穂乃果の奇妙な冒険 ミューズオブヘブン (マキシマムダンガル)
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第一章  ダイヤモンドは砕けない
杜王町に潜む黒い天使


私 高坂 穂乃果(こうさか ほのか)!
高校二年生!
今、私は何故か音乃木坂ではない場所にいます


「ここ、どこかなぁ、音乃木坂じゃあないよなぁ」

 

フラフラと見たこともない町を歩いていると、不思議な髪型の男の人がいた

 

「あの、すみませーん!」

 

大柄な男の人に声をかけると

 

「あ?何だお前?」

 

いかにも不良見たいな雰囲気を出していた

 

「あの、ここって、何処ですか?」

 

「はぁ?ここは杜王町だが」

 

杜王町?聞いたことないなぁ、新しく出来た場所かなぁ

 

「・・・」

 

男の人は穂乃果を足の先から頭の天辺まで舐め回す様に見た

 

「スタンド使い?にしては殺気を感じない、誰だ」

 

「私?私は高坂穂乃果!高校二年生!」

 

「へ?あぁ、俺は東方 仗助(ひがしかた じょうすけ)よろしくな」

 

「うん」

 

私は、不思議な髪型をした仗助君と仲良くなった

 

「あいつが、この世界に変化をもたらすだと?信じきれんな、少し試させてもらおう」

 

「ん?今、視線を感じたような」

 

そう思い、振り替えるが誰もいない

 

「何だったんだろう」

 

「おっと、すまねぇ、俺この後用事があるんだ、じゃあな」

 

「うん、バイバーイ」

 

手を振って彼を見送り、途方も無く歩き出そうとすると

 

「あんたが、高坂穂乃果ね」

 

聞き覚えのある声に振り向くと、そこにはにこちゃんがいた

 

「にこちゃん!どうしてここに!それより、良かったぁ、電車が分からなくて困ってたんだぁ。一緒に帰ろ」

 

そう言うがにこちゃんは聞く耳を持たず、こう続けた

 

「あのお方のご命令により、あんたを始末するわ」

 

にこちゃんは冷徹な目をして私を睨んだ

 

「にこちゃん?始末ってどういう」

 

「言葉通りの意味よ!ラブデラックス!」

 

にこちゃんがそう叫ぶと髪の毛が生き物の様に動き私に襲いかかった

 

「キャーー!!」

 

どうする事も出来ずしゃがみこむと

 

「ドラァァ!」

 

目を開けると仗助君が私の前に立っていた

 

「仗助君!?」

 

「大丈夫か?」

 

大きな声でそう言う、仗助君の横には紫色の人?がいた

 

「東方丈助、あんたには用はないわ。今は分が悪そうね」

 

そう言って、にこちゃんは黒い光に包まれ消えていった

 

「にこちゃん!」

 

どうしてにこちゃんが襲ってきたのか、全く見当も付かない。もしかして、この前、にこちゃんのプリンを私が食べちゃったから!?

 

「大丈夫か?随分顔色が悪いぞ?」

 

「うん、ちょっとね」

 

「そうだ、行く宛が無いなら家に来ないか?」

 

「いいの?」

 

「あぁ、家には誰もいないし、家でゆっくりするといい」

 

そうして、仗助君の家に泊めてもらう事になった

 

「ふぅ、何だか疲れちゃったな、布団もあるし、先に休もう」

 

そう言って布団に潜り込み吸い込まれる様に眠りについた。

 

次に目覚めるとそこは真っ黒な空間だった

 

「あれ?ここは、さっきまで仗助君の家にいたのに」

 

見渡す限り真っ黒で壁の様な物もない、すると

 

「やぁ、高坂穂乃果君」

 

背後から優しくも恐ろしい声が聞こえてきた

 

「誰!?」

 

振り向くと顔はシルエットの様に真っ黒で、でも高貴なオーラを放っている人物がいた

 

「あなたは?」

 

「私は君の味方だ安心してくれ」

 

脳にまで響いてくる優しい声に安心感を覚えた

 

「君の友達はとある人物によって操られている、それから解放させられるのは、穂乃果君、君だけだ」

 

「私がにこちゃんを助けられる?」

 

「君のスタンドを使えば解放する事が出来る」

 

「でも、私、スタンド何て出せないよ・・・」

 

「安心するんだ、落ち着いて今君が何をしなければ行けないのかを考えるんだ、そうすれば、自ずとスタンドが発現する」

 

「私が今、何をしなければ行けないのか・・・」

 

「さぁ、起きて矢澤にこを助けるんだ、辛い道になるが、それが最善の方法だ」

 

すると、その人は少しずつ消えていく

 

「ま、待って!あなたは一体誰なの!?」

 

「D、覚えておきなさい。そして、全てを思い出すんだ、辛くとも、その黄金の魂を持って!」

 

そして、急に強い光が放たれたと思うと、気が付けば仗助君の家にいた

 

「黄金の魂、それに思い出すって一体何を」

 

今はそんな事を考えている時じゃない、今はにこちゃんを助けるんだ!

 

「にこちゃんを助ける為には私のスタンドが必要なんだよね、でも、どうやって?」

 

私は考えた、どうやったらスタンドが発現するのか

 

「私のスタンド、黄金の魂、私はにこちゃんを、助けるんだ!」

 

その時、私の目の前に銀色の不思議なマークが書かれた人?が

 

「もしかして、これがスタンド」

 

見た目は女性の様な体つきで、独特な安心感を感じた

そして、私は頭の中でスタンドの名前を知った

 

「μ's!」

 

tobecontinue




不思議な運命に引き寄せられやって来た杜王町
そして、スタンドを発現させることに成功した穂乃果はにこを取り戻す為に勝負を挑むのだった

次回「矢澤にこは静かに過ごしたい」


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矢澤にこは静かに過ごしたい

前回の穂乃果の奇妙な冒険

にこちゃんが何者かに操られちゃった
そして、夢の中で会った謎の人物D、彼は一体
Dにスタンドの事を教えてもらって、私はスタンドを発現させることに成功した、名前は「μ's」
このスタンドを持ってにこちゃんに挑むのであった


「仗助君!仗助君!」

 

慌ただしくリビングに出て仗助君を呼んだ

 

「ど、どうした?」

 

驚いた表情で聞いてきた

 

「見て見て!私もスタンドを出せるようになったよ」

 

ぴょんぴょんと跳ね回りながらそう言った

 

「マジか!?」

 

「うん!行くよμ's!」

 

私の声に反応してスタンドが出てきた

 

「おぉ!良かったじゃあねぇか」

 

「これで、私も戦えるよ!」

 

意気揚々とそう言うが仗助君は腕組みしながら

 

「いや、発現したてだとまだ戦うには早すぎる、先ずは修行してスタンドを使いこなせる様にならなくっちゃあならねぇ」

 

「分かった!」

 

と、言うことで外へ出て、双方構えた

 

「いいか、スタンドを出すには、相手をぶっ飛ばすか、自分を守るって言う強い意思を持つんだ」

 

「うん!よろしくね、仗助君!」

 

二人のスタンドを出し、見合った

 

「行くぜ!穂乃果!クレイジー・ダイヤモンド!」

 

「行くよ!仗助君!μ's!」

 

二体のスタンドは同時に飛び出し拳をマシンガンの様に繰り出した

 

「ドララララァァァァァァ!!」

 

「ウォォリャャャーーーー!!」

 

二人の奇妙な雄叫びが周囲に広がった

 

「このスタンド、接近パワー型のスタンド!?」

 

だが、次第にμ'sがスピードに追い付けなくなり被弾数が増えていく

 

「くっ!うぅ・・・」

 

そして、止めと言わんばかりに強力な一撃でμ'sが後ろに吹き飛ばされた

 

「イッテテ・・・」

 

μ'sはK・Dの威力に負け穂乃果に戻った

 

「強いね、仗助君は」

 

両腕が痺れて思わず腕をだらんと下げた

 

「穂乃果のスタンドも中々の威力とスピードだな、でも、まだまだ十分な力を出し切れてないな」

 

「そうなの?何だか嬉しいなぁ」

 

その時、独特な黒い殺気を持った人物が現れた

 

「高坂穂乃果、スタンドを発現させる事に成功したようね」

 

にこちゃんが突如として現れた

 

「にこちゃん」

 

「まぁ、私のスタンド、ラブデラックスに敵うわけ無いわ」

 

「にこちゃん、私が絶対に元に戻してあげるからね」

 

「生意気なこと言ってくれるじゃない、ラブデラックス!」

 

にこちゃんの髪があの時のように生き物の様に動き出した

 

「治して見せる!μ's!」

 

今のこの状況、多分かなり不利だろう。仗助君がいるとはいえ、拳での攻撃が届くかどうか

 

「いや、考えてちゃ先に進めない、行っけぇー!μ's!」

 

「ラブデラックスに接近技が効くわけ無いでしょ!」

 

にこのツインテールが蛇のようにウネウネと動きながら襲いかかった

 

「なんとぉーぉ!!」

 

穂乃果のジャンプに合わせてμ'sが地面を蹴るとにこの頭上を軽々と飛び越えた

 

「な!?何て言う跳躍力!」

 

「今だぁぁ!」

 

μ'sの素早い動きでお腹に一発撃ち込んで

 

「にこちゃん、少し痛いけど我慢してね」

 

アッパーで上にあげると

 

「ウォォリャャーーーー!!」

 

マシンガンの様なラッシュをにこちゃんに浴びせた

 

「ニゴォォォ!!」

 

にこちゃんはそのまま吹き飛ばされ壁に叩き付けられた

 

「にこちゃん!」

 

急いでにこちゃんの元へ駆け寄った

 

「あ、あれ?」

 

にこちゃんの体には傷一つ付いていない、完全に無傷だ

 

「にこぉ?ここは」

 

にこちゃんは直ぐに目を覚ました

 

「にこちゃん、にこちゃぁぁん!!」

 

「グエッ!ちょ、いきなりなに!?ちょっとぉぉ!?」

 

数分後

 

「ぜぇぜぇ、ま、全く、何なのよもう」

 

必要にくっ付き過ぎて頭を殴られた

 

「えへへ、ごめんね。でも良かった、元に戻って」

 

「全く、とりあえず、説明してくれない?ここどこ?」

 

「そうだね、えっと、どこから説明しようか」

 

少女説明中・・・

 

「なるほど、スタンドねぇ、信じがたいけど、ここは信じておくわ」

 

「そう言えばにこちゃん、あのお方って誰なの?」

 

「うーん、分かんないわねぇ、あの時から記憶が曖昧で」

 

「あの時?」

 

「私が家に帰る途中で花陽に会って、それから・・・全然思い出せない」

 

「もしかして、花陽ちゃんも?」

 

「可能性はあるわね」

 

すると、仗助君が

 

「なぁ、一旦メシにしねぇか、さっきまで暴れまわってたわけだし」

 

「そうね、私もお腹空いた」

 

「じゃあ、カフェ・ドゥ・マゴに行くか」

 

と言うことでカフェ・ドゥ・マゴに向かった

 

「いらっしゃいませー!」

 

カフェ・ドゥ・マゴは杜王町の人気店で特にチョコレートパフェが人気

 

「いっただっきまーす」

 

注文したハンバーグを食べて一言

 

「「ンマーーイ!」」

 

二人で声を揃えて言った

 

「何これ美味しい!」

 

「こう、ハーモニーって言うか何て言うか、とりあえず美味しい!」

 

二人で大絶賛した、それほど美味しかった

 

「ふぅ、ところでこれからどうしよう」

 

「う~ん、花陽がどこにいるのかも分かんないし」

 

「その花陽という人物とは、どう言った方ですか。詳しくお聞かせ願いたい」

 

まるで淑女の様な丁寧な口調の聞こえる方に顔を向けると、そこには、意外な人物がいた

 

to be continue




にこを取り戻し休息を取っているのも束の間
次に現れたのは一体

次回「天才ギャンブラー」


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天才ギャンブラー

前回の穂乃果の奇妙な冒険

高坂穂乃果はスタンドμ'sを発現させる事に成功した
その力を持って矢澤にこを救出する事が出来た
そして、束の間の休息を取っていると
次の刺客が現れた


「その花陽という人物とは、どう言った人物ですか。詳しくお聞かせ願いたい」

 

そこには、トランプをテーブルに置き優雅にコーヒーを飲む花陽の姿があった

 

「花陽ちゃん!」

 

穂乃果は立ち上がり大きな声でそう言った

 

「えぇ、私の名は テレンス・D・ハナヨ お見知りおきを、穂乃果さん」

 

コーヒーカップを片手にニヤリと笑いながら言った

 

「も、もしかして、花陽ちゃんも・・・」

 

「私もあのお方に命令されあなたの前に参上しました。どうでしょう?ここは一つポーカーで勝負と行きませんか?」

 

カードを一枚手に取りそう言った

 

「ポーカー?でも、私、そう言うの苦手だし・・・」

 

「でしたら、ゲームならいかがですか?」

 

そう言って今度はゲーム機を取り出した

 

「ゲームなら穂乃果でも出来るよ!」

 

そう言って穂乃果はハナヨの前の椅子に座った

 

「ルールは簡単、レースで勝てばいい、後言える事はバレる様なイカサマはしない方が良いですよ。あぁ、それと、あなたが負けたらあなたのタマシイを頂きます」

 

「穂乃果が勝ったら?」

 

「それ、相応の情報を差し上げましょう」

 

自分が勝つことを確信した顔でルール説明をした

 

(私が負けるなど万が一もあり得ない、穂乃果のスタンドはただの接近パワー型、イカサマには全く適していない)

 

より一層不敵な笑みで笑って見せた

 

「さて、では、始めましょうか」

 

「よーし、負けないぞー」

 

ゲーム機に電源をいれ二人の勝負が始まった

 

「私はハチロクで行くよー」

 

「では、GT-Rで行かせて貰います」

 

だが、その時、穂乃果は思い出した!レースゲーで雪穂に勝った事がない事を!

 

「あっ」

 

(クククッ、私は勝ち目のない勝負はしない、負ける気など一切しない!)

 

勝ちが決まっている事を確信して今にも笑いそうになっていた

 

「レディ ゴー!!」

 

二人の思惑がひしめき合う中、レースが始まった

 

(笑いが収まらない、出だしで既に十秒も差が付いている、勝った、高坂穂乃果は我がオシリス伸の前に敗れた!)

 

だが、その時、穂乃果の操作がまるでプロゲーマー並みの操作になった

 

「あれ?」

 

穂乃果は誰よりも先にその異変に気づいた

 

(穂乃果ってこんなに操作上手だったっけ?)

 

穂乃果の疑問を尻目にグングン差が縮まっていく

 

(なんだ急に!?差が縮められていく!?)

 

そして、最終、ハナヨを追い越しゴールした

 

「やったぁぁ!」

 

「ふぅ」

 

穂乃果が喜ぶ中、にこは疲労感に満ちたため息を吐いた

 

「ングゥゥ!くっそぉぉ!」

 

さっきまでの余裕は無く悔しさと怒りに満ちた顔になった

 

「それじゃあ、教えて、あのお方って誰?」

 

「あのお方については教えられませんが。あなたの仲間は全てあのお方に忠誠を誓った、これを持って行けばその仲間の元へ行けるでしょう」

 

ハナヨは懐からミイラみたいになった物を出した

 

「これは?」

 

「聖なる遺体、これが仲間の元へ導いてくれるでしょう。それでは、また何処かでお会いしましょう」

 

そういうと、ハナヨは黒い光に包まれ消えていった

 

「花陽ちゃん!どうして」

 

「とりあえず、何とかなったわね」

 

「そう言えばこれ」

 

ハナヨが置いて行った聖なる遺体を手に取ると

 

「うげぇ!妙に軽くてカサカサするぅ!」

 

そう言いつつも懐へ入れた

 

「さて、これで、他のメンバーのいる場所へ行けるようになったわね」

 

「ねぇ、にこちゃん、さっきのレース、何で勝てたのかなぁ?」

 

「あんたが負けそうだから私がこっそり操作してたのよ」

 

解説

にこがスタンドを使って穂乃果のコントローラを操作していた

 

「毛一本一本を操るのは骨が折れたわ」

 

「ありがとうにこちゃん」

 

「で?お前らはどうするんだ?」

 

「あぁ、仗助、あんたいたんだ」

 

「それは酷いだろ!?」

 

「そんな事よりそれを使えば皆のいる場所に行けるんだから、さっさと使うわよ」

 

「そ、そうだね、仗助君はどうするの?」

 

「俺はまた、あいつがここに来たらヤベェから残るぜ」

 

「そっか、じゃあ、行くよにこちゃん」

 

「えぇ」

 

穂乃果は懐から聖なる遺体を取り出した、すると聖なる遺体が光り出した

 

「じゃあね、仗助君、修行ありがとう」

 

「あんた迷惑かけたわね、それじゃ、穂乃果の事は任せなさい」

 

「おう、お前らとは短い間だったが楽しかったぜ、また来いよ」

 

そして、光が二人を包み込みそして消えていった

 

to be continue




聖なる遺体を使い二人が向かう第二の場所とは一体!?

次回「銀色のポンコツ戦車」


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第二章 スターダストクルセイダース
銀色のポンコツ戦車


前回の穂乃果の奇妙な冒険

にこを救出し束の間の休息を取っていると、次の刺客ハナヨが現れた
二人は何とかハナヨに勝ち聖なる遺体を貰った
その聖なる遺体で向かった新天地とは一体


光が少しずつ消えていき、二人が目を開けると

 

「ここは、エジプト?」

 

どうやら、二人は蒸し暑いエジプトの街中に出たらしい

 

「うへぇ、暑すぎて脳が沸騰しちゃうよぉ」

 

穂乃果はあまりの暑さに駄々をこね始めた

 

「うっさいわねぇ、どこかお店で冷たい飲み物でも買いましょう」

 

暑さにやられそうになりながら二人は店の中に入っていった

 

「すみません、ジュースを二つ」

 

にこが手際よく店員に注文を取っていると

 

「その注文、私が奢らせてもらうチカ」

 

あまりにも聞き覚えのある声とアホっぽい語尾に顔を向けると

 

「絵里ちゃん!?」

 

「絵里!?」

 

そこには絢瀬 絵里(あやせ えり)の姿があった

 

「私は絵里じゃあないチカ、我が名はジャン=ピエール・エリーチカチカ」

 

「エリーチカチカ?」

 

「違うチカ!エリーチカチカ」

 

「もしかして、エリーチカ?」

 

「そうチカ、あなたが高坂穂乃果チカね、私と勝負チカ!」

 

そう言って、穂乃果に指を指した

 

「ちょっと待ちなさい。あなたの相手は私がするわ」

 

すると、にこが立ち上がりながらそう言った

 

「チカ?チッカッカッ!私に敵うと思ってるチカ?馬鹿か!チカ」

 

ドヤ顔で高笑いをした

 

「面白いチカ、外へ出るチカ」

 

余裕綽々と外へ出るエリーチカに続いて二人も外へ出た

 

「その小学生みたいなちっこい体を切り刻んでやるチカ!シルバーチャリオッツ!」

 

エリーチカがそう言うと銀色の騎士が出てきた

 

「にこちゃん、大丈夫なの?」

 

「自分のスタンドのことをまだまだ知らないし。それにぃ、宇宙No.1アイドルのにこならぁ、スタンドも可愛くて強いしぃ、後、あの時あんたに手を貸したとき思ったわ、ゴムは外した方が良いって」

 

そう言ってにこは髪止めを外した。だが、穂乃果は思った

 

(ラブデラックスってどっちかって言うと怖いスタンドだと思うけどなぁ)

 

「さぁ、行くチカ!」

 

エリーチカは先手必勝と言わんばかりに突っ込んできた

 

「そう来ると思ったわ!ラブデラックス!」

 

にこは髪を伸ばし壁になるように髪を立てた

 

「そんなもの切り刻んでやるチカ!チッカァァァ!」

 

目にも止まらぬ速さで髪の壁を切っていくが、少しずつスピードが下がっていく

 

「チカ?」

 

「フフン、ポンコツで良かったわ」

 

良く見ると、シルバーチャリオッツの剣ににこの髪が絡み付いていた

 

「ポンコツーチカで良かったわ、そして、食らえ!」

 

髪の毛がチャリオッツどころかエリーチカにも巻き付き持ち上げた

 

「行くわよ、穂乃果!」

 

「うん!え?」

 

持ち上げたエリーチカを穂乃果目掛けて叩き落とした

 

「行っけぇぇぇ!」

 

「え!ちょ!?えぇい!どうにでもなれぇ!μ's!」

 

穂乃果に直撃する前にμ'sのラッシュを浴びせた

 

「ウォォリャァァ!!」

 

そして、最後の一撃で髪が一気に解けエリーチカの腹部に抉り込んだ

 

「ヂガァァ!」

 

μ'sに殴り飛ばされ、地面に叩き付けられる前に髪でエリーチカをキャッチした

 

「絵里、大丈夫?」

 

キャッチしてゆっくり地面に寝かせた、すると、何かがポケットから落ちた

 

「これって、聖なる遺体だ、絵里ちゃんも持ってたんだ」

 

すると、眠っていた絵里が

 

「う、ん?」

 

「絵里ちゃん!」

 

「ん?穂乃果?それににこ?ここは一体」

 

絵里がブンブンと首を振りながら目覚めた

 

「絵里ちゃん、大丈夫?痛い場所とかない?」

 

「穂乃果?ここはどこ?」

 

少女説明中・・・

 

「って言うことなの、分かった?」

 

摩訶不思議な事を言われ今にもパンクしそうだった

 

「う~ん、意味が分からないわ、スタンド?それに私が襲うだなんて」

 

「まぁ、それが正しい反応よね、でも、襲ってたて言うのは本当。論より証拠って事で実際に出してみたら?あんたのスタンドの名前はシルバーチャリオッツ?だったはずよ」

 

「う~ん、分かったわ、それじゃあ。シルバーチャリオッツ!」

 

まるで絵里の声に呼び起こされたかのように、銀色の騎士が現れた

 

「ハラショー!本当に出たわ!」

 

「だから言ってるでしょ、で?あんたはあのお方についてはなにも覚えて無いわけね?」

 

「えぇ、何だか記憶が閉ざされたって言うか、かき消されたって言うか、そんな感じで思い出せないわ」

 

「まぁ、そうよね、だったら、記憶が曖昧になる直前の記憶は?」

 

にこに言われ記憶の奥底から掻き出すように思い出していると

 

「そう言えば、直前に希に会ったわ」

 

「希ちゃんに?どうして?」

 

「確か部室に忘れ物を取りに行って、そしたら希が部室に居て、それで・・・え~と」

 

「そこから記憶が無いわけね?」

 

「実にハラショーだわ、全く思い出せない」

 

「あんた、ポンコツが戻ってきてない?」

 

「なっ!?私はKKE(かしこい かわいい エリーチカ)よ!ポンコツなわけ無いチカ」

 

「PKE(ポンコツ かわいい エリーチカ)になってる」

 

「あの時の絵里ちゃんは遠い人になっちゃったんだね」

 

「チカァァァ!!」

 

to be continue




戦いの末救出する事に成功しPKゲフンゲフン・・・
KKE絢瀬 絵里が戻ってきた
全員、どうやら、部活後に捕らわれているようだ、果たして黒幕の正体とは、そして、目的とは一体!

