東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ (アンニュイな千鳥足)
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キャラ紹介 キャラ紹介INプロローグ


注意事項

このキャラ紹介には普段無いメタ発言、茶番などが含まれます。また、プロローグを全て読んでいない方はまずそちらを読み終えた後でこのキャラ紹介を読んでください。このキャラ紹介にはプロローグを読み終えていない方にはネタばらしになります。以上の事をご理解出来た方は


キュルっと見て行ってね


 

「作者と」

 

「楼夢と」

 

「狂夢の」

 

「「「キャラ紹介INプロローグ」」」

 

作「いやーとうとう......」

 

楼 狂「「森羅万象斬」」

 

作「ほぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ピチューん

 

 

しばらくお待ちください......。

 

 

作「いきなり何してんの!?」

 

狂「作者。俺等が今不機嫌な理由解るか?」

 

作「さあ?」

 

狂「休養日に読んでんじゃねぇよ!!こちとら色々予定あったんだぞ!!」

 

作「すっすいません!ちなみに予定とは?」

 

楼「俺は三日間温泉旅行に行こうかと」

 

作「何処にそんな金あるんだよ!うちの給料じゃ旅行になんて行けねぇぞ!(自分も行けない)」

 

楼「へそくり」

 

作「ていうか楼夢さんが温泉に行ったらロクな事が無い気が......」

 

楼「あぁぁん?」

 

作「ヒイッ!......じゃあ次狂夢さんは?(流石にこの人はまともだろ)」

 

狂「三日間家の中でド●クエ83DS版で遊ぶ」

 

作「(良かったこの人はまともだった)ああ家の中で二時間程遊ぶと......」

 

狂「いや、72時間遊ぶつもり」

 

作「は!?」

 

狂「だから72時間遊ぶつもり......」

 

作「いやいやおかしいだろ!!三日間不眠不休でゲームやるの?馬鹿じゃない!!(宣言撤回、この人も駄目だった)」

 

狂「うっしてめぇ後で殺す」

 

作「さーキャラ紹介行ってみよー!」

 

楼「ちゃっかり流しやがった。こいつ......」

 

作「最初のキャラはやっぱり主人公の楼夢さんでーす☆」

 

名前: 白咲楼夢(しらさきろうむ)

 

種族:蛇狐

 

能力:形を操る程度の能力

 

二つ名:桃色の蛇狐、桃色姉御

 

目:瑠璃色

 

髪:桃色

 

体重:55kg(人間状態時)

 

身長:170cm

 

特徴:

 

ある日突然過去の世界に転生した元人間。幼き頃から剣術を習っており、妖怪になってからはその剣のスピードで彼の右に出る者はいないと言われる程に強くなった。愛刀の名は黒月夜(クロズクヨミ)。ある友人を救えなかった事を激しく悔いており目の前に困っている人が居たら人妖問わずに助ける心優しい少年。性格はちょいちょい変わる。その為たまに敬語を使う事もある。外見は瑠璃色の目に瑠璃色の瞳、桃色の髪、そして何より顔は永琳と同じかそれ以上の美形である。好きな物は主に温泉。嫌いな物は軍や政府。またこの外見でメチャ強いので妖怪達から桃色姉御と言うあだ名がついた。本人曰く「もうダメだ......おしまいだ...」だそうです。また彼は四つの姿を持っていてそれぞれ『人間状態』、『妖狐状態』、『蛇狐状態』、『妖獣状態』と言う名がある。そして永琳の薬によって【見えない物が見える様になる程度の能力】を持つ緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を持つ。

 

姿:

 

目は瑠璃色で髪は桃色。そして服は脇が無い黒で統一された巫女服を着ている。そこらの男なら見とれる程美形である。ちなみに人間の時からこういう顔らしい。

 

 

状態:

 

人間状態

 

スピードが全ての姿の中で最も速くなるバランス型。この状態ではないと九十番代の狂華閃は使えない。姿は普通の人間と大した違いは無い。

 

 

妖狐状態

 

主に妖術等を得意とする状態。代わりに身体能力は全ての中では最も低い。外見は人間状態に金色の狐耳と九尾の尻尾をつけた様な姿。

 

 

蛇狐状態

 

主に体術等を得意とする状態。身体能力や力は最も強いが妖術等は苦手。姿は人間状態に金色の狐耳、そして二メートルを超える巨大な大蛇を後ろにつけた様な姿。

 

 

妖獣状態

 

全部の姿の中で最も嗅覚等が高い状態。しかしこの状態では主に攻撃等が出来なくなる為本人は寝る時以外はこの状態にならないで。外見は狐である。毛の色は美しい金色で大きさは通常の狐より少し大きい。また尻尾は狐のと蛇のがある。本来の姿は蛇の尻尾を持ったこの妖獣状態らしい。

 

 

 

技一覧

 

鬼道:

 

某死神漫画でも使われている術である。これは妖力ではなく霊力を必要とした式を使っている。その為霊力が無いと扱えない。

 

狂華閃(きょうかせん)

 

楼夢が扱う剣術の名である。主にスピード型の急所を突いて戦う剣術である。楼夢のは本来の物に舞いの様な動作を加える事で流れる様な動きで剣術を繰り出す事が出来る、言わば彼特有の剣術である。その他にも狂華閃には一から百までの技がある。

 

 

狂華閃十九奏『スライム斬り』

 

丸い物をほぼ全て一刀両断する剣術。ただしその刀の耐久力が無いと逆に折れてしまう。本人曰く野菜等を斬るにはちょうどいい技らしい。

 

 

狂華閃二十二奏『バーベキュー斬り』

 

炎を纏った刀で相手を焼き切る。その名の通りバーベキュー等に使われる事からこの名がついた。

 

 

狂華閃三十ニ奏『烈空閃(れっくうせん)

 

刀に風を纏い横に斬り真空波を起こす。

 

 

狂華閃四十奏『雷光一閃(らいこういっせん)

 

雷を纏い光の様な速さで相手を斬る。主に居合切りに使われる。

 

 

狂華閃六十奏『風乱(かざみだれ)

 

風を纏い乱れ斬りを放つ。その斬撃を鎌鼬の様に飛ばす事も出来る。

 

 

狂華閃六十四奏『墜天(ついてん)

 

刀を縦に振りおろし、攻撃する。その一撃に当たれば鋼をも砕ける。

 

 

狂華閃七十二奏『雷炎刃(らいえんじん)

 

炎と雷を纏い斬った者を爆発させる七十番代の中では一番威力が高い技。その他にも斬撃を森羅万象斬の様に飛ばす事が出来る。

 

 

狂華閃七十五奏『氷結乱舞(ひょうけつらんぶ)

 

氷を纏った七連撃を放つ。その内の六連撃は四肢等の急所を狙い、最後に強烈な一撃を放つ。

 

 

狂華閃九十六『桃姫(ももひめ)桜吹雪(さくらふぶき)

 

狂華閃の中でも九十番代に置かれている最強クラスの技。数百を超える桜の色をした斬撃を桜吹雪の様に飛ばして攻撃する。その様は月光を浴びた桜の様に輝く事からこの名がついた。

 

 

 

歯車の魔法(ギア・マジック)

 

某死神漫画の破面(アランカル)達が使う技の事を指す。式は鬼道とは違い妖力を消費している。ギア・マジックとは唯単に技名だけで呼びたくなかっただけである。

 

 

鬼術:

 

本編では名前は登場しなかったが楼夢が使う妖術の事である。

 

火球『狐火小花(きつねびこばな)

 

八つの狐火を相手に飛ばして攻撃する。

 

 

大火球『大狐火(おおきつねび)

 

大きな火球を相手に飛ばす、メラ●ーマの様な物である。

 

 

雷龍『ドラゴニックサンダー』

 

八つの雷で出来た龍がジグザグに相手に飛んで行き攻撃する。

 

花炎『狐火開花(きつねびかいか)

 

空に狐火で巨大な花を描きそれが散り地上に降り注ぐ。

 

 

火炎『竜の吐息』

 

口から超圧縮した炎を吐き出す。

 

 

鏡符『羽衣水鏡(はごろもすいきょう)

 

自身の周りに球状の水と霊力を混ぜた結界を貼る。この結界は弾幕等の遠距離攻撃を全て防ぐ代わり、物理攻撃には弱い。

 

 

創造(クリエイト)

 

楼夢の能力の基礎。あらゆる物質の形を変える事が出来る。

 

 

その他:

 

霊刃『森羅万象斬(しんらばんしょうざん)

 

霊力を刀に込めて巨大な斬撃として飛ばして攻撃する。いわゆる蒼い月牙天衝の様な物。

 

 

魔槍『ゲイボルグ』

 

自身の刀を妖力で黒い槍に変え、攻撃する。この技にはまだ明されていない能力があるがネタバレになる為ここでは紹介しない。

 

時空『時狭間の雷(ライトニング・デス)

 

天から全てを貫く黒い無数の稲妻を落とす。その威力は村一つを消し飛ばす程だ。

 

時空『亜空切断(あくうせつだん)

 

亜空間を切り裂き、放出されたエネルギーで巨大な爆発を起こす。

 

 

 

 

 

緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)

 

楼夢の左目が黒く瞳が血の様に朱くなった状態の事を指す。この状態の間は動体視力等が格段に上がりスナイパーライフルの弾も見切れる様になる。さらにこの状態では【見えない物が見える程度の能力】を使う事が出来る。ただしこの目は妖力消費が激しいうえに時間を過ぎるとショック死する程の激痛が頭の中を襲う。

 

 

 

 

作「楼夢さんのプロフィールはこんな感じです」

 

楼「おい作者少し聞きたい。何故俺の体重を知っている?」

 

作「ギク!!」

 

楼「少し悪死悪鬼(おしおき)が必要みたいだな」

 

作「三分間待ってやる!」

 

楼「待つか!!ていうかなんで命令系なんだよ!!」

 

狂「しかもちゃっかり何処かの大佐の名言言ってるし」

 

楼「時空『時狭間の雷(ライトニング・デス)』」

 

作「許してヒヤシンスーーーー!!」

 

ピチューん☆

 

狂「......」

 

楼「作者(ヒト)がまるでゴミのようだ!」

 

狂「酷ぇ......」

 

 

しばらくお待ちください......。

 

 

作「作タンinしたお♪」

 

狂「うんキモイっすわ♪」

 

作「ああんまりだぁぁ!!」

 

楼「という事で次は......鬼城剛のプロフィールだ」

 

 

 

 

 

名前:鬼城剛(きじょうごう)

 

種族:鬼

 

能力:物質を纏う程度の能力

 

二つ名:鬼母子神

 

特徴:

 

人妖大戦で楼夢が戦った最強の鬼。その力は大妖怪の中でも最強クラスに近いと言われている。性格は基本的に戦闘狂で強そうな敵を見るとすぐに戦いたくなる。好きな物は酒、嫌いな物は嘘らしい。

 

 

姿:

 

瞳と髪は燃える様な紅色。服は和風で手首には百キロの重りを着けている。

 

 

技一覧:

 

鬼神奥義『空拳(くうけん)

 

拳に超圧縮した風や妖力を纏い正拳突きを繰り出すと同時に一気に放ち、吹き飛ばす。

 

 

鬼神究極奥義『雷神拳(らいしんけん)

 

拳に風で作った大量のプラズマを纏い相手に叩き込みながら爆発させる鬼神の究極奥義。また空拳の様に相手にプラズマを飛ばして攻撃する事が出来る。

 

 

 

 

楼「以上が剛のプロフィールでした」

 

作「ちょっと何勝手に進めてんの!」

 

楼「黙れ小僧!!!」

 

作「What!!」

 

狂「ああもう次は俺のプロフィールなんだから静かにしろよ!」

 

作「全くそのとおりだ」

 

狂「てめぇは二度と喋れない様にアゴの骨を後で砕いておこう」

 

作「ちょっと!なんで皆私と敵対しているの!?」

 

狂「キモいから?」

 

楼「てめぇ等うるせえよ!

 

創造(クリエイト)釘バット」

 

作「ちょ......それで何をするつもり!?」

 

楼「作者を殴る」

 

作「は?......

 

イタイイタイ!!ちょっやめてマジでこのままだと!!!」

 

ピチューん♪

 

狂「はい次は俺様のプロフィールだぜな☆」

 

 

 

 

 

 

 

名前:白咲狂夢(しらさききょうむ)

 

種族:???

 

二つ名:白き花、桃姫の影

 

能力:森羅万象を司る程度の能力

 

体重:55kg

 

身長:170Cm

 

特徴:

 

永琳の薬によって生まれた楼夢の闇。または緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)の本体。圧倒的な力を持ち、その戦闘力は楼夢以上。だが以外に甘党で普段は楼夢の精神世界の中に建てた家の中で引きこもってゲームをしている。好きな物はお菓子とコンピューターゲーム全般。これを見るだけで狂夢がどれほどのゲームオタクなのか解る。嫌いな物は野菜と冬。

 

 

姿:

 

全体的に腰まである白い髪に白い肌、そして脇が無い白で統一された巫女服を着ており色以外は楼夢とそっくりである。

 

 

技一覧:

 

狂夢は基本的に楼夢の能力以外の全ての術を使う事が出来る。よって此処で紹介するのは狂夢独自の技だけである。

 

 

Project

 

狂夢の能力【森羅万象を司る程度の能力】を使って起こす自然現象には全てこの名が付く。

 

Project『氷結(freeze)

 

あたり一面を対象物ごと凍らせる。

 

Project『発火(ignite)

 

指定した場所から巨大な火柱が立つ。

 

Project『突風(storm)

 

指定した場所に大きな嵐を発生させる。

 

Project『暴風雨(tempest)

 

辺りに雨や雪が混ざった大嵐を巻き起こす。これに触れた者は嵐に切り刻まれるか雨や雪に凍らされる。

 

 

二十二枚のタロットスペル

 

狂夢が所有するタロットカード。このカード一枚一枚に能力がありこれで占う事でその結界のカードの能力を使う事が出来る。

 

 

Spell『(タワー)

 

所有する能力は【無数の稲妻を降らせる程度の能力】。

 

 

Spell『戦車(チャリオット)

 

所有する能力は【四人に増える程度の能力】。

 

 

 

Spell『魔術師(マジシャン)

 

所有する能力は【妖力が減らなくなる程度の能力】。

 

 

Spell『(ストレングス)

 

所有する能力は【身体能力を数十倍に上げる程度の能力】。

 

 

妖刃『夢空万象刃(むくうばんしょうじん)

 

刀に妖力を込めて桃色の斬撃として飛ばす。その威力は森羅万象斬の倍。

 

 

 

 

 

狂「っとこんなもんかな?」

 

楼「やっと終わったか」

 

作「ちょっ私何回ピチュってんの今回で?」

 

楼「三回位じゃない?」

 

作「おかしいよ!明らかにピチュる回数多いだろ!!って狂夢さん何やってんの!?」

 

狂「何って......ゼリーを食っているだけだが?」

 

作「なんでゼリーなの!?ていうか楼夢さんもプリン食うの止めろ!!」

 

楼「だが...モグ断...モグモグ」

 

作「食えよ!!!ていうかプリンとゼリーを食うのマジで止めろ!!......ったく菓子ごときになんでそこまで集中出来るんだか」

 

楼 狂「「あぁぁん??」」

 

作「ヒィ!!」

 

狂「てめぇ菓子舐めんなよ!」

 

楼「そうだぞ。菓子のお陰で飢えを凌いでる奴だって居るんだぞ!」

 

作「居ねぇよそんな奴!!ていうかあんたら中良すぎるだろ!!」

 

楼 狂「覚悟はいいか?」

 

作「ご慈悲を......」

 

楼 狂「だが断る♪」

 

楼「超次元『亜空切断』」

狂「妖刃『夢空万象刃』」

 

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ピチューん♪♪♪

 

テレッテテレテン♪

 

ゲームオーバー♪

 

お終いチャンチャン♪♪♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作「終わるとでも思っていたか?」

 

作「いやールーミアのオリ技書くの忘れていました(*ゝω・)てへぺろ☆」

 

作「という事で此処で書かせて貰います。......へっ楼夢達は?ああそれなら二人共もう帰られましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

名前:ルーミア

 

種族:常闇の妖怪

 

能力:闇を操る程度の能力

 

二つ名:変態痴女(楼夢が付けた)、人喰い妖怪

 

体重:50kg

 

身長165Cm

 

特徴:

 

暗闇に迷い込んだ人間を食べる危険な妖怪。その実力は百にも届かない歳で数億年生きた楼夢と勝負が出来る程。ただ唯一の欠点は痴女であるという事。皆さんも遭遇したら犯される前に逃げましょう。

 

 

技一覧:

 

此処で書く技はオリジナルだけで、原作にある技は基本的に書きません。

 

 

バニシング・シャドウ

 

闇がある場所へ瞬間移動する。

 

 

悪魔殺し(デビルブレイカー)『ダーウィンスレイヴ』

 

刀身が血の様に朱い十字の妖力で出来た黒い大剣を作る。

 

 

フルムーンナイトエッジ

 

ダーウィンスレイヴに妖力を込め、月光の様に輝く巨大な斬撃を放つ。

 

 

 

 

 

 

作「以上です。次回からとうとう蛇狐録がスタートします。そして蛇狐録は『青年期前半』と『青年期後半』に分かれる予定です。そして多分『青年期前半』の途中経過の様な物を書くと思います。何故そんな物を書くかだって?ほら蛇狐録って技多いじゃん。そしてこれからどしどし増えて行くんですよ。そんで『青年期前半』が終わった時のまとめ書く時にわざわざ登場した技を一から見たくないんですよ。まあ要するに面倒くさいから登場した技はすぐに書ける様にしたいって意味です。こんな私の小説を読んでくれてありがとうございます。そしてこれからも宜しくお願いします。

 



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キャラ紹介IN前期

◤◢◤◢WARNING!◤◢◤◢◤◢

※注意です。今回東方蛇狐録前期の途中経過を書いた物です。もし、前期の最新話まで読んでいないのでしたらそちらからお読みください。でないと、ネタバレにもなります。

以上の事がOKな方は


キュルっと見て行ってね


「作者と」

 

「楼夢と」

 

「火神の」

 

 

「「「途中経過IN前期!!!」」」

 

「さて皆さん、こんにちは。今日は楼夢さんとゲストとして火神さんをお呼びしております」

 

「よっす皆、三度の飯より肉が大好き、火神だ」

 

「それ結局食ってるだけじゃん!楼夢だ」

 

「さーて今回は前期の途中経過を話すんだけど、その前にこの章の説明です。

 

この章は基本的に新しく出て来るオリキャラや、楼夢さん達の技が増えた時に書き足します」

 

 

 

 

「さて最初に俺達が決めなければいけない物がある」

 

「何ですか、楼夢さん?」

 

「BGMだ!!!」

 

「成程、では何にしましょうか?東方vocalアレンジでもいいですしね」

 

「おい作者、歌うのなら俺に任せておけ!」

 

「ああ、BGM流していると歌いたくなりますよね。はい、火神さん、マイクです」

 

「作者やめろ!俺の本能が危ないと伝えている」

 

「大丈夫だ血髪、俺の歌はジャイアンレベルと言われた事がある」

 

「ストップだ火神、止めろォ!!!」

 

 

「■■■■■■■■■♪☆!!!」

 

 

「「耳がぁぁ!!耳がぁぁぁ!!!」」

 

 

ピチューん

 

 

 

 

 

しばらくお待ちください......。

 

 

 

 

 

 

 

 

~~BGM SOUNDH●LIC『非統一魔法世界論』~

 

 

 

「ひ、酷い目にあった......」

 

「それには同感だ、作者......危うく頭のネジが取れると思ったよ」

 

「はいはい、何故かグロッキーな二人は置いといて、まずは血髪の紹介だ」

 

「ちなみに楼夢さんと狂夢さんは統合させているのでご了承ください」

 

 

 

 

 

名前:白咲楼夢/狂夢

 

能力:形を操る程度の能力、森羅万象を操る程度の能力、時空と時狭間を操る程度の能力

 

種族:蛇狐

 

性別:男

 

二つ名:破壊神、縁結びの神、産霊桃神美、八崎大蛇、血髪、妻なし子持ち、最強の妖怪、最強の神、ウロボロス

 

戦闘能力総合数値:

 

楼夢:

 

通常状態:9万

舞姫解放状態:18万

天鈿女神解放状態:80万

 

狂夢:

 

通常状態(魔力以外封印):20万

全力解放状態:100万

 

性格:

 

ほぼ全ての物事を楽しむ蛇狐。性格は明るいが、妖怪なのでたまに通りすがりの旅人を捕食していて、意外と人を虐めるのが好き。趣味は温泉、占い、テーブルゲームなど。

鬼城剛との戦いの後、脳に後遺症を残し力を失う。

その後に開発したヘッドホン型思考演算装置で最低限の力を取り戻すが、制限時間が10分という致命的な欠点がある。

裏の人格で、狂夢と呼ばれる存在がいる。性格は邪魔するものは全て排除する主義で、基本的に自由。

時空と時狭間の神『ウロボロス』とも呼ばれている。この世界最強の存在。

 

妖魔刀:

 

基本的に魂が入った刀の事を指す。その多くが悪しき魂が刀に入っている。

『神解』と呼ばれる第二形態があり、これを使うと妖力が数倍が上がる。

 

 

舞姫:

 

楼夢の妖魔刀の名前。能力は【舞いを具現化させる程度の能力】で、名前を呼ぶと封印が開放され刀か二つで一つの扇のどちらかの形状になる。刀の時の形状は、桃色の長い刀身を持っておりその峰には幾つかの穴が空いており魔除けの鈴が付けられている。柄には紙垂と呼ばれるお払い棒の紙が付いている。扇の形状の時はそれで相手を斬る事も出来る短刀にもなる。

 

舞姫式ノ奏(まいひめしきのかなで)

 

刀の形状と、扇の形状の二つの舞姫での二刀流

 

 

天鈿女神(アメノウズメ)

 

舞姫の神解。白い太陽の刀と、黒い月の刀の二刀流に変わる。

軽く振るだけで、数百メートル先の大地に炎、または氷の柱が立つ。

また、この状態だとつむじの部分と肩から下の髪の毛が藍色に、右目が桃色、左目が瑠璃色のオッドアイに、服は黒がベースの白と紅の装飾が施された巫女服に変わる。

また、髪は二本のかんざしと、紐で結ばれている。

 

 

八百万大蛇(ヤオヨロズ):

 

狂夢が作った妖魔刀を超える武器。全長4メートル以上で、刃は八百万の刃を溶接して繋げている。その一つ一つに伸縮変形自在の術式がかけられており、一度ロックオンされたら誰でも逃げられない。

 

 

狂華閃:

 

狂華閃七十一『細波(さざなみ)

 

刀に高圧水流を纏い、十五の斬撃として飛ばす。

 

 

狂華閃八十九『水雲(もずく)

 

刀に超圧縮された高圧水流を纏い敵を圧殺する。

 

 

狂華閃九十七『次元斬(じげんざん)

 

空間をねじ曲げる程の居合切りを放ち、その刃の先にある物を全て一刀両断する。

 

 

狂華閃一『(せん)

 

刀に妖力を込め、赤い斬撃を繰り出す。

 

 

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)

 

音を超える百の桃色の斬撃が、敵を切り刻む。

処遇、スターバーストストリーム。

 

 

陽神剣ソル

 

真紅の炎を纏い西洋風の剣に変わる。

 

 

月神剣ルナ

 

蒼い氷を纏い西洋風の剣に変わる。

 

 

千花繚乱(せんかりょうらん)

 

百花繚乱の強化版。光を超えた千の斬撃が、敵を切り刻む。

 

 

 

 

神星術:

 

神力と霊力で作り出した式。主に星に関する技が多い。

 

 

星十字 『スターライトクロス』

 

神力と霊力で作り出した二つの光の剣を飛ばし、相手を拘束する。殺傷能力は低いが、剣には拘束の式が何重に掛けられている為、壊れ難い。

 

 

星弾 『サテライトマシンガン』

 

神力と霊力で作られた光の閃光を雨のように空から降らす。

 

 

星炎 『スターライトフレア』

 

ルビーのような色をした聖なる炎を刀に宿し、五芒星を描きながら斬撃を放つ。

 

 

流星 『ギャラクシーストリーム』

 

銀河を摸した神力と霊力の弾幕の大河を作り出し相手を呑み込む。かなりの広範囲&高火力だが、消費霊力と神力が激しいのが欠点。

 

 

乱弾 『マルチプルランチャー』

 

緑色の弾幕をマシンガンのように放つ技。弾幕の大きさは小、中、大と様々で、複雑に放つのが特徴。

 

 

舞姫神楽:

 

舞姫で放つ事が出来る技。ただし放つにはその技の舞いを踊らなければいけない。

 

 

朱雀(スザク)の羽乱れ』

 

朱雀の羽を表すかのような大量の炎の羽の形をした弾幕を放つ。

 

 

白虎(ビャッコ)の牙』

 

相手に鋭く尖った巨大な氷柱を空と地面から放つ。

 

 

『姫風』

 

自分を中心とした周りに物をも切り裂く強風を起こす。

 

 

桃色旋風(ももいろせんぷう)

 

相手に桃色をした巨大な竜巻を放つ。

 

 

紫電雷閃(しでんらいせん)

 

舞姫に紫色の雷を宿させ相手に無数の斬撃を放つ。

 

 

その他:

 

魔槍『ゲイボルグ』

 

自身の刀を黒い槍へと変える。この槍には二つの封印が掛けてあって、その内の一つ『悪魔(デビル)』は投げると三十の鏃となり、敵を貫く。『死神(モート)』は形状が死神の鎌のようになり、【ありとあらゆる物を飲み込む程度の能力】を使えるようになる。

 

 

天災 『天の光(ユニバースレイ)

 

天と地を貫くオーロラのような色をした究極の雷を天から放つ。超広範囲&超高火力の究極技だが霊力、妖力、神力の三割を使う。技のイメージはドラ●エのミナデイン。

 

 

災来ノ幻月(ジェノサイドムーン)

 

妖力で作り出した月を模した弾幕を放つ。

 

 

神花 『桜花八重結界(おうかやえけっかい)

 

八枚の花弁を持った桜のような結界を真正面に発動させる。これに当たった攻撃は亜空間に吸い込まれるが、竜巻のような広範囲の物は完全には吸収出来ない。最高クラスの強度を誇る。

 

 

影狂 『後ろの正面誰だ?』

 

混沌の世界から白咲狂夢を呼び出す。だが三分間経つと自動的に混沌の世界に戻る。

 

 

花封 『桜ノ蕾(サクラノツボミ)

 

相手を花の蕾のような結界の中に閉じ込め封印する。

 

 

魔水晶(ディアモ)

 

狂夢に作らせた水晶。普段はピアスとして楼夢が身に付けているが、使用すると掌サイズの水晶になる。効力は式を使用する技の威力の増加と巨大な式を作る時にも必要となる。

 

 

鉄散針(てっさじん)

 

退魔の針に霊力を込めて投げると数十本に分裂し、相手を貫く。

 

 

 

帯電状態(スパーキング)

 

体から発生させた電気を体中に纏う。主に使うのは白咲狂夢であり、楼夢が使うと体にかなりの負荷がかかる。

ちなみに使い終わった後は、髪が逆立ち、トゲトゲになる。

 

 

『注連縄結界』

 

注連縄が付いた結界で任意の距離を覆う。その中は生物は出入りを禁じられる。

 

 

狐火『火電狐(かてんこ)

 

狐火にプラズマを纏わせて放つ。

 

 

『テンション』

 

体に妖力を流し身体能力を倍にする。使用中は皮膚が薄い桃色に光る。

 

 

『ハイテンション』

 

テンションの上位互換。身体能力が五倍になる。皮膚の桃色の光も濃くなる。

 

 

スーパーハイテンション

 

ハイテンションの強化版。身体能力が十倍になる。

 

 

妖無双刃『夢空連衝刃』

 

夢空万象刃を同時に十発放つ。

 

 

『魔神の爪』

 

妖力で指から巨大な爪を作り出す。

 

 

スタンガン

 

指に電気を発生させ、気絶させる。

 

 

誓いの五封剣

 

五本の炎の剣で、敵を貫き縛る。

 

 

魔導撃

 

魔力を集中させた、紫のレーザーを放つ。

 

 

桜花万象斬(おうかばんしょうざん)

 

桜の弾幕を刀にまとわせて斬撃を放つ。

 

 

バヒャムチョス

 

氷最上位の魔法マヒャデドスと風最上位魔法のバギムーチョの融合魔法。

 

 

反転結界

 

三次元に似た、別次元の世界を創り出す。【形を操る程度の能力】の力が術式のベースになっている。

 

 

狐象転化(こしょうてんか)

 

巨大な狐火で作られた狐になる。

 

 

狐火金火

 

金色の狐火の一撃。あらゆるものを燃やし尽くす。

 

 

狐火銀火

 

銀色の氷の一撃。狐火とつくが、属性は氷。

 

 

つらぬくもの(アーティクル・ペルセール)

 

あらゆるものを貫通する金色の矢を放つ。

 

 

閉ざしの三縛槍

 

三本の氷の槍で敵を束縛する。

 

 

夜間飛行

 

夜の空間を創り、それの全てを操る。【形を操る程度の能力】の真の力。

 

 

魔力全方位一斉射撃(マナバレット・フルバースト)

 

星の数ほどの魔力弾幕の雨が敵に降り注ぐ。

 

 

騒音妨害(レディオノイズ)

 

あたりに飛び回る電波をぐちゃぐちゃに歪める。ウイルスを投入することも可能。

 

 

マヒャドブレイク

 

マヒャドをまとわせた刀で斬撃を放つ。

 

 

星降りの夜

 

空から流星群を落とす。これ一つで都市が一つ潰れる。

 

 

ヘブンズタイム

 

とある超次元サッカーゲームのドリブル技を模して作られた技。時を止め、相手の背後を取り、解除すると同時に竜巻が相手を切り刻む。

 

 

ハルマゲドン

 

白咲狂夢の本気の一撃。天を覆い尽くす漆黒の闇にかかと落としを落とし、地上に叩きつける。

星一つを破壊するほどの威力がある。

 

 

八崎大蛇状態:

 

蛇狐状態が進化した状態。この状態になると、尻尾の数が八本に増え、妖力が通常の数十倍になる。

 

 

 

 

 

 

名前:火神矢(ひがみや) (よう)

 

能力:灼熱を産み出す程度の能力

 

種族:フェンリル

 

性別:男

 

二つ名:炎の悪魔、西洋最強の賞金稼ぎ、火神

 

戦闘能力総合数値:

 

通常状態:10万

憎蛭解放状態:20万

???:不明

 

性格:

 

突如日本に現れた西洋最強の賞金稼ぎ。西洋では炎の悪魔と呼ばれ、彼が通った後には灰しか残らないと呼ばれている。性格は強い者なら誰とでも仲良くなれる。姿はかなりの美男子で燃え尽きたような白髪と炎のように燃える赤い瞳を持つ。服装はフード付きの黒いジャケットを着ている。

楼夢との再戦時は、髪はドラ●エ5のレックスのようなトゲトゲヘアーになっている。

余談だが、さらに細かく言うとドラ●エ9の公式ガイドブックに描かれているモザイオの髪型である。だがおそらく画像で調べても出てこないので、ほぼ全ての人が知らないと思う。

となりの大国、現在でいう中国で『気』の力を身に付け、楼夢に戦いを挑む。

 

 

憎蛭(ニヒル)

 

火神の妖魔刀。中身の魂はルーミアが素材になっている。

黒いバール-形状をしており、先端が血で染まったかのように赤い。

打撃に特化しており、地面に振り下ろせばプレートをも砕く。

 

技一覧:

 

火神矢奥義『火炎大蛇(かえんおろち)

 

口から竜を摸した炎を吐く。

 

 

我流拳奥義『火炎拳(かえんけん)

 

巨大な炎の拳で相手を殴る。

 

 

炎舞剣『紅蓮華(ぐれんか)

 

鉄をも溶かす灼熱の炎で相手を叩き切る。

 

 

炎舞剣『紅蓮一文字(ぐれんいちもんじ)

 

灼熱の炎で一文字を描き斬撃を飛ばす。

 

 

重刃『紅蓮十文字(ぐれんじゅうもんじ)

 

紅蓮一文字を二回十字を描きながら飛ばす。

 

 

極炎『焔ノ業火(ほむらのごうか)

 

地底から数十個の巨大な火柱を吹き出させ、相手を攻撃する。

 

 

極大五芒星魔法『黒墜天炎魔壊衝波(こくついてんえんまかいしょうは)

 

空に1キロを超える巨大な魔法陣を描き集めた炎で直径数キロメートルにある物全てを消し飛ばす。

 

 

炎鳥牢『火鳥籠(ヒトリカゴ)

 

炎に包まれた結界を貼る。

 

極大五芒星魔法

 

ソーモノミコンと呼ばれる禁断の魔道書に書かれた禁断の魔法。この魔法には大陸一つを消し飛ばす程の魔法など、非常に危険な魔法が書かれている為、封印された。

火神矢はこの本が封じられている土地に忍び込み、無理矢理封印をこじ開けた事によって手に入れた。

 

 

極大五芒星魔法『アトミックニュークリアインパクト』

 

大地を一撃で炎の海に変えるほどの獄炎を放つ。

 

 

スピキュールインパクト

 

赤い流れ星のように炎を纏い加速した拳で、相手を打ち砕く。

 

 

シャイニングフェザースコール

 

翼の金色の炎の羽をマシンガンのようにして放つ。

 

ブレイクスルー

 

加速と遠心力を利用しように放つ。

 

 

火炎竜

 

召喚した複数の炎の竜が敵を飲み込む。

 

 

影籠(かげろう)

 

伸びた影から闇の刃を放ち、串刺しにする。

 

 

火災旋風

 

数キロメートルを超える炎の竜巻を召喚する。

 

 

 

 

 

 

 

名前:須佐之男命(スサノオノミコト)

 

能力:一刀両断する程度の能力

 

種族:武神

 

性別:男

 

二つ名:蛇殺の英雄、大和の刀、太陽神の弟

 

戦闘能力総合数値:

 

通常状態:4万

叢雲草薙解放状態:6万

羅閃叢雲草薙解放状態:8万

 

性格:

 

日本神話に出て来る『大蛇退治』で有名な神。しかし実際は八崎大蛇である楼夢に破れている。その後諏訪大戦で再会し剣を交えた。

性格は明るく酒が大好物。だが意外な事にシスコンである。腰に付けた天叢雲は神力などを込めると炎が溢れる。制作者は白咲狂夢。

 

 

叢雲草薙(ムラクモクサナギ)

 

形状は天叢雲に似ているが、刀身が赤い光を放っている妖魔刀。

 

 

羅閃叢雲草薙(ラセンムラクモクサナギ)

 

叢雲草薙の神解。巨大な和風の大剣の形状になっている。

 

 

技名:

 

 

天叢斬(あまのざん)

 

天叢雲から溢れた炎と共に相手を斬る。

 

 

(つるぎ)の雨』

 

地面に刀を突き刺し空から無数の刃の雨を降らす。

 

 

『天地逆転』

 

刀を地面に突き刺し、相手の真下の地面を爆発させる。

 

 

一空牙(いっくうが)

 

風を纏った居合切り。

 

 

神剣 『草薙(クサナギ)

 

膨大な神力を刀に込め、緑色の巨大な斬撃を放つ。

 

 

破剣『薙散(ナギサ)

 

力を溜めて神力の刃を放つ。

 

 

壊剣『砕牙(サイガ)

 

十字に刻んだものを爆破させる。

 

 

轟神剣『羅砕極牙(ラサイキョクガ)

 

大剣での神力を込めた渾身の一撃。

 

 

 

 

 

 

 

名前:天照大御神

 

能力:太陽の光を操る程度の能力

 

種族:太陽神

 

性別:女

 

二つ名:大和の太陽、姉さん

 

戦闘能力総合数値:8万

 

性格:

 

日本神話に出て来る有名な神。須佐之男の姉であり弟を傷付ける者は許さない。基本的に明るいが実は意外と泣き虫なのが玉に傷。また、仕事中は威厳を装っているが、楼夢が来てから頻繁にカリスマブレイクするようになった。容姿は金色の髪と白い着物を着ている。

 

 

技名:

 

 

太陽剣(タイヨウノカケラ)

 

右手に炎で作った刀を生み出し、相手を斬る。作った状態でさらに炎を込めるとその分リーチが伸びる。

 

 

火昇天閃(ヒノボリノセンコウ)

 

巨大な炎の閃光を放つ。

 

 

眩光 『 日出太陽(ヒイズルタイヨウ)

 

溜めた太陽の光を一気に放ち、相手の視覚を奪う。

 

 

無音光(オトナシノヒカリ)

 

巨大な炎の閃光を、音をも超えた速度で放つ。熱量も凄まじく常人では何時の間にか物が灰になっていたとしか認識出来ない。

 

 

破滅ノ太陽(サンシャインブレイク)

 

天をも焼き尽くすような太陽にも似た超巨大な炎の弾幕を空中から落とす。

 

 

 

 

名前:東風谷 早奈(さな)

 

能力:呪いを操る程度の能力

 

種族:人間

 

性別:女

 

二つ名:呪われし巫女、守矢の風祝

 

戦闘能力総合数値:

 

通常状態:3千

呪い状態:17万

 

性格:

 

守矢神社の巫女。諏訪国編で楼夢に恋をし、告白しようとするが種族の関係で楼夢自身に止められてしまった。性格は活発で誰にでも敬語で話す。後Sと言う噂も........。

容姿は原作の早苗に似ている。

 

技名:

 

 

『金縛り』

 

相手の真下の地面から黒い鎖が飛び出し、対象者に巻き付き拘束する。

 

 

千年風呪(せんねんふうじゅ)

 

黒い竜巻を放つ。この竜巻には絶対即死の呪いが掛けられているので触れるとその部分が消滅する。

 

 

名前;天魔

 

能力:暴風を操る程度の能力

 

種族:天狗

 

性別:女

 

二つ名:妖怪の山の長

 

戦闘能力総合数値:2万

 

性格:

 

妖怪の山にある天狗組織の長。天狗の長だけあって実力は折り込み済みだが、楼夢に敗れる。

好きな事は酒と勝負事。

 

技名:

 

『暴風撃』

 

激しい暴風を生み出し相手を吹き飛ばす。

 

 

 

名前:白咲美夜

 

種族:蛇狐

 

能力:天候を操る程度の能力

 

性別:女

 

二つ名:白咲三姉妹長女、雷の狐、クールビューティー、テンペストマスター

 

戦闘能力総合数値:1万5千

 

性格:

 

白咲楼夢の娘の一人。姉妹の中では長女であり、面倒見が良い。

狐の姿は、黒いモフモフした毛に鬼灯色の瞳を持つ。頭に咲いている花の種類は桃。

得意属性は雷で、術式と剣術ともに万能で、戦闘スタイルは楼夢に似ている。

 

 

サンダーフォース

 

雷をその身に纏う。

 

 

雷光一閃五月雨斬り

 

雷光一閃を連続で繰り出す。

 

 

名前:白咲清音

 

種族:蛇狐

 

能力:空気を操る程度の能力

 

性格:女

 

二つ名:白咲三姉妹次女、炎の狐、白咲三姉妹一の胸

 

戦闘能力総合数値:1万3千

 

性格:

 

白咲楼夢の娘の一人。姉妹の中では次女であり、基本的に明るく活発的。頭に咲く花は百合。

毛の色は金色で、姉妹揃った鬼灯色の瞳を持つ。

得意な属性は炎で、派手な術が好み。

 

 

ファイアフォース

 

炎をその身に纏う。

 

 

炎剣舞踊(えんけんぶよう)

 

炎の斬撃の舞を繰り出す。

 

 

蛇炎飛刃(じゃえんひじん)

 

刃から炎の大蛇を放つ。

 

 

名前:白咲舞花

 

種族:蛇狐

 

能力:気温を操る程度の能力

 

性別:女

 

二つ名:白咲三姉妹三女、酒禁止の狐、氷の狐、白咲三姉妹一のつるペッタン

 

戦闘能力総合数値:1万

 

性格:

 

白咲楼夢の娘の一人。姉妹の中では三女であり、基本的に人見知り。頭に咲く花は紫陽花。

銀の毛に鬼灯色の瞳を持つ。

基本静かで大人しいが、酒に弱く、飲むと豪快な性格になる。

得意属性は氷で、剣術はあまり得意ではない。

 

 

氷結界

 

氷の結界を張る。

 

 

アイスフォース

 

氷をその身に纏う。

 

 

コールディングインパクト

 

巨大な氷の槍で、敵を貫く。

 

氷結大地(グランドアイス)

 

指定した範囲で凍らせた地面から、巨大な氷柱を発生させる。

 

 

名前:東風谷凛

 

能力:はね返す程度の能力

 

種族:人間

 

性別:女

 

二つ名:正義のヒーローっぽい巫女、超ハイテンションな巫女

 

戦闘能力総合数値:5千

 

性格:

 

守矢神社の巫女。東風谷早奈の妹の血を引いており、高い霊力を持つ。

正義感がとても強く、妖怪は悪と決めつけ見つけしだい退治している。だが能力は結界にぶつかったものを全て逆方向に反射するという、どこぞの悪役代表のロリコンの能力に似ている。

 

 

ルーミア

 

戦闘能力総合数値:5万

 

性格:

 

闇の人喰い妖怪。最近、火神矢陽と契約し、妖魔刀デビューを果たした。

 

 

エンドレスブレードワルツ

 

伸びた影から無数の闇の刃が飛び出す。

 

 

 

鬼城剛

 

能力:圧力を操る程度の能力、纏う程度の能力

 

戦闘能力総合数値:

 

通常状態:50万

本気モード:75万

 

性格:

 

伝説の大妖怪の一柱。最強の名を保持しており、戦闘能力がバカ高い。

六億年後に再戦した時に、白咲楼夢にうち負ける。

 

 

空拳・昇竜破

 

空拳のアッパーバージョン。

 

 

閃光爆裂拳

 

赤い閃光の拳で殴り、そして爆発させる。

 

 

合掌破

 

手のひらを合わせ、衝撃波をあたりにまき散らす。

 

 

 

雷鬼神究極奥義 『星砕き』

 

雷神拳を目にも止まらぬ速度で連続で繰り出す。

 

 

流星砕き

 

星砕きの強化版。

 

 

 

名前:博麗楼夢

 

種族:人間

 

戦闘能力総合数値:2万5千

 

性格:

 

博麗双子の巫女の長女。剣の道を極めるため、神社から家出した。

現在は白咲神社の巫女をしている。

白咲楼夢の祖先。

 

 

神霊斬『夢想斬舞』

 

七色に光る刀で七連撃を放つ。

 

 

 

名前:月夜見尊

 

種族:神

 

能力:月の魔力を吸収する程度の能力

 

戦闘能力総合数値:

 

通常状態:5万

魔力吸収状態:7万

極限魔力吸収状態:10万

 

性格:

 

月の最高神。自分の顔のためにはどんなこともやる。

狂夢に敗北し、その後降格された。

 

 

月盾

 

光の盾を出現させる。

 

 

聖星滅撃(セイント・サクリファイス)

 

巨大な光の球体を相手に放つ。

 

 

 

「とまあこんな感じだな」

 

「はいはいよっと、んじゃそろそろ締めるか」

 

「その前に俺の歌を聞きたい人は?」

 

「「結構です」」

 



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キャラ紹介IN後期(withステータス表)

 

 

 ランクはG、F、E、D、C、B、A、S、EXの九段階。

  G〜Dは下級妖怪、C〜Bは中級妖怪、A〜Sは大妖怪、EXは伝説の大妖怪クラス。

  EXにだけ後ろに数字がついてる場合があるが、それは他の妖怪のEXとの順位を表す。ちなみに戦闘技術にだけはEXの順位はつかない。

 なお、神秘力とは妖力、霊力、魔力、神力、気力の総合のことを指す。

 

 

  ♦︎白咲楼夢

 

  この物語の主人公。

  伝説の大妖怪、産霊桃神美がこの世に復活する際、力が足りず幼児退行してしまった姿。

  戦闘能力は大幅に落ちてしまっており、中級妖怪上位程度の力しか持たない。能力も【形を歪める程度の能力】とグレートダウンしている。しかし剣術の腕は昔以上で、相性が良ければ大妖怪とも渡り合うことができる。

  基本的に性格は明るく、幻想郷の様々な有力者たちとも接点がある。

  春雪異変時に封印が解け、全盛期以上の力を現在は取り戻している。

 

(幼児退行時)

 

  総合戦闘能力:1万

  攻撃力:A

  技術:EX

  筋力:G

  耐久:G

  敏捷:EX2(マッハ3)

  神秘力:D

  術式:EX1

  対神秘力:D

  幸運:D

  カリスマ:D

 

(天鈿女神解放状態)

 

  総合戦闘能力:180万

  攻撃力:EX4

  戦闘技術:EX

  筋力:E

  耐久:E

  敏捷:EX1(マッハ88万)

  神秘力:EX1

  術式:EX1

  対神秘力:D

  幸運:B

  カリスマ:B

 

 

  ♦︎火神矢陽

 

  伝説の大妖怪の一人。かつて炎の悪魔と呼ばれられ、西洋で恐れられていた。今は現代の外の世界と幻想郷を行き来し、娯楽を探し求めている。

  幻想郷に来たばかりのころには『名を売る』という目的でハロウィンラッシュ異変を起こして霊夢たちに退治された。以降は白咲山に家を建て、ルーミアと二人で暮らしている。

 

  総合戦闘能力:170万

  攻撃力:EX3

  技術:EX

  筋力:EX3

  耐久:A

  敏捷:A

  神秘力:EX2

  術式:EX2

  対神秘力:B(一部無敵)

  幸運:S

  カリスマ:F

 

 

  ♦︎ルーミア

 

  原作キャラの一人。この小説内では設定がものすごく歪められている。

  火神の妖魔刀。しかし彼を何よりも愛しており、彼女としてそばにいる。だがたまに暴走してしまい、その度に火神に暴力を振るわれている。それが原因でMに目覚めてしまったのは別の話。

  単体の妖怪としても強大な力を持っており、大妖怪最上位の中では最も強いことを自負している。

 

  総合戦闘能力:20万

  攻撃力:S

  技術:S

  筋力:A

  耐久:A

  敏捷:A

  神秘力:S

  術式:S

  対神秘力:A

  幸運:C

  カリスマ:D

 

  ♦︎八雲紫

 

  原作キャラの一人。白咲楼夢に恋心を抱いている。

  言わずとも知れた妖怪の賢者。幻想郷の管理人を名乗っているが、だいたいの仕事は式神である藍に丸投げしている。

  普段はゴロゴロするか霊夢や楼夢の様子を見に博麗神社に行くかぐらいしかしていない。しかし仕事はきっちりやるタイプ。

  楼夢からもらった刀を傘に改造しており、本気を出すときはそれを抜いて戦う。

 

  総合戦闘能力:15万

  攻撃力:A

  戦闘技術:S

  筋力:F

  耐久:F

  敏捷:C

  神秘力:S

  術式:EX3

  対神秘力:B

  幸運:A

  カリスマ:S

 

 

  ♦︎白咲美夜

 

  白咲三姉妹の長女。巫女服は卒業しており、今は黒の着物に身を包んでいる。

  真面目なのは相変わらずで、広い白咲邸のほぼ全ての家事を一人で担っている。庭のデザインは彼女がした。

  術式は苦手だが、唯一得意な身体能力強化の術式と組み合わされた剣術は大妖怪最上位の名を冠すのにふさわしいものとなっている。

 

  技名:

 

『燕返し』

 

  上から下へ刀を振り下ろし、素早く下から上へ切り上げる。

 

蜻蛉(とんぼ)返り』

 

  燕返しの反対版。下から上へ切り上げると、素早く刃を翻して上から下に振り下ろす。

 

  総合戦闘能力:10万

  攻撃力:S

  戦闘技術:S

  筋力:B

  耐久:C

  敏捷:S

  神秘力:S

  術式:E

  対神秘力:E

  幸運:E

  カリスマ:A

 

  ♦︎白咲清音

 

  白咲三姉妹の次女。姉とは正反対の大雑把な生活をしており、一日中ぐーたらしていることが多い。すっかり現代に染まったネットの住人。

  得意なのは術式。双刀である『金沙羅木(きさらぎ)』を杖のように使い、父にも似た様々な属性の魔法を扱うことができる。

 

  技名:

 

『烈風地獄車』

 

  灼熱の炎をその身に纏い、突撃する。

 

  総合戦闘能力:10万

  攻撃力:A

  戦闘技術:A

  筋力:E

  耐久:F

  敏捷:C

  神秘力:S

  術式:S

  対神秘力:B

  幸運:B

  カリスマ:E

 

 

 

  ♦︎白咲舞花

 

  白咲三姉妹の三女。物静かな性格をしており、口数は少ない。

  清音と同様に現代に染まっている。しかし彼女は普段はネットサーフィン以外にも物作りなどをしている。

  形を自由に変えることができる『銀鐘(ぎんしょう)』を現代兵器に変えて狙撃するという、二人の姉とは打って変わった戦闘スタイルを得意とする。

 

  技名

 

『メタルブリザード』

 

  銀色のかなりの質量がある吹雪を相手に叩きつける。

 

『ニブルヘイム』

 

  広範囲を氷の世界で埋め尽くす巨大術式。威力が高すぎるせいで、相手が近くにいると自分も巻き込んでダメージを負ってしまう。

 

  総合戦闘能力:10万

  攻撃力:B

  戦闘技術:B

  筋力:D

  耐久:E

  敏捷:C

  神秘力:S

  術式:A

  対神秘力:B

  幸運:A

  カリスマ:F

 

 

  ♦︎(あやかし)早奈

 

  西行妖に取り憑き、春雪異変を起こした張本人。その正体はとある守谷神社の風祝が暴走し、亡霊となったもの。

  楼夢に激しい恋をしており、彼を手にするためならば手段は選ばない。昔楼夢を殺害した際に楼夢の妖力を吸収しており、春雪異変時には伝説の大妖怪として復活した。

  【呪いを操る程度の能力】を持つ。現在は楼夢の妖魔刀『妖桜(あやかしざくら)』として彼に付き従っている。

 

  総合戦闘能力:150万

  攻撃力:EX5

  戦闘技術:EX

  筋力:A

  耐久:S

  敏捷:S

  神秘力:EX3

  術式:EX4

  対神秘力:A

  幸運:C

  カリスマ:C

 

 

【ここから先の今後の主要人物たちは原作の設定とほぼ変わらないため、総合戦闘能力だけしか書きません】

 

 

  ♦︎博麗霊夢:総合戦闘能力15万

 

  ♦︎霧雨魔理沙:総合戦闘能力2万

 

  ♦︎十六夜咲夜:総合戦闘能力5万

 

  ♦︎レミリア・スカーレット:総合戦闘能力10万

 

  ♦︎フランドール・スカーレット:総合戦闘能力10万

 

  ♦︎魂魄妖夢:総合戦闘能力5万

 

  ♦︎西行寺幽々子:総合戦闘能力10万

 

  ♦︎八雲藍:総合戦闘能力8万



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プロローグ:超古代都市と蛇狐編 蛇狐の目覚め

終わるという事は始まるという事


 

 

「……知らない天井だ。いや天井なんてないか」

 

とある森の中、彼はそう言い立ち上がる。

通常人はベットの中で寝る。だから一般人が聞いたら「こいつはホームレスなのか?」と思ってしまうだろう。

だが彼にはちゃんとした家がある。じゃあなんでそんなとこに居るのか?

「知らんな」とまあ巫山戯るのもやめよう。

 

現在、彼は森の中に居る。

しかし妙だ。

彼の記憶の中では、彼の家の近くにも森があるが此処は見たこともない場所だ。

それに生えている木も彼にとって見たことないものだった。

では一体此処は何処なのだろう?

 

取り敢えず情報整理だ、彼は頭の中で結論づける。

 

「話をしよう。あれは今から……何年前だっけ?まあいい取り敢えずあれは昨日のことだった」

 

まず彼の名は白咲楼夢(しらさきろうむ)、大学生だ。

でなんで彼はこんな所に居るのか?

楼夢は思い出す。記憶が確かなら、自分は拳銃で撃たれて死んだそうだ。

じゃあなぜ自分は生きているんだ?

その答えは後回しに、今の話を聞いて人は「はっ?その年で厨二病は無いだろ」と思うかもしれない。

しかし残念ながらこれは過去の事実なのだ。

できることなら今現実逃避したい。

 

「そして現在に至るわけだ。うん訳わかんない。笑っちゃうね、あははははっ」

 

現状の意味不明さに思わず乾いた笑みを浮かべる。

取り敢えず身体の確認でもしよう。

楼夢の身長は170cm位だ。これは死ぬ前と変わってない。

そして次は服だ。

何故か黒で統一された巫女服を着ていた。

しかも何故か脇の部分が無い。

これ冬どうしろってんだよ。しかもこんな格好で外歩けるか! と、心の中で叫び声に似たクレームをつけるが、返事を返してくれる者はいない。その事実がさらに楼夢のSAN値をガリガリ削る。

ちなみに袖の部分は紐で縛られていた。無駄に準備がいい。そしてなんかもう泣きたい。

 

他には、と辺りのものをガサガサと漁る。すると彼の手に何か触れたような感触があった。

 

「……なんでこんな物が?」

 

そこには長い日本刀が有った。外見は刀身、鍔、柄全てが黒く染まっている。

そしてそれを楼夢は既に前世の知識で知っていた。

 

「……って、これ黒月夜(クロズクヨミ)じゃねーか!?」

 

黒月夜とは楼夢がその師父から譲り受けた彼の家の家宝だ。ちなみに切れ味はそこらの刀とじゃ比べ物にならないほど鋭い。

それは実際それを扱っていた楼夢が一番よく知っていた。

そんな刀を持っている楼夢はよく危険人物として注意されていた。

楼夢自身も不本意で使ってしまって注意されているのだが、ここでは何が起きるかわからないため腰につけておく。

 

しばらくして楼夢は次のおかしい点に気づいた。

それに気づいたのは彼がちょうど喉を渇かせたころだ。

意識をすると、水の音がはっきりと耳に入ってくるのだ。しかし辺りを見渡しても川などどこにもない。

 

おかしい、楼夢は瞬時に判断する。人間の耳は普通目に見えないほど遠くにある川の音を聞くことはできない。

なのに遠くの水の音が聞こえる…だと…?

 

「これは罠だ!!」

 

そんな訳もなく、楼夢は気になった方向へ移動する。

 

 

 

少年移動中…...。

 

 

 

 

 

水が見える所まで来た。

取り敢えず水飲むついでに顔を覗く。そこには

 

 

「嘘だ!!」

 

水面に何かが写った。そこにはーーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーー桃色の髪をした美少女と、さらには金色の狐耳が有った。




初投稿です。今後もゆっくり投稿していこうと思います。


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桃色の蛇狐の身体調査

出会いは偶然別れは運命


by白咲楼夢


 

 

「はぁっ……」

 

楼夢は現在現実逃避したい気分であった。

それも仕方のないことである。

水面に映る美女の正体が自分自身だった気分など、男であった彼にとっては簡単に受け入れられないものであった。

 

「神様……。俺なんか悪いことしたっけ?……いや、よく考えれば悪いことめっちゃしてないか、俺?」

 

考えれば日常生活で銃弾を撃たれて死んだような人間である。そんな彼が犯した行為など、いくらでもある。

まあいいと、取り敢えず新たな人生を得た事に今は感謝した。

 

「取り敢えず現状整理っと」

 

今の楼夢の姿は腰まである桃色の髪と瑠璃色の瞳、さらに顔は美形である。

ちなみに気づいてはいないが楼夢は元々美形だ。そう歩くたびにナンパされる程に。

なので現代では「命懸けてぇぇぇ!」髪を短髪にしていた。最も彼の水準でいえば、であったが。

そして現在の彼の姿は

 

髪長い+桃色の髪+狐耳+瑠璃色の瞳+美形+何故か脇が無い巫女服=

 

「女じゃねーか!おのれ謀ったな公明ぇぇぇ!!」

 

八つ当たりで近くの木を蹴る。すると、木が根本から見事にへし折れた。

 

「へっ?……ナァニコレ?」

 

あらやだ俺はいつから筋肉がこんなに多くなったのだろうと思い、腕を凝視する。

するとそこには転生前よりも細くなった美しい腕があった。

ちなみに何度もいうが楼夢は男だ。そこについてはちゃんと確認してある。

本日何回目になるか分からないため息を吐く。

 

「取り敢えず座ろう」

 

そう言えば気になった事がある。

楼夢には狐耳がある。

だったら尻尾もあるのではないか?だとしたら嬉しい。なぜなら楼夢は狐が大好きだからである。

だから期待して後ろを振り向く。すると

 

「シャアアーッ!!」

 

「ギャァァァァッ!?マジふざけんな!」

 

そこには蛇のような尻尾があった。なるほど。この世界では全てが俺の都合が悪い様に出来ているみたいだ。畜生め。

 

「ハァァ……」

 

楼夢はまた落ち込む。

狐の尻尾なら分かるけどなんで蛇の尻尾なんだ?

あれか?うちの家で祭っている神様が蛇だからか?

だとしたらとんだ迷惑だ。軽く傷つくよ。

 

 

...取り敢えず走ろう。

何故か最終的に、その結論に至った。

そう言えばなんか体が軽いような気がする。もしかしてと思い、楼夢は地を蹴り走り出した。

 

次の瞬間。楼夢は人間では出せないような速度で走っている事に気がつく。

 

「うわ、速い」

 

そう思いながら楼夢は走る。フフフ、なんだか楽しくなってきた。

 

「全☆速☆前☆進だ!!!」

 

そう叫びながら楼夢は何処かに走り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名は八意(やごころ)永琳(えいりん)。都市の頭脳と呼ばれている。

現在私は此処に生えている薬草を取るため森に来ている。

 

「はぁ……。たまには面白い事が無いかしら」

 

そう言いながら私は奥に進む。

まあ私に暇なんて無い。

ただでさえ人妖で争っているのに私に暇が出来たらそれは奇跡だ。

 

「まあ私に暇なんて要らないかな」

 

そう言いながら私は歌を歌いだす。

 

ある~ひ、森の中~、くまさんに~

 

「出会った」

 

しまった。

何私は自分でフラグ建てて自分で回収しているのだろう。

そう思いながら私は弓を取り出す。しかしここで新たな問題が発生した。

 

「…...矢が…...無い」

 

そう呟いた瞬間。私は熊の様な妖怪の爪で足を切られた。

 

「キャアアア!!」

 

一撃は足だけですんだお陰で私は辛うじて生きている。しかし二撃目が来る。

 

「(....体が....動かない)」

 

私は一撃目を足に受けたせいで立てないでいた。

 

「.......もう.......駄目」

 

私は目を閉じた。

熊の無慈悲な一撃が私の体に突き刺さろうとした瞬間。

 

ザシュ

 

私は目を開きそこで見た光景に驚いた。そこには

 

「アンタ、大丈夫か?」

 

桃色の髪をした妖怪が私を守っている光景が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2話目更新!!!
では皆さん次回も見てね。


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熊と蛇狐と初戦闘

獣に対して説得は無謀だ
なぜなら 獣から逃れる術は
その戦闘本能を打ち殺すより他はないからだ


by白咲楼夢


 

 

オッスみんなオラ楼夢。

現在熊に襲われていた女性を助ける為に戦闘中だ。ちなみに性的な意味はではない。

どうしてこうなったのかは十分前に遡る......

 

 

 

 

 

しばらく前、走り疲れた楼夢は気分を紛らわすため歌を歌いながら森の出口を探していた。

 

「ていうか此処本当に広いな」

 

そう呟きながら楼夢は歩く。

 

ある~ひ、森の中~、熊さんに~

 

「出会った」

 

何やってんだろう俺。

自分でフラグ建ててちゃっかり回収しちゃっているし。馬鹿だろ。

そう思いながら辺りを見回す。すると…...

 

「ん、あれは......女性!?」

 

そう、そこには女性が居た。

足には熊に切り裂かれたであろう傷跡がある。

そしてその傷のせいで立てないでいた。

あのままでは殺されてしまうだろう。

 

「マズイ!」

 

俺は黒月夜を抜き熊の背中を切り裂いた......

 

 

 

 

 

 

......で今に至る。取り敢えず楼夢は女性に話しかけた。

 

「アンタ、大丈夫か?」

「え、ええ」

 

彼女は驚いた様な顔で言った。まあ当然だろう。彼の様な人外が目の前に居たら。

とりあえずこれには慣れるしかないな。

そして今の彼女の状態は「大丈夫じゃない。問題だ」という所だろう。傷口を見ればとても歩けるような状態ではない。

 

刀を構え熊を見る。

巨体は三メートル程で何よりも気になるのは鋭い爪と殺す気マンマンな目だ。

おかしい。楼夢は師父と一緒に数多くの熊を狩っていたが、ここまで巨大で狂気染みた目をしているのは初めてだ。

 

「最初は様子見でもしようかな?」

「グルルルル」

 

熊は低く唸る。そして......

 

「ガアア!」

 

その鋭い爪を振りかざした。

それを楼夢はジャストで避けて熊に接近する。だがそれを見越していたかのように、楼夢は熊に蹴られ吹き飛ばされた。

 

木の幹にぶつかり、崩れ落ちる。

幸い、骨折はして無いようだ。

この時だけ楼夢は丈夫な体に感謝した。それより

 

「熊が足使うなんて見た事も聞いたこともないんだが?」

 

楼夢は奴の認識を間違えていた様だ。

奴は熊なんかじゃない。本当の化物(モンスター)だ。

それに気づき覚悟を決める。

 

熊は次に右腕を振り下ろしてきた。

 

それを紙一重で躱し、後ろに後退する。

熊は自分の鋭い爪が地面に突き刺さり動けないようだ。

 

「馬鹿だろアイツ。まあいい、テメエの弱点は理解した」

 

見せてやる。俺の剣術......

 

 

 

 

狂華閃(きょうかせん)を......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今私は目の前の珍しい光景に驚いている。

それもその筈、人間を命懸けで助けようとしている妖怪など今まで見た事もないからだ。

私が驚いていると

 

「アンタ、大丈夫か?」

 

と聞かれた。私はその妖怪の顔を見る。

髪は桃色で長さは腰まである。

そして金色の獣耳に蛇の尻尾を持っている。

瞳の色は瑠璃色で脇の部分が無い巫女服?を着ている。

体は全体的に細身で顔は驚く程整っている。

だが胸は物凄く小さいようだ。可哀想に。たまに美女なのに胸に恵まれていない子って居るわよね。

おっと、どうやら話が少し脱線していた。

取り敢えず今は彼女に任せよう。

私は現在戦闘不能だし彼女の実力を知りたい。

彼女は刀を構え直した。

 

「ガアア!!」

 

熊はその凶器にも似た爪を振りかざす。

彼女はそれを避けて熊に急接近する。

どうやら彼女は力より速さ重視の戦闘スタイルのようだ。だが......

 

ドゴッ

 

「グアッ!!」

 

彼女は熊に蹴られ吹き飛ばされた。

人間だったら骨折するほどの威力だが彼女は大丈夫そうだ。そして......

 

ゴオッ

 

熊は止めと言わんばかりに右腕を振り下ろす。

彼女は間一髪で躱した。

一方熊の方は振り下ろした爪が地面に突き刺さり動けないようだ。

どうやら知能は低いようだ。

 

私は彼女を見る。

瞬間、彼女は私の目先から消えた。

否、正確には彼女は既に熊の懐に潜り込んでいた。

だが熊はその左腕を振り下ろしていた。そして爪が彼女を突き刺す瞬間...

 

ザシュッ

 

彼女は振り下ろされた左腕を綺麗に切り落としていた。

一見簡単そうに見えるが迫り来る攻撃を見切り正確に四肢を切り落とす。

これには膨大な量の集中力とスピードを必要とされる。それは彼女が只者ではない証拠だ。

 

「グガアアア!!」

 

熊は腕の痛みで叫び声を上げ、残る右腕を振り下ろした。

 

この瞬間私は熊の妖怪の弱点に気が付く。

 

熊の妖怪は基本的にその鋭い爪をフルスウィングで振り下ろす。

確かに当たれば致命傷になるだろう。

だが全ての攻撃がフルスウィングという事は攻撃の後には無防備になるということ。

そして彼女はスピード型だ。

熊の大振りな一撃を避けるなど容易い。

 

ズシャッ ザシュ

 

彼女は熊の右腕ごと切り落とした。

その速さは神速というより他無いだろう。

 

「ギャアアア!!」

 

熊は叫び声にもならない声を上げて動きが鈍くなる。

もちろん彼女はこの瞬間を見逃さない。

 

ドシャッ ザシュ ズシャ

 

彼女は熊の腹に回転切りを三回繰り出した。その様はまるで戦いの中で踊っているようだ。

 

「ガアアア!!」

 

熊は悲鳴を上げ後ろに後退する。しかし......

 

ドシュッ

 

熊の心臓を黒い何かが貫いた。

それは彼女が持つ黒い刀だった。

熊の妖怪はそのまま力無く倒れる。

 

ふと私は彼女を見る。

彼女の顔は大量の返り血で紅く染まっていた。

 

 

 

 

 




三話投稿。
いやー今回長かった。
というわけで次回もお楽しみに。


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桃色の蛇狐と都市の頭脳

人は限りある寿命の中で醜く生きる
だからこそ美しい

by白咲楼夢


 

 

現在楼夢は顔についた血を拭いている最中だった。

彼の家に伝わる剣術《狂華閃》。名前がちょっと中二病ぽいのが玉に傷だ。

彼の師父は気に入っているが

 

速さ重視の剣術で主に相手の急所を狙い切るなかなかエグイ剣術だ。

そして楼夢の場合は主に独自で身につけた回転切りなどを多用する。

何故かって?真正面に踏み止まって攻撃するより流れに身を任せ攻撃した方がより速く切る事が出来る様になると楼夢は思っているからだ。

ちなみに裏で酔わないように努力して来た事は秘密だ。

 

この剣術は主に洞察力とスピードが必要不可欠になって来る。

楼夢が使える様になったのは剣術を初めて五年後だ。師父と戦ってボコボコにされた記憶が懐かしい。

話が見事に脱線したが、とりあえず女性に声をかける。

 

「無事か?」

 

女性の容姿は銀髪の三つ編みの髪。

左右で赤と青に分かれている服とロングスカートを着ている。そして何より

 

「(綺麗な人だな)」

 

そう現代では滅多に見れない程美形なのだ。

正直言ってそこらの男が見とれてしまう程である。……道行く時々にナンパされる楼夢が言えたことではないが。

この人もある意味苦労してそうだな、と気持ちが分かる楼夢は少し同情する。

 

「ええ大丈夫よ」

 

女性は立ち上がろうと足に力を込める。だが

 

「ッ!?...... 痛ッ」

 

見たところどうやら右足が骨折しているようだ。取り敢えず血を止めるのが最優先だ。辺りに何か使えそうなものを探す。だが当然楼夢はここに来たばかりであるし、女性も何か持っているようには思えない。

ふと楼夢は自分の巫女服を見つめる。

ただでさえ脇が無くて寒いのにこれ以上破ると風邪を引いてしまいそうだ。

だがそれ以外ないので、楼夢は右腕の巫女服の袖の様な物を縛っている紐を解く。

そして袖の布で彼女の怪我の応急処置をする。

 

「少し聞きたいわ。何故私を助けるの?」

 

「いや死にかけている人が居るのに見て見ぬ振りが出来る?」

 

「そうじゃなくて何故妖怪が人間を助けているの?」

 

その質問に対して楼夢は......

 

「妖怪?何それ美味しいの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妖怪?何それ美味しいの?」

 

私はこの応えに対して驚いた。

 

「貴女......巫山戯てるのかしら?」

 

「いや結構真面目に。妖怪って何なの?」

 

驚いた。妖怪を知らないとなると生まれたてか?だが彼女はやけに戦闘慣れしている。

 

「貴女何者?」

 

「いや死んだと思ったら人外として生まれ変わって森の中に居た者だよ」

 

私は更に驚く。何故なら本来妖怪は人の恐怖によって産まれる。なのに彼女は元人間しかも前世の記憶を引き継いでいるからだ。

 

「まあいいわ。取り敢えず助けてくれてありがとう。えーと貴女名前は?」

 

「おっと申し遅れたな。俺の名前は白咲楼夢。ただのしがない妖怪?になるな。あと俺男なんだが」

 

「今なんて?」

 

「いやだから俺は男だって」

 

「......ええ!!」

 

「え、ちょっと酷くね。軽く傷つくんだが」

 

「いやその顔と服で男って多分誰も信じないわよ」

 

ピチューン

 

あ、気絶した。取り敢えず起きるまで待とうかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……知らない天井だ。って天井なんてないってのに」

 

楼夢は起きて立とうとする。すると

 

「あら起きたかしら」

 

近くの岩に永琳が微笑みながら座っていた。

 

「えーと俺は何で気絶していたんだっけ?」

 

「私が貴方が男という事に驚いていたら勝手に気絶したわ」

 

と答えられた。取り敢えず謝っとこう。

 

「何か悪かったな」

 

「いやいいわよ。それより貴方行くあてあるの?」

 

行くあてか。当然ながら楼夢にはそんなもの無い。だったら永琳に付いていった方が良さそうだ。

それだったら森から出れそうだし。

 

「永琳に付いて行こうと思っている」

 

「だっ、駄目よ。都市の連中は穢れを嫌っているわ」

 

「穢れって何?」

 

「穢れというのは生物が殺し合った時に生まれる物よ。それのせいで最近人間にも寿命が出来たわ」

 

「いや生物には寿命が有るのが普通だろ。それに穢れを無くす方法なんて世界中の生物を消し去る以外ないと思うぞ。

そして生物は生き残る為に殺し合うんだ。それは変わることのない自然のルールだ。人が獣を食すのと同じで妖怪が人を食すのは生き残る為だ。まあわざわざ死んでやる義理もないけどな」

 

「生き残る為、ね」

 

永琳は何処か納得いかない表情だった。

まあ今日出会った妖怪にいきなりそんなこと言われたら誰だって納得いかないだろう。

 

「取り敢えずまずは貴方の耳と尻尾をどうにかしなくちゃね。

そのままでは都市に入る事すら出来ないからね」

 

「それはそれでどうやって?」

 

「そこは頑張って。私変化の術なんて使った事もないから」

 

無茶言うなと、内心苦情を漏らす。そんなことがポンポン出来たらだれも苦労しない。

そういやこの姿で耳と尻尾を取ったらどうなるんだろう。

そんな疑問を元に、今の姿の耳と尻尾が取れた姿を想像する。すると......

 

バフン

 

楼夢の姿は煙に包まれた。そして次に姿を現した時には

 

「に、人間になってる」

 

人間の姿をした楼夢がそこに居た。

 




投稿終了。
今回は永琳と楼夢さんのこの世界についての話でした。
そして私の投稿時間が親が寝ているしかないというのが非常に辛い。毎回あくびをかきながら書いています(笑)
ではでは次回もお楽しみに。


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蛇狐と超古代都市

都会は嫌いだ。


by白咲楼夢


 

 

「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ。

俺は人間の姿になろうと頑張っていた。

そしたら煙が出てきて気がついたら人間の姿になっていた。な…何を言っているのか分からねーと思うが俺も何をしたのか分からなかった。頭がどうにかなりそうだった…。催眠術だとか超スピードだとかチャチなもんじゃ断じてねえ。…もっと恐ろしいものの片鱗を味わった気分だ…」

 

「何現実逃避をしているのよ」

 

「しゃーないだろ。俺だって何故出来たのか分からないんだもん」

 

…と若干拍子抜けと楼夢は永琳に言う。

実際楼夢はただ自分の人間の姿をイメージしただけなのだ。これだけでできるのならば誰だってできる。永琳ならわかるかな?

 

「分かるわけ無いじゃない。私は人間だから変化の術どころか妖術すら使えないわよ」

 

ちっ、使えなゴホンゴホン仕方無いな。

とりあえず先程から睨みつけている永琳に、楼夢は心の中で恐怖を感じていた。

 

「あら、貴方今使えないって思ったわよね」

 

何故分かるんだよ何この人。

焦っている自分の心を落ち着かせながら、楼夢は誤魔化す。

 

「い、いやそんなこと思って無いよ」

 

「顔でバレバレよ。それより私の何処が怖いのかしら?」

 

「え、ちょっと待って話をしましょうよ」

 

「死になさい」

 

「嫌だぁぁぁ!!あとセリフ怖えぇぇぇ!!」

 

ピチューン

 

その叫びと同時に、風を切る音が一つ。

永琳の渾身の右ストレートが、アゴを見事に捉え、楼夢は意識を手放した……。

 

 

 

 

 

 

 

「……知らない天井だ。……って何回目だよ。」

 

気がつくと楼夢はまた地面に寝ていた。

そろそろこのセリフ言うの飽きたな、と呟きつつ、再び立ち上がる。

 

「やっと起きたわね」

 

目の前には楼夢を物凄い力で殴った永琳が、悪魔の様な微笑みを彼に向けていた。

 

「取り敢えず変化の術が切れる前に都市に行きましょう」

 

それについては同意見、と目で楼夢は答える。

そして、楼夢は先を歩く永琳の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお!八意様よくぞご無事で……そこの女性は?」

 

「森で過ごしていた人間よ。私が保護してきたわ」

 

「俺の名は白咲楼夢。ただのしがない人間だ。あと俺は男だ」

 

「ええっ!?」

 

永琳同様門番は楼夢のその答えに驚いていた。殴りたい、その顔。

そんな邪気を心の中で抑えつつ、楼夢は門を通り抜け都市の中へ入った。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい俺はいつの間に未来都市に来ているんだよ」

 

それが、この都市に入っての楼夢の第一声だった。

そう、その先には空飛ぶ車に高層ビルが何個も建っていた。

しかも聞けばこれ全て永琳が科学技術を進化させていったお陰であるという。

もしかして自分はとんでもない人を助けてしまったのかもしれない、と若干後悔に満ちながら、その先を歩く。

 

「凄いでしょ。ちなみにあっちの一番大きな建物には月夜見様がいるわ」

 

「月夜見様?」

 

「そう。この都市をまとめている神様よ」

 

「え、神まで居るの?」

 

「ええ、どうやら貴方の世界にはいないようね」

 

当たり前だ、と楼夢は内心答える。

 

楼夢の居た世界には妖怪や神のような非科学的な物は存在しない。

前世の職務は神社関係であった楼夢でさえ、神様など見たことないのだ。ちなみにそれ以外のものなら見たことがあるのは、余談だ。

 

そして先を進もうとして、永琳の言葉が頭によぎる。

 

(待てよ、今月夜見って言わなかったっけ?)

 

楼夢の記憶によれば月夜見は日本の昔の有名な神の一人だった。

そこで一つの結論に至る。もしかしてここは過去の世界ではないのだろうか?だがそうすると一つ疑問が残る。

なぜこの都市は歴史から消えているのだろうか?

だが、それはいずれ分かることだ、と思考を切り替える。

 

取り敢えず楼夢は永琳と一緒に都市の中を歩く。

最初は見たこともない奴が居るから多少は警戒されていると楼夢は思った。だが

 

(八意様今日も可愛ええ)

(美女二人ktkr)

(桃髪の少女クンカクンカ)

(うおおお八意様の隣に居る少女犯したい)

 

野次馬共が楼夢たちを見て興奮していた。

というか最後の人物に関しては絶対危険人物だろ、と永琳に告げるとすぐに通報された。

楼夢は狐、つまり犬科の妖怪なので彼等が何を言っているのか聞き取れるのだ。

 

楼夢は永琳を見る。彼女はどうやらあまり気にしてないようだ。

 

「さあ着いたわよ」

 

「えーと此処は?」

 

「私の家よ。ちょっと広すぎるけど」

 

楼夢は永琳の家、もとい屋敷を見上げる。

それはとても家で収まるようなレベルじゃない物件であったが、永琳は都市の中でも権力者なんだからこれくらいの家を持っていても不思議ではない、と楼夢は結露づけた。

 

「だがどうして永琳の家に?」

 

「どうせ貴方行くあてなんか無いでしょう?」

 

「当たり前だ」

 

「だから貴方は此処に泊まって行きなさい」

 

「……へっ、今なんて?」

 

何かおかしな答えが聞こえた気がする、と思考停止させる。

流石にいくらなんでも異性どうしが同じ家で暮らすなど、楼夢には耐えきれなかった。

 

「Da☆Ka☆Ra貴方は此処に泊まって行きなさいと言っているの」

 

「……ハアッ!?」

 

「ああ大丈夫よ。道場とかなら貸してあげるから」

 

「ちょっと待っていくらなんでも女性の人と……ああっ、ちょっと待って!」

 

楼夢は強制的に永琳に引っ張られ家の中に入る。

そして楼夢は永琳の助手として此処で暮らして行く事になる……。

 

 

 




いや~疲れた。ちなみに作者は投稿日にやっとルピの書き方を覚える事が出来ました。
ではでは次回も見てください。


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蛇狐の能力と開花

能力とは所有者の本能を映す鏡だ。


by白咲楼夢


 

 

永琳の助手として此処で暮らしてから軽く2ヶ月の時が流れた。

 

まず、楼夢はこの都市で暮らして分かった事があった。

それはこの世界にはまだ狐が存在しない事だ。

永琳に自分の種族を告げたところ「狐って何かしら?」と言われた。

つまり楼夢は世界最古の狐という事になる。

まあ狐の先祖が蛇の様な尻尾を持っている時点でいろいろ問題があるだろうが。

 

まあそんなこんなで現在永琳のに居る。

 

「永琳、オレンジジュース取って」

 

「はい、どうぞ」

 

楼夢は永琳に渡して貰ったオレンジジュースをコップに注ぐ。

だがこうもこの都市の科学技術が進み過ぎているとわざわざコップを手に持って飲むのは面倒だと思ってしまう。

楼夢は思わずBL●ACHの銀城が手も使わずにオレンジジュースを飲んだ時を思い浮かべた。

自分も完現術(フルブリング)が使えたらなと思っていると、永琳が目を丸くしながら訪ねた。

 

「貴方……今どうやってオレンジジュースを飲んだの?」

 

「へっ?」

 

そこでことの異常性を理解する。楼夢の口に、突如オレンジジュースが突っ込んできたのだ。それを楼夢は無意識に飲み干していたのだ。

意味不明だと思うが、実際のところ楼夢もよくわかっていない。

オレンジジュースは物であって生物ではないのだ。

ではどういう原理で動いたのか。

 

「いやオレンジジュースが勝手に口の中に入って来る所を想像しただけだが」

 

「......」

 

とりあえず現状を永琳に伝える。すると彼女はは楼夢の言った事に対して真剣に考え始めた。そして

 

「多分、それは【能力】ね」

 

「能力?」

 

楼夢はこの世界に来て初めて聞く単語に首を傾げる。

 

「そう。本来は妖怪が持っている物だけどたまに人間が持っているわ。

特徴としては一人一人別々の能力を持っている事ね。ちなみに私の能力は【ありとあらゆる薬を造る程度の能力】ね。まあ私の場合は材料と知識が必要なんだけどね」

 

「わーお、めっちゃ物騒な能力だな」

 

それを聞いて永琳のアイアンクローが顔にめり込む。

しばらくして開放され、楼夢は永琳の説明を聞いて疑問に思った事を聞いてみた。

 

「なんで【程度の能力】なんだ」

 

「さあ?気がついたら誰かがそう呼んでいたわ。ちなみに貴方にもそういう物があるって事」

 

「どうやったら分かるんだ?」

 

「目を瞑って心を無にしなさい。それくらい出来る......わよね?」

 

「おいおい俺を誰だと思っている。一応剣術を扱ってんだぞ。精神統一くらい五時間以上出来るわ」

 

そう言い楼夢は精神を統一する。

そういえば楼夢が蛇狐の姿から人間の姿になる時もその姿を想像したら出来たはずだ。

……おっ、出て来た。なんて書いてあるんだろう。

 

「えーとなになに、【形を操る程度の能力】?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「【形を操る程度の能力】?イマイチピンと来ないな」

 

そう首を傾げながら楼夢は永琳を見る。だが永琳は

 

「……チートね」

 

どうやらどういう能力か分かる様だ。

 

「まず形を操るという事は全ての物を操る事が出来るという事。例えば此処にある木材等は勿論、火や水や風などという物まで操れるわ」

 

「何そのチート能力。呆れる程凄いじゃん」

 

実際そうだ。全ての物には形と言う物がある。

それを操るという事はほぼ全ての物を操るという事に等しい。

 

「まあ物は試しよ。今から道場にでも行って試してみましょう」

 

楼夢は永琳と一緒に道場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、まずはこの鉄の形を操ってみて。」

 

楼夢は言われるがままに鉄の塊に触れて形を操ろうとする。

こういう物は剣にした方がやりやすそうだ。

楼夢は剣の形を想像する。

 

バシュッ

 

「出来たわね」

 

あらまぁー何と言う事でしょう、とどこかの料理番組のように内心思う。

洋風の剣をイメージしたらロ●の剣が出来てしまった。

ところでロ●の剣をご存知だろうか?ド●クエの伝説の勇者ロ●が持っていた剣で別名王者の剣と言われる程切れ味が鋭い。

その秘密は刀身が伝説の金属オリハルコンで出来ているのが理由である。

そこまで思考して、話を止める。どうやら話が脱線し過ぎた様だ。

間違えてド●クエの歴史について熱く語ってしまう所だったと、深く反省する。

取り敢えず楼夢の目の前にはそのロ●の剣が出来ていたのだ。

 

「中々良いデザインね。」

 

パクリ何だけどね永琳。

だが楼夢は日本刀しか扱った事が無いのでロ●の剣の出番はおそらくもうないだろう。

というかこの能力あれば鍛冶師はもういらないじゃん。哀れ、この世の鍛冶市。

 

「そう言えば貴方ちょっと疲れた様な気がしない?」

 

「そう言えばちょっと疲れた気がする。でもなんでだ?」

 

「それは貴方にある妖力が使われたからよ」

 

「妖力?何それ?」

 

「妖怪が持っている力の事よ。基本的にこれを使って戦うみたいよ。ちなみに人間が持つ力が霊力。神が持つ力は神力と言うのよ。だけど貴方には霊力もあるのが不思議ね」

 

「それは俺が元人間だったからじゃないか?」

 

そう言い楼夢は修行を開始する。




ふー何時も1500文字以上書くの疲れる。
そして今回は楼夢さんの能力についてでしたね。
ちなみに作者はド●クエオタクです
ロ●の剣は何時か出ると思います。
それでは次回もゆっくり待って下さい


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形を司る蛇狐と二度目の戦闘


臭いものには蓋を

キモイものには消毒を


by白咲楼夢


 

 

楼夢が能力について学んでから軽く一年が過ぎた。

 

最近展開が早過ぎる気がするがとりあえず気にしない。

 

その間楼夢は修行したり銭湯に行ったりしてた。

楼夢は三ヶ月に一回は行くほど銭湯が大好きなのだ。

......実際この姿でなければもっとゆっくり出来るのに、と愚痴を漏らす。楼夢を見た男達が鼻血出しているのを見た時は全員皆殺しにしようかとも思った事がある。

 

そして楼夢の永琳の助手としての仕事は主に二つある。一つ目は

 

「あら楼夢ちょうどいい時に。今薬の試作品が出来た所よ」

 

そう薬の実験台になる事だ。

実際のところ、永琳は楼夢を実験台にするためだけに彼を助手にしていると言っても過言ではない。

 

「はい、じゃあ頑張ってね」

 

永琳に渡された薬を見る。

色は血の様な朱色で泡が物凄くブクブクしている。

アカン永琳これ駄目な奴だ。

楼夢の本能がそう告げていた。

 

「ちなみに拒否権は?」

 

「勿論ある訳無いじゃない」

 

「デスヨネー」

 

ヤケになりながら、薬を飲んだ。

ええい、ままよ!

