BLEACHの世界に最強になって転生 (アニメ大好き)
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キャラ紹介
オリ主、側近


今回新しくキャラの情報を紹介します。
まだ曖昧なので今後もチョクチョク更新する予定です。


※側近にチルッチを追加しました。


・デストロイヤー

この作品のオリ主、第0十一刃

死の形…【裏切り】

普通のサラリーマンだった青年がある日、不思議なサイトを見つけてBLEACHの世界に最上級大虚として転生したオリ主。転生して10年近く経った後に藍染達に遭遇し破面化した。

そして当時第10十刃(第0十刃)のヤミーとその座を賭けての勝負に勝利し、0の数字だけをもらった事により第0十刃になり原作の第十刃は10人から11人に増え十一刃となった。

実はかなりの部下思いで、自分に反逆しようとも構わないが「他の自分の従者官を巻きこまない」というのが条件。もし戦場以外(裏切りや利用して殺す)で自分の従属官に手を出した場合は誰であろうとも容赦はしない。

 

一人称は基本「私」で丁寧口調だが、切れたりすると「俺」になり乱暴的な口調になる。

虚閃の色は黄緑。

 

 

 

特典

・破面化してのフルパワーは崩玉を従えた藍染以上の強さ。

・鍛えれば戦闘力がアップする体。

・破面化した時に、前世で見ていた他作品の好きなキャラを自分の従属官にする(性格とかは殆ど変わらない)。

・同じく破面化した時に、自分の望む能力や技を手に入れる。

 

 

・オリジナル技

怒臨気波……怒臨気を体から一気に放出させて攻撃し、相手の攻撃を防御することもできる。(ただしこれを使っている間は、その場から動けなくなる)

     

 

 

・ボガール

デストロイヤーが変身した姿(第二の姿)

姿は「ウルトラマンメ〇ウス」に出てきたそのままの姿。

通常の姿と違い口調が悪く、暴力的な性格になる。

背中にある羽根の様な口を広げ相手を捕食する事で体力の回復することができる。

(この捕食にはもう一つ重要な意味がある)

 

 

 

・ボガールモンス

デストロイヤーが変身した第三の姿

姿は上記同様「ウルトラマンメ◯ウス」に出てきたそのもの。

第2形態(ボガール)の時とは一変してやや憎まれ口気味になっているが丁寧口調に戻る。

但しこの姿になる為にはある程度生命を捕食し、体内エネルギー(霊圧)を貯めなければいけない(捕食した相手の力が強ければ強いほど早い段階でエネルギーが貯まる)。

捕食方法は背中に開いた状態の口から捕食する。

 

 

・デストロイヤー(最終形態)

デストロイヤーが全ての変身を終えた最強の姿。最初の時の姿に酷似しているがその背中にドラゴンの羽根、身体中には鱗、尻尾が生えている。

主な攻撃方法は両手の爪を伸ばし相手を斬りつける。また鋭い翼の羽を飛ばさり、羽根を使って防御する事も出来る。

前の姿のボガールモンスの時とは違い捕食しなくてもこの姿になる事は出来る。

 

イメージ的にはウルキオラの帰刃の翼や頭の甲冑等の部分がドラゴンになっている。

 

 

ブラック・デストロイヤー

最終形態の次元を突破した最強の形態。白い部分は全て黒く塗りつぶされ、白龍から黒龍にへとなったと言える。

しかしまだ手に入れて間もないためエネルギー消費が激しく必殺技を一回使っただけで息を切らしてしまう程。今後のレベルアップに期待される。

 

 

必殺技

殲滅の斬撃(ブロサンド・コロタンデ)

10本の鋭い爪で一気に相手を斬りつける。

 

 

 

・側近

デストロイヤーの従属官の中でかなりの権力がある者達。

デストロイヤーが不在の時には中心となり指揮をとっている。

(だが側近だからと言って最も強い者達じゃない。所謂DBのフリー○様のザー○ンとド○リアのような者)

 

 

・狭霧友子

デストロイヤーの側近の1人。

身長がロングヘアの赤い髪が特徴だが、本気を出して戦おうとすると髪が白くなる。その髪が元に戻るまで約1日、2日はかかる。普段はニコニコしていて優しいお姉さんだが、怒らせるとかなり怖い。側近の中では彼女が1番の実力者。武器は日本刀。

強さは最上級幹部の真ん中くらい。

モデルは「トリ〇ージX」の狭霧友子そのまま(だが原作のでは普段の赤毛は染めてもらっているので、それだと大変だと思い、本気を出すと変化する設定にしました)

主な攻撃は「風」を利用した技で鎌鼬などが得意。

 

 

・良田胡蝶

デストロイヤーの側近の1人。

ピンク色の髪が特徴で側近の中で1番の真面目や。プライドが高くデストロイヤーやその従属官以外の者には「俗物」などと見下したりかなりの毒舌をはく。しかし、恥ずかしがったりすると「そんな事」を「そんにゃ事」と噛んでしまう可愛い一面もある。

武器はレイピア

強さは上級幹部の上位くらい。

モデルは「のう〇ん」の良田胡蝶そのまま

 

主な攻撃は雷を使った技。レイピアに電気を纏わせたり、電撃を放つ事が得意。

ミストルティンとの戦いで、剣身部分を鞭のように変化させ縛り上げた相手に電気を流される事が出来るようになった。(怪◯娘のエレ◯◯グのような技)



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従属官 最上級幹部編

最上級幹部

デストロイヤーの従属官の中でも特に優れた強さを持つ者達。その強さは十一刃の中位から上位に匹敵する。(これは従属官になった時の設定なので、レベルが上がっておりその実力はそれ以上のかと)

 

 

・冥府神【スレイプニル】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

最上級幹部の1人にしてデストロイヤーの右腕。

黒い鎧を纏った騎士のような格好して右手に槍、左手に盾を持っている(本気で戦う時は剣を使う)。また2頭の魔導馬に引かせた魔導馬車に乗ることで、素早い動きで相手を仕留める。攻撃力と防御力の両方を兼ね備えているので、その実力は最上級幹部1番にして(表向きは)デストロイヤーの全従属官の中で1番の実力者、まさに戦士の中の戦士。

 

 

・冥府神【ドレイク】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

最上級幹部の1人にしてデストロイヤーの左腕。

ドラゴンのような姿をしている。ものすごく硬い鎧を着ているため、並程度の攻撃ではダメージを与えれない。だが、首の後ろにはその鎧が覆われていないためそこを攻撃されるとかなりダメージを受けてしまう。故に自身の防御力はかなり低い模様。(この事を知っているのは本人とデストロイヤー、そして側近の者達だけである)

実力は確かなのだが、かなりの乱暴者で血の気が多く「戦わせろ」と我儘をいうことがある。

 

 

・冥府神【ダゴン】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

最上級幹部の1人

全身赤く魚の様な頭をしているのが特徴。

デストロイヤーへの忠誠心は人一倍高く「デストロイヤー様の命令は絶対」、「デストロイヤー様が戒律」のとこと。

さらには最上級幹部のリーダーの様な存在であり、デストロイヤーや側近達が不在の時とかには最上級幹部だけでなく、上級幹部達にも指示を出す。

 

 

・冥府神【スフィンクス】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

最上級幹部の1人

眼鏡をかけ黒猫のような姿が特徴。

デストロイヤーのルールを守るために他の従属官達の行動にも審判の様に常に目を光らせ監視する役割をしている。

戦闘以外にも参謀を務めている。

 

 

・冥府神【ワイバーン】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

最上級幹部の1人

かなりのスピードの持ち主で従属官1番とも言えるスピードを持つ。優しい青年みたいな感じで相手をおちょくったりする事があるが、怒り狂うとデストロイヤー程ではないが口調が悪くなり力が一気に倍増す。

 

 

・冥府神【ティターン】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

最上級幹部の1人

怪力の持ち主で雷の力を使う。最上級幹部の中で1番階級が低いが、それは彼があまりにも優しい心の持ち主で争い事を嫌うから。本気を出せばその実力はスレイプニルやドレイクよりも上回り、デストロイヤー(通常形態)と匹敵する程の実力者。

彼の真の実力を知る者はデストロイヤー含め側近、同じ最上級幹部のメンバーのみ。

 



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従属官 上級幹部編

上級幹部

最上級幹部に続く優れた強さを持つ者達。その実力は十一刃の中位から下位に匹敵する。(最上級幹部同様、初期の設定です)

 

 

冥獣人四底王

 

・冥獣人【イエティのズィー】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

異名:冥獣人最強の男

強大な拳は相手を殴り飛ばしたり、並程度の攻撃ならパンチで相殺できる。氷の能力を使い、アイスフォッケーの選手が使うようなスティックで攻撃することができる。デストロイヤーの部下の中ではかなりの実力者の一人であり、力だけでは上級幹部1である。必殺技は氷の塊を出現させ武器であるアイススタックで打ち出すデビルシュート。口から氷を吐き出し凍らせ相手の動きを封じたりするデビルブリザード。

 

 

・冥獣人【コボルト・ブルラテス】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

異名:地獄の賢者

とても器用で武器や道具の扱いに長け、姿を見せずに暗躍する事を得意としている。

武器はブルステッキと言う杖で棒の先端に輪っかがついている。そこから相手の正気を吸い出したり記憶をリセットさせるなどの特殊なシャボン玉を作り出すことができる。そのブルステッキの硬さはダイヤモンドの100倍である。

主な技はブルステッキから無双のシャボン玉や巨大なシャボン玉を打ち出すシャボンバー。さらにはダイヤモンドの100倍の硬さを誇る「シャボン岩」と言う技も使用する。

 

 

・冥獣人【セイレーンのネリエス】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

異名:地獄の賢者

魅惑の歌声で相手を惑わし、絹のようなしなやかで強靱な触手で攻撃する。

さらにその歌とは別の「死滅の唄」で相手に攻撃することもできる。

 

 

・冥獣人【サムライ・シチジューロー】

登場作品「魔法戦隊マジレンジャー」

異名:呪いの血刀

全身を鎧で着込んで鬼の仮面のような顔や頭に角があるのが特徴で、武器である剣にはダイヤルが付いており、ダイヤルに書かれたものだけを斬る(例:「絆」とあれば体に傷を合わすことはできないが斬られた者の絆を切ることができる)

 

 

 

エンペラ星人の暗黒四天王

 

 

・悪質宇宙人【メフィラス星人】

登場作品「ウルトラマンメビウス」

地位・・・知将

上級幹部の1人にしてリーダー的存在。

全身が殆ど黒一色でつり上がった青い目が特徴。

どんな相手にも丁寧口調で話す紳士的であり、彼のIQは1万以上であるとのこと。その上パワーも相当なもので、実力は同じ上級幹部のズィーに並ぶ程である。

 

 

・冷凍星人【グローザム】

登場作品「ウルトラマンメビウス」

地位・・・豪将

氷の能力を使い口から冷気ガスを吐くことができるうえ、両腕の突起を伸ばして剣にして攻撃することもでき、その剣で刺した者を凍らせることができる。さらには強力な再生能力を持っており、腹に風穴を開けられても、体が斬られてもすぐに再生する。あまつさえバラバラになっても再生できる。それによって「不死身のグローザム」と異名を持っている。(ただしバラバラだと再生するのに時間がかかる)

豪将の地位に相応しいパワーを持っているが傲慢仕切っているのところがある。

 

 

・策謀宇宙人【デスレム】

登場作品「ウルトラマンメビウス」

地位・・・謀将

骨と筋肉が逆転したような外見が特徴的で、正面からの戦いを好むグローザムとは逆に、人質を取ったり相手の弱点を突くなどの卑劣な謀略を好む。

団扇の様な形をした左手の「デスレムグロー」を使って時空を歪めて無数の火球を降らすことができる。地面からも火球を発射できることから「火球のスペシャリスト」とも言われている。

卑劣な性格であるが主人であるデストロイヤーには強い忠誠心を持っている。

 

 

・異次元人【ヤプール】

登場作品「ウルトラマンメビウス」

地位・・・邪将

全身紅く方に棘があり頭には2本の触角がある。その見た目は悪魔そのもの。右手が三日月のような形をしていて、そこから光線を発射することができる。

他の上級者幹部の面々に比べて戦闘力はそこまでは高くないが、異次元空間を作り出し自由に移動でき、相手を異次元空間に閉じ込めたりする事ができる。

デスレム同様卑劣なやり方を好む。

 

 

 

序列

メフィラス>ズィー>グローザム>ブルラテス>デスレム>ネリエス>ヤプール>シチジューロー である



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従属官 幹部編

今回は一般幹部編です。

ずっとだそうと思っていたのですが、ここは登場した者達だけにしようと思っていたらいつの間にかズルズル後になってしまいました。

さらに今日最新話を投稿します。


幹部

デストロイヤーの従属官の中で階級が一番低い。

その実力は十一刃落ちから数字持ちに匹敵する。(例によって初期の設定である)

 

 

・五毒拳

熱、痛み、寒さ、痺れ、吐き気のそれぞれの毒を極めて選ばれた5人の臨獣拳使い。

 

 

・臨獣【スネーク拳のブラコ】

登場作品「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

異名…一撃必殺の狙撃手

五毒拳のリーダー的存在。主人であるデストロイヤーに忠実であり、暴走した他の五毒拳を纏めたりする。だがそれは表向きで実はかなりの野心家でありデストロイヤーを倒した後、藍染をも倒して自分が虚圏の支配者になろうとした。

ソリサとマガと一緒に檜佐木に挑み有利に立つが、解放させた風死ににより体を斬り刻まれ絶命したと思われた。しかし、秘伝リンギ「真毒」によって復活し吉良を庇いながら戦う檜佐木を追い詰めるが、逆に有利になったと思い油断してしまい武器を破壊され風死の刃で体を貫かれる。さらに残っていた真毒を斬り落とされ復活出来ずに終わる。

 

・リンギ

妖蛇斬(ようじゃざん)

妖蛇刀をクロスさせ相手を切り裂く。

大蛇砲(だいじゃほう)

リンギを玉のような形にして2本の妖蛇刀の間から振りかぶって放つ。

・秘伝リンギ…真毒

死者に死を与える事で命を裏返し、生を生み出す毒。

秘伝リンギ中の秘伝リンギと言える究極の毒。但し両指で6本しかないためかなりの貴重品である。

 

・臨獣【スコーピオンのソリサ】

登場作品「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

異名…戦慄の踊り子

五毒拳の中で唯一の女でありながら、5人の中では最強の攻撃力を誇る。

マガが攻撃を受けている間にブラコと共に攻撃をし檜佐木を苦しめた。そして秘伝リンギ重獄変でトドメを刺そうとするが、檜佐木が風死を解放させたその風圧で吹き飛ばされて不発に終わってしまう。そしてマガがアッサリ倒された事に激怒し突撃するが、上空で動きを封じられたところを風死で体を斬り裂かれ倒された。

 

・リンギ

朱鞭脚(しゅべんきゃく)

飛翔朱鞭脚(ひしょうしゅべんきゃく)

紅蓮朱鞭脚(ぐれんしゅべんきゃく)

カポエラのように上下逆さまになり、回転しながら攻撃する。脚技の中で一番威力が高い技。

・秘伝リンギ…【重獄変(じゅうごくへん)

髪から大量の蠍を敵にへと飛ばし、纏わり付いて動けない相手に蠍の毒で仕留める技。

 

 

・臨獣【トード拳のマガ】

登場作品「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

異名…鋼鉄鉄壁の守護神

反応が鈍くスピードにかけるが五毒拳の中で最強の防御力を誇る。密かにソリサに恋心を抱いている。

檜佐木の攻撃に全くダメージを受けず、破道も秘伝リンギ体油包で完全防御する。だが解放した風死の鎌も同じように体油包で防御しようとするが、鋭い攻撃に耐えきれずに砕かれ身体中を斬り刻まれ倒された。

 

・リンギ

泥玉弾(でんぎょくだん)

ゴム弾のようなボールを相手にへと投げつける。

・秘伝リンギ…【体油包(たいゆーぱお)

リンギで絞り出した脂の膜で体を包み込み攻撃を防御する技。

 

・臨獣【ゲッコウ拳のモリヤ】

登場作品「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

異名…対応不能の惑乱者

ゴマをすったような喋り方をし相手を挑発させイライラさせるのが得意。

己の秘伝リンギ速生腕で重くなった腕を切り離し近づき、毒によって吉良を戦闘不能にした。トドメを刺そうとしたところに駆けつけた檜佐木の風死の刃で体を貫かれ、そのまま斬られて倒された。

 

・リンギ

微毛脚(びぼうきゃく)

足の裏に自身のリンギを覆わせて垂直な壁を自由自在に登る事ができる。

乱れ手裏剣(みだれしゅりけん)】(手裏剣ババンバ)

 

・秘伝リンギ…【速生腕(そくせいわん)

トカゲの尻尾のように自身の腕を切り離し新たな腕を生やす事ができる技。切り離された腕は新たな腕が生えるまでは自身の意思で動かす事もできる。

 

・臨獣【センチピード拳のカデム】

登場作品「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

異名…地獄の手数王

1秒間に100発の拳を打ち込む程の高速の動きをするが、攻撃同様性格もせっかちな上に短期である。顔の下は無数の百足が群がっているような顔をしているため獣人化の時には頭巾を被っている。

モリヤと共に吉良に挑み、素早い攻撃で追い詰めるがによって頭巾を吹き飛ばされ素顔を晒された事に怒り狂い最後は倍加した自分の重みによって窒息した。

・リンギ

百斬手(ひゃくざんしゅ)

億万掌(おくまんしょう)

・秘伝リンギ…【長城鞭(ちょうじょうべん)

頭が百足の体のようになり相手を締め上げたりする事もできる。

 

・幻獣拳

 

・幻獣【ケルベロス拳のコウ】

登場作品「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

五毒拳のブラコの実の弟。兄と同様に野心家であり主人であるデストロイヤーを倒して十一刃になる事が目的であった。

七番隊隊長の狗村と対峙し、迅愚流で狗村の力を奪い有利に立つ。その後駆けつけた檜佐木にも迅愚流で力を奪いとる。だが必死に戦った兄貴を「虫けら」呼ばりした事に怒った狗村に形勢を逆転されてしまう。

大きなダメージをくらったことにより怒り狂い巨大化し黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)と対峙する。

十一刃になると言う目的と達成するために無数の迅愚流で攻撃するが最後は天譴明王の大剣に斬られて散った。

 

ゲンギ

迅愚流(じんぐる)

輪っかを相手に投げつけて攻撃したり、相手に首にへと装着させ力を奪ったりする事ができる。

一つ一つに数字持ち程の破面に匹敵する力を持っている。

 

 

七の槍【サンダール】

登場作品「忍風戦隊ハリケンジャー」

鮫のような頭部をし、背中には赫悪彗星刀(シャークすいせいとう)と言う大剣を背負っている。

幹部クラスの中でもかなりの実力者で上級幹部に匹敵する程の強者である。しかし自分の目的を遂行させるために邪魔な存在や気に入らない存在は容赦なく殺す惨忍な性格であるため幹部止まり。

ブラコやコウと同じ野心家であるが、デストロイヤーだけでなく藍染をも倒して自身が虚圏の支配者になろうとした。

圧倒的な強さで二番隊隊長である砕蜂と副隊長の大前田を苦しめ、さらにはコウとように巨大化し一気にカタをつけようとしたが、逆にそれが仇となり砕蜂の雀蜂によって倒された。

 

・鮫手裏剣

・自在縄

掌から光のロープを出し相手を縛り上げ。

・凶ザ目

左眼の眼球を使って姿を隠している敵を捉える事ができる。

縄頭蓋(ジョーズガイ)

 

 

【ミストルティン】

登場作品「夢喰いメリー」

白髪でゴスロリのような服装を着用、三叉の形をした紅い瞳が特徴。

殺す事に生き甲斐を感じている程のかなりの狂人で、今まで多くの数字持ちの破面を殺してきた事に流石に野放しにしておくわけにはいかなかったためデストロイヤーに宮の地下にへと結界で幽閉されていたが、天蓋の上での一護とウルキオラの戦いによって幽閉していた結界が弱まり壊して出てきてしまった。

その後ヤミーを殺しその近くにいたルキア達に目をつけたがその場に現れた胡蝶と対峙する。

そして胡蝶を圧倒し絶望の蕾にへと閉じ込め勝利を確定する。だが蕾から自力で出てきた胡蝶と再び対峙するも新たな力を手に入れた胡蝶に圧倒されてしまい最後はレピアに斬り裂かれ花弁となり消滅した。

 




こんな感じです。
因みにミストルティンの強さは自分的に上級幹部と最上級幹部の間くらいの強さを設定していました。(アニメオリジナルと言え、その作品のラスボスですし)


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原作前
1話 新たな人生の始まり


初めまして。

始めての投稿作品なのであまり自信がありませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです。

それでは、どうぞ。


 

 俺はどこにでも平凡な社会人。

 

 毎日朝早く起きて会社に行き、仕事をして、とこんなつまらない人生をおくっていた。

 

 楽しみといえば大好きなアニメを見ること。休みの日は一週間たまったアニメを見るのが日課になっていた。

 

 最近嵌っているのは「BLEACH」である。小、中学生の頃に見ていたこの作品にまた嵌り始め、特に好きだった「破面襲来編」から見ている。でも俺が好きなのは敵、つまり破面側の方。主人公「黒崎一護」の敵なのにと思うかもしれないが俺自身他のアニメでも悪役や敵キャラが好きだったから。

 

 そんなある日パソコンをいじっていたらあるサイトが目に入った。

 

 「転生してみないか」と書かれた不思議なサイト。これはもしかして、前に友達とかに教えられた二次創作にある転生ではないのかと。普通ならくだらない等と言って無視するところだが、俺はこの言葉にひかれた。

 

 「もしこれで本当に転生できるなら、自分の人生が楽しくなるかもしれない」

 

 早速このサイトを開いて項目欄を書き込みを始めた。

 

 まずは転生先。ここは最近また見始めたBLEACHにするか。いや、一回しか出来ないとなるとここはよく考えるべきか。う〜ん。……そして散々迷った結果やっぱりBLEACHの世界に行くことにした。

 

 次に設定。自分は最上級大虚(ヴァストローデ)級の(ホロウ)。そうすれば中級大虚(アジューカス)になった時に訪れる退化の恐怖を味わなくて済むし。

 

 次に特典。破面化してのフルパワーは崩玉を従えた藍染以上、鍛えれば戦闘力がアップする体、そして自分の好きな能力や技、他作品のキャラを従属官にできるということにした。もはやチートだな、これは。あっ!後鏡花水月の能力が怖いから催眠や洗脳等の無効化も入れておこう。

 

 そして全ての項目を埋めて行って一番下まで行ったら「本当に転生しますか?」とあった。

 

 最初は戸惑った。もし本当に転生するのなら今までの普通で常識的な日常が一転してしまう事になるからだ。でもこの世界で、平凡な人生を送って何が楽しい。自分のしたい様に生きた方がいい、人生は一度しかないのだから。

 

 俺はそう決意しOKのボタンを押した。

 

 すると画面が光りだし眩しくて目を瞑った。それして次第に意識が薄れていき、気を失った。

 

そして目がされるとそこは砂一面の砂漠の世界だった。

 

もしかしてここは虚圏(ウェコムンド)なのか。

 

 自分の姿を確認したら人ぐらいの大きさで手や足があった。設定した通り最上級大虚(ヴァストローデ)級の(ホロウ)になっていた。自分は本当に転生できたのだとあまりの嬉しさに「ヤッター」と大声で叫んだ。

 

 しかし、特典の方は破面化しないと手に入らないので藍染と出会うまでこの虚圏(ウェコムンド)を歩き回りながら今の自分の最大戦闘力とかを調べるか。

 

 いざ新たな人生のスタートだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから何年、いや何十年たっただろうか?転生して10年近くたった頃から考えるのをやめた。

 

 あれからずっと虚圏(ウェコムンド)を放浪しているが一向に藍染に会えない。

 

 「当たり前だけど、この砂漠の景色を毎日毎日見ているからもう飽きたなぁ〜。それにどいつもこいつも俺の姿を見ると逃げるし」

 

 転生して虚圏(ウェコモンド)に来たばかりの頃は中級大虚とかが俺を喰おうとして襲ってきたから返り討ちにしながら、自分の戦闘力とかを調べられたから退屈はしなかった。でも、それから1、2年したら(ホロウ)達は俺が近づくとすぐ何処かへ逃げてしまうようになった。だからそれ以降退屈な毎日が訪れている訳だ。

 

 「こんな事なら転生するんじゃなかった」

 

 そんなことを考えていた時、

 

 「やぁ、そこの君」

 

 と後ろから声をかけられた。その声に聞き覚えがあった。そして後ろを振り向くと、そこにいたのは

 

 「君に少し話があるのだがいいかな」

 

 破面達のボスにして俺が探していた人物、藍染惣右介本人がそこにいた。




藍染と出会った主人公、ここからすべてが始める





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2話 原作キャラと遭遇、そして破面化

お、お気に入りが10件以上になっていました。

この私の作品を登録してくださった方々ありがとうございます。

それでは、どうぞ。


 いきなり後ろから声を掛けられたので振り向くと、そこには原作キャラの藍染惣右介、市丸ギン、東仙要がいた。

 

「ここ最近、物凄く強い虚がいると言う噂を聞いたのだが、その噂になっているのは君かい?」

 

どうしよう……。確かにずっと探していたから会えて良かったと思うけど、いざこうして目の前にいるとなると緊張するというか不安になるなぁ。

どうする?ここで素直に答えればいいと思うが、直接藍染を見るのは初めてだが、物凄い強大な威圧感を感じる。想像はしていたが、まさかここまでとは予想外だ。恐らく今のフルパワーを出した自分でも正直言って勝てる見込みが薄い。破面達が下についているのがよく分かる。

 

「どうしたんだい?質問に答えられないのかい?」

 

マズイマズイ。とにかくここは素直に答えよう。一様丁寧語を使った方がいいよね。

 

「えぇ〜、その噂になっている虚と言うのは私だと思いますよ」

 

「そうか。噂で聞いた通り確かにかなり強大な霊圧だ」

 

 それを貴方が言うか。でもまぁ機嫌はそこねなかったから良かった。

 

「藍染様、この者を斬る許可を」

 

 え⁉︎ちょっといきなり何を言い出すのこの人。

 

「この者の霊圧は異常です。もしかすると藍染様に反逆する恐れがあります。ですから今ここで始末しておいた方がいいと思います」

 

 いやいや、反逆何てしませんよ。……そっちが手を出さなければだけど。

 てか マジで斬り掛かろうとしてるし。メチャクチャ怖いですけど!!

 

「止すんだ、要」

 

「ッ⁉︎。し、しかし」

 

「あ〜あ、ホンマ東仙さんはせっかちやなぁ」

 

「確かに彼の力は強大だが、恐る程ではないよ。だから刀を収めるんだ」

 

「は、はい」

 

 藍染が間に入って東仙を止めた。正直言って助かった。今動揺していて動けなかったから絶対斬られてただろう。

 

「私の副官がいきなり無礼な行動をとってすまなかったね。それで私は君に話があるんだ」

 

「話?」

 

まぁ、何の話か大抵予想はつくけど。

 

「そうだ。私は今仲間を探している、強い仲間をね。そこで君の力を見込んで言おう。私と共に来ないか?」

 

やっぱり仲間のお誘いだ。

 

「何故私なのですか?他にも(ホロウ)はいますし、私より強い者もいるかもしれませんよ」

 

「そんな謙遜(けんそん)することはないよ。君は強い、もしかすると私よりも強いかもしれない。だが、君は 今の自分の強さに満足しているかい?もっと強くなりたいとは思わないかい?」

 

「…それは確かに今より強くなりたいとは思います」

 

「そうだろ。私と来れば君にさらなる力を与えてあげよう。君の望む世界へと導いてあげよう」

 

と言っているが、そんな事はハナから思ってない無いのは分かっている。なんてったって現世での戦いでスタークとバラガンがやられた後ハリベルを自ら斬り捨てたからな。

でも、破面になって最強の存在になるのが目的だったから既に答えは出ている。

 

「分かりました、貴方と共に行きます」

 

左膝をついて頭を下げていった。まぁ、こうするしかないよね。逆にここで断れば東仙に斬られるかもしれないし。

 

「そうか、そう言ってくれて嬉しいよ。では我々の城に招待しよう。着いてきたまえ」

 

 それから藍染達に着いていって暫くすると大きな建物が見えた。あれが虚夜宮(ラス・ノーチェス)か。実際見るとかなり大きいな。どれ位大きいんだろう。

 

「着いたよ。ここが我々の城、虚夜宮だ」

 

 そう言われて俺は虚夜宮の中に入る。やっぱり中も広いな。でも天蓋の下はわかるけど、建物の天上の高さここまで高くする必要はあったのだろうか?

そんな事を考えているとある部屋の前に来た。扉が開かれ中に入ると、そのテーブルの上に大きいビー玉みたいなものがあった。あれが崩玉(ほうぎょく)か。

 

「これは崩玉というものだ。これを使って君にさらなる力を与えよう」

 

いよいよ破面になる時がきたんだ。この瞬間をどれだけ待ち望んだか。

 

「準備はいいかい?」

 

 その言葉に俺は無言で頷き破面化する準備が始まった。体全体に包帯のようなものを巻かれ、身動きが取れない状態となった。おそらくワンダー・ワイスが破面化するあの時みたいになっているんだろう。そんなことを考えている内に包帯のようなものが全部取れ視界が明るくなった。破面化は成功したのだろうか?目を開けて自分の体を確認すると、人間の皮膚と同じような肌色になっていた。どうやら成功したようだ。

 

 破面になって内心喜んでいるとあることに気づいた。それは仮面がない。破面は虚の仮面が割れて全員仮面の跡があるはずだが、俺にはそれがなかった。確かに胸あたりに虚の孔があるが、仮面の跡がどこにもない。つまり穴が開いている以外のを除けば完全な人間になったのだ。そして不思議なことに斬魄刀(ざんぱくとう)がない。何故だ、どうしてだと困惑していると、頭の中にあるものが流れ込んできた。それは自分が前世で見ていたアニメや特撮の能力や技の使い方だ。

 どうやら特典に書いたように破面化して自分が望んだ能力や技が手に入ったようだ。凄い、手に取るように分かる。そして、斬魄刀がない理由も流れ込んできた。…なるほど、だから斬魄刀がないのか。確かにこれなら斬魄刀はいらないな。

 

「これは凄い、まさに予想以上だ」

 藍染は俺の破面化に驚きと喜びを感じていた。どうやら私の能力とかには気付いていないようだ。その方がかえって都合がいいけど。

 

「そういえばまだ名を言ってないなかったね。私の名は、藍染惣右介。君の名も聞かせてくれるかい?新たなる我が同胞よ」

 

 そうだ名前、どうしよう。流石に前世の名前を使うには無理があるからな、この名前を使おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「デストロイヤー、デストロイヤー・レイです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは昔自分がアニメを見て自分がその世界のキャラなら「これがいいなぁ」と思って考えた名前だ。なんか中二病ぽい名前だけどいいよね、この世界なら。

 

 

「ではデストロイヤー、早速で悪いが君に大切な話がある。それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …君の十刃(エスパーダ)への昇格だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 や、ヤッター。計画通り十刃への昇格の話が来た。

 

「今から一時間後、虚夜宮の外で十刃の座を賭けた勝負してもう。君が勝てばその十刃の座を与えよう」

 

よし、ここまできたからには絶対勝って十刃になるぞ。勝負まで一時間あるから、それまで自分の能力や技の確認でもするか。いざ戦う時に出来なかったら大変だからね。




果たしてオリ主と戦うのは誰か?

斬魄刀がない理由も次回明らかに…する予定です。

感想などあれば、ご記入ください。


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3話 十刃争奪戦

遅れてしまってすみません。

戦いの部分を何度も書き直していたので。

今回は十刃の一人とその座を賭けての勝負で、決着まで続きます。

戦闘部分が難しいのでよく書けてるかわかりませんが、楽しんでいってもらえれば幸いです。それでは、どうぞ。


それから藍染様に言われた時間まで自分の能力や技などを虚夜宮(ラス・ノーチェ)の外に出て調べた。天蓋の下は藍染様の監視下にあるから色々知られたらヤバイし、それにこれから戦うのなら多分見に来る筈だからお楽しみとしてとっておいた方が面白いし。

 

さて、じゃあまず破面の特徴とも言える技、虚閃(セロ)虚弾(バラ)をやってみるか。あの時頭の中に流れてきたものの中に破面の技の使い方とかも流れてきたからそれに沿ってやってみよう。

 まずは虚弾から。確か劇中では「自分の霊圧を固めてぶつける技」と言っていたな。右腕を上げて手を前に出し意識をそこに集中させる。すると手に赤くバチバチした丸いものができていた。これが”虚弾”か。そしてそのまま手を前に突き出し発射した。結構早い、さすが虚閃の20倍のスピードだけのことはある。

 次に虚閃。手の平を広げて前に出し虚弾の時と同じように意識を集中させていくと、霊圧がそこに丸く収縮されるみたいになった。そしてそれもさっきと同じように手を前に出し発射した。その先のものが吹っ飛び爆発が起きた。凄い威力だ、虚弾とは比べものにならない。おっと唖然と場合じゃないな、最後の確認をしないと。

 

 それは、他のアニメの能力や技の確認。いくら使い方がわかっても使えなければ宝の持ち腐れと一緒、だから少しでも技の特徴とかを知っておいた置いた方がいいだろう。では早速始めよう。

 

 

 

 

 

 

 

 一通り能力や技の使い方が終わったので少し休もう、体を休めることも大事なことだし。今更だけどこの虚圏には夜しかないから暗い、唯一の灯りといえば月の光だけ。まぁ、俺は月は嫌いじゃない。満月だったり、半月だったり、三日月だったりと日々変わるから飽きない。

 そういえば転生前はきれいな夜空だったら、その日の月の形を見るのが楽しみの一つになっていたっけ。懐かしいな。それにしてもきれいな月だ、心が和む。

 

 そう和んでいるとなんかドン、ドン、ドンと地響きみたいな音が聞こえる。なんだろうと思い音の方見るとそこにいたのは、

 

「ふん、俺の最強の座に就くのがこんな奴とはな」

 

 ヤミーだ。第10十刃(ディエス・エスパーダ)であり、そして第0十刃(セロ・エスパーダ)であるヤミー・リヤルゴだ。どうやら俺はヤミーと戦うみたいだ。まぁ、自分がそうなるようにした様なものなので特に驚かないげど。まずは自己紹介でもしておくか。そうだ、ここは自分が一番好きな悪役キャラの真似して喋ってみるよう。

 

「初めまして。私はデストロイヤー・レイと言います」

 

 わぁ〜、なんだろう、凄い気持ちいいと言うか心がスーとする。やっぱり一番好きなキャラのマネすると気持ちいな〜。よし、これからはこの喋り方でいきましょう。

 

 「あぁ?なんだいきなり」

 

 「いえいえ、初めての方には自己紹介するのが礼儀かと思いまして」

 

 「けっ、まぁいい。俺は第10十刃(ディエス・エスパーダ)ヤミー・リヤルゴだ」

 

 知っていますよ。しかし、やっぱり大きいですね。2mくらいあるじゃあないでしょうか?

 

 そんな事を考えていると藍染様がやってきた。

 

「ではこれよりデストロイヤーとヤミーよる十刃の座を掛けての階級争奪戦を行う。二人とも準備はいいかな?」

 

 「はい」

 

 「あァ」

 

 「それでは…始めたまえ」

 

 「うおぉぉー‼」

 

  その言葉にの合図にヤミーさんがデカい拳をあげて突っ込んできた。実に単純な攻撃だ。私はそれを難なくかわす。ヤミーさんはお構いなしに連続で拳を振るってくる。元々ヤミーさんは頭はよくないうえに力だけに頼っている。

 

 「どうしたどうした、避けるだけで精一杯か?」

 

 確かに避けているだけじゃ勝てませんね。じゃあ反撃しましょうか。

 

 「臨獣トータス拳リンギ」

 

 素早い動きでヤミーさんの前に移動し、拳を一発打ち込んで離れる。

 

 「”時劣態(じれったい)”」

 

 ……しかしヤミーさんには何も起こらない。

 

 「あァん?なんだ今のは?何も起きねぇじゃ…ッ!?うおぁぁ‼」

 

 と思ったら急に苦しみだし膝をついた。

 

 「ハァ、ハァ。てめぇ、いったい何しやがったッ」

 

 「別に私は何もしていませんよ」

 

 「ふざけんなァ‼じゃあ今俺にきた痛みはなんなんだァ‼」

 

 「それは私がやった技のせいですよ」

 

 「何!?どういうことだ」

 

 全く理解ができていないようでさらに聞いてくる。

 

 「そのままの意味ですよ。さっき私が使った技、”時劣態”は攻撃してすぐではなく、その後にダメージが来る技(・・・・・・・・・・・・・)なんですよ」

 

 そう、時劣態は”時間差でダメージを与える技”。攻撃をくらった直後はなんともないが、その後すぐにダメージが来るある意味恐ろしい技なのだ。

 

 「てめぇ、調子に乗るなよー‼」

 

 ダメージを受けて頭にきたのかまた拳を振るってくる。頭に血が上っているせいか攻撃がワンパターンだ、それじゃ当たるものも当たりません。反対にヤミーさんは疲れてきたのかハァ、ハァと息を切らしています。

 

 「ハァ、ハァ。くそぉ、くそがァァー‼」

 

 大口を開けた。虚閃か?その虚閃は私に向かっていき、直撃した。

 

 「どうだ。俺の虚閃をくらって無傷でいられる筈が…ッ!?」

 

 ヤミーさんは目を見開いた。まるで信じられないものを見ているかのように。それもその筈、なぜなら私はなんと虚閃を受け止めているのだ、それも二本の釵だけで。避けてもよかったのですが、この技を試してみたいので受け止めました。

 

 「臨獣カメレオン拳リンギ」

 

 「絡撃拳(らくげきけん)。はぁぁあー!」

 

 受け止めた虚閃をそのままヤミーさんに向けて放った。この技は二本の釵で相手の攻撃を受け止め、自分の力を付け加えて威力を倍加させて相手に放ついわゆるカウンター技なのだ。

 

 「な、何!?うわァァーー‼」

 

 予想外の出来事で動けずヤミーさんはモロにくらい爆発が起きた。でも今の虚閃は危なかったです。受け止められたけど、それもギリギリでした。流石は十刃だけのことはあると改めて実感しました。

 すると煙の中から、服がボロボロで傷ついてフラフラなヤミーさんが出てきた。やっぱり見た目通りタフな方ですね。そして左肩には10の数字があった。

 

 「ハァ、ハァ。くそぉ、くそがァー。許さねぇー、絶対に許さねぇぞー!」

 

  今ので完全にキレたヤミーさんはそう言って斬魄刀に手を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブチ切れろ、憤獣(イーラ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして斬魄刀を解放した。すると、もの凄い衝撃と風圧が起こり後退した。ヤミーさんの体はどんどん大きくなっていき、その周りが砂埃(すなぼこり)に包まれ見えなくなってしまった。やがて静かになり砂埃が晴れて姿がみえてきた。体の大きさはさっきの数十倍、上半身は人に近いが下半身はダンゴムシのように足がいっぱいあり、その形はまるで像のよう。その上うえ二本の尻尾がある。そして彼の肩を見ると、そこに書いてある数字が10ではなく0になっていた。

 

「おや、数字が違いますね」

 

 知っていますが、ここは空気を読んで言っておいた方がいいでしょう。

 

「そうだ、十刃の数字は1〜10じゃあね、0〜9だ。俺は霊圧を溜めて解放する事で数字が変わる唯一の十刃。0十刃(セロ・エスパーダ)ヤミー・リヤルゴだ」

 

「0〜9という事は、つまり貴方は10人いる十刃の中で一番強いという事ですね」

 

「そうだ、俺が俺こそが10人いる十刃の中で最強の存在だ」

 

「それは凄いですね」

 

「なんだ?あまりの恐怖で命乞いでもする気になったか?まぁ、しょうがないねような。これだけの差を見つけらちまったらなぁ」

 

 「命乞い?いやいや違いますよ、そんなことするわけないじゃないですか」

 

 「あァ?じゃあなんだってんだ」

 

 「正直言いますと貴方…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ”詰まらないなぁ”と思いまして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あァん‼︎」

 

 ヤミーさんはその言葉を聞いて怒った。

 

 「だってそうじゃないですか、巨大になって強くなるって当たり前過ぎて詰まらないですよ」

 

 ヤミーさんが一番強いと知った時は正直かなり驚きました。だって一番弱いと思っていた人が逆に一番強いって事ですから。

 そして帰刃した姿がどうなるのかワクワクしながらそれを見てみると、ガッカリしてしまいました。だって大きくなって一番強くなるなんて当たり前に近いことなので面白くありません。せめて他の十刃くらいの大きさになるか、一回りほど小さくなるから話は別だったと思いますが。

 

 「てめぇ、この俺に、第0十刃である最強の俺に対してつまらないだと?ふざけなぁー!」

 

 完全にキレたヤミーさんは私に向かってそのデカイ拳を突き出してきた。両手を前に出しクロスさせて防御したがあまりの威力に耐え切れず吹き飛ばされてしまった。どうやら大きくなかったからといってスピードが遅くなるというわけではなさそうだ。これでは今の戦闘力では多分無理ですね。

 

 「どうだ、虫けら。俺に向かって生意気な口をきいておきながらそのザマだ。所詮テメェは口先だけの弱虫野郎なんだよォ」

 

 「…そこまで言われちゃ黙っていられませんね。しょうがない、本気を出しますか」

 

 そういって私は自分の着ていた服を脱いで上半身裸になる。普通なら「何やっているんだ?」と思うだろう、だがこれは私が本気を出すために重要ことなのです。

 

 「あの服は私の力を抑えるためのもの、言わばリミッターみたいなのです。それを私は着ているんです」

 

 「あァ?力を抑えてるだァ?なんでそんなことしてるんだ」

 

 「理由は大きく分けて二つあります。一つ、戦いをじっくり楽しみたいからです。本気を出したすぐ勝負がついたら面白くないでしょう。そして二つ目は……パワーがありすぎて自分でもうまくコントロールすることができないからです」

 

 そう、あの服は私にとってはリミッター。特典で望んで手に入れたものの一つで、結構な重さがある。俺はそれをさっきまで着てた。それは自分の力があまりにも強大で自分でもそのパワーをうまく使いこなすことが難しいからそれを抑えるために着ていた。だからその服を脱いだらフルパワーを出すことができる。だけど本当はフルパワーになるのはあまり好きじゃないんですよね。疲れるし、口調も悪くなるし。でも今回はそんな悠長なことを言ってられる状況ではないようなので。

 

 私は集中して体に力を溜めていく。すると突如大気が震え始め、体の腕、肩、足の筋肉は少しずつ膨らんでいった。

 

 「はぁぁぁッあーーーーーー‼」

 

 その声ともにもの凄い衝撃が起きた。それは溜まっていた霊圧は一気に弾けるような衝撃がだった。よし、準備完了だ。

 

 「はぁぁー。待たせたな、これが俺の最大戦闘力だ」

 

 「はんッ、だからどうしたってんだァー」

 

 ヤミーは再び拳を打ち込んできた。俺はそれを受け止め力を込めて腕を持げると、それに釣られてヤミーの巨体は宙へと浮き上がり重力によって砂地に叩きつけられる。

 

「調子こいてんじゃねェ!糞虫が!!」

 

キレたヤミーがもう一度巨大な拳を叩き込んでくる。今のを見て学習しねェな。いや基そんな頭も持ってねェか。俺はもう一度受け止め思いっきり捻じ曲げる。腕は変な方向へと折れ曲がった。

 

「オォワァァー!!」

 

右腕を抑え痛みに悶え苦しんでいる隙に体のあちこちにパンチやキックをお見舞いしていく。体が大きいから当たりやすくていいねェ。更に一本の脚を掴み回転しながら回し捻り取る。さてと、体力的に時間もあまりないし一瞬で方をつけないとな。

 

 「これで決めるぜ」

 

 俺は霊圧を溜めて球体のようにして体を包むようにして纏う。繰り出すは最大の技。

 

 「ハイパー・ノヴァストライクー‼」

 

 そのままヤミーに向かって突撃する。

 

 「なめんじゃねェぞ、ガキがーー!」

 

 ヤミーは対抗するように口から虚閃を放った。お互いの技が激突に衝撃が走る。

 

 「ひやぁぁーーーーー!」

 

 「うおォォーーーーー!」

 

 最初はお互い引けを取らない互角といっていほどだった。だが、俺はさらに力を込めて突っ込んでいき次第に虚閃は押され始めてきた。

 

 「な、何!?」

 

 「うおりゃーーー!」

 

 やがてそのままヤミーに直撃した。

 

 「ぬ、くうぅッ」

 

 なんとか耐えようと踏ん張ろうとしているが、あまりの威力に踏ん張れきれず、ついに吹き飛ばされた。そして上半身を地面にへと叩きつけた。

 

 「うわァァーーー‼」

 

 ヤミーをたたきつけた俺は上空にへと待機した。

 

 「ハァ、ハァ」 

 

 俺は疲れて息を切らしている。この技”ハイパーノヴァストライク”は自分の全パワーを使って相手に突撃する最大の技。だから使った後は激しく体力を消耗してしまう、まさに諸刃の剣といったところか。だからこれで勝負がついてほしいと思った。

 だが現実はそう甘くはなかった。なんとヤミーはまだ立ち上がってきたのだ。「しぶとい奴だ」と強気でいきたいが、今ので体力のほとんどを失ったからかなりきつい状況だ。

 

 「ハ、ハ、ハ、痛えェ、痛えェなァ。ムカつくなァ、おめェ~。ハ、ハ、ハ」

 

 急に奇妙に笑い始めた。…あれ、これ見たことがあるような。

 

 「許さねェ~、ゆる、ゆる、ユル、ユルッ、ユルサネェェゾォーーーーーー!!」

 

 突如爆発のような衝撃が起こりあたり一帯を包み込んだ。やっぱりこの展開見覚えがある。…ッ、思い出した。この展開は護廷十三隊6番隊隊長の朽木白夜(くちきびゃくや)と11番隊隊長更木剣八(ざらきけんぱち)と戦っていた最中にあった。ということは、ッマズい。そう思っていると煙が晴れてきた。こそにはさらに巨大になったヤミーが俺を見下ろしていた。

 

 「ハァ~。いいぜお前、最高にイラつくぜェ。俺の帰刃名は憤獣(イーラ)、”憤怒の獣”だ。怒りこそが俺の力となる。さぁ、俺をもっとイラつかせろォ。それだけテメェの死が早まるだけだ」

 

 マズい、ハイパー・ノヴァストライクを使ったから体力はもうほとんど残ってない。ましてやさらに巨大になって強くなったヤミーに勝つのは不可能に近い。このままでは本当に殺されてしまう。―――仕方ない、やるか。俺はそう思いフルパワーを解いて元の状態に戻る。 

 

 「なんだ、急に霊圧弱めて。あまりの恐怖で頭がおかしくなったか?それとも勝てないと分かって死ぬ覚悟でもできたか?」

 

 だが、私は何も言わずに黙っている。

 

 「おいどうした。あまりの恐怖で声も出ねェか」

  

 「……」

 

 「…おい、何とか言えよ」

 

 「…」

 

 「…ッ何とか言えっつってんだろう!!虫けらー!」

 

 それを言われてようやく私は口を開いた。

 

 「…あ~あ、ほんとはここで使いたくはなかったんですけどね」

 

 「何?」

 

 「しょうがない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

  ”変身”しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その言葉にヤミーさんは驚いていた。そう、破面になった時斬魄刀がなかった理由それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   変身ができるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は転生する前、一つの作品のあるキャラに憧れていてよくそのキャラのセリフを覚えてモノマネをしていた。この名前と同じように妄想しての自分は、そのキャラと同じように変身がするという設定にしていた。それが特典に書いた「自分の望んで能力」という形で手に入ったようだ。しかもその変身は一回だけじゃない、数回できる。

 

 私はフルパワーになった時と同じように体に力を入れた。

 

 「くあぁぁぁ、ッだぁー!」

 

 すると私の体はみるみるうちに変化していった。手は五本の指のうち親指と小指以外が一つになったり、三本の指の先に鋭い爪みたいなものが生えた。さらに先が尖った尻尾。背中には羽根のような大きな口。体の色は灰色が中心でいたるところに赤い線がある。その姿はまさに「ウルトラマンメビウス」に登場した「高次元捕食体ボガール」そのものだった。だがこれもすべて俺が望んだことだから別に驚いたり、不思議と思わない。

 

 「気をつけろよぉ、こうなっちまったらもう前ほど優しくないぞ」

 

 すごい、力が体の底から溢れてくる。まさか一回の変身でここまで力が増大するとは。これなら勝てるぞ、絶対に。

 

 「へッ、変身だがなんだか知らねェがそんなことをしたところでこの俺に勝つことはできねぇんだよォォー!」

 

 そう言って拳を打ち込んできた。毎回最初は拳だなぁ。だが俺は顔色を変えずにその拳を片手で止めた。

 

 「ッ!?な、何!?」

 

 「どうした、散々偉そうな口をきいておいてこの程度か?大したことないな」

 

 そして尻尾をその腕にへと巻き付かせその見た目からは想像も使いないような力でその巨体を地面に叩きつけた。ヤミーは自分が叩きつけられたことに驚いていた。

 

 「期待外れだ。じゃあ、そろそろ終わりにするか。せっかくだ、この技でとどめをさしてやる」

 

 そういって俺は手を前に霊圧を溜める。

 

 

 

 「虚閃」

 

 

 

 その手から放たれた虚閃はヤミーの体を包み込んだ。

 

 「おわァァァーー‼」

 

 

 虚閃もかなりの威力だ、さっきヤミーの打ったのとなんて比べものにならない。ヤミーは俺の虚閃をくらうと、そのまま地面に倒れて動かなくなった。かなり威力は抑えたから死んではいないと思う、ただ気絶しているだけだろう。こいつに死んでもらっちゃ色々面倒になるからなぁ。そして戦い終えた俺は変身を解いて元に戻る。するとそこへこの戦いを藍染様がやって来た。

 

 「おめでとう、デストロイヤー。君を10こと第0十刃に任命するよ」

 

 「ありがとうございます、藍染様。しかし一つのお願いがあるのですが宜しいでしょうか?」

 

 「なんだい?言ってごらん」

 

 「はい、実は…」




というわけで、オリ主と戦ったのはヤミーでした。

そしてオリ主が藍染に頼んだこととは…それは次回明らかに。


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4話 十刃入り、その階級は…

連続投稿ですが、今回短いです。

お気に入りが50件になっていました。こんなに嬉しいことはありません。応援してくださる皆様の期待に応えれるように頑張ります。

それでは、どうぞ。


ある一つの広い部屋に沢山の破面達が集められざわついていた。そしてそこに一人の男、藍染が入ってきた。

 

「やぁ、破面諸君。君達に集まってもらったのは重大なお知らせが二つある。まず一つは新しい十刃(エスパーダ)が誕生した。入りたまえ」

 

 新しい十刃と聞いて破面達は「新しい十刃!?」、「誰が落ちた!?」などとザワつく。そんな中扉を開けて部屋に入って来る一人の破面。

 

「彼が新たに十刃になった者だ。さぁ、皆に自己紹介を」

 

「はい、分かりました」

 

そう言って私は自己紹介を始める。

 

「初めまして皆さん。私は新しく十刃になったデストロイヤー・レイです。そして階級は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …0(セロ)です。以後お見知り置きを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いて破面達が騒ぎ始めた。それはそうだ。今まで十刃に0なんて数字はなかった、というか知らなかったのだから。

 

「皆、静かにしてくれ。二つ目の知らせだが今聞いて分かったと思うが、それは彼の階級の事だ。実は十刃は1〜10ではなく、0〜9だったんだ」

 

その言葉に破面達は驚いた。それはそうでしょう。0(セロ)なんて存在を知っていたのは、藍染様とその副官二人、十刃や十刃落ち(プリバロンエスパーダ)の人達ぐらいだったでしょうし。

 

「彼は解放して0になったヤミーの帰刃(レスレクシオン)と戦って勝利した。そしてその後私の所に来てこう言った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  …0番の数字だけをくださいっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、あの後私が藍染様にお願いしたのは0番の数字だけをもらう事。大まかな理由はヤミーさんが居なくなると、原作とかに大きく影響がでてしまいますから。

それなら私がヤミーさんの代わりになればいいと思いますが、でもやっぱり原作通りの展開が見たいし、なにより原作の通りことが進んだ方が大抵予測出来ていいですからね。

 

「そして彼は0となり、ヤミーは10として継続ということになった。これにより十刃は10人から11人になる事になり、十一刃(こうなる)ということになる」

 

破面達がまた驚いています。さっきから皆さん驚いてばかりですね。

 

 「だが、どうやら彼の十一刃の就任に納得出来ない者がいるようだね」

 

 その言葉に破面達の方を見ると、何人か殺気がこもった霊圧をこっち放出している。でも私は言ってはなんですがあまり無駄な戦いや殺しはしたくないんですよね。でもこのままだと私の十一刃の座を賭けての勝負になってしまうと思うので、ここはこうしましょう。最大ではないが霊圧を半分近くまで出して黙らせる。すると、殺気を放っていた破面達があまりの巨大な私の霊圧に冷や汗をかいていた。中には怯えている者もいます。

 

 「どうやら皆わかってくれたようだね」

 

 「おめでとうデストロイヤー。これで君は晴れて第0十一刃だ」

 

 「はい、ありがとうございます」

 

 よし、これで私の計画に少し近づきました。

 

 「さて、これで解散となるがデストロイヤー、君にはまだ宮がない。それまでの間どうしたい?」

 

「そうですね。取り敢えず虚夜宮を探検しながら他の十一刃の人達に会って来ようかと思います。同じ十一刃として顔合わせは大事ですから」

 

虚夜宮の中は複雑だから覚えておいた方がいいですし、物語が今何処まで進んでいるのかも知りたいですからね。

 

「分かった。宮が完成するのは一週間くらいだろう。それまで我慢してくれ」

 

「はい、分かりました」

 

「うん、では解散だ」

 

 その言葉を最後に破面達がその部屋を出ていく。さてと、それでは私は虚夜宮を探検しながら、今どこまで進んでいるか調べる為にヤミーさん以外の他の十刃、おっともう11人だから十一刃(こう)ですね。他の十一刃の方の情報を集めに行くとしましょうか。




この作品での十刃のことは活動報告をご覧ください。





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5話 情報収集 第1十一刃

やっと投稿できました。気付いたらお気に入りが80件以上になっていてビックリ‼

今回からオリ主の情報収集がしばらく続きます。そして一つの話が短いかもしれません。

それでも言い方はどうぞ。



私の十一刃の発表後、原作が何処まで進んでいるのか知るためにヤミーさん以外の十一刃の方々に会いに行くことにした。

雑用破面から虚夜宮内の地図をもらって、今私は第1十一刃の宮を目指している。まず順番から言ったらやっぱり1からでしょう。原作ではスタークさんだか、彼が現れる前はバラガンさんが1だったみたいだら二人のうちどちらかだと思いますが、どっちでしょう?

 

「地図に書いてある通りだとこの辺りの筈だが…」

 

地図を頼りにして歩いていると、ついに第1十一刃の宮に辿り着いた。いきなり扉を開けて入るのは失礼だからね、まずは扉をノックしよう。

 

コン、コン

 

…反応がない。留守なのかな?イヤ、スタークさんだったら寝てる場合もあるな。そう思っていると扉が開いた。

 

「うるせェな〜、寝れねェじゃネェか」

 

中からできてたのは顎にヒゲを生やして首周りに下顎のような仮面の跡がある叔父さんの破面、コヨーテ・スタークさんだった。なんか面倒くさそうというかやる気がない返事ですね。

 

「あん、アンタ誰だよ」

 

「初めまして。私はこの度第0十一刃になったデストロイヤー・レイです」

 

「アンタが今日新しく十一刃入りした奴か。で、俺になんか用か?」

 

「いえ、別に用って事じゃなく同じ十一刃ですからご挨拶をと思いまして」

 

本当は原作の進行状況を知りたいのですが。

 

「そうか。まぁなんだ、せっかくだし入れよ」

 

「いいんですか?では、お言葉に甘えて」

 

私はスタークさんと共に1の宮の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

宮の中は結構綺麗だ、というか殆ど置いてある物がないといった方が正確ですね。あるのは沢山のクッションくらいだけ。

 

「どっか適当に座ってくれ」

 

座れって言われても…このクッションの上に座ればいいのかな?

少しいやいやでクッションの上に座ったが、結構柔らかくてふわふわしているから気持ちいい。このまま座っていたら寝ちゃいそうです。いつも寝ている彼の気持ちが少し分かった気がします。

 

 

「それでアンタが今日新しく十一刃なったて言う奴なんだな」

 

「はい、そうです」

 

「そうか。しかし、0って事はアンタ強いのか?」

 

最初は何故そんな事を聞くのか分からなかった。彼は戦闘狂ではない筈なのに、何故強いのかと聞く事が。

でもその答えはすぐに出た。それはスタークがまだ虚だった頃、一緒にいた仲間の虚達が自分の目の前で死んでいったからだ。しかも敵に殺られた訳じゃなくただ一緒にいるだけで。だから彼は破面には珍しく仲間意識が強い。

 

「はい、と言うかそうじゃなかったら0どころか十一刃入りもしてませんよ」

 

「…それもそうだな」

 

すると彼の顔が少し笑っていて、その言葉には嬉しさが感じられた。彼は弱い奴が羨ましくて弱くなりたいと思っていた。でもそれは出来ないので、自分と同じくらい強い仲間がほしいと願った。だから強い仲間が増えて嬉しいのでしょう。その嬉しさがこっちにまで伝わったのか私も口がニヤける。

「どうした、急に口がニヤけたりして」

 

「いえ、別に」

 

二人で和んでいると扉が勢いよく開いた。

 

「スターーク」

 

勢いよく入ってきたのはリリネット・ジンジャーバック。スタークさんの従者官であり、そして彼の片割れでもある。

 

「おわっ⁉︎なんだよリリネットいきなり」

 

「お、なんだ起きてたんだ。珍しく事もあるだな、スタークがあたしに起こされないで起きてるなんて」

 

「うるせェよ、余計な御世話だ」

 

「へへ〜ん。あれ誰アンタ?」

 

リリネットは私がいる事に気付いて質問してきた。

 

「初めまして、私は今日新しく十一刃入りしたデストロイヤー・レイです」

 

「へぇ〜、そうなんだ。あたしはリリネット、よろしくね」

 

笑顔で元気よく返してくる。元気がよくていいですね。

 

「はい、よろしく」

 

こんな明るい笑顔を見せているけど、この子もスタークさんと同じで孤独なんだよね。リリネットさんは表向きはスタークさんの従属官だが、実は彼と同じ第1十一刃(プリメーラ・エスパーダ)。破面は本来、力の大半を刀の姿に変えるが彼等は違う。破面化した際”一つの体を二つにへと分けた”。その理由は彼等がまだ虚だった頃、仲間だった虚はみんな自分達と一緒にいるだけで、命が削られていき死んでいき孤独になっていった。だからその孤独から逃れるため一つの魂を二つに分けた。そして生まれたのがスタークさんとリリネットさんの二人。そしてある日藍染様と出会い、「強い仲間をくれた」その義理を返すために二人は下についた。

 

「じゃあ私はそろそろ失礼しますね」

 

「あぁ、もう行くのか?」

 

「はい、ほかの十一刃の方にも挨拶をしなくてはなりませんから」

 

「そうか、またなぁ」

 

「また来いよぉ〜」

 

 

 

二人に見送られて私は次の目的地に行く。

 

 




感想などあれば、どうぞ。


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6話 情報収集 第2十一刃

今回はちょっと短いです。時間かかっておきながらすみません。

では、どうぞ。


第1十一刃の宮を後にした私は第2十一刃の宮に向かっている。スタークさんが第1十一刃だったって事は第2十一刃はあの人だな。あの人は怒らせたりしたら色々面倒なことになるから注意したいと。

 

そう思っていると目の前に一人の破面、破面No.26ジオ=ヴェアが現れた。彼は確かバラガンさんの従属官の一人でしたね。

 

「お前が第0十一刃になったデストロイヤーか?」

 

「はい、そうですが」

 

「バラガン陛下がお前を連れてこいとの事だ。着いてこい」

 

いきなり来て着いて来いとは随分な物言いですが、別に気にしないので彼の後を着いて行く。そして暫く歩くと一つの宮の前に着いたぞ。

 

「着いたぞ、入れ」

 

彼に言われた通り宮の中に入っていく。結構暗いですね。スタークの所とは大違いですね。

そんな事を思っていると、頭に王冠の様な仮面の跡があり、骨で出来た椅子に座っているお爺ちゃんの破面、バラガン・ルイゼンバーンがいた。その背後には彼の従属官達が立っている。しかし目の前で見ると迫力と言うか、威厳があるな。伊達に自身を虚圏の支配者と名乗っている事だけはある。

 

「ご苦労だった、ジオ・ヴェガよ」

 

「はい」

 

「下がれ」

 

バラガンさんの言葉にジオさんは彼の後ろにいる他の従属官と同じ場所に行く。

 

「貴様が第0十一刃になったと言うデストロイヤーか?」

 

「は、はい。そうです」

 

「ふん。こんな小童が第0十一刃にするとはボスも何を考えとるじゃ」

 

「あ、あの貴方は?」

 

「儂か。儂こそは大帝、バラガン・ルイゼンバーン。この虚圏の神だ!」

 

バラガンさんは自信満々に自分の事を神と言いきった。

バラガンさんは元々この虚圏を支配していた王。沢山の虚を配下に収め、自分に刃向かったりする奴を殺してこの虚圏を支配した。だがある日藍染様が現れて部下達を殺され、力の差を見せつけられて王の座を奪われた。それゆえ彼は藍染様の下に付いているが、その背後で復讐を誓い虚圏の王へと返り咲こうとしている。

 

「それでその虚圏の王が私に何の用ですか?従属官まで使って呼び出して」

 

「き、貴様‼︎」

 

「バラガン陛下に向かってその口の聞き方、許せん!」

 

後ろの従属官の内二人が今の私の質問の答え方に納得いかず声を荒げる。

 

「止めい‼︎」

 

するとバラガンさんが声を出し沈まらせた。流石王を名乗るだけあって威厳がある。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ふん、別に貴様の為に止めた訳ではない。儂の目の前でいきなり争うなど愚の骨頂、それ故止めた事じゃ」

 

「それで用件は何かと聞いたな。単刀直入に言おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様、儂の部下になれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは何故ですか?」

 

「ふん、簡単な事。貴様は第0十一刃という事はかなりの強者。貴様なら儂の配下になる資格がある」

 

成る程、分かりました。私を自分の配下に置けば藍染様を討ち取ることができる、という事を考えているんでしょう。

 

「申し訳ありませんが断ります。私は藍染様以外の下につくにはありません(まぁ下についているのも今だけだけどね)」

 

「そうか。余計な時間を取らせてしまったようじゃな」

 

「いえ別に。では、私はこれで失礼させてもらいます」

 

私は扉を開けて宮の外に出る。

 

 

「まさかあれ程の強大な霊圧とは」

 

流石は虚圏の王、藍染様とはまた別の威厳を感じた。あの人は絶対敵に回したくないですね。

 

「さてと、では気を取り直して次の十一刃の宮に行きましょう」

 

私は次の目的地に向かって歩き出した。




スペイン語の数字の読み方はネットで調べました。



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7話 情報収集 第3十一刃

間を開けたのに短かったので、連続投稿しました。

今回は前回と比べると長いです。

それよりお気に入りが100件を超えました。応援してくださる皆様に心から感謝します。

それではどうぞ。


バラガンさんの宮を後にした私は次の目的地である第3十一刃の宮に着いた。3は誰だろう?原作ではハリベルさんだけど、ネリエルさんかもしれない。

 

第3十一刃の宮の扉の前に立ちノックする。

 

 

コン、コン

 

 

「…誰だ?」

 

中から聞こえてきたのは凛と声。この声はもしかして、

 

 

ガチャ

 

 

そう考えていると扉が開いた。出てきたのは金髪で顔の半分から胸までをファスナーで隠している褐色の肌をした女性、ハリベルさんだった。その凛々しい姿に私は目を奪われて声が出なかった。

 

「なんだお前は?私に何か用か?」

 

「…あ、これは失礼しました。私はこの度第0十一刃になったデストロイヤー・レイという者です」

 

「そうかお前が、藍染様の言っていた新しい11人目の十一刃か。私は第3十一刃《トレス・エスパーダ》、ティア・ハリベルだ」

 

「初めまして、ハリベルさん」

 

「それで何か私に用でもあるのか」

 

「いえ、せっかくですから他の十一刃の方々にご挨拶をと思いまして」

 

「そうか。まぁ立ち話もなんだ、入れ」

 

「ありがとうございます」

 

私は3の宮の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり女性なだけあって部屋の中も綺麗ですね。従属官達が綺麗にしているのかな、それともハリベルさん本人がやっているのかな?そんな事を考えていると、ハリベルさんが紅茶を持ってきてくれた。

 

「砂糖はいるか?」

 

「ありがとうございます。頂きます」

 

私は前に出された紅茶に砂糖を入れる。私は砂糖を入れないと飲めないのだ。ただしコーヒーはミルクや砂糖を入れても飲めない、と言うよりカフェインが無理です。

 

「ん〜、美味しいですね」

 

「そうか、それは良かった」

 

彼女はスタークさんと同じくらい仲間想いが強い破面だ。アニメで彼女の過去の話を見た。虚だった頃今の自分達の従属官が破面したバラガンさんの部下の一人に殺られてしまった、自分の「誰かの犠牲で得た力で強くなろうと思わない」という考えで死なせてしまった。

そして、仲間の仇を討つ為に一時は苦戦されるが、それでも倒すまでには至らなかった。トドメをさせられそうになった時に藍染様の手によって助けられた。そして自分の理想とする世界「犠牲無き世界」へ導くといって藍染様の配下に加わった。だが、その藍染様の手によって斬れらるとは夢にも思っていないでしょう。

 

「ハリベルさん一つの言わせてください」

 

「何だ?」

 

「犠牲無き世界なんて何処を探してもありません」

 

「ッ⁉︎」

 

「でも、貴方の望む世界は私も賛成です。だから出来る範囲で手伝いますよ」

 

ハリベルさんは嫌いじゃないし、第一私も自分の従者官を犠牲にしたくない、誰一人失いたくないですから。(仲間を殺す奴以外)

 

「ッ‼︎…ありがとう」

 

ハリベルさんは微笑んでお礼を言った。

 

「それにしても、お前は解放したヤミーを倒すとは凄いな。しかも噂では帰刃してすぐに決着がついたらしいじゃないか」

 

「帰刃?…あ〜、あれか。あれは帰刃じゃなくて変身ですよ。しかも私は後数回の変身が出来るから、あれでも全く全力じゃないんですよ」

 

ハリベルさんは驚いていていた。それはそうだ。変身して帰刃したヤミーさんを圧倒的な力の差をみせて倒したのに、それでもまだ全力ではないとは思わなかったでしょう。

 

その後も二人で楽しく談笑すると扉が開いて3人の破面が入って来た。

 

 

「あ〜、疲れた」

 

「何だよ、あれくらいで疲れたのか。ダラシねェなアパッチ」

 

「何だとミラローズ、テメェお前だって結構疲れてるんじゃねェか。すげェ汗掻いてよ」

 

「お止しなさいな二人とも。鍛錬の後でただでさえ暑いのに、二人が争ったら暑苦しくてよ」

 

『テメェ、スンスン喧嘩売ってんのか‼︎』

 

 

 

ハリベルさんの従者官の3人だ。まず、一番最初に声を上げた額に角があるオッドアイの破面、破面No.54(スィンクエンタ・イ・クアトロ)エミルー・アパッチ、そのアパッチさんと言い揉めを始めた黒人みたいな破面No.55(スィンクエンタ・イ・スィンコ)フランチェスカ・ミラ・ローズ、そして最後に二人を揶揄(からか)っていた髪がロングでお淑やかな破面破面No.56(スィンコエンタ・イ・セイス)シィアン・スンスンの3人だ。

 

「あん、誰だテメェ」

 

私の存在に気付いたアパッチさんが質問してくる。

 

「お前達、こいつは第0十一刃になった」

 

「デストロイヤー・レイと言います。以後お見知りおきを」

 

ハリベルさんの言葉の後に自分の自己紹介をする。

 

「そんな事よりアンタは何をしてるんだよ」

 

ミラローズさんがやや怒り気味で質問をしてくる。

 

「何をってただハリベルさんと一緒に話をしながらお茶をしていただけですけど、それが何か?」

 

私はさっきまでの事を嘘、偽り無く話した。すると…

 

 

「ハ、ハリベル様と話をしながらお茶だと⁉︎テメェ新入りの癖にハリベル様と一緒に話をしながらお茶だと‼︎」

 

「しかもそのお茶はハリベル様が入れてくれた物だな。それを一緒に飲んでいただと‼︎」

 

アパッチさんとミラローズさんが突っ掛かってきた。この二人は気が短いというか何というか、もう少しお淑やかなに出来ないのですかねェ。スンスンさんの様に。

 

「止めなさい、女性がそう言う乱暴な言葉を使うものじゃありません」

 

「何だとテメェ‼︎」

 

「巫山戯んなよー‼︎」

 

「止めなさいな、2人共」

 

私達の会話の間にスンスンさんが入り込んできた。

 

「確かのその方の言う通り、女性ならもう少し言葉を選んだ方が宜しくてよ」

 

『テメェ、スンスンどっちの味方だ』

 

でもそのスンスンさんも顔には出さないが殺気が出ているのが分かります。彼女が入ってきた事により3人は口喧嘩を始めた。アニメでも見たけど本当に賑やかで面白い人達ですね。

 

「随分個性的な人達ですね、貴方の従属官は」

 

「あぁ、だがすまないな。私の従属官がいきなり突っ掛かてしまって」

 

「別にいいですよ。賑やかなのは好きな方ですし。それに「喧嘩するほど仲がいい」って言いますから」

 

ハリベルさんはその言葉聞いて「ありがとう」とお礼を言ってきた。やっぱりハリベルさんとは仲良くやれそうですね。

 

「テメェ、アタシらが揉めてる時に何ハリベル様と仲良く話してるんだ」

 

「いいじゃないですか。私と彼女は同じ十一刃で立場も同じ様なものです。それに貴方達の許可を貰う必要があるんですか?」

「五月蝿えェ、もう我慢できねェ。覚悟しろよォ」

 

3人は今の私の発言が気に入らなかったみたいで剣を出して攻撃しようとしたが、

 

 

 

 

「止めろ!お前達‼︎」

 

 

 

『ッ‼︎』

 

 

 

 

 

ハリベルさんの言葉で動こうとしていた3人が体を止め、彼女の方に向けた。

 

「し、しかしハリベル様」

 

「止めろと言っている。こいつは十一刃でNo.0(セロ)だ。お前達が束になっても勝てまい。ましてや帰刃したヤミーを本気を出さずに圧倒した奴なら尚更だ」

 

「ッ⁉︎」

 

その言葉に驚いて3人とも私を見る。しかも信じられないという顔で。本当の事なに傷つくなァ。でも普通なら当然の反応ですかね?

