渓流暮らしの泡狐竜 (狐火(宇迦之御魂))
しおりを挟む

タマミツネ、それはみんなのお母さんです。

以前のアカから持ってきました。
盗作ではありません。

自分の所為で皆さまの応援を無にしてしまったこと。
深くお詫び申し上げます。


やっほー、僕はタマミツネのミツだよ。

ちょっと他の子と違うっぽくて、色々するけど基本はのんびり生きてるだけだよ。

 

たまーに遊びに来たり、襲い掛かってくる子も居るけど付き合って返してるね。

最近はドキドキノコ?だとかいう変な味のキノコを食べて人間の村に遊びに出掛けるのがマイブームだぬだぬ。

 

あれ食べると、人になれるんだよねぇ。正確には人の姿。

マッズイけど!表すとしたら.....なんだろ〜ね?甘味の中に青い柿みたいな渋味がある、みたいな。

 

まあ、そんな僕が渓流でのんびり過ごして。ハンターや他の子達と過ごす、終始詰まらないお話さ。

それでもいいなら、ちょっと、お話に付き合ってくれると嬉しいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニャー」 「ニャー!」

「ミャフッ!」

 

「あー起きるよ起きるよ、だから静かにしてー」

 

僕の朝はアイルー達の声で始まる。

食糧の備蓄もあるし、ここ最近はあの子も居ないからまだのんびりしたいのになぁ。

いやまあ、僕が所構わず怪我した子とか住処が無くなった子とかを連れて来たのが悪いんだけどね?だってしょうがないだろう、可愛いんだもの!

 

最初の頃は怖がってたけど、慣れてくるとあの子達モンスターの言葉解るしね。

今では何か祀られたよ。うん、何故かね?祀られたよ。

 

僕も、アイルー達との意思疎通は出来るよ。

頑張った、頑張ったよ、僕は。

というかこの子達、僕の泡で滑って遊ぶの好きだなー僕からしたらひたすら和むだけだから良いんだけどね。

たまに、滑って止まらなくなって僕の尻尾に飛び込む子が居るんだよねぇ。

窒息しちゃうよ?気をつけてね。

 

んー暇だし、散歩でもしようかな?

 

 

 

 

龍歴院side

ああ、本当にどうしようか.....あ、自分はユクモ村に調査に来た研究員だ。

調査対象は、渓流に棲息するとあるタマミツネだ。

唯のタマミツネなら別に調査なんてしないんだよ。

 

唯の、ならな。

 

問題はそのタマミツネが特異な行動をするという事だ。

その個体は、弱ったアイルーなどを見つけると必ず捕まえる。

ただそれが捕食ではなく、自分の住処に連れて帰り看病するという人間の様な行動をとる。

 

しかも、そのアイルー達はタマミツネを祭壇で祀るのだ。

これが認知されたころ、明らかなまでの知性を恐れたギルドが一度討伐しようとした事があったが。

その時タマミツネは眠っており寝込みを襲おうとした瞬間、アイルーに襲われ。

それ以来参加したハンターはもふもふ恐怖症になりハンター業を辞めた。

 

......これだけ見ると普通にタチ悪いな。

だが、もうハンターが討伐に向かっていないのはべつにもふもふに恐れたわけでなくて。

ユクモ村の駐在ハンターが新米だった頃にロアルドロスに追い詰められ、死にかけた時にタマミツネが回復効果のある泡を飛ばしてハンターを援護したらしい。

 

ちなみに、それ以来そのハンターはミツネ信者である。

まあ、そんな感じで観察してるんだが、無駄なキガスル。

村の全員割と渓流に行く時は最初にタマミツネ祀ってる祭壇でお祈りしてるし、普通にタマミツネと話してるし。

 

大丈夫かこの村。

 

まあ、そんな感じだからさ.....

 

「やっほー、お兄さん。僕になにか用かな?」

 

直接話した方が早い。

あかん可愛い、そして溢れ出すおかんオーラ。

これは勝てない(確信




どうも、みなさん。
廃棄アカにデータ移行の旨は乗せたものの....
盗作、データ重複で消されないかな...
運営さん、パスワード忘れて消せなかったんです許してください(切実


【挿絵表示】
 挿絵です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミツさんは猫の恩返しを受けるのです。

渓流暮らしメモしてたアプリが改行してくれなくて辛い。


やっほ、ミツさんだよー

今は、ちょっと前から僕を見てた人間とお話してるところだよ。

 

「で、お兄さん前から見てたけど何の用かな?」

 

「いや、あーうん、生態調査だ。というか、意味わかるか?」

 

「うん、ユクモの人に色々教えて貰ってるからね。でも、僕別に何かした訳じゃないよ?」

 

「アイルー保護して人間と会話してる時点で手遅れだよっ!?」

 

ゑ、そんなん知らない。可愛いから保護した、以上。

人間に興味があった。これで済む話じゃないの。

あ、どうでも良いけど服は着てるよ。人間で言うところのミツネ装備だね。

鱗とかが変化してるみたいだけど。ただ、女物なんだよねぇ。

 

.......雄だよ!錦ビレ小さくても雄だよ!

 

話、戻そうか。

 

「要するに、お兄さんは僕のやってる事が、人間からすると可笑しいから調べてるって事だよね。」

 

「まあ、そういうことだな。」

 

「可笑しいねえ、害は無いんだし問題は無いと思うんだけど.....」

 

「まあ、調べておいた方が人間としては得ってだけだよ。」

 

「あ、ちょっとそろそろ戻るね。用事あるから。」

 

「は?野生のモンスターに用事?」

 

「村の人にちょっと道具売りに行ってくる。」

 

「は!?」

 

アイルー達の作った装備とかを売ってるんだよね。

零れ落ちた鱗とか毛を使って装備とか作ってるみたい。

基本あの子達で売りに来てるけど、折角だからついでに売り来たんだよ。

あの子達は自分達でやるって言ってたけどね。

 

「それじゃ、お兄さんまたね。何か用があるならネコ婆さんの所に僕の所に居る子が案内役として居るから頼むと良いよ〜」

 

「えっ、ちょまっ!?」

 

研究員の叫びも虚しく村に消えていった...

 

 

 

 

アイルーside

 

ニャ、僕はミツさんの群れのアイルーのココアだニャ。

僕は元々オトモアイルーとして頑張ってたニャ。だけど、旦那さんに『狩りの邪魔すんな!出て行け!』って殴られ、追い出されたのニャ。

 

それから、生きる為に渓流で食べ物を探してたけど、殴られた時に当たりどころが悪かったみたいで動くのが難しくて。

そのまま倒れて、目を覚ました時はミツさんの背中にいたニャ。

 

もちろん、喰われると思ってたニャ。そのまま巣に連れて行かれて、食べられるのかニャ...って思ってたら泡に包み込まれて、それからケガが治っていったのニャ。

なのに僕は戸惑って、ケガを治してくれたミツさんを殴っちゃったのニャ。それなのに、ミツさんは食べやすいようにある程度潰したアオキノコや生肉をくれたのニャ。

 

アレが一番、今まで食べた何よりも美味しかったニャ。

それから、ミツさんの元で過ごしてると。

だんだん会話出来るようになって、遊んでくれたり、色々お話したニャ。

その時から解るんニャけども、ミツさんは錦ビレが目立たなくて雄に見えないニャ。

 

ミツさんは本当に優しくて、それからも住処がなくなった群れとかを連れてきてご飯をあげたりしてたニャ。

 

それからは、ミツさんが手伝ってくれたお陰で助けられたアイルー達の村を作って、ミツさんの鱗や討伐したモンスターの素材で元々オトモ装備を作ってたアイルー達に鍛冶屋を作ってそこで装備量産してお金を貯めたりして、細やかながらもミツさんにお礼が出来るようになったニャ。

 

きっと、僕たちはミツさんが居なかったら今頃死んでるニャ。だから僕達は返せるような物じゃニャいけど、ミツさんに恩返しして生きていくのニャ。




改行うまくいかぬ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミツさん、優しすぎて惚れられてしまいます。

地味に復旧させるの辛い。


やっほー、タマミツネのミツだよー

蜜じゃないからね?

 

今はあの研究員の人と別れて露店みたいなのをしてるんだ。

道具は嬉しいことにどんどん買ってくれるんだけど。

流石にアイルーの装備は売れないんだよね。

 

道具としては、僕の鱗で作った簪や櫛、あとはルドロス達の未熟な海綿質を乾燥させて乾燥した物に僕の滑液を染み込ませると入浴剤に成るらしいんだ。

これが一番売れてるみたい。

 

そのまま滑液を入れちゃうとお風呂が全部泡になっちゃうんだよね。

あの子達、これを売ってるのは僕に助けて貰った恩返しをするためなんだよね。

気持ちは嬉しいけど、僕は自分達で稼いだお金は自分たちの為に使って欲しいな。

 

あの子達を連れ帰ったのは、僕の自己満足以外の何物でもなくて感謝される物じゃないから。でも、こういうのは受け取らない方があの子達に失礼だからね。

さて!気を取り直して売ろうか!

 

「渓流の素材だけを使ったミツネコ印の道具、買っていってくださいね!」

 

なんか、商隊にいた子が『ブランドがある方が売れますニャ!これからの事も考えるとブランドのある品が一番ですニャ!』って言って、僕の名前を使ったんだって。

別にいいけど、その....ちょっと、恥ずかしいかな。

 

「ミツネネコ装備一式と入浴剤貰っていいか?」

 

「あ、はい、2470zですよ。って、レイス君かい。久しぶりだね。」

 

「あの時はありがとうございました。いや、でも人になるとは思いませんでしたよ。」

 

「僕だって思いもしなかったよ、はい入浴剤。使うのは良いけどしっかり肩まで浸かるんだよ?風邪引くから。」

 

「あ、はい!」

 

「うん、それじゃあね。出来れば僕は狩らないで欲しいかな。」

 

「ミツさんを狩れとか言われたら取り敢えずギルドに大タルGで殴り込みに行くので大丈夫です!」

 

「あはは、それは心強いけども自分を大事にするんだよ?それじゃあ、頑張ってね!いつでもおいでよ、歓迎するよ。」

 

「ミツさんのもてなしを受けれたら取り敢えず5年は1乙もしなさそうです!では。」

 

「またねー」

 

素直で優しい良い子だなあ本当に。結構売れて、売上上々!喜ぶだろうね、あの子達。さて、温泉でも行って帰ろうか〜

 

泡狐竜移動中.....

 

うーん、相変わらず凄い湯気だね。

 

「すいません、お風呂の鍵ください。」

 

「はい、50zです。....どうぞごゆっくり。」

 

モンスターだけど、温泉は好きだよ。体の芯まであったまるよ.......

 

.....................あ、これ女性の鍵だ。変えてもらわないと。一悶着起きたけど、取り敢えず入ろうか。

あの子、新人さんだろうな。見た事なかったしね。

この服、鱗とかが変形した物だけど脱げるんだよね。

 

....脱いだ状態で戻ったらどうなるんだろ。止めとこう、死にそうだし。

 

「あー、生き返るニャー!」

 

「ジジくせえぞお前。」

 

「ニャ!?少女に向かってニャにいうニャ!」

 

スパコーン!

 

「痛かった....今のは痛かったぞ!」

 

「当然の報いニャ!」

 

「あれ?人居ないと思ったら居たんだね。」

 

「あ、五月蠅くしててすいませ.....ってミツさん!?」

 

「あはは、さっき振りだね。」

 

「ニャ?姉さん来てたニャか。」

 

「シュガー、僕は雄だって。」

 

「だったら錦ビレ大きくしてその人間でも女の姿直すんニャね。」

 

「むー......」

 

「ニャハハ、冗談ニャよ。にしてもレイス?おーいレイスどーしたニャ?」

 

「ミツさんの裸体を拝める日を迎える事が出来るとは....襲うか、いや、襲うなら今しかなブッ!?」

 

「姉さん、ちょっとこの馬鹿が居ると姉さんが風呂に入れないから上がるニャ。」

 

「え?気にしないから良いよ?」

 

「そーいう問題じゃニャイ。とにかく上がるニャ、ポポミルク買っておくニャ。」

 

「ありがとうね、シュガー」

 

「お安い御用ニャ。」

 

シュガーちゃんは元々群れに居たけど、オトモになって稼ぎに来たんだよ。

まだ、出て行く時に渡したナイフ持ってたんだね。

 

フッと、ユクモ村の公衆浴場に少し大きな泡が浮かび上がった。

 

それは、ユクモ村の人にとってはとても、とても有り触れた物。

儚く散る泡が夜空に浮かび、月を映し割れていく。

少し変わった泡狐竜の魅せる物。

 

レイスside

 

「あ......ぁあ?」

 

俺は、一体何を...

 

「起きた?レイス君。」

 

「ふぁっ!?ミッツ......っ...っ!」

 

「レイス君!?」

 

「姉さん、気にしなくても良いニャ。舌噛んだだけニャ。ポポミルクとってきたニャ。」

 

「ありがとうね、シュガーちゃん。」

 

ミツさんの膝枕....柔らかい....そして優しい!

どこぞのオトモと違ってな!

 

「レイス君立てる?手貸そうか?」

 

ナニィ!?え、いいんですか?マジで?

その浴衣だとお胸がちょっと......

 

「これ以上姉さんに迷惑掛けるニャ!」

 

ゲシッ!

 

「おぅ!?シュガーお前マジで当たりキツくない!?」

 

「知らんニャ。」

 

くそう、コイツオトモなのに....おっと、紹介が遅れたな。

俺はユクモ村の駐在ハンターのレイスだ。

今はHR200と、G級ハンター候補になる程強くなったが、これは目の前にいる男の娘...げふんげふん、非常に優しく聡明な泡狐竜のミツさんによる物だ。

 

元々俺は、別に優秀な訳でも無かった。

むしろ、才能の一欠片もない落ちこぼれだった。

それでも何とか頑張って、ユクモ村の駐在ハンターになれた。

それから、アオアシラやジャギィ、ファンゴなどのよく現れて被害を出すモンスターを狩っていた。

 

だが、ある日奴が現れた。

渓流に、水獣・ロアルドロスが。

その時、既に俺は渓流のモンスターは楽々狩れるようになっていた。

 

だからなのだろう。ロアルドロスに挑み、あっさりと殺されかけたのは。

本当なら、モンスターとは小型ですら脅威になる物。

温厚と言われるガーグァやアプトノスだって本気で攻撃されれば常人なんて殺される。

 

それを、大型肉食獣の首領をなめて掛かったのだ、やられて当然だ。

そして、回復薬が尽き、体も動かなくなり、もう殺されるのが目に見えていた。

その時、水辺から緑色の泡が飛んできた。

 

それは俺に直撃したが、すると体の傷が癒えていったのだ。

体が動くようになり、ロアルドロスの攻撃を回避し、時々飛んでくる赤と緑の泡に援護されて何とかロアルドロスを倒した。

 

だが、その時の俺は倒したロアルドロスよりも自分を助けてくれた存在に釘付けになっていた。射し込む月光を、虹色に輝き反射する竜を......その後、村長に話を聞いてそれが泡狐竜・タマミツネと知った。

 

村長云く、それは偶然だろうと言った。

だが、俺は見つけた。その姿を。

それからタマミツネを血眼になって探していると、狩場に指定されたフィールドからそこそこ離れた場所にアイルーの村があった。

その中心に居たのが、ミツさんだった。

ミツさんは俺を見つけて、襲うでも逃げるでもなく、絹のように柔らかい尻尾で俺を寄せて奥に連れて行った。

 

それからはミツさんがドキドキノコを食べて、絶世の美女になって普通に見惚れているところを起こされたりした。

それから、ミツさんは俺に戦い方などをモンスターから見た物を教えてくれた。

ミツさんからしたら迷惑でしかないだろうに、親身になって。

俺が村の近辺に現れたジンオウガの討伐に向かった時も、ミツさんが泡で援護してくれて、撃退した時も自分の事のように一緒に喜んでくれた。

 

相棒であるシュガーもミツさんが紹介してくれた。

俺の装備であるミツネ一式と太刀もミツさんが素材を分けてくれた物を使っている。

古龍である、アマツマガツチ襲来もミツさんが水ブレスなどで共に戦ってくれたから勝てた。

 

もしミツさんが居なければ、こんなにも優しく聡明な方でなければ俺は今頃ロアルドロスの養分だろう。

まあ、ミツさんからしたら、世話のかかる子供の世話みたいな感覚だったのかもしれないが。

 

変な奴だと思われるだろうが、俺はミツさんに惚れている。

コラそこ、きめぇ!とか言うなよ。照れるだろ。

まあしかし、ミツさんは雄なのだ。

雄、だがしかし、竜の時は錦ビレは目立たなすぎて雌に見え。

 

人の時も男の娘なのだから問題ねえ!(問題しかねえ!

で、そんな俺が今日。初めてミツさんの人型の時の裸体を見れた。

しかも膝枕まで。

 

俺、もう死んでも悔いは無いわ。

もし生きてたら、もう負けない。

モンスター?ミツさん以外は全て殺れますねもう。

食事スキル?いらん!

 

防具?いら!.....駄目だ、これはミツさんから頂いた物。よって絶対必要。

 

最近村にミツさんが来る様になって、嬉しい。ミツさん。

 

結婚してください。




ちょっとだけリメイク入ってきた。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミツさんは、案外強いのです。

嗚呼、どうしてパスワードを忘れたんだ。


はろはろーミツさんだよ。

レイス君、最後シュガーちゃんに気絶させられて引き摺られてたけど大丈夫かな?

因みに今は、渓流にガノトトスが来たので討伐にアイルー達を引き連れて行ってるところだよ。

 

ガノトトスって来るたびに群れのアイルーを襲って何十匹も大怪我させて群れの運営を危うくさせるし、レイス君もロアルドロスの時の事が忘れられないのか水中戦をするモンスターが苦手みたいだしね。

 

...僕も水中戦はするんだけど。

 

まず僕自身がガノトトス嫌いなんだよ。

魚を食べに水辺に行けば襲い掛かってくるし、まず僕のテリトリーで好き勝手しないで欲しいよ。

 

 

 

 

 

 

居たね、見事なまでに水中に待機してるよ。

僕は、一応他のモンスターよりは知能が有る。

人にも色々教えてもらってるから。

 

ある程度の部隊を組んで討伐するのが群れの鉄則なんだよ。

それで、僕のところの群れだと、アイルー用の弓を開発成功してて、その弓で2匹が僕の背中からガノトトスを撃つ。

 

僕はガノトトスの周りを泡で満たして、行動の阻害と共に攻撃。

地上に上がったら、6匹構成の弓部隊5隊が援護射撃。

8匹構成の近接斬撃部隊3隊が胴体を斬る。

5匹構成の近接打撃部隊2隊が頭を攻撃、スタンさせる。

3匹構成の物資供給部隊が一隊。

最後に、僕を含めた3匹構成の回復・攻撃部隊2隊が怪我した者を回復してその抜けた穴を塞ぐ。

 

 

さて、狩りの始まりだよ。

 

 

『弓乗って!』

 

「解ったニャ!」

 

「撃つニャよ!」

 

僕は、竜の時は人の言葉が話せないけど、この子達は僕の言葉を理解出来るから問題ない。

水に入って来た僕たちに、ガノトトスが威嚇してくる。

そんなのより、攻撃しなよ。

 

「ってぇええ!」

 

パッ、シュッと弓の放たれる音が続く。

僕はガノトトスを囲うように、滑液を流し泡を増幅、行動を阻害し僕のフィールドを作り出す

。ちなみに、この泡は僕の意思次第である程度までなら強度を上げれて、重さに耐えれる。

ディノバルドぐらいまでなら耐えれる。

ガノトトスが泡の上で滑って転ぶと同時に、泡を全て割って川の底に叩きつける。

地面に叩きつけられて、ガノトトスが痛みに鳴く。

そこに、容赦無く弓矢が飛び、僕は噛み付く。

ガノトトスが、水上よりも地上の方が良いと踏んだか地上に上がる。

 

残念、地上こそが僕のフィールドだよ。

地上に上がると、(やぶ)に潜んでいたアイルー部隊が飛び出す。

大量のアイルーに戸惑い、攻撃を受けていく。

だがすぐに、気をとりなおして尻尾で近接部隊を払い除けようとする。

 

すぐに回避に移行したが何匹が攻撃を受け、回復を受けその間にバックからアイルーが入り穴を埋める。

そこに僕が回復に回復泡を、近接に攻撃強化泡を飛ばす。

弓矢部隊の鏃に塗られている毒でガノトトスが毒に陥る。

僕はその場から少し動き弓部隊の居る高台から水ブレスを背中に撃つ。

唐突な水流でガノトトスが倒れ込み、そこを近接・遠距離共に一斉攻撃をする。

 

立ち上がったガノトトスが怒り状態になり、周囲のアイルーに水流ブレスで攻撃する。

その攻撃で前衛の過半数が大ダメージを受け、バックも足りなくなった為に一旦相手を僕がして、遠距離も近距離の回復を行う。

 

ガノトトスが回復部隊に移動する近距離部隊に追撃を行おうとする前に、僕が高台から飛び降りて尻尾を叩きつける。

その時に、翼の様なヒレが折れたのか鈍い音と共に倒れて大きな声で鳴く。

 

攻撃強化泡を自分で浴びて、攻撃強化をし更に追撃をする。

折ったヒレを噛んで掴み、投げ捨てる。

そして、回復の終わった近接部隊が持ち場に付き。攻撃する。

弓部隊も移動し、弓を放つ。

 

回復部隊も、若干のダメージを回復させる為に回復笛を吹く。

ダメージが蓄積したガノトトスが逃げようと移動した時に打撃部隊が渾身の一撃を決め、脳が揺れたガノトトスが気絶する。

そして、最後に物資供給部隊の持ってきた大タル爆弾を投げ込み。

 

........ガノトトスは力尽きた。

 

「勝ったニャ!」

 

「今日はご馳走ニャよ!」

 

        「5回目の討伐成功だニャ!」

 

討伐に成功して、皆が各々喜ぶ。

群れの荷車にガノトトスを乗せて持ち帰る。

ガノトトスを食べるのは久し振りだなぁ。

 

アイルーside

 

ニャ、俺は群れの食堂で料理長をやってるホールニャ。

元々キッチンアイルーとして働いていたんだがニャ、人よりかなり俺は料理が上手かったニャ。

 

それで妬まれた俺は同僚だった人間に毛が入っているなんて言い掛かりを付けられてクビになったニャ。

それからは、ユクモ村で盗みをして生きてたニャ。

 

人間は本当に自己中で大っ嫌いだニャ。でもある日、村の近くで村に向かってるミツネの御袋を見かけたニャ。

その時は、ドキドキノコで人になってたからタマミツネと気付かずに襲って荷物を奪おうとしたんだがニャ。

 

勿論野生に生きてる御袋に、人の元でずっと生きてた俺が見つからない訳が無くて、あっけなく飛びかかった時にキャッチされたニャ。

それからは、殺されるか、良くても大怪我すると思ってたんニャが...御袋は『どうしたの、いきなり?』って、怒りなんて全く感じられない声で聞いてきたのニャ。

でも、俺は一切喋らずに黙ってたニャ。

その時に、御袋が俺が物を盗んだ店の人間に捕まって大怪我した時怪我を見つけて、凄い慌てて回復泡を手から出して治してくれたニャ。

流石に、手から泡が出た時はビックリしたニャ。

 

直ぐに御袋は村から逆方向に駆け出して、今俺の居る群れに連れてこられたニャ。

その時に、群れの医者には『ああ、またかニャ?懲りないニャねぇ。』って御袋は言われてたニャ。

まあ、流されるがままに群れに住めばいいと言われて住んで今に至るニャ。

 

ここの施設は基本的に人になった御袋が入れる様な作りになってるニャ。

それから、群れで過ごして何日かすると御袋に『なんであんな怪我してたの?』って聞かれたニャ。

群れに住む様になってから御袋は色んな事をしてくれたニャ。

 

俺の特技である料理を作れる様にこの食堂を作る様に手配してくれたり。

俺の家だったり、だから、御袋になら言っていいと思って教えたら。

御袋は今まで見た事ないぐらいに怒って、村に突撃しに行ったニャ。

因みに、最後の最後まで笑顔だったのが死ぬかと思うぐらい怖かったニャ。

 

御袋は俺がキッチンアイルーとして働いていた店に行って、料理を頼んでニャ。

新しく着いたキッチンアイルーの料理が運ばれて来て、見るとアイルーの毛が入ってたんだニャ。

それで御袋が、俺を陥れた奴を呼び出すとアイツはそのキッチンアイルーを呼び出したんだニャ。

そのキッチンアイルーは黒いメラルーだったらしいニャ。

 

ただ、料理に入っているのは赤混じりの毛で料理を運んだのはアイツで毛を入れたのがバレてクビになったらしいニャ。マジザマァ。

 

それで、お礼に御袋に料理を振る舞ったんだニャ。

御袋は『本当に美味しいよ!凄いよホール君!』って、短いけど本心からの言葉をくれたニャ。

今まで料理を出した相手は、アイルーが上手く料理を作れるのが妬ましいのか、褒めてもどこか心の中で罵倒している様に言ってきたニャ。

 

食べた後『ホール君、出来たら僕にも教えてくれないかな?』って御袋は言ってくれて、直ぐに教えたニャ。

 

それで、ある日御袋が料理を作ってくれたニャ。

焼き魚、味噌汁、ご飯と簡単な物で誰でも作れる様な物だったニャ。

味は可も無く不可も無く普通だったけど、今まで食べた物より暖かくて、俺の事を考えて作られた優しい味がしたニャ。

 

今まで俺が食べた物は全て、美味しくても、優しさや暖かみなんて無くて。

冷めた物だったニャ。

 

あの時、無意識に俺は泣いてたみたいで御袋は『そんなに不味かった!?ごめんねホール君!』って謝ってたニャ。

御袋が居なけりゃ、まだ俺は盗みをしてると思うニャ。

 

そんな事を止めれたのは、やっぱり御袋のお蔭ニャ。

 

俺は、人間が大っ嫌いニャ。

 

だけど、御袋と引き合わせてくれた事だけは感謝してるニャ。

 

俺は、キッチンアイルー。

みんなの為に、そして御袋の為に料理を振舞うだけニャ。

 

「さあ宴だニャアアア!みんな食べるニャ!」

 

この毎日が、御袋のお蔭。だから俺は出来る限りの恩返しをするニャ。




なんか、疲れました。
明日にさせてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閑話.とある少女の物語

コラボ回ですん。
自虐性症候群さん、コラボ感謝ですん。


私は、『マリ ナミヅキ』元々私は『雨宮 麻里』という名前だったのですが。

神を名乗る少年に転生させられ、何故か記憶があります。

生前は親に暴力を振るわれる毎日を過ごしていましたが、今世もそれは変わらず両親に暴力を振るわれる毎日です。

 

そして、3歳になった時に両親に捨てられました。

例え暴力を振るわれてもこんな私と一緒に居てくれた両親、泣きに泣きました。

この世界は生前と違って、所詮ファンタジーで龍が当たり前に蔓延る世界。

 

殴られ、蹴られてもこの世界唯一の『居場所』だった場所を無くした私にはもう死ぬという道しかありませんでした。

 

住んでいたユクモ村の裏路地に捨てられた私はもう誰にも見つからずに死ぬのかと思っていました。

そして、普段受けた怪我でまともに動けず栄養失調で死にかけた時に、今の『お母さん』が来ました。

栄養失調で痩せ細った私を抱きかかえて、村の近くにある渓流に入ってアイルー達の村へ連れてこられました。それからは、村でお粥を食べさせてもらったり、傷を治してもらって何とか動ける様になりました。

 

村で、私を診てくれたアイルーの医者はお母さんが人ではなくモンスターのタマミツネという名の竜ということ。

ここが、色んな事情で行き倒れたり路頭に迷っていたアイルーをお母さんが集めてできた村という事などを。

 

お母さんは、傷を治せる泡を使えるそうだけど私を見つけた時に使わなかったのはお医者さん曰く、唯でさえ弱っている時に泡で濡らすと死んでしまうかも知れないからだそうだ。

 

だが、こんな私がここに居ていい筈もない、看病してくれた事を感謝して出て行こうとするとお母さんが引き止めてくれた。

 

私は、出て行くと言ったが。お母さんは『行くあてがないなら、ここに居ていいんだよ。何があったかは知らないし、聞こうとも思わないけど、君みたいな小さな子を放り出すなんて出来ないから。ここに居なよ。』私は、あの時に初めて『優しさ』に触れたのだろう。痛みや恐怖で零れ落ちる涙ではなく、優しさに触れて、涙が勝手に溢れ出てきた。

 

それからは、お母さんに育てられた。周りのアイルー達も私と似た様な目に遭った子も居るらしく、人が嫌いだという子も、私には優しくしてくれた。

怪我をした時は、お母さんに凄く心配された。

料理も、今まで見たいなボソボソした安いパンではなく、しっかりと料理されバランスも考えられた物を作ってくれた。

 

普通だったら、そんなに喜ぶ事ではないのだろうが私にとっては何もかもが、嬉しくて嬉しくて泣いて心配させてしまう事が何度もあった。

そして、お母さんに助けられ3年経ち、この世界で6歳になった時にお母さんについて行き3年ぶりにユクモ村へ行った。

 

その時にモンスターを狩る職業のハンターをしているレイスさんに会った。

私は、モンスターを狩ると言われてお母さんが殺されると思い本当に怖くなったが。

実際は、お母さんが好きみたいで私にも優しくしてくれた。

一緒に居たシュガーちゃんには飴を貰った。ユクモ村では、お母さんが色んな物を買ってくれた。

 

お菓子や玩具など、今までお洒落を出来なかったからか、ジッと見ていた簪も買ってくれた。

初めて村を回った最後に温泉に行った、水着を着て入る公衆浴場と男女で別れるのがあるらしく、お母さんと公衆の方に入った時に初めてお母さんが女性では無く男性なのを知った。だけどお母さんはお母さんそれは変わらない。

 

生前含めて初めて入った温泉は、とても気持ちよかった。

お母さんに会えなかったら絶対に入れなかったと思う。

だけど、渓流に戻る直前に私の、この世界の両親に出会ってしまった。

 

今までの私は、暴力が優しさと思っていた。

お母さんに会って、本当の優しさを知った今の私には以前の親は恐怖でしか無かった。

お母さんは、震えている私に気付いて手を握ってくれた。

 

だけど、あの両親に見つかってしまった。

3年経ち、顔立ちも変わった私を目敏く見つけ近寄って来た。

その時に小さく上げた悲鳴が、お母さんの耳に入り。

私の震えの原因が2人とわかった途端に、私を自分の後ろに下げてくれた。

 

血の繋がった両親は、お母さんに対して罵倒していた。

『私の娘を何故連れているの!?』とか『娘を返せ外道め!』などと、私のせいでお母さんが悪く言われたのが本当に悲しかった。

 

でも、お母さんが初めて怒った。

自分が罵倒されたからじゃない、私の親を語った事にだ。

その時の話は今も覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君達、マリの両親なのかな?」

 

「そうだ!解ったら娘を返せ!」

 

「そうよそうよ!」

 

「....君達、本当に腐ってるね。」

 

「何!?誘拐犯が何を言いやがる!マリ!さっさと帰るぞ!」

 

「マリに触るんじゃない!」

 

ミツが男がマリに伸ばしてきた手を叩き触れない様にする。

 

「イタッ!?この....何しやがる!」

 

「マリは僕が捨てられていたのを拾ったよ。医者が言うには2週間は放置されてたみたいだけど。それに、それ以前の殴られたアザもね。」

 

「なっ何を言ってるんだ!?マリが迷子になって見つからなくなったんだ!傷だってお前が付けたんだろう!俺たちは関係ない!」

 

「へぇ?君さっき誘拐って言わなかったかな?それと、僕は君たちがやったなんて一言も言ってないんだけどね。」

 

「そ、それは間違えただけだ!」

 

「...まだ言い逃れするかい?まず、1日でも子供が帰ってこなかったら捜索願ぐらい出すんじゃ無いのかな?」

 

「そ、それは....」

 

「今までこの村で子供が消えたなんて聞いたことが無い、大方、産まれてから家から出そうともせず監禁して暴力を振るってたんだろう。」

 

「言いがかりはよせ!」

 

道の真ん中で口論をしたため、多くの野次馬が集まって来る。

 

「人が集まってきた。まだ言い逃れするのかい?」

 

「あ、貴方ね!言い掛かりも大概にしなさいよ!」

 

「言い掛かり?じゃあ集まった人に聞くけど、この2人に子供が居る。もしくはこの子を知ってる人は?」

 

周囲からは「あの子知ってるか?」「あの2人、子供居たか?」などとしか聞こえなかった。

 

「...で、如何するつもりだい?」

 

「こ、このアマがぁああ!調子に乗るなあああ!」

 

反論出来なくなり、逆上した男が飛び掛かってくる。

それを合気道の構えでカウンターをしようとするミツだが。

 

「それはお前だよっと。ミツさん、有難うございます。」

 

レイスが後ろから手刀を浴びせ意識を奪い去る。

それと同時に女の方もシュガーが麻痺毒を塗った矢を打ち込み行動不能に陥らせる。

 

「レイス君、そいつら、処理任せるよ。」

 

「申し訳ないです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、あの2人は牢に入ったと聞く。

 

あの後、お母さんには『ごめんね、ごめんね、僕が今日連れて来なければ嫌な思いをしなかったのに...』と、泣きながら言われた。

 

お母さんには罪なんて無いのに、全部私が悪いのに

。あの日から5年経ち、私は11歳になった。

レイスさんは割と若かったみたいで今年で20歳らしい。

 

それを言ったら、レイスさんには『俺、そんなに老けて見える....?』と言われ、お母さんには『あははっ、マリも冗談が言える様になったねぇ。頑張れレイス君。』と言われた。解せぬ。

 

今では、私も少し不自然ながらも笑える様になった。

お母さんに会うまで私にとって笑顔は人の機嫌を取るためのものだった。

今は、面白ければ笑って、悲しければ泣いて、嬉しければ喜ぶ。

 

転生して11年、ようやく暴力の恐怖から抜けられたと思う。

お母さんに自分は転生して、記憶がある事を伝えた時は捨てられるかもと思っていた。

 

だが、そんな事は無くて『前世の記憶が有ろうと無かろうとマリはマリだよ、そんなのは関係無いからね。』お母さんは優しすぎると思う。

今に詐欺にでも遭わないだろうかと割とハラハラしている。

 

私は、今までの人生が灰色にしか見えなかった。転生しても、それは変わらない。

暴力が当たり前の世界で生きていた。

 

だけど、お母さんに会って、世界に色が付いた。

 

料理は、美味しく感じられて。寝床も冷たくなくて、暖かく。

 

周りも殴って来たりしない、優しい人ばかり。

 

何度も言うがきっとこれは普通の人には当たり前なのだろう。

 

だけど、私にとってはお母さんに会ってこれが漸く当たり前になった。

 

私は、転生して。一度は諦め、そして救われた。

 

お母さんに転生して会えた事が本当に嬉しい。

 

私は、お母さんに数え切れないほどの事をしてくれた。

 

私には何も出来ないが、ならばこの幸せを、優しさを享受して......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この竜の世界で私は今日も生きていく。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人の醜さ、人には解らず。

サブタイまでメモってなかった。
これからも若干のリメイク入れながら復旧させます。


はろはろ、ミツさんだよ。

昨日のガノトトスはみんなで美味しくいただきました。

 

淡白な味で美味しいんだよねぇ....まだちょっと残ってるから干物にしてまた今度アレと一緒に美味しく頂きます。

今日は、月に一度の村に商隊が来る日だから群れ、というか村の子達も取引の準備してるよ。

 

ガノトトスの素材を売るらしいよ、他にもユクモの木とかアオアシラの素材。

御得意様には堅木を売るらしいけど、結構な値段でね。

 

割と珍しいんだって。

もちろん、僕も行くよ!