次回「炎のタロット占い師」


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炎のタロット占い師

「全く、失礼しちゃうチカ。KKEがポンコツなわけ無いチカ」

 

今現在、絵里とにこが戦った場所のすぐ近くにある店の中にいる

 

「ねぇ、にこちゃん、絵里ちゃんが次第にポンコツになっていってるんだけど」

 

「希がいないから気が抜けてるんじゃない?」

 

すると、絵里が立ち上がり言った

 

「こんな所でのんびりしててもラチが空かないチカ、一旦分散して聖なる遺体を集めるチカ」

 

そう言って、先々と進んでいった

 

「賢い絵里は戻ってくるのかしら?」

 

「希ちゃんを見つければきっと戻るよ」

 

そんな穂乃果の根拠の無い話を尻目ににこは少々不安に思っていた

 

(もし仮に絵里が希に出会したら、かーなーり、ヤバイわね)

 

そんなにこの不安を他所に、絵里は既に見えなくなっていた

 

「穂乃果、絵里を探すわよ」

 

「んぐ?何で?」

 

口一杯に物を含んで喋った

 

「とりあえず、口の中を空にしてから話なさい」

 

「ふぁーい」

 

一方その頃、絵里が一人で街を探索していた

 

「随分広いのね、エジプトには行ったことが無かったからいい経験になるわね」

 

呑気に街をブラついていると、小さな占い屋がポツンと置いてある

 

「タロット占い、希好きだったわね。ちょっとやっていこうかしら」

 

中に入ると占い師の格好をした女性にガラスの球体が置いてある

 

「ようこそ、占い屋 望みの夢へ」

 

「少し占ってもらえない?近い未来でいいわ」

 

「では、歳を教えてください」

 

「18」

 

「では、始めます」

 

タロットカードをテーブルの上で混ぜ、そして、シャッフルした

 

「・・・」

 

占い師は無言でカードを並べた

 

「これが現在、愚者の正位置、無邪気、自由、天真爛漫という意味です。次に未来、死神の正位置、死の予兆、終末、破滅という意味です」

 

「それって、私が誰かに殺されるってこと?」

 

「当たるも八卦当たらぬも八卦。どうなるかまでは分かりません」

 

「あら?この死神の隣のカードは?」

 

「これは魔術師のカード」

 

「意味は?」

 

「これは、少し違うカードです、これは炎の魔術師。そうマジシャンズレッド!」

 

占い師がそう言うと、物凄い熱風に店の外にある広場まで吹き飛ばされた

 

「ククク、まさか、ここまで簡単に誘き寄せられるとはなぁ、正直ビックリやで」

 

顔を隠すように被っていたローブを脱ぎ捨てると、そこには希の姿があった

 

「希!?」

 

「うちの名はモハメド・ノゾミ、あのお方の命により貴女達を再起不能にさせてもらうで」

 

ノゾミはスタンドを出し身構えた

 

「うちのスタンドは炎のスタンド、赤い魔術師《マジシャン・ズ・レッド》皮膚を溶かし骨だけにしてやるやん!」

 

ノゾミが行きなり飛び込んできた

 

「S・F・H《スピリチュアル・ファイヤ・ハリケーン》!」

 

十字の炎が絵里に向かって飛んで来た

 

「シルバーチャリオッツ!」

 

絵里がスタンドを出し十字の炎を切り裂いた

 

「希、残念だったわね、私のスタンド、シルバーチャリオッツはどんな物でも斬る事が出来るわ、貴女の炎も、ね」

 

「だったら、これなら!」

 

着地してから、一気に走り絵里の間近まで来た

 

「赤い荒縄《レッドバインド》!」

 

マジシャン・ズ・レッドの手から出てきた炎のロープが飛んで来た

 

「そんな物斬り刻む!」

 

炎のロープを細切れにして、絵里が少し下がろうとすると

 

「やっぱり、ポンコツやな」

 

気が付くとノゾミが絵里の懐まで入り込んできていた

 

「K・F・H・S《クロス・ファイヤー・ハリケーン・スペシャル》!」

 

ほぼ0距離からコンクリートも溶かす、強力な炎の十字が、まるで換気扇に吸い込まれる煙の如く絵里を襲った

 

「絵里、悪ぅ思わんといてな、これでもうち実力派やねん」

 

火だるま状態の絵里に吐き捨てるようにそう言って、その場から去ろうとすると

 

「クスクス・・・」

 

火だるまの絵里から笑い声が聞こえてきた

 

「な!?火だるま状態でもう動くことすら出来ない筈なのに!」

 

あり得ない状況に驚きを隠せないノゾミに追い討ちを掛けるように絵里の体が飛び上がった

 

「ハラショー!おぉ、ハラショー!」

 

空中で笑いながら拍手した

 

「空中で浮いている!?いや違う、あれはスタンド!」

 

「希、遅い、遅いわ!いや、私が速すぎるのね!」

 

絵里を支えるチャリオッツがまるでガラス細工のように透明に見える

 

「説明してあげるわ、私のスタンドシルバーチャリオッツはその甲冑を脱ぎ捨てる事で更なるスピードアップをすることが出来るのよ!」

 

地面に着地し勝ったと言わんばかりの表情でノゾミを見た

 

「そして、この光おもキャッチ出来るほどのスピードを持ったチャリオッツは更にこんな事も!」

 

チャリオッツが絵里の前に立つと途端にチャリオッツが三体に分かれた

 

「高速な動きで最高三体まで分身を作る事が出来る、まぁ、私が成長すればもっと速くなるでしょうね」

 

「せやったら、分身ごと焼き付くしてやるだけやん!」

 

ノゾミはスタンドを出し構える前に絵里がノゾミの懐まで入り込んできていた

 

「お楽しみはここからよ!」

 

三体に分身したチャリオッツはまるで一体一体に実体が有るかのようにハッキリと分かれて攻撃を仕掛けた

 

「今度の剣捌きはどうだぁ!」

 

目に求まらぬ連続攻撃になす術無く食らっていく

 

「止めチカァァ!」

 

最後の一撃を当てようとしたその時

 

「今や!赤い藁人形《レッドドール》!」

 

三体同時攻撃をするその刹那、ノゾミの体が炎に変わり斬った瞬間、ダイナマイトのような爆発を起こした

 

「な!?」

 

爆風に耐えてその場を見てみると

 

「絵里、今回は上手く行ったかもしれんけど、次こそは必ず仕留める」

 

そう言って、ノゾミは光に包まれ消えていった

 

「しまった!逃げられた」

 

絵里が悔しそうに地団駄を踏んでいると

 

「絵里!」

 

「絵里ちゃん!」

 

にこと穂乃果がやって来た

 

「絵里ちゃん、上着わ?」

 

「そこで灰になってるわ」

 

絵里の指差す方向には、既に灰となった上着があった

 

「敵?」

 

「希が炎のスタンドを使って襲ってきたわ」

 

「希ちゃんが!?」

 

「あと一歩の所で逃げられたわ、ごめんなさい」

 

悔しさに涙をにじませる絵里に、にこはそっと肩を叩き

 

「大丈夫、まだチャンスはある。それに希も満身創痍の状態だったみたいね」

 

「へ?」

 

にこの指差す方向に聖なる遺体が落ちている

 

「あれを使えば他のメンバーがいる場所へ行ける、その時に捕まえて直せばいいわ」

 

「えぇ、ありがとう、にこ」

 

涙を拭き聖なる遺体を手に取った

 

「これで、次の場所へ行けるのね」

 

絵里がそう言うと聖なる遺体が輝きだした

 

「どうやら次の場所へ行くようね」

 

「今度こそ希ちゃんを助けよう!」

 

絵里は目を擦り笑顔で

 

「よぉし!それじゃあ、行くチカァァ!」

 

「「ポンコツに戻った!!??」」

 

 

to be continue




ポンコツーチカの事はさておき
三人は希を追って次なる場所へ、その場所とは一体、そして、次に現れる刺客とは

次回「飛行機に乗ったネコ」


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第三章  黄金の風
飛行機に乗ったネコ


前回までの穂乃果の奇妙な冒険

絵里が一人町を歩いていると希に出会った、しかし、希も何者かによって操られていた
そして、激闘の末、希に打ち勝つが逃げられてしまう。
三人は希の落としていった聖なる遺体で次の世界へと向かうのであった


光が徐々に消えていき目を開けるとローマのコロッセオに出た

 

「コロッセオ?どうしてここに?」

 

「近くにメンバーがいるって事かな?」

 

コロッセオの客席らしき場所で周囲を見渡していると

 

「誰だにゃ!貴様ら!」

 

声のする方へ顔を向けると星空 凛(ほしぞら りん)の姿があった

 

「凛ちゃん!?」

 

穂乃果が無謀にも凛の方へ駆け寄ろうとすると

 

「ちょ!?穂乃果!あんた今までの事忘れたの!?」

 

っと言われにこに肩を捕まれた

 

「うっ、確かに・・・」

 

「貴女、名前は?」

 

「私は「ナランチャ・リンガ」ここは私たちのシマだにゃ、さっさと出ていくにゃ!」

 

そう言うとリンガは小さな飛行機を出した

 

「やっぱり、スタンド使いね。見たところ遠距離攻撃型って所かしら?」

 

「敵だにゃてめぇ!」

 

その時、にこと穂乃果は違和感を覚えた、真っ先にその違和感の原因に気付いたのはにこだった

 

(まさか、こいつ、穂乃果の事を知らないの?)

 

「ここは我らパッショーネのシマ、死んだブチャラティの為にも私たちがパッショーネを守るんだにゃ!」

 

「パッショーネ?ブチャラティ?どういう事?」

 

リンガが意味の分からない事を涙ながらに言った

 

「凛、あんた、聖なる遺体って分かる?」

 

「聖なる遺体?何で・・・貴様らが、やっぱり敵にゃ!」

 

リンガは行きなり飛行機を三人に飛ばしてきた

 

「μ's!」

 

飛行機をμ'sで弾き返した

 

「リンガのエアロスミスを弾くとは、でも、大勢で掛かってくれば勝てると思っている時点で貴様らの負けにゃ!ミスタ!手を返してほしいにゃ!」

 

リンガが大きな声で呼ぶと奥から男が一人やって来た

 

「どうしたナランチャ」

 

片手にマグナムを持った男がリンガの隣についた

 

「こいつら聖なる遺体を狙ってるにゃ、もしかするとボスの手下かもしれないにゃ」

 

「そうか、だったら、手加減はいらねぇな!セックス・ピストルズ!」

 

「私にも手柄を残してくれよにゃ、エアロスミス!」

 

リンガとミスタは完全に臨戦態勢に入った

 

「まずいわね、あっちは遠距離攻撃型、こっちは接近パワー型、こっちの方が圧倒的不利、どうする?一端退いて態勢を立て直してからもう一度仕掛ける?」

 

「そんな悠長なこと言ってられないよ!行くよ!にこちゃん絵里ちゃん!」

 

穂乃果は一気にリンガに飛び込んでいった

 

「あっ、!もぉ、仕方ないわねぇ!」

 

穂乃果に続きにこも飛び込んでいった

 

「あれ?エリーチカは?」

 

今回の出番はここまで

 

「ピストルズ!配置に付け!」

 

「だったら、そのちっこいのをぉ!」

 

にこがヘアゴムを外し髪の毛一本一本を器用に操りピストルズに向かっていった

 

「これが私の新技!孔雀の舞!」

 

「行くぞ!ピストルズ!」

 

ミスタは一気に六発弾丸を撃ち込んだ、すると、ピストルズが

 

「パスパスパース!」

 

ピストルズが発砲された弾丸をサッカーボールのように蹴って弾いて髪の毛を千切っていく

 

「痛っ!こいつ!」

 

「にこちゃん!」

 

「余所見してて勝てるほどリンガは弱くないにゃ!」

 

そう言ってエアロスミスを飛ばしてきた

 

「μ's!返り討ちだよ!」

 

計機関銃のような乱射に対しμ'sのラッシュで弾き返した

 

「にゃ!?」

 

「凄い、μ'sのスピードが前より速くなってる、まだまだ成長する、そんな気がする」

 

「まだにゃ!撃てねぇなら撃てねぇでよぉ!貴様をぶっ殺す方法はあるぜぇぇ!」

 

エアロスミスが今度は回転しながら突進してきた

 

「何度来ても弾き返すだけだよ!」

 

「ウニャャ!!!」

 

「ウォォリャャャ!」

 

鋭利な刃物のようなプロペラに穂乃果はμ'sの拳一つで殴り抜いた

 

「にゃ!くっ、結構やるにゃ」

 

μ'sの拳に弾き飛ばされリンガは大きく仰け反った

 

「ナランチャ!大丈夫か!?」

 

その時、ミスタがリンガの方へ顔を向けると

 

「余所見した時点であんたの負けよ!」

 

ミスタが隙を見せた瞬間、髪の毛をミスタの身体中に巻き付け持ち上げた

 

「地獄の底まで落としてあげるわ!!」

 

にこは高く飛び上がり大きく反り返り、一気に振り落とした

 

「ミ、ミスタ!!!」

 

リンガは急いでミスタに駆け寄った

 

「ミスタ・・・」

 

その時、リンガの様子がおかしい事ににこが気付いた

 

「凛?」

 

「許さない・・・絶対に許さないにゃ!!」

 

リンガの目は赤く光りスタンドの形もさっきより歪な形になっている

 

「殺す、殺してやるにゃぁ」

 

懐からナイフを取り出した

 

「まずいわね、穂乃果!行くわよ!」

 

「うん!」

 

エアロスミスに機関銃が二つ取り付けられ回転しながら乱射した

 

「あの時と同じように行くわよ!」

 

「OK!」

 

全く狙いの定まっていない弾幕を、μ'sの高速ラッシュで弾丸を弾き返し、後ろからにこが髪の毛を伸ばした

 

「ウニャャ!!馬鹿にすんにゃぁ!!」

 

リンガがいきなり振り向き二機目のエアロスミスを出してきた

 

「しまっ・・・」

 

「ボラボラボラボラボラ!」

 

二機目のエアロスミスがにこに接近し機関銃を乱射した

 

「ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)!」

 

最後に内部に搭載された爆弾を飛ばした

 

「にこちゃん!!」

 

にこが爆発で壁に叩きつけられた

 

「ゴハッ!」

 

「にこちゃん!!大丈夫!?」

 

叩きつけられ地面に倒れたままピクリとも動かない

 

「にこちゃん!!」

 

「次はお前だにゃ!」

 

穂乃果は立ち上がり振り向いた

 

「にこちゃん、すぐに治してあげる、だから少し待っててね」

 

穂乃果はμ'sを出して構えた

 

「一瞬で、終わらせる」

 

「やってみろぉぉ!!」

 

エアロスミスを二機飛ばし二機とも乱射してくる、が

 

「ゆっくりに見える、これがμ'sの成長の力」

 

二機のエアロスミスを一瞬で抜きリンガの懐まで入った

 

「少し痛いけど、我慢してね」

 

ゆっくりそう言うと上に吹き飛ばすようにラッシュをぶちこんだ

 

「ウォォリャャャ!!」

 

エアロスミスの機関銃なんかより何倍も早いラッシュでリンガの体に拳を打ち込んだ

 

「ウニハァァ!!」

 

そして、そのまま吹き飛ばされた

 

「ミスタ・・・ごめんにゃ・・・」

 

地面に倒れ、ミスタの方へ手を伸ばすがその手が届くことはない

 

「にこちゃん!!大丈夫?すぐに病院へ連れていってあげるからね」

 

そう言って、にこを運ぼうとすると、μ'sが勝手に出てきた

 

「μ's?どうして?」

 

そして、μ'sは両手でにこに触れるとにこの傷が塞がっていった

 

「え!?これ・・・」

 

「う、ん?」

 

するとにこがむくりと起き上がった

 

「に、にこちゃーーーん!!!」

 

「ウゴォ!何このデジャビュ!!??」

 

穂乃果はにこに首が絞まるくらい抱き締めるのであった

 

「チャンチャン、チカ」

 

to be continue




激闘の末リンガに勝利した二人、だがなぜ凛は穂乃果の事が分からなかったのか
そして、それを遠くから見ていた謎の人物がいた

次回「紅い復讐者」







「エリーチカの今回のギャラひっくぅ!!??」


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番外編 キャラクター紹介

前回、エリーチカのギャラが安かったチカ!
あんなのじゃあ天ぷらうどんも食えないチカ!
だから今回はエリーチカが主役でキャラクター紹介を・・・

ちょっと待った!


「だ、誰だ!チカ!」

 

「俺ぁ、お節介焼きのスピードワゴン、あんたが心配でくっついてきたぜ」

 

「な!?呼んでねぇチカ!さっさと帰るチカ!」

 

「そうもいかねぇ、今回は俺が特別ゲストとして呼ばれたんだ」

 

「チッカァァ・・・まぁいいチカ。ではキャラとスタンド紹介いくチカ!」

 

高坂 穂乃果(こうさか ほのか)

スタンド名 μ's(ミューズ)

破壊力 A

スピード A

射程距離 C

継続力 A

精密機動性 B

成長性 S

特殊攻撃 なし

 

「穂乃果のスタンドは原作ジョジョの奇妙な冒険に出てくる承太郎に近いな」

 

「それに成長性が格段に高い、これは期待が持てるチカ。でも、特殊攻撃を持ち合わせてないチカね」

 

「だが、これからもっと冒険をしていくことで新たな技を覚えていくに違いねぇ。じゃあ、次だ」

 

矢澤 にこ(やざわ にこ)

スタンド名 ラブデラックス

破壊力 B

スピード B

射程距離 C

継続力 A

精密機動性 E

成長性 B

特殊攻撃 孔雀の舞

 

「にこのスタンドは原作の山岸 由花子のスタンドチカ、思えば穂乃果のスタンドが唯一のオリジナルスタンドじゃいかチカ?」

 

「まぁな、それにしても精密な動きは苦手みたいだな。ん?でも、本作品では髪の毛一本一本を器用に使ってたな」

 

「スタンド自体は精密な動きに適していないけど、にこは手先が器用だから、そう言うところがスタンドにも反映されてるんじゃないチカ?」

 

「成る程な、じゃあ、次だ」

 

絢瀬 絵里(あやせ えり)

スタンド名 シルバーチャリオッツ

破壊力 C

スピード A

射程距離 C

継続力 B

精密機動性 B

成長性 C

特殊攻撃 甲冑外し

 

「ついに真打ちの登場チカね」

 

「でも、破壊力がCか、微妙だな」

 

「シルバーチャリオッツは斬撃だから、壊すなんて野蛮なことはしないチカ」

 

「成る程、おぉ、よくみるとスピードAか、相当速く動けるんだな」

 

「甲冑を外せばもっと早いチカ、見てみるチカ?」

 

「また今度な、じゃあ、次だ」

 

東城 希(とうじょう のぞみ)

スタンド名 マジシャンズレッド

破壊力 B

スピード B

射程距離 C

継続力 B

精密機動性 C

成長性 D

特殊攻撃 K・F・H・S(クロス・ファイア・ハリケーン・スペシャル)

 

「成る程、全体的にバランスが取れてるな、でも、これ以上の成長は見込めないな、だが、これは、本人の強い意思で変わってくる、次に会うときは気を付けた方がいいぜ」

 

「しかも、特殊系攻撃がたくさんあるチカ、次も勝てるか不安チカ」

 

「意外な反応だな、まぁいいか、次だ」

 

星空 凛(ほしぞら りん)

スタンド名 エアロスミス

破壊力 B

スピード B

射程距離 C

継続力 C

精密機動性 E

成長性 C

特殊攻撃 二機目のエアロスミス

 

「こいつは原作と違って二機目を飛ばすことができるみたいだな、だが、それが出るのは感情が強く動いたときだけっぽいな」

 

「それに、精密機動性はとっても低いチカ、まぁ、乱射ばっかりだったし、これが普通チカね。あれ?射程距離が案外低いチカ、何でチカ?」

 

「乱射だから、遠距離攻撃には向いてないってことだな。さてと、これで今のうちは全員紹介出来たかな?」

 

「そうチカね、次回はもうちょい先になっちゃうチカけど、気長に待つチカ」

 

「それじゃあ、また会おうぜ」

 

「「アリーヴェデルチ(さよならだ)」」

 

to be continue




後悔はない、反省もしていない
気になった事や聞きたい事があればどんどんコメントしてください、待ってます

次回「紅い復讐者」


「こんなギャラじゃあ、ピッツァも買えないチカァァ!」


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紅い復讐者

「はぁ、全く、繰り返しネタはギャグ物の定番だけど・・・」

 