 

「グッ......グガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

 

突如、俺の頭に人間だったらショック死してしまう程の激痛が走る。

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

 

「ちょっと、楼夢大丈夫!?」

 

永琳は驚いた様な声で聞く。

どうやらこのことは彼女にとっても予想外だった様だ。

 

「......ハアッ、ハアッ」

 

楼夢は激痛に打ち勝ち地面に倒れていた。

取り敢えず楼夢は自分がどうなったか鏡を覗き込む。

すると楼夢の左目の白目の部分が黒で染まっていた。ちなみに黒目の部分も真紅に変わっていた。

 

「と、取り敢えず水飲む?......キャアッ!?」

 

永琳は急いだため、床に躓いて転んだ。

 

水入りのコップが楼夢に飛んで来る。

だが楼夢には何故かコップがスローモーションに飛んで来ている様に見えた。

楼夢はコップを右に避ける。

 

「あ、危なかったわ」

 

「それよりコップがスローモーションに見えたんだが。永琳何故か分かる?」

 

「スローモーションに?」

 

永琳はしばらく何か考えたと思うと、BB弾が入ったスナイパーライフルを構える。え、ちょっと待て。

 

パアン

 

永琳はBB弾を発射した。しかし何故かそれは目で追える速度に見える。俺は黒月夜を引き抜き弾を斬る。

 

「やっぱりね」

 

「いやなに人で納得してんだよ。謝罪の言葉は?」

 

「取り敢えず貴方の左目が黒い時は洞察力が上がっている様ね。だけど使っている間は妖力をかなり消費する。そうでしょ」

 

「無視すか」

 

「はい、じゃあ次の仕事」

 

「今日は薬は勘弁してくれ」

 

楼夢は左目を元に戻し、そう言った。だが仕事は別件だった。

 

「いや今度は妖怪退治をお願いしようかと」

 

「またかよ」

 

そう、二つ目の仕事は軍が退治出来なかった妖怪を退治することだ。

 

「グダグダ言ってないでこれ持って行きなさい」

 

楼夢は永琳から目的地の場所が書いてある紙を貰い目的地を目指す。

 

 

 

 

少年?移動中......。

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処か」

 

楼夢は湖のそばで目標を探していた。確か情報では巨大な大蛇だとか。

 

「キシャーー!!」

 

「来たか」

 

楼夢大蛇を見る。大きさは二m程だ。そして何より

 

「ウヒョーー!美女ktkr」

 

うん確かに危険だな。消しておこう。

そう判断すると、楼夢は狐の尻尾と耳を出す。

どうやら楼夢は全部で三つの姿に変わる事が出来る様だ。

その一つの狐の姿、もとい『妖狐状態』は妖術などの遠距離攻撃を得意とする様だ。

 

「ケモ耳美女可愛え~~~!」

 

「......殺す」

 

静かに燃えたぎる殺気をまき散らしながら、距離を取り妖術を使う。

 

「火球『狐火小花(きつねびこばな)』」

 

楼夢は手の平サイズの狐火を八つ作り奴に飛ばす。だが

 

「効くかァ、こんな物!」

 

八つの狐火は大蛇の巨大な尻尾によって消されてしまう。

 

「ハアハア。戦っている姿可愛いよ」

 

「ちい、汚物は消去だ!」

 

俺は狐の姿から狐耳に蛇の様な尻尾の姿もとい『蛇狐状態』になる。

 

「とりあえず三十五回ぐらい死ね!」

 

蛇狐状態になるとどうやら身体能力などが上がるらしい。

それを生かして楼夢はどこからかオラオラオラオラ、と聞こえそうなほど大蛇をぶん殴る。

 

「へっ、ちょっと待っヘブシ!?。ちょちょ止めて!」

 

「君が...死ぬまで...殴るのを止めないッ!」

 

「何この人ッ!?ヘボラ、ゴホッ、グハッ......ちい喰らえ!!」

 

大蛇は楼夢に向けて尻尾を振り下ろす。

だが楼夢は最後の姿……もとい『人間状態』になり攻撃を避ける。

この姿のメリットはスピードが全ての姿の中でも最も速い事だ。

これは普段剣術を扱う楼夢にとって最も使う事となる姿だろう。

 

ちなみに全ての姿にメリットとデメリットはある。妖狐状態は遠距離攻撃の威力が上がる代わりスピードは全ての姿の中で最も低く、腕力は蛇狐状態の次にになる。

まあ常人から見たら滅茶苦茶速い事に代わりは無いが。

 

次に蛇狐状態だ。

これは腕力などの基礎身体能力が全ての姿の中で最も高い代わり、剣術のスピードは人間状態の次に、そして遠距離攻撃が全ての中で最も低いのが問題だ。

 

最後に人間状態。

これは先程も言った通りスピードが全ての中で最も速い代わり、遠距離攻撃は妖狐状態の次に、腕力は全ての中で最も低いのが問題だ。要するに全ての姿を使い分けないと行けない訳だ。

 

「悪いね。お終いだよーーーー

 

 

ーーーー霊刃『森羅万象斬(しんらばんしょうざん)』」

 

ドゴーン

 

刀に青白い霊力を込める。そしてそれを巨大な斬撃にして解き放った。

イメージでは蒼い月牙天衝の様な物だ。

 

「ガハッ!ゲホゲホ……」

 

「ちっまだ生きているのかよ」

 

「まだだ……まだ終わらんよ」

 

「あっそう。燃え尽きろーーーー

ーーーー大火球『大狐火(おおきつねび)』」

 

手の平の上に巨大な球状の炎を形成する。そしてそれを大蛇の上に落とした。

 

「グガァァァァァァッ!!!」

 

大蛇は大狐火によって燃え尽きた。

 

「あ、やべぇ。マジで殺っちまった」

 

そう、今の光景はド●クエ5のボロボロになったパパスをゲマがメ●ゾーマで惨殺したシーンにうり二つなのである。

そうこれは楼夢が能力操作をミスったせいなのだ。

 

「俺の【形を操る程度の能力】もまだまだだな」

 

楼夢はそう呟き都市に帰った。

いやー最初の犠牲者がああいう奴で良かった。

実に清々しい気分である。

 




いや~今回2300文字突破してしまいました。
流石に疲れた。ちなみに犠牲者は作者が美味しく頂きました。さて次回東方キャラが出て来るかも?お楽しみに。


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桃色蛇狐と蓬莱山の姫

人生に保険はかけておくべきだ


by白咲楼夢


 

 

永琳の部屋、その中でなにか駒を打つ音が聞こえる。

現在、白咲楼夢は凄く落ち込んでいた。

え、何故かって?目の前を見れば分かる。

 

「はい、またチェックメイト。これで十回目ね」

 

目の前の天才にチェスでボコボコにされているからだ。

嘘だろと、呟く。現代では無敗だったのに。

ちなみに楼夢はチェス等のテーブルゲームが物凄く大好きだ。

将来の夢はカジノで働く事だった。

楼夢は田舎育ちだったので、そう言う物には憧れた。

 

「畜生、やっぱり都市の頭脳に頭脳で勝負して勝てる訳無かったか……」

 

「いやー、私と遊んでくれる人なんて今までいなかったから楽しかったわよ」

 

「……それっていわゆるボッチじゃ……」

 

そこまで言うと、楼夢の顔にいつかのように右ストレートが飛んできた。

しばらく悶えていると、すぐに立ち上がる。

 

「......そろそろ修行の時間だな」

 

先ほどの発言を誤魔化し、家を出ようとする。

 

修行のお陰で楼夢は火や水などの決まった形が無いものを0から創れる様になった。

更に妖力や霊力で造った武器を大量に飛ばす事等も出来る様になった。

 

「ちょっと待って。今日は貴方に紹介したい人がいるのよ」

 

「紹介したい人?誰だ?」

 

「ふふん。なんと蓬莱山家の姫様よ。私はそこで家庭教師として働いているのよ」

 

「別に良いがなんで俺に紹介したいんだ?」

 

楼夢の情報では、確か蓬莱山家とは有名な貴族だった様な気がする。

なんだか嫌な予感がする……。

 

「貴方は仮にも私の助手なのよ。一度会っていた方が良いかと思って」

 

「成程ね。んで、何時行くんだ?」

 

「今でしょ!」

 

そう永琳は言い楼夢と家を出る。

ネタが古いと、内心思う。

うーん、それにしても貴族の姫様か。イマイチピンと来ないな。

楼夢はそう思い永琳の後を追う。

 

 

 

 

 

 

 

永琳side

 

楼夢と暮らしてから軽く一年が経とうとしている。

最初は本当に男と知った時は本当に驚いたわ。え、どうやって調べたのかって?

そんな物決まっているじゃない。真夜中に楼夢の下の物をこっそり見たからよ。

そうそう楼夢の物は随分と大きかったわね。

おっと話が少し脱線したわね。

最近では楼夢は狐?と言う動物の姿になって寝る事が多い。

そしてそれをこっそり抱きしめて寝るのが私の日課だ。

あの毛並みを見せ付けられて抱きたくならない人なんて居ないわ。

抱き枕よりモフモフで温かいし。

まあ本人より朝早く起きるし楼夢は気付いて無いみたいだから問題無いけどね。

 

今日私が楼夢を彼女の元に連れていくのは唯単に私の助手だからではない。

最近彼女は暇ばかりしゲームばっかりしている日々だ。

楼夢にはそんな彼女の遊び相手になって貰おう。

まああの顔に殺られなければ良いのだけど。

 

私は心の中でそう思い彼女の屋敷へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処か」

 

楼夢と永琳は現在大きな屋敷の門の前に居た。

永琳は門番に一言挨拶し門を通る。だが楼夢は「何者だ!」などと言われ門番5、6人に絡まれている最中である。

 

「その人は私の助手よ」

 

永琳がそう言った瞬間門番達は下がる。

楼夢は自分が警戒されているのを悟ると、まあ仕方が無いと切り捨てる。

 

(おいおい八意様に助手なんて居たのか?)

(と言うより八意様より綺麗なんじゃないか?)

(いや俺は八意様派だな)

(じゃあ俺は助手派で)

(ウヒョーー美女ktkr)

(ハアハア後で盗撮しに行こう)

 

宣言撤回。警戒心なんて無かった。後でこいつらボコボコにして帰ろうか。

 

 

 

 

「ようこそいらっしゃいました八意様。えーとそちらの方は?」

 

「私の助手よ」

 

「そうでしたか。姫様は自室に居ると思うので。では失礼しました」

 

そう言い使用人らしき人はその場から去る。

楼夢はいよいよ姫様との対面に少し緊張していた。

 

「輝夜来たわよ」

 

そう言い永琳は部屋のドアをノックする。名前は輝夜と言うらしい。

 

「入っていいわよ」

 

そう言われ楼夢と永琳は部屋の中へ入る。

 

「よく来たわね永琳。っとそいつは誰かしら?」

 

彼女は楼夢に指を指す。背は低く明らかに高い着物を着ている。そして何より

 

(おいおい、これは人形ですかっての。顔が整いすぎんだろ)

 

そう、彼女の顔は今まで出会った少女では比べ物にならないほど美形なのである。

だが幸いにも楼夢はそっち方面の話には全く興味が無かった。

 

「私の助手ですよ。輝夜」

 

「へー永琳に助手なんか居たんだ。えーと、貴女の名前は?」

 

「俺の名前は白咲楼夢。永琳の助手をしている。後俺は男だ」

 

「寝言は寝てる時に言いなさい」

 

「寝言でもなんでもねえよ。ていうか酷いな」

 

「......マジかよ!!」

 

そう言い彼女は俺の顔をジロジロと見る。

 

「まあいいわ。私の名前は蓬莱山(ほうらいさん)輝夜(かぐや)。楼夢と言ったかしら。少し聞きたい事があるのだけど?」

 

「良いけど、どうした?」

 

「いえ貴方は男なのに私の顔を見ても平気で居られる。何故かしら。」

 

「いや知らんわ。分かるわけねえだろ。ただ俺の美感の問題じゃね?」

 

「ッ!?……仮にも姫である私にその対応……。ふふふ、貴方の事気に入ったわ。そうね......これを貴方にあげるわ。」

 

そう言い彼女は何故か光り輝く金色のブレスレットを楼夢に渡す。

中心には百合の花の様な紋章が刻まれている。

見るからにお高そうな物であった。

 

「ていうかこれ何で出来ているんだ?物凄く光っているけど?」

 

「確か緋緋色金(ヒヒイロカネ)とか言う金属で出来ているわ」

 

「バカ野郎!?伝説の金属無駄使いすんじゃねえ!」

 

「我が蓬莱山の技術は世界一ィィィィ!!」

 

説明しよう。緋緋色金とは日本の伝説の金属である。

ちなみに伝説の金属と言えばオリハルコンだが緋緋色金はそれの別の名という説もある。

 

「取り敢えずそれをあげる代わりにたまに此処に遊びに来なさい」

 

「楼夢これは姫様の命令よ。最低1日に一回は来ること」

 

「それって毎日じゃねーか!......まあ一週間に一回は行くよ」

 

「決まりね」

 

こうして楼夢は一週間に一回此処に来るハメになった。

やったね。面倒事がまた増えるよ。




と言う訳で蓬莱ニートの登場です(笑)
楼夢さんも可哀想ですね。
ちなみに気が付いたら登録者数十人突破してました。皆さんありがとうございます。
さて次回は時間がかなり進みます。
ではバイちゃ。


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形創る蛇狐と月移住計画

形と言う物は創るよりも壊す方が容易い物


by白咲楼夢



 

 

輝夜と知り合ってから軽く数十年の時が流れた。

 

また展開が早く進みすぎている気もするが、そこは置いておこう。

それよりも時の流れとともに楼夢の体にいくつかの変化が訪れた。

 

一つは妖狐状態の時の尻尾が2本になった。

どうやら蛇狐状態の尻尾と妖狐状態の尻尾は別々なようだ。その証拠に蛇の尻尾は一メートル程に大きくなったが尻尾の数は増えなかった。

ちなみに尻尾が成長したお陰で楼夢の妖力の容量が多くなった。

そして尻尾が増えた事を永琳に見せたら、めちゃくちゃモフモフされた。

永琳そんなに俺の尻尾をモフりたかったのかな?

 

二つ目は前に永琳の薬のせいで黒くなった左目の能力と名前が決まった。

あの後気付いたのだが楼夢の左目が黒くなっている時は視点をズーム出来たり普通では見れない様な物が見える様になった。

例を出せば幽霊等である。

更に人や妖怪から出る霊力や妖力等まで見える様になった。

つまりこれを使えば相手の力量等が瞬時に分かるのである。

能力で言えば【ありとあらゆる物を見る程度の能力】という所だ。

名前は血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)と決めた。

厨二病っぽいのは御愛嬌である。

 

そして今都市では一つの話題で盛り上がっていた。

 

「月移住計画?とうとう永琳も可笑しくなったか」

 

「可笑しくなってないわよ。最近穢れが多くなって私達の寿命が短くなったのよ。だから1ヶ月後に行くらしいわよ」

 

「いつの間に造ったんだよ!?」

 

そう、この都市の人間に寿命はない。よって永琳は何時までも若いままなのだ。ちなみに実年齢はこの都市の神である月夜見と同じくらいだそうだ。

そんなことを考えていたらまた殴られた。楼夢の顔面は決してサンドバッグなどではない。

 

閑話休題。話を戻そう。

先ほど言った通りこの都市の人間には寿命がないが、生物が殺し合って生まれる物質『穢れ』が都市に入ると人間には寿命が出来てしまう。

つまり都市の連中は穢れが都市に入る前に穢れが無いという月に行くつもりなのだ。

 

「それで貴方はどうするつもり?」

 

「どうするつもりって?」

 

「だから地上に残るか残らないかよ」

 

そう言えばその事について考えて無かった。

どうしよう、と悩む。楼夢はどちらかと言うと地上が好きだ。だが同時に永琳と輝夜を悲しませるのが怖い。

自分はやっぱり臆病者だなと、内心乾いた笑い声を出す。

 

「......取り敢えず考えさせてくれ」

 

「...分かったわ」

 

そう言い楼夢は科学についての本手に取り、読み始める。

楼夢は永琳の助手をしていたお陰で科学、医学、DNA等についてはかなり詳しくなった。

 

「あ、そう言えば今日は輝夜と会う約束があるんだった」

 

楼夢は本を閉じ、輝夜の屋敷に行く準備をした。

 

 

 

 

 

蛇狐移動中...。

 

 

 

 

 

「フハハハハ!!死ねい!!」

 

「ちょっとアンタ手加減しなさいよ!」

 

「我が辞書に手加減と言う文字は無い!」

 

「畜生め!!!」

 

現在楼夢はス●ブラで輝夜と遊んでいる。

何故この時代にス●ブラがあるのかは知らないが楽しいから良しとしよう。

 

「やっぱス●ブラはカ●ビィだな」

 

「何言ってんのよ。ス●ブラって言ったらリ●クでしょ」

 

そう言い楼夢と輝夜は喧嘩し始める。

 

 

「あっもうこんな時間か。もう帰らなきゃな」

 

「え、もう帰るの?まだ良いじゃない」

 

「すまないな。今日ちょっと用事があるんでな」

 

「そう......分かったわ。また来なさいよ」

 

「ああ」

 

そう言い楼夢は部屋を出る。こんな日々が何時までも続けば良いな......

 

 

 

 

 

 

 

その夜......

 

「よお姉御。調子はどうだ?」

 

「まずはその姉御って言うの止めてくれないか」

 

楼夢は今都市の外れにある森に居た。

何故此処に居るのかと言うと、数年前に此処の妖怪達と知り合い、時々こうして話をしに来ているのだ。

 

「で何の様だ?お前が俺を呼び出すなんて珍しいな?」

 

「......1ヶ月後に都市に付近の妖怪達が一斉攻撃をする様だ」

 

「....でどうした?」

 

「いや姉御はどうするのかって?」

 

「妖怪達が一斉攻撃して来るならそれを止める、ただそれだけだ。でお前達はどうするんだ?」

 

「俺等も都市を攻めろと上から言われているんでな。........すまない」

 

「....いや良い。だが戦場では恨みっ子なしな」

 

「ああ」

 

「じゃあな」

 

楼夢はそう言い森を出る。さて1ヶ月後は大変な事になりそうだ。




今回は短めにしました。
次回人妖大戦編突入。お楽しみに。


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人妖大戦と蛇狐の悩み

人と妖は存在するからこそ互いを恨み
存在するからこそ互いで争う

by白咲楼夢


 

 

月移住計画の続行まであと明日を切った。明日になれば楼夢は永琳達と別れてしまう。

 

「明日の事については決まったかしら?」

 

「ああ」

 

楼夢は永琳にそう告げる。

永琳は何処かホッとした表情だった。

多分彼女は楼夢が自分と一緒に行くと思っているらしい。

だが楼夢はその事を永琳に伝えてはいなかった。

理由は永琳に引き止められるのが嫌だったからだ。

フフフ....俺はやっぱり自分の事しか考えて無いんだな。

楼夢は己の非力さを悔いていた。......今までこれ程自分の無力を呪った事はあっただろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は変わり今は深夜二時。楼夢は明日の事を考えると眠れないでいた。

ベッドから抜け出し、屋根の上で輝く星々を眺める。

思えば今の楼夢の人生は前世では有り得ない事が多すぎる。誰が一体ただ鍛えてるだけの大学生が妖怪になるなど誰が考えられるのだろうか?

楼夢はそう星々に問う。返事は勿論帰ってこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

現在此処はロケットの前である。とうとうこの日が来てしまったのだ。

永琳はロケットの最終調整をしている。

よって永琳の乗るロケットは一番最後になりそうだ。

人類が星空に登る.......と同時に妖怪の軍勢が都市を攻めに来て、間違いなく人妖大戦と言う形で歴史に刻まれる時だ.......

 

ビービー

 

『大量の穢れ接近中。大量の穢れ接近中。

軍の方はただちに武器を取り、戦闘準備をし、船員はただちにロケットへ乗って下さい。繰り返します。....』

 

楼夢は慌てながら戦闘準備にかかる軍人達を見ていた。どうやら軍の人達が妖怪達を止めるつもりのようだ。

だが瞬時にそれは無謀な行為になると悟った。

 

軍の数は約3千、対してこの付近の妖怪達は都市があるせいか約10万にも達している。

元々人と妖怪は一人一人で戦えば妖怪の方が強い。人間はそれを数の差で補っているに過ぎない。....まあたまに例外は居るが。

とにかく素では人間は妖怪よりも弱いのにそのハンデまで失ってしまえば?答えは軍人達は妖怪に食われ、都市諸共焼き尽くされてしまうだろう。....

 

元々楼夢は軍がどうなろうが知ったこっちゃいない。

だが永琳達を守る為にそろそろ行かなくては行けない樣だ。

 

『穢れ接近中。穢れ接近中。

総員はただちにロケットを発射させて下さい。』

 

ドゴーン

 

爆音と共にロケットが次々と空へ上がる。

だが妖怪がもうすぐそこまで接近していて永琳達が乗る最終ロケットは間に合わなそうだ。....そう()()が時間を稼がなければ。

 

楼夢はそろそろ永琳に別れを告げなければいけない、そう悟る。

 

「最終ロケットの発射準備が整ったらしいわ。さあ行きましょう.......楼夢?」

 

「永琳.......どうやら俺はお前に別れを告げなければならないそうだ」

 

「何を.......言っているの?」

 

「俺はこの地上に残る。これは俺が再び地上に生を受けた俺の生きる道だ。.......すまないな、こんな我儘な俺を許してくれ」

 

「だっ、駄目よ。貴方は『この数十年間は楽しかったよ。ありがとう。こんな俺と仲良くしてくれて。そしてーーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーー元気でな』」

 

 

永琳の腹に強烈な衝撃が奔る。

見れば楼夢が拳で突きを放っていた。

永琳を気絶させ、ロケットの中へ入れる。そして

 

「全員乗ったぞー!発射しろ!」

 

そうロケットへ向けてそう叫んだ。そして建物の外へ出て、群がる妖怪達を見ていた。

 

「(おいおい、此処だけで軽く1万も居るぞ。さて問題は俺一人でロケットの発射時間まで時間を稼げるかだな)」

 

俺は軽く血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使い相手の数を把握する。

 

「ハハハ!殺せ殺せ!」

「食い尽くせ!」

「人間は皆殺しだ!!」

「ああん。なんだテメエは?」

 

「白咲楼夢。一応この先には大量の人間が居てね。時間を稼がせて貰うよ」

 

「生意気なクソ女だな。おいテメエ等ぶっ殺せ!!」

 

そう叫ぶと同時に楼夢の周りは妖怪達で囲まれる。現在の楼夢は人間状態だ。理由はこの姿の方が妖力消費が少ないのだ。

 

「キシャアアアア!!」

 

大量の妖怪が楼夢に攻撃して来る。それを一人一人剣術で倒す。

 

ズシャッ ザシュッ ズガッ ガツッ ドシュッ

 

「ちぃ!数が多すぎる!ならば......

 

雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

そう叫ぶと同時に八つの龍の形をした稲妻を奴等に向けて飛ばした。

龍をもした稲妻が全てジグザグに違う動きをしながら妖怪たちに命中する。

 

「ギャアアアア!!!」

 

妖怪達は叫び声にもならない声を上げ、倒れる。だが次の妖怪がまた湧き出て来る。

 

歯車の呪文(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)

 

楼夢は次にそう呟き剣先に妖力と霊力を込め、放つ。

そうこれはBL●ACHのメ●ス等が使う定番技虚閃(セロ)である。

歯車の呪文(ギア・マジック)と付くのは唯単に技名だけで言いたく無かったからである。

ちなみに歯車の呪文(ギア・マジック)は全部でI、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳまである。

 

桃色の光線が目の前に居る者全てを消し去る。

 

また新しい妖怪達が現れた瞬間、

 

「お主、中々やるのう」

 

突然女性が現れ、目の前に居る妖怪を全て一瞬で消し去った。

 

「儂の名は鬼城(きじょう)(ごう)。よろしくな小娘」




とうとうオリキャラ出現。う~ん超古代都市編ももうすぐ終わりが近いな。
では次回、鬼城剛戦、お楽しみに。
後高評価と登録宜しくお願いします。


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旅する蛇狐編 鬼母子神と蛇狐の挑戦

戦いこそ、我が道楽

by鬼城剛


 

 

「儂の名は鬼城剛。よろしくな小娘」

 

楼夢は戦場に突如現れた女性を見る。髪は紅いロングヘアーで服装は和風だ。そして一番気になるのが彼女の頭から突き出た二つの角だ。

 

「アンタ......何者だ?」

 

「う~んこの辺りでは鬼子母神と呼ばれている。それより、お主の方も名乗ったらどうだ?」

 

鬼子母神......何と言うビッグネームが出て来たのだろう。......まさかこの時代から居たなんて。

 

「俺の名は白咲楼夢。只のしがない蛇狐だ。後俺は男だ」

 

楼夢は自己紹介すると同時に血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)で剛を見る。

......そして相手の力量を理解した時にはもう口が動いていた。

 

「嘘...だろ」

 

剛の妖力......それは今の楼夢の妖力の数十倍程だった。......当たり前だ。楼夢は産まれてまだ百年も経っていない中級妖怪。

それに比べて剛は千年以上生きた大妖怪なのだ。

 

楼夢は持ち前の妖力と霊力を能力でコントロールする事で少ない妖力で戦う術を手に入れた。...だがいくら頑張ろうとも大妖怪の妖力に中級妖怪の中でも下に入る程の妖力しか持たない楼夢が彼女を倒す事は間違いなく不可能だろう。

 

「(だからと言って俺が逃げたら妖怪達がロケットの中へ入ってしまう。...それだけは防がないといけない)」

 

楼夢はそう自分にそう言い聞かせる。

 

「(そうだ……今は時間さえ稼げれば良いんだ。そうロケットが発射出来る程の時間さえ稼げれば……ッ)」

 

俺は蛇狐状態になる、と同時に

 

「大火球『大狐火』」

 

巨大な狐火を相手に飛ばす。だが

 

ドガーン

 

彼女は正拳突きでそれを壊す。そして

 

「今度はこっちからいくぞ」

 

そう言い終わると同時に彼女は俺の視界から消える。いや俺の懐に潜り込んでいたと言ったと方が正しい。

 

ゴオッ

 

楼夢は反射で後ろに飛び、攻撃を躱す。

 

「ほう……今のを躱すとは中々やるのう。」

 

「(マジかよ!?全然見えて無かった。不味い......このままじゃ殺られる!)」

 

そう悟り俺は彼女と距離を取る。そして

 

G(ギア・マジック)(ファースト)虚弾(バラ)』」

 

拳に妖力を溜め、相手に向けて放つ。

 

「威力は虚閃(セロ)より劣るがスピードはその二十倍だ!」

 

俺はそう叫ぶと虚弾(バラ)を連射する。

 

「ちぃ!中々厄介な技を持っとるの。...だが...

 

鬼神奥義『空拳(くうけん)』」

 

瞬間楼夢と楼夢のの放った虚弾(バラ)は空気の拳によって弾き飛ばされた。

そして楼夢の目の前には彼女が俺に向けて拳を振り落とす様が見えた。

 

G(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)

 

楼夢は尻尾の方の口を開け、そこから虚閃(セロ)を放つ。

流石にこれには対応出来なかった様で直撃する...が重傷にはなっていない様だ。

 

「(遠距離戦は駄目か。...だったら)」

 

俺は再び血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使う。そして接近戦に持ち込む。

 

「判断を誤ったな。接近戦は儂の土俵だ!」

 

そう叫ぶと同時に彼女は俺に拳で攻撃する。...だが

 

「何故だ......何故当たらない!?」

 

彼女は驚いている。それもそうだ。自分の土俵での攻撃が只の中級妖怪に当たらないのだから。

これも全て血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)のお陰だ。

だがこの左目にも欠点がある。

 

一つはこれは使う時間が長ければ長くなる程妖力の消費が激しくなるという事。

今の楼夢ではもって十分だろう。

 

二つは使い終わった後に人常じゃない程の痛みが頭に走る事だ。ただ目は30秒以内に閉じれば問題は無い。

 

しかし今は戦闘中、しかも相手は一瞬でも気を逸らせば殺られてしまう程の格上だ。

そしてこれも使う時間が長ければ長い程後で来る痛みは増していく。便利に見えてかなりの欠陥能力なのだ。

 

「(残り時間は約八分。それまでに決めないと)」

 

楼夢は彼女の全ての攻撃を裁きプレッシャーを与える。

 

「クソが。...この...当たれ!」

 

彼女は俺に強烈な一撃を放つ。だが

 

「狂華閃三十ニ奏『烈空閃(れっくうせん)』」

 

楼夢は彼女の腹に風を纏った居合切りを放つ。

 

ザシュ

 

「!?グウ!」

 

剛の動きが一瞬止まる。その一瞬は楼夢が次の攻撃を放つには充分過ぎる時間だった。

 

「狂華閃七十五奏『氷結乱舞(ひょうけつらんぶ)』」

 

流れる様な七つの斬撃。その後には凍りついた剛が居た。

 




今回は戦闘回でしたね。相変わらず戦闘描写は苦手です
ではでは次回も宜しくお願いします。


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人妖大戦と不屈の蛇狐

戦闘と喧嘩は似ているが違う
戦闘は相手が生きている限り続き
喧嘩は一度殺りあえば終わるという事だ

by白咲楼夢




 

 

狂華閃七十五奏『氷結乱舞』

 

氷を纏った剣で流れる様に斬撃を七回繰り出す、楼夢の剣術『狂華閃』の中でも強力な七十番台にある技だ。傍から見れば只の氷を纏った七連激にしか見えないが最初の六連激は全て体の急所のみを狙い動きを止め、最後の一撃を叩き込む、これを超高速でするのが『氷結乱舞』の内容だ。

 

ドゴーン

 

楼夢の後ろの建物から爆発音がしたと同時にロケットが現れ、空に上っていく。どうやら無事に発射出来た様だ。

 

「終わった『バキバキ』...な!?」

 

楼夢は驚いた。何故ならそこには先程凍り付いた筈の剛が居たからだ。

 

「今のは危なかったぞ。そう言えば儂の能力を言って無かったの。儂の能力は【物質を纏う程度の能力】じゃ。今のは風を纏い攻撃を半減しただけじゃ。さてと、次は儂の番じゃのう」

 

彼女は楼夢に急接近し接近戦を行う。今度は先程とは違い、小さく細く早く拳を繰り出してくる。しかもその一撃が楼夢にとっては致命傷になる。そして楼夢は血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使っているとはいえ身体能力が上がった訳ではない。さらに血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)の時間切れ迄後3分だ。つまり後3分経てば楼夢は副作用によって戦闘続行不可能になる。だが後3分で剛を倒すのは不可能だ。これで楼夢は完全に詰んだと言えよう。

 

剛の攻撃を出来る限り裁く。そう出来る限りと言う事は少なからず攻撃を受けているという事だ。

 

「どうした!もう終わりか?小僧!」

 

「ハアハア……グァッ!!」

 

剛の拳が楼夢の体に突き刺さる。この時点で楼夢の体のアバラ骨が数本へし折れ、楼夢の足は完全に止められた。よって楼夢は動く事もままならない状態になった。

だが彼女の攻撃はまだ続く。

ある一撃が楼夢の顔面を捕らえ後ろに吹き飛ばされる。

 

「これで止めじゃ。四天王奥義『三歩必殺』」

 

彼女はそう告げると同時に地面を一歩蹴る。その衝撃で辺りの地面が揺れる。

二歩目さらに地面を蹴る。その拳に風が集まると同時に地面にクレーターが出来る。

三歩目、剛は楼夢に接近すると同時に妖力や風が集まった拳を楼夢に目掛けて繰り出す。

……だが今の状態の楼夢にこの技を使うべきでは無かった。

 

「霊刃『森羅万象斬ッ』!!」

 

三歩必殺。その技の威力は確かに凄まじい。今の楼夢が食らったら五体満足でいられるかの問題だろう。だがそれはあくまでも食らったらの問題だ。三歩必殺は繰り出す前に三歩踏み込める分の距離と時間を必要とする。さらに溜め込んだ力を一気に開放するのだからその一撃は自然と大振りになる。それを血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使っている楼夢が見逃す訳無い。楼夢は三歩必殺が自分に当たる瞬間に渾身の森羅万象斬をカウンターとして放ち剛を攻撃した。

 

「ハアッハアッ...殺ったか『ドシュッ』……えっ?」

 

楼夢の体に何かが貫く。それは倒した筈の剛の拳だった。

 

(そんな……馬鹿な!?俺は自分の渾身の一撃をカウンターで放ったんだぞ。あれで生きているなんて……化け物かよ!?)

 

楼夢はそんな事を考えた。だが今目の前に居るのは千年以上生きた化け物なのだ。むしろ良くやったと褒めて良い程だ。

 

「……今のは儂でも痛かったぞ。……確か……白咲楼夢じゃったか。……この儂に此処まで食らいついた事に対し敬意を持って、儂の最終奥義を見せてやろう」

 

彼女がそう言うと拳に風が再び集まり始める。そしてそれはバチッと言う音と共にプラズマに変わり始めた。

 

「鬼神最終奥義『雷神拳』」

 

彼女がそう言うと同時に拳を繰り出す。

 

瞬間、辺りが爆風で包まれ、残ったのは彼女と......血だらけでボロボロになって立っている楼夢だけだった。

 

「...ほう。儂の最終奥義を受けても立っているとはの」

 

「...意外と...私は...負けず嫌い......なんでね」

 

「お主なんか急に口調変わったの」

 

「元々...私は......こんな喋り方...ですよ」

 

楼夢がそう言い力尽きようとしたその時

 

ヒュー

 

何処からともなく何かが落ちてくる音が聞こえ、瞬時に上を見る。そして落ちてきた物に対し驚愕した。

 

「あれは......原子爆弾!?」

 

そう、原子爆弾が落ちてきたのだ。誰が落としたなんて決まっている。月へ向かった人間達だ。

おそらくは後世に自分たちの技術を残さないためであろう。

取り敢えず今はこの最悪な状況をどうにかしなければ。

 

「おい剛頼む!俺に力を貸せ!」

 

「...なんじゃと?」

 

「早く俺に妖力を分けてくれ!……死にたいのか!?」

 

「……ッ!?」

 

剛は楼夢の言葉に察してか、近づき妖力を分ける。そして楼夢は自分に残った妖力や霊力を全て使い高等結界『鏡門』を貼る。そして剛から貰った妖力で『鏡門』を強化する。だがそれでも原子爆弾に耐えられるか分からない。だが無いよりましだ。その瞬間、辺りが光に包まれ、楼夢たちを襲う。

 

「グゥゥゥゥゥゥウッ!!!」

 

「耐えろ……耐えるんじゃ楼夢!」

 

少しでも気を抜けば自分の体が爆発してしまいそうだ。だが此処で死ぬ訳には行かない。

 

そして光が徐々に弱まって行く。そして光が完全に消えた後、楼夢の結界は音も無く崩れ去った。と同時に楼夢の血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)が消える。そして地獄の様な痛みが楼夢を襲った。

 

「■■■■■■!!!」

 

声にならない叫び声を上げた後、楼夢は意識を手放した......

 

 

 

 




後々考えたら血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)って凄く厨二病っぽいジャナイデスカ。という事で何時か物語中で変えさせてもらいます。そして一番重要なのがすいません!楼夢さんの年を間違えて高3と書いてしまいました。
楼夢さんの実は高校生ではなく大学生でした。これは物語で今の予定ではかなり重要なので変えさせていただきます。本当に申し訳ございません。
そして来週からは毎週2、3回投稿を目指します。
あとは...バレンタインどうでしたか?作者は今年も貰えませんでした。リア充爆発しろ!畜生め...


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桃色蛇狐とあれから数億年

時過ぎ去りし中、変わらない物があるとしたら
それはきっと私の心の弱さなのだろう

by白咲楼夢


ーーあのー、すいません。

ーーこんな所に人が来るなんて珍しいですね。どうしましたか?

ーーいや、素振りの邪魔をしてしまったと思って。私の名前は■■■■■■・■■■。■■■と呼んでください。で隣に居るのが...

ーー■■■■■■よ。え~と、貴女の名前は?

ーーおっと申し遅れましたね。私の名前は白咲楼夢。只の剣のみが生き甲斐の者です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……懐かしい夢を見た。楼夢はそう思い立ち上がる。

 

現代で俺がまだ他人に興味が無かった時。思えばあの二人が居なかったら今の俺はどうなっていたんだろう。もしかしたら今日も虚しく一人で素振りをし続けていたかもしれない。そう思うと俺はあの二人に感謝の言葉が尽きない。

 

現在、楼夢は山の中を適当に歩いていた。目的は勿論、今日の夕飯を狩るためだ。

 

...あれから数億年の時が流れた。前までは全滅していた人も妖怪も今では無かった様に地上に溢れている。

 

楼夢は自慢の()()()()()を揺らしながら山の奥深くへと潜って行く。

 

あれから楼夢も人妖大戦時とでは比べ物にならない程に成長した。まず、妖狐状態の時の尻尾の本数はさっきも聞いたとおり九本になった。これで彼も晴れて大妖怪の仲間入りである。というか先程も話したとおり、人と妖怪は一度地球上全滅しているので楼夢より歳上の妖怪なんて彼が知っている限りでは一人しか居ない。

鬼城剛。彼女は仮にも鬼子母神なので、今でも生きてはいるだろう。

ていうかその時代を生き延びた俺ってもしかしなくても凄い妖怪なのかな。

 

話が脱線したが、蛇狐状態の時の尻尾の大きさは全長約二メートル程、長さ全長約八メートル程である。ちなみに約八メートルと言っても尻尾の長さと大きさは調整出来るので戦闘時でなければ普通の蛇と同じ大きさにしている。妖力と霊力は昔の数百倍程にもなり、俺は新しい術を開発した。

 

「ふんふーん♪山の散歩は楽しいなっと」

 

現在進行形で鼻歌を歌いながら歩いている楼夢。こう見えて以外に明るい性格だったりする。

 

そんな上機嫌な楼夢の前に、いかにも臭そうな男性の妖怪たちが立ちはだかる。

オゲッ、あれ何日風呂に入ってないんだろ。

 

「おいテメェ!此処は俺達の縄張りだぞ!と降りたきゃぁ通行料払って貰わないとな」

 

そう言いながらよだれを垂らして近付いて来る妖怪数十人。

ちっ、人の気分が良い時に限ってどうしてこういう変態共が寄って来るんだろう?

まあ丁度いい、俺の術の実験体になって貰おうか。いわゆる死刑確定な。

 

「破道の四『白雷』」

 

短い詠唱の後、楼夢は人差し指から小さい雷を発射し、一人の妖怪の心臓を貫く。

 

「てっ、テメェ。おい行くぞ殺せ!!」

 

一人の妖怪が指示した後、他の妖怪が一気に襲って来た。

 

「破道の三十三『蒼火墜』」

 

今度は青い蒼火を一人の妖怪に向けて飛ばす。しばらくの絶叫の後、妖怪は蒼火に燃え尽くされた。

 

「喰らえ!」

 

後ろからもう一人の妖怪が攻撃して来る。だが楼夢は蛇狐状態になり二メートルを超える大蛇で妖怪の足から上を喰いちぎった。そして

 

G(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)』」

 

その竜の様な口から桃色の巨閃を放った。

 

あれよく見たら相手もう残り二人しかいねぇーや。殺っちまったぜ☆(てへペロ)

 

「ちっ畜生」

 

妖怪はやけになって突っ込んで来る。

 

「おいおい君今のちゃんと見てなかったの?突っ込んで来るだけじゃ意味無いよ?雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

ピチューん

 

「はーい三分間クッキング完了ー。皆さん、熱い内に召し上がれっと」

 

ちなみに楼夢の新しい術とは某死神漫画で有名な鬼道である。

破道と縛道の式を創るのは流石に骨が折れた。創っては失敗し創っては失敗し、それを繰り返してたら何時の間にか千年以上経っていた。

大半の妖怪の生涯を術を創るために尽くしたなんてマジで洒落にならない、楼夢はそう苦笑する。

 

妖怪は千年以上生きれば大妖怪とされるが、別に妖怪の寿命が千年以下ということではない。

弱肉強食の世界で千年以上生き残る個体が少ないだけだ。

そんな世界で生きのびた楼夢はどうやら不老に近い様だ。そして彼はもうは前世での記憶はほぼ薄れている。

勿論例外はある。それは楼夢の師父の事とあの二人の少女の事だ。忘れられる訳無い。あとは......BL●ACHやド●クエ等の物だ。周りよりもゲームの事を覚えているとは……自分のコミュ障をどうにかしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在楼夢は人間状態で近くの村に居る。ちなみに楼夢の今後の目的は色んな所を見て回る事だ。つまり楼夢は旅人と言う所だ。

 

「おっちゃん団子二つ」

 

「あいよっ姉ちゃん」

 

「俺男なんだが?」

 

「ええっ!?」

 

もうこれ何回目だよ。もう泣きたくなって来たよ、パトラッシュ。

そんなどうでもいい事を考えていると、

 

ガヤガヤ

 

人々が広場に集まっているのが分かる。楼夢は団子屋のおっちゃんに聞いてみた。

 

「なあおっちゃん。あっちでは何を話しているんだ?」

 

「ああ最近此処の森近辺に出て来る人喰い妖怪の事だろう。今迄何人も退治しに向かったが一人として帰って来ない。姉ちゃんも気を付けな」

 

「だから男だって」

 

楼夢はそう呟きながら団子屋を離れる。人喰い妖怪ねぇ。面白い事になりそうだ。

 

 

 




今回から新章突入です。人妖大戦から時間が一気に飛びましたね。
こう見えて楼夢さんの性格は明るい事にしておきます。じゃないとネタなどがやりにくいので。
後最初の楼夢さんの夢に出て来たのは誰だって?それは物凄く先の事になります。まあ二人組という点で分かる人には予想が付くだろうけど。
では皆さん次回も宜しくお願いします。ではでは


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THE MONNLIGHT AND PINK BLOSSOMS《月光と桃色の花》

青白く光る月光が闇夜の私を照らし出す
恐ろしいのだ、 恐ろしいのだ
暗闇に隠れる私を、月光が全て凍てつかせる


 

 

オッス皆、蛇と狐はどっちが好みと質問されると狐と答える俺こと白咲楼夢だ。

そんな挨拶をしながら、楼夢は歩く。

 

現在の時刻は真夜中、楼夢は村の近くにある森を目指していた。理由は簡単、最近この森で出る人喰い妖怪を見つける為だ。

ちなみにこれは村の人々の為......ではなく楼夢がただ単に人喰い妖怪とやらを見たいだけである。

 

現在楼夢は目的地の森の入口の前に居る。

何故そんな所に居るのかというと、対人喰い妖怪用に作戦を練っているのである。

そんな事はさて置き楼夢は新たな姿......もとい『妖獣状態』になる。

 

この姿のメリットは嗅覚や視覚、そして聴覚等が格段に上がる。しかしこの姿は楼夢の戦闘手段のほぼ全てを無くすのでデメリットだらけである。この姿の外見は色々な場面で変える事が出来る。まず、本来の姿は狐の体に蛇が後ろに付いている。そしてこの姿は蛇を狐の尻尾に戻す事が出来る。......まあ戻した所で自分が九尾の狐に見えるだけであるが。ちなみに狐の尻尾を一本にする事も出来る。これはほぼ相手に自分が妖怪という所を隠す時しか使えないと思う。ちなみに言い忘れたがこの狐の体に蛇が付いている『妖獣状態』こそが俺の元の姿である様だ。どうやら最初に俺がこの世界に来た時に無意識に能力を使い、人型になっていたそうだ。

......ちょっと待てよ、もし俺が能力を使って無かったら永琳死んでたじゃん。俺ってもしかしなくてもついているのかもしれない。

 

さて楼夢がこの姿になったのは、人喰い妖怪をおびき寄せる為である。楼夢は狐の尻尾を一本だけ出し只の狐を演じる。こうする事で肉食系の人喰い妖怪をおびき寄せる事が出来るのだ。

 

ある~ひ 森の中~くまさんに~......

 

もはや定番となった歌を歌い切る前に、辺りがスポットライトをいきなり消されたように真っ暗闇に包まれた。

ついに来たか。そう思うと楼夢は『人間状態』になり血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使う。

いやこの場合は目だから開いたと言うのだっけ?まあいい取り敢えず開いた。

 

そして、暗闇に紛れていた少女に回し蹴りをお見舞いした。だが少女はいち早く楼夢の攻撃に気づき、躱した。

 

「あらあら、久しぶりに狐が食べられると思ったら妖怪だったなんて。まあいいわ、取り敢えず貴女は何者?」

 

「まず相手の素性が知りたいなら自分から名乗るのが常識じゃねぇのか?後俺は男だ」

 

「あらそれはすまなかったわね。取り敢えず私の名はルーミア。闇の妖怪よ」

 

彼女はそう自己紹介する。背は160cm程で外見は金髪のロングヘアー、そして白黒の洋服。何故この時代に?楼夢がそう思うのも無理はない。さらに黒いロングスカートを着ている。

 

「俺の名は楼夢。桃色の蛇狐、白咲楼夢だ」

 

俺はそう名乗った。桃色の蛇狐とは俺が考えておいた二つ名だ。一応妖怪はそれぞれ自分が嘗められないように二つ名を付けるらしい。なので楼夢もそれに習ってつけてみたのだ。

 

「蛇狐......聞いた事も無い種族ね……」

 

「いわゆる一人一種族と言う奴なのかな?まあ簡単に言うと狐の先祖だ」

 

「狐の先祖......なかなか美味しそうね」

 

「おい何食べる事前提にしているんだ?」

 

何この人。いや人じゃねえや。初対面の奴を見て美味しそうとか言う奴なんて初めて見たぞ。馬鹿なの?死ぬの?

 

「馬鹿でもないし死にもしないから」

 

「おい何どさくさに紛れて人の心勝手に読んどんじゃゴラァ!」

 

「貴方の心の闇を聞かせて貰ったわ。私の能力は【闇を操る程度の能力】よ。こんぐらいチョロイわ」

 

「成程......ね」

 

【闇を操る程度の能力】か。少々厄介だな。

 

「それより貴方に頼みたい事があるわ」

 

「何だ?」

 

「楼夢、貴方私と死悪意(しあい)をしなさい。もちろん商品はあなたの体ってことで」

 

「何だよそのヤンキーみたいな漢字!?というか人の体見てよだれ垂らすな気持ち悪ぃ」

 

「私と一緒に殺ラナイカ?」

 

「……性的な意味で?」

 

「勝ったら好きにしてもいいわよ」

 

ルーミアェ......ちょっと今自分が言った意味を理解しているのだろうか?だとしたらこの妖怪かなりの痴女である。まあ俺にはそういう事に興味は無いがな。

 

楼夢は毎度お馴染み血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)を使いルーミアの妖力を測る。

 

「へー、まさか大妖怪の中でも上級クラスと戦う事になろうとはね」

 

「私まだ生まれて百年も経っていないんだけど。それより貴方の目……綺麗ね。例えるなら暗闇の中で滴る血みたいね」

 

ルーミアの力量を測った結果大妖怪の中でも上級クラスだという事が分かった。しかもこの妖力でまだ百歳にもなってないのだからもし彼女が千歳を越したら間違いなく最強の妖怪になるだろう。

ちなみに楼夢は大妖怪の中でも上級より少し上だと思っている。後当然だが人妖大戦で戦った剛は大妖怪の中でも一位二位を争う程の実力者だ。

俺よくアイツと殺し会って生き残れたな。

最近話が脱線する事が多くなって来た気がするが、取り敢えず

 

「俺の目についてのお褒めの言葉は有り難く受け取っておくよ」

 

楼夢は拳を構え戦闘体制に入った

 

ルーミアは楼夢に向けて弾幕を放ってくる。

 

勿論楼夢はそれを避ける。

 

次に彼女は周りにある闇で黒い十字の大剣を創り、楼夢向けて振りかぶった。

 

楼夢は黒月夜を抜き十字の大剣を止める。

 

ガキン

 

黒と黒がぶつかり合う。しかしこの時点で楼夢は自分がまともにぶつかり合ったら不利だと言う事に気付いた。

ルーミアはその体からは想像もつかない様な怪力で大剣を振るう。そして楼夢はスピードで対抗しようにも一発一発が重過ぎるのだ。よって剣術では悔しいが不利になるだろう。

楼夢は『妖狐状態』になる。そして......

 

「花炎『狐火開花(きつねびかいか)』」

 

空に狐火で花を描く。そしてその花が散ると同時に、無数の狐火がルーミアに降り注いだ。

狐火はルーミアが放った弾幕を容易く破りルーミアに近付いて行く。

 

「『ダークサイドローブ』」

 

ルーミアは自身を闇の羽衣で包む。そしてその黒い羽衣に当たった狐火は全て消滅した。

 

「おいおい、厄介なの持ってんじゃねぇか」

 

「こんなものまだ序の口よ。付いて来れるかしら?」

 

「当たり前だ。そっちこそ先にヘバるなよ!」

 

草木も眠る丑三つ時。今漆黒の闇と桃色の桜が互いにぶつかり合った。

 




やっと投稿出来た......
ついにEXルーミアの登場です。そして今回初登場の『妖獣状態』です。楼夢さんはいつも夜寝る時はこの姿で寝ます。後薄々気付いていたんですけど楼夢さんって一種のキメラみたいですね。では次回、ルーミアVS楼夢 お楽しみに~


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THE DARKNESS AND MONNLIGHT《闇夜と月光》

私は闇
全てを覆い尽す大いなる者

byルーミア


 

 

現在森の中では二人の妖怪が激しい戦闘を繰り広げていた。

一人は勿論桃色の美しい髪を持つ妖怪白咲楼夢。もう一人は村付近に出現する人喰い妖怪ルーミアだ。

 

「......なかなかやるじゃない」

 

「そっち......こそ」

 

楼夢はそう言いと同時に

 

「縛道の六十二『百歩欄干』」

 

無数の霊力で出来た棒をルーミアに向けて繰り出す。

 

ルーミアはそれを手に持つ大剣で全てなぎ払った。そしてそのまま楼夢に急接近しその漆黒の刃を放つ。

 

楼夢はそれを紙一重で避け、そしておまけに弾幕を数十個放つ。だがそれも全てルーミアの弾幕にかき消されてしまった。

 

「もうおしまいかしら?」

 

「んな訳ねェだろ!」

 

「だけどどうやら貴方は接近戦が苦手みたいね」

 

「……ッ!」

 

確かにそうだ。『妖狐状態』は術等の威力が上がる代わり、剣術はあまり得意ではない。故に俺は刀を抜かずに戦っている。

 

(だがもう見破られるとはね......どうやら相手は中々戦闘経験が多い様だ)

 

「ならばこれならどうだ?」

 

楼夢は懐から鉄の球体を取り出す。普段楼夢は超圧縮された鉄の球体を懐に幾つか仕込んでいる。何故そんな物を持っているかだって?それは今分かる事だ。

 

創造(クリエイト)(ランス)』」

 

楼夢は能力を使い球体を鉄の槍に変えた。

 

G(ギア・マジック)(セカンド)翠の射槍(ランサドール・ヴェルデ)』」

 

楼夢は鉄の槍を妖力で強化しルーミアに向けて投げる。ちなみにただで投げた訳ではない。彼は投げる前に槍に風を纏わせ回転させながら投擲したのだ。槍は超高速回転しながら一直線に風の矢となりルーミアへ向かう。

 

「甘いわ!」

 

ルーミアはそれを大剣で弾こうとした。だが超高速回転し風を纏った槍の貫通力は弾丸を超えていた。ルーミアの大剣は受け止めると同時にメキメキと鈍い音を立てながら壊れ、ルーミア諸共吹き飛ばした。

 

「さてと、終わったか……」

 

「『バニシング・シャドウ』」

 

そう言い終わる前に、ルーミアの声が聞こえた。その瞬間......

 

ズシャ

 

楼夢の背中を何かが貫いた。後ろを見ると、そこには楼夢の血に濡れた大量の黒い武器とそれを見て悪魔の様に笑うルーミアの姿が有った。

 

「どうかしら?大量の槍で背を貫かれた気分は」

 

「……ッ!?ちぃっ」

 

楼夢は黒い槍を全て叩き壊し後ろに飛ぶ。そしてルーミアを見る。その腹は朱く染まっていた。どうやらさっきの翠の射槍(ランサドール・ヴェルデ)が効いたみたいだ。だが一番理解できないのはルーミアが一瞬で楼夢の後ろに回り込んだ事だ。速度が速くなった訳ではない。何故ならもしルーミアが速くなったとしても足音等が無くなる訳ではない。ましてやそれ程の速度を出したら音を消す暇など無いだろう。としたら彼女は何らかの方法で瞬間移動しているのだと分かる。

 

楼夢は『人間状態』になりルーミアの動きの全てを警戒する。

 

瞬間、ルーミアが楼夢の視界から消える。

 

すぐに後ろから嫌な気配を察し、振り向くと同時に無数の槍が俺の後ろに飛んできた。

 

「......へ~今のを躱すなんてね。どうやったのかしら?」

 

「いいぜ特別に教えてやる。今のは『瞬歩』と言う俺の高速歩法だ。原理は......そうだな空間の形を操り俺と繋げただけだ。長距離は出来ないが戦闘に使う分には申し分無い」

 

「空間の形を操る?」

 

「そう言えば俺の能力を言って無かったな。俺の能力は【形を操る程度の能力】だ。決まった形が無い物なら創り出す事が出来るし物を別の形に作り変える事も出来る結構便利な能力だ」

 

「形を操る......ね。成程さっきの技は球体を鉄の槍に作り変え風の形を操り槍と一緒に飛ばしたという事か。かなり強力な能力ね」

 

「ああ。で俺の能力の種明かしは終わったし次はお前の瞬間移動の原理を説明して欲しいのだが」

 

「いいわ。さっきのは『バニシング・シャドウ』と言って闇がある所に瞬間移動する技よ。まあ私の【闇を操る程度の能力】のお陰だけどね」

 

「成程闇がある所へね......ちょっと待て!?という事はお前はここら一帯の何処でも瞬間移動出来るという事か!?」

 

「あら気付いたかしら。ええそうよ私は闇の中では無敵なの。さあかかって来なさい。私の闇で全てを塗り潰してあげるわ」

 

「あいにくと俺は暗いジメジメしたところより明るいところの方が好みでな。お断りするぜ!」

 

黒き閃光と桃色の閃光が夜空の中で舞う。現在の時刻は丑三つ時。夜空の星々が闇夜を照らす。

 




いやー、ルーミアの瞬間移動の原理と名前を考えるのにマジで苦労しました。最近お気に入り登録者が増えて来ました。皆さん出来れば高評価とお気に入り登録宜しくお願いします。

では次回白熱するルーミアVS楼夢戦
次回もゆっくり見に来てね。


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THE PERFECT NIGHT AND STARS《夜空と星々》

少年はそう暗き少女に問う
彼女の名は『光』と言った

by白咲楼夢


 

 

現在、とある森では小規模な天変地異が起きていた。草木は枯れ果て、大地は激しく揺れ、鳥獣は逃げ惑っていた。主な原因は二人の妖怪の戦いである。それは徐々に激しさを増してゆくのだった。

 

 

 

 

 

「『ダークマター』」

G(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)』」

 

 

ドゴーン

 

 

ルーミアが放った黒い閃光と桃色の閃光が突撃する。

ルーミアとの死悪意は徐々に激しさを増していた。

 

(やべえな、このままじゃこの森吹き飛ぶぞ。まあその前に俺が生き残れるかどうかの問題だが、なッ!)

 

現状は弾幕勝負から超高速戦闘になっていた。

 

楼夢は『人間状態』になり瞬歩を応用した超高速の剣術で彼女を攻撃する。

 

対して彼女は闇がある所に瞬間移動したり弾幕を射って来たりその怪力で攻撃して来たりしている。

 

「『ナイトバード』」

 

彼女がそう叫ぶと、二種類の鳥の翼に似た弾幕の壁が俺に向かって来る。

 

ああこれ回避不可能なやつジャナイデスカーヤダー。

 

「狂華閃六十奏『風乱れ(かざみだれ)』」

 

楼夢は風を纏ったさみだれ切りを放ちルーミアの弾幕をかき消す。だが彼の攻撃はまだ終わりではない。

 

「狂華閃七十五奏『氷結乱舞』」

 

ルーミアに急接近し氷を纏った七連激を彼女に繰り出す。

 

「『ダークサイドローブ』」

 

だが彼女はそれを全て闇のローブで防いだ。しかし此処までは俺の計算通りだ。

 

「縛道の六十一『六杖光牢』」

 

ルーミアに霊力で出来た六個の光の棒が彼女に突き刺さり、拘束する。

 

「な......にこれ......光!?」

 

「お前に光の檻は有効だと思ってな

 

霊刃『森羅万象斬』」

 

彼女に青白く光る斬撃が命中する。だが彼女はまだ死んではいないだろう。

 

「あらあら、痛いじゃない」

 

「ちぃっまだか」

 

「食らいなさい『ミッドナイトバード』」

 

彼女はそう言うと同時に彼女は巨大な鳥の様な物を作る。そしてそれは楼夢目掛けて一直線に飛んで来た。

 

「ああもう。雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

雷で出来た龍とルーミアの鳥は衝突し、相殺する。だが鳥の後ろに彼女の姿は無かった。

 

「『ムーンライトレイ』」

 

突如夜空で声がした。楼夢は頭上に顔を向ける。刹那楼夢の元に十を超える月光の様なレーザーが近付いていた。

駄目だ、避けきれねぇ。

 

G(ギア・マジック)(セカンド)重奏虚閃(セロ・ドーブル)』」

 

俺はルーミアのレーザーを吸収しそれに虚閃(セロ)を上乗せして放つ。

 

ドゴーン

 

巨大な光線がルーミアに直撃する。だが彼女はまだ死んではいないだろう。

 

「......今のは中々効いたわよ」

 

「ああそうかいそりゃ良かった」

 

「クスッ、まあいいわ貴方は本気で殺らないといけなさそうね。見せてあげる私の最強の技

 

悪魔殺し(デビルブレイカー)『ダーインスレイヴ』」

 

彼女の右手に黒く禍々しい闇が集まりだす。楼夢ははその異様な光景を、黙って見ていた。

 

「どうかしら、中々美しいでしょ?」

 

彼女の右手には禍々しい剣が握られていた。それも最初のとは違う。刀身はまるで血の様に朱く染まっていた。その剣に込められた妖力は禍々しいんと言わざるをえなかった。

 

楼夢は『蛇狐状態』になり黒月夜に大量の妖力を詰め込んだ。

 

「さーて最終決戦よ。行くわよ楼夢!!」

 

「ああ来い。ルーミア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しい

 

何なんだろうこの感情は?今迄こんな気持ちになったのは初めてだ。

 

楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい

 

ルーミアはもはや楼夢との戦いを楽しむ以外何も考えていなかった。

ルーミアは幼き頃からあるその膨大な量の妖力のせいで今迄同格の存在など居なかったのである。

 

「ヒャハッ!!」

 

「オラよォ!!」

 

ルーミアは手に持つ自身の最強の剣『ダーインスレイヴ』で楼夢を切り裂こうとする。だが楼夢はそれを紙一重で受け流し、反撃する。そんな状態が続いていた。

 

「アハハハッ!楽しい。楽しいわ楼夢!!」

 

「それはこっちのセリフだクソヤロォッ!!」

 

二人は既に狂ったかの様に笑いながら、切り合っていた。

 

「食らいなさい『フルムーンナイトエッジ』!!」

 

ルーミアはありったけの妖力を『ダーインスレイヴ』に込め巨大な青白い斬撃を繰り出す。

 

「霊刃『森羅......万象斬』!!」

 

対して楼夢は『森羅万象斬』を黒月夜に纏い斬撃を放つ。

 

月光の様に輝く冷たい光の斬撃と蒼火の様に青く燃える斬撃がぶつかり合う。

 

バキン

 

突如鉄の様な何かが折れる音が響く。それは......

 

 

 

 

楼夢の黒月夜の刀身だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキン

 

 

「……えっ?」

 

(何が起こったんだ?バキンって音がして折れたのは......黒月夜?......嘘だろ……)

 

楼夢の思考は今何が起こったのか理解するためにしか考えていなかった。だが今はそんな事を考えている暇は無かった。

 

ズシャッ ドゴーン

 

ルーミアの『フルムーンナイトエッジ』が楼夢に直撃した。その衝撃で地面には巨大なクレーターが出来る程だった。

 

「......あらまだ生きているのね」

 

「......」

 

「可哀想にもう喋る気力も無いのね」

 

巻き上がった煙の中から楼夢は出て来た。だがその体はボロボロだった。服は半分が消し飛び、体中血だらけ、そして楼夢の左腕は切り落とされていた。

 

「まああれを食らって生きているなんて思って無かったからね。じゃあさようなら楼夢。貴方との殺し合い、凄く楽しかったわ」

 

彼女はそう言い『ダーインスレイヴ』を楼夢に振り下ろす。その時

 

ーー何やってんだよ。さっさと避けろ。じゃねぇと......

 

 

 

 

ーー死ぬぜェ。

 

 

楼夢はその一言で意識を取り戻し、ルーミアの一撃を避ける。

 

「あらしぶとい。流石ね」

 

(今の声は何だったんだ?まあいい、今はこっちに集中しろ!)

 

「残念だけど俺は......まだ死ぬ訳にはいかないからね」

 

「あっそう。でその状態でどうする気?」

 

俺は黒月夜を鞘にしまう。

 

創造(クリエイト)『ロ●の剣』」

 

俺は輝夜に貰ったブレスレットでロ●の剣を作る。前に言ったがこのブレスレットは緋緋色金......つまりオリハルコンで出来ている。故にただの鉄を武器に変えるよりもこっちの方が良いのだ。

 

「へーまだやるつもりなのね。いいわ。叩き潰してあげる」

 

幸いルーミアは楼夢を舐めきっていた。

戦況はまた剣術対決になった。この剣は折れる事は無いだろう。だが楼夢の体はもう限界に近付いて来ている。

 

「狂華閃四十奏『雷光一閃』」

 

俺はロ●の剣に雷を纏いルーミアに斬りかかる。

 

「グゥッ!?」

 

ルーミアの動きが一瞬止まる。

 

「縛道の六十三『鎖条鎖縛』」

 

霊力で出来た巨大な鎖が蛇の様にルーミアに巻き付く。

 

「血肉の仮面・万象・羽ばたきヒトの名を冠す者よ・蒼火の壁に双蓮を刻む・大火の淵を遠天にて待つ」

 

「な...にを......するつもり......かしら?」

 

「破道の七十三『双蓮蒼火墜』」

 

瞬間、辺りを青い巨大な蒼火が全てを燃やし尽くした。

 




ふ~今回は長く書きました。ルーミアのオリ技考えるのに前も言ったとおり、マジで苦労しました。あと謎の声の正体は後々分かります。
では次回ルーミアVS楼夢戦終了。次回は少し巫山戯て書く......かも?お楽しみに


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激戦の後始末

ヒトにはそれぞれ好きな事と嫌いな事がある

by白咲楼夢


 

 

楼夢は近くにあった岩を椅子の代わりにして座る。

 

現在、楼夢はルーミアとの死悪意を終え、疲労していたので休んでいた。

 

いやちょっとマジで俺の体がヤバイ事になっている。詳しく言うと、まず体中を槍や剣で貫かれたせいで出血量がハンパない。そうトマトジュースが作れる程である。

次に俺の左腕がバッサリと切り落とされている件について。これは先程の件よりもヤバイ。今迄腕を切り落とされた事なんて無かったからメチャメチャ痛い。

 

そんなことを考えると、楼夢はまず戦いで破れた服を、最後に残った妖力で直した。

 

そして、楼夢は妖力不足となり力尽きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「知らない天井だ、って天井なんて無いと言ってるだろ。何回このネタ使えばいいの俺?」

 

目が覚めた時には視界には綺麗な青空が広がっていた......とは行かなくて代わりに綺麗な夜空が広がっていた。

それにしてもルーミアはどうしたんだろうか?流石に起きているとは思うが一応探しておくか。

 

 

 

 

「はい結論、まだまだグッスリ眠って居ました。まあ俺のほぼ全ての妖力と霊力を込めた一撃を受けて死ななかっただけで結構凄いんだけどね」

 

そんな事を考えていると、ルーミアがどうやら起きたみたいだ。

 

「おーい大丈夫か?死んでねえか?」

 

「死んでたまるか!!」

 

中々キレのあるツッコミである、と楼夢は思う。取り敢えずは『大丈夫だ、問題無い』と言う所みたいだ。

 

「どういう意味よそれ?......まあいいわ私は負けたのよね?」

 

「まあそう言う事になるな」

 

「まあいいわ。......さあ私を殺すなり、犯すなり好きにしなさい」

 

「What?」

 

「だから私を殺すなり、犯すなり好きにしなさいと言っているのよ」

 

「いやいや殺すのはとにかく犯すって何?」

 

「えっ、犯すってあんな事やこんな事をに決まってるじゃない」

 

ルーミアぇ......そんなキッパリ言われても困るよ。......ていうかルーミアってヤッパリ痴女じゃん。

 

「俺にそんな趣味は無いのでな。お断りするよ」

 

「最近性欲が溜まっててね。残念ながら貴方に拒否権は無いわよ」

 

「へっ、それはどういう意味だ?」

 

「ちょうどいいわ。貴方が本当に男か確かめる事が出来る」

 

「質問に答えて!いやマジで!」

 

何かいやな予感がする。取り敢えず

 

「逃いぃぃげるんだよぉぉ!!!」

 

「逃がすとでも?」

 

ヤバイヤバイルーミアメッチャ速ええ。このままじゃ追い付かれる。

 

「全☆速☆前☆進☆だ!!!」

 

俺はまるで風の様に速くなる。どうや、ワイの全速力は!

 

「『バニシング・シャドウ』」

 

「しまった!?」

 

俺はルーミアに捕まり仰向けにされる。しまったルーミアにはそれがあった。

 

「ふう。やっと捕まえたわ」

 

「ちょ待てルーミア触るな!それに俺は体中血だらけだぞ!」

 

「クスッ、血だらけの体も中々良いわね」

 

「おいちょルーミア何人の服を勝手に破いているんだ!?」

 

「人じゃないわ。妖怪よ」

 

「もうヒトでいいよ!」

 

ルーミアは直したばかりの俺の巫女服をビリビリと破る。......ああこれ終わったかも。

 

「ハアッハアッ......もう...待てないわ」

 

「お願いルーミア止めて!」

 

「じゃあいただきまーす」

 

「キ●グ・クリムゾン!!!」

 

ピチューん

 

俺はルーミアに乱暴されながら、再び意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアッハアッ......ふう...中々良かったわよ」

 

「......」

 

気が付いたら裸のルーミア、そして何故か裸の俺が居た。ああ師父......こんな物に負けてしまった情けない弟子をお許し下さい。

 

「何よ黙っちゃって。気持ち良かったでしょ?」

 

「何が『気持ち良かったでしょ?』だ。無理矢理やってるだけじゃねーか!ていうかお前こんな事毎回してるの?」

 

「まあ人を食べる前にしているわ」

 

おいコイツ今迄何人やっているんだろう?取り敢えず後で犠牲者達に墓でも建てておこう。そう誓った楼夢であった。

 

「なあルーミア」

 

「何かしら?またしたいの?」

 

「ちゃうわ!......最近何か面白い情報が手に入らなかったか?」

 

「残念ながら私は森の中でずっと暮らして来たからそう言う物は持ってないわ」

 

「森っていうかさ。一つ言っていい?」

 

「何かしら?」

 

「此処もう森っていうより更地じゃないか?」

 

「......」

 

「おーい大丈夫かー?」

 

「ヤっちまったぜ☆」

 

あっそれで済ませるんだ。まあ此処にまた住み着く事はもう無いだろう。

 

「取り敢えず新しい狩場を探さなくちゃね。まあ貴方とは此処でお別れね」

 

「やっとか。......まあそうだな」

 

「じゃあさようなら楼夢」

 

「ああまたなルーミア。See you again」

 

「どういう意味よそれ?」

 

「『また会う日まで』って意味だ」

 

「ふーん」

 

彼女はそう言いながら夜道を歩き出す。

さてそろそろ旅の続きでもしようか。

 




ルーミア戦これにて終了。今回はちょっと巫山戯て書きました。驚愕の事実。ルーミアは痴女だった。

さて次回、そんな事もありながらも旅を続ける楼夢さん。お楽しみに。ていうか次回の内容をもうちょっと考えなくては。


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蛇狐のぶらり旅


誇りを捨てれば獣になったも同然

by白咲楼夢


 

 

楼夢side

 

あの日、ルーミアに調教?されてから数ヶ月の時が流れた。どーも皆さん『いつもニコニコ貴方の隣に這いよる混沌、白咲楼夢でーす』...................

滑ったな、今の。いやマジで。という事で今の事は忘れて下さい。ていうかメッチャ恥ずかしい。今度からはこういうのやらないようにしよう。

 

 

取り敢えず現在俺は森の中に居る。......へ?最近森の中によく行くねだって?しゃーねーだろ今の時代では自然の開拓なんてされてないんだからあちこち山や森だらけですよ。そんな事より疲れた。旅先では空を飛ぶのは極力控えている。何故かって?それは自然の景色を見て楽しむ為である。あと空を飛んで行ったら旅をしている気分になれない。雰囲気というのは大事なんだよワトソン君。......やべぇ、今のも滑った。どうやってこの空気を誤魔化すか。

 

 

 

 

ーー野生のスライム?と狼っぽい妖怪が現れた

 

「お、ちょうどいい所に」

 

何故かド●クエっぽくなっちゃってるが気にしない、気にしない。

 

ーースライム?の攻撃......ミス!スライム?は木にぶつかり目を回している。

 

「何やりてぇんだ?お前?」

 

ーー楼夢の攻撃「まあいい、喰らえ 狂華閃十九奏『スライム斬り』」

 

スパッ!

 

スライム?に999のダメージ。スライム?は綺麗に二つに分かれて死に絶えた。......ちょっと表現怖いな。狂華閃十九奏『スライム斬り』は丸い物ならなんでもスパッと斬る事が出来る。名前に関しては何も言わないで下さい。

 

ーー狼っぽい妖怪の攻撃......楼夢はひらりと躱した。

 

「んなもん当たるかよ!」

 

ーー楼夢の攻撃「はい、さよなら 狂華閃二十二奏『バーベキュー斬り』」

 

ーー会心の一撃。狼っぽい妖怪は文字通りこんがり焼かれて死んだ。後で食えるかな?これ。

狂華閃二十二奏『バーベキュー斬り』は刀に炎を纏い、美味しく焼き切る技だ。この技の長所はなんと肉を焼いたりする事も出来るのだ。故に『バーベキュー斬り』と言う名なのだ。俺は軽く朝食を食べた後、旅を再開する。何を食べたかって?皆様のご想像にお任せします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩くと森を抜ける。そして俺は辺りを見回す。......ふむ、どうやら近くに村があるようだ。だが何か村が騒がしいような......あっ村が妖怪達に襲われているジャマイカ。俺は『人間状態』になり村へと急ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「破道の三十二『黄火閃』」

 

俺は黄色の炎の光線で村の入口に居た妖怪達を吹き飛ばす。案外モロいな。

 

「ああん。何だテメェ!」

 

一人の妖怪が俺に向かって叫ぶ。五月蝿いな。だからこういう雑魚(ゴミ)共の相手は嫌なんだよ。

 

「テメェみたいな下級戦士に名乗る必要あるか?」

 

「何だと......殺す!」

 

俺はド●ゴンボールのベ●ータみたいな言い方で奴等を挑発する。案の定上手くかかってくれた様だ。

 

「花炎『狐火開花』」

 

空に描かれた花が散り、その一つ一つが雨の様に降り注ぐ。妖怪達(下級戦士達)は五月蝿い程に断末魔を上げ、倒れていく。

 

「......所詮雑魚は雑魚か......」

 

俺は村が無事かどうか確認しに行く。すると

 

「おお、救世主様、有難うございます」

 

「What???」

 

何故か村人達はDO☆GE☆ZA☆しながら俺にお礼を言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......成程ね。大体理解した」

 

俺は現状を理解しようと村人達に質問した。そして大体の事情を理解する事が出来た。

 

まずこの村は最近妖怪達の攻撃を受けていて壊滅寸前、そんな時に俺が『ショータイムだ』と言いながら妖怪達を瞬殺したのを見た村人達は俺を英雄扱い、というわけだ。成へそ、通りで村人達は俺を救世主呼ばわりしているわけだ。だがちょっと救世主様と呼ぶのはやめて欲しい。

 

「どうでもいいんだけどさ。その救世主様って言うのやめて欲しいんだが。......ああ申し遅れた。俺の名は白咲楼夢、只のしがない旅人だ」

 

「楼夢様ですか......分かりました後で儂の家に来て下され。話したい事があります」

 

この村の村長さんっぽい人がそう言う。まあ取り敢えずやる事ないし村長さん家に行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えず話と言うのは、先程も話した通り、妖怪達の事についてです」

 

現在俺は村長さん家で話をしている。成程、やはりそっちの話か。

 

「このままでは我が村はいずれ滅びてしまいます。そこで楼夢様にお願いしたい事があります。どうか村の近くにある山へ行き、そこに居る妖怪達の親玉を倒してくれませんか?」

 

は~あ、一言言うとメンドクセェ。だけどこれをほっとく程俺は冷たくない。というわけで

 

「ああ、いいよ」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「まあ、うん」

 

「有難うございます、楼夢様」

 

俺は依頼を軽く引き入れ、村長さん家を出る。

 

「さてと、頼まれたからにはちゃんとやらないとね」

 

俺はそう呟き、村を歩く。......そういや、俺は何処に泊まればいいんだ?

