「え!!?」

 

白ひげがシャンクスからの手紙をおもむろに破きはじめる。

 

「ちょ、ちょっとあんた!!」

 

「手紙なんざよこしやがって。あのボウズはいつからそんな大物に成り下がっちまったんだ?」

 

突然の行動にロックスターが抗議の声をあげるが白ひげはまったく気にしていない。

 

「おい!待てよ!これは大事な手紙だってお頭が!!相手はあの"赤髪"だぞ!?あんた気は確かか!?」

 

「オレは"白ひげ"だ。(ガブガブ」

 

ロックスターの抗議に白ひげは酒を飲みながら答える。

 

「オヤジさん。お酒はほどほどに。」

 

「バカヤロウ。飲みてぇもん飲んで体に悪ぃわけあるか。」

 

「何ですかそれ。」

 

ホノカが白ひげの体を労る言葉をかけるが白ひげは構わず飲み続ける。ホノカは少々呆れ顔だ。

 

「お、お頭は急ぎの用だと・・・!!」

 

「大方の予想はつく。エースと黒ひげのことだろうよ。」

 

「!(黒ひげ・・・ジャヤにいたことは伝えたほうがいいのでしょうか?・・・いえ、恐らく私が手をだすヤマではなさそうですね。やめときましょう。)」

 

黒ひげという言葉にホノカが顔をしかめるも誰一人気づくことはない。

 

「赤髪のガキに伝えて来い。オレにもの言いたきゃいい酒持っててめぇで来いと・・・」

 

「・・・!!」

 

「分かったら帰れ。ハナったれとは話したくねぇよアホンダラ。」

 

そこにいたのはまさに"世界最強の男"だった。その風格は恐らく彼にしか出せないだろう。ロックスターはそんな男を前に何も言うことができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーイングメリー号

 

ところ変わってここはゴーイングメリー号。この船は今大渦の中心でノックアップストリームを待っていた。すると

 

「待ぁてぇーー!!」

 

「ん?」

 

3つのドクロをかかげた丸太船がルフィ達を追ってくる。その船にはルフィ達がモックタウンであった男、黒ひげが乗っていた。

 

「ゼハハハハハ!追いついたぞ麦わらのルフィ!てめぇの1億の首をもらいに来た!!観念しろやぁ!!」

 

「オレの首!?1億って何だ!?」

 

「おめぇの首にゃ1億ベリーの賞金が懸かってんだよ!!そして"海賊狩りのゾロ"!!てめぇにゃ6000万ベリー!!さらに"幻想少女ホノカ"!!てめぇにゃ8000万ベリーだ!!」

 

そう言って黒ひげは3人の手配書を出す。

 

「本当だ!新しい手配書だ!!ゾロ!ホノカ!お前ら賞金首になってんぞ!!」

 

「そうか、アラバスタの一件で額がハネ上がったんだわ!」

 

額がハネ上がった賞金にウソップとナミが狼狽えるが当の本人達は

 

「聞いたかオレ1億だ!!」

 

「6000万か。不満だぜ。」

 

「ふふん、私は8000万ベリーですよ。」

 

「喜ぶなそこ!!」

 

のんきに自分の賞金に喜んでいた。そんなことをしていると

 

ゴゴゴ・・・

 

「おい!お前ら!!他所見すんな!!来るぞ!"ノックアップストリーム"!!」

 

海面がどんどん持ち上がり、今にも爆発しそうになっていた。

 

「全員!!船体にしがみつくか船室へ!!」

 

「海が吹き飛ぶぞ!!」

 

そして次の瞬間・・・

 

ズッドォォォン!!!!

 

「「「ぎゃあああああ!!」」」

 

海面が勢いよく突き上がり、メリー号は遥か上空へ浮き飛ばされていった。

 

「うわぁ!!すっげー!!」

 

「船が水柱を垂直に走ってるぞー!!」

 

「こんなことがあんのか!?」

 

「こ、これは凄まじいです・・・!!」

 

「よーし!行けメリー!!空島へー!!!」

 

メリー号は突き上げる水柱に乗り、空の雲に突入していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケホッ!ハァ・・・ハァ・・・」

 

「まいった。何が起きたんだ?全員いるか?」

 

「ハァ・・・ハァ・・・し、死ぬかと思いました・・・」

 

「おい!みんな見てみろよ!!船の外!!」

 

ルフィの声に船の外を見てみると

 

「な、何だここは!?真っ白!!」

 

「雲・・・!?」

 

「雲の上!?何で乗ってんの!?」

 

「そりゃ乗るだろ。雲だもんよ。」

 

「いや乗りませんよ!?」

 

メリー号が一面真っ白の雲の上に乗っていた。

 

「でもログポースはまだ上を指してる。」

 

「どうやらここは"積帝雲"の中層みたいね。」

 

「まだ上に行くんですか?どうやって?」

 

ナミとロビンとホノカの頭脳チームが話しているとウソップが雲の海に入って雲から落ちかけたり、風船のようなタコや平べったいヘビが襲いかかってきたりしたがとりあえずここが"空の海"という生き物もちゃんといる海の一種であることが分かった。

 

すると突然

 

「うわぁ!何だ!?」

 

「人だ!誰か来る!!」

 

「雲の上を走ってますよ!!」

 

仮面と武器を持った人が雲の上を滑り、こちらに向かってくる。そして

 

「排除する。」

 

と言って襲いかかってきた。

 

「やる気か・・・」

 

「上等だ!」

 

「何だ何だ?」

 

「容赦はしませんよ。」

 

ルフィとゾロとサンジとホノカは応戦しようとするも

 

バキ!ドス!ガン!ドゴ!

 

「ヴッ!」

 

「ぐはっ!」

 

「ブヘッ!」

 

「きゃっ!」

 

「え!?ちょっとどうしたの!?4人共!!」

 

4人共簡単にやられてしまう。

 

ジャキッ!

そして仮面の男がメリー号に武器を向けた時

 

「そこまでだぁ!!」

 

ガキィィン!!

 

「何!?今度は誰!?」

 

変な鳥に乗った老人が仮面の男を撃墜した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空の騎士」と名乗る老人によると今ルフィ達がいる所は地上7000メートル上空にある"白海"という所で、さらに上層の"白々海"では1万メートルにもなり、普通の人間では体が持たないそうだ。だが

 

「おっし!だんだん慣れてきた。」

 

「そうですね。さっきよりも大分楽になりました。」

「いやいやいや、ありえんありえん。」

 

ルフィ達は普通ではないようだった。この後空の騎士、ガン・フォールは笛を1個置いて去っていった。さっきのように襲われた時に吹き鳴らせば助けにきてくれるという。

 

「なんか変なじいさんだったな。」

 

「しかもあのおじいさん、何も教えてくれませんでしたし。」

 

「まあ、とりあえず船を進めよう。」

 

「ん?なあ、アレ見てくれ!」

 

「何かしら?」

 

チョッパーが指し示す方向を見ると滝のような雲がかかっていた。

 

「よし、決まりだ!あそこへ行ってみよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チョッパーが見つけた滝のような雲に行ってみると「HEAVEN'S GATE」と書かれた門があった。

 

「見ろあそこ!誰か出てきたぞ!」

 

ウソップが指差す方向を見ると

 

「観光かい?それとも戦争かい?上層に行くなら入国料一人10億エクストルおいていきなさい。」

 

カメラを持ったしわくちゃのおばあちゃんが出てきた。

 

「天使だ!天使ってあんなんなのか!?梅干しみてぇだ。」

 

「ちょ、ちょっとお兄ちゃん!!」

 

「10億エクストルってベリーだといくらなんだ?」

 

「あの・・・お金・・・もし、なかったら?」

 

ナミが心配そうに聞くと

 

「通っていいよ。」

 

「いいのかよ!!」

 

意外にも入国許可が降りた。

 

「あたしは門番でもなければ衛兵でもない。お前達の意思を聞くだけ。」

 

「じゃあ、行くぞオレ達は空島に!!」

 

「そうかい、8人でいいんだね?」

 

すると突然

 

ボフッ!!ガシッ!!

 

「え!?」

 

「うわぁ!何だ!?」

 

「白海名物『特急エビ』。」

雲の海からエビが飛び出し、メリー号をつかんで雲の滝を昇りはじめた。

 

「すっげー!動き出した!」

 

「滝を昇る気か!?」

 

「・・・・(ニヤリ」

 

ルフィ達はそのおばあさんが怪しく笑っていたのに気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「天国の門」監視官アマゾンより全能なる"神"及び神官各位。不法入国者8名"天の裁き"にかけられたし。』

 

 

 



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第8話


はい。活動報告で話した通り、とっとと新世界へ行きたいのでここから先カット乱用注意です。


~ホノカside~

 

夜、私達麦わらの一味は只今「スカイピア」の"神の聖域"「アッパー・ヤード」という所でキャンプファイヤーをしています。ちなみに空の騎士とアッパー・ヤードの狼達も一緒です。

 

ここまで分かった事実をまとめると今私達がいるアッパー・ヤードはジャヤの島の片割れで、私達と同じようにノックアップストリームでこの空島に来たものと思われるということです。つまり、ノーランドさんが見つけた黄金はここにある可能性が高いということです。それを聞いたお兄ちゃん達はテンションが上がって今現在進行形で騒いでいるということです。

 

「黄金ですか・・・それを見つけたらクリケットさんも喜ぶでしょうね。・・・ん?」

 

ふと目をやると私は草むらの中に古くなった本を見つけました。

 

「? 何でしょう?(ポンッポンッ」

 

その本はかなりボロくなっていてホコリもひどいものでした。

 

「!! これは!?」

 

しかし、その本の表紙を見て私は目を疑いました。そこに書いてあったのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『禁断の果実 ロシロシの実』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、黄金を見つけようと行動を起こした私達でしたが、初っぱなから大きなヘビに出くわし私達は離ればなれになってしまいました。しかも

 

「メ~!!覚悟するメ~!!」

 

「ハァ、またですか。想起『メラメラ』。火拳!!」

 

ボオォォォ!!!

 

「がああああ!!!」

 

何故か変な人達が邪魔するんですよね。何なんでしょう?これで3回目なんですけど。ハァ、早く黄金を見つけて昨日見つけた本を読みたいんですけど。ん?あれは?

 

「行け・・・ラキ・・・ワイパーを・・・止めろ・・・」

 

「でも!カマキリ!」

 

黒こげの男性と武器を持った女性がいますね。

 

「お~い!お二人共~!大丈夫ですか~!?」

 

「お、お前は青海人!」

 

「あ、大丈夫ですよ!敵意はありません。とりあえずそちらの方を治療いたしますね。」

 

「あ、ああ。ありがとう。」

 

まあ、私はチョッパー程上手く治療できないんですけど。私は黒こげの男性、カマキリさんを包帯でぐるぐる巻きにして話を聞いた。なんでもこのアッパー・ヤードは元々カマキリさん達シャンディアの祖先の土地らしく、ここ400年程奪いあいをしていてカマキリさんは現神であるエネルに戦いを挑むも、彼は自然系悪魔の実「ゴロゴロの実」の能力者で勝つことができず、彼らのリーダーであるワイパーにそのことを伝えることを女性、ラキさんに託したらしいです。

 

「誰も勝つことができない・・・ですか。まあ、とりあえずエネルのことはワイパーさんに伝えたほうがいいでしょうね。」

 

「ああ、このままだとアイツは犬死にだ。なんとか止めないと。」

 

「止めるよワイパーを!ここで待ってて!アイサのバッグを預けていくからね!(バッ」

 

「あ!ラキさん待って下さい!想起『トリトリ モデル隼』!(バサッ」

 

ラキさんがいきなり走り出したので私は慌てて両腕を隼の翼に変えて後を追います。不死鳥になってもよかったのですが、速さでいうとこっちのほうが上ですから。

 

「ゴロゴロの実・・・エネルがその能力者だなんて!」

 

「そんなに気を落とさないで下さい。自然系といえども何かしら弱点はあるはずですから。例えば、青海にいた同じ自然系のスナスナの実の能力者は水が弱点でしたし。」

 

私達が高速で進みながら話していると

 

「メ~!」

 

「"神・エネル"の命により、貴様らの掃除を仰せつかったメ~!」

 

「観念するがいいメ~!」

 

また変な人達が立ちふさがります。今度は3人ですか。

 

「くっ!神兵達!!」

 

「神兵?つまりエネルの手下ってことですか?」

 

「ああ、そうさ。一度に3人とは面倒だね。」

 

「じゃあ任せて下さい。想起『ピカピカ』!」

 

私は「第3の目(サードアイ)」を神兵3人に向け、そこからレーザーを発射する。

 

ピュンッピュンッピュンッ!

