秋野志保の非日常な日常2 (シャルル@推理小説大好き)
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秋野志保の非日常な日常2

前回の少し後の時系列となっております。前作のネタバレ注意。未読の方は「秋野志保の非日常な日常」を先に読むことをオススメします。


秋野志保の非日常な日常2(続編)

 

プロローグ

 

「暇だなぁ」

 

また、口にしてしまった。だって暇なんだもん。

 

いや、そりゃまたあんな鬼ごっこされちゃあ困りますよ?あれ夢だったけど。

 

そう、あれは結局ただの夢。普通にクイズして普通に鬼ごっこしたらしい。しかも景品はペア旅行券。ハルはゲームの存在知らなかったらしい。ふーよかった。

 

…多分坂田さんも欲しかったんだろうなぁ。

あの人なんだかんだでモテるし。

いや、私は1人カップル予備軍を潰したんだ。はっはっは。

 

ピロリン☆

 

あ、ハルからLIME来た。

 

ピロリン☆ピロリン☆ピロリン☆

 

うるせぇ。なに?新手の嫌がらせかい?

 

「4人で遊びに行った日さ、学校でゲームあったって?」

「なんで教えてくれなかったの?」

「ねぇ」

おおやばいこれはピンチ。とりあえず既読無視。てか嫌がらせってもはや正解じゃん。なんかくれ。旅行券。

 

ちなみにメール着信音は変えてない。なんか変えたら負けな気がする。

 

さぁて…バイトだ。時計は8時。今日は遅刻してない。

 

してなかった…けどさ。

 

この機械いい加減新しいの買おうよ。いやもうホント。バーコード読まないよ?なんで手で打つのめんどくさい。

 

どうやらハルは電話に切り替えたらしい。さっきから尻ポッケが震えてる。怖いよ。メリーさんかよ。

 

また1人、客が入ってくる。そろそろ上がる時間なんだけどなぁ。

 

…ハルだった。

 

一章 その始まり

 

「ひっどいもう最低わけわかんない!」

 

ハルは怒り心頭。当たり前だ。

とりあえず忘れてたことにしといた。だってあんな夢の話したらバカにされるし。

 

「まぁ仕方ないじゃん。終わったことだし。」

 

「あんたねぇ!私はあなたのためを思って言ってるのよ!」

 

なんなのこのセリフ。やっぱハルはオカン枠だな。オカン枠って何?

 

ハルが怒りの矛を納めるまで、ハルに黙って増援に例の2人を呼んで、来るまで付近の居酒屋で待機。

 

…増援最強だなおい。

 

ハルは酔ってるにもかかわらず、一瞬で増援を捕捉。彼らの元へ素早く移動。やっぱ女ってもんは信じられねぇな兄ちゃん。って私も女か。

 

「とりあえず酔い潰そう」

 

ボソッと男2人が口にした言葉を私は聞き逃さなかった。

 

「あたしはね、ぐすっ、みん、みんなとねっ、りょこっ、旅行にっ、いぎだがったのぉ!」

 

簡単に潰れた(潰された)ハルは、泣きながら私に語りかける。にしても聞き取り辛いな。どこかの県会議員みたいだぞ。

 

「わかったわかった。んじゃあ今度さ、みんなでどっか旅行行こ?」

 

でまかせを言って、ハルを引き剥がす。

 

増援二人に家までハルを送り届けてもらい、私は自らの家へ帰る。

 

piririri…

 

お?坂田さんか。ハルについての苦情かな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

TO 秋野志保

FROM 坂田京

 

とりあえず無事に彼女は家へ送り届けました。

 

ところで旅行の件ですが、いつにしますか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…あれを間に受ける奴がいたとはね。

 

言ってしまったんだからしゃあない。

旅行、行きますか。

 

…坂田さんのおごりで。

 

二章 mauntain or ocean

 

「絶対山!」

 

「えー?私海がいいなー」

 

「「どっちでも構いませんよ?」」

 

こういう時の定番、山か海か討論会だ。

 

ちなみに私は山押し。ハルが海押し。男性陣は行けたらそれでいいんだって。

 

なんで山って?そんなの決まってるじゃん。

この時期、いやこの時期しか海空いてないけどさ、海にはリア充が溢れかえってやがる。あいつら前にして平常心保てる自身ないもん。

あと水着。ハルはスタイルいいから気にしなくてもいいかもしれないけどさ、もーちょい他人のこと考えようね?

