カオススクールG×B (零崎哀識)
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前置き

マルチ掲載開始。
コメント貰えるとやる気が出ます。


教室

 

ロキ「やぁ、零くん」

 

赤と青のオッドアイ。

髪の色が綺麗に真ん中で右が黒、左が白に分かれた高2くらいの少女が話しかけてきた。

 

零「どういう訳でここに連れてきたんだ?」

 

ロキ「いきなりだね。僕と他愛ない話をしよう」

 

零「帰る」

 

俺は教室の扉に向かう。

 

ロキ「待った!待った!冗談だって!用件はあるよ!」

 

ロキは俺を慌てて引き止めた。

 

零「で、用件は?」

 

ロキ「実は君の今までの原作ブレイクの物語を色んな人に見せてたんだけどね」

 

零「ちょっと待て!今可笑しな言葉が聞こえたんだが、もう一度言ってみ」

 

ロキ「実は君の今までの原作ブレイクの物語を色んな人に見せてたんだけどね」

 

零「やっぱり聞き間違えじゃなかった!見せてたのかよ!」

 

ロキ「うるさくならそうだから先行かせて貰うよ。その公開してた場所が調子悪い」

 

零「なるほどそれは良かった」

 

ロキ「という訳で新しい場所で公開することにしたよ」

 

零「何っ!?」

 

ロキ「という訳で次回からはにじファンで公開してたのを直接載せるよ」

 

零「ちょっと待ちやがれ!」

 

ロキ「うるさいよ!」

 

パチン!

 

ロキが指を鳴らすと開いた扉から出てきた手に零が掴まれて強制退場を食らう。

 

零「てめぇ!覚えとけよ!」

 



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悪魔に転生?少し前にこの世界に転生したばかりなんですけど………
プロローグ


ロキ「今回の世界は『ハイスクールD×D』だよ」

 

零「そうか。いつものように原作ブレイクと行くか」

 

ロキ「君の立場は兵藤家の一員になってるから。名前は兵藤零誠。中2スタートだよ」

 

零「原作からじゃねえのか?」

 

ロキ「ちょっとした準備期間だよ」

 

零「まぁ、どーでもいいけど」

 

いつものようにこの悪戯の神の暇潰しに付き合い世界に行くことになった。

 

それじゃスタート!

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

零誠「ここが俺の部屋か」

 

部屋にあった鏡を見てみるとイッセーの髪が白い姿が映っていた。

 

零誠「こりゃ完璧にイッセーと兄弟だな」

 

母「レーセー!早く降りて来なさい!」

 

零誠「今行く!」

 

転生した時に日常の知識は送られてるので、家の構造や街の地図は分かる。

 

リビングに行き食事をする。

 

食事を終えてもイッセーが来ない。

 

零誠「イッセーの奴遅刻するぞ」

 

母「イッセーって誰?」

 

零誠「へっ?」

 

母さんがイッセーを知らない?

 

父さんも誰か分からない顔をしてる。

 

まさか

 

零誠は家を出て表札を見ると、そこには零誠と父と母の名前しか無かった。

 

旧哀川零は転生したわけでは無く兵藤一誠に憑依していた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

俺は人の人生を横取りしてしまった。

 

そこらの屑なら良かった。

 

だが奪ったのは

 

これから世界を救うはずだった主人公の人生を。

 

ヒロイン達に愛された兵藤一誠の人生を。

 

今までいくつもの世界に行って、毎回思ったことは俺は主人公にはなれないということだ。

 

どんなに強くても、どんなに賢くても、主人公には叶わないと思った。

 

どんなに力があっても、どんなに賢くても根っこのところであいつらに勝てないと分かった。

 

なのに今回はその主人公はいない。

 

俺が横取りした。

 

俺はどう償えばいい?

 

イッセーに救われるはずだった世界に。

 

イッセーに救われるはずだった仲間達に。

 

そしてイッセーに。

 

俺は物語を変えることしか出来ない。

 

俺は違う形で全てを救う。

 

俺自身を賭けてでも。

 

 



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変態の親友

学校

 

零誠「松田、元浜。ちょっと話がある」

 

俺は友人の変態達を呼ぶ。

 

松田「なんだよ。いいお宝でも手に入ったか?」

 

元浜「じゃあ今日は鑑賞会だな」

 

零誠「勝手に話を決めるな」

 

松田「じゃあなんだよ」

 

零誠「俺のそういう系のアイテムを全て買った時の半額の値で売ると言ったら、どうする?」

 

松田・元浜「「全部いただこう!」」

 

零誠「即決かよ!?まぁ買い手がいて良かった。放課後にうちに来てくれ」

 

松田「大会前だが、部活をさぼってでも行くぞ」

 

元浜「俺、銀行で全額おろしてくる」

 

なんか凄いね。こいつら。

 

松田「だが一体どうしたんだ?レーセー」

 

元浜「エロの権化とも言えるお前がそんなこと言うなんて」

 

零誠「俺そういうのもう辞めようと思うんだ」

 

元浜「救急車を呼べ!レーセーがおかしくなった!」

 

零誠「呼ばんでええわ!」

 

松田「だけど頭をやっちゃったとしか思えない」

 

零誠「いくらなんでも酷いな!オイ!」

 

元浜「でも本当にいいんだな?返せと言っても返さないぞ」

 

零誠「ああ。構わないよ。だけど」

 

松田「だけどなんだ?」

 

零誠「俺がエロく無くなっても友達でいてくれるか?」

 

松田・元浜「「はっ?」」

 

零誠「だから友達でいてくれるかって言ってんだよ。今までエロ話しかして無かったし」

 

松田・元浜「「あっははははは!!」」

 

零誠「えっ?」

 

松田「やっぱり頭おかしくしただろ」

 

元浜「俺達がこの程度のことで友達じゃなくなるわけねえだろ」

 

この2人は変態だが、最高の親友だ。

 

零誠は教室の前に立ち、

 

零誠「クラスのみんな!明日からはスケベを治すのでよろしく頼む!」

 

クラスのみんなは俺のいきなりの行動と発言に驚いた。

 

騒がしくなる前に席に戻る。

 

松田「お前これでもう後戻り出来ないぞ」

 

零誠「構わないよ。戻るつもりはないから」

 

元浜「たく変態が俺と松田だけになっちまったよ」

 

この日の放課後、約束通り全てを売った。

 

そしたら30万強になった。

 

どんだけ買ってたんだよ!?

 

 



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出来る事

変態を卒業した次の日

 

零誠「母さん。イリナって覚えてる?」

 

母親「懐かしいわね。幼なじみのイリナちゃんでしょ」

 

零誠「ああ。そのイリナ。それでさイリナと連絡取れないかな?」

 

母親「多分出来ると思うけどなんで?」

 

零誠「ちょっと頼みたいことがあるんだ」

 

母親「もしかして昨日ああいう本とかを手放したことと関係あるの?」

 

零誠「まぁ、あるっちゃあるけど」

 

母親「分かったわ。ちょっと待ってなさい」

 

母さんはなんか凄く嬉しそうに電話に向かった。

 

あれ絶対なにか勘違いしてるな。

 

母親「レーセー。繋がったわよ」

 

零誠「ありがとう」

 

母親「それじゃあ、ごゆっくり」

 

母さんは気を利かして部屋を出ていった。

 

イリナ『レーセーくん?』

 

零誠「ああ。久しぶりだな」

 

イリナ『久しぶり。でもいきなり電話かけてきてどうしたの?』

 

零誠「単刀直入に聞くけど、聖剣を使えるようになったか?」

 

イリナ『………どうして知ってるの?』

 

零誠「てことは使えるのか」

 

木場は助けられなかったか。

 

イリナ『ええ、そうよ。使えるわ。知ってる理由は聞かないであげる。用件ってそのこと?』

 

零誠「それもだが本題はお前はこれから不幸になる少女がいたらどうする?」

 

イリナ『助けるわ』

 

零誠「即答か。イリナらしいな」

 

イリナ『当たり前でしょ。で、誰なのよ?その不幸になる少女って』

 

零誠「アーシア。アーシア・アルジェント」

 

イリナ『アーシアってあの聖女の!?』

 

零誠「知ってるみたいだな」

 

イリナ『当たり前よ。結局有名だもん。でも聖女が不幸になるってどういうこと?』

 

零誠「聖女って幸せなのか?」

 

イリナ『えっ?』

 

零誠「聖女って特別ってことだろ?特別って自分達と違うってことだろ?そんな風に思われて、気をつかわれて、線引きされて、友達もいないってことだぞ。俺はそんなの幸せ者だと思わない」

 

イリナ『………私にどうして欲しいの?』

 

零誠「友達になってやってくれ。そして不幸から遠ざけてやってくれ」

 

イリナ『はぁ、レーセーくんは卑怯ね。そんなこと言われて断われないじゃない』

 

零誠「俺はイリナのそういうところが好きだよ」

 

イリナ『な、何を言ってんのよ!?』

 

零誠「なんか変なこと言ったか?」

 

イリナ『なんでも無いわよ!切るわよ!』

 

零誠「ああ。じゃあ会うのは当分先だがまたな」

 

イリナ『またね』

 

零誠「次は小猫と黒歌だ」

 

もう黒歌が主を殺してはぐれになってしまったかもしれないけど。

 

リアス・グレモリー様

 

黒歌と白音という猫又を救ってやってください。

主に酷い目に合わされています。どうか黒歌が主を殺す前に彼女達を救ってやってください。

 

赤竜帝より

 

調べたらリアスがこの街にもう来ていることが分かった。

 

この手紙を何通か送る。こっちの住所は適当に書いとくけどね。まだ俺は原作介入するべきでは無いからな。

 

………結局人任せかよ。イリナを頼って、リアスを頼って自分を犠牲にしてでもって思っても俺には犠牲にするだけの力が無い。

 

はぁ、強くなりたい。

 

グラッ

 

あれっ?いきなり眠くなってきやがった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

???「お前は誰だ?」

 

何も無い真っ白な空間に佇む真っ赤なドラゴンが訪ねてきた。

 

???「もう一度聞く。お前は誰だ?」

 

零誠「俺は俺だよ。兵藤零誠だ」

 

???「お前が零誠?笑わせるな。零誠はもっとバカでスケベで変態で魔力が無くて俺が呼びかけても気付かない落ちこぼれだぞ」

 

零誠「そこまで言う!?可哀想過ぎるだろ!」

 

???「それに零誠は悪魔や聖剣、ドラゴンの知識が全くない」

 

零誠「やっぱり気付かれちまったか。ドライグ」

 

ドレ「当たり前だ。零誠とは産まれた時からの付き合いだ。それでお前は誰だ?」

 

零誠「旧名哀川零。この世界の外側にいる悪戯の神の遊び相手ってところかな。」

 

俺はドライグに他の世界を巡り、零誠の体に憑依したことを話した。

 

原作知識は少しだけあるということにしておいた。

 

ドラ「まさかそんなことがあるとはな?」

 

零誠「それでどうする?俺を殺すか?」

 

ドラ「何故だ?」

 

零誠「何故って、俺は本物の零誠の人生を横取りしたんだぞ!」

 

ドラ「じゃあ聞くが本物の零誠は俺にお前を殺して欲しいと望んでいると思うのか?」

 

零誠「それは」

 

ドラ「とにかくお前は零誠だ」

 

零誠「………ドライグ」

 

ドラ「だいたい乳竜帝と呼ばれるくらいならお前の方がマシだ!」

 

零誠「お前そっちの方が本音だろ!?」

 

こいつ薄情だな!

 

ドラ「それで力が欲しいんだっけか?」

 

零誠「ああ。だけどドライグがいるなら大丈夫だな」

 

ドラ「いや、今回は無理矢理会った形だから2、3年程眠らせてもらう。お前が言う原作には間に合うから安心しろ」

 

零誠「俺は結局無力なままなのか」

 

ドラ「俺を使えなくても力を得る方法がある」

 

零誠「なんだそれは?」

 

ドラ「魔法だよ。前の零誠はからっきしだったが、お前なら俺が基礎を教えればすぐに使えるようになる」

 

零誠「なら早速教えてくれ。今は力はいくらあっても足りない」

 

ドラ「分かった。一回で覚えろ」

 

零誠「上等」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ドラ「それじゃあ、そろそろ眠るぞ」

 

零誠「目が覚めたときまでに絶対に強くなってるからな。相棒」

 

ドラ「相棒?」

 

零誠「これから死ぬまで一緒なんだから当たり前だろ。嫌ならやめるが」

 

ドラ「あはははは!今までの持ち主でそんなこと言った奴は初めてだ!こちらこそ頼むぞ。相棒」

 

このセリフを聞いた時に目が覚めて朝になっていた。

 

 



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天野夕麻

憑依してから月日が経ち、高校2年生になった。

 

学校

 

ガラガラ

 

零誠「おはよう」

 

元浜「よう。レーセー」

 

元浜以外のクラスメイトも挨拶を返してくる。

 

零誠「松田はどうしたんだ?」

 

元浜「写真撮りに行ってる」

 

零誠「いつかあいつ新聞に載りそうだな」

 

元浜「ああ。確かに」

 

零誠・元浜「「盗撮犯が捕まった的な見出しで」」

 

松田は中学時代に記録を塗り替える程の身体能力を生かして写真部で(悪い意味で)活躍してる。

 

セクハラパパラッチの異名を持ち、裏では撮った写真を取引きしてるらしい。

 

零誠「今度ファミレスでなんかおごってもらおうぜ」

 

元浜「ならいい店があるんだよ!なんと上から87・64・73の店員がいるんだよ!」

 

零誠「お前も大概にしないと捕まるからな」

 

元浜はメガネごしで見れば女性のスリーサイズが分かるというスリーサイズスカウターの異名を持つ。

 

松田「何!?それは本当か?」

 

元浜「お前いつの間に戻ってきたんだよ!?」

 

いきなり現れた松田に教室のみんなが驚いている。

 

零誠「お前が『いい店知ってる』って言った辺りだな」

 

松田「くそっ、気付かれたか。レーセーに適わないな」

 

零誠「気付かれたく無かったら、生命力を隠せ」

 

元浜「お前の次元はぶっ飛び過ぎだろ!?」

 

零誠「そんでさっき言ってた店どいいから奢れ」

 

松田「まぁいいけど。その代わりにお前また写真撮らせろよ」

 

零誠「またか?俺の写真なんて需要無いだろ」

 

松田「悲しいことにこれがあるんだよ」

 

松田がそう言ってクラスを見回すと何故かクラスのほとんどの女子が目を背けた。

 

零誠「そんじゃ、放課後な」

 

松田「ああ。いい写真が撮れそうだ」

 

零誠「校外は止めとけ。ホローしきれない」

 

元浜「松田の奢りか」

 

松田「お前は自腹だ」

 

元浜「不公平だ!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

零誠「俺はステーキにするわ」

 

松田「少しは遠慮しろよ」

 

零誠「遠慮じゃ腹は膨れない」

 

元浜「遠慮するから俺も奢れ!」

 

俺達は校門に向かっていると

 

???「レーセーさん。天野夕麻と言います。私と付き合ってください!」

 

女子に声をかけられた。

 

零誠「悪い。今からこいつに飯奢ってもらうから暇じゃない。だから買い物は友達にでも付き合ってもらえ」

 

夕麻「はい?買い物?」

 

元浜「これレーセー本気で言ってるから」

 

松田「むかつくことにレーセーはもてる。だがレーセーは超がつくほどの唐変木だから恋人は今まで一度も出来たことない」

 

零誠「何言ってんだよ。俺がもてるわけないだろ」

 

松田「ほらな」

 

夕麻「えっと私はどうすれば」

 

元浜「明日は土曜だし、買い物くらいなら飯を奢るって言えばついてくるぞ」

 

夕麻「それじゃあレーセーさん。明日お昼に高級レストランのフルコースを奢るのでお出かけに付き合ってください」

 

零誠「どんなことがあろうと行こう」

 

夕麻「じゃあ明日の10時に駅で」

 

零誠「了解した」

 

夕麻は去って行った。

 

元浜「レーセーの目にフルコースしか写ってないのは気のせいか?」

 

松田「あんな美人勿体ない」

 

なんか知んないけどいきなりこの後松田の奴が奢るの止めるとか言いやがったけど、明日はフルコースが食えるからまあいっか。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日

 

30分前に待ち合わせの駅に行き、なんか変なチラシを貰って、映画を見て、お待ちかねのフルコースを食べ、ゲーセンで遊んだ。

 

そして最後に人気の無い公園に連れて来られた。

 

夕麻「今日は楽しかったです」

 

零誠「それは良かった」

 

夕麻「最後に一つ聞きたいんだけど私の物にならない?」

 

零誠「言ってる意味が分からないんだけど」

 

夕麻「本当は君のセイクリット・ギアが危険だから、今すぐ殺すつもりだったんだけどレーセー君のことが気に入ったから私の物になるなら助けてあげようかなと思ってね」

 

零誠「君がやることに伴う犠牲は出るのか?」

 

夕麻「人間が1人死ぬ程度よ」

 

零誠「交渉決裂だ」

 

夕麻「そう。残念」

 

夕麻は後ろに跳びながら光の槍を飛ばしてきた。

 

零誠「『強化開始(トレース・オン)』」

 

零誠は自分の体を強化し、槍を回避する。

 

零誠「『投影開始(トレース・オン)』」

 

刀を一本投影し、夕麻に向かい走る。

 

夕麻「魔法が使えるなんて本当に惜しいわ」

 

夕麻は光の槍を五本程投げつけてくる。

 

零誠「『零閃・六連』」

 

零誠は居合いの構えになり、六つ斬激を飛ばし槍を全て撃ち落とす。

 

残ったもう一つの斬激が夕麻に向かう。

 

夕麻「甘いわね」

 

夕麻は光の槍で斬激を潰す。

 

零誠「『斬刀・鈍』の最高速度を見せてやるよ。『零閃・十連』」

 

零誠が飛ばした斬激は10。

 

夕麻が作れた光の槍を8本。

 

夕麻「マズい!」

 

???「レイナーレ。何をてこずっている」

 

零誠「ガハッ!?」

 

零誠は背中を光の槍で刺され、潰されなかった2つの斬激も光の槍で消されていた。

 

後ろから伏兵って卑怯だろ。

 

夕麻「助かったわ。ドーナシーク」

 

ドーナ「教会に戻るぞ」

 

夕麻「じゃあね。レーセーくん」

 

夕麻とドーナシークは飛び去った。

 

ちきしょう。いってえな。まだ死ぬわけにはいかねえのに。生きて主人公の代わりをしないといけないのに。

 

???「あら?喚び出されたと思ったら、死にそうじゃない。ならその命私の為に使いなさい」

 

意識が無くなる途中、視界に映ったのは綺麗な赤色だった。

 



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悪魔

俺が殺された次の日

 

天野夕麻は消えていた。

 

存在した痕跡が全く残っていなかった。

 

近くにいた元浜と松田の記憶からも。

 

夢だったと思うほど俺は楽観的ではない。

 

俺は放課後旧校舎にあるオカルト研究部に来ていた。

 

コンコン

 

???「はーい。どちらさまですか?」

 

零誠「2年の兵藤零誠と言います。リアス・グレモリーさんに用があって来ました」

 

朱乃「あらあらこれはご丁寧に私は姫島朱乃と言います。リアスならもうすぐ来ると思うので中でお待ちください」

 

零誠「それではお言葉に甘えて」

 

部室内のソファーに案内される。

 

朱乃「粗茶です」

 

零誠「どうも」

 

朱乃「リアスにはどういうご用件で?」

 

零誠「昨日命を助けられまして」

 

朱乃「あらあら。なるほど君が」

 

ガチャ

 

リアス「朱乃。お茶頂戴」

 

朱乃「リアス。お茶の前にお客様ですよ」

 

零誠「どうも」

 

リアス「あら早かったわね。もう自分が悪魔になったって気付くなんて」

 

零誠「やっぱりそうでしたか」

 

リアス「どうやって気付いたの?」

 

零誠「自分の体の構造を少し見ましたから」

 

リアス「構造を見たってどういうこと?」

 

零誠「こういうことです。『構造理解(トレース・オン)』そのテレビ配線切れてるんで修理に出した方がいいですよ」

 

リアス「魔法ね。一体どこで覚えたの?」

 

零誠「ドラゴンに基礎を習って自分で使いやすい魔法を覚えました」

 

リアス・朱乃「「ドラゴン!?」」

 

零誠「そのあたりは他の部員が来たら説明します。さっそく来たみたいですね」

 

???「………大きな声出してどうしたんですか?」

 

???「そうだにゃあ。びっくりしたにゃ」

 

リアス「白音に黒歌。ちょっとあってね」

 

ボロボロ

 

黒歌「なんで私達を見ていきなり泣き始めるにゃ!?」

 

零誠「良かった。本当に良かった」

 

俺が主人公の人生を奪ってまでこの世界にやって来た意味があったんだ。

 

ずっと不安だった。気のせいかもしれないけどこれで少しは報われた気がする。

 

リアス「もしかしてレーセーが手紙を送って来た赤竜帝?」

 

白音・黒歌「「!?」」

 

零誠「はい。彼女達を救ってくれてありがとうございました」

 

ガシッ

 

白音と黒歌が抱きついてきた。

 

黒歌「お礼を言うのは私達にゃ」

 

白音「………だから泣かないでください。笑っていてくれた方が嬉しいです」

 

零誠「ああ」

 

ガチャ

 

木場「クラスの用事で遅れてしまいした」

 

ドカッ

 

リアス「空気を読みなさい」

 

リアスの一撃により木場退場。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数分後

 

リアス「落ち着いた?」

 

零誠「はい。すいませんでした」

 

リアス「それじゃあ説明に戻るけど」

 

零誠「いや、その前にこの状況なんとかしてください」

 

今の状況を説明すると右から黒歌が抱きついてきてて、左から白音が服の裾を掴んでいる。

 

零誠「2人ともはなr「「ダメです(にゃ)」」最後まで言わせろや!」

 

黒歌「リアス。レーセーを頂戴にゃ」

 

リアス「ダメよ」

 

黒歌はもう上級悪魔で悪魔の駒(イビル・ピース)を持っているが、まだ眷属はいないそうだ。

 

リアス「話を戻すわね。レーセーはどれだけ悪魔の知識を持っているの?」

 

零誠「結局この状態のままか。大抵の知識は持ってますよ。まぁお偉いさんの名前とかそういうのは全くですけど」

 

リアス「それなら話は早いわ。それじゃ今度はそっちの話を聞かせて」

 

零誠「まず俺は二天龍のうちの赤龍のドライグが封印されたセイクリット・ギアを所有しています。まぁ、まだ出し方が分からないんですけど」

 

リアス「じゃあどうやってドレイグに魔法を教えてもらったの?」

 

零誠「一度だけ無理矢理ドライグが話かけてきたことがありまして、そのせいでドライグはまだ眠ってます」

 

リアス「なるほど。それじゃあ、どうして黒歌と白音が危険な目にあっていたということが分かったの?」

 

零誠「すみませんが、そこは企業秘密ということで」

 

リアス「気になるけど仕方ないわね。それじゃあセイクリット・ギアの出し方を教えてあげるわ」

 

零誠「本当ですか!?」

 

リアス「ドライグが眠ってるから絶対とは言いきれないけど試してみましょう。黒歌と白音離れてあげて」

 

黒歌と白音はしぶしぶ離れた。

 

リアス「それじゃあ、あなたが最強だと思う物を想像してみて」

 

零誠「最強ですか」

 

俺は世界を回ってきたせいでいろんな最強が思い浮かぶ。

 

人類最強の請負人

 

自殺志願の美しい鬼

 

失敗することを望んだ人外

 

生きる為に弱くなろうとした刀

 

変化を求めた女装趣味

 

正義の味方を目指した弓兵

 

眷属を殺す為に目覚める真祖

 

半身を無くした殺人姫

 

死を学習する悪魔憑き

 

そして、

 

リアス「思い浮かべたらその最強の姿を真似して」

 

俺は片手を出し、

 

零誠「ドレスブレイク」

 

この世界の本当の主人公の姿。

 

出した右手が光り、俺のセイクリット・ギアが現れた。

 

あれ?ちょっと形が原作と違う気が。

 

原作はガントレットの形だったが、俺のは肘の辺りまで赤くなっているだけで、手の甲のところに黒い球が埋め込んであり、その球の中に金色の光が浮いてる。

 

リアス「よし。上手く発動出来たわね。それじゃあ改めて自己紹介」

 

バサッ!

 

全員背中からコウモリのような翼が生えた。

 

木場「2年木場佑斗。悪魔です」

 

朱乃「3年姫島朱乃。悪魔です」

 

白音「………1年塔城小猫って名前で通ってます。悪魔です」

 

黒歌「黒歌にゃ。悪魔にゃ」

 

リアス「3年でここの部長をやってるリアス・グレモリーよ。悪魔よ」

 

零誠「2年兵藤零誠。悪魔です」

 

リアス「私達はあなたを歓迎するわ」

 

 



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居候

オカルト研究部に入部した翌日の朝。

 

零誠「うぅっ、暑い」

 

なんでこんなに暑いんだ?まだ4月の春だぞ。こんなに暑いはず無いよな。

 

目を開けると。

 

黒歌が寝ていた。

 

後ろには白音がいるみたいだ。

 

何故に?

 

いや、そんなことよりこの状況をなんとかせねば。

 

まずかけ布団は無い。よし、2人とも触れてないから音さえたてなければいける。

 

まず気配を徹底的に消す。まるで自分が生きてないようにまるで死体のように。

 

白音「………姉さん。私の勝ちです。特上寿司です」

 

黒歌「あーあ、残念にゃ。絶対襲ってくると思うのに」

 

零誠「お前ら起きてたのかよ!?たちが悪い」

 

白音「………ちゃんと寝てましたよ」

 

黒歌「いきなり気配が消えたら気付くにゃあ」

 

零誠「ちっ、しくじったか」

 

何この会話人外?ああ、こいつら悪魔でしたね。

 

零誠「つまりお前らは俺が起きたとき襲うかどうかをかけてたと」

 

白音「………私は先輩を信じてましたよ」

 

黒歌「ずるいにゃ!レーセーの好感度をあげようとするにゃんて」

 

零誠「そんじゃ、そろそろ帰ってください」

 

黒歌「無理にゃ」

 

零誠「Why?」

 

白音「………先輩、驚きすぎて英語になってますよ」

 

黒歌「私達はリアスの家に住まわしてもらったんだけど、赤竜帝が見つかったらそっちに行くって約束だったからにゃ」

 

零誠「頭が痛くなってきた」

 

黒歌「というわけで今日からよろしく頼むにゃ」

 

零誠「上級悪魔って確か金持ちじゃなかったすか?」

 

黒歌「学生が部屋を借りるには手続きが時間がかかるにゃ」

 

零誠「それくらいなら部長が部屋を貸してくれるでしょ」

 

黒歌「あまりごちゃごちゃ言ってると服を脱いで悲鳴をあげるにゃ」

 

零誠「てめえ俺を社会的抹消する気か!?」

 

白音「………どうしてもダメですか?」

 

零誠「はぁーしょうがねえな。親を説得出来たらいいよ」

 

黒歌「白音と私で態度が違うにゃ」

 

零誠「自業自得だ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

食卓

 

零誠「父さん母さん。ちょっと紹介したい人がいるんだけど」

 

父親「それは誰だい?」

 

母親「もしかして彼女?」

 

零誠「いや、ただの友達だよ。二人とも来てくれ」

 

白音と黒歌が入ってくる。

 

白音「………塔城小猫と言います」

 

黒歌「塔城黒歌と申します」

 

申します?

 

黒歌「お父様とお母様にお頼みしたいことがあるのですが」

 

黒歌の奴猫被ってやがる。

 

猫又が猫被るってなんか変な言葉だな。

 

父親「頼みたいことって?」

 

黒歌「私達を居候させてもらえないでしょうか?」

 

母親「レーセー。どういうこと?」

 

零誠「本人から聞いてくれ」

 

黒歌「実は私は両親から虐待されてました。小猫にまで及ばないように必死に耐えました。そのことをレーセーくんが知り、その両親がやってきたことを発表し、私達を救おうとしてくれました。しかし発表する前に両親達は蒸発してしまい住むところが無くなってしまったのです」

 

こいつ実際にあったことを説得しやすいように改竄したのか。

 

黒歌「小猫もそんなことがあったせいか滅多に笑わない子になってしまいました」

 

うわっ、こいつ妹の性格を同情買うのに使いやがったよ。

 

黒歌「そんな私達にレーセーくんはお父様とお母様が了承したらおうちに住んでもいいと言ってくれて」

 

これを聞いて父さんと母さんの反応は

 

大号泣してるよ!

 

母親「きっと辛いことがあったのね」

 

 

父親「レーセー。お前が人を助けられる人間になってくれて父さんは嬉しいぞ」

 

父さん。俺達悪魔です。

 

零誠「てことは」

 

母親「2人ともうちで育てるわ!」

 

父親「ああ。この家が自分達の家だと思っていいからな」

 

黒歌「ありがとうございます!お父様、お母様」

 

白音「姉ともどもよろしくお願いします」

 

父さんと母さん、涙もろすぎだろ!

 

こうして家族が増えました。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

部室

 

零誠「部長。いきなり2人を寄越さないでくださいよ」

 

リアス「事前に話したらすんなり納得したの?」

 

零誠「拒否りましたね」

 

リアス「でしょ」

 

黒歌「だいたい何が気に入らないんですか?」

 

零誠「気持ち悪いからその話し方やめてくれ」

 

黒歌「しょうがないにゃ。こんな美人姉妹と一つ屋根の下にゃのにどうして拒むにゃ?」

 

零誠「お前からは貞操の危険を感じる」

 

黒歌「私はそんにゃことしにゃいにゃ」

 

白音「………昨晩私が止めなかったら先輩のこと襲おうとしてましたよね?」

 

黒歌だけ時が止まった。

 

零誠「ほら見ろ!」

 

リアス「そんな事より部活の内容ね」

 

零誠「俺の貞操がそんな事で片付けられた!?」

 

リアス「新人悪魔はビラ配りからね」

 

零誠「俺そろそろ泣きますよ」

 

白音「………先輩、私も手伝います」

 

零誠「ありがとうな。白音」

 

黒歌「私も手伝うにゃ」

 

零誠「………………頼む」

 

黒歌「今の間は何にゃ!?」

 

ビラの数をさばくには猫の手も借りたいくらいだから猫又の手だけど借りるか。

 

零誠「行ってきます」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

1時間後

 

零誠「ビラ配り終わりました」

 

リアス「えっ!?もう帰ってきたの!?」

 

美人の力って凄いね。街灯に群がる羽虫のごとく集まってきたもん。

 

2人のビラが取りずらかったのか、女性はこっちに集まってきたけど。

 

リアス「あれ3日分はあったわよ」

 

零誠「男ってバカな生き物ですから」

 

リアス「これじゃあ、レーセーに仕事を回すのも早くなりそうね」

 

零誠「簡単なやつにしてください」

 

リアス「大丈夫よ。召喚はこの中で一番適任の人が行くことになる可能性が高いから」

 

零誠「そうなんですか」

 

朱乃「それじゃあレーセーくんを魔法陣に登録しましょう」

 

零誠「よろしくお願いします」

 

この後魔法陣で跳べるようになった。原作みたいに魔力が足りないとかは無かったから、チャリの出番はないぞ。

 

 



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依頼

リアス「小猫に二件依頼入ったから片方に行ってもらうわ」

 

零誠「了解です」

 

魔法陣に触る。

 

リアス「それじゃあ行ってらっしゃい」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

依頼者宅

 

零誠「問おう。貴方が俺の依頼者か?悪魔の零誠。召喚に従い参上した」

 

依頼人「セイバーネタだと!?」

 

零誠「気に入らなかったならアーチャーなら出来るけど」

 

依頼人「次回はそうして」

 

零誠「じゃあ次回は指名してくれ。それで依頼はなんだ?」

 

依頼人「いや、小猫ちゃんに頼みだかったんだけど」

 

零誠「依頼が被って無理だ。今回は諦めろ。ちなみにどんな依頼だったんだ?」

 

依頼人「小猫ちゃんにこの服を着てもらいだかったんだ」

 

なんかのコスプレの服を出す。

 

零誠「それじゃあ俺は無理だな」

 

依頼人「そうだね…………いや、顔が中性的だからいけるかも」

 

零誠「無理だろ。サイズが合わない」

 

依頼人「くっ、確かに」

 

零誠「なので他の依頼にしてくれ」

 

依頼人「それじゃあハーr「代償は命だ」恐いわ!?」

 

零誠「しょうがないだろ。最後まで聞いても意味が無い依頼だし」

 

依頼人「じゃあ億万ty「代償は魂だ」これもかよ!?」

 

零誠「ちなみにハーレムは見ただけで死亡。はっきり言って道で美人を見た方がマシだな」

 

依頼人「触れすらしないのかよ!?」

 

零誠「良かったな。億万長者は札には触れるぞ。使えないけど」

 

依頼人「意味が無いわ!?」

 

零誠「人の命は平等じゃない」

 

依頼人「シビアだね。それじゃあ君は何が出来るんだい?」

 

零誠「構造理解、強化、投影の魔法なら」

 

依頼人「君は正義の味方でも目指してるのか!?」

 

零誠「まぁ、俺は剣以外にも出せますよ」

 

依頼人「彼を超えちゃった!?いやまてよ。なら衣装も作れるんじゃないか?」

 

零誠「確かに出来なくは無いな。だがそこまでして俺の女装姿を見たいのか?」

 

依頼人「いや、確かに男の娘にも興味があるけど、今回はアーチャーの格好してよ。髪が白いし似合うと思うんだ」

 

零誠「その依頼人請け負った」

 

着替えた後、写真撮影をし、Fateについて語った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 部室

 

リアス「レーセー初回なのに凄いじゃない!依頼者にアンケートを書いてもらうんだけど大好評だったわよ!『次回はレーセーくんを指名します。だから登場の時はあの格好でやって』ですって。あの格好ってのがよく分からないけど子猫のお得意様取っちゃうなんて!」

 

零誠「部長嬉しいのは分かりますが、落ち着いてください。あと白音の依頼者とっちゃってゴメンな」

 

白音「………いいですよ。私も先輩が評価されるのは嬉しいですから」

 

零誠「今度なんか奢るよ」

 

白音「………いいんですか?」

 

零誠「ああ。だけどあまり高いのは無しな」

 

白音「………2人っきりでですか?」

 

零誠「なんだ。黒歌がいた方がいいのか?なら黒歌も誘って行こうぜ」

 

白音「………はい」

 

白音(せっかく先輩と2人きりになれるはずだったのに、余計なこと言わなければ良かった)

 

黒歌「レーセーが奢ってくれるのかにゃ?」

 

零誠「お前は自腹だ」

 

黒歌「不公平にゃ!」

 

なんか元浜と松田がやってた会話とデジャヴが。

 

リアス「今日もレーセー行ってきなさい」

 

零誠「そんじゃ行ってきやす」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

依頼人宅

 

ミル「ミルたんを魔法少女にして欲しいにょ」

 

依頼人はネコ耳を着けた世紀末覇者だった。

 

これは俺の手におえる依頼じゃない。

 

ミル「考える修行は全て試したにょ。もう宿敵の悪魔さんに頼るしかないにょ」

 

俺はこれの相手をしなければならないのか?

 

だいたい「にょ」ってなんだ?その語尾はどこから持ってきたんだよ!?

 

零誠「あんたなら多分勝手になんか変な扉でも開いて平行世界の扉でも開くことが出来るよ。だから俺達に頼るな」

 

玄関に向かいダッシュ!

 

しようと思ったら襟首を掴まれた。

 

ちっ、逃走失敗か。

 

ミル「もう異次元の扉を開いて平行世界に行ってきたけど世界を救っただけで魔法少女にはなれなかったにょ」

 

零誠「行ってきたのかよ!?それに世界を救ったって、もう魔法少女になる必要なくね!」

 

ミル「ミルたんは魔法少女になりたいにょ。失敗してもいいから何か方法を教えて欲しいにょ」

 

零誠「だから無理だ。………いや出来ないことはないかも」

 

ミル「本当かにょ!?」

 

零誠「これは才能が関係あるから絶対とは言いきれないけど」

 

ミル「その方法教えて欲しいにょ!」

 

零誠「『投影開始』」

 

零誠は一本のステッキを出した。

 

『カレイドステッキ』

 

手にしたマスターに魔力を無制限に供給でき、多元転身(プリズムトランス)によって、Aランクの魔術障壁、物理保護、治療促進、身体能力強化などが使用出来る。

 

必要な物はオトメのラヴパワー。

 

説明たりい、もう少し詳しく知りたければネットでも使って調べてくれ。

 

零誠「これを使えば変身出来るかもしれない。頑張ってくれ」

 

ミル「ありがとうにょ!」

 

零誠「変身出来ても一般人の前では使えないようにしておいたから気をつけてくれ」

 

ミル「分かったにょ!色々とありがとうにょ!」

 

俺はこうして依頼を解決した。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 部室

 

リアス「レーセー、今回も好評だったわよ!アンケート見てみる?」

 

零誠「はい」

 

ミル『レーセーくん。ありがとうにょ!私はとうとう『魔法少女カレイドコンバット』になったにょ!毎晩平行世界に出向いて活躍してるにょ!また機会があったら喚ぶからよろしく頼むにょ!』

 

零誠「変身出来たのかよ!?オトメのラヴパワーはどうした!?だいたい『カレイドコンバット』ってなんだ!?カレイドの次は宝石の名前じゃなかったのか!?」

 

さすがにこの結果には突っ込まずにはいられなかった。



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はぐれ悪魔

朱乃「リアス。大公からはぐれ悪魔の討伐依頼が来ました」

 

リアス「分かったわ。みんな今日は普通の依頼じゃなくてそっちに行くわよ」

 

全員『はい』

 

リアス「今回はレーセーは見てるだけでいいわ。それぞれの特徴も教えたいし」

 

零誠「大丈夫ですよ。俺知ってますし、騎士(ナイト)はスピード。僧侶(ビショップ)は魔法。戦車は力と防御。女王(クイーン)はオール。兵士(ポーン)は他の駒になるプロモーション。王(キング)はそれらを統括するリーダーでしたよね?」

 

リアス「その通りよ。よく知ってたわね」

 

零誠「ドライグからの受け売りですよ」

 

リアス「それじゃあ誰が何の駒なのかを説明するわね」

 

零誠「俺はポーンですよね?しかも8つ全て消費した」

 

リアス「なんで分かったの?」

 

零誠「構造理解の魔法で自分を見たときにポーンの駒が8つ見えましたから」

 

リアス「レーセーって教えがいの無い子ね」

 

零誠「すいません」

 

リアス「別にいいのよ。レーセーがそれだけ凄いってことだから。他の部員の駒はいくらなんでも分からないでしょ?」

 

零誠「はい。さすがに勝手に人の身体を見るのは気が引けますから」

 

リアス「それじゃあ教えるわ。佑斗がナイト。子猫がルーク。朱乃がクイーン。私のじゃないけど黒歌がビショップよ。私のビショップは他に1人いるわ」

 

零誠「なるほど。分かりました。ですが今回の討伐の依頼に俺はどうします?」

 

リアス「少しだけ参加しなさい。あなたの魔法を見せてもらうわ」

 

零誠「はい。分かりました」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

町外れの廃屋

 

ここではぐれ悪魔は人間を食ってるらしい。

 

白音「………血の匂い」

 

零誠「軽く腐敗臭もするな」

 

???「不味そうな匂いがするぞ。でも美味そうなもするぞ。甘いかな?苦いかな?」

 

零誠「てめえは臭いから脱臭剤でも食っとけ」

 

リアス「はぐれ悪魔バイザー。あなたを滅しにきたわ」

 

バイ「ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ」

 

零誠「うわっ、こんな笑い声実際に使う奴がいるんだ。はっきり言ってもうネタじゃね?」

 

 

バイザーの姿は上半身は裸の女、下半身は足が四本あり、爪が鋭く、尻尾に蛇の頭があった。

 

零誠「質問なんだがお前はその格好を気に入っているのか?はっきり言って趣味が悪いぞ。悪魔って自分の姿を好きに変えられるんだよな?早く変えた方がいいぞ」

 

バイ「貴様はどれだけ侮辱すれば気が済むのだ!!」

 

零誠「いきなり怒るなよ。全く沸点が低いんだから」

 

全員『いや、あんだけ言われれば誰でも怒るから』

 

零誠「えっマジで?」

 

リアス「気を取り直して、主の元を去り、己の欲求を満たすだけに暴れ回るその行いは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において消し飛ばしてあげるわ」

 

バイ「こざかしい!小娘ごときが!その紅の髪と同じようにその身を鮮血で染めてくれるわ!」

 

リアス「雑魚にしては気の効いたセリフを吐くわね。レーセー、あなたの実力を見せてちょうだい」

 

零誠「それは俺が倒してしまっても構わないんですよね?」

 

リアス「ふふっ、やってみなさい」

 

零誠「『強化開始』」

 

悪魔になって身体が頑丈になったおかげか人間の時より強化が上手くいくな。

 

零誠「『投影開始』」

 

ヒュン

 

バイ「クハッ!真上から攻撃だと!?」

 

零誠「ほれ、もう一発」

 

ヒュン

 

バイ「クフッ!今度は後ろから!?一体何で攻撃してるんだ!?」

 

零誠「バーカ。誰が教えるかよ。どんどん行くぞ」

 

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン

 

バイ「クフッ!カハッ!こうなったらダメージを無視して突っ込む!」

 

バイザーは宣言通りにレーセーの攻撃を受けながら突っ込んできた。

 

レーセーとの距離が1メートルほどになった時にバイザーの動きが突然止まった。

 

バイ「こ、これは糸!?」

 

零誠「あっ、流石に今回は分かった?そこまでバカじゃなかったか」

 

バイザーは必死に糸から抜け出そうとするが、切ることさえ出来ない。

 

零誠「あー無理無理。『鋼毛玉(ストリングボール)アドネリア』は一本で5トンは吊せるんだぜ。切れるわけねえよ。それにここまで絡まったら俺本人でも解けねえ」

 

レーセーの発言を聞き、バイザーはそのまま無理矢理身体を動こうとする。

 

零誠「この大バカ野郎は物理の授業を受けたことが無いのかな?さっき言った強度でその糸の細さは刃物と一緒だぜ。俺にたどり着く前に身体はバラバラになるぞ」

 

バイ「貴様に一撃与えられるならこの身体がどうなっても」

 

バイザーは身体の肉が切れていっても進む。

 

そうしてレーセーに後少しで触れられる距離になった。

 

零誠「おお。凄いな。そんじゃ後1メートル頑張ってみよう」

 

レーセーは1メートル下がり言った。

 

バイザーはその瞬間絶望した顔になった。

 

バイ「殺せ」

 

零誠「はぁ?お願いします。殺してくださいだろ?失血死待ってもいいんだぞ」

 

バイ「ク、クソッ!………お願いします。……殺してください」

 

零誠「『灰かぶり(シンデレラ)』」

 

ドバン!!

 

レーセーはバイザーにボールを投げつけると爆発し、バイザーは消し炭になった。

 

木場「レーセーくん酷過ぎないかい?」

 

白音「………バイザーが可哀想に思えてきました」

 

黒歌「鬼畜にゃ」

 

リアス「このドSっぷり朱乃といい勝負なんじゃない?」

 

朱乃「レーセーくんとは話が合いそうね」

 

零誠「ああいうクズにしかしませんから安心してください」

 

リアス「そういえばレーセー。最初の攻撃は何だったの?」

 

零誠「木場は分かるか?」

 

木場「多分だけどスーパーボールかな?」

 

零誠「正解。『超躍弾(スーパーボール)』って言う対人兵器です」

 

リアス「でも凄いわね。セイクリッド・ギアを使わずに勝つなんて。これなら上級悪魔になるのも夢じゃないわよ」

 

黒歌「上級悪魔になったら私がビショップをもらうにゃ」

 

白音「………私は部長とトレードしてもらいます」

 

リアス「ちょっと小猫。私泣くわよ」

 

こうしてはぐれ悪魔の討伐依頼を終えた。



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アーシア・アルジェント

俺が悪魔になってから1週間ほど経った。表の部活が終わり家に帰る途中。

 

トテッ

 

後ろの方から音がしたので振り向くと。

 

姉妹ではない方のシスターが倒れていた。

 

零誠「大丈夫か?」

 

手を掴み立ちあがらせる。

 

???「ありがとうございます」

 

零誠「どういたしまして。ほれヴェール」

 

???「重ね重ねありがとうございます。私はアーシア・アルジェントと言います」

 

クソッ、夕麻が行動に移したからもしやと思っていたんだが、俺は失敗したのかよ。

 

アー「どうしたんですか?そんな恐い顔して」

 

零誠「悪いな。俺は兵藤零誠。日本には旅行か?」

 

アー「実はこの近くの教会に赴任することになったんです」

 

零誠「そーなのか」

 

アー「ですが道に迷ってしまって、言葉が通じないし、どうしようか悩んでいたところなんです」

 

悪魔になったおかげで言葉が通じるようになったからな。

 

零誠「住所はどこなんだ?」

 

アー「この住所なんですけど」

 

零誠「この住所は分かるぞ。だがこの教会は結構前に潰れたはずだぞ」

 

アー「………実は私、魔女なんです」

 

零誠「どういう意味だ?」

 

アー「私には傷を癒す力があります。その力があったから私は聖女として扱われるようになりました。そんなんで友達と呼べる友達は1人しかいませんでした。ある日悪魔の傷を治してあげました。その様子を信者の1人が見ており、私は悪魔になりました。友人は最後まで庇ってくれましたが、結局追放されてしまいました。そんな私をこれから行く教会は受け入れてくれるらしいんです」

 

零誠「なんでその話をしてくれるんだ?」

 

アー「レーセーさんが友人が言っていた男の子と雰囲気が似ててつい」

 

零誠「その友人の名前は紫藤イリナか?」

 

アー「イリナさんを知ってるんですか?」

 

零誠「俺の幼なじみだ」

 

アー「やっぱりあなたがイリナさんが言っていた」

 

零誠「アーシア。君をこの教会に行かせることは出来なくなった」

 

アー「どういうことですか?」

 

零誠「俺も秘密を教える。俺は悪魔なんだ」

 

アー「そ、そんな!?」

 

零誠「アーシアが行こうとしてる教会にいる堕天使に殺されて、生きる為に悪魔になった」

 

アー「殺された?なんで?」

 

零誠「俺が計画の邪魔になるかもしれないからだとよ」

 

アー「私はどうしたら」

 

零誠「俺のところに来い。悪魔だけどあの堕天使よりはマシだ」

 

アー「信じていいんですか?」

 

零誠「それはアーシアが決めてくれ」

 

俺は一度君を救うことを失敗したんだから。

 

アー「決めました。私はレーセーさん。あなたを信じます」

 

零誠「ありがとう。信じてくれて。今から俺の仲間のところに連れていくな」

 

俺は家に帰るのを中断し、学校の部室にアーシアを連れていくことにした。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

部室

 

リアス「いきなりなんで教会の人間を連れてきたの!」

 

零誠「アーシアは魔女として教会を追放されてます」

 

アーシアを部室に連れてきたら部長は血相をかえ、怒り始めた。

 

リアス「てことは堕天使陣営の人間ということでしょ。あなたの行動でここを攻撃するきっかけを作ってしまったのよ。戦争になったら責任をとれるの?」

 

零誠「争いを起こさない為にアーシアを見捨てることは出来ません。もし戦争が起きたら絶対に止めてみせます」

 

リアス「本気で言ってるの?」

 

零誠「冗談だと思いますか?」

 

リアス「なら好きにしなさい。ただしアーシアはこの部室に置いておけないわ。レーセーの家にでも連れていきなさい」

 

零誠「分かりました。今日の仕事が終わったら一緒に連れていきます」

 

アー「すいません。レーセーさん。私のせいで」

 

零誠「気にするな。だけど謝るくらいなら礼を言ってくれた方が俺は嬉しい」

 

アー「はい。ありがとうございました」

 

零誠「どういたしまして」

 

アー「レーセーさん。よろしかったら私と友達になってください」

 

零誠「何を言ってるんだ?」

 

アー「やっぱりダメですよね」

 

零誠「もう俺はアーシアの友達だろ。違うのか?」

 

アー「は、はい!レーセーさんと私は友達です!」

 

零誠「それじゃあ今日の仕事を終われせてくるからちょっと待っててくれ」

 

俺は魔法陣に触れ、依頼主の元へ跳んだ。



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外道神父

今回は家の中に直接じゃないのか。

 

早く終わらせてアーシアを家に案内しないとな。

 

零誠「リアス・グレモリーの使いの悪魔だが、依頼主はいるか?」

 

玄関から呼び掛けるが返事が無い。

 

玄関の鍵は開いてるな。

 

零誠「邪魔するぞ」

 

血の匂い?怪我人がいるのか?

 

血の匂いがする部屋に向かう。

 

扉を開けて目に入ったのは逆さ十字にはり付けられた死体。切り刻まれて体が修正がかかるグロい画になっている。

 

零誠「うえっ、いい趣味してやがる」

 

死体の近くに血で文字らしき物が書かれてる。

 

零誠「何語だ?」

 

???「『悪いことする人にはお仕置きよ!』って聖なるお方の言葉を借りたのさ」

 

後ろを振り向くと白髪の神父が立っていた。

 

???「これはこれは君はアークマくんではあーりませんか」

 

こいつ教会関係者だな。部長にさっき怒られたのにまたなんか言われそうだな。

 

???「俺は神父!少年神父!デビルな輩をぶった切りー!ニヒルな俺が嘲笑うー!お前ら悪魔の首、刎ねてー!俺はおまんま貰うのさー!」

 

いきなり歌い出したよ。あーなんか苦手なタイプっぽい。

 

フリー「俺の名前はフリード・セルゼン。とある悪魔払いの組織の末端でございますよ。あ、別に俺が名乗ったからってお前さんは名乗らなくていいよ。俺の脳容量にお前の名前なんかメモリしたくないから止めてちょ。大丈夫すぐ死ねるから。俺がそうしてあげるから。最初は痛いかもしれないけれどすぐに泣けるほどよくなるから、俺と一緒に新しい扉開こうZE!うわっ、あぶね!?話してる途中に攻撃ってどういう用件なんだよ!」

 

零誠「(笑)」

 

ブーステッド・ギア発動。

 

『Boost!』

 

零誠「『強化開始』」

 

『Exprosion!』

 

フリー「ふざけんなよ!てめえそういうつもりなら早急になぶり殺してやる!」

 

フリードは光の剣を出し、切り掛かる。

 

『Boost!』

 

零誠「『投影開始』」

 

『Exprosion!』

 

ガシッ

 

作り出した大鋏『自殺志願』で光の剣を挟む。

 

バンッ!

 

フリードは拳銃を発砲し、レーセーのももに弾を撃ち込む。

 

フリー「かははっ!スッゲー気持ちいいだろ?光の弾の毒が侵していくんだぜ!もしかしてイッちゃった?」

 

零誠「で?」

 

『Boost!』

 

フリー「なんなんだよお前は!わけ分かんねえよ!クソ悪魔は俺にやられるのがルールだろうが!」

 

『Exprosion!』

 

ドンッ!

 

レーセーは大鋏を持ってないブーステッド・ギアが宿った右手でフリードを殴り飛ばした。

 

リアス「大丈夫?レーセー!」

 

玄関から部活メンバー全員が入ってきた。

 

零誠「ええ。なんとか今終わったところです」

 

木場「レーセーくん。ももにケガが」

 

零誠「こんなのかすり傷だよ。うわっ」

 

木場がケガを指摘したら黒歌がレーセーに近寄り、傷口に口をつけ吸った。

 

黒歌「すぐに毒を抜くわ」

 

零誠「あ、ああ」

 

黒歌の奴、語尾を忘れてるよ。

 

白音「………お姉ちゃん。ズルい」

 

朱乃「リアス、マズいわ。堕天使の軍勢がここに向かっているわ」

 

リアス「すぐに部室に戻るわよ」

 

魔法陣を使って部室に戻った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

部室

 

リアス「よし。みんな無事ね?」

 

零誠「ええ。まぁ」

 

リアス「それじゃあ今日はもう帰っていいわよ」

 

黒歌「白音にレーセー帰るにゃ」

 

白音「………はい」

 

零誠「ああ。うちに行くぞアーシア。………アーシア?」

 

アーシアの姿は部室のどこにも無かった。



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レイナーレ

零誠「アーシアを助けに行かせてください」

 

リアス「ダメよ」

 

昨日、アーシアに自宅の住所を教えていたので家にいるという可能性があったので家に帰ったのだが、やはり居なかった。

 

すぐに教会に向かおうとしたが、部長に話をしないといけないと黒歌と白音に止められた。

 

リアス「教会は危険だと何度も言ったでしょ。主の言うことを聞きなさい」

 

零誠「これからアーシアが殺されるのを見て見ぬふりするくらいなら、はぐれになってでも救いに行きます」

 

パシン!

 

リアス「冗談でもそんなこと言わないで!」

 

リアスはレーセーをはたいた。

 

朱乃「リアス。ちょっと」

 

朱乃はリアスに小さな声で何かを伝えた。

 

リアス「ちょっと出るわ。朱乃と黒歌はついてきて」

 

リアス達は準備をする。

 

リアス「そうそうレーセー。ポーンは主が敵地と認めた場所でしかプロモーション出来ないわよ」

 

リアスはそう言って外出した。

 

零誠「さて白音に木場。俺もチラシ配りでも行ってくるわ」

 

木場「それはいくらなんでも教会に行くとしか聞こえないよ」

 

白音「………私も行きます」

 

零誠「部長に怒られるぞ」

 

白音「………先輩は救ってくれました。今回はアーシアさんを救うならその手伝いをしたいです」

 

零誠「それじゃあ二人で部長に怒られるか」

 

木場「三人だよ。この雰囲気じゃ行かなかったら、嫌な奴みたいじゃないか」

 

零誠「悪いな。木場」

 

木場「それに部長が出る前にプロモーションについて言ってただろ。あれは行ってもいいって許可してたんだよ」

 

白音「………きっとはたいた後だったから言いずらかったんですね」

 

零誠「よし。なら怒られる心配が無くなったしあのくそ野郎共をぶっ潰しに行きますか!」

 

白音・木場「「はい(うん)!」」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

教会前

 

木場「レーセーくん。これ必要でしょ?」

 

そう言って教会の見取り図を出す。

 

零誠「こんなのどこから手に入れてきたんだよ?」

 

木場「それは秘密ってことで」

 

零誠「気になるが聞かないでおく」

 

白音「………どうやら地下があるみたいですね」

 

木場「多分十字架の下に入り口があると思うよ。背徳的な意味でね」

 

零誠「お前ら頼りになるな」

 

教会の扉を開けた。

 

ジー「レーセーくーん!待ってたぜー!昨日の恨みを当社比3割増しでお返してやるよ!」

 

零誠「うん。そうだね。ちょっと俺忙しいから後でね」

 

フリー「なんだよそのテンション!俺は君にフォーリンラブ!わざわざあのシスターちゃんの『聖母の微笑み(トワイライトヒーリング)』で治してもらって会いにきたんだから。こういう時は宿敵みたいなノリで!」

 

零誠「は?昨日一方的にやられたじゃん。お前は俺の中でもう終わってから」

 

フリー「このクソ悪魔が正義の味方の俺をそういう見方してたのかよ!」

 

木場「悪魔にもルールはあるよ。ルールを守れない君よりはマシだよ」

 

フリー「モブは黙ってろ!」

 

プチッ

 

あ、なんかキレた。

 

木場「レーセーくんに小猫ちゃん。先行っていいよ。彼は僕がなんとかするから」

 

木場、めっちゃ笑顔なのに目が笑ってないよ。

 

零誠「あ、うん。じゃあ俺ら先に地下行ってるから後から来いよ」

 

木場「うん。出来るだけ早く行くよ」

 

零誠「白音行こう」

 

白音「………は、はい」

 

俺と白音は祭壇から地下に入っていった。

 

木場「『光喰剣(ホーリーレイザー)』これで君の光の攻撃を全て食らうよ。だいたい君の方がセリフが長いってどういうことなんだい?」

 

大人気ねえよ。あとメタ発言禁止。

 

それに気付いてないみたいだけど基本的に俺視点だから一緒に来ないと活躍出来ないぞ。

 

そんなことを考えながら階段を降りていくと大きな扉があった。

 

零誠「あれか?」

 

白音「………多分そうです。おそらく中に堕天使と大勢のエクソシストがいます。覚悟は出来ましたか?」

 

零誠「んなもん寝てるうちに済ませた」

 

白音が扉を開こうとすると勝手に開いた。

 

レイナ「いらっしゃい。悪魔さん」

 

神父が光の剣を構え、レイナーレは十字架に磔にされたアーシアの近くにいた。

 

アー「レーセーさん?」

 

レイナ「感動の対面だけど、今、儀式が完了したわ」

 

アー「ああぁぁぁ!!いやぁぁぁ!!」

 

アーシアの体が光り、叫ぶ。

 

レーセーはアーシアの元に駆け寄ろうとするが、

 

神父「邪魔はさせん!」

 

神父「この悪魔め!」

 

たくさんいた神父が邪魔をする。

 

バコッ!

 

白音「………にゃあ。ちょっと本気出します」

 

白音は神父をぶっ飛ばしていた。その白音の頭には猫耳が生えている。

 

レイナ「これよ!これ!私が長年求め続けていた力!このセイクリッド・ギアさえあれば、私は愛をいただける!」

 

アーシアから抜き取られた光はレイナーレに取り込まれた。

 

レイナ「うふふ!アハハハハ!ついに手に入れた!これで私は至高の堕天使になれる!私をバカにした奴らを見返せる!」

 

邪魔だった神父達を一撃で沈め、アーシアの拘束具を外した。

 

アー「……レーセーさん」

 

レイナ「無駄よ。セイクリッド・ギアを抜かれた者は死ぬわ」

 

零誠「なら返せよ」

 

レイナ「バカじゃないの?上を騙してまで行った計画なのよ。返すわけないじゃない」

 

零誠「レイナーレ。上に上がろうぜ。白音、ここは任せた」

 

アーシアを抱え、上に上がる。

 

アーシアを長椅子に寝かせる。

 

アー「………レーセーさん。……ありがとうございました。……イリナさんにもよろしくお願いしますと伝えてください」

 

零誠「生きて自分で伝えろ!」

 

アーシアは目を閉じ開けなかった。

 

木場「レーセーくん!その子は………」

 

零誠「あの神父は?」

 

木場「逃げたよ」

 

零誠「下に行って白音を手伝ってくれ」

 

木場「レーセーくんは?」

 

零誠「親玉を潰す」

 

レイナ「私を潰す?笑わせないでよ」

 

零誠「木場。行け」

 

木場は返事をせずに、ナイトの速さを生かして地下に逃げた。

 

レイナ「ナイトの子は逃がしちゃったか。後で殺せばいっか。それよりこの傷ルークの子に付けられちゃったんだけど見てみなさいよ」

 

レイナーレは傷口に手を当てると淡い緑色の光が傷口を癒す。

 

レイナ「見て。素敵でしょう?癒しの力は悪魔や堕天使には滅びの力なんだけどね。この『トワイライトヒーリング』は生きてる者なら全てを癒せる!これでアザゼル様とシェムハザ様の力になれる!」

 

零誠「俺はもう返せなんて言わねえよ。ああもう面倒だ。お前の死体から勝手に持っていく」

 

レイナ「バカなあなたにも分かるように教えてあげる。あなたのセイクリッド・ギアはただ力を二倍にするだけの力。確かにあなたの力が二倍になったら困るけど、何度も私は傷を治せるから痛くも痒くもないわ!アハハハハ!」

 

零誠「バカはお前だ。他人の力でバカにした奴を見返す?愛をいただく?役に立つ?」

 

レイナ「うっさいわね!」

 

レイナーレが投げた光の槍が零誠に刺さる。

 

零誠「プロモーション。ビショップ」

 

ブーステッド・ギア発動

 

零誠「体は武器で出来ている」

 

『Boost!』

 

零誠「血潮は鉄」

 

『Boost!』

 

零誠「心臓は硝子」

 

『Boost!』

 

零誠「幾度の戦場を越え不敗」

 

『Boost!』

 

零誠「ただ一度の敗走もなく」

 

『Boost!』

 

零誠「ただ一度も理解されない」

 

『Boost!』

 

レイナ「なんで光の毒が体を回って焼けそうなくらい痛いはずなのに詠唱し続けられるの!?」

零誠「彼の者はただ一人武器の丘で勝利に酔う」

 

『Boost!』

 

零誠「故に彼の人生に意味は無く」

 

『Boost!』

 

零誠「彼の体はきっと無数の武器で出来ていた」

 

『Boost!』

 

レイナ「そんな、ありえない。こんなことって、あなたのセイクリッド・ギアはただ力を倍にする『龍の手(トゥワイスクリティカル)』のはずでしょ!?私の魔力を越えて上級悪魔と同じいやそれ以上の魔力なんて!」

 

零誠「『無限の武器庫(アンリミテッド・ウエポン・ワークス)』起動!」

 

『Exprosion!』

 

周りの景色が変わっていき、炎が燃え、武器が地面に刺さっていた。

 

レイナ「う、嘘よ!これこそありえないわ!これは現実に干渉し侵す固有結界。そんな高等魔術を、あなた一体何者なのよ!」

 

零誠「俺、悪魔っす。そんでもって赤龍帝っす」

 

レイナ「赤龍帝?で、でも私には『トワイライトヒーリング』がある。この前最高で10連なんでしょう?なら倍になったところで私は負けない」

 

零誠「そうかよ。なら100倍だ!『千刀 剣』!」

 

零誠の後ろに1000本の刀が現れる。

 

レイナ「私はシェハザム様とアザゼル様に愛をいただくのに」

 

零誠「つまらない最後の一言だな。射出!」

 

大量の刀がレイナーレを襲った。

 



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1巻エピローグ

1巻分終了です。
1日1巻分掲載します。
7巻分まであります。
誤字、脱字もコメントください。


木場「どうやら終わったみたいだね」

 

零誠「いや。しぶとい奴だ」

 

レイナ「ううっ」

 

レイナーレは致命傷になる刀だけ撃ち落とし、刀が刺さった状態で『トワイライトヒーリング』を使い、一命をとりとげた。

 

リアス「本当にあれだけ食らって生きてるなんてゴキブリ並みの生命力ね」

 

零誠「酷い人ですね。部長見てたんですか?」

 

リアス「ええ。でも手出しされたく無かったでしょ?」

 

零誠「確かにそうですね」

 

リアス「それより堕天使さん。はじめまして。私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主よ。短い間でしょうがどうぞよろしく」

 

レイナ「ふふっ。してやったりと思っているのでしょうけど、そうはいかないわ。上には内緒だったけど私に同調した協力者はいるんだから。すぐに私を助けに来るわ」

 

リアス「彼らは助けになんて来ないわよ。堕天使ドーナシーク。堕天使カラワーナ。堕天使ミッテルト。全員私達が消し飛ばしたもん」

 

レイナ「嘘よ!」

 

リアスは黒い羽を落とした。

 

リアス「同族のあなたならこれが彼らのって分かるんじゃない?」

 

零誠「用事ってその事だったんですね」

 

朱乃「その一撃を食らえばどんな者でも消し飛ばされるという、滅亡の力を有する公爵のご令嬢。リアスは若い悪魔の中でも天才と言われてるのですよ」

 

黒歌「『紅髪の滅亡姫(ルイン・プリンセス)』の異名を持つほどにゃ」

 

滅亡姫って、今回お咎め無しで良かった。

 

リアス「それにレイナーレ。あなた一つ勘違いしてるわよ」

 

レイナ「さっき言っていた赤龍帝に関係あるの?」

 

零誠「俺のセイクリッド・ギアは『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』レア中のレア。『神滅具(ロンギヌス)』の一つ。一時的になら神や魔王すらをも超える忌まわしき神器」

 

リアス「じゃあ最後のお仕事しようかしらね」

 

リアスはレイナーレに近づく。レイナーレはガクガク震え始めた。

 

リアス「消えてもらうわ。堕天使さん」

 

レイナ「レーセーくん!私を助けて!」

 

俺に刀が刺さった体を引きずり近寄り、『トワイライトヒーリング』で俺の傷を塞ぐ。

 

レイナ「確かに私はあなたを騙して殺したわ。でもあなたを気に入ったっていうのは本当なの。何でもするから私を助けて」

 

零誠「罪には罰だ」

 

レイナ「そ、そうよね。ならあなたの手で殺して」

 

零誠「俺がお前に死より屈辱的な罰を与えてやるよ。お前は俺の使い魔にする」

 

全員『ええぇぇぇーーーーーーーーーーーーー!?』

 

白音「………堕天使を使い魔にするなんて出来るんですか?」

 

リアス「出来ないことは無いかもしれないけど、やっぱり駄目よ!いつ裏切るか分からないのに」

 

零誠「『投影開始』『エーテルライト』」

 

一本の糸をレイナーレの頭に繋ぐ。

 

零誠「お前の神経と融合させた。これでお前の体を強制的に乗っ取れるし、お前が悪事を行なおうとした時は思考がこちらに流れ込んでくる。切ろうとしてもいいが、切った瞬間に神経が焼き切れるぞ」

 

リアス「首輪は完璧ってわけね」

 

零誠「レイナーレ。死か服従か好きな方を選べ」

 

レイナ「選択肢なんてあってないような物じゃない。私はあなたに従います。我が主様」

 

リアス「でもセイクリッド・ギアはアーシアに返してもらうわよ」

 

どうやったのかリアスはレイナーレから『トワイライトヒーリング』を抜き取る。

 

そしてビショップのイービルピースを出し、アーシアの元に行った。

 

零誠「アーシアは助かるんですか?」

 

リアス「あなたと同じように悪魔に転生させるのよ。嫌がるかもしれないけど」

 

零誠「死ぬよりずっといいです」

 

リアス「我リアス・グレモリーの名において名ず。汝、アーシア・アルジェントよ。今、再び我の下撲になるため、この地に再び魂を帰還させ、悪魔となれ。汝、我が『ビショップ』として新たなる生に歓喜せよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 部室

 

リアス「あら早かったわね」

 

零誠「部長こそ」

 

リアス「レイナーレの件だけど通ったわ。あなたもはれて使い魔持ちね」

 

零誠「お疲れ様です」

 

リアス「よく分かってるじゃない。上に通すの苦労したわよ」

 

部長のはからいで今日からアーシア、黒歌、夕麻はこの学園に転校してくる。

 

チュッ

 

零誠「へっ?」

 

頬に何かが。

 

リアス「頑張ったわね。私からのご褒美よ」

 

黒歌「私もするにゃ!」

 

白音「………にゃあ、私もやります」

 

アー「私もです」

 

夕麻「主様。私も」

 

なるほど。逃げた方がいいことは分かった。

 

あー1時間目はサボりだな。



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夜と冥界と焼き鳥の花嫁
2巻プロローグ


リアス「レーセー。アーシアと夕麻二人ともあなたの家に住むことになったから」

 

零誠「さすがにもう無理です。血縁より居候が多くなります」

 

リアス「いいじゃない。賑やかで」

 

零誠「部長の家みたいに広くないんですから」

 

リアス「広ければいいのね?」

 

零誠「はい?」

 

俺はこの発言を後悔した。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数日後リアス「いえいえ。4人もうちで面倒を見る生徒を受け入れていただいたんだから当然のことですよ」

 

父親「塔城姉妹は私達が好きでやってたことですし」

 

リアス「そういう立派な姿勢を拝見したので他の2人のことも頼めるんですよ」

 

母親「立派だなんて」

 

父親「レーセーの善行に手を貸しただくですよ」

 

リアス「レーセー。随分静かね。家ではそういう感じなの?」

 

零誠「何分一晩で家が変わるなんて経験は初めてですから」

 

リアス「そろそろ学校行かないと遅刻しちゃうわ」

 

スルーですか。

 

リアス「他のみんなは先に行っちゃったし、レーセー行きましょう」

 

零誠「はい」

 

ま、いっか。これが俺の日常だ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

学校

 

松田「今日はグレモリー先輩と登校してきたんだってな」

 

元浜「いったい本命は誰なんだ!グレモリー先輩か?黒歌先輩か?小猫ちゃんか?アーシアか?夕麻ちゃんか?」

 

零誠「何、とち狂ってんだ?」

 

松田「ハーレム形成しやがって!1人寄越せ!」

 

零誠「俺の物じゃないからな」

 

元浜「頼むから誰か紹介してくれ」

 

零誠「紹介か。まぁ、いいよ」

 

松田「やっぱり持つべき物は友達だな」

 

元浜「で、誰を紹介してくれるんだ?」

 

零誠「学校の生徒じゃないけどいいか?」

 

松田「もしかして歳上?」

 

零誠「そうだな」

 

元浜「お姉さん系来た!」

 

松田「で、名前は?」

 

零誠「本名は知らないんだけど、ミルたんって言うあだ名がついてる」

 

これは俺の日常

 

ーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

リアス「さて今日からアーシアにもデビューをしてもらうわ」アーシアのビラ配りは昨日と一昨日で終わった。

 

リアス「仕事はそんなに多くないから、レーセーについて行って勉強してきなさい」

 

アー「はい。レーセーさんよろしくお願いします」

 

零誠「ああ。丁度お得意様から指名が来てるからそこに行くぞ」

 

2人で魔法陣で飛ぶ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

依頼人宅

 

零誠「こんな乱暴な召喚は初めてだ。どうやらとんでもない依頼人に引き当てられたようだな」

 

依頼人「アーチャー来た!」

 

アー「あのレーセーさん。この依頼人さんはとんでもないんですか?」

 

ネタが分からない人にやるのって予想以上にキツいものがあるな。

 

零誠「アーシア。これはこの依頼人が好きなキャラの真似だから、他のところではやらないように」

 

アー「この依頼人さんが特別なんですか?」

 

零誠「まぁ、そんなところ」

 

依頼人「この女の子は誰だい?」

 

零誠「新人のアーシア。今日は俺の見学で連れてきた」

 

依頼人「そうなんだ」

 

零誠「アーシアに変なことさせたら殺すよ(ニコッ)」

 

依頼人「あはははは。そ、そんなことするわけないじゃないか」

 

零誠「目が泳いでるぞ」

 

依頼人「それよりも!アーシアちゃんって金髪だし、セイバーの格好似合うんじゃない?」

 

零誠「アーシア。どうする?俺着替えて写真を撮るっていう依頼なんだけどアーシアもやってみるか?」

 

アー「いいんですか?」

 

依頼人「むしろお願いします!」

 

依頼人は土下座した。

 

アー「はい。分かりました」

 

零誠「先に着替えてくるから触れられたら呼べ」

 

依頼人「そこまで警戒するの!?」

 

アー「はい。分かりました。レーセーさんの言うことに間違いは無いですからね」

 

重い。純粋過ぎるアーシアの信頼が重い。

 

悪い男に騙されそうで将来が心配です。

 

アーシアに呼ばれることなく着替えが終わった。

 

零誠「アーシア、何もされなかったか?」

 

アー「はい。特に何かされることはありませんでしたけど、依頼人さんは時々壁に頭を打ち付けていましたが、何をしていたんですか?」

 

零誠「きっと邪心と戦ってたんだろ」

 

アー「そうなんですか。凄いですね」

 

依頼人「ううぅ」

 

アー「頑張ってくださいね。私応援してます」

 

依頼人「ぐおおおお!」

 

零誠「もう止めたげて!そいつのライフはもう0だ!」

 

アーシアを着替えに行かせる。

 

零誠「大丈夫か?」

 

依頼人「ああ。なんとか。あの子いい子過ぎる」

 

零誠「アーシアみたいな奴は報われないといけない」

 

依頼人「ああ。俺みたいな奴から守ってやってくれ」

 

零誠「自覚はしてんだな」

 

アー「似合ってますか?」

 

アーシアが着替え終わって戻ってきた。

 

零誠「ああ。こっち来い。髪型も整えてやっから」

 

アー「はい」

 

アーシアと2人で写真撮って、依頼は終わった。

 

これも俺の日常

 

ーーーーーーーーーーーー

 

自宅

 

夕麻「それじゃ、私達先にお風呂いただきますね」

 

リフォームで大浴場が設置された。

 

零誠「ああ。俺は最後でいい」

 

黒歌「私はレーセーと一緒に入るから行ってていいにゃあ」

 

零誠「白音。黒歌引き摺ってけ」

 

白音「………はいです」

 

女子は風呂に行き、俺は部屋で休んでいる。

 

すると床が光った。

 

零誠「グレモリー眷属の魔方陣?」

 

魔方陣から現れたのは我が主のリアス・グレモリーだった。

 

リアス「レーセー。私の処女をもらってちょうだい。早急に頼むわ」

 

これは俺の日常じゃない。

 

部長は服を脱ぎ始める。

 

零誠「は?」

 

フリーズした脳が働き始める。

 

リアス「やっぱり私じゃ駄目かしら。黒歌達の方がいい?けれどこれしか方法が」

 

零誠「自分のことを大切にしてください」

 

リアス「私の為よ。既成事実さえ作ってしまえば」

 

零誠「さっき方法って言いましたよね?なら俺が別の方法で解決します」

 

リアス「レーセー」

 

床が光り、グレモリー眷属の魔方陣が現れる。

 

しかし、現れたのは木場と朱乃さんでなくメイド。

 

???「こんなことして破談に持ち込むつもりですか?旦那様とサーゼクス様が悲しみますよ」

 

リアス「お父様もお兄様も私の話を聞いてくれないじゃない。グレイフィア」

 

メイドは頭を下げて、

 

グレイ「はじめまして。私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します」

 

リアス「あなたがここに来たのはあなたの意志?家の意志?それともお兄様の意志?」

 

グレイ「全部です」

 

グレイフィアさんは即答した。

 

リアス「そうよね。お兄様のクイーンのあなたが直々に人間界に来たのだものね」

 

グレイ「さぁ戻りましょう」

 

リアス「安心しなさい。もうこんなことしないわ。だってレーセーがなんとかしてくれるものね」

 

グレイ「レーセー?まさかこの方が『ブーステッド・ギア』の」

 

零誠「挨拶が遅れました。リアス・グレモリーのポーンを務める兵藤零誠と申します」

 

リアス「私の根城で話しましょう。朱乃を同行させてもいいわよね?」

 

グレイ「『雷の巫女』ですか。構いません。上級悪魔がクイーンを連れるのは当たり前のことですから」

 

リアス「それじゃレーセー。私を助ける方法を見つけてね」

 

部長とグレイフィアさんは魔方陣で帰って行った。

 

零誠「焼鳥編か」



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ライザー・フェニックス

部長が部屋に来た翌日

 

アーシア、夕麻、木場と一緒に部室の前まで来た。

 

木場「驚いたな。僕がここまで近づかないと分からないなんて」

 

零誠「旧校舎に入った時には気付いたぞ。昨日あったばかりの気配だったからな」

 

部室の中には部長、白音、黒歌、朱乃、そしてグレイフィアがいた。

 

うわー空気が悪い。

 

部長は機嫌が悪く、朱乃さんはニコニコしてるのに目が鋭い。

 

リアス「これで全員揃ったわね。みんなに話があるわ」

 

グレイ「お嬢様。私がお話した方が」

 

リアス「私が話すわ。実は」

 

部長の話を遮るように床が光る。

 

グレモリー眷属のマークではない。

 

???「ふぅ、人間界に来るのは久しぶりだな」

 

現れたのは赤いスーツをワイルドに着くずした男。

 

???「愛しのリアス。会いに来たぜ」

 

臭っ!こんなセリフを現実で吐く奴いるんだ。

 

部長も半眼で絶対歓迎してないよ。

 

???「さてリアス。さっそくだが式の会場を見に行こう。日程は決まっているんだし、早い方がいいだろ」

 

男は部長の腕を掴む。

 

リアス「放してちょうだい。ライザー」

 

部長はライザーの腕を振り払った。

 

ざまあ(笑)

 

零誠「木場。あのバブル時代の売れ残り的な人誰?」

 

グレイ「レーセーさま失礼過ぎますよ。上級悪魔の純潔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男でございます」

 

木場に聞いたのにグレイフィアさんが答えた。

 

グレイ「そしてグレモリー家次期党首の婿殿でございます」

 

零誠「方法ってそういうことか」

 

グレイ「リアスお嬢様とご婚約しています」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ライ「いやあ、リアスのクイーンが淹れてくれたお茶は美味しいな」

 

朱乃「痛みいりますわ」

 

朱乃さんもやっぱり不機嫌だよ。

 

この重い空気やだ。

 

換気したら少しは良くなっかな?

 

リアス「いい加減にしてちょうだい!」

 

とうとう部長がキレました。

 

リアス「ライザー!以前もあなたとは結婚しないと言ったはずよ!」

 

ライ「ああ、以前も聞いたよ。だが、そういうわけにもいかないだろ。君のところの御家事情は切羽詰まっていると思うんだが?」

 

リアス「余計なお世話だわ!私が次期当主である以上、自分で婿相手を見つけるわ!お父様もお兄様も一族の者も事を急ぎ過ぎなのよ。当初の予定では私が人間界で大学を卒業するまで好きにさせてくれるという話だったのに」

 

ライ「しかし君のお兄様は家を出た身だ。グレモリー家は君しか継ぐ者がいないんだ。君の代でグレモリー家を潰す気か?」

 

リアス「家は潰さないわ!婿養子だって迎え入れるつもりよ」

 

ライ「おお、さすがリアス!じゃあ、早速俺と」

 

 

リアス「でも、あなたとは結婚しないわ!私は私のいいと思った者と結婚するわ。古い家柄の悪魔だってそれくらいの権利あるはずだわ」

 

ライザーの機嫌が悪くなっていく。

 

ライ「リアス。俺もなフェニックス家の看板を背負った悪魔なんだ。この名前の面子を潰すわけにはいかないんだ。だから人間界のこんな狭くてボロい建物にも足を運んだんだ。だいたい俺は人間界が好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔として耐え難いんだよ!」

 

ボウ!

 

ライザーの周囲を炎が走る。

 

ライ「俺は君の下撲を全員燃やし尽くしても君を冥界に連れて帰る!」

 

殺気とプレッシャーが部室内を包む。

 

零誠「ちっちぇえな」

 

ライ「何?」

 

零誠「ちっちぇえって言ってんだよ。そんなことしねえと好きな女1人手に入れることが出来ないなんてな。自分の力で惚れさせてみろよ!それが出来ない面子なんて潰れちまえ!」

 

ライ「下級悪魔が。燃やすぞ」

 

零誠「上級悪魔様がバカにされたからってすぐに暴力かよ。とことん小物だな。いいぜ!やってみな!」

 

グレイ「レーセー様、ライザー様、落ち着いてください。これ以上やるなら私も黙って見ているわけにはいきません」

 

ゾワッ

 

俺の本能が逆らうなと言っている。

 

俺とライザーは殺気を消す。

 

ライ「最強のクイーンと呼ばれているあなたにそこまで言われちゃ大人しくするしかない」

 

ライザーは両手を上げ、降参のポーズをとる。

 

グレイ「こうなることは旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の方々も分かっていました。なので最終手段を取ります」

 

リアス「最終手段?どういうことグレイフィア」

 

グレイ「お嬢様がご自分の意志を通すというならレーティングゲームで決着をつけるというのはいかがでしょうか?」

 

リアス「なっ?」

 

ライ「へー。俺は成熟してるし、もちろん公式のゲームにも参加してる。今のところ勝ち星の方が多い。それでもやるか?」

 

リアス「ええ、や「部長、待ってください」レーセーいきなりどうしたの?」

 

零誠「グレイフィアさん。お互いの賭ける物を確認したいのですが?」

 

グレイ「構いません。ライザー様が勝った場合は予定通り式を挙げます。リアスお嬢様が勝った場合はライザー様との婚約の破棄となります」

 

零誠「ダメだ。ダメだ。全然ダメだ!そちらが先に約束であった大学卒業まで自由にさせるという約束を破ろうとしたのだから、この条件では不公平だ」

 

グレイ「ならどういう報酬を望むのですか?」

 

零誠「こちらが勝った場合は婚約についてグレモリー家は一切の口出しをしないと約束していただきたい」

 

グレイ「それはそれで不公平ではありませんか?」

 

零誠「ここでチェス盤をひっくり返す。そちらはこうなる事を予想し、ライザーを婿養子にしたんじゃないんですか?」

 

グレイ「そこまで気付いたのですか」

 

零誠「つまり、そちらの土俵で戦うのですからこれくらいの条件じゃないとレートが釣り合わないんですよ。むしろまだこっちの方が損してますよ」

 

グレイ「分かりました。先程提示された物を報酬ということにします。ライザー様はよろしくですか?」

 

ライ「どうせ勝つのだから全く構わない」

 

こうして部長とライザーの非公式のレーティングゲームが決まった。

 

ライ「なぁ、リアス。まさかここにいる面子が君の下撲なのか?」

 

リアス「黒歌以外はそうよ。何か問題でも?」

 

ライザーは笑い出した。

 

ライ「これじゃあ話にならないな。君のクイーンの『雷の巫女』くらいしか俺の可愛い下撲の相手にならない」

 

ライザーは指を鳴らすとライザーが現れた時と同じように魔方陣が発動する。

 

ライ「これが俺の可愛い下撲達だ」

 

現れたのは15人。つまりイービルピースをフルに使ってるってことだ。

 

零誠「なんで全員女なんだよ」

 

ライザーは何を思ったか、下撲の1人とディープキスをし始めた。

 

アーシア以外は何やってんだこいつ?という目で見ていた。

 

ライ「どうだ?羨ましいか?お前のような奴には一生出来ないことだ」

 

零誠「すいません。この変態焼鳥野郎を頭のお医者さんに連れていってやってください。大丈夫だよ変態焼鳥野郎くん。今から行く病院の先生は優しいから一生白い部屋で暮らすくらいですむと思うよ」

 

ブチッ!

 

あっ、協会で聞いたのと同じ音が聞こえたな。

 

ライザーは鬼の形相になっている。

 

ライ「この下級悪魔!調子こきやがって!上級悪魔に対して態度がなってねえぞ!リアス!下撲の躾はどうなってるんだ!」

 

部長は無視してそっぽを向く。

 

零誠「ごめんなさい。すみません。もう二度としないので許してください(棒読み)」

 

ライ「雪蘭やれ!」

 

雪蘭「はい。ライザー様」

 

零誠「あれ?謝ったのにキレちゃった」

 

そういや、原作じゃ一番弱いミラって奴じゃなかったけ?

バカにし過ぎて少しマジになってんのかね?

 

雪蘭は炎を纏った拳を放ってくる。

 

ブン!

 

雪蘭「えっ?」

 

雪蘭は腕を掴まれ、ぶん投げられ宙を舞う。

 

零誠「やばっ、ちょっと出しすぎたかね」

 

このまま行くと雪蘭は頭から落ちるので抱き留める。

 

零誠「大丈夫か?」

 

雪蘭「は、はい」

 

雪蘭の顔が少し赤いな。

 

白音「………お姫様抱っこ」

 

零誠「ああ、悪いな。この体制は恥ずかしかったか」

 

雪蘭をすぐに降ろしたが、顔がまだ赤い。

 

零誠「で、誰が相手にならないって?」

 

ライ「俺が直々に手を下してやる」

 

ライザーはまたキレた。

 

グレイ「お二方、いい加減にしていただけませんか?」

 

ゾクッ

 

見ればグレイフィアさんは洒落にならない程のオーラを纏っている。

 

グレイ「これ以上騒ぐなら容赦しません」

 

ライザーの眷属達はライザーの後ろに隠れていた。

 

俺の後ろにはアーシアと夕麻と何故か雪蘭が隠れていた。

 

お前ら近かったからって俺を壁にすんなや。

 

ライ「リ、リアス。レーティングゲームは10日後にしないか?今やってもいいが、それじゃあ面白くない」

 

リアス「余裕ね?」

 

ライ「初めてレーティングゲームをする君はいろいろと準備しないといけないだろ?その為の時間だよ」

 

魔方陣が光り、ライザー達は帰っていく。

 

ライ「それじゃリアス。次はレーティングゲームで会おう」



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修行

焼鳥野郎のせいであの後の部活は中止。

 

今は家にいる。

 

フェニックスか。不死を相手にするのはたりいな。

 

何回殺せばいいんだろうな?

 

風呂にでも入って考えるか。

 

ガラッ

 

零誠「あっ」

 

居候『えっ』

 

わぁ、俺知らない間に時間止める魔法を覚えてたみたい。

 

………やべぇ、今大浴場を居候達が使ってたの忘れてた。

 

零誠「悪い。直ぐに出る」

 

ガシッ

 

黒歌が後ろから抱き付いてきた。

 

零誠「何っ!?」

 

黒歌「一緒に入るにゃあ」

 

放せ!当たってるから!あれが当たってるから!

 

夕麻「そうですね。主様のお背中を流します」

 

零誠「白音とアーシアがいるんだぞ!」

 

アー「だ、大丈夫です。日本でのお風呂のルールを教えてもらっていますから」

 

零誠「こういう状況に当て嵌まるルールを俺は知らんぞ!」

 

アー「日本には裸のお付き合いという物があるんですよね?お風呂の中で親睦を深めるという」

 

零誠「それは同姓限定のみのルールだ!そんなこと教えた奴は誰だ!?」

 

アー「大切な相手と……レーセーさん。裸のお付き合いをしてください」

 

零誠「はい。話を聞いてない!白音!俺をぶん殴っていいからなんとかしてくれ!」

 

黒歌「白音ならレーセーのあれを見て気絶してるにゃあ」

 

零誠「白音ごめん!」

 

この後なんとか逃げましたよ。ええ、強化まで使って逃げましたよ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

アーシアに正座させて頑張って説明しています。

 

零誠「女の子が無闇に男性に裸を見せてはいけません。大変危険です」

 

アー「危険ですか?」

 

零誠「男の人は狼なのでいけないことをしてきます。口では言えないことをしてきます。恐いだろ?」

 

アー「はい。恐いです。ですがレーセーさんが守ってくれます」

 

零誠「俺も男だからね」

 

アー「レーセーさんも恐いことするんですか?」

 

零誠「しないよ。しないけれどね。白音!代わってくれ!」

 

リアス「なんであなた達は朝から正座してるの?」

 

零誠「あれ?俺呼んだの白音だよな?」

 

リアス「泊まりの準備をしなさい。修行しに行くわ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 リアス家所有の別荘

 

この別荘は魔力でカモフラージュされている。

 

荷物運びは俺と木場と白音でやった。

 

体を鍛えていたから楽だった。

 

女性陣は2階で着替えている。

 

木場「僕も着替えてくるけど覗かないでね」

 

零誠「串刺しにするぞ」

 

こいつのせいでBLの噂が流れんだよ!

 

零誠「俺も着替えないとな」

 

俺が着替え終わってリビングに行くともう全員揃っていた。

 

リアス「さて、早速修行を始めるわよ」

 

Lesson1 木場と剣術の修行

 

キン!キン!キン!

 

木場「レーセーくんの剣には形が無いみたいだ。君は誰かに剣術を習ったことがあるのかい?」

 

零誠「いや。経験で覚えただけだよ」

 

木場「一体君は何を経験してきたんだい?」

 

零誠「いくつかのヒーローを手伝ってきただけだよ」

 

木場「またまた」

 

本当のことを教えてやったのに。まぁ、信じろって方が無理か。

 

Lesson2 朱乃さんと魔術の訓練

 

朱乃「レーセーくんはもう魔法を覚えているみたいですが、蒸らがあるみたいなのでそこを直せばもっと純度の高い魔法が使えると思いますよ」

 

零誠「それって簡単なんですか?」

 

朱乃「アーシアちゃんがやる魔術の基礎の修行より数倍難しいですわ」

 

零誠「なんでそんなに嬉しそうな顔してんすか?」

 

朱乃「いやぁ、可愛いレーセーくんに教えてあげることが出来るなんて楽しみじゃないですか」

 

零誠「いい笑顔してますね」

 

ヤバいな。俺が下衆を相手にした時と似たような目をしてるよ。

 

ははは。この修行違うベクトルでキッツいな。

 

Lesson3 白音と格闘訓練

 

シュッ!シュッ!

 

絶賛白音の拳を避けています。

 

白音「………避けないでください」

 

零誠「俺にぶっ飛べと!?」

 

白音「………ライザーのルークに使った投げ技でも使えばいいじゃないですか」

 

零誠「無理無理。一度見られた技は二度目は通用しないんだよ」

 

白音「………なら他の技を使えばいいじゃないですか」

 

零誠「いくら数多くの技を覚えているとしても無数にあるわけじゃないんだが」

 

白音「………はぁ、真剣にやってください。面白くありません」

 

零誠「はぁ、一つ使ってやるよ」

 

白音「………来てください」

 

零誠「ふう」

 

零誠が息を吐くと白音は宙を舞った。

 

零誠は雪蘭の時と同じように抱き留め、すぐに安全に降ろす。

 

白音「………さっきのは何ですか?」

 

零誠「達人は直感で避ける。ならその直感を利用してぶっ飛ぶように避けさせればいい」

 

白音「………そんなこと不可能です」

 

零誠「さっきやって見せただろ。猫又の得意とする気を使えば俺より上手く使えると思うぞ」

 

白音「………さっきのを私が?」

 

零誠「この後は黒歌との気の訓練を一緒にやるか?」

 

白音「………はい!」

 

Lesson4 黒歌との気の訓練

 

黒歌「もっと集中するにゃあ」

 

零誠「……………おい。いい加減にしろや」

 

白音「………そうですよ。お姉ちゃん」

 

黒歌「だから集中すれば気にならないにゃ」

 

零誠「集中力を上げるのに座禅を組むのは分かる。だが、何故に抱き付いてるんだてめえ!」

 

黒歌「これが一番レーセーと白音の集中を乱せるにゃあ」

 

零誠「他に気の修行は無いのか?」

 

黒歌「私の気を体に直接流し込むって方法があるにゃあ」

 

零誠「どうやってやるんだ?」

 

黒歌「口移しにゃあ」

 

零誠「この修行でいいや」

 

すぐに座禅を組み、目をつぶる。

 

白音「………そうですね」

 

黒歌「むー」

 

ザラッ

 

零誠「首を舐めるな!」

 

Lesson5 部長と体力作り

 

リアス「はい、357、358。後142回よ」

 

零誠「キツい」

 

部長が上に乗って腕立て伏せ×500

 

この悪魔!はその通りか。

 

じゃあ鬼!鬼畜!露出魔!

 

リアス「500回追加ね」

 

零誠「マジで!?」

 

他にもランニング、腹筋などのメニューを行った。桁が一つ多いと思う物ばかりだった。

 

零誠「お、終わったー」

 

リアス「本当にやりきっちゃっわ。冗談で組んだメニューだったのに」

 

零誠「今、聞きずてならない発言があったのですが」

 

リアス「そろそろ夕食だから行きましょう」

 

零誠「話を変えないでください!」

 



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夕食

夕食時

 

零誠「食えない」

 

そりゃ当たり前だよね。

 

あんだけ動いたら気持ち悪くて喉を通らねえよ。

 

もう絶対にあんな運動しない。

 

零誠「すみませんが俺は後で取るんで残しておいてください」

 

夕麻「主様、どうしたんですか?」

 

零誠「誰かさんの冗談のせいで固形物を飲み込む自信がない」

 

朱乃「リアス。目を逸らさない」

 

アー「じゃあ、私が作ったスープだけでも飲んでください」

 

零誠「スープならいけるか」

 

アーシアからスープを受け取り飲む。

 

零誠「うん。美味いな。きっとアーシアはいい嫁さんになるよ」

 

アー「そ、そうですか!」

 

俺がアーシアを褒めると、夕麻がサラダ、黒歌が焼き魚、白音が猫まんま俺の前に出してきた。

 

零誠「あのう。固形物は厳しいって言ったよね?」

 

3人「「「じーーー」」」

 

零誠「はい。食べます。食べさせていただきます」

 

この無言の圧力に勝てる方がいたら秘訣を教えてください。

 

うえっぷ

 

零誠「3人とも美味しいよ」

 

3人は少し不満そうだけど、満足してもらえたようだ。

 

だけど今はもう無理。

 

朱乃「あらあら。私の料理は食べてもらえませんの?」

 

零誠「後で沢山食べるんで許してください!」

 

朱乃「うふふ。仕方ありませんね。本当に沢山残しておきますね」

 

零誠「限度を考えてくださいよ」

 

修行の時の顔をしてるよ。

 

リアス「レーセー。今日1日修行をやってみてどうだった?」

 

零誠「今まではずっと1人で訓練してたんで、いつもより得られる物が多い気がします」

 

リアス「それは良かったわ。レーセーと一緒に修行をしたことで他のみんなもいい影響を受けたみたいだし」

 

みんな部長の言葉に頷く。

 

こんな感じで夕食は終わった。

 

俺が後で食べる分を貰ったが、ざっと見積もって五人前はあった。

 

これは新手のいじめですか?

 

夕食の後は風呂。露天風呂があるなんてさすが金持ち。

 

いい気分でいると

 

木場「レーセーくん。僕は覗かないからね」

 

ガシッ

 

木場「なんだいこの手?」

 

ニコッ

 

ヒュン!

 

木場「うわああああ!?」

 

ドボン!

 

女子風呂に投げ入れてみました。

 

いやぁ、こんなにデカい風呂を独り占め出来るなんてな。

 

柵の向こう側がうるさいけど俺は気にしない。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

修行2日目

 

零誠「今日は勉強でしたよね?」

 

リアス「ええ、……そうよ」

 

なんか女子の元気が無い。

 

俺が作った朝食を食べた辺りからだったな。

 

零誠「もしかして朝食不味かったすか?」

 

リアス「いえ。凄く美味しかったわ」

 

黒歌「それが問題というかにゃあ」

 

レーセーは女子のプライドを粉砕した。

 

木場に悪魔のことを教えてもらった。

 

様を付けようと注意された。

 

夕麻には堕天使について教えて貰った。

 

凄く熱が入っていた。

 

アーシアに聖水の作り方や聖書について習った。

 

アーシアは聖書の一節を唱えダメージを食らっていた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「眠れない」

 

俺のベッドは黒歌、白音、アーシア、夕麻に占領されて居場所がない。

 

零誠「しゃあない。リビングのソファーで寝るか」

 

リビングに入ると部長がベランダに腰掛けていた。

 

リアス「あら、レーセー。まだ起きてたの?」

 

零誠「部長こそ何してたんですか?」

 

リアス「ふふ。ちょっとね。そうだ。少しお話ししましょ」

 

俺はベッドにしようとしてたソファーに腰掛ける。

 

零誠「部長って目が悪いんですか?」

 

部長は髪を一本にまとめ、メガネをかけていた。

 

リアス「これは気分的な物よ。メガネをかけてると頭が良く回るの」

 

部長って結構単純だな。

 

部長の近くには地図やノートが置いてある。作戦を考えていたようだ。

 

リアス「正直こんな物を読んでもほとんど意味が無いんだけどね」

 

零誠「何故ですか?」

 

リアス「普通の上級悪魔なら戦いは出来るけど問題はそこじゃないのよね」

 

零誠「つまり?」

 

リアス「ライザー。フェニックスが相手っていうのが問題なんだ」

 

零誠「フェニックスか。鳳凰。朱雀。カルラ。ラー。そして不死鳥。色んな形で神話になっていますが、共通するのは炎を纏う不死の鳥」

 

リアス「良く知ってるわね。というか私はその関連性を知らなかったわ」

 

零誠「まぁ独自解釈が入ってますからね。だいたい話は分かりました」

 

リアス「そう。不死身のキングって全くハメ技よね。まぁ、勝てないこともないのよね」

 

零誠「倒す方法は2つ。圧倒的な力で倒すか。起き上がる度に何度も何度も殺して精神を潰す」

 

零誠「何回くらい殺せば諦めると思います?」

 

リアス「2、30回くらいかしらね」

 

零誠「二桁いくのかよ。たるい」

 

リアス「レーセーがあそこまで上手くやってくれたのに負けることなんて出来ないわ」

 

零誠「大したことはしてませんよ」

 

リアス「いいえ。だって私は大学卒業以降は諦めていたんだもの。あなたのおかげで未来が夢見ることが出来るわ」

 

零誠「夢見るだけじゃダメですよ。現実にしないと」

 

リアス「ええ、そうね。レーセーには私の夢を教えてあげるわ」

 

零誠「部長の夢ですか」

 

リアス「私の夢は私をグレモリーとしてではなく、リアスとして見てくれる人と結婚することよ。グレモリーの名前には誇りを持っているわ。でも私を縛る物でもあるの。せめて結婚だけは1人の女性としてしたいの」

 

零誠「部長って歳上のお姉さんってイメージがありましたが、結構可愛いですね」

 

リアス「なっ!何を言ってるのよ!?」

 

零誠「思ったことを言っただけですよ。まぁ安心してください。俺は家柄とか関係無く部長が好きですから」

 

部長の顔は何故か赤く染まる。

 

リアス「じゃ、じゃあ私を勝たせなさい。レーセー」

 

零誠「俺の命を救った部長の未来を救います」

 

リアス「約束よ」

 

零誠「はい」

 

原作ブレイクしても俺は主に勝利をもたらす。

 



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レーティングゲーム前

現在修行パートを終え、バトルパート前の準備パート。

 

レーティングゲームが始まるまでの間自分の部屋にいることにした。

 

アー「レーセーさん。一緒にいていいですか?」

 

零誠「構わないぞ。アーシアは修道服なのか」

 

アー「はい。自分が一番いいと思う格好でしたので。悪魔になってしまいましたが、主への信仰は今でも忘れたことはありません」

 

零誠「そうか。うん。アーシアはその服が一番似合ってると思う」

 

俺は考えるのがめんどくさかったから制服にした。

 

アー「やっぱりレーセーさんといると落ち着きます。お家を出るまでこうしていていいですか?」

 

零誠「俺で良ければ」

 

ガチャ

 

ドアが開き、

 

白音「………先輩。一緒に………アーシア先輩に先をこされました」

 

零誠「白音もレーティングゲームが始まるまで一緒にいるか?」

 

白音「………はい!」

 

ガチャ

 

黒歌「レーセー!緊張をほぐしてあげるにゃ!」

 

黒歌は白音とアーシアを無視して抱き付いてきた。

 

零誠「何すんだ!」

 

黒歌「私は一緒に戦えないからにゃ。私に出来るのはこれくらいにゃあ」

 

零誠「黒歌」

 

白音「………それは口実でただ抱きつきたいだけですよね?お姉ちゃん」

 

黒歌「ギクッ!」

 

零誠「黒歌!」

 

黒歌「白音とアーシアも抱きつくにゃ!」

 

アー「は、はい」

 

白音「………今回は見逃します」

 

白音とアーシアも抱き付いてきた。

 

零誠「白音!お前の馬鹿力で押さえ付けるな!黒歌!俺の気を操んな!全く動かないぞ!」

 

ガチャ

 

夕麻「主様。………なんですか!?その羨ましい状況は!?」

 

こんな状態が学校に行くまで続いた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

部室

 

グレイ「開始10分前です。皆さん準備は出来ましたか?特にレーセーさん。少しやつれてる気がするのですが」

 

零誠「大丈夫です。気にしないでください」

 

グレイ「開始時間になったら戦闘用のフィールドの異空間に転送されます。戦闘用に作った使い捨てのフィールドなので思う存分やって構いません」

 

異空間って冥界の技術には驚かされるね。

 

グレイ「今回のレーティングゲームは両家の親族方も御覧になられます」

 

まぁ、部長の御家問題って感じだからね。

 

グレイ「そして魔王様も御覧になられます」

 

リアス「えっ!?お兄様も見られるの?」

 

零誠「あのうお兄様=魔王ってことすか?」

 

リアス「ええ。そうよ」

 

零誠「でも名字が違うじゃないですか」

 

リアス「お兄様は家を出たのよ。魔王になるなんて家も止めるわけがないしね」

 

零誠「なるほどね」

 

全く凄い家系だこと。

 

つーか、なんかむかつくな。このゲームはただの見せ物でしかなく、全員こっちが負けるって考えてやがる。

 

グレイ「そろそろ時間です。魔方陣の方へ」

 

黒歌「頑張ってにゃ。レーセー、活躍したらご褒美あげるにゃ」

 

零誠「具体的には?」

 

黒歌「私のはじめてを」

 

零誠「ヤバい。ヤル気が無くなってきた」

 

黒歌「何でにゃ!」

 

零誠「まぁ、活躍したらまた飯でも作ってくれ」

 

黒歌「しょうがないにゃ。今回はそれでいいにゃあ」

 

グレイ「なお、一度あちらへ移動したら終了まで戻ってこれませんのでお気をつけて」

 

零誠「夕麻はあっちで呼び出せるんですか?」

 

グレイ「はい。使い魔を喚び出すことは可能です」

 

零誠「夕麻。出番まで待ってろ」

 

夕麻「はい。いつでも戦えるようにしておきます」

 

そうして魔方陣が光り、俺達はその光に包みこまれた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

光が止むとそこは部室だった。

 

転移を失敗したかと思ったが、黒歌と夕麻の姿が無くなっていた。

 

グレイ『皆様。この度グレモリー家とフェニックス家のレーティングゲームの審判(アービター)役を務めさせていたたくグレモリー家の使用人のグレイフィアでございます』

 

校内放送か?放送室にグレイフィアさをいたりして。

 

グレイ『我が主のサーゼクス・ルシファーの名の下、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願いします。今回のフィールドはリアス様とライザー様のご意見を元にリアス様が在学中の『駒王学園』のレプリカを用意しました』

 

零誠「舐めてんな。ちょっとカチンときたね」

 

グレイ『両陣営、転移された先が本陣となります。リアス様の本陣がオカルト研究部。ライザー様の本陣が新校舎の最上階となっております』

 

朱乃「皆さん。この通信機を耳につけてください」

 

ハイテクだね。悪魔ぽくはないけどね。

 

リアス「これで戦場で味方同士やり取りするから」

 

グレイ『開始の時間となりました。時間制限は人間界の夜明けまでです。それではレーティングゲームスタートです』

 

キンコンカーンコーン!

 

開始の合図はチャイムかゃ!この音聞くとだれるんだよね 。



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体育館

リアス「さて、まずはポーンを倒すわ。8人共プロモーションしたら厄介だしね」

 

零誠「同感ですね」

 

リアス「レーティングゲームは戦場を使い込むことに意義がある。大抵は川とか山だけど今回の舞台は学校ね。佑斗」

 

木場「はい」

 

木場はチェスボードのように区切った学校の地図を広げた。

 

零誠「だからどこで仕入れてきたんだよ?」

 

リアス「旧校舎の周りには森があるわ。これは私達の領土だと思っていいわ。新校舎はライザーの領土ね。校庭は新校舎から丸見えだからただ通るのは危険ね」

 

零誠「ライザーがそこの森を燃やしたら不味くないすか?」

 

リアス「確かにそうね。よし。ゲーム中盤の途中に入ったら本陣を捨てちゃいましょ」

 

零誠「俺が言ったのが切っ掛けですが、思いっきりがいいですね」

 

リアス「ライザー相手にセオリー通りに戦ったところで勝てないしね。奇策で不意討ちした方が勝率は上がるわ」

 

序盤の為に白音と木場は森林に罠を仕掛けに行った。

 

零誠「そんじゃ俺は何をしますか?」

 

リアス「レーセーは一刻も早くプロモーションすることね」

 

零誠「まぁ、やっぱりそうなりますね」

 

リアス「夕麻の時はビショップしか使わなかったみたいだけど今回はクイーンを使いなさい」

 

零誠「それくらいしないと勝てませんしね」

 

リアス「実はまだあなたはクイーンにプロモーション出来ないのよ」

 

零誠「そうですね。出来ないですね?………えっ?出来ないんですか?」

 

リアス「普通の人間から悪魔になった場合身体が保たないから、身体を作ってからと考えていたんだけど、レーセーにはその心配は必要無かったみたいね」

 

零誠「じゃあとっとと出来るようにしてください」

 

リアス「じゃあ、こっちに座って」

 

俺は部長に言われた通りに部長の横に座る。

 

リアス「はい。横になって」

 

零誠「部長がいるから無理です」

 

リアス「頭を私のももの上に乗せるのよ」

 

零誠「今すぐですか?」

 

リアス「何のために白音を部室から遠ざけたと思ってるのよ」

零誠「そんな理由があったのかよ!?でも、アーシアがいます」

 

リアス「アーシア。終わったら変わってあげるわ。だからいいわよね?」

 

アー「はい!」

 

零誠「あれ?なんか買収されてる?」

 

リアス「さ、早く」

 

零誠「いや、でも」

 

リアス「早くしないと膝枕することを黒歌にバラすわ」

 

零誠「分かりました。やらせていただきます」

 

リアス「どれだけ黒歌が嫌いなのよ」

 

零誠「嫌いってわけじゃないですよ。むしろ好きです。けど部長に救いを求めた俺に黒歌の好意を受ける資格なんて無いですよ」

 

リアス「ふーん。そう考えていたんだ」

 

零誠「それよりやるなら早く済ませましょう」

 

部長に膝枕してもらう。

 

無心。そう無心になれ。俺は何も感じない。

 

リアス「レーセー。リラックスしていいのよ」

 

無理!そんなことしたらこの無心が切れる。

 

リアス「レーセー。終わったわ」

 

頭を上げ楽にする。

 

リアス「結局最後まで気を張ってたわね」

 

零誠「悪魔って凄いすね。頑張れば聴覚以外を遮断出来るんですから」

 

リアス「いや、普通無理でしょ」

 

零誠「まぁ、これで楽に「次はあたしの番ですね」ならないようだ」

 

アー「はい。レーセーさん来てください」

 

零誠「………はい」

 

また、無心にならないと。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「はぁ」

 

あの後白音と木場が帰ってきてアーシアに膝枕をされてるところを見られ、白音も膝枕されることになり、無心が延長戦に突入した。

 

リアス「レーセー、白音。体育館に入ったら戦闘は避けられないわ。予定通りに頼むわね。あそこは重要な拠点だから」

 

零誠「了解」

 

白音「こく」

 

木場「では、僕も動きますね」

 

リアス「さて、私の可愛い下撲達。準備は出来たかしら?もう後戻りは出来ないわ!相手はフェニックス家で有望視されてる才児ライザー・フェニックスよ。さぁ、消し飛ばすわよ!」

 

全員『はい!』

 

ーーーーーーーーーーーー

 

体育館

 

俺と白音は体育館の中に入った。

 

白音「………敵の気配」

 

???「グレモリーの下撲さん。ここにいるのは分かっているわ!あなた達が入って行くところを監視させてもらったんだからね」

 

体育館の壇上から雪欄、和服を着た女子、猫耳の少女が二匹、瓜二つの少女達が現れた。

 

雪欄「レーセーさんでしたか。お相手してください」

 

???「ダメですよ。雪欄さん。ライザー様に止められてるでしょう」

 

雪欄「うぅ。でもミラ」

 

ミラ「はぁ、私たちが彼を倒す前にあのルークを倒したらこちらに参加しても構いませんよ」

 

雪欄「よし!レーセーさん。あたしが勝つまで負けないでくださいね!」

 

零誠「え、ああ、うん」

 

ギュー

 

零誠「イッテ!?白音なんでつねんだよ!」

 

白音「………私が負けると思ってるんですか?」

 

零誠「いんや。早く倒して加勢してくれ」

 

白音「………じゃあポーンを頼みます」

 

白音と雪欄と戦闘を開始する。

 

零誠「任されたと言いたいんだが、数が多くないか?」

 

ミラ「ライザー様からあなたは袋叩きにしろと命じられていますから」

 

零誠「えげつねえな。まぁ頑張りますか」

 

ブーステッド・ギアを一段階上げた状態で強化と投影をした。

 

投影したのは釘バット『愚神礼賛』

 

ウゥン!ウゥン!ウゥン!