「あはは、ごめんねにこちゃん」

 

「もういいから、凛とミスタの治療をするわよ」

 

「うん」

 

穂乃果はミスタの元へ、にこは凛の元へ向かった

 

「あら?これは、穂乃果が花陽から貰ってた聖なる遺体・・・」

 

にこが凛のすぐ横に落ちている聖なる遺体を手に取ると

 

「う、うーん」

 

凛が頭を振りながら起き上った

 

「凛!目が覚めたのね」

 

にこは反射的に遺体を懐へ隠した

 

「にこちゃん?ここは・・・」

 

「あぁ、説明しなくちゃね」

 

少女説明中・・・

 

「はぁ、にわかには信じられないにゃ」

 

「誰でも最初はそういう反応するわよね」

 

にこが苦笑いをしていると

 

「にこちゃーん、こっちの人も治療できたよぉ!」

 

穂乃果が大声で呼び、二人は穂乃果の元へと向かった

 

「ミスタ!」

 

凛はミスタの顔を見て久しい友人に会った時のような顔でそう言った

 

「凛、久しぶりだな」

 

「え!?二人とも知り合いなの!?」

 

穂乃果はあからさまな反応をした

 

「何言ってるにゃ、凛たちが少し前に海外旅行に行った時に知り合ったんだにゃ」

 

その時、にこは疑問を感じた、自分たちがつい最近に旅行に言った話なんて聞いていない。

それに、自分以外で言ったという話も聞いていない

 

「って!ぬぁんで私抜きって言う選択肢があるのよ!!」

 

三人はその時、にこを不審者を見る目で見た

 

「まぁ、凛も戻ってきたわけだし、聖なる遺体を探しに戻りましょう」

 

「聖なる遺体って何だにゃ?」

 

「さっき話したでしょ、私たちがいた元の世界に戻るための道具よ」

 

「ねぇ、にこちゃん」

 

にこが凛に説明をしていると、穂乃果が口を挟んできた

 

「何よ?」

 

「絵里ちゃんは?」

 

「へ?」

 

振り向き周囲を見渡すと絵里の姿がない

 

「あのポンコツーチカめ・・・」

 

思わず頭を抱えた。

 

一方、絵里は前回ノーギャラで働かされて拗ねながらローマの街を練り歩いていた

 

「まったく、なんで私が何のギャラもなしで働かなきゃダメなのよ、失礼しちゃうわ」

 

ブツブツと愚痴をこぼしながら歩いていると、どこからか視線を感じた

 

「ん?」

 

絵里は即座に周囲を見渡した、その視線の不気味さには覚えがあった

 

「もしかして・・・」

 

そして、絵里は走り出した、向かう場所は誰もいない深夜のローマの橋

 

「ここなら被害も少ないでしょう、出てきたらどうなの、希」

 

そう言うと、建物の屋上からヒュッとまるで風のように現れた

 

「エリチ、久しぶりやん」

 

「希、やっぱり来たのね」

 

「あの時のリベンジマッチをしにきたで」

 

燃え盛る火炎のようなオーラを出しながらスタンドを出した

 

「いいわよ、まだ、決着がついてなかったからね」

 

絵里も構えながらスタンドを出した。

そこは異様な空気が立ち込めていた

 

シルバーチャリオッツとマジシャンズレッドは、今にも飛び込んでいきそうな雰囲気だった

 

「シルバーチャリオッツ!!」

 

「マジシャンズレッド!!」

 

二人はスタンドを出し、飛び込んだ

 

「S・F・H!《スピリチュアル・ファイアー・ハリケーン》」

 

マジシャンズレッドが十字の炎を飛ばしてきた

 

「弾き返す!!」

 

十字の炎をチャリオッツが剣を円を描くように回すと、十字の炎がスーパーボールのように跳ね返った

 

「そして!甲冑を外したスタンド、シルバーチャリオッツ!」

 

そう言って、チャリオッツの甲冑を外し高速で攻撃を繰り出した

 

「さぁ、このスピードに追い付けるかしら!」

 

「そのスピードじゃあ、うちに攻撃することは出来へんな」

 

「なら試してみなさい!!」

 

高速で動き希に一気に近づき斬撃を与えようとした瞬間

 

「!」

 

絵里の足元から十字の炎が飛び出てきた

 

「しまっ!」

 

絵里が最後まで言おうとするが、それよりも速く十字の炎が絵里に飛んできた、その刹那

まるで突風が吹いたかのように絵里の頬をかすめながら拳が十字の炎にぶつかり炎は消えた

 

「はぁ、良かった」

 

絵里が振り向くとホッと胸をなでおろす穂乃果の姿があった

 

「穂乃果!?いつから」

 

「絵里ちゃんを探して街中歩き回ってたら、希ちゃんと戦ってるところに出くわしたから急いで加勢に来たんだよ」

 

「ちっ、穂乃果も来てもうたか、二対一ではこちらが不利やな、ここは一旦引き下がって・・・」

 

希は舌打ちをしてから、その場から去ろうとすると

 

「そうは問屋が卸さないわよ」

 

希が振り向くとにこと凛がスタンドを出して構えていた

 

「くっ!いつの間に、さすがと言ったところやん」

 

苦笑いしながら希は挟み撃ちにされ構えた

 

「にこ!凛!あなた達は下がっていて、ここは私が決める」

 

「何言ってるの絵里ちゃん、私も一緒だよ!」

 

「穂乃果・・・」

 

「二人に任せるわ、私たちは万が一の時に備えて準備しておくわ」

 

「行こう!絵里ちゃん!」

 

「えぇ、行くわよ!穂乃果!」

 

絵里のシルバーチャリオッツと穂乃果のμ'sが肩を並べた

 

「フルスロットルで行くわよ!穂乃果!!甲冑を外したスタンドシルバーチャリオッツ!」

 

「うん!行くよ!!」

 

二人のスタンドは目にも止まらぬ速さで動きで希に連撃を食らわせていく、そして、μ'sのアッパーで希が上に飛ばされた

 

「行くわよ!ダメ押し!!」

 

「チッカァァァァァ!!」

「うぉぉぉりゃぁぁ!!」

 

二人のスタンドがまるで機関銃のように希の体に攻撃を加えていく、そして、希はそのまま吹き飛ばされた

 

「おっと!」

 

それをにこがスタンドでキャッチした

 

「大丈夫?希」

 

地面に寝かせ声をにこが声を掛けると

 

「う、ん?にこっち?」

 

希は居眠りをしていたかのように目覚めた

 

「希ィィィィ!!」

 

絵里がタックルをするように希に抱きついた

 

「ちょ!エリチ!?何なん、どうなってるん!?」

 

数十分後

 

「まったくもぉ」

 

希は衝動的にスタンドで絵里をアフロにした

 

「ケホッ、ま、まぁ、無事で何よりね」

 

アフロになりながら乱れた衣服を着直した

 

「そうやね、さっきは色々ありすぎて状況把握が出来へんかったけど、何やいろいろ思い出してきたわ」

 

「それって、例のあのお方って奴!?」

 

穂乃果は食い気味にそう言った

 

「うーん、なんでかそこだけ思い出せへん、もしかしたら何か意図的な物があるんかもしれへんな」

 

「そっか・・・」

 

穂乃果は見るからに落ち込んだ

 

「でも、これはあったで」

 

希は懐から聖なる遺体を取り出した

 

「あぁ!それって!」

 

「まぁ、なんとなく何なのかはわかるわ、これを使えばみんなの元へ行けるんやろ?」

 

「よぉし、それじゃあこれを使って次の場所へ行ってみよう!」

 

希が持っていると、聖なる遺体は輝きだし、その場の全員を光で包んだ

 

to be continue




希をやっとのことで元に戻すことが出来た穂乃果たち
希の持っていた聖なる遺体が向かわせる新たなる場所とは一体

次回「豊穣のギャンブラー」


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第四部 戦闘潮流
豊穣のギャンブラー


五人を包んでいた光は次第に薄れていき、視界が晴れると

 

「ここは、イタリア?」

 

周りを見渡すとイタリアの街並みが並んでいた

 

「ここに皆がいるの?」

 

「皆かどうかはわかりませんが、少なからず、一人はいるようですよ」

 

その聞き覚えのある淑女のような品のある声

 

「花陽ちゃん!」

 

「かよちん!」

 

喫茶店のテラス席で優雅におにぎりを食べている

 

「かよちん、どうしたのその恰好・・・」

 

凛が今まで見たことのない大人びた格好に動揺を隠せないでいる

 

「高坂穂乃果、今回はあの時のようにはいかないぞ」

 

見るからに花陽が穂乃果に向けて敵意を見せていた

 

「ギャンブルでもなんでも、花陽ちゃんが戻ってくるのなら、みんなが戻ってくるのなら、何だってするよ!」

 

「いいでしょう、今回はギャンブルで勝負と行きましょう」

 

勝機でもあるのか花陽は不敵に笑った

 

「ちょ、ちょっと待つにゃ!」

 

そんな中凛がそう言った

 

「どうしちゃったんだにゃ、かよちん、いつものかよちんらしくないニャ」

 

「さぁ?戻ってほしいと願うなら私とギャンブルで勝負していただきたい」

 

「わ、わかったにゃ!受けて立つにゃ!!」

 

「ちょ!凛!」

 

にこが驚きながらそういうと

 

「大丈夫だにゃ、凛に任せるにゃ」

 

そう言って、花陽の前に立った

 

「では、ギャンブルを始める前に、魂を賭ける、と言っていただきたい」

 

「にゃ?何でだにゃ?」

 

「願掛けのようなものですよ、さぁ、早く」

 

「わかったにゃ、魂を賭けるにゃ!!」

 

「good」

 

花陽はテーブルの上に置いてあった大きな肉と小さな肉を手に取り地面に投げ捨てた

 

「そこに猫がいるでしょう、そこに置いた肉を猫はどちらを先に食べるか、あなたから決めていいですよ」

 

頬杖をしながら凛に説明をした

 

「凛が猫だったら、あの大きいお肉を先に食べるにゃ!」

 

「good、では私はあの小さな肉を」

 

そして、猫はゆっくりと肉に歩み寄った

 

「さぁ!大きなお肉を先に食べるにゃ!」

 

凛が大きな声でそういうと、猫は小さな肉を先に加えて、次に大きな肉を取った

 

「にゃ!?」

 

「何やってんのよ凛」

 

にこは呆れながらそう言った

 

「えへへ、ごめんにゃ」

 

凛が軽く謝っていると

 

「では、代償としてあなたの魂をもらいましょうか!」

 

花陽がそういうと花陽のスタンドが姿を現した

 

「凛ちゃん!危ない!」

 

希が凛にそう言った瞬間、花陽のスタンドが凛の体に触れて、凛の体から何かが出てきた

 

「な、何アレ」

 

すると、花陽のスタンドが凛の形をした何かをこね始めた

 

「ククク、私のスタンドの名はオシリス神、エジプト九栄神の一人、ジャンブルで負けた者の魂を」

 

花陽が言い終わる前にオシリスが手を広げると、手元におにぎりがあった

 

「おにぎりに変えてしまうのですよ」

 

「ま、まさか、これが凛ちゃんの魂?」

 

「Exactly!(その通りでございます)」

 

花陽が意気揚々としゃべっていると、猫が花陽の膝の上に乗った

 

「「「「!!」」」」

 

「あぁ、因みにこの猫は私の猫なんですよ」

 

にやりと不敵に笑いながら猫の頭を撫でた

 

「あ、あんた!!」

 

にこは激怒し花陽の胸ぐらをつかんだ

 

「いいでしょう、おやりなさい、ですが、彼女の魂は一生戻らなくなりますがね」

 

冷酷な目をしながらにこにそう言った

 

「にこっち!あかん、今やったらあかん!」

 

希は今にも花陽を殺してしまいそうなにこを止めた

 

「だったら、次は私がやるチカ!!」

 

さっきまで黙っていた絵里が急にそう言いだした

 

「賭けの内容はその猫の性別!メスだチカ!魂を賭けるチカ!!」

 

「オスです」

 

絵里は魂を抜かれた

 

「このポンコツ!!」

 

「二行で負けた・・・」

 

「さぁ、次は誰が相手になりますか?」

 

花陽が勝利を確信した目でそういうと

 

「なぁ、ぱなよちゃん、表面張力って知っとる?」

 

希が水一杯のコップを握りしめてそう言った

 

「ハナヨだ。えぇ、知っていますよ」

 

「せやったら、今度はこのコップの中にコインを順番ずつ入れて水を溢れさせたら負け、どうや?ぱなっち」

 

水入りコップをテーブルに置いてそう言った

 

「ハナヨだと言ってるでしょう。いいですよ、では」

 

「魂を賭けるんやろ?かよっぺ」

 

希がいたずらに笑いながらそう言うと、花陽が希を腕をつかみ

 

「ハナヨだ!!二度と間違えるな!」

 

花陽は苛立ち大きな声でそう言った

 

(希・・・恐ろしい策士ね、わざと名前を間違え続けて相手に冷静さを欠けさせた)

 

「いいでしょう、ですが、その前にイカサマがないか確認させてもらいます」

 

「ええで」

 

花陽はコップを持ちあげ隅々まで調べ、コップの底をさするように調べた

 

「では、始めましょうか」

 

「ええで、うちの魂を賭ける!」

 

「good、まず、私から行きます」

 

そう言って、花陽の前に置かれたコインを五枚手に取った

 

「なっ!まさか、一気にそんなに入れたら水があふれて!」

 

「静かにしてください、集中したいんです」

 

花陽は手を震わせてゆっくりと水面につけて、ゆっくりと入れた

 

「ふぅ、それでは、次はあなたの番ですよ」

 

「わかったわ、って言うても、ドキドキする系は苦手やねん、コインは一枚で行かせてもらうで」

 

そう言って、コインを一枚手に取った

 

「ほな、いくでぇ」

 

ゆっくりコインを水面に近付け、水の中にコインが少し入った瞬間、力強くコインをつまんだ

 

(本当に恐ろしい策士ね、自分の親指の腹の部分に小さな布のようなものを挟んで水に入った瞬間、力を入れて水嵩を増やした)

 

(ククク、花陽ちゃんには悪いけど、この勝負はうちが確実に勝てるようになっとる。最初にコインを五枚入れたのは驚いたけど、このコップに何枚入れれば水が溢れるかは計算済み、そして、この少量の水でも十分勝ち目がでる、勝った・・・)

 

希はゆっくりコインを離しコップの中に入れた

 

「ふぅ、今ので寿命が十年は縮んだわ」

 

大きくため息をついて椅子に深く座った

 

「では、次は私ですね、少し位置を変えさせてもらいます」

 

(フフ、どんなに位置を変えたってコインが一枚でも入れば水が溢れる、うちの勝ちや!)

 

希が心の中で勝利を確信した瞬間、あり得ないことが起きた

 

「ポチャン」

 

「「「!!」」」

 

何と、一枚でも入れば水が溢れるはずのコップにコインを一枚入れたのだ

 

「なっ!!そんな、あり得へん!一枚でも入れば水が溢れるはず!」

 

「どうしました?次はあなたの番ですよ」

 

「わ、分かってる・・・」

 

希は動揺した、現時点で水が今にも溢れそうな状態になっている、こんな状態でコインを入れるなど自殺行為だ

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

額から汗が流れ始めた、心臓はうるさくなり続ける

 

(あ、あか・・・ん)

 

その瞬間、希の体から魂が出てきた。そして、オシリスが希の魂を掴みおにぎりにした

 

「へ、何が起きたの、まだ勝負はついてないはずよ!」

 

「いいえ、勝負はつきました、心の中で敗北を認めたのです、そして、彼女の魂はこうなってしまった、それだけのことです」

 

花陽は不敵に笑った

 

「だ、だったら、私が・・・」

 

意を決してにこが前に出ようとすると、穂乃果がにこの前に手を出した

 

「私がやる」

 

にこは驚き穂乃果に何か言おうとするが、今までに見たことのない真剣な表情を見て口を閉じた

 

「勝負内容はポーカー、いいよね?」

 

「ククク、よろしい、では」

 

「穂乃果の魂を賭ける!」

 

「good!!openthegame!」

 

穂乃果は花陽の前に座った

 

「ここにいる人は花陽ちゃんの手下かもしれないし、あそこの男の子にディーラーをしてもらうよ」

 

穂乃果が指さす方向にはサッカーボールで遊ぶ少年がいた

 

「いいでしょう」

 

少年を呼びにこがトランプを持たせた

 

「さて、始めましょうか」

 

花陽は手元にある分厚い本を片手でパラパラとめくり、止めた

 

(75ページ?いや、77ページか)

 

流し目で確認すると確かに77ページで止めている、花陽は目で見ずにページ数を当てることが出来るのだ

 

(ククク、今日も絶好調だ・・・)

 

少年は二人に交互にカードを配った

 

「さてでは・・・二枚チェンジだ」

 

花陽がカードを二枚出すと少年は新しいカードを二枚出した

 

「私は、一枚チェンジ」

 

穂乃果がカードを出すと、少年も新しいカードを一枚出した

 

「レイズ、二枚上乗せと行こう」

 

「コール」

 

花陽はにやりと笑った、二人が同時にカードを開くと

 

「穂乃果がワンペア、花陽がツーペア」

 

花陽が今にも笑い出しそうな顔でコインを取った

 

「nextgameだ」

 

(ククク、馬鹿め、私の手下は私の視線にいる全員。つまりこのガキも手下なのだ)

 

少年がカードを二人に配った

 

「さてと」

 

その時、穂乃果は蓋のついたビンを手に取り、一瞬のうちに蓋を開けた

 

「今、何をした!?」

 

「?」

 

「今何をしたと聞いたんだ!」

 

「別に、穂乃果のスタンドで蓋を開けただけだよ?」

 

(なんだあのスピード、まるで勝手に蓋が外れたようではないか。これほどまでにスタンドが成長しているとは)

 

花陽の思いとは裏腹に、穂乃果はジュースを一口だけ飲み、カードを二枚チェンジした

 

「私は、三枚だ」

 

花陽もカードをチェンジして

 

「レイズ、二枚上乗せするよ」

 

穂乃果に合わせるように、花陽はコールした

 

「今度は、穂乃果がブタ、花陽がスリーカード」

 

ついに穂乃果のかけ金が残り数枚になってしまった

 

「さぁ、そろそろ、終わりにしようか」

 

花陽は意気揚々と配られたカードを見ながらそう言った、その時

 

「!」

 

何と、穂乃果は配られた状態で見る事すらしていない

 

(穂乃果め、私に挑発しているのか?あんなふざけた真似を)

 

すると、穂乃果が

 

「私はノーチェンジで行くよ」

 

穂乃果は椅子に深く座りながらジュースを飲み始めた

 

「いいだろう、小僧!二枚チェンジだ!早く渡しなさい!」

 

「は、はい!」

 

花陽は穂乃果の態度にあからさまに苛立ちを見せた

 

(まぁ、どのみち、カードがブタになるように指示してある、何も恐れる必要はない)

 

そう安堵の息を吐いていると

 

「私は、私のすべての魂とにこちゃんの魂を上乗せする!」

 

「「!!」」

 

「高坂穂乃果、あなた正気?」

 

花陽は驚き穂乃果の正気を疑った

 

「うん」

 

(ほ、穂乃果、本当にあんたに任せて大丈夫なのね?私はこの手の物は運が悪いから出来ないけど、あんたに、私の命預けたわよ!)

 

(お、落ち着け花陽、あいつの手札はブタ、勝てるはずが・・・)

 

その時、花陽はあることを思い出した

 

(待て、確かあいつのスタンドは接近パワー型、高速で動くことが出来る、もし、あいつはスタンドでイカサマしていたら、出来ないことではない、私の動体視力を遥かにしのぐスピード、しかもこの小僧はスタンド使いではないから見ることが出来ない)

 

花陽は途端に汗が流れ始めた

 

(いや、あいつがスタンドを出しイカサマをしたのならなぜカードを見ない。そうか、あいつはイカサマをしていない、ただのブラフだ。はは、そうだ、そうに違いない)

 

「どうしたの?コール?それともドロップ?」

 

穂乃果は今までにないくらい勝ち誇ったのような顔でそう言った

 

(だが、なぜ、あそこまで動揺せずにいられる、もしかして、本当に・・・)

 

「さぁ!花陽ちゃん!!!賭ける《コール》か!賭けない(ドロップ)か!!はっきり言葉に出して言ってもらうよッ!!」

 

花陽は一気に汗を噴き出した、心臓は五月蠅くなり続ける

 

(い、言うぞぉ、こ、コールと行ってやるぞぉ)

 

「コッ」

 

その時

 

(こ、声が出な・・・い、び、ビビってしまっている・・・)

 

花陽はより一層汗を流し始めた

 

「息が・・・い、息が・・・ヒック、うっクク」

 

「さぁ、花陽ちゃん!さぁ!早く!」

 

(わ、私が負けるはずがない!わ、私は最強のギャンブラーだぁぁ!こんなその時その時だけで動くような奴なんかにィィィィ!!!)「プツン」

 

花陽の中で何かが弾け

 

「花陽ちゃん?」

 

「花陽?」

 

花陽はいつの間にか気を失っている

 

「ガタン!!」

 

花陽はそのまま倒れた

 

「い、イヒヒ、イィヒイヒ、アヒヒフヘホヘハヘ」

 

花陽は倒れたまま不気味に笑い始めた

 

「ハハハハヒフヘヘヘホホホ!みんなぁぁぁ、いっしょにおにぎりたべようよぉぉ!」

 

花陽がくねくねと不気味な動きをしながらうわ言の様にそう言っていると、おにぎりにされた三人の魂が三人の元へと帰っていった。

その時、花陽が倒れた勢いでテーブルが倒れ、伏せられたカードが裏返った

 

「ぶ、ブタだぁぁ!!??」

 

少年が大きな声でそういった

 

「ノーペアだったんだ・・・、流石にこれを見てたら怯えて声も出なかったかも」

 

穂乃果は苦笑いしながらそう言った

 

「あ、あんた、勝機も無しにあんなこと言ってたの!!??」

 

「エヘヘ、穂乃果の特技の信じて疑わないって言う精神でやってみたんだ。勝ててよかったよ(⌒‐⌒)」

 

そんな事を話していると

 

「う、ん?穂乃果ちゃん」

 

いち早く起きだしたのは希だった

 

「希ちゃん!よかったぁ」

 

すると、残りの二人も起きた

 

「みんな無事でよかったよ」

 

「かよちんは!?」

 

凛が必死の形相で穂乃果に聞いた

 

「は、花陽ちゃんならそこに」

 

穂乃果の指さす方向にはくねくねと動きながら何かを言い続ける花陽がいた

 

「かよちん!大丈夫?かよちん!」

 

凛が肩を揺さぶりながらそう言うと

 

「は、へ?凛・・・ちゃん?」

 

花陽が正気を取り戻した

 

「か、かよちーーーーん!!」

 

「り、りんちゃんどうしたの!?」

 

その時、にこは思った

 

「これは、何のデジャビュなの?」

 

to be continue




新たに花陽を助けることに成功した穂乃果たち
その様子をジッと観察する謎の影
彼女たちに表れる次なる刺客とは一体

次回「皇帝の蒼と赤い茨」


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皇帝の蒼と赤い茨

穂乃香たち一行は花陽に事の説明をするため、ホテルに泊まっていた

 

「って言うことなの、分かった?」

 

花陽は既にオーバーヒートしていた

 

「まぁ、初めはそんな感じよね」

 

「すぐに理解したにこっちがおかしいだけやもんね」

 

「ぬぁんですってぇ!」

 

六人は和気藹々と話していると

 

「!」

 

穂乃果はどこからともなく凄まじい殺気を感じ取った

 

(敵!)