 

「分かったら止めろ」

 

『は、はい』

 

3人は少し沈んで

 

「すまなかったな、私の部下達がいきなり」

 

「別にいいですよ。さて、次の方にも挨拶をしなければいけないので、これで失礼しますね」

 

「そうか、分かった。暇があればまた来てくれ」

 

「ありがとうございます。それでは」

 

そう言って私は宮の外に出た。

 

「私は3人に嫌われてしまったかなァ?」

 

正直、あの3人とは仲良くしたいと思っています。特にスンスンさんとは。あの子は他の2人とは違ってお淑やかな子だから。

 

「くよくよしてばかりもいられませんね。気持ちを切り替えて次の宮へ行きましょう」

 

私は次の目的にへと向かった。次は誰かな?

 



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8話 情報収集 第4十一刃、第5十一刃

今回は一人だと話が短いので、二人にしました。

あと今回一人キャラ崩壊します。




次の目的地は第4十一刃の宮ですね。原作ではウルキオラさんでしたが、彼は確か藍染様がある日突然連れてきたという情報があるから可能性としてはかなり低い。だから今は違う人だと思うのですが、どうなんでしょうか?

 

そんな事を考えながら第4十一刃の宮に着いた。

 

そしてスタークさんやハリベルさんの時と同じように扉を叩いてノックする。

 

 

コン、コン

 

 

…キィー

 

 

ノックしてから暫くして扉が不気味な音をたてながら開いたが、そこには誰もいない。本当に不気味なので帰ろうとしたら、突然と宮の中から誰かが扉の前に飛び出してきたけど

 

「ジャッジャーン、ジャッジャジャ、ジャジャッジャジャジャーン!」

 

突然現れ男は自分で効果音を言って、ポーズをとりながら登場した。…と言うか何、この登場仕方。

 

「さすが我輩、華麗に決まったな」

 

「……」

 

「どうしたのかね?さては、吾輩の華麗な登場に見惚れていたな」

 

…ハ?何言っているだ、この人。頭大丈夫かと思える。

 

「そう隠すことはない。吾輩の華麗な登場に見惚れるのも、無理はないのだからな」

 

「…よりによってこの人か」

 

私は本人に聞こえないように小さい声で呟いた。

額に仮面の跡があり、ダンサーのように登場した男、ドルドーニさんだ。この人は原作では十刃落ちで黒崎さんと戦った人だ。卍解した黒崎さんに呆気なく敗れてしまったけど、戦闘能力は結構高く、帰刃する前でも黒崎さんを追い詰めていたほどの実力者だけど性格が…。

テンションも独特で五月蝿いし、一言で言うなら面倒くさい人です。見ている視線では面白いとかで爆笑していたが、実在こうやって目の前でやられると正直ウザい。

 

「そう言えばまだ自己紹介をしていなかったな。吾輩は第4の十一刃、第4十一刃ドルドーニ・アレッサンドロ・デル・ソカッチオだ」

 

「こ、これはどうもご丁寧に。私は第0十一刃デストロイヤー・レイです」

 

「おう、ソナタが第0十一刃になった者か。それで吾輩の華麗な登場の仕方だか が…」

またなんか語り出してしまいました。この人は「自分カッコイイ」とか思っている人だから自分の事ばかりであまり聞きたくない。それに私はナルシスト系って好きじゃないんですよ。気持ち悪いしウザったい。もうここは次の宮に行きましょう。

 

「…という事だ。分かったかねってオーイ。人の話を最後まで聞かんかー!」

 

そんな事を言っていますが無視しましょう無視。もうこの人とは色んな意味で会いたくないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて第4十一刃のドルドーニさんにも挨拶した…のかな?まぁ、これで残り半分ぐらいになりましたね。次は5の宮ですね。原作ならノイトラさんの筈ですが。もしそうなら戦いを挑まれそうで嫌ですね。

そんな思いを胸に5の宮の前に辿り着いた。他と同じように扉をノックした。

 

 

コン、コン。

 

 

ガチャッ

 

 

 

すると出てきたのは、背中に羽のような物があり、ゴスロリみたいな衣装を着ている女破面、チルッチ・サンダーウィッチさんだ。いやぁ〜、こんなに早く会えて嬉しいです。この人は女性破面の中で私が一番好きなキャラだったから、こんなに早く会えるだなんて本当に嬉しい限りです。ドルード二さんの後に会えるなんて、これは「損して得を取れ」ですね。

 

「誰アンタ、アタシに用でもあんの?」

 

オォー、原作と同じで男気が入ったような強気な性格ですね。

 

「初めまして、私はこの度0十一刃になったデストロイヤー・レイというの者です」

 

「ヘェ〜、アンタが」

 

あれ?あんまり興味無さそうな言い方ですね。ちょっとショックです。

 

「で、アタシに何か用なわけ?」

 

「いえ、新しく十一刃入りしたので、他の十一刃の方々にも挨拶をしておこうと思いまして」

 

「そぉ、じゃあもう終わったからいいでしょ?帰って」

 

えぇ〜‼︎挨拶したからもう帰ってって、それはないでしょ。折角挨拶しに来たのに。

 

「まぁ、まぁ。そんな事言わないで少しでもお話ししましょうよ」

 

「ハァ⁉︎アタシはアンタと話す事なんて何もないんだけど」

 

そう言って扉を閉めようとするチルッチさん。私は慌ててその扉を掴む。この作品で一番好きな女破面に会えたんだから、色々話がしたい。

 

「少しだけ、少しだけでいいですから」

 

「あ〜、もう執拠い。何、アンタアタシに何か恨みでもあるわけ?」

 

「う、恨みなんてありません。私は貴方のことが"好き"だから是非ともお話をと…」

 

すると突然チルッチさんが固まった。

 

「なっ、なっ⁉︎」

 

そして口を半開きにして顔を真っ赤にしている。私何か変な事言ったかな?

……⁉︎あッ、今私彼女に向かって"好き"って言いしまたね。多分それで恥ずかしくなって真っ赤になっているんだ。

てッ、そんな冷静に考えている場合じゃありません。確かに女破面で一番好きだけど恋愛とかそんな風に言ったんじゃないんですから。

 

「こ、この馬鹿野郎ー‼︎」

 

ワイヤーのついた斬魄刀でコマを飛ばして攻撃してきた。あ、危ない、死ぬ事はないと思うけど確実に怪我はするほどの威力はありますよ、今の。言葉を掛けようにも我を忘れているから無理だ。

 

「す、スミマセン、本当にスミマセン。また後日謝罪しに来ますで、では」

 

私はそう言って慌ててその場を後にした。ハァ〜、危なかった。でも彼女には少し酷いことしちゃたかな。後日絶対謝りにこよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃チルッチは、

 

「なんなのアイツ、初対面のアタシに対して"好き"だなんて」

 

暴走が収まり落ち着いたが、彼の言った一言が頭から離れられないでいた。

 

「ほんとになんなのよ、アイツ」

 

この心の中に出来た、温かくてモヤモヤしたものはなんなのか分からないでいた。




チルッチは作者自身BLEACHの女性の中で気に入っています。



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9話 情報収集 第6十一刃

残りも半分を切り次は第6十一刃の宮を目指す。原作通りならあの人ですね。でももしそうだったら、あの人は喧嘩っ早いから戦いは避けられないかもしれませんね。「気に入らない奴は殺す」みたいな人ですから。

 

 

そしては第6十一刃の宮に着いて、扉をノックする。

 

コン、コン

 

 

ガチャ…

 

 

「なんだ、てめぇは」

 

中から現れたのはポケットに手を突っ込んでヤンキーみたいな口調の青髪の男、グリムジョー・ジャガージャックだった。今まで会ってきた人達とは一変してもの凄い殺気オーラを出している。

 

「初めまして、私この度0に就任したデストロイヤー・レイです」

 

「てめぇが0になった奴だと?」

 

グリムジョーさんは私が0だと知ると何かを考え始めた。すると急に口がニヤてけ語り始めた。

 

「だったらてめえを倒せば、俺が0になって最強になれることか」

 

私を倒したら。ま、まさか⁉︎

 

「俺はてめぇに勝負を申し込むぜ」

 

やっぱりきた。

 

「で、でも確か十一刃同士の戦いは藍染様の許可が下りないと駄目な筈じゃ」

 

「そんな事は関係ねぇ。俺は王だ、だから俺より強い奴はいちゃァならねェんだよォ。だからお前を倒して俺が0になってやる」

 

そんな無茶苦茶な。そう言えば、彼は虚夜宮の天蓋の下で禁止されている王虚の閃光を使っていたっけ。彼は藍染様の決めたルールも破るし、自分勝手な行動が多い所もあるからな。

正直十一刃になったばかりで大事(おおごと)をあまり起こしたくない。かといって、そんな事を言って彼が素直に帰してくれる訳もないだろうからしょうがない。

 

「分かりました。少しだけならいいですよ」

 

この天蓋の下は藍染様の監視下にあるから下手に強力な能力を使って知られたくないけど、大した事ない能力なら少しくらいならいいでしょう。

 

「そうと決まれば外に出て殺るぞ。来いよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして私とグリムジョーさんは第6十一刃の宮の近くで戦う事になった。そこには観客者がいた。顔の左半分に虚の仮面の跡があり、そして従属官のリーダー的存在の男ー 破面No.11(ウンデシーモ)シャウロン・クーファン、眼鏡のような形の仮面の跡に右半分に赤髪がある男ー破面No.13(トレッセ)エドラド・リオネス、顔が右半分が虚の仮面に覆われて太っている男ー破面No.14(カトルセ)ナキーム・グリンディーナ、金髪の男ー破面No.15(クインセ)イールフォルト・グランツ、頭の仮面の跡に包帯のような物を巻いている男ー破面No.16(ディエシセイス )ディ・ロイ・リンカー、グリムジョーさんの従属官達だ。自分達の主人であるグリムジョーさんの戦いを見物したいみたいです。

 

「よし、じゃあ始めるとすっか」

 

その言葉を合図にグリムジョーさんは突っ込んできて右腕を前に突き出してくる。私はそれを敢えて響転を使わないでかわす。

 

「遅ェんだよ!」

 

グリムジョーさんはさらに素早い拳を両手を使って左右から畳み掛けてくるが、私は首を左右に振ってかわしていく。でも流石第6十一刃の事はあって一つ一つが早い。解放前とはいえヤミーさんとは大違いだ。…あくまで今の私のレベルだけど。

 

「どうした、どうした。0になったてめぇの力はこんなにものかよォ」

 

交わしてばかりの私にグリムジョーさんは挑発してくる。そして彼の従属官達も私の事を馬鹿にし始めた。

 

「けッ、なんだよアイツ。別に大した事ねェんじゃねェのか」

 

「あぁ、避けてばかりで全然反撃しようとしねェ。」

 

「なんであんなカスが0になったんだろうなぁ」

 

「……」

 

「0になったと聞いてどれ程の実力か思ったのですが、正直言って期待外れですね」

 

…好き放題言ってくれますね。ナキームさんは無言ですが多分心の中では馬鹿にしてるでしょう。私がただ避けているとでも思っているのでしょうか?

 

私は上空へ飛んでもさらに攻撃を仕掛けてくるグリムジョーさんは、右腕を引いて強力な一発を打ち込もうしていた。

 

 

「終わりだァー!」

 

 

思いっきり手を突き出してきたが、突き出した途端にデストロイヤーが消えた。

 

「ッ、な、何⁉︎奴は、奴は何処だ⁉︎何処に消えた」

 

突然消えた事に状況が、従属官達も何が起きたと周りを見渡した。すると

 

 

「フ、フ、フ、フ」

 

後ろから声が聞こえたので後ろを向く。そこにいたのは…

 

 

 

「ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハー」

 

下の地面にデストロイヤーが笑いながらグリムジョーを見上げていた。

 

「ほんの少しスピードを上げただけでもう着いてこられないんですね。それでも王なのかい?」

 

グリムジョーは手を突き出す直前に響転を使ったのだろう、ならあそこまで移動したのに理由がいく…本来の話なら。

 

「因みに今のはただ高速で移動しただけで響転は使っていませんよ」

 

その言葉にグリムジョーさんやその従者官達は驚愕した。響転は言わば破面専用の"瞬間移動"みたいなもの。だから見失ってもおかしくはないのですが、ただ移動しただけなのに見失うとは思っていなかったんだろう。

 

 

「今度は私の番だね。」

 

 

私はグリムジョーさんの目の前に移動し攻撃を繰り出す。

 

 

「臨獣センチピード拳リンギ、百斬手(ひゃくざんしゅ)‼︎」

 

 

超高速の拳を何発も繰り出す。そのスピードにグリムジョーさんは驚愕のあまり反応が遅れたが両腕をクロスさせて防御する。そして響転で一端距離を置いた。

 

 「嘗めんじゃねェー!」

 

 そして右手を前に突き出し、霊圧を溜め虚閃を放とうとしている。なら私も虚閃を使おうか。そして同じく右手に黄緑色の霊圧を溜め虚閃を放つ準備をする。お互いほぼ同時に虚閃を発射した。そしてお互いの虚閃がぶつかり合った。

 虚閃と虚閃のぶつかり合いで凄まじいほどの風圧があたり一帯を襲った。最初はほぼ五部と五部だったが次第に私の方が押され始めた。流石にヤミーさんとも威力が違う。仕方がない、半分手前までくらいまで力を出そう。そして力を虚閃の威力を上げる。すると、グリムジョーさんの虚閃が押され始めやがて私の虚閃が彼を飲み込んだ。

 その後地面に落ちてグリムジョーさんを見ると体中は血だらけで重傷だった。少しやりすぎてしまったかな?

 

 

 

『グリムジョー‼︎』

 

 

 

彼の従属官達が自分達の主人の安否を心配して落ちた場所にみんな近づいていく。

 

「はい、おしまい。では私はこれにて失礼します」

 

私はその言葉を最後にその場から離れる。放置にしとくのは無責任だったかな?でも逆に手当てとかしたら、プライドが高い彼には逆効果かもしれないからね。

 

さて、次の宮に行きますか。




グリムジョーがこんなにあっさりやられていいのかと思いましたが、やれた後に会話を入れるとこの後出す十一刃と被ってしまうのでなしにしました。申し訳ありません。


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10話 情報収集 第7十一刃、第8十一刃

今回も一人だと短いので、二人にしました。


グリムジョーさんを軽く遊んであげて数分後、7の宮が見えてきた。確かここは原作ではゾマリさんでしたね。正直彼は原作でも一番出番が少なかった十一刃だから忘れられがちだけど、私はしっかり覚えてますよ。

 

そして7の宮に着いて同じように扉をノックする。

 

すると中から頭部に複数の棘のようなものがあり、耳にドクロのピアス、黒人のような黒い肌した破面、ゾマリ・ルルーさんが出てきた。ここも原作と同じだ。

 

「初めまして、私はこの度0十一刃になったデストロイヤー・レイです」

 

「ふむ、自ら名を名乗る心意気は良し、私は第7の十一刃、第7十一刃ゾマリ・ルルー、以後お見知り置きを」

 

やっぱりゾマリさんは礼儀正しいな。他の十一刃も礼儀正しいの入るけどここまでではないから。

 

「して、私に何か用ですか?」

 

「いえ、新しく十一刃入りしたので他の十一刃の方々に挨拶しておこうと思いまして」

 

「そうですか。…してデストロイヤーとやら貴方に一つのお聞きしたい事があります」

 

「なんですか?」

 

「貴方は藍染様の事を…どう思っていらっしゃる」

 

ゾマリさんは会って早々私に質問してきた。藍染様の事をどう思っているかか?

 

「正直あまり考えた事はありません。強いて言うのであれば、私たちに力を与えてくれた人です」

 

「…そうですか」

 

「そう言う貴方は藍染様の事をどう思っているんですか?」

 

「はい、私が思う藍染様とは…『神』です」

 

…はい?

 

「な、何故神なのでしょうか?」

 

「考えた御覧なさい。私達に力をくれたのは誰ですか?私達に手を差し伸べてくれたのは誰ですか?そして、私達の願いを聞きいてくれたのは誰ですか?そう藍染様です。藍染様私達を導く『神』、そう私達にとって絶対的な『神』なのです」

 

そう言えば彼はかなりの藍染様教だったね。藍染様の事を神と思っているから『その神に楯突くものは誰であろうとも許さない』と切り捨てるだろうなぁ。

彼は冷静沈着な性格だが、結構残酷なところもあるですよね。気を失っているルキアさんを躊躇なく斬ろうとしてましたし。結果白哉さんに斬られましたが、最後に「藍染様、万歳」と言って消滅したから藍染様への忠誠心は破面の中でも特に強いだろう。

 

「な、成る程」

 

「…では、もう用がないのでしたらお引き取り願う」

 

「あ、はい、分かりました。ありがとうございます」

 

そう言ってゾマリさんは扉を閉める。もう彼には関わるのはやめましょう。一緒にいると、こっちまでおかしくなりそうで怖いです。

 

「さて、気をとり直して次に行きましょう」

 

そして私は次の宮に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今私は8の宮を目指している。しかし、チルッチさんが5十一刃だったから8十一刃は彼だよね、多分。

 

そう思って8の宮が見えてきた。そして扉の前まできた次の瞬間、

 

 

「くらえェー!」

 

 「ッ‼︎」

 

 

いきなり後ろから巨大な剣で奇襲をかけられた。私は素早く右側に避けて襲ってきた本人を見る。そこにいたのは、長身で三日月のようなの形をした斬魄刀を持っている左目に眼帯をつけた破面、ノイトラ・ジルガさんがいた。

 

「てめぇが0十一刃になったて言う奴か」

 

「は、はい。この度0十一刃になったデストロイヤー・レイと言います」

 

「そうかい。なら」

 

口をニヤッと吊り上げ剣を私に向けてきた。

 

 

「俺と戦え」

 

「…何故ですか?」

 

「決まってんだろ。俺が0のテメェを倒せば、俺が0になって最強である事を証明できるからだ」

 

彼はグリムジョーさんのように戦闘狂ですからね。「いやだ」と言っても無理でしょう。戦いが生き甲斐みたいな人ですから。

 

「止めとけ、ノイトラ。無謀じゃないか」

 

彼の後ろにいた男が戦いを止めろと説得しようとしている。彼は破No.50(スィンクエンタ)テスラ・リンドクルツだ。ネリエルやノイトラの過去回でノイトラの従属官だったが、今はまだタメ口だ。それに髪も原作より長いし。

 

「五月蝿え、てめぇに指示される筋合いはねェぞ、テスラ」

 

「だが…」

 

 

 

 ドカーーン‼

 

「…五月蝿えッつってんだろ」

 

 

「…ッ‼︎」

 

 

テスラさんの説得に痺れを切らしたノイトラさんはテスラさんの真横に三日月のようなの剣を投げつけて黙らせた。

 

「待たせたなァ。さぁ、思いっきり殺ろうぜ」

 

テスラさんを力づくで黙らせたノイトラさんは早速戦いを始めようとしていた。

 

 

まずノイトラさんが私めがけて突っ込んできて巨大な自分の斬魄刀を振りかざしてくる。いつもならかわしているが自分の鋼皮の硬さも知りたいし、今回は腕で攻撃を受けながら始めていこう。

 

 

 

私は攻撃を自分の腕で受け続けているが、血が出てない。やっぱり破面の鋼皮は結構硬いんだなぁ。私の鋼皮もノイトラさん程ではないが上位の硬さじゃないかなぁ。

 

「どうした、どうした。こんな攻撃程度で避けられねぇのか?だったら期待外れだぜ」

 

ノイトラさんはさらに猛攻の攻撃を仕掛けてくる。そして「終わりだ」みたいに斬魄刀を大きく振り上げた。さすがにこの一撃は無傷でいられる自信がなかったので、数少ない防御を使う。

 

 

「臨獣トード拳リンギ、”体油包(たいゆーぱお)”‼︎」

 

 

体から透明な油が出てきて自分の体を包み込んで固まった。そしてノイトラさんは剣で攻撃するも、その固まった油に傷一つ付けられないでいた。今の彼の力ではこの技を破るのは無理だ。

 

「くそが」

 

「では私も反撃しましょうかね。妖蛇刀(ようじゃとう)

 

 

体油包を解いてショーテル型の二本の剣を出す。相手が剣を使うならこっちも剣で戦うのが筋ってものですから。

今度はこっちから攻撃を仕掛けようと、突っ込んで行き妖蛇刀を振りかざして攻撃した。ノイトラさんはそれを斬魄刀で受け止めた。お互いの剣がぶつかり合って火花が散っている。そしてノイトラさんが斬魄刀で振り払うと、今度は彼が突っ込んできた。

片方の妖蛇刀で攻撃を受け止め、もう片方で攻撃する。この行動を何度か繰り返していたが、攻撃をかわして隙をつき斬りつけたが、血が出るどころか傷一つ付いていない。

 

 

「無駄だ!俺の鋼皮(イエロー)は歴代十刃最高硬度だ。そんな剣で斬れる訳ねェんだよォ‼︎」

 

 

そう、彼の彼の鋼皮は歴代全十刃の最強の硬さを誇っている。それが十刃に入れた理由の一つでもあるだろう。

 

確かに貴方の言う通り斬る事は出来ない。この剣では(・・・・・)。だからもっと斬れ味があるのに変えればいいだけの事。妖蛇刀をしまってある言葉を、大声で叫ぶ。

 

「フォースチップ、イグニッション‼︎」

 

 

上空から8角形のチップが降ってきて私の背中に当たって中に入る。すると両腕から紫色の長い二本のブレードが出現した。

 

 

 

「バーテックスブレード‼︎」

 

 

 

このブレードなら彼の鋼皮を斬ることが出来る筈。

 

「そんな武器もあんのかよ。面白れぇ、掛かって来いよ」

 

ノイトラさんは私のブレードを見てさらに戦いが楽しくなると思ったのか、口が吊り上げて突っ込んできた。

両腕のブレードを構えた。そしてお互いの剣がぶつかり合って、またも激しい火花が散らしていた。この武器は自分の腕とくっ付いているので、自分の体の一部みたいなものだから扱いやすい。

しかし、さすがに一本の斬魄刀と二本のブレードでは部が悪い。さっきと同じで片方で攻撃を受け止めるもしくは弾いて、もう片方で攻撃をしてノイトラさんの体を斬りつけた。すると、血が流れたのだ。傷口は浅いが血が流れなのには変わりない。

 

 

これ以上はマズイと思いっきり最後の一撃とばかりに、右肘を使って土手っ腹に強烈な一撃を与えて、吹っ飛ばした。やっぱりこのブレードの斬れ味は凄いな。彼の鋼皮を浅いとはいえ斬ったんだから。

 

 

ブレードを消してその場所から離れようすると

 

 

 

 

「待て‼︎」

 

 

 

 

ノイトラさんは殺気がこもった霊圧を放っていた。

 

「何処へ行く、まだ戦いは終わってねェ。俺はまだ戦えるんだからよォ‼︎」

 

 

「ハァ、戦いが好きなのはいいですが、私を巻き込んでの大事はやめてください。それに私は無駄な戦いはしたくないんです。それじゃ」

 

 

私はその言葉を最後にその場を後にした。今のでノイトラさんから敵対関係になってしまったからもせれませんね。目を付けられそうで面倒です。

 

 




いよいよラスト一人です。

皆さんはもう誰だかわかっていますよね。


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11話 情報収集 第9十一刃

いよいよ情報収集も最後になりました。
それは皆さんご存知のあの破面です。

ここでストックが切れましたので更新が遅れるかもしれません。
気長に待って頂けると幸いです。

それでは、どうぞ。


さてとこれで8人に挨拶したから残るはあと1人ですね。原作通りなら彼の筈、早く会いたいものです。

 

そして最後の目的地9の宮に着いた。ほとんどの宮と同じように扉をノックしようとしたら

 

「僕ラニ何カ用カイ」

後ろから声をかけられたので振り向く、そこにいたのは。8つの縦長の仮面を着けた破面、アーロニーロ・アルルエリさんがいた。今喋ったのは高い声だったから下の方かな?

 

「初めまして、私は第0十一刃になったデストロイヤー・レイです」

 

「で、俺に何か用があるのか?」

 

「いえ、ただ同じよう十一刃の人に挨拶を思いまして。貴方がこの宮の主ですか」

 

「そうだ、よく分かった。俺達は最下級大虚(ギリアン)だから勘違いされやすいがな」

 

すみません、原作知識です。

 

「話ガアルナラ、宮ノ中デ話ソウ」

 

響転で扉の前に移動し、扉を開けて暗い宮の中に入って行く。私はその後を追って中に入ったら扉が閉まって完全に真っ暗になった。

 

「悪いな、俺はどうも日の光ってやつが苦手なんだ」

 

「マズハ、仮面ヲトッテ挨拶スルヨ」

 

そう言って、仮面を取ると赤い液体が入った透明の細長いカプセルの中に右目と左頬に9の数字が書いてある二つの顔があった。

 

「僕ラが第9十一刃(ヌベーノ・エスパーダ)

 

「「アーロニーロ・アルルエリだ」」

 

 

彼はバラガンさんとヤミーさん、そして今は十一刃落ち(プリバロン・エスパーダ)のザエルアポロさんを含める第1期十一刃の生き残りの一人。

 

 

「俺たちは不完全な崩玉によって作られた最初期組でな」

 

「完全ナ人型二成レナカッタ失敗作ノ一人ナンダヨ」

 

そう、彼は最初期組の一人だ。最初期組は不完全な崩玉によって生まれたから完全な人型に慣れない者が多かった、彼もその一人だ。

 

「どうだ、醜いだろ?」

 

なんか悲しげな声で言ってくる。

 

「確かに最初見たときはビックリしましたが、醜いとは思いません」

 

 

「…気ヲ使ワナクテモイイヨ」

 

 

「気を使ってなどいません。それに聞いた話では、貴方は第1期十一刃の一人だそうじゃないですか。階級は分かりませんが、第1期からずっと十一刃に居続けているだから凄いと思いますよ」

 

 

彼は原作でも十一刃の中で唯一の最下級大虚(ギリアン)。自分の能力とは言え十一刃に居続けているのだから凄い。少なくとも私はそう思う。

 

 

「そうか、因みに俺達が十一刃でいられるのは」

 

「コノ能力のオカゲナンダヨ」

 

そう言って左手に手を掛け手袋を外した。すると、中から数本の触手と真ん中が開いた太い者が出てきた。実際生で見ると気色悪いな。

 

「それは?」

 

「これが俺達の能力だ」

 

「これが?」

 

「そうだ。俺達の能力は喰虚(グロトネリア)、死した虚を喰らう事でその能力と霊圧を自分達のものに出来る」

 

「ツマリ、僕ラは唯一無限二進化シ続ケル事ガ出来ル破面ナノサ」

 

 

そうこの力のおかげで彼は今も尚十一刃で居続けられている。元々はこの能力は元十三番隊副隊長の志波海燕と戦った改造破面「メタスタシタ」の霊体融合能力だった。

メタスタシタは戦いの最中志波海燕の体に入り込み体を乗っ取った、だが朽木ルキアによって倒され、虚圏に帰ってきたその霊体を志波海燕の体ごと彼が喰らった事により手に入れた力である。

志波海燕の体ごと喰らった事によりその斬魄刀を使えたり、経験や記憶を手に入れたのだ。

 

 

「成る程、それで最下級大虚なのに十一刃に入れたわけですね。て事は貴方がこの宮の中に入れたのは私を喰らうためですか?」

 

「いや、それは無い。お前に手を出したら逆にこっちが返り討ちにあいそうだ」

 

「ソレニ藍染様ノオ叱リヲ受ケタクナイカラネ」

 

さすがに実力差は分かっているらしい、今ここで戦えば確実に殺られると。

 

「確かに私は解放したヤミーさんをあっさり倒しましたからね、変身してですが」

 

「変身?」

 

「帰刃ジャナイノカイ」

 

「はい、私は斬魄刀が無いのですで帰刃出来ませんが変わりに変身が出来るのです。まぁその変身も数回出来ますから彼を倒した時も全然本気じゃなかったですから」

 

「それは凄いな」

 

「マスマス君ニハ手ヲ出シタク無イヨ」

 

 

そのあとアーロニーロさんとは暫く雑談をした。そして帰る時に彼が質問してきた。

 

 

「ところで、何故お前は俺達に色々話をしたがったんだ?」

 

「…それは貴方達が私のお気に入りだからですよ」

 

 

その言葉を最後に響転を使ってその場から消える。

 

 

「…随分変わった奴だったな。俺達がお気に入りとは」

 

「ソウダネ。デモ悪イ気ハシナイカモ」

 

「そうだな」

 

アーロニーロさんはそんな事をお互い考えながら宮の扉を閉めた。




作者自身アーロニーロは気に入っています。



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12話 情報収集後

やっと投稿できました。

ただ話がグダグダかもしれませんので注意してください。


 私の十一刃の発表から少しして私は今の十一刃の現在のメンバーの確認をしていた。今のメンバーを見れば原作開始まで後どれ位が分かりますからね。そして調べた結果

 

 

 

 第0十一刃:デストロイヤー・レイ

 第1十一刃:コヨーテ・スターク

 第2十一刃:バラガン・ルイゼンバーン

 第3十一刃:ティア・ハリベル

 第4十一刃:ドルドーニ・アレッサンドロ・デル・ソカッチオ

 第5十一刃:チルッチ・サンダーウィッチ

 第6十一刃:グリムジョー・ジャガージャック

 第7十一刃:ゾマリ・ルルー

 第8十一刃:ノイトラ・ジルガ

 第9十一刃:アーロニーロ・アルルエリ

 第10十一刃:ヤミー・リヤルゴ

 

 現十一刃のメンバーはこうなっています。

 

 ノイトラさんがまだ第8十一刃でハリベルさんが第3十一刃という事は、ノイトラさんがネリエルさんを倒した後にありますね。原作開始までもう少し時間がかかりそうですね。それまではトレーニングをして自分や従者官達の力やテクニックを上げなければ。

  現に例として臨獣センチピード拳使いは一番のスピードかもしれないが、狙いの正確性はない。例えばどんなに早くても、強力な技であっても当たらなければ意味がないから。それによって敗北している。だからその欠点などを補えるようにしていきたいのだ。因みに私の0の数字は右腕にあります。

  そして私は今どうなっているかと言うとーーーーー

 

 

 

 

 

  「また来たんですか、チルッチさん」

 

  「何よ、アタシが来ちゃいけない訳でもあるの」

 

  「いや、そんな事はないですよ。寧ろまた来てくれて嬉しいですよ」

 

  「ッ⁉︎ふ、ふん。別にアンタに会いに来た訳じゃないだからね」

 

  私の宮でチルッチさんと雑談をしていた。あの情報収集の後、チルッチさんに謝り行ったら「許す変わりにアンタの宮に招待したない」という形で許してもらった。そして一週間して完成した宮に早速チルッチさんを呼んだ。

  私の宮は普通の宮より大きく、トレーニングルームや風呂など部屋が数箇所あるから中も結構広いのだ。その外見の大きさと中の広さにチルッチさんも最初は唖然としていた。

  それからチルッチさんはほぼ毎日のように私の宮に来ているのだ。まぁ私は彼女が気に入っているから嬉しくていいのですけどね。

 

  「…そう言えば、チルッチさん聞きましたよ。ノイトラさんと第5の座を掛けた勝負をするって」

 

  「…えぇ、そうよ」

 

  実はこの間ノイトラさんが二度の破面化をした。それにより力が増大し、斬魄刀の形もUの字から原作の8の字に変わった。それにより藍染様から階級の昇格の話が出され、選んだ相手が

 

 

 

 

 

 

  チルッチ・サンダーウィッチ(第5十一刃)

 

 

 

 

 

 

 

 

  原作ではノイトラさんは第5十一刃でしたから現在の第5十一刃を倒して昇格したと思うので、チルッチさんと戦う事は分かっていました。

   でも彼女は、私の特に女破面の中では一番のお気に入りですからあまり気が進みません。

 原作では彼女は十一刃落ち(プリバロンエスパーダ)でしたからノイトラさんが勝つのは分かっていますが、相手はノイトラさん。トドメを刺す事にもなんの躊躇(ちゅうちょ)もない人ですから、もしかするとチルッチさんは殺されてしまうかもしれません。

  例え殺されなかったとしても、原作ではルドボーンさん率いる葬討部隊(エクセキアス)に回収され、ザエルアポロさんの研究材料にされたみたいですから。

 

 その流れだけは絶対に阻止しなくてはなりません。原作の流れが少し変わってしまうかもしれませんが、チルッチさんの運命は変えようと思っていましたからなんの問題もありません。

  

 

  「…勝てると思う、アイツに」

 

 

  …ここはどう答えたらいいのでしょうか?原作を知っている私はノイトラさんが勝つ確率が極めて高い。

 

 

  「…正直難しいと思います。でも、自信を持ってください。私は応援していますから」

 

 

  「ッ⁉︎ふん、一応お礼を言うわ」

 

 

  顔を赤くしてソッポを向いてお礼を言ってきた。ーー本当に素直じゃなんだから。でもそれが彼女らしいところです。そんな事を考えていると

 

 

 

 

 

  『デストロイヤー様〜』

 

 

 

 

  後ろから抱きついて来た2人の女性。

  狭霧友子と良田胡蝶だ。この2人は私が特典で望んだ者たちです。

  友子さんは赤いロングヘアーたが、本気を出すと髪が白く変化する。武器は日本刀。

  胡蝶さんは同じくピンク色のロングヘア。普段はかなりの毒舌で相手を罵ったりするが、私には丁寧語で時々セリフがカミカミになる。武器はレピア。

  2人はとある作品から選んだ存在で私の側近である。今はまだ実力は無いが私とほぼ同等くらいの力はつけたいと思っている。

 

 

  何より2人の一番の特徴は、かなりの巨乳。胡蝶さんはBLEACHで一番の巨乳とも言える松本乱菊より一割ほど二つの胸、友子さんは更にそれを上回る胸。そして2人共かなりの美人である。

 

 

  以前二人と虚夜宮を探検していたらドルドーニさんと出会ったら、二人を見て「お〜、美しい女性達(ラズモヘレセルモーサーズ)よ。是非吾輩の従者官にならないか?」と口説いてきましたからね。その時、この人、なに人の従者官を何口説いているんだと思いました。でも友子さんからは笑顔で「ゴメンなさい、遠慮しておくわ」と言われ、胡蝶さんからは鋭い顔で「黙れ俗物、貴様の様な奴が私に近づくな‼︎」と言われて四つん這いになって落ち込ましたから。特に友子さんの笑顔で断られたのがショックだったのでしょう。あれは面白かったですね。

 

 

 

 「あら、チルッチじゃない。居たのね」

 

  「何よ、いきなり間に入り込んできて。アタシは今デストロイヤーと話をしているの。割り込んで来んじゃないわよ」

 

  「悪いがこれからデストロイヤー様は私と話があるのだ。分かったら"私の"デストロイヤー様から離れろ‼︎」

 

  「なっ⁉︎何馬鹿な事抜かしってんのよ。いつからそいつがアンタの物になったのよ」

 

  「そうよ。デストロイヤー様は"私の"デストロイヤー様なんだら」

 

  「アンタの物でもないわよ‼︎いい加減離せなさいよ」

 

   そういう自分もさっき私に寄り添ってましたよね。というか二人もちゃっかり"私の"ってところを強調し過ぎでしょう。

 

  「あら、もしかして妬いてるの?」

 

  「なっ⁉︎そんな訳ないでしょ。変な事言うんじゃないわよ」

 

  「だったら私達がデストロイヤー様と一緒にいても問題ないだろう。分かったらとっとと離れろ俗物」

 

  「ムッキー‼︎」

 

  また始まった。この3人はハリベルさんの従者官の様に喧嘩してるんですよね。私は鈍感ではないから3人が喧嘩する理由は分かっているけど、もう少し仲良くしてもらいたい。

 

  「もうアッタマきた‼︎ここで勝負付けてやろうじゃないの」

 

 「もう、本当にせっかちな子ね。でもそこまで言われちゃ黙ってられないわね」

 

  「ふん、いいだろう。力の差というものを見せつけてやる」

 

  「アンタ達こそ十一刃のアタシに勝てるとでも思ってんの?」

 

 3人は自分の武器をもって戦闘態勢に入る。そして駆け出そうとしたその時

  

 

 

 

 

 

 

  「止めなさい」

 

 

 

 

  『⁉︎』

 

 

 

    私の声で3人は一斉に私の方も見た。

 

 

  「ここは私の宮です。戦いをすることは認めません。それに友子さんと胡蝶さん、今の貴方達の実力ではチルッチさんを倒すまでまでは至らないでしょう。何より貴方達には目の前で傷ついてほしくないのです。だから戦闘する事は認めません。いいですね?」

 

  『は、はい。デストロイヤー様』

 

  「悪かったわよ」

 

  なんか今のこの3人のやり取り、まるでハリベルさんの従属官の3人のやり取りに似ているような気がしてきた。

 

  「では落ち着いたところでお茶にでもしましょう」

 

  『はい、デストロイヤー様』

 

  「…ふん、別にアタシはいらないけど、まぁ折角だし頂いておこうかしら」

 

  「では早速」

 

  「参りましょう、デストロイヤー様」

 

  「て、コラー!人が話している最中にまたアンタ達はー‼︎」

 

  「フフフ」

 

 

  ーーこんな楽しい日々が続けばいいのに…そんな事を考えているが現実とは実に残酷なものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてついにやってきた。運命(2人の対決)の時がやってきた。

 




次も少し時間がかかるかもしれません。



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13話 対決 第5十一刃vs第8十一刃

大変お待たせしました。

戦いの描写が思いつかなかったので、こんなにも間を空けてしまってすみません。




 今二人の破面がお互いを睨みつけながら見ている。

 

 一人はノイトラ・ジルガ。第8十一刃で、歴代全十刃の最高硬度誇る鋼皮(イエロー)の持ち主。

 

 そしてもう一人はチルッチ・サンダーウィッチ。第5十一刃で数少ない女十一刃である。

 

 

 「あんたがアタシに勝てると思ってんの?今の内に止めといた方がいいんじゃない」

 

 「へっ、余裕こいていられるのもそこまでだ。テメーを倒して俺がその(第5十一刃)座を貰うぜ」

 

 

 開始前から2人のはピリピリしていた。

 

 

  「ではこれよりチルッチ・サンダーウィッチとノイトラ・ジルガによる第5十一刃の座を賭けての決闘を行う。お互い準備はいいかい?」

 

 

  「えぇ」

 

  「あぁ」

 

  

 「それでは…始めたまえ」

 

 

 

  その合図と主にノイトラがデカイ斬魄刀を振り上げながらチルッチ目掛けて突っ込んできた。対してチルッチはワイヤーを通したチャクラムで防御し、ノイトラを後退させる。

 

 

  「へ、ちょっとは楽しめそうだな」

 

 

  「はん、女だからって舐めんじゃないわよ」

 

 

  お互いに一歩も譲らない。ノイトラの攻撃は主に言うと、接近戦が主要である。自分の足に付いている鎖で斬魄刀を投げても戻す事が出来るが、遠距離攻撃と言えば虚閃と虚弾くらいしかない。

  方やチルッチはワイヤーを自由自在に振り回して、遠くにいる敵にも攻撃できる。普通に考えたらチルッチの方が有利に思える。

 

 

 

  それからチルッチはノイトラに攻撃をし続けているが、攻撃が命中しても傷を負わす事は出来ない。ノイトラの鋼皮はタダでさえ硬いのに再破面化で更に硬さが増した事により並みの攻撃では傷つける事が出来なくなっていた。逆にチルッチは傷つけない事に腹を立てて冷静さを失って攻撃し続けたせいで体力が落ちてきた。

 

 

  「どうした、もう終わりかよ。第5十一刃さんよー」

 

 

  「この舐めんじゃないわよー!」

 

 

  「掻っ切れ(かっきれ)車輪鉄燕(ゴロンドリーナ)

 

 

  斬魄刀を解放し、両腕が鳥の前脚のように長大化し、頭には羽根飾りのようなものが、背中には刃を数枚重ねたような翼、長い尻尾がある姿になった。

 

 

  「面白れー。こっからが本当の戦いだ」

 

  ノイトラは楽しい戦いが出来ると思ったのか興奮してチルッチに突っ込んでいくが、彼女はそれを素早くかわし翼から刃を飛ばす断翼”散”(アラ・コンタドーラ”ディスペルシオン”)で攻撃してきた。ノイトラは響転を使ってかわしたが、追い込む様にチルッチは間合いを詰め翼の刃で攻撃する断翼(アラ・コンタドーラ)で斬りつけた。

 

  いくらノイトラの鋼皮が硬いとはいえ、解放したチルッチの攻撃は上がっていたため、血は出なかったが浅い傷を負った。その勢いにノイトラは押され始めていた。

 

  

 「どうしたの?随分苦戦し始めたじゃない。さっきまでの威勢はどこ行ったのよ」

 

 

  「テメー、調子に乗んのも今の内だー!」

 

 

   挑発にキレたノイトラは斬魄刀を天にへと振り上げだ。

 

 

  「祈れ(いのれ)聖哭螳蜋(サンタテレサ)ー‼︎」

 

 

   霊圧が斬魄刀から溢れ出て嵐が起こり、ノイトラの周りを包み込んだ。

  そして姿が現れてくると、頭には左右に角の様な物が生え、腕の数が4本になった。更には持っている剣が鎌の様な形になった。

 

  「どうだ。これが俺の刀剣解放だ」

 

  「ふん、何よ。ただ腕が4本になっただけじゃない。それでアタシに勝てるとでも思ってんのー!」

 

 

  チルッチは解放したノイトラに怯みもせず突っ込んでまた断翼(アラ・コンタドーラ)で斬ろうとするが、4本の腕の一本にアッサリ止められてしまう。そして残っている腕が持っている鎌で斬りかかってきたのに反応しギリギリでかわして距離を取る。

  

  

  近距離からの攻撃は無理と判断し今度は断翼”散”(アラ・コンタドーラ”ディスペルシオン”)で刃を飛ばして攻撃する。ノイトラはそれを4本の剣で弾いていく、だか当たっても解放して更に硬さが増したノイトラの鋼皮に傷をつける事は出来なかった。

 

 

  チルッチは焦っていた。彼女の帰刃は翼の刃の高速振動で多少の攻撃を弾く事が出来るが、その分霊圧の消費があまりにも激しいのだ。このまま長期戦が続けば明らかにチルッチが不利になる。だか彼女にもプライドがある。このまま易々と負ける訳にはいかないのだ。

  

 

  チルッチは意を決してノイトラに突っ込んでいく。ノイトラはそのまま迎え撃とうとする。4本の腕を振りかぶって斬りかかろうするが、チルッチはそれを咄嗟にかわして腕の一本を切り裂いた。

  腕が3本になった事で戦力が僅かだか下がったと思う。――これならまだいける。勝てるチャンスがある。そう思っていた。――たがその考えは直ぐに打ち砕かられた。

 

 

  「ヘッ。腕を1本斬り落としたからっていい気になるなよ。いや正確には…」

 

 

  ノイトラは斬られた腕に意識を集中される。すると斬られた腕が瞬く間に再生したのだ。

 

 

  「テメーは1本の腕も斬る事は出来ねーんだよ」

 

 

   帰刃した彼は超速再生を持ってい。

  本来破面に進化すると強大な力と引き換えに、虚の時にあった超速再生を失うのだが、彼はそれを持っていたのだ。――こんな奴にどうやって勝てばいいのよ。チルッチの顔は絶望した様な顔になっていた。

 

  

  そんな唖然としているチルッチに容赦なく斬りかかるノイトラ。チルッチは何とか避け続けるが、ノイトラは一気に畳み掛ける様に4本全ての鎌で攻撃した。何とかそれを受け止めたチルッチだったが、ノイトラの口がニヤっとした瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   チルッチの腹を1本の腕が貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  その腕が抜けるとうつ伏せになってノイトラを見ると、何とか腕が6本に増えていた。更には新しく増えた腕から鎌を出した。これにはチルッチも驚きを隠せなかった。

 

 

  「無様だなぁ。あれだけ大口を叩いておいてこの程度かよ」

 

 

  「…く…そ」

 

 

 

  チルッチは涙を流した。確かに、あれだけ大口を叩いておいて無様に負けたのだ。その悔しでいっぱいだった。

 

 

  「終わりだ。消えろー‼︎」

 

 

  ノイトラは6本の鎌でチルッチにトドメを刺そうとしたが、その時…

 

 

 

 

 

  「待ってください‼︎」

 

 

 

 

 

  そんな時その声と共に一つの影が2人の間に入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  2人の決闘を見ていた私だが、結果は分かっていた。今のチルッチさんではノイトラに勝つ事は難しいという事に。そして案の定ノイトラの腕に貫かれてチルッチさんはうつ伏せとなった。

  そしてトドメを刺そうとするノイトラを見て私は無我夢中で2人の間に入った。

 

  

 

  「なんだテメー、邪魔すんじゃねーよ」

 

 

  「もういいじゃないか、勝負はついたんですよ。命まで奪うことはないでしょ」

 

 

  「はッ‼︎何言ってやがる。これは俺とそいつの勝負だ。関係ねーテメーがシャシャリ出てくんな。それにそいつをどうするかの権利は勝者の俺が持ってんだ。テメーがどうこう言う筋合いはねーんだよ」

 

   

  確かにこれは2人の勝者だから、敗者をどうするかは勝者の自由。つまりチルッチさんを、生かすも殺すもノイトラさんの自由。だったら…

 

 

 

  「藍染様」

 

 

 

 

 

 

  「ノイトラさんが勝ったから、チルッチさんは十一刃落ちになるんですよね」

 

 

  「そうだね、そういう事になるね」

 

 

  「だったらチルッチさんを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          私の従属官にください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  その場にいたほとんどの破面達が目を見開いた。ノイトラさんやチルッチさん本人も。「十一刃落ち風情が」とか馬鹿にする事を十一刃だけでなくその従属官達も言っているから、大抵十一刃落ちになった者にいい印象はない。ましてや従属官にするなど以ての外だと思う。

  でも今彼女を救うにはこれし、何より一緒にいたい。

 

 

  「藍染様、どうかお願いします」

 

 

  頭を下げて許可を出してくれる様に頼んだ。

 

 

  「…いいだろ。君の好きにするといい」

 

 

  『⁉︎』

 

 

  「‼︎ッ、ありがとうございます」

 

 

 

  藍染様からお許しが出て喜びを抑えて更に頭を下げた。

 

 

  「では、只今をもってチルッチ・サンダーウィッチを十一刃落ちとし、ノイトラ・ジルガを新たな第5十一刃として任命する」

 

 

  その後解散となり、その場には私とチルッチさん、そしてノイトラさんだけとなった。

 

 

  「これでチルッチさんは私の従属官になった。だから彼女を殺す事は勿論手を出したら許しませんからね」

 

 

  そして霊圧を半分くらい出して威嚇する。

  ノイトラさんの顔から冷や汗が流れ出た。

 

 

  「ッ⁉︎…チッ!」

 

 

  流石に勝てないと思ったのか舌打ちしてノイトラさんもその場から去っていった。

 

 

 

  「大丈夫ですか、チルッチさん。私の宮に帰って治療を「なんで」…え?」

 

 

  「…なんでアタシなんかを助けたのよ。別にどうでもいいでしょ、負けたアタシなんて」

 

  目に涙が溜まり、大粒の涙が落ちてくる。

 

 

  「それにアンタが好きだったのは強いアタシでしょ?負けた上にもう十一刃でもない弱いアタシなんて、アタシなんて…ッ⁉︎」

 

 

  泣きじゃくるチルッチさんを私はゆっくりと抱き締めた。

 

 

  「何を言っているんですか。私が貴方を嫌いになる訳がないじゃないですか」

 

 

  「「弱いから嫌いになる」、「十一刃じゃないから嫌いになる」そんな事はありませんよ、絶対に。だから、泣かないでください」

 

 

  そう言うと私の胸の中で声には出していないけどチルッチさんは泣いた。その涙がどう言う意味かはわからないが今まで我慢していたものを吐き出す様に泣いた。

  私は泣き止むまで、子供をあやす様に背中をゆっくりとさすって落ち着かせた。

 

 

  「落ち着きましたか?それじゃ帰りましょうか。私の宮へ」

  

 

  「そうね。ここでメソメソしていても仕方がないわね。ほら早く行くわよ」

 

 

  どうやらいつものチルッチさんに戻ったようだ。私はそんな彼女を見て微笑んだ。

 




原作開始まで、後2、3話予定です。


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14話 決闘後から数日

すみません遅れました。

理由としては題名がなかなか決まらなかったという理由です。


第0の宮。ここは普通の宮より一回りほど大きさが違う。その中には主人の自室は勿論の事、大浴場や複数のトレーニングルームなど施設のような物まで揃っている。

  そして今1つトレーニングルームに複数の人がある。

 

  「ハァ、ハァ」

 

  「どうしたんですか?もうギブアップですか?」

 

  まずこの宮の主であるデストロイヤー・レイ、そしてこの間彼の従属官になったチルッチ・サンダーウィッチ。今この2人はある特訓をしていた。

 

  「ハァ〜。あのね、アタシのこの帰刃はかなりの霊圧を消費するの。だからあんた相手だと結構キツイの。その上この部屋じゃ尚更よ」

 

  トレーニングルームは重力を自在に変化させることができ、自分にあったトレーニングが出来るが、全員が同じように強い訳ではないので、他の者が自分の設定した重力についてこれないと困るので複数の部屋が用意されている。因みに今は通常の4、5倍くらいにしてある。

  

 

 

  「貴方の帰刃は霊圧の消失が激しいですからね。それに慣れて霊圧の消失量を少しでも、少なくしていくには解放状態でいるのが一番いいトレーニングになるんですよ」

 

  彼女の帰刃は本人曰く、「霊圧の消費量が激しい」為長期戦になると不利になってしまう。そこで少しでも帰刃の消費を抑える為、解放状態でトレーニングすることが効果出来だと思う。

 

  「それに、そんな情けないことばかり言っているとザエルアポロさんとかに馬鹿にされてしまいますよ」

 

  「うぐ…」

 

  あの決闘の後、ノイトラさんが第5十一刃の座についた事によって、空いてしまった第8十一刃の座をどうするかと藍染様がきりだしたら、十一刃落ちで初代第0十一刃であるザエルアポロ・グランツが「だったら第8十一刃の座を僕にください」と言ってきた。

 

  「ザエルアポロの意見に反対の者はいるかな?」と藍染様が質問するが、誰一人反対する者はいなかった。よって難なくザエルアポロさんは第8十一刃の座を手に入れて、再び十一刃にへと返り咲いた。

 

  「まぁ、まぁ。デストロイヤー様少し休ませてもいいんじゃないでしょうか?」

  

  「そうですよ。流石に2時間ずっとトレーニングしていたんですから、キツイと思います」

 

  友子さんと胡蝶さんは休ませたらと声を掛けてきた。最初2人は、チルッチさんが私の従属官になると言ったら大いに反対してきたが、私が「喧嘩をしてはいけない」と言ったら一様承諾した。

  その後お互いに意見があったらしく仲が良くなっていた。(自分関係で)

 

   「そうですね。それでは30分くらい休憩しましょう」

 

  その言葉を聞いてチルッチさんは帰刃を解いて座った。その顔にはかなりの汗を掻いていた。頑張っている証拠ですね。

  ーーーでも、今の彼女の実力は幹部クラスの上位レベルだろう。

 

 

 

 

  私の従者官達には大虚と同じように三つのレベルに分かれている。幹部クラス、上級幹部、そして最上級幹部だ。

  幹部クラスのレベルは、一般的な虚や破面の数字持ち(ヌメロス)、強い者は十一刃落ちに匹敵するくらいのレベルである。

  上級幹部は、十一刃の下位、強い者は十一刃の中堅くらいの実力はある。

  そして最上級幹部は、十一刃の中堅、強い者は十一刃の上位くらいの実力はある。

 

  元々これ程までに強くは無かったが、自分達の努力でここまでの実力を付けた。上級幹部の上位の者は今のノイトラさんかグリムジョーさんくらいの実力があるのは確かな筈。

 

 

  「デストロイヤー様」

 

 

  後ろから声を掛けられた。その人は人と名ざる姿をしていた。猫の様な耳があり、エジプトのツタンカーメンの様な飾りを付け眼鏡をかけた女性。

 

  「おや、スフィンクスさん。どうしました?」

 

  現れたのは「冥府神スフィンクス」。彼女は私の最上級幹部の1人にして頭脳派達の中心的存在でもある。

 

  「先程のチルッチ・サンダーウィッチの結果が出ました」

 

  「どうでしたか?」

 

  「はい。やはりまだ霊圧の消費量は多いですが、前回と比べると10分の1程消費量が減っています。流石十一刃だっただけの事はあって進歩が速いです」

 

  「そうですか。それは良かったです」

 

  チルッチさんもだいぶ進歩してきている。これなら上級幹部クラスになれる日も近いかもしれませんね。

 

  「そう言えば、あの話をお聞きになりましたか」

 

  「話?」

 

  「はい、この後十一刃の入れ替えがあるそうです」

 

  「…それは誰ですか?」

 

  「第4十一刃のドルドーニ・アレッサンドロ・デル・ソカッチオだそうです」

 

  第4十一刃という事は…もしかして

 

  「その相手の名前は分かりますか?」

 

 

  「確か…ウルキオラ・シファーという者です」

 

 

  ーーーやっぱりウルキオラさんか。

  ドルドーニさんの実力ではウルキオラさんに勝つ事は無理でしょう。彼は最上級のヴァストローデ、しかも原作でもその番号が分かるまでは一番ではないかと思われていた程の実力を持っているんですから。

  という事は原作開始も近づいてきた訳ですね。

 

  「見に行かれるのですか?」

 

  「いや、この勝負の結果はもう分かっていますから行く必要はないでしょう」

 

  「それは貴方の知っている未来だからですか?」

 

  「…そうですよ」

 

  私は側近の2人と、最上級幹部には私の秘密や自分達の存在、そしてこれから起きる事を簡単に教えてある。

  でないと藍染様に目を付けられて、下手すれば大切な従属官達を殺られてしまうかもしれませんから。それだけは避けなくてはなりません。絶対に。

 

  「…でも万が一結果が違うかもしれませんからスフィンクスさん、代わりにその決闘を見に行ってきてくれないですか?」

 

  「分かりました」

 

  「お願いします」

 

  そして彼女は部屋を出て行った。

  いよいよ、原作開始まで後少しくらいですかね。その為にもチルッチさんや他の従属官達、そして私自身も強くならなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   大切な従属官()達を死なせない為に。

 




主人公が側近や最上級幹部達に秘密を喋ったのは彼らを最も信頼しているからです。


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原作開始
15話 運命開始の合図


やっぱり戦闘を書くのは難しいです。

結構時間をかけた割には短くてすみません。




  あの後スフィンクスさんから決闘の結果を聞いた。

  

  結果は分かってはいたがウルキオラさんの勝利だった。

  その時の戦いを簡単に教えてもらった。

 

  ウルキオラさんはドルドーニさんの攻撃を響転でかわしたり、片手で受け止めたらしい。虚閃さえ、片手で弾いたらしい。

 

  その後ドルドーニさんが帰刃すると、ウルキオラさんも同じように帰刃したようです。

 

  しかし、帰刃したため差を縮めるどころか、更に差が開いてしまって為す術がないくらいに追い詰められたそうです。

  だかドルドーニさんも素直に十一刃の座を渡すわけにもいかなかったので、無駄だとわかっていても諦めずに戦ったが、結果はウルキオラさんの圧勝と言う形で終わったらしい。

 

  こうしてウルキオラさんが新たに第4十一刃の座に就いたらしい。

 

 

  結果、現在の十一刃メンバーは

 

  第0十一刃:デストロイヤー・レイ

  第1十一刃:コヨーテ・スターク

  第2十一刃:バラガン・ルイゼンバーン

  第3十一刃:ティア・ハリベル

  第4十一刃:ウルキオラ・シファー

  第5十一刃:ノイトラ・ジルガ

  第6十一刃:グリムジョー・ジャガージャック

  第7十一刃:ゾマリ・ルルー

  第8十一刃:ザエルアポロ・グランツ

  第9十一刃:アーロニーロ・アルルエリ

  第10十一刃:ヤミー・リヤルゴ

 

  となった。

 

  私を除いて原作の十一刃のメンバーは揃った。まだ私が虚夜宮(ここ)に来て半年くらいしか経っていないのに随分と早いものですね。

  でも一つだけ分かっている事はもう直ぐ原作スタートということですね。ワクワクしてきましたよ。

 

 

 

 

 

 

  そしてある日、十一刃やその従属官に収集の声がかかり、一つの大部屋に集まった。 

  

  私の従属官達は友子さんと胡蝶さん、そしてチルッチさんを除いて上級幹部までを連れてきている。

 

  しかし、十一刃落ちのチルッチさんがここにいる事が気に入らないのか、グリムジョーさんやその従属官達が嫌味のこもった眼差しを向けてきている。

  

  「別に気にすることはないですよ。今の貴方の実力はもう昔とは違うんですから」

 

  「えぇ、そうね」

 

  全くグリムジョーさんは兎も角従属官の奴らはそんな威張れるような立場かね。十一刃落ちなのは事実だがその実力は十一刃に準ずるーーつまり一般の数字持ちより強いのも事実の筈。況してやアイツらは皆最下級大虚(ギリアン)、チルッチさんの方が圧倒的に強いのに納得がいかない。やがて複数の足音が聞こえて、近づいてくる。その音がした方を見ると藍染惣右介、市丸ギン、東仙要の3人が入ってきた。

  

  「諸君。今これ時をもって我々の計画が始動した。敵は護廷十三隊の主要戦力、言わば隊長格全員になるだろう」

 

 

  「だが恐れる事はない。私と共に歩む限り"敗北"はない。何より私は君達の力を信じている」

 

 

  ーーよく言いますね、本当はそんな事微塵も思っていない癖に。所詮私達はあなたの目的を達成させる為の道具でしかないのだから。

 

 

 

  「ところでウルキオラ、君に一つ頼みたいことがある」

 

   「一ヶ月後空座町っという町に行って黒崎一護と言う死神が、今後我々の脅威になるかどうかの確認をしてもらいたいのだが、いいかな?」

 

  「…はい、分かりました」

 

  ん、その任務ってまさか…原作であったウルキオラさんとヤミーさんが現世に侵攻してきて、破面が初めて確認されたあれですか⁉︎

  

  「おい、ウルキオラ。俺も着いて行っていいか?」

 

  「…好きにしろ」

 

   間違いない。初めて一護達の前に現れたあの回であっているんだ。だったらここは私も。

 

  「あの〜ウルキオラさん、私も着いて行ってもいいでしょうか?」

 

  「…好きにしろ」

 

  よし、ヤッター。でも、ここから本格的に物語が動き出すんだ。なら私達もそれなりに鍛えて決戦の時のために準備しておかないといけませんね。

 

   それから私達は宮にへと戻っていつものようにトレーニングをした。

 

 

 

 

   そして一ヶ月が経ちその時がきた。




次回から原作に入ります。


お気に入りが200件を超えていてビックリ‼︎

活動報告にある発表があります。興味がある方はそちらもどうぞ。


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16話 運命の始まり

今回から原作に入ります。




    空座町。そこは沢山の魂魄がい、そして死神に主に管理されている町。その町に出現する虚から魂魄を守って、全ての魂の故郷とも言える尸魂界に送られる。

 

   

    今日も人々は平和な時を過ごしていたが…

 

 

 

 

 

 

   上空から一筋の光が降り注ぎ空座町の東側の森に大きなクレーターが出来上がった。

 

 

   そのクレーターの中に三つの人影があった。

  

 

   1人目は筋肉質で顎に骨みたい跡があり、2メートルくらいあるだろう大柄な男。

 

 

  2人目は顔の左側に角の生えた骨みたいな跡がある青年。

 

 

  そして3人目は、2人のように骨みたいなモノもない普通の人と顔をした青年。

 

 

 「ぷはー。面付いてた頃に何度か来たが、相変わらず現世はつまんねーとこだなぁ、おい。霊子が薄すぎて息しづれぇしよ」

 

 

  「文句を垂れるな。俺は1人でいいと言った筈だ。来たがったのお前だぞ、ヤミー」

 

 

  「そうですよ。自分から来たいと言っておきならが文句を言うのはどうかと思いますよ」

 

 

  「へぇ、へぇ。すいません、すいません…ん⁉︎あぁん?」

 

 

  クレーターの周りに人が集まってきた。

 

 

  ざわ、ざわ

 

 

 

  「なんだこいつら。霊力もねーのによってくんじゃねーよ」

 

 

  ヤミーさんは魂吸をしてクレーターの周りの人や、ここいら一帯に人の魂を喰らっていく。

  凄い吸引力。と言うか魂って美味しいのかな?薄い魂はマズイみたいですが、じゃあ濃いのは美味しいのでしょうか?