 

瓜二つの少女はチェーンソーを唸らせ、向かってきた。

 

イル「見てネル、まるでチンピラみたいね」

 

ネル「そうね。イル。あんなチンピラはバラバラに解体しちゃおう」

 

イルとネルは零誠にチェーンソーを振り上げる。

 

零誠「全く猟奇的だな。手加減してやるから全力できな!」

 

ブォン!

 

ガシャン!

 

零誠が釘バットを一振りしてチェーンソーをぐちゃぐちゃに破壊する。

 

零誠「自分より強い相手かどうか見極められるようになってから、さっきみたいな発言をしろ」

 

イル・ネル「「ご、ごめんなさい!」」

 

零誠「よし、許す。戦闘手段を無くしたお前らはゲームから退場しろ」

 

やられたら強制的に退場する時のようにイルとネルは消えた。

 

零誠「さて、後は3人か」

 

ミラ「ニィ、リィ。まだ3対1ですが、油断してはいけませんよ」

 

白音「………にゃあ。3対2です」

 

白音は雪欄を倒したようで俺に並ぶ。

 

零誠「早かったな」

 

白音「………先輩ももう2人倒したようで」

 

零誠「あの2人は真っ正面から突っ込んできたから楽だった」

 

白音「………そうですか。先輩はミラという方をお願いします。ニィとリィは私が倒します」

 

零誠「2人もいいのか?」

 

白音「………伊達にルークをやってませんにゃあ」

 

零誠「そんじゃ任せた」

 

白音「………はい」

 

俺はミラと向かい合う。

 

ミラ「その釘バットは何か詰まってますね?」

 

零誠「おっ気付いたんだ。その通り。鉛が詰まってるよ」

 

ミラ「つまりその武器は振り回すだけで凶器になるのですね」

零誠「俺も一つだけ気付いたんだが、あんたって焼き鳥の眷属の中で一番弱いだろ?」

 

ミラ「なっ!?」

 

零誠はミラが驚いている間に間合いを詰めて釘バットを振りかざす。

 

ミラ「くっ」

 

ミラは持っていた武器で防ごうとするが、その武器を壊して釘バットは直撃した。

 

零誠「やっぱり弱いな。あんたの観察眼は凄いがこの釘バットの攻撃を受けるのは間違いだ」

 

ミラはぶっ飛び、壁に叩きつけられ気絶する。

 

白音の方向を見ると白音はリィとニィを追い詰めていた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

白音サイド

 

白音「………雪欄さん。私が相手です」

 

雪欄「あなたを倒してレーセーさんに拳で思いをぶつけるわ!」

 

白音「………あなたのそれはただの暴力です」

 

雪欄「レーセーさんってどんな子が好きか分かる?」

 

白音「………普通に暴力に訴える子は嫌いだと思いますよ」

 

雪欄「いやぁお姫様抱っこなんて初めてだったな」

 

ダメだ。この人と言葉のキャッチボールが成立しない。投げた球全部スルーされてる。

 

白音「………私もしてもらいましたけどね」

 

雪欄「えっ!?」

 

白音「………しかも今日は膝枕してあげました」

 

雪欄「えぇ!?」

 

白音「………そして一つ屋根の下に住んでます」

 

雪欄「えぇーーーーー!」

 

やっと言葉のキャッチボールが成立したみたいですね。

 

雪欄「駒のトレードであなた私と代わりなさい!駒のトレードで」

 

白音「………嫌に決まってるじゃないですか」

 

雪欄「レーセーさんも私の方がいいと思うわよ。胸だってペッタンコじゃないし」

 

ペッタンコ?この人今なんて言いましたか?

 

雪欄「その胸を好きになるのってロリコンくらいでしょ」

 

ピキッ!

 

白音「………ふふふふ。あなたは私の苦しみを知らないみたいですね?牛乳を毎日毎日毎日毎日飲んでいるのに変わらない苦しみを!毎年ある身体検査に期待よりも不安が大きい苦しみを!」

 

雪欄「なんか地雷踏んだっぽいんだけど。くっ、やられる前に。先手必勝!」

 

雪欄は全身を炎で纏い、突っ込んでくる。

 

白音「………鍛えたみたいですにゃあ。後手必殺!」

 

雪欄「かはっ」

 

白音は気で手を覆って綺麗な背負い投げで雪欄を叩きつけた。

 

白音「………にゃあ。あなたの胸が垂れるように気を操りました。1ヶ月程で元に戻るから安心してくださいにゃあ」

 

雪欄「ひ、酷い!」

 

雪欄はその言葉を残し気絶した。

 

先輩のところに向かわないと。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

私は先輩と合流し、ニィとリィを倒すためにまた別れた。

 

ニィ「私達を2人まとめて相手なんて舐めてるにゃあ」

 

リィ「あっちの男性は無理でもあなただけでも倒すにゃあ」

 

白音「………にゃあ。キャラが被ってるにゃあ」

 

猫耳に尻尾。そしてにゃあという語尾。

 

白音「………あなた達2人に退場してもらわないと需要が減ってしまいそうですね」

 

ニィ「あなたを倒して出番を増やしてもらうにゃ」

 

リィ「ニィ、メタ発言は禁止にゃあ」

 

白音は話してる2人を殴るが、ニィには避けられてしまった。

 

ニィ「リィ!」

 

リィ「大丈夫にゃ。ダメージを逃がすのは得意にゃあ」

 

ニィ「だけど酷いにゃ!いきなり仕掛けてくるなんて」

 

白音「………そんなの知りませんにゃあ」

 

白音は2人を追い詰めていく。

 

零誠「白音!そろそろ時間だ!一旦戻るぞ!」

 

白音「………はい!」

 

そして先輩と体育館を出ると雷の雨が体育館を遅い、体育館を瓦礫の山に変えた。

 



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魔剣創造

部長の考えた作戦は重要拠点である体育館をあえて潰す。

 

まぁ、ライザー相手だから奇策のオンパレードするつもりだな。

 

白音「………上手く行きましたね」

 

零誠「ああ。そうだ、くっマズい!」

 

白音「にゃっ!?」

 

レーセーは白音を抱えて走り出す。

 

ドカン!

 

レーセーと白音がいたところが爆発した。

 

???「へぇー、なかなかやるじゃない」

 

上空から声が聞こえてきたので見上げるとライザーのクイーンが浮いていた。

 

零誠「初っぱなからクイーン投入するとはね」

 

???「いきなり6人もやられたら出ない訳にはいかないでしょう」

 

零誠「全くもって光栄だね」

 

???「無駄話は止めてそろそろ殺りますか」

 

朱乃「あらあら。なら私が相手をしますわ。『爆弾王妃(ボムクイーン)』のユーベルーナさん」

 

ユーベ「その二つ名は嫌いですわ。『雷の巫女』さん」

 

朱乃「レーセーくんは佑斗くんのところに向かいなさい」

 

零誠「大丈夫ですか?」

 

朱乃「あなた達にはあなた達のやる事があるでしょう?」

 

零誠「分かりました。気をつけてください。多分そいつ『フェニックスの涙』を持ってますから」

 

朱乃「あらあら。そうなんですか?『ボムクイーン』さん」

 

ユーベ「だからその二つ名は嫌いだと言ったでしょう。まぁ、持ってるかどうかは秘密ですよ」

 

朱乃「『ボムクイーン』さんは意地悪ですね」

 

ユーベ「だ・か・ら!嫌いだから呼ばないでください!」

 

うわあ、朱乃さん絶対に『ボムクイーン』って呼び続けるよ。

 

そう思いながら木場の元へ向かった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

グレイ『ライザー・フェニックス様のポーン三名リタイア』

 

やったのは消去法で多分木場だな。

 

白音「………これで九名。半分を切りましたね」

 

零誠「ああ。しかもポーンが全滅したから、もうプロモーションの心配は無いな」

 

ガシッ

 

いきなり腕を捕まれた。

 

零誠「木場だろ?」

 

木場「残念。ばれちゃったか」

 

零誠「でも触られるまで気付かなかったわ」

 

木場「修行の成果が出たみたいだね」

 

零誠「そんで状況は?」

 

木場「仕切っているのはナイト、ルーク、ビショップの3人。挑発してるんだけどなかなか乗ってこなくてね」

 

白音「………どうしますか?」

 

『Boost!』

 

零誠「お前ら出てこないならその間貯めさせてもらうわ」

 

これで炙り出せればいいけど。

 

カーラ「私はライザー様のナイトのカーラマイン!グレモリーのナイトよ!お手合せ願いたい!」

 

甲冑を着た女性が現れた。

 

零誠「すぐに出てきやがった。単純な奴だな」

 

木場「名乗られたならナイトとして相手しないとね」

 

零誠「はぁー。こっちにも単純な奴がいたよ」

 

木場「僕はリアス・グレモリー眷属のナイトの木場佑斗」

 

零誠「同じくポーンの兵藤零誠」

 

白音「………ルークの白音」

 

カーラ「嬉しく思うぞ!グレモリーの眷属にお前達のような戦士がいるとはな!真っ正面から正々堂々出てくるなんて正気のさたではないからな」

 

零誠「こいつと一緒にしないでください!」

 

木場を指差し言う。

 

木場「レーセーくんって結構酷いよね」

 

カーラ「だが私はそんなバカが大好きだ!」

 

零誠「木場、良かったな。お前告られてるぞ」

 

木場の奴告られてるじゃん。良かったね。

 

木場「ここは僕一人にやらせてくれないかい?ナイト同士一対一でやりたいんだ」

 

零誠「ナイトってそういうの好きそうだよな。俺は構わないよ」

 

白音「………私もいいです」

 

木場「ありがとう」

 

木場とカーラマインは戦闘を始めた。

 

???「暇そうだな」

 

後ろを振り向くと半分だけ顔を仮面で覆ったライザーのルークと西欧の貴族のような服を着たライザーのビショップが立っていた。

 

???「これだから頭の中が剣剣剣で埋め尽くされた連中は嫌ですわ」

 

白音「………やる」

 

???「私はやりませんわ。イザベラ。お相手してあげて」

 

イザ「最初からそのつもりだが、2対1はキツいな」

 

零誠「なら俺は不参加で。焼き鳥のルークより凄いってところ見せてやれ」

 

白音「………はあ。しょうがないですね」

 

零誠「やばくなったら手を貸すから呼べ」

 

白音「………期待せず待っててください」

 

白音とイザベラは戦闘を開始する。

 

零誠「なんで戦わないのにレーティングゲームに参加してるんだ?」

 

零誠はビショップに聞く。

 

???「戦場を見学するためですわ」

 

零誠「お前は他の下撲とは違うみたいだな」

 

???「お前呼ばわりは止めてください」

 

零誠「しょうがねえだろ。お前の名前知らないんだから」

 

レイヴ「私の名前はレイヴェル・フェニックスですわ」

 

零誠「名字が同じだがライザーとどんな関係なんだ?」

 

レイヴ「ライザー・フェニックスは私の兄ですわ」

 

零誠「身内を眷属に出来るのか?」

 

レイヴ「少し特別な方法を使ってますの。お兄様曰く『妹をハーレムに入れることが世間的に意義がある。ほら、近親相姦っての?憧れたり、羨ましがる者も多いじゃん?まぁ、俺は妹萌えじゃないから形としての眷属悪魔ってことで』っだそうですわ」

 

零誠「本気であの変態焼き鳥病院に行った方がいいんじゃねえか?」

 

レイヴ「焼き鳥って発言は私への悪口になるんのですが」

 

零誠「焼き鳥=ライザーってことだから気にするな」

 

ブウン!

 

木場は闇の魔剣『ホーリーイレイザー』を使用している。

 

カーラ「私にはそのセイクリッド・ギアは通用しない!」

 

カーラマインの剣は炎を纏う。

 

木場「じゃあ僕はこう返そうかな。僕のセイクリッド・ギアはこれだけじゃないんだよ」

 

カーラ「何を言ってる?見苦しさは剣士としての室を落とすぞ」

 

木場「凍えろ」

 

木場の空いてる手に冷気が集まり、氷の剣を形成される。

 

木場「『炎凍剣(フレイムデリート)』この剣の前ではいかなる炎は消え失せる」

 

カーラ「バカな!?セイクリッド・ギアを二つも所持してるのか?」

 

カーラマインの炎の剣は『フレイムデリート』に触れた瞬間に凍り砕ける。

 

カーラマインは懐から短剣を抜き、天に突き上げ叫ぶ。

 

カーラ「我ら誇り高きフェニックス眷属!炎と風を司る!受けよ!炎の旋風!」

 

木場とカーラマインを中心に炎の渦が巻き起こる。

 

零誠「あっつ!レイヴェルは平気か?」

 

レイヴ「ええ。私はフェニックス家の者ですから。それより敵である私を心配するんですか?」

 

零誠「別に普通だろ」

 

俺は木場の方を見直す。

 

木場は溶けたフレイムデリートを前に向けた。

 

木場「止まれ」

 

炎の旋風は木場の剣に吸い込まれ、風は止んだ。

 

木場「『風凧剣(リプレッション・カーム)』一度の戦いで2本以上も魔剣を使ったのは久しぶりだよ」

 

カーラ「他のセイクリッド・ギア所有者から奪って自分の物にする後天的な所有者なのか?」

 

木場「残念ながらそれは創ったんだよ」

 

カーラ「創っただと?」

 

木場「『魔剣創造(ソードバース)』任意で魔剣を創りだす。それが僕のセイクリッド・ギアの能力」

 

零誠「俺と若干被ってる!」

 

レイヴ「いきなり叫んでどうしたんですか?」

 

零誠「気にしないでくれ」

 

グレイ『ライザー・フェニックス様のルーク1名リタイアです』

 

………やべっ、忘れてた。

 

零誠「白音。お疲れ」

 

白音「………忘れてましたね?」

 

零誠「ナンノコトデスカ?」

 

白音「………片言になってますよ。敵のビショップと仲良く話しているみたいで」

 

零誠「木場の方を見てただけだって」

 

白音「………せっかく新技を出したのに」

 

零誠「えっ、マジで!?次は絶対に見るから機嫌直してくれ」

 

白音「………膝枕」

 

零誠「はい?」

 

白音「………今から先輩が膝枕してください」

 

零誠「はい。やらせていただきます!」

 

良かった。白音の機嫌が直ったみたいだ。

 

カーラ「数奇な物だ。どうやら私は特殊な剣を使う剣士と戦う運命のようだ」

 

木場「僕以外にも魔剣使いが?」

 

カーラ「魔剣ではなく聖剣だ」

 

木場「聖剣?」

 

うわっいきなり殺気を出すなよ。びっくりするだろうが!

 

木場「その聖剣使いのことを教えてもらおうか」

 

カーラ「あの剣士と何かあったのか?なら剣士同士剣で応えよう」

 

木場「まぁ、いいか。瀕死でも口が動けば」

 

そろそろ木場の奴止めないとマズいかもな。

 

???「ここか」

 

???「イザベラがいないじゃない。負けちゃったの?」

 

ライザーの残りの眷属のナイトとビショップが現れた。

 

???「そこのポーンくん。あなたのところのお姫様とライザー様が一騎打ちするらしいわよ」

 

ビショップが指差した方向に赤い羽と黒い羽が見える。

 

零誠「ちっ、マズい展開になりやがった」

 

アー『聞こえますか?レーセーさん!』

 

零誠「ああ。今は屋上か?」

 

アー『はい。相手から一騎打ちの提案があって、部長がそれを受けて』

 

零誠「だいたい分かった」

 

レイヴ「お兄様ったらあなた達が予想以上にやるから高揚したのかしら」

 

零誠「白音。早速だが新技見せてくれ」

 

白音「………はい。この時間を邪魔したのは万死に値します」

 

零誠「30秒稼いでくれ」

 

『Boost!』

 

レイヴ「あのブーステッド・ギアは時間が経つと厄介ですわ。シーリス、南羽風。早急にルークを倒し、ポーンを仕留めなさい」

 

白音「………簡単にやらせません」

 

南羽風「2対1なのに威勢がいいわね」

 

シー「生憎私はカーラマインとは違い、騎士道精神を持ち合わせてなくてな」

 

白音「………なら2対2にするまでです。シロいきますよ」

 

白音は使い魔の白い猫を呼び出す。

 

白音「………『鏡合わせ』」

 

シロの姿が変わり白音の姿になる。

 

シー「分身か?奇妙な技を使うな」

 

白音・シロ「「………にゃあ」」

 

白音とシロ対シーリスと南羽風の戦闘が始まる。



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共鳴

白音とシロは俺をシーリスから庇うように戦っている。

 

南羽風の魔法攻撃は投影した盾で防いで時間を稼ぐ。

 

『Boost!』

 

待ちに待った4度目の倍加。

 

『Dragon booster second revolution!』

 

いつもと違う言葉をブーステッド・ギアは発し、手の甲にあった球が手首のところにも現れた。

 

原作通りにこのタイミングでギフトが使えるようになったか。

 

レーセーの頭の中に新しい技の使い方が流れ込んでくる。

 

零誠「これはギフトじゃない!?」

 

このブーステッド・ギア、俺みたいなイレギュラーが使ってるから亜種化してやがる。

 

零誠「今はこの力に頼ってみるか。『強化開始』×『赤龍帝との共鳴(ブーステッド・ギア・レゾナンス)』!」

 

『Resonance!』

 

カーラ「ここに来ていきなり速さが上がった!?」

 

シー「くっ、あばらを3本ほど持ってかれた」

 

南羽風「攻撃が完全に見切られてる!?」

 

『赤龍帝との(ブーステッド・ギア・レゾナンス)』

 

溜めた回数を味方の人数分減らし、使った技を味方にも使用する。そして、味方の特性を得る。

 

今回の場合は4回−3人なので、木場、白音、シロにも1回分の強化を得る。

 

レイヴ「あなたの頭どうしたんですか?」

 

レイヴェルが俺の頭を指差す。

 

零誠「えっ?」

 

頭を触ると耳が生えてる。

 

零誠「えっ、猫耳!?」

 

良く見たら尻尾も生えてる。

 

※異種と共鳴すると見た目が変わる。

 

グレイ『ライザー・フェニックス様のナイト2名、ビショップ1名リタイアです』

 

木場「面白い力だね」

 

零誠「この見た目のことを言ってるのか?」

 

白音「………私とおそろいは嫌ですか?」

 

零誠「俺の猫耳って誰特だよ」

 

グレイ『リアス・グレモリー様のクイーン1名リタイアです』

 

木場「朱乃さんが!?」

 

木場と白音は朱乃さんがやられたことに衝撃を受けてる。

 

夕麻『追撃狙撃戦準備。地形データ収集。射撃用データ収集。標的を捕捉。地形誤差修正。射撃曲線形成。制御点補正完了。危険区域確認。射撃準備完了。弾種選定。装填。命中率97.89%』

 

ドオォォォン!!

 

爆発音が聞こえたと思ったら木場と白音が煙を上げて倒れてる。

 

グレイ『リアス・グレモリー様のルーク1名、ナイト1名リタイアです』

 

ユーベ「ポーン1人残りましたか」

 

零誠「一回で仕留めろ」

 

夕麻『発射!』

 

ユーベ「何を言って、っ!?グアアアア!」

 

森から発射された光の矢がユーベルーナを貫いていた。

 

零誠「相手が獲物を捕えた瞬間が最も油断する。ハンハン読み直してこい」

 

ユーベ「くっ、まだやれるわ」

 

零誠「光の毒でキツいはずなのに凄いな。じゃあまだ平気だな」

 

ユーベ「何を。グハッ!?」

 

ユーベルーナを貫いた矢は折り返し貫く。

 

零誠「夕麻に一回で仕留めろと言ったんだぞ。2発目を撃つまでもない」

 

グレイ『ライザー・フェニックス様のクイーンリタイアです』

 

屋上に向かわないとな。

 

レイヴ「まだ続けますの?」

 

零誠「そういやお前やられて無かったな」

 

レイヴ「忘れないでくださる。それて決着はもうついたのにまだやりますの?」

 

零誠「決着がついてる?非戦闘のお前しか残ってないお前らの負けか?」

 

レイヴ「笑えない冗談ですわね。不死である私達に勝てると思ってるんですか?諦めなければ奇跡が起こるなんて綺麗事を言わないでくださいよ」

 

零誠「そんな綺麗事一度も思ったことねえよ。だがなレイヴェル。諦めたら奇跡は絶対に起きないぞ」

 

レイヴ「行きますの?」

 

零誠「ああ。戦わないなら新校舎から出来るだけ離れろ。忠告したからな」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

屋上

 

ライ「リアス。もういい加減諦めたらどうだ?」

 

リアス「絶対に諦めないわ。あなたのことを2回も殺したのよ」

 

ライ「確かにあれはちょっときたな。だがあの程度なら後50回はしてもらわないとな」

 

リアス「………50回」

 

ライ「な。リザインしろ。それがグレモリー家の為にもなる」

 

ガチャ

 

零誠「アンリミテッド・ウエポン・ワークス起動」

 

『Exprotion!』

 

屋上の風景が変わる。

 

零誠「さぁ、殺しに来たぜ。焼き鳥野郎」



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正喰者

屋上

 

零誠「さぁ、殺しに来たぜ。焼き鳥野郎」

 

部長「レーセー!」

 

アー「レーセーさん!」

 

アーシアはレーセーに近寄り、トワイライトヒーリングで回復させる。

 

ライ「ドラゴンの小僧か。レイヴェルの奴見逃したのか」

 

ライザーは舌打ちする。

 

零誠「ざまあ!あいつ一回も戦ってなかったぞ。ネタに走ったお前が悪いんだよ」

 

ライ「この下級悪魔が。まぁいい。俺1人で十分だ」

 

リアス「ふざけないで!」

 

部長が放った魔力の塊はライザーの上半身を消し飛ばした。

 

だがライザーの体はすぐに形成され、無傷の姿に戻る。

 

ライ「もう一度言う。リザインしろ。これ以上は見苦しいぞ。君のお父様とサーゼクス様に格好つかないだろ。こうなることは決まってたんだ。チェックメイトだ」

 

リアス「黙りなさい!キングは健在だわ。最初から決まっていた?キングは健在だわ」

 

零誠「その通りです部長。アーシアと一緒にここを離れてください」

 

リアス「何を言ってるの?」

 

零誠「キングがやられなければ俺は戦い続けられますから」

 

リアス「でも」

 

零誠「焼き鳥野郎。部長に申し込んだ一騎打ちを俺が代わりに受ける。構わないだろ?」

 

ライ「2対1でも厳しいのに1人で俺に挑むなんてな。俺は全く構わないだろ」

 

アー「私も残ります」

 

零誠「ダメだ。アーシアがいればケガしても平気なんだ。部長と一緒にいけ」

 

アー「………分かりました。でも絶対に私と部長のところに勝って戻ってくると約束してください」

 

零誠「約束するよ」

 

リアス「やっぱり駄目よ!レーセー1人に任せるなんて」

 

零誠「部長。あなたのポーンは最強です。必ずあなたの夢を叶えます」

 

リアス「レーセー」

 

アー「部長行きますよ」

 

アーシアに手を引かれて屋上から退場する。

 

ライ「リアスの夢なら俺が叶えてやるから安心して消し炭になりやがれ」

 

零誠「お前じゃ絶対叶えられねえよ」

 

『Boost!』

 

零誠「展開」

 

レーセーの後ろに大量の武器が現れる。

 

零誠「射出」

 

武器は一斉にライザーに向かって飛び、串刺しにする。

 

ライ「グハッ」

 

ボワッ!

 

ライザーの体は炎に包まれ、炎が消えると武器は溶け落ち、ライザーは無傷になっていた。

 

『Boost!』

 

ライ「確かにいい攻撃だが、俺の前じゃ無意味だ」

 

零誠「んなこと知るかよ!『抱腹絶刀』」

 

レーセーは黒い板のような刀を振り、ライザーに切りつける。

 

そのまま何度も斬る。

 

ライ「くっ、かっ、かはっ。いい加減にしろ!死なないからと言って痛みがないわけじゃないんだぞ!」

 

ライザーはレーセーの剣を避けようとするが、全く避けることが出来ない。

 

零誠「どんなダメージもすぐに完治する。どんな相手でも一撃で消し炭にする。そんな奴が戦い方を知っているわけねえよな!」

 

『Boost!』

 

ライ「うるさい!」

 

ライザーは距離を取り、巨大な火の玉を飛ばしてきた。

 

その火の玉を剣でなんとか防ぐ。

 

零誠「頑丈が取柄の『絶刀 鉋』にして正解だったわ」

 

『Boost!』

 

ライ「ギャーギャー喚きやがって。もう一度同じのぶち込んでやっから格好よく敗者復活戦でもしてみやがれ」

 

同じと言ったが、ライザーが出した火の玉は先程の倍の大きさはある。

 

零誠「『織天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』」

 

七つの花弁が現れ、火の玉が当たると一枚ずつ花弁が消えていき、全て無くなったときには火の玉は消えていた。

 

零誠「その程度の投擲攻撃は防ぎきれる」

 

『Boost!』

 

ライ「何でお前は俺とリアスの幸せを邪魔するんだ!」

 

零誠「お前の幸せであって部長の幸せじゃないだろ」

 

ライ「良家の俺と一緒になれるんだぞ。女にとってそれ以上の幸福があるわけないだろ」

 

零誠「やっぱダメだ。お前なんかと結婚したら部長の笑顔が見れなくなっちまう」

 

『Boost!』

 

零誠「アンリミテッド・ウエポン・ワークス・セカンド・シフト『正喰者(リアルイーター)』」

 

『Exprotion!』

 

レーセーが口を大きく開くとアンリミテッド・ウエポン・ワークスによって作られた景色が口に吸い込まれていく。

 

ライ「なんだこれは!?こんな現象見たこと無いぞ!」

 

零誠「『致死武器(スカーデッド)』構築」

 

レーセーは何のモーションをしてないのにライザーは切り刻まれる。

 

ライ「不可視の攻撃か?いや、物質の熱量は感じなかった」

 

零誠「リザインしろ。ライザー。お前は不死だから壊れちまう」

 

ライ「ちゃんと名前で呼んだと思ったら、いきなり何を言い出しやがる?」零誠「『リアルイーター』これはスキルを作る能力。『アンリミテッド・ウエポン・ワークス』を体の中に取り込むことでスキルを武器として作るんだ。いくつか制限があって使い勝手が悪いんだがな」

 

ライ(そんなことしたら下手すりゃ体が壊れる。こいつ頭おかしいんじゃないか?)

 

ライ「それで作ったのが相手を切り刻む能力か?その程度ならすぐに治して」

 

零誠「俺が作ったのは傷口を開く能力だ。不死であるお前は今までどれだけの重症を負ってきた?どれだけ死んできた?お前はそれに耐えられるのか?」

 

ライ(ふざけんじゃねえ!このレーティングゲームだけでもう5回は死んだんだぞ!)

 

ライ「………だが、負けを認めるわけにはいかないよな。こっちはフェニックス家の看板背負ってるんだからな」

 

零誠「お前のその精神に敬意を払い、リアルイーターの欠点を教えるよ。欠点は3つ。

①作成したスキルを使えるのは一時間のみ。

②今の段階だと一度に作れるスキルは一つ。

③一度作ったスキルは二度と作れない。」

 

ライ「つまり一時間耐えきればこっちの勝ちってことだな」

 

零誠「まぁそういうことだな。まず30分頑張ってみろ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

30分後

 

ライ「はぁはぁはぁ。グホッ!」

 

ライザーは30分間切り刻まれるのと回復を繰り返した。

 

零誠「お前凄い根性だな」

 

ライ「舐めるな!この程度の死線初めてじゃない!」

 

零誠「ならこっちも本気でやらなきゃ失礼だな。『バズーカデッド』!」

 

さっきの比ではない速度でライザーは死亡の回数を増やしていく。

 

ミシッ!ミシミシミシッ!

 

ガガガガ!ズドーン!

 

校舎が軋み、崩れる。

 

零誠「接合部まで傷口と認識したか」

 

レーセーは羽を出して空中にいるが、ライザーは崩れた時に上半身が無くなっていたため、羽が出せずに倒壊に巻き込まれた。

 

グレイ『ライザー・フェニックス様リザイン。リアス・グレモリー様の勝利です』

 

校舎と一緒に原作もぶっ壊した。



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2巻エピローグ

ライザーを倒した俺は、魔王様の前にいた。

 

うわー。普通に考えたら縁談を一つぶっ壊したんだから、皆さん気分がいいわけないですよねー。

 

サー「レーセーくんと言ったかね?」

 

零誠「はい。リアス・グレモリーの眷属、ポーンの兵藤零誠です」

 

サー「では、レーセーくん」

 

何がくるんだ?もしかして死刑?魔界って弁護士てきなの居んのかな?まさか裁判無しで死刑ってのは無いよな。

 

サー「さっきのレーティングゲームご苦労だったね。楽しませてもらったよ。褒美を与えたいんだけど何か欲しい物はあるかい?」

 

零誠「はい?」

 

ご苦労?褒美?欲しい物?

 

サー「大抵の物は与えることが出来るよ。勲章かい?爵位かい?土地かい?それとも絶世の美女かい?」

 

零誠「ちょっと待ってください。あのう、怒ってないんですか?」

 

サー「怒る?なんでだい?」

 

零誠「だって俺はグレモリー家とフェニックス家の縁談を潰したんですよ」

 

サー「実は最初はグレモリー家は全員ライザーくんを応援してたんだ」

 

零誠「まぁ、予想はつきます」

 

サー「そもそも誰もリアスが勝つなんて思って無かったしね。でもゲームが進むたびにみんな変わっていったんだ」

 

零誠「変わっていったですか?」

 

サー「うん。レーセーくんがみんなを変えたんだよ」

 

零誠「俺が」

 

サー「みんな君の戦いに惹かれていったんだよ。グレモリー家だけじゃなくてフェニックス家の中にもリアスを応援する者が現れるくらいだからね」

 

零誠「それは本当ですか!?」

 

サー「フェニックス家の現当主からは『ライザーに敗北を教えてくれたことを感謝する』と伝えてくれと言われたからね」

 

零誠「俺は自分のために頑張っただけですから」

 

サー「それで褒美は何がいいんだい?」

 

零誠「なら1つ頼みたいんですが、俺がやることに目をつぶってもらえませんか?」

 

サー「どういうことだい?」

 

零誠「少し前に堕天使を使い魔にしたでしょ。ああいうことがこれから何度かあると思うんです」

 

サー「あれのことか。確かにあれは前代未聞だったね。分かった。大抵なことには目をつぶるよ」

 

零誠「ありがとうございます。サーゼクス様」

 

サー「堅苦しいな。お義兄さんで構わないよ」

 

零誠「発音が少しおかしくないですか?」

 

サー「いや、これで合ってるよ。1つ聞きたいんだけどあのままリアスが結婚したら絶対に幸せにはなってたとしたら、君はどうしていたんだい?」

 

零誠「やることは変わりませんでしたね。部長には幸せになるよりも先に自由になって欲しかったですから」

 

サー「ふふふ。レーセー君は面白いね」

 

零誠「そうですか?」

 

ガチャ

 

グレイ「失礼します。サーゼクス様」

 

部屋にグレイフィアさんが入ってきた。

 

サー「そろそろ時間か。いやぁ、久しぶりにリアスを入れて家族全員で食事でね。なんならレーセーくんも一緒に食事するかい?」

 

零誠「いえ、家族水入らずで楽しんでください」

 

サー「そうか。レーセーくんにふられちゃった。残念だな」

 

零誠「そういうキャラは木場だけでいいんでやめてください」

 

サー「そうかい?でも一緒に来てくれればリアスも喜ぶと思うんだが」

 

零誠「部長が?なんでですか?」

 

サー「………君は良く鈍感や唐変木と言われないかい?」

 

零誠「よく分かりましたね。どうしてなんですかね?」

サー「分からないならいいや。それじゃあ次は中級試験で会おう」

 

サーゼクス様は部屋から出て行った。

 

零誠「はい?」

 

本日2回目のはい?が出た。

 

グレイ「今回のレーティングゲームでレーセーさんは中級試験を受けることが決りました」

 

零誠「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」



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簡単に作れるので聖剣のありがたみを感じません。
3巻プロローグ


部室

 

リアス「レーセー。凄過ぎて、嬉しく思うよりも驚きが大き過ぎるわ」

 

中級試験のことが部員のみんなに伝わりました。

 

零誠「はい。俺も驚いてます。すーすー」

 

リアス「こら。話の途中で寝ない」

 

黒歌「ていうか、立ったまま寝るって器用にゃ」

 

零誠「昨晩、全然寝れなかったんでキツくて」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

昨晩

 

ガチャ

 

寝ていた俺は扉が開く音を聞いて、目が覚めた。

 

零誠「黒歌。自分の部屋にも…………」

 

リアス「起きちゃった?ごめんなさいね」

 

零誠「なななな」

 

リアス「77?」

 

零誠「なんで裸でここに居るんですか!?」

 

リアス「私寝る時は裸だから」

 

零誠「ヤバい!日本語なのに言ってる意味が分かんねえ!」

 

ガチャ

 

アー「レーセーさん。大きな声を出して………部長!?」

 

零誠「この後どうなるのか予想出来たよ!」

 

白音「………部長が居るんですか?」

 

黒歌「何があったにゃ?」

 

夕麻「主様。どうしましたか?」

 

リアス「あなた達もレーセーのところに来たの」

 

全員『私達も脱ぎます(脱ぐにゃ)!』

 

そう言ってみんな服を脱ぎ出す。

 

はい。予想通り。

 

こうなったら

 

零誠「バルス!」

 

ブスッ!

 

零誠「目がっ!目がぁぁぁ!」

 

黒歌「自分に目潰しって、何とち狂ってるにゃ!?」

 

今度ドアに新しい鍵をつけよう。うんと頑丈なやつ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

回想終了

 

零誠「えっと、中級試験の話でしたよね?いつあるんですか?」

 

リアス「あなたが受けるのは7月の最後の辺りよ」

 

零誠「夏休みですか。結構先ですね」

 

リアス「中級試験を受ける人数が少ないから、試験自体少ないのよ」

 

木場「素直に喜べないな。こんなに早く抜かれるなんて」

 

白音「………仕方ないですよ。あのレーティングゲームで最初から最後まで活躍してたのはレーセー先輩ですから」

 

朱乃「そうですね。ヒーラーのアーシアちゃんとキングのリアスを抜いたら、戦績が1位がレーセーくん。2位が白音ちゃん。3位が木場くん。そしてビリが私ですものね」

 

零誠「いや、朱乃さんの相手のクイーンはフェニックスの涙を持っていたんですから仕方ないですよ」

 

朱乃「フォローしてくれてありがとう」

 

3人『はー』

 

暗い!3人の周りだけ電気がついてないんじゃないか?

 

リアス「あっ、私ちょっとお茶淹れてくるわね!」

 

零誠「いえいえ。主にそんなことさせるわけにいきませんよ!(逃がしませんよ!)」

 

夕麻「それを言ったら、使い魔である私が!(この空気から逃げるのは私よ!)」

 

アー「喉が渇いてるんですか?じゃあ、私が淹れてきますね(ニコッ)」

 

3人『え、あ、うん。じゃあお願いするよ(わね)』

 

3人ともアーシアの純粋さに屈服した。

 

黒歌「でもレーセー。レーセーの成長速度って赤龍帝ってことを抜きにしても少し異常過ぎないかにゃ?」

 

いつもならあの空気から真っ先に抜けようとする黒歌が黙っていると思ったら、そんなこと考えてたのか。

 

白音「………使い魔である夕麻さんも一撃でクイーンを倒してましたし」

 

木場「確かにそうだね。何か秘密があるのかい?」

 

朱乃「あるなら私にも教えてください」

 

夕麻「私が一撃でクイーンを倒せたのは完璧な不意討ちだったからですけど、あの技は主様が考えた訓練メニューで得たものですね」

 

リアス「訓練メニュー?どうやってレーセーは内容を決めてるの?」

 

零誠「えっとですね。部長は俺が最も得意とする魔法って何だと思います?」

 

リアス「うーん。やっぱり強化か投影よね。どっちなの?」

 

零誠「実は正解はその2つのどちらでも無く、構造理解の魔法なんですよ」

 

この発言にみんな驚く。

 

零誠「強化も投影もちゃんと理解しないと上手くいかないんですよ。つまり構造理解は俺の魔法の全ての基礎なんですよ」

 

リアス「なるほど。でもあなたの一番得意な魔法が構造理解ということは分かったんだけど、訓練メニューと何の関係があるの?」

 

零誠「まだ分かりませんか?自分の体の構造を理解し、その日にどの訓練が最も有効なのかを調べるんですよ」

 

リアス「なるほど。つまりあなたの体は徹底的に効率良く鍛えてあるのね」

 

零誠「はい。凄い時だと食事までそれで決めてましたから」

 

木場「僕達にも訓練メニューを作ってくれれば良かったのに」

 

零誠「俺は全然構わないんだけど、訓練メニューを作る構造理解は細部まで見るから個人情報がまる分かりになるんだよ」

 

黒歌「細部ってどれくらいかにゃ?」

 

零誠「体形はもちろんのことあの日なのかどうかまで幅広く分かる。だから木場はいいとして、女子にはオススメしないな」

 

朱乃「でも夕麻ちゃんにはやったんですわよね?」

 

白音「………不潔です」

 

零誠「人の部屋で脱ぎ出す奴に不潔って言われたくないわ!だいたい夕麻には了解を得てるよ」

 

夕麻「はい。私は主様の所有物なのですから管理されて当然です」

 

零誠「………最近夕麻の純情さが恐い」

 

木場「じゃあ、その方法で僕に訓練メニューを作ってくれないかい?」

 

零誠「分かった。今から1週間分のメニュー作るわ。『構造理解』」

 

木場にあったメニューを紙に書いて渡す。

 

零誠「注意点なんだが、このメニューをきっちりこなせよ。それより多くても少なくてもダメだからな」

 

木場「多くてもダメなのかい?」

 

零誠「多いと成長しずらくなる時があるからな。あとケガとかしたら作り直すから言ってくれ」

 

木場「うん、分かった。ありがとう」

 

零誠「どういたしまして」

 

黒歌「次は私の番にゃ!」

 

零誠「おい!さっきの聞いてなかったのか?」

 

黒歌「聞いてたけど、レーセーに見られて困ることなんて無いにゃ。むしろ見て欲しいにゃ」

 

零誠「この痴女が!」

 

白音「………わ、私もお願いします」

 

零誠「白音も!?黒歌を見習ったらダメだ。あれはダメな大人の見本だぞ」

 

白音「………私も強くなりたいんです。先輩の隣で戦えるくらい強く」

 

零誠「白音」

 

アー「私もお願いします。私もせめて自分の身は自分で守れるようにしたいです」

 

零誠「アーシアまで」

 

リアス「私も頼むわ。キングがやられたらみんなが強くなっても意味が無いしね」

 

零誠「はー、分かりました。みんなの分作りますよ」

 

朱乃「ごめんなさい。私はいいです」

 

零誠「そうですか。まぁ、これが普通の反応ですしね」

 

こうして朱乃さん以外の分の訓練メニューを作った。

 

個人情報を知られた方は恥ずかしいのは当たり前だけど、知った方も結構恥ずかしいもんだね。

 

あー、忘れたいけど忘れたくない。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

今日はドアに頑丈な鍵をつけて、壊したら1週間口聞かないと言っておいたから平気だろう。

 

というわけで現在夢の中。

 

目の前にドライグがいる。

 

ドラ「久しぶりだな。相棒」

 

零誠「ああ。つーか、お前寝坊すんなよ。結構話が進んじまったよ」

 

ドラ「そうみたいだな。………この場所って前もこんな感じだったか?」

 

零誠「アア。コンナカンジダッタゾ」

 

ドラ「そうか。気のせいか。それじゃあ、俺の目ってこんな色だったか?」

 

零誠「ソンナイロダッタゾ」

 

ドラ「んな訳ねえだろ!なんで俺がオッドアイになってんだよ!?」

 

ドライグの右目は白目のところが黒く、黒目のところが金色になっている。

 

ドラ「景色だって前まで何も無い真っ白な空間だったのに、武器が地面にいくつも刺さってるし、地平線に炎が燃えてをじゃねえか!」

 

アンリミテッド・ウエポン・ワークスで現れる空間になっている。

 

ドラ「俺が寝ている間に何があったんだよ」

 

零誠「高2になってからいろいろあったよ。結果だけ言うと、悪魔になって、堕天使を使い魔にして、フェニックスをぶっ倒して、今度中級悪魔になる予定だ」

 

ドラ「その結果に至るまでに何があったかを教えやがれ!」

 

説明中

 

ドラ「………お前頭おかしいんじゃねえか?」

 

零誠「てめえ喧嘩売ってんのか!」

 

ドラ「いや、だってお前の生活ぶっ飛び過ぎだろ!普通死ぬし」

 

零誠「………確かに。なんで俺生きてんだろ?」

 

ドラ「ま、これからは俺が相棒と一緒にいてやる」

 

零誠「任した」

 

ドラ「任された。だいたいこんな面白い所有者簡単に死なせてたまるか。俺を発動した時から亜種化させるなんてな」

 

零誠「やっぱりあれ亜種化だったか」

 

ドラ「さて、そろそろ起きろ。白いのが来た時のために頑張れ」

 

この言葉を聞いて俺は目が覚めた。



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使い魔

リアス「なるほど。使い魔か」

 

零誠「はい。アーシアが身を守るのに一番の近道は使い魔だと思うんです」

 

リアス「なら早速使い魔を準備しに行きましょうか」

 

魔方陣で転送される。

 

早っ!?なんか展開が早過ぎる!

 

ーーーーーーーーーーーー

 

魔界

 

リアス「ここは使い魔に出来る生き物が生息する森よ。アーシアにはここで使い魔をゲットしてもらうわ」

 

アー「はい。頑張ります」

 

森は結構深く、大木ばかりで少し暗い。

 

???「ゲットだぜ!」

 

声のした方向を見ると木の枝の上に帽子を深く被った男子がいる。

 

ザト「俺はマダラタウンのザトゥージ!世界一の使い魔マスターを目指してる悪魔だ!」

 

零誠「質問なんだが、お前の一番の使い魔はなんだ?」

 

ザト「俺の相棒は雷マウスのビリチューだ」

 

零誠「お前は中国産のパチモンか!?」

 

リアス「ザトゥージさん。例の子を連れて来ました」

 

ザト「ほー。この金髪の美少女さんか。まぁ、俺に任せたら君たちもどんな使い魔だって一発でゲットだぜ!」

 

リアス「アーシア。ザトゥージさんは使い魔のプロフェッショナルだから、協力してもらって使い魔を手に入れるぞ」

 

アー「よろしくお願いします」

 

ザト「任せとけ。それで、どんな使い魔をご所望だい?強いの?速いの?毒持ち?」

 

アー「毒持ちはいいです。オススメはなんですか?」

 

ザト「オススメか。うーん、一番はヒュドラだな」

 

 

ザトゥージが出したカタログに頭がいくつもある蛇の絵が描かれている。

 

ザト「こいつはスゲーぞ!不死身だし、主さえ裏切る獰猛さ。そして猛毒でどんな奴でも耐えられない!」

 

零誠「いきなり要望を無視してんじゃねえよ!」

 

ザト「じゃあ、これだ」

 

次に描かれているのは一匹の龍。

 

ザト「龍王の一角『天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)』ティアマット!龍王で唯一のメスでまだ誰もゲットしたことがないからな。なんせ魔王並みに強いからな」

 

アー「そんなラスボス的なのはいいです」

 

零誠「よし。俺がそいつを使い魔にする。ザトゥージ、案内しろ」

 

ザト「えっ!?えっ!?えっ!?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ティア「赤龍帝よ。わらわを使い魔にしたいと申すか」

 

零誠「俺と契約して使い魔になってよ(キューベー風)。なってくれたらこいつ食っていいよ」

 

ぐるぐる巻きにしたザトゥージを指差す。

 

ザト「えっ!?俺って生け贄!?ふざけてあんなこと言うんじゃなかった!」

 

ティア「そんな汚い物をわらわは食わぬ」

 

零誠「なら、どうすれば契約してくれんだ?」

 

ティア「わらわより弱い者につくつもりは微塵とない。わらわにそなたの力を見せよ!」

 

零誠「バトルパートに突入ってわけか。そっちの方が分かりやすい!」

 

ザト「俺帰っていいよね?早くこれ解いて!うわ!危なっ!?火の玉飛んできやがった!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

一時間後

 

リアス「おかえりなさい。レーセー」

 

零誠「ただいまです」

 

アー「それでどうでしたか?」

 

零誠「勝負は引き分けで友達から始めることになった」

 

ザト「ぜーぜー、もう絶対に冗談は言わない」

 

アー「えっと、待ってる間に考えたんですけど、精霊を使い魔にしたいです」

 

ザト「精霊かい?分かった。こっちだ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ザト「ここだ。この泉には精霊が現れるんだ」

 

綺麗な泉で水は澄んでいた。

 

ザト「この泉に現れるのは、水の精霊ウンディーネ」

 

ウンディーネか。清き心を持つ乙女だっけか。

 

ザト「来たぞ。ウンディーネだ」

 

泉が光り、髪と肌が透き通った水色の乙女が………鍛えられた上腕筋、胸筋、腹筋。顔に大きな傷を持つあれを乙女と表記していいのか悩むのだが現れた。

 

ザト「あれがウンディーネだ」

 

零誠「あれのどこが乙女だ!あれが乙女ならボクシングジムはアイドル事務所だよ!」

 

ザト「ウンディーネの世界は実力主義なんだ。弱いと泉を手に入れることが出来ない」

 

泉のもう一匹ウンディーネが現れて、殴りあいを始めた。

 

零誠「精霊なのに魔法とか使えないのかよ」

 

アー「レーセーさん。ウンディーネはちょっと恐いです」

 

零誠「同感だよ。俺の依頼人の魔法少女?と被る」

 

ザト「よし。なら取って置きの奴を紹介してやる」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)?」

 

ザト「青い雷激を使うドラゴンだ」

 

零誠「そいつは危険じゃないのか?」

 

ザト「ティアマットと互角にやり合った奴の危険がどれくらいなのかは分からないが、まだ子供らしい。だからゲットするなら今のうちだな。成熟したら厄介だからな」

 

ザト「居たぞ!スプライト・ドラゴンだ」

 

零誠「子供だけあって人形みたいだな」

 

アー「きゃっ!」

 

零誠「スライム?」

 

ネバネバした物が女子部員に引っ付いてた。

 

上からどんどん降ってくる。

 

木場「スライムか」

 

零誠「正解か」

 

アー「うぅ、服が溶けます」

 

零誠「バルス!」

 

ブスッ!

 

ザト「いきなりかよ!?」

 

アーシアが言った通り、女子部員の服は溶けている。

 

零誠はすぐにザトゥージに目潰しをして、目をつぶる。

 

アー「イ、イヤァァァ!」

 

零誠「どうした!?」

 

アーシアの叫び声を聞き、目を開けるとにょろにょろしてる物が女子部員に。

 

零誠「触手?」

 

ザト「多分、それは触手で合ってる。スライムは服を溶かし、触手は女性の分泌液を好むんだ。だからそいつらは組んで獲物を狙うんだ」

 

零誠「エロゲーに出てきそうな奴らだな」

 

アー「レーセーさん。なんとかしてください」

 

零誠「ああ。触手をぶった切るから、部長と朱乃さんと夕麻は魔力で、白音と黒歌は気でスライムを消し飛ばせ。アーシアは早く終わった奴に取ってもらってくれ」

 

俺は触手を片っ端からたた切っていく。

 

しかし、次々に現れてきりがない。

 

バチッ!

 

青い雷が降ってきたスライムを撃退した。

 

零誠「スプライト・ドラゴンか」

 

こちらにも電撃がこっちにも飛んできた。

 

零誠「危ないな」

 

ザト「ドラゴンの雄は他種族の雄が嫌いだ」

 

焦げたザトゥージが説明してくる。

 

スプライト・ドラゴンはどんどん雷を飛ばしてくる。

 

イラッ

 

零誠「『投影開始』」

 

大量の剣がスプライト・ドラゴンを囲む。

 

零誠「少しお痛がすぎるぞ。アオチビ」

 

スプ「キュー」

 

スプライト・ドラゴンはレーセーの力を理解し、大人しくなる。そしてアーシアの後ろに隠れる。

 

零誠「アオチビはアーシアのことを気に入ったみたいだな」

 

こうしてスプライト・ドラゴンはアーシアの使い魔になった。



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アルバム

本日は旧校舎を改装することになってるので、兵藤家で部活をすることになりました。

 

零誠「まぁ、別にうちで部活をやるのは構わないんですけどね」

 

アー「レーセーさん。可愛いですね」

 

零誠「俺のアルバムが開かれてるのは何故だ!?」

 

俺以外のみんなが俺のアルバムを見ている。

 

これまでの流れ。

 

①みんながうちに来る。

 

②俺の部屋でやることになる。

 

③黒歌がエロ本を探し始める。

 

④エロ本の代わりにアルバム発見。

 

⑤現在

 

零誠「明らかに黒歌のせいじゃねえか!」

 

黒歌「個人のせいにするのはいけないにゃ。嫌な気分になるにゃ」

 

零誠「羞恥という形で俺は嫌な気分になってるよ!」

 

全員『静かに!』

 

零誠「俺の家なのに俺アウェイ!?」

 

みんなスゲー集中してるよ。俺のアルバムなんてそんなに良いものじゃないだろうに。

 

白音「………この先輩にお姉ちゃんって呼んで欲しいですにゃ」

 

朱乃「この頃に会ってたら育てて収穫してましたのに」

 

夕麻「この頃の主様に会っていたら、即お持ち帰りですね」

 

黒歌「私とレーセーの子供はこれに猫耳着けた感じかにゃ?」

 

リアス「ちっちゃいレーセー。ちっちゃいレーセー。ちっちゃいレーセー」

 

零誠「まともなコメントが無い!?」

 

木場「ねー、レーセーくん。この写真の子って知り合いかい?」

 

木場が一枚の写真を示す。

 

零誠「ああ。そいつはイリナって名前で幼なじみだ。まぁ、引っ越しちまったみたいだがな」

 

アー「イリナさんなら私の友達でもあります」

 

木場「そうなんだ。じゃあこの後ろの男性は分かるかい?」

 

零誠「いや、覚えてないな」

 

木場「そうかい。………その男性が持っているのは聖剣だよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 教室

 

松田「今日も部活か?」

 

零誠「球技大会についてするんだとよ」

 

元浜「オカルト研究部ってスペック高いよな」

 

ま、全員悪魔だしね。

 

零誠「松田も十分スペック高いだろ」

 

松田「他の部員がもやしばかりだからうちは無理無理」

 

元浜「そういやレーセー。お前変な噂流れてるから気をつけろよ」

 

零誠「変な噂?」

 

元浜「美少女をとっかえひっかえしてる野獣レーセー。二大お姉様の秘密を握り、鬼畜三昧、乱交に次ぐ乱交を重ねてるという」

 

ブフォッ!?

 

驚き過ぎて弁当吹いちまったじゃねえか!

 

松田「噂にはまだ続きがある。学園のマスコットの子猫ちゃんにまでレーセーの魔の手は回る。無理矢理あのロリロリボディを性欲の捌け口にしている。そして止めて欲しかったらお前が代わりになれと黒歌先輩に持ちかけ、今では姉妹丼を食っている」

 

零誠「ちょっと待て一体誰がそんなことを」

 

元浜「そしてとうとう2人の転校生の元にもレーセーは手を出した。一つ屋根の下で2人に日本の常識を教えると言って堕落させていく」

 

堕落って2人は教会から追放されたみたいだけよ。

 

松田「まぁ、俺達がながしたんだけどな」

 

零誠「真の敵は貴様らか!?」

 

元浜「はー、でもこの噂男子の一部しか信じてないんだよな」

 

松田「俺達だったら一発で軽蔑されるのに!何故だ!?」

 

零誠「日頃の行いを改めろ!てめーら2人共は4分の3殺し確定だ!」

 

元浜「うっせー!お前がミルたんなんて紹介したことへの仕返しだ!」

 

松田「そーだ!だいたいあれはなんだったんだよ!?あの巨体の魔法少女?は!」

 

元浜「扉からぞろぞろ増えて囲まれたから逃げるに逃げられなかったんだぞ!」

 

あれって一体だけじゃなかったんだ。

 

松田「俺なんか初級魔法『暗黒破邪魔拳』を覚えたんだぞ!だいたいこれ魔法じゃねえだろ!」

 

元浜「あいつら魔法よりも拳で戦った方が強いよ!」

 

零誠「確かにそれについては悪いと思ってる。だからお詫びに球技大会が終わったら部員全員でカラオケをするから招待してやろうと思っていたんだが、どうやら必要無いみたいだな」

 

元浜・松田「「レーセー様!4分の3殺しにしてください!」」

 

零誠「貴様らはドMか!?」

 

松田「あんな美人とカラオケに行けるなら命なんて惜しくない!」

 

零誠「いさぎいいなお前ら!?」

 

元浜「さぁ一思いににやれ」

 

零誠「やりずらいよ!」

 

ドカッ!バキッ!グシャッ!

 

零誠「まぁ、やるけどね」

 

てへ、モザイク必要になっちった。

 

暇だし、アーシアのところに行くか。

 

零誠「アーシア。飯食い終わったか?」

 

???「アーシア。彼氏が呼んでるよ」

 

アー「かかかかかかかかか彼氏っ!?」

 

零誠「桐生。そういう冗談は辞めろ」

 

桐生「え、そうなの?結構2人でいるから、てっきり付き合ってんのかと」

 

零誠「アーシアが困ってんだろ。付き合ってねえよ」

 

アー「はぅ、はっきり否定されるのも」

 

桐生「へー、そうなんだ。端から見てると毎日合体してるカップルにしか見えないわよ。そういえば、私の教えた裸の付き合いどうだった?」

 

ピシッ!

 

桐生「アイタッ!」

 

零誠はデコピンした。

 

零誠「お前が教えたんかい。全く黙ってたりゃ可愛いのに」

 

桐生「へっ、か、可愛い?私が?」

 

桐生の顔が赤くなっている。風邪でもひいたか?

 

アーシアはなんか膨れてるし。

 

零誠「ああ、可愛いと思うぞ。だいたい女子じゃ無かったらああなってたぞ」

 

松田と元浜を差した。

 

桐生「何あれ!?私は18禁でもグロじゃなくてエロ専門だよ!」

 

零誠「それに、アーシアには俺なんかより良い奴が現れるだろうよ」

 

桐生「でも、アーシアはあんたのことsむがっ!?」

 

アーシアが桐生の口を塞ぐ。

 

アー「あーあーあー!桐生さん!そういうこと言うの止めてください!」

 

桐生「じゃあ、私も本気で狙わせてもらうわね」

 

アー「………困りますけど、分かりました!これからは親友であり、ライバルです!」

 

2人共いきなりどうしたんだ?

 

零誠「なんか盛り上がってるところ悪いが昼休みは部室でミーティングだから行くぞ」

 

アー「はい。今行きます」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

部室

 

リアス「結局昨日出来なかったけど、球技大会についてミーティングするわよ!」

 

出来なかったじゃなくて、遊んでてやらなかっただけだろ。

 

リアス「レーセー。何か言った?」

 

零誠「いえ。何でも無いです」

 

心を読まれたよ!?

 

零誠「部長ってこの手のイベント好きそうだな」

 

朱乃「よく分かりましたね。リアスってまるで小学生みたいにイベントに一喜一憂するんですよ」

 

零誠「なんか予想出来ます」

 

朱乃「そういえば話が変わりますけど、最近リアスは恋愛のマニュアル本を買ったみたいですよ」

 

零誠「恋愛のマニュアル本ねえ」

 

良かった。部長は自分が好きなように生きられるようになったなら、俺は努力したかいがあったよ。

 

朱乃「あら?嬉しそうですね。もっと心配するかと思いましたのに」

 

零誠「だって部長は自由になったんですよ。部長は今幸せってことじゃないですか」

 

朱乃「あらあら。リアスは本当に幸せ者ですね。どうやら私の心配は無駄のようどしたね」

 

また訳の分からん話が出てきたぞ?

 

リアス「それじゃあ、早速練習に行くわよ!」

 

練習のために話しをここで切れた。



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球技大会

球技大会当日 午後

 

部活対抗戦

 

午前中のクラス対抗戦はどうしたかって?

 

屋上で寝てサボりましたよ。

 

あ、部長は生徒会長とテニスで引き分けらしいみたいだよ。

 

さて、部活対抗戦はドッチボール。

 

零誠「………勝ったな」

 

 

アー「レーセーさん」

 

零誠「アーシアか。…………何故にブルマ?」

 

アーシアは真っ赤になっている。

 

アー「桐生さんが言ってました。ドッチボールの正装はブルマだって、それに、多分レーセーさんが好きだって」

 

零誠「俺にそんな性癖は無い」

 

桐生「え!?そうなの?」

 

零誠「お前なぁ、アーシアに変なこと………何故にお前までブルマ?」

 

桐生「体育系のイベントには普通でしょ」

 

零誠「俺はそれが普通の国に生まれた覚えは無い」

 

桐生「でも、似合ってない?」

 

零誠「2人共似合ってはいると思うが、もう少し露出を抑えろ」

 

桐生「善処して検討させていただきます」

 

零誠「てめえ全く反省するつもり無いだろ」

 

リアス「ここに2人共いたの。そろそろ始まるわよ」

 

部長が走って寄ってきた。

 

零誠「なんで部長までブルマなんすか!?」

 

リアス「アーシアが履いてるのを見たら履きたいと思ったからよ」

 

零誠「頭痛くなってきた」

 

リアス「私だけじゃなくて他のみんなも履いてるわよ」

 

零誠「うちの部員には羞恥心という物が無いのか!?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ドッチボール開始

 

相手は野球部。

 

野球部は投げるのが得意なはずだが、ボールに力が全然乗ってない。

 

そりゃそうか。

 

二大お姉様の部長と朱乃さんは当てられない。

 

美人姉妹の塔城姉妹は当てられない。

 

二年生トップクラスのアーシアと夕麻は当てられない。

 

え、俺と木場?外野にいるからボールが当てられるわけ無いっすよ。

 

これが対男子オンリーチーム対策。

 

ま、運動能力の高い男子で固めてるチームばっかりで楽だわ。

 

卑怯だって?そんな褒めるなよ。

 

ていうわけで決勝戦まで進んだ。

 

零誠「さすが相手が相手だから俺達も出ないとな」

 

木場「うん。そうだね」

 

リアス「ソーナ!さっきつけられなかった決着つけましょう!」

 

ソーナ「ええ。負けた方はトッピング全部乗せを奢る約束も続行よ」

 

というわけで決勝戦の相手は生徒会チームです。

 

外野はアーシアと夕麻と交代。

 

決勝戦開始

 

野次馬「レーセー死ね!」

 

野次馬「ハーレム作りやがって!」

 

野次馬「鬼畜野郎!」

 

一部の男子からのブーイングが凄い。

 

松田「1人寄越せ!」

 

元浜「お前はエロゲの主人公か!」

 

そういやこいつらのせいだった。

 

ドシュッ!

 

ボールを松田と元浜にぶつける。

 

零誠「手が滑った」

 

うん。松田と元浜が死んでくれたからギャラリーが静かになってくれた。

 

バウンドしてこっちに戻ってきたボールを拾う。

 

………誰に当てればいいんだ?

 

相手チームの内野は女子しかいない。

 

零誠「部長。生徒会って女子しかいないんですか?」

 

リアス「確か庶務に1人いたはずよ」

 

確か匙がいるはずなのだが、まさか!?

 

外野に生徒会唯一の男子の匙が立っていた。

 

ソーナ「リアス甘いわよ。この対男子作戦は相手が全員男子じゃなくても使えるのよ!」

 

リアス「そんな!?」

 

零誠「部長、お願いします。どうやら今の俺じゃ無理のようです」

 

部長にボールを渡す。

 

リアス「分かったわ。でもやられないで。やられないだけであなたは力になるんだから」

 

零誠「はい。生き延びてみます」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数分後

 

ソーナ「そっちは投げられる人数が2人少ないのに頑張るわね」

 

リアス「諦めたらそこで試合終了よ!」

 

零誠「部長、よく言いました。こちらにボールを」

 

リアス「レーセー!?あなた投げられないんじゃ?」

 

零誠「大丈夫です。俺はあの時の俺じゃない」

 

リアス「そう。任せたわ」

 

レーセーはボールを受け取り、投げて1人を外野に回す。

 

ソーナ「そんな、この短期間で克服するなんて!?まさかこの戦いの中で成長している?」

 

白音「………何ですか?この空気」

 

…………うん。俺もそう思う。

 

そう考えていると、木場の方にボールが飛んでいった。

 

その木場はというとボケッと突っ立ってる。

 

零誠「ぼさっとすんな!」

 

木場の前に割り込みボールを代わりに受けとめる。

 

木場「あ、ごめん」

 

野次馬「キャー!きっと兵藤くんが攻めね!」

 

野次馬「いや、ここはあえて木場くんの攻めもよくない?」

 

なんかもうやだこの学校。

 

零誠「はぁ、木場。今は勝つことに集中しろよ」

 

木場「………勝つこと。うん、そうだね」

 

やっと木場はヤル気になった。

 

勝負の結果はなんとか勝った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

パシン!

 

部長が木場を叩いた。

 

リアス「どう?少しは頭が冷えたかしら?」

 

木場説教中

 

木場「もういいですよね?球技大会が終わったので、球技の練習もありませんし、疲れてしまったのでいつもの部活も休ませてもらって構いませんか?昼間はすいませんでした。どうやら疲れていたみたいです」

 

木場の奴いつもと違うじゃねえか。目が死んでやがる。

 

零誠「お前一体どうしたんだ?」

 

木場「君には関係無いだろ」

 

救えなかったという関係ならあるんだけどな。

 

零誠「俺でも心配くらいはするぞ」

 

木場は冷たい作り笑顔をして、

 

木場「心配?誰が誰をだい?基本的に悪魔は利己的な者だと思うんだけど。ま、今回は主に従わなかった僕が悪いんだけどね」

 

零誠「俺が基本的な悪魔に当て嵌まると思ってんのか?」

 

木場「そうだね。君は悪魔の中でも異端児だったね。なんたって堕天使を使い魔にするくらいだし」

 

零誠「そうだよ。俺は異端児だ。そしてお前の仲間だと思ってる」

 

木場「仲間か。レーセーくんは熱いね。でも僕の本質に気付いたんだ」

 

零誠「本質?」

 

木場「レーセーくんは僕の戦う理由って何か分かるかい?」

 

零誠「聖剣を破壊すること」

 

木場「!?」

 

零誠「だがな、それは逆恨みだぞ。お前は針で刺されたから、針を恨んでるのと同じだぞ」

 

木場「何で知ってるかは知らないけど!君、気持ち悪いよ」

 

木場はそのまま出て行ってしまった。

 

零誠「………気持ち悪いか。まぁ、分からなくも無いけどな」

 

触れたくない記憶を開いてるんだからな。

 

アー「レーセーさん。気にしちゃダメですよ」

 

白音「………そうですよ」

 

黒歌「今日は一緒に寝てあげるにゃ」

 

零誠「それはお前がしたいだけだろ」

 

黒歌「にゃははは!」

 

黒歌のおかげで空気が少しだけ良くなった。

 

まぁ、気持ち悪がられても構わない。木場を救えるならな。

 



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聖剣

部室

 

コンコン

 

ソーナ「お邪魔します」

 

生徒会長のソーナ先輩が入ってきた。

 

零誠「生徒会長さんがどのようなご用件でしょうか?」

 

ソーナ「負けたチームの代表としての挨拶とリアスに商品を与えにですよ」

 

零誠「ああ、なるほど。それでそちらの彼も代表といったところですか?」

 

ソーナ先輩と一緒に入ってきた庶務の男子生徒に視線を向ける。

 

???「ボディーガードだよ。ここには鬼畜野郎がいるからな」

 

零誠「はー、あのデマを信じてる一部の男子生徒か」

 

ソーナ「匙、失礼ですよ」

 

匙「でも、こんなに美少女に囲まれてるなんて普通じゃないですよ」

 

零誠「それ言ったら生徒会の方が男子1人じゃねえかよ」

 

匙「全くこっちはそういう系のイベントが発生してないんですよ!」

 

零誠「あのぉ、生徒会長さん、このバカ何叫んでんすか?」

 

ソーナ「後でたっぷりお説教するので見逃してやってください」

 

零誠「さいですか。」

 

ソーナ「今回は新人悪魔の顔見せもかねて来たのですが、最初の出会いは最悪だったみたいですね」

 

零誠「やっぱり悪魔でしたか」

 

朱乃「蒼那会長の本当の名前はソーナ・シトリー。上級悪魔のシトリー家の次期当主ですわ」

 

匙「つまり、会長と俺達シトリー眷属のおかげで平和な学園生活が送れるんだぜ!ちなみに俺は匙元士郎。お前と同じ二年のポーンだ」

 

こいつなんかギャグ要員っぽいなぁ。

 

匙「俺はお前と違って駒を4つも消費したんだぜ!」

 

零誠「俺は8つだが何か?」

 

匙「おい、嘘だろ!?」

 

やっぱ思った通り、いいリアクションするね。

 

ソーナ「匙、いい加減にしなさい。兵藤くんは上級悪魔のライザー・フェニックスを倒して中級試験を受けることがもう決まってるのよ」

 

匙「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

俺と同じリアクションとってるよ。

 

部長はこの後会長と一緒に蕎麦屋に行くことになり、俺達は先に帰ることになった。

 

自宅

 

零誠「ただいま」

 

入った瞬間嫌な気配がする。

 

母親「おかえりなさい。ちょっとこっち来てみなさいよ」

 

他のみんなは二階に上げてリビングに向かう。

 

イリナ「レーセー久しぶり!」

 

何故ならリビングには教会関係者がいるからな。

 

零誠「ああ。久しぶりだな。イリナ」

 

片方はイリナともう1人が布に巻かれた聖剣を所持してるのが分かる。

 

イリナ「良かった。覚えていてくれたんだ」

 

零誠「正直パッと見じゃ分からなかった。綺麗になったな」

 

イリナ「レーセーくんは口が上手くなったわね」

 

零誠「本気で言ってんだよ。初めて会ったときは男だと思ってたくらいなんだから」

 

イリナ「そんなこともあったわね」

 

零誠「それで今日は何しに来たんだ?もしかして帰って来るのか?」

 

イリナ「違うわ。旅行ってところかな」

 

???「イリナ。そろそろ」

 

イリナ「もうこんな時間か。久しぶりにレーセーくんと話してたら時間がすぐに経っちゃった」

 

零誠「また来いよ。いつでも来てくれ」

 

イリナ「ありがとうね。じゃあ、ゼノヴィア行きましょ」

 

2人の聖職者は帰っていった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 部室

 

零誠「お早い再会だな。イリナ」

 

昨日うちに来ていた2人が部室に来ていた。

 

イリナ「まぁ、こんなところで会いたく無かったけどね」

 

アー「………イリナさん」

 

一番の問題は木場なんだよな。面倒事は起こしてくれるなよ。

 

イリナ「単刀直入に言います。私達カトリック側とプロテスタント側の所持していた聖剣エクスカリバーが奪われました」

 

零誠「エクスカリバーは二本存在するのか?」

 

イリナ「エクスカリバーは現存しないのよ。大昔の大戦で折れちゃってね」

 

イリナ達は布で包まれた物を出す。

 

イリナ「これがエクスカリバーの今の姿よ」

 

ゼノ「『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』七本のうちの一本だ」

 

イリナ「そして、これが『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』好きな形に変えられるのよ」

 

イリナの聖剣は日本刀の形になる。

 

ゼノ「イリナ。能力を悪魔に教えるのは」

 

イリナ「能力が知られても悪魔の皆さんに遅れを取らないわ」

 

零誠「確かに所詮聖剣だしな」

 

カチン

 

俺の発言に2人はイラッときたみたいだ。

 

リアス「それでエクスカリバーを奪ったのは?」

 

部長が空気を変えるために聞いた。

 

ゼノ「『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部のコカビエルだ」

 

夕麻「えっ!?コカビエル様ですって!」

 

零誠「部長が空気を戻してくれたんだから悪くしない」

 

夕麻「主様が言いますか?」

 

ゼノ「はー。話を続けるぞ。先日から潜りこませていたエクソシストがことごとく始末されてる」

 

勝手に部長の縄張りで行動してたのかよ。

 

ゼノ「私達がここに来たのはこれから行うエクスカリバーの争奪戦に君達悪魔が介入しないように警告しに来た」

 

リアス「随分な言い方ね」

 

ゼノ「仕方ないだろう。実際に堕天使がいるのだから協力すると考えても」

 

零誠「夕麻は俺の使い魔だ。首輪はしっかり握っている」

 

ゼノ「どちらにせよ、エクスカリバーは我々2人で奪還する」

 

リアス「死ぬわよ」

 

ゼノ「死ぬつもりは無い。だがもしもの時はその覚悟をしている」

 

犬死に確定だな。能力的にも精神的にも。

 

ゼノ「そろそろおいとまさせてもらおう」

 

イリナはゼノヴィアは立ち上がる。

 

イリナ「もしかしてアーシア?」

 

イリナは俺の陰に隠れていたアーシアに気付く。

 

アー「イリナさん」

 

イリナ「あの後どうなったかずっと心配してたんだから」

 

ゼノ「魔女アーシア・アルジェントか?まさか悪魔になっていたとは堕ちるところまで堕ちたな」

 

イリナ「ゼノヴィア!言い過ぎよ!」

 

ゼノ「安心しろ。教会には報告しないでやる。君を信じていた信者が悲しむからな」

 

いない物を信じて、縋って、間違っていないと考える。

 

憐れ過ぎて怒ることも出来ねえな。

 

ゼノ「まさかまだ我らの主を信仰しているのか?」

 

アー「………ずっと信じてきたのですから、簡単に捨てることは出来ません」

 

ゼノ「なら私が天に代わってその汚れた身を断罪してやろう」

 

イリナ「ゼノヴィア!」

 

ガシッ

 

ゼノヴィアが抜いた剣をブーステッド・ギアが発動された手で掴む。

 

ゼノ「どういうつもりだ?兵藤零誠」

 

零誠「はー、もう帰れよ。そんで勝手に無駄死にしてくれ」

 

ゼノ「なんだその目は!そんな目で見るな!」

 

レーセーは可哀想な物を見る目でゼノヴィアを見ている。

 

零誠「別に。どうせもう少しでいい夢から覚めるんだ。俺が起こすまでもないだろう」

 

ゼノ「何を言っている!どういう意味だ!」

 

零誠「さっきから質問ばっかりだな。少しは自分で考えろよ」

 

ゼノ「答えろ!答えないなら」

 

ゼノヴィアは聖剣を構える。

 

零誠「思い通りにならなかったらすぐに暴力か?悪魔より酷いじゃねえか」

 

ゼノ「ちっ!なら決闘だ!私が勝ったらさっきの言葉の意味を教えろ」

 

零誠「俺が勝ったら?」

 

ゼノ「アーシア・アルジェントに謝罪し「却下だ」なんだと?」

 

零誠「誰かに謝れと言われてから謝るなんて失礼以外の何物でも無いだろ。イリナ、主とやらはそんなことも教えてくれないのか?」

 

ゼノ「我らが主を侮辱する気か?」

 

零誠「お前が教会側の質を落としてることに気付けバカ」

 

ゼノ「貴様!」

 

木場「決闘なら彼の代わりに僕が受けてあかるよ」

 

やっぱ木場が出てきたか。

 

零誠「はー。木場が負けたら相手してやる」

 

ゼノ「2人でいいのか?全員相手しても構わないぞ」

 

木場「先輩として相手するよ。失敗作だったけどね」



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ゼノヴィア

校庭

 

木場とゼノヴィアが対峙している。

 

止めようとした部長にゼノヴィアが「グレモリー眷属の力を見てみたい」と言って納得させた。

 

イリナ「レーセー悪かったわね」

 

零誠「お前が謝る必要は無いよ」

 

イリナ「木場くんって強いの?」

 

零誠「強いよ。でも負けるだろうな」

 

イリナ「強いのに負けるの?」

 

零誠「木場の強さは戦況を見極めるところにあるのに今のあいつは怒りで何も見えてないからな」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

木場「さぁ、始めようか」

 

ゼノ「リアス・グレモリーの力を試してみるのも面白い。さっき言っていた『先輩』というのも気になるしな」

 

ゼノヴィアは聖剣を布から出し、木場は魔剣を何本も出現させている。

 

それよりも

 

零誠「スゲー殺気だな」

 

イリナ「ここでも全然分かる」

 

ゼノ「笑っているのか?」

 

確かに木場は笑ってる。ただしいつもの笑顔ではなく、凄く冷たい笑顔。

 

木場「いや、倒したくて、壊したくて、消したかった物が目の前に出されたんだからね。ふふふ、悪魔やドラゴンの近くに身を置いていれば力が集まると聞いたけど、こんなに早く機会が巡ってくるなんてね」

 

ゼノ「『ソードバース』所有者の思い通りの魔剣を創るセイクリッド・ギアか。魔剣系でも特異なもの。『聖剣計画』の処分を免れた者がいたと聞いたがもしかして君か?」

 

木場は返事をせず、殺気を強めた。

 

イリナ「木場くんの殺気はそういうことだったんだ」

 

零誠「言っちゃ悪いが、ゼノヴィアのあれは陶酔か狂信と言っていいほどだぞ」

 

イリナ「そう?でも少し前までは私はあれより酷かったわ」

 

零誠「そうなのか?」

 

イリナ「でもアーシアが教会を追放された時に主も全てを救う者じゃないってことが分かったからね」

 

俺の電話はアーシアは救えなかったけどイリナに考えを改めさせることが出来たみたいだ。

 

キン!

 

魔剣と聖剣が火花を散らし始める。

 

木場「僕の力は無念の中で死んでいった皆の思いの結晶だ。この力で聖剣所有者を倒して、聖剣を叩き折る!」

 

はー、やっぱり俺は嫌われてもいいから木場の奴を救いたい。

 

ズドォォォン!

 

地面が激しく揺れて地響きが起こる。

 

木場とゼノヴィアを砂煙が覆う。

 

零誠「誰が治すんだよ」

 

ゼノヴィアは地面にクレーターが出来ている。

 

ゼノ「これが私のエクスカリバーだ!有象無象に関わらず破壊する。『破壊の聖剣』の名は伊達では無いぞ!」

 

木場「真のエクスカリバーでもこの威力か。このレベルが後6本あるとは全く僕の歩むのは修羅の道だな」

 

木場・ゼノ「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

どうやら終盤みたいだな。

 

木場「君の聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力。どっちが上か勝負だ!」

 

零誠「あのバカ!」

 

木場の手にはまがまがしいオーラを放ち、2メートル以上の巨大な魔剣が握られている。

 

ゼノヴィアも落胆している。

 

ゼノ「残念だ。判断を誤ったな」

 

バキン!

 

折れたのは木場の魔剣だった。

 

ゼノ「君の武器は好きな魔剣を創り出せることとその俊敏な足だ。その巨大な剣は君の足を潰す。君が破壊力を求めるのは無意味だ」

 

ドン!

 

ゼノヴィアは柄で木場を気絶させる。

 

ゼノ「次は兵藤零誠。お前が相手だ」

 

零誠「分かってるよ。部長、プロモーションの許可を」

 

リアス「分かったわ」

 

零誠「プロモーション・ナイト」

 

ゼノ「クイーンじゃないのか?」

 

零誠「木場に俺が勝った理由をクラスのせいにして欲しくないからな」

 

ゼノ「もう勝った気でいるとはな」

 

『Boost!』

 

零誠「『強化開始』」

 

『Exprotion!』

 

ゼノ「『ブーステッド・ギア』だと!?なるほど、その余裕はロンギヌスから来るのか」

 

『Boost!』

 

零誠「『投影開始』」

 

『Exprotion!』

 

零誠の手には何も無い。

 

零誠「ハンデだ。これ以上魔法とブーステッド・ギアを使わないでやる」

 

ゼノ「ふざけるのもいい加減にしろ!」

 

ゼノヴィアはエクスカリバーで斬り掛かる。

 

キィ−ン!

 

金属が擦れる音がした。

 

ゼノ「何っ!?不可視の剣だと!」

 

レーセーはエクスカリバーを不可視の剣で受け流し、ゼノヴィアを斬ろうとするが、ゼノヴィアはギリギリのところでかわして間合いをとった。

 

零誠「今ので決めるつもりだったんだがな」

 

ゼノ「不可視の剣にナイトの素早さか」

 

レーセーが連激を行う。

 

ゼノヴィアは防御に徹している。

 

ゼノ「くっ、不可視の剣がここまで厄介だとは」

 

ゼノヴィアは俺の間合いが全く分からない。

 

防御の気を一瞬でも緩めたらゼノヴィアの負けが確定する。

 

だがレーセーは力が足りずに最後の一押しが無いでいる。

 

ゼノ「クイーンを選ばなかったのが、ここで仇になったな」

 

零誠「ならば最後の一押しを用意するよ」

 

零誠を中心に嵐のような風が巻き起こる。

 

零誠「『風王結界(インヴィジブル・エア)』!」

 

嵐のような風が不可視の剣から放出されゼノヴィア吹き飛ばす。

 

零誠「実はまだ鞘から抜いてすらいないんだがな」

 

気絶したゼノヴィアを担ぎ上げてイリナのところに行く。

 

イリナ「聖剣所有者に勝つなんて、私達が報告しなくてもすぐに教会からマークされるわよ」

 

零誠「俺の世界を救う為なら教会くらい潰してやるよ」

 

イリナ「レーセーくんなら本当にやりそうで怖いわ」

 

零誠「一応イリナ、お前も俺の世界だからな」

 

イリナ「えっ!?」

 

イリナは何故か顔を真っ赤にする。

 

イリナ「えっとそれじゃまたね!」

 

イリナはゼノヴィアを担いで帰ってしまった。

 

零誠「あれ、帰っちまった」

 

女子『レーセー(さん)(先輩)。ちょっと話しましょうか』

 

零誠「木場よりスゲー殺気を複数感じる!?」

 



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物乞い

イリナとゼノヴィアが去った後

 

リアス「佑斗!待ちなさい!」

 

木場の奴、このまま聖剣を追うつもりだな。

 

リアス「私の下を離れるなんて許さないわ!あなたはグレモリー眷属のナイトなのよ!はぐれになってもらっては困るわ!」

 

俺もアーシアの時に似たような会話したから、木場に強く言えないな。

 

木場「僕は同士達のおかげで処分から逃れることが出来たんだ。だから彼らの恨みを魔剣に込めないと。けれど部長の下にいたら僕は幸せになってしまう。そしたら僕は同士の願いを叶えられなくなってしまう!」

 

ブチッ!

 

ドガッ!

 

零誠は木場をぶん殴った。

 

零誠「大馬鹿野郎が!もう一辺言ってみやがれ!」

 

木場「一体君は何なんだよ!前も言ったけど気持ち悪いんだよ!」

 

零誠「俺を侮辱すんのは構わない!だがな!お前の同士を侮辱すんのは俺が絶対に許さない!」

 

木場「君に何が分かるんだ!」

 

そう言って木場はその場から消えた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 駅前

 

零誠「よし、集まったな」

 

集合場所にした駅前に俺、夕麻、白音、匙がいる。

 

誘ったのは夕麻と匙だけだったのだが、途中で白音に捕まった。

 

匙「飯を奢ってくれるって本当か?」

 

零誠「ああ。手伝ってくれたら食わせてやる」

 

匙「で、いい加減何を手伝うのか教えろよ」

 

零誠「教会と協力して堕天使側の聖剣をへし折る」

 

匙「ふざけんな!?俺は帰る!」

 

零誠「まぁ、待て」

 

ガシッ

 

零誠は匙の襟を掴んだ。

 

匙「ぐえっ、放せよ!お前らグレモリー眷属の問題だろ!シトリー眷属の俺は関係無いだろうが!殺される!会長に殺される!」

 

零誠「そう言うと思ってそれなりのお礼を用意しておいたんだが」

 

匙「こんな命に関わることに釣り合うお礼なんてあるはず」

 

零誠「松田特性ソーナ会長の隠し撮り写真」

 

匙「俺の命はお前の物だ」

 

零誠「いい働きを期待してるよ」

 

匙買収完了

 

零誠「匙の言った通り危険だから白音は帰った方がいいぞ」

 

白音「………私だって木場先輩が心配です。それに危なくなったらレーセー先輩が助けてくれるでしょう」

 

零誠「あまり期待するな」

 

白音「………それじゃ、二手に分かれて探しましょう。私とレーセー先輩のペアと匙先輩と夕麻先輩のペアで行きましょう」

 

夕麻「何ちゃっかり主様と2人っきりになろうとしてるんですか!私が主様とペアを組みます。使い魔ですし」

 

白音「………エーテライトを使えば意志疎通出来るじゃないですか。それを役立たせるには同じペアでは意味がありません」

 

夕麻「ケータイ使えば一発でしょうが!」

 

零誠「喧嘩するな。ここは公平にグーパーで分けるぞ」

 

白音「………恨みっこ無しですよ」

 

夕麻「いいわ。どうせ私が主様とペアになるでしょうし」

 

零誠「じゃあ行くぞ。グーパージャス」

 

零誠パー

 

白音グー

 

夕麻グー

 

匙パー

 

白音・夕麻「「なんであなたなんですか!」」

 

匙「お前らがグー出したからだろうが!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

二手に別れた後、匙が聖剣を壊す理由を聞いてきたので『聖剣計画』について説明してやった。

 

現在

 

匙「うおおおおおおおお!」

 

匙は号泣していた。

 

匙「ムカつくイケメンだと思っていたが、あいつにそんな事があったなんて!」

 

零誠「だからあいつには幸せになって欲しいんだけどな」

 

匙「よし!俺も夢を話す!」

 

零誠「ソーナ会長と結婚するとかだろ」

 

匙「甘いな!結婚は結婚でも出来ちゃった婚だ!」

 

零誠「お前は嫌な斜め上の方向の発言するな!?」

 

匙「お前の夢はなんだ?」

 

零誠「この世界を救うことかな」

 

匙「本気でそんなこと言う奴お前以外にマンガの中でしか知らないぞ」

 

夕麻『主様。2人を見つけました』

 

零誠「分かった。俺達が行くまで近づくな」

 

匙「零誠」

 

零誠「白音と夕麻が見つけたみたいだ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ゼノ「どうかこの迷える子羊にお恵みをー」

 

イリナ「天の父に代わって哀れな私達にお慈悲をー」

 

目立つ!大通りでこいつら何やってんの!?

 

ゼノ「これが先進国である日本の現実か。これだから進行の匂いがしない国は嫌なんだ」

 

イリナ「文句言わないでよ。その異教徒から恵んで貰わないとパン1つ買えないのよ」

 

こいつらは外国行くのに金持って来てないのか?

 

イリナ「ふん。元はと言えば、お前が詐欺まがいの絵画を買ったのがいけないんだろ」

 

どうやら俺の幼なじみはバカのようだ。

 

イリナ「何を言うの!?この絵には聖なるお方が書かれているのよ!展示会の人もそんなことを言ってたわ」

 

ゼノ「ほう。ならこの絵に書かれているのが誰か分かるな?私には誰一人として一致しないぞ」

 

イリナ「多分………ペトロ様?」

 

ゼノ「その間と疑問符はなんだ!?聖ペトロがこんなん訳無いだろ!」

 

イリナ「いいえ!こんな物よ!私には分かるもん!」

 

あーあ、意地になっちまって。

 

零誠『夕麻。金を渡すから食い物に替えてきてくれ。質より量で』

 

夕麻『分かりました』

 

ゼノ「どうしてこんなのが私のパートナーなんだ。主よ。これも試練なのか?」

 

イリナ「ちょっと頭を抱えないでよ。あんた沈む時はとことん沈むわよね」

 

ゼノ「うるさい!これだからプロテスタントは異教徒だと言うのだ!我々カトリック教徒とは価値観が違う!もっと聖人を敬え!」

 

イリナ「何よ!古いしきたりに縛られるあんた達がおかしいのよ!」

 

ゼノ「なんだと異教徒!」

 

イリナ「何よ!異教徒!」

 

喧嘩をおっ始めたよ。

 

夕麻『主様。言われた通りに買って来ました』

 

零誠「お前ら、言った通り奢ってやる」

 

グーーーーーー!

 

結構離れているのにイリナとゼノヴィアの腹の音が聞こえてきた。

 

イリナ「まずはお腹を満たしましょ。じゃなきゃエクスカリバー奪還どころじゃないわ」

 

ゼノ「そうだな。それじゃあ、異教徒を脅して金を分けてもらうか。主も、異教徒相手なら許してくれるだろう」

 

零誠「モグモグ主が許しても日本警察が許さねえよ。モグモグ銃刀法違反者共がモグモグ」

 

イリナ・ゼノ「「レーセー(くん)!?」」

 

匙・白音・夕麻「「「モグモグ」」」

 

イリナ・ゼノ「「ダラダラ」」

 

零誠「涎出てるぞ」

 

イリナ・ゼノ「「なっ!?」」

 

あわてて2人は口を拭う。

 

零誠「あー、ハンバーガーは上手いなー」

 

白音「………このたい焼きもです」

 

匙「大判焼きってクリームは邪道だと思うけど、結構イケるんだよな」

 

夕麻「主様。奢ってくれてありがとうございますね」

 

零誠「構わないよ。やっぱりまともに働いて稼いだ金で食う飯は上手いな」

 

三人『はい』

 

ゼノ・イリナ「「うぅっ」」

 

零誠は食べ掛けのハンバーガーをわざと落とした。

 

零誠「あーあ、落としちまった。きっとどこかの負け犬が食うんだろうな」

 

ゼノ「うおおおお!切る!貴様の首をこの場で切り落とす!」

 

零誠「飯を奢ってやろうと思ったのに」

 

ゼノ「何…だと?」

 

零誠「イリナ。幼なじみとして飯くらいちょっと頼みごとを聞いてくれたら食わせてやるぞ」

 

イリナ「やっぱり持つべき物は友達よね!」

 

零誠「じゃあ、行くか。イ・リ・ナ」

 

ゼノ「わ、私は!?」

 

零誠「え?他人でいきなり因縁つけた挙げ句斬り掛かろうとしてきた犯罪者予備軍の負け犬に俺がバイトで稼いだ金を使えと?」

 

ゼノ「がぁぁぁぁぁ!」

 

ゼノヴィアは布を巻いたエクスカリバーで地面を叩きまくる。

 

イリナ「レーセー。ゼノヴィアにも恵んであげて」

 

ゼノ「………イリナ」

 

零誠「しょうがないな。イリナに免じて犬の服従のポーズをとって、『この卑しい負け犬に餌を恵んで欲しいわん』と言ったら奢ってやるよ」

 

ゼノ「ふざけるな!誰がそんな事を!」

 

零誠「じゃあ、みんな行こうぜ」

 

ゼノ「ま、待て!分かった!やるから」

 

零誠「はい、どうぞ」

 

ゼノヴィアは言われた通りの格好になって

 

ゼノ「こ、この…卑し…い」

 

零誠「声が小さい」

 

ゼノ「ああ、もう!この卑しい負け犬に餌を恵んで欲しいわん!」

 

零誠「………なんかゴメン」

 

ゼノ「謝るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ゼノヴィアの初めて会ってから一番大きい叫び声だった。

 

 



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バルパー・ガリレイ

公園

 

ガツガツバクバクモグモグ

 

ゼノ「美味い!日本の料理はこんなに美味いのか!」

 

イリナ「ああ、これが故郷の味よね!」

 

零誠「ハンバーガーを食いながら言うセリフじゃねえぞ」

 

匙「お前こんなに奢って金は平気なのか?」

 

零誠「知っているか?株って案外ちょろいんだぜ」

 

匙「その金には汗も血も染み込んでねえよ!」

 

イリナ「ご馳走様でした。この心優しき悪魔に慈悲を」

 

零誠・白音・匙「「「うぅ」」」

 

イリナ「あっ!ごめんなさい。つい十字をきっちゃった」

 

やっぱりこの痛みは慣れないな。

 

ゼノ「ふぅー。なんとか落ち着いたか。君みたいな悪魔に救われるなんて世も末だな」

 

零誠「素直に礼を言わないとこれを流出しちゃうぞ」

 

ゼノ『この卑しい負け犬に餌を恵んで欲しいわん!』

 

ゼノ「なななななな!?」

 

零誠「最近のケータイって凄いよな。こんなに音質良く録れるなんてな」

 

ゼノ「消せ!今すぐ消せ!でないとそのケータイを逆折りするぞ!」

 

零誠「はい。消したぞ」

 

ゼノ「えっ?そんなにあっさりと?」

 

零誠「なんだ?あのまま脅されたかったのか?Mだな」

 

ゼノ「そんなわけあるか!お前の性格からしたらまだ弄ってくると思っただけだ」

 

まぁ、バックアップはとってありますけどね。

 

イリナ「それで私達へのお願いって何?」

 

零誠「今回の聖剣奪還についての詳細と『聖剣計画』の関係者などの情報を教えてくれ」

 

ゼノ「今回のことには関わるなと言ったはずだが」

 

零誠「俺がそれを聞く必要は無い」

 

ゼノ「他の者から反感を買うぞ」

 

零誠「俺は魔王様から好き勝手やる権利を直々に貰っている」

 

ゼノ「魔王直々にだと!?」

 

イリナ「どうやったらそんな事が起きるのよ!?」

 

匙「俺なんて魔王様に会ったこともねえぞ!?」

 

零誠「説明すんのはめんどくさいからパスな。それで情報を貰おうか」

 

ゼノ「はー。なら、まず渡せる情報から渡す。『聖剣計画』についてだが、あの計画のおかげで聖剣使いの研究は飛躍的に進歩した」

 

匙「だからと言って不適合者を処分していい理由なんて無いだろ」

 

匙はゼノヴィアの発言にイラついていた。

 

ゼノ「その問題は私達教会でも最大級に嫌悪されている。処分を決定した当時の責任者は異端者の烙印を押されて、現在は堕天使側の人間だ」

 

夕麻「………堕天使」

 

零誠「そいつの名前はなんていうんだ?」

 

イリナ「バルパー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれているわ」

 

そいつに木場の標的に代わればいいが。

 

零誠「今回の聖剣奪還だが、成功率は何パーセントなんだ?」

 

イリナ「良くて30パーセントよ」

 

零誠「ま、妥当なところだな」

 

ゼノ「それでも高いと思って我々はやってきた」

 

零誠「けっ、そうかよ。で、エクスカリバーは何本奪われたんだ?」

 

イリナ「『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』の三本よ」

 

零誠「その内二本を破壊しておいてやる」

 

ゼノ「そちらの方が多いだと?」

 

零誠「昨日の戦闘を考えれば妥当な判断だと思うが」

 

ゼノ「ちっ、それで構わない」

 

イリナ「レーセーくんがそこまでやる理由って、もしかして私達が死なないため?」

 

零誠「そんなわけ無いだろ。ただ俺はお前らに貸しを作りたいだけだ」

 

白音「………ツンデレ乙」

 

零誠「白音!」

 

イリナ「ふふっ。久しぶりに会って変わったなと思ったけど、本質は全然変わってないわ」

 

零誠「とにかく!こっちはエクスカリバーの破壊を目的としてるからな」

 

ゼノ「ああ。堕天使側が所持してるくらいならその方がいい」

 

イリナ「でも、悪魔に手を借りるのはマズいんじゃない?」

 

ゼノ「ドラゴンの力を借りたということにすれば屁理屈だが通るはずだ」

 

イリナ「本当に屁理屈ね」

 

ゼノ「それでは我々は任務に戻るとしよう」

 

零誠「お前らさ、さっきみたいに物乞いするくらいならうちに来い。次あんなことしてるのを見かけたら幼なじみだろうと他人のふりするからな」

 

イリナ「うぅ、分かったわよ」

 

2人は任務に戻ってゆく。

 

早速木場に電話をしたが、出なかったのでメールでさっき得た内容を送っておいた。

 

早速俺達も堕天使陣営を探すことにした。

 

現在俺は冬木に派遣された神父の格好をしている。

 

白音と夕麻はアーシアと同じシスター服、匙はフリードの神父服を着ている。

 

囮作戦というわけです。

 

服は投影で作成した。

 

この格好は目立つ。物乞いしていたあのイリナ達よりはマシだがはずい。

 

なるべく知り合いに会いたくないので、人が余りいない道に入る。

 

???「教会のご一行発見!」

 

いきなり上から声がした。

 

白音「………皆さん。下がってください」

 

上からの攻撃を白音が防ぐ。

 

攻撃してきた奴は匙と同じ格好をしている。まぁ、つまりフリードってことです。

 

フリ「あんれー?よーく見たら愛しのレーセーくんじゃない!」

 

零誠「キモッ」

 

フリ「そっちの奴に俺と同じ格好をさせるくらい俺に会いたかったのかい?」

 

零誠「んな訳あるかよ。神父ってお前くらいしか知らなかっただけだ」

 

フリ「またまた照れちゃってー。そしてそちらのシスターさんは前の上司の堕天使レイナーレさんですよねー?」

 

夕麻「フリード」

 

フリ「悪魔さんと何一緒にいるんだよ!何?何?何?何?一度ぶっ殺したレーセーくん相手に媚び売って助けて貰ったとかですか?」

 

夕麻「くっ」

 

フリ「図星かよ!どんだけあんたプライド無いんだよ!」

 

夕麻「黙りなさい!」

 

夕麻は光の矢を発射する。

 

怒りに任せて撃ったせいで狙いが甘いので避けられる。

 

レーセーもブーストした強化と投影を行った。

 

零誠「『黒鍵』」

 

投影したのはレイピア型の投てき剣。

 

零誠「匙。動きを封じられるか?」

 

匙「任せろ。ラインよ伸びろ!」

 

匙は腕にはトカゲの顔がついており、そのトカゲの口から黒い鞭のような物が発射され、フリードの足首に巻き付く。

 

フリ「気持ち悪っ!」

 

トカゲのベロだしな。

 

フリードはベロを切ろうとするが、擦り抜ける。

 

零誠「射出」

 

『黒鍵』はフリードに向かって飛ぶ。

 

フリ「レーセーくんは相変わらず容赦ないねー」

 

フリードは物凄い速さで全ての『黒鍵』を払い落とす。

 

フリ「残念でした。俺の『天閃の閃剣』の前じゃ亀並みに遅いぜ」

 

木場「ならその速さに僕がついて行こう」

 

木場が俺らの前に現れてフリードに向かい合う。

 

フリ「久しぶりだね!モブ木場くん!」

 

木場「『魔剣創造』」

 

零誠「射出」

 

木場がフリードの周りに大量の魔剣を精製し、レーセーがさっきの倍の『黒鍵』を飛ばした。

 

フリ「あー、一本じゃキツそうだな」

 

フリードは『天閃の聖剣』を持った右手と一緒に、何も持ってない左手も振るう。

 

フリ「『天閃の聖剣』アーンド『透明の聖剣』」

 

『黒鍵』と魔剣。どちらも一本も擦らずへし折られる。

 

フリードはそのまま木場に聖剣をふり下ろす。

 

匙「させるか!」

 

匙は延ばしたラインを引っ張り、フリードの体勢を崩す。

 

ラインは光を放つ。

 

フリ「なんだこれ?力を吸ってやがる!地味なくせしてうぜぇ!」

 

匙「どうだ!これが俺のセイクリッド・ギア。『黒い龍脈(アブソリュート・ライン)』!こいつに繋がれた以上、ぶっ倒れるまで力を奪ってやる!」

 

フリ「うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇ!!」

 

フリードを光のオーラが包み、先程は切れなかったラインを聖剣でぶった切る。

 

???「ほう。『魔剣創造』か?使い手次第で無類の力を誇るセイクリッド・ギアか」

 

神父服を着た初老のオッサンが立っていた。

 

フリ「元の上司のレイナーレさん。紹介しますよ。新しい上司のバルパーの旦那でございまーす」

 

木場「バルパー・ガリレイ!」

 

バル「いかにも。フリード何をてこずっている?」

 

フリ「旦那、無茶言わないでくださいよ。5対1でしかも赤龍帝のレーセーくんまでいるんすよ」

 

バル「ロンギヌス所有者か。仕方ない。私も手伝うからすぐに終わらせるぞ」

 

ゼノ「なら私達も相手していただこう」

 

ゼノヴィアとイリナが現れる。

 

イリナ「バルパー・ガリレイ。あなたを主に代わって断罪するわ」

 

フリ「あらら、7対2かよ。さすがに分が悪いんじゃないんですか?」

 

バル「致し方ない。一旦引くとするか。コカビエルにも伝えねばならないからな」

 

フリ「そんじゃ、サイナラー!」

 

フリードは地面に球を投げつけた。

 

球は強い光を発する。

 

零誠「閃光弾かよ」

 

ゼノ「待て!」

 

イリナ「逃がさないわよ!」

 

光に耐性があるのか、教会組はそのまま追った。

 

木場「あっちか」

 

その2人を追って木場も走って行く。

 

零誠「木場の奴速ッ!?ナイトの特性無駄遣いしてるだろ!」

 

あの3人じゃコカビエルは無理だな。

 

零誠「あいつら追いかける方法考えないとな。ん?匙、そんなに震えてどうしたんだ?」

 

匙はガタガタ震えているのでその方向を見ると

 

リアス「あなた達は何をやってるのかしら?」

 

部長と会長コンビが立っていた。

 

マズい!追う手段より逃げる手段を考えねば!

 

ソーナ「魔力が乱れていたから来てみれば、どういうことなのか説明しなさい」

 

白音「………先輩が無理矢理」

 

零誠「いきなり裏切られただと!?つーか白音には帰れって言ったよな!」

 

夕麻「主様は物で私達を釣ったんです」

 

零誠「まずお前は主人を守れ!それに俺が言うのもなんだが食い物で釣られるのもどうかと思うぞ!」

 

リアス「よーく分かったわ。レーセー、そこに座りなさい」

 

零誠「この人何一つ分かってないよ!匙、お前からも言ってくれ!」

 

ソーナ「匙。なんであなたが手伝っているのですか?」

 

匙「そ、それはえーっと、木場の奴を手伝うためで」

 

ソーナ「本当にそれだけですか?」

 

匙「………はい」

 

ソーナ「そうならいいんです。まぁ、匙くんが私に隠し事をしただけでなく、嘘までついているわけないですよね?」

 

匙「は、はい」

 

ソーナ「信じてますから」

 

匙「ごめんなさい!写真に釣られました!」

 

零誠「ダメだ。使えねえ」

 

リアス「ちょっと話を聞いているの!」

 

零誠「話を聞きますから、白音と夕麻も一緒に説教してください」

 

白音・夕麻「「先輩(主様)!」」

 

零誠「お前らだけ逃がさねーよ!」

 

やっぱ、道連れは多い方がいいよね。

 



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コカビエル

説教中

 

リアス「あなた達がしたことは戦争に発展するかもしれなかったのよ。分かってるの?」

 

零誠「そういう行動をサーゼクス様から許されてます」

 

リアス「反省してないでしょ?」

 

零誠「反省はしてます。でも後悔はしてません」

 

リアス「はー。お兄様ったらレーセーにとんでもない許可を与えたわね」

 

零誠「さっき言ったように反省はしているので、もし似たようなことがあったら報告します」

 

リアス「似たようなことが起きないように努力しなさい。仕方ないわね。今回のことは許すわ」

 

3人『ありがとうございます』

 

ペチン!ペチン!ペチン!

 

何かを叩く音がしたのでそちらを見ると、

 

匙「なんかあっちは良い風に終わってますよ!こっちもなんとか」

 

ソーナ「余所は余所、うちはうちです」

 

匙「そんなぁ、あぅ!ごめんなさい!許してください!」

 

ソーナ「ダメです。隠し事どころか嘘までついてた悪い子にはお仕置きです」

 

匙がソーナ会長にけつ叩きされていた。

 

零誠「あの羞恥には俺は耐えられないな」

 

白音「………私もです」

 

夕麻「主様にされたいです」

 

零誠・白音「「え?」」

 

夕麻「いえいえ、なんでもありません」

 

リアス「3人ともお尻をこっちに向けなさい」

 

3人『はい?』

 

リアス「許すと言ったけどお仕置き無しとは言ってないわよ」

 

零誠「あはは。変な冗談は止めてくださいよー」

 

白音「………先輩の言う通りです」

 

夕麻「うんうん」

 

リアス「ニコッ」

 

あ、目がマジだ。

 

零誠「逃げるぞ!」

 

ダッ!ガシッ

 

逃亡の瞬間に捕まった。

 

零誠「何故に俺だけ!?」

 

リアス「だって白音と夕麻にやっても面白くないでしょ?」

 

零誠「なんか私的な要素が入ってやがる!」

 

リアス「というわけでお尻を出しなさい」

 

零誠「クソッ!こうなったら仕方ねえ!今日は俺の部屋で寝ていいんでお仕置きは勘弁してください!」

 

リアス「添い寝?」

 

零誠「構いません」

 

リアス「私って寝る時裸なのよね」

 

零誠「か、構いません」

 

リアス「レーセーも裸」

 

零誠「それは無いでしょう」

 

リアス「ま、そのあたりが妥当なところか」

 

俺は何か尊厳を失った気がする。

 

匙「俺も一緒に寝るんで」

 

ソーナ「怒るわよ?」

 

匙「すんませんでしたーーーーーーーーーー!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

帰宅

 

零誠「ただいま」

 

母親「レーセー?ちょっとこっち来てみなさい」

 

前回は教会2人組がいたんだよな。

 

今回は鬼が出るか?蛇が出るか?

 

声がしたキッチンに行くと

 

母親「ほら、みんな」

 

アー・黒歌「「お帰りなさい」」

 

2人はエプロン姿だった。

 

だが、露出度が異様に高い。

 

零誠「まさか裸エプロンだと?」

 

アー「桐生さんに教わりました。日本のキッチンに立つ時は裸エプロンだと。恥ずかしいですけど日本の文化に慣れる為です」

 

零誠「キリューーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

黒歌「レーセー。この格好って下着も着けてないからスースーするにゃ」

 

零誠「なら履け」

 

黒歌「これも日本文化が悪いのにゃ」

 

零誠「俺が過ごしてきた文化に濡れ衣を着せるな!」

 

アーシアと違いスタイルが良いから形がくっきり分かっちまう。

 

母親「あー、若い頃を思い出すわ」

 

親のそういう話は聞きたくない。

 

リアス「なるほど。その手があったわね」

 

零誠「誰か俺に常識を教えてくれ」

 

この世界に俺の常識が通用しない。

 

リアス「アーシア。あなたはサキュバス並みの淫魔になれるわ」

 

アー「エッチなのは嫌です」

 

黒歌「私は構わないわ。もちろんレーセー限定だけどね」

 

アー「ならやっぱり私も」

 

リアス「2人とも待ってなさい!私も着替えてくるから」

 

母親「私が手伝うわ」

 

リアスと母親退場

 

アー「レーセーさん。この格好はおかしいんですか?」

 

零誠「うん。普通の家庭にはいない」

 

アー「えぇ!?桐生さん、黒歌さんに教えて貰ったんですよ!」

 

零誠「その2人は特にダメな方向に進んだ方々だから」

 

黒歌「あのねー、レーセー。私相手だからって何を言ってもいいことにはならないにゃ」

 

零誠「その2人以外にも部長、朱乃先輩、夕麻、母さんから何か教わったら気をつけるように。もう俺に確認しろ」

 

アー「はい。分かりました」

 

零誠「よし。つーか、黒歌は桐生と仲が良いのか?」

 

黒歌「今日初めて会ったんだけど何か感じる物があったにゃ」

 

零誠「変なところで意気投合しやがった!」

 

ガチャ

 

リアス「レーセー。着替えてきたわよ」

 

零誠「頭が痛くなってきた」

 

リアス「早速料理に取り掛かるわよ」

 

そう言って3人とも料理を開始するのだが、まぁ、裸エプロンというわけですから後ろから見たら全裸なんですよね。

 

零誠「部屋に戻ろう」

 

この後、夕麻と白音が帰ってきて、夕麻が参加。

 

白音はさすがに諦めて俺と部屋で遊んで暇潰しをした。

 

父さんも帰ってきて鼻血を出して倒れた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

自室

 

リアス「レーセー。早速一緒に寝るわよ」

 

零誠「………はい」

 

夕麻は部長に白音は黒歌に尻叩き1000回をされたので言い訳出来ない。

 

そしてそれよりも問題なのは、

 

黒歌「私もお仕置きする側だから一緒に寝るにゃ!」

 

てな事になった訳です。

 

若干予想してたけどな!

