ご注文は使い魔ですか? (ネーヨ)
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プロローグ

小説を書くのは初めてなので、気になった表現や直したほうが良いと思われる部分があるとおもいます。できれば感想以外でもそういった意見をいただきたいです。
それでは、どうぞよろしくお願いします。


 桐間 紗路(キリマ シャロ)の朝は新聞と牛乳の配達から幕を開ける。運転免許を持たない彼女は荷を担ぎ、自らの足でそれらを配るのだ。生まれたばかりの太陽が『木組みの家と石畳の街』と彼女の『くせっ毛の金髪』を照らす頃、ノルマをこなした彼女に与えられたモノはわずかな日給と余った配送ミス用の予備牛乳一本。彼女はすぐさま、牛乳のみの朝食を済ませると自宅をめざして石畳の上をかつかつ歩きだすのだった。

 

 汗ばむ体をバスタブなしのシャワールームでさっとで洗い流した彼女は、おろしたてのようにキレイなグレーのブラウスと真っ白なブレザーに袖を通す。もちろんお気に入りのカチューシャも忘れはしない。最後に、きっちりと踵の揃えられたスクールシューズに脚がピッタリとおさまると狭い玄関を開け学校へ向かう。

 

ーー校門の前で華やかさに漲った少女の声がきこえる。

 

「ごきげんよう、桐間(キリマ)さん」

「あら、ごきげんよう羽場(ウバ)さん」

シャロは立ち止まり挨拶した相手へ微笑み返す。笑顔の中にチャーミングさと柔らかな雰囲気が伝わってくる、『お嬢様学校』という表現が相応しい光景だ。

 

 しかし、ここまで読み進めた読者の皆さまは疑問に思った事だろう。「なぜ?彼女、桐間 紗路(キリマ シャロ)がこんなお嬢様学校に通っているのか?」「朝に牛乳配達をしている事からもお金なんて持っていないだろうに?」理由は、とても簡単な事だ。お金がないからこそ特待生として学費が免除されるこのお嬢様学校に並々ならぬ努力をもって入学したのだ。

 だが、非常に聡明でありお嬢様のような身なり(くせっ毛の金髪)と、世間を生き抜くための処世術として培った仕草(営業スマイル)からシャロは周りの生徒からお金持ちだと勘違いされており、また彼女自身も貧乏であることを知られたくないこともあってごく一部を除いて彼女の素性を知るものは少ない。

 

 放課後、テニスラケットがボールを打つ音。野球のバットがソフトボールを打つ音。何かを訴える下級生の女の子の甲高い叫び声、騒々しい音と声が響く校庭を眺めながら、シャロは教科書と明日までの課題が詰まったカバンを右手にぶら下げながら、ルバイト先へ向かう『フルール・ド・ラパン』というハーブティー専門の喫茶店である。

白いロップイヤーのうさぎの耳を模した飾りを頭に付けた制服が特徴的で、制服は胸も強調していたり、チラシが「心も体も癒します」とか怪しげな文句で釣っていたりするが、決していかがわしい店ではない。いいね?

 

 接客にレジ打ち、店内掃除を済ませる頃にはすっかり地上が厚い闇に閉ざされる。数時間の職務を終えたシャロは譲り受けた御茶請け用のクッキーで遅い夕食をとりながら徒歩で市内にある銭湯へ、誰もいない大浴場で鉛のように重くなった体をほぐし温まった体が湯冷めしないうちに急いで帰宅すると、もう時計の針は午前1時半をまわっている。朝の配達に出かけるまで幾ばくも無い、手早く明日の準備を終え念のため目覚ましを二つセットしてから布団に潜るとシャロの意識はすぐさま混濁し深い眠りへと沈んでいった。




文章力を磨かなければ、続きもまともに推敲できませんね。精進あるのみです。


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