魔法科高校の比企谷君 再投稿 (sazanamin)
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やはり俺の自己紹介は間違っている

謝りしかないです。



かつて「超能力」と呼ばれていた先天的に備わる能力が「魔法」という名前で体系化され、強力な魔法技能師は国の力と見なされるようになった。
20年続いた第三次世界大戦が終結してから35年が経つ西暦2095年、魔法技能師養成のための国策高等学校の一つ、国立魔法大学付属第一高校。ここに今、一人の目が腐った少年が入学しようとしていた。




 「-----なので、---」

 いま壇上では入学生代表がお礼の言葉を述べていた。
 司波深雪、魔法実技テストぶっちぎりの1位である。
 ……ちなみに2位は俺だったりする。
 国語も2位
 数学は6点だったりするのだが…
 魔法科高校に入学した生徒の中で過去最低点をたたき出したらしい
 ……まぁ、俺の話は置いといて入試試験でたまたま目に入ったのだがこの司波深雪とかいう奴はヤバい。
 何あの冷却魔法?氷の女王?人助けとかする部活作っちゃうの?
 ……俺は何を言ってるんだろうか?

 「最後に感謝を添えてあいさつとさせていただきます」

 おっと変なこと考えてるうちに終わったようだ。
 こうして入学式は終わりを告げる。
 さぁ、楽しい楽しいLHRだ。
 ……何が楽しいんだよ、あの自己紹介とかいうシステムはやめないか?
 なんでみんなあんな罰ゲームしなきゃなんねーんだよ。
 それに、相手が自分で「私はこういう人間です」とかいうのを信じちゃダメだろ……
 そんなことしてるといつの間にか高い壺を買うはめになるぞ、ソースは親父
 
 つまり、自己紹介になんて意味はない!








 ……そんなことを思っていた時期が私にはありました。

 入学式後のHRいきなり自己紹介から入った。
 皆すげー楽しそうに自己紹介してるよ、
 なに?そんだけで相手のこと本当に知った気になってんの?
 脳内花畑なの?生キャラメルでも作ってんじゃねーの?
 だが頭の中で反論して、いくらやりたくないといっても流れ的にやらなければならないだろう

 いやだなぁ
 どれくらい嫌かと言うと帰りたいまでである。
 妹に会いたい……ちなみに妹はプリチーなのだ。
 むろん目は腐っていない、むしろ輝いているね!
 小町可愛いよ小町!

 「では比企谷君お願いします」

 そう言って女の教師が俺の名前を指定してきた。
 現在では昔あった担任と言う概念はなくなった。
 理由は単純で通信用デバイスが全生徒に配布されるようになったためだ。
 つまり情報を伝えるための担任教師と言う存在意義がなくなったのだ。
 伝統を重んじる一部の高校には存在するようだが……
 そのためこの人は入学式の日から3日だけ様子を見る監督教師にすぎなかった。
 ちなみに1年主任らしい
 まぁそんなことはどうでもいい。
 今はこれをどうにかして乗り越えなければ……
 頼む小町、お兄ちゃんに力を貸してくれ!

 「え、えっと、おれ……じゃなくて僕はひきがひゃひゃちまんです…………よろしくお願いします」

 はい、終わったーー


 今までの奴らは自分の趣味とか言ってたけどそんなこと知ったことじゃねえ!
 何だよ「ひゃ」って、自分の名前をこんな風に噛んだこと初めてだ!
 ……と自己嫌悪している間に自己紹介は終わったようだ。
 後はガイダンスしてとりあえず終わりっと!

 「じゃあ、自己紹介を聞いて何か質問のある人はいますか?」

 出たこのパターン、これはあれだ。
 気になった異性に質問をし、気にとめてもらおうっていうリア充たちの遊戯だ。
 どうせ俺には関係ないし寝ようかな?
 いいよね、どうせ聞いてても関わることなんてろくにないんだし……
 昨日は夜までアニメ見てたからねみーんだよ。
 入学式前日に何してんだろ……

 「じゃあ、いいですか?」

 そう言って手を挙げたのは一人の無口そうな少女だった。
 ……まぁここにはもともと少年少女しかいないんだけどな、教師以外……

「比企谷君の趣味って何ですか?」

 ……比企谷君?
 へぇ、俺と同姓の人っていたんだ。

 「名前しか言わなかったの彼だけだったので……」

 え!?俺も名前しか言ってないんだけど?
 
 ……はいはい、解りました俺のことですよどうせ。
 なんなのこの人?
 俺のこと好きなの?
 それともいじめの標的にでもしようとしてるの?
 入学式の日から恥かかせてやろうとかそんな感じ?
 
 「……は、はい、じゃあ比企谷君、答えてください」
 
 教師が急いで座席票を確認して、俺を指名してきた。
 座席票確認って……
 大人だったら全員覚えてくださいよ。
 何のための自己紹介だったのだろうか?

 「……」

 っておい趣味か、どうしよう。
 人間観察とか言ったら間違いなく引かれるよな?
 別に引かれるのはいいが、ここで変に目立つのは得策じゃない。
 もう、妹をめでることでいいかな?いいよね!
 ……そっちの方が間違いなく引かれるか
 妹?
 あ、そうだあいつがいるじゃん。

 「えっと、猫のせわで……
 「そうなんですか~ちなみに先生は犬派ですよっと言うことで時間もなくなってきてしまったのでガイダンスに入っちゃいますね」

 これあれだな。
 時間がないのは本当だろうけど、実際は空気読んだだけだろ。
 まぁ結果的に俺も救われたけど……
 あのままだったら間違いなく変な空気になってた。
 
 取り合えずあれだな、あの無口そうな奴は俺の「絶対許さないノート」に記すことにしよう。
 ほんの数ミリだけ持っていた高校生活への期待はやはり裏切られた

  






 これは魔法科高校の入試テストの日のことだ。

 「わーってるって、っていうかなんで入試について妹に色々言われないといけないの?お兄ちゃんそんなに信用ない?」

 私は校内に緊張したまま、入ろうとするとそんな話し声が聞こえてきた。

 「……だから何なんだよそのポイント制は……じゃあ切るぞ」

 私が彼を見たのはこの時が初めてだった。
 彼の濁った目と口のニヤケ具合は忘れられない(主に恐怖でだけど)
 だから実技テストで一緒の班になった時、すぐに分かった。
 緊張しているのか何故か話しかけづらかった。
 そうこうしているうちに出番が来て、魔法を発動する。
 このテストでは1000℃の物質に魔法でどこまで温度を変えることができるかのテストだ。
 私は1862℃つまり862℃の温度変化をさせた。
 ちなみに言うと合格ラインは筆記の結果にもよるけどだいたいは500、一科生ならば650と言うところだろう。
 私の次は彼の番だ。
 ……一緒に入試を受けた人の結果を知りたいと思うのは当然のことで、荷物をまとめる振りをしながら横目で覗く。
 彼は機器の前に立つとポケットからviOaの様な端末を取りだして身体の前に構える
 CAD……サイオン信号と電気信号を相互変換可能な合成物質である「感応石」を内蔵した、魔法の発動を補助する機械。
 その中でも見たことないようなタイプだ。
 
 「ま、マイナス!?」
 
 監督の人の口からびっくりしたような声が聞こえてきた。
 そうして私も驚く。
 マイナスと言うことは少なくとも1000℃は下げたということだ。
 説明でされた物質の比熱(1℃変化させるためのエネルギー)は5kj
つまり5000kjのエネルギーをあの一瞬で奪ったのだ。
 2tの車が200~300kmで壁に衝突したときのエネルギーと同じ……
 
 それともう一つ気になったことがあった。
 基本的に私たち魔法師は近くでだれかが魔法を発動した時、どのような魔法かは解らなくても気付くはずなのだ。
 今回はそれがなかった。
 CADを構えたのを確認すると全く魔力を乱すことなくいつの間にか魔法が発動されていた。
 はたしてそんなことが可能なのだろうか、

 「あの、彼の名前はなんですか……?」

 思わず、近くにいた係りの人に聞いた。
 少し手元にあった名簿を確認して、係りの人は彼の名前を教えてくれた。

 比企谷八幡……それが彼の名前だった。


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やはり魔法科は生徒会役員も間違っている

あー、やっと午前が終わった。
 っていうかおかしくない?なんで入学初日からフルであんの?
 ……まぁいいや、とりあえずメシだメシ。
 とは言ったもののここで飯を食ってるとだれかが気を使って「一緒に飯食おうぜ―」とか言ってくるかもしれんからな。
 そうして「こいつつまんないな」というレッテルを貼られて俺も相手も嫌な思いをすることになるだけだ。
 何が言いたいかと言うと教室以外に行こうということだ。
 中学までは給食だったので仕方ないが高校では昼飯をどこで食おうが自由なんだ。
 

 そう考え俺は教室を後にした。
 
 ……今更気付いたんだけど俺ってまだ人と一度も会話してなくね?













 

 「ちょっといいかしら?」

 「……は、はい?」

 私、七草真由美はお昼を食べようと生徒会室に移動している途中に丁度会いたかった人物のうちの一人にあったので声をかけた。
 彼は周りを見回してだれもいないことを確認すると自分を指差してそう答えた。

 「そう、あなたよ、比企谷八幡君」

 目に見えて動揺する。
 何かしら、先輩が生意気な1年生を絞めに来たとか思われてる?
 私ってそんなことする人間に見えるのだろうか?
 ……ちょっとショック。

 「な、何か探していたの?」

 きょろきょろと挙動不審にしていたため質問をしてみた。

 「い、いえ、校内がどんな感じなのか見回っていただけです」

 入学当日からこのやる気は凄いわね……

 「その手に持っているのってお弁当よね、これから少し時間ある?」

 彼は一瞬凄く嫌そうな顔をしたが「は、はい」と言って素直に従ってくれた。
 何よ、この子は!ちょくちょく私の心に攻撃をしてくるわね……
 まぁ何よりも彼には言わなきゃいけないことがあるから仕方ないか。













 何この状況?
 なんでこの人は俺を昼食に誘ったの?
 俺のこと好きなの?
 ……いかん、いかん
 これは中学の時によくあったあれだ。
 だれにでも優しい奴に恋しちゃう奴、
 忘れるな比企谷八幡。
 お前にやさしい奴は誰にでも優しい、例外は小町だけだ!
 ……あ、ダメだ。
 小町も皆にやさしかった……
 俺だけにやさしくしてくれるのは俺自身だけか。

 「比企谷君の家は普通の一般家庭なのよね?」

 どこかに向かう途中、先輩(先輩だよな?)がそう、質問してきた。
 っていうかどこに向かってんだろ?
 怖い怖いお兄さんのいるところ?
 高い絵とか買わされるの?

 「は、はい。だからお金は全然持ってません」

 「お、お金?」

 先輩は素っ頓狂な声を出した。
 あ、あれ違うの?

 「私は家族に魔法師がいないかどうかを聞いたのよ、っともう到着したわ、ここが生徒会室よ」

 へ……?せいとかいしつ?
 生徒会室!?

 「せ、生徒会役員だったんですか……?」

 「あ、はは。これでも入学式では挨拶したんだけどなぁ~」
 
 俺が知らなかったことに対してショックを受けているようだ。

 「まぁいいわ、自己紹介も含めて中でしましょう。ついでに皆も紹介するわね」

 ……orz
 自己紹介またやるのかよ……
 こんなことになるなら素直に教室で食ってればよかった……















 「会長は何をしてるんでしょうか……」

 いつもは会長が来ていてもおかしくない時間なのにその姿が見えないなんて……
 私はお弁当を先に食べたい衝動に駆られながら必死に我慢します。
 だって会長ったら先に食べ始めているといじけるんですもん。
 いじけないでくださいって言っても「私いじけてないもん、あーちゃんが私のこといじけてるって思うってことは何か後ろめたいことでもあるんじゃないかしら?」とか言ってぶっちゃけ面倒です。
 それと比べたら空腹と闘うなんて朝飯前。
 ……まぁ昼食なんですが。

 「皆、遅れてごめんね~」

 とか言ってるうちに会長が到着したようです。

 「もう、私お腹減りましたよ、何してたんですか?」

 「ごめんなさいね、ちょっと面白い人見つけたから連れてきちゃった」

 はぁ、また面倒なことにならないと良いですが……
 
 「じゃーん、入試実技2位の比企谷八幡君です!」

 !?
 入試2位・・・・ってあの比企谷君ですか!

 「ど、どうも」

 「あの、初対面で悪いんですけど、CAD見せてもらえませんか!何なんですかあのCADは!全く見たことも無くて驚きましたよ~あと審査員の先生から聞いたんですが魔法の発動が解らなかったって言ってましたがあれってそのCADの特徴ですか!そうなんですか!?」

 彼が入試で使用したあのゲーム端末っぽいCAD
 あんなの見たことなかった。
 携帯端末に近いものはあるが、ゲーム端末に近いものとなるとどうしても重くなり、邪魔である。
 なんでそんなものを使っているのか?っていうかそもそもどこ製であるのか私は気になった。

 「え、あ、えっと……」

 「いや~会長が『これ見てどう思う?』っていって入試の記録映像見せてきたときはぶっちゃけめんどくさいな~なんて思っていたんですがいざ見てみる……
 「あーちゃんストップ、ストップ。比企谷君が固まってるわよ、っていうかあなたそんなこと思ってたの?なんかキャラ違くないかしら」

 「いやだって、非売品どころかどこにも情報がないCADですよ!」

 「あなたがCAD好きなのは知ってますが昼食でも食べながらゆっくり話しましょう」

 「そ、そうですね」

 会長超グッジョブです!
 彼を連れてくるなんて、これは遅れても仕方ありませんね。
 少しでも「先に昼ご飯食べちゃおうかな~」なんて考えていてすみませんでした。

















 何なんだこのちびっこは
 この人も生徒会役員?
 え!?ってことは少なくとも先輩?
 ……小町の方がまだ年上に見えるぞ

 「ごめんね比企谷君、あーちゃんはこう見えてマニアなの」

 そりゃ初対面でこんなに質問してくる人間がマニアじゃなかったらなんなのだろうか?
 俺のことが好き?
 ……そんなわけないか
 っていうかさっきから勘違いし過ぎだろ俺……
 一応新生活で浮かれてんのかな?

 「っていうかあーちゃん、他のみんなは?」

 「会長が見回りを命じたんですよね、入学式当日だから」

 「あら~そうだったかしら?」

 だいじょうぶか?この人

 「まぁいいわ、この人は中条梓。生徒会書記よ、通称あーちゃん」

 「そう呼ぶのは会長だけです」

 「えっと、比企谷八幡です……」
 
 よし、今度は「ひゃ」とか言わなかった。
 安心安心

 「まぁ細かい話はご飯を食べながら……あ、そこに座っていいわよ」

 「は、はぁ」
 
 で、会長の名前はなんなんだ?
 俺は紹介されてないぞ。

 「あ、あのそれでですね、できればCADを……」

 「は、はい」

 そう言って俺は中条先輩にCADを手渡した。
 
 「これはどこ製ですか?ふつうのCADとどこが違うんですか?」

 「えっと、俺に魔法の才能があると解った時になんかどっかの組織の人が渡してきて、俺はそのモニターをやってます、これはゲーム機と同じ形で魔法式をチップに記録させたもの入れるとその魔法が使えるってやつです」

 「それってCAD自体は調整しなくていいってことですか?」

 なんだこの人?
 今のでそんなことわかるとか頭いいな。

 「あーちゃん?どういうこと」

 「えっと、基本的にはCADに内蔵されている魔法式が使うたびに少しづつ狂っていくので定期的な調整が必要なんですよ……ですがこのCADは本体に魔法式がないためチップを使い捨てにすればメンテナンスが必要ないのではないかと……」

 「そんなCAD聞いたこともないけど……」

 「それはそうですよ、そのためのモニターなんですから、……って感じですか比企谷君?」

 そんなことまでわかんのかよ、俺は初めて聞いた時理解するのに20~30分かかったぞ。

 「だいたいその通りですが、チップを使い捨てる必要はないです」

 「え……?」

 「チップから直接魔法を発動させるんじゃなくて、魔法式を本体にコピーし発動、チップを抜くと自動的にその魔法式が本体から消去されるんで魔法式がバグることもありません」

 で、あってるよな?
 っていうかモニターのこと勝手に言っていいのかな?
 まぁ口止めしなかったあいつらが悪いってことで……
 こんな長いセリフを家族以外と話したのはいつぶりだろうか

 「その代わり、普通のほどでは無いですがメンテナンスが必要ですが……」

 「でも、魔法式を保存するなんて聞いたことないわよ?」

 それは当り前だろう。
 そんなものレリックにだってあるかどうか。

 「だからあくまで魔法式のプログラムだけです。組み立てはCADにやらせてます」

 そういうと中条先輩も会長も納得をしてくれたようだ。

 「なるほど……メンテはどれくらい必要なんですか?」

 「だいたい普通の物の4倍は持つって言ってましたけど……」

 「なんかほんと凄いものなんですね~私も欲しいです!」

 目をキラキラさせながら俺に言ってきた
 そんなこと俺に言われても……

 「それは俺に言われても……」

 「ですよね~」

 ほんとうに名残惜しそうな目を向けているため何とも返してくださいとは言いずらい……
 どうやってCADを返してもらおうか考えていると会長が話を切り出してきた 

 「盛り上がってるとこ悪いけど、まぁ時間の都合上、私の要件を話させてもらうわね」

 急に真剣な面持ちになる。

 「なんですか?」

 「率直に言って、あなた気をつけなさい」

 「???」

 なんですか?この展開は、
 
 「あなたはよく分かっていないようだけど、あなたの才能は下手すると十師族に及ぶかもしれないのよ?」

 十師族
 日本で最強の魔法師集団。表立った権力を放棄する代わりに、国家の裏で不可侵に等しい権力を手にしている「その時代に強力な(優秀な、ではない)魔法師を数多く輩出している」順に選ばれた10の家系のことだ。
 
 急にスケールのでかい話になって来たため俺は少しついていけなくなる。

 「そ、そんな大げさな……そんなこと言ったら俺より成績の良かった司波深雪はどうなるんですか」

 「あの娘は間違いなく十師族クラスよ」

 ……さいでっか。

 「なんかの間違えってことは……」

 「魔法科高校の入試に間違えなんてありません」

 言い切る会長。
 ……ちなみに中条先輩はいまだに俺のCADに気を取られていた。

 「まぁ気をつけるだけ気をつけておきなさい、そろそろ昼休みも終わるから解散しましょ」

 「解りました」

 中条先輩は「え―、もうですか!」とか言っているが解ってください、そうしないと俺のCADが……

 「じゃあ午後も頑張ってね」

 「また見せてください!約束ですからね!あとこれ私の連絡先ですCADのことで質問あったら何でも言ってください!」

 「……ほんと、今日であーちゃんのイメージが激変したわ……」

 なんか会長が疲れていた。
 ついでに言うと俺も疲れた。
 生徒会室から出ると自然とため息が出た。

 「めんどくせぇ」

 魔法の才能があるばっかりに小町に危害が行かないように願いながらHRに向けて俺は歩を進めた


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やはり俺たちは夜、後悔を語る

やはり俺たちは夜、後悔を語る



 や、やべぇ
 マジでどうしよう。
 
 家で明日の準備をしていると思いだしたことがあった。
 俺の前には可愛い模様の入ったメモ用紙が一枚。
 そのメモ用紙にはローマ字の列が書いてあった。

 中条先輩の連絡先だ。

 「これってあれだよな?俺が連絡しないといけないやつだよな?」

 もし無視したらどうなるだろうか?
 ……生徒会役員相手にそれはまずい
 たしか魔法科高校の生徒会はかなりの権力を持っているって聞いたことがある。
 ならばこのメールアドレスに返事を書かなければ面倒なことになるだろう。
 もう返事を書くことが十分面倒なんだが……

 っていうかなんて送ればいいんだ。
 普通に比企谷八幡です、よろしくお願いしますでいいのか?
 それとも今日のことを少しでも触れた方がいいのか?

