作者の妄想大戦k    (kanaumi)
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セリフ集 ※見なくても問題無いです

これは書けるかわからないのでこういう会話があったらいいなを妄想しました。キャラの口調等は間違いがあるかもなのはご了承ください。


「ソル!前方の敵機をスターゲイザーでぶっ飛ばすわよっ!」

「ちょっと、セレーネ?!君そんなキャラじゃないよね!?」

「えっ、あー、そう、これはつい出ちゃったのよ。誰に影響されたのかしらねぇ?葵博士かしらねぇ?」

「ううん、それセレーネさんの素だと思うよ。」

「アンナちゃん!?」

「だって、昔お母さんとの--」

「ちょっと、二人共今は」

「ソル、そちらに敵機が向かったぞ。」

「スウィン、君も二人を止めるのを手伝ってくれないかい!?」

「何故だ?」

「敵に囲まれてるのに二人の手が止まったら対応出来ないだろ!?」

「…ふむ、セレーネ、アンナ、敵機が来ているぞ。」

「うん、お母さんと飲んでる時に--」

「アンナちゃん、私が悪かったからもう辞めて!?」

「ソル、諦めろ。」

「もう少し、頑張ってくれ…。」

「こらー!!第5部隊手が止まっているぞ!」

「すみません!!」

 

 

「あっちは大丈夫でしょうか?ハイネさん援護しましょうか?」

「あ?……ほっとけほっとけ、それよりも援護はあっちだ。」

「あっち…、アスランさんの部隊ですか?メンバーも言い争う方達はではなかったと思いますが?」

「バッカ、そこじゃねぇよ。レーダーを見てみろ。健司と総司もな。」

「えっと、あ、アスランさんの部隊に敵が--」

「ああ、これはヤガランテ級のようだ。」

「そうだ、あいつらは硬いからな。アスランでも大変だろうぜ、早く合流するぜ。」

「でも、ここの敵も多いですよ?」

「健司!そんなもんはこじ開けんだよ。総司、サポートしろよ。ミスト、突撃するぞ!」

「「はい!」」

 

「当たれぇえ!!」

「ストライクフリーダムの攻撃で敵機の3割が沈んだ。近藤は周囲の索敵を…聞いているのか?」

「やっぱりキラさんは凄いや。よし、俺だってゴウバインやストライクの用に皆を護るんだ。その為にも!」

「近藤!右前方に敵機だ、迎撃を!」

「おうっ!!行くぞ!ゴウッ、バイン!スゥマァァッシュ!!!…どうだ!!」

「まだだ、気を抜くな!早くトドメ指すんだ!」

「くっ!?」

「おっと、それなら俺様の出番だな!ヌケ、ムチャ!ボロットの最終兵器を開放するだわさ!」

「最後ッペってやつですねボス!」

「少しせこいですよボス~」

「うるせいうるせいやい、いいから行くだわさ!ボロット、スーパーデリシャスハイパーファイナルダイナミックスペシャル!!うぅおりゃー!!」

「……敵機の撃墜を確認した。」

「ボスさん、あ、ありがとうございました。」

「へっ、良いって事よ。俺様にかかればこんなのお茶の子さいさいなのよ。」

「ごめん、そっちに敵機が行ったけど、二人共大丈夫だった?」

「おう、あんなのは楽勝だわさ。」

「はい、大丈夫です!」

「なら良かった。じゃあ、引き続き頑張ろうか。」

「おう!」

「はい!」

 

 

「ウォォォ!終わらせる!ハァァア!」

「気合入ってるねえ、アスランは。」

「でも、ちょっと入り過ぎじゃない?」

「いいや、アスランならあれくらい気合が入ってる方がいい結果を生むと思うよ。踏切が甘いからなアスランは。」

「バルトフェルドさん、プリシアさん、突撃します!」

「おっと、喋ってる場合じゃなかったか。プリシラ君、僕達も行こうか。」

「はい!」

 

 

「行くぞ!デスティニーならこう言う戦い方もできる!!ハァァ、これで終わらせる!」

「お、あいつも張り切ってるな。俺達も負けてられねーな、ルージ。」

「はい!走れ、ムラサメライガー!」

「マジンガーZ、俺達も続くぞ!マジーンゴー!!」

 

「前方敵機多数、艦長!」

「ゴットフリート、照準、撃てぇ!」

「ゴットフリート、1番2番、撃て!」

「艦長!第6部隊、アカツキ、ゴレーム及びアンダーゴレーム部隊から敵部隊撃退、他部隊に合流するだそうです。」

「そう、ならば私達も此処を突破して大空魔竜と合流しましょう。ノイマン、任せたわよ。」

「了解」

 

 

「いくぞ!キングゲイナァー!!」

「オッシャー!!俺達も行くぜツバキ!」

「オッケー、ジークパーツセット、シュート!!」

「おっぱいドリルだぜ!オラオラァ!!」

「ちょっと、パンサーじゃ追いつけないんですけどー!!」

 

 

「いくぞ、スパイラル・ナックル!!」

「キャ〜」

「俺もだ、いけっ!パンチャーグラインド!!」

「良いなぁ飛ぶ鉄拳、いかすぜ!」

「言ってないで手を動かせ、それにエルドラソウルにあれをつけたら攻撃出来んくなるぞ」

「カッコイイがな!」

「zzz」

 

「フッ、俺がエスコートしてやるから君の自由にやってみなルウ。」

「はい、ジェットクロー、行って!」

「ちょっと、ボクもいるんだけど。あーもう、八つ当たりって奴だー!!ミストのバカヤロー!!」

 



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妄想設定 ※ネタバレ注意

ネタ帳 ※ネタバレあり

これは本編を考えるにあたってこの設定で進めたいが為のメモです。筆が進まないので設定の吐き出しをしたいだけです。もし、見られる場合は作者がこう言う設定で進めたいのだと思うだけにしてください。書けれるか分かりません。

ちなみに作者の知識はスパロボとwiki位でまともに原作を知ってるのはseed位です。


 

 

地球

 

所属作品

 

seed、ゴーダンナー、ジーグ、マジンガーZ、ダンガイオー、ファフナー

 

ミストが本編で2番目に辿りついた惑星

 

 

もう一つの地球

 

所属作品

 

キングゲイナー、ゾイドジェネシス、ガン×ソード

 

分岐した並行世界の地球

 

 

もう一つの地球との関係

 

もう一つの地球はある分岐点から別れた地球

 

分岐点は50年前のフェストゥムの日本進行

 

地球では初代ミイヤによって作られたオーバーデビルがフェストゥムを撃退した。だが、強すぎるオーバーデビルは制御しきれず暴走する。しかし、ジーグとザンの活躍でXANと共に封印という形で収まる。もう一つの地球でもフェストゥムは進行。その時、フェストゥムに反応したオーバーデビルが暴走し、日本は氷漬けされた。日本の人々はシベリアへ難を逃れた。ヤーパンと呼びエクソダスを行うのは日本に帰る為。この記録はキッズの部屋に残され、難を逃れた者達が伝承として語った。また、鉤爪の男の本拠地にもフェストゥムとオーバーデビルの資料があった。

 

 

 

又、地球はもう一つの地球と過去は近いがXANとジーグの影響でオーバーデビルによる日本凍結がなく、シルエットマシン及びマッスルエンジンの技術がデビルと共に初代ミイヤによって封印されたため、オーバーマンが作られなかった。

 

 

 

一方、もう一つの地球では、シルエットマシン及びマッスルエンジンの技術が封印され無かった為、その技術は幅広く伝わった。又、これらの技術とヨロイ及びG-RE流体を持ち出した天空人の手によって独自に発展変化した物がバイオゾイドのシステム及び機体の元になっている。

 

 

オーバーデビル

 

 

 

地球は漫画版 スパロボwiki参照

 

もう一つの地球はアニメ版

 

地球ではミイヤによってフェストゥムへの抑止力として作られた。しかし、その力は強すぎる為封印されていた。

 

フェストゥムの日本進行時はフェストゥムの特殊な声を受け覚醒した。

 

覚醒したオーバーデビルはオーバーフリーズを用いてフェストゥムを次々と凍らせて行った。

 

その後、オーバーデビルは止まらず日本を凍結させて行った。

 

地球では、ジーグと抑止力のXANがオーバーデビルを止める為に動き、XANと共に初代ミイヤに封印された。

 

オーバーデビルの歌はフェストゥムの声に対抗する為

 

オーバーデビルはマークザインにも敵意を向ける。

 

本編ではオーバーデビルの歌によってジークフリートシステムが切られ一輝達は総司のサポートを受けられなくなった。

 

 

XAN

 

 

地球にて初代ミイヤの作った強すぎるオーバーデビルへの抑止力として作られた。オーバーデビルがフェストゥムを撃退後暴走を開始した時に、抑止力として起動後共に封印された。

 

司馬ヒロシはキングゲイナーを見てXANを思い浮かべた。

 

 

 

かぎ爪の男

 

かぎ爪の男は元々は地球を故郷としていた。地球では地球連合の官僚の一人だが、細菌兵器の誤運用の責任を取らされて、月の遺跡の調査発掘グループへ左遷された。その調査発掘中、電脳歴のダイモンとの交信に立ち会ってしまう。かぎ爪の男は原因には気づいていない。ダイモンとの交信によって、遺跡内に発生した歪みに巻き込まれもう一つの地球に飛ばされる。

 

 

 

フェストゥム

 

本編から50年前では度々確認され、読心能力を危険視されるも近づかなければ問題はなかった。しかし、オーバーデビルの歌に反応し日本へ進行した。

 

フェストゥムから発生した特殊な波はオーバーデビルを起動させた。

 

司馬一家はフェストゥムの事を黄色い悪魔として知ってた。

 

邪馬台国のヒミコもフェストゥムを知っていて、忌々しく思っている。マークザインにも。

 

フェイズシフト装甲の原案は対フェストゥムを想定していた。

 

 

 

龍宮島

 

マルキオ神父を含め司馬博士、兜十蔵、前々代のアスハ代表が龍宮島誕生に関わっていた。

 

 

 

 

 

マークザイン受け渡しの話

 

守のピンチにキラがボスボロットで救出する

 

キラがボスボロットの機能を拡張して少し強くなった。

 

アーム伸ばしてコックピットをキャッチする

 

ボスはこのままキラに乗ってほしいと言うが、周りが違うのに乗った方が強いと言う。

 

 

 

 

SEED時代のキラ

 

イージスとの戦いで傷ついたキラは龍宮島に漂着した。そこには織姫の意思もあってだった。龍宮島ではストライクの姿がゴウバインにでてくるロボットにていたために守に懐かれた。ストライクの方はアルビスの者によって修復作業が行われた。傷の癒えたキラは外の様子を気にし始めた。そして、織姫の導きで龍宮島から外に出る決意を固めた。アルビスからは龍宮島の事を漏らさない用厳格に注意を受け、キラは龍宮島を飛び立った。アラスカに向かう途中、ストライクのエネルギーが切れる事故が起こった。途方にくれるキラだが、その時、ストライクに一通の通信届く。名はマルキオ、マルキオはキラを自邸に招き、キラの意思を確かめた。そして、キラにストライクの新たなるストライカーパック、i・w・s・pを渡した。マルキオは受け取ったキラにアラスカでの状況を伝えた。キラは急いでアラスカへと向かった。

 

キラ、アラスカでアークエンジェルと合流。

 

スピリットブレイク作戦に殴り込む。

 

途中、クライン派のヒルダによりフリーダムが託される。

 

 

クリスタル・ハート

200万年前のル・コボルとの決戦に破れた者はアトリーム、べザード、地球に流れついた。そして、それぞれでそれぞれの変化、進化をしていった。元が近いので惑星間で似ている生体形をしている。そして、各祖先は決戦時使用したオリジン・ハートを永久的なエネルギー供給源として惑星に埋め込んだ。アトリームではオリジンのダウングレードとしてクリスタル・ハートを機体の動力とした。べザードでは神の石として崇めた。地球では地球の埋め込んでいたが隕石の衝突により、オリジン・ハートが小惑星として漂い、それを地球人は月と呼び始めた。

地球の光子力は埋まっていたオリジン・ハートの残滓が塊となった物、銅鐸はオリジンを元に作られた物でクリスタル・ハートと同等の存在。

技術力

アトリーム>地球>べザード

アトリームが一番オリジンを使い発展していった。地球は月となってしまった為に光子力と銅鐸以外は別のエネルギーを使用せざる負えなかった。べザードは祀っていたが使用はしていなかった。

 

 



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本編
第1話 ボロボロの機体の中で


以前書いていたデータ(第1話)が何処かに行ったので再投稿しました。大筋は変わってないですが内容が変わりました。


 はっきりとしないぼやけたままの視界の中、俺は頭を数度横に振った。頭が振られ意識が鮮明になりだした。頃、ピントの合わない瞳が合わせようと動き出した。徐々に鮮明になり出した視界で状況を確認する。

 

 バチバチと火花の出ているモニター、真っ黒く何も写さないメインカメラ、止まってしまった空調機器、コックピット内の照明が落ちているのか薄暗かった。微かだが外の音を拾っているマイク。

 コックピット周りを見ても置かれた状況は最悪だった。俺が目覚めた音は、画面の割れたモニターがスパークした音だ。身に着けているヘルメットのガラス面にヒビが入っている事から、衝撃か何かで頭を打ち付けたのだろう。幸い、モニターが死んでるだけで機体自体は無事なようだった。

 次に、自身の体を確認する。視覚はコックピットが暗いのでわからないが、触覚はあるため体を触って確認を行った。痛いと感じる所は無く、湿った感じも無いため血が流れていると言うう事はなさそうだった。

 

「って、言ってもなぁ。これで動けても良い的だよな。…外はどうな状況だろうか。他の皆はどうなったのだろうか?隊長達がそう簡単にやられる事は想像しづらいけど、心配だよな。…仕方ない、危ないけどハッチを開けるか。」

 

 幸いな事に無事だったハッチは、ガコンと簡単に開いた。開いた隙間から外部の状況を確認しようと身を乗り出す。

 目に映る光景は、黒い背景に浮かぶ大量のデブリ郡だった。大小様々な大きさの岩の塊やマシンの残骸は、機体にぶつからない程度に漂っていた。レヴリアスより大きい物は無さそうだが、これだけ大量にあれば機体を隠すには十分だった。

 

「…これならデブリ達でレヴリアスを隠せるから一先ず安心か。…さっき確認した時間が正しければ、俺は2日は気を失っていた事になるな。隊長やアンジェリカは無事なのかどうかが心配だな。」

 

 辺りを一通り確認した俺は、レヴリアスのコックピットに戻りレヴリアスの機能回復に努めた。幸いクリスタル・ハートに異常は無く、計器辺りも問題ない。メインモニター周りの破損が酷い程度で機体は問題無く動くようだ。普段はシートの裏に廻っているサブモニターをメインの代わり利用すればモニター問題も大丈夫だ。

 

「良し、応急処置だけど何とか動かせるな。マップが機能していないのが心配だけど、最悪の事態は免れた。」

 

 次から次に問題が溢れて来るが、体も一先ず無事で機体も動く、なら何とでもなるはずだ。

 

「…熱源反応だと⁉どういう事だ!?さっきまでセンサーには何も反応していなかったはずなのに、どうしてだ?

 

 突然鳴り響くアラームに、慌ててサブモニターを起動させた。写っていたのは紫を基調とした見たことのある機体だった。そう、あの時光と共に別れたセリウスだ。アンジェリカの機体とは別の機体かもしれないが、情報交換出来るかもしれないな。

 

「交信しよう、…こちらアトリーム防衛暴徒鎮圧部隊所属ミスト・レックスです。アトリーム周辺の大気圏にて正体不明の機体郡に襲撃され、中破した本機は漂流し此処に流れ着いた。現在、アトリームの情報が不明であり情報交換を行いたい。応答を願う。」

 

 念の為、オープン回線で呼びかけた。が、通信から5分経っても応答は無かった。何か異常が合ったのか心配したミストは、レヴリアスからセリウスに直接乗り込んだ。ハッチは以前アンジェリカから教えて貰ったハッチの解除コードで解除した。

 結果として、漂っていたセリウスのコックピットに人

は乗っていなかった。ただ、機体事態は異常も無く、動力源が抜かれた状態である事以外は問題無かった。

 

「…他に何か無いだろうか、映像記録とか、マップとか。……無いかな?整備スタッフとかなな解るのだろうけど、囓った程度の俺じゃあ難しいか。」

 

 その後、レヴリアスに戻ったミストは状況打破の為、このデブリ郡からの脱出を試み、紆余曲折あり脱出に成功。そこで、今までデブリに際切られていた視界が晴れ、広大な宇宙空間の情報を手に入れた。手に入れた情報を元に簡易マップを作成し、レヴリアスのデータベースに無い未開の惑星を発見した。その惑星以外に行く宛が無いので、少しの心配を胸に降下した。降下先の集落にて言語がアトリームと似通っている事と此処がべザートと言う惑星だと知った。改めてデータベースで検索するもヒットする情報に惑星べザートは無かった。集落の長に滞在の許可を貰い、長に呼び出されたシェルディアの家に住まわせて貰った。集落での暮らしはとても裕福と言える物では無かったが、シェルディアやシェルディアの妹のレムのお陰で貧困には遠い生活が出来ていた。生活が落ち着いた頃に俺はデブリ郡に置いていったセリウスを回収しに向かった。レヴリアスのクリスタル・ハートの出力で無理やり大気圏を突破し、記録していたデブリ郡に向かった。回収したセリウスは集落近くの森に隠し、いつか必要になる事を思い調整を進めた。

 1年後、ベザートは滅びた。

 




その後以降は思いつかなかったのでダイジェストになりました。


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第2話 知らない星で

今回もあまり多くはありませんが読んでいただけたら幸いです。
一話とはこの小説の事ではありません。


「…ん?索敵のアラートだ。……どうなったんだ?」

 一定のリズムで鳴り続けるアラートで起こされた俺は、直前の状況を思い出し、どうなったのか確認しようとモニターを動かした。

「宇宙空間じゃない?ベザートか?でも、記録した地図と照合出来ない。村から離れているのか?それとも別の惑星?…確か、最後の記憶ではベザートを襲って来た奴らと戦闘になって、奴らの攻撃からセリウスを庇って弾き飛ばされたんだ。その反動で此処に墜落した?…情報が足りないな。」

 レヴリアスのエンジンは半永久的にエネルギーを生み出すから宇宙空間で与えられた運動エネルギーで宇宙を彷徨い続けるのは可能と言えば可能だ。偶々惑星に突入しても可怪しくないか?