 

 

 

 

 





いや~前回に続き、今回もネタを多めに書きました。特に『スライム斬り』と『バーベキュー斬り』は多分出番が結構多いと思います
さて次回、楼夢さんは村の為に山を登る。そこで待っているものとは?お楽しみに。


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蛇狐の誇り



人には他者を守る為の力など無い

あるのは醜き程の生存本能と他者を陥れる邪心だ


 

 

楼夢side

 

現在俺は村人達を妖怪達から守る為にその拠点と言われる山に来ていた。『人間状態』のまま俺は山を登っていく。途中で出て来る妖怪は腰に刺した刀で斬っている。そう言えばこの刀の紹介が遅れたな。こいつの名は天叢雲(アマノムラクモ)

薄れた記憶を辿るとこの刀の名前はどっかの神様の持つ刀の名らしい。まあ、これは俺が妖力を込めながら作り、それに適当に名前を付けただけである。つまるところこれはレプリカ(偽物)という事だ。そんな事は置いといて妙だな。妖怪達の拠点の割には妖怪が少なすぎる。俺はそんな不安を抱えながら山を登り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく来たな。貴様だな、俺様の部下共を皆殺しにしやがった野郎は?」

 

俺は今山の頂上付近に居る。そこで偶然にも妖怪達が集まっている所を見つけたので乗り込んだ訳だ。いや参ったな。完全に包囲されてるわこれ。

 

「質問に答えろ。じゃなければ殺すぞ」

 

「クスッ答えても殺すつもりの癖に」

 

「ほう、よく見抜いたな。貴様が例の輩と見て良いのだな」

 

「ご想像にお任せするよ」

 

俺はそう言うと同時に『妖狐状態』になる。

 

「やはり妖怪であったか。皆者コイツを殺せ!」

 

俺に軽く数十匹は居るであろう妖怪達が一気に襲いかかる。

 

「雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

俺は妖怪達を雷で焼き払いながら奴を探す。

 

「(ちぃ!あの野郎何処に行きやがった!)」

 

俺がそう思考した瞬間、俺は何かが後ろから飛んで来るのを感じた。俺は横に飛び移ると、大きな音と共に俺が居た場所には巨大なクレーターができていた。

 

「隠れながら攻撃だなんて親玉のする事じゃないね」

 

「ふん、これは殺し合いだ。勝てば何だっていいんだよ小娘。」

 

「成程ね。花炎『狐火開花』」

 

俺は狐火の雨を降らせ、辺り一面に全体攻撃をする。

 

「ゴフッ、痛ぇじゃねーか」

 

「そりゃどうも。大火球『大狐火』」

 

「舐めるな!」

 

俺が放った火球を奴は妖力で体を強化し、弾き返す。どうやら半端な攻撃では傷を付ける事は出来ない様だ。

 

「終わりだ。死ね!」

 

奴は俺の後ろから妖術で攻撃して来る。

 

「全く。隙だらけだ、全て。

 

縛道の四『這縄』」

 

俺は瞬歩で奴の背後に移動し、霊力で作った縄で奴を縛る。

 

「くぅ。何だこれは!?」

 

「縛道の三十『嘴突三閃』」

 

続いて俺は霊力で作った巨大なくちばしの様な形をした物を三つ奴に飛ばす。奴は俺が放ったそれらに両腕と胴体を挟まれながら近くにあった大木に固定される。

 

「みっ身動きが......取れねェ!?」

 

「さっき俺に終わりだと言ったな。教えてやろう、本当の終わりと言うのはこういう物だ

 

破道の六十三『雷坑砲』」

 

俺は巨大な雷撃を奴に放つ。奴は雷撃に呑まれながら消えた。

 

「......まだ息があるんだね」

 

「クッククク。ハッハハハハハ!!」

 

奴は突然狂った様に笑いだす。

 

「何が可笑しい?」

 

「気付かなかったか?俺は此処の妖怪達の親玉ではない」

 

「!?」

 

「訳が解らないと言う顔をしているな。いいだろう、教えてやる。我々は貴様が我々の部下共を皆殺しにした時から対策を練っていたのだ。貴様は人間共に頼まれて此処に来たのだな」

 

「......ああ、そうだ」

 

「我々は村の門の前で貴様に見張りを付けていたのだ。そして貴様が山に入ると同時に、近くの山で待機していた大量の妖怪達と共に村を襲撃しに行ったのだ」

 

「...何......だと...?」

 

「今貴様がこの山に入ってから一時間が経過した。小さな村一つを落とすには充分すぎる時間だろう。ハッハハ『五月蝿い!』グアァ!」

 

楼夢は妖怪の顔を消し飛ばすと同時に村へと全速力で向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楼夢がたどり着いた時には遅かった。そこにあったのは壊滅した村の跡地と百を超える妖怪達が死んだ人間達を食らっていた。

 

「あ......あああ」

 

突如楼夢の頭に村人達との思い出が蘇る。少ない時間だったが彼等は楼夢の事を尊敬していた。楼夢が今回の依頼を引き受けたのは自分が彼等に尊敬されている事を知っていたからである。

 

「ああああああああ!!!」

 

楼夢は自分の無力を心の底から呪った。と同時に正気を無くした。

 

「よぉテメェが俺の部下共を殺ったやつか?」

 

発狂している楼夢に妖怪達の親玉の様な者が話しかける。だが当然返事は返って来なかった。

 

「親方。そいつぁもう駄目みたいですね」

 

一匹の妖怪が親玉にそう言う。

 

「そうだな。殺しておけ」

 

彼がそう言った瞬間

 

「テメェ等だけは......テメェ等だけは殺す!!!」

 

突如楼夢はそう叫び、妖力を全開放する。その巨大な怒りのせいか楼夢の尻尾は十一本になっていた。

 

「時空『時狭間の雷』!」

 

楼夢がそう叫んだ瞬間、天から黒い雷が全てを貫いた。辺りに居た妖怪達は全滅し、村の跡地全てを消し飛ばした。

 

「■■......■■■■■■!!!」

 

楼夢の体に突如異変が起きる。楼夢は生物ではとても発する事が出来ない声を上げ、その場に倒れ込む。その時、楼夢の体は変形し始める。

 

「■■■■■■■!!!」

 

やがて楼夢は漆黒の鱗に覆われた巨大な大蛇の怪物へと変わっていた。その姿は、頭と尾がそれぞれ八つあり、その妖力は全開放した楼夢の数十倍になっていた。その禍々しい程の妖力と姿はまさに邪神と呼ぶべき物と言える。

 

「■■■■■■■!!!」

 

大蛇はまるでオーロラの様に光り輝く美しい吐息を吐く。瞬間

 

 

 

 

 

 

光り輝く美しい炎がいくつもの山や地を呑み込んだ。その炎が通った跡は天地が狂い、生ある者はその業火に焼かれ、死に絶えた。

 

「■■■■■■■!!!」

 

大蛇はその禍々しい妖力を出しながらその場を後にした。

 






ヒャッハーーーーー!!!
お気に入り登録者数が30を超えたZEー!
皆様本当に有難うございます。そしてこれからもお気に入り登録と高評価宜しくお願いします。

さて次回、化物となった楼夢さん。八つの頭と尾を持つ生物なんて神話上ではあいつしかいない。そしてこれから彼はどうなるか。次回もゆっくり身に来てね。


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THE WHITE BLOSSOM《白き花》

錆びゆく刃に願いを込める

どうかこの手が血の海に沈まぬ様にと

by白咲楼夢


楼夢side

 

「......知らない天井だ......てこのネタ言う時って何時も外に居るよな」

 

俺は何をしていたのだろう。どーも皆さん、知らない土地で何故か気絶していた白咲楼夢です。俺は何故気絶しているんだっけ。......たしか......村で妖怪退治を頼まれて......妖怪を倒したら実はそれは囮で......村が......うう、嫌な事を思い出したな。

 

「つーか此処本当に何処ー!?」

 

現在俺は見知らぬ土地に居る。それはさっきも言ったがその景色が現実ではありえない物なのだ。

 

まず、俺の目に映ったのは今の俺の気持ちも晴らす程に綺麗な晴天。そしてかつては天をも貫く摩天楼の群れだったと思われる建物の残骸が上下左右バラバラにふわふわと空に浮いていた。。......うん今の時点でツッコミを入れたいのは解る。何故この時代にこんな高層ビルの群れだった物があるの?何故そんな物が重力無視して浮いてるの?まあいい、ちなみに俺は現在摩天楼の群れだった物の内の一つの上に立っている。元々ひとつひとつが馬鹿でかい為、こうして建物の残骸に立つスペースが山程あるのだ。俺はしばらく建物の上を歩き空の下を確認しようとする。だが地上は見えなかった。否地上などもとより無いのだろう。

 

「おいおいこの高さで落下したらどうなんだろう」

 

「死ぬね。間違いなく」

 

俺の独り言に誰かが答える。俺はびっくりして後ろを振り向く。そこには

 

「......何なんだよお前!?」

 

「何だとは失礼じゃねーか。楼夢」

 

そうそこには脇が無い白染めの巫女服を着た白髪の青年が居た。傍から見たらとても男とは思えない程整った顔。そして腰まである長髪。そう彼はある人物にとても似ていた。そのある人物とは

 

 

 

 

楼夢自身において他なら無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えずお前に質問したい事がいくつかある。良いな」

 

「ああいいぜ」

 

「まずお前は何者だ?」

 

「俺か......俺はお前でありお前ではない者......つまりお前の裏とでも言っておく」

 

やっぱりそんなもんか。それにしても俺の裏か。.........俺にもそんな物があったんだな。

 

「そうか。じゃあ次、お前のその両目......それは血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)か?」

 

そうあいつの両目に俺は見覚えがあった。あれは確かに血塗られた万華鏡(ブラッディ・カレイドスコープ)そのものだ。

 

「正解......とでも言っておこう。だがひとつ言いたい。この目の本名は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)だ。断じてそんな中二病っぽい名じゃねぇ」

 

「テメェだって充分中二病じゃねぇか!人の事言えねぇぞ!」

 

「ああん!んなもんどうでもいい。次だ次」

 

流すのかよ。流石俺の裏なだけある。

 

「はいはい。んじゃ何故その目の名を知っている。お前が俺なら知らない筈だ」

 

そうそこが少し気になった。まあほんの少しだが。

 

「流石頭が切れる様で。んじゃ答えてやるか。この目は俺の本体だ」

 

「どういう意味だ?」

 

あまり俺はその意味を理解出来なかった。当たり前だ。俺の裏と言った男の本体がその両目だったなんて言われて理解出来る訳無い。

 

「お前は何故緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)の目が黒く、その瞳が血の様な真紅の色をしているか知ってるか?」

 

「いや、知らないが」

 

「だろうな。じゃあ八意永琳が作った薬の元となる材料が何なのかも知らねぇな」

 

「知る訳ねぇだろ。永琳は毎回怪しい薬を飲ませて来るからいちいち材料なんて覚えられるかよ」

 

あの頃は毎回の実験が地獄だった。前に変な薬を飲んで身体が液体化した事もあったからな。

 

「そうか......なら教えてやる。あの薬の主な材料は数百の妖怪の血とその魂だ」

 

「What?」

 

意味解らん。数百の妖怪の血とその魂?駄目だコイツ早く何とかしないと。

 

「意味が理解出来ない......そういう顔をしているな」

 

「あたりめェだ。血の方は解ったが魂の方は良く解らん。形無き物をどうやって薬の材料に使うんだ?」

 

「形無き物......ねぇ。いいか良く聞け楼夢。万物には全て形がある。それは魂も例外じゃねぇ。現に現実世界には亡霊なんかがそこら辺にうろちょろしているじゃねぇか」

 

「ふーん。良い勉強になったよ。だが俺みたいな能力が無いと出来ないよな」

 

「月の科学を使えば容易い」

 

わーお科学の力って凄いね。何時か地上でも出来る様になるのかな。

 

「話を続けるぞ。そしてその薬は数百の妖怪の血と魂を融合して作られた。まあ主な材料がそれと言うだけで他にも色々必要だがな」

 

「そこまでは解った。だが何にそれが繋がるのかが解らない」

 

「まあ聞け。お前が薬を飲み干した後、融合された魂はお前の中にあった闇に溶け込み、そして俺という存在が生まれた」

 

「成程。つまりお前は永琳の薬のせいで生まれたという事か」

 

「んまそういう所だな」

 

永琳ェ......なんて物を俺に飲ませてんだよ。

 

「次の質問だ......え~と緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)と呼べば良いか?まあいい、此処は何処だ?」

 

「おいおいそれは俺の本体と言うだけで俺自身に名は無ぇぞ。さて質問の方だな。此処はお前の精神世界というものだ」

 

「成程もう驚かないぞ。それより名前無いと呼びにくいから......そうだな......狂夢(きょうむ)と言うのはどうだ?」

 

「OKそれでいい。じゃあ最後の質問は?」

 

「お見通しかよ。まあいいじゃあ何故俺は此処に居るんだ?」

 

そう俺にとってはこれが一番重要だ。発狂して気が付いたら此処なんて説明がつかないじゃねぇか。

 

「ああそれか。それはお前とちょっと終破無死(おはなし)したかったから呼んだだけ」

 

「(漢字からして嫌な予感がする。今の内に刀を抜いとこう)」

 

俺は腰に刺してある刀を抜こうとする。だが

 

「(刀が......無い!?)」

 

俺の腰に刀の姿は無かった。ちぃ此処では使えないのかよ!

 

「それで......俺に話とは何だ?」

 

「なにちょっとお前がヘマして滅んだ村の事に関してだよ。全く情けねェな」

 

「......」

 

「今迄お前が護れた物なんてあったか?師父を無くし、使命も果たせず、お前自身の誇りであった刀を壊し、

 

世界で一番大切だった友人も護れねェ癖によォ!」

 

「......五月蝿い」

 

「情けねェよな!お前の世界を、人生を変えてくれた大切な恩人を護る力があっても護れなかったなんてよ!」

 

 

ーーハハハ、私もう終わりみたいね。やだな、死ぬのは。

ーー待ってくれメリー。お願いだ、逝かないでくれ!お前が消えたら......俺は......俺は!

ーーありがとう楼夢君。貴方に会えて良かったわ。

 

 

 

 

 

ーーもう失う物は何も無い。何も無いんだ。だったらもう派手に殺ろうぜ。

 

 

 

 

 

「まあお前の友人に力が無かったせいかもな。力無き者が生きていたって意味なんて無いからな」

 

「うるせえよ!黙れ!!!

 

破道の三十一『赤火砲』」

 

楼夢は激しく怒声を上げながら火の玉を飛ばし、狂夢に攻撃する。

 

「破道の三十三『蒼火墜』」

 

だが楼夢の怒りにも似た炎は狂夢が放った蒼火によって消えてしまう。

 

「蓮子を......メリーを侮辱するなァ!!!」

 

狂夢は楼夢があきらかに怒っているのを見てクスリと笑う。

 

「中々良い顔になって来たじゃねェか。そうだよ、その顔が見たかった」

 

狂夢はそう楼夢に言うと、足で地面を叩く。すると空から黒い刀が落ち、楼夢の目の前の地面に突き刺さる。それはルーミアに折られた筈の黒月夜だった。楼夢はそれを抜き、狂夢へとその刃を向ける。対して狂夢は何も無い所から白い黒月夜を出し、その刃先をペロリと舐める。

 

「さあ、美しく残酷な殺し合い(デスゲーム)を始めようじゃねェか!」

 

狂夢がそう叫んだ瞬間、白と黒の斬撃が晴天の空の下で互いに交差した。

 

 




3000文字突破。いや~今回はオリキャラ狂夢さんの登場と楼夢さんの友人が明らかになりました。
作者はシリアスな展開を書くのが苦手です。
そう言えば楼夢さんが怒った事って今回が最初になるのかな。それにしても狂夢さん前半と後半でキャラ変わり過ぎる!

さて次回、始まる殺し合い(デスゲーム)。はたして楼夢さんはこの甘い誘いに打ち勝つ事ができるのか!?次回もぶらりと見に来てね。


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THE DEATH GAMES 『BLACK PEACH AND WHITE CHERRY』《黒き桃と白き桜》


この血塗られた灰色の世界に正も悪も無い

...罪......存在そのものが罪なのだ......

by白咲狂夢


 

 

楼夢side

 

ガキン キィーーン

 

現在楼夢の精神世界では二人の剣術の達人が激しくも見る者全てを魅了する程に美しい戦いが繰り広げられていた。

 

「(......アイツ、俺の狂華閃を全てコピーしていやがる。流石俺の裏という所か)」

 

「狂華閃四十奏『雷光一閃』」

「狂華閃二十二奏『バーベキュー斬り』」

 

俺は自身の黒月夜に雷を、狂夢は炎を纏い刀で強力な一閃を放った。雷と炎が交わり巨大な爆発を起こす。

 

「へ~流石本体なだけある。結構やるじゃねェか」

 

「褒めてるのか?それとも馬鹿にしてるのか?まあいい、俺は俺自身のプライドにかけてテメェを倒す」

 

「......言うじゃねェえーか。だったら鬼道はどうだ!」

 

「破道『金剛爆』」

 

狂夢の黒月夜の矛先に巨大な火球が出来る。そしてそれを俺目掛けて放つ。

 

「大火球『大狐火』」

 

俺は狂夢の火球に自身の火球を当て、爆発させる。

 

「縛道の六十二『百歩欄干』」

「縛道の六十三『鎖条鎖縛』」

 

俺は狂夢に無数の棒状の霊力を放つ。一方狂夢は霊力で作った太い鎖をムチの様に使い、全ての百歩欄干を砕く。

 

「破道『牙気烈光』」

「火球『狐火小花』」

 

続いて俺は剣先からいくつもの緑色の閃光を放つ。狂夢はそれを八つの狐火でかき消す。

 

「破道『氷牙征嵐』」

 

狂夢がお返しと言わんばかりに冷気の渦を発生される。

 

「ちぃ!面倒くさい技が来たね!」

 

この技は今迄の鬼道とは違い、攻撃範囲が広いので俺の鬼道の中では中々厄介な技だ。

 

「狂華閃六十奏風乱(かざみだれ)』」

 

俺はいくつもの風の刃で水などを全て切り裂く。

 

「「霊刃『森羅万象斬』」」

 

俺と狂夢は蒼い斬撃を同時に飛ばす。二つはぶつかると互いに相殺しあった。

 

「......決着が着かないな」

 

「......ああ。もう昼寝したい自分が居る」

 

確かに良く考えれば解る事だ。俺と狂夢は同じ存在......つまり同じ力を持つ者同士という事になる。だから二人が殺し合っても決着が着かないのだ。まあ解っててもやらなきゃいけないんだがな。俺も木の下で昼寝したい気分だ。

 

「安心しろ。寝たいのはお前だけじゃない」

 

「何故安心していいか解らないが。まあいい、お前が思った事は正論だ」

 

「やっぱり」

 

「だが一つ勘違いしている」

 

「......何をだ?」

 

「......一つ聞く。姿も能力もそして力も!全く同じ存在があったとして!その違いは何だ!?と聞いてんだ!!」

 

「......?」

 

「答えは一つ......

 

 

 

本能だ!!!」

 

「同じ力を持つ者がより大きな力を発する為に必要な物、強くなる為に必要な物は!!」

 

「ただひたすらに戦いを求め、力を求め、敵を容赦無く叩き潰し、引き千切り、切り刻む戦いに対する絶対的な渇望だ!!」

 

「俺達の皮を剥ぎ、肉を抉り、骨を砕いた神経のその奥!!」

 

「原初の階層に刻まれた研ぎ澄まされた殺戮反応だ!!!」

 

「そしててめえは甘い!!愚かな程に!!」

 

「てめえはその甘い考えで妖怪も自分とは相反する人間も中途半端に助けようとする!その結果多くの人々を不幸に追いやっている!!」

 

「そんな事は......

「そんな事は?現実を見ろ!!結局てめえは今も昔も何も変わっちゃい無えェ!!てめえはその甘い考えで全ての人間を助けようとする!!そんな考えでこの残酷な三千世界の血の海の中で通じる訳無えェだろ!!てめえがそんなに弱かったから村も......メリーも蓮子も救えなかったんだろうが!!!」

 

「だからてめえは弱えェんだよ!!楼夢!!!」

 

狂夢がそう叫んだ瞬間、彼は自分の黒月夜を楼夢へと投げた。楼夢は狂夢が吐き出したその残酷な現実に気を取られ、楼夢の体に白い黒月夜が突き刺さり、貫通した。

 

「俺は御免だぜ、楼夢」

 

「てめえがどう考えてるか知らねえが俺はそんな叶う事の無えェ幻想を抱いてる弱えェ奴に体を預けて斬られるの耐えられねえ」

 

「てめえが弱いのなら俺はてめえを潰して......

 

 

 

 

 

俺が白咲楼夢になる」

 

狂夢は楼夢の体に突き刺さった黒月夜を引き抜く。そして

 

G(ギア・マジック)(サード)黒虚閃(セロ・オスキュラス)』」

 

巨大な黒い光線が楼夢を呑み込んだ。





ふー戦闘シーンを書くのは苦手だな。
後狂華閃六十奏の風乱れを風乱に変更しました。以後宜しくお願いします。そして作者は学校を転校しました。うんどうでもいいね。

さて次回、まだまだ続く殺し合い(デスゲーム)。楼夢さんは無事勝てるのか。お楽しみに。
後狂夢戦は長くなると思います。


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THE SECOND GAMES 『ALL SING IN THE UNIVERSE』《森羅万象》

私達は戦う、何かを守るために

俺達は戦う、その血肉を喰らう為に

私達は戦う、この冷徹な世界で生き残る為に

俺達は戦う、この飢えを満たす為に

戦いとは罪そのもの


by白咲楼夢&白咲狂夢


 

楼夢side

 

暗い

 

此処は何処だ?

 

まあいい、体も動かなくなって来たから少し眠るとしよう。

 

ーー............て、............君!

 

ーー起......て、楼......君!

 

ーー起きて、楼夢君!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......しぶてェな。まあ流石と言っておこう」

 

現在楼夢の精神世界に一つの黒い閃光が走った。その正体は狂夢が放った黒虚閃(セロ・オスキュラス)だった。この技はギア・マジックの中でも高ランクのⅢの文字を与えられている。故にそこらの中級妖怪なら一撃で消す事が出来る。だが

 

「その技は何だ?見た事ねェぞ」

 

そう楼夢はその攻撃を直接受けたにも関わらず、生きていた。楼夢の身体の周りにはまるで水の様な透明な色の球状の結界が貼ってある。

 

「こいつの名は『羽衣水鏡(はごろもすいきょう)』。霊力と水を融合した結界を纏う技だ。この俺の周りにある結界は弾幕等の遠距離攻撃を全て防ぐ」

 

「......中々厄介な技を覚えたじゃねェか」

 

この技は強力だが弱点が二つある。一つは物理攻撃に対しては全くと言っていい程耐性が無い。つまり、人間の小学生の拳でも容易く壊せる程に脆いのだ。二つ目はこの技を長時間使う事が出来ないという事だ。多分もって一分が俺の結界を維持出来る時間だろう。これは通常の霊力の結界ではなく、水を俺の能力で融合させているので結界を維持するのが難しいのだ。

 

「それも能力のお陰か......」

 

「そうだ。てめえにも出来るだろ」

 

「いや、残念ながら出来ないね」

 

「?......何故だ」

 

「自分の手の内明かす訳ねェだろ。馬鹿かお前?」

 

「それもそうだ......な!」

 

楼夢は喋り終わると同時に狂夢に突っ込む。

 

「狂華閃七十五『氷結乱舞』」

 

楼夢は狂夢に高速の七連激を繰り出す。

 

「ちょ......あっぶねえな!!」

 

狂夢はこの斬撃を五発持っていた刀で受け流した。だが残りの二発を直撃(モロ)に受けた事で動きが数秒間止まる。

 

「狂華閃九十六奏『桃姫の桜吹雪』」

 

楼夢はこの隙を見逃さなかった。狂華閃の中でも九十六という最強クラスの技を狂夢に叩き込む。楼夢は舞いながら百を超える神速の斬撃を繰り出す。その刀身はまるで月の月光を浴びた桜の様に輝いていた。故に『桃姫の桜吹雪』。この技は『舞いながら斬る』を主体とした楼夢の剣術の極地である。前にも言ったが楼夢が使う狂華閃は本来の物ではない。狂華閃とは主に一撃よりも速さを重視とした剣術である。楼夢はこれに自分が回転斬り等の舞いの様な行動を入れる事で自分自身が流れる様な速さで動く事が出来る様になった。つまり楼夢の狂華閃は楼夢独自の物で他の者には真似する事すら出来ないのだ。

 

「......おいおい痛ェじゃねェか」

 

斬撃の吹雪の中狂夢は出て来た。だがその顔には先程迄の余裕は無く代わりに怒りの様な感情で溢れていた。

 

「さっき俺はてめえの技を使う事が出来ないと言ったな。何故だと思う?」

 

「......」

 

「それは俺にてめえの能力が無えからだ」

 

「!?......成程つまりお前には俺の【形を操る程度の能力】が無いから羽衣水鏡を使う事が出来ないという事か。......じゃあもうてめえに勝ったも同然じゃねェか」

 

楼夢はこの時完全に油断していた。狂夢はあくまで()()の能力を持ってないと言った。そうあくまで()()のは

 

「......そうか。その考えに至った瞬間がてめえの終わりだ。

 

Project『氷結(Freeze)』」

 

狂夢がそう呟いた瞬間

 

「!?氷!!」

 

突如楼夢の周りが凍り始めた。その現象はまるで科学を無視して無理矢理起きた様な物だった。

 

「ちィ、狐火!」

 

楼夢は狐火を造り氷を溶かす。そしてクスクスと笑う狂夢の方へ目を向けた。

 

「『どうなっている』。そう言いたそうな顔をしているな。答えてやるよ。これが俺の能力【森羅万象を司る程度の能力】

だ」

 

狂夢のその言葉に楼夢は動けないでいた。

 

 

"森羅万象“

 

それはこの世に起こるあらゆる現象の事を指す。狂夢はそれを自由に起こす事が出来る。つまりその気になれば天変地異(アルマゲドン)の様な物を起こす事が出来のだ。これを聞けば狂夢の能力がどれほど強力で危険な物か解る。

 

「信じられねェと思ってるか。じゃあ実際やってやろうか」

 

「......!?」

 

楼夢はふと意識を戻す。そして刀を楼夢に構えた。

 

「Project『発火(Ignition)』」

 

次の瞬間、楼夢の足元に大きい火柱が立った。楼夢は横へ間一髪避ける。だが狂夢の攻撃は終わらない。

 

「Project『暴風(Storm)』」

 

狂夢がそう言うと辺りに嵐が起きる。勿論狂夢はその射程外に居るが楼夢はその中に居た。凄まじい風が楼夢を襲う。

 

「ちィ、邪魔だ!

 

裏破道三の道『鉄風殺』」

 

楼夢の後ろに巨大な顔の様な物が浮かぶ。そしてその口から全てを吹き飛ばす突風が吹き荒れる。狂夢の嵐は楼夢の鬼道によって吹き飛ばされた。

 

「ハッハハハハ!!!やるじゃねェか!面白い。殺し合い(デスゲーム)第二幕の開催だ!!」

 

狂夢は悪魔の様に笑い、次の攻撃の為距離を取る。

 

 

本当の殺し合い(デスゲーム)はまだ始まったばかり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




疲れた......
今回は狂夢さんの能力が判明しました。あれってやっぱりチートなのかな。ちなみに狂夢さんの能力を何にしようと一週間程前から悩んでたのは内緒。
後は......毎回最初に書いてある詩にの様な物に楼夢さんと狂夢さんを出しました。あれ考えるのに十分以上掛かるから結構大変なんだよね。

さて次回、殺し合い(デスゲーム)も次のステージに。ぶつかり合う形と万象。さあどうなる。
次回もキュルっと見て行ってね。


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THE THIRD GAMES『DREAM AND HOROSCOPE』《夢と占い》

夢と幻 泡と影

全てまとめて消え去りな

by白咲狂夢


楼夢side

 

とある世界

 

 

 

此処はかつては摩天楼の群れだったとされる立派な建物の残骸が無数にある世界。その一箇所では建物達は激しく崩壊していった。

 

「「G(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)』」」

 

この世界に二つの閃光が走る。一つは鮮やかな桃色、そしてもう一つはこの世に物とは思えない様程綺麗な瑠璃色だ。二つは触れ合うと互いに相殺しあった。

 

「オラよ!」

 

俺は虚閃(セロ)に隠れて狂夢に接近していた。そしてそのまま居合切りを放つ。狂夢はそれを流れる様な動作で受け流した。

 

「おっと......あっぶねえな!」

 

戦況は一気に接近戦になった。俺はこの戦いでは常に『人間状態』でいる。理由は狂夢が単純に超高速型だからだ。この超高速戦闘に対応するには俺は同じ型の『人間状態』でいるしかないのだ。

 

「戦闘中に考え事か?隙だらけだ!

 

Project『暴風雨(Tempest)』」

 

狂夢がそう叫ぶと暴風雨が吹き荒れる。

 

「雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

俺はは八つの雷の龍を飛ばし狂夢を攻撃する。

 

「さらに......

 

火炎『竜の吐息』」

 

俺は口から広範囲に及ぶ炎を吐き出す。ちなみにどうやって炎を吐いているんだって。能力で圧縮した炎を口の中に生み出し、それを吐いただけだ。

 

「んなもん効くかよ!」

 

俺の攻撃は全て狂夢が呼び寄せた暴風雨によってかき消される。だが一瞬だけ俺の攻撃で暴風雨が止まる。

 

「魔槍『ゲイボルグ』」

 

俺は黒月夜に妖力を込めて黒く光る稲妻の様な槍へと変える。そしてそれを狂夢へと投げつける。

 

「縛道の八十一『断空』」

 

狂夢は自身の目の前に結界を貼る。だがゲイボルグとぶつかるとミシミシと音を立てながら崩れ去った。

 

「ちィ、ならば

 

狂華閃六十四奏『墜天(ついてん)』」

 

狂夢は刀に妖力を込めて、縦に振りかざす。そしてなんとかゲイボルグを弾く。楼夢はその間に狂夢に接近していた。

 

「血迷ったか!馬鹿め!」

 

狂夢がそう叫ぶ。狂夢が言った事は正しい。楼夢は『人間状態』では素手での攻撃技を持ってないのだ。故に狂夢には楼夢の行動は愚かにも見えた。だが狂夢の計算の中には楼夢の()()は入っていなかった。

 

「霊刃『新羅......

 

狂夢は刀に霊力を込めた。狂夢の計算では楼夢はこの後突っ込んで来る。それは当たった。楼夢は狂夢のすぐそこにまで接近していた。

 

「終わりだ!」

 

狂夢はそう叫ぶ。だが

 

「鬼神奥義『空拳』」

 

楼夢は右の拳に妖力を込めて強化した。更に拳は超圧縮された風を纏い始めた。そして楼夢は正拳突きを繰り出すと同時に一気に解放する。そうこれは忘れもしない人妖大戦で出会った剛の『空拳』だ。勿論楼夢は剛にこの技を習ってはいない。これは見様見真似で使った技だった。だがそれでも威力は申し分無い。

 

「グ......ハア!!」

 

狂夢は巨大な風の拳に直撃し、いくつものビルを突き破りながら吹き飛ぶ。

 

「......まだか」

 

黒月夜を拾いながら俺はそう呟く。するとビルが爆発し中からボロボロの狂夢が出て来た。

 

「ハアッ、ハアッ。......どうやらてめえは俺の切り札で叩き潰すしかねェようだな」

 

そう言いながら狂夢は巫女服の袖の中からタロットカードを取り出す。便利そうだな。今度から俺も荷物は袖の中に入れよう。

 

「光栄に思え。この俺の最強の技が見れるのだから」

 

狂夢は笑いながらそう言う。同時に宣言した。

 

「占え!『二十二枚のタロットスペル』」

 

狂夢がそう叫ぶと全てのカードが浮き、狂夢の周りを飛び始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今あいつを見ている。

 

「(宙に浮くカードも気になるが今は奴に集中しろ!)」

 

俺は自分にそう言い聞かせる。すると宙に浮いていたカードが集まり狂夢はその中の一枚を取る。どうやら狂夢はあのタロットカードで占っているようだ。俺も占えるが狂夢は全ての作業を一瞬で終わらせていた。まあ占っている途中で攻撃されたら終わりだからな。狂夢は空を飛び、俺を見下す様に見る。そして一枚のカードを取り出し宣言する。

 

「Spell 『(タワー)』」

 

狂夢がそう言った瞬間、空から無数の蒼い稲妻が俺目掛けて落ちて来た。

 

「ガアアアアア!!」

 

文字通り光の速さで落ちて来た稲妻に俺は為すすべもなく数十個の直撃を受け、落下した。俺が立っていたビルは無数の稲妻に飲み込まれるかのように消え去った。

 

「おいおい寝るのはまだ早いぜ」

 

「グアッ!」

 

俺は先に下に回り込んでいた狂夢に回し蹴りを食らわされ上に吹き飛び、ビルに直撃した。ラッキーだ。ビルにぶつかったお陰で足場が出来た。今の俺の身体はそれほど迄にボロボロだった。

 

「俺のタロットカードの種明かしをしてあげようか」

 

狂夢がまるで地を這うありを見るような目で俺を見下す。

 

「さっきのはこの『(タワー)』の能力(スペル)【無数の稲妻を落とす程度の能力】だ。俺のタロットカードには一つ一つに能力があるんだよ」

 

狂夢は子供の様な無邪気な顔で微笑む。楼夢はその言葉を聞いて絶望した。タロットカードは全部で二十二枚。つまり、事実上狂夢は自身の能力を合わせ二十三個の能力を持っている事になる。だがどんなに強くても弱点は必ずある。

 

「こいつの欠点はまず使えるカードは全て占いで決まるという事だな。もう一つは占いはカードを使用してから一分以上経っていないと使えないという所だ。そしてカードの能力は使用してから一分以上経つと効果が切れる」

 

この時楼夢の目に光が戻る。同時にある疑問が浮かぶ。何故自分に弱点を教えるという所だ。だが楼夢はその考えを頭の端へと追いやった。楼夢はフラフラと立ち上がる。

 

「んじゃ次行くぜ

 

Spell『戦車(チャリオット)』」

 

狂夢はカードを頭上に掲げる。すると狂夢が突如四人に増えた。

 

「これが『戦車(チャリオット)』の能力(スペル)【四人に増える程度の能力】だ」

 

狂夢がそう言った瞬間、一人が俺に斬りかかる。俺はそれを刀で受け止める。だが二人目が

 

「縛道の四『這縄』」

 

縄で俺を縛る。そして三人目と四人目は詠唱を唱えている。

 

「狂華閃七十二奏『爆雷刃』」

 

一人目が炎と雷を纏った刀で横に斬る。刃が俺に当たった瞬間、爆発が起き俺は吹き飛ばされる。

 

「グウ......ウ」

 

「まだだ

 

縛道の六十三『鎖条鎖縛』」

 

俺に太い鎖が蛇の様に俺に巻き付く。

 

「「これで......終わりだ!」」

 

詠唱を唱えていた二人がそう叫ぶ。やばいマジで死ぬかも。

 

「「破道の七十三『双蓮蒼火墜』」」

 

「グ......ガアアアア!!!」

 

楼夢は巨大な蒼い蒼火に飲み込まれる。

 

「終わったか」

 

一人がそう呟いたその時

 

G(ギア・マジック)(フォース)王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)』」

 

四人は青白く輝く光に包まれた。

 




なんか最近宿題が多い。面倒くさい。マジで。
さて今回のメインはやはり『二十二枚のタロットスペル』ですね。本当にタロットカード一枚一枚の能力を考えるのに疲れた。後皆さんにお知らせ。前に『時狭間の雷』と言う技がありましたよね。これの技名を変更します。名前は『ライトニング・デス』になります。ちなみに書き方は『時狭間の雷(ライトニング・デス)』になります。さて次回狂夢戦ラストスパートの予定です。あくまでも予定です。それじゃあ次回もキュルっと見て行ってね。


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Last games『The world with me』世界と私

回る 回る

俺等の世界

そして私達は運命に流される哀れな砂粒

昇る 昇る

地から天へ

誇り高く天を舞い 見つめる貴女が灰になるまで

by白咲楼夢


楼夢side

 

「ゲホ、ゲホ......殺ったか......ガハッ!」

 

楼夢はそう呟くと朱く染まった血を吐き出す。身体は血まみれで所々に刀傷や何かに焼かれた跡がいくつもありボロボロだった。この状況で骨折をしていないのは不幸中の幸いと言える。そう言うしかない程に楼夢はボロボロだった。

 

「終わる......訳ねェだろうが!」

 

一方狂夢も怒りをぶちまける様な声で煙の中から姿を現す。身体の傷は楼夢よりは浅いとはいえ決して軽傷と言えるレベルの傷では無い。そして狂夢が戦車(チャリオット)を使用してから既に一分が経っている。よって狂夢はタロットカードをシャッフルし直す。

 

「......やっぱりね。一発じゃ終わらねェか」

 

楼夢は苦笑いしてからゆっくりと構える。だがその目に光は無かった。

 

緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)!!」

 

楼夢はそう叫ぶと目を黒に染める。その朱い瞳には狂夢しか映っていない。

 

「やっと出したか。待ちくたびれたぜ」

 

「当たり前だ。自分と同じ力を持つ者に最初(ハナ)から突っ込む馬鹿はいない。力を温存しておくのは戦闘では常識だ」

 

楼夢はいざという時に備え妖力消費の激しい『緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)』を温存していたのだ。そしてそれを出したという事は戦いの終わりが近づいて来たという事だろう。

 

「そうかよ。じゃあ四枚目

 

 

Spell『魔術師(マジシャン)』」

 

そう言うと狂夢は自分の妖力を全て一つに集める。

 

「(何をしているんだ?あんな物放てば妖力を全て使い切っちまうぞ)」

 

G(ギア・マジック)(フォース)無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)』」

 

狂夢は数にして1000発以上の瑠璃色の『虚閃(セロ)』の嵐を放つ。全ての妖力を込めている為一発一発が物凄い密度をしている。その為、今の楼夢の身体では一発当たればすぐに致命傷となるだろう。楼夢は瞬歩を使いながら躱していく。だが1000発以上の『虚閃(セロ)』の嵐を避け切る事など不可能に近い。数十発が楼夢を捕らえる。

 

「鏡符『羽衣水鏡』」

 

楼夢は結界を貼り、なんとか防ぐ......と同時に嵐が止む。だが楼夢はそこである事に気付く。

 

「妖力が......減ってない!?」

 

そう狂夢は確かに全妖力を使って攻撃をした。仮に全妖力を使い切って無かったにしても1000発の「虚閃(セロ)」など放てば妖力は減る物だ。だが狂夢の妖力はまるで時が遡ったかの様に攻撃をする前と何も変わっていなかった。

 

「説明するぞ。俺の『魔術師(マジシャン)』の能力(スペル)は【妖力が減らなくなる程度の能力】だ。これのお陰で俺は一分間妖力消費を気にしなくていい訳だ。ほらよ

 

 

G(ギア・マジック)(フォース)無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)』」

 

「!!『羽衣水鏡』」

 

狂夢は突然攻撃して来た。勿論カードの能力を効かされて驚いていた楼夢に避けれる筈なく先程の様に結界で防ぐ......が1000発も防げる訳無い。それでも楼夢は結界を霊力で強化する。そのお陰か吹き飛ばされた時にダメージの7割が減っていた。そしてまた一分が経ちカードの能力が切れる。もう自分の身体の限界が近くなっているのを楼夢は誰よりも理解していた。

 

「さ~てと、俺もカード使うのは疲れるから次で最後にしようぜ」

 

「ああ」

 

狂夢は占いを始める。そして狂った様に笑いながら叫ぶ。

 

「さあ、フィナーレだ!!!

 

 

Spell『(ストレングス)』」

 

狂夢はそう叫ぶと身体から嫌な予感がすると楼夢の本能が告げた。だがそれは楼夢の頭には入っていない。。

 

「こいつの能力(スペル)は【身体能力を数十倍にする程度の能力】だ。準備は出来たか?」

 

狂夢がそう聞くと楼夢はクスリと笑い狂夢の方に振り向く。その瞳には既に希望の様な暖かい光は消え、代わりに全ての者の上に立つ氷の様な美しくも冷たい瑠璃色の光を放っていた。楼夢は残った妖力を全て身体に纏い身体能力を数倍にする。全ての妖力を纏えば一分程で消えるがこの戦いは残り一分しかない。だからこの判断はおそらく正解だろう。

 

 

 

「さあ、審判(ジャッジ)の時間だ」

 

その楼夢の声が聞こえた瞬間、二人は空へ消える。その後には刀と刀が激しくぶつかり合う音が聞こえた。どんなに斬られても、どんなに血を流しても、二人は狂った様に笑っていた。その姿はまさに悪魔と呼ぶに相応しい。

 

G(ギア・マジック)(サード)雷霆の槍(ランサ・デル・レランパーゴ)』」

「破道の八十八『飛竜撃賊震天雷砲』」

 

狂夢は稲妻の様な槍を、楼夢は特大の雷撃を放つ。二つはぶつかり合うと同時に爆発する。その衝撃波に周りの建物は全壊した。

 

G(ギア・マジック)(サード)黒虚閃(セロ・オスキュラス)』」

G(ギア・マジック)(フォース)王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)』」

 

続いて狂夢は黒い閃光を、楼夢は青白く光る閃光を放つ。技の威力はⅢよりⅣの方が強い為楼夢の『虚閃(セロ)』が狂夢のを打ち消しながら直撃する。楼夢はこれをチャンスと見て刀に霊力を込める。

 

「霊刃『森羅万象斬』」

 

楼夢は自身の十八番の『森羅万象斬』を放つ。だが

 

「甘ェよ!」

 

狂夢は霊力ではなく妖力を刀に込める。その妖力で刀は桃色に輝いていた。

 

「妖刃『夢空万象刃(むくうばんしょうじん)』」

 

狂夢は『森羅万象斬』に似た桃色の斬撃を飛ばす。その斬撃は楼夢ごと天を貫いた。楼夢は力無く空から落ちていく。狂夢は完全に油断し止めを刺そうと近づく。そう油断していたから狂夢は気付かなかった。楼夢の刀に今迄とは段違いの黒い色をした力が集まっている事を。狂夢がその事に気付いた時には遅かった。

 

 

「超次元『亜空切断』」

 

 

一瞬世界が黒に染まった

 

 

 

 

みんなは亜空間についてどう思っているだろうか?亜空間とはこの世界には無い別の空間の事だ。それを能力などで無理矢理開くと亜空間は再び閉じようと膨大な量のエネルギーを放出する。今回楼夢が集めていたのはそのエネルギーだ。楼夢は能力で亜空間の形を操り膨大な量のエネルギーを無理矢理放出させたのだ。そしてそのエネルギーで大きさ20メートル程の巨大な亜空間を敵ごと切り裂く。そしてそれで放出された桁違いな量のエネルギーはその大きさに耐えられなくなり、周りにある物全てを呑み込む程の大爆発を起こす。

 

一瞬、世界が黒に染まった。

 

楼夢はビルの残骸に倒れていた人物に近づき話し掛ける。

 

「これで......終わりだ」

 

「ふふふ......ゲームセット勝者は......てめぇだ楼夢」

 

その時、世界が突然崩れ始める。

 

「何だこれは?」

 

「......時間だな。別れの」

 

「そうか」

 

「ふっまさか本当に俺を倒すなんてな。取り敢えず褒めておくよ。だが一つ言わせろ。もうちょっと自分らしさを見つけな」

 

「......そうだな。サンキューな」

 

「勘違いすんじゃねーぞ。俺はてめぇの敵でも味方でも無ェ。......後俺を一応倒した褒美に良い物をくれてやる。もしも苦戦するようだったらそれを持って呼びな」

 

 

 

 

ーーと

 

 

 

 

その瞬間、世界は完全に闇に包まれ俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと此処まで来た......。
次回から東方蛇狐録始まります。......え、どういう意味だって?皆さん気付かなかったんですか。今迄の話は全てプロローグの様な物で決して本編では無かったんです。まあプロローグで伝えたかった事は楼夢さんの性格や能力そしてその過去です。ちなみに過去の話はまだまだ先なので宜しくお願いします。......あっ次回は本編ではなくオリキャラなどをゲスト入りで紹介していくと思うのでお楽しみに。
あと最近作者は東方vocalアレンジなどを聞いているのですけどオススメがあったら教えてください。宜しくお願いします。
では次回までキュルっと見て行ってね。


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東方蛇狐録《前期》 蛇?狐?いいえ、蛇狐様だ!編 八岐大蛇と神

俺達は頭 愚かさの結晶

俺達は首 八つの力

俺達は蛇 恐怖の象徴

俺達は駆ける 天の果て迄


by白咲楼夢


 

楼夢side

 

此処は楼夢が居た土地から東にある所。そしてこの頃、西から東へとある怪物が向かっていた。

 

 

 

 

 

 

「ヒィィィィィ!!お願いだ!助け......」

 

グチャ

 

「■■■■■■■■!!!」

 

西から東に移動している怪物の名は八岐大蛇。名前の由来は首と尾をそれぞれ八つ持った巨大な大蛇の姿をしている所から。この怪物は移動中数十を超える村、町、国を滅ぼして行った。そして数十人の神の討伐部隊が戦ってもことごとく皆殺しにされ、喰われて行った。

 

大蛇は身の毛も凍る様な雄叫びを上げ、多くの人間を喰らう為、更に東へと進む。その先には巨大な山があった。大蛇は山の頂上まで登ると数日間そこで夜を過ごした。

 

夕日が沈み始めた頃、一人の青年が大蛇を見上げ、語り掛ける様に喋った。

 

「貴様が八岐大蛇だな?」

 

「グルルルル」

 

大蛇はそう低く唸る。その声はまるで新しい食材が来たと言っているようだった。

 

「言葉は通じないか。......ならば!」

 

そう言い青年は腰に刺した刀を抜く。そして気合いの入った声で喋り出した。

 

「我が名は須佐之男命(スサノオノミコト)!今迄喰らった人間達の仇......今取らせて貰うぞ!!」

 

「グル......ガアアアアア!!」

 

須佐之男がそう叫ぶと、大蛇は生意気なと言わんばかりに一つの口から炎のブレスを吐き出す。だが須佐之男はそれを一刀両断し避ける。これは彼の能力【あらゆる物を一刀両断する程度の能力】のお陰である。

 

「ハアァ!!」

 

気合いの入った声と共に須佐之男は大蛇を斬る。だが一撃で終わるほど大蛇は甘くない。須佐之男は大蛇の身体が大きすぎるせいで一刀両断しきれずにいた。だが少なからずダメージを与えた。須佐之男はそう思うと一気に懐へと飛び込んだ。

 

「■■■!!」

 

だが須佐之男よりも大蛇の方が速かった。大蛇は地響きで地震を起こし須佐之男の動きを封じる。そしてその首を伸ばし須佐之男に噛み付こうとする。須佐之男は苦し紛れに刀を振るい大蛇を攻撃する。......がその斬撃はガキンと言う音と共に弾かれる。須佐之男は自分の能力が効かなくなったのに驚き、大蛇の攻撃に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。なんとか意識を繋ぎ止めた須佐之男はさっきの事を思い出していた。

 

「(まるで鉄を斬った様な感触だ......)」

 

須佐之男はそう思う。実際、その考えは合っている。大蛇の八つの首にはそれぞれ木、火、土、金、水、風、光、闇を司っている。さっきの攻撃は鉄の竜の身体に須佐之男の刀が当たった瞬間、あまりの硬さに弾かれたのだ。そう須佐之男の能力でも斬れない程に鉄竜の身体は硬かった。もし先程の攻撃を直撃(モロ)に受けたら今頃須佐之男はあの鋼鉄の牙に噛み砕かれていただろう。その姿を想像した須佐之男は一瞬身震いをした。だがそれでも刀に力を込め、大蛇へと斬りかかる。この力は霊力とも妖力とも違う神力と呼ばれる力だった。

 

大蛇は次に風竜と水竜が同時に息を吸い込む。そして触れる物全てを凍てつかせる猛吹雪を吐き出した。この様に大蛇は八つの力を融合させ、使う事も出来た。今回の場合は嵐と雪を融合させ吹雪にしたのだ。その凄まじい吐息は辺りを一瞬で銀世界に変えた。だが今の須佐之男にこの景色を楽しむ余裕は無い。須佐之男は神力で弾幕やレーザーを作り相殺して行く。すると大蛇が自身の八つの尾で須佐之男を攻撃して来たのだ。八つの尾はまるで槍の様に須佐之男を貫かんとしている。だがこれは須佐之男にとってチャンスだった。須佐之男はその攻撃を避け、お返しと言わんばかりに尾を切り裂く。流石に尾までは鋼鉄では無いのでいとも簡単に一刀両断される。瞬間、

 

「■■■■■■■■!!!」

 

大蛇が凄まじい雄叫びを上げる。その様は正にハウリングと言った方が良いだろう。須佐之男は悟る。此処からが本当の戦いだと。二人は互いに睨み合った後、戦いを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

八岐大蛇と須佐之男の戦いは三日三晩続いた。そして最後に勝ったのは......

 

 

 

 

 

......八岐大蛇だった。

 

 

 

 

 

二人は互いに全力でぶつかり合っていた。そのお陰で天地は荒れ果て、山の地形をも変えていた。二人の中では若干須佐之男が有利だった。八岐大蛇はそのあまりの大きさのせいで速度は遅い。そこを須佐之男に突かれたのだ。須佐之男はスピードで大蛇を攪乱し、その斬撃で攻撃して行った。では須佐之男の方が八岐大蛇より強いのか?それは違う。あくまで須佐之男はスピードで八岐大蛇に勝っているだけで、もし八岐大蛇が楼夢の姿だったら、そのスピードについて行けずに圧倒されていただろう。それほどまで、須佐之男の神力と八岐大蛇の妖力には差があった。大蛇はあの時村を滅ぼしたオーロラの様に輝く炎を吐く。須佐之男は疲労のせいでそれをまともに受ける。その瞬間、オーロラの様に輝く火柱が天をも貫き、夜空を染めた。その風景は幻想的でありながら地上は地獄と化していた。それは山をも消し飛ばし、辺りを美しくも残酷な風景を見せる蒼く輝く灼熱地獄となっていた。須佐之男はその攻撃を本能で避け威力を半減した。だがその半分の威力で日本の最高神が倒れる程の威力。もし直撃したらどうなるかは一目瞭然である。須佐之男は恨めしそうに大蛇を見つめ、そして最後の力を使って叫ぶ。

 

「さあ!!ゲフッ!......殺すなら殺せ!!」

 

須佐之男は大蛇を睨む。だがそこで大蛇の様子がおかしい事に気付く。だが須佐之男にはもう身体を動かす事も出来ない為、特に意味は無い。そして大蛇が落ち着きを取り戻して行く。須佐之男は自分の最後を悟った。だが次の瞬間聞こえてきた音に須佐之男は耳を疑った。

 

 

「お前............

 

 

 

 

大丈夫か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




東方蛇狐録遂に始まりました。二十話越えのプロローグがある小説なんて今迄聞いた事も無いぞ。そして作者はとうとうやってしまった。......えっ何を?

決まってんだろ!ドラクエジョーカー3をamazonで注文したのさ!いやーamazonは引きこもりの味方ですわ(笑)。自分はモンスターズシリーズはジョーカーから全て持ってますのでとても楽しみです(((o(*゚▽゚*)o)))。後は......ついでに買い物かごの中に東方の永夜鈔と風神録を買いました。お陰で財布の中身がすっからかんです。
そしてオリキャラ須佐之男さんです。ちなみにこの人の出番は多分物凄く短いです。可哀想に(お前が言うな!)

では時間東方蛇狐録、やっと目覚めた楼夢さん。そして狂夢との戦いのお陰で自分がパワーアップしている事に気付く。

次回、『おnewな時』次回からのnew楼夢さんを宜しく。では次回もまたキュルっと見て行ってね。


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おnewな時

過去から未来へ 未来から過去へ

by白咲楼夢


 

楼夢side

 

ちゃーすみんな。皆の希望の星、白咲楼夢だ!

………やべぇ、また滑った。だが後悔はしていない(キリッ。

まあそんな事は放っておいて、目が覚めたらなんでそこら中が焼け焦げているの?……ていうか何故こんな所に人間が居るの?死ぬよ、マジで。……まあ怪我をしているようだし助けますか。

 

「おいあんた大丈夫か?」

 

「……な!?……」

 

男に話し掛けてみたが、何故かあちらが驚いただけで終わった。……そーいや人間ってこんなに小さかったっけ?明らかに俺の十分の一も無ぇぞ。まあ取り敢えずそこの男に事情を聞こう。

 

「おーい聞こえてますかー?」

 

「……しゃ……」

 

「しゃ?」

 

男は何かをつぶやく様にそう言う。だが次の言葉はちゃんと聞こえた。

 

「しゃぁべったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ああん舐めてんのかクソ餓鬼ゴラァァ!!」

 

俺はこいつの言動にブチ切れる。当たり前だ。俺は怪物扱いされるのが大嫌いなんだよ!

 

「きっ貴様本当に……八岐大蛇か?」

 

「八岐大蛇?なんだよその名?俺には楼夢って言う親から付けてもらった名があるんだが?」

 

まあ実際俺は親の顔を見た事は無い。父は事故で死に、母は元々身体が弱かったらしく俺を産んだ時に死んだそうだ。まあ特に気になったり寂しいとも思わない。そんな事より八岐大蛇だっけ?俺の何処の事を指しているんだか。(全部です)。……ちょっと待てよ。その名何処かで聞いた事あるぞ。

 

「いや俺は貴様が喋れる事に驚いているんだが」

 

「そうそれだ。おい男。名はなんだ?」

 

「俺の名は須佐之男命と言う。」

 

「そうか……俺の名は白咲楼夢。よろしくな」

 

そう言い、俺は須佐之男へ手を差し出す。……須佐之男命。この名も何処かで聞いた事がある。……ちぃ!数億年前の事なんて憶えてられっか!!

 

「あっああ」

 

須佐之男は戸惑いながら言葉を返す。取り敢えずこいつから情報を引き出そう。

 

「おい須佐之男。一つ聞きてぇ事がある。俺は今迄何をしていたんだ?」

 

「……やはり憶えてないか。……痛ッ!」

 

「あっおい大丈夫か?」

 

俺は須佐之男の身体を見る。まず全体的に火傷が酷い。この怪我のしかた。……恐らくは尋常じゃない火力に焼かれたのだろう。生きているのが奇跡と呼べる程の怪我だ。

 

「おい……治してやろっか?」

 

「!?……ああ頼む」

 

俺はいつもの様に【妖狐状態】になる。……あれ何故か姿が変わってる?

まず頭の左斜め上には手の平より大きな桜の髪飾りが付けてあった。一応取ろうとしたがどうやら付けているのではなく頭から咲いているみたいだ。......うん、なんで生物の頭から花が咲いているんだよ!俺の頭はお花畑とでも言いてぇのか!巫山戯るな!

 

「(それは溢れかえった妖力が行き場を無くして頭に咲いただけだ。まあ、取り敢えず妖力の貯金箱の様な物だ。だからあまり気にするな)」

 

狂夢の声が突然俺の頭の中に響く。良かった。取り敢えず悪影響は無さそうだ。

 

次に俺の巫女服だ。今迄は黒く塗り潰されていたのに袖の裾に赤いラインが描かれていた。更に黒いロングスカートの下に着ていたロングスカートが白くなっていた。お陰で黒いロングスカートから白いロングスカートがちょうどいい具合にはみ出ていた。うん、俺の巫女服のレベルアップなんて嬉しくないよパトラッシュ。

 

「楼夢……お主……女だったのか」

 

「女じゃねぇ、男だ!!」

 

「だがその姿は女ーー」

 

「それ以上言うとお前の口を縫い合わすぞ」

 

「だがーー」

 

「縫い合わすぞ」

 

「……はい、すいませんでした」

 

俺は【回道】と呼ばれる霊術を使う。ただ俺は基本的に普通の怪我位しか治せない。よって須佐之男の怪我は全て治らなかった。そう霊力とあと何かが足りないのでまだこの術は未完成だ。

 

「ほいよっと。すまねぇな。俺の実力じゃこれが限界みたいだ」

 

「いやさっきよりはだいぶマシになった……だがお主は何故こんな事をする?」

 

「少なくとも目の前で人が死にかけてるのを無視する程俺は冷たく無いんでね」

 

「……そうか。……あと俺は人間じゃない。神だ」

 

「んっ紙?」

 

「神だ神!お主今巫山戯て言っただろ!」

 

「気にするな!」

 

「気になるわ!」

 

「取り敢えず俺はさっきの質問に答えて欲しいんだが?」

 

「ああ、いいぞ」

 

 

 

 

紙説明中……。(紙じゃない、神だ!)

 

 

 

 

「成程、理解した」

 

取り敢えず話をまとめると

 

俺発狂→八岐大蛇に変化→二、三年間国という国を荒らしまくる→須佐之男登場、あっさり撃沈→現在

 

という所だな。俺って物凄い事してんな~。

 

「やけに冷静だな」

 

冷静ではない。俺だって驚いている。だが不思議と自分を責める気にはならなかった。

 

「過去の事をイチイチ気にしてたらキリが無い。これは歳上からの言葉だ」

 

「俺はもう五千歳超えているのだが?」

 

「残念俺数億歳だから」

 

「ええっ!!」

 

驚くのも無理ない。多分俺より歳上の生物なんてもう地球には存在しないだろう。……ていうか何俺等自分の歳で威張ってんだろう。子供かよ。

 

「そういや神を見るのは初めてだったな……神って色々出来るのか?」

 

「ああ、まあ俺は戦神だから戦う事しか出来ないけどな(ドヤァ」

 

「それで俺に負けたのかよ」

 

「そのような事があろう筈が御座いません。てか楼夢も神になってるぞ」

 

「Repeat please」

 

「えっ」

 

「もう一回言え」

 

「お主も神になってるぞ」

 

「マジかよ」

 

「マジです」

 

おいおいそんなの聞いてねえぞ。てか妖怪って神になれるの?そもそもなんで神になったの?

 

「お主は人間達を恐怖の底に突き落としたりしていたから邪神として妖怪達から信仰されているらしい。ちなみに種族は破壊神になっているぞ」

 

こりゃあ面倒な事になったな。これから苦労しそうだ。

 

「ありがとな。こいつは礼だ」

 

そう言い俺は天叢雲を須佐之男に投げる。

 

「おい良いのか。こいつはかなりの上物だぞ」

 

「良いよ。俺には()()()がある。あと、八岐大蛇はお前が退治した事にしてくれ。それは証拠品の様な物だ」

 

そう言い切ると、俺は須佐之男に背を向け新たな()()に手を当てる。

 

「おーい楼夢ー。またなー!」

 

俺は須佐之男に微笑む。さあ、新大陸だ。何処に行こうか......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~今日の狂夢~~

 

「ウオォォォォォォ!!!」

 

現在狂夢は自分の家(精神世界)でド●クエ8をしていた。どうやら現在ラスボスのラ●ソーンと戦闘中らしい。

 

「潰れろ。デブソーン!スーパーハイテンションのヤ●ガスからのーー

 

 

ーー蒼天魔斬!!」

 

デブソーンに3013のダメージ。

 

デブ「まだだ…まだ終わらんよ」

 

狂「なんで画面の中で喋れるんだよ!」

 

デブ「黙れ小僧!!!デブにだって色々事情があるんだよ!喰らえーー

 

 

ーーマダンテ」

 

「キュルァァァァァ!!」

 

その後、何故か精神世界に亜空切断を超える爆発が起きたとさ。でめたし、でめたし

 

 

 

 




すいませんでしたぁぁぁぁ!
今回は皆さんに大変お詫び申します。
なんとこの小説の一話と二話が逆になっていました。よって「はぁ、意味不明だわ」とか思った人がいたかもしれません。すいませんでした。

次はヒャホォォォォォォ!!!
春休みだぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!
という訳で投稿ペースを上げたいと思います。

「のっけからハイテンションだな」

あ、貴方は......狂夢さん!何故此処に!?ていうか大丈夫ですか!?

狂「ああ、マダンテで一回ピチュったがなんとかな。後で決着を付ける。そうそう作者、俺の次の出番は何時だ?」

多分五十話程後じゃないですか?

狂「嘘だぁぁぁぁぁ!......もう駄目だ......おしまいだぁ......」

何処かの惑星の王子様になってますよ。

狂「畜生、たまに此処に来て出番増やしてやるー!覚えてろー!......あ、今日冷蔵庫にプッチンゼリーブドウ味を入れてたっけ。ちょうどいいや。食おう」

......なんだか面倒臭くなりそう。皆さん高評価&お気に入り登録の他に感想などもバンバン書いて下さい。皆さんの感想をお待ちしております。

さて次回、新大陸に到着した楼夢。そこで待ち受ける物とは......

次回もキュルっと見て行ってね


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悪魔と蛇狐


誇りを失った俺は人になり

誇りを失った俺は獣になり

誇りを失った俺は虫になる


誇り無き俺は刃となり

誇り高いお前は人になる

誇りを取り戻した俺は人になり

誇りを失ったお前は刃となる


......ああ、誇り高きお前が妬ましい

by白咲狂夢


 

此処は和の国、いわゆる昔の日本だ。

現代の人間は一度はこう思った事があると思う。

 

『昔の世界に行ってみたい』

 

これは平和に生き続けた人間共の欲望の一つだ。

だが、彼等は知らない。太古の世界には地上を支配する存在が人間共ではない事を。囚われ続けたーー

 

 

ーー屈辱を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......ハアッ!ハアッ!」

 

此処はとある廃墟へと続く道。そこである男がそこへ走っていた。その顔面は蒼白になり、明らかに何かに怯えているのが解る。

 

やがて、男は廃墟へとたどり着く。此処は国や村からかなり遠くに位置する為、助けを呼ぶ事は出来ないのだ。男はふうっとため息を吐き、そこらにあった岩に腰掛ける。どうやら逃げ切ったと思ったようだ。

 

「ふうっ。なんとか逃げ切れたーー」

 

「ーーと思っていたか?」

 

男はあまりの驚きに地面に倒れる。そしてその後ろには男の様に低過ぎず、女の様に高過ぎない、中性の声を放つ美しい妖怪が居た。その髪は日の光に当たり、桃色に輝いていた。

 

「......ったくチョロチョロ逃げ惑いやがって。......まあいい。一応、俺も此処を目指していたからな」

 

妖怪はハアッとため息を吐くと、男に近づいて行った。一方の男は既に立ち上がっており後ろにズルズルと後ずさりをしている。

 

「なっ何が目的だ!何故私を狙う!」

 

「目的は解りきっているでしょ。お前を狙う理由は......強いて言うならたまたま見つけたから」

 

妖怪は優しく微笑みながら男へと一歩、一歩と近づく。

 

「此処の近くは森も無いし狩りが出来ないんだよ。だから俺昨日メシ食ってなくて」

 

妖怪はバツが悪そうに苦笑いする。だが男にはその無邪気な動作の一つ一つがとても恐ろしく思えた。

 

「おっお願いだ!少し待ってくれ!」

 

「ダーメン。待たない、お終い、ちゃんちゃん♪」

 

「いっ嫌だ、嫌だぁぁぁぁぁ!!」

 

グチョ

 

まるで何かを潰した様な音がした後、男の首から上が消えており、そこから血が噴水の様に吹き出している。妖怪は身体に少し力を入れる。すると、人をそのまま丸呑み出来そうな大きさの大蛇が八匹、妖怪の後ろから出て来る。どうやらこの蛇達は彼の尻尾のようだ。八匹の大蛇はグチャグチャと音を立てながら男の死骸を喰らう。その光景は常人が見たら発狂しかねない程酷かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楼夢side

 

あざっす!皆さん。八岐大蛇ことやまちゃんと何時か呼ばれたい楼夢さんです。............冗談です。

 

さて現在俺はとある廃墟の近くに居る。......えっ何?人間は基本的に喰わない主義じゃなかったのかだって?前は前、今は今、腹がすいたから喰う、『合理的です』byどっかの理事長

とまあ冗談で、本当は食料が無かったからだ。

それより、須佐之男と出会ってから、一ヶ月の時が過ぎた。取り敢えず八岐大蛇になった影響がどこまであるか把握しよう。

 

まず、全ての状態が何かしら強化されていた。例を上げると、【蛇狐状態】の時の俺の尻尾は一本から八本へと変わった。大きさも、最大十メートル以上になっていた。分かりやすく言うと八岐大蛇の首と同じ位の大きさだ。......まあ、普段は変化の術を使って小さくしているから問題は無い。......ただ、尻尾を八本にすると妖力が物凄い事になるので普段は一本で戦っている。尻尾が八本の状態はさしずめ【八岐大蛇状態】とでも名付けておこう。

 

次に【妖狐状態】の変化についてだ。この状態は尻尾が九本から十一本へと変わった。どうしてこうなった?......まあ、この状態では普段尻尾は十一本出している。何故かって?出しておいた方がらくだからだ。ちなみに【人間状態】には外見的に何も変わって無かった為、紹介しない。

 

そして一番凄い事になっているのは妖力だ。現在の俺の妖力は須佐之男と戦った時と同等なのである。分かりやすく言うなら、ルーミア戦時の俺の約数十倍だ。......うんおかしい。今の俺はまさしく化け物なのだ。自分で言うのも難だが。

 

それより、さっき取った人肉で何か作ろう。

 

「狂華閃二十二奏【バーベキュー斬り】」

 

「まあ、燃やしておけば大丈夫だな」

 

そしてその後、能力でフライパンなどを作り、最終的に......

 

「じゃーん!人肉のサイコロステーキ♪」

 

どうしてこうなった?

 

「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛!!」

 

「そうだろ、そうだろ。うん美味しい♪......そして誰だお前!!」

 

「私だ!!」

 

俺は何時の間にかサイコロステーキを食って、ドヤ顔していた妖怪に話し掛ける。外見は白い髪に赤い瞳。そして何故かフード付きの黒いジャケットを着ている。何処にあるんだよ、それは?

 

「質問に答えろ。......てめぇ」

 

楼夢は怒りを含む殺気を放つ。よっぽど自分の近くに居た事が気に食わないのだろう。

 

「よくも俺のサイコロステーキを食ったな!!」

 

違ったようだ。

 

「良いじゃん別に」

 

「良くねぇ!てめぇ、名乗れゴラァ!!」

 

「は~めんどくせぇな~」

 

「喋るのが面倒臭いのなら死んじまえ!」

 

「はいはいっと。俺の名は火神矢陽(ひがみやよう)。西洋最強の賞金稼ぎだ。早速だがてめぇに死悪意(しあい)を申し込むぜ」

 

「その呼び方流行(ハヤ)ってんの!?」

 

「なんだよ常識を知らねぇ奴だな。んでさっきの答えは?」

 

「非常識なてめぇに言われたかねぇ!今回ばかりはイラついたから答えはOuiだ!」

 

「OK。行くぜ、楽しい殺し合いだ!!」

 

此処はとある廃墟。今、二頭の獣が放られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~今日の狂夢~~

 

此処は楼夢の精神世界。そこでとある少年が数十個の板チョコを食べながらゲームをしていた。

 

狂「死ねぇぇぇぇ!!ジゴスパーク!」

 

ピチューん

 

狂「よっしゃぁぁ!!勝ったーー」

 

デブ「ーーと思っていたか?」

 

狂「Pourqoui(何故)!」

 

デブ「あくまでもHPが0になっただけだから死にはしねぇよ。残念だったな(笑)」

 

ブチィ

 

狂「ああ、そうかよ。だったらーー

 

 

ーー殺す!」

 

デブ「ハハハハ、どうや『メラゾーマ』ホギャァァ!?」

 

狂「『魔人斬り』」

 

デブ「ごっふぁぁぁぁ!!ていうかなんでこういう時だけ当たるんだよ!」

 

狂「ゲームの中に居るのなら、同じゲームに居る主人公達で攻撃すればいい話だ」

 

デブ「もうやめて、我のライフはもう0よ!」

 

狂「くたばれ、『ドラゴンソウル』」

 

デブ「ヒャッハァァァァ!!」

 

ピチューん

 

狂「よっしゃぁぁぁぁぁ!」

 

この後、精神世界ではとある少年が泣きながらエンディングを見ていたとさ。

 





はい皆さんこんにちは。作者です。
今回はオリキャラ火神矢陽さんの登場です。
最近オリキャラ多いと思った人。すいません。火神矢さんは後後重要なキャラになる予定なのでここだけは外せなかったのです。ちなみに、どれほど重要かと言いますと楼夢さんの次くらいに重要です。大丈夫です。火神矢さんの次はちゃんと東方キャラ出すので。

では次回、謎の賞金稼ぎ火神矢陽。その通り名はダテじゃなかった。

次回もキュルっと見て行ってね。


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La flamme de diable《悪魔の炎》


俺達は獣

血肉を喰らい

吠え続ける哀れな狼


俺達は炎

罪人を焼く地獄の業火

そしてその血で俺達は朱く染まる


俺達は星

堕ちゆく太陽

それを嘲笑う月の光


ああ、俺達こそ自由の証だ

by火神矢陽


 

 

 

 

楼夢side

 

「さーて、準備は出来たか?」

 

燃え尽きた様な白い短髪の髪を持つ少年......火神矢陽は準備運動をしながら楼夢に問う。

 

「ああ、OKだ......その前に一つ気になった事がある。お前は西洋出身の妖怪なんだろ」

 

「?......ああ」

 

火神矢は楼夢の言葉に疑問を抱きながら答える。

 

「......じゃあなんで武器が日本刀なんだ!?それに名前も漢字じゃねぇか!!」

 

楼夢は相変わらずキレがあるツッコミをしながら火神矢に問う。そしてその答えはどうでもいいものだった。

 

「Parce que j’aime la culture deJapon《何故なら私は日本の文化がだーいすきだから》」

 

「いや日本語で話せよ!なにちゃっかりフランス語で喋ってんだよ!!一応意味は解るがややこしいから早よ戻せ!!」

 

「La technique du Japon et meilleur du monde《日本の技術は世界一ィィィィィ》!!」

 

「日本人でもないのに言うな!ああ、なんで普段ボケキャラで通してる俺がツッコミをしなくちゃならねぇんだ!」

 

「神は言っている。君はボケ役になる定めではないと......」

 

「なんでそのネタ知ってんだよ!......ていうか俺のサイコロステーキ食うなぁ!!」

 

「モグモグ......さて、二つ目の質問の答えは唯単に俺に名前が無かっただけだ」

 

「よくそれで仕事入るな」

 

「まあ、皆からは『炎の悪魔』と呼ばれている」

 

ーー炎の悪魔

 

楼夢はこの時火神矢の能力を火に関する能力だと予想した。

 

楼夢は腰に刺した新たな刀を引き抜く。刀の特徴的な所はまず青紫色の柄。そしてその下には紙垂と呼ばれる御払い棒に付いている紙が付いていた。

次に鍔は桜の様な形をしておりその五つの花弁にはそれぞれ魔除けの鈴がシャラシャラと言う音を立てながら付けてある。その音は聞いているだけで安らぎを与えてくれるかの様に心地よかった。

そして刀身は桃色に染まっていた。それは太陽の光に照らされ美しい光を放つ。その光景は誰でも思わず見とれてしまう程幻想的な色をしていた。

 

「随分珍しい刀を持ってるな」

 

「ふふふ、実際俺もまだこいつを手に入れてから日が浅くてね。お手柔らかに頼むよ」

 

「だが断る♪」

 

火神矢はそう言うと俺に向けて突っ込んで来る。俺は火神矢の斬撃を刀で受け流す。

 

「......やるじゃん」

 

「ありがと......よ!

 

G(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)

 

俺は余った左手から桃色の閃光を放つ。火神矢は俺に接近していた為、よけられずに直撃する。俺は【妖狐状態】になりさらに攻撃する。

 

「花炎『狐火開花』」

 

俺は火神矢が居る所に狐火の雨を降らせる。ドドドドッと言う音が辺りに響き、砂煙などが昇る。これはいわゆる全方位攻撃なのでもし狙った場所に居なくても数発は当たる。その光景はある種の虐めの様にも見える。

 

「どうだ、少しは......ん?」

 

楼夢はある一箇所に妖力が集まっているのを確認する。次の瞬間ーー

 

「火神矢奥義『火炎大蛇(かえんおろち)』」

 

一瞬で砂煙が消え、そこから炎で形作られた竜が俺に向かって飛んで来る。

 

「!?ちぃ!

 

雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

俺は八つの竜で攻撃を相殺する。そしてすぐさま火神矢の方に向く。

 

「そう言えば俺の能力を教えてなかったな。俺の能力は【灼熱を生み出す程度の能力】だ」

 

俺はその能力に絶句する。その能力は炎を操るよりも強力で危険な物だ。灼熱と言うことは彼に燃やせない物はほぼ無いと断言してもいい。それ程までに強力なのだ。

 

「んでお前の能力も教えて欲しいんだが」

 

「......」

 

楼夢はしばらく沈黙したあとゆっくりと答える。

 

「俺の能力は【形を操る程度の能力】だ。......本当は手の内を明かしたくないんだがな」

 

「形を操る......へ~それは厄介だね」

 

そう言い火神矢は刀を鞘に収める。それを見て俺は次に火神矢が何をするのか悟った。

 

「(多分......超接近戦だな)」

 

俺はそう悟ると火神矢と同じように刀を鞘に収める。その鞘には四季の花が描かれていた。

 

俺は【蛇狐状態】になると身体に妖力を纏い身体能力を強化する。そして火神矢もまた妖力で身体を強化する。

 

「さてと......殴り合いの準備は良いか?」

 

「いつでも」

 

その返事を期に二人は同時に地を蹴る。そしてそのまま互いに衝突する。

 

「うりゃぁぁぁぁぁ!!」

「オラァァァァ!!」

 

二人は同時に拳を突き出し殴り合いを始める。その拳が一発当たるごとに地が揺れ、今にも地震が起こりそうだ。

今炎の悪魔と桃色の蛇狐が戦い始める。この勝負の決着は......神にも解らない。

 

 

 

 

 

 

 





どーもどーも、作者です。
ちなみに火神矢さんはフランス出身です。フランス語で喋っていたのはその為です。ちなみに作者は現在仏検二級へ向けて勉強中です。あ〜だるい。マジでだるい。
そして作者が中二病過ぎると言われましたが許してヒヤシンス。作者は実はエリート中二病だったのです。タグにそう書きましたので悪口などは書かないで下さい。

さて次回、二人の戦いは超接近戦へ。さあ、どうなる!?

次回もキュルっと見て行ってね。


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THE FIGHT《戦い》

人を一人殺める

その時私は温もりを忘れる

人を二人殺める

その度私は感情を削られる

人を更に殺める

それから私は罪と言う十字架を背負い続ける

by白咲楼夢


 

楼夢side

 

「おりぁぁぁぁぁぁ!!」

「オラァァァァ!!」

 

二人は激しく殴り合う。その衝撃に耐えられず衝突する度に地面にクレーターが出来ていた。

 

まず楼夢は右拳を突き出す。火神矢はそれを左腕で軽く払い、楼夢の懐に潜り込み右ボディーブローを入れる。

楼夢はガードが間に合わないと判断し腹に力を込めて威力を軽減する。そしてカウンターぎみのアッパーカットを火神矢に繰り出す。

火神矢はボディーブローを打つ為に楼夢の懐へ急接近していた為、避けられず顎を捕らえた。

だが、火神矢は攻撃を喰らった瞬間に身体も一緒に吹き飛ぶ事で威力を吸収し軽減する。

 

「おいおい、やるじゃねえか」

 

「ち、体術の方も完璧かよ」

 

「それじゃぁ......行くぜ!」

 

そう言うと二人はまた殴り合いを始める。

だが忘れていないだろうか?楼夢はスピード型の剣術を扱っていて決して殴り合いを得意とするパワー型ではないのだ。

おまけに今迄の戦いから楼夢の弱点はその耐久力の脆さだ。

決してスタミナが無いと言っていない。そう楼夢は一撃に弱かった。

剛の時も、ルーミアの時も、狂夢の時だって楼夢は一撃受けただけで致命傷となっていた。

 

「グ......ガァァ!!」

 

火神矢は炎の拳で楼夢の顔面に一撃を入れる。

楼夢はなんとか踏みとどまったが火神矢はその手を休ませない。

楼夢に向けて炎の拳を連打する。

 

「ハアッ、ハアッ、......ちぃ!ーーーー

 

ーーーー縛道の八『斥』!!」

 

楼夢は手の甲に斥力のような物を発生させ、火神矢の拳を弾く。

突然拳が逆方向へ弾かれた事によって火神矢は少しバランスを崩した。

その隙に楼夢は右拳に妖力と風を超圧縮して纏う。それを目撃した火神矢は拳に纏う炎を更に巨大化させる。

 

「鬼神奥義『空拳』/我流拳奥義『火炎拳(かえんけん)』」

 

二人が同時に言うと、互いに拳を放った。

その衝撃で天地は一際大きく揺れる。

楼夢は超圧縮された風、火神矢は妖力で作り出した炎、こういえば今物量で勝っている楼夢が有利に見えるだろう。

だが楼夢の風は次第に弱くなっていく。何故ならーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー火神矢の炎が楼夢の拳に集まっている風の酸素を燃焼し、集まっている風を真空状態にしたからだ。

普通、空気を燃焼しても二酸化炭素が残る。だが、火神矢の炎はそれさえ打ち消した。

 

次第に楼夢の風は消え去り、楼夢は火神矢の渾身の一撃を喰らう。

 

 

 

ドゴォォォォォォン

 

 

 

楼夢が吹き飛ばされた所には巨大な火柱が立つ。火神矢はそれを見て、勝利を確信し警戒を解いた。

 

そうそれがいけなかった。次の瞬間、

 

ヒュン

 

火神矢の耳には何かが風を切る音が聞こえた。火神矢は急いで刀を構え直す......が時すでに遅し、

 

「縛道の七十九『九曜縛り(くようしばり)』」

 

火神矢は周りにある八個の黒い玉が浮かんだ後、胸に一つの黒い玉が付き縛られる。

その拘束力は凄まじくいくら火神矢でも抜け出せなかった。

 

楼夢は刀を抜き、刃を火神矢に向ける。そして......

 

「狂華閃七十一奏『細波(さざなみ)』」

 

無数の水の刃が火神矢を襲う。

 

 

 

 

 

ーー狂華閃七十一奏『細波』

 

この技が上位の七十番代にある理由は、その攻撃範囲の広さと威力だ。

この技は刀から刃の形をした、高圧水流を相手に飛ばし、切り裂くと言う技だ。

これだけ聞くと、大した事ないと思うだろう。実際、高圧水流の一つぐらい並の力を持つ者でも躱す事は出来る。

だが、もし高圧水流が一つだけではなかったら?

そう、この技は一撃ではなく『氷結乱舞』のような複数回攻撃を放つ技なのだ。

その数はーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー全てで十五発。

 

十五個の高圧水流が楼夢の剣術の速度と同じ速さで放たれる。

楼夢の剣術の型は速度重視。更に精神が高まっていれば一撃を一秒未満で出す事など容易い。

此処まで聞けば、この技がどれほど恐ろしい物か理解出来るだろう。

 

毎回一秒未満に放たれる高速の十五の高圧水流。

さらに水と言う概念もあってかその攻撃範囲はかなり広い。

それを、鬼道で拘束されている火神矢が避ける事は不可能だろう。よってーーーー

 

 

 

ーーーーズパパパーン

 

 

そんな音が聞こえた後、俺は火神矢が居た場所を見つめる。そして、刀を構え直す。

 

火神矢が居た場所には死骸が無かった。よって、拘束から逃れたと推測できる。

だが、外れた訳ではない。攻撃を放った場所には血が飛び散っていた為、少なからずダメージを与えた事は確実だ。

 

「......そろそろ出て来たらどうだ?」

 

「......ち、やっぱりな」

 

楼夢が後ろを振り向くとそこから火神矢が出て来る。その左腕からは高圧水流で切られたような跡があり、そこから血が流れている。

 

「以外だね。どうやってあれを避けたんだ?」

 

「......忘れたかよ。俺の能力ならてめえの水を蒸発させてダメージを削る事も出来るんだぜ!」

 

火神矢はそう言うと、妖力を高めていく。

突如、辺りの空気が変わる。そしてーーーー

 

「!?」

 

火神矢は楼夢の前に一瞬で近づき、刀で叩き切る。

楼夢はあまりにも突然だった為受け流す事は出来ず、刀で受ける。

......だが、楼夢は火神矢の山をもなぎ払うようななぎ払いの威力に、為すすべもなく吹き飛ばされる。

 

楼夢はすぐさま受け身を取る。

だが......

 

「遅い!!」

 

突然後ろから声が聞こえる。そしてーーーー

 

炎舞剣(えんぶけん)紅蓮華(ぐれんか)』」

 

楼夢は灼熱の炎を纏った刀で叩き切られる。

 

「あ“......あ“あ“あ“あ”あ”あ”あ”!!!」

 

楼夢はドロドロに溶けた鉄が身体に塗られているような感覚を味わい、そのあまりの熱に叫ぶ。

実際、灼熱とはそれ程かそれ以上の熱量なのだ。

だが火神矢はすぐさま楼夢に回し蹴りを放つ。当然、楼夢は避ける事は出来ず、そのまま吹き飛ぶ。

 

「じゃあな、楼夢。中々楽しかったぜ☆

 

 

 

 

 

ーーーー炎波「フレイムウェーブ」

 

火神矢はそう言うと、地面に手を当て、力を込める。

すると......

 

 

 

 

ーーーー大量のマグマが波のように地面から吹き出て、楼夢を飲み込む。

 

その光景は、天変地異の一種と言っても過言ではない。その時ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーマグマの波の中から、二十メートルを超える八匹の大蛇が飛び出て来る。

 




いやー投稿遅れてすいません。
リアルで色々忙しかったり、途中まで書いていた小説が消えたりと色々ハプニングが起きまして。

では次回、マグマの中から出て来た八匹の大蛇。そして楼夢さんがとうとう妖力を解放する。

次回もキュルっと見て行ってね


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Crochet de serpent《蛇の毒牙》


全ての生物には共通点がある

それは、無意識に本能に従って生きている所だ


......本能......ただそれだけでいい

by火神矢陽


 

 

楼夢side

 

「......おいおい、なんだあの化物.....!?」

 

火神矢は突然マグマの海の中から這い出た巨大な大蛇達を見て、驚いていた。

これも楼夢の仕業だという事に気付いてはいるが火神矢はまず最初の問題をどうしようかと考える。突如ーーーー

 

 

ーーーードガガガァァァァン

 

 

激しい爆発がマグマの海を消し飛ばし、そこから楼夢が無傷で出て来る。

そして、火神矢は大蛇達の正体を知る。

 

「......ハァ!?」

 

火神矢は一瞬間抜けな声を上げる。

そう大蛇達の正体はーーーー

 

「......まさか()()全てお前の尻尾かよ、楼夢!!」

 

「大せいか~い☆まあ、理解した所で意味なんてないけどね」

 

ーーーー大蛇達の正体。それは、俺の尻尾の事だ。

これが、俺の新たな姿【八岐大蛇状態】だ。

 

この状態になるとまず、妖力が【蛇狐状態】の約数十倍になる。

そして、尻尾の蛇が八匹に増える。

さらに、この蛇達は長さを、最大二十メートルにまで調整出来て、伸縮自在になっている。

これは、【蛇狐状態】でも出来るが長さは人一人丸呑み出来る程にしかならない。

 

 

俺は全ての蛇の長さを人一人丸呑み出来る程にまで縮める。

あまり大き過ぎても逆に動きにくい為だ。

 

「ちぃ、大きさにビビっちゃ話んなんねえ!行くぞ!」

 

火神矢は気合いを入れ直し俺に近づこうとする。だが......