 

 

  「ぶっはー、マジぃ‼︎」

 

 

  「当たり前だ。そんな薄い魂、美味い訳がないだろう」

 

 

  「だってこいつらが、人の事見せもんみてぇにジロジロ見やがるからよ」

 

 

  「連中に俺達の姿は見えん。お前を見ていた訳じゃない」

 

 

  「分かっててもムカつくんだよ!」

 

 

  「確かにその気持ちは分かります。アピールしているわけじゃないのに、集まってくるのは私も嫌です」

 

 

  「ふん。っで、結局何匹ころしゃぁいいんだっけか?」

 

 

  「1人だ。それ以外を殺す必要はない」

 

 

  「こんだけウジャウジャいる中から1匹かよ」

 

 

  「今、現世でまともに戦えるレベルの霊圧を持っているのは、多くて3人だけだと聞く。探し出すのは容易い」

 

 

  「それに今あなたが魂吸をしたことで異変を察知して向こうからやってくるでしょう。だからここで待っているのが無難かと…ん?」

 

 

  「…どうした?」

 

 

  「お〜、これは驚きました。生きているのが1人いますね」

 

 

   奥の方に柔道着をきていた人がゆっくりと立ち上がっていた。あの人は確かに有沢さんだったかな?黒崎さんのクラスメイトで織姫さんの親友。

 

 

  「俺の魂吸(ゴンズイ)で魂が抜けなねぇってことは、出てるにしろ、隠せているにしろ、ちっとは魂魄(こんぱく)の力があるってこった!ウルキオラ、こいつか?」

 

 

  「よく見ろバカ!お前が近づいだけで魂が潰れかかってるだろ。ゴミの方だ」

 

 

  「ちッ、じゃあ魂吸で生き残ったのは偶々かよ」

 

 

  「そういう事になりますね」

 

 

  「くだらねぇ」

 

 

  正直この人がなんで生き残ったのかは私は未だに分からない。本当に偶々生き残っただけたのか?

  でも彼女自身我々を認識出来るみたいだから多少魂魄の力はあると思うのだが。本当にそこは全く分からないですね。

 

 

  「じゃあなー!」

 

 

  ヤミーさんが足を上げて踏み潰そうとした。でも彼女は恐怖、いや我々の霊圧に当てられて動けないでいた。

  

  

    このまま潰されてペチャンコ…な訳がなく、2人の人が割り込んできた。

 

 

  「あぁ?なんだお前ら?」

 

 

ヤミーさんの足を止めている肌黒の男「茶渡泰虎(さど やすとら)」、そして有沢さんを守るかのように支えている女「井上織姫(いのうえおりひめ)」。

 

 

 

  「井上、話した通り有沢を連れて離れていてくれ」

 

 

  「うん。無理しないでね、茶渡君」

 

  

  茶渡さんは織姫さんを逃すように言う。ーー彼女の足じゃ無理に決まっているのに。

 

 

  「ウルキオラ、こいつか?」

 

 

  「ヤミー、お前もうちょっと探査回路(ペスキス)を鍛えて、自分で判断できるようになれ。…そいつもゴミだ」

 

 

  「そうかい!」

 

 

   茶渡さんは勝ち目はないとわかっていても、せめて後ろの2人は逃がそうと思っているみたいで私達の前に立ち塞がっている。

 

 

  そしてだかヤミーさんに簡単に受け止められ、更に右腕を握り潰した。

 

 

  「茶渡君!!」

 

 

   織姫さんは有沢さんを下ろし茶渡さんに近づいて呼びかけている。

  まぁ彼もあの程度では死ななくてもかなりの重傷だからね。一応心の中で謝罪しておきましょう。

 

 

  「ウ〜ルキ〜オラ〜、この女もゴミか?」

 

 

  「あぁ、…ゴミだ」

 

 

  その言葉を聞きヤミーさんは右腕の人差し指を出して攻撃しようとする。

 

 

  「三天結盾(さんてんけっしょう)

 

 

  だが三角形のオレンジ色の光の壁が出現して2人を守った。でもそれもほんの一瞬だけ。壁はすぐに粉々に砕けてしまった。ーーまぁ彼女の今の力じゃヤミーさんに通用する訳ないでしょう。

 

 

  「なんだこいつ?」

 

 

  「双天帰盾(そうてんきしゅん)

 

 

   髪飾りの2つが茶渡さん負傷した左腕の上下に移動して、その右腕を光の膜みたいなものが現れて右腕を治療し始めた。

 

 

  「なんだ、治せんのか?つーか生きてんのかよ、そいつ?しぶてぇなぁ、おい」

 

  

  「妙な人間だ、女…」

 

 

  「確かに…でも興味深い能力ですね」

 

 

 

    彼女は力は本当に興味深い。

   全て何かが起きる前の状態に戻すことができるのですから。

   それが例え死体であっても。おそらく自然死でなければ再生させることができるでしょう。

 

 

   彼女は私達の前でじっとしている。

  本当は怖くて仕方がないのに、でも大切な仲間を残すことは出来ない。それにみんなの足手まといになりたくないという思いから逃げたくないのだろう。

 

 

  「椿鬼!!弧天斬盾(こてんざんしゅん)!」

 

 

 

  「私は…拒絶する!!!」

 

 

   椿鬼がヤミーさんに向かって飛んでくる。

  少しでも足止めをしようと考えているのだろうが、無理ですね。

 

 

 

  ドカーーン

 

 

  椿鬼はヤミーさんの右腕で簡単に止められ、粉々に砕け散ってしまった。

 

 

 

  「なんだこりゃ?蝿か?」

 

 

  「椿鬼君!そんな…」

 

  

  「どうするよ、ウルキオラ、デストロイヤー。こいつ珍しい術使うから、生け捕りにして藍染さんに持って帰るか?」

 

 

  「いや、必要ない。…消せ、ヤミー」

 

 

  「あい「いや、待ちなさい」…あぁ?」

 

 

  私はヤミーさんが殺る前に声を掛けて止めた。

 

 

  「なんだデストロイヤー。なんで止めんだよォ」

 

 

  「この子はターゲットの仲間です。今殺すのもいいかもしれませんが、そのターゲットの前で殺した方が面白くありませんか?」

 

 

  ちょっと残酷なことを言うかもしれませんが、黒崎さん(主人公君)が来るまで少しでも時間を稼いでおきましょう。

 

 

 

  「けッ、くだらねー」

 

 

 

  「いつ来るか分かんねー奴を待ってられるかー!」

 

 

 

  ヤミーさんは私の言葉を無視して織姫さんに右手を突き出した。

  指だけだとさっきみたいに防がれる思ったからかな。

  確実に仕留めるつもりですね。

 

 

  だがその手は一筋の剣の前で停止していた。

 

 

  「悪い。遅くなった井上」

 

 

  おぉー、ようやく主人公君登場ですね。

  でもタイミング良すぎでしょ。ヒーローは遅れて登場するってか。

 

 

  「ごめんね、ごめんね黒崎君。あたしが、あたしがもっと強かったら…」

 

 

  「謝んないでくれ、井上。俺がこいつ等を倒して……終わりだ」

 

 

   黒崎さんは右腕を前に伸ばして、左手を右腕を掴む形になる。

 

 

  「卍・解!!」

 

 

  そしてその掛け声と共に異常な霊圧が彼を包み込んだ。



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17話 主人公と援軍

まず最初に遅れてしまってすみません。

昨日まで色々と忙しかったので投稿が遅れていました。

今回はオリ主が少し戦いますが、やっぱり戦闘描写は苦手です。




    卍解した事によって霊圧が一気に膨れ上がった黒崎さん。

  そして剣は血に染まったような真っ黒になり、服も少し荒っぽくなっている。

 

 

天鎖斬月(てんさざんげつ)

 

 

  しかし私が言うのも何だけど、確かに異常な霊圧ですね。

  霊圧が荒々しくてピリピリしている。これが彼の中に眠っている虚の力の影響なのだろう。

 

 

  「井上、離れていてくれ」

 

 

  「は、はい」

 

 

  カッコいいセリフですね。

  文字どおり王子様に守られているお姫様ですね、これは。

 

 

  「卍解だと?…おい、ウルキオラこいつ…」

 

 

  「あぁ、お前の無駄な戦いで、こうも簡単に(いぶ)り出せるとわな」

 

 

  「オレンジの髪に、黒い卍解。そいつが標的だ、ヤミー」

 

 

  「探す手間が省けたって訳だ。でーりゃーー!」

 

 

  ヤミーさんは右腕で拳を繰り出したが、黒崎さんはそれを難なく剣で受け止めた。

  ヤミーさんはあっさり受け止められた事に少し驚いている。

 

 

  「…茶渡の右腕を殺ったのは、テメェか?」

 

 

  「だったらどうした?」

 

 

  その言葉を聞いて黒崎さんは高く飛び上がってヤミーさんの後ろに着地。そしてヤミーさんの右腕を斬り落とした。

 

 

  「うわー!腕が、腕が!クソが!」

 

 

  こうも簡単に腕を斬り落とされるとは。あれで本当に十一刃の中でも3番目に硬い鋼皮の持ち主なのか思う。

 

 

  その後怒ったヤミーさんが我武者羅に攻撃するが難なくかわされて、体力だけが消耗していく。

  

 

  「ハァ、ハァ、ハァ。…くそっ、ガキが!」

 

 

  「随分苦戦してるな。変わってやろうか?」

 

 

  「うーるせー!」

 

 

    斬魄刀に手をかける。

 

 

  「まさか斬魄刀まで使うつもりですか?」

 

 

  「うるせーっつってんだ!」

 

 

  黒崎さんが斬魄刀という言葉に反応した。それはそうでしょうね。死神以外で斬魄刀を使っているのはいないのですから。

  

 

  すると突然黒崎さんが、手で顔を押さえつけて苦しみだした。彼の中の虚の意識が出始めているので、それを抑え込もうとしているんでしょうね。

  だがそんな事はお構えなしのヤミーさんは、動くなった黒崎さんを容赦なく蹴飛ばした。

 

 

  「黒崎君!」

 

 

  「来るな井上!」

 

 

  黒崎さんに近寄ろうとした織姫さんがヤミーさんの残っていた左手で弾かれて、吹っ飛び横たわった。

  可哀想ですね。

 

 

  「井上ー!」

 

 

  「うるせーよー!」

 

 

  ヤミーさんはさっき斬られた右腕の恨みを倍返しにするかのように、容赦なく足で蹴り飛ばしたり、左腕で体を地面にぶつけたりしている。

  

    

   それにしても霊圧の変動が激しいですね。

  低い時は全然拍子抜けのレベルだが、高い時は今の私の五、六割ぐらいはある。

  これが彼の潜在能力なのだろう。

 

 

  ヤミーさんは充分痛め付けたからか、それとも飽きたのか分からないが、トドメをさそうとしている。

 

 

  「終わりだガキ。潰れて消えろー!」

 

 

  拳を黒崎さんにだが赤い壁に防がれていた。

  そこにいたのは元二番隊隊長四楓院夜一、そして元十二番隊隊長浦原喜助がいた。

 

 

  「ど〜も、遅くなちゃってすみません。黒崎さん」

 

 

  「なんだ?次から次へと邪魔くせー連中だぜ。割って入るって事はてめぇらから殺してくれって事でいいんだよなー!!」

 

 

  残っている左腕で攻撃しようとするが、四楓院夜一さんに簡単に掴まれて後ろにへと投げ飛ばされた。

 

 

  「介抱する」

 

 

  「…はいな」

 

 

  夜一さんは浦原さんから小さな袋をもらった。

 

 

  「くそがー!」

 

 

  激怒したヤミーさんは更に攻撃するが、2人は瞬歩でかわし夜一さんはヤミーさんに強烈なパンチと蹴りをくらわせ、高く飛びがるとトドメと言わんばかりに頭に(かかと)落としをくらわした。

 

  

  その蹴りに耐えられなかったヤミーさんは崩れ落ちた。

  だが夜一さんは少し顔が歪んだ。やっぱり戦闘から離れていたから体が鈍っているいるようですね。

 

  

  倒れている織姫さんに薬を飲ませようした時、ヤミーさんが起き上がって虚閃を放った。

  時間もなく、距離もなかったので何も出来ずただその場で固まって動く事が出来なかったので、放たれた虚閃は夜一さん達に向かって爆発を起こした。

 

 

   「だーはははは。ざまぁみやがれ粉々だぜ。俺の虚閃をこの距離でかわせる訳…ッ⁉︎」

 

 

  ヤミーさんは勝利を確証していたが、煙が晴れてくると1つの影が見えてきて驚愕して眼を見開いた。そこには夜一さんと織姫さんを庇うかのように浦原さんが立っていた。

 

 

  「てめぇ、何しやがった⁉︎…どうやって虚閃を?」

 

 

  「ご覧の通りっス。弾くと周りが危ないんで、同じようなものをぶつけて相殺させてもらいました」

 

 

  「なんだと⁉︎」

 

  

  「信じられないなら、一つのお見せしましょう」

 

 

  「ッ⁉︎」

 

 

  「啼け、紅姫!」

 

  

  虚閃に似た赤い閃光はヤミーさんに向かって行ったが、突如ウルキオラさんが前に現れて片手だけで弾いた。

  

 

  「…ウルキオラ…」

    

 

  ヤミーさんはウルキオラさんが助けたと思って安易していたが、いきなり強烈な一撃を彼の土手っ腹に打ち込んだ。

 

 

  「…何しやがるッ!」

 

 

   「頭に血を上げすぎだ」

 

 

  「彼らは浦原喜助と四楓院夜一ですよ。解放なしの貴方では勝てないでしょう…絶対に…ウルキオラさんちょっといいですか」

 

 

  「…なんだ」

 

 

  「少し彼らと手合わせをしてもいいでしょうか?敵の実力を知るのに越した事はないですから」

 

 

  「…好きにしろ」

 

 

  「ありがとうございます」

 

 

    そう言って浦原さん達の方へと体を向けた。浦原さんはかなり警戒していて気を緩めないでいた。夜一さんも立ち上がって拳を構えた。

 

  

  「少しだけ手合わせをお願いします。心配しなくても後ろの方々には手を出しませんから」

 

 

  「…その言葉を信じろと…」

 

 

  「信じろかどうか貴方達の勝手でいいですよ。それより始めましょう」

 

 

   私は手を前に出してクイクイっと挑発する。

   颯爽と動いたのは夜一さんだ。瞬閧を使って移動してきた。さすが元隠密機動の隊長だっただけのことはあるが、ヤミーさんとの戦闘で足を痛めたからさっきよりスピードが落ちている。

  避けるのも容易いがここは防御しよう。

 

 

  「リンギ、体油包(たいゆーぱお)!」

 

 

   透明な液体みたいなものが体を包み込んで固まり夜一さんの蹴りを防御した。

  やっぱりさっきの戦いで負傷したから本調子ではないようですね。顔が痛みで歪んでいますもの。

 

 

  「夜一さん退いてください!啼け、紅姫!」

 

 

   浦原さんは夜一さんに避けるように声を出すと、さっきの赤い閃光を私に向けて放った。

  私はすぐに体油包(たいゆーぱお)を解除して、妖蛇刀を取り出した。

 

 

  「リンギ、妖蛇斬!」

 

 

   妖蛇刀をクロスさせて向かってくる閃光に斬りつける。閃光は左右に真っ二つに割れて私の横を通り過ぎていく。

  

 

   2人とも自分の攻撃が効かずに「クッ」って顔している。でも、これだけの力でこんなマズイという顔されたくないですね。なんかやる気が失せてしまいました。

 

 

  「……ハァ〜。辞めにしましょう」

 

 

  「…なんじゃと」

 

 

  いきなり辞めにしようと言われたので惑つている夜一さん。

 

 

  「簡単に言うと"飽きた"っと言っているんです。いくら本調子じゃないとはいえ、面白くないですもの。ウルキオラさん行きましょう」

 

 

  「…そうだな」

 

 

  ウルキオラさんは指を軽く叩いて黒腔(ガルガンタ)を開けた。

 

 

  「逃げる気か」

 

 

  「…らしくない挑発だな。貴様ら2人がかりで死に損ないのゴミ共を守りながら俺達と戦って、どちらに分があるか分からん訳じゃあるまい」

 

 

  「ましてや全く本気を出していない私相手に、2人がかりで戦ったのに通用しなかったのですから分かると思いますが」

 

 

  「…チッ…」

 

 

   夜一さんは悔しそうに舌打ちした。

 

 

  「藍染様には報告しておく。"貴方が目をつけた死神もどき(・・・)は殺すに足りないゴミでした"…と」

 

 

   そしてはその言葉を最後に私達は黒腔(ガルガンタ)の中にへと消えていった。

 

 




次回はもっと早く投稿したいです。


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18話 報告会

大変お待たせしました。

最近忙しくて中々投稿出来ませんでしたが、やっと出来ました。


  暗い暗い大部屋。そこに幾つかの人影があった。

  平均的な成人の身長だったり、少年のような身長だったと色々な大きさの影があった。

 

 

  そして一番奥の中心に椅子に座っている男がいた。

 

 

   「只今戻りました、藍染様」

 

 

  「お帰り。ウルキオラ、ヤミー、デストロイヤー」

 

 

  「さあ、成果をきかせてくれ。我ら…20の同胞の前で」

 

 

  「君が現世で見たもの、感じたものを見せてくれないか」

 

 

 

  「はい」

 

 

  ウルキオラさんは左眼に手をかけて、そのまま目を取った。

  ーーあれ、ウルキオラさんは痛くないのかな?平然としているけど。私も出来るけど、前やったら少し痛かった。

 

 

  「どうぞ、ご覧ください」

 

 

   取った眼をそのまま握り潰した。

  そしてそれは光の粒子みたいになり、その場にいる全員に現世での情報が入っていく。

 

 

  「…成る程。それで彼を、この程度てば殺す価値価値無しと判断したのか」

 

 

  「はい、「我らの妨げになるのなら殺せ」っとの事でしたので」

 

 

 

   

 

  「温りーなー」

 

 

 

 

   声のした方を見るとそこには胡座(あぐら)をかいて、蔑んだ目でこっちを見ているグリムジョーさん、そして彼の5人の従属官達がいた。

 

 

 

  「こんな奴ら俺だったら最初の一撃で潰してるぜ」

 

 

 

  「…グリムジョー」

 

 

 

  「理屈がどうであれ、"殺せ"って一言が命令に入ってるなら殺した方がいいに決まってんだろうが。あぁ」

 

 

  「同感だ。いずれにしろ敵だ。殺る価値が無くても、生かす価値などさらに無い」

 

 

   シャウロンさんがグリムジョーさんの言葉を立てるように続けて言う。

  彼らは虚時代から一緒にいて、グリムジョーさんを自分達の王だと思っている。だから"王である者の言うことは正しい"と思っているのでしょうね。

 

 

  「だいたいヤミー、テメーはボコボコにやられてるじゃねーか。それで殺す価値無しとか言っときながら「殺せませんでした」にしか聞こえねーよ!」

 

 

  「テメぇ、グリムジョー。今の見てなかったのかよ?俺がやられたのは下駄の男と黒い女だ」

 

 

  確かに貴方をボコボコにしたのは夜一さんだか、右腕を斬ったのは黒崎さんだからグリムジョーさんが言っている事も強ち間違ってもいないと思いますよ。

 

 

  「分かんねー奴だなぁ。俺ならその2人も一撃で殺すっつってんだよ」

 

 

  「なんだとー!!」

 

 

  「よせ」

 

 

   バカにされて激怒したヤミーさんをウルキオラさんが止めた。

 

 

  「…グリムジョー。我々にとって問題なのは今のこいつじゃないって事はわかるか?」

 

 

  「あぁ?」

 

 

 

  「藍染様が警戒されているのは今のこいつではなく、こいつの成長率だ」

 

 

   「確かにこいつの潜在能力は相当なものだった。…だがそれは、その大きさに不釣り合いな程不安定で、このまま放って置けば自滅する可能性もこちらの手駒に出来る可能性もあると俺はふんだ。だから殺らずに帰ってきたんだ」

 

 

 

  「それが温りーって言ってんだよ!」

 

 

   グリムジョーさんは更に突っかかってくるが、ウルキオラさんはそれを平然とした顔で聞いている。

 

 

  「そいつはテメーの予測以上にデカくなって俺らに楯突いてきたら、テメーはどうするってんだよ!」

 

 

 

  「…その時は…俺が始末するぞ」

 

 

 

  「ッ⁉︎」

 

 

   大きく出ましたね。確かにウルキオラさんが本気を出せば、今の彼なら帰刃しなくても彼を倒す事は造作もない事でしょう。

  でも、結局は完全虚化した彼に負けてしまったんですよね。まぁ、黒崎さんの完全虚化は全盛期のザエルアポロさんと同等の力を持っているみたいだから仕方ないかもしれませんね。

 

 

 

  「それで文句はないだろう」

 

 

 

  「っち、テメェもだデストロイヤー!」

 

 

    今度は私に向かってきた。おそらくこれ以上文句を言っても不利になると思ったので私に移したのだろう。

 

 

  「今のを見るかぎりテメェは本気を出していないにも関わらず、援軍に来た奴らを圧倒したじゃねぇか!それなのになんで見逃した!殺る気あんのか!」

 

 

  「……今のを見たのなら分かるでしょう?男性の方はともかく、女性の方はヤミーさんとの戦いで少し足を痛めました。本調子じゃない相手を倒しても意味がないのですよ。そうじゃありませんか?」

 

 

   「けっ、テメェの考えも温りーな。まぁ、十一刃落ち"なんか"を従属官する奴だからな!」

 

 

   

  

    ………今……こいつ……なんて言った……

 

 

 

 

   「だから敵も易々と見逃すってか?本当に温りー考えか「…おい。お前今、なんて言った?」…あぁ?」

 

 

 

  「…なんて言ったかと聞いているんだよ!!!」

 

 

   あまりの怒りで私は…いや、俺は体から全霊圧をグリムジョーに向けて放出した。

 

 

 

  「…十一刃落ち"なんか"だって……俺だけじゃなく俺の従属官にまで文句をつける気か?あぁ!!」

 

 

 

   グリムジョーやその従属官達はあまりの霊圧の強さに体が動けずにいた。従属官達は今にも押しつぶされそうだ。

 

  

  「…お前が俺の事をどう思っているかは勝手だが、俺の従属官まで侮辱をするなぁ!!死にたいのか?」

 

 

   一歩、また一歩とグリムジョーとの距離を詰めていく。

   自分の事だけならまだしも、大切な存在である従属官いや、チルッチの事までバカにするとは許せない。いや直ぐにでも殺してやりたい。

 

 

   「よすんだ、デストロイヤー」

 

 

   椅子に座っている藍染様から声をかけられて俺は……いや私は落ち着きを取り戻した。

   直ぐに片膝をついて頭を下げる。

 

 

   「申し訳ありません、藍染様。このような失態をお見せしてしまって」

 

 

   

   「…別にいいよ。今のはグリムジョーの方に非がある。君が気にすることはない」

 

 

    グリムジョーさんは舌打ちして顔をそらした。

 

 

  「…さっきの事だけど、それでいいよ。君の好きにするといい、ウルキオラ、そしてデストロイヤーも」

 

 

  「ありがとうございます」

 

 

    グリムジョーさんがめっちゃこっちを睨んでいる。彼がこのまま納得して引き下がる訳ないですからね。

   原作通りこの後従属官を連れて現世に侵攻するつもりでしょう。でも無断だと私も東仙に罰を与えられるかもしれないからなぁ。

   ここは一度宮に戻って、今回の情報を従属官達に教えてから藍染様に報告してから現世に行くとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

  

   第0十一刃の宮

 

  

  「みなさんただいま戻りましたよ。それではこれより私が現世での出来事、そして先程の報告会での事を見せます」

 

 

  私は右手を左目に移動させ、ウルキオラさんのように目をくり抜いた。やっぱり痛いな。

  手に力を入れて目を握り潰しして従属官達に先程までの映像を見せる。

 

 

  「アンタ何やってんのよ!!」

 

 

   映像を見終わったであろうチルッチさんがいきなり私に突っかかってきた。

 

 

  「なんでグリムジョーなんかに突っかかったのよ!十一刃同士の戦いは禁じられているでしょ!」

 

 

   「……あの時、チルッチさんの事を悪く言ったからですよ」

 

 

   チルッチさんは「はっ?」と言って口を開けて唖然としていた。

 

 

   「私はね、他人からどう言われようが、思われようがあまり気にしません。でもね、私の大切な従属官であるあなた達の事を悪く言われる事と我慢出来ないんですよ」

 

 

   「何てったって貴方達は私の従属官であり、仲間であり、家族なのだから」

 

 

    私にとって従属官達は自分の命と同等の存在だと思っている。だから悪く言われるのは絶対に嫌だ。ましてや傷付けるなんて論外だ。

 

 

   「ふ、ふん。まぁ一様お礼は言っとくわ」

 

 

  「フフ、チルッチも素直じゃないんだから。普通に嬉しかったって言えばいいのに」

 

 

   「全くだ。もう少し素直になった方がいいと思うぞ」

 

 

 

   「う、五月蝿いわね!」

 

 

 

   友子さんと胡蝶さんにからかわれてまた口喧嘩になった。それでも2人はチルッチさんの頑張りを認めてよくやっている。

   

   お、この霊圧は。どうやらグリムジョーさん達が現世にへと向かいましたね。それではこっちも行動しますか。

 

 

  「すみません。急な用事が出来て、今から藍染様のところに行ってきます」

 

 

  そう言って宮から出て藍染様のいる部屋にへと向かう。

 




やっぱりセリフが多いなぁ。


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19話 相談、そして崩れ出す原作

お気に入りがいつの間にか300件超えていてビックリです。

私の作品を見てくださる方々ありがとうございます。


   グリムジョーさんの無断外出の件で藍染様の部屋の近くまで行くと、2人の女破面がいた。

 

 

  1人は左目に仮面の名残がある黒髪のツインテールの破面、ロリ・アイヴァーン、もう1人は右目に仮面の名残がある金髪のショートカットの破面、メノリ・マリア。

  

 

   「すみません。藍染様とお話がしたい事があるのですが宜しいでしょうか?」

 

 

   「はぁ?何言ってんのアンタ。藍染様からそんなの聞いてないわよ。それに藍染様は忙しいの。アンタなんかの話なんか聞いてる時間なんてないのよ!」

 

 

   「ちょっとロリ!やめた方が……」

 

 

  「アンタは黙ってなさいメノリ!」

 

 

   メノリさんはロリさんを止めようとするが逆に噛み付かれてしまった。この2人は仲がいいんだか悪いんだか?

 

 

  「では申し訳ありませんが貴方から藍染様の許可をもらってきてもらえないでしょうか?」

 

 

 「何で私がアンタの為にそんな事!」

 

 

  「ロリ!ここは素直に聞いた方がいいよ。それに藍染様の部屋の前で揉め事してるなんて無礼だよ」

 

 

  「…ちっ、分かったわよ。藍染様に聞いてくるから待ってなさいよ」

 

 

  ロリさんは不快に思いながらも何とか承諾し藍染様の部屋にへと入っていく。

  その後メノリさんは私の方をチラチラ見てくる。恐らくさっきのロリさんの態度で私が不服に思っているじゃないかと様子を探っているのでしょう。

 

 

  「別に私は気にしてないですよ。今回の事は突然ですから、私の不手際です」

 

 

  「デ、デストロイヤー様。しかし…」

 

 

  「でも気を付けなさい。相手が私だからいいものの、他の十一刃の方々にそんな口の利き方をしたら下手をすれば殺されてしまいますよ。特にノイトラさんやグリムジョーさん、ヤミーさん辺りにはね」

 

 

   メノリさんはその事を分かっていると思いますが、ロリさんは。

   彼女はグリムジョーさんに「殺されちゃえ!」なんて堂々と言ったし、ヤミーさんにも「カス野郎」なんて言っていましたからね。

   その言葉を聞いてメノリさんは体をガタガタして震えていた。ロリさんの行動パターンを自分はよく知っているから絶対やると思っているのでしょう。

 

 

   「でも、貴方達が私の従属官なら話は別ですけどね」

 

 

  「えっ⁉︎そ、それはどう言う…」

 

 

    ギィィーーーーー

 

 

   メノリさんが私の言葉に質問しようとすると扉が開いた。

 

 

  「藍染様から許可が出たわよ。でもね、く・れ・ぐ・れも無礼な態度を取るんじゃないわよ!」

 

 

 「分かりました。気をつけます」

 

 

 

   部屋の中に入ると大きな椅子に座っている藍染様がいた。取り敢えず勝手に部屋に訪問した事を謝っておこう。

 

 

  「今回は私の突然の事で、貴重なお時間を使っていただきありがとうございます」

 

 

  「…別に気にしてはいないから、そう謝る事はないよ。それで、私に話とは何かな?」

 

 

  「失礼承知の上で伺いますが、グリムジョーさんとその従属官達が現世にへと向かったらしいのですが、そのような命令を出したのでしょうか?」

 

 

   「…いや、私はそんな命令は出していない」

 

 

   藍染様は私の質問に答える少し口元がニヤけたのが分かった。さっきの報告会でグリムジョーさんが動く事は分かっていたのだろう。だから彼の行動も想定内だろう。

 

 

  「そうですか。実は先程グリムジョーさんが従属官達を連れて現世に向かって行くのが見えたのですから」

 

 

  勿論嘘である。原作を知っているからなのだが、こう言わないと変に怪しまれる可能性が高いからなぁ。

 

 

  「グリムジョーさん達を連れ戻してきます。無断で現世に行くなど、それが十一刃であっても例外ではありませんから」

 

 

  「…良いだろう。君に任せるよ」

 

 

   「分かりました。…一つお願いがあるのですが、私の従属官を1人、2人程連れて行っても宜しいでしょうか?」

 

 

  「構わないよ。君の好きな者を連れて行くといい」

 

 

   「ありがとうございます。それでは失礼します」

 

 

   私はお辞儀をしてその場を後にする。部屋から出ると、ロリさんがこっちを見て睨んでいた。

 

 

  さて誰を連れて行きましょうか?流石に最上級幹部は切り札とも言うべき存在だし、彼等相手じゃ今の護廷十三隊じゃ勝てないだろうし。…そうだ!上級幹部で日番谷冬獅郎さんと戦わせたい者がいたんですよね。彼にしましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   その頃空座町では…

 

 

   グリムジョー率いる5体の破面達と尸魂界からの援軍の死神達による戦いが行われていた。

  それぞれ探査回路を使って獲物を見つけた。霊圧の大小に関係なく少しでも霊力のある者を片っ端から探して殺そうと全員別々に散った。

 

  ディロイは駆け付けてきた朽木ルキアの初の舞・月白(そめのまい・つきしろ)で全身を凍らされて呆気なく倒された。

 

  

  エドラドは十一番隊第三席班目一角と火山獣(ボルカニカ)を解放して力の差を見せて勝利を確信したが班目が卍解した龍紋鬼灯丸(りゅうもんほおずきまる)によって敗れた。

 

  

  イールフォルトは六番隊副隊長の阿散井恋次(あばらい れんじ)と戦っていた。紬屋(つむぎや)(ウルル)の思わぬ攻撃によって深手を負い、それにキレて蒼角王子(デルトロ)を解放した。

  シャウロンは十番隊隊長の日番谷冬獅郎と戦い卍解した大紅蓮氷輪丸(だいぐれんひょうりんまる)で戦ってもシャウロンには致命的なダメージを与えることは出来ていなかった。

  シャウロンは冬獅郎の卍解にはタイムリミットがある事に気付いてが「卍解が消えてから倒すのは容易いが、それでは隊長に対して失礼」と思い自分も五鋏蟲(ティヘレタ)を解放して鋭い爪で冬獅郎の体を切り裂いた。

  

 

  解放した事によって更に差が開いた事により、戦況はますますシャウロンが有利となった。

   シャウロンの言った番号、No.11(ウンデシーモ)の意味を聞いた。強さの序列かと思ったがそれは生まれた順、元い虚から破面に生まれ変わった順を意味する番号だった。だがそれは"No.11(自分)より下の者達に限って"の意味であった。

  破面達は生まれた順に11以降の番号を与えられるが、その中から特に優れた殺戮能力を持った者が選抜され能力が高い順に1〜10(・・・)の番号を与えられると、さらに詳しく説明した。だがその説明の中で間違いがある事に気付いた。

 

 

  「おっと失礼、一部謝りがありました」

 

 

  「何⁉︎」

 

 

  「実はこの間1人増えて十一刃(エスパーダ)は11人になったのですよ」

 

 

  「つまり階級も1から10ではなく、0から10になったのですよ」

 

 

   冬獅郎は更に驚いた。今戦っている奴より圧倒的に強い者が11人もいるのだ。恐怖と絶望が体を支配しただろう。

 

 

  ナキームは十番隊副隊長の松本乱菊を倒したと思ってシャウロンと冬獅郎の戦いを見ていた。そんな時まだ乱菊に息がある事に気付き足を上げてトドメをさそうとしたが、その直後尸魂界から限定解除の許可がおり、3人の霊圧が今までの5倍になった事により形勢は一気に逆転した。

 

 

  イールフォルトは狒狒王蛇尾丸(ひひおうざびまる)狒骨大砲(ひこつたいほう)により爆散し、それを見たシャウロンは撤退しろと言うが、ナキームは灰猫(はいねこ)によって体を斬られて絶命した。

  それを見たシャウロンは逃げようとするが、冬獅郎の竜霞架(りゅうせんか)によって喉を貫かれ倒された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

本来の歴史(原作通り)なら……

 

 




最近忙しくなってきたので更新スペースが遅くなるかもしれません。


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20話 "最強の男"の異名を持つ者

このタイトルでわかる人もいるかと思いますが、今回上級幹部の1人が登場します。


  突如襲いかかった霊圧に動きが止まった。

  それは日番谷冬獅郎だけではなく、シャウロンもだ。

 

  「随分と苦戦しているようだな」

 

  声のした方を見るとそこには異様の姿をした者がいた。

 

  巨大な握りこぶしをした両腕を持ち、全身を白い毛で包み、腹に鏡の様なものを身につけている男。

 

  「何者だ、テメーは?破面か?」

 

  「アランカル?俺をこいつと一緒にするな!」

 

  大男は破面である事を否定した。

 

  「何!破面じゃねーのか⁉︎じゃあいったい何者だ!」

 

  「仕方がねー、教えてといてやるか」

 

  「俺の名は”冥獣人四底王、イエティーのズィー”だ」

  

 

  この男こそ冥獣人四底王の一角にして「冥獣人最強の男」の異名を持つ者。

  そして上級幹部の1人で、パワーでなら1、2を争うほど実力をもっている。

 

  

  「冥獣人だと⁉︎なんだそれは?」

 

  「お前に教えるつもりはない。知りたいのな力ずくで聞くんだな」

 

  ズィーは挑発する。冬獅郎は言葉には出さなかったが行動で表した。颯爽ズィーにへと突っ込んで刀を振り上げた。だがズィーは素早く反応し、その巨体に似合わないような動きで攻撃をかわし、そのお返しとばかりにカウンターパンチを繰り出した。

 

  「くぅぅ…」

 

  今度は氷輪丸の通常攻撃とも言える氷の龍を出して攻撃してきた。

  するとズィーは右手からアイスホッケーの選手が使っている道具【アイススティック】を出し、それを迫り来る氷の龍にむかって振り下ろし粉々に砕いた。

 

  「どうした。その程度か?それなら今度はこっちから…」

 

  「唸れ、灰猫!」

 

   副隊長の松本乱菊が自らの斬魄刀を始解し、砂状になった刃でズィーの体を斬りつけていく。

   だが血が一滴も流れていない。確かに斬りつけてはいるが、血を流すどころか傷一ついていない。

 

  「フン、こそ痒いわ」

 

  あれだけ斬りつけられていながら「痒い」の一言で終わらせた。その硬さに乱菊は驚愕する。

  ズィーは標的を攻撃してきた乱菊に変更して突っ込んで一気に間合いを責める。だがそのに冬獅郎が現れて邪魔をした。

 

  「邪魔だー!!」

 

  ズィーはアイススティックを冬獅郎に振り下ろして何度も何度も痛めつけ、最後に強烈な一撃を与え吹っ飛ばした。

 

  「終わりだ!」

 

  ズィーは氷の塊を出現させると自分の足もの右側に置き、アイススティックを振り上げた。それはアイスホッケーの選手がゴールを決める時のポーズようだ。

 

  「デビルシュート!!」

 

  振り下ろしたスティックで氷の塊を冬獅郎目掛けて飛ばす。飛ばされた氷の塊は凄いスピードで冬獅郎に迫ってくる。

  ダメージの蓄積により思うように体が動かなかった冬獅郎はモロにその攻撃を受けてしまった。そしてそのままビルの屋上に落下した。

 

  「隊長!!」

 

  副隊長の松本乱菊が自分の隊長かやられた事により声を上げた。

 

  「ふん、隊長格とはいえこの程度の実力か。…期待外れだぜ。…まぁ、力を制限されていたとは言え、こいつにすら手こずっている時点で期待はしていなかったがな」

 

   ズィーは冬獅郎が隊長格と聞いた時少しは楽しめると思ったが、ダメージがあったとは言え全く相手にならないのに呆れていた。

   いくら力を制限されていたとは言え、最下級大虚(ギリアン)級に手こずっていたのだから。

   シャウロンは悔しさで顔を歪ませズィーを睨んでいた。

 

  「仕方ない、早過ぎるがトドメとくか。心配するな、せめてもの情けにトドメは一撃で刺してやる!」

 

  ズィーはスティックを振り上げてその先端に氷の塊を出現させた。冬獅郎は目を瞑った。

 

  

  「止めなさい、ズィーさん」

 

 

  言葉に反応してズィーは動きを止めて後ろを振り向いた。そのには先程自分達が戦っていた破面達の似た服装をした奴がいた。

 

  「デ、デストロイヤー様!」

 

  「今回の任務はシャウロンさん達を連れ戻すことです。これ以上戦う必要はありません」

 

  ズィーは自分の主人の登場で片膝と片方の手をついた。シャウロンもまさか十一刃が自ら来る事は思っていなかったようで、デストロイヤーが来た事に驚愕している。

 

  「グリムジョーさんの所には東仙さんが向かいましたからもう此処に用はないですから帰りましょう。行きますよ、シャウロンさんも」

 

  黒腔を開きその中へと入っていく3人。だが冬獅郎はそれを許そうとはしなかった。

 

  「ま、待て…」

 

  「おや、そんなに怪我をしているのにまだ戦うつもりですか?やめた方がいいですよ。2人がかりでもズィーさんに全く歯が立たなかった貴方が、彼の上司である私に勝てるわけないんですから」

 

   冬獅郎さんは悔しそうに口を噛み締めている。確かに今の自分ではあいつに勝つ事は出来ない。まして今話している奴はズィーが「様」を付けたところを見るとあいつの上司に違いない。このままやっても傷を負わす事も出来ないと悟ったのだ。

 

  「次に会えるのを楽しみにしていますよ。それでは」

 

  その言葉を最後に3人は黒腔中に入った後、黒腔は閉じた。

 




シャウロンは何とか助かりましたが、生存させるかは分かりません。

私個人的にズィーが気に入っているので上級幹部にしました。(元々強いし)


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21話 帰還後の出来事、偽りの襲撃

お気に入りが400件を超えてビックリです!

応援してくださる皆様ありがとうございます。



   その後、虚夜宮へ帰還した後色々あった。グリムジョーさんとシャウロンと一緒に帰還して藍染様の座る王の座前に、横一列に並んだ。

  そしてグリムジョーさんの反省していない態度にキレた東仙さんは、藍染様にグリムジョーさんへの罰をお願いしますがグリムジョーさんが「組織のためか?」と揶揄った。東仙さんは「藍染様のためだ」と言うがさらに揶揄うグリムジョーさんにキレたのかは分からないが、グリムジョーさんの左腕を根元から斬りさらにで消滅させられた。

  さらには「今回の件は部下も同罪だ」と言ってシャウロンさんも斬り捨てられた。

  グリムジョーさんは怒り刀に手をかけ攻撃しようとしたが、藍染様に止められた。

  私も何か東仙さんに何かしらの制裁を受けるかと思ったが「お前は藍染様に前もって許可を頂いて行ったから命令違反ではない」との事で何もなかった。

 

  そしてその翌日、グリムジョーさんは十一刃落ちになりルピ・アンテルーノという破面が新たに第6十一刃になった。

  しかし、グリムジョーさんとは全く正反対。お喋りで五月蝿い、その上敢えて相手をおちょくってイライラさせる喋り方をする。

  でもグリムジョーさんの後釜となったから実力は確かだと思う。アニメで見ていたけど、あの日番谷冬獅郎を一時的とはいえ倒したからね。そして今、私はウルキオラさんと共にある部屋にへと向かっていた。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「おい、早くしろ!」

 

  「…申し訳ございません」

 

  「まぁまぁ、そんなに怒ってばかりだと血圧上がるわよ」

 

  「五月せー!喧嘩売ってんのかこのアマ!殺すぞ!」

 

  「やめた方がいいわよ。今の貴方の実力じゃ私には勝てない。ましてや私達に手を出したら、貴方死ぬわよ」

 

  「…ちっ!」

 

   ある一つの暗い部屋でヤミーが顔半分が仮面の名残がある破面、ロカと友子に斬られた右腕の治療をしていた。

   因みに何故「私達」なのかもいうとロカもデストロイヤーの従属官だからである。ザエルアポロに捨てられたあげくに、ヤミーに治った腕の調子を調べるためだけに殺されたのでは可愛いだと思い、数日前従属官にし今では彼の家政婦のように身の回りのお世話をしている。

  その上デストロイヤーは従属官を大切にしているから手を出して怒らせたら、下手をすれば殺されてしまうかもしれないのだ。頭の悪いヤミーでもその事は理解しているようだ。

 

  もうすぐ治療が終わる時に部屋の扉が開いた。

 

  「ウルキオラとデストロイヤーか。何の用だ?」

 

  右腕の巻いてあった包帯が取り終わるとくっついた腕が現れた。

 

  「…治ったじゃないか。念のため斬られた腕を持ち帰って良かったな」

 

  「時間がかかり過ぎなんだよ。腕が腐っちまうぜ。俺らの体もテメェらように自動回復すれば楽なのによ」

 

  「文句を言わないでください。まだマシな方ですよ…貴方は」

 

  「…そうだぞ。グリムジョーのように腕が完全に消滅していたら、お前も十一刃から落とされていたぞ」

 

  「…そうかもな」

 

  その左肩には10の数字があった。

 

  「…処置完了しました」

 

  「おー」

 

  ヤミーさんは治った腕を曲げだり手のひらを開いたりして確かめる。

 

  「如何ですか?動き、反応速度…切断前とお変わりないですか?」

 

  「おぉ…」

 

  ヤミーさんが今考えていることは原作で知っている。私は響転でロカさんの前まで移動した。その直後ヤミーさんの右腕を受け止めた。

 

  「⁉︎テメー、何しやがる!」

 

  「…それはこっちのセリフですよ…今…何をしようとしていたのですか?」

 

  殺気のこもった霊圧をヤミーさんに向けて放出する。

 

  「あのまま腕が振り下ろされていれば、ロカさんは即死でしたよ。まだ本調子ではないにしても、それでも死んでいた事には変わりないぐらいの力はありましたよ」

 

  霊圧の量を上げ、数字持ち程度なら気絶されるくらいの量まで出した。

 

  「でもこの後藍染様からヤミーさんを連れて一緒に来るように言われてますから、今回は許しますが…次はないですよ」

 

  さらに殺気のこもった霊圧をヤミーさんに向けた。これで私の従属官達には手を出さないと思うが、一様注意しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

  長い廊下をウルキオラさんとヤミーさんと歩いていると一つの扉の前にたどり着いた。

 

 「ウルキオラ、入ります」

 

  扉はゆっくりと開き、中には数人の人影があった。

 

  「やぁ、きたね。ウルキオラ、ヤミー、デストロイヤー。今終わるところだよ」

 

  透明な四角にボックスの中に包帯に巻かれたミイラみたいなのがいる。その前に藍染様、そしてその周りにいる十一刃達。

 

  「崩玉の覚醒状態は?」

 

  「五割だ。予定通りだよ。尸魂界(・・・)にとってはね」

 

  「当然だ、崩玉を直接手にした者でなければ分かる筈もない。そして恐らく崩玉を開発してすぐに封印し、そのまま一度として封を解かなかった浦原喜助すらも知るまい」

 

  突然崩玉が黒くなり数本の触手みたいなものが出てきて、藍染様の指にくっついた。

 

  「封印から解かれて睡眠状態にある崩玉は、隊長格に倍する霊圧を持つ者と一時的に融合する事でほんの一瞬、完全覚醒状態と同等の能力を発揮するという事をね」

 

  ガラスボックスの中のミイラみたいなのが光りだし、そしてガラスが割れるのと同時に包帯も取れて1人の破面が出てきた。

 

  「名を聞かせてくれるかい。新たなる同胞よ」

 

  「…ワンダーワイス、ワンダーワイス・マルジェラ」

 

  「……一ヶ月前に話した指令を覚えているね、ウルキオラ」

 

  「…はい」

 

  「実行に移ってくれ。決定権を与えよう。好きな者を連れ行くといい」

 

  「…了解しました」

 

  「…あぁ、そうだ。君も一緒に行くかい?グリムジョー」

 

 

 

 

 

 

  その後ウルキオラさんによって、十一刃落ちとなったグリムジョーさん、第10十一刃のヤミーさん、新たに第6十一刃となったルピさん、さっき生まれたばかりのワンダーワイスさん、そして私の5人がが選ばれた。

  今回の任務はウルキオラさんが織姫さんを連れ出すまでの時間稼ぎ、だからウルキオラさんとは別行動だ。以外と地味な任務ですが、藍染様からの命令じゃ仕方ないですからね。

  そして黒腔が開き現世にへと着いた。

 

   「ほぉ〜、いい場所に出られたじゃねぇか。中々霊圧が高い奴がチョロついてやがる。手始めにあの辺からやっとくか」

 

  「何言っての、あれ死神だよ。あれが6番さんの言ってた尸魂界からの援軍じゃないの?ね〜」

 

  「……」

 

  「あ、ごめ〜ん。"元"6番さんだっけ」

 

  ルピさんは敢えて元の部分を強調して言った。

 

  「あの中には居ねーよ。俺の殺りてぇやろうはな」

 

  グリムジョーさんは何処かへ飛んで行ってしまった。多分黒崎さんを探しに行ったのでしょう。

 

  「あッ!待て、グリムジョー!あの野郎」

 

  「ほっときなよ。所詮十一刃落ちさ。何も出来やしないよ」

 

  本来6の数字が書いてあった場所は皮膚が削れていた。十一刃落ちになった時に彼は数字を鋼皮ごと削られたのだ。

 

  「ちッ、俺の殺りてぇのもあの中には居ねーだがよ」

 

  「君が戦いたいのって腕斬られた奴?ボコボコにされた奴?それとも虚閃弾き返した奴?」

  

  「…全部だよ」

  

  全員とは随分と欲張りですね。それ程前回負けたのが悔しかったのでしょう。

 

  「おい!行くぜ新入り。いつまでボヤっとしてんだ」

 

  「あ〜。あ〜」

 

  「ちッ、また変なのが入りやがったもんだ」

 

  ヤミーさんは1人で颯爽と突っ込んでいった。

  それと同時に死神達もそれぞれの相手に向かって行った。

 

  「十番隊隊長、日番谷冬獅郎だ」

 

  「奇遇じゃねぇか。俺も10だぜ。破面No.10(アランカル・ディエス)ヤミーだ」

 

  「ディエス!No. 10。十一刃って奴か」

 

  「よく知ってるじゃねぇか。随分口の軽い野郎戦ったらしいな」

 

  確かにシャウロンさんは相手に情報を教え過ぎましたね。自分の事だけならまだしも、十一刃の事まで話してしまうのですから。

 

  「君も十一刃かい?」

 

  「そうだよ、名前はルピ」

 

  左腰の部分の服に手を掛けて下にずらした。

 

  「階級は6(セスタ)

 

  そして私の前には松本乱菊さんが来た。本来ならワンダーワイスさんに行ったはずだけど……まぁ彼があんなんだから私の所に来たのでしょう。

 

  「おや、貴方は…この間のお姉さんですね」

 

  「アンタはこの間の!アンタも十一刃なの?」

 

  「そうです。そう言えばまだ自己紹介していなかったですね。デストロイヤー・レイです。以後お見知り置きを。階級は…内緒です」

 

  ここで階級を教えてもいいけどそれじゃあ面白くない。だから敢えて階級は言わず、その上今は霊圧も低くしておく。その方が本気を出した時の驚く顔を見る方が楽しいですからね。

 

  「他の2人は数字を言ったのにアンタは教えてくれてくれないのね?」

 

  「別に教えてもいいですけど、でも見掛け倒しとか思われたくないですからね。因みに私は何番目だと思いますか?」

 

  「そうね…アンタの霊圧からしても下の方なのは確かな筈よ。今うちの隊長と戦っているのが10番だから、8か9辺りじゃないかしら」

 

  霊圧を抑えて低くしているとはいえ、そんな下の方だと傷つきますね。

 

  「そうですか。でも私は以前、貴方達が倒した者達よりも強いですよ。ところで貴方…名前は?」

 

「十番隊副隊長、松本乱菊よ」

 

「そうですか。では…始めましょう」

 

  お互いに戦闘態勢をとる。

 

 



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22話 吠える黒獅子

やっぱり戦闘は難しいです。
グダグダかもしれません。それでもOKと言う方はどうぞ。


   「はぁ、はぁ…」

 

  「どうしたんですか?この程度ですか?」

 

   あの後私は細長い両刃剣の様な武器をを出してお互いに剣で戦っているがこれはあまりにもひどい。乱菊さんは斬魄刀を振り下らして攻撃しているが、仮に私は両刃剣で防御しつつ体力の消費を最小限に抑えている。

  この程度の実力で、どうしてこの人が副隊長までに昇格出来たのか不思議です。

  そしてお互いの剣がぶつかり合った時…

 

  「唸れ、灰猫!」

 

  乱菊さんが斬魄刀を始解して砂状に変化させて私の体を切り裂いていく。

 

  「うわーーー!!」

 

  私が悲鳴をあげたから効いていると思い顔が少しニヤけた。だが突然身体が段々透けていき消えてしまった。驚愕する乱菊さんの前に巨大化した顔だけの私が現れた。

  

  「スペシャル・デビロンパ!ハァーー!!」

 

  その巨大な顔の私が口を開き、強風並みの息を吹き出して乱菊さんを吹き飛ばす。

  乱菊さんはなんとか踏ん張っているがそれだけで精一杯の様だ。

 

  「まだまだ行きますよ!」

 

  私が追い打ちを掛けようとした時…

 

  「ヤミー、デストロイヤー、そっちの2人も僕に譲ってよ」

 

  ルピさんが私達に声をかけ、私達が戦っている2人も自分が相手をしたいとのこと。

 

  「こいつらウダウダ面倒いからさ、一気に4対1でやろうよ。僕が斬魄刀解放して、纏めて相手してあげるからさ」

 

  ルピさんは左の腰のところにあった斬魄刀に手をかける。今この場で破面達の解放状態を痛感したのは2人。だが全員その時の分かっていた。

  そんな中、冬獅郎さんがいち早く動いて、ルピさんに解放させまいと卍解して突っ込んだ。

 

   「 縊れ(くびれ)蔦嬢(トレパドーラ)

 

  だが遅かった。突如煙が巻き起こりルピさんを隠してしまった。一本の白い触手のような物が飛び出て来た。冬獅郎さんはそれを氷の羽根でガードして受け止めた。

 

  「どうした、こんなもんか。解放状態のテメェの攻撃は」

 

  6番と中堅のレベルのわりには大した攻撃ではなかった。これなら今自分が戦っていた第10十一刃の方が強いと思っているでしょう。でもそれは間違い。

 

  「でもさ、今の攻撃が…」

 

  煙が晴れていき姿が見えてきた。そこにいたのは…

 

  「…8倍になったらどうかな〜」

 

  さらに7本の触手がくねくねと動かしていたルピさんの姿が現れた。

 

  「何……だと……」

 

  そして残っていた7本の触手が冬獅郎さん目掛けて一斉攻撃し直撃。そしてそのまま地面にへと落ちた。

 

  「言ったろ、4対1でいこうよってさ。あ、ごめ〜ん、4対8だっけ」

 

  

 

 

 

   その後乱菊さん達3人は近づこうとするが、ルピさんは8本の触手で近づくことが出来ずに苦戦していた。

 

  「なぁんだ、話にならないな。君達ホントに護廷十三隊の席官?つま〜んない」

 

   あまりの弱さに挑発をしている。…随分余裕ですね。その油断が命取りになるというのに。

 

  「あ〜あ、暇だ。ルピの野郎全部1人で取りやがって。だからって他の奴探すの面倒だしな〜。デストロイヤー、テメェはあれで良かったのかよ?」

 

  「別に、ルピさんも十一刃になったからその実力を見せておきたいのでしょう」

 

  「けっ。…よ〜。よ〜、こら新入り。お前さっきから何してんだよ」

 

  ワンダーワイスさんはさっきから近くを飛んでいたトンボを捕まえようとしていた。

 

  「あ〜暇だ」

 

  「その暇もすぐ終わりますよ」

 

  「あぁ?どういう事だ」

 

  「あーいう事ですよ」

 

  ルピさんが3人を触手で捕まえ、乱菊さんにトドメをさそうとした時、一つの赤い閃光に捕まえていた触手ごと斬られた。

 

  「いや〜、間に合った間に合った。危なかったスね〜」

 

  「誰だよ、君?」

 

  「あ、こりゃど〜も。ご挨拶が遅れちゃいて」

 

  浦原さんの登場で自己紹介をする。し終えた途端ワンダーワイスさんが素早く動き近づいたが、紅姫の閃光で弾き飛ばされる。すると左手から虚弾を発射した。

 

 「いやー、ビックリしたっスね。何スか今の技。…見たことない技だ」

 

  浦原さんはワンダーワイスさんを観察していた。だが突如背後から衝撃が走った。そこにはヤミーさんがいた。

 

  「だーははははー!教えてやるよ!今のは"虚弾(バラ)"って言ってよ、自分の霊圧を固めて敵にぶつける技だ!威力は虚閃には及ばないが、スピードは虚閃の…20倍だー!」

 

   ヤミーさんはさらに虚弾で追撃をかける。

 

  「だーははー!どうだこら!避けられるかこら!避けらんねーだろー!死ね、死ねおら!下駄ヤロー!」

 

   虚弾の嵐を繰り出し続ける。浦原さんはもうとっくに義骸(ぎがい)と入れ替わっているのでしょうね。しかし、今でも思うのですがいつ入れ替わったのでしょう?

 

  「…やれやれ僕の邪魔してくれたから、僕が殺ってやろうと思ったのに。ヤミーの奴。あれじゃあどのみち生きちゃいないな」

 

  「まっ、しょうがない。こっちはこっちで続きしよっか、おねーさん達!」

 

  ルピさんは乱入して来た浦原さんをヤミーさんが虚弾で殺ったと思って、捕まえている3人にまた話しかけた。そしてさらにおちょくる様な喋りをしているが、突然乱菊さんが

 

  「私おしゃべりな男嫌いなのよね〜、なんか気持ち悪くて」

 

  お、ルピさんの額に青筋がたった。

 

  「…おねーさんさ、君今僕に捕まってるってこと忘れてるでしょ?…僕の機嫌を損ねたらすぐに串刺しにーー!!」

 

  突如触手が動かなくなったと思ったから、2,3本の触手の先が凍っていた。

 

  「一度攻撃を加えた相手に対して、気抜き過ぎなんだよお前は。残心って言葉知らねェだろ?」

  

  そこには倒したと思っていた日番谷冬獅郎の姿があった。

 

  「お前、まだ生きてたのか⁉︎」

 

  「氷輪丸は氷雪系最強。砕かれても、水さえあれば何度でも蘇る」

 

  「もうお前に勝ち目はない。仕込む時間は山ほどあった。俺に時間を与えすぎたな」

 

  ルピさんの周りに氷の柱が現れ1本、また1本と増えていき、あっという間にルピさんを囲った。

 

  「お前の武器が8本の腕なら俺の武器は…この大気にある全ての水だ!」

 

  「千年氷牢(せんねんひょうろん)!」

 

  そして氷の柱はルピさんに急接近し包み込んだ。

 

  「ぎやーーー!」

 

  悲鳴と同時に残っていた触手が全ての凍りつき崩れ落ちた。

 

  「悪いな。8本じゃ少し足んなかったろ?」

 

  捕まえていた3人は脱出に成功したが、まだ気を抜いてはいけない。1人倒したとはいえまだ1人残っているのだから。(ヤミーさんは浦原さんと戦っているし、ワンダーワイスさんは動こうとしないから)

 

  「次は…お前の番だ」

 

  「凄いですね、ルピさんを倒すなんて。でもそれは彼が油断したからでもあるんですよ。彼は十一刃に入りたてだったのですから」

 

  私は霊圧の質を上げた。すると乱菊さんは「嘘、どうして」みたいな顔をして驚愕していた。

 

  「どうして、アンタの番号は8か9の筈でしょ!」

 

  「おや、私は一度も8番か9番なんて言った覚えはないですよ」

 

  そう、最初に戦った時の霊圧の質で下の方だと思っていた。本人の口から番号の事を言った覚えはないのだ。全ては自分が勝手に思い込んでいた事なのだ。

 

  「リンギ、臨気鎧装!」

 

   臨気を身体から放出させ、それを鎧の形して身体に纏った。

  

  その姿は黒が中心で所々に金色がある。胸ものにはライオンの顔をした物があり、頭部は丸でヘルメットを被っている。そう、まるで黒獅子の様だ。

 

  「ほー、中々強そうじゃねーか。見掛け倒しじゃない事を願うぜ」

 

  一角さんはそのまま私に突っ込んできた。ワンパターンで分かりやすい。これだから戦闘狂は。

 

  「リンギ、烈蹴拳(れっしゅうけん)!」

 

   脚に臨気を込め強力な蹴りを繰り出す。一角さんは鬼灯丸でガードしようとするが、蹴りの威力が強くて防ぎきれず鬼灯丸が折れてしまった。

  蹴りは諸にくらっているのと変わらないので、そのまま吹き飛ばされてしまった。

 

  「…まず1人ですね」

 

  残った3人は構える。班目は十一番隊の三席で護廷十三隊の中でも強い方である。それなのに一撃で倒してしまったのだ。

  冬獅郎さんは氷の龍で攻撃してくるが、それを拳で簡単に粉砕する。だがその隙に乱菊さんは、灰猫を始解して砂状に変化した剣で斬りつけようとしたが、突如紫色の気が段々黒くなっていき怒りによって生み出す事が出来る最強の臨気、怒臨気を応用して作った技「怒臨気波」。

  身体中に纏っている怒臨気を一気に放出して衝撃波の様にする事で攻撃にも防御にも使える技である。

 

  「この程度ですか、貴方達の実力は?これはルピさんの言ってた事もあながち間違いではないですね」

 

  護廷十三隊の隊長、副隊長がいる、ましてやこの戦いでは限定解除にも関わらず手も足も出ないなんて。まぁ相手が悪かったとも言えますが。

 

  「でも飽きてきたのでそろそろ終わりに…おっと、時間のようです」

 

  上空から黒腔が現れてその中から黄色い光、反膜(ネガシオン)で私を含めた全ての破面達を包み込んだ。氷の檻に閉じ込められていたルピさんも、反膜に包まれたら氷の檻が崩れて出てきた。

  冬獅郎さんに「次会ったらその頭、捻り切って潰す」と言っているが次はないでしょう。だってこの後……。

 

   ヤミーさんも浦原さんに「次で終いだ」と言っている。

 

  「次会えたらその時は楽しみにしていてください」

 

  そして私達は黒腔の中に消えていった。

 




怒臨気派は作者が考えたオリジナル技です。
見ていて「これを何かの技に出来るはず」と思って。


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23話 第2の報告会と訪問者

遅くなってすみません。
色々ありまして心のケアをしていました。
作者はメンタル弱いので傷付く様なコメントは控えてくださると幸いです。


  任務を終えて虚夜宮へ帰って来た。今回一緒に行った破面達で私とウルキオラさん、そしてワンダーワイスさん以外は負傷した。なかでもグリムジョーさんは酷い。全身血まみれで服もなかりボロボロで原型を留めてない。

  でも片手しかない状態だったからよくやった方だと私は思う。

  

  そして今私は玉座の間にいる。今回任務に出た者達全員と、連れてきた井上織姫さんと一緒に。

 

  「ようこそ。我らの城、虚夜宮へ」

 

  「井上織姫と言ったね」

 

  「…はい」

 

 「早速で悪いが…織姫、君の能力を見せてくれるかい?」

 

  「…は…い…」

  

  おぉぉ、怯えてる怯えてる。それはそうか。ここのボスが自分の目の前にいるんだから。それに力が吸い取られる感覚に襲われたから尚更か。

 

  「君を連れて来たことに納得していない者もいるようだからね。そうだろ、ルピ」

 

  「当たり前じゃないですか。僕等の戦いが全部、こんな女1匹連れ出す為の目眩しだったなんて……そんなの納得できるわけない」

 

  「すまない。君がそんなにやられるとは予想外だったんでね」

 

  本当に予想外だったのでしょうか?

  ルピさんは藍染様に向かって少し顔をしかめていた。

 

  「さてそうだな。織姫、君の能力(ちから)を端的に示すために……グリムジョーの左腕を治してくれ」

 

  「バカな!そりゃ無茶だよ藍染様。グリムジョー?あいつの腕は東仙統括に灰にされたんだ!消された物をどうやって治すんだ!神じゃあるまいし!!」

 

  織姫さんはグリムジョーさんの左側へと移動して治療を始める。

 

  「双天帰盾。私は……拒絶する」

 

  「おい聞いてんのか、女?命欲しさのパホーマンスならやめとけよ。出来なかったらお前を殺すぞ。その能力ってのが偽物ならお前をみたいな奴を生かしとく理由なんか…な…い…っ」

 

  斬られて消滅した筈の左腕が完全に再生された。

 

  「なんで⁉︎回復とか、そんなレベルの話じゃないぞ。一体何をしたんだ、女!」

 

  「分からないかい?ウルキオラはこれを時間回帰、若しくは空間回帰とみた」

 

  「…はい」

 

  「バカな⁉︎人間がそんな高度な能力を……そんな訳ないだろ!!」

 

  「その通りだ、どちらとも違う。これは…事象の拒絶だよ。彼女の能力は対象に起こったあらゆう事象を限定し、拒絶し否定する。…何事も起こる前の状態に帰す事ができる能力だ。それは時間回帰や空間回帰よりもさらに上。神の定めた事象の地平を易々と踏み超える……神の領域を侵す能力だよ」

 

  ルピさんはその言葉を聞き、あまりの驚きに声が出なかくて硬直していた。

  一方グリムジョーさんは再生した左腕を一回握りしめて完全に治った事を確認した後、何かを思いつめ織姫さんに声をかけた。

  

  「おい女。もう一箇所治せ」

 

   背中の腰より少し上の所を治せと言ってきた。そこはかつて6の数字があった場所。そしてそこにさっきの双天帰盾を使って治療し始めた。すると削られた鋼皮とともに6の数字が浮き出た。

 

  「なんのつもりだよグリムジョー…」

 

  「…あぁ?」

 

  グリムジョーさんは奇妙な吊り上がった口をしならがら後ろを向いた。

  そして一瞬のうちにルピさんの前まで移動し、左腕でその胸を貫いた。

 

  「グ、グリムジョー…テメェ…」

 

  「そういう事だ。じゃあな、"元"6番」

 

   残っていた右手で虚閃を放ち、ルピさんの上半身を吹き飛ばした。残った下半身は力なくそのまま崩れ落ちた。

 

  「…ははははっはははは!」

 

  グリムジョーさんは気でも狂ったかの様にいきなり高笑いをし始めた。

 

  「戻った、戻ったぜ力が!俺がNo.6だ。第6十一刃グリムジョーだ!!」

 

  さらに高笑いをするグリムジョーさん。これでグリムジョーさんは再び十一刃に返りざいたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

  その後織姫さんの世話係にウルキオラさんが選ばれ、織姫さんを彼女為に作った部屋に案内、それ以外の破面達はその場で解散となり私は今自宮にいる。それして今回の報告会までの事を話した。

 

  「ヘェ〜、グリムジョー奴第6十一刃に戻ったんだァ」

 

  「…チルッチさん、貴方も十一刃に戻りたいですか?」

 

  「…戻りたくないって言うと嘘になるけど、でもここでの生活も案外楽しいから別に戻りたいとは思わないわ」

 

  「そうよね。十一刃に戻ったらデストロイヤー様と一緒にいる時間が短くなっちゃうから寂しいものね」

 

  「なっ⁉︎そんな事思ってるわけないでしょ!!」

 

  「フフフ」

 

  友子さんとチルッチさんが何時ものように喧嘩を始めた。でもチルッチさん、会った時と比べるとなんだか少し明るくなったみたいで私は嬉しいです。

  そんな時ロカさんが部屋に入ってきた。

 

  「デストロイヤー様」

 

  「どうしました?」

 

  「デストロイヤー様と面会したいと言う方が来ています」

 

  「誰ですか?」

 

  「メノリ・マリア様です」

 

  メノリさんが。一体なんでしょう?いやそれよりも。

 

  「メノリさんだけですか?」

 

  「はい。メノリ・マリア様お一人です」

 

  「…分かりました、すぐに行きます」

 

  どういう事だ。何時もロリさんと2人でいるのに1人で来るだなんて。何かあったのだろうか?色々考えているうちに、メノリさんを待たせている部屋へ入った。確かにメノリさん1人しかいない。

 

  私は向かい側のソファーに座る。メノリさんはさっきから体が震えていて、冷や汗も流している。緊張しているのかな?

 

  「デ、デストロイヤー様!こ、今回私のためにお時間を頂いてありがとうございます」

 

  「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。それで私に話したい事とは」

 

  「はい、実は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     私とロリをデストロイヤー様の従属官にしてください!」

 

  「……はい?」

 

  え?…今何て言った?