「うーん、確証が全く無い。…って、アラートを忘れてた。」

 センサーの情報をメインモニターに呼び出し、反応を確認する。

「熱源反応、データベースに適合無し、アトリームやベザートの機体では無いって事だな。…やっぱり別の惑星か?」

 センサーに反応したannnounnはまだこちらには気がついていないようだ。

「どうするか、逃げる?戦う?隠れる」

 

 ――何でどっかのゲームみたいなコマンドが頭に浮かぶんだ、俺?そこまでゲーマーでもなかったような。いや、大会とかには行ったよ?でもそこまでじゃなかったはずだ。

 …俺、誰にこの事言ってるんだ。てか、そんな事してる場合じゃなかった!annnounnは?動いて無いのか?どうしてだ?まさか、見つかったか?そうなるとどうするか。ピピッ、ん、通信?

 …どこからだ?もしかして…あれからか?……ひとまず、聞いてみるか?…よし、応答だけして様子を見よう。ピッ

 

「…………」

「…ん?」

 相手からの応答が無い、どういうことだ?

「もしもし、応答はありませんか?」

「おっと、つながったか!此方、オーブ連合首長国軍のバルト・アンディ少佐だ。そこの所属不明機、所属と名前を言いなよ。」

 

 答えたのは此処の軍人だった。かなり、変わってそうな人だけど。

 ――さてと、こっちも答えないとね。

「…此方、惑星アトリーム防衛機関所属ミスト・レックスです。」

 正直に言ってはみたけど此処はアトリームじゃ無いらしいから伝わらないかもしれないな。

「…惑星アトリーム?知らないなぁ、まあいい君は此処がどこだか知ってるかい?」

「えっと、いえ、知りません。」

「そうかい、わかった。ならば、教えてあげよう!此処はオーブ連合首長国の北西にある小島さ。まあ、ジャパンの方が近いがね。」

「オーブ連合首長国?ジャパン?」

 

 此処の国の名前だよな…アトリームにはなかった、やっぱり此処はアトリームじゃないのか…。

 

「もしもし?聞いてるかい?」

「あっはい、聞いてます!」

 軍人さんが自分の近くに機体を停めていた。

「……君、考え事が多いと言われないかい?」

「はい?」

「…いや、何でもないよ。…さてと、ミスト君?君はこれからどうするんだい?」

「え?」

 

 急に話を振られて驚いたが、これからか、此処はアトリームではないようだからなぁ

「最初は何処かのスパイなり軍の者かと思ったりしたんだがね?君はどうもオーブとかの事もこの辺りを良く知らないなようだしね。」

 ――信じてくれたのかな?いやぁ、俺だったら信じないよこんな人。この人は、お人好し?騙してるだけか?

「…君は隠し事をするのに向かないって言われないかい?」

「えっと、はい。」

 ――ああ、良く隊長やアンジェリカやシェルディアに考えてる事を当てられてたな。

「あーやっぱりそうなんだな」

 

 そう言うと軍人さんはガシガシと頭をかいた。

 

「まあ、いいかな。それでこれからどうするんだい?」

「えっと、まずは落ち着ける所に行く事ですなね。」

 此処の情報も知りたいし、何よりもこの機体を置きたい。これがあったら自由に動けないからな。

「フム、……。よし、君はどうも大丈夫なようだからね。ならば、オーブに来ないかい?」

「オーブ、ですか?」

「ああ、オーブだ。まあ、いろいろ君の話を聞かせてもらうがね。」

 ――どうしよう?いや、どうしよう?

「バルトさん、えっと、お願いします。」

「よし、付いてきたまえ。」

 そういうとバルトさんは機体を動かしバーニアを吹かして機体を浮かべた。

「はい!」

 自分もバルトさんに続き、機体を浮かべた。

「さあ、行こうか?ミスト君。」

「はい!よろしくお願いします!バルトさん!」

 そして、バルトさんを先頭にして、俺たちは南東の向かって機体を走らせた。目指すはオーブ連合首長国だ。

 

 

 

「ところでミスト君」

「はい?」

「その機体は何て言うんだい?」

「レヴリアスって言います。バルトさんのは?」

「僕のかい?僕のはムラサメさ、オーブ軍の量産型モビルスーツだよ。」

「モビルスーツ?その機体の事ですか?」

「なんだい、モビルスーツを知らないのかい?」

「はい」

「そうだな……まあ、人型兵器の名前の一種だよ。」

 ――へー、そうなんだ。だったらこっちではレヴリアスはどういう扱いなんだろうか?

「まあ、今は人型では無いがね。」

「飛行機みたいですね。」

「ああ、このムラサメは可変型モビルスーツだからね。変型して臨機応変に戦う事ができるね。」

「モビルスーツでもいろいろあるんですね。」

「まあ、モビルスーツに限った話じゃないさ、この地球にはスーパーロボット何て言うロボットも居るんだしね。」

「へぇー」

 ――スーパーロボットか、どんなロボットなんだろうか?見てみたいな。

「まあ、そのうち、逢えるだろう。」

「はい」

「おっと、ミスト君見てくれ、あれがオーブだ。」

 バルトさんが乗るムラサメが指した先にはたくさんの島が繋がっているような大きな島が見えた。

「あれがですか?」

「そうだ、あれがオーブだ。…さて、ミスト君。」

 バルトは此方を向きながら言い放つ。

「ようこそ、オーブ連合首長国へ」

 

 

 

 




この小説はオリジナルを一応出すと思いますが、今回のようなオリジナルな偽名を使う事があります。


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第3話 オーブ連合首長国 

三話目ですが相変わらず字が少ないです。五千文字くらい書けるといいんですけどね。


 あれから一週間が経ってだいぶ此処、オーブ連合首長国にも慣れてきた。一週間前にバルトさん……いや、バルトフェルドさんの案内を受けてこのオーブの一つの島、オノゴロ島に着いた。

 

 その後、事情聴取をしてモルゲンレーテ社の内部格納庫に機体を入れるように言われた。理由を聞くと機体を調べると同時に機体の修理をして貰える事になった。機体はベザードでの戦闘から整備などが出来ていなかった上に本格的な事はベザードに設備がなかったので出来ていなかったのでお願いした。

 

 正直にいえば、調べられるのはあんまり宜しくないのだがエンジンはともかくとして、他の部分や装甲は奴らの攻撃で傷ついているのでこのままは危険だったのだ。

 

 社内の客室に呼ばれた時は何事かと思ったがまさか、国家元首と呼ばれる人が来るとは思わなかった。何でもバルトフェルドさんが連絡して来てもらったらしいが、バルトフェルドさんは何者なのだろうか?

 はっきり言って所属不明で異星人な奴を連れて来て、軽い事情聴取して入れて貰えるのって普通おかしくないか?しかも、国家元首簡単に呼べるのって、おかしくないか?それに、あの時教えて貰った名前は偽名らしいし、本当に何でこの人軍人やってんだ?って思えた。

 

 カガリ・ユラ・アスハさんと言うらしいこの国の国家元首は俺より年下だった。そんな事考えたらカガリ・ユラ・アスハさんの後ろに控えてるサングラスを掛けた人から鋭い殺気のようなのを感じた。その人から来る猛烈な殺気に体がブルッと震えた。すると、隣のバルトフェルドさんにククッみたいな感じで笑われるし、カガリさんは解らないのか首を傾げてるし、あの人の前でカガリさんの事を年下のように見てはいけないと実感させられた。

 

 そんな彼女の計らいで、オーブにしばらく置いて貰える事になった。どうも、住む場所まで用意して貰えたようでさっきの事も踏まえて感謝の気持ちでいっぱいになった。その後はカガリさんたちと別れてバルトフェルドさんにオーブを案内して貰った。どうも、今日は早めに終わる勤務だったようで、都合が良かった上に俺が泊まる場所はバルトフェルドさんが暮らしている所らしいので案内しながら行くようだ。

 

 

 

 この地球では、ナチュラルとコーディネイターというのに人は別れているらしい、実際は少し違う人もいるみたいなことを言っていたがだいたいこれでいいようだ。コーディネイターとナチュラルはとても中が悪く2年前に大きな戦争があったようだ。そして、此処オーブは中立国だという、確かに此処は両人種が争うようなそんな場所には見えなかった。バルトフェルドさんの話だと、2年前の戦争では此処も戦地となったという。その時は国民を避難させオーブの軍事施設を爆破して敵にオーブの技術を渡さなかったようだが、正直これには、なんとも言えない確かに敵に渡してはダメだが爆破する必要があったのかというところだが、俺が考えたってあまり意味が無いからな。

 

 俺たちは、モルゲンレーテ社を出てオノゴロ島の海岸部にある慰霊碑のところに向かった。バルトフェルドさんと一緒に住んでる人たちがこの時間そこに居るようなので一緒に帰るそうだ。

 

「おっ!いたいた、キラ、ラクス」

「あら、バルトフェルドさん。…そちらの方は?」

「こいつは、今日からしばらく同居する奴さ」

「え、えっと、初めまして、ミスト・レックスです」

「あら、私はラクス・クラインです」

「…キラ・ヤマトです。…ミストさん?よろしくね」

「はい、よろしくお願いします!」

 

 バルトフェルドさんの同居人のキラさんとラクスさんと合流した後は、ヤラファス島に渡りキラさんたちの買い物を済ませ少し観光をしてアカツキ島にあるキラさんたちが住んでいる家に着いたのは夕日が沈み始めたころだった。

 

 

 

―――キラ邸―――

「それで、あなたがミストさんね、私はキラの母のカリダよ」

「で、その夫のハルマだ」

「私も同居人のマリューです、よろしくね」

「はい!右も左もわかりませんが、これからよろしくお願いします」

「ミスト君にはまずはこの世界の事を教えんとな」

「ご教授のほどをよろしくお願いします!」

「ああ、解っているよ」

「なら、あなた?あなたの書庫にいろいろありましたよね?」

「そうだね、ちょっと出して来ようか」

「お願いします」

「あら?何処かに行かれるのですか?」

「ああ、ちょっと書庫にね」

「もう、夕食の準備は出来ているのですが?」

「あっハルマさん、書庫の件は食後でいいです」

「そうかい、じゃあ食事にしようか」

「ええ」

「ラクス、サラダを運んで」

「はい♪わかりましたわ、キラ」

「あっ、キラさん自分も手伝いますよ」

「ならミストさんは、これをお願いします」

「はい!」

「キラ君、私も手伝うわ」

「僕も手伝おう」

「じゃあ、マリューさんはこれを、バルトフェルドさんはこれをお願いします」

「ええ、解ったわ」

「ケバブか…ヨーグルトソースはあるかい?」

「え、ええ、ありますよ」

「フフッ、やっぱりケバブはヨーグルトだよね、…違う人もいるが」

「何かあったんですか?」

「うん…まあね」

「ミスト君は、何をかけるんだい?」

「…ケバブ食べた事無いんですよね」

「なに!だったら、まずはヨーグルトソースをかけて食べるんだ!」

「え?は、はい」

「にぎやかになりそうだね」

「ええ、そうね」

「母さん、父さん、食べよう」

「ええ、食べましょう」

「ああ、食べよう」

 

「で、どうだい?」

「初めて食べましたけど美味しいですね」

「そうだろう!やっぱりケバブはヨーグルトソースが一番さ」

「ハハハ」

 

 

 

 

 

 

 




今回はミストがオーブに来た日の話でした。会話パートが少ないので読みにくかったかもしれませんがこういうのに会話部分を入れるのがまだ自信が無いからです。
次はいつになるかわかりませんがまた読んでいただけたら幸いです。


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第3.5話 バルトフェルドSide

 前の投稿から、1ヶ月くらいですがようやく出来たので投稿しました。1ヶ月も空くと久しぶりな感じがします。
今回は、二話のバルトフェルドさんの話です。



 僕は、バルトフェルド、アンドリュー・バルトフェルドだ。僕は、第二次ヤキン・ドューエ攻防戦後、カガリ・ユラ・アスハの意向によりオーブに亡命した。オーブではキラやラクス、ラミアス艦長等と暮らしていて、皆自分の分野で仕事をしている。僕はカガリ・ユラ・アスハ国家元首の傳でオーブ軍に所属している。いつもはデスクワークをこなしたり、一つの部隊の隊長をして、アスハ代表の送迎をしている。

 

 今回はたまたま日本のダンナーベースに用があり戦艦でアスハ代表を送り、オーブに帰る途中だった。艦のセンサーがにannnounを捕捉した。annnounは進行ルート近くの孤島にいるため、念のため僕は部下とムラサメで出撃した。機体のセンサーがannnounを捉えている範囲でannnounの行動を観察していた。しかし、十分ぐらいたってもannnounに動きはなかった。動かないのら頬っておくのだが今回はなぜか気になった。そこでアスハ代表と艦長にannnounに接触してみないかと話を持ち込んだ。

「例のannnounは、動く気配が無いように見えます。しかし、このままにしておくのは危険です。」

「それで、どうするのかね?」

「自分は、接触してみようと思います。」

 自分のannnounへの自己分析を言い接触したいと伝えた。

「フム…確かにそれが良いかもしれんが」

「それに、相手は1機です。こちらを警戒しているのでわ、と思われます。」

 艦長は何とも言いがたいようだ。しかし、あのannnounがいつまでもそこに居るとは思えない。

 

「…どうですかな?」

「…私は反対だ」

「アスハ代表…」

 しかし、アスハ代表の許可は降りなかった。

「バルトフェルド隊長、確かにこのままにはしておけない。だから、あのannnounに接触するのには、賛成だ。だが、あのannnounに接触して何が起こるかわからない。危険だ。あなたが行かなくてもいいんじゃないのか?部下だけに行かせるとか」

 アスハ代表の心配もわかる。自分はこの機動部隊の隊長だ。隊長にもしもの事が起きたら一大事だが…

「…いえ、私は隊長です。隊長が動かないんじゃ部隊だって動いてくれません。…行かせてください。」

「…解った。」

「ありがとうございます」

 その後、部下にあの島を囲むよう、さらにannnounに見つからないようにと指示をした。もし、複数で近づいて相手を刺激して暴れられたら代表の身に危険がおよぶからね。

「よし、それじゃあ各自待機、これよりannnounに接触を試みる。」

「「「了解」」」

 そして、僕はannnounに接触した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、バルトさん」

「ん?何かね?」

「バルトさんって、任務中だったんですよね?」

「ああ、そうだけど、何か?」

「いや、任務の方は大丈夫なんですか?」

「ん?ああ、君と話をしている時に先に行かせたよ。」

「えっ?大丈夫なんですか?」

「…まあ、あまりよろしくは無いが、君があまり警戒するほどの人物ではない事が話をしていて、解ったからね、先に行ってもらった」

「…なんだろう?素直に喜べない」

「ハハハッ…まあ、この後も代表は忙しいからね。危険が無いのなら早く次の仕事をしなければ、終わらんだろうからね。」

「はぁ」

「さて、ちょっと飛ばそうか?」

「あ、はい!」

 

 

 

 

 




 自分の小説は矛盾だらけな気もしますが自分できずけたら直せますが、自分もそこまで頭も良くないので教えて貰えたら幸いです。前の話のそうですがちょくちょく変更します。大きな変更は書くと思いますが小さいのはご了承下さい。


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第4話 擬態獣掃討作戦 ①

 最近は晴れたり、雪が降ったりで体調を崩し易くて困ってます。読者の方もお気をつけ下さい。


 俺がオーブに来てから一週間が過ぎた。俺はバルトフェルドさんとアスハ代表のおかげでオーブ国防軍に所属させて貰っている。仕事は主に、俺の機体の調査とバルトフェルドさんの部隊に混ざって哨戒任務だ。後、俺は国籍を持っていなかったがアスハ代表のおかげでオーブ国籍を取得する事が出来た。オーブでの暮らしだが、そこも御二人に助けて貰った。住む場所は御二人の知り合いである方の屋敷に居候させて貰っている。そこで、キラ・ヤマトさんやマリュー・ラミアスさんと知り合い、とても良くして貰っていた。

 

 そんなオーブに来てから一週間程たったある日の事だった。朝早くからモルゲンレーテに出勤して行ったマリューさんを見送った後、俺は朝食を準備して一人で食べていた。すると、

 

「やあ、ミスト君。どうだい、こっちでの暮らしは?」

「あ、バルトフェルドさん、おはようございます。」

「ああ、おはよう。」

 

 後ろからバルトフェルドさんが声をかけてきた。バルトフェルドさんも一緒の屋敷に住んでいる為、こうやって良く朝食の時間に一緒になる事が多かった。

 

「いやぁ、それにしてもオーブって平和ですよね。」

「前回の大戦の時は酷いものだったんだがね、ここ一年で見違えるほどになったさ。……まあ、大戦の傷痕は根強く残っているがね。」

 

 俺が一週間見て、オーブはとても良い所だとよく解った。俺の故郷は機械化が進んで仕事以外で外に出るのは子供とその両親くらいになっていた。買い物はインターネットの通信販売で何でも買えた。農業も人の手を借りずに機械だけで栽培、収穫、販売までもしていた。選挙も立候補者がインターネット上で演説をしたり、投票もインターネット上で行っていた。インターネットが生活に深く結びついている為か、サイバーテロが頻繁に発生していた。頻度は一年で2、3件起きるのが当たり前だった。そんな治安だから暴動も多発していた。一月2回程度起きていて、酷い時は死者も出ていた。防衛部隊は基本任務に暴徒鎮圧の項目があるほどだった。別に機械化が悪い訳では無いのだが、子供の頃は街がとても寂しく見えて、外で遊ぶのもためらうほどだった。大きくなったら、暴徒やら連日のように貯まる死亡報告書の作成の仕事やらでこの街はいつまで持つのかという不安との戦いを行う毎日だった。それに比べて、オーブは平和だった。少し散歩すれば近くの公園からは元気な声が聞こえてくる。街を歩くと人がそこら中にいて、市場に行けば、客の呼び込みをする定員もいて、客と世間話をしていたりと、とても活気に満ち溢れていた。

 

「所でミスト君、今日の任務についてなんだが…」

「何か、起こったんですか?」

「いや、事件とかではないよ。ただ、最近この辺りでも擬態獣が頻繁に出現していてね。」

「擬態獣ですか……」

 

 擬態獣は、この地球に存在する正体不明の生き物で彼らはロボットなどを取り込んでいて、いろんな所で発見されている。巨神戦争と呼ばれる戦争過去にあり、そこでは擬態獣が大量に現れたと聞いている。巨神戦争からは存在が確認されていなかったが6日前にダンナーベース付近の湾岸で発見され、それから少しずつ各地で存在が確認されている。

 

「ああ、それでアスハ代表はダンナーベース所長の葵霧子博士に相談して、ダンナーベースとオーブ軍で協力しての擬態獣掃討作戦を考えているそうだ。」

「…それでは、任務の内容って言うのは。」

「ああ、擬態獣掃討作戦への参加だ。」

 なるほど、そういえば俺がオーブに来た日もアスハ代表はダンナーベースに行っていたとか、バルトフェルドさんから聞いたな。

「参加するのは、俺とバルトフェルドさんの部隊ですか?」

「…いや、僕と君だけだね。」

「えっ、二人ですか?」

 

 ダンナーベースとの共同作戦に俺とバルトフェルドさんの二人だけって、可笑しくないか?どういうことだ?