 

「やだよ絶対海がいい!冷たくて気持ちいいし山って高山病とかあるじゃん!」

 

あんたどこの山行く気だよ。さすがに標高2000mとかは行かないよ?

 

…彼女が嫌がる理由は分かってる。彼女は体力が壊滅的に無いのだ。

 

そして私は体力なら男子超える。頭もいいし。(自称)おいてかれるのが嫌なんだろう。

 

「じゃあさ、じゃんけんで決めない?」

 

…なん、ですと?じゃんけん?じゃんけんってあの石とハサミと紙とかいうよく考えたらシュールな光景のあれですか?

 

マジか。絶対に海だけは行ってはいけない。海行ったら確実に坂田さんルートは崩壊する。

 

「いいもん!絶対勝つから!」

 

よし言ったな。あぁいうのは勝利宣言した方が負けるって相場が決まってるのよ!

 

「「じゃぁーんけぇーん!」」

 

私は紙。彼女も紙。

 

「へへへ…なかなかやるわね」

どっかの中ボスみたいな事言ってるぞ。

 

「「あぁーいこでぇ!」

 

私は石。彼女は…ハサミ。

 

「いぃよっしゃぁぁ!」

 

やった!坂田さんルートはまだ残ってる!

どっかの梨の妖精並みに飛び跳ねながら、そんな事を考えていたら、坂田さんと目があった。

 

坂田さん引いてる。

 

…あれ?これとっくに坂田さんルート崩壊してない?

 

まぁいいや。リア充は海でキャーキャーやってな。私はそれを遥か上から見下ろしてやるよ。

 

よーし。山と決まればあとは男性陣に任せよう。面倒だし。

 

そんなこんなで、登山確定。ちなみに深夜、キレたハルからスタ爆されたのは別のお話。

 

結局、体力面も考慮して、1000メートル歩かないかくらいの山に決定。

ハルは500でいいとかごねたけどさ、それもう丘だからね?ピクニックだよ。

 

ちなみに移動は大村さんの車。いいなぁ。私は車欲しいけどお金無い。ハルは多分買えるんだろうけど運転が下手そう。

 

とにかく、大村さんともLIMEとアドレスを交換して、連絡を待つことに…

 

待つ必要無かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

TO 秋野志保、大賀内晴

FROM 坂田京

 

行き先決まりました。△△山です。〇〇日でどうでしょう?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

簡潔な文だなぁ。サラリーマンとか向いてそう。

 

そして最後に、集合日時が書いてある。

…来週かよ。早すぎんだろ。このメールのスピードといい日付といい、楽しみにしすぎだろ。小学生か。前日は寝れないタイプ?

 

ま、いいや。そうと決まれば善は急げ。買い出し行ってこよ。

 

三章 結局

 

結局そーなんのね…

 

私、秋野志保は困っている。

 

なぜなら…山にちょっと大きめの川があったのだ。

 

でも、その事実が当日行ってから判明すれば、まだ勝ち目はあった。

 

「あ〜ごっめぇん私ぃ、水着いるなんて知らなかった〜」と言えば終わりである。どっかのキャバ嬢みたいだなこれ。

 

でも、

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

TO 大村亮介、坂田京、秋野志保

FROM 大賀内晴

 

ねぇ!△△山って途中に水遊び可能の川あるんだって!だから水着必須ね!特に志保!あんたの考えはわかってんのよ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

はい詰み。投了。

 

しかもこいつ、私の宛先は一番最後かよ。女の友情って儚いねぇ。てか一斉メールで私に向けて書くな。

 

そんな事考えてる私の聡明な頭に、電球が光った。

 

よっしゃ!まだ詰んでない!ふっふっふ…

 

私の逆転の妙手をみせてやんよ!