 

ボガァァァン!!

 

「「「うがあぁぁぁ!!!」」」

 

「パンパンッ)よし、一丁上がりです!ん?どうしました?」

 

「あ、いや、あんた強いんだね。青海人なのに。」

 

「あはは、確かにここのダイヤルやウェーバーには翻弄されますけど、私だって伊達に海賊やってませんから。さ、それより先を急ぎましょう!」

 

「ああ!」

 

それから私達はワイパーがいるであろう神の社へ向かいました。

 

~ホノカside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホノカとラキは途中、何度も神兵の襲撃にあうもなんとか神の社へ辿り着く。そこには有刺鉄線の檻の中で戦う神官とシャンディアの戦士、そしてゾロがいた。

 

「ワイパー!!話を聞いて!!エネルは森にいるんだ!!カマキリがやられて!あんたに伝言を・・・!」

 

ラキがカマキリから預かった伝言を伝えようとしたその時

 

「おいラキ!!来るな!!ここを離れろ!!」

 

ワイパーが突然叫びだす。

 

「え?」

 

ラキが後ろを振り返るとそこには

 

「私を呼んだか?」

 

ゴロゴロの実の能力者、エネルがいた。

 

「よせ!!エネル!!やめてくれ!!」

 

ワイパーの悲痛の叫びもエネルには通じず、エネルはラキに手を向ける。そして

 

バリッ!!!

 

放電した。しかしラキは無事だった。なぜなら

 

「ふぅ~。危ない危ない。」

 

ホノカがラキを抱え、エネルの後ろへ飛んでいたからだ。

 

「あ、あんた。」

 

「さあ、あなたは逃げていて下さい。今回ばかりは正直私も勝つ自信がありません。」

 

ホノカはラキに逃げるように言い渡し、ラキは苦痛の表情をしながらも従う。

 

「ヤハハハハ!逃がすわけがなかろう!(バリッ」

 

エネルは逃げるラキを雷速で追うが

 

「ピュンッ)おっと!あなたの相手は私です!」

 

ホノカがそれを光速で阻止する。

 

「! ほう、少しはやるじゃないか。」

 

「お褒めに預り、光栄ですよ神様!想起『マグマグ』!大噴火!」

 

「神の裁き(エル・トール)!」

 

ドゴォォォン!!

 

幻想VS神。その戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 




次回は頑張ってエネルVSホノカを書きたいと思います。また、この小説はホノカ中心なので、ルフィの活躍は映らないかもしれません。


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第9話


前回は大幅にはしょってしまい、申し訳ありません。今回からは頑張って書いていきます。


 

「3000万ボルト"雷鳥"!!」

 

バリバリッ!!

 

「! 『ピカピカ』!!』

 

ピュンッ!

 

エネルが背中の太鼓を雷を纏った鳥に変え、ホノカを狙う。それをホノカは間一髪のところで交わすが頬にかすってしまう。

 

「・・・くっ!」

 

「ほう。なかなかやるな。何の能力か知らんが自然系である私にここまでやるとは感心だ。」

 

「ホノカ!」

 

有刺鉄線の檻の中でゾロがホノカに叫ぶ。しかし、ゾロは有刺鉄線の檻の中で神兵と戦わねばならず、ホノカの手助けができない。

 

「想起『メラメラ』!火拳!!」

 

ボオォォォ!!!

 

ホノカは右腕を炎に変え、エネルに打ち出すが

 

「ヤハハ、"電光"!!」

 

ピシャアアア!!!ゴロゴロゴロゴロ・・・

 

エネルはその炎をなんと打ち消してみせた。

 

「・・・雷鳴・・・」

 

ホノカは内心焦りながらも相手を分析していた。雷鳴が轟いたということは空気が音速で膨張した証拠である。ただの火と雷とではエネルギーの次元が違うのだ。

 

「(まずいですね・・・本当にまったく勝てる気がしません。お兄ちゃんなら負けることはないでしょうが、できるだけここでキズを負わせなければ。)」

 

ホノカは別に勝つ気はなかった。自分の偉大なる兄が勝つ確率を上げるため、エネルにできるだけダメージを与えることが目的だった。だが

 

「(・・・いや、やめましょう。そんな弱気ではいけません。コイツを倒す気で挑まなければお兄ちゃんの妹として恥ずかしいです!)」

 

ホノカはそんなことではいけないと考えを改める。

 

「!(む、目付きが変わった。)」

 

「想起『グラグラ』!はっ!!」

 

ビキィ!ドゴォォォン!!

 

「むぅ!?」

 

ホノカは腕をエネルに向け、大気にヒビを入れて空気を振動させる。エネルは想定外の衝撃に顔をしかめる。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ここからが本番です。」

 

「・・・おもしろい。」

 

ホノカは表面上は強がったが、実際は今の攻撃で体力を6割ほど減らしていた。それほどグラグラの実の力は強力で負担が大きい技なのだ。

 

「本番だと?随分苦しそうじゃないか。どうやら相当負担のかかる技だったようだな。」

 

「・・・あなたを倒すためです。出し惜しみはしません。」

 

「ヤハハハハ!おもしろいぞ!!6000万ボルト"雷龍"!!」

 

バリバリッ!!!

 

「想起『スナスナ』!三日月型砂丘(バルハン)!!」

 

エネルの出した雷の龍に対し、ホノカは自身の周りに砂を展開する。すると雷は砂に流れ、ホノカには当たらなかった。

 

「想起『ピカピカ』!」

 

ピュンッ!

 

すかさずホノカは光速でエネルの背後に回り込み、蹴りを放とうとする。

 

「(雷だって"光"!同じ光なら自然系といえども攻撃が入るはず!)」

 

しかしエネルは

 

「"心網(マントラ)"」

 

スカッ!

 

「なっ!?」

 

後ろを見ずに避けてみせる。そして

 

ボゴォ・・・!

 

「がはっ・・・!」

 

ホノカはエネルの棒で殴り飛ばされる。

 

「今のは・・・一体・・・?」

 

「ヤハハ!心網(マントラ)がお気に召さんか!」

 

「マン・・・トラ・・・! お兄ちゃん達が昨日言ってたやつですか!!」

 

思い出すは昨夜の作戦会議。エネルの幹部的存在、神官の一人と戦ったルフィ達が「心網(マントラ)」と呼ばれる相手の動きを読む技について話していた。いざ体験してみると厄介な技だと分かる。

 

「くっ!想起『ピカピカ』!!」

 

ピュンッピュンッピュンッ!

 

ホノカは「第3の目(サードアイ)」からすかさずレーザーを3つ発射するも・・・

 

スカッスカッスカッ!

 

「なっ!?」

 

エネルは目を瞑り、そのすべてを避けてみせる。

 

「ヤハハハハ!私の心網(マントラ)は神官どもとは一味も二味も違うのだ!」

 

「この・・・想起『グラ(がくっ・・・ !?」

 

ホノカが再び攻撃範囲の広いグラグラの実の力を使おうとするも、彼女は突然ヒザをつく。

 

「なんだ?もう限界か?つまらん。」

 

「・・・・・・」

 

エネルの言う通りホノカの体力はもうすでに限界だった。無理もない。これだけ能力を行使してたおれていないだけむしろ奇跡なのだ。

「なかなか楽しめた。さらばだ、青海人。"神の裁き(エル・トール)"!!」

 

ズンッ!!

 

「ホノカぁーー!!!」

 

ホノカが光に呑まれ、ゾロが悲痛の叫びをする。

 

「ヤハハハハ!私は無敵!ゆえに神なのだ!!」

 

高笑いするエネル。だが、舞い上がる黒煙から出てきた者に驚愕することになる。

 

「・・・想起完了『ゴロゴロ』。(バチッバチッ」

 

「なにっ!?」

 

黒煙の中からはエネルと同じように雷を纏ったホノカが出てきた。そう、ホノカはこの戦いの最中ずっと「第3の目(サードアイ)」を開き、ゴロゴロの実とリンクしようとしていた。そしてたった今、そのリンクが完了したのである。

 

「私は・・・負けない!!」

 

「!?」

 

ホノカの纏う雷がさらに勢いを増す。

 

「例え相手が神だろうと、目の前に立ち塞がる敵は叩き潰すのみ!!」

 

バチッバチッバチッ!!!

 

勢いを増した雷はやがて大きな竜を形作る。

 

「我が名はホノカ・・・!未来の海賊王の・・・右腕!!!」

 

「海賊王?」

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

ホノカは雷の竜をその身に宿し、エネルに雷速で突進する。

 

「"竜皇天雷波"!!!」

 

「! 1億ボルト"放電"!!」

 

ズガアァァァァン!!!!

 

「はあぁぁぁぁ!!!」

 

「むぅ・・・!!」

 

エネルとホノカはその時完全に拮抗していた。だが、ロシロシの実の能力でコピーした力は劣化版でしかない。ホノカは徐々に押されはじめ・・・

 

「MAX 2億ボルト!!」

 

バリバリバリバリバリッ!!!!!

 

ホノカの意識はそこで途絶えた。





いかがだったでしょうか?


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第10話

 

「う・・・ん・・・」

 

「良かった!ホノカ!気がついたか!!」

 

アッパー・ヤードから天に伸びるつるの下。そこでボロボロのホノカが目を覚まし、ウソップが喜ぶ。

 

「あれ・・・ウソップ。ここは・・・?」

 

「話は後だ!とにかく逃げるぞ!!エネルがこの島を消そうとしているんだ!!」

 

ウソップとホノカが話していると、となりで同じくボロボロになっている空の騎士、ガン・フォールとゾロが目を覚ます。

 

「お前らも気がついたか!良かった!時間がねぇんだ!歩けるか!?」

 

ビシャァァァァァン!!

 

「なっ!?これは!?」

 

悠長に構えているとホノカ達のすぐ近くに巨大な雷が落ちる。

 

「みんな!船へ急いで!!私もルフィを連れてすぐ行くから!!」

 

ナミがウェーバーをふかしながら指示を出す。

 

「! ちょっと待って下さい!お兄ちゃんはどこですか!?」

 

「このつるの上よ!あいつエネルを止めようとしてんの!!」

 

ホノカの質問にナミが答える。そう、ルフィは天空で空島を破壊しようとするエネルを止めようと今、つるを登っているのだ。

 

「・・・分かりました。ではナミさん。お兄ちゃんの所へは私が行きます。あなたも船にもどって下さい。(バサッ」

 

ホノカはトリトリの実モデル隼の力を想起しながらナミに指示を出す。

 

「! 無茶よホノカ!!そんなボロボロの体で!!」

 

「早くして下さい!!副船長命令です!!」

 

バッ!!

 

「ちょっと待ちなさい!ホノカー!!」

 

ナミの制止も聞かずにホノカは飛び立つ。

 

「(私は・・・エネルを倒せなかった。お兄ちゃんはそのエネルと戦っている。妹として、副船長として少しでもお兄ちゃんの力にならなければ!!)」

 

バサッバサッ!

 

空のスピード狂、隼の力でホノカは天空に飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホノカがつるの先端まで飛んでいくとちょうどエネルの雷につるごと撃たれ、右腕に黄金の玉をつけたルフィが落ちてきていた。

 

パシッ!

 

「大丈夫ですかお兄ちゃん!?」

 

「おお、ホノカ!!無事だったか!助かった!!」

 

落ちてくるルフィをホノカがキャッチした。

 

「ヤハハハハ!!この期に及んで青海のサル二匹ごときに何ができる!そこにいろ!面白いものを見せてやる!(バリッ」

 

ルフィとホノカにそう言い残し、エネルはその場から姿を消した。

 

「んあ?消えた!」

 

「一体どこに・・・!! お兄ちゃんあれ!!」

 

「何だ!?」

 

二人が目をやると雷雲が球状に変化していた。それはゆっくりと空島のエンジェル島へ落下していき・・・

 

バリバリバリッ!!!ドッズゥゥゥン!!!