 

「それって、どういうことですか!」

「何でも、その共同作戦ってのは、代表が勝手に決めたらしいもんだからね。他があまり良い顔をして無いようだ。しかも、掃討作戦が行われる所って、日本の領海らしいんだよね。」

「何で、日本の領海なんですか?」

「さあ、そこはわからないけども、そういう国際問題とかも理由かな。」

 

 確かにオーブ軍が他国の領海や領土で戦闘何かしたら、緊急時じゃない限り国際問題になりかねないな。

 

「でも、協力するんですから、そこは大丈夫なんじゃないんですか?」

「まあ、そうだろうが、話し合いの結果、僕たち以外は本土防衛にまわされてね、僕の部隊もそっちにまわされたんだ。だから、参加するのが僕たちだけって訳だ。」

「な、どうして…」

 

 意味がわからない、擬態獣ってオーブにとっても敵だろ?普通は協力的になるはずだろ?何でこんなに協力的じゃないんだ?

 

「まあ、政治ってのは、難しいもんなんだよ。」

「……」

「まあ、僕も全部は納得はして無いけどね。」

「……」

「まあ、ここで言ってても変わらないからな。準備して、向こうと合流しよう。」

「…はい。」

 

 それから、俺たちは更衣室でパイロットスーツを着て、格納庫に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、バルトフェルドさん。」

「ん?なんだい?」

「今回の掃討作戦に参加する人ってどんな人達なんですか?」

「ああ、結構個性的な人達だよ。」

「例えば?」

「巨神戦争の英雄やマジンガーZだ。」

「噂に聞くスーパーロボットですか、豪華メンバーですね。」

「日本での戦闘だからね、参加は必然な感じかな。後は、ビルドベースからだけど、今回は見送るそうだ。」

「ビルドベースですか?」

「五十年前の邪魔大王国との戦いで活躍した英雄ジーグの本拠地の研究所だよ。」

「邪魔大王国…」

「まあ、その後、ビルドベースは研究所を閉めていたんだが、最近復活したから参加する物だと思っていたけどね。」

「はあ…」

「まあ、その話はまた今度だな。今は掃討作戦だ。」

「はい。」

 

 

 

 

 




 今回はいろいろと設定が出ましたが、それは作者の解釈です。また、矛盾もあると思いますが作者も無いように心がけていますがそれでもあると思うのですがそこの所はご了承下さい。



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第5話 擬態獣掃討作戦 ②

 久し振りの投稿です。最近は風邪や用事が沢山あってようやくゆっくりできます。
 今回は、少し会話する人数を増やしたので少しわかりにくいかもしれません。後半はただのおふざけです。


 

 オーブを出撃した俺たちは、北の方角に進んでいた。オーブから北の方角にある無人島が大空魔竜との合流地点となっているからだ。

「バルトフェルドさん」

「ん?なんだい?」

「合流地点は後どれくらい何ですか?」

「後、30分くらい飛んだら着くよ。」

「30分ですか、わかりました。」

 今回の様な擬態獣の掃討作戦は世界各地で行われている。バルトフェルドさんもそこまで詳しい情報を貰ってないらしいけど各地の軍や基地などが協力して撃退しているようだ。

「そういえば、バルトフェルドさんは擬態獣と戦った事は有るんですか?」

「ああ、有るよ。」

「それは?」

「巨神戦争の時だよ。あの時はアフリカ大陸に居たんだが、厄介だったよ。何せ数も凄い上、こちらもあまり良い物が無かったからね。ラゴゥとかね。」

 ラゴゥって前に見せてもらったモビルアーマーのリストに載ってた奴だよな?そのラゴゥって機体は確か3年くらい前に作られた機体だったよな……って事は戦ったのはそれより前なのか。いや、巨神戦争の頃だからもう少し前か、巨神戦争って擬態獣だけじゃなくて、Dr.ヘルとも戦って、日本はかなりの被害があったそうだけど、アフリカはどうだったのだろうか。

「その時は、まだジン何かはロールアウトしたばかりだったからとても戦える状態じゃなかったんだよ。」

「えっ?それじゃあどうしたんですか?」

「その時は、ユニオンベースからの応援でなんとかなったがね、結構な被害が出たよ。」

「本当にいろんな場所に出るんですね。」

「ああ、まだ宇宙では発見されてないようだけれど。」

「何か、時間の問題なきもしなくないですね。」

「ああ、だから最近じゃあ宇宙に行くのもかなりの検査が行われているそうだよ。」

 確かにいつ、どこで、何に、擬態してるか何て分かりにくいそうだもんな。

「さて、ミスト君、そろそろ着くぞ。」

「はい、わかりました。…わっ!」

 バルトフェルドさんに言われ、期待えお胸に操縦桿を握り前に視線を向けると。目の前には大きな竜がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

「いやー、驚きましたよ!大空魔竜の事は少し聞いてましたが本当に竜の姿で驚きましたよ!」

「ええ、そうでしょうね。こちらではなかなかこの大きさの戦艦何て見ないでしょうからね。」

 あの後、俺たちは指示の下、大空魔竜に機体を着艦させた。その後、ブリッジに通されて、キャプテンガリスやローサ副艦長、猿渡ゴウさん、藤村静流さんとオーブからの報告、謝罪、自己紹介を行い、軽い雑談をしていた。

「そういえば、あなたって、此処で言う異星人なのよね?」

「ええっと、はい。」

「宇宙が広がった今の地球ではそこまでの驚きは無いけど、あまり姿や形は地球人と変わらないのね。」

「そうですね、俺は、地球の他に惑星ベザードにも行きましたけど、地球の人たちとあまり違いがありませんでした。」

 偶然かは知らないが、惑星アトリームや惑星ベザードも地球人と形はほとんど変わらない。多少の体質の違いはあっても、地球人と姿形は変わらないのだろう。

「まあ、人の形をして無い者が来ても困るがね。」

「まあ、異星人じゃなくても、擬態獣何かも要るんだ、今さら異星人で驚かないな。」

「そうね、キャプテンも地球人では無いけどそんなに気にしないものね。」

「まあ、キャプテンの場合は、異星人うんぬんよりも仮面に目が行くしな。」

「そういえば、何で被っているんですか?」

「まあ、今は良いじゃないか……」

「いえ、自己紹介の延長のような物ですから外すのが普通です。」

「ムッ………」

「あの、何か理由があるなら良いですよ。」

 キャプテンがとても言いずらそうなので別に良いと伝えたが、やっぱり言いずらそうだった。

「……その、理由があってだな……」

「……はい、わかりました。」

 ブリッジ内では落胆のため息が漏れた。

 

 

 その後、なんとかキャプテンが持ち直したので改めて今後の予定を話あった。

「今は、午前11時だが、擬態獣の様子はどうなんです?」

「ルル、どうだ?」

「作戦開始時間は、午後1時ですが、以前としてダンナーベースを目指して進行中です。」

「よし、進路このまま、各員警戒を怠るな!」

「「了解!!」」

 

 

 

 

 その後、軽い挨拶をして、俺とバルトフェルドさんと猿渡さんは食堂に向かった。

「ここが、大空魔竜の食堂だ。」

「わあ、結構広いですね。」

「まあ、これくらいの戦艦ならば食堂だって、これくらいはあるだろうさ。」

 中は、オーブにあったレストランより少し大きいくらいだろうか?食堂内はまだ早かったのか数人しかいない為、余計に広く見えた。

「まあ、ここで立っているのもあれだから座ろう。」

「そうですね。」

 その後、料理を作って貰い、その近くの席に座った。

「バルトフェルドさん、それなんですか?」

「ん?これは、ただのカレーだが?」

「いえ、その上に乗ってるのです。」

「ああ、これね、これはカツだよ。知らない?カツカレー。」

「いえ、カツカレーは知ってますよ?でも、俺の知ってるカツは……そんなに、赤くないです。」

 バルトフェルドさんのカレーに乗っているカツは唐辛子をパン粉に振ったんじゃないかと思うような色をしていた。正直、見てて鼻が痛くなりそうだ。

「いやー、頼んだら本当に出て来たんだよ。激辛カツのカレーが。」

「さすがだ、さすがはオーブの激辛カレーを食べ抜いた人だ!」

 ……………ん?

「ハハハ、あの時は君も頑張っていたじゃないか。」

 ……………え?

「いやいや、俺は何杯も水を飲んだのに、バルトフェルドさんは余裕な表情で完食していたじゃないか!!」

「……あのー……」

「あれは、痩せ我慢だよ。」

「それでもだ!」

 何だ?カレーの話で凄く盛り上がってる。こっちの声なんて届いて無さそうだよ。…しかし、バルトフェルドさんって、そっちじゃあ結構有名なんだな。……ん?…あれ?バルトフェルドさんって亡命してるんだよな?猿渡さんの話じゃあ、結構いろんな人に知られていないか?テレビ出たって言ってるし、そういえば、オーブにいた時にバルトフェルドさんと外食すると、だいたい、カレーかケバブだったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し前のある日

「バルトフェルドさん、今日はどこへ行くんですか?」

「今日は、僕がよく行くお店だよ。」

「なんて、店ですか?」

「カレー店、金海屋って所さ。」

「何が美味しいですか?」

「店員オススメカレーセット、というメニューがおいしかったね。」

「店員オススメカレーセット、ですか…」

「ああ、金海屋の特製カレーに温泉卵とシジミ汁を付けたセット何だがね、あそこのカレーは、-ーーーーー」

「…あれ?バルトフェルドさん!帰ってきてください!」

「ーーーーで、とても美味しいんだ。…どうしたんだい?」

「……いえ、何でもありません。」

「じゃあ、行こうか。」

「……はい。」

 

 

 




 次回はいつになるかは、わかりませんができるだけ早くしたいです。矛盾や間違いが多いかも知れませんが頑張って減らしていくので報告なんかしてもらえると幸いです。


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第6話 擬態獣掃討作戦 ③

 今回は、初めての戦闘ですが、少しわかりにくいかも知れませんが、ご了承ください。


 

 昼食も終えて、艦内を廻っていると、艦内放送で擬態獣が出没しているエリアまであと少しだという事が伝えられた。第一種戦闘配置の指示が出て、艦内の様子も慌立たしくなって来た。俺も急いで更衣室に駆け込んだ。そして、オーブで新しくしたパイロットスーツを着て格納庫に向かった。

「すいませーん!レヴリアスに乗り込んで良いですか!」

「おお!良いぞ、行って来い!」

 ダンナーベースから派遣された人らしいその人に声をかけてレヴリアスに乗り込んだ。

 

 出撃までの少しの時間でレヴリアスの調整とストレッチしていると、ピピッとモニターから音が鳴った。どうやら何処かからの通信のようだ。

「ん?マジンガーZ?からの通信か……応答しようか。」

 ピッと回線を開いた。すると自分と同い年くらいの青年が写っていた。

「よう!お前だろ?オーブから来たっていうパイロットって。」

「えっと、ああ、そうだよ。」

「俺の名前は、兜甲児だ。お前は?」

「俺は、ミスト・レックスです。」

 画面の向こうの兜甲児という人の勢いで自己紹介もしたけど、そうか彼が兜甲児か…。食堂で食事をしている時に作戦に参加する人の名前を聞いた時に兜甲児の名前を教えて貰っていたのだが、どうも元気そうな人だな。どこかでヤンキーでもしてたんじゃないかって、感じの雰囲気があるけど。

「いやー、そこの通路でバルトフェルドさんには、会ったんだけどお前には会わなかったからな。」

「ああ、それでですか。」

「おう、一緒に戦うのに名前がわかんないと不便だし、連携なんか出来ないからな。」

「そうですね、じゃあよろしくお願いします。」

「おう、よろしくな!ミスト!」

 そういうと甲児君からの通信が切れた。

 その後、甲児君と同じ様に、弓さやかさん、光司鉄也君などのブリッジで挨拶出来なかった人達と自己紹介と軽い雑談をして出撃命令を待った。

 

 

「パイロットの皆さん、目的エリアに到着しました。指示に従い、順次出撃してください。」

 アナウンスに従い、ゴーダンナー、マジンガーZ、コアガンナーと出撃して行った。

「次に、ミストさん、出撃してください。」

 次は、自分の番のようだ。レヴリアスを動かしてカタパルトの上に乗った。

「それでは、レヴリアス発進してください。」

「ミスト・レックス、レヴリアス行きます!」

 俺は、そう叫び大空魔竜から出撃した。

 

 出撃した俺は、擬態獣から少し離れて、前線で戦ってるマジンガーZの援護をしていた。

「危ない、そこだっ!」

 マジンガーZを狙っていた擬態獣に向けて、ステアードを構え、ガンモードで胴体を打ち抜いた。

「サンキュー、ミスト!オリャッ!」

 俺が打った擬態獣をマジンガーZが放り投げた。

「あと、どんくらいだ?」

「まだまだ、沢山ですね。変わります?」

「いや、まだまだ大丈夫だぜ!…おっと、危ねぇ。お返しだぜ、ロケットパーンチ!」

 作戦開始からもう、三十分くらい経っている。ミーティングの時からこの位かかると予想されていたが、予想以上に擬態獣が多く、さらに戦艦級の擬態獣も確認されているようだ。当初は、中央をスーパーロボットに任せて、スピードの高い機体が左右から攻撃を仕掛け、狙撃部隊が各個撃破するのが、作戦だったが。擬態獣が予想以上にいたため、作戦を変更し、少し危険だが二機編成の小隊を複数作り、基本二機で行動するようにし、エリアを分けて対応した。

「一気にいくぜ!喰らえーブレストファイヤー!!」

 マジンガーZの胸のV字から放たれた熱線が前を塞いでいた擬態獣を群れごと溶かし尽くした。

「凄いなぁ、さすがはスーパーロボットだ!よし、俺だって!」

 マジンガーZの活躍でテンションの上がった俺は、ステアードをガンモードにした。そして、此方に向かって来る擬態獣に向けて連射しながら、速度を上げて接近する。

「よし!チャンスだ、甲児君!」

「まかせな!吹き飛ベェ、ルストハリケーン!」

 マジンガーZの口から吹き出した酸の風に前方にいた擬態獣が押されて、擬態獣が一カ所に固まる。マジンガーZの風を受けて動かない擬態獣に向けて両腕の砲身を展開する。

「ロック…グールヴァイン・バスター、シュート!!」

 一カ所に固まった擬態獣に向けて打ち放った。放たれた砲撃は擬態獣に当たり大爆発した。

「ふぅ……よし!」

「おう!うまくいったな。」

「急だったけど、合わせてくれて助かりました!」

「こんぐらい良いって事よ!次だ、次!」

「よし、セット、シュート!」

「よっしゃぁ!喰らえぇ、光子力、ビィィム!」

「スラッシュッ!たぁあっ!」

「唸れ鉄拳!ロケットパンチ!」

 戦闘開始から四十分が経とうとしていた。

 

 

 

 

 

戦闘後

「そういえば、あの時の技何て名前にするんだ?」

「えっ?」

「必殺技には名前がいるだろ!」

「えっ、急に言われても……。」

「たとえば、ブレスト・バスターとかさぁ。」

「ブレストどこから来たんです?… 名前かぁ…。」

「マジンガーのブレストファイヤーからだ。…じゃあ、なんかねーのか?」

「うーん…………あー、浮かばないです…。」

「あー……もう、コンビネーション・アタックとかでいいか。」

「はい……それで良いと思います。」

「必殺技の名前を考えるのも大変だな…。」

「ええ、そうですね。」

 

 




 擬態獣掃討作戦が続いていますが、本当は3話で終わるつもりだったのですが、区切りやなんやでとても3話で終わりそうに無いため、もう少しお付き合い下さい。


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第7話 擬態獣掃討作戦 ④

 

 

 作戦開始から一時間半が経過した。作戦開始時よりは擬態獣の数も減ったのだが、まだまだかなりの数が日本に向けて進行している。戦闘開始から一時間を少し過ぎた辺りから、補給を受けなければならない機体が徐々に出始めた。そういう機体は補給を受けてまた出撃する、という流れをキャプテン・ガリスの指揮の元で行ったいた。しかし、戦いが長くなるに連れて補給が追いつかない状況が出始めた。そこで、各エリアで戦っていた、機体を大空魔竜の近くまで呼び戻し、急いで補給が必要な機体とまだ大丈夫な機体に再編成を行った。俺はまだ大丈夫だったので補給を受けていないがマジンガーZやバルトフェルドさんのムラサメは補給が必要だったため、大空魔竜に戻った。