 

  「え〜と、私の聞き間違いでしょうか?従属官にしてほしいみたいに聞こえたのですが…」

 

  「はい、そうです。私とロリを貴方の従属官にしもらいたくお願いしに来ました!」

 

  いやいや、おかしいでしょ!まだこの時の彼女は、ロリさん程ではないが気が強く誰かの従属官になる事なんてなかった(例えなるとしても藍染様くらいだと思うが)。なのにどうして私の従属官になりたいだなんて⁉︎

 

 「ど、どうして私の従属官になりたいですか?」

 

  「はい。知っていると思いますが今日ここに現世から連れてこられた人間の女の事で、ロリはその女の事が気に入らなくて、絶対チョッカイを出すと思うです」

 

  確かに一回目で織姫さんにその時はグリムジョーさんに邪魔されて、黒崎さんとウルキオラさんの戦いの中懲りずに来てさらに罵っていたからね。

 

  「でもそれと従属官になりたいとはどういう事ですか?」

 

  「ロリは…あの女の事が気に入らない、だから何かしらチョッカイを出しかねない。でもあの女は藍染様から一目置かれている。だからそんな奴に手を出したらどうなるか怖いんです」

 

  「でも以前デストロイヤー様が藍染様のお部屋にお伺いした時言いましたよね。「私の従属官なら守ってやる」と、だから私とロリを従属官にしてください。お願いします!」

 

  成る程。ロリさんは喧嘩派やいから十一刃にも喧嘩を吹っ掛ける。だから私に守ってもらいたいと。…彼女の頼みは聞いてあげたい。でもロリさんは絶対賛成はしない。寧ろ「何勝手にあんな奴の従属官にしてるのよ!」とか言ってメノリさんとの仲が悪くなってしまう。だから仕方がない、こうしよう。

 

  「…では契約としましょう」

 

  「契約…ですか?」

 

  「えぇ。貴方を従属官にする事に問題はないですが、かと言って勝手に従属官にしたらロリさんが黙っていないでしょう。だから従属官ではないですが契約という形で守ってあげようと思うのですが、どうでしょう?」

 

  「は、はい!それで大丈夫です。ありがとうございます!」

 

  メノリさんはそう言って部屋を出て行った。

 

  「…さて後どれ位かは知らないが黒崎さん達がこの虚国に来る。それまでトレーニングしておくか」

 

  これから本格的な戦いが始まる。そう全てはここから始まるんだ。生死を賭けると言ってもいい……命のやり取りが。

 




やってしまった。でも後悔はしない。
後文句も言わないでください。


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24話 侵入者

  トレーニングを始めて1時間ぐらいたっだ時、トレーニングルームにロカさんが入ってきた。

 

  「デストロイヤー様、藍染様から十一刃全員の収集です」

 

  藍染様からの収集が掛かった。多分黒崎さん達が虚国に侵入してきたんですね。私はトレーニングを止め、宮を後にして収集場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

  薄暗い会議室のような部屋、王座の間。部屋の中央に置かれた縦長のテーブル。先端に一つ、左右両側に五つ、そして後端に新たに作られたもう一つの椅子がある。

 

  扉が開いて複数の人影が入ってくる。

 

  「侵入者らしいよ」

 

  「侵入者ァ?」

 

  「…22号地底路が崩壊したそうだ」

 

  「22号ォ!また随分遠くに侵入したもんじゃな」

 

  「全くだね。一気に玉座の間にでも侵入してくれたら、面白くなったんだけど…」

 

  「ヒィハァァ!そりゃあいい!」

 

  「煩せぇな〜。こっちは眠いだよ。高え声出すなよ」

 

「寝過ぎるのもあまり身体には良くないと思いますよ」

 

  1人、また1人次々と席に着いてく。

そして今ここに破面たちの中心であり最強の存在でもある11人…

 

第0十一刃:デストロイヤー・レイ

 

第1十一刃:コヨーテ・スターク

 

第2十一刃:バラガン・ルイゼンバーン

 

第3十一刃:ティア・ハリベル

 

第4十一刃:ウルキオラ・シファー

 

第5十一刃:ノイトラ・ジルガ

 

第6十一刃:グリムジョー・ジャガージャック

 

第7十一刃:ゾマリ・ルルー

 

第8十一刃:ザエルアポロ・グランツ

 

第9十一刃:アーロニーロ・アルルエリ

 

第10十一刃:ヤミー・リヤルゴ

 

 

 

…十一刃が全員勢揃いした。

 

そして廊下から聞こえてくる足音。その奥から3人の人影自分達のボスである死神…藍染惣右介その腹心である2人の死神…市丸ギン、東仙要が入ってきた。

 

  「おはよう、十一刃諸君。…敵襲だ。…まずは紅茶でも入れようか」

 

  雑用破面がティーカップに紅茶を注ぎ、次々に配っていく。そしてカップが全員の前に並んだ。

 

  「全員に行き渡ったかな?さて、飲みながら聞いてくれ。要、映像を」

 

  「はい」

 

  藍染様の言葉に東山さんは答え、壁にあったレバーの様なものに手をかけて自分の方へ寄せる。するとテーブルの真ん中が開き、そこからある映像が現れる。それは3人が虚国の砂漠を走っている映像だ。

 

  「侵入者は3名。石田雨竜、茶渡泰虎、黒崎一護」

 

  黒崎さんの映像と名前が出た瞬間グリムジョーさんが大きく反応した。ウルキオラさんは興味がないのかまた目を瞑った。

 

  「…こいつらが…」

  「敵ナノ?」

 

  「なんじゃい!侵入者なんぞ言うからどんな奴かと思ったらまだ餓鬼じゃないか」

 

  「ソソられないなぁ…全然」

 

  「ちっ…」

 

  アーロニーロさん、バラガンさん、ザエルアポロさんの3人、第一期組は侵入してきたのが餓鬼だった事に期待外れみたいな反応をしている。ヤミーさんもつまらないみたいで舌打ちをする。他の者達は静かに3人の映像を見ている。しかしヤミーさん、貴方黒崎さんに右腕斬り落とされましたよね。それなのにその反応とは随分な身分だと思いますよ。

 

  「侮りは禁物だよ。彼等は嘗て「旅禍」と呼ばれ、たった4人で尸魂界に乗り込み、護廷十三隊に戦いを挑んだ人間達だ」

 

  「4人?1人足りませんね。残る1人は?」

 

  「…井上織姫だ」

 

  「へ〜、仲間を助けに来たってワケかよ。いいんじゃねーの。弱そうだけどな」

 

  ノイトラさんは映像を見て3人を"弱そう"と言って完全に見下している。「相手を見かけだけで判断するな」という言葉を知らないのでしょうか?

 

  「聞いていなかったのか?」

 

  「あぁ?」

 

  「藍染様は侮るなと仰ったはずだ」

 

  ノイトラさんの見下した発言に対して、ハリベルさんが注意する。

 

  「別にそういう意味で言ったんじゃねーよ。ビビってんのか?」

 

  「なんだと…⁉︎」

 

  「2人とも喧嘩は止めなさい。藍染様の前ですよ」

 

  2人が揉め始めたので私が止めるように声を掛けた。それにここで止めておかないと色々と危ないですからね。

 

  「すまない」

 

  「ちッ!」

 

  そんな中突如グリムジョーさんが机を叩いて立ち上がり、何処かへ行こうとした。

 

  「何処へ行く、グリムジョー」

 

  「殺しに行くに決まってんだろ。入った虫を叩くのに早いに越したことはないだろ?」

 

  「藍染様のご命令がまだだ、戻れ」

 

  「その藍染様のためにあいつらを潰しに行くんだろうがよ!」

 

  席に戻れという東仙さんに対して、侵入者(特に黒崎さん)を潰しに行くというグリムジョーさん。この2人の会話で不穏な空気が漂う。そんな中藍染様が口を開いた。

 

  「…グリムジョー」

 

  「…はい」

 

  「私のために動いてくれるのは嬉しいが話が途中だ。席に戻ってくれないか?」

 

  グリムジョーさんは返事をしないで黙っている。

 

  「…どうした?…返事が聞こえないぞ…グリムジョー・ジャガージャック」

 

  藍染様から放たれた霊圧がグリムジョーさんに襲い掛かる。グリムジョーさんは膝をつき苦しそうだ。暫くするとグリムジョーさんはその霊圧から解放され乱れた呼吸をしていた。

 

  「そうか、分かってくれたようだね。十一刃諸君、見ての通り敵は3名だ。侮りは不要だが騒ぎ立てる必要もない。各人自宮に戻り平時と同じく行動してくれ。傲らず、逸らず、ただ座して敵をまでばいい」

 

  「…恐れるな。…たとえ何が起ころうとも、私と共に歩む限り、我らの前に敵はない」

 

  よく言うよ。本当は私達の事なんて何とも思ってないのに。その後は皆解散し、それぞれの自宮に戻った。

  

 

 

 

 

 

  さて、私も自分の宮に戻ってきた。この後黒崎さん達はさらに来た2人の仲間、六番隊副隊長の阿散井恋次さん、十三番隊の朽木ルキアさんとともにこの虚夜宮への侵入に成功し、その後5つの別れ道で別々のルートを行く事になる事なる。

  だがこの先石田さんは本来ならチルッチさんと戦うはずだが、彼女は私の従属官になっているからあの部屋には今は誰もいない。だからその分彼はザエルアポロさんと早く戦うことになるはずだ。でもそれだと後々色々と面倒になるからな。…やっぱりチルッチさんにお願いしてみることにしましょう。

  




お気に入りが500件突破したーー!!
最終決戦の時ですがあまり話が思いつかなく、ここ最近忙しくなってきたので更新速度がさらに遅くなると思いますが、完結させる予定なので長く待っていたきたいと思います。

因みに十一刃達が着いた席は原作通りで、後端にデストロイヤーが座っている形です。

        藍染

グリムジョー       ウルキオラ
        
ゾマリ     テ    スターク
        |
ザエルアポロ  ブ    ノイトラ
        ル
バラガン         ハリベル
       
ヤミー          アーロニーロ
      デストロイヤー  

こんな感じです。


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25話 決戦準備

遅くなってすみません。
言い訳かもしれませんがここ最近忙しい上に、アイデアが思い浮かばなかったので。

今回は一気に話が飛びます。

※ウルキオラと一護の所を付け足しました。(一部分だけですが、どうしても使いたかったところがあるので)

11/13 修正


  「これは!…アーロニーロさん…」

 

此処しばらくトレーニング続きで休みを入れていなかったので、少し休もうと自宮でくつろぎ瞼を閉じていたから眠りに入りかけた時、突如頭にある情報が入ってきた。

  それは第9十一刃アーロニーロの"認識同期"だった。1人の死神、朽木ルキアと相打ちになった。

 

  この情報がきたということは、黒崎さんはドルドーニさんを倒し、茶渡さんはガンテンバインさん倒したのですね。

  この後ウルキオラさんが黒崎さんを一時的に倒し、それを知ったグリムジョーさんが織姫さんの力で復活されるために部屋から連れ出す。

ここでメノリさんは確か上半身を虚閃で吹き飛ばされてしまうだったな。その後織姫さんの力でなんとか復活するんで大丈夫かと思いますが、この間の約束があるからね。私も織姫さんのいる部屋へと行きますか。

あっ!でもその前に一箇所寄るところがあるんでした。まずはそっちへ行きましょう。

  

 

 

 

  黒崎一護は長い廊下を走っていた。その横には子供の姿をした場面、ネルが引っ付いていた。

  そこにウルキオラが現れた。階段を降りてくるウルキオラ、そして彼の口から信じられない言葉が出る。

 

  「…朽木ルキアは死んだ」

 

  如何してウルキオラがそれを知っているかというと、第9十一刃の能力の1つである「認識同期」で得た情報だった。

 

  だか一護はそれを無視してルキアを助けように行こうとした。ウルキオラは今ここで自分を倒していかなくていいのかと質問をした。一護はウルキオラと戦う理由は無いという。

 

  「テメェは敵だが……テメェ自身はまだ誰も俺の仲間を傷つけてねェからだ」

 

  そこでウルキオラは一護にある事を教えた。

 

  「…虚国に井上織姫を連行したのが俺だと言ってもか?」

 

  それを聞いた一護は顔色を変えてウルキオラを斬りに掛かった。怒った一護は今ここで、全力でウルキオラを倒すと宣言し、卍解した。

 

  そこから現れたのは虚の仮面をつけた一護であった。

 

  仮面をつけた一護の斬撃の閃光はウルキオラを吹き飛ばした。そして必殺技「月牙天衝」を放った。

  ウルキオラは右手を前に出し受け止めようとした。だか受け止めきれないと判断し、左手も出し両腕で受け止めたがそれでも受け止めきることが出来ずにウルキオラを飲み込んだ。

 

  その直後、一護の仮面はゆっくりとバラバラに崩れ落ちた。そこへネルが飛びつき泣いていた。ネルを安心させ先へ進もうとするが、煙の中で動く影があった。ウルキオラである。

 

  服は至る所ボロボロになっていたが、その体には傷1つ付いていなかった。

 

  「…やれやれ。両手を使っても止めきれんとはなぁ。少し驚いた。…今のが全力か?」

 

  仮面をつけ全力で放った月牙天衝でも、大してダメージを与えることは出来なかった。

 

  ウルキオラは右手の人差し指を前に突き出し虚閃を放った。

 

  一護は虚閃に飲み込まれたが、何とかそれを耐えネルを何処かへ休ませようと走ったが、響転で移動してきたウルキオラによって蹴られ、1つの塔へ激突した。

 

  体力も残り少なく息も上がっている一護に対してウルキオラは諦めろと言う。だか一護はまだ諦めないとばかりに斬魄刀をウルキオラの左胸に当てた。そしてウルキオラが十一刃のトップだと思っていた一護は、ウルキオラを倒せばもはや勝ったも同じ事だと思っていた。

 

  「…そうか。そいつは残念だったな」

 

  だかその考えは甘かった。左手で斬魄刀を持ち上げると服が破れる。そして左胸に数字があった。その番号は…

 

  「…4…だと…」

 

  「…あぁ。第4十一刃、ウルキオラ・シファー。…十一刃内での力の序列は…5番目だ」

 

  ウルキオラはゆっくりと左腕を上げると一護の胸を貫いた。

 

  「…黒崎一護、お前が俺を倒すことはない。…例え倒せたとしても、俺の上には更に4体の十一刃。…お前が1000度立ち上がろうと……お前らの前に勝利はない」

  

  ウルキオラはその左手を引き抜くと、一護はうつ伏せる状態になって倒れた。

 

 「如何やら俺はお前を買い被っていたらしい。お前の進化は俺の目論見には届かなかった」

 

  そしてウルキオラはその場をゆっくりと去っていった。

 

 

 

 

 

 

  ある一室。そこには3人の女の姿があった。現世から連れてこられた少女井上織姫、ツインテールが特徴の破面ロリ、そしてメノリだ。

  

  ロリは織姫が藍染に気に入られている、それが気に入らない彼女は織姫の顔を殴りなど暴力をした。だが一切抵抗しない織姫に対してその暴力はさらにエスカーレトしていった。

  メノリは止めたが「嫌なら自分だけでやる」と言って無視した。

  そんな中突如壁が爆発を起こした。それから現れたのは第6十一刃のグリムジョーだった。

  ロリとメノリの2人はグリムジョーが来た事の恐怖でその場から動けないでいた。グリムジョーはメノリの事は眼中にないのか何もしたいで横を通り過ぎる。そして織姫とロリの近くまで来ると「退け」と一言言いロリを右手で払い飛ばした。

 

  「あァ?力の加減間違えたか?」

 

  「うわァーー!!」

 

  それを見ていたメノリが恐怖で拳をグリムジョー目掛けて繰り出したが、難なく左手で受け止められてしまった。そしてその左手で虚閃を放とうする。

 

  ーー十一刃の虚閃を喰らえばどうなると思う。簡単だ。それは死だ。メノリが死を覚悟したその時

 

 

  「止めなさい、グリムジョーさん」

 

 

  突如後ろから声が聞こえたのでグリムジョーは虚閃を撃つのを止めた。その後ろにはデストロイヤーが立っていた。

 

  「なんだテメェ。なんで此処にいんだよぉ」

 

  「それを言うなら貴方も同じです。どうして此処にいるんですか?」

 

  「テメェには関係ねェ!」

 

  「貴方の目的は分かっている。その子を連れて行くつもりでしょ」

 

  グリムジョーは織姫に顔の傷を治すように指示して治させると、織姫を何処かに連れて行ってしまった。

 

  「ちょっとアンタ、なんなのよ!アタシ達を助けて恩を作ったつもり!」

 

  「ロリ止めなよ。デストロイヤー様が来てくれなかったら、アタシ達死んでいたかもしれないんだよ」

 

  「それが何よ!こんな奴に助けられるくらいならッ……!!」

 

  ロリは言葉を途中で止めた。後ろに気配を感じて見てみるとそこにはウルキオラが立っていた。

 

  「おや、ウルキオラさん」

  

  「…誰がやった」

 

  「グリムジョーさんですよ。彼は黒崎さんを自分の手で倒すために織姫さんの力を使って復活させるために彼女を連れ出したんです」

 

  「…なぜ止めなかった」

 

  「私に彼を止める権利はありませんから。それよりグリムジョーさんの後を追わなくていいんですか?」

 

  その後ウルキオラは暫く黙ったままだったが、暫くすると何処かへ向かった。グリムジョーが黒崎一護を復活させようとしているといったからその黒崎一護を倒した場所へ向かったのだろう。

 

 「では私もここで失礼させてもらいますよ」

 

  デストロイヤーも部屋を後にした。そしてロリとメノリを残した部屋は静寂が漂っていた。

 

 

 

  デストロイヤーは自宮に向かって歩いていると1人の雑用破面がやって来た。

 

  「デストロイヤー様、藍染様から収集が掛かっております」

 

  「分かりました。他に誰が収集を掛けられた方はいるのですか?」

 

  「はい。スターク様、バラガン様、ハリベル様の3名です!」

 

  (この3人が収集されているという事は…空座町を手に入れるための準備という訳ですか)

 

  デストロイヤーは収集された事を内心で理解して会議が行われた王座の間にへと向かった。

 

 

  ーーーーーーーーーーー

 

 

  王座の間。今ここに十一刃の上位4人、そして藍染惣右介がそれぞれの椅子に座っている。

 

  「さて……漸く準備が整った。間も無く私達は空座町へ侵攻する。空座町を消し去り王鍵を創生し、尸魂界を攻め落とす。……新たな世界への扉を開くのだ」

 

  「スターク、バラガン、ハリベル、デストロイヤー、君達の頑張りに期待しているよ」

  

  「はっ!藍染様。必ずやご期待に応えてみせます!」

 

  ハリベルは自分のボスである藍染の期待に応えると言った。彼女は十一刃、いや破面の中でも藍染に心から忠誠を誓っている数少ない者だからだろう。

 

  「…侵攻ね〜」

 

  スタークは相変わらずヤル気のない返事をする。

 

  「……」

 

  「……」

 

  バラガンとデストロイヤーはずっと黙ったままであった。

 

  藍染は席を立ち王座の間から出た。

 

  (何が「君達の頑張りに期待している」ですか。私達に期待なんてこれっぽっちもしていない癖に)

 

  デストロイヤーは内心藍染に罵倒した。藍染にとって十一刃だけでなく、副官の2人も道具に過ぎないであろう。

  スタークとバラガンが倒されるとハリベルを切り捨て、檜佐木修兵に敗れた東仙も殺したのだから。

 

  だが今ここで反逆を起こしてしまうと、従属官達も危険に晒してしまう可能性がある。だからそれまでは大人しくしていようと考えたのだ。

 

 

 

 

  そして4人の十一刃達もそれぞれ解散し、自宮で連絡があるまで待つ事にした。

 

 

 

 

 

  そしてついに護廷十三番隊との全面戦争の幕が開ける、その時がきた。

 




しつこいかもしれませんが、メノリはオリ主から「殺されるかもしれない」と言われていたのでここまで恐怖するにしてしまいました。

あとさらに更新が遅くなるかもしれませんが、必ず完結させる予定なのでお待ちいただきたいです。

悩んでいることがあるので、お時間があれば活動報告をご覧ください


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26話 決戦

大変長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

言い訳ですが、最近忙しくてアイディアが浮かばなかった者ですから。

それなのに話があまり進みません(土下座)



空座町上空。そこには総隊長含め数人の護廷十三隊の隊長、副隊長が待機していた。

藍染が、王鍵創生のために空座町を消し去ろうとしているのだ。

護廷十三隊はそれを阻止するために空座町の住人を全員眠らせた後、転界結柱と4本の柱を使って尸魂界で作った空座町のレプリカと入れ替えたのだ。

 

「……どうやら、間に合ったようじゃな」

 

「…間に合った?一体何を以ってその言葉を口にしている?…そこにあるのが空座町でない事は解っている。だが、それは何の妨げにもなりはしないよ」

 

藍染は護廷十三隊より少し高い位置で彼らを見下ろしていた。

 

「スターク、バラガン、ハリベル、デストロイヤー、来るんだ」

 

藍染がそう言うと、上空に4つの黒腔が現れ、それぞれの黒腔から破面が数人出てきた。

 

一つ目からは、髭を生やしダルそうにしている破面と従属官と思われる幼女の破面。

 

二つ目からは、ドッシリとして威厳がありそうな爺さんの破面にその後ろに控えているは従属官である6人の破面。

 

三つ目からは、褐色の肌をした金髪の女性破面、その後ろには3人の女の破面。

 

四つ目からは、今まで現世への信仰してきた時に何度も力の差を見せつけた破面。その後ろには従属官と思われる1人の女性、仮面のような顔をし赤い中国服のような物を着た者、そして人とは思えない姿をした者が数人いた。

 

「空座町が尸魂界に在るのなら、君達を殲滅し、尸魂界で王鍵を作る。それだけのことだ」

 

 

 

 

その後総隊長である山本元柳斎重国( やまとも げんりゅさい しげくに)の斬魄刀、流刃若火(りゅうざんじゃっか)城郭炎上(じょうかくえんじょう)によって藍染、市丸、東仙は炎の中に閉じ込められた。

「さァて、どうしたものかのォ?敵は山程。ボスはあのザマだ」

 

「藍染様に口が過ぎるぞ、バラガン」

 

「お前は儂に口が過ぎるぞ、ハリベル」

バラガンは指をパチンッと鳴らす。すると巨漢の男がカーペットを丸めたような物を出しおく。さらにその近くにいた2人が左右からそれを広げると、中から幾つもの骨が出てきて組み合わさり椅子が出来上がった。バラガンはそれに腰をかける。

 

「ボスが身動けん以上儂が指令を出させて貰う。…文句は言わせんぞ」

「いいんじゃねェの…っ痛!!」

 

スタークはリリネットに蹴られた。ミラローズは「煩い」と小さく呟いた。

 

「スタークさん、リリネットさん静かにしてください。私は別に構いませんよ。バラガンさんにお任せします」

「ふん。分かっているではないか。ところで足元の重霊地。偽物じゃと言ったな。尸魂界で造った模造品と入れ替えたと。ボスは“尸魂界まで重霊地を手に入れれば良い”と言っておったが……果たしてそんな面倒をする必要があるかの?」

「さっきの話じゃこういう理屈だ。“この街の四方に柱を立てて、その柱ごと街ごと入れ替えた”と。……だったら、その柱を壊せばどうなる?フィンドール」

 

「はい」

 

従属官の1人、フィンドールと言われた破面は、左腕の刃を笛のように吹いて音を響かせた。すると4つの黒腔が出現し、中から虚が一体ずつ出てきた。

 

「柱の場所は判っとる。こういうもんは東西南北四方の端に造るのが定石じゃ」

虚達はそれぞれ柱を破壊し始めた。大前田は一人慌てふためいていた。このままでは柱が壊されて、尸魂界に送った空座町が戻ってきてしまう。そうなったら本物の空座町が戦場になってしまうからだ。

 

「莫迦者めが!!」

 

刹那、山本元柳斎が口を開いた。大前田は「え、自分?」かのようなポカンとした表情をして理解できないでいた。隊長である砕蜂は呆れていた。

 

「そんな大事な場所に誰も配備せん訳があると思うか?」

 

すると、柱を壊していた虚達が何者かによって斬り捨てられた。

 

「ちゃんと腕利き共を置いておるわい!」

 

そこには 三番隊副隊長、吉良イヅル。九番隊副隊長、檜佐木修兵。十一番隊第三席、班目一角。十一番隊第五席、綾瀬川弓親の4人が1人1本ずつ柱を護っていた。

 

「…フン、兵隊が4匹……それがどうした?4匹の蟻が守る柱なら、4匹の龍で踏み潰せばいい。ポウ、クールホーン、アビラマ、フィンドール、潰せ」

『は!陛下の仰せのままに!!』

 

バラガンに指示された4人の従属官達は、それぞれ違う柱へ向かった。

ーーーーーーーーーー

 

その後、ポウは柱を壊す事には成功したがすぐにされて、駆けつけて来た七番隊隊長、狛村左陣に敗れた。結果全員殺られてしまい失敗した。

 

「あいつら……全員殺られやがった…」

 

「くっ……バカが……」

残っていた2人のバラガンの従属官は4人全員殺られたを見て焦っていた。それもその筈。自分達の王であるバラガンの命令が達成できなかったのだから。

 

バラガンは椅子肘掛けの先の部分を握り潰して席を立とうとした。

すると2人の従属官は素早く跪いた。

 

「申し訳ありません、バラガン様!奴等は我々がすぐに始末して参りますので、どうぞお座りになってお待ち下さい!」

何とかバラガンの怒りを納めようと、従属官の1人、ジオ・ヴェガは声を上げた。そのしっかりとした声でバラガンが椅子から立つのを止めた。

だが、それと共に隊長達や他の十一刃やその従属官達が一斉に動いた。

そしてバラガンとその従属官の前に羽織を羽織った女と、ふくよかで大柄な男が立ち塞がった。

 

「誰を始末するだと?」

「狛村達を始末するというのか?それとも我々全員か?」

 

「返答次第では私がお前から始末するぞ」

 

「まぁ、返答せずとも始末するがな」

そしてそれぞれが対する者達が決まったようだ。

 

「さて漸く本番かのぉ」

 

いよいよ本格的な戦いが始まろうとしていた。




オリ主が連れてきた従属官達が誰なのかは次回明らか。

ただし上級と最上級の幹部の者達はいません。最上級は他の事を頼んであるし、この戦いで上級や最上級の幹部達を失いたくないのです。だから野心家の者達や倒れてもいいだろうと思う者達にしました。(死ぬかは別として)

でもまだ誰を出すか決めてないのでまた遅くなる事をお許しください。


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27話 決戦開始

お久しぶりです。
最近色々と忙しかったので1ヶ月以上空けていまいました。
今回は決戦が開始されるところなので、戦闘は次回からになります。

※一部修正


護廷十三隊の隊長格達、そして十一刃とその従属官達もそれぞれの相手と睨み合っている。

バラガンと彼の残っていた2人の従属官の前には二番隊隊長、砕蜂。そして同じく二番隊副隊長、大前田希千代がきた。

だが大前田は敵を前にして怖いのか口がプルプル震えていた。

 

「大前田」

「へ、へい!」

「ガチガチだなぁ。怖いか?久々の実戦が」

「そ、そんな事ないッス!これは武者震いッス」

 

「情けなくて見るに耐えんなぁ」

 

砕蜂は大前田に冷たく当たる。

 

「いい機会だ。この際適当なところで何かのついでに死ね」

 

「ハァー!?へへ、何言ってるんすか?怖くもねェし、ガチガチでもねェし。つうか、絶対死なねェし!」

 

「そうか……なら死ぬな」

 

「言われなくてもそうしますよ」

 

…この2人の戦いは、言うまでもなく最悪になるだろう。

 

 

 

 

スタークとリリネットの前には八番隊隊長、麦わらの傘と隊長羽織りの上に花柄でピンクの羽織りを着た享楽春水(きょうらく しゅんすい)、そして白神の男十三番隊隊長、浮竹十四郎(うきたけじゅうしろう)が来た。

 

「…その子、ここから退かしちゃもらえないかな?」

 

「…何でだい?」

 

「その子が居ちゃ全力で戦えない。君もそうじゃないの?」

 

「何だとォ〜!」

 

「黙ってろ、リリネット」

 

注意されたリリネットはスタークを睨みつけたが、顔を見ると今までにない位の真剣な目をしている。

 

「……いいぜ。全力で戦ってくれなくても。俺も全力では戦わねェ…」

 

「?どういう意味だ?」

 

「俺…向かねェんだよ。そういうの、性格的に。如何にか戦ってるフリ(・・)だけして、他の連中が戦いが終わるのを……ぼんやり待てねェかなぁ?」

 

「何を「いいねェ〜」ッ!?」

 

全くやる気のないセリフに怒る浮竹だが、それを享楽が横から声を上げて止めた。

 

「いやいいよ。僕もその方がいいな。痛いの嫌だしねェ。…だけど、今回は…そんな訳にもいかないんだよ……こっちはね」

 

「…そうかい」

 

スタークは仕方なく刀に手をかけ剣を抜いた。

 

「面倒くせェこったぁ」

 

そして剣を振り下ろした。

 

 

 

ハリベルの3人の従属官の中に十番隊隊長、日番谷冬獅郎と、同じく十番隊の副隊長の松本乱菊が現れた。

 

「こいつらいきなりアタシらのど真ん中に。バカにしてんのか!」

 

「…ふん」

 

「不愉快ですわ」

 

「……お前達」

 

日番谷と松本がアパッチ達の真ん中に来たことに腹を立てていた。そんな中ハリベルが声をかけるとアパッチ、ミラローズ、スンスンの3人はハリベルへ顔を向けた。

 

「見た目はどうあれ、そいつら一様隊長格……油断するな……最初から…全力で潰せ」

「はい!」

アパッチは声を上げ答えた。他の2人も声は出さずも頷いて答えた。

 

乱菊は3人を見た後、その奥にいるハリベルを見て

 

「隊長、この3人はアタシがやります。隊長は奥の十一刃を」

 

「……やれんのか?」

 

「……はい!」

 

「……解った。任せるぞ」

 

そしてその場を乱菊に任せると、瞬歩でハリベルの元へ行こうとする。

 

「行かせるかよ!!」

 

アパッチはハリベルの元へ行く冬獅郎を行かせまいと止めようとしたが、それをある者の一言で止めた。

 

「…待て」

 

ハリベルの前へきた冬獅郎はお互い睨み合っていると、ハリベルが斬魄刀の鍔の丸い部分に指をかけ引き抜いた。

 

 

 

 

 

 

吉良と檜佐木の前には、赤い中国服の様な格好をした者が5人いた。それぞれのその額にはムカデ、ヤモリ、カエル、サソリ、ヘビのような物があり、それぞれ白、緑、黄色、赤、青のスカーフを付けていた。

 

「アンタ達、バラガンの従属官を1人ずつ倒したからっていい気になってるんじゃないわよ」

 

「次は俺達が相手をしてやる!」

 

「俺達をあんな奴らと一緒にすると、痛い目を見るぜ〜」

 

赤、白、緑のスカーフを付けた者達が檜佐木達を挑発するかように言う。

 

「君達こそ僕達を舐めない方がいいと思うよ」

 

「だが貴様らは2人でこっちは5人。明らかに貴様らが不利だと思うがなぁ」

 

「さらに言うなら1人にさえ追い詰められていた奴等が俺達を相手にするって事態無謀なんでじゃないですかねェ〜」

 

青いスカーフを付けた奴の後に緑のスカーフを付けた奴がさらにバカにするようにおちょくる。

 

「舐めるなよ。…数の差が戦力差じゃねェ事を教えてやる」

檜佐木と吉良は斬魄刀を構えて警戒態勢に入った。

 

 

 

 

 

狛村の前には、と、顔が犬元い狼と見ないな顔をしており胸には3つの犬の顔が付いている者が来た。

 

「お前が俺の相手か」

 

「そのようだな」

 

冷静に答える狗村。だがは内心少し焦っていた。目の前にいるのは4人の十一刃やその従属官達のような破面でなく、どう見ても人とは無縁の姿をしていたのだから。

 

「一つ聞きたい。貴公は「冥獣人」と種族か?」

 

以前日番谷が任務で現世に滞在していた時、日番谷が破面とは別の何かと戦闘した事を報告で受けた。その時そいつは「冥獣人」と名乗ったのだ。だからこんな質問をしたのであろう。

 

「冥獣人?違うな。確かに俺のボスの部下の中に「冥獣人」と言う種族はいるが俺は違うぞ。さらに言うなら「冥獣人」や俺以外にも色んな種族がいるがなぁ」

 

本人は「冥獣人」である事を否定した。だが今「自分の主人の部下には「冥獣人」や自分以外の種族がいる」と言った。つまりこいつの主人は破面ではない複数の種族を部下にしているとこの事が分かった。これだけでも少しは敵の情報を手に入れられただろうか。

 

「ところでその羽織、お前隊長格だな…」

 

「如何にも。ワシは七番隊隊長、狛村左陣」

 

「やっぱりか。ならお前には俺の出世の踏み台になってもうぜ!」

 

隊長を倒すとはかなり大きく出たが、確かに隊長格を倒したとなれば破面に言うなら十一刃に、しかも上位に君臨できるであろう。

 

「俺の名は【幻獣ケルベロス拳のコウ】。お前さっきポウの奴を倒したみたいだが、俺をあんなデカイだけの奴と一緒にすんなよ」

 

目の前にいる者は、自分の武器であろう周りに棘のようなものが付いている輪っかを持って構えた。狗村も同じく剣を構えた。

 

 

 

 

そして今此処にそれぞれの対戦する相手が揃った。

 

「皆の者、全霊をおとして此処で叩き潰せ!肉裂かれようと、骨の一片まで鉄壁とせよ!奴らに尸魂界の土を一歩たりとも踏ませてはならぬ!……かかれ!!!」

元柳斎の声を合図に全ての場所で一斉に戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

戦いが始まる最中、デストロイヤーと2人の従属官が上空で待機していた。彼らはバラガンと同じように数の差で相手がいなかったのだ。そんな中デストロイヤーは2人の従属官に命令を出した。

 

「貴方はバラガンさんの従属官達が殺られたらあの2人の相手を。貴方は…あの3人の所へ行ってください。後は自分の好きなようにして構いません」

 

『わかりました!』

 

1人は何処かへ飛んでいき、もう1人はデストロイヤーと共に、その場に立ちバラガンの従属官とその相手の戦いを見ているのであった。

 




狗村、吉良と檜佐木の前に現れた奴の分かりますか?
ヒントは特撮キャラです。

まだ戦闘に参加していない2人の内1人は次回明らかになります。

今日何故キャラ紹介と最新話を更新したかは活動報告に書いてあります。
興味があれば見てください。


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28話 女の戦い

お久しぶりです。

今回は5000文字越えしました。
此処まで書けたのが自分でもビックリです(大したことじゃないと思うけど)

グダグダかもしれませんが、どうぞ。


乱菊はハリベルの従属官の1人ミラ・ローズと戦闘を開始した。ミラ・ローズの剣と乱菊の剣がぶつかり合う中、後ろからも斬撃の音が聞こえた。アパッチが目を向けると、自分の主であるハリベルと日番谷が剣を交えていた。

アパッチはそれを見てハリベルの元へ行こうとするが、それをミラ・ローズが止める。

 

「テメェ、ハリベル様があの餓鬼に怪我させられてもいいのかよ!」

 

アパッチは自分の主人が傷つけられていいのかと声を上げる。

 

「馬鹿、ハリベル様が剣を抜かれたんだ。……どの道あの白髪餓鬼に勝ち目はない」

 

ミラ・ローズの言葉に納得するアパッチだが内心まだ不服があるようだ。

 

「それでも加勢したけりゃ、こっちの女をさっさと片付けてから行けばいいって言ってんだ」

 

「…あぁ、そう言えばこいつさっき「この3人はアタシ達を殺る」って言いやがったな」

 

「…あら、以外と耳がいいのねェ。耳も顔もスタイルも全部悪いと思ったわ」

 

その挑発にアパッチが食いついて飛び掛かりそうなところをミラ・ローズが止める。だが、乱菊は同じ様な挑発をしてミラ・ローズまでそれに乗ってしまった。

それを見ていたスンスンが怒り狂う2人を見て見っともないと小馬鹿にする。アパッチとミラ・ローズは怒りの矛先をスンスンに変え食いかかってきた。それでもスンスンは落ち着いた雰囲気で2人を揶揄う。

 

「貴方達はあ・し・で・ま・と・い、ですの」

 

その言葉を聞いた2人はさらに機嫌を悪くして仲間割れが起きようとしていた。乱菊はそんな3人を冷めた目で見ていた。

 

「貴方達、敵を前にして喧嘩してる場合じゃなわよ」

 

その言葉に乱菊や揉めていた3人は声の主へと顔を向ける。

そこには背が高く乱菊以上のプロポーションを誇り、右手には日本刀のような剣が握っている赤髪のロングヘアーの女性がいた。

 

「テメェは、”狭霧友好”!何しに来やがった!」

 

「この人の相手…私が変わってあげるわよ」

 

「アンだとテメェ!?ふざけんな!!」

 

「今こいつはアタシ達が相手をするんだ!アンタは別の奴を相手をしてりゃあいいだろ」

 

「でも、貴方達は早く自分達の主の元に行きたいんじゃないの?」

 

それを言われて3人は動揺する。図星だ。ハリベルが剣を抜いたから負ける事は負ける可能性は殆ど無い。だがそれでも彼女の部下として主の元へ行きたいという思いがあるのだ。

 

「……確かにアンタの言う通りさ。けどな…」

「あの女は「アタシ達3人の相手をする」って言ったんだ」

 

「ですから、先ずはあの方を潰してから行きますわ」

 

「……そう。でも私もデストロイヤー様から命令を受けたのよ。だから私も含めて4人で相手をしようと思うの。大丈夫、私は貴方達の邪魔はしないから、それでどうかしら?…貴方もいいわよね?別に1人で増えても問題ないでしょ?」

 

友子は乱菊に自分も相手をして良いかと尋ねる。

 

「別に構わないわ。1人増えたからって倒す相手には変わりないもの。…でもね、多対1なら囲むのが定石。そうやって一箇所に集まった時点でアンタ達は4対1の理をなくしているの。『唸れ、灰猫!』」

 

乱菊の斬魄刀が始解し、砂が4人に迫る。友子は咄嗟に躱したが、アパッチ達3人はその砂に飲み込まれた。

 

アパッチ達3人が飲み込まれた後、暫くして乱菊は目を潜め何かを斬るように柄を持っている右手を勢いよく振った。

 

「アパッチ!」

 

するとミラ・ローズの声が砂の中から聞こえてきた。

 

「それが灰猫の能力よ。刀身を灰と化し、その灰の降りかかったところを柄の一振りで斬り刻む。アンタ達の周りにある灰の全てがアタシの剣だと思ってくれていいわ。逃げ場は……ない」

 

乱菊は軽く腕を横へ払うと、灰は一箇所に高速で回転し小さな竜巻となり3人を閉じ込めた。

 

「気を付けて。高速旋回するその灰に……触れた奴から刻んでいくわよ」

下手に動けば体が斬り刻まれていく。3人は灰という名の檻に閉じ込められたも同然の事だろう。

「成る程、確かにあれじゃあ下手に動いたら体を斬り刻まれてしまうから身動き取れないわね。流石は副隊長と言ったところかしら」

 

「あら、褒めてくれるのね。でもあの距離でかわすなんて……アンタ、結構やるわね」

 

「こう見えても私はデストロイヤー様の側近の1人なの。あれ位かわさなきゃ側近の名が廃るわ」

 

「そう。ところでアンタ、仲間がピンチだってのに随分余裕ね」

 

「ピンチっね。じゃあ言っておくけど……貴方あの子達3人を舐めない方がいいわよ。」

 

友子のその言葉の疑問を浮かべる乱菊だが、その直後竜巻の中から3色の虚閃が放たれて灰猫の砂を吹き飛ばした。

 

「あんなモンでアタシらが殺られるとでも思ったのかよ!」

 

乱菊は再び「灰猫」の能力を使おうと柄を振ろうとしたら、何者かが斬りかかってきて後ろへ後退した。

 

「あの3人だけじゃなく、私の事もちゃんと相手してもらえるかしら?」

 

友好は笑顔で言った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方少し離れたところでは日番谷とハリベルが剣を交わっていた。

お互いの剣がぶつかり合う度に火花が散り合うが、若干日番谷の方が押されていた。

 

「どうした?そんなに部下の事が気になるのか?」

 

「テメェには関係ねェ」

 

だが実際ハリベルが言われたことも事実である。日番谷は自分の副官である松本乱菊が、目の前にいる奴の部下である3人の破面と、赤毛をして日本刀を持った女性に押されているのだから。

 

「貴様に1つ教えといてやろう」

 

「…なんだ」

 

「今私の部下と一緒にいる女はデストロイヤーの部下だ。しかも奴の側近の1人だ」

 

デストロイヤーの名前が出た時動揺が走った。何故なら2回目の現世での戦闘でダメージを受けていたとはいえ、4人がかりで戦ってもダメージを与える事が出来なかった、そんな奴の部下が今自分の副官と戦っているのだ。

 

「奴の部下達は皆強くてな、中に我々十一刃の上位に匹敵する者もいる。無論あの女…挟霧友子もまた、私に匹敵するくらいの実力は持っている」

 

日番谷はその言葉に目を見開く。もしその言葉が本当なら、只でさえ数で不利なのに今自分と戦っている十一刃クラスが相手となると乱菊に勝ち目はない。

 

現に友子はデストロイヤーの部下で一番強い訳ではないが、側近の中では一番の実力者である。

1対1でも厳しいのにさらに彼女の3人の部下ぎ相手ではあまりにも部が悪すぎるのだ。

 

「だか先ずは、部下の事より自分の戦いに集中したらどうだ?」

 

「チッ!」

 

日番谷とハリベル、2人の剣の間で激しい火花が散らしている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後の乱菊の戦況は、乱菊が圧倒的に押されていた。

斬りかかるミラ・ローズの大剣と友子の日本刀を灰猫で防ぐが、後ろに回り込んだスンスンが袖の中から釵のような斬魄刀を出して攻撃する。

体を反らすしてかわそうとするが、左腕を掠めてしまう。

さらにアパッチに顔を蹴られ血を流した。

どう見ても戦況は乱菊が圧倒的に不利であった。

 

乱菊は体力を消耗して息を切らしていた。

それに引き換えアパッチ達3人と友子は一切息を切らしていなかった。

 

「……あのさァ、アタシあっちで休んでていいか?」

 

戦闘の最中に、突如アパッチが「休んでいていい」と聞いてきた。

 

「あぁん?」

 

「何バカな事言ってるの?」

 

ミラ・ローズとスンスンはその言葉に対して反発した。それもそうだ。戦闘中に休んでいいかなんていい奴が普通いるだろうか?

 

「だって全然ダメじゃん此奴。そもそも4対1っつうのが話になんねェんだよ」

 

「でも彼女、私達4人を相手にしているのにまだ立っているのよ。凄いと思わない?」

 

「ハァ!?テメェ何言ってんだよ!」

 

アパッチは友子の言葉に意味が分からず食いつく。勿論意味が分からないのは他の2人も同じだろう。

 

「1人で私達4人を相手にしているのにまだ諦めらないで立ち向かおうとする。だったらそれに敬意を評して最後まで相手するべきじゃない?それに自分の主人がいる前でサボる気かしら?」

 

「チッ。…おいお前、悪い事言わねェからあっちの餓鬼呼んでこいよ。4対2ならまだ勝負らしくなるかもしんねェぞ?」

 

乱菊はそんな言葉には耳を貸さず瞬歩でアパッチの後ろに回り込もうとしたが、アパッチの右腕に妨害されそのまま投げ飛ばされた。乱菊は何とか体制を立て直して灰猫を後ろに回り込ませだ攻撃しようとしたが、アパッチは虚弾を放って消し飛ばした。

 

「お前なんかアタシ1人でも相手にならないんだよ!!」

 

距離を縮めて突っ込んでくるアパッチ。だがそんな彼女に突如火の玉が命中した。

 

何が起きた、乱菊は火の玉が飛んできた方を見ると1人の女性がいた。

 

五番隊副隊長、雛森桃であった。

 

「終わったか?つまんねぇお喋りはよぉ」

 

爆煙の中から何が回転しながら飛んできた。それを灰猫で防御し、上空へ受け流したところを、飛梅の火の玉で攻撃した。

 

命中し爆発を起こした何かは再び爆炎から出て、回転しながらアパッチの右手首にへ装着された。

 

アパッチはさっきの攻撃で、左腕と左脚の部分が露出して焦げていた。

 

「やってくれたじゃねェか。見た所副隊長みたいだけど……副隊長2人じゃ4対1と大差ねェさ!」

 

アパッチは両手首に着けていたブレスレットのような物同士をぶつけて外し、一部が欠けたチャクラムのような形になり、その周りには3つの突起物が出てきた。その2つの端の部分を両手で持った。

 

ミラ・ローズは剣を構え直し、スンスンは袖の先から釵を出し、友子も日本刀を構えた。

 

「ミラ・ローズ、スンスン、終わりにするぜ!こんなママゴトみてェな戦いとっと終わられてハリベル様のとこ行くんだよ!狭霧、テメェも足引っ張るんじゃねェぞ、いいな!!」

 

ミラ・ローズとスンスンは一番ダラダラしていたアパッチに仕切られて文句を言い、友子は苦笑した。ミラ・ローズとスンスンもその意見には同感らしく4人一斉に乱菊達目掛けて突っ込もうとしていた。

 

「ッ!待ちなさい貴方達!!」

 

だが友子は何かに気づいて咄嗟に立ち止まり、3人も停止させようと声を上げるも遅し、3人は赤い網状の物に捕らえられて身動き取れなくなっていた。

 

「何だ、こりゃ…」

 

「考えませんでしたか?最初に私がどうやって貴方に飛梅を命中させたのか」

 

「貴方達は皆、私よりずっと強いです。飛梅を当てられる距離まで近づくには……鬼道で姿も霊圧も消して近づかないといけなかった。だから姿を消した序でに乱菊さんの周りに鬼道の網を張り巡らせおいたんです。…1人には気づかれてしまいましたが、それでも貴方達3人をかける事ができました」

 

「…餓鬼が…」

 

「弾け、飛梅!」

 

飛梅の火が鬼道の網を伝って捕まっていた3人を巻き込み大爆発を起こした。

 

雛森は息を切らしていた。それもその筈。複数の鬼道を使って姿を消したり網状に張り巡らせていたのだから。だがまだそれでも少し余裕があるのか笑っている。乱菊はその様子をみて安易した。

そして2人は残っていた霧挟友子へ顔を向けた。

 

「さぁ、これで残りは貴方1人になりました。貴方はさっきの鬼道を見破った事から見て、あの3人よりも強いと思います。それでも私と乱菊さんの2人で戦えば何とか勝ち目はあると思います」

 

確かに副隊長2人を相手にするのは流石にキツいと思う。1人だけ(・・)なら。

 

「そうね、確かにキツイかもしれないわね、私1人(・・)だと。でもね、そっちの人にはさっき言ったけど……あの3人を舐めないほうがいいわよ」

 

その言葉の後に煙の中から複数の霊圧が上がった。

 

突き上げろ(つきあげろ)碧鹿闘女(シエルバ)!」

 

喰い散らせ(くいちらせ)金獅子将(レオーナ)!」

 

絞め殺せ(しめころせ)白蛇姫(アナコンダ)!」

 

煙が晴れるとアパッチ達3人は帰刃になっていた。そしてその体に傷一つ付いていない事に雛森は驚愕した。

 

「今ので倒すまでいかないとは思っていたけど……殆ど無傷なんて…」

 

「帰刃すると傷が癒えるの。そういう連中よ」

 

「調子に乗りやがって!」

 

アパッチは頭の角からさっきよりデカイ虚閃を放った。

 

雛森は飛梅から火の玉をぶつけて対抗しようとするが、ぶつかった瞬間に火の玉はあっという間に虚閃に押された。

乱菊は灰猫を使って若干直進する威力を弱めた後、瞬歩を使って動けなかった雛森とその場から離れた。

 

そのまま虚閃は地面に衝突し爆発を起こした。

 

「やっぱりさっきよりも格段に強さが増してるわ。気を付けないとモロにあいつらの攻撃をくらうわね」

 

「分かりました。それを考えた上で対処します」

 

雛森の言葉に頷き乱菊はアパッチ達をを見た。

 

「”対処します”だと!?いちいち癪に触る女だぁ!あんま調子に乗ったこと言ってんじゃねェぞこら!!」

 

「待ちな!」

 

激怒し雛森に突っかかるアパッチをミラ・ローズが止めた。

 

「これ以上あんな奴ら相手に熱くなってどうするのさ…」

 

「そうですわ。だいたい貴方のそういう発言こそ調子に乗っているのではなくて?」

 

「煩せェ!何でお前にまでイラつかされなきゃならないんだ!」

 

「ややこしくなるから黙ってろ、スンスン。ハァ〜、こりゃ長引かせた方が面倒そうだなぁ」

 

「じゃあ、どうするってんだよ!?」

 

「”あれ”で一気に片付けるよ」

 

「…仕方ありませんね」

 

「あんな奴ら如き”あれ”を出さなきゃなんないなんねェとはなぁ…」

 

「狭霧、後はアタシらがやるから手出すな。いいなぁ?」

 

「…えェ、分かったわ」

 

ミラ・ローズの問いに何の反論も無くOKをする友子。

 

そして3人はそれぞれ右手で左腕を掴み、同時にある言葉を発した。

 

 

混獣神(キメラ・パルカ)!」

 

 

3人の左手が突如赤く光りだし、3人の中心に光が一箇所に集まり怪しく光る。さらには何が作られているのか「バキバキ」と音を当てている。更には異常な霊圧が2人を恐怖させた。

 

そしてその光が弾け中から何が姿を現した。鹿のような角、獅子のような鬣、そして蛇の頭がある尻尾。顔は仮面に隠れているようで素顔が見えない化け物が現れた。

 




女性陣は此処までにしようと思います。(原作と殆ど変わらないから)

次回は檜佐木と吉良の戦いを書こうと思っています。



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29話 対決 五毒拳

お久しぶりです。今日はクリスマスですが皆様はどうお過ごしですか。私は毎週の日曜と殆ど変わらないです。

この作品は多分今年最後の投稿になると思います。来年もまたよろしくお願いします。それではどうぞ。


追伸:更新してからお気に入りがどんどん減っている!?何故?どうして〜(泣)


二番隊長の砕蜂とその部下である副隊長の大前田は、バラガンの従属官の2人とそれぞれ対立した。

 

砕蜂は、虎のような仮面が頭にあり三つ編みのジオ・ヴェガと、大前田はポウ程ではないが大柄で体格が良いニルゲ・と戦った。

 

お互いに苦戦するも大前田は 五形頭(げげつぶり)の全力をかけた一撃で、砕蜂は雀蜂(すすめばち)の能力、弐撃決殺によって勝利した。

 

大前田は砕蜂が勝利した事に歓喜し走って砕蜂の所まで戻ってきた。

 

「てかあれ?雀蜂って同じ所に弐撃じゃなくても効果あるんスね」

 

雀蜂は弐撃決殺と言っても同じ所に弐撃しないと意味がないのだ。さっきくらわせた場所は胸と背中、明らかに場所が違う。

 

だが実は砕蜂が弐撃を与えは場所は右肺だった。最初から狙っていたのは臓器であった。

だがそんなお気楽な気分を一瞬で吹っ飛んだ。

 

「安心している暇はないぞ」

 

声のした方を見ると、 鮫のような頭部、左目には眼帯をかけ、後ろには自分と同じくらいの大きさはあると思われる剣を下げている者が来た。

 

「今度は私の相手をしてやろう。先程見ていたが、バラガンの従属官を倒したのは見事であった。だがあの程度の奴らにしかも1人にあれだけ苦戦するとはなぁ」

 

その者は先程の2人の戦いぶりに呆れて小馬鹿にしていた。

 

「何が言いたい…」

 

「何簡単なことだ。貴様らではこの私の相手にならないという事だ」

 

鮫顔の男は砕蜂を「相手にならない」と小馬鹿にした。

 

「貴様…相当な自信があるようだが、傲慢しているとさっきの連中のようになるぞ」

 

「それなら心配無用。貴様らではこの私に勝つ事は出来ないのだからなぁ」

 

「何だとテメェ〜!テメェみたいな鮫野郎、隊長が本気を出したらさっきの奴みたいに一瞬で終わりだぁぜ!」

 

「ほぉ、そうか。それでは見せてもらおうじゃないか。貴様らの力を…」

 

そして右手に扇子のような武器を取り出し、砕蜂達に向けた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

檜佐木修平と吉良イズルはスカーフを巻いた5人組に苦戦していた。

 

黄色のスカーフを巻いた者が、1人で2人の攻撃を平然と受けている間に、緑と赤のスカーフを巻いた2人が横から挟み撃ちで攻撃してくるのを瞬歩で躱すが、吉良の所へ白のスカーフを巻いた者が、檜佐木の所には青いスカーフを巻いた者が待ち構えていた。

 

吉良は白のスカーフを巻いた者の高速で打ち込んでくるパンチを何と躱すが、躱しきる事ができず攻撃を受け吹き飛ばされ、檜佐木は青いスカーフを巻いた者の鋭い拳を打ち込まれて吹き飛んだ。

 

「あれれ?もう終わりですか〜?」

 

「あれだけ大口を叩いておいてその程度か、話にならん!」

 

「そもそもアタシ達を相手に、2人だけでやるってのが無謀なのよ」

 

2人の実力に白、緑、赤のスカーフを巻いた者達が小馬鹿にする。

 

2人は5人のコンビネーション攻撃に苦戦していた。先程の戦闘でのダメージがある上に数で不利なのである

 

「…もういい。これ以上やっても時間の無駄だ。一気に仕留めるとするか」

 

青いスカーフを巻いた者が言うと、5人は横一列に並んだ。

 

『リンギ、【獣人邪身変(じゅうじんじゃしんへん)】!ハッ!!』

 

5人は全員両腕を横に広げて仰向けになれば万歳のポーズをとる。

するとそれぞれの額の目が赤く光ると、頭と両腕が体の中に入っていく。

 

上半身が膨らみやがて破裂した。そして両手と頭が出て、5人は人とは無縁の姿へとなった。そしてそれぞれの胸に違う生物の顔があった。

 

顔を頭巾で隠している胸にムカデの顔がある者。

 

「【地獄の手数王】、臨獣センチピード拳のカデム!」

 

全身青一色で胸に蛇の顔がある者。

 

「【一撃必殺の狙撃手】、臨獣スネーク拳のブラコ!」

 

全身ほぼ赤一色で胸に蠍の顔がある者。

 

「【戦慄の踊り子】”、臨獣スーピオン拳のソリサ!」

 

全身緑と茶色が特徴で胸にヤモリの顔がある者。

 

「【対応して不能の惑乱者】、臨獣ゲッコウ拳のモリヤ!」

 

全身黄色一色で顔に蛙の顔がある者。

 

「【鋼鉄鉄壁の守護者】、臨獣トード拳のマガ!」

 

『我ら、五毒拳!!』

 

五毒拳とは、それぞれに熱、痛み、寒さ、痺れ、そして吐き気の5つの毒を司る臨獣拳使いの精鋭の5人。

 

「何ッ!?」

 

「帰刀した、のか…」

 

5人の姿が変わった事で、破面の帰刀かと思う檜佐木と吉良の2人。

「帰刀?違うなこれは、俺達のリンギ、つまりは技の1つだ」

 

カデムは自分達の変化を簡単に説明した。

この技は5人と同じ なら全員が使える技なのだ。

 

「まさかアンタ達にこの姿を見せる事になるなんてねェ」

 

「この姿に成らなくても別に良かったんですけどねェ、もう飽きてきたんで一気に終わられる事にしたんですよォ」

 

吉良と檜佐木の2人は、先の戦いのダメージがあるからとはいえ、五毒拳の5人に追い詰められていたのだ。これ以上やっても時間の無駄だと思い一気に勝負をつける事にしたのだ。

 

「カデムとモリヤはあの黄色い髪の奴と、ソリサとマガは俺ともう1人の奴を殺るぞ。抹殺!」

 

ブラコが指をパチンっと鳴らすと5人一斉にそれぞれの相手に駆け出した。

吉良は百足が特徴のカデム、ヤモリが特徴のモリヤと、檜佐木は蛇が特徴のブラコ、蠍が特徴のソリサ、蛙が特徴のマガと対戦する事になった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

吉良は自分の剣で斬りかかるも、カデムは素早い動きで、モリヤは高く跳ね上がり壁に張り付いて回避した。

 

「くらえ!センチピード拳、リンギ【百斬手(ひゃくざんしゅ)】!アァタタタタァー!!」

 

カデムの無数に突き出してくる高速の拳が吉良を襲った。

 

「縛道の三十九、円閘扇(えんこうせん)!」

 

吉良は鬼道で光の盾を作り出して防御しようとする。

だか高速で来る拳を防ぎ切ることができず、盾は粉々に砕けて攻撃をくらってしまいビルに激突した。

吉良は起き上がりながら、カデムの無数の拳にどう対処するか考えていると何処から声がした。

 

「へへへ、こんなんで根を上げるなんてダメですよぉ〜」

 

上の方から声がしたので顔を上げると、なんとモリヤが壁にしかも垂直で立っていた。

 

「壁に垂直に立っている!?彼は自身の重力を操っているのか!?」

 

「へへへ、教えてあげましょう。これぞ臨獣ゲッコウ拳、リンギ【微毛脚(びもうきゃく)】!ヤモリがどんな壁でも登れるように、俺の足の裏には臨気が細かい毛のように覆っているんですよ。だからこんな垂直な壁でも自由に足場にできるんですよ」

 

モリヤは壁に垂直で立ったまま手裏剣を出した。

 

「【手裏剣ババンバ】!」

 

両手から無数の手裏剣が襲ってくる。手裏剣は吉良に直撃はしなかったが、地面に当たり彼の周りが煙で覆われた。

カデムはその隙を逃すまいと追い討ちをかけようとするが、吉良はそれに気付き防御態勢に入る。

 

「縛道の三十九、円閘扇(えんこうせん)!」

 

「フン、またその壁か。すぐにぶっ壊してやる!」

 

カデムは先程と同じように無数の拳を打ち込み壊し、そのまま吉良にも拳を打ち込もうとするが、吉良は瞬歩で回避しカデムの後ろに回り込み掌に赤い火の玉をみたいなものを凝縮していた。

 

「破道の三十一、赤火砲(しゃっかほう)!」

 

手からその赤い火の玉を出し、カデムの顔に命中した。しかしそのせいで、カデムの被っていた頭巾が燃えてしまった。そしてカデムの素顔が露わになった。

その顔はまるで複数の百足が集っている様な不気味なものだった。綾瀬川だったら「醜い」と言って軽蔑するだろう。

 

「貴様よくもォ!…この俺の顔を見たからには、死んでもらうゾォォ!!」

 

カデムは激怒して突っ込み素早い拳の連打をお見舞いせようと突っ込んだ。

 

「面を上げろ、【侘助】!」

 

吉良は先端が数字の7の形になった自分の斬魄刀、侘助でカデムに斬りかかる。カデムはそれを左手でカードした。

 

「けっ、そんなやわな剣でこの俺が倒せるとでも思ってッ!?」

 

話しているカデムに突如異変が起きた。ガードした左腕が急に重くなったのだ。

 

「な、なんだこれは!?どうなっているんだ!?」

 

その光景に見ていたモリヤも驚愕していた。

 

「それが僕の斬魄刀、侘助の能力さ。斬りつけた物の重さを倍加させる。1度斬りつければ倍、2度斬りつければさらにその倍になる。両腕を失った君はもう戦う事は出来ない」

 

吉良は残っていたカデムの右腕も二回斬りつけた。それによりカデムの両手は地面に伏せた状態になり、自慢のスピードが使えなくなってしまった。

そしてそのままアビラマを倒した時のように彼の頭を落とそうと剣を構えたが、無数の手裏剣が飛んできた。

後ろを振り返るとモリヤが立っていた。

 

「どうやら、先に君を倒した方が良さそうだ」

 

「あれれ〜、いいんですかァ?そいつを放っておいて?」

 

「…さっきから見ていたが、彼の攻撃は素早い拳で相手に攻撃する。つまり両手を封じた今、そこまで警戒する必要はないと思ってね」

 

確かにカデムの攻撃は、高速で無数の拳を相手に打ち込むスタイル。その両手を封じた今もやはカデムに対抗手段は殆ど残されていないだろ。

 

「そうですかァ。じゃあ後ろ(・・)のあれは何でしょうねェ〜」

 

モリヤがそう言った瞬間、後ろから何かに吹き飛ばされそのまま建物に直撃した。

何が起こったかと体を起こして見てみると、何とカデムの頭が伸びで百足のような物になっていた。

 

「見たか!これぞ臨獣センチピード拳、秘伝リンギ【長城鞭(ちょうじょうべん)】!!」

 

カデムはさらに頭を振り回して攻撃するが、吉良はそれを瞬歩を使って難なく躱す。

 

「…まだ攻撃できる手が残っているなんてね…ビックリしたよ。でも身動きが取れないのなら、さっきの素早い攻撃に比べたらこんなの何って事はないよ」

 

確かに、攻撃できる手段があっても両手が塞がっている以上さっきの様に素早い攻撃はできない。その上動く事もできないので大した事ではない。

 

「忘れたか?お前の相手は俺だけじゃねェゾォー!」

 

「【ババンバ】!!」

 

モリヤは後ろから攻撃するが、吉良はそれを瞬歩を使って回避した。

 

「…君の攻撃もさっきから見ていて思ったよ。おそらく君は壁に張り付くことができる技、そして武器はその手裏剣だけだ。つまり君の攻撃を避けるのは、彼と比べればそこまで難しい事じゃないよ」

 

「しまッ」

 

瞬歩でモリヤの後ろに回り込んだ。モリヤは咄嗟に躱そうとするが、吉良の剣が左腕を3回斬りつけた。それによって左腕が重くなり、地面に伏せるような格好になった。

 

そして彼は頭以外身動きがとれないカデムの方へ走り出した。

 

「何だ?覚悟を決めて自ら死を選んだのか?だったら望み通り殺ってやるゼェ!!」

 

カデムは対抗するかのように頭を吉良にへと伸ばした。そして衝突する瞬間、吉良は左に避け、侘助をカデムの頭を首元まで沿るように斬りつけた。

 

するとカデムの頭も侘助の能力で重さが倍になり地面につかないように踏ん張っていたが、さらに2回斬りつけた事で重さが通常の8倍になってしまったので頭も地面に伏せる形になった。

 

これによりカデムとモリヤは完全に動きが取れない状態になってしまった。

 

「…チ、チクショォ…」

 

「…君は僕に、両手を封じられた時点で、勝ち目はなかったんだよ」

 

吉良はさらに侘助で10回ほど体を斬りつけた。それによってカデムは自分の重みに耐えきれず、地面にへとめり込んで絶命した。

 

「…よし、これで残るはひt…「余所見していていいんですか?」…ッ!?」

 

後ろを振り返って見ると地面に張っている筈のモリヤが立っていて右手で吉良の首を掴んだ。

 

「そ、そんな…如何して…」

 

「如何して立っているかですか?それは俺の左腕を見れば分かりますよォ」

 

吉良は言われた通り目線を左腕に向けて見てみると、左腕がなくなっていたのだ。そしてモリヤのその後ろをみるとなくなっている左腕が地面にあった。

 

「如何ですか?これぞ俺の秘伝リンギ、【速生腕(そくせいわん)】!」

 

モリヤが種明かしをすると新たな左腕が生えてきた。

 

すると一瞬だけ強く握りしめたところで手を離した。吉良はモリヤに視線を向けるが視界が、何故かボヤけて照準が合わない。

 

「今俺はお前に毒を埋め込んだのさ。しかも、俺の毒は即効性だよ。動けば動くほど体に回るのが早くなる」

 

モリヤはそして脇から何か液体の入ったカプセルを取り出した。

 

「この解毒薬を打てば助かりますが、今のお前に俺からこれを奪える力が残ってますかねェ?」

 

モリヤは吉良の方へゆっくりと足を進める。そして吉良の目の前で立ち止まると、足で蹴り飛ばした。

 

蹴り飛ばされた吉良は地面を転がった。何とか起き上がろうとするが毒の所為で体に力が入らない。

そしてモリヤは地面に伏せている彼の体を足で踏みつけた。

 

「へへへ、一瞬の油断が命取りになるんですよェ」

 

モリヤはさらに足でドンドンと体を踏みつける。

 

そして足で踏みつけたまま右手に手裏剣を持ち振り上げた。

 

「これで終わりですよォ!!」

 

そのまま腕を振り下ろされ吉良が攻撃をくらう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……事はなかった。

 

 

 

 

「な、何!?」

 

モリヤの腕が振り下ろされる直前、鋭い刃物のようなものがモリヤの体を貫いた。

 

「…さっき自分で言ったろ。…【一瞬の油断が命取りになる】ってな…」

 

「ッ!?」

 

後ろから声がした首を後ろへ向けると、そこには他の五毒拳の3人と対峙している筈の檜佐木がいた。

 




5000文字超えたよ、しかもオリジナルで!!
お気に入りも気づいたら800件以上超えていて嬉しいです。

追伸:五毒拳達は2人の斬魄刀の能力を知りません。



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30話 対決 五毒拳 2

大変長らくお待たせしました。

今日でこの作品が1年を迎えました。応援してくれる皆様のありがとうございます。




吉良がカデムとモリヤと戦っている頃、檜佐木は残る3人の五毒拳、ブラコ、マガ、ソリサの相手をしていた。

 

「テヤァー!」

 

ガギン

 

「…ケロ…」

 

檜佐木はマガを斬りつけたが、その硬い体に斬り付けるも傷一つつけられないでいた。斬られたマガ本人も全く微動だしていない。

 

「くぅッ。なんて頑丈な奴だ」

 

「よそ見してんじゃないわよ!」

 

声と同時に後ろから一つの影が現れた。それは赤い蠍、ソリサだ。

 

「臨獣スコーピオン拳、リンギ【朱鞭脚(しゅべんきゃく)】!」

 

ソリサが両手を地面に置き逆立ちした状態になり、そのまま一回転する勢いで檜佐木に足を 檜佐木は回避する。その足が地面に激突するとその場所に穴が開いた。

 

「!?たった一撃で。…なんて威力だ…」

 

「おい。俺を忘れてるんじゃないよなぁ?」

 

上空からショーテル型の二本の剣、妖蛇刀を持ったブラコが飛んできた。

檜佐木は自分の剣で受け止めブラコと剣の力比べになるかと思ったが、横からソリサの蹴りが入り吹き飛ばされ地面を転がった。

 

「何よ。副隊長だなんて言っていたけど話にならないじゃない。さっき勝ったのは偶然だったみたいね」

 