 

「駄目ニャ。」

 

「御袋、場合によっちゃ俺たちの全てを賭けて止めるからニャ。」

 

こんな感じで行かせてくれ無いんだよね.....何でさ!?

僕が一体何をしたんだよ?

 

「まあまあ、ミツさん。ちゃんと理由があって引き止めてるんニャよ?」

 

「むー...一体何なのさー?」

 

「行商隊が、最近ミツさんの素材の出処をしつこく聞いてきてニャ。そんな時に人になってるとはいえ、一部の人に認知されてるミツさんが行けば最悪、タチの悪い連中に襲われるかもしれ無いニャ。」

 

「それなら尚更行かないと。」

 

「ミツさん話聞いてたニャ!?」

 

「聞いてるよ?でも、皆僕の素材についてしつこく聞かれてるんなら、それぐらい辞めさせ無いと。」

 

まあ、もしもの時はあの子達をを呼べば良いからね。

来てくれるかな......

 

 

「....はぁ、もういいニャ。ミツさんの御人好しは今に始まった事じゃないニャ。」

 

「あはは...でも、君たちが絶対というなら行かないけど。」

 

「いや、いいニャ。折角何とかしてくれるって言ってるのを断ったら、そっちの方が失礼ニャ。」

 

「うん、ありがとうね。ついでに、マタタビ買って来てあげるからね。」

 

「ニャ!?いいのかニャ!?」

 

「うん、のんびり待っててね。それじゃ、先に行ってるよ。」

 

獣人&男の娘移動中.....

 

 

 

 

 

「この硫黄の匂いはいつまで経っても慣れないなぁ。」

 

「匂いしますか?」

 

「微かな物だけどね?ところでシュガーちゃんも元気かな?」

 

「いやーそれが、虫歯で医者に通ってましたね。」

 

「あー....それだったらコレ使ってみて?危ないけど効果は実証済みだよ。」

 

「ありがとうございます...って、なんですコレ?」

 

「粘着草に粉末状のニトロダケを混ぜた歯磨き粉だよ。使うと虫歯が治りやすくなるから。」

 

「申し訳ないです、今日渡しておきますね。」

 

「うん、よろしくね。」

 

「はい!ところで...今日空いてますか?」

 

(レイス!姉さんに手出してみろ!村の全勢力挙げて御前をあの世に強制連行するからニャ!)

 

「......いや、ナンデモナイデス。」

 

「そう?じゃあ、ちょっと村の子に用事が有るから僕は行くけど、レイス君来る?」

 

「是非!いや、行かせてください!」

 

「ありがとうね、レイス君。」

 

ラノベの鈍感主人公だろうか、ミツさんは。

 

 

 

 

 

「...いい..ん言...れ。」

 

「....わるゼヨ。」

 

....何か聞こえるね。

 

「言わないって言ってるゼヨ!」

 

 

 

アイルーside

 

我は、姉御の村で財政を担当する。タツタゼヨ。

元々我は人の元で流通について学ぶ為に商隊に入り働いていたゼヨ。

 

今は村で今はそこそこの大きさになった商隊を率いてるゼヨ。

多分、人の元で働いていれば今頃楽も出来てたと思うゼヨ。

でも、あんな連中と付き合って動くなんてもう、真っ平御免被るゼヨ。

 

あの商隊でのアイルーの扱いは最底辺だったゼヨ。

食事も安上がりの物で済ませる。

村では似たような境遇の仲間が居たから、どうも話が合ったゼヨ。

 

我が居た頃、連中は基本粗悪品を高く売り付けるのがもっぱらだったゼヨ。

騙された人が殴り込みに来る...なんて当たり前だゼヨ。

 

我は、捻れ曲がった連中だとしても技術は学んで脱隊したゼヨ。

姉御には、今の場所を作ってくれた恩があるニ....ゼヨ。

 

姉御とは、脱隊してユクモ村の足湯で寛いでる時に会ったゼヨ。

姉御が、村に来るのを見つけて。その時に後ろで今は我の指揮する商隊が居るのを見てたゼヨ。

 

何処だろうとアイルーと云うのは優れていれば疎まれる。劣っていれば貶される。

立場の狭い物ニャ....ゼヨ。

 

だけど、あの時人の元で居ながらも明るい目をした彼奴らを見て。

何か惹かれたんだと思うゼヨ。姉御に、商隊へ入れてくれと。頼み込んだゼヨ。

 

それからは、商隊で働いて皆に隊長として抜擢されて今に至るニャ....ゼヨ!

そして月に一度ユクモ村に各地の商隊が集まるバザーは、稼ぎ時と同時に商隊で一番憂鬱な日でもあるゼヨ。

 

姉御には、ありがたく貰ってる素材。

親切心で渡してくれてる物を我達には断る事なんて勿論ながら出来ないゼヨ。

それにこの素材が無くなると村の経営が危ぶまれるゼヨ。

 

勿論ながら、コレは相当な貴重品。

連中は毎回しつこく出処を聞いてくるゼヨ。教える訳無いゼヨ。

そして今日、連中が力で吐かせようとしてきたゼヨ。

携帯してる刀を使おうとした時。姉御がきたゼヨ。

 

隊員の一人が攻撃を受けようとしたのを、姉御が停めてくれたゼヨ。

 

「君達...何してるのかな?」

 

「あ''?なんだテメェ?」

 

「僕は、何をしてるか聞いたんだよ?」

 

「邪魔するな!」

 

「それはこっちの台詞ゼヨ!」

 

「俺達は、御前等みたいな小さい所よりコレを活用してやるって言ってんだよ!」

 

「タツタ君、落ち着いて。...ふぅ、君達?今すぐこの場から立ち去って貰うよ。」

 

「ハア?お前に一体何の権利があってそんな事を!」

 

「バザールの主催者である村長からはトラブルが起きた際の決定権を貰ってる。これ以上騒ぎを大きくするなら、バザールの参加禁止令と共に牢に入って貰うよ。」

 

姉御....何でそんなの貰ってるゼヨ....

 

「ッ!?この...獣人何かを守るのかよ!?」

 

「人も獣人も関係無い。理不尽な暴力をこの場で認める訳にはいかない。」

 

「ッッツ!この!ギャアギャアうるせぇ!」

 

ダンッ!!!!!!

 

「それは....君達の方だよ。」

 

商人が音をたて合気で地面に叩きつけられる。

 

「現行犯で別隊への度重なる迷惑行為でバザールの参加禁止令と暴行未遂で懲役3ヶ月だ。ミツさんのお陰で刑が短くなったんだ、ありがたく思えよ。」

 

商人が、同行していたレイスによって押さえ付けられる。

 

「レイス君、お疲れ様。」

 

「ありがとうございます。参加者に警告出しておくんで安心してください。」

 

「うん、連行お願いするね。」

 

バザールから帰る、でも、今日は最悪だったゼヨ。

姉御にも、ハンター殿にも....

 

「姉御......その....」

 

「タツタ君、いつも皆に言ってる事だけど。君達に負い目なんて何一つ無いよ。」

 

「だけども....元は行商を始めた我らが....」

 

「ふふっ、それだったら行商を始める原因の僕が悪いって事で良いと思うよ。」

 

「そんな事無いゼヨ!」

 

「ひうっ!?」

 

「姉御はいつもいつもそうゼヨ!誰かが問題を起こしても!それを解決して自分の所為にして!もっと自分を大切にするゼヨ!」

 

「でも...君達は本当に何も悪くなくて、原因を作った僕が...」

 

「可笑しいゼヨ!姉御は親切に、村の皆を助けて!そして我等が恩返しをして何かしても姉御はそんな事をさせたと謝って!何でそんなに自分を犠牲にするゼヨ!どうして!どうして...我等を頼ってくれ無いゼヨ....」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

知恵に感情雁字搦め。

「.....ごめんね、タツタ君。」

 

「だから!何で姉御が謝るゼヨ!」

 

「癖...かな?少し、御話をしようか。」

 

「...何ゼヨ...」

 

何処か、暗い顔で語り出す...

 

「数年前、原生林ではタマミツネの親子が三頭居た....

 

親子は、至って普通。子竜は親に懐き親は育てる。

そんな当たり前の、生物として普通の。

ただ、それを良しとしない者がいる。

 

原生林近辺の村の者達だった。

もしかしたら、村に襲いに来るかもしれない。

人が食われるかもしれない。

日に日に、村の者の不安は積もっていた。

 

未だタマミツネが人に知られていない時期。

だから肉よりも魚を好んで食むタマミツネを、ある日村の一人が魚を捕った姿を人を襲っていると言った。

その結果、村は違法ギルドに依頼し、数の暴力でタマミツネを討伐した。

そして村には平和が訪れましたとさ。

 

めでたしめでたし.....」

 

「姉御....」

 

「勿論の如く、僕の御話だよ。」

 

「...ッ姉御が一体何をしたってんゼヨ!人が濡衣を着せて、姉御達はただ暮らしてただけゼヨ!」

 

「人は、自分以外は信じない物だよ。同じ種族でも、少しでも違う所があれば良しとせず、排除する。」

 

「あ、姉御は何も思わないゼヨ!?そんな事をされなければ、姉御は家族と居れたはずゼヨ!」

 

「何も思わない事は無いよ、今だってあの頃を想う事はある。でも、だからといって人を襲えば僕は間違いなく殺される。両親が死んでも生き永らえたんだ、その命を散らしたくは無いんだ。それに、あんな事が起きなければここに僕は居ないしね。」

 

「なんで....姉御はそんな簡単に割り切れるゼヨ!」

 

「割り切れる訳無じゃないか!」

 

「!?」

 

「....ごめん、タツタ君。でも....もしあの時に僕が人に見られない様に気を付けていれば良かったのに....」

 

今までに無いほど、暗い表情で、消え掛かりそうなか細い声で言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「御帰りニャー!」

 

「....ただいまゼヨ。」

 

「?どうしたニャ?それにミツさんも居ないみたいニャけども。」

 

「何でも無いゼヨ...それと、姉御は寄り道してから帰って来るゼヨ。」

 

「...まあいいニャ。ミツさんもその内帰って来るだろうニャ。」

 

 

 

 

 

ミツだよ。

僕は、他のモンスターと違って高い知能を持って産まれた。

知能があればいい事もある。だけど、僕は知能なんて欲しくなかった。

 

感情は知能が無ければ存在しないと思う。

野生として持つのは怒り、快感。それぐらいだ。

 

知能、いや、感情が無ければタツタ君の言う様にあっさり割り切れるだろう。

それが、感情なんて物を持った事で忘れられない。

記憶という形なき物としても、こびり付いて離れない。

 

タツタ君は僕が悪く無いと言った。

じゃあ、何故見つかった?答え、僕が注意散漫だったから。

 

何故、両親が殺された?

答え、僕が住処に逃げたから。簡単だ、元は人が悪いと言われても。

その理由を作り出したのは僕だ。

 

相手の罪を被る?

答え、元から自分の所為にした方が楽だからだ。

元から自分が悪とすれば、簡単に楽になれる。

あの子達を助けたのだって、心の奥底でその罪の意識を掻き消そうとしたかったからだろう。

きっと、誰かに怒られたとき。

自分が悪くなくても自分を悪としたことがあるだろう。

何にせよ、嫌な事から逃げ出したいからだ。

 

僕は、人を特に何も思わ無い。

だって、あんな事になったのは僕が悪いのだから。

人の恐怖心を掻き立てた、僕が悪いのだから。

 

例え、親が人に斬られ、殴られ、息絶え屍を漁られようとも。

親が死んだのは僕が敵を呼び寄せたから。

人が親を襲ったのは、目前に獲物が居るから。

 

生物として人間は当たり前であり、破綻してもいる。

一部の人間は他種族の屍に忌避感を覚える。

何故?今、その忌避する屍を食しても?

 

僕は、人をどうとも思わ無い。

憎むのであれば、助けもしない。

むしろ喜んで屍へと変えてみせる。

 

それを望まないからしないだけだ。

何かを失えば、手に入れる物がある。人を殺めれば、僕と同じ事を思うだろう。

形は違えど知性があるのなら。

人が、アイルーを貶めようとも。

それは、人間の中の生存競争に生き抜くため。他種族を排除、無能な者を排除する。

生きる為ならば仕方ないだろう。

 

『知性なき者であれば』の話だが。

知性有りしと称すならば、欲望を抑える。

知性にて動き、本能を抑えて時に解放する。

人は、知性よりも本能と欲望に知性を使う。

 

それに巻き込まれたのだろうか、僕等は。

僕は、人間と同じく、ナニカが欠落しているのだろう。

それでも、関係は無い。

 

僕の存在理由は、生きるだけ。

そして罪を晴らせもしないのに、虚偽の優しさで罪を晴らそうとする。

知性を持ち、感情を持った。

 

だから罪の意識を感じる。

何故僕は、知性を持った?

人と関わる事で何になるのかい?救われるとでも思っているのかな?

 

救われる訳が無い。

偽善を施して救われる訳が無い。

困った時に助けてくれるヒーローなんて者、居やしない。

 

そんなのが居るなら、居ると言うならーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕を、殺してよ.....



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

探し募らせ

....帰って来ないニャ。

あ、ココアだニャ。

 

最近影が薄いとか言われるけど知らんニャ。

取り敢えず僕の事は置いといて、ミツさんが帰って来ないのニャ。

今、渓流を村の皆で捜索中ニャ。

 

もう、ミツさんが帰って来なくなって3日目ニャ。

とある人...というか竜?まあ、助っ人を呼んだから今日に来てくれると思うニャ。

伝書鳩が道中死んでなかったらニャ。

 

ミツさん....何処いったのニャ....

皆帰りを待ってるのニャ。

 

レイスside

 

精神的に死にそう。

うん、死にそう。ミツさんとはあの屑共の所為であの後会えなかったし。

あれからミツさんは来てないし、禁断症状がヤヴァイ。

 

「という訳で渓流行くぞ砂糖!」

 

「砂糖だけど砂糖じゃないニャ!」

 

「うっせぇ!俺は行くぞ!?行くからな!」

 

「先行ってるニャ、準備遅いニャ。」

 

「え、ちょま、俺も行くっての!」

 

スタコラスタコラってあの調味料、置いて行きやがった.....

一週間マタタビやらねぇ。

取り敢えず行くか。

 

狩人移動中.............

 

ミツさん居ないな。

え?なんで解るのかって?

ミツさんの匂いがしない。足音がしない。

以上ですが何か?キメェって?褒めるなよ。

 

「レイスさん!村にミツさん行ってないかニャ!?」

 

「あ、ココア君久しぶりだな。ミツさんは来てないけど、どうした?渓流にも居ない様だが。」

 

「それが、前のバザールから帰って来てないのニャ!」

 

なん....だと?

 

「どういう事だ!?」

 

「今、渓流中を探してるニャ。何か、心当たりあるかニャ?」

 

「いや、全く。取り敢えず、俺も探す!」

 

クッソ、何で戻って無いんだ!

あの後、村に居た商隊は全て戻った筈。

あぁ、もう!こんな時にシュガーは何処に居るんだ!

 

タツタside

 

姉御が、戻ってこないゼヨ....

我が、我があんな事を言わなければ姉御も考えずに済んだ筈ゼヨ....

 

「タツター久しぶりニャ。騒がしいけど何かあったかニャ?」

 

「シュガー.....それが、姉御が....戻って来てないゼヨ.....」

 

「!?....どう言う事ニャ。」

 

「あのバザールから帰る途中、姉御が竜車から降りて....それから戻ってきてないゼヨ....」

 

「姉さんが何も言わずに消えるニャんて....」

 

「.....でも、一ヶ所だけ居場所に心当たりがあるゼヨ。」

 

「ニャ!?なんでそれを早く言わないニャ!」

 

「もうすぐ来る筈の助っ人が居なきゃ、行ける場所じゃないゼヨ。」

 

「助っ人?誰ニャそれ。」

 

「もうすぐ見える筈......来たゼヨ。」

 

そう言った視線の先には、空に浮かぶ紅い点があった。

 

「助っ人って....お前かいニャ。」

 

「陽炎、母君の失踪と聞き参上仕った。」

 

現れたのは、紅い東洋風の姿で飛竜刀『楓』を背負った青年だった。

この青年は、陽炎という名であり。

村のアイルーと同じくミツに救われた1人でもある。

 

嘗て、ミツが原生林から渓流までの移動の際通過した孤島で、親がハンターに討伐された卵をミツが育てた。

その卵に宿っていた陽炎も、アイルーと同じくミツに絶対的な恩義を感じていた。一度、村に訪れていた為にアイルーが襲われる事はない。

 

「タツタ殿、状況を教えて頂きたい。」

 

「姉御が失踪して、現在捜索中ゼヨ。ここまで探しても居ないなら、恐らく...渓流にはもう居ないゼヨ。」

 

「それは.....心当たりは?」

 

「恐らく.....原生林ゼヨ....」

 

「シュガー!ミツさん居なくなったって聞いたか!?」

 

「何奴!」

 

「うおっ!?」

 

アイルーは襲われない。

しかし、ハンターが襲われないとは言っていない。

 

「おーい、陽炎そんなのでも一応雇い主だからやめるニャ。」

 

「む、そうであったか。申し訳ないドグサレハンターが。」

 

「謝る気無いだろテメェ。」

 

「そんな事は無い、母君の為にさっさと這いずり回れ畜生め。」

 

酷い言い様である。

似た様な名前と種族名だというのに、同族嫌悪と言う奴だろうか。

恐らく二人とも認めないだろうが。

 

「キレるよ?レイスさんキレちゃうよ?」

 

「タツタ殿、準備を頼み申す。原生林まで飛びます故。」

 

「無視すんなよ、それと何?飛ぶ?脳味噌中二病なの?馬鹿なの?死ぬの?」

 

「こんがり肉にしてやろうかギルドの犬め。」

 

「テメェの血でその真っ赤な姿、紅く染めてやるよ。」

 

「「上等だ、やってやる!」」

 

「黙るニャ、お前ら2人纏めて挽肉になって今日の夕飯になりたいかニャ?」

 

「陽炎、数日分の食料と武器はあるゼヨ。原生林まで急ぐゼヨ!」

 

「俺は?ねぇ俺は?」

 

「レイス、数日出掛けるニャ。その間頑張れニャ。」

 

「取り敢えず、我とシュガー、ホールとココアの構成で行くゼヨ。」

 

「了解した、それでは元に戻るので離れてもらいたい。」

 

その言葉でアイルーは全員離れた、アイルーは。

 

「テメェの指図は受けん。」

 

「ちょっ!レイス何やってるニャ!早く離れないと冗談抜きで挽肉ニャ!」

 

「くたばれハンター!」

 

そして陽炎にプチッ......とはいかず。

竜に戻った陽炎に潰されるギリギリで助かっていた。

 

「.......え?」

 

「チッ、死ねばよかった物を!」

 

「お前ら醜い争い繰り広げんニャ。陽炎、さっさと行くニャ。」

 

「全員、乗りましたね?」

 

「大丈夫、出発するゼヨ。」

 

「それでは、陽炎!出る!」

 

アイルーを乗せたリオレウスもとい、陽炎が飛び立ち原生林に飛んでいく。

そして取り残されたレイスは......

 

「彼奴ら置いて行きやがったァアアアア!ふっざけんな!」

 

尚、レイスはこの後ロアルドロスを阿修羅の如き気迫で調教して原生林まで到達しました。

 

陽炎side

 

ハンターなどに出会した所為で気分が悪い。

我は、リオレウスの陽炎だ。

母君に育てられた恩はこの命を持って必ず返す。

 

先日、孤島の巣で休んでいる時に手紙が届いた。

内容としては、母君が帰ってこない為捜索の救援に来て欲しいという物だ。

母君の村のアイルー、そして我を含めて、母君の過去は一切知らなかった。

 

過去形なのは、今現在タツタ殿に件の話を聞いているからだ。

人間は、誠に気に入らん。我の血の繋がった両親も人に殺されたという。

母君がその犯人に会って、殺した理由が『丁度いい金になりそうだったから』などと巫山戯た事を抜かしよった。

 

その者らは既に、我が土に還したがな。

我の事は良い、だが何よりも!

原生林には母君を殺そうとした連中が居る。

 

母君が殺される訳には行かぬ、早く見つけなくては.....

一晩飛んでいるがそろそろだろうか。

 

「陽炎、あと少しで原生林ゼヨ。」

 

「一週間分の荷物にしては近い物だ。」

 

「水気が多いな。」

 

「キツイなら言うニャ。」

 

「大丈夫だ、問題無い。早く母君を探さなくてはな。」

 

「陽炎、自分たちは地上で探すから空から見渡してくれニャ。」

 

「了解。それでは地上は頼み申した。」

 

 

 

 

何処に居る.....とにかく母君の無事を祈るしか.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~………~~~~……

 

 

 

 

 

 

 

………今、何か.....行くか。

 

あの紫の尾は.....母君の尾が見えた!

早く向かわなくてはな!

 

「陽....炎?」

 

「そうです母君!村の者が探して居ます。帰りましょう。」

 

「勝手に消えて御免って伝えておいて貰って良いかな?」

 

「何故です?帰れば問題無いと思いますが。というより、何故隠れて居るんですか?」

 

陽炎の言葉通り、ミツの姿は木に阻まれてよく見えなかった。

 

「これは.....気にし無いで良いからね。」

 

「?取り敢えず帰りましょうか。」

 

陽炎が人型になり木々の隙間を抜けていく。

 

「来ないでくれ陽炎!」

 

「何を言って.......何があったんですか!」

 

ミツの姿は、身体中を斬られ出血し所々に打撃の跡があり酷い損傷を受けてた.........



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

慕う者達の怒り

母君が.....怪我を.....

 

「気にしないで陽炎!何でも、何でもないんだ。」

 

「母君!誰にやられたのです!」

 

「まあ、人間だけど。彼らは悪くない、襲おうなんて考えないでね。」

 

なぜ、そんな傷を負わされても奴らを庇うのですか.....

母君は、自己犠牲も.....大概にしてください!」

 

「陽炎、僕は自己犠牲なんて大層な事はしてないよ。彼らは本当に悪くない。」

 

.....口に出してしまっていたか。

だが、それだとしても!母君が傷つけられて良い理由にはならぬ!

 

「.....とりあえず、傷は治します。治り次第、護衛をして帰しますので。」

 

「ごめんね、僕が勝手に動いた所為で...」

 

「謝らないでください。我らが自分達で判断した結果故、母君の謝る道理はないです。」

 

「その通りですよ、ミツさんが謝る必要なんて無いです。」

 

「!?レイス君、何でここに.....」

 

「貴様!何をするつもりだ!母君へ害を成すと言うならこの場で貴様の命は無いと思え!」

 

「陽炎とやら、俺はミツさんを探して助けるために来たんだ、お前と同じ意思だ。」

 

「ッチ...仕方ない、協力しろ。」

 

「言われなくとも、取り敢えずネンチャク草を幾つか取ってきてくれないか?」

 

「ネンチャク草?あんな物どうするのだ。」

 

「取り敢えず取ってきてくれ、人間の知恵だ。」

 

「フン、母君のためだ今回だけ聞いてやる。母君に何かしてみろ、灰にしてやる。」

 

「ああ、解っているさ。頼んだぞ。」

 

レイスside

 

陽炎が戻るまで見ておかないとな。

それにしても、ミツさん静かだな?

 

「すー.....」

 

寝ちゃったのか、それにしても俺が来たときは人型だったが、人型になって傷つけた連中を攪乱したのか?

 

兎に角、警戒しないとな。

 

「それにしても.....誰がやりやがった.....」

 

ミツさんの事だ、自分から襲うなんてありえないだろう。

それに、ミツさんは正直俺では軽くあしらわれる程に強い。

ミツさんは、俺に稽古を付けてくれるのだが、その時に掠らせる事が出来れば大御礼。

 

一太刀入れる事が出来たのは、今までで一度しかない。

自惚れする気はないが、俺はハンターの中ではトップクラスでかなり有名でもある。

そんな俺を軽くあしらえる程に強いのだ、ミツさんは。

 

そんなミツさんが、あれ程の傷を受けたのだ。

恐らく、異常な数による人海戦術を主とする違法ギルドだろう。

大半のハンターが所属するハンターの運営元、ハンターズギルドでは5人以上の狩猟は御法度だ。

 

理由は、5人以上で狩猟を行うと竜車での移動が3台以上になり、移動の際にモンスターを刺激してしまうからだ。

しかし、違法ギルドではそんな事お構いなしに50人にもなる大隊で狩猟をすることもある。

そして自然の調和を守る筈のハンターがモンスターを大量に狩猟し、生態系を崩すのが違法ギルドだ。

 

「今戻った、ネンチャク草だ。」

 

「ああ、ありがとう。今から作業を始める。」

 

「母君は眠ったのか....クソッ、誰にやられたんだ。」

 

「恐らく違法ギルドの連中だ、だが、今は治療優先だ。治療している間警戒頼む。」

 

「ああ、此処には何人たりとも通さぬ。」

 

ハンター御用達アイテムの回復薬、これは飲むと全体的に傷が治るが、実はネンチャク草を使うと一点に集中して回復させ、傷跡を完全に消す事が出来る。

ミツさんに傷など付いていてはいけないからな。

 

まず、肉焼きセットでネンチャク草を炙り粘着性のある液体を出す。

その液体を布に染み込ませて物に貼り付く様にし、そこに回復薬も染み込ませる。

それを傷口に貼る事で、傷が跡形もなく消えて完全に治るのだ。

この湿布の様なものを大量に作りミツさんの傷口貼っていく。

 

「ん...んん?」

 

「起きましたか、母君。」

 

「あ、れ?寝ちゃってたの...かな。」

 

「寝てても良かったんですよ?」

 

「....傷が?」

 

「ああ、寝てる間に治しておきましたよ。」

 

「2人とも、ありがとうね。」

 

その時、藪から何かが蠢く音が聞こえた。

そして、現れたのは...

 

「ミツさん!」

 

「姉さん!それにレイス!?何でここにいるニャ!」

 

「おお、お前ら。」

 

「ミツさんは無事だったのかニャ!?」

 

「.....酷い怪我だったが、もう無事だぞ。」

 

「よ、よかったゼヨ...」

 

やっぱり、こいつらも本当に心配だったんだな。

 

「とにかく、ミツさん此処は危険ですし。渓流まで戻りましょうか。」

 

「うん、迷惑掛けて悪かったよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前ら、準備は良いか!」

 

「「「「「「「「ニャアアアア!!」」」」」」」」

「「「「宿敵に死を!」」」」

 

以前の原生林から戻ってきてから俺は、あの辺りの違法ギルドを探すと。

見つかった。今から、その違法ギルドを討ちに行く。

 

「.....殺す。」

 

「お姉ちゃんがやられたんだ、絶対許さないよ!」

 

「さて、お嬢に傷を付けた連中に落とし前着けてもらわなな!」

 

こいつらは、無口な奴がライゼクスのゼロ。

少し子供っぽいのがディノバルドのノエル。

気のよさそうな奴が、ガムートのトール。

全員、ミツさんに恩義の有る者だけだ。

 

まず、ここに居る者全員がミツさんに恩が有る者だが。

どこから知ったのか、ミツさんがやられた事を聞き渓流まで来たのだ。

ミツさんには悪いが、俺たちは、ミツさんを傷つけた者を許すことは出来ないんだ。

 

「進め!目標まで止まるなああああ!」

 

陽炎とゼロが村の戦闘アイルーを乗せている。

俺はトールの背に乗せてもらっている。

現在は陸路から原生林へ直行している。

時間は陸路だけに相当掛かったが、原生林まで後1時間だ。

 

「トールとノエルは敵の砦を破壊せよ!ゼロと陽炎はアイルーを乗せ砦内部へ奇襲をかけるんだ!」

 

違法ギルドの全員が居る砦に奇襲をかける。

奴らは、一人残らず始末する!