 

「猿渡さんは大丈夫何ですか?」

「ああ、まだな。それに俺まで抜けたら戦線が維持出来なくなるだろう。」

「やっぱり、そうですよね。……しかし、減りましたね。」

「ああ、残ったのは俺、ミスト、ボス、リーさん、ヤンマさん達だけだからな。前線だけじゃ無く後ろもだいぶ減ったな。」

「甲児君やバルトフェルドさん、鉄也君も補給組ですからね。」

 今回の作戦に参加した機体は、オーブからレヴリアスとムラサメ。ダンナーベースからは、ゴーダンナーとGガンナー。光子力研究所からは、マジンガーZとダイアナンAとボスボロット。大空魔竜隊からは、作戦の母艦として大空魔竜、スティンガー、サーペント、クラブバンカーが参加している。作戦開始前から、前線の戦力の薄さについて作戦会議の時に参加した人達から言われていた。その対策として、マジンガーZとゴーダンナーで前線を抑えて、レヴリアス、ムラサメ、スティンガーが中距離から援護して、後方からGガンナーなどが波状攻撃を仕掛けるとしていた。だが、擬態獣の数が予想より多くいたためこの作戦では、抑えきれず日本に被害が及ぶため、少数で小隊をいくつか作り対応していた。しかし、それでも時間がかかり補給しなければいけなくなった。しかも、補給が必要な機体の中にマジンガーZも入っていたためにより厳しかった戦力がさらに厳しくなったのだった。

 

 

「セヤッ!ハッ!トリャッ!!」

 ゴーダンナーがパンチとキックで擬態獣を倒して行くが、擬態獣は絶え間なく押し寄せて来る。

「ステアード、ガンモード!そこだ!まだまだ行くぞ!スラッシュモード!セイッ!ヤァッ!」

 ステアードを打ちながら擬態獣に接近し、モードを切り替えて擬態獣を切り上げ、返しの刃で切り下ろした。

「グールヴァイン・バスター、シュート!!」

 更にそこから両腕の砲身を展開し、海面に向かって打ち込んだ。その衝撃で数匹の擬態獣が吹き飛んだが、擬態獣はまだまだ押し寄せて来た。

「クッ、きりがないですよ、猿渡さん!」

「諦めるな!空中で戦えるのは、お前だけなんだ!遊撃のお前が崩れたら一気に劣勢になるんだぞ!」

「補給組はまだなんですか!?」

「ああ、まだ連絡は来てない。だが、いずれは駆けつけてくれる。それまで持ちこたえるぞ。それとも、限界か?」

「いえ、機体はまだ動くんですけど、このままだと弾倉が尽きそうですね!」

「じゃあ、後退するか?」

「嫌、大丈夫です。」

「フッ、ならやるぞ、ミスト!補給組が帰って来るまで!」

「はいっ!」

 

 

「猿渡さん!そっち行きましたよ!」

「わかっている!」

 あれから数十分経ったが、補給組はまだきていないが擬態獣は、相変わらず押し寄せて来ている。

「ミスト!」

「はい!」

 猿渡さんから擬態獣が放り投げられる。

「ヤッ!」

 投げられた擬態獣を猿渡さんに向けて蹴り落とした。

「ナイスパスだ!」

 猿渡さんは、俺が蹴り落とした擬態獣をアッパーを食らわせた。

「どんどん行きましょう!猿渡さん!」

「よし!次だ!」

 いまだに補給組は来ていないが猿渡さんと協力して着々と擬態獣の数を減らして行った。

 しかし、時間が経つに連れて機体の状態もパイロットの体力も限界に近づいていた。

「ミスト!そっち行ったぞ!」

「……」

「ミスト!」

「…あっ、はい!」

「大丈夫か!」

「す、すいません…」

 まずい、ぼーっとしてた。くそっ、そろそろ本気でヤバい!

「フンッ!」

 猿渡さんが俺の方に来ていた擬態獣を蹴り飛ばした。

「後ろにいるか?」

「…いえ、まだ行けます。」

「そうか、無理はするなよ。」

「はい!」

 その後も、擬態獣を倒しているが補給組はまだ来ていない。しかも、この海域にいる擬態獣が集まったのか更に数が増えたのだ。数が増えた擬態獣の猛攻に押されて、徐々に被弾数も増えて来た。

「チッ、どんどん沸いてくるな。」

「まだ着ませんね。」

「もしかしたら、後ろでも何か起こったのかもしれないな。」

 確かに、この量だ自分たちだけでは対処しきれなかった所も有るだろう。

「戻りますか?」

「いや、今戻ったら余計にダメだ。俺達は皆が来ることを信じるしかないだろう。」

「わかりました……」

 耐えるしか無いのはわかってる。けれども長時間の戦闘でこのまま戦艦に戻ってしまいたいという気持ちも強くなって来ている。…多分、猿渡さんも同じだろう。機体の状態もパイロットの体力もあまり長くは持たないだろう。

「急いでくれよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 補給組

「整備班、あとどれくらいだ?」

「あと十分は必要です。」

「出せる機体は?」

「Gガンナーとスティンガーなら出せます!」

「マジンガーZはまだなのか?」

「はい、エネルギーの方はいいんですが、装甲の方がまだ直りきっていないんです。」

「そうか、出来るだけ急いでくれ。前線もそろそろ限界だろう。」

「了解です。キャプテン!」

 

「フゥ、」

「厳しいですね。」

「ああ、前線もゴーダンナーとレヴリアスだけで押さえているようなものだ。」

「はい、さすがにボスボロットやクラブバンカーでは厳しいものが有りますからね。」

「文句を言うつもりが無いが、オーブからの戦力がもう少し欲しかったな。」

「そうですね、バルトフェルドさんやミスト君も頑張っ てくれているけど、正直足りないですね。」

「ああ、これだけの数だ、どうしても質よりも数が欲しくなってしまう。」

「そうですね…」

「頼む!もう少し耐えてくれ!」

 

 

 

 

 

 

 



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第8話 擬態獣掃討作戦 ⑤

物凄く久しぶりの投稿です。


 

 

 作戦開始からもう二時間が経過していた。何故だか知らないが、少し前から擬態獣の数が急激に少なくなっていた。そこで、一度大空魔竜に戻ろう、という事を話していた。

「どうしますか?」

「確かに、俺達の機体は限界に近い、だが、擬態獣の数が急激に減った理由も気になるな」

「俺達で結構倒したからじゃないですか?」

「……そうだといいが」

 猿渡さんは納得がいかないようだけど、正直俺は助かった。いくら機体が無事とはいえ、何十分も戦えばパイロットに悪影響を及ぼす。昔、そう隊長にも言われていた、その時は気にもしてなかったが。でも、今実際体験するとよくわかる、ここのままこの状態が続くとどうなるか解ったものではない。だから、ここは一度落ち着いた方が良いはずだ。

「猿渡さん、ここは、一旦離れましょう!このままでは…」

 前方で擬態獣と戦っている猿渡さんに呼びかけた。

「……そうだな」

 そう言うと、ゴーダンナーは擬態獣を殴り倒し海に向かって拳を振り下ろした。振り下ろした衝撃で擬態獣を大きく吹き飛ばした。そして、擬態獣に背を向けて動き出した。俺も続いて、後ろを気にしつつ後退した。

「ミスト、大空魔竜までどのくらいだ?」

「えっと、今は前方の岩が邪魔で見えませんがそんなにかかりません。」

「よし、なら少し休もう……ん?」

「どうしました?」

「…ミスト、擬態獣の様子が変じゃないか?」

「そうですか?……ちょっと観察してみましょうか?」 

 

 俺たちは、擬態獣を眺めれる位置で機体を降ろした。

「…そうですね、擬態獣の動き、変ですね。」

「…ああ、まるで何かから逃げているように見える」

「あっ大空魔竜が来ましたよ」

「この事はキャプテン・ガリス達に伝えてから考えるか」

 

 その後、大空魔竜に無事回収され、ブリッジにて先の擬態獣の行動について話した。その後、残ってる擬態獣を倒し作戦は終了した。作戦は終わったが先ほどの事もあり一度ダンナーベースに向かった。

 

 

 

「擬態獣が逃げるような動きをしていた?」

「ハイ、俺達が一度後退しようとしていた時に、擬態獣が急に攻撃を止めて散って行きました。」

「ふむ、擬態獣にはあまり詳しくないが、擬態獣はそういう行動をするものなのかな?」

「私達もそこまでわかっている訳ではないが、そんな行動に出た、というのは初めて聞いたな。」

「葵所長、これをみてください。」

 先ほど擬態獣が何に逃げていたかを調べるためレーダーなどを使い周りを調べて取った映像を見せた。

「ん?……なんだこれは」

 そこに映っているのは黄色い生き物だった。

 

『……あな……こに…すか?…』

『グギャルル!』

『グルル…!』

『あ…にい…すか…?』

『ギャルル……』

 

 擬態獣が黄色い生き物に何かを言われた瞬間消滅した。それは1匹や2匹ではなく50、60位を一気に消し飛ばした。

 

「……」

「所長はこれを知っていますか?」

「…いや、私も始めてみた、だがこれは…。…オーブや各首脳陣にもこの映像を送っておく。これは危険過ぎる」

「擬態獣でも手を焼いてるのにこんなのまでいたら…」

「…ひとまず、こいつに出くわしたら逃げる事を第一に考えるべきだろう」

 

 

 その後、各員研究所などに連絡し今後の行動について話した。

「さて、全てがまるく収まった訳ではないが作戦は終了だ、これからの事を話そうか。…甲児君達はしばらくダンナーベースにいるそうだな」

「おう、しばらくお世話になるぜ」

「ボス~帰らねぇんですか?」

「帰りましょうよ、ボス~」

「馬鹿やろう!さやか達が残るのに俺様だけ帰るとか考えられねぇ」

「もう、ボスったら」

「まあまあ、そんな感じで世話になるぜ」

「ああ、よろしく」

「大空魔竜組は?」

「私達もしばらく世話になるよ」

「あら、ならベースも賑やかになるわね」

「静かよりなんぼかいいですよ」

「ミスト達は?」

「ん?僕達は、いや僕はひとまずオーブに戻るよ」

「ミストは?」

「俺はここに残りますよ、アスハ代表の命令で擬態獣も逃げ出す奴が出たのにオーブにいては素早い対応が出来ないって、しばらくダンナーベースに補助員として行くようにといわれたんです」

「そうか、オーブは色々あるからな」

「まあ、ひとまず飯食いに行こうぜ!」

「バルトフェルドさんは、今日までいますよね」

「ああ、宴会にも参加させて貰うよ」

 

 作戦終了を祝って行われた宴会は各々集まって飲んだり食ったりして楽しんだ。

 

 

 

 

 

 ~???~

「どうした?」

「……__か、これを見てくれ」

「………!これは、」

「そう、____だついに現れた」

「そうか、これが___」

『………はそこ……い…すか?』

『グギャルル!』

「___、これがもたらすのはなんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あなたはそこにいますか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第9話 つかの間の休息

 いろいろと有りましたが、ぼちぼちと更新します。


 

 擬態獣掃討作戦が終了しダンナーベースの補助員として生活しているがあれから一度も擬態獣が現れる事は無く整備などの手伝いをしていた。作戦終了後一週間位は忙しかったが擬態獣も出ないので段々空いた時間が出来てきていた。なのでから所長から交代制で1日休暇を貰った。各々ショッピングなどをして過ごしたらしい、猿渡さんは何かの打ち合わせだとか甲児君はさやかさんとデートらしくボスさんが悔しそうにしていた。鉄也さんは甲児君に便乗して静流さんを誘ったが断られたそうだ。俺はトレーニングしたり買い出ししたりしていた。たまに遊ぼうぜと甲児君が言い出し、鉄也さん、ボスさん、ムチャさん、ヌケさんが賛同し一緒に街に行ったりしていた。そんなこんなで時は進み擬態獣掃討作戦から1ヶ月が経とうとしていた。

 

「ミストいるか?至急、私の部屋に来い」

 機体の整備をしていると葵所長に放送で呼ばれた。おやっさん達は何かやらかしたのかと言ってくるがそんな覚えもないし何だろうと思いつつ部屋に向かった。

 

 

 

「失礼します!」

「入れ」

 部屋には葵所長独りしかおらずますますなぜ呼ばれたのかが解らなくなった。

「ミスト、お前教会の場所を知っているか?」

「教会…ですか?」

「ああ、教会だ」

 この街の教会はここからそれほど離れておらず後ろが海なため風は強いがとても綺麗なのが特徴何だと鉄也さんが言っていた。

「えー、はい、知っています」

「そうか、ならお前にお使いを頼みたい。良いか?」

「お使い…ですか………はい、大丈夫です」

「なら、この場所に行ってきてくれ」

「……?ここって、宝石店?」

 この住所の宝石店は甲児君がさやかさんとデートで行ったと言っていた所だった。

「そうだ、そこで頼んでいた物を受け取って来るんだ。店の者にダンナーベースの葵と言えばわかってくれるはずだ。受け取ったら海沿いの教会来い、そこで待ち合わせだ」

「えっと、わかりました」

「ちなみに、他の奴らにばれないように来ることだ」

「えっ」

「当たり前だ、ばれてもいいならお前に頼まん」

「えーと、ダンナーベースの人達に知られたくない事何ですか?」

「そう、受け取って貰って構わん」

「えー、では行ってきます」

 宝石店に何の要が有るのかわからなかったがひとまず行くことにした。

 

 

「あれ?ミスト君どうしたの?」

 部屋を出て宝石店に向かおうとしたときさやかさんに話しかけられた。

「えーと、ちょっとしたお使いです。さやかさんこそどうしたんですか?」

「ミスト君、今日静流さん見てないかしら?」

「静流さんですか………見てませんね、どうかしたんですか?」

「買い物に誘おうと思っていたんだけど、見当たらなくて探してたの」

「そういえば、猿渡さんも居ませんね」

「あら、そうなの?」

「はい、甲児君が見当たらないって話してました」

「ふーん、…あ、ミスト君お使いは?」

「あ、そうでした、すみません行ってきます」

「ごめんなさいね、行ってらっしゃい」

 

 

 ダンナーベースの職員専用駐車場に行き、止めてあるバイクに乗りグリップを回し、ブレーキを緩めつつ走り出した。

「アトリームと運転の仕方が一緒で良かったよな本当に。特別とはいえ2週間で取れるとは思わなかったな」

 海岸沿いを走りながらしみじみと思った。

 

 

 

 街に着き、宝石店に向かった。

「えーと、ここを右で、ここを左……おっ、ここだ!」

 そこには宝石店《luck & Fortitude》と書かれた看板があった。

「いつ見ても変わった店名だよなここ」

 甲児君達に聞いた所ここで宝石を買うと何か良いことが起こるらしい、本当かはわからないけど名前的に何か有りそうな予感がする。

「えっと、店にこの封筒を出せば良いんだっけ、良し、入ろう」

 扉を開けるとそこには独りの男性がいた。

「いらっしゃいませ、ようこそ《luck & Fortitude》へ」

「あの、えーと、ダンナーベースの葵所長からこれを持って行くように言われたんですけど……」

「ダンナーベースの方ですか?」

「はい」

「かしこまりました。では、封筒を頂戴します」

「はい、これです」

「確かに、いただきました。…では、こちらへ」

 男性はそう言い奥に向かった。ついて行くとそこには沢山の宝石やアクセサリーが置いてあった。

「綺麗なの沢山あるな」

「お気に召しましましたか?」

「えっと、良いもの沢山ですね」

「フフッ、ありがとうございます。当店の自慢の品々ですから」

 宝石なんてほとんど見たことなかったからなんて言ったら良いかわからなかった。

「では、お待たせいたしました。こちらがご注文の品です。…ご確認を」

「えっ、あ、はい………確認しました」

「では、またの機会をお待ちしております」

「ありがとうございました」

 礼をし店を出た。思っていたより長居をしたのか太陽が高い位置にあった。

「物は受け取ったし急ごうか」

 所長に連絡をしバイクを走らせ教会に向かった。

 

 

 

 教会にはすぐに着いたのだが所長の姿が無く途方にくれたような気持ちでいた。

「…所長どこだ?教会近くだろ?うーん‥‥。」

 バイクを置いて近くを歩いて所長を探した。

「居ないなぁ…」

 特別時間が決まってる訳でも無いがどこだろう?こんなことなら番号を教えてもらえば良かったな。

「…どこだろう?」

 時間が早かったかな?控え室の場所聞いときゃ良かったな‥。

 

「ん?そんな所で何してるミスト。」

 後ろから所長の声が聞こえた。

「あ、所長、居なくて心配しました。」

「すまなかったな、少し用事があった。それにしても早かったなもう少しかかると思っていたが。」

「頼まれてそのまま行ったので早かったのだとおもいます。」

「そうか、じゃあこっちに来てくれ。」

「はい?あっ、ちょっと、所長!」

 届けたらそれで終わりだと思っていたので驚いたが所長が教会内に入ってしまったため慌てて追いかけた。

 

 所長に付いて行くと奥まった所の部屋で所長は立ち止まった。

「コンコン、ゴオ準備出来てるか?」

「所長か、ああ出来ている。」

「なら、入るぞ。」

 中には猿渡さんがいるようだ。所長が中に入ってしまったが自分はどうすれば良いのだろうか?考えていると所長に中に入るよう言われた。

「失礼します。」

「ん?ミストがなんでいるんだ?」

 中に入るとタキシード姿の猿渡さんが椅子に座っていた。

「私がミストにお使いを頼んだからだ。」

「じゃあ、所長これです。」

 所長は猿渡さんに俺の事を話していなかったようだ。ベースの人に秘密の事を猿渡さんにまで秘密にする必要あったのだろうか?ここにいるってことは関係者のはずだろうに。

「ん、ご苦労。ゴオ、もう少しで始まるぞ。」

「はい。」

「何が始まるんですか?」

「ん?聞いてないのか?」

「はい。」

「ああ、言ってなかったな。これからゴオと杏奈の結婚式さ。」

 結婚式・・・・?・・・・・・・・結婚式・・・・ああ、だから教会か。・・・・・・・・言って欲しかった、な。あんまりな事で呆けていると所長と猿渡さんは準備を整えていた。