 

だからアーシアを説得出来ただけマシだ。

 

ガシッ ムニュッ

 

2人が左右から腕にしがみ付いてきた。

 

2人とも裸だからダイレクトに触覚が反応する。

 

零誠「俺ならやれる。無心だ。無心になれ。レーティングゲームの時と同じように」

 

黒歌「レーティングゲームの時は膝枕だったけど今回は生乳にゃ」

 

生乳。本当にマシュマロと同じ感じなんだな。

 

零誠「どちくしょう!今、少し集中力が切れちまったじゃねえか!」

 

黒歌「うるさくて眠れないにゃ」

 

零誠「誰のせいだ!?」

 

その後は3人静かになって部長と黒歌は寝てくれたのだが、俺は少しでも寝ようとすると無心が切れてしまうので寝れないでいる。

 

零誠「今夜は徹夜だな」

 

無心のおかげで鋭敏になっている聴覚が外での羽音を捕えた。

 

そしてその羽音に掻き消されそうなほど小さい虫の息ほどの呼吸音も一緒に捕えた。

 

零誠「部長。黒歌」

 

リアス「この感じは」

 

黒歌「堕天使にゃ」

 

2人も気付いたみたいで指を鳴らすと一瞬で制服を身にまとっていた。

 

零誠「『投影開始』」

 

俺も制服を着るように投影し、部長と黒歌と一瞬に窓から飛び降りた。

 

空中に黒い羽が10枚生やした若い男性の堕天使が浮いている。

 

その堕天使は部長を見て苦笑し、

 

コカ「初めましてかな?グレモリー家の娘よ。その紅い髪を見ていると忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ」

 

挑発だが、絶対的強者がやれば様になる。

 

この戦力差は部長が真っ向から戦っても勝負にならないな。

 

リアス「ごきげんよう。堕ちた天使の幹部コカビエル。私の名前はリアス・グレモリーよ。以後お見知りおきを。それとグレモリー家と魔王は最も近く、最も遠き関係よ。政治的なやり取りをしたいなら無意味よ」

 

ガチャ

 

夕麻「コカビエル様!?」

 

同じ堕天使だから気付いたのか玄関から夕麻が出てきた。

 

コカ「誰が来たかと悪魔の犬に成り下がった恥曝しか」

 

夕麻「うぅっ」

 

夕麻はその場に屁たれ込む。

 

コカ「犬は放っておいて手土産だ」

 

コカビエルはこちらにある物を放り投げてきた。

 

俺はそれを受けとめる。

 

ある物とはさっき聞き取った虫の息を発するイリナだった。

 

零誠「イリナ!」

 

状態がマズい。身体中に傷を負い、出血が多く、体が冷たくなっている。

 

零誠「夕麻!イリナをアーシアと白音の元に!」

 

夕麻「は、はい!」

 

夕麻にイリナをアーシアと白音の元へ連れて行かせる。

 

ヒーリングと気のコントロールがあれば一命は取り留めるだろう。

 

コカ「俺達の根城に潜り込んだネズミが三匹いてな。それなりに歓迎したよ。まぁ、そのうち2匹は逃がしてしまったがな」

 

木場とゼノヴィアは逃げきったのか。

 

コカ「魔王と交渉などそのようなバカげたことはせんよ。まぁ、妹を犯し殺せばサーゼクスの激情が買えるのだからそれもいいが」

 

リアス「なら私への接触は何が目的なのかしら?」

 

コカ「お前の根城の駒王学園を中心にこの街で暴れればサーゼクスかレヴィアタンが連れるだろう。あの学園には何しろ妹が在学しているのだからな」

 

リアス「そんなことをしたら神、堕天使、悪魔の大戦争が起こるわよ!」

 

その言葉を聞きコカビエルは嬉しそうに笑う。

 

コカ「それは願ったり叶ったりだ!エクスカリバーを盗ればミカエルが戦争を吹っかけてくると思ったのだが、寄越したのは雑魚のエクソシストばかり!全くもってつまらん!」

 

黒歌「この戦争狂が」

 

コカ「そうだとも!私は三つ巴の戦争を望んでいる!前回の戦争が終わって退屈で退屈で仕方無かった!アザゼルとシェハザムは次の戦争に消極的でな。それどころかセイクリッド・ギアなんて訳の分からん物を集め、研究しはじめやがった!そんな下らない物が俺達の決定的な武器になるとは限らん!そこのガキが持っている『ブーステッド・ギア』レベルなら話は別だが、そうそう見つかる物じゃない」

 

コカビエルはこっちに目を向ける。

 

うん。スゲー威圧感だな。

 

零誠「『ブーステッド・ギア』に興味があるのか?」

 

コカ「少なくとも俺にはない。アザゼルは欲しがるだろうな。あいつのコレクター精神は異常だ」

 

零誠「もう1つ聞きたいことがあるんだが」

 

コカ「なんだ?言うだけ言ってみろ」

 

零誠「羽10枚って意味無くね?つーか、邪魔だろ」

 

ズルッ

 

全員がずっこける。

 

リアス「何下らないことを聞いてるの!?」

 

零誠「だって気になるじゃないすか。二枚あれば十分でしょ?」

 

リアス「だからって今聞く必要ないでしょうが!」

 

コカ「とにかくお前にはこの争いに参加してもらう。ネズミどもの歓迎料として貰ったエクスカリバーを合わせて五本のエクスカリバーにより本来の力を駒王学園で解放する」

 

零誠「二本足りなくね?」

コカ「そのうち集めればいいだろう」

 

指を鳴らすと昼間の閃光弾のような光が視界を奪う。

 

コカ「それでは戦争をしようではないか!駒王学園で待っているぞ!」

 

光が無くなったときにはコカビエルの姿は無かった。

 

リアス「駒王学園に向かうわよ!」

 

零誠・黒歌「「はい(ええ)!」」

 

あっ!結局あの羽は邪魔じゃないのか聞けなかった。



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ケロベロス

駒王学園前

 

匙「リアス先輩。大きな結界で覆っています。これで余程のことが無い限り外に被害が出ません」

 

零誠「コカビエルがいる時点で余程のこと何だがな」

 

校門の前に木場を除いたグレモリー眷属とシトリー眷属と黒歌が集まっていた。

 

ツンツン

 

匙「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

零誠「あ、悪い」

 

匙の立ち姿がぎこちなかったので尻をつついてみたら絶叫した。

 

ソーナ「この結界は最小限に抑えるための物です。先程レーセーくんが言った通り、コカビエルが本気を出したら学園どころかこの地方都市が崩壊します。さらにその準備にもう入ってるようなのです。コカビエルは力の解放を行っている姿を確認してます。攻撃を少しでも抑えるために私と眷属は配置につき結界を張ります。校舎が傷つくのは耐え難いですが、堕天使幹部が出てきた以上仕方ないでしょう」

 

零誠「白音。その結界を手伝ってやってくれ」

 

白音「………私も戦います」

 

零誠「魔力では気を防ぎずらい。俺と黒歌が暴れるために頼むよ」

 

白音「………仕方ないですね。その代わりに私と添い寝してくださいね」

 

零誠「全く。服は着てくれよ」

 

ソーナ「では白音さんにも結界を手伝ってもらいます。リアス、相手は桁違いの化物ですよ。今からでもお兄様を呼んだ方が」

 

リアス「あなただってお姉様を呼ばなかったじゃない」

 

ソーナ「私のところは………。あなたのお兄様ならあなたを愛してますから、きっと来て「すでにサーゼクス様に報告しています」」

 

リアス「ちょっと朱乃!」

 

零誠「今回は朱乃さんが正しいですよ」

 

朱乃さんは少し恐い顔で

 

朱乃「リアス。サーゼクス様に迷惑をかけたくないのは分かるわ。自分の縄張りでしかも御家騒動の後ですものね。でも幹部クラスが出てきたなら別よ。魔王の力を借りましょう」

 

リアス「ふぅ、分かったわ」

 

部長が納得したのを見てまたニコニコな顔に戻った。

 

朱乃「部長、ソーナ様。サーゼクス様が来るのは1時間後です」

 

ソーナ「1時間。分かりました。その間、私達生徒会がシトリー眷属の名において結界を張り切ってみせるわ」

 

白音「………私も頑張ります」

 

リアス「私達はオフェンスよ。結界の中に入ってコカビエル達の注意を引くわ!これはフェニックス戦と違い死戦よ!でも死ぬことは許さないわ!みんな揃って学園に登校するわよ!」

 

全員『はい!』

 

気合いの入った返事をする。

 

リアス「それとレーセー。あなたにまた頼ってしまうかもしれないわ。下撲に頼るなんて主失格ね」

 

零誠「そんなこと言わないでください。俺はみんなが幸せになるために頑張ってるんです。だから笑ってください」

 

俺がそう言うと部長は綺麗な笑顔を見せてくれた。

 

匙「レーセー!あとは頼んだ!」

 

零誠「ああ。そっちも結界の維持を任せた」

 

匙「中で何が起きようと外に少しも被害は出さないから安心しろ」

 

零誠「もし俺に何かあったら白音を頼む」

 

匙「断る。だから死ぬな!」

 

零誠「匙。やっぱお前良い奴だな」

 

匙「いきなり変なこと言うなよ!それで木場の奴は?」

 

零誠「見た通りだ。だがあいつは来るよ」

 

匙「うん。俺もそう思う」

 

零誠・匙「「行くぞ!」」

 

パチン

 

零誠と匙はハイタッチをして自分の戦場に向かう。

 

ドラ『なぁ相棒。聖剣使いとやりあった昨日の今日で堕天使幹部が相手って多忙過ぎないか?』

 

零誠「え?いつものことだぞ」

 

ドラ『………お前早死にするぞ』

 

ーーーーーーーーーーーー

 

校庭

 

注意を引くということもあり、正面からどうどう入っていく。

 

校庭の中央には四本の聖剣が光を発して宙に浮いている。その聖剣を中心に巨大な魔方陣が描かれている。

 

魔方陣の真ん中にバルパーが立っている。

 

零誠「この馬鹿でかい魔方陣は何に使うんだ?」

 

バル「5本のエクスカリバーを一本にするのだよ」

 

その程度のことにこんな物用意したのか。

 

コカ「バルパー。後どれくらいで完成する?」

 

バル「5分かからんよ」

 

コカ「そうか」

 

コカビエルは宙に浮いた椅子に座っている。

 

零誠「そこまでして椅子に座りたいんかい!やっぱその羽無意味だろ!」

 

俺の声を聞きこっちを見た。

 

コカ「ならこの椅子から引き摺り下ろしてみろ」

 

零誠「その邪魔な羽をむしって地べたを這いずり回せてやるよ」

 

コカ「ふん。リアス・グレモリー。サーゼクスはどれくらいで来る?」

 

リアス「お兄様の代わりに私達が」

 

ズドーン!

 

部長が話してる途中に極太の光の槍が体育館を貫いた。

 

コカ「まぁ、余興にはなるだろう」

 

零誠「その余興で退場してもらうぜ」

 

コカ「期待せずに待つとしよう。お前らにはこいつの相手をして貰おう」

 

コカビエルが指を鳴らすと暗闇から10メートルを超える三つ首の黒い犬が現れた。

 

リアス「ケロベロス………」

 

地獄の番犬と呼ばれる魔獣。

 

でもケロベロスって常時頭一つは寝てるんじゃなかったけ?

 

あれって迷信だったのか?

 

リアス「地獄の入り口に生息しているのを人間界に持ち込むなんて………。あんなのに暴れられたら街が滅ぶわ」

 

零誠「じゃあ、さっさと潰しますか」

 

リアス「レーセーは共鳴でみんなを強化して」

 

零誠「そう言われると思って貯めときました」

 

『Boost!』

 

これで8度目の倍加。

 

零誠「アーシア。アオチビを呼び出せ」

 

アー「はい」

 

アーシアは言われた通りにスプライトドラゴンが召喚する。

 

零誠「『ブーステッド・ギア・レゾナンス』×『強化開始』!」

 

『Transfer!』

 

共鳴によって部長、朱乃さん、黒歌、夕麻、アオチビを三段階目の強化を行った。

 

零誠「アオチビ。アーシアに傷一つ無いように守りきれ」

 

スプ「キュー!」

 

通じたのか、スプライトドラゴンは返事をする。

 

朱乃「………レーセーくん。その羽」

 

朱乃さんが指摘した羽は片方が悪魔、もう片方が堕天使の左右非対象になっていた。

 

零誠「夕麻と共鳴したからですかね」

 

朱乃「醜いと思わないんですか?」

 

零誠「酷いこと言わないでくださいよ。それに綺麗でしょ?」

 

朱乃「綺麗?」

 

零誠「はい。それに最近じゃアシンメトリーって流行ってるそうですよ」

 

朱乃「………ふふ。相変わらずあなたは面白いですね」

 

朱乃(あなたの前なら堕天使の力にも向きあえるかもしれませんわね)

 

リアス「朱乃!行くわよ!」

 

部長と朱乃さんは飛び上がり、ケロベロスに向かって滅びの魔力と雷を放つ。

 

グオオオオ!

 

いきなり後ろからケロベロスが一頭現れた。

 

黒歌「任せるにゃ」

 

夕麻「私も行きます」

 

光の矢と巨大な気の塊がケロベロスを飲み込む。

 

コカ「赤龍帝の力を使えばこれほどの力に犬の力でさえなるのか」

 

コカビエルはバカにした顔で夕麻に向かって言う。

 

夕麻「ええ。そうよ!私は犬!レーセーくんみたいな主なら私は犬でも構わない!」

 

夕麻はさっきのように気負いすることなく、コカビエルに言い放った。

 

リアス「くらえ!コカビエル!」

 

俺を除いた四人はコカビエルに向かって滅びの魔力、雷、光の矢、魔力の塊を放った。

 

コカビエルは片手をこちらに向けると払って、流してしまった。

 

コカ「面白い!やはり面白いぞ!ここまでの力と相対するのは心地よい!」

 

片手だけで済ました奴が言うセリフかよ。

 

バル「完了だ」

 

先程と比べものにならない光をエクスカリバーは発する。

 

コカビエルは拍手をし、

 

コカ「五本のエクスカリバーが一つになる」

 

光が止んだ時に5本は一本になっていた。

 

バル「エクスカリバーが一本になった時に発した光によって魔方陣も完成した!後20分でこの街は崩壊する!止めるにはコカビエルを倒すしかないぞ!」

 

その為の馬鹿でかい魔方陣か。

 

コカ「フリード」

 

フリ「はいな。ボス!」

 

コカ「最後の余興だ。魔方陣のエクスカリバーを使え、5本の力を集結したエクスカリバーの力を見せてみろ」

 

フリ「了解しやしたー!まーったくうちのボスは人使いが荒くて困るねー!でもでもでもーこんなスペシャル使用のエクスカリバー使えるなんて公営の極み!悪魔くんチョンパするのに使わせていただきやーす!そんじゃーレーセーいっくぜー!」

 

木場「その相手僕にやらせてよ」

 

ゼノ「加勢に来たぞ」

 

木場とゼノヴィアが駆け付けた。

 

木場「聖剣とバルパーは僕がやらしてもらうよ」

 

零誠「お前は何の為に戦うんだ?」

 

木場「復讐の為だよ」

 

零誠「なら幸せになるという理由を加えとけ」

 

木場は驚いたが、すぐに笑って。

 

木場「考えておくよ。それと酷いこと言っちゃっごめんね」

 

零誠「気にしてないから安心しろ」

 

零誠・木場「「さっさと片付けるぞ(終わらせよう)!」」

 



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聖魔剣

木場サイド

 

ゼノ「私も聖剣を破壊するのに協力しよう」

 

木場「教会がそんなこと言っていいのかい?それにエクスカリバーが奪われたんじゃ」

 

ゼノ「私達はエクスカリバーの破片を持ちかえれば問題ない。それとエクスカリバーが無くとも私にはとっておきがある」

 

木場「そうかい。なら共闘と行こうか!」

 

バルパーはその様子をバカにしたように笑って見ている。

 

木場「バルパー・ガリレイ。僕は『聖剣計画』の生き残りだ。いや、あなたに殺された身だ」

 

バル「あの計画の生き残りか。数奇な物だな。こんな極東の島で出会うとはな。

私は子供の頃から聖剣に憧れていてね。エクスカリバーの逸話には心踊らせた物だよ。だから適性が無いと知った時の絶望と言ったら無かったよ。

自分で使えないなら使える者を人工的に作ろうと思ったのだよ。

君たちのおかげでとうとう私の実験は完成した」

 

木場「完成した?僕達を失敗作と言って処分したじゃないか」

 

バル「エクスカリバーを扱うのに必要な因子があることに気付いた私はその因子を集めることが出来ないかという結論に至った」

 

ゼノ「なるほど。読めたぞ。聖剣使いが祝福の時に入れられるのは」

 

木場「同士達を殺して抜き取った因子」

 

バル「そう。これがその時の物だ。3つ程フリードに使ったがな!この力を使い、私を追放した天使と教徒どもに目に物見せてやる!」

 

バルパーは懐から光る球体を取り出した。

 

フリ「ギャハハハ!まぁ、俺以外の奴に使ったら途中で体がついて行かずに死んじまうんだけどな!そう考えたら俺ってこのエクスカリバーが似合うスペシャルな奴じゃね?」

 

バル「これは貴様にくれてやろう。環境さえ整えばいくらでも量産出来る」

 

バルパーは僕の足元に放り投げる。

 

その球体からいくつもの魂が解放される。

 

木場「み、みんな!」

 

その魂は僕の同士。

 

同士『何故そんな悲しい顔をしているの?』

 

魂は人の形になり、声をかける。

 

木場「僕はずっと思っていたんだ。僕だけが生きていていいのかって。僕より生きたいと思った子がいた。僕より平和に暮らしたいと思っていた子がいた。それなのに生き残った僕がみんなを差し置いて幸せになっていいのかって」

 

同士『僕達が君の幸せよりも復讐を願っていたと思うのかい?』

 

同士『僕達はそっちの方が悲しいよ』

 

零誠『俺をバカにするのは構わない!だけどお前の同士をバカにするのは許さない!』

 

木場「部室でレーセーくんが言ってたことは正しかった」

 

魂は綺麗な声で歌い出す。

 

魂が歌い上げるのは聖歌。

 

同士『僕達のことはもういいから幸せになれ』

 

同士『私達は聖剣を使える因子が足りなかった』

 

同士『けれどみんなが力を合わせればきっと大丈夫』

 

同士『聖歌を受け入れるんだ』

 

同士『怖くなんかない』

 

同士『例え神が救いを与えなくても』

 

同士『例え神が見ていなくとも』

 

同士『僕達の心は………』

 

木場「一つだ」

 

同士の魂と僕の魂が一つになる。

 

木場「バルパー・ガリレイ。あなたを倒さないと第二、第三の僕達の命が無視される」

 

バル「ふん。研究に犠牲は付き物だろう?」

 

やはり、あなたは邪悪過ぎる。

 

木場「僕はあなたを倒し、幸せになるための剣となる」

 

僕の魂に存在する同士達よ!僕達が叶えられなかった夢を一緒に叶えよう!

 

木場「禁手(バランスブレイカー)。『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』。聖と魔を有する剣。その身をもって味あうがいい」

 

僕はフリードに向かい走りだす。

 

聖魔剣とエクスカリバーが競り合う。エクスカリバーを覆うオーラが僕の聖魔剣によって削られていく。

 

フリ「この駄剣は本家様の聖剣を凌駕すんのかよ!?」

 

木場「確かにもし真の聖剣ならば勝ち目は無かったよ。でもね、それには負ける気がしない。今日の僕は目の色が違うんだ」

 

エクスカリバーは伸びながら鞭のように木場のことを攻める。

 

『擬態の聖剣』の能力

 

僕はその攻撃を全てさばく。

 

フリ「なんでさ!?なんで攻撃が当たらないんだよ!?昔から伝説が語られてる最強の聖剣様なんだろう!なんとかしやがれよ!」

 

フリードが叫ぶと聖剣は全く見えなくなる。

 

『不可視の聖剣』の能力

 

だけど僕の目の前じゃ無意味だ。

 

木場「今日は良く見える」

 

不可視の攻撃を弾く。

 

フリ「ふざけてんじゃねえぞ!ゴラァ!」

 

この攻撃は受けるのはマズいな。

 

木場はナイトの特性を生かして回避する。

 

ズドーン!

 

フリードの攻撃は地面に当たり、ゼノヴィアの時と同じようにクレーターを作った。

 

『破壊の聖剣』の能力

 

フリ「なんで威力が上がったことが分かりやがったんだ!?」

 

木場「良く見える。と言ったが、別に視力が上がった訳じゃない。どんな方向から攻撃しようと、見えない攻撃をしようと、破壊力をいきなり変えようとそれを操ってるのは君だ」

 

フリ「訳分かんねえこと言ってんじゃねぇよ!」

 

木場「僕が見えてるのは君の視界だよ!」

 

『欲視力(パラサイトシーイング)』

 

相手の視界を乗っ取る魔眼。相手がどう見てるのかが分かる。

 

木場「全くレーセーくんの修行メニューには恐れ入るよ」

 

フリ「余裕ぶっこいてんじゃねぇ!!」

 

フリードが放った突きは伸び、枝分かれした。

 

ゼノ「木場よ。良くやった」

 

木場「相手の視界が分かれば誘導するのは容易いよ」

 

ゼノヴィアは手を上に上げた。

 

ゼノ「ペトロ、バシレイオス、デュニオシウス、そして聖母マリアよ!我が声に耳を傾けてくれ!」

 

空間が歪んだ。

 

ゼノ「この刃に宿りしセイントの御名において我は解放する!デュランダル!」

 

歪んだ空間から現れたデュランダルを握る。

 

バル「貴様はエクスカリバーの使い手では無かったのか!?」

 

ゼノ「残念。私はもともとデュランダルの使い手だ。エクスカリバーは兼任していたにすぎん」

 

デュランダルを両手で強く握る。

 

ゼノ「私は養殖物の聖剣使いでは無く天然物だ」

 

フリ「そんなのありですかーー!?超展開3回連続そんなにいらねえよ!このクソッタレにクソビッチが!」

 

ゼノ「ふん!」

 

木場「君の視界は見るに耐えない」

 

木場とゼノヴィアは同時に攻撃し、エクスカリバーをへし折った。

 

フリ「マジかよ!?伝説のエクスカリバーが木っ端微塵になっちまった!?」

 

木場「見てくれたかい?僕達は聖剣を超えたよ」

 

木場はフリードを切り払った。

 

 



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禁手化

零誠サイド

 

零誠「さて、始めるか。クソ堕天使」

 

コカ「ふむ。やってみろ。クソ悪魔が」

 

レーセーはゼノヴィア戦で使った不可視の剣を投影した。

 

リアス「私達も行くわよ」

 

コカ「悪いが。君達には赤龍帝ほどの興味は無い。先程のように獣の相手でもしてくれ」

 

コカビエルがそう言うと、ケロベロスが何頭も現れた。

 

リアス「コカビエル!まさかあなたケロベロスを連れてきたのでは無くて、この校庭を地獄と直結させているの!」

 

コカ「気付いたか。その通りだよ。連れて来るのが面倒だったので空間を歪ませてもらったよ。これも下の魔方陣と同じで私を倒さないと元に戻らない」

 

リアス「レーセー。私達がケロベロスを相手してる間、コカビエルを抑えることが出来る?」

 

零誠「時間を稼ぐのは構わないんですが、別にあれ、倒してしまっても構わないんでしょ?」

 

リアス「!?………ええ、レーセー。こてんぱんにしちゃいなさい!」

 

零誠「そうですか。なら、期待に答えるとしましょう」

 

俺は飛び上がり、コカビエルと向かいあう。

 

コカ「話はついたみたいだな。それでは赤龍帝の力見せてみろ」

 

零誠「座ったままやる気か?」

 

コカ「手加減だ」

 

零誠「あっそ」

 

コカ「では行くぞ」

 

コカビエルは先程の極太の光の槍を放った。

 

零誠は不可視の剣で上に反らす。

 

零誠「さすが聖書に乗ってるだけある。正面から受け止めんのは無理だわ」

 

コカ「避けずに流すとは本当に面白い!それにただの不可視の剣だと思っていたが素晴らしい!良い名のついた剣なのだろう!」

 

下で強い光が発する。

 

ドラ『どうやらあのナイトは禁手に至ったみたいだな』

 

零誠「木場に先越されちまったな」

 

コカ「禁手か。だがエクスカリバーの相手では無いな」

 

零誠「カハハハッ!」

 

コカ「いきなりどうした?気が狂ったか?」

 

零誠「いやぁ、質問なんだがさっきセイクリッド・ギアは決定的な武器にならないと聞いたが、あのエクスカリバーは決定的な武器になるのか?」

 

コカ「そのつもりだが」

 

零誠「全くもって傑作だな。あの程度の物は本物のエクスカリバーと比較したら天と地との差だな」

 

コカ「その口振りからすると本物のエクスカリバーを知っているのか?」

 

零誠「見せてやるよ。『ブリテンの赤龍』の『アルトリア・ペンドラゴン』が使用していた真の聖剣を。風の王よ!」

 

コカ「まるで台風だな。なるほど。先程は鞘であの槍を反らしたのか。全く君には驚かされる」

 

零誠を中心に突風が巻き起こる。

 

コカ「先程、貴様は真の聖剣と言ったな。少し信じたのだが、貴様の使う投影魔法は本物に似せて作る魔法だ。つまり偽物だ」

 

零誠「偽物が本物に劣ると誰が決めた!『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

風の鞘から解き放たれた美しい剣から放出された光はコカビエルの胸から下を消滅させた。

 

コカ「ゴホッ!バ、バカな!?」

 

コカビエルは校庭に落ちていく。

 

零誠「なるほど。羽は10枚無いといけないみたいだな」

 

落ちていくコカビエルに残った部位は胸、頭、肩、そして二枚だけになった羽だった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

木場サイド

 

レーセーくんはどうやらあの堕天使の幹部まで倒したみたいだ。しかもあの剣はおそらく聖剣だ。

 

全く彼に追い付くのはいつになるのやら。

 

こっちも終わらせないとね。

 

木場「覚悟はいいかい?バルパー・ガリレイ」

 

バル「あの赤龍帝が使用していたのは聖剣か。悪魔が聖剣を使用するだと………なるほどそういうことか!ならば聖と魔、相反する力を有する聖魔剣が存在することも納得出来る!」

 

バルパーはこちらの声が届いてなく、ぶつぶつ言っている。

 

バル「つまり、魔王だけで無く、神も死んでいる」

 

ゼノ「嘘だ!」

 

その言葉を聞き、ゼノヴィアは震えながら拒絶した。

 

ズドーン!

 

バルパーは光の槍に飲み込まれた。

 

コカ「喋り過ぎだ」

 

この状況にバルパーが言った言葉と同じくらいに驚いた。

 

木場「そんな!?レーセーくんが倒したはずじゃ!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠サイド

 

木場「そんな!?レーセーくんが倒したはずじゃ!」

 

確かに倒したはずなのにボロボロだが、コカビエルは五体満足に戻っており、羽も10枚になっていた。

 

コカ「そうだな。もし『蛇』が無かったらあのまま消えていたよ」

 

コカビエルはそう言うと消えた。

 

コカ「貴様は全力で殺す」

 

気付いたらコカビエルは俺より上にいた。

 

零誠「なっ!?」

 

速過ぎて気付かなかった!

 

コカ「そう驚くな。失望するではないか」

 

光の槍を二本こちらへ打ち出す。

 

『約束された勝利の剣』はさっきので燃料切れ。

 

零誠「チィッ!」

 

俺は共鳴によって得た能力をフルで使用し、槍を打ち消す。

 

滅び魔力、気、雷、蒼い稲妻、光を合わせてぶち込みなんとか消したが、勢いに推され、校庭に叩きつけられる。

 

零誠「カハッ」

 

共鳴によって変わった姿も元の姿に戻っている。

 

アー「レーセーさん!」

 

零誠「来んな!」

 

ケガを治そうと来ようしたアーシアを制止させる。

 

コカ「貴様ならあの程度避けられただろう。なのに下の虫を庇うとは」

 

アー「レーセーさん。私達の為に」

 

他の皆が俺に加勢しようとする。

 

零誠「全員、外に出て結界を強化してくれ。取って置きを使うから」

 

リアス「信じていいの?」

 

零誠「安心してくださいよ。こんなところで負ける気はありませんから」

 

リアス「任せたわよ」

 

皆は結界の外に出て行った。

 

コカ「本当は取って置きなど無いのだろ」

 

零誠「あはは。バレちまったか。なら何故あいつらを見逃した?」

 

コカ「本来なら頼るつもりの無かった力を使用したからな。それの詫びだ。お前を殺しても日本には被害を出さないでやる」

 

零誠「そりゃどうも。だけどまだ死ぬつもりは無いんでね」

 

コカ「言ってろ」

 

コカビエルは今日一番デカい光の槍を放った。

 

零誠「いつもより早いリタイアになっちまうな」

 

この世界での物語が終わったと思い、レーセーは目をつぶった。

 

???「何、殺されようとしている」

 

その言葉に驚き目を開けると、目に映ったのは綺麗な銀色だった。

 

???「お主があの程度の者に負けたら引き分けたわらわがバカにされるだろう。我が友よ」

 

銀髪で赤い着物を纏った少女は光の槍を両手で受け止めていた。

 

零誠「お前ティアマットか?」

 

ティア「そういえば人の姿を見せるのはこれが初めてであったな」

 

零誠「綺麗だな」

 

ティア「な、何を言っておる!」

 

零誠「率直な感想だよ」

 

ティア「全く。さてわらわは奴を狩るがついて来れるか?我が友よ」

 

零誠「ついて来れるか。じゃねえ!てめえの方こそついてきやがれ!」

 

『Welsh Drgon Balnse Braker!!』

 

ドラ『どうやら俺達も至ったようだ』

 

零誠「前回に続いて亜種であることは変わらないみたいだがな」

 

亜種の禁手は右手だけでなく、左手も『ブーステッド・ギア』の状態になっており、赤いコートを羽織っている。

 

零誠「アーチャーのコスプレしたときに思ったんだが、俺の髪形じゃ『ブレイブルー』のラグナだよな」

 

ドラ『相変わらず何を言ってんだ?』

 

零誠「気にするな」

 

ティアマットは3メートルくらいの大きさの龍の姿になり、俺と一緒に飛ぶ。

 

コカビエルは俺達を打ち落とすために大量の光の槍を飛ばす。

 

零誠「弾幕ゲーかよ」

 

少しずつ距離を詰めていき、ティアマットは火の玉を発射し、コカビエルに当たると思ったら、禁手状態の俺がギリギリ視認出来る速さで避けた。

 

零誠「マズいな。近づいてもありゃ避けられるぞ」

 

ティア「お得意の投影でなんとか出来る物を出せ」

 

零誠「残念なことに魔力切れだ」

 

ドラ『そのことなんだが、この禁手は『アンリミテッド・ウエポン・ワークス』を内包している』

 

赤いコートの内側には武器が突き刺さった丘の風景が広がっている。

 

零誠「なら手がある。ティアマット。お前の身体を俺に預けろ」

 

ティア「仕方ないのう。やるからにはすぐに終わらせろ」

 

コカ「何をするのか知らんが、もうこちらは負けん!」

 

レーセーはティアマットに跨った。

 

ティア「わらわに腰を下ろすとは」

 

零誠「今度なんか上手い物食わせてやるから我慢しろ!行くぞ!『騎兵の手綱(ベルレフォーン)』!」

 

レーセーとティアマットは光になった。

 

『騎兵の手綱』は騎乗出来る物の力を120パーセント引き出す。

天馬を龍にするほどの能力を持つ。

なら龍王に使用したら?

 

コカ「あの忌々しい神と同等だと!?」

 

コカビエルはその言葉を発する間もなく塵となった。



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3巻エピローグ

バカとカオスと原作ブレイクもマルチ掲載開始しました。



???「コカビエルが消されてるとは予定外の状況になっているな」

 

コカビエルを倒した後校庭から出ようとすると、空中に白い鎧を纏った男がいた。

 

ティア「アルビオン。ドライグに引かれてやってきたのか?」

 

人間の姿で俺の隣にいたティアマットが挨拶した。

 

アル『久しいな。まさか赤いのと銀がつるんでいるとはな。赤いのをあれだけ毛嫌いしていただろ』

 

ティア「別に赤いのとつるんでいるわけではないわ。今回の赤龍帝を気に入っただけじゃ。なんなら友の右腕を切り落としてわらわが代わりに右腕になってやるのも面白いのう」

 

零誠「何恐ろしいこと言ってんだ!?」

 

ティア「……………なぁに、冗談じゃ」

 

零誠「だったら今の間はなんだ!」

 

アル『赤いのはさっきからだんまりだがどうした?』

 

ドラ『白いのの殺気がいつもより無いから気になっただけだ』

 

アル『他に少し興味深い物がある。それにそれを言ったらお前もだろ』

 

ドラ『今回の赤龍帝が面白い奴だからな。断言してやる。レーセーは歴代最強の赤龍帝だ』

 

アル『だとよ。ヴァーリ』

 

ヴァー「最高だな!俺の代で相手が亜種化した最強とはな!」

 

零誠「ああ。お前バトルジャンキーか」

 

ヴァー「さっき亜種化した禁手は俺の『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』の『白龍皇の鎧(ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル)』とは全然形が違うんだな」

 

零誠「俺のは『赤龍帝の外套(ブーステッド・ギア・コート)』と言ったところだな」

 

ヴァー「それでは早速始めようか」

 

ちっ!この状況でかよ!魔力、ブーステッド・ギア共に燃料切れだってのに。

 

ティア「待たぬか!まさかこの弱った友に手を出すつもりではなかろうな?」

 

ティアマットがとてつもない殺気を放った。

 

ティア「正直貴様等の争いには全く興味はない。だが、赤龍帝である友と正々堂々やり合わぬと言うなら、先程のカラスとの戯れとは違い本気を出させて貰うぞ」

 

あれで戯れレベルっすか!?

 

ヴァー「怖い怖い。龍の女王とやるのは面白そうだが、今の俺じゃ勝てそうに無いから今日のところは退散することにするよ」

 

ヴァーリーはそう言って飛び去った。

 

ティア「行ったみたいじやな」

 

零誠「ふぅー。やっと気を緩められる」

 

ティア「わらわがおったのだから心配することも無かろう」

 

零誠「そうだな。ありがとうな。ティア」

 

ティア「ティアじゃと!?」

 

零誠「わ、悪い。気に入らなかったか?」

 

ティア「し、仕方ないのう。そなたがどうしてもそう呼びたいなら許可しよう」

 

零誠「別にそこまでは」

 

ティア「ギロ」

 

零誠「呼びたいです!呼ばせていただきたいです!」

 

今、一瞬ヴァーリーに向けたのと同じくらいの殺気か出しやがったぞ。

 

ティア「ならばわらわもそなたのことをレーセーと呼ぶことにしよう。良いな?」

 

零誠「全く構わないぞ」

 

ティア「そ、そうか」

 

ティアマットは嬉しそうに笑った。

 

リアス「レーセー!」

 

結界が解かれており、部長達がやってきた。

 

零誠「アーシアとゼノヴィアは?」

 

白音「………アーシア先輩がゼノヴィアさんを見ています」

 

零誠「アーシアは強いな」

 

自分の信じる物が偶像だと知ってしまったのに他の奴を気に掛けることが出来るなんて。

 

木場「レーセーくん。僕は」

 

零誠「少しは満足したみたいだな」

 

木場「うん」

 

零誠「それならいいじゃねえか。それに何かやり忘れたことがあるなら、これからやればいいんだよ。その時は手伝ってやっからよ」

 

木場「そうだね」

 

リアス「祐斗。よく戻って来てくれたわ。それに禁手なんて誇らしいわ」

 

部長は木場を笑顔で迎え入れる。

 

俺も禁手になったが水は差さずにいよう。

 

木場「部長。僕は部員の皆を、そして一度命を救っていただいた部長を裏切ってしまいました。お詫びする言葉が見つかりません」

 

リアス「でもあなたは戻って来てくれたわ。もう二度と彼らの思いを無駄にしてはダメよ」

 

木場「はい。レーセーくんとの約束もありますしね。僕は改めて誓います。僕、木場祐斗はリアス・グレモリーとその仲間達を終生お守りします」

 

リアス「よろしい!さて」

 

零誠「御愁傷様」

 

部長の手に魔力が籠もる。

 

リアス「祐斗。勝手なことした罰よ。お尻叩き千回ね」

 

木場「やらないといけないことが出来たからレーセーくん手伝って!」

 

木場は助けを求めてきた。

 

ニコッ

 

零誠「ガンバッ!」

 

手伝うのは時と場合によるよね。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

コカビエル襲撃から数日後

 

部室

 

ゼノ「やあ。赤龍帝」

 

声をかけてきたのは制服を着たゼノヴィア。

 

零誠「コスプレ?」

 

ゼノ「本職だ!」

 

零誠「てことはお前転校して来たのか?」

 

バサッ!

 

ゼノヴィアの背中から悪魔の羽が生えた。

 

零誠「狂信してたお前がな」

 

ゼノ「ふん。神が死んだと知ってしまったんでね。破れかぶれで悪魔に転生した。リアス・グレモリーからナイトの駒を頂いたよ。デュランダルが凄いだけで私はそこまで大したことが無かったみたいで駒は1つ消費するだけで済んだよ」

 

良い夢から覚めて現実をちゃんと見るのは難しいからな。

 

ゼノ「それでこの学園に今日から編入することになった。君と同じ二年のオカルト研究部所属だ。レーセーくん!よろしくね!」

 

とゼノヴィアは決め顔で言った。

 

※無表情です。

 

零誠「無表情でその可愛い発言はギャップを通り越して異様過ぎる」

 

ゼノ「イリナの真似をしたんだが、失敗だったか」

 

零誠「ゼノヴィアもですが、部長もちゃっかりしてますね」

 

部長「デュランダル使いが眷属にいるなんていいじゃない。これでナイトの二人が揃ったわ」

 

ゼノ「というわけで今日から色々と世話になる」

 

零誠「はっはー。なんか十中八九当たる嫌な予想が出来たんだが」

 

リアス「ゼノヴィアもレーセーのうちに住むわよ」

 

零誠「予想大的中!」

 

ゼノ「偶像の神に今まで人生を捧げてきたから、破綻していたのは分かるが、敵であった悪魔になるのはいくらなんでも」

 

零誠「後悔すんの早いな!?」

 

ゼノ「そういえばイリナから手紙を預かってるよ」

 

ゼノヴィアがイリナからの手紙を渡される。

 

イリナ『挨拶も無しに帰っちゃってごめんね。緊急で戻って来るように言われちゃってね。しかもゼノヴィアは教会から追放されたって言うし、私一人でエクスカリバー5本分の欠片を持ち帰ることになったしで忙しかったのよ。これも主からの試練かしら?

前置きが長くなっちゃったけどゼノヴィアのことよろしくね。あの子って常識が無いから手を貸してあげてね。それじゃまた日本に行く機会があったら寄るからまたね!

PSあくまで『友達』としてゼノヴィアに手を貸してあげてね』

 

幼なじみからも頼まれちまったよ。いよいよ拒否権は残されてないようだ。

 

気になったのだが、PSの方が本文より濃く書かれている気がする。

 

ゼノ「なんて書かれていたんだい?」

 

零誠「俺の仕事が増加されたお知らせ」

 

ゼノ「よく分からないな。仕事なら頑張れ」

 

主にお前のことなんだがな。

 

リアス「今回の事件で悪魔、天使、堕天使で会談があるそうよ」

 

零誠「まぁ、幹部が問題起こしたところとその幹部を消したところとトップが居ないのがばれたところと問題が山積みですからね」

 

ゼノ「そうだな。そのことでアーシアに謝らないといけないな。神が居ないのだから救いがあるわけ無いのだからな。本当にすまなかった」

 

ゼノヴィアはアーシアに頭を下げる。

 

アー「頭を上げてください。私はこの生活に満足しています。それだけで幸せですから」

 

ゼノ「ありがとう」

 

アー「あっ!今度クラスのお友達と遊びに行くんです。ゼノヴィアさんも一緒にどうですか?」

 

ゼノ「魅力的な提案だが、今回は辞退させてもらうよ。まずはこっちの生活に慣れないといけないからね。図々しいかもしれないが、学園を案内してくれないかい?」

 

アー「はい!」

 

アーシアはゼノヴィアを連れて学園案内に向かった。

 

零誠「なんだかんだ言って今日も平和だな」

 

 



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テロは成功すれば革命家になれるお仕事です。
4巻プロローグ


もう少しで夏休みだな。

 

そろそろ中級試験か。勉強しといたし大丈夫だろう。

 

そんなことを考えている俺は最近良く呼ばれる依頼人にのところに来ている。

 

浴衣「よー。悪魔くん。今日も悪いね」

 

その依頼人は20代くらいのイケメンの浴衣を着た外人。

 

釣りに一緒に行くやゲーセン巡りと大した依頼でも無いのに報酬は有名な絵画に金塊に宝石と超一流の報酬。

 

零誠「前回のあのワイン最高でした」

 

浴衣「おお!悪魔くんもいける口か!なら次回は一緒に晩酌でも頼もうかな」

 

零誠「なら俺も伝説と呼ばれてる梅酒を用意しますよ」

 

浴衣「凄い名前だな!いいのか?俺に分けちまって」

 

零誠「俺も未成年だから他と一緒に飲むわけにいかないからいつも一人飲みだから相手が欲しくて」

 

浴衣「今から次回が楽しみだ。それで今回はゲームに付き合ってよ。昼間レースゲーム買ったんだけど相手いなくてさ」

 

零誠「いいですけどそのゲームやり込み過ぎて本気出したら負ける気しませんよ」

 

浴衣「そりゃ楽しみだ。こっちは初心者だから手加減頼むよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「結構上手くなって来ましたね」

 

はじめの方は俺が勝っていたがだんだん強くなってきた。

 

浴衣「そろそろ本気出して良いよ」

 

零誠「言いましたね?」

 

ステージは落ちやすいスロープなど難易度が高いもの。

 

ちょうどそのスロープに入ったところで依頼人の後ろにいる。

 

俺はここでコースから落ちた。

 

浴衣「それが悪魔くんの本気かい?」

 

零誠「はい!」

 

俺の車体が丁度コースの上に落ち、依頼人に大きな差をつける。

 

浴衣「何だとっ!?」

 

零誠「やっぱレースゲームの醍醐味はショートカットだな」

 

このステージ俺が勝った。

 

次のステージは真ん中が穴になっているシンプルな物。

 

浴衣「このステージじゃショートカットは無いだろう」

 

レースが開始した時俺はスタートダッシュを失敗した。

 

浴衣「この勝負俺が貰った!」

 

零誠「甘いですね」

 

浴衣「何逆走始めてんだ!?」

 

俺の機体はスタートに向かって走りだし、スタートの横を抜けるようにコースアウトした。

 

浴衣「自滅?」

 

俺の機体が復活したのはゴールの目の前。

 

浴衣「なんだと!?」

 

零誠「落ち判定をギリギリゴール側にしたんです」

 

このステージも俺の勝ち。

 

浴衣「なら落ちないステージで」

 

街のステージ

 

スタート早々俺の機体は宇宙人が書かれた看板に突っ込み。

 

零誠「ワープ」

 

コースの残り3分の1のところまで跳んだ。

 

浴衣「落ちずに看板の無いところなら」

 

サーキットのようなステージ。

 

俺の機体はバックで細い道に入っていき、壁に無理矢理押し付け、操作画面が揺れて、コース外である林の中を走ってショートカットしていた。

 

零誠「バグ技」

 

勿論勝ちましたよ。

 

浴衣「まさかと思うが」

 

零誠「はい。全ステージの裏技知ってます」

 

浴衣「全く卑怯だな。赤龍帝」

 

零誠「現実じゃ堕天使総監督アザゼルさんには適いませんよ」

 

アザ「いつ分かった?」

 

零誠「俺独自の情報網で」

 

原作知識って言うわけにもいかないしね。

 

アザ「情報の管理をもっと厳重にした方がいいな」

 

零誠「自己紹介。兵藤零誠。悪魔兼赤龍帝」

 

アザ「俺はアザゼル。堕天使共の親玉やってる」

 

零誠「あんたのところの部下をかっ消しちまったがよろしく」

 

アザ「勝手に部下が手を出したみたいだがよろしく」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

部室

 

リアス「冗談じゃないわ!」

 

部長はご立腹のようです。

 

リアス「いくらこの街で3すくみのトップ会談があるからと言って、私の縄張りに侵入して営業妨害してたなんて」

 

あんだけの報酬出してくれたんだから、営業妨害つうより、貢献してくれてたんじゃね?

 

零誠「今日も依頼来てんですけど」

 

リアス「行っちゃダメよ」

 

零誠「ですよねー」

 

リアス「なんか残念そうね」

 

零誠「いえいえ。そんなことありませんよ」

 

酒飲むためとは言えないよな。

 

リアス「私の可愛いレーセーが誑かされてしまったわ!全く万死に値するわ!アザゼルはセイクリッド・ギアを収集してると聞くからブーステッド・ギアに興味を持ったのね。大丈夫。レーセーはやらせないわ。私が守るから(エヴァネタ

)」

 

零誠「アザゼルは俺と白龍皇で紅白揃えたいのかね」

 

木場「僕の幸せのためにも僕がレーセーくんを守るから安心して」

 

木場が腐った方々が聞いたら発狂しそうな発言をしました。

 

零誠「気持ちは嬉しいんだが、そういうセリフを男から真顔で言われても困る」

 

木場「真顔で言うに決まってるじゃないか。レーセーくんは僕の大切な仲間だからね。きっと大丈夫。僕の聖魔剣と君のブーステッド・ギアがあれば不可能は無い!こんな熱い言葉少し前の僕じゃ考えられなかったよ。君と付き合ううちに変わったみたいだ。それが嫌じゃない。胸の辺りが熱いんだ」

 

零誠「アウト!その発言はアウトだ!少し黙ろう」

 

木場「酷いよ。レーセーくん」

 

零誠「しゅんとしないでくれ!そういうのは男の俺がされても寒気がするわ!」

 

リアス「さて、アザゼルをどうやって葬るかをみんなで案を出し合いましょう」

 

零誠以外『はい!』

 

零誠「あんたら凄い団結力だな!?」

 

白音「………レーセー先輩のためですから」

 

零誠「気持ちは嬉しいが行動に移したら戦争になんぞ!」

 

黒歌「ばれないようにやれば大丈夫にゃ」

 

カオスです。部員のみんなが大真面目に暗殺を企てています。

 

サー「アザゼルは昔からああいう奴だったよ」

 

魔方陣からサーゼクスさんとグレイフィアさんが現れた。

 

零誠「良かった!この話が終わるきっかけが現れて本当に良かった!」

 

リアス「お兄さま!?」

 

サー「みんな久しぶりだね。しかしレーセーくんと会うのはもう少し先の予定だったんだが、全く何が起こるか分からないね」

 

中級試験の前にコカビエルが襲撃するなんて予想出来るやつなんてそうそういないでしょ。

 

そう考えているといつの間にかみんな跪いている。

 

零誠「やべっ」

 

サー「いや、跪かなくて構わないよ。今回はプライベートで来たからね」

 

みんな立ち上がる。

 

リアス「お兄さまはどうしてここに?」

 

サー「そろそろ授業参観があるだろう?妹が勉学に励むところを見ようと思ってね」

 

本当にプライベートだ。

 

リアス「お兄さまに伝えたのはグレイフィアね?」

 

グレイ「はい。グレモリー眷属の情報は全て私の元へ入って来ます。そして私はキングであるサーゼクス様にお伝えしただけです」

 

サー「情報が入った私は激務であろうと休暇を入れ、参加することにした。父上もお越しになられるよ」

 

リアス「そうではなく、魔王が一悪魔を特別気に掛けることをしてはいけません」

 

サー「仕事も兼ねて来ているから大丈夫だよ。会談はこの学園で行われることになった。つまり会場の視察だ」

 

リアス「この学園で!?」

 

サー「ああ。この学園には何かあるみたいでね。魔王の妹が二人、伝説の赤龍帝、聖魔剣使用者、聖剣デュランダル所持者が所属し、色んな力がとぐろ巻いている。その力の結果がコカビエルの襲撃だろうね。そしてその力を促進させているのは赤龍帝であるレーセーくんの存在かな」

 

ま、俺程のイレギュラーが存在するとは思えないしな。

 

サー「さて、難しい話はお仕舞いにしよう。我々は宿泊先を決めないといけないのでね。しかし、夜中に空いてる場所はあるだろうか?」

 

零誠「ならうちに来ますか?」

 

サー「そちらが良いのなら頼もうかな」

 

魔王様のご宿泊先決定。



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お泊まり

兵藤家

 

サー「妹が迷惑かけていなくて安心しました」

 

父親「いえいえ。リアスさんはいい子で家事も手伝って貰って助かっています」

 

母親「家までリフォームしていただいて」

 

俺がした提案に部長は嫌がっていたが、魔王と最強のクイーンにかなうわけ無く、サーゼクスさんの横で赤くなっています。

 

サーゼクスさんはサーゼクス・グレモリーとして部長のお父さんの会社を継いだことになっている。

 

母親「そちらのメイドさんは?」

 

サー「ええ、グレイフィアです。………実は私の妻です」

 

『えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』

 

グレモリー家っ俺以外が驚きの声を上げた。

 

グレイフィアさんはサーゼクスさんの頬をつねり、

 

グレイ「メイドのグレイフィアです。我が主がくだらない冗談を口にして申し訳ありませんでした」

 

サー「いふぁいよ。グレイフィア」

 

見てて飽きないな。

 

アザゼルもそうだったが、トップは面白い人が多いな。

 

父親「サーゼクスさんも授業参観に?」

 

サー「ええ。仕事が一段落したので妹の学舎と授業風景を見ようかと思いましてね。そうそう父も来るそうです」

 

母親「リアスさんのお父さんも」

 

サー「父は駒王学園の建設にも関わっているので、この機会に見に来ると言ってました。まぁ、リアスの顔を見たいだけでしょう」

 

その部長の顔はまた一段と赤くなっていた。

 

そして部長は助けてと合図を送って来ている。

 

よし!

 

零誠「部長は久しぶりにお兄さんに会って嬉しいみたいだからみんな上に上がるとしよう」

 

部長はびっくりして慌てている。

 

俺は親指を立て、いい笑顔を向けた。

 

俺は部長がこの面しrゲフンゲフン。この試練を越えてくれると信じています。

 

部長が睨み付けているので退散します。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

就寝前

 

コンコン

 

零誠「はーい」

 

俺は叩かれた扉を開けるとサーゼクスさんが立っていた。

 

サー「失礼するよ。今日はここの部屋を使わせて貰って構わないかい?」

 

零誠「いいですけど。部屋が沢山あるのに奥さんと一緒の部屋じゃなくていいんですか?」

 

サー「さすがにお邪魔した家で夜の営みをするのはマズいだろ?」

 

零誠「そこまで勧めていませんよ。で、何を開始してんですか?」

 

サーゼクスさんは部屋に入ってきて早々話をしながら家捜ししている。

 

サー「いやぁ、男子高校生の部屋に入ったらエロ本探しに決まってるだろ!」

 

零誠「そっち方向に興味深々だな!?」

 

サー「やはり定番のベッドの下かな?」

 

零誠「あ、そこは」

 

サー「おっ、なんだいこれは?」

 

サーゼクスさんがベッドの下から何かを見つけた。

 

サー「こ、これは!?」

 

零誠「見つかってしまいましたか」

サーゼクスさんが手にしているのは、

 

零誠「そうです。それがアザゼルと今日飲む予定だった幻の梅酒です」

 

サー「よし。飲もう!」

 

零誠「変わり身早いですね!?」

 

まぁ、飲む気分だったしいいか。

 

俺は準備していく。

 

サー「とっくりとは通だね」

 

零誠「日本酒飲む時はとっくり、西洋酒飲む時はグラス常識です。まぁ、その梅酒は中国の物なんですけどね」

 

サー「うん。美味い」

 

零誠「それは良かった」

 

サー「アザゼルと会ったそうだね。何か言っていたかい?」

 

零誠「『面白い奴だ』と『次は格ゲーで勝負だ』と『酒楽しみにしてるぞ』と言われました」

 

サー「てことはこの酒を無くしたらマズいな」

 

零誠「他の酒用意するんで飲んじゃいましょ」

 

サー「アザゼルに悪いことしたかな」

 

零誠「それで要件はアザゼルのことだけですか?」

 

サー「いや、一番はリアスのことだ。ありがとう」

 

零誠「部長のことで礼を言われる理由が思い浮かばないのですが」

 

サー「リアスは君のこと大切にしている。あんなに楽しそうなリアスは冥界でもあまり見れない。きっと今は毎日が楽しいんだろう。それは君のおかげだと思ってる」

 

零誠「俺のおかげというのはいささか言い過ぎだと思いますよ。俺以外にも仲間達が沢山いるんですから」

 

サー「全く妹も苦労するな」

 

その後、サーゼクスさんと朝まで飲み明かした。



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プール

サーゼクスさんが泊まって数日後

 

休日なのだが学園に向かっている途中である。

 

ゼノ「アーシア。例の宿題は終わったかい?」

 

アー「はい。ゼノヴィアさんはどうですか?」

 

ゼノ「実はまだ終わっていないんだ。少し分からない日本語があって困ってるんだ。良かったら教えてくれないかい?」

 

アー「分かりました。でも、漢字が苦手で」

 

ゼノ「同感だな。全く日本人はこんな画数の多い文字を使っていられるな。経済大国の片鱗だな」

 

夕麻「なら私がお二方に漢字をお教えしましょうか?」

 

アー「いいんですか?」

 

夕麻「はい。私でよければ力になりますよ」

 

教会追放組がここまで仲良くなるとはな。

 

初め会ったときなんて命狙ったり殺したりしてたのにな。

 

クラスでは『静のアーシア』、『動のゼノヴィア』、『まとめの夕麻』と言われている。

 

ゼノ「なるほど。これも主のお導きだな」

 

ゼノヴィア・アーシア『アーメン。イタッ』

 

零「いい加減学習しろや」

 

そうこうしてるうちに学園に着いた。

 

リアス「さて、今日は私達貸し切りのプール開きよ!」

 

職権乱用です。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

プール

 

零誠「海に行ったら「海だー!」と叫ぶが同じ水辺のプールや川、湖で叫んでも盛り上がらないのは何故だ?」

 

リアス「どうでもいいこと考えてないで私の水着はどう?」

 

部長の水着は紅いビキニタイプ。

 

零誠「凄く似合っていると思いますよ。その髪と同じ赤。部長と言ったらやっぱり赤ですね」

 

リアス「そう?この色を選んで良かったわ!」

 

朱乃「あらあら、部長ばかりではなく私も見て欲しいですわ」

 

朱乃さんは部長と対極な真っ白なビキニ。

 

零誠「朱乃さんも良く似合ってますよ。部長とお揃いなんですね。流石は二大お姉様と呼ばれることだけありますね」

 

朱乃「うふふ。お世辞がお上手ですね」

 

夕麻「主様!私はどうですか?」

 

夕麻は黒のスカートタイプ。

 

零誠「いいと思うぞ。部長達みたいに派手さは無いが、静かな感じが出てる」

 

夕麻「お褒めの言葉ありがとうございます!」

 

アー「レーセーさん。私も着替えてきました」

 

アーシアはスクール水着。

 

零誠「うん。可愛いと思うよ。プールの時間は他の男子を見張ってないといけなくなりそうだ」

 

アー「そう言われると嬉しいです。白音ちゃんもスクール水着なんですよ」

 

白音「……先輩」

 

声がした白音を見ると、

 

零誠「……白だと?」

 

白音のスクール水着の色は白でした。

 

零誠「似合っていて凄く可愛いんだが、それうちの学園のじゃないよな?どうしたんだ?」

 

白音「……お姉ちゃんから渡されました」

 

零誠「あいつどこから仕入れてきたんだよ」

 

黒歌「ネット通販にゃ」

 

零誠「それまたどうし………お前はなんちゅう格好をしてんだ!?」

 

やってきた黒歌の格好は本当に大事な部分しか隠れていない紐水着だった。

 

黒歌「大事な部分しか隠れてないんじゃなくて、仕方なく大事な部分を隠してるのにゃ」

 

零誠「基本的には全裸かよ!?あと地の文読むな!」

 

黒歌「私はこうやってお色気担当を頑張って出番を増やしてるだけにゃ」

 

零誠「分かったから走りながらこっちに来んな!ズレたらどうすんだ!」

 

黒歌「じゃあ、ちょっとお願い聞いてにゃ」

 

零誠「お願い?あまりふざけた物じゃないなら聞いてやっから他の水着に着替えてこい」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「ばた足は水面から出さずにするんだ」

 

白音「………はい」

 

アー「分かりました」

 

黒歌からのお願いは白音に泳ぎ方を教えるというものでアーシアも泳げないからついでに教えることになった。

 

白音「ぷはっ……付き合わせてすいません」

 

アー「私もです」

 

2人は申し訳なさそうに言ってくる。

 

零誠「別に構わないぞ。後輩と妹分に物を教えるのは先輩と兄貴分の仕事だからな」

 

白音・アー「「……後輩(妹分)」」

 

なんか知らんが2人共落ち込んじまった。

 

零誠「おっと、端に着いちまったな」

 

端に着いたので止まったら2人は泳いでいた勢い余って俺にぶつかりそうになるので受け止める。

 

白音「……先輩は優しいですね」

 

アー「今はこの関係で我慢します」

 

2人は顔が赤くなっている。2人共なんか忙しいな。

 

白音「……そろそろ泳ぎ方が分かったので大丈夫です」

 

アー「は、はい。私も疲れてしまったので休憩にしましょう」

 

零誠「了解。またやりたくなったら言ってくれ」

 

2人が休憩に向かったので俺もプールサイドに上がる。

 

黒歌「レーセー。レーセー」

 

黒歌が少し顔を赤らめて声をかけてきた。

 

零誠「ちゃんとした水着にしたのか。そっちの方が似合ってると思うぞ」

 

黒歌は活動的なトランクスタイプ。

 

黒歌「そう、かにゃ?」

 

零誠「ああ。ちょうど今白音達の練習が終わったんだ」

 

黒歌「実はもう1つお願いしていいかにゃ?」

 

零誠「さっきみたいな物なら全然構わんぞ。もしかして今度はお前が泳ぎ方を教えて欲しいとかか?なんてな」

 

この言葉に黒歌は黙って顔を一段と赤くした。

 

零誠「え、図星?」

 

黒歌「うぅっ、そんなに言わないでいいじゃない」

 

口調が素に戻ってるし。

 

黒歌「で、どうなのかにゃ?」

 

零誠「さっきも言ったが全然構わんよ」

 

黒歌「じゃあ、お願いにゃ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「まさか上級悪魔様が泳げnグホッ!」

 

黒歌「黙るにゃ」

黒歌の奴気を飛ばしてきやがった。

 

零誠「でも、お前白音より酷いじゃねえか」

 

黒歌は水の中で目を開けることから始めている。

 

このプールは湧水が黙っているから目を開けても安心です。

 

黒歌「だって……」

 

零誠「だって何だ?」

 

黒歌「絶対に笑うからやっぱり言わないにゃ」

 

零誠「笑わないって約束するから言ってみ」

 

黒歌「水が恐いにゃ」

 

零誠「ふーん。なんか理由があんのか?」

 

黒歌「にゃ?本当に笑わなかったにゃ」

 

零誠「約束したからな」

 

黒歌「レーセーは優しいにゃ」

 

零誠「そうか?普通だぞ」

 

黒歌「レーセーのそういうところが大好きにゃ」

 

零誠「バカ言ってないで練習続けるぞ。そろそろ開けられるようになったみたいだから次の練習行くぞ」

 

黒歌「また相手にされなかったにゃ」

 

零誠「プールサイドに手をついてばた足と俺が手を引いて泳ぐのどっちがいい?」

 

黒歌「レーセーに手を引いてもらうほうにゃ!」

 

零誠「即答かよ」

 

白音達にやったみたいに手を引いてやる。

 

黒歌「ぷはっ。私が泳げないのは意外かにゃ?」

 

零誠「まぁ、意外だが、後々考えてみると白音に教えるのを俺に頼んだ理由を考えてみると納得だな」

 

黒歌「当たり前にゃ。もし私が泳げたら嫉妬するから絶対にレーセーに頼まないにゃ」

 

零誠「俺にか?」

 

黒歌「どっちもにゃ」

 

零誠「お前忙しいな」

 

黒歌「私が熱心になるのは白音とレーセーだけだから大丈夫にゃ」

 

零誠「さいですか」

 

黒歌「ぷはっ。白音より上手くなりたいけどやっぱり難しいにゃ」

 

零誠「そう言わずに頑張ってみ」

 

黒歌「でも白音と違って抵抗(胸)が大きいから速く進めないにゃ」

 

零誠「なるほど」

 

バキン!

 

凄い音がプールサイドからしたので見てみると白音がビーチパラソルを片手で圧し折っていた。

 

零誠「さー、真面目にやろう」

 

黒歌「了解にゃ」

 

殺気を気にしないように全力で練習に打ち込んだ。



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オイル塗り

黒歌が泳げるようになったので休憩に入ったところで部長の使い魔に呼ばれたので部長の元へ向かってる。

 

俺、過労死すんじゃね?

 

零誠「ふぅー。お呼びでしょうか?」

 

リアス「お疲れのところ悪いんだけどこれ頼んでいい?」

 

差し出されたのはサンオイル。

 

零誠「構いませんが、悪魔って日焼けするんすか?」

 

リアス「悪魔は日焼けはしないけどこれは美容様よ」

 

零誠「なるほど。部長達の肌の綺麗な秘訣と言ったところですね」

 

リアス「ふふっ、女子は色々と忙しいのよ」

 

部長はちゃんと大事なところを隠しながら水着を外した。

 

零誠「行きますよ」

 

ピチャッ

 

リアス「あん!レーセー、手で温めてちょうだい」零誠「あ、すみません」

 

次はちゃんと人肌に温めてから塗る。

 

リアス「むらなく塗ってね」

 

零誠「それは安心してください。絵を描くのが得意でむらなく描くのは得意ですから」

 

リアス「レーセーって絵まで描けるの!?」

 

零誠「メインは抽象画ですね」

 

リアス「苦手なことは無いの?」

 

零誠「楽器が苦手ですね」

 

リアス「音楽が苦手なの?」

 

零誠「歌はいけるんですけど楽器はマラカスくらいしか」

 

リアス「何故そこでマラカスがチョイスされたの!?」

 

零誠「いや本当に得意なんですって」

 

リアス「今度聞かせてね」

 

零誠「マラカスなら構いませんよ。他の楽器は本当に酷いので止めた方がいいですよ。中学校でリコーダーの授業出禁になりましたし」

 

リアス「そこまで言われると逆に聞いてみたくなるわね」

 

零誠「ちなみに出禁になった理由は音が衝撃波になって窓を割ったからです」

 

リアス「公害レベルを通り越して兵器レベル!?」

 

ムニュン

 

朱乃「部長にばかりでなく私にも構ってください」

 

朱乃さんが後ろから抱きついてきた。

 

2つの山が当たってます。

 

零誠「いきなり何してんですか!?」

 

リアス「そうよ!何してるのよ!」

 

朱乃「レーセーくんを誘惑してるんですよ」

 

リアス「許さないわよ!」

 

朱乃「レーセーくんはリアスの物じゃないですから許可をとる必要ありません」

 

零誠「俺から許可をとる必要あるんじゃないすか?」

 

朱乃「ありません」

 

零誠「さいですか」

 

ハムッ

 

零誠「ひゃっ!?」

 

耳を噛られました。

 

朱乃「うふふ。レーセーくんったら可愛い」

 

リアス「ちょっと朱乃!」

 

朱乃「あらあら、部長が虐めますわ」

 

 

チューチュー

 

零誠「ヒッ!?アヒャッ!?」

 

耳を吸われました。

 

リアス「朱乃!いい加減にしなさい!」

 

部長が止めるために立ち上がった。

 

零誠「あ」

 

朱乃「あらあら、大胆ですわね」

 

部長はオイルの為に水着を外してました。

 

これだけ言えば分かるよね?

 

リアス「きゃーーーーーーーーーーーーーーっ!?」

 

レーセーは逃げ出した。

 

零誠「部長にも恥じらいがあったんだな」

 

夕麻「主様。ちょうど探してたんですよ」

 

零誠「お前も俺に何か用か?」

 

夕麻「ええ。主様にオイルを」

 

零誠「塗るなら他の奴に頼んでくれ。さっき酷い目にあった」

 

夕麻「いえいえ。私が主様に塗るんですよ」

 

零誠「お前が俺に?」

 

夕麻「はい。主様の美容の向上も下部の役目です」

 

零誠「理屈は分からんが、そういうことなら頼もうかな」

 

夕麻「じゃあ横になってください」

 

言われた通り横になる。

 

夕麻が綺麗に塗りこんでいく。

 

零誠「結構上手いな」

 

夕麻「お褒めの言葉ありがとうございます」

 

疲れていたのも加わり、だんだん眠くなっていく。

 

ズシッ

 

背中にかかる重量と面積が上がる。でも何故か苦にならない感覚がする。

 

眠たげな思考回路で考える。

 

なんかさっき感じた触感がすんだよな。

 

耳を噛られたのと吸われたインパクトが大きくて分かんねえや。

 

なんなのか見上げると夕麻が身体全体を使ってオイル塗りしてた。

 

零誠「何しとんじゃ!?」

 

レーセーは勢いよく立ち上がり、夕麻はその反動で尻餅をついた。

 

零誠「眠気が吹っ飛んだは!」

 

夕麻「主様。まだ前が終わってませんよ」

 

零誠「やらんでよろしい!」

 

またレーセーは逃げ出した。

 

夕麻「主様、待ってください!あっ!?」

 

全身にオイルを塗っていた夕麻は滑って転んでいた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

プール用具室

 

零誠「ここなら大丈夫だろ」

 

なんか大事なことを忘れてる気がする。

 

ゼノ「おや?レーセーどうしたんだい?」

 

零誠「ちょっとあってな。お前こそ全然来なかったしどうしたんだ?」

 

ゼノ「水着を初めて着たから苦戦してたんだ」

 

零誠「なるほどな。似合ってると思うぞ」

 

ゼノヴィアは青いビキニを着ている。

 

ゼノ「ううっ、なんでそういう発言が普通に出てくるかな」

 

零誠「ん?なんか言ったか?」

 

ゼノ「なななんでも無い!」

 

零誠「ならいいが」

 

ゼノヴィアは顔を真っ赤だが風邪ひいたか?

 

ゼノ「レーセーには折り入って頼みがあるんだ」

 

零誠「俺が力になれるなら手を貸すぞ」

 

ゼノ「そうか。ではレーセー。私と子供を作って欲しい」

 

あれ?俺の耳イカレタ?

 

零誠「はい?もう一度言ってくれ」

 

ゼノ「私と子供を使って欲しい」

 

零誠「うん。どうやら俺の耳がイカレタ訳じゃ無かった」

 

思い出した。原作でこんなことあったね。どおりでこのプール用具室で嫌な気配したわけだ。

 

ゼノ「では、早速!」

 

零誠「ちょっと待ちやがれ!貴様はさかりのついた犬か!」

 

ゼノ「ああ。私は卑しい負け犬だ」

 

零誠「まだそれ引きずってたのかよ!?」

 

録音データはパソコンに入ってるけどな。

 

ゼノ「さて、気を取り直して」

 

ああ。なんかゼノヴィアの頭にいぬ耳、尻に尻尾の幻が見える。そんなに尻尾振っちゃって。

 

零誠「どうしてそんな思想になったのか教えてくれ」

 

ゼノ「私の子供の頃からの夢や目標は信仰に関する物でね。悪魔になった今、それも無くなった。そこで私は部長にどうすればいいか聞いたんだ」

 

零誠「で、なんと?」

 

ゼノ「『悪魔は欲を持ち、欲を与え、欲を望む者。好きに生きなさい』と言われたよ。そこで私は教会に属していたときは女の喜びを捨てていたので、その封印を解き、女の喜びを謳歌しようと思う」

 

零誠「はー、それで子作りか。何故に俺チョイス?」

 

ゼノ「私は強い奴の遺伝子が欲しいんだ。赤龍帝の遺伝子なんて万々歳だ」

 

零誠「自分を大事にしろ。そういうことは好きな奴とやれ」

 

ゼノ「私はお前の『約束された勝利の剣』を奮った姿に好意を持ったのだ。強いだけなら聖魔剣の木場辺りも誘っている」

 

零誠「恥ずかしいから、いきなりそんな事言うな!」

 

ゼノ「なんだ?私では不満か?それとも初めての女は面倒か?」

 

零誠「お前は魅力的だし、俺も未経験だからそういうわけでは無い。ちゃんと段階を踏んでくれ」

 

ゼノ「女に恥をかかせないでくれ」

 

誰か助けてください。

 

リアス「なんか楽しそうな話をしてるわね」

 

白音「にゃあ、先輩は目が離せませんね」

 

黒歌「レーセーの初めては私の物にゃ」

 

朱乃「うふふふふふふふ」

 

誰かとは言ったがこのメンバーは無いでしょ!

 

 



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授業参観

プール終了後

 

零誠「おかしい。プールってくつろぐ場所なのに凄く疲れた」

 

木場「あはは。お疲れ様」

 

俺は他のみんなより逃亡のために早く出てきた。その時ちょうど木場と会って、途中まで一緒に帰ることになった。

 

零誠「ところで木場は何してたんだ?」

 

木場「天界のトップに贈り物をね」

 

零誠「堅っ苦しいこと御苦労さん」

 

木場「そっち程じゃないと思うよ。命の心配も無いし」

 

零誠「マジでなんで死ななかったんだろ?」

 

トップといるより、身内といる方が命の危険があるって。

 

???「やあ、いい学校だな」

 

校門にさしかかったところで銀髪のイケメンに声をかけられた。

 

木場「ええ、まぁ」

 

零誠「そう思うならここでは暴れないでくれよ」

 

木場「どういうことだい?」

 

木場は俺の発言に疑問を抱いた。

 

???「そうだよ。俺がここで暴れるって?そんな事するわけ無いだろ」

 

零誠「戦闘狂みたいな奴が言うセリフじゃねえだろ。闘争心が滲み出てるぞ」

 

???「ふふっ。抑えてるつもりなんだがな。隠すのが下手なのかな?」

 

闘争心がさっきの数倍に増える。

 

木場は一歩下がり、身構える。

 

零誠「隠すのが下手っていうより、デフォの総量が多過ぎんだよ」

 

木場「一体君は誰だい?」

 

ヴァー「俺はヴァーリ。白龍皇・白い龍(バニッシング・ドラゴン)だ」

 

木場「何しに来た?」

 

木場はナイトのスピードを生かし、聖魔剣をヴァーリの首元に当てていた。

 

ヴァー「やめておけ。手が震えているぞ」

 

木場「くっ」

 

木場の手はヴァーリが言った通り震えていた。

 

ヴァー「誇っていいぞ。相手の力量が分かるのは強い証拠だ。君と俺とじゃ、それだけの差がある」

 

零誠「木場、剣を下ろして平気だ。今この場では戦争をおっ始める気は無いみたいだからな」

 

木場「……分かったよ」

 

木場は剣を消して下がる。

 

ヴァー「なぜ戦争を起こさないと?」

 

零誠「お前は闘争心の塊だが、殺気は全く感じられないからな」

 

ヴァー「なるほどな。ところで赤龍帝。君は世界で何番目に強いと思う?」

 

零誠「俺は自分が強いと思ったこと無い。俺はただ強くあろうとしているだけだ」

 

現実に俺が適う相手なんていない。だから最強である自分をイメージする。相手を騙し、自分を騙し、世界さえも騙しきる。

 

ヴァー「そうかい。この世界は強い奴が溢れてる。『紅髪の魔王(クリムゾンサタン)』と呼ばれるサーゼクス・ルシファーでさえトップ10に入ってない」

 

零誠「サーゼクスさんの真の姿を知っているのか?」

 

ヴァー「真の姿?なんだそれ?凄く興味深い。まぁ、だがトップは不動だ」

 

零誠「夢幻龍グレートレッド」

 

ヴァー「おっ、知っていたのか。お前はなんでも知っているな」

 

零誠「なんでもは知らない。知っていることだけだ」

 

ヴァー「ふふっ、確かにそうだな。いろいろ面白い話が出来て良かった」

 

こんなセリフを残して去って行った。

 

余談だがこのスリーショットを見た腐った方(漫研部)が出した漫画が腐った方々に人気である。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日 授業参観日

 

朝来たら女子に顔を赤らめてそらされたんだが、新手のイジメか?

 

元浜「レーセーの親は来んのか?」

 

零誠「来るぞ。白音、黒歌、アーシア、夕麻を見に」

 

元浜「つまりお前は空気ってことか」

 

零誠「ところで松田はまた撮影か?」

 

元浜「いや今日は販売だ。昨日いい絵が撮れたから臨時で販売してるそうだ」

 

零誠「お前は買わねえのか?」

 

元浜「もう予約してある」

 

零誠「準備が早いことで」

 

松田「おはよう!レーセー!」

 

ちょうど松田が上機嫌にやってきた。

 

零誠「儲かってるみたいじゃねえか。奢れ」

 

松田「二言目にそるかよ。まぁ、いいけど」

 

零誠「思ったより素直だな。まさかと思うが昨日撮った写真って俺が関係してんのか?」

 

松田「ゑ?」

 

零誠「同様し過ぎて字が古くなってんぞ。昨日ってことは水着か」

 

松田「全くもってその通りでございます」

 

零誠「焼き肉、うなぎ、しゃぶしゃぶな」

 

松田「そんな高い物ばっかり!」

 

零誠「生徒会長にバラすぞ」

 

松田「いい店を見つけておく」

 

素直でよろしい。

 

ゼノ「レーセー。先日はすまなかった」

 

切りのいいところでゼノヴィアが話しかけてきた。

 

零誠「分かってくれたならいい。お前はもう少し自分を大切にしろ」

 

ゼノ「ああ。確かに私は先急ぎ過ぎていたみたいだ。もっとお互いを大切にするべきだった」

 

やっぱりあれは一時の気の迷いだったみたいだな。

 

ゼノ「だから次回からはこれで練習をしてから」

 

ゼノヴィアが出したのはゴム(これ以上言わせないでください)

 

クラスメイトの目が集まっている。

 

零誠「何出してくれちゃってんの!?」

 

ゼノ「もちろんコン「言わせねえよ!」」

 

零誠「公衆の面前で出すな!お前には羞恥心が無いのか!?」

 

桐生「ちなみに私は母親の腹の中に置いてきたわ」

 

零誠「ややこしくなっからお前は入って来んな!」

 

桐生「でもゼノヴィアとヤったの?」

 

零誠「ヤってねえよ!全力で逃げ切ったよ!」

 

桐生「……良かった。お互いはじめてを交換したいからね」

 

桐生がなんか言ったが小さくて聞こえなかった。

 

周りの女子も安堵の息を吐いていた。

 

ゼノ「アーシアも使うといい。無計画な性交はお互いを傷つけるからな」

 

零誠「そっちもそっちで話を進めるな!」

 

ゼノ「レーセー。性交の予定だが」

 

桐生「ダメよ。私がレーセーの初めてを貰うわ」

 

零誠「てめえら頼むからいい加減黙れ!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

授業参観

 

科目は英語なのだが、机の上にあるのは紙粘土。

 

教師「それじゃあ皆さん。今、渡した紙粘土で好きな物を作ってください。紙粘土から始まる英会話もあります」

 

零誠「無いよ!それは英語じゃなくて美術だろ!」

 

教師「はい。レーセーくんは親御さんがいるので緊張して世迷い事をほざいてるみたいでーす」

 

零誠「その発言は教師としてどうかと思うぞ!」

 

教師「あ、アーシアさんは何を作ってるんですか?」

 

零誠「無視かよ。はぁ、真面目にやるから余ってる紙粘土くれ」

 

教師「いいですよ。むしろどんどん使ってください」

 

段ボールいっぱいに余った紙粘土が入っていた。

 

零誠「これさばくために授業内容決めただろ」

 

10分後

 

俺の机の上に小学生くらいの大きさのドライグが君臨していた。

 

零誠「乾いたら真っ赤に塗るか」

 

教師「私はまた1人生徒の才能を発掘したみたいだ」

 

教師はなんか感動して泣いている。

 

生徒「3000円!」

 

生徒「4000円」

 

生徒の間でオークション始まっとるし。

 

親「私が五万円出そう」

 

親御さん大人気ない!

 

桐生「もうパパったら」

 

お前の身内かよ!?

 

 



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魔王少女

放課後

 

部室に部員が全員集まっていた。

 

リアス「全く恥ずかしかったわ」

 

零誠「御愁傷様です。こっちは臨時収入があって有意義でしたよ」

 

アー「本当に凄かったですからね」

 

零誠「俺の魔術がそういうのに向いていたからな」

 

白音「……私も見てみたかったです」

 

零誠「今度うちでも作ってやるよ」

 

黒歌「じゃあ、モデルになるから私を作って欲しいにゃ」

 

零誠「それも面白そうだな。だが、別にヌードじゃなくていいからな」

 

黒歌「にゃ、にゃんで分かったにゃ!?」

 

零誠「はー。だいたいお前が考えてることは分かる」

 

黒歌「おお!もう私とレーセーは以心伝心の域に達してるにゃ!」

 

零誠「なんというポジティブシンキング!?」

 

白音「……羨ましいです」

 

零誠「頼むから白音は間違った方向に進まないでくれ」

 

夕麻「まぁ、私は実際にエーテライトで主様と繋がってますよ」

 

零誠「話をややこしくしようとすんな!あー、もう、ツッコミが足りない!木場、手伝え!」

 

木場「ごめんね。ちょっと面白いことやってるみたいだから外に行って来るよ」

 

零誠「面白いことってなんだ?」

 

木場「魔法少女が撮影をやってるんだって」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

中庭

 

零誠「まさか木場がそっち系の趣味があったなんてな」

 

木場「だから勘違いしないでくれよ。学園内にそんな変り者がいたら気になるに決まってるじゃないか」

 

零誠「そっか。そーだね。俺はきちんと分かってるからな」

 

木場「なら目をそらさずに言って欲しいんだけど」

 

中庭に来るまでこうやって木場をいじってました。

 

零誠「予想通りあのバカみ来てたか」

 

フラッシュの嵐が起きてる前線にセクハラパパラッチがいた。

 

そいつに会うふりをして人垣を分けて進んでいく。

 

零誠「松田、調子はどうだ?」

 

松田「見てみれば分かる」

 

そう言われて見てみると同い年くらいの少女が魔法少女の格好をしていたのだが、驚くことに魔力が異常に多い。

 

木場も顔をしかめている。

 

零誠「木場、あの魔法少女」

 

木場「レーセーくんも気付いたみたいだね」

 

魔王クラスはあっからな。

 

木場「うん。あの魔法少女はダメだ。パンチラがわざとらしい」

 

このイケメンは何言ってんの?

 

木場「顔も良し、衣装もよく作り込んでいるのにあんなわざとらしいパンチラは全てを半減させてしまう」

 

さっきまでの道中のセリフは図星だったわけね。

 

松田「その通りだ。学園の男子連中に売るなら顔がいいからウケるが、本物には全く売れないな」

 

木場「やっぱりパンチラはビームを撃ったときに衝撃で軽く見えるくらいがいいんだよ」

 

 

『はがない』に出ること出来るくらい残念過ぎる。

 

松田「いけすかないイケメンだと思っていたが、あんたとはいい酒が飲めそうだ」

 

木場「『リリなの』フルマラソンしながらなら付き合うよ」

 

木場!全校女子生徒に謝罪しろ!

 

匙「はーい。解散解散。ほらほら、今日は授業参観なんだから騒ぎを起こすなよ」

 

生徒会がきたので蜘蛛の子を散らすように野次馬はいなくなっていった。

 

匙「あんたも問題を起こさないでくださいよ。もしかして親御さんですか?そうだとしてももう少し衣装を考えてくださいよ」

 

???「だってこれが私の正装なんだもん☆!」

 

匙は部長の親御さん達を案内しているところだったようで後ろにサーゼクスさん達がいた。

 

零誠「匙。忠告だがこの人には媚び売っといた方がいいぞ」

 

匙「ん?レーセーどういうことだ?」

 

ソーナ「匙、何事ですか?問題はいつも早急に解決しなさいと「ソーナちゃん☆!」きゃっ!?」

 

さっきの魔法少女は会長にいきなり抱きついていた。

 

サー「セラフォルーか。そういえば君も来てたんだね」

 

木場「セラフォルーってまさか」

 

零誠「魔力で気付けよ」

 

木場「あのパンチラへの怒りで」

 

零誠「今回でお前物凄い勢いでファンが減ってんぞ」

 

リアス「レヴィアンタン様はソーナのお姉様でもあるわ」

 

匙「えええええええええええええええええええ!?」

 

匙は会長とセラフォルーの性格の違いに驚いていた。

 

リア父「セラフォルーさんは相変わらず凄い格好だね」

 

セラ「あら伯父様。こういう格好が人間界で流行ってるんですよ」

 

リア父「そうなのかね?人間界はやはり興味深い」

 

流行ってるのは残念な方々の間です。

 

リアス「お久しぶりです。セラフォルー様」

 

セラ「あら、リアスちゃんじゃない☆おひさー☆」

 

リアス「セラフォルー様はソーナの授業参観ですよね?」

 

セラ「そーなのよ。ソーナたんったら、教えてくれなかったのよ。酷いと思わない?ショックで天界に滅ぼそうかと思っちゃったわよ!」

 

会長にはもっと素直になってもらおう。

 

リアス「レーセー。ご挨拶なさい」

 

零誠「リアス・グレモリー眷属ポーンを務める兵藤零誠です」

 

セラ「はじめまして☆セラフォルー・レヴィアタンです☆『レヴィアたん』って呼んでね☆」

 

零誠「セラフォルーさんと呼ばせてもらいます」

 

セラ「えぇー。ま、いっか。サーゼクスちゃん。この子が噂のドライグちゃん?」

 

サー「ああ。彼が赤龍帝のレーセーくんだよ」

 

零誠「そんなに噂になってんすか?」

 

セラ「ええ☆『イレギュラーが服を着てるって感じの新人悪魔』ってね☆」

 

零誠「それは喜んでいいのか?」

 

木場「ダメだと思うよ」

 

だよね!

 

零誠「セラフォルーさんのその格好はなんのキャラ何ですか?」

 

セラ「この衣装は魔界で日曜朝にやってる『魔法少女レヴイアたん』の衣装よ☆」

 

零誠「本人のオリジナル!?」

 

セラ「そうよ!きらめくステッキで天使、堕天使なんてイチコロよ☆」

 

ソーナ「お姉様。自重してください。お姉様がきらめいたら小国が滅びます」

 

さすが魔法少女ならぬ魔王少女。

 

会長はセラフォルーさんの姿を見て涙目になっていた。

 

ソーナ「もー耐えられません!」

 

会長は逃亡し、セラフォルーさんは追い掛ける。

 

セラ「ソーナたん!いきなりどうしたの?」

 

ソーナ「ついて来ないでください!」

 

スッゲー賑やかだな。

 

サー「シトリー家は平和だね。リーアたん」

 

リアス「『たん』をつけないでください」

 

サー「昔はリーアたんは『お兄さま、お兄さま』と後ろをついてきたのに」

 

リアス「どうしてお兄さまは幼少期のことを」

 

パシャッ!

 

部長のお父さんが怒った部長を激写した。

 

リア父「いい顔だ。よくここまで育ってくれた。来れなかった母さんにも見せてやらないとな」

 

リアス「お父様!」

 

賑やかだな。

 

零誠「魔王様って自由人ばっかだな」

 

朱乃「そうですね。その分身内が真面目になるみたいですよ」

 

零誠「見たらだいたい予想つきます」

 

ま、平和ならいいんじゃね。

 

これから少し後

 

零誠「セラフォルーさん。魔法少女になれるステッキあるんですけどいかがですか?」

 

セラ「え!そんなのあるの?ちょうだい☆ちょうだい☆」

 

零誠「ちゃっちゃかちゃっちゃっちゃー。『カレイドステッキ』ー」

 

あの世紀末覇者でも使えるんだから大丈夫だろう。

 

カレ『魔法少女力5。ゴミですね』

 

あの世紀末覇者に負けたよ!?

 

プチッ!

 

恐い!セラフォルーさん、笑顔なのに恐い!

 

ミシミシ

 

カレ『ギブギブ!折れる折れる折れる!』

 

セラフォルーさんがカレイドステッキをへし折ろうとしている。

 

零誠「セラフォールさん!一旦落ち着いてください!」

 

セラ「代わりにレーセーくんの首をへし折ろっか?」

 

零誠「どうぞ続けてください」

 

カレ『そんなレーセーさん!?裏切り者!』

 

零誠「うっせーよ!俺も命が惜しいんだよ!だいたい魔法少女力とか乙女のラヴパワーとか定義が分からん!」

 

カレ『乙女のラヴパワーは誰かに恋してるかどうかで魔法少女力は魔法少女のセオリーにどこまで忠実かです!』

 

零誠「魔法少女のセオリーにどこまで忠実か?」

 

カレ『はい。わざとらしいパンチラなんてもっての他です』

 

零誠「セラフォルーさん。ある人の教育を受ければ魔法少女になれます」

 

セラ「ある人?」

 

零誠「木場先生です」

 

木場「僕と勉強して魔法少女になってよ」

 

零誠「腹黒マスコットの真似とはノリノリだな!」

 

セラフォルーさんに木場は魔法少女のなんたるかを教えることになりやした。



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ギャスパー・ウラウディ

授業参観翌日

 

旧校舎廊下

 

零誠「ここっすか」

 

目の前にある扉には『KEEP OUT!』というテープがふざけてるほど貼ってある。

 

リアス「旧校舎の開かずの教室に封印指定を受けたビショップがいるわ」

 

零誠「で、今回その封印指定が解けたと」

 

リアス「そうよ。だけど問題は中の子が出てきたがらないのよ」

 

零誠「典型的なヒッキーだな」

 

リアス「でも、中の子が一番依頼をこなしてるのよ」

 

零誠「ニートではないわけっすね」

 

朱乃「直接会いたくないという依頼人も結構いるんですよ。そういう依頼人との契約をパソコンを使って行っているんですよ」

 

零誠「なーる」

 

リアス「開けるわよ」

 

テープが切れて扉が開く。

 

???「イヤァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

零誠「うっさい!」

 

リアス「ごきげんよう。外に出るわよ」

 

???「嫌です!僕はここで一生を終えるんです!」

 

零誠「学生じゃねえ奴がいたら学園も迷惑じゃ!」

 

???「一体さっきからあなたは誰なんですか!?」

 

引きこもっていたのは金髪の美少女?だった。

 

零誠「人に名前を聞くときは自分から名乗るものだろ」

 

ギャス「ギャ、ギャスパー・ヴラディです」

 

零誠「兵藤零誠だ。ポーンをやっている。なんでお前女子の制服着てんだ?お前男だろ」

 

ゼノ・アー・夕麻「「「えっ!?」」」

 

リアス「よく分かったわね。ギャスパーは男子よ」

 

零誠「鍛えてないから貧弱だが骨格が男の物でしたからね。それに胸もnいって!?」

 

白音に足踏まれた。

 

零誠「白音、何すんだよ?」

 

白音「ふん!」

 

白音の目が恐い。

 

こういう時は触れない方がいいな。

 

零誠「で、お前はなんで女装してんだ?」

 

ギャス「だってこっちの方が可愛いじゃないですか」

 

零誠「ヒッキーで見せる相手いないだろうが!」

 

ギャス「ひっ」

 

俺の大きな声にびびったギャスパーの目に魔力が集まってる。

 

零誠「『投影開始』!」

 

空中に作った壁が地面に落ちずに空中で止まった。

 

部長以外も停止してる。

 

零誠「危ねっ!?即興で作ったから格子が甘かったが魔眼相手には目隠しが重要だからな」

 

リアス「これがギャスパーのセイクリッド・ギア『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バローン・ビュー)』視界に入った物全ての時を止めるわ」

 

零誠「なんで部長は動けんすか?」

 

リアス「私は滅びの魔力を持ってるからよ」

 

えげつな。時を滅ぼしたんかい。

 

零誠「つーか、よくビショップ一つど済みましたね」

 

リアス「確かにギャスパーはセイクリッド・ギアだけでなく、ヴァンパイアハーフだから魔力も高いから実際は無理なんだけど『変異の駒』という特殊な駒を使ったおかげで一つで済んだのよ」

 

昼でも平気なヴァンパイアってことはデイウォーカーか?

 

ギャス「うわーん!またやっちゃったー!」

 

ギャスパーが泣き出しちまった。

 

零誠「もしかして引きもってる理由ってそれがコントロール出来ないからか?」

ギャス「はい。こんな目無ければいいのに」

 

リアス「レーセーにはギャスパーの目の制御を頼みたいの」

 

零誠「別に制限させんならすぐに出来ますよ」

 

リアス・ギャス「「え?」」

 

零誠「『投影開始』」

 

投影したのは眼鏡。

 

零誠「『魔眼殺し』ゴーゴン末女の石化の魔眼さえ制御する一品です」

 

リアス「レーセーって猫型ロボットより優秀かもしれないわ」

 

零誠「つけたところで外に行くぞ」

 

ギャス「やです!」

 

零誠「理由を聞こう」

 

ギャス「外は恐いです。それに太陽も嫌いです」

 

イラッ!

 

このタイミングでみんなが動けるようになっていた。

 

零誠「ゼノヴィア。戻ったところ悪いが、昨日の映画を再現しよう」

 

ゼノ「あの『リアル鬼ごっこ』か?」

 

零誠「お前が鬼であの女装ヴァンパイアが佐藤さん。OK?」

 

ゼノ「OK!」

 

ゼノヴィアはデュランダルを出し、ギャスパーに向ける。

 

ギャス「イヤァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

吸血鬼が追い掛けられるリアル鬼ごっこ開始。

 

リアス「レーセーが一番鬼ね」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

一時間後

 

昼時なので休憩。

 

ギャス「はーはー。死ぬかと思いました」

 

零誠「昼飯作っておいたぞ」

 

黒歌「レーセーの料理は美味しいのよね!……プライドがへし折られるくらい」

 

ギャス「そんなに美味しいんですか?」

 

白音「……プロ並みです」

 

ギャス「楽しみです!ところでメニューは何ですか?」

 

ギャスパーがやっと笑った。

 

零誠「レバーをおろしニンニクで炒めた物とスッポンの血とコラーゲンのスープだ」

 

ギャスパーは笑顔のまま青ざめていく。

 

ギャス「なんで僕の嫌いな物ばっかり!」

 

零誠「文句を言わず食え!」

 

だいたいヴァンパイアだからニンニクが嫌いなのは分かるが、血が嫌いってどういうことだよ!

 

ギャスパーの口に料理を突っ込む。

 

ギャス「イヤァァァ?あれ?お、美味しい?」

 

零誠「当たり前だ。俺が作ったんだから、アレルギーが無い限り美味しくいただける」

 

夕麻「さすが主様。相変わらずチートスペックですね」

 

匙「美味そうな匂いがすると思ったらお前達か」

 

零誠「匙か。こいつの好き嫌いをなんとかしようと思ってな」

 

匙「封印が解かれた眷属がいるって聞いたが、金髪のメガネっことは」

 

零誠「だが男だ」

 

匙「詐欺だ!」

 

零誠「お前さ、メガネっこって言い方するってことはメガネフェチだろ。会長もかけてるし」

 

匙「うっ」

 

月姫のシェルルートでメガネ有りを選択するタイプだな。

 

零誠「会長に教えよう」

 

会長宛てのメールを作る。

 

匙「待て待て待て!つーか、なんで会長のメアド知ってんだよ!」

 

零誠「いやぁ、部長の御家騒動を解決したことに礼を言われてさ。そん時にメアドとケー番交換したんだよ」

 

匙「羨ましい」

 

零誠「お前まだ会長とメアド交換してないのかよ!?ヘタレ過ぎだろ!」

 

匙「うっせー!ヘタレ言うな!」

 

アザ「よー。赤龍帝、元気そうだな」

 

零誠「魔力隠していきなり現れないでくれ。心臓に悪い」

 

アザ「悪いな。こうでもしねえとここに来たら攻撃されなかねないからな」

 

零誠「で、ここに来た理由は何だ?」

 

アザ「連れないこと言うなよ。理由が無いと来ちゃいけないのか?」

 

零誠「理由が無いのに悪魔の根城に来るバカ堕天使がどこにいんだよ」

 

アザ「ここにいる」

 

零誠「納得」

 

アザ「すんなよ!冗談をマジに受け取んな!」

 

零誠「で、要件は?」

 

アザ「この前会った時より口が悪くないか?」

 

零誠「こっちが素であっちが営業様」

 

アザ「はー。要件は木場祐斗に会いに来たんだ。聖魔剣を見てみたくてな」

 

零誠「木場ならセラフォルーさんの相手してっから居ないぞ」

 

アザ「レヴィアタンの相手か。ちっ、タイミングが悪かったか」

 

匙「おい。誰だこのオッサン」

 

匙が小声で聞いてきた。

 

零誠「堕天使総督のアザゼル」

 

匙「マジかよ!?」

 

零誠「うっせーよ!耳元で大声出すな!」

 

アザ「聖魔剣は無いみたいだがレア物のセイクリッド・ギアがあるな」

 

アザゼルはギャスパーを見る。

 

堕天使総督に見られ、ギャスパーは震えている。

 

アザ「『停止世界の邪眼』か。使いこなせないと危険だが、この『魔眼殺し』良く出来てるな。誰が用意したんだ?」

 

零誠「俺だけど」

 

アザ「お前こんな事も出来んのか。この『魔眼殺し』が外れた時の対処の為にそっちの小僧が持ってるのは『アブソリュート・ライン』だな?そのラインを使って力を吸えば暴走がしずらくなるぞ」

 

匙「ラインでそんなことが出来るのか!?」

 

アザ「たく、これだから最近の神器所有者は。自分の力くらい調べろよ。『アブソリュート・ライン』は五大竜王の『黒邪の龍王(プリズンドラゴン)』のヴリトラの力を宿してんだぞ。少しの間なら他の物に力を移せるし、実力をつければラインの数を増やせるぞ」

 

匙「ラインはただのロープかと思ってた」

 

アザ「あとヴァンパイアなんだから赤龍帝の血を飲ませとけば力がつくぞ」

 

零誠「だってよ」

 

ギャス「直接飲むのは恐いです」

 

匙「ならラインに繋げるだけでもやってみようぜ」

 

零誠「手伝って貰って悪いな」

 

匙「俺の為でもあるし構わねえよ」

 

零誠「礼に飯を食わせようと思っていたんだが、それも構わないのか?」

 

匙「それはいる!」

 



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アスカロン

ギャスパーを特訓しています。

 

投げたボールを止めるのが9割成功するようになってきた。

 

零誠「匙のおかげで個意的に発動出来るようになったみたいだな」

 

ギャス「はい!でも暴走時に勝手に発動してしまうんですよね……」

 

ギャスパーがまた自虐的に呟いた。

 

零誠「『魔眼殺し』があれば平気だろ」

 

ギャス「でも……恐いです。さっきだってレーセーさんの腕を止めてしまいましたし」

 

ボールを投げたときに腕が視界に映りこんでいて、一緒に止めてしまった。

 

その時ギャスパーは泣いて謝りながら逃亡しようとしたので、ゼノヴィアに捕獲して貰った。

 

零誠「なんだ?あの時怒られるのかと思ったのか?」

ギャス「はい。ぶたれるかと思いました。でも、本当に恐かったのはレーセーさんに恐がられるかと思ったんです」

 

零誠「お前さ、あまり俺を舐めるなよ。俺はミスを怒るほど心が小さくないし、お前を恐がるほど弱くねえよ」

 

ギャスパーは俺の言葉を黙って聞いてる。

 

零誠「つーか、俺が恐怖するくらい強くなれ。もう引きこもる事は出来ないんだ。だから強くなれ。お前が大切な物を守れるくらい強くなれ」

 

ギャス「ぼ、僕にはレーセー先輩みたいに強くなるなんて無理です」

 

零誠「無理じゃない!」

 

ギャス「ひっ」

 

つい大きな声を出してしまった。

 

零誠「大声を出して悪いな。俺、お前の才能に嫉妬したんだよ」

 

ギャス「僕の才能?」

 

零誠「ああ。魔術に関しての才能を言えば部員一なんだよ」

 

ギャス「部員一……」

 

零誠「お前の魔力は部長と同じで特殊な魔力だ。どんな物かまだ分からないけどな。それにお前は吸血鬼だ。どんな世界でも吸血鬼ってのは最強の代名詞なんだぜ」

 

俺のブーステッド・ギアを出現させる為の最強のイメージも2人は吸血鬼だったからな。

 

ギャス「僕は強くなれるんですか?」

 

零誠「ああ、なれるよ。俺は最強のポーンだ。お前は最強のビショップになれ!」

 

ギャス「は、はい!」

 

零誠「よし。じゃあ、もう少ししたら新しいメニューを開始すんぞ」

 

ギャス「いえ、今すぐやりましょう」

 

零誠「でも疲れてないのか?」

 

ギャス「話していたら疲れが取れちゃいました。最強のビショップになる為に」

 

零誠「そんじゃ頑張るか」

 

俺とギャスパーは訓練に戻った。

 

白音「……夕麻先輩。また、先輩が口説き落としましたよ」

 

夕麻「主様って女たらしというより人たらしですね」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日

 

悪魔の俺にはアウェーの神社に来ていた。

 

零誠「朱乃さん。こんな所に呼び出してなんのようですか?」

 

朱乃「うふふ。そんな身構え無くても大丈夫ですよ。ここは悪魔でも入れるように契約されてますから」

 

零誠「それを聞いて少し安心しました。でも、やっぱりなんで呼び出されたんですか?」

 

朱乃「ここは私の自宅なんですよ」

 

零誠「なるほどだから朱乃さんは巫女服なんですね。凄く綺麗だと思いますよ」

 

朱乃「さらりとドキッっとくることを言いますね」

 

朱乃さんは顔を赤くして聞き取れない大きさの声で何か呟いていた。

 

零誠「顔が赤いですけど平気ですか?」

 

朱乃「えっ!?あっ、大丈夫ですよ」

 

零誠「なら良かったです。で、話が戻りますが、つまり俺は朱乃さんの家にお呼ばれしたということですね?」

 

朱乃「はい。それに今日は親が帰って来ないんです。シチュエーションとしては最高だと思いませんか?」

 

???「親は居ないからって、大天使の私の前で淫行するのはいかがな物かな?」

 

扉を開けて声をかけてきたのは黄金の翼12枚と光の輪を携えた青年だった。

 

朱乃「あらあら、冗談ですよ。それに、なんのシチュエーションがいいのか分かるなんてミカエル様も堕ちてしまいます」

 

ミカ「私をからかわないで貰いたい」

 

零誠「……1週間でスリートップ揃っちまったよ」

 

俺、多忙だな。

 

ミカ「では改めてご挨拶を。私はミカエル。天使の長で神の代理を務めている。よろしく頼むよ、兵藤零誠くん」

 

零誠「リアス・グレモリーのポーン兼赤龍帝の兵藤零誠です。以後お見知りおきを」

 

朱乃「立ち話もなんですし、中で話しましょう」

 

俺達は本殿に移動する。

 

しかし、本殿にはピリピリした感じがする。

 

零誠「この感じは聖剣か?」

 

ミカ「ご名答です。ゲオギウルス。聖ジョージと言えばわかりやすいですかね。彼が使っていた龍殺しの聖剣(ドラゴンスレイヤー)のアスカロンです」

 

零誠「俺にとって最悪×最悪じゃん!?」

 

ミカ「特殊な儀礼を通し、あなたでも扱えるようにしてあります」

 

零誠「平和大国日本で帯刀するわけにいきませんよ。あなたの所の聖剣使いじゃないんですから」

 

ミカ「ご心配なさらずに。籠手に収納出来るはずです」

 

零誠「ドライグ?」

 

ドラ「お前が望めばいけるぞ」

 

俺はアスカロンを握り望む。

 

するとアスカロンは光になり籠手に吸い込まれる。

 

ドラ「成功したみたいだな」

 

零誠「聖剣などいただいて良かったのでしょうか?」

 

ミカ「こちらも聖魔剣をいただいたのでいいんですよ。それに堕天使側にも神器の情報を送っているので安心してください」

 

零誠「なるほど。大体読めました」

 

天使勢力は神が居ないことがあるから和平を早く結びたいわけだ。

 

ミカ「そうですか。しかし驚きました。レーセーくんは聞く話と違い礼儀正しい方なんですね」

 

朱乃「あらあら」

 

朱乃さんは意味有りげな視線を向けてきた。

 

零誠「朱乃さん。なんですか?」

 

朱乃「いえ、なんでもありませんよ」零誠「全く失礼ですね。物をいただく相手には礼儀を尽くしますよ」

 

ミカ「それでは私はそろそろおいとまさせていただきますね」

 

そう言ってミカエルは空に飛んでいった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

居間

 

本殿とは別にある朱乃さんが住んでいる家の居間に通された。

 

朱乃「レーセーさん。お茶をどうぞ」

 

零誠「ありがとうございます」

 

ズズズー

 

あー熱い緑茶をすするとなごむねー。

 

朱乃「さて邪魔者もいなくなりましたし、さっきの続きをしますか。あっ、今日は大丈夫な日ですから安心してくださいね」

 

ブファッ!?

 

俺は驚いてお茶を吹いちまった。

 

零誠「ごほんごほん。また冗談っすよね?」

 

朱乃「冗談だと思いますか?」

 

ヤバい。目がマジだ。

 

スルッ

 

朱乃が脱ぎだした。

 

零誠「って何脱ぎだしてんすか!?」

 

朱乃「あ、もしかしてレーセーくんは巫女服来てる方が良かったですか?」

 

零誠「俺にそんなマニアックな趣味はねえ!」

 

朱乃「ならいいじゃないですか」

 

零誠「そういう事するのが良くないんですよ。もっと自分を大事にしてください」

 

朱乃「レーセーくんには心に決めた女性でもいるんですか?」

 

零誠「そういうのはいませんよ。でもだからと言っておいそれとする訳にはいきません」

 

朱乃「私には魅力が無いんですか?……堕天使の血を持っているから」

 

零誠「朱乃さん。その事気にしていたんですか?」

 

朱乃「やっぱり気付いてたんですね。私はパラキエルの血を継ぐ者です」

 

そう言うと朱乃さんの背中に悪魔と堕天使の羽が一枚ずつ現れた。

 

朱乃「私はこの汚れた羽が嫌いです。だから悪魔になって新しい羽が欲しかった。その結果がこの醜い姿です。あなたはこれを見てどう思いますか?」

 

零誠「まず前を隠してください!」

 

朱乃「え?」

 

服を脱いだ状態でどうどうとされると目配りに困る。

 

零誠「それに醜い?朱乃さんが醜かったら誰のこと綺麗って言えばいいんですか!」

 

朱乃「でもこんな羽」

 

零誠「左右が違う?いいじゃないですか。今流行のアシンメトリーじゃないですか。雑種(ミックス)が劣るって誰が決めたんだ!あんたはあんただ!俺が好きな朱乃さんをあんたが嫌ってんじやない!」

 

朱乃「………もう言ってることが支離滅裂じゃないですか」

 

確かに俺は何を言ってんだ?

 

零誠「うっ。忘れてください」

 

朱乃「無理ですね。脳内に完璧に保存されてしまいました」

 

零誠「朱乃さんは意地悪です」

 

朱乃「あらあら、拗ねたレーセーくんも可愛いですね」

 

そう言って朱乃さんは俺を抱き締めた。

 

零誠「な、何をするんですか!?」

 

朱乃「少しこのままでいさせてください」

 

零誠「はぁ、分かりましたよ」

 

朱乃さんが落ち着くまで付き合った。

 

 



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トップ会談

会談の場所は職員室。

 

ティア「全くなにゆえもわらわがこのような事に顔を出さねばならぬのじゃ」

 

零誠「まー落ち着けって。仕方ねえだろ。コカビエル襲撃事件の関係者なんだから」

 

絶賛俺がティアの相手をしています。

 

友人である俺くらいしかこの役目を果たせる奴がいないからな。

 

ティア「仕方ないのう。た・だ・し、約束通りにこの会談が終わったら食させるんじゃぞ」

 

零誠「了解。日本だから和食を食わせてやるよ」

 

リアス「どうやら落ち着いたみたいね。そろそろ時間だから行くわよ」

 

ギャス「僕も参加しないといけないんですか?」

 

魔眼殺しのおかげでギャスパーも参加出来るようになった。

 

零誠「たく、どうしてもって言うならなんとか出来っけど」

 

ギャス「ほ、本当ですか!」

 

零誠「こんな重要な会談にはテロリストが来てもおかしくないんだぞ。そういう状況で一人でいる方がいいって言うならなんとかしてやんよ」

 

ギャス「参加します!参加させてください!」

 

交渉完了

 

え、脅迫?なんのことすか。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

職員室

 

中には三大トップにヴァーリ、そして何故かイリナがいた。

 

零誠「なんでイリナがいんだ?」

 

イリナ「襲撃事件の関係者だからよ」

 

零誠「じゃなくて、あの事を知っている奴しか」

 

ミカ「神が亡くなられた事はもう伝えてあります」

 

零誠「なんで教えたんだ!」

 

せっかく知らずに済んだのに……

 

イリナ「私から頼んだのよ。ゼノヴィアが追放された理由が納得出来なかったからね」

 

零誠「お前平気なのか?」

 

イリナ「平気じゃないわよ。三日三晩泣き続けたわよ。でも、知った事を後悔するつもりは無いわ。私だけ蚊帳の外なんて嫌だもの」

 

零誠「お前がいいならいいんだが」

 

サー「悪いんだが、そろそろ始めていいかい?」

 

零誠「お騒がせしてスミマセンでした。始めてください」

 

サー「じゃあ、そろそろ始めるよ。初めて見る顔や懐かしい顔があるから、挨拶から始めるよ。私はサーゼクス・ルシファー、魔王を務めているよ」

 

ティア「久しいのう。サーゼクスの小僧」

 

サー「お久しぶりです。前回会ったのは魔王になった時でしたかね」

 

ティア「そうじゃな。お前さんは変わらんのう」

 

サー「そういうティアマット嬢は人の形をするなんて変わりましたね」

 

ティア「当たり前じゃ。変わることがわらわの本質じゃからのう」

 

こんな感じで会談は始まった。

 

30分後

 

あー暇だー。

 

何この結果が分かり切った話し合い。

 

こんな暇をなんとかする為に持ってきた物があるんだぜ。

 

THE SAKE

 

ただの酒じゃねえぜ。癖が強いが、そこが良いって評判の伝説の芋焼酎『赤鬼』

 

ゴクン

 

やっぱ酒はいいねー。

 

安心しろ。隣にいるティアとアザゼルにしかバレてないから。

 

アザ「おい、赤龍帝。俺にも寄越せ」

 

ティア「わらわにもじゃ」

 

小さな声で2人が言ってくる。

 

零誠「いいけどバレんなよ」

 

で、結局。

 

アザ「もっと酒を持って来い!」

 

サー「魔界から持って来れば良かったな」

 

ミカ「ふぅー。もう飲めましぇん」

 

宴会騒ぎになっちまった。

 

いくら隠れて飲んでると言ったって、隣の人にはバレるので俺と黒歌を除く部員とイリナ以外飲んじまった。

 

リアス「ちょっとレーセー!この状況どうするのよ!まだ会談の途中なのに!」

 

零誠「えっと、トップの皆さーん!もう細かい事は後にして和平でいいっすよねー?」

 

サー・アザ・ミカ「「「構わないぞ(よ)(でしゅよ)ー」」」

 

零誠「堅苦しい話は終わったんで飲んでいいっすよね?」

 

リアス「……好きにしなさい」

 

ま、全員自軍が消耗仕切ってるのは分かってるので戦争をしたくないんだよ。

それでも体面とか気にして腹の探り合いしてっから、暇で暇で。

酒の勢いもあって即効で終わらせたって感じなんだよね。

 

つーか、ミカエルさんがあんなに酒に弱いと思わなかったわ。

 

一杯で呂律が回らなくなるなんてな。

 

夕麻「私が新しいお酒持って来ますね」

 

ギャス「僕もついていきます」

 

零誠「頼むわ。部室にあっから」

 

夕麻「はい。任せてください」

 

この判断は酒で少し酔いが回っていた俺の判断ミスだった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ギャスパーサイド

 

部室

 

夕麻「あ、これですね」

 

夕麻先輩はレーセー先輩のビニール袋に入ったお酒を見つけた。

 

二袋あったので、片方を持ち上げる。

 

ガッ!