 っていうか中条先輩ってどんな人なんだろうか。
 CAD見て凄い興奮してたのしかわからん……
 
 「そうだ、こういう時は小町だ、小町に頼ろう!」

 そう思って俺は部屋を出てリビングにいるだろう愛おしの妹のところへ。

 「あれ?どうしたの、お兄ちゃん?なんか明日の準備するとか言ってなかった?」

 「いやな、先輩から無理やり連絡先押しつけられたんだけどなんて言ってメール送ればいいかわかんなくて」

 「何お兄ちゃん!女の人!そうなんだね、なんか口元ニヤケてるし!」

 なんでわかんの?この妹は?
 っていうか口元はニヤケてねーだろ。

 「あ、今度は目が腐って来た」

 それは元々だからほっとけ

 「まぁそんなことはどーでもいいんだ。その人は生徒会でな。目をつけられたくねーんだよ」

 「連絡先をもらった時点で十分目をつけられてると思うけど……」

 あれ?もしかしてすでに手遅れ?
 八幡ゲームオーバー?

 「そういう立場の偉い人ってだいたいほめられるの好きだから感謝とか言っておけばいいんじゃない?小町は先生に対してそうやってるよ?」

 妹がずいぶんと強かです。
 ……っていうか小町よ、もしかしてお前勉強できないくせに妙に通信表がいいのはそのせいか?
 
 「じゃあ小町は部屋行くね。……頑張ってね~」

 最後のニヤケ顔は少しイラついた。
 妹でなければそのあほ毛を引き抜いていたところだ。

 「きっとお前が考えているようなことはないぞ……」

 聞こえないって分かってはいたが、思わずつぶやいたのだった。















 チロリロリ~ン

 「メールだ。誰からだろう?」

 知らないメールアドレスから夜メールが来た。
 eitman.--------------------
エイトマンと読むのだろうか?
 開いてみる。


 From eitman.----------------------
題名 比企谷八幡です。

 今日はありがとうございました。
 先輩のおかげで生徒会について少しですが知ることができました。
 本当に感謝しています。
 さらに息詰まるHRの間に丁度いいリラックスにもなりました。
 
 では何かあったらよろしくお願いします




 「ず、ずいぶんと丁寧なメールですね……」

 相手は今日昼休みにあった比企谷くんでしたか、変な人じゃ無くて安心しました。
 と言うか何故か凄い他人行儀な気がします、私,彼に何かしてしまったのでしょうか?
 そう考え今日の私の行動を振り返ってみる。

 「あ、……え?……あれ!?わ、私ったら何やってるんですか――――――!?」

 相当やらかしてました……
 初対面の男子に向かって質問攻め、そして魔法師の要と言ってもいいCADを半ば奪うように借りて、最後には初めて会った異性の人に連絡先を無理やり押し付けるなんて……
 どうしよう?彼にはしたない女だって思われていませんよね?
 って、そういえばあの場所には会長もいました!
 ヤバいです。ヤバいです。
 見たことないCADに興奮しすぎて周りが見えていませんでした。
 絶対変な先輩だって思われました!
 会長に限っては私のことをどう見たのでしょうか!?
 急いでメールの新規作成を押し、電話帳で「七草真由美」を探します。

 「うぅぅぅーーー、やっぱ無理ですーー!!!!」

 しかし恥ずかしくて、結局メールを送ることはできませんでした。

 「―――――――――――‼――――――!?――――――!!」

 私は生れてから初めて枕を口元に充てて大声を出しました。
 あ、案外これって気持ちが楽になりますね。
 この日、結局寝ることができたのはいつも寝ている時間の2時間後になってしまいました。











私は今日のことを日記に書こうと、机に向かっていた
 なんか思ったより普通の子だったわね。
 ……まぁ、目は腐っていたけど
 魔法の才能があるんだからもっと、うーん、そうねたとえば
 俺は才能があるから襲われたって知ったこっちゃありません!
 的な返しを予想してたんだけどな~
 あれじゃあ普通よね。
 下手したら普通の人よりも自信ないのかもしれないわ。

 うん、ナチュラルに私の心を抉ってくる以外は全然只の一般生徒。
 あれだけの才能を持っていながら普通にふるまうってある意味すごいわね

 あれは傷ついたなぁ~
 結構考えたんだけど「生徒会長挨拶」
 内容を聞いてないだけじゃなくて、私の顔すら覚えてくれてないなんて……

 でも、彼との会話は結構楽しかったのよね。

 え!?
 楽しかった?
 自分で言っておきながらちょっと驚いたわ。
 でも、ナチュラルに心抉ってくる彼との会話が楽しいって……
 え?
 ち、違うからね
 私はそんな変な性癖持っていないわよ!
 そ、そんなことより!あーちゃんよ。
 なんなのよあれは?
 私の知ってるあーちゃんはCADが絡むと確かに熱くなるけど、あそこまでキャラが崩壊したのは初めて見たわ。
 明日になったら私はいつも通り彼女と接することができるかしら?
 今からちょっと不安だわ


 いい加減寝ちゃいましょう
 起きていたらきっと変なことばかり考えてしまうわ。

 頭の中で「わたしはMじゃない」ってひたすら唱えていたら、結局寝ることができたのはずいぶん遅くになってしまったのだけど……


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やはり俺のため息の数は異常だ

 なんかもう色々と疲れた入学式の翌日重い足を引きずりながら何とか魔法科高校の校門をくぐった。
 結局あの後中条先輩からの返信はなく、機嫌を損ねてしまったのではないかと内心びくびくしていたりする。
 ……だ、大丈夫だよな?流石に入学生を絞めようなんて生徒会役員の人が思うわけないよな……?

 朝から億劫な気分のまま俺は教室を目指したのだった。




 教室についてみるとまだ朝のHRまで30分以上あるのに殆どの生徒が登校を終えていた。
 あれだ、
 高校生活に期待を持っているため、楽しみで早く登校してしまったのだろう。
 きっと一週間もたてば半数以上は10分前ぐらいに登校するようになるだろうが……
 俺?
 そもそも期待なんて持ってないんだから関係ないだろ?
 むしろ一刻でも長く家にいたいまでである。
 俺が早く来た理由は単純に妹が日直でそれに合わせて出てきたにすぎない。
 小町のいない家を俺は家とは呼ばない。
 
 「何考えてるの?目がすごい勢いで腐ってる……」

 !?
 急に話しかけられたため驚いて背筋を伸ばす。

 「そこまで驚かなくても……」

 そこにいたのは昨日俺に質問(苛めともいう)をしてきたおとなしそうな女子だった。
 何この人?
 なんで俺に話しかけてくんの?
 っていうかそもそも目が腐ってんのは元々だ。

 「あの、なんかようでひょうか?」
 
 俺の口!
 しっかり働け
 その代わり俺は働かないから!

 「……何考えてたの?」

 「いや、皆早いな~と……」

 「それはまだ二日目だから、そうなる。私は寝ていたかったけど……ほのかに「それはダメ!」って言われて」

 なにこの会話?
 友達なの?
 この人俺の友達なの?
 って言うか「ほのか」って誰?

 「あ、そうですか……」

 「うん、そう……」

 ……

 …………

 ………………

 ち、沈黙が痛い
 これが気まずいからこれからはできるだけ話しかけないでほしい。
 俺がこの高校に入学したのはあくまで組織・・の奴らがそうしろと言ったからにすぎない。
 彼らから受けた大きな恩のことを考えるとそれもやむえなかったのだ

 「……比企谷さんて入試2位だよね?」

 沈黙を嫌ったのか彼女はちょっと強引な話題転換をした。
 沈黙が嫌いなら別の奴にでも話しかければいいのに……
 話を切り上げるため違うと言おうとしたが上位5人は張り出されていたためそれもままならない。

 「そうですけど……」

 「敬語じゃなくていい……ちなみに私は3位」

 じゃああれか、北山……下の名前なんだっけ?まぁいいや

 「で、その北山さ……北山が俺になんか用か?」

 敬語じゃなくていいって言うのだったら、めんどくさいし、ため口で行こう

 「うん、あなたの魔法ってどうなってるの?」

 「?どういうことだ?」

 俺は彼女の前で魔法を使ったことがない。
 だからあのこと・・・・について彼女が知っているはずはないのだが……

 「入試の時、同じ班で少し見ていた」

 ああ、なるほど。
 そういうことか。

 「なんであなたの魔法は発動が解らないの?」

 「ああ、……まぁ秘密ってわけでもないからいいか。おれ
 「はい、着席しろ!HRを始めるぞ~」

 なんという絶妙なタイミングだ……
 
 「比企谷さん、昼休みに続きを聞くから……」

 そう言って北山は自分の席の方に歩いて行った。

 え?ちょっと待ってくれ。
 俺は昼休みくらい平穏に過ごしたいんだ。
 ……そんな心の声は口から発せられることなく、溜息といっしょに消えていった。
















 あれが雫の話していた比企谷さんなのでしょうか?
 なんかその……
 目が少しアレな方ですね……
 
 私は今まで話していた友人との会話を切り上げて荷物を整理する振りをしながら横目で彼らの様子を盗み見ます。
 雫はいつも通りのマイペースな感じですが比企谷君の方は何か動揺しているような気がします。
 あれで本当に入試成績が2位なのでしょうか?
 ……別に悪口を言っているわけじゃあないですよ!
 私は誰に言い訳をしてるのでしょうか?
 でも確かに雫の話には疑問を持つところがありました。
 雫ほど魔法に秀でている者が魔法の発動に気付かないなんて……
 子供のころから一緒のため雫の魔法力の高さは知っています。
 それに家がお金持ちと言うこともあって、色々な訓練ができたため熟練度も他のみんなと比べて高いものでしょう。
 そもそも一般家庭から生まれたのにもかかわらず私たちよりも魔法力が高い彼は何者なんでしょうか……













 キーンコーンカーンコーン

 はい、午前の授業は終了!
 さぁ、昨日は途中で生徒会の人たちに絡まれたけど、ベストプレイスでもさがし……

 「比企谷さん、約束……」

 ……解ってますよ。覚えてました。
 ですけど北山さん?
 一人で無理やりこじつけたものを約束とは言わないんですよ?

 「……はい」

 「じゃあ学食に行こう」

 「あの~俺は弁当なんですが……」

 「学食でお弁当を食べてはいけないなんてルールありませんよね?」

 !?

 「それ朝と全く同じ反応」

 「そりゃ急に話しかけられれば驚くだろ……」

 「ごめんなさい、私は光井ほのかって言います。雫とは幼馴染です……って言っても自己紹介したんで知ってますよね…」

 うん、もちろん知ってましたよ。ハチマンウソツカナイ

 「ほのかも比企谷さんの魔法が気になるって言っていたから……」

 はいはい、解りました。
 もう好きにしてください。
 そう、あきらめの意味を込めて俺は何度目かわからない溜息をついた
 この高校入ってから間違いなく溜息の量が増えてる気がする。











 そんなこんなで学食に移動……と言うか連行された。
 学食は想像以上に込んでいて座る席を確保することすら難しい状態だ。

 「ここは空いてる?」

 2科生が団体……とはいっても4人だが……で座っている隣が奇跡的に空いていたためすぐに雫が確認を取った。

 「ああ、空いてるよ、さっきの人たちが丁度今どこかに行ったところだ」

 「だって」

 いま表情があまり変わっていなかったけど間違いなくドヤ顔したよな?
 なんとなくイラつく。

 「じゃあ比企谷さんは待っててください、私たちは注文してきますから……」

 「お、おう」

 マジですか?こんなところにしかも混雑している中4人席に俺だけ残してどっか行きますか?
 見ろよ、なんか先輩らしき人が明らかに「1人なのに4人席に座ってんじゃねーよ」って感じで見てきてすんですけど……
 もしかして俺はあの2人が帰ってくるまでこの針のむしろ状態でいなきゃならないの?

 「比企谷って比企谷八幡か?」

 そう、さっき雫がした質問に答えてくれた男が聞いてきた。

 「え、ああ、しょうだけど」
 
 なんだよSHOWってなにか面白い事でも始まるのか?

 「そ、そうか、俺は司波達也だ。実技テスト2位なんて凄いな……」

 「お、おう、ありがとう?」

 「どうしたんだよ達也……あ?この目つきの悪い奴は誰だよ」

 いや、お前がだれだよ……
 そういうこと正面から言われると意外と傷つくもんなんだぜ?

 「何言ってんのよ、ガラの悪いあんたに目つきが悪いとか言われ…………確かになんか残念な感じね」

 ほっとけ!
 
 「み、みなさん!そんなことを初対面の人に言うのは……あっ……………………」

 あんたが一番失礼だろ!?

 「こいつらは西条レオンハルト、千葉エリカ、柴田美月だ……んでこっちが比企谷八幡」
 
 何こいつ?
 何当たり前のように皆に紹介してんの?
 って言うかこれがリア充のスキルか……
 恐ろしい。
 恐ろしすぎて真似しようとは思わない。

 「そういえば実技上位にそんなような名前の人がいたような……」

 眼鏡をかけた女子……柴田さんが頭をひねりながらそう言った。

 「こいつがそうらしいぞ……」

 「‼?!?!”?」

 ……なんなのこいつら
 ほんと帰りたい
 俺のこと馬鹿にしすぎじゃないか?
 って言うか俺はさっきから何もしゃべってないぞ?
 内輪ノリは内輪だけでやってくれよ……

 「お待たせ……」

 「待たせてスミマセン」
 
 「お兄様!」

 おっと待っていた2人が来たようだ。
 ……2人?
 なんか1人多いような……
 そう言って声のした方を見ると、新入生総代の司波深雪が司波の隣に立っていた。
 なんだこの二人は双子ってことか?
 まぁ従兄妹ってことも考えられるけど……

 「ちょっと待ってよ司波さん!」

 「ごめんなさい、私はお兄様たちと昼食を食べようと思うので皆さんとはご一緒できません」

 うわ!?
 マジかよ
 こいつらトップカーストの連中だよ。
 まだ高校生活始って2日しかたっていないけど俺の勘がそう言ってる。
 ……俺のサイドエフェクトがそう言ってるぜ
 って言うか皆がいる中でよくこいつココに来れたよな。
 1科生と2科生の間にある大きな確執……
 このことを考えてまた大きなため息をつくのであった。
 俺は高校生活をただ無難に乗り越えたいだけなのに……


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やはりも、もり、森垣?の理論は破綻している。

 「司波さん、これは一科生(ブルーム)ウィード(二科生)のけじめだ!」

 「おいおい、ちょっと待てよ。今は授業中でもないんだ、本人の意思を尊重すべきじゃないのか?」

 ガラの悪い西条が司波深雪に意見を言っていた生徒に向かって言い返す。
 
 「あ?二科生(ウィード)ごときが僕たちに口答えするな!」

 ……おいおい、流石に言いすぎじゃないか?
 あくまで試験で測ったのは基本的な魔法力の総量だけだ。
 こいつは自分の才能に自信を持っているタイプの人間だな。

 「比企谷さんて弁当は自分で作ってるの?」

 北山は北山でマイペースだ。
 こいつは間違いなく大物に違いない。
 見ろ、光井なんか隣の騒動に関与するべきか知らないふりをするべきかあたふたしてるぞ……
 
 「なんでこうなんだよ……」

 面倒くさいことがことが多すぎる。
 俺はこの高校に呪われでもしているのだろうか?
 俺は隣で喧嘩が起ってる中、普段通り飯を食うほど神経は図太くないのだ。
 そんなこと考えてるとチュルチュルチュルと安っぽい音が俺の鼓膜を刺激する。

 「うん、ここのうどんは意外とおいしい……」

 こいつは図太いにもほどがあるが……
 まさにうどんレベル

 「って言うかお前!もう昼食を食べ終わったんだったらさっさと教室にでも戻ってろよ!」

 「は?お前何言ってんだ!?」
 
 西条の奴もいい加減キレそうになっている。
 こんな時リア充(笑)の司波は何やってんだよ……
 と思って顔を向けたら奴は凄い勢いで飯を食っていた。
 ……なんなの?
 なんでこいつも神経図太いの?
 
 「ごちそうさま……レオ、悪いなエリカ、美月、俺たちは先に教室の方に戻ってる」

 「え、ああ、わかったわ」

 そう、千葉は答えた。
 なるほど、食べ終わったという名目で先に帰り問題を有耶無耶にしようってことか、

 「待てよ!二科生(ウィード)のくせに謝りもしないで逃げるって言うのか!」

 おい、お前空気読めよ。
 もうこのまま解散して昼食を取るって流れだっただろ……
 流石にこの言い草に我慢できなくなった人物が一人いた。

 「ちょっと、いい加減にしてください!」

 今まであたふたしていた、光井だ。

 「は、ほのかさん?」

 流石に同じ一科生のそれも異性に言われたからか今まで喚いていたリーダーっぽい奴もたじろぐ。
 ……って言うか光井、
 お前がそのままアタフタしているだけだったら俺たちはそのまま無関係でいられたのに……

 「さっきから聞いていればなんですか!その言い草は流石に変だとは思わないんですか!?」

 「何言ってるんですか?僕たちは当り前の主張をしているだけです。魔法科高校ここでは一科生が上で二科生は下なんです。あなたも知っているでしょう!」

 やべぇ、こいつやべぇ。
 何がヤバいって当たり前のことみたいに言ってるところが一番ヤバい

 「だからってそれはおかしいですよ!」

 あ、こっちもこっちでヤバかった。
 感情論では相手を言い負かすことはできない。
 こうなってしまった時点で光井の負けだ。

 「二科生(こいつら)だって分かっていたはずだぞ!」

 「ですけど……ですけど……」

 光井はすでに少し涙目になっている。

 「比企谷さん、どうにかして……」

 おい、こいつは俺に振ってきますか。
 って言うか飯は食い終わったんですね、北山さん……
 まぁ、いいか。
 このまま時間を浪費するのはもったいない。
 それに見知った女の子が泣きそうな顔してると、飯がまずく感じるんだ。

 「はぁ、メンドくせぇ」

 溜息がこぼれる。
 溜息すると幸せが逃げるというならば俺の中の幸せはもうすでにすっからかんだ。
 まぁそもそも溜息程度で逃げる幸せなんかいらないが……

 「一科生は650、二科生は500……」

 「??」

 立ちあがってリーダーっぽい奴に言う。

 「ひ、比企谷さん?どうしたんですか」

 急に俺が立ちあがって何か言いだしたから、驚いたのだろう、光井はそう質問した。

 「これが何の数字かわかるか?」

 しかし俺は構わず続ける。

 「入試の項目の内のひとつ……最大温度変化エネルギー量の試験、その合格ライン」

 別に北山に問題を出したわけではないんだが……まぁ正解だ

 「そ、それがどうしたっていうんだよ!」

何を言われているのかわからないのだろう、完全に動揺をしていた。

 「何?分かんねーの結局お前らは150程度の差しかないって言ってんの」

 「は?何言ってんだ、150も差があるんだろ!そもそも僕は750を越えたぞ!」

 俺の言いたいことが分からなかったらしく逆に自信を取り戻したようだ。

 「俺の記録は1162だ」

 魔法力だけは人と比べて数段高い俺は相手を苛立たせるように表情を変えずに言い放つ。
 ……ちなみに司波深雪はこのテストを1273……つまりカンストしている。

 「!?………………………何が言いたい」

 「だから言っただろ、お前らには150程度……いや250?……まぁそれぐらいしかねーんだよ」

 この男の神経を逆なでするためにあえて言いなおす。
 ちなみにいつでも魔法の発動をできる状態にはしておく。
 基本的には魔法の個人使用は校則違反なのだが正当防衛となれば話は別だ。
 まあ俺の場合使ったところで・・・・・・・怒られるようなことはないのだが

 「何?あんたたち仲間割れ?」

 ニヤニヤしながら指摘する千葉。
 何言ってんだ?
 そもそも仲間じゃないから……
 こいつはあれだな、俺の愛する千葉を少し学ぶべきだな。

 「その程度の差でブルーム?ウィード?だいたいおまえらは
 「はい、そこまで――――――!一年が問題起こしてるって職員室に連絡があったから来てみたらあなたたちですか!」

 何なんだよこの教師。
 まだ2日立っていないのに俺のセリフを遮るの3回目だぞ?
 