「ミスト、付いて来い。式場にいくぞ。」

「えっ、はっはい。でも、服が・・」

「大丈夫だ来い。」

 部屋に猿渡さんを残して式場に向かった。向かっている途中に猿渡さんの弟さんの忍君と合流して向かった。

「そういえば、杏奈さんってどういう人何ですか?」

「ん?ああ、そういえば言ってなかったな。私の娘だ。」

「僕と同い年です。」

「・・・・娘?・・・・・・・・ええぇぇぇ!」

「何だ?何を驚いている?」

「うん、わかるような気がする。」

 

 

 

「ーー生命ある限り、あなただけを愛すると誓いますか?」

 猿渡さんの結婚式が始まっていた。新郎の猿渡さんと新婦の杏奈さん、体格差はあれどとてもお似合いに感じた。会場は新郎の猿渡さんの誓いを待っていた。しかし、猿渡さんが口を開けようとしたとき、大きな揺れとサイレンが静黙な教会を襲った。

 

 

 そして、つかの間の休息は終わりを告げ、始まりの時を告げた。。

 

 



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第10話 進撃の擬態獣

 


 教会を襲った大きな揺れは一回目から断続的に起こり、結婚式は出席者の悲鳴などでいっぱいだった。外に出ようとする人達で入り口で詰まってしまい外に出ることが困難になってしまった。こんな時に通信機を忘れてしまった事が悔やまれる。

「……影丸か?何があった!?」

「所長ですか!今どちらに!?」

「教会だ!それで何があった!」

「擬態獣です!突然海に出現し、ダンナーベースを襲っています!…今、コアガンナーとマジンガーZとダイアナンAが応戦してくれていますが、厳しい状況です!…ゴウやミストがベース内にいないのですが。」

「わかった、すぐにそっちに行く。ゴウとミストはこっちにいる。……ゴオ!」

「ああ!…杏奈、すぐに避難するんだぞ!行って来る。」

 所長の声に反応した猿渡さんは杏奈さんに避難するように言うと此方に走って来た。

「これからダンナーベースに向かう。ミストはバイクが合ったな?」

「はい!」

「バイクなら俺も持って来ている。所長はどっちかに乗って行こう!」

「よし、なら急ぐぞ!」

「「はい!(おう!)」」

 

 

 教会の控え室を経由して外に出ると、そこは教会内よりも酷い有り様だった。擬態獣はまだ上陸していないようだが、戦闘の余波なんかで道路にひびが出来たりしていた。無事駐車場にたどり着いた俺達はバイクの準備しながら戦闘の様子を見ていた。そこには先の作戦の時にはいなかった巨大な擬態獣がいた。

「あれは!」

「クラブマリナー!?」

「?2人ともとりあえず急ぎましょう!」

 巨大な擬態獣を見ていた2人を急かせ、バイクに乗せ、ダンナーベースに向かった。

 

 

 ダンナーベースに着くと、俺と猿渡さんはパイロットルーム走り、着替えて格納庫に急いだ。

「おお!ゴオにミスト!今までどこに行ってやがったかは知らんが急いで乗り込め!整備は出来てるぜ!」

「おう!」

「おやっさん、ありがとうございます!」

 レヴリアスに乗り込み起動させて、各部を確かめた。

「よし、行けます!」

「こっちも行けるぞ!」

「おし!ハッチを開け!ダンナー達が出るぞ!」

「了解っす!」

 

 

 ベースを出た俺達が見たのは、巨大擬態獣に押されてるマジンガーZだった。援護するためにステアードを構え、狙撃した。擬態獣が怯んだのを見て、マジンガーZは後退した。

「甲児君!おまたせ!」

「ミストか!?遅いぞ、何してやがった!」

「用事があってね、援護するよ!」

 ステアードを構えて、ガンナーモードで上陸しようとしていた擬態獣に連射した。怯んだ擬態獣をゴーダンナーが殴り飛ばした。

「ゴオさんも一緒か、よっしゃ!反撃だ!」

 後方支援がダイアナンAだけと心許ないが英雄が並ぶとそんなものは関係ないと思わせる程の物がそこにはあった。

 

 

「いくぜ!ブレストファイヤー!」

「ターゲットロック!グルーヴァイン・バスター!シュートォ!…猿渡さん!」

「はぁっ!おりゃ!」

 ブレストファイヤーとバスターで擬態獣を退かせ、ゴーダンナーが巨大擬態獣に攻撃を加えて行った。しかし、巨大擬態獣の有効打にはならず、擬態獣の攻撃にゴーダンナーが後退させられていた。

「くぅっ!」

「強い!」

「何かないのか!」

 擬態獣は堅く、強力な攻撃に打つ手を阻まれ攻め倦ねていた。

 

 

「ジャンジャジャ~ン!兜ぉ~助けに来たわよぉ~っ!!」

 後方の崖の上に走って来るボスボロットがいた。

「あ?ボスか、なぁにやってんだ?」

「俺様が兜のピンチ駆けつけたんだわさ!」

「お前のボロットで何が出来るんだ?」

「おう!!このボス様とボスボロットを甘く見ちゃだめだわさ!」

 しかし、ボロット内では、

「…でもボス~どうするんです?あのマジンガーZでさえ攻め倦ねている相手ですよ?」

「ボス!ここはカッコ良く自爆しましょう!」

「いや、ここはボロットの最終兵器を見せる時だわさっ!」

「おい、ボス!そっちに擬態獣が来てるぞ!」

「へっ?」

 ボロット内で会議をしているうちに崖の下の擬態獣が上がって来たのだ。そして、擬態獣の体当たりを食らってボロットはダンナーベース内に飛ばされた。

「なんでいつもこうなのよ~」

 

 

「たくっ、くらえ!ロケットパーンチ!」

 ボロットを飛ばした擬態獣にロケットパンチを放ち、崖の下に撃ち落とした。

「ボス!無事か?」

「…無事だわさ~」

 

「せいっ!」

 巨大擬態獣にダメージを与えようとステアードで斬りつけるがあまり効いていないようだ。

「くそっ!このままじゃジリ貧だ!」

「大空魔竜がいてくれたら良かったんだが。」

「言っても仕方ないですよ。なにか、きっかけがあればいいんですけど。」

 大空魔竜は単独で調査する事が有るとかでダンナーベースから離れていた。

 そんな会話をする俺達の事など関係ないと進撃を続ける擬態獣達に俺達は攻撃し続けた。それが、あまり効果が無いとわかっていてもだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「所長。」

「何だ?」

「これをみてください。」

「これは……」

 

 

 

 

 




ボス達の口調が良くわからないので変かもしれません。


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第11話 神魂合体!! ゴーダンナー・ツインドライブモード

 
 久しぶりの投稿
 書いたはいいが、やはり機体が少ないのでやりたいと思う事ができない。


 

「くっ、切りがないぜ。」

「甲児!攻撃を緩めるな!まだまだ、来るぞ!」

 

 突如出現した擬態獣の群れに俺達は慌てて出撃し、現在はダンナーベースを背に戦っている。戦場となった海岸は擬態獣の群れで埋め尽くされており、ダンナーベースにいる全機で必死に押し返して戦線を海岸から離した。だが、長引く戦いでマジンガーZもゴーダンナーもかなりのダメージを貰っていた。後方で戦っていたのにレヴリアスの装甲表面にも少なくない損傷が見られる。とても十全といえる状態ではなかった。幸いな事にここの所大きな戦闘が無かった為に、整備は行き届いているので故障するという事はない。でも、戦闘が長引いていればそんな事も関係無くなって来る。前線を維持しているのが3機だけなので、補給の問題も出てくる。幸いレヴリアスは半永久的エンジンの存在により、補給自体はまだ必要では無い。しかし、時期にゴーダンナーやマジンガーZには補給が必要になって来る。しかも、今回は前回の作戦の時と違い、基地防衛もしなければならない。絶え間なく襲い来る擬態獣から無補給で、基地防衛はとても出来る物ではない。早期で決着をつけたい状況だが、今ある手では決定打が足りていなかった。

 

「ステアード・スラッシュ!やぁああ!」

 

 ステアードを構え、擬態獣の群れに上空から強襲すう。更にステアードで切りつけた擬態獣を蹴り飛ばして、後ろにいたほかの擬態獣と纏める。

 

「バスターモード展開!はぁああ!」

 

 纏めた擬態獣に接近し、至近距離からグルーヴァイン・バスターを叩き込んだ。足りない火力を距離を縮めて底上げする。至近距離の砲撃を受けた擬態獣は、後ろの擬態獣も含めて大きく後退した。しかし、後退させた隙間から新たな擬態獣は絶えずこちらに進撃してきた。

 

「これでもだめか!まずいな…。けど…方法が。」

 

 三機での防衛は、やはり無理があった。途中押し返せていた戦況も、徐々にこちらが押され始めていた。特にあの巨大な擬態獣が戦局を握っていた。あれを倒さない限り、この戦局は終わらないというのがこの場の総意だった。

 

「ミスト!マジンガーに擬態獣を近づけないようにしてくれ!」

「了解!!」

 

 甲児君の呼びかけに答え、ステアードをシュートモードに切り替え、牽制しながらマジンガーZの傍に寄る。マジンガーZは両腕を構え、ブレストファイヤーの放つ体制を取る。その間、近づいてくる擬態獣の足をシュートモードで近づけさせないように打ち抜いて行った。マジンガーZの胸部が熱を発しだした。

 

「ミスト、退けろぉぉ!」

 

 甲児君の合図にブレストファイヤーの射線上から急いで離脱した。

 

「いくぞ!ブレストファイヤー!!」

 

 放たれた熱線は、海の水を裂きながら擬態獣の群れに真っすぐ飛んで行った。熱線に当てられた擬態獣は身体を溶かしながら、海に沈んでいった。マジンガーZの一撃は擬態獣の群れに大きな穴をあける事に成功した。

 

「どうだ!これがマジンガーZの力だ!」

「流石はマジンガーZだな!苦労した擬態獣を一気に倒すなんて、……俺も負けていられん!」

 

 開いた隙間をゴーダンナーが走り、擬態獣のボス、擬態獣12号に取り付いた。レヴリアスもそれに追走して擬態獣12号に攻撃を食らわせようとステアードをシュートモードで構えた。

 

「これでぇぇ!!」

 

 構えたステアードから放たれたビームは、擬態獣12号のシールドに遮られるも、擬態獣12号の気を反らせる事に成功した。その隙にゴーダンナーは懐に飛び込み、体を捻りながら拳を振るった。

 

「おらぁっ!」

 

 しかし、ゴーダンナーのパンチは擬態獣12号を後退させる事には成功させるも、シールドのせいでダメージ自体はそれ程の様だった。

 

「キシャァァッ!」

「くうぅ!ぐうぅ!!」

「猿渡さん!」

「クッ、動け、マジンガー!!」

 

 逆に返しに腕につているドリルアンカーの攻撃で、ゴーダンナーは背にしていた崖まで飛ばされた。飛ばされた衝撃で動けないゴーダンナーに擬態獣12号の追撃が迫る。マジンガーZとレヴリアスもゴーダンナーの盾になる為飛び込むが、届かない。その時だ、突然、上空から何かが飛び込むのがミストと甲児の目に写った。

 

 

 

ーダンナーベース・司令室ー

「博士、このままでは。」

「……」

「…!?博士!旧ダンナーベースの緊急迎撃システムが作動しています!」

「何だって!」

「永久封印ドック起動プログラム起動します!」

「まさか、ネオオクサーがか!?どうなっている!?」

「確認します!…映像出ます!」

「…これは…。」

 

 

ー???ー

『ーーオクサー発進準備。ネオ・オクサー起動します、準備完了。』

「…うう、何なのよ一体!?……此処は?……えーと、式場からバイクで飛び出して、お墓の辺りで……そうだ、前から光が、それで……あーもう、うるさい!って、ロボット!?お墓の地下にロボット!?」

「…はっ!そうだ、ゴウちんは!?ッキャ!?…近い、ゴウちん!?」

『くうぅ、ぐうぅ!!』

「………そうだ、あの大きな背中に……私は、憧れたんだ。…やらなきゃ、ゴウちんを助けなきゃ!!」

『ネオ・オクサー起動します、準備完了。』

「ロボット!これで!」

『ネオ・オクサー起動します、準備完了。』

「動いて、ロボット!ねえ、乗せて、準備完了してるんでしょ!?」

『そんなに乗りたいか?』

「えっ!?」

 

 

 

「エンジェル・ウォール!!ぐううぅ!」

 突如としてゴーダンナーに飛び込んで来たのは、ピンクの機体だった。ピンクの機体は右腕を前に突き出し、ドリルアンカーを手の平からエネルギーを放出して弾き飛ばした。

 

「ネオ・オクサー!?馬鹿な、封印したはずじゃあ!?」

「ゴオちん!無事!?」

「なっ、杏奈!?なんで此処に!?」

「ゴウちんを助けに来たの!」

「えっ、杏奈さん!?」

「はっ!?杏奈ちゃん!?」

 

 搭乗していたの花嫁姿の杏奈だった。

 

『ゴオ、能書きは後だ。兎に角、オクサーと合体しな。』

「はぁ!?合体って!?」

『こんな状況だ、お前だって分かっているだろう?』

「しかし!」

「私、出来るよ!」

「馬鹿!素人に何が出来る!」

「馬鹿って何よ!私だって、ゴウちんを守る事は出来る。」

「何言ってるんだ!早く帰れ!」

「やだ!私たちはどんな時でも一緒!誓いはまだだけど、私たちは結婚したんでしょ!」

「「『けっ、結婚!?』」」

 

 オープン通信で流れた、この発言に事情を知らない皆は固まってしまった。

 

 

「とにかく、杏奈を戦わせる訳には行かない!下がってろ、杏奈!!」

「やだ!ゴオちんを守ってみせる!私、ゴオちんの奥さんだもん!」

「杏奈、言う事を聞け!!」

 ゴーダンナーはネオオクサーを守る様に前に出る。ネオ・オクサーはそれに逆らって、前に出ようとする。しかし、ゴーダンナーがそれを許さない。そうしている間に擬態獣12号が接近する。

 

「兎に角、ゴーダンナー達はやらせない!」

「ロケットパーンチ!!」

 

 接近する擬態獣12号をマジンガーZのロケットパンチとシュートモードで迎撃する。ダメージにはならないが、足を止める事には成功した。

 

『ゴオ!何を迷っている!?』

「猿渡さん!?」

「くっ、杏奈!そこから離脱しろ!」

「ゴオちん!」

「杏奈!言う事を聞け!」

 

 動こうとしないネオ・オクサーを見て、ゴオは叫ぶ。しかし、ネオオクサーに意識を向けてしまい、擬態獣12号の攻撃に反応出来なかった。

 

「キャシャーッ!」

「なっ、ぐあぁっ!」

「きゃぁっ!」

 

 擬態獣12号のドリルアンカーは、ネオ・オクサー諸共ゴーダンナーを吹き飛ばした。地面に叩きつけられたゴーダンナー達に擬態獣12号はさらなる追撃を仕掛ける。腕を回転させ、それを倒れているゴーダンナー目掛け打ち出した。打ち出された腕は真っすぐゴーダンナーに飛んでいった。

 

「キャギャーッ!」

「やらせるか!ロケットパーンチ!」

 

 ゴーダンナーに当たる寸前に、マジンガーZのロケットパンチに弾かれた。

 

「大丈夫かゴオさん!」

「すまない、助かった。」

 

 そういって、擬態獣がマジンガーに弾かれた腕を戻している内に体制を整えた。

 

「くそっ、杏奈を守りながらじゃキツイか。」

「ゴオちん…。」

 

 ゴオの腕でも、素人を守りながらの戦闘は楽ではなかった。しかし、杏奈を逃がす事も出来ない状況だった。

 

『ゴオ、杏奈!あんた達合体しな!』

「ですが!?」

『じゃあ、他にこの状況を覆す事の出来る方法はあるのかい?』

「……クッ!」

 

 彼女の言う通りで、他の方法は今のゴオには思いつかなかった。しかも、このまま有効打もないまま戦いが続くと被害ばかりが増えていく。合体により、力の増したゴーダンナーなら擬態獣も一気にケリを付けられるかもしれない。しかし…。

 

「ゴオちん、やろう!」

「……グッ!駄目だ!駄目だ!」

「ゴオちん!」

「これ以上、お前を戦いに巻き込みたく無いんだ!」

「ゴオちん!このままじゃ、もっと沢山の人が巻き込まれちゃうよ!皆が大事な物を無くしちゃう!」

「わかってくれ!お前にもしもの事があれば、俺はもう2度と愛する人を失いたくないんだ!」

 

 ゴオは叫んだ。愛する者にこれ以上、危険な目に合わせたくないと。失いたくないと。

 

「ゴオちん!私はそんなか弱い女じゃない!」

「それでもだ!お前には、戦って欲しくない!」

「このバカチンがぁっ!それでも男か!こんな時に泣き言言うな!そのロボットは何のためだ!大事なものを守るためじゃないのか!名前も知らない街の人達は大事じゃないのか!」 

 

 渋るゴオに杏奈が吼える。この戦いが長引けば、被害を受けるのはゴオが守るべき街の人々。ゴーダンナーは大事な物を守るロボット。ならば、する事は決まっていた。

 

「…くっそぉぉぉ!ーーードライブチェンジ、ゴー!」

「ドライブチェンジ、ゴー!」

「ダンナー、オン!!リボルバーオープン!!ーーーゴーダンナー!ツインドライブ!!」

「「うおおおっ!」」

 

 2人の声に合わせて、ゴーダンナーとネオオクサーのプラズマドライブが同調する。ネオオクサーがゴーダンナーに格納され、ゴーダンナーの外装の色が青から赤に変わった。

 

「…杏奈」

「ゴオちん!行こう!」

「…ああ、行くぞ!」

 

