色々残念な高校一年生が幻想郷入りしているが大丈夫なのか? (優楽)
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俺の運命の選択は間違ってるのだろうか
俺、松浦 優陽は"ボッチ"である。
だが別に、ボッチであることが、嫌な訳ではない。他人に気を使わなくて済むし、何より人間関係で問題になることがない。
LINEや金の貸し借りでの問題は、どこでも同じ事だろうが、俺には全く持って関係ない。
だが、俺がボッチになったのは、自分からなった訳ではなく、勝手にボッチにさせられたのだ。そのボッチさせられた理由が
『見た目がキモいから』である。
『これは酷い』なんて思う奴や、『な訳ねぇだろw』なんて思う奴もいるだろうがこれが現実だ。
とある小説に書いてあった。『青春とは嘘であり、悪である』正にその通りだと思った。
そしてボッチになっていった俺はそれでも高校という名の監獄に通い続けた。学費がもったいないから。高校を卒業したという、学歴が欲しいから。行っているだけで、Mとかそんなんじゃない。
しかし、俺は超が付く程のバカだったから、勉強についていけず成績はもはや目を当てられない状態だった。
だが、友達のいない俺には、勉強を教えてくれる奴もいないので、どうする事もできなかった。
進級も諦め初めていた5月の土曜日に、俺はある女性に話かけられた。
「ねぇ、そこの坊や、少しいいかしら?」
(道にでも迷ったから、道を聞きたいのか?なら俺じゃなくて、スマホで調べろよ...)
「まぁいいッスよ」
女性は名を『八雲 紫』と名乗った。
紫はセミロングの金髪に、薄い紫色フリルのワンピースを着ていて、正に美しい女性だった。
だが別に俺は紫を美しいとは思ったが、恋愛感情は持たなかった。
紫は俺に興味があるといい、なかば強制的にカフェへと連れていかれた。
カフェで二人用の席に、向かい合って座り、俺はミルクティーを紫はコーヒーを頼んだ。
両方の飲み物が届いてから、俺から先に切り出した。
「んで、なんか俺に用があったんじゃ、ないんッスか?」
俺はめんどくさそうに質問した。
「最初に言ったはずよ?興味があるって」
紫は楽しそうに答えた。
なにこの人、俺ガ●ルの姉のんみたいな、感じがするよ。腹の底が全く見えん…
「なら参考までに俺のどこに興味を持ったんですかね?正直、俺にはあなたが、興味を持つようなところは、ないと思うんですけどねぇ...」
すると紫は、あたかもこの質問が来るのを、待っていたかの様に微笑んだ。
その時俺は、背筋が凍る程に、恐怖した。なぜなら紫の微笑みが、言うなれば"黒い微笑み"だったからだ。
本当になに考えてんだこの人...
「貴方、私がなにを考えてるか、わからないって、そう思ってるんでしょ?」クスクス
「!?いや、そんなは事ないッスよ...」
どうしてだ?なぜバレたんだ?顔には出ないようにしたはずなのに...
「貴方の考えてる事が、どうして分かったか、説明するために、ある面白い世界についてお話しましょうか」ニコッ
なに?なんで?凄く聞きたくないんだけど...嫌な予感しかしないよ?麻薬の手口か何かにそっくりだよ?
「まぁまぁ、そんなに嫌がらないで頂戴、話をまずは、聞いてくれないかしら?それと麻薬とかは、関係ないからね」
また心読まれちゃったよ...
「んで、その面白い世界ってのは何ですか?」ムスッ
心を読まれた事に、少しムッと来たので、今回は隠さずに、表に出した。
「じゃあ話すわね、質問があったら話を止めてくれて構わないから」
「わかりました、じゃあ早速質問ですが、その世界は、この世にあるんですか?」
なんとなく本当になんとなくだが聞いてみた。
「う~ん言うなれば、あると言えば、ある、が、ないと言えば、ないそんな感じよ」
チョットナニイッテルカワカラナイデスネーなにその心理学的なセリフ
「じゃあまずその世界と成り立ちについて話すわね」
「世界の名は"幻想郷"こちらの世界の、常識が通用しない世界」
「幻想...狂、なんだか危なそうとこッスね」
「優陽、頭の中の漢字変換が、おかしくなってるわよ。まぁ危ないのは否定しないけれどね」
危ないのは否定しないのかよ...
「幻想郷には、種族があるの」
種族?なにそのRPG的なものは...
「それって、サラマンダーとかシルフとか?」
「それをすべてまとめると?」
まとめると...妖精だよな...いや妖精とは限らない気も...
「そう、妖精よ」
ま~た心を読まれちゃったよ。なんでさ?俺そんなに分かりやすいの?
「後は私達妖怪と、あなた達人間の三種族あるわ」
ふぁ!?今なんつった?私達妖怪?YOUKAI?
「!?なに、俺喰われるの?」
まぁ、この先真っ暗な俺には関係ないけどな。妖怪に喰われて死ぬか?飢え死にするか?の2択と変わらんしな。
「別に私は、あなたを食べるつもりはないわよ」
これじゃあ、話が見えないままだ...やるか気が乗らないけど...
「ならいいんだが...はぁ、もういいや」
「何がもういいのかしら?」
「率直に聞く。俺にこの話をして、紫さんはどうしたいんですか?」
この八雲 紫と名乗る、妖怪の考えを知る事は、かなり重要な事だと思う。
「なるほど、妖怪とわかったら、信頼出来なくなったわけね。」
「いやそんな幼稚な事思ってないよ。ただ...」
「ただ?」
紫はまるで、どこぞの指揮官の様に、両手を組んでその上に顎をのせて、話を聞く体制をとっている。エ●ァの碇(父)を思い出した。グラサンないけど...そして、キャラを作る事を、やめる事にした。
「あんたは俺に、幻想郷の話をして、さらに自分が、妖怪である事も明かした。それは自分にも利益があるから話したんじゃないのか?」
そうでなければ、『自分が妖怪だ』なんて、明かすはずがない。当たり前な予想だが...
「そう考えると、まぁ単なる予想だが、あんたは俺を、幻想郷に連れていって、何かを、するつもりでいる。当たりか?」
すると紫は
「アハハハハハハハハハハハwwwwwww」
笑った。そりゃあもう盛大に。
「アハハハはぁ~お腹いたい。しかしさすがね、良くわかったじゃないの。自分で、バカなんて言ってるわりには、多少のヒントで良く解けたじゃない」
「!?」ドキッ
あの紫さん?そんな可愛らしい微笑み、向けないで。ドキッとしちゃったじゃん。そして、なんで俺がバカだと、知ってるんだよ
「こんな能力、学校じゃ評価されないしな」
「フフッ私そういう勘の良い子好きよ」
待て、まて、マテ、MATE、好きとか勘違いしちゃうよ?今まで、勘違いして、色々な事で自爆してきただろ。
単なる冗談だよな、ジョークだよジョークうん。そうだあれは単なるジョークだよ。ならやり返してみるか
「俺も紫さんみたいに相手に心を読ませないその性格好きですよ」キリッ
ちょっと、キメ顔で言ってみた。まぁキメ顔しても、見た目はお気の毒だけどね...
さてさて紫さんの反応は...
「なっ////」ボンッ
あっ顔が真っ赤になったこういうジョークに耐性ないみたいだな
「なっなにいっ言ってるのよ!いっいきなり////」カアアァァ
なんかスッゴいあたふたしてるw人がキョドってる見るのって面白いなw
「そっそれで話を戻すわよ」
あぁ~もう落ち着いちゃったよ。もうちょっと見てたかったな...
「コホンッそれで、さっき優陽の言った事は、正しいわ」
俺が言った事ってなんだっけ?...あぁ俺を幻想郷に連れていってなんかするってやつか
「なら質問だが、俺は幻想郷に、どのくらいの期間居る事になるんだ?ちなみに、こっちの世界の時間で?」
つか幻想郷とこっちの世界の時間の流れって違ってるのかそれとも同じなのか?
「なに言ってるの?」
「はぁ!?いやだから幻想郷に、何時間、又は何日、居るのか質問してるんだが...」
なんだろこの嫌な感じめんどくさいことになりそう...
「答えはとても簡単だけれどそれなりに覚悟が必要になるけどそれでも聞く?」
ビンゴ、やっぱりそうなるのね...予想は『死ぬまで』とか『永遠に』とかそんな感じなんだろうな...
「どうせ『死ぬまで』とか『永遠に』とかそんな感じだろ」
「あら、以外と察しが良いのねその通りあなたが死ぬまで幻想郷で生活して...死んでもらうわ...」
言い終えた紫は少し悲しそうな目をした。
「まぁこの先真っ暗な俺には、安定した生活ができるのであれば、むしろこっちよりも、生きやすいかもな」
自虐のつもりで答えたのだが
「ほんと!?」
身を乗り出して俺の手を掴んだ。
待って!そんなに嬉しそうにしないで、可愛すぎて、告白してフラレちゃうよ?フラレるのは、当たり前、当たり前。
「そ・の・か・わ・り、安定した生活が出来るのであれば、だかな。」
「それなら私がなんとかするわ」
「そんな事できんのか?」
「これでも幻想郷を作ったのは私よ?それなりに顔が聞くわ」
マジで?MJD?紫が幻想郷を作った!?