 

登山当日

 

みんなで決めた駅に集まり、△△山登山開始。

 

逆転の妙手を持っている私は余裕の表情。

山登りでバテたハルは必死な表情。

ほんと体力ないね。

 

「大丈夫?晴」

 

大村さんがおんぶしてあげる。爆発しろ。

 

てかその手があったか。私も坂田さんに…って坂田さんも結構辛そう。あんた男だろ。

 

まぁカップラーメンばっかりの彼に登山は辛いのかも。だらしないね。

 

なんだかんだで例の川に到着。

 

さぁ!私の逆転の妙手をみせてやる!

 

私の出した答え。それは…

 

水着☆オン☆パーカー。

 

どうよこの作戦は!ボディラインを隠すと同時に水着を着るというミッションも達成!

 

ハルほんとスタイルいいよね。分けろ。

 

ハルは大村さんと水遊び。

私は坂田さんと貸し竿で釣り。もちろん同じ川じゃないよ?怪我するし。私達は釣り堀。

ご飯の調達だぁー。

 

にしても…凄い釣れる。どーしようこれ。4人分どころじゃないよ?

 

とりあえず袋に入れて、お持ち帰り。あとでスタッフが美味しくいただきますよ。

 

いま財政難だし、ちょうどいいや。

 

引き続き、登山。頂上まで、あと半分くらいかな?

 

四章 急展開

 

…寒い。

 

そんなわけ無いと思う?今は8月。しかも海でわーきゃー言ってるリア充どもよりお日さまに近いのだもん。そう思うかもね。

 

確かに、少しで頂上…なのだ。

 

頂上…なんだけどさ。

 

雨降ってんのよね。いやもう豪雨級。家いたら学校休みだーって小中学生が踊り狂うレベル。残念ながら私にゃバイトがあるんだよ。

 

てかこれ大丈夫?とりあえず岩穴潜り込んだけどさ。

 

ところでなんで映画や小説ってうまい具合に洞窟とか逃げ道あるんだろうね。

 

いやいや…これは現実。逃げるな私。

 

「まずいですね…携帯は圏外、下山はおそらく不可能でしょう。」

 

木に座って坂田さんが言う。まぁそうだろうね。

 

「え?なんで?降りるだけでも降りてみようよ!ほら、登る時こんな穴いっぱいあったし!」

 

はっはっは。ハルはわかってないね。なんで下山が無理かっていうと…「あのですね、晴さん、確かに途中までは帰れるでしょう。ですが、あの川は確実に氾濫、さらにこの雨では1メートル先を見るのがやっと。岩穴が見つけられるかはわかりません。」

 

おいこのやろう。人のセリフ横取りすんなよ。

 

「秋野さん?」

 

お、大村さんしゃべった。

 

「何?」

 

「魚…」

 

魚って何だよ。私は哺乳類だぞ。アイアムアヒューマン。

 

「魚釣りの魚焼きませんか?」

 

大村さんはいいながらマッチを取り出す。なんでそんなもんあるんだよ。放火でもするのか?

 

「僕喫煙者なんで」

 

おぉ。そういえば私達が19だから2人は20なんだね。え?なんで19で酒飲んでるかって?たまにだから許して☆

 

はいすみません。未成年飲酒ダメ絶対。

 

ともかく、魚食おう。

 

そこらの木を集め、私の魚を焼く。

 

あぁ、私の明日のご飯が…って言ってる場合じゃないね。

 

湿ってるから火がつかない。雨降ってるからね。あ、でも生はやだよ。寄生虫いるかも。

 

にしてもこれホントおいしい。自分で釣ったからかな?