 

エンジェル島を綺麗さっぱり消滅させた。

 

「島が・・・消えた・・・!!」

 

その計り知れない威力にホノカは戦慄する。他の能力をコピーすることができるホノカの「ロシロシの実」は万能性という意味では間違いなく世界一だが、エネルの「ゴロゴロの実」はホノカには出せない破壊力を持っている。それを目の当たりにしたのだ。

 

「おい・・・ホノカ。」

 

「は、はい!」

 

「オレは鐘を鳴らすぞ!!」

 

「!」

 

ルフィの言葉にホノカは少なからず驚きを覚えた。あの光景を見た後なので、てっきり逃げるものだと思っていたからだ。

 

「下にいるおっさん達に教えてやるんだ!"黄金郷"は空にあったぞって!!おっさんの先祖はウソなんかついてなかったって!!鐘を鳴らして教えてやるんだ!!」

 

「・・・はいっ!!」

 

ルフィを乗せたホノカはエネルの乗っている方舟と同じ方向に飛ぶ。だが

 

ビシャァァァァ!!

 

「きゃぁぁぁぁ!!!」

 

エネルが放つ雷にホノカが撃たれて、墜落してしまう。

 

「ホノカ!!」

 

「ヤハハハハ!!あの鐘は神である私のものだ!!お前達ごときが触れていいものではない!!」

 

「くっ・・・!!」

 

ホノカは傷ついた体にムチをうち、立ち上がる。そして

 

「想起『トリトリ モデル不死鳥』!!(ボウッ」

 

蒼い炎を纏った美しい不死鳥へと変化する。

 

「ホノカ!大丈夫か!?」

 

「ええ、大丈夫です!さっきよりスピードは落ちますが、お兄ちゃんを絶対鐘に送り届けます!」

 

バサッ!

 

ホノカはルフィを乗せて再び飛び立った。

 

「ヤハハ!何度来ても同じだ!!」

 

ビシャァァァン!!

 

ホノカは再びエネルの雷に撃たれるが

 

ボボボッ!

 

「なに!?」

 

「おおっ!すっげー!!」

 

ホノカの傷は蒼い炎とともに再生する。そしてホノカはエネルの方舟へと近づいていくが

 

「もうよい、貴様らウンザリだ!国ごと消えろ!!"雷迎"!!」

 

エネルは先程よりも巨大な雷雲を繰り出し、二人を国ごと消そうとする。

 

「!! ホノカ!!あれからやるぞ!!!」

 

「はいっ!!!」

 

ルフィとホノカはその雷雲、気流と雷の渦へと飛び込んでいく。

 

「うおぉぉぉぉ!!!"ゴムゴムの花火"!!!」

 

ズババババババ!!!

 

「想起『ゴロゴロ』!MAX1億ボルト"放電"!!!」

 

バリバリバリバリ!!!

 

ルフィは右腕の黄金を振り回し、ホノカは自ら放電して雷雲を消そうとする。

 

「「晴れろーーーー!!!!」」

 

ドッパァァァァァン!!

 

空島をまるごと覆い尽くすかのような宿し雷雲はきれいに晴れる。

 

「鳴らせぇ!!麦わらぁ!!『シャンドラの灯』を!!!」

 

「聞かせてくれ小僧・・・!!『島の歌声』を!!!」

 

空島各地から鐘の音を求める声が上がる。今までアッパー・ヤードという大地を求め、対立してきたシャンディアと天使だったが、この時はひとつにまとまっていた。

 

「ふ、不届き者めがぁーーーー!!!!」

 

だがエネルも然る者。そう簡単にはいかない。

 

「2億ボルト"雷神"!!!」

 

エネルは自身が出せる最高のパワーをその身に宿す。

 

「我は神なり!!たかだか"超人系"の一匹や二匹!!この最強種"自然系"の力をもって捻り潰せんわけはない!!」

 

バリッ!!!!!

 

2億ボルトの雷が二人を襲うが、ゴムと不死鳥の二人には効かない。

 

「神だ神だとうるせぇな!!」

 

「何一つ救わない神が・・・!!」

 

「「どこにいるんだぁ!!!」」

 

バカァァ!!!

 

「ぐあっ!!!」

 

二人はエネルを蹴り飛ばし、さらに追撃を加える。

 

「ナメんじゃねぇぞ耳たぶ!!」

 

「あなたごと・・・鳴らしてやります!!!」

 

ルフィは黄金がついた右腕を伸ばし、ホノカはエネルに最高速度で肉薄する。

 

「「ゴムゴムのぉ~・・・」」

 

そしてその腕はついに神を貫く。

 

「「"黄金不死鳥回転弾(おうごんふしちょうライフル)"!!!」」

 

ドッゴォォォォォォン!!!!

 

そしてその腕は・・・

 

「「届けーーーー!!!!」」

 

カラァーーー・・・ン!!

 

黄金の鐘を鳴らす。

 

『おっさん!聞こえるか!?』

 

『"黄金郷"はありましたよ!!400年間ずっと・・・』

 

『『"黄金郷"は空にあったんだ!!!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その美しい鐘の音は空に、大地に、どこまでも鳴り響いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 





空島編これにて終了となります。


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第11話


割れ頭は全力でスルーします。


 

~ホノカside~

 

空島から無事に降りた私達はログポースが指す次の島でおかしな割れ頭におかしなゲームを申し込まれましたがそこはさすがはお兄ちゃん。見事に勝利しました。そしてゲームの賞品として割れ頭達の旗を描きかえました。私はお色気船大工のジーナさんに大人の魅力を教えていただきたかったのですが。

 

無事ゲームも閉会し、さあまた冒険の始まり、と思った矢先海軍大将の青キジが登場。彼はロビンを見て不可解な事を言い、私とお兄ちゃんとゾロとサンジさんと4人がかりでかかりますがあっさりとやられてしまい、お兄ちゃんとロビンが全身氷漬けにされていまいました。ですがチョッパーの必死の治療のお陰でお二人は息を吹き返しました。

 

そんなこんながありましたが船は再び航海に戻りました。次の目的はゴーイングメリー号の修繕と船大工のゲットです。今は夜。私は見張り台でチョッパーと見張りをしています。

 

「う~む、異変なしですね。」

 

「そうだな。オレちょっと眠くなってきた。」

 

チョッパーが眠そうにあくびをする。まあ、チョッパーはお兄ちゃんとロビンの治療を頑張ってくれたので良しとしましょう。

 

「チョッパー、見張りは私がやりますからあなたは先に寝ていいですよ。」

 

「そうか?じゃあ、先に寝るな。おやすみ。(ピョンッ」

 

チョッパーは見張り台から降りてラウンジに向かいました。

 

「それにしても暇ですね。海も変わりないですし・・・あ、そうだ。これでも読みますか。」

 

私は空島で拾った「禁断の果実 ロシロシの実」という本をとりだします。

 

「禁断の果実・・・悪魔の実はどれもそうだと思うんですけどね~。」

 

私の実が禁断って言われてもイマイチ実感わきません。ロシロシの実は私の家の物置にあった宝箱に入ってただけですし。

 

「ペラペラ)・・・見たところこれは本というより研究日誌みたいですね。ん~と、なになに・・・」

 

『これは私が見つけたある悪魔の実に関する研究の記録である。』

 

「なんですかこの誰かに伝えるかのような文は。」

 

『その悪魔の実について語るには遥か昔、数百年前に遡らなければならない。』

 

「・・・・・・・」

 

『ある日、空から星が降ってきたという。その星は偶然にも動物系幻獣種「アヤアヤの実 モデル"さとり"」という悪魔の実に宿った。』

 

「アヤアヤ・・・妖怪のことですか。」

 

『その未知の力を秘めた悪魔の実は人の手から手に渡り、戦乱の世をさ迷った。そして星の欠片を宿したアヤアヤの実はいつしか他の悪魔の能力を使うという荒業が可能になった。これが現在の「ロシロシの実」である。』

 

「悪魔の実の能力が変化する・・・そんなことがあるのでしょうか?なぜ変化したのでしょう?」

 

『悪魔の実の能力が変化するのは通常はありえない。だがこの実はなるべくして変化したのだ。なぜなら・・・・の・・・・・』

 

「・・・ダメですね。肝心なところが破けて読めません。分かったのは、私の食べた悪魔の実は動物系幻獣種ということくらいでしょうか。まあ、それが分かっただけでも大進歩です。」

 

「おーい、ホノカ。そろそろ交代だぞ。」

 

あ、ゾロが呼んでますね。

 

「はーい、今降りまーす。」

 

一抹の疑問は残ったものの、私は見張り台から降りてラウンジへ向かいました。

 

~ホノカsideout~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~Noside~

 

「カエルだ!!巨大ガエルが海をクロールしてるぞ!!」

 

次の日、ゴーイングメリー号で次の島を目指す麦わらの一味の前に海をクロールで渡るという奇行に走るカエルが現れる。

 

「オールだせ!!追うぞ野郎共!!」

 

「船体2時の方角へ!!」

 

「こら!あんた達!!何勝手に進路変えてんのよ!!」

 

好奇心旺盛なルフィ達はすぐさま追いかける。カエルを追いかけてしばらく進むと

 

「む?あれって灯台でしょうか?」

 

「灯台?なんであんなとこに?」

 

「カエルは!?カエルはどこ行ったんだ!?」

 

双眼鏡を覗いていたホノカが海にぽつんと立つ灯台を見つけ、ナミがその事を疑問に思うもルフィ達は気にせず進む。カエルも灯台を目指していたのでメリー号も灯台に近付く。すると

 

カンカンカンカン

 

「あ!?」

 

「何だ!?この音!?」

 

突如辺りに奇妙な音が鳴り響く。カエルは灯台近くの海で止まり、それにメリー号が近付くと海の上で何かに乗り上げてしまう。さらに

 

「バックバック!180度旋回っ!!」

 

ポーッ!!!シュッシュッシュッシュッ!

 

「「「うわぁ!!!!」」」

 

つい先ほどまでメリー号がいたところに煙をふく鉄の塊が通り過ぎる。カエルは鉄の塊の進行方向に立ち、迎え撃つ。

 

「ちょっと!カエルさん!何やってるんですか!!逃げて下さいっ!!」

 

「ゲロォ!!」

 

ホノカの制止も聞かず、カエルは勇敢に鉄の塊に突進するも

 

ガンッ!

 

「うわー!!ひかれた!!」

 

あっさりとひかれてしまった。鉄の塊はそのままその場を去っていった。

 

「ばーちゃんばーちゃん!海賊だよ!!」

 

ルフィ達が唖然としていると灯台の元の建物から女の子とウサギのような猫と酔っぱらいのばあちゃんがでてくる。

 

その女の子、チムニーとばあちゃん、ココロによるとあの鉄の塊は「"海列車"パッフィング・トム」といって蒸気機関で外車を回して海の線路を走る乗り物なんだそうだ。

 

ちなみにあのカエルはヨコヅナといって力比べが大好きでいつも海列車に勝とうとするらしい。なんか車に勝とうとする猫妖怪を思い浮かべてしまう。それを聞いたルフィは

 

「そうだったのか。よーし、オレあいつ食わねぇ!頑張り屋はオレ食わねぇ!」

 

「お兄ちゃん、食べる気だったんですか?」

 

なんてことを言っていた。その後、ココロばーさんから簡単な島の地図と紹介状をもらい、ゴーイングメリー号は船大工を探しに「"水の都"ウォーターセブン」を目指す。

 

 

 



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第12話

~Noside~

 

「ルフィ!船大工探しはオレに任せろ!ものすごい美女を見つけてやるぜ!」

 

「バカか!大工だぞ!山みてぇな大男に決まってんだろ!」

 

ココロばーさんのシフト駅を後にしてゴーイングメリー号は"水の都"ウォーターセブンを目指す。目的はメリー号の修繕と船大工の仲間入りである。

 

「おい、あれじゃねぇのか?」

 

「おお!見えたぞ!!」

 

そしてついにウォーターセブンがその姿を現す。

 

「おーい!君達!海賊が堂々と正面にいちゃまずいぞ!裏町へ回りなさい!」

 

「あ、はーい!ありがとう!」

 

海賊相手でも親切な島の人達に案内され、ルフィ達は船を裏の岬に停める。

 

「よし!帆をたためー!」

 

ゾロが帆をたたもうとロープを引くと

 

ボキッ!メキメキ・・・

 

「わー!!何やってんだてめー!!」

 