「なに、ここまできて作り話でしたってオチか!?」
「違うわよ、本当に私が作ったの。信じてないでしょ」
いやぁ~妖怪ってスゲェのな。つか紫って歳いくつだよ...もしかして紫が俺の心を読めるのって長生きしてるからか?
「なぁ紫」
「何かしら、ちなみに歳は聞かれても答えないわよ」まぁさすがに読まれてたか...でも
「妖怪って何歳になったら死ぬんだ?」
「さぁ?わからないわ、でも最高で...」
紫はそこで一端言葉を区切る
「不老不死の人間が数人いるわ」
ん?人間?しかも数人?...ダダダダダダニィ!?
「人間!?妖怪じゃなくて!?」
「そう人間、吸血鬼の眷属になった者や不老不死の薬を口にした者色々いるわ」
「マジ...かよ...」
おいおい本当に何でもアリだな
「じゃあ何で俺の考えてる事がわかったんだ?」
「それは私の能力よ」
能力?なんだよそれ、またしてもRPGみたいな単語が出てきたぞ?
「幻想郷には程度の能力というモノがあるの」
「程度の能力...」
「ある者は魔法を使う程度の能力又ある者はありとあらゆる物を破壊する程度の能力」
おい待て一つ洒落にならんのがあるぞ
「ちなみに私は境界を操る程度の能力」
「おい待て、もはや程度じゃすまないだろ。その能力」
「大丈夫よあなたもいずれ手に入れるんだから。後は能力が開花するのが遅いか早いかの問題ね」
「なに?そうなの?」
「ちなみにネタばらしをすると私があなたの考えを読めたのも能力おかげよ原理は難しいからまたいつか話してあげるわ」
「成る程...了解」
「幻想郷に行くときは私の能力を利用して行くからね」
幻想郷なんか楽しそうだな...
「では問うわ。松浦 優陽あなたは"幻想郷"に来てくれるのかしら?グダグダになって、『やっぱり行かない』なんて事は嫌なのよ」
成る程...まぁ心は決まってるんだがな...
「わかった、行くよ幻想郷に」
この選択が俺の運命を大きく変え数多くの友人ができる事を今の俺は知るよしもない
初めまして、優楽と申すものです。
初めて小説投稿させていただきます。よろしくお願いします。
不定期投稿に、させていただくので暇な時に読む程度でよろしくお願いいたします
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俺は幻想郷と言う名の理想郷にたどり着いた
色々と大変な事がありまして書ける時間があまりにも少なかったためここまで遅くなってしました
ホントに申しわけないです
幻想郷に行く事を、決めたのは良いが...向こうでの生活とかどうすんだろ?スマホ使えんのかな?
「なぁ紫、俺は幻想郷に行ったらどこで生活するんだ?後スマホ持ってっても大丈夫か?」
「住む場所は、あなたの好きにして、構わないわ。私の気分が乗ればあなたの願いを、聞いてあげるかも知れないわね。」
気分が乗ればなのか...まぁだと思ったけど
「それなら景色の綺麗なとこが良いな」
都会みたいに、人がいるところは、もうこりごりだ。
「わかったわ気が乗ったらそこにおろしてあげる」
「だからって谷とかに落とすなよ?」
なんとな~く、この人殺りそうで怖い、そんな事されたらマジで、人間不信になるな
「まさか!そんな事しないわよ。こちらから招いているのに」
今、心底安心している俺ガイル。マジこの人なにやるかわからん
「後スマホ?だったかしら、それは持って行くのは、構わないけど、他の人にここの世界の、話をしない事」
まぁいいかどうせ話しても信じちゃもらえないだろうしな
「そういや紫、出発はいつだ?」
「そこはあなたに任せるけど、そのかわり幻想郷の話は...」
「わかってるって。でも俺、紫と連絡が取れないけど、どうすんの?」
「大丈夫よ、あなたの事は、常に監視してるから。幻想郷の話をしてないか、確認のためにね」
「なに?常に監視されんの、俺?」
マジかよ...人に生活見られるとか、ストレス溜まるわ
「監視とは名ばかりよ。幻想郷の事を言ってないか、確認するだけよ」
「俺が幻想郷から戻ってくる事はできないよな」
「ええ」
って事はもう家族とか友達に会えないのか...友達いないけど...
「そっか...なら幻想郷には明日、出発する。時間にすると、9時半な」
「あら?ずいぶん早く決めたわね」
「だって、こっちの世界に用事ねぇもん。」
「そうならいいのだけど、こちらの世界で人がいなくなったら大事になるからどうしましょうか?」
「それなら俺に、良い考えがある」
──────翌日──────
私、白石 黎美は恋をしている。
私の好きな人は、多分私の気持ちに、気づいてない...多分
私と彼は小学校1年生の時から中学校3年生までの9年間それなりの"友達"だったと思う。でも私はもう"友達"の関係は嫌だ。
彼、松浦 優陽の特別な人、彼女になりたいと思うようになった。
(今日は土曜日だから会えるかな...)
「優陽に会いたいな...」ボソッ
そう独り言を言った。
つもりだった。
「お前が俺を優陽と呼ぶなんてな。驚いた」
私は、優陽の事を考え過ぎて、すぐ後ろに想い人がいることに、気づかなかった。というよりもさっきの聞かれてた!!
「よっす」
優陽は昔のように挨拶をするが、私はそれどころではない。顔が赤くなってるのが、自分でもわかる。
「ん?顔赤いぞ?大丈夫か?」ピトッ
バカ〜今おでこ触んないでよ!恥ずかしいじゃん///
「熱はねぇみたいだな」
「だっ大丈夫だから!気にしないで///」
会えて嬉しいのに恥ずかしくて顔見れないよ///
「そっそれよりさ、松浦はこれからどこか行くの?」
半ば強引に話を逸らした
「なんだ、もう優陽って呼んでくれねぇんだ」ハァ…
なんて言いながら、顔はイタズラする子供の様な、笑顔をしている
多分、私はこんな子供っぽい笑顔に、惹かれたのかな...なんて思う
「それより、あなたは「優陽」...松浦「優陽だって」......ゆっ優陽はどっか行くにょ?」///
すると優陽は、少し子供っぽさの残る笑顔で「東武練馬」と答えた
それより最後噛んじゃったよ恥ずかしい///
「じゃあ、向かう場所は同じだね」///
やった、優陽と少しでも一緒にいられる
「んじゃあ行くか」
そう言って優陽はさりげなく私の手を握って歩き出す
─────紫side─────
彼が幻想郷の事を話さないか監視してたら、わかりやすいくらい彼の事を好いている子がいた
しかしなんで彼はそれに気付かないのかしらね?自分はボッチなんて言っていたけどそんな事ないじゃないの...鈍感過ぎじゃないかしら?でもちょっと困ったわね...
彼の計画した作戦を行うとすると彼女には残酷過ぎる
どうしましょう......ん?別に彼1人じゃなくてもいいんじゃないの?
そうよね!?さっすがゆかりんあったま良い〜
彼の反応が楽しみね♪
─────優陽side─────
困ったな...まさか黎美に会うとは...めんどくせぇ事になったなぁ...紫はどうするんだろ
まぁいいか丸投げで...触らぬ神に祟りなしって言うしね
しかしめちゃくちゃ恥ずかしいよぉ〜もうお家に帰ってオフトゥンにこもって発狂したいよ...やっぱりオフトゥンには魔物が住んでるよね絶対!冬とかオフトゥンから出たくないもんなんならオフトゥンと結婚したいまである...気持ち悪いねわかってる
まぁいいやめんどいから考える事を放棄しよう...
さてさてホームに着きましたが作戦開始はまだかな...計画立てたの俺だからどのタイミングとか知ってるんだけどねwww
マモナクニバンセンニキュウコウガツウカイタシマスキイロイセンノ──
おっと作戦開始の合図だ...それじゃ始めますかね
快速電車が近づいてくる、運良く人は少ない
俺と黎美は黄色い線の上に立っている
電車が自分達の側まで来た時、後から強い衝撃が襲ったつまり誰かが突き飛ばしたのだ
察しの良い人ならもうわかってる事だろう、そうです突き飛ばしたのは紫です
そんな事をすれば間違いなく快速電車の迫って来てる線路に落ちるわけで電車が目の前まで来ている、その直後”軽い”衝撃が襲った
さて見事なほど作戦は上手くいったな、我ながら即席で作った作戦だからグダると思っていたがそんな事がなかった事にホッとする
今俺の回りには無数の目玉らしき模様がそこらじゅうにある、ここは紫の能力である”境界を操る程度の能力”で作り出したスキマの世界らしい、本人がそういうのだから信じるしかないよね?てかもう程度じゃないと思うだが、普通に凄いよな、これで程度とかこれより凄い能力とかあるのかよ...っべーわ...気持ち悪いねやめるわ
そんなアホみたいな事を考えていると1つだけ作戦と違う部分にすぐに気がつく
俺の隣には黎美がいるのだ
アイエエエ\( 'ω')/ナンデェェって的な気分、ホントになんでコイツがいるの?驚いて2度見しちゃったよ
「あら大丈夫だったかしら」
そんな事を考えてると紫さんが出てくる、つーか俺考え過ぎじゃね?