 「比企谷、なんか面白そうな話をしていたようだけど入試の成績は魔法力を測るためだけのもんだ。私たちから見たら学生なんて全員ひよっこだ。それに森崎、ブルームとウィードという言葉は校則で使用が禁止されている、以後気をつけろ」

俺の言いたかったことを真正面から言われるとは思わなかったが結果的にはいい落としどころだろう。

 「うっす」
 「……はい」

 すげースタイリッシュだなこの人。 
 昨日は猫を被っていたのか
 って言うかこいつ森崎って名前なんだ……わーどうでもいい~
 
 「お前たち、早く飯を食わないと午後の授業に間に合わんぞ!」

 そう言って先生は学食から去って言った。
 
 「僕はお前には負けない、入試の結果がすべてだとは思わないことだ……」

 そう言って彼は他の一科生と一緒に遠くの方の席に移動をした。
 そのセリフは先ほどの自分に向けるべきだがそんなことは言わない。
 ……これ以上の面倒事は御免だ。

 「まぁ一応感謝はしておく」

 「お、おう」

 席を立ったまま傍観に徹していた司波に最後声をかけられ、司波はそのまま学食から出ていく
 西条は何も言わずに司波の後を追った。
 睨みつけられたのは気のせいだと思いたい。
 まぁはたから見たら魔法力を見せびらかして誇示する嫌な奴だからな。

 時間を見てみると1時間近くあった昼休みは残り15分となっていた。

 「あ、あーーー!」

 「どうしたの?ほのか」

 「私、ラーメンだったんだけど……」

 急いで光井はどんぶりの中から麺をすくいだす。
 そこにあったのは細いうどんレベルまで膨れ上がったラーメン(細麺)
 光井はさっきとは違う意味で再度涙目になっていた。

 

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やはりも、もり、森岡?の理論は破綻している

「比企谷さん、結局昼休みは聞けなかった。このまま放課後……」

 今日の講義も終わり、帰りの支度を整える。
 そんな時に北山がこんなことを言ってきた。
 勿論いやだ。
 俺は早く帰って小町に会いたいのだ。

 「いや、ほらあれだからさ……」

 「??じゃあ早く荷物まとめて……」

 何この子?
 俺が遠まわしにに断ってんの分かんないの?

 「そういえばそうですね。じゃあ喫茶店にでも行きましょうか?……昼ご飯があんなのでしたし……」
 
 光井の昼飯はスープがたっぷり滴ったラーメン。
 ……ご愁傷さま。
 って言うかあなたも俺の意見を無視しますか……

 「じゃあ今から校門に集合で……私たちは先に行って待っていますね」

 いや、だから俺に拒否権と言うものを下さいよ……
 こうして俺は直帰することができなくなってしまった。





 


「いい加減あきらめたらどうなんですか!深雪さんはお兄さんと一緒に帰ると言っているじゃあないですか!」
 
 …………………だれだ、校門前集合なんていいだしたやつは。

 「そうです、皆さんで一緒に帰ればいいじゃないですか」

 …………………だれだ、今めんどくさい事に自分から首をつっこんで行ったあほは。

 「僕たちは彼女に相談することがあるんだ!」

 とは、森なんとか君

 「そうよ、司波さんには悪いけどちょっと時間を貸してもらうだけよ!」

 絶対悪いなんて思っていないだろこれ……
 当の司波深雪は兄貴と一緒に傍観役に徹しているし……
 まぁ口を出したら余計に場を引っ掻き回すだけか。

 「だったら先に深雪に許可を取っておくべきじゃない?そんなことも分からないであんたたちは高校生になったの?」

 おうおう……
 千葉の奴はかなりの毒舌だな…
一瞬、世界線を越えてだれかと顔が被るところだったぜ。
 ……俺は何を言ってるのだろうか?

 「うるさい!ウィードごときがブルームに口出しするなと昼にも言ったはずだ!」

 「だったら私も言いましたよね!あなたたちの言い草はおかしいです!」

 同じ一科生の光井の奴が大きな声で森……森山に言う。

 「光井さん、昼休みは言いませんでしたがあなたはブルームです。しっかりとその自覚を持った方がいいと思いますよ……」

 こんなときにも同じクラスの女子に丁寧な対応するとか……
 マジでこいつはプライドの塊だな、おい。

 って言うか今更だが北山の奴はどこに行ったんだ?
 姿が見当たらないけど……
 俺?
 俺は校舎の陰に隠れて様子をうかがってるだけだよ?
 早く先生来いよ……

 「お前たちには一度格の違いってのを見せておかなきゃならない様だな」

 「おもしれぇ、見せてくれるって言うなら見せてもらおうじゃねーか!」
 
 「そうね、ほのか、あなたは手を出さなくていいわよ」

 「え?ちょっと校内での魔法の無断使用は……」

 なんでお前は急に真面目になってるんだよ光井……
 あれ?って言うかこれヤバいんじゃない?
 
 流石にこれ以上はヤバい。
 昼の一件が教師たちに知られていて、なおかつそれを黙認しているのだとしたら、このメンツが再度問題を起こした時、ここの近くにいたら校門で光井とまちあわせをしていてなおかつ昼も関係していた俺も間違いなく関係者だと思われてしまう。
いや、無関係であるということで通ったとしても(実際無関係なのだが)昼の事件のことを掘り起こされて何かしらのペナルティーを食らうことだってあり得る。
 このまま約束無視して帰っちまおうかな……
 そうすれば最悪「もうすでに帰宅してました」という言い訳が使え、少なくとも放課後のほうの件には無関係でいられる。
 って校門で対決してるから帰るに帰れないし……
 ……よし、このまま無理やり抜けよう。
 俺のスルー(され)スキルを見せてやるぜ!
 俺だってこれ以上のトラブルは御免なのだ。
 って言うかトラブル自体嫌だ。
 漫画の方なら大歓迎だが……

 「なんだ、ヒキタニ?お前か、少しすっ込んでろ!」

 一発でばれたし、こういう時にどうして発動しないんだよおい……
 って言うかヒキタニ?
 だれそれ?

 「これは教育だ。一科生が二科生に実力の差ってものを教えてあげるだけさ!君には手出ししないでもらいたい」

 だからお前は何さまだ。
 これだからプライドの高い奴はやりにくい。
 って言うかあれ?
 俺はこのまま無視して帰ろうとしただけだぜ?
 なんでこんなことになってんだ……

 「比企谷さん、流石に魔法の退陣発動はまずいです、止めましょう!」

 光井はなんで急に手のひら返して止めようとしてんの?
 しかも他力本願だし……
 メンドくせぇ、もういいや
 仕方がなく俺は魔法を発動する準備をする。
 得意魔法を……

 「特化型!?」

 森元の取りだしたCADは特化型と言うタイプのものだった
 CADは大きく特化型と汎用型に分けることができる。
 特化型は魔法式を9までしか収納できない代わりに攻撃に優れ、汎用型は99もの魔法式を収納できる代わりに魔法発動に必要な術者の魔法力を通常より大きく使用する。
 まぁこのハイブリットが(試作品だが)俺のCADと言うわけだ。

 まぁ何はともあれ、攻撃に優れているCADを他人に向け魔法を発動するということは殺人未遂と変わらない。
 それほどまでに魔法と言う物は危険なのだ。

 「お兄様!」

 「いや!?ちょっと待つんだ深雪!」

 司波深雪は兄に何かしてもらおうと呼びかける。
 しかし、司波の方は何かに気づいたようだ。
 ……なにあいつ、俺の魔法に気付いたの?

 ……
 …………
 ………………

 「あ?なんで魔法が発動しないんだ‼どうなってる!?」

 おいおい、マジで発動させる気だったのかよ……
 下手したら退学だぞ?
 そんな森園を無視して達也はキョロキョロと周りを見渡す。
 そうして俺と眼があうと、そのまま近づいてきた。

 「さっき何かしていたのはお前か?ひき……
 「お前ら―――!1日に2回も同じことで怒られたいのか!」

 ……司波、ドンマイ
 意外とショックだよな、無条件でセリフを遮られるって言うのは……

 「ひ、比企谷君に達也君!?」
 
 あなたもいたんですね、会長……
 まぁ生徒ののいざこざを解消するのも長の役目ってやつですか……
 って言うかこの人はなんでこんなに動揺してるのだろうか?
 ……いい加減名前を教えてほしいものだ。
 こほんと咳払いをすると彼女は顔つきを変える。

 「……CADを出していただけで魔法の発動はしなかったみたいなので今回は厳重注意で済ませます、あなたたちは昼休みにも問題を起こしていたようですね……3度目はありませんよ」

 会長はその場にいた全員にそう告げる。
 たぶんこの人は今わざと身体に魔力を集めている。
 さっきから、そこにいた全員はその魔力量に押されて黙ってしまう。
 司波兄妹だけが平然としていた。
 何あいつら?
 って言うか兄の方もかよ……
 妹の魔力で慣れたってことか?

 「比企谷君、司波君、あなたたちは一度生徒会室に来なさい」

 「……はい」

 「分かりました。深雪今日は先に帰ってくれ……」

 「分かりましたお兄様」

 このやり取りを聞いて俺はムショウに小町に会いたくなった……
 って言うか俺はただのとばっちりじゃないか?
 止めようとしただけなのに……
 やっぱり似合わないことはするもんじゃないな
 
 「はぁぁぁ---」

 溜息といっしょに悲しみを吐き出し、会長の後について行った。


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やはり俺の魔法は間違っている

 「ごめんなさいね、あのまま何事もなかったみたいに皆を返すと周りからの目があるからね……少なくとも何人かは注意したってことにしなくちゃいけないのよ」

 生徒会室を目指す廊下で、申し訳なさそうに会長は言った。
 って言うかそういうことは言っちゃダメだろ……

 「いいえ、大丈夫ですよ。こちらこそ事態の収拾をしてくださってありがとうございます」

 お礼を述べたのは司波。
 結局こいつは最後まで何もしなかったが……

 「まさか魔法まで使おうとするなんて予想外でしたね」

 「……まったく」

 同調をしたのは光井と北山。
 お前らは呼ばれていなかったはずだが……
 まぁ別に来ても問題はない、とは会長談
 北山の奴はいつの間にいたのだろうか  

 「そもそも俺は止めようとしただけですよ?なんで呼びだすのを森……え、えっと森山にせずに俺にしたんですか」

 「だってあの子面倒くさそうじゃない、私だって暇じゃあないのよ?」

 そりゃあ生徒会長は忙しいとは思いますが…… 
 そんなこんなで話をしているとすぐに生徒会室の前についた。

 「幸い今は誰もいないからゆっくり話でもしながら少し時間をつぶしましょうか」

 おい、どうした。
 生徒会長ってのは忙しいんじゃなかったのか……

 「そうですね、俺も聞きたいことがありますし……」

 そう言って司波は俺の方に向いた。
 
 「まぁ好きな所に座っていいわよ、じゃあ親睦会と行きましょう……」

 会長がそう言って奥の方の席に着いた。
 俺はなんとなく手前の一番端の席に腰掛ける。
 司波の奴は俺の隣に座る続いて光井、北山
 1年4人が横に座り向き合って3年の会長が座る形となっていた。

 「じゃあ比企谷、おまえがさっきやっていたことについてだが……」

 何のこと?と、とぼけることは簡単だ。
 だが結局北山と光井には教えるという約束(一方的だが)をしていたため、いっそここで言ってしまった方が楽だろう。

 「ああ、俺の魔法はちょっと特別でな……北山、光井、ここでもう話しちまうぞ?」

 「……うん」
 「わ、分かりました」

 よしじゃあ、と思い説明しようとすると会長が「ちょっと待って」と制止をかけてきた。

 「……どうしたんですか?」

 「それってあーちゃんも気になっていたはずよ、呼んであげましょうよ」

 そういえば質問を連発されたうちの一つに入ってたような気がするな……

 「じゃあ会長お願いします」

 「任せて!」

 何故かドヤ顔をして張り切った様子で端末をいじる。
 今のうちにションベンでもしとくか……

 「じゃあ俺はちょっとトイレ行ってくるわ……」

 そう言って立ち上がると隣の司波も一緒に立ちあがった。
 
 「俺も行こう」
 
 何こいつ?
 ホモなの?
 俺にそっちの趣味はないぞ!

 「場所は解るわね?」

 「はい大丈夫です」

 そう言って俺たちは廊下に出た……

 「なぁ……比企谷」

 そしてすぐに司波の方から話しかけてきた。

 「ん?どうした」

 「深雪……妹はクラスではどんな感じなんだ?」

 何言ってるんだろうかこいつは。
 まだ学校が始まって2日目なのにそんなこと気にしていたら限がないぞ……
 って言うかシスコンかよ……ホモじゃなくてよかった。
 トイレに入り便器の前に立ちながらそんなことを思う。
 だが聞かれたことには答えなければならない。

 「悪いな、実際に話したことがないから分からん。まぁトップカーストにはいるんじゃないか?」

 「トップカースト?……ふ、教育現場をヒンドゥ教のカースト制を使ってあらわしたのか、面白い考え方だな……」

 え?学校カーストって有名じゃないの?
 まるで俺が生み出したみたいになってんじゃねーか……
 
 「俺は先に行くぞ、じゃあな」

 ボッチはトイレも早いのだ。
 なぜならトイレにはよく人(しかも上位カーストの奴ら)がたまる。
 ちょっとはトイレを見習って流れを良くするべきだ。
 だから授業が終わったら速攻でトイレに行ってやつらが侵略してくる前に教室に戻るのだ。
 中学時代の俺の生態より抜粋

 「ああ、分かった」

 司波の奴は待ってくれとか言わなかったので遠慮なく先に生徒会室に俺は戻ったのだった。












 「あの、比企谷君……、えーっと」

 俺の前には茶髪ショートの小柄な女性が一人、かれこれ2分たつ。

 「これは一体どういう状況なんだ?」

 もどって来た司波はそう俺たちに問いかける。
 いや、俺が聞きたいわ、
 急に「ごめんなさい」とか中条先輩が謝って来たから「何がです?」って返したらこんな感じだ……

 「あーちゃんは昨日暴走してしまったことを謝ってるんだと思うわよ?」

 「は、はい。かいちょ~ありがとうございます」

 できればそのフォローはもう少し早くしてほしかった。
 ちなみに北山と光井は2人で話していた。

 「はぁ、早く帰りたいんでさっさと始めましょうか」

 うんざりしながら、そう声をかけた。















 「じゃあ比企谷、さっきお前がやったのはなんなんだ?」

 「簡単だ、ただ魔力の塊をひたすらぶつけただけだ。こうするだけで魔法ってものは発動しなくなる」

 魔法のもとである魔法式はなかなか融通の利かないものである。
 発動する前には必ず魔力をためる必要がある。
 そのたまる魔力をより大きい魔力の塊をぶつけることによって根こそぎ吹き飛ばす。
 これが俺のやったことの正体だ。
 ≪術式解体≫のように高度な魔法式が必要ないが魔力を吹き飛ばせるだけの魔力差がないと全く持って意味がなくなってしまう。
 そのため吹き飛ばせるだけの魔力差があるんだったら魔法の無効かなんてせずに別の魔法を使い圧倒したほうが早いという何とも見せ場のない魔法だったりする。

 「待て、じゃあお前は魔法を発動したということか?」

 「ああ、そうだ」

 「だが魔力の乱れが全くと言っていいほど無かったぞ……!」

 「それは試験監督の教師が言っていたのと同じです」

 「雫が言っていたのも」

 「……うん」

 会長以外が一気に食い気味で同調をして質問を重ねる。

 「ちょっと皆落ち着いて……」

 こんな時に止めに入るのは流石生徒会長と言うものだろうか……
 
 「まぁぶっちゃけて言っちゃいますと俺はBSの魔法師です」

 「BS魔法師って基本的に普通の魔法は使えないんじゃないですか?」

 中条先輩は首をひねらせながら言う。

 「そんなこと俺に聞かないでください、何事にも例外はあるってことじゃないですか?」

 「そうよあーちゃん、日本でも何件か……世界ではそれこそ何件も報告はされてるわ……確かにそうとう珍しいことだけど」

 BS魔法、魔法として技術化される以前の異能、つまり「超能力者」による先天的な超能力が、現代魔法学ではこう呼ばれている。

 「つまり俺は『魔法の存在に気付かれない』と言う魔法隠蔽スキルを持って生まれたんだ」

 「そんな魔法……だがそれならさっきのことにも説明がつく。俺が異変に気付いたのはあいつの身体の周りのサイオンが小刻みに震えていたからだ」

 何こいつ?
 魔力なんてもの見ることができんの?
 ちなみに魔力=サイオンだ。
 基本的には魔法に関係するものはサイオンと呼び、一般人は魔力と呼ぶ。
 ちなみに俺が魔力と言ってるのはなんとなくでしかない。

 「まるで魔法を発動しようとしているのにサイオンがたまらないといった感じだった」

 「俺のこの魔法は魔法式から溜めた魔力まで全てを隠蔽しようとする。だから森口の魔力を吹き飛ばした俺の魔力は認識できないんだ」

 「それって……」

 「実践だったら最強……」
 
 光井の言葉に北山が続ける。
 まぁ確かに全く察知できない魔法なんて相手からしてみたら悲劇でしかないだろう。
 だが実際はそううまくは行かない

 「そんなことはない、俺はこの魔法のせいでAランク以上の殆ど魔法は発動することさえできない」

 「情報を隠蔽するには高度すぎる魔法式だからな……魔法ごと隠蔽する、という感じか……」

 だからなんで司波はそんなに察しがいいんだ?
 魔法が高度すぎるとせっかく変えた事象すら隠蔽しようと元の状態に戻してしまうのだ。
 何故か低級魔法では事象の隠蔽は起らない。
 つまり炎を出す上級魔法を発動してもその炎も無かったことにされる一方、火を出す下級魔法では途中のプロセスは分からないのに火が出たという事象だけが結果として残るのだ。

 「今思ったのだけどそれってよく考えたらおかしくない?」

 「何がですか?会長」

 中条先輩が尋ねた。

 「だってBS魔法って言うのは魔法が確立されていないときからあるものでしょ?『発動した魔法を隠蔽する』なんて魔法そのもの(・・・・・・)が無ければ成立しないものじゃないかしら?」