 操縦席は複座式になり、お互いの顔が良く見えた。顔を合わせ、互いに互いの思いを感じ分かり合った。分かり合った、二人に迷いは無かった。

 

「はああああ!」

「ツインプラズマドライブ、フルスロットル!」

 

 2つのプラズマドライブが高速回転する。頭部から燃え盛る炎が噴き出す。

 

「ハァァトォ!」

「ブレイカァァッ!!」

 

 擬態獣の懐に入り込み、拳を叩き込む。

 

「今だ!杏奈、トリガーを!!」

「はあぁ!」

 

 杏奈がリボルバーの引き金を絞る。擬態獣の腹にリボルバー弾が炸裂した。炸裂したリボルバー弾は、擬態獣は硬化させた。

 

「これで、とどめだああ!」

 

 ゴーダンナーは炎をまとい飛び上がった。

 

「「はあああああっ!」」

 

 そして、錐揉み回転をしながら必殺の蹴りを放つ。

 

「ソウルゥ!スピン!クラッシャァァー!!」

 

 必殺の蹴りは硬化した擬態獣を打ち抜いた。

 

 

 

 

 



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第12話 その後ダンナーベースにて

作者の知識不足で間違いが有るかもしれません。間違いは気がついたら直します。


 以前の擬態獣襲来から一週間が経った。幸せの日に襲来した巨大擬態獣は新たな力を手にしたゴーダンナーの一撃によって海に沈んだ。統率個体が沈んだ事によってなのか、あれだけ止まらなかった擬態獣の群れは我先にとダンナーベースから離れて行った。その様子に少しの疑問が残る結果になったが、ダンナーベースに平和が戻ったのには変わりはない。海岸沿いが少し削れた位で環境への影響は最小限だったのも嬉しい報告だった。そして、もう一つ嬉しい事があった。それは、俺達に新たな仲間が加わった事だ。

 

 あの時の戦線に突如として現れたピンクの機体、ネオオクサーに乗っていた猿渡さんの妻の葵杏奈さんが正式にダンナーベースの一員として戦う事になったのだ。杏奈さんの参加には色々と意見が出て、否定的な意見も多く出ていた。その筆頭は、猿渡さんだった。それに続く様に、静流さん等も否定的な意見を言っていた。場は発言力の強い猿渡さん達の意見に流れかけていた。それにしかし、そこに待ったをかけたのは葵所長であった。所長の意見は親と言う立場から娘の姿を見て感じた物だった。この場で一番彼女と長く、そして近くで見てきた所長の意見は否定的だった場を一気にイーブンまで持って行った。さらに本人の強い意志によって、場は肯定派に傾いた。少なくなった否定派で最初に折れたのは筆頭だった猿渡さんだった。どう考えたのかは伺い知れないが、杏奈さんのこれからの努力に期待と言う形に落ち着いたようだ。猿渡さんとしては辞めさせたいが、杏奈の意志も否定したくない、そんな気持ちもあったかも知れない。紆余曲折あったが、めでたく杏奈さんはダンナーベースの一員に迎えられた。

 そこから、さらに一週間が過ぎた頃の話だ。

 

ーダンナーベース・格納庫ー

「おいっ、ミストー!!オーブからの補給物資の確認は終わったか!?」

「えーっと、はいっ!!確認終了しました!!」

「なら、次は3番と5番の工具入れをマジンガーZの辺りに持って行け!」

「はいっ!!」

 

 休む暇もなく、ただひたすらに走っていた。始めるは単なる手伝いだった。レヴリアスの調整の合間に手伝う程度の。しかし、いつの間にか、馬車馬の様に働いている。何故なんだろうか。一応、俺はオーブからの派遣のはず何だけども。それともアスハ代表から言われてるのだろうか?今日、街に遊びに出かけたボス達に恨みの念を送る。

 

「よいしょっと!ふー、こうも重たい物ばっかりだと、結構体に来る物があるな。」

「そおっスね、腰とかに来るんできついんッスよね。」

「でも、長くやってると慣れるもんッスよ!」

「あー、ですよね…。」

 

 朝からの労働で大部体が辛くなってこぼれた言葉を、近くで作業していた二人が反応するも、帰って来たのは何とも頼りない物だった。

 

「それよりもッス!ミストさん、貴方のレヴリアスの点検と整備に早く取り掛かるッスよ!今ここにある機体の中で一番不明瞭な所が多くて時間が掛かるッスからね!」

「そうッスよ!終わらないとおやっさんに怒られるッス!」

「えっ?手伝ってくれるんですか?」

「当たり前ッス!ミストさんにはこっちの仕事を手伝って貰っているんスから、こっちが手伝うのも当然ッス!」

「って、おやっさんに言われてるッス!」

「ありがとうございます!とっても助かります!」

 

 お二人のご厚意に甘えて、俺はレヴリアスの整備に取り掛かった。っと、言っても俺が出来るのはマニュアル通りの動作確認位で、専門的な事はお二人にお任せ状態だった。オーブにいた時も、専門的な事は他の人に頼んでいた。…そう言えば、マリューさんが偶に診てくれていたな。まあ、そういう事なのでお二人に手伝って頂くのはとても助かっていた。

 

「………よし、異常なしっと。」

「おーい、ミストさーん!ちょっといいッスか?」

「あっはーい!何かありましたかー!?」

 

 コックピットから這い出ると、レヴリアスの足元で森本さんがこちらに手を振っていた。

「どうかしましたか?」

「このレヴリアスの携行武器のステアードなんスけど、この前の戦闘でか、歯こぼれが見受けられたッス。今は応急処置でなんとかしますが、打ち直すなりを考えたのか方が良いッスね。」

「歯こぼれ、ですか…。」

「ただ、特殊金属みたいな感じ何で、今、ダンナーベースの資材では無理ッスね。…後、これはおやっさんが言っていた事なんですが、大空魔竜のサコン先生に相談したらって言っていたッス。まあ、どうするかはお任せするッス。」

「サコン先生……考えて置きます。ありがとうございます。」

「お礼はおやっさんに言ってくださいッス!それでは。」

 

 歯こぼれ、今まで気にした事が無かったな。整備を自分でしてこなかったってのも有るんだろうけど、…サコン先生か、相談してみようか。

 

 

 

 

ーダンナーベース・食堂ー

「ウッシ!甲児、どっちが多く食えるか勝負だ!」

「オッシャァ!受けて立つぜ!」

「ちょっと、光司、貴方病み上がりなのよ!?」

「甲児君も食べ過ぎは良くないわよ。」

「静流さん、こんぐらい大丈夫です!」

「さやかさんも心配しなくても余裕だぜ!」

「だから心配なのよ。」

「おう、兜に鉄也!このボス様も参戦してやるぜ!」

「ボス〜勝ってっこないっすよ!」

「ボス〜辞めときましょう?」

「うるせぇ、うるせぇ!俺様が行けるって言ってんだから行けんだよ!」

「Okッスよ!俺は負けないッスからね!」

「俺も負けないぜ!」

「ハッ!勝つのは俺様だぜ!」

 

「まったく、何が彼らをそうさせるのかしら。」

「そうですね、元気があるのは良いことなんですけどね…。」

「それでまた倒れたらわけないのよね。」

「今ここにまとめてくれる人がいれば良かったのに。」

「そうね、頼れそうな人は此処にはいないわね。」

「猿渡さんは杏奈ちゃんの元に行ってるから本当にいないわね。」

「……そうね。」

 

「ボス、降参は早い方が良いんじゃないか?」

「へっ、俺様を舐めてもらっちゃあ困るな。兜こそリタイアしても良いだぜ?」

「へっ、ぬかせ、まだまだ行けるさ。」

「二人共手が止まってるッスよ。あっちはもう6杯目ッスよ!」

「うまいっす!」

「何!負けてたまるか、ボス食うぞ!!」

「おう、あいつには負けねーぞ!!」



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第13話 ある日の一幕にて

短いですが投稿します


 ある日のダンナーベースにて

 

 昼時のダンナーベースの食堂では、職員達が和気藹々と食事を楽しんでいた。各地から派遣されて来たパイロットも同様に各々集まって、食事に会話を楽しんでいた。今日も今日とて、整備班の手伝いに駆り出されていたミストも腹を空かせて食堂にやって来ていた。ミストが来た時間は昼時を少し過ぎていたからか、ピーク時に比べて席が疎らに空いていた。しかし、訓練等で食堂に来た時間が遅かったのか、光司さん等はまだ食事の途中だった。

 

「そう言えばミストって、此処に来る前はオーブに居たんだったよな?」

「ええ、そうですよ。と言っても、居たのはほんの一ヶ月程ですけどね。」

「あら、意外とオーブに居た期間は少ないのね。」

「はい、オーブについてからは早い段階でオーブ軍にお世話になって、此方への派遣も直ぐに決まったのであまりオーブに居たと言っても少しだけですね。」

 

 ミストがオーブに着いた時、ミスト自身の受け入れは早くに了承された。しかし、ミストが乗ってきたレヴリアスに関しては色々と調査等で時間が掛かった。しかも、ミストを民間人として受け入れた場合のレヴリアスの処遇が議会でも定まらずに宙ぶらりんの状態だった。オーブ軍が所有する案もあったが、アスハ代表が首を振らず決定とはならなかった。協議は続き、セイラン、サハク等の他五大氏族も譲らず議会は平行状態で進まなかった。結局、ミストをオーブ軍に入隊させると言う妥協案が通された。

 

「へー、オーブではどう過ごしてたんだ?」

「オーブでですか?バルトフェルドさんのご厚意でバルトフェルドさんの家でお世話になってましたね。あとは、大戦の慰霊碑に花を持って行ったり、バイクショップを周ったりしてましたね。」

「へー、俺もオーブに留学してた事があったが、バイク屋には行かなかったな。」

「えっ、甲児って、オーブに留学してたのか!?」

「おう、これでも兜は頭良いからな!」

「いや、何でボスが威張ってるんだよ。」

「へっ、俺様のライバルが頭の出来が悪い奴と思われると俺様までバカだと思われるからな。だから、そう言うのはきちんと言ってやったまでよ。」

「ボス〜、見栄を張るのは辞めましょうよ〜。」

「そうッスよ、ボス〜!」

「お前らはどっちの味方だぁ!?」

「まあまあ、落ち着いて下さいよ。」

「そうだぜボス、ライバルとか勝手に決めるなよ。」

 

 俺の話をする雰囲気はすっかり消え、俺は興奮気味にヌケさんとムチャさんに言い寄るボスさんを抑える側に回るハメになった。

 

 

 俺がオーブに来てから時間が経ち、此処の生活にも慣れて来た頃の話だ。オーブでの生活は想像していた物よりもずっと快適だった。寝る所に困る事も無く、食べ物にも困らないのはとても運が良かった。俺が初めに漂流したべザートでの生活はとてもじゃないが快適とは無縁だった。宛の無い俺を拾ってくれたシェルディア達には感謝しているし、良くしようと頑張っていたが、彼女達だけでは解決出来ない事がべザートには多過ぎた。この地球での第1発見者がバルトフェルドさんだったのが、俺にとって幸運だった。ただ、食に対する熱意は高かった。キラさん達は慣れているのか微笑むだけだが、独特と呼べる拘りが見て取れた。その拘りにアスハ代表がいらした時は言い合いに発展するのが定石だった。アレックスさんは止めるは止めるが少し遅いので、近所に家が無くて良かったと心から思うのだった。

 

「…こんな所かな、オーブでの生活と言っても外で何かとかはあまりやらなかったから話す事が無いな」

 結局話す事になりかいつまんで説明した。

「なーんだ、つまんねーな。海とかねーのか?」

「ボス〜、時期的に行っても全然ですよ」

「そうですよ〜、今入ったら凍えちまいやすよ」

「ボス、海に行っても水着の女性がいるとは限らないぞ」

「なにぃ!?そ、そうなのか、知らなかったぜ」

「それに家の近くは岩場ですからビーチって感じは無いですよ」

「ションボリ」

 ガクッと肩を落とすボスをヌケとムチャが励ましていた。

 

 

 

 

「Gガンナーとコアガンナーを別ユニットとして改造する?」

「ああ、これからも擬態獣やダリウス軍が攻めて来るのに此処の戦力的に、前衛を務めれる機体は多いが後方からの援護が行える機体はガンナー位しかいない。長期戦が多くなると前衛の補給なんかも必要になる。そこで葵所長とサコン先生とで協議して決まったんだ」

「確かに、ゴーダンナーやマジンガーみたいに前で戦えるのが多いっすね」

「逆に狙撃なんかを行う機体は少ないわね」

「ミストの機体はどうです?」

「彼の機体も出来ない事は無いでしょうけど、彼って前に出やすいのよね。前衛的遊撃手みたいな感じね」

「ま、そういう事だから静流と光司は準備しておけよ」

「了解ッス」

 

 

 

 



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第14話 出動前の

今回は会話メインです。減らしたりなんなりしたかったですが力付きました


 あれから、小規模の擬態獣がベースを襲ったが、小規模であれば総力戦となることもなかった。戦力に余裕があった為、マジンガーZとゴーダンナーをメインとした2つの部隊を編成して交替で戦闘及び哨戒を行っていた。

 第1部隊マジンガーZグループ

 ・ダイアナンA ・スティンガー ・ボスボロット

 ・コアガンナー ・サーペント

 第2部隊ゴーダンナーグループ

 ・レヴリアス ・ネオオクサー ・クラブバンカー

 ・Gガンナー

 

 ビルドベースの周りの地形は岩場と海なので、飛行可能な機体が部隊には必要となる。ベースの中で飛行可能な機体はマジンガーZ等の5機だ。この5機を部隊で分けて編成し、此処の相性や希望に沿った結果がこの編成となった。

 

「第1部隊の皆さんお疲れ様です。第2部隊の皆さん擬態獣はまだ確認されていないので、すぐに出動出来る準備をして待機をお願いします。」

 

 第1部隊との交代の時間になり、ミーティングルームで待機をしていたが、放送の通りすぐさま出撃とはならずに引き続き待機することとなった。

 

「ふー、小規模とは言え戦闘が続くと流石に堪えますね」

「そうだな、一時期に比べて大分頻度が増えた。前は俺や静流達でなんとかなっていたが、今では兜やミストにも協力して貰えないと厳しいな。」

「そうッスよ、Gガンナーもコアガンナーと別れ無くても良かったッスからね!」

 

 ミスト達、第1部隊の皆は待機中は一緒に行動して置こうと言う事でミーティングルームを借りて休息していた。

 

「ああ、そうだな。光司、今のGガンナーはどうだ?分離してそこまで変わるとは思わないが、違和感等はどうなんだ」

「そうッスね、流石に万全ですって言えないッスね」

「でもゴオちん、なんでGガンナーを分離させたの?ミストさんもなんたらバスターって武器を持ってたよね?」

「ああ、ミストのレヴリアスも長距離射撃武器を持っているが、あれは聞くに狙撃も出来る武器らしい。…簡単に言えば、狙撃武器では無いからミストじゃ変わりにならないと言う事だ。それに、レヴリアスは万能機だから遊撃させて置くほうが有利に運びやすいからな」

「まあ、ミストが俺達とおんなじ後方支援って言うのも面白そうですがね」

 実際に、この部隊でレヴリアスを狙撃機として運用すると、どうしてもバリバリに長距離射撃機のGガンナーの立ち位置が難しくなりそうではあった。

 

「クラブバンカーと並ぶレヴリアス、色合いはいいかも」

「うんうん、それに第2部隊だと支援するの俺達だけみたいなもんだしな」

「クラブバンカーとレヴリアスねえ、色以外が合わなそうだけど」

「そうッスね、クラブバンカーは飛行能力が有るからこっちに来たみたいな雰囲気はありましたね」

「ひどいなあ、クラブバンカーだってやるときやるんだぜ?」

「まあまあ、クラブバンカーがいるから俺も動きやすいんですから」

 飛行能力を持っているクラブバンカーがいてくれるお陰で、レヴリアスの対空中戦力への仕事の負担が軽減されているのは事実だ。それに速くないとはいえ、飛行可能であれば運搬係も任せられる。数が少ない部隊の中ではクラブバンカーは明確に仕事を持っていた。

 

「まあ、そうだな。こっちはマジンガーzみたいに飛べる機体は少ないからな、対空戦力は多いに越した事は無いさ」

「ゴーダンナーに翼を生やしたら解決しそうなんだがな」

「そうだな、出来るのならばそれが良いが、難しいだろうな」

「ゴオちんと合体したら空中散歩も楽しめそうだね」

「アンナちゃん、流石に戦闘以外で合体しないでほしいなあ、おやっさんに怒られちゃうよ」

「じゃあ、クラブバンカーで旦那と空中散歩してくるか?」

「確かにクラブバンカーなら速くないし良いかもしれないですけど、まず、動かせるんですか?クラブバンカーやスティンガーって、結構特殊な機構ですよね」

「そうッスね、クラブバンカーがあれで空飛んでるのは不思議ッスからね」

「確かに不思議だねー、ヤンバさんあれって何か有るの?」

「俺達に聞くよりもサコン先生に聞いてくれ」

 そう言って説明を投げた3人だが、実際に気になったので後に聞きに行ったようだ。

 

「そういえば、大空魔竜は今どうしているんですか?」

「一度、ダリウス星に行ってからまだ戻って来ていないな」

「俺達や姉御、リーの兄貴もこっちに残して行ったからなあ」

「キャプテン達にも考えがあるんだろうが、心配ですねえ」

 

 それから暫く会話を続けていた。擬態獣の襲来頻度が増えてからはこういう時間が減っていたからか、不思議と会話がはずんでいた。

 

「そういえば、今アスハ代表がビルドベースにいらっしゃるですよ」

「ビルドベースに?」

「視察だろうな、最近の情勢的に何処で何が起こるか解らないからな」

「そうですね、擬態獣の他にもこの前の黄色の奴だっていますからね」

「あれ?でもゴオちん、ビルドベースって閉まってたよね?」

「ん、閉まっていると言うよりは外で活動してないだけで職員なんかは普通に働いているはずだぞ。彼処は封鎖されている九州を見張る役目も有るからな」

「そうだったんですね、それは初耳でした。」

「まあ、ミストやヤンバさん達が知らないのも、仕方ないですよ。なんせ50年前ですからね」

「そうだな、――――――」

 