「つか紫さんなんでコイツが居るんッスか?計画外なんですが...」
「だって面白かっ...面白そうだったから」
ゲスいゲスいよ紫さん、しかも言い直したよ絶対面白かったからって言おうとしたよね!?多分俺の反応見て楽しんでたよね!?
「んでコイツはどうするんですか余りにも想定外なのですが...」
「一緒に幻想郷に連れていくわ、面白そうだもの」
デスヨネーわかってた、優陽はお荷物1を手にいれた、今すぐ捨てたい
「うっう〜ん」
どうやらお荷物が目を覚ましたらしい...耳塞いどこ
「ひにゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
なんで耳塞いでるのに頭に響くくらいバカデカい声出してんだよ、つかなんだよ「ひにゃぁぁぁぁぁ」ってそして何よりうるせぇよ!!
「うるせぇよバカ野郎」
思わずツッコンじゃったよ、まぁしゃーないよね?
「優陽!?ここどこ!?私達駅に!?電車に!?ねぇ優陽なんで!?」
コイツ驚き過ぎて俺の事を優陽って普通に呼んでるししかも気づいてねぇ
「とりあえず説明してやるから落ち着け」
というわけで黎美に幻想郷に行く事などを説明したしっかり説明しろぉ?そんなの前回の話数で説明したから割愛だわ!おぉメタイメタイ
「ってわけだオケ?」
「わかったけど...もうお母さん達に会えなくなっちゃうんだ...」
そう言うとうつむいてしまう、まぁこれが普通だよな...
「でも、私頑張る」
そう言うと顔を上げ覚悟を決めたという目をしていた
とりあえず大丈夫そうだな
「それじゃあいいかしら?」
紫が聞いてくる
「はい!もう大丈夫です!紫さん」
黎美は答えるが笑顔が無理をしてるよりはこれからの世界を楽しみにしてるように見えた、コイツスゲェな...あんなショッキングな事をカミングアウトされたのに現状を楽しんでやがる
「それじゃあ優陽との約束でも叶えてあげましょうかね」
「約束って景色の良いとこって奴か?」
「そう、あなた達はこれから妖怪の山で生活してもらう事になるわいいわね?」
「俺は別に問題ないがコイツはどうすんだよ?」
同じ所はマズくないか色々と
「私も大丈夫です!問題ないです」
お前なんで言い方がイー●ックみたいになってるの?あれ声優見たら三木●一郎さんだって知って驚いてたわっとそれどころじゃねぇな
「黎美お前俺と同じ所で生活するんだぞ?良いのか?」
「うん!大丈夫だよ?」
なんだろ超心配まぁいいか
「んじゃあ紫さんお願いします」
「それじゃあ優陽達を妖怪の山の入口に連れていくからそこで門番をしてる椛って白狼にこの手紙を見してちょうだい」
そう言って俺に茶封筒を渡す
「了解ッス」
「でも白狼って人じゃないんじゃ...襲って来たりとかしないですか?」
黎美は少し怯えながら聞く
「問題ないわ白狼と言っても見た目は人間だしわかりやすく言うなら獣耳っ娘かしら?」
あっ(察し)ってなる俺等だった
「それじゃあ行ってらっしゃい」
「うっす」
「はいいってきます」
そして目の前が光に包まれたあまりの眩しさに目を閉じてわずか3秒ほど目をふたたび開けると
「すっげぇ...」
目の前には大きな山があった
「あなた達何者ですか?」
後から聞きなれない女の子の声が聞こえた多分その声の主が先ほど紫の言っていた白狼なのだろう
振り返って見るとまさに獣耳っ娘が立っていた
「あなたが妖怪の山の門番の白狼で違いないか?八雲
紫から手紙を預かっている」
さてこれからどうなることやら
この白狼との出会いはこれから先どう影響するのやら...
今回やっと幻想郷入りしましたがタイトル詐欺感じしかしないです
そして新キャラ登場(多分東方分かる人はわかりますよね)
次回はオリキャラを出そうと思ってますのでお楽しみに多分また投稿が空いてしまうと思いますがよろしくお願いします
色々残念な(以下略)略して色入りですがこれからもどうぞよろしくお願いします
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孫は亡き祖父の偉大さを知りプレッシャーがヤバい
俺達は幻想郷の妖怪の山の前にいる訳だが
まぁそんな事は置いといて昔話をしようと思う
ほらそこっ!そんな事なら最初から昔話しろよとか早く話を進めろとか言わない!立ち直れなくなるだろうが...んんっ話が逸れたなとりあえず話しておこう俺の母型の祖父の話を
祖父は俺の母親が生まれてから7つ下の弟つまり俺のおじさんが祖母のお腹の中にいる事がわかるちょっと前までの約6年の間行方不明になっていた...らしい
母も余りにも小さかった為覚えていないらしい真実は祖父しか知らないのだが祖父は約6年前に亡くなっているため誰もわからないのだが唯一わかっている事があるこれは俺以外誰も知らないと思う...多分ね?
祖父は俺に思い出話を聞かせてくれた事があるのだがその話がまた嘘っぽい話だったのである
小さな狼の女の子と天狗の女の子を助け懐かれていたという話なのだが狼の女の子?天狗の女の子?と首傾げていた事を覚えている
という昔話なのだがなんともつまらないのかも知れないが俺はその話をふと思い出したのだ何故なのかはわからないけどな
さて今は妖怪の山の門番である白狼にゆっかりーんからの手紙を渡した所なんだけど...
自己紹介するタイミングがない、あの白狼の子の名前も聞いてないし...どーすっかな俺は”ボッチエンペラー”だから見ず知らずの他人とお話出来るほどの会話スキルねぇよFa●eでいうならE--くらいあるんじゃねぇの?なにそれもはや顔見知りでも喋れないじゃね?
ここは頼むぞ!黎美お前のリア充スキルを見せてやれ!お前だけが頼りだ!!
「ねぇお名前聞いてもいい?かな?」
さすがの黎美もちょっと話ずらそうだなまぁ相手は白狼って事もあって少し警戒してるみてぇだな
「これは失礼した私は犬走 椛と申します気軽に椛とお呼び下さい」
すげぇ礼儀正しい子だな...しかし狼なのに苗字が犬走という事にリアクションし辛い...まぁここは流そう
「私は白石 黎美だよ!よろしくね椛ちゃん♪」
さすがリア充のトップカーストもう名前呼びかよ俺にはレベル高すぎて無理だわ〜
「はいよろしくお願いします黎美さん♪」
もう仲良くなってるよマジですげぇなトップカースト会ってからまだ1分くらいしか経ってないのに...そして俺空気だ...いつもの事だったわ
では俺は必要最低限で済ませるかな
「俺は松浦 優陽だ、よろしく」
よしいつも通り必要最低限で済ませたよくやったぞ俺
「はいよろしくお願いします優陽さん♪」
「あぁよろしくな」
やったね優陽会話数が少ないよ!!本当に少ねぇな黎美のやつは犬走と談笑して談笑して談笑してるけど俺は景色を眺めてるだけだからねべっ別に寂しくなんかキモいですねすぐやめますごめんなさい
「少しよろしいですか?」
おっと話があるみたいだな
「手紙には『手紙を届けた2人は今後そこで暮らすからよろしく、あと男の方を彩楓《さやか》に会わせてあげて』との事です」
彩楓って誰だ俺知らないよ?まず幻想郷に来たことないよ?男の方って俺の事だよな
「ねぇ椛ちゃん彩楓さんって?」
「彩楓様はここの主なのですよ」
へぇ〜ここの主って事は俺が代表で顔あわせということか...めんどいな
「とりあえずお2人を大天狗様の所へご案内しますね」
今すっごい事言わなかった?大天狗?だいてんぐ?DA☆I☆TE☆N☆GU?俺が会うのは彩楓さんだよね?
「俺が会うのは彩楓さんだよな?なんで大天狗様?なんかに...」
長ったらしい石階段を登りながら訪ねたしかし本当に長いな軽く10000段くらいあるんじゃねぇの?
「わかりやすく言うと彩楓様と大天狗様は同一人物です私達は大天狗様と呼んでいるだけで本当の名前は彩楓様なんですよ」
なるほど納得したそういう事ねなんだよビビっちまったじゃねぇか
納得したのは良いんだけど黎美バテるの早すぎじゃね!?まだ登り始めてから5分も経ってないぞおい!