 

穂乃果は周囲を見渡し敵がいないかを確認した

 

(いない、誰も、だったら、この凄まじい殺気は一体どこから・・・)

 

周囲を見渡し構えていると

 

「ヒュン!」

 

窓の方から風を切る音が聞こえ、そっちに目を向けると矢が飛んできた

 

「μ's!」

 

穂乃果は咄嗟にスタンドを出して、矢を弾いた

 

「外!」

 

穂乃果は、急いで外へ出た

 

「誰?一体どこから・・・」

 

外へ出て周囲を見渡していると、見覚えのある赤髪の少女の姿が

 

「真姫ちゃん!」

 

しかし、真姫の腕には紫色の茨が絡みついている

 

「それって、もしかして・・・」

 

「えぇ、お察しの通り、私のスタンドハーミットパープル」

 

真姫の右腕から、紫色の茨がうねうねと動いている

 

「じゃあ、さっきの矢は、も、もしかして!?」

 

穂乃果が最後まで言い切る前に

 

「遂に会えましたね。穂乃果!」

 

青髪の弓道着を着た女性が表れた

 

「海未ちゃん!そんな、海未ちゃんまで操られて・・・」

 

穂乃果がショックでうろたえていると

 

「さて、あなたを始末させていただきましょうか」

 

海未は冷酷な目つきで弓を出した

 

「私のスタンド、蒼帝《エンペラー》の前にひれ伏しなさい」

 

弓を構えると同時に矢が現れ弦を引っ張り、キリキリと音を立てた

 

「死ね!」

 

無慈悲にも矢を放った、その時

 

「シルバーチャリオッツ!」

 

チャリオッツが穂乃果の背後から飛び出し矢を真っ二つに切断した

 

「ノンノンノンノン」

 

絵里がドヤ顔をしながら穂乃果の前に立った

 

「まったく、幼馴染に手を上げるなんて、海未も酷い事するようになったのね」

 

うふふ、と余裕の表情で笑って見せた

 

「ハーミットパープル!」

 

海未の隣に立っていた真姫が奇襲を仕掛けるように突然攻撃を繰り出した

 

「マジシャンズレッド」

 

ハーミットパープルが絵里に到達する前に炎の壁が立ちふさがった

 

「くっ」

 

「真姫ちゃん、不意打ちはもっと考えてやらんとあたらんよ?」

 

希がマジシャンズレッドを隣に立たせてやってきた

 

「希ちゃん!絵里ちゃん!」

 

「穂乃果、ここは私たちに任せなさい」

 

「三年生の力を見せてやるやん」

 

絵里と希はそう言って構えた

 

「わかった」

 

穂乃果は言われるまま後ろに下がった

 

「まさか、貴方達が出てくるとは思いませんでしたよ」

 

「うち的には、海未ちゃんが敵に回る方が驚きやわ」

 

「絵里、貴方に私を倒すことが出来るかしら?」

 

「ふふ、真姫、私が勝算も無しに戦いを挑むと思う?」

 

互いに互いをにらみ合い

 

「先手必勝!シルバーチャリオッツ!」

 

絵里が誰よりも先に飛び出しスタンドで高速攻撃を繰り出した

 

「ハーミットパープル!」

 

それに合わせるように真姫もスタンドを出した

 

「そんなツタ切り刻んであげるわ!」

 

そう言って、チャリオッツがハーミットパープルを切った

 

「ソレソレソレソレ!」

 

目にも止まらぬスピードで切っているが、次第に減速していく

 

「あ、あら?」

 

よく見るとハーミットパープルは切れているのではなく、剣に絡みついていたのであった

 

「ポンコツーチカで本当に助かるわ、そして喰らえ!」

 

真姫が右腕から出ているハーミットパープルに左手で触ると

 

「波紋疾走《オーバードライブ》!」

 

そう言うと、電流のようなものがハーミットパープルを渡って絡みついたチャリオッツの剣に流れると

 

「アババババ!!」

 

文字通り絵里の体に電流が流れた

 

「ふふ、私にはもう一つの秘策、波紋疾走《オーバードライブ》があるのよ!」

 

そして、真姫が手を離すと電流は止まった

 

「そして、次にあなたは「そんなもの、私には効かないチカ!」と言う」

 

真姫がにやりと笑うと、それに対して絵里がアフロ状態で

 

「そんなもの、私には効かないチカ!・・・っは!」

 

「私の十八番、これは私の勝ちね」

 

その頃、隣では

 

「エンペラー!」

 

海未は大量の矢を一気に放った

 

「焼き尽くしてやるやん!」

 

希は赤い荒縄《レッドバインド》をマジシャンズレッドの腕に巻きつけ鞭のように振り回し矢を燃やした

 

「スタンドっちゅうのは、使い手の精神力で力が決まってくる。うちの精神力を侮ってもらっちゃ困るで」

 

「だったら、サウザントアロー!」

 

海未が大量の矢を投げつけたと思いきや、その場で静止した

 

「なっ!どうなってるんや!?」

 

「この大量の矢を全て避けきれますか?」

 

海未はそう言って、静止する大量の矢の中、一本だけその場でキリキリと引っ張り、矢を放つと、一斉に矢が希を目掛けて飛んできた

 

「クッ、K・F・H・S《クロス・ファイヤー・ハリケーン・スペシャル》!」

 

十字の業火を大量に飛ばし矢を燃やすが、何本かが残り希に飛んでくる

 

「なんの!」

 

希は横に転がりギリギリ避けることが出来たが、足にかすってしまった

 

「っつ!」

 

「ふふ、残念ですね。私には気高き武士の魂があります、貴女のようなゆるふわ系女子のような精神では私に勝つ事など万に一度もあり得ません」

 

「そうやな、でも、海未ちゃんに勝つ方法は思いついたで」

 

「ほぉ、ならば、試してみてください!!」

 

弓を構えて、希に狙いを定めると

 

「あなたのハートを打ち抜くぞー、ラブアローシュートー」

 

希がポーズまで付けてそう言うと

 

「ブッ!!」

 

海未は顔を真っ赤にしてスタンドを引っ込めた

 

「あ、貴女!なんてことを言うんですか!!」

 

「あっ、そこは記憶として残ってるんやね」

 

「私の昔のことを蒸し返すなんて、万死に値します!!」

 

「あはは、こら余計なこと言ってもうたみたいやね」

 

苦笑いをしていると

 

「希!そっちは大丈夫!?」

 

颯爽と絵里が現れた

 

「あぁ、エリチそっちは・・・大丈夫そうやね」

 

アフロ状態の絵里を見て何かを確信した希であった

 

「こっちは、一旦引いてきたんだけど」

 

「こっちはこっちでまずい状態なんやけどね」

 

絵里の目線の先には海未がいて、希の目線の先には真姫が立っている

 

「私の背中は任せたわよ」

 

「じゃあ、エリチはうちの背中を任せるよ」

 

そう言って、お互いクロスするように走り出した

 

「赤い荒縄《レッドバインド》!」

 

「ハーミットパープル!」

 

二人のスタンドのロープのようなものは互いに絡み合った

 

「焼き尽くしてやるやん!」

 

「波紋疾走《オーバードライブ》!」

 

互いのスタンドを伝わり業火、波紋が伝わっていく

 

「エンペラー!」

 

「シルバーチャリオッツ!」

 

二人のスタンドは構え、そして

 

「サウザントアロー!」

 

「甲冑を外したスタンド、シルバーチャリオッツ!」

 

大量の矢に対して、光おも掴むスピードで矢を切り刻んでいく

 

「残念だったわね海未、私のスタンドならあなたの攻撃を全て切り刻むことくらい造作もないわ」

 

絵里はそう言うと、チャリオッツを分身させ構えた

 

「さてと、まずはあなたから再起不能にさせてもらうわ」

 

「調子に乗らないでください!!」

 

海未は身構え矢を飛ばした

 

「遅すぎるわよ、海未、貴女が矢を一本飛ばすうちに私は百回はあなたを斬っているわ。こんな風にね!!」

 

絵里が大量の矢を通り過ぎると一瞬にして真っ二つに分かれた

 

「止めを刺させてもらうわ」

 

分身したチャリオッツが、一斉に海未に襲い掛かった

 

「ま、まだ・・・まだやれます!」

 

そう言って海未は弓矢を構えるが、その前にチャリオッツの斬撃が海未を襲った

 

「今度の剣捌きはどうだぁぁ!!」

 

「アパウゥゥゥ!!」

 

海未は凄まじい威力の斬撃を受けてその場に倒れた

 

「ふぅ、後は穂乃果のスタンドで治癒してもらうとして」

 

絵里は倒れた海未を壁にもたれさせて

 

「希の方は大丈夫かしら」

 

希の方へ向かってみると

 

「ふぅ、そのビリビリ結構厄介やん」

 

「天才マッキーを舐めないでほしいわ」

 

二人は一進一退の攻防戦をしていた

 

「希、大丈夫!?」

 

「エリチ、問題ないで」

 

「エリーも来たようね、二対一は分が悪いわね」

 

「撤退はさせへんけどね」

 

希がそう言うと

 

「炎の監獄《フレイム・プリズン》!」

 

三人を囲むように火のドームが出てきた

 

「希、例のあれ頼むわ」

 

「分かったやん、マジシャンズレッド!」

 

マジシャンズレッドが火を吹き、シルバーチャリオッツの剣に火がまとわり付いた

 

「メルシー希」

 

炎の剣の状態になったチャリオッツが高速で真姫の懐まで飛び込み

 

「私の剣をしゃぶりなさい!!」

 

高速で斬るのではなく、分身し四方八方から突き刺したすると、火のトゲの様なものがくっきりと残った

 

「今よ!」

 

「行くで!」

 

希は腕をクロスさせ

 

「業火の結晶《フレイムクリスタル》」

 

そして、クロスした手を握り

 

「クラッシュ!」

 

希がそう叫ぶと、結晶の形になった炎が爆破した

 

「マジシャンズレッドに、弱点は無いんや」

 

爆風でたなびく髪を押さえながらそう言った

 

「希って、もしかして、超強い?」

 

「手加減はしてあるから、早いこと穂乃果ちゃんに治療してもらお」

 

二人を運び穂乃果に治癒してもらった

 

「ふぇぇ、一気に二人も治癒すると凄まじくしんどい(;´Д`)」

 

スタンドの能力を連続で使い、穂乃果はヘロヘロになっていた

 

「ん?海未ちゃんの服のなかに入ってるこれって」

 

希が海未の服のなかに手を入れると、中から聖なる遺体が出てきた

 

「これは、両眼部や」

 

干からびた包帯にくるまれた眼球を持ちながらそう言った

 

「これって、部位とかあったの?」

 

「穂乃果ちゃんが最初に貰った部位が腹部、多分真姫ちゃんも持ってると思うよ」

 

希に言われにこが真姫の服を探ると

 

「何か長い包帯に包まれた物が」

 

「それは両足部、大分部位が集まってきてるんやな」

 

感心するように聖なる遺体を並べている希に、にこが

 

「あんた、このミイラとかこれ以外にも知ってることがあるじゃない?」

 

「ん?知りたい?」

 

希は急に妖艶な顔でそう言って

 

「エエで。どうせいつかは話さなあかんかったし」




にこの疑問に対し語り出す希
そこに突如表れるスタンド使い
そのスタンド使いとは一体だれなのか

次回「時空を越える翼」


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時空を越える翼

前回、希が知っている全てを話すと言い全員ホテルのテーブルを囲み、座った

 

「ほな、皆準備出来た見たいやし、話そかな」

 

希がそう言った瞬間

 

「そもそも、スタンドって一体何なの?」

 

にこが真っ先に希に聞いた

 

「スタンドは、本来、強い精神力を持った人に表れる生命エネルギーの集合体「幽波紋体《スタンド》」とも言うな」

 

「じゃあ、ここにいる全員強い精神力を持っているってこと?」

 

穂乃果が不思議そうに言った

 

「せやな、まぁ、別の要因もあるかもしれへんけど、まだ詳しくはわからへん」

 

その時、希の背後から

 

「私なら説明できるわよ」

 

聞きなれた声が聞こえ全員が振り向くと

 

「お久しぶり」

 

そこには綺羅ツバサの姿があった

 

「ツバサさん!?」

 

穂乃果は立ち上がり目を点にしながらそう言った

 

「皆ここにいたのね、探すのに苦労したわ」

 

ツバサは余った一脚の椅子に腰かけた

 

「どうしてここに?」

 

「状況説明・・・と言いたいところだけど、今回が穂乃果さんに用があってきたの」

 

「ほな、ツバサさんは穂乃果ちゃんに説明して、他の皆はうちが説明しとくわ」

 

「それじゃあ、お願いするわ」

 

ツバサはそう言うと穂乃果の手を取って部屋を出た

 

「どうしたんですか、何で部屋の外に?」

 

「ここから先の話は他のメンバーには酷な話になるかもしれないから、でも、穂乃果さんは知っておかなければならない話なの」

 

「酷な・・・話?」

 

穂乃果はその言葉を聞いてドキッと、心臓が高鳴った

 

「まずは・・・そうね・・・」

 

ところ変わって

 

「まずは、スタンドの定義について話そか」

 

「スタンドって、強い精神力で生まれるって言うけど、凛は怒ってパワーアップしたわよね?」

 

「スタンドは使用者の精神状態で変化する、せやから、凛ちゃんが一時的に強くなったって訳やな」

 

「他にもそういうことってあるの?」

 

花陽がそう聞くと

 

「強いストレスを感じたときなんかはスタンドが暴走したりするかな?」

 

腕組をしながらそう言った

 

「暴走、危険そうな響きね」

 

真姫が肘をつきながらそう言った

 

「まぁ、そこまで危険な訳やないんやで、大体は過剰な自己防衛だったり、能力をやったらめったら撃ったり、とかやし」

 

苦笑いをしながら希はそう言った

 

「他には?例のあのお方とか、聖なる遺体とか」

 

にこが少し食い気味に言うと

 

「あのお方については覚えてへんけど、聖なる遺体やったら」

 

「実際何なのあれ?」

 

にこは不思議そうに希に聞いた

 

「聖なる遺体が誰の遺体なのかは分からへんけど、あれの力とスタンドは繋がっているのは確かやろうな」

 

「つまり、詳しいことは分からないってこと?」

 

「せやねぇ、取り敢えず遺体自体は順調に集まってる訳やし」

 

「あの、その聖なる遺体とは一体いくつあるのですか?」

 

急に海未が話し出してきた

 

「全部で9個、心臓、頭、両眼、両耳、右手、左手、胴体、両足、そして、脊椎」

 

「9・・・思えば、私たちμ'sメンバーも9人いますよね?」

 

「なにか関係してるんかもしれへんなぁ」

 

その頃、穂乃果とツバサは、外にあるテラスで話をしていた

 

「取り敢えず、聖なる遺体の事については理解してくれたかしら?」

 

「はい、でも、何でこんな事に」

 

「それは・・・今から話すことは他言無用、誰にも話さないで、いいわね?」

 

ツバサは真剣な目付きで穂乃果を見た

 

「は、はい!」

 

穂乃果はその目に圧倒され大きな声で返した

 

「事の発端は、今から2ヶ月ほど前の話。音ノ木坂で行方不明事件が多発していた、しかも、行方不明になっていたのはμ'sのメンバーばかり」

 

その話を聞いて穂乃果の顔から血の気が去っていった

 

「そして、私たちは独自に調査をしていた、すると、調べていると黄金の矢というものを見つけた。あなたはそれを自分の胸に突き刺した」

 

「えぇ!?私が!?」

 

「流石にあの時は穂乃果さんの正気を疑ったわ。でも、突き刺した部分から光が漏れだし、スタンドμ'sが生まれた」

 

「そんな経緯が」

 

「そして、私も矢を使ってスタンドを発現させた、名前はDirty deeds done dirt cheap(いとも容易く行われるえげつない行為)略してD4C、能力は平行世界を行き来する事が出来る」

 

そう言って、ツバサはスタンドを出した

 

「そして、穂乃果さんと私はμ'sメンバーを探して平行世界へ飛んだ。すると、何が起きたのか、穂乃果さんとはぐれてしまって」

 

「それで、私は杜王町に一人取り残されてたんだ」

 

「あれは申し訳なかったわ、探し回っていたんだけど、中々見つからなくて」

 

「い、いえいえ、大丈夫ですよ」

 

穂乃果は苦笑いしながらそう言った

 

「それと、これは穂乃果さんに伝えるか否か、悩んだのけれど。覚悟は良いかしら?」

 

穂乃果はツバサのその真剣な目付きに言い様のない恐怖感と緊張感を感じた、しかし

 

「大丈夫です!」

 

「良い返事ね、この世界は言ってしまえば私たちが居てはならない世界。でも、他のメンバーは違う」

 

「それは・・・どういう・・・」

 

「落ち着いて聞いてね。私と穂乃果さん、それ以外の人はこの世界に元々いた人物、つまり・・・」

 

「穂乃果たちがいた世界の皆は、この世界には、いない」

 

穂乃果は自分の口で言ってみるが、声と共に出てくる息が重く苦しい物になっていた

 

「そう、言いたくはないけど。私たちがいた世界の穂乃果さん以外のμ'sメンバーは、もういない。殺されたか、もしくは・・・」

 

「すみません、その・・・一人にしてくれませんか」

 

穂乃果は体の奥底から気持ちの悪い物が、まるでシャワーを浴びているように、体を駆け巡った

 

「そうね、これは餞別として、持っていて、それじゃ」

 

ツバサは手をヒラヒラとさせて手を振り、スタンドを使い消えた

 

「皆はもう・・・」

 

小さく声にすると、心の中にある何かが音を立てて崩れたような気がした。それと同時に膝をついた

 

「う、うぅ、そんなのやだよぉ・・・」

 

穂乃果は遂に涙を流した、涙を拭いても拭いても枯れてしまいそうなほどに涙が流れた

 

「みんなぁ・・・・私を・・・置いてかないでぇ」

 

自分の中の最後の砦が崩れぬように精一杯声を抑えるが、今にも崩れてしまいそうだった、すると

 

「なぁに泣いてんのよ」

 

顔をあげるとそこにはにこの姿があった

 

「にこ・・・ちゃん・・・」

 

にこに顔を向けるが涙は止まらず目の前が滲んでにこの顔はよく見えていない

 

「何でも、何でもないの・・・何でもないからぁ・・・」

 

笑顔を出そうとするが表情が一切変わらず泣き続けた

 

「全く、泣きながらそんなこと言われたって説得力無いわよ」

 

そう言って、にこは穂乃果を優しく抱き締めた

 

「あんたに何があったのか、ツバサさんに何を言われたのかは知らないけど、何があろうと、私は、いや、私たちはあんたの味方よ。安心して、私の胸で泣きなさい」

 

「うぅ・・・にこちゃゃぁぁん!!うわぁぁぁーーん!」

 

にこのその一言に崩すまいと堪えていた最後の砦が崩れていった。

 

穂乃果はにこに抱きつき三十分泣き続けた、十五分経つ頃には涙は枯れて流れなくなった、しかし、穂乃果は泣き続けた

 

そして

 

「ごめんね、にこちゃん、穂乃果の我儘に付き合わせちゃって」

 

穂乃果は泣きすぎて赤く腫れた目を開けながらそう言った

 

「大丈夫よ、こころやここあに抱きつかれて泣かれたことあったし」

 

少し笑い穂乃果の頭を撫でた

 

「そう・・・だね・・・」

 

ツバサの言葉を思いだし胸が傷んだ

 

「ねぇ、にこちゃん」

 

「ん?」

 

穂乃果は迷いながら

 

「もしも、穂乃果がこの世界にはいない別の世界からきた人だったら、にこちゃんはどう思う?」

 

穂乃果の質問ににこはクスッと笑い

 

「それは御免こうむるわ、あんたは一人で十分。だから、私たちの側から勝手に消えたりしたら、本気で怒るからね」

 

にこはそう言って、振り向いた

 

「さ、帰るわよ。皆待ってるわ」

 

「うん!」




穂乃果はツバサから衝撃的な真実を告げられ動揺するも
にこの言葉とμ'sメンバーの事を思いだし、また、立ち上がった
しかし、それを良く思わない人物が穂乃果を付け狙っていた