 「そのことのついては知らないです」

 ありのままの回答をする。
 そういえばそうか……これ(・・)は本当に何なんだろうか……

 「BS魔法……『超能力』も進化をしているってことか……」

 感慨深く司波はつぶやいた。

 「なんか他に質問はありますか?」

 「じゃあ一つだけ確認……本当に魔法師の家系じゃないの?」

 そう聞いてきたのは北山。
 俺がこの問いに対してできる答えはただ一つだった。

 「ああ」

 組織の奴らに何度されてきたかわからない問に対して俺は何度したか分からない回答を返したのだった。





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やはり司波兄妹はどこかずれている

比企谷八幡……
 彼は何者なのだろうか?
 俺は今日のことをとりあえず深雪に話そうと帰ってすぐリビングに深雪を呼んだ。

 「お兄様?どうかなさいましたか?」

 「比企谷八幡のことでお前に言っておいた方がいい事がある」

 「あの方ですか……」

 ずいぶんと苦々しい顔をするんだな……

 「こういうことをお兄様の前で言うのもお恥ずかしいんですけど……彼はなんとなく不気味なんです」

 「不気味……?」

 「はい、見た目が……ではありません。なんというか、その……」

 深雪は精神操作系の魔法も大きな素質を持っている。
 やはり何か感じるところでもあったのだろうか……
 皆には言わなかったが俺も≪分解≫と≪再構築≫のBS魔法師だ。
 とある≪目≫を所有している(これも魔法だが)ため≪分析≫にもたけて入ると思う。
 まぁ俺の場合は生まれつきと言うよりも埋め込まれたといった方が近いのだが……
 その俺でも心、感情、性格といった形がなく、エイドスの通ってない物の≪分析≫まではできはしない。

 「やはり、比企谷については調査をする必要がありそうだな」

 「そ、それでお話と言うのは……」

 「ああ、それはなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 その夜、俺は今日あの後あったことを全て話したのだった。












 「おかしい、どうしてこれだけしか情報がないんだ?」

 比企谷八幡のデータについてだ。
 ハッキングなど非合法の手段を用いても彼の情報は全くと言っていいほど出てこなかった。
 出てきたのは出身の学校、そのデータベースにあった成績、身長体重だけだ。
 こんなものには何の価値もない……
 ふと、ある場所で俺は目を止めた。
 出席欄だ。
 彼は小学6年の初夏ごろに小学生で唯一休んでいた。
 2週間も……
 普通に考えたらたまたま長引く夏風邪でも引いたのだろう。
 だが比企谷は普通じゃない・・・・・・

 「調べてみる価値はあるか……」

 「お兄様、お飲物をお持ちしました」
 
 ノックとともに妹の声が聞こえてくる。
 ふと時計を見るともう日付をまたいでいた。
 少し根を詰め過ぎだろうか……

 「ああ、ありがたい。入っていいぞ」

 「失礼しますね……あらお兄様今日は何をなさっているのでしょうか?」

 「ちょっと、調べ物を…な、それより深雪いいのか?こんな時間まで起きていて。明日もちゃんと学校があるんだぞ」

 「ふふ、お兄様、もう今日ですよ。それにお兄様が何かをなさっているのに私だけ先に寝ることはできません」

 そこには言外に兄俺のすることは基本的に妹深雪のためである、と語っていた。
 そう、俺が人間でいられるのは間違いなく深雪がいるからなのだ。

 「ごめんなさい……」

 そんな俺の心中を察してか深雪は伏し目がちに謝ってくる。
 私のせいで……と、
 別にこんなことをした四葉を恨んでるわけではない。
 むしろ深雪を守るための力を与えてくれたんだ、そのことについては感謝すらしている。
 だが……
 だが、深雪をこんな風に謝らせている原因を俺は許せない。

 「大丈夫だ深雪、お前が気にすることじゃあない、今日はもう寝なさい。俺もそろそろ寝るから」

 「……分かりました」

 伏し目がちに深雪は了承をしてくれた。
 きっと彼女は俺がまだ作業を続けるということに気付いているんだろうな……







 





 きっとお兄様はまだ作業をお続けになりますよね……
 彼のことを調べるために。
 先ほど言ったことは嘘ではなく、私だけ先に寝るなんて……と思います。
 ですがこれ以上起きていると結局お兄様の迷惑になってしまう。
 それだけは絶対に嫌でした。
 ただでさえ私はお兄様を束縛してしまっているというのに……
 
 「私ってば本当に嫌な女ですね……」

 束縛をしているのに迷惑をかけたくない・・・・・・・・・なんて……
 お兄様は昨夜も寝ていませんでした。
 行動に支障が出得るようでしたら、魔法で自動的に最適化される。
 それが怪我だろうと病気だろうと勿論、睡眠不足だろうと……
 
 「だからと言って睡眠を取らなくて良いというわけではないのですよ……」

 私は一人部屋でつぶやいた。









 「原因不明の爆発事故?」

 6月??日
 千葉市で原因不明の爆発事故が発生、買い物をしていた小学4年生の女の子と小学6年生の男の子の兄妹が骨を折るなどして県内の病院に搬送されました。
 警察は魔法を使用した犯罪行為の可能性も視野に入れて捜査をしています。
 しかし魔法の専門家に話をうかがってみたところ「魔法の形跡が一切ありません」とのことでした。
 ----------

 この記事は比企谷が学校を休み始めた前日のニュースだ。
 先ほど見つけた情報をもう一度見直す。
 やはり……
 比企谷には妹がいる……2つ下の。
 それに魔法の形跡がないことも引っかかった。

 「間違いないな……」
 
 きっと彼は魔法を無意識に暴発させてしまったんだ……高すぎる魔法力のため。
 そして彼が魔法を発動したということを無意識にあの魔法(・・・・)で隠蔽したんだ。
 この事件で彼に接触をしたのだろう。
 その後の情報が何もなかったということは彼のバックには何かがある。
 俺のハッキングで見つからないんだ、一企業を軽々超える規模の何かが……
 結局わかったのはそれだけだ。
 比企谷の後ろには何かがある。
 そんな簡単に想像できるようなことしか分からなかったのだ。




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やはり俺に昼休みは与えられない

「よう、比企谷、おはよう!」

 登校から会いたくない奴にあったにあった……
 電車を降りて学校までの一本道を歩いているとそんな声をかけられた。

 「お、おう」

 「なんだその返事は、朝飯は食ってきたのか?」

 「いや、朝からそんなテンションでいられるあんたの方がおかしいから……」

 こっちはあくびをしながら西条の奴に突っ込みを入れる千葉。
 苦笑いをする柴田に2人で話しこんでる司波兄妹。
 
 こいつらはなんで朝から一緒なんだろうか?
 いくら電車が同じだからって全員そろうって……
 それってなんてご都合主義?

 「おはよう、比企谷」

 「おう、お、おはよう?」

 司波の挨拶を何とか返す。
 なんで人という物は親しくないものと話すときに疑問形になるんだろうか?
 俺だけか?

 「達也くーん、比企谷くーん」

 「で、司波なんか用か?」

 「いや、特に何もないが……」

「あれ、もしかして聞こえてない?」

 いや、だってお前が今俺のことを観察するようにじっと見てただろ?
 ボッチは視線には敏感なんだよ……
 だからと言って何見てんだよ!とか口が裂けても言えない。
 精々できるのは見えないようなところへの戦略的撤退だけだ。

 「……で、会長。何か用ですか?」

 おい、司波
 そこは無視するところだろ……
 もう本当にメンドクサイことは嫌なんだよ……
 
 「ちょっと比企谷君流石にそこまで露骨に嫌な顔されると私も傷つくかも……」

 「え?ああ、はい。すみません」

 「何その反応!?」

 こっちのセリフだ。
 たかがこんなことにオーバーリアクションだろ……
 
 「比企谷って……」
 「なんだかすごいわね」
 「そうですね」

 西条、千葉そして柴田が見事な連携を決める。
 何がすごいんだよ……
 お前らが昨日学食で俺に対してやった内輪ノリトークのが凄かったよ……
 主に俺のおいてけぼり感が
 あ、それはいつも通りだったわ
 小学校の時3人で話してると思ったらいつの間にか2人で話してたもんな~
 俺を抜いた。
 ……中学生の時?
 そんなもん会話をすること自体が稀だったわ。

 「なんなのよ、もう。……深雪さんに話したいことがあるのでご一緒してもいいかしら、司波君?」

 「あ、じゃあ俺は先行くわ」

 司波にだけ確認を取ったということは俺は無関係だよな?
 変なことになる前にさっさと退散しますか……

 「いいえ、比企谷君にも話したいことがあります!」

 そんな語尾を荒らげなくても……
 
 「なんか怒ってます?」

 「いいえ、怒ってませんよ?私が怒っているように見えるというなら何かあなたに後ろめたいことでもあるんじゃあないですか?」

 め、メンドくせぇ。
 会長が面倒事を運んでくるもんだと思って先に登校してしまいたかったがまさかの会長自体がめんどくさかった……
 こういういじけ方するやつには謝っても「怒ってない!」って言って怒ってくるんだよ。
 ソースは小町
 3日間話さなかった……誰とも。
 中学時代、
 俺は小町以外と話すことはほとんどなかった。
 だから必然的に小町と話さないとなると俺の口の機能はなくなるのだ。

 「で、要件はなんですか……?」

 こういう相手に対しては謝らずにそのまま流した方がいい。
 自分で怒っていない宣言をしてしまったのだから相手は怒ることができないのだ。
 
 「……もういいです。じゃあ司波さんと比企谷君は昼休みに生徒会室に来て下さい」

 「またか……」

 俺の昼休みはどうしてこんなに簡単に潰れていくのだろうか……

 「分かりました。兄も一緒でよろしいでしょうか?」

 「ええ、皆さんもどうですか?」

 「え、えーっと」

 「うーん」

 「折角ですけど私たちは遠慮させていただきます」

 柴田と西条が悩んでいる中、千葉の奴が妙にはっきりとした様子で断った。
 …………き、気まずい

 「そうですか……」

 だが、会長の顔は崩れない。
 俺の言ったことに簡単にすねたのにこういう時は落ち着き払ってるんだな……
 精神が強いのか弱いのかわからんな。

 「では、3人ともお願いしますね。待ってますから」

 そう言って彼女は小走りで校舎の方に駆けて行った。
 結局俺は今日もベストプレイス探しはできないのか……

 「「はぁーーーーーー」」

 司波と溜息が重なる。
 きっとこいつも色々と苦労をしてるんだな……
 いや、知らんけど。

















 「どうしたんだ?真由美」

 そう言って話しかけてきたのは風紀委員長の渡辺摩利、私の親友と言っても差支えないだろう。
 
 「何が?何か私変かな?」

 「いや、ずいぶんと楽しそうだなと……」

 「ああ、いま知り合いにあって話してきたのよ……そうだ!摩利も昼休み生徒会室に来て。面白い後輩を紹介するわ」

 「ほう、なかなか気にいってるようだな」

 「へ?」

 「なんだ、気付いていなかったのか?その喜びようはお気に入りのお菓子をもらった時とほとんど同じ反応だぞ?」

 気に入ってる?
 私が?誰を?
 そこまで考えた時に私は急に恥ずかしくなった。
 今日もたくさん傷つけられたし、昨日だって生徒会室に来る時露骨に嫌な顔してたし……
 もうわざとやってるんじゃないかしら?
 そんな彼を私が気に入ってる?

 「摩利、冗談でもそういうこと言わないで……私はMじゃないわ!」

 気が付いていた時にはもう私は走り出していた。
 周りに摩利以外がいなかったのがせめてもの救いだろう
 私は後で気づいた。
 司波兄妹も誘っていたのだからそっちを気に入っていると思えばよかったことに……
 
 












 早くも昼休み
 
 って言うかあれだろ?
 働くときに働かないのが罪って言うなら休む時に休まないのも十分罪なんじゃないか?
 俺のつきたい仕事?専業主夫だよ!
 なんてことを思ったりしても結局生徒会室のは行かなければならなくて……

 4階の廊下の突き当たり……そこには生徒会室と刻まれたプレートがかけられていた。
 丁度司波兄妹がインターホンを押していたので便乗するために小走りで移動。
 きっと今日は昨日、一昨日と違ってちゃんと生徒会役員もそろっているだろう、だからその中で一人で入りたくはなかった。
 できればばれない様に後ろに隠れながら、もっとできればこのまま帰りたいまでである。
 
 「比企谷、お前も丁度来たのか……」

 「ああ」

 ちなみに司波深雪の方は授業が終わった瞬間に教室を出て行った。
 森里が昼食にでも誘おうとしていたのかがっかりしていた。
 
 「いらっしゃい、遠慮しないで入ってきて」

 ドアが開く瞬間に司波兄妹が何かに警戒をした様子だったが何に警戒をしていたのだろうか?

 「生徒会のみんなを紹介するわね……特別ゲストもいるから」

 一体何がそんなに楽しいのだろうか
 理解に苦しむ。
 それともいいとこのお嬢様は世渡りをするために愛想良くふるまうようにでも教わっているのだろうか?
 七草家は十師族の中でも1、2を争う名門である。
 社交界にもでるためそのような処世術を一通り学んでいてもおかしくない。
 まぁそんなことを今考えたって仕方がない。

 「はぁーーー」

 溜息を吐きながら俺は3度目の生徒会室に足を踏み入れたのだった。
 ちなみに入学してからまだ3日目だったりする。


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やはり生徒会と絡むとメンドクサイ

「どうぞ、気楽に腰掛けて。話はご飯でも食べながらにしましょう」

 そう言って会長は壁側にある機械を操作し始めた。
 自配機、まぁ簡単に言うと自販機の弁当版だ。
 その名前の通りに配る機能も付いてるのだがそれは時間がかかるので多くは使われなかったりする。

 「お肉とお魚と精進、どれがいい?」

 「魚でお願いします」

 「じゃあ私も……」

 「俺は元々弁当を持ってるんでいいです」

 って言うか精進て……そんなもん食べる奴いるのか?

 「じゃあ、まずは自己紹介からかしら」

 なん、だ、と
 神は俺を見捨てたのか……

 「入学式のとき一度しているのだけど一応初対面だしね、まず私の隣にいるのが市原鈴音、通称りんちゃん。会計よ」

 「……私のことをそういうのは会長だけです」

 なんか中条先輩の時も聞いたようなセリフだな。
 まぁこっちの方は確かにちゃん付けされるような感じではないな。
 中条先輩?
 ……………………………………
 さ、さぁ次行こうか。

 「その隣は知ってますよね?風紀委員の渡辺摩利」

 何当たり前のように言ってんの?
 僕知らなかったよ?

 「それで最後に書記の中条あずさ、通称はあーちゃん」

 あれ?風紀委員には通称はないんだ……
 絶対会長にはあだ名をつけられたくない。
 って言うかなんでみんな容易にあだ名をつけようとするの?
 ちなみに俺のあだ名は108まである。
 嘘だ。
 80ぐらいだと思う。
 ちなみに中条先輩は会長に自分の呼び名について抗議をしているが意味のない事なので割愛

 「あ、できたようね」

 そう言って皆は自分のトレーを取りに立ちあがる。

 「あ!あと、一人生徒会副会長のはんぞーくんを加えたのが今季の生徒会役員ね」

 可哀想に、はんぞーくん
 アンタ今完全に忘れられていたぞ……
 って言うかはんぞーって……
 どこかの忍者かよ。
 よかった、流れ的に俺は自己紹介をしなくてよさそうだ。

 閑話休題

 ここから行われたのは当たり障りのない話
 この料理はあーだとかこーだとか。
 渡辺先輩って料理するんですか?
 とか、
 比企谷お前も料理するんだな……
 とか、
 主夫志望なめんな!
 ちなみに俺がしゃべった言葉は「お、おう」とか「は、はい」だけだった。
 どうもこういう目的のない会話って言うのは苦手だ。
 こういうのをあたかも楽しく話すことこそがリア充の条件なんだろうか?
 ……俺はボッチでいいや、ボッチがいいや。

 途中司波兄妹が惚気を発揮していた。
 帰りたくなった。
 でも今帰ったところで小町はいないのでぐっと我慢。
 いい加減本題に入らないかな~
 なんて思っていると、やっと会長が口を開いた。

 「そろそろ本題に入りましょうか……皆さんもご存じのとおり当校では生徒の自治が重視されており、その生徒を統括する生徒会には大きな権限が与えられています」

 あ、あれ?
 なんかいやな予感がする。

 「そしてその生徒会は生徒会長に権限が偏ってるのです」

 あ~なるほど、自慢したかっただけね。
 凄いっすね。
 ……で、帰っていいですか?
 なんて逃避をしてみても現状は一切変わらない。

 「そのため生徒会長は選挙で選ばれますが、そのほかの人任に関しては全て自由なんですよ……ちなみに風紀委員とかを抜かした殆どの委員会の委員長任命権ももってます」

 おいおい、ここまでのものなのかよ生徒会長って。
 実質、生徒会長になったらそこらの教師よりも権力を持つんじゃないか?
 やっぱり関わりたくないな……

 「ちなみに私も同等の権力を持っているぞ」

 とは渡辺先輩
 
 「生徒会が独裁に走らないようにですね……」

 「その通りだ。司波」

 だからなんでこいつはこんなに察しがいいのだろうか?

 「私が言いたいのはここからです。毎年新入生総代を務めた人物に生徒会入りをしてもらうという伝統が続いています」

 あ、じゃあ俺は帰っていいですね?

 「コホン、司波深雪さん、比企谷八幡さん。私はあなたたちの生徒会入りを希望します」

 「お断りします」

 「早くない!?」

 やっぱりこうなった。だから嫌だったんだよ。

 「り、理由を聞かせてもらえますか……?」

 クールそうな市原先輩が目に見えて動揺していた。
 ちなみに会長の方はやっぱりか~みたいな様子をかもしだしている。
 だったらもともと誘わないでほしい。

 「いや、俺は新入生総代じゃないんで入る理由なんてないですよね?それだったら司波兄妹そろって生徒会入りさせたらどうですか。筆記1位はあいつですよね?」

 ここで生徒会入りしたら家に帰るのが遅くなる。
 そもそも俺が生徒会に入るなんてことはありえない。
 そういう自己保身のためのセリフだったのだが、このセリフで火が付いてしまった人物が一人いたようだ。

 「そうです!兄の成績はほとんどが1位です。そもそも生徒会の仕事の中心はデスクワーク、知識や判断力のあるものが役員になるべきです」

 おーい司波さーん。
 さらっと俺のことを馬鹿にするのやめてくれませんか―?
 なんて心の中で呟いてみても彼女は兄のことをヨイショすることでいっぱいだ。
 
 熱く語る司波深雪
 だがその一方で生徒会役員たちの反応は冷めたものだった。

 「それはできません」

 確固たる意志を持って会長が告げる。

 「生徒会の面々は1科生から選ばれます。これは不文律ではなく規則です。あなたも入学案内で確認をしたはずです」

 え!?そんな項目あったっけ?