「はぁ...はぁ...待って〜椛ちゃ〜ん松浦〜」
っとまぁこんな感じで登りいくと1つの大きな古い日本屋敷が現れた
「ここが私達の暮らす屋敷なりますこの奥に大天狗様もいらっしゃいますよ」
一言だけ言いたい屋敷デカ過ぎ( ‘ω’)ワロエナイしかも山の入口からはこんなデカい屋敷見えなかったよな...つまりここは山の裏側になるみたいだが余りにもデカ過ぎる
「椛ちゃん...ここってどれくらいの人が住んでるの?」
黎美は唖然としながら聞いた
だが俺は思うここに人は住んでいないだろうと...なんでかって?簡単だろ大天狗がいる所に住みたいか普通答えは否である
「いえ人は住んでいません住んでいるの天狗達ですよでも安心して下さい皆優しいので」
それは白狼である犬走だからじゃないのか?人間である俺達は別な気がするんだが
「昔も1人の人間が住んでいましたよでも彼はどうしても行かなきゃいけない場所があるとかでなくなく出ていかれたとか...」
「そうなんだぁ〜それなら大丈夫だね?松浦」
いやいや違うだろ!天狗だとわかって逃げただけなんじゃねぇの?やべぇ超心配だわ...
「ではこちらにどうぞすぐに大天狗様を呼んでまいりますのでしばらくお待ち下さい」
犬走は入口付近の部屋に俺を通したんだが、...ん?俺だけ?と思っていると
「黎美さんはこちらでお茶菓子でも食べて待っていて下さいすぐ戻ってきますから大天狗様と優陽さんがお話してる間私達ももっとお話しましょう♪」
なるほどボッチで待ってればいいんですねわかりましたよ(´・ω・`)と心の中で思いながら待っている訳だがどういう感じで会えばいいんだ?やっぱり正座で待つべきだよな?そんな事を考えていると
「優陽さん」
「はっはいなんでしょう...」
やべぇ死にたいキョドちゃったよキモいよ俺
「あまり緊張しなくても大丈夫ですから楽な姿勢で待っていて下さい」
「そっそうかありがとう」
サンキュー犬走!マジでどんな感じで待てばいいのかわかんなかったから助かった
という訳で胡坐をかいて座る事にした
それからわずか2分程してゆっくりとふすまを開ける音がした
ちなみ部屋の間取りだが畳12じょう程の部屋で庭が見えるというなんともthe昔の部屋と言える感じであるふすまは部屋の両はじに2枚ずつある感じであるちなみ俺は部屋の真ん中ちょい後ろあたりに座っている
うん説明ヘッタクソだねごめんね
さてさて入ってたであろう大天狗様のお顔を拝見させてもらうと驚きで声が出なくなった
若い余りにも若い見た目20代後半くらいの大人しい感じの女性なのだ!しかも無茶苦茶美人!わかりやすくいうならがっこう●らし!の●ぐねぇの髪をピンクからダークブラウンに変えて少し身長を高くした感じ
やばいやばいやばい何がやばいってボッチの俺は美人への対応スキルが皆無なのだ!!
しかしさすがは大天狗と呼ばれているだけはある背中に黒い翼が左右3枚ずつ合計6枚ある
「待たせてしまって済まないな」
「いっいえ!問題ないです!はい」
うおぉぉぉぉぉぉぉぉ恥ずかしいよぉぉぉぉぉぉ
キョドってるし早口だし最後のはい!ってなんだよ!...死にたい
「そうかなら良かったお客人を待たせてはいけないからな」
しかも超礼儀正しいとかこれが俺じゃなかったら告白してフラれてるまである、前にもあったなこんなくだり
「俺じゃない自分は松浦 優陽と言いますお名前をお伺いしてもよろしいですか?」
名乗るならまず自分からお約束は守って名前を聞いた何故なのかは簡単だ苗字がわからないからだよそれともなにか?初めてあった人に彩楓さんと呼べと?無理無理無理無理そんな根性ないわ!
「おや?ちゃんと礼儀正しいのだな男の子だからそういう部分はダメなのかと思ってた」フフッ(﹡ˆᴗˆ﹡)
これが世にいう守りたいこの笑顔ってやつなのか確かに守りたい
「衛深倉彩楓《えみくらさやか》だよろしくな松浦君」
「はいよろしくお願いします!」
やっべ!ぇこんな美しい女性とお話出来てるよ!俺やべぇよ!
「すまないんだが松浦君」
衛深倉さんが真剣な顔をしている...なんだろう真剣な目の中に悲しみがちらほら見え隠れしている風にうかがえたボッチの俺が身に付けた観察眼のおかげである
「何でしょうか衛深倉さん...」
「君の祖父の名前を教えてはくれないか?」
祖父という言葉を聞き理解した、いや理解してしまったのだ────母型の祖父を急に思い出した理由を
「若佐兆吉《わかさちょうきち》と言います」
祖父の話していた話は多分ここでの出来事だったのだろうこれが行方不明の真実なんだと俺なりに理解した
「そうかやはり兆さんの孫だったか...ならば歓迎しようじゃないか、兆さんもここで生活していたんだ」ニコッ
そうか、そういう事かさっき犬走の言っていた『1人の人間が住んでいた』その人間が祖父だったのか
「兆さんは人気者でな幻想郷の大半の者は友達だし幻想郷で兆さんの名を知らぬ者はいないだろう」
マジかよ...幻想郷にどれだけの人がいるか知らねぇけど大半の人が友達とかどんだけリア充ライフ送ってたんだよじいちゃん...
なら俺は知りたい祖父が何をして来たのか、どんな人と友達なのか、そして伝えなければならない祖父の死を
「さて松浦君」
「別に優陽で良いですよ衛深倉さん」
どうせ今後一緒に生活するんだしな堅苦しいのはゴメンだからな
「そうかなら私も彩楓で良いぞ」
目を輝かせながら衛深倉さんは返した
マジかよww俺リア充ライフ突入ですかwww超恥ずかしいですねわかるかな?読者諸君まだ会ってから20分ほどしか経ってないのに名前呼びとか恥ずかしいなんてもんじゃない
なんて考えている間も彩楓さんは目だけで早く呼んで欲しいと訴えてきているやめて!そのキラキラした目で見ないで!可愛過ぎて俺の腐った部分が浄化しちゃう!それ俺の死を表してない?
「じゃっじゃあ彩楓さん」///
うわぁ...ないわーキョドるとかないわー赤面して言っても可愛くねぇし見た目残念なの忘れてないからね?
「うっ」///
なぜか彩楓さんは照れている理由ボッチの俺には到底わからないな
「なっなら私もゆっ優陽」///
あえて言おう、可愛過ぎて言葉に出来ない!やっぱ男がキョドってもキモいけど女がキョドってなんか言うと破壊力抜群だよね、しかも無意識に上目遣いと赤面とか最強コンボだな
そんな可愛い彩楓さんを見ながら天にも登りそうな俺がそこにはいた
「ううっやはり異性に名前を呼ばれるのは恥ずかしいな...」///
恥ずかしいなら言わなきゃ良いのに...
こうして俺は新たな生活場所を提供してもらえた
もしかして紫の奴俺がじいちゃんの孫だって気づいてやがったのか?だから俺をここに連れてきたり、妖怪の山に送ったりしたのか?まぁいいか考えるのめんどくせぇし
しかしこれから俺にはじいちゃんの孫という肩書きが引っ付いてくるのかプレッシャーがやべぇよなんならプレッシャーで地面にめり込むまであるわこのプレッシャーどうすっかな...
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優陽のカオスな幻想郷生活【壱】ウッソだろおい・・・俺が有名人?
優楽の身に色々ありまして書けなかったりメンタル的に書く気力がなかったり別の小説書いてたりしてここまで遅くなってしまいました
許してヒヤシンス
俺が彩楓さんと初対面した日の夜
「・・・・・・皆、食事の前に聞いてほしい!」
まさにこれから食べる直前というタイミングで彩楓さんが座っている天狗達に話しかけた
その時俺と黎美はというと天狗達の座っている部屋の入り口のふすまの前で呼ばれるのをステンバーイしている・・・挨拶って何いえばいいんだ?『若狭兆吉の孫です、よろしくお願いします』ってか?いきなりじいちゃんの肩書きに頼るとかゴミグズですね本当にありがとうございました・・・なんて言おう・・・
「皆に紹介したい者達がいる!これからここで生活する新しい仲間だ!人間だが兆さんの時のように優しく接してやってほしい!」
すると天狗達は少しざわめいたが直ぐに静かになった問題ない様だ・・・優陽超不安!!なんなら喰われるんじゃねぇの?マジ怖ぇよぉ・・・
「2人共入ってきたまえ」
そう彩楓さん合図を貰い俺達は部屋に入る
この時俺がふすまを開け黎美を先に中に入れ、その後俺が中に入りふすまを閉めるという流れだったのだが・・・大丈夫だよね?一応礼儀正しくやったつもりだけど・・・
「2人はここに座ってくれ」
と天狗達約1700人いる中でその全員から見える位置に座るよう促される
説明多くてすまないが天狗達は縦の長さの約100m横の長さ5~70mくらいの部屋に真ん中に通路を作る感じで長テーブル左右に置き向かい合う様に座っているもちのろんで畳に座布団というザ・和風な感じだ
彩楓さんは1人別のテーブルに食事を用意されているがそのちょっと高級そうなテーブルには3人分の食事とテーブルの前に3枚の座布団が用意されている
わかりやすく現状を説明すると部屋に大きな逆T字でひと3~4人通れるほどの通路があり逆T字の空いてる部分にテーブルと座布団、天狗達がいるちなみに彩楓さんのテーブルはT字の横線の上当たりに通路に添わせて置いてある
そして彩楓さんが座るよう促した場所はその3枚ある座布団の真ん中だつまり全員から見える位置だ
なんでそこを指定するんですかね彩楓さん・・・あからさまに狙って指定したよね?確信犯だよね?