 

 

 

 

 

「おい、何か聞こえないか?」

 

「確かにな、なんだこの音?」

 

違法ギルドの砦見張りが地響きの様な音を聞きつけた。

 

「だんだん、大きくなってないか?」

 

「外はどうなって

 

 

 

見張りの声は途絶えた、トールの突進で潰れたのだから。

 

「御嬢をやられて許されると思うんちゃうで!お前らアア!」

 

「ぅぅううう!あああああ!死ね!死ね!お前ら皆死ね!」

 

ノエルに斬られ、千切れ飛ぶ者。

噛まれ喰われる者。

 

「.....行け、お前ら。」

 

ゼロが低空飛行で強襲し、アイルーを飛ばす。

 

「皆の者!母君を傷つけた愚か者に鉄槌を下すのだ!」

 

陽炎もアイルーを敵に向け飛ばし、翼を広げ急上昇する。

 

「行けニャ!ミツさんを傷つけた罪!思い知らせろニャ!」

 

「斬れ!ぶった切れニャ!姉御の痛み、そのまま返すニャァア!」

 

「キッチンアイルーだからって舐めるニャ!刃物の扱いで勝てると思うニャよ!」

 

「剣士としても我は戦えるゼヨ!よくも姉御を傷つけたゼヨ!」

 

高練度の戦闘アイルーが的確に、鋭い一撃を違法ギルドの者の急所に与える。

圧倒的な力で砦が攻撃される。

アイルーたちの攻撃は確実に鎧の隙間を突き致命傷と成り、敵を処理し。

 

ゼロの一撃は其の雷撃により、駆け抜けた雷で成すすべなく焼けていく。

ノエルの重く鋭い、大剣の様にも太刀の様にも見えるその刃尾にて反撃をも許さぬ斬撃が。

 

トールによる超重量の強力無比な広範囲に渡るプレスで大地が砕け舞い上がる岩石で更なる被害を。

陽炎の高高度からのブレス爆撃で大地に大穴が空き、近くの敵を灰に、土へ還す。

その全ての攻撃が仲間に当たる事も無いのは、レイスによる的確な指示によるもの。

 

指示される度に地が赤く朱く紅く染まっていく。

人間(愚者)は怒りに潰され紅い花を咲かせる。

 

「くそ!くたばりやがれ!」

 

「ギニャッ!」

 

一匹のアイルーが一撃もらってしまう。

そのとたん、後ろと交代し攻撃をした者は一瞬で土に還る。

彼等の、怒りに満ち溢れたその攻撃は、一切の慈悲も無い。

 

一撃必殺の攻撃へ、蹂躙にて砦の人間(愚者)が殲滅され。全てが土に還る。

 

荒れ果てた野、元は原生林の一角だったその場所はとある竜を傷つけ。

その竜を慕う者に殺された愚か者(人間)達が無に帰した土地。

 

怒りを体現した者らの復讐で出来た愚か者(人間)たちにとっての地獄。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

何か起きるとその後は平和

アキバで東方買ってのめりこんでました。
許してください(断罪

(´・ω・`)<無慈悲なり.....


時は少々遡り、ミツを慕う者らの報復が行われている刻。

 

 

やあ、ミツだよ。

少し、昔を思い出して衝動的に渓流を出た所為で皆に迷惑を掛けたみたいで、本当に申し訳ないよ。

あの後、渓流に戻ったて。

傷は治療してもらってたんだけど、疲労が溜まり混んでて眠っちゃって......

どうして皆居無いのかな? 起きたら、誰も居ないんだよ。

 

猫の子一匹も居ない、寝る前まで人...というかアイルーが溢れかえってたのに起きたら一匹も居なくて静まり返ってるって軽いホラーだよ。

.....何で、あんな事覚えちゃってるのかな。

 

忘れたい記憶程、感情という檻に閉じ込められてしまう。

何よりも感情、ココロの扱いに慣れている人間が....羨ましいよ。

もう少し....眠ろうか.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「母君、もう大丈夫なのですか?」

 

「陽炎...ありがとうね、もう大丈夫だよ。」

 

「母君が無事で本当に良かったです。」

 

何か、匂いが.....血?

 

「君達、原生林で暴れただろう。」

 

「ど、どうしたんですか突然....」

 

「したんだね?」

 

「........はい。母君を襲撃した連中の殲滅に、原生林まで.....」

 

「な......何て事をしたんだ君達は!」

 

「母君が奴等を庇っていたのは解っています!ですが、我等は母君をk「そんな事を言いたいんじゃないよ!」

 

「その殲滅戦に参加した子を全員呼んで来るんだ、陽炎。」

 

「.....解りました。」

 

「こんなに、居るのか.........」

 

「お姉ちゃん起きたの?」

 

ゼロにノエル、トールなんて雪山暮らしなのに何でここに居るんだ......

人型だから良かったものの....悩んでも仕方ない。ちょっと、叱らないとね。

 

「君達、人を敵に回すという事を解ってあんな事をしたのかい?」

 

「御嬢が怪我させられたんや、返すもんは返さなな。」

 

「僕の事は良いんだよ!君達の団体は確実にギルドに捕捉されている。もしも、もしも個体特定でもされたら!君達は殺されるんだよ!?」

 

違法ギルドだって、一応はハンターの集まりだ。

それを壊滅させて、危険視されない訳が無い。

 

「それにレイス君!君だって、殲滅戦に加担した事を知られれば迫害される可能性だってあるんだよ!」

 

「.....俺の事は、問題無いです。非常に納得し難いんですが、この世界で人間と大型竜との共存は無理と言うのが常識です。」

 

「.....レイス君は問題無いんだね。でも、陽炎やゼロ達になればそうはいかない、確実に討伐対象にされる。」

 

「お姉ちゃん、私達は大丈夫だよ。」

 

「君達は、もう戻ら無い方がいい。」

 

「......何故。」

 

「戦闘の痕からきっと種族の確定をされる。そうすれば生息地を捜索される。だから、渓流で暮らすんだ。」

 

「ふむ、まあええやろ?対してあそこに思い入れないし、涼し気やしな。」

 

「私もいいよ、最近ハンター達が鬱陶しいし。」

 

「......移住する。」

 

「母君を側で守れるのなら、異論はありません。」

 

「.....君達も、僕の為にやってくれたんだ。これ以上は言わない。」

 

「取り敢えず、宜しくニャ。」

 

移住が決まった。それからの日常を綴ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん!私泳ぎたい!」

 

「え?何でいきなり.....」

 

「だって、暇だもん。」

 

「あ、うん。じゃあ、行こうか。」

 

竜移動中.........

 

「おー!凄い広い!」

 

「気を付けるんだよ?」

 

最近、人型の時の服を自由に変形させれるのを知ったんだよね。

男物に出来ると喜んでたら出来なかったよ、何かの悪意を感じる。

 

「ミツさんこんにちはー。」

 

「姉さん、何やってるニャ?」

 

「ノエルが泳ぎたいって言うから、付き合ってるんだよ。」

 

「.....ミツさんは泳がないんですか?」

 

「うん、ノエルが溺れないか見てないといけないし。」

 

「そ、それだったら近くで見てあげた方が良いと思いますよ?」

 

「まあ、それも一理あるね。じゃあちょっと行ってくるよ。」

 

シュガーside

 

この煩悩野郎、確実に姉さんの水着を見たいだけニャ。

 

にしても、姉さんの交友関係はどうなってるんニャか。

陽炎だけでも驚きだってのにニャ。

 

「ノエルー、潜る時は気を付けてね!」

 

「解ったー!」

 

.......親子?いや、親子以外何があるニャ。

 

「まさか水着は男物とは.....グフッ....なんと言う破壊力だ....」

 

コイツはもう死んだ方が良い気がしてきたニャ。

ルドロスの餌にしてやろうかニャ。

 

にしても、前のは酷かったニャ。

以前の殲滅戦の説教の後、姉さんが泣いてるのを陽炎が見つけて。

 

『我は、我は何て事を!』

 

とか言いながら切腹しようとして、それが伝染して...と。

あれを止めるのは骨が折れたニャ、姉さんにバレなかっただけマシだがニャ。

 

「あー、なんと言う美しさ、生きてて良かった。」

 

「数いようのない奴ニャ。」

 

本当にルドロスの餌にしてやろうかニャ?

 

「御嬢ー飯やで!」

 

トール....デカイニャ、人型でも3mはデカイニャ。

 

「今上がるよー先に戻っててー」

 

「おう、準備しとくわ!」

 

「おい、起きろレイス。」

 

「うるせえグラニュー糖、俺は今ミツさんの御姿を脳に焼き付けるのに忙しい。」

 

「なんかあだ名進化させるニャし。はあ....準備手伝ったら何かしてくれるかもしれニャいのにニャ....」

 

「おい、何してる。早く手伝いに行くぞ。」

 

現金すぎるニャ。

あー、ホールの飯を食べるのはそこそこに久しぶりニャ。

帰るニャ帰るニャ。




よ、横鎮行ってミサイル迎撃かなんかで潜水艦やらイージス艦。
リアルレア艦を結構見れてテンション上がってやっちゃったんです。

あとアキバと靖国神社です。
遊就館で手合わせてました。変人に見られてたんだろうなあ....
御神籤大吉でした。ご利益凄そう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

良い人が作った料理は大抵美味い

零戦に乗ってみたいという願望。


オッス、レイスだ。

 

いつもはミツさんだろ、ミツさんはよ。って?

まあ待て、お前らその気持ちは良く解っている。

前回までのシリアスを取り敢えず、今回で完全払拭せにゃならんのだ。

 

あの駄狐、ミツさんじゃねえからな!?

 

ゴホン、駄狐はシリアスを書くのが大の苦手だ。

これ以上シリアスの断片を見せていたら確実に死ぬ。

という訳で覗くぞ。

 

 

 

 

 

 

 

覗くぞ。

 

 

大事な事なので2回言いました。

 

(うわぁ.......お巡りさんこっちです。by.狐火)

 

待て待て待て待てマテェエイ!

俺は唯々、視聴者のニーズに応えようとしただけだ!

 

(うっせぇ、黙ってろ。お前は取り敢えず炎夢に焼かれてこい。by.狐火)

 

おう、他作品主人公の名前出すのやめぇや。

取り敢えず覗く。絶対にな!

 

「........断罪guilty。」

 

ゼロside

 

今回は、side変更早いな。

 

もう、メタい発言上等といった作風になってきやがったな.....

まあ、ゼロだ。

なんか、無口とか言われてるけど。

単純に気付いてもらえないから喋らないだけだからな?

 

うん、喋る時は喋るから。

で、さっき嬢に不埒な行いをしようとした奴を磨り潰した所だ。

 

にしても、いつも思うが嬢は産まれる性別を間違えてるだろう。

駄狐に振り回されあんな事に.....あの馬鹿め.....

 

それにしても、ここは良い土地だな。

ルドロスとやら....一度喰ってみたい。

取り敢えず、このハンター....レイスとか言ったな。

こいつを村に連れてくか。

 

「第一商隊、出発するゼヨ!シュガー、先に帰っててもいいのかゼヨ?」

 

「別にいいのニャ、アイツはそのうち帰って来るニャ。」

 

お、ユクモ行きの....丁度いい、ユクモに送り返して貰うか。

レイスを構えて......投げる!

 

「にしても、いい天気......ギニャッ!?タツタ!レイスが降ってきたのニャ!」

 

「そこにネンチャク草があるから口を塞いどくゼヨ。多分、起きると思うゼヨ。」

 

「了解ニャ。さっさと起きろレイス、場所取るんじゃニャイ。」

 

うわぁ......投げ捨てた俺も俺だが、扱いが酷い....顔真っ青にして.....南無三。

あと、この小説のネンチャク草の便利っぷりよ。

ネンチャク草先輩じゃねえか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや.....本当に気付けよ....」

 

俺の影の薄さは異常。

さっきから嬢の場所を聞いてるんだが.....誰一人として気付かねえ!

お前らな!自分より倍以上の大きさの奴居るのに何故気付かない!

 

唯一反応した奴ですら『ニャ.....』だよ!?

もうコレ俺に対して当てられたのか!?

当てられてたら最早憐れんでるだろ!

 

もうイヤだ....俺は悪かねぇ!うわッワッァッ↑あぁんぁああああ!

 

(餅つけ餅つけby.狐火)

 

取り乱した.....そして今回異様に駄狐が絡んでくるな。

何がしたいんだ、腕叩き折るぞ。

 

(やめてください、折れます。折れてしまいます!渓流暮らし作者の腕が折れます!by.狐火)

 

そんなこんなで、異様に絡んでくる狐を始末してと、ようやく嬢を見つけた。

まあ、話したい事があるから探してたのだが。

 

「ゼロ君どうしたのさ?」

 

「いや、話したい事があったので。」

 

「何かな?相談なら乗るけど。」

 

「相談というか、食料は大丈夫何ですか?」

 

「あぁ、勿論大丈夫だよ。問題ありなら君達を此処に留める事は出来ないしね。」

 

「それなら良かった、ところで......少し相談なんですがルドロスとやら食べれないですかね?」

 

「うん、食べれる事は食べれる.....けど、お勧めはしないよ?」

 

なんか、フワフワしてそうで非常に気になる。

私、気になります!

 

ミツside

 

はろはろ、ミツだよ。

今回はside変更多いね。

ゼロ君や陽炎が此処に来てから少し経って、中々に賑やかになったよ。

 

皆、色々やってて陽炎は商隊の護衛。

やっぱり、陽炎も強くて小型モンスターが威圧されて襲って来ないってタツタ君が喜んでたよ。

ノエルちゃんと、トール君は村の小さな子を見てあげてるみたいで。

2人に結構懐いてるみたい。

ゼロ君は村の近くを見回り、狩りのサポートをしてるよ。

 

皆、僕が無理矢理ここに引き留めたんだからしなくて良いのに.....

そんな訳で、ゼロ君に頼まれたんだからしっかり要望に応えないとね!

まず、ルドロスを捕まえないとね。

 

ルドロスくらいの大きさなら泡に閉じ込めるくらい出来るから。

早く捕獲して帰らないとね。

 

【何か、似た様な光景が過去あった気がするのでキンクリ】

 

ふう、捕獲から調理まで終わった。

ホール君とも一緒に料理出来たし、楽しかったなぁ。

 

「皆ー!ご飯だよー!」

 

「早く集まるニャ!今日は御袋の料理もあるニャ!」

 

ミツさんとホールのコラボ料理は5分で完食されたらしい。

普段は10分らしいが。どちらも異常な時間である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼロ君、ゼロ君。」

 

「....んぁ?って!じょ、嬢!?」

 

「うん、おはようゼロ君。御所望のルドロス、用意しておいたよ。」

 

「え?あ、えと、ルドロスなら昨日食べた筈....」

 

「あれは、みんなの為に作った料理だよ。ゼロ君の為に作ったのがあるから。」

 

「そ、そうですか、今行きます。」

 

「うん、待ってるね。」

 

「嬢、改めておはようございます。」

 

「うん、おはよう。さっさ、冷めちゃう前に早く食べて食べて。」

 

「わ、解ってますよ。」

 

ゼロが背を押されながらも、食卓に着くと。

パンと、ビーフシチューがあった。

 

「昨日から煮込んで、ホール君も美味しいって言ってくれたから自信はあるんだけど...どうかな?」

 

「......もちろん、美味しいです。」

 

「本当に!?良かったよ....ルドロスって食用に向かないから、口に合って本当に良かった....」

 

「....嬢は自信をもっと持つべきです。嬢は、誰よりも人を惹きつける才能があるんです。もっと自信を持つべきですよ。」

 

「....そう、かな?ありがとうね、ゼロ君。」

 

「嬢に比べれば大した事じゃないですが、何か進むきっかけになれたら嬉しいです。」

 

僕は....本当に優しい子達に出逢えたよ。

ありがとうね、ゼロ君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茶番劇場~レイスのその後~

 

くそっ!ゼロの妨害を受けてユクモ村からやり直しだ!

 

「俺は諦めない!ミツさんの裸体を拝むまで!」

 

「貴様.....やはりハンターか....」

 

「ちょまっ!?陽炎ナズェココに!」

 

「その様な事はどうでもいい!貴様の腐った根性!叩き直してやる!」

 

「ワイもちぃと、混ぜてもらおか。」

 

「ぶっ殺してやる......」

 

「ねえ、輪切りにされるのと千切りにされるのと、どっちがいーい?」

 

その後、違法ギルド並の制裁を受けたらしいよ。

結局、陽炎の炎でも焼けず。

ノエルの刃も弾かれて、全てに耐え切ったので。

 

最終兵器、シュガーさんに説教してもらって土に埋めたんだって。

 

1分したら土から這い出て来たけどね。




海軍カレーの専門店に島風とか赤城居ました。
ボーキカレーが有りそうでなかった。

島風は魚雷発射管イメージしてたのかな?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閑話.今更感漂うキャラ設定

さて、皆々様渓流暮らしの閲覧感謝致します。

 

ん?私が誰かと、おや、感想欄でお話しているでは無いですか。

狐火(うp主)です。今回は番外編、もといキャラ紹介で。

 

それでは、まず皆のお母さんこと、タマミツネのミツさんからで。

 

「あれ?ここ、どこだい?」

 

ミツさんいらっしゃい、まあここが何処かは気になさらず。( ・ω・)ノ旦 オチャドゾ

 

「うん?まあ、それもそうかなお茶頂きます。」

 

取り敢えず、キャラ設定出しますねー________________________________________________________________________________________

 

種族 タマミツネ

性別 男

名前 ミツ

 

渓流暮らしの主人公。

狐火の嗜好と慣れという身勝手極まりない理由によって。

他のオリ主と同じ様に男の娘になってしまった。

 

元は原生林に住んでいたのだが、違法ギルドに襲撃され親を亡くし。

世界中を周りながら、本人の気付かぬ内に多くの者に慕われ、渓流に落ち着いた。

原生林の出来事が切っ掛けで、自虐的な思考になり良くアイルー達にとやかく言われている。

 

その他にも、善行を行っても当時の罪の意識を和らげる為。

自分を悪とした方が気が楽だから。などなど、己を悪としているが。

罪の意識よりも、元来の性格での行動である。

ゆけむり村のお母さん的な立ち位置で信頼も大きい。________________________________________________________________________________________

 

てな感じですかねぇ?今更感が半端ないです。

 

「なんだか、恥ずかしいものだね。自分をこんな風に見るっていうのは。」

 

照れ顏、良いですよ。視聴者ホイホイです。

ミツさんを女体化何て奴がいますがね?

ミツネスレが本当に酷いんですから絶対しませんよ。たぶん。

 

ミツネさんを泡姫だなんて抜かすヤツは後で表出ろや、地獄を見せてやる。

 

「泡姫って何かな?」

 

こっちの話です。

にしてもミツさんだけですよ、自分を人道的に扱うオリ主は。

 

「それは....めげずに頑張って!」

 

おぉ、俄然やる気が出るってもんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、次の方行きますかー次の方、レイス&シュガーです。

 

「「芸人かっ!(ニャ)」」

 

だって貴方達基本2人で出てくるんですし、分けるの面倒なんです。

 

「コイツ....本音をよくもまあ、ヌケヌケと.....」

 

うっさいですよ、レイス。

余計なことを抜かすんじゃねえです。

永久降板でミツさんに会えなくしてやりますよ。

 

「サーイエッサー!」

 

「あっさり寝返りよったニャ....まあ、気持ちは解るけどもニャ。」

 

うだうだやってる場合じゃない。

さっさとキャラ紹介です。ですです。________________________________________________________________________________________

 

種族 人間

性別 男

名前 レイス

 

種族 アイルー

性別 女

名前 シュガー

 

レイスは、ユクモ村にて専属ハンターを務めており。

シュガーはそのオトモアイルーとして活躍している。

レイスは、専属になってユクモ村周辺に比較的よく出没するモンスターを容易く倒せるぐらいになったころ。

初のロアルドロスという大型との戦闘で、完膚無きまでに叩きのめされ。

命の危機に陥った際にミツに救われ、稽古をつけてもらう事でG級ハンター直前というところまで成長した。

 

シュガーは、元々各地を転々としていたアイルーで。

渓流で、旅の疲れで眠り込んでいるときにジャギィに襲われたところを助けられた。

その後、アイルーの村で過ごして当初は出て行くつもりだったが、居心地が良く居着いた。

その後、村に貢献する為にレイスに雇ってもらった。

今でもちょくちょく帰っている。________________________________________________________________________________________

 

今思うと、結構ご都合主義にまみれてるねぇ....

 

「いや、あんたの所為ニャ。」

 

というか、シュガーの経緯は今回初めて公開したんだよねー

 

「あ、そういえばそうかも知れないな。」

 

そのうちストーリーとして載せておきますかねー?

 

「出番欲しいニャ。」

 

いやいや、シュガー出番ある方だよー?

 

「まあ、駄狐にしては全員出てる方だよな。」

 

ねえ、私狐火なんですが?

駄狐じゃないんですけど?

 

「黙ってろニャ、テメェはまず残り二作を更新してから言いやがれニャ。」

 

「どの口がほざくんだ?どの口が、ァア''!?」

 

鬼め.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、次はゆけむり村のアイルーでシュガーを除いた3匹。

ココア、ホール、タツタ。この3匹です。

 

「今更感が凄いですニャ。」

 

わかっとんのや!んな事は!皆まで言うなや!(関西です)

 

「狐、いいから紹介するニャ。」

 

はいはい.....

________________________________________________________________________________________

 

種族・3匹ともにアイルー

名前 ココア 性別 男

名前 ホール 性別 男

名前 タツタ 性別 男

 

3匹共にミツに助けられたアイルーの内の1匹。

ココアは、オトモアイルーを務めていたが雇い主に叩き出され。

雇い主の暴行による怪我で動けなくなった所をミツに助けられ今に至る。

現在は、オトモアイルーの経験を生かしてゆけむり村の狩猟班総指揮官を務めている。

 

ホールはユクモ村の料理店でキッチンアイルーとして働いていたが。

人よりもよっぽど上手い料理の腕を同僚に妬まれ、蹴落とされた。

それ以来、人間不信となり人間ではレイスぐらいしか信用していない。

蹴落とされてからは、盗みをして生活していたがある日盗んだ店の者に殴られココア同様。動けなくなった所をミツに救われた。

今では、ゆけむり村の食堂で料理長を務めている。

 

タツタは、元々人間の率いる商隊に入っていたが。

平然と人を騙して利益だけを重視する方針に嫌気が刺して脱退した。

その後、ユクモ村に来たミツ率いる商隊の姿に惹かれて村に入った。

それ以来は、商隊の発展を手伝ってくれたミツに恩義を感じている。

現在は、村を回すための財政管理と全商隊の隊長を務めている。________________________________________________________________________________________

 

タツタだけ割とマシな境遇。

 

「その言い方は何ゼヨ!我にも我なりの苦労があったのニャ!」

 

あーはいはい、タツタは偶にゼヨが変わるね。

無理すんなよ。

 

「無理言うな!我は元からこんなゼヨ!」

 

はいはい....荒ぶるタツタは置いといてココアとホールは何か村で不満とかはあるの?

 

「「無いニャ。」」

 

お、おう.....一致し過ぎだろ....

 

「まあ、強いて言うならミツさんがその内誑かされないかが心配ニャ。」

 

「あーそれは有り得るニャ。御袋はお人好しだからニャ。」

 

お前ら.....ミツさん男だからな?

まあ、この村のお母さんを心配する2匹をお帰しして。

次の奴ら行きますよー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はいよ次の奴、リオレウスの陽炎だっ!

 

「なんだここは......」

 

なにやら、ミツさんと反応が似ているな。

やはり親子か?まあいいんだ、キャラ設定だ!________________________________________________________________________________________

種族 リオレウス

性別 男

 

リオレウスの亜成体で、ミツに育てられてきた。

孤島産まれで、実親はモガ村の人外に殺され陽炎が産まれる前にこの世を去っている。

親が居なくなったことで、卵の時点で死にかけていたが。

孤島に立ち寄ったミツが温めたことで一命を取り留め。

その後、ミツから稽古をつけてもらいG級でも上位の力を手に入れている。

今は、ミツの側でその身を賭してでも守り切ると心に決めている。________________________________________________________________________________________

 

G級こわい!

 

「4Gで飛竜キラーしてた奴には言われたくない。」

 

飛竜は操虫棍使うとジャンプして滞空状態の叩き落として乗れるからねぇ。

ライゼクスも下位装備で上位ボコせたんですよねぇ。

 

「控えめに言って、死んでしまえ。」

 

控えめに言ってこの威力!

こんな酷い子は帰って!

さあ次だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次が最後だ!

モンスターハンターX!四天王残りの3匹、ゼロ!トール!ノエルだ!

 

「なんか、気合入ってるなぁ。まあ、ええことやろ!」

 

ノエル、つかディノバルドの尻尾ジャキンがかわせない。

まあそんな事はどうでもいい!プロフいっくぉー!?________________________________________________________________________________________

種族 ライゼクス 性別 男

種族 ガムート 性別 男

種族 ディノバルド 性別 女

 

3匹とも、ミツに恩義がある。

今は違法ギルド殲滅戦によってギルドに討伐されるのを防ぐ為に渓流に住んでいる。

この3匹は、唯一この作品で何かモデルを建てて作ったキャラでもある。

 

ゼロは、人に気付かれず無視ばっかりされるので無口になってしまった。

モデルはケロロ軍曹のドロロ兵長。

格好は盗賊の様な感じだが勿論綺麗である。

 

トールは、気の良い近所のオヤジみたいな感じである。

モデルはSAOのキバオウとエギル。

体格が良く、関西弁で想像図と一致した為の選択である。

格好は、ガムート装備を羽織りにした様な物を着ている。

 

ノエルは、産まれてそこまで長く無い為言動や姿も幼い。

要はロリと言うことだ。戦闘狂でもあり、戦闘では普段の無邪気さは消え失せる。

モデルは東方projectの東方紅魔郷の裏面ラスボスのフランドール・スカーレット。

ちょっと長いのは気にするなっ!

格好はフランに似た様な服。(思い付かなかった訳ではないぞ?________________________________________________________________________________________

 

まあ、こんなもんかな?

 

「ノエルだけ長ないか?」

 

気にするな、気の所為だ。

 

「いや......長い。」

 

気にするな。

 

「いやいや、ノエルだけモデルのフランちゃんか?の詳細まで書かれてるやんか。」

 

うっせぇ!気にするなつってんだろが!

 

「でも、私自身の設定がフランちゃんに似てる気がするんだけど?というか、そのものな気がするんだけど?」

 

あーもう!だって思いつかねえんだもん!

ディノバルドとか何!

えぇん!?剣士か!?

剣士にでもすりゃ良かったのか!?

 

出来るかぁああ!もうこれ以上男増やせるか!

ホモォ臭がするんだよっ!女剣士なんてやってみろや!

ファンゴかモスでくっ殺するぐらいしか思いつかねぇよ!

くっ殺したらあとはもう放送事故だよ!?消されるよ!?

ノエルが真っ白アッヘェする未来しか見えねぇんだよチクショウめぇえええ!

 

「...........酷い。」

 

「心が腐りきっとる......」

 

「なんか、読者からの私への目線が変わった気がする。」

 

うっぐ、うっぐ......私の思考能力にそんな淡い期待を載せるなよ....ひっぐ。

 

「あぁ....俺らが悪かった、だから落ち着け、な?」

 

「キャラとかもう何も言わ無いから、元気出して。」

 

ぅっぐ、もうこれで最後だ。

引き篭もってやりますよ、うっぐ。

 

「あ、私達だけ詳細が無いのはストーリーを本編でやるからだよ。」

 

はい、それじゃ.....これにて番外編終わります。

閲覧感謝します.....ひっぐ。

 

「もう泣くな.....男やろ。」

 

私だって足り無い頭振り絞って頑張ってるんです.....

 

「愚痴なら聞いたるから、行こう、な?」

 

はい......




泣きそう


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人のコンプレックスは指摘すると大抵、ロクでもないことになる。

最近、サブタイが銀魂に似てきている気がする。


やあ、ミツだよ。

今回はね、村の皆に一言物申す!

 

「君達は僕の性別を何だと思ってるんだ!」

 

いつもいつもいつもいつも!

少なくとも男として扱われた事が一度たりとも無いんだよ!?

もう耐えられ無いよ!

 

「ほぼ、女性の男ですかニャ。」

 

「ココア殿に同意見です。」

 

「え、まずお姉ちゃん女でしょ?女の子の匂いしかしないよ?」

 

「嬢はもう諦めぇや.....女になってしまえば楽な物を......」

 

「君達という奴は.......僕は男だと何度言ったら解るんだい!?ノエルは付き合いが短いから解るけど!陽炎に至っては卵の頃から育ててる付き合いだと言うのに....泣くよ!?終いには泣くからね!?」

 

「ミツさんの泣き顔が拝めると聞いて飛んできた。泣き顔ドコー」

 

何処からか湧いたハンターは陽炎の手によって瞬殺されましたとさ。

 

「母君はまず性別について言う前にその姿から変えていく必要が有るかと。」

 

それも一理あるか......ならば。

 

「じゃあ取り敢えずこの無駄に長い髪切っちゃうとしようか。」

 

「「「「「「「「「「ダ!メ!で!す!」」」」」」」」」」

 

「ショートになったミツさんも見てみたいかも。」

 

二度目の瞬殺がやってきた。

 

「えぇ......ならどうしろって言うのさ......」

 

「諦めて女性になる。」

 

「嫌だよそんなの!」

 

「じゃあどうしようもないです母君。もうこれは絶対不変の掟です。」

 

陽炎........僕は今、君に存在を否定された感覚を覚えたよ。

 

翌日

 

《探さないでください、ミツより。》

 

ミツさんは、再び失踪してしまった!

 

「うぎゃあああああああああああああああ!?」

 

「ヤバいニャヤバいニャ!」

 

「おおおおお、お、落ち着くゼヨ!まずは餅をトランポリンでフライアウェイして肘からガレオスを捻り出すんゼヨ!」

 

「お前が落ち着くニャ!」

 

「俺が!俺があんな事を言ったから母君がぁぁあアアアアッァッアツアああ!」

 

誰かが慌てふためき。

誰かは混乱の余り謎の言葉を発し。

誰かは自責の念で岩に頭を打ち付け岩を叩き割り。

とまあ、ゆけむり村が混沌で溢れかえってる頃。

 

事の始まりであるミツさんは......

 

 

「むー!」ぷんすこぷんすこ

 

温泉で不貞腐れていた。

温泉に入る前に女性ロッカーの鍵を渡された為に、またミツさんのぷんすこメーターが溜まり。

その結果がこれである。

 

「全く!失礼しちゃうよもう!」

 

珍しく自分の事でお怒りのご様子。

それ程コンプレックスなのだろう。

と、そんな風にミツさんが不貞腐れている間にゆけむり村は更に荒れ......

 

「そうゼヨ!プロテインゼヨ!」

 

「落ち着いたら取り敢えず、やってみよう!」

 

「何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を何であんな事を..............」

 

「ちょっ!お前ら落ち着きぃ!村が壊れるで!」

 

と、三名発狂。

ミツさん恐るべし。

そしてまたミツさんへと。

 

「...........zzz」

 

眠っていた。

なぜか肌艶が普段のそこらの美人のプライドをへし折る肌艶が更に強化され、レイスの家で。

眠っていた。超熟睡である。

 

そしてその隣には、顔面真っ赤で放心状態のレイスを呆れて起こそうとするシュガー

これまた意味不明である。

 

ちなみにこんな状況に至ったのは温泉からだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、姉さん何してるのニャ?」

 

「むー、シュガーちゃんまで......」

 

「ニャ?」

 

「僕は男だと何度言ったら解るのかな?君達は。」

 

「諦めるニャ、姉さんを男として扱うと本当に違和感しか残らないニャ。」

 

「...............」

 

「だから諦めるニャ。........ん?姉さん?」

 

「むきゃー........」

 

「ぁ~のぼせたニャか.....」

 

と、そんな感じでシュガーにレイス宅に輸送されたのだが。

まあ、あの最近ただの変態に成り下がりつつあるレイスが勘付かない訳がなく。

シュガーの警戒網を突破、ミツさんの眠る寝室へと浸入し。こうなった。

 

「悪いなシュガー、だがこれも仕事でなぁ....」

 

狩猟(性欲の解放)という古龍の同時討伐よりも難易度の高い。

まず、死ぬのが確定レベルの事をやろうとしていた。

 

「んー......あぅ.....」

 

レイスがシュガーの居た方向へ気色の悪い笑みを浮かべていると。

後ろにミツさんが陣取り、レイスの耳を捕食(甘噛み)

 

「へ、ちょっ、ミツさアッー!」

 

「ふぁ......zzz」

 

力が抜けて倒れたレイスにミツさんが覆いかぶさる形に。

 

「ちょっ!ミツさん近い!近いって!」

 

「………zzzz」

 

と、完全に倒れたミツさんの唇が軽くだが、レイスの頬に当たった。

所詮キスである。

 

「%-¥%#:/\-^ss[&:/_%♪×○・~☆☆%¥〒!???」

 

ここで、レイスの思考回路がショート。

そこでシュガー乱入。

そして今に至ったのだ。おk?