「違・・・!オレはただロープを引いただけで・・・」

 

メインマストが真ん中から折れてしまう。

 

「これは驚きました・・・まさかここまでガタが来ていたとは・・・」

 

「それはそうとルフィ、ウソップ、ホノカ。あんた達は私についてきて。」

 

ナミが3人に指示を出す。

 

「まずはココロさんの紹介状を持って"アイスバーグ"という人を探すの。あと、どこか黄金を換金してくれる所を探さなきゃ。」

 

「よし!行こう水の都!!」

 

ゾロ達4人を船に残し、ルフィ達は水の都へ繰り出す。

 

「じゃあまず換金所へ行かねぇか?」

 

「そうね。紙幣に変えれば私達でも持てるもんね。」

 

「ん?オレが持ってるとダメみたいじゃねぇか。」

 

「ええ、落としたり失くしたりしそう。」

 

「何だ!失敬だぞ!!」

 

「あ、なんなら私が持ちますよ。」

 

ルフィの持っていた黄金を今度はホノカが運ぼうとするが・・・

 

「「「・・・・・・」」」

 

「ん~!ん~!」

 

・・・まったく動かない。

 

「・・・やっぱり最初は換金所ね。」

 

そんなこんなで一行は換金所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貸しブル屋?」

 

「何を貸してくれるとこなの?」

 

「ブルって何だ?」

 

「知らねぇ。ブルドッグか?」

 

「オードブルじゃないですか?」

 

4人が見つけた店は、ウォーターセブンでの移動に欠かせない"ヤガラブル"を貸してくれる店だった。その店の主人の紹介で中心街の換金所に行くことに。ブルは2匹、ナミとウソップ、ルフィとホノカというコンビだ。

 

「おぉー!こりゃいいな!!」

 

「揺れもそんなにありませんし、快適ですね~❤」

 

「おい、ホノカ。あんまりくっつくなよ。」

 

ホノカはルフィの背中にギュッと抱きついていて、遠目から見ると仲のいいカップルにしか見えない。

 

「ニー!」

 

「何だ?どうした?」

 

「わっ!ちょっとどこ行くんですか!?」

 

するとルフィとホノカが乗ったブルが突然道をそれる。

 

「なんだ、ハラへったのか!」

 

「ヤガラは水水肉が大好物さ。」

 

ブルが向かった先は「水水肉」という食べ物を売るお店。

 

「水水?おいしそうですね。それ頂けますか?」

 

「10コくれ!!」

 

ルフィとホノカは水水肉を購入。そのお味は・・・

 

「や~わ~ら~け~♪」

 

「これおいしいですっ!!❤」

 

「ニーッ!」

 

「ああ、ごめんなさい。はい、どうぞ。」

 

「ニー♪」

 

お肉の味にみずみずしさが加わって絶品のようだ。

 

「あ、お兄ちゃん。ほっぺたについてますよ❤(ペロッ」

 

「お、サンキュ。」

 

ルフィの口についた食べかすをホノカが指でとって自分の口に運ぶ。やはりカップルにしか見えない。

 

「さて、いよいよ造船島へ入るわよ。"水門エレベーター"で。」

 

「"水門エレベーター"?」

 

"水門エレベーター"とはウォーターセブンならではの施設で、エレベーターの中に入ったブルを水の力で上昇させるというものだった。

 

「おおー!面白ぇなウォーターセブン!!」

 

「水で何でもやってしまうんですね~。」

 

そして水門エレベーターを出ると

 

「着いたー!!ウォーターセブン"中心街"!!」

 

「ここが世界一の造船所ですか。ここはさすがに陸の方が多いですね。」

 

ウォーターセブンの中心街がその顔を出す。街の中心には巨大な噴水があり、人々が溢れかえっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウォーターセブン中心街 換金所

 

ここはウォーターセブン中心街で一番大きな換金所。そこでルフィ達は空島で手に入れた黄金の換金をしていた。

 

「い、1億ベリー!!?そんなにくれんのかー!!?」

 

「確かにそれだけの価値があります。歴史的にも純度も・・・すばらしい。」

 

「そんだけありゃあ充分メリー号を直せるな!」

 

「ご納得頂けましたらさっそく換金の用意を・・・」

 

鑑定士が黄金の換金をしようと話を進めた矢先・・・

 

ドスンッ!!

 

「ひ!!!」

 

ナミがテーブルに足を強く乗せる。

 

「な、何か?」

 

一瞬ひるんだ鑑定士が冷や汗をかきながら再起動する。

 

「ごめんなさいね、鑑定士さん。今の鑑定にウソはないわよね?」

 

「何をおっしゃいますか。もちろんです。」

 

「そう、ホノカ。」

 

「はい。」

 

ナミの指示でホノカは「第3の目(サードアイ)」を鑑定士に向ける。そして・・・

 

「『これは本当にすばらしい黄金だ。どこで手に入れたのか知らないが、3億はくだらないだろう。見た感じこいつらはたいした海賊でもなさそうだ。ここは1億とでも言っておけば満足するだろう。』・・・ですか。黒ですよ姉御。」

 

「ご苦労様♪」

 

「え!?」

 

鑑定士の心の内を丸裸にし、その結果にナミが満足そうに微笑む。

 

「言い忘れたわ。この子は悪魔の実の能力者でね、心を読むことができるのよ。そしてこいつとこの子は1億と8000万ベリーの賞金首。もう一度ウソをついたらあなたの首をもらう。以上!(にっこり」

 

動揺する鑑定士にナミはさらなる追い討ちをしかけ、鑑定士は恐怖で何も言えなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3億ベリーを手に入れたルフィ達は造船所の入口に来ていた。すると

 

「このドッグに何か用か?」

 

鼻が四角で長い男が現れる。

 

「アイスバーグさんに会わせてほしいの!」

 

「ほう、シフト駅のココロばーさんの紹介状じゃな。」

 

ナミはすかさず鼻四角男、カクにココロばーさんからもらった紹介状を手渡す。

 

「アイスバーグさんはこのウォーターセブンの市長じゃ。」

 

「へぇ、そんなに偉い人だったんですか。」

 

「さらに、ワシらガレーラカンパニーの社長であり、海列車の管理もしておる。」

 

「最強かそいつはぁ!!」

 

どうやら尋ね人アイスバーグはとんでもない人だったらしい。

 

「じゃがあの人も忙しい身じゃしのう。お前達の話は要するに船の修理じゃろ?」

 

話しながらカクはいちにーさんしーと体操を始める。

「船を泊めた場所は?」

 

「? 岩場の岬ですけど・・・」

 

「よし、ワシがひとっ走り船の具合を見てこよう。」

 

ひとっ走りという単語に4人は?マークを浮かべる。

 

「バサッ)私が乗せて行きましょうか?」

 

ホノカはトリトリの実 モデル隼を想起しながら尋ねる。

 

「おお、能力者か。大丈夫じゃ。客の手を煩わせるわけにはいかんからのぉ。まあ、10分待っとれ。」

 

「10分?」

 

「10分じゃ。(ドヒュンッ!」

 

すると次の瞬間、カクはものすごいスピードで走りだし、絶壁から家に屋根に飛び降り、メリー号へと向かっていった。

 

「何・・・?あの人。」

 

「ここの船大工はどうなってんだ?」

 

「ンマー!ウチの職人達をナメてもらっては困る。より速く、頑丈な船を造り上げるためには並みの身体能力では間に合わねぇ。」

 

「む?あなたは?」

 

超人的な事をしでかすカクに驚いていると後ろからポケットにネズミを入れた青い髪の男が現れる。

 

「カリファ。」

 

「ええ、調査済みです。"麦わらのルフィ"、"幻想少女ホノカ"、"海賊狩りのゾロ"、"ニコ・ロビン"。4人の賞金首を有し、総合賞金額3億1900万ベリー。結成は"東の海"。現在8人組の"麦わらの一味"です。」

「な、なんかものすげぇバレてるぞ。」

 

男の秘書的存在の女性がルフィ達のことを言い当てる。

 

「そうか、よく来た。オレはこの都市のボス、アイスバーグだ!」

 

ナミがアイスバーグにココロばーさんからの紹介状を手渡すもアイスバーグはビリビリと破いてしまう。てっきり船の修理を断られたと思い、ルフィ達は慌てるもアイスバーグはただ単に紹介状のキスマークが不快だっただけだという。なんというか、掴みどころのない人である。

 

その後、フランキー一家という解体屋に危うく2億ベリーを奪われそうになるもここのたくましい船大工達のお陰で事なきをえた。

 

そして一行はアイスバーグの案内で工場内見学させてもらうことに。あちこちから声をかけられるアイスバーグの人望に感心しながら進んでいく。途中、なぜかウソップが2億ベリーの入った2つのケースだけを残していなくなってしまったが、メリー号の査定に行っていたカクが戻ってきたので3人はついに交渉に入る。

 

「それで、どれくらいかかりそうなんですか?3億までならだせるのですが。」

 

「できればよ!もっと頑丈で大砲も増やしてスピードも速くして・・・」

 

「あと素敵な装飾なんて外板につけたりできる?部屋の中も改装できるの?」

 

わくわくしながら交渉をするルフィ達だが、カクの口から飛び出した言葉に絶句することになる。

 

「・・・いや、はっきり言うとお前達の船はワシらの腕でも、もう直せん。」

 

 

 

 

 

 




今回けっこうがんばりました!


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第13話

 

~Noside~

 

「メリー号が直せねぇって!!?何でだ!?」

 

「もしかしてお金が足りませんか!?」

 

メリー号が修復不可能と聞き、ルフィとホノカが船大工達に詰め寄る。

 

「いや、金は関係ないわい。いくら出そうがもうあの船は元には戻らんのじゃ。」

 

「どういう事!?メリー号に何が起こってるの!?」

 

ナミの質問に船大工の一人、パウリーが答える。彼が言うにはメリー号は"竜骨"がひどく損傷しているらしく、そこがやられると船は再起不能になるのだとか。

 

「だったらよ!もう一回一から船を造ってくれよ!!ゴーイングメリー号を造ってくれ!!」

 

「それも無理だ。」

 

「何で!?」

 

ルフィの願いに船大工の一人、ロブ・ルッチが断りを入れる。彼が言うにはメリー号のような帆船はほぼ木材からできていて、全く同じ成長をする木がこの世にないため、似た船なら造れるが、ゴーイングメリー号は造れないという。

 

「ンマー、船の寿命だ。いい機会じゃねぇか。諦めて新しい船を買って行け。」

 

茫然とするルフィ達にアイスバーグが新しい船を買うことを提案するがルフィは

 

「いいや!!乗り換える気はねぇ!!」

 

「ルフィ・・・」

 

「お兄ちゃん・・・」

 

それを激しく拒否する。

 

「オレ達の船はゴーイングメリー号だ!!まだまだ修理すれば絶対走れる!!今日だって快適に走ってきたんだ!!なのに急にもう航海できねぇなんて信じられるか!!」

 

「・・・沈むまで乗りゃあ満足か?呆れたもんだ。てめぇそれでも一船の船長か?」

 

「っ!!」

 

アイスバーグの指摘にルフィは言い淀む。そうやって船大工達ともめているとこのドッグに世界政府の役人がやって来たということでルフィ達は一旦隠れる。そしてふとホノカがケースを持ってみると

 

「ん?お兄ちゃん、これ軽いんですけど・・・」

 

「はぁ?」

 

「ちょっと冗談やめてよ。大金が入ってて軽いわけないでしょ?」

 

いやな予感がした3人が軽いケース2つを開けてみると・・・

 

「「「ぎゃあああああああ!!!」」」

 

「バカ!何騒いでんだ!!」

 

「2億ベリー!!ない!!」

 

「ていうかよく見たらこのケース私達のじゃないです!!」

 

「な、何だと!?」

 

2億ベリーがきれいになくなっていた。その後、船大工達の証言を組み合わせると犯人はフランキー一家だと判明。しかも、ウソップが誘拐されていったらしい。

 

「大変だ!!行くぞホノカっ!!(ダッ」

 

「はいっ!!(バサッ」

 

その話を聞くや否や、ルフィとホノカはドッグを飛び出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィとホノカがしばらく街を飛び回っているとゾロ、サンジ、チョッパーと合流した。5人が合流した場所にはウソップのものと思われる血痕が残されており、その血はどこかに向かっているようだった。その血を追っていくと・・・

 

「・・・・・・・」

 

「・・・チョッパー、息はありますか?」

 

「死んじゃいない。気を失ってるだけだ。」

 

フランキー一家のアジトと思われる家の前に血まみれで倒れるウソップを発見した。

 

「・・・ちょっと待ってろよ。ウソップ。(パキパキ」

 

「・・・(シュボッ」

 

「・・・(ゾワッ」

 

「・・・(ギュッ」

 

「・・・(グググッ」

 

ウソップの無事を確認した5人は怒りに燃える。ルフィは拳をにぎって指を鳴らし、サンジは青筋を立てながらタバコに火をつけ、ホノカは髪を白く逆立て瞳を赤くし、ゾロは刀を握りしめ手ぬぐいを頭に巻き、チョッパーは歯をくいしばりながら人型へと変化する。

 

「あのフザけた家、吹き飛ばして来るからよ・・・!!」

 

5人はフランキー一家のアジトへと歩みを進める。すると家から巨漢の男が出てくる。

 

「ガチャ)ん?」

 

だがその男は

 

ドガァァァァァァンッ!!!