そう思って彩楓さんを見ると隠す気が無いようにクスクス右手で座るよう促しながら左手で口元を押さえて笑っている・・・ちょっと可愛過ぎて俺じゃなかったら告白して粉砕・玉砕・(心が壊れて)大喝采してたね☆勿論フラれますよ!当たり前じゃないですか!
さてここでこの妖怪の山の総大将たる彩楓さんの指定を断れば天狗達からの印象は最悪、なんなら敵対されてもおかしくないなので
「失礼致します」
と一言言ってから指定された場所に正座で座る
俺を見ていた黎美も同じようにして座る
「さて2人には自己紹介をしてもらおうかな」
よく通る声で彩楓さんは言うと
「私は外来の者、性を松浦、名を優陽と申します。衛深倉 彩楓様の御行為でここに住まわせ頂くこととなりました。なにとぞよろしく申し上げます」
丁寧にそれでいてハッキリと言った・・・多分大丈夫だろう・・・大丈夫だよね?なんて考えていると
パチパチパチパチパチパチと天狗達が拍手してくれたこれで良かったようだ
それを見ていた黎美は
「私は外来の者、性を白石、名を黎美と申します右に同じく衛深倉 彩楓様の御行為でここに住まわせて頂くことになりましたなにとぞよろしく申し上げます」
と同じセリフを言う
そして同じように拍手が起こる
結論、ボッチに人前で話せというのは処刑又は拷問だ
すると彩楓さんが話し出す
「これからこの2人が一緒に暮らす事になる人間だからと言って差別をする事はないと思うが仲良くしてやってほしい」
すると天狗達が色々言ってくる
「差別なんて絶対ないですよ〜」「てかそんな事したら兆さんに悪いよな」「てか幻想郷にいる人間で人種差別なんてしてたらやってらんないもんな」「てかあの優陽って子雰囲気がここに来たばっかりの兆さんに似てない?」「確かに」
おいおい!俺ってそんなにじいちゃんにそっくりなのか?だとしたらこの後質問攻めにあうじゃん面倒くさ
すると彩楓さんが
「まだ話は終わってないぞ」パンパン
と手を叩き話を戻す
「まず優陽から大切な話がある全員心して聞くように」
そう言って彩楓さんが俺の右隣に座る。まぁ分かると思うが俺が真ん中なので左右に女性という両手に花という状態なのだが緊張が半端ない
「兆さんの事話してやってくれ」
耳元で彩楓さんが囁くがそんな恥ずかしい事しないでいただきたいだから俺もやり返す
「知ってる事全部話しちゃっていいんですか?」
同じく耳元で囁き返す。すると彩楓さんが少し顔を赤らめながら頷いた勝った・・・計画通り!絶対恥ずかしくなったよね?ね!
さてさてお話しますかね
「まず皆様には辛いお話になります・・・その事を理解したうえで聞いていただきたい」
俺の声音が変わったからだろうか全員の表情が緊張した表情になる
「彩楓さんから聞きました若狭兆吉という人がここで暮らしていた事を実は若狭兆吉は俺の祖父なんです・・・」
すると何かが固まった・・・そしてそれが戻ったかと思った瞬間
「「「ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」」」
という悲鳴にも近い驚きの声だった正直耳の鼓膜がお亡くなりになるかと思った程の超大音量だった
「みっ皆さん!大事なのはこの先なんで落ち着いて聞いて下さい!」
驚きの声が聞こえなくなった後に俺はなんとか宥めたなんで聞こえてる時になんとかしなかったかというとうるさくて耳塞いでてそれどころじゃなかった
左隣の黎美を見るとあまりの大音量に気絶してた・・・まぁドンマイ
さぁって大事なお話しますよぉ〜ってなんだこのテンションバカ丸出し
「実は祖父、若狭兆吉は6年前に亡くなっているんです病気で死因は肺性がんだそうです」
先程と同じ様に流れる沈黙だが、先程とは違い重苦しい空気が流れる・・・当たり前だ急に親しかった人の死を聞かされたのだこうなる事は分かり切っていた
「兆さんはよ・・・どんな・・・だった」
「えっ?」
「兆さんはどんな最後だったんだ・・・俺達は見れてねぇからよ・・・代わりに教えてくれや」
「・・・笑ってましたよ・・・辛くて普通なら笑える状況じゃないのに・・・満足した顔で笑ってました」
やべぇ話してて俺が泣きそうになってきたわ涙脆すぎワロエナイ
「・・・そっかそれなら俺等がしんみりするこたぁねぇな!」
ファ!?なんでそうなるの?訳がわからないべぇ・・・おっとどうしてこうなったで有名なアニメのマスコットみたいになってしまった
すると1人の少女がこちらに走ってくる見た目は俺と同じ位の黒髪でショートとセミロングの間位の髪の長さの子・・・おいおい走って来るなよ!ぶつかるだろ!あっテングだから翼で調整できるかな?そして机を挟み目の前で止まった・・・スゲェな天狗って全力疾走して目の前でよく止まれるよな
「いきなりで・・・ハァハァすいませんけど・・・ハァハァ取材を・・・ハァハァさせて下さい」
むっちゃ息切らして取材の申し込みされたよ俺
「とっとりあえず落ち着いて下さい!取材?なら後で受けますから!」
慌てて落ち着かせる・・・あれ?俺余計な事口走った?まっいっか
「こら文!行儀良くせんか!優陽が驚いているではないか!」
「まぁまぁ急なカミングアウトでしたからこうなるのは仕方ないですよ」
となんとか間をもつ・・・そういや黎美の奴大丈夫かそう思ってチラッと黎美を見るが変わらず気絶してる。これなんとかした方がいいのか?起こしてやるか全く世話の焼ける奴
「おーい黎美起きろー」ペシペシ
軽く頬をはたいて起こす
「んん〜もうちょっと〜」
バカ丸出しな顔で寝てやがる・・・ほっとこ後で飯食えなかった事に後悔しやがれ
「それじゃあ新しい仲間!優陽の安心生活を願って乾杯!」
と彩楓さんが乾杯の音頭をとって宴会がはじまった
━━━━━━━━翌朝━━━━━━━━
(AM9:00)
超楽しかったぁ昨日の宴会美味いモン食って飲んで(酒じゃないよ?)どんちゃん騒いで歌って踊って大騒ぎ
そういや昨日取材がどうのこうの言ってたよな
「おはようございます〜優陽さん♪」
「んにゃ?あっあぁ昨日取材がどうのって言ってた」
「はい!私、射命丸 文と言います!これからよろしくお願いしますね優陽さん」
射命丸 文かなんつーか人懐っこい性格してんな
「そっそれで?取材とか言ってたけど?何答えりゃいいんだ?」
さっきっからキョドり過ぎだろ俺・・・印象最悪じゃね?