 

「はいざんね~んーーーー

 

 

 

 

ーーーーG(ギア・マジック)(フォース)無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)』」

 

八匹の大蛇達の口に膨大な量の妖力が集まる。

次の瞬間ーーーー

 

 

ーーーードドドドドド

 

 

八匹の口から無数の桃色の閃光が放たれる。

それを一言で表すなら、まさに機関銃のようだった。

 

「!?......くっ!」

 

火神矢は1000を超える虚閃(セロ)をなんとか避けるが時間の問題だろう。

さらにーーーー

 

「俺を忘れるなっての!!」

 

 

 

 

 

ーー破道『牙鬼烈光(がきれっこう)

 

 

 

 

 

俺は刀の刃先から複数の緑色の光閃を放つ。

俺は先程まで動かずに尻尾だけで攻撃していたのだ。

つまり、俺()()はなにもしていなかったのである。

そして、動かずに遠距離攻撃だけに専念すれば火神矢に十分な負担を与える事が出来る。

 

火神矢は新たに放たれた閃光を避け切る事が出来ず、いくつかが直撃する。

そして、それに気を取られ動きを一瞬止めてしまう。

直後、無数の弾幕が嵐のように火神矢に襲いかかった。

 

「炎舞剣『紅蓮一文字』!!」

 

火神矢は苦し紛れに刀に膨大な量の炎と妖力を込める、それを一文字に切り裂き、斬撃を飛ばす。

だが、個々の威力ならともかく、無数の弾幕の嵐の前には、もはや壁にしかならなかった。

そしてーーーー

 

 

 

 

ーーーードドドドーン

 

 

 

 

 

火神矢の身体はすぐに桃色の閃光の嵐に呑まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......あれでまだくたばらないのかよ」

 

俺は先程閃光を放った所を凝視する。そこには砂煙が上がっていてうっすらと人影が浮かぶ。

 

「当たり前だ!此処まで来て止める訳ねえだろ!!」

 

火神矢は不気味にも笑いながら叫ぶ。

......なんかあいつ見てると本当に狂夢の野郎の顔が浮かぶな。

 

「ハハハハハ!!久し振りだぜ!!こんなにも追い詰められたのはよ!!なら俺もーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー全力で行こうか!!!

 

 

 

 

火神矢がそう叫ぶと、辺りに火柱がいくつも吹き出る。

その光景を人が見たら、こう呼ぶだろう。

 

 

 

 

ーー灼熱地獄と

 

 

 

 

やがて、火神矢の居た場所が爆発し、火柱はその爆風によって消える。

そして中からーーーー

 

 

 

 

ーーーー先程の数十倍の妖力を持った火神矢が出て来る。

 

その妖力は楼夢の【八岐大蛇状態】とほぼ同じ程であった。

 

「......な!?」

 

「(なんだよありゃ!?冗談じゃねえぞ!!

......ち、愚痴言ったってなにも変わらない。だったら!!)」

 

俺は刀の柄に付いている紙垂を掴むと、刀を真横にヒュンヒュンと言う風切り音を出しながら、回転させる。そしてーーーー

 

 

「魔槍『ゲイボルグ』」

 

刀は黒い妖力を纏い始める。そして、漆黒の槍を作り出す。

 

「へー、色々な事が出来るな。羨ましいぜ」

 

「元々器用だったし、能力も名前を言い換えれば【万物を操る程度の能力】と呼べるしな」

 

「さーて、お互い妖力は解放したし、いっちょ殺るか」

 

俺はゲイボルグを構え、妖力で尻尾と身体を強化する。

 

 

 

 

 

 

 

ーーさあ、裁きの時間だ

 

 

 

 

最初に動いたのは俺。火神矢に突きを繰り出す。

火神矢はそれを刀で受け流し、攻撃を回避する。

次に火神矢は灼熱の炎を纏いながら一文字を描く。

おそらく、先程の紅蓮一文字と言う技だろう。だったら......

 

「狂華閃八十九奏『水雲(もずく)』」

 

俺は刀に密度の高い水を超圧縮し纏う。これは『細波』とは違い、斬撃を繰り出した瞬間に大量の水が放出され、敵を圧殺する技だ。おそらく攻撃範囲は狂華閃の中でも一番だろう。

 

「「オラァァァァ!!/ハアァァァ!!」」

 

炎と水がぶつかる。

普通なら、火は水に弱いというのが常識だろう。

だが、目の前に居るのは妖怪としての常識を超え、最高神をも打ち倒す程の強者。

その彼もまた常識外れだった。

 

火神矢の能力【灼熱を生み出す程度の能力】はその気になれば、この場に小さな太陽を創り出す事も、地底のマグマを噴火させる事も出来る、一言で言えば、熱に関する物を操り、創り出す事が出来る。

 

今回は炎の熱を操りマグマよりも熱い炎を生み出した。

その温度は水を一瞬で蒸発させてしまう程だ。

つまり......

 

 

 

ボシュッ

 

 

楼夢の放った水は全てその灼熱の炎に飲み込まれる。そしてーーーー

 

「紅蓮の炎に刻まれて消えろ」

 

一文字に燃える炎に飲み込まれる瞬間

 

 

 

 

ーー霊刃『森羅万象斬』

 

蒼き斬撃が辺りに迸る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





疲れた~~~~~!!!
最近、家にメッチャ友達が来ます。今週でもう四回目だぞ。もうちょっとお兄さんを休ませて(笑)

さて次回、互いに全解放で戦う火神矢と楼夢。しかし二人の戦いの均衡が崩れ始める。

次回もキュルっと見て行ってね


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FANG OF THE BEAST《獣の牙》


俺らが獣のように人を喰らうのはその者がただ本能に従っているからだ

俺らが獣のように戦いを欲するのはそれ以外に力を得る方法がないからだ

俺らが獣のように冷酷なのはそうでなくては生きていけぬからだ

俺らは罪人、全てを喰らう者

今日も死へのレクイエムが聞こえる

by火神矢陽


 

 

楼夢side

 

「グガァァ!!......痛っ!!......無理をした」

 

楼夢は斬撃の当たる瞬間に森羅万象斬を放ち威力を減少させた。

 

言っていなかったが森羅万象斬は狂華閃ではない為、主に刃が付いた武器さえあれば撃てるのだ。

......まあ最終的に手刀でも一応威力は下がるが使えるみたいだ。......何でもありだな。

 

「ったく、西洋最強の賞金稼ぎじゃなくて西洋最強の妖怪なんじゃないか?」

 

「まあ一応そうとも言う」

 

「......認めてんのかよ」

 

楼夢は火神矢と喋っている間に立ち上がり服に付いた汚れを払う。

 

「まあ、その刀......いや今は槍か......も普通ではないんだな。あの一撃を食らっても粉々になっていないって事は中々凄いぞ」

 

「ふん、妖魔刀(ようまとう)がそう簡単に壊れてたまるかよ」

 

説明しよう。妖魔刀とは狂夢の野郎から貰った刀だ。

まあ分かっているのはこの刀は普通のとは次元が違う何かを持っているという事だ。

何故こんなに情報がないかと言うと情報源があの狂夢(バカ)だからだ。

 

 

「楼夢よ 、一つ聞いておきたい。お前にとって自分とはなんだ?」

 

「どういう意味だ?」

 

「なーに唯単にお前にとって自分と言う存在はどういう物かと聞いてるだけだ」

 

「......俺は俺だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

火神矢がその答えを聞くと少し残念そうな表情になるがすぐさま狂気的な笑みを浮かべ、楼夢にその能力で燃える刃を向ける。

 

「そうかよ。じゃあーーーー

 

 

 

 

ーーーーさっさと殺ろうぜ」

 

火神矢は次の瞬間左手から数十本の炎の矢を作り出し楼夢へと飛ばす。

 

楼夢は全ての矢をゲイボルグで弾き、左手に霊力を込める。

 

「破道の六十三『雷吼砲(らいこうほう)』」

 

楼夢の手の平から巨大な雷撃が放たれ、火神矢へと向かう。

 

 

「咆哮『インフェルノ・レイ』」

 

 

火神矢はギャ●ック砲の構えを取ると両手から巨大な炎を放つ。

 

二つは大きな爆発を起こし相殺する。

 

 

続いて楼夢は火神矢に接近しその手にある巨大な黒い槍『ゲイボルグ』で火神矢をなぎ払う。

 

火神矢はそれを刀で受け流そうとするが衝撃が予想を超えていた為そのまま吹き飛ばされる。

 

「主よ。かつて地を支配した旧支配者よ。我の言の葉によりて汝の封印を解き放たん。その力で血肉を喰らい、その血で乾きをうるおせ。そして我の前に立ちふさがる敵に天空の裁きを!!

 

目覚めよ!!ゲイボルグ弐ノ式『悪魔(デビル)』汝の封印を解禁する!!」

 

 

楼夢は何かの詠唱を唱える。その瞬間、ゲイボルグを赤い霧のような物が包み、やがてそれが晴れると中から赤黒く染まったゲイボルグが出て来る。

 

 

楼夢はそれをなぎ払いで吹き飛んだ火神矢へと投擲する。

そして楼夢が投げたゲイボルグは三十の鏃へと姿を変え、火神矢を追うように飛んでいく。

 

 

 

 

 

ーーゲイボルグの伝説

 

伝説上でゲイボルグには本来二つの能力がある。

一つが投擲すると三十の鏃へと姿を変える『悪魔(デビル)』。

そもそも何故封印をしているのかと言うと楼夢自身完全に操れない為、下手に衝撃を与えると暴走してしまうのだ。

 

 

 

 

 

 

火神矢は地底からマグマを噴火させ全ての鏃を飲み込む。

だがこの鏃はゲイボルグの一部なため、そんな攻撃では止まらない。

数本の鏃が火神矢を貫く。

 

「グゴハッ、ゲホッ、ゲホッ......クソ、こんな物!!」

 

火神矢は怒りを解き放つように叫び、乱暴に腹に突き刺さっている鏃を引き抜き、叩き壊す。

粉々になったゲイボルグは光となり、楼夢の右手に集まりだし、最終的に新たなゲイボルグを生み出す。

 

「ハアッ、ハアッ、......クソテメエ!」

 

火神矢は腹の傷を抑えながら楼夢を睨み殺気を放つ。

その目は気の弱い者なら心臓麻痺に出来る程の圧力があるがそれで恐れる楼夢ではない。

 

「極炎『焔ノ業火(ほむらのごうか)』!!」

 

火神矢はそう叫ぶと刀を地面に突き刺す。

すると......

 

 

ドゴオオーーン ドゴオオーーン

 

 

地面からいくつもの火柱が吹き出る。

その大きさは約数十メートル程だった。

 

楼夢は瞬歩で火柱を軽々と避ける。

正直言って火柱を避けるだけの作業なら今までの中で最も簡単だった。

 

だからこそ、楼夢は()()()()()()()

 

 

楼夢はふとある違和感を覚え、空を見上げる。

そこにはーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー今まで吹き出した全ての火柱の炎が天へと上り、巨大な五芒星の魔法陣を描いていた。

 

 

 

 

火神矢は魔法の聖地ーー西洋出身である。

さらに、火神矢は攻撃魔法だけなら天才を超えていた。

 

 

天に描かれし巨大な魔法陣。

その大きさは直径一キロメートル程で、天をも焦がす程の膨大な炎が溜められていた。

 

火神矢の狙いはこれだった。

 

まず当たれば強力な技を使い楼夢にこれが本命だと認識させる。

次に楼夢が避けている隙に空に魔法の極地ーー極大五芒星の魔法陣を描き、地から吹き出た炎を集め出す。

足りない量は火神矢が作り出し、後はひたすら溜め続ける。

 

 

さて、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

楼夢は現在一キロメートル以内ーーつまり魔法の射程圏内に居る。

楼夢は此処までの事を瞬時に悟ると思わず呟く。

 

ーーしまったと

 

「極大五芒星魔法『黒墜天炎魔壊衝波(こくついてんえんまかいしょうは)』」

 

 

瞬間、大量の光が解き放たれーーーー

 

 

 

 

ーーーー世界は紅に染まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアッ、ハアッ、......ちっ極大五芒星魔法まで使うとは思わなかった。お陰でもう魔力がからからだ」

 

火神矢は直径一キロメートル程の巨大なクレーターを見下ろし、辺りの岩に腰を下ろす。

 

「ふー、今日は俺の数億年の人生の中で最も疲れた日だな......いや、核爆弾といい勝負と言う所か......ん?」

 

火神矢はクレーターの中心に何かが生きている事に気付き目を細める。そして、見た光景に目を疑う。

 

 

クレーターの中心、そこにはーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーボロボロになりながらもクレーターの中心で立っていた楼夢の姿があった。

 

 

楼夢は炎が当たる直前に完全な八岐大蛇になり、ダメージを減少させたのだ。

 

完全な八岐大蛇状態は火や水などの全ての属性魔法を軽減する。

 

だがそれでもだ。

 

極大五芒星魔法はその八岐大蛇状態の耐久を遥かに超えた一撃を放つ。

 

そして攻撃が当たった瞬間、そのダメージは十分の一程しか減少されてなかった。

 

楼夢は極大五芒星魔法をまともに受けた為、【八岐大蛇状態】が消え普通の【蛇狐状態】に戻る。

その尻尾は人一人飲み込めるサイズからニシキ蛇程まで縮んでいた。

 

 

「思い......出したんだ......」

 

「......何をだ?」

 

楼夢は語り出す。

 

「自分と言う存在がどうであったか」

 

「俺の力は他人を傷付ける為でも金の為でもない、好きな事をやり続け自分が正しいと思った事を貫き通す。

 

それが白咲楼夢と言うーーーー

 

 

 

 

ーーーー俺いや私自身だ!!!」

 

 

楼夢はそう叫ぶと刀の峰に手を当て目を閉じる。

そしてーーーー

 

 

 

 

「響け、『舞姫(まいひめ)』!!」

 

楼夢がそう言うと何処からともなく桜吹雪が現れ楼夢を包む。

そして現れた時にはーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー刀身に七つの鈴を付けた桃色の刀を持つ楼夢の姿がそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~

狂「ドラクエジョーカー3発売記念、三年E組ーーーー」

生徒達???「「「狂八先生!!」」」


「さーてやってきました特別企画、主役は俺、だけど最近本編で出番が無い、狂夢様だ!」

「何時も元気な作者です」

「んでこのコーナーは何をするんだ?」

「このコーナーではこの小説の分かりにくそうな所をメタ発言含んで説明するコーナーです」

「OK最初は......楼夢の巫女服?」

「はい楼夢さんは超絶美人なんですけど服装の説明が分かりにくそうだから詳しく説明しようかと」

「ふーん、取り敢えず楼夢の服装は大体博麗霊夢の巫女服の色違いバージョンのような物だ。......これでいいか?」

「もっと詳しくお願いします」

「ちっ服の色は博麗霊夢の赤い部分は黒、少し白いラインなどは赤になってるぜ。
ちなみに袖の色も微妙に違い、白の部分が多く赤のラインが少しあるような感じだろ。その白い部分が黒くなってるぜ。
最後は......ロングスカートの紹介か。
これも博麗霊夢のは赤が多く白いラインが少しあるような感じだろ。それの赤い部分を黒、白いラインは赤にしたような感じだ。そして楼夢はこの黒いロングスカートの下に黒よりも長い白いロングスカートを着ている。その為、ロングスカートの一番下の部分は白になってるぞ。
......疲れた!!」

「お疲れ様でした。まあ言っちゃえば霊夢は紅白、楼夢さんは紅黒の巫女と言う訳ですね」

「作者の霊夢好きがよーく分かるぜチョットヒクワー」

「う、黙れ小僧!!!」

「ちなみにドラクエ発売記念とか言ってるけど作者は買ったにも関わらず諸事情で春休みの終わりまでプレイ出来ません」

ピチューん

「......返事が無い、ただの屍のようだ」

「と言う訳で次回予告、

大ピンチに陥った楼夢(バカ)。だがその時俺がくれてやった切り札が大活躍する。

次回もキュルっと見て来いよ。

アア、ツカレタナナーサッサトゼリークッテカエロウ



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Danseur dans une flamme《炎の踊り子》


出会って、別れて、また出会う

それが私の三千世界

by白咲楼夢


 

 

楼夢は、手に持った自身の妖魔刀『舞姫』をしばらく見つめ、その切っ先を火神矢へと向ける。

その刀身の峰には七つの小さな穴が空いていて、そこから金色に光る魔除けの鈴が七つ付いていた。

さらに刀身は桃色の何処か神々しい光を放ちながら輝いていた。

そして柄に付いている紙垂の長さが若干長くなっており、数も一つから五つにまで増えていて、全体的に刀がお払い棒のようにも見えた。

 

 

「......何でもありかよ」

 

 

火神矢はその光景を見て苦笑いする。

それもその筈、楼夢の刀の形が変わり、さらに【八岐大蛇状態】にまでは及ばないが楼夢の妖力は刀の形が変化した事によって、確実に増えていた。

 

 

「形まで変わるのか 、お前の刀は?」

 

「まあ......な。こいつは私と似たようなもんだ。こいつは力を使う場所を見失っていた。同じく私も今までなんの為に力を使っているのか知らなかった。

だけど、今分かった気がする。私は私がしたい事をし続ける。だからーーーー

 

 

 

 

ーーーー私が今踊るべき舞台は此処だ!!もう、絶対に見失わない!!」

 

「そうかよ、じゃあ来いよ!俺も負ければ誇りを踏みにじる事になるんでね!

 

魂を吸う者(ソウル・イーター)『ストームブリンガー』!!」

 

 

火神矢がそう言うと同時に刀が緑色の光に包まれる。

 

 

「魂ってのはな、主に人妖問わずに全て霊力で出来ていて、生物が死ぬと魂は一瞬元となった霊力の約数万倍の霊力を放出するんだ。

そしてこの、ストームブリンガーは殺した相手の霊力を吸い取る事が出来るんだ」

 

火神矢はキヒヒと不気味な笑い声を上げる。

 

楼夢の左目は自然と緋色の宝石のような色に変わる。緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を発動させたのだろう。そして、刀身の峰に手を当てる。次の瞬間、舞姫が真紅の炎と共に燃え、楼夢は炎の刀と共に舞い始める。

 

火神矢は何時攻撃が来てもいいように構える。

 

楼夢は炎と共に舞っている。その光景は楼夢が火の鳥となって、踊っているように火神矢は思えた。次の瞬間、

 

 

舞姫神楽(まいひめかぐら)朱雀(すざく)の羽乱れ』」

 

 

楼夢は突如そう呟く。

すると火神矢の全方位から炎の羽が大量に放たれた。

 

 

「ハアッ!?」

 

 

いきなりの出来事に若干驚くも火神矢はそれを刀で一つ一つ叩き落としていく。

よくよく考えれば灼熱を生み出す火神矢にとって炎とは恐るに足らない物なのだ。あくまで()()()の話しだが。

 

 

「Project『氷結(Freeze)』実行」

 

 

楼夢は地面に舞姫を突き刺すとそう呟く。そして......

 

 

パキパキパキッ

 

 

「......なっ!?」

 

 

突如火神矢の周りが氷結し始める。

火神矢は数秒間氷のせいで動けずにいたがこれも彼の能力によって破壊される。

だが、数秒間は次の攻撃を仕掛けるには十分な時間だ。

 

 

「やれやれ、こんな物......へ!?」

 

 

火神矢は余裕そうな顔から間抜けな声を出す。

そしてどんどん顔の色が蒼白になっていく。

 

火神矢が見つめた先、そこにはーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「破道の八十八『飛竜撃賊震天雷砲(ひりゅうげきぞくしんてんらいほう)』」

 

 

ーーーー楼夢が放った青白く光る閃光があった。

 

膨大な量の霊力で放つ極大な雷撃。

その霊力は普段使う量の三倍の霊力が込められていてさらに八十八番と言う鬼道の中でも最高位の数字を付けられている鬼道。その威力は山を数個消し飛ばす程あった。

 

 

ドゴオオオオン

 

 

だが、それでもだ。

 

 

「グガアアア、......中々味な真似しやがって!

 

重刃『紅蓮十文字(ぐれんじゅうもんじ)』!!」

 

 

火神矢は砂煙の中から現れ、紅蓮一文字を十字に二回放つ。

 

 

「殺れるもんなら殺ってみろ!!

 

超次元『亜空切断』」

 

 

楼夢は楼夢で、狂夢を倒した斬撃を放つ。

 

黒と赤の斬撃は互いにぶつかると、恐らく今までで一番大きな衝撃波を辺りに放ち、相殺しあう。

 

だが......

 

 

「オラァァァァ!!」

 

単純な威力だけなら、火神矢が勝っていた。

それもその筈、そもそも楼夢はスピード型なのでこう言った純粋な力比べには弱いのだ。

 

火神矢の炎は十字を描きながら、楼夢の月牙を突き破り、轟音が辺りに響く。

 

 

 

 

 

 

 

「......とうとう終わったか」

 

 

火神矢は辺りを警戒したあと、刀を収める。

先程までとは違い、楼夢の妖力は感じられなかった。

火神矢はこれほどの戦いの中でも何故か安全なサイコロステーキに近寄り、ナイフとフォークを取り出そうとする。するとーーーー

 

 

グミョーン

 

 

そんな音と共に火神矢の真横に空間の隙間のような物が開く。そして中から......

 

 

「何勝手に人の昼飯食おうとしとんじゃコラー!

 

舞姫神楽『白虎の牙』!!」

 

 

楼夢が隙間の中から、素晴らしいツッコミを入れながら叫んでいた。

 

突如、火神矢を狙うように、焔ノ業火のような氷柱が地面からいくつも突き出す。

 

そして、上からは巨大なつららが雨のように降り注いでいた。

 

上と下からの氷柱攻撃。その様子は白虎が牙を剥く様に似ていた。『白虎の牙』など大した名前である。

 

 

「グ......アァァァァ!!」

 

 

火神矢はこの事を予想していなかった為、一瞬で氷付けになる。

 

楼夢は亜空切断で亜空間へ続く隙間を開き、その中でやり過ごしたのだ。

あの時、火神矢が楼夢の妖力を探しても見つからなかった理由も、亜空間へと逃げ込んでいたお陰で感知出来なかったのだ。

そして楼夢はタイミングを見計らって、隙間をもう一度開き、攻撃したという事だ。

 

そして火神矢を氷付けにしていた氷がバキバキと音を立てて崩れさり、火神矢が出て来る。

 

 

「グ......うう、どうやら俺は限界が近いようだ」

 

「同じく俺も空間を開くのに妖力をほぼ使っちまった」

 

「成程、じゃあ次が最後って訳か」

 

「......そう言う事になる」

 

 

それを聞くと、二人は一旦距離を取り、それぞれの一撃に集中する。

 

 

「最後に聞いとくぜ。その刀の能力はなんだ?」

 

「......【舞いを具現化させる程度の能力】それが、舞姫の能力だ」

 

二人は残った妖力を全て刀に込める。楼夢は刀を鞘に収め居合切りの構えを取る。

 

辺りを沈黙が包む。そしてそれを破るように風がヒュルっと通る。そしてーーーー

 

 

「死炎『不知火懺悔(しらぬいざんげ)』」

「狂華閃九十七『次元斬(じげんざん)』」

 

 

ーーーー桃色の閃光と真紅の斬撃が混ざり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......クソ、俺の負けだ」

 

「......いや、それは違う。相打ちだ」

 

「そう......かよ、中々楽しかったぜ、『火神(ひがみ)』」

 

「おう...よ」

 

 

そう言うと、二人は鮮血を出しながら倒れる。

 

 

辺りは、その返り血で真紅に染まる......

 





やっと火神矢VS楼夢さん戦終わった\(^ω^)/
まあ、次回はほのぼの回になりますね。
そして火神矢さん強し(笑)
だってこの人の実力明らかにスサノオ超えてますよ。
後後今の状態の何倍も強くなるなんて言えない。

では、次回もキュルっと見て行ってね


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失われた感情の一かけら


親しみ、裏切り、地を流す

それが俺の三千世界

by火神矢陽


 

 

ーー少年は全てを信じなかった。

 

 

否、少年は全てを信じなくなった。

 

その理由はこの世界に知っている者はもう存在しない。

 

これは、西洋最強の妖怪の遠き過去のお話

 

 

 

 

 

『よーす、火神。元気にしてたかー?』

 

 

ーーそんな仲間の声が聞こえる。

 

彼の名は火神(ひがみ)

【熱を吸収する程度の能力】を持つ妖怪だ。

少年の種族はフェンリルだが、犬のような尻尾も耳も無かった事から、仲間に見捨てられた。

 

そして、今現在はとある都市近くの森に住む妖怪の一人として、暮らしていた。

 

 

『腹減ったな......おい火神なんか取って来い!』

 

 

ーー少年は今の生活に喜んでいた。

 

 

ーー彼は孤独だった。だが今は仲間が居る。

 

 

元々少年は純粋だった。いや、純粋すぎた。

 

その為彼は仲間だと思っていた森の妖怪達が自分を騙しているなんて思いもしなかった。

 

少年は言われた事をしっかりこなす純粋な子だった為妖怪達が利用しない訳無かった。

 

 

妖怪達は少年に一日に一回無理事ををやらせた。

 

時には森の妖怪達の為に全員分の食べ物を要求したりもした。

 

だが少年は一切文句を言わずに一日をその無理事の為に費やした。

 

 

ーー妖怪達にとって火神は奴隷そのものだった。

 

 

命令すればなんでもこなす。

そんな日々が毎日続いた。

 

 

ーーある日少年の元に一つの噂が流れた。

 

それはとある遠い遠い都市が穢れから逃れる為に月に移住したと言う話だった。

 

噂はすぐに各地に広まった。

 

その話を聞いた都市はロケットで月へと脱出しようとし、それを妖怪達が食い止めようとする。

 

ある都市は月へと無事乗り切り、またある都市は妖怪達の手によって滅ぼされた。

 

そんな戦いがずっと続く。

人々はこの戦いをこう呼んだ。

 

 

ーー人妖大戦と。

 

 

そしてそれは火神達も例外では無かった。

 

都市の周辺の妖怪達は互いに手を組み人間達を食い殺す為収集された。

 

今の時刻は丑三つ時。

火神の妖怪としての実力は中の下程だった。

 

それを分かって尚、火神は目覚ましの為に夜の森を散歩していた。

すると、人目がつかない場所で妖怪達の話し声が聞こえた。

 

 

『人妖大戦、そろそろっすね』

 

『ああ、そうだな』

 

『それにしてもどうするんすかこれ。一番危険な場所に妖怪を一人行かせろと上から言われてんすよね』

 

『安心しろ。あそこには火神を行かせる』

 

 

妖怪がそう言った時、火神の背筋が凍り始める。

 

 

『おお、あいつをっすか?さすが兄貴!』

 

『あいつは俺らの奴隷のようなもんだからな。死んでも構わねぇし誰も文句を言わない。生贄にはぴったりよ』

 

『その通りっすね、ハハハ』

 

 

火神はその話しを聞いて、怒りに満ちていた。

 

ーー自分はあれ程信じていたのに、どうして?

 

 

少年は気が付けば森を抜け出し、逃げ出していた。

 

少年は明日人妖大戦の中で復讐する為に寝床を探した。

 

 

ーーもうその目には光は映っておらず、代わりに闇のような黒い憎悪で燃えていた。

 

 

 

 

 

いよいよ人妖大戦が始まった。

 

火神は辺りを見回し、森の妖怪達を探す。すると、遠くに見覚えのある妖怪を見つけた。

 

 

ーー今の火神の表情は獲物を見つけた獣のようだった。

 

 

火神は大乱闘を繰り広げる妖怪達に近づく。すると一人が気付いたようだ。

 

 

『火神!!てめえ何処ほっつき歩いてやがった !!さあ行け、兄貴がお待ーーーー』

 

 

妖怪がそう言い切る前に火神は彼の頭を消し飛ばす。

火神は森の中ではあまり強くはないが今は違った。

 

 

ーー妖怪は感情によって強さが変わる。

 

 

今の火神は二度裏切られた事で復讐の炎がさらに燃え上がっていた。

 

 

ーー今の火神は誰にも止められない。

 

 

そして一人が殺された事で周りの妖怪達が気付く。

 

 

『てめえ何しやがる!!』

 

『俺らに喧嘩を売ってんのか?火神ぃ!!』

 

 

火神はその中で兄貴と呼ばれる妖怪を見つけると喋り出す。

 

 

『この俺様を裏切ったんだ。覚悟は出来ているよな?』

 

 

その声を聞いた時、妖怪達は一斉に襲いかかる。だが全て復讐の炎によって燃やされる。

 

 

『......案外呆気ない物だな』

 

『ひ、ひぃ!!お願いだ、助けてくれ!!』

 

 

その声を聞いた瞬間、火神の怒りが増幅する。

 

 

『そんなもんで許してもらえるなら俺は今ここには来ねぇよ!!!』

 

 

グチョ グチャ

 

 

火神は妖怪が死んでも尚、殺し続ける。するとヒューと言う音と共に核爆弾が落ちてくる。

 

 

『......何だありゃ?』

 

 

火神は科学など分からないので今落てきている物体がなんだか分からなかった。

 

 

ーー瞬間、辺りが光に包まれる。

 

 

『グオオオオオ!?』

 

 

火神には何が起こったか分からなかった。だが今はそんな事を考える時間は無い。火神は能力を発動すると熱を吸収し始める。だが......

 

 

『ぐ......ううう!』

 

 

核爆弾の熱を全て吸収するなんて出来るわけなかった。火神は一瞬で吸収限界になる......がそれでも火神は吸収し続けた。

 

 

ーーやめれば死ぬ。

 

 

そんな恐怖に晒されながらも火神は必死に吸収し続ける。

 

 

『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!』

 

 

やがて、光が収まり、火神の前には全て消え去った跡があった。

だが、火神はそんな事には目もくれず、自分の身体から溢れる力に注目していた。

 

 

ーー核爆弾の熱を吸収した事で得た能力【灼熱を生み出す程度の能力】

 

 

ーー火神はこれにより、力と引き換えに感情の一つ『信頼』を失った......

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~


「第二回、三年E組、教えてーーーー」

「「「狂八先生!!!」」」

「という事で今回は妖魔刀を紹介してくぜ、どーも皆さんみんなの希望の星狂夢だ!!」

「何時も変わらない作者です」

「というかなんでこのコーナー復活したんだ?」

「それは此処だとメタ話出来るので色々便利なんですよ」

「ああ、そうか。んじゃ妖魔刀の紹介行くぜ」

「妖魔刀とは、妖刀に魂が入った刀の事を指すんだな」

「ちなみに妖魔刀と妖刀の違いは?」

「妖刀には妖力が込められていて、妖魔刀には魂が込められていているんだぜ」

「んで、妖魔刀には一つ一つに名前があってそれを呼ぶ事で封印を解く事が出来るんだ。まあ、要するに斬魂刀のような物だ」

「質問、なんで楼夢さんの舞姫の能力は【舞いを具現化させる程度の能力】なのに狂夢さんの技が使えるんですか?」

「言い忘れたが舞姫はもう一人の俺のような物だから多少は俺の能力を使う事が出来るんだ。
そして舞姫の能力の説明はテーマを決めて踊りそれを具現化させる事で攻撃するんだぜ。
例を上げるとテーマを桜にして踊ると無数の桜の形をした斬撃が相手を切り裂くような感じだ」

「ちなみに妖魔刀の設定は結構重要なので覚えておいて下さい。
後、よく狂夢さんそんな長い事覚えていられましたね」

「あ〜いやいや、覚えてないけど前に書いた『安心安全妖魔刀取扱説明書初級編』をさっき久しぶりに読んで思い出しただけだ」

「初級ってまだ説明してない事があるんですか?」

「あるっちゃあるけどめんどくさいから言わない。じゃあ次回予告行くぜ」

「火神と引き分けた無様な楼夢君は火神と一緒に一夜を過ごす。

次回もキュルっと見て行ってね」


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埋められた感情のピース

喜びを表す天使のラッパ

怒りを表す復讐の刃

哀しみを表す天の雫

楽しみを表す月光の神楽


喜怒哀楽の感情

もしこの内のピースを無くせば人は人間から何か別の物に生まれ変わるのだろうか......

by白咲楼夢




 

楼夢side

 

 

「ぐ......ううぅ......」

 

 

俺は土の上で目を覚ます。どうやらあの後気絶していたようだ。

 

 

「目覚めたか......ならさっさと立て」

 

 

そう誰かが喋る。

俺はその声が聞こえた方へ振り向く。そこには......

 

 

「......火神?」

 

「ちょっと待てなんで『火神』なんだ?」

 

「だって火神矢だと長いし、陽だとなんか色々いけないからだ」

 

 

何故いけないかと言うと、どっかの下手くそ小説を書いてる野郎の本名に似ているからだ。

 

 

ピチューん

 

 

......今の音は無視しておこう。

 

 

「なんだよ俺のネーミングセンスにケチ付けるのか?情けないぞ火神」

 

「まだ俺文句言ってねえよ!!後結局そう呼んでるじゃん!!」

 

「ちっちゃい事は気にするな、それ」

 

「ワカチコワカチコって何言わせとんじゃ!!」

 

 

おお、ツッコミに回る火神は珍しい。やっとこっちのペースになって来た。

......後なんでそのネタ知ってんだよ。

 

「それだったらお前は『血髪(ちがみ)』になるぞ」

 

「なんで血髪なんだよ。俺の髪は桃色だ」

 

 

そう言い俺は袖から手鏡を取り出し覗く。そこには見事に血で染まった俺の髪があった。

 

 

「どうだった、血髪?」

 

「......チーン」

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくお待ちください......。

 

 

 

 

 

 

「そんな事より飯だ!飯が食いてえ!血髪!なんか作ってくれ!」

 

 

おい食いたいなら自分で作れよ。

俺は内心呆れながらも立ち上がろうとする。だが何故か身体に力が入らなかった。

 

「親方ぁ、何故か身体に力が!」

 

「なんで親方なんだよ。まあ力が入らない理由は多分ストームブリンガーで斬られたからだ。戦闘中でも喋った通り俺のストームブリンガーは魂を吸う魔剣だ。まあ、そのうち治るから安心しろ」

 

「いやいやこれじゃあしばらくの間立てねえよ!」

 

「......ち、じっとしてろよ」

 

 

火神は刀を引き抜くとストームブリンガーを使う。......え、なんで俺の方に構えてんの?

 

 

「歯ぁ食いしばれよ」

 

 

ズシャ

 

 

「ギャアアアアアア!!!」

 

 

俺の身体を何かが切り裂く。何故か傷は出来なかったが超痛え。

 

 

「何すんじゃコノヤロー!!」

 

「まあまあ、ちっちゃい事は気にするなそれ」

 

「ワカチコワカチコってもうそれはいいんだよ!!!......まあ、立てたから一応礼は言っておく」

 

「要らねえよ。お前の礼なんて金の足しにもならねえ」

 

「ああん?」

 

「な、なんでもない」

 

「そうか」

 

 

俺はそう呟くと袖の中から鉄球を取り出しそれでフライパンなどを作る。さあ、調理(せんとう)開始だ。

 

 

 

 

 

......数十分後......。

 

 

 

 

「......出来たぁ!!」

 

 

俺は能力で作った木のテーブルに今日作った料理を並べる。

 

 

「何という事でしょう。ただの人肉が匠の魔法とも言える料理で五つ星レストラン並のハンバーグに早変わり。この料理は匠の類ない料理センスの結晶です」

 

「そんな解説要らんからさっさと食おうぜ」

 

 

俺と火神は椅子に座り、料理を食べようとする。その瞬間......

 

 

 

ドッポーーーン

 

 

 

俺達の隣で水柱が立つ。どうやら先程の戦闘の衝撃で温泉が湧き出たようだ。そして......

 

 

バシャン

 

 

俺と火神は温泉の湯に呑まれずぶ濡れになる。だがそんな事より......

 

 

「......チーン」

 

「...」

 

 

俺達のハンバーグは温泉の湯のせいで原型もとどめていない哀れな姿へ変わる。

 

 

「「や、野郎ぶっ殺しゃらぁぁぁぁぁぁあ!!!」」

 

 

そしてその後辺りに謎の爆発が起きたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「く~いい湯だぜぇ」

 

「ひゃぁ~疲れが取れる~」

 

「お前の場合疲れと一緒に理性も飛んで逝きそうだな」

 

 

俺は現在火神と一緒に温泉に浸かっている。地形の方は俺の能力で整えておいた。やっぱりこの能力万能だな。

 

 

「いや~温泉に浸かるのなんて何年ぶりだろう?」

 

「何年だ?」

 

「さあ、最後に浸かったのは......駄目だ、数億年前の事なんて覚えてる訳ねえ」

 

「数億年?て事はもしかして人間達が月に行く前から存在していたのか?」

 

「そうだが。......どうやらお前も同じみたいだな。嬉しいぜ、同世代の奴が生き延びていたなんてよ」

 

「いや、あと一人生き残ってそうな奴が居る」

 

「......意外と生き延びていたりするんだな」

 

「......そうだな」

 

 

俺はあの日の出来事を思い返す。思えばあの頃中級妖怪だった俺が今じゃ妖怪達から破壊神と崇められる程の妖怪か。信じられないな。

 

鬼城剛、この地を旅すればいつか必ず戦う事になる強敵。......負けねえぞ、俺は。......ん、やばい気持ちよすぎて......堕ちる!

 

 

「......キュル~~」

 

「ぷ、ははは!!なんだよその鳴き声は!?」

 

「......く~~」

 

「へ、おいおい起きろよ」

 

「......は、私は一体何を......?」

 

「思いっきり寝そうになってたぞ」

 

 

危なかった。取り敢えずもう寝ないようにしないと......ん。

 

 

「なんだその酒は?」

 

「ああ、こいつは『火昇り』と言って鬼みたいに酒に強くなければ一瞬で酔いが回っちまう俺特製の酒だ」

 

「ちょっと貰ってもいいか?」

 

「いいがお前酒に強いのか?」

 

「いや、そもそも飲んだ事がない」

 

「マジかよ、あまりおすすめはしないが......ほらよ」

 

「サンキューグビッ」

 

「......どうだ?」

 

「結構美味いな......もう一杯!」

 

「そう来なくっちゃ。おらよ」

 

 

酒も結構美味い物だな。今日はとことん飲むか。

 

 

後日温泉には酔い潰れている二人の妖怪と百を超える酒のビンがあったとさ。

 

 

 

 




~~今日の狂夢『様』~~

「どーも皆さん、最近ゲームで遊べていない作者と」

「ぬ~すんだバ~イクで走り出す~~♪

一日中ゲームしている狂夢だぜ♪」

「ていうかなんでカラオケしてたんですか?」

「知らんな」

「そっすか、さて火神さんはこれでしばらくお休みです......どうしたんですか?」

「......作者、俺は決めた、『火昇り』を超える酒を絶対作ってやる!」

「な、なんだってーーーー!!!」

「ここで負けたらあとがきの支配者としての名が腐る。というわけでしばらく俺はあとがきには出ない。じゃあな!!」

「......あの人は何を目指しているんだろう?

では次回予告、なんと新章突入!楼夢さんはとある国を目指す。そこで巻き起こる数々の事件とは!?

次回もキュルっと見て行ってね」


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突撃!諏訪大戦編 桃色蛇狐と弥生時代


世界は進む

どんなに時の流れが残酷でも

人は進む

たとえ他の者を滅ぼしても

世界は滅び行き、人は進む

その先に待つのは混沌か新たな天地開闢か

by白咲楼夢


 

 

 

ーー妖魔刀

 

それは主に妖刀に魂が入った刀の事を指す。

 

この刀の特徴はそれぞれに自我と名前がありその名を呼ぶ事で封印を解放する事が出来る。

そしてその力は刀に入る魂と依り代となる刀の素質によって決まる。

また、極希に刀ではない物に魂が入る事もある。

 

妖魔刀に入る魂は何故か欲が深い者の魂である事が多い。そしてその持ち主によっては力に耐えきれず、刀に力を吸われてしまう者もいる。

そして持ち主が死ねば妖魔刀も灰となって消え去る。

 

 

 

 

 

ーーヒトと共に生き、ヒトと共に消え去る。

 

 

ーーそれが『妖魔刀』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楼夢side

 

 

どーも皆さん、現在俺が妖魔刀の事について知っている事を整理している楼夢です。......え、よくあれだけの情報を集めたって?説明しようあれは数百年......いや、一ヶ月前の事だった。

 

 

 

 

 

 

俺はあの時、火神と別れ、一人で温泉に一週間程浸かっていた時の事だった。

 

 

俺は明日此処を離れる為、温泉に漬かりながら尻尾だけで出発の準備をしていた。

すると、空から一冊の本が落ちて来たのだ。

 

あ、ありのまま今起こった事を話すぜ。俺は温泉に浸かっていたら空から本が落ちて来た。な、何を言ってるのか分からねえと思うが俺も分からなかった。おまけに頭上に落ちて来たせいで頭がどうにかなりそうだった。催眠術だとか超スピードだとかじゃ断じてねえ。......最も恐ろしい恐怖の片鱗を味わった気分だぜ。

 

とまあ巫山戯るのもやめて、取り敢えず頭に落ちて来た本を調べよう。

 

まず、本の名前は『安心安全妖魔刀取扱説明書初級編』。......なんだよこの巫山戯た名前は!これはゲームの取説じゃねえんだぞ!

 

次に何故か出版社の名前が書いてあった。この本の製作者は現代人か!?

 

名前は......『NEETプロジェクト』......ああ、この本の製作者誰だか分かったわ。随分分かり易い名前だなおい!......ていうか会社あるんだったらNEETでもねえだろ!......ああ、そうか会社員一人もいないから結局NEETである事に変わりは無いんだ。すまない、気付いてやれなくて。

 

 

 

 

 

 

「ーーーーという事があって妖魔刀の情報を手に入れたって訳だ。......え、なんで温泉に一週間も入っていたかって?多分しばらく入れないからだ(キリッ」

 

 

とまあ独り言はやめて、現在俺は諏訪国と言う国を目指している。

現在の時系列は弥生時代。日本の神達がわんさか増える時代だ。なんだよ八百万の神って!?神様多過ぎるだろJK。

 

まあ、その途中で道が分からなくて森の中で迷子になっています。マーマミーヤ。

......まあそう深く考えるな。一旦ここらで休憩と行こうじゃないか。

 

 

「んー、いい景色だねえ。

 

緑で染まる草木、水晶のように透き通った水」

 

「キャアアアアアア!!!」

 

「そして聞こえる謎の絶叫......へ!?」

 

「いやああああああ!!!」

 

「やっべ!のんびりしてる場合かよ!ああもう!!」

 

 

俺は急いで声がした方向に走る。俺は普段旅している時は【妖狐状態】なのであまり速くは無いが、人間の三倍は出てるはずだ。

 

 

「此処か!?」

 

 

俺は声がした方に辿り着くとそこには緑髪の大体高校生ぐらいの少女が妖怪に襲われていた。......ああ、言い忘れていたけど尻尾が十一本になった時に身長が少し縮みました。大体五センチ程。うん、どうでもいい。まあ要するに彼女の事を少女と言ってるが俺も身体は少女だったという訳だ......いや、少女じゃなくて少年だな。なんでこういう時に限ってどうでもいい事を考えるんだろう、俺?

 

俺はすぐさま妖怪の前に立ち塞がる。相手は三メートル程の土蜘蛛。まあ、中級妖怪だが俺にとってはゴミでしかなかった。

 

 

「さっさと退場願おうか!『ボールを相手のゴールに......シュート!!』」

 

 

俺はそう言うと、そこらの木で木製のサッカーボールを作り、土蜘蛛の顔面目掛けてボールを思いっきり蹴る。あと長いけどこれも立派な技の名前だ。

 

木製のボールは土蜘蛛の首から上を吹き飛ばしその場に倒れる。

 

 

「超、エキサイティング!!!」

 

 

俺がそう叫んでいると少女が話し掛けて来る。

 

 

「あ、あの、ありがとうございます」

 

「ん、ああいいよ、気にしないで」

 

俺は笑顔で少女に微笑む。

 

 

「それにしても一応俺も妖怪だが怖くはないのか?」

 

「あ、その、別に悪い妖怪じゃないみたいですし。それに私を助けてくれましたし」

 

「そうか、俺の名は白咲楼夢。お前の名前は?」

 

東風谷早奈(こちやさな)です。宜しくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





どーも皆さん、狂夢さんがまだ帰って来てなくて一人であとがきをしなくちゃならなくなった作者です。ったく、何なんすかねNEETプロジェクトって。あの人の事だから絶対ロクな事が起きないですね。

さてまたまたオリキャラ登場。東風谷と言ったら?次回は分かりますよね?

さて次回、東風谷早奈に導かれてなんとか諏訪国に着いた楼夢さん。そこで待ち受ける数々の戦いとは!?

次回もキュルっと見て行ってね


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蛇狐と土着神


物から生まれし八百万の神々

そして人から生まれし破壊神


彼らと俺、違うのは何だ?

by白咲楼夢


 

 

楼夢side

 

 

「着きましたよ、此処です」

 

 

俺は現在森で知り合った東風谷早奈こと早奈に諏訪国の道案内をお願いしていた。幸運な事になんと早奈はこの国の神社の巫女だったのだ。それにしても巫女か......俺は人だった頃神社で産まれてそこの神主だったのだ。......ああ、勿論装束はこんな脇がない巫女服ではない。そこんところ理解してもらおう。

 

 

「それにしても良いのか?俺をこの国に入れて?」

 

「ええ、いいんですよ。恩人にはお礼をするのが常識です」

 

 

彼女はそう微笑むと門を抜ける。勿論俺は門番達に囲まれたが早奈がなんとかしてくれた。いやー永琳とは違って危ない所がないからいいなぁ。

 

そんなこんなで門を抜ける。するとそこには町があった。まあ、現代とは色々違うが。

そしてやっぱり何処に行っても変わらない物もある。それは

 

 

(ひゃーー早奈さん今日も可愛ええ!!)

(そしてさらに隣に美女発見!!もうダメだ......おしまいだ......)

(うっひょーーー桃髪少女ktkr!!)

 

 

これである。野次馬共め......。

そして早奈には聞こえてないようだ。早奈よ、もうちょっと疑心暗鬼になりなさい。普通目線でわかるでしょ。

 

 

「ちなみに楼夢さんは何処に行くつもりですか?」

 

 

彼女は俺にそう聞く。さて......うーん取り敢えず神社に参拝しに行こうか。

 

 

「取り敢えず神社に参拝しに行きたいんだけど」

 

「神社ですか?分かりました!」

 

 

彼女は胸を張りながらそう答える。あ、意外と大きいんだな。

俺と早奈は神社へと続く階段を登り始める。

 

 

 

 

 

少年少女移動中......。

 

 

 

 

 

 

「......やっと着いた」

 

俺はやっと神社へと辿り着く。一応妖怪である為疲れはしないが精神的に疲れた。ていうか早奈はよく此処と村を行き来出来るな。ある意味尊敬するよ。

 

 

「えーと参拝が目的でしたよね?」

 

「ああ、そうだ、えーと......お、合った」

 

 

俺は神社の敷地内を見渡す。そして素敵なお賽銭箱を見つける。

 

俺は賽銭箱に賽銭を入れ上に合った鈴を鳴らそうとする。だが俺は物凄い速さで飛んで来る何かを察知し後ろにバックステップする事で避ける。

 

俺は舞姫を抜き何時来てもいいように構える。そして早奈の無事を確認する。彼女は突然攻撃された事により驚いていた。

 

 

「誰だ!さっさと出て来い!」

 

 

俺は攻撃が来た方に向けてそう言う。

 

 

「ったく、神社にまで来るなんて命知らずな妖怪だね。おまけに早奈に何かしたな?」

 

 

俺の目に写ったのは金髪のショートボブの髪を持つ少女だった。身長は160センチメートル程で青と白の壺装束を着ている。そして何より目立つのが二つの蛙の目玉のような物が付いた奇妙な帽子だ。......うわ、今あれ動いたぞ。

 

 

「参拝客に攻撃するなんて礼儀がなってないな。名乗りな、何者だ」

 

「ふん、良いだろう。私の名は洩矢諏訪子(もりやすわこ)、この国を治める土着神だ!私の国の民と早奈に近付いた罪、死して償え!!」

 

「す、諏訪子様!あの」

 

「行くぞ、ミシャグジ様!!」

 

 

諏訪子はそう言うと地面から白い大蛇が数匹出て来る。ハア~やっぱりこうなるか。早奈の説得も今回は役に立たなそうだし。

 

諏訪子が合図を送ると白い大蛇達が一斉に俺に襲いかかる。だが忘れてないだろうか?俺は仮にも八岐大蛇と呼ばれた伝説の妖怪で蛇の妖怪の一面を持つ。そんな全ての蛇の上に立つ俺に同じ蛇が勝てるとも?

 

俺は【蛇狐状態】になりミシャグジと呼ばれた蛇を睨む。それだけでミシャグジの身体は凍り付いたように動かなくなる。無理もない。平社員が社長に楯突いてクビにされると思うとゾッとするだろう。あれと同じだ。まあ、要は存在として上の相手に睨まれて恐怖で動けなくなっているのだ。哀れ。

 

 

「ミシャグジ様!?どうしたの!?」

 

「クスクス、蛇の王に楯突くなんて本当に『命知らず』だねえ」

 

 

俺は怪しい笑みを浮かべながら話す。その様子にカチンと来たのか諏訪子の周りに霊力とも妖力とも違う力が集まる。神力と言うやつだろう。

 

 

「ミシャグジ様が駄目なら......私が殺ってやる!」

 

 

彼女は次に拳を握り潰す。すると俺の真下の地面が膨れ上がり俺へと襲いかかる......が俺は先にそれを全て見越して巫山戯ながらムーンウォークで避ける。うんやっぱり今日の運勢は最高だった。こんな時に言うのも難だが俺は主に占いが得意だ。特に占星術やタロットカードなどはプロを超えている。とまあそろそろ戦いに集中しよう。

 

 

「くっそおおおおお!!!」

 

 

彼女は岩で巨大な拳を作り、俺を殴ろうとする。

 

 

「ふぁ~あ、

 

G(ギア・マジック)(セカンド)融合虚閃(セロ・シンクレティコ)』」

 

 

俺は蛇の口と左手からそれぞれ二つの虚閃(セロ)を作り、それを融合させて放つ。

 

桃色と瑠璃色が混ざった閃光が岩の拳を跡形もなく消滅させる。次の瞬間......

 

 

「これで止めだ!妖怪!!」

 

 

諏訪子は何処からともなく鉄の輪を取り出し俺へと投擲する。思い出した、あれってチャクラムって名前の武器だっけ?確かに強力だがーーーー

 

 

 

 

「ーーーーまあ俺には通用しないけどね☆」

 

 

 

 

ーー霊刃『森羅万象斬(しんらばんしょうざん)

 

 

蒼き刃が鉄の輪を砕く。

 

 

「う、嘘......」

 

「悪いね。ちょっと眠って

 

 

ーーーー破道の三十三『黄火閃(おうかせん)』」

 

 

俺は黄色の霊力の閃光を放つ。諏訪子はあまりのショックで反応出来ずそのまま閃光に呑み込まれる。

 

 

 

ーー諏訪子対俺の勝負は俺の勝利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~


「皆さんこんにちは、作者です」

「そしてお~鍋の中から~シュワッと~イ~ンチキ狂夢様、登場♪」

「うわっ!!今どうやって鍋の中から出て来たんですか!?」

「企業秘密」

「そっすか、で酒は完成したんですか?」

Bien sur(勿論)これが火昇りを超える究極の酒ーーーー




ーーーー『奈落落とし』だ!」

「アカン!!!それ駄目な物だ!!」

「大丈夫だ、問題ない。これは作者が飲むから」

「What!?私まだ未成年ですが!?」

「縛道の六十三『鎖条鎖縛(さじょうさばく)

「うっそーーーん!!!待って!!心の準備が......ああああああああ!!!」


ゴクン


「さあ、どうなる!」




ドッゴーーーーーン!!!




「......俺は何も見なかった。いいね。

という訳でお求めの方は 2110(ニート) 3150(最高)までお掛けください。


では次回、ケロちゃんに勝った大人気ない楼夢。そしてこれからどうなるのか!?

次回もキュルっと見に来いよ」





ちなみに、奈落落としは後に『飲む爆弾』と言う名で大ヒットする......らしい。


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居候?神様の神社に俺住んでいいの?


私が彼女に仕えるのは神だからではない

時には怒り、時には泣くその笑顔が愛しいからだ

by東風谷早奈


 

 

楼夢side

 

 

「いやー疲れた疲れた」

 

 

俺はそう言うと諏訪子が気絶しているのを確認する。と同時に

 

 

「す、諏訪子様!!」

 

 

早奈が物凄い速さで諏訪子の元に駆け寄る。どうやら相当心配していたみたいで彼女の大量の汗が見えた。

 

 

「大丈夫、大丈夫。ただ気絶させただけだから」

 

「そ、そうなんですか?ありがとうございます」

 

「まあ、そう気にすることじゃないさ」

 

 

そう元はといえば俺が悪いのだ。誰でも妖怪が自分の家に居たら驚くだろう。

 

「いえいえ、そして申し訳ございません!諏訪子様がなんていう勘違いを......」

 

「だから気にすることじゃないさ。それに自分の国に妖怪が入って来たら誰だって慌てるさ」

 

「......そうですね。ふふふ、なんだかおかしいですね」

 

「何が?」

 

「いえいえ、なんでもありません。さあ、諏訪子様を運ばなきゃ」

 

「それなら俺も手伝うぜ」

 

 

そう言うと俺は【妖狐状態】になりその十一本の尻尾を巧みに使い諏訪子を持ち上げ、神社の中へと運ぶ。それを見て早奈はいいなぁと言う表情を浮かべていた。

 

永琳と言いどうして皆は俺の尻尾を触りたがるのだろう?俺は諏訪子を寝室へと寝かせると自身の尻尾を確認する。

 

尻尾の毛は綺麗な金色で一本一本が二メートル程で身長より大きく、モフモフしていた。まあ、確かに触りたくなる気持ちは分かる気がする。

 

 

俺は自慢の尻尾を仕舞おうとする。だがここでハプニングが起きた。

 

 

「むぎゅ......あーうー」

 

 

諏訪子はそう言うと俺の尻尾を抱いてくる。しかも一本ではなく一気に六本に抱きつかれた。俺の尻尾は抱き枕かよ......。

 

そして今度は早奈が衝動を抑えきれなくなって、残りの五本の尻尾へ突撃する。何このカオス。

 

 

「ちょちょ、早奈どうしたの!?」

 

「くう~やっぱ抑えきれません。今からモフらせて貰います」

 

「ふぁ、ちょちょちょっと待って!お願いだか......らああああああああ!!!」

 

 

モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ

 

 

ピチューん

 

 

 

 

しばらくお待ちください......。

 

 

 

 

 

「ひ、酷い目にあった......」

 

「まあまあ何事も人生そんなモンですよ」

 

 

ああ、一瞬でも早奈がまともだと思った俺が馬鹿だった。此処の住人がまともじゃないなんて当たり前の事じゃないか。

 

 

「う......うぅ?」

 

 

そんなことを考えていると諏訪子が起きたようだ。そして早奈が諏訪子に再び駆け寄る。

 

 

「諏訪子様!大丈夫ですか?」

 

「う、うん......大丈夫」

 

「さっすが神様!正直もし起きなかったらと思ったらヒヤヒヤしたぜ」

 

「お前は......さっきの!?」

 

 

そう言った瞬間諏訪子は布団から出て俺に土下座する。一体何事と俺が思っていると......

 

 

「お願いだ!!この国だけは!!この国だけは滅ぼさないで!!」

 

 

......ああ、成程、納得した。要するに諏訪子は俺が国を滅ぼしに来たと思っているようだ。......ああ、とうとう泣き出しちゃったよ。此処だけ見ると俺って最低だな。

 

 

「いやあの、俺は此処に参拝しに来ただけであって、別にこの国を滅ぼしに来た訳じゃないぞ」

 

「ほ、本当!!」

 

「ホントホント。だからほら泣かないで......ああ、尻尾モフモフしていいからさ」

 

 

俺はそう言って尻尾を差し出す。まあ気休めにはなるだろう。

 

 

「......あーうー」

 

 

諏訪子は俺の尻尾でじゃれあっていると、いつの間にか寝てしまった。どうやら満足していただけたようだ。

 

 

「この度は本当に申し訳ございません」

 

 

そう言って早奈が頭を下げる。永琳みたいにSじゃないからいいんだけど少々気弱な部分があるなぁ。

 

 

「だからその事は本当にいいんだって。ほら可愛い顔が台無しだぜ」

 

 

俺がそう言うと、早奈は急に顔を赤くする。はて俺なんかしたっけ?

 

 

「そ、そんな事より行くあてあるんですか?」

 

「行くあて?んなモンある訳ないジャマイカ」

 

「もし宜しければ此処に泊まって行きませんか?」

 

「え、いいの?......あれでもまだ諏訪子が......」

 

「大丈夫です。後で諏訪子様と話し合い(暴力)ますから☆」

 

 

気のせいだろうか。今一瞬早奈の後ろに黒い物が写ったのは?うんそうだね、そう信じたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーこうして、俺の洩矢神社での生活が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢~~

「祝お気に入り登録者数75突破記念、三年E組」

「「「狂八先生!!!」」」


「という訳でお気に入り登録者数75突破したぜ。そしてこれからも高評価&お気に入り登録願いします。また、感想もどしどし送ってくれよな。分からない事があったらこのコーナーで説明するかもよ。と狂夢だ」

「あとがきよ、私は帰って来たああああああ!!!作者です」

「生きてたのかよ、作者!!てっきり死んだと思って墓まで立てたのに」

「死ぬかよ!!ていうかなんだよあの酒は!?思いっきり爆発したぞ!!」

「ああ、あの酒に耐えられなかった者は身体の中に熱狂が溜まって爆発する仕組みなんだ」

「いちいち爆発させる理由無くない!!ていうかなんだよNEETプロジェクトって!?」

「五月蝿い、今作ってる物の実験台にしようか?」

「あ......結構です」

「では次回、神社に居座り始めた流浪人こと楼夢。そして奴は次に何をするのか!?

次回もキュルっと見に来いよ」



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ほんわり洩矢神社の日常


人は強き者を訪ね、頼る

その者は更に強き者を求め、崇める

そして全ての神は生まれる

by洩矢諏訪子




 

 

楼夢side

 

 

 

 

 

 

 

 

「......『スライム切り』!!」

 

 

俺は包丁を手に野菜を一刀両断する。『スライム切り』の能力は丸い形の物を一刀両断出来るのである。つまり野菜を切るには最適なのだ。

 

今の季節は冬。雪は降ってないがかなり気温が低い。......よし、今日の夕飯は鍋、君に決めた!

 

さてさて何故俺が夕飯を作っているのかと言うと数時間前に遡る......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......キュックション!!」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「ん、ああ」

 

「......そうですか......ふふ」

 

「なんだよ」

 

「いや、面白いくしゃみをするなあと思って」

 

「し、仕方無いだろ!俺は元々妖獣だし!」

 

 

現在俺は洩矢神社の縁側で早奈とお茶を飲んでいる。あれからどうなったかと言うと諏訪子が起きた後早奈が諏訪子を説得する為に別室で話し合ったそうだ。......まあ、あの別室で諏訪子の叫び声が聞こえたのは幻だろう。そう信じたい。

 

 

「そう言えばさっき諏訪子が死んだ様な目をしてたけど大丈夫か?」

 

「諏訪子様?......ええ、大丈夫ですよ」

 

 

早奈は平然と答える。以外と早奈ってヤバイんじゃ......

 

 

「それで楼夢さん、料理って出来ますか?」

 

「料理?一応出来るが......?」

 

「なら作ってください!」

 

「ええ、やだよ」

 

「......そうですか、なら代わりの物を食べさせて貰います」

 

 

そう言って彼女は俺の顔を覗く。言い忘れたが早奈の容姿は青い瞳に緑色の髪を持ち、更に俺と同じような脇のない青と白の巫女服を着ている。何が言いたいかって?要するに彼女は人間の中では美人なのだ。そしてその顔が俺へと近く。......ふぁ、ちょっと待て......食べ物ってまさか......。

 

 

「それじゃあ、頂きまーす」

 

 

彼女は更に俺の顔と距離を詰める。そしてそのまま俺と彼女の唇が合わさった。

 

「ん!......んーん」

 

 

俺の顔は真っ赤に染まる。当たり前だ、一応俺は接吻なんて初めてなんだから。......いや、ルーミアの件で初めてじゃないか......まあ、こういう事にはあまり慣れてないのだ。よって凄い恥ずかしい。

 

 

「あらあら、顔が真っ赤ですねぇ。大丈夫ですよ、料理さえ作ってくれれば最後までは食べません」

 

 

人を食べ物扱いするな。ていうかこの人本当に人間か?実は人喰い妖怪(意味深)じゃないのか?取り敢えず今やるべき事は一つ。

 

 

「逃ィィィィげるんだよォォォォォォスモーキー!!!」

 

 

そう、逃げなければ。そして料理を作らねば。じゃないと、俺の精神がいろんな意味で崩壊する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、現在料理してるって事だ」

 

 

男は美人と接吻をすると凄く喜ぶと蓮子が言ってたが俺にはさっぱり分からない。友達が蓮子とメリーしかいなかったせいでそういう系の知識がほとんどないのだ。唯一分かるのは中二病発言ぐらいだし......そういえば俺の男の友達って人間時代も合わせると......火神しかいないじゃん。今度会ったらそういう系の知識を教えて貰おう。

 

 

「さーてさて、いい匂いになってきたぞ。そろそろだな」

 

 

早く食卓へ持ってかなければ。でないと俺が食われてしまう。諏訪子が何故あんな顔をしていたのがわかった気がする。

 

 

 

 

 

俺は鍋を素手で持っていく。俺は妖怪だから素手でもちっとも熱くない。火神の炎とは天と地程の差だ。

 

 

「あーもう遅いよー楼夢」

 

「文句を言ってはいけませんよ諏訪子様」

 

 

俺が鍋を持ってきた時には既に諏訪子と早奈が座っていた。諏訪子に関してはもう最初の神様の威厳という物が全くない。

 

 

「でもなんで楼夢が料理を作ったんだろう?」

 

「......さあ?」

 

「何故って、早奈におど「ああ、今食後のデザートが見つかりました。早く食べたいです」......いや、なんでもない」

 

 

 

......あん野郎。早奈の後ろから俺に向けて黒いオーラが出て来る。あの顔だとどうやら黙ってろと言ってるようだ。

 

 

「はいはい、すいませんでしたね」

 

 

俺はそう言い席に座る。ああ、鍋が美味い。

 

 

「うーん美味しい!早奈の料理とは大違いだね」

 

「そんなに酷いのか?俺は今日此処に来たばっかで知らないのだが」

 

「ちょちょ、諏訪子様!」

 

「いや酷いのなんの。この前は釜戸を爆発させたりもしたからね」

 

「ぷ......クスクス、何それあはははは!!」

 

 

俺と諏訪子は盛大に笑う。だがその後ろでは早奈がどす黒いオーラで溢れていた。この感じ......明らかに怒っている。

 

 

それを見た瞬間諏訪子が急に動かなくなりその顔は蒼白になっていた。まるで嫌なトラウマを思い出したように。

 

 

「さーて、準備はいいですか?諏訪子様、楼夢さん」

 

 

早奈がどす黒い笑みを浮かべながら俺達に近づく。こういう時はえーと......そうだ!

 

 

「「許してヒヤシンス」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、洩矢神社から獣の様な叫び声が聞こえたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ、酷く疲れた」

 

「もうお嫁にいけない」

 

 

深夜、俺達は早奈から解放された。だが食われた物が全部精神的に辛い物だった。

 

 

「ったく、早奈っていう存在のイメージが出来ない......はー、諏訪子も大変だね」

 

「まあね......でも許しくれてやって。今日は新しい家族が増えて興奮していただけだし」

 

 

そう諏訪子は答える。俺達は神社の屋根の上に座り星空を見る。

 

 

「うっわー、綺麗だね」

 

「......なあ諏訪子。早奈の後ろから出て来たあの黒い物はなんだ?」

 

 

俺は早奈の事で一番気になってる事を諏訪子に聞く。すると、今までの子供っぽい雰囲気が一気に消え、代わりに何か独特の雰囲気を纏う。その表情はあまり喋りたくないと言ってるようだった。

 

 

「ふう......いいよ、教えてあげる。彼女は実はね、私の子孫なのさ。そのせいで能力も少し変わっていてね」

 

「その能力とは?」

 

「【呪いを操る程度の能力】。それが、彼女の能力さ」

 

 

【呪いを操る程度の能力】。俺はその能力の内密な効果を推測する。多分彼女は呪いに関する物を全て操れるのではないだろうか。そしてそれは当たっていた。

 

 

「楼夢が推測したとおり彼女は呪いに関する物を全て操る事が出来る。そして呪いだけだったら、彼女は私を超えているだろう」

 

「待て、お前の神の種族はなんだ?」

 

「私は土着神でもあり、祟り神でもある。人や地を呪いその恐怖で信仰を得る者。だけど私はこの力を民に使わないと決めている」

 

「おいお前は確か土着神の頂点にいるんだっけな。それを超えるという事は......」

 

「わかったでしょ。彼女の力の強大さを。そして彼女はそのとてつもなく大きな力を制御出来ていない」

 

当たり前だ。土着神の頂点を安安と超える力を人間がそう簡単に制御出来るわけない。そして呪いとは神力で出来ている物と妖力で出来ている物がある。つまり、早奈は妖力も使えるのだ。

 

 

「だからこそ、普通に接してやってほしい。これは私のお願いだよ」

 

「......相手が誰だろうと俺はいつもどおり接するだけだ......」

 

「......ありがとう」

 

 

その時空からほうき星が流れる。それは、彼の今までの事を思い出させているようにも見えた。

 

 

 

 

 

罪で染まった巫女は諏訪の国で過ごし始める。そこに訪れるは希望かそれともーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー破滅なのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢~~

「皆さん投稿するのが遅くなってしまい、申し訳ございません。もうすぐで春休みが終わるのでこれからは三日に一回の投稿ペースに切り替えます。作者です」

「ヒャホオオオオオオオ!!!!!ついにドラクエジョーカー3で遊べるぜ!!狂夢だ」


「そういえば作者はモンスターズシリーズはジョーカー時代から全て持ってるんだよな」

「ええ、そうですけど、最近一つ前のイルルカでWi-Fiバトルで全然勝てないんですよ」

「そんな君に俺の戦術を教えてやろう。これが決まれば全体に999のダメージを与える事が出来る。


必要なのは素早さが高い者と攻撃力が高い者だ。

まず、素早さが高いモンスターにスキル【ため息】を覚えさせておき相手を猛毒やマヒ状態にする。次に攻撃力が高いモンスターはタナトスハントやヒュプノスハントを使う。これだけでかなりのダメージを与えれる筈だ。

ちなみに俺はフェアリードラゴンにAI2~3回行動を付け、状態異常攻撃を使わせ、攻撃力1400のけもののきしを攻撃役にしてるぜ」

「以上、解説ありがとうございました。

では次回もキュルっと見ていってね」



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洩矢の騒動

星々は流れる。この世界の時を数えながら。

星々は輝く。私達を照らしながら。


この世界で変わらない物があるのなら、それは天を昇る星々なのだろう。

by白咲楼夢


 

 

 

楼夢side

 

あの日から既に一ヶ月の時が流れた。最近は人々とも仲良くなり洩矢神社に平穏な日々が続いた。ちなみに料理は毎日俺が作る事になっている。せめて当番制にしてくれコンチクショウ。

 

 

さておきこの国で過ごしているお陰であの神様の威厳0の諏訪子がどうやって国を治めているのかがわかった。

 

諏訪子はまず祟り神なのに民を呪わないのでどうやら民衆には好評らしい。次に政治の時は普段見れない神様の威厳を身体に纏っており、その姿は普段の諏訪子を知っている俺にとっては少し奇妙な物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は村で買い物を終え洩矢神社へと続く階段を登っている。やっぱりこの階段は長い、長過ぎる!

俺の神社よりは短いが人が登るにしては長い。何時も鍛えてた俺は良いとして一般人だったら到着した時にはフラフラだろう。メリー達も最初に神社に来た時は死にかけ状態だったからな。

 

 

そんなどうでもいい事を考えていると

 

 

「楼夢さーん!!」

 

 

誰かが俺の名を呼び、階段を駆け上がる。

彼女は東風谷早奈。洩矢神社の巫女である。

早奈は近くにいるだけで元気を分けてもらえるような明るい子だ。誰にでもニコニコしながら話しかけるのも彼女の特徴だ。

そんな彼女が俺と一緒に階段を登り始める。村で買い物でもしていたのかな?

 

 

「早奈、買い物でもしてたのか?」

 

「あ、はい見てくださいこの髪飾り、かわいいですよね~」

 

 

早奈はカエルと蛇の髪飾りを取り出す。正直言って良く分からないが彼女が良いと言っているのだから良いのだろう。それか唯単に彼女のセンスがないのか。

 

 

「うむ、中々似合っているぞ」

 

「えへへー、ありがとうございます。それよりも楼夢さんもお洒落したらどうです?せっかくの美女が台無しですよ」

 

「俺は女じゃねえって何回言ったら分かるんだよ!」

 

「でも結局はブレスレットと頭には大きな桜の花の髪飾りを付けているし、その顔と服じゃ誰も信じませんよ」

 

「ま、まあ俺は気にしてないから大丈夫だ」

 

「とか言って気にしているの知ってますよ。この前も髪を短くしようと頑張って切っているのを見ましたからね。まあ結局生えてきた?というより再生してましたけどね」

 

「......チーン」

 

「さあ、正直に言ってください」

 

 

俺はダイナミック土下座を早奈にし、叫んだ。

 

 

「強がってましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「だって小さい頃から師父にも巫女扱いされてるじゃん!そして生まれつきこういう顔じゃん!さらに俺だってお年頃じゃん!最初にあった人に女だって、女だって、女だって......嬉しくねぇよ!!......うわーーん!畜生め!」

 

「......うむ、よろしい」

 

 

俺と早奈がそんなやり取りをしていると

 

 

ガサガサ

 

 

すぐ近くの茂みから何かが動いたような物音が聞こえた。そして俺と早奈は瞬時にそれがなんなのか理解する。

 

 

「この気配......まさか妖怪!?なんでこんな所に?」

 

「分からねえ......だけど神社に近づくたあ中々度胸がある野郎だぜ!」

 

 

俺がそう言い終えると茂みから妖怪が飛び出してきた。外見は蜘蛛のような身体を持ち顔が猿のようで身体は二メートル程の妖怪だった。

 

 

キシャアアアア

 

 

妖怪は飛び出すと同時に早奈に飛びかかった。恐らく本能で俺より早奈の方が弱いと感じたのだろう。

 

 

「ちぃ!このクズめが!!

 

星十字『スターライトクロス』」

 

 

俺は神力で作った2本の剣を飛ばし攻撃する。剣は蜘蛛に十字に突き刺さり、蜘蛛を縛った。

これが、神力を使った俺の術”神星術(しんせいじゅつ)”だ。

俺は神力を扱えなかったが此処に来て諏訪子に教えてもらったのだ。それで完成したのがこの術ってわけだ。

 

 

「星々の光に貫かれろ!!

 

星弾『サテライトマシンガン』!!」

 

 

俺は再び神星術を使う。今度の術は空から閃光が現れ、縛られて動けない蜘蛛を光の雨が貫いた。

 

 

蜘蛛は断末魔を上げるとすぐに絶命した。緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)で確認すると、こいつはどうやら中級妖怪より少し下の妖力を持っていた事がわかった。

 

さて問題はこれじゃない。今回の問題は()()()()()この国に入ったかだ。

 

 

「......ふう、殺ったか」

 

「つ......強い」

 

「ねえ早奈。......なんでこの妖怪は国に入れたのかな?一応諏訪子の結界があったでしょ?」

 

「うむむ......多分これは最近森で出て来る妖怪ですね。隠れるのが上手くて諏訪子様でも妖力探知する事が出来ないんですよ。それに群れで動いてるらしいですし」

 

「ハアー、取り敢えず此処で考えても仕方が無い。さっさと行くぞ」

 

「は、はい!」

 

 

俺と早奈は急ぎ足で洩矢神社に向かう。あの妖怪が群れで来ても俺は大丈夫だが早奈は違う。彼女は能力があるとは言えまだまだ未熟だ。そんな彼女が中級妖怪と戦っても、せいぜい一匹と互角に戦う事しか出来ない。

......ちぃ、巣がわかれば一気に殲滅出来るのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

姉御&変態移動中......。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて皆様、俺らが戦っている時に諏訪子は何をしていたのでしょう。

食事?修行?仕事?どれも違う。正解は

 

 

「うー、グースピースヤア」

 

 

縁側で寝てました。(^ω^#)

 

 

「こ、これは......豪快に寝てますね」

 

「......どうやらO☆SHI☆O☆KI☆が必要みたいだな」

 

 

「派手なのはやめてくださいよ」

 

「大丈夫、大丈夫

 

さて......そんな君にpresentだYO☆!!

 

必殺『アイスバケツチャレンジ』」

 

 

俺は諏訪子の頭上に氷水がたっぷり入ったバケツを創造する。

さて、皆はアイスバケツチャレンジと言う物を知ってるか?知らないならググれ。

 

 

俺は空中で浮いているバケツをひっくり返す。バケツは氷水と一緒に重力に従い、落ちていく。そして

 

 

バシャン

 

 

「ッ 、ヒャアアアアアア!!!冷たいィィィィィ!!!」

 

 

諏訪子はあまりの冷たさに叫びながら飛び起きる。しかしその先には空になったバケツが......

 

 

ガッシャン☆

 

 

「いったぁぁぁぁぁぁい!!!もうやだな゛に゛こ゛れ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」

 

 

落ちてきました。バケツは諏訪子の頭にすっぽりと収まっています。どうやら取れないようです。

 

 

「まあそう泣くな。いいもんくれてやっから」

 

 

そう言って楼夢は懐から黒い瓶を取り出す。どうやら中には酒が入っているようだ。ラベルには『奈落落とし』と書いてある。

 

 

「あーうー、ありがとう」

 

 

ゴックン

 

 

 

 

ドゴォォォォォォォォォン!!!

 

 

 

 

その後、夕食抜きにされました。作ってるのは俺なのに。畜生め......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~~今日の狂夢『様』~~


「三度の飯よりおふとゅんに入りたい、狂夢だ」

「最近絵を書く練習をしてますが髪が書けない!作者です」


「さて今回は前から気になってましたが聞いてもいいですか?」

「ふぁい(ボリバキ)ふぉおけいざ(バキ)」

※略:ああ、OKだ

「板チョコ食いながら言うのやめてくれません。地味に腹立つ。......まあいいでしょう。ズバリ、何故楼夢さんと戦ったのか?」

「はあ?んなもんどうでもよくね」

「私、気になります!!」

「あー、はいはい。作者、楼夢が死ぬと俺はどうなると思う?」

「狂夢さんも一緒に死ぬと思います」

「はい、正解。だけど楼夢が精神崩壊するともっと酷い事になる。それはなんだ?」

「な、なんなんですか、それは?」

「ズバリ、家の電化製品の電気が全て消える」

「......ふぁ!?」

「家の電化製品の電気が全て消える」


ヒュルルルヒューー


「......一つ言ってもいいですか」

「ああ、いいぞ」

「......くっっっっっだらねえええええ!!!!」

「くだらなくねえよ!奴のせいで俺のセーブデータが、セーブデータが......」

「逆に言えばアンタはゲームの復讐の為に殺し合っていた訳 ?これほどくだらない復讐初めて見るよ!!」

「あ“あ“ん?丁度いい、俺の新しい技で消し飛ばしてやる」

「それは本編でやってください!!」

「じゃあ聞くぞ、作者よ。俺の本編登場は何時だ?」

「......あ」

「さあ、何時なんだよ。教えてくれよ~~」

「お、お助けください」

「だが断る☆

乱弾『マルチプルランチャー』」



「ホッギャアアアアアア!!!」



「こうして作者は星になったのだ」





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呪われし巫女の涙

星、それは希望の光

月、それは裁きの閃光

夜、それは絶望を与える漆黒の闇

by白咲楼夢


 

楼夢side

 

 

夜ーー皆はこの言葉について何を思い浮かべるだろうか?

 

ある者はロマンチックだとか星々がよく見えると言う。だが夜はそれとは別に人の心に恐怖を与える物もある。

 

具体的な例が闇だ。皆も幼き頃は夜出歩くのが怖かった事があるだろう。それは人が闇の中に何か得体の知れない物があると信じているからだ。

 

だがこの時代では夜出歩く事はほぼ自殺行為と言ってもいい。当たり前だ。この時代の人々は妖怪の存在を信じ、恐怖している。つまりは妖怪はまだ存在しているのだ。そして妖怪は人に恐怖を与える夜と言う物が大好きだ。ここまで聞けば夜出歩く事がどれだけ危険というのがわかっただろう。別に俺は他人が死んでも特に問題はない。それで悲しむのはその身内だけでいい。

 

 

だが今回は違った。なんせ外に出歩いた者が()()だったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜唐突に俺は目覚めた。現在の時刻は草木も眠る丑三つ時。この時間に外に出る者は当然ながらいない。だがこの洩矢神社から()()()匂いが薄れているのを俺は見逃さなかった。

 

匂いが薄れていると言う事は今この場にいないと言う事だ。だが微かに残った匂いは外へと続いている。そしてそれは諏訪子のではない。

では誰のか?答えは簡単。早奈のだ。

 

 

俺は布団から急いで出て、匂いの元へ向かう。真面目な彼女の事だ。恐らくは昼神社に出た蜘蛛を退治しようとしているのだろう。

 

あの蜘蛛の名前は猿蜘蛛。どうやら隠密性が高くて諏訪子もまだ退治出来ていないようだ。そして二番目の特徴は主に群れで一箇所の巣で暮らしているらしい。早奈はその巣へと向かっているのだろう。

だとしたら相当不味い。猿蜘蛛はああ見えて中級妖怪だ。中級から上の妖怪は基本的に群れを作らない。主な理由は一匹一匹が人を殺すには充分すぎる力を持っているのだから。

 

そんな中級妖怪の群れに早奈が勝てる訳もない。昨日も言ったが早奈はまだ未熟だ。退治出来たとしても中級妖怪を一匹が良い所だろう。

 

 

だからこそ、俺は早奈の匂いを辿りながら全力で走った。まだ若い彼女を此処で死なせる訳にはいかない。だから、まだ生きててくれよ......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は早奈の匂いを辿っていると諏訪国外れの森に辿り着いた。

 

確かに此処なら隠れるには丁度いいだろう。

少し森を進むと俺は少し開けた場所に出た。そこにあるのはーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー血まみれになりながらも、肩で息をしている早奈の姿があった。

 

 

「霊刃“森羅万象斬“!!」

 

 

俺は早奈の前に立っていた猿蜘蛛数匹を切り裂く。数にして......およそ五十。よく此処まで耐えしのいだと言った所だろう。

 

 

「ろう......む...さん?」

 

「喋るな。息を整えて守りに徹しろ。全く......なんでこんな無茶をしたんだよ」

 

 

俺が呆れていると猿蜘蛛が三匹俺に襲い掛かる。だが、まだ甘い。

 

 

「破道“牙鬼烈光“」

 

 

俺は複数の緑色の閃光を放ち蜘蛛を貫く。だがまた新しい蜘蛛が出て来る。

 

 

「ああもう!何匹出てくんだよ!“鉄散針“」

 

 

俺は袖から一本の針を取り出し、投げつける。すると、針は数十本に分裂して蜘蛛達を貫いた。

 

 

「まだまだぁ!星炎“スターライトフレア“!」

 

 

更に俺は刀を抜き五芒星を描きながらルビーのように燃える炎の斬撃を飛ばす。

辺りは炎の海となったが猿蜘蛛はまだまだ出て来る。もうヤダ、お家帰りたい......

 

 

「響け!!“舞姫“

 

舞姫神楽“姫風(ひめかぜ)“」

 

 

俺は舞姫を解放し、舞う。すると何処からともなく突風が吹き、辺りの蜘蛛を切り刻む。

 

 

「おまけだ!覇刃“ギガブレイク“!」

 

 

俺は紫電を纏った刀で蜘蛛達を切り裂く。これは皆ご存知ギガブレイクである。暇潰しに作ってみたが中々高火力なので採用しただけだ。

だがそれでも蜘蛛達は湧き続ける。ウザイ。ゲロ以下の匂いがプンプンする。

 

更に俺は先程のようにホイホイ技を使えなくなった。何故なら、俺の技のほとんどが地形を破壊してしまうのだ。これ以上殺ると俺が諏訪子に怒られる。

 

俺は舞姫で俺や早奈に近づいてくる妖怪を一人一人切り裂いていく。猿蜘蛛の攻撃方法はその長い足での攻撃と口から緑色の液体ーー恐らく毒を吐き出す攻撃の二つだ。故に読み易いが流石に疲れた。燃費が悪いがあれを使うか......