ソリサは檜佐木の弱さに期待外れだと言いたげに馬鹿にした。檜佐木はその言葉にイラっとしたのか唇を噛み締めるが、ここで出たら逆にヤラレてしまうと思い踏み止まった。

そして片手を前に突き出して掌に霊圧を貯め始めだ。

 

「破道の三十一、赤火砲(しゃっかほう)!」

 

檜佐木は掌の赤い火の玉を発射した。しかも1メートル近く位の大きさ。これをくらえばほぼ確実にダメージは免れない。だが3人は一向に動こうとせずそこに立ったままでいる。すると、ブラコとソリサはマガの後ろに隠れるように下がった。

 

「臨獣トード拳、秘伝リンギ【体油包(たいゆーぱお)】!」

 

マガの体の周りに透明な膜みたいなものが体を包み込んだ。

赤火砲はそのままその膜にぶつかると、まるで弾力があるようにグニャとめり込んでいた。

 

「フン!!ッテヤー!」

 

そして赤火砲は跳ね返され、そのまま檜佐木に向かっていた。跳ね返された事に驚いていたが、自分に火の玉が迫っている事に気付き何とか咄嗟に躱し、赤火砲は一つの建物に衝突した。

 

「クッ…」

 

「リンギ【紅蓮朱鞭脚(ぐれんしゅべんきゃく)】!」

 

驚愕していた為、ソリサが上下逆さになって高速回転しながら迫っている事に気付かずに高速の蹴りを諸にくらってしまった。

檜佐木は地面を転がり倒れた。顔にヒットした為かなりのダメージを受けたが、フラフラしながらもなんとか立ち上がった。

 

「…ハァ……ハァ……。結構鋭い攻撃をしてくるな」

 

「フン、当然でしょ。アタシを嘗めないでちょうだい」

 

「…それに、そこの黄色い奴。…テメェのさっきの技…攻撃を跳ね返す事ができるのか…」

 

「臨獣トード拳、秘伝リンギ【体油包】。臨気で絞り出した脂で俺の体は包み込まれた。誰も傷つけられはせん!」

 

マガが敵の攻撃を防御しつつ、ソリサとブラコがその隙に攻撃をするというスタイルなのだろう。

 

五毒拳最強の防御力を持つマガ、そして高い攻撃力を持つソリサとブラコ。元々3対1というのが不利な状況に等しいのに、3人のコンビネーションで追い詰められていく。

 

「あァ〜あ、なんかこんな弱い奴相手にするの阿呆らしくなってきたわ。だから……切り札で一気に仕留める事にするわ!臨獣スコーピオン拳、秘伝リンギ!」

 

ソリサが体を斜め前に倒した。

 

「【重獄変(じゅうごくへん)】!!」

 

そしてゆっくり顔を上げて後ろへ倒した、次の瞬間一気に顔を前へ倒した。

すると髪から放たれた何か大量に檜佐木に向かって行き、体に張り付いた。それは大量の赤い蠍だった。

 

「な、何だ!?この蠍は!?」

 

「その子達がアンタに一斉に毒を打ち込むのよ。それがアタシの秘伝リンギ【重獄変】さ。そのまま地獄に落ちな!」

 

ブラコとマガも「終わったな」と思いニヤリと笑う。蠍の毒は強力でしかも五毒拳の1人の分身みたいなものだ。それを食らったら十一刃であってもタダじゃ済まないだろう。

そして蠍達が一斉に尻尾を檜佐木の体に刺そうとした時だった。

 

刈れ(かれ)、【風死(かぜしに)】!」

 

檜佐木が解号を唱えた瞬間、ものすごい突風が吹き荒れ体に纏わりついていた蠍達は吹き飛ばされた。

 

「なっ!?アタシの蠍達が…」

 

ソリサを自分の蠍達が吹き飛ばされた事に驚きと怒りを感じた。そして風が収まると鎖で繋がれた2本の鎌を持った檜佐木が現れた。

 

「ほう、それが貴様の斬魄刀か…」

 

「ヘェ〜、意外にカッコいいじゃない」

 

「そりゃどうも。お前らに褒められてもあんま嬉しくはないけどな…」

 

「フン。…だが、始解したところで無駄な事だろうがなァ」

 

「じゃあマガ、よろしく」

 

マガはソリサに無言で頷き、2人はまたマガの後ろへ下がった。

 

「リンギ、【体油包】!」

 

マガは再び己の秘伝リンギで自分の体を包み込んだ。

 

「例え始解したとしても、この俺の秘伝の技を打ち砕く事は出来ん!」

 

「…それは…やってみねェと分かんねェだろォ…」

 

檜佐木は一つの鎌を投げ飛ばした。鎌は回りながら高速で飛んでいき膜にぶつかったが、ビクともしない。

それでも尚鎌は回転しながら斬りつけていく。檜佐木は一回鎌を引いてもう片方の鎌を同じように投げ飛ばし膜を斬りつけていく。

 

「無駄だ。何度やったところでこの俺の秘伝の技を破る事など…ッ!?」

 

マガが息を飲んだ。それもその筈、なんと膜にヒビが入り始めたのだ。そして檜佐木がもう一度鎌を投げ飛ばし膜にぶつかると、ヒビが全体に入り始めたのだ。

 

「どんなに硬いものでも、一点に攻撃を加えれば脆くなるもんだ。自分の力を過信しすぎたようだな」

 

「バ、馬鹿な…お…俺の…秘伝の技がァー!」

 

 

バリン

 

 

 

マガを包んでいた透明な膜が風死の鎌により砕け散り、その刃がマガの体を切り刻んだ。

 

切り刻まれたマガは体が石化したように固まり大爆発を起こした。

 

「なっ!?マガの野郎、あっさり殺られやがって!リンギ【飛翔朱鞭脚(ひしょうしゅべんきゃく)】!」

 

ソリサはジャンプし上空で一回転したあと、踵落としをするかのように檜佐木に突っ込んでいく。

 

檜佐木は片方の鎌を回し始めた。

 

「 破道の五十八、闐嵐(てんらん)!」

 

回っていた鎌からものすごい竜巻がソリサを襲った。ソリサはその竜巻に飲み込まれ身動きが取れなくなった。

 

その隙を逃さず檜佐木は上空で身動きが取れないソリサに向かってジャンプし一気に距離を詰める。

 

そしてすれ違う瞬間にソリサを斬りつけた。

 

「…うぅ……あぁ……」

 

 

ドカーーン

 

 

ソリサは断末魔を最後に上空で爆発した。

 

「なっ!?クソォ!…リンギ、【妖蛇斬(ようじゃざん)】!」

 

ブラコは妖蛇刀をクロスした形で檜佐木に突っ込んだが、風死の鎌がブラコの体を斬りつけた。

 

「…ク…ソ…」

 

ブラコは斬りつけられ、斬られた箇所から大量の血が吹き出し地面に倒れ落ちた。

 

「よし、俺の方は片付いたな。吉良の方は…!」

 

「大丈夫か」と言いかけた時、吉良の霊圧が段々弱まっていくのを感じた。

 

「吉良の霊圧がドンドン弱まっている。何かあったな」

 

檜佐木は瞬歩を使って吉良の場所まで移動した。

 

しかし彼は気づいていなかった。倒れているブラコの右手の親指から爪のような物が伸びてそれを自分に刺した事に。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(そして29話の最後の部分へ)

 

檜佐木は急いで吉良の共へ向かう。そこにはモリヤに踏みつけられている吉良の姿があった。

 

「一瞬の油断が命取りになるんですよェ〜」

 

モリヤが腕を振り上げてそのまま振り下ろそうとした時に自分の斬魄刀「風死」をモリヤ目掛けて投げた。そしてその刃はモリヤの体を貫いた。

 

「…さっき自分で言ったろ…”一瞬の油断が命取りになる”って……その言葉…今のお前にそのまま返すぜ…」

 

檜佐木は刺さったままの鎌をそのまま下にへと下げ斬りつけた。モリヤは地面に倒れ、マガと同じように体が石化し砕け散った。

 

「大丈夫か、吉良?」

「はい、何とか…」

 

「そうか。それより早くこれを飲め」

 

檜佐木はモリヤの手から転がり落ちていた瓶を拾い吉良に渡した。そしてその瓶の中に入っていた液体、解毒薬を飲んだ。

 

「よし。…これで少し休めば大丈夫だろう」

 

「ありがとうございます。檜佐木はこの後どうするつもりですか?」

 

「俺はまだ戦っている奴らのところへ行く。少しでも人手が多い方が良さそうだしな」

 

動けない吉良を何処か休めそうな場所へ移動させてから、まだ戦っている誰かのところへ行こうとする檜佐木。

だが上空から青い何かが飛んできた。檜佐木は吉良を抱えて瞬歩で回避する。

 

飛んできた何かは地面に直撃し煙が出ていた。

 

「これは一体…」

 

「それは俺の攻撃だ」

 

檜佐木はその声に耳を疑った。声のした方を見ると、そこには倒した筈のブラコがいたのだ。しかも体には傷一つない無傷の状態で。

 

「…バカな…どうして…」

 

「どうした?まるであり得ないものを見ているかのような顔して…俺がここに居るのがそんなに不思議か?」

 

檜佐木は混乱していた。あの時確かにブラコは全身を斬りつけられ、少なくともかなり重傷を負っていた。流石に動ける状態ではなかった筈なのに、今自分の目の前におり体には傷一つなくなくなっているのだ。

 

「折角だ、何故俺が生きているか教えてやるよ。それは俺の秘伝リンギ【真毒】さ。俺の6つの指が【真毒】なのだ。さっき自分自身のために1つ使ったがな」

 

ブラコは手を甲向きにして両手の親指、人差し指、中指をみせる。それぞれの指の先端に爪のようなものがあるがその内の一本、右手の人差し指には付いていない。

 

「【真毒】とは死者に死を与える事で命を裏返し、逆に生を生み出す毒。簡単に言うなら【死んだ者を蘇らせる毒】とでも言うべきか」

 

「…成る程、つまりそれで蘇ったと言うわけか」

 

「そう言う事だ。それに俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんでね」

 

「……それは藍染のためか?それともお前の主人のためか?」

 

「藍染のため?主人のため?ケッ。何であんな奴らのためにこんな事する訳がないだろ?」

 

ブラコは自分達のボスである藍染のためだと言うことをあっさり否定した。

 

「それにあんな奴らに十一刃や虚国の支配者の座など務まるわけがない」

 

「……お前の目的は何だ?」

 

「なァに、簡単な事だ。俺がデストロイヤーの奴を討ち取って十一刃になり、終いには藍染も討ち取って俺が虚国の支配者になるんだよ」

 

彼は元々自分の主人であるデストロイヤーは疎か藍染をも討ち取り虚国の支配者になると言うのだ。

 

「だからお前達にはここで消えてもらうぞ」

 

妖蛇刀を構え突撃してくる。檜佐木も風死を構え応戦する。だがブラコは先程よりも攻撃のスピードが上がっており、檜佐木は防戦一方となっていた。

ブラコはさっきの戦いで檜佐木の戦い方を覚えたのだ。さらには後ろにいる吉良を守りながら戦っているためその場から動けない状態なのだ。

そして檜佐木は斬りつけ吹き飛ばした。

 

「ふん。やはりお前は副隊長にしては力不足のようだ。そろそろトドメを刺してやる。臨獣スネーク拳、リンギ【大蛇砲】!」

 

二本の妖蛇刀を回しリンギで作り出したエネルギー弾を妖蛇刀で抱えて、右45度体を捻り勢いをつけて檜佐木に向けて放った。先程の青紫色の攻撃はこれだったのだ。

 

ここで躱せば吉良に当たってしまう可能性があるため動くに動けない。

だから檜佐木は風死の鎌をクロスさせ受け止める体勢をとる。

大蛇砲がぶつかり受け止めたが、体力の消耗もあり後退りしていた。ブラコは「勝った」と思いニヤリっと笑った。だが檜佐木は踏ん張りしかも大蛇砲を押し返し始めたのだ。

 

「何!?」

 

そのまま大蛇砲を吹き飛ばすと風死を片方投げ飛ばした。ブラコは妖蛇刀をクロスさせ飛んできた鎌を防御するが、妖蛇刀にヒビが入り始めた。そして……

 

パリン!!

 

妖蛇刀は砕け散りブラコの体を突き刺した。

 

「グッ…ア、ハァァ…ま、まだだ。…まだ俺には…真毒が…」

 

ブラコは残っていた真毒の内一本を使おうとしていたが体に埋め込もうとした直前、残っていたもう片方の風死が飛んできて真毒を斬り落とした。 さらにブラコの指を全て斬り落とした。これでもう真毒を使う事は出来なくなったのだ。

 

「グワァァーー!!」

 

「お前みたいに自分の事しか考えない奴に…負けるわけにはいかないんだよ」

 

檜佐木はそれだけ言うと刺さっていた風死を引っ張り手に戻した。

 

「クソォ。…だがお前達に未来などないのだァーー!!」

 

ブラコは断末魔を叫びながら爆発した。

 

「やりましたね、檜佐木さん」

 

「あぁ、何とかな。……吉良、俺はまだ戦っている奴らの所へ行く。お前はもう暫くここで休んでろ」

 

檜佐木は瞬歩を使って移動した。まだ戦っている者の所へ。

 




本当は2つに分けようと思ったのですが、それだと短くなってしまうので1つにしました。

次回は狗村の戦闘です。

感想などあればどうぞ。


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31話 誇りと野望の戦い

今回はいつもより早く投稿できました。

今回は狗村の戦い中心です。犬同s……ゲフン、ゲフン誇りを持って戦う者と、己の野望のために戦う者の戦いです。




狗村は見た目が犬元い狼のような姿をしたデストロイヤーの従属官の1人、コウと対峙していた。

 

コウは両手に突起が回りにある輪っかのような武器を持ち刀を振るうかのように振り回してくる。

 

狗村はそれを剣で受け止め、払い除け逆にこっちがコウを斬りつける。

 

「チッ、これならどうだ!」

 

近距離がダメだと思ったら今度は持っていた輪っかの武器をフリスビーのように投げ飛ばして攻撃をしてきた。元々コウは近距離より遠距離で戦う派なのだ。

 

だが狗村はそれをも剣を使って払い除け、コウの懐に入り込み畳み掛けた。

斬りつけられたコウは地面を転がった。

 

「へへ、やるじゃねェか。流石隊長格ってだけはあるなぁ。…だがお前は、所詮俺の踏み台でしかないんだよ」

 

狗村は先程のように刀で払おうとした。だが投げた輪っかが剣に触れると思われた瞬間、グニャっと左右に回避したのだ。そして輪っかは上下左右から狗村の体を斬り刻むように攻撃し始めた。

 

「見たか。これぞ幻技、【迅愚流(じんぐる)】!俺の幻気、お前達で言う霊力で作り上げた輪っかは俺の体その物、だから俺の意のままに操る事ができるのさァ。しかも俺の迅愚流は、1つ1つが破面1人分に相当する強さを持ってる。つまり俺の背後には無数の味方がいるって事さ」

 

コウは迅愚流の一つを狗村目掛けて投げた。そしてその迅愚流は狗村の首に装着された。何とかして外そうとするが外れない、というか体から力が入らない感じなのだ。

 

「どうだ?そいつはお前の霊圧を吸い取るぜ。苦しみたくなきゃ、そのまま大人しく俺に殺られなァ」

 

コウはジリジリと狗村に迫ってくる。何とかして立ち上がろうとするが力が入らない。

 

己の最後を覚悟する狗村。だがその時、上空から鎌がコウ目掛けて飛んできたのだ。コウは反射で後ろにへと後退した。そしてその場所に一つの人影が現れた。

 

「大丈夫ですか、狗村隊長」

 

「…檜佐木……すまん、助かった」

 

五毒拳を倒した檜佐木が間一髪狗村の救援に間に合ったのだ。

 

「何だお前は?」

 

「九番隊副隊長、檜佐木修平だ」

 

「副隊長?成る程、兄貴がやられたか」

 

「兄貴?何のことだ?」

 

「お前がさっき戦ってた五毒拳の1人【臨獣スネーク拳のブラコ】。あいつが俺の兄貴だ」

 

「!!あいつか……なら序でに敵討ちでもするつもりか?」

 

「ヘッ、冗談言うな。兄貴の事なんざどうでもいい。逆に居なくなってくれせいせいしたぜ。俺の目的を邪魔する奴が減ってくれた訳だからな」

 

「…お前の目的だと?何だそれは…」

 

「十一刃の座さ。俺はデストロイヤーの奴の下について収まるような玉じゃないんだねェ」

 

「…成る程、兄弟揃って野心家ってわけか。お前の兄貴もさっき同じような事を言っていたな」

 

「ケッ。何時も仲違いするってのに、その考え方だけは一緒なんだよなァ。折角だ、俺も一様名乗っておこう。 俺の名は【幻獣ケルベロス拳のコウ】だ」

 

コウはまた複数の迅愚流を両手に持ち上空へと投げ飛ばした。檜佐木は「あれ?」とした顔をして拍子抜けしていた。

 

「?何処投げてr「いかん!檜佐木、気を付けろ!!」ッ!?」

 

狗村の声に檜佐木は気づくが時既に遅し。さっきまでしていた迅愚流は檜佐木に向かい、上下左右から斬り裂く様に攻撃してくる。

 

「へッ、お前にもやるぞ!」

 

コウが迅愚流を投げると檜佐木の首に装着された。そして狗村と同じように彼からも霊圧が吸い取られていく。

 

「どうだ?迅愚流のハメ心地は?しかし、お前みたいなのが隊長格とはなぁ…。しかも兄貴の奴こんな奴に負けるとは……やっぱり虫けらだなぁ」

 

コウは檜佐木に負けた実の兄であるブラコの事を虫けら扱いした。

 

「……今…なんて言った?」

 

「虫けらって言ったんだよ。聞こえなかったのか?」

 

「お前……自分の兄貴の事を…虫けらだと」

 

「さっきも言っただろ?兄貴事なんざどうでもいいと。それにお前みたいな弱い奴に殺される時点であいつは虫けらなんだよ。ハハハハハ」

 

コウは高笑いした。確かに彼に仲間意識があると言われるとそれは無いに等しい。それは自身の兄の事を見下している時点で分かってはいた。

だがそれでも実の兄の虫けらというとは、それは誰しもいい気分にはなれないだろう。

 

「……黙れ…」

 

「あぁ?なんだ?」

 

「必死に戦った者を、しかも実の兄を虫けら扱いするとは……貴公は絶対に許さんぞ」

 

狗村は怒り、足を踏ん張り立ち上がった。

 

「ケッ、執けェ奴だ。そのまま地面に伏せていれば楽にすんだのによ!」

 

コウは迅愚流を狗村に投げ飛ばし、再び上下左右からの攻撃で斬りつけようとしたが、狗村は剣を使ってその攻撃を全て防御しつつ飛んできた迅愚流を全て破壊した。

 

「バ、馬鹿な。何処にこんな力が…!?」

 

「……貴公の様に己の事しか考えない様な者には、一生理解できん事だ!」

 

狗村はコウに向かって走り剣を振り下ろした。コウはさっきの事で反応が遅れ斬りつけられる。そして剣を下から上へ振り上げコウを斬りつけた。コウはそのまま上空に打ち上げられ火花を散らしながら悲鳴を上げた。

 

コウは地面に落ちると同時に爆発した。すると、狗村の首についていた迅愚流が壊れて外れた。

これで終わりかと思ったが、炎の中に動く影があった。コウはまだヤラれていなかったのだ。

 

「あ、あり得ねェ、あり得ねェェんだよ!俺がお前如きに敗北するなんてのよォォ!!…ゲンギ、【幻身豪天変(げんしんごうてんへん)】!!」

激怒したコウは「幻身豪天変」でポウが解放した位の大きさにまで巨大化した。

 

「檜佐木、後はワシに任せろ。…卍解、黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)!」

 

狗村は卍解しポウを倒した甲冑や鎧を付けた巨大な侍、黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)を出した。

 

天譴明王は巨大化したコウに向かって歩き剣を振るう。コウは吹き飛ばられだが、起き上がり天譴明王に振り向く。

 

『俺には野望がある!十一刃になってもっと強くなる!!』

 

コウは複数の迅愚流をフリスビーを投げるように向けて投げた。迅愚流は上下左右から黒縄天譴明王を斬り刻んでいく。

コウは追撃をかけようと両手に迅愚流を持って降りかかるが、天譴明王は剣で防ぎ両腕を弾きコウを斬りつける。

 

「貴公のように、己の事しか考えない者にー私は負けん!」

 

そうしてポウの時と同じように刀で頭からコウを一刀両断した。

 

『グワァーーーー!!』

 

コウは全身から電撃が走り火花を散らせながら大爆発を起こした。

 

「よし。だが他の皆が心配だ「ドドドー!!」ッ!…なんだ!?」

 

『グァーー!!』

 

地響きと共にまた新たな巨大な敵が雄叫びを上げ出現した。

 

「…檜佐木、お前は他の皆の援護に行け」

 

「狗村隊長は?」

 

「ワシは彼奴を倒してから行く。心配せんでいい、ワシもすぐに行く」

 

「しかし……わかりました」

 

檜佐木は狗村に言われた通り吉良達がいる場所へと瞬歩で向かった。残った狗村は天譴明王を巨大な敵に向けて歩かせた。




次回以降の対戦メンバーの事でアンケートを取ります。
皆様の意見をお聞かせください。

もう一つの作品の方にも質問があるのでどうかみてください。


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32話 最強の槍

遅くなってすみませんでした。

新しいバイトが決まり丸々1週間やらされダウンしてしまった上に、この前あるある試験があった為投稿が出来ませんでした。

今回は砕蜂とオリ主が連れて来た最後の従属官との戦いです。このタイトルからして誰か分かりますか。

それではどうぞ。



「如何した?さっさと私を倒すんじゃないのか?」

 

二番隊隊長の砕蜂と、その副官である大前田は目の前にいる男に苦戦していた。

相手の高速の動き、キレのある攻撃。全てが護廷十三隊の隊長格に匹敵する程の実力、さっきの奴らとは明らかに格が違い過ぎるのだ。

 

「これが暗殺部隊の隊長とその副官の実力か。……ガッカリしたぞ。呆れてモノも言えん」

 

「へ、ヘンだ。今のはちょっと油断しただけだ。それにさっきも言ったが、隊長が本気出したら、テメェなんざ一瞬で終わりだぜ!」

 

大前田は今のはちょっとした軽い運動で、自分も砕蜂もこれからが本番だという。だがそれとは裏腹に砕蜂の表情は浮かない顔で相手を睨みつけていた。

 

「そうか、それはよかった。こんな簡単に終わってしまっては詰まらんからな。折角だ、私の名を教えておこうではないか。……宇宙忍者暗黒七本槍【七の槍サンダール】!それが私の名だ。…此方も今までのはほんのウォーミングアップ程度。だからこれ以上、ガッカリさせて…くれるなよォ!!」

 

サンダールは自身の刀、【赫悪彗星刀(シャークすいせいとう)】を構え直すと真正面から突っ込み刀を振る。だが相手は隠密機動の部隊、その様な攻撃が見切れないわけはない。砕蜂達は瞬歩で躱し、大前田が右から【五形頭】を飛ばして来た。

 

サンダールはそれを刀をで防ぐと、砕蜂が反対から急接近し【雀蜂】を突き立てるが、サンダールは残っていた左手を砕蜂に向ける。

 

「宇宙忍法、【自在縄】!」

 

左手から電撃の紐の様な物を伸ばし、砕蜂を捉えた。

そしてその紐を上下左右にに動かし、地面に叩きつけダメージを与える。終いには建物へと投げ飛ばした。

 

「隊長!!」

 

「余所見をしている場合か?」

 

大前田は隊長である砕蜂を心配するがそんな猶予も与えたい。サンダールは大前田の前に移動し刀を前に突き出した。

 

大前田は慌てて【五形頭】の鉄球の部分を両手に持ち防御するが、サンダールの蹴りが腹に直撃して吹き飛ばされ建物に激突する。

 

サンダールは地面に仰向けになっているであろう砕蜂に顔を向けるが姿がなかった。

 

「姿を隠しても無駄だ。宇宙忍法【凶ザ目】!」

 

サンダールの左眼の眼球が動き出した。その左眼は赤外線のように生物の熱を感知する事ができるのだ。

そして一つ建物の陰に生き物の熱量を感知した。

 

「そこだ!【サメ手裏剣】!」

 

サンダールは忍者の武器の一つともいえる手裏剣を投げ飛ばした。

攻撃のビルは倒壊しその陰から砕蜂の姿があった。砕蜂はこんなにも早く見つかるとは思っていなかったので呆気にとられてしまい、その隙にサンダールは砕蜂を蹴り飛ばしされた。そのまま地面に激突し、クレーターが出来上がった。なんとか起き上がった瞬間今度は地響きが起きた。

 

「宇宙忍法【縄頭蓋(ジョーズガイ)】!」

 

サンダールの下に彼の頭のような形をした物が現れ、サンダールの乗せこっちに向かって突進してきた。砕蜂はそれにぶつかり、通り過ぎて方向転換すると消えた。

 

「こんな簡単に終わるとは。……所詮この程度か。護廷十三隊二番隊、暗殺部隊の力とは」

 

「くっ…」

 

砕蜂はサンダールの言葉に悔しさを感じたが何も言い返せなかった。実際隊長格の二人掛かりで相手をしているのに一向に隙がないのだ。

明らかにさっきの連中とは格が違う。実力からしても十一刃にも匹敵する位のレベルはあるだろうと思う。

 

「縛道の六十二、【百歩欄干(ひゃっぽらんか)】!」

 

砕蜂は左手に光の棒を出現させサンダールに投げ飛ばした。すると、一本の光の棒が複数させた。

 

だがサンダールは動こうとせず、持っていた刀を振り回し、全て弾き防御した。

 

「当たらなければどうという事はない」

 

「今のを全て振り払うとは…」

 

「な、なんて強さだよ。これで十一刃じゃねェとか冗談じゃないぜェ」

 

大前田はサンダールの強さに恐怖していた。確かにサンダールは十一刃ではないが、実力は十一刃の中堅辺りに匹敵するのだ。

 

「隊長格でありながらこの程度とは……これなら藍染を討ち取るもの容易そうだ」

 

「何!?如何いうことだ?」

 

「…王建の力で頂点立つのは、このサンダールだ!藍染でもデストロイヤーでもない。況してやバラガンでもない

 

何故サンダールがバラガンの事を知っているかというと、前に一度1人のところをデストロイヤーと同じくバラガンに誘われた事があるのだ。

サンダールは勿論断った。表向きは「主人のボスである藍染に反逆する訳にはいかない」とのことだが、内心はいずれ自分が世界を支配者になるためである。

 

サンダールが喋っていると突如地響きが起きすると、巨大化したコウが現れた。

 

「コウの奴、巨大化したのか」

 

さらには七番隊隊長の狗村の斬魄刀の卍解【黒縄天譴明王】が現れコウを吹き飛ばした。

 

『俺には野望がある!十一刃になってもっと強くなる!!』

 

「……奴も同じ事を考えていたか」

 

コウが複数の迅愚流を投げ飛ばし天譴明王を斬りつけ優勢かと思われたが、その後簡単にアシラわれ、最後には斬られて大爆発を起こし炎の中に散った。

 

「フン、所詮奴もあの程度だったか。この場にいる全員に己の企んでいる事を知られた時点ですでに終わっていたと思うがな」

 

コウは怒りのあまり冷静さが欠けてしまい、自分の計画を大声で言ってしまったのだ。勿論その場にいた者達全員に聞かれてしまったので未来があるとは思えない。(どっちらにしろ殺られてしまったが…)

サンダール は砕蜂達の方へ向き直した。

 

「もうこれ以上お前達の相手をするのも時間の無駄だ。一気に仕留める。宇宙忍法、【巨大身の術】!!」

 

サンダールは持っていた扇子を開き自分にへと振りかざすと、みるみる巨大化していき、先程のコウや帰刃したポウくらいの大きさにまで巨大化した。

 

「うわァァー!そんなのありかよォォ!!」

 

大前田は敵が巨大化した事に驚愕し絶叫した。

 

『纏めて始末してくれる』

 

サンダールは刀を振り上げ、砕蜂達目掛けて振り下ろしてきた。

 

「うわァーーーー!!」

 

大前田は大慌てでその場から逃げるが、刀が振り下ろされるとその風圧により吹き飛ばされ、レプリカのビルに激突した。

 

「痛ててててェ〜…。あれ、隊長!?何処ですか、隊長ー!」

 

『フン、随分と呆気ないものだったな。まぁいい、今度は貴様の番だ』

 

「うわァーァーー!!」

 

サンダールの言葉を聞くと大前田は「次は自分が殺られる」と思い震え上がった。

 

「…ならワシが相手をしてやろう」

 

後ろから声がすると、そこには先程コウを倒した狗村と天譴明王がいた。

 

『……いいだろ。なら見せてもらおうではないか。…隊長格の卍解の力を』

 

「行くぞ!」

 

天譴明王は剣を振り落とすがサンダールは自身の剣を使って防ぎ、無防備だった腹を蹴りつけ、サンダールは天譴明王を三度斬りつけた。

 

「……クッ」

 

『こんなものなのか?卍解というものは?』

 

狗村は苦しい顔をした。狗村が剣を振り上げると、天譴明王も同じく剣を振り上げ、互いに勢いよく振り下ろした。

振り下ろされた場所は煙が巻き上がったが、手応えがなかった。煙が晴れるとそこにはただ破壊されたレプリカだけだった。

 

『確かに力は強力……だがその分スピードに欠けているな』

 

声のした方を見るとサンダールが平然と肩に刀を掛けていた。

 

『そんなことではこのサンダールは倒せん!…宇宙忍法【縄頭蓋】!!』

 

サンダールは再び【縄頭蓋】で天譴明王に突撃していき、激突した天譴明王は吹き飛ばさ地面に仰向けで倒れた。

 

「くッ……ハァ……」

 

『フフフ、如何やらここまでのようだな。……このままトドメを刺してやる』

 

サンダールは倒れている天譴明王に剣を振り上げた。もう終わりだと誰もが思ったその時、サンダールに異変が起きた。

 

『な、何!?』

 

彼の背中にはある模様が浮き出ていた。

 

『こ、これは…』

 

「迂闊だったな」

 

後ろを振り返ると倒したと思っていた砕蜂が立っていた。

 

「貴様が巨大になった分、攻撃を当てやすくなったのだ。一気にカタをつけようと巨大化したのが逆に仇となったな」

 

砕蜂の斬魄刀【雀蜂】は「弍撃決殺」。人差し指に装着するという斬魄刀の中でもかなり小さいが、同じ箇所に2回攻撃を当て相手を倒せる斬魄刀。さらに砕蜂は隠密機動、暗殺部隊の隊長。故に巨大な敵など、ただの大きな的のようなもの。

サンダールがさっさとケリをつけようと巨大化した事が、砕蜂に逆転のチャンスを与えてしまったのだ。

 

『む、無念。…だが貴様らは此処で滅びる運命なのだ。どの道貴様らに勝利はないのだァァー!!』

 

サンダールは絶叫しながら、粒子となって消滅した。

 

「や、ヤッター!!やりましたね、隊長!隊長ならやってくれるって信じてましたよ!」

 

「浮かれるな、莫迦者」

 

「えっ!?」

 

「あれは奴が巨大化したから勝てたものだ。もしあのまま巨大化しないで戦っていたらどうなっていたことか…」

 

確かにサンダールが面倒になり巨大化したから、雀蜂で倒せたようなもの。もし巨大化したいで戦っていたら勝っていたのはどちらだっただろうか。

 

「それにそんな余裕はない。……次が来るぞ」

 

砕蜂の目線の先にはサンダールの主人であったデストロイヤーが立っていた。

 

「サンダールさんを倒すとは凄いね。それでは、今度は私が相手をしてあげま「その必要はない…」ッ!?」

 

突如後ろから声が聞こえたので、デストロイヤーは後ろを振り向いた。

 

「…ワシが直々に相手をする事にしよう」

 

其処には先程まで椅子に座っていたバラガンが霊圧を放出させならが立っていた。

 

「おや、バラガン。王である貴方が出るなんて。どんな風の吹き回しですか?」

 

「ふん。…部下の不始末を王であるワシが付けると言うとるだけじゃ」

 

「だったらそれは私の役目でもあるんじゃないですか?先程まで2人と戦っていたサンダールさんは私の部下ですし…」

 

「じゃが、その前に戦っていたのはワシの部下じゃ。じゃからそのボスであるワシが直々に出向いてやったと言う訳じゃ。何か文句があるか?」

 

バラガンは最後の所は少し低い声で、さらに威嚇するように霊圧をデストロイヤーに向けて放出した。

 

「いえ、貴方がそう思うなら別に構いませんよ」

 

デストロイヤーはそれだけ言うと響転でその場から離れた。

 

「……真打ち登場だ。足手纏いにならぬよう…私に続け」

 

「……へい!」

 

砕蜂と大前田は構え直し、バラガンにへと体を向けた。

 




アンケートの結果で砕蜂は原作通りバラガンと戦わせることにしました。
アンケートにご協力くださった方々ありがとうございます。



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33話 無双する獣 そして最終決戦への前兆

曖昧なタイトル名ですみません。

お待たせしました。此の所忙しくヒロアカの作品を投稿したら時間が取れなくなってしまって……。

それと一つの謎が……投稿がしたらお気に入りの数が減ってしまうの何故だ!?

今回は28話の続きです。




乱菊と雛森の所は苦戦していた。いや苦戦というより一方的というべきだろう。

 

帰刃したアパッチ達の3人の左腕から生み出された化け物【アヨン】の異形の姿に威圧感を覚える。

 

突然アヨンが乱菊目掛けて突っ込んできた。乱菊は咄嗟に灰猫を使おうとするが、一瞬にして彼女の肋骨から腸まで抉りとった。

 

乱菊はそのまま落下し雛森は彼女の手を掴もうと追いかけた。そして手を掴むと「縛道の三十七、吊星(つりぼし)」で何とか地面との直撃は避けたものの、乱菊は呼吸する事さえあやふい状況だった。

急いで治療しようとしたが、目の前にアヨンが現れ、雛森は飛梅を構えるがアヨンはすかさず拳を一発打ち込んだ。その威力は相当なものでパンチ一発で全身の骨を砕かれたような感覚が襲ったのだ。

 

意識が薄れる中、解毒剤が効いて動けるようになった吉良とブラコとコウの戦いを終えた檜佐木が援護に来てくれた。そして【風死】をアヨンの首に巻きつけた。

 

アパッチはアヨンに指示を出すが、その言葉にピクリともしない事にイラっときたがそれを他の2人が止める。アヨンは本能のままに動く獣そのもので、生み出した3人でさえもコントロールする事が出来ないのだ。

 

「アヨンの無愛想な所はテメェに似たのかもなぁ」

 

「顔は貴方に似てますわ。あの不恰好な角なんてそっくり…」

 

アパッチとスンスンが再び喧嘩を始めそれをミラ・ローズが止めようとしたが、スンスンがさらに煽ってしまったので彼女も喧嘩を始めてしまった。

 

「貴方達辞めない。喧嘩してもしょうがないでしょ?」

 

「ウッセーぞ友子!テメェは関係ねェだろうが!!」

 

「そうだ、これはアタシ等の問題だ!」

 

「横から口を挟まないでくださいませんこと?」

 

友子がそれを止めようとするが3人は口を挟むなと言って逆ギレしてしまった。その様子に友子は呆れていた。

 

「…あのね、あの子は貴方達3人の左腕から生まれたんでしょ?」

 

「だったらなんだよ」

 

「それだったらあの子は貴方達3人の性格おかをそのまま持っているんじゃないの?」

 

『ぐぅッ』

 

「…そうかもしれませんわね」

 

「はい、わかったら喧嘩はお終い。向こうも動き出したみたいだから」

 

その言葉にハッとして3人が見ると、檜佐木がアヨンの首に巻きつけた【風死】を引っ張り、その隙に吉良は乱菊を雛森の近くに連れて行ったところだった。

 

【縛道の七十三、倒山昌(とうざんしょう)!】

 

四角すいを逆さにした形の結界を貼り、乱菊を治療し始めた。

 

檜佐木は未だに右手を開いたり閉じたりを繰り返して一向に動こうとしないアヨンに不気味さを感じているが、下手に動くと殺られる可能性があるので、間合いを詰めないで慎重に遠距離からの攻撃をする事にした。

 

「【破道の十一、綴雷電(つづりらいでん)!】」

 

【風死】を伝って鬼道の電撃がアヨンに流れていく。その電撃をくらうとアヨンは体が少し跳ねた。檜佐木はさらに【風死】を引っ張ると、それに釣られたアヨンを地面にへと叩きつけた。

地面に叩きつけたつけられたアヨンは動かなくなった。檜佐木は追撃を掛けようとアヨンに近いた。だがその時、アヨンの首が180度回転し檜佐木の方を向いた。

驚愕する檜佐木を殴ろうと右腕を伸ばしてきたので檜佐木は瞬歩で躱した。

 

その後はブリッジをするかように下半身を顔の方へ持っていき、足をつけると上半身を起こし、180度回っていた首を元に戻した。

そして首に巻きつけたいた【風死】をいとも簡単に引き千切ったのだ。

 

そして一瞬の内に檜佐木の前まで移動し掴んだ。

檜佐木はなんとかして抜け出そうとするがビクともしない。するとアヨンの口が開き檜佐木を喰らおうとする。

その隙に七番隊副隊長の射場鉄左衛門(いば てつざえもん)が後ろから攻撃しようとしたが、突如右角の後ろら辺に目がギョロリと現れた。そしてそこから虚閃を放ち鉄左衛門を吹き飛ばした。

 

鉄左衛門を心配する檜佐木だが、すかさずアヨンが檜佐木を近くにあった建物の壁にへとぶつけ、そのまま両手を使って締め上げる。

 

アパッチ達3人は副隊長達のヤラレっぷりに呆れていた。

 

「これで終わりか?呆気ない」

 

「もう少しやるかと思ってましたが……期待はずれでしたわ」

 

「アヨンが強過ぎんだよ」

 

そしてアヨンは興味がなくなったのか動かなくなった檜佐木を投げ飛ばし、結界の方へ進みだした。一歩また一歩と進んで行く。吉良は乱菊の治療を急いでいるが、アヨンはもうすぐそこまで来ている。だが突然アヨンの左胸に穴が空いたのだ。

 

総隊長である山本元柳斎重国( やまとも げんりゅさい しげくに)がアヨンと吉良達の間に入ったのだ。

 

「やれやれ、総隊長を前に出させるとは……。情けない隊員達じゃの」

 

「!も、申し訳ありません!」

 

「ほれ、それがいかんのじゃ。儂に頭を下げる暇があるなら敵をよう見んか」

 

吉良はその言葉を聞き、アヨンを見ると空いた左胸を手で抑え流れ出た血を見ていた。すると平手打ちをし始めた。その平手打ちは段々激しく叩き威力を増していた。暫くすると動作を辞めて動きを止めた。

 

「グァーーーー!!」

 

そしてその静寂を破るように激しい咆哮を上げた。すると空いていた左胸の穴が修復され元どおりになった。

そして巨大な体はさらに巨大化していき、利き手である右腕が肥大化した。巨大化が止まると口からは涎が流れ出し、髪で隠れていた眼がギョロリと動いた。肥大化した右腕を振り上げると、山本元柳斎重国目掛けて振り下ろしその先にあった建物は押し潰した。

 

「何じゃ……届いとらんぞ」

 

だが山本元柳斎重国はアヨンの右腕のすぐ近くにおり手を掛けていた。その事にアパッチ達3人も驚愕の表情をしていた。

アヨンは首を右回りで一回転させると山本元柳斎重国を睨みつけた。

 

「人を…殺す事しか考えられん物の怪か?哀れ…」

 

アヨンは腕を引っ張ると今度こそ押し潰そうとするが、それより早く山本元柳斎が持っていた杖の中から一本の斬魄刀を出した。

 

「【流刃若火《りゅうじんじゃっか》一ッ目、撫斬!」

 

鞘から剣を抜きそのまま斬るような動きをみせた。そして再び剣を鞘へ戻すと、アヨンは真っ二つに斬られ山本元柳斎を避けるように斬られた体は地面に倒れ伏せた。

その光景にアパッチ達3人はさらに驚愕し顔を歪めた。

 

だがその時、斬られたアヨンの左手が微かに動いた。

 

「もう止さんか。お主のような哀れな獣を何度も斬るのは気が重い」

 

だがアヨンはその言葉に耳を貸さず斬られた片方の体を山本元柳斎目掛けて襲いにかかった。

 

「小童!」

 

だがその行動も虚しく流刃若火の炎に呑まれて一瞬にして影も形もなく消滅させられた。

 

その光景に吉良は「凄い」と言って唖然としていた。そして山本元柳斎は吉良の方へと向き直って近づいてきた。

 

「吉良、まだじゃ。結界を強う張れ」

 

その言葉に戸惑いが生まれるが直ぐに理解した。アヨンが倒された事で3人は山本元柳斎目掛けて突っ込んできた。3人がの炎をくらうと直後、横から斬撃が飛んできての炎を搔き消した。

 

「…何やってるの貴方達!相手は総隊長よ、貴方達が束になったって勝てる訳ないじゃない」

 

「五月蝿ェ!さっきから一々しゃしゃり出てるんじゃねェぞ!」

 

「いい加減にしなさい!貴方達はそれで良くても、貴方達の主人がその後どんな想いになるか考えてみなさい」

 

その言葉に動揺して僅かな隙が出来た事により、友子は刀の塚の方を3人の土手っ腹に打ち込んだ。

 

「て…テメェェ……」

 

「少しは残された者の気持ちも考えることね…」

 

土手っ腹に打ち込まれた3人は気を失い友子は3人を抱え込んだ。

 

「…お主は来んのか?」

 

「…辞めておくわ。総隊長さんが相手じゃ、私が勝てる訳ないもの。それに私が傷付けば、デストロイヤー様が悲しむから」

 

「じゃが、お主の先程の攻撃…本気ではなかろう…」

 

「それはお互い様でしょ。総隊長さんもさっき出した炎は本気じゃないでしょ?」

 

その言葉にも山本元柳斎は微動だにせずそのまま友子を凝視していた。

暫くすると友子はその場で足を蹴って高く飛んだ。山本元柳斎はそれを何もしないでただ見ていた。

 

ワザと見逃したのか、それとも彼女の強さに興味を持ったのか……それを見ていた吉良には知る余地もなかった。

 

 

 

 

 

 

友子は戦場から少し離れた建物の屋上に着地すると抱えていた3人を下ろして寝かせた。

 

「デストロイヤー様」

 

「友子さん、お疲れ様です」

 

そこに響転で移動して来たデストロイヤーが現れ、友子の隣へ並び気を失っているアパッチ達へ眼を向けた。

 

「…彼女達は?」

 

「…ご心配はいりません。気を失わせただけです。少しやり方は荒かったですが」

 

「それは構いませんよ。あのままにしていたら3人は危なかったですから」

 

山本元柳斎の事だから殺しはしないだろうが、それでも重傷を負わせはしただろう。原作では確かに殺しはしていないが身体中を炎で焼かれ全身酷い火傷を負った。

その闘いぶりに主人であるハリベルは3人を高評価したが、それと同時に激しい悲しみと怒りが襲っただろう。

 

「3人には申し訳ありませんが、貴方達の主人を悲しませたくないんです」

 

同じように従属官を大切に思う者として……。

 

 

 

 

 

 

日番谷と剣を交えていたハリベルは気絶させられた3人が安全圏(?)まで運ばれたところで、剣が黄色いオーラを纏い日番谷を押し払った。

 

「……デストロイヤーよ…感謝する」

 

ハリベルは死覇装のジッパーの下にあるチャックに手を掛け上に持ち上げる。そして隠していた胸元が現れていく。

そして下の方が現れてきた瞬間、日番谷は目を見開いた。その右乳房の下に”3”の数字があったのだ。

 

「テメェ程の力で、まだ3番か」

 

「私程の力で?私の力の底などまだ貴様に見せた覚えはないぞ」

 

そしてジッパーを開ききると、口元から胸に掛けて鎧のようになっている仮面の名残があった。

 

ハリベルはその後日番谷に向かって突っ込んでいき、それを察知した日番谷は卍解する。

そしてハリベルの剣を氷の羽根で防御した。防御した時に砕けた氷の羽根の破片が辺りに飛び散っていた。

 

「……強ェな、アンタ達」

 

「そりゃ良かった」

 

「フラフラ逃げ回って戦いが終わるのを待っていたかったが、如何やらそういう訳にもいかなくなっちまった」

 

「僕の見立てじゃ、あっちの子が3番手だ。……如何かな?」

 

「……」

 

「僕としちゃ…あっちのお爺ちゃんと向こうの子が1番と0番。…そして君が2番だと僕は嬉しいんだけど」

 

「……そっか…」

 

その答えに頭を掻いた後スタークは左手の手袋を外した。その手の甲には”1”の数字が刻まれていた。

 

「悪いな。俺が1(プリメーラ)だ」

 

「…やっぱりかァ……残念だな。君みたいなのが1番だとやり辛いんだよ…どうもね」

 

そしてそれぞれの戦場に静寂が訪れる。

 

暫くすると3人の十一刃からそれぞれ赤、黄色、青のオーラが柱のように天に向かって放たれた。

 

(遂に本格的な戦いが始まりますか。……流石に緊張が走りますね)

 

デストロイヤーは隣にいる友子と後ろの3人を見た後、再び視線を戦場にへと向けた。




次回は現世での戦いの最中、虚夜宮での出来事を投稿します。一護とウルキオラの戦いです。


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34話 虚夜宮の出来事

大変お待たせしました。
今回から暫くは虚夜宮での出来事を書いていきます。

勿論オリジナル展開もありますので、どうぞお楽しみください。

お気に入りが1,000人を超えビックリしてます。高評価の方もお願いします。


空座町で護廷十三隊と十一刃達の激闘の怒っていた頃、虚夜宮でもある者達の激闘が起こっていた。

 

グリムジョーによって異空間にへ放り込まれていたウルキオラが出てきて、織姫のいる場所にへと現れたのだ。

 

ウルキオラが織姫の前まで来ると静寂が流れた。そしてウルキオラが「怖いか?」と言葉を口にした。

藍染に不要とされ、誰も守る者がいなくなり、ここで死んでいくのが「恐ろしいか」と聞いているのだ。

 

だが帰ってきた答えは「怖くない」であった。その答えに目を見開いた。藍染に不必要とされ目の前にいる自分に殺されるかもしれないと言うのに怖くないと言ったことが理解できなかった。

 

その理由は「自分の仲間たちが助けに来てくれたから自分の心は仲間と同じところにある」とのことである。

 

ウルキオラは織姫に「心とは何か?」と聞いてきた。その胸を引き裂けば見えるのか?それともその頭蓋骨を砕けば見えるのかと質問をしてきた。

 

その時床が壊して一護が現れた。織姫を助けに来たのだ。

 

一護は織姫から離れと言う。ウルキオラはその答えに承諾した。「自分が受けた命令は藍染が虚夜宮に戻るまで守ることで織姫を殺す事でない為、命令が下るまでは生かしておく」とのこと。

 

だが、一護は別で排除しようとウルキオラは剣を抜いた。一護はウルキオラが始めっから剣を抜くとは思わなかったの意外だったからしい。

 

「俺を……対等の相手として認めたとして思っていいのか?」

 

「…少なくとも、破壊すべきの対象としては認めた」

 

「十分だ…」

 

その声を合図にお互いが突撃し剣を交える。

 

その後は一護は月牙天衝で攻撃するが、ウルキオラの素早い動きに押され、虚閃をを喰らうがなんとか耐える。

 

ウルキオラはさらに素早い動きで剣を振るい追い討ちをかけるが、突如一護がウルキオラの腕を掴み剣を振るった。そして僅かであるが鋼皮を斬り裂いた。そしてその切傷から血が流れた。

 

一護は戦いの中で成長したのだこの短期間の間で。前は明らかに反応できなかったがしっかり動きを見ることで見えるようになったのだ。

 

「それが読み取れるようになったのは、俺が虚に近づいたのか、それともテメェが俺に近づいたのかもしれないねェな」

 

その言葉を聞いた瞬間、ウルキオラは剣を床に刺し砕いた。人間に近づいたと言われた事が余程気に入らなかったのだろう。

 

「…成る程。この程度のレベルについて来られるようになった事が、余程気分がいいらしいな」

 

ウルキオラは霊圧の質を上げた。その動きはさっきよりも速くなっていたので一護も追えなくなっていた。そして後ろに回り込まれて斬られる瞬間にオレンジ色の壁が一護を守った。織姫が能力を使って守ったのだ。

 

「…何をしている?」

 

ウルキオラは織姫が何故一護を助けたのか質問をしてきた。 仲間なら助けたのなら何故最初から守らなかったとさらに質問する。

 

「うるせェよ…」

 

一護が何故助けたなんてどうでもいいらしい。それは助ける事に理由はいらないからであろう。

 

そして再び一護とウルキオラの戦いが開始されたがレベルを上げたウルキオラに対して、一護が押されているのに変わりはなかった。

 

織姫が一護とウルキオラの戦いを見守る最中、突如現れた者に拘束されてしまったのだ。それは織姫に嫌味を持つロリとメノリであった。

 

ロリは織姫が藍染に捨てられたのをチャンスに彼女を殺そうと思ったのだ。だからワザワザ危険をおかしてこんなところまで来たのだ。

 

一護は織姫が2人に拘束されたのをみて助けようとしたがその間にウルキオラが割り入って止めた。

 

ロリはメノリに体を引き裂くように言うが、メノリはそれを拒んだ。もう関わりたくないと。

ロリはそんなメノリを腰抜けと突き飛ばし自分1人でやる事にした。

 

ロリは織姫の頭を掴み「自分から奪った物を全てむしり取ってやる」といって服を破き始めた。

 

それを見て一護は織姫を助けようとするがウルキオラが邪魔して織姫の元へ向かえない。

 

服を破かれて床に倒れた織姫に対してロリが腕を振り下ろそうとした時、突然地響きが起き全員が動きを止めた。その地響きがが段々近づいてきたと思ったら、床から何が姿を現した。それは第10十一刃ヤミー・リヤルゴであった。

 

「ウルキオラァ〜、手伝いに来てやったぜェ〜」

 

ヤミーを見て一護は嘗て現世で戦った時のことを思い出した。

 

ヤミーは一護が前より強くなったと思い自分にも殺らせるようにせがむ。

 

だがウルキオラはヤミーの役目はここにないと言い、戻って寝るか、下にいる隊長格達の相手をするように言う。だがヤミーはせがみ続ける。

 

「なんだよぉ。ケチケチすんなよォ、ウルキオラぁ」

 

「…その状態になると…我儘が増すのがお前の欠点だ、ヤミー」

 

「まぁ、そう言うなって」

 

「ヤ、ヤミー…」

 

「あぁ?」

 

メノリはヤミーに対して震えながら「自分達はここから消える」と言う。メノリはロリに一緒に行くように言うがロリはここまで来て冗談じゃないと言う。メノリは何とか説得しようとするが、ヤミーの手によって吹き飛ばされ壁に激突した。

 

「ウルキオラ、何でこの雌共がこんなところいやがんだァ?」

 

「…そいつらに聞け」

 

「あァ?それもそうだなァ。おいオメェら、雑魚の癖に何でこんなとこ来てるんだ?邪魔クセェぞ」

 

ヤミーはロリを掴んで床に叩きつけた。

 

ヤミーはあっさり終わったことに不満で自分もやっぱり黒崎一護と戦わせろとせがむ。

 

織姫はロリに近づいくと治療を始めた。そのことにロリは驚いていた。自分を殺そうとした奴なのに何故治療をするのか理解できなかった。

 

治療を終えるとヤミーの拳が織姫目掛けて迫ってきた。咄嗟に防御するが拳が当たった瞬間に砕けてしまった。

 

ヤミーは織姫の方が面白うだとターゲットを織姫へ変更した。そして左手で織姫を掴もうとしたら、ロリが自分の小さな斬魄刀で斬りつけた。ロリは別に織姫を助けたわけじゃなくただ借りを作っておくのが嫌であり、自分の獲物を横取りされたくなかったからである。

 

そしてロリは百棘毒娼(エスコロペンドラ)を解放し、両腕がムカデみたいになった。

 

「…アンタに……アンタなんかにィ……アンタなんかに殺られるために此処に来たんじゃないのよぉ、ヤミー!!」

 

片方の腕を伸ばして攻撃するがヤミーは体をズラして難なくかわし、この攻撃は一本の柱に当たった。するとその柱から紫色の液体が流れて溶け始めた。

 

「アタシの毒でアンタもウルキオラも…どいつもこいつもグチャグチャに溶かして殺してやるわ!!」

 

ロリはさらに攻撃するがヤミーは片手を使って防ぐ。その隙にもう一本の腕で下半身に巻きつき溶かし始める。

 

ロリは「これで終わりよ」みたいに鼻で笑ったが、ヤミーは顔色1つ変えず同じく鼻で笑うと拳で床に殴りつけた。

殴りつけられたロリはヤミーに握られる形で持ち上げられた。織姫が助けようとするがそれをロリが拒んだ。

 

「はっ。雑魚が何偉そうにしてやがるんだァ?」

 

ヤミーは手に力を込め、ロリをさらに強く握り締める。

 

「…クソ……アンタ…アンタみたいな…カス野郎なんかに…」

 

「あぁ!?今何つった!」

 

「この…カス野郎…」

 

その言葉にイラっときたヤミーはロリを壁に叩きつけそのまま壁を突き破った。

 

「あぁ、何だァ?聞こえねェなァ〜?」

 

ヤミーのその言葉に言い返そうとするが、ロリはダメージが大きく言い返せる余裕がないため睨みつける事しか出来ない。

 

「何だよ、もう終わりかよ?やっぱ詰まんねェな…」

 

抵抗しなくなった事で興味がなくなったヤミーはロリを放そうとした。ロリは自分は死を悟った。ーーーーここで終わるんだ。あの女に助けらた上にこんな奴に殺られて終わるんなんて…ーーーー覚悟を決めたロリは眼をつぶった。

 

 

 

ーーーーーだが、運命はまだ彼女を見捨てていなかった。

 

「止めるのだ、ヤミー」

 

後ろから声が聞こえ振り返ると、そこにいたのは盾と槍を持ち騎士の鎧を纏ったような格好をした者だった。よく見るとその奥にあと何人かの人影が見えた。だがそれは皆人とはならざる者の姿をしていた。

 

「何だァ!?デストロイヤーとこの奴の雑魚が俺に何か用かよぉ?」

 

「ははは。ヤミーは本当に口が悪いなぁ。【ドレイク】と同じくらい悪いよォ」

 

「何だとテメェ!俺をただデカイだけのこいつと一緒にすんじゃねェ!!」

 

そのあとに続いて、緑色の体をした者と、最初に現れた者と同じ位鎧を纏い、両肩に顔の骨をつけたドラゴンが現れた。

 

「おい、聞いてんのか!?何でテメェが此処にいるんだァ?」

 

「私達はデストロイヤー様の命令で此処に来たのです」

 

眼鏡を掛けた猫顔の女性、【スフィンクス】が答える。

 

「あいつの命令だとォ?」

 

「そうだ。デストロイヤー様は此処に来た女破面2名とはある契約をしている。だからここで殺されるわけにはいかないのだ」

 

魚顔で全身赤が特徴的な男、【ダゴン】が説明をする。

さらにはメノリが激突した壁の方から足音が聞こえてきた。煙の中から全身白と黒がでドッシリとした体型、そして極め付けは白いアフロが特徴の者が出て来た。メノリをお姫様抱っこのような格好で抱えていた。

 

「…大丈夫か?」

 

「…あ…アンタは一体」

「我が名は【冥府神ティターン】。デストロイヤー様にお仕えする者」

 

ティターンはそのまま足を進めると織姫の前まで行った。

 

この時織姫は恐怖していた。今目の前にいるのはメノリを助けたがそれは仲間だからであろう。藍染から用済みにされた自分を作曲ヤミーと同じように殺すのではないかと。しかし……

 

「すまない、人間の娘よ。この娘を…治療してはくれないか?」

 

「えっ!?は、はい。わかりました」

 

返って来た言葉は彼女を治療してくれとのことだった。織姫は突然のことで唖然としていたが、すぐに我に帰りメノリを治療し始めた。

ティターンはそれを見守るかのように何もしないでその場に立っている。

 

「さぁ、そっちの娘も離すのだ」

 

「煩え!こいつをどうしようが俺の勝手だ「シャキン」ッ!?オワァー!!」

 

ヤミーは突如腕に激痛が走り、ロリを握っていた手を放してしまった。ワイバーンが素早い動きでヤミーの腕を斬りつけたのだ。その隙にワイバーンはロリを抱えるとメノリと同じように織姫の所に運んだ。

 

「この子もお願いできるかい?」

 

「は、はい」

 

織姫は床に置かれはロリを治療するため、光の幕を広げメノリと共に治療を開始した。

 

「……またアンタなんかに助けられるなんて…」

 

しかしそれはロリにとって屈辱でしかなかっただろう。グリムジョーの時で1回、さっきのヤミーので2回、そして今のでもう3回も治療してもらっているのだから。

 

「良しなよロリ」

 

「煩い!メノリ、アンタはいいの?こんな人間の小娘に何度も何度も助けられて…」

 

「2人共辞めない。今はそんな事を言っている場合ではないですよ」

 

眼鏡をかけている女性、スフィンクスに注意された2人は彼女の目の先を見た。そこには激怒しているヤミーがいた。

 

「テメェ、いきなり何しやがるゥ!」

 

「何するも何も君が素直に言う事を聞かなかったから仕方なくやったんだよ」

 

「何だとォ…。巫山戯んな、この野郎ー!!」

 

彼の巨大な腕を振り下ろして来た。黒崎は織姫の所へ行こうとするが、ウルキオラがそれを阻んだ。

織姫や治療されている2人は「殺される」と思い恐怖したが、後ろを向いていたワイバーンがヤミーのパンチを持っていた槍を突き立てて簡単に受け止めた。その光景に黒崎と織姫、ロリにメノリ、そして攻撃した本人であるヤミーさえも驚愕した。

 

「ハハハ。本当に聞き分けがないなぁ。そんな我儘ばかり言っているといい加減……お仕置きするよ」

 

ヤミーの方へ振り返るとその鋭い目をキランとさらに鋭く光らせていた。

 

「ほぉ〜。俺と殺ろうってか?面白れェ」

 

ワイバーンは槍をヤミーは拳を構えた。ここにあってはならないともいえる戦いが行われようとしていた。




次回は軽くワイバーンとヤミーの戦闘をした後、石田君が駆けつけます。


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35話 駆けつける仲間、そして予想外の出来事

今回はヤミーとワイバーンとの軽い戦いをした後、原作通りあのメガネ君が駆けつけます。

そして一護とウルキオラが天蓋の上に行った後メガネ君にとって思いがけない人物が…

それではどうぞ。




ヤミーはその巨大な拳をワイバーンに殴りかかる。だが彼はデストロイヤーの従属官の中では最速とも言えるスピードを持っている故簡単に躱される。

 

ワイバーンは中指と人差し指をクイクイとやって挑発する。短気なヤミーは勿論のその挑発に乗ってしまい何度も殴り掛かってくるが、素早い攻撃を躱し続ける。

 

「攻撃がワンパターンで単純過ぎるね。それじゃ僕に勝つどころか攻撃を当てることもできないよ」

 

「一々煩セェんだよ、クソがァー!!」

 

挑発に乗ったヤミーはさらに拳を撃ち込むがそれも難なく躱す。その行動を繰り返した事で床にはいくつもの穴が空いてしまった。

 

「クッソォォ。ちまちま避けやがって…」

 

「アハハハ。だから君じゃ相手になら……ん?」

 

ワイバーンは何かを感じ取った素振りを見せた後床に降りた。

 

「あァン?何だ如何した?死ぬ覚悟でもできたのか?」

 

「違うよ。僕が君の相手をするのは此処までだからだよ」

 

「あぁ、如何いう意味だ?」

 

「そんな事より……後ろに気をつけた方がいいよ」

 

ワイバーンが言った瞬間青い矢のような物が飛んで来た。その矢はヤミーの右肩に突き刺り、ワイバーンは槍で全て弾いた。

矢が飛んで来た方をみると眼鏡を掛けた白い服の男がいた。

 

「石田!?」

 

「気を取られるな黒崎。自分の相手に集中していろ……奴らは僕一人で十分だ」

 

一護は彼がどうやって傷を治して此処へ来たのか不思議に思っていた。

石田はそれを阿散井恋次と一緒に十二番隊の隊長(くろつき)マユリの治療を受けたとの事。そんな説明の中ヤミーが体を起き上がって腕を振り上げていた。

 

「石田君!」

 

「何だテメェ!どっから湧いて出やがったァ!!」

 

ヤミーは拳を振るが石田は高くジャンプして躱す。振り下ろされた拳は床に穴を開け砂埃を巻き上げた。

石田はその開いた穴のヤミーとは反対側へと着地した。

 

「あれだけの力でやって貫通しないのか。…思っていた以上に頑丈だな」

 

「テメェ…」

 

「付いて来い。此処だと何かと邪魔になるだろ?」

 

一護が1人で大丈夫なのかと心配するが、雨竜は「あいつは僕に任せろ」と心配ないっと言っているように言うと、床に空いていた穴に入っていった。

 

「面白れェ。おいウルキオラ、あいつは俺が貰うぜ」

 

「…好きにしろ」

 

ヤミーもウルキオラから許可をもらうと、雨竜の後を追って穴の中に入っていった。

 

「石田君……」

 

「心配ですか?さっきの少年のことが…」

 

織姫が不安の声を挙げるなか、近くにいスフィンクスが声を掛ける。

 

「…心配です。でも石田君なら大丈夫」

 

「……ヤミーはあぁ見えても十一刃の1人にして最も野蛮と言っても過言ではない性格です。下手をすれば殺されてしまうかもしれませんよ」

 

「でも石田君も強いです。だから絶対に大丈夫です。それに……私は石田君に黒崎君、みんなを信じてますから」

 

「……成る程」

 

スフィンクスは「信じる」という言葉に面白いと思った。その信じる思いが力となるというのは強ち間違いでもないと思った。

 

現に十三番隊のルキアが十一刃の下位とはいえ相討ちに終わっているの上に、尸魂界の応援が来たお陰で一護達死神側はまだ誰もリタイアしていないのだから。

 

だが黒崎一護はさっきから本気を出していない。いや出しきれていたいと言った方が正確だ。

本気を出せばその霊圧に織姫が耐えられないからだ。

 

織姫が一護とウルキオラの戦いを見守る最中、突如石田とヤミーが降りてった穴から爆発音と煙が上がり床にが揺れた。

その後暫くして石田が穴から出て来た。

 

「石田…。大丈夫か!?」

 

「幽霊にでも見えるか?」

 

「いや。…そうじゃねェねけど。…今の…」

 

「今の爆発は涅に持たされた地雷の物だ。霊圧センサー範囲内に破面が入ると爆発する。下の階の天井を削っておいて埋めておいた。あのヤミーというのが地雷源に追い詰めている此方の狙いなど何も考えず戦ってくれたお陰で、上手く策が当たったという訳さ。…他に質問はあるか?」

 

「……最初から疑問なんて一個もようね。勝手にベラベラ喋りやがって。めんどくせェ奴」

 

「……井上を頼む。俺の霊圧が井上の六花で守りきれなくなったら、お前が体張って守ってくれ」

 

「言われなくてもそのつもりだ」

 

「……待たせたな、ウルキオラ。行くぜ、これがテメェの見たがっていたーーー虚化だ」

 

一護は左手で顔を覆うと其処に霊圧が集まり始め黒い塊となっていく。そして顔にはさっきの霊圧と同じような色をした模様がある虚の仮面を装着していた。

 

「ウオォーー!!」

 

一護はさっきとは比べ物にならないようなスピードでウルキオラに突っ込み「月牙天衝」を放った。

ウルキオラはそれを斬魄刀で防御するが、防御した矢先に斬魄刀にヒビが入り眼を見開いた。

 

その攻撃の余波が壁を突き破りウルキオラは一度外に出る。それを追ってくる一護に左手の人差し指を前に突き出すと虚閃を放った。

 

虚閃の放出が収まると其処には、斬魄刀で防御し無傷の一護がいた。その事にウルキオラも動揺した。ーー仮面を付けた事で明らかに自分の方が押されているーー。

 

するとウルキオラは一護目掛けて突撃して来た……と思ったら素通りして上へと向かって行く。一護は逃すまいとウルキオラを追いかける。

 

織姫と石田は2人の後を追うかのように、破壊された壁から外を見ると青空に穴が空いていたのだ。

 

「空に…穴が空いている!?あの空は本当に偽物だったのか!」

 

石田はこの青空が偽物だった事に驚愕する。そして織姫も前に出て不安な表情を浮かべている。

 

「井上さん……大丈夫…黒崎は…勝つよ」

 

その言葉に織姫は答えるように頷く。だがその顔には不安思いがある性か暗い表情を

 

「ウルキオラの奴随分と追い込まれているようだな。天蓋の上へ行くとは」

 

「ヘェ〜、あの死神なかなかやるじゃない。ウルキオラに本気を出させようとするなんて」

 

聞き覚えのある声が後ろからしたので、後ろを見てみるデストロイヤーの従属官であり側近でもある良田胡蝶とそして良田が倒した筈のチルッチ・サンダーウィッチがいた。

 

「お前は!如何して此処にいる?」

 

「石田君、この人の知ってるの?」

 

「あぁ。此奴は黒崎や茶渡君達と別れた後戦った奴だ」

 

「如何してって、彼処にいる連中と一緒よ。頼まれたのよ、うちの主人にね。それにアンタと戦ったのもそいつの意見だけど」

 

「如何言う事だ?」

 

「実は……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

それは侵入者が現れた事で藍染が十一刃を集め会議をし終わった後の事。

 

デストロイヤーはチルッチにある事を話していた。

 

「アタシが侵入者の1人を相手にしろですって!?」

 

「はい、そうです」

 

「何でアタシがそんな事しなきゃいけないのよ!?しかも3ケタの巣(トレスの間)で」

 

今や十一刃の従属官である彼女が十一刃落ち(プリバロン・エスパーダ)の集まる場所で侵入者を向かい打てと言っているのに納得がいかないでいた。主人の宮に来たのなら話は別だと思うが。

 