「簡単な事ですよ〜好きな食べ物とか何年生まれとか、その程度の内容ですよ」
つまりプロフィールを教えろという事か
「OKなんでも聞いてくれ」
「それじゃあ〜」
━━━━━━2時間後━━━━━━━
「ありがとうございました〜♪いや〜色々聞けて良かったです♪」
長ぇ・・・2時間も取材されるとか驚きだわ・・・しかも途中から彼女はいるのか?とか幻想郷に来た理由はとか疲れた
「それじゃ私は失礼しますね?あぁそれと大天狗様が呼んでらっしゃいましたよ?」
「おっおうそうかサンキューな」
さて彩楓さんの所行くか
「そうだ射命m「文でいいですよ♪」そうかじゃあ文、大天狗様ってどこにいる?」
「あ〜今の時間だと食堂・・・昨日宴会やった所でご飯食べてると思いますよ」
「そっかあんがとな」
そうして俺は文と別れて彩楓さんの元へ向かった
その頃文は
「これならとってもいい記事が書けそうですよぉ」ニヤニヤ
それから約5時間後射命丸文の書きあげた新聞文々。新聞の見出しにこう書かれた
《新たな幻想郷の住人はなんと!兆さんのお孫さん!》
それを知った時には既に妖怪の山には人間も妖怪もごっちゃで人が集まってきていた
文のヤロォこれが狙いだったか・・・
こうして俺はあっさり幻想郷中に名が知れ渡った
しかし新聞にはこうも書かれていた
《若狭兆吉、肺性がんの為亡くなる享年69歳》
これについても色んな人々が集まって事情を聞きにきた・・・
じいちゃんってこんなに色んな人に好かれてたんだな・・・
そんな事を自覚させられる1日だった
如何だったでしょうか?安定してタイトル詐欺感が否めないですね(苦笑)
今回初登場のあややややの射命丸 文ちゃんです
文ちゃんの新聞で大忙しな優陽君でしたが
詳しく書くつもりなので次話をゆったりたっぷりのーんびり待ってて頂けると嬉しいです
これから色んなキャラを出して行く(予定)のでお楽しみに
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優陽のカオスな幻想郷生活【弐】やはりボッチは最高だった・・・
言い訳はしません!
言い訳しようと思えば出来るけどしません!
とりあえずお楽しみくださいませ
新聞で人気者になってしまった俺は現在、変装して人里に来ていた
顔が知れ渡ってしまっている為変装しなくてはまともに出歩く事も出来ない様な状態なのだ・・・・・・が
「ねぇ松浦これ可愛くない!」
「優陽さんこれとこれどっちがいいですかね?」
「なぁ優陽こちらとそちらではどっちがお前の好みだ?」
「・・・名前呼んでたら変装してる意味ないじゃん」
俺は黎美と犬走と彩楓さんと買い物に来ている・・・と言うか振り回されてる
「・・・・・・帰りてぇ」
何故こうなってしまったのかと言うと・・・時は3時間前に遡る・・・てかもうそんなに時間経ってたのかよ・・・
━━━━━━━━━━━3時間前━━━━━━━━━━━
「松浦」「優陽さん」「優陽」
「「「買い物に行こう!!!」」」
(3人揃ってどうしたんですか?急に)←建前
「3人揃って可愛いし近ぇ・・・心臓に悪ぃ・・・あっ」←本音
「「「・・・」」」(///_///)プシュュュュュュウ
やらかした
本音と建前
逆だった 字余り 優陽
「・・・ちょっと紐なしバンジーしてきます・・・」
「待て待て待て早まるな!気持ちは分かるが早まるな!」
死にたい・・・死にたいよぉ・・・もういっその事殺して・・・恥ずか死ぬ
「あっあはは」
やめろ黎美苦笑いは結構心に刺さるんだぞ・・・
「わっ私は嬉しかったですよ?」
「やめろ犬走・・・慰められるのが1番心に刺さるこういう時は黙って逝かせてあげるのが優しさなんだ・・・」
「まぁそれは置いといてだ皆で買い物に行こう優陽」
いや置いとかれても困るんだ・・・置いとかずに俺諸共爆破処理して欲しい
「いや無理ですからね?どっかのアホ(射命丸とかいう馬鹿ラス)のせいで顔が知れ渡ってますし」
ホントにあのアホのせいで静かにひっそりと生きてくつもりだったのに毎日がライブイベントだよ・・・認めたく無いものだなボッチは最強だという事を
「それなら変装すればいいんじゃないか?」
勘弁してくれねぇか?出掛けるのも嫌なのに?更に変装だぁ!?もう頭が痛いよ
「いや、普通に嫌ですからね?行くのが確定みたいになってますけど行きませんからね?」
絶対荷物持ちじゃないですか・・・まず女の人の買い物は【買い物の時間が長い、買ったものが重い、そして荷物を持つのは俺】というのはお約束でお決まりで変わらぬ未来だ。ソースは俺と俺のお袋
しかも1人でもぐったりなのに3人とか死刑宣告ジャナイデスカヤダー
「どうしてもか?どうしてもダメか?」
あの彩楓さん?涙目になるのやめてくれませんかね?男児たるもの女の涙には脆いんですよ
「松浦お願い・・・」
おいやめろ彩楓の真似して涙目で頼むな
「お願いします優陽さん・・・」
あっ・・・オワタ\(^o^)/これは逃げ道がない・・・あれ?よく考えたら最初から逃げ場なくね?いやよく考えなくてもないわ
「はぁ・・・分かりましたよ買い物の荷物持ちすればいいンスね・・・」
ちなみにこの会話だけで5分程度なのだがその後引っ張られる様に買い物に連れていかれ、あの会話から更に5分経ち人里の東門前に来ていた
人里の入り口で急に彩楓さんから下の名前で更に呼び捨てで呼んでほしいと言われた
理由は大天狗があまり人里にいると問題になりかねない為正体を隠す為にとのことだった
その後は女性と買い物に行った事のある男性や女性の場合は彼氏とかと買い物に行った時の自分を思い出してほしいそうすると出てくるセリフは1つだ
「「「これとこれどっちが似合う?」」」
人里について真っ先に入った服屋で言われたセリフだ皆言うよね?どっちが似合うとかどっちが可愛いとか男に聞くなよ俺個人の感想だが自分で決めて自分で考えて服をコーディネートしてる奴の方が良い、だって『〇〇ならこっちの方が好みかな〜?』って考えて選んで着てきてる方が可愛いじゃん!好みの服装かどうかは置いといて、そうやって考えて着て来てくれる子って可愛いじゃん!だから俺はどっちが似合うと聞いてくる人女性にはこう答えよう
「自分の直感を信じろ、それと俺にそういうのを求められてもセンスか壊滅的だから頼るな」
そう、こういう事で次に出てくるであろう言葉『じゃあこっちとこっちどっちが好み?』というのを封じつつ自分のセンスが壊滅的なのを隠す事が出来る・・・なんと便利な言葉だろう・・・まぁ正直このセリフを言う事はないと思っていたんだがな・・・
「「「・・・・・・」」」ムッス
そんな事を考えている俺を3人は睨みつけくる・・・こういう時のボッチ特有のスルースキルだ
「んでその服買うのか?まぁ俺の服じゃないからなんでもいいだが・・・」
するとすぐに犬走が返してくる
「なら優陽さんの服を見に行きませんか?洋服もいいですけど和服とかもあうんじゃないですか?」
「いや俺はいいよ別に今日は荷物持ちで付いてきてるだけだしな・・・それに俺はあまり動きたくはないな動けば動く程ボロが出て面倒ごとになりかねんからな・・・」
俺が何よりも警戒してるのは俺の変装がバレて大事になる事だ
ハッキリ言ってそれ"だけ"の事だがそれ"だけ"は何としても回避したい・・・理由は簡単俺をよく思う人もいればその逆もまた然り・・・最悪の場合命を狙わねかねない
後はじぃちゃんの死を受け入れられず俺が嘘を付いてると考える奴もいないとは限らない警戒しといて損は無いだろう
「「まぁまぁそう言わずに」」(^∇^)ニッコリ
そう言いながら犬走が右腕、黎美が左腕を拘束する
てかお前ら今日はやけに連携してくるな・・・勘弁してくれ・・・もう俺のライフは0どころかマイナスだよオーバーキルだよオーバーキルしても歯車も心臓も羽根もドロップしないからな?運良くて1QPくらいだからな?倒す価値もないが倒さないと進めない害悪キャラ確定だな
という訳で引きずられるように男性用の服屋に連れてこられた所で1番上の会話に戻るという訳だ・・・モノローグが長くて済まない・・・
「あの?御三方?忘れてない?俺たちお忍びで来てるんだよ?」
「何心配するなここは私の知り合いの店でな兆さんが何度ど来たことのある馴染みの店だ問題はあるまい」
ほーんじぃちゃんの馴染みの店か・・・なら大丈夫・・・か?まぁここは彩楓さんを信じることにしよう
「それで優陽お前はどっちが好みだ?」
まだ続けるんだその質問
「正直着れればなんでもいいと思ってるんでなんでもいいッス」
「なら好きな色は何色だ?」
ん?方向性を変えてきたかまぁこれくらいならいいか
「深緑、黄緑、藍、水、青、赤、白、黒、後は紫ッスかね」
「ほうほう随分多いな色だけでも」
「まぁ色は明るい色も暗い色も両方好きッスからね」
そう答えると3人は顔を見合わせて最後に俺の顔を見て無言で頷き一斉に散っていった・・・絶対あのヒントで俺の服見繕うつもりだよな・・・しかも全身の服を・・・この後着せ替え人形確定√ですよね・・・帰りたい
「松浦これ着てみて!」
最初に服を持ってきたのは黎美だった
持ってきたの服は黄緑の半袖Tシャツと、黒の様な灰色のような、何とも言い難いジーンズ、同色のパーカーで更に靴は黒と赤にグレーのイナズマラインだった・・・あれ?