 

 

「オラオラァ!!こっちだこっち!」

 

 

俺は挑発して蜘蛛をおびき寄せる。そして全員が射程距離に入った時。

 

 

「流星“ギャラクシーストリーム“!!」

 

 

俺は神力を使って美しい銀河のような巨大な閃光を放つ。猿蜘蛛達はその流れに呑まれて消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく......どうして何も言わないで出たんだ!あのままじゃ死んでたんだぞ!」

 

 

俺は早奈に怒鳴る。

 

 

「だ、だって......私はこれ以上人が悲しむのは見たくないんです!!だから、諏訪子様に黙って......」

 

「なんで黙ってたんだ?」

 

「そ、それは......その...」

 

「なんでもいい。つまらない理由でもいいから言ってくれ」

 

 

楼夢は優しく早奈に問いかける。すると、早奈はそのかすれた声を振り絞って話だした。

 

 

「私は...楼夢さんに自分の能力を知られたくなかったんです!もし、楼夢さんが私の能力を知ってしまったら......きっと皆のように私を避けると思ったから!」

 

「【呪いを操る程度の能力】。それか......」

 

「な、なんでそれを!?」

 

「諏訪子から聞いた。お前の能力の事をな......」

 

「......ハ、ハハハ、やっぱりそうですよね。楼夢さんも同じように...やっぱり私なんて......」

 

 

早奈がそう言い終える前に楼夢は彼女を抱きしめる。早奈は突然の事で顔が真っ赤に染まっていた。

 

 

「......辛い事があるんだったら話せよ。無理をするな。お前がいなくなれば俺や諏訪子が悲しむ」

 

「楼夢...さん......ウワァァァァァァン!!!」

 

 

その夜、少女の泣き声が森に響いた。

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~

「投稿遅れてすみません。作者です」

「またか......遅れた理由は?狂夢だ」

「この前実は......モンハンクロスと妖々夢を買ってしまったんですよ」

「お前この前ドラクエ買っただろ。なんて奴だ」

「それでモンハンが面白くてついつい投稿が遅れてしまいました。ちなみにプレイヤーネームは『産霊千神美』です。Wi-Fiで見かけたらよろしく」

「お前それ小説のネタじゃねぇか!!何まだ使ってないのに紹介してんだよ!!」

「ちなみに読み方はこの章のメインが終わったらわかると思います。

それでは、次回予告、次はとうとうこの章のメインに近づいて行きます。では次回も、キュルっと見ていってね」


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うむ、団子美味し


争いは人世の為に そう信じたい

by洩矢諏訪子


 

 

楼夢side

 

 

猿蜘蛛達を退治してから軽く数年の時が流れた。

あの件もあってか、諏訪の国の中に妖怪が入る事が少なくなった。まあ、中級妖怪の群れを瞬殺したらそうなるわな。

 

ちなみに俺の妖怪としての格は既に大妖怪をも超え最強クラスに入っている。言うならば“伝説の大妖怪“と言った所だろう。まあ、俺と同等な奴なんて火神ぐらいだろう。

 

 

さてそんな伝説の大妖怪の俺は現在自分の部屋で村で買った団子を食べている最中だ。......うむ、美味しい。

 

俺が二十個目の団子を食べ、お茶を飲もうとする。その時

 

 

「巫っ山戯んじゃないわよ!!!」

 

 

突如居間から諏訪子の珍しい怒鳴り声が聞こえた。だが問題はそこじゃない。

俺はその怒鳴り声に驚き、お茶を掴む手を離してしまったのだ。お茶の器は綺麗にくるくると回りながら重力に従い、床に落ちる。それだけならよかった。

 

器に入っていたお茶は見事に後で食べる用の団子十個にバシャンとかかる。

団子は見るも無惨な姿へと変わる。そして甘党の楼夢にお茶でふやけた団子を食べる事など出来なかった。

 

 

「........(グスン」

 

 

楼夢は若干涙目になりながらも片付けを始める。

その暗い背中からは楼夢の悲しみが感じ取れるようだった。

 

 

 

 

 

 

桃巫女インするまで........。

 

 

 

 

 

 

「す、諏訪子!どうしたんだ!?」

 

「ああ、楼夢、いいところに!これを読んでみて」

 

 

俺は諏訪子の元に来ると、彼女から一枚の手紙を渡される。え~と、なになに........

 

 

 

 

穢れし諏訪の神へ

 

 

単刀直入に言う。穢れし神が住む諏訪の国を我々へ明け渡せ。さもなくば我々は武力を持ってこの国を攻め落とす。

 

 

大和の神より

 

 

P.S

 

まあ穢し諏訪の神に抗う術など無いのだがなwww

 

 

 

 

 

 

 

「........(イラッ☆」

 

 

俺はすぐさま蒼い狐火を手の平に出現させ、手紙を燃やす。俺の長い人生の中でもこれほどイラッと来る手紙は見たことが無い。諏訪子が怒鳴る理由も分かったような気がする。

 

 

「........んでどうするんだ?」

 

「決まってるよ!私は絶対克服なんてしない!勝って私の民を守るんだ!」

 

 

諏訪子は大声で答える。正直言って諏訪国を守る方法ならある。それは()()一人で大和の国を滅ぼす事だ。

俺の神としての種族は破壊神。その力を使えば国の一つ滅ぼす事は簡単だろう。だが、今回はこの方法は使えない。

 

正確に言うと俺単体に破壊神としての力は無い。

今の言葉でよくわからないと言うだろう。詳しく言うと、妖怪としての“白咲楼夢“には破壊神としての力は無いと言っている。では、この力は誰のだ?

それは俺であって俺ではない存在ーー狂夢だ。

 

俺達の種族は蛇狐だが、俺には狐、奴には蛇で蛇狐と言う種族が成り立っている。

 

このように、俺には無い部分は狂夢が、狂夢には無い部分は俺が持っているのだ。

 

さて今回狂夢の力を使えない理由は俺には分かる。単純に奴が面白くないからだ。

考えて欲しい。みんなは必ず勝つゲームをやって楽しいか?

要するに今回の戦争は狂夢にとってゲームに過ぎない。そして必ず勝つ方法を無くす為に力を貸さないのだ。まあ、今まで一人で戦って来たし特に問題は無い。

 

 

「それで、今から修行でもするのか?」

 

「うん。でもその前に........大和の連中に返事しないと........悪いけど楼夢行ける?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

 

と言う訳で俺は大和の国に行く事になりました。正直言って大和の国の菓子が買えれば問題ない。

 

 

俺はすぐに大和へ行く準備をすると社を出ようとする。すると、鳥居の前で早奈が待っていたかのように立っていた。

 

 

「よっす。俺今から大和の国に行くんだ」

 

「知っています。必ず戻ってくださいよ」

 

 

早奈は俺に微笑む。俺はそれを見て少しヤル気が出てきた。やっぱ見送り無しとありとじゃ違うね。

 

 

「........ああ、行ってくる」

 

 

俺は早奈に手を振ると、社を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は現在森の中にいる。一応ここから変化の術を少し強化しバレにくいようにする。

 

 

俺は森を抜ける。すると少し遠くに何かあるように見えた。

 

俺は“緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)“を使う。色はいつの間にか宝石のような緋色に変わっていた。あまり使わないが実はこの目にはズーム機能があったりする。現在はその力で遠くを見ているのだ。

 

遠くに見えた物。それは大和の国だった。

俺は急いでそこへと向かった。

 

 

 

 

 

少年移動中........。

 

 

 

 

 

とうとう大和の国に着いた。最初は門番達に絡まれたが諏訪子から貰った紙を渡したら通してくれた。あれなかったら入れないじゃん。

村などは賑やかで栄えているのがわかる。

俺はすぐさま団子屋に行く。

 

 

「おい、団子一つくれ」

 

「あいよっと!」

 

 

店主は俺に団子を渡す。俺はすぐさまそれにかぶりつく。こちらも諏訪国とは違った味で美味い。うむ、気に入った。

 

 

「おっちゃん、団子三十個追加で」

 

「さ、三十!?ね、姉ちゃんどうやって持つんだい?」

 

「一応術とか使えるしなんとかなる」

 

「は、はぁ」

 

 

やっぱり美味い。諏訪子には内緒で少し観光させて貰おう。

 

 

 

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~


ジャーパネット、ジャーパネット~~♪、夢のジャーパネットNEET~~♪


「はいという訳で狂夢だ。今回は新商品の紹介だぜ」

「絶対ロクな事が起こらないと思う、作者です」

「今回の商品はこちら“プロア●ティブ“だ」

「プロア●ティブ?お肌に塗るあれですか?」

「そうそう、人間時代では俺達も使ってたんだぜ」

「........使ってたのかよ」

「まあ、使ってみやがれ!ほら」

「は、はいはい(まあプロア●ティブならいいか)」

「ほらよ」

「ありがとうございます。では」


ヌリヌリヌリヌリ


「どうだ、作者?」

「........」

「作者?」

「........目がぁ!!目がぁ!!」


ピチューん


「........あ、作者が塗ったのって........」



名前:テロアクティブ

効力:肌に塗ると強力な毒が襲いかかります。特に目が一番痛いので取扱説明書をご覧下さい。
尚、この商品を使用して事故が起きた場合、我が社は一切責任を取りません。


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殴り込み!大和の神々


先手必勝 それがゲームのコツ

by白咲狂夢


 

楼夢side

 

 

「さーて、行きますか」

 

 

俺は現在大和の神社の階段前にいる。両腕には大量の菓子が入れられた袋がぶら下がっていた。いやね、中々気に入っちゃったから買っただけさ。決して諏訪国の団子屋より大和の団子屋の方が美味いなんて思っていないからね。

 

 

「........なんか飛んだ方が早い気が........」

 

 

それでも飛ばない理由は一つ、もし俺が飛んでいたら大和の者達に見つかる可能性が高くなるのだ。争い事は基本的に避けるのが常識ってもんだぜ。

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

一体何時間登っただろうか?俺は昼に階段を登ったのだが現在の時刻は夕方。カラスが鳴いたら帰る時間だ。

これだけ一生懸命登っているのだが流石に疲れた。........いっその事“亜空切断“で亜空間と空間を切り裂いてテレポートしようかと考えたが、あれは燃費が悪いのでやめた。

 

 

 

 

三十分後、長い眠いダルイお家カエリタイ。

 

「だーもう、長過ぎる!何時になったら辿り着くんだ........よォ!!!」

 

 

俺はとうとう暇つぶしに辺りに弾幕やレーザーなどをぶち込む。音に気付いた連中はこっちに来る前に狂夢が作ったスナイパーライフルで射撃する。

神様達が空から地へと墜落する様は中々壮快であった。『超☆エクサイティング!!!』と叫びたい。

 

 

そうこうしてる間にどうやら神社に近づいてるみたいだ。その証拠に神社の方から神力が感じられるからだ。

 

 

「あ、瞬歩があるじゃん。なんで今まで気が付かなかったんだろう?」

 

 

俺は早速瞬歩を使い、神社へと向かう。

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

「....着いたか........」

 

 

俺はやっと大和の神社に辿り着く。神社は洩矢神社とは比べ物にならない程大きく、豪華な装飾が施されている。正直言ってこんなのに金を使うなら階段をもちっと短くして欲しいよ。

........まあ、気合い入れて行きますかね。

 

 

「誰だ貴様!?」

 

「私だ!!」

 

「そうかそうか貴様か........って待てぇい!!」

 

「ん、なんスカ?」

 

「何ではない、貴様、何者だ!」

 

「あー、バレちった」(テヘペロ

 

 

あー惜しかった。もう少しで門番を騙せる所だったのに。最終手段として色じかけもあるがこれは絶対使いたくない。しゃーない、予定変更プランBを決行する。

 

 

「俺は諏訪の使者の者だ。諏訪の神に代わってあいさつに来た」

 

 

俺は諏訪子から貰った紙を門番に渡す。すると彼はすんなり通してくれた。パスポートのようなもんなのかねぇ?

 

 

俺は門を抜ける。するとそこにはまるで待っていたかのように女性が立っていた。

 

 

「こんにちは、本日はどう言ったご要件で?」

 

「諏訪の使者だ。お前らの大将と話しがしたい」

 

「........成程、ご要件は分かりました」

 

「ほう、なら通「ズバリ、克服しに来たんですね!」あぁん?」

 

「正しき判断です。貴方達ごときが偉大なる大和に歯向かうなど見苦しい。さ、中へ入ってください」

 

「........」

 

 

今俺が思った事を言おう。この女超うぜぇ。ゲロ以下の匂いがプンプンするぜぇ!!

既に俺は我慢の限界に達している。このまま馬鹿にされると、怒りで大和を滅ぼしそうだ。

まあ今は我慢だ。

 

 

 

 

俺はこのクズ女に案内されて、この国の大将の所に向かっている。いよいよか........いつでも戦闘出来る用にしよう。

 

俺は扉から数歩間を空ける。そして一気に助走をして........

 

 

「おっ邪魔するぜなぁぁぁ!!」

 

 

そのままライダーキックで扉をぶち破り、入室する。扉をぶち破るのって最高ー 。

中には沢山の神様達がいた。みんな俺を睨んでる。俺は悪くねえ、悪いのは蹴破って欲しいと言った扉だ。

 

 

「無礼者!出直せ!」

 

「だが断る☆」

 

「なんだと........」

 

 

めんどい、本当に。入った直後から戦闘開始かよ。

 

 

「いい加減にしろ!!!」

 

 

俺と神が戦う前に一人の女性が止める。

 

女性の容姿は紫がかかった青髪を持ち、赤で統一された上着を着ている。そして背中には注蓮縄と呼ばれる物を輪にした物と御柱だっけ?まあいい御柱を背負っている。一言言うと変わった服装だねえ。永琳よりは服のセンスはあるが背中の物重くないのか?

 

 

「部下が迷惑を掛けた。私の名は八坂神奈子(やさかかなこ)、軍神だ」

 

「おっとこちらも熱くなって悪かった。白咲楼夢、一応諏訪の使者だ」

 

「ほう、でその両腕にぶら下げてある物はなんだ?」

 

「団子です」

 

「........すまんもう一度言ってくれ」

 

「団子です」

 

「なんでそんな物此処に持ってきているんだ!!一応此処敵地だぞ!!」

 

「気にするな!」

 

「はあ、で要件はなんだ?」

 

「諏訪の国はあんたらの要求は飲めないだとさ」

 

「よろしい。ならば戦争だ」

 

「いいんじゃないかな」

 

「気に入った。あんたとはいい酒が飲めそうだ。後時間は一ヶ月後こちらが指定した場所で」

 

「分かったぜな。じゃあねー」

 

 

俺はそう言いこの部屋から出ようとする。すると大きな炎の玉が俺に襲いかかった。

 

 

「“羽衣水鏡“」

 

 

俺は結界を発動させ炎をかき消す。そして炎を放った神を睨む。その神は金髪でとても美しく俺を見るとまるでけなすように笑った。

 

 

「おいおいいきなり攻撃とか礼儀ってもんを知らねえのか?」

 

「「「「(扉蹴破って壊したお前が言うな!!!)」」」」」

 

「いえいえ、ただ()()がいたので掃除しとこうかと」

 

「!........へ~見破ってたか。やるね~。でも妖怪でもいい奴と言うのはいるもんだよ」

 

「貴方がどういう者かではありません。貴方がいる事に問題があるのです」

 

「........どういう意味だ?」

 

「穢れ風情が此処にいるだけで我々の神聖な空気を汚してしまうでしょ」

 

 

その時、()()の中の何か大事な物が弾けとんだ。

 

 

「「いいじゃねぇか。殺ってやる。名乗りな、ハゲ神」」

 

 

楼夢の声と何か別の声が混じって彼女に話す。

 

 

「........いいでしょう。私の名前は天照大御神(アマテラスオオミカミ) 。太陽を制する最高神です」

 

「「一ヶ月後まで覚えといてやるよ。そして戦場に白く塗られた狂気の宴を。ヒャッハハハハ!!!」」

 

 

こうして、大和の国での仕事は終わる。そして新たな戦いが巻き起こされる。

 

 





~~今日の狂夢『様』~~

「やっと本編に出れたァァァァァァァ!!!!!」

「少し投稿が遅くなってすみません。作者です」

「ウェエエエエエエイ!!!!!狂夢だ」

「さて今回は予定変更して狂夢さんを出しました。ちなみに何故あの時ブチギレたんですか?」

「作者よ、穢れとは何だ?」

「妖怪ですかね?」

「妖怪を言い換えると?」

「魔物........ですかね?」

「魔物と言えば?」

「........あっ」(察し)

「そう奴は全ドラ●エファンを馬鹿にしやっがたんだ!ふっざけんじゃねえぞ!!」

「やっぱりか ........」

「打倒!!ハゲ照らす大微髪!!!殺ってやるぜゴラァァァ!!」

「誰だよハゲ照らす大微髪って!?」


そんなこんなで今日も精神世界は平和である。


「何処が平和なんだよ!?ナレーターさん助けて!!」


だが断る。



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狂夢『様』の死行メニュー

人も神も天を舞う星々も 俺の手の平の上も同然

等しく平等

by白咲狂夢


 

 

 

楼夢side

 

 

「........というわけで戦争になりました」

 

「やっぱりか........そう簡単に交渉にのってくれるわけないよね」

 

 

諏訪子はかすれた声で小さく呟く。恐らく俺がいない間に戦争をした時の事を考えていたのだろう。

 

 

「どうしよう........私じゃあ大和には勝てない。それだったら、大人しく国を明け渡した方が........」

 

「諏訪子........」

 

「諏訪子様........」

 

 

諏訪子は誰に語り掛ける事もなく一人でブツブツと呟く。その表情は不気味にも笑っていた。

 

ーー狂気

 

そう呼ぶに今の諏訪子はふさわしい。

 

 

「ハッ........ハハハハハ、当たり前だよね。強い者が出て来たら弱い者が負けるのは........だったら国を明け渡して私なんか消えた方が........」

 

「諏訪子!!!」

 

 

俺はそのあまりにも情けない諏訪子の姿に俺は怒鳴る。

 

 

「なっ何さ!?」

 

「諏訪子........一応言っておく........お前が国を明け渡すのは自由だ」

 

「だったらーーーー」

 

 

俺に喋る前に諏訪子の言葉は遮られる。そして、俺は続ける。

 

 

「もし、お前が国を明け渡したら........早奈はどうなる?」

 

「!?」

 

「もし、お前が国を明け渡したら........慕っていた民達はどうなる?」

 

「........っ!」

 

「別に諦めるなとは言ってない。戦いでは時には退く事も大事だ。。だが、もしお前が国を明け渡せば全てが終わる。頭を冷やせ、そして周りを見ろ。今のお前は........一人じゃねえだろ?」

 

「!!」

 

 

諏訪子は思い出したかのように首を上げ、早苗の前に立つ。そしてその一言に己の気持ちを込めて、謝る。

 

 

「早奈........弱気になって、ごめんなさい」

 

「いえ、いいですよ........信じてますから」

 

「うん」

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

 

「さてと、修行の準備はできたか?」

 

「出来たよー。神奈子でもなんでもかかってこい!」

 

『おい、楼夢この餓鬼大丈夫か?』

 

「(現時点じゃ神奈子には勝てない。その為の修行だろ?)」

 

『ふーん。まあ修行メニューは作っておいたから感謝しろ』

 

「(はいはい、サンキュー)」

 

 

今回諏訪子はデタラメに修行したって勝てない。その為に大和に行った時に神奈子を観察してたのだ。俺はあの時巫山戯たが、全て神奈子に悟られない為の布石に過ぎない。

おまけに俺の相手はあの天照と()()()だ。

 

俺はあの大和の神社で神奈子や天照の他に一つ巨大な神力を感じた。しかもその神力の持ち主を俺は知っている。

 

つまり、俺は事実上の二対一になるのだ。対策の一つか二つ練らないと面倒な事になる。

 

 

『んじゃ餓鬼始めんぞー、って聞こえないの忘れてた』

 

「諏訪子ー始めるぞ」

 

「うん!」

 

 

 

ーー狂夢『様』の修行メニューその①

 

 

ーー階段ダッシュ

 

 

 

「ダラァァァァァァァ!!!」

 

「ヒィィィィィ!!!流石にこれは予測してないよォォォォォォ!!!」

 

 

俺と諏訪子は洩矢神社の長いことで有名な階段で階段ダッシュをしている。え、諏訪子が絶叫しているのは?それは階段ダッシュを全速力で五百往復走らねばならないのだ。

 

 

『ガンバー、あと残り四百往復だぜ☆』

 

「諏訪子ー大丈夫か?あと四百往復らしい」

 

「四百ゥゥゥゥ!!!やめて、もうケロちゃんのライフはもう0よ!!!」

 

 

そんなこんなで死行(しゅぎょう)は続く。

 

 

 

ーー狂夢『様』の死行メニューその②

 

 

ーー筋トレ

 

 

 

「よーし早速........おい諏訪子」

 

「ああ、お花畑が見えるよ」

 

『駄目だコイツ早くなんとかしないと』

 

「はぁ、しゃーない」

 

 

俺は能力で水を作り出しそれを氷結させる。すると手の平サイズの氷が出来上がる。俺はそれを諏訪子の服の中に入れる。

 

 

「ヒャウッ!!」

 

「おーし、じゃあやるぞ」

 

「ちょちょっと待って!筋力を上げる理由は?私は基本的に弾幕を使うから必要ないと思うけど?」

 

「ああ、確かに今までのお前には必要ない。だが俺が見た限り神奈子の筋肉の質はお前より圧倒的に高い。ただでさえ神力で負けてるお前が更に不利になる。その為の筋肉の修行だ」

 

「ぐぐっ」

 

「理解出来たならさっさとやるぞ」

 

 

今回鍛える筋肉は腹筋と腕の筋肉だ。神奈子の筋肉の質から、彼女は中間距離で戦う。そして諏訪子も中間距離で戦うタイプのようだ。俺に出来る事は神奈子と諏訪子の身体能力の差を無くす事。

俺にはそれしか出来ない。

 

 

 

ーー狂夢『様』の死行メニューその③

 

 

ーースパーリング(練習試合)

 

 

 

「今日最後のトレーニングだ。全力で来い」

 

「勿論、手加減はしないよ!」

 

『さーて始まりました練習試合。実況は白咲狂夢がお送り致します』

 

「お前は黙ってろ!!」

 

『もっと........アツくなれよォ!!!』(修造)

 

「なにごちゃごちゃ言ってん........の!」

 

 

諏訪子は俺に向けて弾幕を放つ。そして時には能力を使い岩などで攻撃して来る。

 

俺は桜の花弁のような形をした弾幕を放つ。それは小さいが楼夢はそれを一瞬で一万個創り出し飛ばす。

 

 

『おーと楼夢ここで弾幕を出した!桃色の波のような全包囲攻撃に餓鬼はどうする!?』

 

「ちょお........それはないで........しょ!!」

 

 

諏訪子は能力で土の壁を作り弾幕を防ごうとする。だが一万の弾幕の前では数秒しか持たない。だがその数秒は脱出には充分過ぎる。

 

 

「お返しだ!」

 

 

諏訪子は愛用の鉄のチャクラムを全て取り出し楼夢に投げる。その数約二十個。

 

 

『チャクラムの雨が楼夢に降り注ぐ!これで........』

 

「これで........止めだぁ!!」

 

「........それでやられる程俺は甘くないぜ」

 

 

瞬間、舞姫がきらりと青白く光る。青白い剣先から放たれるのは三日月を描く斬撃。

 

 

「霊刃“森羅万象斬“」

 

「ふぁっ!?」

 

 

諏訪子のチャクラムは全て青の斬撃に呑み込まれる。そして

 

 

ドゴオオオオン

 

 

ピチューん

 

 

『「あ........」』

 

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

此処は精神世界。この世界には天をも貫く無数の摩天楼の群れがある。そしてその中の一つにこの世界の主神ーー白咲狂夢は住んでいた。その住処に辿りつける可能性は約数十億分の一。つまり、彼の住処に辿り着く事はほぼ不可能なのである。そう、ただ一人を覗いて........

 

 

 

 

 

 

「はぁー、疲れたな」

 

「ったく、てめえはなんでまた関係ない事に首を突っ込んでんだか。お陰で俺はてめえらの死行メニューを考えなきゃいけねえハメになったんだぞ」

 

「そういうわりには作ってくれたじゃん。」

 

「今回だけは負ける訳にはいかないだけだ」

 

 

そう言い狂夢の瞳は緋色に光る。今まで俺は気付かなかったがどうやら八岐大蛇になった影響で俺の緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)の色が名前通り緋色の一色に染まったみたいだ。

 

狂夢は俺に5枚のトランプを配る。

現在俺達は狂夢が住んでいるビルの一室でポーカーをしている。このビルは半壊しているので、入口はない。だから窓から入る事になる。そしてビルの中に入ると自動的に狂夢の家にワープするようだ。

 

この家にはいろいろな部屋がある。狂夢が今まで作った発明品がある部屋、そしてその研究室、他にも普通の家庭なら必ずあるキッチンなどがあった。どうやらこの家は狂夢が空間を弄っているみたいだ。中でも一際大きい部屋は“時狭間の部屋“と呼ばれる部屋だった。

 

この部屋には地球が誕生してから起こった大きな出来事を記した本が大量にある。よって部屋の天井は見る事が出来ず棚も大量にあった。狂夢に聞いた所どうやら本の数は億を超えているようだ。ちなみに作者は全て狂夢である。どうやら彼の【森羅万象を司る程度の能力】で過去に起こった出来事を見る事が出来るらしい。

 

........とまあそんな事より今はポーカーだ。俺はカードを2枚チェンジし宣言する。

 

 

「勝った!九のフォー・オブ・ア・カインド」

 

「残念。ロイヤルストレートフラッシュ。俺の勝ちだな」

 

 

そう言い狂夢はニヤニヤする。コイツがやったことは分かっている。イカサマだ。狂夢は普段引きこもってゲームをしていて、ゲーム関連の物で狂夢に勝てる物はいない。特にポーカーのようなイカサマし放題のこのゲームではコイツは無敵だ。まあ気付けなかった俺が悪いんだが。

殴りたい、その笑顔。

 

 

「そう言えば頼んでいた物が出来たぜ」

 

 

狂夢は巫女服の袖から片方しかないピアスを取り出す。ピアスの先には瑠璃色の光を放つ水晶が埋め込まれていた。

 

 

「いい出来........だがなんでピアスなんだ?」

 

「お前に似合いそうだったから。良かったね☆」

 

「良くねえよ!後お前も俺と同じ顔だろうが!」

 

「まあまあ。そんなことより作戦の方は出来たのか?」

 

「まあ........な」

 

「肝に銘じておけ。俺達“白塗(しらぬり)の巫女“にーーーー」

 

「ーーーー敗北は許されない........か。分かってるぜ、そんなこと」

 

「ならいい」

 

 

狂夢はトランプをシャッフルし始める。どうやらまだまだ二人のゲーマーの戦いは続くようだ........

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

「........姉さん。お呼びですか?」

 

 

此処は大和の神社。その一室では二人の男と女の最高神が話し合っていた。

 

男の神の名は須佐之男命。かつて伝説の大妖怪“八岐大蛇“と戦った神である。彼は今自分の姉に呼ばれこの部屋に来た。

 

 

「ええ、須佐之男。実は聞きたい事があるんです」

 

 

姉と呼ばれた彼女は天照大御神。先日楼夢に喧嘩を売った太陽の最高神だ。

 

 

「........なんですか?」

 

 

須佐之男は天照の聞きたい事に疑問を持つ。なぜなら彼女は須佐之男よりも頭の回転が早く彼女が須佐之男に何か聞いても答えられない事が多いのだ。

 

 

「私は........ハゲてるように見えますか?」

 

「いやいや姉さんのどこを見たらハゲてるんですか!どうしたんですか一体!?」

 

「実は........この前諏訪子の使者として来た妖怪にハゲ神って言われたんです........グスン」

 

「ああ、姉さん泣かないで!こんなところで泣いたら........」

 

「ウ“ワ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ン!!!私はハゲてないもん!!ううぅ........」

 

 

天照はあまりのショックに泣き出す。カリスマブレイクと言う奴である。

 

 

「(ああ、姉さんが今まで作り上げてきた威厳が崩れてゆく........)」

 

 

天照は意外に精神攻撃に弱かった。

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

「ちなみに狂夢」

 

「なんだ?」

 

「リビングにサンドバッグがあったんだがそれは?」

 

「良いだろ別に」

 

「それにサンドバッグに張り付けてある写真の人って天照じゃあ........」

 

「........」

 

「あ、逃げんなゴラァ!!」

 

 

 

 




~~今日の狂夢~~

「三年E組ーーーー」

「「「「「教えて、狂八先生!!」」」」」


緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)の色が今話で変更しました。理由はやっぱり分かりにくいと思ったから。狂夢だ」

「諸事情によりこれから三日間の間投稿出来ません。そして今話4000文字突破しました。作者です」

「さーて今回は何について説明するんだ?」

「今回はこの小説での霊力・妖力・神力について説明したいと思います」

「はいはい、まず霊力・神力・妖力はそれぞれの種族が使える事は知ってるな。そしてこの三つの力にはそれぞれ得意な事や性質が違う。例えば妖力は妖怪が持っていて主に攻撃や身体能力強化に使われる。そしてこの力は傷を治すのに向いていない。例えば右腕が消し飛ばされたとする。そして妖力でそれを無理矢理治そうとすると、グチュグチュと言う音を立てながら新しい右腕が生えてくる。この時再生能力を上げて無理矢理治したので腕が生えてくる時は発狂するほど痛い。つまり妖力は攻撃や身体能力強化にしか使えないと言う事だ。

次に霊力は主に人間が持っていて攻撃の他に結界術や回復にも使える便利な力だ。これの弱点は霊力は身体能力強化にはあまり向いていないと言う事だ。そして傷を治す時はその傷の深さによって膨大な量の霊力を必要とする。つまり傷は治せるが大きな傷を治すと大量の霊力を消費するという事だ。

霊力と妖力は互いに混ぜ合わない性質を持っている。つまり、霊力と妖力を合わせた術は作る事が出来ないと言う事だ。例外に、楼夢は能力で二つの形を無理矢理結びつける事も出来る。

最後に神力は主にバランス型だ。得意な事も無ければ弱点も無い。唯一のデメリットは誰かに信仰されてなければ力は使えないと言う事だ。

神力は霊力・妖力との相性が良くこの力を使えば霊力や妖力を混ぜた術を作る事が出来る。

これでいいな?」

「はい、いつも通り長い説明ありがとうございます」

「あぁん?」

「いやなんでもないっす。それにしても今話で色々な謎が出て来ましたね。狂夢さんが渡した不思議なピアス、そして“白塗の巫女“。他にも楼夢さんは何故死んだのか、など?」

「楼夢の過去編はいつやるんだ?

「多分前編が終わった後ですね。つまりまだまだ先と言う事です」

「成程ね。じゃあ俺はサンドバッグ叩きに行くからチャオチャオ」


ドゴオオオオン


「(一体誰を殺す気なんだろう?)」


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突撃!諏訪子大戦

人は黒く

血は朱く

そして世界は灰色


嗚呼、もし私が白ならば全てを染め上げられるのに


by白咲楼夢


 

朝ーーそれは全ての始まりでもあり、終わりでもある。そして今日はそれぞれの始まりを示していた。

 

 

 

 

 

「そろそろ出発のお時間です。須佐之男様」

 

「ああ、神奈子。........行きましょう姉さん」

 

「........ええ、全てはーーーー」

 

 

 

 

ーーーー大和の平和の為に

 

 

 

 

 

ーーある者は己の国の平和の為

 

 

 

 

 

「さあ、気合い入れて行きましょう!」

 

「うん!この一ヶ月の地獄の死行の成果を見せてやる!!」

 

「おいおいそれじゃあまるで俺が鬼のようだと言っているようじゃないか。まったく........まあさっきの団子が最後の晩餐にならない事を祈ってるぜ」

 

「「あかん、それフラグや!!」」

 

 

 

 

 

ーーある者は守るべき愛人達の為

 

 

 

 

ーーそしてある者は........

 

 

 

 

ドッゴォォォォォン

 

 

 

「オッシャァァァ!覚悟しろよハゲ照らす大微髪!!このサンドバッグのようにグチャグチャにしてくれるわ!」

 

 

 

 

 

ーーある者は自らの誇りの為に戦う。

 

 

 

 

ーーそして運命の戦争が今始まる。

 

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

 

「........着いたか」

 

 

現在俺達は指定された平原にいる。向こうに見えるのは大和の軍だろう。流石に多い。取り敢えず此処ならいくら地形破壊しても文句は言われないので嬉しい。

 

俺は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を開き大和の軍に向けて視界をズームする。大和の軍の中心にいるのは........ハゲ照らすと須佐之男と神奈子か。まあ最初はこの軍を全滅させなきゃね。

 

 

『楼夢!速攻でハゲ照らすを倒すぞ!』

 

「(戦わない癖に何威張ってんだよ。まずは軍からだ)」

 

『何言ってやがる!俺はセコンドとして戦うんだよ!』

 

「(寝言は寝てる時に言いやがれ!!)」

 

 

さてこいつの事よりまずは軍の方からだな。諏訪子が持っている兵はミシャグジと呼ばれる白い蛇と早奈だけだ。対してあちらは数えて約一万の神兵を持っている。まあ、一万なんて今の俺には余裕だけどな。

 

 

「楼夢、そろそろ始まるよ」

 

「はいはい、まあ二人共死ぬなよ」

 

「お役に立てるかどうかわかりませんが私、頑張ります!」

 

「私は死んでも信仰がある限り生き返るから大丈夫」

 

「........死亡フラグ乙」

 

 

俺らがそう話し合っていると大和の軍勢が唸り声を上げて突撃して来た。どうやら始まったようだ。

 

 

「........始まったね。総員散開!大和の神兵を蹴散らせ!!」

 

「んじゃ俺は大和の軍勢を皆殺しにして来るぜ」

 

 

そう言うと俺は大和の部隊の内の一つに突っ込む。いけない、どうやら狂夢がいるせいで言葉が少し乱暴になってるようだ。

 

 

大和の軍には全部で八個の部隊がある。そしてそれら全てで敵を包囲して倒す。まあ俺には都合が良い。

 

 

俺は瞬歩で神兵の目の前に移動しその首を綺麗に狩る。首があった場所からは噴水のように血が溢れ出ていた。

 

神というのは信仰があれば何度でも蘇る。つまり今回はわざわざ手加減して戦う必要はないのだ。

 

 

「き、貴様ァ!!よくもーーーー」

 

「五月蝿い、“竜の息吹“」

 

 

俺は【八岐大蛇状態】になり尻尾の口から灼熱の炎を吐き出す。神兵達は炎に巻き込まれ数十名が息絶える。

 

 

「「アハハハハ!!さあ、もっと私達を楽しませろよ!!!」」

 

 

桃色の蛇狐は高らかに笑い狂う。その左目は血のようにも見える緋色に染まり、右目は瑠璃色の凍てつく光を放っていた。

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

 

此処は大和の部隊の中で最も強力な神々が集まっている一番隊。その中では一人の神兵が己の軍の大将に報告しに来ていた。

 

 

「神奈子様!八部隊の内六番隊が........全滅しました!!」

 

 

その事を聞いた時大和の神々はざわざわと話始める。ある者は全く信じず、ある者は不安で押し潰されそうになる。天照は皆に指示を出し落ち着かせる。だが彼女も内心は驚いていた。当たり前だろう。各部隊には千を超える神兵が陣を組んでいる。その内の一部隊が約十分で全滅したのだ。驚くなと言う方が無理だろう。そして天照に新たな凶報がやって来た。

 

 

「神奈子様!!三番隊に巨大な流星群が降り注いで、間もなく壊滅寸前です!!」

 

「神奈子様!!御報告です........七番隊........が急に氷付けにされ........私以外が........全滅しました」

 

 

その報告で神奈子達の背筋が凍る。だがこの中で須佐之男だけが冷静だった。

 

 

「七番隊を全滅させたのは誰だ!?答えろ!!」

 

 

須佐之男はそう生き残った神兵に問う。

 

 

「桃色の........髪を持つ........妖怪」

 

 

そう呟くと神兵は力尽きる。そしてその事を聞いた須佐之男から大量の冷や汗が溢れ出ていた。

 

 

「(桃色の妖怪!?........そんな........まさか!?)」

 

 

須佐之男の脳裏に一人の妖怪の顔が浮かぶ。そして最悪の事を考えた須佐之男は全兵に命令する。

 

 

「各隊に伝えろ!各部隊は互いに協同しその妖怪を倒す事だけを考えろ!!」

 

「しかし、それでは諏訪の兵達が........」

 

「諏訪の兵と祟り神は俺と姉さんがなんとかする!急げ!奴が此処に来たら不味い!」

 

「ハッ!」

 

 

周りの神達が動き出す。須佐之男は各部隊と言った。つまり、此処一番隊も動かなければならないのだ。そして大将を守る者が一人もいなくなるこの馬鹿げた策に天照は疑問を立てる。

 

 

「何故一番隊まで行かせたのです?お陰で我々の周りの兵は0です」

 

「奴が本当に此処にいるなら大和の全部隊でも全滅する可能性がある。つまり奴が戦っている間に諏訪の神を倒せばいいんですよ」

 

「........成程、貴方にしては考えましたね。そしてもう一つ、貴方はあの妖怪について何か知っているようですが........」

 

「........ええ、知ってます。あいつはーーーー」

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

「オラオラァ!!死ねぇ!!」

 

「吹っ飛べゴミクズ共!!」

 

「「「ウワァァァァァ!!」」」

 

「破道の九十“黒棺(くろひつぎ)

 

「「「ひっ........ギャアァァァァァァ!!!」」」

 

 

俺は霊力で造られた黒い長方形で神兵達を囲い中で圧殺する。どうやら俺も狂夢もすっかりヒートアップしているようだ。

 

現在俺は七千を超える大和の軍勢と戦っている。それぞれの三つの部隊をどうやって全滅させたかと言うと、俺の【八岐大蛇状態】の時のみ使える木、火、土、金、水、風、光、闇の力を持つ蛇達の内、火、土、水の力を使って敵を倒した。ただそれだけである。でも流石に空から巨大な岩を流星群みたいに落としたのはやり過ぎた。

さてそんな事よりどうやら各部隊が俺に集中して集まっているようだ。まあ、楽しいからいいとしよう。

 

 

「「死に晒せ!!“二十二枚のタロットスペル“『(タワー)』」」

 

 

無数の稲妻が神兵達を串刺しにする。今のは俺ではなく、狂夢が勝手に攻撃したのだ。俺も興奮しているせいで狂夢を上手く制御出来ていないようだ。

 

 

「「邪魔だァ!!破道の八十八“飛竜撃賊震天雷砲“!!」

 

 

俺らは周りの神兵に青白い巨大な閃光を放ち消し飛ばす。だが後残り六千人程いる。........一気に決めるか。

 

俺は左耳に付けてあるピアスの水晶を触る。すると水晶はピアスから外れて占いで使われる程の水晶玉と同じくらいの大きさになる。

 

この水晶玉の名は“魔水晶(ディアモ)“。この水晶玉にはあらゆる術式を使う時に必要になる。他には霊力を妖力に変えたりする等の事が出来る。つまるところ、これは大きな術式を創り出す時や、使う時に大きな助けになってくれるのだ。

 

 

「軍相八寸退くに能わず」

 

 

俺は魔水晶(ディアモ)を左手に持ち術の詠唱を始める。

 

 

「青き閂 白き閂 黒き閂 赤き閂

 

相贖いて大海に沈む

 

“竜尾の城門“ “虎咬の城門“

 

“亀鎧の城門“ “鳳翼の城門“」

 

 

俺は大和の軍勢を囲むようにそれぞれ竜、虎、亀、鳳凰の門を出現させる。

 

 

「“四獣塞門(しじゅうさいもん)“」

 

 

俺は大和の軍勢を超巨大な結界に閉じ込める。魔水晶(ディアモ)のお陰で通常の百倍以上の大きさの結界を貼る事が出来るようになった。

だがこの結界はただ閉じ込める為の物ではない。

 

俺は指をパチンと鳴らす。すると、虎咬の城門が少しだけ開く。

俺は右手に膨大な量の霊力、妖力、神力を込める。通常、霊力と妖力は相性が悪いが魔水晶(ディアモ)の能力で上手く調和させている。

 

 

楼夢の右の手の平の上に七色の光が集まり始める。その光はオーロラのようにも見え、とても幻想的な色であった。やがてその光はバチバチと音を立てながら眩しい程に輝き出す。

 

 

「天災“天の光(ユニバースレイ)

 

 

楼夢は右手に集まった光を虎咬の城門に向けて放つ。そして........

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーオーロラの光が地から天にある物全てを貫いた。

 

 

 




ども、皆さん作者です。現在精神世界で狂夢さんの家の中にいます。というか閉じ込められました。どうやら防犯対策の為に私を閉じ込めたようです。

........ていうかこんな世界に来客なんて来るかよ!


「宅配便でーす!」


........(゜Д゜)


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戦いの歌


剣無き兵士は戦場では必要ない

覚悟無き兵士も戦場では必要ない


by須佐之男命


諏訪子side

 

 

現在私は大和の軍の大将ーー八坂神奈子と戦う為大和の陣営に向かっている。

私は戦争だというのにまだ道中一人も敵と遭遇していない。どうやら楼夢が全ての兵を相手にしてくれているお陰のようだ。一万を超える神兵を相手にするのは無茶過ぎるが仕方が無い。そんなことよりまずは神奈子を倒す事が優先だ。

 

私がそう考えているとズゴオオオオンっと言う大きな音が後ろの地から鳴り響く。私はすぐに後ろを向いた。その先には薄い緑を被ったとんでもない大きさの光の柱が地から天を貫いていた。しかも柱が出現した場所を私は知っている。そこは楼夢が神兵達と戦っていた場所であった。

 

 

「楼夢!!」

 

 

私は大きな声を出すと急いで楼夢の所に戻ろうとする。その時、光の柱が物凄い力と共に爆発する。私は遠くにいた為直撃はしてないが衝撃波で吹き飛ばされる。

 

そしてまるで狙っていたかのようなタイミングで大きな炎の玉が着地地点に飛んでくる。

 

 

「ぐ........ハアァ!!」

 

 

私は土で自分を囲い炎を防ぐ。そして炎が飛ばしてきた金髪の女性を睨み付ける。

 

 

「いきなり攻撃なんて卑怯じゃないか。........まあ兵士が一人もいないようだし丁度いい。一対一なら........勝てる!」

 

「........何やら勘違いしていません?一対ではありません、一ーーーー」

 

 

 

 

ーーーー三対一ですよ!

 

 

彼女がそう言うと後ろから御柱が幾つか飛んで来る。私は上に飛ぶ事で攻撃を避けるが男の神が空に待ち構えていた。男はその刀で私を斬りつける。私はその攻撃を避けきれず受ける。

 

 

「........ガハ!」

 

 

私は上手く受け身を取れずそのまま地面に落ちる。

 

 

「改めて自己紹介をします。私の名は天照大御神。太陽の最高神です。そして隣にいるのが私の大和の軍神“八坂神奈子“です」

 

「おいおい姉さん俺は紹介しないのかよ」

 

「おっと、申し訳ございません。そして私の弟“須佐之男命“です」

 

 

彼女達はそれぞれ自己紹介をしてくる。その反面私は心の中では不安でいっぱいだった。

 

 

「三対一なんて........卑怯だね」

 

「........お喋りは此処までです。貴方には灰となって消えてもらいます」

 

 

天照が私に攻撃をしようとする。その瞬間

 

 

「必殺“アイスバケツチャレンジ“」

 

 

誰かの声が私の耳に聞こえた。女とも男とも取れぬその聞き心地よい声の持ち主を私は知っている。

 

 

「何者........ガア!!」

 

 

突如天照と須佐之男の頭に大量の氷水が入ったバケツが落ちる。二人はそれに気付く事無くびしょ濡れになった。

 

 

「つ、冷たァァァァ!!」

 

「ったく、弱い者虐めは関心しねえな。........助けに来たぜ、諏訪子」

 

「........遅いよ、楼夢」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「さて、なんとか間に合ったか」

 

 

俺はびしょ濡れになっている須佐之男と頭からバケツを被っている天照を見つめる。大和の兵は全滅させといたから問題無い。

 

 

“ユニバースレイ“は地上から天をも貫くオーロラのような光の柱が立った後、それを爆散させ全ての敵を消滅させる俺の術の中では最も威力が高い術だ。これの欠点は妖力、霊力、神力の消費が物凄く多い事だ。本当はまだ天照戦や須佐之男戦を控えてる時に使いたくはなかったが今日はついている。

 

俺は懐から一枚のタロットカードを取り出す。そのカードには『魔術師(マジシャン)』と書かれていた。このカードの能力は妖力等の力を数分間消費しないと言うかなりのチート能力だ。俺はこれを使う事で力の消費を抑えたのだ。

 

 

「楼夢、てめぇ!服がずぶ濡れじゃねえか!!」

 

「ヒイィィィィン須佐之男ォォォォ!!!暗いよ、怖いよォォォォォ!!!」

 

「天照様、落ち着いてください!」

 

 

案の定三人共カオスになっている。おまけに須佐之男とハゲ照らすには地味な精神ダメージを与えた。まさにこれぞ一石二鳥。

 

 

「ウワァァァァァァァァン!!!!!」

 

「ね、姉さん落ち着いてほら........どうどう」

 

 

須佐之男がパニックになった天照をなだめる。俺はその間に神奈子に話しかける。

 

 

「神奈子、お前には今から諏訪子と戦ってもらう。そしてその勝者で戦争の結界が変わる。つまり諏訪子が勝てば大和は諏訪子に。逆に神奈子が勝てば諏訪は大和に従う。これでどうだ」

 

「........此方に利益が無いな」

 

「利益ならあるさ」

 

 

そう言い俺は妖力を全開にし神奈子を睨む。

 

 

「「俺が須佐之男と天照を倒した後あんたは俺と戦わない。それが利益だ」」

 

「........っ。分かったよ」

 

「お前もそれでいいな?須佐之男」

 

「ああ、いいぜ。丁度この前の借りを返す時が来たようだ!」

 

 

そう言い須佐之男は俺が授けた妖刀“天叢雲“を行きよい良く引き抜く。

 

 

「という訳で諏訪子、頑張れよ」

 

「うん、必ず勝つからそっちを負けるんじゃないよ!」

 

「ハッ、誰に言ってやがる」

 

 

俺はそう軽口を叩くと“舞姫“を引き抜き封印を解除する。

 

 

「行くぞ、須佐之男!」

 

「さあ来い、楼夢!」

 

 

二人がそう叫ぶと二つの剣が交わる。二人はその後軽くバックステップをする。そして須佐之男は教科書通りに刀を垂直に構えるオーソドックススタイルを取る。一方楼夢は刀を持った右手をだらんと下に垂らして構えている。

 

須佐之男はまず様子見に素早く刀を振るう。楼夢はそれを刀で上に弾くと須佐之男に急接近する。そしてそのまま踊るように回転しながら斬りかかる。

 

須佐之男は懐に潜り込んだ楼夢に刀を振り下ろすが楼夢はそれに合わせて垂直に刀を振り上げた。須佐之男はそれを勘で紙一重に避ける。そしてそのまま後ろに大きくバックステップをした。

 

 

「........どうやら剣術の腕は超一流を通り越してるってとこか」

 

「まあね、少なくとも剣術ならお前には負けないよ」

 

 

須佐之男はそれを聞いたと同時に楼夢を真横に薙ぎ払う。だが楼夢は上半身を限界まで反らして攻撃を避ける。そしてそのまま有り得ない角度から斬撃を放つ。

 

 

ザシュッ

 

 

「グフッ!!........どんな身体をしてんだよ全く」

 

 

楼夢は須佐之男の死角から斬りつけた。

 

 

楼夢の下半身(主に足腰)の筋肉はとても多い。それ故に楼夢は常人では有り得ない360度全ての角度から刀を振るう事が出来る。そしてそれは科学的要素を得た教科書通りの剣術を根本からひっくり返す楼夢の剣術には無くてはならない物であった。

 

 

ーー誰にも習得する事も真似する事も出来ない。それが楼夢が導き出した楼夢の剣術だ。

 

 

「狂華閃一“(せん)“」

 

 

楼夢は須佐之男を真横に思いっきり振り切る。その斬撃は赤い光を纏った孤を描きながら須佐之男の上半身に襲いかかっていた。だがそこは流石須佐之男と言うべきだろう。須佐之男はぎりぎりの所で刀で刃を受け止め防いでいた。

 

 

「隙あり!“天叢斬(あまのざん)“!」

 

 

須佐之男の天叢雲から炎が吹き出し、そのまま楼夢に斬りかかる。余談ではあるが天叢雲は何かしらの力を込めれば炎が吹き出ると言う白咲印の刀である。そしてそれを造った本人がその事を忘れている筈がない。

 

楼夢は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)でその攻撃を見切ると舞姫に霊力を込める。

 

 

「霊刃“森羅万象斬“」

 

 

 

 

 

ーー青白い斬撃は須佐之男の攻撃を本人ごと吹き飛ばした。





どーも皆さん、来週から修学旅行に行ってしまうので五日間は投稿出来ないと思う作者です。ちなみに作者の本音は修学旅行に行くより家でゴロゴロしていたいです。

さて、そんな私は今狂夢さんの研究室にいます。いやー色々な物がありますね。ゴキブリ用掃除機や作者用ボクシンググローブ、他にはホモ用の幻覚を見せる薬やストーカー用超小型監視カメラ等がありました。

........ん、これは頭を良くする薬!?これさえあれば期末テストが........早速飲もう。


ツルン


あっ


パリーン


........私は知らない、何も見ていない。


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守るべき物

人は守るべき物があるほど強くなれる。

人や物、または己の誇りの為に

人はいつでも守り続ける


by須佐之男命


 

楼夢side

 

 

「........ハア、そのままお陀仏してくれりゃいいのに」

 

「痛つつ、流石に強えな。だが俺もヤラレっぱなしは性に合わないんでね、今度はこっちからだ!」

 

 

須佐之男はそう言うとまた刀を前に向けて構える。そしてそのまま天叢雲から炎を飛ばした。

 

 

「........時間稼ぎにもならねえよ、こんなもの」

 

 

ーーギア・マジックⅠ“虚閃(セロ)

 

 

楼夢は刀を握っていない左手から桃色の閃光を放つ。閃光は須佐之男の炎を貫通し、そのまま須佐之男へ向かった。

 

須佐之男は自身の【一刀両断する程度の能力】を使い閃光を縦に一刀両断する。そして地面に刀を突き刺した。

 

 

「“天地逆転(てんちぎゃくてん)“」

 

 

須佐之男がそう呟くと、楼夢の真下の地面がせり上がり、爆発した。

 

楼夢は突然の事で反応出来ず、爆発に巻き込まれる。

 

 

「ガハッ!........あんの野郎!」

 

 

楼夢は爆発に巻き込まれそのまま空に放り出される。楼夢はなんとか受け身を取ろうとするがそれを見逃す程須佐之男は甘くない。

 

 

「“(つるぎ)の雨“!」

 

 

須佐之男は地面に突き刺した刀を更に強く握るとそう叫んだ。

すると百を超える刃が空から楼夢に降り注ぐ。

 

楼夢は刀で刃を弾くが空中にいるため上手くバランスを取れず二、三個の刃が楼夢の身体を貫く。

 

 

「鬱陶しいんだよ!

 

ギア・マジックⅣ“無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)!!」

 

 

数には数と楼夢は千を超える虚閃(セロ)を放ち、全ての刃を撃ち落とした。そしてそのまま地面に着地し須佐之男に接近する。

 

 

「凍りつけ!狂華閃七十五“氷結乱舞“!!」

 

 

楼夢は須佐之男に氷を纏った七連撃を繰り出す。須佐之男は刀で防御しようとするが楼夢のスピードについていけずいくつかを貰う。

 

 

「く........この!」

 

 

須佐之男もそれに負けじと斬撃を繰り出し、戦況は激しい接近戦になった。

 

楼夢と須佐之男の刃がぶつかる度に楼夢は衝撃で後ろに下がらされていた。何故なら体格や筋力では女よりの楼夢より須佐之男の方が大きく、そして攻撃を避けるスペースの無い接近戦では元の筋力で勝る須佐之男には有利だったからだ。

 

 

「狂華閃四十“雷光一閃“」

 

「“一空牙(いっくうが)“」

 

 

楼夢は雷を纏った斬撃を、須佐之男は真空の刃を繰り出した。

 

二つの斬撃は互いに相殺しあうが須佐之男は強引に楼夢を薙ぎ払う。そしてそのまま吹き飛ばされた楼夢に向かって炎を放った。

 

 

「ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“!!」

 

 

楼夢の身体は赤く燃えながら地面に転る。須佐之男はそれと同時に地面に再び刀を突き刺し、そのまま握る手に力を込めた。

 

 

「吹き飛べェ!!“天地逆転“!」

 

 

楼夢が倒れている地面が急にせり上がりそしてーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー先程より一回り大きい爆発が楼夢を襲った。

 

 

 

「やった........のか?」

 

「「殺られてる訳無えだろ、ゴミクズ共がァ!!」」

 

 

楼夢はそう叫んだ後、須佐之男を鬼をも凍り付くような形相で睨む。今の楼夢は明らかに怒っている事は誰の目から見ても明白だった。

 

 

「「ったく、少し黙ってりゃ調子に乗りやがって。うざい野郎だ。そんな奴には裁きが必要だな」」

 

 

楼夢達がそう話し終えると、楼夢は須佐之男に一直線に突っ込む。

 

 

「(最初のように変則しながらの接近戦か........いいぜ、来いよ!)」

 

 

楼夢はそのまま須佐之男へ突進しーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー中間距離(ミドルレンジ)でその足を止めた。

 

 

「(腕を畳んで戦うなんて性じゃないだろ?)」

 

 

 

ーー俺もお前も!!

 

 

「(刀を思いっきり振れる距離で勝負かよ......!?)」

 

 

須佐之男はその楼夢の行動に驚きを隠せないでいた。何故なら刀を振り切れる距離という事は筋力で劣る楼夢には無謀な策だからだ。

 

 

楼夢は狂気的な笑みを浮かべながら不敵に笑う。須佐之男はその行為で己の迷いを断ち切った。

 

 

「それならお望み通りに振り抜いてやるよ!!」

 

「地獄に堕ちやがれェ!!」

 

 

須佐之男は渾身の一撃を楼夢に繰り出す。対して楼夢はそれに己の刃でカウンターを狙う。

 

ズギャン!!、という音がし、鮮血が辺りに飛び散る。それでも二人は腕を休めない。第二第三と次々に攻撃を繰り出す。須佐之男の斬撃が先に楼夢に当たり、刃が身体にめり込む瞬間に楼夢はカウンターで須佐之男の身体を叩き切った。

そんな事が延々と続く。だが二人の身体にも限界という物がある。そして本来なら耐久力が少ない楼夢はこの戦況は不利『だった』はずだ。

 

 

「(何故だ!?俺の斬撃が先に当たっている!!傷もかなり深い筈だ!!なのに........)」

 

 

ーー何故笑っていられるんだ!?

 

 

「「何故笑ってるかって?楽しいからに決まってんだろォ!!アハハハ!!もっとだ!!」」

 

 

ーーまだ壊れるんじゃねえぞ!!

 

 

「ち、チクショォォォォ!!!」

 

 

須佐之男は先程の楼夢の言葉を聞きこの男の本性を思い出す。この男は妖怪よりも強く、残酷な化物であると。

 

 

須佐之男の頭の中が恐怖で埋まる。それと同時に須佐之男は中間距離(ミドルレンジ)から飛び付くように近距離(クロスレンジ)に持ち替えた。

 

 

「うわァァァァァ!!!」

 

 

須佐之男は自身の恐怖が写った刃を楼夢に振り回す。だがそんな物が当たる筈も無く、楼夢はカウンターで須佐之男の腹を貫くように殴った。

 

 

「ガ........ハア!」

 

 

須佐之男の身体が痺れたかのように痙攣する。

今楼夢が放ったのは“ソーラー・プレキサス・ブロー“。通称“みぞおち打ち“だ。

 

 

人間は横隔膜の上下動により呼吸する。それは楼夢のような人型の妖怪や神とて例外ではない。

 

肝臓、脾臓、胃、横隔膜を取り巻く内蔵にダメージを与えることでジワジワとその動きを奪い呼吸困難に陥れる。

ボディブローの効果とはこれだ。ただ欠点は遅効性であること、つまり長丁場でないとその効果は表れない。

 

だが横隔膜を直接叩けたら即座に呼吸困難は訪れる。つまり即効性のボディブローが成立する。

 

横隔膜の位置とはみぞおちのことだ。

楼夢はボディブローをみぞおち(ソーラー・プレキサス)に打ち込むことで須佐之男の動きを止めたのだ。

 

 

「鬼神奥義“空拳“!」

 

 

楼夢は棒立ちになった須佐之男の顎に天空をも貫くようなアッパーを喰らわした。鮮血が辺りに飛び散り、須佐之男はなんとか踏み止まるが、その意識は途絶えていた。

 

 

「霊刃“森羅万象斬“!!」

 

 

ーー糸が切れた人形のように動かない須佐之男の身体に冷徹な光を帯びた刃が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーねえ、須佐之男。ちょっとこっちに来てよ。

 

ーー何ですか、姉さん?

 

ーーこっちこっち。此処なら大和の国を良く見れるわ。

 

 

 

 

ーー........綺麗ね、大和は。

 

ーー........そうですね。

 

ーーねえ、須佐之男。私はこの国をもっと豊かにしたいわ。そしてどんな時でもこの国を守れるようにしたいの。

 

ーー勿論俺も手伝いますよ。

 

ーー........ええ、二人で大和を守って行きましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー二人でね........

 

 

 

 

「お........あァァァァァァァ!!!!!」

 

 

突如、須佐之男が意識を取り戻した。そして刀を握る手に力を込める。

 

 

「俺は........俺は........負けられねえんだァァァァ!!!」

 

 

須佐之男がそう叫ぶと天叢雲に緑色の光が集まり、大きな緑色の光の剣を創り出す。

 

 

「あ........あァァァァァ!!!」

 

 

ーー神剣“草薙(クサナギ)“!!

 

 

緑と青の刃がぶつかる。そして緑の光が蒼き刃を押し返し始めた。

 

 

「これで........最後だァァ!!」

 

『........そいつはどうかな?』

 

 

ーー妖刃“夢空万象刃“

 

 

楼夢の青白い刃が、桃色に変わる。と同時に桃の刃が更に巨大になる。

 

 

「「悪いな........私達にも負けられない理由があるんだよ........」」

 

「ぐ........クソォォォォ!!!」

 

 

花弁の如く緑色の光が散りーーーー

 

 

 

ーーーー辺りが桃色で包まれた........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーすまねえ、姉さん。

 

 

 

 

 

 

 

 





~~第一回大事なお知らせIN精神世界~~

「どーもどーも、最近Twitter始めた作者です。見たい方は“荒宮紅夢“と調べてください」

「今回のビッグイベントの為に楼夢を放ったらかしにしてきた狂夢だ」

「さて今回はなんと!!お気に入り登録者数100突破記念です!!皆さんありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします!
お気に入り登録していない方は登録お願いします」

「さてそれを記念してオリキャラ人気投票をしたいと思うぜ」

「さて参加者はこちら!!」



ーー白咲楼夢

ーー鬼城剛

ーー白咲狂夢

ーー須佐之男命

ーー火神矢陽

ーー天照大御神

ーー荒宮紅夢


「以上七名です!もし書き忘れたオリキャラがいたらコメント欄に書いてください」

「なあ何で作者が出てるんだ?」

「気にするな!(キリッ」

「ちなみに投票方法は?」

「活動報告で投票してください。期間は六月までですね。では皆さん私に清き一票を」

「まあ勝つのは俺だけどね(笑)」

「ほう........いいだろう。勝負だ!」

「望むところだゴラァ!!」


皆さんも清き一票を


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太陽神の力

嗚呼、私は今家族の為に剣を取る

嗚呼、私は今誇りの為に剣を取る

........思い無き剣は獣に過ぎない


楼夢side

 

 

「ふー疲れた。次はお前だ天照♪」

 

「........」

 

 

天照は無言のままぐったりと地面に倒れている須佐之男の元へと近づき、そっと手を頬に当てる。そしてキッと楼夢を睨む。

 

 

「何が『疲れた』ですか........まだ本当の実力なんて出してない癖に........!」

 

「........あ〜あ、バレてたかー。まあしゃーないな。........あんたこそ須佐之男と比べ物にならない程強い癖によ」

 

「........不思議ですね。神力は完璧に隠しているのに........」

 

「俺の左目はお前の霊力などの力、筋力の質、それらからの相手の実力を見通すことが出来る。まあ、俺は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)と呼んでいる」

 

「........中々厄介な能力ですね」

 

 

俺と天照は話し合いながら構える。俺は舞姫を鞘に納めた後、【妖狐状態】になりいつでも術を唱えられる準備をした。

 

 

「では、改めて名乗らせて貰います。大国大和の主神ーー天照大御神です」

 

「「白咲楼夢。白咲流剣術“狂華閃“最高階級“白塗“の巫女こと桃色の蛇狐だ!」」

 

 

二人が自己紹介を終えた時、辺りに砂煙が舞い上がる。楼夢はお得意の桜の花弁のような弾幕を数千個、天照は周りに炎の玉を大量に生成し楼夢へと放った。

 

 

桜の花弁が天照の弾幕を包む度に、炎が爆散し辺りを吹き飛ばす。そんな状況が延々と続く中、その均衡を破ったのは天照だった。

 

天照は右手に意識を集中させると、これまでの三倍程の大きさの炎の球を楼夢へ放つ。楼夢は桜の弾幕を上手く操り一方向に集めて防御しようとするが炎はそれごと燃やし尽くし、楼夢へと迫る。

 

 

「はっ“羽衣水鏡“っ!!」

 

 

楼夢は薄い水で覆われた霊力の結界を発動させ火球を防ぐ........が、その反動で後ろに吹き飛ばされる。

 

天照はまた自身の右手に炎を集め始める。だが、俺にはこの結界がある。

“羽衣水鏡“は弾幕などの遠距離攻撃を無効化することが出来る。つまり俺に炎は無意味だ。

 

 

楼夢はそう確信し結界に更に霊力を注ぐ。だが、次の瞬間ーーーー

 

 

 

 

バシュッ

 

 

そんな音と共に血しぶきが舞い、楼夢の結界は壊される。いや、正確には断ち切られた。

 

 

「“太陽剣(タイヨウノカケラ)“」

 

俺は胴の傷を手で塞ぎながら光となって消えて行く結界と天照を見つめる。天照の右手には炎で出来た燃え盛る一刀の刀が握られていた。

そして俺は理解する。何故結界が壊されたのかを。

 

 

“羽衣水鏡“は弾幕の他に炎や水、雷などの属性攻撃を無効化することが出来る。だが、その欠点は直接物理攻撃にはとても脆いと言う事だ。

天照は一回目で俺の結界の能力を確認し、二回目は炎の刀で俺を結界ごと切り裂いたのだ。

 

 

「アハハ、これは本気で殺んないとな!」

 

「........させません」

 

 

俺が自分の刀の柄に手を当てた瞬間に、天照は抜かせまいと炎のマシンガンのような弾幕を放つ。

 

 

「縛道の八十一“断空“」

 

 

俺は目の前に透き通った透明な結界を貼り弾幕を防ぐ。

そして、小さな声で囁いた。

 

 

「踊れ........“舞姫“っ........!!」

 

 

 

刹那、刀が桃色に光り瑠璃色の桜吹雪が楼夢を覆い尽す。

 

やがて、桜吹雪が止み始める。その先にはーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー瑠璃色に輝く二枚の扇を両手に持った楼夢がいた........

 

 

「成程........その刀は扇にも変わるのね?」

 

「まあ、刀か扇にしか変形しないんだけどな。まあ、見くびってると痛い目見るぜ!」

 

 

楼夢の扇には瑠璃色で描かれた桜の絵と、風景に桃色が少し混じったようなデザインだった。

 

楼夢が喋り終えると、天照は再びその刀を振りかざす。

楼夢は、攻撃を避けた後二枚の扇を広げたまま風を巻き込んで踊るように回転する。

すると、巻き込んだ風が桃色に光り巨大な竜巻を創り出した。

 

 

「舞姫神楽“桃色旋風(ももいろせんぷう)“」

 

 

楼夢は静かにそう唱える。天照は必死に桃色の竜巻を消そうといくつもの巨大な炎を当てるが竜巻は時間が経つ事に更に大きくなり、天照は竜巻に飲み込まれた。

 

竜巻は天照をその風で切り刻んだ後集まっている風を拡散させて天照を吹き飛ばした。

 

天照の身体は地上に落ちた後、

一、二回転してその場で倒れる。

天照はなんとか立つと炎を創造しながら楼夢へと話し掛ける。

 

 

「........単刀直入に言います。貴方のその扇の能力は何ですか?」

 

「変わらねえよ。俺の舞姫の能力は【舞いを具現化する程度の能力】だ。........まあ、形状が扇になったお陰で踊りやすくなり、バリエーションも増えるんだがな。まあ、遠距離用舞姫と思ってくれたらいいぜ」

 

「ほう。つまり近接距離で戦えばいいわけですね」

 

「へー筋力が全く無く近接距離が苦手なクセにか?」

 

「........くっ........!!」

 

「お喋りはお終いだ!」

 

 

楼夢が辺りを回転するように踊ると、楼夢が踊った場所から瑠璃色の弾幕が吹き出した。

天照は炎で相殺するが、その時には楼夢は次の式を描いていた。

 

 

「縛道の六十三“鎖条鎖縛“!!」

 

 

楼夢の霊力で創り出された鎖は巻き付くように天照を拘束する。

 

楼夢はまるで稲妻の激しさを表すかのように激しく踊る。すると、舞姫が瑠璃色の雷を纏う。

楼夢は風を切り裂くように、舞姫を振り、いくつもの瑠璃色の雷の刃を創り出した。

 

 

「舞姫神楽“紫電雷閃(しでんらいせん)“」

 

 

天照は拘束されて動けずこの攻撃を直接喰らう。

 

 

「ぐ........あ“あ“あ“!!」

 

 

だが天照はこの攻撃で鎖条鎖縛を壊し、拘束を逃れる。

 

天照は地面に手を置くと、楼夢を囲うようにマグマが地底から吹き出た。

天照はそれで楼夢の視界から姿を消すと、気付かれぬように右手に超圧縮した炎を集め始めた。

 

一方楼夢は何度もマグマの壁を吹き飛ばそうと攻撃をぶつけているが、マグマはすぐに吹き出て再生してしまう。

突然、楼夢の身体に悪寒が走る。

 

 

火昇天閃(ヒノボリノセンコウ)

 

 

そんな声が聞きえた後、楼夢は後ろを振り返る。その先には身体一つを飲み込むほどの炎の閃光がマグマの壁を貫き現れた。

 

 

「破道の八十八“飛竜激賊震天雷砲“っ........!!」

 

 

楼夢も舞姫から青白い閃光を放つが威力が足りずかき消され、楼夢は吹き飛ばされた。

 

 

「ご........ガハッ........!!........ふふふ、ようやく楽しくなってきたぜ!!」

 

「........さっさと灰となって消えてください!」

 

 

楼夢、天照は次の攻撃の為少し距離を置く。

 

 

ーーまだまだ戦争は終わらない........。

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さんこんにちわ。今だ投票が一つも来ていない事に対してショックな作者です。
何かやり方が悪いのかな?
皆さん人気投票のやり方をご存知でしたら教えてください。
多分活動報告で投票してくれればいいと思いますので。

では、バイバイ。



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月夜に太陽


花は春に咲き、冬に散り、また春に咲き誇る

人は生まれ、死に、また生まれ変わる

人と花は似て非なる物

そして人が最も花に近づく時は、その魂が花弁のように散る時だろう........


by白咲楼夢


楼夢side

 

 

「破道の三十二“黄火閃(おうかせん)“」

 

 

俺は左手で握っている舞姫から黄色の炎を一直線に天照へ放つ。だが彼女は余裕の表情をしながら自身の弾幕で相殺させた。

 

俺は攻撃を仕掛けても天照を深追い出来ずにいた。何故なら俺はまだ彼女の()()を知らないからだ。

彼女の弾幕は全て炎属性の物だが、火神のように熱などに関する能力なのか........?それが分からない限り俺は天照に決定打を与える事が出来ない。

まあ、悩んでもしょうがないんだけどねっ........!!

 

 

「舞姫神楽“白虎の牙“っ........!!」

 

 

俺は天照の頭上と真下にそれぞれ巨大な氷柱を創造し、まるで白虎が敵を噛み砕くかのように上と下から氷柱を飛ばす。

 

 

「炎の前に........氷は無駄!」

 

 

天照はそう高らかに言うと、やはり氷の牙は天照の周りに現れた炎でかき消される。そして今度は彼女の番だ。

 

 

「........燃え尽きなさい!」

 

 

天照は小弾、中弾、大弾の三種類の弾幕を上手く使い分けながら俺を遠距離で攻撃してくる。俺の予想通り、彼女の撃ってくる弾幕は全て炎属性であった。よって彼女の能力は熱や炎などの力と関連していると思う。

 

天照は炎の弾幕で俺を囲う。恐らく、俺の回避距離を潰す為の物だろう。

 

 

「“太陽剣(タイヨウノカケラ)ァ“!!」

 

 

天照は先程のように右手に炎の刀を創りだす。そして炎でそれを覆う事でそのリーチを長くし、俺に切りつけてくる。そして後ろには弾幕の檻。正直言ってこういう事を四面楚歌と言うのだろうか?

 

 

ガッキィィィィン!!

 

 

俺は炎の刀を一枚の舞姫で受ける。何度も言う通りこの扇は舞姫の形がただ変わっただけで創られている素材は同じなのだ。つまり、この舞姫は物を切ることも出来る二個の短剣の役割も果たす事が出来るのだ。

 

俺は刀を舞姫で受けたまま術を唱える。

 

 

「破道の十一“綴雷電(つずりらいでん)“」

 

 

バチィィン、という音と共に舞姫から電流が流れ、流された電流は刀の刃の上を走り、天照へと伝わった。

 

 

「....ぐ.......この........っ!!」

 

 

天照の身体に電流が走った事で彼女は感電し、一瞬集中を解いてしまう。その瞬間、俺の周りにあった弾幕の檻が砕け散った。

........今がチャンスだ........。

 

 

俺は舞姫に霊力を込めた後、感電して怯んでいる天照に接近し、自らの十八番を放ったーーーー

 

 

「霊刃“森羅万しょ........」

 

 

 

 

 

「ーーーー甘い........」

 

 

ーーーー否、正確には放とうとした。

 

 

突如、天照の身体が見えなくなる程眩しい光が集まり出す。そして、それが限界にまで溜まると天照は囁くように声を発した。

 

 

「眩光“日出太陽(ヒイズルタイヨウ)“」

 

 

刹那、天照の身体からまるで太陽が近くにあると錯覚させる程の光が放たれ、辺りを包んだ。

楼夢は攻撃のモーションに入っていた為避ける事は出来ず、焼き付くような痛みが両目を襲った。

 

 

「ぐ........がァ“ァ“ァ“!!........クソがァ!!」

 

『目がァ!!目がァァ!!!』

 

「いちいち茶々を入れるな!!」

 

 

 

ドッッゴオオオン!!!

 

 

 

突如、俺の背中に弾幕が当たった。畜生!目が全く見えねェ!

俺の服がパチパチと燃える。とにかくこの状態はかなり不味い。そして回復まで五分程掛かりそうだ。

 

突然、俺の後ろから声が聞こえた。女性の声だ。

 

 

「どうですか?光が差さない暗黒の世界は?今の貴方は攻撃することもましてや触ることすら出来ない。そしてそのまま........死になさい!!」

 

 

天照は懐から“八咫鏡(ヤタノカガミ)と呼ばれる一つの鏡を取り出し太陽の光を集める。恐らくは楼夢を一撃で消し去る為であろう。

 

 

「最後に私の能力を言っておきます。私の能力は【太陽の光を操る程度の能力】です」

 

 

天照は最後にそう言うと目を閉じて意識を集中させ神力を高める。そして、八咫鏡を楼夢の前に突き出し集まった光を一気に放出した。

 

 

「...天罰ーーーー」

 

 

 

 

ーー無音光(オトナシノヒカリ)

 

 

巨大な光の閃光が音をも超えて放たれる。勿論その速度に視界を奪われた楼夢が反応出来るわけもなく........

 

 

 

「う........がァ“ァ“ァ“ァ“!!!」

 

 

 

ドゴオオオオン!!!

 

 

楼夢はその光に飲み込まれる。だが、その手には一つの術式が組み立てられていた。

 

 

「........✕✕✕ねえよ........」

 

「........何か言いましたか?」

 

「...終わらねえって言ってんだよ!!」

 

 

楼夢がそう叫んだ瞬間、彼は目を強引に見開き、身体から霊力と妖力、神力が溢れ出させる。そして楼夢はそれを繋げて術を発動させる。

 

 

「ここで俺が終わったら........後に何が残るんだよ!!」

 

 

 

ーー神花“桜花八重結界(おうかやえけっかい)

 

 

楼夢は自分の前に八重の花弁を持った桜の結界を貼り光の閃光を吸い込む。

 

この結界には相手の攻撃を亜空間に吸い込む能力が備わっており、現在の俺の結界術の中では最も強力な物だ。まあ、これを使うと腹が少し減るからあまり使いたくないんだけどね。

 

 

攻撃を防いだが、先程まで閃光に直撃していた為俺は結界を貼った後後ろに吹き飛び、地面にぶつかる。そしてその衝撃で懐に入れてあった大量の“奈落落とし“が天照の近くの地面に飛び出し、バリン、バリンと次々と割れていく。ああ、勿体無い。

 

 

「戦場に酒を持って来るとはどんな神経をしているんですか?」

 

「まあまあ、服には掛からなかったからいいじゃん」

 

「........そうですね。では止めと行きましょうか」

 

 

天照は右手に炎をまた集め始める。

 

 

 

ーーーーそして地面にばら蒔かれた“奈落落としが引火し、大爆発を起こした。

 

 

「....な........!?」

 

「駄目じゃないか。アルコールが通常の酒の数百倍入っている“奈落落とし“の近くで炎なんか使ったらーーーー」

 

 

ーー家一つを軽々吹き飛ばす程の大爆発が起きるぜ。

 

 

一応これも作戦の内の一つだ。あの時俺が天照の近くに“奈落落とし“をばら蒔いたのも全て故意だ。

俺が持っていた酒の数は全部で約二十。しかも一つ一つが家を吹き飛ばす程の威力を持っている。これだけの大爆発を至近距離から受けたら最高神だろうがただじゃすまない。

 

 

「........く....うゥ........」

 

 

天照は必死にその場から逃れようとする。だが、遅い。

 

 

 

ドドドドゴッォォオオオオン!!!

 

 

地面にクレーターが出来、辺りに砂煙が巻き上がる。そしてその中から天照が姿を現した。彼女の着ている着物が所々で破れていて目のやり所に少し困る。

 

 

「....ぐ....はあっ........はあっ....。まさかこんな物を仕込んでいるなんて........思い付きませんでしたよ」

 

「........打たれ弱い癖に頑張るね........多分もう立ってるのすら辛いだろ?」

 

「........私にも通さなきゃいけない意地って物がありますからね........

 

太陽(タイヨウノカケ)ーーーー」

 

「時空“時狭間の雷(ライトニング・デス)

 

 

天照が“太陽剣(タイヨウノカケラ)を創り出す前に俺はいくつもの黒い雷を空から彼女に放った。

彼女は雷に当たり地面に吹き飛ばされ、地に倒れ伏すが、再び立ち上がった。

 

 

「ハ....ハハ、参りましたね。身体に力が入りませんよ。なので次の一撃で最後にさせて貰います」

 

 

彼女はそう言うと空を飛び上へと行く。俺も付いて行くように空を飛ぶ。

 

 

天照は両腕を天へと突き出し光を集め始める。俺もそれを見た後妖力と神力を融合させながら力を右手に込める。天照が溜めた光と俺の妖力と神力は球体となりどんどん大きくなって行く。そして、俺の術式が完成している頃には天照の光も既に充分集まっていた。

 

天照の両腕の上には灼熱の炎と光を放つ小さな太陽が出来ていた。その熱気は凄まじく、辺りにある物を燃やし始めた。

 

 

「大きいな。まだそんな力が残っていたとは........」

 

「あら、大きさだったら貴方も中々じゃないですか」

 

 

対する俺の右手には青白い光を放つ小さな月が出来ていた。

 

 

ーー太陽と月

 

この戦いを締めるにはピッタリな技だ。

 

 

「........行くぜ........」

 

「........はい........」

 

 

二人は最後の力を振り絞り同時に術を放つ。

 

 

「“災来ノ幻月(ディザスタームーン)“!!」

 

「“破滅ノ太陽(サンシャインブレイク)“!!」

 

 

太陽と月が同時にぶつかり合う。そして、カッと二つが光った後、辺りは凄まじい光と衝撃波で満ちる。

 

 

ガゴオオォォォォォン!!!

 

 

光が止んだ後、空から二人の人影が落ちた。桃髪の妖怪はその腕に一人の神を抱えて、優しく地面に着地する。

その後、地面に女性の神を降ろした後、彼は仰向けに倒れ空を見上げる。

 

「「....俺の........勝ちだ....な........」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~


「ゴミクズ共ォ!!俺様のパーフェクト説明教室始まるぜェ!!俺様みてェな天災目指して、死ぬ気で詰め込みやがれェ!!」

「怖いよ!!ていうか狂夢さん楼夢さんの所に行かなくてもいいの!?」

「良いんじゃね、別に?」

「というわけで“教えて、狂八先生“のコーナーがパワーアップしました!」

「まあやる事は変わらないけどな。んじゃ今回はネタバレ要素をちょっと含むぜ」

「さて、今回は........“白塗の巫女“についてですね」

「OK。まず、白咲家は由緒正しき神社の家系なんだが、この家の神主、巫女は全員“狂華閃“を扱えて、その強さごとにそれぞれ階級があるんだ」

「階級は全部で五つあって下から言うと、“一閃(いっせん)虹花(にじばな)音裂(おとさき)桜花(おうか)白塗(しらぬり)ってわけだ」

「ちなみに楼夢さん以外に白塗になった人は何人いるんですか」

「いや、楼夢以外に白塗に辿りつけた者は一人もいないぞ。まあ、楼夢の肩書きは“十五代目兼初代白塗の巫女“ってことだな」

「うん、長い」

「じゃあ今日はここまで。じゃあな」

「次回もーーーー」

「「キュルっと見て行ってね!!」」


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白塗の台本

カゴメカゴメ

籠の中の鬼は何時何時目覚める?

貴女は私、私は貴女

じゃあ本物の私はだぁれ?


by東風谷早奈


???side

 

 

私は現在大きな爆発音がする所に急いで飛んで向かっている。あそこには諏訪子様や楼夢さんが戦っている筈........

 

私は遠目で二つの人影を見つけると、それに向かって急降下して地面に降りて走った。

 

やがて二つの人影がはっきりと見えるようになる。そこで私が見た物とはーーーー

 

 

ーーーー身体中傷だらけで地に膝を着いて肩で息をしている諏訪子様と、同じく肩で息をしていて、でもその表情は勝ちを確信している敵の神だった。

 

 

敵の女性の神は地に膝を着いて動かない諏訪子様に徐々に近づいて行く。やめて!このままじゃ諏訪子様が........

 

 

早奈は自分でも気づかぬ内に足をガタガタと震えさせていた。息は荒く、その表情を見れば彼女が焦っている事は明白だった。

 

 

ーーどうして私は何も出来ないんだろう........

 

ーーどうして私はこんなに弱いのだろう........

 

 

そんな考えばかりが彼女の頭に映る。すると........

 

 

 

ーーチカラガ、ホシイカ?

 

 

誰だ。........けど、そんなことはどうでもいい。力が、力が........

 

 

 

ーーワタシノヨウケンヲノメバ、チカラヲアゲル。タダシ、ソノダイショウトシテオマエハーーーー

 

 

早奈の心臓の鼓動が徐々に早くなっていく。その声を聞く度にドクンッと早くなるが、それは急に収まった。

 

 

「代償?関係無いですよ!力さえ得られればーーーー」

 

 

 

 

 

ーー私はどうなったって構わない!!

 

 

 

 

 

ーーそして、緑髪の少女の瞳は黒く染まった........