 

ギャス「えっ?」

 

いきなり後ろから頭を掴まれた。

 

???「『停止結界の邪眼』強制遠隔映写発動」

 

その呟き声が聞こえたと思ったら、目頭が凄く熱くなり、先程いた職員室の風景が目に浮かぶ。

 

夕麻「放しなさい!」

夕麻はギャスパーの後ろにいる奴に光の槍を投げたが、そいつはギャスパーからすぐに離れて避ける。

 

???「全く危ないわね」

 

そいつは黒いローブを被った女性。

 

夕麻「今、ギャスパーくんに何をしたんですか?魔術師さん」

 

魔術師「堕天使のくせして美人ね。気に食わないわね。ま、いいわ。そこの吸血鬼の『停止結界の邪眼』を発動させたのよ」

 

夕麻「でも魔眼殺しがあるから不発に終わったみたいですね」

 

魔術師「ふっ。あなた無知ね。そのタイプの魔眼殺しはレンズを通して見た物に対して発動しないのよ。そそこの吸血鬼の視界を直接他の場所に移したら、魔眼殺しは発動しないわ」

 

視界を移した?

 

ギャス「も、もしかして職員室!?」

 

魔術師「ご名答。今ごろ会談場所の時間は止まってるでしょうね。本当は禁手化させるつもりだったんだけど、そこの堕天使が邪魔で代替案としてこの方法を使わせてもらったわ」

 

そんな…また、僕の目のせいで。

 

魔術師「だいたい高ランクのセイクリッド・ギアを使いこなせない下撲がいるなら意識を奪って道具化してしまえば簡単なのにリアス・グレモリーはバカなのかしらね。あら、危ない」

 

魔術師は飛んできた光の矢を躱す。

 

夕麻「その口を塞ぎなさい」

 

魔術師「むきになっちゃってみっともない。どうせあなたは死んでそこの吸血鬼は道具になるんだからいっか」

 

数人新しい魔術師が現れる。

 

夕麻「くっ。ギャスパーくん、ここは私がなんとかするから職員室に先に行って!」

 

ギャス「で、でも」

 

夕麻「いいから行って!あなたが捕まったら厄介なことになる!」

 

魔術師「死亡フラグを立てたあなた一人でこの人数を相手するの?アハハ!面白いわね。いいわ。あなたが負けるまで追わないであげる」

 

夕麻「行って!」

 

ギャス「すぐに助けを呼んできます!」

 

僕は部室を飛び出した。

 

 



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最強のビショップ

ギャスパーサイド

 

は、早く助けを呼びに行かないと!

 

旧校舎と新校舎を繋ぐ体育館の入口にさしかかった。

 

夕麻「キャァァァーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ギャス「ゆ、夕麻先輩!?」

 

夕麻先輩に何かあったの?

 

助けを呼んで来ないと。

 

でも、助けを呼んでくる時間なんてあるの?

 

また、僕のせいで?

 

僕の行動が遅かったから?

 

どうすれば良かったの?

 

これから何をすればいいの?

 

『お前が大切な物を守れれくらい強くなれ』

 

ギャス「……レーセー先輩」

 

レーセー先輩だったらどうする?

 

ギャスパーはポケットから血が入った小瓶を取り出し、飲みほした。

 

鉄臭くて不味い。

 

 

ギャス「イタッ!?」

 

首に一回りの傷が出来て、右手には右腕は黒く染まり、赤い紋様が入った大きな刃が飛び出ている。

 

ギロチン

 

首を跳ねる為だけの処刑道具。

 

ギャス「す、スゴい」

 

先程飲んだ血はレーセーの物。つまり赤龍帝の血。

 

レーセーのブーステッド・ギアを亜種化させるほどの能力がこのギロチン『罪姫正義の柱(マルグリッド・ボワ・ジャスティス)』の形を与えた。

 

ギャス「夕麻先輩。ごめんなさい」

 

言われた通りに出来なくてごめんなさい。

 

でも、僕の大切な物……大切な仲間を守る為に動きたいんです。

 

ギャス「それが、僕の思い描く最強のビショップだから」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

部室

 

夕麻「くっ…まだ倒れる訳にはいかないのに……」

 

魔術師「大見得きったわりに呆気無かったわね」

 

夕麻は大きな傷は無いが床に倒れている。

 

魔術師「対堕天使様の毒。あなた達って人間よりスペック高いけど、その分アンチが絶対にあるのよね。同情するわ。化物に産まれてきてしまった事を。あの吸血鬼を追いなさい」

 

夕麻「ダメ……ここは…ここは通さない」

 

魔術師「うざったいわね。あんた達、好きにしていいわ。残念ね。あなたがまだ天使なら汚すことで堕とすことが出来たんだけど」

 

魔術師が手下の魔術師に命令を出した。

 

バン!

 

ギャス「夕麻先輩に手を出すな!」

 

扉を開けたギャスパーは夕麻に手を出そうとした魔術師の手首を跳ねた。

 

夕麻「ギャスパーくん。みんなは?」

 

ギャス「ごめんなさい!後でいっぱい叱られますから今は僕に守らせてください!」

 

魔術師「吸血鬼くん戻って来ちゃったの?そこの堕天使の頑張りは無駄になっちゃったわね。骨折り損のくたびれ儲けってやつ?」

 

ギャス「無駄じゃない!夕麻先輩のおかげで決心がついたんだ!」

 

魔術師「あら、そう。あんたの目のせいでこんな事になってるのに精神論でなんとかなるならなんとかしてみなさいよ!」

 

ギャス「日は古より星と競い」

 

僕はこの目が大嫌いだった。

 

ギャス「定められた道を雷鳴の如く疾走する」

 

この目のせいで嫌われた。

 

ギャス「そして速く 何より速く」

 

僕は大切なみんなを守りたい。

 

ギャス「永劫の円環を駆け抜けよう」

 

でも、僕には守る力は無く、

 

ギャス「光となって破壊しろ」

 

あるのは時を止めるこの目だけ。

 

ギャス「その一撃で燃やし尽くせ」

 

ならば嫌わず大切なみんなの為に時を止めよう。

 

ギャス「其は誰も知らず 届かぬ至高の創造」

 

みんなが無事で平和で幸せな一瞬を

 

ギャス「我が渇望こそ原初の荘厳」

 

その刹那が永遠に続くように時を止めよう。

 

ギャス「創造」

 

それが僕の願い。

 

ギャス「美麗刹那・序曲(アイン・ファウスト・オーベルテューレ)!」

 

ギロチンの紋様は変わり、目に何かが宿る。

 

ザシュッ!

 

魔術師「い、一体何が起きたの?」

 

ボトボトボト

 

魔術師全員の手首と足首が落ちていく。

 

魔術師「イヤァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

夕麻「一種の固有結界?」

 

ギャスパーが行ったのは単純に時を止めて動いて切っただけ。

 

正確には一瞬が永遠かと思う程に引き伸ばしたのだった。

 

それを行う『停止結界の邪眼』という基盤があった。きっかけという赤龍帝の血があった。

 

だが、それだけじゃ固有結界に至らない。

 

固有結界にまで至らせた物は

 

夕麻「主様が嫉妬する程の才能」

 

ギャスパーが夕麻を立たせ支える。

 

ギャス「夕麻先輩。大丈夫ですか?」

 

夕麻「ええ。毒が抜けたみたい」

 

ギャス「ごめんなさい!言われた事を守れませんでした」

 

夕麻「え?」

 

ギャス「みんなを呼んで来れませんでした」

 

夕麻「ふふっ。そんな事気にしなくていいわ」

 

ギャス「良かったー」

 

夕麻「もし主様が居なかったらあなたに惚れていたわ。助けてくれてありがとう」

 

ギャス「グスッ」

 

ギャスパーは目に涙を浮かべている。

 

夕麻「え!?なんで泣いてるの?どこかケガしたの?」

 

ギャス「違うんです。今までお礼を言われたことなんて無くて、お礼を言われたことが嬉しくて」

 

夕麻「そう。あなたは変わったからこれからは何度も言われるわ」

 

零誠『夕麻!聞こえるか?』

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠サイド

 

職員室

 

アザ「お、赤龍帝が使えるようになったぞ」

 

この感覚は?

 

零誠「『停止結界の邪眼』か」

 

クソッ!分かってたのにこんなミスするなんて!

 

零誠「今、行動可能な奴は何人いるんだ?」

 

アザ「三大トップは問題無いが結界張るので忙しい。そういう意味で動けるのはお前とリアス、デュランダル使い、黒の猫又ヴァーリーだ」

 

零誠「ティアは?」

 

 

アザ「ティアマットは酒のせいで寝てる」

 

あのバカ!

 

零誠「ちょっと夕麻と通信してみる」

 

アザ「吸血鬼の坊主の状態を聞いてくれ」

 

零誠『夕麻!聞こえるか?』

 

夕麻『主様?大丈夫だったんですか?』

 

零誠『ああ。お偉いさん方が結界張ったからなんとか無事だ。お前ら無事なのか?』

 

夕麻『はい。ギャスパーくんが助けてくれました』

 

零誠『ギャスパーの奴頑張ったのか』

 

夕麻『はい。そのせいで部室が汚れちゃいましたけどね』

 

零誠『了解。そこを動かないでいろよ』

 

通信を切る。

 

リアス「2人は無事なの?」

 

零誠「ええ。ギャスパーが頑張ったそうです」

 

リアス「そう。あの子が」

 

アザ「これからどうするつもりだ?」

 

零誠「案ならある」

 

アザ「聞かせてみろ」

 

 

零誠「まず、部長と黒歌は部室にあるルークとキャスリングを行ってもらう」

 

黒歌「その後はどうするつもりにゃん?」

 

零誠「強力な結界を張ってくれ」

 

リアス「どれくらいのを?」

 

零誠「徹底的に強力な物を」

 

リアス「分かったわ。黒歌、行くわよ」

 

黒歌「了解にゃ」

 

アザ「おい!赤龍帝が何するか聞かなくていいのか?」

 

リアス「当たり前でしょ」

 

黒歌「レーセーが言った事は大抵正しいにゃ」

 

そう言ってリアスと黒歌はキャスリングを行った。

 

アザ「期待されてんだな」

 

零誠「なら期待に答えないとな。学園敷地外の部下と連絡は?」

 

アザ「取れたが結界が邪魔で入れないんだとよ」

 

零誠「なら、その結界の上から結界を張ってくれ。外に誰も出られないように」

 

アザ「何故だ」

 

零誠「仲間を傷つけた連中を逃がさない為」

 

アザ「なるほどな」

 

アザゼルは外に連絡を入れ、結界を張らせる。

 

アザ「強力なのを張ったぞ」

 

零誠「一掃してやる。『他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』」

 

 



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禍の団

職員室

 

アザ「えげつない事するな。赤龍帝」

 

零誠「コツコツ準備してたかい有ったわ」

 

現在、新校舎内と旧校舎内以外に『他者封印・鮮血神殿』が発動されている。

 

この結界は術者と契約者以外の者を溶かし魔力に変え、術者にその魔力を送るという物。

 

つまり、外にいるテロリストをじわじわと一掃してる最中。

 

零誠は日頃からこの為に学園の至るところに魔方陣を投影していた。

 

ゼノ「流石レーセー。溜まった魔力の捌け口に私を使ってくれ」

 

零誠「うっせー!黙れ!キャラ変わり過ぎだ!」

 

旧校舎

 

黒歌「くしゅん!何か私の領域が侵されていり気がするにゃ」

 

リアス「いきなり何を言っているの?」カメラさんを職員室に戻します。

 

零誠「つーか、ゼノヴィアは何で平気だったんだ?」

 

ゼノ「前回食らった時と同じ気配がしたので咄嗟にデュランダルで身を隠したらなんとかなった」

 

零誠「獣の感ってぶっ飛んでんな」

 

アザ「なぁ赤龍帝。お前こうなる事が分かってたのか?」

 

零誠「別に確信は無かったが、お偉いさん方が揃うんだ。テロが起きてもおかしくないだろ」

 

アザ「確かにな。てことは、今回の相手が誰かは分からないんだな?」

 

零誠「馬鹿みたいに戦力を持ってる事しか分からねえな」

 

アザ「その通りだ。特にトップには俺達3人が束になっても殺すことが出来ねえだろうな」

 

零誠「その力に惹かれた奴らが集まったのが今外にいる奴らか」

 

ゼノ「いい加減、奴らが何者なのか教えてくれないか?」

 

アザ「ああ、悪かったな。まず奴らの名前は『禍の団(カオス・ブリゲート)』そして、そいつらのトップは『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』のオーフィス」

 

ゼノ「それはマズいぞ。三大トップが協力してもやっと互角のレベルの奴が相手とは」

 

零誠「流石に親玉がいきなり出てくることは無いから今回は平気じゃないか?」

 

アザ「だろうな。実際にオーフィスは蛇を貸してるだけで行動はカオスブリゲートが勝手に動いてるだけみたいだしな」

 

零誠「蛇か。それを持った奴が来たら動かないといけないな。『他者封印・流血神殿』は効かないだろうし」

 

サー「その厄介な相手が来たみたいだよ。旧レヴィアタンの魔法陣だ」

 

サーゼクスが言うように、校庭には魔法陣があり、そこから女性の悪魔が現れる。

 

サー「カテレア嬢。そんな事をしているとセラフォルー嬢が悲しむぞ」

 

カテ「セラフォルー?あの娘が私からレビアタンの座を奪ったのでしょう!あの娘を殺して私がレヴィアタンの座に返り咲いてみせるわ!」

 

夕麻「『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)』!」

 

カテ「キャッ!?」

 

赤い槍がカテレアに飛んで行き、カテレアはギリギリで避けたが余波でふっ飛ぶ。

 

夕麻「まるで昔の自分を見ているようでイライラします」

 

旧校舎の上に立つ夕麻が投げた槍を持って立っている。

 

夕麻は蛇の力でレビアタンの座につこうとするカテレアの姿がアーシアを殺して愛されようとした自分と類似し、怒りを覚えていた。

 

カテ「いきなり卑怯よ!」

 

零誠「悪いけどこれ戦争なのよね」

 

夕麻「だいたいテロリストに卑怯とか言われる筋合いありません」

 

零誠「そんじゃ、もう一発ぶっ放してやって」

 

夕麻「了解です」

 

アザ「この主あってこの使い魔って感じだな」

 

カテ「ふ、ふん。どうせハッタリでしょ。あなたは旧校舎で力をほとんど使いきったはず。だからあのレベルの技をもう一度発動するなんて出来るはずが無いわ」

 

夕麻「確かに私の魔力じゃ出来ないでしょうね」

 

カテレアはそれを聞き安堵する。

 

零誠「なら俺の魔力を使えばいい」

 

カテ「えっ!?」

 

零誠「つーか、さっきの技に旧校舎の結界。どちらもほとんど俺の魔力だぞ」

 

カテ「そんな馬鹿みたいな魔力量」

 

零誠「てめえの手下を溶かして得た魔力をそのままにしてたらパンクしちまうからな。魔術師相手だからまだまだ余ってんぞ」

 

夕麻「それじゃ、やりますよ。ゲイ・ボルグ!!」

 

カテ「もしかしてもうこれで出番終わり!?」

 

赤い槍に貫かれてカテレアは倒れる。

 

夕麻「所詮他人の力を宛てにした人はこの程度ですか」

 

零誠「いや、お前も俺の力使ってるからな」

 

夕麻「主様の物は私の物です」

 

零誠「ジャイアニズム!?立場逆じゃね?」

 

夕麻「ならペットに与える餌代だと思ってください」

 

零誠「どんだけ贅沢させりゃいいんだよ」

 

ゼノ「私もお前の犬だ。何か与えてくれ」

 

零誠「お前はペットという単語に反応すんな!」

 

ミカ「レーセーさんって変態だったんですね」

 

アザ「ああ。変態だな」

 

サー「うん。変態だね」

 

零誠「俺が変態って訳じゃねー!!この二人が痴女発言してるだけだ!!」

 

イッセーみたくなってたまるか!

 

ヴァー「それで大物を倒したみたいだが、これからどうするんだ?」

 

零誠「お前は帰らなくていいのか?『禍の団』の一員さん?」

 

全員『なっ!?』

 

ヴァー「いつ気付いたんだ?」

 

零誠「随分と潔いみたいだな」

 

ヴァー「足掻いた所でお前は全てお見通しみたいだから」

 

零誠「なるほどな」

 

ヴァー「表に出ろよ。決着つけようぜ」

 

零誠「その勝負にのった」

 

俺とヴァーリは窓から外に出ようとする。

 

アザ「ちょっと待て!ヴァーリ!何が目的なんだ?」

 

ヴァー「アザゼル。あんたが俺に好きなだけ強い奴と戦えって言ったんだぜ」

 

アザ「確かに言った。だが、世界に迷惑をかけるなとも言ったはずだ」

 

アザ「悪いな。その言い付けは守れそうにない」

 

そう言って俺より一足先に外に出た。

 

零誠「あんたの代わりにあの馬鹿息子に一発キツいのを打ち込んできてやるよ」

 

俺も外に出る。

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!』

 

赤い外套を身に纏う。

 

ヴァー「さて、改めて自己紹介しとこう。俺はヴァーリ・ルシファー。お前達の敵だ」

 

ゼノ「馬鹿な!?旧ルシファーの血縁だと!」

 

アザ「確かに馬鹿みたいな存在だよ。ヴァーリは今までの中で最強の白龍皇だ」

 

ヴァー「アザゼルが言った通り最強の白龍皇だと自負している。だが、赤龍帝。お前の父親は普通のサラリーマン。母親は専業主婦。先祖も平々凡々だった。何故、俺ではなくお前は亜種化に至った?」

 

零誠「お前にとって重要な事はそんな事じゃねえだろ?」

 

ヴァー「ふっ。確かにそうだな。俺は強い奴と戦えればいい。俺をさらなる高みへ連れて行ってくれ!」

 

『Divide!』

 

俺の魔力が半減する。

 

ドラ『奴は半減させた力を自分の物に出来る』

 

『Boost!』

 

ドラ『半分になった力はこうやって戻せるが、相手の力は上がっていくから気をつけろ』

 

零誠「この勝負は一回の交差で終わるよ。あちらさんも同じ考えのようだ」

 

魔力の差がまだこちらの方が大きいので次の『Divide』で戦闘が始まる。

 

この間合いなら勝負は三秒で終わる。

 

零誠「『再編開始(トレース・オン)』」

 

ブーステッド・ギアの中にあるアスカロンを分解。

 

一度の交差で終わらせられる破壊力を持つ武器を俺の中の『無限の武器庫』から検索。

 

その武器の形状、体積、質量に構築し直す。

 

選ばれた武器は『双刀 鎚』

 

この刀は重量のみに特化された刀。

 

悪魔となった俺でも満足に振るう事が出来ない重量。

 

ならば、左腕ごと再編する。

 

左肩から外套の生地が弾け、肌白い少女の細腕に左腕が作り変えられる。

 

怪力という点において悪魔をも凌駕する凍空一族の少女の左腕。

 

『Divide!』

 

ヴァーリが向かってくる。

 

『Boost!』

 

一秒

 

片手のみの再編なので両手を使う『双刀の犬』は使用不可。

 

他の大剣を使用する技を代用する。

 

零誠「『投影装填(トリガー・オフ)』」

 

8つの急所に狙いを定める。

 

ドラ『白龍帝。お前は先程血筋を誇っていたな。確かに相棒の血は普通の物だ』

 

二秒

 

零誠「『全工程投影完了(セット)ー是、射殺す百頭(ナインブズ・ブレイドワークス)』」

 

ドラ『だがな、もし相棒に勝ちたかったら、魂で勝負しな。お前と違って相棒の魂は世界のこの世界の外側に存在する』

 

向かってくる音速を神速を以て凌駕する。

 

8つの急所に叩き込む。

 

ヴァー「カハッ!?」

 

ヴァーリの鎧は砕かれ霧散し、レーセーの『双刀 鎚』も霧散する。

 

零誠「一応、死なない程度には押さえた」

 



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4巻エピローグ

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ヴァー「『我、目覚めるは』」

 

鎧を砕かれたヴァーリは呟く。

 

ドラ『マズい!?白龍皇の奴、『覇龍(ジャガーノートドライブ)』を発動するつもりだ!』

 

零誠「大丈夫だよ」

 

アル『ヴァーリ、無理だ』

 

ヴァー「『覇の理nくっ」

 

アル『俺は無茶だ、ではなく無理だ、と言ったんだ。赤龍帝の奴はお前の命では無く、『白龍皇の翼』自体に不可をかけやがった。すぐに俺の力を発動するのは無理だ。しかも』

 

『Vanishing Dragon Power is taken』

 

赤い右腕に白い線が何本か入る。

 

アル『少しだが赤龍帝の奴に持ってかれた』

 

ヴァー「馬鹿な!?相反する力だぞ!」

 

零誠「木場がそれを可能だということを証明しただろ」

 

ヴァー「お前はどうやら遥か高みにいるらしい」

 

ヴァーリを連れて職員室に行こうとヴァーリーの近くに近寄ろうとしたら、『他者封印・流血神殿』が解かれ、2つの影がヴァーリと俺の間に割り込んでくる。

 

???「ヴァーリ、向かえに来たぜ」

 

???「カテレアさんがやられたなら早く戻って来てくださいよ」

 

ヴァー「美侯にルフェイか。赤龍帝の奴が俺がそっち側だと何故か知ってたんだ」

 

美侯「それでも逃げる事は出来るはずだろ?結局戦いを楽しんでいたんだろ?」

 

ヴァー「ふっ、ばれたか」

 

美侯「それならとっとと帰るぞ。『北の田舎(アース)神族』との戦いがあるんだからな」

 

零誠「お前ら、何者だ?」

 

ルフェ「ルフェイ・ペンドラゴンと申します」

 

美侯「闘戦勝仏の末裔」

 

アーサー王と孫悟空の子孫ってことか。

 

ルフェ「帰る前にちょっといいですか?」

 

美侯「なんだ?とっとと済ませちまいな」

 

ルフェ「はい!」

 

ルフェイはこっちに小走りで向かって来た。

 

ルフェ「赤龍帝のレーセーさんですよね?」

 

零誠「あ、ああ、そうだけど」

 

ルフェ「握手してください」

 

零誠「はい?」

 

ルフェ「私、レーセーさんが使っていた魔術を見て、ファンになってしまいました。今回張ってあったあの他者を吸収する結界は今まで見た事無い物だったので解除するのに時間がかかってしまいました」

 

あれ解除したなんてどんだけ魔術の才能があんだよ。

 

ルフェ「握手ダメですか?」

 

零誠「えっ、ああ、構わないよ」

 

握手をする。

 

ルフェ「ありがとうございました!」

 

そう言ってルフェイはヴァーリと美侯の元に戻って行く。

 

零誠「お前らどうやって帰るつもりだ?」

 

外にはふざけてる数の兵がいる。

 

???「我、来たから、邪魔は、させない」

 

空に黒いゴスロリ少女が舞っている。

 

アザ「オーフィスが出張って来るなんて!?」

 

零誠「あいつが禍の団トップのオーフィスか」

 

つーか、今、思えばアザゼルとオーフィスは出て来ないって言ってたの伏線過ぎだな。

 

ヴァー「何でこの程度の事になんで出てきたんだ?」

 

美侯「今期の赤龍帝を見にきたんだとよ」

 

オー「我、赤龍帝に、興味を持った」

 

零誠「俺もお前に興味がある」

 

オー「そう。なら、話したい」

 

零誠「だが、今日は帰るんだろ?なら今度はうちに来い。他の奴には邪魔させないから」

 

オー「分かった。気が向いたら、行く」

 

そう言い残し、3人を連れてオーフィスは帰って行った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

終業式

 

あの後、『駒王協定』という三大勢力間の平和協定が結ばれた。

 

そして、その協定の結ばれたこの学園には

 

アザ「というわけで、今日からオカルト研究部の顧問になったアザゼルだ。先生又は総督と呼ぶように」

 

イリナ「私も今日からオカルト研究部に入った紫藤イリナよ。レーセーくんの家に住むことになったからそこの所もよろしくね」

 

零誠「また、住居人が増えた」

 

朱乃「なら私も今日からレーセーくんのお宅に厄介になる事にしましょう」

 

零誠「朱乃さんが悪乗りした!?」

 

リアス「朱乃とイリナは別にいいとして、ちょっとアザゼルどういう事?」

 

零誠「いいの!?家主である俺をスルーして勝手に決まってんのにいいの!?」

 

アザ「この地には色々起きるからどの勢力も1人は置くことにしたんだよ」

 

零誠「つーか、それで普通はトップがやって来るか?」

 

アザ「俺が普通だとでも?」

 

零誠「そういやバカ堕天使だったな」

 

アザ「その言い方引っ張るな!だいたい俺は知的だ。それにイケメンだから女子生徒を食っちまうかもな」

 

零誠「懲戒免職食らうぞ。そんな事してっから落ちたんだろ」

 

アザ「良く分かったな」

 

零誠「当たってんのかい!?もしかしてあんた雇ったのってソーナ会長?」

 

アザ「ああ。レビアタンの妹に話したらこういう事になった」

 

零誠「これ会長に出したらどうなる?」

 

『女子生徒を食っちまうかもな』

 

ボイスレコーダーから流れた声を聞いて、アザゼルは汗がダラダラ流れてる。

 

零誠「新顧問と新入部者がいるし、焼き肉パーティーと行きましょうや。もちろんアザゼル教諭の奢りで」

 

アザ「この鬼!悪魔!」

 

零誠「それはギャスパーのことか?」

 

アザ「お前のことだよ!」

 

イリナ「ねー見てみてレーセーくん!私ね、ミカエル様の眷属になったのよ!No.A貰っちゃった!」

 

イリナは抱きついてきて、手の甲に書かれたAを見せてくる。

 

女子『離れなさい(てください)(るにゃ)!』

 

女子がイリナをひっぺ返す。

 

アザ「童貞卒業ツアーを考えてたんだが、どうやら必要無いみたいだな」

 

ギャス「レーセー先輩は凄いですね。友達の少ない僕の憧れです」

 

木場「憧れの対象として見るのはいいと思うよ。まぁ、ちょっと勘違いしてるみたいだけど」

 

リアス「そう言えばレーセー。今月末中級試験だったの覚えてるかしら?」

 

零誠「ええ。ちゃんと勉強もしてますよ」

 

リアス「その為に3日後から魔界だから」

 

零誠「………マジすか?」

 

リアス「マジよ」

 

松田と元浜の奴と海の約束してたんだが、ドタキャンするしかねえか。

 

全く夏休みもカオスになりそうだ。

 



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そのふざけた原作をぶち壊す!………こんなルート知らないんですけど。
5巻プロローグ


冥界に向かう為に駅に来ていた。

 

零誠「イリナはともかくアザゼル教諭は堕天使トップなんだから、すぐ着く方法があるだろ」

 

アザ「悪魔側の入口から行けるって言うのに、どんな物か見ないわけないだろうが」

 

零誠「趣味かよ」

 

エレベーターの前で

 

リアス「レーセーと夕麻は私と朱乃と一緒に。アーシアとゼノヴィアは白音と黒歌と一緒に。イリナとアザゼル祐斗とギャスパーと一緒に来て」

 

零誠「ちょっと覗かせてもらいましたが、地下すか」

 

リアス「ええ。一般人は絶対に辿り着けないわ」

 

部長はボタンの下にカードキーを当てると下に下りていく。

 

零誠「というか、この街に地下鉄通そうって話になったらどうするつもりなんですか?」

 

リアス「お父様がその案を財力と権力で握り潰すでしょうね」

 

零誠「ひでぇ」

 

そんな事を話してるうちに全員が揃った。

 

リアス「3番ホームに歩いて行くわよ」

 

そんでもって3番ホームにあるのはグレモリー家の家紋がついてる列車。

 

人間界の列車と違い鋭角で鋭い。

 

リアス「グレモリー家所有の列車よ」

 

さすが金持ち。家の庭に遊園地でもあるんじゃね。

 

そう考えながら席に座ると主なので前の車両に乗った部長を除いた女性陣で席を決めるじゃんけん大会が開催された。………何故に?

 

ちなみに木場とギャスパーは違う対面式の所に座り、アザゼルは離れた所で寝てる。

 

入り方見たかったんじゃねえのかよ。

 

女性陣の席順が決まったみたいです。

 

俺の隣に白音。向かい側に朱乃さんと夕麻。教会3人娘と黒歌が俺の後ろの席に座ることになった。

 

白音「……先輩の隣」

 

白音は隣で嬉しそうにしている。

 

零誠「朱乃さん。どれくらいでつくんすか?」

 

朱乃「だいたい一時間くらいですね」

 

零誠「魔法陣で飛ぶんじゃダメなんですか?」

 

朱乃「通常ならそれでいいんですけど、新人悪魔は一度手続きを行わないと不法入国として罰せられますから気をつけてください」

 

零誠「俺、ライザー戦が終わった後にサーゼクスさんの城に呼ばれて行ったんですけど」

 

朱乃「まぁ、魔王様公認だから大丈夫でしょう」

 

零誠「豚箱行きってのは勘弁ですよ。それにしても一時間か。暇だし、何かするか?」

 

夕麻「私、トランプ持って来ました」

 

零誠「無難にババ抜きでもすっか」

 

開始数分後

 

朱乃「あらあら、レーセーくんの負けですね」

負けました。

 

俺は白音のを引き、朱乃さんに引かれるのだが。

 

零誠「白音のポーカーフェイスが凄過ぎる」

 

どのカードを取ろうとしても眉1つ動かさねえ。

 

朱乃「それじゃあ、罰ゲームといきましょうか」

 

零誠「聞いて無いんだが!?」

 

夕麻「言ってませんからね」

 

零誠「先に言うのが常識でしょう」

 

白音「………私達に常識が通用するとでも?」

 

零誠「しないね!」

 

朱乃「うふふ、ではこのカード三枚から一枚引いてくださいな」

 

朱乃さんは三枚カードを伏せる。

 

朱乃「罰ゲームの内容が書いてあります」

 

そう言われて一枚カードを引く。

 

零誠「えーっと『隣の人を膝枕する』か」

 

白音「……よろしくお願いします」

 

白音を膝枕してやるのだが、

 

夕麻「白音さんは優しいですね」

 

朱乃「レーセーくんは好きなように出来るのにその程度で済ませるなんて」

 

零誠「ちょっと待て!?他のやつは何だったんだ!?」

 

残りのカードには『メイド服を着て前の人の給仕』と『対角線上の人の着せ替え人形』

 

零誠「ざけんな!」

 

心からの叫び。

 

しかも全部俺を狙った感があるし、だいたいゲーム中もババを回してもすぐ戻って来ることにも違和感があったんだよ!

 

零誠「もう諦めたんで1つ教えてください。一体いつから考えていたんですか?」

 

朱乃「席順を決めるじゃんけんで私達と黒歌の4人が残った時にこの話が出たんですよ」

 

零誠「あの短い間になんちゅー早業」

 

黒歌「レーセー楽しそうだにゃ」

 

零誠「知らんうちに俺包囲網が出来てたことに驚いてただけだからな」

 

黒歌「でも楽しそうだにゃ」

 

零誠「ちなみにお前が考えた罰ゲームは何だったんだ?」

 

黒歌「夜の営みにゃ」

 

零誠「もしお前の罰ゲームを引いても絶対に」

 

黒歌「白音のはやったのにズルいにゃ」

 

零誠「限度を考えろ。限度を」

 

黒歌の表情は機嫌が悪そうにムスッとしている。

 

そこへ、部長と車掌らしき人が前の車両から入ってきた。

 

リアス「レーセー、アーシア、ゼノヴィア。冥界への入国手続きをするわよ。レイナルド、頼むわね」

 

レイ「かしこまりました。リアス姫」

 

姫っすか。今時姫っすか。

 

レイ「初めまして。姫の新しい眷属の皆さん。私はこの列車の車掌をしているレイナルドです。以後お見知りおきを」

 

零誠「白音ちょっとどいてくれ」

 

白音「………はい」

 

俺は白音にどいてもらい車掌さんの前に立つとスキャナーのような物を向けてくる。

 

レイ「これはあなた方がご本人かどうか照合する物です」

 

偽者だったら大変だからそうです。

 

レイ「これで照合と入国手続きが終わったのでごゆるりとおくつろぎください。寝台車や食堂車もあるのでご自由にお使いください」

 

レイナルドさんは一礼し、前の車両に行く。

 

零誠「白音。食堂車行くか?」

 

白音「………はい」

 

黒歌「私も行くにゃ」

 

零誠「じゃあ、食料無くなるレベルで食い尽くそうぜ」

 

白音「………勿論です」

 

黒歌「私はそのレベルに至るつもりは私には無いにゃ!」

 

リアス「お願いだから少しは遠慮をしなさい」

 

零誠「そいつは無理な相談ですね」

 

勿論この後、食料を食い潰しましたよ。

 

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リアス「全くレーセーは。あまりおいたをすると領土をあげないわよ」

 

零誠「領土?」

 

リアス「ええ。眷属に私の領土をあげるのよ。赤い所は手が入ってるからダメだけれど、日本の本州くらいはあるから好きなだけいいわよ」

 

零誠「もう金持ちってレベルじゃなくね?」

 

アザ「その話は後にしてくれ。これからの予定に話す。まずレーセーは数日後の試験の筆記の復習をしろ。試験が終わった2日後には若手悪魔の顔合わせ。そんでもって8月20日まで修行だ」

 

零誠「修行パートは構わないけど修行内容に俺が作るトレーニングメニューを検討しろよ」

 

アザ「分かった。というかお前が得た情報を俺に回せ。その情報から作成すっから」

 

零誠「了解」

 

リアス「なんかレーセーって、私より部長らしいんだけど」

 

 

 



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グレモリー本家

使用人『お帰りなさいませ!リアスお嬢様!』

 

俺達が列車を降りるのと同時に大量の執事とメイドが挨拶をし、花火まで上がってる。

 

ギャス「ひぃー。人がいっぱい」

 

ギャスパーでなくともこの人数にはビビるわ。

 

アザ「このまま俺はサーゼクスの元へ行く。会議だとよ。めんどくせえ」

 

列車はアザゼルを乗せて出発した。

 

グレイ「皆さん、馬車で本邸までお送りします」

 

グレイフィアさんに言われて馬車に乗り込む。

 

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零誠「これは家か?」

 

目の前にあるのは城。

 

移動時間が異様に長かったから庭が広いのは分かったんだが、屋敷の大きさ東京ドーム何個分だ?

 

ま、東京ドームの大きさも良く分からないだがな。

 

???「リアスお姉様!お帰りなさい!」

 

部長が馬車から降りると赤い髪の少年が部長に抱きついてきた。

 

零誠「サーゼクスさんに似ていますね。あ、グレイフィアさんの面影もありますね」

 

リアス「この子はミリキャス・グレモリー。お兄様の息子なの。私の甥にあたるわ」

 

零誠「初めまして。ミリキャスくんでいいかな?」

 

ミリ「あっ、呼び捨てで構いません!レーセーさん。よろしくお願いします」

 

リアス「じゃあ、そろそろ屋敷に入るわよ」

 

ミリ「レーセーさん。行きましょう」

 

ミリキャスは俺の手を引いて行く。

 

なんか懐かれたみたいだ。

 

この屋敷(城?)の中も随分と凄いな。

 

リアス「お父様とお母様に帰国の挨拶したいんだけど」

 

グレイ「旦那様は出かけておりますので、夕食の時間にお顔合わせをされると仰っていました」

 

リアス「そう。なら皆には部屋で休んで貰って」

 

グレイ「それでしたら、今すぐお部屋は使えますが」

 

俺達はメイドに連れられ、部屋に向かった。

 

その途中、亜麻色の髪を持つ部長と同じくらいの女性にあった。

 

???「あなたが兵藤零誠くんかしら?」

 

零誠「はい。えっと、あなたは部長の血縁ですね?」

 

ヴェネ「ええ。リアスの母親のヴェネラナ・グレモリーです」

 

零誠「お母さんでしたか。お若いのでてっきりお姉さんかと思いましたよ」

 

ヴェネ「女性の悪魔は皆これくらいの歳に魔力でしているんですよ」

 

なるほど。若作r!?

 

横髪の先っぽが消滅し、後ろの壁にも穴が空いている。

 

ヴェネ「何か?」

 

零誠「いえ!美しいなと思っただけです」

 

ヴェネ「おほほ。そうですか」

 

こえー。なんか知らんが俺の周りの女性って勘がいい奴ばっかなんだが。

 

零誠「そういえば、良く俺のことを知ってましたね?」

 

ヴェネ「母親ですから、娘の婚約がかかった試合くらい見ますわ」

 

零誠「………イヤァ、ホントウニコノイエはオオキイデスネ」

 

ヴェネ「露骨に話を変えなくていいですわ。あなたに恨みなんてありませんから」

 

零誠「ほ、本当ですか?」

ヴェネ「ええ。ただしこれからもリアスのことを(生涯の伴侶として)よろしくお願いしますよ」

 

零誠「ええ、(主である)部長は命をかけても守ります」

 

零誠・ヴェネ「「あはははははははは!」」

 

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夕食

 

グレ「リアスの眷属諸君。遠慮無く楽しんでくれたまえ」

 

零誠は優雅に食べていく。

 

舐めるなよ。他の世界で礼儀作法が必要になる場面がどれだけあったか。

 

ヴェネ「零誠さんは現在お付き合いしてる方はいらっしゃるんですか?」

 

ブフッ!?

 

零誠「うわ!?汚ね!」

 

何人か口から吹き出した。

 

そしてみんな聞き耳を立てている。

 

零誠「えっと、いませんけど」

 

ヴェネ「そう。なら好きな女性のタイプとかは?」

 

零誠「好きな女性のタイプですか?」

 

ヴェネ「ええ。例えば歳上がいいとか、髪が長い方がいいとか」

 

零誠「そうですね。俺としては見た目にはそこまでこだわりとかありませんね。でも、強い人がいいでかね」

 

ヴェネ「強い人?」

 

零誠「はい。心身共に強いがいいですね。きっと俺が歩む道は茨どころか粒子鉄線ねような道になると思います。なのでそれについて来られる強さが必要なんですよ。それに、どうやら俺は守りながら戦うのが苦手みたいなので俺の大切な物を守って欲しいんです」

 

女子(((修行頑張って強くなろう)))

 

ヴェネ(なるほど。ならリアスを私とグレイフィアで一から鍛え治しますか)

 

女性の思惑がよぎる夕食になった。

 

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中級試験当日

 

受ける人数が結構少ないな。しかも、受けてる奴らは俺より歳上がほとんどだし。

 

筆記はカリカリやってるだけだから、面白く無いから飛ばすよ。

 

そんでもって、お待ちかねの実技試験。

 

ルールは簡単。

 

気絶させたら勝ち。

 

殺してしまったら失格。

 

零誠「殺さないように気をつけないとな」

 

他の下級悪魔はどれくらいなのかは知らんが、はっきり言って素手でも殺してしまわないとは限らないんだよな。

 

んー。よし。こんな時にはあれを使おう。

 

審判「始め!」

 

零誠「『投影開始』」

 

竹刀を一本投影する。

 

敵「はっ!」

 

対戦相手は氷の龍を飛ばしてきた。

 

『Divide!』

 

氷の龍は少し小さくなる。

 

ヴァーリーから奪った能力は俺が使うとせいぜい2、3割程しか減らせない。

 

『Boost!』

 

強化した拳で氷の龍をぶん殴って砕く。

 

敵「なっ!?」

 

対戦相手が驚いてる間に間合いを詰める。

 

零誠「秘剣 燕返し!」

 

宝具とかした剣技をたたき込む。

 

敵「グハッ!?」

 

もし普通の竹刀を使っていたら相手を撲殺していただろう。

 

しかし、俺が投影したのは冬木の虎が使用している『虎竹刀』

 

『虎竹刀』の能力はギャグ補正。これで殴られたら凄く痛いが、ケガをしない。

 

つまり、俺が使えばどんだけ大技を使っても無傷で半永久的に痛めつけられる鬼畜アイテムと化す。

 

零誠「気絶するまで使ってない剣術の実験台になって貰おうかな」

 

ブン!

 

敵「ゲホッ!カハッ!ゴホッ!」

 

こうして30分程必殺技を使わせて貰った。

 

ここで豆知識。肝臓を攻撃すると痛みで気絶が出来ないよ。ちなみに気絶をさせるには頭を狙おう。

 

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サー「レーセーくん。君は合格だよ。これから中級悪魔だよ」

 

零誠「ありがとうございます」

 

試験が終わり、サーゼクスさんに教えて貰った。

 

サー「でも、少しやり過ぎだったと思うよ」

 

零誠「すいませんでした。後で謝りに行こうと思います」

 

サー「それは止めた方がいいと思うよ。彼、軽くトラウマになってるみたいだから」

 

零誠「とっておきの酒を送っておきます」

 

サー「それはいいアイデアだと思うよ」

 

酒は世界を救う。

 

 



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新人悪魔会合

若手悪魔の会談に行く為に都市部に来たのだが、(黒歌&夕麻&イリナはお留守番)

 

一般人『キャーーーーーーーーー!!リアス姫よーーーーーーーーーーー!!』

 

黄色い声援が凄いです。

 

まぁ、部長はアイドル的な存在だから分かるのだが、

 

一般人『レーセーさーん!こっち向いてーーーー!』

 

零誠「なんでさ」

 

朱乃「上級悪魔に堕天使幹部を倒した下級悪魔。しかも、物凄い速度での中級悪魔へのスピード出世。下級悪魔の期待の星って所ですからね」

 

女子「私を下撲にしてーーーーーーーーーーー!!」

 

零誠「俺はこれにどんな反応すればいいんだ?」

 

木場「笑顔で手を振ってあげたらどうだい?」

 

零誠「こ、こうか?」

 

出来るだけ精一杯の笑顔で手を振る。

 

女子『キャーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

バタッ!

 

零誠「言われた通りにしたのに何人かぶっ倒れたぞ!?」

 

ジトー

 

女子部員からの視線がなんか痛い!

 

しかも、木場は笑っていて、ギャスパーは大人数にビビって役に立たねえ。

 

零誠「なんでさ!?」

 

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目的地に到着し、上の階に行く為にエレベーターに乗り込む。

 

リアス「みんな、もう一度確認するわよ。どんな事があっても平常心でいる事。何を言われても手を出さない事。上にいるのは将来のライバル達よ」

 

俺の琴線に触れない限り、守りましょう。

 

かなり高い所でエレベーターが開く。

 

そうして、案内に従い通路を歩いていくと、数人立っている。

 

リアス「サイラオーグ!」

 

部長はその中の1人と知り合いらしく、こちらに気付き近づいてくる。

 

黒髪の短髪のイケメンで体ががっちりしている。

 

サイラ「リアス、久しぶりだな」

 

この人凄いな。魔力は感じないが、気の力が凄い。

 

どれだけ強いかというと主力として使っている黒歌と白音以上。

 

だが、どうやら気を応用して技として使う事は出来ないみたいだな。

 

リアス「サイラオーグは私の母方の従兄弟にあたるわ」

 

サイラ「俺はサイラオーグ・バアル。バアル家の時期当主だ」

 

バアル家って滅びの魔力の家系なのに魔力が皆無って、努力の天才って奴だな。

 

リアス「それで、こんな通路で何をしていたの?」

 

サイラ「ああ。くだらんから出てきただけだ」

 

リアス「くだらない?他のメンバーも来てるの?」

 

サイラ「アガレス、アスタロト、グラシャラボラスが来ているよ。そして、着いて早々にアガレスとグラシャラボラスがおっ始めてな」

 

ズドーン!

 

建物が大きく揺れ、一室から凄く大きな音がした。

 

サイラ「全く。だから開始前の会合なんて必要無いと言ったんだ」

 

音がした部屋に走って向かう。

 

扉を開けると中は破壊されており、普通の悪魔とチンピラ風の悪魔が対立している。隅っこの方でお茶をしている悪魔もいる。

 

アガ「ゼファドール!こんな所で戦いを始めても仕方が無くて?死ぬの?死にたいの?殺しても上に咎められないかしら?」

 

メガネ属性のクールキャラ。ソーナ会長とキャラ被ってんな。

 

ゼファ「ハッ!言ってろよ!クソアマ!俺がそっちの個室で一発仕込んでやるって言ってんのによ!アガレスのお姉さんはガードが堅くて嫌だね!へっ!だから男が寄って来ずにまだ処女やってんだろ?たくっ!魔王眷属の女共はどいつもこいつも処女臭くて適わないぜ!だからこそ俺様が開通式をやってやろうって言ってんのによ!」

 

うわー。このチンピラ、俺の琴線に触れまくりじゃん!

 

零誠「それってただ単にお前が上級悪魔に相手されなかっただけじゃねえか」

 

ゼファ「なんだと!この下級悪魔が!」

 

怒ったゼファードルはこちらに向かって来る。

 

『赤龍帝の外套』発動。

 

『無限の武器庫』を体内に吸収。

 

『正喰者』発動。

 

零誠「偉大なる俺の前だ。いつまで俺を前に立っているつもりだ?『跪け』」

 

ズンッ!

 

ゼファドールが跪く。

 

全員『なっ!?』

 

周りを見るとゼファドール以外にも主であるリアスと力のあるサイラオーグを除く全員が跪いている。

 

『言葉の重み』

電気信号を操り、他者の行動を制御下に置く。

 

零誠「ふむ。皆、下撲としての才能があるようだな。まぁ、しかし、用があるのはゼファドールとその眷属のみなので動いていいぞ」

 

ゼファドールとその眷属以外は解放される。

 

零誠「アガレスさんは化粧直しに行った方がいいと思うぞ。まぁ、化粧をしなくても充分に綺麗だと思うが」

 

アガ「は、はい」

 

アガレスは零誠に言われた通り、部屋を出て行く。

 

ゼファ「てめえ!」

 

ゼファドールは『言葉の重み』に逆らい、無理矢理立ち上がる。

 

零誠「ほう。腐っても上級悪魔か。いいぞ、反逆者。」

 

ゼファ「舐めんじゃねーー!!」

 

零誠「今度は100%で行こう。『平れ伏せ』」

 

ゼファドールの頭は地面に無理込む。

 

リアス「早速やらかしてくれたわね」

 

零誠「俺が大舞台でやらかさなかった事なんて早々無いでしょ」

 

サイラ「素晴らしいな。リアスの所の赤龍帝は」

 

零誠「いえいえ、サイラオーグさんも『言葉の重み』に耐えるなんて凄いですよ。出来ればあなたのトレーニングメニューを俺が作りたいですよ」

 

匙「おっ、レーセー!」

 

部屋に匙達シトリー眷属とソーナ会長が入ってきた。

 

ソーナ「ごきげんよう。リアスにレーセーくん。ところで彼らは何をしているのかしら?」

 

零誠「あまりに品が無かったので反省中です」

 

ソーナ「???」

 

分かって無いご様子。

 

ま、この状況を今ので理解出来る奴なんていないよな。

 

アガ「ちょっとよろしいでしょうか?」

 

化粧直しを終え、戻ってきたアガレスさんが声をかけてきた。

 

リアス「ええ。構いまわないわ」

 

シーグ「シーグヴァイラ・アガレスと申します。大公、アガレス家の次期頭主です。先程はありがとうございました」

 

礼は俺の方に向けて言ってくる。

 

リアス「私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期頭主よ。さっきの彼は私のポーンを務める兵藤零誠よ」

 

零誠「どうも、兵藤零誠です。おや、先程よりメイクが簡単な者になってます」

 

シーグ「ええ。簡単な道具しか無かったので。あのぅ、変ですか?」

 

零誠「いえいえ、先程も言いましたが、アガレスさんは綺麗なのですから簡単な物の方があってると思いますよ」

 

シーグ「そ、そうですか。私のシーグヴァイラとお呼び下さい」

 

頬を少し赤らめてシーグヴァイラさんが言う。

 

零誠「なら、シーグヴァイラさん。俺の事は気軽にレーセーと呼んでください。友人も皆そう呼びますし」

 

シーグ「はい。分かりました。レーセーさん」

 

女性陣(((また1人攻略したよ)))



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新人悪魔の目標

初老「早速しでかしてくれたようだな」

 

高い所から見下ろしている初老の悪魔が言う。

 

初老の悪魔は俺達を見下している。

 

そして、初老の悪魔の一段上にサーゼクスさんとセラフォールさん。そして他に二人が座っている。

 

サーゼクスさん達は暖かい目で見ている。

 

サー「君達六名は家柄、実力共に申し分無い次世代悪魔だ。だからこそデビュー前に互いに競い合い、力をつけて貰いたいと思っている」

 

サイラ「我々も『禍の団』との戦いに投入されるということですね?」

 

サー「それはまだ分からない。だが出来るだけ若い悪魔は投入したくはないと思っている」

 

サイラ「何故ですか?若いとはいえ、我等とて悪魔の一端を担う者。この歳になるまでに先人に数々のご厚意を受け、まだ何も出来ないとなれば顔が立ちません」

 

サー「サイラオーグくん。その勇気は認めよう。しかし無謀だ。何よりも成長途中の君達を戦場に送るのは避けたい。次世代の悪魔を失うのはそれだけ痛手だという事を理解して欲しい。君達は君達が思っている以上に我々にとって宝なのだよ」

 

サイラオーグさんはまだ不満があるようだが納得したようだ。

 

つーか、今の言い分だと俺ってそこまで大事にされてない?

 

サー「最後に君達の今後の目標を聞きたいと思う」

 

サイラ「俺の目標は魔王になることです」

 

初老「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

 

サイラ「俺が魔王になるしかないと冥界の民が思ったらなるしかないでしょう」

 

サイラオーグさんは威風堂々と言い切った。

 

リアス「私はグレモリー家当主として生き、レーティングゲームの各大会で優勝することが近いうちの目標ですわ」

 

部長らしい堅実な夢だな。

 

ソーナ「冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」

 

初老「レーティングゲームを学ぶ学舎なら既にあるはずだが?」

 

ソーナ「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか通えない物です。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔でも分け隔てなく通える学舎です」

 

ソーナ会長は素晴らしい夢ん語った。だが、

 

初老『アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 

お偉いさん方はソーナ会長の夢を笑う。

 

初老「それは無理だ!」

 

初老「これは傑作だ!」

 

初老「夢見る乙女という奴か!だがデビュー前で良かったと言うものだ!」

 

ソーナ「私は本気です」

 

初老「ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔に才能を見いだされる物。その様な施設を作ったら伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰すことになりますぞ。いくら改革の時期に入っているとはいえ変えていい物といけない物があります。たかが下級悪魔に教えるとは」

 

匙「黙って聞いていればなんでそんなにソーナ様の夢を馬鹿にするんですか!叶わないと決まったわけじゃないでしょう!俺達は本気なんだ!」

 

初老「口を慎め、転生悪魔よ。ソーナ殿、下撲の躾がなってませんね」

 

プチッ!

 

ソーナ「すみm「口を慎むのは貴様等だ。老外!」えっ!?レーセーくん?」

 

老外「なんだと!この転生悪魔風情が!リアス・グレモリー殿!躾がなってませんぞ!」

 

零誠「躾、躾、全くボキャブラリーが乏しいな。だいたい人の夢を笑う奴に尽くす礼儀なんてねえよ!伝統?旧家?確かに素晴らしいよな。だが、てめえ等それ以外に誇る物無いのか?てめえ等怖いだけだろ。家だけしか取り柄の無いお前らは下級悪魔、転生悪魔がてめえ等より才能がある可能性がある事が怖いんだろ?」

 

老外「わ、我々が下級悪魔、転生悪魔を恐れたいるだと?」

 

零誠「そうとしか見えないんだよ」

 

老外「ならば逆に問おう。我々より素晴らしいと誇れる所があるのか?」

 

零誠「上級悪魔をレーティングゲームで撃破。堕天使幹部をドラゴンと協力して殺害。『禍の団』を100人単位で一掃。テロリスト幹部を使い魔に武器を与え、撃墜。白龍皇が『禍の団』だという事を見破って叩切った」

 

老外共は俺の言った事を聞いて黙りこくっている。

 

零誠「だいたい俺以外誰も気付かないのかよ?」

 

老外「な、何をだ?」

 

零誠「『禍の団』が1人紛れ込んでるぞ。なぁ、アスタロト次期当主様?」

 

全員『!?』

 

全員驚き、アスタロトを見る。

 

サー「レーセーくんが言っていた事は本当かい?ディオドラくん」

 

ディオ「そんな訳あるはず無いじゃないですか。転生悪魔の言葉を信じるんですか?」

 

零誠「悪いけど有名なシスターを堕として自分の眷属にする悪趣味な下衆野郎よりはマシだと思うぞ」

 

ディオ「そんな事まで知ってるのか」

 

零誠「悪いけど今回はマジだよ。アーシアを狙ってるみたいだからな」

 

アー「えっ!?」

 

零誠「みんなアーシアのことを守ってくれ」

 

部長達にアーシアを任せ、俺はディオドラに向かい合う。

 

ディオ「悪いけどヴァーリーを倒した君と準備無しでやり合う気は無いよ。みんな行くよ」

 

ディオドラとその眷属の下に魔法陣が現れた。

 

ディオ「また今度迎えに来るよ。アーシア」

 

そう言ってディオドラとその眷属達は消えた。

 

零誠「ちっ!逃がしたか!で、老外共はこういう事が出来んのかい?」

 

老外『…………』

 

零誠「だんまりかい」

 

サー「まー、レーセーくん。ご老人を攻めないであげたて欲しい」

 

零誠「一言謝ってくれれば構いませんよ。もちろん俺にでなくソーナ会長とその眷属にです」

 

サー「そうかい。君達」

 

老外『……ソーナ・シトリー殿。そなたの夢を笑ってすまなかった』

 

ソーナ「いえ。私はサーゼクス様に目標を問われたので言っただけですから。どうか頭を上げてください」

 

サー「よし。それではレーセーくん。不穏分子を見つけた褒美は何がいいかな?今回は簡単な物しか与えられないが」

 

零誠「簡単な物ですか。ならサイラオーグさんと匙のトレーニングを俺にやらせてください」

 

全員『なっ!?』

 

サー「相変わらず君は予想外だね。どうしてその2人なんだい?」

 

零誠「まずサイラオーグさんは魔力は皆無ですが、それを補う肉体と気力がある。肉体の方は今までの努力の賜物でしょう。ですが気力の方の使い方が分かってないみたいなので勿体ないと思ったからです」

 

サー「では、匙くんは?」

 

零誠「匙ははっきり言ってそこまでの才能はありません。ですが、さっき老人に食って掛かった心。ああいう事が出来る奴は絶対に伸びます。それに堕天使に頼んで匙の『黒い龍脈』のラインにヴリトラ関連のセイクリッド・ギアを繋げば白龍皇同等の力を出せるはずです」

 

匙「俺が白龍皇と同等!?」

 

零誠「まぁ、この2人しか実力を見てないんで他の人はどのレベルか分からないんですけどね」

 

サー「分かったよ。許可しよう。本人達の了承が取れればだけどね」

 

匙「俺はOKだ!強くなれるならこっちから頼むぜ!」

 

サー「ならばこちらからアザゼルに話を通しておこう」

 

サイラ「一つ質問なんだが、お前にトレーニングを頼んだら『禍の団』への戦力になれるのか?」

 

零誠「無理だな。能力的には可能だが、戦場で戦うのは無理だよ」

 

サイラ「どういう意味だ?」

 

零誠「俺が鍛えれば多対一でも楽勝に勝てるよ。だが相手が人質を取った場合は?大切な人を守りながら戦わないといけない状態になったら?もし見捨てるというならこちらからさっきの話を断るよ」

 

サイラ「………お前ならどうするんだ?」

 

零誠「仲間に頼る。無様にまかせる。誇りなんて捨てる。大切な物が守なら恥さらしで構わない。たからあなたの力を貸して欲しい」

 

サイラ「アハハハハハ!!先程、先人方に啖呵をきった者と本当に同一人物か?分かった。お前に手を貸してやる。だから俺を鍛えろ」

 

俺とサイラオーグさんはがっちり握手をした。

 

こうして新人悪魔の顔見せは終わった。

 

原作?何それ美味しいの?



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温泉

アザ「相変わらず無茶苦茶してんな」

 

アザゼルに先程の会合の話をした。

 

零誠「いやぁ、そんなに誉めても何も出ませんよ」

 

アザ「誉めてないからな。まぁ、あの黒邪龍の小僧の件はなんとかしてやるよ」

 

零誠「アザゼル教諭ならどうなるのか気になるという理由で引き受けると思ってましたよ」

 

アザ「その通りだが、その期待の仕方はどうよ?」

 

零誠「じゃあ、アザゼル先生のような素晴らしい先生ならば生徒の為に貴重なセイクリッド・ギアを出し惜しみせずに提供してくれると思ってましたよ」

 

アザ「気持ち悪いから止めろ」

 

零誠「酷いな。全くもう」

 

アザ「仕方ないだろう。お前が俺にそんな敬意を見せるなんて想像出来ないんだから」

 

零誠「さっきのがそれです」

 

アザ「おえー。思い出したら吐き気がしてきた」

 

零誠「おいおい、吐くなら外に行けよ。お湯に出したら取り返しがつかないんですから。だいたい飲み過ぎなんだよ」

 

現在地温泉。

 

俺とアザゼルで晩酌中。

 

木場は普通に浸かっている。

 

ギャスパーはまだ入って来ない。

 

ギャス「ちょっと遅れちゃいました」

 

おっと、どうやら丁度来たみたいだな。

 

零誠「何故にお前は胸までタオルで隠しとんじゃ!」

 

ギャス「だって恥ずかしいですし」

 

イラッ

 

なんか軽くイラッて来たよ。

 

ガシッ

 

ヒュー

 

ジャパンッ!

 

ギャス「イャァァァァァ!熱い!熱い!熱い!」

 

掴んで湯船に投げ入れてやった。

 

木場「お酒が入ってるから少しテンションが違うみたいだね」

 

零誠「おーれは酔ってなんかねーよ!」

 

木場「説得力が皆無だね」

 

零誠「まぁ、酔うのも酒の楽しみの一つだからな」

 

そう言ってもう一杯口にする。

 

アザ「で、レーセーの本命は誰なんだ?」

 

零誠「ぶっ!?」

 

木場「それは僕も気になるな」

 

ギャス「僕もです」

 

零誠「何言ってんだお前ら!俺に特定の好きな奴なんていねえよ」

 

アザ「特定の?」

 

木場「つまり複数好きな女性がいると言いたいんだね」

 

ギャス「やっぱりレーセーさんは凄いですね!」

 

零誠「どうしてそういう風にかな!」

 

アザ「無機になったぞ」

 

木場「つまり図星ってことだね」

 

ギャス「やっぱり目指すのはハーレムですか?」

 

零誠「もー、こいつら嫌いだ!」

 

アザ「男は嫌いだとよ」

 

木場「男に厳しく女に優しく」

 

ギャス「流石は天然ジゴロですね」

 

零誠「いい加減にしろよ!てめえ等!だいたい俺がもてる訳ねえだろうが!」

 

武器を投影して立ち上がる。

 

3人『ジーーー』

 

零誠「な、なんだよ?その目は」

 

アザ「おいおい、あんなこと言ってるぜ」

 

木場「レーセーくんって、カリスマスキルEXですけど唐変木スキルEXですからね」

 

ギャス「皆さんが可哀想です」

 

零誠「訳分からねえこと言ってんだよ?」

 

アザ「レーセー。教えてやるから良く聞け」

 

零誠「あ、ああ」

 

アザ「男は混浴だ」

 

零誠「は?」

 

アザゼルはレーセーを掴んで女湯に投げ込もうとする。

 

零誠「木場!ギャスパー!この馬鹿堕天使を止めてくれ!」

 

木場「人間界のグレモリー家の別荘で何をしたか忘れたのかい?」

 

ギャス「さっき湯船に投げ入れたじゃないですか」

 

木場とギャスパーは助けるどころかアザゼルに率先して協力していく。

 

3人『そーれ!』

 

ヒュー

 

零誠「てめえ等!地獄に落ちやがれ!」

 

3人『ここがその地獄だ(よ)(ですよ)』

 

ドボン!

 

女湯到着

 

女性陣は何故か男湯と隔てる柵に耳をつけていた。

 

そんなことより、

 

零誠「キャァァァァァ!?」

 

女子陣『男女逆じゃない!?』

 

零誠「直ぐに出る」

 

脱衣場に向かおうとすると

 

ズバン!

 

今、何が起きたことを率直に説明すると脱衣場への道が消滅した。

 

零誠「てっ?ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

リアス「せっかくの温泉なんだしゆっくりしていきなさい」

 

零誠「その対応は男が女湯に入ってきた時の反応ではない!」

 

イリナ「ま、まぁ、レーセーくんとはお風呂入ったことがあるし」

 

零誠「それはガキの頃の話じゃねえか!」

 

朱乃「あらあら、湯船に浸からないと風邪を引いてしまいますよ」

 

零誠「あれ?分かんなくなってきた。俺がおかしいのか?」

 

ゼノ「お互い裸だから丁度いい。早速子作りの練習を」

 

零誠「よし!やっぱり俺はおかしくない!」

 

そして、一つ気付いた。

 

このままここにいたら俺の身が危ない。

 

零誠「それじゃ、やっぱり俺は出まs『ガシッ』そうガシッって白音、何故に腕を掴む?」

 

白音「逃がしませんよ」

 

ルークの力をこんな所で無駄使いすんなよ。

 

夕麻「ささ、主様。一杯どうぞ」

 

夕麻が酒を酌してくる。

 

零誠「その心は?」

 

夕麻「酔った勢いであんな事やこんな事をしてくれたらなぁって」

 

零誠「やっぱりいいわ」

 

酒を夕麻に返す。つーか、この酒アルコール度数高い奴だぞ。

 

アー「れーしぇーしゃんがいっぱい」

 

アーシアが顔を真っ赤にさせて呂律が回らなくなってる。

 

零誠「おい、アーシアに酒を飲ませた馬鹿は誰だ?」

 

黒歌「ギクッ」

 

零誠「よし。分かった。黒歌だな」

 

黒歌「私が飲んでたらアーシアが欲しいって言ったからあげただけにゃ!」

 

零誠「はぁ、やるなよ。こういう状況になると率先して来るお前が来ないと思ったら、そういう理由か」

 

黒歌「にゃ、にゃははは。その通りにゃ」

 

黒歌は少し元気無く言った。

 

黒歌「一緒に飲まないかにゃ?」

 

零誠「お前も夕麻みたいに酔わせて何かするつもりか?」

 

黒歌「え?ああ、うん。そうかばれたかにゃ」

 

零誠「俺はいい加減出るわ」

 

体を強化して、女子を振り切った。

 

黒歌(はー。なんか全然上手く行かないにゃ)

 

ーーーーーーーーーーーー

 

新人悪魔会合中

 

黒歌サイド

 

黒歌「暇だにゃー」

 

せっかく魔界に来たんだからレーセーと一緒に出かけようと思っていたのに、レーセーはこっちに来てから勉強、試験、お偉いさんとの顔合わせ。

 

黒歌「高校一年男子の夏休みがこんなんでいいのかにゃ!このままじゃレーセーは灰色の青春を送る事になるにゃ!………ふぅ」

 

まぁ、叫んではみたけど誰が聞いてるわけでもないし、暇のひも潰せないにゃ。

 

黒歌「猫は気ままに散歩にでも出かけるにゃ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

商店街

 

黒歌「女の子らしくショッピングに洒落込むにゃ」

 

でも、特に欲しい物が無いにゃ。

 

普通だったら服とかを見るんだろうけど基本的に和服しか着ないんだけど、魔界じゃ和服って売ってる店って少ないからにゃ。

 

食べ物はお屋敷で出てくる物の方が美味しいから買おうと思えないんだにゃ。

 

黒歌「うーん………そうにゃ!レーセーにプレゼントを買うにゃ!」

 

我ながらグッドアイデアにゃ!そうと決まればレーセーの好きな物を……………レーセーの好きな物って何にゃ?

 

服?いや、いつもYシャツにジーンズというおしゃれを考えない楽な格好にゃ。

 

食べ物………はダメにゃ。レーセーが作った物の方が美味しいにゃ。

 

黒歌「レーセーって趣味が少ないくせして、スペックが高いから生半可の物を渡せないにゃ!」

 

???「クスクス。お嬢さん。先程から大きな声を出してどうかしました?」

 

大きな声を出した黒歌が青年悪魔が後ろから声をかけてきた。

 

黒歌「あっ!ごめんなさいにゃ」

 

青年「いえいえ、大丈夫ですよ。それで何かお悩みですか?」

 

黒歌「プレゼントを送ろうと思ったんだけど何を送るか悩んでたにゃ」

 

青年「なるほど。という事は送る相手は男性ですね?」

 

黒歌「なんで分かったにゃ!?」

 

青年「クスクス。同姓へのプレゼントならあまり悩まなくて済むのですが、異性へのプレゼントは難しい物なんですよね。私も似た経験がありますから。もしかしてお相手は彼氏さんですか?」

 

黒歌「か、彼氏!?ち、違うにゃ!ただの友達にゃ!」

 

青年「おや、違いましたか。ですが、その様子だとその方に好意を持っているようですね」

 

黒歌「分かるかにゃ?」

 

青年「ええ。もしよろしければプレゼントを選ぶのをお手伝いしましょうか?こういう場合、同姓の意見が役に立つかもしれませんし」

 

黒歌「いいのかにゃ?」

 

青年「はい。その方は趣味が少ない上に生半可な物を渡せないんですよね?」

 

黒歌「なんで分かったにゃ!?」

 

青年「先程大きな声でおっしゃってたので」

 

黒歌は恥ずかしくなって顔が赤くなった。

 

青年「その方は成人してますか?」

 

黒歌「違うけどなんでかにゃ?」

 

青年「そうですか。もし成人だとしたらいい名酒を紹介しようと思ったのですが」

 

黒歌「それだにゃ!」

 

青年「それだって、未成年にお酒は問題ありません?」

 

黒歌「大丈夫にゃ。1週間に1回は一杯やってたからにゃ」

 

青年「そ、そうですか。ならいい酒を置いている店に案内しますよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

店員「ありがとうございました。またのご来店を」

 

青年「凄いですね。あの店で一番高い物を買うなんて」

 

黒歌「結構稼いでるからにゃ。手伝ってくれたお礼にあなたにも何かプレゼントしたいにゃ」

 

青年「いえ、悪いですし」

 

黒歌「いいにゃ。いいにゃ。何か欲しい物を言ってみるにゃ」

 

青年「そうですね。欲しい物ですか。………猫又の眷属が欲しいですね」

 

黒歌「にゃ!?」

 

青年の顔が変わり、髪が伸び、細めていた目が開く。

 

黒歌「………アミ!?」

 

アミ「アミ様ですよ。黒歌」

 

黒歌は直ぐにアミと距離を取る。

 

アミ「元とはいえ主人である私に失礼ですね。あれだけ丁寧に躾けてあげたのに。昔と随分変わりましたね。昔のあなたなら妹以外には警戒してあの程度の変身は気を用心深く調べて気付いてたでしょう」

 

ビクッ!

 

アミの眷属であった時の記憶がよぎり、体が震える。

 

黒歌「何をしに来たにゃ?」

 

アミ「飼い猫に引っ掻かれましてね。なので新しい猫を探してるのです」

 

黒歌「あんたの元になんか戻らないにゃ!」

 

アミ「新しい猫と言ったでしょう?」

 

黒歌「まさか白音を!?絶対にやらせないにゃ!」

 

アミ「おや、ご不満ですか?喜んでもらえると思ったのですが」

 

黒歌「そんな事がある訳無いにゃ!」

 

アミ「本当にそうですか?ライバルが1人減るんですよ」

黒歌「そ、その程度のことで白音の事を」

 

アミ「あの可愛い白猫は手強いですよ。少し調べさせて貰いましたが、あなたと他の部員さんでは赤龍帝の態度が違うと思いません?」

 

黒歌「そ、そんなはずは………」

 

アミ「他の部員さんには気遣いが出来てるのにあなたには少々冷たいと思いませんか?そうそう、他の先輩方には丁寧な話し方なのにあなたには呼び捨てでタメ口でしたね」

 

黒歌「!?」

 

アミが黒歌の横を通り過ぎる。

 

アミ「まぁ、言ってくれればあなたの恋のお手伝いしますよ」

 

すれ違う時にそんな言葉を残したので慌てて振り向いたが、アミの姿は無かった。

 

黒歌「………私はみんなを裏切ったりしないにゃ」

 

 



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山籠もり 前半

温泉の翌日

 

中庭にリアス、グレモリー眷属、黒歌、夕麻、イリナ、アザゼル、匙、サイラオーグが集まっていた。

 

アザ「これからの修行のメニューだが、長期的に見てくんだ物だから成果が現れるのに個人差がある事を理解しろ」

 

全員『はい!』

 

アザ「よし。と言ってもほとんどの奴はレーセーが作ったメニューで済むんたけどな。全く立場がねえぜ」

 

零誠「水面下で虎視眈々と顧問の席を狙ってますから」

 

アザ「お前が言うと冗談に聞こえないな。まずリアスとサイラオーグはレーセーのメニューとこれを見て勉強しろ」

 

リアス「これは?」

 

アザ「過去のレーティングゲームの映像に情報だ。戦術、戦略をゲームの種類に合わせて考えろ」

 

零誠「俺からサイラオーグさんに一言。あなたが覚えた技は相手が悪人であり、自分より強い場合でしか絶対に使わないでください」

 

サイラ「分かった。約束はバアルに誓って守ろう」

 

アザ「次に朱乃。お前は堕天使の力を夕麻から教えて貰え」

 

朱乃「わ、分かりました。夕麻さんお願いします」

 

堕天使の力にまだ慣れないのか、少し声が震えている。

 

夕麻「はい。出来るだけ限りのことをします」

 

アザ「木場は禁止化を長時間保たせられるようにしろ。剣術の方はお前の師匠とやらに任せる」

 

木場「分かりました」

 

アザ「ギャスパーには脱引きこもりメニューを考えておいた」

 

ギャス「が頑張りますぅー」

 

アザ「白音は黒歌に気、仙術、妖術を教えて貰え」

 

白音「………はい。お姉ちゃん。お願いします」

 

黒歌「にゃ、にゃあ。私に任せるにゃ………」

 

アザ「アーシア。お前はセイクリッド・ギアの効果範囲の強化。遠くに離れていても発動出来るはずだ」

 

アー「分かりました」

 

アザ「ゼノヴィアはデュランダル。イリナはエクスカリバーを使いこなせるようにしろ。まぁ、レーセーのメニューでなんとかなるだろう」

 

イリナ・ゼノ「「はい!」」

 

アザ「黒歌、夕麻もレーセーのメニューでいいだろう。そして、匙」

 

匙「はい!」

アザ「お前は修行期間を3つに分けて、前半と後半にレーセーと同じメニューをやって貰う。そして真ん中にセイクリッド・ギアの強化だ」

 

全員『!?』

 

匙「セイクリッド・ギアのことより俺がレーセーと同じメニューってのがインパクトが強すぎるんですけど」

 

零誠「それでメニューは?」

 

アザ「ドラゴンのことはドラゴンに任せるのが一番だ」

 

ヒュー!ズドン!

 

銀色のドラゴンと黒いドラゴンが降り立つ。

 

零誠「ティアか」

 

ティア「わらわが直々に手解きしてやろう」

 

???「本当にティアマットの奴がドライグに友好的だとはな」

 

ティア「ドライグにではない!レーセーとじゃ!そこを間違えるではない!タンニーン!」

 

タンニ「悪い悪い。まぁ、お前が一悪魔と友好的なのはどちらにせよ驚く物がある。そしてもう1つ驚くことはアザゼルが悪魔の領土で堂々としてることだな」

 

アザ「はん!サーゼクスから許可貰って堂々と入国してやったよ」

 

匙「………まさかこの大怪獣共と戦えと?」

 

零誠「さすがに手加減してくれるだろう。この2人が本気を出したら辺り一面何も残らないだろうし」

 

匙「手加減して貰っても死ぬ気がする!」

 

タンニ「赤龍帝相手には手加減を緩める予定だ」

 

零誠「………マジ?」

 

アザ「大丈夫大丈夫。アスカロンがあるからなんとかなるだろう」

 

零誠「いくらアスカロンつったってそこまで万能じゃねえよ!」

 

ティア「グレモリーの娘。あの山を借りてよいかの?」

 

リアス「ええ、手が入ってないから思う存分鍛えてあげて」

 

零誠・匙「「死刑宣告出ちゃった!?」」

 

レーセーと匙はティアマットとタンニーンに咥えられ、山に連れて行かれた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

タンニ「まず、自己紹介しておこう。俺は『魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』のタンニーン。悪魔に転生する前は『六大龍王』現在の『五大龍王』の一角だった」

 

零誠「なんか俺が係わるドラゴンって、名のある奴ばっか」

タンニ「特訓だが、俺とティアマットが山の形が変わらない程度に攻撃するから生き延びろ。出来たら反撃しろ」

 

零誠「それって下手したら死ぬってことじゃね」

 

ティア「レーセーには山の形が変わる攻撃も行うからの」

 

零誠「死ぬ!絶対死ぬ!」

 

匙「レーセー。お前絶対に俺に近づくなよ」

 

零誠「知るか!死なばもろともだ!」

 

タンニ「俺が10秒数えたら攻撃開始だ。ほれ逃げろ。10」

 

匙「10秒って短過ぎんだろ!」

 

匙は慌てて逃げ出す。

 

零誠「おら!死ね!」

 

零誠はアスカロンで斬り掛かる。

 

タンニ「きゅうおっ!?いきなり何をするんだ!」

タンニーンはギリギリで躱した。

 

零誠「10秒数えるまでこっちから攻撃してはいけないなんてルールは無いだろ?なら、数え終わるまでにぶった斬るまで!」

 

タンニ「卑怯だぞ!赤龍帝!」

 

零誠「知るか!こちとら命がかかってんだ!後、8秒だ!」

 

タンニ「クソッ!8なっくっ!?」

 

零誠「今、7は言えてないからな!」

 

ティア「ほれ、頑張れタンニーン」

 

タンニ「てめっ!呑気に見てないで助けやがれ!」

 

ティア「お主が数え終わらねばわらわも攻撃出来んからのう」

 

タンニ「てめえも敵か!?こうなったら早く数え終えて、な「言わせねえよ!」くっ!?」

 

タンニーンはレーセーの猛攻によってなかなか数が数えられない。

 

ティア「レーセーに10秒も与えたのが間違いじゃ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

30分後

 

タンニ「待て!!このクソガキ!!」

 

タンニーンがぶち切れました。

 

逃走中

 

零誠「危なっ!?」

 

匙「なんで俺まで!?」

 

ティア「なんかわらわのやる事ないのう」

 

零誠「そう言いながら炎弾撃ち込んでくんじゃねえよ!」

 

ティア「わらわは全く本気を出しておらんぞ。炎はわらわの領分ではないからのう」

 

匙「このレベルで得意分野じゃないってどういうことだよ!?」

 

零誠「なぁ、匙。寝床は野宿でいいとして、水と食い物はどうする?」

 

匙「この状況で寝られるかどうか謎だぞ!」

 

零誠「腹に何か入れないと足を動かすのもキツいぞ」

 

匙「確かに。食い物は分からんが水ならさっき湖があったぞ」

 

零誠「残念なことにさっきあっただけで現在はタンニーンさんが消滅させちまったんだよ」

 

匙「それって結構マズいんじゃ?」

 

零誠「はっきり言って死活問題だな」

 

タンニ「何、ごちゃごちゃ言ってやがる!」

 

零誠「うおっと!?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

十数時間後

 

やっとタンニーンが落ちつき寝てくれた。

 

匙「もう無理………」

 

零誠「悪いけど仕事してもらうぞ」

 

匙「まだ何かあんのかよ?」

 

零誠「ラインでタンニーンさんからエネルギーを俺とお前に横流ししろ」

 

匙「なんちゅー事考えんだお前」

 

零誠「命がかかってるからな。それにタンニーンの動きが鈍くなるだろうから、修行が楽になる」

 

匙「よし。やろう」

 

零誠「素直な奴は好きだよ」

 

翌日、またタンニーンさんがぶち切れました。

 

山がただの荒れ地になっちまったので、違う山を使うことになった。

 

その山は5日保った。

 

辺りの全部山無くなんじゃね?

 



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山籠もり 後半

匙「そんじゃ、頑張れよ」

 

修行日数の3分の1が終わり、匙が堕天使の施設に行くことになったので、タンニーンとティアマット2人を相手にしないといけないってことです。

 

ちなみに五つ目の山を潰した時に、部長にさすがにもう止めてと言われたので、地形が変わらないレベルに攻撃の威力が落ちた。

 

タンニ「匙を送ってくる。12時まで休憩だ」

 

匙を連れてタンニーンは屋敷へ飛ぶ。

 

零誠「ふー。久しぶりに日が昇ってるうちに休める」

タンニーンさんは日が昇ると同時に目覚め、日が落ちるのと同時に眠るからな。

 

お前は田舎のお爺ちゃんか!って、まぁ、年齢的に人生何周したか分からんほど生きてるんだけどな。

 

ティア「お主は何をゴロゴロと転がっておるのだ?」

 

零誠「気にするな」

 

ティア「いや、気にするなという方が無理であろう!」

 

確かに俺もそんな奴がいたら気にするな。

 

ティア「全く。お主は何をしでかすか分からん」

 

零誠「いい意味で?」

 

ティア「現在進行形では悪い意味でじゃ」

 

零誠「ですよねー」

 

ティア「まぁ、そんなお主にいい物を持ってきてやったぞ」

 

零誠「いい物?」

 

ティア「お主、最近呑んで無いじゃろ?」

 

ティアが酒を懐から取り出す。

 

零誠「ティア!大好きだ!」

 

ティア「お主の評価は容易く最大に上がるのう」

 

山に入って修行を始めてから一度も見てないからな。

 

こんな事になるんだったら、温泉に入った時に黒歌に付き合えば良かったな。

 

ティア「む、他の女子のことを考えておるな?」

 

零誠「なんで分かったんだ?」

 

ティア「やっぱりそうか。どうやらこれは入らないらしいのう」

 

ティアは酒を懐にしまう動作に入る。

 

零誠「なになになに!?何でしまおうとしてんの!?」

 

ティア「それが分からないからしまおうとしてるのじゃ」

 

零誠「上げて落とすって酷過ぎんだろ!」

 

ティア「評価が簡単に上がると思ったら、簡単に下がるのう!」

 

零誠「………お酒」

 

ティア「分かった!くれてやるからそんな捨てられた子犬のような顔をするのはやめい!」

 

零誠「きゃっほー!」

 

ティア「レーセーってアル中ではないかのう?」

 

零誠「中毒ではない!ただ酒が死ぬほど好きなだけだ!」

 

ティア「それを中毒と言うのじゃ」

 

零誠「好きな物を好きと言って何が悪い」

 

ティア「開き直るのはやめい!」

 

零誠「ティアのことも好きだぞ」

 

ティア「酒とどちらの方が好きなのじゃ?」

 

零誠「………ティア?」

 

ティア「なんじゃ!今の間は!?そして何故疑問系なのじゃ!?」

 

零誠「ごめん」

 

ティア「謝るのはやめい!」

 

ティアは涙目になって叫んだ。

 

零誠「ぷっはははは!」

 

ティア「なんじゃ?バカにしておるのか?」

 

零誠「いんや。可愛いなと思って」

 

ティア「んな!?」

 

零誠「呑もうぜ」

 

ティアの持っていた酒を取り、グラスをティアに持たせて注ぐ。

 

ティア「お主はズルいのう」

 

そう言ってティアは一気に飲んだ。そしてレーセーから酒を取り、ティアが使ったグラスをレーセーに持たせて酒を注いだ。

 

ティア「美少女に酌をされたのじゃ。嬉しかろう」

 

零誠「少女って歳じゃねえだろ」

 

レーセーも一気に飲む。

 

ティア「『美』というところは否定せんのじゃな」

 

零誠「まぁ、綺麗だと思うよ」

 

また、グラスを渡し酒を注ぐ。

 

ティア「それは見た目だけかのう?」

 

ティアは飲まずに酒をグラスの中で転がす。

 

零誠「んー。ティアは見た目が綺麗だと思うが、中身はどっちかっていうと綺麗っていうよりさっきも言った通り可愛いだろう」

 

ティア「ふふっ。そうか可愛いか」

 

ティアは少し酒を飲む。

 

ティア「レーセー。わらわはそなたをすすすっ」

 

零誠「す?」

 

ティア「いいいっ」

 

零誠「すい?」

 

ティア「わらわはそなたを好いておる!」

 

ドーン!!

 

ティアの声がタンニーンが降りてきた音に掻き消される。

 

タンニ「レーセー!修行を始めるぞ!」

 

ティア「タンニィィィーーーーーーーーーーン!!」

 

タンニ「ど、どうした?ティアマット」

 

ティア「ふふふふふふふ。レーセー、龍王の力を見せてやろう。もちろんわらわの得意分野の1つをな」

 

零誠「それは見てみたいが、出来るだけ上でやってくれ。山を潰すのはマズい」

 

ティア「よかろう。タンニーン、行くぞ!」

 

タンニ「ど、どうしてそんなに怒ってるんだ!?」

 

ティアはドラゴンの姿になり、タンニーンを無理矢理掴んで遥か上空に飛んだ。

 

零誠「高すぎて見えねえよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

あの後、ティアマットとタンニーンは三日三晩ドンパチをやってました。

 

その間、俺はほっとかれたのでサバイバルを満喫していた。

 

いやぁ、まさか温泉を掘りあてるとは思わなかったわ。

 

そんなこんなで修行期間3分の2終了

 

アザ『お前はそんな事やってたのか』

 

アザゼル教諭とケータイで電話中

 

零誠「そんで匙はどんな感じだ?」

 

アザ『あいつは随分強くなったぞ。「総督!」ちょっと待ってろ!』

 

零誠「なんか大変そうだな」

 

アザ『ああ、大丈夫だ。まぁ、匙がどう変わったかは見た方が早い。そっちに送るわ。「総督!もう手をつけられません」分かった!すぐになんとかする!』

 

零誠「忙しいなら匙の事は後回しにしていいぞ」

 

アザ『いや、すぐに済むから安心しろ。………レーセー、任せたぞ』

 

零誠「おい、それってどういう意味だ?」

 

ツーツーツー

 

切れちまったよ。

 

空中に魔方陣が現れる。

 

零誠「あれ?思ったよりデカくね?」

 

魔方陣の大きさはタンニーン並みの大きさがある。

 

そんでその魔方陣から現れたのは黒い炎の大蛇。

 

ティア「あやつはヴリトラか?」

 

プルプルプルプル

 

俺のケータイにメールが来た。

 

Fromアザゼル

 

悪い。暴走しちった。後よろしく。

 

零誠「あんのクソ堕天使!!俺に後始末全部押し付けやがった!!」

 

現れたヴリトラは暴れまくっている。

 

ティア「なんじゃ。ムカつくのう。よし、殺るかのう」

 

零誠「殺るのは止めてやってくれ。あれ、匙だ」

 

ティア「随分と大きくなったのう。成長期か?」

 

零誠「大きさだけでなく、形も随分変わってんぞ」

 

ティア「イメチェンか?」

 

零誠「くだらん事言ってないで黙って見てろ。俺1人でなんとかすっから」

 

ティア「まぁ、わらわ達2人の相手をするよりはマシであろう」

 

ヴリ「ヴオォォォーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

匙が暴れてる最中に俺が頑張って作った温泉が潰した。

 

零誠「よし。殺ろう」

 

ティア「先程、お主が言っていたことと全く逆じゃな」

 

零誠「温泉の怨みは恐ろしい事を教えてやる」

 

ティア「お主の好む物は一般の高校生が好む物では無いのう」

 

ヴリ「グオォォォーーー!」

 

零誠「だーっ!うっせー!」

 

暴走した匙が突っ込んできた所をぶん殴った。

 

零誠「バカ匙が!とっとと目を覚ませ!」

 

匙『レーセー?この声はレーセーか?』

 

なんか匙の声が頭に響いてきた。

 

零誠「いかにも俺が兵藤零誠だが」

 

匙『悪い!全然ヴリトラの野郎が言うことを聞かねえんだ!』

 

零誠「そうかそうか。大変みたいだな。匙、一回しか言わねえから耳の穴かっぽじってよく聞け」

 

匙『ああ。まぁ、今は耳の穴をかっぽじる手が無いんだけどな』

 

零誠「俺がお前をぶっ殺すまでになんとかしろ」

 

匙『ええぇぇぇーーーーーーーーーーーーーー!?』

 

零誠「禁手化『赤龍帝の外套』」

 

匙『ガチだ!?こいつガチで俺の命を狙ってやがる!!』

 

零誠「龍王2体相手にさせられたストレスを発散するのに丁度いい(匙!強くなったお前ならこの程度のことは簡単に切り抜けられるって信じてる)」

 

匙『本音と建前が逆だ!ドチクショー!』

 

零誠「さすがにさー。鍛えるって言ったー、俺としてはー。暴走しましたなんて会長に言えないんだよねー。だからさー。修行してる最中にー、『カオス・ブリゲート』にやられたって言う方が格好つくんだよねー」

 

匙『分かった。理解した。お前は俺の敵だ!ヴリトラ!力貸せ!あの外道をぶっ殺す!』

 

ヴリ「ヴォウ!」

 

ヴリトラの奴まだ喋れねえみたいだけど匙と意気投合してるよ。

 

零誠「そこまで出来んだったら制御しろよ」

 

匙『うっせーよ!今まで何度も辛酸を舐めさせられたんだ!ここで日頃の仕返しをやってやる!』

 

意気投合した匙とヴリトラは先程よりも鋭い攻撃を仕掛けてくる。

 

零誠「ざけんな!調子に乗ってんじゃねえ!」

 

その攻撃を避けて戦闘が開幕。

 

結果、匙はヴリトラの制御が出来るようになった

 

ふー。まさか匙があんだけやると思わなかったわ。

 

めでたく修行完了!

 

 



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パーティー

修行が終了して2日後

 

グレモリー邸 庭

 

グレモリー眷属+黒歌+夕麻+イリナ+匙+アザゼルは上級悪魔が集まるパーティーにシトリー眷属と一緒に行くのでソーナ会長達を待っていた。

 

格好はレーセー、木場、匙は制服。アザゼルはスーツ。女子陣+ギャスパーはドレス。

 

全くここまで来ればギャスパーの女装癖は見上げた物だ。

 

リアス「出来るだけイリナは私、夕麻はアザゼルと一緒にいなさい」

 

まぁ、2人が嫌な思いしない為の牽制だな。

 

2人も理由が予想出来、納得する。

 

匙「レーセー。新人悪魔の会合で俺達が言ったことは本気だ」

 

零誠「分かってるよ。本気じゃなかったら協力してない」

匙「ははっ、確かにな。俺の夢はな会長と出来ちゃった婚するよりも先生になることが夢なんだ」

 

零誠「良かった。友人が少しはまともに更正されて」

 

俺の特に仲がいい男友達

木場 薔薇疑惑

ギャスパー 女装癖

匙 出来ちゃった婚願望者

元浜 スリーサイズスカウター

松田 セクハラパパラッチ

 

零誠「もう少し友達を選んだ方がいいかもしれない」

 

ソーナ「匙、久しぶりね。元気にしていた?」

 

ドレス姿のソーナ会長が到着したみたいだ。

 

匙「はい!会長もお元気そうで」

 

匙への褒美として2人水入らずにしてやるか。

 

グレイ「ティアマット様、タンニーン様がおいでになりました」

 

はい。水入らず終了。

 

ティア「今、着いたぞ」

 

タンニ「待たせたな」

 

零誠「丁度今揃ったところだから大丈夫だ」

 

2人の他にもタンニーンの眷属達が庭に待機している。

 

アザ「ドラゴンに乗って移動とは豪勢じゃねえか」

 

みんなを背に乗せドラゴン達は飛び上がる。

 

俺はティアの背に乗っている。

 

ティア「そういえばレーセー。お主は何故タンニーンが悪魔になったか知っておるか?」

 

零誠「いんや。全く」

 

ティア「ならばわらわが勝手に教えてやろう。奴は魔界にしか残っていないドラゴンアップルを所持する為に悪魔になったのじゃ」

 

零誠「ドラゴンアップルってのはなんだ?」

 

ティア「ある種族のドラゴンの主食じゃ。その種族のドラゴンはドラゴンアップルを食さねば死ぬ。タンニーンはその者らを救う為に悪魔となり、ドラゴンアップルが生息する土地を領土にしたのじゃ」

 

零誠「立派だな」

 

ティア「確かにのう。わらわならば絶対にやらんのう。他者の為に動く気は全く起きんからのう」

 

零誠「コカビエルの時、俺のことを助けてくれたじゃねえか」

 

ティア「ま、お主だけは例外じゃ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「疲れた」

 

会場の壁に寄りかかりアーシア、ゼノヴィアと休憩している。

 

パーティー会場について俺達は部長と一緒に上級悪魔に挨拶周り。

 

敬意を示す相手と下衆を見極め、態度を変えていたから本当に疲れた。

 

ゼノ「まるで二重人格だな」

 

アー「いきなり態度が変わるから悪魔でも乗り移ったのかと思いました」

 

零誠「悪魔に悪魔が乗り移ることは無いと思うぞ」

 

着いていかないといけない夕麻とイリナを除いた他のみんなは上手くやってんな。

 

ん?黒歌がいねえな。

 

知っていそうな白音は入り口から出て行った?

 

零誠「どこ行くんだあいつ?」

 

アーシアとゼノヴィアに席を外すと言って白音を追う。

 

零誠「白音。どうした?」

 

白音「先輩!お姉ちゃんが居ません!」

 

零誠「ああ。でも、少し席を外してるだけじゃ」

 

白音「お姉ちゃんが個意的に気配を消してるんです!」

 

零誠「何?」

 

直ぐに黒歌の気配を探ってみるが全く感じない。

 

白音「それに修行中だって全然元気が無かったし」

 

白音は涙目になって言う。

 

零誠「少し落ち着け。追う方法は無いのか?」

 

白音「私なら、お姉ちゃんの微かな気配を追えます。ずっと一緒に居ましたから」

 

零誠「よし。ならあのバカを探しに行くぞ!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

黒歌サイド

 

私は白音を守る為に悪魔になった。

 

どんなに辛くても白音の為と思えば我慢出来た。

 

その我慢をする過程で得たお金で白音の為に買い、読み聞かせた絵本があった。

 

その絵本は不幸な少女が王子様に救けられてお姫様になってハッピーエンドというありきたりな物語。

 

私はその物語を子供っぽい、現実ではあり得ないと思いながらもいつか私の下にも王子様が救けに来てくれるのではないかと思っていた。

 

アミは白音にまで手を出そうとしていたことを知り、アミを殺すかどうか悩んでいた時にグレモリー家がアミ家を摘発し、私と白音を救われた。

 

リアスに聞くと赤龍帝と名乗る者からの手紙で私と白音のことを知らされたそうだ。

 

私はその人が私の王子様だと思った。

 

そうして救けられてから3年後彼、レーセーと出会うことになる。

 

レーセーは初めて私達を見てボロボロと泣いた。

 

あまりに泣くのだから私達が救けられたのにまるでレーセーの方が救けられたかのように思えた。

 

これから私はレーセーという名の王子様とお姫様としてハッピーエンドになるのかと思った。

 

だけどそれは違った。

 

レーセーは殺されそうなアーシアを救った。

 

レーセーは間違いを起こした夕麻を救った。

 

レーセーは未来を奪われそうなリアスを救った。

 

レーセーは過去に囚われる祐斗を救った。

 

レーセーは自分の血に悩む朱乃を救った。

 

レーセーは自分を嫌うギャスパーを救った。

 

レーセーは消滅しそうな街を救った。

 

レーセーは王子様ではなくヒーローで、私はお姫様ではなくただの村娘Aだった。

 

レーセーは私だから救ったわけでなく、私が困っていたから救っただけだった。

 

その事に気付いて悲しかったけどレーセーと一緒にいたくて、好きになって貰えるように頑張った。

 

アミの言葉で私なんかよりみんなの方が大切にされていた事に気付いてしまった。

 

でも、そんな事よりもっとマズい事に気付いてしまった。

 

アミに自分より大切な白音を連れて行くと言われて一瞬、レーセーが私を見てくれると思ってしまった。

 

みんなが居なくなれば2人っきりになれると思ってしまった。

 

私は汚い。綺麗なレーセーとは居られない程に。

 

私は醜い。美しいレーセー達の絆に加えられない程に。

 

屋敷の庭

 

アミが約束通り迎えに来た。

 

結界が張られてるので誰にも邪魔されない。

 

アミ「本当にこれでいいのかい?」

 

黒歌「ええ。私みたいな奴がレーセー達と一緒に居るのが間違いだったにゃあ。私はあなたに付いて行く。だからレーセー達には手を出さないで」

 

アミ「構いませんよ。当初の予定とは違いますが、猫又が手に入るのなら構いません」

 

さようなら。白音、ダメなお姉ちゃんでごめんね。レーセーとくっついてくれると嬉しいな。

 

パリーン!

 

黒歌「なっ!?」

 

零誠「何、勝手にどっか行こうとしてんだ!バカ猫!」

 

 



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アミ

零誠「何、勝手にどっか行こうとしてんだ!バカ猫!」

 

黒歌「な、なんで!?レーセーがここに入って来れるはずが無いにゃ」

 

白音「………お姉ちゃんの張る結界を元に私の結界を作ったんです。少しくらいなら割り込めます」

 

黒歌「そっか、白音まで見送りに来てくれたんだ」

 

白音「ふざけないでください!迎えに来たに決まってるじゃないですか!」

 

黒歌「無理よ。私はあなた達とは一緒に居られない」

 

アミ「黒歌さんもこう仰ってますしお引き取りください」

 

零誠「うっせー!変態は黙ってろ!」

 

アミ「へ、変態?」

 

黒歌「だいたい私は自分の意志でアミに付いていくにゃ。好きにやらせてにゃ」

 

零誠「好き勝手やるのは構わねえよ。だからどうした?お前の意志?知るか!そんな物!俺はお前の都合を無視してお前を連れ戻す!」

 

黒歌「私のことなんてほっといてよ!」

 

零誠「イ・ヤ・だ!お前が泣こうが喚こうが引きずってでも連れて帰る。覚悟しろよ」

 

黒歌「そ、そんなの我が儘にゃ!」

 

零誠「そうだよ。俺は我が儘たよ。どっかに行くって言うなら行く為のその変態をぶっ倒してやる。黒歌、覚悟しろよ。帰ったらどっか行く気が起きないように首輪を着けてやるから」

 

アミ「私よりあなたの方がよっぽど変態じゃないですか」

 

白音「………皆さん悲しむから帰りましょう。お姉ちゃん」

 

黒歌「アミ。少しの間レーセーを押さえておいて。白音を説得したらレーセーもなんとかするから」

 

アミ「全く責任重大ですね。可愛いあなたの為に出来るだけやってみましょう」

 

黒歌「『空間製作者』」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

黒歌サイド

 

黒歌「『空間製作者』」

 

レーセーとアミが消え、白音と二人っきりになる。

 

白音「先輩!?」

 

黒歌「レーセーならアミと一緒にゃ。『空間製作者』で小分けしたからにゃ」

 

白音はこの空間に穴が無いか探っている。

 

黒歌「白音。すぐにレーセーも戻すから、パーティー会場に戻るにゃ」

 

白音「………お姉ちゃんも一緒ですか?」

 

黒歌「ううん。私はみんなの元に戻れないにゃ」

 

白音「………どうしてですか?アミに弱味でも握られてるんですか?それならみんなでアミを倒しましょう」

 

黒歌「違うにゃ」

 

白音「………なら私の為ですか?また私を守る為に」

 

黒歌「違うにゃ」

 

白音「ならどうして!どうしてあんな奴の所に戻るんですか?あいつの所にいた時のお姉ちゃんはとても辛そうでした!私はあいつの所にいる時眠るのがとても恐かったです。朝起きたらお姉ちゃんが私を置いてどこかに行ってしまうじゃないかと」

 

黒歌「でも今なら平気にゃ。みんながいるにゃ。なんたってレーセーがいるにゃ」

 

白音「お姉ちゃんもその一緒に居たいんです!」

 

こんなに可愛い妹のことを私は………

 

黒歌「………白音。戻るにゃ。それでレーセーと一緒に幸せになるにゃ。私じゃ無理だったから白音に任せるにゃ。可愛い白音ならレーセーとお似合いだと思うにゃ。私は応援するから」

 

白音「………お姉ちゃんが無理だったってどういう意味ですか?」

 

黒歌「私ってレーセーにそこまで好かれてないでしょ?白音みたいに優しくされる訳じゃないし、リアスみたいに敬意を払われてるわけじゃない」

 

パチン!

 

白音は涙目で私にビンタした。

 

白音「何を言ってるんですか!先輩と一番近いのはお姉ちゃんじゃないですか!」

 

黒歌「えっ!?」

白音「………優しくされるっていうのは対等じゃないってことなんですよ。敬意を払うってことはそれだけ遠いってことなんですよ」

 

黒歌「………私がレーセーと近い」

 

白音「………それに屋敷でも言ってたじゃないですか『強い女性が好き』って。先輩の周りの中で一番強いのはお姉ちゃんです」

 

白音は涙目から泣き出していた。

 

白音「………私をもうこれ以上惨めにしないで下さい」

 

黒歌「ごめん。でも、私は距離でも強さでも無く一緒にいられないにゃ」

 

白音「お姉ちゃん!」

 

黒歌「さっきの事実は凄く嬉しかったにゃ。だからこそ一緒にいられない居られないにゃ。私は愚かで汚なく醜いにゃ。私はみんな居なくなればいいと思ってしまったにゃ。こんな私がレーセーと一緒にいていいはずがないにゃ」

 

白音は驚き俯いている。

 

黒歌「やっぱり失望したみたいね。こんな許されないお姉ちゃんに」

 

白音「………なら私がお姉ちゃんを許します」

 

白音は顔を上げて強い目で言った。

 

白音「………他の皆が許さなくても私が許します。他の皆が責めるなら私が守ります。他の皆が嫌うなら私が愛します。だから帰りましょう。私が付いてますから」

 

黒歌「白音!」

 

黒歌は白音に抱きしめられながら大声で泣いた。

 

白音。さっき私が一番強いって言ったけど、それ間違ってるにゃ。白音の方が私何倍、何十倍も強い。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

レーセーサイド

 

アミ「黒歌は随分と遅いですね。このままだと赤龍帝を殺してしまいますよ」

 

零誠「ふぅ、全く厄介だ」

 

アミ眷属を半分以下に減らしたが、レーセーも随分と傷ついている。

 

零誠「少し遅くなっても部長を連れて来るべきだった」

 

アミ眷属のポーンは6体全員クイーンにプロモーション済み、こっちはプロモーションしない状態ときている。

 

それだけならまだいいんだが、奴ら全員神風特攻隊並みの勢いで突っ込んで来てやがる。自爆した奴も何人かいたし。

 

零誠「死ぬ気で来る奴ってのが一番恐いな」

 

武器もその特攻でトンファー、ヌンチャクを壊されてしまい、3つ目の三棍節を使用している。

 

零誠「さて、半分以下になったし、そろそろキングを狙いに行くか」

 

アミ「半分以下?何を言っているんですか?」

 

零誠「ほとんど自爆して意識を失ってんじゃねえか」

 

アミ「意識が無いからって脱落ということにはなりませんよ。なんたって彼らは始めから意識なんて無いんですから」

 

倒れていたはずのアミ眷属がゆっくりと立ち上がる。

 

零誠「ちっ!人形使い。ネクロマンシーかよ」

 

アミ「くくっ。よくご存じで。出来ればあなたもコレクションに加えたいのですが、まず無理でしょう」

 

零誠「いい歳して人形遊びかよ」

 

アミ「全然口が減りませんね。まぁ、いいでしょう。人形にする条件を教えてあげましょう。戦いながらでも聞いてください」

 

零誠「たくっ、なら攻撃の手を緩めろや」

 

アミ「条件。それは心が弱ってることです。その点、黒歌の心は強かったですね。あれだけやったのに全く折れなかった。素晴らしいじゃないですか!私は家を潰したグレモリー家よりも彼女を屈伏させることが二年前からの目標だった!」

 

こいつ真性の変態だ。

 

アミ「後もう少しでこの目標は叶う。あなたは殺しません。黒歌の心を折るのに使います」

 

黒歌「残念ね。私の心は折れないにゃ」

 

魔力、妖力、仙力の塊がレーセーの前にいた奴らをぶっ飛ばした。

 

アミ「く、黒歌ぁぁぁーーーーーーーーーーー!!」

 

黒歌「アミ。やっぱりついていくって話無しね」

 

零誠「頭冷やしたみたいだな」

 

黒歌「ええ。反省の印にここは私にやらせて貰うにゃ」

 

零誠「白音は?」

 

黒歌「私の空間の中だから安心にゃ」

 

アミ「少し取り乱しましたが、交渉が決裂したなら力付くで心を折るまでです」

 

アミ眷属は一斉に黒歌に襲い掛かる。

 

黒歌「『空蝉』」

 

黒歌が消え、代わりにアミが現れ、攻撃を受ける。

 

アミ「何っ!?」

 

黒歌は先程アミが立っていた位置に立っている。

 

黒歌「『空蝉』他者と自分の位置を交換する程度の能力にゃ」

 

アミ「カハッ!今のは効きましたね。これは冗談抜きでマズいですね」

 

黒歌「昔のよしみでもう二度と私達に近寄らないと誓うんだったら見逃してあげるにゃ」

 

アミ「くくっ。いつから立場があなたの方が上になったのですか?赤龍帝。黒歌はあなたの大切な仲間を私に売ろうとしたのです。そのような者は直ぐにでも手放すべきではありませんか?」

 

黒歌は驚き不安な顔をしている。

 

零誠「確かに普通ならそうするな」

 

この言葉を聞き、アミは満足そうに頷く。

 

アミ「そうですよね。なら私に「だから普通ならな」どういう意味ですか?」

 

零誠「生憎俺は普通じゃないんでね。俺のことを殺した堕天使でさえ使い魔にする奴だぜ。もし黒歌が皆を傷つけるなら俺は傷つけられないように皆を守るだけだ」

 

黒歌「ふふ。やっぱりレーセーは最高にゃ」

 

アミ「ああもう!何なんですかあなたは!!上手く行きそうな所でいつもあなたが邪魔をする!訳が分からない分からない分からない!!」

 

アミが狂いだす。

 

アミ「もういい!全てを消してやり直す!」

 

アミは予想以上の速さで黒歌に向かい動く。

 

零誠「マズい」

 

黒歌「にゃ!?」

 

レーセーも黒歌もその突然の行動に対処出来ない。

 

アミ「死ね!!黒歌!!」

 

パリン!

 

白音「………お姉ちゃんを守り、救け、支えるのは私です」

 

黒歌とアミの間の空間が割れ、そこから現れた白音がアミを捕獲する。

 

白音「『障り猫』」

 

バチバチバチィ!!