 

「被告、何か発言あるかニャ?」

 

「...............あ、いや、はい。ないです。」

 

「どちらにせよ死刑確定ニャ。」

 

「あ......うん。」

 

羨ましいもんである。

 

 

 

「なあ、ここに嬢来とらへんか?」

 

「お、トールかニャ。姉さんならそこでグッスリニャ。」

 

「こんなところに居ったんか....見つからん訳や。」

 

「何かあったのかニャ?」

 

「いや、それがな?」

 

説明ってさあ、難しいよな?

キンクリキンクリー

 

「それは....酷いもんニャ。」

 

「だから連れて帰りたいんやけど。こんなにいい笑顔で寝とったら、起こすの忍びないわな.....」

 

「起きたら連れて帰るから、トールは見つかった事を伝えとくニャ。」

 

「ホンマかいな、そりゃ助かるわ。ありがとうな。」

 

「お互い様ニャ。にしても、姉さんは変な所で子供っぽいニャー」

 

「普段は優しいオカンみたいな感じなんやけどなぁー」

 

「まあ、それも含めて姉さんの魅力じゃないかニャ?」

 

「それもそうやな。ほな、先戻っとくわ。」

 

と、ほのぼのしているが。

少し、ゆけむり村に視点を戻そう。

 

「餅を叩け!」

 

「餅を叩けばファンゴが増える!」

 

「そんなことよりモス狩りだ!うっひぇええええぃ!」

 

「ブナハブラって燃やしたらロアルドロスになると思うニャよ!?」

 

「ナルガクルガは溶かすんだ!溶かしたらお餅を沸騰ボカンできるおっおっおを!?」

 

こんなのがトールのミツさん発見報告が来るまで続いた。

ちなみに、この後ミツさんを見た瞬間全員正気に戻りました。

あと、相変わらずの他人優先のミツさん故に諦めて女性として呼ばれるのは認めたそうです。

 

ただ、レイスのみがミツさんを見るたび茹でダコになって逃げ出す為にミツさんが嫌われたと勘違いしてまた一悶着あったそうだが。

それはまた別の機会で。




餅多くね?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

幼い男の娘は、ロリかショタか。

自分は基本何でも受け付けます。
ギャルだけは勘弁。


.......あれ?もう始まってるの?

やっほーノエルだよ!

むふふー今回は私からのスタートなのだ!

 

お姉ちゃんは陽炎がまたぷんすこメーター貯めた所為で不貞寝してるよ。

陽炎は本当にアレだね、思った事を全部言うよね。

まあ、子供だから仕方ないかー

 

ん?今私も子供だろって思ったでしょー

ちっちっ、それが残念ながら陽炎の方が年は下なんだなー

私達みたいな大型は成体になるのは早いんだよ。

 

陽炎は割と成熟してるっぽいけどアレでもまだ産まれて2年なんだよね。

私はもう5年は生きてるよ。人の年齢で表すと私は12ぐらいで陽炎は17ぐらいかな?

まあ、ここから何十年も寿命はあるんだけどね。

 

今はお姉ちゃんのほっぺたをぷにぷにして遊んでる。

すっごいモチモチなのに男なんだからもったい無いよねぇ。

 

「あ..........ノエル、何してるのかな......」

 

「お姉ちゃんがもちもちなのが悪いっ!」

 

「それは責任転嫁が過ぎないかなっ!?」

 

私は悪く無い、そのもちもちのほっぺたで私を誘惑するのが悪いんだ。

 

「......まあいいか、ちょっと魚獲ってくるよ。」

 

「行ってらっしゃーい。」

 

昨日、ナバルデウスとかヤマツカミなんて馬鹿げたものを食べてたのに。

魚飽き無いのかな?

 

というか、ナバルデウスとヤマツカミを獲ってきたゼロと陽炎がおかしい。

ゼロに至ってはなんで深海まで潜ってナバルデウスなんて巨体をあっさり倒せるかな...

というより、どっちもどうやって持って帰って来たのさ。

美味しいけど、あれに疑問を抱けなかった私も私だよ。

 

「ただいまー」

 

はやーい、さっき出てから一分だよ?

はっやーい。ここ、こわい!

 

「お姉ちゃんドキドキノコ食べちゃって、はい。」

 

人型だと魚が獲り辛いから元の姿に戻ってるんだって。

そして、いつも通りに人型になっ.......て.....

 

「.......あれ、なんか目線が低い様な...?」

 

「...ッ!一大事だぁあああ!」

 

「ノエルどうしたの?」

 

「誰でもいいから早く来てぇええええ!」

 

結論から言おう。

ミツさんがショタになった。以上!

 

「で、何なのさこれ。」

 

「僕が聞きたいよ、少し前に容姿で散々遊ばれたのにまたこんな事に.....」

 

普段の容姿と違って、3,4歳ぐらいのお嬢様。

みたいな感じになっているミツさん、またまたぷんすこメーターが溜まらないか主に陽炎がヒヤヒヤしている。

 

お嬢様っていうのはほぼ変わらないだろう、というのはこの場に居る全員の意見である。

 

「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン、お前らさドキドキノコの効果解ってるか?」

 

「何処から湧いたGOKIレイス、ドキドキノコはモンスターが人型になれるものだろう?」

 

「おう、その呼び方やめぇや陽炎。ドキドキノコの効果ってさ、色んなものからランダムで変わるんだぞ?」

 

「ということは.....つまり。」

 

「うん、ランダムでショタ化の効果になってこの結果....ということだな。」

 

ドキドキノコは人が食べれば、腹が減ったりふくれたり。

はたまた、体力をなくしたり回復したりと。完全なる謎なのだ。

それをモンスターが食べた結果など知られている訳もなく。

 

ただ単に、今まで普通に人型になれていたのは単純にそうなる確率が高いか。

若しくは、選択肢が少ないから。

まあそんな理由なのだ。

それが偶々ショタ化になった。それだけである。

 

「うぅぅ.......でも、人型にはなってるんだから良いんだよ!」

 

「ん、何やってるのニャ?」

 

「あ、ホール君どうしたの?」

 

「?.......ああ、御袋かニャ。」

 

姿は全く違うのに解るコイツら、そこに痺れる憧れるゥ!

 

「そうだよ、というかそろそろ御飯だから手伝うよ。」

 

「無理しなくていいニャよ、御袋。」

 

「無理なんてしてないよ!」

 

さて、ここでちょっとした話なのだが。

このゆけむり村、かなり広い。

そして、小さな子供というのは少し歩くだけでバテる。

仕方ないのだが、そして今のミツさんは子供。

 

これから導き出される結論とはッ!

 

「うぐっ.......疲れた....ぁぅ......」

 

「いやほんと、無理しなくていいニャ。」

 

こんな事だ。声帯はしっかりしてて話せる、ご都合主義は健在なのだ。

そして、ミツさんの身長、現在アイルー並みである。

しかし、人間の足腰は鍛えなければそりゃあ脆い。

子供となれば尚更で。

 

「自分で歩くから大丈夫だよ。」

 

「これ以上母君が歩いたら本当にやばい事になるので駄目です。」

 

「公開処刑に等しいニャ、コレは。」

 

足が腫れ出してしぶしぶ陽炎に抱かれるミツさん。

ここで良からぬ想像をした人はゆけむり村住人の制裁が待ってるぞ。

 

「陽炎に抱っこされて真っ赤になってるミツちゃん、かーわいっ。」

 

レイスは制裁されました。

陽炎の抱っこで公開処刑といっても、過言ではない状態のミツさん。

頑張れ明日はあるさ。

 

そんなこんなで調理場まで着いた事には着いたが。

さて、ここからも問題は山積みである。

 

「嫌だっ!これ以上恥をかいてたまるもんか!絶対にやるんだ僕は!」

 

「ちょっ!本当に止めてください!そんな小さな体で包丁なんて使ったら怪我します!」

 

中学生ぐらいの力になったり、手の大きさになったとしても食材によっては切るのが難しい。

で、今日のメニューは魚の刺身や肉じゃが、その他諸々で。

例えば、魚の盛り合わせで大根があるだろう。

大根は、物によっては中々刃が入らなかったりする。(作者だけ?)

 

まあ、そんなのを小さな子供の力でやったりしたら。

 

スパッ!

 

「......」ふるっふるっ

 

「ぁあああ!危なっい!だから母君無茶しないでください!」

 

まず、根本として包丁が大きすぎるのだ。

普段と使い勝手が違うのに、普段と同じ様にすれば事故り掛けるのも当たり前で。

そしてなんとか、陽炎やホールの支えで怪我なく料理は出来たが。

普段と違い、不恰好になってしまった。

 

「..........ッ」ぷるぷる

 

「母君、仕方ないです。仕方ないんですから、落ち着きましょう。本当に、そんな泣きそうな顔しないでください。」

 

「いや、見た目は仕方ないとして味はいつも通りの美味しさニャんだけども......」

 

この日、食事の時間ずっとミツさんは、子供がお手伝いしてくれて親が褒める時の様な視線を受けたらしい。

レイス曰く『あの顔は一生物、なんか凄いイジメかっ!って叫びたかった。』らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「..............」

 

「.....母君?」

 

「.......が.....いな......た...よ.....」

 

「あのー....母君?」

 

「僕が一体何したって言うんだ!うぅぁああああああああ!」

 

「うぉっ!?は、母君!一旦落ち着いて!泣き止んで落ち着いてください!」

 

「あー陽炎がお姉ちゃん泣かしたー」

 

「ちょっ!?ノエル殿!?これには理由がっ!」

 

「嬢、泣き止みぃな。男ならそんな泣くもんちゃうやろ。」

 

「あっうぁああ、トーッ!ル!それっは、僕は男じゃないとでもっ!言いたいのかなあっ!」

 

「えっ!?そんな意図ないって!嬢ホンマ落ち着けって!」

 

「うわぁぁあぅあああああん!」

 

阿★鼻★叫★喚★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐすっ.....ぅっく.......」

 

「ほら、お姉ちゃんもう泣き止んで、ね?」

 

「.....ひっく......僕は....普段通りっ....してたっ、だけなのにぃ......」

 

「うんうん、解ってるから、もう泣き止んで。それと、外野2匹?弁明は。」

 

「もう....んなもん持っとらんわ....一因なったのは事実や....」

 

「我も、その様な事せぬ。母君に責は無し、全ての責は我にある。」

 

人型の肉体年齢が近めのノエルの活躍によって、ミツさんの落ち着きは結構戻った。

精神は肉体に引っ張られるとはよく言った物である。

 

外野呼ばわりの2人、トールは微妙なところだが。

陽炎に至っては完全なるとばっちりだ。

そして、それを認めてしまうのもどうかという物だ。

 

「....ひっく...もう、寝る....ぐすっ.....」

 

「う、うん、気を付けてね?」

 

「気を...付けっるも、何も、無いっ....」

 

そして、寝床へ向かい数十歩歩き......こけた.....

 

「おっ、お姉ちゃん....大丈夫...?」

 

「....ッ!もうっ!いやだよこんな体ぁあああ!ぅぁぁぁあ!」

 

「こ、こけたぐらいだから大丈夫って、うわっ!なんか凄いザックリ逝ってる!」

 

「何!?医者!医者呼んでコィイ!」

 

「すぐ呼んでくる!その間頼むわ!」

 

「僕っは!うぁ、何もしてなっいのに!」

 

「お姉ちゃんは悪くないから!泣き止んで!?」

 

「ッぁあ!あぁ!ぁああ、あああああああああっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に悪かったよ!」

 

あの後、医者に傷を治してもらってから宥めて、次の日になったら元に戻ってたそうで。

 

今は迷惑を掛けて申し訳ない。

と、ミツさんが謝っているが。

素直にミツさんを悪と出来れば話は早いのだ。

 

しかしまあ、ここの奴等がそう簡単に認める訳も無く。

互いに謝り合う。相変わらずの意味不空間である。

 

「それにしても、お姉ちゃんもあんなに泣くんだね。」

 

「ノエル!?」

 

「いやー、不謹慎かもしれんが正直ミツさんがあそこまで魅了的に見えたのは今回が一番だわ。」

 

「レイス君!それはどういう意味かな!?」

 

「嬢はもう無意識に相手を誘惑してるとしか思えないのだが。」

 

「ゼロ君...君達は本当にもう....ヤケ食いしてやる!」

 

そして川に向かって魚を獲るために、竜に戻る。

魚を獲って食べたら、戻ってきてドキドキノコを食べる。

あれ?なんかデジャヴ。

 

「.....あ、あれ?また目線が低い様な.......」

 

「.......嬢、何も思わない方がいいかと。」

 

「あ、ああ、嬢。嬢は何も気にしないで良いんや.....」

 

再びぃいい、ショタ化★

 

「う、うー!もう嫌だ!何でこんな目にっ!ああっ!あぁああ!」

 

「落ち着いてください母君!」

 

「この溢れ出るデジャヴ感、レイスだっけか、どう思う?」

 

「ごめん、もうミツさんの泣き顔で俺のバトルタワーがマジヤバイ。あと可愛いです。」

 

「そこの2人手伝えやぁあああ!あとレイス!お前後で〆たるからな!」

 

一応、凄いデジャヴ感漂う状況で宥める事に成功したが。

このショタ化、永続的に続く様でこれからも三度、四度とショタ化して人型になるのを。

 

この時はこの場に居る、いや、全ての者が思いもしなかった..................




この回地味に4000文字あった。
こう、復旧させてて思う。

どんな心理状況でこんなの書いてたんだ.....と。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

何時まで増えるか

ふむ、なんや3人交代でやっとるんか。

トールや、宜しゅう頼むで。

 

今考えるとな、自分なにもやっとらんのよ。

村の子供ら見てるって事になってるらしいけど。

基本アレは子供の面倒見てる人等の手伝いしてるだけやからなぁ。

 

ノエルはまだまだ子供やし、解るけど流石に成体の自分が働かんってのはな?

陽炎も商隊の護衛しとるし、自分はユクモ村の見回りでもしよかと思って。

村長さんに掛け合ってみたら、あっさり了承してくれて良い人やであの人は。

どうにも、見回りを出来るのはレイスぐらいで、でも基本は狩りに出るから人手が欲しかったそうや。

 

まあ、見回りいうても何かある訳でも無いんやけどな。

事件が有れば鎮圧する。揉め事が有れば仲裁する。

そんぐらいや、それに仲裁なんて嬢を見てたらイヤでも慣れてくるわ。

 

両人がどれだけ興奮してても、2,3分で仲裁してるからな.....

そんな光景に慣れだしてる自分も自分なんやけどな。慣れって怖い。

 

「おう、トールか今日も見回りか?」

 

「レイスか、まあな、自分だけ働かんってのはどうかと思うてな。」

 

「へぇ、本当にミツさん所の奴等はマジメだな。」

 

「お前さんも、同じ様なモンやと思うで?」

 

「嬉しい事言ってくれるな、ミツさんによろしく伝えといてくれよ。」

 

「解っとるて、頑張れやお前もな。」

 

コイツ最近、色々やってるけどアレも周りを和ませようとして空回った結果やし。

根は良いヤツやからなぁ。勿体無いもんやで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて日も、暮れてきたし....そろそろ終わりやな。

さて、明日も頑張るか。

 

で、此処までは良かったんや、ここまでは。

問題は帰り道、村まで歩いてたら.....

せやな、ハンターで言う所の渓流のエリア1で。

人間が倒れっとった。正確には人型の、やけどな。

 

嬢なら何も言わず助けると思うが、アカン。

すっごい面倒な事に巻き込まれるとしか思われへん。

要するに......見なかった事に....

 

「助けてくださいいいい!」

 

「うわぁあああ!やめろ!くっ付くんとちゃう!離れろっちゅーとんのに!」

 

アカン、付いてくる。

 

「助けてくださいぃぃい.......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いてくんな、お前さんを助ける義理がない。」

 

しつこい、帰れ。来るな。

その後、その人型は付いてきて村まで来た。

 

「で、誰なんだその女は。なんだ?溜まってるのか?」

 

「え、いや、あの....」

 

「こっちが聞きたいわアホンダラ、勝手に着いてきよっただけや。あと溜まってるって何やねん。」

 

「まあまあ、そんなに邪険にしないであげてよ。倒れてたって事は理由がある筈だろう?」

 

「そりゃそうやけどな.....」

 

「まあ、僕にとって何よりも大事な事、同類の感じがするんだよ!」

 

.........は?

 

「これは確実に男だよ!普段、誰かさん達から性別を正しく理解されていない。そんなオーラが凄いんだよ!」

 

.....嬢、そんな迫真の演技で伝えんでいいから.....

 

「いや、性別は確かに男ですけどぉ......今は助けて下さいぃ.......」

 

「何かな!?なんでも聞くよ!?」

 

アカン、嬢が同類を見つけてテンションが最高にハイって奴や。

 

「いやですねぇ...古代林に渓流のクルペッコが大型引き連れて引っ越してきたせいで抗争が起きてどうにもならないんですぅ....」

 

「要は、それを止めて欲しいと?」

 

「はぃ.....元々抑止力になってたディノバルドが消えて襲撃に来たので止めて欲しいんですぅ.....」

 

古代林でディノバルド....?

ノエルかぁあああああああああ!

 

この時、トールの脳内には凄いゲス顏でニャニャしながら左中指立てて振ってるノエルの姿が思い浮かんだとか。

 

「ふむふむ、ならば早速明日行くよ!」

 

「ちょっ、母君何言ってるんですか!?」

 

「.....君には解らないだろうね、性別を間違えられ、存在を全否定された気持ちが!そして同類を見つけた時の感情を!」

 

「何時まで引っ張ってるんですかその話!?」

 

「君達が僕をしっかり男と認識するまでだよ!」

 

混沌過ぎて訳わからん.......

あ、渾沌茸.....そんなこんなの翌日。

 

「君達は来なくても良いんだよ?」

 

「心配なので。」

 

「ミツさんが怪我した瞬間犯人を埋めるので。」

 

「お姉ちゃんが心配だし、ついでに元々私のテリトリーだから。」

 

アカン_______アカンてコレは

_____逃げろ、逃げるんやクルペッコ共、自分含めたゆけむり村全員が殺しに来るぞ。

 

「......ちょい待ちいな、お前さん名前なんやねん?」

 

「そういえば名乗って無かったですぅ、ホロロホルルのロッドですぅ★」

 

.....食えんヤツやな.....

 

「さて、とにかく僕らはクルペッコの鎮圧だね。」

 

「さっき上空から見たところ、エリア11です。」

 

「流石陽炎だよ、仕事が早いね。」

 

あ、コイツ照れとる。

ホンマ、まだ子供なんやなぁ........

 

「じゃあ、取り敢えず僕が話してみるから手は出さない様にね?」

 

「耐えれたらそうします。」

 

さて、コイツらが爆発せん事を祈るか.....

前みたいな殲滅戦したら国一つ冗談抜きで滅ぶからな.....古代林消えるぞ。

 

 

 

 

 

「こんなところで何やってるのかな?」

 

「あ、こんにちは。ミツネさん、なんでこんな所に?」

 

....なんで普通に会話してんの?

え、これが当たり前なん?敵対行動とろうや少しは。

 

「いやねぇ、此処に住んでたホロロホルルの子が君の連れて来た大型モンスターとの抗争を止めてくれって言うからね。」

 

「うーん、自分はただ此処に移動しただけなんですけどそれと一緒にジャギィが、そしてイビルジョーまで来たので手が追えないんですよ。イビルジョーさえなんとかすれば多分大丈夫かと.....」

 

「そうかい、じゃあ君は故意にやったという訳では無いんだね?」

 

「引っ越し先にわざわざイビルジョーなんて呼びませんよ。」

 

「それもそうだね、これ、お詫びに渓流から持ってきた魚だよ。よくジャギィに掻っ攫われてたからね。」

 

「ありがとうございます。それじゃあ....」

 

.......平和って良いなぁ。

さっき、陽炎とゼロがイビルジョーは向こうです。

とか言って飛んで行ったのなんて見とらへん。

 

ゼロは帯電して、陽炎は人型で刀滅茶苦茶研いでたけど。

自分は何も見とらんし知らん。

ノエルも刃尾研いで、ブレス用意してたけど知らん。

会合数秒で土に還ったであろう憐れなイビルジョーなんて知らんのや。

 

「あれ、トール君陽炎達は?」

 

「どっか行きましたわ。」

 

「ゔーん、イビルジョーもなんとか移動させたいんだけど場所が解らないしなぁ.....」

 

「イビルジョーは多分もうハンターに殺られてると思いますよ?もう帰りましょか。」

 

「え、でも皆待たないと.....」

 

「すぐ帰ってくるでしょう帰ったほうが絶対ええ。」

 

これ以上此処に居たく無い。

チラチラと遠くでノエルの腹立つ咆哮が聴こえるんや。

 

「ありがとうございますぅ。」

 

「一応解決はしたけど、君はどうするの?」

 

「うーん、古代林に戻っても犬っころが五月蝿そうなので此処に残りますぅ。」

 

「そうかい、家はまだ何件かあるから近くの子達に聞きながら決めると良いよ。」

 

「じゃあ、これからよろしくですぅ♪」

 

コイツなんか腹立つな.....というか犬っころて......ドスジャギィか?

このロッド、ハンター兼吟遊詩人として活動して。

各地を回ったりするようになったそうだ。

 

ちなみに、ロッドはまだ『女の子に見えやすい』ぐらいなので、その外見を使ってユクモ村や各地の女性を口説いてるそうだ。

 

ゆけむり村(ミツさん除く)の住民曰く、『あざとすぎて腹が立つ』だそうだ。




今見直すとこの回が一番ひどい。
確か深夜、テンション可笑しい時に書き上げた回だったからな。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

喧嘩で相手を泣かすと負けになるのは世界の摂理

以前のアカでだーれも反応しなかったので書きます。
今回のミツさんと新キャラの食べ物の会話。

カップルの会話にしてみてください。


......あ、何だか僕から始まるのが久しぶりな気がする。

やほーミツだよ。

 

ロッド君、村に慣れてるのかな。

あんまり女の子を誑かすのは感心しないよ?

さっきもノエルに説教されたばっかなのに、懲り無いなぁ....

 

む、誰かな?

今、僕にだけは言われたく無いって言ったのは。

思いっきり締め上げるよ?(要は抱きしめるって事だぉ。by.狐火)

 

「このっ!くそがッ!」

 

「.......陽炎何やってるの?」

 

「あ"?あ、母君これはですね!やけに電力の強い雷光虫が多いので駆除をですね。」

 

「それなら手伝うよ?」

 

雷光虫は多過ぎるとあの子が来た時厄介だからねぇ.....

というか、電力が強いって...それもう来てるじゃ無いか......

嗚呼....また、追い返さないとな。

なんでこんな事になるかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

あの野郎....野郎?野郎か?

まあいい。数ヶ月振りに踏む渓流の地、返して貰う!

俺のテリトリーだった場所から追い出そうとし、返り討ちにされ。

幾度と無く挑み数年.......

 

極限化の力を得た今、負ける道理は無いッ!

......勝てる。多分勝てる。

いやだって、アイツの周りの奴ら怖いし。

 

獣人とかそんなに強く無いのになんでアイツらあんな強いの?

最初の時は......岩を叩き落されたっけな.......

あ、思い出したらイライラしてきた。

 

今度こそ、俺が勝ってここを取り戻してやる.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミツside

 

あの子が来たからには、皆を外に出無い様にさせないと。

 

「陽炎、村全域に屋内から出無い様通達をしてくれないかな。勿論君達も。」

 

「何故ですか?」

 

「村の子に聞くといいよ、雷光虫は僕がやっておくから。」

 

「え?あーはい、解りました。」

 

_____行ったね。これで問題無く戦える。

あ、そういえば。件の子を言ってなかったね、さっきから言ってる子は。

ジンオウガのロゥロゥ、元々は渓流に居たんだけど。

僕に襲い掛かってきて返り討ちにしたら消えちゃって、それ以来偶に追い返す事になったんだよね。

 

雷光虫の集まりからして、近いね。

村に被害が来る前に離さないと....

 

 

 

 

 

 

「やあ、久しぶりじゃないか。」

 

「ああ、そうだな。お仲間さんに辞世の句は伝えてきたか?」

 

「ふふっ、残念ながら未だ死ぬ予定は無いよ。」

 

「ああそうかい、なら....俺が死の予定を刻み込んでやるよ!」

 

ロゥロゥの遠吠を合図に、両者の間が一瞬で広がる。

ミツは泡を大量に浮かばせ、ロゥロゥは電力を溜め出す。

 

「掛かってこないのかい?君から仕掛けた癖に。」

 

「んだと?だったらお望み通り、ぶっ殺してやるよ!」

 

極限化で、攻撃も防御も格段に上がった身で。

駆け出し、ミツに爪での斬撃を叩きつける。

だが、その攻撃は直前に撒き散らされていた泡で滑る事で不発に。

ミツからの水ブレスを受けて終わった。

 

「走ったら転けちゃうよ?いつもの事だけどね。」

 

「テメェ.....」

 

極限化によって威力が半減された水ブレスを問題無い様に言い放ち。

雷球での攻撃に転じる。

無論、ミツは攻撃に移ろうとした瞬間に高速で滑って移動し。

撹乱、雷球の狙いを大きくブレさせる。

全弾が外れ、一部は泡を通してロゥロゥに電撃が来る始末である。

 

「ほらほら、しっかり一撃も当たって無いよ?」

 

「黙りやがれ!」

 

そして、超帯電状態に移行。

何発もの雷球と雷撃が繰り広げられる

 

_____が、同じ結果に。

強烈な電撃が戻ってきた事で若干怯んだ瞬間、ロゥロゥにミツの尻尾叩きつけが頭頂部に炸裂。

脳震盪を起こし、更にふらつく。

その隙に、ミツは攻撃強化を施し空に跳び上がりプレスで攻撃をする。

 

「この.....野郎.....」

 

「相変わらず、君は威勢だけだね。そんなので勝てるとでも?実力と伴った発言をね?」

 

ミツの煽りでロゥロゥが怒り状態に、極限化のオーラが異常に高まった電力で弾け出す。

 

ロゥロゥはG級のそれもかなりの特殊個体でもある。

そして、強化されたサマーソルトで怒りに任せ叩きこもうとミツに攻撃したが。

 

______そこには何も居ず、背後から空中で無防備なその体を吹き飛ばされた。

水に近い泡によって位置が見つけ辛く。

 

更に、滑液の匂いで本体の居場所は見つけ辛いどころか、不可能に近かった。

そして、起き上がったロゥロゥからミツは離れていき。

川に飛び込み上流に登って行った。

 

ロゥロゥは、それを愚直に追い続けた。

 

「待ちやがれ!」

 

「............」

 

上流にある滝をミツはそのまま泳ぎ登り、ロゥロゥとの距離を更に引き剥がした。

そして、滝を登った先の盆地に再び対峙した_____

 

「そろそろ、諦めたらどうだい?」

 

「今度こそ......テメェを打ち負かす!」

 

「......ふーん。」

 

その、どうでもいいといった感じの物言いで。

ロゥロゥの怒りのボルテージが上がって行く。

対し、ミツは静かに佇み相手の出方を見る。

 

そして、ロゥロゥが再び攻勢に出て大きく動き雷球を放つ。

だが、ミツは静かに滑って移動。

その後全ての攻撃を躱す。

 

攻勢に出続けたロゥロゥは疲労が溜まり、息が荒く涎が垂れていた。

 

「ふぅ......君は何時になったら諦めてくれるのかな?」

 

「ハァ....ハァ....テメェを....倒すまでだッ!」

 

「へぇ、じゃあ、終わろうか。」

 

言い終わった途端、疲労しまともに動けなくなって来ているロゥロゥへと。

ミツがまた、跳び上がり月を背にしてロゥロゥに尻尾を叩きつける。

 

刹那、大地が割れ先程まで居た場所が崩れ始める。

そして、ミツは叩きつけた勢いで尻尾を跳ねさせ崩れてい無い場所に飛び乗り。

ロゥロゥは戻れずそのまま落ち、姿を消した。

 

「君はずっとここに居なかったからね、ここに出来た空洞を知ら無いのも当然か。そんな怒りに任せた攻撃が使えるのは自分が確実に相手より優位な時か、相手の装甲が硬すぎる時ぐらいだよ。知性在りしと称すなら、智恵の限りを尽くしなよ。」

 

何に言うでも無く、そう呟きその場所から立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まーた負けたか。上がるのどんだけ苦労したと思ってるんだ。腹立つから次は人型で襲撃してやる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あーもう、血の気が引くよ。

ただでさえ雷撃は苦手なのに更に強化するなんて、対処するの大変なのに....

一撃貰えば終わるんだよ?

 

とりあえず、撃退はしたし。

ようやく食べられる!

むむっ?何が食べられるだって?良いだろう!教えてあげようでは無いか!

 

それはだね、この油揚げだよ!

ただの油揚げと侮るなかれ、厳選に厳選を繰り返したガマの油とユクモ村の豆腐で出来た代物なのだ!

 

なかなかに手に入れるのが大変だから、月に一度のお楽しみだよ。

しかも、今回はガマの油をテツカブラ亜種のG級個体。

豆腐はユクモ村で最近始めた新しい農法で出来た大豆で出来た豆腐。

初めて食べるし、手に入れるのにすっごく苦労したからね!

 

苦労して手に入れたこの油揚げをようやく食べられるんだ。

よし!既に作っておいた麺を茹でて、この油揚げを入れて。

苦労の末、遂に食べれる!

きつねうどん、きつね!きつね!

 

「いただきm「さっきの仕返しだぁああああ!」

 

ミツさんの家の窓から、人型になったロゥロゥが飛び込んできて。

ミツさんに攻撃するつもりだったのだろうが、攻撃は外れ。

机に乗る美味しそうな匂いを立ち上げ。

黄金色に輝く油揚げが入ったきつねうどんを叩き飛ばした.......

 

「はっ!直撃はしなかったが次こそ......は....?」

 

意気揚々と飛び込み、また攻撃をしようとミツさんを見たが。

そこには、戦闘中....いや、油揚げを食べれると笑顔で喜んでいた姿は無く。

膝から崩れ落ち。

うどんの入っていた筈の、割れて中身諸共混ざり合い最早食べれるものでは無いどんぶりだったモノを虚ろな目で見ていた。

 

そして。

 

「.....何やってんだよ。」

 

「.....何ヶ月も前から....苦労して漸く手に入れて...食べれる所だったのに.....」

 

「.....んなことは、どうでも良い。今度こそ勝つ。」

 

「........どうでも...良い?」

 

「そりゃ、俺には関係無いしな。」

 

「ッ!僕の....僕が守ってきた大事な物をぐちゃぐちゃにしてどうでも良い!?」

 

「.....はっ!?」

 

「初めて.....だったのに.......誰にも渡さずに、守ってきたのに.....君はそれを壊してどうでも良い!?」

 

「ちょっ!おまっ!誤解生む様な言い方すんな!」

 

涙目で叫び出す。

 

お店の人にしたくも無い女性物の服を着せ替えさせられてでも、仕入れて作ってもらって。

買う分のお金を6ヶ月の間も普段のを我慢して、漸く...漸く食べる所だったのに....