 「実技にも優れている者は成績もいい。達也君のような例外はありますが基本的にその通りです。勿論入試では測れない実力があることは確かですが1科生と2科生の溝がその事実を認めようとはしません」
 
 ああ、森下の話か……
 実技が俺の方が上だからもう人間として俺の方が偉い
 その考えが学校にある限り2科生を生徒会にするとそれは生徒たちの大きな不安の種になる。
 1科生にとっても2科生にとっても……
 こんなことは1科生である俺から見てもおかしいことだ。
 だが、もうすでに魔法と言う訳の訳のわからないものが蔓延っている社会自体がおかしいのだからそれは仕方のない。

 「規則を変えるためには生徒の三分の二の承認が必要ですが、1科生と2科生が対立している以上半数を超えることはないでしょう」

 市原先輩が会長の言葉に付けたしをする。
 その声音から市原先輩……いや、現職の生徒会役員は全員がこの体制に反対であることがうかがえた。
 副会長のはんぞーくんとやらはどうか知らないが……

 「分かりました。過ぎた物言いをお許しください。生徒会の業務私でよければ精一杯務めさせていただきますのでよろしくお願いします」

 「こちらこそ、お願いしますね」

 「で、比企谷君の答えは変わらないんですか?」

 中条先輩……
 蒸し返さないでください。
 このまま終わる流れだったでしょ

 「はい、変わりません。俺に生徒会をやる気なんてありません」

 だが何と言われようとここは譲れない。
 俺には生徒会なんてやっている時間はないのだから……

 「あなたは実技だけでなく筆記も成績は学年が違えば主席であってもおかしくないような点数です。……理系を除いて」

 最後の言葉は聞こえなかった。
 アーナンテイッタンダロウナー

 「スミマセン。ここだけは本当に無理なんです……勘弁して下さい」

 「仕方ありませんね……」

 「比企谷、風紀委員もダメなのか?」

 「放課後活動があるようなのは俺には無理です。それこそ司波にでもやらせればいいじゃないですか……」

 「「「「「…………………………………………」」」」

 え!?何この沈黙?
 俺なんかやらかした?
 小学6年の時俺がしゃべりだしたときとまったく同じ空気が流れてるよ?

 「それだー!」「それです!」「それがあった!」

 ちなみに左から会長、司波深雪、渡辺先輩だ。

 「そうよ!!なんで気付かなかったのかしら!風紀委員にもデスクワークはあるわ!」

 「会長!兄は腕っぷしも相当なものですよ!」

 「それは本当か!?司波妹。一回誰かと模擬戦をやらせて見るのも手だな……」

 何が起こってるんだ!?
 なんとなく言ったことがこんなことになってるのか訳が分からない。

 「比企谷……やってくれたな……」

 そう司波に声をかけられ恐る恐る彼の方へ顔を向ける。
 そこには怒った顔などなくただただ辟易している男子生徒の顔があった。
 怒られるよりも申し訳なく思って、司波に心の中で合掌をしたのだった


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やはり司波妹の逆鱗に触れたらやばい

魔法師が魔法を使うとき、基本的に協力することはない。
よくアニメなんかで見る<協力合体技>なんてものは使うことはできないのだ。
1人1人魔法を発動させるときに必要なサイオンの周波数が違う、つまりこのサイオンを合わせて1つの技を使おうとするとサイオン波同士でうねり(・・・)のような現象が起きそのまま魔法は霧散する。
これと同じように1人で2つのCADを使う場合でも、熟練者以外の者は安定した周波数のサイオン波を出すことはできず、結果としてその微妙な差が大きなうねりになり、魔法は発動されない。
たとえ2つのCADから魔法をタイミングをずらして撃ったとしても、辺りには前の魔法の波が大きく残っていることがあるためCADを2つ使いこなすことは相当な熟練者でなければ難しいとされている。
しかしこれはとらえ方を変えると、1人で2つのCADを使うこと以外にも当てはまるのではないか?
たとえば近くで魔法を発動した人がいればそのサイオン波は辺りに広がる、それは結果として周りの人の魔法発動に少なからず影響があるはずだ。
長々と考えているが、結局何が言いたいのかというと…

グループでの実習とかホントマジでなくなってくれないかな…
無理かな?
無理だよな…



「……比企谷さん、私たちと組まない…?」

現実逃避している俺の前に救いの手が差し伸べられた。
北山だ。
横には光井も引っ付いている。
どうでもいいけどこの二人いつも一緒にいるな…
幼馴染っていうのはそういうものなのだろうか?
俺にはいないからわからん…

「お、おう…けどいいのか?」

少し声につまりながら答える。

「???…なにが?」

Oh,北山のやつはホントに何もわかっていないようだ。
この時期(新学期の最初のうち)は新しい友達(笑)と友好関係(笑)やお互いのキャラ(笑)を形成する大事な時期だ。
そんなこと話考えていると北山の口から驚きにの一言が。

「私、比企谷さんのこと知りたい」

なんてことなさげに言う北山

「は!?」

「雫!?」

と、突然何言ってるんだ、こいつは!?
同じくほのかも目を剥いて驚く。
……ほのかさん、何であなたは顔が赤くなってるのでせうか。

「同じグループになればまた魔法をしっかり見ることができるだろうし…」

その一言を聞いて光井はうれしいような残念なような微妙な顔になる。
っていうかこういう顔できるやつってホント器用だよな…
百面相ってやつか…

「そ、そうよね、……ビックリした、雫ってそっち方面に疎いから本当に驚いたよ…」

最後のほうのセリフは、俺には聞こえたが北山には聞こえてないようだ。

「………………」

クールになれ,
kool…じゃあなかったcoolになるんだ…。
よし、落ち着いた。
こんなの中学の頃の罰ゲーム(もちろん俺が罰ゲームを受けたわけではない)で慣れてるはずなのに…
ガチの天然って怖い…
いや、キャラの天然も怖いけど、別の意味で…










………どうしてこうなった。
もう一度言う、
ド ウ シ テ コ ウ ナ ッ タ ! ! !

「比企谷さん、何でもいいから魔法撃ってみて…」

「でもいいんでしょうか?そんな簡単に人の魔法を見せてもらっても…」

「まぁほのか、実際気になるのはほのかも同じなのでしょう?」

………ホントしつこいようだけど、もう1回だけ言ってもいい?
え?ダメ?
現実受け入れろって?
現実が俺を受け入れてないのにどうやって受け入れろっていうんだよ…
よってそれは無理な相談だ。
どれくらい無理かというと牛乳に相談するレベル。
……実際にそんな奴いたら完全におかしい人なのだが。

「うん、じゃあほのかの許可も得たってことで…比企谷さんお願いね…?」

あ、あれ?俺の許可はいつ得たのだろうか?
っていうか本気で周りの目が痛い。
目に攻撃力があったら俺の体は穴だらけだろう。
いや、現状で胃に穴が開きそうなのだが…
わー存在が認識されるってイイナー
どうしてこんな状況になったのかというと…

ことの発展は多くの人に誘われていた司波のやつに北山が残り1人ということで声をかけたことから始まった。
なんと司波は先に誘っていた人たちを押しのけて北山の誘いにのったのであった。
おかげで俺は針のむしろです。
ちなみにグループ内でも「さっさと魔法使えや!」的な感じで針のむしろです。
はぁ家に帰りたい…
でも帰っても小町いない…(2度目

「はぁ…ったくしかた「司波さん!せっかくだし僕らの班と合同でやらない?」」

諦めて初歩的な魔法を使おうとすると、話をさえぎられてしまった。
俺の話をさえぎるというとあの女教師だと思うのだが、聞こえてきたのは男のそれだった。
岩手県の県庁所在地だった…
あ、字が違うか、あっちは盛岡、こっちは森岡か…
ってかこいつホント気づいてないのかよ…
司波のやつは思いっきりいやな顔してるじゃあねえか。
たぶん女子に毛嫌いされたこととかないんだな、だからわかんないのか。
なにそれ?爆発しろ!

「ねぇ比企谷さん早く~」

こんな時でも北山は平常運転だ。
ほのかは相変わらずあたふた。
司波は…
司波は…?
 
ゾ ク リ !

ナニアレコワイ
何で笑顔があんなに怖いの?
ここ最近の森岡の態度についに堪忍袋の緒が切れたのだろうか…
しかもなんであの笑顔を見て森岡たちは普通に会話できるの?
鈍感ってうらやましい…

「わかりました、幸いちょうど教師の皆様も今日は自由にしていいと言っていますし、対戦形式でしませんか?」

そう、今日は初めの授業ということで魔法を使おうがなにしようが自由な時間なのだ。

「うん、それでいいよ、形式は4対4でいいかな?」

「ええ、ですが怪我などさせてしまっては危険ですので、魔法を当たった人はその時点で負けということにしましょう」

悪魔で(誤字ではない)にこやかに会話をする司波…
この状況で司波の顔を見て恐怖しない人間は森岡と北山だけだ。
森岡と同じグループのやつも、光井だって軽く震えていた。

「じゃあ作戦会議をしますので開始は3分後でお願いしますね」

優雅に頭を下げ、光井、北山、俺を呼び寄せる司波。
ふぇぇ、怖いよ、小町助けて~
そして行われる作戦会議
司波の立てた作戦内容のほうもかなりえげつない方法であったが最後解散ぎわにはなった言葉はそれ以上に恐ろしかった…
恐ろしすぎて内容を忘れてしまうほどだ…。
俺は覚えてない、司波が

「これで昨日お兄様を貶した報復を合法的にすることができる……」

なんて言っていたことなんて…
これから起こるであろう悲劇に、加害者から被害者に向けて、合唱…














風の刃が迫る…
いや、直撃しても吹っ飛ぶだけなのだから空気の塊といったほうが正しいのかもしれない。
それを俺は魔法で自分の体の運動能力を上げて避けていく。
司波は同じように避け(こっちは魔法を使っていないため素の運動能力)、北山は空気の塊を作って相殺、光井は光の反射を利用して相手から見える自分の位置をずらしているようだ。

相手は4人とも同じ技を開始直後に放ってきた。
それは当たり前といえば当たり前のことである。
風系の魔法は基本的に術式の構築が早く、技の発生も早い。
だからこういうような初撃で決着するような戦いにおいて大きなアドバンテージなのだ。
そんな中われらが氷の女王(絶壁じゃあない)が提案した作戦はまず30秒間の徹底防戦だった。



---そして30秒が終わり、恐怖の時間が始まった---













「皆さん、行きますよ!」

さぁ、お兄様を馬鹿にした愚かな人たちには少し痛い目にあってモライマショウ…
1人がそれぞれ1人を相手にするということは事前にグループ内で決めていたため私の標的……相手である森崎君にのほうを向きCADを構える
使う技は先ほど彼らがが使っていたものと全く同じ魔法。
それをタブレット型のCADを操作して3連発で放つ、3発ともあたらずにそのまま後ろの壁を振動させた。
彼は安心したようだ。
私はまた3発連続で放つ、後ろの壁を振動させただけだった。
彼は少し余裕を取り戻したのか、自信に満ち溢れた顔になってそのまま風の塊を飛ばしてきた。
私はまた3連発、そのうち1発は彼の魔法と当ったが相殺どころか私の魔法を一瞬でも止めることはできていなかった。
相変わらず後ろの壁が揺れる。
彼は眼を剥いた。
何か言っているようだが私にはまったくもって興味のないことだった。
また3連発、壁が揺れる。
彼の顔はついに恐怖がにじみ始めていた。
3連発…壁が揺れる
3連発…壁が揺れる
3連発…壁が揺れる
サンレンパツ…カベガユレル…














こわ!?こわ!?コワッ!?
なにあの人ホント怖い…
もちろんこれは先ほどまで自分に向けて魔法を放っていた名前も知らないクラスメイトのことではない。
味方のはずの少女に俺は心底恐怖を抱いていた。
やめて!もう森何とか君のライフはゼロよ!
ちなみに30秒逃げ切った後の作戦は各個撃破だった。
仮に先に敵を倒したとしても絶対にほかの人の手助けはしない。
あと、絶対に負けられない。
司波のやつに「負けたらどうなるかわかってますよね?」なんて最高の笑顔で言われた日にはうれしすぎて体が震えてくるレベルだ(白目
そんなこんなで俺たち3人は遠目に司波の戦い(一方的な虐殺ともいう)を見ていた。
……もちろん勝ったよ?
俺だってまだ死にたくないもん。
授業は残り4分
森なんとかのやつはこの4分間をどれくらいの長さに感じてるのだろうか?
少なくとも司波は怒らせてはいけないことを心に刻み、気持ちを無にして前方の魔法戦を眺めつづけた。


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やはりどうして俺が巻き込まれるのかわからない

同日放課後、なんか毎日来ているような気がしたが今日も今日とて生徒会室に来ていた。

「じゃあはんぞー君と司波君、比企谷君でバトルロアイヤルね」

「「「はぁ?」」」

そして会長がそんなふざけたこと抜かしたのは生徒会室に来てから15分のことだ。
気持ちの整理を付けるためにここに来るちょっと前からその15分のことを振り返ってみよう。













「比企谷君、いる?」

本日最後の授業が終わった瞬間に教室の出口にはこの学校の学生の中で最高権力の持ち主が立っていた。
うぁ何で今日も来たんですか…
どうしよう、隠蔽魔法使って逃げようかな…
俺の隠蔽魔法使えばその魔法もついでに隠蔽されるし、もともと隠蔽スキルあるから最強の隠蔽になるんだが…
隠蔽隠蔽言いまくって自分でもよくわかんなくなってきた…
っていうか学内で俺が魔法を使ったらどうなるのだろうか?
学内は基本的に魔法の使用は禁止である…だけにかかわらず一般生徒のCAD携帯すら禁止されていたりするのだ。
俺みたいにCADが一般の物でなく、企業と専属契約で与えられたものに限っては情報漏洩の可能性がある場合その限りではないが…
結局その時でも学内で魔法を使ったら校則違反、学外で使うと法律違反になるのだが魔法を感知されない俺にはあまり関係ない。
でもまぁ、行くしかないか…
さっきから会長はずっとこっちの方見てるし…
さすがに魔法の痕跡が残らないからと言って目の前で消えたら魔法使ったとばれて、このままついていくよりも長い時間拘束されることになるだろう。

こうして生徒会室まで連行された。
相変わらず男子からの目は痛かった…












「比企谷、お前も来たのか…」

生徒会室に入ると、入り口近くで苦笑いしながら司波兄…

「お、おう…会長さんに呼ばれたんでな…」

「……ですから!」

奥の方では司波妹のほうが制服のラインの色から判断して男の先輩と言い合いもどきのことをしているようだ。

午後の授業の一件があったため司波妹に対する恐怖が若干あったりする。

「あの抗争の3割はお前の責任だぞ?比企谷…」

目線で俺が言い合いに注目していることが分かったのであろう、司波兄はそう言った。

「なぜだ…俺が何を,,,もしかしてお前の風紀委員の話か…?」

「あぁ…」

ドウモスイマセンデシタ…

「まぁ、俺帰っていいかな?関係ないし…」

「比企谷、お前ってなかなかひどいやつだよな…」

いや、だって関係ない人間がいて周りの邪魔をするなんてことできないし…
あ、そもそも俺の周りには基本的に人いませんでした(テヘ
うん、結局帰ろう!
そんな瞬間だった、例のセリフが聞こえてきたのは…
















あれ?結局なんで俺まで巻き込まれたのかわかんなくない?

「会長、俺までなんで戦わなきゃいけないんですか…?」

「あら、比企谷君私がここまで連れてきたのはそのためよ?あなたの実力が知りたかったからここまで連れてきたのだけど?」

小首かしげながらそういう会長…
あざとい、1発で看過できるようなあざとさだった。
まるで容器が簡単につぶせる水レベル…
自分で言っておいて何言ってるのかわからない…

だが隣にいた先輩には効果抜群であったようだ。
 
「か、会長の言うことであれば僕は従います、そこの2科生に実力の差を教えるいい機会ですから…」

うわー、この人ちょろいな~
っていうかこの先輩も司波のことしか眼中にないようだからやっぱりおれは帰りたい。
ちらっとスマフォで時間を確認すると小町が学校から帰ってくるには少し早い時間だった。

「一応聞きますが、俺がこの勝負を受けるメリットは?」

そう会長に問う。
会長はにんまり笑って、こういった。

「メリットはありませんよ?ですが受けなかったときにデメリットは生じますけどね?」

教師よりも権限のある生徒会長…
そんな人にこんなことを言われて逃げることができるほど、俺は先を見通せない人間ではなかった…








ってなわけで第3演習室に移動する俺たち、その間に司波兄妹がいちゃついていたが目視すると小町に今すぐ会いたくなってしまうため極力そっちの方向は見ないようにした。
第3演習室は縦長の構造をしておりかなりの大きさがある。
ちなみに先ほど魔法実技の時間4対4の戦闘(司波妹の虐殺とも言う)を繰り広げたのもこの第3演習場だったような気がする。


「あ、あれ?司波君はいつも複数のストレージを持っているのかしら?」

気になったのだろう、会長はそう司波に尋ねた。

「えぇ、汎用型を使いこなせるほど処理能力がないので…」

そう言う司波の口調は謙遜や萎縮したというものはなく、いつものように淡々と事実を言うようなものであった。
一方の副会長は司波のその言葉を鼻で笑い、自信満々の顔をしていた。

あ、なんかデジャビュ…
司波妹が何回か魔法を外した時に見せた森下と同じ顔をしていた。
どこかの誰かが勝負は始まる前に終わっている、的なことを言っていたが、もしそうなのだとしたらこの勝負で副会長が勝つことはないだろう…いや、知らんけど。

「では、ルールを説明する。」

そう、風紀委員委員長である渡辺先輩は切り出した。
どうやらこの試合の審判は彼女が引き受けるらしい。

「相手を死に至らしめる術式、並びに回復不能な障害を負わせる術式は禁止、直接攻撃は相手に捻挫以上のけがを与えない範囲であること、武器の使用は禁止、素手による攻撃は許可する、勝敗は自分で負けを認めるか、審判が続行不可能と判断した場合に決する。ルール違反は私が力ずくで処理するから覚悟しろ」

よし、言質は取れた。
渡辺先輩の試合説明をして心の中でガッツポーズをする俺。
ぶっちゃけこんなの適当にやって帰りたいところだが、だらだらやって小町の下校時間よりも遅くに帰ることになってしまっては大変だ。
わざと負けるなんてものは論外である。
導き出される答えは俺が速攻で倒すしかない。
……あぁめんどくさ…
だいたいそもそも何で魔法科の人間は戦うのがこんなに好きなのだろうか?
司波の実力が見たいのだったら実習期間でも設けて試してみればいいだろう。
そもそも俺が闘う意味が全く持ってわからなかったりする。
俺はただ何事もなく学校に通えたら…いや、できればそれもせずに家中に引きこもっていたい。

閑話休題

そんなことよりも冷静に考えたら司波に勝ち目などあるのだろうか?
魔法士の勝負といえば先に魔法を当てたほうが勝つ。
これは当たり前だ。
魔法を一度当ててしまえば相手は吹き飛ぶ、またはひるんだりする。
その間何もできない相手に対して攻撃したほうは次の魔法の準備に入ることができるのだ。
つまり一度攻撃当てれば滅多打ちなわけだ。
CADからの魔法発動では魔法力の高い一科生である俺や副会長のほうが圧倒的に高いはずである。
だからこそ心配こそすれ、負けるとは微塵も思っていないであろう司波妹の態度が分からなかった。
考えられる可能性として俺と同じBS魔法士であるか、魔法以外…それこそ地の肉体勝負に優れているかのどちらかだろう。
ここは安直に攻撃を仕掛けてはいけない。
俺の腐った目から収集した情報をもとに脳はそう判断を下した。


渡辺先輩は俺たち3人の顔を交互に見て右手を上げる。
その右手が振り下ろされたときこそ勝負の開始だろう。
だからこそ俺はこの時に・・・・魔法を発動させる。

そうしてついにその時が来た。

「はじめ!!!」

まず司波が動く、俺と副会長の間を目指すようにおおよそ一般人には出すことのできないスピードで移動した。
後者か!
その瞬間俺はそう思う。
というか軽く残像が見えたぞいま…
リアル残像拳なんて初めて見た…
もちろん俺はそのスピードを目でとらえることはできたが反応することなどできなかった。
副会長は眼を見開き、小刻みに震えていた。

「は??」

何が起こっていたのだろうか?
目でとらえた限りでは司波は高速移動中に俺と副会長に3発ずつ拳銃型のCADの引き金を引いていた。
つまり何らかの魔法を発動したはずだ。
俺が内緒で試合前から発動させたのは肉体強化魔法…厳密に言えばそうではないのだが効果的にはそれほど変わらない。
そのおかげで俺は副会長のようにシャブ中みたいな状態にならずにすんでいるのだろうか?
考えていても司波の使った魔法がどのようなものであるかわからないのでは答えは出なかった。

そのまま倒れた副会長を役員の人たちが道の隅にどけ、その間に司波が話しかけてきた。

「比企谷…お前は何かしたようだな」

「いや、俺でもなんでお前の攻撃防げてるのか分かんねーし…てかお前がなんの攻撃したのかもわかんねーよ」

冷静に俺のほうに向き合ってくる司波。

「魔法展開するよりも早く撃ったはずなんだが…って比企谷お前もしかして…」

俺が事前に魔法を展開していたことに気が付いたようだ。
だがそんなときのために先ほど言質をとっておいたのだ。

「何のことだけ?でも渡辺先輩は言っていたよな『ルール違反は私が(・・)力ずくで処理するから覚悟しろ』って」

ばれなきゃ犯罪ではない、これもどっかの誰かが言っていたセリフである。

「お前は悪いやつだな…」

ほっとけ!
そう言いながら片手でvi〇a型CADのボタンを操作する。
使うのは自己加速術式。
ちろっと時計を見るとタイムリミットまではだいたい5分といったところだった。


ん?
……5分???