 

怒りに燃える5人に吹き飛ばされる。

 

「何だ!?どうした!?」

 

「誰だ!?てめぇらは!!?」

 

「あれは・・・"麦わらのルフィ"!!」

 

「ゴハハハハ!金を取り返しに来やがったな!?この人数を見ろ!!たった5人で何しようってんだ!?」

 

高笑いをする鋼鉄のアーマーを装備した男に向かってルフィは・・・

 

「ゴムゴムのぉ~・・・"攻城砲(キャノン)"!!」

 

ドゴォォォン!!!

 

「がはっ・・・!!」

 

「「「えーーーーー!!?」」」

 

両腕でパンチを繰り出し、鉄のアーマーを貫き、男を吹き飛ばす。

 

「放て!!砲弾!!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!

 

フランキー一家はルフィ達に砲弾を飛ばすも・・・

 

「三刀流・・・"鴉魔狩り"!!」

 

スパァァァン!ドゴォォォン!!!

 

ゾロに大砲ごと斬られてしまう。

 

「ほ、砲弾は鉄なんですけど・・・!!」

 

「う、裏口から逃げるんだ!!」

 

ルフィ達に敵わないと判断したフランキー一家は家の裏口から逃走を図るも・・・

 

「"パーティテーブルキックコース"!!」

 

ドガガガガガガ!!!

 

裏口で待ち構えていたサンジに阻まれる。

 

「裏口はダメだ!!窓から!!」

 

今度は窓から逃げようとするも・・・

 

「ランブル!"角強化"!"桜並木(ロゼオコロネード)"!!」

 

ズッガァァァンッ!!!

 

チョッパーがそれを許さない。

 

「うわぁ!!何だってんだよ!!」

 

「どうすりゃいいんだこいつら!!」

 

ルフィ達の強さにうろたえるフランキー一家にさらにホノカが追い討ちをかける。

 

「想起『ゴロゴロ』。100万ボルト"放電(ヴァーリー)"!」

 

バリバリバリバリバリバリッ!!!!!

 

「「「うぎゃああああああ!!!」」」

 

「ちょ、ちょっと待てよお前ら!!金ならここにはないぜ!!この一家の頭、フランキーのアニキがあの2億ベリーで買い物に出ちまったんだ!!」

 

フランキー一家の一人がルフィ達に言い訳をするがそんなことでは止まらない。

 

「黙れ貴様ら。」

 

「ああ、もう喋ってくれるな。そういう事っちゃねぇんだよ・・・」

 

「そうだな。もう手遅れだ。」

 

「お前ら、骨も残らねぇと思え。」

 

仲間を傷つけられたルフィ達はフランキー一家のアジトを潰し、骨も残さなかった。そしてウソップの治療を待っている時にルフィは呟いた。

 

「オレ、決めたよ・・・」

 

「? 何をですか?」

 

ホノカが聞くとルフィはこう言う。

 

「ゴーイングメリー号とは・・・ここで別れよう。」

 

「っ!!!・・・そう、ですか・・・。」

 

ルフィの決断にホノカは顔を歪めるもルフィが正しいのはわかっているので何とか頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーイングメリー号

 

「面目ねぇ!!みんな!!大事な金をおれは・・・!!」

 

「おいおい、ちょっと待て落ち着けよ!」

 

ルフィ達はフランキー一家を潰してメリー号に帰って来た。そして日が西に傾き始めた頃、ウソップが目を覚ました。夕方になっても帰らないロビンが多少気がかりだが、今はウソップが目を覚ましたことを喜ぶべきだろう。

 

「まあ、まだ1億ベリーあるんだ!気にすんなウソップ!」

 

「まったくあんまり無茶しないで下さいよ。命があったから良かったものの。」

 

「良くないわよ!お金は!!」

 

「・・・すまねぇ。だけど船は?メリー号は1億で直せるのか!?この先の海も渡って行ける様に今まで以上に強い船に・・・」

 

「・・・・・・」

 

ウソップがメリー号の話をし始めるとホノカが辛そうな顔をする。そしてルフィはできるだけ自然にあの話をする。

 

「いや、それがよ、ウソップ。船は乗り換えることにしたんだ。メリー号には世話になったけど、この船での航海はここまでだ。」

 

「・・・?」

 

突然の話にウソップはついていけない。

 

「・・・それでですね、ウソップ。新しく買える船を調べてみたんですけど、とりあえず1億ベリーあれば中古でも今より大きい船が選り取り見取りで・・・」

 

「待てよ待てよ!お前ら冗談キツイぞバカバカしい・・・!!」

 

ホノカの話を遮ってウソップが話しだす。

 

「何だ?やっぱり修理代足りなくなったってことか・・・!?オレが2億奪られちまったから金が足りなくなったんだろ!!」

 

「あ、いえ、そうじゃないんです。」

 

「じゃ何だよ!!はっきり言え!!オレに気ぃ使ってんのか!?」

 

「使ってませんよ!!本当にあのお金は関係ないんです!!」

 

「おい、お前ら。怒鳴り合ってどうなるんだよ。もっと落ち着いて話をしろ!」

 

ゾロが止めるもルフィとホノカとウソップは止まらない。

 

「落ち着いてられるか!!バカな事言い出しやがって!!」

 

「ちゃんとオレ達だって悩んで決めたんだ!!」

 

「ウソップ!体にさわるよ!熱くなったらダメだ!!」

 

そしてルフィはウソップにとってあまりにも残酷な現実を言い渡す。

 

「メリー号はもう!!直せねぇんだよっ!!!」

 

・・・全員に静寂が走る。

 

「・・・どうしても直らねぇんだ。じゃなきゃこんな話しねぇ。」

 

「・・・この船だぞ!?今、オレ達が乗ってるこの船だぞ!?」

 

「・・・そうです。もう、沈むんです。この船は・・・。」

 

現実を受け入れがたいウソップの確認にホノカが肯定する。

 

「・・・・・・・何言ってんだ?ルフィ、ホノカ。」

 

「本当なんだ!!そう言われたんだ造船所で!!」

 

「船の寿命だそうです。もう次の島にすら行き着けないみたいで・・・。」

 

「ハァ、そうかい。今日会ったばかりの他人に説得されて帰って来たのか。」

 

「っ!!」

 

「何だと!?」

 

「一流と言われる船大工達がもうダメだと言っただけで!!どんな波も戦いも一緒に切り抜けてきた大事な仲間をお前らは見殺しにする気かぁ!!」

 

ウソップの叫びが船内に響く。

 

「・・・じゃあお前に判断できんのかよ!!この船には船大工がいねぇから!!だからあいつらに見て貰ったんじゃねぇか!!」

 

「だったらいいよ!!今まで通りオレが修理してやるよ!!」

 

「待ちなさい、ウソップ。」

 

「よしさっそく始めよう!!木材が足りねぇな!!造船所で買って来よう!!さあ、忙しくなってきた!!」

 

「あなたは船大工じゃないでしょう!!ウソップ!!」

 

「ちょっとホノカ!!」

 

ホノカの厳しい言葉にナミが異論を唱えるが、口論は止まらない。

 

「おうそうだ!!だがそれがどうした!!だがな、職人の立場をいい事に所詮は他人の船をあっさり見限るような船大工なんかオレは信じねぇ!!」

 

「バカかお前ら!!大方船大工達のもっともらしい正論に担がれてきたんだろ!!」

 

「オレの知ってるルフィならそんな商売口上よりこのメリー号の強さをまず信じたはずだ!!そんな歯切れのいい答えで船長風吹かせて何が"決断"だ!!ホノカもホノカだ!!どうせお前もルフィの考えにほいほいついていっただけなんじゃねぇのか!?上っ面だけメリーを想ったフリしやがってよぉ!!」

 

ヒートアップする言葉にルフィがウソップに掴みかかる。

 

ドカンッ!

 

「いい加減にしろお前ぇ!!お前だけが辛いなんて思うなよ!!全員気持ちは同じなんだ!!」

 

「だったら乗り換えるなんて答えが出るはずねぇ!!」

 

「じゃあいいさ!!そんなにオレ達のやり方が気に入らねぇなら今すぐこの船から・・・!!!」

 

「バカ野郎がぁ!!!」

 

ドゴォォォ!!!ガシャァァァン!!

 

暴言を吐こうとしたルフィをサンジが蹴り飛ばす。

 

「ルフィてめぇ!!今何言おうとしたんだ!!頭冷やせ!!滅多な事口にするもんじゃねぇぞ!!」

 

「・・・悪い。今のは・・・つい・・・」

 

「いやいいんだルフィ。それがお前の本心だろ。」

 

「!!何だと!?」

 

ウソップは立ち上がりながら己の心の内を話しだす。

 

「使えねぇ仲間は次々切り捨てて進めばいい。この船に見切りをつけるんなら・・・オレにもそうしろよ!!」

 

「正直オレはもうお前らの化け物じみた強さにはついて行けねぇと思ってた!金の番すらろくにできねぇ!!この先もまた、お前らに迷惑かけるだけだ!!」

 

「思えばオレが海へ出ようとした時にお前らが船に誘ってくれた。それだけの縁だ!意見が食い違ってまで一緒に旅をすることはねぇよ!」

 

そう言ってウソップはメリー号を降りる。

 

「おいウソップ!どこ行くんだ!?」

 

「どこ行こうとオレの勝手だ!」

 

そしてウソップは衝撃の告白をする。

 

「オレは・・・この一味をやめる。」

 

「「「!!?」」」

 

その言葉に全員が動揺する。

 

「ダメよ!待って!!」

 

「おい!戻れ!!」

 

「行かないでくれよぉ!!ウソップ~!!」

 

しかし、ウソップの意思は堅い。さらに言葉を続ける。

 

「この船は確かに船長であるお前のものだ。だからオレと戦え!オレが勝ったらメリー号は貰っていく!!」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・ウソップ・・・」

 

「オレと決闘しろぉ!!!」

 

麦わらの一味とウソップとの間にヒビが入った瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 



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第14話

 

~Noside~

 

ウォーターセブン裏町 宿屋屋上

 

ルフィ達はウソップとの決闘を終え、裏町の宿屋にいた。決闘はウソップが、それにケガを負った状態でルフィに勝てるわけもなく、ルフィの勝利で終わり、メリー号をウソップに譲り、ルフィ達は新しい船でこの先へ進むこととなった。

 

「せっかく宿とったのに部屋に誰もいねぇ。」

 

「みんな揃って眠れてねぇんだろ。」

 

宿屋の屋上にはウソップとロビンを除く麦わらの一味の全員が集まっていた。ロビンはなぜか昨日から戻っておらず、みんな心配している。

 

「オレは今日、ロビンちゃんを探してみようと思う。」

 

「オレも行くぞ!探しに!!」

 

サンジとチョッパーがロビンの捜索に行こうとした時、ナミが飛び込んでくる。

 

「ルフィ!ホノカ!大変なの!!昨日の夜、アイスバーグさんが撃たれたの!!」

 

「え!?」

 

「アイスのおっさんが!?」

 

「ええ、それで今意識不明だって・・・!」

 

その事実にルフィとホノカは驚きを隠せない。昨日、造船所で彼が慕われているところを見ているからだ。

 

「ホノカ、様子を見に行くぞ!」

 

「はい!」

 