「まぁまぁ、そんなに怒らないでください。侵入者は3名です。丁度十一刃落ちの数と同じ。だったら此処で片付けた方がいいと思いますが。…それに今の自分の実力を知りたくはないですか?」

 

チルッチはデストロイヤーの従属官になってからは彼の特訓によって前より少しレベルが上がり、十一刃落ちの中ではトップクラスになり、十一刃の下位に匹敵する位の実力はついた。

 

「……一理あるわね。いいわ、やってやろうじゃない」

 

その話に見事に食いつき、デストロイヤーの意見に承諾した。

 

 

その後、チルッチは予想通り(原作通り)石田雨竜と戦ったが結果はこれまた予想通り(原作通り)敗北してしまった。(本来よりは石田はピンチになった設定です)

 

 

 

 

「チルッチ・サンダーウィッチ様お迎えに上がりました」

 

床に仰向けになっているチルッチが目を開けると上から覗き込んでいる牛のような骨の顔をしたルドボーンが覗き込んで来た。その周りには大勢の部下達が2人を囲んでいた。

 

チルッチは此処で葬討部隊によって回収される。本来(原作通り)なら。

 

 

 

「誰を迎えに来たですって?」

 

 

 

チルッチは自分の死を覚悟したその時、聞き覚えのある声がした。

 

「セ、第0十一刃、デストロイヤー・レイ様。如何して此方に?」

 

「チルッチの霊圧が低くなったから心配になって来てみたんですよ。それより貴方達は何をしているんでしょうか?」

 

何時もの様にで話しているが、その言葉には一言一言殺気みたいなものが出ている。

ルドボーンはそれに少し震えながらも語りだした。

 

「チ、チルッチ・サンダーウィッチ様が侵入者にやられたのでその治療をと思い、治療室へ運ぼうとしていたところです」

 

「そうですか。それはありがとうございます。……でも変ですねェ。私の宮には治療できる設備がある事は葬討部隊の隊長である貴方は知っている筈。何故私の宮に運ぼうとしないのですか?」

 

「そ、それは……」

 

「大方ザエルアポロさんあたりに頼まれたんでしょ?」

 

ルドボーンはその問いに答えない。いや答えられないのだ。図星を突かれた事での焦りと、段々濃くなっていく霊圧に対する恐怖で…。

 

「今此処で引くのであれば見逃して上げます。でも今チルッチさんに手を出したら如何なるか……分かってるよなぁ?」

 

デストロイヤーはいつもの丁寧口調から荒っぽい口調になった。完全に切れかかっている証拠である。

その口調にルドボーンだけでなくチルッチまで驚いた。何故なら今まであそこまで怒っているデストロイヤーを見たことがなかったからだ。

 

ルドボーンは響転でその場から消え、葬討部隊もそれに釣られるようにその場から消えた。

 

デストロイヤーは、葬討部隊が完全にその場から居なくなった事を確認した後いつものような穏やかな状態に戻りチルッチに近づいた。

 

「大丈夫ですか?チルッチさん」

 

「ふん、アンタの助けが無くたってあんな奴らアタシ1人で何とかできたわ」

 

「それは失礼しました。それはさて置き、また一つ貴方に頼みたい事があるです」

 

「またぁ?まぁ、アンタの頼み事が今に始まった事じゃないか。いいわよ聞いてあげるわ」

 

「ありがとうございます、チルッチさん」

 

「それで、その頼み事って?」

 

「それはですね……」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「それがこの胡蝶とあそこにいる奴等と一緒にアンタの子守をするって事よ。全く、何考えてるのかしら」

 

「しかし、さっきの俗物(死神)の事を「大丈夫」と言ったがそれはどうかと思うぞ」

 

「何?どういう意味だそれは」

 

「ぞ、俗物って…」

 

一護の事を俗物呼ばわりした胡蝶に苦笑する織姫を余所に、石田は今の言葉に引かかったので質問する。

 

4(クアトロ)以上、つまり4から上の数字を持つ十一刃は虚夜宮の天蓋の下での解放を禁じられているのだ。あまりの力ゆえに虚夜宮そのものを破壊する恐れがある(・・・・・・・・・)からだ。そして4の数字を持つウルキオラが天蓋の上へと向かった。この事からして意味は分かる筈だ」

 

その言葉に織姫と石田は眼を見開いた。ウルキオラの階級は4。そして彼は虚夜宮の天蓋の上へ行った。つまりそれは解放するためという事だ。

 

「白服の貴様は知らないが、十一刃の解放を直に見た女、貴様なら分かるはずだ。解放前とその後で、どれだけ力の差があるかをな」

 

確かに此処に来て織姫が見た十一刃の帰刃は2人。グリムジョーとノイトラである。

その2人とも帰刃した事により能力が大幅に上がっただけでなく、今まで受けたダメージや傷が回復したりした。

 

「さっきの仮面をつけた状態で今のウルキオラと対等なら、帰刃したらどうなるか分かっているはずだ」

 

すると振動と共に物凄い霊圧が天蓋の下にいる者たちを襲った。その強さに石田と織姫は何とか耐えていたが、織姫の場合は立っているだけでも精一杯だろう。

それを胡蝶や最上級幹部達は感心していた。

 

「ほぉ、この霊圧を受けて立っていられるとは…人間にしてはかなりやるじゃないか」

 

暫くして織姫の目に何か決意したのか目付きが変わった。

 

「石田君。……石田君の力で私をこの天蓋の上まで運ぶ事ってできる?」

 

石田に自分をこの天蓋の上まで連れて行く事ができるか聞いてきた。それはつまり自分を一護とウルキオラが戦っている戦場まで連れて行ってほしいという事だ。

 

「人間、貴様自分が言っている事が分かっているのか?」

 

石田にお願いする織姫に対して胡蝶は追いついた口調で話す。

 

「あの死神の応援か何か知らないが、戦えもしない奴が行っても足手まといにしかならないぞ」

 

「左様、お前がいる方があの死神の小僧にとっては邪魔ではないのか?」

 

胡蝶の発言にスレイプニルが続く。

2人が言うことも最もである。織姫は主に味方を治療すること、そして多少の防御ができるくらいで戦闘に関しては殆ど皆無に等しいレベルである。

そんな者が戦場に行ったらどうなるかなんて邪魔になるということが大抵は予想がつく。

 

「……それはわかっています。でも、それでも私は行きたいんです、行かなければならないんです!」

 

織姫は2人の言葉に臆することなく自分の意見を突き通した。その目には固く強い意志が篭っていた。

 

石田は青い円状のような物を出しその上に乗る。そして右手を織姫に差し伸べる。

 

「行こう、井上さん」

 

織姫は黙って頷くとその手を掴み乗ると上へ向かって行った。

 

「行かせて宜しかったのですか?」

 

スフィンクスが石田と織姫をあのまま行かせて宜しかったのかと質問する。

 

「デストロイヤー様に頼まれたのはそこにいる(ロリとメノリの)2人の安否だからな。それにデストロイヤー様だったらあのまま彼奴らを行かせていただろう」

 

胡蝶は石田と織姫が向かった天蓋の方を見る。すると不穏な霊圧が天蓋の上から流れ込んでくる感覚に襲われた。

 

「(この感覚……ウルキオラの奴、デストロイヤー様が言っていた二段階目の解放をしたのか…)」

 

ウルキオラは現十一刃の中で唯一二段階目の解放を可能にした破面である。だがその姿はボスである藍染にも見せたことは一度もない。

 

「(しかし、藍染にも見せたことのない姿を何故あの俗物(一護)に見せようと思ったんだ?)」

 

確かにボスである藍染にも見せたことのない二段階目の解放を、一護に見せた事に疑問である。

いくら倒すべき敵であれども二段階目の解放をする必要はないはずである。考えられるのは二段階目の解放をしなければならない状況になってしまったのか、それともさらなる恐怖を相手に植え付けるためなのかのどちらかであるが恐らく考えられるのは後者であろう。(実際は恐怖でなく絶望だが)

 

「(あの俗物(一護)にそこまでする自由でもあるのか?)」

 

そんな事を考えていると赤い閃光が天蓋を突き破って砂地へ直撃した。その巨大さと威力に胡蝶だけでなく、チルッチや最上級幹部達も驚愕していた。

 

 

それから暫くすると天蓋の上にあった重い霊圧が消えたのであった。

 

「ん!?どうやらウルキオラがヤラれたようだ」

 

「そのようだな」

 

「へぇ〜。ウルキオラを倒すなんて、あのオレンジ色の髪の死神の子意外にやるね」

 

ダゴンがウルキオラが倒された事を感じ取ると、スレイプニルがその意見に同意。ワイバーンは一護がウルキオラを倒した事に少し感心と興味が湧いたようだった。

 

「ッ!?この気配…まさか!」

 

「どうしたの?」

 

「まさか…そんな……あり得ない」

 

そんな中胡蝶がある気配を感じ取ったら突如戸惑い始めた。いや正確には何かに怯えると言った方が正しいかもしれない。よく見ると最上級幹部達も顔色を隠せないでいた。

 

「あの死神の俗物とウルキオラの戦いの霊圧のせいで気付かなかったのか…」

 

「だからどうしたってのよ!アンタ達みんなそんな顔して……何なの?」

 

チルッチは胡蝶達が焦っているのに1人だ訳が分からない状態であった。

 

「…お前が知らないのは当然だ。お前が従属官になった頃には奴は幽閉させていたのだからな…」

 

「はぁ?幽閉?奴?…どういう事よ?」

 

「それは……」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

それは胡蝶達が気配を察知する数分前のこと。

デストロイヤーの宮、つまり第0十一刃の宮の下には地下牢獄がある。「牢獄」それは囚人を監禁する場所。勿論その牢獄も同じ意味で作られた。

 

元々このような牢獄は宮ができた当時はなかった。デストロイヤーは従属官を殺す事は愚か、幽閉しようだなんて考えていなかった。

しかし、彼の最大の掟を平気で破り兼ねない者が現れたからだ。

 

「ウィーン!」 「ウィーン!」

 

「ちょっとちょっと〜。こんな弱い奴らしかいないのォ?こんなんじゃ全然満足できないんだけどォ〜」

 

そして牢獄の通路には白い髪のロングヘアーで三叉の葉の形をした瞳、植物の意匠があるゴスロリの服を着た少女が、全身黒タイツで顔が仮面で隠しているようなロボット【メカ人間】、土偶のような顔をして手には小さな釜、メカ人間とは真逆の全身白タイツみたいな石人形【カース】を次々と斬り刻んでいた。

数で応戦して何とかしようとするが、少女は止まる事なくメカ人間達をニタニタ笑いながら斬り刻んでいく。…まるで楽しんでいるように。

 

「退け、俺が殺る」

 

そんな中現れたのはメカ人間達と同じように黒い服装のような格好をしているが、顔がオレンジで表面には棘のような物が複数生えているが特徴の【イーガロイド】である。

 

「くらえ、【クロスバースト】!」

 

剣を頭上にへと振り上げエネルギーを収束させそれを相手にへと振りかざすと、剣に集められていたエネルギーがそのまま悪魔に目掛けてジグザグに進んでいき命中した。

 

辺りは爆発で炎に包まれた。その場にいた者はこれで終わった、いや終わってほしいと思った。

 

 

 

 

「へぇ〜、結構やるじゃない。今のは中々良かったわよ」

 

 

 

 

だがそれは叶わなかった。炎の中からその悪魔は平然と歩いてきており、顔はニタニタと笑っていた。

 

「でもねェ……そんなじゃあアタシは倒せないわよォ」

 

体から伸びる触手のような物を振るとイーガロイドは体が縦に裂けて崩れ落ちた。

そしてその場に残っていた者たちも全員斬りつけられ絶命した。

 

「あ〜あ、やっぱり此奴らじゃつまんない。もっと強い奴探しに行こう」

 

少女はニヤニヤ笑いながら次なる獲物を探すべく歩き出した。




最後に出てきたキャラわかりますか?

ヒントは佐○綾○さんが始めて主役をやった作品のアニメオリジナルキャラです。


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36話 最凶の存在 その名は樹海

大変お待たせしました。
今回は原作にあったルキア達の戦いの部分、そして前回の話で登場した女が出てきてビックリな展開に!!

今回から2、3話ぐらいかなりオリジナル展開になります。
ご了承ください。



関係ないと思いますが言わせてください。

今日……私の誕生日です。


一護がウルキオラと激闘を繰り広げていたいた頃、ルキアはルドボーンとその部下である葬討部隊と対峙していた。

 

一度は葬討部隊を全滅させたがルドボーンが自身の斬魄刀、 髑髏樹(アルボラ)を解放し、その右背中から伸びる木の枝のような物から倒した兵士と同じような虚の仮面のような物が複数出てきた。

するとその仮面から下に向かってウネウネと何が伸び始め、それは次第に人の形になっていき先程倒した兵士と同じ姿になった。

 

ルキアは再び兵士達と対峙し全滅させるが、ルドボーンは左側にも同じ枝のようなものを出し、左右の枝から兵士を産み出し始めた。

 

「藍染様に造物主の如き能力を与えられたこの私ですら十一刃になる事はなかった。その偉大なる十一刃に貴方達如き烏合の衆が楯突くなど【愚の骨頂】なのです。此処で果てなさい、死神」

 

兵士を一度全滅させてもルドボーンが兵士を産み出し続けるため、幾ら倒してもキリがない上に、ルドボーン本体に近づく事ができない。そしてルキアにも疲れが見え始めた。

 

そんな時斬りつけた1人の兵士がそのまま倒れながら自分に覆い被さった。その隙を突かれ残っていた兵士達が一斉に向かってきた。茶渡と恋次が駆けつけた。だがルドボーンは全く焦りを見せず、増えたのならその分新たなる兵士を産み出すだけとの事。

 

「兵士を…無数に増やせんのか。…なんかの果物みてェだなぁ」

「いや、果実は無数には増えない」

 

「あぁ?水やってれば増えるだろうがァ」

 

恋次と茶渡がちょっとした事で喧嘩を始めてしまい少し呆れるルキア。だが恋次がさっき言った言葉ーー何かの果物みたいーーこの言葉にルキアがある事が浮かんだ。

 

その後3人はルドボーンが産み出す無数の兵士と対峙したが、やはり幾ら倒してもさらに兵士を送り出してくるのでキリがない。

 

さらに茶渡の攻撃でルドボーン本体に攻撃しても兵士達が盾になり攻撃を防いでしまう。そしてまた減った分兵士を産み出すため戦況は変わらないでいた。

 

 

そこでルキアは一つの賭けにでた。

 

 

まず自分が兵士達を凍らせて、茶渡がその凍った兵士達を砕いて守りを無くさせる。そこを恋次が蛇尾丸でトドメを刺すという作戦だ。

 

ルキアが斬魄刀を右から順に四ヵ所地面に突き、右顔前にし逆さにして構える。

 

次の舞・白漣(つぎのまい・はくれん)!」

 

雪崩のような強大な凍気がルドボーン目掛けて放たれると、再び兵士達が一斉にルドボーンの前に現れ盾になる。それを受けた兵士達は凍りついた。

 

巨人の右腕(ブラソ・デレチャ・デ・ヒガンテ)!」

 

そこに茶渡が衝撃波を撃ち込み凍った兵士の壁に穴を開けルドボーンが丸見えとなった。

 

狒骨大砲(ひこつたいほう)!!」

 

恋次がその開いた穴から狒狒王蛇尾丸でトドメを刺そうとするが、新たに産み出された兵士達が群がった。そして大きく軌道がズレ狒狒王蛇尾丸はルドボーンの横の溝に激突した。

 

「今の連携は中々見事でしたよ。まず兵の壁を凍りつかせ、その一部に穴を開け、間髪入れずに私を攻撃する。全く素晴らしいコンビネーションでしたが、それは間違いです。貴方方がどのような技を用いようと無限に兵士を産み出す私には通用するはずがないのです」

 

「終わりです。此処まで戦った貴方方に敬意を評し私の最大の力で抹殺してあげましょう」

 

だがその時小さい無数の氷が宙を舞っていた。煙が晴れるとルキアが地面に斬魄刀を突き刺し凍らせていた。しかもその氷が自分の足元にまで伸びている。

 

樹白(じゅはく)

 

地面に突き刺さっていた触手が凍り始め、己の体をも凍らせていく。さらに枝まで凍りつき実っていた兵士の仮面が砕け散った。

 

ルドボーンのの能力は果実のように(・・・・・・)無数の兵士を産み出す能力。だがそれが本当に植物と同じような能力であれば、その枝を凍らせてしまえばもう実る事はない。

 

 

 

今の攻撃はルドボーンにトドメを刺すためではなく、ルドボーンからルキアの注意を逸らすためのものであった。

 

「その能力…私の前で見せるべきではなかったな」

 

遂にルドボーンは体が完全に凍りつき身動きが取れない状態になってしまった。

そんな時、突然巨大な何かが壁を突き破り凍りついたルドボーンをその巨大な腕が粉々に砕いてしまった。

 

そしてその巨大な何かは砂地に着地するとその衝撃で砂埃を撒き散らした。

ルキア達も兵から砂地へ移動する。3人が驚愕する中その巨大なものの正体が明らかとなる。

 

「此奴はッ!?……ヤミー…」

 

「ヤミー?日番谷隊長の言っていた十一刃か」

 

だが茶渡は何か違和感を感じた。現世に来た時は2メートルくらいの大きさだった。だが今の大きさは軽く見ても一つの2階建ての家とほぼ同じくらいの大きさはあるだろう。

 

「許さねェゾォォ!あのクソ眼鏡ェェ!!ブッ殺してやるー!!」

 

ヤミーは怒りによって赤いオーラのような霊圧を放出し、その風圧でルキア達は少し後退りした。

 

その直後青空、いや天蓋の上から太い赤い閃光の柱が突き破って砂地に直撃し、砂埃を起こした。

 

「今度は何だ!?」

 

「天蓋の上からだ!」

 

「…この霊圧……一護…か」

 

その謎の巨大な虚閃が放たれて暫くすると、天蓋の上にあった一つの霊圧が消えた。それはヤミーも感じ取り眼を見開いた。

 

「天蓋の上にあった重い霊圧が消えた」

 

「一護が……倒したのか?…」

 

 

ドカーーン

 

 

ヤミーが左腕で壁を殴ったのだ。その殴った腕が壁に埋まる程の力で。

 

「あ〜あ。此奴らブチ殺したら、もっ回手伝いに行ってやろうと思ってたのによぉ〜。…先に死んでりゃ世話ねェゼ」

 

壁から腕を引き抜くとルキア達3人へと足を一歩踏み出した。

 

「こんなカス共ブッ殺すくらいじゃ、全然使いきれねェんだよォ!!」

 

ヤミーはさらに体が一回りほど巨大化し上半身の服が破れる。茶渡は現世で戦った時と何が違う事に違和感を感じるがそんな中恋次がヤミーを見てある事に気付いた。

 

「見ろ、あいつの肩。……10番だ」

 

巨大になって少し分かりづらくなってしまったと思うが、その左肩には10の数字が刻まれていた。

 

「お前ら、此処に来るまで十一刃と戦ったか?」

 

ルキアと茶渡はその言葉に表情を険しくした。2人とも十一刃と戦ったが、茶渡は十一刃落ちとの戦闘の直ぐだったとはいえ呆気なく倒され、ルキアの場合は何とか相打ちに持ち込めた感じだった。

恋次はその言葉に答えなくてもいいと言った。実際、彼も石田と2人掛りで挑んでも全く歯が立たなかったのだ。

 

「…だがよ、俺達はそいつらを乗り越えてきたんだぜ」

 

「あいつはそのどれよりも力は下だ。デカさにビビっても始まらねェ。とっとあいつを倒して一護拾いに行くぜ」

 

その姿にルキアは少し目を取られていたように見えた。

 

「あぁ?何をゴチャゴチャ言ってやがんだ?俺を倒すだと?テメェらみてェなクソカスがァ?」

 

「あぁ、そうだぜ。このデカ物」

 

「笑わせるなよゴミどもォォ!!ーーブチ切rッ!?」

 

「ヤミーは斬魄刀に手をかけて帰刃をしようとしたが、その瞬間右腕から血が噴き出した。

一瞬の事でルキア、恋次、茶渡、そしてヤミー本人にも何が起きたのか分からず硬直していた。

 

「アハハー!よく斬れるゥ〜」

 

だがそれを打ち消すかのように女の笑い声が聞こえてきた。そこには白いロングヘアーで、ゴスロリの衣装を着た女性がいた。

 

「テメェかァ?この俺に傷を付けやがったのはァ?」

 

「えぇ、そうよ。丁度切りごたえがありそうのがいたから斬りつけたんだけどぉ〜、アンタ結構硬いねェ。今ので腕が斬れないなんて」

 

その女はニタニタ笑いながら笑顔で答えた。だがその笑いは純粋な笑顔ではなく何か不穏なものを漂わせていた。まるで狂人のように……。

 

「ところでアンタもしかしてヤミーって名前だったりするゥ〜?」

 

「あぁ?だったら何だってんだ?」

 

「やっぱりィ!!その肩にある10って数字でわかったよ。聞いた話だとアンタ、ウチのボスに負けて第0十一刃の座奪われたんだってェ」

 

その話は近くにいたルキア達にも聞こえており、その言葉に3人は驚愕した。「第0十一刃の座を奪われた」……この言葉が意味するのはヤミーは嘗ては第0十一刃だったが、突如現れた女の主人にその座を奪われたという事だ。

 

「!!その話をすんじゃねェー!!!」

 

ヤミーは巨大な腕を振り上げ殴りかかるが、謎の女は飛び上がって難なく躱す。

 

「ハハハ。そんなトロイ攻撃で当たるわけないじゃん」

 

「ッ!?ナメてんじゃねェぞー!」

 

ヤミーは再び斬魄刀に手を掛けようとするが、柄を掴む前に女の木の枝のような触手が刀を奪い取ったのだ。

 

「なっ!?」

 

「そうはいかないわ〜。こんな物(斬魄刀)を使っても無駄だと思うけど、使われちゃ色々と面倒だからね〜」

 

「テメェ、ふざけんなー!!」

 

ヤミーは斬魄刀を取り返そうと女に向かって手を伸ばすが、女は素早い動きで躱す。その後も無我夢中で拳を振るうが女は顔色一つ変えず、ニタニタした表情で躱し続ける。

イラついたヤミーは今度は両手に霊圧を固めて虚弾で攻撃するが、女はそれさえも素早い動きで躱し続ける。

 

「チョロチョロ逃げ回ってんじゃねェー!!」

 

逆上したヤミーは口を開け虚閃を放とうとする。十一刃の虚閃が直撃すればタダでは済まないだろう。……だがその行動がいけなかった。

 

「だからァ、遅いって言ってるじゃん!」

 

女はヤミー目掛けて突っ込んできた。ヤミーは虚閃を放とうとするが時すでに遅し。

女はヤミーの顔の近くを素通りするとそのまま砂地に着地。するとヤミーの口に溜めていた霊圧が消えていき、そのままヤミーはうつ伏せになるように前に倒れた。

ルキア達は一瞬のことでわからなかったが、よく見るとヤミーの首から血が流れていた。そして女の体から伸びているツタの先にある刃には血がついていた。女はすれ違う瞬間にヤミーの頸動脈を斬り裂いたのだ。

 

「あれ〜、もう終わりィ?やっぱり見かけだおしだったか。つまんないのォ」

 

女は全然満足できないのかブツブツも小言を言っている。そしてルキア達3人の方へ顔を向けた。

 

「じゃあ今度はアンタ達が相手をしてねェ」

 

女は気味の悪いニタニタ顔でルキア達にへと足を歩かせた。

ルキア達には若干恐怖があった。十一刃の最下位とはいえ意図も簡単に倒してしまったのだから。一歩、また一歩と近づいていく。

 

そんな時女は何かを感じ取ったのか飛び上がると、女がさっきまでいた場所に何かが飛んできて物凄い砂埃を舞い上がらせた。女は少し離れた場所に着地した。

ルキア達はまた何か来たのかと警戒した。砂埃が晴れるとそこにはレイピアを持った瞳が黄色でピンク色の髪をした女性がいた。第0十一刃の従属官にして側近の1人でもある良田胡蝶である。そして胡蝶はヤミーを倒した女の方へと体を向けた。

 

「あらァ、久しぶりじゃない。胡蝶」

 

「本当に久しぶりだな。ミストルティ。それとも樹海と言った方がいいか?」

 

胡蝶の口から女の名がミストルティンと判明した。因みに樹海とは彼女の二つ名である。

 

実は彼女はデストロイヤーの従属官であったが、主人であるデストロイヤーの最大の掟…「他の従属官に手を出さない(殺さない)」と言うルールを破り掛けたのだ。

 

最初はメカ人間などのロボット兵だけだったので注意しただけで終わったが、その後も辞めるどころか段々エスカレートしていき、遂には数字持ち(ヌメロス)を手に掛けたのだ。

流石に目を瞑る事が出来なくなった為何とかしようとしたのだ。しかし彼女は自分の従属官には手を出していない、つまり掟を破っていない為殺す事が出来なかった。だがこのまま野放しにしておく訳にもいかなかったので宮の下には地下牢獄を作り、そこに閉じ込め結界を貼り幽閉していたのだ。

 

「どうやって出てきたんだ?結界によって出る事は出来なかった筈だ」

 

「それはね〜、いきなり結界が弱まったからそれを壊したってわけ。でも如何して結界が弱まったのかはアタシも知らないけどね〜」

 

実は結界が弱まったのは天蓋の上での一護とウルキオラの戦いが原因である。2人のぶつかり合う膨大な霊圧に当てられ結界が弱まってしまったのだ。

 

「(あの死神(俗物)とウルキオラの戦いで結界が弱まったのか…)だがこのまま貴様を野放しにするわけにはいけん」

 

「へぇ〜。だったらどうするっての〜?」

 

「お前は此処で…私が倒す!」




ヤミー解放せずに即退場!
だってしょうがないじゃん!!
オリ主が0だから、原作のように解放して数字が変わる訳にはいかなかったので殺すのに最も最適だと思うこの方にやられました(笑)

次回は胡蝶とミストルティンのバトルがメイン?になると思います。それでは次回までお元気で(まだ終わりじゃないよ)

高評価や感想待ってます。


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37話 胡蝶危うし 絶望の罠

お待たせしました。
最近ポケモンにまたハマり始めてしまった為中古屋に行って買ってきたのでそればかりやって手が付きませんでした、すみません!

今回はミストルティンと胡蝶の戦いが始まるところからスタートします。そして最後の最後で胡蝶がピンチに!?

それではどうぞ。


「アタシを倒す?そんなこと出来るの、アンタにィ〜?それにアタシを倒したらボスが悲しむんじゃないィ〜?」

 

ミストルティンは胡蝶に皮肉粧すように言った。

確かにミストルティンは上級幹部クラスの実力を持っている。その上、部下を大事に思っているデストロイヤーなら部下が死んだら悲しむのも考えられる。

 

「フン、私を甘く見ると痛い目にあうぞ。それにお前を倒す事はデストロイヤー様からは許可を頂いている。だから心配するな」

 

だが全く動じずミストルティンを睨んでいた。

ミストルティンは敵味方問わず無差別に殺すため幽閉された。だからもしその牢から出てきたら構わず倒す事を許可してあったのだ。

 

「あっそ。でもいいのぉ。アンタ1人でアタシを相手にするなんてェ。何ならあそこにいる3人にも手伝ってもらえばいいのにィ〜」

 

「……あの俗物(黒崎一護)とウルキオラの戦いのせいで気づかなかったとはいえ、お前の脱獄を許してしまった。そしてあの場にいた者達も死なせてしまった。これは全て私の責任だ。だから……私1人でお前を倒す!」

 

「ヘェ〜。1人で倒すなんて大きくでたわねェ。でもアンタが私に勝てるとでも思ってるの?」

 

ミストルティンの実力は幹部の中ではトップクラスで、上級幹部に匹敵する程の力は持っている。胡蝶の実力は上級幹部レベルではあるが戦闘面においてはミストルティンの方が上である。

正直言って胡蝶がミストルティンに勝つのは厳しいと言っても過言ではないだろう。

 

「何時迄も昔の私だと…思うな!!」

 

胡蝶は持っていたレピアを強く握り構えるとミストルティンに向かって突撃する。対するミストルティンは蔓のような触手の先端を刃に変える。そして二つの刃がぶつかり合い物凄い衝撃を与えた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

胡蝶とミストルティンが戦闘を繰り広げる中ルキア達はその光景に釘付けになっていた。

 

「何だ彼奴は?仲間ではないのか?」

 

「分からない。だが見るからに敵対しているようだ」

 

「だがよこれはチャンスじゃねェか?あの姉ちゃんと一緒に戦けェばあいつを倒せるんじゃねェか?」

 

恋次の言葉にルキアと茶渡は驚くが直ぐに考え込む。

今胡蝶と戦っているミストルティンは1最下位といえど十一刃の1人をあっという間に倒してしまったのだ。つまりその実力は十一刃に等しいといえる。確かにここで胡蝶と一緒戦えばミストルティーを倒せるかもしれない。

 

だがもしミストルティを倒したとしても問題はその後だ。

胡蝶はデストロイヤーの従属官にして側近の1人。自分達の敵である立場に変わりはないのだ。かと言ってこのままただ見ていると言うわけにもいかない。どうしたらいいのか。

 

「近づかない方がいいぞ」

 

考えていたら突如後ろから声を掛けられ、ルキア達は後ろへ体を向けた。そこには胡蝶と一緒にいたチルッチと最上級幹部達がいた。

再び敵が現れたと思いルキアと恋次は斬魄刀を、茶渡は腕を構え戦闘態勢をとるがスフィンクスが右手のひらを前に出した。

 

「待ちなさい。別に私達は貴方方と戦いに来た訳ではありません」

 

「何?どういう事だ?」

 

「言葉通りの意味です。私達は戦う気は無いと言っているのです」

 

スフィンクスの言った言葉には嘘をついているようなには感じられなかったので、3人は剣や拳を下ろした。

 

「…ありがとうございます」

 

「だがその言葉を信じた訳ではない。もし変な動きをしたら容赦無く貴様らを斬るぞ」

 

「その時は貴様らの好きにするといい。」

 

「……貴様らに一つ聞きたい事がある。あの白髪の女と戦っている女、あの2人はなぜ戦っている?仲間ではないのか?」

 

「……いいでしょ。教えてあげましょう」

 

スフィンクスはミストルティンが何故胡蝶と戦っているのかを説明した。

2人が戦っているの理由は勿論の事、ミストルティンが幽閉されていた事、その実力の事も説明した。

 

「仲間を平気で殺す上に、十一刃に等しい実力の持ち主…」

 

「そう。だから君達じゃ絶対相手にならないと思うよ。下の方の十一刃や十一刃落ちの連中に苦戦するくらいなんだもんねェ」

 

3人にワイバーンの意見に対して顔をしかめたが事実である。

茶渡は十一刃落ちのガンテンバイン・モスケーダに覚醒した悪魔の左腕(ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ)によって勝利したが、それがなかったら難しかっただろう。ルキアは第9十一刃アーロニーロと相打ちに終わり、恋次に至っては第8十一刃のザエルアポロに石田と2人掛りで挑んだが結果は惨敗である。涅マユリが来なければどうなっていたことか。

そんな中チルッチだけは何か浮かない顔をしていた。

 

「何であいつ(デストロイヤー)はアタシにそんな奴の事黙ってたのよ」

 

「それは恐らく貴方を想っての事だったのでしょう。何も知らない貴方がもし彼女(ミストルティン)に会ってしまったらどうなるか、今の話を聞いてわかる筈ですよ」

 

もしデストロイヤーの従属官になったばかりのチルッチがミストルティンに出会ってしまったら、間違いなく瞬殺られていただろう。その事は話を聞いてチルッチ自身よくわかっている事であろう。

だがやはり教えてもらってなかった事に納得がいかないようで頬をプクッと膨らませている。

 

「しかし、それなら彼女を助けなくていいのか?」

 

ミストルティンの事を聞き茶渡が最上級幹部達に質問をする。

 

「戦いを見るからに彼女の実力もあのミストルティンという奴に引けを取らないと思うが、(ミストルティン)の実力は十一刃に匹敵すると言った。だったら彼女が危ないんじゃないか?」

 

先程から2人の戦いを見た中で胡蝶の実力も確かだがミストルティンも十一刃に匹敵する実力を持っている。従って1人で戦わせるのは、無謀と言うほどではないが危ない可能性がある。

 

「……確かにそうかもしれません」

 

「だったら「しかし加勢する事は出来ません」ッ!?」

 

下手すればこの戦闘で彼女(胡蝶)が死ぬかもしれないと言うのに加勢はしないと言う。それにはチルッチも驚愕の表情をしている。

 

「ちょっとそれどういう事よ!?あいつ(胡蝶)を見殺しにする気なの!?」

 

胡蝶は自分達の主人(デストロイヤー)の側近の1人であり自分達の上司でもある。そのような者を見殺しするような事に納得がいかないチルッチ。

況してや彼女(胡蝶)が死んだらデストロイヤーが悲しむだろう。そんな悲しむ姿を見たくないのだ。それは勿論最上級幹部達も同じ気持ちだろう。

 

「そんなつもりはない。しかし加勢する事は出来ない」

 

「だったらどうして「何故なら」…ッ!?」

 

「何故ならそれはーーーーーーーーあいつ(胡蝶)の意思だからだ」

 

「どう言うこと?」

 

「…彼女は今回ミストルティンを脱獄させてしまったのは自分の所為だと。だからその責任として1人で戦うと言ったのです」

 

主人であるデストロイヤーが不在の上、もう1人の側近である友子もデストロイヤーと共に現世に出向いている。つまり現在第0十一刃関係の中で一番の権力があるのは胡蝶である。

だからミストルティンを脱獄させてしまった責任を1人で背負うつもりなのだ。

 

「……それでアンタ等はいいのかよ。あの女が殺れちまってもよ?」

 

「勿論その時には間に入るつもりだ。だがそれまでは我々は手出しはしない。デストロイヤー様がいない今は……(胡蝶)が戒律だ」

 

デストロイヤーが不在の今一番権力を持っているのは側近の1人である胡蝶だ。だからその彼女の命令は絶対だと言う。

それはボスであるデストロイヤー本人から言われている事なので他の者達は一切文句を言わない。

 

「そう言う事。だからさ、君達も2人の戦いに水を差すような事をしないでね」

 

ルキア達3人とチルッチ、最上級幹部達は再び胡蝶とミストルティンの戦いに目を向けた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「クッ……」

 

「あれあれェ〜。さっきまでの威勢はどうしたのぉ?随分息が上がってるじゃない」

 

胡蝶は自身の武器のレイピアで攻撃しようとするがミストルティンは体から伸びるつる状の触手の先を鎌みたいに変形させ斬りつけてくる。胡蝶は躱し続けるがその時、地面からさらに一本の触手が飛び出してきてので慌てて回避したが、直後にミストルティンが目の前に現れ腹に強烈な蹴りをお見舞いした。胡蝶はそのまま砂地に落下し砂埃が上がった。

遠距離と近距離の両方を得意とするミストルティンに対し胡蝶はあまり遠距離戦は得意でないため、完全にミストルティンの方が部があるのだ。

 

「所詮アンタは口だけの奴だったてことね」

 

「まだ勝負は始まったばかりだ」

 

胡蝶はレピアを構えるとその先からイナズマが発生し収縮されていく。収縮されたエネルギーは丸く黄色いボールのような形になった。

 

「『ライトニング・ボルト!』」

 

そしてレイピアを前へ突き出すと、電気のエネルギーはもの凄い勢いでミストルティン目掛けて発射された。

その威力にルキア達は驚愕する。流石側近だけあって威力も桁違いである。だがミストルティンは涼しげな表情で余裕そうであった。

 

電撃がミストルティンに直撃する瞬間、砂地から無数の茨の蔓が出現しミストルティンを守るかのようで盾みたいに電撃を受けた。

 

電撃は蔓が盾になったためミストルティン迄には届かなかった。戦闘スタイルだけではなく相性も悪い為胡蝶が明らかに不利である。

 

「そうね。そうでなきゃ面白くないわよねェ。もっとアタシを楽しませてよ」

 

盾になった無数の蔓が一斉に胡蝶に襲いかかった。胡蝶は躱しながらレイピアで蔓と次々と斬り裂いていく。

だが斬られればミストルティンが新たに蔓を出し再び攻撃してきた。

 

「くッ(キリがない。このまま続けていても遊びに体力を減らすだけだ。ここは一気に間合いを詰めるしかない)」

 

砂地に足をつけると胡蝶は意識を集中させると、レイピアから電撃が走りそのままレイピアに纏わせた。そして構え直し狙いをミストルティンにへと定めた。

 

「『ライトニング・アタック!』」

 

胡蝶は砂地を思いっきり蹴り、そのまま蔓の中にへと突っ込んだ。ミストルティンは胡蝶を返り討ちにしようと無数の蔓を伸ばす。しかし電撃を纏ったレイピアの威力に蔓は返り討ちに合わされドンドン飛ばされていく。

 

そして蔓を全ての消し飛ばしミストルティンにレイピアを突き立てようとするが、再び触手の先を鎌に変形させて攻撃を受け止める。だが受け止めたとはいえ威力が強いせいか、完全に受け止めなれない為次第に後退りし始めた。

 

ミストルティンも顔に余裕が無くなったのを見て胡蝶は“よし、いける“と思った。

 

「な〜んていくと思った?」

 

しかしそれは間違いだった。ミストルティンの口がニヤリと笑った瞬間もう一本大きな蔓が出現し胡蝶を吹き飛ばした。

 

そして追撃をかけるようにミストルティンの背後に、無数の先が尖った紅い根っこのようなものが現れ、一斉に胡蝶目掛けて放たれた。

 

空中でバランスが取れない状態のため防ぐことができず攻撃をモロにくらってしまいそのまま砂地に落下した。

 

「確かに以前のアンタに比べたら強くなったわ。そこは認めてあげる。でもォ〜、アタシからすればそんな大差はないのよ!」

 

「くっ」

 

砂埃が上がる中胡蝶はレイピアを突き立て何とか立ち上がったが、体からは血が流れ息が上がっていた。

 

「これで終わりにしてあげる」

 

ミストルティンは何かを砂地へ吹き飛ばすと、そこから巨大な花の蕾が現れた。そしてその蕾は胡蝶目掛けて襲い掛かってきた。

胡蝶はマズイと思い上空へと回避するが花は器用に軌道を変え、そのまま胡蝶を包み込んでしまった。

 

「何だ!?あのデケェ蕾は?」

 

ルキア達は驚いている中恋次が声を上げた。それを見たミストルティンは不敵な笑いを浮かべ口を開いた。

 

「あれはねェ、絶望の蕾よ」

 

「絶望の…蕾」

 

「あの中には絶望しか存在しない。自分が最も恐る絶望を見せるのよ。でもねェ、それはアタシが幻想で見せているわけじゃないの。自分の奥底に眠っている絶望なのよ」

 

「あの蕾に閉じ込められたら最後、自分の絶望に押し潰されて勝手に潰れてくれるって訳、ハハハハハ」

 

ミストルティンは無邪気な子供のように高笑いをする。その笑い声が静寂した虚夜宮に響いた。




戦闘シーンを書くのは本当に難しいです。締め切り間近な作家の気持ちがわかるような気がします。

絶望の蕾に閉じ込められてしまった胡蝶の運命やいかに!次回を待つのだ!

あと1話くらいは今年中に投稿したいと思っています。
宜しければお気に入り登録お願いします!


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38話 絶望を超えて

皆様お待たせしました。私の作品今年最後の投稿です。

今回は胡蝶とミストルティンのバトルに決着がつきます。絶望の蕾に閉じ込められ悪夢を見せられ絶望する胡蝶。そんな彼女前に現れたのは……。

グダグダ感があるかもしれませんが楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ。


暗い暗い一筋の光も入らず音もしないまるで闇の様な空間。そこで胡蝶は薄れ気味の意識の中目を覚ました。

 

「(ここは…何処だ……確か私はミストルティンと戦って………ッ!そうだ!)」

 

思考が薄れていたため思い出すのに少し時間が掛かったが、胡蝶は自分が今置かれている状況を把握した。

 

「(と言う事はここはあの蕾の中なのか。何とかして脱出しなければ…何だ?)」

 

突如目の前に一筋の光が差し込んできた。その光は段々強くなっていき、あまりの眩しさに手で隠した。そして光が収まるとそこは自分達の宮の訓練所であった。

 

「(ここは私達の宮。どうして此処に?ーーーッ!?あれは……)」

 

そしてそこには主人であるデストロイヤーがチルッチの訓練をしていた。

チルッチは以前に比べて帰刃状態を保てるようになり、技の斬れ味も上がっている。今ではその実力は上級幹部クラスに等しいものとなっているだろう。

 

『チルッチさん、最近の貴方はよく頑張っていますね。実力も段々上がってきてますし、素晴らしいの一言につきますよ』

 

『当然でしょ。アタシが本気を出せばこれくらい軽いわよ』

 

『そこで提案なのですが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………胡蝶さんの代わりに私の側近になってもらいたいと思います』

 

「…えっ…」

 

それは胡蝶にとって信じられない、信じたくない言葉だった。

 

『胡蝶さんも実力は申し分はないのですが、あまり伸びる傾向がなくて。チルッチは今では上級幹部に入れる程の実力になってきましたからね。そこで上級幹部と同じくらいの強さになったチルッチ、貴方に胡蝶さんの代わって私の側近を務めてもらいたいのですよ』

 

『成る程ね。良いわよ、私があいつ(胡蝶)の代わりになってあげる』

 

『そうですか?ありがとうございます』

 

チルッチはデストロイヤーの従属官になってからほぼ毎日のように特訓を頑張っている 。今では自分とほぼ同じくらいの実力で更にはデストロイヤーが自ら従属官にした人だから側近になる可能性もある。

だがそれが自分の代わりになる。その経緯から辿り着く答えそれはーーーーーーーー私はもう要らないっと言う事。そう思うと目から一粒の雫が流れ落ち、体が震えていた。

 

「……こ、これはあいつが見せている事だ。だがら幻だ、本当の事じゃない」

 

胡蝶は今見ているのはミストルティンが見せて幻惑だと自分に言い聞かせ震える体を落ち着かせようとする。

 

「デストロイヤー様が私にあんな事を言うはずが『本当にそう思っているの?」……何!?」

 

突如声を掛けられ胡蝶は後ろを振り向くと少し離れたところに人影の様なものが見えたが、辺りが暗いので顔がよく見えなかった。その人影が足を踏み出しこっちに近づいてきた。一歩また一歩と近づいてきて漸く顔が確認できるくらいまで近づいてきたが胡蝶は驚愕した。

それは何と自分にソックリな顔をしていたからだ。

 

「な、何者だ、貴様!」

 

『私は…お前だ』

 

自分にソックリな奴は自分だと言う。

 

『しかし、お前も随分とおめでたい奴だな。まだ(デストロイヤー)の事を信じているとは』

 

「……どう言う事だ…」

 

『…デストロイヤーも本当はお前の事を厄介者だと思っているんじゃないのか?』

 

「ッ!!そ、そんな事ない。デストロイヤー様がそんな事思っているはずがない!」

 

『そうか?だったら何故現世に行くのにお前は連れて行かなかったんだ?同じ側近である友子は連れて行ってもらったのに…』

 

「そ、それは……」

 

確かに藍染の命によりその副官、自分も合わせ上位4人の十一刃、そしてその従属官を現世に連れて行くと言った時、デストロイヤーは友子と数人の幹部クラスを連れて行くと言った。

 

その事に最初は納得がいかず自分も連れて行ってほしいとお願いした。だが「胡蝶さんには私が不在の間此処(従属官達)の指揮を任せたいのです。彼らの事…頼みますよ」と言われたので納得した。

 

『それは貴様を信頼していないと言う事じゃないのか?』

 

『その通りですよ』

 

すると自分とは違い、その上自身が心から信頼している声が聞こえたので伏せていた顔を上げた。もう一人の自分の隣に主人デストロイヤーがいた。

 

「…デ…デストロイヤー…様…」

 

『貴方も勿論頑張っているのは分かっています。しかし、その結果が出せないのならば私の側近失格です。だからーーーーもう貴方はいらないのですよ」』

 

その言葉を聞いて胡蝶は全身の力が抜けたように崩れ落ちた。

無理もない。自分が心から信頼している者に「いらない」などと言われたら誰だって悲しむ、寧ろ悲しむなと言う方が無理と言うものだ。

 

 

 

 

ーーーーデストロイヤー様は…もう私を必要としていない…そんな……ーーーーならもうどうなってもいい。デストロイヤー様に必要とされていないなら生きている意味なんてない。

 

 

 

 

悲しみのあまり崩れ落ちた胡蝶ーーー目から涙が流れており、瞳にはハイライトが消えていた。心が砕け散り絶望に染まろうとしていたその時ーーーー

 

 

 

 

 

『しっかりしなさいよ!!』

 

突如チルッチの声が聞こえた。

 

『アンタが今どうなっているかはなんて知らないけど、こんな所で終わるような奴じゃないでしょ!だからさっさとそんな所出てきなさいよ!!』

 

『そうですよ、胡蝶さん』

 

後ろから突如声がしたので振り返ると、そこにはデストロイヤーが立っていた。

 

『確かにチルッチさんの実力は貴方と同じくらいになってきた。でもそれで貴方を捨てるなんて事はしませんよ。私がそんな非道な事をする奴だと思いますか?』

 

「と、とんでもありません。デストロイヤー様がそんな事をするなんて思っておりません」

 

『なら良かった。私は従属官達、皆の事を大切な存在だと思っています。その中でも貴方達側近は特に大切にしているんですよ。だからそんな貴方を悲しませるような事言うわけなじゃないですか』

 

胡蝶は目から再び涙が溢れてきた。しかしそれは先程のような悲しい涙とは違う。己が最も信頼する主人から大切な存在と言われた事に対するは嬉しさからきた涙である。

 

『胡蝶さん…貴方はまだ自分の真の力を使いこなしていなんです』

 

「真の力…私の…」

 

『そうです。貴方の真の力はこんなものじゃないはずですよ。自分を信じてやってみなさい。…私はいつも貴方を応援していますよ』

 

それを言うとデストロイヤーは薄くなっていき消えてしまった。今のは幻だったのか、本物だったのかはわからない。だが今の感覚は本人と話しているのと同じ感じがあった。

 

「(私にも可能性があるのなら……デストロイヤー様…貴方に言われた通り…自分を信じます!)」

 

胡蝶の目には強い意志が込められた。そして目を閉じ意識を収集させ始めると、体から雷が走り出した。だがその輝きは黄色から段々色を変え水色ぽくなっていった。

そして雷は胡蝶を中心に辺り一帯を包み込んだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

胡蝶が蕾に閉じ込められている頃、外ではーーーーーー

 

「ハハハハハー……じゃあ次はアンタ達の番ね」

 

ミストルティンは足を進めルキア達にジリジリと近寄ってきた。

チルッチとルキア達3人はやや後退りする。

 

「調子こいてんじゃないわよ。あいつ(胡蝶)が簡単にくたばる訳ないじゃない」

 

「無駄よ。あの蕾に閉じこれられたら最後、あいつはもう終わりなのよ。でも心配しなくても大丈夫よ。アンタ達もすぐにあいつと同じように死ぬんだから、アハハハ」

 

「くっ、ちょっとしっかりしなさいよ!!アンタが今どうなっているかはなんて知らないけど、こんな所で終わるような奴じゃないでしょ!だからさっさとそんな所出てきなさいよ!!」

 

チルッチは大声で叫ぶが蕾にはなんの変化も見られないでいた。

 

「無駄無駄。幾ら大声出そうがあの中から自力で出られるはずな「それはどうかな?」ッは?」

 

「……後ろをよく見てみろ」

 

ミストルティンは言葉の意味がわからないまま言われた通り後ろを向いた。すると自分にとってありえない光景が飛び込んできた。

蕾から雷のようなものが走ると突如大爆発を起こした。

その中から、まるで電気を纏っているかのように身体中に青い電気を走らせている胡蝶が現れた。

 

「そんな…あの【絶望の蕾】から自力で出てくるなんて……何でアンタにそんな事ができるの…」

 

「言った筈だ。いつまでも……昔の私じゃない!」

 

その目にはさっきまで以上の強い意志が込められているみたいに真っ直ぐな瞳をしていた。

 

「ーーーー調子に乗ってんじゃないわよォォ!!」

 

見下された態度をとられた事で逆上したミストルティンは、砂地から無数の薔薇の蔦を出現させ一斉に胡蝶に向けた。

だが胡蝶は顔色一つ変えず目を瞑りその場を動こうとしない。

 

ミストルティンは完全に舐められたと思い自分も蔦に合わせて突っ込んだ。距離が数センチまで近づいた次の瞬間ーーーー胡蝶の周りに青い稲妻が走り近づいていたミストルティンと蔦は巻き込み、あまりの威力に吹き飛ばされた。

 

胡蝶はその隙を逃さなかった。レイピアの剣身の部分が鞭のようになり、それがミストルティンにへと伸びると巻き付いて捕縛した。

 

「何よ。こんなモンーー」

 

ミストルティンは何とか脱出しようとしたが、強く巻き付いているため抜け出すことができない。

 

胡蝶は体から電気を走らせると、それが持っていた柄を伝わって鞭にへと流れていき、そして巻き付かれていたミストルティンに直撃した。

 

「アァァァーーーーー!!」

 

あまりの威力の電撃に悲鳴をあげる。攻撃の中ミストルティンは戸惑っていた。技の威力、スピード、テクニック、さっきまで戦っていた胡蝶とは明らかに違う。蕾に閉じ込められていた短時間で一体何があったのか。

そして電撃が止むと縛っていた鞭が解け砂地へと崩れ落ちた。

 

「(このアタシが…あんな奴(胡蝶)にこんな深手を負わされるなんて)」

 

ほんの少しまで完全に自分が優勢で勝利したと思われたのに 、一気に立場が逆転してしまっている。格下だと思っていた奴にここまでされた事にプライドはズタズタ、もう今の彼女に「遊び」なんて感情はないようなものだった。

 

「調子こいてんじゃないわよ…このクソアマがァァーー!!」

 

完全に逆上しミストルティンを中心に衝撃波のような風圧がその周りにいた全ての者達を襲った。ルキア達はその風圧で吹き飛ばされないように体に力を入れるが、胡蝶は顔色一つ変えずその場に立ち尽くしていた。

 

ミストルティンは触手の先端を刃に変形させ胡蝶にへと突っ込む。胡蝶はそれを躱すと、さらに激怒し無情にも刃を振り回し続ける。

しかし逆上して冷静さを失い単純な攻撃になっているため何度振り回しても当たらない。それによってさらにヒートアップするがただ無駄に体力が減っていくだけであった。

 

「こんな…こんな事があるはずがないわ。このアタシが…アンタ如きにィィーー!!」

 

さらに触手をもう1本だし2本になると超高速で動きで胡蝶の前にへと移動振り下ろす。胡蝶はレイピアで2本の触手を受け止める。

 

「このまま終わりにしてあげるわ」

 

力を強めトドメを刺そうとする。その顔は狂気じみていた。今のミストルティンには胡蝶を殺すという事しかないのかもしれない。

 

胡蝶のレイピアに再び青い稲妻が走り力が増す。そしてミストルティンの触手は掃いのけられ、胡蝶はそのまま状態のまま勢いに任せてレピアをミストルティンを斬りつけた。

 

「ただ殺す事しか考えないお前にーーー私は負けない」

 

そしてもう一度レイピアを振り翳し左右逆から斬りつける。斬られた後は×の形のようになった。

 

「あぁぁーーー!!」

 

ミストルティンは断末魔を上げ、その体は花弁となり散り消滅した。

 




胡蝶の電撃の攻撃はアニメ「ウルトラ怪獣擬人化計画」のエレキングの攻撃を参考にしました。

今年もいよいよ終わりですね。来年も頑張っていきたいと思います。お気に入り登録お願いします。

それでは皆さん、良いお年を。


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39話 堅物と騎士 戦闘狂とドラゴン 主人公一行現世へ

お待たせしました。今回で虚圏での出来事は一旦終わります。タイトルに書いてある通り原作とは違くなるのでご賞味ください。

今日でこの作品も2年目に突入しました。これも応援してくださる皆様のおかげです。予想では今年中に終わるかなっと思っています。

それではどうぞ。


黒崎一護とウルキオラの戦いによって牢獄から脱獄したミストルティン。それを止めるためにデストロイヤーの側近の1人胡蝶が出るが、「絶望の蕾」に閉じ込められてしまう。

その中で絶望しかけたがチルッチとデストロイヤー(本人ではない)の呼びかけによって新たな力に目覚め脱出に成功。

そして新たに手に入れた力でミストルティンを圧倒し激闘の最中ミストルティンを倒す事が成功した。

 

戦いが終わると胡蝶は崩れ落ちそうなった。それをティターンが動いて受け止めた。

 

「大丈夫か?」

 

「あぁ、問題ないん少し疲れただけだ」

 

「全くもォ、あんな奴に一々手間取ってさ!!ーーーー心配させるんじゃないよ。

 

「ん?チッルチ、今何か言った?」

 

「ッ!?な、何でもないわよ!!」

 

ワイバーンの質問に声を荒げるチルッチ。実はこの場にいる誰よりも胡蝶の事を心配していたのだ。揶揄われてイラつく事も結構あるが、デストロイヤーの次に長い付き合いと言っても過言ではない。

 

そんな中ルキア達は未だに緊迫感を解かないでいた。戦っていた相手を倒した今次は自分達の番かではないかと。

先程戦うつもりはないと言っていたがそれを素直に信じられないのだ。

 

その事にいち早く気づいたスフィンクスが少し前に足を出す。

 

「心配せずとも我々は貴方方とは敵対はしない。そう言ったはずです」

 

「だが貴様は十一刃の部下っと言った。つまり藍染の配下の者の部下。我らとは敵対にある」

 

「あぁ、そうだ。敵の言葉を素直に聞けって言うのは無理な話だぜ」

 

恋次が言う事は最もである。幾ら「敵対するつもりはない」と言えども、敵の立場である者の言葉を素直に信用できると言えば無理な話だろう。

 

「…確かに。では敵対しない証拠に今から貴方方をーーッ!?」

 

スフィンクスは上の方から気配を感じると、天蓋の上から1人の人影がルキア達と胡蝶達の間に降り立った。

 

「一護!」

 

それは先程まで天蓋の上でウルキオラと激しい戦闘を繰り広げた黒崎一護であった。

 

「ルキア、茶渡、恋次みんな無事か?」

 

「あぁ…」

 

「何とかな…」

 

「俺がそう簡単にくたばるかよ」

 

一護はルキア達が無事な事に一先ず安心した。後ろに目をやると胡蝶含め最上級幹部達を睨みつける。 そして振り返り刀を向け構える。

 

「テメェら、何モンだ?見た所破面じゃなさそうだが……藍染の仲間か?」

 

「……もしそうだとしたら?」

 

「だったら……ここで倒す!」

 

「……何か勘違いをしているようですが、其方の3人にも言いましたが私達は貴方方と敵対するつもりはありません」

 

「…その言葉を信じられると思うか?」

 

一護もやはりルキア達と同じ質問をする。ドレイクとワイバーンは何度も同じ質問をされウンザリしていた。

 

「ですからその証拠に今から貴方方を現世にへとお送りしましょう」

 

「何!?どういう事だ!」

 

その言葉に一護だけでなく、後ろにいたルキア達3人も驚いた。

 

「貴方方は藍染を倒したいと思っている。そうですよね?」

 

「……そうだ」

 

「ですが、その藍染の策略により4人の隊長格の者達が通って来た黒腔(ガルガンタ)を閉鎖され現世に向かう事ができないのですよ?」

 

「あぁ…その通りだ」

 

「だから我々は貴方方が藍染を倒す事に協力しようと言うのです」

 

その言葉に一護達は目を見開いた。自分達のボスである藍染を打ち取る、つまり倒す事に協力すると言うのだ。

 

「何でお前らが藍染を倒す事に藍染はお前らのボスだろ?」

 

ボスである藍染を倒す事が信じられないと言う。嘗て恋次や日番谷達が現世で戦った破面の中に藍染への反逆を企てた者達がいた。崩玉を使い自分達が虚圏の、世界の支配者になろうとした。結果は言わずとも失敗に終わる。元々持ち出した崩玉も偽物であったためどちらにしても失敗していただろう。

だが目の前にいる者達の主人は十一刃の1人、その上現十一刃のトップである(一護達はその事を知らない)。反乱を起こせば藍染を討ち取る事も可能であろう。だがどうにも信じ難かった。

 

「……確かに藍染は我らがボスの主人ととも言える存在だ。しかし我々が仕えると決めたお方は藍染でなく、我が主人デストロイヤー様ただ1人だけだ。だからその命令で貴様等を現世にへと送る」

 

ダゴンがその場にいた者達を代表して答えるが、敵である者の言葉を信じられず未だにピリピリした空気が流れる。

 

「信じてあげよう黒崎君」

 

すると上から織姫が石田と一緒に降りて来た。

 

「井上、石田。なんで?上で待ってろって言ったろ?」

 

「ごめんね黒崎君。私が石田君にお願いしたの。ーー心配だったから」

 

「僕が君の言うことを素直に聞くと思うかい?少なくとも君よりは万全な状態だと思うよ。ーそれにあんな事があった後だ。井上さんを心配させたくない」

 

天蓋の上での戦闘中に一護がウルキオラを圧倒した完全虚化の事で2人は仲間である彼の事が心配だったのだ。ルキア達は2人の表情を見てそれを聞くのをやめた。

 

「それより井上、こいつ等のことを信じるって本気かよ。こいつ等は……」

 

「うん、わかってるよ。でもこの人達はそこまで悪い人達じゃないよ。あのヤミーって人が私やあの2人(ロリとメノリ)を殺そうとした時、2人を助けて私を守ってくれたんだよ」

 

ウルキオラとその戦闘の最中突如ロリとメノリが現れて織姫を殺そうとしたが、さらにその最中ヤミーが現れて仲間である2人を吹き飛ばし織姫まで殺そうとした。

その後ロリが解放するもボコボコ殺されそうになったが、最上級幹部達が現れて織姫達3人を助けたのだ。それにウルキオラとの戦いの余波が来ないように守ってくれていた。

 

「だから私はこの人達の言葉を信じるよ」

 

その瞳には普段からは感じられないような強い意志が込められていた。

 

「……わかった。井上が言うなら俺もこいつ等を信じるぜ」

 

「ありがとう、黒崎君」

 

「わかりました。では早速…『散れ、千本桜景義』ッ!?」

 

突如声がしたと思えば無数の桜の花びらが最上級幹部達に襲いかかってきた。

 

「デェェェヤァーー!!」

 

先程は違う声がすると上から人影が現れワイバーンにへと襲いかかる。ワイバーンはご自慢のスピードで躱すと、人影は砂地に勢いよく着地し砂埃が舞う。

 

「白哉、剣八!」

 

「兄様!」

 

その正体は黒髪で凛々しさを漂わせる男、六番隊隊長朽木白哉、反対にトゲトゲした髪が特徴的で厳つい目つきをした男、十一番隊隊長更木剣八である。

 

「な、何でお前ら此処にいんだよ!?」

 

「煩セェなァ。これ以上のんびりしてたらまた訛ってきちまうんだよ。にしても……中々強そうな奴らが結構いるじゃねェか。案外無駄足にならずに済みそうだ」

 

剣八は最上級幹部の面々を見て口元がニヤリと笑う。戦闘狂としての本能を刺激されたのだろう。

 

「待て、2人とも。此奴らに戦う気はねェ!」

 

「そうです兄様。ですから此処は剣をお納めください」

 

一護とルキアは2人を説得する。だが……

 

「……敵の言うことを素直に信じろと」

 

「うっせェゾ。俺が此処まで来たのは戦いてェから来たんだ。それで「戦う気が気ねェ」だァ?巫山戯るなよ。わざわざ此処まで来て何もしねェでいろってのが無理な話だ」

 

……頭の固い者と戦闘狂。やはり人の言うことを聞くような者達ではない。スフィンクスは「どうしたものか」と考えると…

 

「……スレイプニル、ドレイク、相手をしてやれ」

 

…ダゴンがスレイプニルとドレイクに相手をするように言う。

 

「ンン……わかった。ダゴン、お前の頼みなら引き受けよう」

 

「よぉっしゃ!久々に大暴れ出来るぜ!!」

 

スレイプニルは少し考え承諾し、ドレイクは思いっきり戦えると思い迷いなく承諾し前に出る。その様子に胡蝶やチルッチ、他の冥府神達は呆れていた。

 

「お前の相手は私がしよう。私は冥府神の一角スレイプニル。貴様名をなんと申す」

 

「…言う必要はない。これから倒される貴様に言っても無意味だからだ」

 

「……そうか。だが私を甘く見ていると痛い目をみるぞ」

 

白哉とスレイプニルはお互い表情には出さず冷静であった。

 

「ほぉ、テメェが俺の相手か」

 

「俺は冥府神の1人のドレイク。インフェルシアの荒ぶる英雄よ」

 

「荒ぶる英雄ねェ。ちっとは楽しめそうじゃねェか」

 

「それはこっちの台詞だ。俺は退屈してるんだ、楽しませてくれよォ」

 

一方剣八とドレイクの方は互いに戦闘狂なため意見が合い楽しめることを願う。剣八が砂地を蹴り駆け出し剣を振り上げ斬りかかる。ドレイクはその斬撃を持っていた大剣で受け止める。剣同士がぶつかり合った瞬間2人のいる場所が凹みクレーターが出来上がる。

剣八がさらにニヤリと笑いドレイクも鼻で笑う。そして剣を払い除けると大剣で斬りかけ剣八が剣で受け止める。一方が攻め、もう片方が防御すると言う攻防戦が始まる。

 

 

 

 

ドレイクと剣八が戦いを始めた中、白哉とスレイプニルの2人も戦いを始めていた。

 

「破道の四:白雷(びゃくらい)!」

 

白哉の指先から白い雷が放たれる。スレイプニルは右手に持っていた槍で払い除ける。

 

「この程度で私を倒せると思っているのか?いでよ、冥府馬車!!」

 

突如魔導陣が出現し、そこから眼が青い二頭の黒い機械のような馬が引いた馬車が現れスレイプニルは馬車にへと飛び乗る。

 

その馬車は勢いよく白哉にへと向かっていき、すれ違う瞬間スレイプニルが槍を前に突き出す。

白哉は瞬歩で躱すが避けきれることが出来ず左腕に少し掠っていた。

 

「ッ…!?」

 

「その程度で私の攻撃を躱せると思うなよ」

 

馬車は反転し再び白哉にへと向かって行く。白哉は右手のひらを前に突き出しエネルギーを貯める。

 

「破道の七十三、双蓮蒼火墜(そうれんそうかつい)!」

 

先ほどよりも強大な鬼道を唱え放つ。それは馬車にへと直撃し爆発を起こした。その場にいた者は「ヤッたか」と思った。同じく戦っている2人と最上級幹部達を除いては……。

 

なんと爆炎の中から馬の蹄の音が聞こえてきた。白哉は目を細めると馬車に乗ったスレイプニルがいた。

 

 

 

 

「ス、スゲェ……。あの白哉と眼帯外した剣八と互角に戦ってやがる」

 

「兄様の鬼道を食らって無傷だと!」

 

一護は嘗て尸魂界でこの2人と戦っているが、両者ともかなり苦戦した相手だ。況してや剣八はここでかなり苦戦した?が|第5十一刃のノイトラ・ジルガを倒している。実際白哉も第7十一刃のゾマリ・ルルーを難なく倒している。

それなのに今彼等と戦っている者達は2人に引けを取らないと言ってもいいほど互角に戦っている。驚くのを無理はないだろう。

 

「何言っての?スレイプニルとドレイクはまだ全然本気じゃないよ」

 

「何!?隊長や更木隊長を相手にして本気じゃねェだと!?」

 

恋次は自分が所属部隊の隊長、そして嘗て自分が所属し、護廷十三隊最強の攻撃力を持つ部隊の隊長を前にして本気じゃない事に信じられなかった。

 

「あの2人が本気を出した今俺達がいるこの場所もタダでは済まないだろう」

 

ティターンのその言葉にスレイプニルとドレイクの本当の実力を一護達は想像出来なかった。

 

 

 

白哉は瞬歩で攻撃を躱すが、その度に馬車は方向転換し突っ込んでくる。

 

「これ以上の事は無意味に等しい。次で終わらせる」

 

馬車が白哉にへと向かって行くが本人は動こうとしない。そして右手をくるっと回し斬魄刀を上下逆さまの状態にする。

 

「その過信は貴様の傲りだ…冥府神とやら」

 

「ッ!?」

 

「卍解ーー千本桜景厳(せんぼんざくらかげよし)

 

白哉が手を離すと斬魄刀が地面に吸い込まれるように沈んでいき、周りに複数の刃が出現した。それはピンク色に光りだすと無数の桜の花弁となり馬車ごとスレイプニルの周りを包み覆った。

この無数の花弁一つ一つは白哉の斬魄刀の刃の様なもの。相手を無数の花弁で覆い包み身体を切り刻むまさに防御のしようもないーーーーこれが千本桜景厳(せんぼんざくらかげよし)である。

 

ドームのようになっている無数の花弁に包まれこれでスレイプニルも終わりだと思わったが、なんとそのドームの天井を突き破りほぼ無傷のスレイプニルが現れた。そのままスレイプニルは白哉に向かって槍を突きつけるが卍解状態の千本桜の花弁が盾となって防いだ。槍を弾きスレイプニルは距離を取り着地する。

 

「今の攻撃は良かった。流石卍解と言ったところか。しかし相手が悪かったな。デストロイヤー様の最強従属官であるこの私にーー効くと思うか」

 

白哉は全く動じず涼しい顔をしているが、内心では焦りが現れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ドレイクと剣八のところでも戦いが続いていた。

 

「ハァァ!!」

 

ドレイクが口から火の玉を放ち、剣八がいるところを爆炎に包み込まれる。ドレイクは鼻で笑うがその爆炎の中を剣八は飛び出し突っ込んで来た。

 

反応が遅れたドレイクはそのまま斬魄刀で斬りつけなれるが、その頑丈な鎧には傷一つつけられないていなかった。

 

「へッ!テメェ中々やるじゃねェか。死神で俺と渡り合える奴がいたなんてよォ」

 