 

「どうせ君はまた!僕の弱味だなんだ言って僕の大事な物を滅茶苦茶にするんだろう!」

 

「いやしねぇよ!」

 

そしてその頃家の外では。

 

「......ok、抹殺要因として十分だ。突入!」

 

陽炎を主としてロゥロゥの抹殺をしようとしていた。

 

「うおっ!?なんだテメェら!」

 

「殺す。塵も残さず殺してやる。」

 

「百回は切り刻んであげるよ!」

 

「シンプルに怖い!やめろ!やめろぉおおおおおお!」

 

ロゥロゥが担がれ、アイルーに渡され拷問への入り口に差し掛かった。

 

「やっと、やっ、と買えたのに....あ"あ"ぁああああ!」

 

さっきまでは涙目だったのが、もうガチ泣きのエリアに来ていた。

最近は不憫な事ばかり起きている。

主人公の定めだろうか。

 

「6ヶ月も油揚げ...ひっぐ、我慢して漸、えっぐ、く買えたのに何でこんっ!なことばっかり......」

 

きつねうどんの残骸を泣きながら叫ぶ。

どれだけ楽しみにしていたのか。

 

「もう、いやだよぉ......」

 

「嬢.....油揚げ、今度買ってきますよ。」

 

「あれはっ!期間限定のプレミア品だったっ!んだよ!」

 

「なんとかしますから、今は今までので我慢してください。お願いしますから。」

 

「えぐっ.....本当に.....ひっぐ、用意できるの....?」

 

「大丈夫ですから。取り敢えず今は我慢してください。」

 

最近、ミツさんは不幸が祟って幼児退行化しているのでは。

そんな時、ロゥロゥはゆけむり村の全勢力あげての苦行を受けていた。

とりあえず、そんな物書いたら読者様のSAN値が全て消え失せますのでここではお知らせいたしません。

 

まあ、少なくとも旧支配者のキャロルは流れるかもですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケと称する脅迫

 

「と言う訳で、その油揚げを作ってもらおうか。」

 

「だから、あれはもう作らねえって言ってんだろうが。」

 

「.......ふむ、では仕方無いお前が材料のガマの油を何時も頼んでいるハンターには二度とここに渡さ無い様言っておくか。」

 

「はあ?何言ってんだ。」

 

「よう、オヤジよ。あの油揚げ、今すぐ作れるな?材料すり替えたりしてんだから。」

 

「ハンターさん!?何言ってんだかさっぱり.......」

 

「良いから、客を騙して不埒な行いをした事を村全域に広めるぞ。」

 

「は、はいぃい!」

 

後日、ミツさんが改めてきつねうどんを食べ、それはもう柔らかい笑みを浮かべてゆけむり村の住人全員が貧血になったり。

 

ユクモ村の駐在ハンターが余りにも出血し過ぎてとんでもない騒ぎになったりしたそうだ。




主にきつねうどんの下り、男女の会話に変えてみてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミツさんの周りには苦労人が多い。

ふむ、我から始まるのは初めてではなかろうか。

まあいい、陽炎だ。

詳しい事はキャラ紹介の回を見てくれ。(メメタァ

 

そして今の我は......

 

「テメェ、無視すんな。」

 

「貴様が喧嘩を売ってきたのだろう、状況把握も出来ない馬鹿なのか?」

 

レイスと同じ竜車に乗っていた。

経緯としては、いつも通り商隊の護衛をしていると。

タツタ殿がコイツを乗せて、クエストの行き先まで送る事になった。

胸糞悪い。というか種族名がコイツと似てるのが余計に胸糞悪い。

 

「....はぁ、もういいっつの。」

 

「............」

 

如何しろと.....

 

「そういえば......貴様、母君に不埒な行いをする割には直接手を出そうとはしないな。」

 

「唐突になんだ.....まあ、そりゃ道徳心だとか御近所の目があるからな。」

 

「人というのは面倒だな。」

 

「お前らもな。」

 

.........道徳心か、お前にだけは語られたくないと思うぞ?

 

「まあ、そんなのもあるけど。何よりも命の恩人に手を出そうなんざ出来るわけねえだろ。」

 

「なら不埒な行いをやめろ。」

 

「無理だな、断言する。」

 

「貴様......」

 

「でもさ、何よりも怖いんだよ。」

 

「怖い?生物としてそれは欠陥品だろう。」

 

「割とグサって来るからやめてくれ.......ちょっと聴いてくれないか?元々さ、俺は此処に住んでなかったんだわ。」

 

「如何でも良い。」

 

「てめっ、人が真面目な話してんのに…まあいい、じゃあ独り言として聞き流してくれよ。ちょっとモヤモヤするんだ。」

 

如何でもいいと言って居ろうに....

しかし、暇なのも事実だ。少し聞いてやらん事もない。

 

「俺は元々ユクモからそこそこ離れた小さな村に住んでたんだ。

なんのトラブルも無く。ただ普通に、平和に暮らしてた。

 

そしてある日唐突に、その暮らしが終わった。

近隣を荒らしてた盗賊が村に襲い掛かって男は殺され子供は捕まり。

女は盗賊に犯されと、本当に酷いものだった。

人の敵は同じ人、そんな感じだったよ。

その時、俺の親父は俺と母さんを守ろうとしてたけど。

盗賊が1人増えて隣から刺されて倒れて。

残った俺と母さんになんとかできるわけも無く、母さんは犯されて俺は奴隷商人に売られた。

その時の母さんがトラウマで、あの時を彷彿とさせるんだよ。

まだ4歳になったばっかだったから、親父と母さんの顔も忘れた。

忘れ出した頃にはその記憶が消えるのが怖くて怖くて、何日も泣いたよ。

.....まあ、奴隷商人に引き渡された後は売り物として色々拷問も受けて。

それで、競りに掛けられて買われるのをずっと待ってた。

それで俺が競り落とされた時、ずっと『買われた後は死ぬまで働くんだ。』って教え込まれたから絶望しかなかった。

その競り落とした人は女性でさ、今思うと珍しいなとか思ってる。

でも当時は余裕もある訳が無いから嫌だ嫌だと逃げ出そうとして。

逃げれる訳無いのにな。だけどさ、まず暴力が降りかかると思ったらその人。

頭を撫でてくれて。優しい声で『もう大丈夫だから、もう怖い事は無いからね。』って。

それから一ヶ月くらい各地を転々として、最後にユクモ村に着いたら。

あの竜人族の村長に預けられてこれからここで暮らすんだって言われた時はそりゃあ泣いたよ。

また大事な人を無くすんじゃないか、会え無いんじゃないかって。

宥められて、納得いかなかったけど。

ユクモ村に住んで、あの人から離れてずっと育ててくれた村長に礼をしたいからハンターとして村に貢献して。

 

できる事ならもう一度両親に逢いたいけど死んだ者は戻ら無い。

だから、一度でいいからあの人に直接会って礼をしたい。」

 

こいつも、苦労していたのだな。

少し、見直した。

 

「話聞いてたかは知らんが、ありがとな。スッキリしたぜ。」

 

「そうか、それは良かったな。」

 

それにしても、人は何処まで争いたがるのか。

 

「というか、あの人顔ずっと狐面で隠してたからわから無いんだよな......」

 

「おい待て、それ見つけられるのか?」

 

「声は覚えてるし服装も東洋風だったのは覚えてるけど。そういや、女性の割には胸ぺったんこだったな。絶壁とかいう次元じゃなくてあるのかってくらいで。」

 

なんと絶望的な.....声が似てる者など幾らでも居るだろうに。

それに東洋風という条件を追加しても相当数居るぞ....

あと、胸に関しては恩人に言うことじゃないだろう。

 

「でもあの声どっかで聞いた気がするんだよな.....まさか忘れかけてるか?」

 

「永久的な発見の確率0%乙!」

 

「この野郎!やっぱ腹立つ!一回切り裂いてやるからそこにいろ!」

 

「だが、断る。」

 

「お前らうるさいゼヨ!叩き下ろされたいゼヨか!?」

 

.........我は悪くないぞ。

元はと言えば竜車に乗ってきたコイツが悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、クエスト現地着いたゼヨー」

 

「悪かったな、感謝する。」

 

「...........死ぬなよ。」

 

「少なくとも死ぬのは、全ての恩を返して。お前を1発殴ってからだな。」

 

一々感に触る奴め。

そういえば、奴の探している者の声を何処かで聞いたと言ったな。

.....東洋風....女性の割にぺったんこ過ぎる絶壁?

 

おい待て、人物像が一致してるぞ。

おい、嘘だろう。まさかとは思うが......聞いてみるとするか。

 

「さて、戻るゼヨ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ない、無いとは思うが。

聞いていいのかこれは?

......ええい、ヤケだ!

 

「母君、昔奴隷市場で奴隷を買った事はありますか?」

 

「なんだい唐突に?まあ、一応あるよ。」

 

........これは、まさか本当に......

 

「というか、普段来てるじゃないか。」

 

「まさか.......レイスの奴ですか?」

 

「うん、そうだよ。大体ね、僕だって無関係のハンターを助けたりしないよ?」

 

「ゑ!?」

 

「ゑってなんだいゑって!僕は別に誰でも助けたりする訳じゃないよ........多分。」

 

あれ、自信無かったよな。

最後に多分って付いたよな。

 

「というか、なんで奴隷市場になんて居たんですか。」

 

「え、いやその.....それは......」

 

「何か言えない理由でも?」

 

「....ずっと1人で各地を転々として寂しかったからだよ文句あるかい!?」

 

「いや別に文句は無いですけど。何でユクモに置いていったんですか?」

 

「ん、それは単純に子供だったし各地を回るよりも何処かで人の元に帰す方が良いしね。」

 

「は、はあ。」

 

「僕達は人型になろうとモンスターなのは変わらない、それを忘れるんじゃ無いよ?」

 

「母君......いい事言ったつもりなんでしょうが油揚げ食べてたら意味無いです。」

 

「美味しいんだから僕は悪く無いぞ。油揚げうんまぃ.......」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閑話.泡狐竜の双宴

ライジングさんとのコラボ回復旧!


おぅ....なんでこんな事になったし.....

おっと、私は渓流に住んでる普通のタマミツネの椿だ。

 

昨日、寝て目が覚めたら目の前に女の人とその他色々。

ワケガワカラナイヨ。

 

「君どうしたんだい?村の前で寝てたけど。」

 

「いや、私は普通に寝床で寝てたぞ。」

 

まさか夢遊病になったのか!?

.....あれ、ちょっと待てよ?

私はタマミツネの姿で寝てた筈、そして今もタマミツネの姿だ。

なのになんで驚かないんだ?

 

「あ、僕達は人型をとってるだけのモンスターだから安心してね。まさか、この辺りに同種が居たとはね。」

 

「なん.....だと?」

 

同種?

え、てことはこの人、タマミツネ?

それに周りの人もモンスター?

擬人化薬出回り過ぎィ!

 

「ミツさんこんにちはー」

 

「あぁ、レイス君ごめんね今ちょっと立て込んでるんだ。」

 

「そうですか?なら帰りますよ。」

 

「あぁ!いいよ折角来たんだから、僕の家に居てくれるかな?鍵は開いてるから。」

 

「ありとうございます。ところで、そこのタマミツネは?」

 

「村の前で眠ってたから、村に運び込んだんだ。」

 

蚊帳の外なんですけど私....擬人化薬あったっけか、ここ狭い。

あ、あったあった。

 

「ふう、それにしても此処赤兜が居た割には荒れて無いな。」

 

「なんだ、ドキドキノコ持ってたのか。というか赤兜?あんな奴来て無いぞ?」

 

「は?いやいや、何言ってんの。赤兜とアオアシラの群れが荒し回ってたでしょ。それにドキドキノコ単体で人になれる訳無いじゃん。」

 

「ま、まあまあ落ち着いて?レイス君も....えと.....」

 

「私は椿よ。」「椿ちゃんも、それと此処には本当に赤兜なんて居ないよ?それ以前に此処のタマミツネは僕だけだし....」

 

なに.....?

という事は、別次元か?

私がいきなりモンハンの世界に来た訳だし無い事も無いか.....

 

「....私がなんで村の前に居たかは解った。」

 

「そうかい、でも、如何するんだい。少なくとも近くには巣を作って無いだろう?」

 

「あ、確かに.....どうしよう。」

 

「.......もし良かったら僕の家に来るかい?」

 

「え.......?」

 

「ぁ、ああ、ごめんね?そりゃ見ず知らずの男と一緒なのは嫌だよね。」

 

ん!?ちょっと待ってくれ、家に来るか?

ありがたい、できる事なら行きたいが。

 

その後だ、え.......?男?

 

「ミツさん、自分が男として認識され無いなんて事分かり切ってるじゃ無いですか。」

 

「レイス君!いい加減君も認識を改めてくれ無いかな!?」

 

え、この人が?男?

普通にそこら辺の女性よりよっぽど綺麗なこの人が?

 

「....椿だったか、信じられんだろうが本当に男だ。」

 

「信じられ無いってどうゆう事かな?ちょっと色々聴きたいんだけど?」

 

あ、この反応冗談抜きで男だ......くそっ!

こんな美貌を持ってるのに男なんて詐欺だ!

産まれる性別間違ってるよコレ.....

 

「ところで、ミツさんの家に厄介になるか?女性なら普通に居るから頼んで来てやるぞ。」

 

「あ.....いや、うん。厄介になります.....」

 

「レイス君っ!後で油揚げしっかり奢ってもらうからね!?......じゃあ、椿ちゃんとレイス君付いてきてね。」

 

あー凄い女として負けた感がする。

こう、なんというかあざとさが無い自然な可愛さ的な物が、挙動一つ一つに込められてやがる.....

これで男とか.....うわもう色々泣きそう。嗚呼、無情。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上がって自由にしてていいからね?ちょっと、お菓子が切れてたから準備してくるよ。」

 

「了解です。」

 

おぅ、この玄関からして溢れ出る女子力よ。

これが世間で言う所の男の娘か。

女子のプライドへし折るためにやってんのかコレは。

 

「なあ、椿よ。なんで村の前で眠ってたんだ?」

 

「嗚呼、多分私この次元の奴じゃないんだわ。」

 

「?つまりどうゆう事だ?」

 

「此処とよく似た世界のモンスターって事だ。それがなんの因果かこの次元に来たって事だ。」

 

「なるほどな、にしてもそっちの次元は赤兜が出たんだろ?大変だったろうな。」

 

「いや?別にハンターが居たりしたけど私が鎮めたよ。」

 

「はっ!?ミツさんならやりかねんが嘘だろ?」

 

「そんな驚く事でも無いだろ。」

 

「いやいや、二つ名なんて国家が動く超危険生物だぞ?」

 

嘘だろ....こっちの次元はそんなにモンスター強いの?

私の次元って、平和だったんだな.....

 

「2人共待たせてごめんね、これ。お茶とお菓子。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

お母さん的オーラがしてきた.....

 

「それにしても、美味いな本当に。」

 

「美味い.....」

 

「本当かい?自信が無いから、そう言ってくれると有難いよ。」

 

「ミツさん、冗談キツイです。」

 

いや、美味い。

これはもう確実に女のプライド折りに来てるね。

大福とかよく作れるな......

 

「ミツさん笑え無い逸話作りまくってるんですから自信持ちましょうよ?」

 

「逸話?」

 

「お?聞きたいか?ミツさんの逸話、笑え無いレベルのを量産してるからな。」

 

「レイス君、恥ずかしいからやめてくれ無いかな?」

 

「それがよ、ずっと前ユクモ村に」

 

「う〜!」

 

可愛い(確信

 

「ユクモ村に凄い腕前の料理人と料理評論家が来てさ。

イベントみたいになってたんだよ。

それでなんやかんやあって、村長の家でもてなした時に、丁度ミツさんが村に居たから今みたいに菓子を作って貰ったらさ。

 

評論家が料理人の作った物よりよっぽど美味いとか言って、案の定料理人がキレてさ。

決闘みたいな事したんだわ。

ちなみに結果は勿論ミツさん勝利で。

逆ギレした料理人宥めてさ『料理は自分を大きく見せる為の物じゃ無い、相手を喜ばせる物だよ。君の料理は本当に美味しいんだからもっと活かしなよ。』って、その料理人がその時自己顕示欲の塊見たいのだったのが今は孤児とかに料理を振舞うようになったんだから。なんつーか凄いとしか言えねーわ。」

 

なにそれお母さん。絶対、学校に来たらクラスメートがお前の母ちゃん凄いよな!とかなんとかですっごい話の中心になる感じのアレだろ。

というか、スペックが私の知ってるお母さんじゃない。

 

「うぅ、思い出したく無い事を......」

 

全国のぶりっ子は見習うべきではなかろうか。

 

「まあ、凄いのは骨の髄まで染み込んで解った。大福美味い。」

 

「まだ色々話があるから凄い。この家の備品も大抵ミツさんの手作りなんだぜ?」

 

棚とかまで作るとか....一家に1人かよ。

ミツさん1人で家の事は全て何とかなりそう。

この家事スキルEXのお母さんである。

 

「さてと、俺はそろそろ帰ります。」

 

「うん、気をつけるんだよ?」

 

「伊達にハンターやってませんって。」

 

「それもそうだね、それじゃあ。」

 

夫婦だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

日もどっぷりと暮れた7時頃。

 

さて、飯はどうしようか。

寝床を用意してくれただけでもありがたいが。

もう若干料理してる音も聞こえるから断り辛いし....善意に甘えるかぁ。

 

「ご飯、遠慮しなくていいからね?」

 

「あ、何から何まですいません。」

 

今日の夕食はコロッケにご飯、表でアイルー達の栽培してる産地直送どころか産地直行の野菜のサラダ。

多過ぎなくて良い。

あと、コロッケのソースどうやって作ったし。

 

「.....どうしたの?あ、この掛けてる物が無い方が良いかな。それだったら用意するけど。」

 

「あ、そういうのじゃなくてどう作ったのかなと。」

 

「やっぱり女の子はレシピとか気にする物なのかな?あとこれは玉ねぎとかと熱帯イチゴを発酵させた物だよ。」

 

「発酵.....よく作れたな。」

 

「色々材料があるからね。」

 

ソースとかよく作れるな.....お母さん以外何を当てはめろと。

帰れたら作ってみようかな。

 

飯は普通に美味しかった、美味し過ぎた。

ザ・お母さんとでも言う様な味だった。

 

「部屋は一応二つあるから、そっちを自由に使ってね。」

 

久しぶりに布団で寝るな......

 

「それじゃあ、僕はもう寝るけど何かあったらすぐ教えてね。」

 

「ありがとうございます。」

 

「気にし無いで良いよ、御休み。」

 

......何か色々あって疲れたな。もう寝よう。その内戻れると思うし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ.....ぁあああ~」

 

.....あれ?

元の住処に戻ってる。

夢だった...のか?

 

.....いや、違うね。

夕食の時に貰ったレシピの紙があった。

それと、空になった擬人薬のビン。

 

あそこに、行けるのなら、もう一度行きたいかな。

 

 

 

 

 

 

 

「椿ちゃん、起きてるかい?」

 

コンコンと、ノックの音が廊下に響き渡る。

 

「椿ちゃん、入るよ?」

 

キィーと音を立て開いた扉の先には、蛻の殻となった布団が冷えて敷かれていた。

しかし、少し荒れた布団が、そこに椿という異世界の来訪者が居たという事を示していた。

 

「.....元の世界に戻れたのかな?椿か.....突然に現れて直ぐに消える。椿ちゃん、きっと君を表す花を選ぶとしたら椿よりも桜が似合うよ.....」

 

誰かに対してか、独り言かは窺い知れぬ物だが。

一時の訪問者が戻れた事に、寂しさか喜びか。

隠と陽、似て似付かぬ感情を持ちながら。

 

2つの世界、そのまた別次元の出来事で起きた世界の交わりは終わりを告げた。




あと.....少しだ....
あと、今回出てきたソース。
正確にはお好み焼きソースのレシピです。

コロッケにも合うので書いときました。
イチゴや野菜使うと家庭で作れますよ。
デーツを入れると美味しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

基本ミツさんに種族とか関係無い。

これで今まで投稿した回は復旧したぞおおおお!
次からが正真正銘、最新話です!


「貴様、何者だ!」

 

「友人に会いに来るだけで何故に刃を向けられるのじゃ......」

 

うぼぁー....やあ、ミツだよ。

まあ今、何が起こってる?って人もいると思う。

簡潔に纏めるなら....僕の友達がいきなり凸してきて刀を向けられてる。以上。

 

あ、陽炎殺しちゃダメだよー?

 

「貴様は何者だと聞いている。早く答えろ、さもなくばその薄っぺらい胴体と首がお別れするぞ.....」

 

「薄っぺらい言うなっ!ミッちゃん助けてくれぬのか!?」

 

「君が僕の尊厳を圧し折る渾名を止めたらかな?」

 

「解った!解ったから助けてくれ!」

 

「怪しいけど、まあいいよ。陽炎、一応僕の友人のだから離してあげてくれるかな?」

 

はぁ、君は弓の達人何だから矢文でも送ってくれれば良かったのに。

どうしてこう、いきなり来るかなぁ...

 

「ふぅ、やっと解放しよったか。なんじゃこの火竜は、それはそうとミッちゃんよ。えらく大人数ではないかえ?最後に会った時は1人で旅をしてたというのに。」

 

「陽炎、斬っていいよ。」

 

「.....だそうだ。」

 

「やめるのじゃ!まだ死にとうない!」

 

「いい加減君達は僕への認識を改めるんだね。それと早く身を明かした方が良いよ、無村の子が今にも殺しに掛かりそう。」

 

「そうじゃな、ふむ。妾は霊峰の主、アマツマガツチの晴嵐(セイラン)じゃ。これからも何ぞあるじゃろう、よろしく頼むぞ。」

 

うん、これで大丈夫かな。

それにしても、古龍が降りて来ていいのかな?

 

「それにしても、発展しているではないかぇ?」

 

「皆頑張ってくれたからね。嵐雨、君はそれを言う為だけに降りて来たのかい?」

 

「妾なら普通にやるが、今回はちと犬ッころを探してるんじゃが....問題無いの、出てこいこの不届き者め!」

 

「うおっ!?こんの貧乳ババア何しやがる!」

 

ああ、そういえばこの2人対立してたね。

でも人型とはいえ、よく浮かせられるよ。

 

「何しやがるとは....主がミッちゃんに手を出して社会的に死ぬ前に助けてやろうとしたというのに。」

 

「いや出さねーよ!誰がこんな女々しい奴に!」

 

「女々しい奴に....ということは主やはりソッチのケがあったのじゃな....正直引くぞ。」

 

「母上の初めてを奪ったのは貴様だがな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...........静寂。

何一つ音が起きない、先程まで騒がしかったその場所は静寂に包まれた....

しかし、静寂はすぐに消えるものだ。その静寂が破られる。

 

「お、お主いつ襲ったのじゃ!」

 

「いや襲ってねーよ!」

 

「じゃあなぜそこの火竜はミッちゃんを母呼ばわりしている!?そしてお主はミッちゃんの初めてを奪った、ほれ見るのじゃ!辻褄があった!」

 

「いや待て待て!俺は奪ってもねーし、何で俺とコイツだとしたら火竜が産まれるんだよ!」

 

「それは、ほらアレじゃ!何でも出来るお母さんじゃぞミッちゃんは!なんかこう、お母さんパワーでこう....なんかなったのじゃ!」

 

「まず僕男なんだけど....」

 

この後初めてが油揚げの事だと知った晴嵐は隠語とか連発したことをバカ犬に突かれてミツさんに泣き付いたそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、何でまだいる。」

 

「霊峰は暇なんじゃ。それに妾は古龍じゃぞ?もうちょい敬うぐらいしたらどうじゃ。」

 

「はいはい、寝床は僕の家を貸してあげるから。それと、この村では種族なんて関係ないんだから。」

 

「む、そうか、それはすまんかったの。」

 

「別に良いさ、それじゃあ楽しんで行ってね。」

 

「うむ、感謝するぞ。」

 

嵐雨はその場から立ち去るミツの姿を最後まで眺めていた。

 

「....お前も似た様なものか....」

 

「似た様なもの?どういうことじゃ。」

 

「知らなかったのか?ここは母君に恩義の有る者達ばかりだぞ。」

 

「それは...なんともミッちゃんらしいというか、なんというか....ようやるものじゃ。」

 

「お前も何かあったのか?」

 

「まあの、では話してやるとするかの。」

 

妾は昔、まあミッちゃんと会う前はかなり好戦的でな。

嵐を起こして辺りを荒らしまわっておった。

そんなある日、住処である霊峰にミッちゃんが来たんじゃ。

その時は殺して始末しようと思っていたんじゃが....

ミッちゃんの雰囲気(お母さんオーラ)で毒気を抜かれてな。

嵐を止ませてお茶を飲んでと、今までなら考えられないほどのんびりしとった。

その時、ミッちゃんに聞かれたんじゃ。『君は、なにか不満なのかい?』とな。

 

今思うと、その時の妾は退屈で...孤独じゃったんだろうな。

嵐を起こしている間は妾を止めようとモンスターが相手をしてくれる。

まあ、そんな感じで繰り返して。

それでも、ミッちゃんは辺りを壊し続けた我を友として受け入れてくれた。

『孤独の辛さは僕もよく知ってるから....』とな。

それ以来よく会ったりしとったの。

 

ちなみに、妾の名前はミッちゃんが付けたんじゃ。

その時はまだ名前を持ってなかったからの。

嵐はいつか過ぎ去って晴れる、という意味らしい。

確かに、その時の心は嵐じゃ。

 

「ほう....母君にそんなことが。」

 

「ただの....ミッちゃんはどうにもそういう言動が口説き文句に聞こえるんじゃ。」

 

「....確かに....そうだな。」

 

「妾を受け入れてくれた時も....その、抱きしめられてなそんな時に口説き文句の様なものだから結構慌てたものじゃ。」

 

「女性の一人でも口説けば男として見られるでしょうに....」

 

「あのミッちゃんがそんな事出来るとは思えんが....それにレズカップルとして見られるのがオチじゃな。」

 

「あんな口説き文句は普通に言えるのに....」

 

「「天然恐るべし....」」

 

最初の出会いが嘘のように仲がいい二人である。

 

「此処の者はミッちゃんを恩人としてみとるみたいじゃが。妾は友人が一番じゃ。」

 

「ん?それはなぜだ?」

 

「妾も恩義は感じている。しかし、恩人としてみてしまえば友として、ミッちゃんの望む形で共に居られぬ。」

 

「....そうか、我は....どうすればいいのか。」

 

「今のままでいいと思うぞ、下手に関係を崩したらたまらんじゃろ。それに主はミっちゃんの子じゃろ。下手なことは考えんでよい。」

 

「....ふっ、それもそうだな。」

 

なにか、通ずるものがあるのか。

異種に育てられた火竜、異種を友に持つ嵐龍。

見えぬものはその特異な者を繋ぐ綱になったのか。

 

それは、両者のみ解るものだろう。

 

「あう~」

 

「ん?ノエルどうしたんだ?」

 

「今起きただけ~あれ....その人誰?」

 

「アマツマガツチの晴嵐じゃ。よろしく頼むぞ。」

 

「私はノエル、宜しくね。」

 

挨拶をした龍と竜、今は人型で幼女だが。

そしてその目線は体に向く。

具体的には鎖骨前の首下、心臓の隣ぐらい。

きっぱり言ってしまえば....胸である。

 

「よろしく。」

 

「よろしく頼むぞ同志よ。」

 

ちなみに、これ以来この二人ユクモ村でポポミルクを毎日欠かさず飲みに行ったり。

温泉で互いに揉み合ったり(何がとは言わない。怖いから)

胸に良いという物を2人で試したりしてるらしい。

慎ましい努力である。




次回から最新話.....でも更新する気力が着きました。
オフトゥンに潜り込んでスヤァ....します。

感想いっぱい、高評価付いたらそそくさと起きるかもです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

弱点が一つぐらいある方が人間輝く。

投稿、早い方ですかね?
モンハン出来てねぇ。

最近忙しいです。


むん、ミツだよー

最近、ずっとボーっとしてた気がするよ。

 

そして今日は、村の皆でユクモ村に泊りがけで遊びに行くのさ。

案外、ユクモ村に行った事の無い子たちも居るからね。

お金も貯めておいたから問題ないし。偶には息抜きしないと爆発しちゃうから。

 

「....そういえば、人の居る場所に最近行ってなかったニャ。」

 

「ホール殿は料理長、村から離れる事が出来ないですし仕方無いのでは?」

 

「いや....そういう問題じゃニャくて.......」

 

人の居るところに戻りたい子もやっぱり居るのかな。

さて、二泊三日で宿は貸し切ったけど.....

まあ、留守番は大丈夫だって皆言ってたし良いか。

 

 

 

 

 

ちなみに、真相はミツさん除く村民全員による。

ロゥロゥへの脅迫で留守番の問題が解決している。

え?どんな脅迫か聴きたい?物好きですね。

 

古代中国の拷問方法を洗いざらい行うとでも言っておきます。

例えば、千切りとか人豚ですかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、シュガーよ。俺は幻覚を見ているのか?気のせいだろうがミツさん達が宿に入るのを見たのだが。」

 

「なんか、ミツさんが仕事お疲れ様って事でゆけむり村全員で遊びに来たらしいニャ。」

 

「え?なんでシュガーだけ知ってんの?俺知らないんだけど。」

 

「お前にだけ情報が行かない様に仕組んだからニャ。」

 

大乱闘スマッシュハンターズとか言うタイトル付きそうな喧嘩になったらしい。

そんな中、ミツさん一行は.......

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆、はぐれない様にするんだよー」

 

最近住みだして参加できた晴嵐含む、6人が引率を務める。修学旅行的な事になってた。

ロッドは各地を転々としていた所為で参加出来なかったらしい。

来たら来たで荒れそうである。

 

「ニャ......ここ来たの何時振りニャ.......」

 

「ふむ、そういえば我はユクモ村に来た事が無かったな。硫黄の匂いが強いな。」

 

「普段居るけど、観光で来ると結構変わるもんやな.....」

 

「温泉卵!温泉卵食べたい!」

 

一名引率(半児童)が混ざっていた件。

各々が思い耽っている時ミツさんは

 

「油揚げ.......じゅるり......」

 

着いてきたアイルーと共に食べ歩きをしていた。

 

「御袋....いつも思うけどニャ.....飽きないのかニャ?」

 

「ホール君っ!何を言うのかな君は!油揚げは味噌汁お米におやつ!何にでも合う至高の食材なのだよっ!」

 

「そ....そうかニャ....」

 

「姉御に油揚げにマイナス意見を問う事が馬鹿のやることニャ。」

 

いなり寿司美味しいよね。

おいなりさん美味しい。

 

「.....あ、この抹茶美味しいニャ。」

 

「姉御のレパートリーが強化されるだけニャ気にすんニャ。」

 

「姉さん安定の超スペックだニャ。」

 

 

.............!?

 

「シュガー!?なんでここに居るニャ!」

 

「なんでも何も.....ユクモ村ニャんだから居るに決まってるニャ。」

 

「ミツさん、宿に入るのを見て何事かと思いましたよ。」

 

「あれ?シュガーちゃんに教えた筈だけど...」

 

「それがですねm「レイスが忘れてたニャ。」

 

「そうかい、レイス君達も泊まるかい?貸し切りだから問題無いよ。」

 

「あ、いいんですか?というか、そんなお金何処から......」

 

「ん?それは素材を売って貯めたけど。」

 

「......姉御?ちょっと良いかニャ?」

 

「どうしたんだい?」

 

「我等は今回の費用.....交易や狩猟で手に入れたお金と聞いた筈ニャが......?」

 

「あ、いや、それは.....その.....」

 

「お前らどれだけの期間姉さんと居るのニャ。姉さんが誰かの稼いだお金を使ってこんな事するとは考えられ無いニャ。」

 

「.....そりゃそうかニャ。」

 

諦めの境地とはこの様を表すのだろう。

その後、陽炎やノエル達とも合流して宿に戻ったミツさん一行。

食事を済ませたら、ユクモ村メイン。

 

 

 

 

「温泉だよ温泉!」

 

「温泉なんて毎日入ってるニャ。そんな喜ぶ事でもない気がするニャ。」

 

「全く、温泉っていうのはそれぞれで効能だったり、湯の質が違う物だよ?それを楽しまなきゃ意味が無いよ。」

 

案外、通なミツさんだった。

 

「まあ、それはともかく行こうぜ。」

 

「なんか今日疲れた、早く入ろーよ。」

 

「どうでもいいから先入っとくニャ。」

 

そして安定のミツさん性別誤認による鍵の渡し間違え。

そろそろミツさんはブチ切れていい頃。

だけどブチ切れないのがミツさん。

 

「じゃあさっさと入ろーぜ。」

 

「うん、そうだね。」

 

そして男女に別れてミツさんも男湯に。

女性陣が若干残念がったのはアレだろう、子が親から離れると不安になるアレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意気揚々と、戸を開け入った風呂場は。

巨大な岩風呂であり、集会場の温泉より一回り大きい程だった。

そして掛け湯をして体を洗い、温泉に浸かり出す。

 

「おお、確かに入って見ると違う物だな。」

 

「あっつ!温度高ッ!」

 

「こんな事もあろうかと、トール君氷結晶を織り込んだタオルあるから巻いておくといいよ。」

 

「悪いな嬢......」

 

「御袋の用意周到振りが凄すぎてヤバいニャ。」

 

男湯もワイワイしだした頃、女湯.....