「待って!私も行くから!」

 

ルフィとホノカとナミはアイスバーグの様子を見に、サンジとチョッパーはロビンを探しに、ゾロは宿で少し成り行きを見るようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィ達3人が昨日の造船ドッグに来てみるとすごい人だかりができていた。あれだけ慕われているアイスバーグが撃たれたのだから当然と言えば当然だが。

 

「これは入れそうにありませんね。」

 

「でもどの道もっかい会わなきゃなんねぇんだ。アイスのおっさんには。」

 

「でもこれじゃ近づくことすらできないわ。仕方ない。その内新聞ででも安否はわかるわよ。」

 

ルフィ達が諦めて帰ろうとすると・・・

 

ズン♪ズン♪ズズズン♪

 

「「「?」」」

 

何やら奇妙なリズムが聞こえてくる。

 

「うわぁ!このリズムは!!」

 

「どこにいるんだ!!どこだ!!」

 

そのリズムが聞こえてくると街の人達がうろたえだす。

 

「いたー!!あそこだー!!」

 

「リズムに乗ってるー!!」

 

街の人達が指差す方向を見ると何やら人影がリズムに乗って踊っている。

 

「ここに麦わらのルフィってのがいるはずだ!出て来い!!」

 

人影はルフィをお探しのようだ。

 

「オレはこの島一のスーパーな男!!ウォーターセブンの裏の顔!!ん~~~・・・フランキー!!!」

 

その人影、フランキーは両腕を合わせてポーズを決める。

 

「! お兄ちゃん!!今あいつフランキーって・・・!!」

 

「あいつか!!おい!!海水パンツ!!」

 

「あん!?」

 

「オレがルフィだ!!」

 

フランキーとルフィは火花を散らしてにらみ合う。

 

「お前かぁ、麦わらのルフィってのはぁ!!人の留守中にえらく大暴れしてくれたじゃねぇか!!子分達もまぁヒドイ目にあわせてくれやがってぇ!!」

 

「そんなのはいい!!とにかくオレはお前をブッ飛ばさねぇと気が済まねぇ!!」

 

「気が済まねぇのはこっちだバカ野郎!!(すぅぅぅ」

 

そう言ってフランキーは息を吸い込みはじめる。そして・・・

 

ボォォォォォォォ!!!

 

「!!」

 

「なっ!?」

 

「きゃっ!!」

 

なんと火を吹いてみせた。

 

「ニー!ニー!ニー!」

 

フランキーの火に驚いたルフィ達のブルが逃げ出す。

 

「何だ!?あいつ!!」

 

「能力者でしょうか!?だとしたら何の・・・!?」

 

火を吹くフランキーに戸惑っているとフランキーは自ら水路の水へと飛び込む。

 

ドッボォォォン!!

 

「水に突っ込んだぞ!!悪魔の実食ってたら溺れて終わりだ!!」

 

だが、フランキーは・・・

 

「どうりゃあ!!」

 

ドッゴォォォン!!

 

ルフィ達のブルを水中から攻撃する。

 

「泳げんのか!?」

 

「くっ!!」

 

「悪魔の実なんざ食っちゃいねぇ!!」

 

「ゴムゴムの・・・」

 

ルフィはフランキーに向かって反撃しようとするも・・・

 

「"ストロングライト"!!」

 

ボウンッ!ドガァァァァァァンッ!!!

 

フランキーの右腕が飛び出し、空中のルフィを追撃する。

 

「があ!!」

 

「お兄ちゃんっ!!」

 

「何!?今の!!」

 

「ああ、知らなかったかいお姉ちゃん達・・・オレは"サイボーグ"だ!!」

 

「サイボーグ・・・ですか。確かにあの人の心に悪魔は宿っていません。」

 

「そんなことはいい!!とにかくお前はブッ飛ばす!!」

 

「うははは!やってみろ!!」

 

フランキーは左腕をはずし、弾丸を発射する。

 

「"ウエポンズレフト"!!」

 

ボウンッ!

 

ルフィはそれをかわして攻撃に入る。

 

「ゴムゴムの"ムチ"!!」

 

「むぅ!!」

 

ルフィの放った蹴りをフランキーが受け止める。そんな攻防をしていると

 

「うわっ!!」

 

「ぐおっ!!」

 

誰かの不意討ちで2人が吹き飛ばされる。その人物とは・・・

 

「くだらねぇマネしてくれたな・・・麦わらぁ!!」

 

昨日会ったガレーラカンパニー1番ドッグの船大工達だった。

 

 

 

 

 

 



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第15話

~Noside~

 

ルフィとフランキーのケンカに割って入ってきたガレーラカンパニーの職人達。彼らはアイスバーグを襲ったのはロビンだと言い、ルフィ達を捕らえに来た。

 

「きゃ!」

 

「お前、麦わらと一緒にいたのを見たぞ!お前も仲間だな!!」

 

「ナミ!」

 

船大工達の話を聞いてルフィとフランキーのケンカを見ていた野次馬達がナミを捕まえる。

 

「『ピカピカ』!!(ピュンッ」

 

バッ!

 

「うわっ!!」

 

ナミを捕まえていた野次馬からホノカがナミを取り返す。

 

「逃げたぞ!!」

 

「暗殺者共を逃がすなー!!」

 

「もう!私達が何したっていうのよ!!」

 

「私達は昨日この島に来たばかりです。さらに、ロビンはアイスバーグさんに会ってすらいません。襲う理由がありませんよ。」

 

ナミとホノカが弁解しようとするが街の人達や船大工達は聞く耳を持たない。

 

「観念しろ海賊!!」

 

ズバッ!ヒュヒュンッ!ボンッ!ドガァァァァンッ!!!

 

「おわっ!くそ!やる気満々かあいつら!!」

 

「わっ!危なっ!想起『メラメラ』!火拳!!」

 

パウリーの言葉を合図に船大工達がルフィ達に襲いかかる。ルフィ達は飛んでくる砲弾や刃物を必死にかわす。

 

「こらぁ!てめぇら!!そいつらはオレの獲物だ!!何横取りしてんだぁ!!」

 

「少し待っていろ。お前の相手はあいつらを完全に捕らえてからじゃ。」

 

フランキーが自分の獲物をとるなと激怒するが船大工達はそれを無視する。頭にきたフランキーは船大工達ごとルフィ達を吹き飛ばそうと両腕を前に構える。そして・・・

 

「"風来砲(クー・ド・ヴァン)"!!」

 

ズッドォォォォォォォンッ!!!

 

「「うあぁーー!!」」

 

ガレーラの船大工達を後ろにある巨大クレーンごと吹き飛ばす。

 

「ナミ!ホノカ!走れ!!何とかしてアイスのおっさんとこ行こう!!」

 

「はいっ!!想起『トリトリ モデル"隼"』!!(バサッ」

 

「え!?行くの!?無理よこの騒ぎの中っ!!」

 

「おい!見ろ!!麦わらが逃げるぞ!!」

 

フランキーの技にこの場にいた野次馬達がパニックになる。その混乱に乗じてルフィ達は逃げようとするが、野次馬の一人に見つかってしまう。

 

「お二人共!しっかり捕まって下さい!!(バサッ」

 

ホノカはルフィとナミを背中に乗せ、空高く飛びさっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか造船ドッグから逃亡したルフィ達はアイスバーグの屋敷の真ん前に来ていた。そして今、ホノカが屋敷へ侵入しようとしていた。

 

「じゃ、行って来ますね。」

 

「え!?ちょっ・・・!!」

 

ドヒュンッ!!

 

両腕を隼の翼にして・・・

 

バリィン!!

 

「襲撃だーーー!!!」

 

「麦わらの仲間、"幻想少女ホノカ"が本社に侵入したぞーーーっ!!」

 

「水色の服にピンクのスカートだ!!」

 

ホノカは窓を破って屋敷に侵入するが、当然騒ぎになる。

 

「・・・兄が兄なら妹も妹ね。」

 

ナミはホノカの行動に呆れかえっていた。

 

「えーっと、どこでしょうか?」

 

ドゥンッ!ドゥンッ!

 

「きゃっ!!屋内で隼は危険ですね。想起『トリトリ モデル"不死鳥"』!(ボッ」

 

「そこのあなた!!」

 

「む?あの人は・・・」

 

屋敷で追いかけまわされていたホノカはアイスバーグの秘書であるカリファに呼び止められる。アイスバーグがホノカを呼んでいるらしい。

 

部屋の中に入るとベッドの上に横たわるアイスバーグが姿を現す。

 

「・・・ンマー、オレに用だろ。海賊娘。」

 

「はい。その通りです。本当の話を聞きに来ました。」

 

「昨夜、オレはニコ・ロビンをこの目で見た。これが事実だ。」

 

「っ!!それは本当に・・・」

 

ガチャッ!

 

アイスバーグ本人からの証言にホノカが問い返そうとするとアイスバーグはホノカに銃を突きつける。

 

「口を開くな!お前の言葉にゃあもう力はない。お前を招いたのは頼みがあるからだ。」

 

「・・・頼み・・・何ですか?」

 

「今からもう一度ニコ・ロビンに会わせろ。」

 

「・・・申し訳ありませんがそれはできません。ロビンの居場所が分からないんです。」

 

ドォン!ドォン!

 

「っ!!!(バサッ」

 

パリィン!

 

アイスバーグの頼みをホノカが断ると彼はホノカに発砲した。ホノカはすかさず隼の翼で窓から逃げ出す。

 

「! ホノカ!!」

 

「もしかして話せたの!?アイスバーグさんと!!」

 

アイスバーグの部屋から逃げてきたホノカはルフィとナミの元へ戻る。

 

「・・・本当にロビンを見たそうです。」

 

「っ・・・そんな!どうしてロビンがそんな事・・・」

 

「・・・ホノカ。」

 

「はい。」

 

「オレは信じねぇぞ!!」

 

「良かった。私も同じ気持ちです。」

 

アイスバーグ自らの証言を聞いてもルフィとホノカは信じる気はないようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在ウォーターセブンは大騒ぎである。アイスバーグが襲撃されただけでも大騒ぎだったのだが、ルフィがフランキーとやりあったり、ホノカが屋敷に侵入したりしたせいでもはやパニックに近い状態となっていた。そんなこんなで宿にも帰れなくなったルフィ達はゾロとチョッパーと合流し、民家の屋根の上で緊急会議を開いていた。

 

チョッパーの話ではサンジとチョッパーはロビンを見つけるも、彼女は自分の犯行を認め、さらにもうルフィ達の元へは帰らないと言ったらしい。その発言にルフィとホノカは納得がいかないがゾロが核心をつく発言をする。

 

「・・・かりにも"敵"として現れたロビンを船に乗せたんだ。落とし前つける時が来たんじゃねぇか?あの女は"敵"か"仲間"か。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、アイスバーグの屋敷から遠く離れた木の上、そこでルフィ、ホノカ、ゾロ、チョッパー、ナミの5人はアイスバーグを襲撃するであろうロビンを待っていた。アイスバーグの屋敷で待ち伏せしても良かったのだが、これ以上濡れ衣を着せられても困るので、ロビンが騒ぎを起こしてから潜入する腹だ。アイスバーグの屋敷はウォーターセブンの船大工達で固められている。

 

「みんな武器持ってて強そうだぞ!」

 

「海賊すらねじ伏せるらしいですからね。ここの船大工さん達は。」

 

「そうなのか!?」

 

「こりゃあ下手に突っ込んだら大変なことになるぞ!」

 

「ルフィ・・・どの口が言うのよ・・・。」

 

「全員気ぃ抜くなよ。今夜を逃したらもう二度とロビンに会えないと思え。」

 

ルフィ達には緊張が走っていた。すると

 

「うわーー!!爆発したぞ!!」

 

双眼鏡を覗いていたチョッパーが声をあげる。動きあったようだ。アイスバーグの屋敷は爆発の後すぐさま侵入した被り物をした二人の侵入者で大騒ぎになっていた。

 

「うわぁ、もうだいぶ騒がしいぞ。・・・ん?あれ?ルフィは?」

 

「「「え!?」」」

 

いつの間にかルフィが忽然と姿を消し、こちらも大騒ぎになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィを見失ったホノカ達4人は仕方なく、ルフィなしで潜入することに。ルフィが裏へ回ったりするのは考えられないので船大工達はルフィに気をとられて手薄になっていると思ったが、なぜか船大工達は全員集合状態で、ホノカ達が追い回されていた。

 

「ちょっと!何でルフィいないの!?」

 

「知るかよ!!」

 

「くっ!もうこうなったら私達は現行犯みたいなものです!正面から突入してロビンを探しましょう!」

 

「よし来たっ!!」

 

ホノカの提案にゾロが刀を構えながら賛成する。

 

「だけど相手は船大工だぞ!敵じゃないんだぞ!!」

 

「ご安心を!手加減はしときますっ!想起『スパスパ』!(ジャキンッ」

 

「大丈夫!峰打ちだ!!」

 

そう言って二人は船大工達に向かっていく。

 

「「道を開けろぉ!!」」

 

ドガガガガガガンッ!!!