次回「最強のスタンドを持つ鳥」


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第五章 スティールボールラン
最強のスタンドを持つ鳥


「たっだいまー!」

 

穂乃果はさっきまでとは違い元気良く扉を開けた

 

「穂乃果、ツバサさんと何を話していたのですか?」

 

部屋に入ると、海未が出迎えてくれた

 

「ちょっとね。そういえば皆は?」

 

本を読む海未のとなりに穂乃果とにこは座った

 

「何やら服を買いに行くと言って出掛けていきました」

 

「服?」

 

「何時までも学生服で歩き回るのはあれだからと」

 

「海未ちゃんは・・・」

 

穂乃果がなにかを言おうとするが、海未の弓道着を見て全てを察した

 

「海未ちゃんただいま~、あれ?穂乃果ちゃん、それに、にこっちも帰ってたんやね」

 

希は服装を一転させ、雰囲気も変わっていた

 

「あっ、穂乃果ちゃん、お帰り」

 

希の後ろから花陽が帰ってきた、それと同時に他のメンバーも帰ってきた

 

「さてと、皆帰ってきた事やし。いま聖なる遺体が何個揃ってるか見てみよか」

 

「全部で9個、今持っているのは8個だったわね」

 

「取り敢えずテーブルに並べてみよ」

 

希に言われ、全員が持っている聖なる遺体を並べた

 

「今あるのが心臓、頭、両眼、両耳、右手、左手、胴体、両足の8個やね、つまり、今無いのが脊椎部のようやね」

 

「うーん、こう並べて見てみると、猟奇的殺人の現場を目の当たりにしてるみたいで不気味ね」

 

絵里が急にキリッとした顔でそう言った

 

「あはは、そうだね」

 

穂乃果は苦笑いをした、すると、μ'sが勝手に出てきた

 

「あれ?μ's、何で出てきたの?」

 

μ'sが出てきたの瞬間、聖なる遺体が浮遊しμ'sの各部位に集まっていった

 

「これは・・・」

 

聖なる遺体がμ'sの腕や頭等にくっ付くと、体の色が変わりより一層色を輝かせた

 

「これって」

 

「もしかしたら、聖なる遺体がμ'sと共鳴して、μ'sの体の一部になったとか?」

 

穂乃果はμ'sを動かさずともパワーアップしていることが分かった

 

「何となくだけど、分かる、μ'sが今、劇的に進化した事を」

 

一層輝きを放った

 

「まさか、聖なる遺体の正体はスタンド?」

 

希は驚愕した、しかし、聖なる遺体はμ'sにくっ付き、まるで、元合った場所に戻るかのようだった

 

「何とも美しい光ですね」

 

海未はμ'sの放つ光に心奪われていると

 

「ん?この光どこかで見たような・・・」

 

にこが光を見つめ記憶を蘇らせていると

 

「あぁ!この光は聖なる遺体で場所を移動するときの光だ!」

 

「皆急いで!置いてかれちゃう!」

 

その場の全員、光に向かって飛び込み、光は消えていった

 

「イッテテ、此処は?」

 

にこは飛び込んだ勢いのまま移動したため勢いよく地面に飛び込んでしまった

 

「日本?では、なさそうね」

 

周囲を見渡すと町並みではなく、どちらかと言うと荒野のようだった

 

「って言うか!誰もいないじゃないの!」

 

見渡す限り砂ばかりで人の気配すらしない

 

「参ったわねぇ、携帯を使おうにも電波が通ってるなんて思えない」

 

荒野の中、座り込み打開策を考えていると

 

「そんな所で座ってるとサソリに刺されちゃうよ」

 

にこの背後から突然声をかけられ振り向くと、そこには

 

「あれ?皆いる?」

 

穂乃果が目を開けるとそこは前に見た風景だった

 

「ここって、絵里ちゃんと希ちゃんがいた場所・・・」

 

周りを見渡し状況を整理していると

 

「穂乃果!」

 

いきなり大きな声で呼ばれ振り向くと

 

「海未ちゃん?」

 

「よかった無事だったのですね!」

 

必死の形相で穂乃果の元へ駆け寄ってきた。その背中には頭から血を流し、泥だらけの絵里がいる

 

「ど、どうしたの!?」

 

「じ、実は・・・」

 

その時

 

「見ーつけた」

 

上の方から声が聞こえ、顔をあげると

 

「こ、ことりちゃん!?」

 

不気味な黒い笑みを浮かべ、こちらを見下ろすことりの姿があった

 

「ンミチャーン、逃げちゃヤンヤンだよぉー」

 

ことりは脳トロボイスで黄金色のスタンドを出した

 

「くっ、穂乃果!絵里を連れて逃げてください、ここは私が食い止めます」

 

海未は穂乃果に絵里を託しエンペラーを出した

 

「ダメだよ海未ちゃん!穂乃果も戦う!」

 

食い下がろうとしない穂乃果に、海未は優しく微笑み

 

「大丈夫です、必ず戻ってきます。それに、穂乃果は私たちの希望です、ですから、早く行ってください」

 

「海未ちゃん・・・」

 

穂乃果は拳を握りしめ、絵里をおんぶして走っていった

 

「さぁ、ことり、私が相手です」

 

海未は弓を引きことりに狙いを定めた

 

「ンミチャーン、ことりのスタンドはとーっても強いんだぁ、だからぁ、心がポッキリ折れちゃわない様に気をつけてねぇ」

 

その頃、穂乃果は負傷した絵里を連れて街の中を走っていた

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

がむしゃらに走り続け行きを切らし立ち止まった

 

「穂乃果ちゃん?」

 

声が聞こえその方向に顔を向けると希の姿があった

 

「希・・・ちゃん?」

 

「えりち!どうしたんその傷!」

 

希に手を借りてとある一室に入った

 

「取り敢えず、応急治療はしたから、寝かしとこか」

 

手際よく応急治療を終えて椅子に座った

 

「穂乃果ちゃん、何かあったん?」

 

「実は、ことりちゃんに教われたみたいで、海未ちゃんが今戦ってて」

 

穂乃果の表情から不安感が出ていた

 

「それは不安やね、今からでも行きたいけど」

 

すると、部屋の扉が開き花陽と凛が入ってきた

 

「希ちゃんただいま~」

 

「おっ、花陽ちゃんお帰り、凛ちゃんも」

 

「あっ、穂乃果ちゃん、と絵里ちゃん!?どうしたのその傷!」

 

希は事細かに説明し、準備するように言った

 

「急がなくちゃ!凛ちゃん!」

 

「分かってるにゃ!」

 

花陽と凛がドタバタと準備し始めた

 

「絵里ちゃんは・・・」

 

「安心して、うちが看病しとくから、穂乃果ちゃんは行ってきてええで」

 

希は絵里の頭を撫でながらそう言うと

 

「希、私は大丈夫よ」

 

絵里はムクリと起き上がりそう言った

 

「えりち、起きてたん?」

 

「今起きたところよ」

 

絵里は頭に付けられた包帯をほどいた

 

「えりち!?包帯外したら血が・・・」

 

が希の予想とは裏腹に血は止まっていた

 

「え?何で?」

 

「ことりの奇襲を受けたのは確かだけど、その・・・あまりに急な事だったからビックリして前のめりに転けて、頭を打ったと同時に気絶しちゃって」

 

「「イラァ(# ̄- ̄)」」

 

本気で心配した二人の怒りは有頂天に達した

 

「「もう一回寝てろ!」」

 

希と穂乃果の息ピッタリのパンチで、絵里は再度眠りについた

 

「さてと、阿呆は眠らせたからうちらも行くで」

 

「うん!」

 

「準備出来たよぉー!」

 

花陽と凛と共にことりの元へと向かうのであった




海未の加勢に行くため動き出した四人
しかし、彼女達は知らない
ことりのスタンドの秘密を
そして、にこと真姫の行方を

次回「水と氷の狙撃手&雪原と黄金色のスタンド使い」


「最近のエリチカ、不遇過ぎるチカァ~」


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水と氷の狙撃手&雪原と黄金色のスタンド使い

一面砂だらけの砂漠の中、にこに声をかけたのは

 

「真姫ちゃん?」

 

振り向くと真姫の姿があった

 

「何してんのよ」

 

「それはこっちの台詞でしょ」

 

「別に、周りを歩いてたらにこちゃんが砂煙の中座ってるのが見えたから」

 

真姫はそっぽ向き髪を指でクルクルと巻き始めた

 

「まぁいいわ、行きましょ、こんな所にいたら干からびちゃう」

 

そう言って、にこは持っていた水筒のふたを開け口に寄せると

 

「危ない!」

 

真姫がいきなりハーミットパープルで水筒を弾き飛ばした

 

「ちょ!ぬぁにすんのよ!」

 

「こっち!」

 

真姫は怒れるにこを無視して、手を取り走り出した

 

「どうしたのよ!?」

 

手を取られ訳がわからぬまま走り続けた

 

「あらら、やっぱり真姫先輩は気づいちゃうか」

 

ある、遠い岩石の上に少女が座っていた

 

「じゃあ、後はよろしくね」

 

「分かったよ!雪穂!」

 

「ちょ!何で言っちゃうの!Σ( ̄□ ̄;)」

 

「( ・・)?」

 

ところ変わって

 

「はぁはぁ・・・」

 

「な、何で走るのよ・・・」

 

二人は息を切らし小さな町に着いた

 

「ここなら安心ね」

 

「説明しなさいよ、急に水筒を弾き飛ばしたり」

 

「気付かなかったの?水筒の水にスタンドが仕込まれていたのよ」

 

「す、スタンドがぁ!?」

 

にこが大声でそう言うと

 

「真姫先輩の言う通りだよ」

 

何処からともなく雪穂の声が聞こえてきた

 

「この声は雪穂ちゃん!?でも、どこから?」

 

「私はどこにでもいるよ、にこ先輩と真姫先輩の姿もよく見える」

 

にこが周囲を見ていると、水道の水が垂れている事に気づいた

 

「まさか、あの滴り落ちている水が・・・」

 

「流石にこ先輩!もうバレちゃった」

 

すると、水がスライムのように動き地面に着地した

 

「う、ウッソぉ・・・」

 

「アリサ!行くわよ!」

 

雪穂が叫ぶと水道の後ろからアリサが飛び出てきた

 

「フッフッフッ、私が相手です、にこ先輩、真姫先輩」

 

アリサは不敵な笑みを浮かべた

 

「ゴールドエクスペリエンス!」

 

「雪穂ちゃんにアリサちゃんも敵の手に落ちちゃうなんて」

 

「雪穂!私に続いて!」

 

アリサはそう言って飛び上がろうとすると、足を滑らせ水道の上から落ちた

 

「い、痛い( ;∀;)」

 

地面に顔面からダイブするように落ちた

 

「「「えぇ・・・」」」

 

3人とも思わず声を揃えた

 

「うぅ、グスッ」

 

「あぁ、もう!泣かないの」

 

にこが呆れて近付いていくと

 

「射程範囲内!」

 

急に顔を上げた

 

「ゴールドエクスペリエンス!」

 

スタンドが一気に距離を積めほぼゼロ距離まで近づいてきた

 

「アリアリアリアリ!!」

 

ゴールドエクスペリエンスの拳が当たる瞬間、にこの体が吸い込まれるように後ろに引っ張れた

 

「全く、少し位は注意してほしいわ」

 

ハーミットパープルがにこの体を引っ張った

 

「た、助かったわ」

 

「クッ!流石に一筋縄じゃあいかないか」

 

アリサは砂を払い落としながら立ち上がった

 

「絵里に似て策士って、ところかしら?」

 

「これでも、ギャングスターですから」

 

アリサは胸につけた金色の天使が彫られたバッジを見せ付けた

 

「ギャング?まさかぁ、あんた中学生でしょ?」

 

「あっ」

 

雪穂が小さく声を漏らした

 

「い、今・・・何て言った・・・」

 

「へ?だから、中学生でしょって」

 

「こ、この体型の事を言ったのかぁ!?」

 

「ヴぇ!?何よ」

 

アリサが髪を逆立たせ、鬼の形相になった

 

「この体型を貶す奴ぁ!許さねぇ!!」

 

「アリサを怒らせちゃった・・・知ーらない」

 

とたんにアリサはにこ向かって走り出した

 

「ゴールドエクスペリエンス!」

 

「えっ!ラ、ラブデラックス!」

 

一気に詰め寄り拳を飛ばしてくるゴールドエクスペリエンスに、にこはラブデラックスで受け止めた

 

「ぐっ!お、重い!」

 

G.Eの拳を髪で受け止めるが、ズルズルと後ろに押され壁に背が着いた

 

「そのまま、壁と共に砕け散れ!」

 

「くぅ、この技だけは使いたくなかったのに・・・」

 

片方のテールを外し、髪をまとめ始めた

 

「そして、形を変えれば。ヘアーアーム!」

 

髪の毛が拳の形になった

 

「食らえ!」

 

髪の毛で作った拳でG.Eを弾き飛ばした

 

「にこちゃん、それ・・・」

 

真姫は驚愕の目できいた

 

「何よ」

 

「著作権的にどうなの?」

 

「どぅわから!使いたくなかったのよ!」

 

「トラ・・・」

 

「言うなーーー!!」

 

急に雪穂のスタンドが飛び込んできた

 

「ヴぇ!?」

 

顔スレスレで避けた

 

「あ、危ないわねぇ」

 

「危ないはこっちの台詞!偉い人に怒られたらどうするんですか!」

 

「別にいいでしょ、それに偉い人とかイミワカンナイ!」

 

「分かんなくても、ダメなものはダメなの!」

 

水のスタンドが地面に蒸発するように消えたと思うと、急に地面から飛び出てきた

 

「くっ!」

 

これもギリギリで避けた

 

「思えば、スタンドはいるけど、本体がいない。一体どこに」

 

真姫が周囲を警戒しながら見ていると

 

「クスクス、生憎、私は盲目で目が見えないの、だから、遠いところから狙撃するようにしてるの。あっ!今ハーミットパープルを出したでしょ」

 

「!」

 

ハーミットパープルを右手に出した事を、見えない筈の雪穂が言い当てた

 

「目が見えないのも変だけど。それ以上にどうして私がスタンドを出したことに気付いたの?」

 

「驚くなかれ、私のスタンドを使えば真姫先輩がどの方向に顔を向けているのかも分かるんだよ」

 

「なんですって?」

 

「あっ、今南南西を向いてるけどそっちに私はいないよ?」

 

真姫は怒りでまぶたをピクピクと震えさせた

 

「面白いじゃない、私を相手にしたことを後悔させてやるわ」

 

「わぁ、怖い、でも、後数分もしないうちに私が総攻撃しちゃいますよ?」

 

「出来るものなら・・・」

 

すると、真姫の頬にポツリと水滴が落ちてきた

 

「?」

 

不思議に思い上を向くと、さっきまで晴れていたのに、今はまるで曇天のように曇っている

 

「まさか・・・」

 

真姫は雪穂の言った言葉の意味を理解し、青ざめた

 

「やっぱり真姫先輩は頭がいいなぁ、でも、そろそろ」

 

雪穂がそう言うと、次第に雨脚は強くなってきた

 

「まずい!」

 

真姫は急いで建物の中に入っていった

 

「困ったわ、土砂降りじゃない、当分は止みそうにないわね」

 

「その通り、この雨は年に一回来るか来ないかの豪雨、丸一日は降り続けるよ」

 

建物の中で雪穂の声が響いてきた

 

「ど、どこから!?まさかこの家の中に?」

 

「いえいえ、私はここですよ。真姫先輩のウ・デ」

 

急いで自分の腕を見てみると、そこには雪穂のスタンドがいた

 

「い、いつのまに!」

 

「さっき雨に打たれたときに、少しでも水があればどこにだって、それに、私のスタンド、ゲブ神なら、花を摘み取るように、真姫先輩の首を刈る事も」

 

雪穂のスタンドゲブ神が鎌のようなものを出してきた

 

「だったら、こういうのはどう!」

 

真姫は自分の体にハーミットパープルを巻き付け左手でハーミットパープルに触れた

 

「おっと、危ない、水のスタンドに電流とは危険だなぁ」

 

触った瞬間、電流のように流れるが、ゲブ神はスルリと避けた

 

「やはり、スタンドとは言え性質は水と同じのようね」

 

「頭のいい人だねぇ、まぁ、今真姫先輩は私の中にいるようなものだし」

 

止む所か一層に雨量は増えるばかり

 

「でも、どんなに頭が良くても、私のスタンドを倒すなんて到底無理だろうけど」

 

「だったら、試してあげる!」

 

ハーミットパープルを鞭の様にしならせゲブ神に当てようとするが、もぐらたたきのもぐらの様に浸水した水のなかに逃げた

 

「残念、私はそこまで単純じゃあないの」

 

「あら、でもこれで貴女のスタンドの特徴がわかったわ」

 

「何?」

 

「ゲブ神は水があればどこにだって出現する、つまり水すべてがスタンドと考えて差し支えない訳よね?」

 

「それが一体・・・」

 

「今部屋の中は大雨が原因で浸水している、つまり、私は今、貴女のスタンドの中にいるようなもの、そして」

 

真姫は右手を顔の高さまであげ奇妙な呼吸をすると、殺虫蛍光灯のような音がした

 

「まさか、そんな事をしたら真姫先輩も巻き添えに!」

 

「あら、知らない?」

 

真姫はこれ以上無いくらい不気味な笑みを浮かべ

 

「自分の攻撃は、自分には食らわないって」

 

「ま、待って・・・」

 

「次に貴女は」

 

「「止めてそれだけは」と言う」

 

「う、嘘・・・」

 

「雪穂ちゃん、先輩を甘く見たら痛い目に遭うわよ、こんな風に!」

 

真姫は、自分の右腕を水のなかに入れて

 

波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

と叫ぶと、不思議な形の波紋が水面に上がり、電流の様なものが流れた

 

「「ギャーーー!!」」

 

なぜか二つの叫び声が聞こえてきた

 

「ん?向こうからも声が」

 

声のする方へ向かってみるとアリサがアフロ状態で倒れていた

 

「何で?」

 

「真姫ちゃん!」

 

にこがスタンドを使って天井にぶら下がっていた

 

「なにやってるのよ」

 

「アリサちゃんと戦ってて、吹き飛ばされた勢いで壁に叩き付けられそうになって天井に捕まったら、いきなりアリサちゃんの体に電流が走って」

 

「・・・」

 

真姫は呆れ顔でにこを見た

 

「干されてるみたい・・・」

 

「誰がよ・・・」

 

二人は呆れ顔で言い合った、二人は黙った、雨は止んだ・・・




止んだ雨、静まり返る小さな町に
一人の娘がひとつの思いを胸にやって来た

次回「黒い太陽」


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黒い太陽

にこと真姫は気絶した雪穂、アリサを背負いながら外へ出た

 

「ふぅ、それにしても、皆どこに行ったのかしら」

 

二人はアリサ、雪穂をベンチらしき所に二人を寝かせた

 

「もしかしたら、相当遠い場所に飛ばされた可能性も・・・」

 

二人は他のメンバーの行方を予想していると

 

「あっ!真姫ちゃんににこちゃん!おーい!」

 

二人の耳に聞きなれた声が聞こえてきた

 

「穂乃果?」

 

にこが振り向くと、穂乃果らしき人物の姿があった

 

「穂乃果、なのかしら?」

 

にこはいち早く異変に気づいた

 

「探したよぉ~、二人ともどこかに行っちゃうんだもん」

 

(見た目は確かに穂乃果だけど、何か違う、この穂乃果は圧倒的に何かが違う!)