 

「ごちそうさまでした」

 

みんなで声揃えて言う。なんか打ち上げ見たい。山の洞穴の中だけど。

 

「寒い…」

 

晴が声を上げる。寒いですねぇ。

 

「あ、僕のどうぞ」

 

大村さん、自分の上着をハルに。ベタなドラマか。羨ましいぞ。

 

「うぅ…寒いよね」

 

私も言ってみる。坂田さんチラ見しながら。

 

坂田さんはなんかブツブツ言ってる。脱出方法かな?てか上着ちょうだいよ。

 

仕方ないから例のパーカーを取り出し、装備。

 

しほはぼうぎょが1上がった!さむさにすこしつよくなった!

 

…でも寒い。心が。

 

五章 奇跡的な生還

 

「…今の状況を整理して考えたんですが」

 

坂田さんが口を開く。

 

「僕の座ってる木、動かせるんです」

 

つまり?

 

「これでソリとか作って降りる!って言うのは…」

 

「無理でしょ」

 

あ、声出ちゃった。

 

「外は雨降ってるんだよ?」

 

「いえ、でもかなり弱まってきましたし…」

 

「弱まってても下はぬかるんでる。舵効かないよ。それに、この山、登山道以外は木々が生えまくってる。絶対事故るよ」

 

「あとさ、それ結構大きいのにさ、そんな簡単に動くってことは結構脆いよ?外の木は結構固いよ?たぶん」

 

「そうですか…」

 

なんか否定ばっかでごめん。

 

ふぅ…また寒くなってきたし。

 

…あれ?寝てた?てか冷たっ!足冷えるっ!

 

「…水?」

 

水だ。てか雨だ。入ってきたんだ。

 

「あ、起きた?」

 

晴が肩を叩く。

 

「なんかね、角度的にこっちに外の雨がちょっとずつ流れてくるみたい」

 

「でさ、隣にもう一つの洞穴があるんだけどさ…」

 

…まじかぁー。

 

「別によくない?これ以上外の雨当たったら体温奪われるんだけど」

 

てか動きたくない。ものぐさ志保です。

 

「そっかぁー…それもそうだね。」

 

よしok。残ろう。

 

うー…暇だ。

 

呑気だって?暇なもんはしゃあないじゃん。

あぁー暇だ暇…

 

突如、地が揺れた。地震?そんなんじゃない。

 

これはまさか…ひょっとすると…

 

「地滑りです!」

 

ですよねぇ!

 

しかもこれ、私達の岩穴も一緒に落ちてない?ねぇ!

 

不意に、岩穴の入り口が緑に染まった。

 

ていうか樹木だ。私の方に突っ込んでくる。

 

「志保っ!」

 

坂田さんの声と同時に、強い力で横に弾き飛ばされ、私は気を失った。

 

「…ほ!志保っ!」

 

誰か呼んでる?ありゃー閻魔様かな?私はまともな人生送ってきましたよ?天国確定。

 

「志保っ!」

 

水が掛かる。

 

あれ?水?慌てて跳ね起きる

 

…跳ね起きる?

 

「よかったぁぁぁぁ!」

 

ハルが私に抱きつく…ってもはや体当たりじゃん。

 

はるのたいあたり!しほはたおれた!

 

「生きてたぁ!よかったぁぁ!」

 

よかったよー…

 

ハルが泣いてる。そーいや地滑りしたんだっけ?

 

そうか。そのまま下まで降りてきたんだ。

 

向こうに救急車みえる。でもみんな怪我してなさそうだね。お勤めご苦労様です。

 

「…って坂田さんは!?」

 

そうだ、坂田さん!

 

あの時私を突き飛ばして…そのあと?

 

慌てて辺りを見回す。どこにも見当たらない。

 

最悪の想像が脳に現れる。

 

嘘、夢であってくれ。あの時の大学みたいに!