ってやばい!?

「じゃあ比企谷、お前の「スイマセン!渡辺先輩、俺はサレンダーします!!ホント時間ないのでこれで失礼します」っておい!?」

司波のやつがなんか言っていたようだがそんなもんは無視。
これだけは譲れない一線なのだ。
俺の1日の中で最も重要な役割なのだから。
使用した自己加速術式をそのままに俺は急いで演習室から飛び出す。
念のため走りながら光学迷彩の術式も展開。
途中でサレンダーして逃げたのだ、なんといわれても仕方ないが会長の言っていたデメリットの件に関してはどうにかなってほしいと願い、そのまま魔法科高校の敷地から飛び出した。
小町の通っている中学校を目指して。





はい、ここまでが前回までのラブらいb、、、
嘘です、殴らないでぇー!
見捨てないでくれていた人のために全力で頑張っていきます!


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やはり俺と妹のコミュ力差は果てしない

言いたいことはあらすじの下のほうに書きました。
お怒りは感想欄ではなく、直接メッセお願いします;つД`)グスン


題名見て思ったこと
「コミュ力たったの3か…ボッチめ…」


魔法科高校から車で20分、走って15分のところにその中学はあった。
いや?間違ってるわけじゃあないよ?
自己加速して道を無視して家の屋根走っていけば車なんかより早いのは当たり前だよね!

時間は4時10分、
妹との約束の時間は4時であるため10分ほどオーバーしている形になる。
全てはあの生徒会長のせいである。
っう、、、
いやなことを思い出した。
デメリットって何なんだろうなぁ、
グッバイ平穏な学園ライフ…(ただしボッチ)


なーんて生徒会長のことを考えていても現状は変わったりなどせず、、、
さていい加減こっちを直視しないといけないだろう。
学校生活に何かしらのデメリットが生じたとしてそれは明日以降の話だ。
今は目先の問題を解決しなくては…。




「……んで、ごみいちゃん、何か言い訳とかあるかな?あるんだったらちゃんと聞いてあげるよ??」


ちゃんとこちらの言い分を聞いてくれる一見優しげに見える妹からのこの問いも言葉通りに受け取ってはいけない。
なぜかというと語尾に「今の小町的に(ry)という言葉が付いていないからだ。
普段だったら「これさえなけりゃなぁ」と思ったりするのだがこの状況でないと本気で怒っているということがありありと伝わってきてしまう。
だがこうして黙っているわけにもいかず、言い分を話す決意を固める。

「せ、せい、生徒会に呼び出されていました……」

おい、妹相手にいきなりどもってんじゃねーか!
さっき固めた決意どこ行ったんだよ!

「ふーん、かわいい妹待たせて生徒会に顔を出していたんだね?」

「ひ、ひゃい」

「まぁごみいちゃんが高校生活をちゃんと過ごしてるって証拠なのかな?…今回だけは許してあげましょう!」

「ありがたき幸せ!」

高校生活をちゃんと過ごしているなんて口が裂けても言えないが、否定しても新たな火種を作ってしまうだけなのでスルーする。

「その代り、病院が終わったらパフェお兄ちゃんのおごりね!」

兄である俺にはできないまぶしい笑顔で小町はそう言った。
とりあえず野口さん1人で妹の機嫌が直り笑顔が見れるのだったらよかったと思うことにした比企谷八幡15歳の春だった。










小町は足にちょっとした障害を持っている。
歩いたりする分には全く問題がないのだが、走ったり、長時間立ちっぱなしということができない。
これは先天的のものではなくとある事故によって患ってしまった後天的なものだ。
小町が小学校4年生の時つまり4年前、いつものように二人で下校をしているときの話だ。
真っ黒のいかにも高そうな車が俺たちの前に止まった。
幼かった俺たちはその車に興味津々で見とれていただけだった。
そう、なかの人間が下りてくるまでは、、、
その10秒後車の中にいたんだ。
訳が分かんないだろ?
その時もそう思い呆然としていると聞きなれた声が聞こえたんだ。
聞きなれてはいたけどあまり聞きたくない声だった。
小町の泣き声だ。
状況判断もできてない俺がとにかく頭に思い浮かんだのは「泣き止ませなきゃ」だった。
しかし声をかけようとした瞬間にその声は音によってかき消された。
乗っていた大人が泣いている小町を殴ったのだ。
「これだから餓鬼は嫌いなんだ」そう言いながら。
相変わらず状況を理解できないままだったがその時おれが思ったことだけは確かに覚えている。
「許せない」……と…







「うん、やっぱり特に変化はないね。走ったりしない限り日常生活に支障をきたすこともないでしょう!」

かかりつけ医からそう言われて、軽く会釈する俺を小町。
医者も小町も明るくなっているがどうしても俺は暗くなってしまう。
「変化がない」
今まで通り生活が送れるということでは確かにあるのだが、良くはなっていないということだ。
小町が歩けるようになった時にこれ以上良くなることはないと言われてはいるが、どうしても胸にあるつっかえのようなものを取り除くことができなかった。
そして診断を終え病院を出た時、それに気づいたのか小町は声をかけてきた。

「お兄ちゃん??どったの?」

しかし無駄な心配をこれ以上かけたくない。

「いや、なんでもない、さてさっさと約束のサイゼに行くか」

「サイゼは決定なんだね…小町も好きだからいいけどほかの人と行くときは絶対だめだよ?」

「安心しろ小町!」

「お、ついにごみいちゃんにも常識ってものが付いt「小町以外に一緒に行くやつなんていないしいらない!」……うん、わかってたよ、やっぱりごみいちゃんだって…」

あれ?おかしいな今の普通に八幡的にポイント高い発言だったんだが…

やはり思春期女子の考えはたとえ実の兄であろうと分からなかった。














ありのままあったことを話します!
雫とお茶してたら入り口から見知った顔が!
思わず声をかけようとしたけど隣にかわいい女の子がいるではないですか!
なに?デート??デートなの???
私が何を言ってるかわからない人は落ち着いてもう一度私の言った言葉を思い出してください。
私は落ち着くことなんてできません!!!

「ほのか?どうしたの、急にせき込んで、、、口から少し紅茶飛んだよ?」

「あ、ごめん…って雫!それどころじゃないんだって!あれ!入り口!」

雫にもこの驚きを共有してもらおうと指をさしながらそちら側への注意を促します。
……これが失敗だったのです。

「入口?ってあ、奇遇だね、比企谷さ――ん」

と、比企谷さんを発見して手を振りながら声をかける雫。
って何言ってるの雫ったら!ここは声をかけずに後日根掘り葉掘り聞k……情報収集するって流れ!
いや、雫だったら仕方ないか…
私はそんな理由で納得できてしまう自分が情けなかったです。
その声に反応したのか比企谷さんのほうに顔を向けると汗をかいてるように見えました。
今日は熱くないので冷や汗に違いありません。

「ねぇあっちでだ「知らない、俺は知らない」」

 ブンブンと大きく顔を振る比企谷さん。
しかし空気を読まないことで定評のある雫が止まるとは思いません。

「比企谷さん?」

「でも明らかにこっち見て「別の比企谷さんだろきっと」……小町達以外に比企谷なんて苗字聞いたことないんだけど、、、」

「比企谷さーん?」

「もう目の前に来てお兄ちゃんのこと呼んで「あぁ!もうわかったよ、なんか用か北山!」」

時々雫のこういうところが怖くなります …
当の本人は気づいてもらった満足感からかドヤ顔(ほとんど顔は変わっていないが)してるし、比企谷さんは苦い顔だし、女の子のほうは目を輝かせてるし…
果たして私はどうするのが正解なのでしょうか…?














さて、今俺はサイゼリアの4人席に腰かけている。
こちら側にはマイスイートシスター小町ちゃんが、向かい側には北山を光井がいたり(現実)、いなかったり(願望)する。

「いやぁ、まさかごみいちゃんにこんなかわいいお友達がいるなんて小町知らなかったよ!」

「か、かわいいなんて、そ、そんな…」

「ううん、確かにほのかはかわいいよ」

「いえいえ、雫さんだってかなりかわいいじゃあないですか!」

「うん、雫ってばスレンダーだし、顔も整ってるし…」

か、帰りてぇ…
なんなんだよこのTHEガールズトークは…
可愛いがインフレーションおこしてるんじゃあねえの?ってくらい連発されてるけど…3人とも本当に見てくれはいいから周りからの目が痛いし…

「ごみ…お兄ちゃんもそう思うよね!」

ここでのキラーパスはやめてぇぇぇぇぇぇ!
いっそごみいちゃんを言い直さなくてもよかったからここで話題ふるのだけは勘弁してほしかった…
ここは秘儀!聞いてないふりを使うしかないな…
36手逃げるにしかず!

「へ?なんの話d「そう言うのいいから…」」

っぐ、さすが小町…
俺の裏を読んでくるとは…
八幡こまっちゃう(小町だけに)

「なんか寒気がしたんだけど…?」

「はっはっは、気のせいじゃあないかな?小町?」

「まぁいっか、良くないけど…んでどう思うのごみいちゃん?」

こんどはもうごみいちゃんって言いきっちゃうんですね・・・。

「え、えっと」

「うんうん」


目を輝かせてる妹、横目でちらちらとみてる光井、こちらをじーっと覗く北山の3者3様の視線を前になすすべなく、そして今まで女子に注視されたことなどない俺は焦りながらこう答えたのだった。












「うちの妹が一番かわいい!」

と…

黒歴史入りが決定した瞬間だった。



さぁ懐かしの投稿にもかかわらずしょっぱなからシリアス&キャラ崩壊満載でお届けしました。

いろいろとスイマセンデシタ(´・ω・`)

また見てくれると嬉しかったりします。

ではではまた次回!

誤字脱字感想評価お待ちしてま~


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やはり魔法科高校の部活も間違っている

どぞどぞ~
第14話


部活勧誘
普通の高校であれば体育館なり講堂なりでそれぞれの部員たちがふざけた劇などをして俺たちリア充ですよアピールをするだけであり(一部はまじめに演武などをしているが)、ボッチの俺には無関係な行事である。

さて、ここで俺、比企谷八幡の通ってる学校はどこだろうという質問を自分に投げかけてみた。

A、国立魔法大学付属第一高校

なにが言いたいかというとここは残念なことに普通の高校なんて生易しいものではないということだ。

授業が終わり、さっさと小町を迎えに行こうとしたら外は人の群れ…歩行者天国も真っ青である。
いや、外が騒がしいからもしかしたらって気はしてたんですよ?
だがこれはさすがにやりすぎだ。
ボッチは人ごみにいるだけでダメージを受けるのだからオーバーキル…
やめて!八幡のライフはもうゼロよ!

「多すぎだろ…そもそもこの学園ってこんなに人いたのかよ…」
魔法科高校の全校生徒数は600人、だがうち200人は1年であり、2、3年にも部活に参加していない人間もいるため実際はそこまでの人数がいるわけではないのだろうが、玄関から校門に続く狭い空間にいるのだから多いと感じてしまうのも無理ないのかもしれない。
見る限り一科生二科生関係なくすべての人間に勧誘者が声をかけている。
ここで真正面から帰るのは全く持って愚策、だから俺は誰にも見られていないことを確認して光学迷彩の魔法を発動した。
魔法式は顕現せず、魔力も乱れず、何事もなかったかのように、いやもともと何もいなかったように姿が消えるという事象だけが発動。

こういう時、ホント便利だよな…誰にも気づかれずにさっそうと帰ることができる。実にクールだ


どうやって新入生を勧誘しようか円陣を組みながら話している部活の横を通り抜け校門まであと半分となったところでその出来事が起こってしまった。
1年の団体が玄関から出てきたのだ。
俺は教室からすぐに出たはずなのだが、この惨状を目の当たりにしたり、魔法を発動したりしていたため結局追いつかれてしまったのだろう。
団体が下校をする、それだけならまだ「っけ、リア充が」と心の中で一言ごちるだけで済んだのだがこの状況ということも組み合わさって起こってはいけない化学反応が起こってしまった。
新入生(しかも団体)+部活勧誘=……

「うおォォォォォッォォッォ!!!!」

結果、新入生に殺到した上級生の波にのまれる…

ちょ、ま、痛い!
見えてないから逆に遠慮されないでさっきから肘やらが入りまくってるんだけど!
っていうかラブコメの神様おかしいだろ、何で少し離れたところには女性の集団がいるのに、こっちには「自分、ラグビー部です」ってアピールしてるかのような体形ばっかいんだよ!

こうして俺はもみくちゃにされながら、結局半分まで進んだ道を振り出しに戻されてしまった。

魔法を解いて自分の姿を確認してみるとまさにひどいありさまだった。

「おいおい、服もどろだらけだし、なんか所かかすり傷あるし…」

あと全身痛いし…
光学迷彩をもう使い1度使い抜けようかと思ったのだが、見えない分事故的に先ほどのようなことが起こる確率は決して低くない。

明らか様に「声かけるなよオーラ」を出して乗り切れないかな、
無理かな?無理だな…

「あれ、比企谷さん、帰ったんじゃあなかったの?」

声のほうを見るといたのは例の二人組。
ホントこいつらいつも一緒にいるな。

「ひ、ひどいけがですね…」

そりゃ全身ズタボロの人間がひどい怪我じゃあなかったらどうなってしまうかわかんないからな。

「あぁ、大したことじゃないんだが光学迷彩使って帰ろうとしたら部活勧誘の波にのまれてもみくちゃになった」

大したことないといったな?
あれは嘘だ。
かなり大したことだ。
全身が痛くて泣きそう。

「わお…見えない状態じゃあ事故的に殴られちゃったりしても仕方ないね」

「確かにそうだが、肘が何度も入るのってさすがにおかしくねーか?おかげでまだ鳩尾が痛いんだが…」

その肘を入れたのがあのラグビー部(かどうか正確にはわからないが)集団なのだからなおたちが悪い。

「まぁ約束を破って先帰ろうとした罰じゃない?」

「は?約束??」

今日は約束をした覚えも、この前のように無理矢理一方的に押し付けられたような記憶もない。

「あれ、もしかして聞いてないんですか?」

「聞くも、聞いてないも、そもそも俺は誰かと何か約束した記憶はない」

「小町さんとちゃんと約束したのに、、、言い忘れちゃったのかなぁ」

おい、妹よ。
勝手に約束(自分のことでない)しておいてしかもそれを本人に伝えないとはどういうことだろうか。
お兄ちゃん小町の将来が心配ですよ…

と、その時携帯がバイブレーションを起こした。
つまりメールの着信をしたのだ。
メールが来るということはアマゾン、妹、親の3択である。

『From』小町という画面を見て、いやな予感に襲われた。
まさかこのタイミングで約束のことに触れたりはしないよな…?




『ごみいちゃんへ

小町、今日の放課後はお兄ちゃんをほのかさんたちに貸し出す約束してたの忘れてた~(テヘ
まぁそう言うわけだから今日は友達と帰宅するであります!
小町のことは気にしないで楽しんできてね~

わかってると思うけど途中で逃げたり、そもそも行けなかったりすると………

PS 1人くらいお持ちk





その先は字がかすんでいて見えなかった。
メールなんだから霞まないとかそんなの知らん、見えなかったったら見えなかった。

というか、メール全文見えないまである。
貸し出すとか俺の扱いひでぇ…
あと、逃げたりいかなかったりの後何もないのが怖い…
あと怖い…

「今メールが来た…俺を貸し出すんだってよ…」

自分で言ってて悲しくなる。

「か、貸し出すってそれまるで…」

「まぁ兄の扱いじゃあないよね?」

グハ!?
雫の「毒吐き」
こうかはばつぐんだ!

小町が妹じゃあないなら俺はなにを希望に生きていけばいいんだ…
いや、待てよ妹じゃあなかったら合法的に告白ができる!
想像が広がるぞ、
告白してふられるところまで想像できる。
振られちゃうのかよ…

「比企谷さん、目がそろそろ危ない…」

「た、確かに怖いですよ…」

どうやら俺の目は思考と深くリンクを果たしているようだ。

「そんなに心配されるレベルでやばいのか…」

「まぁ初対面で普通の人だったらさっきまでは距離を置くレベル、今のは通報レベルだね」

初対面なのに通報しちゃうのかよ…
それなら俺じゃあなくて相手に問題があるレベルだろ…
レベルレベル言いすぎてゲシュタルト崩壊が起こるレベルまである。

「はぁ、でもまぁ、俺は何をすればいいんですかね…?」

「部活見学に付き合ってくれるって小町さんが言ってましたが…」

「マジかよ…」

ということはこの人がごみのように群がっている、通称人ごみの中を見て回るってことだよな…
うわ、あそこなんて10人くらいで1人の人間に群がってるし…
ってあれ?