「そう言うテメェもなァ。嬉しいぜ、こんな骨がある奴がまだいるなんてよォォ。こんなに楽しい感覚は本当に久々だぜ」

 

「俺もだ。ここまで楽しめたのは久しぶりだ。だからもっと楽しもうぜ。互いにヨォ!」

 

「あぁ。もっともっと楽しもうぜェーードレイク!!」

 

剣八がドレイクの名を叫ぶと再び突っ込んでいき斬魄刀を振り上げる。ドレイクも大剣で振り上げる。そしてお互いの剣がぶつかり合い物凄い衝撃が辺りを襲った。

 

「全く、ドレイクの奴。もう少し手加減をしろ」

 

「しかしあのドレイクに引けを取らない実力とは。…あの死神中々やりますね」

 

「……確かにな」

 

スレイプニルと白哉の戦いは目の前の敵に集中しながらその余波を飛ばさないようにしているが、ドレイクと剣八の戦いは周りにお構いなくただ自分達が楽しみたいだけに大暴れしている。お互いが似た者同士だから尚更タチが悪い。

 

ダゴンはドレイクの戦いに呆れるが、スフィンクスはドレイクと互角に戦う剣八の強さに感心している。

ドレイクは全従属官の中でスレイプニルに次ぐ実力者。デストロイヤーの盾と矛とも呼べるべき存在の者達なのだ。その事にはダゴンも同じようだ。

 

「……さて話が逸れてしまいしましたが、今から貴方方を現世にへと送りましょう」

 

「あぁ…」

 

「おい黒崎、本当にそいつらの言っている事を信じるのか!もし罠だった……」

 

一護が頼む最中、石田は「敵の罠かもしれない」とまだダゴン達の事を疑っている。

 

「俺だって信じちゃいねェよ。けどよ、井上が信じるってェなら俺も信じるぜ。それが……仲間ってもんだ」

 

「…わかったよ、そこまで言うならその答えに賭けるよ」

 

「宜しいですか?」

 

「…あぁ」

 

「では……」

 

パチン

 

スフィンクスは指をパチンッと鳴らすと皆の目の前に黒腔が現れた。藍染や破面でもないのに黒腔を簡単に開いた事により一護達は驚いていた。

 

「この黒腔を真っ直ぐ行けば藍染達がいる空座町につきますよ」

 

「…本当に大丈夫なんだな?」

 

「えぇ、それは保証しますよ。それと今回は我々が足場を作っておきましたので来たの時のように自分達で足場を作る必要はありません」

 

中を見ると確かに虚圏に来る時にはなかった霊圧の足場が真っ直ぐ続いていた。

 

「……よし。みんな藍染を止めにいくぜ!」

 

『あぁ(うん)(おぉ)!』

 

一護達は黒腔の中に飛び込み藍染を止めるため現世にへと向かって行った。




次回なのですがアンケートを取りますので、遅れます。
アンケートは活動報告にあります。皆様のご意見お願いします。


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40話 仮面軍団、冥獣人 襲来

遅くなってすみません。速度制限がかかってしまい資料を集める事が出来なかったので遅くなってしまいました(言い訳)

今回はタイトルから察している人もいると思いますが仮面軍団が登場します。そして冥獣人も2人登場します。
「キャラ紹介したから全員出した」と思ったのですが、ある方から早く「オリ主の活躍を」と感想で書かれたので予定していた人数より少ないですが元々出そうとしていた2人を出しました。

それではどうぞ。



一護達が虚圏で戦闘中、現世では護廷十三隊の隊長と十一刃達の戦闘が繰り広げられていた。

 

3人の十一刃が霊圧を解放して本気を出してから戦いは圧倒的だった。十番隊隊長日番谷はハリベルと、八番隊隊長享楽はスタークと、二番隊隊長砕蜂はバラガンとそれぞれ対峙するが息が上がる中十一刃達は涼しげな表情をしている。

 

日番谷は卍解状態になるもハリベルの斬魄刀から発射させる黄色い閃光「波蒼砲(オーラ・アズール)」に苦戦する。氷の翼で防ぐも接近し追撃を掛けられる所を剣で防御するも、押しきられ後ろにへと吹き飛ばされる。享楽はスタークの素早い動きを躱し続けるがいつものお気楽な表情から分かりにくいが余裕はあまり無さそうだ。

砕蜂もバラガンの前に左肩を抑え息を切らしてる。副官の大前田に至っては瓦礫の下敷きになっていた所をムクッと起き上がった。そのタフさは一人前のようだ。

 

 

 

その光景を、気を失っているハリベルの従属官の前に立っている十一刃でデストロイヤーと従属官である狭霧友子はその3組の戦いを見物していた。

 

「3人共凄いですね。隊長格を追い込んでいます」

 

「そうですね。でも彼らを侮ってはいけませんよ」

 

「…確かに。これだけの力の差を見せつけられているのにまだ彼らの目の光は消えていませんものね」

 

地面に吹き飛ばされ息を切らしている日番谷をハリベルが見下す形で見る。隊長格の力が予想より脆かった事に呆れ一気に終わらせにかかる。

 

討て(うて)皇鮫后(ティブロン)!』」

 

詠唱を唱えると背後に水が舞い上がり翼のような形になる。それがハリベルを包み込み回転しながら逆巻く。

中から白い突起物のような物が水を突き破り切り裂くと帰刃したハリベルが姿を現した。

 

「…ハリベルさんが解放しましたね」

 

「はい。でもなんか凄い格好ですね」

 

…確かに左手に装着されている大剣のような武器、下半身につけているミニスカート、そして両手と両足に履いている物、後胸部分を僅かに隠している部分を除いては殆ど肌をさらけ出している。所謂かなりの露出度である。

これはあまりにも過激すぎるのではないかと思う。

 

日番谷はハリベルの帰刃した姿を見て警戒しているのか動かない。刀を構え冷気のような物が放出する。ハリベルはお構いないし大剣を振り上げ、勢いよく振り降ろすと日番谷の右腕が斬り落とされれ腕はそのまま地面にへと落下する。

 

「あァら、もうアッサリと1人倒しちゃみたいですね。

 

「…いや…そうでもないですよ」

 

その言葉に疑問を持ち上空を見ると一太刀を入れようとしていた日番谷がいた。ハリベルは間一髪躱し大剣を振るうが日番谷もそれを躱す。

 

「どう言う事!どうして無事なの!?」

 

斬り裂いた筈の日番谷が無傷でいる事が不思議でしょうがない。多分その場にいる殆どの者は思う事であろう。

 

「それは…あれですよ」

 

斬られたもう1人の日番谷に罅が入りそして粉々に砕け散った。

 

「あれはッ!?」

 

「そう、氷で作った虚像ですよ。恐らく殆どの者は騙されたでしょ(私も初めて見た時は騙されましたから)。しかしハリベルさんにはあのような手はもう通用しないでしょ」

 

その言葉通り日番谷はハリベルのパワーに翻弄され起死回生の大技を使おうとしたが、いつの間にか負傷し治療を受けている仲間の場所に来てしまった事で日番谷は隙を突かれ破れる。

 

一方バラガンも一気に片付けたくなったのか帰刃する。そして自らの【老い】の力である死の息吹(レスピラ)を使い砕蜂と大前田を戦慄させる。

 

「バラガンも解放したみたいですね。あの姿になったらあの隊長さんと(砕蜂)副隊長さん(大前田)は終わるかもしれませんね」

 

「確かに…あの霧には触れたら最後朽ち果てて死にますからね。私もあの力にはどうしようもないかもしれませんから」

 

再生能力を持っていたとしても細胞そのものを朽ち果ててしまえば復活する事は出来ない。例えそれが不老不死である者でも無理だろう。

 

そんな事を考えているうちに大前田が一人でバラガンと対峙しているが一方的に逃げながら叫んでいる。しかも泣きながら砕蜂に助けを求めている。

 

「情けないですね、あの副隊長。よくあれで副隊長に慣れましたね」

 

「それは同感です。もっと相応しい人材が居たと思うんですけど…」

 

他の副隊長達は例え不利な状況でも決して諦める事なく最後まで戦った。その結果が敗北だったとはいえ「諦めない」この事は評価される。

しかし大前田はどうだろう?自分や他の隊の隊長達以外には大きく踏ん反り返っているような態度いる癖に直ぐに弱音を吐いている。よくこんなのが副隊長をやっている。砕蜂には同情の余地がある。

そんな時突如空が分厚い雲に覆われてた。

 

「何これ…どうして急に雲が…」

 

「これは…ッ!?あれを見てください!」

 

デストロイヤーが指を指したその先には、ハリベルにヤラれたと思っていた日番谷が霊圧を高めしかも砕かれていた氷の翼も再生しまさに完全復活していた。氷天百華葬(ひょうてんひゃっかそう)によってハリベルは氷の中に閉じ込められ身動きが取れない状態に。

さらにはバラガンも砕蜂が卍解した「雀蜂雷公鞭(じゃくほうらいこうべん)」の攻撃によって爆煙の中にへと消える。

 

「ハリベルとバラガンがやられるなんて…あの子達見た目によらず結構やりますね」

 

「伊達に隊長をやっている事はありますね。でもまだ2人はヤラれてはいませんよ。ハリベルさんは氷に閉じ込められ動けなくなっただけ、バラガンさんは…何故あの中にいるのでしょう?」

 

2人共元最上級大虚(ヴァストローデ)。あの程度でくたばりはしない。しかしハリベルは身動きが取れない状態だが、バラガンに関しては無事なのに何故あの爆煙の中から出てこないのか分からない。

 

「デストロイヤー様は行かれないのですか?」

 

確かに今動ける十一刃は自分を含めて約二名。護廷十三隊のメンバーも半数以上が体力を消費しているが、残っている人数ではこちらが圧倒的に不利。しかも帰刃したスタークも2対1の状態である。

 

「…そうですね。本当はもう少し体力を温存しておきたいのですが、流石にここは動かなくてはならッ!?」

動こうとした突如新たな霊圧を感じたのと同時に巨大な黒腔が出現した。それ護廷十三隊の面々は動揺する。

 

「まさか…」

 

「…こんな時に」

 

「黒腔!?新手か!?」

 

「十一刃の頭4人に加勢出来るの様なのがまだ居るって言うの?考えたくないねェ」

 

足音が段々大きくなっていきやがて姿を現した。背中に自分と同じくらいの長さの大剣を背負い何を考えているか分からない、いや感情がないに等しい破面【ワンダー・ワイス】である。

 

「あぁ〜」

 

後ろに顔を向け一鳴きするとそれに答えるように後ろから何か一つ眼の巨大な虚のような生物が出てくる。

 

護廷十三隊の面々が驚愕していると、ワンダー・ワイスは顔を横へ向けると響転を使ったのか、一瞬にして浮竹の後ろに移動し腕で体を貫いた。それを見た京楽は怒りに我を忘れワンダー・ワイスに斬りかかるが、その隙を突かれ背中からスタークに拳銃を付けられゼロ距離で虚閃を食らう。そして2人はそのまま重力によって落下する。

 

ワンダー・ワイスが息を思いっきり吸うと、何時もとは違う耳の鼓膜が破れそうなくらいな高い声で「あぁー」と叫ぶ。

 

その振動によって氷に罅が入り始め完全に砕けると無傷のハリベルが日番谷を睨みつける。さらにその振動は砕蜂達がいる場所にまで届き、爆煙を吹き飛ばすと中から同じく無傷のバラガンが姿を現わす。

 

しかもそれだけではない。ワンダー・ワイスと共にやって来た巨大な生物の口のような場所が開くと流刃若火(りゅうじんじゃっか)の炎に息を吹きかけ吹き飛ばしてしまった。そして中から藍染と2人の副官までもが姿を現した。

もう駄目だっと隊長格達が思ったその時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…待てや…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…誰かの声が聞こえた。藍染が声の主の方へ顔を向けると数人の人間がいた。彼等は嘗て100以上前に藍染の虚化の実験によって尸魂界に虚として処分されそうになったメンバー「仮面軍団(ヴァイザード)」である。つまり全員藍染とは因縁がある者達である。

 

「デストロイヤー様あの人達は?」

 

「彼等は昔、藍染様の実験によって尸魂界を追われる身となった者達、所謂被害者さん達ですよ」

 

約2人が十三隊の京楽、そして総隊長の山本元柳斎にそれぞれ話を付け終わると、再びワンダー・ワイスが叫びだす。それに答えるように巨大生物の口らしきものが開くと体力の最下級大虚が吐き出される。

 

十三隊の面々は驚いている中が仮面軍団は落ち着いたまま全員虚の仮面を着用し、斬魄刀で斬り裂き、ある者力技で、またある者は鬼道で、中には虚閃を放つ者もいた。そしてあっという間に体力の最下級大虚の9割が倒される。

 

「最下級大虚とは言えあれだけの数を一瞬で!?」

 

「驚く事はありませんよ。彼等は1人以外護廷十三隊の元隊長格達…あれくらい出来て当然ですよ」

 

仮面軍団のメンバーの殆どはそれぞれ対峙する相手の元行き十三隊の面々と共闘する事となった。平子真子は狛村と藍染の前に立つ東仙に、猿柿ひよ里と矢胴丸リサは日番谷とハリベルに、有昭田鉢玄は砕蜂と一緒にバラガンに、愛川羅武と鳳橋桜十郎ことローズはスタークに…。

 

六車拳西はは残っていた最下級大虚を片付け、久南白ワンダー・ワイスと共に来た巨大な生物を人蹴りで粉砕した。しかもそのまま無防備だったワンダー・ワイスも蹴りを食らわせた。

 

『ヨ、ビクトリー!』

 

「気を抜くな、まだ始まったばかりだ」

 

「そうですよ、始まったばかりですよ」

 

拳西と白は声がした方に向くとデストロイヤーが2人を見下しているように上から眺めていた。

 

『ヤヤヤ、これまた強そうな人が来たねェ』

 

「お初目にお目にかかります。私はデストロイヤー・レイと言いあの3人と同じように十一刃、そして階級は……」

 

デストロイヤーは右腕の裾を捲り腕の外側の方を相手にへと見せる。

 

「…0です」

 

「…お前が0か」

 

『0番って事は十一刃で1番強い人って事だね。ヤッター!1番強い人と戦えるゥ!』

 

拳西は階級を0知り警戒を高めるが白は逆に十一刃最強とも言える存在と戦える事に喜んでいた。

 

『白ォォ、キィィック!』

 

「デェェリャ!」

 

白は勢いを付け先程のように蹴り技を叫びながら、片やデストロイヤーは拳で対抗し互いの攻撃がぶつかり合うと中心に風圧が発生する。

 

『グググググ…』

 

「ンンンン…フン!」

 

互角かと思われたがデストロイヤーが一気に力を強め白は吹き飛ばれ近くにあった建物に激突し煙が舞う。しかしその中からすぐに出てきて元いた場所に着地する。

 

『凄いねェ。流石0番って事あるね』

 

「おい白、あんま調子こいてんじゃねェ」

 

『ブ〜。今のはあの人の力を計っただけだよ、拳西のバ〜カ』

 

何やらいきなり揉め事を始めた。この2人は護廷十三隊にいた頃同じ隊の隊長、副隊長関係で、いつも白我儘を言っては拳西に迷惑をかけると言う感じだ。だが今この場でこんな事されても困る。

 

「喧嘩をするのは構わないですけど、時と場所を考えてください」

 

注意された2人は喧嘩をやめデストロイヤーにへと向き直る。

 

「でも私一人で楽しむのもあれですからね。敵の人数が増えたのならこちらも増やしましょう……ズィーさん、ブルラテスさん…来なさい」

 

すると上空とデストロイヤーの隣に黒腔が出現しそれぞれから人影が姿を現わす。

上空の方からは両手が巨大な握り拳になっている男、【イエティーのズィー】。

 

そうしてもう一つからはブルドッグのような顔をして右手に先端が輪っかになっているステッキを持っているお爺ちゃん、【コボルトのブルラテス】であった。

 

「お呼びですか、デストロイヤー様?」

 

「えぇ。2人と戦うのですが、私1人で楽しむのも勿体ないのでお嬢ちゃんの方をお願いをしたのです」

 

「は、お任せください」

 

ブルラテスは拳西と白の方へ向け、2人も構え直す。

 

「白、油断するな」

 

『分かってるって』

 

他の戦場と同じようにこの場にも緊張が走る。




次回はズィーとブルラテスの戦闘を書きます。…それ以降はオリ主の戦闘を書くのでご賞味ください。


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41話 消え逝く仲間 守る命

大変遅くなりました。ついこの間まで花粉のせいで鼻詰まりが酷くアイディアが浮かんでこなかったのです。その上今私の住んでいる場所が通信障害が起こっているみたいでWi-Fiの繋がりが悪くて……。その上最近詐欺に会い十万取られました。皆さんも詐欺には気をつけてましょう。

タイトルですがあまり浮かばなくて…。ごめんなさい。

それではどうぞ。



その頃上空の一箇所では……

 

「お前は…」

 

「よぉ、久しぶりだな小僧」

 

日番谷は表情には出さないがズィーの登場に驚いた。何故なら前にグリムジョーが率いて来た破面との戦闘中に割り込まれ、その上敗北置きした相手なのだ。

 

「あの時よりは少しは強くなったみたいだな。だが如何に強くなろうとこの俺の敵ではない」

 

「…そいつはどうかな。ソイツにも言ったが俺達の力を嘗めるな。」

 

どんなに強くなろうと自分には勝てないと言うズィーだが、日番谷はそんな挑発には乗らず聞き流す。

 

「フン。…ハリベル、あの小僧は俺がヤる。手出しはするな」

 

「…好きにしろ」

 

ズィーの我儘わハリベルはあっさりと承諾。

 

「前のみてェにはいかねェぞ」

 

「この俺の敵ではない事を思い知らせてやる」

 

今ここに2人の因縁(?)の対決が始まろうとしている。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「デリャァーー!」

 

白はデストロイヤーのもう一人の従属官ブルラテスと戦闘を繰り広げていた。白は「キック」と叫びながら蹴り技を、ブルラテスはブルステッキを盾変わりにして攻撃を防ぎつつカウンター攻撃をしてくる。

白が思いっきり飛び蹴りを繰り出しブルラテスがブルステッキに力を込め振り払う。吹き飛ばされた白は回転しながら上手く着地する。

 

『ヒョ〜、お爺ちゃん結構やるね』

 

「フン、まだまだ若い者には負けんわい。食らうがいィ、【シャボンバー】!」

 

ブルステッキを振るうと大量のシャボン玉を飛ばす。これがブルラテスの必殺技【シャボンバー】、シャボン玉一つ一つが武器になっており攻撃の他にも色んな能力を持っている。

白は複数のシャボン玉に臆するこのなくお得意の蹴りやパンチでシャボン玉を全て撃ち落とす。

 

『チッチッチィ〜、そんな攻撃痛くも痒くもないよ』

 

「ならこれはどうじゃ!ダイヤモンドの10倍の硬さの【シャボンバー】じゃ!!」

 

先程より大きめのシャボン玉を放つと何と石に変化した。このシャボン玉は最大でダイヤモンドの10倍の硬さまで変えることも出来る。

白は同じようにパンチや蹴りで対抗するが、最も硬い鉱石ダイヤモンドの10倍の硬さ、一つ目は弾いたが二つ目で対処が遅れバランスを崩し残りの攻撃を受けて吹き飛ぶ。

 

「ブハハハハ、どうじゃ」

 

『やっぱり見掛けによらず凄いねお爺ちゃん。よぉ〜し、こうなったら私も全力で行っくよォ!覚悟してね、お爺ちゃん』

 

「さっきからワシの事を「お爺ちゃん」と呼ぶでないわ、小娘が。良かろう、ならワシも全力で相手をしてやろうゾ」

 

ブルステッキから大量のシャボン玉を放ち、白はその中に飛び込んでいく。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

拳西の方はデストロイヤーと拳と拳での戦いをしていた。

拳同士がぶつかり合う瞬間風圧が発生し互いに後方へと飛ぶ。

さらに拳西は持っていた解放していたコンバットナイフ型の斬魄刀を振るい、風を細い糸のようにして飛ばしてくる。

 

ヤバイと判断したデストロイヤーは瞬時に【怒臨気波】を展開し防ぐ。

 

「…やるな。さすが0の事だけはある」

 

「其方も、隊長格をやっていたのは100年以上前も言うのに衰えはいないようですね。…ところで貴方は先程の仮面を付けないのですか?あの白タイツの子はずっと付けたままなのに?」

 

そう言われて下の方に視線を向けると、未だに仮面付けながら戦っている白の姿を確認して声を掛ける。

 

「白、そろそろ仮面を外せ。此奴相手に付けたままはかなり体力を消耗する。一度外して付け直せ」

 

『ブ〜、拳西ってばバッカだ。私が本来どれくらい虚化出来ると思ってるの?15時間だよ15時間。このまま夜中までだっていけるよ」

 

「…白」

 

拳西は己の力を過信し過ぎている白に呆れる。

 

「それにしても貴方まだ本気出してませんよね?」

 

その言葉に拳西は真剣な表情でデストロイヤーを見る。

 

「100年以上経っているとはいえ隊長格だった者がこの程度の筈はありませんからね。貴方の全力を見せてくださいよ」

 

「…いいぜ、ならこっからが本番だ」

 

拳西は決心を付け斬魄刀を構える。

 

「卍解、【鐵拳断風】」

 

拳西の周りに風が逆巻くと、両腕に風神の羽衣のような装甲を纏い手にテャクラムのような刃物を持っていた。

 

「それが卍解と言うものですか。では此方も。【フォース・チップ、イグニション】!」

 

上空から八角形のチップが出現にデストロイヤーの背中にへと入り込む。デストロイヤーの両腕に部分に緑の宝玉が埋め込まれている紫のブレードが出現する。それは前にノイトラとの戦闘で使った武器ーー

 

「【バーテックス・ブレード!】」

 

「…こりゃあ結構大層な武器じゃねェか」

 

「それはどうも。でも気をつけてくださいね。この武器(バーテックス・ブレード)は十一刃最高硬度を持つノイトラさんの鋼皮を斬り裂く程の斬れ味を持っていますよ」

 

デストロイヤーは一気に駆け出しぶつかり合い竜巻が発生する。

 

その中でブレードとチャクラムがぶつかり合う度に「ガン、ガン」と衝撃音が響く。デストロイヤーは大きブレードを振り下ろすも弾かれるが、もう片方のブレードを向け、その先に霊圧を貯めていきーーーー

 

「虚閃」

 

 

バギューーーン

 

 

 

ーー黄緑色の虚閃を勢いよく発射させると同時に竜巻も吹き飛ぶ。

拳西、今の虚閃直撃は免れたようだが掠ったようで左腕から煙が出ている。

 

「…スゲェ、威力だ」

 

「伊達に0の数字を持っている訳ではありません。威力もスピードも他の十一刃に劣ろいてはいませんよ」

 

 

 

ドカーーーン

 

 

 

突如大きな爆発音が響き渡る。音がした方を見ると緑色の巨大な結界に罅が入っており、中に爆煙が舞い上がっている。

 

「どうやら仲間の1人はヤられちまったみたいだな」

 

「…いや、まだですよ。よく見てみない」

 

言われた通り再び結界の方へ顔を向けると、中から紫の霧が爆煙を一瞬にして覆い尽くし罅の隙間から漏れ出す。さらに結界の中から骨の腕が出て結界を吹き飛ばすと顔の左側が欠けたバラガンが姿を現わす。

 

拳西は信じられないものを見るような目で見る。此処に居るの破面は十一刃のトップ4ーーしかも皆元は最上級大虚級。並み程度の相手ならヤられていただろうが4以上の者は致命傷は負ってもまだヤられはしないだろう。

 

だがバラガンは有昭田鉢玄の策により自身の力によって朽ち果てる。それでも体を動かし滅亡の斧を持ち上げる。

 

『儂と共に死ねェ!』

 

そして最後の力を振り絞り投げ飛ばす。しかし投げ飛ばした相手した相手は有昭田鉢玄ではなくボスである藍染だった。

 

バラガンは嘗て虚圏の王として君臨していた。だが藍染の出現により配下の者達を倒された上に王冠を真っ二つに斬られ、虚圏の王の座を奪われたのだ。

そしてその日から藍染への復讐のために生きてきた。己の手で藍染を倒し再び虚圏の王に返り咲く為に。

 

つまりバラガンを駆り立てていたのは藍染への忠誠心ではなく、復讐心だったのだ。

 

『貴様は殺すこの儂の手で必ず。儂に力を与えた事を後悔するがいい』

 

『儂は王、儂は神、永久に死なん。未来永劫貴様を狙い続けるのだ…藍染惣右介ェ!!』

 

だが滅亡の斧は藍染に届く前に砕け散りバラガン本人も王冠を除いて朽ち果てる。

藍染はその光景を無表情で見ていたが何事も無かったかのように再び視線を戻す。

 

残された王冠はゆっくりと落下して行き地面にぶつかると、同じく朽ち果てて消滅した。

 

「まさかバラガンさんが…(知っているとはいえ、やはりなんか切ないですね)」

 

愛川羅武、鳳橋桜十郎と対峙するスタークは大量の狼を出現させ2人に重傷を負わせた。そしてそのまま2人にトドメを刺そうとした瞬間、京楽が己の斬魄刀【花天狂骨】の力によって影の中から刀を突き刺した。

 

そのまま追撃を掛けようとするも先程の狼達がそれを阻止する。

 

京楽は【花天狂骨】の能力で攻撃を仕掛けるがスタークはそれを逆手に取り霊子を剣の形にして斬りかかる。だがそれは京楽の作戦で己の影に剣を突き立てられダメージを受ける。

続けて行こうとしたが背後に気配を感じ見ると狼達がいた。そして狼達はそのまま京楽の影に入り込み大爆発を起こした。

 

爆発が起きるとスタークはリリネットの名を叫ぶが狼まだ3匹残っていた。その事に安心していたが「黙ってろ」と声を荒げる。

 

しかし心の乱れにより京楽が目の前にいるのに気づかなかった。だが残っていた狼達がスタークを守るように前に出て身代わりとなり攻撃を受け爆発が 起きる。

 

「ッ!ブルラテスさん!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ブルラテスはデストロイヤーの声に応えるようにブルステッキを縦に突き立てると、爆発の起きた煙が紫色の光となってブルラテスの周りに集まる。その光をまるで虫を取るかのようにブルステッキにへと回収する。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「よし、これで大丈夫でしょう」

 

「お前、今アイツに何をさせた?」

 

「そんなに警戒しなくても、別に貴方達に害になる事はしていないので安心してください」

 

その後スタークと京楽の激闘の末、スタークは敗れ地上にへと落下した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「竜霰架!」

 

日番谷は剣を突き立てズィーを氷の中に閉じ込めるが、ズィーはそれを力付くで最も簡単に壊す。

 

「どうした?前より強くなったんだじゃないのか?これでは話にならんぞ」

 

この口振りからしてズィーにはまだまだ余裕がありそうである。拳に力を込め日番谷を吹き飛ばす。

日番谷は霊圧で足場を作り体勢を立て直すと【氷輪丸】で氷の龍を飛ばす。ズィーは右手にホッケースティックを出し一振りで氷の龍を破壊した。

 

お返しとばかりに氷の塊を出現させスティックを振り上げ勢いよく振り下ろす。ズィーの必殺技ーー

 

「【デビル・シュート】!」

 

物凄いスピードで迫る氷の塊に回避が間に合い事を悟り空かさず氷の翼で防御する。だがあまりもの威力で翼には皹が入り始める。それでも羽に力を入れ上空にへと軌道をズラした。

 

「ほぉ、俺のデビル・シュートを防げるまでには腕を上げたようだな。だがその程度では俺には勝てん!」

 

ズィーは駆け出しアイススティックと日番谷の剣がぶつかり合う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

藍染はスタークが倒された後残ったデストロイヤーとその従属官、そしてハリベルの戦いを見ていたが突如「辞めにしよう」と言い出し瞬歩でハリベルの所まで移動する。

 

「藍染…様…?」

 

ハリベルは藍染がいきなり自分の近くまで来たので戸惑いを隠せなかった。相変わらず無表情の藍染を黙って見ると、刀に手がかかる。それを見て何をする気か悟ったがもう既に遅し藍染の剣は引き抜かれ自分に斬りかかる寸前であったが、間一髪デストロイヤーが間に入り込み【バーテックス・ブレード】で受け止めてた。

 

「…どういうつもりかな?デストロイヤー…」

 

「それは此方のセリフですよ、藍染様。…何故ハリベルさんを斬ろうとしたのですか?」

 

「簡単な事だよ。君達の力では私の目的を達成するには不可能だと判断したまでの事だ」

 

「それはバラガンさんとスタークさんが殺られたからですか?確かにハリベルさんはあの2人より階級は低い、それは事実です。でも2対1で不利な状況でありながら互角の戦いをしていたじゃありませんか。それなのに何故殺す必要があるのですか?」

 

藍染はその質問させも顔色一つ変えず聞いているが返答はない。

 

「でも貴方はハリベルさんを殺そうとした、それには変わりないですよね?」

 

「……その考えで間違ってはいないよ」

 

「そうですか。ならーーーーーーー貴方を完全に敵とみなします」

 

デストロイヤーは敵意をむき出しにしながら【バーテックス・ブレード】を藍染にへと向ける。




次回からかなり原作ブレイクします。それと原作主人公の黒崎一護ですが、現世に向かわせましたが藍染と戦わせないかもしれません。(どうか許してください、すみません)



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42話 反逆のデストロイヤー

お久しぶりです。
約一ヶ月前に突然風邪をこじらせてダウンしてしまった為こんなに遅くなってしまいました。申し訳ありません。

さて今回から最初の方以外、また主人公視点になります。そして今回デストロイヤーの【死の形】が明らかになります。
それが何なのか予想してみてください。

それではどうぞ。


ハリベルを斬ろうとした藍染にデストロイヤーはブレードを向け敵対する事を宣言する。

 

「…それは私に反逆するという事だね」

 

「反逆も何も私は貴方を最初から信じていなかった。「我々を導く」と言っていながら、その目にはその意思が全く感じられませんでしたから。そして今ハリベルを斬ろうとした。私の仲間をね…」

 

デストロイヤーは表情と喋り方はいつも通りであるが内心では怒りを抱いており霊圧を上げる。

 

「…それだけの理由ではダメですかね?」

 

「構わないさ。それに君達はもう用済みだからね、好きにするといいよ」

 

その言葉にさらに怒りの感情が湧き上がってくる。今まで多くの手下を引き連れておきながら、いらなくなったらポイっと捨てるゴミのように捨てる。上司の風上にも置けない。

 

「友子さん、ズィーさん、ブルラテスさんーー貴方達はハリベルさんと彼女の従属官の3人、それにスタークさんを連れて虚圏に戻りなさい」

 

「そんな!?デストロイヤー様お一人を置いていくなんて出来ません!それにスタークはさっき…」

 

「俺はまだこの餓鬼(日番谷冬獅郎)と決着はついていません。ここで帰る訳には行きませんな」

 

「ワシもじゃ。況してや上級幹部であるワシ等が主人を置いて戻るなど出来ませぬ」

 

友子とブルラテスは主人を置いて帰れないと言うのに対して、ズィーはまだ日番谷との決着がついていないから帰りたくないという。

 

「その気持ちは受け取っておきましょう。しかし今回は相手が悪い。それにスタークさんは今ならまだ間に合う筈です。私の宮に行って治療してあげてください」

 

「しかし「いいから言う事を聞きなさい!」ッ!?」

 

デストロイヤーは今まで無いくらい大きな声を出して3人に向かって言った。普段から温厚なのでいきなり怒鳴り付けられたので3人は勿論の事ハリベルまで驚いていた。

 

「…分かりました。貴方達虚圏に戻るわよ。ハリベルもね」

 

「何!?友子、貴様本気で言っておるのか!主君を置いて帰るなど、それでもデストロイヤー様の側近か!」

 

「…確かに貴方の言う通りよブルラテス。だからデストロイヤー様のお気持ちを最優先に考えるの」

 

デストロイヤーは破面の中では数少ない部下を大事にする者。その彼が「戻れ」と言った、その言葉の意味は……

 

「…この後の戦闘で私達を死なせたくないのよ。分かるでしょ?私達何かが藍染に太刀打ち出来るかどうかなんて」

 

「じゃが「だったら貴方は藍染と戦って生き残る自信があるの?」グゥ…」

 

その言葉にブルラテスは詰まる。

 

「それに側近だったら主君の命令を聞く事も重要、貴方達だって上級幹部なんだから分かるでしょ?」

 

「…そこまで言われては仕方がないの。ここはデストロイヤー様の命令に従うとするかのォ」

 

「ズィー、貴方もいいわね?」

 

「チッ。あの餓鬼との決着を付けたいが、そうしたらその後の方が面倒そうだからな」

 

ブルラテスは友子の説得とデストロイヤーの気持ちを考え、ズィーは不本意ながらも今この場でデストロイヤーに逆らった後の事を考え承諾した。

 

ブルラテスはブルステッキを使い、先程の狼のようにスタークを紫色の煙のように変え回収し、ズィーは横たわっているハリベルの従属官達を肩にへと担ぎ上げる。

 

友子は黒腔を開きハリベルは帰刃を解除し、ズィー達と一緒に黒腔にへと入って行く。その目には「死ぬなよ」と語り掛けているようだった。最後に残った友子はデストロイヤーに顔を向けーーー

 

「…必ず帰ってきてください」

 

ーーーそれだけ言うと中に入り同時に黒腔は閉じた。

 

「…はい、分かりました。必ず生きて帰りますよ」

 

この言葉が届いているかは分からない、それでも心に届いている事を願うデストロイヤーであった。

 

 

デストロイヤーside

 

ーー「必ず生きて帰る」か。正直難しいですが、一度言った事は守らなくては。「約束を守る」のは私が自分自身に決めたルールですから。

 

友子さん達が黒腔に入ったのを見届けた私は藍染様、いや藍染さんに向き直る。

 

「…さて、始めてもよろしいでしょうか?藍染さん」

 

「そうだね…では始めようか」

 

その言葉と共に響転を使って一瞬にして藍染さんの目の前まで移動してブレードで斬りかかる。藍染さんはそれを剣を使って防ぐ。一切の焦りがない澄ました顔で防いでいるのが正直腹が立ってしまいますね。

 

さらに連続で響転を使い周りを高速で移動し翻弄しようとする。しかし藍染さんは、まるで見えているかのように視線を動かす。

 

連続響転を使い死角である後ろに回り込みブレードを叩き込もうとするが、藍染とブレードの間にまるで◯◯フィールドのようなバリアが展開され防がれる。

 

「迂闊だよ」

 

藍染さんは素早い太刀筋で剣を振るい吹き飛ばされてしまった。

 

「首の後ろは生物共通の最大の死角だ。そんな場所に何の防御も施さないとでも思っていたのかい?」

 

「なら、これならどうです」

 

私は右側のブレードを藍染さんに向ける。その先端部分に水が纏われる。

 

「【戦雫(ラ・ゴータ)】!」

 

纏った水を高速で放つ。それは解放したハリベルさんが使っていた技【戦雫(ラ・ゴータ)】であった。

日番谷さんは私がハリベルさんの技を使った事に驚いていた。それはその筈。殆どの破面の共通の技は【虚閃】や【虚弾】それ以外は個々の技、況してや解放した破面の技を他の破面が使ったのですから無理はないでしょう。

しかし何故私がハリベルさんの技を使えたのかにはある理由があります。

 

「さっきバラガンさんが言ってましたのよ。十一刃にはそれぞれが司る【死の形】があると」

 

十一刃それぞれが司る死の形があるーーーーそれは人間が死に至る十一の要因。そしてそれは十一刃それぞれの思想であり、存在理由であり、そして能力にも繋がる。

 

1から順に【孤独(スターク)】、【老い(バラガン)】、【犠牲(ハリベル)】、【虚無(ウルキオラ)】、【絶望(ノイトラ)】、【破壊(グリムジョー)】、【陶酔(ゾマリ)】、【狂気(ザエルアポロ)】、【強欲(アーロニーロ)】、【憤怒(ヤミー)】である。

 

 

「私の司る死の形。それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……【裏切り】です」

 

 

 

【裏切り】と言うのはこの世で最も心に傷を付け、絶望に堕とす死の形。

自分の好きだった者、信じていた者に騙される残虐な行い(目の前にいい例がいる)。

 

「私は一度見た攻撃をそのまま自分の物にする事が出来るのです。威力までは再現出来ませんがね」

 

私の死の形に繋がる能力は、威力までは再現不可能だが一度見た技をコピーする事が出来る。

但しコピーできるのは発動系の攻撃だけで、姿を変えたり召喚させたりする技は使えない、故に狛村さんの卍解【黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)】やスタークさんの使っていた狼達は使うことは出来ないのです。

 

「自分達が最も信頼している技、能力に痛めつけられるのです。これ程の屈辱はないでしょ?」

 

私は再びブレードを藍染に向けると、複数の光が背後に現れ…

 

無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッター)

 

…放たれた。

 

それは解放したスタークさんが使った技。複数の虚閃を同時に発射させ相手を追い詰める強力な技。使わない理由がどこにありますかね?

流石の藍染さんもこれを食らえば倒すのは無理でも擦り傷程度くらいは食らうでしょう……しかしその考えが甘かった。

 

 

「何処を狙っているんだい?」

 

 

後ろから聞こえてきた声に動揺し攻撃を中断してしまう。その声の主が誰だか分かっているので、顔は動かさず目だけゆっくりと後ろへ向けつつ左腕のブレードで斬りかかるも…

 

 

 

カン

 

 

 

…なんと藍染は素手でブレードを受け止められーーー

 

 

 

 

 

バキィン

 

 

 

 

ーーーーーへし折れてしまった。

 

その隙に藍染は私の脇腹に手を当てる。

 

「破道の六十三:雷吼炮(らいほうこう)

 

詠唱を唱えた瞬間雷のエネルギー弾がゼロ距離で命中し煙が上がる。その煙から脱出するが、今の攻撃で服はボロボロになってしまった上に、ほぼ無防備且つゼロ距離での痛いです。

 

しかしこの世界に来てダメージは受けたりしたものの、ここまで本格的なのを受けたのは初めて。テレビで見ていたから分かりませんでしたが実際は想像していたよりもメチャクチャ痛いです。

 

「確かに君の能力は素晴らしい物だと思うよ。相手の如何なる技も全て自分の物にしてしまうだからね。……しかし私に一度見た攻撃が通用すると思っているのかい?」

 

確かにこの人なら一度見た技を隙を突かなければ通用しないでしょう。いや隙を突いても通用するのか怪しいところですね。でも対処が無いわけじゃない。

 

「確かに貴方相手に同じ手は通用しなさそうですね。なら…リンギ【臨気鎧装(りんきがいそう)】!」

 

前に日番谷先遣隊と戦った時に使った臨気の鎧を出現させ体に纏う。

 

「同じ技が通用しないなら、貴方の見た事ない技で対処すればいい事です」

 

この人に一度見た技は確実と言ってもいい程通用しないだろう。だったら藍染さんも見た事ない知らない技なら通用するはずです。

 

「…そう思うのならやってみるといい」

 

「えぇ、やってあげますよ」

 

体に力を入れ臨気を集中させていき、黄色いオーラが放出されると段々と黒いライオンの姿になっていく。

 

「【剛勇吼派(ごうゆうこうは)】!」

 

ライオン型のエネルギーは飛び出すとそのまま藍染さん目掛けて一直線に向かって行きそのまま飛びかかるーーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーと思ったから藍染さんを飛び越え後ろにある建物にへと攻撃した。攻撃を受けた建物は破壊され煙が上がる。その事に護廷十三隊の隊長や仮面軍団達が戸惑っていると煙の中から藍染さんが姿を現した。

 

隊長さん達はその事に驚き、藍染さんは目を細める。

 

「どうしたんですか、まるで「解せない」みたいな顔して?ーーそう言えば言ってませんでしたね。私に催眠や洗脳系の攻撃は効きませんよ。それは【鏡花水月(きょうかすいげつ)】だけに留まず全ての催眠系の攻撃は効きません」

 

私がこの世界に来る際藍染さん、いや【鏡花水月(きょうかすいげつ)】対策の為に手に入れた特典の一つ。洗脳や催眠系の攻撃や技が効かないと言うね。

 

「だから貴方の【鏡花水月(きょうかすいげつ)】は怖くないですよ。リンギ【雷剛弾(らいごうだん)】!」

 

右手に紫色のエネルギーを貯め連続発射。藍染さんは剣を振るい弾く。その隙に一気に間合いを詰め先程技を食らったのと同じようにゼロ距離で一撃を食らせた。

 

煙が上がり中から服が少しボロボロになった藍染さんが飛び出す。私は響転で目の前に移動し更に重い一撃を!

 

「リンギ【剛勇吼弾(ごうゆうこうだん)】!」

 

先程の【剛勇吼派(ごうゆうこうは)】を両手にへと縮小し弾丸状にしゼロ距離でお見舞いした。先程ゼロ距離で食らったのでそのお返しも兼ねて。

 

爆煙が晴れてくると先程より服がボロボロになって肌にも傷が付いている藍染さんの姿が見えた。

 

「どうですか藍染さん。私の力は」

 

「…あぁ、素晴らしいよ。流石だよデストロイヤー。破面になる前から私に匹敵するだけの力を持っていただけの事はある。本気を出した君には多分私が本気出しても勝てないだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー()()としての私はね」

 

「?死神としての?それはどう言う…」

 

私が疑問に思っていると服にへと手を掛けボタンを外して行く。そして上半身をパッと開いて見せるとその身体には崩玉が埋め込まれていた。

 

「崩玉を…取り込んだのですか…」

 

「違うよ。取り込んのではない。従えたのさ」

 

崩玉が不気味な光を発すると、崩玉から白い物が飛び出し藍染さんの身体を包み込もうとしている。確かあれは進化の兆し。これ以上強くなられたらマズイ。

 

「【剛勇吼弾(ごうゆうこうだん)】!」

 

先程の【剛勇吼弾(ごうゆうこうだん)】を連続発射させる。今至近距離で攻めたら確実に殺されるでしょう。これで少しはダメージを受けただろうと思っていると…

 

 

『無駄だよ』

 

 

爆煙の中から機械音が混じったような声が響く。煙が晴れると中から、目と崩玉以外白い膜のようなもので包まれた藍染さんが姿を現した。

 




デストロイヤーの【死の形】は「裏切り」でした。

後約一ヶ月で「BLEACH」の実写映画が公開されますね。でも織姫と茶渡はいないんですよ。何故原作ヒロインがいないのかな?


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43話 デストロイヤー 驚異の変身 藍染 更なる進化

大変お待たせしました。
今回はヤミーとの戦い以来の変身となります。それによってかなり展開がオリジナルになっています。

オリジナルや戦闘描写はやっぱり難しい。それではどうぞ。






崩玉を従えた事によって藍染さんは人としての姿を捨てたと言っても過言ではない見た目になった。それはある意味破面の帰刃に近い何かを感じます。

 

『残念だったねデストロイヤー。相手が私でなければ、いや崩玉を従えた私でなければ勝機はあっただろう』

 

藍染さんは進化を遂げた事によって先程の私との戦闘で受けたダメージが無くなっている。いや寧ろ最初からダメージがあったのかもこの人相手じゃ怪しいですがね。

 

「少しはパワーアップしたみたいですね。しかしこの私に勝てる訳がありません!」

 

私は響転を使って藍染さんの前に移動する。

 

「リンギ【剛勇衝打(ごうゆうしょうだ)】!」

 

そして顔に気を高めた拳を打ち込んだ。命中すると同時に爆音が轟く。しかし拳は藍染さんの顔の前で静止していた。

 

『これで終わりかい?』

 

「クッ、まだまだ!」

 

さらに連続で 【剛勇衝打(ごうゆうしょうだ)】を体にへと打ち込む。しかしその表情からは分からないが全く応えてない事は分かる。気を高めたこの拳の連打を食らっても平気でいられるなんて…本当に化物レベルですよこの人は。

 

『どうしたんだい?まさかこれで終わりじゃないだろう?』

 

「当然ですよ。リンギ【剛勇吼派(ごうゆうこうは)】!」

 

臨気をライオンの形にさせ藍染さんを吹き飛ばす。藍染さんはそのまま近くにあった建物にへとぶつかる。私は腕を振るいライオンに追撃を掛けさせる。ライオンは瓦礫の中に埋もれた藍染さんに追い打ちをかけるように頭突きや牙を使って攻撃する。

 

だが突如瓦礫の中から一本の刀が飛び出しライオンの体に直撃し串刺しにされてしまった。ライオンは踠くように体を動かすが最後は力尽き消滅してしまった。そして無傷の藍染さんが姿を現した。

 

『今のが君の全力かい?それだったら期待外れだったな。いや私が買い被っていたのかもしれない』

 

次の瞬間、瞬歩を使ったのか一瞬にして私の目の前まで移動して来た。そのまま足蹴りをくらい上空へと舞う。蹴りを食らった時に何か「ピキ」って音がした。恐らく今ので鎧に少し罅が入ったかもしれない。ただの蹴りでここまでの威力なんて…。

藍染さんはさらに追撃を掛けようと急速に私に向かって来る。

 

「くっ…リンギ【怒臨気派】!」

 

この技で何とか防ごうと自分の周りに怒臨気を展開する。しかし藍染さんは御構い無しに向かって来る。そしてなんと剣の一振りで怒臨気のバリアは消滅してしまった。そして再び足蹴りを食らい今度はビルに激突する。

 

ビルはそのせいで倒壊して瓦礫の中にへと埋まってしまった。

 

私はその瓦礫の山を退かしてなんとか起き上がる。まさかたったの2発の蹴りでここまでダメージを食らうとは。しかも1発目には鎧に罅が入る程の威力。本当に化物レベルですよこの人…いやもう人ではないですね。

 

『どうだい、これで分かっただろ?このまま大人くししておくことが身の為だと思うがね』

 

藍染はゆっくり地面に着地すると私を見下すような目で見てくる。しかしこの人はハリベルさんを斬ろうしたんだ。その言葉通りに大人くしする訳にはいかない。

それに私は約束したんですからね。「必ず生きて帰る」と。

 

 

 

それに私にはある秘策が残っているのですから。

 

 

 

「そうですね。流石に()()姿()で戦い続けるのは無理がありますね。なら仕方がありませんね。久々にーーー変身するとしましょう!」

 

私は身体に力を入れると、その姿は人ならざるものにへと変化していく。

三本の指の先にし鋭い爪のようなものが生えてた。さらに先が尖った尻尾、黄色く鋭い目付き。背中には羽のような大きな口。全身灰色でいたるところに赤い線がある身体。

 

嘗て当時十刃の座を賭けてヤミーとの戦いで変身した姿、ボガールであった。

 

「フフフフフ、この姿になるのは久しぶりだな。気を付けろよ。こうなっちまったら…さっきみたいに優しくは出来ねェからな」

 

変身した事だ口調が乱暴的になり、鋭いその目は完全に敵意を剥き出しに厳つい目で睨みつける。

 

『そうだったね。君は変身をするんだったね。君のその姿を見るのはヤミーとの戦いぶりだ……しかし変身した所で私に遠く及ばない』

 

「それはやってみなけりゃ分からねェだろ!」

 

俺は尻尾を藍染目掛けて伸ばす。藍染は慌てる様子もなく直ぐ様後ろにへと後退し、尻尾は地面にへと打つかる。尻尾が打つかった場所は削れクレーターのように様になっていた。

尻尾は逆再生されるように俺の元まで戻って行き元の長さに戻る。

 

『ほぉ、今の一撃でこの威力。素晴らしいよ』

 

藍染は相変わらず澄ました口調で喋る。ホント、イライラさせる奴だ。

 

「まだまだ、俺の実力はこんな物じゃないぞ!」

 

その言葉を共に藍染目掛けて突っ込む。変身しデカくなった手で拳を作り打ち込むが、藍染は又しても剣を使って受け止めやがる。

 

しかしそれで終わる訳があると思うか。俺はさらに連続でパンチを繰り出す。腕だけじゃねェ、足も使って蹴りの連打を浴びせる。だがそれも全て剣で防ぎやがる。

 

しかし藍染よ、足元がお留守になってんじゃねェか?

 

残っていた尻尾を使い右足首に巻き付け地面にへと叩きつけ砂煙が舞い上がる。煙が晴れると平然と立っている藍染の姿があった。

 

虚閃や虚弾とは違う紫色のエネルギー弾を手に溜め投げつけるように飛ばす。藍染は剣を使ってその光弾を斬り裂き回避する。

光弾がダメならもう一度接近戦で殺り合うとするか。藍染に近づこうとしたが突如何者かに尻尾を握られている感覚に襲われる。後ろを振り向くとーー

 

「あ〜あ〜」

 

鼻から上が仮面に覆われ、両肩が以上に大きくなった破面…ワンダー・ワイスがいた。

 

「お前、俺の邪魔をするのか?」

 

「あ〜あ〜」

 

此奴は本当に何を言っても「あ〜」しか言わない。何を考えて感じているのか全然分からない。

 

「邪魔をするって言うのなら仕方がない。同胞でも容赦はしねェぞ!」

 

体を斜めを傾け左足でワンダー・ワイスの体に蹴りを入れる。ワンダー・ワイスは蹴り飛ばれ近くのビルに突っ込む。だが砂煙が上がる中からムクッと平然と起き上がる。

 

「最初見た時から思ったが相変わらず何考えているのか分からない不気味や奴だ」

 

「あ〜あ〜」

 

返答にも同じ言葉しか言わない。此奴は元は山本元柳斎の流刃若火の炎を封じる為に藍染が作り上げた改造破面。強大な力を封じる為言葉は使えなく思考もなくなったからな。ある意味哀れに思えてくるぜ。

 

そう考えているとワンダー・ワイスの肩から一本の腕が出現に俺の腹に命中する。だがこれ位でダメージを受けるとでも思うのか。

 

「なんだ?これで終わりか?」

 

挑発する様に声をかけると(ワンダー・ワイス)の両肩が破裂に中から大量の腕が現れ纏めて俺に攻撃してきた。

 

「ああああああああ!」

 

パンチのラッシュを平然と俺は受ける。本当は避けてもいいんだが、ダメージが全然ない寧ろマッサージをされている様でいい。おっと、そんな悠長な事言ってる場合じゃないな。

 

俺は片方の腕に尻尾を巻きつかせて封じた。そして巻きついた尻尾を使ってワンダー・ワイスをブンブン振り回し地面にへと叩きつける。

 

下に降りうつ伏せになっているワンダー・ワイスの頭をガシッと掴み無理やり起こした。

 

「見せてやろうじゃないか。この姿での一番の恐ろしさを教えてやる」

 

両方の羽のような口が大きく開く。その内側には無数の牙が生えている。

その口がワンダー・ワイスを頭から覆い被さり上半身を包み込む。

 

「あ、あ。あ〜!」

 

ワンダー・ワイスは足をバタバタさせて踠くが無駄だ。そしてあっという間に身体全身が包まれバリバリと音を立てながら捕食する。その光景に見ていた殆どの者はゾッとした様な顔をしている。それもそうか。俺も前世で見た時は同じような気持ちだったからな。

口を元に戻し腹を「食った、食った」の様にポンポンと叩く。しかしーー

 

「まだこれだけじゃ足りねェなァ」

 

ーー満足感が得られなかった俺は思いっきり息を吸い込んだそしてーーーー

 

 

 

 

 

 

キェェーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー…一般の人間なら鼓膜が破れる位の大きな鳴き声を上げる。それが山彦のように反響し藍染以外の殆どの者が耳を塞ぐ。響いていた声が鳴り止み静まり返った瞬間、無数の黒腔が開きその中から多数の虚と2体のギリアンが現れる。

 

「何だ、あの数の虚やギリアンは!?」

 

「まさか奴が呼び寄せたのか!」

 

体力に現れた虚を見て死神やあの仮面供が大騒ぎし始めた。しかしその驚いている顔マジでウケる。

だが何人かがその呼び出した虚達を退治しようと動こうとする。おいおいそれは困るんだよ、折角呼び出したんだからな。

 

「おい、止めろ死神供。折角俺が呼び出した()を殺すんじゃねェ」

 

俺は死神共に異常なまでの殺気を放ち動けなくさせる。

こっちに気付いた虚共が一斉に俺目掛けて襲いかかってきた。態々向こうから来てくれるだなんて好都合だ。

 

俺は羽のような口が大きく開く。たがそれは先程よりも巨大な大きさとなり向かってきた虚の殆どを包み込み捕食する。俺と同じくらいの大きさの奴なら数体は同時に捕食する事が出来る。

そして残っていた虚達も同じように口を巨大にして捕食した。

 

残ったギリアンは一体は正面から顔を思いっきり殴ったり蹴ったりしてダメージを与え、もう一体は尻尾を伸ばし首に巻き付け地面に何度も何度も叩きつけた。

殴っていた虚が地面にダウンして起き上がってきたところを口を巨大にして上半身を包み込む。ギリアンは足バタバタとさせるがあっと言う間に全身を包み込んで捕食する。残る一体は尻尾をの拘束を解き顔を掴んで頭から地面にへと突き刺した。そして持ち上げ先程と同じように頭から捕食した。

流石にこれだけ食えば少しは満足だ。それにこれだけエネルギーがあれば大丈夫(・・・)だ。俺は藍染にへと振り返り言った。

 

「心配するな。お前は喰いはしない。それで終わったら俺の腹なの虫が治らないからな」

 

此奴は仲間であるハリベルを殺そうとしたんだ。ボコボコにしなければ腹の虫が収まらねェ。

俺は手にエネルギーを溜め藍染にへと投げ飛ばす。

 

藍染はそれを剣で弾き飛ばす。その隙に背後に回り込み右腕を尻尾に巻きつかせて背後にへと投げ飛ばしそうした。だが尻尾が離れる直前残っていた左腕を使って尻尾を掴んだ。それにやって一緒に地面にへと落下した。

 

その地面で俺は藍染に拳のラッシュをお見舞いするが、全て片腕で防御される。そして左腕で受け止められる。その隙に剣で斬りかかるが俺はそれを素手で受け止める。

 

『私の一撃を受け止めるとは。やはり君は素晴らしい。これだけの力があれば良き友になれたかもしれないのに残念だ』

 

「巫山戯るな!仲間を斬り捨てた奴の所に居るなんて御免だ!況してや友なら尚更だ!」

 

こんな奴と一緒に居るなんて死んでも御免だ。

 

剣を払い除け真ん中の鋭い爪を伸ばし藍染を切り裂いた。これで少しは応えるだろう。だがやはり考えが甘かった。その裂地からは血が一滴も流れず内部は不気味に淀めいていた。

 

『終わりかい?なら今度は私の力を見てもらおう』

 

藍染が剣を振り上げると、奴を中心に紫色のエネルギーの衝撃波が広がる。

俺は衝撃波に飲み込まれる前に後ろの口で自分の前部分を包み込んで防御する。しかしあまりの衝撃でダメージを相殺しきれず口の外側に傷を負うが最小限のダメージで食い止めた。口を元に戻し防御態勢を解く。

 

「ふん、これくらいでくたばる様な俺じゃnッ!?」

 

俺は言葉を詰まらせた。何故なら藍染の体に異変が起きた。割れた部分の皹が広がっていきボロボロと崩れ始めた。

 

『どうやら揺籃の時は終わったようだ』

 

崩れ落ちた部分から人肌がと藍染の元の顔が現れる。しかし眼の色が先程と同じ紫色で不気味な眼差しで見てきた。

 




この作品、本編も残すところ後5話以下だと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。
感想があればお願いします。

本編終了後に番外編を作ろうと思っているのですが、その事で一つアンケートを取ります。アンケートは活動報告でお確かめください。暇があれば見てみてください。


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44話 デストロイヤー悪夢の第二変身 ギンまさかの裏切り!?

8月に入って猛暑が続く日々。皆様熱中症や脱水症状にお気をつけください。私も気をつけます。

さて今回はデストロイヤーがまた変身します。キャラ設定にもありますし、この姿ですからあの姿にもなれます。(知っている人ならわかる)

それではどうぞ!

※オリ主の新たな変身を設定に追加しました。



白膜が落ち崩玉が埋め込まれている部分より上の顔や首部分が死神の姿に近い姿を現した。髪の毛も生えているし先程より変化はあまり見られないが、内に秘められている力は増大しているだろう。だが…

 

「それがどうした?ただ人顔に戻っただけじゃねェか」

 

これくらいで臆するデストロイヤー様じゃねェ!今の俺は変身しているんだ。勝てるに決まっている。

 

「食らえ!」

 

俺は空かさず尻尾を伸ばして攻撃する。だが(藍染)は全く動く素振りを見せない。諦めたのか?ならこの俺の尻尾で串刺しになりやがれ!

 

 

ガシッ

 

 

「!?」

 

藍染は何とか素手で、しかも片腕で握りながら止めやがった。そしてもう片方の手に持っている剣を振り上げ…

 

 

 

ザク

 

 

 

…俺の尻尾を斬りやがった。

 

「ッ!!クッ…」

 

俺はすぐ様尻尾を戻しす。斬られた尻尾の先から血が流れ落ちている。藍染は持っていた斬られた尻尾の部分を放り投げた。

 

「君の力は素晴らしいよ。崩玉を従えた私の力をも凌駕したのだからね。だが如何に君の力が強大でも更なる進化を遂げた私には通用しない。このまま続けるのなら今度はその尻尾だけではなく、体そのものが斬り刻まれる事になるよ」

 

「…体が切り刻まれる、か。それはどうかな!ハアァーー!!」

 

俺は力を集中させる。すると斬られた部分の尻尾が生え元に戻る。

 

「俺にはウルキオラと同じで再生能力があるんだよ。これくらいじゃ何も変わらねェ」

 

俺は空かさず手にエネルギー弾を溜め投げつけるが、藍染はそれさえも動こうとしたない。そして当たる寸前にエネルギー弾は塵のように消滅してしまった。

 

「無駄だよ。君が如何に強大な力を用いたとしても私には、いや更なる進化と遂げた私には通用しない」

 

その言葉が言い終わると俺の目の前におり、体が剣に斬り付けられ血が飛び散っていた。

俺は響転を使ってその場から離れ傷に抑えた。いつの間に間合いを詰められた!?それにいつ斬られた!?奴は俺にも見えない速度で動いて斬りつけたのか。

 

「どうだい?変身をした君の力でも今の私には通用しない事が分かっただろ。そのまま大人くしていれば苦しまなくてすむ。それともこのまま無意味に攻撃を受け続け苦しみながら死ぬ事を望むかい?」

 

藍染はその冷静さと裏腹にかなり残酷な事を言っている。それに今の台詞じゃジッとしていようが抵抗しようが、どの道殺す事には変わりない。だったら抵抗するまでよ。それに……

 

「…フフフ。フフフフフ」

 

「…何が可笑しいのかな?」

 

「いやスマン、スマン。別に可笑しくて笑っていた訳じゃない。お前を嘗めていたからな、俺も見せることにしたんだーー俺の()()()をヨォ」

 

 

…奴はまだ知らない。俺の本当の力を!

 

 

 

「今のが本気だと思っていたのか?愚か者め。教えてやろう。俺は変身する事でパワーが遥かに増していく。そして俺はその変身を…後2回も残っているんだ。その意味が分かるか?」

 

その言葉を聞いても藍染は平然とした表情をしている。ムカつく奴だ。対して聞こえた死神達は絶望のような表情になる。そんな中大前田だけ聞こえなかったのようで一人「?」を浮かべている。

 

「え?隊長今アイツなんて言ったんですか?」

 

「……」

 

「隊長?どうし「彼は…」え?」

 

「彼は後2回変身を残しているそうです」

 

「え…えェェ!!」

 

砕蜂の代わりに有昭田鉢玄が答える。その言葉に大前田は驚愕の声を荒げる。こんなヒビりでよく副隊長になれたなと今でも思う。

 

「だが2段階目の変身は厄介でな、そう簡単には出来なんだよ」

 

1段階目の変身は力を集中させる事によって時間が掛かるが特に何かしらの条件はない。しかし第2段階目の変身はそうでもない。この姿(ボガール)の特性上体内エネルギーを増幅させないと変身する事が出来ない。つまり相手を捕食して変身する為のエネルギーを貯める必要がある。

 

「成る程、つまり君が先程虚を捕食していたのはただ体力を回復や力を増強していただけでなく…」

 

「そうだ。変身する為のエネルギーを貯めていたんだ。そしてそのエネルギーも貯まった。だから見せてやる。この俺の更なる力をな!見るがいィ!デストロイヤー様第2段階目の変身をなァ!!」

 

俺は身体を丸め蹲る。一度顔を上げ藍染の方を見る。相変わらず冷めた目と顔をしてやがる。だがその顔も直ぐに恐怖にへと変えてやる!

 

「クアァーー!!」

 

背中の口が後ろにへと折れ曲がる。両手の爪が更に鋭く伸びる。尻尾の先端が二つに別れ内側に折れ曲がる。(アームの様な形)

 

更に首が前にへと出っ張る様に伸びていき、その首筋近くから突起物が生える。最後に後ろに折れ曲がった口がパカっと真っ二つに割れるように開く。

 

 

これがボガールが突然変異を起こした事によってパワーアップした姿【ボガールモンス】である。

 

 

変身が完了していると斬られていた傷が塞がってーーいやまるで最初からなかったかのように斬られた跡も残っていない。

 

「へへへ、お待たせ致しましたね。さぁて、では第2回戦と行きましょうか」

 

新たに変身した事によって先程の様な乱暴な口調ではなく、変身の様な丁寧口調になっている。

 

更に変身した私の姿に死神の皆さんは恐怖の表情をしていますね。それに引き換え藍染さんは全く驚く様な仕草さえ見せません。ちょっとムカつきますね。しかし変身した事によって先程受けたダメージは無くなり戦闘能力も遥かに上がりました。その様な顔をしていられるのも今の内ですよ。

 

首筋の突起物からオレンジ色の光線を発射させる。藍染さんは先程の様に光線が消滅すると思って動こうとしないがそれが誤りですよ。

その光線はそのまま藍染にへと命中する。予想だにしない事に藍染さんも驚きの表情を浮かべる。その隙に尻尾を伸ばし足を挟む。そして上下左右に地面にへと数回叩きつけブンブンと振り回し最後に投げ飛ばした。

 

叩きつけられた場所から砂煙が舞い上がり藍染さんが目を細め睨みつけてくる。

 

「クッ…」

 

「何を驚いているのですか?別に可笑しな事ではありませんよ。貴方はその姿になる前、先程の私よりやや劣っていました。そしてその姿となり私の力を凌駕する程までにパワーアップした。しかし私も更なる変身をした事によってパワーアップを果たしたのですよ」

 

1段階目の変身時点で私に苦戦を強いられたのです。そして2段階目の変身によっ以前よりも強さが増した、つまり……

 

「変身した私に勝てるわけがないではありませんよ!」

 

単純に考えて当たり前の計算ですよ。

 

「成る程確かにそうだ。しかしその程度で私を倒せると思っているとは心外だな」

 

「そんな滅相もありません。この程度で倒せるとは思っていませんよ。今のは挨拶がてらのご挨拶みたいなものです」

 

「そうかい…なら私もそれそうの挨拶を返さなくてはならないね」

 

藍染さんは刀を私にへと向ける。すると彼の最期の味方とも言える市丸ギンさんが現れ藍染さんの刀に手を置く。

 

「まぁまぁ藍染隊長。ここは僕がやりますよ」

 

「…ギン」

 

ギンさんはそのまま振り向かないで藍染に背中を見せている。すると…

 

 

ギューーーン

 

 

…ギンさんの脇から隊長羽織を貫いてギンさんの斬魄刀【神鎗(しんそう)】が藍染さんの体を貫いた。その光景に死神さん達も仮面軍団の皆さんも驚いていますね。それはそうでしょ。何せ藍染の副官である筈の男が攻撃したのですから。

 

「…鏡花水月の能力から逃れる唯一の方法はーーーー完全催眠の発動前から刀に触れておく事。その一言を聞き出す為に何十年掛かかった事やら」

 

その事に藍染さんは始めて苦虫を噛みしめるように顔を歪める。

 

「護廷十三隊の誰一人それを知る者はおらへんのに、みんな藍染隊長を殺せる気でいるのモンやから見ていてハラハラしましたわ」

 

ギンさんの刀が元の長さに戻り、藍染さんの胸から血が噴き出す。藍染さんは後ろに数歩後退する。

 

「藍染隊長を殺せるのは僕だけやのに」

 

確かに護廷十三隊、いやこの世界において今の所は藍染さんを倒せる者はいないでしょう。そう今の所は(原作の流れならば)誰も。

 

「ギン、君の狙いなど知っていたさ。知っていた上で君を連れていた。君が私の命をどう狙うのかに興味があったからだ。だが残念だギン、君がこの程度で私を殺せるとでも「思てません」…」

 

藍染さんは鋭い目でギンさんを睨みつける。ギンさんは持っていた刀を持ち上げ藍染さんに刀のある場所を指差して見せつける。そこには刀の一部が欠けて無くなっていた。

 

「…今、藍染隊長の中に置いてきました」

 

「何!?」

 

ギンさんは昔藍染に教えた自分の卍解の能力の事を教えたが、それは真っ赤な嘘であった事を教える。それは超高速で伸び縮みする能力と言ったそうですが、実際は伸び縮みする時に一瞬だけ塵状になるそうなのです。

 

「そして刃の内側に細胞を溶かし崩す猛毒があります」

 

「クッ」

 

「分かってもろたみたいですね。今胸貫いてから戻す時一欠片だけ塵にせんで、藍染隊長の心臓の中に残してきたんです」

 

「…ギン」

 

「喋るやったら早うした方がエェですよ。まぁ早うしても死ぬモンは死ぬんやけどな」

 

ギンさんは藍染さんの胸部分に手伸ばす。

 

「【(ころ)せ、《神殺鎗(かみしにのやり)】」

 

ギンさんが解号させ、藍染さんは悪足掻きのようにギンさんを睨みつける。

 

「胸に穴が空いて死ぬや。本望ですやろ?」

 

藍染さんの胸に巨大な穴が空き左肩が裂けてしまった。崩玉が丸出しの状態になりましたね。

ギンさんは崩玉に手を伸ばそうとしたその時、藍染さんの左腕が伸びるがギンさんは素早く崩玉を掴み奪う事に成功した。藍染さんはそのまま仰向けになって崩れ落ち動かなくなる。

 

私はギンさんの近くまで移動し安否を確かめる。一見は何とも無いように見えるが、よく見ると右腕の一部が削り取られたように抉られ出血していた。攻撃を躱したと思っていましたが当たっていたのですね。

 

「大丈夫ですか?」

 

「大丈夫やよ。こんな怪我に入らへんよ」

 

相変わらずのニヤニヤ顔で「大丈夫」アピールをする。彼にとって「こんな傷、乱菊の傷に比べたら何ともあらへん」って事ですかね。でも私はその気持ちは痛い程分かります。

ギンさんと雑談をしていると総隊長さんが私達の近くまで降りてきた。

 

「市丸ギン、どういう事か説明してもらおうかの」

 

「…」

 

大抵の者はこれで全てが終わったと思っていると思いますが甘いですね。しかし私は知っている。この後更なる悪夢が訪れる事を。




藍染が尸魂界《ソウル・ササエティー》に行かないので現世での戦いとなります。だから護廷十三隊の面々も藍染の更なる進化を目の当たりにします。

次回藍染との戦いも大詰めになります。一護の部分をデストロイヤーに置き換えているだけですけど、彼はそれ程強いという事です。感想があればお願いします。

※アンケートはまだ実施していますのでお願いします。
※もう一つアンケートを取る事にしました。内容については活動報告をご覧ください。

お気に入りと高評価の方お願いします。勿論感想も。


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45話 デストロイヤーvs藍染 次元を超えた最強 対 最強

今日は涼しくていつもより快適に過ごしてます。アニメ大好きです。
また台風の影響で色々と災害が彼方此方とあって大変ですね。皆さんのお住いの地域の状態は大丈夫ですか?