 

 

 

 

 

 

 

 

観れると思った?

ねぇねぇ、観れると思った?

残念、世間の風当たりが強いから見せ無いです。

 

主にノエルとか晴嵐とかノエル&晴嵐は事案発生なんで。

 

だが無情にも時は過ぎる。

ロリも育つ。ショタも育つ、そんな事実ごみ捨て場に放り投げて。

なんやかんや○○もあったりして、就寝でオフトゥンに潜り出す頃。

 

「怪談しませう。」

 

「........」

 

「やめろ陽炎、そんなナニイッテンダコイツ的な目線を向けんな心が抉れる。」

 

「.......」

 

「だからやめろっての、いやさ?こんな風に集まったら怪談するしかないだろ。選択肢は一つだろ。」

 

「お前を埋めるという選択肢ならあるな。」

 

「もうマヂ無理怪談シヨ...」

 

「割と面白そうだから賛成ニャ。」

 

「じゃあ、言い出しっぺの俺からな。

一昔前、ユクモ村の近くにはそこそこ規模のある村があったんだ。

その村には一と二という、そりゃあそっくりな双子が居た。

だが、ある日の夜に嵐が起きて一晩せぬ内に村は消え去った。

それ以来、眠っていて死んだ事に気付いてい無い双子の霊が彷徨っている.......って話。」

 

「ふむ、そしてお前がその双子を襲って殺されたと。」

 

「え?ナニ?お前、俺をロリコンに仕立て上げた上で殺すの?ちょっと表出ろ。大乱闘スマッシュハンターズ再開だよ。」

 

「お前らがどうなろうと知ったこっちゃ無いがニャ.....なんか御袋が可笑しいニャ。」

 

ホールの示した方向では、耳を塞いでオフトゥンに包まった。

完全に何も聞か無いようにしているミツさんが居た。

 

「......えーと、まさか姉御.....ホラー苦手かゼヨ?」

 

「....はっ!いやいや!?そんな事は無いよっ!?うん!別に青い鬼とか真っ白な顔が追いかけてきたりしても別に怖く無いよ!」

 

「.......あ、後ろに真っ青な女の人が。」

 

「いやぁああああああ!」

 

ミツさん一秒もせずにオフトゥンに避難完了。

 

「.....ミツさんにも弱点あったのな......」

 

取り敢えずこの後の感想は全員揃って『今正規最大の衝撃を受けた。』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嗚呼....今まで隠してたのに....バレてしまった....

というか何だよ僕も....何で悲鳴が『いやぁああああああ!』だったんだよ。

贔屓目に見ても女性だよ。

あれ?コレ本当に性別誤認の原因僕......?

 

.....まあいいや、水どこにあったっけな。

何か、喉痛いんだよね。

 

 

「....ごめ.....か.....め....」

 

.....声?

いや、ねも皆は寝てるし、村の子の声じゃない。

それに....子供の声?こんな時間に....?

.....ちょっと見に行こうか。

 

 

 

 

 

コツコツと足音を鳴らしながら廊下を歩いていると。

そこには着物を着た2人の、見慣れぬ少女が居た。

 

「...君達、何してるんだい?」

 

「あ、お姉さん。えとね、遊んでるの。」

 

「お母さんたちどっか行っちゃったから。遊んでるの。」

 

「そ、そうかい。でも、どうやって入って来たんだい?」

 

「…………教えてあげ無い。」

 

「まあ、教えたくないなら良いよ。早く家に帰るんだよ。」

 

「でも、遊んでくれるなら教えてあげる。」

 

「は...はあ......解った、遊んであげるから教えてくれるかな。何をするんだい?」

 

「かごめかごめ。」

 

「解った、じゃあ名前を教えてくれるかな。」

 

「一と。」 「ニ、じゃあやるからお姉ちゃん真ん中。」

 

一と二.....あれ?

どこかで聞いた様な.....

まあいいかな。気のせいだろうし。

 

「それじゃあやろっか。」

 

そして、ミツさんが少女2人の間に入ろうとした、次の瞬間。

 

「ミツさん何やってんですか?」

 

「ひゅいっ!?な、何だレイス君かい。」

 

「いや、トイレで起きたらミツさん居ないんで探してたら。何やってたんですか。」

 

「え?いや、この2人と遊んであげようかと。」

 

「この2人?誰も居ませんよ?」

 

「え?」

 

そして振り向いた時には、其処には誰も居ず。

ただ、廊下が続くだけだった。

 

「ミツさん疲れてるんじゃないですか?」

 

「そ、そうかな.....でもさっき確かに.....」

 

「?あと、そのクビのアザは?」

 

そう言われた首には、何かに掴まれた様な。

青い手の跡になったアザがあった。

 

「ひっ!」

 

「どうしたんですか本当に、もう戻りましょう。」

 

「そ、そうだね.......」

 

そして2人で部屋へと戻っていった。

そしてミツさんには......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんもこっちに来れたのにね.....」

 

「いつかまた迎えに来るよお姉ちゃん.....」

 

そう、確かに聴こえていた.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書いてたの、深夜12時です。
書いてて怖くなった。

それと、かごめかごめというのは。
輪を籠に見立てて、籠に魔物を封じ込めるということです。
あのまま、ミツさんが入ってたら.....どうなったでしょうね....

それと、おいなりさんでロクでもねぇこと想像した人は一と二に連れてって貰いなさい。
何処にだって?全く、死者が行く場所なんて決まってますよね?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

災難はなんかいきなりピャーッ!って来る。

前の投稿?知らん。
書いてたデータがブルスクして全部吹き飛んだとか知ら無い。
ヤケになって零戦とか九七式艦爆で敵機落としたり敵基地攻撃とかしてない。
狐火=サン、ウソツカナイ。

はい、普通に遅れてすいませんでした。
ネタも切れて、絞り出して書いたのが吹き飛んで頭がスワァーってなってました。


むむん、ミツだよ。

今日も今日とて油揚げが美味しいのだよ。

朝起きたら玄関に油揚げが詰まった箱が有ったんだよ。

誰が置いてくれたのかな、お礼したいんだけどなぁ。

 

そして何やら広場が騒がしいな......何があったんだろ。

 

お母さん移動中......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なのニャコレ.....」

 

「いや、我に聞くんじゃ無いゼヨ。」

 

何やらザワザワしているそこには。

得体の知れ無い、黒曜石の様な物で出来た長方形の枠の中にある紫色をした靄だった。

 

「君達、何をしてるんだい?」

 

「お、御嬢か。いやな、朝にユクモ村行こうとして広場通ったらこんなのがあったから皆呼んだんや。」

 

「うーん、結構邪魔だね。コレは....」

 

そう言いながら、靄に近付いたその時。

 

「みゃあああああああ!辞めるのじゃ!辞めるのじゃ!妾は悪う無い!」

 

「貴様!折角母様が作ってくれたマカロンを一個残らず食い尽くしよってからに!」

 

威厳もクソも無くなっている古龍(笑)がミツさん作のマカロンを陽炎からパクって食い尽くした様で。

陽炎に追い回され、広場に突入。

そして、靄に近付いていたミツさんに激突。

 

ミツさんが靄に包まれ、それに躓き晴嵐も突入。

陽炎も急に止まった晴嵐に驚き顔面からスライディングで突入。

ポンっと3人共その場から消え去り。

 

枠組み諸共靄が消え去った。

そして....

 

「ギャァアアアア!またミツさん消えたニャ!どうすんニャ!どうすんニャ!」

 

「姉御ォオオオ!カムバァック!」

 

「御袋がまた消えた.....もう駄目ニャア御終いニャァ!」

 

最近、ミツさんの失踪がデフォルト化しだしたゆけむり村だった。

そして同時に村全体の狂気化もデフォルトになってしまっている。

きっとミツさんが消えた暁にはゆけむり村がどこぞの野菜人みたいな連中の集まりになることだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁっ!」

 

「みっ!」

 

「ゲボバァ!」

 

最後一名のみ、首からシャレにならない音と声と共に空中に現れ叩き落された。

 

「うぐ......ここは............」

 

「見た事が無いの.....空気が淀んでおる......」

 

「貴様.....決して....許さん.....ぞ....」

 

そう言い残して、陽炎がその場に倒れ昇天。

まあ、ミツさんの応急処置でどうにかはなったのだが。

何をしたって?抱きついただけですが何か?

 

結局の所、男子勢は大体下心があるという事なのだろう。

 

 

 

「それにしても、本当に何処なんだ此処は。」

 

「まあ、渓谷じゃろうか?しかしそれにしては妙に角ばっておるの.....」

 

「確かにね、この壁。石は石だけどヤケに綺麗だし。材質も結構違う。明らかにユクモや僕が行った事のある場所と何もかも違う。」

 

「.......ミッちゃん?なんでこの短時間でそこまで分析しているのじゃ。」

 

「え?当たり前じゃないか、現状把握は知らない土地で最優先するだろう?」

 

「いや、正論じゃが。そうではなく.....もう良い、ミッちゃんのスペックがイカれてるなんてとうの昔に知っておるしの。」

 

「イカれてるとはしつれいだなぁ.....でも、人の声は聞こえるし。此処が何処か聞いてみようか。」

 

そして、3人が光の差す方向へ進むと。

そこには......

 

完全なる異次元の光景が飛び込んできた。

 

「な......これは.....人が....多過ぎる...それに、あの動いてる箱は....」

 

「なんなんじゃ.....こんな場所、見た事も聞いた事も無い....」

 

陽炎以外の2人が声を漏らす。

しかし、その姿はその場に於いて異色であり。

視線を集めることとなっていた。

 

「ッ.....一旦離れよう。」

 

「!?しかし、それでは.....」

 

「僕達が此処に来る原因になったと思う靄は無い、それに.....」

 

そう、バツの悪そうに言った視線...否、周囲一帯には。

既に人が集まり、3人に視線を送っていた。

 

「....解りました、行きましょう。」

 

そして、その声を皮切りに人混みを掻き分けその場から逃げ去った。

 

 

 

人混みから逃げ、多少人が疎らになった場所に辿り着き。

3人は荒れてはいないが落ち着かせ、現状整理を始めた。

 

「.....これは確定ではない、だけど、ほぼ確定と言っていい。この、僕達の今いるココは。

ゆけむり村、ユクモ村、その他全てに属さない、異次元の土地だ。」

 

「異次元.....のぅ。妾も古龍の端くれ、別次元については多少耳に挟んだ事もある。」

 

「.....今は情報が欲しい、晴嵐、教えてくれないかな?」

 

「元より教える気じゃし、ミッちゃんに頼まれてはどんな不利な条件でも受けるに決まっておろう。

....異次元は、妾達の元居た世界の創造主....と伝え聞いている、祖龍が行き来する事が出来るらしい。

まあ、確証も無いが他に1名のみ行き来する事が出来る者が居るらしいが、これは関係無い。」

 

「祖龍.....か、僕達にどうにか出来る物じゃ無いね......」

 

「どうした物か......」

 

打つ手が無く、思い悩んでいる。その時。

 

「あ、本当に居た。」

 

「!?」

 

「まあまあ、落ち着いて。」

 

壁に背を預け、休んでいたその場に現れたのは。

見慣れ無い服装をした少女だった。

 

「.....僕達に、何の用かな?」

 

「いやいや、凄い和服イケメンと美女幼女が居るらしいって聞いて探してたのよー」

 

「.....何を言ってるかわから無いけど、僕達に知り合いは居ないし尋人にもされていないよ。」

 

「えー......ま、まあ、私が言いたいのは写真撮ってもいいかな?って事。」

 

「しゃ、写真?聞いた事が無いけど、何かの料理かい?」

 

「ホァッ!?え.....写真知ら無いの?嘘でしょ.....?そんな人、こんなとこにいる訳無いわよね......」

 

そう言われても.....写真ってなんじゃ?などと2人が思案している中、陽炎が行動に出た。

 

「.....取り敢えず、お前はその写真?とやらを我等に求めているのだろう?」

 

「え....あ、うん。受けてくれる?」

 

「ふむ、では交換条件だ。この世界の情報と交換....で、どうだ?」

 

「この世界......?えと、この辺の情報と交換して写真受けてくれるって事よね?」

 

「そういう事だな。」

 

多少戸惑っていた少女だったが、陽炎から了承を得た瞬間。

猛スピードでカメラを取り出し、写真を撮る準備をしていた。

 

「3人とも、ちょっと寄ってくれるかな?できればそのちっちゃい子中心で。」

 

「な、な!ち、ちっちゃい言うにゃ!」

 

「グハァッ!リアルにこんな可愛いが存在していたとは.....生きていて良かった.....」

 

胸を押さえながら声を振り絞った晴嵐に何かの扉を開き、喜びに満ちている少女。

本来ならシリアスなのだろう、しかしそうは問屋が許さ無いのだ。

 

「うんうん、モデルが良いと初心者が撮っても良い物になるねぇ!」

 

「.....写真とやらは終わったのか?終わったなら、情報が欲しいのだが。」

 

「うん、写真も撮れたし。この辺の事は任せなさいな!」

 

少女が写真を撮るために多少開けていた距離を縮め、近くに戻ってくる。

そして、地図を広げて解説を始め出す。

 

「取り敢えず、ココは秋葉原ね。3人はコスプレがしたくて来たんでしょ?なのに写真もカメラも解らないのは不思議だけど....まあ良いや、ココがレイヤーの良く集まってる店。情報交換も出来ると思うよ。」

 

「.....コスプレとは何ぞや。」

 

「え.......まさか、ソレ....私服...?」

 

「そう、だけど?それと、レイヤーって?」

 

「ちょ、ちょっと、貴方達何処から来たの?秋葉原に来て、コスプレも知らないカメラも知らない....嘘でしょ。」

 

少女の同様がより一層酷くなってくる。

それが、疑念だった異世界という物を確信に変え。

3人互いに頷き、少女に問い掛ける。

 

「ちと、聞くが....主、ドンドルマという都市を知っておるか?」

 

「ドンドルマ.....?聞いたこと無いなーどっかの国にあるの?」

 

「.....やっぱりか、少し聞いてくれ無いかな。

......僕達は、信じられ無いだろうけど。この世界とは別の、異世界から来たんだ。」

 

「異世界......ですと?いや、でもそれだと全ての辻褄が合う....」

 

「だから、あとちょっとこの世界について教えてくれ無いかな......」

 

龍界の者が、異世界に。

一波乱起こすか、何事も無く終わるか、それはまだ世界の者に知る由も無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[オマケという名を語るカオス]

 

なんやかんやでミツさんが現代に飛ばされたらしいよ。

そして最早恒例になったゆけむり村の大発狂が終わり。

そのあとのゆけむり村を、少しだけ映す。

 

 

 

 

 

「........ホール....お茶あるかニャ.....」

 

「.......あるニャ......」

 

「嗚呼.....空はこんなにも青いのに.....」

 

「曇ってるけどねー」

 

御通夜の空気である。

1名無邪気なロリが居るが。

これはあれだ、SAN値を一気に削られてちょっと壊れただけだ。

 

数名は穴を掘って顔だけ出し、タケノコが育つのを虚ろな目で見ていたり。

またとある者は石を生気の感じられ無い顔で積んでは崩し、積んでは崩しを繰り返していたり。

そしてまたとある者は、ニトロダケを爆発させ不定期に気が狂ったかのようにケタケタ笑いだす。

 

そんな、ホラゲーに出てきそうな廃村状態だった。

その中で唯一レイスだけが。

 

「死んだら、ミツさん会えるかな..........」

 

とか口走りながらも、陽炎の隠していた数個のマカロンを平らげ。

多少の生気を保っていた。

 

まあ、そんな狂気に満ち溢れたただのホラーになり変わったゆけむり村だった。

ちなみに隅の方で一と二が((((;゚Д゚)))))))みたいな顔して抱き合いながら震えてるのはご愛嬌。




何がしたかったのか自分でも解らない。
とりあえず、しばらく現代で頑張る。
ちなみに、これ一回途中まで書いてブルスクの恐怖が蘇って時間空いたので変なところ有ります。

誤字報告とか、受け付けてます。
それと、今アキバ行ったらミツさんが捨てられた子犬みたいな顔してキョロキョロしてるかもですね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミツさんの影響力はチート

この世界は異世界、良いね?
これを今回、忘れずに読んでください。

この世界は異世界。
大事なことなので2回言いました。


前回のあらすじッ!

 

ミツさんとロリと何か赤いのが現代にダイビングしてきたよ!

そんで有象無象の飴に群がる蟻みたいなオタクどもが反吐がでる様な視線をミツさんに送ったから避難したんだってさ。

避難した先でミツさん達を撮影したがるおにゃのこが来て情報と交換する事になったよ!

以上!前回のあらすじッ!

 

「あらすじになってないよ!?」

 

「ミッちゃんどうしたんじゃ?」

 

「あ、ごめんね。何かが頭の中に流れてきて......」

 

地の文に突っ込みいれてきたミツさん流石っす。

だがどうでもいい、ミツさん一行は少女に自分達の居る国。

その国の情勢などを聞き出していた。

 

「成る程....此処は地球という星で、その中の日本という国.....ねぇ。どれ一つとして聞いた事がないなぁ。」

 

「マジカヨォ......異世界人とか本当に居たのね、いやでも人じゃないし....異世界獣?」

 

「獣というか竜なのだがな。」

 

「とりあえず、目先の目標として衣食住.....だね。」

 

暫しの沈黙.......少女が口を開く。

 

「アテ.......あるの?」

 

余りに現実的で、死に直結する様な事実が3人に叩き付けられる。

3人の脳裏に考えたく無い未来が浮かび顔に影が射す。

 

「......ウチ来る?一応一人暮らしだし、経済的余裕もある方だし異世界の話も聞きたいから。」

 

「.....妾は古龍で食事も睡眠も必要とせん、だからせめて2人だけは頼めないじゃろうか?」

 

「我も、自分でどうにかする。だから母様だけでも頼む。」

 

「いや、3人とも良いけど。家の部屋空いてて勿体無いしね。」

 

その後、3人共迷惑は掛けれないなど色々有ったが。

他に衣食住の突破口を見つける事が出来ず世話になる事になった。

しかしこの3人なら山とかに籠もれば普通に生活出来る気がするのは気のせいだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほいほい、着いたよー」

 

少女が乗ってきていた車で少女の家に向い。

30分程乗り、少女の家に着いた.....のだが。

 

「大きい......ね。」

 

なんかテンプレ転生物に出てくる貴族の豪邸みたいな屋敷に着いた。

そしてちらほらとメイドや執事服を着た様な人間も居る。

 

「ウチ、金だけはあるからアキバでメイド、執事喫茶の人ヘッドハンティングして雇っちゃったぜ★」

 

「そんな軽く言う事でも無かろうに......」

 

オタクに金を持たせたらこうなる。

廃人御用達のリンゴの書かれたカードも買い放題である。

DMMで.comなカードも買い放題。

これを許してなる物か。

 

「僕達も世話になるだけじゃダメだし、何かできる事は無いかな?」

 

「うーん、なんか有る......って、まだ名乗って無かった。私は(まとい) 亜魅(あみ)まあよろしく。」

 

「そういえばこっちは苗字があるのが基本だったね、じゃあ僕もこっちに合わせて玉藻(たまも) 美津(みつ)。宜しくね。」

 

「では我は陽炎(かげろう) 東冶(とうや)で。こちらでしか使わんので適当だが、宜しく頼む。」

 

「む?名前を作る流れかぇ?使用人の者と親睦を深めようとしておったのに、まあ良いかの...では妾は霧雨(きりさめ) 晴嵐(せいらん)と名乗るとする。」

 

各々、即興で名前を作り。

それを名乗った。

 

「それと、その和服は目立つから着替えないと.....」

 

「あ、それなら大丈夫だよ。」

 

そうミツさんが言うと、3人の服が変形。

ミツさんと陽炎は執事服に、晴嵐は白いワンピースの様な物に変わった。

 

「.......質量保存の法則仕事しろ......そしてグッジョブこの世の天国だ。」

 

「......男物を初めて着た気がするよ....」

 

「この服、隠せないのじゃが.......」

 

その時点で服装について色々感想を述べたりする3人に。

イイ笑顔で倒れる纏が居た。

 

その後、纏が復帰して。

多少の違和感は有れども、アキバなら基本一切の問題は無いから。

と、再び現代に最初降り立った場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.......目線ヤバいってこれ......」

 

「何か、ミッちゃんに対して舐め回す様な視線を感じるんじゃが。」

 

「.....ちょっと殺して来m「陽炎さんやめて!?」

 

ミツさんは無邪気な子供の様に目を輝かせ凄い凄いと感動している中。

残りの3人がこの世の汚れを表しているかの様である。

ミツさんだけ贔屓してるって?

 

.........黙れ小僧。

 

「それにしても凄いね、ドンドルマだってこんなに発展してないよ。」

 

「中世ヨーロッパぐらいの技術だっけ?なんかそういう意見新鮮だなー」

 

そんな会話をしながら移動している時。

一行に近付く物が居た。

 

「すいません、少し時間宜しいでしょうか?」

 

声を掛けて来た者の話を受け。

付近の喫茶店に入り話を聞く。

 

そしてそれを要約すると。

『貴方達(ミツさん&陽炎&晴嵐、亜魅は上の中ぐらいなのです。)とモデル契約をしたい。』そんな感じだった。

履歴書?戸籍?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黙れ小僧。

 

まあ、丁度3人共何か仕事を探していていた中の誘いだった為。

その誘いを受け、モデルになり。

一週間後.........

 

「こっち居たぞ!」

 

「マジか!サイン!サインはよ!」

 

なんか別の意味で結局追われてた。

ちなみに晴嵐だけ子供雑誌だったという事にひっそりと涙を零したのは近所の冷蔵庫が爆発した事ぐらいどうでも良い。

まあミツさんからの一言と晴嵐がブチギレた為普通にモデルになったのもどうでも良い。

 

「君ら、どうすんのこれ。どうすんのコレェエエエエエ!」

 

「逃げろ、潰される。というか焼いて良いよな、というか焼く。」

 

「外に出る度これでは真面に生活出来んぞ!」

 

基本現代に慣れていない3人に着いて行っている纏も追われている中。

ミツさんだけは.......

 

「危ないから押さない様にね......はい、仕事とか頑張ってね。」

 

追ってくるファンを全て捌いてた、一人一人対応しながら。

神対応乙っす。

 

「あの人可笑しいよ!なんであの数普通に捌いてんの!?」

 

「ミッちゃんに常識を求めるでない、普段から多人数の相手をしている結果がアレじゃて。」

 

「ちょっと援護に......」

 

「駄目だコイツら!思考回路がミツさん一択だ!」

 

陽炎がターンを掛けてミツさんの元に急行。

それに釣られたのか晴嵐までもが逆走。

纏は飛び込む勇気が流石に無いのか戻らなかったが。

 

プチイベントみたいになって自治体の人が駆り出されるハメになったらしいよ(他人事)

 

最終的にミツさんが過半数を捌き何とか4時頃に事が収まったそうな。

 

「死ぬ.......これは死ぬ....生きてきた中で一番辛い.....」

 

「人間の波に酔った......えらく昔にジャギィ数千匹が一斉に移動した時を見たような気分の悪さを感じたんじゃが.....」

 

「二人ともお疲れ様、それと纏ちゃんも列の整理ありがとうね。」

 

何時の間にやらミツさんがコーヒーを買ってきており。

3人に渡すというブラック企業に欲しい人材に成り三人が小破ぐらいにまで復活。

晴嵐だけイチゴ牛乳だったのは優しさで良いのだろう。

 

「なんでこの人一番働いてたのにこんなにピンピンしてるの.........」

 

「うん?なんでと言われても、僕達の為に来た人も居たしやっぱり応えてあげたいから.....」

 

「女神だ.....女神が降臨した......どこからその優しさが溢れるんだ.....」

 

「ミッちゃんの実力はこんな物じゃ無いぞ......あの時のミッちゃんは凄かったの.....」

 

「何した!この人何したの!」

 

何かミツさんの逸話がまた増えそうな状態だが。

ミツさんの一言でまた全員が走る事になった。

 

「ねえ、入金されたお金......というか銀行閉まっちゃうけど......」

 

「「「あっ......忘れてたァアアアア!」」」

 

一応、纏もマネージャーとして就職したので入金はされている。

そして銀行の終了が5時で現在が4時半.....残り30分である。

全力で銀行へ、なんとか間に合い入金された分を下ろした......直後。

 

銀行の入り口で発砲音が鳴った。

 

「テメーら!動くんじゃねぇ!」

 

「この鞄にありったけ金を詰めろ!今すぐだ!」

 

テンプレ強盗が来たってさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなテンプレあるんだ........」

 

安定で手足を縛られ動けない人質(笑)のミツさん一行。

 

「ん?そこの3人......話題になってるモデルか.....」

 

「話題かは知らないけど、モデルはモデルだよ。」

 

そう答えたミツさんを舐め回す様に視線を送り一言。

 

「まあ、ヤるには丁度いいかもなw」

 

そう言った瞬間、陽炎と晴嵐の目付きが変わる。

人質達の手足を縛っていた縄が風切り音と共に切れ、陽炎が鳩尾に蹴りを入れる。

蹴られた強盗は倒れ込み銃を手離し、晴嵐が奪い取った。

 

「テメェら!何してる!動くな!」

 

強盗がその異変に気付き、手に持つアサルトライフルを向けて撃とうとしたが。

 

「ハジキ人に向けるな!暴発したらどうする!」

 

踵落としで銃を奪い、マガジンを外し鈍器として強盗の制圧を行う。

その中でミツさんは人質の避難誘導、外に居る警察隊の突入の援護。

これにより、事件発生から1時間程で鎮圧された。

 

4人の活躍により損害は強盗が最初に放った1発による屋根の穴だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『モデルとマネージャー達が強盗鎮圧!』

 

「もう本当にどうするよコレ。」

 

「嵐が過ぎ去るのを待つしか無いじゃろ。」

 

「嵐を司る古龍がそれを言うと皮肉でしか無いな。」

 

「僕達、戻れるのかな.......」

 

なんだかんだで現代に馴染んではいるが、彼等は異端者であり。

龍界において、ユクモ村の駐在ハンターの活動意欲の元が無くなりハンターが消えれば。

ユクモ村はモンスターに蹂躙され消え去る。

 

ゆけむり村においてはミツさんに依存しきっており。

既に活動停止、その変化は大きい。

 

このまま龍界へ帰還出来なければゆけむり村、ユクモに待つのは『滅び』あるのみ。

この3人がどうなるか........それは誰にも見えぬ物也.......




最終回.......近いですかね。

というか、これ書き上げた日に佐世保海上自衛隊資料館行ったんですが。
本職の方々の多い事多い事、写真撮って貰えば良かった.....
話も聞いときゃ良かった.......(海上自衛隊志望)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

初めも終わりも、それは曰く唐突に。

.....最終回。


ミツさん一行が現代に来て一ヶ月。

ゆけむり村への帰還は.....未だ糸口すら掴めていなかった。

まあ、それはとある事が原因なのだが。

そんな、中でミツさん達は.......

 

「びゃぁああああうまぃいいいいい!って感じだわ。というか....うま~」

 

「家事スキルEXの実力は半端じゃないというのを改めて思い知ったわな。」

 

「まだ材料はあるから、好きなだけ食べてね。」

 

ミツさんお手製のケーキやらマフィンやらクッキーやらでお茶会してた。

お前ら、帰る気あんのか。

 

「そこらのスィーツ店より遥かに美味い。これは世界で通用するね。」

 

「そういえば、纏ちゃん。外はどうなってる?」

 

「うーん、さっきメイド長に見てもらったけど。相当数、まだ居るよ。」

 

「やっぱり、いっその事出ちゃった方が良いんじゃ無いかな......」

 

「絶対駄目だって、マスゴミなんて汚く捏造真実無しがモットーなんだから。下手に情報流れて、何書かれるかわかったもんじゃ無い。」

 

以前の強盗撃退によってマスコミやらファンが押し掛けた為に外出不可となっている。

その為、この様な事になっていた。

 

「.....使用人の人達に紛れて行けば外に出られ無いかな....」

 

「うーん.......あ、でも....いや、行けるね。」

 

纏がゲッスい顔を浮かべて部屋から出て行き。

残りはそのまま御菓子をもっしゃもっしゃしていた。

 

そして数分後

 

「ほい、てな訳で御着替えよろすく!」

 

纏が持ってきたのは執事服1着、メイド服3着。

 

「......ねえ纏ちゃん、男物が足り無いんだけど....」

 

「え?いやいや、男物は陽炎君、女物は私と晴嵐ちゃんにミツさんで足りてるよ。」

 

「............くっ!」

 

ミツさん は せいしんてき ダメージ を 10000 うけた!

 

「そういえば、言ってなかったな。母様は一応男だ。」

 

「......まったまたぁ~こんな、美人が男な訳無いじゃんか~」

 

「纏ちゃん....君まで、君まで皆と同じ事を言うんだね.....」

 

「え.....いや、うせやろ......あんな家事スキル高くて、こんな美人なのに....男.....だと?」

 

「酷く...酷く屈辱的だ.....」

 

まあ、そんなこんなでミツさんが執事服だとどうやってもバレる。

という理由でミツさんは泣く泣くメイド服になったそう。

そして纏の「プライバシーの侵害でサツ呼ぶぞ!」の声でマスコミをパニクらせ。

大パニックに紛れて脱出を図ったのだった。

 

 

そしてまあ、なんやかんや起こさず従者服から普段着に戻り。

彼等が異世界に降り立つ元凶となった靄が存在していた筈の、その場所に再び戻って来た。

が、無論其処には何も無く、地味に居たぬこがニャーと鳴いていた。

 

「おお、ぬこだ。そいや、そっちの世界の猫は喋るんだっけか?」

 

「二足歩行だし喋るね、こっちの世界の猫が人間みたいな進化した?みたいな感じかな。」

 

「何それ見たい.....まあ、それはいいんだけどさ。やっぱり、異世界転移物のテンプレは転移した時と同じ事する.....だよね。」

 

「あれと同じ事をしても妾と陽炎が怪我するのが見えておるわ。」

 

意見を速攻叩き潰された纏だったが。

ぬこを手懐けてモフモフしてるミツさん。

今度何処か買い物に行こうとか何とか話している晴嵐と陽炎。

それを見て、コイツ等戻る気無いだろ。とか思ってた。

 

「いや.....お前等マジで帰る方法見つける努力をだな.....」

 

現時点、本来無関係の纏が一番頑張っているという。

そんな時だった、ミツさんがモフモフしていた猫が突如駆け出し。

近くから何かを咥えてミツさんにヘィ!パッス!して来たのは。

その様を表すなら.....そう、カプ麺を食べる時に凄い勢いで麺を啜って顔面に麺がビターンからのウボァッ!ってなった感じのソレだった......