「あれって…」

「うん、エリカちゃんだよね」

しっかりと顔は見えなかったがそこには赤髪の2科生が確かにいた。

「なぁやっぱり帰ろうぜ…」

あの惨状を目の当たりにして思わず提案する。
さすがに自分があの状態になるのは嫌なのであろう言い澱む2人。
この反応ならもしかしたら帰れるかも…
そう考えた矢先にその出来事は起こった。

「新入部員確保―「へ?」「!?」――!!!」

なんと二人が誘拐されましたまる

……は!?
おいおい、どういう状況だこれ…

「こら!まて、そこのOG!」

風紀委員長の渡辺先輩が高速で目の前を通り過ぎる。
OGってことはこれの部活勧誘の関係か、そう言えば部員確保とか言ってたしな、
これ俺帰っても仕方ないよね?
事件が発生したんだから。

しかしここであることを思い出した。
妹からのメールの1文である。


途中で逃げたり、そもそも行かなかったりしたら………


……いやいやいや、これは仕方なくね!?だって事件発生だし、すごい人ゴミだし、俺ボッチだし、

と、そんなことがマイリトルシスターに通用するわけもなく…





しなければいけないことが決まった瞬間であった。






はい、こんな感じで第14話でした~

毎回、話を区切るタイミングがわからず変なところで区切れてしまう…(´・ω・`)


誤字脱字感想評価意見お待ちしてます~(*´ω`)スヤァ

ではではノシ


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やはり魔法科の部活勧誘は普通には終わらない

レポートに追われやっと投稿!
感想くれた人感謝です~

ちなみに自分は魔法科高校の優等生(スピンオフ)を見てないのでバイアスロンとかのことはだいぶ適当だったりします…
何か変なところあったら教えてください~



ではどうぞ~



さて、北山たちを追うことは決定したのだが、すでにその姿は見えず、もちろん連れ去ったOG(仮)もそれを追っていた渡辺先輩の姿も見つけることはできない。

「あれ、比企谷君?」

………だからといってむやみやたらと探すのでは時間の無駄だし、何より眼前は人の群れがあるのだ。
正直言ってやってられない。
小町からのメール見なかったと言ってそのまま帰るのが最適解のような気がするがメールを確認しているところを北山と光井達に見られているからそれも不可能だ。

「考え事してて聞こえなかったのかしら…比企谷君!」

………だとしたらOG(仮)の二人がどこに行った、またはどこに行くのかを想像したほうが早い。
部活勧誘期間中の誘拐なのだから、もちろん自分の所属している(していた)部活に連れていくのが普通だろう。
問題は彼女たちが何部か、ということだ。

「比企谷君!無視はさすがに「会長」……て、へ?やっぱり気づいてるんじゃあない!」

たまたま(・・・・)近くに我が魔法科高校の生徒会長がいたため質問をぶつけてみる。

「そんなことよりも、魔法とボードを使った部活動ってこの学校にありますか?」

先ほど拉致られたときにちらっと見えたボード、さらに速度から考えて魔法も使われていることが明白であったためそこに焦点を当てて情報を集める。

「そんなことって…魔法とボードね、えーっとその2つを使う部活動だとバイアスロン部だけじゃあないかしら?」

バイアスロン部…聞いたことがない。
元々部活に入るつもりもなかったため、部活動なんてのは一般高校にあるようなものしか知らなかったりする。
関係ないがよく創作とかで見る部室でワイワイしたり恋愛ものに発展するような部活って現実にはないよな…
あと無駄な正義感持った風紀委員とか、一教師よりも権力のある生徒会長だったり、圧倒的な馬鹿と天才が同じクラスにいたり…
アレ?この高校後半の3つ全部当てはまるぞ…?
無駄に正義感持った風紀委員→渡辺先輩
一教師よりも権力のある生徒会長→目の前の人
圧倒的な馬鹿と天才→実技優先だから学力はそんな重視されていない

やはり魔法科高校は普通の高校ではなかったです…

そんなことを考えながら授業などで利用する携帯端末でバイアスロン部なるものを調べ、勧誘ブースの場所と部室の場所、活動場所などを確認していき、移動するために加速魔法の発動準備をした。

「ありがとうございます、では…」

最後に情報をくれた会長にお礼を言ってその場をあとにする。
幸いなことにブースを除く場所は正門方面でないため、この人ゴミを通ることなく移動ができる。

「え、ちょっと!比企谷君!」

呼び止めてるようだが俺には何も聞こえなかった。
聞こえないったら聞こえない。
考え事をしていたため、最初の呼びかけだって全く耳に入っていなかったのだ。
うん仕方ない。
決してまた面倒事に巻き込まれたりするのがいやだったりしたわけじゃあなかった。

ホントダヨ?ハチマンウソツカナイ。

















活動場所に行ってみたが人は1人もおらず仕方がないため部室のほうに向かう。
正直ブースのほうが連れていかれた可能性としては高いのかもしれないが、いかんせん行くまでに苦労がありいなかった時の心理的ショックが大きい。
大きすぎて、そのまま帰宅して小町に口をきいてもらえず声帯が退化するまである。
…退化しちゃうのかよ。

「お…、だ……み…だって………だ………!」

声帯は退化したところで聴覚が衰えることはない。
…いや、まだ声帯退化してないけどね?
まぁなにはともあれこの学校内に何個もある体育館の一つに近づいたらそんな声が聞こえてきたのだ。
言葉としてはなんと言っているのか聞き取れないが、発言者が激高していることだけはわかった。
面倒事に自分から首を突っ込むような奇特な趣味は持ち合わせていないし、巻き込まれるような主人公体質でもないのだが何か騒ぎが起きたら見物をしてみたくなるのが哀しいかな人間としてのサガである。
だから俺は校舎1階の渡り廊下と体育館をつなぐ入り口から顔を出し中の様子をうかがった。

……まさか人が飛んでくるなんて思いもせずに…

「って、どういう状況だよおい…」

思わずひとりごちながら半身になって飛んできた人を避ける。
ひとりごちたということから分かるように小さくこぼしただけなのだが、そこには目ざとく(耳ざとく?)聞いていたのかこちらに目を向ける人物がいた。

「なんだ比企谷、手出しはいらないぞ?」

「………は…?」

元々手出しをするつもりなんぞ当たり前ながらなかった。
が、それに大きな反応を示したのは俺ではなかった。

「お前もあいつの仲間か何かか…」

後ろには先ほど吹き飛ばされた剣道着を着た先輩らしき人。

「い、いえただの通りしゅ…す、すがりです。」

「その言葉を信じるとでも思っているのか…?隙を見て拘束するつもりだろ!」

いやいや、何でおれが拘束しなきゃなんねえんだよ!
この騒ぎなんだからもうすぐ風紀委員が来て対処するだろうし、どうせこの先輩だって逃げられないんだから俺が拘束する意味も理由もやる気もない。

「おら、くらえ!………ってあれ…おい、どうして魔法が発動しないんだよ!」

とりあえず森…森田にやったように魔法の塊をぶつけ魔法をキャンセルさせる。

「いや、ほんとに自分風紀委員でもなければ正義感ある人間でもないんで、拘束なんてしませんよ…?」

そしてこのまま帰ろうとするのだが、わざとなのだろうその場にいる人間全員に聞こえるように大勢の野郎をさばき続けている司波の声がした。

「さすが比企谷だな、さっそく一人魔法を無力化か…」

……おい、司波俺になんか恨みでもあんのか…

あ、そう言えば風紀委員に入ることになったのは俺のせいだったりしましたね。
八幡困っちゃう…

はぁ小町に会いたい…

「やっぱりてめぇ、敵じゃねーか!」

竹刀を振りかぶり接近。
とりあえず肉体強化。
魔法の不正使用は原則禁止であるが正当防衛であるなら別に問題などはなかった。
まぁどっちにしろばれなきゃ犯罪ではないのだが…
魔法を発動させたがもちろん相手にする気はない。

「で、では失礼し、します!」

そして強化した脚力によってただ逃げるのだった。

36計逃げるにしかず!

その時司波の顔が笑っているように見えたのは気のせいではない気がした。























「私たちバイアスロン部に入る」

追いかけてくる先輩たちをどうにかいなして部室に向かい北山たちを見つけた俺が聞いた第一声はそんな言葉だった。

「何お前ら?拉致られた部活に入るの?自分の意思で???」

「うん、面白そうだから…」

面白そうって…
確かに急に新入生を拉致するような部活は頭おかしい(面白い)だろうが…
光井のほうに顔を向けると気まずそうに苦笑をしていた。
なるほど、お前も入ろうとしてるわけね…

先輩方はOG(仮)と違い常識があるのか気まずそうに、申し訳なさそうにしているのだが拉致られた人(主に北山)は心なしか楽しそうにこちらを見ている。

「比企谷さんもどう?」

「パス」

放課後に学校に残って何かをするなんて俺にはできないし、できたとしてもやりたくはない。

「わぉ、即答だぁ」

「そう言えば今日も一目散に学校を出ようとしてましたが放課後残れない用事でもあるんですか?」

だとしたら放課後つき合わせて申し訳ないといった顔で光井は尋ねる。

「ん?あ、あぁ小町のことでちょっとな…」

「シスコンだね」

千葉の兄妹なら当たり前のことなのでスルーする。

「なるほどね、そこの男の子がシスコンっていうこととあなたたちが仲がいいってことはわかったけど………本当に二人は部活に入ってくれるのかしら?」

先輩のうち1人が尋ねる。
ちなみに俺たちは仲良くない、、、仲がいいのはこの二人と約束をした小町であって俺はおおむねボディーガードであり特異な魔法が使える観察対象でしかない。
中学時代で「あれ?俺のこと好きなんじゃねぇの?」っていう幻想は捨てた。
入学式後は気のゆるみが出たが…

「はい、ごめいわくでなければ…」

先輩だからだろう光井がかなり下手に出て質問に応じる。
…いや光井の場合初めての人には同級生にでもへりくだってそうだな…
俺の時は急に話しかけてきたが。
俺を上に見ることができなかったからなのだろうか…解せぬ

「迷惑なんてとんでもない!これから時間があるならいろいろ話したりするけどどう…?」

「え、えっと…」

「うん…」

二人とも俺のほうを気まずそうに見る。
話を聞きたい気持ちはあるのだが、邪魔者()がいるため困っているということだろう。

「あー俺は見たいテレビがあるから先帰るな、あ、お、お疲れ…さん」

「あ、ありがとうございます」

「…また明日」

そう言って二人と別れた。
こういうあいさつは中学時代にはほとんどしたことがなかったので慣れないがそれでも無言で帰るほど俺の神経は図太くないのだ。








放課後がこんなに長いものだと知らなかった。
リア充たちはこんな長い時間部活とやらで肉体をいじめているのか…
俺はボッチでいいや、ボッチがいいや…

とりあえず勝手に約束をして忘れていた妹に対して言う文句を考えながら空きだしている校門をくぐっただった。









いやーまさかお兄様が感情あるかのようなふるまいをするなんて…
不思議ですね(小並感

……ま、まぁ原作でも悪乗りしたりするときもあるんで大目に見てください…





感想評価誤字だ(テンプレのためry



特に感想お待ちしてますよー!




次回、個人視点による夜の様子

真由美、達也&深雪、八幡&小町 北山



(まだ1文字も書いていないため思いっきり予定ですまる


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彼ら彼女らの部活勧誘の夜は長い

なんかタイトルがネタ切れ気味に…


4月○○日

今日からまた騒がしい1週間が始まった。
私たちの学園に活気があるのはいいことなのだがやはり部活勧誘でこのばか騒ぎは行き過ぎだと思う。
問題の対処をするこっちの身にもなってほしい。
まぁ起こる問題は基本的に風紀委員と部活連、あとこういう時に使え……頼りになるはんぞーくんがいるから私は事情を聴くだけなのだけど…

そんなことよりも比企谷君だ。
大した問題もなく暇になってうろついていると何か考え事をしている彼を見つけ、話しかけたのだが反応がなく、今度は急に話しかけてきて、そのままどこかに行ってしまった。
問題なのは私が話しかけたのに気付かなかった、のではなく(おそらくなのだが)気づいて無視していたという点だ。
殿方に無視されるのは初めての体験であったがこんな初めては体験したくはなかった。
………私彼に嫌われること何かしたのかしら?
自分に問いかけてみましたがやはり答えはわかりませんでした…







「うーん…」

今日の日記を書いていたのだが、ここで筆が止まってしまった。
少し考えてみたくなったのだ。
どうして彼が今日わたしを無視したのかを…

「今までにあった彼との出来事を思い出してみましょう…」

まず入学式の日

お昼休み中にうろうろしてた彼を見つけ忠告をするために生徒会室に呼ぶ。
その時入学式に私がしたスピーチの内容を…そもそも私を覚えていないことが判明。
あーちゃんのキャラ崩壊
若干引いてる比企谷君…
サイオン量が多いため狙われたりしないように注意したところ目に見えてめんどくさそうな顔もしていたわね…

その日の夜のことは全く持って記憶にない。
無いったら無い。

日記には一言「Mじゃあない」と書かれていた、なんて事実は存在しないのだから。

しばらくたって一年の一科生と二科生が校門で対立をしていて問題になった時も特に彼に嫌われるようなことはしてないと思うけど…

じゃあ最近の生徒会&風紀委員勧誘の時かしら?

「あの時は確かはんぞーくんと司波君、比企谷君の3人で戦ったのよね…」

結局比企谷君は用事があったのか、かなり急いだ様子で走って行ってしまったけど…
あ、そう言えば途中で逃げたのだから言っていたペナルティーを考えなきゃ。
放課後は残れないみたいなことを言ってたから朝、または昼に生徒会の手助けをさせるのがいいかしら?
でもそれだと単純でつまらないし、彼の魔法について一度徹底的に研究させてもらうっていうのもありね。
っと、考えが逸れてしまっているわ、
今は何で比企谷君が私を無視したのかをかんが…かんが、え・・え…?

「もしかして、これ…?」

ここで私は気が付いた、気が付いてしまった。

もしかして比企谷君はあの時言ったペナルティーが恐ろしくて私と会話をしないことでその内容を聞かないようにふるまっていたのかしら…
彼は私がどんな命令をすると考えているのだろうか…?



強大な権力を持った生徒会長。
目の前で(一方的なものではあるが)約束破り。
お互いの性格を知るほど付き合ってもいない。



…あれ、もしかして本格的に正解なのではないかと思えてきた。
もしそうならば今日の比企谷君はずっとおびえていて、私が無視をされても話しかけ続けた時にこれ以上無視するのはまずいと思い急に部活動の話を振って逃げたということ…?
だとしたら今もおびえているのかもしれないわね…

「私ったら、なんてことを…」

顔面が青くなっているのを実感する。
よく考えたら個人的なことに生徒会の名を使ってペナルティーを課すなんて思いっきり権力の乱用ではないか…
とりあえず彼に真偽を確かめるため携帯を開く。

だけど私は重要なことを忘れていたのだ。

「彼の連絡先…」

そう、連絡先の交換など一切していなかった。
時刻は深夜1時となっており彼の連絡先を知っているあーちゃんは2時間ほど前に寝ているだろう。

私はどうしようもない絶望感のまま書き途中の日記に頭を乗せてうなだれるのであった…。


ホント、どうしましょう…



















「お兄様、今日は大手柄だったそうじゃあないですか!」

いつもは一緒に帰っているのだが、部活勧誘期間中はさすがに生徒会と風紀委員で帰る時間が違う。
家に着くと挨拶もそこそこ深雪がそんなことを言ってきた。

「いや、ただ職務を全うしただけだよ。それよりも深雪だって生徒会の仕事で疲れたんじゃないかい?」

「いえ、私はまだ新米ということで会長と一緒に回ってましたから、そんなに大変ではありません。…そうそう、会長といえば」

思い出したかのように少し気まずそうな顔をする深雪。
何か心配事でもあるのだろうか…

「見回りをしているときにですね、比企谷君を見つけたのですが、なんと比企谷君は七草会長を…その…シカト…というか無視というか…を」

「なんだ、そんなことか…」

「そんなことなんてひどいですよ、お兄様。七草会長は彼が去ってから5秒くらいフリーズしていたのですから!」

まるで自分の魔法が暴発したのではないかと不安になったといったように焦った顔をする深雪。

「いいかい深雪、比企谷八幡はめんどくさいことからとことん逃げる傾向にあるんだ。学校の休み時間は寝て、行事は基本風邪をひき、休日は家から出ない。そう言うやつだ」

「あ…あの、なんでお兄様がそんなことを…は!?まさかお兄様、ダメですよそんなの!!」

「何を想像してるかわからないし、わかりたくもないけどそれはない。こないだ調べた時にいろいろ出てきてね」

通信簿のデータとか学校の裏掲示板とか…とは言えないが…

「まぁだから、魔法科高校の生徒会長、それも十師族の娘に積極的にかかわろうともしないんだよ、ただでさえいろいろ面倒事が多い部活勧誘期間なんだから」

「そうですか、まぁそれならよかったです?」

「疑問形なのは気になるけど、気にしないのが一番だ」

自分が比企谷を面倒事に巻き込んだのはやっぱり深雪に後ろめたいのか、そのことに全く触れずにその会話を終わらせたのだった。

















「…………………………」

「ちょ!お兄ちゃん!!帰ってきて無言で3回も小町のチャーミングな頭を叩くなんて何事!?ディーブイディーだ!これ保険の授業でやった!ディーブイディーだ!」

「ふぅよかった・・・」

「何がよかったの!お兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!」

「いや、そもそもお前に育てられた覚えないし…いやなに、頭をチョップしてもこれ以上馬鹿になることはないんだと再確認できたからな」

「それってどういう意味!」

うがーといい両手を上にあげる我が妹。

「お前今日のメールの件忘れてただろ…」

「あ…」

「そもそも俺を勝手に貸す約束してそれを忘れるって…お兄ちゃん本気で小町の将来が心配だぞ?」

「うわぁ~ここで自分が物扱いされて怒るんじゃあなくて、小町の心配って…小町的にポイント高いけど…ちょっと引くね」

「おい!引いちゃうのかよ!そこはポイント高いまででいいだろ…」

「まぁその件に関してはごめんなさい」

こういうところでしっかりと謝るのだから怒るに怒れずに困る。
まぁ本気で怒っていたわけではないからいいが…

「………今回だけだからな」

「ありがとうお兄ちゃん!愛してる~」

「はいはい、俺も世界一好きだよ~」

「わーなげやり…」

そりゃ本気で言ったらアウトだからな。
まぁ俺が好感情持っている人間なんてほとんどいない。
そう言う意味では相対的に全く持って嘘なんてついてはいないのだが。

「じゃあさお詫びに今日の放課後何があったのか聞いてあげるよ!」

「いや、それお前が聞きたいだけだろ…」

「まぁいいじゃん!話して~」

「はぁしゃーねーな」

俺たち兄妹の会話は親が帰ってきて早く寝ろ!と怒られるまで続いていった。

親父、息子に嫉妬に狂ったような目を向けるなよ…




テストあってちょっとお休みしてました~

逃げてないよ!
もし…あれ?これ逃げたんじゃね?とか思ったらメッセージやらで確認取ってください。
テスト期間中でなければ1日1回はマイページ確認してますのでw


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やはり部活動勧誘がすべて悪い

どぞー


部活勧誘期間4日目
いつもなら授業の終わった瞬間に教室を出て、校門を抜け小町の迎までの時間を本屋などでつぶしたりするのだが、今日は…というか今週は違う。

最初の1日みたいなもみくちゃの状態にされるのは嫌だ。
そのため適当な空き教室を見つけてこうして本を開いているというわけだ。
部活勧誘期間ということもあり見回りはそっちに向いていて、校内に監視の目は行き届いていない。
だから勝手に空き教室を1つ占領しようが、怒られるといった心配はない。

幸いなことに小町は友達と帰ることが多くなると言っていたのでそっちの方も心配はない。
…嘘だ、心配だ
妹を心配しない兄なんていない!
ちなみに兄より優れている妹なんていないとよく言われているがあれも嘘だ。
ソースは俺達。