「おいこれ・・・俺が
「そうだね!これなら優陽も着慣れてるだろうからって思って・・・それにこれが1番かっこいいし・・・」
「あ?なんか言ったか?」
「うっううんなんでもないよアハハ」
「そうか」
勘違いしないでほしいのが俺が難聴系主人公の様に聞こえてないからあの様な反応をした訳ではないという事だ・・・つまり最後のアレも聞こえてる、があえて聞こえないフリをした・・・じゃないと俺のメンタルが持たないからである・・・もう既にゴリゴリ削られてもうなくなりそうだよ・・・全部粉になりそうだよ
「とりあえず試着してくるわ」
「うん行ってらっしゃい」
━━━━━━━━━━━少年試着中━━━━━━━━━━
試着室で若干悶えていたことなんて無かったんや(白目)
てな訳で着替えたが現実で着てた服とそんなに変わらないので新しさよりも見慣れてる安心感があった
パーカーは腰に巻いてなけなしのおしゃれした・・・むこうでも同じだったけどね?
「着てみたがどうだ?黎美から見たら見慣れてるかもしんねぇけど」
「う〜んでも1番見慣れてるのって学ランだけどね」
「それもそうだなお前もブレザーだけどな」
「そうかも」
なんて話しながら笑ってた
「ん"ん"お楽しみの所すまないが」
咳払いをしながら彩楓さんと犬走が来たのだが顔は楽しそうではなく真剣そのものだった
「どうかしたのか?」
「どうやら街中に侵入しようとする妖怪がいるらしい・・・退治させねばならない」
「殺るのか?流石マズイじゃないのか?」
「仕方があるまい・・・理性も知性も持たぬ妖怪は殺るしか無いのだ・・・」
理性も知性も持たない妖怪とかそれ単なる獣だよな
だが妖怪であるコイツらに同族を殺らせる訳にはいかない
「なら俺が行くどうせまたこんな事もあるだろ?なら最初っから慣れておいた方が幾分かマジだ」
「だが!お前は!」
「心配すんなよ簡単に死んでたまるかっての引き際ならわきまえてっからよ」
武器がないけどどうすっかな・・・武器あっても変わんねえ気がするけど
「ならこれを使え護身用の短剣だないよりかはマシだろ?」
「サンキュ・・・んじゃ初陣と行きますか」
そしてUターンして試着室に戻った
「なんで試着室に戻っている馬鹿者!」
「売りモンに血は付けらんねぇだろ」
そして着てきた服というか売り物とそこまで変わらない唯一違うのは腰に巻いていたパーカーを着た程度の違いである
パーカーには帽子がついておりその帽子も今被っている
「んじゃ行くわ・・・黎美の事頼むわ」
「分かった、お前は東門つまり」
「来た道戻れね了解」
そう言って俺は店を飛び出し東門へ走り出した
しかし大丈夫かね?戦闘なんてした事もねぇし
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優陽のカオスな幻想郷生活【参】俺はどうしようも無く自分が嫌いだ
優楽です。
投稿が遅くなってしまい申し訳ございません。
理由等は言い訳がましくなるので省きます。
まぁとりあえずお楽しみください(*`・ω・)ゞ
皆の別れて来た道をまっすぐ引き返す・・・ただそれだけなのにとてつもなく長く感じる、やはり初陣というのが影響しているのだろう。
いままで戦闘なんてアニメや漫画の中だけの物だと思っていた。精神的な戦闘なら何度も切り抜けて来た。暴言、軽蔑の眼差し、悪意による孤立、時には暴力だってあった。だがこれから先に待ち受けているのは物理的な、命をかけた、戦闘・・・
正直怖ぇ、ものすごく怖ぇ、もしかしたら死ぬかもしれない、そんな事が過ぎって今にも逃げ出したくなる。
それでも俺は足を止める事はしない、止めてしまったら・・・もうその先には踏み出せないから。
「やってやるさ・・・存分に・・・」
ふとペルシャ新話の深紅の弓を持つあの人が頭に浮かんだ。だからあの人の言葉を呟き更に走る速度を上げる。
そして速度を維持したまま東門を抜ける。
まだ妖怪達は東門までは、たどり着いてはいないようだ。
そのまま真っ直ぐ林に入り150m程林の中を走ると開けた平地に出た
「ガルルルル!」「アオォォォォォオォォォォォン!」「殺セェ!殺セェ!」
「1匹残らず喰い殺せ!下等な人間風情が!調子に乗るなぁ!」
どこからともなく狼の遠吠えや、人の言葉が聞こえて来た。平地の先は森になっているのだが、その森の奥から聞こえて来ている。
「・・・1対多人数かよ!超不利じゃん・・・」
冷や汗が背中を伝っていく。本当なら今すぐ逃げ出したい・・・が、
「・・・そんなに世の中イージーモードじゃねぇよな・・・」
そのつぶやきと共に茂みから4体の生き物が姿を現す。
ワーウルフ
簡単に言えば狼男だが、どちらかというと、まだ狼よりと言った所で、分厚い毛皮に、鋭い牙と爪を持ち、文明的な物は、全員が巻いている皮の腰巻?の様な物と、1匹が持っている槍くらいだろう。だが大きさはどいつも2mは余裕で超えて、3mくらいあるのではなかろうか。
「ガルルルル」
4匹の内の1匹は、狼らしく四足の体制で、唸りながらコチラを見ている。多分ではあるが、二足歩行は出来ないのだろう。今後はワーウルフAと呼称しよう。
「ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!」
もう1匹は二足歩行ではあるが中身はまだ獣の様で、どうやら興奮しているようだ。コイツはワーウルフBな。つか興奮するな気持ち悪ぃ・・・発情期か貴様!
「人間殺ス皆殺ス殺シテ喰ウ」
もう1匹は、二足歩行で人語を話してはいるが、カタコトである。それでも何を言いたいのは伝わってきた。そんでワーウルフC・・・お前頑張って人語覚えたんだな・・・おめでとさんあとちょっとで人語マスターだね。なんつってな。
「下等な人間風情が、我等に歯向かうとは生意気な・・・」
最後の1匹がどうやらリーダーの様で二足歩行で、人語をペラペラと話す。それどころか、原始的なものではあるが槍を持っている。そしてコイツは人間を見下している。ワーウルフリーダーでも名付けよう、てか武器まで使えるとかお前すげぇな独学か?使いこなせるのか?、てかコイツ見てると【ひとつなぎの大⚫宝】に出てきた、ノコギリザメ思い出すわ・・・まぁワーウルフ達から見れば下等な種族だろうからな仕方ないよね。
「ワーウルフを4体相手にするチュートリアルとか鬼畜かよ・・・」
正直身体能力的な部分では、どうやっても勝ち目はない。そして技術的面でも望み薄だ。
向こうの方が本能的な部分と、場数を踏んだ経験があるだろう。
コチラは戦闘経験はナシ、飛び抜けた能力がある訳でもない。それどころか、引きこもり体質の俺にはレベルが高過ぎる相手だ。
ハッキリ言って俺に勝ち目は0だ。微々たる勝ち目はなくもないが、それは俺の力ではなく、助けが来るのを信じて時間稼ぎをする。それだけである。
「ヴォフッ!」
まるで気合いの一撃と言わんばかりに吠えながらワーウルフBが爪による刺突をしてきた
ただコイツは頭があまり良い方ではないようで、カウンターでがら空きの腹に蹴りを入れる。
正直今のに反応して対応出来た、自分を褒めてあげたい。正直目で捉えるより先に、本能的に蹴りを放ったに過ぎないのだが・・・
「下等な人間風情が我等にたてつくか!」
リーダーが罵声を浴びせてくる。それを聞き流し、出来る限り声を低く、相手を威圧した。とりあえず頭の中でウルクの金ピカ英雄王を頭に浮かべ、それをマネる様にした。人を見下すなら、金ピカ英雄王の喋り方って便利だよね。
「雑種如きが!・・・この
やべぇ楽しい・・・普段使わない口調だから、若干話しづらいが、それでもこの圧倒的強者になった様な優越感は最高だ。だが実力差では完全に負けている・・・出来ればこのまま引いてほしい所だが・・・
「キャウン!?」
ワーウルフA逃げ出した!某RPG風な言い方だが、それ以外言いようがないだろ?
「・・・・・・」ピクピク
ワーウルフBは気絶しているようだ・・・って、えっ?気絶?さっきの一撃で?以外と勝てちゃうんじゃね?っと慢心はダメだよな・・・まだ金ピカ英雄王のアレが抜けてないのかな?