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

楼夢side

 

 

「おーい、天照。歩けるか?」

 

「あ、はい、大丈夫ですよ。神は人間より再生能力が高いですからね」

 

「........なんで姉さんを心配して俺には何もないんだ?」

 

「「須佐之男だから」」

 

「わーお、息ピッタリ」

 

 

そんなこんなで俺達は諏訪子達と合流する。どうやら勝ったのは神奈子のようだ。

 

 

「素晴らしい戦いだったぞ、洩矢諏訪子」

 

「こちらこそだよ、八坂神奈子」

 

 

二人は近づき握手をしようとする。だが、その時何か黒い物体が神奈子に放たれた。

 

 

「神奈子、退いてろ!」

 

「........え、!?」

 

「“羽衣水鏡“!!」

 

 

俺は神奈子の前に立ち羽衣水鏡を貼る。だがそれは凄まじい威力で結界に次々とひびを入れて行く。

 

 

ガッシャァァァァン

 

 

「ちぃ!........歯ぁ食いしばれよ神奈子!」

 

 

俺は神奈子にタックルし、吹き飛ばす事で、俺達は射程圏内から外れる。そして黒い物体が飛ばされた方に向くと、そこには有り得ない人物がいた。

 

 

「そ、そんな........早奈........だよね........?」

 

「........」

 

「答えてよ!」

 

 

諏訪子の問いにいつもなら答える筈だったが、早奈は終始無言だった。

 

俺は【人間状態】になった後、緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を使い早奈を見る。すると、いつもの早奈の身体に黒い物体のような物が入っている事が分かった。そして早奈が扱う謎の黒い物体........あれは強力な呪いの塊である事も判明した。

 

 

「成程........能力の暴走か........」

 

 

俺は舞姫を抜こうと柄に手を掛ける。すると

 

 

「そこまでだっ!!」

 

 

何時の間にか約十人程の神が早奈を囲んでいた。どうやら軍の生き残りらしい。

 

 

「天照様!此処は我々にお任せをっ!行くぞ、お前ら!!」

 

「「「おぉ!!」」」

 

「ま、待ちなさい!」

 

 

天照の静止も効かず、神達は同時に早奈に突っ込む。突如、早奈の身体から諏訪子並の神力が溢れ出るが、神達は無視し、そのまま突っ込んだ。

 

 

「........無意味........」

 

 

早奈の身体から紫の光を帯びた黒い光が溢れ、次々と神の元へ放たれた。

 

 

「グ........ぎゃあああああっ!!」

 

 

その光に触れた神は、形も残らずに消えていった。殺されたのではない。これはーーーー

 

 

「ヒィッ!!い、命だけは........あァァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

ーーーー()()だ........

 

 

 

 

 

「「ざ、“絶対即死呪文(ザラキーマ)ァ“!?」」

 

 

気付けば俺と狂夢は同じ事を無意識に喋っていた。

 

早奈は次に俺の方に向きその黒い光を放つ。俺はそれをジャンプしたりする事で回避する。

 

 

「星十字“スターライトクロス“!!」

 

 

俺は神力で作った二本の剣で早奈を縛ろうとするが、早奈はルーミアの闇のように呪いで身体を覆う事によって俺の術は消滅する。

 

 

「一体何が起こっているんだ、楼夢!?」

 

「いいかお前ら、よく聞け。どうやら早奈の能力が突然暴走しているらしい。というわけで協力を頼む」

 

「ああ、勿論だ........戦わなくてもあれが充分危険って事に変わりはないからな」

 

「彼女が放つ黒い呪いには触れては行けませんよ........。あれに触れれば楼夢は当然、我々のような神でも存在が消滅し、生き返る事は不可能になります」

 

「じゃあ、全員散開!」

 

 

俺がそう言うと全員がそれぞれで早奈に攻撃する。須佐之男は天叢雲から炎を放ち、神奈子はオンバシラで叩き付け、諏訪子は鉄の輪で切り裂き、天照は太陽の光を雨のように乱射するが早奈の呪いの壁には傷一つ付かない。

そして俺達は先程まで戦争をしていたのだ。霊力や神力が残り少なく、戦いで出来た傷が身体を蝕む。

特にやばいのは天照だ。彼女はまだまだ余裕そうな表情をしているが立っているのがやっとだろう。

 

 

「はあっ........はあっ........くっ........」

 

 

天照はとうとう神力が枯渇し地面に膝を着く。勿論それを早奈が見逃す筈がない。

 

 

「........“金縛り“」

 

 

突如、天照が膝を着いている地面から黒い鎖がいくつも現れ、天照の動きを封じた。

 

 

「“千年風呪(せんねんふうじゅ)“」

 

 

次に、彼女がそう呟くと呪力が風と共に一箇所に集まり巨大な黒い旋風を生み出す。そしてそれは天照を飲み込むように放たれた。

 

 

「クソッ!!“桜花八重結界“!!」

 

 

俺は瞬歩で天照の前に移動し、八重の花弁の形の結界を貼る。旋風はその結界にぶつかると次々と亜空間に吸い込まれるが質量が大き過ぎる為全体の二割程が結界を飛び越えて俺の左腕に当たった。

 

 

「ぐぁ........くっ........!」

 

「楼夢!大丈夫ですか!?」

 

「まあ、なん........とか........な........」

 

 

全ての旋風を亜空間へ送り終えると、俺は天照を抱え、また瞬歩でその場から離れる。

 

 

「姉さん!大丈夫ですか?」

 

「ええ、なんとか........。それより楼夢の腕を........」

 

 

天照が言う通り、俺の左腕は悲惨な事になっていた。あの呪いが含まれた旋風に少しでも当たったせいなのか、俺の左腕は黒く染まっており、腕として機能しない。おまけに体力と共に妖力、霊力は残り僅か。これはかなり積んでいる。

 

 

『馬鹿野郎!!元々アイツは敵なんだぞ!放ってきゃぁ無駄な傷を負わずにすんだのによ!』

 

「生憎だが俺は目の前で死にかけている奴を見捨てる程非情になれないんでね。........まるで俺に生きて欲しいと言うような口ぶりだな」

 

『てめえが死んだら俺も死ぬんだ。まだやりたい事がいっぱいあるのに死んでられっかよ!』

 

「そうか........なら一つ頼みがある........」

 

「皆もだ........俺の話を聞いてくれ........」

 

 

ここにいる全員が今の言葉で俺の方に向く。さて、作戦を教えようか........

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「作戦は分かったか?」

 

「ああ、いつでもいいぞ」

 

「これが成功すれば早奈は助かるんだよね?」

 

「ああ、勿論」

 

「私も消滅する訳にはいけないんでな。頼んだぞ、楼夢」

 

「はいはい。天照には俺の神力を貸す。だからそれで思いっきり攻撃しろ」

 

「はい。成功を祈りますわ........」

 

「誰にだよ........」

 

「「「「........」」」」

 

「よ、よーし........行くぞ!」

 

 

俺の掛け声で、まず俺と神奈子は前線に立ち、それぞれで遠距離攻撃を行う。

 

 

「覚悟しろ!!」

 

「俺達が相手だ!!」

 

 

神奈子はオンバシラからレーザーを放ち、上手い事に早奈をこちらに寄せ付けないでいる。

 

 

「オラァァァァァァ!!乱弾“マルチプルランチャー“!」

 

 

俺は神力で作った大きな玉を後ろに七つ浮かばせる。そしてそこから大量の緑色のレーザーが早奈に向かって放たれた。

 

早奈は呪いで身体を覆い、防ぐと同時にその注意を俺達に向ける。........それでいい........。

 

 

「呪いは早奈だけの物じゃないよ!“金縛り“」

 

 

早奈の注意が俺達に向いた隙に、諏訪子が現れ、早奈に地面から鎖で拘束の呪いを掛ける。

 

 

「行くぞ、姉さん!」

 

「ええ、須佐之男!」

 

「神剣“草薙(クサナギ)ィィ“!!」

 

「“太陽剣(タイヨウノカケラ)ァァ“!!」

 

 

諏訪子が後ろに下がった直後、天照と須佐之男が緑と赤の剣で早奈を覆っている呪いを切り付けた。

 

 

「最後は俺だァ!!」

 

 

呪いの壁を失った早奈に向かって俺は走る。だが、それを見越していたかのように早奈が強引に立ち上がり俺に向けて呪いを放つ。

 

 

「........よ、避けて、楼夢!!」

 

 

諏訪子の叫びも虚しく楼夢と呪いの距離は五メートルを切った。楼夢は全速力で走っていた為急に止まる事は出来ず、黒い光に飲み込まれるーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー瞬間、全員の耳に一つの音が聞こえた。

 

 

 

 

「影狂“後ろの正面ーーーー」

 

 

『ーーーー誰だ?“』

 

 

その音が響くと、早奈の後ろの空間が突如、ひび割れ、そこから一つの白い影が出て来る。白の脇がない巫女服を着た影の持ち主ーー狂夢は早奈の二メートル程後ろを取り、身体を沈め、右拳を溜める。

 

早奈は逸早くそれに気付き、楼夢に放った呪いを中断して、狂夢の方向に黒い壁を作る........が

 

 

「俺の道を邪魔する奴はーーーー

 

 

 

 

 

ーーーーミンチ決定で死に晒せェ!!」

 

 

バッリィィィィィン!!!

 

 

ボガァァァァン!!!

 

 

 

狂夢は腰を落とし、スリー・クウォーターからアッパーとフックの中間ブロー“スマッシュ“を右斜め下から左斜め上に叩き上げるかのように放った。

 

早奈の呪いの壁は、急いで作っていた為普通より薄くなってしまった。狂夢はそこを突き、壁を貫いて早奈に攻撃したのだ。

勿論闇雲に当てた訳ではない。狂夢がスマッシュを当てた場所。そこは顔ではなくーーーー

 

 

 

 

ーーーー心臓だった。

 

 

 

ドクンッ!!

 

 

 

そんな音と共に早奈の動きはまるで時間が止まったかのように動かなくなった。

 

そして同時に、楼夢が早奈の目の前に接近する。

 

 

「これで........最後だァ!!」

 

 

 

 

ーー神様。もしこれがアンタの書いたシナリオだとしたらーーーー

 

 

 

 

ーーーーまずはその巫山戯た運命を白く塗り替える!!

 

 

 

「花封“桜ノ蕾(サクラノツボミ)!!」

 

 

楼夢は右手で早奈の額に触れる。すると、下から薄い透明な桃色の霊力で出来た花弁が五つ浮き出て早奈ごと蕾に戻るかのように包み込む。そして、蕾が再び開花しーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー早奈の神力は封じられた。

 

 

 

「封印........完了........と........」

 

 

俺はふらふらと地面に倒れ込む。諏訪子達が何か言っているが........もういいや........

 

 

ーーもう........寝ちゃおう........

 

 

こうして、俺達の諏訪大戦は幕を閉じた........

 

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~


「後書きよ、私は帰って来たァァァァァァ!!」

「はしゃぎ過ぎ!!でも本心はパートナーが帰って来て嬉しい。作者です」

「戦場から無事帰還した後書きの支配者こと狂夢だ」

「というわけで今章のメイン“諏訪大戦“が終わりました。どうでしたか狂夢さん?」

「まあ、今回俺の出番も合ったし決めゼリフも決まったから結構よかったと思うぜ」

「決めゼリフって決めましたっけ?」

「んじゃ、言ってやろう」


「ミンチ決定で死に晒せェ!!」


ズッドォォォォ

メキッ


「........チーン」

「あ、骨折れた........テヘペロ」


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戦後の桃色蛇狐


白塗の台本は再び黒で描かれる


by白咲狂夢


 

 

楼夢side

 

 

「────んで、気絶して此処に来た、と?」

 

「いやー、まさか戦後すぐに精神世界に来るとはな」

 

「一応この世界の名は“混沌の世界“なんだけどな」

 

「混沌の世界?どうしてまた中二病丸出しの名前なんだ?」

 

「うっさい。元々この世界は他の様々な世界の狭間にあるんだ。んで、俺がその世界とお前をリンクさせたんだ。お陰でお前の精神世界の面積は通常の一千倍になったわけだ。まあ、要するに俺の暇潰しの為に繋げたに過ぎねェ。まあ、希にそのせいでこの世界に迷い込む奴がいるけどな」

 

「何気に凄い事してんな........まあ、お邪魔するぜ」

 

「一々面倒臭ェヤローだ........まあ、座れ。紅茶ぐらいは入れてやる」

 

 

現在俺は狂夢の家ーー混沌の世界にいる。まあ、無意識に来れた理由は戦闘後に気絶したからだろう。........あ、紅茶美味ェ........

 

 

「んで、俺になんの用だ?言っとくが俺に関係ないことには手を貸さないぜ」

 

「いや、今日はお前に礼を言いに来ただけだ」

 

「........勘違いすんじゃねェぞ。俺は俺の為に動いただけだ」

 

 

そう言うと狂夢はズズッと紅茶を飲む。そして再び話を戻した。

 

 

「それにしてもやるねェ。まさか彼女の呪いをーーーー」

 

 

 

 

ーーーー自分の身体に封印するなんてな

 

 

 

「........」

 

 

俺はしばらく無言だったが、観念して椅子に更に腰を掛ける。

 

 

「あれ程の呪いを封印したとしても、もって二年が限界だ。あれを半永久的に封印するには俺の身体に封印した方が効率が良い」

 

「........成程、ねェ........」

 

 

狂夢はしばらく考えるような素振りを見せる。そして、再び口を開いた。

 

 

「なあ、楼夢。ヒトの為に尽くすお前と己の為に尽くす俺の違いってなんだと思う」

 

「........さあな。俺にはそんな偉そうな事は分からねえ。でも俺は手を伸ばせば届く距離にいるヒトを救いてえ。これだけの力があるのにビビってポケットに手を突っ込んでたら........格好悪ィだろ?」

 

 

俺がそう言い切ると身体が桃色に発光しだす。........そろそろお暇させてもらおう。

 

 

「そうか........だが忘れるな。俺達の旅の目的はーーーー」

 

 

 

 

 

ーーーー鬼城剛を倒すことだ。

 

 

 

「........分かってるよ。このまま食い下がってたら“白塗“の恥さらしだからな」

 

 

楼夢が言い切ると同時に楼夢の身体は完璧に消える。そして狂夢は再び余った紅茶を一気に飲み干した。

 

 

「はぁ........多分アイツは覚えてねえだろうな。俺達の関係を。自分の本当の名も。()()()()のことも。全く、手間の掛かる弟だぜ。なあーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー神楽(カグラ)よ........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「───んで、どうしてこうなった?」

 

 

おっす。現在俺は混沌の世界から帰ってきたところだ。どうやら洩矢神社に寝かされたようだ。

最後に狂夢がなんか言ってた気がするが問題はそこじゃない。問題は───

 

 

「へへへ、楼夢さ~ん」

 

 

早奈が俺の身体に抱き着いて寝てるということだ。しかも寝言でも俺の名読んでるし........一体なんの夢を見てるんだ!?

 

と、取り敢えず起こそう。俺は早奈の頭をポンポンと叩き、優しく起こす。

 

 

「ふぁ~あ........あれ、どうして楼夢さんが?もしかして真夜中こっそり襲おうとしたんですね?」

 

「いい加減目ェ覚ませやゴラァ。此処は俺の部屋だ」

 

「........へっ!?」

 

 

早奈はすぐさま周りを見る。そして、気付いた時にはその顔は真っ赤に染まっていた。

 

 

「も、申し訳ございませんでしたァァァァ!!」

 

「いや、大丈夫だって」

 

「だってだって........私のせいで楼夢さんが傷ついたと知って........せめて看病だけはしようと........でもまさか寝てしまうなんて........!?」

 

「だから問題ないって」

 

 

「ヒック、グスン........ふえーーーん!!」

 

「いやだから泣くなって........ああもう!」

 

 

俺は泣き始めた早奈の頭を撫でる。すると、早奈がだんだん泣き止み始めた。

 

 

「あのー、楼夢さん」

 

「ん、なんだ?」

 

「そのー宜しければそのまま撫で続けてください。........出来れば抱き締めてくれると嬉しいです~」

 

「........はぁ........しょうがねえな」

 

 

俺は要望通り早奈の身体を包むように抱き締める。すると、早奈の顔が先程よりも赤く染まった。

 

 

「なっ!?」

 

「なんだ?やっぱり放した方が良いか?」

 

「いや、そ........そのままで!」

 

「分かった」

 

 

俺は再び早奈の頭を撫で始める。早奈の髪はさらさらしててシャンプーのようないい匂いがする。恐らくこれは天然なのだろう。この時代にシャンプーなんてある筈ないしな。

 

 

「(楼夢さんの髪........桜の花みたいな匂いがする........。なんか、身体が熱くなって来た........)」

 

 

早奈自身は気付いてないが、彼女の顔は先程よりもだらけて、口はまるで犬のように舌を垂らしてハッ、ハッと言っている。処遇、アヘ顔と言うやつだ。勿論楼夢はこの事には気付いているが、何故そうなっているのかを理解していない。

........っと、そこへーーーー

 

 

 

「楼夢、目を覚ま........したの?........」

 

「どうした、諏訪........子........」

 

 

バッドタイミングでの諏訪子と神奈子の登場である。二人はしばらく動けないでいた。なぜなら、そこには今迄見たこともないようなだらしないアヘ顔で発情している巫女と、それを抱き締めて撫で続ける友人がいたからだ。此処までくれば常人から見て二人が何をしたと思うか想像がつくだろう。

 

 

「「この、変態がァァ!!!」」

 

 

二人は同時にありったけの神力で造った弾幕を楼夢に放つ。勿論楼夢は早奈を撫でるのに集中していた為避けることは出来ず........

 

 

「どうしてこうなったァァァァァ!!!」

 

 

 

ピチューん

 

 

今日も洩矢神社は平和である。

 






~~今日の狂夢『様』~~


「皆さん、こんにちワン。中間テストまで残り三日なのにまだ勉強すらしていない作者です」

「勉強しやがれゴミクズ。どーも、諏訪大戦についての本を今日完成させた狂夢だ」


「そう言えば、楼夢さんと狂夢さんの違いって何ですか?」

「俺と楼夢の?うむー、楼夢はスピード、テクニック、戦略に優れていて、俺は主に力、知能、発想力に優れている感じだな。他は性格が悪いか良いかだな」

「意外にアンタ楼夢さんより頭が良いんだ。そして全て正反対ですね」

「俺が頭良くなければ今迄の発明品は作れねえよ。まあ、正反対なのはそういう設定だからな」

「メタイわ!!まあ、今日はここまで、次回もーーーー」


「「キュルっと身に来てね(来いよ)」」


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桃姫の宴会


堕ちるは赤目の地獄門

進むは混沌の瑠璃色世界

前にも後ろにも進めない

そんな私が大好きだ


by白咲楼夢


楼夢side

 

 

「──────はぁ、宴会?」

 

「そう、宴会。戦争が終わった後だし交流するいい機会だからね」

 

 

そう諏訪子は俺に説明する。ちなみに、俺は戦争から三日も眠っていたようだ。まあ、全身ボロボロ、左腕があの後、使い物にならなくなって黒く腐敗していた為、先程わざと切り捨てておいた。一応俺は妖怪なので回復術さえ掛けておけば数日後には治るだろう。

 

だけどね、いくら俺だからといって、怪我人に殺傷力大の弾幕を放つなんて可笑しい。吹き飛ばされた後、俺がどれだけ頑張って洩矢神社に戻って来たか分かるか?

挙句には変な誤解まで招いているし。未だに俺は早奈との誤解を弁解し切れていない。

 

───っと、話が色々と変わったが今回の説明をしよう。

 

 

今回の件とは勿論大和との宴会である。場所は大和の神社でやるらしい。まあ、あそこは結構広いからな。

 

 

「ふー、やっと帰れるわ。戦争が終わったと思ったら信仰してもらえなかったりで一度も家に帰ってなかったから」

 

 

いい忘れたが、神奈子が此処にいる理由は、あの後諏訪国の村の人々に神奈子を信仰するようにと宣伝したらしいが、村人達はもし神を入れ替えると諏訪子の祟りが来ると恐れているらしく、神奈子を信仰する者は誰もいなかった。

そんで、現在は表向きには神奈子を、しかし。実際は諏訪子がその実務を行うことで、なんとか解決したらしい。

この神社の名前も“洩矢神社“から“守矢神社“に改名したみたいだ。

 

 

「別に俺はいいけど」

 

「それじゃあ決まったね。今日の夜は宴会だ!」

 

「宴会って今日なの!?」

 

「人の話はちゃんと聞くべきだよ」

 

「お前は神だろ!」

 

 

俺は諏訪子に相変わらずキレのある鋭いツッコミを入れる。そして神奈子がやけに上機嫌なのは宴会があるからだろう。

 

 

「まあ、宴会までに時間があるから休んでいいよ。........言っとくけど私は早奈のことは認めてないからね」

 

「認めるも何も勘違いだって言ってんだろ!」

 

 

取り敢えず傷が疼くからお言葉に甘えて部屋で横になろう。

 

俺は部屋に着いた後、布団に倒れ込むように仰向きになり、意識を落とした........

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「それでは、本日は大和と諏訪の交友を深める為に........乾杯!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

 

現在此処は大和の神社である。今日此処では宴会が行われていた。

 

 

「あ、神奈子それ私の酒だよ!」

 

「私が最初に取ったからこれは私の物だ!」

 

「返せ!」

 

「だが断る!」

 

 

「姉さん、これどうぞ」

 

「あら、ありがとうございます」

 

「須佐之男、相変わらずのシスコンだな」

 

「シスコンの意味は分からないが、言いたいことはだいたい分かった........」

 

「ふふふ、楼夢さ~ん」

 

「キュルあっ!?早奈、何時俺の後ろに回り込んだ!?」

 

「『キュルあっ!?』なんて可愛いですね~。そう言えば酔った楼夢さんはどうなるんでしょう?」

 

「こ、こういう時は........!?狂夢、あれ寄越せ!」

 

『ほらよっと』

 

「さ~捕まえましたよ~、ろ☆う☆む☆さん」

 

「さ、早奈、これを飲め!」

 

「あら、やっと乗り気になったんですね。........それにしても珍しいお酒ですね~」

 

 

ゴクッ

 

 

ドゴオオオオオン

 

 

「け、計画通り........かな?」

 

「酷ェ........」

 

 

そんなこんなで宴会場はカオスになっていた。

先程俺が早奈に飲ませたのは“奈落落とし“を改良した物だ。

 

普通は飲むと体内で爆発するが、改良版は脳内にしかダメージを与えない為、相手を気絶させるにはピッタリだ。まあ、相手が飲んでくれれば........だが。

後、狂夢の趣味で爆発の効果音が何故か聞こえる設定になっている。まあ、無事気絶ゲフンゲフン、眠らせることが出来たから良しとしよう。

 

 

「それにしても、お前も結構飲むんだな」

 

「仮にも俺は八崎大蛇と呼ばれた大妖怪だぞ。神酒の二十や三十で醉うかよ」

 

 

俺の周りには神酒が入っていた瓶が三十個程転がっていた。だが俺はまだ全然酔ってない。

しかし、これ以上飲むと全ての酒が消えるので持って来ておいた奈落落としでも飲んでおこう。

 

 

「フハハハハ、誰か面白いことをしろー!」

 

 

酔っ払った一人の神がそんなことを叫ぶ。それに賛成した神々が集まって誰がするかを決めていた。

 

俺は巻き込まれない為に少し離れておこう。

 

 

「あら、楼夢はやらないのですか?」

 

「やるって何をだよ?言っとくが俺には持ち芸も何もないぞ」

 

「皆さーん、楼夢が今から面白いことをしてくれるみたいですよー」

 

「話を聞け!」

 

 

天照の声に此処にいる全ての神々は俺に注目する。取り敢えず天照を睨み付けた後、俺は必死に脳内を作動させる。

 

不味い、何度も言うが、俺は持ちネタなどという物は持ち合わせてない。それなのに周りの期待は大きくなるばかりだ。........頭が痛くなってきた........。

 

 

「大丈夫ですよ、楼夢さん!」

 

「な、まだ気絶して一時間も経ってないのに........どうやって起きやがった!?」

 

「気持ちの問題です」

 

「気持ちでどうにか出来る物なのか........?」

 

 

早奈は早奈で、普通奈落落としの効果で気絶したら妖怪でも、最低三時間程はかかる。だが、目の前の少女はそれで気絶して、僅か二十分で復活したのだ。

流石、常識に捕らわれてはいけないということを、教えてくれる。

 

 

「それよりも何が『大丈夫』なんだ?どう見てもオワタ状態なんだが........」

 

「ふふふ、楼夢さんって踊れましたよね?」

 

「ま、まあある程度は........」

 

「それなら私が笛を吹くので楼夢さんは踊ってください」

 

「........マジかよ!ってまさかぶっつけ本番か?いくらなんでもそれは無い........よな........?」

 

「さあ、ちゃちゃっと終わらせましょう!」

 

「........ええい、ままよ!」

 

 

早奈は俺の服の袖をグイグイ引っ張って無理矢理宴会場の外へ連れてかれる。そしてそれに釣られて、全ての神々が外に出て囲うように円になって注目した。

ていうか、踊りならもうちょっと考えてからやってくれ........。

そんな俺の心の声が虚しく辺りに響く。

 

 

「題名は『月』です。皆さん、ご注目ください」

 

 

その声を合図に、早奈が笛を吹き始めた。

........成程、かなり上手い。これは俺も負けられないな。

 

 

「踊れ“舞姫“」

 

 

俺は腰の刀を二つの扇に変えると、音楽に合わせてゆっくり、ゆっくりと舞う。

 

 

青白い月の光を浴びながら、楼夢は舞う。

月光が扇に当たって光が反射される度に、辺りは一瞬照らされ、また暗闇に戻る。

月の光は、スポットライトのように楼夢だけを照らし、それ以外の場所へは光は届かなかった。

 

だが、そんなことを気に留める者は誰一人もいなかった。

 

月光の光を浴びながら、時には冷たく、時には優しい月を身体で表現する今の楼夢の姿に、全員魅了され、息一つ出来ないのだ。

 

 

ーー今の楼夢の姿を表すと『神々しい』以外の言葉が見付からなかった。

 

 

 

 

 

ーー“白塗の巫女“は舞う。これまでのことを、全て白く染め上げて........

 

 

ーー“白塗の巫女“は舞う。染め上げた台本に、新たな歴史を描いて........

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「ふぅ、........終わったか」

 

 

俺は舞姫を元に戻すと、鞘に収めた。何故俺が踊れるかというと、実は白塗の巫女だからなのか、師父の趣味なのか、小さい頃に習わされたのだ。

思ったんだが、本当は俺は“白塗の神主“の筈なのに今思えば巫女をやってたのも全部師父に無理矢理

 

「流石に疲れましたね。それにしても、皆さんお揃いで固まってどうしたんです?」

 

 

早奈の一言で、硬直状態の神々は一斉に我に返る。そして、大音量の拍手の雨が俺達に降り注いだ。

 

 

「楼夢様ァァ!!最高でしたァァァァ!!」

 

「楼夢姉様ァァ!!結婚してくださいィィ!!」

 

「楼夢姉様ァァ!!これから桃姫と呼ばせてくださいィィ!!」

 

「俺も桃姫と呼ばせてくれェェェ!!」

 

 

「「「「「桃姫!!桃姫!!桃姫!!」」」」」

 

「俺は男だ!!」

 

「やばい、桃姫が怒ったぞ!」

 

「怒った桃姫、通称“鬼姫“でどうだ?」

 

「あ、なんかしっくり来るな」

 

「NA☆NI☆GA☆DA☆?」

 

「「「「「い、いえ、なんにも!」」」」」

 

「そうかそうか........聞こえてたぞ」

 

「「「「「お許しください!!」」」」」

 

「許すわけねェだろ!!」

 

 

ピチューん

 

 

「 モウヤメルンダア」

 

「HA☆NA☆SE☆」

 

「死にたくなァい!」

 

「もうダメだ........おしまいだァ........」

 

「逃げるんだァ........」

 

「失せろ、ゴミクズ共ォ!!!」

 

 

 

 

ーー当日、真夜中の大和の神社で、断末魔が聞こえたという........

 






~~今日の狂夢『様』~~


「更新遅れてすいません!中間テストとかで色々忙しかったんです!作者です」

「ちなみに結果は?狂夢だぜ」

「国語はクラス内で下から三番目になりました」

「駄目じゃん!流石ゴミクズ」

「人生オワタ\(^ω^)/」

「反省しなさい」

「そんなことより、地味に“奈落落とし“って色んな使い道がありますよね」

「話しを変えやがった。まあ、アレは戦闘でも日常でも使えるからな」

「楼夢さんが使った応用の他にどんな使い道があるんですか?」

「直接投げて使うとかだな。アレは結構な衝撃を与えても爆発するから」

「まあ、取り敢えず使い道を間違えるとただの凶器になることは分かった」

「そんなの当たり前だろ」

「どうしてこういう物ばっか作るのかねェ........」

「分からん!」


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神名



名は人を作らない

人の歩いた足跡に刻まれるだけである


by白咲楼夢


 

楼夢side

 

 

「........平和だねえ、どうも」

 

 

あの宴会から軽く数ヶ月の時が流れた。現在の季節は春である。

あの後、俺は女扱いしてくる神共を吹き飛ばした。余談だが、俺が踊れる理由は元々巫女(男)だった為神事などは得意なのだ。

 

 

俺はそこら中に咲いた桜の花を縁側でごろんと寝転びながら眺めている。

手には勿論“奈落落とし“と団子がそれぞれ握られていた。

 

あれから、特に珍しい事は起きていない。小さい事件なら多々あるもの、珍しいと呼べる物はなかった。

 

 

「楼夢さーん、お客さんですよー!」

 

 

早奈が呼んでいるので、俺は立ち上がり、酒などを片付け始める。

そして片付け終えると同時に居間へと向かった。

 

 

「早奈ー、来てやった........ぞ........?」

 

「あらあら、お久しぶりですね、楼夢」

 

「よっす楼夢。来てやったぞ」

 

 

居間にはなんと大和の主神の天照と須佐之男が座っていた。

おいコラてめえら大和の国はどうした?

 

 

「国なら部下に任せています」

 

「........いいのかそれで」

 

「まあ、暇潰しに来ただけだ。そう警戒するな。それより神力前より増えてねえか?」

 

「してねえよ。........はぁ....めんどい客が来たもんだぜ。後神力が増えたのはお前らを倒したせいで妖怪達の信者が増えたからだと思う」

 

 

これは俺の推測だがな、と俺は付け足しておく。すると天照が何か思い付いたような表情で俺を見つめた。

 

 

「そういえば楼夢は神名とかないんですか?」

 

「神名?んなもん必要あるのか?」

 

「格好だけでも付けておいた方がいいかと」

 

「かと言ってすぐ思い付くかよ」

 

「んじゃ今から考えようぜ」

 

「「「それ賛成!!」」」

 

 

突然扉が開き中から丁度いいタイミングで神奈子、諏訪子、早奈が飛び出して来る。というか盗み聞きしてんじゃねえよ。

 

 

「というわけで良い名前があったらすぐに言ってください」

 

 

天照が微笑みながら言う。だが、その目からは彼女が遊び半分である事が分かった。いや、恐らく天照だけではなく俺以外の全員が遊び半分なのだろう。........一言言わせてくれ........

 

 

 

ーーどうしてこうなった?

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「うーん、イマイチしっくり来ないですね」

 

「こんなのどう?『女垂らしクソ野郎』」

 

「却下に決まってんだろうが!!ていうかてめえらはなんでそういう系の名前ばっかしか考えられねえんだよゴミクズ共ォ!!」

 

 

そう、今まで出てきたのは全部『桃髪男の娘』とか『女落とし』などの巫山戯た名前しかない。若干俺の心が傷ついているが、あいつらはお構いなしに傷跡を抉ってくる。

 

 

「え、楼夢は気付いてないのか?今のお前は縁結びの神として人間達に信仰されているんだぞ」

 

「は!?何だよそれ!誰の仕業だ!!」

 

「あの宴会の後楼夢は色々な神々に何十回以上も求婚されたでしょ?それを聞いた一部の人間達が楼夢のことを縁結びの神様と勘違いしたらしいよ。その噂が広まって、現在ってわけ」

 

「通りで最近神力がやけに増えるわけだ。ていうか俺を信仰して何の利益があるんだよ........」

 

 

俺はハァっとため息をついた。取り敢えず諏訪子とかは期待してはいけない為、俺が考える事になった。が、俺に良いアイディアなど無く、しばらくの間静寂が部屋を支配した。その時

 

 

「閃いた!!」

 

 

早奈が大きな声を出して叫んだのだ。そういえば早奈はまだ一回も案を出していない。俺は早奈に微かな期待を抱いた。

 

 

「『産霊桃神美(ムスヒノトガミ)』と言うのはどうでしょうか?」

 

「名前の意味は何だ?」

 

「楼夢さんは縁結びの神様なので結びと掛けて産霊(ムスヒ)にしました。意味は万物を生み出す神と言う意味です。つまり、これは楼夢さんの能力を指しています。

そして桃神美は楼夢さんの外見の事ですね。つまり桃色の髪を持った美しい神と言う意味です」

 

「いいね、流石私の子だ。それで楼夢はどうなの?」

 

 

諏訪子が早奈を撫でながら俺に問う。私的には今までの中で最もまともだったので良しとしよう。

 

 

「異議なし。まあ、今日から神としてはこの名を名乗ろう」

 

「ふむ、なんとか終わったわね」

 

 

神奈子はそう言うと欠伸をした。流石に疲れたのだろう。

 

 

「ああ、そういえば一つ言ってなかったな。俺はもうそろそろ旅に出る」

 

 

この言葉に俺以外の全員が目を見開いた。まあ、突然言えばこうなるか。

 

 

「........納得行かないって顔だな」

 

「当たり前だよ。急にどうしたの?もしかして此処での生活が嫌になったの?」

 

「嫌になったわけじゃない。ただ、俺は神であると同時に妖怪でもある。それがバレたらお前らの立場が危ないだろ?それにそろそろ旅を再開したいと思っていたからな」

 

 

「........分かった。そこまで言うなら引き止めはしないよ」

 

 

多くの者が諏訪子の意見に賛成のようだ。だが、その中で一人だけ反対する者がいた。

 

 

「私は........反対です!」

 

 

それは早奈だった。彼女は息を荒げて叫んだ。

 

 

「私は楼夢さんと一緒にいたいです!楼夢さんがいなければ前回の戦争で私は助かりませんでした!楼夢さんがいなければ........うぅ、うわぁぁぁぁん!!」

 

「ちょっ泣くな早奈!?一応俺はあと一年ぐらいは此処にいるつもりだ!!」

 

 

俺がそのことを伝えると早奈はすぐに泣き止んだ。ただその顔はトマトのように真っ赤に染まっていた。

隣を見れば諏訪子達がニヤニヤしながら俺と早奈を見ていた。

 

 

「良かったね~早奈。愛しの王子様が出て行かなくて」

 

 

その言葉を聞くと、早奈は遂に耐えきれなくなり勢いよく居間から走り去った。

 

 

「もう諏訪子様なんて知りません!!」

 

「あちゃ~どうやら怒らせちゃったみたいだね」

 

「だけど楼夢。もし早奈があんたに告白した時あんたはどうするんだい?」

 

 

神奈子の問いに俺はしばらく考え込む。そして再び口を開いた。

 

 

「いくら情があれど俺は妖怪。そして早奈は人間だ。超えてはいけない一線を踏み越せば彼女に害が及ぶ」

 

「........分かってるならそれで良い」

 

 

その後、俺達はしばらく話し合った所で解散となった。

 

俺は先程神奈子に言われた事を思い出した。

 

 

「人間と........妖怪の差か........」

 

 

俺は神社の屋根まで飛んだ後、そのまま仰向けになって星空を見上げた。

 

 

俺は夜の星空が好きだ。闇の中でも無数に輝く星は、まるで人間達のそれぞれの思いを描いているようで綺麗だからだ。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「フフーン、気持ちいい~」

 

 

現在俺は風呂に入っている。守矢神社の風呂は普通より大きいので此処は俺の好きな場所の一つとなっていた。

 

俺は肩まで湯に浸かる。すると溶け込むかのように身体から力が抜けていった。

 

その時、風呂場の扉が勢いよく開かれた。そしてそこからーーーー

 

 

「お背中お流しします!!」

 

 

ーーーー早奈がタオルを胸の高さまで巻いて飛び出して来た。........マジかよ........。

 

 

「えーと、早奈。状況が理解出来てないんだけど」

 

「だからお背中流しに来ました」

 

「いやいや何故そうなった?」

 

「お昼の仕返しです。大人しくしてください」

 

「何故昼の仕返しが背中を流すことなんだ?」

 

「はい、流しますよー」

 

「聞けやゴラ」

 

 

俺の話を無視して早奈は俺の背中を流す。彼女の顔をこっそり覗いてみると、その顔は少し真っ赤に染まっていた。恐らくは恥ずかしいのだろう。

 

無理もない。早奈は元々胸が大きいのに、そこへタオル一枚となるとそういう物に興味がない俺でも自然と目が行ってしまう。これが俺じゃなくて普通の男だったら問答無用で襲っていただろう。

 

 

「あれ、楼夢さんの右腕に描かれた紋章みたいな物は何ですか?」

 

 

そう言って早奈は俺の右腕を凝視する。何時もは袖で隠されて見えないが、俺の右腕には入れ墨で描かれた紋章が刻まれている。形は花にも、見方を変えれば太陽のようにも見える形をしている。

 

 

「俺の家系は全員この紋章を刻まれるんだよ。まあ、その者によって変わるけどな」

 

 

もうこの際説明してしまおう。俺の右腕の紋章。これは“白塗の紋章“だ。

俺の家系では“一閃“になった時に初めて紋章を刻まれる。だが、その時の紋章は未完成だ。

その後は、階級が上がる事に少しずつ付け足されて行くのだ。

 

俺は白塗なのでこの紋章は既に完成されている。まあ、紋章の話はここまでにしよう。

 

 

「へえー、楼夢さんにも家族っていたんですね」

 

「........今はもういないけどな」

 

「........なんだか嫌な事を思い出させちゃったみたいですね」

 

「いや、大丈夫だ。そんなことよりさっさと背中流してくれ」

 

 

早奈はすぐに俺の背中を流す。うむ、意外と気持ちいい。

 

 

「楼夢さんの髪って長いから背中流す時に邪魔ですね」

 

「切ろうと思っても切れないのは知ってんだろ。........聞いてんのか?」

 

 

俺は早奈の方に振り返ると俺の髪を犬のように嗅いでる早奈の姿があった。

その顔は先程よりも赤くなっており息も荒い。

 

 

「ちょ、おま、何やってんだよ!?」

 

「だって~、楼夢さんの髪を嗅ぐと身体が熱くなるんだもん~」

 

「俺の髪は媚薬か何かか!?」

 

 

早奈は立ち上がり一気に俺との距離を詰める。そしてあろうことか自分に巻いてあるタオルを脱ぎ始めたのだ。

 

 

「ほらぁ~楼夢さんのせいで下の方もグチョグチョですよ。責任取ってくれますよね?」

 

「え、ちょ、何するつもり!?」

 

「それは始まってからのお☆た☆の☆死☆み☆ですよ」

 

「や、やめてェェェェェェェェェ!!!」

 

 

 

 

ーーこの後、殺る気満々の早奈を諏訪子と神奈子がなんとか止めたそうな........

 

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~


「はい、という事でお久しぶりです。投稿遅れてすいません。作者です」

「ちなみに作者が遅れた理由は中間テストの後に英検準二級を控えてたからだぜ。そして来週は仏検二級があるからしばらくは投稿出来ないなこりゃ」

「さて今回は白塗の紋章について説明するぜ」

「本編の説明じゃ良く分からないと思いますからURL貼ります」

「興味があれば作者の幼稚園レベルの絵をご覧あれ」

URLは↓

https://img.syosetu.org/img/user/133968/18774.jpg


「見れなかったら報告してください。では次回もーーーー」

「キュルっと見に来てね/来いよ!!」


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別れのメロディ



ーー別れが来る

ーー降り注ぐ雪と共に

ーー掌に落ちた雪は溶けて消え去る

ーーそれは私の未来を表すのか

ーーどっちでもいい、ただ前を向こう

ーーいずれ別れたとしても

ーー時には後ろを振り返ることもあるだろう

ーーそれでいい

ーーただ、信じたい


ーーまた会える日を........


by白咲楼夢




 

 

楼夢side

 

 

時間が過ぎるのは早いものである。

守矢神社の境内では、既に雪が一面に積もっていて美しい銀世界を生み出している。

 

 

ーーそう、来てしまったのだ

 

 

「........寂しくなるね」

 

「また何時か来るが良い。客人としてもてなすぞ」

 

 

ーー約束の一年後。旅立ちの日が

 

 

「永遠の別れじゃないからまた何時か会えると思うぞ」

 

 

ーー来てしまったのだ........

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「それにしてもなんで寒い冬に旅立とうと思ったの?」

 

「いや、別れのムードって奴が出ると思って」

 

 

そう言いながら俺はけらけらと笑う。

諏訪子はそれに呆れていた。

 

 

「ほら、早奈ももう泣き止みな」

 

「うぅ、グスン」

 

「はぁ~、しょうがねえな」

 

 

俺は早奈の頭を撫でる。すると早奈は徐々に落ち着きを取り戻して来たようだ。

 

 

「ああ、そうだ。早奈にあげる物があったな」

 

 

俺はそのことを思い出し、服の袖から“舞姫“と同じくらいの長さの長刀を取り出した。

 

 

「前々から思ったんだがその服の袖はどうなってるんだ?」

 

 

神奈子が不思議そうな目で服の袖を見る。

 

 

「ふふん、実はこの袖は四次元ポケットになってるのだ!」

 

「よじげんぽけっととやらのことは分からないがそれが別空間から物を取り出すことが出来るのは分かった。ではお前の腕はどこから出ているんだ?」

 

「ああ、これか?まあ説明してやる」

 

 

この服の袖は四次元ポケットになっている。それは事実だ。実際は混沌の世界に繋がっているがそこは気にしない。

 

では俺の腕は異空間から出てるのか?否、それは違う。

ご親切にこの四次元ポケットは外側から内側へ入った時しか機能しないのだ。

分かりやすく説明すると、服の中を内側、外を外側とする。

袖に腕を通す時は必ず服の内側から外側へ通すことになる。この時腕は内側から外側を通ったので四次元ポケットは機能しない。

だが、先程のように袖の外側から内側を通った場合四次元ポケットが機能するのだ。

 

蛇足だがこの巫女服を作ったのは狂夢だ。まあこれのおかげで色々と助かっているのは事実だが。

 

 

「取り敢えず色々凄いことが分かった」

 

「分かってねえだろ絶対。ほらよっと」

 

 

俺は早奈に取り出した長刀を渡す。

早奈はそれを受け取るとゆっくりと刀身を鞘から抜いた。

 

 

「........綺麗........」

 

「実は旅に出ると決めた時に秘密で創ったんだ。まあ、気に入ってもらえて何よりだ」

 

 

俺はそう言うと早奈に微笑んだ。

 

今回俺が渡した刀は今までにないくらいの自信作だ。

刀身は透き通ったような色をしており、不思議な光で包まれていた。

取り敢えずこれさえあれば中級の妖怪くらいどうにかなる。まあ、護身用のような物だ。

 

 

「酷いねえ、私達にも何か無いのかい?」

 

「お前らとはまた会えるだろ。早奈にはもう会えないかもしれないからな」

 

「........ッ!」

 

 

俺が寂しげな顔をしていると、その言葉に反応したのか早奈の顔付きが変わった。

その顔は今にも泣き出しそうな悲しい表情だった。

 

 

「........じゃあそろそろ「待ってください!!」

 

 

俺が立ち去ろうとすると、早奈が大きな声で俺を引き止めた。その顔は何か覚悟を決めた表情だった。

 

 

「楼夢さん。私は........私は........貴方のことが好ーーーー」

 

 

早奈がそれをいい終えるより先に、楼夢は早奈に抱き着いてその言葉を遮った。

 

 

「その言葉だけは言っちゃ駄目だ........」

 

「........えっ?」

 

「いくら仲が良かろうが所詮俺は妖怪お前は人間。それ以上のことを言ってしまえばお前はもう戻れなくなる」

 

「そん、な........」

 

「........ごめんな」

 

 

俺は早奈の頭を撫でながらそう謝罪する。だが、仕方が無いのだ........

 

 

「........じゃあ、そろそろ行くぜ」

 

「早奈のことは任せな。こう見えて彼女は私の子だからね」

 

「こちらこそすまんない........元気でな」

 

「........ああ」

 

 

俺はその言葉を最後に神社の階段を下り始める。

 

 

ーーこれで良かったのだ

 

 

超えてはいけない一線を超えればそれは害となって彼女を襲う。それだけは許されない。

 

 

ーー........ただ、........

 

 

なんだろうこの気持ちは?まるで今の自分が化け物に見える。

 

俺は自分の右腕を見る。

今の自分は妖怪だ。

それはつまり人間と接しすぎてはいけない証拠。もしメリー達が生きていても自分はもう接することは出来ないのだ。

 

 

 

 

ーー嗚呼、もし人と妖が共存出来たら........

 

 

ふと、そんな考えが頭に過ぎった。

 

 

 

 

ーーだからこそ聞こえなかった。少女の最後の言葉を

 

 

 

 

 

「........諦めませんよ........」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

狂夢side

 

 

「ふい~、終わった」

 

 

とある世界にいる少年がそんなことを呟いた。

 

 

ーー此処は混沌の世界。楼夢の精神世界に当たる所であり狂夢の根城でもある。

 

 

「これで諏訪大戦の歴史は終わりだ」

 

 

俺はそう呟くと自分の目の前にある棚に先程書き終えた諏訪大戦についての本をしまう。

 

 

ーー此処は時狭間の部屋。様々な本が保管されている場所である。

 

 

「ったく、楼夢の野郎も戦い終わったら今度は刀を創れって........たまには休ませろってんだよ」

 

 

そう愚痴を吐きながら少年はとある棚の前に来ると、探している本を探し始める。

 

 

「お、あったこれだ。たまにはチェックしないとな」

 

 

狂夢が取った本は、他のとは違い大妖怪でも最高神でも解くことが出来ない程強力な結界が貼られてあった。

 

狂夢はその本を持ったまま、時狭間の部屋から出て、その扉を閉めた。

 

本のタイトル。そこにはーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー『白咲楼夢』と刻まれていた。

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~


「期末テスト残り一週間とちょっと!しかも今週に仏検と言う邪魔者が!テスト勉強出来ないよパトラッシュ。どーも、作者です」

「てめぇはテスト勉強してやがれゴミクズが!!狂夢だ」

「とは言っても最近小説投稿ペースが落ちる一方なんですよ。一話だけでも投稿しとかないと」

「じゃあなんで俺ん家でゆっくりしてんだよ!!作者だからって週一のペースで人の家に来てんじゃねえ!!」

「はいはい、帰ればいいんでしょ」

「ああ、さっさと失せろ」

「酷い!もういいお家帰る!!」

「という訳で次回もキュルッと見に来いよ!後、コメント&お気に入り登録よろしくな!コラボなども募集中だぜ」


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道中、山あり谷あり編 MOUNTAIN OF MONSTER《妖怪の山》


俺の道は針山地獄

障害物を焼き尽くし 辺りに広がる焼け野原


俺の道は一方通行

邪魔をするならぶっ壊せ 道を遮りゃぶっ潰せ


そうして道は開かれる


by白咲狂夢


楼夢side

 

 

どーも皆さん、白咲楼夢だ。え、現在何処にいるのかって?それは後でということであの後諏訪国を離れてから軽く数十年の時が流れた。

 

一応都に行ったが、どうやら聖徳太子が死んだ時期と俺が旅立った時期が同じだったみたいだ都に来た時にはその顔を見ることが出来なかった。

おまけに聖徳太子が死んだせいで辺りが静まり返っておりとてもつまらなかったので現在は日本各地を旅している。

 

 

話は変わるが皆は『ほのおのブーメラン』を知っているか?ドラクエでもかなりメジャーな武器で、投げるとブーメランが炎を纏い、相手を攻撃することが出来る優れものだ。

 

さて、何故俺がこんなどうでもいいことを話しているかというとーーーー

 

 

「ほーらほら、さっさと走んないと追い付かれるぜ♪」

 

「逃げろォォォォォッ!!」

 

「うわァァァァッ!!」

 

 

ーーーー現在『ほのおのブーメラン』で犬ころを無双しているからだ。

 

 

元々あっちから吹っ掛けてきた勝負だ。ったく、妖怪の山だか知らねーが、山の中を通ろうとしただけなのに迷惑なもんだ。

........あいつらは自分達のことを白狼天狗とか言ってたがどう見てもありゃただの犬ころだ。そうにしか見えん。

 

 

「見つけたぞッ!!」

 

「今だ、捕えろ!!」

 

「そこ、五月蝿い」

 

 

俺はほのおのブーメランを投擲する。すると、次々とブーメランは犬ころに当たり道を作り出す。

 

 

「........犬ころの増援か」

 

「死ぬな、家康ゥゥゥゥ!!」

 

「諭吉、目を覚ましてくれェェェ!!」

 

「俺の夢や誇り、全てお前に託した........(ガクッ」

 

「ご、ごん座衛門ォォォォン!!」

 

「天国で安心して見ててくれ........。お前らの意思はこの野口が受け継いだッ!!(キリッ」

 

 

........ナニコレ?まずごん座衛門以外名前が歴史上のこれから出て来る有名人と同じじゃねえか。アウトだよその名前!?

最後に手を抜いといたからごん座衛門は生きてるぞ。

 

 

「ごん座衛門の仇!!」

 

「ああもう、少しは大人しくお座りでもしてやがれ!!」

 

 

........取り敢えずこのゴミを一掃しよう。

よくよく見ると犬ころの他に鴉のような翼が生えた奴等もうじゃうじゃいる。

大体犬ころ五十匹に鴉二十羽か........楽勝だな。

 

俺は『妖狐状態』になると服の袖から金で装飾された美しい弓を取り出し、左手に神力を込めて引き絞った。

 

 

「神弓“ラルコンシエル“」

 

 

楼夢の弓から、金色の光が放たれた瞬間、天狗達の前方には百を超える神力の矢が放たれていた。

 

多くの者は突然のことで反応出来ず、矢を喰らうが中には耐え切った者もいた。彼等は楼夢を探すが時すでに遅し。

 

 

「はいはーい、こっちだよー」

 

 

天狗達が空から声が聞こえたかと思うと

 

 

ーー雷降“プルイ・ドュ・エクレール“

 

 

天狗達の頭上に、無数の雷の矢の雨が降り注いだ。

 

 

「「「ギャァァァァァッ!!」」」

 

 

天狗達は次々と断末魔を上げると、地面に倒れ気絶する。

 

 

「安心しな。手加減しといたから死にはしなーーーー」

 

 

楼夢が言い終えるより先に、一人の少女が持っている刀で楼夢を切り付けた。楼夢はそれを軽くバックステップして躱すと、少女を見て関心した。

 

 

「へ~、あれを避けるなんて嬢ちゃんやるね」

 

「........此処は我々天狗の領地である妖怪の山よ。それを知ってでの行いかしら?」

 

 

少女は紅葉の葉のような形をした扇を左手に、刀を右手に持って俺に問う。

外見は白い半袖の服を着ていて山伏のような赤い帽子を被った黒い髪と赤い瞳を持っている。

 

 

俺は神力で創り出した弓ーーラルコンシエルを少女に向けて話す。

 

 

「取り敢えず俺の名は白咲楼夢。この山を通る理由は此処を通った方が目的地まで最短距離を歩けるからだ」

 

「私の名は射命丸文(しゃめいまるあや)。天狗部隊隊長よ。そしてこの山からお引き取り願うわ!」

 

「それは手厳しい」

 

 

俺はラルコンシエルから無数の神力の矢を文に放つ。

 

この弓は一発放てば無数の矢となる『連射型』と無数の矢の力を一発に込めて射つ『集中型』の二つに切り替えることが出来るのだ。

 

他には天候に関する力を纏う能力がある。

例を上げれば“プルイ・ドュ・エクレール“は雷の力を纏った矢を連射するように他にも雨等の力を纏う事が出来る。

 

 

だがその無数の矢を文は素晴らしい旋回能力で避け、俺を切り裂こうと急降下して突撃する。

 

 

「縛道の八“斥“」

 

 

だが俺は左手の甲に斥力を持った小さな結界を作り、裏拳を文の刀に繰り出し弾く。

 

 

「くうゥゥ........ッ、この........ッ!!」

 

 

文は我武者羅に刀を振るが、達人を超えた剣術を扱う俺にとってはスローにも等しく刀を振り下ろした瞬間を狙って『連射型』の全ての矢を超圧縮した一本の矢で文にカウンターを放つ。

 

文はそれを瞬時に察知し避ける。だが矢は後ろの障害物を貫通し、周りの木々を薙ぎ倒す。

 

 

「な........ッ!?」

 

 

文が驚くと同時に一滴の赤い雫が頬を垂れる。見れば文の頬には先程避けた矢が掠っていた。

文はその矢の威力を充分理解し、すぐさま離れて空から弾幕で攻撃してくる。

 

俺は迫り来る弾幕を無数の矢で撃ち落としながら文を攻撃する。

 

文はそれを自慢のスピードでくぐり抜け、扇で竜巻を作り俺を攻撃してくる。

 

 

「一々鬱陶しい!!」

 

 

俺は『ほのおのブーメラン』を思いっきり竜巻の中にぶん投げ相殺させる。『ほのおのブーメラン』は役目を果たすと粉々に砕け散った。

 

 

「あ〜あ、壊れたか........。まあ鉄さえあれば幾らでも作れるから良いか」

 

 

そこで俺はあることに気付く。それは竜巻の後ろに隠れていた文がいないのだ。

あいつは爆発に巻き込まれた位で死ぬほど弱くない。

となれば考えられるのはーーーー

 

 

ーー直後、俺の後ろに風が吹く。それは明らかに自然の物ではない。人為的に起こされた物だった。そして、気付いた時には文が俺の背後から物凄い速度で突っ込んで来た。

 

 

「言い忘れてたけど私の能力は『風を操る程度の能力』よ。付いた肩書きは『鴉天狗最速』。私を捕らえられる者はいない!!」

 

 

文は高らかに勝利を確信すると、楼夢に斬撃を放つ。

しかも先程のような普通の斬撃ではない。文の刀は見れば超圧縮した風から発生したプラズマを纏っていた。

 

 

文はまず目くらましの為に竜巻を放ち、能力で風を纏ってスピードを上げたのだ。

 

元々文を含む鴉天狗は飛行能力が極めて高い種族だ。そんな鴉天狗に風の力が加われば誰も止める事が出来なくなる。

 

後は、そのスピードを活かして楼夢の後ろに回り込んで攻撃をすればいい。

 

一方の楼夢はさほど身体能力が高くない『妖狐状態』でいる為文のスピードに身体が反応出来なかった。

 

 

ーー相手の後ろを突いて戦う。殺し合いに於ける常識であり至極単純な事。

 

 

ーーーー故に読み易い........

 

 

 

メギャァ........ッ!!

 

 

「がっ........!?」

 

 

文は突如鈍器のような物で殴られた感触を感じた後、周りの木の幹に吹き飛ばされる。

 

 

「な........んで........ッ!?」

 

 

文は木の幹にぶつかった衝撃で体内の酸素を一気に吐き出した。

 

酸素が頭に回らない彼女の思考はぐちゃぐちゃになった。

 

 

(どうして........ッ!?アイツはさっきまで反応出来ずに私に無防備な状態で背中を見せてたじゃない!?なのに何故........ッ!?)

 

「『理解出来ない』と言いたそうだな」

 

 

文はその言葉を聞くと俺を睨み付ける。

だがその目には光がなかった。どうやら前を見るのすら困難らしい。

 

 

「まず俺がしたことは至極単純な事だ。お前が物凄い速度で突っ込んで来たのをカウンターでこいつで殴っただけだ」

 

 

俺はそう言うと自身の十一本の尻尾を指差す。

 

尻尾一本一本の長さは約二メートルで、言ったら悲しくなるが実際は俺よりもデカい。

 

........えっ?自分より大きい尻尾を十一本も持ってるのになんでそんなに動けるかって?それは俺が妖怪だからだ。

まあ私的には尻尾なくてもあっても重いと感じた事はない。

 

さてそんな二メートルもの尻尾を振り回すとどうなるか?ちなみに俺の尻尾は何時もモフモフしているが妖力で固める事で太い棍棒と化す。

 

まあ、取り敢えず尻尾を武器として使えば木々などを普通に薙ぎ倒す程強いし、何より『妖狐状態』の弱点である接近戦をなくす事が出来る。

 

 

「でも........どうして貴方は私が後ろに回り込む事が分かったのよ!?」

 

「何故って........そりゃ『読み易い』からだ」

 

「........ッ!?」

 

 

文は暫く悔しそうな表情を浮かべた後、俺に最後の質問をする。

 

 

「貴方は........()()()()のかしら?」

 

「........勿論ーーーー」

 

 

 

ーーーー()()()()()

 

 

「........ッ!?」

 

「悪いが意味もない殺しは俺の趣味じゃねェからな。生きてェなら這いつくばってでも生きてろ。死にてェならそこで野垂れ死ね。てめぇの好きにしろ」

 

 

俺はそう言うと再び山を進もうとする。がーーーー

 

 

「お前が侵入者か?」

 

 

そこには鴉天狗の羽よりも一回り大きい羽を持った女が空から降りて来た。

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~

「ゴミクズ共ォ!!俺様のパーフェクト説明教室始まるぜ!!俺様みてェな天災目指して、死ぬ気で詰め込みやがれェ!!」


「という事でお久しぶりです。期末が終わった。でも点数は気にしない!作者です」

「これから普通の投稿ペースに戻るんでよろしく!狂夢だ」


「さて今日は新武器“ラルコンシエル“の名前の由来を説明だぜ。では作者!」

「はい。まずラルコンシエルを元に戻すと『L'arc en ciel』となります。意味はフランス語で『虹』になります。まあ、この単語を知らないで読むと『空の弓』って意味になるからこの武器が作られました」

「成程。だから能力が天候に関しているのか」


「では今回はここまでです。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来いよ/来てね!!」」


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天魔VS楼夢!!桃色の神風



空を飛んで雲を裂き、辿り着くは風の山

黒い翼を幅かせて、森を超えゆく

天まで届け、我等が翼


by天魔


 

 

楼夢side

 

 

「........まためんどいの来たもんだ」

 

「この山に侵入して来たのはお前だろ」

 

 

そう言うとその女性は俺を睨み付ける。

鴉天狗に似ているが雰囲気からして彼女はこの山の頭領に当たるのだろう。

容姿は黒くて長い髪と豪華な着物が特徴的な女性だ。

右手には文の扇と似ているがそれより一回り大きい扇を持っている。

 

 

「天魔........様........ッ」

 

「ふむ........文も随分やられたな。........のうお主、ここまでしといてーーーー」

 

 

 

ーーーー無料(ただ)で帰れると思うなよ!!

 

 

天魔と呼ばれた女性はそう言うと殺気を剥き出しにして扇に妖力を込めて襲いかかる。

 

天魔は妖力を込めた扇を俺に振り下ろす。

俺は急いで『人間状態』になると、刀を抜刀しそれを防ぐ。

 

 

「まずは自己紹介からじゃねえか?なあ天狗!?」

 

「良かろう。私の名は天魔。この『妖怪の山』を管理している天狗の長だ」

 

「白咲楼夢。桃色の蛇狐だッ!」

 

 

俺は一旦バックステップをして下がると刀を構える。

 

 

「響け、『舞姫』!!」

 

 

俺は舞姫を解放すると同時に桜の花弁の形をした小弾を大量に放つ。

 

天魔は扇で風を起こしてかき消すが量が多い為全て消せずにいた。

 

 

「邪魔だッ!『暴風撃(ぼうふうげき)』!!」

 

「ほう、これまた強烈な........ッ!?」

 

 

天魔が叫ぶと、辺りに暴風が発生し弾幕を俺ごと吹き飛ばした。

 

 

「うわっ、ととッ!?」

 

「隙あり!!」

 

 

今度は天魔が空中に放り出された俺に向かって風の弾幕を繰り出した。

 

俺は舞姫で迫り来る全ての弾幕を切り裂き、反撃をする。

 

 

「“大狐火“!!」

 

 

俺は巨大な狐火を作り出した後、それを天魔に向けて放つ。

 

天魔はそれを扇で切り裂く事で真空の斬撃を飛ばし、それを防ぐ。

 

 

次に俺と天魔は空中を高速で移動し、自分の武器と相手の武器をぶつけ合う。

 

 

「く、チィッ!?」

 

 

だが相手は天狗のトップである天魔。対する俺は最強クラスといい元々は妖狐の身。空中戦でのスピードは相手の方が一枚上手だ。

 

さらに楼夢は地面に足を付けていない為腰の入った斬撃を繰り出す事が出来ないのだ。

 

 

「(ちィッ!足場さえあれば........。待てよ、足場…だと…?)」

 

 

楼夢は暫く空中で立ち止まり、思考を働かせる。

だがその間に天魔が恐ろしい速度で扇を構えていた。

 

 

「遂に諦めたかッ!?」

 

「そう見えるんだったらテメエの目は節穴だ」

 

 

楼夢がそう言った直後、天魔の脇腹が切り裂かれ、赤い血が吹き出る。

 

 

「ガ....ハァ........ッ!?」

 

 

天魔は目にも止まらない速度で楼夢から離れるがそれを超える速度で楼夢は天魔を追い、神速の剣術を繰り出す。

 

 

「何故じゃッ!?どうしてお主は私を超える速度で飛ぶ事が出来る!?」

 

「確かに俺の空を飛ぶ速度はテメエより遅い。だが俺の能力【形を操る程度の能力】で空気の形を固めて足場を作れば、話は別だ!結論から言おう!俺は空を飛ぶより走った方が速いッ!!」

 

 

楼夢が叫んだ後、舞姫が青白い光を纏い始めた。

 

 

「喰らえッ!霊刃“森羅万象刃ッ!!“」

 

「ウォォッ!!」

 

 

天魔は間一髪でそれを避けるがその先に2本の光り輝く剣が精製されていた。

 

 

「星十字“スターライトクロス“」

 

 

2本の剣は天魔の翼に突き刺さり天魔を拘束する。

 

 

「もう一発!“亜空切断ッ!!“」

 

「ク、クソォォォォッ!!」

 

 

 

 

ーー楼夢の斬撃は空間を切り裂き、凄まじい大爆発と衝撃波が天魔を呑み込んだ。

 

 

「........殺り過ぎたな。取り敢えず逃げようそうしよう」

 

 

俺は舞姫を鞘に収め速やかに此処を離脱する。

 

 

「とその前に........よいしょっとッ!」

 

 

俺は先程の衝撃波で気絶している文と天魔を背中に担ぎ、走り出す。目指すは天魔の家!レッツゴー!!

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「ーーーーという事で現在天魔の家で天魔達を寝かせてます。チェケラ♪」

 

 

ちなみにどうやって家もとい屋敷に入ったかというと、正面からは犬ころがわんさかいるので三階の窓から侵入(入り)ました。バレなきゃ犯罪じゃないんですよ♪

 

 

「う、うーん........」

 

「やっと起きたか」

 

「貴様は........ッ!?」

 

「落ち着けって。傷口に響くぞ」

 

「........此処は............?」

 

「寝惚けたか?お前ん家だよ」

 

 

そう言い俺は能力で精製した水を差し出す。彼女は自分が何故此処にいるのか分からないようだった。

 

 

「一つ聞く。お主は何故止めを刺さずあまつさえ私を助けた?何が目的だ?」

 

「目的ねェ....。強いて言うならこの山を通る事かな」

 

「本当にそれだけか?」

 

「うん、それだけ」

 

「........ククク、アッハハハハッ!!」

 

 

天魔は俺の返事を聞くと突然大声で笑い出した。暫くすると笑い止んだ天魔が答えた。

 

 

「この山をそんな理由で入って来たのはお主が初めてじゃよ」

 

「ったく、そんな理由で笑うんだったら看病してやんねえぞ」

 

「要らぬ心配じゃよ。それより私と少し呑んでかないか?」

 

「おっとそれじゃあ遠慮なく」

 

 

そう言い注がれた酒を一口呑む。かなり美味いがやはり“奈落落とし“の方が美味いな。

 

暫く天魔と呑んでいると、文が目を覚ました。どうやら目の前の出来事を理解出来ていないようだった。

 

 

「........天魔様。そいつが誰かご存知で?」

 

「ああ、今回の件の侵入者じゃろ?」

 

「じゃあなんでその侵入者と楽しく飲んでいるんですか!?おかしいでしょ普通!?」

 

「まあまあ、楼夢も悪気がある訳ではないのだし........」

 

「はぁ........。もういいですよ」

 

「という訳で文もどうじゃ?ちなみに拒否権は無いからな」

 

 

 

ーーという訳で俺は二人が飲み過ぎてぶっ倒れるまで飲み明かしたとさ。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「んで、調子はどうだ?」

 

「あんたの薬のお陰でだいぶ楽になったけどやっぱり気持ち悪いわ」

 

 

早朝、俺と文は妖怪の山を下っていた。

 

結局あの後俺は天魔ん家に泊まり一夜を過ごした。本人に許可は取ってなかったが怒ってなかったので良しとしよう。

 

それで出て行く時に道が分からないから文に道案内を頼んだ訳だ。

 

ちなみに文が言っている薬とは二人が二日酔いで苦しんでいた時に俺が渡した物だ。勿論これも制作者は狂夢の野郎だ。

あれがもう一人の俺だと今だ信じられないのが本音だ。

 

 

「いや、なんか昨日は悪かったな色々」

 

「別に仕事をサボれたから気にしてないわ。その事は感謝しておく」

 

 

俺らが談笑しながら暫く飛んでいると、ようやく山の一番下に着いたようだ。

 

 

「じゃあな、文。天魔にも宜しくな」

 

「いつでも来なさい。天魔様も喜ぶだろうし」

 

 

俺は妖怪の山に背を向け歩き出す。さて、次は何処へ行こうか........

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

???side

 

 

「中々面白い妖怪を見つけたわね」

 

 

楼夢が妖怪の山を抜ける一部始終を覗いてる者がいた。

 

 

「白咲楼夢........彼なら私の役に立ってくれる筈............」

 

 

少女はそう呟くと空間を歪ませ隙間のような物を作り出す。その奥には大量の赤い瞳が輝いていた........

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~

「本当は七夕に投稿したかった!作者です」

「願い事は........やべぇ思い付かない。狂夢だ」


「作者は七夕になんて書いたんだ?」

「色々ですよ色々」

「英検合格出来ますようにか?」

「いや、それよりも重要な事です。狂夢さんは?」

「今書いた所だぜ。早速飾ろう」

「という訳で今回はさよならです。次回もキュルッと見に来てね」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


七夕に書かれた願い:


ーー荒宮紅夢:今年こそ童貞卒業出来ますように。


ーー白咲狂夢:この小説の主人公になれますように。あと出来れば楼夢ばかりではなく俺にも女をください。


........性欲丸出しの二人であった。


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夢の理想郷作りとスキマ妖怪


夢は叶わず、現実は冷たい

けれども叶えたい夢もある


by白咲楼夢



楼夢side

 

 

オッス皆、オラ楼夢。現在日本各地を旅してる流浪人だ。だけど最近家が欲しいと頻繁に思う。だってこのままじゃ絶対ホームレスとか言われそうじゃん。それだけは絶対に避けたい。

 

 

と言ってるが現在進行形でそこらの森で野宿しているという現実が虚しい。

今度サンタさんに「家をください」ってお願いしようかな。........うん、プラモの家を買って来るサンタさんの姿が想像出来た。何という想像力。

 

と、そんなどうでもいい事を考えながら食料のカロリーメ●トを食べる。ちなみにこれも狂夢が作った物だ。ほんとに何でも出来るな、アイツ。

 

そんなことより、俺は自分の真横の誰もいない空間を見つめる。そして、カロリーメ●トを食べながらその空間に語りかけた。

 

 

「うん、美味いねェカロリーメ●トは。........あんたもそう思うだろ?」

 

 

 

「あら、私はそれを食した事がないので分かりませんわ」

 

 

突如、空間が割れその中から女性が出て来る。だが楼夢はその女性よりも空間の割れ目の方を見つめていた。

 

 

「(あの空間の割れ目........何処かで見たような............痛ッ!?)」

 

 

突如、楼夢の頭に激痛が走る。

それと同時に楼夢の脳裏に一つの映像が映った。

 

 

「(あれは........蓮子とメリー!?何故だ!?こんな記憶俺には............)」

 

 

その映像には蓮子とメリーが先程見た空間の割れ目の前で立っている光景が映っていた。そして楼夢の頭にいくつもの疑問が浮かんだ。

 

 

「(何故メリー達があの割れ目の前にいる!?一体あれは何なんだ!?そしてーーーー)」

 

 

 

 

ーーーー誰だこいつはッ!?

 

 

楼夢はメリー達の横で楽しそうに笑う人の姿があった。腰まで長い美しい黒髪を持っているが、その顔は黒く塗り潰されたようになっていて良く見えなかった。

 

 

「(落ち着いて情報を整理すると、まずこんな記憶を俺は知らない。つまり俺は此処にいなかった可能性が高い。取り敢えずメリー達と親しい人間を、昔と共に振り返っ........て................ッ!?)」

 

 

その時楼夢は気付いてしまった。自分の記憶を掘り返すとメリー達の笑顔が浮かんで来る。だが同時にーーーー

 

 

 

 

ーーーー生前の自分の顔を一切思い出せない事に。

 

 

「(どういう事だ!?こんなの普通じゃない!?まるで記憶が切り取られたようなーーーー)」

 

 

そこで映像は途切れた。楼夢は気付かれないように冷静になり、女性を再び見つめる。

 

 

女性の身長は俺より低く、金髪の長い髪と、紫に輝く特徴的な瞳を持っていた。さらに頭にはリボンの付いたナイトキャップを被っていて紫色の中華服に似た服を着ている。

如何にも紫だなァ、と思ってしまう少女だった。

 

だが問題はそこじゃない。問題はこの少女があまりにもメリーに似ていた事だ。

特にナイトキャップを被っている所と金髪な所が同じだ。ひょっとすると彼女は昔の俺と何か関係性があるのかもしれない。

 

 

「私の名は八雲紫(やくもゆかり)、スキマ妖怪よ。今日は貴方に用があって来たわ」

 

「ふーん。俺の名は白咲楼夢。でそれは何?」

 

 

楼夢は軽く自己紹介すると先程から気になっていた空間の割れ目のような物について問い質す。

 

 

「これは私の【境界を操る程度の能力】で空間の境界に裂け目を作ったスキマと呼んでいる物ですわ。まあ、一種の亜空間と思ってください」

 

 

紫は胡散臭い笑みを浮かべながら答える。

それにしても亜空間ねェ........。だが流石に混沌の世界程ではないだろう。あっちは移動とかも出来るみたいだが、その分混沌の世界は一つの世界として認識される程広いのだ。あそこを管理している狂夢君に拍手。

 

 

「さて、用件をどうぞ。ちょうど食い終わったし」

 

 

俺がそう言うと紫の周りの空気が緊張感に包まれる。やがて、紫はその口を静かに開いた。

 

 

「貴方、ーーーー」

 

 

 

 

 

ーーーー私の式にならない?

 

 

 

「勿論却下です♪」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

紫side

 

 

白咲楼夢。私が彼を見つけたのは彼が妖怪の山に入った時だ。

 

天狗の頭領である天魔を超える力を持ち、侵入者である筈なのにあのお硬い天狗と酒を飲む。

確かな力を持ちながら性格は友好的。まさに私の夢を叶える為に必要な人材だ。

 

だから彼を私の式にしようとした。だが返答はーーーー

 

 

「勿論却下です♪」

 

 

即答で返された。正直言ってこんなに早く返されたら流石の私だって傷付く。

 

 

「即答ね」

 

「当たり前だ。俺は自由が好きなんだ。俺より上の存在はいない。逆に下の存在もいない........とは限らない」

 

「まるで自分より強い者はいないと言ってるような口ぶりね」

 

「強けりゃ良いって訳じゃないんだよ、ワトソン君。血を見て喜ぶ奴らは火神(バカ)狂夢(アホ)だけで充分だ」

 

「そう、なら自分より上の存在がいるという事を教えてあげるわッ!!」

 

 

私は彼に大量の弾幕を放つ。我ながら美しい弾幕である。だが彼はそれをひょい、と避ける。

 

 

「うーむ、食後であまり動きたくないけど........しゃあないか」

 

 

彼の後ろから計十一本の金色の尻尾が出て来る。式にしたらあれを枕代わりにしよう。

 

 

彼は桜の花弁のような弾幕を何千と撃ってくる。

一個の大きさが小さくとも量が量なので厄介だ。

 

避け切れない弾幕を私はスキマで防ぐ。そして彼の近くにスキマを開いて弾幕を放った。

 

 

「喰らいなさいッ!!“弾幕結界“!!」

 

 

私は大量の弾幕で彼を檻のように囲み、一斉にそれらを放つ。

この弾幕の檻には鼠が通る穴すらない。つまり脱出は不可能である。

私は勝利を確信する。だが次の瞬間ーーーー

 

 

 

「“無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)“」

 

 

彼が放った無数の閃光が、私の檻を消し飛ばした。

 

 

「なっ!?」

 

「別に驚く事じゃねえだろ。........そう言えば俺の能力を言ってなかったっけ?俺の能力は【形を操る程度の能力】だ。例を上げればこんな事が出来たりする」

 

 

そう言い彼は足元の地面を足で叩く。

すると、私の真下の地面が尖り私を貫こうと突き出て来る。

 

咄嗟の事で反応が遅れたが私は空を飛んで避ける。だが突き出た大地は私をさらに追うように伸びて来る。

鬱陶しいので、スキマの中に入って一旦退避する。

 

此処には誰もいない。私一人だ。そう確信すると気を緩める。

 

 

「ちょっと予想以上に強いけど問題ない。あれぐらいなら私一人でーーーー」

 

「戦闘中に気を緩めて独り言か?」

 

 

紫はその声を聞いた瞬間、背中に悪寒が走る。

 

 

「踊れ、“舞姫“。“亜空切断“!!」

 

 

彼がそう叫ぶと、突如スキマの世界に激しい光が差し込み、二つの扇を持った彼の姿が現れた。

 

 

「なっ、何で........ッ!?」

 

「お前はどうやらそのスキマとやらの中が安全だと思っているらしいが、空間を切り裂かれる事は計算に入っていないようだったな。まあ、亜空間に逃げ込んだくらいで気を緩めた時から俺の勝ちは決まってたんだよッ!!」

 

 

私は一刻も早くスキマの中から脱出しようとする。が、それを許す程相手は甘くない。

 

 

「脱出してえなら手伝ってやるよ!!“亜空切断“ッ!!」

 

 

彼は一瞬で膨大な妖力を持っていた扇に込める。そしてそこから紫色の斬撃がスキマの中を切り裂きながら放たれた。

 

 

「“四重結界“ッ!!」

 

 

私は四重の結界を目の前に作るが、それも割られて私に直撃する。

 

 

「くっ、ア“ァ“ァ“ァ“ッ!!」

 

 

空間を切り裂く程の斬撃を受けた衝撃で、紫は楼夢の“亜空切断“が切り裂いたスキマの世界の裂け目の外に吹き飛ばされ、外の世界の地面に叩き付けられる。。

脱出には成功したもの、紫は重症を負っていた。

 

 

「カハッ、ゲホッ!!........取り敢えず逃げなきゃッ!」

 

「逃がすとでも?“スターライトクロス“」

 

 

楼夢は紫に向けて2本の光の剣を放つ。紫は重症で動けなかった為、避け切れず光の剣が突き刺さる。

 

 

「安心しな。ソイツは拘束用の術だ。まあ、次は加減はしないんだけどな」

 

 

彼はそう言うと、今度は膨大な霊力を扇に込めていた。

 

嗚呼、このまま死ぬのか。やけに呆気ない最後だった。でも、最後に........私の『理想郷』を作りたかったな。

 

 

「霊刃“森羅万象斬“」

 

 

紫はこの時自分の最後を確信し、静かに目を閉じた。

彼女に青白い斬撃が迫りーーーー

 

 

 

 

ーーーー直撃し、爆発した。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

楼夢side

 

 

ふい~、食後の運動は疲れるな。

 

俺はさっき森で捕ってきた猪を綺麗に切り分け、妖術で起こした火で炙る。

 

紫と名乗った少女は、あの後気絶してまだ起きない。最後の森羅万象斬は手加減しておいて良かった。もしあれを本気でぶち込んでたら今頃彼女は生きていないだろう。

 

まあ、あの戦闘から一時間は経っている訳だからもうそろそろ起きると思うが........。

 

 

「う、うーん」

 

「よお、身体の調子はどうだ?」

 

「私は........生きてるの?」

 

「生きてる決まってるだろ。ほらっ、食え」

 

 

そう言い俺は紫に先程焼けた猪の肉を差し出す。

紫は暫く警戒していたが、やがて腹が空いたのか肉を食べ始めた。

 

 

「........美味しい」

 

「そうか?そこらで捕った物なんだけどな」

 

「今まで........他人から食べ物を貰った事がなくて」

 

「ふーん。ちなみに何で俺を式にしようとしたんだ?」

 

 

紫は暫く口を閉ざすが、やがて彼女はゆっくりと語り出した。

 

 

「実は........私の夢を叶えるのを手伝って欲しかったのよ」

 

「その夢ってのは?」

 

「『人間と妖怪が共存して暮らす世界』........そんな理想郷を作りたいのよ」

 

「人間と妖怪?流石に不可能に近いんじゃないか?」

 

「ええ、分かってるわ。でも捨てきれない夢なのよ........。今まで各地で協力者を探してたけど誰も協力してくれなくて........。........ありがとう、こんな私のつまらない夢を聞いてくれて」

 

「........ふふふッ」

 

「........何が可笑しいのかしら?」

 

「いや、結構面白そうな事をしようとしてるなと思って。不可能を可能にしようとする。実に面白い。........まあ、式としては無理だが友人としてならいつでも頼りな。力を貸すぜ」

 

「........えっ、それってつまり........?」

 

「お前の理想郷作りを手伝ってやると言ってんだ。これから宜しくな、紫」

 

「........ありがとう、楼夢」

 

 

 

ーーそして俺は紫の理想郷作りを手伝う事になった。

 

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~


「いやー、物語も進んで来たね~。作者です」

「前編は結構重要な設定が出て来るからな。狂夢だ」


「それにしても紫戦はあっさり終わったな」

「楼夢さんは最強クラスですから、いくら大妖怪でも勝つ事は難しいんですよ」

「まあ実際は俺の方が強いんだけどな」

「まあ、狂夢さんはこの小説では最強ですからね」

「実際何回か楼夢とあの後殺ってるしな。ちなみに戦績は十戦中九勝一敗で俺の方が圧倒的に強い」

「楼夢さんも大変なんだろうな........」

「という事で今回はここまで。高評価、お気に入り登録、感想、コラボなどどんどん募集中だぜ。次回もキュルッと見に来いよ」


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一応言っとくが、俺はホモではない


木に負けず 生を貫き 今をゆく

地に負けず 黄泉を遠ざけ 今至る

我が身屈さず 我が道通れと 我願う


by白咲楼夢


 

楼夢side

 

 

オッス皆、オラ楼夢。現在やることも出来たので改めてそこらを旅している。

 

当然やることと言えば紫の理想郷作りを手伝う事だ。あの時話された内容が、確か............