 

「「致命傷与えてますけど!!」」

 

そんなこんなで屋敷の外を固めていた船大工達はゾロとホノカに全滅させられた。

 

「「安心しろ、峰打ちだ。」」

 

「何で船大工全員のしちゃってんのよ!!」

 

「すげ~!ホノカとゾロは強ぇな~!」

 

思わぬ事態に遭遇したが、ホノカ達は屋敷へ侵入した。そして暫く走るとアイスバーグの寝室に到着する。

 

「さあ!行きなさいゾロ!!扉斬って突進よ!!」

 

「オレに命令すんな!!」

 

ズバァンッ!ドガァ!!

 

「うおりゃあ!!ロビンはどこだぁ!!」

 

「ルフィ!!」

 

「え!?お兄ちゃん!?」

 

4人が扉を破って部屋に入ると、となりの壁からどこかに行ってたルフィとパウリーが同時に侵入した。そしてその部屋には血を流してたおれるアイスバーグと船大工のルッチとカク、アイスバーグの秘書であるカリファと酒場の店主ブルーノ、そしてロビンがいた。

 

「カリファ!ブルーノ!カク!ルッチ!お前ら何でそんな格好してんだ!!」

 

パウリーがかつての仲間達がまるで暗殺者のような格好をしていることに叫ぶ。だが・・・

 

「パウリー・・・実はオレ達は政府の諜報部員だ。突然で信じられねぇならアイスバーグの顔でも踏んで見せようか?」

 

「!!!」

 

ルッチがパウリーの嫌な予感を確信に変えるような発言をする。そして怒りに燃えるパウリーがルッチに殴りかかるが・・・

 

「"指銃"。」

 

ドキュゥゥンッ!!!

 

ルッチはパウリーの胸を指一本で貫き、ねじふせる。彼らは訓練によって「六式」という人体を武器に変える武術を身に付けているらしい。

 

「・・・何で・・・お前らが・・・」

 

「まあ、いい。どの道消す命・・・悲しいが友よ・・・」

 

「ルッチ!!貴様ぁ!!」

 

フラつくパウリーにルッチがとどめを刺そうとしてたおれているアイスバーグが叫ぶ。だが、意外な人物がルッチを止めることとなる。

 

「火拳!!」

 

ボォォォォォォォ!!!

 

巨大な火がルッチを襲う。ルッチはいち早く危険に気づき、その場を飛び退く。そう、ルッチを止めたのはホノカだった。

 

「フフフ、そうですかぁ。あなた達は"世界政府"の人間だったんですねぇ。へぇ。フフフ・・・」

 

ホノカの髪は白く逆立ち、赤く輝く瞳からはハイライトが消えている。

 

「フフフフフ、アハッハハハハハ!!!」

 

狂ったように笑いはじめたホノカは赤黒いオーラを出す。まるでこの世の闇を再現しているようなドス黒いオーラを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ははは、ホノカは賢い子だな!』

 

『うん!私ね、お父さんみたいな海賊になるの!!』

 

『フフフ、将来が楽しみね。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私から大切なものを次々奪っていく"世界政府"の人間だったんですねぇ・・・死んで!!!」

 

ホノカはドス黒いオーラを纏い、ルッチ達、「CP9」に襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『禁断の果実 ロシロシの実』

 

ーだが、その実はなるべくして変化した。なぜならその実は長き戦乱の世を渡る間にいつしか人間の心の闇を吸収してしまったからだ。

 

つまり、ロシロシの実の能力の正体とは長い歴史の中で吸収、増幅された人の野心や欲望、そして怒りや憎しみである。

 

私はこの恐ろしい実を誰も食べないように家に封印しようと思う。

 

著者:アルザス・D・キルト

 

 

 

 

 

 

 



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第16話

 

~Noside~

 

「お、おい!ホノカ!?」

 

「どうしちゃったの!?ホノカ!!」

 

「アハハハハハハ!!」

 

ゾロとナミがホノカを止めるも、狂気に呑まれたホノカは止まらない。

 

グボォォ!!!

 

ホノカは突き出した右手からドス黒いオーラを噴出し、ルッチを狙う。が・・・

 

「"鉄塊"。」

 

バキィ!!

 

ルッチはそれを拳一つではじいてしまう。

 

「な、何だ!?あれが効いてねぇ!!」

 

「・・・うっとうしい。"剃"!(ビッ」

 

驚くチョッパーを尻目にルッチはまるでその場から消えたような高速移動を見せる。そして・・・

 

「"指銃"!」

 

ドキュゥゥンッ!!!

 

「・・・がはっ!」

 

ホノカの胸に指を突き刺し、ホノカはルフィのほうに飛ばされる。そのダメージから髪の色がもどり、瞳にもハイライトが戻ってきた。正気に戻ったようだ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「ホノカっ!!大丈夫か!?今止血するぞ!!」

 

ホノカの胸からは血がドクドクと流れていて、チョッパーが慌てて治療に入る。そうやっている内に話は進んでいき、彼らはアイスバーグが持つ古代兵器「プルトン」の設計図を狙っていて、その設計図は今フランキーが持っていることが分かったらしい。そしてロビンは自分の願いを叶えるために政府側についているという。そして彼らは証拠隠滅のため、ルフィ達ごとこの屋敷を燃やすらしい。

 

「ゴムゴムのぉ~・・・"銃弾(ブレット")!!」

 

ロビンが立ち去ろうとするのでルフィ達がそれを止めようとするも・・・

 

「"剃"!"嵐脚"!」

 

ズバァァンッ!

 

「がぁぁ!!」

 

ルフィがやられ・・・

 

「"指銃"!」

 

ドキュゥゥンッ!!!

 

「がふっ・・・」

 

ゾロまでもがやられてしまう。そしてロビンは立ち去ってしまった。

 

「これで分かっただろう。世界政府の重要任務を任される我々とたかだか一海賊団のお前達との圧倒的な戦闘力の差が。」

 

「くっ・・・世界・・・政府・・・」

 

「! ホノカ!!まだ動いちゃダメだ!!」

 

「ルッチ。発火装置作動の時間よ。」

 

「ああ、分かった。では、こいつらに最期に面白いものを見せようか・・・」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

 

そう言うとルッチは姿を変えていく・・・

 

「なっ!?」

 

「悪魔の実・・・!?」

 

「何の実だ!?」

 

「ネコネコの実 モデル"豹"。」

 

巨大な豹の姿へと。

 

「豹人間か!!」

 

「ヤバイ!!肉食の動物系は凶暴性も増すんだ!!」

 

ただでさえ圧倒的な差があったのに、さらにルッチが能力者だと知ってうろたえるルフィ達。

 

「っ・・・!はあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ホノカっ!!」

 

するとホノカが恐ろしい姿となったルッチに攻撃を仕掛ける。が・・・

 

「"嵐脚"。」

 

ズバァァンッ!!

 

「・・・がっ・・・」

 

「ホノカっ!!」

 

ルッチの放つ嵐脚によって屋敷の天井ごと斬られてしまう。ルッチはホノカを気にするルフィ達にすかさず追撃を仕掛け、ルフィとゾロを屋敷から吹き飛ばす。そして最後に・・・

 

「なぜ貴様が我々に向かってくるのか分からんな。」

 

「・・・うるさいっ!・・・世界政府なんて・・・最低なやつばっかりだ・・・!!」

 

「ふっ、そうかもしれんな。さらばだ!」

 

ドゴォォォ!!!

 

「がふっ!!!」

 

血だらけのホノカを殴り飛ばした。その後、彼らはアイスバーグとパウリーを屋敷に残して脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CP9にやられたルフィ達だが、ただでは起きない。海列車で連れ去られたロビンの願いはウソップを含めた麦わらの一味全員がウォーターセブンを出航することだった。それを知ったルフィ達は海列車パッフィング・トムの失敗作、暴走列車ロケットマンでロビンを追う。海上で別行動をとっていたサンジとウソップが変装するそげキングと合流。そんなこんなでガレーラカンパニーの戦う船大工達やフランキー一家のチンピラ達を連れ、ルフィ達は司法の島「エニエス・ロビー」に急ぐ。そしてついに列車はエニエス・ロビーに到着する。ルフィとホノカが先陣きって突入する。

 

「ゴムゴムの"ロケット"!!」

 

「想起『トリトリ モデル"隼"』!!」

 

「門の上に誰かいるぞー!!」

 

「侵入者だ!撃ち落とせー!!」

 

ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

島は当然ながら海兵や政府の役人が掃いて捨てるほどいて、二人は攻撃される。だが、二人は止まらない。

 

「ロビンはどこだぁーー!!」

 

「道を開けなさいっ!!」

 

ドドドドドドッ!!

 

「おのれ海賊!!」

 

二人の前に大勢の海兵が立ちはだかる。

 

「ゴムゴムの"銃乱打(ガトリング)"!!」

 

ドガガガガガガガガガッ!!!

 

「想起『ゴロゴロ』!"神の裁き(エル・トール)"!!」

 

ピシャァァァァン!!!ゴロゴロゴロ!!!

 

二人は海兵達を吹き飛ばし、エニエス・ロビー本島へと侵入する。

 

「まずいっ!!本島に入られた!!」

 

「追えー!!奴らを仕留めろー!!」

 

本島に入っても海兵の数は減らず、どんどん押し寄せてくる。

 

「ハァ、面倒な。お兄ちゃん、下がってて下さい。想起『グラグラ』。」

 

「ん?お前その技は負担すげぇんじゃなかったか?」

 

「ふふふ、私だって成長するんですよ。はぁ!!」

 

ビキィ!!ドゴォォォォンッ!!!

 

「「「うぎゃあああああ!!!」」」

 

ホノカはグラグラの実の能力で大勢の海兵をなぎ倒し、道をつくる。そして二人はどんどん進み、ついに最後の建物の前にたどり着くが、二人の前にドアドアの実の能力者ブルーノが現れる。ルフィが戦おうとするが・・・

 

「お兄ちゃん、ここは私が。」

 

「大丈夫か?お前ハトの奴から受けたケガが・・・」

 

「大丈夫ですよ。お兄ちゃんはそのハト野郎との戦いのために力を温存しておいて下さい。」

 

「お前達はまだ気づいていないようだな。これが"全世界的規模"の大犯罪だということに。」

 

「・・・何が言いたいのですか?」

 

ブルーノが言うにはこのエニエス・ロビーに攻め入るという事は世界政府に加盟する170国以上の国々を敵にまわすという事らしい。

 

「それが何だと言うんです!想起『ゴムゴム』!(ギュィィィィィィン・・・」

 

ホノカはブルーノに突進しながら腕を後方に伸ばす。

 

「"鉄塊"。」

 

ブルーノは余裕の表情で鉄塊をかける。が・・・

 

「"銃(ピストル)"!!」

 

ドゴォォォォンッ!!!

 

「がはっ!何!?」

 

ホノカの放った強烈な攻撃に後ずさる。

 

「想起『ハナハナ』!"六輪咲き(セイスフルール)"!」

 

パッ!

 

「!"剃"!!」

 

ギュンッ!

 

ホノカを脅威に感じたブルーノはホノカが地面に咲かせた腕を剃でかわす。が・・・

 

「想起『メラメラ』!火拳!」

 

ボォォォォォォォ!!!