 

『障り猫』の能力はエナジードレイン。

RPGでよくある能力。触れた者の気力を吸い尽くす。

 

白音「………御馳走様でした」

 

バタッ。

 

アミは吸い取られ過ぎて栄養失調で倒れた。

 

白音「………先輩、お姉ちゃん。戻りましょう」

 

零誠「ああ」

 

黒歌「ええ」

 

三人仲良く手を繋いで会場に戻った。

 

 



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対戦相手

パーティー会場に戻って、サーゼクスさん達にアミの事を伝えたら、騒ぎが大きくならないように事後処理がされた。

 

零誠「ここで中止になったら料理にありつけ無かったから万々歳だな」

 

レイ「お、お久しぶりですわ。赤龍帝」

 

零誠「ああ、焼き鳥の妹か」

 

レイ「違います!」

 

零誠「すまんすまん。フライドチキン……いや、北京ダックだったか?」

 

レイ「レイヴェル・フェニックスです!全くこれだから下級悪魔は!」

 

零誠「俺、中級悪魔だけど」

 

レイ「そ、そうでしたわね。兄を倒してスピード出世したんでした」

 

零誠「そんでそのライザーは来てんのか?」

 

レイ「あなたのおかげで塞ぎ込んでしまいましたわ。余程敗北とリアスお姉様を取られたことが堪えたのでしょう」

 

零誠「多分、精神攻撃も加えておいたのも拍車を掛けたんだろうな」

 

レイ「そんな事もしてんでしたの?ま、才能に頼って調子に乗っていた所があるのでお灸を据えるのに丁度良かったですわ」

 

零誠「ライザーの眷属なのに容赦無いねぇ」

 

レイ「それなら現在お母様の未使用の駒とトレードして実質フリーのビショップですわ。お母様はゲームをしませんし」

 

零誠「ふーん、良いキングが見つかるといいな」

 

レイ「え、ええ。今、候補が1人見つけてますわ」

 

零誠「どいつだ?」

 

レイ「秘密です!」

 

零誠「ま、言い触らしたりすることでは無いか」

 

レイ「話は変わりますが、一つお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

零誠「俺が出来る範囲でなら構わねえよ」

 

レイ「では、これからお名前で呼んでもよろしいですか?」

 

零誠「その程度のことなら了承を得るまでもねえよ」

 

レイ「こ、こほん。で、ではレーセー様」

 

零誠「様付けなんてしないでいいぞ。さん付けくらいにしとけ」

 

雪蘭「レイヴェル。旦那様のご友人がお呼びですよ」

 

レイ「わ、分かりましたわ。レーセー様、今度会う機会がありましたら、お、お茶会でもどうですか?わ、わ、わたくしお手製のケーキをご、ご用意してあげてもよろしくてよ」

 

零誠「なら、俺もケーキを用意するよ。食べ比べしようぜ」

 

レイ「はい!それは楽しみですわ!」

 

また1人女子の心を折る運命が決まった。

 

そんな事を露知らずスカートの裾を上げ、一礼して去っていくレイヴェルであった。

 

雪蘭「レーセーさん!お久しぶりです!」

 

零誠「お前レイヴェルの付き人だろ?レイヴェルについて行かなくていいのか?」

 

雪蘭「世の中には仕事より大切な事があるんです」

 

零誠「少なくともそれは談笑する事では無いと思う」

 

雪蘭「それじゃあ、早速手合わせをお願いします」

 

零誠「うん。まず話を聞く所から始めよう。お前の提案への答えとしてはこんな所で暴れたら騒ぎになるからやんねえぞ」雪蘭「そんな。初めて会った時からレーセーさんをぶん殴ることばかり考えていたのに」

 

零誠「そんな物騒な思想は今すぐ捨てろ!」

 

イル「雪蘭、お兄さんが困ってるから止めなよ。ねぇ、ネル」

 

ネル「うん。お兄さんに嫌われちゃうよね。イル」

 

雪蘭「レーセーさんに嫌われる……」

 

零誠「チェンソー姉妹も来てたか」

 

イル・ネル「「久しぶりだね。お兄さん」」

 

零誠「ああ。お前らもレイヴェルの付き人か?」

 

イル「うん。さっきからさぼってる雪蘭を迎えに来たんだよ」

 

雪蘭「もう少しレーセーさんと一緒に……」

 

ネル「お兄さんは仕事をサボって遊んでる人と真面目に仕事する人どっちが好き?」

 

零誠「真面目に仕事する人」

 

雪蘭「すぐにレイヴェルの所に行かないと!」

 

雪蘭はダッシュでレイヴェルの所に向かった。

 

イル「ありがとうね。お兄さん」

 

ネル「雪蘭は単純ね」

 

イル・ネル「「それじゃあ、そろそろ戻るわ。バイバイお兄さん」」

 

零誠「ああ、じゃあな。それとそのドレス似合ってるぞ」

 

イル・ネル「「ッ!?」」

 

二人は顔を赤くして戻って行った。

 

リアス「そろそろお兄様からお話があるそうよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

サー「さて新人悪魔の諸君。先日の集会で問題があり試合の対戦相手をもう一度決め直さなければなかったので、せっかくだから諸君らに希望を取る事にした。その結果は面白いことになったんだがね」

 

零誠「部長は誰にしたんですか?」

 

リアス「私はソーナを選んだわ。ソーナとは前からやりたいと思ってたからね」

 

零誠「会長の力を見てみたいです」

 

サー「なんと一組しか戦いたい相手が成立しなかったんだ。そのペアはリアスVSソーナくん」

 

おおー!

 

なんか会場から喚声が起こる。

 

サー「というよりこっちの方が驚きなんだけどリアス以外みんなリアスを指定したんだよね」

 

おおおおーーーー!?

 

さっきより大きな喚声が起こる。

 

零誠「部長。一体どんな風にしたらこんだけの怨みを買えるんすか?」

 

サー「いや、ソーナくん以外の戦いたい動機は君に対してだったよ」

 

零誠「え?俺ってそんなに怨み買ってます?」

 

全員『うん』

 

零誠「………俺だって落ち込むぞ」

 

サー「あ、安心してくれ。ゼファードル君以外は怨みではなく競い合ってみたいという理由だったから」

 

零誠「それなら安心」

 

サー「まぁ、新人悪魔ではなく年輩の上級悪魔は怨みがほとんどみたいだけどね」

 

零誠「それは言わなくても良くないすか!?」

 

冥界じゃ何時寝首をかかれるか分からないから安心して寝れねえな。

 

サー「さて、それで試合の組み合わせなんだがどうしよう?」

 

サーゼクスさんがレーセーに訪ねる。

 

零誠「普通ゲームに出る。俺に聞きますか?というかまだ決まって無かったんですか?」

 

サー「仕方ないだろう。こんなに偏ってしまったんだから。その渦中の君にだからこそ聞くんだよ」

 

対戦相手ねぇ。面白い事考えた。

 

ゼノ「レーセー、悪い顔になってるぞ」

 

零誠「この試合の対戦相手の変更ってそもそもディオドラ・アスタロトの枠が抜けたからですよね?」

 

サー「まー、そういう事になるね」

 

零誠「ならその枠に俺が入る」

 

全員『なっ!?』

 

まぁ、全員驚くわな。

 

サー「だが、君には眷属がいないのにゲームになるのかい?」

 

零誠「部長の眷属から1人借りて、もう1人悪魔を雇います。俺のゲームを3on3にすればいいでしょう」

 

サー「それではリアスが不利になってしまうのではないか?」

 

零誠「部長が対戦する時は抜けた分を駒の価値の数に変換してその分部長が選んだプレイヤーを減らせばいいんですよ」

 

サー「それは面白い事になりそうだね。他の新人悪魔諸君が認めるならその条件を許可しよう」

 

サイラ「俺はどんなルールでも構いません。勝つのは俺ですから」

 

ゼファ「俺も構わねえ!糞転生悪魔をぶっ殺せるならな!」

 

シーグ「私も構いません。レーセーさんの戦力は個人で1チーム潰せるレベルなので勝ち星を増やせる試合が増えるのは嬉しいですから」

 

遠回しに部長達には勝てるって言ってやがるよ。

 

ソーナ「私は反対です。レーセーくんのいるチームに同数で挑むなら人数が多い方がいいですから」

 

そこに気付くとは流石会長。使い魔の夕麻を入れたら実質4対1だからな。

 

零誠「なら出血大サービスでそちら側は5人で構いません」

 

ソーナ「まぁ、それなら納得します」

 

リアス「さて、残りはリアス。君はどうする?」

 

リアス「わ、私は……」

 

部長は迷ってるみたいだな。

 

零誠「部長。俺はサイラオーグさん達みたいに強い人達と戦ってみたいです」

 

部長の背中を押すことにしよう。

 

零誠「つまり部長。俺はあなた達とも戦ってみたい」

 

リアス「レーセー………。そうね。私もレーセーの独立チームを認めるわ!」

 

サー「さて全チームの了承を得たところで組み合わせはディオドラくんの枠にレーセーくんを入れた初期の物とする!レーセーくんは後でメンバーを伝えにきたまえ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

言われた通りサーゼクスさんの所にやって来た。

 

サー「リアスの為にありがとう。レーセーくん」

 

零誠「………何のことでしょう?」

 

サー「とぼけなくていいよ。独立チームはリアスの為だろう?」

 

零誠「やっぱりサーゼクスさんの目は誤魔化せませんね」

 

サー「なんたってお兄ちゃんだからね」

 

前々から思ってたけどサーゼクスさんってシスコンだよな。

 

零誠「ほとんど俺のせいなんでこれくらいはしないと」

 

グレモリー眷属は周りの上級悪魔からドラゴン(俺のこと)の力に頼ったワンマンチームだと思われている。

 

俺が居なくても実力があるって所を見せないとこの先風当たりが強くやっていけない。

 

零誠「しかし、お膳立てはここまでです。ゲームじゃ容赦しません」

 

サー「当たり前だよ。もし手なんて抜いたら、僕直々に手を下すよ」

 

全くこのシスコンは恐ろしいな。

 

サー「それで誰をメンバーにする気だい?」

 

零誠「1人は黒歌。そして抜き出すのはギャスパー」

 

サー「上級悪魔に『変異の駒』か」

 

零誠「容赦はしないと言ったでしょう?」

 

サー「という事はポーンで8。ビショップが『変異の駒』なので二個分として6。合わせて14の不足と伝えておこう」

 

零誠「妥当な数字ですね。ところで俺の最初の対戦相手は誰なんですか?」

 

確か原作だとアスタロトの相手はシーグヴァイラさんだったか?

 

サー「君の初戦の相手はソーナ・シトリーくんだ」

 

ソーナ会長!?

 

そういや会合の時にセラフォルーが老害を脅すイベント起こして無かったからか。

 

 



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試合前日

悪魔領にある会談場

 

シェム「失態ですね」

 

会談の始まりの第一声が堕天使の副首領のシェムハザさんの言葉だった。

 

実は問題を起こしたアミは上級悪魔から追放され、その後に『禍の団』に加盟していたらしい。

 

大物が沢山いるパーティーを行っているすぐ近くまでテロリストに近づかれドンパチやってたのに気付かなかったからな。

 

それの反省と対策の為にお偉いさん方が集まっていた。

 

零誠「………何で俺がいんの?」

 

サー「アザゼルから聞かされてないのかい?」

 

零誠「朝起きたら拉致られました」

 

ジトー

 

アザゼル教諭が他の人からジト目で睨まれている。

 

零誠「で、なんでお偉いさん方の会議に俺みたいな中級悪魔が出席させられてんすか?」

 

サー「テロリストを何度も退けている君の意見を聞きたくてね」

 

零誠「なんか重役に格上げされたみたいですね。では早速一つ意見いいすか?」

 

サー「なんだい?」

 

零誠「アザゼル教諭に対してなんですけどいくらパーティーだからハメを外していいからってギャンブルは聖職者としてどうかと思う」

 

アザ「バッ!?余計な事を言うんじゃねえ!」

 

ジトージトー

 

さっきより凄いジト目がアザゼルに集まる。

 

シェム「ちょっと」

 

アザ「イテテテテ!耳引っ張るな!」

 

アザゼルはシェムハザに耳を引っ張られ、部屋の隅で説教されることになった。

 

???「ふん。若造共は老体の出迎えも出来んのか」

 

古ぼけた帽子とローブの焦眼の老人が付き人の女性と一緒に会談場に入ってきた。

 

零誠「誰?あの爺さん」

 

???「最近の若造はわしの事も知らんのか」

 

零誠「いや、初対面ですし」

 

サー「レーセーくん。この方は北の主神オーディン殿だよ」

 

サーゼクスさんが教えてくれる。

 

零誠「ああ、北欧神話の」

 

オー「サーゼクスか。ゲームの観戦の招待来てやったぞい。しかし、お主も難儀よの。本来のルシファーの血筋は白龍皇でおまけにテロリスト。悪魔の未来も容易ではないのう」

アザ「嫌味爆発だな。北の田舎のクソジジイ!」

 

アザゼル教諭がシェムハザさんの説教から逃げてきたみたいだ。

 

オー「久しいの。悪ガキ堕天使。長年敵対しておった者達と随分仲睦まじいようじゃが、また小汚いことを考えておるのかのう?」

 

アザ「けっ」

 

オー「時にセラフォルー。その格好は何じゃな?」

 

オーディンはセラフォルーさんに視線を向け、魔法少女の格好を指摘した。

 

セラ「あら。オーディン様。ご存知ありません?魔法少女ですわ☆」

 

セラフォルーはオーディンに向かって横ピースでチェキをした。

 

オーディンの反応はというと足を見てニヤニヤしている。

 

零誠「エロジジイじゃねえか!」

 

???「的確なツッコミをありがとうございます」

 

オーディンの付き人の女性が俺に話しかけてきた。

 

ロス「私はオーディン様の付き人をやっていり戦乙女(ヴァリュキリー)のロスヴィアセと言います。私もいつもオーディン様の行動には困ってるんですよ」

 

零誠「そうなんですか。いや、俺も似たようなのが友人に2人ほどいるのでその苦労分かりますよ」

 

ロス「2人もあんなの相手にしてるんですか!?」

 

零誠「いや、その2人は殴れば止まりますが、そっちのは止まらないでしょ?」

 

ロス「そうなんですよ!あのエロジジイは主神やってますから簡単に手を出せないんですよ!」

 

オー「お主ら『あんなの』や『そっちの』はまだいい。だが、いくらなんでも『エロジジイ』は失礼過ぎるじゃろ!だいたいあの程度で怒るなんて頭が固いのう。そんなんじゃからこの歳になって戦士1人捕まえられないのじゃ」

 

ロス「オーディン様。少し黙っていてもらえますか?」

 

ニコッ!

 

オー「………は、はい」

 

オーディンをロスヴィアセはまるで能面のような笑顔で黙らせる。

 

ロス「いやぁ、こんなに話が分かる人は久しぶりです!メアドを交換しません?」

 

零誠「ケータイ持ってたんすか!?」

 

ロス「舐めないでくださいよ。赤外線だってバッチリです!」

 

零誠「じゃあしますか」

 

ロス「はい。送りますね」

 

ロスヴィアセさんとメアドを交換した。

 

零誠「この後暇なら愚痴を肴に酒でも飲みに行きませんか?」

 

ロス「いいですね!オーディン様。この後どうせキャバクラとか行くんでしょう?なら私も好き勝手やっていいですよね」

 

それは付き人としてどうだ?

 

オー「もう好きにしていいぞい」

 

さっきの笑顔がよっぽど恐かったのか簡単にオーディンはOKを出した。

 

アザ「クソジジイ。可愛いお姉ちゃんがいる店連れてってやるから元気だせ」

 

オー「お前なんそに気を使われる日が来るとはのう」

 

ロス「そう言えばお名前はなんて言うんですか?」

 

零誠「リアス・グレモリーのポーンを勤める赤龍帝の兵藤零誠です」

 

ロス「グレモリー眷属で赤龍帝って最近噂になっているあのレーセーさん!?」

 

零誠「どんな噂になっているのかは聞かないでおきます」

 

ロス(レーセーさんと言えば凄い有料物件じゃないですか!悪魔の良家のグレモリーの眷属だから収入が安定してるし、上級悪魔への出世は間違い無しと言われてましたね)

 

ロス「………今から私好みに育てて収穫(ボソッ)」

 

零誠「収穫?野菜でも栽培してるんですか?」

 

ロス「え、ええ。まぁ、そんなところです。それじゃあ、何軒か梯子する勢いで行きますか。今日のところはお姉さんが奢ってあげます」

 

オー「お姉さんと言える歳かのう」

 

ギロッ

 

オー「ひっ」

 

ロスヴィアセさん睨みで黙らせたよ!?

 

零誠「それじゃあゴチになります」

 

ロス「はい!遠慮せずに好きなだけ頼みなさい」

 

アザ「あ」

 

アザゼルがこいつやっちまったって顔をしている。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

居酒屋

 

ロス「……………」

 

零誠「すいませーん!追加でこのページにあるの全部で」

 

店員「ご注文を繰り返します。枝豆を一つ。〜」

 

ロス「アハハハハ………良く食べますね」

 

零誠「ええ。いつもは遠慮して制限してるんですけど、ロスヴィアセさんが遠慮しなくていいって言ってくれたんで今日はありがとうございます!」

 

ニコッ!

 

ロス「え、ええ(そんないい笑顔で言われると割り勘なんて提案出来ませんよ。こうなったらやけ酒ですかね)」

 

店員「〜砂肝を一つ。以上でよろしいでしょうか?」

 

ロス「追加でビールをジョッキで」

 

店員「はい。生をジョッキで一つ追加ですね」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ロス「ひっく。全くあのエロジジイは!ちょっとレーセーさん。ちゃんと聞いているんですか?」

 

零誠「聞いてますよ」

 

ロスヴィアセさんが悪酔いした。

 

零誠「そろそろ呑むの止めた方がいいんじゃないですか?」

 

ロス「まだまだ足りませんよ!全く安月給であんなの相手してるせいで全然いい相手が見つからないんですよ!周りのヴァリュキリーはみんないい相手見つけて結婚してるんですよ。私だけ取り残された感がありますよ」

 

零誠「ロスヴィアセさんは綺麗ですからきっとすぐにいい相手が見つかりますよ」

 

ロス「本来に綺麗だと思ってます?」

 

零誠「ええ。嘘はついてませんよ」

 

ロス「なら私と結婚してください」

 

零誠「はい?」

 

ロス「私と結婚してください」

 

零誠「これは相当酔ってますね。もう呑むの止めましょうよ」

 

ロス「シクシク。やっぱり綺麗なんて嘘なんですね」

 

零誠「嘘じゃありませんから泣くの止めてくださいよ」

 

ロス「なら結婚してください」

 

零誠「いや、俺って学生ですよ。そういうのはマズいでしょう」

 

ロス「分かりました。では卒業するまで待つんで結婚してください」

 

零誠「えっと、本気ですか?」

 

ロス「はい。本気と書いてマジです」

 

零誠「では卒業した時にまだ心変わりして無かったら、また言って下さい。その時にちゃんとお返事をします」

 

ロス「なんかはぐらかされた気がします」

 

零誠「酒の席で約束すると失敗しそうですからね。そろそろ帰りますよ」

 

ロス「分かりましたよ。お会計お願いしまーす」

 

店員「はい。23万飛んで53円になります」

 

ロス「………提案なんですが割り勘にしませんか?」

 

結局割り勘になった。

 

 



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VS匙

控え室

 

零誠「よろしく頼むぞ。2人とも」

 

黒歌「任せるにゃん」

 

ギャス「あのう、なんで僕はリアス先輩では無く、レーセー先輩の方に連れて来られたんですか?」

 

同じ時間に部長はシーグヴァイラさんと試合。

 

零誠「そういや言って無かったっけ?お前は俺のチームだから」

 

ギャス「なんでそんな重要な事を昨日のうちに教えてくれなかったんですか!」

 

零誠「酒呑んでたら忘れた」

 

ギャスパーく酒

 

零誠「こっちの方が見てる知り合いが少ないから気楽だろ」

 

ギャス「そうなんですか?」

 

零誠「考えてみろ。基本的に見に来る知り合いって言ったら身内だろ?俺の身内は悪魔とかそういう知識皆無だし。お前らの身内は?」

 

黒歌「捨てられたにゃ」

 

ギャス「勘当されました」

 

零誠「アハハ。笑えねえ」

 

結局応援に来てる知り合いはイリナ、ティア、タンニーンさん、レイヴェルとライザー眷属数人。後、ロスヴィアセさんが見に来るって言ってたな。

 

会長のチームの応援で知り合いつったら、セラフォルーさんくらいか。

 

零誠「おっと、そろそろ時間か」

 

丁度アナウンスが入る。

 

セラ『それじゃあレーティング☆ゲームの時間になったから魔法陣で転移してね!司会は魔法少女でソーナたんの姉のセラフォルー・レヴィアタンでーす!』

 

零誠「あの人に任せて問題無いのか?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

レーティングゲーム様の空間

 

零誠「ここは商店街?」

 

黒歌「レーセー達が新人悪魔の会合した時に行った冥界の商店街にゃ!」

 

セラ『その通ーり!ここは冥界で結構有名な商店街!あなた達がいる店が陣地だから覚えておいてね!』

 

俺達の陣地は酒屋か。

 

セラ『今回のゲームのポイントは相手の陣地を知らせません。頑張って見つけてね!今回の特別ルールとして建物+1メートルより高く飛んではいけないから気をつけてね』

 

零誠「店にある物は使っていいんですか?」

 

セラ『いい質問ね。お店にある物なら使っても食べても壊しても構わないわ!ただし建物自体は壊れないようになってるわ!そしてフェニックスの涙が各チーム1つずつ支給されまーす!』

 

てことはここにある酒飲み放題か。

 

セラ『それじゃあ3分間のミーティングタイム。今回のゲーム時間は2時間よ』

 

ギャス「陣地が分からないんじゃ、レーセー先輩がプロモーション出来ません」

 

零誠「そこが狙いだろうな。どっちのチームもポーンが主力だからな。黒歌、この商店街はどんな構造になってるんだ?」

 

黒歌「まず上から見たら王の形に大通りが通ってるにゃ。そして細道が結構複雑に通ってるにゃ。ちなみにこの酒屋は大通りの一番下の右側にあるにゃ」

 

ギャス「作戦はどうします?」

 

零誠「陣地は即行で捨てて全員単独行動。敵を見つけたら位置を通信機で連絡。それ以外は好き勝手戦ってくれ」

 

黒歌「にゃ?作戦ってそれだけにゃ?」

 

零誠「だってこの人数じゃ作戦なんて立てらんねーだろ。ゲームのルールがもっと特殊な物だったら考えられんだけど」

 

ギャス「じゃあ少ない戦力を固めた方がいいんじゃないですか?」

 

零誠「いや俺達個人のパラメーターは高いから相手が5人全員でも仕掛けて来ないかもしれないだろ。そしたら時間切れで人数はこっちの方が少ないから負けだ」

 

黒歌「確かににゃ。納得したにゃ」

 

ギャス「分かりました。頑張ります」

 

3分が経ち、店の扉が開く。

 

黒歌は裏路地に入って行き、ギャスパーは沢山の蝙に変身し飛んで行き、俺は大通りを進んで行く。

 

キング役の俺が一番目立つ道を通るのってやっぱりマズいかね?

 

ーーーーーーーーーーーー

 

移動し、俺が丁度フィールドのド真ん中に着いた頃。

 

ギャス『敵を見つけました。多分あれはビショップの花戒さんです。場所は一番上の列の八百屋です。行きます!』

 

零誠「ん?八百屋?」

 

セラ『最初のリタイアはレーセーくん側のビショップのギャスパーくん!なんとニンニクの匂いに怯んだところをやられてしまいました』

 

原作と違う形のゲームなのにやられ方は同じかよ!?

 

零誠「とにかく八百屋に向かうか」

 

匙「レーセー!行かさねえぞ!」

 

向かおうとした俺の前に匙が立ちはだかる。

 

やっぱりこいつを俺にぶつけてきたか。

 

零誠「黒歌、今どこにいる?」

 

黒歌『八百屋にいるって聞いて一番上の通りに来てるにゃ』

 

零誠「なら真ん中の列だけ空間を隔離出来るか?」

 

黒歌『全部かにゃ?』

 

零誠「いや、真ん中の方だけでいい」

 

黒歌『なんとかするにゃ』

 

モヤモヤ

 

大通りが丁度十の形になるように黒い霧が覆う。

 

匙「結界か」

 

零誠「これで邪魔されずにやれるだろ」

 

匙「あの有名な赤龍帝様とタイマンとは恐れいるぜ」

 

零誠「とっととヴリトラ化しな」

 

『Balance Braker!』

 

零誠「『赤龍帝の外套』」

 

 

匙「いきなりかよ」

 

零誠「俺はお前を過小評価なんてしない。周りがどんなにお前を馬鹿にしようとも俺はお前を認めるよ」

 

匙「認めるか。俺にとって、俺達にとってスゲー嬉しい言葉だ。だからお前に勝ってみんなに俺達の夢を認めさせてやる!」

 

匙が黒い炎の龍と化す。

 

匙「なんで俺達の夢が馬鹿にされないといけないんだ!笑われないといけないんだ!」

 

匙は叫びながら黒い炎弾を飛ばしてくる。

 

零誠「『偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)』」

 

螺旋の形の剣を矢として放ち、炎弾を砕く。

 

その際、炎は飛び散り、地面に残る。

 

零誠「消えない呪いの炎か」

 

匙「俺の執念の炎だ」

 

見れば匙の身体から発せられる炎は地面を燃やし、少しずつ面積を広げている。

 

匙はどんどん炎弾を放ってくる。

 

零誠「ちっ!」

 

剣を矢代わりに放ち迎撃しながら、一端匙が入って来れない細道に飛び込む。

 

零誠「全く邪魔されない為の結界が範囲を狭めて裏目になったな」

 

黒い炎が地面や建物を黒く染めていく。

 

そしてこの黒い炎の熱が俺の魔力をじわじわ削っているのが分かる。

 

匙「俺はお前が羨ましかった。主の自慢であるお前が。誰もが知っている赤龍帝のお前が。俺はお前と同時期にポーンになったのに何もねえ。だから赤龍帝のお前に勝ったという自慢を手に入れてやるっ!」

 

ドラ『相棒。よく聞け。この世で一番恐い攻撃は「こもった一撃」だ』

 

ドライグが話しかけてくる。

 

ドラ『魔力でも筋力でもない。魂、夢、そいつの一生が「こもった一撃」だ。どんなに弱い奴、どんなにダメージを負ってる奴が放った一撃でも、「こもった一撃」を食らえば戦況が一転しちまう』

 

零誠「まさに匙の奴は夢をかけた「こもった一撃」を使ってるわけか」

 

ドラ『その通り。気をつけろよ』

 

匙「俺達は笑われる為に夢を掲げた訳じゃねえ」

 

俺も覚悟を決めるか。

 

零誠「さっきも言ったが俺は笑わねえよ!ただお前を本気でぶっ潰すだけだ!」

 

俺は炎の回ってない屋上に上がり、陰陽の夫婦剣『干将(かんしょう)』と『莫耶(ばくや)』をブーメランのように投げる。

 

零誠「『赤原の猟犬(フルディング)』」

 

そして剣を矢として放つ。

 

矢、戻ってきた剣で三方向からの同時攻撃。

 

匙「この程度!」

 

匙は尻尾を振り回し、払い落とそうとする。

 

零誠「この程度じゃねえよ!本気でぶっ潰すって言っただろ!『壊れた幻想(ブロークン・ファンダズム)』!!」

 

3つの剣が爆発し、匙を飲み込む。

 

匙「まだ……まだだ」

 

俺が立っていた屋根の上にヴリトラ化が解けたボロボロになった匙が立っている。

 

匙「俺はお前に勝つんだ!!」

 

匙の黒い炎のを纏った拳がレーセーに向かって振りぬかれる。

 

そこまで速くないのに避けられない!?

 

ドカッ!

 

零誠「かはっ!?」

 

レーセーはふっ飛ばされ、匙は消えて行く。

 

セラ『2人目のリタイアは赤龍帝のレーセーくんと死闘を繰り広げたソーナたん側のポーンの匙くん!』

 

零誠「あれが「こもった一撃」か………効いたぜ」

 

最後の最後に『赤龍帝の外套』をぶっ壊していきやがったよ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

VIPルーム

 

アザゼルサイド

 

全くスゲー戦いだったな。

 

あんなの見せられたらシトリー眷属の夢を笑う奴も減るだろうな。

 

ロス「ふぅ」

 

オーディンの隣にいるロスヴィアセが安堵の息を吐いた。

 

オー「どうやらロスヴィアセは意中の相手が無事で安心したようじゃな」

 

ロス「なっ!?ち、違います!」

 

またレーセーの奴が一人落としたのかよ。

 

オー「しかし、面白い一戦じゃな」

 

アザ「クソジジイみたいなわがままジジイが褒めるとは珍しいな」

 

オー「悪ガキは黙っておれ。サーゼクス、あのドラゴンのセイクリッド・ギアの小僧じゃが」

 

サー「赤龍帝の兵藤零誠くんですか?」

 

オー「いや、シトリー家のヴリトラのポーンの方じゃよ」

 

サー「匙元士郎くんの方ですか」

 

オー「いい悪魔じゃ。大切にするがいいぞ。ああいうのが強くなる。強者相手に弱者が致命的な一撃を与える。これぞ、真の試合というものじゃ」

 

クソジジイが数時間前まで知らなかった奴に最大級の賛辞を贈るなんて明日は台風か?

 

それより驚くのは

 

アザ「レーセーと同じ判断を下すとはな」

 

あいつの目は名伯楽だな。



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VSソーナ・シトリー

どうやら戦闘が終わったら結界は消える仕組みになっていたらしく、黒い霧は晴れている。

 

匙との戦いの疲労とダメージはフェニックスの涙で回復出来たが、呪いの黒炎によって『赤龍帝の外套』使用不可。魔力が削られて使える魔法が構造理解と強化をどちらか一回。

 

つまり、主力の技が潰されたということになる。

 

零誠「一旦黒歌に連絡してみるか」

 

状況を確認する為に連絡する。

 

零誠「今、そっちはどういう状況だ?」

 

黒歌『私達の自陣付近で夕麻と一緒にクイーン、ビショップ、ポーンを相手にしてるにゃ』

 

てことは、プロモーションはされる可能性大か。

 

予想以上にキツい状況だった。

 

零誠「援軍は必要か?」

 

黒歌『3人を結界の中に閉じ込めてるって感じだから大丈夫にゃ。『空蝉』は多対一が一番真価を発揮出来るからにゃ。でも、』

 

ソーナ「さてキングを取って終わりにしましょうか」

 

黒歌『ソーナが外にいるからそっちに行くと思うにゃ』

 

言わなくても分かるよ。一番下の通りから来たから。

 

ソーナ「今からあなたを倒します。ですが勝つのは私ではありません。レーセーくんに勝つのは匙です」

 

無数の水の槍を飛ばしてくる。

 

『Boost!』

 

零誠「『強化開始』」

 

『Exprotion!』

 

これで残りの魔力残量じゃ魔法は使えない。

 

『Blade!』

 

左手で右手からアスカロンを引き抜き、槍を斬り落とす。

 

零誠「悪いけどまだ負ける気はありませんよ」

 

ソーナ「やはり、そう簡単に取らせてはくれませんか」

 

そう言ってまた無数の水の槍を飛ばしてくる。

 

零誠「だからこのレベルじゃやられませんよ」

 

ソーナ「そんなことは分かってますよ」

 

ソーナはレーセーに向かって手で作ったピストルを向けている。

 

そして指先の銃口から水のレーザーが発射される。

 

零誠「くっ!?」

 

槍に対処していたレーセーは無理矢理身体を捻って直撃は避けるが、左腕にかすってアスカロンを落としてしまう。

 

零誠「マズッ」

 

宙を舞っていたアスカロンは半径約1メートル水の塊に包まれ、手を出せなくなってしまった。

 

ソーナ「チェックメイトです」

 

零誠「まだ終わってたまるか!」

 

槍を相手にしていた時に蓄まった倍加で脚力に使い、一番上の大通りに向かって跳んだ。そして右に曲がる。

 

零誠「一端距離を取って」

 

ソーナ「取らせませんよ」

 

ソーナ会長に先回りされていた。後ろにはアスカロンが封じられた水の塊が浮かんでいる。どうやらソーナ会長について回るようだ。

 

零誠「………どうやったんすか?」

 

ソーナ「空中に水を勢いよく流して、それに乗りました」

 

良く見るとソーナ会長の制服は濡れている。

 

零誠「そうですか。では俺はこの辺で」

 

ソーナ「行かせると思いますか?」

 

ドン!

 

Uターンして逃げようとしたら水の壁が張られ、行く手を阻まれる。

 

ソーナ「結界の一種だと思って下さい。これで諦めつきました?」

 

零誠「諦める?それは負けるまで絶対にあり得ませんよ」

 

ソーナ「はぁ、言いたくないですけど見苦しいですよ」

 

零誠「ソーナ会長。勝ちを諦めないことが見苦しいですか?負けを認めることが正しいんですか?もしそうなら俺は正しくなくて構わない!」

 

ソーナ「すみません。先程の発言は失言でした。ですが勝つのは匙です。なので最後まで諦めずに戦ってください」

 

そう言って放ったのが店に当たらないギリギリの大きさの水球。

 

零誠「うわっ。心が折れそう」

 

ジャンプすれば避けられなくもないが、悪魔の羽で飛行が禁止なので先程の水のレーザーいや、ありゃウォーターカッターだな。まぁ、あれに撃ち貫かれる。

 

店に入ってやり過ごすことも出来るが、逃げ道を失ってゲームオーバー。

 

零誠「なら一か八かの賭けに出るしかねえな」

 

『Divide!』

 

水球の大きさが3割減り、横に隙間が出来る。

 

だが、抜けた瞬間ジャンプと代わらず撃ち貫かれる可能性大。

 

零誠「『構造理解(トレース・オン)』」

 

『Boost!』

 

水球は魔力で放った物なのでその3割で構造理解。そして倍加で範囲を強化。

 

零誠「そこか!」

水球と店の間に出来た隙間に走り込み、ある店の扉を開けて飛び込む。

 

ソーナ「まさか!?」

 

ソーナ会長はその店に飛び込んだ事に凄く驚いている。

 

零誠「ビンゴ!プロモーション。クイーン」

 

その店、種類はどうでもいいのだが衣服屋はソーナ・シトリーの陣営だった。

 

ソーナ「一体、何故そこが分かったのですか?」

 

零誠「ヒントは2つ。1つ目はそっちのビショップの花戒が八百屋でギャスパーを潰した時にした準備と移動の時間を考えて範囲を絞りました。2つ目はさっきの結界。あんなの陣営の近くにしか仕掛けない。これが近くにあるって決め手でしたね。最後に構造理解で魔力の流れを見て、一番濃かった店に飛び込んだんですよ」

 

ソーナ「あなた………なんて頭してるの?」

 

なんか地味に酷いこと言われた。

 

ソーナ「確かに驚かされました。しかしプロモーション程度では私達の勝利に揺るぎありません」

 

零誠「いや、ここから俺の大逆転の始まりだ」

 

ソーナ「そこまで言うならその大逆転を見せて貰うわ」

 

店内のドア付近からアスカロンを閉じ込めた水の塊と同じ大きさの水球を飛ばしてくる。

 

俺はその水球に掌底をたたき込む。

 

『Chaos Brake!』

 

水球は包丁で刻まれたようにバラバラになる。

 

ソーナ「えっ!?」

 

崩れた水球が水飛沫の霧になって周囲が見えなくなる。

 

ソーナ「キャッ!」

 

ソーナはそれに驚き後退る。

 

そのタイミングでレーセーも店外に出た。

 

零誠「今までの俺の技は全て誰かの模倣だった。だが今回はオリジナルだ」

 

ソーナ「オリジナルだろうとなんだろうと攻略するまで」

 

先程と同じ水球を放つ。

 

ソーナ(まずはあれがどんな物なのかを見切る)

 

レーセーも同じように掌底をたたき込む。

 

『Chaos』

 

白い線が水球に浮かび上がる。

 

『Brake!』

 

白い線が赤く光り、バラバラにされる。

 

ソーナ「なるほど。あれは切断してるわけでは無く、白龍皇の力で減少させていたんですね」

零誠「流石に二回目で気付かれると思わなかったです」

 

あの技は亜種化した赤龍帝の作り変える力によって、3割減らすという白龍皇の力を線がある所に重点的に発動した物だった。

 

極端に減らされた所が脆くなって通常の所に振り回され勝手にバラける。

 

ソーナ「なんでその技を今まで使わなかったんですか?」

 

零誠「使わなかったというより使えなかったというのが正しいですね。まだクイーン状態じゃ扱いきれないんですよ」

 

ソーナ「だからあんなにこちら陣営のことを考えていたのですか」

 

使わずに済むなら隠しておきたかったが、そんな事言ってられない。

 

ソーナ()先程と違い、拳位の大きさの水球を無数に撃ってくる。

ソーナ(対象は1つの筈だから質より量で押し切る)

 

零誠「いい考えだけど」

 

レーセーは右手を前に出す。

 

『Chaos』

 

空間に白い線が現れ、水球が触れると水球にも白い線が描かれる。

 

『Brake!』

 

水球は切られる。

 

零誠「この技は対象を1つ選ぶのでは無く、範囲的に能力を発動する。ちなみに10秒ごとに範囲が倍になる」

 

ソーナ「ふぅ。ここまでギリギリだけど上手く運んだつもりでしたが、どこで間違ったのでしょう」

 

そう呟いて少し考え、微笑む。

 

ソーナ「出来ることはやったはず。なら今からも出来ることをやるまで。匙の目標。匙はあなたの背中を追ってきた。あなたに勝つ為に努力してきた。匙を勝たせる」

 

零誠「匙が俺の背中を追ってきたか。ならばだからこそ負けられない。匙が見ていた背中は大きい物なんだって知らせなければいけない」

 

零誠・ソーナ「「勝つのは俺だ(私です)!!」」

 

ソーナが最初に水の大蛇をレーセーに向かって飛ばす。

 

レーセーは掌底をたたき込み、大蛇を解体する。

 

しかし、ソーナは解体される寸前の大蛇から現れ、水のレーザーを発射。

 

レーセーは後ろにあった水壁を分解し、その欠片をレーザーにぶつけ、威力と速度が弱めることによって回避する。

 

ソーナはレーセーが視界を反らした瞬間に間を詰め、水のレーザーを発射する。

 

レーセーはその攻撃を紙一重で避けながらソーナに対し、掌底を放つ。

 

ソーナもそれを避ける。そして体勢が崩れたところを攻撃しようとするが、ソーナはここで今の掌底の意味を理解する。

 

ソーナ(レーセーくんが狙っていたのは私ではなく、私の後ろにあった水の塊!?)

 

『Chaos Brake!』

 

掌底を叩き込まれた水の塊は分解され、そこに封じられていたアスカロンは空いていたレーセーの左手に握られ、ソーナに振り下ろされる。

 

ソーナはなんとか避けるが、腕を右手つまり分解を使える手で掴まれた。

 

『Chaos』

 

零誠「チェックメイト」

 

ソーナ「まだ!」

 

ソーナは掴まれてない方の手でピストルの形を作り、レーセーに向ける。

 

零誠「無理ですね。水のレーザーいや、ウォーターカッターは乱発出来ないんですよね?」

 

ソーナ「くっ」

 

博打を最初にうったのはプロモーションの時では無く、倍加で戦線離脱した時だった。

 

あの時、もしウォーターカッターが連発出来る物だったなら、跳んで回避出来ない状態で撃ち貫かれていた。

 

ソーナ「あなたが言ったのよ。最後まで見苦しくても諦めないものだって」

 

零誠「十七分割にされるとしても?」

 

ソーナ「絶対に諦めません」

 

零誠「はぁ」

 

零誠「本当の本当に?」

 

ソーナ「本当の本当に」

 

これやると色んな奴に殺されそう。特に匙とかセラフォルーさんとか。

 

『Brake!』

 

零誠「『カオスブレイクVERドレスブレイク』」

 

名前から分かるようにあれです。

 

ビリビリビリ

 

ソーナ「え?………イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

服が弾けとびはしなかったが破れてバラバラになる。

 

セラ『ソ、ソーナたんになんてことしてるの!!』

 

ソーナ「リ、リザイン!」

 

セラ『え?勝者はレーセーチーム!………レーセーくん、後でちょっと楽屋来てね』

 

零誠「ご遠慮させてもらいます」

 

 



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5巻エピローグ

今の状況を一言で説明すると『逃走中』

 

あのテレビのバラエティーでやってるのと比べられない程キツい。

 

俺、逃走者。女子+匙、ハンター。

 

賞金1秒0円。捕まったら命が0。

 

範囲無制限。時間無制限。

 

はっはっはー。何この鬼畜使用。なんかゲーム化したみたいだけどこれゲーム化してもただのクソゲーだよ。

 

俺はなんとか逃げ回ってんだけど、これからどうすりゃいいんだよ。屋敷に手は回ってるだろうし、

 

黒歌「いたにゃ!」

 

白音「………先輩、お話しましょうか」

 

猫又姉妹が現れた。

 

どうする?

 たたかう

→まほう

 どうぐ

 にげる

 

ここは強化魔法で

 

まほう

→どげざ

くどく

 

魔法ってこの2つだけっすか!?

 

だいたい口説くって余計殺されるだろ!

 

黒歌「レーセーを見つけたにゃ。場所は×××で」

 

猫又Aの仲間を呼ぶ。

 

こっちまだコマンド選択してないのに戦闘が進んでるよ!

 

セラ「レーセーくん。ソーナちゃんを辱めたんだから覚悟出来てるよね?」

 

匙「俺の呪いの炎で焼き殺す」

 

魔王と龍王があらわれた。

 

仲間を呼ぶでボスキャラが2体だと!?

 

どうする?

→にげる

 

レーセーは逃げ出した。

 

リアス「レーセー。お仕置きが必要らしいわね」

 

てきにまわりこまれてしまった。

 

敵増えてるし!?

 

どうする?

→たたかう

まほう

どうぐ

 

逃げるが選択肢から消えたよ!?

 

こうなったら

 

どうする?

 

零誠「すいませんでした!」

 

レーセーは土下座した。

 

セラ「………その程度で許されると思った?」

 

レーセーは全滅した。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ドライグの空間

 

ドラ「相棒、大丈夫だったか?」

 

零誠「ん?何が?」

 

ドラ「何がってさっき」

 

零誠「ああ、レーティングゲームか。いやぁ、厳しかったけどなんとかなったな」

 

ドラ「もしかして覚えてないのか?」

 

零誠「他に何かあったのか?」

 

ドラ「いや!無かったぞ!………思い出さない方がいいだろう。ボソッ」

 

零誠「ならどういう要件でここに呼んだんだ?」

 

ドラ「そうだった。ここに呼んだ要件は俺を見て何か思うこと無いか?」

 

零誠「んー。あっ、髪切った?」

 

ドラ「切ってねえよ!つーか、そもそも生えてねえよ!」

 

零誠「うぅ、可哀想に。産まれながらのハゲなんて憐れだ」

 

ドラ「違うわ!そもそも毛は生えない種族だ!問題なのは体の方だ!白いのの力が模様になってやがるぞ!」

 

零誠「あー、そっちねー」

 

ドラ「そっちしかねえよ!なんかお前が悪魔になってからどんどん変わってるんだが」

 

零誠「ま、面白いしよくね?」

 

ドラ「はぁー。なんか相棒には何を言っても意味が無いことが分かった」

 

零誠「分かって貰えたみたいだから帰るな」

 

ドラ「………気をつけろよ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

病室

 

アザ「レーセー。死んでしまうとはなさけない。所持金の半分置いていけ」

 

零誠「ざけんな!」

 

アザ「お、起きたか」

 

零誠「なんか知らんが体が痛い。何があったんだ?」

 

アザ「覚えてないのか?さっきお前はころs「レーセー!目が覚めたのね!」ゲホッ!?」

 

部員の女子がアザゼル教諭をぶっ飛ばして入ってきた。

 

ビクッ!

 

なんか知らねえが体が震えてきやがった。

 

零誠「ところでアザゼル教諭。さっき何を言おうとしたんですか」

 

アザ「だからお前はころs「先生、最近は不況で仕事が無くなる人が多いんですよ」了解した。外行ってくる」

 

零誠「ちょっと待ってください!なんかアザゼル教諭に行かれたら体の震えが激しくなるんだが」

 

アザ「大丈夫だ。それは体が覚えてるだけだから。まぁ、流石にこれ以上何かあることは無いと思うから安心しろ」

 

アザゼル教諭は出て行ってしまう。

 

零誠「一体、何があったんだ!?」

 

朱乃「あらあら、思い出さない方が良い事はいっぱいあるんですよ」

 

リアス「そろそろ帰るわよ。支度はアーシア達がやってくれたから行くわよ」

 

零誠「あれ?帰るのって3日後じゃなかったんすか?」

 

ゼノ「お前は3日程寝てたからな。ボソッ」

 

零誠「ん?ゼノヴィア声が小さかったけど何か言ったか?」

 

イリナ「全く!全くゼノヴィアは口を開いてないわ!」

 

零誠「口は開いてただろ!?」

 

白音「………それは幻覚だから安心してください」

 

零誠「それはそれで安心出来ねえよ!」

 

アー「なら私のトワイライト・ヒーリングで」

 

零誠「ひっ!?」

 

回復の技のはずなのに恐い。

 

アー「うぅ、今のは傷つきました」

 

夕麻「仕方ないですよ。………治されて殺されかけての繰り返しだったんですからボソッ」

 

零誠「やっぱり何か言っただろ!」

 

黒歌「残像にゃ」

 

零誠「それは口は動かしたってことだろ!」

 

リアス「いい加減帰るわよ」

 

部長に急かされこの内容でうやむや帰宅した。

 

本当に何があったんだ?

 

ーーーーーーーーーーーー

 

兵藤家玄関前

 

零誠「そういや今回が初めてだな。何か問題があったのに入居者が増えなかったのって」

 

ガチャ

 

我が家の扉を開く。

 

オーフ「お帰り」

 

バタン!

 

勢いよく閉めた。

 

気のせいだ。何か黒いのが見えた。

 

うん。幻覚だな。白音も言ってたみたいに俺の目がいかれたみたいだ。

 

零誠「もう一度気を取り直して」

 

ガチャ

 

オーフ「お帰り。ご飯?お風呂?我?」

 

零誠「やっぱり幻覚じゃ無かった!なんでここにいんだよ!?」

 

母親「レーセー、お帰りなさい。全くダメじゃない。オーフィスちゃんと約束してないのに合宿のこと伝えないと」

 

オーフ「話に来た」

 

母親「毎日毎日来るから、もううちに泊まってもらってるわ」

 

零誠「てことは今日も?」

 

オーフ「我、泊まってゆく」

 

また1人増えました。

 

 



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世界を滅ぼすのはムシャクシャしてやった。反省はしているが後悔はしていない。
6巻プロローグ


現在、龍神であるオーフィスと2人っきりで向かい合っている。

 

あの後、アザゼル教諭に「オーフィスと友達になるからチョッカイ出したらテロるよ。このことを他の勢力に回しておいて」と電話で言っておいた。もちろん言った後は反論を聞かずに切って着信拒否を設定しておいた。

 

オーフ「それでドライグ、何故変わった?」

 

ドラ「俺が知るか。俺の身体だって変なことになってんだ」

 

オーフ「とても興味深い」

 

零誠「いきなり話が始まったからいきなり話変えるけど、うちにいつから来てたんだ?」

 

オーフ「ついさっき」

 

零誠「無限にしたらついさっきだな。出来れば日にちで答えてくれ」

 

オーフ「8月1日」

 

零誠「三週間も前か」

 

オーフ「赤龍帝、何してた?」

 

零誠「お前んとこの部下倒したり、試合したりだな」

 

オーフ「部下?」

 

零誠「『禍の団』だ」

 

オーフ「部下じゃない。蛇、貸しただけ」

 

零誠「蛇を貸しただけか。なんで貸したんだ?」

 

オーフ「グレートレッドの首、くれるから」

 

零誠「グレートレッドを倒したのかよ!?」

 

オーフ「まだ、でも約束、した」

 

零誠「なるほどな。『禍の団』では何してたんだ?」

 

オーフ「座ってた。寝てた。ご飯食べた。蛇、貸した」

 

零誠「暇そうだな」

 

オーフ「後、ヴァーリと話して」

 

零誠「なるほど。奴はロリコンか」

 

オーフ「ロリコン?」

 

零誠「聞かなかったことにしとけ。でも、なんでグレートレッドを倒したいんだ?」

 

オーフ「故郷に、帰る」

 

零誠「帰って何すんだ?」

 

オーフ「我、静寂を、求める」

 

零誠「つまり何もしないってことか。それって面白いのか?」

 

オーフ「?、別に」

 

零誠「ならなんで静寂なんて求めてんだ?」

 

オーフ「………分からない」

 

零誠「そうか。なら俺が帰って来るまでうちで何してたんだ?」

 

オーフ「料理、お使い、洗濯、掃除」

 

零誠「母さんの手伝いしてたのか。どうだった?」

 

オーフ「楽しめた」

 

零誠「静寂と家事の手伝い、どっちの方が良かった?」

 

オーフ「………手伝い」

 

零誠「なら俺が死ぬまでくらいは俺と遊ぼうぜ。家事よりも面白いことはいっぱいあんだぞ」

 

オーフ「本当?」

 

零誠「ああ、悪魔の寿命は1万年くらいらしい。無限に比べたら少ないかもしれないが、その間くらいは楽しませてやるよ」

 

レーセーは部屋に備えつけられている冷蔵庫からケーキを取り出し、オーフィスの前に置く。

 

零誠「俺が作ったケーキだ。食ってみ」

 

オーフィスは言われた通り食べる。

 

零誠「どうだ?」

 

オーフ「美味しい」

 

零誠「なら良かった」

 

オーフ「もっと食べたい」

 

零誠「1日1キレだ。また明日な」

 

オーフ「楽しみ」

 

零誠「よし、オーフィス。俺と友達にならないか?」

 

オーフ「構わない。赤龍帝と友達」

 

零誠「なら俺のことはレーセーと呼んでくれ。友達はみんなそう呼んでる」

 

オーフ「レーセー。我の友達」

 

オーフィスは無表情だったが嬉しそうだった。



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2学期

教室

 

零誠「久しぶりだな。海どは警察の世話にはならなかったか?」

 

松田「俺が捕まるとでも?」

 

元浜「いい目の保養になった」

 

零誠「で、ナンパの成果は?」

 

この質問に2人のテンションがバブル崩壊した。

 

零誠「全滅か」

 

元浜「いや、一組成功した」

 

零誠「マジかよ!?ならなんでそんなにテンション低いんだ?」

 

松田「………最後に金取られた」

 

零誠「うわっ」

 

元浜「………しかも実は男というカミングアウトされた」

 

零誠「なんかごめん」

 

松田「俺達がこんな目に合ってるのに夏休みデビューした奴がこんなにいるとは!!」

 

まぁ、周りを見るとなんか雰囲気が変わった奴が結構いる。

 

元浜「おい隣のクラスの田中の奴、夏休みにヤッちまったらしいぜ」

 

松田「何っ!?俺達チェリー同盟の掟を破ったというのか?」

 

零誠「ちなみにその同盟のメンバーは?」

 

元浜「2年の男子全員だ!異論を認めんし、強制入会だ!」

 

零誠「お前ら本当にクズだな」

 

松田「ふん。なんと言われようと痛くも痒くもない」

 

元浜「今はレーセーより田中だ!」

 

松田・元浜「「Search and Deathtroy!!」」

 

零誠「いや、殺るなって」

 

俺の制止を聞かず2人は教室を飛び出して行った。

 

桐生「相変わらずね。あの2人は」

 

零誠「おっ、桐生。久しぶりだな」

 

桐生「久しぶり。くんくん」

 

桐生は挨拶を済ませると直ぐに俺の匂いを嗅ぎ出した。

 

零誠「いきなり何奇行に走ってやがる」

 

桐生「どうやら夏休みに卒業はしてないみたいね。安心したわ」

 

零誠「匂いで分かんのかよ!?」

 

桐生「私は浜松よりスペックが上よ」

 

零誠「そんな下らん物を誇るな!」

 

桐生「私からエロを取り除いたらメガネしか残らないわよ」

 

零誠「お前100パーセントのジュースの方が原材料多いぞ」

 

100パーセントのジュースってなんか着色料とか少し入ってることがあっからな。

 

零誠「少し話を変えよう。結構焼けてるけど海でも行ったか?」

 

桐生「ええ。ワイキキに行ってきたのよ」

 

零誠「海外旅行に行ってきたのか」

 

桐生「ヌーディストビーチで焼いたから水着の跡無く綺麗に焼けたわ」

 

零誠「何やってくれてんの!?」

 

桐生「あっ、ごめん。水着の跡はあった方が良かった?」

 

零誠「そんな物にこだわりはねえ!」

 

桐生「なるほど。焼けてたらなんでもいいと」

 

零誠「黙れ!歩く18禁が!そっち系の話から放そうとしてんだから戻すなや!」

アー「なんかレーセーさん楽しそうです」

 

イリナ「妬けますねえ」

 

ゼノ「ちょっとまざってくる」

 

夕麻「私もまざります」

 

キーンコーンカーンコーン

 

零誠「ストップ!バカ共チャイムが鳴ったから席に戻れ!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

授業中

 

まぁ、授業と言っても運動会の種目決めなんだけどな。

 

まぁ、寝てるつもりだしなんでもいいか。寝てよ。

 

 

………………………………

 

元浜「おい、起きろよ。授業終わったぞ」

 

零誠「………ん?種目は決まったのか?」

 

松田「ああ。お前は寝てたから適当に決めといたぞ」

 

零誠「そうか。俺の種目はなんかね?」

 

黒板に書いてあるので見る。

 

零誠「………全部?」

 

松田「球技大会の時にさぼった罰だ」

 

元浜「これでうちのクラスの優勝は貰った」

 

零誠「いや、ばてるだろ」

 

2人「「えっ!?」」

 

零誠「お前ら、俺をなんだと思ってんだ?」

 

松田「悪魔?」

 

元浜「人の皮を被った龍あたり?」

 

どっちも正解です。

 

零誠「もう1つおかしなことがあるんだが」

 

種目全部よりおかしなことになっているところがある。

 

零誠「なんで二人三脚の男子の出場選手が全部俺なんだ!?」

 

二人三脚の下にレーセーが5つ並んでいた。

 

松田「お前のペアを取り合って、レーセーが全員とやればいいんじゃね?の一言で決定」

 

零誠「間違ってる。このクラスの連中の思考はどこか間違ってる」

 

元浜「まぁ、頑張れ」

 

零誠「いくらなんでも許容範囲外だわ!リレー形式のはずだから足を結ぶのにタイムラグが出るだろうが!」

 

2人「「はっ!?」」

 

零誠「今頃気付いたの!?」

 

松田「まぁリードすればなんとかなるだろう」

 

零誠「あのなぁ、二人三脚はパートナーに合わせないといけないんだぞ」

 

2人「「あ」」

 

零誠「貴様らいい加減にせえよ!」

 

松田「レーセーをバテさせることにばかり気を取られていた」

 

零誠「よし。松田。お前は潰す。で、今からでも遅くないから選手の変更を」

 

元浜「今からじゃ遅いぞ。もう生徒会に提出したから」

 

零誠「マジか?」

 

元浜「マジ。まぁ、仕方ないから二人三脚は捨てるか」

 

零誠「捨てる?ざけんな。出るからには勝つ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

部室

 

零誠「というわけでアーシア、夕麻、ゼノヴィア、イリナ、全員特訓すっから準備しろ」

 

部長「何がというわけなのよ?」

 

零誠「20行弱上を見てもらえば言いたいことが分かります」

 

確認中

 

リアス「………え、バカ?」

 

零誠「そのリアクションはリアルに傷つく」

 

リアス「そういうことなら猛特訓しなさい。負けるなんて許さないわよ」

 

零誠「早速今からやるか。パートナーは部活メンバー+桐生だからな」

 

アザ「ちょっと待て。お前は説明しないといけない事があるだろ」

 

零誠「そうでしたっけ?」

 

アザ「てめえがいきなり電話してきてデッカイ爆弾を落としていったんだろうが!」

 

零誠「俺がアザゼル教諭に電話する訳ないでしょ。全く気持ち悪い」

 

アザ「酷い言いようだな!オーフィスのことだ!ど一体うなったんだ?」

 

零誠「多分ケーキ食ってる」

 

アザ「分からん。全く分からん」

 

零誠「それよりサーゼクスさんとミカエルさんに伝えてくれました?」

 

アザ「ああ。ちゃんと伝えておいたよ。3勢力は直接オーフィスが手を出さない限りこっちからも出さない」

 

零誠「さすがアザゼル教諭。仕事が早い!」

 

アザ「そ、そうか?」

 

零誠「はい!アザゼル教諭ほど効率良く仕事が出来る人はいませんよ」

 

アザ「まあな!俺はだらける時間の為にやることは即行で終わらせてたからな」

 

白音「………お姉ちゃん。あれってヒソヒソ」

 

黒歌「レーセーに乗せられてるにゃヒソヒソ」

 

というわけでグラウンドで練習です。

 

零誠「そんじゃ始めの方に速い奴置くから50メートル計るぞ。悪魔、天使、堕天使の力は使用不可な」

 

4人『はーい』

 

4人がストップウォッチを持って準備し始める。

 

匙「お、レーセーじゃないか」

 

零誠「匙か」

 

匙「お前って無茶なことするよな。全種目出場って」

 

零誠「それはクラスのバカ共に言ってくれ。つーか、取り消せよ。問題とか無いのか?」

 

匙「無理だな。問題は全く皆無。1人1種目は絶対出ないといけないが、運動出来る奴は何回出てもいいんだよ。そもそも普通は体力的にこんな事はしねえよ」

 

零誠「だよな。ん?その腕?」

 

匙の右腕に包帯が巻かれている。

 

匙「これか?これは「右腕の封印」だ。って!?セリフを被せるんじゃねえよ!」

 

零誠「厨二乙」

 

匙「んな物に発症してねえよ!」

 

零誠「ならそれはなんだよ」

 

匙「大きな声じゃ言えねえんだけど、先日のレーティングゲームでヴリトラの力を使い過ぎたみたいでな」

 

匙は周りに見えないように包帯を外して見せる。

 

匙「黒い龍の刺青が表れてんだよ」

 

零誠「やっぱり右腕の封印が!じゃねえか」

匙「ぶっちゃけさっきは否定したが、言われて俺もそう思ったよ」

 

零誠「じゃあとっとと封印しちまいな」

 

匙「封印言うな!」

 

イリナ「レーセーくん。計り終わったわよ」

 

零誠「そうか。今から行く」

 

匙「そんじゃ、俺も仕事に戻るわ」

 

4人のタイムを見てみるとゼノヴィアがぶっちぎりの一番。イリナと夕麻がほとんど同じだったが僅差でイリナが二番で夕麻が三番。そして、まぁ、予想通りだが、運動神経がそこまで良くないアーシアが四位。

 

零誠「そんじゃ、ゼノヴィア、アーシア、イリナ、夕麻の順でやんぞ」

 

夕麻「主様、なんでその順番なんですか?」

 

一番最後の夕麻が不満そうに言う。

 

零誠「イリナと夕麻の速さが同じくらいだから2人で練習出来るから先にゼノヴィアとイリナの練習をすんだよ」

 

ゼノ「な、なんだそういうことか」

 

今度はゼノヴィアが少し残念そうななった。

 

零誠「そういうことだからゼノヴィアやるぞ」

 

ゼノ「ああ」

 

ゼノヴィアと足を結びつけて型を組む。

 

零誠「1で結んでる足、2で違う方の足な」

 

零誠・ゼノ「「1、2、1、2」」

 

………キツい。

 

何とは言わないけど走ると揺れます。そしてぶつかります。

 

精神的にスンゲーキツい。

 

ゼノ「顔が赤いけど大丈夫かい?」

 

零誠「気にするな」

 

ゼノ「それならいいんだが、私に出来ることがあったら言ってくれ」

 

零誠「なら1つ頼みたいんだが、出来ればサラシでも巻いて固定してきてくれ」

 

ゼノ「サラシ?もしかして私の乳房に発情してるのか?」

 

零誠「確かに間違ってねえが、言い方がもっと他にあるだろ!」

 

ゼノ「そーか。そーか。ならもっと当ててやろう」

 

零誠「チェンジ!」

 

調子に乗り始めたので終了し、アーシアの練習に移る。

 

零誠「よし。行くぞ」

 

アー「はい!」

 

零誠・アー「「1、2おっと(きゃっ)!?」」

 

バランスを崩しちまった。

 

零誠「悪いな。速度だけじゃなく歩幅も合わせないといけなかったな」

 

アー「そ、それはいいんですが………」

 

アーシアの顔が少し赤い。

 

ムニュ

 

アー「ひゃっ」

 

はい、俺の右手がアーシアの先程ゼノヴィアの困らせられた物を掴んでいた。

 

零誠「すまん!」

 

アー「大丈夫ですよ。いきなりは困りますが、一言言ってもらえれば」

 

一言言ってもダメだろ!

 

つーか、直ぐに手を離さねば

 

慌てて手を離したが、足が繋がっているので絡まってアーシアがレーセーの上に覆い被さる形になってしまった。

 

零誠「よし。少し落ち着こう」

 

アー「無理です」

 

零誠「無理ですか」

 

それでもこの状況はマズいぞ。他の奴等の目がある。

 

仕方ない。

 

零誠「ゼノヴィア。1つ言う事聞いてやるからなんとかしろ」

 

ゼノ「了解した」

 

結構離れていたのにナイトの特性を生かしてやって来て、俺達を担いで凄い速さで走って行く。

 

あれ?俺、判断を焦ってミスった?

 

ゼノ「ここなら平気だな」

 

連れて来られたのは体育倉庫。

 

零誠「さっきなんでもと言ったが、子作りは論外だからな」

 

ゼノ「安心しろ。子作りじゃない。私と乳繰り合ってもらう」

 

零誠「安心出来ねえよ!?」

 

ゼノ「約束は約束だ」

 

そう言うとゼノヴィアは脱ぎ出した。

 

零誠「ちょっ!」

 

アー「ズルいです!わ、私もレーセーさんと」

 

アーシアも脱ぎ出す。

 

零誠「こっちも!?」

 

アーシアと足が縛られてるので逃げられない。

 

ゼノ「自分でやるのとは違う物だな」

 

自分でやってんの!?

 

俺の手は2人の胸に誘導された。

 

零誠「死ね!俺の煩悩と触覚よ死ね!」

 

はい。無理です。

 

閉じられた扉が開き、外の光りが入ってくる。

 

こんな所見つかったらマズい。

 

イリナ「ちょっと何やってんのよ!?不潔よ!」

 

零誠「この状況をなんとかしてください!」

 

イリナ「やりならベッドでにしなさい。汚ないから」

 

零誠「そっちの不潔!?」

 

ここでお開きになったのは幸いだった。

 

 



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性転換

部室

 

アザ「面白い物作ったから実験台(モルモット)になれ」

 

部長「いきなりそんな事を言われて「はい。なります」と言うとでも思った?」

 

アザ「おう」

 

零誠「アホらしい。俺達は練習があるんで」

 

アザ「待てよ!本当に面白いんだって」

 

零誠「そこまで言うなら話くらいは聞きますが」

 

アザ「よし。俺が作ったのはこれだ!」

 

零誠「おもちゃ?」

 

アザゼルが取り出したのは光ったり音が鳴ったりするおもちゃの銃。

 

アザ「これは『性転換機(仮)』こいつの引き金を引くとビームが出て、当たると性別が入れ代わる」

 

なるほど。あの話か。

 

リアス「確かに面白そうね」

 

黒歌「せっかくだからギャスパーが来てないし驚かせようにゃ」

 

なんかみんな乗り気になってきやがった。

 

アー「入れ換えたとして服はどうしますか?」

 

朱乃「うふふ。制服で予備がたくさんありますわ」

 

朱乃さんが棚から制服を取り出す。

 

白音「………ギャーくんを騙すの面白そうです」

 

うっ。原作を思いだしちまった。

 

ガチムチのゴリマッチョ白音って誰得だよ。

 

ここは止めるべきだな。

 

零誠「白音、お前は止めとけ」

 

白音「………先輩、なんでですか?」

 

零誠「えーっと」

 

なんて言えばいいんだ?

 

白音「………理由が無いならやりますよ」

 

零誠「今のお前が一番いいと思うんだ。だから変わらないでくれ」

 

白音「………はい。そこまで言うならやりません」

 

白音は顔を赤くして言う。

 

他の女子『私は?』

 

零誠「ん?別にやればいいんじゃね」

 

イラッ

 

ガシッ

 

零誠「はい?」

 

ゼノヴィアに羽交い締めにされる。

 

そして部長が『性転換機(仮)』を向ける。

 

部長「アザゼル。これはまだ他の人に試してないのよね?」

 

アザ「ああ。カブトムシに使ったくらいだ」

 

部長「じゃあレーセーで試してみるわ」

 

零誠「せめて間に哺乳類を入れてくれ!」

 

部長「だが断る」

 

引き金が引かれてビームがレーセーに当たる。

 

するとレーセーの髪が伸び、胸が膨らむ。

 

零誠「最悪だ」

 

全員『……………』

 

零誠「やっといてリアクション無しかよ」

 

女子『お姉様と呼ばせてください!』

 

零誠「はい!?」

 

木場「好きです!付き合ってください!」

 

零誠「ふざけるな!俺は男に興味が無い!」

 

木場「なら女になります!」

 

木場は性転換機(仮)に手を伸ばす。

 

零誠「みんな木場を押さえろ。そしたらお姉様でもなんでも呼んでいい」

 

女子『はい!』

 

俺は木場と女子が争っている間に女子の制服を掴み部室を出る。

 

零誠「あそこに居たら貞操が危険だ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数分後

 

女子トイレで女子の制服に着替えた。

 

メールでアザゼル教諭にどれくらいで効果が切れるのか聞いたら、3時間ということなので時間を潰すことにした。

 

零誠「本でも読んでるかな」

 

というわけで図書館に向かう。

 

松田「そこのお嬢さん。暇だったら俺とお茶しない?」

 

変態がナンパしてきた。

 

零誠「図書室で時間を潰すから忙しい」

 

松田「それって暇ってことじゃん!?」

 

零誠「それでは」

 

スタスタスタ

 

レーセーは松田の横を通り過ぎる。

 

松田「ちょっと待ってよ!」

 

零誠「随分と暇みたいですね。そんなに暇なら自主しなさい」

 

松田「俺がなんの罪を犯したというんだ!?」

 

零誠「黙りなさい。この顔面男性器。とっとと猥褻物陳列罪で死刑になりなさい」

 

松田「グホッ!」

 

松田の精神にクリティカルヒット!

 

松田はその場に倒れ付した。

 

元浜「ちょっとそこの彼女」

 

零誠「バルス」

 

パリン!

 

目潰しで眼鏡をカチ割った。

 

元浜「目が!目がぁぁぁーーーーーーーーーー!!」

 

変態退場

 

さて、図書室に向かうか。

 

女子「あのう」

 

零誠「はい?」

 

見知らぬ女子に話し掛けられた。

 

女子「凄いですね!あの変態2人にはいつも困らされてるんですよ」

 

零誠「はぁ」

 

女子「お名前を聞いてもよろしいですか?」

 

零誠「レー」本名を名乗るのはマズいよな。

 

女子「れ?」

 

零誠「零です。哀川零と言います」

 

これも本名だけどこっちじゃ使ってないから丁度いいだろう。

 

女子「零さんですか。レーセーさんと名前も雰囲気も似てますね」

 

零誠「そ、そうですか?」

 

女子「はい。あ、急に呼び止めてすいません」

 

零誠「いえいえ、可愛いお嬢さんと話せたので楽しかったですよ。それでは」

 

女子「はい!ありがとうございました!」

 

なんか知らんがお礼を言われたぞ?

 

図書室

 

さて、何を読むかな。

 

お、あれは桐生だな。

 

桐生は本棚の前で爪先立ちをして手を伸ばしている。

 

零誠「これですか?」

 

一番上の棚から本を取り出してやる。

 

桐生「は、はい。ありがとうございます」

 

零誠「構いませんよ。困った時はお互い様ですから」

 

桐生「えっと三年生ですか?」

 

零誠「はい。哀川零と言います」

 

桐生「おかしいですね。あなたみたいな美人が居たら知ってるはずなんですが」

 

零誠「ばれてしまいましたか。しかし、美人とは嬉しいですね。実は従弟のレーセーの通っている学園を見て回る為に忍び込ませていただきました」

 

桐生「レーセーくん?」

 

零誠「レーセーをご存知なのですか?」

 

桐生「クラスメイトで友達です」

 

零誠「レーセーのお友達でしたか。どうかレーセーの顔に免じてここは穏便にお願いします」

 

桐生「別に悪さをしない限り先生に言ったりしませんよ」

 

零誠「ありがとうございます。お礼をしたいのですが」

 

桐生「そんなのいいですよ。あ、1つ聞きたいことがあるんですけど」

 

零誠「私が答えられることはいくつでもどうぞ」

 

桐生「それではどうやったら零さんみたいに綺麗になれるんですか?」

 

零誠「逆に聞きますが、どうして綺麗になりたいんですか?」

 

桐生「それは重要なことなんですか?」

 

零誠「はい」

 

桐生「実は好意を寄せている男性がいるんです。その人に良く見せたいんです」

 

零誠「それならその男性の好みを調べることをオススメします。綺麗にも千差万別あります。私から見たらあなたは魅力的な女の子ですからね」

 

桐生「参考になりました。ありがとうございました」

 

零誠「いえいえ」

 

桐生と別れ、読書を開始する。

 

数十分後

 

松田「ここだな」

 

元浜「あの人はどこだ」

 

面倒な奴等が来やがったよ。おちおち本も読んでらんねえ。

 

俺は2人にばれないようにベランダから逃亡した。

 

男子1「おい、どうするよ」

 

男子2「登るしかないだろう」

 

男子1「でも、キツくね?」

 

零誠「どうしたの?」

 

男子1「え、えっと、ボールが木の上に乗ってしまって」

 

男子達は顔を少し赤くしてしどろもどろに答えた。

 

零誠「取ってあげるわ」

 

男子2「で、でも」

 

零誠「いいから」

 

木の幹を蹴り登っていく。

 

そしてボールを掴み飛び降りる。

 

バッ!

 

スカートがまくり上がる。

 

男子1「………スパッツ」

 

はい。スパッツ履いてるから安心です。元々がエロコメだろうとえっちぃのは良くないと思います。

 

零誠「はい」

 

男子「「ありがとうございました」」

 

その後、荷物を運んでいた女子の手伝い、負傷者が出た試合のスケット、不良に絡まれていた生徒を助けるなどをした。

 

零誠「後、20分くらいか」

 

そう考えていると空中の空間にひびが入り、悪魔が現れる。

 

クソ「ここが三大勢力の重要拠点の駒王学園か。『禍の団』のクソブラー様がめちゃくちゃにしてやる」

 

零誠「なんでこんなタイミングで!」他の生徒が気付く前に倒さねえと。

 

でも、ばれねえようにやるなんて俺に出来るか。

 

???「私がお手伝いします」

 

零誠「お、お前は!?」

 

声がした方向にいたのは魔法のステッキ。

 

零誠「『カレイドステッキ(妹)』!ミルたんが使っていたのにどうして?」

 

カレ「一応、条件を満たしていたから使われていましたが、さすがに無いかなと思い戻って来ました」

 

零誠「そ、そうか」

 

カレ「私を使えば結界を張れば被害は出ませんし、周りからも見えません」

 

零誠「でも、あの格好だろ?」

 

カレ「嫌なら無理強いしませんがレーセー様は一般人が傷ついていいと?」

 

零誠「ちくしょー!その言い方は卑怯だ!」

 

そう言いながらもカレイドステッキを掴む。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

クソ「はっはっはー!」

 

零誠「何、笑ってんだ!ゴラァッ!可笑しいか?そんなにこの格好が可笑しいか?」

 

クソ「え?え?」

 

零誠「かっ消す」

 

カレイドステッキから10メートル程の魔力の塊を発射し、クソブラーを消し飛ばした。

 

零誠「ふぅ、終わった」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

その夜

 

心象世界

 

零誠「あれ?ドライグの奴居ねえや」

 

あの真っ赤な巨体が見えない。

 

???「ふざけんのもいい加減にしろよ!」

 

零誠「がっ!?」

 

レーセーに綺麗なアッパーが決まり、ふっ飛ぶ。

 

零誠「誰?」

 

???「見て分からねえのか?」

 

アッパーを決めたのは赤髪で前髪の一部が白くなっており、片目が黒に金のオッドアイ、格好はブーツ、黒のミニスカ、白のキャミソール、そして『赤龍帝の外套』の状態になっている。

 

零誠「いや、全く」

 

ドラ「ドライグだ!お前が変えた所が特徴になってんだろうが!」

 

零誠「原型が赤いってことが無くて」

 

ドラ「誰のせいだ!お前呼んで1ヶ月経ってねえぞ!俺って何?もうドラゴンのドの字も無いよ!」

 

零誠「これから気をつける」

 

ドラ「意味ねえよ!もう何を変えるの?色か?確かに赤龍帝の赤って所しか原型無いもんな」

 

零誠「落ち着けって」

 

ドラ「グスッ。白いのとか他の奴に見られたら笑われる」

 

ドライグは涙目になっている。

 

零誠「アザゼルに聞けば直してもらえるかもしれないだろ?」

 

ドラ「止めろ。絶対にどこかで漏洩する。つーか、あの性格だと絶対に言い触らす」

 

零誠「否定は出来ないな」

 

ドラ「という訳でこの姿はお前の墓場まで持っていく。というわけで死ねゴラァッ!」

 

ドライグは殴りかかって来た。

 

零誠「危ねっ!?」

 

刺さっていた剣を引き抜き応戦する。

 

ドラ「子癪な。今ので息の音を止めるつもりだったのに」

 

零誠「マジで首取りに来やがった」

 

ドラ「この姿ならおっぱいドラゴンのマシじゃあ!」

 

零誠「似合ってる似合ってる(笑)」

 

こんな風に言い合いながら朝まで殺り合った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

PS翌日

 

松田「レーセー!お前の従姉の零さんを紹介してくれ」

 

元浜「あの凛々しい所が凄く良かった」

 

桐生「彼女に相談したいことがあるからメアドだけでもくれない?」

 

女子「零お姉様こそまさに女性の中の女性」

 

男子「あの人に躾けられたい」

 

なんか変な宗教みたいに学園中に広まっていた。

 

 



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白龍皇の性癖

兵藤家

 

アザ「レーセー。お前の次の対戦相手がシークヴァイラに決まったぞ」

 

零誠「シークヴァイラさんですか」

 

リアス「あれ?私のは」

 

アザ「リアスの対戦相手は少し問題があってな」

 

リアス「問題?」

 

アザ「これを見て貰えれば分かる」

 

アザゼル教諭はパソコンを操作し、映像を映し出す。

 

アザ「サイラオーグとゼファードルの一戦だ」

 

その試合はどちらもパワータイプの物だが圧倒的だった。

 

木場「グラシャボスの狂児と呼ばれた彼がこんなにも一方的に」

 

零誠「でもサイラオーグさんは本気出してませんよ」

 

アザ「やはりか。サイラオーグは若手悪魔の中で群を抜いている」

 

零誠「凄いですね」

 

アザ「お前は若手悪魔ってレベルじゃないけどな」

 

全員『うんうん』

 

零誠「それ、共通認識なんですね」

 

ゲームは終盤にさしかかり、劣勢なゼファードルはサイラオーグに一騎討ちを申込み、サイラオーグもそれを受け入れる。

 

そして、サイラオーグの一撃でゲームは終了した。

 

アザ「ゼファードル。奴はもうダメだ。もうゲームに参加も出来ないだろう」

 

リアス「ということは私達の相手はゼファードルだったということね」

 

アザ「ああ。それとお前ら他にも映像あるから見とけよ」

 

零誠・リアス「「はい」」

 

ガチャ

 

オーフ「レーセー、遊ぶ」

 

オーフィスが入ってきた。

 

零誠「ちょっと今から試合の映像を見るから少し待っててくれ」

 

オーフ「なら、我も見る」

 

そう言ってオーフィスは当たり前のようにあぐらをかいていたレーセーの上に座った。

 

女子『あ』

 

オーフ「何?」

 

女子『なんでもない』

 

オーフィスは純粋に首を傾げたのでみんな何も言えない。

 

アザ「もうオーフィスの奴馴染んでるんだな」

 

零誠「オーフィスって結構人間味がありますからね」

 

アザ「いや、お前って他の奴らにそんな風にされたら、一旦注意するじゃねえか。まぁ、最終的にやる事になるんだが」

 

零誠「子供ならこれくらいは普通でしょ」

 

女子(((子供に変身すればあんな風にレーセーと)))

 

オーフ「我、子供じゃない。大人の、れでぃー」

 

オーフィスが少しむくれる。

 

零誠「そうだったな。お前はロリババのカテゴリーだったな」

 

オーフ「ロリババ?」

 

零誠「気にするな」

 

その後お茶しながら試合の映像を見た。

 

アザ「そろそろ俺は帰るぞ」

 

零誠「なら、俺はちょっとコンビニにつまみでも買いに行きますかね」

 

オーフ「我も行く」

 

零誠「分かった。他に行く人は?」

 

女子『私達は遠慮しとくわ(しときます)』

 

零誠「じゃあオーフィス行くか」

 

オーフ「うむ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

コンビニ

 

オーフ「レーセー、お菓子」

零誠「分かった。500円までな」

 

オーフ「分かった」

 

オーフィスは500円玉を渡すとお菓子売場に向かった。

 

零誠「やっぱりつまみはイカ、チーズ、ナッツに限るよな」

 

ちなみに日本酒とビールがイカ、ワインがチーズ、それ以外がナッツだ。異論は認めん!

 

ヴァー「久しぶりだな。赤龍帝」

 

つまみ売場にヴァーリと美侯がいた。

 

零誠「何してんのお前ら?」

 

美侯「ここが見て分からないのかよ?つまみ売場なんだからつまみを買いに来たに決まってるだろ」

 

零誠「マジで!?」

 

ヴァー「嘘だ。お前に会いに来たんだよ」

 

零誠「なんかその言い方されると鳥肌が」

 

俺、木場、ヴァーリの薄い本は腐の方々に人気でした。

 

零誠「で、要件は?」

 

ヴァー「俺達は『禍の団』を抜けるかもしれない」

 

零誠「それはまたなんで?」

 

ヴァー「俺の目的はグレート・レッドを倒すことだ。その為に『禍の団』を利用してきたが、オーフィスがそちらにいる今、その利点が著しく減ったからな」

 

零誠「なるほどね。正式に決まったら連絡しな。こちらから狙わないように口出ししといてやるよ」

 

ヴァー「そん時は頼む。それで、なんだ、オーフィスは元気にしてるか?」

 

そういや、こいつは特に何もすることの無かったオーフィスの話し相手になってくれてたんだったな。

 

零誠「ああ。色んなことに興味を持って楽しんでるよ」

 

ヴァー「チッ!!」

 

あれ?気のせいか?今、盛大な舌打ちが聞こえたぞ。

 

零誠「………今日なんかもレーティングゲームの映像を俺の足の上に座って見たし」

 

ヴァー「お前はなんてことしてんだ!」

 

零誠「こいつモノホンのロリコンだ!?」

 

ヴァー「俺はロリコンじゃねえ!俺は小さくて可愛い物を愛でたいだけだ!」

 

零誠「はいはい。どうせオーフィスが座った椅子に頬擦りして「オーフィスたん。はぁ、はぁ」とか言ってんだろう?」

 

ヴァー「頬擦りなんかしてねえ!匂いを嗅いだくらいだ!」

 

零誠「店員!今すぐ110番!この変態を豚箱に!」

 

オーフ「レーセー、アイスにする」

 

最悪なタイミングでオーフィスが戻って来た。

 

ヴァー「オーフィス、アイスなら好きなだけ買ってあげるからうちに来ないか?」

 

零誠「うちのオーフィスに手を出すな!このアクセロリーターが!」

 

美侯「何それ!?格好いいんだけど!!」

 

オーフィスを横に抱え、つまみとアイスを持って、走りだす。

 

零誠「つりは要らねえよ」

 

5000円札をレジに置いてコンビニを出た。

 

ヴァー「待ちやがれ!」

 

美侯「なんで俺っちこんなリーダーについて来たんだろ?」

 

2人が追ってくる。

 

走ってる途中である人物を見かける。

 

ミル「悪魔さん。どうしたにょ?」

 

零誠「魔王の子孫の龍に追われてるから、相手してやってくれ」

 

ミル「分かったにょ。カレイドステッキを使って掴んだ魔法を見せてあげるにょ」

 

ヴァー「なんだこいつ!?気配を感じなかったぞ!オーガの一種か?」

 

美侯「いや、あの耳からすると猫又の一種かもしれないぞ」

 

ミル「友達の悪魔さんの為に新しい魔法を見せるにょ。北斗百○拳!!」

 

7つの傷を持つ男の技だった。

 

ミルたんにここは任せて帰ろう。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

兵藤家

 

零誠「ただいま」

 

女子『おかえりなしゃーい!』

 

零誠「ちっちゃくなってる!?」

 

はい。残ったみんながヴァーリが見たら発狂するような天国状態になってます。

 

母親「レーセー。あんたいつの間にこんなに増やしたの?」

 

零誠「俺の子供じゃないからね!!」

 

 



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テレビ

リアス「レーセー、あやとりしましょ」

 

アザ「こりゃ術のリバウンドだな。若返る魔法を失敗して精神まで幼くなっちまってるな」

 

零誠「………え?幼女化って前回のオチで終わりじゃなかったの?」

 

アザ「何、言ってんだ?」

 

前回に引き続き女子陣幼女化中

 

その問題解決の為にアザゼル教諭、木場、ギャスパーを家に呼んだ。

 

零誠「それで、どうやったらこれ元に戻るんだ?」

 

木場「時間が経てば自然に戻ると思うよ」

 

零誠「時間ってどれくらいだ?」

 

木場「1、2週間くらいじゃないかな」

 

アザ「そりゃマズいな。明日はレーセーとリアスのテレビの取材がある」

 

零誠「明日って聞いてないぞ」

 

アザ「今、思い出したからな」

 

零誠「明日までになんとか出来る方法無いのか?」

 

アザ「あるぞ」

 

零誠「ならとっととその方法を」

 

アザ「2つあるが解術師に頼むのと薬、どっちがいい?」

 

零誠「解術師で」

 

アザ「腕のいい奴を知らんから却下」

 

零誠「なら選択肢に入れんな!」

 

アザ「ちなみに薬の方も材料が無いから作れん」

 

零誠「それって詰んだじゃん」

 

アザ「無いなら取ってくりゃあいいんだよ」

 

零誠「へ?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

山奥

 

牛の頭を持つミノタウロスと対峙中

 

零誠「展開早くね!?」

 

アザ「この回でテレビ出演もしないといけないんだから巻きで行くぞ」

 

零誠「ならあんたがやればいいだろうが!」

 

アザ「俺がやったら数行で終わっちまうだろうが!現在スランプ中の作者がキツいだろうが!」

 

零誠「んなこと知るか!」

 

アザ「肝だけでいいから、他の部位は食うぞ。ミノタウロスは松阪牛みたいに美味いんだよ」

 

白音「ジュル」

 

零誠「ほう」

 

ミノ「ビクッ!?」

 

零誠「気が変わった。狩りの時間は終わりだ。調理の時間だ」

 

ミノ「モオオオーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

テッテテーテテテ!テッテテーテテテ!テテッテテ テテ テテ テトテトテ!

 

零誠「ウルトラ上手に焼けました!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

森の湖

 

アザ「次はユニコーンの角だ」零誠「でもユニコーンは清楚な処女にしか心を許さないんじゃ無かったか?」

 

現在、女子は処女は処女でも幼女ばっか。

 

アザ「これで良くね?」

 

ギャス「え?え?」

 

アザゼル教諭はギャスパーを摘む。

 

零誠「GO!」

 

アザゼル教諭が湖にギャスパーを投げ飛ばす。

 

ギャス「なんか温泉でも似たようなことがーーー!!」

 

ドボン!!

 

ギャス「アップアップ!?」

 

湖に落ちたギャスパーが溺れている。

 

零誠「そういや吸血鬼って水が苦手だったな」

 

そんな事を思いながら見ていると、溺れているギャスパーにユニコーンが近寄り、咥えてギャスパーを助ける。

 

それでいいのかユニコーン!?

 

確かに俺達がやったが、そいつ男の娘だぞ!

 

ギャス「あ、ありがとうございます」

 

ギャスパーは水で濡れてしまったので拭く為にメガネを外し、

 

ピキーン!

 

『停止結界の邪眼』発動

 

ユニコーンは固まったまま動かない。

 

ユニコーン可哀想過ぎる。

 

まぁ、角は剥ぎ取らせて貰いますけど。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

また山奥

 

零誠「デカいな」

 

全長15メートル越えの赤いドラゴン。

 

アザ「最後の素材は朱炎龍の背中から取れる鱗だ」

 

零誠「そんじゃ、アスカロンで」

 

アザ「いや、ここは俺がやろう」

 

零誠「そりゃまたどうして?」

 

アザ「可愛い生徒にドラゴンの相手を優しい教師の俺がさせるわけないだろ」

 

零誠「ダウト。夏休みに5大龍王を修行相手にしたバカのセリフじゃない。で、その心は?」

 

アザ「面白い物作ったから試してみたい」

 

零誠「素直でよろしい」

 

アザゼルは地面に大きな魔方陣を発動させる。

 

そこから現れるのは巨大ロボ。

 

零誠「てっ巨大ロボ!?」

 

アザ「サーゼクスと一緒に作ったマオーガーだ。燃料は世界中の人間の憎悪だからエコロジーだ」

 

零誠「なんか悪の組織が作りそうなロボットだな」

 

アザ「作ったのが堕天使と悪魔だからな」

 

零誠「そうでしたね。でも、こんなのどこから転送したんだ?」

 

アザ「そんなの駒王学園の地下に決まってんだろ」

 

零誠「決まってんだ!?」

 

ドラ「グオオオーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

アザ「よし。やれ!マオーガー!」

 

マオーガーのロケットパンチ。ドラゴンをぶん殴って拳は星になった。

 

零誠「あの拳って戻ってくるのか?」

 

アザ「そんな機能つけてないぞ」

 

零誠「エコロジーとか言ったくせに粗大ゴミ出してんじゃねえよ!」

 

ドラ「ぐぅ。ガアアアッ!!」

 

ドラゴンは弱っていたが、俺とアザゼルに牙を剥く。

 

アザ「何、ガン飛ばしてんだよ!」

 

アザゼルはビームを放った。

 

ドラゴンを倒した。

 

たった2行で終わっちまったよ。

 

零誠「ちなみにマオーガーとアザゼル教諭どっちが強い?」

 

アザ「俺に決まってんだろ」

 

マオーガーの存在意義は!?

 

ーーーーーーーーーーーー

 

兵藤家

 

帰って来ましたよ。

 

アザ「調合を始めるぞ」

 

零誠「失敗すんなよ」

 

アザ「安心しろ。錬金書を①〜⑤まで装備してるから成功率100%だ」

 

零誠「そんなら任した」

 

ボン!

 

女子陣全員元に戻りました。

 

成功したのにテンションが低い。

 

女子(((レーセーに余り構ってもらえなかった)))

 

零誠「やっぱり、みんな今の姿が一番だな」

 

そしたら凄い勢いで笑顔になった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日

 

冥界

 

零誠「どうやら部長とは別々に取材するみたいですね」

 

リアス「ええ。今、私達はライバル同士なんだから」

 

新人悪魔の取材ということでチーム別に取材するという話だ。

 

サイラ「お、リアスにレーセーか。これから取材か?」

 

同じスタジオでやるらしくサイラオーグさんと廊下で会った。

 

リアス「そういうサイラオーグは終わったのかしら?」

 

サイラ「いや、俺もこれからだ」

 

零誠「サイラオーグさん、試合の映像見ましたよ」

 

サイラ「そうか。俺も見たぞ。また、新しい事をしたみたいだな」

 

零誠「はい。確かサイラオーグさんの次の相手はソーナ会長でしたよね!」

 

サイラ「ああ。ヴリトラは手強そうだが、勝つのは俺だ」

 

零誠「いやぁ、多分無理でしょう」

 

リアス・サイラ「「!?」」

 

零誠「なんたって相性が悪過ぎる」

 

サイラ「随分はっきり言うんだな。だが俺にはまだ「隠し玉のポーンのこと?あれじゃパラメーターの底上げにしかならないでしょう?」………そこまで知っているのか」

 

零誠「なんのことでしょう?」

 

サイラ「ふっ。なら聞こう。どうしたら俺は勝てる」

 

零誠「いいですね。そういう恥も外聞も無く勝利に貪欲な所気に入ってますよ。アレを片手だけですが許可します」

 

サイラ「しかし、あれは!?」

 

零誠「もちろん直接使ってはいけません。身から離れた物にのみです」

 

サイラ「分かった。だが、何故許可をする気になったんだ?」

 

零誠「前回のグラシャボス戦を見ました。サイラオーグさんは手加減出来るだけの力があります。その力信じていいですか?」

 

サイラオーグさんは虚をつかれた顔になった。そして笑い、

 

サイラ「ああ、信じろ。お前の条件は絶対に破らない。バアル家の誇りにかけて」

 

零誠「その言葉を聞いて安心しました」

 

リアス「アレがなにか知らないけどそろそろ収録始まるわよ」

 

零誠・サイラ「「ヤバッ」」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

収録所

 

司会「今日は冥界で今一番ホットな方に来ていただきました!レーセー・ヒョードーさんとそのお供です!」

 

零誠「どうも。兵藤零誠です」

 

20代くらいの女性悪魔の司会者が進行する物らしい。

 

司会「それではどんどん質問して行きますが大丈夫ですか?」

 

零誠「はい。俺で答えられることなら聞いてください」

 

え?さっきから口調がいつもと違うって?営業用に決まってるだろ。

 

司会「では最初の質問です。彼女は居ますか?」

 

零誠「居ませんよ」

 

司会「2つ目の質問です。私と恋人になってください」

 

零誠「ずっといいお友達でいましょう」

 

司会「私、開始1分もせずに振られてしまいました」

 

零誠「ていうか、俺何を聞かれてるんですか?」

 

司会「このインタビューが終わるまでに彼をゲットしたいと思いまーす!」

 

黒歌「無理に決まってるにゃ」

 

司会「なんでですか?」

 

黒歌「この短いインタビューの間に何するつもりにゃ?」

 

司会「脱ぎます」

 

零誠「モザイクの準備をお願いしまーす」

 

黒歌「ほらね」

 

司会「ケー番とメアド交換するだけで我慢します」

 

零誠「それくらいなら構いませんから仕事に戻って貰えませんか?」

 

司会「はーい!了解しましたー。それでは現在行っている新人試合についての意気込みをお願いします!」

 

零誠「名家の上級悪魔の皆さんにどこまでやれるか分かりませんが、負ける気はありません」

 

黒歌「にゃっ」

 

ギャス「うわっ」

 

零誠「何か?」

 

黒歌・ギャス「「いえ、何も」」

 

零誠「ならインタビューを続けましょう」

 

黒歌・ギャス((スゴい猫被ってる))

 

司会「転生悪魔で魔王になるかもしれないと噂されてますが、その所どうなのでしょう?」

 

零誠「俺にはその気はありませんよ」

 

司会「転生悪魔や下級悪魔の皆さんが強く望んでるみたいですよ」

 

零誠「中級悪魔、上級悪魔も望んだらやらせて貰いますかね」

 

司会「では、すぐにでも上級悪魔に?」

 

零誠「なれるように手柄を上げられるように頑張らせて貰います。最近テロが多いようなので機会が沢山あると思いますし」

 

司会「テロで思い出しましたが、どうやってテロリストを見破ったんですか?」

 

零誠「企業秘密です」

 

司会「口が固そうですねー。では趣向を変えて、赤龍ジゴロで有名なレーセーさんがアニメ化するみたいですけどその事に一言」

 

零誠「ジゴロ?アニメ化?」

 

司会「はい。『赤龍ジゴロ・レーセー』が10月から放送するとCMでもガンガンやってますよ。魔王様と堕天使総督が宣伝してましたし」

 

零誠「あの二人ですか」

 

ドラ『………赤龍ジゴロ』

 

ドライグにはショックだろうな。

 

赤龍ジゴロVSロリ龍皇

 

ネタ以外の何物でもない。

 

これ終わったらあの2人に話に行かねえと。

 

 



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テロリスト

部室

 

零誠「そろそろ時間だな」

 

レーティングゲームの時間になったので魔方陣で跳ぶ準備をする。

 

リアス「私達は今日試合が無いから応援に行くわ」

 

アー「レーセーさん!頑張ってくださいね!」

 

零誠「ああ」

 

部長達+オーフィスは転送先が特別観客室なので魔方陣が別である。

 

カッ!

 

魔方陣が光り、跳ぶ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

試合会場?

 

周りを見回すと大きな神殿が見える。その中でゲームをやるのだろうか?

 

だが、その神殿より気になるのが俺達が使ったのとは別の魔方陣。

 

しかも、その紋様は、

 

零誠「グレモリー家の魔方陣?」

 

カッ!

 

その魔方陣から現れたのは部長達だった。

 

全員『え?』

 

零誠「これはどういうことだ?」

 

朱乃「魔方陣に問題でも起きたのでしょうか?」

 

ゼノ「ならばいいんだが、それならば何故アーシアがいないんだ?」

 

零誠「アーシアがいない?」

 

ゼノヴィアの言葉の通りアーシアの姿が見えない。

 

零誠「一体どこに?」

 

次の瞬間に沢山の魔方陣が辺り一面に現れる。

 

黒歌「マズいにゃ。これ全部旧魔王派の物にゃ」

 

零誠「『禍の団』のテロってことか」

 

ディオ『その通りだよ。薄汚いドラゴンくん』

 

神殿の壁についていた大鏡にディオドラが映し出される。

 

零誠「お前の仕業か?とか答えが分かり切った質問はしねえよ。アーシアはどこだ?」

 

ディオ『アーシアならここにいるよ』

 

アー『レーセーさん!』

 

鏡に手枷がつけられたアーシアが映るが、すぐにディオドラの姿が遮る。。

 

ディオ『はい、お楽しみはここまで。さて、ゲームをしよう。レーセーくんが倒されるまでアーシアに手を出さないであげるよ。僕達は神殿の最深部で待っているよ。まぁ、君達は神殿にすら入れないだろうね。その魔方陣から来るのは蛇持ちの先鋭だからね』

 

パリン!

 

零誠「うざい」

 

レーセーは鏡に向かって槍をぶっ刺し、割った。

 

ディオドラが言った通り、魔方陣から『禍の団』が現れる。

 

???「ほっほっほっ、良い尻じゃのう」

 

イリナ「きゃっ!?」

 

老人がイリナの尻を間近で凝視していた。

 

零誠「何やってんだ!エロジジイ!」

 

バコン!

 

レーセーは拳骨で成敗。

 

木場「さすが『禍の団』外道の次は変態とは、幅が広い」

 

零誠「木場、この変態は変態でも北欧の主神だ」

 

オーデ「痛いのう。全く老人をいたわれ」

 

ロス「自業自得です」

 

零誠「ロスヴィアセさんも来てたんですか」

 

ロス「お久しぶりです。レーセーさん。来ているのは私達だけではありません」

 

アザ「よう。ガキ共助けに来たぞ」

 

零誠「アザゼル教諭がまるで頼れる大人のようなことしてる」

 

アザ「それはいつもは頼れないってことかっ!?」

 

零誠「それで、どうやってここに?」

 

アザ「スルー!?」

 

ロス「実は試合の時間になったのにレーセーさん達が現れないのでアザゼル様が部室の魔方陣を調べたところ、細工された形跡があり、その形跡からこの空間を割り出しました」

 

零誠「よくそんな事をこの短時間で出来ましたね」

 

オーデ「儂が力を貸したからのう。儂はミーミルの泉で片目を代償に世界各地の魔術の知識を得たからのう」

 

オーディンの片目は文字が流れている。

 

零誠「………スゲエ」

 

言葉が全然出て来ないくらい見入ってしまう。

 

すぐにオーディンは隠す。

 

オーデ「ここまでじゃ、お主のような知識に貪欲な者は心奪われてしまうかもしれんからのう」

 

確かに今のはまずかった。

 

零誠「てことはこの空間は随分手が込んでいるみたいですね。その目を使っても三人しか入って来れないなんて」

 

ロス「はい。なので他の方々は少し後に来ます。ここは私達大人に任せて下がっていてください」

 

零誠「悪いですけどアーシアが攫われたんで助けに行かないといけません」

 

アザ「アーシアが?仕方ない。お前達行って来い」

 

リアス「いいの?」

 

アザ「止めても行くだろ」

 

零誠「その通り。でも三人じゃキツくないですか?」

 

オーデ「儂達を誰だと思っているのじゃ?」

 

アザ「堕天使総督と北欧の主神だぞ」

 

それを言った途端に魔方陣の数が十倍に増え、悪魔が現れる。

 

零誠「ありゃ、全員蛇持ちだな」

 

アザ・オーデ「「少しキツいかも(しれんのう)」」

 

ロス「はぁ、格好つきませんね。どうにかなりませんか?」

 

零誠「オーフィス。蛇を回収してくれ」

 

オーフ「んー」

 

オーフィスは『禍の団』と協力体制なので渋っている。

 

零誠「やってくれれば明日はホールでケーキを食っていい」

 

オーフ「分かった」

 

胃袋を掴んだ者が勝つ。

 

オーフィスはすぐに蛇を抜く。

 

禍の団「何っ!?蛇が!」

 

禍の団「オーフィス、何故だ!?」

 

オーフ「ケーキ、ホール」

 

禍の団『はぁ?』

 

その返しは正しいと思う。

 

オーデ「蛇が無いなら敵ではないわい。グングニル!」

 

ズドーン!!

 

巨大な魔術が敵をぶっ飛ばす。

 

アザ「ジジイのやつ随分とヤル気だな。俺も研究の成果を見せてやる」

 

アザゼルは黄金の鎧を身に纏う。

 

アザ「これは『黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)』のファーニブルと契約して作成した人工セイクリッド・ギアだ」

 

アザゼル教諭も無双して行く。

 

零誠「2人共名前だけじゃなかったんだな」

 

俺達は三人にこの場を任せ、神殿の中に入った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

神殿

 

暗い通路を進んで行くと少し開けた空間に出た。

 

ディオ『まさかアザゼル、オーディン、オーフィスが出てくるとは思わなかったよ。あれだけの力を持つ者が助力したのだからここに来れて当然か。このままチートプレイされたら困るのでルールを追加させてもらうよ。ここから先はオカルト研究部の力のみで戦って貰うよ。破ったらアーシアに手を出す』

 

零誠「外の連中の相手は?」

 

ディオ『それくらいは構わないよ。そうそう君達はレーティング・ゲームをしに来たんだったよね?ならば、僕の眷属とゲームをしよう』

 

ローブを纏った悪魔が15人現れる。

 

ディオ『勝負形式は勝ち抜き。負けるか、全ての勝負が終わるまで出れない。まぁ、負けは気絶に設定しておくから死んじゃうかもしれないねえ。一度に出れる人数は君のルールに合わせて3人にしよう。さぁ、一体誰を出す?』

 

零誠「俺だ」

 

全員『なっ!?』

 

ディオ『アハハハハ!!大将が真っ先に出て来るなんて正気かい?』

 

零誠「部長。プロモーション許可を」

 

レーセーはディオドラの発言を無視して、部長に頼む。

 

リアス「え、ええ」

 

ディオ『やはりドラゴンは愚かだ。僕からはポーンを2人出す。こちらも既にクイーンへプロモーション済みだ』

 

零誠「プロモーションクイーン。バランスブレイク。ショートカット。『リアルイーター』」

 

悪魔「1人でやれるというならやって見せてくださいよ!」

 

ズシャッ!!

 

悪魔「五秒です。五秒以内にあなたを倒すと予告します」

 

ダダダダダ!!

 

悪魔「へえ。思ったよりは楽しめそうだね。リミッターを2…いや3まで外してみるか」

 

ドスッ!!

 

悪魔「今の戦いでデータは揃いました。私達の勝率は97%。なぜならあなたの戦い方には致命的な弱点があります」

 

ズドーン!!

 

悪魔「お見事…しかし、悲しいかな。私と戦う前に負けておけば良かったと君は後悔することになるでしょう」

 

パリーン!!

 

悪魔「やれやれ、まさか私を引っ張り出すとはね。こういう時の為に『あれ』を用意しておいて良かった」

 

ガブッ!!

 

悪魔「ふっ。人生は儚くとも美しい物だ」

 

ガチャッ!!

 

零誠「そして最後にスキルを数えるスキル。『指折り確認(カウントアップ)』

刀剣系スキル×100

鉄砲系スキル×100

魔法系スキル×100

精神系スキル×100

生物系スキル×100

ボス系スキル×100

へー。一京もあるとはいえ、700も使ったか。全く全ての勝負がどちらが勝ってもおかしくない歴史に残る名勝負だったぜ」

 

無傷の7連勝

 

全員『………………!?』

 

零誠「みんな何を惚けているんだ?先に進むぞ」

 



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ディオドラ

通路

 

フリー「やぁやぁ悪魔くーん!おひさー」

 

零誠「俺は何も見ていない」

 

外道神父なんて視界に入っておりません。

 

フリー「無視かよー!そりゃないぜー!まぁ、なら無視出来ないようにするしかないよなー!」

 

ミシミシ

 

フリードの身体は蝙の羽が生え、牙が生え、腕が肥大するなど異形の形に変身していく。

 

フリー「実はレーセーくん達にやられた後アザゼルのクソ野郎に首にされちまってよう。路頭に迷ってた所を『禍の団』ってわけ。そうしてこの素敵ボディーに改造されちまったんだよ!クソ野郎が!あれ?みんな黙っちゃってこの姿にびびっちまったのか?」

 

リアス「え……いや」

 

フリー「なんで気まずそうに目を逸らすんだよ!?」

 

白音「………レーセー先輩の生物系スキル×100の方が凄かったです」

 

全員『うんうん』

 

フリー「なっ!?」

 

ゼノ「化物に変身を二度見せられてもなあ」

 

朱乃「やるならやるで一度目より凄いの持って来てくれませんと」

 

フリー「おいおい何なんだよ!そのコメントは!あの変態悪魔のディオドラにここまでいじくられたのによう!」

 

零誠「そういう訳でもっとスゴいネタ持って来たら相手してやる」

 

フリー「よ、よし!ならディオドラの眷属について説明してあげよう!」

 

零誠「いや、別に興味無いし」

 

フリー「聞けよ!あのアーシアちゃんにも関わることなんだから!」

 

零誠「分かったよ。聞いてやる」

 

フリー「さっきレーセーくんが倒したディオドラの眷属は全員女だったよな?あいつらは全員元協会関係者!しかも、各地の有名所ばかり集めてきたんだぜ!」

 

零誠「けっ。いい趣味してやがる」

 

フリー「ホントにホントに俺の上司に相応しい悪魔だねー!さて、ここまでが前座。ディオドラはそんな有名な聖女をどう落とすかと言うと、ある所に完全回復の能力を持つ聖女様が居ました。ディオドラがその聖女が欲しくてたまりません。しかし、その聖女は神を熱心に信じ、悪魔になるとは思えません。どうするかと考えている時、ある悪魔がその聖女が悪魔も治せる事を教えてくれました。そしてディオドラは妙案を思いつきました。悪魔の自分を治療させて、魔女として教会から追放させればいいのだと。その作戦は上手く行き、彼女は悪魔になりましたとさ」

 

零誠「あのクズただじゃ終わらせねえ」

 

フリー「まぁ、その聖女は他の悪魔の眷属になっちゃったんだけどね!さて、レーセーくんはこれでやる気になったかい?」

 

零誠「ああ。速攻でお前を殺してお前の上司を虐殺する」

 

フリー「いいね!いいね!サイコーだねー!だがぶっ殺すのはこの俺だ!こんの素敵ボディーは見た目悪いが性能は本物だ!」

 

俺が構えると部長が制した。

 

零誠「部長?」

 

リアス「ここは私にやらせて貰えるかしら?外撲ばかりがいい所を見せているから少しくらい主の力を見せないとね」

 

零誠「ですが」

 

リアス「主の言うことは聞く物よ。あなたはディオドラの相手をするんだからこんな所で力を温存しておきなさい。分かった?」

 

零誠「………分かりました」

 

リアス「という訳で私が相手するけどいいかしら?」

 

フリー「全員ぶっ殺すつもりだったから誰からでもオッケーだよ!」

 

リアス「そう。なら始めましょう」

 

リアス部長の赤い髪が光り、漂う。

 

フリー「先手必勝!」

 

フリードは突っ込んでくる。

 

リアス「残念だけどもう終わりよ。『鑑髪』」

 

フリー「ガッ!?」

 

リアス部長の髪が一層強く光り、フリードは一瞬にして炭化した。

 

リアス「悪いけどもうあなたには登場して欲しくないのよ」

 

部長結構エグいな。

 

リアス「うふっ、レーセー。さっきの何か分かった?」

 

零誠「発火能力ですかね?」

 

リアス「結果は同じだけど過程は違うわ。頑張って私達と試合するまでに正解を見つけてね」

 

零誠「………あれ試合で使う気ですか?」

 

リアス「ニコッ」

 

いい笑顔っすね。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ディオドラの眷属やフリードがいた空間より4、5倍広けた空間に出る。

 

ディオ「やーやー待ってたよ」

 

アー「グスッ、レーセーさ…ん」

 

広間にはディオドラと泣いているアーシアがいた。

 

零誠「話したのか?」

 

ディオ「うん!君達にも見せてあげたかったなー。アーシアの顔が凄く綺麗になる瞬間を!」

 

零誠「黙れよ」

 

ディオ「全くそこにいるレイナーレを倒すのは僕の役目だったのに、そこのクズドラゴンが勝っちゃったしさ。本当に空気読めないよね。せっかくスタンバってたのに」

 

零誠「いいから黙れよ」

 

ディオ「まぁ、遠回りしたけど今日で結果的には同じだからいっか。でも、まだアーシアには君達という希望がある。君達を殺して君の名前を呼ぶアーシアを無理矢理やるのも「黙れつってんだよ!」グハッ!?」

 

ディオドラを殴り飛ばし無理矢理黙らせる。

 

零誠「アーシア。俺はお前に誓う。教会にいた時と同じとは言わないがお前を幸せにする。だから泣くな!」

 

アー「レー…セーさ…ん」

 

アーシアは涙を慌て拭き、

 

アー「………はい!」

 

零誠「よし」

 

ディオ「いきなり何をするんだ!全くこれだから礼儀がなってないドラゴンは!アーシアのいい顔を台無しにしやがって!」

 

蛇の力がもう回復しきっている。

 

零誠「黒歌。結界で俺とあのクズを2人っきりにしてくれ」

 

ディオ「分かったにゃ」

 

黒歌は黒い霧を発生させ、結界で2人を覆う。

 

ディオ「君はやっぱり愚かだね。他のみんなと一緒にやれば僕に勝てたのかもしれないのに」

 

零誠「お前って蛇のおかげでちょっとやそっとじゃ死なないんだろ?」

 

ディオ「そうだよ。まさか僕を殺す気だったの?無理無理!バランスブレイクが残っていたらもしかしたら出来たかもね。でも僕の眷属相手に使い切っちゃったんだろ?本当にあんな所で出てくるなんてバk『Chaos』ガッ!?」

 

レーセーは喋っているディオドラの口に手を突っ込み舌を掴んだ。

 

『Break!!』

 

ディオ『グッ!?ガァァァァァァァァァァァァ!!』

 

ディオドラの舌が細切れになった。

 

零誠「これで舌が再生するまでの間耳障りな言葉が聞かないで済む」

 

ディオ「ううぅ!!」

 

ディオドラは魔法弾で攻撃してくる。

 

『Chaos』

 

零誠「だいたい俺がお前となんで1対1にしたと思ってんだ!」

 

『Break!』

 

ディオ「!?」

 

魔法弾を破壊。

 

零誠「そういや喋れなくしたんだったな」

 

レーセーはディオドラに向かって飛ぶ。

 

ディオドラは魔法障壁を張るが、『Chaos』

 

零誠「今から行うのはR18指定に入るから高校生に見せる訳にはいかなかったんだよ」

 

『Break!』

 

魔法障壁を破壊し、ディオドラの羽根を掴み、むしり取る。

 

ディオ「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?このクソドラゴンがぁ!!」

 

零誠「もう喋れるようになったか。随分早いな」

 

ディオ「許さない許さない許さない許さない!!」

 

零誠「あっそ。そうそう知っているか?中国では昔に右腕、左腕、右足、左足、腰、左腹、首の順に両断していく処刑法があったんだ」

 

ディオ「ま、まさか僕にそれを!?」

 

零誠「なんだ。知らなかったか。なら貴族のお前ならこれくらい知ってるかな?ヨーロッパの昔の貴族は自分の奴隷の骨を一本ずつ折っていき、奴隷が「助けてくれ」から「殺してくれ」に変わるのが何本目なのかを他の貴族と賭けてたんだとよ」

 

ディオ「なっ!?」

 

ディオドラの顔が青ざめる。

 

零誠「この2つの共通点はなかなか死なないってところなんだよ。だからこの2つを組み合わせて、爪先、指先から輪切りにしていく。さて、お前はどれくらい小さくなったら「殺してください」と頼むのかね?」

 

ディオ「ぎぃああああああああああああああ!!?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数十分後

 

ディオ「殺してください殺してください殺してください殺してください殺してください殺してください」

 

ディオドラはもう首しか残っていない。

 

零誠「終わりにするか」

 

ディオ「や、やっと死ねる」

 

零誠「なんか言い残した事は?」

 

ディオ「…結構…時…間が経った…みた…いだけど…そろそ…ろ手…枷が発動する…よ…」

 

零誠「何?」

 

ディオ「…あ…れは反転…の力…によってア…シアの回…復の逆…破壊…がこの空間…を覆うよ…止めるにはアーシアを殺すしかない…絶望しな」

 

零誠「そうかい。なんとかするよ」

 

ディオ「君には無理d『グシャアッ!』」

 

ディオドラの頭を踏み潰し、結界の外に出る。

 

アー「レーセーさん!勝ったんですね!」

 

零誠「ああ」

 

ゼノ「レーセー。アーシアの手枷が『Chaos・Break!』」

 

パリン!