 

「......なんかぬこの首が凄い事になってたなう......っと。」

 

「何じゃ今の、猫の首が.......変な動きしたんじゃが。」

 

件の猫は逃げ去ったが、ミツさんの手には黒い。

例の靄と似通った色をした、角張った石が握られていた。

 

「.......ボールを相手のゴールにシュゥウウウウッ!」

 

「「「や、ヤメロォオオオオオオオ!!」」」

 

【速報】ミツさんが初めてネタを打ち込んだ。

【速報】ミツさんが初めてネタを打ち込んだ。

【速報】ミツさんが初めてネタを打ち込んだ。

 

「何か、頭にメッセージが飛んできてやった。後悔も反省もしてるよ。」

 

「普段超良い人&ちゃんと反省する分怒れない。有る意味、そこらの犯罪者よりタチ悪いぞ。」

 

以前犯罪者を壊滅させた連中の言う事ではないと思われる。

そんなチートスペック四人組はス○バで手に入れた石について考察をしていた。

ちなみに、ミツさんと晴嵐が抹茶クリームフラペチーノ。

纏がエスプレッソで陽炎がキャラメルフラペチーノだった。

選択が訳わかんねーよ。

 

「この石、恐らく自然に出来た物では無いと思われるの。」

 

「え?何で?普通の黒い石にしか見えないんだけど。」

 

「ふむ.....ハンターやミッちゃんみたいに凡人離れしていれば楽なんだがの。」

 

「キッパリ僕を凡人離れしているって言う所に悪意を感じるね。」

 

そんなミツさんの不満を交えつつも話は続き。

晴嵐曰く、この石は古龍が力を使う際妾なら暴風雨を、ソレを起こす際に使う源である。魔力や神力が凝縮・圧縮された代物で、自然にはこんな物は出来無い。十中八九、古龍か神の代物だろう。

そう言った。が、抹茶クリームフラペチーノを飲みながらの所為で格好良さなんて微塵も無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メロンパンッ!」

 

........何が有った.....あれ?

夢オチ?今回の回夢オチ?

あ、纏です。目が覚めたら謎の記憶と共にbedinしてた纏です。

 

「マジで何?怖いんだけど、いや、ミツさんがバトルドームした辺りから可笑しいとは思ったけど。」

 

地味に日は暮れかけてるし......

ちょっと様子でも見に行ってみるか....

 

「ミツさん達居る........あ。」

 

「「あ......」」

 

案件、目が覚めて扉を開けたら見知らぬ白髪美人と小ちゃい女の子がいた件。

ふぅ.....取り敢えずやることはひとつだ。

 

「お巡りさん!此処に不法侵入のロリコンがぁあああああ!」

 

「ちょっ!待ってくださいよ!バレなきゃ犯罪じゃあないんですよ!」

 

「バレてるよ!現在進行形でバレまくってるよ!携帯どこだ!お巡りさんを!」

 

「何だこれ.......」

 

落ち着け。

 

「んで?あんた達は何?」

 

「いや.....その、それは...えーっと....」

 

「コイツは話にならん、俺が話す。」

 

「........オレっ娘?」

 

「ブチ転がすぞ?」

 

冷酷な目だ.....まるで養豚場の豚を見るような、冷徹な目だ.....

徹底的にシリアスを破壊して行くスタイル。惚れてもええんやで?

 

「話がズレた、御前は解ってるだろう?あの竜達を元の世界に戻しに来たんだ俺達は。」

 

「なん.....だと?」

 

「本来、この世界と龍界の行き来には俺とこの馬鹿の所有するゲートが要るんだが。この馬鹿がゲートを消し忘れてな、彼等が来る羽目になった.....という事だ、ゲートの破片を拾ってくれたお陰で漸く場所が解った。」

 

「おk、それは解った。で、なんであんな怪しく入った。正々堂々言えばこんな事にはならなかったのに。」

 

「それがな、この馬鹿が自分の所為で転移したのに、面倒臭いなどと抜かしたのでな。無理矢理引き摺ってきたらムードが欲しいなどと抜かしてな.........」

 

「全部包み隠さず教えるなんて酷いですよぉおおお!」

 

この時、纏は確信した。

この娘....見掛けより歳食ってるな、そして.....苦労してんな.....,と。

 

「ところで、その竜達は居るか?早めに帰したいんだが。」

 

「....居るね、後ろに。」

 

「うぎゃああああああああああ!?」

 

「嗚呼、居たのか。なら話も聞いていただろう早々に頼む。」

 

なんか、驚く方逆じゃね。

あと、え?終わり?あっさりし過ぎだろ。

 

「可能性は考えておったが、まさか本当に祖龍が原因だったとはの.....」

 

「龍界の村はどうにかしておいた、安心してくれ。」

 

そんな話と共に、元凶である。

ゲートが虚空から出現し、行き来が可能となった。

 

「纏ちゃん、起きたんだね。ス○バいきなり倒れるからさ...」

 

「ストレスかな?マスゴミ許すまじ。」

 

「なんか、あっさりしてるけど。これでお別れってことで....」

 

「うん、多分この一か月で生まれて一番疲れた。」

 

初めも終わりも、あっさりしてるなあ。

最初なんてアレだよ?アイドルの追っかけみたいなのからだからね?

いやー縁って凄いわ。

 

「纏ちゃん、この世界ではありがとうね。キッチンにまだお菓子残ってるから、食べるなり捨てるなりは任せるよ。」

 

「捨てるのは選択外。なんだかんだ、お疲れさま。龍界だっけか?でも頑張って。」

 

そんな、学生のお別れ会的なノリでミツさん達はゲートをくぐり。

その場から跡形もなく消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな、異世界転移から数日が経っちゃたゆけむり村では。

 

「ミツさぁぁあああ!無事で!無事で良かったニャァアア!」

 

「いや、本当に良かった。何時吊ろうか悩みだしましたもん。」

 

なんか吊るとかいう物騒なワードが流れながらも。

ゆけむり村は存外平和で、連日連夜ミツさんの帰投を祝いお祭り騒ぎだった。

晴嵐がマカロンパクって起きた事件は幕を閉じ。

 

ミツさんの帰投で死者も出ず。

あっさりした喜劇は、まあまあハッピーエンドで終わりを告げた。

そんな、渓流の溢れる話の一幕。

 

それに目を通したのは、また同じく。異界の者だろう。




いやー終わりました渓流暮らし。
なんだかんだ、この小説始めたのもミツネさんに惚れた。
様は唐突な思い付きなんですよね。

数か月の更新でしたが。
ご愛読、感謝致します。狐火の他作品にご期待ください。






























とでも言うと思ったか!?
っは!最終回?バカ言っちゃいけねえ!
この更新日はエイプリルフール!単純に季節に乗っかった!

渓流暮らしはまだまだやるぜ!狐火の気力が尽きるまで!
以前からの最終回をほのめかす発言してますけどねえ。
実際最終回とか考えとらんので、事実になる可能性も0じゃあ、ないんですわ。

ちなみに!エイプリルフールは午前中とかいうのは受け付けない。
だって、午前4時30分ぐらいに投稿してるから。
最後、あっさりしてるやろ?
今日の午前中までにやんないと、後に引けなくなるからネタが無い状態でやった。

一つ言おう....冗談抜きで読者様に殺されそ(白目)
せめて、油揚げにすんぞ駄狐で許してもらえたらとか思っちゃう。
ミツさん達は悪くない!(当たり前だろ死ね)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お願いのオハナシ①

更新遅れて申し訳ない、ちと勉強してゆっくり寝たら多少のネタが思い付き。
急ぎ書き上げうpしました。その為普段より異常です。

それでも、許してやんよ。という方はどうぞ、楽しんでもらえれば幸いです。


はろはろ、ミツだよ。

何か色々有って異世界に行って追っかけられたり。

強盗を鎮圧したり、変な経験したなぁ.....

 

少しの間村を空ける事になったお詫びとして、村のみんなのお願いを何でも1つ聞くってしたんだけど。

思った以上に大変だったよ。レイス君も迷惑掛けたみたいだから一緒にお願いを聴いてるけど、返事が無いんだよね。

これは.....アレかな。勝手に消える様な奴は信用出来ないとかそういう類かな。

......可笑しいな、目から水が.....

 

現時点で頼みを聴いたのはノエルちゃん、ゼロ君、トール君だけだ。

何で.....みんな言ってくれないのかな...信頼も何も無いというのかい.....神は死んだ!

ちなみに、頼みの内容は、ノエルちゃんがお菓子。

ゼロ君は人型でも強力な雷撃が使いたいそうで電気を貯めれる物が欲しいそう。

 

そして、トール君.....これは早めにしないとね。

内容は身体を持続的に冷やせる物。そりゃそうだよね、トール君暑さに弱いもの。

ちゃんと案は考えて有る、氷結晶は少量の獄炎石を混ぜて加工すると糸の様に加工出来るのを聞いたんだよ。

要するに、それで服を作るだけなんだけどね。

 

だから、頼まれた次の日にユクモ村で加工の依頼は済ませて、後は受け取って服を織るだけだね。

という訳で今はのんびり、ユクモまで徒歩で移動中だよ。

え?竜車は使わ無いのかって?......散々迷惑掛けて、こんな時に頼めると思うかい?

 

まあ、でもこうゆっくり歩いて見ると。

ここの紅葉は綺麗だなあ、あのカエデ....今度の料理の飾り付け用に採っておこうかな.....

いや、今は氷結晶の鋼糸だ。でも.....メープルシロップを作るのも......

よしーーーノエルちゃんのお菓子に使おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中、カエデの魅力にホイホイされたりしたが。

ユクモ村に無事到着し、モンスターの筈が異常なまでの懐柔術で子供に囲まれたりやら。

道行く人々に話しかけられたり、歩いている有象無象の野郎共を魅了したりやら。

目的忘れてんじゃね、というレベルの寄り道をしながらも加工屋に着き鋼糸を受け取る。

 

だがしかし、これで終わるミツさんでは無いのだ。

 

「ファンゴの大群が村に来てる!」

 

村の正門に1人の男性が駆け込み、叫ぶ。

人と云うのは、死が近付くと冷静では居られない。

生物なら冷静に対処する物が、人はそんな物だ。

 

「ハンターさんは!?どうして居ないんだよ!」

 

「ハンターさんは今砂漠で後2日は帰って来ないって言ってたろうが!」

 

「じゃあどうすんだよ!」

 

ファンゴは、危険ではあるが。

一体程度なら常人でも何とか出来るモンスターだ。

 

しかし大群となれば?

それもボス個体のドスファンゴも居ると来た。

一体に吹き飛ばされれば、別の個体に踏まれて死ぬ可能性もある。

ファンゴの巨大なキバが突き刺さるかもしれない。

そんな死への恐怖が更なるパニックを生み出す。

 

といっても、無論お人好しのミツさんが何もしない訳もなく。

鋼糸を、持って来ていたカバンに仕舞い、ファンゴの群れが来ているという方角に進む。

 

....何故か、手にアイルー達のグルーミングの為にミツさんが自作したブラシを持って。

 

そして、大きな獣道が出来ている林でその群れを発見。

それと同時に群れの中でも特出して巨大なドスファンゴに対して駆け出す。

 

自分達に近付く者を見つけ、攻撃対象と見なし攻撃態勢を整える。

しかしミツさんは更に接近、その場から真上に飛び近くにあった大木を三角跳びで空を駆け。

ドスファンゴの背中に飛び付く。

 

自分に取り憑いた攻撃対象を振り下ろそうとドスファンゴは暴れ出す。

ハンターならここからナイフで乗りダウンを狙うが、ミツさんが取り出したるは例のブラシ。

ブラシにはミツさんの回復泡がそれはもう小さな粒として泡立っていた。

 

そして行われる、乗り攻撃ならぬ乗りブラッシング。

普段から村のアイルーをブラッシングしているミツさんの腕もさる事ながら。

極小の回復泡が毛穴から身体を癒して行き、ドスファンゴの固まっている筋肉などが解れて。

ドスファンゴに、それはもう凄い開放感と快感が襲う。

 

「うんうん、そのまま大人しくしててくれるかな?」

 

言葉を理解しているかの様に、ドスファンゴはブラッシングの気持ち良さに身を委ねる。

そんな首領を見た通常のファンゴも大人しくなり、ミツさんのブラッシングの餌食となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おいアレ......」

 

そう指を指した先には、ドスファンゴに乗り。

のんびりと村に向かうミツさんが居た。

 

「......何やってんのあの人。」

 

ミツさんを良く知るモブが言う。

まあそんなのは知らぬ存じぬ、と正門までやって来てドスファンゴから降り、村に入ってくる。

 

「あ、もう大丈夫だよ。大人しい子達みたいだから。」

 

ツッコミの一つでも入れたいだろう。

しかし、驚愕が上を行ったのだ。

 

「貴方.....またやったのですね......」

 

落ち着いた、諦めが含まれる声が民衆から聞こえる。

まあ言っちゃえばユクモ村の村長である。

 

「群れ単位を静めた事は無いからね?摩湯?」

 

摩湯と呼ばれた女性、ユクモ村を治める竜人族の女性。

会話から、親しい仲と云うのが解る。

まあ、親しくも無い相手に子供を預けるとは思え無いが。

 

「はいはい、そうですね。ところで、そのファンゴは如何するつもりで?」

 

窘めるように問い掛ける。

 

「んー、村で畑起こしを手伝ってもらうかな?まあ村で飼育しようと思ってるよ。」

 

危険なモンスターを飼育するという暴挙に出ようとするミツさん。

摩湯は、それに呆れた様に「貴方は本当に変わりませんねえ.....」そう言った。

 

その後、ファンゴを引き連れミツさんはゆけむり村に無事戻った。

ミツさんの手によって、アイルーに人と、襲わなくなり慣れる様になったファンゴだが。

やはり、ゆけむり村では2Pカラーの巫女の様にミツさんが常識に囚われないと云うのがデフォな所為で驚きもしなかったそうだ。

 

そして、本来の目的である氷結晶の服作成に取り掛かる。

特注の機織り機で布を織り、服を織っていく。

 

それは、かの有名な鶴の恩返しの如く、恩を返す為に何かをする。

織られるそれは、丹念に着る者を考えて織られていた。

然し、実際恩を返したいのは彼等なのだ。

 

命を救われた者、家族を救われた者、境遇から救われた者。

様々な理由から集まったアイルーで出来た村。

そんなゆけむり村の者は、恩を返すという一つの目的が有るのだから。

これ以上何かをしてもらう、だからこそ渋りながらも頼みを言わぬのだから。

 

そして、数時間を掛け大柄なトールの服を織り上げたミツさん。

日が沈み出し、沈む前にと家を出て満面の笑みでトールにそれを渡そうとする姿を見た村の者。

 

少しだけ、少しだけ小さなお願いをしようかな。

そんな思考を持ち、救ってくれた者が望む結果に近付く。

 

情けは人の為ならず、とは言う。

しかし、それは本心から他者を考えれる者にしか訪れぬ物で。

平和なゆけむり村で、新しい住人を迎えたその日は、ちょっとした変化のある日で。

最初から最後まで、恩を返し返されなお話なのだ。




更新頑張りました、まあそれは置いておいて。

熊本、被災者の方々。
犠牲になられた方々、御冥福を御祈りしております。
深夜の震災で、様々な恐怖を感じたと思われます。

今も、自衛隊の方々が現地で捜索、支援を行っていると聞きます。
そしてマスゴミが被災者の方々にズケズケと、お悔やみの言葉を送るでもなく。
たゞたゞ、どんな気持ちでした?などと聞いたり、撮影の為に強いライトを点け起こされたりと。
ご苦労なさっていると聞いています。
震災復興は必ず出来る筈です。
この狐火、微力ながらもこの小説を通して応援しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お願いのオハナシ②

定期考査死ね。
こぶさたです。狐火(産業廃棄物)です。
体育祭と定期考査の2週間前のストレスで死に掛けた肉体と精神の回復の為温泉に行って執筆しました。
これだけ待たせて平均字数より1000文字近く少ないですが「読んでやんよ」という方はどうぞ。


やほーミツだよ。

というか誰に挨拶してるんだろうね。

 

ようやく三人以外にも言ってくれる子が居て安心したよ。

ただ.....そのなんだろうね......余りにも片手間で済むような物ばっかりで......僕要らない子かな?

....いまは取り敢えず最初の2人の分を済ませようか!え!?泣いてる!?そんな事ないよ!?

ソ....ソンナコトナイヨー(´;ω;`)ウゥゥ

 

....やろうか。

 

しっかりプランは考えているのだよ、むふん(`・ω・´)

ゼロ君の蓄電器は前レイス君に貰ったまま倉庫の肥やしになってたジンオウガの蓄電殻で作った篭手を渡すつもりだよ。

レイス君がそこそこ前にとある人と生首?と狩ったジンオウガの素材で使わないからって渡されたんだよね。

商隊に渡してもよかったんだけど....今はレートが低いからって言われて、そのまま置きっぱなしだよ。

 

トール君用の鋼糸を依頼したときついでに依頼しておいたから。

まあ、あとは蓄電毛で刺繍をするぐらいかな。

すごい長いって訳じゃないからそこまで刺繍できる訳でもないけど、色をうまく使えば綺麗に....出来るといいな....

 

善は急げ、早速始めようかな。

買っておいた花から染料を取り出して毛を染色して糸として纏めて....割と時間掛かりそうだね。

でも単調作業の繰り返し、好きだよ。

だんだん結果が見えてくるのが楽しいんだよね。

 

........あ、色変えないと。

染料、先に用意しておくんだった。いまのところコレしかしてないよ。

終わりも見えてきたから刺繍に入らないとなあ。

 

今、染色始めてから何時間経ったんだろ。

染色に時間を掛け過ぎた........

お菓子も作らないとだし急がないとね。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

さて、もはや言うまでもないだろうが。

刺繍をされた篭手は一対の翼が描かれ、ライゼクスの複雑な紋様を映し出していた。

そんな売りにでも出してみればとんでもない値段が付くであろう、作品を完成させた時には。

 

「........夜中じゃないか......」

 

どっぷり日は暮れ丑三つ時であった。

正直丑三つ時になるまで集中できるその集中力は主に全国の受験生やらが欲しい物ではあるが。

そんなミツさんは、結構辛い単調作業を終え......菓子作りに取り掛かっていた。

 

どんな物かと思案し、既に以前見かけていた楓から手に入れたメープルシロップが料理場にたんまりと用意されていた。

そしてそれで何を作るかと問われたならば、答えよう。

それは.........プリンである。

 

たかがプリンと侮ってはいけない、プリンは基本的におやつとしておそらく多くの人が幼少期食べた事があると思う。

だがしかし、カフェなどのメニューにプリンが入っている事は割と多いのではないだろうか。

それは何故か?そうッ!それはつまり万人に愛され食された嗜好品としてプリンは君臨しッ!

 

単純にコスパも良く作り易いからであるッ!

今回使うメープルシロップがよく合うというのも有るが、ミツさん。

ノエル一人だけは......とかいう考えに至り、村の全員に作るという思考である。

 

いくら作りやすいとはいえ1人で村人全員、普通に考えたら疲労で倒れる。

恐らくシロップの甘い匂いで嗅覚も働かなくなる。

だがそんな物は知らぬ存ぜぬ顧みぬゥッ!とでもいうかの如く。

 

それはもう、良い笑顔で、手際良く人数分のプリンを作って行く。

若干肌がつやつやしているのは気のせいではないだろう。

プリンは幾つかが焼きプリンになっており、労力も跳ね上がっている。

 

しかしッ!このお母さん、根本的に誰かに尽くす事に喜びを感じる。

ワーカホリックといっても過言では無い、主にヒキコモリやらNEETには眩し過ぎる性格である。

さあ、また考えてみよう。そんな性格の人がこの規模で料理をしている。

 

「うん、こんな物かな!」

 

皿で敷き詰められた卓上、そしてこのお母さんやりやがった。

序でにとでも言わんばかりに大鍋で人数分の料理を作り出し、キッチンアイルーの心をへし折り治しッ!

満面の笑みで料理を追加していく。

 

もう、この人だけでいいんじゃないかな。村の全員がそう思い、その甘ったれた思考をゴミ箱にシュゥウウッした。

だがそれでもッ!味は落とさず人数分有る、チートスペック?

何言ってんだおめ、絶対不可避のコマンド(仕様)だよ。

 

卓上の料理に狂喜乱舞するアイルーと大型2人&ひんぬー古龍。

そして何故か別の場所に居るは、ゼロとノエル。

どこに居るかと聞かれればミツさん宅なのだが、ガチャリと扉を開き現われましたるは我等がミツさん。

料理のために着替えたであろう割烹着を着て、2つの箱を手に持ちゼロとノエルに近づく。

 

「ごめんね、待たせちゃって配膳に時間掛かっちゃって....」

 

ああは、と苦笑しながら2人に箱を手渡す。

中身はもうお察しであろう。

 

「お、おお.....」

 

「これまた凄い.......」

 

感嘆の声を漏らす2人、「ど、どうかな.....?」とおずおずと問うミツさん。

ゼロに渡された箱には例の篭手が、ノエルにはケーキが渡されていた。

夫と子供にプレゼントを渡す若妻に見えるが恐らくそれは錯覚である。

 

ケーキはロールケーキのような物で、ノエル....つまりディノバルドの尻尾を作っていた。

主に「どうやってこんなの作ったし」とか言いたい事はあるだろう、しかしこれは仕様です。

仕様だからね、仕方ないネ。

 

ゼロはその篭手を着け、電気を流し電力を溜めてみていたり。

ノエルは無邪気に興奮している。

 

「2人の分は別に作っておいたんだけど、どうかな.....」

 

「お姉ちゃん......嫁ぐのは何時なの?」

 

「嫁がないよ!男だよ!?」

 

「普通にこれを用意出来た嬢がすごい.......コレG級なんてもんじゃねえぞ......」

 

ノエルの言葉で主に性別に突っ込むミツさん、それでも笑いながら相手をする辺り。

どこまでいっても善人とやらに分類される人格者なのだろう。

そしてその様子は、秋も終わりかけ肌寒い中でも春の如き暖かさだった。




あうあうあ~\(^p^)/


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閑話.泡沫は無色に身を委ねて

これは、狐火が執筆したものではありません。
コラボ相手である紅卵 由己様の提案でこちら側で纏めた方が良いという事になり映したものです。
決して、無断転載、盗作ではなく。
互いの同意によっての移転である事をご了承ください。


 

 世の中には超常現象という言葉がある。

 常識の範疇を越えた出来事そのものを指す言葉らしいのだが、実際のところその言葉は目撃した当人の常識によって左右されるため、他の者にとっては超常でも当人にとっては通常――そんな構図が生まれる事も少なくない。

 リオレウスと名付けられたその人型鎧――厳密にはそう呼ばれた竜だった者にとって、超常と認識すべきと思われる出来事は殆ど無かった。

 そもそも生前は人間の言語も理解の及ばぬ所であったし、生きる事と子孫の存続という生物特有の本能が思考を埋め尽くしていたのだから、興味というものが胸の内に湧かなかったのは当然なのだが。

 もし自分が人間として生まれ変わったら――この世界にて形を得てからは、そう考えた事は少なく無い。 

 竜の本能と言う名の常識とは異なる、人の世界の未知なる常識。

 街や村といった人間の巣に、知恵でもって生み出される様々なもの。

 理性や知性が与えたものは、何も言葉や知識だけでは無い。

 人間が持つような欲望や快楽など、見方を変えると醜くも見える感情も、この世界で形を得た竜や獣には存在する。

 現に、幼子共々リオレウスを襲って来たライゼクスにも、戦闘に対して快楽を覚えている節があった。

 この世界へと放り込まれた生き物だった者たちは、血肉を持たないが故に食物を口にする事も適わず、生の感覚を満たしてくれるものが無い。

 それ故に、食事以外に欲求を満たす方法が自然と模索される。

 最終的に選ばれたのは、最も生存から離れた行為である戦闘行為だった。

 互いに互いを殺し――あるいは壊しあい、生じる感覚で己を満たす。

 結果的に、この世界は空っぽのモノ達が虚しい戦いを繰り返す牢獄と化した。

 この世界がどういった物なのか、何のために死後送り込まれたのか、それを解明しようと模索する者も大半は欲求の荒波の中で消息を絶った。

 今でも尚、この世界には生前の世界より数多の命が送り込まれている事だろう。

 そして、高確率で『洗礼』を受けているに違いない。

 

「…………」

「? どうかしたんですか?」

 

 骨格で言えば人型の鎧姿なリオレウスが無い口から溜め息でも吐くような素振りを見せると、横合いから皮装備の幼子が声を掛けてきた。

 声、とは言うものの、実際には言葉を介するための口や声帯が存在しないため、本質的にはただの音に近いかもしれない。

 リオレウスは適当な調子で返事を返す。

 

「特にどうかしたわけでは無い。気配も物音も感じられんしな」

「何事も無いというのはいい事だと思うんですけど……」

「……その言葉は場合によっては敵に対しての挑戦状になりかねん。敵の前では軽々しく言ってくれるなよ」

「は、はぁ……」

 

 よく解らない、とでも言った風な様子の幼子。

 その一方で、この世界の空気に染まった者にとって戦いを否定する言葉は怒りの発火点に成りかねない事を、リオレウスは経験則として知っていた。

 幼子の言う言葉が間違っているわけでは無いが、正しさなど弱肉強食の世界では何の役にも立たない。

 どちらかと言えば、生き抜くための技術や策の方に知性を使ってほしい――そう考えるリオレウスだったが、言葉として出そうとは思えなかった。

 

「……しかし、何事も無いというのは実際珍しいな……」

「珍しい方がいいなぁ……もう大きな竜に追い回されるのは勘弁ですよぅ……」

「あのような事はこれからも起こり続けるだろうから、まずは慣れる事だ。慣れるまでに喰われてしまうかもしれんが」

「やだーっ!! 襲われる時にはまた助けてくださいよぉ!!」

「……まぁ、気が向いたら」

「命掛かってるのに凄く適当ですぅ!?」

 

 嘆きの声を上げる幼子だったが、相も変わらずリオレウスの反応は適当なものだった。

 彼等の関係は、結局のところこの程度のものでしか無いらしい。

 尤も、生前であれば間違い無く捕食する側とされる側の関係になってしまうため、別に不自然な点は何処にも無い。

 自衛のために強力な竜の傍に寄り添う――そんな習性を有した生物がいないわけでは無いが、大型の竜が捕食対象を視界に入れた時の判断は、大抵の種族で捕食か無視の二択になる。

 そして、喰われる側が防衛本能に従い全力で逃げ出すのも当たり前。

 きっと、仮に生前の姿で彼等が寄り添っていたら、知性を持った者から『それは非常食か何かですか?』という疑問の伴った視線を向けられるに違いないだろう。

 ともあれ、

 

(……しかし、静かだな)

 

 現在、リオレウスと幼子は無幻と言う名で称される異界を渡り歩いている最中だった。

 彼等の居る場所は竹や紅葉といった一風変わった植物が生い茂り、足元では透き通った水が流れている『渓流』と呼ばれる場所だった。

 夜空と月が風景を彩っているが、当然ながらこれ等は全て仮初めの偽者であり、時を経ても夜が終わる事は無い。

 ならば、ライゼクスと戦った『森と丘』の青空はどう説明するのか――その答えも単純なもので、この世界においての昼夜は地域によって定められたものなのだ。

 それ故、仮に生前のように睡眠を取ったとしても、空の色も景色を照らす光の質も変わらない。

 だが、それ等は決して静寂の理由には成り得ない。

 昼間であろうが夜中であろうが、風の音や足音など、自然に発生するような音は長く途切れる事が無いはずなのだ。

 この場に、風の音は無い。

 完全なる無風――それだけでも疑問を覚えるには十分だったのだが、更なる疑問を突き付ける光景が彼等の視界に入って来た。

 

「……あれは」

「? なにか……変ですね……」

 

 幼子は曖昧な表現で異常を口にしたが、一方でリオレウスにも理解は出来ていなかった。

 景色が、不自然に歪んでいるのだ。

 水面に鏡のように映ったものが、風に揺られて形を歪ませるのに似ていたが、歪んでいるのは水面ではなく何も無い目前の空間そのもの。

 その近くをよく見てみると、元は何らかの形を有していたのであろう物体の欠片が川の中に沈んでいた。

 流石のリオレウスでも、この現象については知識が無かった。

 そもそもの問題として、この世界に存在する物の大半は偽者であり、それに異常が生じるという事は何らかの外的要因が存在するはずなのだが……?

 

(……あるいは、この世界とは異なる世界が原因か?)

 

 仮説こそ生まれるが、それを証明出来る物が無い。

 生前の世界とこの世界――二つ世界が存在している以上、それ以外の世界の存在は十分に考えられる事なのだが、少なくともこの世界に喚び出された者たちにその存在を目にした者はまずいないだろう。

 この世界自体も謎が多く、逆にこの世界そのものが『異なる世界』に干渉しようとしている、という可能性も捨てきれない。

 尤も、それを丸々受け入れてしまうと、世界自体に意思がある事となってしまうため、厳密には世界に存在する『何か』か『誰か』が原因なのだろうが――

 

「……ッ!!」

 

 ふと、背後から何とも言い難い悪寒を感じ、リオレウスは背後を振り向いた。

 幼子も何かと思い同じ方へ視線を移す。

 そこで、

 

「……何ですか、アレ……」

 

 思わず呟いた幼子だったが、リオレウスの方もまた疑問を抱かずにはいられなかった。

 彼等の目の前にあったのは、一言で言えば紫色の――ナニカの塊だった。

 曖昧な表現なのは、その紫色のナニカは肉塊とも鉱物とも、ましてやリオレウスのように鎧のような姿をしているわけでもなければ、人のような姿でも龍のような姿とも言い難い――正しく『塊』と形容する以外に無い存在だったからである。

 その『塊』が、いつリオレウス達の背後に現れたのかは解らない。

 場に何らかの理由で『出現』した、というのが最も納得のいく説明だったが、そもそもその『理由』が解らない。

 そもそも、この紫色の塊の表面で蠢いているのは――生き物の、眼球……?

 

(……待て、この塊……まさか、成長しているとでも言うのか……!?)

 

 疑問を覚えた直後の事だった。

 紫色の毒々しい『塊』から、何かの生物の面影を残した無数の『首』が、リオレウスと幼子目掛けて迫って来た。

 まるで、捕食でもするかのように。

 

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!???」

 

 最早、考える暇も、竜の姿になるだけの猶予も無かった。

 リオレウスは幼子の手を取り、迷わずおぞましき『塊』から距離を取ろうとして――

 忘れていた。

 そもそも、自分達は『塊』を目撃する前に何を見ていたのかを。

 

「……っ!!」

 

 直後の出来事だった。

 揺れる水面のように歪む空間にリオレウスと幼子の姿が重なった瞬間、彼等の見る世界は一変した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閑話.異界の戦士達。

遅えって?
ごもっともです。
罵倒に批判....当然の報いです。しっかりと受け止めましょう。
しかし!私は所詮駄狐!
遅れぬ方が無理というはなs(殴

はい、コラボです。
紅卵 由己様の作品【モンスターハンター 〜強食輪廻の異説〜】とのコラボ。
遅れましたが、どうぞお楽しみください。


「嗚呼、平和だねぇ.....」

 

そんな呟きが聞こえた場所では縁側で爺さん婆さんがお茶啜ってくつろいでいる時の様な空気が流れていた。

まあその元凶は別に爺さんでも婆さんでもなく、うら若き乙m.....男、男せ.....