「緊急事態発生、海上に巨大魔獣出現!!照合データからダリウス軍の物と判明、第2部隊皆さん、直ちに出動をお願いします!繰り返します、――――」

 

 会話を遮る様に鳴り響く警報に俺達は、とっさに耳を傾ける。ダリウス軍、それは大空魔竜が戦っていた敵組織で以前、サコン先生らがダリウス軍がこちらの地球にも来るだろうと色々とデータを残していた。

 放送後、いち早く立ち上がった猿渡さんが号令をかける。

「よし、聞こえたな。皆出動だ!」

「ハイ!!」

 

 

―――――

 海岸

「ダイヤ君、僕は君の話を全部を信じていた訳じゃないんだよ?」

「うーん、どうやったら信じるんだ?ナオトも見ただろ、擬態獣と戦う竜の怪物を」

「それはそうだけど、ダイヤ君が言っていた怪物って擬態獣じゃあ無いんでしょ?」

「ああ、擬態獣も怪物だけど俺が見た怪物はあれじゃ無かった」

「ダンナーベースには連絡取ったの?」

「駄目だ、今は擬態獣の対応で個人じゃとてもじゃ無いが連絡なんて取れそうに無かった。警察とかにも話したけど信じて貰えなかった」

「そっか、…ねえ、もしその怪物が現れたらどうするの?」

「戦う、そのために鍛えて来たんだ」

「警備隊に頼らないの?」

「モビルスーツであの怪物が倒せると思えないんだ。そりゃ、父さんの時はまだモビルスーツは無かったけど怪物はそれ程強大に見えたんだ」

「それなのに行くの?」

「ああ、あの時に救ってくれた竜の怪物の人が言ってたんだ。俺には怪物と戦う戦士になれるって」

「ダイヤ君……」

 

 

 



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第15話 ダリウス軍浮上

いつもよりも早い更新となりました。次は多分遅いです。セリフが多くなってます。


 

 出撃した俺達が見たのは、暴れ回る甲羅を背負った怪物に貫かれたダガーLの姿だった。

「ダガーのパイロット、応答してくれ!」

「……」

「応答してくれ!……ダメか、クソッ、猿渡さん!」

「ああ、俺が前に出る。ミストは上空から攻撃しつつ、状況を確認。アンナとヤンバ達は救助に回ってくれ。光司は遠距離から攻撃を」

「了解ッス」

「ゴオちん、私もゴオちんと」

「アンナちゃんはこっちです」

「了解です、ステアード展開、シュート!!」

 猿渡さんの指示に従ってそれぞれが動き出す。ゴーダンナーが甲羅(プロテクス)に突撃して抑え込み、レヴリアスのステアードで、プロテクスが背負う甲羅から放たれる棘のミサイルを打ち落としながら動きを牽制する。クラブバンカーに手を引かれ救援救助に走るネオオクサー。抑えたプロテクスを狙撃するGガンナー。それぞれが動きダリウス軍の進行を遅くするが、プロテクスを始めバオラ、ガルゴラスを抑え込むには手数が足りなかった。

「くっ、ミスト援護を頼む」

「はいっ、グルーヴァイン・バスター!!」

「ゴオちん!合体しよう!」

「バカ、此処で合体したら誰が市民を守るんだ!」

「でも…」

「俺の心配はいい、それにもうそろそろあいつらが来てくれる!杏奈!お前は攻撃を防いでくれ!」

「うん、わかったよゴオちん!エンジェルウォール!!」

 ネオオクサーの放つフィールドは、市街に向けて放たれたミサイルを纏めて防いだ。

 

「喰らえ!ストロングバスター!!」

「ミサイル発射!!」

「いつもより多めに発射!」

「ウッシ、…ブビィさん、第1部隊はまだッスか?」

「連絡は無いよ、ベース方もまだ無し」

「まあ、直ぐ来てくれるだろ」

「ヤンマさん、こっちにも援護ください」

「よし、ならばボルトパライザーで」

「ミサイルください!」

「ならばハッチョ、ミサイルだ!」

「はいはい、発射!」

 クラブバンカーの放ったミサイルの乗じて、ステアードを構えたミストはミサイルに向けて発射した。放たれたステアードシュートはプロテクス諸共纏めて爆発した。

「よし、1体撃破!まだまだいるけど、こっちの攻撃も効いてるな」

「ブレストファイヤー!!」

「デスパーサイトだ、くらいやがれってんだ!!」

「おっと、甲児君!第1部隊の皆も来てくれたんだ!」

「悪いな、遅くなった」

「姉御〜待ってました!」

「ヘヘッ、悪いな」

 後方から飛んできた熱線に、思わず振り返るとそこには此方に手を振るマジンガーZがいた。マジンガーZの後ろには必死に走ってくるボスボロットとダイアナンA。飛んでいるサーペントにそれに掴まっているコアガンナーの姿。クラブバンカーの方を飛んでいるスティンガー、第1部隊の皆が駆けつけていた。

「猿渡さん、遅くなって悪い」

「甲児か、早速で悪いが戦線の加わってくれ!」

「ああ、了解だぜ。ボス、リーさん、前に出るぜ!」

「はいはい、ボス腹をくくれよ」

「俺様がビビる訳無いぜ」

「ボス〜此処はビビリましょうよ~」

「そうですよ、僕達足でまといっすよ」

「やいやい、うるさいやい。ボスボロットに不可能は無いんだぜ、あんな亀男的じゃないやい」

「おお、おお、勇ましいねえ。あいつもボスボロットよりデカいのにな」

「なら、行こうぜ!スクランダーカット!!」

「いくぞ!ボロットパーンチ!!」

「キラーバイトだ」

「甲児君!?」

「さやか、諦めなさい。今は攻撃するわよ」

 猿渡の声に答えるように突撃するマジンガーZにその後ろを口を開けて続くサーペント、腕を振り回すボスボロット。それに呆れるようにミサイルを出すダイアナンAと大型ライフルを構えるコアガンナーである。

 

「よし、部隊合流もすませたことだし、ここから巻き返して行きたいな。……杏奈!」

「うん、わかった。合体だね!!」

「ああ、仕方がないからな。無理はしてないな?」

「うん!」

「ドライブチェンジ、ゴー!!」

「ドライブチェンジ、ゴー!」

「ダンナーオン!リボルバー、オープン!ゴーダンナーツインドラーイブ!!」

「ゴオちん!」

「うおおお!ブレイカーシュート!!」

 合体したゴーダンナーTDM(ツインドライブモード)から放たれたエネルギーで前方のプロテクスを吹き飛ばした。

 

「ヤンマ、ハッチョ、ブビィ、光司!!一斉攻撃だ!!」

「おお!」

「ミサイル発射!」

「ミサイル発射だー!」

「よっしゃー!ウィングキャノン!ストロングバスター!光になりやがれぇぇ!!」

「オラオラ、デスパーサイトだ!!」

 他に負けない位の弾幕を展開して、ガルゴラスを撃ち落としていった。

 

「唸れ鉄拳、ロケットパーンチ!!」

「いくぞ!カウンターブレイク!!」

「よし、サーペントキャノン!」

「ヤンマ、ハッチョ、ブビィ、ミサイルばら撒け!!」

「姉御も放ってぇ!?」

「もう一回、光になりやがれぇ!!」

「ボロットパーンチ!!」

「ライフルセット、シュート!」

「ダイアナンミサイル!」

 一斉攻撃を受けた敵達は大爆発で倒れて行った。

「……倒しました?」

「ああ、プロテクスのヤローは倒したな」

「プロテクス?」

「あの敵の名前だ。ダリウスの奴らの尖兵って所かな」

「そっかー、あれで尖兵なんだね」

「そうだな、何体も相手取ると疲れるな」

「待って!まだ終わってないわ!!」

「どうしたんだ、さやかさん」

「海から巨大な反応よ!」

「っ!まさか、あいつか!」

 

 

―――市街地―――

「ダイヤくん、本気で行く気なの!?」

「ナオトは母さん達と避難するんだ!」

「でも、いくらダイヤくんが体を鍛えているからってあの怪物じゃあ危ないよ!?それにダンナーベースの人達も戦ってるよ!?」

「っ!そう、だけど。なにか感じるんだ!」

「何かって?」

「言葉には出来ない。けど、行かなきゃいけない気がするんだ!!」

「ダイヤ!」

「母さん、ごめん。俺行くよ!!」

「ダイヤ!!」

 



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第16話 伝説の巨人―ガイキング―

読みづらかったらごめんなさい


 プロテクスを倒した俺達は海上から迫り上がって来る物体を見つめていた。

「おいおい、あれってそうだろ!?」

「ああ、ピュリア!キャプテンに連絡は!?」

「…一応はやって見るけどよ、長距離通信が出来ないの面倒くさいなもう!」

「姉御、そう言わずお願いしますよ」

「そうですぜ、姉御!!」

「わかってる!」

 ピュリアは連絡を取るために、スティンガーを駆けこの場から離れた。

 

「リーさん、あの戦艦ってダリウス軍のですか!?」

「そうだぜ、ゼルガイヤーって奴だがこの戦力では厳しいな」

「そうですね、いつもは大空魔竜が抑えてましたからね」

「ゴオちん、ゴーダンナーで蹴りに行く?」

「跳べない事はないが、無防備すぎるな」

「ストロングバスターで行きましょうか!?」

「ブレストファイヤーなら行けるか?」

「って、皆ゼルガイヤーからさっきのが降りて来てますよ!」

 そうこうしている内にゼルガイヤーからは、先程倒したプロテクスが降下しようとしていた。

「流石に戦艦と言う事か」

「さっきのであいつの事はわかってる、一気に倒そうぜ!!」

「ああ、甲児君の言う通りだ。ゼルガイヤーの方は俺が挑発しますので、あいつの相手はお願いします!!」

「ゼルガイヤーが相手だ、私も手を貸すぜ!!」

「なら、兜と俺で前衛を務める。光司と静流で狙撃を、他の皆は戦線を海上に押し込むように抑えてくれ!!」

「おお!!」

 ゴーダンナーの突撃に合わせて、各自で行動し始める。レヴリアスと戻って来たスティンガーはゼルガイヤーから見える様に飛行しつつ、外側にある砲塔を中心に攻撃を開始した。マジンガーZは、スクランダーで飛び上がりその翼でガルゴラス等に攻撃を加える。少し離れた場所では、コアガンナーとGガンナーがマジンガーZとゴーダンナーに攻撃された奴に追撃を加える。ゼルガイヤーから続々と降下して来るプロテクスが、市街まで入ってこない様にボスボロットとクラブバンカーが立ち塞がる。その上空からサーペントとその背に乗ったダイアナンAが攻撃を加えた。

 

 

――市街地――

「何だよあの戦艦、怪物だけじゃ無かったのか」

 機動部隊のお陰で、市街地の被害は最初のミサイル攻撃のみだった。だが、立ち上がる煙は昨日までの日常を壊すのに十分であった。逃げ惑う人々の波は戦艦の出現によって、更に激しく広がって行った。

 槍を抱えて俺は彼奴等を倒すと波に逆らうように走ってきた。しかし、戦艦の出現に思わず溢れた―デカい―心に浮かぶそのそれは俺の足鈍らせようとしていた。その時、手に持っていた謎の機械が揺らめく。

「クッ、ん、見えた!見えたぞ!!」

 揺らめく炎にが微かに導く方向に俺は見た。見えた。あの深い海みたいな目をした女の子が、あの機械の竜が!!俺は走り出した。もう立ち止まる理由は俺の中には存在しなかった。眼前に見える戦艦もそれに立ち向かう機動戦士達も俺の目には入って来なかった。

 

――海底――

「あ」

「見つけたか、ルル」

「はい、激しく燃える炎が」

「…ならば、我らも動く時。ダンナーベースやピュリア達には迷惑を掛けたが、ここからは我らの反撃の時だ。かの伝説の巨人が狼煙となる事を私は願う。さあ、皆、浮上だ!炎の戦士を迎えに行こう!」

「おお!!」

 

――海上――

「ピュリア、大空魔竜との連絡はどうなった!」

「やってるよ、攻撃を躱しながらなんだがなぁ。まだだ、連絡はねぇ。キャプテンも近くにいそう何だがなあ」

「姉御、そんな事を言ってる場合ですか」

「わーてるよ、しっかしなぁ…ん、あっ、キャプテン!」

『今まですまなかったな、ピュリア。大空魔竜は今、海底から浮上する。猿渡君達に気をつけるように伝えてくれ』

「あいあい、キャプテン!ゴオの旦那!聞こえたな来るぞ!!」

「ああ、杏奈!跳び上がるぞ」

「うん、行こうゴオちん!」

 連絡を受けたゴーダンナーは、迫るプロテクスを足場に高く跳び上がった。

 

「大空魔竜、浮上しろ!!」

「浮上!!」

 海面が浮き上がり、巨大な顔が姿を表す。

「敵戦艦、ゼルガイヤーを吹き飛ばすぞ!」

「対ショック、急げ!」

 ゼルガイヤーの真下から姿を表した大空魔竜は、そのままの勢いでゼルガイヤーにぶつかり、ゼルガイヤーを後退させた。

 

「ゴオちん、このまま攻撃するの!?」

「ああ、大空魔竜の援護に行く!うおおお!!ソウル・スピンッ!クラッシャァァ!!」

 飛び上がったゴーダンナーは、その高さを利用して錐揉み回転でゼルガイヤーに突撃していった。

 

「ヨッシャ、ゴオさんに続くぞ!スクランダーカァットォ!!」

「OK!ストロングバスター発射!!」

「ミサイルも発射!!」

 ゼルガイヤーに突撃したゴーダンナーに続き、マジンガーZが飛んで行く。援護射撃を受けながら、ゼルガイヤーの装甲にスクランダーを刺し入れて行った。

 

 

 

――灯台――

「やっぱり、あの機械の竜だ。オーイオーイ!!俺は、ここだぁあ!!」

 眼前の機械の竜に俺は、手摺に摑まって声の限り叫んだ。俺は此処だ。

 

――大空魔竜――

「聞こえています、キャプテン」

「ああ、迎えに行こう」

 炎の戦士に向けて大空魔竜を動かす。

――灯台――

「……」

 俺の目の前に焦がれていた機械の竜がいる。俺をじっと見つめるの目を俺は見つめ返す。

「聞こえますか」

「…ああ、聞こえる、聞こえるよ!やっとだ、やっと会えた!!あの時からずっと分からなかった事が今日、わかるんだな!!」

「…飛んでください」

「ああ!!?」

 興奮していた俺は少女の声に素直に従った。そして、飛んだ俺は機械の竜に喰われたのだった。

 

――???――

―なんだよ、俺、食われたのか?あの子は?どうなったんだ!?―

「う、お、ああ!?な、なんだ!?」

 何もない暗闇にいた俺は、突然感じた温かななにかに包まれた。

「鎧…?これって!?うわぁあ!!」

 そして、感じる衝撃に俺は叫んだ。

「やっぱり、貴方だったのですね。かの魔竜に選ばれた戦士は」

 いつの間にか埋め込まれていた機械からあの子の声が聞こえた。

「なあ、君だろ!?どうなったんだよ!」

「貴方はその巨人に選ばれました。その巨人はいま、貴方の力です」

「巨人…?…俺の力?」

 巨大な腕を見つめて俺は固まった。―俺が乗っているのが巨人?俺の力?―

「そう、貴方の力です」

「俺の力」

「はい、名はガイキング」

「ガイキング、俺は、彼奴等と戦えるんだな!」

「はい」

「おし、いくぞぉお!!」

 ならば、もう迷いは無い。

 

――海上――

「かったいなあ、ゼルガイヤーって奴はよお。ボスボロットじゃ無理かあ」

「ゴーダンナーやマジンガーZ位無いとダメージは無さそうですね」

「ストロングバスターも効いてるッスよ」

「そうだな、ん?あれは、なんだ?」

 陸地の方向から飛んでくる巨人を見つめた。

「大空魔竜の用事って、もしかしてあれですか?」

「…ああ、そうだ。あの巨人があたしらが此方に来て探してたんだ」

「ついに見つかったんだ、もう少し喜ぼうぜ」

「とりあえず、あれを倒しましょう!」

 

――ガイキング――

「凄え、なんだこいつ!!」

「ガイキングです。先に戦っている皆さんと戦艦を落としましょう」

「えっと、ああ!!」

 竜から此処まで飛んで来たが、速すぎて驚いていた。そこで、ピコンと音が鳴った。

『おい、ガイキングのパイロット、こっちに来い』

「あん、なんだ」

『あーもう、ケンカ腰に言わない。あー、パイロット君?協力するために来てくれる?』

「あ、ああ、わかった」

 突然のケンカ腰にムカッと来たが、もう一人の言い方になんか落ち着いた。

 

 

――海上――

「さて、ガイキングだったか確かに大きいな」

「名前を聞いていいかい?」

「あっと、ツワブキ・ダイヤです」

「ダイヤ君ね、もしかして、私よりも若い?」

「ちゅ、中学生です!」

「なるほど、まあ、良い。今は時間が無い。ダイヤ、戦えるんだな?」

「ああ、そのために鍛えたんだ!」

「わかった、じゃあ、ダイヤはミストやピュリアと一緒にゼルガイヤーの周りから攻撃してくれ」

「わかった」

「よし、いくぞ!」

 

――ガイキング――

「なあ、君の名前は?」

「…ルルです」

「じゃあ、ルル、こいつ武器は?」

「…まずはデスパーサイトを」

「デスパーサイト、これか!!」

 ガイキングから熱線が放たれる。

 

――戦場――

「ガイキング、初めてなのに良くやってますね」

「ああ、初めてなら上出来だろうな」

「ですね、さ、決着を付けましょう!!」

「よし、杏奈もう一度跳ぶぞ!」

「うん!」

 跳び上がるゴーダンナーに続いて、力を溜める。

 