 

手枷が切断される。

 

零誠「この程度か」

 

レーセーの前ではディオドラの小細工等一切無意味だった。



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覇龍

零誠「そんじゃ、終わったことだし我が家に帰ろう」

 

アー「はい!あ、でもちょっと待ってください」

 

そういうとアーシアは天に向かって何かを祈った。

 

ミカエルさんに頼んでグレモリー眷属は祈りを捧げてもダメージを受けないことになっている。

 

零誠「で、何を祈ったんだ?」

 

アー「内緒です」

 

ニコッ

 

アーシアは微笑んだ。

 

その笑顔のまま光の柱に飲み込まれた。

 

そして光の柱が消えると何も無くなっていた。

 

零誠「………アーシア?」

主よ。お願いを聞いてくださいますか?

 

どうか、レーセーさんをずっとお守りください。

 

そして

 

どうか、これからもずっとレーセーさんと一緒に楽しく暮らせますように。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

木場サイド

 

アーシアさんが光の柱によって消えた。

 

一体、何が起きた?

 

???「神滅具で創りし物、神滅具の攻撃で散るか。霧使いめ、手を抜いたな」

 

聞き覚えのない声がした方向を見ると軽鎧とマントを身につけた男が浮いていた。

 

部長「誰?」

 

シャル「お初にお目にかかる。忌々しき偽りの魔王の妹よ。私はシャルバ・ベルゼブブ。偉大なる真の魔王ベルゼブブの血を引く正統な後継者だ。そこの赤龍帝が倒した偽りの血族とは違う」

 

旧ベルゼブブ!?

 

シャル「全く、あの娘のセイクリッド・ギアを教え、蛇、神滅具の応用技までくれてやったのに情けない」

 

リアス「応用技?」

 

シャル「あの娘につけていた手枷は『ブーステッド・ギア』よりも高ランクの『絶霧(ディメンション・ロスト)』の応用技なのだが、まさかこの程度の強度で作られていたとは」

 

つまりこいつが今回の本当の黒幕。

 

シャル「さて、サーゼクスの妹君。いきなりだが死んでいただく。私達の真の血統が貴公らに『旧』などと言われるのが耐えられんからな」

 

恨みの籠もった魔力が滲み出ている。

 

そして、凄い殺気が蔓延している。

 

シャル「今回の作戦は私達の負けだ。まぁ、クルゼレイが死んだが問題無い。私がいれば十分動けるからな。さて、去りぎわついでに死んでくれたまえ」

 

リアス「お兄様に血統も申し込まず私を狙うなんて卑劣だわ!」

 

シャル「悪魔というのはそういう物だろう?」

 

リアス「外道が!私達の大切なアーシアを!絶対に許さないわ!」

 

先程のように部長の髪が光る。

 

僕も許せない。せっかくアーシアさんは過去を全て精算出来たのに……。

 

その罪を死で精算出来るはずがない。だが死んでもらう。

 

ゼノ「私の友達をっ!許さないっ!斬るっ!斬り殺すっ!」

 

ゼノヴィアさんは聖剣を放つが、魔法障壁で簡単に弾かれる。

 

シャル「下劣なる転生悪魔。全く持ってグレモリーの姫君は全く趣味が悪い。そこの赤い汚物は先程の娘と同じように消してやろう」

 

シャルバはレーセーを見る。

 

そこで僕は違和感を覚えた。

 

この場で一番怒りそうなレーセーくんが静かだ。静か過ぎる。

 

零誠「ククッ。くすくすくすくすくすくすくすくす」

 

レーセーくんが光の無い目で笑う。

 

シャル「なんだ。壊れたか」

 

ドラ『リアス・グレモリー。今すぐこの場を離れろ。いや、出来ればこの空間から死にたくなければ退去した方がいい』

 

女の子っぽい声だが今は気にしていられない。

 

そこで僕は勘違いに気付く。この充満した殺気は誰の物なのか。

 

ドラ『そこの悪魔。シャルバと言ったな?シャルバ、お前は選択を間違えた』

 

レーセーの殺気を纏った空気が膨大な魔力に変わっていく。

 

レーセーは呪咀のような呪文を老若男女の入り交じる声で詠唱する。

 

零誠『我、目覚めは』

 

〈始まったよ〉〈始まったね〉

 

零誠『覇の理を奪いし二天龍なり』

 

〈いつだってそうでした〉〈そうじゃな。いつだってそうだった〉

 

零誠『無限を嗤い。夢幻を憂う』

 

〈世界が求めるのは〉〈世界が否定するのは〉

 

零誠『我、赤き龍の覇王と成りて』

 

〈いつだって、力でした〉〈いつだって、愛でした〉

 

(何度でもお前達は滅びの道を選択するのだな)

 

赤龍帝『汝を紅蓮の煉獄に沈めよう』

 

『Juggernaut Drive!!!!!!!!!!!!!!』

 

レーセーの周囲が赤いオーラの柱が破壊する。

 

リアス「これがアザゼルの言っていた『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』」

 

赤いオーラが消え、見えた姿は血のような赤に白い線が幾何学的な模様が入ったシスター服に変わっていた。

 

変化を求めた女装趣味は死んだ姉の制服を着ていた。

 

シャル「なんだその格好は?全く趣味が悪い。目障りだ。私の最高の一撃で死ね!」

 

シャルバは魔法弾をレーセーに打ち込む。

 

零誠「………」

 

レーセーは微動だにせずそれをまともに受け、半身がふっ飛ぶ。

 

全員『!?』

 

シャル「ふ、ふはははははは!!大口を叩いてこの程度か?伝説の二天龍が聞いて呆れ…る…わ?」

 

レーセーの消滅した部分が再生しきっていた。

 

零誠『くすっ』

 

シャル「な、ならば毛一本も残さん!」

 

先程の一撃をレーセーの全身に当てた。

 

しかし、レーセーは全くの無傷で立っている。

 

死を学習する悪魔憑きは死んでも生き返る。そして、同じ死因では死なない。

 

零誠「くすくすっ」

 

レーセーはシャルバが先程放った魔法弾と全く同じ物を放つ。

 

シャル「何っ!?」

 

シャルバは驚きながらも避けるが片腕を持ってかれた。

 

生きる為に弱くなろうとした刀は二度見た技を自分の物にする。

 

シャル「私の技を簡単に………」

 

零誠「くすくすくすっ」

 

無数の剣が天を覆う。

 

正義の味方を目指した弓兵は心の中に存在する無限の剣を具現化する。

 

零誠「くすくすくすくすっ」

 

無数の剣は放たれ、地面、空、空間に刺さり、世界が割れ、空間の狭間にシャルバは放り出される。

 

半身を無くした殺人姫は世界が死に満ちあふれ、とても不安定だという事を知っている。

 

シャル(………桁違いだ。ジャガーノート・ドライブは命を削る物。時間を稼ぐしか)

 

零誠「くすくすくすくすくすっ」

 

割れた世界があった場所に城が新設される。

 

シャル「………ここはnッグハ!?」

 

レーセーはシャルバと間合いを一瞬に詰められ、城の奥の方へ殴り飛ばす。

 

そしてそれを何度も繰り返す。

 

回数が増すごとに力が増していく。

 

眷属を殺す為に目覚める真祖は眠る城では一切の制限が無くなる。

 

シャル(確かにキツいがこのままなら蛇があれば死なずに済む)

 

零誠「くすくすくすくすくすくすっ」

 

レーセーは刀を取出し、シャルバを斬り付ける。

 

シャル「グゥオオオーーーーーーーーーーーー!?」

 

シャルバの傷が回復しないどころか広がっていく。

 

シャル(斬られたところだけでなく全身に激痛が!蛇が死んだ!?)

 

自殺志願の美しい鬼の最初の眷属の持つ『心渡り』は怪異ならば神でさえ殺す。

 

シャル「クソッ!こうなったら」

 

シャルバは封印の術式によって、レーセーを拘束する。

 

シャル「い、今の内に脱出を」

 

転移術式で逃亡をはかる。

 

零誠「くすくすくすくすくすくすくすっ」

 

パリン!

 

拘束術式と転移術式が簡単に破壊される。

 

ガシッ

 

シャルバは拘束される。

 

失敗することを望んだ人外は封印に慣れ、この程度の封印なら一京のスキルを使えば物足りないし、封印することも容易い。

 

シャル「た、頼む…許してくれ…」

 

零誠「くすくすくすくすくすくすくすくすっ」

 

レーセーは音も無く、みじん切りにした。

 

人類最強の請負人は身内に手を出した者には容赦をしない。

 

 



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VSレーセー

木場サイド

 

圧倒的だった。

 

レーセーくんの覇龍はシャルバをいともたやすく殺害した。

 

次元が違う。あれはもう世界を滅ぼすこと出来るレベル。

 

リアス「………これからどうなるの?」

 

部長がここにいるみんなが思っていることを代表して呟いた。

 

城内と思われる奥の玉座に鎮座しているレーセーくん。

 

アーシアさんと似た格好をしている彼は何を望むのだろう?

 

夕麻「多分。今は少し休んでいるだけです。主様はアーシアさんを理不尽な目に合わせた世界を滅ぼします」

 

みんなの疑問に夕麻さんが答えた。

 

リアス「夕麻!?レーセーの考えてることが分かるの?」

 

夕麻「はい。怒りによって思考が単純化されている今なら、エーテライトによって思考が直接繋がっているので読み取れます」

 

ヴァー「世界征服とは穏やかじゃないな」

 

全員『ヴァーリー!?』

 

会話に割り込んで来たのは白龍皇だった。

 

ヴァー「安心しろ。今からおっ始めるつもりはない。手土産もある」

 

リアス「手土産?」

 

ヴァー「ああ。美侯!」

 

ヴァーリーが呼ぶと美侯が現れ、そして美侯が背負っていたのは、

 

アー「皆さん!」

 

全員『アーシア(さん)!』

 

アーシアさんが生きていた。

 

ヴァー「空間の狭間を探索が趣味でな。偶々、放り出されたのを見つけたから拾ってきたんだ」

 

リアス「本当にありがとう。後で改めてお礼をするわ」

 

ヴァー「偶々だから気にするな」

 

降ろされたアーシアさんにゼノヴィアとイリナが抱きついた。

 

ゼノ「良かった。本当に良かった」

 

イリナ「もう勝手にいなくなったら許さないんだから!」

 

アー「ふふっ。2人とも苦しいですよ。ところでレーセーさんはどこですか?」

 

アーシアさんの質問に喜びから現実の問題に引き戻らされる。

 

ヴァー「あれが亜種化した覇龍か。一発で完全体になるとは」

 

木場「レーセーくんはこれからどうなるんだい?アーシアさんの無事な姿を見せれば戻るんじゃ」

 

ヴァー「無理だな。不完全体なら歌も用意すればなんとかなったかもしれないが、暴れまくった後に死ぬだろうな」

 

全身『!?』

 

部員のみんなが驚く。

 

夕麻「それはあり得ません」

 

使い魔の夕麻さんを除いては

 

ヴァー「何?死が覇龍に手を出した者の末路だぞ」

 

夕麻「少し語弊がありました。もう一度死んでます。しかし、その死因を学び克服しました」

 

ヴァー「そんなことがあるのか!?」

 

夕麻「はい。私達は一度他の死因を学ぶところを見てます」

 

シャルバの最初の攻撃の時か。

 

ヴァー「ならばこの世界を捨てて脱出するしか」

 

オーフ「それ、無意味。レーセー、世界、殺せる」

 

ヴァー「………死に直結する能力もあるのか」

 

夕麻「はい。なのでこの世界を殺し、他の世界にも行くことが出来るので時間の問題でしょう」

 

リアス「私がやるわ。私の滅びの魔力なら殺せるわ」

 

朱乃「リアス!」

 

リアス「下撲の後始末は主の役目よ」

 

部長が他のみんなにこの辛い役目をやらせない為の言葉でした。

 

夕麻「多分それも無理です。主様は一京のスキルでバックアップをとっています。主様を倒しても第二、第三の主様が現れます」

 

………それは、どこの魔王だい?

 

ヴァー「万策尽きたな。最後は戦って散るか」

 

みんなの顔が暗くなる。

 

せっかくアーシアさんが帰ってきたのに。

 

夕麻「1つだけ方法がありますよ」

 

全員『先にそれを言え!』

 

ーーーーーーーーーーーー

 

リアス「それじゃあ、行くわよ!誰1人と欠けちゃダメ!みんなで一緒に帰るんだから!」

 

夕麻さんの言った攻略法を成功する為に作戦を立て、今、その作戦を開始する。

 

ヴァー「はぁっ!」

 

『Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!』

 

美侯「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

ヴァーリーと美侯がレーセーが創りだした世界を破壊していく。

 

作戦会議中

 

リアス『ヴァーリーと美侯には無制限でいられる世界を破壊してもらうわ』

 

ヴァー『俺は覇龍の力を感じてみたいんだが』

 

美侯『俺っちもー』

 

リアス『あら?出来ないならいいわ。レーセーなら簡単にやって見せたのに。対の白龍皇は大したこと無いのね』

 

ヴァー・美侯『『誰が出来ないって?』』

 

リアス(2人が単純で良かったわ)

 

レーセーは城を破壊する2人に対し、無数の剣を発射する。

 

リアス「させないわ!」

 

朱乃「全て撃ち落とします」

 

剣に対しては二大お姉様が対処する。

 

遠距離からの攻撃を邪魔されたレーセーは『心渡り』を握る。

 

木場「行かせないよ」

 

ゼノ「目を覚ましてもらおうか」

 

ギャス「レーセー先輩」

 

オーフ「レーセー、グレードレッド、殺せる。でも、今のレーセー、楽しくない」

 

近接戦を任されたのはスピードのナイトの木場とゼノヴィア。『美麗刹那・序曲』を発動したギャスパー。無限の龍神オーフィス。

 

そして、彼等が戦えるようにするのがレーセーと思考が繋がれた夕麻。

 

作戦会議中

 

リアス『夕麻。あなた、逆に操ること出来ないの?』

 

夕麻『そんなのいくらなんでも無理ですよ!』

 

リアス『ならレーセーの能力を少し抑えることは?』

 

夕麻『出来なくもないですが、私の実力じゃ数秒ですよ』

 

リアス『なら白音と黒歌が補助したらどうかしら?』

 

夕麻『………それなら最強の1つを抑えることが出来るかもしれません』

 

こうして3人はレーセーの失敗することを望んだ人外の約一京のスキルを抑えている。

 

夕麻「ゲフッ」

 

夕麻が血を吐いた。

 

アー「夕麻さん!」

 

アーシアが慌てて夕麻を治す。

 

この方法はプラグの役目をしている夕麻に大きな負担をかけていた。

 

つまり、

 

木場「短期決戦だ」

 

レーセーくんに向かって4人同時に飛ぶ。

 

レーセーくんは真っ先にゼノヴィアさんの方向へ進み、『心渡り』を振る。

 

ゼノヴィアさんは狙われていると分かったらすぐに後ろへ引き、攻撃を躱す。

 

レーセーくんの最強の中で特に恐れないといけない物が2つ。

 

1つは無機物だろうがなんだろうがその物の死の綻びを見ることの出来る『直死の魔眼』

 

二つ目が怪異に対してならば絶対の力を持つ妖刀『心渡り』

 

つまり、レーセーくんの武器を使った攻撃は受けることは愚か、触れてもいけない。

 

レーセーが狙いを変え、ギャスパーくんに振る。

 

キンッ!

 

ギャスパーくんは妖刀をギロチンで弾き、距離を取る。

 

ただし、ギャスパーくんの『美麗刹那・序曲』を除く。

 

もし、レーセーくんの『心渡り』が本物だったら不可能だったが、振るっているのは自殺志願の美しき鬼が作り出した物。

 

眷属が使っていた本物ならシャルバは刀身に触れた瞬間に消えていた。

 

ギャスパーくんがレーセーくんの攻撃を弾いた瞬間にオーフィスさんが巨大な大蛇と成り、レーセーくんを襲う。

 

レーセーくんはオーフィスさんを一刀両断する。

 

オーフ「それ、我の、分身」

 

大蛇はオーフィスさんが所持している蛇を4分の1使って作った偽物。

 

その大蛇の後ろからゼノヴィアさんが飛び出す。

 

ゼノ「いくら恐ろしい目を持とうと遮られたら意味が無いだろう?」

 

オーフィスさんの力で作った傑作とも言える大蛇をブラインドとして簡単に捨てる。

 

ゼノ「『破戒すべき全ての符(ルール・ブレイカー)』!!」

 

『破戒すべき全ての符』

儀式用の短剣で戦う為の物ではない。だが、刺した者の契約の破棄を行う。

 

ルールブレイカーはレーセーくんが正気を失う直前に夕麻さんとの使い魔の契約を破棄させる為に送った物。

 

だが僕達はレーセーくんに向かって使うことを選んだ。

 

覇龍になる要因のドライグ。

 

ならばレーセーくんとドライグの契約を破棄する。

 

レーセーはまだ刀を振り落としている最中なのでゼノヴィアの攻撃に『心渡り』が間に合わない。

 

しかし、片手のみなら間に合った。

 

レーセーの右手はゼノヴィアの胸を触った。

 

そしてゼノヴィアの服が弾け飛ぶ。

 

レーセーはこのタイミングで最後の最強、本当の主人公の力を使った。

 

洋服と共に『ルールブレイカー』も破壊される。

 

ゼノ「なっ!?」

 

レーセーはそのまま刀をゼノヴィアに向ける。

 

ギャスパーがゼノヴィアを引き、距離を取る。

 

追わせない為に木場がレーセーに向かう。

 

レーセーは木場の魔力を感知し、振り替える。

 

零誠「ッ!?」

 

レーセーくんが驚いた。

 

それもそのはず。僕がいる10メートル程前、レーセーくんとの距離1、2メートルの位置に黒歌さんと白音ちゃんの力で気配を薄めたイリナさんがいるのだから。

 

そして、イリナさんの持つ剣は僕の作った魔剣。

 

木場「僕の能力の本質は君と同じその場に最も必要な武器を出すことだ。見本があるなら僕にも君の剣が創れる」

 

契約破棄の魔剣

 

この距離で対処するのは不可能。だが、レーセーの技術がここで終わらせるのを許さない。

 

レーセーは瞬間的にイリナの死に『心渡り』をたたき込む。

 

『心渡り』は怪異に対し絶対的な力を持つ。ならば生身の人間に対しては?

 

イリナ「ルール・ブレイカーで私は現在天使じゃないわ」

 

『心渡り』は擦り抜ける。死の綻びを通ろうが擦り抜けてしまうば意味が無い。

 

もしイリナさんが天使のままだったら気配を消されてもレーセーくんに気付かれていただろう。だが悪魔やドラゴンの中での人間の気配は察知しずらい。

 

イリナ「レーセーくん。キツいの行くから歯を食い縛りなさい!」

 

イリナさんがレーセーくんの腹を貫いた。

 

イリナ「ルール・ブレイカーVER魔剣創造!!」

 

僕達の勝ちだ!

 

 



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世界のルール

ルール・ブレイカーが発動し、紫色の光が発せられ、その光が消えると制服姿のレーセーと赤い服の少女がただの人間の状態のイリナが落ちる。

 

近くにいた木場とオーフィスが3人を抱き止め助ける。

 

そして、覇龍が解けたことによって作り出された世界まるで主の居なくなった城が廃れるように崩壊していく。

 

全員慌ててその場を離れた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

レーセーサイド

 

教室のような空間

 

いつものような教卓の上に鎮座する悪戯の神。

 

ロキ「久しぶりだね。零くん」

 

零誠「その名前で呼ばれるのも久しぶりだな」

 

ロキ「前に会ったのは1ヶ月だったかな?」

 

零誠「3年ぶりだ。バカ!ここ入ってから一度も会ってないだろうが」

 

ロキ「いやー毎日毎日見ているからよく分からないな」

 

零誠「毎日?」

 

ロキ「そりゃあじっくりとおはようからおやすみまで着替え、トイレ、お風呂一切手を抜かず見させて貰ってるよ」

 

零誠「おいストーカー。神ってどこに突き出せば裁いてもらえんだ?」

 

ロキ「警察じゃないってことは確かだね」

 

零誠「今からロンギヌスを使うから待ってろ!」

 

ロキ「さて、冗談はこれくらいにして、今回、雑談しようと思ったのは」

 

零誠「冗談ってのはどこからだ?」

 

ロキ「今回は随分とやり過ぎたんじゃないかな?」

 

零誠「質問に答えてもらえなかったのは甚だ遺憾だが、確かにその通りだよ」

 

ロキ「別に攻めてるってわけじゃないよ。別にここが終われば次の世界を準備するだけだし」

 

そう。現在俺が住んでる世界はロキが用意したただのゲーム板。

 

ロキ「でも、君自身がぶっ壊そうとは思わなかったよ。そんなにあの修道女ちゃんが死んだことがショックだったかい?」

 

零誠「みたいだな」

 

ロキ「ふーん。確かにあの修道女ちゃんが死んだらゲームオーバーだから分からなくもないけど」

 

そうこれはゲームなのだからゲームクリアがあればゲームオーバーもある。無いのはリセットとコンテニューだけ。

 

しかも、ロキはゲームマスターであって対戦相手ではない。敵は世界。俺というイレギュラーによって壊れた原作を元に戻す。又は抹消しようと頑張っている。

 

ロキ「さて、せっかくだから勝利条件と敗北条件を確認しておこう。勝利条件はいつも通りに敗北条件を満たさずに原作を終了することだ。その敗北条件は原作で生存している重要キャラの脱落」

 

零誠「なら今までと変わらないじゃねえか」

 

ロキ「少し違う。生存している重要キャラだ。レイナーレだっけ?彼女なら死んでも構わないんだよ」

 

零誠「………ふざけてるのか?」

 

ロキ「そう怒らないで欲しいな。だいたい何故そこで怒るのかが分からない。このゲームに勝とうが負けようが記憶が残らないのに」

 

確かにロキの言う通り俺は最初の世界の記憶が無い。ただその世界での行った記録が残っているので知っているだけ。

 

零誠「だからと言って目の前の物を見過ごさねえよ」

 

ロキ「零くんの好きにすればいいよ。でも、それにしては今回は行動が軽率過ぎた。ディオドラを追い払っただけで満足して原作知識を忘れてしまったんだから」

 

零誠「返す言葉もねえな」

 

ロキ「私としては雑談の為に呼んだのだから返して欲しいな。仕方ない。雑談しずらいみたいだから話題を変えよう。君は薄々大まかな勝利条件、敗北条件を予想していたね」

 

零誠「まぁ、似たようなのだからな」

 

ロキ「そう君は躍起になって重要人物を鍛えている節がある。君がゲームに例えたようにチェスで例えるとするとクイーンにみんなをプロモーションさせるみたいにね」

 

零誠「実際はクイーン兼キングってのが現状況だけどな。文字通り女王ってわけだ」

 

ロキ「女王か。………おや?せっかく話題を変えたのにそろそろ終わりのようだ。全く残念で致し方ない」

 

零誠「そうかい。そんじゃ戻るぜ」

 

ロキ「また近い内に会おう」

 

零誠「そんなに問題起きてたまるか!」

 

そう言って教室を出た。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ロキサイド

 

全く女王か。

 

零くんは勘違いしてるみたいだが、チェスのクイーンは女王では無く王妃。つまり、王様の奥さんってことだね。

 

その奥さんであるクイーンを増やそうとはね。イッセーくんと同じようにハーレム作ろうとしてるのと変わらないじゃないか。

 

うーむ。何故か物凄くムカついてきたのはどうしてかな?

 

分かるかい?この記録を見ている諸君。

 

ん?そう驚くことないだろう?

 

私は腐っても神だぞ。画面の外側に話し掛けても可笑しくない。

 

まぁ、零くん以外とは会話したいと思わないからそちらからの発言は基本的に無視する。こちらが話し掛けた時だけ反応してくれれば構わないよ。

 

そろそろ零くんの観察に戻るとするから黙って見てくれたまえ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠サイド

 

零誠「んんっ」

 

アー「レーセーさん!目が覚めたんですね!」

 

起きるとアーシアが抱きついてきた。

 

零誠「ああ。みんなには迷惑かけたみたいだな」

 

ゼノ「全くだ。私なんてレーセーに辱めを受けたぞ。これは責任を持って子作りを」

 

零誠「ちょっと重要なところだから黙ろうか」

 

木場「レーセーくん。彼女は?」

 

木場が気絶した赤い外套の少女を指差す。

 

零誠「………ドライグだ」

 

木場「………あ、やっぱり?」

 

どうやら薄々感づいていたみたいだ。

 

アル『うおおおーーーん!!ライバルがなんて姿に!』

 

ドライグだという真実にアルビオンは泣き出した。

 

ヴァー「流石は俺のライバルだな。伝説の二天龍を女子に変えるとは………。俺も出来るだろうか?」

 

 

アル『止めてくれ!』

 

ヴァー「いや、俺はお前を幼女にする!」

 

アル『グアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

ヴァー「という訳でどうやったんだ?」

 

零誠「いや、アルビオン泣いてんぞ」

 

ヴァー「気にするな。先程ヒーリングの少女を助けた礼と言っていたからその方法でいい」

 

零誠「そう言われると断る訳にはいかないか。出来るきっかけになった道具を貸してやるよ」

 

あの危険な道具は俺が管理しています。

 

アル『止めてくれーーーーーーーーーーーーー!!』

 

ドラ「うっせーぞ!白いの!」

 

ヴァー「くっ!?」

 

目を覚ましたドライグがヴァーリに飛び蹴りを食らわした。

 

アル『黙れ!お前のせいで!お前のせいで!』

 

ドラ「ん?なんで白龍皇を蹴り飛ばせたんだ?

実体化してる!?」

 

零誠「今頃気付いたんかい」

 

ドラ「ていう事はみんなにこの醜態を晒してるということか?」

 

オーフ「ドライグ、恥ずかしくない?」

 

ドラ「自分からその姿になってるお前に言われたくねえよ!」

 

アザ「おーい!全員無事かー?」

 

外で戦っていたアザゼル達がやって来た。

 

ドラ「相棒!早く元に戻してくれ!こんな姿笑われる!」

 

零誠「いや、どうやりゃいいんだ?」

 

ドラ「お前が投影したルール・ブレイカーだろうが!」

 

契約の仕方なんてしらねえよ!

 

ロス「この赤い少女はどちら様ですか?」

 

アザ「ドライグと波長が似てるな」

 

スゴいね。トップはそんなところにも気がつくんだ。

 

サー「というか、十中八九ドライグくんだね。変身魔法か何かかな?」

 

ティア「ドライグはパワーバカだから魔法なんて使えん」

 

オーデ「まぁ、何はともあれ、ネタじゃろ」

 

アザ「ということは笑っていいんだな?」

 

ドラ「笑うんじゃねー!」

 

ティア「アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」

 

ドラ「笑うなーーーー!!」

 

ドライグの叫びはこの空間に木霊した。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

PSヴァーリサイド

 

さて、使ってみたが成功しているのだろうか?

 

確認の為に心象世界に潜る。

 

ヴァー「アルビオン!どこにいる?」

 

アル「死ね!ゴラァ!」

 

ヴァー「グフッ!?」

 

女体化したアルビオンにぶっ飛ばされる。

 

ヴァー「成功のよう…だ…な?」

 

アルビオンの姿は長身のスタイルの良い美女になっていた。

 

ヴァー「お前、空気読めよ!」

 

アル「理不尽過ぎるだろうが!?」

 

 



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6巻エピローグ

体育祭当日

 

零誠「はぁはぁはぁ」

 

アー「レーセーさん大丈夫ですか?」

 

零誠「全種目参加はやっぱり間違ってんだろ」

 

イリナ「でも、スゴいわね。本当に全部1位取るなんて」

 

零誠「やるからには絶対負けねえよ」

 

桐生「ま、そのおかげで優勝出来そうね」

 

二人三脚リレーを残して他のクラスと100点差をつけて1位。

 

ピンポンパンポーン

 

アナウンスが入る。

 

学園長『てすてす、なんか1人の生徒が無双しているのでつまらないという苦情がスポンサーから来たので、最後の種目二人三脚リレーの1位のクラスには特別に1000点入ることにします』

 

零誠「………今までの種目なんだったんだ!?」

 

ゼノ「まるで一昔前のクイズ番組みたいだな」

 

リアス「そう言えば学園のスポンサーってお兄様だったような気が」

 

零誠「あの人何してんの!?」

 

グレイ「面白い方がいいらしいとおっしゃいましたから」

 

レーセーの疑問にいきなり現れたグレイフィアさんが答えた。

 

グレイ「レーセー様にも不満があると思いますので、二人三脚リレーで1位を取った場合は褒美を与えるそうです」

 

零誠「よし。絶対に勝つ」

 

ドラ「現金だな」

 

まだ実体化したままです。

 

夕麻「褒美って感情が流れて来てますよ」

 

零誠「2人共うっさい!」

 

オーフ「モグモグ」

 

白音「モグモグ」

 

零誠「そこ2人は食うのをいい加減に止めい!昼食休みは一時間前には終わったぞ」

 

朱乃「レーセーくん。1位になったら私からもご褒美あげますわ」

 

黒歌「私も2人っきりであげるにゃ」

 

零誠「なんか危険を感じるので辞退します」

 

桐生「そろそろ集合時間よ」

 

零誠「へーい」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ソーナ『それでは二人三脚リレーを開始します。急遽とても重要な種目になってしまったのでルール説明をしたいと思います』

 

第一走者はスタートラインに立ちアナウンスを聞いている。

 

ソーナ『男女2人1組のペアになり、2人合わせて4本ある足のうち2本の足を配布された紐で結び、バトンを持って走って貰います。走る距離はグラウンドが一周200メートル、1クラス5組なので計1キロメートルです』

 

1キロメートルか。結構あるな。

 

ソーナ『バトンを落とした場合は失格になりますのでお気をつけください。同じ男子が5回連続出るバカなクラスは足の紐を変える時に置いても構いません』

 

零誠「今、バカって言った!?」

 

ソーナ『他にコースアウト、他の選手の妨害は失格となります。他の行為はなんでもありのそうです』

 

ゼノ「くっ、ぶん殴って気絶させるのはダメなのか」

 

零誠「そんな事考えてだのかよ!?」

 

教師「位置について」

 

おっ、始まるみたいだな。

 

教師「ヨーイ、ドン!」

 

零誠・ゼノ「「1!2!1!2!1212121212」」

 

ソーナ『速い!?レーセー&ゼノヴィアペア速い!普通に短距離走るのと変わらない速度出している!?』

 

零誠「舐めるな!ゼノヴィアにちゃんと胸を固定させたから走ることに集中出来るから朝飯前だ!」

 

他のペアと半周差つけて一周する。

 

イリナ「レーセーくん。早く!」

 

零誠「分かってるっての!」

 

他のチームと差は少し縮まるが余裕を持ってスタートする。

 

イリナも結構速いので縮まった分だけ取り戻し、一周する。

 

夕麻の時も同じように一周する頃には半周ついたままの状態である。

 

問題はここからである。

 

零誠「桐生。行くぞ」

 

桐生「う、うん」

 

他のクラスに差が変わらないくらいの速度で進んでいたのが残り4分の1のところで

 

桐生「きゃっ!?」

 

零誠「あぶっ!?」

 

練習時間が短かったせいか転んでしまった。一応桐生を庇うように倒れたのでケガはしてない。

 

だが、倒れているうちに他のチームと差が無くなってしまった。

 

桐生「ごむん」

 

零誠「気にするな」

 

そうして同じタイミングで一周しきる。

 

しかし、こちらは結ぶタイムラグがあり、競ってたクラスは先に行き、こちらが外してる間にもう1チームに抜かれる。

 

桐生「私のせいで」

 

零誠「おい、何終わったって顔してんだよ」

 

桐生「で、でも」

 

零誠「審判!四本ある内の二本を結んで三本にすれば問題無いんだろ?」

 

教師「あ、ああ。確かにそうだな」

 

零誠「なら!」

 

アー「レ、レーセーさん!?」

 

零誠「これなら問題無いだろ?」

 

アーシアの両足を紐で結んで一本にし、お姫様抱っこして走りだす。バトンはちゃんとアーシアに持たせている。

 

ソーナ『あ、あれって有りなんですか!?………え?あ、はい。スポンサーからOKが出たみたいです』

 

女子(((アーシア、いいなー)))

 

そんなのが流れている間にレーセーは早くも1クラス抜いた。

 

匙「お、OK出たのかよ!?」

 

花戒「ど、どうしよう?元ちゃん」

 

匙「走るしか無いだろ!」今、暫定1位のクラスは匙達だったか。

 

その2人の背中が見えて来る。

 

零誠「ふはははははは!!俺の前を走るんじゃねー!!」

 

花戒「なんかスイッチ入ってるよ!?」

 

匙「あ、後少しだ!滑りこめ!」

 

匙が言う通り匙達はゴールまで後5メートルくらいである。

 

零誠「勝者は俺だ!」

 

俺は飛んだ!

 

飛んで匙達の頭上を越えてゴールした。

 

ソーナ『しょ、勝者はこの体育祭を無双したレーセーくんの大逆転です!』

 

零誠「やったな!アーシア!」

 

アー「きゅーん」

 

零誠「あ」

 

アーシアは激しい動きにバトンを放さないまま気絶してしまっていた。

 

 



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むかつく奴の同姓同名はやはりむかつく。
7巻プロローグ


兵藤家

 

オカルト研究部+サーゼクスさん+オーフィス+ドライグが一部屋に集まって全員雁首揃えてテレビを見ている。

 

そのテレビに映っているのが俺です。

 

『フラッグ龍帝ジゴロドラゴン』という俺モチーフのアニメ。小さなお子さんから大きいお兄さんまで幅広い層の悪魔が見ているそうです。

 

零誠「………マジでやってるよ」

 

ドラ「………悪夢だ」

 

サー「そりゃあ、もちろん。あれだけ盛大に宣伝したんだからね」

 

零誠「魔王様が何やってんだ?」

 

サー「いやぁ、これも立派な仕事さ。この番組の経済効果が億を超える予定だよ」

 

零誠「大きく出ましたね」

イリナ「ま、なんにせよ、幼なじみが有名になるなんて鼻が高いわ!そういえば子供の頃のレーセーくんってアニメとか特撮とか好きだったわね」

 

零誠「それ言ったらお前もだろ。ガキの頃は男子にしか見えなかったからな。しかも、俺と主人公取り合ってたし」

 

イリナ「もう!昔のことでしょう!」

 

零誠「ああ。久しぶりに会ったと思ったら美少女になってたんだから」

 

イリナ「なっ!?お、墜ちちゃう!堕ちちゃう!堕天使になっちゃう!」

 

イリナの天使の羽が白と黒に点滅する。

 

サー「ふむ。これが生のジゴロか」

 

サー「よし!そのまま墜ちろ。ミカエル直属の部下だからいいポスト用意しておくぞ」

 

リアス「いえ、墜ちたら私の眷属になっちゃいなさいよ。イリナなら残りのルークに相応しいわ!」

 

イリナ「堕天使総督と魔王の妹が口説いてくるわ!ミ、ミカエル様ー!」

 

零誠「全く賑やかだな。でも、どうせ悪魔になるんだったら天使の状態でなって欲しいな。左右非対称の白と黒の羽って綺麗だと思うし」

 

イリナ「そ、そう?」

 

レーセーの発言で羽の点滅が白で止まった。

 

アザ「すげえ!?レーセーのタラシスキルは堕天使化も止めるのかよ?」

 

サー「レーセーくんを見てればアニメのネタ切れは無さそうだね」

 

零誠「アニメのこともいいですけど、体育祭の報酬について来たんですよね?」

 

ちなみにディオドラの対処の褒美に訓練用の空間を貰った。

 

サー「そうだったね。で、何を望むのかな?」

 

零誠「ドライグはどうやったらセイクリッド・ギアに戻せるんですか?」

 

サー「アザゼル。君の方が詳しいんじゃないかい?」

 

アザ「無理矢理契約を破棄させるなんて聞いたことねえよ」

 

零誠「つまり分からないってことですか?」

 

サー「そういうことになるかな。でも安心してくれ。知っていそうな人なら知っているから聞いてみるよ」

 

零誠「よろしくお願いします」

 

サー「じゃあ、話を戻して『フラッグ龍帝ジゴロドラゴン』のグッズの案を出し合おうか」

 

零誠「そんな話してたっけ!?」

 

サー「ちなみに売れればレーセーくんの懐が温かくなると思うよ」

 

零誠「ほう。どれくらいですか?」

 

サー「温度にしたらライザーくんの業火くらい」

 

零誠「さて、みんなもどんどん意見を出してくれ」

 

ドラ「変わり身早っ!?」

 

経済効果が億超え予想からの分け前って恐ろしい額になるな。

 

リアス「まずフィギュアは必須ね。アニメじゃ定番よ」

 

零誠「なら子供が遊べるくらいには強度を上げ、腕とか可動式にした方がいいんじゃないですか?」

 

サー「採用」

 

ギャス「ならそのフィギュアの武器はガチャガチャにしましょう。武器案はレーセー先輩の投影出来る物にすれば尽きませんし」

 

サー「採用」

 

結構な量があるけど全部やんの?

 

アザ「ゲーム化しようぜ。ゲーム化」

 

サー「採用」

 

ゼノ「ならばやっぱり格ゲーだろう。もちろん私達をそのままキャラにする」

 

サー「採用」

 

チート臭い技があるからゲームバランスが崩壊するぞ!

 

イリナ「私はRPGの方がいいわ。斬新に気に入ったら村人A〜ラスボスまで仲間に出来るタラシシステムを導入よ」

 

サー「採用」

 

タラシシステムって何っ!?

 

夕麻「私は主様にギャルゲーの中だけでもいいから攻略されたいです」

 

サー「採用」

 

初っぱなから好感度MAXのお前を攻略する意味って有るのか?

 

黒歌「なら全年齢対象版とは別に18禁のエロいのを出すにゃ」

 

零誠「一般大衆にプレイされるんだぞ!お前に羞恥心は無いのか!?」

 

サー「んー。保留ってことで」

 

否決されずに保留にされた。

 

アー「レーセーさんのお料理本はどうでしょう?」

 

サー「採用」

 

もうアニメと遠くかけ離れてるよ。

 

オーフ「レーセーのケーキ」

 

サー「採用」

 

俺が作るの!?

 

白音「………満漢全席」

 

サー「採用」

 

だから俺が作るの!?

 

木場「レーセーくんの女装写真集」

 

零誠「ふざk「採用」するの!?」

 

あ、もうこれ深夜の乗りだ。

 

後日、いくらなんでも食べ物直とエロゲは無理だろう。ということになり、黒歌、オーフィス、白音の案は却下された。

 

零誠「………え、他のは全部出すの?」

 

 



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班決め

教室

 

二年生の行く修学旅行の行動班を決めている。

 

班は男女別で3、4人で組むことになっている。

 

元浜「レーセー。一緒に組もうぜ」

 

悪友の元浜と松田が誘って来た。

 

零誠「ああ。最初っからそのつもりだよ。つーか、俺が引き取らなきゃお前ら班が成立しねえだろ」

 

松田・元浜「「ウグッ!」」

 

レーセーの言葉の刃が2人に突き刺さった。

 

この2人は女子陣からとても嫌われているが、男子からも結構嫌われている。

 

俺が組まなきゃ3人にも満たないので悲しいことになる。

 

松田「俺達の何が悪いんだ!」

 

零誠「オープンスケベ。セクハラ発言。盜撮魔。プライバシーの侵害メガネETC」

 

元浜「なんでお前だけ人気なんだ!」

 

零誠「非エロなのと色欲魔を止めてるところかな」

 

松田「クソッ!こんなことになるなら中学の頃にレーセーをエロの道に戻すべきだった」

 

零誠「お前、最低だな」

 

元浜「いや、松田。こう考えるんだ。レーセーは餌だ。美少女と一緒に回る為の餌だと」

 

零誠「よし。俺達の友情もここまでだ」

 

背を向け、歩こうとすると、足に2人がしがみついてきやがった。

 

松田「俺達を見捨てるのか!」

 

元浜「この薄情者!」

 

零誠「黙れ!亡者共!先程の自分達の発言を反省してから口を開け!」

 

亡者A「ハンセイシマシタ。ユルシテクダサイ」

 

亡者B「確かに悪かった。反省してるよ。これからは思っても口に出さないようにする」

 

零誠「貴様等!一辺、棺の中で頭冷やして来いや!」

 

3分後

 

2人はゾンビと言っても通用するくらいにボロボロになりまでグロっておきました。

 

桐生「まーた、あんた殺ってるの?」

 

零誠「教育的指導だ」

 

桐生「のわりには、教育的に良く無い絵になってるわよ」

 

零誠「気にしたら負けだ」

 

桐生「それもそうね。それでレーセーの班はその2人?」

 

零誠「ああ。こいつらが溢れるのは気まずいからな」

 

桐生「ツンデレ?」

 

零誠「べ、別に2人のことが心配なわけじゃないんだからな!」

 

桐生「ネタに乗っかってくれてありがとう」

 

零誠「で、要件は?」

 

桐生「え、ああ、ううん。いつから私達って用が無いと会っちゃいけない関係になったんだっけ?」

 

零誠「艶っぽい声を作るのは目の前でやったら意味無いぞ。そしてネタに走るな。話が進まん」

 

桐生「それもそうね。あんたら、私達の班と同じところ回らない?」

 

零誠「構わないけど、そっちはどういう構成なんだ?一班3、4人だからいつものメンバーじゃ、1人溢れるだろ」

 

桐生「安心しなさい。1人足して3人の班を2つ作ったから」

 

零誠「なるほどな。でも、お前ら仲良し5人組に入るのは結構気まずい物があるだろ」

 

桐生「心外ね。私達がそんな状況作る訳無いでしょ。それに彼女は他の班で浮いてしまうわ」

 

零誠「それってどういうことだ?」

 

桐生「本人から聞いた方が早いわ。みんな、レーセーからOK出たからちょっとこっち来て!」

 

桐生の呼び掛けにアーシア、夕麻、ゼノヴィア、イリナと1人の女子がやって来る。

 

桐生「紹介するわね。彼女は足野 孔雀よ」

 

孔雀「よ、よろしくお願いします。足野 孔雀です」

 

足野は黒髪の長髪の牛乳瓶の底みたいなメガネを掛けた長身の女子。

 

一言で言って地味を形にしたような感じ。

 

そんな事より、あれ?

 

零誠「兵藤零誠だ。それより失礼承知の上での質問なんだが、顔に見覚えが無いんだがうちのクラスか?」

 

孔雀「い、いえ、失礼ではありません。私はついこの間まで保健室登校でしたから」

 

零誠「なるほど。だからか」

 

孔雀「そんな私ですけど、御一緒してよろしいですか?」

 

零誠「ああ、全くもって問題無いぞ」

 

孔雀「ありがとうございます!」

 

こうして修学旅行は9人で行動することになった。

 

………ん?

 

そういや、足野が来るまで空席って有ったか?

 

ーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

部室

 

リアス「そういえば、そろそろ修学旅行だったわね」

 

班決めが有ったことをリアス部長達に話した。

 

朱乃「体育祭、修学旅行、学園祭と二年生は休み無く、2学期は行事が目白押しですからね」

 

黒歌「ズルいにゃー!私だけ修学旅行行って無いにゃー!」

 

黒歌が床で駄々っ子やっててウザイ!

 

リアス「黒歌。あなたが悪いんでしょ。学園の入学手続きを勧めたのに断るんだから」

 

黒歌「あの時は白音が心配で心配で24時間顔を見ないなんて考えられなかったからにゃ!」

 

零誠「シスコン?」

 

黒歌「妹が大好きで何が悪いにゃ!」

 

白音「………お姉ちゃん。恥ずかしいので辞めてください」

 

白音は赤面しているが嬉しそうだ。

 

黒歌「やっぱり私二年生で編入し直すにゃ!」

 

リアス「無理よ。出来たとしても今からだと三学期からだから修学旅行に間に合わないわ」

 

黒歌「にゃー。行きたい!行きたい!行きたいにゃ!」

 

ウザッ!

 

零誠「つーか、魔方陣で行けば一発じゃねえか」

 

黒歌「はぁー。レーセーは分かったないにゃ」

 

殴りたくなる程、残念な物を見る目で見てきやがる。

 

リアス「そうよ。無駄に時間をかけて、無駄に労力を使う電車で行くからこそ旅の醍醐味があるのよ」

 

零誠「言いたいこともどういう理由で言おうかと思ったのも分かるんですが、その言い方じゃ魅力を感じません」

 

朱乃「あらあら、リアスは楽しみにし過ぎてなんでもかんでもスケジュールに入れたから、最後に回るはずだった二条城に回れなくて駅で地団駄を踏んでいましたね」

 

リアス「それは言わない約束でしょ!」

 

零誠「なるほど。今ので部長が旅行に思い入れがあるので分かりました」

 

静かになった黒歌を見ると

 

黒歌「にゃー。こうなったら電車をジャックして」

 

零誠「そこ!良からぬことを考えるな!修学旅行の為にトレインジャックって前代未聞だぞ!」

 

黒歌「でも、レーセーと旅行に行きたいにゃ」

 

1、3年女子『それに関しては同感(です)』

 

無駄なシンクロ!?

 

零誠「はー。分かりましたよ。今度、部活メンバーとオーフィスでどっか行きましょう」

 

これでみんな納得してくれたみたいだ。

 

話が一段落ついた所で部長のケータイが鳴った。

 

さて、仕事の時間だ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

町外れの廃工場

 

もう日が落ちて夜になっている。

 

廃工場内には黒い影が100人程集まっていた。

 

テロ「グレモリー眷属か。嗅ぎつけるのが早い」

 

零誠「はぁ。何言っていやがる。お前ら分かるように行動してんだろ」

 

テロ「何?」

 

零誠「気付いてないのかよ」

 

自分達が捨て駒ってことを。

 

テロ「まぁ、いい。始めようか」

 

リーダーと思われる奴の後ろから中国の民族服を着た男とサングラスを掛けた男が現れる。

 

リアス「みんな行くわよ!」

全員『はい!』

 

テロ「悪魔は滅される物だ!」

 

零誠「だったらテロるなよ。ご先祖様が泣いてるぜ」

 

テロ「悪魔がほざくな!」

 

民族服の男が青い光の矢を放ってくる。

 

木場「またセイクリッド・ギア持ちの英雄派か」

 

イリナ「光なら私達におまかせ!」

 

悪魔ではないイリナ、夕麻、ドライグが相手をする。

 

ドラ「はははは!もっと!もっと俺を楽しませろ!」

 

ドライグ無双。

 

最近あいつストレス蓄まってるからな。

 

炎の剣を出したグラサンの相手は木場、ゼノヴィアのナイトコンビがやっている。

 

流石にあの2人の速度じゃすぐにでも決着つくな。

 

リーダーっぽい奴がやはり一番面倒な影使いのようだが多勢に無勢。

 

俺以外のメンバーが当たっているので問題は全く無い。

 

ん、俺?

 

俺はセイクリッド・ギアを持ってなあ下っぱの相手ですよ。

 

本当に凄い人は目立たない地味な作業をこなすものですよ。

 

てなわけで俺はエリミネーター00とグリフォン・ハード カスタムというナイフの二刀流で総勢300人を後遺症が残る程度にズタズタに切り裂いてます。

 

地味じゃねーよ。とか突っ込んだら負け。

 

 



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フェニックス家訪問

零誠「ふぅー、やっと終わった」

 

ドラ「遅かったな。もう他のみんなはとっくに終わったぞ」

 

零誠「人数を考えろ!人数を!つーか、終わったなら手伝えよ!」

 

木場「いや、手伝おうかと思ったんだけど、レーセーくん目がいってたから下手に近づいたら巻き込まれる気がしてね」

 

ギャス「まさに狂戦士って感じでした」

 

あー、狂戦士(ベルセルク)の武器に引っ張られたかな。

 

リアス「でも、良くやってくれたわ。私達なんて影使いを逃がしてしまったわ」

 

零誠「ダメですよ。試合相手に技を見せたくないからって出し惜しみしちゃ」

 

リアス「あら?何のことかしら?」

 

零誠「あれ?気のせいでした?」

 

リアス「うふふふふ」

 

零誠「あはははは」

 

黒歌「黒いにゃー。2人とも腹の中の探り合いしてるにゃー」

 

朱乃「あらあら、ああは成りたくないですね」

 

零誠・リアス「「2人に言われる程落ちてないです(わ)!!」」

 

朱乃・黒歌「「私達だから何を思っていいって訳じゃないんですからね(にゃ)!!」」

 

木場「まーまー。4人共落ちついて。奴等の狙いについて考えてみましょう」

 

ゼノ「私も気になっていたんだが、英雄派は様子見のような戦いばかりだ。戦術を練っているならばここらで仕掛けてきてもおかしくないはずだ」

 

零誠「様子見をしている対象が俺達じゃないからだよ」

 

アー「狙いが分かったんですか?」

 

零誠「ああ。奴らにとって俺達との戦闘は一言で言うなら経験値稼ぎ」

 

白音「………あ、なるほど」

 

イリナ「え?どういうこと?」

 

零誠「イリナはポケモンをやったことがあるか?」

 

イリナ「ええ。私の素早さ特化のジュプトルを見せてあげようか?」

 

零誠「見せんでいい。ポケモンに例えるならジム戦でわざと最後の一匹に負けて何度も戦って大量の経験値を貰うんだよ」

 

イリナ「なるほど」

 

アー「今ので分かったんですか!?」

 

ゼノ「すまない。ポケモンはよく分からないからドラクエに例えてくれ」

 

零誠「エイトでボスがキツい時にスライムの村でメタスラ、メタキン、はぐれを乱獲するのと一緒だ」

 

ゼノ「なるほど」

 

アー「だから今のでなんで分かるんですか!?」

 

アーシアはまだ分からないみたいだ。

 

零誠「全くアーシアはダメな子だな。強い奴と戦って禁手化を狙ってんだ」

 

アー「最初からそう言ってくださいよ」

 

ギャス「でも、そんなの理論上だけですよね」

 

零誠「ああ。だから当たるまで何度もやってるんだろう」

 

リアス「どうやら今回がその当たりのようよ。あの影使いが逃げる瞬間雰囲気が変わったわ」

 

零誠「英雄派にとって作戦成功ってことですね」

 

イリナ「私達が勝ったのに」

 

零誠「人としてあいつらには勝ってると思うぞ」

 

ドラ「いや、お前悪魔だろ」

 

零誠「それを言うな!台無しだろうが!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数日後

 

フェニックス家

 

零誠「お邪魔します」

 

レイヴ「ようこそいらっしゃいました。レーセーさん」

 

今日はレイヴェルとのお茶会の約束を果たす為に冥界に訪れていた。

 

みんな『お邪魔します』

 

部員+オーフィスも挨拶する。

 

レイヴ「ようこそいらっしゃいま…した?あのう、皆さんもご一緒だったのですか?」

 

レイヴェルのテンションが下がった。

 

零誠「ん、問題があったか?」

 

レイヴ「え、えーっと、ケーキを人数分用意出来るか」

 

零誠「安心しろ。そう思って足りない分は俺が焼いてきた」

 

レイヴ(そこまで予想しているなら1人で来るという選択肢が無かったんですか!)

 

レイヴ「はぁ、それではご案内しますね」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

30分後

 

レイヴ「そ、そんな…得意なケーキなのに…」

 

レイヴェルがOTZ。

 

リアス「やっぱり女としてのプライドをへし折られたわね」

 

朱乃「レーセーくんといたら、誰もが通る道です」

 

黒歌「私達は仲間にゃ」

 

レイヴ「皆さん」

 

女性陣がレイヴェルを慰めている。

 

よく分からないが俺も声をかけようとしたのだが、白音に「傷を広げないであげてください」と止められた。

 

俺、何かした?

 

レイヴェルがどうやら落ち着いたみたいなので気になった事を聞いてみる。

 

零誠「なぁ、レイヴェル。ライザーは出かけてるのか?」

 

あいつの事だからなんかちょっかい出して来そうなんだが。

 

レイヴ「うっ……家には居ますよ。ここ最近ずっと」

 

レイヴェルが歯切れ悪そうに言う。

 

零誠「ふーん。じゃあ、仕事でもして忙しいのか?ていうか、あいつってどんな仕事してんだ?」

 

レイヴ「………警備員ですわ………自宅の」

 

零誠「………はい?あの伝説の自宅警備員?」

 

レイヴ「はい。あの有名な自宅警備員です」

 

零誠「フェニックスが寄生虫になってるなんて………ごめん。俺、こんな時どんな顔をすればいいか分からない」

 

レイヴ「笑えばいいと思いますわ」

 

零誠「(爆)」

 

笑うだけ笑ったのでライザーの様子を見に行くことにした。

 

レイヴ「ここですわ」

 

現在ライザーの部屋前

 

レイヴ「お兄様。レイヴェルです。入りますよ」

 

ガチャ

 

レイヴェルが扉を開けると部屋の光景が目に映る。

 

零誠「うわっ」

 

カーテンは閉め切り、テレビが点けっぱなし。そしてゴミが床に散乱しており、その中心に無精髭を生やした目にクマの出来たライザーが座っていた。

 

ライ「レイヴェル、なんのよう………赤龍帝?ドラゴン恐い!!」

 

ライザーは俺を見るなり、ベッドの中に潜り込んだ。

 

零誠「うわっ」

 

本日二度目のうわっ。

 

レイヴェルも一旦退避する為に部屋を出る。

 

ガチャ

 

ライザーの野郎。レイヴェルが出たらすぐに鍵閉めやがったよ。

 

レイヴ「………あれ、なんとかなりません?」

 

零誠「世の中には神でも出来ないことがある」

 

レイヴ「ですよね」

 

流石にレイヴェルが気の毒なのでなんとかすることになった。

 

居間で作戦会議

 

零誠「なんで部屋があんなに散らかってたんだ?」

 

レイヴ「お兄様の世話をしていた眷属が見かねて実家に帰りました」

 

どおりで雪蘭達もいないわけか。

 

レイヴ「最近のお兄様は部屋に籠もってコンピュータでインターネットを経由してチェスをうってばかりで、最近喜んでたことなんてチェスのランキングで100番内に入ったことくらいでして。なんとかなりませんか?」

 

リアス「仕方ないわね。やれるだけやってみるわ。ねぇ、みんな」

 

アー・男子陣『はい』

 

部長の呼び掛けに女子のほとんどが反応しなかった。

 

リアス「ちょっとみんなどうしたのよ?」

 

夕麻「レイヴェルさんの為とは言われても…」

 

黒歌「モチベーションが上がらないにゃ」

 

ごもっとも。確かにライザーにいいイメージ無いもんな。

 

リアス「仕方ないわね。いい案を出した者には褒美を出すわ」

 

零誠「ですが部長、この状態からモチベーションを上げるなんてそれ相応の物じゃないと無理ですよ」

 

リアス「安心して私に考えがあるわ」

 

部長が自信に溢れてる。

 

リアス「もしライザーを元の状態に戻す一番の良案を出した人は今度の日曜日に2人っきりでレーセーと出かけていいわ」

 

………景品って俺?

 

女子『絶対にライザーを元に戻すわ(にゃ)!』

 

驚きのハイテンションだな!?

 

こうして第一回ライザー復活選手権が開幕決定。

 

 



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第1回ライザー復活選手権

木場「さーて始まりました。第一回ライザー復活選手権。実況はわたくし木場祐斗と」

 

ギャス「ギャスパー・ウラウディーでお送りします」

 

零誠「………何やってんだお前ら?」

 

木場「あ、賞品のレーセーさんじゃありませんか」

 

零誠「景品ゆうな。で、何をしてんだ?」

 

木場「いやぁ、僕達はあの女性陣の中に入って行く勇気は無いよ」

 

ギャス「殺気だってますからね」

 

女性陣を見てみるとみんな燃えている。

 

夕麻「はい!」

 

木場「どうやら夕麻さんが思いついたみたいです」

 

夕麻「主様に負けたのがきっかけなんですから主様に勝てばいいんじゃないですか?」

 

零誠「でも、俺はわざと負けるなんて無理だぞ」

 

夕麻「主様が手を抜けないことくらい分かっています。ならばライザーさんの土俵のチェスで勝負をしましょう」

 

そういうことでチェスをする為にライザーの部屋の前まで来たのだが、

 

ガチャガチャガチャ

 

鍵が閉まってやがる。

 

イラッ

 

零誠「この扉って日本円でいくら位?」

 

レイヴ「えっと…30万位だったと思いますわ」

 

零誠「買った」

 

バコッ!

 

扉をぶっ壊した。

 

ライ「な、なんだ?」

 

零誠「ライザー、チェスやろうぜ」

 

ライ「ドラゴン!?」

 

零誠「安心しろ。ドライグは今は外にいるから」

 

逃げようとしたライザーに腕を見せる。

 

ライ「……た、確かにドラゴンの魔力は感じないな」

 

零誠「そういうわけで、チェスやろうぜ」

 

ライ「どういうわけか分からん」

 

零誠「うっせー!ごちゃごちゃ言ってないでやるぞ!それともなにか?負けるのが恐いのか?レーティングゲームに負けて、得意なチェスでも負けたら立ち直れないもんな」

 

ライ「なんだとっ!上等だ!やってやらあっ!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

一時間後

 

零誠「チェックメイト」

 

ライ「………リザイン」

 

やべっ。勝っちった。

 

ライ「負けた。ふふっ、俺なんてどうせどうせ」

 

零誠「ラ、ライザーも強かったよ」

 

ライ「………ポーンとキング1つずつしかないのにか?」

 

一旦退却して居間に戻る。

 

零誠「いやぁ、俺の知り合いの駄神と時々やるんだけどよ。あの駄神少し集中力切らすと直ぐにイカサマすんだよ」

 

夕麻「………主様のチート性能を計算に入れるのを忘れてました」

 

アー「次は私が行きます」

 

木場「アーシア選手はどのような手で行くのか気になりますね」

 

ギャス「元シスターですから心を癒すのは得意でしょうね」

 

ライザーの部屋の扉前

 

アー「ライザーさん。主はおっしゃいました」

 

ライ「イタタタタッ!?」

アー「〜〜。というわけで元気を出してください」

 

ライ「お、俺はそんなに怨まれてるのか」

 

木場「どうやら失敗のようです」

 

ギャス「まぁ、聖書は悪魔にとってただの攻撃ですからね」

 

オーフ「次、我、行く」

 

木場「どうやら次はオーフィス選手のようだ」

 

オーフ「レーセーのケーキ、食べる、幸せ」

 

オーフィスはレーセーが作ったケーキをライザーの部屋に持ってた。

 

ライ「む、無限の龍神ウロボロスドラゴンッ!?ち、近寄るな!」

 

という叫び声が聞こえ、オーフィスが帰ってきた。

 

オーフ「………食べて貰えなかった」

 

無表情だが、微かに残念そうだ。

 

零誠「よし。アザゼル教諭にヒッキーフェニックスってキャラ出して貰うわ」

 

うちの可愛いオーフィスになんてことしてくれてんのかね。

 

ギャス「親バカです!賞品のレーセーさんの親バカが出ました!」

 

朱乃「あらあら、なら私がオーフィスちゃんの仇を取ってあげましょう」

 

木場「おーっと、ここで真打ち登場だ!」

 

朱乃「レーセーくん。ある方に頼んで貰えますか?」

 

零誠「ある方?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ライ「全く今日は厄日だ」

 

ドシン!

 

庭から大きな凄く物音がした。

 

ライ「一体次は何だ!?」

 

窓を見ると大きなドラゴンが鎮座している。

 

ライ「魔龍聖タンニーン!?」

 

タン「根性を叩き直す奴はお前だな」

 

ライ「は?」

 

零誠「行ってらっしゃい」

 

ライ「うおおおーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

ライザーは背後に現れたレーセーにタンニーンの方向へぶん投げられる。

 

パクッ

 

タンニーンは飛んできたライザーを口でキャッチ。

 

零誠「それではタンニーンさんお願いします」

 

タン「ドラゴンの里で一から鍛えてやるよ。お前も来るか?」

 

零誠「じゃあ、見学に向かいますかね。他のみんなも平気ですか?」

 

タン「構わねえよ。なんなら今日は泊まってけ。宿は洞窟しか無いが風呂は秘湯中の秘湯があるぞ」

 

零誠「お言葉に甘えて俺だけでも行かせて貰います」

 

タン「おう。待ってるぞ」

 

タンニーンは飛び去った。

 

朱乃「うふふ、その温泉は混浴なんですかね?」

 

零誠「からかわないでください。俺はライザーの覗き防止の為に見張りしてますから」

 

朱乃「では混浴はデートまで取っておきます」

 

零誠「どんなデートする気ですか!?大体そういうのは本当に好きな人と行ってください」

 

朱乃「はぁ、まぁそれでこそレーセーくんですね」

 

ライザー復活選手権優勝は朱乃さんのドラゴンの里に連れていって修行。

 

この方法は治るかトラウマかの2択なのだが、ライザーだしトラウマになってもいっかという結論に至った。

 

みんなは流石に酷いと引いていたが気にしない。

 

リアス「私は痛感したわ。レーセーと朱乃をくっつけるとドSの化学反応を起こす事を」

 

部長がそんな事言っていたが気にしない。

 

俺達もさっそく温sゲフンゲフン。ライザーを見に魔方陣でドラゴンの里に行くことにした。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ドラゴンの里

 

 

え?時間が飛んだって?

 

ライザーがドラゴンに追い掛けられて愚痴を言いながら雪山を走ってるなんの見所も無い修行パートを見たいって言うなら見せるけど………やっぱりいいって?うん。その判断は正しいと思うよ。

 

俺とライザーの寝床として割り振られた洞窟からいつの間にかライザーが居なくなっていた。

 

零誠「やっぱりあの変態焼鳥の野郎覗きに行ったよ」

 

残念だったな!温泉むふふ的な事を予想していた奴!今から始まるのはライザーを止めるパートだ!

 

少し場面移動

 

上空で俺とライザーは対峙している。

 

ライ「そこを退け!俺はリアスの乳を見に行くんだ!」

 

零誠「やはり行くと言うのか?」

 

ライ「お前には許嫁を横からかっ攫われる気持ちが分かるのか?」

 

零誠「そのセリフだけ聞いたら同情出来るな」

 

ライ「だから覗きくらいはいいじゃないか!本当だったら見ることの出来た乳を見るくらいは!」

 

零誠「そのセリフだけ聞いたら110直行だな。ならばリアス部長以外の裸には興味無いと?」

 

ライ「べ、別に他の奴らの裸には興味は無いぞ。クイーンの乳もいい形だなんて思ってないからな」

 

零誠「一言だけ言わせてもらう。変態はぶっ殺す!」

 

レーセーは投影された長槍を背負う。

 

ライ「ふっ。知っているぞ。レーセー!今のお前『ブーステッド・ギア』は無い!赤龍帝でもなんでもない!」

 

零誠「お魔絵(まえ)、粟(あわ)れだな」

 

滅茶苦茶な発音でレーセーは言う。

 

零誠「もし奔紀(ほんき)で要(い)っているなら駄(だ)き閉(し)めたくなるくらい泡(あわ)れだ。他誌(たし)かに折(おれ)は『ブーステッド・ギア』との計薬(けいやく)が着(き)れている。麻緑(まりょく)父祖駒(ふそく)で児湯兎決壊(こゆうけっかい)も逸粉喪(もたな)たないだろうよ。だがな、織(おれ)が夜沸(よわ)くなっただけで、蔑(べつ)にお舞(まえ)が津良(つよ)くなった和気(わけ)じゃねえだろうが!」

 

レーセーが翼を羽ばたかせ、ライザーに向かって飛ぶ。

 

零誠「割(わり)いが、ここから崎(さき)は逸法痛皇(いっぽうつうこう)だ!下(もと)射(い)た処(ところ)に失歩(しっぽ)舞(ま)いて孵(かえ)りやがれ!」

 

レーセーの投影した長槍は初代真庭忍軍十二頭領真庭白鷺の無名の長槍

 

初代白鷺は任務を一度も失敗しなかった。驚くのはそこではなく、任務中に初代白鷺が忍法を使った所を見た者は無く、長槍を使った所を見た者がいないことだった。

 

数分後

 

零誠「やばいな。羽焦げて上手く飛べねえし、魔力も空だ」

 

ライザーを退けたが、レーセーは落ちていた。

 

零誠「ま、下は雪だからクッションになってなんとかなるだろう。人生諦めが肝心」

 

ザッパン!!

 

零誠「イタタタタ。どうやら雪には落ちなかったみたいだな」

 

はい。効果音で落ちた場所を考えてみよう。

 

はい。

 

考える時間終了。

 

落ちた場所は温泉でした。

 

正解者には特にありません。

 

さて、温泉ということは

 

女子陣『………』

 

居ますよね。あー、視線が痛い!

 

こういう時は

 

零誠「服を着ろ!!」

 

ザ・逆ギレ!

 

たじろいてるうちに逃亡。

 

零誠「ハ、ハックション!」

 

はっはっはー。濡れた状態で雪山って自殺行為だなー。

 

 



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デート(朱乃)

朱乃「お待たせ。レーセーくん」

 

零誠「いえいえ、俺もついさっき来たばかりなので待ってなどいませんよ」

 

と、定番のやり取りを家が同じなのにハチ公っぽい銅像の前で朱乃さんと行った。

 

はい。ライザー復活選手権の賞品です。

 

朱乃「じゃあ、それでは行きましょうか」

 

零誠「はい。そうそうその服いつもと雰囲気が違いますが似合ってますよ。」

 

朱乃「ッ!?」

 

朱乃さんの格好がいつもの大人っぽい服装ではなく、今どきの高校生女子の格好だったので褒めてみると朱乃さんは顔を赤く染めた。

 

朱乃「レーセーくんはこれを天然でやるんですよね」

 

零誠「ん?なにか言いましたか?」

 

朱乃「今日1日はレーセーくんは私の彼氏です。………レーセーって呼んでもいいですか?」

 

零誠「ッ!?えぇ、構いませんよ」

 

顔を赤らめて上目遣いは反則だろ。

 

ズドッ!!

 

後方から何かがぶっ壊れる音がした。

 

零誠「ん?」

 

音がした方向を見てみると見るからに変装してますよ的な格好をした人達が集まっており、消し飛んだ塀を見ている。

 

零誠「………つか、どう見てもあれって」

 

朱乃「全くリアス達ったら」

 

だよねー。変装してっけど赤い髪とか金髪とかが見えてるもん。

 

朱乃「そっちがその気なら考えがあります。えいっ!」

 

零誠「え?」

 

朱乃さんが腕に抱きついてきた。

 

零誠「あのぅ、朱乃さん?」

 

朱乃「レーセーは今日1日彼氏なのですから構いませんよね?」

 

零誠「全く、今日1日だけですよ」

 

グシャン!!

 

音がした部長達の方向を見ると部長達の周りが更地と化していた。

 

早くこの場を離れた方がいいな。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

洋服店

 

朱乃「似合いますか?」

 

零誠「はい。てか、朱乃さんって大抵の服は似合いますね。まるでモデルみたいです」

 

朱乃「レーセーはお世辞が上手いですね」

 

零誠「本音ですよ」

 

朱乃「まぁ。それじゃあレーセー。この白のワンピースと先程の黒のワンピースどちらの方が似合いますか?似合ってる方を買おうと思いますので」

 

零誠「うーん。甲乙つけ難いですね。よし。二着共買いましょう」

 

朱乃「え?でも、持ち合わせが」

 

零誠「俺はデートで女性に金を出させるほど甲斐性無しじゃありませんよ」

 

二着お買い上げ。

 

ビリィッ!!

 

店員「お、お客様!?商品をこんなにされたら困ります!!」

 

後方でそんな効果音とやり取りが聞こえたがスルーしよう。

 

次はゲームセンター

 

零誠「何からします?」

 

朱乃「最初はやっぱり2人で出来るのがいいですね。あれにしましょう」

 

朱乃さんが選んだのはゲームセンターの定番のガンシューティング。

 

十数分後

 

零誠「こいつがラスボスみたいですね」

 

朱乃「思ったより簡単でしたね」

 

野次馬「あのカッブルスゲーよ!」

 

野次馬「ノーコンテニューでラスボスまで行きやがったよ」

 

野次馬「このままラスボス倒したら伝説のカップルだな」

 

朱乃「で、伝説のカップル………」

 

零誠「朱乃さん危ない!」

 

朱乃さんがボーッとしており、丁度ラスボスが朱乃さんを攻撃して来たのでうち落とす。

 

零誠「朱乃さんどうしたんですか?」

 

朱乃「い、いえ、なんでもありません。さっさと倒してしまいましょう」

 

2人は的確に攻撃を牽制しダメージを与えていき、

 

零誠・朱乃「「これで終わりだ(です)!!」」

 

クリアーした。周りから喚声が上がり、拍手が巻き起こる。

 

野次馬「あのカップル相性抜群じゃねえか!」

 

野次馬「リア充死ねって思ってたけどあの2人なら許せる」

 

野次馬「写真いいですか?」

 

零誠「どうします?」

 

朱乃「少しだけならいいですよ」

 

野次馬達はケータイでレーセーと朱乃のツーショットを撮りまくった。

 

2人のゲームレコードは破られることは無かったという。

 

ドシャァン!!

 

野次馬「うおっ!?パンチングマシンで満点出たぞ!?殴る部分がぶっ壊れてるし!?」

 

全く聞こえない。

 

朱乃「次はあれをしましょう」

 

零誠「えっと、クレーンゲームですか?すいません。昔調子に乗って取り過ぎて出禁くらいました」

 

朱乃「そ、そうですか。じゃあプリクラやりましょう」

 

零誠「はい」

 

早速撮ってペイントは朱乃さんに任せた。

 

朱乃「はい。半分こにしましょう」

 

朱乃さんから半分受け取る。

 

朱乃「早速ケータイに貼っちゃいました」

 

ハートで囲まれたツーショットの物だった。

 

零誠「ちょっと恥ずかしいですね」

 

ダダダダダタ!!

 

野次馬「もぐら叩きのもぐらが全滅してる!?」

 

部長達、本当に何してんだよ。

 

朱乃「撒いちゃいましょうか」

 

朱乃さんは俺の手を取って走りだした。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

朱乃「ふぅ。撒けたみたいですね」

 

零誠「そうみたいですね………ぶっ!?」

 

周りを見渡すと休憩1時間いくらの店が並んでる。

 

零誠「早くこの場から離れましょう!!」

 

朱乃さんは周りを見て凄くいい顔になった。

 

朱乃「疲れたから休憩していきましょう」

 

零誠「冗談は止めてください!」

 

朱乃「冗談じゃありませんよ。デートの時にやろうと言っていた混浴ならこの辺りなら出来ますし」

 

零誠「ふざけないでください!だいたい俺が相手でいいんですか?」

 

朱乃「………初めての相手はレーセーがいいわ」

 

朱乃さんの顔が赤く染まる。

 

零誠「ッ!?」

 

いきなり雰囲気変わるのは卑怯だろ!!

 

やばっ。雰囲気に流されそう。

 

???「なぁーにやってるんですか!?」

 

俺と朱乃さんの間に女性が割り込んで来た。

 

零誠「えっと、ロスヴィアセさん?どうしてここに?」

 

ロス「それはこっちのセリフです。なんで未成年のあなたがこんな所にいるんですか?」

 

淡々と話すロスヴィアセさん。………恐い。

 

零誠「えーっと、追手を撒く為に走っていたらここにたどり着きました」

 

嘘は言ってない。

 

ロス「ほう。では、何故すぐ出ることなく、こんな場所で仲良く話し込んでるんですか?」

 

零誠「………ごめんなさい」

 

ロス「私は謝罪ではなく、説明を求めているんですよ」

 

どうやら許しては貰えなかったようだ。

 

オーデ「これこれ、あまりいじめるとレーセーが愛想尽くしてしまうぞい。儂に免じてここら辺で許してやれ」

 

オーディンさん!ありがとうございます!

 

ロス「はぁ、オーディン様がそこまで言うならここら辺で勘弁してあげます。似たような事が次あったら………分かってますね?」

 

零誠「Yes!Ma'am!」

 

会話に入って来ない朱乃さんが気になって見てみると、がたいの良い男と向かい合っていた。

 

???「朱乃!どうしてこんな所にいるんだ!」

 

朱乃「ふん!あなたには関係無いでしょ!」

 

零誠「あのう。どちら様でしょうか?」

 

バラ「私はバラキエル。貴様のような女たらしに娘はやらんぞ!!」

 

………練習とは言え、デート中に彼女の方の父親と対面(ラブホ前)って、キツいな。

 

 



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滞在

兵藤家

 

結局、デートは中断となり、なんだかんだ言って日本で一番と言っていいほどに安全な兵藤家にオーディンさん達を連れて来た。

 

………はぁ。お偉いさんとの話が終わったら女性陣とお話しだそうです。

 

まぁ、学生の俺があんな店の近く行ったんだから仕方ないな。

 

オーデ「ほう。この娘もいい乳をしておるのう」

 

この会談が早く終わって欲しいような。終わって欲しくないような。

 

ロス「オーディン様!いい加減にしてください!彼女は現魔王の妹君ですよ!」

 

アザ「つーか、爺さんの来日はもう少し後だったろ?」

 

オーデ「ちと自国におると身に危険があるからのう」

 

アザ「おいおい、ヴァン神族と喧嘩か?頼むから『神々の黄昏(ラグナロク)』を起こさないでくれよ」

 

零誠「やるならどっか違う空間でやってください」

 

オーデ「ま、これからよろしく頼むぞ」

 

零誠「ロスヴィアセさんにバラキエルさんまでいるのに護衛必要なんですか?」

 

アザ「相手が相手だからな」

 

零誠「ちなみにあのふざけた作戦やってる相手は分かったんですか?」

 

アザ「ああ。英雄派だ」

 

零誠「やっぱそうすか。人間しかも蛇無しであそこまで動けるのは血くらいですからね」

 

オーデ「ふと、思ったんじゃが」

 

零誠「なんですか?」

 

オーデ「おっぱいパブに行きたい」

 

零誠「真面目な話かと思ったら死ね!」

 

アザ「お、いいな。堕天使のやってる店があっから行くか?帯を引っ張って回すのは日本に来たら一度はやらないとダメだ!」

 

零誠「あんたもか!つーか、日本って国が誤解されるだろうが!」

 

オーデ「早速アザゼル行くぞ」

 

アザ「ああ!」

 

ロス「オーディン様!お待ちください!そのようないかがわしい店に行k「行っている間は休憩をやるから、赤龍帝の小僧を口説いた方がいいと思うぞ」どうぞ気をつけてください」

 

零誠「変わり身早っ!?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

俺の説教が終わり、アザゼル教諭達も帰って来た後、俺、ロスヴィアセさん、黒歌で晩酌をしており、酒が切れたので調達をしにリビングに降りてきた。

 

断じて酔ったロスヴィアセさんの相手がめんどくなって黒歌に押しつけて逃げて来たわけではない。

 

リビングには先客がいた。

 

朱乃さんとバラキエルさんだった。

 

バラ「赤龍帝と逢引きとはどういうことだ?」

 

朱乃「あなたには関係無いでしょう」

 

………入りずらい。

 

バラ「フラッグ龍帝ジゴロドラゴンだろ?女を配下にするのが趣味だと聞く」

 

何それ?つーか、それって趣味に入んの?

 

バラ「お前が騙されてるんじゃないか心配なんだ」

 

朱乃「レーセーくんの悪口は止めてください!みんな彼の行動に救けられて付いていきたいと思っているだけです!」

 

バラ「し、しかし、現にレイナーレは使い魔になっているじゃないか」

 

朱乃「夕麻ちゃんです。もしレーセーくんが提案してなかったらリアスに消し飛ばされていたわ」

 

バラ「だ、だからと言って………」

 

言ってること支離滅裂になって来てんな。

 

娘が大切なだけの父親って感じだ。

 

そろそろ入るか。

 

ガチャ

 

零誠「あれ?まだ起きてたんですか?」

 

今、来ましたよう雰囲気を出すに限る。

 

朱乃「あらあら、レーセーくんはどうしたんですか?」

 

すぐにお姉様の雰囲気を出す朱乃さん。

 

零誠「ちょっと酒が切れたんで調達を。バラキエルさんも一杯どうですか?」

 

バラ「いや、勤務中なので遠慮しておく。それよりも君は未成年じゃなかったか?」

 

こちらも冷静に振る舞うのが得意みたいだ。

 

零誠「タバコは毒ですが、酒は薬になるんですよ。それに俺の魔術に必要ですし」

 

バラ「?」

 

零誠「それでは俺は行きますね。仕事が終わったら一杯やりましょう」

 

酒を持って部屋を出た。

 

部屋に戻ると2人があられもない姿になっており、固まったのはまた別のお話し。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

訓練場

 

モンハンのクック先生を2分切って狩れる所では無く、ディオドラをみじん切りにした功績で貰った空間である。

 

そこで木場と一騎打ちの戦闘訓練中。

 

木場は速過ぎてこちらから打ち込める気が全くしない。

 

しかし、当たる気も全くしない。

 

木場「一体なんでその武器と呼べない武器で凌ぐことが出来るんだい?」

 

木場の言う通り、俺の両手に握られたのは木刀、柄と鍔しかない刀。

 

もちろん魔剣使いの猛攻を凌ぐことが出来るこの2つの刀は普通の物ではない。

 

木刀の方は『王刀 鋸』

王道を悟らせる毒気の無い刀。

 

刃の無い刀は『誠刀 秤』

敵では無く、自分を斬る為の刀。

 

王刀で悟り、誠刀で自分を見る。

 

精神的には一つの究極形。この状態なら相手の攻撃を見切れる。

 

ギャス「タイムアップです!」

 

決めていた時間が来たのでギャスパーが合図した。

 

木場「はぁはぁ。やっぱりレーセーくんは凄いね。息1つ乱れてない」

 

零誠「余り動かない戦い方をしたからな。それに攻撃を捨てた戦い方だったからな」

 

木場「それにしたって最初の位置から1メートルも動かせないなんて凹むな」

 

ギャス「仕方ないですよ。レーセー先輩ですし」

 

木場「そうだね。レーセーくんだしね」

 

零誠「なに人を化物みたいに言っとんだ!」

 

木場「だって元々の地盤が違うじゃん」

 

アザ「何言ってんだ?お前達の方が能力はあるぞ」

 

いきなり先程までいなかったアザゼル教諭が現れた。

 

アザ「ほれ、女子陣から差し入れだ」

 

おにぎりの入ったバスケットを渡された。

 

木場「アザゼル先生。先程のはどういう意味ですか?」

 

アザ「そのまんまの意味だ。疑うならレーセー、木場、服を脱いでみろ」

 

俺達は言われた通り、服を脱ぐ。

 

アザ「ほれ見ろ。似たような訓練してんのに木場の方が筋肉ついてんだろ」

 

筋肉のついている木場と比べてレーセーは必要最低限の筋肉しかない。

 

木場「ホントだ!?でも普通にレーセーくんと打ち合うことが出来てますよ」

 

零誠「それは強化と技術で誤魔化してるだけだよ」

 

アザ「やっぱりな。強化を熟練してんのにあのレベルで済むはずないからな」

 

ギャス「ということはレーセー先輩は魔術の才能があるんじゃないんですか?」

 

アザ「そうでもないだろ。レーセー、今、お前が使える魔術ってなんだ?」

 

零誠「構造理解、強化、投影だけですね」

 

アザ「基礎の簡単な発火とかはどうだ?」

 

零誠「全く無理です」

 

アザ「ということだ」

 

木場とギャスパーはこの事に驚いてる。

 

アザ「レーセーは技術とブーステッド・ギアのみだけでなんとかしてんだよ」

 

原作介入に必要だったんだよな。

 

リアス部長のポーン8個に合わせると魔力を使えるようにした分フィジカルが落ちたんだよな。

 

アザ「しかも、あの投影も能力が高い分コントロールしずらくなってんだろ」

 

零誠「確かにそうですね。ブーステッド・ギアがあること前提でアレンジした物ですから武器に引っ張られる」

 

木場「言われてみれば最近おかしかったのはそのせいか」

 

それに最近や最初の頃も人間の作った武器ばかり使ってたからな。

 

アザ「お前ドライグと早く契約しないとマズいぞ」

 

零誠「どうすりゃいいのか情報待ちです」

 

アザ「だが、覇龍はやめてくれよ。骨が折れる」

 

ギャス「あれは世界が滅ぶかと思いました」

 

木場「確かにあのスペックはキツかったですけど今の方が勝てる気がしません」

 

零誠「は?」

 

木場が訳の分からないことを言い出した。

 

木場「あの時のレーセーくんは確かに強かったけど戦略とかが全く無かった。もしレーセーくんが冷静だったら今ごろ世界は滅んでいたよ」

 

零誠「ダジャレ?」

 

木場「んな訳無いでしょう!!」

 

零誠「で、アザゼル教諭。話はそれだけじゃありませんよね?」

 

アザ「ああ。朱乃のことお前に頼んでいいか?」

 

零誠「………どういう意味でですか?」

 

アザ「分かっていると思うが、朱乃とバラキエルの仲は不仲だ。バラキエルがいるこの状態じゃ俺の話も聞かないだろう。あいつとまともに話せる男はお前ぐらいだろう。何かあったら支えてやってくれ」

 

零誠「分かってますよ」

 

アザ「何があったか聞かないのか?」

 

零誠「聞いたら教えてくれますか?」

 

アザ「………いや、止めておく。主観が入っちまうからな。サーゼクスかグレイフィアに聞け」

 

零誠「了解しました」

 

アザ「お前なら分かるだろ。朱乃は精神的に弱い。普段は学園生徒の憧れ、お姉様として振る舞っているが、一度メッキが剥がれたら年相応の娘だ」

 

零誠「知ってます」

 

アザ「というわけでそういう面見せたらなんとかしてやれ」

 

零誠「丸投げかい」

 

 



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ロキ(原作)

空中

 

場所の表記は間違ってません。現在俺達は空飛ぶ馬車で移動中です。

 

さて、そんな夢みたいな乗り物でどこに向かっているかというと、

 

オーデ「全く日本のキャバクラは質がいいのう」

 

全く夢もへったくれも無い大人の薄汚い世界に向かっている。

 

まぁ、エロ2人が店に入ってる間はそこらの飲み屋に入ってるから構わないけどね。

 

なんかそこも三大勢力が経営してる所だから未成年でもOKなんだよね。

 

自分で持ってって飲むのもいいけどやっぱ室内でつまみと一緒に飲むのがいいね。

 

白音「………五時の方向から攻撃来ます」

 

気配察知の得意な白音と黒歌が気付いて伝える。

 

馬車から馬を切り離し、全員飛び出し、車を捨てる。

 

次の瞬間車が破壊された。

 

???「完璧に不意を突いたつもりだったんですけどね」

 

攻撃を放った張本人が言う。

 

ロキ「我は北欧の悪神ロキ!」

 

アザ「オーディンが乗っていると分かっていて攻撃して来たのか?」

 

ロキ「勿論!オーディンが我々の神話体系を抜けようと聞いたので邪魔をしに来たのだよ!」

 

全く悪びれてねえな。そういう所はあの駄神に似てやがる。

 

ロキ「さて、オーディン殿。考え直して貰えたかな?」

 

オーデ「全くじゃな。お前みたいなバカよりサーゼクスやアザゼルと遊んだ方が万倍も楽しいわい。日本の神話体系にも興味あったし、あちらもユグドラシルに興味があるらしいから丁度良いしのう」

 

ロキ「全くユグドラシルまで出してラグナロクに影響したらどうする気なんだか………さて、護衛にしては厳重じゃないかい?」

 

オーデ「お前みたいなバカがいるからのう」

 

アザ「1つ質問なんだが『禍の団』ではないのか?」

 

ロキ「あんなテロリスト共と一緒にするな!」

 

零誠「やってる事はテロリストと同じじゃねえか。てか、お前が他の神話体系に関わんのはいいのかよ」

 

ロキ「他の神話体系を滅ぼすのはいいのだ!」

 

零誠「やべ。あの駄神と同レベルで話してるとイライラして来た。ドライグやるぞ」

 

ドラ「準備はとっくに出来ている」

 

ドライグがロキに向かって飛ぶ。

 

零誠「俺は策士兵藤零誠。俺の前では悪神だって全席指定。正々堂々真正面から不意討って御覧に見せましょう」

 

投影したのはスナイパーライフル。

 

ロキ「ブーステッド・ギアがないお前の力じゃかすり傷にしかならんぞ」

 

零誠「かすり傷与えられるなら充分」

 

弾を撃つ。

 

弾は1ミリ違わずロキの右目を捕える。

 

ロキ「ちっ!?」

 

ロキは慌てて顔を反らし、避ける。

 

零誠「流石に目にかすり傷を負ったらマズいよな」

 

そして、ロキには本命が当たる。

 

ドラ「オラァッ!!」

 

ロキ「ゴフッ!?」

弾の役目は気を逸らすのと、ブラインド。

 

弾はドライグの右手は見えないように放たれていた。

ドラ「ちっ!倍加が足りなかったか!」

 

零誠「援護は続けるが、今みたいに上手く行くとは思うなよ」

 

ドラ「分かっている」

 

ロキ「………全く。我が一撃を貰うとは…我が息子を呼んだ方が良さそうだ」

 

次の瞬間、空間が食い千切り、巨大な狼が現れた。

 

アザ「フェンリル!?」

 

ロキ「こいつは我が作った中でも最悪な部類に入る。なんたって神を殺す牙を持つのだからな。試した事はないが、他の神話体系にも有効だろう」

 

零誠「やべーな。今の手持ちじゃ対応しようがねえよ」

 

レーセーはぼやきながらもフェンリルに向かって撃つ。

 

ヴォン!!

 

フェンリルの一吠えで弾が霧散する。

 

零誠「………マジすか?」

 

フェンリルは俺に向かって襲いかかって来る。

 

デカ物のわりに速い。

 

マズいな。死んだっぽい。

 

ドラ「相棒!!」

 

ドライグがレーセーの直前まで迫っていたフェンリルを殴り飛ばした。

 

しかし、ふっ飛んだだけでフェンリルはピンピンしている。

 

ドラ「ぐっ!?」

 

殴ったはずのドライグの腕に穴が開いている。

 

零誠「アーシア!早く回復を!」

 

アー「は、はい!!」

 

ロキ「フェンリルの前では伝説のドライグも形無しだな」

 

フェンリルはもう一撃食らわす為に牙をむく。

 

『Half Dimention!』

 

白いオーラがフェンリルを包むが、フェンリルはオーラを食い千切ってしまう。

 

ロキ「おやおや、今日の所は二天龍が見れたので引き上げますか。それではまた邪魔しに来ます」

 

ロキとフェンリルは消える。

 

そしてロキと入れ替わるようにヴァーリチームが現れる。

 

ヴァー「流石は神だな。さて、赤龍帝。手を組まないか?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

兵藤家

 

VIPルームでヴァーリチームと向かい合って座っている。

 

零誠「で、手を組もうって話だったな」

 

ヴァー「ああ。流石のお前もフェンリルとロキを同時に相手にするのはキツいだろ」

 

零誠「ドライグと契約を結び直すことが出来ればキツいだけで無理ではないぞ」

 

全員『!?』

 

ヴァー「言い切るとは………なら、契約の仕方を教えるから戦いに参加させてくれ」

 

零誠「サーゼクスさんからの報告があれば困らないんだが」

 

ヴァー「おい!この辺りで妥協しろよ!何が不服だって言うんだ!」

 

零誠「てめえ等のキャラだよ!ロリコン、チャラ男、シスコン夢のチームが完成しちまったよ!」

 

アーサーの奴、話し掛けられると思ったらいきなり詰め寄って来て、ルフェイの事をしつこく聞いてきやがった。

 

今回でまだ会うの二回目だっつうの!

 

零誠「ぶっちゃけチャラ男はどうでもいい。問題はロリコンとシスコンの最強タッグ。つーか、シスコン率高いんだよこの世界!お前で4人目だからな!キャラ被せは止めろよ!もうシスコンはお腹いっぱいなんだよ!」

 

オーデ「落ち着くのじゃ。今はロキの方が先決じゃろ」

 

アザ「そうだぜ。こいつらの性格から英雄派とは関係無さそうだしな」

 

零誠「うっさい!エロジジイ共!」

 

アザ・オーデ「「エロジジイ!?」」

 

零誠「ああ、もう!なんか俺の知り合いの男ってサイラオーグさん以外変態じゃねえか!」

 

美侯「俺っちはチャラ男だが変態じゃねえぞ!こいつらと一緒にしないでくれ!」

 

5人『何だとっ!!』

 

バラ「ちょっと待て!俺も変態なのか!?」

 

零誠「なんかバラキエルさんからはアブノーマルな気配がします!」

 

アザ「よく見破ったな。バラキエルはドMだ。昔はSM夫婦として有名だった」

バラ「ばらすんじゃない!」

 

零誠「朱乃さんってSMのサラブレッドじゃねえか!?」

 

オーデ「ふん。男なんてエロくてなんぼじゃ。なぁ、アザゼル」

 

アザ「それは認めてやるが、俺はエロジジイじゃない!エロオヤジだ!」

 

零誠「なんの弁解にもなってねえよ!」

 

男6人が変態かどうかについて口論している状況。カオス。

 

リアス「いい加減にしなさい!!」

 

6人『は、はい。分かりました』

 

リアス「レーセーはいくつか条件つけることによって妥協しなさい」

 

零誠「了解しました」

 

リアス「ヴァーリ達はレーセーの言う事を死守すること」

 

ヴァー「無茶でなければ死守しよう」

 

リアス部長が完璧に話を進めていく。

 

クラス長とか向いてそう。

 

零誠「じゃあ、条件だが、まず契約の方法を教えること」

 

ヴァー「まぁ、それは前提条件だな」

 

零誠「次にシスコンは殺気を向けるな。心臓に悪い」

 

アーサ「仕方ないですね」

 

零誠「最後にヴァーリは白音、オーフィス、ドライグと同じ部屋に入んな」

 

ヴァー「何ぃっ!?何故だ!」

 

零誠「お前みたいな危険人物は近寄らさせるか!」

 

ヴァー「くっ。ここは天国だと思ったのにそるじゃあ生殺しじゃないか」

 

零誠「ルフェイはアーサーがなんとかするだろうからこの条件が飲めないなら共闘の件は無しだ」

 

ヴァー「くっ。俺はどうすればいいんだ?」

 

美侯「いや、条件を飲めばいいんじゃねえか?」

 

ヴァー「だ、だが…」

 

零誠「説得よろしく。それでアザゼル教諭に策があるんすか?」

 

アザ「『終末の大龍ミドガルズオルム』にフェンリルの対策を聞く」

 

零誠「ロキが作ったバカデカいドラゴンでしたっけ?」

 

アザ「ああ。ミドガルズオルムとコンタクト取るのにドライグの力が必要だから早く契約し直せよ」

 

やっぱりいい加減やんないまずいよな。

 

 



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再契約

部屋にはレーセー、ドライグ、ヴァーリの三人だけがいる。

 

ヴァー「契約の方法だが、アルビオンが知っている」

 

ヴァーリも納得し、契約についての情報になったので少しの間だけドライグと同じ部屋にいることを許している。

 

アル『というか、赤いのも知っているはずだろ』

 

零誠「そうなのか?」

 

ドラ「そ、それは………」

 

目覚めたドライグが罰の悪そうな顔になる。

 

アル『まぁ、方法が方法だからな』

 

零誠「ドライグが渋る程に難しいのか?」

 

アル『いや、方法は簡単だぞ。体液の交換だ』

 

ドライグは顔が赤くなる。

 

零誠「体液の交換ってどういうことだ?」

 

アル『そのまんまの意味だよ。唾でもなんでもいいから相手の体液を直接体に入れるんだ。例で言えば接吻とか性交だな』

 

零誠「ぶっ!?」

 

確かにドライグが言いださなかった訳だ。

 

つーか、やるの?ドライグと?

 

アル『まぁ、やるなら接吻の方が無難だな』

 

零誠「………性交に比べたらな」

 

ヴァー「ちっ!目の毒だから俺は部屋から出るぞ」

 

見た目中学生のドライグが他の男とキスする所を見るのが嫌なようでヴァーリは部屋から出ていった。

 

零誠・ドラ「「………………………………………」」

 

何、この気まずい空気。

 

誰か助けてくれ!

 

この空気に耐えられず、ドライグが吹っ切れた。

 

ドラ「し、仕方ないよな!戦闘に必要なことなんだし!」

 

零誠「あ、ああ!罰ゲームだと思えばどうってことない!」

 

俺も同じ感じで行ったのだが、

 

ドラ「ば、罰ゲーム?そ、そんなに俺とキ、キスするのは嫌なのか?」

 

いきなりドライグが落ち込んだ。

 

えっ?えっ?これどういう反応ですか?

 

ドラ「そ、そうだよな。俺みたいな子供としたいなんて思わないよな」

 

空元気でドライグが言う。

 

マジで何これっ!?

 

ドラ「とっとと済ませちまおうぜ!」

 

零誠「ちょっと待て!お前は嫌じゃないのか?だってそもそも男だろ?それなのに男とするなんて嫌じゃないのか?」

 

ドラ「………嫌じゃ…ない」

 

ドライグが恥ずかしそうに言う。

 

うわっ!?何この可愛い生物!?

 

ドラ「だって今まで雄だったって言うけど戦いばっかで性別なんて有って無いような物だったんだぞ!女になった最初のうちは絶望したけど、次第にまぁ、いいかって思うようになって、それで普通に女子と生活してたら恋愛って物に興味を持つようになったんだ。それで今までで一番話したりしたのがレーセーで……だから!だから!」

 

もう一度言おう!

 

何この可愛い生物!?

 

誤解を招かないように先に言っておくが、断じて俺はロリコンじゃない!だが、これを前にして可愛いと思わない奴がいるだろうか?いや、いない!

 

ドラ「そ、それじゃあするぞ」

 

ドライグの顔が近づいて来る。避ける気には全くならない。

 

後、30センチ

 

20センチ

 

10セン「ちょっと待つのじゃ!!」

 

扉を蹴り破って銀髪碧眼の少女が入って来る。

 

零誠・ドラ「「ティア(マット)!?」」

 

ドライグが慌てて身を引く。

 

ティア「危ない所であった。わらわの目の黒いうちはレーセーと接吻なんてさせんぞ!」

 

ドラ「お前の目は青いけどな」

 

ティア「というわけでレーセー。わらわと契約を」

 

零誠・ドラ「「は?」」

 

ティア「か、勘違いするでないぞ!わらわはただドライグから契約者を横からかさらって、悔しがるところを見たいだけじゃ!べ、別にそなたと接吻したい訳っはないからの!」

オーフ「なら、我がする」

 

次はオーフィスか。

 

オーフ「ティアマット、ドライグが悔しがるの、見たい。なら、我がする。ティアマット、応援して」

 

ティア「そ、それは………ダメじゃ!」

 

オーフ「何故?」

 

ティア「ダメの物はダメなのじゃ!」

 

オーフ「なら、レーセーに、直接頼む。ドライグ、倍加。我、無限。我、お得」

ドラ「いい加減にしろ!相棒は俺の相棒だ!」

 

オーフ「それ、レーセー、決めること」

 

ティア「それならば、レーセーに決めて貰えば良いのてばないか?」

 

ドラ「そうだな。勿論今までずっと相棒だった俺を選ぶだろうけどな」

 

ティア「何を言っておる。貴様のような野蛮な者より気品のあるわらわを選ぶに決まってるであろう」

 

オーフ「選ばれるの、一番強い、伝説の龍神、つまり我」

 

………誰を選んでも酷い目になる気がする。

 

美侯「くくっ。おい見ろよ総督。伝説のドラゴン3人に言いよられてるぜ(ニヤニヤ)」

 

アザ「流石はフラッグ龍帝ジゴロドラゴンだな(ニヤニヤ)」

 

零誠「お前等!性格悪いな!おい!」

 

性格が似たような奴等が仲良くなってやがる。

 

零誠「頼むからこの状況なんとかしてくれ!」

 

美侯「ああ言ってるけどどうする(ニヤニヤ)」

 

アザ「面白いからこのまま見ていようぜ(ニヤニヤ)」

 

零誠「初代孫悟空(ボソッ)『閃光と暗黒の龍絶剣(ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレイド)』(ボソッ)」

 

アザ・美侯「「なっ!?」」

 

零誠「ミカエルさんから聞きましたよ。2人共なんとかしないと面白いことになるぞ」

 

ドパッ!

 

2人から尋常ではない汗が溢れだす。

 

アザ「仕方ないな。なんとかしてやるか」

 

美侯「だな。プールを借りた恩があるし」

 

脅しはこういうヤバい状況で使うのが一番だな。

 

アザ「お前等、キスする前提で話してるが体液なら基本的には血液だろ」

 

4人『血液?』

 

美侯「例えば腕に切り傷つけてそこから血を吸えば体液の交換になるんじゃないのか?」

 

 

最終的に美侯の言った方法をドライグと行い、ブーステッド・ギアが右手に宿った。

 

そして、早速ミドガルズオルムと通信する為に冥界に来た。

 

アザ「そんじゃあ、お前等自分の色の所に立て」

 

現在集まっているのはドラゴンのセイクリッド・ギア所持者のレーセー、ヴァーリ、アザゼル、匙。そしてドラゴンであるタンニーンとティアマット。

 

アザ「こんだけドラゴン揃えりゃ繋がるだろう」

 

床がそれぞれの色に光る。

 

ミド『ZZZzzz!!』

 

スゲエいびき。

 

ミドガルズオルムの姿が写し出される。

 

デカッ!?グレートレッドの何杯あんだ?

 

タン「おい。ミドガルズオルム起きろ!」

 

パチン!

 

ミドガルズオルムの鼻提灯が割れた。

 

 

ミド『………ん?………タンニーン?……何か用?』

 

タン「ああ。ロキとフェンリル対策を聞きたい」

 

ミド『ダディとワンワン対sZZZzzz』

 

話してる最中に寝たよ!?

 

まぁ、世界の終末まで寝てる予定だったから仕方ないのか?

 

ミド『ダディとワンワンのことだね。でも、その前に一つ聞きたいんだけど今回はドライグとアルビオンは戦わないの?』

 

タン「ああ。今回は共闘する」

 

ミド『へー。たまには起きてみるもんだね。珍しい物が見れたよ』

 

タン「それは俺も思う」

 

ミド『さて、ダディよりもワンワンだね。噛まれたら死んじゃうもん。対策だけど鎖を使えばなんとかなるんじゃない?』

 

アザ「北欧の連中が試したみたいだが効果が無かったらしいぞ」

 

ミド『ダディが強化したのかな?ならダークエルフに打ち直してもらったら?地図なら二天龍のどちらかに送るよ』

 

零誠「ならヴァーリの方にしてくれ。まだ再契約したばっかで不安だ」

 

ミド『分かったよ。送るね』

 

ヴァー「来たみたいだ。………よし。だいたい把握した」

 

ミド『それじゃあ僕は寝るよ。ZZZzzz!』

 

アザ「それじゃあ、情報が揃ったみたいだし、戦いに備えるぞ」

 

ロキ。そこまで怨みは無いけど、あの駄神の代わりにストレス発散に付き合って貰おうかね。

 

 



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姫島朱乃

アザ「明日の作戦を説明するぞ。会談場所にロキが現れたらシトリー眷属によって町外れの鉱山に転送する。現在使われていないから思う存分暴れろ」

 

ヴァー「フェンリルが呼び出され次第、俺達が他の空間に持って行く」

 

アザ「鎖。グレイブニルはお前達に預けた方がいいな。作戦終了したら返せよ」

 

ヴァー「分かっている。それと北欧の魔術は一通り覚えたぞ」

 

零誠「それは驚きだな。お前って二天龍の力にしか興味無いのかと思っていたよ」

 

ヴァー「確かにそう思っていた頃もあったが、お前に勝つ為にお前がやった魔術とブーステッド・ギアの合わせ技を出来るようにしようかと思ったんでな」

 

零誠「下手したら強くなる為にグレイブニル持って行きそうだな」

 

ヴァー「そこは信用してもらうしかないな」

 

零誠「まぁ、今の所は約束も守ってるみたいだし、信じておいてやるよ」

 

アザ「そこの2人も納得したみたいだし、明日に備えて準備しておけ」

 

作戦会議が終了するとアーシアが俺の方へ近寄って来た。

 

アー「あのう…」

 

零誠「どうしたんだ?」

 

聞くとアーシアはヴァーリの方を指を差す。

 

零誠「なるほど。救けられた礼を言いたいわけだな」

 

アー「はい」

 

アーシアを連れてヴァーリに話し掛ける。

 

零誠「アーシアが礼を言いたいんだとよ」

 

アー「遅くなりましたが、先日は救けていただきありがとうございました」

 

ヴァー「気にするな。気まぐれでやったことだ」

 

素っ気なく答える。

 

零誠「質問なんだが、アーシアは範囲外なのか?」

 

ヴァー「無いことも無いが、オーフィス達と比べるとな」

 

アー「なんの話ですか?」

 

零誠「アーシアは知らないままでいてくれ」

 

アー「分かりました」

 

アーシアは聞き分けが良く、部屋から出て行った。

 

ヴァー「ちなみに、このままオーフィス達を愛でられない生殺し状態が続いたら手を出すかもしれん」

 

零誠「お前、うちの連中と会うな」

 

ヴァー「仕方ないだろうが!オーフィスとは話せないし!同じ空気を吸えないし!アルビオンはババアだし!」

 

アル『ババア言うんじゃねえ!ロリコンが!』

 

ヴァーリの問題発言にヴァーリの『ディバイディング・ギア』から大声で文句が発せられる。

 

ヴァー「アルビオン。知っているか?残念なことに高校生はババアなんだよ」

 

アル『てめえが異常なだけだ!赤龍帝が余計なことしたせいで………赤いの!お前がぶっとんでる奴を持ち主に持ったせいで!』

 

零誠・ドラ「「こっちに飛び火したよ!?」」

 

オーデ「ほっほっほっ。アザゼルが新しいキャラが思いついたら言ってくれと頼まれておったが、ロリ龍皇というのはいい案じゃな」

いきなり現れたオーディンが口を挟んでくる。

 

零誠「爺さんっていつもいきなり現れるな。心臓に悪いわ」

 

アル『そんなことより、クソジジイ!そんな事したらぶっ殺すぞ!』

 

オーデ「怖いのう。白龍皇がテロ発言しおったわい」

 

零誠「ロリ龍皇の仲間にアーサー・ペンシスコンってのも出してもらうか」

 

ヴァー「なら美侯はチャラ・悟空で出せよ」

 

アル『ロリ龍皇を出す方向で話を進めるな!赤いの何とかしろ!』

 

ドラ『ふっ。俺はもうフラッグ龍帝のことは諦めてるんだ。なら道連れを1人でも多く増やすのが成立するしかないだろ』

 

アル『シクシク。俺に味方はいないのか』

 

泣き出したアルビオンが少し前のドライグ見てるみてえ。

 

オーデ「『可哀想なドラゴン』というお伽噺が作れそうだな」

 

アル『ハハハハハハハハ』

 

零誠「やめたげて!アルビオンのライフはもう0よ!」

 

オーデ「今回の二天龍はフラッグ龍帝にロリ龍皇。個性的でいいのう。いつもは直ぐに赤白対決始めて地形を変えおったわい」

 

確かにそりゃはた迷惑だな。

 

ヴァー「おい、オーディン。俺はまだ赤龍帝を倒すのは諦めた訳ではないぞ。まぁ、レーティング・ゲームのような試合形式で満足だがな」

 

零誠「お前のチームと俺の眷属がやり合うのもいいな」

 

オーデ「ほっほっほっ。若いのはいいのう。儂はこの歳になるまで儂の知恵袋で全てがなんとか出来ると傲慢にも思っておった。そのせいでロキのようなバカを作ってしまったわい。儂等のような淀んだ空気にはお主等のような若者の新しい風が必要なんじゃ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

VIPルームでオーディンとヴァーリと解散した後、グレイブニルを届けに来た、グレイフィアさんに朱乃さんの過去を聞いた。

 

そして、自室で寝ようと灯りを消した。

 

パキン

 

ガチャ

 

扉から壊れる音と開けられる音がした。

 

零誠「全く、鍵を壊したらダメって書いt「抱いて」ぶっ!?………朱乃さん!?………なんていうことを?」

 

入って来た朱乃さんは一糸纏わぬ姿で言った。

 

朱乃「何も言わずに抱いて」

 

零誠「………家族のことでですか?」

 

朱乃「聞いたんですね………なら都合のいい女だと思って」

 

零誠「お断りします」

 

朱乃「………私はそんなに魅力がありませんか?」

 

零誠「ええ。ありませんね」

 

朱乃「ッ!?私の家で言ったことは嘘だったんですか!」

 

零誠「あの時の朱乃さんには強かで魅力がありました。でも、今の朱乃さんはあまりにも弱々しく魅力を感じない。俺はそんな女の慰める為に抱きたくない」

 

朱乃「!?」

 

零誠「辛いなら話を聞きます。悩んでるなら一緒に考えます。泣きたいなら胸くらい貸します。苦しいなら手伝います。だけど、大切なことから逃げることだけは許さない。もし本当に大切なことから逃げるなら俺の知らないところで勝手にやってくれ」

 

朱乃「………なら私は今、辛くて、悩んでいて、泣きたくて、苦しいです。どうしてくれますか?」

 

零誠「あの時みたいに抱き締めますよ」

 

朱乃さんの家に行った時と同じように抱き締め続けた。

 

 



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VSロキ(原作)

鉱山

 

零誠「で、去年は何をしたんですか?」

 

リアス「お化け屋敷よ。本物のお化けを使ったね」

 

ロキが会場に現れ、こちらに転送されて来るまで暇なので学園祭の出し物を考えてます。

 

リアス「まぁ、ソーナにこってりしぼられたけどね」

 

零誠「まぁ、草野球にプロ連れてくるようなものですからね」

 

リアス「で、何かいい案が思い浮かんだかしら?」

 

零誠「カジノは流石にマズいよな。なら、綺麗所が多いですし、オカルト研究部で人気投票でもしますか?アピール用に自分のグッズさばいて、票も一票百円にすれば………いい儲けになるな」

 

夕麻「綺麗所が多いってのは嬉しいですが、票にも値段つけるって流石にえげつなくないですか?」

 

零誠「儲けられるならよくね?グッズをいくらか買ったら一票ってパターンもあっけど」

 

白音「まだそっちの方がマシです」

 

リアス「あ、やるからには勿論レーセーと木場にもあれ使って参加してもらうわよ」

 

零誠「他の案にしましょう」

 

木場「僕は人気投票賛成です!」

 

零誠「正気か!?女になるんだぞ!?」

 

木場「零さんに会えるならその程度の犠牲は無いような物だよ」

 

零誠「達してはいけない境地に達している!?」

 

ギャス「二大御姉様はどちらの方が上なんでしょうか?」

 

リアス・朱乃「「私(です)よ」」

 

リアス・朱乃「「ん?何を言ってるのかしら?」」

 

スンゲーシンクロ

 

どんだけ負けず嫌いだよ?