 

「あ、起きたんですね」

 

探した声が聞こえる。

 

トイレの方から坂田さんが歩いてくる。

 

「あー?志保泣いてるー」

 

ハルがからかう。

 

あたりまえだろ。てかあんただって泣いてたじゃん。

 

「んと…僕は秋野さんを突き飛ばして、代わりに木にぶつかったんですよ」

 

何故無傷?てつのよろい装備してたとか?

 

「でもほら木って、葉っぱの生い茂ってるところはフカフカじゃないですか」

 

あー。なるほどね。

 

「そこがクッションになって、押し潰されずに済んだんだ」

 

「そうゆう事です」

 

よかった…ほんとよかった…

 

そうつぶやきながら、私はまた眠りに落ちた。

 

後日

 

「いやーもうほんと生きて帰って来れてよかった!」

 

私はテンションMAX。

 

私たちが今どこかというと…例の居酒屋。

 

あ、君たちは未成年飲酒しちゃダメだぞ?

 

「ほんと!一時はどうなるかと!」

 

ハルも高テンション。

 

「木が突っ込んで来た時はほんと怖かったです」

 

「でもいい経験になったんじゃないですか?」

 

男2人はいつも通り。でも顔赤いし酔ってないわけではなさそう。

 

「あ、僕そろそろ終電来るんで帰ります」

 

坂田さんが時計見て言う。

 

「あ!じゃあ私も!」

 

「またね!」

 

二人で帰途に。

 

「うぅ…夜の繁華街って寒い…」

 

なんとなく呟いたら、上着が被さってきた。

 

「…どうぞ」

 

坂田さん顔真っ赤。かわいい。

 

「ありがと」

 

でもたぶん私も人の事言ってられない。

 

「…あの日のMVPはやはり秋野さんですね」

 

「ほぇ?なんで?」

 

「途中で、洞穴を移ろうという話になった時、そのままがいいって言ったじゃないですか」

 

「あー、言ったかな?」

 

「言いました」

 

「実はもしあの隣の洞穴に移動してたら、どうなったと思います?」

 

あー…そういう事ね

 

「取り残されてたんでしょ?でもそんなのたまたま…」

 

「違います」

 

「…崩れたんです。地滑りの拍子に」

 

おぉ….マジか…

 

「だから…秋野さんには感謝してます」

 

ほぉ…ならばこれを利用しない手は無い。

 

「じゃあさ…お願い聞いてくれる?」

 

「なるべく安いのでお願いしますよ」

 

私のお願い=物買えじゃないんだよ。

 

うーん。口に出すの照れ臭いな。ま、いいや。

 

「私の事、名前で呼んで?あの時みたいに」

 

あの時は、名前で呼んでくれた。

もう一度だけでいい。落ち着いて聴きたい。

 

「…志保」

 

エピローグ

 

…私は一体考えてんだ。

 

ハルに勧められた携帯小説作り。

 

坂田さんからメールが来たのをネタにこんなものを作ってしまった。

 

うわぁ…これは私の黒歴史だな…

 

制作時間はおよそ2時間。私ってやっぱり天才だったのか?

 

ってメール返さないと。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

TO 坂田 京

FROM 秋野 志保

 

いいけど…絶対山ね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…私ってバカなのかな?

 

まぁいいや。あれは私の小説の中の出来事。ほんとにあるわけじゃない。

 

でも…

 

名前で呼ばれてみたい。

 

僅かな可能性に賭けてでも。

 

ふーっと深呼吸。

 

「えいっ」

 

「メールを送信しました」の文字が出るまで、やけに長く感じた。

 

…さて、パーカー買いに行くか。

 

END




さて、これで彼ら彼女らの話は一旦完結となります。
ところで、作者は飽き性です。もう一度言います。飽き性です。
なので他作品をいつ書くかは未定です。タグに「シャルル」って付けとくのであ、これだなと思ったヤツ見ていただけると光栄です。


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