今回はデストロイヤーが最強の姿が明らかになります。何も書くことが浮かばないので前書きはここまでにします。

※またオリ主の設定を追加しました。



総隊長さんがギンさんが何故藍染さんを討ち取ったのかを説明を要求しています。

 

「市丸ギン、お主は藍染の下に付いていたのではないのか?」

 

「冗談言わんとってくださいよ、総隊長さん。僕が藍染隊長の側にいたのは僕が藍染隊長を殺す為なんですから」

 

ギンさんが藍染さん側に付いていたのは復讐だったのです。彼の大切な人、松本乱菊さんが藍染さんの崩玉の実験の所為で魂を削り取られた。

ある日複数の死神が立ち去ったのを目撃した直後その下で傷付いた乱菊さんを発見。そしてその夜にその死神達が藍染さんに奪った魂を渡すところを目撃した。その時彼は誓ったのですー「自分がこの男を殺す」ーと言う事を。

 

「その言葉を信じろと」

 

「そう警戒しないでください。現に僕が今藍染隊長を殺したじゃですか。それが何よりの証拠でス」

 

総隊長さんは本当に警戒深いですね。しかし今まで敵の副官だった者が「それは嘘でした〜」何て言っても信じてもらえないでしょうから気持ちは分かりますねけど。

 

「お二人さんお取り込み中のところ失礼しますが、そんな悠長にお話ししている暇はないみたいですよ」

 

その言葉に二人は疑問を抱くが直ぐにその意味を理解した瞬間…

 

「ヌウオォォォーーーー!!」

 

…突如倒れていた藍染さんが途方もない雄叫び様に叫び出し、穴の空いた部分が不気味に光り出し光の柱が立ち昇る。

 

「何や…いったい」

 

「これは…まだ強くなるみたいですね」

 

あの人には最早我々の常識は通用しないでしょう。いやそもそも人は無かったですね。

本来の歴史(原作)では月牙の精神世界での修行?によって覚醒した黒崎さんの手によって深手を負いましたが私の介入によってそれは叶わない状況ですね。例え流刃若火(りゅうじんじゃっか)でもあそこまで進化した藍染さんに通用するか分かりませんね。それなら…

 

「仕方ないですね。私も本気を出すとしますか」

 

「本気を出すってどう言う事や?」

 

「おやおや、お忘れですか?私はあと一回…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…変身が出来るんですよ」

 

私は響転を使って一旦その場から少し離れる。何故そんな事をするのかですって?最後の変身は前の2回の変身とは違い変身直後に莫大なエネルギーが解放され強力な風圧が発生するのです。ですから私があの場にいては彼等に被害が及んでしまうからです。

 

「ハアァーー!!」

 

私は再びいきみ始める。すると私の体を包み込むように霊圧が溢れ出し、それが上空にへと登り藍染さんと同じように光の柱を作りあげる。それから暫くして身体中に罅が入り始める。しかし変身が完了するまでまだ時間が掛かる。

 

その間にも光の柱から異形の姿になった藍染さんが現した。額には縦長の宝玉のような物、三枚重ねの蝶の様な羽が生え、髪が更に伸びて靡いている。そしてその胸には奪われた筈の崩玉があった。実は奪ったのは浦原さんが作った崩玉で今藍染さんの胸にあるのは自身が作った崩玉である。

 

「私の勝ちだ、ギン。…お前の奪った崩玉は既に私の中に無くとも、私の物だ」

 

藍染さんの目が光るとギンさんの握っていた方が不気味に光り出す。すると藍染さんが瞬歩や響転は違い光のように消えると一瞬でギンさんの前まで移動し剣で斬りつけた。

 

そしてギンさんの持っていた崩玉が藍染さんの胸にある崩玉にへと吸収されいき一つなった。

 

ギンさんが藍染さんに、いや藍染さんの胸にある崩玉に手を伸ばすがそれを藍染さんが掴み引き千切った。そして藍染さんの刀がギンさんを貫いた。

 

「進化には恐怖が必要だ。今のままでは直ぐにでも滅び消え失せてしまう恐怖が。…ありがとう、ギン。君のお陰で私は遂に死神も虚も超越した存在になったのだ」

 

ギンさんから剣を引き抜かれると糸が切れた人形のようにギンさんの体は崩れ落ちた。

その間に総隊長さんが流刃若火(りゅうじんじゃっか)を構えるがギンさんの時と同じようにその場からテレポートし目の前に現れる。互いの剣がぶつかり合い物凄い爆音と煙が舞う。

 

次第に二人の姿が確認出来ると総隊長は羽織に汚れ、体勢も先程より少し項垂れているようにも見える。それに引き換え藍染には傷や汚れさえ付いていない。やはり更なる進化より総隊長さんの力を凌駕しているみたいですね。

 

「ギン!!ギン!!」

 

二人が戦っている最中叫び声が聞こえそちらに目を向けると倒れているギンさんに十番隊副隊長の乱菊さんが涙を流しながら抱きかかえる。

 

藍染さんはそんな光景を冷めた目で鬱陶しそうに見つめる。

 

「そんなに悲しむ事はないよ。直ぐに彼と一緒になれるさ」

 

藍染さんはテレポートで二人の前に移動して刀を振り上げ二人纏めて斬ろうとする。逃げようにもギンさんを置いていく事が出来ないみたいで動こうとしない。そして刀が振り下ろした瞬間…

 

 

「ハァァー…ハァ!!」

 

 

…後方から叫び声と音に大きな爆発が起き藍染は刀を止めた。

 

物凄い爆煙が舞い上がり辺りを包みんだ。その光景を皆静かに見ている。そして次第に変身を完了したデストロイヤーの姿が見え始める。

 

姿は人と同じ姿をし最初に着ていた物に似た服装。頭には二本の角がある兜の様なものを被り、背中に白い巨大な翼、そして尻尾が生えていた。その姿はまるで白龍のよう。(強いて言うならウルキオラの帰刃【黒翼大魔(ムルシエラゴ)】の第一形態に以外姿で羽と尻尾がドラゴンになっている)

 

「それが…君の真の姿か」

 

「…そうですよ。この姿が私の最強の姿です」

 

「…素晴らしい、実に素晴らしい霊圧だよ。これ程迄の力を持ち合わせていたなんて。しかし如何に君の力が強大であってもこの私の力には遠く及ばないと言うことを」

 

胸に埋め込めている崩玉が光りだすと重なっていた羽が開いた。そして藍染さんが光りに包まれるとテレポートで姿を消すが私には分かっている。光りが発生すると後ろに現れ剣を振りかざす。私は右手の爪を伸ばし防ぐ。

互いの攻撃がぶつかり合い弾くと左側の建物が吹き飛び地面が削られ巨大なクレーターが出来上がる。その光景に死神達は驚いている。大前田さんに関しては叫び声を上げている。

 

「よく躱した。だが驚いているのだろう?刀の一振りで地形が変わる、それが今の私の力だ。正直自身の能力がここまで上昇しているとはいるとは思ってなく私も驚いているよ。…嬉しいよデストロイヤー。君のお陰で虚も死神も超越したこの力を、私は存分に試す事が出来る」

 

藍染さんは正面から突っ込んで来る。両手の爪を伸ばし振られる剣を防ぎ払う。藍染さんが[攻め】、私が【防御】するという攻防が何回か繰り返される度に建物が破壊され煙が上がる。

煙の中に立ち尽くす私に藍染さんが斬りかかるがそれを受け止め互いに立ち尽くす。

 

「フッ」

 

「?何が可笑しいのですか?」

 

「今の斬撃の応酬で分かったんだ。君の力は次元を異としている。しかし空は私に及ばない。つまり…私がその気になれば君の体は一振りで斬られる」

 

藍染さんは力を込め剣を振るうが、私はその剣を右手で受け止めた。すると自分の真後ろの地面に穴が空きクレーターが出来上がった。藍染さんは信じられないと言いたげな顔になり先程までの余裕が消え目も揺らいでいる。

 

「(躱したのなら分かる。いやそれ以前に躱せる速度でもない筈だが、それでも躱したと言うのならまだ分かる。しかし受け止めた!)」

 

「どうしたんですか?そんな信じられないものを見たような顔をして?そんなに信じられませんか?私が貴方の剣を受け止めた事が」

 

「何!?」

 

「貴方は恐れているんですよ。この私というイレギュラー(・・・・・・)な存在に」

 

「…フフフフ」

 

「?」

 

「面白い事を言うじゃないか」

 

受け止めた剣を話すと藍染さんは後方にへと軽く飛んだ。

 

「君如きを恐れているだと?勝ち誇った口を利くなよ。今のは君の膂力が瞬間的に私を上回っただけの事。そのような奇跡も時として起こることだ。だが私はそれをも凌駕する存在。ならそんな奇跡など二度と起こらぬよう鬼道で微塵に押し潰すだけだ」

 

「【滲み出す混濁(こんだく)の紋章 不遜(ふそん)なる狂気の器 湧きあがり・否定し痺れ・瞬き眠りを妨げる 爬行(はこう)する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ】ーーーー破道の九十【黒棺(くろひつぎ)】!」

 

私の周りに黒い長方形の四角形が現れ私を包み込んでいく。

 

「虚も死神も超越した私の放つ完全詠唱の【黒棺】だ。時空が歪む程の重力の奔流だ。いくら君とて理解することは出来まい」

 

完全に包み込まれ黒棺の中で奔流が私を襲うが、正直そこまでダメージはない。精々擦り傷程度である。この世界に来たばかりの私だったら大ダメージどころか下手すれば死んでいたかもしれません。しかし私は自分の力量を高める為に練磨を絶やさなかった。そしてこの最強形態の私ならこの程度の鬼道堂という事はない。

でもずっとこの中に居る訳にもいかないので、尻尾を使ってこの棺を薙ぎ払い叩き潰した。

 

外に出た瞬間暗い所にいたから陽の光が眩しく感じられる。目の前には信じられないものを見ているような顔をしている。

 

「これが貴方の全力ですか…だとすればーーーー期待外れですね」

 

右手の爪を伸ばし藍染さんを斬りつける。その勢いを利用して尻尾に叩きつけようとするが、その前にテレポートされた事によって空振りにする。空振り尻尾は宙を斬りその衝撃が直線状にあった建物を破壊する。

テレポートした藍染さんは一つのビルの屋上に移動し、斬りつけたらところを手で押さえる。

 

「おや、どうしましたか?貴方が距離を置くなんてらしくない行動ですね。自分より格下の相手にどうして距離を置いたんですか?」

 

「…そうか…私の剣を止めた事が嬉しいか……私の鬼道を打ち砕いた事が嬉しいか……私の体に傷を付けた事が嬉しいか…」

 

その顔からは今までのような余裕は消え怒りに満ちた表情になっていた。

 

「エェ、嬉しいですよ。貴方の鼻をへし折ってあげたんですからね」

 

「ーー!!思い上がるなよーーーー破面如きがァー!!」

 

その言葉に藍染さんの怒りが爆発し絶叫したと同時に額の宝石部分が砕け散り目玉のようなものが現れる。藍染さんの本来の目はまるで正気を失ったかのように揺らいでいる。

その砕けた部分から血が流れ出しその目玉が不気味に動き、その目玉を中心に藍染さんの顔に罅が入り再び紫色の光の柱が登る。

 

「ウゥアァァーーーーーー!!」

 

その絶叫と共に柱から血液と思われる紅い液体が飛び散り砕けるとさらに異形の姿に進化した藍染さんが姿を現した。

 

その顔の表面は皮膚が禿げ黒い皮膚が露わになり歯が剥き出し、目は眼球がなく白眼になっている。羽は6枚になり翼竜くらいの大きさに巨大化、それぞれの羽の中央の先端には仮面を付けたような顔と口が付いていた。

 

『そうか…やはり許せないか崩玉よ。この私が破面如きに遅れを取るのは』

 

一つの口が開くとそこから紫色の光を投げ飛ばすと巨大な爆発が起きその辺り一帯を吹き飛ばし火の海と化した。

私は羽を使って防御するが今の一撃でボロボロになってしまった。

 

『ほぉ…今のを受けてその程度か。だがその羽はもう使い物になるまい』

 

…使い物にならない?もしかしてこの人?怒りで忘れてしまってるんですかね。私には再生能力(・・・・)がある事を。力を集中させボロボロになった羽を元の状態に戻す。

 

「この程度はクタバリませんよ」

 

『そうか…君には再生力があるんだったな。だったら二度と再生出来ないよう消し飛ばしてしまえばいい!』

 

藍染さんは地面を蹴ると物凄いスピードで直進に進んでくる。私は羽根を羽ばたかせるとその勢いで飛ばされた羽が刃物のように鋭く硬化させされている。藍染さんはそれを全て躱し止まらない。だったら接近戦で応戦しようと両爪を伸ばす。互いにぶつかり合うときに手首を摘まれてしまう。ならばと尻尾で叩きつけようとするも顔の一つが噛み付いてきた。手首を掴まれ尻尾を噛み付かれ身動きが取れない状態に陥る。

その間に別の顔が先程の攻撃を土手っ腹にへと打ち込んだ。いくら再生が出来るからってほぼゼロ距離で喰らえばダメージは逃れない。

 

爆炎の中から飛び出した私を追って来た藍染さんは、首を掴まれると彼の羽が包み込むように私の周りを覆い、それぞれの羽の間にあった目が見開くと紫色のエネルギーが輪を作るように展開される。その衝撃波が辺りの炎を搔き消し大中小の輪が我々を囲うように作り上げられた。

 

『どうだいデストロイヤー。確かに君は死神と虚の境界を破壊した私と同等の存在になっただろう。だがそれも更なる進化遂げ超越した私には取るに足らないのだ。超越者たる私の手によって死を迎える。私は君を討ち殺し死神と虚と低劣な存在から完全に決別するのだ。終わりだ!そしてさらばだ、デストロイヤー・レイ!』

 

首を掴んでいる藍染さんの手がさらに力を込める。だが甘いですね。

 

「いい気になるのもそこまでですよ」

 

掴んでいる手に尻尾を巻きつけ力を込め首を掴んでいた手を退けさせる。そして両爪が三重の輪を斬り裂き破壊する。

 

「これ以上戦っても仕方ありませんね。次で決着を付けるとしましょう」

 

『何!?」

 

「藍染さん教えてあげますよ。実は私この姿よりーーー更に上の変身を手に入れたんですよ」

 

その言葉にその場にいる者達に衝撃が走る。先程「これが最強の姿」と言っておきながらまだ上の変身が出来るなど想像もしていなかっただろうから。

 

「しかしその変身を手に入れたのはつい最近の事、ですから私以外その事をする者はいません」

 

実は更なる変身は十一刃を集結させての会議が終わって直ぐの事。だからまだ誰にも見せていない故に自身を除いて知る者はいない。

 

「お見せしましょう。この私の更なる進化を!」

 

これの力で貴方(藍染)を止める!

 




最強の姿と言ったな。あれは嘘だ(玄◯さん風)

次回はいよいよ藍染との戦いに終止符が打たれます。

まだまだアンケートは募集してますのでよろしくお願いします。

お気に入り登録と高評価、感想の方もお願いします。

※この頃最近新規更新すると何故かお気に入りが減ってしまって落ち込んでしまう。


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46話 決着

最近涼しくなって過ごしやすくなったなと思っている作者です。でもこれからインフルなどの風邪が流行ってくるので皆さん気を付けましょう。
そして明日は台風が直撃。今年台風多過ぎ〜!

今回は藍染との戦い決着です。人によっては最後の方で思わないどんでん返しが来るかもしれません。

それではどうぞ。


崩玉と融合した虚と死神の次元を藍染は驚異の進化を遂げその姿を怪物にへと変えた。

デストロイヤーは藍染を倒すために手に入れて間もない更なる変身を行う事にした。

 

「お見せしましょう。私の更なる進化を!ハァァ……フン!」

 

黒い光が私を包み込み黒い柱が上がる。その気迫の振動で大気が震え、大地が揺れる。

 

 

「ハァァーーーハァアーー!!

 

 

絶叫と共に黒い光が光り辺りを照らす。その光が収まり始め姿が見えてくるとそこにはーー服、羽、尻尾、兜ーー白が特徴的だった部分が全て黒く塗りつぶされていた。その姿はまるで漆黒の龍こと【黒龍】のようであった。

 

「分かりやすく黒くしてしましたが、少し単純でしたかね?安っぽいネーミングですが私はこの姿を【ブラック・デストロイヤー】と名付けました」

 

この変身は前世で自分が最も好きで悪役として最も尊敬しているといっても過言ではない【あのお方】を元にして編み出したのです。

 

「しかしただ色が変わった訳ではありませんよ。

 

あの顔の藍染さんでは全く表情がわかりません。勘違いかもしれませんが恐らく動揺しているのだと思います。今まで藍染さんの進化後に凌駕されたが、私は変身してその度に立場が逆転していったのですから。

 

『(まだ何も感じられない。私は死神から別次元にへと進化を遂げることによって二次元の存在が三次元の存在に干渉出来ぬように、自ら意図的にレベルを下げて干渉させぬ限り死神も人間も私の霊圧を感じ取る事は出来なくなった)』

 

『(まさか…まさか奴は……奴は私よりも…更に上の次元に立っていると言うのか!?)』

 

藍染さんはその事に腹を立て今までにないほどに口を噛み締める。

 

『馬鹿な!そんな筈があるか!たかが破面如きがこの私を超えるなど、そんな事がある筈がない!』

 

「どんなに否定してもこれが現実ですよ。」

 

否定する藍染さんを無視して黒く染まった両爪を伸ばす。

 

 

 

殲滅の斬撃(ブロサンド・コロタンデ)

 

 

 

鋭い漆黒の爪が藍染さんの身体を斬り裂いた。その衝撃は数キロ先にまで影響を及ぼし数キロ先まで削れていた。

 

私は地上に降りブラック化を解く。

 

「ハァ…ハァ…やっぱり少し無茶でしたかね」

 

ブラック化はまだ手に入れ間もない、つまりまだこの姿には慣れていない。故に体力の消耗が激しい為他の姿とは違い長く維持する事が不可能。だから大技を使えば体力が一気に消耗する。

 

斬り裂かれ倒れている藍染さんに目をやると、斬り裂かれた身体が縫い目を止めるように傷口を塞ぐ。

 

「ン…ンンン」

 

呻き声を上げながら立ち上がった。その顔は右目の眼球か白い膜に覆われ口の右側には破面のように虚の仮面の名残がある。

 

「まだ再生出来るのですか。なかなかしぶといですね」

 

「強がりは沈んだデストロイヤー・レイ。君の負けだ。…見ろ」

 

右手を前に差し出すと握っている斬魄刀が先からボロボロと砕け散っていく。

 

「斬魄刀が消えていく。この意味が分かるか?崩玉が私に斬魄刀など必要ないと判断したのだ」

 

「先程の変身した姿……ブラックと言ったかな?あの姿の君と同じ、いや今の攻撃で力を消耗した君を遥かに凌ぐ高みへと私は上り詰める。終わりだ、デストロイヤー・レイ!」

 

「終わり?そうですね終わりです。…貴方がね」

 

私は影分身を使って3人に分身する(分身している間それぞれのセリフの前にデ1、デ2、デ3と称する)。

そしてそれぞれが別のポーズを取る。一人は片足の膝を腰あたりまで持ち上げ両手左右に大きく広げ、また一人身体を後ろへ寄り添い両手の掌を内側にへと向け、またまた一人は重心を下げ両手を前にへと突き出す。そして3人とも右手の中指と人差し指を突き出した状態で天を衝き、内側に右手を一回転させると掌から紫色の気が溢れて藍染さんにへと放ち浴びせる。ダメージが入らない事に一瞬戸惑ったようだが、直ぐにニヤリと笑いと笑い見下す。

 

「効かないな。何をする気かは知らないがこんな技では私を倒す事など出来やしない」

 

デ1「…別に貴方を倒すつもりはないですよ。それにこの技はダメージを与える技ではありませんから」

 

「何だと?」

 

『三拳魔秘伝リンギ慟哭丸(どうこくがん)】!

 

気を放ちながら別の気を放つ。それは小さい黄色い球体型だが藍染さんに当たった瞬間、球体は巨大化し藍染さんを閉じ込めた。

 

「こ、これは!?」

 

デ1「これは【呪い】ですよーーー【封印】と言うなのね」

 

デ2 「別に倒すだけが勝利ではないのですよ」

 

デ3 「それに貴方を倒す事は殆どの確率で不可能に等しい」

 

デ1「しかし倒す事は無理でも封じ込める事は可能です」

 

でもこの人には一度使用した技はまず通用しない。だからこの技はとっておいたのですーーこの時の為にね。

 

「そうか。しかし残念だったな。私は更なる進化を遂げようとしているのだ。この程度の技で私を封じる事だど出来ぬものか!」

 

藍染さんが腕を振り払った瞬間、斬魄刀と共に腕を覆っていた白い膜が砕けるように剥がれ肌色の皮膚が露わになった。

 

「何だ…これは…」

 

「それが崩玉の意志ッスよ」

 

藍染さんが自身に起こっている予想外の状況に困惑していると浦原さんが答える。

 

「浦原喜助!?」

 

「今貴方に起きているその現象は貴方の力が弱まったからっス。それもそちらの方(デストロイヤー・レイ)が深手を負わせてくれたお陰っスよ」

 

 

 

 

「崩玉はーーーー貴方を主とは認めないーーーーそう言ってるんス」

 

 

 

 

「…馬鹿な…そんな訳があるか…そんな訳が…」

 

藍染がショックを受けている合間にも球体は徐々に収縮し始める。

 

「浦原…浦原喜助ェ…私はお前を蔑如する!お前程の頭脳がありながら何故動かない!何故あんなものに従っていられる!それにデストロイヤー、お前もだ!それだけの力を持ちながら世界を取ろうと思わないのか!お前もあんなものに従えばいずれ後悔する事になるんだぞ!」

 

デ1「あんなもの?」

 

「霊王の事スか?そうか…貴方は見たんスね。霊王の存在が無ければ尸魂界(ソウル・ソサエティー)は分裂する。霊王は楔ッなんス。楔を失えば容易く崩れる。…世界とはそういうものなんっス」

 

「それは敗者の理論だ!勝者とは常に世界で【どういうものか】ではなく、【どう在るべきか】について語らなければならない!私はーー」

 

だが言い終わる前に藍染を包んでいた球体は光ると急激に縮小していき、ゴルフボールくらいの大きさにまで縮小され地面に落ちた。その表面には藍染の顔が浮かび上がっている。

 

私は分身を消し変身を解除して最初の姿に戻り慟哭丸にされた藍染さんを手に取る。

 

「藍染さん…貴方が私に敗北した理由は力の差なんかではありません。経験の差でもありません。私は()()()()()()()()()()()()()()()、それだけです。それに私はその霊王とか言うものに縛られる気は一切ありませんよ。何故ならーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーこの世界での私の役目は終わったのですから」

 

私は慟哭丸を浦原さんにへと投げつけた。投げつけられた本人は突然のことで慌てて受け取った。

 

「その慟哭丸は貴方に預けますよ。私には必要ない物なので。さて…」

 

私は倒れているギンさんにへと足を進める。

 

「辞めて!ギンに近づかないで!」

 

だが乱菊さんが私を近づかせないように前に出て彼の盾になる。私は前に彼女と戦闘した時屈辱を受けるような事をしたのでいい思いはないでしょうね。

 

「別に変な事はしませんよ。だからそこを退いてください」

 

しかし乱菊さんは一向に退こうとしない。仕方がないので響転でギンさんの側により生死を確認する。

「…死んでますね。これなら…」

 

彼の生死を確認し終えポケットからある物を取り出す。それは密かに回収していたブラコさんの【真毒】。その一本をギンさんの胸にへと突き刺すと【真毒】は忽ちギンさんの身体にへと入り込む。「ドックン、ドックン」と心臓の鼓動が聞こえる。

 

「ン…ンン…ッ!?此処は!?」

 

「ギン!」

 

乱菊さんはギンさんが起きた事で涙ながら抱きついた。

 

「乱菊。僕は一体?確か藍染に斬られた筈。何の何で生きてるん?」

 

「それは私が【真毒】で貴方を生き返らせたからですよ」

 

掌にある残りの【真毒】をギンさんに見せ説明する。

 

「…何で僕を助けるような真似したん?」

 

「…主な理由は二つあります藍染さんを討ち取る為だったとはいえ一時的に護廷十三隊の皆さんを裏切った事には変わりありません。だから生きてその罪を償いなさい。そしてーーーーーーーー貴方の大切な人と共に生きてほしかったからです」

 

私は言葉の後に乱菊さんを見る。それを察したギンさんは一言「ありがとうな、ホンマ」とお礼を言った。

 

「さて、では私もここで帰らせてもらいましょうか」

 

藍染さんを封印しやる事も終わったので此処に長居は無用なので帰ることにし黒腔(ガルガンタ)を開ける。中に入ろうとするとーーーー

 

「あの〜、ちょっといいスか?これはどうしたらいいスかね?」

 

ーーーー突然浦原さんに呼び止められ藍染さんの慟哭丸をどうするかについて質問してきた。

 

「普通に保管していて大丈夫ですよ。慟哭丸の呪いはそう簡単には解けませんから心配する必要はありませんよ」

 

「それならこれ(慟哭丸)はアタシが責任もって管理します。それから一つ聞かせてほしンスけど、貴方が言ってさっき言っていた藍染さんに【足りないもの】って何だったンスか?」

 

「それは簡単ですよ。藍染さんに足りなかったものそれはーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心から信じられる仲間ーーーーーですよ」

 

藍染さんは原作で忠誠を誓っていたハリベルさんを斬り捨て、同じく忠誠を尽くしていた副官の東仙さんも敗北すると何の躊躇もなく殺した(この世界では私の介入によってハリベルさんは無事に帰還、東仙さんの場合は私のと戦いでそんな暇はなかった)。藍染さんにとって配下の者達、副官ですら唯の道具と同じイヤそれ以下の価値なのかもしれません。

 

しかし私は心の底から自身の従属官を信頼している。側近の2人や最上級幹部達は特に。

 

「友子さんは帰還する時私にこう言いました。『必ず帰って来て』っと。私には待ってる人がいる、待ってくれている人がいる。だからこので死ぬ訳にはいかなかったのですよ」

 

「…そうスか」

 

その言葉はなんか喜びが混じっていたように聞こえた。

 

「それでは死神の皆さん、さようなら」

 

最後にそれだけ言って黒腔を閉じる。恐らく彼等と会う事はもう二度とないに等しい。何故なら私はーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーもうすぐこの世界から消えるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

デストロイヤーが現世を去って少し経った頃に一護達が黒腔を通って現世にへと帰還した。

しかし着いてみると平子真子達「仮面軍団」がいる事にも驚いたが、それ以上に街(レプリカの街)は至る所破壊されているのに、やに静かであった不思議に思っていた。

 

その場にいた浦原喜助に聞くと「藍染さんはこの球に封印されました」と掌の慟哭丸を見せた。状況が読み込めない一行に浦原喜助は今まで凝った事を全て説明した。

 

説明が終わるとに黒崎一護は「何だよそれ…」言うとと疲労が一気に出たのかその場に座り込み織姫に介護されるのであった。




やっと藍染との戦いが終わりました。最後の一護達が出落ちなってしまいましたが、オリ主が活躍させたいからこうするしかなかったんですもん!
と言うわけで一護は原作と違い死神の力を失いません。

次回は現世での藍染との戦いの最中での虚夜宮での出来事を少し書いてオリ主の帰還での事を書きます。

番外編のアンケートはまだ実地していますのでよろしければお願いします。

お気に入りや高評価の方お願いします。勿論感想もあればお願います。


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47話 虚夜宮の戦闘と主人の帰還 チルッチに衝撃宣言

今回は藍染との戦闘の最中、一護達が現世へと向かった後の虚夜宮の様子を少しお送りして、自身の宮に帰って来たんだデストロイヤーの話です。

最近お気に入りが減ったり評価が下がったりして落ち込んでいましたが何とか少し立ち直りました。面白いと思ったらお気に入り登録等お願いします。




デストロイヤーが現世で藍染と戦っている頃、虚夜宮(ラス・ノーチェス)でも彼の最強クラスの2人の従属官と2名の隊長格が戦闘を繰り広げていた。

 

 

 

 

 

 

スレイプニルと白哉の戦いは白熱していた。縛道で動きを封じ込めようとするが、スレイプニルは槍で全て弾き返す。縛道の一つ【這縄(はいなわ)】で縛り上げるもそれを力任せに引き千切って脱出。

主に接近戦が主流のスレイプニルには破道の技【蒼火墜(そうかつい)】を盾で防ぎ詰め寄ろうとするが白哉の斬魄刀【千本桜】の無数の花弁の刃が横から流れ込みそれを阻止される。

 

正に一進一退の攻防が続いていた。

 

「兄、中々やるな。先程の貴様が傲っていたと言った事は謝罪しよう」

 

「別に構わん。私も貴様の事を少々嘗めていたからな。だからその詫びとしてこちらで相手をしてやろう」

 

スレイプニルは持っていた槍を消すと新たに黒い剣が現れる。槍から剣にへと持ち替えたと言う事はーーー(スレイプニル)が本気で戦うと言う事だ。

 

「それが兄の本来の武器か。良かろう、なら私も全力を出すとしよう」

 

「そうか。なら此処いらで決着を付けるとしよう」

 

先に白哉が動き【千本桜】をスレイプニルにへ波打たたせる。勿論スレイプニルは動いたが、なんと【千本桜】の花弁に向かって進み出したのだ。走りながら軽く飛び跳ねると体を高速回転させそのまま花弁の渦の中にへと突っ込む。

 

渦の中を回転しながら突き進みその先にいる白哉のところまで進むがそのまま横を素通りし砂地に着地する。

静寂の中白哉の頬からは血が流れる。すれ違い最中攻撃が掠っていたのだ。

 

白哉の方へ向き直るスレイプニル、彼の顔は表情は分からないが何だかんだで楽しんでいるように見えた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ドレイクと剣八の戦闘バカの方は剣の応酬で砂地のあちこちにクレーターが出来上がっていた。

 

「オラァ!もっとだもっとだァ!!」

 

「ハッハァーー!!」

 

互いの剣がぶつかり合い凄まじい衝撃が辺り一帯を襲う。この2人が加減という言葉を知らない故であろう。

剣八がドレイクの剣を払いのけ斬りつける。しかしドレイクの頑丈な鎧には傷一つ付いていない。

 

「ケッ。随分と硬い鎧だな。傷一つ付きやしね」

 

「当たり前だ。この俺の傷つける事が出来るのはこの世でたった一人だけだ。如何にお前が俺と同格の力を持っているとしても、この俺を傷つける事は出来ねェんだよ!」

 

ドレイクが纏っている鎧は十一刃最高硬度の鋼皮を持つノイトラの鋼皮の更に10倍以上の硬さを誇っているのだ。

 

「そうかい。だがそれを聞いて余計にテメェを斬りたくなったぜ!」

 

「ホザけ!ハッ!」

 

ドレイクは左手から緑色の光弾を発射する。剣八はそれを左手で受け止めて握り締め、後ろの砂地へと投げ飛ばす。光弾は砂地に直撃し大量の砂埃が舞い上がる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「全く。ドレイクだけでなくスレイプニルまで楽しんでしまうとは…」

 

「これは予想外だった。まさかあのスレイプニルが戦いを楽しむとは…」

 

スフィンクスはドレイクは兎も角スレイプニルまで戦いを楽しんでしまっている事に驚いている。それはダゴンも同様ーーーーー自身が相手もしろと言ったとはいえデストロイヤーの従属官にして、彼の右腕であり最強の従属官であるスレイプニルが戦いを楽しんでしまう結果になるとは予想もしていなかった。どうしたものかと悩んでいると…

 

 

「皆さん、宜しいでしょうか?」

 

 

身体全身が黒く太い腕、最大の特徴は悪魔のような鋭い眼つきの人ならざる者ーーーーーー上級幹部の一人にしてそのリーダー的存在である【メフィラス星人】がテレポートして現れる。

 

「どうしたメフィラス」

 

「はい。たった今現世に行かれていた者達が帰還しましたのでその報告に来ました」

 

「そうですか」

 

現世に出向いていた者達の帰還、これによってスレイプニルとドレイクの戦闘は必要なくなったのだが、2人とも戦闘を楽しんでおり収まる気配がない。しかもドレイクに関してはもう手が付けられないかもしれない位にまでヒートアップしている。

 

「どうした?まだまだこんなモンじゃねェだろ?もっと本気を出せよ!」

 

「面白れェ。だったら全力で行かせてもらうぜ」

 

ドレイクは剣を振り上げその先に緑色の巨大なエネルギーの玉を作りあげる。それを見た剣八はニヤリと笑いを浮かべ右眼に付けていた眼帯を取ろうとする。その場にいた胡蝶と最上級幹部の面々は主人であるデストロイヤーが現世に向かう前に剣八の眼帯の事を言われていた。

 

彼は眼帯で霊圧に封をして抑え込んでいる。故にその眼帯が外れれば本来の力が解放される。

 

この2人(ドレイクと剣八)が本気になったら虚夜宮が消滅し兼ねない。それはなんとしても阻止しなくてはならない。

 

「スレイプニル、ドレイクそこまでです。現世に行った者達が帰ってきました。戦いはここまでです」

 

スフィンクスがやや慌てて戦闘中の2人に声を掛け静止させる。

 

「…分かった」

 

「何言ってやがる。これからが本番なんだ!もっと戦わせろ!!」

 

それを聞いてスレイプニルは承諾するが案の定ドレイクは拒む。元々戦いが好きな戦闘狂なだけあって戦い足りないと言わんばかりに拒否する。

 

「…ドレイク。この者達と戦ったのは確かにダゴンが言ったことだ。だがそれ以前に我々はデストロイヤー様からなるべく戦闘を避けるよう言われてたであろう」

 

「それに貴方はデストロイヤー様の片腕の存在、軽率な限度は控えていただきたいですね」

 

スレイプニルに説教を食らわれスフィンクスには正論を言われドレイクは何も言わず睨みつける。不穏な静寂が訪れる。

 

「…ケッ!」

 

先に折れたのはドレイクの方であった。舌打ちをするとエネルギーを消し剣を振り下ろしダゴン達がいる場所にへと足を進める。その事に剣八が不安の声を上げる。

 

「おい、何処行くんだ?まだ決着ついてねェだろ?」

 

「先程此方の方が仰ったではないですか。現世に行っていた私達の仲間が帰還いたしましたので戦いを止めるように言ったのです。これ以上は無意味に等しいですからね」

 

メフィラスが丁寧語で説明する。しかしそれを聞いて…

 

「巫山戯んな。これからって時に終わりにするのかよ!?冗談じゃねェ」

 

…油に火を注いでしまったようだ。元より「はい、そうですか。分かりました」なんて素直に聞き入れる人ではない。

 

「ゴメンね。これ以上ヤるとデストロイヤー様の命令に反する事になるからさ」

 

「それに元より我々は争うつもりはないのだから」

 

そもそも戦う羽目になったのはこのバカ共(堅物と戦闘狂)では話しても無駄だと思ったからであるから故。(まぁ途中から2人(スレイプニルとドレイク)もノリノリだったと思うが)

 

「それではこれで失礼させてもらいます。」

 

彼等の足元に魔法陣が現れると、その中に吸い込まれるように消えた。

 

「あっ、おい!待ちやがれ!」

 

剣八は慌ててで魔法陣の元にへと走り出し剣を振り上げ勢いよく振り下ろす。その勢いで砂埃が舞い上がるが魔法陣は既に消えていた。

 

「チッ、いいとこだったのによ…」

 

「まぁまぁ、そこまでにしてはいかがですか更木隊長」

 

文句を垂れる剣八の元に四番隊長隊長の卯ノ花隊長がニコニコしながら近づいて来た。

 

「あの方々が言った通り私達に危害を加える様子はありませんでした。そもそも貴方達お二人(白哉と剣八)が先に手を出したので正当防衛と言えるべき行動をとったに過ぎません。そして彼等は引いた。…私達の此処での役目も終えたと言っても過言ではありません。向こう(浦原喜助)が黒腔を開けるまで私達が貴方達の傷を治療します。いいですね、更木隊長」

 

「煩せ、俺はまだアイツと…「いいですね…更木隊長…」…チッ」

 

卯ノ花隊長はニコニコといい顔で答える。そう…いい顔で…。その顔には流石の剣八も従わざるおえなかった。彼女の副官である虎徹勇音は冷や汗を流し、第七席山田花太郎に関してはビクビク震えていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それから暫くして彼等の主人であるデストロイヤーも黒腔を通って無事に虚夜宮に戻り自身の宮に帰還した。

 

「お帰りなさいませ、デストロイヤー様」

 

帰って早速ロカさんが出迎えてくれた。本当にこの人は良く世話をしてくれるいい子ですよ。この子を捨てたザエルアポロさんの気が知れません、知りたくもありませんけど。

 

「ロカさん友子さん達は?」

 

「はい、友子様達は治療室にいます」

 

「そうですか。ありがとうございます」

 

御礼を言うとロカさんは無言で頭を下げる。それを見送り治療室にへと向かう。

 

扉の前に着くと「ウィーン」と開く。中には友子さんを始めスフィンクスさんとハリベルさんがおり、人1人が入れるくらいの大型の機械がいくつも並んでいた。その内6つが現在使用されている。その内5つ中には帰刃が解除されたスターク、アパッチ、ミラローズ、スンスン、そして肉片のような塊が入っていた。

 

「デストロイヤー様!」

 

その機械の操作パネルの前で彼等の治療していた友子さんが私の姿を確認すると直ぐ様抱き着いてき涙を流していた。

 

「お帰り…なさい…ませ」

 

いつもの凛々しくニコッと笑っている彼女からは想像も付かない程弱々しく声を発する。

 

「只今。…心配を掛けてしまいましたね」

 

私は友子さんを落ち着かせようと抱きしめる。そこへハリベルさんが側に来る。

 

「無事に帰って来たのだな」

 

「当たり前ですよ。約束は守る、それが私が決めたルールの一つですから」

 

私の司る死の形は【裏切り】。私は自身に対する事は気にしないが、自ら言った約束を破る事は許せない。

約束を破ると言う事は嘘を付く。つまり相手を裏切ると言う事になる。だから「必ず帰ってくる」と言う約束を破る訳にはいかなったのです。

 

「ところで一つ聞きたいのですがーーーーどうして胡蝶さんにもマシンを使っているのですか?」

 

使用中のメディカルマシンの6つ目には私の従属官であり側近の1人である吉田胡蝶さんが入っていたのだ。確かに自身が現世に出向いている時に「従属官達の事を任せる」と言いましたけど、彼女がこんなマシンを使う程の重傷を負ったとは考えられない。

隊長格と戦ったと思うが「なるべく戦闘は避けるように」と言っていたので彼女が自ら戦う事はない。それに今白哉さんと剣八さんの相手はスレイプニルさんもドレイクさんが相手をしていたって言っていたし。どうして?

「そこの事については私が話します」

 

疑問に思っているとスフィンクスさんがその訳を全て話してくれた。

 

宮の地下に幽閉されていたミストルティンさんが出てきてヤミーさんを殺した事、一護さんとウルキオラさんとの戦いの霊圧に気を取られて彼女の脱獄を許してしまった償いをしようと胡蝶さんが戦った事、【絶望の蕾】に閉じ込められるも打ち破り新たな力を手に入れミストルティンを倒した事…。

 

「そんな事が…」

 

それで納得がいった。ミストルティンの平均の強さは一般の数字持ち(ヌメロス)や当時の我が従属官の上級幹部クラス。故に胡蝶さんがお手を煩わせたのも当然である。

しかしこれは胡蝶さんがやるべき事だったのか?ミストルティンを脱獄させたのは「この結界は決して壊れない」と言う私の慢心から起こった事。その結果ヤミーさんは死に、胡蝶さんもこのような状態にさせたーーーーー全ては私の罪だ。そだから胡蝶さんが背負う事はなかった筈です。それなのにどうして…。

 

「…デストロイヤー様、お言葉ですがそれは彼女(胡蝶)自身が望んだ結果です」

 

「胡蝶さんが…?」

 

「はい。彼女は貴方の側近の一人。常に貴方をサポートする存在です。ですから少しでも貴方の役に立ちたかったのではないかと思います」

 

…確かに。友子さんと胡蝶さんは私を一番近くで支えてくれる存在。だから少しでも私へと負担を減らしたかったのでしょう。…私はカプセルのガラスに手を当て心の中でお礼を言った。…ありがとう。

 

「しかしデストロイヤー様、彼女が新たな力を手に入れたのはチルッチのお陰です」

 

「ハッ!?」

 

突如名前を言われたチルッチさんはビクッとしましたが、それはどういう事でしょう?

 

「…どういう事ですか?」

 

「失礼を承知で発言します。胡蝶が【絶望の蕾】に閉じ込められた時その場に殆どの者は「終わった」と思ってしまったと思います。事実私もその内の一人でしたから。しかしチルッチは彼女に声援を送ったのです」

 

「違うわよ!あれはアイツがこんな所で居なくなったら…張り合う相手が居なくなって詰まらないし…〜ッ兎に角!アタシはアイツ(胡蝶)の応援なんてしてないんだからね!!」

 

「しかし結果的には彼女は新たな力を手に入れた。貴方のお陰には変わりないと思いますよ」

 

チルッチさんは思いっきり否定するも軽くアシらわれ恥ずかしいのか顔をトマトのように真っ赤にしながらプルプル震えていた。

 

「そうですか。チルッチさんありがとうございます」

 

「べ、別にそんなんじゃないし!勘違いするんじゃないわよ!」

 

最近チッルチさんがツンデレぽくなっているような気がするのですが…でも可愛いからいいんですけどね。

 

 

藍染さんが虚夜宮(ここ)から居なくなった今、こんな楽しい日々がいつまでも続いてほしいと思います。

 

 

ーーーーーしかし、それは叶わない願いかもしれません。

 

 

 

「…チルッチさん貴方に言わなければならない事があります。こちらへ来てください」

 

「何よ急に改まって。それに何でわざわざ席を外さなきゃいけないのよ?」

 

「それは後で話します。兎に角今は何も聞かずについて来てください」

 

「だからアタシは…ってちょっと待ちなさいよ!」

 

チルッチさんは私を追って急いで治療室から出ていく。そしてすぐ近くの小部屋にへと入る。

 

「それで話しって何よ?」

 

「実は…その…」

 

「何よ、早く言いなさいよ。ほら、ほら」

 

「チルッチさん…実は…貴方とはーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーここでお別れです」

 

 

 

 

「えっ?」

 

予想もしないセリフにチルッチさんは呆気ない声を上げた。




何故デストロイヤーがチルッチにあんな事を言ったのか、それは次回明らか。

そして次回……最終回。

※アンケートはまだ実地しています。


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48話 一つの歴史の終わり そして新たな歴史の始まり

お久しぶりです。アニメ大好きです。

遂にこの作品も今回で最終回になってしまいました。ここまでやってこれたのも皆様のお陰です。感謝の気持ちで一杯です!

前置きはこれくらいにして最終回をどうぞ。


チルッチさんは私の発した言葉に呆気に取られ戸惑いを隠せないでいた。

 

「ちょ、ちょっと。意味分かんないだけど…別れ?変な冗談は辞めてなさいよ」

 

チッルチさんはいつも通りの強がりな口調だがその声は若干震えている。今の言葉が心に響いたみたいですね。

 

「…遂にこの話をする時がきましたね。私の秘密を」

 

「アンタの…秘密…?」

 

「そうです。私はーーーーーこの世界の住人ではないのです」

 

「…ハ?…何それ…この世界の住人じゃない?どう言うことよ!?」

 

気の抜けた声を出す。それはそうだ。いきなり「私は異世界から来た者です」なんて言って「ハイ、そうですか」って納得出来るわけがありません。

 

「私、いや私を含めた私の従属官達は皆この世界には本来存在しない者達です」

 

私は今日までの出来事を全て話した。元々はこの世界で言う現世にいた一人の社会人で、パソコンを開いたらあるサイトを見つけてこの世界に転生を果たした。

そしてその特典と言うプレゼントで破面化したら藍染さん以上の力と鍛えれば向上する体、そして自分が好きなキャラーーつまり現在の私の従属官達を部下に出来るようにした事。

 

「…これが今日までの私の全てです」

 

「成る程ね、でもこれで今までの行動全てに納得かいったわ」

 

先ずノイトラさんとチルッチさんの第5十一刃の階級争奪戦。更なる力を手に入れたノイトラさんが誰を指名するのか、まるで分かっていたみたいに慌てなかった。

次にドルドーニさんとウルキオラさんの第4十一刃の座の争奪戦。これも戦いの決着が分かっていたかのように見に行かなかった。

 

他にも幾つか思い当たる節があると思いますが、数えてたらキリがないでしょう。

 

「ところでアンタは未来(原作)の事を知ってる言ったわよね」

 

「そうですけど…」

 

「…ならアタシは本来(原作通り)だったら…どうなってたの…」

 

「…貴方は本来侵入者の一人である【石田雨竜】に倒された後、葬討部隊(エクセキアス)によって回収されザエルアポロさんの研究材料になってしまうのです」

 

原作漫画の方は読んでいなかったのでそれ以降の事はどうなったのかは分かりませんが。

 

「そう…まぁアンタが異世界から来たって事は分かったわ。でもなんでそれが…アタシと別れるなんて事になるのよ!?」

 

「……先程も言ったように私達は貴方と違ってこの世界の住人ではありません。そしてこの世界での私の役目は終わりました」

 

この世界での役目は終わった。だから私がこの世界に留まる理由はなくなった。そして本来存在しない者がこの世界の住人に、これ以上干渉する事は許されないでしょう。

 

「だからーーーーー別の世界に行こうと思っているのです」

 

バラガンさんがまだ虚圏の王だった頃ハリベルさんに与えた二つの選択肢の一つ【自分の目の届かない場所にへと消える事】と言うことになりますかね。

 

「でも貴方は私達とは違い元々この世界の住人。だから連れていけないのです」

 

「…何よそれ…巫山戯んじゃないわよ…」

 

チルッチさんは両手の握り拳を思いっきり握りしめてプルプルと身体が震えていた。

 

「アンタが別の世界から来たからって何!?そんなの関係ないわよ!!アタシはアンタの従属官よ!何処までもアンタについて行くわ!!」

 

本当に強情な人ですね。仕方がない、最後の手段を使いますか。

 

「…では貴方の主人として命令します。貴方を私の従属官から外します」

 

「な!?そんなの…」

 

「勘違いしないでください。これはお願いじゃありません、命令です」

 

従属官は忠実なる部下。主人の命令には逆らう事は許されない。チッルチさんは自ら私の従属官と言った。だから私の命令に逆らう事は出来ない。

 

「これで貴方は私の従属官ではなくなりました。だから私に付いて来る意味もありません。話は終わりです、それでは私はまだやる事があるので失礼します」

 

チルッチさんは未だに納得かいかないって顔をしていますが、私は敢えてそれを無視して扉にへと足を進める。扉が開くと振り返らず…

 

「ーーさようならーー」

 

…それだけ言い部屋を去った。本当は私だって別れたくない。でも彼女は私達とは歩むべき世界が違う。だから仕方がない事なのだ。

しかし私は自身の目から光るものが流れ出ていた事に気付かないでいた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

チルッチさんとの話が終わって治療室に戻ると、治療を終えたスタークさんが同じく治療を終え身体が元に戻ったリリネットさんに蹴られて罵られていた。それをハリベルさんと2人と同じく治療を終えた彼女の従属官達は「またか」と呆れた顔して見ていた。胡蝶さんの治療も無事に終了したみたいでいつもの服を着て椅子に座っていた。

「どうやら皆さん元気になったようですね」

 

私の声に反応し全員が一斉に私の方を見て来た。その瞬間に胡蝶が抱きついてきた。

 

「デストロイヤー様!申し訳ありません」

 

「おっと。どうしたんですか胡蝶さん?」

 

「貴方様がご不在の間私が彼ら(従属官達)の安否を任されたにも関わらず、ミストルティンを脱獄させ多くのロボット兵を破壊され剰え深傷を負いました。私は貴方の側近失格です」

 

「…そんな事はありませんよ。今回の件は私にも責任がありますから」

 

感情が不安定な事もあってその言葉が理解出来ない胡蝶さんは私の顔を見上げる。

 

「しかしミストルティンさんの脱獄は私の『大丈夫、絶対にありえない』という油断が招いた事です。その事により多くのロボット兵が大破、ヤミーさんの死、そして貴方まで危険な目に合わせてしまった。だがら貴方が責任を感じる事はありませんよ」

 

「デストロイヤー様…」

 

その言葉に気持ちが抑えられなくなったみたいで涙目になり抱きつく力が強くなった。私はそんな彼女を慰めようと抱きしめ子供あやす様に背中をさすった。

 

「…おい、いつまでイチャついてんでだよ…」

 

その突然の声に我に返り声のした方を見る。そこには呆れた顔で見ているスタークさんとハリベルさん、イラついているアパッチさんとミラ・ローズさん、赤面して顔を背けるスンスンさんが眺めていた。リリネットさんは友子さんが見せないように抱きしめられ、聞こえないように耳を塞いでいた。…抱きしめられているリリネットさんは苦しいみたいでバタバタしている。

 

「アタシ達がいる前でいつまでイチャイチャしてんだよ!」

 

「アタシ達はアンタらのイチャつきを見にきたわけじゃねェんだよ!」

 

この2人は相変わらず突っかかってきますね。何処ぞの馬鹿だったら「この2人の行動…ヤキモチか」と勘違いすると思いますがそれはない。2人は話を折って私達がイチャついていたのが気に食わないだけでしょう。

 

「止せアパッチ、ミラ・ローズ」

 

「しかしハリベル様、コイツ…」

 

「止しなさいなお2人とも。彼女は私達がご不在の間の事に責任を感じていましたがそれを許されて感情が抑えられなくなってしまったから、あの様な事になったのでしょう。そんな事も分からないなんて…お2人にはデリカシーと言うものがありませんの?」

 

『スンスン、テメェ喧嘩売ってのか!』

 

スンスンさんがまた口を挟んで喧嘩が始まってしまいました。でもこの3人も問題ないみたいで少しホッとしました。

 

 

3人の喧嘩が一通り落ち着いたところでスタークさんやハリベルさん達にも私の事を話した。そしてこれからどうするのかも。

 

「お前が異世界から来た者か…俄かに信じ難いがお前は嘘をつくような奴ではない。信じよう」

 

「でなんだ。話を纏めるとお前はここで俺達と別れるって事か?」

 

「そう言う事になります。だからこの虚圏を統治するのは貴方達のどちらかになります」

 

第0十一刃がこの世界からいなくなるので虚圏を統治するのは十一刃の生き残りであるこの2人のどちらかになる。

原作ではスタークさんはバラガンさんと同じくあの大戦で死亡しているのでハリベルさんが統治者になっていたが、彼が生存した今スタークさんが統治者になる可能性もある。

 

「よせよせ、俺はそんな面倒なの柄じゃねェよ」

 

「私もだ。そんなものに興味はない」

 

やはり2人とも断りますか。元々スタークさんはやる気ないから…失礼ですが始めっから当てにしていませんでしたし、片やハリベルさんは本来(原作)でも従属官の3人から王の座についてほしいと頼まれるも断ったみたいですから。

 

「しかしこの役目を補えるのは貴方達2人しかいないのです。お願い出来ないでしょうか?」

 

「…分かった。なら私がやろう」

 

「!?本当ですか、ハリベルさん」

 

「あぁ。お前の部下にはアパッチ達を助けてもらった、それに私自身も藍染様いや藍染に斬られそうになった所を助けてくれた。その借りを返さなくてはならないからな」

 

なんと情がたい人でしょう。しかしこんなに早く決まるとは思わなかったので少し呆気に取られてしまいました。

 

「スターク、お前にはアパッチ達とは別に私の補佐となってもらいたい」

 

「ハッ!?なんで俺が…」

 

「お前はコイツ(デストロイヤー)には命を救われだろう。私以上に借りがある筈だと思うんだが」

 

「グッ!それを言われちまうと…」

 

スタークさんはハリベルさんとは違って瀕死に近い状態し、彼の半身であるリリネットさんはそれ以上に危ない状態でしたから。彼女よりも私には壮大な貸しがある。

 

「ダァー分かった、分かった。やりゃあ良いんだろやりゃあ」

 

「ありがとうございますお二人共。そしてもう一つお願いがあるのですが…」

 

私はチルッチさんをこの世界に置いていくことにした事を話す。その事にハリベルさん達だけでなく友子さんと胡蝶さんも驚いていた。

 

「だから彼女の事をお願いしたいのです」

 

「…お前はそれで良いのか?」

 

「そうだぜ。アンタはハリベルと同じように自分の従属官を大切にしてたじゃねェか。それなのにアイツ(チルッチ)を置いていくのかよ!?」

 

「…彼女は私達とは違うだからこの世界にいる事が一番なのです。それに彼女はもう私の従属官ではありませんから」

 

その言葉に皆驚いた。特に友子さんと胡蝶さんは信じられないって顔をしていた。

彼女は私と共に歩むべきではないのです。それを私の我儘で色々関わらせてしまった。だからこの世界に置いていくことは彼女にとっての幸せになるはずです。

 

「…デストロイヤー様、申し訳ありませんが私はここで退席してもよろしいでしょうか?」

 

いきなり胡蝶さんが退席の許可を申し出てきた。

 

「?構いませんよ」

 

「ありがとうございます」

 

胡蝶さんは立ち上がるとそのまま扉にへと向かって出て行ってしまった。どうしたのだろうか?

 

「デストロイヤー様、私も退席してもよろしいでしょうか?」

 

えっ、友子さんも!?

 

「いいですよ…」

 

「ありがとうございます。それでは失礼します」

 

友子さんもお礼を言って立ち上がり部屋を後にした。なんだかまるで胡蝶さんを追いかけるように出て行ったようにも見えましたが…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

部屋を出た胡蝶が通路を歩いていると…

 

「ちょっと待ちなさい」

 

…その後ろから友子が追いかけて来た。

 

「なんでお前も付いてきた?」

 

「いいじゃない別に。それに貴方が考えている事くらい分かるわ。…貴方あの子の事が心配なんでしょ?」

 

「…それを知ってどうする?ここで私を止める気か?」

 

「いいえ、私もあの子の事が心配だから」

 

「…ふん」

 

2人は雑談をしながら歩きある部屋の前にへと辿り着いた。

 

 

 

 

 

その頃チルッチはデストロイヤーと話していた部屋に顔を伏せ座っていた。先程の話が余程彼女には応えたのだろう。そこに胡蝶と友子が入って来た。

 

「なんだそんなに落ち込んで。いつものお前らしくないな俗物」

 

入って来て早々胡蝶が挑発する。しかしそれは馬鹿にしているのではなく落ち込んでいるチルッチを少しでも元気付けようとしている。つまりこれは彼女なりの励ましなのだ……多分。

しかしいつもだったら即反応して言い返すのだが今回は顔を伏せたままだった。

 

「どうした?言い返す元気もないのか?飛んだ腑抜けに成り下がったものだな俗物」

 

しかしこれだけ馬鹿にした発言を連発しても言い返す素振りもなく相変わらず伏せたままだった。弱々した態度にイライラした胡蝶はチルッチの胸ぐらを掴む。

 

「いい加減にしろ!あれだけ「ギャーギャー」と騒いでいたお前は何処に行った!」

 

「今此処で言うが私はお前に感謝しているんだぞ!【絶望の蕾】に閉じ込めら絶望しそうになった時お前の声が聞こえたのだ!あれは幻覚かと思ったがその後スフィンクスから聞いたがお前が励ましの言葉を送っていたことを知った!それで感心したのだ!あれは幻覚ではなく本当の事なのだと!私はお前のお陰で助かった、お前が私を救ってくれた事に変わりわない。だからお前には感謝しているんだ!しかしなんだ、今のウジウジしたお前を見ているとイライラしてしょうがない!何時迄もそんなショゲてるな!!」

 

「…アンタなんかに…アンタなんかに何が分かるのよ!!」

 

胡蝶に喝を言われたチルッチは突如怒鳴り声を上げ睨みつける。その顔は怒りに満ち涙が流れていた。

 

「アンタ達はアイツと一緒に行けるけど私はそうじゃないのよ!命令で従属官から外された。自分から志願しても行けない。つまりどんな事をしようが付いて行く事は無理なのよ!」

 

チルッチは今までずっと抑えていたものが外れ大声で泣き喚く。その光景は例えるなら突然付き合っていた彼が「別れよう」と言われて落ち込んでいる女性の姿のようだった。

 

チルッチが泣き喚く中友子が口を開く。

 

「…チルッチ、貴方さっきデストロイヤー様の従属官から外されたわね。て事はもうデストロイヤー様の従属官じゃないんでしょ?」

 

「そうよ。…それがなんだってのよ」

 

「成る程ね……フフ、だった」

 

友子はニコニコと笑顔で語り始める。その顔には悪戯心が感じられた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

それから数時間が過ぎた。

 

あれからチルッチさんの事で話しを付け2人は承諾してくれた。そして今私はこの世界から旅立つ為の最終チェックをしている。

私は前もってこの世界から離れる為の準備をしていた。前世では藍染を封印してからの話は知らないからこの後どうなるのか詳しくは知らない故に、元々色んな世界に行きたいと思っていたのでこの世界を離れる事は考えていた。だからチルッチさんには内緒でその準備を一部の従属官達と一緒に進めていた。

 

そして今私がいる場所は様々なコンピュータがあり沢山の操縦席がある部屋…そうまるで巨大宇宙船の操縦室のような部屋にいた。

 

「準備の方はどうですか?」

 

「問題ありません。全て順調に進んでおります」

 

質問にスフィンクスさんが答える。その隣にはメフィラスさんがいた。彼は上司もあるスフィンクスさんに頭脳を買われ彼女の副官 を務めている。本当にこう言う大きな作業に2人は大いに役立ちますね。

 

「コレ!また飲んどるのか【シチジューロー】!」

 

いきなりブルラテスさんがお酒を飲んでいる鎧武者にへと怒鳴り声を上げた。怒鳴られた鎧武者の者は上級幹部の一人してブルラテスさんと同じ冥獣人四底王の一人【サムライ・シチジューロー】である。

しかし彼は毎日酒ばかり飲んでいるので真面目者であるブルラテスさんとは仲が良ろしくないのだ。

 

「煩セェ。これは俺達の新たな門出の前祝いだ。それに酒は俺の力の源でもあるんだよ」

 

「全く、同じ立場の者として恥ずかしく思うわい」

 

「それは同感ね」

 

ブルラテスさんの意見に賛同した女性は彼等と同じく上級幹部の一人して四底王の一人【セイレーンのネリエス】である。彼女もブルラテスさん程ではないがシチジューローさんの酒癖をなんとかしたいと思っているのだ。

 

「いいぞ、もっとやれやれ」

 

「ふん、くだらんな」

 

ブルラテスさん達の揉め事を見て楽しんでいるのが、上級幹部の一人【グローザム】さん、見下している態度を取っているのが同じく上級幹部の一人【ヤプール】さんである。

グローザムさんは戦いが好きで騒ごとを見ると自身もそれに混ざりたくなってしまう程、ヤプールさんも相手を見下す事が大いにあるので困ったものです。

 

「お前達静かにしろ。偉大なる我らが王、デストロイヤー様の前だぞ」

 

騒ぎ出してしまった上級幹部の方々に左手が巨大な団扇ようになっている筋肉が骨に覆われている者が止めに入る。彼は上級幹部の一人【デスレム】さんである。

 

「ありがとうございます、デスレムさん」

 

「いえ、全ては偉大なる貴方様のためです」

 

デスレムさんは卑劣な行いで相手を苦しれるのが好きだが、私に対しては人一倍負けない忠誠心を持っている。言ってはなんですが…なんかゾマリさんに似ている感じがするなぁ。

 

「デストロイヤー様、準備整いました」

 

「そうですか、ご苦労様です。それではーーーーー発進!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

デストロイヤーの宮のある場所が揺れ始め、それが次第に大きくなっていくと宮が盛り上げるように砂地から何が飛び出す。それは全身が黄色に塗られており、その周りにいくつもの砲台が武装されている巨大な戦艦であった。

 

その戦艦の頭部にある宮は戦艦の中にへと沈んで行くかのように収納される。

 

すると近くに虹色に輝くゲートが出現する。「ゴォー」とエンジン音が鳴ると戦艦が右90度回転する。そしてエンジン音が次第に大きくなっていくと戦艦は吸い込まれるように一気にゲートを潜る。その後すぐにゲートは消えてしまい、その場には戦艦が出てきた巨大な穴だけが残された。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

戦艦はゲートを潜り虹色に光るトンネルを真っ直ぐに進んで行く。私はその光景を従属官全員と見ている…いや1人いませんでしたね。

 

…でもこれで良かったのです。チルッチさんをあの世界に置いてきたのは彼女の為なのですから。しかしこのモヤモヤした気分は何でしょうか?随分前に味わった心に穴が空いたような感じの気分は…。その正体は言わずとも分かっています。でもそれば自分で決めた事。悔いなどありません……ない筈なのに…目に冷たいものが…。

 

「ヘェ〜、結構凄いじゃない。まさか船に乗って移動するなんて思わなかったわ」

 

えっ!?今の声は!…いやそんな筈がない。彼女がこの船に乗っているなんてあり得ない。そう思いながら後ろを振り向く。そこに居たのは……

 

「てかこんな凄い船の事、私に隠していたなんてちょっとムカつく」

 

「チ、チルッチさん!?どうして此処に!?」

 

「あ?あぁ、それはあの2人から『こっそり付いていけばいい』て言われたからよ」

 

チルッチさんは私の後方に指を指す。あの2人?もしかしてっと思いながら後方へ顔を向けると、友可愛く舌を出して「テヘ」って顔をしている友子さんと、そっぽを向いて口笛を吹いている胡蝶さんがいた。と言うか胡蝶さん…貴方隠し事するの苦手でしょう?

 

「それにアタシがいつ何処にいるかなんてアタシの勝手でしょ」

 

「し、しかし貴方はもう私の従属官ではありません。付いて来る事はないんですよ」

 

「そうね。アタシはもうアンタの従属官じゃないわ。アンタの命令には従わないわ。だから今此処にいるのはーー私の意思よ!」

 

チルッチさんの…意思…。

 

「アンタが別の世界から来たとかなんて関係ない。アンタはアンタよ!それに…何より……私がアンタと……ッ一緒に行きたいのよ!!」

 

顔を真っ赤にしていますが、その瞳はなんの迷いもない真っ直ぐな目をしている。…全く一度言ったら聞かないところは誰に似てしまったんですかね?

 

「チルッチさん…もう一度私の従属官になってくれますか?」

 

「…いいわよ。なってやろうじゃない」

 

「なら従属官である貴方に命令を下します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーずっと私の元にいなさい。これは命令です」

 

「分かったわ。アタシはアンタの元にいる。絶対にアンタから離れないからね」

 

そう答えると左目でウィンクする。正式な私の従属官…いや家族となった彼女をその場にいた者達は盛大に祝福した。

 

「私達はこれより色んな世界を渡り歩き様々な世界を侵略しようと思います。中には嫌だと思う人もいるかもしれませんが、それでも私について来てくれるかァ?」

 

『ハッ!!』

 

その場にいた者は皆いい返事で答えてくれた。中には頭を下げて跪いている者もいる。えっ?人々を守るんじゃないのかって?何勘違いしているといると思いますのでお答えしましょう。

 

 

私が守ると決めたのは我が従属官達(家族達)だけ。それ以外がどうなろうと知った事ありません。私は決してーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー正義の味方のような良い人ではありませんから。(でもこれから行く様々な世界の中には救世主みたいなこともするかもしれなせんけどね。)

 

「ありがとう皆さん。これよりあらゆる世界を私達のものにする。我々の時代はこれから始まるのだ!!」

 

『オォォォー!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして私ーーデストロイヤー・レイのBLEACHの世界での物語は終わった。しかしそれは新たな始まりにすぎない。

 

 

私の…いや私達のーーーーーーーーーー新たな歴史のーーー

 

 




なんか最後グダクダになってしまったかもしれませんが、何はともあれこれにて「BLEACHの世界に最強になって転生」は完結です。

元々この作品は自分がこのキャラが出てきてほしいなぁと思っていた時に「じゃあ自分で書こう」と気紛れで始めた作品でした。
それがここまで人気が出るとは思ってもいませんでした。
それもこれも応援してくださった皆様のお陰です。ありがとうございます。

この作品は終わりますが番外編という形で続編がまだ続きます。(別の作品として投稿するつもりです)

アンケートの件は今から約2週間後の12月9日0時まで実地しようと思います。まだアンケートに回答していない方はお早めに。

それではまた番外編でお会いしましょう。


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