 

ヴァー「………おいお前等。それは神との決戦前にすることか?」

 

零誠「仕方ないだろ。最近忙しくて話が進んで無かったんだから。修学旅行までに決めておきたいんだよ」

 

ヴァー「これから命のやり取りするんだぞ!作戦の確認とかしないのか?」

 

零誠「いつもこんな感じだぞ」

 

黒歌「にゃあ。基本的な作戦はもう話したけど細かいの決めたってレーセーがいるとまともに機能しないからにゃ」

 

零誠「俺はバグかなんかかよ!?」

 

ヴァー「………もういい」

ヴァーリが呆れたところで魔方陣が現れ、その魔方陣からロキとロキに拘束様魔術をかけているロスヴィアセさんとバラキエルさんが現れる。

 

ロキ「全く。こんな物を使わなくても相手するのにな」

 

ヴァーリが諦めた所で魔方陣が展開され、そこからロキと拘束様の魔法をロキにかけているロスヴィアセさんが現れる。

 

ロキ「全く。こんな物が無くても付き合ってやるのに」

 

ロキは拘束を簡単に消す。

 

ロス「なっ!?北欧で最上ランクの魔術ですよ!?」

 

ロキ「我は神だぞ」

 

無駄な説得力

 

ロキ「どうせ相手にせねばならないのだ。ここで全員殺してから向かっても間に合うってなっ!?」

グレモリー眷属&黒歌の遠距離技総攻撃。

 

ロキはなんとか不意討ちを避ける。

 

グレモリー眷属・黒歌『チッ!!』

 

ロキ「普通話してる途中に攻撃するか!?」

 

零誠「会話ダリィ。どうせ殺し合う?いつものことだろうが。ゲームでも俺ってバトルパート前のテキストも読み飛ばすことにしてるんだよね」

 

これぞ。オカ研クオリティー

 

ロキ「そちらがその気ならフェンリル!」

 

空間が噛み切られフェンリルが現れる。

 

零誠「ヴァーリよろ」

 

ヴァー「了解した」

 

グレイブニルを発動し、フェンリルを縛る。

 

ロキ「ふむ。どうやらグレイブニルを強化したみたいだな」

 

そして、ヴァーリはフェンリルを連れてどこかへ消えた。

 

零誠「さて、フェンリルが居なくなったがどうする?」

 

ロキ「ここはこうさせてもらおう」

 

パチン!

 

ロキが指を鳴らすと先程の物より一回り小さいフェンリルとそれと同じくらいの大きさのミドガルズオルムが合わせて30体程現れる。

 

ロキ「巨人族の娘を化けさせ、増やしてみた。スペックは親には劣るが、フェンリルの牙は同じ物だ」

 

白音「………多過ぎます」

 

零誠「全く。みんなは何体くらい引き取れます?」

 

部長「えっと、3体くらいはいけると思うわ」

 

零誠「なら、黒歌。立ち位置をやりやすいように変えてくれ」

 

黒歌「分かったにゃ」

 

黒歌は黒い霧でレーセー以外と子フェンリル2体、子ミドガルズオルム1体を遠くに移した。

 

ロキ「おや?まさか赤龍帝1人で我等を相手する気か?」

 

零誠「その通りだよ」

 

ロキ「舐められた物だ。その代償は大きくつくぞ」

 

零誠「そんな代償踏み倒してやるよ。『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』」

 

空間から様々な武器が無数に出てきて、ロキ達に向けて放たれる。

 

ロキ「なっ!?」

 

子フェンリルと子ミドガルズオルムはレーセーに襲いかかろうとするが、武器が突き刺さり、着実に地に伏していく。

 

零誠「俺を倒したければそいつらを三倍連れて来い!!」

 

ロキ「ふざけるな!」

 

魔術で防いでいたロキが攻撃魔術も同時に発動しようとするが、鎖に阻まれ、ロキも拘束する。

 

ロキ「バカな!?これはグレイブニル!?いや、グレイブニルより上位ランクだと!?」

 

零誠「俺の宝物庫には至高の財しかありえん!その鎖は『天の鎖(エルキドゥ)』神性が高ければ高い程強固になる鎖だ」

 

ロキが悪神なので『天の鎖』を出した時点で勝負は詰んでいる。

 

零誠「ロキの名を名乗ったんだ。この程度で終わるはずないよな?」

 

ロキ「ガハッ!?」

 

レーセーは拘束されたロキに向かって武器を突き差し続ける。

 

もし、あの駄神だったら「強度が増すだけだろ?ならその強度を上回る力で引きちぎれば済むことじゃないか」とか言って、本当にやってみせれんだがな。

 

リアス「レーセー。こっちは終わったわ。そっちは………どうやらお楽しみのようね」

 

部長達の方も終わったらしい。

 

零誠「ええ。このままあの駄神から受けたストレスの解消に付き合って貰いますよ」

 

ロキ「ふざけるなよ!!」

 

バラ「朱乃!?」

 

朱乃「え?」

 

ガスッ!

 

バラ「グッ!」

 

朱乃「ッ!?」

 

朱乃さんを庇い、巨大な拳をバラキエルさんが代わりに受けた。

 

攻撃したのは半身が腐っている女巨人。

 

ロキ「フハハハッ!我の巨人の娘のヘル。最後のとっておきだ!」

 

ヘル。ロキの子供の最後の1人。

 

バラ「…良かっ…た…朱璃に続けてお前まで失う訳にはいかん…」

 

朱乃「あ…あ、わ…私」

 

朱乃さんはバラキエルさんを見て震えている。

 

このままだと姫島朱乃は壊れてしまう。

 

零誠「逃げるな!姫島朱乃!」

 

朱乃「…レーセーくん?」

 

零誠「自分から逃げるな!あなたは一体どうしたいんだ?選択しろ!どんな答えだろうと俺が一緒に背負ってやる!」

 

朱乃「私は!」

 

バチィッ!

 

朱乃さんから記憶が流れてくる。

 

子供の頃、父親の帰りを楽しみに待っていたこと。

 

父親に遊んで貰うことを楽しみにしていたこと。

 

家にやって来たのが、父親ではなく、魔術師であったこと。

 

母親が魔術師に殺されたこと。

 

父親にその怨みをぶつけたこと。

 

朱乃「でも、それは心が壊れない為の逃げ道だった」

 

朱乃さんが涙を流しながら言う。

 

朱乃「私はもう逃げない。この黒い美しい翼に誓って」

 

朱乃さんが六枚の堕天使の翼を開く。

 

朱乃「レーセーくん。一緒にこの険しい道を歩んでくれますか?」

 

零誠「俺でよければ御供します」

 

ロキ「我を無視するな!」

 

ミシッ

 

ロキの体が徐々に膨張していき、エルキドゥにヒビがはいる。

 

ロキ「我はオーディンと義兄弟の契りをかわし、神格を得た身だ。ならばその契りを破棄しよう!神格を失うのは惜しいが、貴様等を葬れるなら致し方ない!」

 

ロキは神から巨人に戻ることによって、神性を落とし、エルキドゥを破壊した。

 

ロキ「手加減はせんぞ!ヘル!」

 

ヘル「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

零誠「朱乃さん」

 

朱乃「分かっています」

 

レーセーはロキに朱乃はヘルに向かって行く。

 

少し前の話だが、原作と違い、レーセーはパイリンガルを発動していないのに、記憶を見た。

 

そのきっかけが心なのは分かるが、心だけでなんとかなる程この世は簡単ではない。

 

さて、記憶を見るのには手段が必要だ。

 

レーセーなら簡単にやってしまうだろう。だが、今回は手段はレーセーではなく、姫島朱乃の方にあった。

 

朱乃「跪きなさい」

 

ヘル「グッ!?」

 

ヘルは大きな巨体を地に擦りつける。

 

新人悪魔の会合でグラシャボスがしたように。

 

朱乃「やっぱり、屈伏するのもいいですが、屈伏させるのもいいですね」

 

朱乃はレーセーの使った『創帝(クリエイター)』を身に受け、身に付けた。

 

ヘル「グラァ!!」

 

ヘルは無理矢理身体を動かす。

 

朱乃「あらあら、頑張りますね」

 

ヘルを攻撃を連続で行うが、朱乃は紙一重で避けていく。

 

『クリエイター』は電気信号の送信。

 

そこから、受信を発展させた。『狭き門(ラビットラビリンス)』

 

なので、朱乃にはヘルの次の行動が手に取るように分かる。

 

『ラビットラビリンス』の弱点である痛覚共有も残っているが、朱乃にとっては無意味。

 

姫島朱乃は姫島朱璃のドSの血を継いだ。

 

そして、バラキエルのドMの血を継いでいる。

 

どちらもいける朱乃にとって、痛みは快楽。

 

零誠「そろそろ決める」

 

零誠と朱乃は背中合わせになるように立つ。

 

2人を挟むようにロキとヘルが襲いかかる。

 

零誠「『天地乖離する開闢の星(エヌマリシュ)』」

 

朱乃「充電完了。超電磁砲」

 

レーセーが放つ衝撃は純粋な破壊力でロキの肉体消し飛ばし、朱乃の極太な電撃は操作され、ヘルの身体に留まり、死ぬまで痺れ焦がし続ける。

 

イリナ「………ドS帝コンビ」

 

 



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7巻エピローグ

これで溜まってる分は終了です。
感想がやる気になるのでどんどんください。


ロキを倒した夜

 

レーセー、黒歌、アザゼル、ロスヴィアセ、バラキエルがレーセーの部屋に集まっている。

 

アザ「そんじゃあ、会談が上手くいった祝いだ。乾杯!」

 

全員『乾杯!』

 

酒呑める組で宴会開始。

 

アザ「今日は無礼講だ!レーセー!代金は出すから出し惜しみすんな!」

 

零誠「仕方ないですね。俺の古今東西の酒コレクションを出しますかね」

 

ベッドの下から次々に出していく。

 

バラ「ビールに日本酒、カクテルまであるのか」

 

ロス「でも、ワインは無いみたいですね?」

 

零誠「流石にワインは温度管理しないといけないですから買った日には呑んじまうんですよ」

 

ロス「なるほど」

 

零誠「あ、もしかしてロスヴィアセさんはワインが好きでしたか?」

 

ロス「まぁ、北欧は本場ですから安いのですけど一番慣れてますからね」

 

零誠「ならオーディンさんならいいの持ってそうですね」

 

ロス「というよりオーディン様は来てないんですか?あ、またキャバクラとかに行ってるんですね。全く護衛をつけないで仕方ないですね」

 

バラ「ん?何を言ってるんだ?」

 

ロス「何がですか?」

 

アザ「ジジイなら会談が終わったらすぐに用事があるって帰ったぞ」

 

ロス「なっ!?」

 

バラ「というより知らなかったのか?てっきり了解を得てこの場にいると思ったのだが」

 

ロス「………一言も聞いてませんよ」

 

零誠「てことは、遠回しにクビ?」

 

ロス「ウワーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

ロスヴィアセさんが泣き始めた。

 

ロス「てことは、私は無職ですか?お婆ちゃんに仕送りとかしないといけなのに!ていうか、普通あそこまで尽くしておいて簡単に切りますか?」

 

黒歌「レーセー。まだお酒を呑んでないののこのテンション困るにゃ。なんとかするにゃ」

 

呑んだ後のロスヴィアセさんの恐ろしさを知る黒歌が言ってくる。

 

零誠「仕方ない。あのう、ロスヴィアセさん」

 

ロス「何ですか?今は今後のことを考えるので忙しいんです!」

 

零誠「良かったら、俺が部長に推薦しましょうか?」

 

ロス「推薦?なんの推薦ですか?」

 

零誠「グレモリー眷属への推薦ですよ。オーディンさんの護衛への復帰は無理になりますが、結構いい待遇で迎えさせて貰いますよ」

 

ロス「どのような待遇なんでしょうか?」

 

零誠「このようになってます」

 

レーセーは紙をロスヴィアセに渡す。

 

ロス「ウソ!?ヴァルハラに比べて段違いじゃないですか!?」

 

零誠「ちなみにそれだけでなく、開拓されてない所になりますが冥界の土地が北海道くらいならついてくるという特典付き。グレモリーは優秀な人材を待っています。あなたもグレモリー眷属になってみませんか?」

 

ロス「なります!なります!私なります!」

 

零誠「それでは面接は明日行うことにしましょう。安心してください、身一つで構いませんから」

 

ロス「面接ですか、頑張ります!」

 

零誠「ちなみにもしグレモリー眷属になった場合は駒王学園オカルト研究会に所属して貰うのですが、高校3年生にしますか?もし、教員免許があるなら教職員ということにも出来ますが」

 

ロス「教職員でお願いします」

 

零誠「はい。そちらはソーナ会長に報告させていただきます」

 

黒歌「………凄いにゃ」

 

バラ「流れるような取り込み方だったな」

 

アザ「これが一級フラグ建築士の話術か」

 

ロス「それじゃあ、祝い酒です!」

 

零誠「明日は面接なんだから程々にしてくださいよ」

 

ロス「分かってますよ」

 

数分後

 

ロス「もーう、飲めましぇーん」

 

零誠「こりゃ確実に明日は二日酔いだな」

 

バラ「おい。赤龍帝」

 

零誠「はい。なんですか?」

 

バラ「お前は朱乃のことが好きか?」

 

零誠「ええ。朱乃さんは大切な仲間です。朱乃さんが必要とし続ける限り俺は支えますよ」

 

バラ「そうか」

 

そう言うバラキエルさんは嬉しそうだった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日

 

ロス「あ、頭が痛いです」

 

零誠「だから言ったじゃないですか。はい、スポーツドリンク」

 

ロス「ありがとうございます」

 

零誠「それじゃあ頑張ってください。ロスヴィアセさんと一緒の学園生活楽しみにしてますよ」

 

ロス「は、はい!(そうですよ!上手く行けば本当にレーセーくんを自分好みに育てることが出来るじゃないですか!)」

 

ロスヴィアセさんがやる気になり、二階に上がって行った。

 

朱乃「うふふ、ロスヴィアセさん張り切ってますね」

 

零誠「まぁ、無職からの脱出には張り切るでしょう」

 

朱乃「あらあら、やっぱりそういう認識なんですね」

 

零誠「ん?」

 

朱乃「いえいえ、なんでもありませんよ。それよりこれを食べてみてください」

 

朱乃さんが小皿を出してくる。

 

零誠「肉じゃがですか。それでは一口」

 

朱乃「どうぞ」

 

パクッ

 

零誠「んー美味しいですね。優しい味がします。うちと違いますがおふくろの味ってやつなんですかね」

 

朱乃「本当ですか?」

 

零誠「ええ。これなら毎日食べたいですね」

 

朱乃「毎日……」

 

朱乃さんが顔が真っ赤になった。

 

殺し文句を普通に吐くレーセーであった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

アザゼルサイド

 

アザ「ほらよ。朱乃からだ」

 

バラ「こ、これは朱璃の味!?」

 

 

アザ「泣く程嬉しいのかよ」

 

バラ「あの赤龍帝になら娘をやっても平気かもな」

 

アザ「親バカなお前にそこまで言わせるなんて流石レーセーだな。だが、レーセーの周りは美人揃いだぞ」

 

バラ「朱乃が一番だから大丈夫だ」

 

アザ「本気の親バカ発言」

 

バラ「まぁ、もしもの為に後方支援は徹底的にやるつもりだからな」

 

アザ「本当に親バカ過ぎる。こりゃレーセーもキツいな。リアスの所も合わせりゃ家2つから挟まれてんだ。ま、自業自得か」

 

 



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閑話休題と言っても日常の方が疲れる。
300レーセー


ミスしてバカカオスの方に載せてしまいました。
お騒がせしました。


8巻は短編集だし、プロローグとエピローグ入らないよね。

 

という訳で

 

この物語は兵藤零誠の平凡な日常を淡々と描く物語です。過度な期待をしやがらないでください。

 

学園地下

 

アザ「暇そうだから実験に付き合え」

 

零誠「平凡な日常が終わった模様です」

 

アザゼル教諭に拉致られ、なんか怪しげなカプセルに入れられました。

 

零誠「って!出しやがれ!」

 

アザ「だが、断る。スイッチオン」

 

バチィッ!

 

スタンガンを食らった時と同じように目の前が真っ白になる。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

零誠「アザゼルの野郎。殺す」

 

1時間程気絶していたらしく、目覚めると地下の研究所はもぬけの殻だった。

 

拉致られたとは言え、どういう道順で来たのかは覚えているので地上にはい上がった。

 

零誠「たくっ、マンホールが入り口ってベタ過ぎるだろ」

 

さて、アザゼル(殺害対象)はどこにいるのやら。

 

辺りを見回すと俺がサッカーをやっていた。

 

零誠「はい?」

 

訳が分からないことを言っているのは認めよう。

 

俺も訳が分からん。

 

ちなみにサッカー部に交ざってるという訳ではなく、フォワード、ミドル、バック、キーパー11人オール俺である。

 

対戦チームも同じくオール俺で22人の俺がグラウンドでボールを蹴り合ってるので、違和感を通り越してシュール過ぎる。

 

リトバスのリフレインの真人と同じ状況である。

 

リトバスやったことない奴はやっておけ。マジ神ゲーだから。

 

この状況をなんとかするには他の部活メンバー達に協力して貰わないと無理だな。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

という訳で部室

 

ガチャ

 

零誠「みんな。俺がいっぱいいるんだが………何をしているんだ?」

 

木場「レ、レーセーくん!?こ、これは!!」

 

部室の扉を開けると木場(女バージョン)が俺(女バージョン)と百合ってる。

 

零誠「おい、俺。何故にそんなことしてる?」

 

零(女)「焼き肉食べ放題」

 

零誠「食い物で釣ったのかよ!?そして、釣られたのかよ!?」

 

零(女)「土下座されたし」

 

零誠「うわー」

 

木場「だってあんなにいるんだから1人位ならいいかなって」

 

零誠「うわー」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

数分後

 

木場「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

リアス「何があったの?」

 

零誠「軽蔑の目で見ていたら心が折れたみたいです」

 

みんな集まって一発攻撃したら消えることを知ったので部室にいたのはすぐに消した。

 

零誠「で、なんすかあれ?」

 

アザ「それは部室に入ってすぐに殴った相手にする言葉か?」

 

零誠「いや、だって100%あんたのせいだろ」

 

アザ「まぁそうなんだが」

 

零誠「ならとっとと説明する!」

 

アザ「分かったよ。最近『禍の団』が勢い増して来たから手っ取り早く戦力アップする為に主力のお前を2人にしたら倍じゃね?と思ってドッペルゲンガーを使って2人にしようとしたんだが」

 

零誠「で、失敗して増え過ぎたって訳か。どれくらい居るんだ?」

 

アザ「何人か消したから減ってるが、最初はお前を含めて300人だ」

 

零誠「300人!?」

 

ゼノ「小国だったら1日で落とせるな」

 

イリナ「それ冗談にならないから」

 

零誠「つーか、他の生徒はどうしたんですか?なんか迷惑かけてませんでした?」

 

アー「勉強を教えたり、助っ人、荷物を運びに不良退治までして感謝されてましたよ」

 

零誠「いやいやいや。あんだけ沢山いたら混乱するでしょ!」

 

黒歌「みんな「レーセーだし」で納得してたにゃ」

 

白音「………助っ人した対戦相手のチームにも助っ人してたのに気にしてませんでしたから」

 

零誠「もう俺って何っ!?」

 

ロス「念の為に記憶操作で沢山いたという所は偽装するらしいので安心してください」

 

零誠「今は自分の在り方に安心が出来ませんよ」

 

朱乃「うふふ、このままでも問題無いんじゃないですか?」

 

零誠「少なくとも俺の胃がズタズタになって大問題ですよ。さて、俺の胃の為に何か案を出せ」

 

アザ「俺かよ?」

 

零誠「元凶がなんとかするのは当たり前だろ」

 

アザ「仕方ねえな。堕天使総督が完璧な案を出してやるよ」

 

完璧な案①…釣り

 

廊下に酒瓶が置いてある。

 

それは壁に隠れてアザゼル教諭とそれを見守っている。

 

零誠「………なんだこれは?」

 

アザ「お前が好きな酒を置いておけば群がるだろ」

 

零誠「これが完璧な案か!?」

 

アザ「しー。静かにしろよ」

 

零誠「こんなんで来るバカいるわけ「酒だー!」………あるみたいだな」

 

しかも、1人だけでなく十数人ほど集まってる。

 

そして、アザゼルの一撃で消される。

 

零誠「てめえ等!本当に俺かよ!?間抜け過ぎるだろうが!」

 

アザ「まぁ、お前に比べたら少し本能に忠実になってるが」

 

零誠「少しであれか!?いくらなんでもバカにし過ぎだろうが!」

 

アザ「今のは中でもバカな奴等だから安心しろ」

 

いや、他の奴等は今の状況を見て警戒してるだけだから。

 

アザ「よし。次の完璧な作戦行くぞ」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ピンポンパンポーン!

 

アザ『あー、テステス。本日は晴天なり。本日は晴天なり。さて全校生徒に告ぐ!オカルト研究部兼生徒会の女子は預かった!返して欲しくば校庭に来い!フハハハーーーーーーー!!』

 

完璧な作戦②…人質

 

アザ「これなら隠れていた奴等も集まるだろ」

 

角とか黒マントとか凝った衣装をアザゼルが着ている。

 

零誠「なんか凝ってますね」

 

アザ「そりゃあ、だてにラスボスやってねえよ」

 

リアス「じゃあ、この衣装に意味あるの?」

 

純白のドレスを着た女子陣の代表として困ったように部長が聞く。

 

アザ「そりゃあ、ノリだ」

 

リアス「だと思ったわよ!」

 

ソーナ「………なんで私達まで」

 

匙「会長!凄く似合ってます!」

 

匙は大興奮。

 

零誠「ま、集まるのは分かりますが大丈夫なんすか?」

 

アザ「何がだ?」

 

零誠「そりゃあ、勝てるんすか?いくら一撃で消えると言っても100人以上いる俺に勝てるんすか?みんなが人質になってるんすから本気で来ると思いますよ」

 

ダラダラ

 

アザゼルから尋常じゃない程の汗をかいてる。

 

アザ「………やっちった」

 

零誠「みたいだな」

 

アザ「救けてゼロえもん」

 

零誠「誰がゼロえもんだ」

 

アザ「マジでなんとかしてくれ!5秒くらい止めるだけでいいから!」

 

零誠「はー。仕方ねーな。しゃぶしゃぶで手を打とう」

 

アザ「クソッ!足元見やがって!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

校庭

 

零誠(偽)「みんなはどこだ!」

 

零誠(偽)「あの野郎はいつかはやると思ってた!」

 

集まった俺の偽物がざわざわしている。

 

そこにレーセーが朝礼台に上がる。

 

俺の偽物は俺に注目する。

 

零誠「えー。セリフの無い皆さんこんにちは」

 

グサッ!

 

バタバタッ!

 

オリジナルの言葉の暴力にみんな倒れる。

 

零誠「大丈夫ですか?(偽)がつく皆さん!しっかりしてくださいぶっちゃけネタの皆さん!」

 

グサッグサッ!

 

零誠「誰かもう2度と現れない皆さんを救けて下さい!」

 

グサッグサッグサッ!

 

アザ「こりゃあいい!ちょろい!ちょろいぞ!」

 

どんどんアザゼルが偽物を消してく。

 

零誠「これでしゃぶしゃぶは楽だな。あ、みんなも行くか?もちろんアザゼル教諭の奢りで」

 

女子陣に向かって言ったのだが、返事が無いで振り返ると女子陣の姿は無く羊皮紙が浮いている。

 

零誠「はい?」

 

???「全く危ないな」

 

???「確かに一撃食らったらゲームオーバーって今時のシューティングゲームにもねえよな」

 

???「で、他の奴等は報知でいいのか?」

 

???「それは全く持って偽善的な行動だ」

 

???『そうそう。だから俺達は悪くない』

 

アザゼルが暴れ、巻き起こった砂埃から出てきた5つの人影。

 

そいつらは俺と同じ顔だが、髪型と格好が違う。

 

俺であって俺じゃない奴等。

 

他の世界の俺。

 

続く

 

零誠「えっ!?短編のはずなのに続くの!?」

 

 



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VS零(偽)

「300レーセー」を今回で終わらせるつもりが終わりませんでした。
ちなみにD.C.3は1と2やらないと内容が分かりませんか?




前回のあらすじ

 

レーセーが増えたので消しまくったら5人だけ残った。その5人は他の世界での俺だった。

 

あらすじおしまい。

 

零(偽)×5『さて、よく分からない奴の為に自己紹介しておくか』

 

制服に白衣姿のレーセー

 

零(バカ)「文月学園2年Fクラス哀川零。ヨロシクネ」

 

パワードスーツのレーセー

 

零(IS)「IS学園1年1組の織斑零。ヨロシクネ」

 

ワイシャツにジーンズのレーセー

 

零(問題)「ノーネーム所属哀川零。ヨロシクネ」

 

制服に黒い外套のレーセー

 

零(武偵)「武偵校2年請負科哀川零。ヨロシクネ」

 

学ラン姿のレーセー。

 

零(−)『学園都市LEVEL−5の哀川零。ヨロシクネ』

零(バカ)「ちょっと待ちやがれ!俺のがバカってどういうことだ!ゴラァ!」

 

零(IS)「全員零なんだから仕方ないだろう」

 

零(武偵)「いや、お前は織斑を名乗ればいいだろうが」

 

零(問題)「どーでもいい」

 

零(−)「ならお前は零(迷惑)でいいな」

 

零(問題)「度が過ぎるわ!」

 

零誠「………帰っていいか?」

 

零(偽)『ちょっと待てっろ!すぐに呼び方決めるから!』

 

結果

 

零(バカ)→零

 

零(IS)→織斑

 

零(問題)→0

 

零(武偵)→哀川

 

零(−)→−零

 

零誠「で、みんなはどこだ」

 

零「ある空間に送ってあるよ」

 

零誠「ふざけてるのか?とっとと返しやがれ!」

 

−零『おいおい。俺達は魔王の手からヒロインを助けた主人公だぜ。魔王の手下にすんなり渡す訳無いじゃねえか』

 

零誠「その言い方だとすんなりじゃなければ渡すんだな?」

 

織斑「ま、こっちも一撃で消えるのをなんとかしたいからな」

 

哀川「正義の味方って訳じゃないしな」

 

0「詳しくはそこの羊皮紙を見てくれ」

 

そう言うと5人は消えた。

 

言われた通り羊皮紙を見る。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ゲーム名

嘘から出た魔物

 

参加者

オカルト研究部、生徒会に所属する男×5。

 

勝利条件

5人に一対一で一度ダメージを与える。

 

敗北条件

勝利条件を満たさずに戦闘不能。

 

ペナルティ 一度戦闘した者は全戦闘終了まで拘束。

勝利報酬

無傷での女子の解放

 

敗北ペナルティ

5人に危害を与えてはいけない。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

まずは参加者を集めねえと。つっても全員決まってんだが。

 

数分後

 

匙「おい!会長が攫われたってどういうことだよ!」

 

零誠「すまなかった。ルール上危害は与えられてないはずだ」

 

木場「でも、あいつらがルールを守るか分からないよ」

 

零誠「いや、ルールを破ることは出来ないことになっている」

 

ギャス「僕はその点は安心してますよ。レーセー先輩こコピーだから流石にそこまで酷いことをしませんよ」

 

零誠「………実は1人だけマズい奴がいるんだよね。精神的にマズいかもな」

 

アザ「全く何やってんだよ。レーセー」

 

零誠「おい。まずこの使えない教師を潰す方がいいんじゃねえか?」

 

アザ「あはは。何を冗談言ってるんだよ。なぁみんな?………おいおい全員揃って無言で近付いてくんなよ……ギャアアアアア!!」

零誠「おし、行くぞ」

 

5人揃ったことに反応し、5つの扉が現れる。

 

匙「入って来いってことか?」

 

木場「1人1つって感じだね」

 

ギャス「でも底の無い穴とかとか宇宙の果てとか罠があるかもしれませんよ」

 

零誠「そこの生ゴミ放り込んで様子見してみるか」

 

アザ「おい!?本当に死ぬぞ!!あんだけ痛めつけといてまだ足りねえのかよ!?」

 

零誠「可愛い生徒の為に身体張ってくださいよ」

 

アザ「レーセー。お前は不細工だ」

 

木場「レーセーくんは女装したら世界一だよ!!」

 

バコッ!

 

アザ「グホッ!?」

 

木場が扉に向かってアザゼルをぶちこんだ。

 

零誠「おいおい木場。そんなに勢いよくやったらどうなってっか分かんねえだろ」

 

匙「ちょっと待てーーーーーーーーーーーーーー!?驚くような発言があったことはスルーか!?」

 

零誠「ハッハッハー。ナンノコトカナ?」

 

ギャス「匙先輩。触れないであげてください。レーセー先輩は先日自分が他の男子と絡んでる本の市が学校の夜に女子がやってるのを目撃してしまったんですから」

 

匙「………なんかゴメン」

 

零誠「ん?なんか言ったか?とっとと行くぞ」

 

匙「現実逃避中でしたか」

 

全員残った扉に入る。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

木場サイド

 

木場「ここはホテル?」

 

リクライニングシートに冷蔵庫と豪華な設備が設置してある。

 

零「そう思えるかもしれないが、ここは学校だ。俺はこの場所じゃないと戦えないからな」

 

木場「ふーん。どうでもいいけどすぐに終わらせて貰うよ」

 

零「試獣召喚(サモン)」

 

木場「くっ!?」

 

零「おっ、目がいいな。もう少しで輪切りになったのに」

 

悪魔の木場の視力がギリギリで見たのは糸。

 

はぐれ悪魔の時に見ていなかったら終わっていた。

 

零「これで足は潰れた。いくら見えると言っても斬りながらあの速度では動けないだろ」

 

木場「全くやりずらい」

 

だいたい最初は無かったのにいつの間に糸を張ったんだろう?

 

零「おいおい考えるのはいいが時間かかって嬉しいのはこっちだからな。他の俺が勝てば俺の身は安全だからな」

 

木場「他の人に任せるなんて君らしくない。レーセーくんなら自分がなんとかするのに」

 

零「あいつは自己犠牲がメインだからな。ちなみに俺は娯楽だ」

 

木場「どういう意味だい?」

零「下らないことだから気にするな。それより作戦は決まったか?」

 

木場「ばれてたみたいだね」

 

『欲視力』を使ってるのに糸の位置が完璧に把握出来ない。

 

まるで彼じゃない誰かが糸を操ってるみたいだな。

 

だったら一体だr「ッ!?」

 

木場は何かに気付き素早くかがみこむ。

 

木場「………不意討ちとは汚いな」

 

零「姿見せてるんだから不意討ちもクソもないだろ。油断してるそっちが悪いだろいが」

 

全くもってその通り。

 

でも、1つこの糸の攻略法がある。室内ではなく、障害物の無い場所なら機能しない。

 

パリン!

 

なら、逃げるように窓から飛び出す。

 

追って来い!

 

零「その手に乗るかよ。さっきも言ったが時間を稼げればいいんだ」

 

零は2階の窓から顔を出して落ちていく木場を確認し、頭を引っ込めた。

 

木場「クソッ」

 

やはりレーセーくんのコピー。自分の弱点くらい把握してる。

 

木場「でも、『欲視力』が効かないわけが分かった」

 

だが、分かったからどうする?

 

木場「何か手は?」

 

木場は辺りを見渡した。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

2階 廊下

 

零「またチャレンジするのか。懲りないな」

 

木場「行くよ」

 

木場はスピードによって天井を走り始めた。

 

零「ちっ!?」

 

零は舌打ちをし、零の足元から小さい零が零の頭に乗った。

 

これが『欲視力』の効かない訳。

 

零が命令をしているが攻撃の具体的な細かい位置はこの小さな零(召喚獣)がコントロールしていた。

 

窓から落ちる途中、窓を覗き込んだ零の近くに小さな何かが動いてるのが見え、使い魔的な何かが糸を操ってることに検討がついた。

 

だが、身長が小さいせいで天井の方は糸が少ない。

 

慌てて零は天井の糸を増す為に召喚獣の姿を晒してしまった。

 

それは悪手。

 

召喚獣に対し『欲視力』を使用し、糸の一番少ないルートを導く。

 

零はすぐに気付き、糸で牽制しながら距離を取っていく。

 

そうして零は新校舎から旧校舎に逃げ込んだ。

 

木場「予想通り!」

 

木場は破壊の聖魔剣を作り、床に叩きつけた。

 

ボロい旧校舎は崩れた。

 

元々の人間と悪魔のフィジカルの差が勝負の差となった。



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VS織斑・哀川・-零

台本形式がマイナスになっているという感想を受けました。
台本形式の理由は二つあり、
一つは人数が多くて作者の腕では誰か分からなくなり安い。
二つ目は名前表記でネタをやりたいからです。
もし、これからも台本形式がマイナス点という感想がくる場合変えるかもしれません。


アザゼルサイド

 

アザ「イテテテッ……全くあいつら加減しねえな」

 

ボコって危険かもしれない所にぶちこむ教え子ってどう思うよ?

 

アザ「おっ!?」

 

アザゼルが慌てて動くとアザゼルのいた所が爆発した。

 

アザ「危ねえだろうが!」

 

アザゼルは弾が発射された方向を向いて怒鳴った。

 

織斑「完璧に不意討ちだったのにあれを避けるのかよ?」

 

織斑がいたのは上空。

 

アザ「おっ。一番面白い格好した奴か。ついてるな」

 

織斑「こっちは最悪だよ。堕天使のトップなんてジョーカーじゃねえか。こういうのは珍しい物好きの0の所に送れよ」

 

アザ「そうつれないこと言うなって。お前に合わせてロボットで戦ってやるよ」

 

織斑「一応パワードスーツなんだが」

 

アザ「一発ネタでは終わらせねえぜ!出でよ!マオーガー!」

 

はい。巨大ロボットです。

 

織斑「デカいな。ま、束さんのISに叶うとは思わないけどな」

 

アザ「試してみねえと分からないだろが!」

 

織斑「やってみさらせ」

 

マオーガーの両腕が飛ぶロケットパンチ。

 

織斑はそれを見切り、触れるか触れないかの所で避ける。

 

織斑「はぁ、この程度かよ。たいしたこと………何それ?」

 

マオーガーの腕の数が少し目を離したうちに4本に増えていた。

 

アザ「俺、思ったんだ。避けられるなら当たるまで撃てばいいんだって」

 

織斑「あっそ。二本増えた程度じゃ当たらねえよ」

 

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

 

織斑「ぶっ!?」

 

アザ「誰が二本だけって言った?」

 

マオーガーの胴体が見えなくなるほど腕が生えた。

 

織斑「一体何本あんだっ!?」

 

アザ「え?100本くらい?」

 

織斑「お前も分かってねえのかよ!」

 

アザ「よーし。行くぞー」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダダダダダダダダダダタ

 

織斑「チキショウ!やれる!1000のビットを扱う俺ならやれる!『暴飲暴食』」

 

織斑のガンソードのフルバースト。

 

ロケットパンチの雨はレーセー、鉛弾、火炎放射、ミサイルの雨と相殺する。

 

アザ「ふー。あれを止めるか。ならもっと腕を増やs「『赤き制裁』」なっ!?」

 

ビット500枚を同時に使用した赤い極太のレーザーがマオーガーを貫通し、マオーガーは爆発した。

 

織斑「汚ねえ花火だぜ「てめえ!修理にいくらかかると思ってんだ!」げふっ!?このタイミングで終わるのかよ?」

 

マオーガーを破壊した織斑はアザゼルの一撃で消えた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ギャスパーサイド

 

哀川「とっとと始めy「『美麗刹那・序曲』」(グシャッ!)ぐはっ!?え!?もう俺の出番終わり!?」

 

ギャス「木場先輩が尺を取りすぎたので今回はまきで行きます」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

匙サイド

 

−零『おや?君が俺の相手をするのかい?』

 

匙「とっととみんなを返して貰うぞ!」

 

−零『君の大切な人が無事だと思ってるのか?』

 

匙「て、てめえ!会長に何したんだ!!」

 

−零『ふーん。なるほどな。お前の大切な奴は生徒会長か。よし、覚えておこう』

 

匙「ッ!?」

 

気味がわりい。

 

こいつは一体なんなんだよ?

 

レーセーとも他の偽物とも根本的に違う。

 

徹底的に終わってる。

 

−零『あれ?すっかり黙っちゃてやらないの!』

 

−零は『の』のタイミングで大きなネジをぶん投げ、匙のももに突き刺さる。

 

匙「くっ!?いきなりかよ!」

 

−零『俺相手にスポーツでもやってる気だったのか?』

 

開始早々に足が潰されちまった。

 

そう思っているとネジが傷を残さずに無くなっている。

 

匙「はぁ!?」

 

−零『というのは冗談だよ。準備体操終わりってことでそろそろ始めようか』

 

そう言って両手にネジを構える。

 

匙はそれに合わせて右手にライン、左手に黒炎を宿す。

 

レーセーからヴリトラかは的をデカくするから絶対にするなとアドバイスされた。

 

先に仕掛けたのは匙。

 

匙は黒炎を発射する。

 

−零はその黒炎にネジで消した。

 

匙「なっ!?」

 

匙が驚いた理由は黒炎を消えぬタイプとして放ったのに意図も簡単に消されてしまったからである。

 

そして−零は驚いた所を見逃す程甘くない。

 

匙は腹をネジで貫かれた。

 

匙「ゲフッ!」

 

−零『お、今ので気絶しなかったのは驚いた。ま、次の一発で意識と一緒に命をかり取ってやるからご期待ください』

 

そう言って−零は懐からネジを取り出す。

 

匙はとどめを指そうとする−零に向かって左手で中指を立てた。

 

匙「話長いんだよ。ボケ野郎」

 

−零『はい?………!?』

 

−零は匙のだらりと垂れた右手についてるラインが伸び、自分のネジを持った手と逆の腕に繋がれていた。

 

匙「消し炭になりやがれ」

 

ラインを辿って、黒炎が−零に向かって迫る。

 

−零『どうやらまた勝てなかった』

 

−零は諦めの声を出したので匙は安堵した。

 

−零『なんて言うとでも思ったのか?』

 

ボトッ

 

ラインが床に落ちた。

 

匙「なっ!?」

 

巻き付いていたはずの−零の左腕の肘から先が無くなっていた。

 

切り落とした?いや、切り落としたらダメージによって消滅するはず。

 

−零『何が起きたのか分からないって顔だな。ま、分かろうとするかと自体間違ってるんだけどな』

 

−零は肘から先が無くなった左腕を振り笑った。

 

−零『くす。いい顔。よし、その顔に免じて特別サービスで教えてやろう。俺の能力『零式・大嘘憑き(カオスフィクション)』は俺が関わった現実を虚構にする』

 

匙「出鱈目過ぎる!?」

 

出鱈目だがそれなら辻褄が合う。

 

黒炎は虚構なのだから消えないもなにもない。

 

左腕は虚構だからこそ巻き付けない。

 

−零『ちなみに制約は色々あるんだけど一番大きいのは虚構にしたことは虚構に出来ないってことかな』

 

匙「なっ!?それじゃあ左腕は!」

 

−零『もう戻らないだろうね。ホント利き手の右じゃなくて良かったよ』

 

利き腕じゃなかったから良かった?

 

たったそれだけで済むのか?

 

確かに消滅するなら片腕を虚構にした方がマシだ。

 

でも普通は簡単にそんなこと出来ない。

 

出来ても取り乱す。

 

−零『さて、左腕が無くなったのはお前のせいではないし、怨む気は更々無いけど消えない為にも倒さねえと。よし、勝利の第一歩に四肢を引きちぎろう』

 

最悪だ。

 

文字通り死ぬ。

 

いや、死ぬより恐ろしい目に合う。

 

………何故そう思うんだ?

 

………死より恐ろしい?

 

………俺は死を見たことがあるのか?

 

匙「サイラオーグさんのあの腕………」

 

−零『黙ったと思ったらいきなり誰か分からない人の名前を出してむかつくな!』

 

またもや不意討ち。

 

匙「食らうかよ!」

 

匙はやるなと言われていたヴリトラ化をしてネジを燃やした。

 

無機物も燃やす黒炎。

 

刺さっていたネジも炭となり落ちる。

 

ネジは能力を具現化した物で抜ければ傷も虚構になる。

 

−零『わーお。怪獣と戦うのはAIMバースト以来かね。よし、あの時と同じように倒すか』

 

−零は首のチェーンにかかった指輪を取り出した。

 

−零『これは魔導書の原典。使う前に魔法名を言っておこう。カオスより這い寄る崩壊『BRAKE130』!』

 

−零は指輪を嵌めた。

 

終わる。

 

この戦闘は終わる。

 

もうじき終わる。

 

一瞬で終わる。

 

呆気なく終わる。

 

魔法名のように壊れ終わる。

 

−零『ゲフッ!?そういや能力者は魔術使ったらダメージ受けるんだった』

誰も匙が終わるとは言ってない。

 

こうして最悪で災厄な−零は終わった。

 

 



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VS0

評価と感想いただけると嬉しいです。


他の4人の戦闘が終わった時

 

キン!キン!キーン!

 

レーセーと0はまだ戦っていた。

 

技術の面では同等なので武器が先に限界を超え壊れる。

 

それを何度も繰り返したらしく地面に折れたり、壊れた武器が地面に落ちている。

 

零誠「全く自分と同じ力を持つ奴とやり合うのは決着がつかなくて困る」

 

0「………もし本気で言ってるならお前は馬鹿だ。そして馬鹿にしてるにも程がある」

 

零誠「え?どういうことだ?」

 

レーセーの疑問に答えることなく、0は戦闘に戻る。

 

どういうことだ?

 

あいつは俺で俺はあいつなのに。

 

技術的には同じ、能力も同じなのにどこが違う?

 

0「考えごとかよ?余裕だな!」

 

0は鬼のような形相で迫ってくる。

 

零誠「はっ!?」

 

そういう事か。

 

確かに俺とお前は別人だ。

 

違うのは2つ。

 

俺が悪魔で0が人間だといいうこと。

 

負けたら俺は失う物が無く、0は全てを失うということ。

 

確かに使った武器はほぼ同じ数だった。

 

だが、能力作成を使った回数は0は俺の数倍。

 

零誠「確かにこれは失礼だわ」

 

能力作成。つまりレーセーの場合は『正喰者』なのだが、一度使ったら同じ物は使用不可という制限がある。

 

0に制限が無いわけではなく、むしろ0は武器でさえ同じ制限がある。

 

0が出し惜しみしない理由は人間だから同じ数じゃ負け、全てを失うから。

 

零誠「お前は今アーシアが攫われた時の俺と同じわけか」

 

なら出し惜しみするわけにはいかないよな。

 

最強を出し惜しみしないお前に最強を殺す繋がりを出し惜しみせずに使ってやるよ。

 

零誠「構築『デストロイヤー』」

 

レーセーに角が生え、爪が伸び、目が赤くなる。

 

0が奮った刀をまともに受けるが、刀が負ける。

 

零誠「安心しろよ。お前の攻撃を全て攻撃としてみてやるよ」

 

0「本気になったのはいいが………俺相手にそんなとっておき普通出すか?」

 

零誠「俺って過小評価って嫌いなんだよな。俺のドッペルゲンガー下に見るのって自分を過小評価するのと同義だろ?」

 

0「確かにそうだ。徹底的にやりあおうぜ」

 

0も角が生え、爪が伸び、目が赤くなる。

 

どちらかが消えるまで傷は癒えない。

 

0「これで負けるわけにはいかなくなっただろ?」

 

零誠「ああ。そういえばドッペルゲンガーって会ったら死ぬって言うけど殺し合うらしいな」

 

0「全くその通りになったな」

 

二人が使っている『デストロイヤー』は他の能力を一切受け付けない。

 

つまり、時間がかかるかもしれないが決着はつく。

 

能力が同じ場合は能力が収まる器の差が決着を決める。

 

数十分後、このゲームはプレイヤー側の勝利で終了した。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

その日の夜

 

零誠「おい!駄神!どこにいやがる!」

 

ロキ「やーやー。零くんじゃないか。君から来るのが珍しいから模様替えしてみたよ」

 

零誠「模様替えで教室が浜辺になる理由が分からん」

 

いつもの教室ではなく、夕日が綺麗な浜辺になっている。

 

ロキ「模様替えなんて簡単だよ。君の家を完璧にトレースしてみたりしたし」

 

零誠「チートってよく言われるが、お前に比べたら全然マシだな」

 

ロキ「ま、やったらやったで虚しくなったんだけどね」

 

零誠「なんちゅう能力の無駄使い」

 

ロキ「それで、君は何か用件があったんじゃないかい?」

 

零誠「そうだった。今回のことはてめえが関係してるだろ?」

 

ロキ「まーね。どうだい?懐かしかっただろう?」

 

零誠「記憶が無いのにどう懐かしめと?」

 

ロキ「そういえばそうだったね」

 

零誠「それで用件はなんだ?」

 

ロキ「おや?どういうことだい?」

 

零誠「お前がなんか用件があっからあんなことして俺を文句言わせにこっちに来させたんだろ?」

 

ロキ「大正解。まさかそこまで分かってるとはね」

 

零誠「てめえの事は他の奴等よりは理解してるつもりだぜ」

 

ロキ「っ?また、そういうこと言うんだから」

 

ロキが顔を反らす。

 

零誠「で、用件は?」

 

ロキ「くす。私も物語に参加することになったよ」

 

零誠「………マジかよ?」

 

ロキ「マジマジ大マジ。君がロキをぶっ殺してくれたおかげでその枠に入り込むことが出来たよ」

 

零誠「しまったーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ロキ「それはいくらなんでも失礼だろう。だいたい神を殺して欠員出したらマズいだろう」

 

零誠「そこは反省している。別人とはいえロキに反応して容赦なく殺ったのはまずかった」

 

ロキ「分かった。表出ろや!」

 

零誠「はっきり言って浜辺なんだからここが表だろ」

 

ロキ「ここじゃ勝負にならないだろ。分身を外に出していて君を無理矢理ここに引き摺りこむことが出来ないほど弱ってるけど君には負けないだろう」

 

零誠「弱ってる?死ねゴラァ!」

ロキ「だから勝てないって言っただろ?」

 

零誠「ちくしょう……全然変わらねえじゃねえか」

 

砂浜でロキに椅子にされていた。

 

ロキ「それは水が100度で蒸発するのが変わらないのと一緒で1億度と1000万度も変わらないだろ?」

 

零誠「………分身の方をぶっ殺す」

 

ロキ「ま、彼は1万度くらいだから勝てる望みはあるんじゃないかい?」

 

零誠「倍化を7回分を継続か」

 

ロキ「もう倒し方を考えるなんて全く恐ろしい」

 

零誠「おい、そろそろ帰るからどきやがれ」

 

ロキ「なんか新しい扉を開きそうだから邪魔しないでくれ」

 

零誠「その扉はコンクリで固めて一生開けんな」

 

ロキ「名残惜しいがまたの機会まで我慢しよう」

 

零誠「二度とねえよ!」

 

 



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三大勢力対抗運動会 前編

感想と評価お願いします。


アザ「なぁ、レーセー。今度またグリゴリで集まりあるんだが来ねえか?」

 

零誠「また徹夜での賭け麻雀すか?なら今回もカモりますよ」

 

アザ「ぐぐっ……それはまた今度リベンジするとして今回は健全なスポーツだ」

 

零誠「パス。基本的に学校のイベントですらサボるのにそんな面倒なことには参加しませんよ」

 

アザ「ちなみに応援席では名酒が振る舞われる」

 

零誠「どのあたりが健全なんだよ!まーでもそれなら参加をs「アザゼル!レーセーくんは私達のチームだと言っただろう!」サーゼクスさん!?」

 

アザ「ちっ。サーゼクスめ、感付きやがったか」

 

アザゼルはそのまま魔方陣で逃亡した。

 

サー「レーセーくん。みんなを集めてくれ」

 

魔王様の言う通りに集めました。

 

サー「説明を簡潔にすると君達の体育祭をお忍びで見ていたトップが自分達もやりたいと言うからやることになった。勿論君達は悪魔のチームで参加してもらうよ」

 

零誠「さっきのは引き抜きってわけですか」

 

サー「その通り。レーセーくんは能力と人気が高いからね」

 

零誠「夕麻を堕天使陣営に貸してやるか」

 

エーテライトによる意志疎通

 

零誠(夕麻。お前をスパイとして堕天使陣営に送り込む。無事大役を果たせ)

 

夕麻(分かりました。ところでご褒美を貰えますでしょうか?)

 

零誠(そうだな。上手くやったら好きな物を買ってやる)

 

夕麻(よし!お勤め頑張ります!)

 

意志疎通終了

 

夕麻「分かりました。堕天使陣営でも頑張ります」

 

リアス「あら、もっとごねるかと思ったんだけど」

 

夕麻「グリゴリの幹部と一緒なんですから主様と一緒じゃなくても我慢出来ますよ」

 

イリナ「なるほど。私がミカエル様達と一緒なら我慢出来るのと同じ原理ね」

 

………ミカエルく俺!?

 

サー「何はともあれレーセーくんには期待しているよ」

 

零誠「ところで何に出るかは決まってんすか?」

 

サー「全部」

 

零誠「………悪魔を超える発言が聞こえたのですが。もう一度お願いします」

 

サー「全部」

 

零誠「………そういやあなたは魔王でしたね」

 

サー「期待しているよ」

 

零誠「されても困るわ!どうしてこうなった!?」

 

サー「君の体育祭の功績を見たらね」

 

零誠「今回は相手が人間ではなく天使と堕天使なんですが…」

 

サー「だから同じ種目で2回以上出ることは無いようにしておいたよ」

 

零誠「そりゃ普通は当たり前なんですよ!」

 

サー「でも、ミカエルには宣言しちゃったし、変えたら恥じゃないか」

 

零誠「なんでいつも俺を通さずに面倒な事が決まるんだ!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

運動会当日

 

零誠「はっはっはっ。とうとう何も改善出来ずに当日を迎えちまったよ」

 

黒歌「しゃきっとするにゃ。戦争が始まるわけじゃにゃいんだから楽しんだ方がいいにゃ」

 

零誠「確かに命懸けの戦いじゃないし楽しむ感じで行くか」

 

気分が変わった所に堕天使の女子が話し掛けてきた。

 

堕天使「あのう。赤龍帝のレーセーさんですよね?」

 

零誠「そうですけど」

 

堕天使「私、大ファンなんです!握手いいですか?」

 

零誠「構いませんよ」

 

手を差し出されたので握手をする。

 

黒歌「………にゃあ」

 

零誠「何故か殺気が!?」

 

慌てて手を放すと殺気が少し弱まった。

 

黒歌「レーセー…敵と仲良くするのはどうかと思うにゃー」

 

零誠「さっき楽しむって話じゃなかったか?」

 

黒歌「天使と堕天使を根絶やしにするのを楽しむって意味にゃ」

 

堕天使「ひっ!?」

 

堕天使は逃げた。

 

零誠「ビビって逃げちゃったよ!つーか、それは戦争と何が違うんだよ!?」

 

黒歌「拮抗していれば戦争。圧倒的なら虐殺にゃ」

 

零誠「恐ろしいわ!」

 

黒歌「冗談はこれくらいにしていい加減にブルマに触れるにゃ」

 

はい。文章じゃ分からないと思いますが、みんなジャージなのに黒歌は下ブルマです。

 

零誠「あー面倒なことになりそうだから触れなかったのに」

 

黒歌「ムラムラするかにゃ?」

 

零誠「ほら、面倒なことになった。そしてするかボケェ。球技大会の時の二番煎じじゃねえか」

 

女子『そんな………』

 

オカ研女子全員ブルマ。

 

零誠「マジでお前達は何しに来たの!?」

 

結果、全員普通にジャージに着替えました。

 

ちなみにジャージはチームカラーと同じで悪魔は赤、天使は白、堕天使は黒。

 

ミカ「グレモリー眷属の皆さんもいらっしゃったんですね」

 

白ジャージを着たミカエルさんだった。

 

零誠「ミカエルさん。お久しぶりです」

 

ミカ「今日はいい勝負をしましょう。あ、紹介したい人がいるんですよね」

 

羽根をたくさん持つおっとり系の美女が前に出る。

 

ガブ「四大セラフのガブリエルです」

 

大物ガブリエルの登場でアーシアとゼノビアがまた祈っている。

 

ガブ「レーセーさんの料理本を全部買いました。サインしてください」

 

料理本とサインペンを差し出してくる。

 

あのネタのような会議の商品全部出したからね。

 

零誠「買っていただきありがとうございます」

 

笑顔で本にサインして返す。

 

一瞬、ガブリエルさんの羽根が黒く点滅した風に見えたが気のせいだろう。

 

アザ「お前達こんな所にいたのか」

 

アザゼル教諭が合流した。

 

アザ「お、ミカエルもいたのか。トップの割に俺とサーゼクスの奴と比べて出番が無いから気づかなかった」

 

ミカ「あはは。相変わらずですね。生徒の皆さんにも学生時代のあなたを語りたいですね。例えば覗きで堕ちかけた回数が軽く1000回超えたこととか」

 

アザ「やってみろ。ぶち殺すぞ」

 

ミカ「あはは。滅しますよ」

 

バチバチ!

 

戦争が始まりそうな雰囲気です。

 

火花はイメージではなく、実際に火花が散ってる。

 

しかも、空間が歪んでるし。

 

もうこの2人は放置しておこう。

 

パラ「あ、朱乃」

 

朱乃「………」

 

パラキエルさんが朱乃さんに話しかけていた。

 

プイッ

 

朱乃さんがこちらに顔を反らした。

 

パラ「朱乃ぉぉぉー」

 

ペロッ

 

朱乃さんはパラキエルさんに見えないように舌を出して笑った。

 

全くからかうのが好きなんですから。

 

パラ「レーセーくん!朱乃が!朱乃に嫌われたー!」

 

零誠「え?こっち来んの!?」

 

パラキエルさんが泣きそうになってこっち来た。

 

筋肉付いたおっさんがそれしても誰得!?

 

ピンポンパンポーン

 

放送『開会式を行うので各勢力の選手の皆さんはグラウンドに集まってください』

 

ーーーーーーーーーーーー

 

開会式が終わり、悪魔陣営に戻る途中。

 

開会式?長くなるだろうと思い、立ちながら寝てたから知らん。

 

他の勢力を横切ると

 

アザ「今日は競技と言う名の戦争だ!お前達も日頃鬱憤が貯まっているだろう?天界の道具の値段が高いだとか、悪魔の等価交換が面倒だとか。負傷者出すつもりでやれ!」

 

堕天使『ウオオォォォーーーーーーーーーーー!!』

 

………流石に負傷者出すのはマズいやろ。

 

天使「全く他の勢力は迷惑だな」

 

天使「そうそう。俺達は一度堕ちたら取り返しがつかないのにな」

 

ミカ「まぁまぁ。私達がやるのはいつもと変わりません。主の教えに従うのです。彼らに光を」

 

天使『終末を彼らに!!』

 

こっちは滅する気満々ですよ。

 

で、我等が悪魔陣営では、

 

サー「えーっと、まぁ、今日は楽しみながら頑張ろう」

 

この陣営が一番平和そうです。

 

サー「それじゃあ」

 

悪魔『ハルマゲドーン!!』

 

………こりゃあ本当に戦争が起きそうだな。

 

前編なのに競技一つも始まってねえよ。

 



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三大勢力対抗運動会 中編

更新亀でスイマセン。
理由はスマホが使いずらい、大学が忙しい、切る場所が決められずに次話の分も結構書いてしまった、PSPが面白いの4点です。
こんな俺ですが、コメントください。
次話は早いと思います。


さて、俺の種目数がふざけたことになっているのは相変わらずなので諦めて全部勝つことにした。

 

体育祭の時と違って一番困るのは敵が人間じゃないこと。一番楽になったことは能力を好きなだけ使えること。

 

安心しろバレないようにやるから。もう『正喰者』発動してるしね。

 

種目の序盤は徒競走等の走る系の競技なので『引っ張り足(オクトパス)』発動。

 

二重の意味で足を引っ張る引力操作の能力。

 

零誠「まぁ、大人な俺は用心深いのでナイトにプロモーションさせて貰うけどね」

 

勝ちましたよ。しかも、能力を調節して使ったから全くバレてない。

 

あ、でもパン食い競争は失格になっちった。

 

他の選手のパンって食べちゃダメなんだってよ。先に言えやら。

 

えーっと、次は借り物競争か。 

 

審判「位置について ヨーイ ドン!」

 

勿論ナイトでオクトパス使用中。

 

そのおかげか借りてくるものが書いてある紙の所に一番最初についた。

 

俺のお題は………『シスコン』

 

原作と同じかよ。

 

唖然としてる所、他の選手に追いつかれてしまった。

 

選手「『一繋ぎの財宝ワンピース』!?海賊王にでもなれって言うのかよ!?」

 

選手「『普通の人間ではなく未来人、宇宙人、超能力者』!?SOS団を呼んで来いってか!?」

 

どうやら俺が一番マシのようだ。

 

………だが、シスコンの方と呼びかけるのは一番キツいぞ。

 

零誠「くっ………シスコンの方はいませんかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

俺は羞恥心を捨てた。

 

シスコン「呼んだか(い)(にゃ)(かしら)(…呼びましたか)?」

 

多いな!?

 

前から順にライザー、サーゼクスさん、黒歌、セラフォルーさん、白音。

 

遠方

 

ヴァー「アーサー?どうかしたのか?」

 

アー「いや、呼ばれた気がしたんだが」

 

カメラさんを会場に戻します。

 

選びたい放題だな。

 

零誠「………よし。ソーナ会長!!」

 

ソーナ「私ですか!?一体なんで!?」

 

零誠「だってソーナ会長ってセラフォルーさんのこと大好きじゃないですか」

 

ソーナ「別に私は!!」

 

セラ「グスッ………ソーナちゃんはお姉ちゃんのこと嫌いなの?」

 

ソーナ「え、あーもう、分かりましたよ!」

 

ソーナ会長の手を引いてゴールへ向かう。

 

いじけてしまったせいかソーナ会長はとぼとぼ歩いている。

 

零誠「あのう、ソーナ会長?」

 

キッ!

 

ソーナ会長に睨まれました。

 

ソーナ「なんですか?」

 

零誠「別に会長がいいならいいんですけど」

 

ソーナ「だからなんですか!」

 

零誠「みんなに注目されてんで早めにゴールした方が傷が浅くて済むと思いますよ」

 

ソーナ「何をグズグズしてるんですか!早くゴールしますよ!」

 

その後のスピードは音速の先の世界が見えそうになった。

 

次の競技は大玉転がし。

 

ルークの力で担いで運ばせてもらってます。

 

転がして無いがルール上問題ない。

 

そして大人な俺はこれだけじゃ終わらせない。

 

回転を操る『独楽図解(スピニングアングラー)』で堕天使陣営の大玉を天使陣営の選手に突っ込ませて喧嘩させたので担いだことは全く文句は言われ無かったぜ!

 

障害物競争

 

スタート位置なんですが、天使陣営の選手と堕天使陣営の選手の間のレーンにしないでください。

 

そして、競技が始まる。

 

ネットをくぐり抜け、平均台を渡り最後の障害物。

 

世界の巨大モンスター大集合!!

 

見知った顔もあった。

 

零誠「………タンニーンさん何やってんすか?」

 

元六大龍王のタンニーン

 

タン「サーゼクスの奴に運動会があるから来ないかと誘われたんだが、まさかこんな形でとは………」

 

可哀想過ぎる!

 

サーゼクスさんもう少し待遇考えてあげて!

 

タン「これならティアマットの奴と同じようにサボれば良かった」

 

ティアの奴はまのがれたのか。

 

タン「気は乗らないが配役くらい満足にこなすか」

 

零誠「あのう、ここは悪魔陣営への貢献の為にここは見逃して貰えませんか?」

 

タン「断る。せっかくのいい機会だ。どれだけ腕を上げたか見てやるよ。断じて、ストレス発動の為しゃないぞ」

 

零誠「ちょっ!?今、本音が!?」

 

タン「知るか!!」

 

流石に逃亡しようかな、と考えているところに応援席にいるチア服姿のセラフォルーさんがエールん送ってくる。

 

セラ「ガンバレ!ガンバレ!悪魔ー!現在進行で競技を行っているレーセー君は特にガンバレー!」

 

零誠「ちきしょー!『挑発使い』構築。鴎システム」

 

結果、ゴールしやした。

 

倒した訳ではなく、コースでは戦争が勃発しております。

 

死人が出ないことん祈ってます。

 

 



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三大勢力対抗運動会 後編

kansouをください。いや、マジで。


昼休みを挟んで団体競技

 

昼休みは………うん。壮絶だった。

 

俺も弁当を作って行ったのだが、砂糖に群がる蟻のように群がって来てさっきの障害物競争より争いが酷かった。俺一口も食えなかった………ま、オカ研メンバーから弁当分けて貰えて助かったわ。

 

でも、くれる量が多かったな自分達の分は大丈夫なのか?

 

そんなこんなで団体競技の騎馬戦。

 

オカ研メンバーは木場、ゼノヴィア、ギャスパーを馬とし、俺を乗せたチームと朱乃さん、黒歌、白音を馬とし、部長を乗せたチームの2チーム参加している。アーシアは応援なんだが、何故かチア服を着ている。

 

木場「レーセー君。作戦はどうする?」

 

零誠「最初の方は様子見でいいだろう。狙われたら撃退する程度で」

 

アザ「赤龍帝の首を討ち取れい!!」

 

ミカ「赤龍帝は何を出すか分かりませんから最初のうちに退場してもらいますか」

 

天使・堕天使『うおおおおおおおおおおおおお!!』

 

零誠「あは!俺様、大人気」

 

俺に向かって光の矢の雨あられ。

 

禁手化

 

『CHAOS BRAKE!』

 

両手を左右に広げ、網を張り、光の槍を切断する。

 

零誠「皆さん。高校生相手にこの数は少し大人気無くないですか?(ニコッ)」

 

天使・堕天使『すいませんでしたー!!』

 

幹部クラス以外は土下座しそうな勢いである。

 

アザ「ちっ。もう少し引き付けておけよ。ま、術式は完成した」

 

アザゼルの上に魔力の大きな塊が集まってる。

 

アザ「行くぜ!ドレスブレイクVER乱れ咲き」

 

魔力の大きな塊から小さな塊が次々に放たれ、選手に向かって飛んでいく。

 

そしてぶつかった選手の服が弾けとんだ。

 

女子『キャーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

男子『ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

アザ「はっはっはー!レーセーのシトリー戦を元に開発した技だぜ!まさに男の夢!ま、野郎の裸も見ることになるが、そこは我慢だ」

 

男天使「墜ちる!?堕ちてしまう!」

 

男天使「堕ちてたまるか!………でも、白い肌が」

 

アザ「堕ちろ!堕ちろ!こういうのに反応するってことは結構溜まってるってことだよ!大体なんだよ転生システムって。こっちの勢力も増えやがれ!」

 

ミカ「アザゼル。いくらなんでもそれは反則じゃないかい?」

 

アザ「光の槍投げるよりは勝利条件のハチマキの消失を目的とした技なんだからマシだろ?もし悪魔陣営が抗議したら天使陣営も失格になるぞ。多数決で手を組むしかないぞ」

 

ミカ「仕方ないですね。黙認しましょう」

 

ダメな大人を垣間見た!?

 

ミカ「そう言えば、学生時代の『閃光と暗黒の龍絶剣(ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード)』はどのあたりで出すんですか?」

 

アザ「その名前を出すんじゃねえ!」

 

ミカ「なんでですか?『ぼくの考えた最強の神器』でしたっけ?あまりによく出来ていたのでビラにしてばらまいてしまいましたよ」

 

アザ「てめえのせいで作戦会議の度に「そこで『閃光と暗黒の龍絶剣』を出すんだな?」やら、「秘密兵器に『閃光と暗黒の龍絶剣』を用意してくれやら」、挙句の果てには『閃光と暗黒の龍絶剣総督』ってあだ名までついたんだぞ!!」

 

ミカ「『閃光と暗黒の龍絶剣総督』(笑)」

 

お二人さん、仲いいっすね。

 

ギャス「どうしましょう?」

 

零誠「そんなの決まってるだろ。

ぶっ倒す」

 

ゼノ「結構距離があるがどうするつもりだ?」

 

零誠「失格条件はハチマキが無くなるか、地面に落ちるかだったゆな?」

 

木場「飛行は禁止されてるよ」

 

零誠「飛ばねえよ。跳ぶだけだ。馬は後からついてい」

 

そう言うとレーセーは他の馬に飛び移りその馬を崩す。

 

それを何度か繰り返し、アザゼルのところまで接近する。

 

零誠「常識を考えろや!ゴラア!」

 

アザ「レーセー!?」

 

顔面に向かっての飛び蹴り。

 

アザ「ナッ!?グッ!?」

 

メリメリ

 

アザゼルの顔面に蹴りがめり込んだ。

 

零誠「悪は滅びたり」

 

空中で一回転して、遅れて来た木場達の上に乗る。

 

零誠「これで一件落着………じゃないみたいだな」

 

アザゼルの魔力の塊がコントロールを失って、不安定に歪んでいる。

 

零誠「魔力のことは専門家のビショップの意見を聞こう。担当直入に聞く。ギャスパー、あれはどうなる?」

 

ギャス「………簡潔に言うと爆発します」

 

零誠「物凄い勢いで撤退!!」

 

ギャス「もう爆発しm」ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

 

零誠「ケホケホ。痛みは全く感じねえな?」

 

………気づいてますよ。

 

服を消し飛ばす魔術が爆発したってことは………

 

全員『うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』

 

全員素っ裸です。

 

零誠「『投影開始(トレース・オン)』」

 

大人な俺は服くらい用意出来るけどな。

 

全員『お前だけズルイ!!』

 

零誠「知るか」

 

騎馬戦はハチマキが同時に消し飛んだので、どのチームにも点数は入らなかった。

 

種目 玉入れ

 

審判「えー、言いたいことは色々ありますが、まず、これだけは言わせて貰います。槍や魔弾じゃなくて玉を投げろや!!」

 

朱乃「お父さま、助けて!」

 

パラ「あ、朱乃………うおおおおおおおおおおおおおお!」

 

アザ「おい!パラキエル!投げるのは赤じゃなくて黒だ!」

 

パラ「悪いな。娘の為ならお前だって裏切れる」

 

全く賑やかだな。俺?外側で眺めてますよ。

 

ちなみに玉入れのルールは籠に入っている玉の数がそのまま点数になる。

 

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

 

審判「競技の終了です。だから攻撃を止めろや!!」

 

そろそろ動くか。

 

零誠「『色々色(カラーオブビューティー)』」

審判「えー………まことに驚く結果になりましたが、悪魔陣営に1437点、天使、堕天使陣営に0点が入ります」

 

全員『はあああああああああああああああああああ!?』

 

『色々色』は色を自由に変える程度の能力です。

 

リアス「あれ、やったのレーセーでしょ?」

 

零誠「さぁ、何のことやら?」

 

リアス「あら、あなたの仕業なら何かご褒美あげようと思ったのだけど」

 

零誠「今から自首ってありすか?」

 

リアス「ダメよ」

 

審判「次はいよいよ最終種目のリレーになりました。予定を変更してこの種目に勝った陣営が優勝になります」

 

悪魔『ふざけるんじゃねえ!!』

 

審判「仕方ないじゃないですか!!1000点も点差もついてたら他の陣営が萎えてるんですから!大丈夫だよ。さっきトップが裏でなんか話してたから、どうせ黒い話だろうから!」

 

なんか審判の方は堪忍袋の尾がズタズタのようだね。

 

で、俺はリレーのアンカーをやらせて貰ってます。

 

他の勢力のアンカーは堕天使がアザゼル教諭、天使がガブリエルさん。

 

ま、原作通りっす。

 

最初にバトンを持ってきたチームは我等が悪魔チーム。

 

アザ「ちっ!」

 

零誠「聖職者が舌打ちは酷くないすか?」

 

そうしてバトンがレーセーに渡る。

 

アザ「死ねーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

零誠「危っ!?」

 

バトンが渡るのと同時に攻撃をしかけてきやがったよ!

 

ま、なんとか避けたけど。

 

零誠「正気か!?」

 

アザ「こちとらセイクリッド・ギアの情報を提供してこの競技に望んでんだよ!」

 

ホントに大人の汚い取引があったよ。

 

零誠「つーか、その剣って………」

 

先程の攻撃に使った剣なんだが、

 

アザ「気づいたか?そう。これはお前らがバカにしていた『閃光と暗黒の龍絶剣』だ!」

 

ミカ「『閃光と暗黒の龍絶剣』が完成したとは………」

 

アザ「名前の通りドラゴンスレイヤーだから、死ねや」

 

キレていいよね?

 

零誠「その『閃光と暗黒の龍絶剣』って開発にいくらしたんですか?」

 

アザ「ん?ちょくちょくグレゴリの予算をちょろまかしたから億はいくかな?」

 

シェハ「アザゼル。後で話ありますから」

 

アザ「戦力になるからいいだろうが!」

 

零誠「『色々色』」

 

『閃光と暗黒の龍絶剣』の色を鉛色に変える。

 

アザ「はい?その能力はただの色を変えるだけだろ?」

 

零誠「ああ。でも、知ってるか?トイレのマークって色を反対にするだけでみんな間違えるんだぜ。ま、何が言いたいかと言うと」

 

バキン!

 

零誠は『閃光と暗黒の龍絶剣』を殴り、へし折った。

 

零誠「色が変わっただけで変わっちまうもんなんだぜ」

 

アザ「マオーガーに引き続きいくらすると思ってんだ!?」

 

零誠「知るか。ボケェ」

 

後はガブリエルさんが残ってっけど、あの人なら問題ないだろ。

 

ミカ「おや?レーセー君、勘違いしてませんか?」

 

零誠「へ?」

 

審判「ゴール!ガブリエルさんが大逆転を果たし、天使陣営の優勝です!」

 

ミカ「ガブリエルは実力でアンカーに選ばれたんですよ」

 

零誠「………マジかよ」

 

 



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そうだ。人外魔京都に行こう。
9巻プロローグ


更新亀。コメ募集


特に何も無い平和なある日

 

リアス「………まずいわ。お義姉さまがフリーだから来るらしいの」

 

どうやら知り合いが一人来るだけで我が家の平和は崩壊するようだ。

 

零誠「で、部長、具体的にどうまずいんですか?」

 

白音「………部長はお義姉さんになった時のグレイフィアさんが恐いんですよ。チェックが凄く厳しいらしくてね」

 

零誠「ここは和むところですか?」

 

リアス「怒るわよ」

 

零誠「息子さんと一緒にいたいだろうに休みにわざわざ来るなんてなんか重要な用件ですかね?」

 

朱乃「どうやら義姉としてリアスに言いたいことがあるらしいみたいですよ」

 

零誠「なら俺達は外にでも行きましょうか。邪魔になっても仕方ありませんし」

 

リアス「レーセー、あなたにも聞いてもらいたいから一緒にいて頂戴」

 

零誠「よく分かりませんがそう言うなら聞きますけど」

 

名指しで指定されたが自分が普通でないことは理解しているので触れないでおこう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ピンポーン

 

呼び鈴が鳴ったのでインターホンで確認するとグレイフィアさんだった。

 

いつもは魔方陣なのに今回は玄関からか。

 

グレイ「ご機嫌よう。皆さん」

 

リアス「ご機嫌よう。お義姉さま」

 

ザ・お譲様って感じの挨拶だな。

 

???「お久しゅうございますな。お譲様」

 

声のしたほうを見るといたのは神獣の麒麟。

 

炎駒「これは赤龍帝殿。お初にお目にかかる。私はサーゼクス様のポーンを勤める炎駒と申します。以後お見知りおきを」

 

零誠「よろしくお願いします!握手………は無理か。じゃあ、写真一枚いいですか?」

 

イリナ「レーセーくんが夢中になってる」

 

ゼノ「ああいうのが好みなのか?」

 

零誠「だって、麒麟だぜ?超憧れるじゃん」

 

炎駆「こんなに喜んでいただけるとは足を運んだ甲斐がありました」

 

零誠「どうぞお上がりください。お茶とお茶受けをご用意していますので」

 

黒歌「レーセーの敬い方が行き過ぎて恐いにゃ」

 

炎駆「お言葉に甘えたいのはやまやまですが、私にはまだ仕事が残ってるのですぐに行かないといけません」

 

零誠「それは残念です。引き止めてご迷惑になってはいけませんし、またいらっしゃってください」

 

炎駆「そのお言葉だけで私は満足しております。では」

 

そう言うと炎駆は霧のように消えた。

 

いやぁ、良いもの見れた。

 

グレイ「炎駆を使えば案外簡単に婿に(ボソッ)」

 

グレイフィアさんが何か呟いたがよく聞き取れなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

グレイ「そう。リアスはご迷惑をかけていなくて安心したわ」

 

アー「リアスお姉さまにはよくしえもらっています」

 

グレイ「リアスは少々我侭ですから皆さんに迷惑をかけてないか心配だったんですよ」

 

白音「………少々のわがままなんてレーセー先輩の行動に比べたら可愛いものですよ」

 

全員『うんうん』

 

零誠「あれ?なんかこちらに流れ弾飛んできた?」

 

グレイ「良い学友に恵まれていることは分かりました」

 

グレイフィアさんが問題児の俺と横で固まってる部長を交互に見る。

 

グレイ「後は殿方ですね」

 

その瞬間に空気が死んだ。

 

夕麻「グレイフィアさんが来たってことはやっぱりそういうことなんですか?」

 

零誠「そういうことってどういうことだ?」

 

唐変木EX発動

 

グレイ「分からないなら気にしないでいいですよ」

 

リアス「ちょっとお義姉様!このことは私の好きなようにさせてくれるって」

 

グレイ「確かに結婚相手に関しては好きにさせると言いましたが、手を出さないとは言ってませんよ」

 

リアス「そんなの屁理屈です!大体そんなことして嫌われたら」

 

グレイ「あなたは自分が冥界でドラゴンで縁談を破談させたって有名なことを忘れずに」

 

零誠「そのことについては今回の新人戦で回復してるところでしょう」

 

グレイ「確かにそうですね。でも、それだけじゃ改善出来ないのも確かです」

 

零誠「ぐっ、でも………」

 

グレイ「でも、あなたに勝てば完璧に改善するかもしれませんね。しかし、兵藤零誠という人物はわざと負けることなんて出来ない」

 

夕麻「………主様が言い負かされてます」

 

グレイ「今現在悪魔は少子化の危機に瀕しています。だからあなたにもくどくどくどくど」

 

お説教が始まっちまいました。

 

グレイ「くどくどくどくどということで分かりましたか?」

 

リアス「は、はい!」

 

零誠「グーグー………あ、えっと分かりました」

 

グレイ「寝てましたね?」

 

零誠「………すんません。校長の話とか立ちながらでも眠ってしまうんで」

 

ゼノ「さすが問題児」

 

零誠「否定出来ねえ」

 

グレイ「はー。ま、いいです。先程のことだって私達はあなたのこと言えないですし」

 

零誠「縁談ぶち壊すより酷いって何したんすか?」

 

リアス「グレイフィア様は旧魔王派に仕える一族なんです」

 

零誠「戦争中に相手方の大将とくっついちゃった訳すか」

 

朱乃「演劇になる程有名な話なんですよ」

 

サーゼクスさん自体がそういうの好きそうだしな。

 

グレイ「だからというわけじゃないけどあなたには周りにも肯定される形で幸せになって欲しいのよ」

 

リアス「………お義姉様」

 

なんか部長が嬉し泣きしそうです。

 

グレイ「その為にも、あなたにはくどくどくどくど」

 

零誠「お休みなさい」

 

サー「まぁまぁ、グレイフィア。リアスはよくやってるから、それ位にしてあげなさい。そして面白い話に移るからレーセーくん起きなさい」

 

零誠「グー………サーゼクスさんおはようございます。何時からここに?」

 

目覚めたレーセーが的確な疑問を投げかける。

 

サー「ついさっきね。お土産もあるよ。先日発売した『リーアたん成長記録』」

 

零誠「部長の写真集ですか」

 

リアス「なんでそんな物が!?」

 

零誠「俺だけ商品化なんて悪いじゃないですかー。なので他のみんなの写真集だけでも出してもらうことにしたんすよー」

 

全員『なっ!?』

 

零誠「自分の写真集なんて物が出回る羞恥心を味わうがいい!」

 

レーセー達は知らない。もうとっくに松田プロデュースの下、隠し撮り写真集が学校中に出回ってることを。

 

グレイ「それよりあなた。今日は四大魔王で会議があったはずですよね?まさか抜け出してきたのですか?」

 

固まった笑顔のままグレイフィアさんが聞く。

 

サー「ここから直接私の映像を会議場に送れば問題無いだろう」

 

グレイ「全くあなたは私が休みの日はいつもめちゃくちゃたって。今からでもメイドに戻ろうかしら」

 

ザザ…ザザー

 

ノイズが入り大画面に会議場の映像が映し出される。

 

セラ「もうサーゼクスちゃんったら何やってたの?アジュカちゃんもファラビーも時間に厳粛なサーゼクスちゃんが来ないから不思議がっていたんだから」

 

サー「ちょっと人間界に来ていてね」

 

セラ「ズルーイ!私も人間界に行きたかったのにー」

 

アジュ「君が人間界に行く時はなにか問題が起きたときか面白いこと考えているときだ。まぁ、今回は十中八九後者なんだろうがね」

 

ファラ「えー。めんどくさいことはやめてよねー」

 

新人悪魔の顔合わせのときにいた魔王の二人か。

 

サー「ああ、レーセーくんにはまだ紹介したなかったね。怪しげな雰囲気の彼がアジュカ・ベルゼブブ。技術専門だ。めんどくさそうにしてるのがファルビウム・アスモデウス。軍事専門だよ」

 

アジュ「怪しげな雰囲気は悪魔らしくていいじゃないか。初めまして。赤龍帝殿。噂は聞いてるよ」

 

ファル「ファルビウムだよ。よろしくね」

 

零誠「兵頭零誠です。色々と迷惑をかあけると思いますがよろしくお願いします」

 

サー「ちなみにセラフォルー君は外交専門だ」

 

零誠「少し前に堕天使陣営を滅ぼそうとしてませんでしたっけ………」

 

セラ「………そんな昔のこと忘れたわ」

 

ファル「全くサーゼクスもセラファフォルー働き過ぎなんだよ。僕は働いたら負けっておもってるからね」

 

零誠「あのヤンキー悪魔とはぜんぜん違いますね」

 

リアス「ちょっとレーセー。失礼よ」

 

ファル「かまわないよ。本当のことだし」

 

朱乃「ファルピー様は眷属集めに全力を注いでそれ以降は眷属に仕事の大半を丸投げしてるんですよ。簡単に言えば夏休みの最初の方に宿題を終わらせて後は全部休むタイプですね」

 

朱乃さんが耳打ちしてくる。

 

アジュ「で、サーゼクス。今回はどんな面白いことを思いついたんだ?」

 

サー「グレモリー家に代々伝わる遺跡での通過儀礼を受けてもらおうと思っていてね」

 

リアス「なっ!?」

 

アジュ「それは会議より面白い」

 

セラ「サーゼクスちゃん以来ね」

 

ファラ「先に祝っておくよ」

 

グレイ「というわけで、それがお義父様とお義母様からの言伝です。私たちを安心させてください。それとサーゼクス。帰ったら分かっていますね」

 

グレイフィアさんはサーゼクスさんの頬を引っ張り連れて行く。

 

サー「ほういうことだからふぁんふぁってね。リーアたんにフェーセーくん。応援ふぃてるよ」

 

最強夫婦が退場する。

 

零誠「てか、なんで俺まで参加することになってるの?」

 

リアス「そ、それはレーセーの実力がこの中で1番高いからよ!」

 

零誠「なるほど。でも俺だけってことは試練に連れてける眷族は一人ってルールがあるんですか?」

 

リアス「そ、そうよ。だから他のみんなの分までがんばってね」

 

部長以外の女性陣は集まってこちらに聞こえない程度の声で何か話してる。

 

イリナ「部長の家が外堀から埋めようとしてるだけよね?」

 

黒歌「十中八九そうにゃ」

 

アー「だ、大丈夫なんでしょうか?」

 

夕麻「大丈夫じゃないですか?主様の性格上そんなこと気にしませんし」

 

ゼノ「確かに。無理やりさせられそうになったら普通にぶち壊しそうだな」

 

白音「………では、私たちの方針は?」

 

朱乃「レーセーくんに気づかれないように応援だけはしておきましょう」

 

全く女性というものは恋愛において強かである。

 

そこに買い物から帰ってきたロスヴィアセさんが入ってくる。

 

ロス「見てください!生活に必要な物を全て100均で揃えました!」

 

そして彼女は残念である。



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魔王戦隊

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評価が低いのでそちらもお願いします。


2度目の最強夫婦来訪から数日後

 

冥界

 

部長と2人でグレモリー領の山岳地帯に来ている。

 

そして目的地である石で出来た祠にたどり着いた。

 

リアス「はぁ」

 

先ほどから部長はため息が多い。ここは少しでも安心させるべきだろう。

 

零誠「部長。俺に任せてください。あなたの眷属なのだから最強じゃないはずがないでしょう?」

 

リアス「眷属………はぁ。そうよね。あなたはやっぱり眷属なのよね」

 

あれ?余計に落ち込んじまったぞ。

 

???『とうっ!!』

 

次の言葉を考えてる途中で頭上から5つの影が降り立つ。

 

………戦隊ヒーロー?

 

リアス「何者!?」

 

うん。俺も気になる。

 

???「ふっふふー!我こそは謎の魔王(スパン!)イタッ!?」

 

赤いのに黄色いのがハリセンで突っ込みをいれた。

 

レッド「すまんすまん。気を取り直して。我らは魔王戦隊サタンレンジャー!リーダーのサタンレッド!」

 

ブルー「同じくサタンブルー」

 

グリーン「めんどいけど、サタングリーン」

 

ピンク「レヴィアたんじゃなくてサタンピンク!」

 

イエロー「はぁ、えーっと、サタンイエロー」

 

ドカーン!

 

5人のバックだ爆発が起きる。

 

………4大魔王とグレイフィアさんだよね?

 

だってノリノリでサーゼクスさんとセラフォルーさんポーズ決めてるし。

 

うん。冥界は今日も平和です。

 

さて、俺が今しないといけないことはケータイを取り出し、

 

パシャッ

 

零誠「あーもしもし、ギャスパー?今送った写真をネットで拡散しといて」

 

イエロー「何をしてるんですかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

山岳地帯なのでイエローの声が木霊する。

 

零誠「皆さんのかっこいい姿(痴態)を多くの人に見てもらおうと思って(笑)」

 

レッド「そうだろう。そうだろう。昨晩息子と一緒に考えたポーズだからな」

 

ピンク「私だって可愛いポーズを考えたんだから!」

 

イエローは味方が居ないことに気づきピクピクと体を震わせている。

 

零誠「さて部長。どうします?」

 

リアス「レーセー。下手に手を出したらダメよ。魔王戦隊の名の通り、全員魔王クラスの魔力を感じるわ。一体何者なのかしら?」

 

気づいてないだと!?

 

あれってあなたのお兄さんですよ!まぁ、俺だったらいい年して戦隊物の格好した兄が居たら全力で他人のフリしますけどね。

 

レッド「我々はグレモリー家に雇われたのだ。この遺跡には3つの試練が待ち構えている。その試練を君たちのコンビネーションで乗り越えてほしい」

 

ピンク「あ、空に謎の飛行物体が!」

 

レッド「何!?みんなで一斉攻撃だ!『滅殺の魔弾(ルイン・ザ・エクスティンクト)』」

 

ブルー「『覇軍の方程式(カンカラー・フォーミュラ)』業の式」

 

ピンク「『零の雫と霧雪(セルシウス・クロス・トリガー)』」

 

グリーン「アスモデウス的な攻撃」

 

イエロー「一応、イエローショット」

 

空中に今まで見たことの無い程大きな爆発が起きる。

 

空間に亀裂が入ってオーロラまで出てるし

 

ブルー「ただの悪霊ではないか。驚かすなピンク」

 

ピンク「てへ」

 

たかが悪霊相手にオーバーキル。悪霊だが同情してしまう。

 

リアス「それで試練とは?」

 

零誠「今のところはスルーすか!?」

 

リアス「悪霊は倒すものよ」

 

零誠「確かにそうですけど!あれ?なんだこの状況?おかしいのは俺なのか?」

 

マジで最近自身を無くすよ。俺の常識が通用しないんだもん。

 

レッド「我々が各試験を受け持つ。君たち2人の絆を見せてほしい」

 

リアス「ああ、もう!いいわ!ここまで来たらやけくそよ!私たちの絆を見せ付けてあげるわ!」

 

第一の試練

 

ピンク「1つ目の試練はダンスよ!2人のコンビネーションを見せて頂戴」

 

冥界が平和なわけだ。トップの家の試練がダンスだもん。

 

音楽が流れ出したので踊り始める。この音楽は社交ダンスか。

 

リアス「レーセー、上手よ。あなたはなんでもそつなくこなすわね」

 

そして、音楽が終わり、一礼する。

 

パチパチパチ

 

ピンクが拍手を送り、

 

ピンク「合格よ。心配して損しちゃった。次の試練もがんばってね」

 

第二の試練

 

グリーン「2つ目の試練はテーブルマナー。原点方式でメイド2人がチェックしてるから持ち点が無くなったら失格ね」

 

全く持ってチョロイな。

 

数十分後

 

メイド「お二人とも完璧です。こちらから言うことありません」

 

零誠「あのう。あの料理は誰が作ったんでしょうか?」

 

メイド「私たち2人ですが」

 

零誠「美味しかったのですが、あのドレッシングに使われていた卵の数をもう1つ増やせばコクが増してよくなると思いますよ」

 

メイド「勉強になります。ありがとうございました」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

最後の試練に向かう途中

 

リアス「レーセー。私はね、お兄様とお義姉様に憧れてるの」

 

部長が少し悲しそうな顔で言う。

 

リアス「お兄様は魔王でお義姉様は最強のクイーン。本から尊敬しているわ。でも、同時に感じてしまうの。優秀な2人に比べて私はダメな妹ではないかと。私が本当に次期当主でいいのかってね」

 

零誠「はぁ。全く何をそんなことで悩んでいるんですか?」

 

リアス「そんなことって!」

 

零誠「そんなことでしょう?俺の主がダメなわけないじゃないですか。もし本当にダメなら俺は付いていきませんよ。部長に俺は一生付いていきますよ。それがあなたがダメではないという証拠です」

 

リアス「……あなたは私をちゃんと見ていてくれる。あなたに見られていると分かるだけで進んでいけるわ。それだけあなたに夢中ってわけね………けど、まだ部長なのね(ボソッ)」

 

零誠「最後に何か言いました?」

 

リアス「いえ、なんでもないわ。最後の試験に向かいましょう」

 

最終試験

 

ブルー「最後の試験は筆記試験だ。グレモリー家の歴史と冥界の一般常識だ。制限時間は1時間。始め!」

 

始まるの早っ!?まだ席にもついてねえよ!

 

慌てて机に向かって書きだす。

 

思ったんだが、石造りの神殿でダンスはまだいいが、テーブルに座って食事や机に向かってテストってシュールだよな。

 

1時間後

 

ブルー「そこまで」

 

ブルーが採点を開始する。

 

目の前で採点されるのってなんか心臓に悪いな。

 

ブルー「リアス・グレモリー合格。兵頭零誠合格だが、ここで問題。間違えたら即失格」

 

何!?なぜに俺だけ!?

 

ブルー「我ら悪魔は昔72柱という序列が存在した。1位から72位まで全て答えよ」

 

舐めるな!中級試験のためにその辺りはみっちり勉強したわ!

 

レーセーはスラスラと答えたいく。

 

ブルー「お見事。では、その中で断絶した家は?」

 

エグい!?まるで賞金を出したくないクイズ番組だな。

 

だが、ぶっちゃけ高校の勉強は前世でふざけてるほどやったから、悪魔の勉強にほとんど時間回してるから答えられるんだけどな。

 

ブルー「正解。正直転生悪魔だから答えられないと思ったんだが、やるじゃないか。合格を授けよう」

 

リアス「よくやったわ!これで私たちの仲を疑う者は居ないはずよ!」

 

部長が嬉しそうに抱きついてきた。

 

ブルー「少しばかり君の中の『悪魔の駒』を見せてもらえるかね?」

 

言うなり俺の胸に指を当てる。

 

ブルー「ほう。面白いことになっている。駒の色が赤が3つ、黒と金が2つ、白が1つに変わっている。『覇龍』の影響だろうな。だが上書きが雑だ。俺が一工夫加えておこう」

 

零誠「いいんですか?」

 

ブルー「構わないよ。身内の不始末を片付けてくれたし、なによりどうなるのか見てみたい」

 

リアス「レーセー。あなたブルーとなにか繋がりあったの?」

 

ブルー「気にしなくていい。さ、終わったから行きなさい。奥でレッドが待ってる」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

通路を進むと光が見える。

 

最奥は天井が無く、冥界の空が広がっていた。

 

そして、中央にあるのはコロシアム。

 

コロシアムの上にはレッドとイエローが待っている。

 

イエロー「お疲れ様でした。お2人ともおめでとうございます」

 

レッド「よくぞここまでたどり着いた。だがしかし、これで終わるほどグレモリー家の試験は甘くない。最終試練としてこの私サタンレッドと戦うがいい」

 

零誠「お疲れ様と言われた傍から1番キツイ試練盛り込んでくるなよ!」

 

レッドは赤いオーラもう纏ってるし!?

 

レッド「魔王戦隊のリーダーとして一度ジゴロドラゴンと手合わせしたかったのだよ。どちらが冥界の真のヒーローにふさわしいか雌雄を決しよう!」

 

零誠「んなものくれてやるから簡便してくれ!」

 

リアス「サタンレッド!レーセーは北欧の悪神ロキを倒す実力を持つのよ!挑むなんていい覚悟ね」

 

零誠「ちょっ!?煽るの止めてもらえます!?」

 

サー「相手はあのロキを倒した赤龍帝だ。心が高鳴り、血が躍る!この感じ久しぶりだ!」

 

零誠「煽りに乗っかちゃったし!?ちょっとイエローさん!なんとかしてください!ただの悪魔と戦おうとしてますよ!」

 

イエロー「おや?写真をばら撒くほどの実力を持つレーセーくんなこれくらいどうってことないでしょう」

 

零誠「さっきのまだ根に持ってるんすか!?」

 

理解した。味方は居ない。実力者がこんなに居たら逃走も不可能。

 

ならやるしかねえよな。

 

零誠「禁手化。『正喰者』発動。『光化静翔(テーマソング)』」

 

髪が黒く染まる。

 

この一連の動作をする間レッドはポーズをきめていた。

 

サー「ヒーローが変身している間は攻撃をしないのがお約束だ!」

 

全く面白い人だ。

 

数十分後

 

さっきから同じ状況が続いている。レッドが滅びの魔力を放ち、レーセーがそれを避けるという状況が。

 

レーセーが避け続けられる理由は先ほど作成した『光化静翔』

 

文字通り、光と化して静かに翔るスピード上昇の能力。

 

姿が見えなくなったり、分身できる程の速度を出せるのだが、レーセーの方からの攻撃が一撃も放たれていない。

 

レッドはレーセーの速度を純粋な物量で潰そうとしている。

 

サーゼクスの攻撃量は開始時に比べ、10倍には増えている。

 

今では攻撃の量が多すぎてレッドが見えなくなるときもある。

 

本気でこれはまずい。

 

セラ「赤龍帝くんガンバー」

 

アジュ「これは凄い。まさかここまでサーゼクスの攻撃を相手できる者がいるとわ。速度だけなら上級悪魔の上位に食い込むな」

 

ファラ「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」

 

もうこれイジメじゃね?

 

リアス「滅びの魔力?まさか!」

 

零誠「やっと気づきましたか」

 

リアス「ええ!レッドはバアル家の者ね!」

 

そっちかー!?つーか、さっきアジュカさんが名前出してたよね?部長ってたっぱりダメな子?

 

サー「他のことを考えてるなんて余裕だね?もう少し数を増やそうか」

 

マズイ!マズイ!マズイ!考えろ!打開策を考えろ!考えろ!考えろ!

 

1人じゃキツイなら2人に増やせば。でも、どうやって?部長に協力してもらったらイエローが出てくるからマズイ。

 

2対2の状況には出来ないから1対1対1の3つ巴にすればいい!

 

零誠「セラフォルーさん!これは真の冥界のヒーローを決める戦いです!魔法少女レヴィアたんが参加しなくてどうするんですか!」

 

セラ「はっ!?そうね!1番最初にアニメをやっていた私が参加しないのはおかしいわ!」

 

釣れた!

 

セラ「カレイドステッキ来て!変身!魔法少女レヴィアたん!」

 

サー「まさかセラフォルー君が参加するとは」

 

一瞬だが、サーゼクスさんがセラフォルーさんに集中する。

 

零誠「構築『知られざる英雄(ミスター・アンノウン』」

 

『知られざる英雄』自分のことを忘れさせる能力。

 

この戦いがそもそもサーゼクスさんとセラフォルーさんのヒーロー対決だと思わせる。

 

その後は直ぐに帰りましたよ。魔王の相手は魔王に任せるのが一番でしょ。

 

ま、能力が切れた後にめっちゃ怒られましたけど。



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模擬戦

感想、ポイントお願いします。


冥界 グレモリー家

 

昨日の試練が終わり、魔王との戦闘をボイコットしたことをこってりしぼられた後、そのままグレモリー家に泊まることになった。

 

ロス「将来的には北欧魔術の学び舎を建てたり、女性悪魔からヴァルキリーを排出したりと新しい産業を考えております」

 

グレモ「うむ。ロスヴィアセくんは産業に興味があるのか。グレモリー当主として期待が膨らむよ」

 

ザ・大人の話って感じの話をロスヴィアセさんとグレモリー卿がしている。

 

俺はというと、

 

アジュ「このシステムについてだが」

 

ファラ「軍の配置考えておいてよ」

 

セラ「天界にコネあったわよね?」

 

サー「新商品の案なにかないかい?」

 

零誠「あーもう!どうして俺のところに集まるんですか!」

 

四大魔王の相手してます。

 

魔王『昨日勝手に帰ったから』

 

零誠「アジュカさんのそのシステムは俺が使ってる圧縮システムで圧縮出来ます。ファルピーさん重要拠点など詳細データ送っといてください。セラフォルーさんは天界のコネはイリナに作ってもらってください。サーゼクスさんの新商品の話は俺以外の商品にしてください」

 

昨日のことは全面的に俺が悪かったから仕方ない。

 

ヴェネ「そろそろお仕事の話は終わりにしてお茶にしましょう」

 

お茶のカップが置かれ、休憩の雰囲気に変わる。

 

ヴェネ「そういえばレーセーくん達の修学旅行先は京都だったわね。去年リアスがお土産に買ってきてくれた京野菜の漬物が美味しかったのよ」

 

零誠「じゃあ、お土産として部長に渡しておきますね」

 

ヴェネ「ごめんなさいね。催促したみたいで」

 

零誠「いえいえ。これくらいは構いませんよ」

 

アジュ「私は八橋を焼きではなく、生で頼む」

 

ファラ「僕は君のセンスに一任するよ」

 

セラ「私は信玄餅!」

 

サー「地酒を頼もうかな」

 

零誠「あんたらホントに容赦無いな。後、信玄餅は山梨の名産だ!」

 

サー「お土産代として10万程渡しておく」

 

零誠「了解しました!東京バナナも用意しましょうか?」

 

ロス「現金な人ですね」

 

零誠「実際に現金貰ってますし」

 

ロス「だいたい京都に持って行けるのは5万までですよ」

 

零誠「なん……だと……?」

 

地酒を買い込むという俺の計画が。

 

談笑している所に来訪者が現れる。

 

サイラ「バアル特産の果実を持ってきました」

 

サー「いやぁ、従兄弟に気を使われてすまないね」

 

サイラ「いえ、構いませんよ。本題ですが、レーセーも居るなら話が早い。四大魔王殿。次のレーセーとのゲームは能力に制限をつけないルールにしていただきたい」

 

サー「『停止結界の魔眼』を封印無しでも構わないと?」

 

サイラ「ええ。俺も全力のレーセーと戦いたいのでんね」

 

サー「よし。なら、レーセーくんがOKを出せばそういうルールにしよう」

 

零誠「んー。よし。なら俺との模擬戦に勝ったら構いませんよ」

 

全員『!?』

 

アジュ「さすがは噂の赤龍帝。面白いことを考える」

 

ファル「また面倒なことになった」

 

セラ「どうなるのか、楽しみだわ」

 

サー「サイラオーグ君はこの勝負を受けるかい?」

 

サイラ「もちろん受けますよ。前々から手合わせしたいと思っていたんですよ」

 

サー「決まりだ。会場を直ぐき用意しよう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

レーティングゲームに使われるようなだだっ広い空間

 

審判は四大魔王

 

プロモーションはクイーン

 

魔王『それでは、始め!』

 

零誠「『再編開始』」

 

アスカロンで出来た鎧を身に纏う。

 

ガン!

 

一瞬にして距離を詰めたサイラオーグが鎧に拳を叩き込んでいた。

 

ピキッ!

 

サイラ「ぬ!?」

 

レーセーの足元の地面に亀裂が入るが、レーセーは一歩も動いていない。

 

直ぐにサイラオーグは引き、立て直す。

 

サイラ「禁手化しないから舐めているのかと思ったら、まさか今のを凌ぐとは」

 

零誠「これは『賊刀 鎧』防御に特化した刀。その程度の攻撃じゃ壊せませんよ」

 

サイラ「確かに凄い防御力だ。しかし、鎧で俺の鋼の肉体を討ち破れるか?そもそも俺の速度に追いつき攻撃を与えられるか?」

 

『Boost!』

 

零誠「なら、その条件が満たせるまで倍加させてもらうとしましょう。ま、魔王クラスまで上げてみるとしましょう」

 

サイラ「クッ!」

 

そこからはサイラオーグの猛攻。

 

ガン!ガン!ガン!

 

『Boost!』

 

ラッシュの途中で倍加の合図がする。

 

その合図がサイラオーグを精神的に追い詰めていく。

 

しかし、レーセーがダメージを負っている様子は無い。

 

セラ「なんかいつもとレーセーくんの雰囲気が違うわ」

 

サー「アジュカ。君ならあの鎧の秘密が分かるかい?」

 

アジュ「十中八九、衝撃を逃がす類だろう。もし純粋に強度が高いだけのものなら鎧が壊れなくても吹っ飛ばされてるだろう。地割れがいくつか出来てるのは逃がした衝撃が原因だな」

 

完璧に正解だ。全く悪魔一の頭脳は恐れいる。

 

零誠「種明かしがされたが、どうする?鍛えられた肉体は賞賛に値するが、物理攻撃だる限り勝てないぞ」

 

サイラ「卑怯な!俺がしたかったのはこんな勝負じゃない!」

 

零誠「こんな勝負じゃない?ふっ。何、それ。笑う所ですか?木場にも劣る肉体で殴り合えば満足するんですか?テロリスト相手に肉弾戦をさせてもらえなかったら同じように卑怯とでも言うつもりですか?余り戦場を舐めてんじゃねえよ。犬死にすんぞ」

 

サイラ「!?」

 

サー「レーセーくんは戦いがどういう物なのか伝えたか」

 

零誠「そんな戦いじゃ絶対に壁にぶつかる」

 

サイラ「そんな事は分かっている!」

 

サイラオーグさんは引き、唱える。

 

サイラ「死よ。死の幕引きこそ唯一の救い」

 

魔力だはなく、気力によって行われる詠唱。

 

サイラ「この毒に……ダメだ。バアル家の誇りにかけてこれは使えない」

 

新人悪魔の会合での誓い

 

零誠「そんな綺麗事で勝てると思っているのか!」

 

サイラ「綺麗なままで勝つ。汚れてたまるか!」

 

サイラオーグはレーセーを締めあげようとする。

 

零誠「この鎧は人間の稼動区域以外に動かない。それ以上動かそうとしたら地面に衝撃と処理し、逃がしてしまう」

 

サイラ「なるほど。衝撃は地面から逃がしていたのか」

 

マズッ!?