 

にこは穂乃果を睨み付けるように観察した

 

「ん?どうしたのにこちゃん?穂乃果の顔に何かついてる?」

 

「あなた、本当に穂乃果なの?」

 

「何言ってるのさぁ、私は正真正銘の高坂穂乃果だよ」

 

穂乃果は胸を張ってそう言った

 

「だったら、私の姉妹の名前を全員当ててみて」

 

「にこちゃん、いくらなんでも疑いすぎよ、疑心暗鬼になってるんじゃあない?」

 

真姫がにこを説得するように言うが、にこは目もくれなかった

 

「どうなの?本物の穂乃果なら答えられるはずよ!」

 

にこは穂乃果に詰め寄り問いただした、すると

 

「はぁ・・・」

 

穂乃果は大きくため息を吐いて、頭を抱えた

 

「にこちゃんは記憶を改変するのに時間かかったから、再度かけるのにも時間を労するみたいだね」

 

やれやれと呆れた顔でそう言った

 

「にこちゃんの姉妹?ここあ、こころ、虎太朗でしょ?まぁ、私の世界では虎太朗、ここや、ここみって名前だけど」

 

「何それ、何を言っているの?」

 

にこは聞いたことのない名前を出され混乱し始めた

 

「にこちゃんの精神力が強いのか、それともまた別の何かがあるのか、それは知らないけど、どの道私の洗脳からは、いや、真実を書き換える能力からは逃れられないけど」

 

「真実を書き換える?」

 

穂乃果は今まで見たことのないスタンドを出した

 

「なに、そのスタンド・・・」

 

そのスタンドのオーラは、まるで殺意を形にしたかのようだった

 

「私は第13の平行世界から来た穂乃果、つまりはドッペルゲンガーって奴だね」

 

「ドッペルゲンガー?平行世界って?」

 

「なぁんだ、ツバサから何も教えてもらってないんだ、あいつも中々酷いことするねぇ」

 

クスクスと微笑を浮かべながらそう言った

 

「まぁ、今から再改変するから関係ないか」

 

穂乃果がそう言うと、真姫が背後から、にこを羽交い締めにした

 

「ちょ!真姫ちゃん!?」

 

「にこちゃん、私の能力は真実の改変、真姫ちゃんを私の操り人形にすることも出来るんだよ」

 

「ひ、卑怯よ!」

 

「うーん、卑怯って言われると反論できないなぁ」

 

穂乃果は腕組みしながら考え込むと

 

「じゃあ、こうしよう、今から真姫ちゃんを戻してから、私がにこちゃんに改変を仕掛けようとする、それを掻い潜って私の聖なる遺体を奪えれば、にこちゃんの勝ちってことで」

 

「あなたが最後のひとつを持っていたのね」

 

「特別に右手に握り締めたままで戦ってあげるよ」

 

穂乃果は聖なる遺体を軽く握りヒラヒラと振りながら見せた

 

「余裕でいられるのも今のうちよ」

 

「その言葉、そっくりそのまま返すよ」

 

穂乃果がスナップすると、真姫、雪穂、アリサが黒い光に包まれて消えた

 

「じゃあ行くよ、よーいドン!」

 

穂乃果が掛け声と共に閃光のような速さでにことの距離を一瞬で詰めた

 

「えっ?」

 

にこが構える前に穂乃果が目の前に詰め寄り

 

「おっそーい!」

 

穂乃果がそう言って、スタンドで首を掴み持ち上げた

 

「話にならないよぉ、にこちゃん」

 

「クッ!」

 

「もうちょっと実力を付けてから私に挑んでよ、面白くなさ過ぎてそのほっそい首、へし折っちゃうよ?」

 

スタンドはにこの首を片手で持ち上げ、その手に力を少しだけ入れた

 

「っ!」

 

にこは必死な表情で抵抗するが、びくともしない

 

「そんなにジタバタしなくても、殺したりはしないよ。だって、にこちゃんも私の理想の世界には必要だもの」

 

穂乃果は優しく微笑むが次第にスタンドの掴む力は強くなっていった

 

「クッ、カハッ!」

 

何とかスタンドを動かそうとするが、首を掴まれ意識がもうろうとして、上手くスタンドが動かない

 

「私の世界に私を嫌うにこちゃん何て、私を嫌う人なんていらない!」

 

怒りの表情でスタンドの拳がにこの体を貫いた

 

「ゴハッ!」

 

にこの口から血が吹き出た、それと同時ににこは黒い光と共に消えていった

 

「私の世界には私を愛してくれる人しかいらない、私の世界は私が作り上げる」

 

穂乃果は不気味な笑みを浮かべ黒い光に包まれて消えていった




この穂乃果の目的とは一体
そして、別の場所に飛ばされた穂乃果たちはどうしているのか

次回「星屑の白金」


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第六章 アイズ・オブ・ヘブン
星屑の白金


「穂乃果ちゃん、こっちであってるんやな!?」

 

穂乃果は希、花陽、凛を連れてことりの元へと走っていた

 

「確かこの辺りだったんだけど」

 

「ほ~の~か~ちゃん、こっちだよ」

 

声のする方へ顔を向けると、ビルの上にことりと海未がいた

 

「ことりちゃん!」

 

「そっちから来てくれるなんて、ことりうれしい!」

 

ニコニコと笑いながらことりはそう言った

 

「海未ちゃんをどうしたの!?」

 

「別になにもしてないよぉ?」

 

「そんな筈無い!!だって・・・」

 

穂乃果がことりの隣にいる海未に目をやると

 

「ぷわぷわーお(*^^*)」

 

「いろんな意味で女の子がしちゃいけない顔になってるもん!!」

 

「よくわからないけど、みーんな私のお友達にしてあげるからね」

 

ビルの屋上からまるで空間を蹴ったかのように、猛スピードで降りてきた

 

「ザ・ワールド!」

 

ことりの声と共に黄金色のスタンドが穂乃果目掛けて拳を繰り出した

 

「μ's!」

 

咄嗟にザ・ワールドの拳をμ'sでガードするが勢いに負け吹き飛んでしまう

 

「っ!」

 

あまりの衝撃に腕に電流が走ったかのようにビリビリする

 

「うふふ、穂乃果ちゃ~ん、私のスタンドザ・ワールドの力、理解してくれた?」

 

「接近パワー型、μ'sと同じタイプのスタンド」

 

希は鋭い視線をことりに向けながらそう言った

 

「ふふ、それだけじゃあないよ」

 

その時

 

「先手必勝!」

 

花陽がそう言うと、四方八方から車がことり目掛けて走ってきた

 

「な、何あれ!?」

 

「私の新たなスタンド、ハーヴェストはどんなものでも集めてきます!」

 

良く見てみると運転席に複数体のハーヴェストがハンドルをきっている

 

「でも、そのままじゃあ、花陽ちゃんも巻き添えになっちゃうよ?」

 

「策は最後の最後まで、綿密に作られているものです!」

 

すると、花陽があり得ないほどの跳躍力で、ハーヴェストが運転する大型トラックの上に乗った

 

「ハーヴェストの1体1体の腕力は弱いですけど、集まれば、人ひとり投げることなんて余裕です!」

 

「ほぇ~、さすが花陽ちゃん・・・って、感心してる場合じゃあない!私たちも避けなきゃ!」

 

穂乃果もμ'sを出し、トラックを飛び越えた

 

「てぇ!うちらもやん!」

 

希、凛もスタンドを使い飛び越えた

 

「ふーん、この程度で私を仕留められるって思ってたんだぁ。ガッカリだなぁ」

 

ことりは大きくため息を吐いてザ・ワールドを出した

 

ザ・ワールド(私だけの世界)!」

 

そして、複数の車はぶつかり合い物凄い爆音が轟いた

 

「す、少しやり過ぎたかな・・・」

 

花陽は苦笑いしながら燃え盛る車を見た

 

「大丈夫だよ、花陽ちゃん。この程度じゃあかすり傷もつかないよ」

 

その場の全員が驚き声のする方へ顔を向けると

 

「い、いつの間に貯水棟の上に・・・」

 

「遅すぎてゆっくり歩いて来ちゃったよ」

 

その不気味とも言える笑みに、花陽は恐怖、身の危険すら感じた

 

「じゃあ、今度はこっちから行くよ~」

 

ことりは不敵な笑みを浮かべながら手を叩くと花陽の目の前に現れた

 

「!!」

 

花陽は地面を蹴って後ろへ大きくジャンプしながら下がった

 

「いつの間に、超スピードとかそんなんじゃあない、もっと恐ろしい何かが、今、確実に起きた」

 

「ふふ、私のスタンド、ザ・ワールドは皆のスタンドじゃあ理解できない領域まで成長したの、再生させるスタンドのμ'sでさえ、私の攻撃を修復しきれないよ」

 

ザ・ワールドは拳を構え、花陽に拳を向けた

 

「そうはさせるか!!」

 

穂乃果はそう叫びながらことりへ飛び込んだ

 

「単純な人ほど味方の危険に無謀な行動をする・・・」

 

ことりは呟くようにそう言うと、穂乃果の方へ顔を向けた

 

「幼馴染みなんだよ?そのくらい想定内だよ」

 

すると、ザ・ワールドが現れ穂乃果に向けて拳を振ってきた

 

「くっ!」

 

穂乃果はギリギリでガードしたが、吹き飛ばされてしまった

 

「わぁ、すっごく飛んだねぇ、何処までいったかな?」

 

ニヤニヤと面白そうに笑いながらことりは穂乃果の吹き飛ばされた方向を眺めた

 

「さてと、穂乃果ちゃんの方に行ってみようかな。あっ、心配しないで、花陽ちゃん達もすぐに穂乃果ちゃんと同じ場所に連れて行ってあげるから」

 

ことりのその妖艶で不気味な笑みに三人ともその場から動けなくなってしまった

その頃、穂乃果はことりに吹き飛ばされある廃墟の中にいた

 

「いっつつ、そこまで大きな怪我は無いかな、使い捨てられた毛布がクッションになって助かった」

 

穂乃果は立ち上がり周囲を見渡した

 

「ここって何処だろう、結構遠くの方に飛ばされたから」

 

ホコリまみれの廃墟の中をグルっと回ってみると、穂乃果は何故か既視感を覚えた

 

「何だろう、来たことはないはずなのに、見覚えがあるような気がする」

 

すると、急にμ'sが出てきた

 

「わっ!ま、また勝手に、もしかして自我を持ってるの?」

 

μ'sは穂乃果の声を無視し、前を向いて進み始めた

 

「えっ!?ちょっと待って!」

 

穂乃果は急いで後を追った

μ'sを追っていると、棺桶がある部屋についた

 

「なんだろう、この棺桶、ちょっと開けてみよう」

 

穂乃果は好奇心にかられ、開けてみると。中に帽子と学ランが入っていた

 

「帽子に学ラン?ミイラが入ってるわけでもないし」

 

そして、帽子と学ランを手に取ると、辺りが急に真っ白になり、目の前にスタンドが現れた

 

「な、何!スタンド攻撃!?」

 

穂乃果は目の前のスタンドを睨み身構えた

 

「落ち着け、そいつは俺のスタンドだ」

 

声のする方へ向くと、そこには身長が190㎝くらいの男がいた

 

「あ、あなたは?」

 

「俺の名前は空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)スタンド名はスタープラチナだ」




穂乃果の前に現れた謎の人物「空条 承太郎」
彼は穂乃果にある真実を告げる
そして、ことりを元に戻すことは出来るのか

次回「世界」


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世界

穂乃果の目の前にいる彼は空条 承太郎と名乗った

 

「承太郎さん?」

 

「ジョジョでいい」

 

ジョジョは穂乃果を見下ろしながらそう言った

 

「えっと、ジョジョさん?は穂乃果に一体何のようで?」

 

「さんも付けなくていい。お前にあることを伝えに来た」

 

「あること?」

 

「この世界の理についてだ」

 

「理?」

 

ジョジョはスタンドを戻し

 

「この世界がお前達がいた世界とは違うことは分かってるな?」

 

「ま、まぁ」

 

「この世界はお前のいた世界とは動きがよく似た完全平行世界」

 

「完全平行世界?」

 

「互いに反発しあう平行世界が14個ある、お前がいた世界は第1世界、ここは第14世界、お前達の運命とは反対に事が進む世界だ」

 

「??」

 

穂乃果は承太郎の難しい話を全く理解できていない

 

「つまり、ここはお前と人生が真逆に進んでるんだ」

 

「えーと、だから、私と逆ってことはラブライブに優勝できなかった、こういうこと?」

 

「大体そういうことだ」

 

その時、穂乃果はふと思った

 

「じゃあ、ここにいる皆って、私のいた世界?と逆の運命をたどったてことなんだよね?」

 

「あぁ」

 

「でもなんで、私と会話が成り立ってるの?何かしら食い違うことくらいありそうだけど」

 

「さぁな、もしかしたら平行世界から来たもう一人のお前が何かしたんだろうな」

 

「うーん・・・」

 

「さて、そろそろ無駄話も終わりにして、お前にはやってもらいたいことがある」

 

承太郎が急に話を変えてそう言った

 

「やってほしいこと?」

 

「もう一人のお前はあるスタンドの力を持ったのを切っ掛けに平行世界を改変している。それは俺の世界にも手が回ってる」

 

「そうなの?」

 

「スタンドは元々俺がいた世界の力だ、もう一人のお前が改変させたせいで俺の存在は霊体のようになり、お前のスタンドμ'sの破片として残ってる」

 

「じゃあ、ジョジョはμ'sってこと?」

 

「まぁ、そういうことだな。それと、そいつは元々俺のスタンド、スタープラチナ、今は見た目が変えられてるがな」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

「それで、そいつにスタープラチナの力を貸してやろうと思ってな」

 

「本当に!?そんなことができるんだ!」

 

「ほら、こいつを着ていろ、それでスタープラチナの力が付く」

 

そういって承太郎が被っていた学生帽と学ランを渡した

 

「これを着たらいいの?」

 

「あぁ」

 

「うーん、じゃあ」

 

穂乃果は恐る恐る着てみると

 

「それじゃあ、あとは任せたぜ穂乃果」

 

着た瞬間、承太郎の一言と共に穂乃果は目を覚ました

 

「あ、あれ?ジョジョ?」

 

あまりに急だったため穂乃果は状況がすぐに飲み込めなかった

 

「そ、そうだ!希ちゃんたちのもとに行かなくちゃ!」

 

穂乃果は大声でそう言うと、外へ出た。すると、出た瞬間、希とバッタリ出会した

 

「穂乃果ちゃん!大丈夫?」

 

「希ちゃん、うん、穂乃果は大丈夫だよ」

 

「穂乃果ちゃん、その格好は?」

 

すると

 

「穂乃果ちゃん見つけた!!」

 

声のする方向へ顔を向けると、ことりがビルの上から飛んできた

 

「μ's!」

 

「ザ・ワールド!」

 

二人は同時にスタンドを出し、互いの拳をぶつけ合った、すると、ザ・ワールドが力負けし吹き飛ばされた

 

「っつ!」

 

「すごい、これがスタープラチナのパワー」

 

μ'sの新たな力に驚きつつ

 

「希ちゃん、花陽ちゃんと凛ちゃん達と合流しよう!」

 

「OK!」

 

二人は急いで花陽たちのもとへ向かった

 

「花陽ちゃん!凛ちゃん!」

 

「穂乃果ちゃんに希ちゃん!よかった、無事だったんだね」

 

穂乃果達は偶然橋の上で合流した

 

「穂乃果ちゃんその格好は?」

 

「そ、それより、ことりちゃんを何とかしないと」

 

「うちに名案がある」

 

「何?」

 

「それは・・・」

 

四人が話し合ってるなか

 

「見つけたよぉ!」

 

ことりが四人を見つけザ・ワールドを出し四人の方へ飛び込んだ

 

「それじゃあ、手筈通りによろしく!」

 

「「「うん!」」」

 

そして、四人同時に攻撃を避け、まず穂乃果が動いた

 

「μ's!パワー比べだよことりちゃん!」

 

穂乃果はことりの射程範囲まで飛び込みμ'sでラッシュを放った

 

「そっちに勝ち目はないよ!」

 

「オラオラオラオラオラァ!」

「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

μ'sとザ・ワールドの拳がぶつかり合う瞬間に地面に亀裂が入り衝撃波とも言える衝撃が二人の間に生まれていた

しかし

 

「うっ!」

 

ことりの目の前が急に歪み始めた

 

「な、何?き、気持ちが悪い」

 

ことりは違和感を感じながら足元を見てみると、花陽のハーヴェストがことりの足に何かを注入していた

 

「な、何これ、いったい何を・・・」

 

「ハーヴェストにお酒を含ませて直接血液にアルコールを流す、すると、通常より何倍も早く身体中にお酒が回ります」

 

花陽は仁王立ちしながら説明しているが

 

「だ、だから、今にょころりひゃんはよぱっらてりゅじょうひゃいなんれす・・・」

 

顔を真っ赤にしていた

 

「あぁ!ハーヴェストにお酒を含ませたから花陽ちゃんにもお酒が回ってる!しかもめっちゃお酒に弱い!」

 

「な、何をいいまるか、わらしは酔ってないれすぅ~」

 

花陽は酔いが回り呂律が回らずふらふらしている

 

「酔った人は皆そう言うから」

 

穂乃果がそんなツッコミを入れると

 

「うぅーん、暑いれすぅ、花陽脱ぎまーす!」

 

ふらふらのまま大きく手を上げてそんなことを言い始めた

 

「いや、ダメだから!タグにR-18って入れなきゃならなくなるし、それに偉い人に怒られちゃうから!」

 

「ふへぇ、眠い・・・Zzz」

 

花陽は色々言った後、眠った

 

「あぁ!そんな典型的な寝方を」

 

ことりはあからさまな怒りを見せた

 

「敵を目の前に随分油断しきってるけど、そんなので私は倒せないよ!」

 

そう言って、花陽の方へ飛び込むと

 

「油断?これは余裕ってやつだよ!」

 

穂乃果がニヤリと笑うと、花陽が目を覚まし

 

「うぇぇ、気持ち悪い、ダレカタスケテェ・・・」

 

「そのまま私が引導を渡してあげるよ!」

 

ことりはザ・ワールドを出し攻撃しようとすると、ことりは何かに足を掬われた

 

「うわっ!何!?」

 

急に両足が自分の意思とは関係無く前に大きく出た

 

「これは、ソックスにフックが掛けられてる!」

 

そして、フックに付いている透明の糸の先を見ると、二機の飛行機が飛んでいた

 

「これはまさか、エアロスミス!」

 

「かよちーーーん!チョットマッテテェ!!」

 

花陽を助けると言う使命感で感情が大きく動き、エアロスミスを二機出すことが出来た

 

「行っくにゃぁぁ!」

 

凛の大きな声を合図に、エアロスミスが前へ動きだし、ことりを引き摺りながら進んだ

 

「希ちゃん!出番もらうよ!」

 

穂乃果が希にそう言うと、μ'sを出し自分の方へ引き摺られてくることりを待ち構えた、しかし

 

「安っぽい手口だね、簡単に対処できるよ」

 

ことりは不敵に笑った、そして

 

「ザ・ワールド!」

 

ことりがザ・ワールドを出した瞬間、穂乃果がμ'sで攻撃しようとするが

 

「あれ?う、動きが・・・鈍い?いや、違う、時が・・・止まってる!」

 

μ'sが拳をザ・ワールドの顔面を捉えようとしている一歩手前で動けなくなった

 

「ダメだよ凛ちゃん、おいたが過ぎる、だよ」

 

ことりはそう言いながら、ソックスに付いているフックを外し

 

「そういう子にはお仕置きが必要だね」

 

そう言って、ザ・ワールドが拳で二機のエアロスミスを叩き潰した

 

「そして、時は動き出す」

 

ことりが指を鳴らすと、μ'sが動けるようになったが、その瞬間、エアロスミスが物凄い勢いで地面に叩き付けられ、それと同時に凛も地面に叩き付けられた

 

「グハッ!?」

 

凛は何が起きたか全く理解できなかった、ことりを引き摺り回していたはずが、気が付けば、自分が地面に叩き付けられていたのだ

 

「それじゃあ、一人目だね」

 

ことりは不気味な笑みを浮かべ、叩き付けられた凛の元へ向かうと

 

「スタンドを痛め付けてもいいけど、やっぱり、本体をいじめて反応を楽しんだ方がいいよねぇ」

 

「冷たい反応やなぁ、うちが暖めたげるわ」

 

何処にいたのか、凛のすぐ隣から急に希が出てきた

 

「クロス・ファイアー・ハリケーン!」

 

「クッ!」

 

ことりはギリギリの所で後ろにジャンプし避けた

 

「どお?暖まった?」

 

「いつの間に、まぁ、希ちゃんも一緒に葬ってあげる!」

 

そう言って、希の頭を狙って拳を降り下ろすが、酔いが回っているせいか簡単に避けられる

 

「流石にそんなにふらふらじゃあ当たらんよ」

 

「まったく、希ちゃんも煽るのが上手いなぁ」

 

ハァっとため息を吐き

 

「ザ・ワールドの射程範囲にいる時点で、私が手加減してるのに気が付いて欲しいんだけどな」

 

「何!?」

 

希が驚きつつ身構えたすると

 

「串刺しにしてあげる」

 

希が瞬きした一瞬のうちに四方八方ナイフが自分の方へ飛んできた

 

「なっ!?」

 

「さ・よ・う・な・ら♡」

 

咄嗟にスタンドを出し業火でナイフを弾こうとするが、数本のナイフが希の体に突き刺さった

 

「グッ!」

 

ギリギリ急所を外したものの、希はその場に膝をついた

 

「さっすが希ちゃん!奇襲をこうも容易く避けちゃうなんて」

 

身体中にナイフが刺さり、希は歯を食い縛りながら立ち上がった

 

「まったく・・・酷いなぁ・・・」

 

血を垂れ流し虚ろな目でことりを見た、しかし、微かな視界から捉えられたことりの表情は、不適な笑みだった

 

「それじゃあ、止めを・・・」

 

「そんな事はさせない!」

 

穂乃果が背後からことりを目掛けて飛び込んできた

 

「おっと!」

 

ことりは軽くひょいと避けた

 

「穂乃果ちゃん、いい加減終わりにしてあげるよ」

 

「さぁ、パワー比べだよ」

 

穂乃果はお互いの射程範囲に入った

 

「μ's!」

 

「ザ・ワールド!」

 

お互いのスタンドが全力の一撃を放った、そして、互いの拳がぶつかり合った

 

「穂乃果ちゃん、やっぱり、私の方が強いよ」

 

ぶつかり合った拳は、ザ・ワールドがジワジワと押していった

 

「さてと、行くよ」

 

ことりは不敵な笑みを浮かべ、ラッシュを放った

 

「無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

μ'sの体に何発もの拳がめり込んでいく

 

「ガハッ!」

 

あまりの衝撃に穂乃果はμ'sの動きを止めてしまう、そのままザ・ワールドのアッパーで空中に飛ばされた

 

(まずい、意識が朦朧としてきた・・・)

 

穂乃果が空中に吹き飛ばされ、打開策を考えていると

 

「やっほ」

 

ことりが穂乃果の真上に出た

 

「じゃあね」

 

ザ・ワールドは穂乃果の腹に拳をめり込ませた

 

「グッ!」

 

穂乃果は強烈な一撃に食い縛るも吐血しながら、地面まで一気に落ちていった

 

「ザ・ワールド!」

 

ブゥゥゥン

 

穂乃果が地面に叩き付けられる直前に、ことりが時間を止めた

 

「ま、まただ、このままじゃ、やられる・・・」

 

穂乃果は停止した時間のなか、ハッキリと意識が残り、攻撃がいつ来るか周囲を見ていると

 

「ロードローラーだぁぁ!」

 

穂乃果目掛けてことりがロードローラーを落としてきた

 

「な!」

 

「ぶっ潰れろよぉぉ!!」

 

「μ's!!」

 

穂乃果は咄嗟にμ'sの名を叫ぶと、静止した世界のなかμ'sが姿を出し、ロードローラーにラッシュを放った

 

「もう遅い!手遅れだよ!無駄無駄無駄無駄ァ」

 

「オラオラオラァァ!」

 

一瞬μ’sが優勢に思えたが、刹那のうちに押し返され

 

「ぶっ潰れろぉぉぉ!!」

 

止めの一撃に華奢な拳から想像もできない程の強力な一撃をロードローラーに放った

 

グシャ!