 

男の娘なのだが。

 

「そこまでいったら普通に男でよくないかなぁ!?」

 

「ニャッ!?」

 

「あ、ごめんね。今何か声みたいなのが頭に....」

 

近くに居たアイルーが唐突に声を荒げた人物、泡狐竜のミツに驚き跳ね上がる。

一先ず、どうしてこんな状況になっているか簡潔に纏めると。

アホ2人(祖龍と嵐龍)によって現代にシューッ!され。

迷惑をかけたという事でなんやかんやし続け、超人の類でも疲労は溜まると。

強制的に休まされたという訳だ。

 

現代にシューッ!された際の通り道となった物は処理されておらず。

未だに、このゆけむり村の広場に残されている。

主犯曰く『なんというかバグみたいなのが起きて消せないんですよねーw』らしい。

主犯は吊るされました。

 

また誰かが通れば何が起きるか解らないと、今は簡易的にでは有るが。

ゲルの様な小屋を作り、封鎖している。

だが.....あくまで簡易的であり。

 

「ミツさんミツさん、小屋がまた壊れたニャ。」

 

「またかい?やっぱりちゃんとした建物で囲った方がいいかな。」

 

そして、バグというのは人々の悩みの種になる事も多々有ると言う事だ。

 

「それと前ミツさんが帰ってきた時みたいに人が出てきたニャ。」

 

「んー、あのゲートの処理早くしないとねぇ。あ、その人今は如何してる?」

 

「もう一人の番が今相手してるニャ。奴さん相当気が動転してるからミツさんお願いするニャ。」

 

こいつらが一切慌てずにサクサクと処理を始めているのを気にした人は明日から水を飲む時に咽せます。

トラブルに慣れ過ぎて最早非日常が日常になるのがこの村。

それでも流石に処理を急いだ方が良いと思ったのか、駆け足で広場へと向かう。

 

その最中、彼らの行き先である広場ではこれまた面倒な事が起きていた。

 

「.........」もっしゃもっしゃ

 

「.........」だばー

 

前者は以前の元凶の一人の晴嵐。

後者は件の人物の内の一人。

 

「....これはやらんぞ.....」

 

「一つでいいんです......一つだけ......」

 

「...貰ったとしても、食えんがな.....」

 

「希望をくださいよぉ!」

 

ねえねえ、シリアスだと思った?

残念、コメディーでした。

まあこんな状況になったのはやっぱり晴嵐が原因である。

 

先程までは番が相手をしていたのだが、そんな中に晴嵐がまたもやマカロンを食べながらやって来たのだ。

番が相手をしていた男と、一緒にいた幼子。というか幼女。

案の定幼女がマカロンに釣られ今に至る。

 

さて、先に彼等の正体を明かせば至って単純。

異世界の住民である、といっても魂だけで言うなれば幽霊だろう。

故に食べ物も摂取出来ない。

 

幼女がエサに釣られている内にミツさん達が到着し、茶番劇のお陰で最初は警戒心MAXだった男もすんなり事情を話しだした。

 

「うん、じゃあ一応聞くけど名前は?」

 

「......リオレウス、そう呼んでもらって構わん。」

 

「リオレウス.....ね。そっちの子は?」

 

「えっと.....名前はその....わからないですけど、よろしくお願いします.....」

 

「名前が無い、かぁ。んー困ったね〜」

 

そう言い、数秒熟考。

 

「それじゃあさ、仮名としてディーアっていうのはどうかな?

せめてここにいる間だけでもさ、君達の世界がどうだったかは知らないけど、名前が無いと不便だろう?」

 

「ディーア.....ッ!じゃあ、改めて、ディーアって言います。よろしくお願いします!」

 

オドオドと、不安気に話していた様子から一変、笑顔でその名を口にした。

ちなみに晴嵐はマカロンを食べ終わり、厨房へおかわりに行った。

 

「ところで、君達はこれからどうするんだい?」

 

「無論、元の場所に戻る。ここは明らかに世界からして違う、龍脈に違和感も感じるしな。」

 

「まあ、当たり前か。でも多分....今は帰れないかなぁ?」

 

そう言いながらゲートを示すと、先程までまた出現した紫の靄が消えていた。

いや、正確には靄が薄くなり色が混沌とでも言うであろう、悍ましい物へ変化していた。

少なくともこれに飛び込もうという物は居ないだろう。

 

「.....多分、全く違う。検討もつかない場所に行く羽目になるよ。」

 

「....困った、現世....だろうが、現世でこの姿だと何が起こるかわからんしな。」

 

「まあ、一応誰が来ても良いように部屋は多めに設計してあるから、ここにいると良いよ。」

 

「......何を言っているんだ?」

 

それは、言葉が解らないというニュアンスではなく。

その言葉の本意、目的を問い質そうというものだった。

 

「言葉通りさ、行く当ても無いだろう?まあ最終的な判断は任せるよ。」

 

「断る、お前に敵意は無いように思えるが。そこらの、敵意を持つような奴らと行動を共にする気は無い。」

 

断言、キッパリと言い放ち。

広場の近くから様子を伺い、直ぐに動けるように体制を整えたアイルー達を一瞥する。

 

「あ、あの.....そうだとしても、いきなり知らない人が来たら警戒するし、落ち着ける場所が無いと困ると思うんです.....」

 

すぐ様立ち去ろうとしているリオレウスに幼子が声を上げる。

 

「そ、それに私達がここに来た要因がある此処に居た方が帰りやすい....と、思いますし....わからないですけど.....」

 

「母上ー何かありましたかー?」

 

そんな時、商隊の護衛でユクモまで付いていた陽炎が広場にやってきた。

さて、今更なのだが本来此処にいる奴ら、普通に喰うか喰われるかが当たり前の関係なのだ。

レイスは既にこのミツさんわーるどに侵されてるので論外。

 

何時の頃か、龍歴院の人間の様にこの関係に驚愕するのは当然なのだ。

そして今回は大型モンスターが異種を母と呼ぶのだ。

更にこのリオレウス......

 

「お前......何を言っている.....?」

 

デジャヴとか言ってはならない。

 

「ん?貴様、何者だ。」

 

「リオレウスと呼べ.....」

 

「ふむ、同族か。この村に危害を加えないなら歓迎しよう、まあ....母上に傷一つでも付けた時は......覚悟しておけ。」

 

「まあまあ、落ち着いて。」

 

早々に険悪な空気である。

まあ同種のオスが巡り合って険悪にならない動物も多いわけではないので仕方ないだろうが。

なんらかの感情を抱く者が近くに居れば確実に。

 

「....もう1度言う、敵意を見せる奴と共に居るつもりは無い。」

 

「ホレ!」

 

ヒュッ!と、風切り音を鳴らしリオレウスに水が襲い掛かった。

目に直撃してだが。

 

「ァアアアア!?目がぁ!目がぁ!」

 

ラピ○タのぷらずまを見よ!の人みたいに転がるリオレウス。

犯人は馬鹿(晴嵐)、威力が水鉄砲(強)ぐらいの水ブレスを発射した。

 

「ブフッw見ろ!火竜がゴミのようじゃ!」

 

完全にぷらずまの人。

バ○スの一言で多分コイツも同じ事になる。

馬鹿(晴嵐)が爆笑していると、肩をトントンと叩かれた。

 

「ちょっと......こっち来ようね?」

 

優しい人って怒ると怖いよね。

 

「ミッちゃん、顔が怖い....ゆ、許してくれ....ちょっとした悪戯心だったんじゃ.....」

 

「こっち...来ようね?」

 

「はいっ!」

 

笑顔は本来、攻撃的な物だと言うが。

実際そうなのだろう、だって古龍がガチ泣きしだしてるから。

オーラが変貌してるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっぐ、えっぐ.....」

 

「目が痛い.....」

 

「ど、どうしたら.......」

 

結果、ゆけむり村のデフォルト、カオスになった。

そのうち邪神でも来そうである。

 

「目、大丈夫かい?湿布だけど、貼っておくと良いよ。」

 

「す、すまない.....」

 

「晴嵐も二度としない様にね。」

 

「わがった.....妾が悪かったがら.....」

 

馬鹿は多分またやる、馬鹿だから。

リオレウスは撃たれた右目を湿布を貼って呻いていた。

 

「あの.....私達はどうしたら.....」

 

「さっきも言ったけど、ここに居ると良いよ。村の皆にはしっかり、しっかり言っておくから。」

 

「あ、ありがとうございます.....」

 

「おい...俺はまだ認めて....」

 

「そ、そんな目で知らない場所で過ごすより、安全な場所にいた方が良いです!」

 

「......仕方が無い....元の場所に戻れるまで、世話になる。

 

「解ったよ、出来る限りの協力はするから寛いでいってね。」

 

トラブルの産物がまた厄介ごとを持ち込んで、解決するのは何時になるのか。

しかし、そう簡単には解決しそうもなさそうで、はてさてどうなる事やら。




マジで遅れ過ぎた。
例を挙げるとしたら夏休みの宿題を冬休み明けに提出するレベル。
殺されるなんてモンじゃねえ....八つ裂きにされる....

と、とととっ、とりあえず紅卵さん日常編とかなんでも良いので次御任せしますッ!
その次帰って来たら完結させますんでッ!
とにかく!遅れてすいませんしたッァアアアア!
あと待たせた上で短くてすいませんでしたッ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閑話.無色の景色に赤色は浮く

紅卵さんのターンッ!


 リオレウスは久方ぶりにご立腹だった。

 唐突に謎の怪物に襲撃された所までは、障害となる物を目にする事が多い世界に長く居た事もあって、全くと言っていいほどでは無いが不愉快な気持ちには言うほどならなかった。

 野性を生き抜いた経験からの慣れからか、あるいは闘いを『愉しむ』者たちのように狂い始めているのか。

 どちらにせよ、自身が生きるか死ぬかの瀬戸際に関する状況に対して、リオレウスは不快感を得る事は少なかったのだ。

 しかし、必然なのか偶然なのか――ゆけむり村と呼ばれる(らしい)場所へと転移してからの事、遊ぶような感覚で受ける必要も理由も思い当たらない痛みやら扱いやらを受けるハメとなり、流石に不愉快さを感じざるも得なくなった。

 その上、何故か幼子に至っては此処を『安全な場所』だと判断し、元の世界へ帰る目処がつくまで滞在する事を決め込んでしまったのだ。

 確かにこの場所を統率しているらしい人間(と言うには若干違和感があったが)に関しては信用出来なくも無いと思えたが、少なくとも自分に対して水塊を飛ばしてきた人間(とは絶対に思えない)者に関しては話が違う。

 狩猟や威嚇目的でも無く、遊びや戯れの感覚で攻撃するような輩など、まず信用するに値しない。

 本音から言って殺したいレベルで苛立ったのだが、下手にこちら側から攻撃行為を行うとそのまま他の面々を敵に回す可能性があるため、不本意ながらも我慢する事が安全策なのだった。

 そういうわけで、リオレウスは(好奇心に丸々従うかのようにはしゃぎ回っている)幼子の様子を、建物の屋根の上から眺めていた。

 

「…………」

 

 その姿から、退屈だと考えるほどの余裕は感じられない。

 傍から見れば雰囲気から浮いていると言わざるも得ないが、そもそも鎧越しに表情が見える事は無い。

 そうなると、ただでさえ異邦人という扱いな彼は望まずとも悪目立ちするわけで、

 

「……おい貴様。誰の許可を得て母上の家の屋根に乗っているのだ」

「……座る事にすら許可が必要なのか? 俺の知った事では無いが」

「ほう……良い度胸だな。余所者の分際で初手から無礼を働くとは」

「他者が決めた事にいちいち従うだけの理由も無い。そもそも敵か味方かも判断付かん相手にお前自身は礼節を弁えるのか?」

 

 どうやら、村を統率しているらしい女性の住まう建物の屋根に腰掛けている事が気に喰わなかったらしい。

 一応長である女性から伝えられている名前では陽炎と呼ぶらしい『同族』は、目に見えて解り易い敵意を向けながら、リオレウスに向けて圧を込めた言葉を放っていた。

 この『同族』……どうにもこの村を治めているらしい人間の事を『母上』と呼んでいるらしいが、彼自身リオレウスの事を『同族』と称していた辺り()含めて、件の人間と血の繋がりどころか種族的な接点があるようには思えない。

 何らかの事情が絡んでいるのだと推測する事は簡単だが、そもそもリオレウスは彼――陽炎の事情を知っているわけでも無い。

 珍しく興味が湧いたので、リオレウスは質問をしてみる事にした。

 

「ところで、一つ聞きたい事があったのだが」

「何だ。とりあえずその場から退くのであれば考えるが」

「……解った。解ったからいちいち敵意を向けるな。鬱陶しい」

 

 どうにも屋根から降りない限り会話が進みそうにないため、リオレウスは渋々屋根の上から跳び降りた。

 周囲では特に何かが起きているわけでも無く、一言で言えば平和な空気が流れていた。

 余所者――言い方を変えれば侵入者が居るにも関わらず、あるいは『それ』も一種の平常なのだと言わんとばかりの雰囲気には、闘う事が当たり前とされる元居た世界とはまた違う異質さを感じられる。

 まぁ、明らかに人間では無いと確信出来るヒトガタに、小さなネコの獣人達に、加えて竜などという混成が極まった日常を平常として認識している時点で、この村の住人に食うか食われるかの当たり前な関係など説いてみても意味は無いと思えるのだが。

 この村の住人は基本的に異常――そう勝手に結論付けたリオレウスは、近場にあった芝生の上に腰掛けると、改めて陽炎に対して言葉を投げ掛けた。

 

「……さて、構わないなら話を始めるぞ」

 

 ◆ ◆ ◆ ◆

 

 一方その頃。

 一時的にリオレウスとは別行動を取る事にした幼子は、現在進行形で泣きそうになっていた。

 現在の体の構造上、涙が出る事はまず有り得ないのだが、涙の代わりに弱々しい悲鳴だけは漏れていた。

 その原因は――

 

「……おいしそう……」

「……ニャ? ああ、キミがミツさんが言っていたディーアちゃんかニャ。料理はまだ製作中ニャけど?」

「……じゅるり……」

「……あ、あれ? キミ、話聞いてるかニャ? というか、見た感じ『口』が無いみたいニャから食べようと思っても……」

「……うぅ、ひどい……」

「間違った事は言ってニャいはずなのにボクが悪者みたいになってるニャ!?」

 

 簡潔に言うと、料理だった。

 野生動物は基本的に食料となるものを確保するとそのまま食事を始めるため、根本的に料理という概念自体が存在しない。

 むしろそれ故なのか、鉄の椀の上で食欲を煽る匂いを放つ食料の群れに、自身が元は草食だったのか肉食だったのか雑食だったのか――そんな事さえ些細な事として考えられてしまうほど、幼子ことディーアの心は揺さ振られていた。

 そして、匂いを感じ取る事が出来ても実際にそれを食する事は出来ないという事実に、ディーアは打ちひしがれる。

 結果的に幼子を泣かせてしまったキッチンアイルー(と呼ぶらしい事をリオレウスもディーアも知らないが)ことホールは、実際のところ悪い事をしてはいないのに客観的に見て悪者みたいな構図に設置されていた。

 罪悪感を感じながらも料理を作る手(前足?)にブレが殆ど無いあたり、料理を作るということ自体かなり熟練しているようだったが、その一方で幼い子供のあやし方などはあまり知識として有していなかったらしい。

 どうするべきかニャどうするべきかニャこれミツさんに見られたらマジでヤバい構図じゃないかニャーッ!?、と内心に必要以上の緊張と困惑を含んでいると、のんきな第三者の声が割り込んできた。

 

「おーい、飯はまだかー……っと、おお? 何じゃホール。また何かをやらかしたのかのう?」

「『また』って誤解を招く言い方はやめろニャ晴嵐!! っつーかこの子が此処に来た根本的な元凶にはアンタも一枚絡んでいるんじゃないかニャ!?」

「わっはっはー残念じゃが『今回』は妾達が原因とは言い切れんよ。問題自体は単純じゃが、解決するにはちょいと手間が掛かりそうじゃ」

「……問題……?」

 

 晴嵐と呼ぶらしい竜――だったはずだが現在は丸っきり人間と相違ない姿なその者は、疑問符を頭上に浮かべるディーアの方へ目をやると、先のふざけた様子とは一転して(比較的)真面目な様子で語り始めた。

 

「それがの。おぬし達が『こちら側』に転移する際に通った『門』の中に、明らかな不純物が混じっておるのじゃ。最初は単に『何処へ転移するのかが解らない』状態だと判断したのじゃが、実際には全く異なる理由があったのじゃよ」

「……何なんですか? その理由って……」

「言ったじゃろう。不純物が混じっておる、と」

 

 門。

 理由。

 不純物。

 すらすらと並べられたその単語に、ディーアはふと思い出そうとしていた。

 そもそもの問題として、何故自分達が此処へ転移する事になったのか――その原因となる出来事を。

 

「……うーん……」

「何か心当たりがあるかの?」

「ハッキリとはわからないんですけど……ここに来る前、わたし達……襲われたんです」

「……何にかニャ?」

 

 晴嵐に続きホールが怪訝そうに問いを出すと、ディーアは(物理的には存在しない)口から言葉を紡いでいく。

 

「……紫色の、何かの塊。そうとしか言えないモノだったんです。何かの形を取っているわけでもなくて……ただ、いくつもの目玉が浮かび上がっていて、とっても不気味で……」

「そりゃまた……フルフルとかギギネブラとかとはまた違う怖さがありそうだニャ」

「……その名前がなにを指しているのかはわからないんですけど、怖いのはまちがいないんです。『アレ』は、何というか生き物ですらないような気が……します」

「近頃はホラーな話をよく聞くが、どうやら毛色が違うようじゃの。『襲われた』という事は、何かをされかけたようじゃが」

「……はい。あの……紫色の塊がわたし達の近くに現れたかと思ったら、突然たくさんの生き物みたいな『首』を飛ばしてきて……っ!!」

 

 そこまで言ったところで、ディーアは思い出した。

 そう――リオレウスの手に引っ張られる形で『こちら側』の世界へ来る事になったのだが、その瞬間の際、揺れる水面のように揺れていた空間には、幼子とリオレウス以外に件の紫色の塊が『首』を突っ込ませていたはず。

 もしも歪んだ空間があの後もそのままであるなら、目的が幼子とリオレウス――あるいは歪んだ空間そのものにあったのであれば。

 

「……『こちら側』にも、来る……?」

 

 その言葉に、ホールも思わず表情を強張らせていた。

 晴嵐は軽くため息を吐くと、待ち遠しそうに製作途中な料理を眺めながら、

 

「都合悪く混沌染みた色に変じていたのは、その『塊』とやらも来ようとしていたから、というわけじゃな。やれやれ、これまた面倒くさい事になりそうじゃ。一応ミッちゃんにも報告しておく必要がありそうじゃの」

「……報告するのは当然ニャけど、その後の処置はどうするんだニャ? そもそも、来ている最中というのはおかしいニャ。本当にそうなら、多少遅れるとしても今回来たお二方が来てから数分ぐらい後には『それ』も出てくると思うんニャけど」

「その『塊』がどれほど巨大なのかどうかは知らぬが、たぶん一種の栓詰まり状態なんじゃろう。その所為でディーアちゃんとあの赤いのが居た『そちら側』の場所とわし等の居る『こちら側』の場所を繋ぐ『門』が塞がれ、その所為で通行不能な状態になっておるんじゃろうな」

「つまり?」

「栓詰まりを起こしている『塊』をどうにかしない事には、まぁ最悪の場合だと永久にディーアちゃんと赤いのは『元の場所』に帰ることが出来んの。場合によっては『こちら側』でも何らかの問題が起こるやもしれん」

 

 晴嵐の推理から導き出された事実は、二つ。

 少なくとも確定した事は、件の『塊』を何とか出来ない限り、ディーアとリオレウスは帰れないという事。

 そして『こちら側』で問題が発生した場合、このゆけむり村に危害が加えられる可能性があるという事。

 問題の解決には、どうにも闘う事が不可避らしい。




コメディーは狐火担当ですん!
まだまだ続きます!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閑話.幕引きへの一手

ネタが浮かばなくなった。
気付けば1ヶ月、しかしタマミツネ小説のハーメルン一作目の誇り....それまで捨てた覚えは無いです。
ミツネさん布教のためにネタの貯水湖探して来ます。


おこだった。

聖人、聖母、菩薩、何かを宛行わせるならソレが確実という。

ゆけむり村のお母さん、ミツさんはおこだった。

かつて無いほどに、おこだった。

 

「君は何をやってるんだい!」

 

「え....いや、その私に言われましてもですね.....」

 

怒られてるのは以前の転移事件の元凶。

コイツが異界の来訪者が来た、三日後の朝。

村をコソコソしてゲートを弄り飛び込もうとしたところをとっ捕まった。

 

それだけならミツさんは怒らない。

だというのにおこなのは、コイツがコソコソしてる時に電気を起こしてゲートを弄りまわしていたのだが。

その時に電撃が明後日の方向に、よりにもよって狩猟班の使う爆弾庫に直撃。

爆弾庫が完全大破、幸いにも周囲に建物もなく、怪我人も居らず、被害は爆弾庫だけだった....のだが。

 

爆弾は、狩猟班の扱う武器。

一部はユクモ村で行商人に売る、アイルーの扱い易さに特化した特殊爆弾としてオトモアイルーの強化を望むハンターの為に用意していた物もあり。想定される損害は、貯蓄が十二分にあるので問題無いとはいえかなりの物となる。

 

さて、だがしかし。

金銭ではミツさんは住人が本格的に困窮したりしないなら大して怒らない。

それでも怒るのは、狩猟班の主力武器が使えない事による戦力低下に伴う負傷率の上昇だ。

 

その結果がこのザマである。

 

「君は、前もトラブルを起こして、今回は被害も相当大きくなって!ちゃんと許可を得てからやるとか、考えないと駄目だろう!?」

 

「いや....その、はい、面目無いです....」

 

お母さんに勝てる奴は世界に居ない。

それが実証された瞬間である。

 

「さあ!後処理があるから早く帰った帰った!」

 

「あ、え?あ、バグは一応治したんで後はイレギュラーさえ無ければ何も起きないんで、とりあえず、すみませんでしたー!」

 

脱兎の如き速さでゲートをくぐりその場から消える。

 

「......帰しても良かったのか?」

 

「そりゃそうだろう?彼女だって故意じゃない、事故をずっと責めてもどうしようもないだろう?」

 

「......そうか。」

 

逃げた容疑者に視線を送り語るのは、今回の被害者の1人。

異世界の火竜リオレウス。本来なら当たり前だが、この村で今唯一種族名で名乗る1人だ。

 

「ところで、アイツ.....ディーアだったな、何処にいるか知らないか?」

 

「ディーアちゃん、多分ホール君の所に居るんじゃないかな?」

 

「...そうか。」

 

そんな会話が繰り広げられている中。

食堂で、案の定ディーアは居た。晴嵐と共に。

 

「お主!何て事を!何て事をしてくれたのじゃ!」

 

「ご!ごめんなさいぃ!」

 

おこだった。

晴嵐はおこだった。

かつてない程におこだった。

 

もう1人の被害者、ディーアに取り寄せが難しいという素材で作られたミツさんお手製のケーキを食われたのだ。

鎌鼬を起こして斬り刻んでやろうかと、嵐に巻き込ませて大地に叩きつけてやろうかと。

己が出来うるありとあらゆる攻撃を想像して怒りを鎮めようとする。

 

だが怒りは収まらず、無論無くなったケーキも戻る訳も無く。

苛々と机をトントントントン、しつこく鳴らして怒鳴っていた。

 

尚、コック達は無視して料理している模様。

騒がしい日常に慣れた結果がコレだよ!

 

「うぐぐぐぐ....もう良いわ!早う妾の元から立ち去れ!」

 

「はいぃ!」

 

古龍の癖に器が小さいとか言ってはいけない。

根本的な問題としてミツさんと会うまでは、近くにいる連中をサーチアンドキルする構ってちゃんである。

そんな常識を奇声あげて溶岩に放り投げた様な奴がここまで対話出来るだけマシなのだ。

 

それ以前にミツさん以外とコミュニケーションを取らなかったのでコミュ障の一面もあるのだが。

故にコレは仕方のない事なのだ。

 

激おこぷんぷん丸晴嵐から逃げた少女、ディーアは怒り狂う厄災(笑)から少しでも離れようと移動を繰り返し....

 

「此処は.....どこ....?」

 

迷った、そりゃあもう見事に迷った。

普通に考えて、此処は山間部で地図か土地勘でも無ければ問答無用で迷う。

遭難ですか?はい遭難ですとかいう凍死寸前の寒いギャグ言える余裕があればマシな方。

 

しかし精神年齢が幼いとくれば普通に無理である。

至って普通に泣き始めて、普通に騒がしくして、普通に外敵を呼び寄せた。

 

やって来ましたるは青熊獣と呼ばれるアオアシラ、その名の通り青い熊。

亜種に黄色い体色の個体が存在すると言われて居るが誰も見たことは無いが、研究者の間では愛称として熊のプ○さんと呼ばれて居る。

ちなみにその名を呼んだ研究者達は二足歩行する巨大なネズミに連れ去られるとかなんとか....

 

恐ろしい逸話を持つアオアシラ、それが偶々(・・)冬眠の為に餌を貪り食らう時期にディーアと遭遇した。

 

「ヴヴァ...」

 

「あ、あ....そ、そうだ攻撃、攻撃しないと....」

 

普段は活力に満ちていたとしても、命の危機が迫ればそんな活力容易く消える。

武器であるパチンコに球を装填し発射する。

 

無論、アオアシラも攻撃を仕掛けてくるが偶然にも一発目が眼球に直撃、視力を奪い取る。

その隙にディーアが脱兎の如き素早さで逃走。

しかしアオアシラは圧倒的弱者から受けた一撃に憤怒、唯の餌という認識から排除すべき敵に認識を変えた。

 

だが、自然というのは狩る側だったのが突然に狩られる側になるというのも有り触れており。

 

「死ぬが良い」

 

「ガヴァ!」

 

飛来したリオレウス、陽炎に潰され潰れたゴキブリの様に死に絶えたアオアシラ。

直ぐ様近くのドキドキノコを口にして人型に戻りディーアに近寄り、介抱する陽炎。

恐らくミツさんに育てられて母性スキルを習得したのだろう。

 

「晴嵐に、アオアシラの棲息域に逃げたので見て来てくれと言われたから見に来て見たら、案の定か...早く戻るとしよう。母様も心配しているしな」

 

「ご、ごめんなさい...」

 

「謝るな、謝るなら態々救助を願い出た晴嵐にしろ」

 

そそくさと、ディーアを引き連れて村に戻る陽炎。

この時、ゆけむり村では一番のトラブルが発生していた。

 

□-□-□-□-□-□-□-□-□-□

 

「どうだい?晴嵐」

 

「不味いの...千剣山で浴びたクソ蛇の瘴気の様な物が渦巻いておる」

 

「....どういうことだ」

 

ゲートの前で神妙な顔もちをする晴嵐やミツさん、そしてリオレウス。

件のゲートは今までにも増して、その禍々しい色を酷くしていた。

 

「ちと、妾が邪気を払う。さもなくば何が起こるか分からんでの」

 

そういうと同時にゲートに渦巻く嵐の様なものが発生する。

嵐は秒単位で風を強めて有りとあらゆるものを吹き飛ばさんと、轟音を立てて勢力を強める。

 

「さて、蛇が出るか鬼が出るか....」

 

嵐が唐突に収束、真空となり強烈な爆風が発生しゲートの靄を弾き飛ばす。

そしてその爆風が、この事件の幕引きの事となるのはもう直ぐの話。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

何事にも限度というものがある。

まだ活動してた時期に描いてた奴を1800文字程度ですが仕上げてみました。
不味いなぁ、中途半端に話数が30ぐらいあるから検閲かけて設定の見直しもできないし・・・

ここは皆さんの意見を頼ろう。
矛盾点の報告オナシャス!


水......化学式H₂Oで表される水素と酸素の化合物。

水とは生物にとって最もありふれた液体であり、基本的な物質である。

また、生物が生命を維持するには必要不可欠であり、さまざまな産業活動にも不可欠の物質である。

古代ギリシャではタレスが「万物のアルケーは水」とし、エンペドクレスは四大元素のひとつで基本的な元素として水を挙げた。

古代インドでも五大のひとつとされ、中国の五行説でも基本要素のひとつと見なされている。

18世紀の後半まで、洋の東西を問わず人々はそうした理解をしていた。

 

だがそんなことはどうでもいいのだ。

肝心なのはゆけむり村である。

今現在、ユクモ一帯は猛烈な寒波に襲われ、そりゃもうなんか凄い寒かった。

その結果、水は完全に凍り付き元々温暖な地域なため、これほどまでの寒さに対策などなく。

ユクモ村の者は全員、都市であり寒波の影響を受けなかったドンドルマに避難している。

 

だって、氷点下49度ですぜ?

もはや異常気象とかなんてレベルではない。

南極点とほぼ同じ気温である。

 

そんな人をいきなり南極に拉致って来たようなみたいな事態に直面したゆけむり村!

いったいどうなってしまうのか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ.....」

 

普通に無事である。

というか、ゆけむり村には氷山暮らしだったトールや寒冷地出身のアイルーも居る。

寒さへの対応はなんとかなるっちゃなるのだ。

南極みたいな温度でも極地じゃないから問題ないの精神は強い。

死ななきゃ安い、しなやすだよしなやす。

 

「いやーまさかこんなに冷え込むとはね。」

 

「雪も積もってるし寒波が去ったら雪合戦やろうよ!」

 

のんびりと外を眺めながら冷え性のアイルー用に防寒具を作るミツさん。

寒波が去ったあと出来るであろう雪合戦を思い浮かべwktkするノエル。

 

そして何故かいるレイス。

ゆけむり村全員をドンドルマに連れていくために来たものの、普通に対応して慣れていたので居ついたのだ。

シュガーも久しぶりの長期的な里帰りか、というかんじに仲間とガールズトークに花を咲かせていた。

 

「いやーまさかタル爆がいい感じにティガの口に入って体内で爆発するとは思わなかったニャ。」

 

「で、どうなったのニャ?結果をハリーハリー」

 

「体が爆発四散して血と臓器の雨ニャ。」

 

ガ、ガールズトークに花を咲かしていた......

彼等がガールズトークと言えばガールズトークなのだ(哲学

 

「それにしても、この寒波何時まで続くんだろうね。」

 

この寒波、現時点で一週間続いている。

無論、ゆけむり村の貯蓄は潤沢でありまだ半年は耐えれるほどの保存があった。

しかし寒波により作物は全滅、ミツさんが手懐けて家畜として育てているガーグァやファンゴは急ピッチで造った地下室に移された。

住んでる奴らの大半が生物を超越した様な生物(仮)だが、流石に自然災害には勝てないのだ。

 

「そういえば、昨日外見てきたんやけどポポが居ったわ。」

 

「どっから来たんだいそれ・・・」

 

「はいはーい!ポポも家畜化されるに100ペリカ!」

 

「流石に寒波が過ぎれば暮らせないだろうし無理だよ・・・というか出たくない・・・」

 

地下世界とポポが襲来し、八寒地獄と言ってもいいほどの寒さと環境変化で例え寒波が過ぎ去っても復帰できるのかが怪しいところではあるが、サバイバルどころか生存競争の頂点に立ってるような集団なので大丈夫だろう。

まずもって古龍種のナバルデウスをお土産感覚でサクッと狩るような奴も滞在してる訳で、別大陸から空輸なりなんやらするだろう。

航空力学なんてクソくらえと言わんばかりに、晴嵐あたりは浮遊してるのだから物理でこいつらに常識を問うのは愚問である。

 

さて、ではまずこの大紅蓮地獄の様な環境において、さしあたった問題はなにかという話で。

散々チートだなんだと言ったが、思い出してほしい。

このメンバーで唯一、肉体的には下位に属している者を、アイルーではない。

 

「へくちっ!」

 

「源泉にはまだ当たらんのか?」

 

「流石に火山地帯とはいえ、そんなに簡単には見つからないニャ」

 

ミツさんである、というか普段から滑液を分泌して少し湿ってる状態というのも加算され、ミツさんにはえげつないほどの寒さが襲い掛かっていた。

寒さに弱い限界まで保温性を高めて増築されたミツ宅だが、この常軌を逸した寒さには勝てず凍えていた。

というよりも、雪山出身のトールですら少し寒いと感じる寒さを、火山麓の温暖な場所に住んでるミツさんがそうそう耐えれるわけが無いのだ。

 

「うぅ・・・寒い・・・」

 

今現在、少しでも暖を取るため源泉をアイルー達が掘っているが

結果は乏しくない。

故に皆、この問題に頭を痛めていた。

この一大事に対抗できるかは、まだ謎である。




次の更新は不明
でもいつかは更新すると思う。
なろうの方もネタ切れ気味だし、アイディアロールが常にファンブルですわ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。