そう、心配とは別に上の者が下の者にするものではないのだ。
妹は生まれる前から妹なのだ。
兄は生まれた時はただの子供だ。
だからこそ妹は兄に頼って、甘えて、わがまま言っていいんだ。
だからこそ兄は妹の兄になろうと、兄であろうとしなければいけないんだ。

これは妹のすべては兄であると言っても過言ではないんじゃあないか?
………ないな、もしかしたら司波妹辺りはそうなのかもしれないが…
兄のすべては妹ということだったらその通りだとは思うのだが、こんなことを言ってはまた小町ポイントを足されて、同時に小町自身に引かれてしまう。

「ふぅ、もうそろそろいいだろ…」

時間を見ると短針は5を指していた。

新入生には委員会等の特別な場合を除いた下校時刻が設定されている。
それが5時半であることを考えるとここからの部活動勧誘も効果が薄いことは明らかだしそれをわかっている部活動勧誘の連中も5時前には引き上げて行く。

使い慣れていない新しい鞄を肩にかけ使っていた机といすを簡単にかたずける。
読んでいた本がいいところだったのでもう少し読みたいところなのだがこれ以上残って誰かに見つかってしまうとさらに面倒くさいことになるから我慢我慢。
と教室のドアに手をかけようとしたらそのドアはひとりでに開き始めた。
……いや、待ておかしい、確かにこの教室のドアは最新式で自動ドアなのだが、一度ドアの『TAP』というところに手を当てなければ開くことはない。
微小魔力を直接当てても開くらしいが俺は自身の常時発動系の付加魔法(解除不可)がある為反応はしなかった。
ここまでの思考をドアが開き始めた1瞬で終わらせ、ある一つの結論が出たことによってすぐさま光学迷彩の魔法を発動させる。

「あれ…?おかしいわね、絶対だれかいたの思うのだけど…」


……あぶねぇぇ
生徒会長さんだった…
教室の無断使用だから誰かが来たらめんどくさいということはわかっていたのだがそれも群を抜いて面倒くさい人だったようだ。

「うーん、比企谷君まだ靴あったからどこかにはいるんじゃあないかと思うのだけど、何か事情があって靴を置いていったとかなのかしら?」

靴を置いて帰る事情ってどんなんだよ…
この人も案外抜けてるなぁ…なんて思いながら振動系魔法を発動。
もちろん攻撃するなんて言うのが目的ではなく俺から発生する振動、特に音を遮断するために使ったのだ。
光学迷彩はかなり万能なのだが(俺が使うと)やはり目をごまかすだけでは人間を完璧に欺くことはできない。
最低でも五感のうち2つはうその情報を教え込まなければならないとはどこかの本での受け売りだ。

「かいちょー!そろそろ終わりにしましょうよぉ~」

おっと会長の陰に隠れていたが中条先輩もいたようだ。

「そうね、じゃあいったん生徒会室に帰りましょうか…」

じゃあ俺も家に帰るかなーと帰宅を開始した。
……もちろん靴は履いて帰ったよ…?



















そんなことがあった夜のことだ


『報告の時間だ』

「あぁ…」

俺はCADを耳に当ててある回線をつなぐ。
このCADにはCADとしてだけでなく様々な機能がついていたりする。
良くも悪くも試作機だ。
ちなみに高校入学と同時に新しくなった今回のCADはお気に入りだ。
見た目がvi〇aということで開発部の遊び心か、ちゃんとvit〇のソフトをプレイすることができる。
犯罪…?ちょっとわかりませんね

『まずこちらから分かったことを話そう。あの組織の影が魔法科高校にあることが判明した』

「……!情報の信憑性は?」

あの組織、というのは昔小町を誘拐しようとしたやつらが所属していた組織である。
俺はこいつらとある契約をしている。小町の安全が脅かされたときのバックアップ、できるときには事前に障害の排除、またその情報の提供、それとは別に小町をさらおうとしたある魔法結社の情報提供。
その見返りとして犯罪行為を犯さない程度の協力を俺が彼らするようになっていた。
あと俺は彼らに対する詮索を禁止されていることから彼らが何者かということも全く持って知らない。
小町を守るためとはいえ彼らを完全に信頼はできず、かといって疑いつづけるのは良くないので一応は信用(・・)している。

『我々の情報部がつかんだということが信じる理由にはならないだろうか?』

「あぁ、そうだったな、お前たちは間違った情報を口にしてない」

今のところではあるがそれでも確かに1度として嘘を言ったことはなかった。

『誰がかかわっているとまではわからなかったがな…まぁ否魔法系の部活動がかかわっているということは間違いないだろう』

「さしずめ嫉妬…といったところだろうな、そこをうまく付いて引き込んだってところだろ?何にしろあの組織と関わり合いがあるんだ。ただでは済まないだろうな」

俺としてはあの組織に用があるのであってその協力者はどうでもよく突き放した言い方になってしまう。

『あぁそれだったら全員が粛清対象で楽だったのだがね…』

苦笑いしたような言葉がCADから流れてきた。
っていうか粛清対象って…また怖い言葉が出てきたな…

「何か問題でもあるのか?」

『面倒くさいことにあの組織の日本支部トップは催眠系の魔法を使うらしい…』

「なるほど、それは確かに面倒くさいな」

催眠系の……というよりも精神干渉系の魔法の所有者は大きな制約が付いて回る、それはその気になれば死をも恐れない何の罪もない兵隊を作ることができるのだから当たり前だ。
その使い手がテロリスト側にいるのだとしたら確かに厄介だ。

『あぁ関わっている全員が自分の意思ではなく、なおかつ日本の法律では洗脳によって操られていたときの犯罪行為は咎められることはない、彼らの1部…もしかしたら過半数は善良なる市民である可能性があるのだからね』

始末をしてしまえば遺族やらなんやらからこっちが悪者扱いだよ…
電話先の相手はなかなか気苦労が絶えないらしい。

「忌々しいな…」

『まぁ君には特にそう感じるのかもしれないね、もしかしたら君のいも「やめろ」……すまない、少し無神経だったね』

「いや、あいつらの情報には感謝はしている。俺もその返しくらいはしっかりする」

そうだ。たとえどんなに暴言を受けようが、貶されようが構わない。
現状で小町を守るためにはこいつらの力を借りる以外に手はないのだから。
4年前のあの日から俺のやらなければいけないことは決まっているのだから。

『じゃあ君のほうの報告でも聞こうかな』

「あぁ毎回思うんだが教える情報のうち片方はわかるんだが、もう片方は説明する意味が解らないんだよねぁ…」

『いやはや、かなり重要なことなんだよ?ちゃんと説明してもらわないと私がお偉いさんがたに怒られてしまうのだから、君のCADの様子と…学校での生活状況に対してね…』






言い訳??
無いよ!!
どうでもいい話だけど女性って話を聞くとか言って話し始めた瞬間に「言い訳なんて聞きたくない!」って言うよね?
どうすればいいの八方ふさがりじゃん!

(まぁそんな状況に陥ったことないんですが…だって彼女とかいないもん!!


はい…ふざけてスイマセン…
本当にいいわけないです。
ネトゲ楽しかったです。
引退しました。
ネトゲ始めた理由が何話かあった下書きのデータぶっ飛びとかあんまり関係ないです。

なんだかんだ言って言い訳してる不思議…

あ、戻ってきた理由はたまたま感想欄見てです。
まだ見てくれてる人っているんだね…(感激
単純な作者でしたまる




というわけで組織の話でした~

(前半?ただの文字うめですb

ちなみに自分の中で組織のことは結構まとめているので見切り発車ではないです。ハイ

前半の部分は800字くらい残ってた下書きの下書きの内容なのですがなにを書こうか忘れてしまったのでこんな感じになってしまいました(汗

なので後半もふと「そろそろ触れておくかぁ~」って感じで書いたものになります。

楽しんでいけたら幸いです。

ではまた次回―ノシ


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やはり魔法科の生徒会長はどこか抜けている

どぞー


部活勧誘の次の週の月曜日
それは放課後帰ろうとした時のことだった。

「比企谷く~ん、ちょっといいですかー?」

教室の入り口にロリkk…中条先輩が立ってこっちを見ていた。
一斉にこっちの方を向くクラスメイトの目にいたたまれない感じがしながらとりあえず鞄を持って教室を出た。

「どうしたんですか中条先輩…」

「このあとちょっと生徒会室まで来てください、いろいろお話があるそうです~」

ただでさえ教室で変な注目浴びて精神がすり減っているのに、これ以上精神を擦り減らせろと…
ボッチは視線になれてないんですよ…

「比企谷さんまた呼び出し?」

「生徒会役員さんの次に生徒会室に言ってるかもしれませんね」

光井と北山が教室から出てきてた。
これから帰るのか、それとも早速部活に行くのか…まぁどっちでもいいか

「おいおい、俺が問題児みたいな発言はやめてくれ、品行方正なエリートボッチだぞ?俺は」

「品行方正な人はそんな目をしてないよ?」

北山は無自覚で人を貶すことをやめた方がいいと思う…
光井だって苦笑いしてるじゃあないか
というか目は関係ないだろ、目は!

「あのー皆さん待っているのでいいでしょうか…?」

申し訳なさそうに中条先輩

「…はい、行きましょうか…」
















目の前にはこの学園の3台巨頭が雁首そろえて座っていた。
頭が首をそろえるってなんか変な感じしない?俺だけ…?

「生徒会としてはこの問題を懲罰委員会に持ち込む気はありません」

問題とは俺が北山たちを探しに行ってるときに遭遇した剣術部の魔法不正使用に関することだ。

「風紀委員としても同じ意見だ、どうだ?十文字」

そうして渡辺先輩は一番左に座っている男に目線を向ける。
十文字克人…十師族の1つである十文字家の跡取りでありすべての部活動をまとめ上げる部活連のトップ、会頭をしている男だ。
上背も横幅も大きく、かといって脂肪が全くない、まるで筋肉が鎧のようになっている。
本人には絶対に言うことはないだろうが筋肉だるまという言葉が一番しっくりくるだろう。
 
「寛大な決定に感謝する、殺傷性の高い魔法を使ったんだ、本来停学でもやむを得ない。それは本人も解っていると思う。今回のことを教訓とするよう、良く言い聞かせておこう」

「今思ったのだけれど、剣道部はそれで納得するのかしら?」

「喧嘩を買った時点で同罪だ」

肩をすくめながら渡辺先輩は言う。
喧嘩両成敗という奴だろう。

「最後にもう一度確認しておきたい。魔法を使用したのは桐原だけか?」

へ…?どういうことだ?
俺は相手の魔法発動をキャンセルさせたわけだからあいつも俺も魔法を発動していたよな…?

「そうです」

こいつすげーな、臆面もなく嘘をつきやがった…

「そうか、ご苦労だった、では比企谷お前の件に入ろう」

うへ、ついに来た…っていうか俺が何をしたんだ??

「比企谷、お前は剣術部を取り押さえるのに協力をしたんだったな」

「は、はい…」

十文字先輩に言われ萎縮して思わずうなずいてしまう。
あの件は司波に巻き込まれただけなんだが…

「校内での魔法使用は原則禁じられているというのは知っているよな?あの場には司波が居たのだ、そこに無理矢理入って魔法を使用し止めることは風紀委員でもないお前のやることではないよな?」

にやにやと嫌な笑みを浮かべながら渡辺先輩は聞いてくる

「え、ええっと…」

「どうだ、比企谷、名前だけでも風紀委員か生徒会に入らないか?そうすれば今回のような件で自由に手出しをすることができるぞ…?」

どうしてこのようなことになっているのだろうか…?
ちらりと司波を見てみると申し訳なさそうな苦笑いがそこにはあった。
もしかして今回の件を聞いた渡辺先輩が俺を引き込もうとこのような話になったのだろうか…?
だとしたら…だとしなくても俺の言うべきことは決まった。

「ええっと、俺はたまたま通って司波に声をかけられただけです、そしたら剣術部の先輩が俺を司波の仲間と勘違いして襲ってきたので逃げただけですよ?」

「おかしいな…?見ていたものの話だと1人を無力化したということだったが…」

そんなことまで聞いているのかよ…

「いえ、魔法を発動しようとしていましたが、規則を思い出したのでしょう、ぎりぎりで発動をとどまったのでそのまま逃げただけです。もしかしたらそれを勝手に俺が魔法を無力化したのだとカン違いしたのでは…?」

大丈夫、ミスはないはずだ。

「逃げるとき間違いなく生身の人間の動きを超えていたという証言もあるが…」

「あれ?前回の模擬戦で渡辺先輩は俺の動きを見てますよね?」

あの時魔法を使っていたわけだが肉体強化などの魔法は結局使っているのが分からないのでなんとでもなる。

そうして渡辺先輩は三秒ほど腕を組み考える。

「っち、食えないやつだな…」

よかった諦めてくれたようだ…
というかどうして俺をそこまで風紀委員や生徒会に入れたいのだろうか?
やはり魔法力の高さから放置しておくには不安があるということなのか。

「まぁいい、じゃあ今回はここまでにして解散としようか…」

今回は…って
まるで次回があるかのような言い方だなぁ(白目

みんなが席を立とうとしたとき今までしゃべっていなかった会長が口を開いた。

「比企谷君、この後ちょっと時間あるかしら…?」






























「比企谷君、この後時間あるかしら…?」

私は彼に弁解するチャンスはここしかないと思い、思い切って話を切り出した。
彼はいつものようビクっと背筋を伸ばし時計を一瞥する。

「あまり時間がないので話があるならこの場で話してもらえるとありがたいです」

彼はそう言った。
もしかしていまだにペナルティーのことを気にしていて、摩利や十文字君が居れば無茶なことは言うことがないだろうと考えているのだろうか…。

「え、ええっと…」

まずい、謝らなければいけないのにみんなの前で謝るのは何か気恥ずかしいものが…
でもだからと言ってこのままだと比企谷君は帰っちゃうだろうし…

「あ~なにもないようでしたら時間がないので俺は帰りまs「待って!!」え、あ、はい…」

落ち着きなさい真由美、深呼吸して、意を決して言うのよ!

「比企谷君!」

「は、はい!」

「本当にごめんなさい!」

「いえいえ、こちらこs…ってへ?ごめんなさい?えっと…何のことですか?」

ごまかしてる…やっぱり謝っただけじゃあ許してくれないってことかしら…
しっかりと自分の口で何をやらかしたのかを確認させる…それは私が本気で怒った時と全く同じ反応だ。

「本当に申し訳ないことをしました…比企谷君が放課後残れないということを知りながらペナルティーを課すなんて言って…権力の乱用ととらえられても仕方ありません…」

「あ、あの事ですか、じb「私はこれでも生徒会長としての自覚をもっていろいろ行動してきたつもりでしたが、まだその自覚が足りなかったみたいです…確かに魔法科高校の生徒会、それも会長である私には権力がありますが、同時に責任もあります。それを自分の事情でしかも新入生に振りかざして、怖がらせてしまいました」あ、あのですね…」

「本当に申し訳ありません…」

私は真剣に頭を下げる。
いろんな本や物語でトップはやすやすと他人に頭を下げてはいけない、と目にするがそうは思わない。
上に立つものは下に立つ者の見本でなければならない。
だとするならばやはり間違えを起こしたのならば立場に関係なくしっかりと謝罪するべきだろう。
それがたとえ許してもらえなくとも…
この間摩利、十文字君、司波君は空気を呼んでいるのか何も発していない。
私を含めて比企谷君の発言を全員が待っている状態だ。

「あ、あの、そもそも俺はもう忘れていたことですし、許すも許さないもなくてですね…」

この瞬間私はぞっとした。
先ほどと同じだ、この反応は怒った時の私と一緒なのだ。
相手には怒ってない!何のこと?と言って話を打ち切る。
自分で面倒くさい性格だとは思うのだが、それでも頭に血が上るとどうしてもこうなってしまう。
だが、ぞっとしたのは1瞬で、比企谷君の反応には何か違和感を感じた。
話を打ち切りたいときは基本的に突き放すように言うべきだ。
しかし比企谷君の言葉にはそれが一切なく、焦りのようなものが見える。

「だから会長が気にするようなことは何もなくて…」

もしかして彼は本気で忘れていたのだろうか?
でもだとしたら最近彼が私を避けていた理由がわからない。


……そこで私は気づいた。気づいてしまった。
もしかして彼は自分がずっと恐れていたはずの私を庇ってくれているのではないか。
私がしてしまったことはお遊びの範疇であろうと間違うことない権力の乱用だ。
魔法科高校で権力が大きすぎる生徒会での権力乱用は懲罰委員会にかけられてもおかしくない大罪なのだ。
だがもしそうなのだとしたら、とても不器用なそしてとても暖かいやさしさだ。

そこまで考えが至ってあたふたしてる比企谷君をもう一度しっかりと正面から見る。
なんだかその焦りようがおかしくて…

「ありがと……」

私は彼に向かって一言笑いながらこぼす。
そうしてそのまま彼は「え、あんと…じゃ、では、失礼します」と言って生徒会室を出て行った。








「意外だったな、彼がこういう気の使い方をするなんて…」

事前に相談に乗ってもらって、事情を知っている摩利は感心するようにうなずいている。
彼女も私と同じ結論に至ったのだろうか?

「…うん」

「では、私も失礼します」

司波君も比企谷君に続いて出ていくその時に何か思案顔をしていたが、心なしか楽しそうに感じた。

「俺もこの後桐原のところに行かなければならないからな」

そう言い残して十文字君も生徒会室を出ると残されたのは私と摩利の二人…

「ねぇ摩利…」

ふと、少し前のことを思い出したので摩利に話してみよう。

「ん?どうした?」

楽しそうに笑いながら私の呼びかけに答える

「前にさ、比企谷君がお気に入りって話をして私否定したじゃあない?」

通学中に比企谷君や司波君たちを見かけた時の話だ。

「あぁそう言えばそんなこともあったな」

「私その話もう1度否定することにするわ」

「ん?って、は?」

摩利は驚いたような顔をする。
私がだれかを気に入るのはそんなに驚くようなことなのだろうか?

「弟っていたらあんな感じなのかしら…?」

「ついに真由美にも春g…お、弟?」

素っ頓狂な声を出す摩利。
いつも落ち着いているので割とレアだ。

「うん、ほら、私って兄と妹がいるじゃあない?でも弟っていたことないから…」

「………さて、校内の見回りでもして帰るか…」

「へ?ちょっと摩利、どうして無視するのー!!」

摩利も弟はいなかったはずだから気持ちを共感できると思ったのだが、なぜかそのまま出て行ってしまった。
何かおかしなことでも言ってしまったのだろうか…?




ちなみに相談をしていたのでこのことを生徒会の皆にもこの後ちゃんと報告はしておきました。



っていうわけで賛否がよくわかれるカン違い回でした~

原作と時間軸が少しずれていますがあまり気にしないでください~
特に深い考えとか全くないです。

(原作は剣術部の問題の対処は勧誘期間中でした。

低評価が怖くない!って言ったからね!
賛否が分かれるような話でも俺の好みでどんどん入れていこうって決めたよ!!

でも意見とかすごい欲しいので、ここの解釈無理があるだろ…
ってところあったら言ってください。
また検討して直せるようならば随時直していきたいと思います!

感想・意見 (ry


ではまた~ノシ

(どうでもいいけど気が付いたら4000字超えてました…


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