 

穂乃果はその絶大なパワーに負けてしまい、ロードローラーに押し潰された

 

「フフフ、ついに穂乃果ちゃん御一行様は私のザ・ワールドの前に崩れ去った!」

 

ことりは穂乃果が潰れた事を確信すると、高らかに笑いながらそういった

 

「不死身、不老不死、フフフ・・・スタンドパワー!この三つを手にしたことりの前に誰も為す術なく、ただ死ぬのみ!」

 

顔に手を当て大声で笑いながら、そう言い

 

「さてと、じゃあ、ついでに穂乃果ちゃんの死体でも拝もうかな。まぁ、その死体が残っているかどうか、だけど」

 

そう言って、ことりがロードローラーから降りようとすると

 

「あ、あれ?体の動きが鈍い?・・・いや、違う、体が鈍いワケじゃない!時が・・・時が止まっている!、そ、そんな、まさか!」

 

ことりが驚嘆していると、背後から鳥肌が立つくらいの殺気を感じた

 

「ほ、穂乃果・・・ちゃん・・・」

 

「私が時を止めた、そして、脱出できた。ザ・ワールドの時止め能力は長くて13秒くらいかな?動き出す2秒前にμ’sの能力が覚醒してよかったよ。て言っても、せいぜい4秒しか止められないけど」

 

「ま、まだだぁ!!」

 

ことりは執念とも言うべき力で、時が動き出した瞬間にザ・ワールドを出して、背後にいる穂乃果に拳を飛ばすが

 

「μ’s!」

 

まるで息を合わせたかのようにμ’sでその攻撃を相殺した

 

「さぁ、ことりちゃん、そろそろ終わりにしよう」

 

「それは・・・こっちの台詞だぁぁぁぁ!!!!」

 

ことりは倒しきれず、しかも、まるで自分が勝利をモノにしたかのような表情の穂乃果に憤慨し、怒濤のラッシュを放とうとするが

 

「でも、4秒でも、時は止まってるわけだけどね」

 

ことりが瞬きをした瞬間、穂乃果は視界から消え失せ、ことりの背後を取った

 

「少し、いや、かなり痛いかもしれないけど、我慢してね」

 

穂乃果は、表情を隠すように帽子を深くかぶった

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァ!!!!!!」

 

帽子のツバ越しに、誰にも見せたことのない怒りの表情がうっすらと見えた



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折れた小悪魔の羽、薄汚れた茨と共に

ことりを倒した後、穂乃果はμ’sで全員を治療した

 

「さてと、これで、μ’s全員集合かな?」

 

海未が6人の前に出て、まるで自衛隊みたいなかたちで並んでいた

 

「あれ?にこちゃんと真姫ちゃんがいないにゃー」

 

「あ、そういえば。忘れてた・・・

 

ぼそっと穂乃果が本音を漏らした

 

「では、三手に分かれて二人を探しましょう。凛は花陽と、希は絵里と、穂乃果は私たちと行きましょう」

 

「そ、そうだね、急いで二人を探そう」

 

メンバー分けをして、早速二人を探しに行こうとすると

 

「その必要はないわ」

 

海未の背後から、聞き慣れた声が聞こえてきた

 

「に、にこちゃん!無事だったんだね」

 

穂乃果が安堵の息をつくと

 

「ごめんなさい、穂乃果、もっと私が強ければ、こんなことには・・・」

 

「にこちゃん?」

 

にこが意味不明な事を言っていると

 

「さぁ、にこちゃん、始めるわよ」

 

にこのすぐ隣に真姫の姿があった

 

「ま、真姫ちゃんも」

 

「できる限り、痛みの無いようにするから・・・」

 

「ハーミット・パープル!」

 

真姫はスタンドを出し、唐突に攻撃を開始した

 

「な、何をするのにこ!」

 

すかさず絵里がシルバーチャリオッツで防いだ

 

「絵里、退いて!無駄な殺生はさせないで」

 

「それはこっちの台詞よ、どうしてこんな真似を」

 

「絵里には関係の無いことよ、そこを退いて」

 

にこは何かを決意したかのような眼差しで絵里を見た

 

「こうなったら力尽くでやるしかないようね」

 

「絵里ちゃん、ここは私が」

 

穂乃果は絵里の前に手を出し、前に出てきた

 

穂乃果はスタンドを出し、構えた

 

「誰が相手でも、負けるわけにはいかないの。悪く思わないで」

 

にこは穂乃果の前に立った

 

「ま、真姫?こ、コレ一体どういうことです・・・」

 

海未は状況が飲み込めずにおろおろとしていた

 

「海未ちゃん、これはもうやるしかないで」

 

「の、希?それは・・・」

 

「こういうことだよ、海未ちゃん」

 

凛と希はスタンドを出した

 

「フフフ、この天才マッキーに勝てると思っているのかしら?非常識3娘ごときが」

 

真姫もスタンドを出した

 

「や、やるしかないのですね」

 

「これだけがうちらが出来る唯一の手段や」

 

「わかりました。真姫、少し我慢してくださいね」

 

海未と希、凛の三人は互いのスタンドを出して構えた

 

「いくで、リリホワの団結力を見せてやるやん」

 

「頭の悪い奴らね。死んでやり直すといいわ」

 

「行きます!」

 

海未の掛け声に凛はまっすぐ突っ込んでいった

 

「海未ちゃん、合わせてや。炎の道(フレイム・ロード)!」

 

マジシャンズレッドが炎で道を作った

 

「凛、行きますよ!千本の矢(サウザンド・アロー)!」

 

次に、海未が炎の道にサウザンド・アローを放つと、矢すべてに火が付いた

 

「凛にお任せにゃーーー!」

 

そして、凛がサウザンド・アローの真ん中でエアロスミスを出した

 

「ボラボラボラボラボラボラーレビーア(吹っ飛べ)!」

 

矢が一本射るか射ぬ直前でエアロスミスで乱射した

 

「しまt・・・」

 

真姫が反応する前に全ての攻撃が直撃した

 

「キャアアアア!!」

 

リリーホワイトの三人のコンビネーションに為す術無く、真姫は吹き飛び再起不能になった

 

「これがうちらの結束力やん!」

 

「後は、穂乃果に回復をお願いするだけですね」

 

海未がそう言いながら、穂乃果たちがいる方向へ顔を向けると

にこと対峙していた

 

「にこちゃん、どうしてもやるんだね」

 

「私だって、出来ればこんなことはしたくない。でも、どうしてもやらなくちゃならないの」

 

にこの今までにない決意に満ちた表情に穂乃果も身構えた

 

「今の私はひと味違うわよ」

 

「私だって変わったから、μ’s!」

 

穂乃果はμ’sを出した

 

「さすがね、今までに感じたことのない迫力ね、勝機を感じさせないわ。でも、私にだって意地がある!スパイスガール!」

 

にこが出したスタンドは前までにいた髪の毛のスタンドラブデラックスではない、人の形を持ったスタンドになっている

 

「あぁ、忌々しい力だわ、なんて気持ちの悪いスタンドなのかしら」

 

「どんなスタンドかわからないけど、先手必勝!」

 

穂乃果は猛スピードでにこに攻撃を仕掛けた

 

「オラオラオラオラ!」

 

穂乃果の怒濤のラッシュに対し、にこは地面に落ちている少し大きめの鉄板をスパイスガールで持ち上げ、盾のようにして持った

 

「あんたの打撃はこれだけで充分」

 

穂乃果はその鉄板すらも破壊するかのような力でラッシュを放つと、あり得ないことが目の前で起きた

 

「て、鉄板がまるでゴムみたいに伸びている!?」

 

μ’sのラッシュ攻撃の力が全てその鉄板に吸収されていく

 

「何よりも柔らかいことは最強の盾になる」

 

「こうなったら、その盾を使い古されたゴムみたいにぶち破ってやる!」

 

穂乃果はμ’sでラッシュをしながら一歩、また一歩と前に出るが、ブヨブヨと伸びるだけで破れる気配は何一つとしてない

 

「やっぱりあんたは何か一つのことに没頭すると何も見えなくなるのよね」

 

しみじみとにこがそう言うと

 

「横ががら空きなのにも気付けないほど、没頭しているようね」

 

「しまっ!」

 

「WAAAAAAAAANNA BEEEEEEEEE(ワアーナビィーー)!!」

 

穂乃果は一瞬のうちに横を取られ、人間の弱点に一撃一撃に殺意のある拳がめり込んでくる

 

「グッ!!」

 

スパイスガールの攻撃が入るたびに骨が軋む音が頭の中で鋭く響く

 

「ハァハァ・・・」

 

あまりの痛みに穂乃果はその場に膝を着いた

 

「穂乃果、できればこれ以上傷付けるのは嫌なの、だから、そのまま倒れてちょうだい」

 

「にこちゃん、私はにこちゃんが何を考えてこんなことをしているのかわからない、けど、にこちゃんが今、苦しんでいるのはわかる!」

 

穂乃果は真っ直ぐにこのその今にも泣き出しそうな目を見た

 

「あんたって奴は・・・甘いのよ!」

 

にこは無慈悲に穂乃果の顔面に拳を当てようとするが、当たる寸前で手を止めた

 

「何で・・・あんたはそうやって笑っていられるのよ・・・私はあんたを・・・」

 

にこは涙をボロボロと流しながらそういった

 

「にこちゃん大丈夫・・・大丈夫だから・・・」

 

「穂乃果・・・」

 

にこはボロボロ涙をこぼしながら穂乃果に抱きついた

 

「ごめんなさい、こんな真似をして」

 

「いいんだよ・・・」

 

穂乃果は体中に走る激痛を悟らせないように努めて笑顔を作っている

 

「穂乃果、やっぱりあんたの言うことは聞けないわ」

 

にこが立ち上がりそう言うと

 

「がっかりだよ」

 

すると、どこからともなく声が聞こえてきた、その瞬間ににこがスパイスガールで背後に拳を振った

 

ガンッ!!

 

にこの真後ろから飛んできた拳がスパイスガールの一撃で相殺された

 

「さすがに一度見たら二度目は聞かないわ」

 

「ったく、使えない駒を引いちゃったよ」

 

にこの目の前には真っ黒な髪の毛の穂乃果が立っていた

 

「あ、あなたがパラレルワールドの私・・・」

 

「えーっと、初めましてでいいかな?」

 

黒い髪の穂乃果はけだるげに挨拶をした

 

「あんたには色々と世話になったわね」

 

にこはスパイスガールの隣に立ち構えた

 

「そりゃあ、わざわざラブデラックスから戦いやすいスパイスガールに変更してあげたんだから、感謝の一言くらい言ってもらわないと困るよ。まっ、その対価は全然割に合わないんだけどね」

 

黒い髪の穂乃果はにこを怒りの目で見下しながらそういった

 

「さてと、いい加減私も堪忍袋の緒が切れちゃったからこの場にいる全員死んで・・・」

 

ザ・ワールド(私だけの世界)!」

 

ブゥゥン

 

「ごめんね黒い穂乃果ちゃん、一方的にやらせてもらうね」

 

止まった世界の中ことりは黒い穂乃果の首にナイフを這わせた

 

「たかがこの程度で私の首を取れるなら苦労しないだろうね」

 

止まったはずの世界の中黒い穂乃果がことりの目線を合わせてそういった

 

「へっ?」

 

「μ’sオーバー・ヘブン」

 

その時、穂乃果の使っているμ’sとは似ても似つかぬ邪悪なスタンドが表れた

 

「吹っ飛べ」

 

次の瞬間、ことりの思考は全く追いつかなかった、気がつけば自分が壁にめり込んでいたのだ

 

「ガハッ!!??」

 

全員の時間が戻る頃にはことりがいつの間にか壁にめり込んでいた

 

「はぁ・・・まぁ、この程度なら後で改変しちゃえばいいけどさ、わかる?死んだら元も子もないんだよ?」

 

「っ!」

 

穂乃果はいきり立ち黒い穂乃果に向かっていこうとすると

 

「穂乃果、あんたはことりと真姫の治療をして」

 

「でも、にこちゃん!」

 

穂乃果がにこに反論しようとするが、ふと手に目線をやると怒りに震えていた

 

「にこちゃん・・・」

 

「あんたには色々貸しがあったわね、今ここで返させてもらうわ」

 

「出来るなら、どうぞご自由に」

 

黒い穂乃果はにこを馬鹿にする目でそう言うと、にこはスパイスガールと共に向かっていった



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黒のスタンド 白のスタンド

にこはスパイスガールと共に黒い穂乃果に向かっていく、しかし

 

「遠吠えするくらいなら、私のためにファンファーレでも吹いててよ」

 

黒い穂乃果は冷酷な表情で飛んでくるスパイスガールの腕を掴んで地面に叩きつけた

 

「ガハッ!!」

 

にこは抵抗する間もなく叩きつけられた

 

「そうやって地面に這いつくばってればいいんだよ、雑魚が」

 

地面にめり込んでいるにこに冷酷な目つきでそう言うと

 

「なんてね☆」

 

ニヤリとにこが小悪魔のような笑みを浮かべた

 

「?」

 

黒いの穂乃果が疑問に思った次の瞬間

 

ガクン!

 

「何!?」

 

黒い穂乃果の足下が急にクッションのように柔らかくなった、その勢いで地面に目をやった

 

「騙しの手品よ!」

 

無傷のにこがまるでトランポリンの上でジャンプをしたかのように飛び上がった

 

「見た目、性格が違っても考えることは似てるようね!」

 

黒い穂乃果はにこに振り向くとスパイスガールの拳が目の前に来ていた

 

「にこぷり♡女子道ってね」

 

空中に浮きながら小悪魔の笑みでウインクした

 

「ニコニコニコニコニコォ!」

 

黒い穂乃果は避ける事が出来ずその強烈なラッシュを食らってしまう

その勢いで、吹き飛ばされ地面に突っ込んでいく

 

「まだまだぁ!」

 

地面に倒れている黒い穂乃果に追い打ちを掛けようと地面を柔らかくし飛び込んでいく、しかし

 

「にこっち!あかん!」

 

横から希が飛び込んでにこを押し飛ばす、すると

 

「調子に乗るな!!」

 

μ’sオーバーヘブンの拳が風を切りながら伸びて、希の横腹にめり込んだ

 

「ウグッ!」

 

希は押し飛ばした勢いと、殴られた勢いでそのまま吹き飛び地面に倒れた

 

「希!」

 

にこが急いで希に駆け寄る

 

「にこっち・・・考えもなしに突っ込んでいったらアカンて・・・」

 

虚ろな目でにこの頬を撫でた

 

「ったく、次々と邪魔ばっかりして。私、調子に乗ってる奴は嫌いなんだよね」

 

かすり傷一つない黒い穂乃果が立ち上がってそういった

 

「許さない!」

 

「だったら、どうするのさ?」

 

「あんただけはこの矢澤にこが仕留める!」

 

そう言って、にこは黒い穂乃果に向かっていき、拳を()()()()()()()()

 

「はっ?気でも狂った?」

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

そして、柔らかくした地面に全力で踏みつけ出来るだけ高く飛び上がった

 

「真上から攻撃、か。不意を突いてたなら良かったものを」

 

飛び上がるにこを眺めていると

 

「穂乃果ちゃんは、こんな言葉を知っとる?『油断大敵』ってね」

 

声のする方へ顔を向けると希がマジシャンズレッドを出して構えていた

 

S・F・H(スピリチュアル・フレイム・ハリケーン)!」

 

十字の炎が黒い穂乃果に向けて飛んでいった

 

「そうやって、私の注意を引いて上から攻撃、そこらのチンピラなら通用するんじゃないかな?」

 

黒い穂乃果がそう言うと、二人が瞬きした瞬間、希の前ににこが立っていた

 

「へっ?」

 

二人は呆気にとられ反応できず希の炎がにこを襲った

 

「きゃあ!!」

 

「しまった!」

 

一瞬にこに炎が引火するが、希がマジシャンズレッドで炎を消した

 

「黒い穂乃果はどこに!?」

 

二人が周辺を見渡すとすぐ近くにあった車の上に立っていた

 

「弱すぎない?私の予想の範疇で少し驚いてるんだけど」

 

「そう?なら、これは予想できた?」

 

希がそう言うと、黒い穂乃果が立っている車が浮き始めた

 

「今度は何かな?」

 

黒い穂乃果は一切表情を変えずそういった

 

「全く、なんで私がこんな重たいものを持たなきゃいけないのよ」

 

車にうっすらと紫色の茨が絡まっていて、その先には真姫の姿があった

 

「さぁ、行くわよ緋色の波紋疾走(スカーレットオーバードライブ)!」

 

左手に絡みつく茨に右手で触れると真紅の電流のようなものがハーミットパープルを通じて伝わっていき、車にその真紅の電流が伝わり、真っ赤に熱され爆発した

 

「おっとっと、危ない危ない、危うく巻き込まれるところだった」

 

爆発するよりも先に飛んで車から離れていた

 

「鬼さんこちら♪手の鳴る方へ♪」

 

黒い穂乃果が手を叩きながらその場の全員を煽った

 

「なら、そちらへ行かせてもらいましょう」

 

その聞き覚えのある声の方へ向くと、後ろの方に海未がエンペラーを出して千本の矢(サウザンド・アロー)を構えていた

 

「食らいなさい!」

 

「たったそれだけで私を倒せると?」

 

μ’sを出して構えると

 

「えぇ、そんなことは無謀だと分かっていますよ」

 

海未が微笑を浮かべながらそう言うと、黒い穂乃果の背後から凛が飛び込んできた

 

「背中ががら空きだにゃー!」

 

そして、前方と後方から矢と弾の嵐が飛んでくる

 

「この程度なら、朝飯どころか寝ながら対処できるね」

 

黒い穂乃果はμ’sオーバーヘブンの右手で凛の攻撃を、左手で海未の攻撃を弾いた

 

「軽い軽い、ヘリウムガスより軽い」

 

「まさか、腕一本で防がれるとは」

 

「ヘイコウ世界の穂乃果ちゃん、恐るべしにゃ」

 

軽口を叩く黒い穂乃果に対して、海未と凛は少し恐怖を覚えた

 

「これで終わり?つまんないよ」

 

「大丈夫、まだまだネタはあるよ」

 

花陽がそう言うと、ハーヴェストが集まりだした

 

「ハーヴェストは一体一体の攻撃力が非常に高いですから、数で責める!」

 

大量に召喚したハーヴェストを一斉に黒い穂乃果に向けて襲撃させた

 

「騒々しいのは嫌いなんだよね、潰れろ」

 

大量に押し寄せるハーヴェストを潰そうと地面に拳を振るうと

 

「針串刺しの刑、だよ」

 

潰そうとしたハーヴェストが途端に目の前から消え失せ、四方八方にナイフが突如として現れた

 

「しょうがないなぁ、私の技を見せてあげようかな」

 

すると、μ’sオーバーヘブンが縮こまると、一気に気味の悪い波動のようなものを解き放ちナイフすべてを弾いた

 

「これでよし」

 

「だったら、この高速斬りは避けきれるかしら!」

 

絵里がシルバーチャリオッツの甲冑を外した

 

「細切れにしてあげるわ!チッカァァァァァァ!」

 

5メートルほど離れた位置にいるにもかかわらず、その場で斬撃を放つ

 

「はいはい、ポンコツは大人しく・・・」

 

黒い穂乃果は呆れながらそう言うと、絵里が一瞬のうちに黒い穂乃果の目の前まで来た

 

「は?」

 

「粉微塵になれぇぇ!」

 

驚く黒い穂乃果に対し、絵里はまるで当然の出来事と言わんばかりに斬りつけてきた

 

「おっと、危ない、流石に一瞬焦ったね」

 

絵里の攻撃が当たる前にチャリオッツの腕を掴んだ

 

「おいたが過ぎるんじゃない、お仕置きが必要だね」

 

「それは穂乃果、あなたもじゃない?」

 

黒い穂乃果の言葉に対し、絵里は臆することなくそう言ってみせると

掴まれていないチャリオッツの左手で、黒いの穂乃果の頬をめがけて拳を振った

だが、黒い穂乃果は難なく避けるが、その勢いで掴んでいる手の力が緩まった

絵里はその一瞬の隙を見逃さずμ’sオーバーヘブンの手を振り払い、後ろに下がると

 

「一瞬の隙が命取りよ穂乃果、良く覚えておきなさい」

 

バックステップで後ろに下がり、地面に片足が着いた瞬間に

その地面に着いた片足で地面を全力で蹴り、一気に間合いを詰めた

 

「さっきと同じじゃん、芸が無いねぇ」

 

「いいえ、これこそ私の真の狙い、ってね」

 

黒い穂乃果かがチャリオッツの腕を掴もうと、μ’sオーバーヘブンの腕を伸ばす、すると

 

「行くよ、絵里ちゃん」

 

黒い穂乃果の背後から声が聞こえた

それは、平行世界からやって来た穂乃果に取って忌々しく、殺意すらも感じさせる声

その声の主は

 

「高坂・・・穂乃果・・・」

 

黒い穂乃果は顔を後ろに向けると、穂乃果は完全にμ’sの射程範囲に入っていた

 

「チッカァァァァァァ!」

「オラオラオラァァァ!」

 

前からも後ろからも目にも止まらぬスピードのラッシュが迫ってくる

黒い穂乃果はそのあまりの速さに追いつけず攻撃が顔面に直撃する寸前で

 

「ザ・ワールド」

 

途端に時間が停止し穂乃果と絵里の攻撃がぴたりと止まった

 

「私をバカにしてもらうと困るんだよなぁ」

 

黒い穂乃果のみ動ける世界の中でゆっくりと歩きながら横へ出た

 

「残念だねぇ、あと一歩で私を倒せたかもしれないのに」

 

そんな事を言う黒い穂乃果の笑みは恐ろしく歪んでいた

 

「さてと、じゃあその顔面ズタズタにさせてもらおっか♪」

 