「エット・・・エット・・・ドウスレバ?」
ワーウルフCは驚き戸惑っている。まぁ普通のリアクションだよな、それとも俺の言葉を理解出来てないだけか?まぁどっちでもいいや。
「シャア!!」
ワーウルフリーダーはいきなり襲いかかってきた。・・・はぁ?話し合う気が全くナシかよ!つか狼なのに、シャア!!はないだろ・・・シャア!!は・・・どこの赤い彗星だよ・・・
とか考えながら、彩楓から渡された短剣を引き抜く。
「つまり貴様の首を落とせば、我等妖怪が格上の種と認められる訳だな!」
そう叫びながらリーダーは槍を、まるで刀を振り下ろすかのように、俺に叩きつけてきた。
安定と安心で戦闘経験のない俺には、躱すことはできそうにない 。というか敵に背を見せるのがくっそ怖い。
なので短剣を右手で持ち、左手で支える様にして、槍を真正面から受け止めた。
多分だがこの短剣は、かなり良い物なのだろう、相手の槍は折れ、俺の短剣はかけることもなかった。
だから俺は慢心してしまったのだ。『これなら勝てる』と先程慢心はしないようにと心がけたばかりなのに・・・
「ふはははは!自慢の槍もそれでは、使い物にもならんな!雑種!」
あのリーダーはそれなりにプライドのある者のようで、槍を折られたあげく煽られたせいで激怒した。
「下等な人間風情が・・・我が槍を折り侮辱するとは・・・許さぬぞ人間!」
そう叫ぶとリーダーは爪を俺に向けて、むちゃくちゃに振り回した。がかなりな大振りの為躱すのは容易だった。
「貴様は頭のきれる狼かと思っていたが、単なる狂犬であったか・・・惨めよなぁ」
大振りな攻撃というのはその分のスタミナを使うもので・・・
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
何度も大振りな攻撃ばかりしたせいで、相手は疲労困憊である。
これが更に、慢心する理由には持ってこいな訳で。
「そろそろ貴様との戯れは、終わりにするとしよう。下等と見下していた人間風情に、殺される気分はどうだ?さぞ屈辱であろう?ふはははは!」
この発言のせいで、俺の慢心と、リーダーの怒りは最高潮に高まった。
「畜生!ちくしょう!チクショウ!チク・・・ショウ!」
リーダーは怒り狂ってなのか、言葉が段々カタコトになっていく。
俺は先程のリーダーの攻撃を、躱しきった事で慢心しきっていた。
「ガァァァァァァァァアアアアアアアア!!」
大きく吠えたリーダーは、全身全霊とも言える手刀による刺突を放った。
先程の槍での攻撃や大振りなひっかく攻撃とは違い、ワーウルフBとは比べ物にならない速さで繰り出して来た。
「なにぃ!」
結果、慢心しきっていた俺は見事刺突をくらった。腹部にリーダーの腕が突き刺さっており、指先はどうやら貫通して背中から出ているようだ。多分だか急所は外れている。というか外れてると願いたい・・・
「ふん・・・先程の刺突は、中々に良き一撃であった・・・しかし!一撃で仕留めきれなかった、うぬが不覚よ!」
苦し紛れの強がりを言い放ち、手に持っていた短剣をリーダーの心臓に突き刺そうとした。
なんとかあの刺突の衝撃の中、短剣を手放さず持っていた様だ。
「ガァア!」
しかし、リーダーは突き刺さった腕を引き抜き、回し蹴りで蹴り飛ばした。
バキバキバキッ
身体の内側から、硬い物がへし折れる音がした。どっかの骨が折れた。その認識をするので、俺は精一杯だった。
立ち上がるだけの力も、気力もない。色付いた世界がぼやけていき、白黒に見え、最後は何もない暗闇に変わる。
「お前!もう少し粘るんだぜ!」
もう意識を手放す直前、人の声が聞こえた。
もう目を開ける気力もなく、誰が来たかなんて見てもいない。
・・・あぁ俺が慢心なんかせず、しっかりしていれば・・・誰かを巻き込む事もなかったのに・・・声質からして女だな・・・あの暴走したアレを止められるはずもない・・・
俺のせいで、人を巻き込んでしまった・・・その罪悪感を持ったまま、俺は暗闇の中、欠片程度で残っていた意識を手放した。
・・・内容のないと言われてしまえばそれでおしまいですな(^ω^;)
とりあえず次回も気長に「あのクソ主生きてるのかな?」くらいな感じでお待ち下さい。
次の投稿?とりあえず出します・・・ただしいつとはお約束はできませんなすいません(´・ω・`)
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優陽のカオスな幻想郷生活【肆】
安心してくれ失踪はしないから
ただ更新が気まぐれなだけだから(^ω^;)
今回短めでございます
理由としてはそろそろ投稿しないと本当に失踪したと思われかねない為が1つ、もう1つは思いつきで今まで思い描いてたルートをやめ、別ルートにするか考える為です
side???
私が妖怪が暴れているという現場に着いたには、既に1人の青年が倒れていた。
どうやら青年は狼男達と戦っていた様だ、実際1体の狼男は気絶している。それに原始的ではあるが折られた槍が見て取れる。
だが現状、我を忘れて仲間に襲いかかっている、狼男にやられた様だ。
やつの右手に血が付着しているし、青年の脇腹付近から血が出ている。
私は青年に声をかける。
「お前!もう少し粘るんだぜ!」
彼は、私が来るまであいつ等を抑えててくれた。だから礼を言いたいし、死なせたくない。
それにどことなく、雰囲気が”あの人”にそっくりだから・・・
私は箒から降りて、青年を庇う様に狼男達の前に立つ
「今度は私が相手になるぜ!」
そう言い私は右手の人差し指で帽子少しだけ持ち上げる。この時八卦炉も右手に持っておく。
「人間・・・ニンゲン・・・シネェェェェェェェェェ!」
そう言って狼男は私に襲いかかって来る。どうやら狂ってる様だ。
「恋符」
【マスタースパァァァァァァァァァァク!】
そう言い放ち、私は八卦炉を狼男に向ける。
すると八卦炉から七色の特大ビームを放たれる、が死ぬことはないから相手を気にする必要はない、これには殺傷能力はない、精々気絶させる程度しかない。
「モウシワケ・・・ゴザイ・・・マセン、《シャルトロ》・・・サ・・・マ・・・」
そう呟いて狼男は気絶した。
シャルトロ?聞き覚えがないな?今度調べてみるかな・・・
そんな事よりも、あの青年が心配だ。
「おい!お前!大丈夫か!」
青年に声をかけるが返事がない。
私はすぐに青年の元に駆け寄り脈を測った
どうやら死んではいないようだがかなり脈が弱い。かなりの血を流した様だ。
このままでは・・・
そう思った私は急いで青年を○○○に連れていった
side優陽
目の前が真っ暗だ・・・俺は死んだのか?それとも生きてるのか?
聴覚・・・微かだが風の音が聞こえる。
触覚・・・布の肌触り、まるで布団のシーツの様だから多分生きてる。
嗅覚・・・畳の匂いというか井草の匂い?がする、それからなんかいい匂いもする。
視覚・・・目の前が真っ暗だが多分目を開けてないからだろうというか気付けよ
味覚・・・確認する必要がないだが確認しておく、うん口の中いっぱいに広がる血の味!
今更ながら生きてるなコレは・・・
しかしながらよく助かったな俺絶対死んだと思ってたのに・・・死因で言うと出血多量辺り?と予想してたんだが、口の中が血の味で満たされてること以外は痛みも感じない
俺は痛みが取れるほど長い間眠っていたのだろうか?それとも痛覚を麻痺させているだけなのだろうか?
全てを知る為にも目を開けて状況を確認しなくては
「ん・・・」
俺はゆっくりと目を開けた
なんという事でしょう目を開けると目の前に黎美の顔があるではないか
「黎美さんや・・・なんで私は貴方様に膝枕されてるんですかね?」
そう俺は何故か黎美に膝枕をされていた。どういう事だってばよ?
「あっ目が覚めた?大丈夫?傷痛まない?私のことわかる?」
「怪我人相手にんな一気にまくし立てるな、まだ寝ぼけてる状態だから聞き取りきれねぇだろ。とりあえず目は覚めたし、傷は痛まねぇし、お前の事も分かってるから」
というか分かってなかったら名前呼ばねぇだろ
「いやぁびっくりしたよ、優陽が脇腹貫かれてお医者さんの所に運ばれたって聞いてさ・・・死んじゃうんじゃないかと思ったよ・・・」
まぁそうだよな貫かれた本人が1番死んだと思ってたもん
「そうか・・・とりあえずここどこ?つか俺が担ぎ込まれてから何日経った?」
「優陽が運ばれてって考えると・・・2時間くらいだよ」
はい?2時間?何をどうしたら2時間で脇腹貫通した傷が完全に塞がって、痛覚もないとか謎過ぎない?俺が人間をやめたのか?それともここの薬がとんでもないだけか?
「私が1時間前についてその時は傷後もなかったよ?ここで爆睡してた」
1時間前についてその時にはここで爆睡してる俺が居て?傷跡もなかった?
俺こっちに来て人間やめちゃったのかな?
最後の部分でルート変更するか迷い倒していた為短いですがここで投稿しました
多分また更新が遅くなりつつルート変更したりしなかったり優柔不断全開の内容になりかねないと思います(^ω^;)
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