 

 

 

 

 

『っで、結局俺は何をすればいいんだ?』

 

『貴方には私の夢を理解して協力してくれる人達を探してもらうわ。私だと『何故か』失敗してしまうから』

 

『いや絶対お前のその胡散臭い表情のせいだよな』

 

『たっ、戦いでは相手に表情を悟らせないのが基本よッ!』

 

『だったら尚更日常生活で必要ねえじゃねえか........』

 

『だっ、だって........相手の顔を見ると無性にからかいたくなる衝動に駆られちゃうんだもんッ!』

 

『なんだよそれ........今まで友達いないのも頷けるわ。........まあ、計画はこんな感じで良いか?』

 

『ええ、それで宜しくね』

 

 

 

 

 

............だったような気がする。それで日本各地を旅するに至るわけだ。

 

 

という事で現在俺はとある山の中にあった洞窟の中にいる。........一人()()()もいるが............。

 

 

「誰がおまけだボケ」

 

「うっさい。引っ込んでろ火神」

 

 

そう言い俺は服の袖から久しぶりの掌サイズの鉄球を取り出し、火神に投げ付ける。

ちなみに鉄球は勿論超圧縮されており通常の何倍も密度が高い。

 

火神はそれを腰に付けた刀で一文字に切り裂く。

鉄球は真っ二つになった鉄球を、俺は能力で直して袖の中にしまう。

 

 

今更かもしれないが何故火神がいるのかと言うと、旅の途中で偶然出会い二人で野宿しようとした結果、現在に至るのだ。

男が二人いるが俺は決してホモではない。そこら辺の事理解してもらおう。

 

 

「んで、なんでお前は急に洞窟の警備を強化したりしてるんだ?どうせ一泊だし第一俺らにそんなの要らねえだろ」

 

「誰が一泊と言った?それにこれにも訳がある」

 

 

俺は洞窟内に大量の式を書きながら答える。

 

 

「へぇ、どんな?」

 

「............実は俺ーーーー」

 

 

 

 

 

 

ーーーー子供作ろうと思うんだ。

 

 

 

 

「............はっ?」

 

「いや俺子供作ろうとーーーー」

 

「そっ、それはいいッ!?第一なんでそんな考えに至ったッ!?というか誰と作るんだッ!?言っとくが俺にそんな趣味ねえからなッ!!」

 

「誰がテメエと作るかッ!!誰とも作らねえに決まってんだろッ!!魔法とか式とかで魂を作るんだよッ!!」

 

「魂を........作る....?」

 

 

大声を出していた火神は急に黙り、俺に突然答える。

 

 

「生憎と俺の魔導書『ソーモノミコン』は攻撃魔法専門だ。他の呪文も使えるが、魂を作り出す魔法はねえ。いや、そもそも魂を作り出す事すら禁術だ。多分この地球上にそれを使える奴はいねえだろう」

 

「それの対策も練ってある」

 

 

俺は突然“スカーレット・テレスコープ“を発動させると、心の中で念じ始める。

 

 

(それで急に呼び出して何の用だ?つまらねえ事だったらお前をぶっ殺す)

 

(ああ、狂夢。実は魂を作り出す魔法かなんかを探してるんだけど、時狭間の部屋にそういう魔導書はあるか?)

 

 

俺は脳内に響いてくる狂夢の声と心の声で会話する。ちなみにスカーレット・テレスコープを発動させた理由は、これを使ってる間は狂夢と意思疎通が出来るからだ。

 

 

(魂を作り出す魔法?古代に封印された禁書の中にそんなのもあったが誰が使うんだ?ちなみに俺は最近魔法の修行をしてるから一応使えるが............)

 

(何時魔法使えるようになったんだよ!?........それよりも協力してくれないか?)

 

(逆に聞こう。何故子供が欲しいんだ?)

 

(やっぱり一人旅が寂しくてね........。話し相手とかが欲しいんだ)

 

(ちなみに今話してる奴は話し相手に含まれてないのか?)

 

(馬鹿としてなら含まれてるが........)

 

(酷ェ........。まあ、丁度暇だし最低限付き合ってやるよ。ただし少しは魔法が使えるようになってやがれ)

 

(OK。取り敢えず今は早く魂を作り出す魔法を覚えなくては........)

 

 

俺はそう言い終えるとスカーレット・テレスコープを閉じた。

 

 

「どうやらその類の魔導書があるみたいだ」

 

「はぁ?ちなみに何処にそんなのがあるんだ?」

 

「俺の服の袖の中に」

 

「てめえの服はどうなってやがるんだ........。ま、暇潰しにはなりそうだし手伝ってやるよ」

 

「サンキュー。そう言えば魂ってどうやって作られてるんだ?」

 

「結構前に言ったと思うが魂は種族問わず主に霊力で作られてるんだ。まあ、込められる霊力は種族やソイツの力量によって違うけどな。大体俺ら位で地球を軽くぶっ壊せる程の霊力が込められている。とか言っても自分の魂を霊力に変換するなんて事は出来ないけどな。才能があるという事は通常より込められてる霊力が高いと言う事だ」

 

「ふーむ、霊力が主に........か。だったら身体はどうやって作られるんだ?」

 

「身体の方は魂が作られると同時に自然に作られると思う」

 

「成程ねぇ、んじゃ早速お勉強会といきましょうか」

 

 

 

 

 

ーーこうして俺の子供作りの計画が始まった。

 

 

俺が使う魔法は普通とは違い禁忌とされる物だ。恐らくは上級の魔法使いでも使う事すらままならないだろう。そんな術にチャレンジしてる俺は火神曰く才能の塊らしい。

 

 

ーーそうして数十年、遂に............

 

 

 

 

「火神、準備は良いか?」

 

「もう俺がやることなんて残ってないけどな。OKだ」

 

(お前も準備は良いか、狂夢?)

 

(人の事より自分の心配をしやがれ、馬鹿が)

 

(はいはいよっと)

 

 

俺は腕に刻まれた“白塗の紋章“を巨大な魔法陣として地面に描く。そして自分の右腕を引きちぎると、その中に血まみれの右腕を放り込み、詠唱を始める。

 

 

「木に宿るは生の力、水に宿るは源の力、肉に宿るは地の力、そしてーーーー」

 

 

楼夢がそこまで詠唱を唱えると、魔法陣が光だし中の腕が光に包まれる。

 

 

「ーーーー我が身に宿るは血の力ッ!!生と死の狭間から、宿りし魂を解き放てッ!!!」

 

 

楼夢がそう叫ぶと、魔法陣が激しい光を放つと共に空からいくつもの稲妻が降り注ぎ、楼夢や火神を洞窟ごと吹き飛ばす。

 

辺りの木や動物は魔法陣から溢れた光に当たると、一瞬で命を吸い取られ、灰と化し、死に至る。

 

 

「ウッ、ガア“ア“ア“ア“ア“ア“ッ!!!」

 

「耐えやがれ楼夢ッ!!今ここでテメエが死ねば使用者がいなくなって魔法が暴走するッ!!」

 

「ア“ア“ア“ア“ッ!!........ウゥ............」

 

 

楼夢は慣れない魔法 、しかも禁術を使っているため、あまりの苦しさに声を上げる。脳内には頭蓋骨に穴を空けられたような痛みが続いた。

 

やがて魔法陣から溢れた光は徐々に弱くなり、消え去った。

 

 

「ハァッ、ハァッ............終わった........のか?」

 

 

俺は先程の魔法のせいで、生物が消え去った山を登り、魔法陣が描かれた洞窟の跡地に辿り着く。

そこには............

 

 

「クゥゥ、キュル~」

 

 

三匹の子狐が魔法陣の中心で立っていた。

 

 

「ハ、ハハ........成功....だな............っ」

 

 

楼夢は先程の魔法で全ての体力を使い果たし、そのまま地面に倒れる。

 

産まれたての子狐達は本能で楼夢が親だと分かったのか、ふらふらしながらも楼夢の所まで辿り着き、その頬を舐める。

 

子狐達は全員毛の色も違うので非常に分かり易い。さらに頭には俺のような花が、種類は別々だが咲いていた。

 

俺はその内の一匹を抱き上げ、その頭を撫でた。

この子狐の毛の色は黒で、鬼灯のような赤い瞳と頭に咲いた桃の花が特徴的だった。

 

 

「黒狐、か........。頭に咲いている花は桃だし........。花言葉は確か天下無敵だったっけ?........よしっ、お前の名前は夜のような強さと美しさを持った狐だから、『美夜(みや)』だ」

 

「キュルッ?」

 

 

次に俺は自分と同じ金色の毛を持った狐を抱き上げる。

この狐は先程言った通り金色の毛並みを持ち、頭に咲いた百合の花が特徴的だった。

ちなみに目の色は確認した所三姉妹揃って鬼灯色だった。どうやらそこだけは繋がっているらしい。

 

 

「お前はそうだな........百合の花言葉が純潔だから........清いと言う意味を込めて『清音(しおん)』だ」

 

「キュルーッ!」

 

 

最後に俺は銀色の毛を持った狐を抱き上げる。

この狐は頭に咲いた紫陽花が特徴的だった。

 

 

「今度は........紫陽花の花か........。花言葉には移り気ってのもあったっけ?........そうだっ、舞うようにころころと感情が移ると言う意味を込めて『舞花(まいか)』にしよう」

 

「キュルル~」

 

 

改めて美夜、清音、舞花の三匹は俺の服などに抱き着くと、スヤスヤと静かに眠り始めた。

 

 

「よぉ、調子はどうだ?」

 

「火神か........悪ぃちょっと寝るわ........」

 

 

俺はその言葉と共に意識を手放した........。

 

 

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~

「今回で新キャラ登場!そして今回?で次の章に移ります!作者です」

「子狐達は全員毛並みがふさふさしてめっちゃ気持ち良かった!狂夢だ」


「さて今回は楼夢さんが自分の娘達を作るのに使った魔法について説明します」

「OK。まずあの魔法は本編でも言った通り禁忌とされ、封印された古代の禁術だ。本編では詳しく説明されてないけど、人間百人分の魂の力が術の発動に必要不可欠だ。まあ、楼夢は自分の右腕を依り代として使ったがな。ああ見えて楼夢の程の大妖怪の右腕と血は、それだけで膨大なエネルギーを作り出す。おかげで山から全ての生物が消え去っただけで被害が済んだ。ちなみに動物などを生贄にする手もあるが、人間の魂の方が生み出すエネルギー量が圧倒的に多いので、千匹は必要になると思い」

「結婚危ない魔法使ってたんですね。ちなみに狂夢さんは魔法をどの位使えるようになりましたか?」

「軽くメラゾーマを撃てるようになったぜ」

「充分化物じゃねえか........。という事で今回は終了です。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」



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楼夢と火神の不思議な平安京!編 幕開ける奇妙な共同生活!?


歩けば見える 赤き花

旅せば覗く 夏の星

走れば吹ける 枯れ木の音

止まれば終わる 四季の末


伸びては咲きて 枯れては朽ちる。

そんな日々を 繰り返して........


by八雲紫



 

楼夢side

 

 

「おい火神、目的地まではまだか?」

 

「多分そろそろ見えて来る筈だ 。........おっ、あったあった」

 

「........あそこか」

 

 

俺は現在新しく増えた家族と共にある場所に向かっていた。ちなみに火神がまだいるのは、どうやらそこなら賞金稼ぎとしての仕事が出来るらしい。

まあ、確かにあそこなら人が結構いる筈だし仕事も出来そうだな。

 

 

「クルゥ、キューッ!」

 

「どうしたんだ清音?........ああ、そう言えばお前達はまだ小さくて見れないのか」

 

「「「キューッ!!」」」

 

 

なんだか子供達に『チビじゃねえッ!!』と言われたような気がするが気の所為だろう。

ちなみに言い忘れていたが、俺の子供達は全員女だった。

最初の頃は『妖獣状態』になって世話をしていたものだ。

年齢は全員同じだが、俺の見る限り美夜が長女、清音が次女、そして舞花が三女となっているようだ。

 

話が少し脱線したが、俺は娘達を胸の高さまで抱き上げた。

 

 

「キューッ、キュルーッ!!」

 

「どうやら見えたようだな。........さて、そろそろ到着か............」

 

 

俺は目的地に向けて歩くペースを速める。

 

 

目指すは未来では消え去りし幻の都ーーーー

 

 

 

 

 

ーー『平安京』へ............。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「へぇ、思ってた以上に賑やかじゃん。それでこそ仕事が多くなるってもんさ」

 

「あんまり目立つなよ。いくら俺の妖術が完璧と言っても万が一の事があるからな」

 

 

現在、俺は火神と平安京の中を探索していた。

都の中は思った以上に賑やかで、商人などが物を売ったり、人々が買ったりしていた。

 

 

「さて、まずは住居を確保しに行くぞ」

 

「えー、そこら辺で野宿すりゃいいじゃん。金が勿体無いぜ」

 

「もしそれで娘達が風邪でも引いたらどうすんだ。第一テメェの金がどうなろうが知った事かよ」

 

「酷ェ........。まっ、俺様も流石にずっと野宿は嫌だからな。金が天に召されるのは嫌だがしょうがねえ」

 

「分かったらさっさと行くぞ」

 

 

俺達はまず辺りの人々から家を売ってる店を知ってるか尋ねた。

 

言われたままの道を通ると、ちょっと寂れた店があった。

 

 

「邪魔するぞ」

 

 

俺はそう言いながらガラガラ、と言う音と共に戸を開いた。

 

 

「いらっしゃいませ........。ご要件は何ですか?」

 

「ここで家を売ってると聞いてな。良いのを一軒紹介して欲しいんだが」

 

「申し訳ございません。最近は家を買うより建てた方が良いと言われて客が全く来ないんですよ。そのせいで家を生きるための金に変えてしまって........。おすすめ出来ない余り物ならありますが............」

 

「それでもいい。兎に角どんなのがあるか見せてくれ」

 

「........暫くお待ちください............」

 

 

俺がそう言うと店の人はその家がどのような家なのか書かれた紙を取り出す。

 

 

「予想はしてたけどこれは酷いな」

 

 

確かに、この店が持っていた家のほとんどが治安の悪い所に建てられていた。

だが俺はこの中で気になる家を発見した。

 

 

「へぇ、広さも充分だし値段も安い。おい店主、この家を貰うぞ」

 

「なっ、ここは私が持ってる中で一番酷い所ですよ!?中はボロボロだし何よりこの家が建てられている場所は都の外ですし........。悪い事は言いません。止めておいた方が良いですよ」

 

「いや、俺はこれが良い」

 

「........分かりました」

 

 

こうして俺と店主の取り引きが終わった。俺が買った所は都の外れにあるらしい。

だがその方が俺らにとって都合が良い。

俺らは妖怪なのだ。都に住めば陰陽師に気付かれるかもしれないし、何より娘達が外で充分に遊べないからだ。

 

 

「それじゃ、さっさと家を見に行こうか」

 

 

俺はそう言うと店を出て、都の外れを目指した。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「........ここか」

 

「うわぁ、これはどうも........」

 

「........ボロっボロだな」

 

 

俺と火神は先程買った家ーーもとい屋敷を眺めて呟いた。

屋敷は山の中に建っていた。だがそれはどうでもいい。問題は予想以上にオンボロだったという事だ。

自分で買っておきながら難だが、正直言うと野宿の方がマシなんじゃないか?っと思う程の物件だった。

 

 

「正直言うとここに住みたくないんだが」

 

「安心しろ火神。これからこのクッソオンボロ屋敷を改造するから」

 

「改造ゥ?お前建築なんてした事あるのか?」

 

「ないけど、俺の能力を忘れてないか?」

 

「能力?........ああ、成程............」

 

「んじゃ、いくぞ」

 

 

俺はまず屋敷の辺りに生えていた邪魔な木々に触れる。

そして力を入れると、なんと木々がシュンッ、と言う音と共に綺麗な木材に一瞬で変わったのだ。

 

説明するまでもないと思うが、これも俺の能力【形を操る程度の能力】のおかげだ。

これのおかげで屋敷の周りの木々は消え去り、広い庭が出来た。

 

次に俺は、新しく出来た庭の地面を足でドンッ、と叩く。

すると屋敷の庭に生えた雑草が全て地面から飛び出し、引き抜かれた。

俺はそれを炎で焼くと、屋敷の方へ振り返る。

 

 

「さて最後は先程出来た木材を使っての改築だな」

 

「何時も思うがお前の能力って便利だな」

 

「褒めても何も出ないぜ」

 

 

俺は服の袖から鉄球を取り出し、能力で巨大なハンマーにした後、一旦建てられていたクッソオンボロ屋敷をぶち壊した。

同時に最近のストレスもぶっ飛んだ気がするが、気分が良いのは確かだ。

 

 

 

ーーその後、作った木材で家を建て始めて三時間後........

 

 

 

 

「出来たァッ!!」

 

「ふぅ、流石に疲れたぜ」

 

 

 

ーー念願のマイハウスが誕生した。

 

 

作りは勿論頑丈で、俺の強化魔法も掛けてあるおかげでハンマーの一つや二つではびくともしない。

 

 

俺は中に入ると、居間へと向かった。

 

 

「さて、取り敢えず今日は疲れたから各自で自由行動だ。俺は勿論寝るから、娘達を頼んだぜ」

 

「おいおい、寝るってまだ夕方だぞ。第一お前の娘達は絶対お前と寝るだろ」

 

「まあ一応ってことだ。じゃあ、お休みー」

 

 

そう言い俺は自分の寝室へ向かう。

この家は二階建てになっていて、一階が居間、厨房やトイレなどがあって、二階は各自の寝室となっている。

ちなみに娘達は俺の寝室で寝ることになっている。決してロリコンだからと言う理由ではない。そこん所間違えないでもらおう。

 

 

 

ーー俺は寝室に辿り着くと、布団の中で眠りについた。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「んじゃ、俺は都の方に仕事に行ってくるぜ」

 

「はいはい、頼んだぞ」

 

 

朝、火神は都に自分を売り込みに行くため、早朝に出かけていった。

一方俺は、することがないので娘達と遊んでいた。........後俺は決してニートではない............多分。

 

 

「しかし、俺も何か商売を考えねえとな。流石に自宅警備員(ニート)のままは嫌だしな」

 

 

俺は一人そう呟くと、商売について考え始める。

まず神として信仰を集める........は駄目か。

理由は、信仰を集めるなら神社を建てなければいけないし、そもそも俺の信仰は妖怪だけで充分なのだ。これ以上増えて暴走しても困る。

 

俺は暫く悩んだ末、ある楽な商売方を見つける。

 

 

「そうだ!鉄や木、土などを使って刀や芸術品を作って売り捌けば良いんだ!」

 

 

これは正直言って良い案だと思う。俺の能力を使えば芸術品の一個や二個一分で作れる。

 

 

「良し、それじゃあ明日の為に作っておきますか」

 

 

俺はまず材料を集めに、家を出た。勿論娘達が心配なので同行させている。

 

 

 

ーーその夜........

 

 

 

「ただいまぁ。........楼夢、お前何してんだ?」

 

「明日都で売り出す商品を纏めている。お前はどうだった?」

 

「取り敢えず他の国と同じで、腕が立つ奴らをぶっ倒して実力を証明して来たぜ。まっ、強者を求める人間共の習性を利用した合理的な方法だな」

 

「そうか、じゃあさっさと飯作って寝ようぜ。流石にだりぃし」

 

「同感だな。俺も早く寝てェと思っていた所だ」

 

 

こうして俺達の共同生活が始まった。

 

 

 

ーー平安京の物語はまだまだ続く........

 

 

 

 

Next phantasm........。





~~今日の狂夢『様』~~


「平安京編突入!!そしてやっと夏休みだッ!!作者です」

「まだ夏休みに入ってなかったのかよ........。狂夢だ」


「いやー、とうとう平安京まで来てしまいましたか」

「これなら今年中に原作に入れるんじゃないか?後俺視点で書かれた事一度もないからやってみたいんだけど?」

「まあ、今年中に原作に入る事を目標にします。それと狂夢さん視点での物語ですか........。まあ、何時も楼夢さん視点なので、考えてみます」

「よっしゃッ!!........それじゃあ今回はここまで。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよッ!!」」



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世にも美しい竹の姫



猿猴捉月

俺達は守りたかった........

小さな夢に見えるだろうが、俺達には果てしなく大きな夢に見えていた

だが........守れなかった............


by白咲狂夢


 

 

楼夢side

 

 

「ふーん、『なよ竹のかぐや姫』ねぇ.......」

 

「そうなんだよ。ソイツのせいでお父様が最近構ってくれなくなっちゃって........。それで暇だからここに来たってわけ」

 

「成程ねぇ........。妹紅も大変なんだな。それでその他にはなんかあったのか?」

 

俺はそう店の前に立って話している少女に問う。

この子の名は藤原妹紅(ふじわらのもこう)。あの有名な貴族、藤原不比等の隠し子だ。

 

彼女は着物に掛かった黒い髪をなびかせながら答える。

 

「あっ、後最近お父様が白髪の若い陰陽師に色々依頼したりしてるみたいなんだよ」

 

「白髪の........ああ、火神の野郎か........。道理で最近やけに稼ぎまくってるわけだぜ」

 

「知り合い?」

 

「知り合いというか同居人だ」

 

「なんだ、楼夢はそんな趣味をしていたのか」

 

「断じて違うからな!」

 

俺はそう彼女にツッコミを入れる。

 

彼女と俺が知り合ったのは、妹紅が城下町に行った時、俺が売ってた芸術品などに興味を持った事が始まりだ。

彼女はその日から頻繁に俺の店に来るようになった。

 

ちなみに俺が商売をしている間は、娘達は店の奥で遊ばせている。

表で遊んでて陰陽師に見つかったら色々とマズイからだ。

 

「ちなみに最近の売れ行きはどう?」

 

「中々だな。特に妖怪が最近活発になって来たおかげで、刀などの武器が飛ぶように売れてるな」

 

俺が作る武器は他の物より頑丈で切れ味が良いことで評判だ。最近は鎧などの防具も作ったりしている。

 

「それじゃあ、私はそろそろ帰るね。お父様が心配してるだろうし」

 

「ああ、また来いよ」

 

俺は彼女に手を振りながら商品を片付ける。今の時刻は夕方だ。俺は赤く染まった空を見上げながら思考に移る。

 

それにしても『なよ竹のかぐや姫』か........。

知り合いに同じ名前の奴がいるけど、流石にそれは出来過ぎだろう。

だけど少し興味がある。今夜にちょっとお話しようか。

 

 

ーー俺は口元をにやけさせながら家に戻った。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「『なよ竹のかぐや姫』?なんでそんなもん俺に聞くんだ?」

 

「いや、お前なら知ってるかなと」

 

「仕事の関係で知ってるが、知ってどうするんだ?」

 

「ちょっと拝見させてもらおうかと」

 

俺の言葉を聞くと、火神は呆れた声で返事をする。

 

「はぁ........。お前も男だからな。そういうのに興味を持っても仕方ないか」

 

「一応言っとくがお前の想像してる事とは違うぞ。ただ、古い知り合いに同じ名前を持った奴がいてな。ちょっと気になっただけだ」

 

「知り合いねぇ。まっ、俺にはどうでもいいけどな。取り敢えず情報を教えてやる」

 

「おっ、サンクス」

 

俺は火神に礼を言った後、その情報に耳を傾ける。

 

火神の話の内容で、かぐや姫の屋敷の場所、そしてそのかぐや姫に大勢の貴族達が求婚をしているという事が分かった。

 

と同時に『なよ竹のかぐや姫』という名で一つの事が分かった。

そう、かぐや姫あの有名な『竹取物語』のかぐや姫なのだ。

これはもう確定と言っていい。だが俺が気になるのはその後だ。

 

つまり、『なよ竹のかぐや姫』は俺の友人の蓬莱山輝夜と同一人物なのか、という事だ。

 

一応あいつも古代都市一の美女だったはずだし、その可能性はありえる。

だがそうなると、何故彼女が地上にいるのだろう。

俺は脳味噌をフル回転させるが、狂夢より出来の悪い俺の頭は答えを出してくれなかった。

 

結局、今の俺に出来る事は、かぐや姫の正体を暴く事だけだった。

 

俺は娘達を連れると、出発の準備に取り掛かった。

 

「んじゃ、行ってくる」

 

「ああ、飯は勝手に食っておくからな」

 

俺は家を出て、かぐや姫の屋敷へ向かった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

夜、俺は屋敷の方を観察していた。

当然だが屋敷の門の前には門番が何人もいて、正面からは入れそうにない。

 

というわけで今に至る、と。

兎に角、屋敷の中に入る方法を探さなければならない。

 

一応強行突破する手もあるが、それだと俺の信頼はガタ落ちになる。

 

俺は、『妖獣状態』になると娘達を口でくわえ、屋敷の塀をジャンプして超える。

 

「ぷはぁー、と........。流石に三匹纏めて口で運ぼうとしたのが間違いだった........」

 

俺は一人でそう呟くと、娘達の先頭に立ち、進み始める。

 

ちなみに俺が『妖獣状態』になったのは理由がある。それは、もし屋敷の使用人に見つかっても狐の姿なら本来の姿より警戒されにくいのだ。

 

「それにしても広いな............、あいつは........?」

 

「............。」

 

俺は縁側で、庭の池を眺めていた少女を見つける。

 

黒色のサラッとした髪、百人中百人の男が振り返る程の美貌。........そう、あれはまさしく、俺の知ってるーーーー

 

 

「........暇だァァァァァァァァァッ!!!」

 

........うん、俺の知ってる何時もの蓬莱山輝夜こと輝夜だ。

 

見事にシリアスな雰囲気ぶち壊してくれましたよ、こんちくしょう。

ていうかなんで感動の再会の一声が『暇だァァァァァッ!!!』なんだよ!?

どうしてくれるんだこの空気!?

 

俺は心の中で輝夜にツッコミを入れつつ、彼女に近づいていった。

 

「ああもう!!せっかく地上に来たってのに、毎日毎日ジジイばっかで、つまんないわ!!嗚呼、暇だ!!暇過ぎて永琳の雷が落ちて来る程暇だ!!」

 

「いや、永琳の雷ってなんだよ。てか本当に落ちて来そうだから怖いわ」

 

「それほど暇って意味よ。ああ、どっかで天変地異でも起きないかしら」

 

「起きたら起きたで問題なんだが........」

 

「うっさいわね!!アンタに私の気持ちが............、へっ?今、私誰と........」

 

「やっと気づいたか」

 

俺はやっと気づいた輝夜に、招き猫のように手を振る。すると、輝夜は驚きながら、俺と距離を取る。

 

「なっ........妖怪!?何時からここにいたの!?」

 

「つい先程ここに入りました」

 

「........まあ、良いわ。雑魚妖怪が一匹迷い込んだだけの話よ!」

 

「........へぇ、俺相手に雑魚とは、言うようになったじゃないか、輝夜」

 

「........ッ!?どうして私の名を........ッ!?」

 

「酷いねぇ、知り合いの事を覚えてないなんて」

 

「生憎と、私には妖怪の知り合いなんてものはいないわよ」

 

「ふーん、じゃあ特別に分かり易い姿になろっか」

 

俺はそう言うと『妖獣状態』から『妖狐状態』になる。

 

「あっ、貴方は........ッ!?」

 

「久しぶりだね、輝夜♪」

 

俺はそう軽く彼女に挨拶する。

 

「ろっ、楼夢........なのかしら............?」

 

彼女はそう言うと、ゆっくり俺に近づきーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー俺の顔面に強力な右ストレートを叩き込んだ。

 

「ハガッ!?」

 

俺は女が撃ったとは思えない程強力な一撃で、屋敷の塀に叩き付けられた。

 

「なっ、何を........!?」

 

「あの時私達を騙して地上に残った時、私や永琳がどれほど心配したか分かってんのかしら?」

 

「あの時は本当に悪かったって!この通り反省してる!」

 

「なら、私とO☆HA☆NA☆SH☆I☆しようかしら?」

 

「やめて!俺のライフはもうゼロよッ!!」

 

「問答無用!!」

 

「嫌だァァァァァァッ!!」

 

 

 

 

 

ーーTHE☆お話死タイム中........。

 

 

 

 

「ーーーーわかったかしら!」

 

「はい........すいませんでした............」

 

俺は輝夜の説教が終わると、地面に仰向けになって倒れる。

 

すると、娘達が心配そうな顔で俺の元に寄ってきた。

 

「はぁ~、娘達よ。俺の心の傷を癒してくれるのはお前達だけだよ」

 

その言葉を聞いた輝夜が食いついて来た。

 

「えっ、今娘達って言ったわよね........?」

 

「そうだが」

 

「........ええっ!貴方結婚してたの!?」

 

「いや、結婚はしてない。この子達は俺の血とか肉とかをベースにして作っただけだ」

 

俺は未だに驚いている輝夜に説明する。

 

輝夜は、長女である黒い子狐ーー美夜を抱き上げ、撫でる。

美夜は嬉しそうに尻尾を降る。

だが輝夜は疑問があったのか俺に質問する。

 

「一つ思ったんだけど、この子達って貴方みたいに人型にならないのかしら?」

 

「いや、生まれて十年もしてないから今はただの狐と一緒だよ。まあ、百年ぐらいしたら変化の術を覚えると思う」

 

「ふーん、そう言えば貴方、私があげたあれを持ってるかしら」

 

「ああ、持ってるぞ」

 

俺は右腕に付けたブレスレットを外し、輝夜に渡す。

 

「返すぜ、これ」

 

「えっ............?」

 

「正確には再会の品ってことでのプレゼントだがな」

 

「........ふふっ、取り敢えず屋敷の中に行きましょ。積もる話はその後よ」

 

 

この後、俺は輝夜と今までの事を話し合った。

輝夜も、俺の話に満足してくれたのか、とても楽しそうにしていた。

 

 

...........その代わり三日に一度、この屋敷に来るようになりました。

まんまとハメられましたよ............ちくしょうめ................。

 

 

 

 

Next phantasm............。





~~今日の狂夢『様』~~

「どーもどーも、毎度お馴染み、狂夢だ」

「夏休みは何時もグータラ、作者です」


「いやー、やっと輝夜さんと再会しましたね」

「まっ、最終回までは最低一年以上掛かりそうだな」

「まあ、なんとか最終回に行けるように頑張ります」

「ところで作者は夏休みに何してんだ?」

「そうですねー。基本的に漫画見たり、ド●クエジョーカー3したり、東方妖々夢をプレイしたり、ですかね」

「お前まだ妖々夢やってんのか」

「いやー、表はノーマルで全クリしたんですけど、やっぱりEXTRAステージがクリア出来なくて........」

「流石、センスの無さが、今日も眩しいぜ!!」

「そこ、厨二病っぽく言わなくて良いから!!」


「取り敢えず、今回はここまでだ。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来いよ/来てねッ!!」」



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ゴミの素晴らしい利用法



ゴミならゴミらしく、派手に散れ!


by火神矢陽


楼夢side

 

「.....よし、後はこれで...........」

 

「........何してんだ、楼夢?」

 

家の中、火神は俺に質問して来た。

 

「いや、戦闘で魔法での攻撃を増やそうかと」

 

俺は火神にそう答える。

俺が使える魔法は、生命や物質をなどを強化する強化魔法と、火や氷などの属性魔法、月や星の魔力を使う月魔法だけだ。

 

ちなみに美夜達を生みだした時の魔法は、生物が入る身体を作るための強化魔法の禁術と、生物を生み出す星の力を持った神星術と月魔法だ。

星が生物を生み出すなど理解出来ないと思うが、発想を変えれば納得する。例を上げると、この地球だ。

俺達がいるこの地球も、言い方を変えれば星の一つだ。そしてそこから魚や植物などの生物が生まれていったのだ。

 

つまり星の力を操るという事は魂を作り出せるという事だ。

しかも、どうやら神星術と月魔法は相性が良いらしく、最近はそれらを混ぜた術を実験中だ。

 

「お前がこれ以上攻撃パターンを増やしたらどう対処すれば良いのか分からねえよ」

 

そんなにないと思う。

俺が使うのは刀での剣術、桜の花弁の形をした弾幕で攻撃や、青白い弾幕で攻撃、分裂する針を投げて攻撃する、地面を能力で操って攻撃とか........やべぇ、色々あり過ぎて全部を説明出来ねぇ。

 

「嘘付け。以前なんかより比べ物にならない程強くなってる癖によ」

 

俺は憎々しげに火神に言う。

実際隣にいれば嫌でも分かる。コイツはどうやったかは知らないが以前より格段にパワーアップしている。

余程の修行をしたのかと思ったがコイツの性格上それはないと判断した。

 

「........ああ、あの後世界中で色んな神々をぶっ殺して来てたらいつの間にか強くなってた。いやー、良いよな神って。死んでも信仰さえあれば復活すんだから。まっ、殺され続けて信仰が足りなくなって消滅した神はまあまあいたけどよ」

 

「........結構スゲエ事してんだなお前」

 

俺は苦笑しながら術を作るのに集中する。

こういう時に俺のディアモは便利だと思う。これは術式を組み立てその威力を上げる事が出来る。つまり、新しい術を作るのに凄く便利という事だ。

 

俺がしばらく集中していると、何者かがこの屋敷に近づいて来るのが分かった。しかも殺意を纏っている。どうやら敵襲のようだ。

 

「........おいおい、なんで人間共がここに近づいて来てるんだ?」

 

「........ああ、あれは陰陽師共だな」

 

「っで、なんで陰陽師がここに来てるんだ?まさか俺らの正体がバレたってのか?」

 

「いや、あれは俺に仕事を取られた奴らだな。元々貴族に雇われてたが仕事が最近来なくなって俺を始末しようと思ってるらしい」

 

「ふーん、気配から察するに7人か........」

 

「まっ、最初は二十人以上いたんだが全員始末しちまってよ。あいつらはそれの残りの残党だ」

 

「........まあいい、あいつらは可哀想だが俺の実験体(モルモット)にさせてもらうぜ。異論はねえな」

 

「はいはい、分かりましたよ。後の死体処分は任せておけ」

 

火神はそう言うと、胸を張る。

俺はディアモをピアスに戻すと、屋敷を出て陰陽師達の元に向かった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「........さてと、陰陽師の皆さん。出来ればここから先に行かないで欲しいんだが」

 

「........何者だ、貴様」

 

「ふむ、あまりお前らには名乗りたくないがあえて言うなら『産霊桃神美(ムスヒノトガミ)』かな」

 

俺は軽く挑発しながら神名を名乗る。

俺が名乗りたくない理由は、もし万が一都の人間たちに俺が陰陽師共を殺したなんて知られたらめんどくさい事が増えてしまう。というか都に入れなくなる。

 

「お前が何者なのかどうでも良い。それよりも我々を邪魔した報いを受けろ!!」

 

一人の陰陽師がそう叫ぶと炎を纏った札を投げ付けてくる。

相手は俺を人間と思っているみたいだしこれなら人間にもダメージを与えられる。だが、力量の差までは理解出来なかったようだ。

 

俺は向かって来る複数のお札を左手でゴミを潰すような感覚で潰した。

そして陰陽師共の方を向くと、狂気的な笑みを浮かべる。

 

「さあ、楽しい祭りの始まりだぜッ!!」

 

「きっ、貴様!!調子に乗るなよ!!」

 

俺は『妖狐状態』になると、詠唱を行い始める。

 

陰陽師達は先程よりも多くのお札を俺に投げ付けた。

 

「ふふ、まずは小手調べだね。“ヒャダイン“!!」

 

俺は魔法を使い、人と同じくらいの氷柱を大量に作り出しそれを陰陽師達に乱射する。

 

「ぐっ、ガァァッ!!!」

 

一人の陰陽師が運悪く身体中を氷柱に貫かれ絶命する。うん、やっぱり脆い。

 

「うっ、うわァァァァッ!!!にっ、逃げるぞ!!」

 

「“注連縄結界(しめなわけっかい)“」

 

俺がそう唱えると、巨大な注連縄が俺の屋敷がある森ごと包み、青白い結界を作り出した。

 

「この結界は全ての生物の出入りを禁じる事が出来る。俺は今この結界で森全体を覆った。つまりお前らはこの森から脱出不可能という事だ」

 

その言葉を聞いた陰陽師達の反応は人それぞれだった。それを聞いて絶望する者もいれば全く信じていない者もいる。まあ、殺した後はこいつらは干し肉にでもしておくか。

 

「さあ、どうしたんだ!?まさかあれだけの大口叩いといてそれが限界か!?」

 

「おのれ、喰らえェッ!!」

 

陰陽師の内のリーダーだと思う人物が俺に先程のヒャダインの氷柱と同じくらいの炎の玉を放った。

他の陰陽師もこれを見て勝ったと確信しているらしい。どうやら陰陽師共にとっては大技のようだ。だが一つ言わせて欲しい。これだったら早奈の方が圧倒的に強い、と。

 

「狐火“火電狐(かてんこ)“」

 

俺は左手に風を圧縮させたプラズマを作り、右手に高火力の狐火を作り出す。そしてそれを融合させ陰陽師に放った。

 

俺が放った狐火は青紫に輝きながら炎の玉ごと陰陽師を塵に還した。

 

当然だがこの術はかなり威力が高い。通常でも強力な俺の狐火にプラズマを融合させたのだ。

普通の炎では多分こうはならないと思うが、そこら辺は俺の狐火が以上なのだろう。

 

「ひっ、ひィィィィィッ!!!」

 

「さてと、残りはあと何匹だ?」

 

陰陽師共は先程と違って辺りに逃げ始める。一応追いかけるのも面倒なので貼ってある結界をかなり狭くし、目で全員を確認出来る程にした。

 

「さてと........焼き加減は何がいい?レア?ミディアム?........それとも............ウェルダン?」

 

楼夢がそう不気味に微笑むと、自慢の十一本の尻尾が瑠璃色の炎を出し始めた。

 

 

 

ーーこの時、陰陽師達は初めて自分の行いの愚行さを理解した。

 

だが時すでに遅し。十一本の尻尾は瑠璃色の恐ろしく、そして美しい色の炎を出しながら十一本の大剣へと変わっていた。

 

「勿論ウェルダンだよなァッ!!」

 

楼夢の絶叫すると同時に、複数の大剣がその炎と共に陰陽師達の首を狩りに向かって来る。

彼らは首を狩り落とされる前に楼夢の姿を見てこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー『死神』、と............

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「........どうやら終わったみたいだな、楼夢」

 

「いやー、良い運動になったぜ。まあ雑魚にもそれなりの使い道があったという事だな」

 

俺はそう言うと、近くに転がっていた首なし死体に虚閃(セロ)を放ち灰にする。

 

「取り敢えず、この死体を処分しようぜ」

 

「そうだな。んじゃ俺は飛び散った血を能力で片付けるからお前は死体でも燃やしといてくれ」

 

「いや、何個か保存しておこうぜ。食料が不足した時に役に立つかもしれねえ」

 

「分かった。じゃあ始めるぞ」

 

俺は服の袖から一本の瓶を取り出すと、その中に地面などに付着している血を能力で操って入れる。そしてそれを服の袖の中に入れて、混沌の世界にある倉庫に送る。

何故俺が血を瓶の中に保存したかと言うと、血は魔力、霊力、神力、妖力を通しやすいので、術の実験などに役立つからだ。

 

「楼夢ー、こっちも血抜き終わったぞ。後は凍らせて保存するだけだ」

 

「はいはい。“ヒャダイン“」

 

俺は血を抜き終わって切り刻まれた肉片を魔法で凍らせる。

そしてそれを家まで運んだ。

 

 

 

 

........ちなみに、食材を買うのを忘れたので、今日の夕飯は人肉のバーベキューだった。

俺は人肉を口で食いたくないので、『蛇狐状態』の尻尾で食べた。正直言おう。食いにくい、と........。






~~今日の狂夢『様』~~


「どーも皆さん、明日から三日間旅行に行くので投稿出来ないと思います。作者です」

「何時もアニメなどを見るのに忙しい。究極の自宅警備員、狂夢だ」


「いやー、それにしても楼夢さんの技って多いですよね」

「実は読者様も全部覚えてないんじゃないか?」

「大丈夫です。私も覚えてないですから」

「ノリで全部解決してんじゃねえよ、ゴミ屑」

「酷い!もういい失踪するもん!!」

「読者の皆様安心しろ。三日後引きずり出してでも小説書かせるからな」

「嗚呼、オワタ........」


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五つの難題+α

思いと共に砕け散る 仏の御石の鉢

光と罪と欲だらけ 蓬莱の玉の枝

炎の恋は燃え尽きる 火鼠の皮衣

雷鳴逆巻き、天誅下る 龍の頸の珠

空掴み、天崩れる 燕の子安貝


さあ貴方の回答を聞かせて頂戴?


by蓬莱山輝夜


 

楼夢side

 

 

「ふぅ、今日はもう帰るか」

 

俺はそう呟くと売ってる品物を片付ける。外はまだ店を閉めていない店もあったが、多くの店は俺と同じよういを始めていた。

 

 

陰陽師達が攻めてきてから三日の時が流れた。

今の時刻は現代で言う七時くらいだ。夜は妖怪が活発化するから商人達も早く帰りたいのだろう。

 

俺は店を閉めると都の外へと向かった。行き先は勿論愛しのマイハウスだ。人間にとってはかなりの距離があるが、妖怪の俺なら都を出て走ればすぐだし、他の妖怪に襲われる心配がない。

まさにひっそりと暮らすには打って付けの場所だ。

 

俺は家に戻ると、売り物を倉庫に置き娘達を連れてまた家を出る。

何故って?それは勿論輝夜の屋敷へ遊びに行く日だからだ。

 

輝夜の屋敷に遊びに行くのは良いが、問題は俺の家から結構な距離があるからだ。

今度ルーラの呪文でも研究しようかな。行ったことがある場所へほぼ一瞬で飛んでいける呪文とか便利じゃん。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

現在いる場所は輝夜の屋敷。........の庭の塀の外である。

 

俺は娘達を抱き上げるとジャンプして塀を超え、輝夜の屋敷に入った。

 

「おっす輝夜。遊びに来たぜ」

 

「よく来たわ楼夢。後いい加減門から入ったらどうかしら?」

 

「いやいや、お前自分の屋敷の門の前がどうなってんのか知ってんのか?外ではジジイ共が気色悪りぃ笑みを浮かべて待ち構えてんだぜ」

 

そう、俺が庭の塀を飛び越えて入ったのは理由がある。それは先程言った通り輝夜に求婚してくるジジイ共が門の前にいるからだ。

故に堂々と門から入れば後々面倒くさくなる。

という訳で庭の塀を飛び越えて入ったのだ。

 

「はぁ........。まだあのジジイ達いたのね。ほんと困ったもんだわ。前なんか屋敷の塀をよじ登って入ろうとしたんだもの。まっ、こっそり弾幕で撃ち落としたけどね」

 

........マジかよ。俺が簡単に飛び越えたように言ったから分からないと思うが、この屋敷の塀はかなり高い。ただの貴族がよじ登るには無理がある。

それを登ってきたってどんだけしつこいんだよ........あれ?ちょっと待てよ........。

 

「........お前って弾幕撃てたっけ?」

 

「あら、言ってなかったかしら?こう見えても能力も持ってるしそこらの陰陽師よりは強いわよ」

 

おいおい、それは初耳だぞ。しかも緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)で調べてみたら中級妖怪なんて敵じゃない程強いジャナイデスカ。

何がそこらの陰陽師よりは強いだよ!?都のトップが戦っても勝てるか分からねえぞ!?

えっ、なんなの?俺はこの護衛なんて付けるだけ無駄と言える程強い姫様と一緒にいて気付いてなかったの?鈍感過ぎんだろ、俺!?

........いや、ただ単純にこいつが霊力隠すのが上手かっただけなのだろう。そう信じたい。

 

「........今貴方失礼な事考えたわよね?」

 

「いえいえ、滅相もない」

 

だからなんで永琳しかり人の思考が読めるんだよ!?このエスパー共めッ!!

 

「あらあら随分言ってくれるじゃない。そんな貴方にはお仕置きが必要なようね」

 

 

 

ーー『蓬莱山 輝夜 が 現れた』

 

 

ーー『楼夢 は どうする?』

 

 

ーー『戦う』 『特技』

 

 

ーー『道具』 『逃げる』←

 

 

ーー『楼夢 は 逃げ出した』

 

 

「にっ、逃げるんだァ........。勝てる訳がないよォ........」

 

俺は何処ぞの星の王子様のセリフを言いながら屋敷から脱出しようとする。

だが気付いた時には輝夜に首根っこを掴まれていた。

 

 

ーー『しかし 回り込まれてしまった』

 

 

「あらあら、どこに行くつもりかしら?」

 

「ちょっ、ちょっとコンビニ行ってくる!!」

 

「見苦しいわね。じゃあお仕置きを始めるわよ☆」

 

 

ーー『輝夜 の 攻撃』

 

 

「いくわよ。........かー、めー、はー、めー........」

 

「我が生涯に一片の悔いなしッ!!」

 

「.......波ァッ!!!」

 

 

ーー『輝夜 は かめはめ波 を 放った』

 

 

ーー『楼夢 に 9999 の ダメージ』

 

 

ーー『楼夢 は 力尽きた........』

 

 

俺の頭にそんな声が流れる。そして凄まじい轟音と共に俺は意識を手放した。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

ペチャッ クチャッ........

 

 

そんな音が俺の耳に流れる。どうやら俺は何かに舐められているようだ。

 

しばらく俺は舐められ続けていた。

そう言えばどうして俺は気絶してるんだっけ?確か........そうだ、輝夜にかめはめ波撃たれて気絶したんだ。

 

あれ?という事は今俺を舐めているのは........?

 

 

俺がそこまで考えると、世界が眩しい光に包まれた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「やっぱりお前達か。俺を舐めていたのは」

 

「キュー」

 

予想通り、俺を舐めていたのは娘達だった。どうやら気絶した俺を心配していたようだ。

その代わり顔がよだれだらけだが、気にしないでおこう。........気にしないでくれ。

 

どうやら俺は気絶した後輝夜の部屋で横になっていたようだ。あの後輝夜が運んでくれたのだろう。

 

「........やっと起きたのね」

 

「何が『やっと起きたのね』だ。その俺を気絶させた奴は誰だって話だ」

 

「生憎と私は過去は振り返らないのよ」

 

「お前後で覚えておけよ........」

 

俺らがそう話していると、何者かが玄関から入ってきたようだ。輝夜は気付いてないようだが、妖獣の聴覚を嘗めてもらっては困る。

音の様子から数は五人。なんか悪い予感がしてきた。

 

そしてまた何者かの足音がこの部屋に近付いて来た。どうやら今度は輝夜にも聞こえたようだ。

 

「あら、お爺様が来たようだわ。悪いけどそこらの物陰に隠れてくれないかしら」

 

俺は言われたとおり娘達と一緒に物陰に隠れ、輝夜達の話を聞いた。

 

「輝夜、大変じゃ!!どうやら先程の轟音を聞いた貴族様方が『輝夜の無事を確認出来るまで帰らない』と仰るのじゃ」

 

「なんですって!?........くっ、仕方ないわ。ここに招いて頂戴。そこで追い返すわ」

 

輝夜はそうじいさんに言い、俺が隠れている物陰に近寄る。

 

「........不味いわね。このままじゃあのジジイ達がこの部屋にやって来るわ。それまでに対策を考えないと........」

 

「対策、ねぇ........あるっちゃあるが........」

 

「言いなさい!今すぐ!ねえ!?」

 

「その前に一つ俺に言うことがあるんじゃないか?」

 

「........?」

 

「先程のかめはめ波についての謝罪は?」

 

「あっ........」

 

「ったく、一応俺は聖者みてえに何でも許せるわけじゃねえんだぞ」

 

「そっ、その........さっきは悪かったわね」

 

「分かればいい。さて、対策を教えるぞ」

 

俺は悪魔のような笑みを浮かべながら輝夜に対策を教えた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「おおっ!!貴方がなよ竹のかぐや姫ですな!?」

 

「なっ、なんと美しい........」

 

ジジイ共はそれぞれ世辞の言葉を輝夜に言い、求婚を求めた。

ったく、あんなにペチャクチャ言われたら輝夜だっていい迷惑だろうに。ほらっ、今青筋が立ったぞ。どうやら相当イラ付いているようだ。

 

さて、ここで問題です。俺は今どこにいるでしょう?答えはーーーー

 

 

 

 

 

「ところでかぐや姫。貴方の膝に座っている獣は?」

 

「ああ、彼は私の友人ですわ」

 

ーーーー『妖狐状態』になって輝夜の膝の上に座っていました。俺がこんなところで娘達をなだめているのは理由がある。

どうやら不安だから出来るだけ近くにいてほしいらしい。ちなみに俺は望んで輝夜の膝の上にいるわけではない。彼女が無理矢理乗せたのだ。ご丁寧に俺が娘達をなだめられるように。

 

俺は先程からジジイ共が来たせいで今にも泣き出しそうな舞花を舐めてなだめる。この状態では手がないため娘達をなだめるとなると、舌で舐めるしか方法がなくなるのだ。

 

舞花は尻尾を振りながら落ち着きを取り戻した。

舞花は姉妹の中で最も怖がりなので、まだ俺や他の娘達が面倒を見てやらないといけない。

 

清音は基本的に明るく活発的なので、動き回れないこの状況に少し不満を持っているようだ。

 

美夜はそんな二人を一生懸命なだめているようだ。流石長女なのか、面倒見は姉妹の中で一番良い。

 

........おっと。つい話が脱線したな。見たところ輝夜は俺が話した事を実行するようだ。

 

「皆様のお気持ち、よく分かりました。ですが私は勇気と知恵ある者としか結婚しません。という事で貴方達にはそれぞれ一つの難題を出させてもらいます。もし私の求める品を持ってくることが出来ましたら、その者を勇気と知恵ある者と認め、ご結婚致しましょう」

 

そう、これが俺が出した案『五つの難題』だ。これなら『竹取物語』の物語通り輝夜は結婚することはないだろう。実に良い案を出した物だ。

 

「石作皇子。貴方には『仏の御石の鉢』を持ってきてもらいます。車持皇子には『蓬莱の玉の枝』を。右大臣阿倍御主人には『火鼠の皮衣』を。大納言大伴御行には『龍の頸の珠』を。中納言石上麻呂には『燕の子安貝』を。それぞれとても珍しい品ですが頑張ってください」

 

ジジイ共はそれを聞くとそれぞれの品を探すために帰っていった。出来れば二度と戻ってこないで欲しいものだ。

 

「さーて、輝夜。お疲れさん。じゃあ俺は帰るぜ」

 

「ああ、そうそう。貴方には『太陽のように輝く花の種』を持ってきてもらうわ。一応言っとくけどこれは強制よ。じゃなきゃ面白くないものね」

 

 

 

ーー........流石輝夜。どうやらただで帰してくれないようだ........。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「あーあ、また厄介な事になりそうだぜ」

 

俺は輝夜の屋敷を出た後、ぶつぶつと文句を言っていた。無理もない。危機を救ってやった恩人に難題をしかも強制で出されたんだ。

 

その時、俺は輝夜の屋敷を覗いている者がいるのに気付いた。サラッとした黒い髪。あれはまさか........。

 

「やっぱりお前か、妹紅」

 

「うわっ!!........っと、なんだ楼夢か。脅かすなよ」

 

「悪い。こんなところにお前がいたから、つい話しかけちまった。ところでなんでこんな所に?」

 

「........あの輝夜って奴とお父様の様子を見に来たんだ。楼夢は?」

 

「ああ、俺はちょっと用事があってな........。後店の方もしばらく開けれなくなった」

 

「まさか、楼夢も輝夜に求婚に!?」

 

「落ち着けって。俺も難題は出されたが求婚する気なんて欠片もねえぞ。つーか俺は強制的に出されただけだ」

 

「そうか........良かった。んじゃ店が開いたらまた来るね。無事に帰って来いよ!」

 

「ああ!じゃあまた今度な!」

 

俺はそう言うと、自分の家へ向かった。明日からは『太陽の花の種』を探す旅に出発だ。

 

 

 

 

Next phantasm........




~~今日の狂夢『様』~~

「旅行からやっと帰って来ました!作者です」

「旅行中コーラを飲みまくる情けない作者を観察していた狂夢だ」


「やっと今回五つの難題出ましたね」

「正確には六つの難題だけどな。まあ次の話はみんな大好き戦闘回だ」

「まあ誰と戦うかは皆さん予想が付いてると思いますけど」

「という事で今回は終了だ。コメント、お気に入り登録などもよろしく!コラボなども大歓迎だ!まあこの馬鹿主が書くと低クオリティになると思うが」

「それじゃあ皆さん、次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」


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太陽の花の種を求めて


妖桜、かの地に立つ

女王、その鞭を振るう

さて、生き残るのは誰なんやら


by白咲狂夢


楼夢side

 

 

「ーーーーてことで『太陽のように輝く花の種』って物を知らねえか、火神?」

 

「知るかボケ。ていうかなんでお前は事あるごとに俺に相談してんだよ。ここはお悩み解決センターじゃねえんだぞ」

 

難題を出された次の日、俺はまず朝ぐーたらしていた火神に昨日起きた出来事と探している物を知ってるか問いかけた。だがどうやら知らないようだ。うーむ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「........ん、ちょっと待て太陽のような花だと........?どっかで見たような気が........」

 

「なんだ?やっぱり知ってるのか?」

 

「ちょっと待ってくれ。今思い出す」

 

火神はそう言うとぶつぶつと呟き始めた。おそらく太陽のような花について思い出そうとしているのだろう。

 

しばらく黙っていると、火神が何か思い出したような顔をした。

 

「……Enfin,j'ai trouvé………《やっと見つけた》」

 

「おっ、何か分かったか?」

 

「ああ。お前が言っている花は多分俺の国で言う『tournesol』の事だと思う。確か他の国では『sunflower』と呼ばれていたはずだ。だけどこの国ではまだ一回も見てねえし、そもそもこの国にはまだないのかもしれない」

 

『tournesol』の意味は分からないが『sunflower』ならどんなものか分かった。

 

火神の言う通りまだこの国にはおそらく存在していないのだろう。俺が探している花は現在で言う向日葵の事なのだから。全く、俺に外国まで行けとあのわがまま姫は言ってるのだろうか。

 

だが取り敢えず花の正体は分かった。後はそれが咲いている場所を探せばいいだけだ。

 

「じゃあな、火神。俺は今から旅立つぜ」

 

「待て待て。お前咲いている場所なんて知ってるのか?宛先の分からない旅は無謀だぜ」

 

「知らねえよ。だから今から占うんだろ」

 

「はっ?占う?」

 

火神はそう首を傾げながら聞いた。どうやら占いをあんまり信用していないようだ。

 

俺は耳に付けてある魔水晶(ディアモ)を元の大きさに戻した。そしてそれに霊力を込め始める。

 

「えーと、何をするんだ?」

 

「水晶玉でやることなんて言ったら水晶占いだろうが」

 

「やべぇ、なんか成功する気がしねぇ……」

 

「安心しろ。術式はちゃんとした物だから」

 

俺はそう言うと詠唱を唱えながら軽くディアモをさすり始める。するとディアモが俺の霊力に反応して青白い光を放ち始めた。

 

「散開する精霊の瞳、回り巡る歯車の空。天の下に広がる世界で道を示す。輝きある魂よ!今こそ汝の元へ我を導け!!」

 

俺がそう声を発すると、ディアモが放つ光が更に強くなり、辺りを青白い光が包む。しばらくすると光は収まり、消え去った。

 

「やっと終わったか。っで、場所は分かったのか?」

 

「ああ。どうやら占いによるとここから東の土地に咲いているようだ」

 

これが俺の水晶占いだ。これは普通とは違って未来を映すのではなく、探している物の場所を映すのだ。

これは探している物なら人でも探せるし、名前しか知らない土地へも辿り着く事ができる。まあ、要するに迷子などになってもこれさえあれば迷わないと言う事だ。

 

「んじゃ、俺は行ってくるぜ。多分一週間は帰って来れないから娘達をよろしくな」

 

「はいはい、今度借り返せよ」

 

「OK。じゃあな」

 

俺はそう言うと家を飛び出し、目的地へと向かった。だけどなんでだろう。普通に花の種を取るだけでは済まないような気がする。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「……ここが目的地か………」

 

俺はそう呟く。

旅を初めて三日目。俺はとうとう向日葵が咲いている場所を見つけた。

 

そこは向日葵が大量に咲いている花畑で、上から見れば花畑全体が金色に光っているように見えた。

 

俺は花畑の中に入り向日葵をじっと見る。ここに咲いている花は一つ一つが通常より大きく、そしてその分綺麗で、俺はしばらく見とれていた。

 

「……綺麗だな」

 

「ええ、そうでしょう」

 

だが後ろで感じた巨大な殺気で我に返り、後ろを振り向いた。

 

「あら、驚いちゃったかしら」

 

そこには日傘を差した一人の女性がたたずんでいた。

 

特徴的な緑色の髪と真紅の瞳。

そして服装は白のカッターシャツを着ていてその上に赤のチェック柄のベストを着ている。

下は同じく赤のチェック柄のスカートを着用していた。

 

まさに花のように美しい女性だが、その内には凶悪な殺気が宿っていた。『綺麗なバラには刺がある』。この女性を表すのにこれほど適切な言葉はないだろう。

 

「いや、気にするな。それよりも自己紹介をしておこう。俺の名は白咲楼夢。ここに来たのはこの花畑にある『sunflower』の花の種を取りに来たからだ」

 

「いい名前ね。私の名は風見幽香(かざみゆうか)。この『太陽の畑』で花達を育てているしがない花妖怪よ。それより貴方はこの子の種が欲しいんだっけ?」

 

「ああ、そうだ」

 

「あげてもいいわよ「なら……」ただしーーーー」

 

 

突如、幽香は俺に向けて拳を放つ。俺はバックステップをして避けるが、その代わり元いた地面が抉れていた。

 

「私に殺し合いで勝ったらねッ!!」

 

幽香はそう言うと彼女の身体から膨大な妖力が溢れ出る。そして風を裂きながら俺に襲いかかって来た。

幽香は妖力を纏いながら速く、そして重い拳を俺に何発も打ち込む。

 

俺は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を開き全ての攻撃を受け流しそのままカウンターを入れる。

 

幽香は軽く吹き飛ぶが大したダメージにはなっていないようだ。

 

「こんなのダメージの内に入らないわ!!」

 

「落ち着け。このまま俺とお前が本気で殺り合ったらこの花畑が吹き飛ぶぞ」

 

「だから止めろと?」

 

「そうじゃねえよ。殺るなら場所を変えようと言ってるんだ。『バシルーラ』!!」

 

俺は最近出来た魔法を唱える。すると幽香と俺が立っていた地面にそれぞれ青い渦のような物が浮かび、俺と幽香を吸い込み始めた。

 

「決着は花が邪魔にならねえ所でやろうぜ」

 

「ふん、せいぜい後悔しないことね」

 

やがて、青い渦は完全に二人を吸い込み、消滅した。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

現在、俺らは木々などが生い茂っているどこかの森の中にいた。ちなみにここにはもちろんだが木はあるが花はどこにも咲いていない。幽香が本気を出すには打って付けの場所だ。

 

ちなみにバシルーラはどこかの場所にランダムで飛ばされる呪文だ。本来は飛ばされただけで終わるのだが俺のは改良してもう一度唱えれば元の場所へ帰れるようになっている。

 

「……ここはどこかしら?」

 

「さあね。どっかの外国の森じゃないかな。如何せんこの魔法は対象者をランダムで飛ばすのでね」

 

「まあ良いわ。取り敢えずここなら本気で貴方と殺し合える!!」

 

「さぁて来な。花の大妖怪!!」

 

俺は『人間状態』で舞姫の封印を解くと、幽香に向けて突っ込んだ。

 

 

 

 

 

Next phantasm…………





~~今日の狂夢『様』~~

「今回は戦闘回だと言ったな。あれは嘘だ。作者です」

「謝罪しやがれこのゴミ屑!狂夢だ」


「今回はなんと、ゆうかりんの登場です!」ドンドンパフパフ

「ちなみに作者が好きな東方キャラは?」

「やっぱり一番はゆかりんですね!ゆかりんは俺の嫁だぁ!!」

「全国のゆかりんファンに謝れ屑が!!と言うことで今回はこれまでだ。次回こそ本当の戦闘回なのでよろしくな。では次回もーーーー」


「「キュルッと見て来てね/来いよ!!」」





「やっぱりゆかりんにはラブレターでも送ろうかな?」

「お前まだ考えていたのかよ!!」





一方その頃現実世界では………


「なっ、なんか寒気が……」


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U S C降臨

私は花を愛すけれど人は愛せない

私が人を愛す時はその者が散る時だと思う


by風見幽香


楼夢side

 

「うらァァァァァァッ!!!」

 

「ふんッ!!!」

 

俺の刀と幽香の日傘が交じり合う。そしてそのまま鍔迫り合いになるが俺には大した腕力もないため、すぐに後ろに吹き飛ばされた。

 

「ちぃっ!!」

 

俺は空中で体制を立て直し地面に着地する。そして間髪入れずに幽香に突っ込む。

 

 

幽香は近づいてきた俺に、まるで邪魔な虫を払うような感覚で日傘を振り払った。

だが俺は刀でそれを受け流すと、カウンターで斬撃を繰り出した。

 

幽香は回避を試みるが楼夢の斬撃があまりにも速過ぎたため完全に避ける事が出来ず幽香の顔に軽く掠った。

 

幽香はこの時悟った。この妖怪は今まで戦ってきた者達とは比べ物にならない程強いと。だがそれよりも新たな強者を見つけたことでの興奮が収まらなかった。

 

「ふふっ、いいわ貴方。ここからは全力で殺してあげる」

 

幽香は今度は全力で日傘を振るう。先程とは比べ物にならない威力の一撃が俺を襲った。

 

「『雷光一閃』ッ!!」

 

俺は一旦刀を鞘に収め、そのまま雷を纏い居合切りを放つ。

 

 

ズガァァァァァァァンッ!!!!!

 

 

二つの凄まじい一撃は激しい轟音と共に相殺された。だがそれは衝撃波となって辺りの地面を抉り、木々を吹き飛ばす。

 

二人の刀と日傘は交じり合った後そのまま静止していた。そしてそのまま鍔迫り合いになる。

幽香は今の一撃が相殺されたことに不満を抱くが、楼夢は()()()()という表情を浮かべていた。

 

「何かしらその表情。まるでこの一撃が相殺されると分かっていたみたいじゃない」

 

「ああ、分かっていたさ」

 

「……そう。随分無謀なことをするのね」

 

幽香はそう楼夢を嘲笑う。だが彼女は楼夢の戦略に気付いていなかった。

 

 

そう、楼夢の中で『雷光一閃』が相殺で終わる事は予想されていた。無論楼夢は手加減して放った訳ではない。むしろ一撃必殺と言っても等しい程の威力を込めたつもりだった。

 

だが結果は相殺。しかも相手はただ日傘を振っただけ。それだけの事で楼夢の全力の一撃は防がれたのだ。それは何故か?答えは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からだ。

 

これは理由があった。楼夢は誰よりも速い。刀を振れば音にも等しい程の閃光が奔り、見る者全てを魅了する。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

これは常識のことだ。ボクシングにはジャブとストレートと言う二つのパンチがある。

ジャブを撃てば一発の威力は下がるものの、それを連射できるようになる。

逆にストレートを撃てば一発に一撃必殺の威力が加わるがそれを連射しようとすると一発を全力で撃とうとするので一発一発の間にそれを撃つための力を溜めなければならない。

 

これは前者は楼夢に当てはまり後者は幽香に当てはまる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だがこれにもちゃんとした理由があった。

 

「おい、幽香。俺が何故あんな無謀なことをしたのか教えてやろうか。ヒントは()()()()()()()()だ」

 

「鍔迫り合いの距離?……っ、まさかっ!?」

 

そこで幽香は思い出す。鍔迫り合いの時の相手との距離を。

 

鍔迫り合いとは刀の鍔と鍔が追り合う事を指す。逆に言えば自分の刀の鍔が相手の刀の鍔とぶつかる程相手と接近していると言うことだ。

 

つまり今幽香と楼夢は互いに武器を振れば届く距離にいるのだ。そこまで理解すると、幽香は後ろに飛ぶようにバックステップをした。だがーー。

 

「逃がすかよ!!」

 

俺は幽香以上のスピードで一気に間合いを詰める。そして懐に潜り込むと、左拳で渾身のボディーブローを放った。

 

「……ぐぅ!!」

 

俺の一撃は見事に幽香の腹に突き刺さる。幽香は突如のことでうめき声を上げ、足を止めた。

 

その隙を俺は見逃さない。俺は神速の斬撃を繰り出し強制的に接近戦に持ち込んだ。

 

「行くぜ、幽香!!」

 

楼夢は回転切りを中心に多種多様な斬撃を繰り出す。

ある場合は右左と交互に身体を半回転させながら斬撃を繰り出し、ある場合は二、三回転しながら巻き込むように斬撃を繰り出し、またある場合は切り上げる勢いを利用して刀を軽く手放し、重力に従って落ちてきた時に再びキャッチしながら刀を振り下ろす。

 

剣術の技の種類には限りがある。だが楼夢の剣術は無限。

それ故に読めない、いや読みようがない。

天衣無縫であり、それでいて完全無欠。

それが楼夢の狂華閃を元に編み出した剣術ーーーー。

 

 

 

 

 

 

ーーーー『桜花閃(おうかせん)』だ。

 

 

「あまり調子に……乗るなァァッ!!!」

 

幽香はそう叫び、零秒で巨大なレーザーを放った。が、楼夢はそれを難なく避け、その死角から攻撃した。

 

「桜花閃『風乱』!!」

 

楼夢は刀に風を纏わせ、五、六秒間の間に真空の刃を無数に繰り出す。

 

幽香は日傘を盾にするが、見えない斬撃に徐々に押されていた。その内いくつかが幽香に直撃するが、彼女が頑丈だったこともあり大したダメージにはならなかった。

 

だが楼夢は秒間で五、六回の斬撃を放つ。しかもそれを風を纏わせ強化し五秒間程連続で放ったのだ。

つまり幽香はこの五秒間の間に最低二十五もの斬撃を受けたのだ。それで軽傷という事は彼女が予想以上に頑丈という事なのだろう。

 

だが幽香は傷を負った事で動きを数秒間止める。その時間は楼夢が次の大技に移るには十分過ぎる時間だった。

 

「桜花閃『氷結乱舞』!!」

 

楼夢は刀に氷を纏わせ、幽香を仕留めにかかった。

 

 

一撃目。幽香の日傘に防がれる。二撃目。角度をつけるがこれも防がれる。三撃目。またもや防がれるが、日傘は幽香の腕ごと凍り付く。四撃目。幽香の身体を斜め上に切り上げる。五撃目。切り上げた刀をそのまま下に振り下ろす。六撃目。幽香の身体を一文字に切り裂く。

 

「これで……凍り付けェェェェッ!!!」

 

そして七撃目。今までの倍の密度の氷の斬撃をそのまま飛ばし、幽香を凍り付けにさせた。だがーー。

 

 

「こんなもので……私を倒せると思うなァァァァァァッ!!!」

 

幽香は半分怒り狂いながら叫ぶ。そして幽香を凍り付けにさせた氷は瞬く間に壊され始めた。

 

「ああ、俺も思っていないさ」

 

楼夢は先程の幽香の叫び声に答えた。そして刀を収め再び居合切りの構えを取る。楼夢の刀には炎と雷の力が集まり始める。

 

その密度は凄まじく、刀を鞘に収めた状態でも外気が震える程だった。

 

 

幽香が完全に氷を壊した瞬間、楼夢は小さく囁いた。

 

 

 

 

 

「桜花閃『雷炎刃』」

 

 

 

ーー瞬間、辺りは爆炎に包まれた……。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「……終わった…か………」

 

俺はそう言うと刀を鞘に収める。そして幽香の元に近づこうとした。だがーー。

 

「……なっ!?」

 

俺の両足にいつの間にか植物の蔦が絡まっており、足を動かすことが出来なかった。

俺は最悪の状況を考え、先程の爆炎の元に視線を向ける。そこにはーー。

 

「……今のは痛かったわよ」

 

先程倒した筈の敵、風見幽香が立っていた。

幽香は悪魔のように微笑みながら俺に話しかける。

 

「あらあら、どうやら貴方の足に蔦が絡まっているようね。仕方ないから助けてあげるわ」

 

幽香はそう言うと日傘を思いっきり振り切る日傘は俺の腹に直撃し、蔦ごと俺を吹き飛ばした。

 

「ガハッ……ゲホッ……っ」

 

「ごめんなさいね。どうやら力加減を間違えちゃったみたい」

 

俺は気力を振り絞って立ち上がり、身体の異常を確認する。

 

どうやらあばら骨がいくつか折れたようだ。だがそんなこと今の俺に関係ない。

 

「『テンション』」

 

俺は自分に強化魔法をかける。するとバチンッという音と共に身体の色が薄く桃色に変わった。

 

強化魔法『テンション』は身体の全ての細胞に自分の妖力とそれを調和させる神力ーー『妖神力』を流し込むことで身体能力を上げる魔法だ。

これを使うと身体の色が変わる理由は、細胞に妖神力を流し込むことによって細胞が妖神力で染まってしまい、細胞の色が薄い桃色になってしまうのだ。それによって肌の色も薄い桃色になるという事だ。

 

最初は妖力だけを身体に流し込んだが、細胞が濃く妖力の色に染まってしまい、細胞そのものが壊れ始めるのだ。よって神力を入れた結果、上手く調和されて今に至るという訳だ。

 

これで身体能力は倍になるが、それでも幽香の一撃を受けるだけで戦闘不能になるのは変わらないだろう。

俺は刀を引き抜き幽香に斬りかかる。幽香は再度日傘で防ぎ、含みのある表情で俺に囁いた。

 

「私ばっかり見てるだけじゃ駄目よ」

 

「どういう意味……だっ!?」

 

俺は本能に従って後ろに飛び退く。すると先程俺がいた場所に数十個のレーザーが放たれていた。

俺はレーザーが放った物を見る。それは一輪の花だった。周りをよく見れば同じような物が数十個咲いていた。

 

「(ちっ、完全に包囲されている。このままじゃーー)」

 

「あまり花ばかり見ていたら駄目よ」

 

「しまっーー」

 

突如目の前に幽香が現れ俺にその日傘を振るう。俺は刀で防御するが、そのあまりの威力に吹き飛ばされる。そして吹き飛ばされた場所を中心に数十個のレーザーが放たれた。

 

「ガアァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

いくつものレーザーが俺を貫く。腹を抉られ、身体を焦がされ、四肢を貫かれた。

 

そんな言いようのない痛みと共に、俺は崩れ落ちる。その様子を幽香は傍観していた。

 

「……もうお終いかしら。残念ね。結局貴方はそこまでの存在だったのよ。さようなら、()()()()

 

 

()()()()』。幽香に言われたその言葉が、楼夢の頭の中に駆け巡る。

 

 

俺が雑魚だと?巫山戯るな。俺は雑魚じゃねえ。何だこの醜態は?誰だ、誰のせいなんだ?……コイツか……コイツのせいなのか。ーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー()()()()()

 

 

 

殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル。

 

 

「『ハイテンション』ッ!!!」

 

楼夢は突如立ち上がりさらなる強化魔法をかける。それによって肌の色も濃くなった。

 

「……殺シテヤルッ!!!」

 

「……さっきとは桁違いの殺気ね。良いわ、これで最後にしてあげる!!」

 

「死にやがれェェェェェェッ!!!」

 

幽香は日傘の先にありったけの魔力を込める。それと同時に楼夢は刀に全ての霊力を込めた。そしてそれらは同時に放たれた。

 

「『マスタースパーク』ッ!!!」

 

「『森羅万象斬』ッ!!!」

 

幽香の日傘から極太のレーザーが、楼夢の刀から超密度の斬撃が放たれた。

 

二つの攻撃は互いに均衡する。だがそれは突然破られた。

 

 

 

青白き刃は七色の光を切り裂きーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー風見幽香は青白い光に飲み込まれた

 

 

 

 

 

Next phantasm………。




~今日の狂夢『様』~~

「ゴミクズ共ォ!!俺様の説明教室始めるぞォ!!俺様みたいな天災目指して、死ぬ気で詰め込みやがれェ!!!」

「という事で今回は説明回。そして狂華閃を桜花閃に変更しました。作者です」

「タイトルのASCはアルティメットサディスティッククリーチャーの略だぜ狂夢だ」


「今回はテンションの説明ですね」

「ああ。知ってる人も多いと思うがテンションとはドラ●エの8や9で出て来た技だ。本来ならテンション5、テンション25、テンション50、テンション100と言うんだがこの小説ではめんどくさいのでテンション、ハイテンション、そして●●●に別れているぞ。ちなみにこの小説では普通のテンションが本作でいうテンション5、ハイテンションがテンション50、●●●がテンション100だ」

「●●●はまだ出てきていないので伏せております。まあ分かる人には分かりますが」

「ドラ●エを知らない人はドラ●ンボールでいう界王拳みたいなもんだと思ってくれ。では今回はここまで。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」







~~今回の没ネタ~~


楼夢が狂った時:

「……さっきとは桁違いの殺気ね。さっきに殺気をかけて。……なんちゃって」テヘペロ


理由:

あの場面であってなかったから。というか幽香さんのキャラが崩壊するので。


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合格


生きてれば 避けては通れぬ敵がいる

生きてれば 避けては通れぬ出会いがある


by白咲楼夢




 

 

楼夢side

 

 

どーも、皆さんこんにちわ。何時も素敵な蛇狐こと白咲楼夢です。

 

現在はバシルーラで飛んだどっかの森で休憩しています。えっ、ゆうかりん?……世の中には知っていいことと知らなくていいことがあるのだよ、ワトソン君。

 

というのは冗談で、幽香は現在気絶して倒れています。というか森羅万象斬の衝撃で倒れた木々の下敷きになっています。助けないのかだって?もしあれが死んだふりとかだったら嫌じゃん。でも5分経っても何も反応がないということは本当に気絶しているのだろう。

 

いやまあね。流石に俺もやり過ぎたと思うよ。

だけどね。こっちだって死にかけてたんだしお互い様だと思うよ。つーかあの時ほぼ狂気に犯されてたから自制が効かないのは当たり前だ。

 

俺が死にかけた時使ったのは『ハイテンション』という『テンション』の強化版の魔法だ。

 

こいつは『テンション』が身体能力2倍なのに対して『ハイテンション』は身体能力が5倍に跳ね上がる。これだけで先程の森羅万象斬は通常の5倍の威力だったのだが、あの時俺は幽香を完全に消し去るために霊力を通常の10倍程込めたのだ。

これによって森羅万象斬の威力は通常の50倍になる。これをまともに喰らって五体満足だった幽香には今でも背筋が凍る。これからはコイツのことをU(アルティメット)(サディスティック)(クリーチャー)とでも呼ぼう。

 

「しょうがねえな。ほらよっと」

 

俺は幽香の上に倒れた木々を次々とどかし下敷きになった幽香を救出する。うーむ、これで幽香の目がぐるぐるになっていたら面白いのに。

 

「さてと。太陽の畑に戻りますか」

 

俺は幽香をお姫様だっこをして持ち上げる。そしてそのまま魔法を唱えた。

 

「あっ、意外と軽いんだな。っとそんなどうでもいいことより……『バシルーラ』!!」

 

 

次の瞬間、俺と幽香は再び青い渦に吸い込まれた。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

幽香side

 

 

……ここはどこなのだろう。気が付けば私は白い空間にいた。

 

謎の浮遊感を感じる。まるでふわふわと空を飛んでいるようだ。

 

まず、何故私はこんな所にいるのだろう。私は思考を働かせる。

 

……思い出した。私はーー。

 

 

 

ーーそこまで考えると、白い空間は急に眩しい光に包まれた……。

 

 

 

 

 

「ん……」

 

 

目を覚ますと私はベッドの上にいた。周りを見ればそこは先程の白い空間ではなく私の部屋だった。

 

 

ーー思い出した。私は太陽の畑に来た桃髪の妖怪と戦い、敗北したのだ。

 

 

私の頭の中で屈辱感が走る中、ソイツは私に話しかけた。

 

「……起きたか。ひとまず無事で良かったぜ」

 

「……それは私に対しての侮辱と受け取っていいかしら?」

 

「いやいや、何故そうなる」

 

本当にムカつく男だ。今すぐにでもぶち殺してやりたい。だが私の意識がそうでも身体は逆に休養を求めていたので今は大人しくしておこう。

 

「……」

 

「……ん、なんだ?」

 

「……どうして私は私の家にいるのかしら?」

 

「どうしてって、あの後お前が気絶したから俺がお前ん家まで運んだだけだ」

 

「……何を企んでいるのかしら?」

 

「どういう意味だ?」

 

「私を生かしておいても貴方になにもメリットはない。それなのに私を生かしたという事は何か企んでいるに違いないわ」

 

「メリットならあるぞ。お前から花の種を貰える」

 

「それなら私を殺した後にいくらでも盗めるじゃない」

 

「……ったく。てめえが死んだら誰がこの花畑を管理すんだよ。少しは考えやがれ。花達だっててめえが死ぬのを望んじゃいないはずだ」

 

「……分かりきったように言ってんじゃないわよッ!」

 

私は今できる限りの殺気をコイツにぶつける。しかしコイツはビビるどころか冷めたような目で私を見つめた。

 

「……そんなに負けたことが悔しいか?」

 

「っ!!」

 

「正直お前の気持ちが全て分かるわけじゃねえ。だけど戦いで負けた奴は大抵そんな顔をしてんのさ」

 

「巫山戯るなッ!!私が他の者と一緒だとッ!?」

 

 

「だったら強くなればいい。強くなって、もう一度俺と戦え。生き延びた事を恥んじゃねえ。死んで初めて負けを認めろ。生き延びたってことはソイツが殺しそこねただけだ。生きろ。ーー。」

 

 

 

 

 

 

ーー生きて俺をもう一度殺しに来い!

 

 

あいつはそう言うと私の部屋から立ち去ろうとする。あの言い分……恐らくあいつも敗北を経験しているのだろう。

 

「待ちなさい」

 

「……なんだ?」

 

「白咲楼夢……だっけ?さっきの貴方の言葉、ありがたく受け取らせてもらうわ。その代わり後悔するんじゃないわよ」

 

「ああ、いくらでも受けて立ってやるぜ」

 

 

 

 

 

ーーこの日、私に初めての宿敵(友人)ができた。それが決して良いことなのかは私にも分からない……。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

楼夢side

 

 

あの日、幽香と戦ってから三日の時が流れた。ちなみにちゃんと『太陽のように輝く花の種』こと向日葵の種をゲットしてきたぜ。いやー、太陽の畑を出て行く時に幽香が引き止めていなかったらどうなってたんだろ。そういう意味では彼女に感謝しなくてはならない。

 

それにしても旅を始めて六日か。今回は幽香と戦ったせいでかなり疲れた。さっさと帰って娘達を眺めて癒されなければ。嗚呼、何時か娘達が大人になった時に『お父さんキモーい』なんて言われるのだけは回避したい。いや、しなければならない。

 

ちなみに幽香との戦闘でできた傷はほぼ完治している。今はまだ傷跡が残っているが、後一週間もすればそれも消えるだろう。

後、戦いでボロボロになった服は狂夢が新しく作り直したので新しくなっている。ちなみに何故かあれだけの戦いをしても四次元ポケットこと服の袖は少し焼けた後が付いただけで済んだらしい。なんで袖だけ丈夫なんだよ。できれば服を丈夫にして欲しい。

というか俺の服の袖の名前を新しくしようかな。四次元ポケットだとちょっと不味いし服の袖だとなんかダサい気がする。

 

『ふーん、じゃあ『巫女袖』ってのはどうだ?ちなみにそれの製作者は俺だから拒否権はねえぞ』

 

……という訳で早速服の袖の名前が決まった。別に今回のはまともだったので断る理由もないしな。

 

 

話が逸れたが、現在俺は輝夜の屋敷へ向かっている。そんなことよりさっさと用事を済ませて家に帰りたい。

 

「止まれ!!貴様、何者だ!!」

 

「俺は輝夜に頼まれた物を届けに来た者だ」

 

「……ここで暫し待たれよ。今姫様に連絡を取ってくる」

 

そう言い門番は屋敷の中に駆け込む。そして十分後慌ただしい様子で門番は戻ってきた。

 

「先程は失礼した。姫様は御自分のお部屋でお主を待っている。くれぐれも失礼のないようにな」

 

俺は門番の忠告を軽く聞き流しながら門を通り、屋敷に入る。思えば輝夜の屋敷の門を通って入ったのは今日が始めてだな。だからといって何か特別なことが起こるわけではないが。

 

そんなことを考えながら俺は輝夜の部屋に辿り着く。入ると輝夜だけでなく輝夜の爺さんも一緒にいた。

 

「初めましてですの。儂は輝夜の爺を努めておる者じゃ。……おおっ、貴方が持っているそれは!?」

 

「こちらこそ初めまして。俺の名は白咲楼夢だ。今日ここに来たのは輝夜のお目当ての花の種を取ってきたからだ」

 

「お疲れ様ね、楼夢。早速だけどその種を渡してくれるかしら?」

 

「ほらよ。世界一純粋な心を持った楼夢さんが持って来てやったぜ」

 

「成程ねー(棒)。世界一腹黒い楼夢さんが持って来た異物なら安心出来るわー(棒)ww」

 

「おっし輝夜表出ろや」

 

「はいはい。これが本物か調べるために庭に行くわよ」

 

「ちぃ、しゃあねえな」

 

俺達は庭に本物かどうか調べるために出る。庭には日の光が丁度いい感じに差していた。

 

「そう言えばどうやって調べるんだ?」

 

「ふふふ、こうするのよ」

 

輝夜は庭の土に向日葵の種を植える。そして指を鳴らすと、種がみるみる成長していき綺麗な花を咲かせた。

 

「成程……時間操作系の能力か」

 

「正確。しかも花も見事に咲いたので貴方は『合格』よ」

 

「よっしゃぁ!!」

 

輝夜からの合格の言葉を聞いて俺は歓喜の声を上げる。やったね。これで今日からゴロゴロ出来るよ。

 

だが輝夜の合格の言葉に輝夜の爺さんは食いついた。

 

「かっ、輝夜!合格という事は……」

 

「という事は?」

 

 

 

 

 

 

ーーこの御方と結婚するのじゃな!?