「いくぞ、ブレストファイヤァァ!!」

「ロック、グルーヴァイン・バスター!!」

「ストロングバスター、発射ぁあ!!」

「ソウル・スピン・クラッシャァア!!」

 

「すげえ、なんて光景だよ。ルル、こいつで一番強いのは!?」

「…ハイドロブレイザーです」

「よし、決めるぞ、ハイドロブレイザー!!」

 

 各機体の攻撃を受けたゼルガイヤーは黒い煙を上げながら降下して行き、海面で大きく爆発して沈んで行った。

 

 

 

――大空魔竜――

「大きくなったな少年」

「……」

「ルル、彼を導くのはお前かも知れないな」

「…どういう事ですか?」

「…いや、なんとなくそう思っただけだ」

「よく、わかりません」

「フッ、だろうな。まあ、今は皆を迎えに行こう。炎の戦士も地上の戦士もな」

「はい」

「ロンゴ、発進だ」

「アイアイサー!!」




スパロボKで言ったら第2話が終了しました。本来であれば、擬態獣が来ますが尺の都合でカットです。あんまり長く書けない都合上とっても遅い進行ですがお付き合いいただけたらと思います。
因みに本作をゲームで例えると3話位になります。スパロボが大体40から60なのでまだまだ先は長いです。


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第17話 大空魔竜にて

 ゼルガイヤーを沈めた俺達は、キャプテンガリスの指示の元、それぞれ大空魔竜に回収され一息ついていた。

 

「よーミスト、やっと降りて来たかおつかれだったな」

「お疲れ様、ミスト君」

「甲児君にさやかさん、そっちもお疲れ様」

「おーい、兜、さやか、ミスト!そんな所にいつまでいるつもりだよ。さっさと此方に来いよ!」

 レヴリアスをハンガーに固定し終わりコックピットから降りると、待っていた甲児君が話かけて来た。マジンガーZは少し前に収容されていたはずなので、わざわざ待っていたのだろう。互いに労っていると、遠くからボスが俺達を呼びに来ていた。

「おいおい、何かあったのかよ」

「あのカイキンクだったかのパイロットが降りて来たみたいでよ、面白そうだから行こうぜ!」

「カイキンクって、ガイキングでしょうに」

「まあ、どっちでも良いじゃねえかな、ボスにとっては」

「速く行こうぜ!」

「待て待て、おいて行くなよ」

 ボスに連れられ俺達は格納庫を歩いて行った。

 

「で、君がダイヤ君か。…気分を害したら悪いが、若いんだな」

「いえ、事実だから良いですよ。でも、若いと言っても鍛えてますから!」

「そうッスね、中学生にしては大分体付きが良いッスよ」

「確かに、若いのにこれ位鍛えているとロボット乗りとしては良いかもね」

「いや、杏奈、お前も若いの分類だぞ。正直、まだお前を乗せるの反対目だからな」

「もう、ゴオちんはいつになったら認めてくれるの!?」

「まあまあ、貴方が頑張ってるのは皆知ってるから。…ちょっと、ゴオ、話が拗れるじゃない」

「…すまない」

 

 甲児君とボスと共に歩いていると、わいわいと盛り上がっている集団を見つけた。噂のダイヤ君に先に降りていたダンナーベースの皆だった。

「おっ、ミストに兜に弓か、3人共降りて来たか」

「はい、おまたせしました」

「お疲れ様です」

「ああ、順番も近かったからミストを待っていたんだよ」

「そうだったのか、ともかく3人共お疲れ様だ」

 

 挨拶もそこらにして俺達も会話に参加した。

「ダイヤ君だったね、さっきの戦闘はお疲れ様だね。疲れとかは大丈夫かい?」

「はい、お疲れ様です。正直、興奮してて良くわかんないです」

「まあ、始めはそんな物かもな」

「しかし、中学生か、ならばこの俺様の後輩と言う事だな」

「でもボスがダイヤ君とケンカしたらボス負けるかもしれないッスよ」

「今でこれなら将来は凄くなるんでしょうねぇ」

「えっと、先輩?」

「はいはい、ダイヤ君、ボス達の事は気にしなくていいわよ」

 初戦闘という事にダイヤ君の心配をしていると、ボスがいつもの様に絡みに来た。確かにボスとダイヤ君なら流石にボスが勝つのではと思うが、良い勝負が出来る様に感じる。それといつの間にか参加していたヌケとムチャには誰も疑問視して無い様子だ。俺も特別何かを思っていないが。

 

「おっと、まずいな。話混んでいたがそろそろブリッジの方に向かわないとな。ミスト達が聞いていたか解らないが、此処き来る前にブリッジに呼ばれていたんだ」

 時間を確認した猿渡さんがそう言って、注目を集める為手を叩く。

「ああ、そうだった。ダイヤ君達が来たから話ちゃってたんだった」

「それでは急いで向かいましょう。キャプテンは良いかも知れませんが、ローサさんに小言を言われそうだ」

「まずい、急ごうぜ。ミストじゃあ無いが俺もローサさんは怖い」

「情けないぜ兜よお。俺様は全然怖かないぜ!」

「あら、この前ローサさんに叱られて震えていたのは誰だったかしら?」

「さやか、み見てたのかよ!?」

「さっ、ボス達は置いといてダイヤ君も行きましょう」 「あ、はい」

 

――大空魔竜・ブリッジ――

「よし、皆揃ったな。少し予定より遅くなったが始めよう。…先に、先の戦闘、我ら大空魔竜の応援が遅くなった事を此処に詫びる。済まなかった。」

 ブリッジに集まった皆の前でキャプテンは頭を下げる。

「…いえ、キャプテン達にもキャプテン達で用事があった事は此方もわかっています」

「ああ、助けに来て貰ったから責める様な事はねえよ」

「…すまない、いや、ありがとう。…では、本題としてダイヤ君、君も気になっていただろうガイキングと我ら、そしてあの怪物の事だ」

「…!!ああ、教えてくれるのか!?」

 猿渡さんと甲児君の言葉に感謝と共に頭を上げたキャプテンは、少しの間を置いて話始めた。

「ああ、巻き込んでしまった君には聞く権利が有る。まずは、我らは地上の者では無い。」

「地上のって…」

「この地球の中心部には誰も知らない異世界がある。それはダリウスと呼ばれる世界であり、我らはそこから我らの敵を倒す為に来た。その敵とは、先に戦い、過去君が見た怪物であるダリウス軍だ。ダリウス軍はこの地上への侵略を目的としている」

「ダリウス軍、それが父さんの…」

「…そして、対ダリウス軍の旗艦大空魔竜及びガイキングはダリウス軍の侵略を食い止める力となる。君が乗ったガイキングは選ばれた者にしか乗れない。選ばれた君は救世主と呼ばれる存在なのだ」

「俺が救世主…」

「ああ、そうだ。…しかし、私としてはダイヤ君に無理矢理救世主を背負わせる事はしたくない。ダリウス軍が侵略して来ているとはいえ、ダリウスの問題でも有る。すでに、巻き込んでしまったとは言え、今であればまだ君を元の生活に戻して挙げれる。だから、ダイヤ君には選んで欲しい。ダリウス軍は強大だ、それに立ち向かう勇気が君に有るのかどうかを」

「…キャプテン」

「返事はまだだ。君には自分自身の他に、周り人の言葉を聞いてから決めて欲しい。だから返事はまだだ」

 

「…っと、長話の付き合わせてしまったね。これからの事だが、大空魔竜は一度ダンナーベースに戻る。皆はそれまでこの艦で寛いでいてくれ」

 

 

 

――???――

「何、ゼルガイヤーが沈められただと!?どういう事だ、きちんと説明しろ」

「はっ、日本に進行しましたゼルガイヤー1部隊が地上の戦力と戦闘になり、ゼルガイヤー含めプロテクス等が全て撃墜されました」

「事前の情報では地上の戦力ではゼルガイヤーは落とせないはずだ、他に何かあったか!?」

「報告では例の大空魔竜が現れた様です!」

「大空魔竜、いや、奴らだけでは」

『サスページ、やはりゼルガイヤーは落とされたようだな?』

「…!貴様、まさか虚偽の報告をしたのか!?」

『おいおい、俺が嘘をついたって?それこそ嘘って物だぞ?俺が地上の戦力を報告してからいくつの時間がたったと思っている』

「一月程だろうが、それとも短期間で奴らが力をつけたとでも言うつもりか!?」

『まあ、そういう事だな。俺も戦力の向上は予想していたが、これ程とは思わなかったな。』

「いけしゃあしゃあと、これからどうするつもりだ!?」

『そう怒るな、ちゃんと考えている。サスページ、ゾーンに迎え』

「ゾーンだと?」

『元々日本に向ったのは、南西エリア、九州の方面に有る巨大な結界エリア〈ゾーン〉にいる者に接触する為だ』

「…何故だ」

『ダリウス軍の地上進行の助けになるからだ。それに、今回の戦闘で此方も戦力の向上が急務だろうしな』

「…わかった、従おう」

『そうカリカリするな、俺達は協力者だろう?仲良くしようぜ』

「…通信を切れ」

「ハッ!」

「…はぁ、ダリウス大帝は何故あんな奴を」

「サスページ様」

「…ゾーンに向かう、南西だ舵を切れ」

「ハッ!!」

 

 




次も大空魔竜での話です


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第18話 次は九州だ

約1年振の投稿です。色々あって遅れましたすみません。


 

〜大空魔竜・格納庫〜

「おやっさん!マジンガーZとボスボロットの整備終わりました!」

「おう、ご苦労樣。お前ももう休め、大空魔竜はこのまま九州に行くって話だ。しっかりと休んどかないとばてるぞ」

「はい!皆さん、お先しまーす!」

「お疲れ様ー」

 ブリッチでの話し合いから少し経ち、大空魔竜は一度ダンナーベースに降り立った。そこで、ダイヤ君のご家族への説明等がなされた。最初、ダイヤ君のお母さんは良い顔をされなかったが、キャプテンや葵所長の説得に本人の意思に押されて、宿題等をしっかりやり、無事に帰って来る事を条件にダイヤ君は正式に大空魔竜に参加した。そして、ダンナーベースでは、西にあるビルドベースから応援を頼む連絡があった用で、大空魔竜が向かう事となった。このビルドベース、活動は50年前になるそうで、邪馬大王国と呼ばれる侵略者から日本を守った英雄ジーグを生み出した研究所何だとか。現在、九州を覆っている謎の結界(ゾーン)の周りが怪しい動きをしている事で、復活し新生ビルドベースとして動き出したと言う。新生ビルドベース始動についてオーブのアスハ代表がビルドベースに訪問するとの事なので、ビルドベースに着いたら挨拶にいかなければならない。

 とはいえ、それらは着いたらの話で、俺は今ダンナーベースから大空魔竜に出向してきたおやっさん達に捕まって、レヴリアスを含めて機体の整備の手伝いを行っていた。大空魔竜でも俺の地位は低い用で安心した様な、やっぱりと落ち込む様な気持ちだった。そんな複雑な心境の俺は、廊下の先で俺を待っていた甲児君とさやかさんに出会う。

「ようミスト、整備は終わったのか?」

「ごめんなさいね、私達のもやって貰って」

「甲児君にさやかさん、いえ、俺の仕事みたいなとこも有りますんで大丈夫ですよ」

「そうだぜ、ミストはダンナーベースの下っ端だもんな?」

「もう、甲児君ったら!」

「まあまあ、俺もある意味喜んでるんで」

「そうなの?」

「ええ、現金な話ですが。俺、地球に流れついたのでお金が無いんすよね。オーブ軍にいたんで多少は有りますが、まだまだ余裕が無いんですよ」

「あー、元の所の貯金もパーだもんな」

 そうなのだ、元々アトリームにあった俺の貯金は、襲撃と共に宇宙の藻屑になった。それに地球に来てからもそれほど経っておらず、オーブ軍での手当でも心許ないのだった。

「それで、ダンナーベースの下仕事なのね」

「はい、特別手当が出るので」

「貯金なぁ、ボス達にも言ってやろうか?」

「…そうね、ボス達も貯金が心許ないって言っていたわね」

「ボスさん達でも手が増えるなら歓迎ですね」

「やい、兜にさやか!勝手に俺達を労働させようとするじゃねぇ!」

「お、ボスか良いところに来たな」

「まったく良くないだわさ、兜よ〜、俺様がお前の留守の間を守ってやった恩、それを忘れたとは言わせねぇぞ?」

「さやか、何かあったか?」

「え、………ごめんなさい、覚えて無いわ」

「ガーン、兜ならずさやかまでも忘れたのかよ⁉」

「いつの話何ですか?」

「お、聞くか?あれは兜がオーブに行っている時まで遡る───」

「あー、じゃあ遠慮するわ。長そうだしあんまり興味ないから」

「私もあんまり興味ないかも」

「──事にってぇ、ちょ、それはあんまりだぜ。俺様の武勇伝をしっかりと聞きやがれ!」

「ボスさんすみません、俺も聞いて置いてなんですが、興味ないです」

「ミスト、お前もなかなか失礼な奴だな!」

「いやー、仕方ねぇよ。ボスが活躍する話少ないし」

「どういうこった!!」

 言い合いながらも廊下を歩いていた俺達はレヴリアス等が置いてある格納庫の隣の格納庫に着いた。そこには、ダンナーベース組とクラブバンカー等の大空魔竜の艦載機が置いてあった。そして、その格納庫の一角で何やら周囲を囲って鉄也さんやヌケさん達が騒いでいる。

「何だ何だ、楽しそうに騒いでるな」

「ん、ああそうそう、サコン先生がしゅみゅれーたーだっけか。それを作ってダイヤの野郎にやらせるってなって、皆で見てたんだがよ。ピュリアのやつが相手になるって言い出して、鉄也もやりたいって言って、あの騒ぎよ」

「…シミュレーターね。…でも、流石噂に聞くサコン先生ね。あれを作るのって大変のはずよね」

「ああ、データが膨大にいるからな。ダイヤにやらせるってんならあのガイキングだろ?事前にある程度データが有ったろうが、大変なのは変わんねぇな」

「確かに、アトリームにも一応合ったけど、一機制作にも時間がかかるとか」

「まあ、機体もだが、環境データが大変だろうよ」

「おーい、ムチャ、ヌケーどうなってやがる?」

「あ、ボスーダイヤの奴がピュリアの姐さんを押してるぜ」

「ボスも見ましょうよ〜」

「おう、見せろ見せろ〜」

 そう言って、シミュレーターに向かうボスに続いて俺達も向かった。状況は聞いた通りで、ダイヤ君の乗るガイキングがピュリアさんの乗るスティンガーを追いかけていた。

「あ、待て、この!」

「おら、どうした。巨人に選ばれた奴の実力はこんなものか?」

「まだまだ!っと、危な!」

「良く避ける!でも、追撃だぁ!!」

 スティンガーから放たれるデスパーサイトを横に回避するガイキング。が、それを読んだスティンガーから追加のデスパーサイトが直撃した。幸い、ガイキングの装甲で耐えているが、装甲を関通する威力の高い攻撃だったら危ない状況だった。

「くぅっぅ、まだだ、まだ、行けるっ!!」

「良く吠えた!でも、まだ足りねぇ!」

「うわアァぁ!!」

 直撃の硬直で動けないガイキングに、更に追加のデスパーサイトが降り注ぐ。だが、何とか動いたガイキングが盾でそれを防ぐ。が、それが罠だった。ガイキングは盾でスティンガーを見失ったのだ。そして、スティンガーは隙だらけのガイキングの土手っ腹にミサイルを叩き込んだ。ミサイルの一撃で、勝負は決した。

 

「うっし、あたしの勝ちだ!」

「オオオオオ、姉御の勝ちだァァ!」

「オオオオオ!!」

「ゴウちん、あれはどうなったの⁉」

「ああ、…後で教える」

「え、うん」

「ピュリア、見事だったわよ」

「うおぉ、何か燃えて来ました!次は、俺とやりましょう!」

「疲れたから今度な」

「おう、おめっとさん!」

「ガイキング相手に凄いわ」

「へっ、あたしの腕にかかればこんなもんよ!」

「おめでとさん、スッキリしたかい?」

「…まあ、な。でも、違う心配が出来たぞ」

「ま、それはおいおいだな。昨日の今日で人は強くならんからな」

「フン」

 

「がー、負けたー!!」

「フフ、経験の差が出ましたね。ダイヤ君に今足りないのは経験ですかね」

「サコン先生、もっとこれ使って良い?」

「ええ、他の皆さんの機体も順次入れて行きますので、訓練に使用してください」

「よし、えーと、誰かやりませんか⁉」

「おっと、なら俺がするぜ!」

「あなたのガンナーのデータはまだでしょう」

「いえ、ダガーLでもやって見せます!」

「……はぁ、大丈夫かしら」

「あー、性能差は有りますね、はい」

「行きますよ!」

「おう!」

 再び、シミュレーターを起動させる2人、勝負の結果はダガーLが善戦するも、ガイキングのザウルカイザーに足を飛ばされ、ビームライフルでは装甲を貫通する威力は無く、そのまま倒されてしまうのだった。

 

〜???〜

「…フフフ、ついに我等の憎き結界(ゾーン)が崩れ始めておる。…とても長かった、だが、それもすぐに終わる。壱鬼馬、壬魔使、阿磨疎、進行の準備は良いか⁉」

「ハッ、結界の隙間から魔愚羅を行かせ、下調べを行っています」

「しかし、全軍で攻めずでよろしいのでしょうか」

「そうですよ、外の戦力もたかがしれてるでしょう」

「ダメだ、我らが何故これ程足止めをされたと思っておる。憎きジーグの力だ。そして、黒き巨人と金の生命体だ。それに、外は時代が進んだのか見たことの無い兵器も見える。まずは、戦力を把握せねばならん。判りさえすれば、全軍でせめて終いだ」

「おお、素晴らしい!」

「では、まずは魔愚羅で結界(ゾーン)の外周を攻めますぞ!」

「フフフ、ハハハ!!待っていろ、ジーグよ!」

 

 

 



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