満面の笑みでμ’sオーバーヘブンを出し、穂乃果の顔面に拳を飛ばした、すると

 

「させるかぁ!!」

 

横からザ・ワールドの拳がμ’sオーバーヘブンの拳を弾いた

 

「ハァハァ・・・危なかった」

 

「やっぱり元々時間を止める能力を持つスタンドを使ってるんだからこういうのにはすぐ対処できるか」

 

「時間を止めるスタンドがこんなにいっぱいいるとは思わなかったけどね」

 

しかし、ことりは見るからに疲労していた

時止め返しは相当なタイミングと体力を使うためことり的には相当な賭けであった

 

「まさか、穂乃果ちゃんは動けないようになってるとは思わ無かったけど」

 

「後付けの能力がオリジナルに勝てるわけ無いじゃん」

 

「だったら、黒い穂乃果ちゃんの時止めが切れるまで守ってあげるだけだよ!!」

 

ことりはザ・ワールドでラッシュ攻撃を放つ

 

「ハハッ、いいね、受けて立つよ」

 

黒い穂乃果もμ’sオーバーヘブンでザ・ワールドのラッシュの撃ち合いが始まった

 

「無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁ!!」

 

「うるさいなぁ、普通に攻撃できないの?」

 

必死の形相で攻撃をすることりに対し、黒い穂乃果は余裕の表情で攻撃を繰り出す

すると、途端に黒い穂乃果のラッシュが緩んできた

 

(緩んできた!このまま押し切る)

 

ことりはその瞬間に勝機を感じた、しかし、次の瞬間、ことりとザ・ワールドが動かなくなった

 

「あ・・・あれ?」

 

「穂乃果も演技が上手いでしょ?勝てるわけ無いのに一瞬でも勝てるとかいう幻想を抱いて。はぁ~、笑うの我慢するの大変だったなぁ。プクク・・・」

 

ことりの時間は完全に停止しぴたりと止まってしまった

 

「じゃあ、ことりちゃんを殴ったらどんな声で鳴くのか試してみよう、検証動画でも撮ろうかなぁ」

 

ニコニコと不気味な笑みを浮かべながらμ’sオーバーヘブンを構えさせた

 

「んじゃ、いっきまーす!!」

 

μ’sオーバーヘブンの拳がことりの顔面に一直線に飛んでいき

 

バキッ

 

「っ!」

 

黒い穂乃果は確かにことりの顔面を捉えたその映像すらも自分の目に映っていた、そのはずだった

 

「させない、絶対に!」

 

穂乃果のμ’sがμ’sオーバーヘブンの拳にぶつかりそこで止まっていた

 

「いい加減にしろよ、高坂穂乃果」

 

黒い穂乃果は一層μ’sオーバーヘブンに力を込めμ’sの拳を押し返そうとする

しかし、μ’sも負けじと押し返す

 

「鬱陶しいんだよ!」

 

μ’sオーバーヘブンが拳での押し合いをしている状態で、μ’sの顔面めがけて蹴りを放った

その蹴りにμ’sはガードをするが、勢いに負け後ろにのけぞる

 

「イテテ、流石に強いね」

 

「その余裕そうな面をボッコボコにしてあげるよ」

 

穂乃果は今までにないくらい落ち着いていた、仲間のために勝たなければならないという使命感や、ことりを仕留めようとしたことへの怒りなど一切感じない、ただただ、仲間が傍にいるそう思うだけで自然と落ち着いた

 

「私は今、白の中にいる、正義という名の白の中に」

 

「だったら、その白を全部黒色に染め上げてやる!!」

 

黒い穂乃果は全力で接近し攻撃を繰り出した

 

「死ねぇぇ!!穂乃果ぁぁ!」

 

「オラァ!」

 

μ'sとμ’sオーバーヘブンの拳がぶつかり合った瞬間、周囲が揺れるほどの威力、そして、時間が動き出した

 

「ハッ、ほ、穂乃果ちゃん!」

 

ことりは周囲を見渡し穂乃果を探した、すると、二人の穂乃果が拳を交えていた

 

「月まで吹っ飛べぇ!」

 

穂乃果はμ’sの一撃で黒い穂乃果を吹き飛ばした、黒い穂乃果はギリギリでガードするが、大きく後ろに下がった

 

「このガキがぁぁ」

 

黒い穂乃果は怒りに身を震わせている、その瞬間、ことりが背後から攻撃を繰り出した

 

「今だぁぁぁ!!」

 

黒い穂乃果は待ってましたと言わんばかりにことりの方向へを向けて拳を開き、ことりの腹に指を刺した

 

「ガハッ!!」

 

ことりは驚きで一瞬何が起きたのかわからなかった、そんな状態のことりに黒い穂乃果は追い打ちのように

()()()()()()()()()

 

「クフッ、アッハハハハ!!スゴい、スゴいよ!馴染む、馴染むよ!!」

 

一瞬、穂乃果には何が起きているのか理解が出来なかった

しかし、みるみるうちにことりから血の気が去って行くのが目で見てわかった

 

「流石、幼なじみだと血も良く馴染むんだねぇ、今までにないくらい最高の気分だよ」

 

まるで初老のようになってしまったことりはその場に力なく倒れた

 

「ことり!」ちゃん!」

 

そして、誰よりも早く穂乃果が前に出た

 

「よくも!!ことりちゃんに!!!」

 

怒りで全く周りが見えていない状態だったせいか、穂乃果はそのまま反撃されてしまう

 

「ッつ!」

 

「アハハハ!!いいねぇ!これぞまさしく、最高にハイってヤツだねぇぇ!!!」

 

黒の穂乃果は不気味にも指を自分の頭に突き刺し声高らかにそういった

 

「さぁてと、残りのメンバーもサクッとやっちゃいますか」

 

さっきまでとは比にならないくらいの黒いオーラを放ちながら全員に目線を向けた

 

「やれるものなら、やってみなさい!!」

 

絵里が向かって行くと、それに続いてにこと真姫も飛び出して行った

 

「μ’sオーバーヘブン!」

 

次の瞬間には黒い穂乃果は消えてしまった

 

「なっ!?どこに!」

 

周りを見渡してもどこにもいない、すると

 

「まずは、三人」

 

その声がする方へ顔を向けた瞬間には絵里達は強い衝撃と共に吹き飛ばされ、再起不能になった

 

「呆気ない最期だねぇ」

 

やれやれとため息を吐きながらそう言っていると

 

「こっちのことを忘れてもらったら困るやん!!」

 

今度は、希、海未、凛の三人が突撃する

 

「そんな適当に突っ込んでくるだけじゃあ、私は倒せないけどね」

 

「焼き尽くしてやるやん!」

 

希はマジシャンズレッドで火を噴いた瞬間

 

「ばぁ」

 

黒い穂乃果の顔面が目の前にあった

そして、次の策を考える暇もなく地面に叩きつけられた

 

「よくも、希ちゃんを!!」

 

凛は、二機のエアロスミス飛ばし乱射する

 

「何それ?豆鉄砲かなにか?」

 

μ’sオーバーヘブンの人差し指だけで全弾弾くと

 

「遅すぎ」

 

一言そう言うと、凛の腹部をμ’sオーバーヘブンの拳が貫通していた

 

「凛、希、あなたたちの死は無駄にはしません!!」

 

「チャックメイトです!」

 

海未と花陽がそう言うと、黒い穂乃果の周囲に矢が並べられていた

 

「絶対に逃がしはしません!」

 

全ての矢には火が付いて、そして、上から大量のガレキが落ちてきていた

 

燃える千本の矢(フレイム・サウザンドアロー)!」

 

大きな物音と共に矢が中心に突き刺さる、しかし

 

「さっきも似たようなことしてたよね?馬鹿なの?」

 

海未と花陽の後ろに黒い穂乃果がいた

 

「!」

 

海未が素早く動くが、時既に遅し、二人の腹部からμ’sオーバーヘブンの拳が飛び出した

 

「よし、これで残りは高坂だけだね」

 

「・・・」

 

その時、穂乃果は噴火寸前だった、しかし、穂乃果は感情的に動くことはなかった。

何故かはわからない、しかし、必要以上に落ち着いた

 

しかし、今まさに穂乃果は動き出す、仲間達の意志をその背中に背負って



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最終話 μ'sオブヘブン

二人の高坂穂乃果は向かい合っている、完全にお互いはお互いの射程範囲に入っている

 

「こうして、似ている自分を見てるとまるで鏡を見てるみたいだね」

 

「この状況でよくもまぁ軽口がたたけるね」

 

見た目が似ていても雰囲気、思想は全く違う、しかし、唯一一緒なのは

 

                 「こいつをぶん殴る」

 

ただそれだけであった

 

「じゃあ、始めようか」

 

穂乃果はニヤリと不敵に笑うと

 

「西部劇で言うところの『()()()()()()()()()()()()()』ってやつだよ」

 

穂乃果の一言に、二人の間に一気に不穏な空気が流れる

そして、二人の間に雫が落ちる音がした瞬間

 

「μ’s!」

 

「μ’sオーバーヘブン!」

 

一気にスタンドを出して攻撃を開始した

 

「オラオラオラオラオラァァ!!」

 

「ウォラァァァ!!」

 

その攻撃はまさに一瞬の出来事

目にも止まらぬラッシュ攻撃は二人の間で衝撃波を作っていた

 

「死ねぇぇ!!」

 

黒い穂乃果の攻撃がμ'sを若干押していた

 

「そんな程度で凄んでも怖くないねぇ」

 

ただただ余裕の笑みを浮かべながら勝利を確信していた

 

「実は、ある人から教わったんだ。逆転の発想、あげちゃってもいいさって」

 

「?」

 

穂乃果はゆっくりと目を閉じると、μ'sがぴたりと止まった

 

「なっ!?」

 

力任せにラッシュ攻撃を放っていたためか拳が空振りし、大きな隙が生まれた

 

「そして、そこに一撃をぶちかます!」

 

一切動かなかったμ'sが急に動き出し、強烈なマグナムストレートがμ’sオーバーヘブンの顔面にめり込んだ

 

「ブッ!!」

 

隙だらけの顔面にめり込んだ右手は止まることなく回転を真っ直ぐ飛ばしμ’sオーバーヘブンは黒い穂乃果を巻き込み吹き飛んだ

 

「やれやれ、って感じだね」

 

穂乃果は帽子を少しだけ深く被りそういった

 

「良くもやってくれたね・・・流石にプッツンきちゃったよ・・・」

 

黒い穂乃果はゆっくりと立ち上がり怒りをあらわにした

 

「安心してよ、その倍くらいは怒ってるから」

 

帽子のツバの奥には静かに怒り狂う少女の目がギラリと姿を覗かせていた

 

「あんたって、確かお人好しだったよね。なら、これはどうかな?」

 

μ’sオーバーヘブンは縮こまり力を貯めている、穂乃果は何事かと身構えると

 

「μ’sオーバーヘブン!これが真実よぉ!!」

 

突然拳を地面に打ち付けると、地面から黒い霧と共に凛、花陽、真姫、ことり、海未、にこ、絵里、希が出てきた

 

「そ、そんな・・・何で・・・」

 

自分の目の前で倒れていった仲間達が黒い霧の中か突如現れ、穂乃果は言葉を失った

 

「さぁ、死んでもらうわ」

 

黒い穂乃果がそう言うと、八人は攻撃を仕掛けてくる

 

「み、みんな!思い出して!穂乃果だよ!」

 

穂乃果は手を出すことが出来ず防戦一方になってしまっていた

 

(ど、どうしたら・・・)

 

μ'sでガードしているとはいえ、流石に攻撃が蓄積し腕に痺れが表われてきた

 

「クッ!みんなを・・・やるしかない・・・の・・・」

 

その時、穂乃果の目の前が一瞬真っ白になり、次の瞬間には何故か部室にいた

 

「へ?ここって、部室・・・」

 

そして、瞬きをした瞬間に、にこが部長席に座っていた

 

「に、にこちゃん!!」

 

「うるさいわね、少しは落ち着きなさいよ」

 

にこは頬杖しながら呆れた顔をしていた

 

「で、でも、確かさっきまで・・・」

 

「だぁー!うるいさっての!時間がないんだからさっさと用件だけ伝えるから!」

 

少し苛立った表情で立ち上がり、穂乃果に指を指した

 

「あんたも会ったことあるでしょ『空条 承太郎』あいつに少しの間スタンドを借りてこの状態を保ってるのよ」

 

「空条さんのスタンドってそんなに便利なの・・・」

 

「スタンドのカタチをそのまま借りてるから、今は私がスタンドって所かしら?」

 

「って、そんなことはどうでもいいの。穂乃果、今戦ってる私たちは言うなれば、黒い方の穂乃果が作った幻影、言うなれば、スタンドで作った分身よ」

 

「そ、そうはいっても・・・」

 

穂乃果は何か後ろめたそうに言葉を詰まらせた

 

「何よ、今までさんざん殴ってきたでしょ」

 

「そ、それはそうだけど・・・今までと違って、みんなが戻ってくるわけじゃなし、それに、もしかしたら私が倒すことでみんなと会えなくなっちゃう気がして・・・」

 

珍しくネガティブな考えで穂乃果は俯いてしまった、その時、にこは大きくため息を吐いた

 

「だったら、偽物の私たちにやられてしまった方がいいって事?それとも、あの黒い方みたいに私たちを作ってみる?」

 

そのにこの発言に穂乃果はカッとなり

 

「そんな事しない!!!」

 

机を叩きにこを叱るかのようにそう言った、その発言ににこはにやりと笑い

 

「なら、それでいいのよ。あんたは難しく考えなくて良い、やるったらやる!でしょ」

 

「でも、私だけの力じゃ・・・」

 

「何言ってんのよ、あんただけの力だったら、とっくに負けてるわよ」

 

にこは鼻で笑い飛ばし、こういった

 

「あんたには、八人・・・いや、九人の仲間がいるでしょ」

 

「九人?」

 

「私、絵里、希、海未、ことり、真姫、花陽、凛それになりよりも」

 

にこは穂乃果に指を指して

 

「あんた自身。ね、こんだけ仲間がいたら敵無しでしょ?」

 

穂乃果はその瞬間、少し胸の奥から何かがわき出る感覚を感じた

 

「うん!」

 

「まっ、それだけ元気があれば行けるでしょ」

 

にこは少し笑い穂乃果の胸に手を当てると

 

「しっかり、決着を付けてきなさい」

 

そう言うと、にこは小さな光の玉になり、他のメンバーを呼び出すかのように七つの光の玉が現れ、穂乃果の中へと消えていく

部屋に一人残された穂乃果は、目を閉じて一人呟いた

 

「μ's、ミュージック・・・」

 

次に目を開けたとき、メンバーが攻撃を仕掛けてくる瞬間であった

 

「スタート!!」

 

目を開けたと同時に大きく上にジャンプし攻撃を避け

 

「行くよ!μ's!」

 

μ'sを呼び出し、全員の前に立った

 

「皆の魂、私が受け継ぐ!」

 

穂乃果はそう言うと、全員が一斉にかかってきた

 

「焼き尽くす!K・F・H(クロス・ファイアー・ハリケーン)!」

 

μ'sが構えると炎を竜巻の如く放った

 

「あ、あれはマジシャンズレッドの技!な、何故μ'sが使える!?」

 

「皆の意志、思い、そのすべてを私が受け継いだ、そしてすべてを使ってあなたを倒す」

 

穂乃果は弓矢を引き絞る構えを取ると、何もない場所から矢が表われた

 

「皆、少し痛いけど、すぐ直すから」

 

無数の矢は一矢も外れることなく全員に命中し再起不能(リタイア)にさせた

 

「ふぅ、さてと、いい加減に穂乃果もカッカ来ちゃったから、本気であなたを倒させてもらうよ」

 

穂乃果は黒い穂乃果の方へ振り向き、目の奥から強烈な怒りをたぎらせていた

 

「クックク・・・あんた一人の力で倒されるほど、雑魚じゃあないんだよぉぉぉぉ!!!」

 

今までとは比にならない程の憎悪を纏ったμ’sオーバーヘブンを携え攻撃を繰り出した

 

「シィネェェエエ!!!」

 

そのマグナムにも匹敵する強烈なパンチに、穂乃果は真っ正面からμ'sの拳で相殺した

 

「なっ!?どこからこんな力が」

 

「確かに一人で戦っていたら負けてたかもしれない、でも、にこちゃんに教えてもらったんだ、私には九人の仲間が付いていてくれるから」

 

穂乃果は胸に手を当て目を閉じると確かに胸の奥から仲間達の鼓動を感じた

 

「私は絶対に負けない」

 

「そんな虚勢で勝てるわけ無いだろうがぁぁぁ!!」

 

μ’sオーバーヘブンから放たれる強烈で目にも止まらぬラッシュを、まるで躍るようにすり抜けていく

 

「そこっ!」

 

穂乃果は攻撃の隙を見逃さず、鋭い蹴りを入れた

 

「グッ!」

 

攻勢に出ていた筈が逆に攻勢に出られ後退りした

 

「今度はこっちの番だよ!」

 

後退りさせた瞬間、一気に間合いを詰め自分の制空権に入れた

 

「ずっと思ってたんだ、穂乃果の制空権に入れたら、私の拳をその体に叩き込むって!!」

 

その言葉を掛け声にさっきとは比較にならないほどのスピードでラッシュを放つ

 

「オラオラオラオラオラァァ!!!」

 

避ける間もなく体中に拳がめり込んでいき痛がる隙すらない

 

「ウォラァァ!」

 

トドメと言わんばかりの一撃で黒い穂乃果は吹き飛んでいき壁に打ち付けられた

 

「流石にまだ倒れた訳じゃないでしょ」

 

「ガフッ・・・な、舐めやがって!」

 

起き上がりそう言うと

 

「来なよ、正面から受けて立つよ」

 

そう言うと穂乃果は構えた

 

「さっさと死にやがれってんだ!!!」

 

穂乃果の挑発に乗り一気に飛び込んでくる

 

「オラァ!」

 

飛び込んでくる黒い穂乃果の一瞬の隙を突き上に打ち上げ

 

「オラオラオラオラオラァァ!!」

 

怒濤のラッシュを放った

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァ!!」

 

今までの比にならない程早く強烈なラッシュ攻撃は怒りこそあれ殺意は一切感じられない

 

「トドメェ!!」

 

最後の一撃が腹部に入り大きく中へ打ち上げられ、その後地面に叩きつけられた

 

「ぜぇ・・・はぁ・・・」

 

穂乃果は息を切らしていた

その時、地面に叩きつけられ立ち上がることが出来ないはずの黒い穂乃果が重症ではあるが立ち上がった

 

「な、なんで私を()()()()の?」

 

「何でだろ・・・ただ、死ぬことはないかなってさっきはそう思ったから・・・かな?」

 

穂乃果はおどけた調子でそういった

 

「何てお人好しな・・・」

 

「それにあなたは嫉妬はしても殺そうと何て思ってなかったと思うんだ」

 

「・・・」

 

「だって、あなたはもう一人の私、平行世界だろうが何だろうが」

 

「あんたみたいなお人好しがよく生き残れるわね」

 

「えへへ」

 

穂乃果は照れ笑いをしながらもう一人の穂乃果の方へ行って、手を取った

 

「あなたなら知ってるでしょ、すべてを直す方法を」

 

「・・・」

 

もう一人の穂乃果は少し黙り

 

「あなたにはどんなに頑張っても勝てる気がしないな」

 

少し笑うと

 

「あなたのスタンドの力を覚醒させるには、私のスタンドと力を融合させる必要がある」

 

「融合?」

 

「そう、そうすることでμ'sの本来の力を発揮することが出来る」

 

「その方法は?」

 

「あなたのμ'sを出して」

 

穂乃果はそう言われスタンドを出した

 

「さぁ、最後の仕上げ」

 

μ’sオーバーヘブンを出すと、二つのスタンドが共鳴しもう一人の穂乃果のスタンドがμ'sの中へ入っていく

 

「これがμ'sオブヘブン、そして、すべての平行世界を統べるスタンド」

 

もう一人の穂乃果が説明していると

 

「あれ、あなたの体・・・」

 

もう一人の穂乃果の体が消えかかっていた

 

「スタンドはスタンド使いの生命エネルギーから出来ている、スタンドが傷付けばスタンド使いも傷が付き、スタンドが消えればスタンド使いの生命エネルギーがなくなる、つまりは死ってことだね」

 

「そ、そんなやっと分かり合えたのに・・・」

 

「泣かないで、私が選んだ結果なんだから。それに、何だかいま心が落ち着いているの、今から死ぬって言うのにおかしな話だけど」

 

もう一人の穂乃果はフッと笑うと

 

「さぁ、もう行って、私の代わりにラブライブ優勝してね」

 

「うん!」

 

穂乃果は頬に大粒の涙を流しながらそういった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果が次の瞬間に目を開けると、見慣れた光景が写った

 

「ここは音ノ木坂・・・」

 

気が付けば音ノ木坂学園の屋上にいた

 

「私、戻ってきたんだ」

 

穂乃果は少し惚けていると

 

「穂乃果!」

 

聞き慣れた声が聞こえてきた

 

「こんなところで油を売って何をしているのですか!」

 

そこには園田海未の姿があった

 

「海未ちゃん!」

 

「さぁ、生徒会の仕事に戻りますよ」

 

「うん!」

 

こうして穂乃果以外にとって何の変哲もない日々が過ぎていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『パチパチパチ』

 

大きな映画館の真ん中の席に座っている一人の男が拍手をしていた

 

「いい余興であったぞ、穂乃果」

 

たった一人の観客は賞賛の言葉と共にそう言った

 

「お褒めいただきありがとうございます、D()I()O()()

 

真ん中に座っているDIOに穂乃果は深々と礼をした

 

「我が永遠なる時の余興にしては上出来だ。次も期待しているぞ」

 

DIOはそう言うと映画館を後にした

 

To be continue?




これにて完結ですご視聴ありがとうございました


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