 

 

 

「「……へっ!?」」

 

爺さんの突然の言葉に俺と輝夜は言葉をハモらせる。そして訳の分からないまま状況は進行して行った。

 

「こうしてはおれぬ!婆さん、布団の準備を!!」

 

「「まっ、待てェェェェェェッ!!!」」

 

 

 

 

 

ーーこの後、爺さんを説得するのに丸一日かかりましたとな。ちくせう………





~~今日の狂夢『様』~~


「今回も無事投稿出来ました!作者です」

「楼夢がいない六日間娘達を愛でていた狂夢だ」


「今回は楼夢さんが扱う狂華閃ーー桜花閃の説明です」

「桜花閃という名前が生まれた理由は前の狂華閃があまりにも厨二病過ぎたからだ。だが桜花閃は楼夢だけしか扱えぬ狂華閃という事で狂華閃自体が消えた訳じゃないぜ」

「という訳で今回はここまで。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」


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五つの難題+α 答え合わせ



笑う門には福来たり

愚行あるところに愚者あり

愚者あるところに笑いあり


by白咲楼夢


 

楼夢side

 

 

どーも皆さん。白咲楼夢です。

そして現在私は輝夜の屋敷におります。ちなみに座っている場所は輝夜の膝の上です。『妖狐状態』だから重くはないと思うけど少し不安だ。勿論の事この体制から娘達に触れられるようにしてある。

えっ?なんでだって?見てりゃわかるよ。

 

そして今ここで始まるのはーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「ようこそいらっしゃいました皆様。さあ、私がお出しした難題の答えを見せてください」

 

 

 

ーーーー『五つの難題+α』の答え合わせだァァァァァ!!!ドンドンパフパフ

 

 

『本日の実況はこの私、白咲楼夢がお届け致します。そして今回のゲストはこの方!!』

 

『よう、テメェら元気にしてたか?』

 

『『白に染まりし厨二病』の異名を持つ白咲狂夢だァァァァァァァッ!!!!!』

 

『なんだよその二つ名!?全然嬉しくねえよ!!ってか今日のお前無駄にテンション高ぇな!!』

 

『実況者がテンション高くなくてどうすんだ!!それより今回の選手を紹介します』

 

 

『エントリーNo.1番!!石作皇子ィィィィィッ!!!』

 

『石作皇子が出された難題は『仏の御石の鉢』を取ってくる事だったよな』

 

『ええそうです。もしあれが本物なら鉢の中に光がある筈です。……おォォォォッと輝夜が鉢を手に取ったァァァ!!!そしてーーーー」

 

 

 

 

 

「もしこの鉢が本物ならばこの中に光がある筈です。しかしこの中には蛍の光のような小さな光さえない。一体貴方は旅で何を拾ってきたのですか?」

 

 

 

『ーーーーそのまま返したァァァァッ!!!』

 

『これにより石作皇子が膝から崩れ落ちたな。だがどうやらまだのようだぜ』

 

『おォォォォッと、石作皇子何故か持って来た鉢を庭に捨てました。一体何を考えているのでしょう?』

 

『さあ、これが奴の最終攻撃だ!奴は一体は何をするのか!?』

 

『なんと!?輝夜の元にさらに近寄った。……うわっ、来るな気持ち悪りぃ!!おかげで舞花が泣いちまったじゃねえか!!そしてそのままーーーー』

 

 

 

 

「どうやら太陽のように輝く貴方にあったので光が失われてしまったようです。ですがこうして鉢を捨て、恥を捨てつつ貴方の御心にすがりたい」

 

 

『アッハハハハハ!!!なんでここで告白なんだよ!?馬鹿だろこいつ!!アハハハハハ!!!』

 

『ププッ、鉢と恥を上手く言ったつもりなのか!?そうだとしたらとんだアホだな!!』

 

『こうして爆笑してる間にも彼は輝夜に接近中!ですがここでタイムアァァァァップ!!!』

 

 

パカッ

 

 

「……ゑ?」

 

『『ボッシュートになりまーす!!』』

 

「うっ、うわァァァァァァァッ!!!!!」

 

 

 

 

『…これで悪は滅びた ……』

 

『言い忘れたけど脱落者はその場でボッシュートさせてもらいます。ちなみに門の前に落とされるのでご安心してください』

 

『それ分かってても安心出来ねえと思うぜ』

 

『大丈夫だ、問題ない。もし不幸な事故が起こっても死ぬのはあいつらだ。なんの問題もない』

 

『まっ、それもそうだな。じゃあ二回戦さっさと行こうじゃねえか!!』

 

『カモン!!エントリーNo.2!!右大臣阿部御主人だァァァァァァァッ!!!』

 

 

「「「右大臣!!右大臣!!右大臣!!」」」

 

 

『お聞きください!!右大臣を応援しに沢山のサポーター達が地鳴りのような声援を送っています!!』

 

『うるせェェェェェェッ!!!まずどっから来やがったこいつら!!』

 

『と言うのは勿論嘘で、実際は混沌の世界でラジカセを流しています』

 

『止めやがれ糞がァァァァッ!!!つーか気づかねえ俺も俺だな!!』

 

『さて、そんなことより右大臣阿部御主人に出された難題は火鼠の皮衣を持ってくる事です。果たして彼はこれを達成出来たのか!?』

 

『ちなみに火鼠の皮衣ってのは焼いても燃えない布だ。もしそんなのが現実であるんだったら素晴らしい巫女服が作れるんだろうな』

 

『さあ右大臣が取り出したのは……美しい装飾が施されている光り輝く布だァァァァァッ!!!これはまさかのクリアなるか!?』

 

『そしてそれを輝夜に渡したな。これで燃えなければクリアだぜ』

 

『……なっ!?』

 

『?どうしたんだ楼夢?』

 

『……狂夢、お前には見えねえのか?』

 

『……何がだ?』

 

『…燃えている……右大臣が燃えている!まるで身体から炎が溢れているようだ……!!凄まじい闘気だ!!今の俺には奴が炎を纏った不死鳥のように見えるぞ……!!!』

 

『ただ鼻息荒いだけじゃねえか!!!テメェの目ん玉はどうなってんだよ!!?』

 

『いける!!奴なら……必ずこの試練を乗り越えてくれる!!』

 

『まっ、まあ布も綺麗だったからそんな簡単に燃える筈は……』

 

 

 

ジョワッ!!

 

 

 

『……』

 

『……』

 

『…燃えた……』

 

『 …おい狂夢……』

 

『…分かってる……』

 

 

『『ボッシュートになりまーす』』

 

 

「嫌だァァァァァッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー楼夢達がやる気を取り戻すまでお待ちください………

 

 

 

 

 

 

『さー次行ってみましょう。つーかもうどうでもいいや。アハハハハ……』(棒)

 

『楼夢!!目を覚ませェェェェッ!!!お前があれにショックを受けたのは知ってるから!!』

 

『大丈夫大丈夫。エントリーNo.3は車持皇子だァァァァ』(棒)

 

『もういいや…。車持皇子の本名は確か藤原不比等だったよな』

 

『そうそう。妹紅の親だったな。てかさっさと終われやコラ』

 

『ふーん。それよりもアイツが持って来た蓬莱の玉の枝が凄ェリアルなんだが』

 

『そんなの緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)で見抜けばいいじゃねえか。ほら、さっさとやれ』

 

『はいはい。……まあ、予想通り百倍ズームした結果、僅かにだが色々細工した跡があったぜ。まっ、あの単細胞お姫様じゃ分からないだろうけど』

 

『本当だな。案の定細工した跡が見つからなくて困っているみたいだぜ。まあ、俺は口出しはしねえけどな』

 

『ん、誰か来たな。俺はさっさとこいつをボッシュートしてえんだが』

 

『…ん、いや待てよ……狂夢、どうやら出番が来るぜ』

 

 

「申し上げます!かぐや姫はここにいらっしゃいますか!?」

 

「……誰ですか、貴方達は?」

 

「我々は不比等様の命により金の玉をお作りした者達です。ですがまだ褒美をもらっておりません。ですので不比等様の妻になられたかぐや姫様に褒美をもらいに来たのです」

 

「……とのことですが、一体どういう事なのでしょうかね?」

 

『…うわぁ、非常に苛立つ笑顔だな』

 

『…その通りだな。そんなことより、ジジイが何か弁解しようとしてるがやるぞ』

 

 

『『ボッシュートになりまーす!』』

 

「ぐわァァァァァァァッ!!!!!」

 

 

 

 

 

ーー勝者『蓬莱山輝夜』

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「…月が綺麗だな」

 

「…そうじゃのう……」

 

現在、俺は輝夜の爺さんと月を眺めていた。俺は中に桜が描かれた黒い杯に『奈落落とし』を注ぐ。そしてそれをゆっくり口に入れて飲んだ。

 

「そんなに輝夜が結婚出来なかったのが心配か?」

 

「……本来女とは男に継ぐ者。じゃが輝夜はそれを受け入れぬ。儂ももう七十を超えた身。今日ある命が明日あるとも限らぬ。……儂らが死んだ時輝夜がどうなるのかが儂の心残りじゃ」

 

「放っておけばいいんじゃねえの」

 

「……どういう意味かの?」

 

「放っておけって言ったんだよ。放っておいて、放っておいて……何時か見つければいいんだよ」

 

「じゃが儂らにはもう時間が「関係ねえよ。輝夜のことだ。輝夜なりに何かがあるんだろうよ。しかもそれはあんたらにも明かされていない。だから待つ。待って待って待って……ようやく見つけた物を取るしかねえんだ。人生ってのはそういうもんだ。今すぐ決めなくていい。迷って迷って…ギリギリまで迷ってから決めればいい。その後で後悔しないように……。それが『生きる』ってことさ」

 

俺はそう爺さんに微笑む。そして杯に残った酒を飲み干した。

 

「少なくともそれが親だと、俺は思っている」

 

「……礼を言わせてもらおう。お主のおかげで胸の中が晴れたようじゃ。流石長生きをしてらっしゃる者で」

 

「……俺が妖怪だってのはバレてたのか」

 

「ほっほっほっ。お主程ではないが無駄に長生きはしとらんよ」

 

「違いない。じゃあ俺は帰るぜ」

 

「また何時でも来るのじゃ」

 

 

俺はそう言うと、門から屋敷を出た……。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「……偉そうに言ってんな、俺」

 

俺は一人そう呟く。普段は家に帰る時は飛んで行くが、今回は気分転換に歩いて俺は家に向かっていた。すると美夜が不思議そうに俺の顔を眺めていた。

 

「どうしたんだ美夜?なんか腹減ったのか?」

 

「いや…ただお疲れ様って言おうと思って……」

 

「それは嬉しいな………ゑ?」

 

「どうしたのそんな固まって?」

 

嘘だろ……!?俺は両目をゴシゴシと拭いて再度確認をする。そこには何時も通りの黒い狐の美夜がいた。だがその顔は俺の方に向いている。

 

「えーと、まさか驚いてる?」

 

「みっ、みっ、美夜が喋ったァァァァァッ!!!」

 

「そんなに驚く事かな?」

 

「そりゃ驚くよ!!というか何時喋れるようになった!?」

 

「うーん、今日気がついたら…。でもお父さん忙しそうだったから言う暇がなかったの」

 

「成程な……。まあそんなことよりーーーー」

 

 

 

 

 

ーーーーこれからよろしくな、美夜!!

 

「うん!これからもよろしくね、お父さん!!」

 

 

 

 

ーー今宵、俺に最高のプレゼントが届いた。

 

 

 

 

 

Next phantasm……。

 

 






~~今日の狂夢『様』~~


「投稿遅れてすいません。作者です」

「美夜がとうとう喋れるようになった!!現在ハイテンションな狂夢だ」


「今回は美夜が喋れるようになりました」

「ナイスだ作者見直したぜ!」

「でもまだ妖術などは使えないので人型になることもできません」

「それでも今の俺は満たされてるぜ!!」

「……このままじゃ面倒くさくなるのでそろそろ締めます。お気に入り登録、感想、高評価共によろしくお願いします。では次回もキュルッと見に来てね」


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賞金稼ぎと悪魔の笑い

悪魔の囁きが今日も木霊する

金よ…金よと……

本当はそれに意味などないのに……


by火神矢陽


楼夢side

 

 

「お父さーん!起きてもう朝だよ!」

 

「…ふぁぁあ、何言ってやがる美夜。今はまだ十時だ。昼にもなってないのに起きる意味なんてあるのか?」

 

「なっ、なんか言い返せない……。確かに今日は暇だし…ね。私も二度寝しちゃおう」

 

美夜はそう言うと他の娘達と共に俺の布団に潜り込んだ。美夜も言葉が喋れるようになったが人型にはまだなれないので今も狐の姿のまま布団に潜り込んでいる。おかげで中が凄いモフモフしてるので、またすぐ眠れそうだ。

俺はまたすぐに意識を手放そうとする。だがーー。

 

「楼夢―!いい仕事が入ったぜ!」

 

暴風のように現れた少年ーー火神矢陽の声によって、俺の眠気は吹っ飛んだ。

 

「五月蝿いわボケェェェッ!!!今寝てんだよ!!」

 

「そんなことより依頼が来た」

 

「依頼?お前にとっちゃ何時ものことなんじゃねえか?」

 

「違ぇよ。()()()()()()()()()()()()()

 

「はぁ?」

 

火神の発言に、俺は意味が分からないといった表情をする。俺に依頼?誰だこんなしがない商人に依頼を出す奴は?

 

俺にそんな考えが頭をよぎる。だが火神の発した一言で俺は全てを納得した。

 

「ちなみに依頼主は?」

 

「依頼主の名は竹取翁(たけとりのおきな)と書かれている。確かかぐや姫の爺さんだったっけ」

 

「…俺が呼ばれた理由が分かった気がする」

 

…畜生。輝夜の爺さんってことは輝夜からの依頼かよ。嫌な予感がプンプンするんだが……。

 

「おら、荷物纏めてさっさと行くぞ。金が逃げちまうかもしれねえしな」

 

「嗚呼、現実は非常なり……」

 

「ちなみに私は行かないから。頑張ってね、お父さん」

 

俺は急に重くなった身体を引きずりながら輝夜の屋敷に向かった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「ーーーー今日はよく来てくださいました。本日はどうかこの爺の願いをお聞きください」

 

「火神ならともかく、何故ただの商人である俺に依頼なんざするんだ?」

 

「どうでもいいそんなことは。俺は依頼がどうあれ大金が貰えりゃいいんだよ」

 

「良くねーよ。こっちは本当は今日一日中寝る予定だったんだぞ。もしこれでつまんない依頼だったら骨折り損だぜ」

 

「はいはい。そんなことよりジジイ!さっさと依頼の内容を言いやがれ!」

 

火神はさっきからだんまりしている爺さんに、殺気を込めた瞳で睨む。その殺気には尋常じゃない程の狂気も含まれており、ただの人間には睨まれただけでも毒だろう。そんな凄まじい重圧に爺さんは襲われていた。身体中から吹き出すように汗を流しているのを見れば、爺さんが立つのもやっとなのは明白だった。

 

「おい 、火神さっさとその気持ち悪い殺気を抑えやがれ」

 

「まるで俺が気色悪りぃと言ってるみてえだな」

 

「そう言ったつもりなんだが」

 

ブチンッ「…てめぇ後で覚えてやがれ……!!」

 

火神はそう言いながら爺さんへの殺気を抑える。だが代わりに俺に殺気が向いてるのは勘違いなのだろう。

 

「さてと。依頼の内容を教えてもらおうか」

 

「は…はい!く…詳しい内容は姫様にお聞きくだされ……!」

 

そう言い爺さんはスタコラサッサと逃げ出す。どうやら相当火神に参っているようだ。それもその筈先程まで危うく重圧で窒息死になりそうだったのだ。

生憎と自分を殺しかけた奴と一緒にいられる程爺さんは強くない。

よって今の爺さんの行いは正当防衛になるのだろう。

 

とまあそんなどうでもいいことを考えている内に目的地に着いたようだ。

現在俺は輝夜の部屋に普通に入るかドアごとぶっ壊して入るか迷っている。

 

「よし、ぶっ壊して入るーーーー」

 

 

 

ドッゴォオオオオオオン!!!

 

 

 

 

「ふっ、これで邪魔な障害物は消え去った」

 

「「いやお前が消え去れや!!」」

 

「なんなの!?せっかく俺がドアをぶち抜いてやろうと思ったのに……畜生!!」

 

「いやいやなんで私の部屋のドアがぶち壊れること前提なの!?どう考えてもおかしいでしょッ!!」

 

「「それが運命だからだ!!」」

 

「どんな運命よ!!」

 

とまあ部屋の中から飛び出てきた輝夜がキレっキレのツッコミを入れてきた。

ちなみにドアは火神の素晴らしいライダーキックによって跡形もなく消し飛んでいる。哀れ、ドアよ。

 

「無視してないであのドアをなんとかしなさいよ!!」

 

「とは言っても欠片があれば一瞬なんだが火神のせいで見事に塵と化してるもんな」

 

「それだったら適当にそこらの木を切って新しいのを作っちまえば?」

 

「うーん。そこらへんの木と言ってもそこらにあるのは竹だけだぞ……。まあ俺の能力なら大差ないか」

 

俺はそう言いながら『巫女袖』から綺麗な竹をいくつか取り出す。そしてそれを能力でドアの形に仕立てた。

 

「相変わらず便利だなその袖」

 

「なんで袖から竹が出て来るのよ!!説明しなさい!!」

 

「そんなことより、俺達をここに呼んだ理由を聞かせろ。もしこれでつまんねえことだったらはっ倒すぞ」

 

俺が輝夜にそう問うと、輝夜は急に真剣な顔になる。その雰囲気からして面倒くさいことに変わりはないのだろう。

 

「…いいわ。全て話してあげる。私は『蓬莱の薬』ーー永琳が作った不老不死の薬を飲んだ月の都の大罪人なの。今地上にいるのはその時月の都から追放されたからよ」

 

「不老不死かよ。本当に永琳はなんでも作れんな。ちなみになんで不老不死になっちゃ駄目なんだ?」

 

「蓬莱の薬を飲んだ者は身体に穢れが生まれるからよ。それを嫌った月の都の人間が私を追放して今に至るわ」

 

「成程…ね」

 

「でも次の十五夜の満月に月の迎えが来るわ。それを聞いたお爺様が貴方達を呼んだわけ。これで分かった?」

 

輝夜の話を聞き、俺は依頼の内容を理解する。つまり爺さんの依頼は俺達に輝夜の護衛をしろという事だ。だがその前に俺は輝夜に一つ聞いておかなければならない。

 

「輝夜。お前はこの地上に残りたいか?」

 

「残りたいに決まってるわよ!どうせ月に帰っても実験のモルモットにされるだけよ!それならこの綺麗な地上に残りたい!!」

 

俺はそこまで聞いて満足する。そして輝夜に返答を返した。

 

「お前の気持ちは分かった。だから今回は手伝ってやる」

 

「あ…ありがとう、楼夢!!」

 

輝夜は瞳を輝かせながら嬉しそうに礼を言う。

だがその雰囲気をぶち壊しながら火神は話しかけた。

 

「おい。何時まで俺を除け物にしてんだ?」

 

火神は少し苛立ちながら輝夜に問う。

 

「…言っとくけど地上の陰陽師なんて役に立たないわ。大人しく帰ることをおすすめするわ」

 

「……あぁん?」

 

輝夜の言葉に火神はさらにヒートアップする。俺はすぐに注連縄結界を輝夜の部屋に貼る。次の瞬間火神からは膨大な量の妖力が溢れ出た。幸いにも注連縄結界のおかげで妖力は外へ漏れなかったが、輝夜はその出鱈目な妖力の重圧で滝のように汗を流す。

 

「この俺を急に呼び出しておいてその態度はなんだ?そしてあまつさえそのまま帰れと?巫山戯んのも大概にしろよ?」

 

「…ぐっ……ッ!?」

 

輝夜が苦しんでいるのを見ると火神は悪魔のような笑みを浮かべる。そして狂った瞳を輝夜に向け話す。

 

「本音を言うとな。俺はてめぇが月のモルモットにされようがどうでもいいんだよ。だがお前らは俺に依頼を出した。だから来てやったんだよ。だが現状はどうだ?金を貰うどころか戦力外扱い。ここまで俺をコケにしといてただで済むとは思うなよ」

 

火神はそう言うと掌にメラミ程の中くらいの炎の玉を作り出す。俺は能力の関係で火神の掌の火球の正体を理解する。

あれは超圧縮された炎だ。大きさはメラミと同じだがその威力はこの屋敷を竹林ごと焼き尽くす程凄まじい。

 

「さて…この屋敷を消されたくなければ俺に依頼を出しな。ちなみに報酬金額はこっちが決めさせてもらうぜ」

 

「なっ、そんなのただのボッタクリじゃない!!」

 

「嫌ならいいんだぜ。その代わり屋敷は消えるけどな」

 

「……っ」

 

輝夜はしばらく歯軋りをした後、俺に助けを乞う目線を向ける。しかしそれを見透かした火神が追加で話をする。

 

「ちなみに楼夢に助けを求めたらお前は月に帰ることが確定するぞ」

 

「…どういう意味よ?」

 

「俺と楼夢が殺し合った場合、勝敗はどうあれコイツは次の十五夜までには完治しない程の重傷を負うだろうからな」

 

輝夜は信じられないといった表情で楼夢を見つめる。だが彼の表情はその通りだと言ってるようだった。

 

馬鹿な。楼夢は仮にも昔の月の都を救ったことがある。しかもあれから八億の時が経っているのだ。恐らく以前の数十倍強くなっている筈だ。その楼夢と互角に戦える火神と言う男。彼は一体何者なのだろう。

 

輝夜の頭にそんな考えが浮かぶが、すぐさま彼女はそれを脳の片隅に追いやった。そして納得出来ないと言った表情で火神に話す。

 

「…分かったわ。報酬金額は貴方が決めなさい。それでいいでしょ」

 

「理解が早くて助かる。それじゃーー」

 

そして火神は求める報酬金を輝夜に告げる。

それは陰陽師の仕事にしては破格の金額だった。恐らく大妖怪を退治してもその金額には届かないだろう。

幸いなのは輝夜が大金持ちだったと言うことだろう。だがその大金持ちにとってもそれは痛い出費だった。

 

「…なっ、なんて金額よ……」

 

「嫌だったらいいんだぜ。元はと言えばお前が吹っ掛けて来た喧嘩なんだ。敗者は黙って勝者の言う事を聞きやがれ」

 

「……仕方…無いわね……」

 

輝夜が手を叩くと、使用人が現れる。そそして前払いの料金を火神に渡す。すると火神はその三日月のような口で大笑いをした。

 

「アッハハハハハ!!!サンキュー、かぐや姫。そしてーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

ーーまたのご利用をお待ちしてるぜ

 

 

 

辺りは悪魔の笑い声に包まれた……

 

 

 

 

 

 

Next phantasm……

 

 

 




~~今日の狂夢『様』~~


「投稿遅れてすみません!!!夏休みの宿題が多すぎて小説を書く余裕が無かったんです!!よってこれからの更新ペースを週一に戻させてもらいます!作者です」

「夏休みもいよいよ終わりが近い!!狂夢だ」


「そう言えば作者は自由研究で何をやったんだ?」

「私は自由研究で夏に見れる星座をまとめました」

「へぇー、よく都会で見れたな」

「都会で見れるわけないじゃないですか」

「…なんか…すまん……」

「いいですよ…気にしないでください……」


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再会と狂いし白巫女



沸き上がる焦熱の炎

開きし裏の世界

天より参る罪人よ

今こそ汝の罪を裁こう


by白咲狂夢


楼夢side

 

輝夜からの依頼を受注してから一週間の時が流れた。

 

今宵は十五夜。空に浮かぶ月がまるで俺を見下しているようにも見える。

 

現在、俺は輝夜の屋敷にいた。周りには帝が送った約千人の兵がいるが大した戦力にはならないだろう。俺は心の中で兵達に戦力外通知をした後、隣で欠伸をする火神を見た。

 

「ふぁぁあ、眠ィ……。まだ月の犬共は来ねえのかよ」

 

「残念ながらまだだな。しかし、それより皮肉だな……。何時もは好きな月が今夜だけは不気味に見える」

 

「けっ、月の小物のオーラにビビってんじゃねえよ。それでもてめぇは伝説の大妖怪か」

 

「生憎とビビってるわけじゃないんでね。いくらありが集まろうとも全員踏みつぶせばいいだけの話だ」

 

「その通りだな。それにしてもあの姫様も随分と同族に対して鬼畜だね。俺らに殺人の許可をしてくれてんだから」

 

そう、輝夜があの時出してくれたのは『月の兵の殺人を許可する』というものだった。

これは正直言うと殺人鬼に殺人許可証を与えたようなものだ。特に火神なんかは月の兵が全滅するまで刃を収めないであろう。かと言って俺も月の兵を殺さないわけではない。

 

こう見えて俺は部外者や敵の命が何億消えたところで関係ないと思っている。故に敵を殺してもさほど罪悪感を感じないのだ。流石に火神みたいに殺し過ぎる事はないが。

 

『おい楼夢、ちょっといいか?』

 

『…なんだ狂夢か。それでなんのようだ?』

 

『これは頼みなんだが……月人との戦闘の時俺に身体を渡してくれないか?最近ストレス発散が出来てなくて頭がモヤモヤするんだ』

 

『それはいいがお前が他の奴等に見られないか心配だな。どうせお前のことだし月人を虐殺したりするから、俺のイメージダウンにならねえか心配だぜ』

 

『よく分かってんじゃねえか。雑魚を殺してもさほど楽しくねえが『地面に顔を擦り付けながら土下座したら許してやる』って言って泣き叫びながら土下座してる奴を殺すのはまあまあ楽しいからな』

 

『ふっ、相変わらずいい趣味してるな』

 

『そいつは褒め言葉として貰っておくぜ。じゃあ時間になったら俺と交代しろよ』

 

そう言って狂夢は俺との会話を切る。これは取り敢えず月人達にドンマイとしか言いようがない。姫様を連れて帰るという猿でも出来る簡単なお仕事の最中に化け物が混じるなんて誰が考えられる。

 

「楼夢、そろそろ来るわよ……」

 

「分かってるって……来たな…」

 

 

 

 

ーー突如、俺の言葉と共に満月から光り輝く()()が向かって来た。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「来たぞォォォォ!!!撃てェェェェェェェェッ!!!!!」

 

兵達の指揮官と思える男が凄まじい雄叫びを上げた後、兵達は一斉に空に浮かぶ()()に矢を放った。

 

だがそれは全て何もなかったかのように弾かれた。そして謎の物体は徐々に屋敷に近付いてくる。

 

俺は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を使い、視界をズームさせる。

見えたのは鉄で作られた丸い円盤。そう、あれはまさにーー。

 

『「ゆっ、UFOッ!!?」』

 

俺と狂夢は驚きのあまり声をハモらせた。だが驚いていた瞬間、UFOはハエのように群がる兵士達に太いレーザーを放ち、薙ぎ払った。

 

「「「うわァァァァァァッ!!!」」」

 

兵士達はその一撃で四分の一が吹き飛んだ。これ絶対に殺る方は楽しいだろ。

 

やがてそのUFOの中から百を超える兵士が光に包まれながら降りてきた。全員ご丁寧に戦闘服とヘルメットを着用しており、いかにも軍という雰囲気をかもし出していた。

 

「そこまでだ、貴様らッ!!」

 

帝の兵達が月の都の兵達を取り囲む。取り敢えず俺は帝の兵達に心の中で手を合わせた。

 

月の兵達はその手に持った銃ーーレーザーガンを帝の兵達に向けた。

 

「はっ、何だその刃のない槍は?そんなもの私の槍で……」

 

 

パシュンッ

 

 

そんな気の抜けた音が辺りに響く。っと同時に先程喋っていた男の声が消えた。否、命と共に途絶えた。

 

撃たれた帝の兵はパタンッと前のめりに崩れ落ちる。その体は腹に大きな風穴が空いており、中から赤い血がドクドクと流れ出る。その音と共に他の兵達は今起きた事を理解した。

 

「全兵に直ちに告ぐ。我々の視界にいる穢し者達を浄化せよ」

 

「「「はっ!!」」」

 

月の兵の司令官とその部下の声が冷たく辺りに木霊する。次の瞬間、帝の兵達は声を揃えて叫ぶ。

 

「「「うっ……うわァァァァァァァッ!!!!!」」」

 

 

「逃げろォォォォォッ!!!」

 

「嫌だァァァァッ!!!」

 

月の兵達は一斉に帝の兵達にレーザーを放つ。その威力は絶大で次々と帝の兵は血しぶきを上げながら死んでいった。

 

「だっ、誰か助け……ッ!!!」

 

 

グチャッ

 

 

ーーその光景はまさに地獄絵図と呼ぶに相応しかった。

 

数十分も経てば辺りを埋め尽くした断末魔は消え去り、冷たい風と月の兵だけが残った。

 

月の兵達はこの屋敷に侵入し、俺や輝夜のいる庭の中で輝夜の前で止まった。

 

俺は油断した月の兵を殺すため、透明化の妖術を使って姿を消す。そして空に浮かぶUFOを見た。

 

そして空から更に一人の女性が降りてくる。赤と青の特徴的な服を着た銀髪の美しい女性。そう、彼女こそが俺の友人でもあり、月の頭脳と呼ばれる月人ーー八意永琳だった。

 

 

永琳はどうやら俺の姿を見えておらず、そのまま目の前の輝夜に話しかけた。

 

「……お久しぶりです、姫様」

 

「……久しぶりね、永琳」

 

二人の間に静かな沈黙が訪れる。そして再び永琳は口を開いた。

 

「さあ、月の都に帰りましょう。じゃないと貴方が穢れてしまうわ」

 

「嫌よ。私はこの地上に残るわ。なぜなら私はこの地上が好きだもの」

 

「姫様…そうですか……」

 

永琳は残念そうな顔をすると、手に持っていた弓を輝夜に向けて引き絞る。そしてーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー放たれた矢は、月の兵の指揮官の首を貫いた。

 

 

「が…は……ッ!!」

 

「八意様、何故ですか!?」

 

「何故って?それは私が輝夜の従者だからよ」

 

そう言って永琳は次々と兵を殺していく。だがUFOにいる分も考えると月の兵達は二百はいるだろう。そしてそれら全てを倒すことはいくら永琳でも無理があった。

 

「!?……くぅっ」

 

突如永琳の足にレーザーが直撃する。永琳はその足を無理やり引きずって敵を倒すが、やがてその足にも限界が訪れた。

 

「…ハアッ…ハアッ……」

 

「どうやらこれ以上はもう動けないようですね。大人しくお縄についてください」

 

「…断るわ」

 

「…そうですか、残念です」

 

兵士はそう呟くと手に持つレーザーガンの引き金を引く。永琳はこの後の自分の運命を悟り、目を閉じた。

 

「(思えば、こうやって自分の最後を感じるのは二度目ね)」

 

永琳はふとそんなことを考える。初めて自分の終わりを感じたのは約八億年前、そこのとある森の中のこと。

 

今でも鮮明に思い出せる。あの青年の顔は。

桃色の髪を持ち、当時都市一の美女と呼ばれていた私よりも美しく、それでいて身内には優しかった妖怪。

私は彼に様々な借りがある。だが今も私は彼に一つも返せていない。

 

万を超える妖怪が都市を襲った時も、彼は同族を殺してでも最前線に立ち、私と輝夜を月に逃がした。

 

だが私はその後核爆弾が落とされる事を知っていながらそれを止める事が出来なかった。

結果、都市があった場所は塵一つ残らない場所に変わり、彼は死んだ。

 

その後もそうだ。都市の連中は妖怪が都市を救ったなど信じなかった。そしてそれをなかった事にした。いや、それだけではない。彼を万の妖怪を呼び寄せた元凶と決めつけ、月の都の大罪人に仕立てたのだ。それも悪い意味で教科書に載るほど。

 

その時も私は都の上の者達を止める事が出来なかった。

結果、命懸けで戦った心優しき妖怪は、都市を襲った大罪人に堕とされた。

 

本当に私は何をしているのだろうか。普段は天才と煽てられている癖に、借りの一つさえ返せない。

 

何が天才だ。何が都市一の美女だ。肝心な事が出来なければただの愚者ではないか。

 

 

永琳はそう心の中で呟く。そして迫り来る閃光を、その瞳を閉じたまま待ち構えた。

 

「(ありがとう輝夜。貴方との思い出は楽しかったわ。そしてーーーー)」

 

 

 

 

ーーーーさようなら、楼夢……

 

 

 

そして、そのまま無慈悲な閃光が永琳を貫ぬーー。

 

 

 

 

 

ーーかなかった。永琳は何時まで経っても来ない衝撃を不思議に思い目を開ける。そこにはーー。

 

 

 

 

 

 

「呼んだか?永琳」

 

 

桃色の髪をした青年が永琳を呼んでいた。

 

 

「ぐがァァァァァァァッ!!!」

 

永琳を呼ぶ声が響いたその後、後ろから先程永琳を殺そうとした兵士が断末魔を上げていた。見ればその兵士は両腕を綺麗に切り落とされており、最早戦う事は出来そうにない。

 

「なっ、何者だ貴様!?」

 

「『何者だ』だと……いいぜ、答えてやるよ」

 

 

 

ーー俺は『白咲楼夢』だ。

 

 

楼夢はそう言うと妖力を全力で開放する。刹那、楼夢の妖力が暴風破となり、辺りを砕き、雲を吹き飛ばし、山々を揺らした。

 

「輝夜、永琳を連れてさっさと俺の視界から消えるまで行け。この竹林にいる内は……巻き込んで殺さねえ自信は無えぞ!!!」

 

「楼夢、お願い待って!!」

 

「行くわよ永琳!!」

 

輝夜は永琳を引っ張りながらこの場を離れる。その二人を兵士達は追おうとするが、俺は一つ術を唱える。

 

「『注連縄結界』」

 

楼夢はそう呟くと永琳達を覆わないようにしながら竹林全体を結界で覆う。そしてさらにーー。

 

「仕上げだ火神!!」

 

「OK、任せろ!!

 

 

炎鳥牢『火鳥籠(ひとりかご)』!!」

 

 

楼夢の結界を火神の炎が包む。これで外からは中の様子を出来なくなった。

そして炎を放った事で結界の中の竹が引火し、辺りは灼熱地獄と化す。

 

「きっ、貴様!!何をし……ッ!?」

 

「……ったく落ち着けよ。らしくねえぜェ」

 

兵士達はすぐさま楼夢に視線を向けるが、そこに楼夢はいなかった。否、そこには白い巫女服に白い髪を持った、楼夢と酷似している妖怪がいた。妖怪はその赤いルビーのような瞳を光らせ、狂ったかのように叫んだ。

 

「アヒャハハハハハハッ!!!!!最高だぜ、この灼熱地獄(ステージ)はよォォォッ!!!アハハハハハッ!!!火神ィィ!!!演出ご苦労ォ!!!」

 

「ふっ、巫山戯るな貴様!!撃てェェェッ!!!」

 

兵士達はその声と共に一斉にレーザーを放つ。それは狂夢に向かい直撃する。が、狂夢の身体には傷どころか巫女服すらこわれなかった。

 

「おいおい、何だ何だよ何ですかァァァァッ!!??この温い攻撃はよォォォォォッ!!!」

 

狂夢はそう叫ぶと近くにいた兵の一人の頭を掴み、ヘルメットを壊した後その頭を360°回転させ、玩具のように首から上を引きちぎった。

 

「けっ、脆いねェ…まあ、その方がいたぶり甲斐があるってもんだッ!!!」

 

狂夢はそう言うと引きちぎった頭を掌で握り潰し、それをわざと他の兵士達に見せた。その光景を見た者は瞬時に身体が凍り付いたかのように動けなくなる。

 

 

「さあ、始めようぜ。生と死が入り混じる狂気の宴をッ!!!」

 

 

 

人は血塗られし白い巫女をこう呼ぶ。『破壊神』と……

 

 

 

Next phantasm……。






~~今日の狂夢『様』~~


「どーも。次回は多分俺視点で始まるぜ。遂に来た俺の時代!狂夢だ」

「二日後に全校生徒の前で作文を発表するのにまだ何も暗記していない。作者です」


「今回は楼夢さんと狂夢さんが共闘したらどうなるか、の話です」

「OK。まず諏訪大戦の時に俺と楼夢が共闘したように書かれていたが実際はちょっと違うんだよな」

「では諏訪大戦の時狂夢さんは何をしていたんですか?」

「まず俺と楼夢が同じなのは周知の事だよな。だけど霊力や妖力などは量も質も楼夢とまったく同じという事じゃないんだ。全体的なスキルポイントを例にすると楼夢の全ての力を10と例える。そして俺は12と例える。俺は楼夢より数値が多いので楼夢の全ての技を使えるが、楼夢は俺より数値が低いため俺の技を全て使えるわけじゃない。だがそこで俺が諏訪大戦の時のように楼夢に協力すると、俺が協力してる間だけだが俺の技が一時的に使えるようになるんだ。ちなみに良く勘違いされると思うけど、いくら技が使えるようになったと言っても霊力や妖力などは上昇しないから強力な技を何時もより二倍多く放てるって事じゃねえぞ。そういう意味ではこれが楼夢の本当の実力かもしれないが」

「ちなみに霊力や妖力が上昇しない理由は?」

「俺が霊力などを楼夢に渡してないからだ。俺達が共闘するという事は俺達が融合するという意味でもある。つまり俺は楼夢と共闘し事はなかったと言うことだな」

「ちなみに融合した場合はどうなるんだ?」

「間違いなくこの小説最強のキャラになる。まっ、今のところは楼夢と融合しようとしても出来ないし、何より出来たとしても絶対に使いたくない」


「という事で今回はここまで。ちなみにもう一つ質問ですが技名を出すとき『森羅万象斬』と書くか“森羅万象斬“と書く方のどっちが好みですか?返事は感想で書いてください。よろしくお願いします。では次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」


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ずっと俺のターン!!ドローッ!!!



雑魚ならせめて、砕けて死ね


by白咲狂夢


 

ーー涙も届かぬ炎の中、戦いは混沌と化していた。

 

逃げ惑う者達や、泣き叫ぶ者達。だがそんな彼等の声も彼には届いていなかった。

 

ーー『時空と混沌の神』白咲狂夢には……。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「…ハァッ、ハァッ……取り敢えずここまで来れば一安心ね」

 

輝夜はそう言うと、楼夢達が貼った結界を見つめる。

 

あの結界を輝夜は中への出入りを禁じる物の類だと推測し、後ろにいる自分の従者に目を向ける。

 

「輝夜!!彼を…楼夢を助けに行かなきゃ「落ち着きなさい、永琳。それでも貴方は月の頭脳なの?楼夢は必ず帰ってくるわ。私達はそれを信じましょう」

 

「でも、相手は約二百の月の兵達よ!いくら楼夢でもさらに進化した月の武器には勝てないわ!」

 

永琳は先程から楼夢への不安を拭い切れないでいた。だがそれを見透かしたように輝夜は言い放つ。

 

「よく考えなさい。あれから八億年も経っているのよ。それだけの時間を過ごしておいて楼夢が弱いとでも?」

 

「輝夜さんの言う通りだね」

 

輝夜は突如割り込んで来た声の持ち主に視線を移す。そこには黒い子狐が妹達を引き連れて話しかけていた。

 

「貴方は…楼夢の娘の美夜…だったわね?もしかして喋れたのかしら?」

 

「喋れるようになったのは五つの難題が終わった時だけどね。今まで喋らなかったのは空気を読んでの行動…とでも言っておくね」

 

「成程ね。で、何が『私の言う通り』なのかしら?」

 

「さっき結界内部を見て来たけど要らぬ心配だったようだよ。お父さんは攻撃が当たってもかすり傷すら付かないし」

 

「そう……情報をありがとう。後は祈るのみね」

 

輝夜はそう言うと、瞳を閉じ、結界内部へと祈りを捧げた……。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

狂夢side

 

 

どーも、皆さん。本編初俺視点で浮かれている狂夢だ。っとこんなメタい話は止めておこうか。

 

 

現在俺は月の兵達を虐殺している。それも綺麗な笑顔のままで。まあ、まだ戦闘が始まってから少ししか経ってないからまだうじゃうじゃいるけどな。

 

月の兵達は俺が兵の首から上を引きちぎったりしたせいで完全に恐怖に支配されているようだ。指揮官も永琳に殺されていたので統率が取れず、各自バラバラになって脱出しようとしているようだ。

 

だがそれが無駄である事もいずれ分かるだろう。“注連縄結界“は覆った場所の出入りを禁じる、防御能力の高い結界だ。それに火神の炎を纏わせたら、いくら月の民と言えど結界を突破する事など不可能だろう。しかも見た限りここに集められたのは実戦経験の少ない者、つまり『三下』の集まりなのだ。そんな前菜にもならない雑魚に俺が負けるはずがない。否、負ける要素がない。

 

「く、くそッ!!なんでここから出れないんだ!?」

 

「さぁね。取り敢えずテメェらの実力が足りなかったんじゃねェか?」

 

俺は結界を壊そうと頑張っている部隊の近くに移動し、近くにいた一人の腹に手を当ててそのまま炎を放つ。防具にはどうや耐火性能もあったみたいだが俺の炎には関係ねェ。兵はそのまま防具ごと消し炭に変わった。

 

「なんだァ?灰すら残ってねェのかよ。ゲームで言うなら、これがお前ら月人が頑張ってレベル上げして進化した姿かよ?明らかに弱体化してんだろ」

 

「ひ、怯むな!!撃てェェェェッ!!!」

 

青白い色をしたレーザーが俺に何発も向かってくる。一応まともに受けても大した怪我にはなんねェが、俺の巫女服がボロボロになるのは勘弁して欲しい。

という訳で俺は新開発した魔法を唱えた。

 

瞬間、俺の体から青白い電気が溢れた。

月人のレーザーが青白い電気に当たるが、レーザーが押し負け消滅する。

 

 

この魔法は“帯電状態(スパーキング)“。俺の体の内部から電気を発生させそれを纏う技だ。

これのメリットはまず体全体から電気が溢れているので拳や蹴りなどの攻撃を喰らっても相手を即座に麻痺させることだ。

 

その他にも体に電流が流れることで身体能力を上げることが出来る。…まあ楼夢の“テンション“のパクリに見えるが、性能は身体能力が少し増えるだけだ。まあ俺も一応テンションは使えるから問題無い。

 

さて、ここまで言えば便利な技と思うがこれは俺以外には使えない。それにも理由がある。

 

魂にはそれぞれ魔法に適した属性と言う物がある。例を言えば楼夢は火や水と相性が良い。俺は風や電気などに相性が良いため、この技を使えるのだ。

 

良く考えれば体の内部から電気など発生させれば、電気適性が無い限り体の臓器が麻痺して死ぬだろう。だからこそこの技は強力なのだ。

 

 

さて、さっきはこの技を防御に使用したが、攻撃に使用したらどうなるのだろうか?まあ、実験対象(モルモット)も沢山いるし試してみますか。

 

俺はさっきからレーザーぶっ放している部隊の真ん中に突っ込み、兵士の一人の懐に腹パンを喰らわせる。『グチャッ』という音が聞こえたが、どうやら臓器が潰れてしまったようだ。

 

小さなハンマーのような俺の拳から電流が流れ、兵士の体へと流れる。するとコイ●ングのように『ビクンッ、ビクンッ』と跳ね上がり、そのまま動かなくなる。白目を剥いてるしどうやら死んだようだ。だがこの時俺の正義の心が覚醒し、死体を丁寧に葬った。

 

「オラよッ!!」

 

俺は死体を空中にぶん投げ、そこにいくつかの光る玉を発生させた。そしてーー。

 

「砕け散れェェェェッ!!!“イオナズン“!!」

 

全ての光る玉が大爆発を起こし、死体を炭へと変えた。くくく、何が正義の心だ。元よりんなもん無ェんだよ。馬鹿が。

 

「けっ、汚ェ花火だ」

 

俺はお決まりの台詞は言った後、月の兵士達に微笑む。その顔が悪魔のようだったのは言うまでもないない。

 

「さぁて、華々しく散らせてやっから、感謝しろよォ!!!」

 

 

ーー“イオグランデ“

 

俺はそう静かに唱えると、その場を離れた。そして激しい轟音と共に、広い竹林の三分の一が消滅した。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

『こちらA部隊。現在謎の結界を突破するために奮闘中だ』

 

『こちらB部隊。同じく結界を突破するために努力している。C部隊はどうだ?』

 

『ハーイ、こちらC部隊のゴミ掃除してるお兄さんでーす。元気にしてた?』

 

『何者だッ!!C部隊に何をした!?』

 

『これだから頭の悪りぃ奴は……言っただろ。現在ゴミ掃除をしてるって。あっ、言い忘れてたけどお兄さんはゴミ掃除に慣れてないからうっかり君のお友達でも捨てちゃうかもね』

 

『きっ、貴様ァァァッ!!!』

 

 

 

「P.S 今、貴方の後ろにいるの♪」

 

 

そんな声と共に血しぶきが舞う。見れば指揮官の代わりを務めていた者の首から上が音も無く綺麗に消えていた。

数秒経つと月の兵士の足元の地面に何かが落ちてきた。それは無くなっていた首から上の部分だった。

 

「さてと、次はお前らか……さっきは魔法で一瞬で片付けちまったし、今回は物理戦と行こうじゃねェか!!」

 

俺は両手に魔力と妖力を集中させる。すると両手の指から魔力で生成された黒い巨大な爪が紫の雷を纏いながら出現した。

 

「“魔神の爪“…とでも名付けようか。こっちも実戦は初めてだが試させてもらうぜ!!」

 

俺は楼夢までとはいかないが、常人なら目で追えない程の速度で兵士達の間をすり抜ける。そして数秒後すり抜ける際に近くにいた二人の兵士の体がスライスされたレモンが崩れ落ちるように、バラバラになった。

 

「オラオラ!!次行くぜ!!」

 

そう叫ぶと俺は月の兵士を一人ずつ虐殺していく。今の月の兵士達にはもはや絶望の表情しか見れず、生きた表情をしていなかった。

 

「…ん、いいことを思い付いた。ちょっと試してみるか」

 

俺はチョコンと軽くバックステップをして、両方の爪に妖力を込める。そしてその後それを解き放った。

 

「妖無双刃“夢空連衝刃(むくうれんしょうじん)“」

 

俺の爪から計十個もの夢空万象刃の刃が月の兵士達に向けて放たれる。刃は周りの障害物を切り裂きながら月の兵士達まで迫り、切り裂いた後爆発する。あの威力では多分全滅だろう。ちょうど飽きてきたからよかったかもしれない。

 

俺がそんな感傷に浸っていると、奥の方から約百の兵士達が向かってくるのが感じ取れた。あれは恐らくA部隊とかいうのであろう。A部隊は他の隊よりも人数が多いが、俺の前には大した意味はない。今度は存在ごと綺麗に消してやるよ。

 

「全員、止まれェェ!!相手を囲んだ後そのまま一斉射撃しろォォォッ!!!」

 

「悪いけど飽きたからすぐに終わらせてもらう。“ゲイボルグ“第一封印『悪魔(デビル)』開放。そしてーーーー」

 

俺はゲイボルグを召喚すると第一の封印を解く。

ゲイボルグはそれにより赤黒く染まり、不気味さを増す。

 

「今だ、撃てェェェェェッ!!!」

 

百を超える兵士達が一斉にレーザーを放つ。レーザーの光のせいで辺りは眩しさに包まれ、全員が目を閉じた。

 

指揮官は相手を仕留めたのだと安心する。だがそれは指揮官の頭の中での、儚い幻想でしかなかった。

 

 

 

 

 

「ゲイボルグ第二封印開放。全てを喰らい、呑み込め!!『死神(モート)』!!!」

 

 

瞬間、光に包まれていた世界は闇に飲み込まれ、それが明らかになる。

 

狂夢が持っていたのは槍…ではなく禍々しい雰囲気を纏った『死神の鎌』と思わせてしまう程の鎌だった。

持ち手などの部分は全て黒で、唯一別の色を持つ刃も、月光に照らされて銀色に光っていた。

 

「ゲイボルグの能力は神話上では二つある。一つは投げれば三十の鏃と化して相手を襲う。二つ目は突き刺せば中で三十の槍へと分裂し、相手を串刺しにする。だけどこいつにはもう一つ能力があるんだ。【ありとあらゆる物を飲み込む程度の能力】とでも言っておこうか。まっ、直接体に刻めば分かるかもな」

 

俺はそう言うとゲイボルグをかざす。するとゲイボルグが木々や大地、そして人間の残骸などの周りのエネルギーを吸い込み始めた。しばらくすると吸い込みが収まり、ゲイボルグの刃先に黒い膨大な妖力が溜まる。そしてーーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーー狂夢の斬撃が、結界内部を黒へと塗り潰した。

 

 

 

 

 

Next phantasm……






どーも、作者です。えっ、狂夢さんは?あの人なら疲れて帰りましたよ。

とまあ今回はちょっと雑になりましたが無事投稿できました。これも最近の日頃の行いが良いからかな?


さて次回『狂夢死す』お楽しみに!!次回もキュルッとしていってね。






狂「一応言っとくけど俺死なねえからな!?バリバリ元気にしてるからな!!」


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竹取物語 『完』 そして童話の裏話 上



『じゃあな』とは言うが

『さようなら』とは言わない


by白咲楼夢


 

 

「……なぁにこれ?」

 

楼夢は目覚めた後、そこらをキョロキョロしながらそう呟く。

その言葉にこの状況を良くする効果はないが、そう呟かずにはいられなかった。

 

辺りの地面に散らばっているのは戦闘で破壊された木々や恐らく月の兵のだと思われる腕や足、そして頭部や腹部だった。

そして目を凝らせばまだ燃え尽きていない竹が他の竹や木々に引火し、竹林の破壊活動を行う。

あ、これ竹林全焼ルート確定だな。

 

楼夢はそんなことを思うと“注連縄結界“を解除する。その後何者かが楼夢の元へ近付いた。

 

「もう終わったのかよ。結局血髪一人だけで十分じゃねえか」

 

「報酬貰えんだからいいだろ。というかなんで今更『血髪』なんだ?」

 

「……まずは自分の面確認しやがれ。そうすりゃ分かる」

 

言われたとおりに楼夢は自分の体を確認する。

まず怪我のほうから。と言っても無傷だったので必要なかった。

 

だが問題は格好だった。楼夢お気に入りの巫女服は赤黒い血で染まっており、いかにも『私は殺人をしました』と言う雰囲気を醸し出している。

 

巫女服だけではない。手や足なども血がベッチョリと付いておりどうして今まで気付かなかったのか不思議な程だった。

一言言うと、アイツどんだけ殺してんだよ。後片付けくらい自分でしやがれ。

 

最後に、楼夢は巫女袖から手鏡を取り出し、それを覗く。

 

そこには顔面血だらけで髪の色が変わる程の血を浴びた自分の姿があった。

さらに髪の毛をよく見ると一本一本が『バチンッ』という音を立てながら針のようにトゲトゲに逆立っていた。

 

 

「うっ、嘘だろォォォォォォッ!?」

 

「やっと理解したか?理解したならさっさと身なりを整えやがれ」

 

楼夢は言われるまでもなくドライヤーとタオルを巫女袖から引っ張り出しており自分の髪型を整えている。

狂夢、お前は後でぶち殺す。楼夢はそう誓いを立てた。

 

『はいはーい。呼ばれて出てきてジャンジャカジャン!!何かお困りのようだね』(キリッ)

 

「呼んでねーし、出て欲しくもないわ!?」

 

『まあまあそう言うなって。そんなことより自分の髪がどうなってるのか知りたいだろ?』

 

「そう、それだ!どうなってやがる!?俺の自慢のサラサラ髪がどうしたらこんなトゲトゲに逆立つんだよ!?」

 

『…恐らく“帯電状態(スパーキング)“のせいだろうな。俺も戦闘中気付かなかったけどよく考えたら体全体に電気を発生させて髪の毛が逆立たない訳が無い。まあ静電気で髪の毛が逆立ったとでも覚えときゃいい』

 

「チクショォォォォォォォッ!!!」

 

楼夢は髪を元に戻そうと努力するが結局整ったのは髪の質と体の清潔だった。

だが髪だけには血が既に付着しており、この後風呂に入らなければ落ちそうにない。

だが風呂に入ってしまうと輝夜や永琳を待たせてしまう。

結局楼夢は髪を洗う事を諦め、輝夜たちのいる方向へ歩いて行った。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

しばらく歩くと、輝夜たちがいる場所に辿り着く。近くに美夜たちもいることから、彼女たちを守ってくれてたのだろう。

楼夢は美夜たちに心の中で感謝しながら輝夜たちに声をかけた。

 

「おーい、輝夜。無事だったか?」

 

「貴方たちのお陰でなんとかね。それよりも貴方…自分の姿を確認したら?」

 

「残念ながらこいつは風呂に入らないと落とせないようなのでね。こっちを優先したってわけだ」

 

輝夜が若干引いてるが気にしない。

楼夢はヘラヘラ笑うと後ろに顔を向けた。

 

「…楼夢」

 

そこにはいつも綺麗な月の頭脳こと永琳がいた。

彼女の声はしおれており楼夢を心配していたのが伺える。

そんな永琳を楼夢は謝罪しながら見つめる。

 

「私があの日からどれだけ心配したか分かってるのかしら?」

 

「はいはい。山より高く海より深く理解しています」

 

「…ならいいわ」

 

永琳が呟いた後、しばらくの沈黙が訪れる。そしてその沈黙を永琳が突如破った。

 

「…楼夢!!」

 

永琳はそう叫ぶと楼夢の元へ駆け寄る。楼夢は次に起こることを予想し永琳を受け止める体制を取る。そしてそのまま永琳は楼夢の胸に飛びーー。

 

 

 

「喰らいなさいッ!!」

 

「ほぐふぁッ!?」

 

ーーつかずに楼夢の顔面に綺麗な右ストレートを叩き込んだ。

『ゴキンッ』という鈍い音と共に楼夢は木原君に殴られた一方通行並に一回転をしながら吹き飛ばされる。

 

「何すんだこの野郎!?」

 

「これで少しは反省しなさい」

 

「ぷぷぷっ、血髪ダッセぇ」

 

「楼夢かっこ悪ーい」

 

「うっせェッ!!誰が感動の再開シーンで右ストレートぶち込んでくると予測できんだよ!?てめえら師弟揃っていつからそんなバイオレンスになったんだ!?(あっ、永琳は元からか…)」

 

火神と輝夜からの酷い罵声を受けながら楼夢はそう反論する。だが二人は勿論と言うように無視をした。

この反応を見た楼夢は諦め、地面から立ち上がる。

 

「そう言えば姫サンよ。まだ報酬を貰ってないんだが?」

 

「それを言うと思ったわよ。安心しなさい。すぐに渡すわ」

 

火神は輝夜から後払いの報酬を貰う。あれさえあればしばらく贅沢ができるな。

楼夢はそう思考すると報酬の半分を貰うことを心に決めた。

そして永琳が突如話しかけてきた。

 

「大丈夫かしら楼夢?月の兵との戦いで受けた傷を見てあげるわ」

 

「それだったら俺の右頬の怪我を見て欲しいよ」

 

「それ以上余計なことを言うと口を縫い合わすわよ」

 

「はいはい。すいませんでしたっと」

 

二人はそんな冗談を交わす。美夜たちは既に寝ており、心地よい寝息が聞こえる。

 

「そう言えばお前らはこの後どうするんだ?」

 

「そうね…都を離れてどこか安心して暮らせる居場所を探すわ。つまり、貴方とはこれでお別れね」

 

「まっ、永遠の別れってわけじゃないし、その内また会えるさ」

 

「ふふっ、そうね」

 

二人は同時に微笑み、今だ話している輝夜と火神を呼ぶ。

火神は金が手に入ったせいなのかいつもより気が緩んでいた。

だがたまにはそんな日もいいだろう。

 

楼夢はそう思うと“妖狐状態“になり十一本の尻尾で自分の娘たちを優しく持ち上げた。

 

「じゃあ、そろそろ行くわね」

 

「安心して暮らせる居場所が見つかったら必ず来なさいよ。その時は最大限のおもてなしをしてあげる」

 

「ああ、サンキューな」

 

永琳と輝夜は各自の別れの言葉を楼夢に伝えた後、楼夢たちとは反対方向に背を向け歩き出す。

それを見た楼夢も輝夜たちとは反対方向に歩く。

 

 

ーーこうして、楼夢たちの奇想天外な『竹取物語』は幕を閉じた。

 

 

いつまた会えるか分からない。それは何十年、何百年、何千年経とうが変わらない。だがそれはいつかまた必ず会えると言うこと。

 

だから今は前を向いて歩く。それが一番良いと知っているから。

 

 

 

ーー今の時刻は丑三つ時。今日も白い巫女は歩く…

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「んで、なんで俺まで後始末しなきゃなんねェんだ?」

 

「つべこべ言ってないで手伝え。元はと言えばてめぇの炎のせいで竹林だけでなく近くの森まで火事になってんだぞ」

 

輝夜たちが旅立った後、二人は月の兵たちとの戦いで火事になった竹林の後始末をしていた。

炎は竹林から広がり近くの森まで燃え移っていく。

このままでは大騒ぎになること間違いないだろう。

それを防ぐ為楼夢たちは活動していた。

 

「喰らえ!!“水風船型手榴弾(みずふうせんがたしゅりゅうだん)“!!」

 

楼夢はそう言うと巫女袖から大量の水風船を取り出しそれを引火した木々に投げつける。

 

木々にぶつかった風船は割れ、中から普通よりも高密度の水が溢れる。その威力は分かりやすく例えるとバケツ一杯の中に入った水を辺りにぶつけるのと同じくらいだ。

 

当然一個では消火できないがそれが何十と降り注ぐことによって炎は次々と消火される。

 

「さーて、これで最後だな。さあ帰って寝るぞ。俺は明日からこの金の使い道を考えることに忙しいんだ」

 

「そうだな…ん?なんだあの光は?どこかで火事でも起きてんのか?」

 

楼夢は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を使い、視界をズームさせる。どうやら楼夢の予想通り誰かの屋敷で火事が起こってるようだった。

 

「俺の予想通りだ。行くぞ」

 

「はぁ~しょうがねーな」

 

二人はそう言うと空を飛び屋敷へと向かった。

風がいつもより荒々しいのを楼夢は感じ取る。

 

 

 

ーーこれは、『竹取物語』では語られなかった一人の少女の復讐の物語である。

 

 

 

 

Next phantasm……。






~~今日の狂夢『様』~~


「どーも、皆さん。これから中間テストの勉強期間なのでしばらく小説を投稿できません。作者です」

「作者の学校の英語の宿題で好きな人物の紹介とその人の絵を書く時、作者が書いた木原君が超下手で吹き出した。狂夢だ」


「もうテストやだァァァァァァッ!!!」

「うるせえな。順位低くても別にいいだろうが」

「きょっ、狂夢さん……」

「まっ、俺はノー勉で中高全ての定期テストの順位は全部一位だったがな」(笑)

「……殺す」

「ほう…やってみな」

「お助けください(byパラガス)」

「だが断る。“イレイザーキャノン“!!」


デデーン♪


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竹取物語 『完 』 そして童話の裏話 下


心に刻めよ

業火の罪状


by藤原妹紅


 

満月の光が降り注ぐ中、楼夢と火神は同時に『藤原邸』と堂々と書かれた屋敷の門の前へと到着する。門の奥からは激しい炎が次々と木製の建物に燃えており、まるで炎が一匹のデカイ炎の怪物のようにも見えた。

 

 

「うわぁ…これは酷い」

 

 

火神は門を通った後の景色を見てそう呟く。そこには今だ逃げ遅れた人々が炎に巻き込まれ、燃え尽きる光景があった。

 

ただ気になるのは炎で燃え尽きた死体に混じって血などが体から溢れている死体があったことだ。

つまり何者かがこの騒ぎに混じってこの者たちを殺したか、あるいはその犯人自身が屋敷に炎を放ったのかもしれない。

 

だが正直言うとこの死体たちを哀れむ気持ちが二人には沸かなかった。ただ火事の中で他の人に殺された人間がいて少し気になっただけ。ただそれだけだ。

 

 

「気をつけろ火神。この火事は何者かが意図的に仕組んだ可能性が高い」

 

「はいはい、分かってるよ。だけど楼夢よォ。別に俺らにゃ関係ねぇだろ?この騒ぎを収めたら賞金がもらえるってわけでもねぇしさ」

 

 

火神はそう燃えゆく屋敷を眺め、笑う。だが突如その屋敷の奥から爆発が起こり、周りの物を吹き飛ばす。

 

 

「さぁて、ようやく黒幕さんのご登場ですかァ」

 

「はぁ~もしここで何もなかったら帰ろうと思っていたのに。マジ空気読め」

 

 

そんなゆるい会話をしてると二人の前に一人の少女が姿を現す。

 

 

その少女は髪がまるで火神のように燃え尽きたような白髪をしていた。服はどこかの貴族が着てそうな着物を着ており、何よりも特徴的なのはその顔の奥に光る真紅の瞳だった。その目からは理性が感じられず、ただただ狂っているようだった。

 

だが楼夢はどこかでこの少女を見たような気がした。それが気の所為かは分からないが、彼女の雰囲気は楼夢が一度感じたことがあるものだった。

 

 

「おいそこの白髪チビ。随分と面白そうなことしてんじゃん。…俺も混ぜろよォ」

 

 

火神がナンパに近い言葉を言うが、白髪の少女はまるで聞こえていないかのようにそのまま二人にへと構える。それを見た火神の目の奥がギラリと光った。

 

 

「…どうやら聞こえてないみたいだ火神。まあ言っちゃえばこいつは今意識がない状態のようだ」

 

「ちっ、なんだよ、それじゃつまんねぇじゃねーか。…もういいお前にこいつを譲ってやるよ」

 

「全然嬉しくねーが、ここは素直に受け取っておこう」

 

 

楼夢は鞘から舞姫を抜き出すと、だらりとした体制で構える。直後、少女の体から炎が溢れ、まるで不死鳥のような翼を作り出す。

 

これを見た楼夢は若干驚きつつも、少女を警戒する。分析した結果、彼女から出ている炎はどうやら妖力を含んでおり、それは彼女が人間ではないことを指していた。

 

 

少女は素早く踏み込むとあっという間に楼夢の懐に辿り着く。そしてその炎に包まれた拳を振るうが、その時楼夢が霧のように消える。

 

 

「おらよっ!こっちだ!」

 

 

楼夢は少女の後ろに現れると、いつの間にか持っていた刀を鞘に収め、空いた拳に力を込める。

 

 

「喰らえ!『空拳』!」

 

 

楼夢は圧縮された風を拳に纏い、それを少女に叩きつける。瞬間、爆風と共に少女が吹き飛ばされる。

 

少女はそのまま近くの木に叩きつけられるが、まるで痛みを感じていないかのようにすぐに立ち上がる。

 

 

「成程な。今のお前は意識がないから痛みを感じない。つまりゾンビに近い状態だってわけだ。まあそんな体でよく動けるなと言っておいてやる」

 

 

それが少女に伝える最後の言葉とばかりに、楼夢は地面を蹴る。するとそこに小さな爆発が起こり、それを利用して一瞬で距離を詰める。

 

少女はとっさに楼夢に拳を放つが、それも弾かれ、逆にカウンターで楼夢の拳が彼女の腹に突き刺さる。

 

 

「これで……止めだっ!」

 

 

楼夢はそう言うと体を横に一回転させ、そのまま回し蹴りを少女の顔に放つ。

ゴキンッという鈍い音を出しながら少女は地面に叩きつけられ、動かなくなる。

 

 

「…あれじゃ多分首の骨が折れたな。いくら意識がなくても生きてはいないだろ」

 

 

楼夢はそう言うとこの場から立ち去ろうとする。だが次の瞬間楼夢の後ろから巨大な殺気が向けられた。

 

 

「なっ!?」

 

 

楼夢は驚き、急いで対処しようと思うが遅かった。楼夢の後ろから先程死んだはずの少女が現れ、抱きつくように楼夢の両手を拘束する。

 

 

「くそっ!はなしやがれ!」

 

 

楼夢は必死に抵抗するが、彼女の拘束を振り解く事ができない。

元々楼夢は純粋な腕力が低いため、腕などを拘束されると抜け出す事ができないのだ。

 

 

そんな中楼夢の頭の中に一つのデジャブ感が走る。敵を倒して油断した青年が、今度は逆にその敵に拘束されているこの姿。

 

 

(どっからどう見てもヤ●チャじゃねぇか!?)

 

 

楼夢がそんなことを考えると、少女から光が溢れる。楼夢は必死に脱出しようとするが、それも意味をなさない。

 

少女は眩しい光を体から放った後、爆発する。少女はガッチリと楼夢を掴んでいたので、楼夢も当然ダメージを受ける。

 

 

「ガ…ハァ……ッ」

 

 

楼夢は爆発でかなりのダメージを受ける。だがそれを成した少女は楼夢に抱き着いたまま息絶えており、通常なら楼夢の勝利になる。そう通常なら……。

 

 

楼夢は今だ抱き着いている少女の遺体を見てギョッとする。なぜなら先程確認したときには消えていた少女の瞳の光が、赤く光っていたからだ。

 

楼夢はそれを見て最悪の状況を想像する。だがそれは虚しくも少女の体から溢れる光と共に現実へと変わる。

 

直後、再び少女は爆発する。楼夢は爆発の中で少女が何者かを理解する。

 

 

(こいつ……輝夜たちと同じ『不老不死』かっ!?)

 

 

楼夢は相手のカラクリを理解するが、今それが分かってもなんの足しにもならない。

 

少女は爆発が収まると二度、三度と何度も爆発する。その度に楼夢の体は爆発に巻き込まれ、ボロボロになる。

 

 

「舐めてんじゃねえぞ、三下ァァァァァアアアッ!!!」

 

 

凄まじい叫び声と共に、膨大な妖力の衝撃波が辺りを襲う。少女はしがみついていて離れないが、楼夢は既に魔法の詠唱を唱えていた。

 

 

「『マホカンタ』!『イオナズン』!」

 

 

そんな声が響いた後、少女と楼夢の間にいくつもの光る球体が現れる。それと同時に楼夢は光の結界に覆われる。そして光る球体一つ一つが爆発し、大爆発を起こす。

 

少女と楼夢はその爆風で反対方向へと吹き飛ばされる。さらに楼夢はマホカンタで覆われていたため、楼夢に来る分の爆発は全て少女の方向に向けられており、お陰でこの爆発では楼夢は無傷だった。

 

だが先程までの爆発が効いており楼夢はしばらく少し苦しそうな表情になる。だがすぐに治療術を掛け、爆発でできた煙の中を見つめる。

 

そこには爆発で右腕などが吹き飛んだ少女がいた。だがその怪我もすぐに治る。楼夢はそんな彼女に話しかける。

 

 

「アハハハッ!さっきはよくもやりやがったな!お陰でほら!やべぇよ!最高にトンじまったよ、畜生がァァァァァアアッ!!!」

 

 

楼夢はそんな獣のような声を上げる。だが少女は一切怯まずに楼夢に突っ込んだ。

 

 

「甘ぇよ!縛道の六十三『鎖条鎖縛』!」

 

 

だが楼夢は霊力で作られた鎖で少女を縛り上げ、動きを封じる。

動きを封じられた彼女はそのまま地面に倒れる。そしてそこに楼夢が近づいてくる。

 

 

「さっきのやつでテメェが不老不死ってことが分かった。つまり殺しても全回復される。だけどな、俺としてもお前をぶち殺したい。という訳で、死ぬギリギリの攻撃をお前に与えてやる」

 

 

楼夢はそう言うと少女の首に手を当てる。そしてそのまま呟く。

 

 

「雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

 

瞬間、いくつもの光が彼女を貫いた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

現在、楼夢は火神と先程襲ってきた少女を連れて家に戻っていた。少女は楼夢の攻撃で気絶しており、今は楼夢のベッドに寝かされている。

 

楼夢と火神は居間に行くとそのままくつろぎだした。

 

 

「それにしても結構苦戦したな楼夢」

 

「しゃーねぇだろ。誰が事前に相手が自爆技を連発出来るって分かるんだよ。いくら俺でも不老不死は初めてなんだぞ」

 

「だが最初っから術を使ってたらもうちょっと楽に勝てたんじゃねぇか?」

 

「俺だってたまには拳で勝ちたいんだよ」

 

 

そんな会話をしていると、突然居間の扉が開く。見れば寝ていたはずの少女が扉を開いていた。

 

 

「……えっと…あの……」

 

「なんだ、幼女?」

 

「よっ、幼女!?」

 

 

少女は楼夢にそう言われると顔を赤くする。どうやら若干すねているようだ。

 

 

「?俺なんか悪いこと言ったか?」

 

「はぁ、てめぇは分かってねぇな……」

 

 

火神はそうため息混じりに呟く。だが楼夢には彼女が何故すねているのか分からなかった。

 

 

「まあいい。それよりもお前、名はなんだ?」

 

 

楼夢は話を逸らすため少女に名を聞く。だがその答えは予想を斜め上を行くものだった。

 

 

「……藤原妹紅」

 

「…ゑ!?」

 

「藤原妹紅。それが私の名前だよ、楼夢」

 

「……えっ、えぇぇぇぇええええ!?」

 

 

藤原妹紅。その名を聞いた途端楼夢は大きな声を出して驚く。

 

 

「もっ、妹紅って……俺が知ってる妹紅の髪は黒だぞ!?」

 

「本当だって!信じてよ!」

 

「…んじゃ、俺がお前に付けたあだ名は?」

 

「もっ、もこたんって、何言わせてるんだよ!?」

 

「おおっ!そのノリツッコミはもこたんだ!」

 

「もこたん言うな!」

 

 

楼夢はとりあえずこの少女が妹紅だと言うことに確信を抱いた。よく見れば髪型も顔も似ており、何よりも彼女の雰囲気が妹紅そのものだったのだ。

 

 

「でもなんでそんな髪になったんだ?こいつみたいに燃え尽きたってわけでもねぇだろ?」

 

「…俺はお前にこの髪が白髪な理由をまだ言ってないんだが?」

 

 

火神から静かなツッコミが入る。だが楼夢はそんなことは気にしないという雰囲気を出していた。

そんな中妹紅が口を開く。

 

 

「……分かった。話すよ、私の髪がこんなのになっちゃった理由」

 

 

しばらくして妹紅は語り出す。その真実は楼夢が想像していたものよりも残酷だった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

楼夢が月の兵を全滅させた頃、彼女ーー藤原妹紅は竹林へと走っていた。

 

理由は単純。彼女の父が輝夜を守るために大量の兵士と共に輝夜の屋敷に向かったていったからだ。

 

彼女は自分の屋敷内で突如竹林の方に現れた巨大な火柱を見て、無性に自分の父が心配になったのだ。

 

 

彼女は竹林の中に入るーーっと同時に血なまぐさい嫌な臭いが辺りにただよう。妹紅はそれに寒気を覚えながらも必死に竹林の中を走る。

 

夢中になって走っていたため、彼女は足元の何かにつまずき地面に転ぶ。そして自分がつまずいた何かを目撃する。

 

 

「ひっ……!?」

 

 

それは人間の腕だった。周りを見渡せば同じように腕、足、体、頭部……等々、様々な体の部位が大量の血に包まれながら辺りに落ちていた。

 

妹紅は顔を青ざめながら歩く。だが先程の光景を忘れられずその足取りはおぼつかない。

 

 

しばらく歩くと、少し開けた場所に出る。そこに広がるのはーー

 

 

 

 

 

ーー数え切れない程の死体が辺りを埋め尽くした光景だった。

 

 

「うっ、おえェェエッ!?」

 

 

妹紅はその光景にたまらず吐き出す。死体には所々に何かに撃ち抜かれたような風穴が空いていた。

腹部の中心に穴が空いた者、上半身と下半身が分かれている者、そして顔が消し飛んでいる者等……十代前半の妹紅には耐えれそうもない光景だった。

 

 

「はぁ、はぁ……そうだ、お父様は?」

 

 

妹紅がその考えに至った時、自然と考えるよりも先に体が動いていた。

 

妹紅の心の中に不安が渦巻く。もし自分の父が死んでいたら?そんな考えが浮かぶたびにそれを拒絶し、体を動かす。

 

死体が多くある方向へ進んで行くと、やがて大きな屋敷が妹紅の前に現れる。真夜中なので薄暗く、分かりにくいがそこは輝夜の屋敷だった。

 

妹紅は恐る恐る屋敷内に入り、その中を探索する。

 

 

「だっ、誰かいませんかー?」

 

 

そう屋敷内で問いながら、妹紅は暗い廊下を歩き、そこにある扉を一つ一つ開ける。どうやら屋敷の中には誰もいないようだ。

 

妹紅は最後に一番大きな扉を開ける。中には豪華な着物や置き物が飾られていた。どうやらここが輝夜の部屋のようだ。

 

輝夜の部屋を探索している内に、妹紅に黒い感情が出る。

 

 

(…そうだ。そもそも全部あいつが悪いんだ。あいつさえいなければお父様は……)

 

 

そこまで考えると、妹紅の思考は輝夜に復讐したいという思いで埋め尽くされた。

妹紅は乱雑に輝夜の部屋を漁る。すると部屋の床が少しズレているのに気がついた。

 

妹紅は部屋の床を思いっきり外す。するとその下から隠されていたかのように壺が現れる。妹紅はそれを手に取ると中身を確かめた。

どうやら中には液体のようなものが入っていた。

 

 

「…ん、壺に何か書かれているな……『不老不死の薬』!?これだ、これさえあれば……!ふふふ、覚悟しろよ、輝夜!」

 

 

妹紅の中には既に黒い感情しかなかった。妹紅は自分が不老不死になることでいつか輝夜に復讐しようと考えていたのだ。だがその甘い感情のせいで彼女は地獄を見ることになる。

 

 

「ぐ、がァァァァァァアアアアッ!!!」

 

 

不老不死の薬ーー蓬莱の薬を飲み干した後、妹紅に異変が生じる。妹紅にまるで体が燃えているかのような痛みが体中に奔る。

一言言うなら、それは伝えようのない程の生き地獄だった。

 

竹林にとある少女の叫び声が響く。何時間いや、何年経ったのだろうか。少なくとも妹紅にはまるで永遠のような時間に感じられた。

叫び過ぎて声が出なくなった頃、突然妹紅に奔っていた痛みが消え去る。

 

 

「あ…ぁぁ……」

 

 

妹紅はそのまま地面に倒れ込み、気絶する。

だがその前に彼女の視界には白くなった自分の髪が映っていた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「成程な……」

 

「その後屋敷に帰ったんだけど皆に追い出されてね……そっからさきはあまり覚えてない」

 

 

楼夢の中で全ての辻褄が合う。何故彼女の髪が変わっていたのかも、何故妹紅の屋敷が燃えていたのかも。

楼夢は苦笑いを浮かべている妹紅を見ると、目をしばらく瞑る。

 

 

「っで、お前はこれからどうするんだ?」

 

「……あまり考えていない」

 

「…しゃぁない。おい妹紅。もしこれからの宛がねえなら火神の弟子になったらどうだ?こいつだったらお前の暴走も止められるし、それを操ることもできるようになるかもしれない」

 

「なっ!?おい楼夢!俺はまだ許可してねぇぞ!」

 

「いいじゃねえか。見たところ妹紅にはかなりの才がある。成長すればきっと強くなるぜ?」

 

「…ちっ、面倒くせぇ」

 

「…あの、いいのか?私はもう人間じゃないし、化物なんだよ?」

 

 

妹紅は楼夢と火神にそう問う。すると楼夢が呆れたような顔をする。

 

 

「あのな。一応言っとくが俺も火神も妖怪だぞ?」

 

「えっ?」

 

「第一こいつの頭だって白髪じゃねぇか。今さら一人や二人増えたところで大差ねえよ」

 

「……ふふふ」

 

「ん、なんだ?」

 

「いや、なんでもないよ。それよりもこれからよろしくね、楼夢。そして師匠!」

 

 

こうして、火神に弟子ができたと同時に、童話も終わりを迎えた。

 

 

 

 

「という事で、明日から旅に出るぞ!」

 

「「えっ!?」」

 

 

 

 

Next phantasm……。

 





~~今日の狂夢『様』~~


「お久しぶりです、皆さん。中間テストで数学なんと91点!?過去最大記録を更新した作者です」

「だが他の教科は平均60点で残念な作者の飼い主。狂夢だ」


「とうとう平安京編終わりましたね」

「ああ。俺のキャラが一方通行になってたりしてるのも気になるが、最近やっぱり一方通行ネタ多くないか?」

「それはやっぱり私が一方通行大好きだからですよ」

「俺は木原君が好きだったな。やっぱりあの木原神拳はかっこいいと思う」

「あっ、それは同感ですね」

「まあ、そんなわけで次回から新章突入!?次回もキュルッと見に来いよ!」


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因果の鎖編 娘とヒーローと宴会と



一直線にしか進めない

路地裏通りを

俺は通る


by白咲楼夢


 

 

風がヒュルヒュルと吹き、太陽が辺りを照らす中、都から離れた道に四つの人影が浮かんでいた。

人影は道をなぞるように歩き、やがてある場所で一旦止まる。

 

「お父さんお父さん!お腹減ったよ」

 

「地図ではもうすぐ着くはずだから、我慢して、清音」

 

「そう言えばお父さん。私たちは一体どこに向かっているのでしょうか?」

 

「うーん、着いてからのお楽しみという事で」

 

「…仕方無いですね。まあ、そろそろ到着ですから嫌でも分かるので問題ないです」

 

四つの人影はそんなよくある会話をしながら、再び道を歩き始める。

 

その人影の内の一人の瞳には、歩く度に徐々に近づいてくる村が見えていた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

ある一国の村の中に先程の四つの人影があった。人影は賑わう村を観光していた。そしてその中の一人が道を歩きながら口を開いた。

 

「ふぅ、やっと帰ってこれたな」

 

「お父さん、ここどこなの?」

 

そう連れていた人影の一人の腰まで伸ばした金色の髪を持った少女ーー清音は尋ねる。その鬼灯の瞳には今だ見たことのない物に興味津々で、放っておくとどこかへ行ってしまいそうな程興奮しているのが目に見えた。

 

「ここは諏訪国っていう俺の友人が住んでいる場所だ」

 

最初に口を開いた身長170cm程の大きさの青年ーー楼夢は答える。いや、青年と答えるべきなのか迷ってしまう。それもその筈、楼夢は化粧を施した踊り子などよりも美しい顔と、腰まで伸びた桃色の髪を持っていたからだ。

さらに着ている服は脇の部分がない黒い巫女服だったため、道行く人々はそれを見ると口々にどこかのお偉い巫女様だ、などと言いながら見惚れる。

だが少なくともそれは本人にとっては嬉しいことではなく、逆に不満が積もっていた。だがそれもいつものことだと割り切り、楼夢は再び周りに目を向ける。

 

「ちなみにここには何しに来たの?わざわざ火神さんと妹紅との旅まで断って」

 

次に黒い髪を持った少女ーー美夜が問う。その髪はポニーテールになっており、どことなく気品さを感じさせていた。瞳の色は姉妹同じの鬼灯である。

美夜は楼夢が友人との旅を断ってまでここに来た理由が分からなかった。

 

「ああ、それはちょっと仕事絡みでね、俺の友人は同業者だから一緒にいた方がいいんだ」

 

「あれ、お父さんって何かお仕事していました?てっきり無職だと思っていたのですが……」

 

「…中々心にくる言葉だな、舞花」

 

最後に銀の髪を持った少女ーー舞花はそのことに疑問を感じ、地味に楼夢の心を傷つけながら問う。髪は二つのリボンで結ばれており、瞳の色はやはり姉妹揃って鬼灯色だった。

 

楼夢は舞花の問いに落ち込むが、すぐに元通りになり、話す。

 

「酷ぇな…こう見えて俺も一応職業くらいはあるんだぞ?」