 

「何!?」

 

ブルーノはまたも驚愕することになる。なんとホノカは剃を見極め、追撃してきたのだ。

 

「・・・ナメていた。心してかかろう。」

 

「ええ、いい心掛けですね。海賊をナメるとろくなことになりませんよ。」

 

「"指銃"!!」

 

「想起『モクモク』!」

 

ブルーノが放つ指銃にホノカは素早く反応し、自然系のモクモクの実を想起する。屋敷では為す術なくやられたCP9の一人にホノカは互角以上に戦っていた。だが、相手も然る者、そう簡単には倒せない。

 

「・・・やはり、ダメですね。」

 

「?」

 

すると突然ホノカは心の内を話しだす。

 

「私はお兄ちゃんの・・・モンキー・D・ルフィの妹として、最高のサポートをしなければなりません。でも、この前青キジに敗けた時や屋敷であなた達にやられた時にまだまだ甘いと思ったんです。こんなんじゃまだまだ妹としてダメだと。」

 

「ではどうする?」

 

「まあ、見てなさい。はあぁぁぁぁ・・・」

 

するとホノカの「第3の目(サードアイ)」がこれでもかというほど見開き、右腕が氷に、左腕が炎へと変化する。

 

「クロス2! 想起『ヒエメラ』!」

 

パキパキッ!ボォォォォ!

 

「!?」

 

ホノカの技の変化にブルーノが驚く。それは遠くで見ていたルフィも同じだった。

 

「すげぇ!ホノカ!」

 

「さて、いきますよ。"ファイアブリザード"!!」

 

ズオォォォォォォ!!!!

 

そう言ってホノカは炎と氷をブルーノに撃ち出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





技解説

・クロス2 (クロスセカンド)

夢の能力の重ねがけを実現したホノカの技。体への負担はかなりのものだが、そのリスクと引き換えに威力は相当なもの。例えば、ゴムゴムとスパスパの重ねがけではお互いの弱点を埋めあって、斬撃も打撃も効かなくなる。


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第17話


タグに「どんどん上手くなる文」を追加しました。それと今回から書き方がかなり変わってると思います。


 

 

 

 

 

 

裁判所屋上(ホノカVSブルーノ)

 

ドゴォォォォン!!!

 

「ぐあぁぁぁぁ!!!」

 

ホノカの放った炎と氷の波状攻撃がブルーノを吹き飛ばす。

 

「想起『ピカゴロ』!(バリッ!」

 

ビュッ!

 

「くっ!全く見えん!!」

 

さらにホノカは光と雷の力を纏い、超光速でブルーノの後ろに回り込む。

 

「"神の手(ゴッドハンド)"!!」

 

そして光と雷の力を右手に集め、黄金に輝く腕をブルーノにふりおろす。

 

ズドォォォォォォン!!!

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!(バ、バカな・・・あやつ、六式を扱う我らを・・・容易くあしらう身体に強化した・・・!)」

 

ブルーノはホノカの変化に驚く。ブルーノ達六式使いは幼い頃より受けてきた訓練で常人よりはるかに高い身体能力を持っている。そんな自分が滅多うちにされることが信じられなかった。

 

「さて・・・と。遊びは終わりにしましょう。ロビンが待ちくたびれてしまいます。想起『ピカトリ"不死鳥"』!」

 

バサァ!!

 

ホノカは両腕を輝く翼に変化させ、ブルーノに迫る。

 

「(受けてやる!!最強の鉄塊で!!)"鉄塊"剛!!!」

 

それに対しブルーノは己が出せる最強の鉄塊で受け止めようとする。

 

「"光る翼(シャイニング・ウィング)"!!」

 

ズバァァァン!!!

 

「・・・がはっ・・・!」

 

ドサッ

 

ブルーノは胸をホノカの輝く翼に切り裂かれ、その場に力なく倒れた。

 

「本当はもっとズタズタにしてやりたいところですが、今はいいです。見逃してあげます。」

 

「大丈夫か?ホノカ。」

 

「ハァ・・・ハァ・・・はい、しかし、まだ身体がついていきませんね・・・一気に疲れました。」

 

肩で息をするホノカにルフィが駆け寄る。能力を重ねて2つ使うクロス2はホノカの身体に決して少なくない負担をかけるようだった。

 

 

 

 

 

 

エニエス・ロビー本島内

 

ホノカがブルーノと戦っていた頃、エニエス・ロビーの各地でルフィの仲間達が暴れていた。

 

新たに門前の巨人を仲間にしたそげキングが裁判所に向けて突撃し、海兵や役人を次々に蹴散らす。

 

「くらえー!!チビ衛兵共ぉ!!!」

 

「オイ達は止められんぞー!!!」

 

ドゴゴゴォォォォーン!!!!

 

「「「うわぁぁぁ!!!」」」

 

「いくぞ!兄弟達!裁判所はもうすぐだ!!進めー!!」

 

一方で裁判所の右手、左手の塔ではフランキー一家の面々が裁判所からロビンとフランキーが捕まっている司法の塔へ跳ね橋を下ろすために奮闘していた。

 

「行きな!!お前達!!跳ね橋を下ろして麦わら達を必ず司法の塔へ渡すんだわいな!!!」

 

そして裁判所内ではサンジやゾロ、ナミやチョッパーが屋上のルフィとホノカに追い付くために先を急いでいた。

 

「出合えー!!海賊達を討ち取れーー!!」

 

「「うおぉぉぉぉ!!!」」

 

「チッ!まだこんなにいやがったか!!」

 

「どけーーー!!!」

 

ドカァァァン!!

 

「ちょっとチョッパー!こっちに飛ばさないでよ!!」

 

全員がロビンを助けようと意気込んでいた。

 

 

 

 

 

 

司法の塔(ルフィ達の目的地)

 

「フランキーとニコ・ロビンをもう正義の門へ!?」

 

「そうだ!!言う通りにしろ!!」

 

ロビンとフランキーが捕まっている司法の塔。そこではCP9の長官スパンダムが部下達に指示を出していた。

 

スパンダムはルフィ達の目的と思われるフランキーとロビンを連れて急いで正義の門をくぐってしまい、目的を失ったところにCP9全員をぶつけ、一網打尽にしようと考えていた。

 

「・・・・・・」

 

ロビンとフランキーは押し黙る。しかしそんな沈黙もすぐ破れることになる。なぜなら・・・

 

「ロ~~ビ~~ン!!!迎えに来たぞ~~~!!!!」

 

「迎えに来ましたよ~~!!ロビ~~~ン!!!」

 

「来やがった!」

 

「・・・ルフィ、ホノカ。」

 

この二人の声が聞こえてきたから。

 

 

 

 

 

 

裁判所屋上

 

ぐぎゅるる~~!

 

ブルーノを下し、仲間達の到着を待つルフィとホノカ。そんな二人の空間になんとも緊張感のない音が鳴り響く。

 

「あぁ・・・ハラへった・・・」

 

「もう、お兄ちゃんは・・・」

 

緊張感の欠片も感じないルフィにホノカは呆れ顔だ。

 

「こんな時のための・・・弁当ーーー!!!」

 

ルフィはズボンのポケットから大きな骨付き肉を2つ取り出して食べ始める。

 

「一体どうやって入れてたんですか・・・」

 

またしてもホノカは呆れ顔。自分の兄ながら行動が読めなくて困る。

 

「でもそこが魅力なんですよね~❤」

 

そこで頬に手をあててくねくねし始めるホノカも大概だ。

 

そんなことをしていると・・・

 

ガッシャァァァァン!!

 

「「!」」

 

向かい側の司法の塔でフランキーがロビンを連れて飛び出してきた。どうやらあっちも上手く出し抜いてきたようだ。

 

「おーーーい!!ロビーーーン!!良かった!まだそこにいたのか!!!」

 

「おっ!フランキーもいるみたいですね。」

 

「ルフィ・・・ホノカ・・・」

 

「ちょっと待っててくださーい!!今そっちに飛びますから!!想起『トリトリ "隼"』!(バサッ!」

 

ロビンを見つけ、嬉しそうに司法の塔へ飛ぼうとする二人。しかしロビンはそれを拒絶する。

 

「何度も言ったわ!!私はあなた達の下へは戻らない!!帰って!!私はもうあなた達の顔もみたくないのに!!」

 

「あぁ!?」

 

場違いなロビンの返答にフランキーは戸惑いの声をあげる。

 

「どうして助けにきたりするの!!?私がいつそうしてと頼んだの!?私はもう死にたいのよ!!!」

 

「「!!?」」

 

「ニコ・ロビン!!てめぇ何のつもりだ!!あいつらここまで命懸けで・・・!!」

 

「邪魔じゃ。」

 

ドゴォォォォン!!!

 

「がふっ!!!」

 

フランキーの言葉は最後まで続かず、カクに蹴り飛ばされる。そしてカリファ、シャブラ、ロブ・ルッチとCP9が続々と揃っていく。

 

しかし、揃っていくのはCP9だけではなく、ナミ、チョッパー、ゾロ、サンジ、そげキングと麦わらの一味も続々と揃っていく。

 

「・・・あのなぁ!ロビン!!おれ達もうここまで来ちまったから!!とにかく助けるからよぉ!!それでも死にたかったらその時死ね!!」

 

「・・・ロビン!死ぬとかなんとか・・・何言っても構いませんから!!そういうことは私達のそばで言ってください!!!」

 

「!!?」

 

「そうだぜ!ロビンちゃん!!」

 

「ロビーーーン!帰って来ーーーい!!!」

 

やがて麦わらの一味は全員整列し、司法の塔を前に構える。

 

「後はおれ達に任せろ!!」

 

 

 

 

 

 

ルフィ達麦わらの一味が勢揃いし、危機感を覚えたスパンダムは電伝虫の稀少種ゴールデン電伝虫で「バスターコール」をかけようとするがロビンがそれを止める。

 

「『バスターコール』をかければこのエニエス・ロビーと一緒にあなた達も消し飛ぶわよ!!」

 

「何をバカな!!味方の攻撃で消されてたまるかっ!!」

 

「・・・20年前、私からすべてを奪い、大勢の人達の人生を狂わせたたった一度の攻撃が『バスターコール』・・・」

 

「・・・・・・・」

 

ロビンの告白をホノカはじっと聞いている。

 

「その攻撃がやっと出会えた気を許せる仲間達に向けられた。私があなた達と一緒にいたいと望めば望む程私の運命があなた達に牙をむく!!私の敵は"世界"とその"闇"だから!!

 

青キジの時も今回のことも!!もう二度もあなた達を巻き込んだ!!これが永遠に続けばどんなに気のいいあなた達だっていつか重荷に思う!!いつか私を裏切って捨てるに決まってる!!それが一番怖いの!!

 

いつか落とす命なら私は今ここで死にたい!!」

 

「ロビン・・・」

 

「ロビンちゃん・・・」

 

「・・・そういうことか」

 

ロビンの告白を聞き終えた麦わらの一味。司法の塔とさせ、をはさみ、スパンダムの高笑いが響く。

 

「ロビンの敵はよく分かった・・・」

 

「そげキング」

 

「ん?」

 

「あの旗・・・撃ち抜きなさい」

 

「了解!」

 

ホノカの指示でそげキングは巨大なパチンコを構える。

 

「新兵器巨大パチンコ『カブト』!!その威力とくと見よ!!必殺"火の鳥星(ファイアバード・スター)"!!!」

 

バシュッ!!ボォォォ!ドゥゥゥン!!!

 

「・・・・なっ!!?」

 

「・・・・まさか・・・」

 

そげキングの放った炎弾は見事に世界政府の象徴を撃ち抜く。この前代未聞の行動に海兵や役人達が大騒ぎする。

 

「「「海賊達が世界政府に宣戦布告しやがった!!!」」」

 

「正気か貴様ら!!全世界を敵に回して生きられると思うなよ!!」

 

「「望むところだぁーーー!!!!!」」

 

スパンダムの言葉をルフィとホノカが跳ね返す。

 

「ロビン!!まだあなたの口から聞いてません!!」

 

「生きたいと言えぇ!!!!」

 

ルフィとホノカの叫びにロビンはかつてのたった一人の友を思い出す。バスターコールで島が焼かれるなか自分を守ってくれた巨人族の元海兵ハグワール・D・サウロを。

 

『海は広いんだで!!いつか必ずお前を守ってくれる仲間が現れる!!!』

 

「(もし・・・本当に少しだけ望みを言っていいのなら・・・私は・・・)」

 

そしてロビンは涙と共に叫ぶ。

 

「生ぎたいっ!!私も一緒に海へ連れてって!!!」

 

「フフッ、やっと言ってくれましたね。」

 

「よしっ!!行くぞ!!!」

 

「「「おおっ!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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