 

サイラオーグは空高くにレーセーを放り投げた。

 

空中で攻撃を受けたら鎧の中で衝撃が留まり爆発する。

 

レーセーは慌てて鎧を消す。それを確認していたサイラオーグはレーセーに向かって飛ぶ。

 

零誠「後、もう一つ詰めが甘い」

 

『Boost!』

 

『Saber!』

 

『Explosion!』

 

何度も行われた倍加を受けたアスカロンの雨。

 

模擬戦の決着である。

 

もしサイラオーグがレーセーを持ち上げ、地面から離し締め技を行っていたらサイラオーグの勝ちだっただろう。

 

まぁ、鎧の形をした刀なのでところどころにある刃(聖剣製)で切り刻まれることにはなっていただろうが。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

サイラ「うぅ……ここは?」

 

サー「グレモリー家だ」

 

サイラ「……俺は負けたんですね?」

 

サー「いい所まで行ったんだけどね。レーセーくんは心配して見守っていたんだが、明日は学校だから帰したよ」

 

サイラ「学生だからそれは仕方ありませんよ」

 

サー「そして伝言を預かっている『俺との戦いの時はあれを許可します。そして制限抜きで構いません』だってさ」

 

サイラ「なっ!?それじゃあ模擬戦の意味は?」

 

サー「実力を測るのと、約束の確認が目的だったんじゃないかな?」

 

サイラ「そうですか……」

 

サー「一つ聞きたい。模擬戦中に使おうとしたあれは真っ先にゲームで使用不可になるような物じゃないかい?」

 

サイラ「あそこまで見せて流石にばれますよね」

 

サー「やはりね。レーセーくんが認めたからには対抗策があるんだと思うが気をつけたまえ」

 

 



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新幹線

最近ポイントが少しずつあがってます。
入れてくれた方ありがとうございました。
感想もありがとうございました。


零誠「はー」

 

浜松「でかい欠伸だな。なんだ?昨日は楽しみで寝られなかったのか?」

 

零誠「寝られなかったのは事実だが、楽しみというより寝たら取られてた」

 

昨晩は1、3年の侵入率が高かった。

 

あの一週間喋らないというルールも3日間会えないからって侵入した方が得だと考えたみたいだ。

 

結局、昨日はトレーニング用の空間で寝たよ。

 

ルールはルールなので心を鬼にして今日は喋ってない。

 

気を取り直して現在は新幹線で京都に向かっている。

 

席だが一班4つの席が割り振られており、俺の隣はおらず、元浜と松田とむかえ合って座っている。

 

アーシア、夕麻、ゼノヴィアの班が通路を挟んだ席。イリナ、桐生、足野がアーシア達の一つ後ろの席に座ってる。

 

ゼノヴィアが席を立ち、俺の隣に座った。

 

零誠「どうした?」

 

聞くと耳打ちで、

 

ゼノ「実は正教会の錬金術師に改良の為にデュランダルを預けていて手元にない。丸腰だ」

 

零誠「聖剣騒動で協力しなかった正教会がよく改良なんてやってくれたな」

 

ゼノ「ミカエル様辺りが口ぞえしてくれたのだろう」

 

零誠「上司には逆らえないってわけか。で、どういう改良が行われるんだ?」

 

ゼノ「能力を下げずにオーラを抑えるというものだ。まぁ、未だにオーラをコントロール出来ない私の実力不足が問題なんだがね。これで『騎士』とは笑える。死んだほうがマシか?」

 

零誠「また自虐入ってどうするよ。木場にでも剣術教えて貰えよ」

 

木場「教えるならレーセーくんの方が向いてるんじゃないかな?」

 

いつの間にか通路にいた木場が話しかけてくる。

 

零誠「最近お前は気配の消し方が上手くなったな。全く心臓に悪い」

 

ゼノ「ん?私は気づいたぞ。というか気配消してたか?」

 

零誠「何!?パワーバカのゼノヴィアが気づいて俺が気づかないなんて!?よし。死のう」

 

ゼノ「おい!自虐に見せかけて私をバカにするな!」

 

零誠「バカなのにバカにされてることが分かったのか!?」

 

ゼノ「バカって言われたらいくらなんでも気づくわ!」

 

零誠「よしよし。気づいたゼノヴィアには飴をあげよう」

 

ゼノ「やったー!何味だ?」

 

馬で鹿の子を騙すのは容易い。

 

零誠「フォアグラ味だ。世界三大珍味の一つだぞ」

 

ゼノヴィアの口に放り込む。

 

ゼノ「……フォアグラ……マズイ」

 

ゼノヴィアは顔をしかめる。

 

零誠「だろうな。鴨の脂肪肝の味なんて飴にするようなものじゃないし」

 

ゼノ「さっきからなんだこの扱い!」

 

零誠「仕方ないだろうが。原作では知らんがこの作品でお前はいじられキャラなんだから」

 

ゼノ「ふざけるな!改正を要求する!」

 

零誠「おいおい、我慢しろよ。イリナなんて京都で戦うのに未だに天使なんて扱いづらいポジションにいるから戦闘方法決まってないんだぞ。場合によってはイリナの戦闘描写カットになるんだからな」

 

ゼノ「この立場で満足するか」

 

イリナ「ちょっと!今、恐ろしい話を耳にしたnだけど!?」

 

木場「ねえ。大きな声でそんな話しても大丈夫なのかい?」

 

零誠「安心しろ。メタ発言は俺が指を鳴らしたら無かったことになる」

 

木場「いくらなんでも嘘でしょう」

 

零誠「Let`s all fiction」

 

パチン!

 

ゼノ「というわけでもしもの時は武器を頼む」

 

零誠「了解。聖剣を用意しておくよ」

 

木場「え?さっきまで出番の話とかしてなかったけ?」

 

零誠「出番?木場って劇でもやんのか?」

 

木場「いや違くて作品とか行ってたじゃないか!」

 

イリナ「ホントに大丈夫?先生呼んでこようか?」

 

木場「一体どうなってるんだ!?」

 

トチ狂った木場が落ち着いたみたいで用件に入る。

 

木場「違う!おかしいのはこの世界だ!」

 

バスッ!

 

零誠「早く話を進めようか?」

 

木場「O……K……」

 

腹パンで落ち着かせる。

 

トチ狂った木場が落ち着いたみたいで用件に入る。

 

零誠「で、なんの用件だ?」

 

木場「京都でどこを周るのか聞こうと思ってね」

 

零誠「明日は清水寺、金閣寺、銀閣寺。3日目は天竜寺からゆっくり行かせてもらうよ」

 

木場「3日目の天竜寺は僕達も行くよ。渡月橋辺りで会えるかもね。最終日は?」

 

零誠「京都駅周辺でおみやげ探し。京都タワーはイリナが行きたがってたから行くぞ」

 

土産には俺は特に時間がかかる。

 

木場の予定も教えてもらった。

 

木場「残念だな。レーセーくんと一緒に回れたら楽しかったのに」

 

女子『キャー!!やっぱり零誠×木場はてっぱんよね!!』

 

俺には何も聞こえない。

 

木場「そういえば魔王様との戦いはどうだった?」

 

零誠「死ぬかと思った。てか、逃げなきゃ死んでた」

 

木場「あはは。それだけレーセーくんが強いってことでしょ。サイラオーグさんに勝っちゃったし」

 

零誠「お互い手の内を隠した戦いだぞ」

 

木場「それでもあのパワーを防ぎきったのは凄いよ。あれの前じゃ僕なんて紙同然だもん」

 

零誠「同感。まともなぶつかり合いであの人に勝てる奴なんてそうそういないだろ」

 

木場「まともじゃないぶつかり合いの方法を編み出すしかないか」

 

零誠「どっちにしろ帰ったら訓練だな」

 

木場「そうだね。あ、お土産買うときに連絡してよ。中身が被ったら面白くないだろ?」

 

零誠「了解」

 

さて、前の変態2人は寝てるし『ブーステッド・ギア』の中にでも潜るか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

歴代の赤龍帝がいる場所は席が置いてるだけの広くて白い空間

 

席に座ってる元赤龍帝達は全員うつろな表情でうつむいてる。

 

零誠「……相変わらず辛気くさい顔してる奴しかいねえ」

 

ドラ「『覇龍』を使った奴の成れの果てだ。そいつはお前に一番年齢が近い赤龍帝だ。才能があったから『覇龍』も早かった。散々暴れた挙句他のロンギヌス所有者に殺されちまった」

 

零誠「白龍皇以外に敵作ったら本末転倒だよな」

 

ドラ「お前の『覇龍』は世界中を敵に回すがな」

 

零誠「文字通り世界が滅びるからな。もう一度『ルールブレイカー』を準備しろって言われても無理そうだし」

 

ドラ「そこは木場に任せればいいがお前に当てられないだろ。前回はたまたま上手くいっただけだぞ」

 

???「確かにあの時はひやひやしたわ」

 

いきなり第三者の声がしたので驚いて声のした方向を見ると金髪の女性が立っていた。

 

零誠「まともな表情してる?」

 

ドラ「エルシャか」

 

エル「はーい、ドライグは可愛くなっちゃったわね」

 

ドラ「………そこに触れるな」

 

零誠「俺も可愛いと思うけどな」

 

ドラ「ふぇ?そ、そうか?」

 

エル「可愛い!!」

 

ドラ「なっ!?」

 

エルシャはドライグに飛びかかり抱きついた。

 

そこから数分間百合空間が天展開しているが目を逸らしていたのでその場面は割愛させてもらおう。

 

エル「ゲフッ。ご馳走様でした」

 

ドラ「はぁはぁ。相棒助けろよ!」

 

零誠「悪い。楽しんでるのかと思った」

 

ドラ「襲われてたんだよ!お前の目は節穴か!?ぐすっ、お嫁に行けない」

 

零誠「いや、嫁に行かれたら(戦力落ちるから)俺が困るし」

 

ドラ「え?俺がいないと困るのか?そうか。困るなら仕方ない。一生一緒にいてやろう」

 

怒ったり泣いたり喜んだり忙しい奴だ。

 

エル「やっぱり天然のジゴロは凄いわね」

 

エルシャさんが呆れてるが何故だ?

 

零誠「あ、スルーしてましたが、エルシャさんは他の人と違うんですね」

 

エル「ええ。所有者の残留思念の中に例外が二人いるのよ。もう一人は奥にいてここまで来れないんだけどね」

 

ドラ「お前もエルザードと共に出てこないと思っていたんだがな」

 

エル「そりゃあ、ドライグが可w………新しいボウヤが興味深くてね」

 

ドラ「おい!今なんて言おうとした?俺がなんだって?」

 

エル「ボウヤ………いえ、ボウヤって歳じゃないか。他の世界をいくつも旅してるんだし」

 

零誠「なるほど。ドライグとの会話は筒抜けのようですね。好きなように呼んでもらってけっこうですよ。精神年齢は見た目とたいして変わりませんから」

 

ドラ「おいエルシャ!俺の話は」

 

エル「じゃあ、ボウヤ。あなたが持ち込んだ物は大き過ぎるわ」

 

零誠「何か持って来ましたっけ?」

 

エル「ええ。ぶっちゃけちゃうけど歴代の最強を1、2位を争う私とエルザードが力を合わせても抑えこむのが手一杯な物んね」

 

ドラ「なぁ、おい」

 

零誠「エルザードさんか出て来れないのにも関係してるんですか?」

 

エル「関係してないとは言えないけど彼はそのことが無くても意識が消えかかってたから気に病むことはないわ。ボウヤは現ベルゼブブから鍵を貰ったのよね?」

 

零誠「ええ。使い方は分かりませんが」

 

エル「その鍵にあう鍵穴の所へあなたを案内するわ」

 

零誠「え?」

 

次の瞬間光に包まれ扉だけが置いてある空間にいた。

 

零誠「この扉を開けろってことだよな」

 

鍵とは概念であって実際に存在するわけではない。

 

零誠「『具現化開始(トレース・オン)』」

 

イメージを形にするのは俺の領分だ。

 

鍵を形にして鍵穴に差し込む。

 

零誠「さて、鬼が出るか蛇が出るか」

 

扉を開け、中を見ようとした所で目が覚めた。

 

前には悪友2人がぐっすり寝ている。

 

中はどうなってたんだ?

 

零誠「ドライグ。あの扉の中には何があったんだ?」

 

ドラ『ふん。教えてやるもんか」

 

零誠「………放置したこと怒ってます?」

 

ドラ『別に俺の世界なのに俺を無視してエルシャと仲良くいしゃべりしてたことんて全く怒ってないぞ』

 

零誠「やっぱり怒ってる!?」

 

ドラ『ふん!なんとでも言え。ちなみに俺はドーナッツが食いたい』

 

はい。ドーナッツを寄越せってことっすね。忍ポジでも狙ってんのか?

 

零誠「分かったよ。ミスドで好きなの買ってやる」

 

ドラ『クリスピークリームドーナッツだ』

 

零誠「本家より値段が高いだと!?」

 

ドラ『ダース単位で持って来い』

 

零誠「しかも量がおかしい!」

 

………京都ってクリスピークリームドーナッツって店あったかかな?

 

 



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伏見稲荷

最近、この作品ってオリ主タグ付いてるけど、どっちかと言うと憑依ものだから神様転生じゃね?と思う。
九重の歳は直感です。
感想と評価ください。


京都駅

 

駅内だが結構広いな。ま、観光名所が馬鹿みたいにあっから旅行者が結構くっからな。

 

ケータイで調べたが二駅先の四条駅内にクリスピークリームドーナッツの店があっから夜にでも抜け出して行くか。

 

桐生「ほら、みんな。駅に夢中になるのはいいけど早く集合場所のホテルまで行かないと午後の自由時間がなくなるわよ」

 

ゼノ「何!?どうするんだ!レーセー」

 

アー「レーセーさんどうしましょう?」

 

イリナ「助けて。ゼロえもーん」

 

零誠「何故に俺に言う!?後、イリナは青狸を呼ぶ時の駄メガネのように呼ぶな」

 

松田「とにかく駅から出ようぜ。駅の中にいたら前に進めねえ」

 

桐生「松田、知らない土地で迷子になったら大変よ。一人の判断ミスで容易に戦死者が出るわ」

 

元浜「ここは戦場か!?」

 

足野「でも、修学旅行で迷子案内されたら死にたくなるほど恥ずかしいですよね」

 

全員『確かに!』

 

夕麻「ここは慎重に行きましょう」

 

ゼノ「ああ。いつ京都が私達に牙をむくか分からんからな」

 

アー「桐生さん。頼みましたよ」

 

桐生「ええ。私があなた達を導くわ」

 

零誠「盛り上がってるところ悪いが、駒王学園の制服が大勢同じ方向に向かってるからそいつ等についていけばいいんじゃないか」

 

桐生「なん……だと?」

 

という訳で他の班について行き、京都駅を出る。

 

松田「お、京都タワーだ」

 

松田はカメラ部らしくさっそく撮影する。

 

零誠「松田……お前……」

 

松田「ん。どうした?」

 

零誠「エロ関連以外も撮るんだな」

 

松田「甘いな。これはネガ提出様のダミーだ。カメラを持ってると何を撮ったか確認されるからな」

 

元浜「勝負は夜だ」

 

零誠「はぁ。好きにしろ」

 

京都でも変態は変態だった。

 

少し歩くとホテルが見えてきて。

 

『サーゼクス・ホテル』

 

ネーミングセンス(笑)

 

他にも『セラフォルー・ホテル』(笑)があった。

 

どんだけ京都好きなんだよ。

 

ホテルに入り、ボーイに学生証を見せると集合場所のホールに案内される。

 

元浜「すっげぇな。二年全員泊まらせるってうちの高校大丈夫か?」

 

元浜の反応から分かるように金持ちしか泊まれないレベルのホテルだ。

 

零誠「元浜、気づけ。体育祭に言っていたスポンサーの名前を」

 

元浜「……サーゼクス。ここってうちの学校のスポンサーが経営してるホテルか!?」

 

零誠「名前からして十中八九そうだろうな」

 

ゼノ「でも、部長のお宅の方が凄かったな」

 

零誠「俺の家を一晩で6階建てにした財力だ。気にするな」

 

あれは自宅と表現するより城と表現するほうが正しい。

 

時間になったのでホールでは教員からの注意事項が始まる。

 

ロス「百円均一以下略」

 

おい、他の教員共。あの残念ヴァルキリーを下げろ。

 

そんなんだから教員なのに威厳が無いんですよ。まぁ、生徒から慕われるのはいいことだけど、そのことについて酒の席で愚痴るのは止めてほしい。

 

教員「~以上に気をつけてください。それでは荷物を部屋に置いたら午後5時半まで自由時間としますが、遠出は控えてください。京都駅周辺にしてください」

 

生徒『はーい』

 

鍵を受け取り部屋に向かうが鍵を渡すアザゼル教諭がいやらしい顔をしていたので一応殴っといた。

 

俺は一人溢れたので一人で部屋を使うことになっている。

 

ちなみに部屋の割り振りは女子が二階全部屋。男子が四階全部屋。そして間の三階の隅に俺の部屋がある。

 

ちなみに俺の部屋は原作通り民宿のような和室だった。

 

よし。あと一発アザゼルの野郎殴る。

 

ロス「あのう。レーセーくん居ますか?」

 

確認の為かロスヴィアセさんが入ってきた。

 

ロス「すみませんな。一人だけこんな部屋で」

 

零誠「仕方ないですよ。ここで悪魔関連の話するんでしょう?せっかくの京都ですし和式もありだと思っていたところですから」

 

ここは駄々をこねても仕方ないので大人の対応をする。

 

ロス「悪魔関連の話なんてしませんよ?ただ男子と女子の部屋の間に教師の部屋を入れた方がいいということになっていて、4階だけでは男子が一人入れなかったので、男子の中で一番安全だと思われるレーセーくんがこの部屋になったんです」

 

零誠「……教員の部屋もこんな感じなんすよね?」

 

ロス「いえ、この形はこの3階にのみ存在する一人部屋です。教師の部屋は様式ですよ。安心しましたレーセーくんが和式の方がいいって言ってくれて」

 

零誠「ハッハハー。ワシキサイコー。トコロデサッキノリユウダトオレッテシンライサレテンスネー」

 

ロス「アザゼル先生が太鼓判を押してましたよ。「あんだけの美人に囲まれていながら未だに手を出さないなんて不能かホモだろ。木場との噂もあるし」と」

 

零誠「いい加減きれていいっすよね?」

 

ロス「お、落ち着いてください!?私は分かってますから!レーセーくんは卒業した後に私と(ぽっ!)」

 

ロスヴィアセさんが顔を赤らめる。

 

ロスヴィアセさんはまだ俺と結婚するつもりなのか。早く俺なんかよりいい人見つけて目を覚ましてほしいんだが。

 

ロス「さて、自由時間を楽しんでくださいね。私は仕事の戻りますから。まずはアザゼル先生を見つけることから始めなきゃ」

 

零誠「アザゼル教諭を見つけたら(生死を問わず)突き出しますね」

 

ロス「よろしくお願いします」

 

ロスヴィアセさんと入れ替わりで松田と元浜が入ってきた。

 

松田「午後のj何この部屋!?」

 

零誠「気にするな。その件については先程終わった」

 

元浜「いやd「気にするな」分かりました」

 

零誠「で、用件は?」

 

元浜「はい。レーセー大佐。午後の自由時間、本来の予定にはありませんでしたが、伏見稲荷に向かわないかという提案であります」

 

零誠「そうか。しかし元浜軍曹。伏見稲荷には電車を使わないと行けないはずではなかったか?(大差と軍曹ってどっちが位が上だっけ?)」

 

元浜「既に教官に許可を得てます。後は大佐の判断のみです」

 

零誠「よろしい。我々は伏見稲荷に向かうぞ」

 

元浜「イエッサー!」

 

松田「……なんで軍隊っぽいんだ?」

 

零誠・元浜「「三等兵は黙ってろ!」」

 

松田「俺が三等兵ってことは二人の共通認識なんだな!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

伏見稲荷前

 

せっかくなのでアーシア達も誘って一緒に来ることにした。

 

ゼノ「……魔除けの石像だな。本来なら私達のような魔なる物を退ける力があるのだが、例のパスのおかげだな」

 

例のパスとは昨日の夜に部長から渡された物で、俺達みたいな悪魔が神聖な神社に入ることが出来るようにする便利アイテムである。

 

零誠「さっきから気配を感じるのはその為かね」

 

ゼノ「だろうな。事前に話を通してあるとはいえ部外者だからな。監視くらいはつけるだろう」

 

零誠「ま、当然か」

 

進むと千本鳥居が見えたので山登りが開始する。

 

数十分後

 

元浜「ぜーはーぜーはー…待ってくれ…どうしてお前達はそんなに動けるんだ?」

 

松田「おいおい、情けないぞ。アーシアちゃんだってまだ元気だってのに」

 

悪魔だからな。

 

それより桐生と足野が何故そこまで動けるのか気になる。

 

イリナ「藍華と孔雀も大丈夫そうだけど何かスポーツしてるの」

 

丁度2人にイリナが聞いていた。

 

足野「剣道を少し」

 

桐生「私は柔道よ。寝技48手マスターしたわ」

 

桐生はあっち系に持ってく天才だな。

 

休憩所についたので元浜の為に一休みに入る。

 

夕麻「いい景色ですね」

 

アー「はい。素晴らしいですね」

 

桐生「そういえばこの山って地元の走りこみコースでもあるらしいわよ」

 

零誠「それを聞いたら休んでいられないな。ちょっくら先に頂上行って来るわ。お前らは後からゆっくり来い」

 

そうして俺は頂上に向かって走り始めた。

 

足野「マラソンって言うより短距離走レベルで走って行ったんですけどレーセーさんって人間ですか?」

 

全員『……戸籍上は』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

頂上

 

先に頂上に向かったのは一人になるため。この誘いに監視してる奴らはのってくるかね?何も泣ければ構わないんだが。夕麻には伝えてあるからみんなが来るのにもう少し時間がかかるはずだしな。

 

???「京の者ではないな?」

 

早速釣れたな。まぁ、獣耳の金髪幼女が釣れるとは思わなかったがな。

 

つーか、危害を加える気満々って感じだな。

 

零誠「東京からやってきた悪魔だよ。お前らの為にわざわざ一人になって囲まれてやったんだからもてなせや」

 

???「余所者め!皆のものかかれっ!」

 

全く手荒い歓迎だな。ご利益ありそうな烏天狗に狐が突っ込んでくるってことは俺にもツキが巡ってきたかね?

 

零誠「『投影開始(トレース・オン)』」

 

投影したのは『コルト・パイソン』2丁。

 

種も仕掛けもない人殺しの道具。

 

この場面で何故この大口径の拳銃を選択したかというと

 

パスッ。パスッ。

 

銃声も火薬の匂いも極限に抑えてある。

 

狐「ぐっ!?」

 

烏「がっ!?」

 

全弾命中

 

しかし、誰一人として出血をしていない。

 

ゴム弾

 

威力も死なない程度ギリギリに抑えてある。

 

零誠「腕に当たっても骨折する程度だし、頭に当たっても脳内出血で死ぬ程度だ。俺はお前らを殺す気は無い。だから俺のことを恨まないでくださいね」

 

???「クッ!皆の者!立ち上がるのじゃ!ようやく母上を取り戻すチャンスを得たのじゃから!」

 

妖怪『うおおおおおおおおおおおおおお!!』

 

金髪幼女の掛け声で相当痛みがあるはずなのに狐や烏が立ち上がる。

 

こいつ等は白龍皇(ロリコン)なのか?

 

いや、それよりも

 

零誠「母上とはなんのことだ?」

 

???「ウソをつくな!私の目は節穴ではないぞ!」

 

丸っきり節穴です。

 

しかし、こいつ等相手すんのも面倒だ。

 

零誠「ほれ」

 

レーセーが拳大の物を放り投げた。

 

ピカッ

 

妖怪『なっ!?』

 

地面についた瞬間に閃光が視界を覆う。

 

スタングレネード

 

???「目潰しとは卑怯な!」

 

零誠「うるさい。少しは話を聞けよ。ガキ」

 

???「ガキ!?ガキじゃないわい!もう10才じゃ!」

 

零誠「はん!才を難しい漢字で表現出来るようになってから出直してこい!」

 

???「なんじゃとー!」

 

足野「……レーセーくん?何、この状況?」

 

零誠「なっ!?」

 

驚いて声のする方向を見ると階段を登り終えて少し息を切らしてる足野が鳥居の位置に立っている。

 

…………マジかよ?一般人に見られたらマズイよな?

 

妖怪「しめた!」

 

足野「キャッ!?」

 

妖怪の一人に足野を人質に取られてしまった。

 

零誠「くっ!?目潰しは完全だったのに何故だ?」

 

のっぺ「そもそも目どころか顔の無いのっぺらぼうだから目潰しは利かんわ!」

 

……んな、アホな。そんな理由かよ。

 

零誠「足野!すぐ助けるから待ってろ!

 

足野「う、うん」

 

のっぺ「お前は少し眠ってろ」

 

足野「キャッ!?」

 

のっぺらぼうが足野を殴った。

 

プチッ!

 

ドカッ!

 

レーセーはのっぺらぼうの後ろに素早く回り込みぶっ飛ばす。

 

その間に足野を確保。

 

零誠「おい、畜生共。毛皮のコートと鍋になりたくなかったらとっとと退け」

 

妖怪『ひっ!?』

 

殺気に当てられて妖怪達は怯む。

 

???「て、撤退じゃ!お、覚えておれ!」

 

金髪幼女の掛け声で妖怪共は撤退した。

 

零誠「足野!平気か!」

 

足野「うぅ……」

 

どうやら気絶しているだけみたいだ。

 

この後アーシア達と合流し、気絶した足野を見て驚いたみたいだが、登り終えた疲れからか足がもつれて転んだせいで気を失ったということにしておいた。目が覚めた足野にも同様に言って先程の光景は夢だと思ってもらうことが出来た。

 

妖怪共め、一般人に手を出すなよ。



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足野孔雀

アットノベルスで「ハイスクールD×D」でのランキングの順位が2位から3位に落ちました(泣)
4位になったら確実に違う作品に移ります。

アンケート
1、もし、もう他の作品にした方がいいという方は感想にください。
2、イリナの使用技案(西尾維新、奈須きのこ、Diesの技から)

普通の感想、評価も募集してます。


時刻19:30

 

女子の大浴場使用時間

 

私はこの時を待っていた!

 

勘違いしてほしくないから言っておくが、別に覗きをしようと考えている訳ではない。

 

この時間は覗き防止の為に教師の大半が駆り出される。

 

メインで配置されている場所は女性教員が大浴場付近、男性教員が三階廊下、エレベーター対策としてホールに少数と万全の体勢が整えられている。

 

こんな状況で覗きを実行しようとするのは変態2人くらいだろう。

 

俺は他の男子を動かす為に匿名で覗ける場所があるのと人海戦術を用いれば全員を停学処分に出来ないという案をチェーンメールで回した。

 

男子『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

修学旅行でテンションの上がったバカ共を動かすのは容易いな。

 

こうして男子VS教師の覗き大戦が開幕した。

 

何故こんなくだらない物を起こしたかというと、ホテルを抜け出す為だ!

 

教師が男子に構っているうちに抜け出し、クリスピークリームドーナツを奪取する。

 

力を手に入れるには必要なことだから俺は悪くない。別にそのついでに地酒を買ってこようなんて思ってないからな。

 

廊下が戦場になってるのにどうやって抜け出すかって?

 

窓から飛び降りれば一発じゃん。

 

スタッ!

 

四階じゃ危うかったが、三階からなら問題はない。

 

足野「……レ、レーセーくん?なんで上から?」

 

何っ!?足野が何故にここに!?

 

零誠「や、やあ、奇遇だな。今は女子の入浴時間だろ?どうしてここにいんだ?」

 

足野「え、あ、うんとね。今日は山登りみたいなことしたから汗かいちゃつて早くお風呂入りから部屋のお風呂で済ませちゃったんだ。それで外で少し涼んでたの」

 

こんな狙いすましたようなイレギュラーで俺の完璧な作戦が失敗するなんて!

 

足野「それで、レーセーくんはどうしてここにいるのかな?というよりどうやって上からやって来たの?」

 

零誠「……ちくしよう!こうなりゃヤケだ!」

 

ガシッ!

 

足野「え?」

 

足野の腕を掴んで走り出した。

 

足野「ええええええええええええええええ!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

四条駅

 

足野「なんで私はここにいるのでしょう?」

 

零誠「俺が連れてきたからな」

 

足野「これって規則違反ですよね?」

 

零誠「そうだな」

 

足野「なんで私を連れてきたんですか!?」

 

零誠「だって、もしお前を置いてきてたらどうしてた?」

 

足野「もちろん先生に言ってました」

 

零誠「つまり、これでお前も共犯で抜け出したんだから先生に言えなくなったな」

 

足野「ひ、卑怯です!」

 

零誠「そう言うなって。ドーナッツおごってちゃるからよ」

 

足野「ドーナッツなんかで誤魔化されませんよ。というか、ドーナッツの為だけに抜け出してきたんですか!?」

 

零誠「俺を甘く見るなよ。酒も買うつもりだった」

 

足野「未成年でしょうが!なお悪いですよ!」

 

零誠「まぁ、流石にお前の前で買うわけにはいかないからな」

 

足野「当たり前です」

 

零誠「そんじゃ、ちょっと買って来るわ」

 

足野「まだ話終わってませんよ!」

 

うっさいので放置してドーナッツを買いに店に入る。

 

店員「いらっしゃいませ」

 

零誠「残ってるの全部で」

 

店員「はい?」

 

零誠「残ってるの全部で」

 

店員「わ、分かりました」

 

零誠「支払いはカードで」

 

店員「すぐに詰めるのでお待ちください」

 

数分後

 

店員「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしています」

 

袋いっぱいのドーナツを両手に持って店を出た。

 

えーっと、足野はと………

 

不良「ちょっとお姉さん。お金貸してくんない?」

 

不良「大丈夫。すぐ返すからさ」

 

足野「い、今お金持ってないです」

 

不良「嘘こけ!あんまなめてっとしばくぞ?」

 

すっげえな。目を離した短時間で絡まれてるよ。

 

零誠「おーい、足野。帰るぞ」

 

足野「レーセーくん!」

 

足野はレーセーの後ろに隠れた。

 

不良「おたく何?」

 

零誠「こいつの友人だけど」

 

不良「なら、お前でいいわ。金貸してくれよ」

 

零誠「へ?ヤだけど」

 

不良「てめえ、痛い目みたいのか?」

 

零誠「そんなドMはうちの負け犬とサラブレッドで充分だ」

 

不良「訳分かんねえこと言ってんじゃねえ!」

 

不良が殴りかかってきたのでここから先は自主規制。

 

数分後

 

不良は自主規制で自主規制の自主規制になったので放置するのもあんまりなのでちゃんと分別してゴミ箱にポイッしといた。

 

零誠「さて、帰るか」

 

足野「うぅ、レーセーくん」

 

足野はしゃがみこんでしまっている。

 

零誠「どうした?」

 

足野「腰抜けちゃって立てないです」

 

零誠「はぁ、仕方ねえな」

 

足野「え!?ちょっと」

 

電車に足野をおぶって連れて行く。

 

足野「は、恥ずかしいです」

 

零誠「同感だ。とっとと動けるようになってくれ」

 

足野「すみません」

 

零誠「当分無理ってことか」

 

さて、周りの視線が気になるのも問題だが、俺が今現在進行形で気になっていることがある。

うん。足野って隠れ巨乳だね。

 

背中に凄く当たってます。

 

足野「ありがとね」

 

零誠「ひゃい!?」

 

足野「いきなりどうしたんです!?大丈夫ですか?」

 

零誠「大丈夫だ。問題ない」

 

足野「それって問題ある時の受け答えですよね?」

 

零誠「一番いい装備を頼む」

 

足野「それもダメでしすよ!はぁ、なんでこんな人が……」

 

零誠「あれ?俺の株が結構下がってる?」

 

足野「大丈夫。これがあなたに対するマックスですから」

 

零誠「つまり、どんなに頑張っても底辺ってことか!?」

 

足野「そういうどうでもいいことは放っておいて伏見稲荷だのことですけど」

 

零誠「俺にとってどうでもいいことではないのだが……」

 

足野「気絶した時に見た夢の話なんですけど」

 

零誠「そしてスルー」

 

足野「いい加減ちゃんと聞いてくださいよ。その夢でもあなたに助けられたんですから」

 

零誠「現実はこんなんですいませんね」

 

足野「えっと、その………ですよ」

 

零誠「なんだって?」

 

足野「だから、基本的には滅茶苦茶ですけどさっきは格好良かったですよ」

 

零誠「……そうか。なら、足野のピンチは助けるしかなさそうだな」

 

足野「孔雀」

 

零誠「ん?」

 

足野「私のことは孔雀と呼んでください」

 

零誠「了解。なんかお前って始めて会った時より明るくなったな」

 

足野「みんなは敵じゃないって分かったからだと思います」

 

零誠「敵ねぇ」

 

足野「私の名前の孔雀って派手じゃないですか?だから名前のことで似合わないっていじめらました。でも、派手なのはオスの孔雀だけでメスは私にお似合いな地味な色をしているんですよ」

 

零誠「でも、その名前嫌いじゃないんだろう?もし嫌いなら名前で呼んでくれなんて言わないだろ?」

 

足野「どうでしょうね?レーセーくんを憎むために呼ばせているかもしれませんよ」

 

零誠「それは恐ろしいな」

 

その後も他愛もない会話をしてホテルに戻った。

 

孔雀をロビーまで送り、ばれないように自室に戻るとベッドの上に手紙が置いてあった。

 

……読まないとダメだよな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

柳亭『大楽』

 

ロス「やっと来ましたね。レーセーくん」

 

零誠「ぜーぜーぜー……ただいま参上しました」

 

休憩を入れたとはいえ、伏見稲荷を結構なハイペースで登ったのに体力が残っていあた俺が息切れしてることで理解してほしい。俺は風になった。

 

なんたってね。あの置いてあった手紙の文面が恐ろしかった。なによりもまず、

 

零誠「あの手紙の文字、マジもんの血の匂いがしたんすけど?」

 

はい、血文字でした。赤のインクとかではなく、血匂いと黒味がかりかたが血独特のものだった。

 

ロス「覗きを行おうとした男子生徒に対するお仕置きの産物DEATH」

 

あいつ等、生きてっかな?

 

ロス「それよりもあの暴動をメールを送り扇動した首謀者が見つかってないんですけど心当たりありませんか?」

 

零誠「マッタクアリマセン」

 

ロス「そうですか。まぁ、それよりも部屋にいなかったようですがどこにいたのですか?」

 

零誠「腹を壊してトイレに篭もってました」

 

ロス「まぁ、いいでしょう。」

 

……殺されるかと思った。

 

セラ「暴動に時間取られて温泉に入れなかったからってピリピリしないの。後で遅くまでやってる温泉紹介してあげるから」

 

ロス「ホントですか!それでは直ぐに話を終わらせましょう!」

 

温泉に入れなかったからってあの殺気だと!?

 

残念系女子の恐ろしさを垣間見た。

 

零誠「それで、どうしてここに呼ばれたんですか?店員さん。ここからここまで」

 

セラ「京都の妖怪さんと協力体勢を取ろうと思ったんだけどね。なんか大変なことになってるみたいなのよ。あ、私はデザートを一品ずつ」

 

零誠「昼間に襲われたのはそれでですか。アルコール度数高いのと値段が高い酒を上から5本ずつ追加で」

 

セラ「でしょうね。母上って言ってたということはお姫様が直々に調査してるのね。健気だわ。さっきの注文だけど三品ずつに増やして」

 

匙「この二人は大事な会話の途中に注文することに躊躇いがないみたいだな。てか、量がおかしい」

 

零誠「なんだ、匙もいたのか」

 

匙「なんだとはなんだ。なんだとは。俺t「ご注文の品をお持ちしました」「はい、こっちです」「あ、それは私のね」……泣いていいか?」

 

零誠「匙かもぐもぐ放ってもぐもぐおく方向もぐもぐ」

 

セラ「今回のもぐもぐ『禍のもぐもぐ団』の仕業もぐもぐ」

 

木場「話すか食べるかどちらにしませんか?」

 

零誠・セラ「「もぐもぐもぐもぐ」」

 

木場「そこで食べるを選択するところがあなた達らしいよ」

 

ロス「早く話を終わらせろ」

 

零誠・セラ「「イ、イエス・マム!!」」

 

イライラし過ぎて命令形になっちまった!?

 

零誠「で、これからの予定は?」

 

セラ「妖怪の方々と連携をとって事件に当たるつもりよ」

 

アザ「全く舞妓に会いに行こうと思ってたのによ」

 

零誠「変態、俺達はどうすれば?」

 

アザ「変態じゃない。最低でも変態という名の紳士だ。まぁ、お前らは旅行を楽しめ」

 

零誠「は?」

 

アザ「お前らガキにとっちゃ修学旅行は貴重だろ。俺達大人だけでなんとか出来るならなんとかするさ」

 

零誠「やべえ。本物の先生に見える」

 

アザ「本物の先生だよ!」

 

零誠「……でもあの部屋はないと思う」

 

アザ「そうか?3階の方が便利だと感じてると思ったんだが」

 

くっ。抜け出したのばれたか?

 

アザ「なんだ図星か。アーシア達の部屋に行きやすいもんな」

 

零誠「表出ろや!」

 

匙「レーセーの部屋の監視増やしてもらうか」

 

ロス「私が監視しときます」

 

アザ「ロスヴィアセだと部屋に上がり込むだろうが……ホモだし大丈夫か」

 

零誠「表に出なくていいわ。ここで殺す」

 

木場「ホモって本当かい!?」

 

匙「木場の奴モノホンだ」

 

夕麻「ダメですよ!主様!私の裸を見て女の子に興味持ってください!」

 

ゼノ「よし。私と風呂に入ろう」

 

イリナ「これは幼馴染を正しい道に戻すためだから主も許してくれるわ」

 

アー「レーセーさんは私のです」

 

零誠「勝手に話を進めるな!」

 

ロス「そうです。レーセーくんはこれから私と混浴に行くんですから」

 

零誠「よし。まず風呂から離れろ」

 

京都に来てもTHE・CHAOS



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京都観光

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修学旅行2日目

 

面倒なことが起こる前に楽しめるだけ楽しむという方針に決定したため、全力で観光を楽しむことにした。

 

というわけで特に京都で有名な場所をハイペースで巡る旅スタート。ちなみにバス1日券を元が取れるくらいには乱用するつもりです。

 

1番最初の観光名所である清水寺のバス停についた。

 

バス停からは和風な土産屋が並ぶ坂道を登っていく。

 

桐生「ここって三年坂って言って転ぶと三年以内に死ぬらしいわよ」

 

迷信だが、2年入ってからの生活を見ると転ばなくても3年以内に死にそうだな。てか、夕麻に一回殺されてるし。

 

ガシッ

 

なんか両腕が拘束された。

 

アー「うぅ、それは恐いですぅ」

 

足野「う、嘘ですよね?まだ、私にはやりたいことが」

 

お前等か。アーシアは分かるが、日本人の孔雀まで信じてんのかよ。

 

ガシッ

 

ゼノ「……日本人は恐ろしい術式を坂に組み込むのだな」

 

お前もか!?ブルータス!!

 

って、両腕が空いてないからって首に抱きつくのマジで勘弁!絞まってるから!うっかりで殺されかけてるから!転んでないのに今死ぬよ!

 

イリナ「ちょっと!?ゼノヴィア放しなさいよ!レーセーくんの顔から生気がだんだん無くなってるわよ!」

 

ははっ。イリナ、自称天使なんて言って悪かったな。お前が天に運ぶ本物の天使に見えるわ。俺って悪魔だけど友人待遇ってことで天国行かせてくれや。

 

夕麻「主様しっかりしてください!お気を確かに!何、いい人生だった的な安らかな顔してるんですか!」

 

ブラックアウト

 

桐生「こうなったら人口呼吸よ!班の代表として私がやるわ!」

 

イリナ「その役目は幼馴染の私がやるべきよ。記憶にはないけど幼稚園のころにやったはずだわ」

 

夕麻「それって100パーセントやってませんよね?まぁ、主様を救うのは使い魔の役目。私に任せてください」

 

ゼノ「いや、元はと言えば私が引き起こした問題だ。私が責任を取ろう」

 

アー「えっと、えっと、わ、私がやります!異論は認めません!」

 

女子『それがまかり通ると思わないでよね(ください)(うな)!』

 

松田「おーい、早くしないとレーセーがマジで死ぬぞ。てか、みんな人工呼吸出来るのか?」

 

女子『そこは気合で』

 

元浜「出来ないことがよく分かった」

 

足野「えっと、私出来ますよ」

 

ダークホース現る現る。

 

足野「では、僭越ながら私が」

 

足野はレーセーの方に向かい始める。

 

零誠「はああ、よく寝た。昨日遅かったからな」

 

レーセーは普通に起き上がり、服についた埃をはらう。

 

ポカーン

 

この擬音語が女子陣状況を表すのに一番最適だろう。

 

零誠「よし。先を急ごうぜ」

 

女子『ふざけるんじゃないわよ!』

 

零誠「ゲフッ!?」

 

女子陣によるドロップキックにより俺は結局転んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

痛む体をおしながら仁王門をくぐり抜け、清水寺に到着。

 

ゼノ「見ろ!異教徒の文化の真髄を集結させた寺だ!」

 

アー「歴史のたたずまいを感じます!」

 

イリナ「異教徒万歳ねっ!」

 

夕麻「この脆い感じが木造建築のいいところよね。火をつけたらすぐに灰になりそうで」

 

零誠「教会4人娘、仏様に喧嘩をどうどうと売るのは止めとけ。特に夕麻はその犯罪的思考を今すぐ捨てろ」

 

秋の清水寺の舞台から見る景色は壮大だな。紅葉の赤が映えて夕麻じゃないが火の海を眺めてるみたいだ。

 

桐生「ここから落ちても助かる場合が多いらしいわよ」

 

零誠「まぁ、昨日ホテルの3階から飛び降りたが同じくらいの高さだしそうだろうな。確か江戸時代じゃここから飛び降りて生きていたら願い事が叶うって迷信があったらしいし一丁飛び降りてみますか」

 

桐生「ちょっと、待ちなさいよ!」

 

策に手をかけたところを桐生に掴まれ止められた。

 

零誠「なんだよ?せっかく仏様に叶えて貰おうと思ったのに。賽銭入れるよりこっちの方が効き目あるだろう?」

 

桐生「いやいやいや!なに不服そうな顔して言ってるの!?レーセーくんってパッと見常識人だけど時々ずれてるよね……」

 

零誠「おいおい、失礼だな。俺は常識を理解しているぞ。理解したうえでこういう行動に移してるんだ」

 

桐生「そっちの方がダメでしょ!だいたい何を願うつもりだったの?」

 

零誠「世界の恒久的平和?」

 

桐生「お前は魔術師殺しか!?そして何故に疑問系!?」

 

零誠「冗談だよ。そんなに叫んで疲れないのか?」

 

桐生「誰のせいよ!」

 

零誠「ちなみに冗談というのは願いの内容だけだ」

 

桐生「そこまで重要じゃないところだけが冗談!?」

 

零誠「重要な所を冗談で言うのはマズイだろ?」

 

桐生「確かにそうだけど。冗談であってくれた方が心臓に優しいわ。それで本当の願いは?」

 

零誠「日常パートでのダメージ減少」

 

桐生「苦労してるみたいね」

 

ネタで生命の危機に瀕するのは勘弁して欲しい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

銀閣寺

 

ゼノ「銀じゃない!?」

 

着いた開口一番でショックが伝わってきた。

 

アー「お家でも『金閣寺は金で銀閣寺は銀。きっと眩しいだろうなぁ』と瞳を輝かせていたものですから」

 

零誠「ゼノヴィア……」

 

ポン

 

レーセーはゼノヴィアの肩に手を置く。

 

ゼノ「……レーセーか。慰めてくれるのか?」

 

ニコッ

 

レーセーは微笑み。

 

零誠「帰ったら日本史の勉強をみっちりするぞ」

 

ゼノ「追い討ちをかけるのか!?」

 

アー「それはいくらなんでも酷いですよ!」

 

零誠「ん?何を人事みたいに言ってるんだ?ゼノヴィアの話を聞いて間違ってると気づかなかったアーシアも勉強だぞ」

 

アー「はう!?」

 

零誠「そっちの二人はどうだ?」

 

外国生活の長かったイリナと夕麻にも聞く。

 

イリナ「いくらなんでも私は一応国籍は日本よ。分からない訳ないじゃない」

 

夕麻「で、ですよねー。こ、これくらいの知識はありますよ?」

 

零誠「はい。夕麻もご案内でーす」

 

夕麻「主様!お慈悲を!」

 

零誠「桐生。一般常識を知らない彼女達に情報を」

 

桐生「はーい。建設に携わった足利義尚が死んだから銀箔貼るの止めたとか、幕府の財政難で中止になったとか諸説あるわ」

 

零誠「俺は金閣寺より銀閣寺の方が好きだな」

 

ゼノ「銀じゃないのにか」

 

俺の発言に疑問を持ったピカピカ好きのゼノヴィアが不満そうに言ってくる。

 

零誠「確かに銀箔は貼ってないし地味だ。でも、銀閣寺の真髄は庭だ」

 

アー「お庭ですか?」

 

零誠「ああ。銀閣寺の庭は海や山をモチーフにして作られている一種の芸術だな。しかも、その芸術は毎日作り直されてるって言うんだから趣があるよな」

 

全員『へー』

 

レーセーの語りにみんな納得する。

 

全員(((でも、ジジくさいな)))

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

金閣寺

 

ゼノ「金だっ!今度こそ金だぞ!」

 

完全にガキという表現がしっくりくるはしゃぎようだ。

 

ゼノ「金だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぐぁほんぐぁほん!」

 

はしゃぎ過ぎてむせてるよ。

 

他の連中も圧倒されてるみたいだな。自然にシャッターをきる回数が増えてるみたいだし。

 

零誠「あれ、全部剥がして質屋持ったらいくらになっかな?」

 

足野「やらないでくださいよ」

 

零誠「流石にばれるからしねえよ」

 

足野「ばれなくてもやっちゃダメですよ」

 

零誠「ちなみに昨日のことは?」

 

足野「ばれなければOKです」

 

零誠「変わり身早いな!?」

 

適当に見たところで休憩所で抹茶を和菓子と一緒にいただいている。

 

イリナ「悪くないわね」

 

アー「ちょっと苦いです」

 

アーシアには少し会わなかったらしいな。まぁ、ちびちび飲んでるってことは嫌いってわけではないみただ。

 

ゼノ「……金ピカだった」

 

これは叩けば治るか?

 

イリナ「記念に祈っておきましょうか」

 

イリナ&アー&ゼノ「「「ああ、主よ!」」」

 

金閣寺でお祈りって滅茶苦茶シュール

 

『I am the bone of my sword.』

 

夕麻「詠唱?」

 

零誠「俺の着信音だ」

 

カッコいいよね。

 

えっと、黒歌からのメールだ。

 

会話ではないのでOKということにしておいた。

 

『さっき、送ってくれた写メに狐の妖怪が写りこんでいたけど何かあったかにゃ?』

 

流石、猫又。妖怪関連だから気づいたか。

 

心配させんのもなんだし問題無しと返しておく。

 

……空気が変わったな。

 

周りを見ると一般人である桐生たちが眠っている。

 

裏事情を知っている俺達以外に起きているのは先ほど抹茶を運んできた女性店員。

 

そして、その女性店員の頭には狐耳が生えている。

 

零誠「どうやら毛皮のコートと狐鍋になりたいみたいだなぁ?」

 

ブーステッド・ギアを瞬時に発動する。

 

ロス「ちょっと待ってください!」

 

慌ててロスヴィアセさんが俺と狐の間に入ってきた。

 

零誠「どういうことですか?」

 

ロス「停戦です!というか、誤解が解けました。九尾の御息女がレーセーくんに謝りたいそうです」

 

狐「先日は申し訳ありませんでした。我等が姫君も謝罪したいと申されております。我等、京妖怪の住む都である裏京都にお手数かけますが付いて来てください」

 

マジか。結構殺気出しちまったんだけど大丈夫かね?

 

 



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九重

バイトが始まり遅くなりました。
2回台本形式について苦情が来たらアンケート取ります。
次の話で100話ですが何かやった方がいいでしょうか?


裏京都

 

まるで夜の日光江戸村に来たみたいな。

 

さっきまで御天等様の下を歩いていたのに変な感じだな。

 

当たり前だが妖怪が普通に沢山いるな。

 

提灯に顔はあるわ。壁に顔はあるわ。傘に顔あるわ。

 

……妖怪のレパートリーが偏ってねえか?

 

と、思ったが人型のも見えた。まぁ、今度は顔が無かったんだが。

 

零誠「ここってレーティング空間と似たようなシステムで成り立ってるみたいだな」

 

狐「はい。その考えで概ね間違っておりません。ここは京都の妖怪が身に置く為の場所で八坂様が維持している空間です。表の京都に住む妖怪も居ますがね」

 

しっかし視線を感じるな。

 

妖怪「……人間か?」

 

妖怪「悪魔だってよ」

 

妖怪「おお、珍しいな」

 

妖怪「あの綺麗な娘っ子も悪魔か?」

 

妖怪「龍だ。龍の気配もあるぞ」

 

なるほど。俺達は日本にやってきたパンダと同じって訳か。

 

そして、少し歩くと巨大な鳥居とバカデカい屋敷が見えてきた。

 

零誠「御偉いさん方は何故にこういう屋敷に住みたがるかね?俺的には銀閣寺の方がいいと思うんだが」

 

イリナ「どれだけ銀閣寺が好きなのよ。というか世界遺産に住みたいと言うレーセー君もどうかと思うわよ」

 

で、鳥居の先にアザゼル教諭と和服姿のセラフォルーさん、そして、昨日会ったパッキンロリがいた。

 

アザ「お、来たな」

 

セラ「ヤッホー☆」

 

狐「九重様。皆さんをお連れしました」

 

狐の姉さんは炎を出して消えた。

 

九重「我は表と裏の妖怪を束ねる八坂の娘、九重と申す」

 

自己紹介すると深々と下げた。

 

九重「先日は申し訳なかった。お主達を事情も知らずに襲ってしまった。どうか許して欲しい」

 

そのことね。

 

ゼノ「と、言われても襲われたのはレーセーと足野だけだったからな」

 

アー「ええ。なのでそのことについてはレーセーさんに一存します」

 

零誠「もう一般人を巻き込むな」

 

九重「わ、分かっておる。もう二度とこのような失態を起こすすもりはない」

 

零誠「なら別にもういいぞ」

 

九重「し、しかし!」

 

零誠「別にあの程度のことは俺は歯牙にもかけてねえしな」

 

九重「それでは私達の気が」

 

零誠「お前等の気なんて知るか。勝手に悩んでろパッキンロリ!」

 

九重「パ、パッキンロリィ!?」

 

零誠「ん?なんか文句あんのか?パッ・キ・ン・ロ・リ?」

 

九重「大有りじゃ!私の名前は九重じゃ!そのような不名誉な呼び方を二度とするでない!」

 

零誠「知るか!その程度で目くじら立てるなんて全くパッキンロリは見たまんまガキだな」

 

九重「また呼んだなー!それにガキって昨日に続けて言ったな!ちゃんと歳って表記出来るようになったのだからな!」

 

零誠「あんなこと本気で頑張るなんて本当にガキだな」

 

九重「二度と言うなと言ったじゃろうが!」

 

零誠「ガキについては言われてねえよ。そして、残念だったなパッキンロリ。今のでパッキンロリは4回、ガキは昨日の合わせて3回だ。もうとっくに二度は過ぎてるから言わないのは不可能だ。あ、今言ったのも加えるから一回ずつ追加だ」

 

九重「うぅ、き、汚いぞお!」

 

零誠「大人ったのは汚いものなんだ。まぁ、そういう発言してるお前がガキってことだな」

 

九重「うぐ。バーカ!バーカ!バーーーカ!」

 

零誠「はっははー。ガキの声は小さくて全く聞こえんな」

 

九重「さっきの謝罪は取り消すぞ!貴様なんかにすまないと思った私がバカじゃった」

 

零誠「それはそれでムカつくからちゃんと謝れや」

 

九重「誰が貴様なんぞに謝るか」

 

零誠「んだとこのパッキンクソ大バカドジアホマヌケゴミカスクズ寝ションベンロリ!」

 

九重「パッキンとロリの間に私一人だけじゃ許容出来ないほど罵倒が込められたじゃと!?一つにせい一つに!」

 

夕麻「一つなら許容出来るんですね」

 

零誠「仕方ねえな。パッキン寝ションベンロリ」

 

九重「何故ピンポイントでそれをチョイス!?」

 

零誠「まさか10歳になったのにおねしょなんてしねえよな?」

 

九重「あ、当たりm「ダウト」うう!バカにするなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

零誠「はぁ。パッキンロリ。これでいいか?」

 

九重「うむ!それでいいのじゃ」

 

全員(((それでいいのか!?)))

 

流石に重要な話が始まる前にはバレた。

 

屋敷内

 

話によると八坂さんは須弥山の帝釈天からの使者との会談に向かう途中に襲われ、攫われたそうだ。

 

そのことを伝えた護衛は戦闘での怪我で死亡。他の護衛も殺されたらしい。

 

天狗「総督殿、魔王殿。どうにか八坂姫を助けられないじゃろうか?我等ならばいくらでも力をお貸しする」

 

天狗の爺さんは金髪の美人の書かれた絵を出す。

 

天狗「ここに書かれておうのが八坂姫でございます」

 

九重が大人になったらこんな感じになんのか。

 

アザ「京都全体が乱れてないということは管理している八坂姫はまだ京都にいるのは確実だな」

 

零誠「て、ことは『禍の団』は八坂さんの力を十全に利用するつもりなのかね?」

 

アザ「なるほど。そういう可能性もあるな。セラフォルー、悪魔のスタッフはどれくらい動かせる?」

 

セラ「京都に詳しいスタッフをメインに動いてもらってるわ」

 

アザ「お前達にも動いてもらう可能性が大きくなってきた。お前達戦場慣れしてるから対英雄派の際に力貸してもらうと思う。いざという時は連絡する」

 

全員『はい』

 

九重が深く頭を下げる。

 

九重「……どうかお願いじゃ。母上を助ける為に力を貸してくれ……いや、貸してください」

 

零誠「金ジャリ、八橋と地酒を大量に用意しておけ」

 

九重「銀シャリみたいに言うな!……それって?」

 

イリナ「通訳すると『報酬貰うからには絶対に八坂さんを助けてやるよ』ね」

 

全員『ツンデレ乙』

 

零誠「うっせー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

旅館

 

旅館に戻った後に木場やシトリー眷属と話し合いいつでも旅館に戻れるように携帯型簡易魔方陣を所持することになった。

 

俺達の班には九重が案内してくれることになった。

 

足野が気づかなければいいんだが。

 

そんなことを考えているとコンコンとノックがした。

 

零誠「空いてるから入ってきていいぞ」

 

教会×4『お邪魔しまーす』

 

零誠「お前等か。問題でも起きたか?」

 

ゼノ「いや、遊びに来ただけだ」

 

零誠「そうか。桐生と孔雀はどうした?」

 

アー「桐生さんは他の班の人と情報交換に向かいました」

 

夕麻「孔雀さんは散歩に向かいました」

 

零誠「暇なら来るか。それで何して遊ぶ?」

 

ゼノ「無難にトランプを持ってきたぞ」

 

零誠「よし。トランプでピラミッドでも作るか」

 

イリナ「その選択肢は無いわよ」

 

零誠「それじゃあ『赤黒七並べ(ブラッディセブン)』奇数じゃ出来ねえから、痛みの殿堂『完全神経衰弱(パーフェクトメランコリィ)』にしとくか」

 

アー「ギャンブル性が高めですね……」

 

夕麻「でも、トランプ一束しかありませんよ」

 

零誠「『投影開始』ほれ、同じトランプが二組準備出来たぞ」

 

両手にトランプが現れる。

 

ゼノ「安定の能力の無駄使いだな」

 

零誠「罰ゲーム有りにするか?」

 

俺が質問すると、

 

夕麻「私が勝ったら裸エプロンです」

 

アー「私が勝ったらパンツ丸出しです」

 

イリナ「私が勝ったら手ブラジーンズよ」

 

ゼノ「私が勝ったら全開パーカーだ」

 

零誠「お前達がその提案するんだ!?」

 

てか、俺がやるの!?

 

零誠「なら俺が勝ったら自分で言ったことを自分でやれよ」

 

夕麻「望むところです!」

 

ゼノ「むしろ私が勝ってもしてやっても構わないぞ!」

 

変態二人にとって罰ゲームではなかった。

 

全員を相手するのはルール上厳しいので4人VSレーセーという形で戦うことになった。

 

数十分後

 

イカサマすることなくゲームが進んだ。

 

結果

 

夕麻「これで208点超えましたから私たちの勝ちですね」

 

そりゃあ、イカサマ無しの四人対一人じゃ記憶量で負けますよ。

 

零誠「確かに場に残ってるカードの枚数はたったの16枚。もし全て取れても点数の逆転は無理だ」

 

アー「ならまずパンツ丸出しからですね。ちゃんと見せパンとして縞パンを容易たので安心してください」

 

零誠「そう早まるなって……女物履かせる気だったのかよ!?」

 

アーシア、恐ろしい子!

 

零誠「気を取り直して、まだシャッフルカード。ジョーカーが1枚も捲られていないという事実に」

 

4人『!?』

 

零誠「つまり、俺かお前等どちらかがジョーカーをペアで揃えれば互いのポイントを入れ替わる」

 

イリナ「本気で言ってるの?私達は1枚目引いたら2枚目は覚えてるカードを引けば揃わないわよ。つまり自力で引かないといけないのよ。そんな奇跡が起こるとでも?」

 

零誠「思うね。その程度の奇跡を起こせなかったらここまで生きてこれてねえよ」

 

ゼノ「誇大妄想が」

 

女子陣は点数を集めることよりまだ捲られてないカードを捲っていった。

 

そして、女子陣が引いたのはハートの7。

 

まだ捲っていないカード3枚。

 

3分の1で罰ゲーム。

 

普通の女子だったら恐くて捲れない。

 

夕麻「えい」

 

夕麻は何の躊躇も無く捲った。

 

そういやこいつ等は変態だった。

 

イリナ「ちょっ!?」

 

アー「なんでそんなに悩まずに!?」

 

まともな方の二人は驚いたみたいだ。

 

ゼノ「クローバーの3か。私達の負けだな」

 

変態2号のゼノヴィアは普通に受け入れた。

 

アー「待ってください!もしかしたら残りもジョーカーじゃないかも」

 

夕麻「イカサマの可能性ね」

 

零誠「信用ねえな。じゃあ、俺の番な」

 

まだ捲られていないカードを捲る。

 

ジョーカーのペア。

 

零誠「俺の勝ちだな」

 

イリナ「……奇跡」

 

はい。実は奇跡を操るスキル『賭博師の犬(ギャンブルドッグ)』を使わせてもらいました。

 

今回は負ける訳にいかなかったからね。

 

というわけで俺の勝ち……買ったということは、

 

夕麻「罰ゲームなら仕方ありませんね」

 

アー「他の人に比べたらマシですね」

 

イリナ「堕ちちゃう!堕ちちゃう!」

 

ゼノ「ついでに子作りも」

 

罰ゲームを受けた女子陣。

 

……寝よう。

 

理性が尽きる前に寝よう。



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100話記念 0と1
本来有り得ない会合


お久しぶりです。
見切り発車で番外編を始めてしまった。
後悔はしている。
テスト期間、部活の文化祭の作品、バイトで更新が迷い牛になります。
勘弁ください。


三大勢力運動会が終わった辺りの頃

 

アザ「また実験台になれ」

 

零誠「ざけんなっ!前回ろくなことにならなかっただろうが!」

 

300人に増えた時と同じのようにぐるぐる巻きに縛られて地下室に拉致られた。

 

アザ「安心しろ。今回はお前を飛ばすだけだから学園には迷惑がかからない」

 

零誠「俺の身の安全は!?」

 

アザ「んな物考慮するか」

 

零誠「それが聖職者の発言か!?」

 

アザ「俺って堕ちてるからな」

 

零誠「何故にこんな奴に教免与えた!?」

 

堕聖職者かよ。

 

零誠「つーか、なんで毎回俺なんだよ」

 

アザ「お前って頑丈だから特に問題無いだろ」

 

零誠「大有りだ!自分で試せ!」

 

アザ「次回から検討しよう」

 

零誠「直訳すると今回は何もしねえし、次回も検討はするが俺にやらせるってことか」

 

アザ「まぁ、今回は諦めろ。協力者がお前で試すことを条件にしてきたからな」

 

零誠「その嫌がらせのような提案したのはどこのどいつだ?てか、協力者がいたのかよ!?」

 

アザ「ああ。半分位はそいつのおかげだな」

 

零誠「そんな結構な技術持った奴が何故に俺に嫌がらせを?」

 

ボン!

 

なんかいきなり煙が発生し、その煙の中に人影が現れる。

 

???「やーやー。私がアザゼrケホケホケホちょっと煙の量多くない?」

 

gdgdだな。

 

零誠「何これ?」

 

アザ「……俺の協力者だ」

 

???「おーい、こっちからは見えてないけどそっちから見えてる?」

 

零誠・アザ「「シルエットしか見えん。だいたい空気通しの悪い地価で煙焚くんじゃねえよ!」

 

換気開始

 

10分後

 

???「よし、気を取り直して、私はあのロキの後釜になったロキだ」

 

零誠「てめえかよ!?」

 

聞いてて意味の分からない自己紹介したのはこの世界に送り込んだ駄神の方のロキだった。

 

アザ「ロキの方が知ってるからもしやと思ったが、知り合いだったか」

 

ロキ「レーセー君と私はラブる中だ」

 

零誠「ホラを吹くんじゃねえ!」

 

アザ「仲がいいのは分かった。とっとと始めるぞ」

 

ロキ「おーけー」

 

零誠「二重の意味で良く無いんだが!」

 

ロキ「それじゃあアザゼル教諭はそこの魔方陣にレーセーくんをぶち込んで」

 

アザ「了解」

 

零誠「させるか!」

 

10分あれば縄抜けくらい出来る。

 

零誠「このまま逃げれば……動かない!?」

 

ロキ「はい。暴れない」

 

相変わらずのチート能力で動きを封じられた。

 

ロキ「だいたいなんでこんなレアな体験を拒むかなぁ?」

 

零誠「つまり、安全が保障されてないってことじゃねえか!それにもう少しマシな理由で納得させろや!」

 

ロキ「実は君が300人に増えた時に現れた特異種の6人を参考に作ったから君でしか頼めないんだ」

 

零誠「それなら納得する」

 

ロキ「ま、即興ででっちあげただけなんだけどね」

 

零誠「ですよね!」

 

ロキ「そんじゃあ、れっつごー」

 

結局動きを封じられたまま魔方陣に設置され、その魔方陣が光りだす。

 

ロキ「あ、3日程で戻れると思うから」

 

アザ「それか、一生戻ってこらないかだな(ボソッ)」

 

零誠「恐ろしい発言が聞こえたんだが!?」

 

ロキ「大丈夫」

 

零誠「根拠は?」

 

ロキ「女の勘」

 

零誠「この駄神がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

冥界?

 

木場?サイド

 

部長の計らいで冥界に来ていたのだが、親愛なる彼がなんやかんやで湖に落ちてしまった。

 

なんやかんやはなんやかんやだよ。

 

そしたら、湖の女神が現れた。

 

女神「あなた方の落とした赤龍帝はこの白い赤龍帝ですか?それともこちらの黒い赤龍帝ですか?」

 

気絶したイッセー君と白髪のイッセー君を抱えて。

 

部員『黒い方です』

 

女神「正直者のあなた方には白い方もお付けしましょう」

 

岸辺に二人を置くと湖の方に戻っていこうとした。

 

零誠「って、待てや!ゴラァ!」

 

白いイッセー君は湖の女神の後頭部にドロップキックをかました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

レーセーサイド

 

なんか良く分からんが、あの女に連れてこられて来たっぽいからあの女を使えば直ぐに帰れるに違いない。

 

零誠「って、待てや!ゴラァ!」

 

ドカッ!

 

女神「ッ!?」

 

ザッパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

 

とにかく動きを封じる為にドロップキックをかました。

 

女は湖に倒れこんだ。そこまでは予想通りで良かったのだが、女は湖に沈んでいき浮かんでこない。

 

心なしか湖が赤く染まってる気がする。

 

零誠「……さて、帰る方法を探さないとな」

 

部員『無かったことにした!?』

 

ん?部長達がいるってことは駄神と無能総督が失敗でもしたか?

 

まぁ、それよりも

 

零誠「部長。この黒い見るからに変態っぽい雰囲…気…の…………イ、イッセーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!?」

 

拝啓リアス・グレモリー様

どうやら俺は原作に来てしまったようです。

 

リアス「どういう状況?」

 

こちらの部長の疑問にも答えた方がいいよな?一応、部長だし。

 

説明中&イッセー起床待ち

 

結果、説明中にイッセーは起きなかった。&こっちは曹操をもうぶっ倒した辺りといことが分かった。

 

零誠「というわけで、平行世界から来ました。部長、理解できましたか?」

 

リアス「理解は出来たけど納得は出来ないわ」

 

零誠「まぁ、そりゃそうですよね」

 

いきなり信じろって方が無理だよな。

 

リアス「イッセーが私を部長と呼ぶ世界なんて納得出来ないわ!」

 

零誠「そこすかっ!?」

 

朱乃「あらあら、リアスは潔くありませんね。あっちの世界では私が結ばれているからって」

 

アー「いいえ!リアスお姉様で無いなら順当に行けば私です。ねぇ、白いイッセーさん」

 

小猫「……白音と本名を呼んでいるので私という可能性大です」

 

木場「もしかしたら僕という世界線も「それだけは絶対ねえよ!」」

 

零誠「だいたい俺は誰とも付き合ってねえ!!」

 

部員『えー!!』

 

ホントにここは原作か?原作っぽい別世界だろ!!

 

リアス「さて、こちらにいるのは3日間だったわね。それまでどうするの?」

 

零誠「山なら食材豊富ですし、適当にサバイバルしてますよ」

 

リアス「あら、そう?イッセーの家に泊まらせるという考えもあったのだけど……」

 

零誠「家主がのびてるのにそれはマズイでしょ。それに俺って小猫の倍は食うんで食費が大変なことになりますよ」

 

リアス「訂正するわ。イッセーの家に来なさい。下手に放っておいたらこの山の生態系の方が危ないわ」

 

俺は外来生物か!?……外界生物かな?

 

零誠「というか、主人公いい加減起きろや!」

 

一誠「ガフッ!?」

 

気絶してるイッセーの腹に踵落としを叩き込む。

 

ゼノ「今ので永眠したんじゃないか?」

 

零誠「アーシア回復よろ」

 

アー「は、はい!」

 

回復系セイクリッド・ギアは万能です。

 

一誠「イタタッ。あれ?どういう状況だ?」

 

零誠「家に帰るぞ」

 

一誠「白い俺!?」

 

零誠「そのリアクションはもういいから」

 

主人公放置で家に帰宅した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

兵藤家

 

零誠「俺ってどこで寝ればいですかね?」

 

リアス「私とアーシアの部屋を使っていいわ。私達はイッセーの部屋で寝るから」

 

零誠「了解です」

 

朱乃「ズルイですわ。私もイッセー君と寝たいのに」

 

一誠「あのう。いい加減にどういう状況か教えてくれませんかね?」

 

ガチで説明せずに着ました。

 

零誠「ゼノヴィア頼んでいいか?」

 

ゼノ「了解した。イッセーがドボーンとなって、女神がザバーンとなって、それから」

 

一誠「ごめん。他の奴が説明してくれ」

 

ゼノ「むぅ。どういうことだイッセー!なんで今ので分からないんだ!」

 

零誠「そうだぞ。ゼノヴィアが可哀想だろうが」

 

一誠「お前分かってゼノヴィアを選択しただろう?」

 

零誠「こっちのゼノヴィアは知的なんだよ」

 

全員『マジで!?』

 

はい。嘘です。ドMの駄犬です。

 

ゼノ「パワーバカって言いたいのか!失礼だろう!」

 

零誠「なら自分でパワーバカって言うなよ」

 

イリナ「はぁ、もう遅いし明日のことは明日決めましょう」

 

全員『おやすみなさい』

 

一誠「主人公なのにまた俺、説明放置っすか!?」

 

そういう運命なのだよ。



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本来有り得ない対決

お久しぶりです。
サボり過ぎました。
一応、京都は終わらせます。
その後は気分次第です。
アニメでバルパーとコカビエル出たけどイメージ違った。
この作品ではバルパーはブレブルのヴァルケンハインでコカビエルはディエスの獣殿です。


原作?に送られた翌日

 

一誠「何これウマッ!?焼き魚に味噌汁に漬け物って完璧な和食だし」

 

オーフ「モグモグモグ」

 

女子陣『……負けた』

 

食卓の一部がお通夜ムードとなっている。

 

泊めてもらってるわけだから家事を引き受けようかと思って早速朝食を作ってみた。

 

零誠「それと全員分の弁当も用意しておいたから忘れずに持って行けよ」

 

リアス「くっ……洋食ならまだ勝機が」

 

零誠「なんだ。洋食が所望だったんですか。なら晩飯はフルコースでも作りますね」

 

リアス「フ、フルコース……」

 

ポキン

 

なんか心が折れる音がした。

 

小猫「……少し気になったのですが、女性の胸に関してレーセー先輩はどう思いますか?」

 

零誠「ん?胸がどうしたんだ?」

 

小猫「……イッセー先輩はどう思いますか?」

 

一誠「そりゃ勿論オッパイでしょう!」

 

小猫「……やはり湖の女神は昔話のように高スペックなイッセー先輩つまりレーセー先輩を用意したんですね」

 

一誠「俺がコイツに負けてるなんて認めないぞ」

 

ゼノ「現に料理は負けてるぞ」

 

女子『うんうん』

 

一誠「料理以外は俺が勝ちますよ!」

 

零誠「正直言ってこれに負ける気しないだけど」

 

イッセーに負けるところと言えば主人公力と……エロさ?

 

ヤベー。イッセーのどこに憧れたんだっけ?

 

きっと明日思い出す。

 

リアス「面白そうね。今日の部活動と悪魔家業は中止にしてイッセーとレーセーの対決を観戦しましょう」

 

零誠「了解しました。なら俺は放課後になった辺りに学園に行きますね」

 

ロス「それまでは何をしているんですか?」

 

零誠「オーフィスの相手でもしていますよ。てか、ロスヴィアセさんは教師なんですからもう行かないとマズいんじゃないですか?」

 

ロス「あ。なんで言ってくれなかったんですか!?」

 

零誠「こっちの世界に来たばかりなんですからこちらの生活ルーチンなんてしってるわけないじゃないですか」

 

ロス「レーセーくんなら出来るはずです」

 

零誠「何その期待!?」

 

イリナ「漫才やってないで行った方がいいんじゃないの?」

 

ロス「そうでした。」

 

イリナのおかげでロスヴィアセさんから開放される。

 

零誠「つーか、他の方々は気づかなかったのかよ?」

 

部員『いつものことだから』

 

やっぱり原作とは少しだけ違う世界のようだ。

 

朝食が終わるとみんな学校へと向かった。

 

零誠「さて、オーフィス。これから何する?」

 

オーフ「グレート・レッド狩り」

 

零誠「勘弁してください!」

 

イチゴ狩りのように注文されても困るわ!

 

オーフ「じゃあ、遊ぶ」

 

オーフィスは将棋に囲碁、チェス、オセロ、麻雀まで持ってきた。

 

オーフ「将棋から」

 

全部やる気か。

 

放課後まで時間潰しは全部オーフィスのゲームとの相手で終わった。

 

ちなみに昼飯はゲーム中に食べるのに作られたサンドウィッチ伯爵考案のサンドウィッチ。

 

ちなみにゲームの勝敗は大人気なく全勝しました。オーフィスも強かったんだけどね(チェスで言うとライザーに圧勝するくらい)

 

そんで放課後になったので校門まで来てます。ねだられたのでオーフィスを肩車装備した状態で。

 

スカートの中が見えると思ったロリぺドの変態にはもれなくロリ龍皇認定されるぜ!……警察どころか死んだ方がいいと思う。

 

モブ「そこの人危ない!?」

 

校門をくぐったらサッカーボールが飛んできた。

 

零誠「セイヤッ!」

 

飛んできたならオーバーヘッドで来た方向へ蹴り返す。

 

サッカー部『肩車したまま!?』

 

オーフ「我の脅威のバランス感覚」

 

オーフィスの激レアドヤ無表情←書いた後に思ったがどういう顔?

 

モブ「人に当たっちまう!?」

 

今度は野球ボールが飛んできた。

 

零誠「しっかり持っとけよ」

 

オーフィスに外したマンホールを持たせてオーフィスの足を掴んで思いっきり振った。

 

カキーン!

 

飛んできた野球ボールを打ち返した。

 

野球部『それはそっちの幼女が大丈夫か!?』

 

オーフ「大丈夫。問題無い」

 

モブ「マズイ!?当た以下略」

 

陸上部の方から槍投げの槍と砲丸とハンマー投げのハンマーが飛以下略

 

零誠「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAASAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

ズボン履いていない人「ふむ。器用な真似をする」

 

飛んできた槍を掴んでその槍で砲丸とハンマーを弾いた。

 

その間、肩車されたオーフィスは俺の顔を頑張って隠してる。

 

女子「キャー!覗きよー!」

 

声がした方行を見ると松田と元浜が逃走してるところだった。

 

零誠「こっちの世界でもかよっと!」

 

ブン!

 

変態×2『グエッ!?』

 

先程の槍をぶん投げて松田と元浜の制服を綺麗に貫いて壁に刺さった。一応、肉体には傷をつけないようにしたぞ。

 

生徒『おおおおおお大おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 

おいおい。いくらなんでも騒ぎ過ぎだろ。こんなのいつものこと……ヤベ。こっちの世界では初見じゃん。

 

松田「どちくしょう!一体誰がこんなこと……ってイッセーじゃねえか!?」

 

元浜「まさか俺達が見つけたスポットを教えなかったことを妬んで……というか髪染めた?」

 

零誠「イッセーじゃねえよ。あいつの従兄弟の零誠って言うんだ。気軽にレーセーって呼んでくれ」

 

野次馬「あの変態の従兄弟だと!?」

 

野次馬「こっちはこんな高スペックなのに」

 

零誠「イッセーの奴酷い言われようだな。そうそう、そっちの女子共は平気か?」

 

女子「は、はい。いつものことですから」

 

零誠「いつもやってんのかよ。まあ、いいや。俺はちょっと旧校舎に用があっから」

 

蹴球「ちょっとだけでいいんで部活参加しませんか?」

 

零誠「いや、だから俺はk「ズリイぞ!サッカー部!レーセーさんは野球部に参加するんだ!」ってしないかからね!?」

 

陸上「いや、陸上部だ!」

 

女子「あのう、家庭科部なんですがお礼をしたいんで部室に来てくれませんか?」

 

他にも剣道部、バスケ部、弓道部、演劇部、テニス部、園芸部と色々な部活が群がってきた。

 

ソーナ「これはどういう事態ですか?」

 

生徒会長が現れたら人垣が綺麗に割れて俺までの道が出来た。

 

近くにいた先程の女子が事情を説明した。

 

ソーナ「分かりました」

 

よし。これでオカルト研究部に迎えるな。

 

ソーナ「生徒会が責任を持って兵藤零誠の派遣の整理券を配るので一列に並んでください」

 

あれー?なんかおかしな方向に向かってるぞー。

 

そして、あっという間にテントが立てられてテントの前に長蛇の列が出来ている。

 

ヤベー。雰囲気的に逃げられねー。

 

数時間後

 

零誠「ぜーぜーぜー。やっと部室についた」

 

あの後サッカー部で化身出したり、野球部でバントホームランしたり、家庭科部で口からビームが出る料理作ったり、バスケ部で消えたり、テニス部で無我の境地入ったり忙しかった。噂を聞きつけた委員会連中の仕事を手伝ったと思ったらちゃっかり生徒会の仕事まで回しやがったもん。

 

その間オーフィスは相変わらず肩車だった。つか今も現在進行形。

 

零誠「すんません。遅れやした……誰もいない!?」

 

そして、『レーセーへ』と書かれた封筒がテーブルに置いてある。

 

俺宛なので読んみると『なんか忙しいっぽいので帰ります。PS.勝負明日ってことで』

 

零誠「気づいたなら手伝えよ!」

 

というわけで翌日

 

全部やると時間かかるのでダイジェストでお送りします。

 

クイズ勝負

 

一誠「ヨーロッパの首都はどこでしょうか?」

 

零誠「ヨーロッパは国じゃねえぞ」

 

一誠「……」

 

芸術勝負

 

一誠「俺はリアスの絵を描きました」

 

リアス「上手いじゃない。イッセー」

 

零誠「俺はこれです」

 

リアス「……これは私には判断つけられないね」

 

木場「高校生に抽象画の良し悪しは難しいんじゃないかな?」

 

引き分け

 

音楽勝負

 

零誠「♪♪♪」

 

一誠「ありゃ?体が勝手に動く?」

 

音使い発動

 

ゲーム勝負

 

一誠「このゲームはやりこんだからな!」

 

零誠「ショートカット。落ち判定。ワープ。バグ技」

 

人気対決

 

他の対決の前に投票箱を部室前に置いておいた。

 

一誠「これなら部員は俺に入れるだろうし、レーセーは三日前に来たばかりだから認知度自体低い。この勝負貰った」

 

イリナ「開票しまーす。……これ必要ある?」

 

イッセーのは運んできた時に中身が動く音が聞こえ、俺のは紙が溢れてる。

 

総合的に見て

 

ギャス「レーセーさんの圧勝ですね」

 

一誠「で、でも絵は俺の方が凄かったでしょ?」

 

小猫「実はあの後に美術の先生に見せたら十万円で売れました」

 

イッセーort

 

零誠「その金はイッセーの家に宿代として置いていくわ」

 

ゼノ「そして金の羽振りもいい」

 

一誠「うえーーーーーーん!ぶ、部長!」

 

リアス「よしよし。ねえ、レーセー。次の勝負で勝った方が凄いってことにしてくれない?」

 

対応が小学生の先生だった。

 

零誠「ま、構いませんよ。そこまで重要視してるもんじゃないですし」

 

リアス「ほら、イッセー。レーセーがいいって言ってくれたわよ」

 

もうお母さんって感じ?

 

一誠「う、うん。俺頑張るよ」

 

こっちも小学校低学年レベル

 

零誠「それで何で勝負するんすか?」

 

リアス「戦闘能力よ」

 

ま、そりゃあ原作とコラボすんだからバトらないといけないよな。

 

戦闘用空間へ移動

 

ちなみにここではプロモーションが好きに出来るようになっている。

 

一誠「一応ルールでも決めとくか?」

 

零誠「一応、模擬戦だし降参か気絶したら負けってことでいいか?」

 

一誠「……攻撃寸止めとかの提案は無いんだな」

 

回復要員のアーシアがいるんだから問題ない。

 

一誠「リアス。合図を」

 

リアス「ええ。贔屓というわけじゃないけど私はイッセーが勝つと思ってるから」

 

一誠「ぶ、部長!!」

 

零誠「惚気はいいから始めてくだせえ」

 

リアス「それでは始め!」

 

『『Boost!』』

 

開始の合図と同時に二人の倍加がコールされる。

 

零誠「『再編開始』」

 

一誠「マ、マジかよ!?」

 

部員『エロ関係じゃない魔術の行使だって!?』

 

まあ、原作じゃ『洋服崩壊』と『乳語翻訳』だもんな。

 

魔術行使1回に倍加で補助を行っているのでリセットが行われ、アスカロンの再編、身体強化、武器強化が5秒程で倍加の補助付きで完了する。

 

零誠「『干将・莫耶』」

 

一誠「げっ!レーセーの奴は魔術だけじゃなく剣術も出来んのかよ!?」

 

ドラ1『気をつけろ相棒。あの双剣は聖剣とドラゴンキラーどっちも付加されてやがる。アスカロンを利用してやがるな』

 

一誠「それって篭手がついてる片手一本で受けきらないといけねえってことじゃねえか!」

 

キンキンキン!!

 

勝負は一誠の傍線一方で進んでいく。

 

木場「どうやら確かに魔術の素養はレーセーくんの方があるみたいだけど身体能力はイッセーくんの方が数段上のようだね」

 

木場の言う通り強化を行い、武器所持、しかも技術がこっちが上で一度も攻撃が成功していないのは純粋なフィジカルの差。

 

ちっ、倍加の補助を魔力消費削減メインに使ったのが間違いだったか。だが、このタイミングでそっちにまわす訳にはいかねえよな。

 

『Boost!』

 

ドラ1『溜まったぞ。距離を取れ』

 

脚力をフルに使ってイッセーは離れた。そして追従を許さない一撃。

 

一誠「ドラゴンショット!」

 

ここまで溜めた倍加を使っての魔力の塊。当たったら一発で模擬戦終了しちまうから防がないわけにいかない。

 

『Boost!』

 

こちらも

 

零誠「『無限の武器庫』起動」

 

景色が赤い荒野に塗りつぶされた。

 

朱乃「まさか心象世界で世界を侵食する固有結界まで使用出来るなんて!?」

 

魔術に精通している朱乃さんが魔法に近い禁呪だということに気づいたみたいだ。

 

零誠「『熾天覆う七つの円環』」

 

一枚が城壁に匹敵する七つの花弁。

 

パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!

 

零誠「おいおい。魔力の塊だけで相殺って。倍加って敵に回したら最悪だな」

 

ドラ0『俺が相棒で正解だったってことが分かったか?』

 

零誠「悪い。感謝するのはまた後だ」

 

ドラ1『Balanse Braker!!』

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

マジで簡便して欲しい。こっちは亜種化でそこまで高速倍加は無いんだから。

 

攻撃して一旦リセットさせる。攻撃は最大の防御。

 

零誠「この投影、受け切れるか! この光は永久に届かぬ王の剣『永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)』!」

 

聖剣ぶっぱ!

 

一誠「受けきってやるよ!」

 

溜めた倍加を使っての防御。

 

リセットはされるがそれもすぐに溜められる。

 

零誠「射出×『壊れた幻想』」

 

ドカン!ドカン!ドカン!

 

大量に宝具ぶち込んで爆発させてる。

 

さっき攻撃は最大の防御って言ったじゃないすか。

 

ゼノ「私よりこれの方がパワーバカだろ!」

 

零誠「爆発音がうるさくて全然聞こえねえなー」

 

はっははー!我が軍は圧倒的じゃないか!

 

一誠「『龍剛の戦車』」

 

爆撃をものともせず普通に飛んできた。

 

零誠「トリアイナ来ちゃった!?てか、堅すぎだろ」

 

次の技行くか。

 

零誠「『正喰者』」

 

ドラ0『Balanse Braker!!』

 

零誠「『赤龍帝の外套』」

 

小猫「亜種化もしているんですか!?」

 

両腕と右足を無かったことに構築し直す。

 

憎悪の左腕の義手、歓喜の右腕の義手、悲哀の右足の義足を再編。

 

零誠「『七花八裂』」

 

一誠「俺の防御力の方が上だ!」

 

確かに虚刀流の合わせ技でも一誠の攻撃を出させない程度にしか衝撃を与えられない。

 

まぁ、だが、

 

一誠「ぐっ!?」

 

好きな所にダメージを与えられる鎧通しの柳緑花紅だけは通る。

 

一誠「防御で駄目なら速さだ」

 

龍星の騎士

 

鎧の形が変わるとイッセーは目の前から消えた。

 

零誠「『完成(ジ・エンド)』」

 

髪の毛が伸び黒く染まる。

 

零誠「黒神ファントムちゃんとした版」

 

一誠「この速さに追いついてきた!?」

 

細かい技まで出来るわけじゃないのでイッセーを普通にぶん殴っとく。

 

一誠「っつう!」

 

鎧が薄い為か結構効いたようだ。

 

しかし、直ぐさまイッセーは立て直して近づくのは危険だと判断したのか距離を取って龍牙の僧侶に切り替えて先程のドラゴンショットとは比べものにならない規模の魔力の塊をぶち込んできた。

 

一誠「ドラゴンブラスター!」

 

零誠「力だけが全てじゃねえよ!」

 

『CHAOS BREAK!』

 

魔力の塊を乱切りにする。

 

ドラ1『奴は白いのの力も使いこなしているみたいだ』

 

一誠「チート過ぎだろ!?」

 

ドラ1『出し惜しみしないで『真紅の赫龍帝』を使え』

 

一誠「言われなくても使うよ!」

 

少しは出し惜しみして欲しい。

 

一誠「クリムゾンブラスター!」

 

また一回り大きい魔力の塊。バラしても被害がマズい。

 

零誠「『無銘』『直死の魔眼』」

 

一瞬なら最強を引き出せる。

 

零誠「伽藍洞の世界と死に溢れた世界を知っているか?ま、戯言だけどな」

 

魔力の塊の死の点を突く。すると魔力の塊は霧散した。

 

リアス「イッセー!」

 

こちらの部長の胸から光が放たれ、イッセーに当たってる。そしてイッセーのオーラが回復されている。

 

『Resonance!』

 

レーセーの背中に天使と堕天使の羽根が生え悪魔の羽根と合わせて計6枚になり、猫耳と尻尾が生え、炎を軽く纏う。

 

ロス「私達の力を手に入れた?」

 

正確には力の共有なんだがな。

 

零誠「ここまでやっちまったら結局は何も起きていない的な落ちで終わる気がするよ。そんな風にまとめるしか手がないように思う」

 

得た力を元にし、ロスヴァイセさんの魔術の力で補助し、木場の力で聖魔剣を『心渡り』として構築。

 

一誠「つーか、それ食らったら一撃で昇天する気がするんですけど」

 

零誠「大丈夫。アーシアの回復能力も含まれてるから一撃で斬れて痺れて燃えて停止して滅んで消滅して回復されてお得だぞ」

 

一誠「それって最終的には無傷だけどダメージ量が恐ろしいことになるだろうが!!」

 

ちなみに仙術の力も付加されてます。

 

零誠「行くぞ。イッセー!!」

 

一誠「返り討ちにしてやるよ!!」

 

お互いに接近し、全力の一撃をぶつけ合う。

 

ボン!!

 

原作?メンバー『は?』

 

レーセーは消えた。

 

カオススクールG×Bの世界

 

三日前

 

ロキ「流石にどうなるか分からない実験に大好きなレーセーくんを使うわけないじゃないか」

 

零誠「駄神がまともな判断してる!?」

 

ネタばらし

 

ロキ「今からでもコピーじゃなくて君を送り込もうか?」

 

零誠「すんませんした!!」

 

異世界に送られたのは『300レーセー』の時の発明品の改良版で俺のコピーだったのだ!

 

ババーン!

 

ババーン!ってなんだよ?

 

零誠「それでさっきの意見にアザゼル教諭も同意見すか?」

 

アザ「アタリマエダロ」

 

零誠「そろそろお前死ねよ」

 

ま、ロキが常識的な判断を下しているってことはそこまで日常がぶち壊れないはずだから安心したわ。

 

ロキ「さーて、三日後が楽しみだ」

 

零誠「思ったんだが、異世界で一撃キツイの食らったらコピーは消えて実験成功か分からなくね?」

 

アザ・ロキ「「あ」」

 

気づいてなかったのかよ。

 

ロキ「レーセーくんにちょっと頼みがあるんだけど」

 

零誠「だが、断る!!」

 

アザ「それを断らせない!!」

 

アザゼルが出口を塞いだ。

 

ロキ「そんな無茶なことじゃないから。ちょっと他の世界に行くだけだから」

 

零誠「んな、片道切符になるかもしれない旅行に行くわけねえだろうが!」

 

ロキの常識モードはこの世界で会って三十分もたなかった。

 

その後、ガチの抵抗をして異世界行く機械ぶっ壊してやった。

 

 



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カメラは京都に戻る

感想く
ださい


修学旅行3日目

 

昨晩はあの後にロセヴァイセさんが見回り(夜這い?)に来た時に4人をつれて行ってもらった。

 

???「今日最初に向かう場所は天龍寺だったな」

 

???「ああ。今日は嵐山方面を攻めるからな」

 

零誠「あのう、どちら様でしょうか?」

 

頭が友達が愛ちゃんと勇気くんしかいないボッチの菓子パン並みの大きさを誇る化物が俺の知り合いに2人もいるとは信じたくない。

 

松田・元浜「「松田と元浜だ!!」」

 

現実は残酷なことに俺の悪友の変態だった。

 

零誠「そっか。変態だしな」

 

松田「おい!何妙に納得したみたいな雰囲気かもし出してんだよ!」

 

零誠「え?変態だからそんな爆弾岩みたいな顔してんだろ?」

 

元浜「違うわ!昨晩も覗きに行こうとしたら一日目より人数が半分に減ったから一日目の倍の折檻いや拷問をされたんだ!」

 

零誠「変態だからってのがもともとの原因じゃねえか。てか、言い直しても意味がほとんど変わってねえからな」

 

拷問と折檻ってどっちの方が酷いんだろう?

 

ま、一昨日のロセヴァイセさんの状態を見たらこの二人の状態はうなづけるが男子の半分弱がこの状態だと考えると今日の京都はカオスな風景が広がっているのだろう。

 

移動中に体を手に入れた爆弾岩を何人か見つけたが爆発音を一度も聞かずに天龍寺につくことが出来た。

 

零誠「天龍寺の由来ってお前等に関係してんのか?」

 

ドラ『どうだかな。過去に京都で何かしたようなしていないような』

 

やったとしたら忘れるほどに大昔ということだけは分かった。

 

受付で観光料金を払ったところで声をかけられた。

 

九重「おお、お主達着いたようじゃな」

 

零誠「金ジャリか」

 

九重「金ジャリ言うな!まぁ、約束通り、嵐山方面の観光案内してやろう」

 

流石に人前なので獣耳と尻尾は隠しているみたいだ。

 

巫女服だしコスプレと言い切れば耳と尻尾も大丈夫そうだが。

 

松田「可愛い女の子だな。なんだ、レーセー、現地でこんな幼女をナンパしたのか?」

 

零誠「んな訳あるか」

 

どっちかと言うと俺が襲われたんだよ。

 

元浜「……ちっこくて可愛いな……ハァハァ……」

 

忘れていた。ヴァーリと同じでこいつも真正のロリコンだった。

 

九重「ひぃ!?なんじゃこの面妖な者達は!私の部下よりキモいぞ!」

 

零誠「うん。その意見にはおおいに同感だがお前が部下をどう思ってるのかの方が驚きだ」

 

キモいって人質取るクズだったがぬっぺら坊とか可哀想だろ。

 

九重「だってキモいだろ」

 

うん。キモいが。

 

九重「ぬぉ!?」

 

変態二名を蹴散らし光になったメガネが九重に抱きついた。

 

桐生「やーん!可愛い!レーセーくん、どこで出会ったのよ?」

 

頬ずりとかも始めたよ。

 

九重「は、離せ!慣れ慣れしいぞ!小娘!」

 

桐生「お姫様口調で嫌がるなんて最高だわ!キャラも完璧じゃないの!」

 

九重は嫌がるが桐生はエンジンMAXだった。

 

零誠「おいおい、それで完璧だと?金ジャリの真髄は家の中ではキツネ耳とキツネの尻尾を付けているんだぞ」

 

桐生「なん…だと?」

 

桐生は声を無くした。

 

零誠「で、金ジャリ。観光案内って何してくれんだ?」

 

俺の質問に無い胸張って自身満々に答える。

 

九重「私が一緒について行ってやろう」

 

零誠「……そ、そうか」

 

正直言ってしょうもなっ!とは思ったが九重の気分転換にも丁度いいだろう。

 

孔雀(あの子、あの時の夢に……)

 

そんな訳で九重に案内されて天龍寺を回る。

 

一生懸命京都を紹介する姿は微笑ましかった。

 

九重「ここからの景色は絶景じゃ。何せ世界遺産にもなっておるからな」

 

零誠「確かに絶景だがここが世界遺産なのはそれだけじゃないだろう?」

 

九重「うむ。天井に描かれておる雲龍図。どこから見ても睨んでいるように見える『八方睨み』じゃ」

 

これが天龍ってことだからドライグのことじゃねえな。

 

ドラ『ああ。東洋の形だから龍王の『玉龍』なら可能性としては有り得るが』

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

あの後も引き続き九重の案内の下、嵐山観光を楽しんだ。

 

九重の張り切りっぷり等を見ていると歳相応の性格ということも分かった。

 

今は湯豆腐屋で昼食を取っていた。

 

九重「言った通りじゃろ?」

 

九重がこの店に案内したときに絶品だから食べないと損すると言っていたが本当に美味い。

 

ホテルで食ったのも良かったがここのは更に美味い。ここのは作りたてを直ぐに出しているのだろう。

 

ゼノ「和の味、悪く無いな」

 

アー「いつも食べているお豆腐より新鮮です」

 

イリナ「お豆腐いいわねぇ」

 

夕麻「お土産に買っていきましょう」

 

4人は満悦のようでいいのだが、

 

桐生「ねぇ、九重ちゃん。さっきからよそってばかりだから食べさせてあげるわ。あーん」

 

九重「よせと言ってるじゃろ!」

 

ガチで百合入ってんじゃないか疑いたくなる程に桐生が九重に絡んでる。男のロリコンって警察に捕まるイメージあっけど女のロリコンとショタコンって捕まるイメージ無いから不思議だ。

 

てか、九重、絡まれる度に俺の背に隠れるのは止めろ。

 

二人よりも孔雀の発言が少ないことが気になる。元々引っ込み思案のようだからそれもあるのかもしれないが。

 

零誠「店員さん、これと同じの持ってきてもらえます?」

 

九重「お主はまだ食べるのか?」

 

零誠「腹八分目にはしとくよ」

 

九重「一人で鍋3杯食った奴の発言たは思えん」

 

豆腐って柔らかいからいくらでもいけんだよな。

 

木場「レーセーくんは相変わらずだね」

 

隣の席に木場の班がやってきた。

 

零誠「そういや嵐山攻めるって言ってたけな」

 

木場「天龍寺に行って来たのかい?」

 

零誠「八方睨みは話に聞いていたが面白かったぞ」

 

木場「僕もこれから渡月橋に行った後に向かうつもり」

 

零誠「渡月橋には俺等も行くから一緒に行くか?」

 

木場「班のみんなにも聞いてみるよ」

 

それで渡月橋観光は一緒に行くことになった。

 

アザ「おう、お前等、嵐山を楽しんでいるか?」

 

本当にこの湯豆腐は有名所のようだな。酒の入った堕天使総督にも会うんだから。

 

零誠「アザゼル教員も来てたんすね?てか、昼間から酒はマズイでしょう」

 

ロス「その通りです!」

 

ロスヴァイセさんも来ていたのか。

 

ロス「その人、全然お酒を止めないんです。生徒の手前、そういう態度は見せてはならないと再三言っているのですが」

 

青筋立てて怒ってるよ。俺も飲みたいがここでそんなこと言ったら殺られる。

 

零誠「元浜に松田。友人として忠告しておくが今日は覗きに行くの止めとけ」

 

ロス「こんなに言っても聞かないなら私が飲みます」

 

ロスヴァイセさんがアザゼルの持っていた酒瓶に手を出した。

 

零誠「マズい!全員退散!」

 

アザ「おい!?コップ一杯で酔っ払うのにラッパ飲みって!」

 

零誠「なんとかしといてくださいね」

 

ロス「……だいたいあにゃたはふだんからダメなんれしゅよー」

 

アザ「これを俺が一人で!?」

 

零誠「自業自得だ」

 

こちとら毎週これに付き合わせられてんだから。

 

俺達は店を後にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

松田「なんか凄いことになってたな」

 

元浜「ありゃ相当酒癖悪いぞ」

 

俺は会って初日でそれを体験したよ。

 

桐生「きっとロスヴァイセちゃんも溜まってたのね」

 

零誠「週一でガス抜きしてやっていつもあの調子だぞ」

 

足野「それって結構末期じゃない?」

 

零誠「ま、一つ前の雇い主がエロジジイ。その前は窓際と苦労人だから仕方ないっちゃ仕方ないよ」

 

九重「お主達の眷属は大変なのが多いのか?」

 

零誠「……多いっていうか全員?」

 

九重「それ詰んでおる」

 

SMのファザコン

シスコンの猫耳

女装趣味の引きこもり

脳筋の雌犬

バイの魔法少女好き

残金百均マニア

天然ボケシスター

露出魔の主

 

店を出て数分程で目的地の渡月橋についた。

 

桐生「知ってる?渡月橋って渡りきるまで後ろを振り返っちゃいけないのよ」

 

アー「なんでですか?」

 

桐生「もし渡っている途中に振り返ると授かった知恵が全て返ってしまうらしいのよ。変態ペアは振り返ったら救いようのないバカの出来上がりよ」

 

零誠「いや、振り返って頭の中の煩悩消した方がいいだろ」

 

桐生「それもそうね」

 

松田・元浜「「うるせえよ!」」

 

桐生「こっちはジンクスになるけど振り返ると男女が別れるってのもあるわね」

 

女子『絶対に振り返りません(らない(わ)!!』

 

たちまち女子陣に拘束された。

 

零誠「これじゃあ振り返る以前に渡れねえから離せ!」

 

ゼノ「こんな橋は渡らない方がいい!」

 

零誠「あのなあ!言い伝えを真に受けるな!そもそもこの渡月橋の由来は橋の真上を月が渡るところから来てるんだぞ。つまりこの橋は月見用の橋なんだから振り返るとか普通にしてたに決まってるだろうが!」

 

九重「レーセーの言う通りじゃ。特に男女の方に関して言えばここ最近の話じゃ」

 

説得が成功したみたいで女子陣は離れる。

 

まあ、一応渡ってる間は誰も振り返りはしなかった。

 

渡り終えたところで生暖かい感触に全身が包まれる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の瞬間、松田、元浜、桐生が消えていた。

 

零誠「マジかよ」

 

慌てて辺りを見回すと観光客が自分達しかいない。

 

零誠「この霧」

 

アー「私がディオドラさんに捕まった時に使われていたあの装置です」

 

零誠「『絶霧』か」

 

一応、一般人は巻き込まないように配慮はしたみたいだな。

 

問題はこの能力の発動範囲だが……

 

孔雀「ねえ、どういうこと!?みんなは何か知っているの?」

 

全員『なっ!?』

 

どうして一般人の孔雀がここに引きずり込まれている?

 

アザ「おい。お前等、無事か?」

 

驚いている最中に空からアザゼル教員がやってきた。

 

孔雀「何……あの羽……?」

 

タイミング悪いことこのうえない。

 

アザ「この空間は悪魔のゲームフィールドと……足野!?なんで一般人がここにいる?」

 

???「初めまして。アザゼル総督に赤龍帝」

 

今度は漢服を着た黒髪の青年が霧から出てくる。

 

話の途中で現れすぎなんだよ!!話が全く出来なかったじゃねえか!!

 

いつものテンションで行くなら空いたが名乗る前にぶん殴るのだが、聖槍持ちに突っ込むはど愚かじゃない。

 

観光は御終い。

 

ここからは英雄派とのバトルパート。



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英雄派

お久しぶりです。
更新亀です。
感想頼みます。


足野は気絶させて教会組に任せてある。

 

曹操「自己紹介から始めようか。英雄派のリーダーをやらせてもらっている。一応、三国志で有名な曹操の子孫だ」

 

零誠「有名人のお出ましかい。何か用件か?特に用も無いならサインでも置いてけや」

 

曹操「ふっ、なら消えないようにこの『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』で体にサインを刻み込んであげよう」

 

アザ「そんなことされたら体ごと消えちまう。あれは神をも貫く最強の神滅具だ。神滅具の代名詞になっている現物の所有者がテロリストとはな」

 

部員『ッ!?』

 

イリナ「あれが天界のセラフの方々が恐れている聖槍……」

 

ゼノ「私も幼い頃から教え込まれたよ。イエスを貫き、イエスの血で塗れた神を貫く絶対の槍」

 

アー「あれが聖槍……」

 

アーシアの聖槍を見る目からだんだんハイライトが消えていく。

 

慌ててアザゼル教員がアーシアの両目を覆う。

 

アザ「信仰心のある者はあの槍はあまり見つめるな。聖遺物(レリック)ってのは心を持ってくぞ」

 

マジか。スゲーな聖槍。スゲーな聖遺物。スゲーな上位の神滅具。

 

零誠「マジで恐ろしいぜ。えーと……町長さんだっけ?それの聖槍」

 

曹操「誰が町長だ!?俺の名前は曹操だ!!」

 

零誠「怒るなよ。聖槍の方が凄過ぎてお前の名前が薄れたんだよ」

 

曹操「三国志で結構有名な名前忘れる訳ねえだろうが!」

 

零誠「So-so,I see your say-so.」

 

曹操「やっぱりバカにしてんじゃねえか!ご丁寧に曹操と聖槍って音を入れやがって!!」

 

こいつ怒らせるのチョロ過ぎ。

 

???「少し下がって落ち着いてください。あなたは我々のリーダーなんですからしっかりしてくださいよ」

 

白髪の優男が曹操を下げさせ、どうやら変わりに話をするようだ。

 

ジーク「初めまして、グレモリー眷属。少しの間だが曹操の代わりに指示を出させてもらう英雄ジクルドの末裔、ジーク。仲間からは『ジークフリート』と呼ばれている。好きなように呼んでくれ」

 

零誠「じゃあ、木場の2Pカラー」

 

ジーク「ピキッ」

 

ジークの顔に少し青筋が出ている。

 

零誠「でも、白って言ったらスマブラで言うとリンクの薄紫?誰があんな色使うんだよ4Pカラー」

 

ジーク「てめえ!!そこから一歩も動くんじゃねえぞ!今すぐ魔剣の錆にしてやっからそこから一歩も動くんじゃねえぞ!!」

 

モブ女「お、落ち着いてください!」

 

モブ男「キャラが崩壊してますから!」

 

こちらに走り出そうとしたジークをモブ二人が羽交い絞めにする。

 

ゼノ「……どこかで見たと思ったが、やはり、そうなのか?」

 

イリナ「ええ、腰に帯刀している複数の魔剣から考えて十中八九間違いないわ」

 

教会の聖剣使いの二人が何かに気づいたみたいだ。

 

零誠「あの4Pカラーは知り合いか?」

 

ゼノ「元同胞だ。教会の悪魔祓いの中でもトップクラスで『魔帝ジーク』と呼ばれていた。白髪なのはフリードと同じで戦士育成機関の実験の副作用だろう」

 

零誠「フリード?」

 

夕麻「元私の部下で聖剣使って怪物になった変態ですよ」

 

零誠「あの変態か。余りにもやられ役過ぎてモブ認定してたから名前忘れてたわ」

 

???「はぁ」

 

チョロイ二人より前に少年が出てきて溜息をついた。

 

レオ「一応、レオナルドです。あの二人が落ち着くまでこの子達の相手しといてください」

 

途端に少年の足元の不気味な影が広がっていき、渡月橋全体を覆い尽くす。

 

なんか異常な数の化物がいっぱいでてきた。

アザ「『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』か。まさかロンギヌス上位が3つも一つの勢力に集まっているのか」

 

木場「レーセー君の『ブーステッド・ギア』より強いんですか?」

 

アザ「いや、直接的な力ならレーセーの方が上だが目の前みたいな状況になるから厄介だ」

 

うん。怪獣大戦争って状況だね。

 

アザ「まだ持ち主は発展途中だからそこまで大したことないな。今、一掃してやるから待ってな」

 

アザゼルの手からビームが発射されて生まれたばかりの怪物達に当たり、爆発が起きて砂煙が起きる。

 

零誠「おい。半分位しか減ってないぞ」

 

煙が晴れると半分には減ったがまだまだ数がいる。

 

アザ「ちっ、あの雑魚共上位の光耐性持ちかよ」

 

曹操「その通り。レオナルドはまだまだ成長途中だが、アンチモンスターを作るという方面にかけては天才だ。各勢力に仕掛けた時にデータも充分取れたから作成は難なくできる」

 

零誠「先程までぶちきれておいてその態度カッコ悪い」

 

曹操「ブ・チ・コ・ロ・ス」

 

うわっ、やっぱり沸点低ッ

 

アザ「おいおい。それなら俺の相手をしてくれよ」

 

曹操「ちっ!聖書に記されし堕天使総督が戦ってくれると言うならそちらを優先しよう」

 

余計なことを!もっといじくって遊ぼうと思ったのに

 

アザ「お前達は雑魚の露払いを頼んだぞ。まだ才能があるとはいえ神アンチは作れないみたいだから大丈夫だろ」

 

部員『分かりました』

 

アザ「それと指揮はレーセーに任せるから」

 

零誠「一応やりますけど数人実力隠してるのがいるんですよねー」

 

ジトー

 

新人悪魔の試合の対戦相手である木場、ゼノヴィア、アーシアの三人を見る。

 

三人『うっ!』

 

零誠「ま、いいけど。俺が見たことある技だけでなんとかすっから」

 

やる前に手の内が見えたら面白くない。

 

アザゼル教員と曹操はいつの間にか遠くで始めてる。

 

零誠「そんじゃあ、さっきあの怪物の中身見てみたけど光の塊って感じだな。光対策の上に悪魔の弱点攻撃ってわけだ」

 

夕麻「では、どうするのですか?」

 

零誠「無難にダメージ量の少ない夕麻とイリナは確実に前線。二人は光系以外に攻撃法あるか?」

 

イリナ「私はとっておきのを用意してあるわ」

 

イリナは自身満々に答える。

 

夕麻「私は無いので主様に武装してもらうしか」

 

対して夕麻は申し訳なさそうに言う。

 

零誠「今回は木場。光食う魔剣作れ」

 

木場「ああ!あれね」

 

教会と焼き鳥戦で使った魔剣で夕麻を武装した。

 

零誠「あとゼノヴィアも前置いとくか。木場はアーシア、九重、孔雀、そして、倍化を溜める俺を守れ」

 

ゼノ「分かった。早速で悪いが武器を用意してくれ」

 

零誠「分かっとる。『再編開始』『絶世の名剣(デュランダル)』」

 

ゼノ「……イリナ。なんかコカビエルから聖剣を取り返そうと躍起になっていた私達がバカみたいに思えてきた」

 

イリナ「……私もそう思っていた所よ」

 

あれ?なんか悪いことした?

 

零誠「……一応偽物だぞ」

 

ゼノ「それって因子が無くても使えるということだけら聖剣より上じゃないか」

 

木場「僕達は何のための犠牲になったんだろう?」

 

なんか感染した!?そして、面倒になってきた。

 

零誠「早く行かねえと俺が無双して活躍シーン無くすぞ」

 

イリナ「見ててね。私の新武器を!」

 

ゼノ「デュランダルはデュランダルだ。私なら使いこなせる!」

 

女剣士二人組は先に向かった夕麻と共闘を始める。

 

さて、俺はイリナから見るとするか。

 

イリナ「私の聖剣の因子を次のステップに上がったわ。『奇剣の舞(ダンシングデンジャー)』これは剣ならば聖剣、魔剣、神刀、妖刀だろうと選ばれるのよ。そして、これが選ばれた者にしか扱うことの出来ない『勇者の剣』と『蛮勇の刀』!」

 

イリナは怪物達相手に無双していく。

 

エクスカリバーを使用していた時より格段に腕が上がっている。

 

零誠「……あの能力は武器補正を無条件で引き出しているって感じだな。他人とすぐ仲良くなれる奴だったが刀剣の心さえも開くなんてな」

 

ゼノ「『絶世の名剣』!!」

 

ドーーーン!!

 

ゼノヴィアが剣を振るうと光を放ち、敵を一掃していく。

 

零誠「なんでそんなん出んの!?」

 

ゼノ「やれるかな?と思ってやってみたら出来た」

 

……マジか。原作でもここまでの活躍はしなかったのに。

 

ゼノ「でも、勘なんだが弾数が後二発位しかないな」

 

確か『絶世の名剣』って三度の奇跡を起こしたと言っていたからその内の一回使って出したってところか?

 

ジーク「刀剣に選ばれる能力とオリジナルと違う方向性に進んだデュランダルか。面白い!面白いぞ!」

 

立て直したジークがイリナとゼノヴィアに向かって行く。

 

『Boost!!』

 

零誠「溜まった。夕麻!イリナとゼノヴィアを援護しろ!残りは俺がなんとかする!」

 

夕麻「了解しました」

 

夕麻を向かわせ、

 

零誠「木場はアーシア達を連れて下がれ」

 

木場「3人のことは任せて」

 

巻き込まないように下げさせる。

 

レオ「ジークさんの援護と後方支援を撃退」

 

怪物や英雄派の下っ端が指示に従い、向かおうとする。

 

零誠「行かせるかよ。決着術式『聖剣集う絢爛の城"(ソード・キャメロット)』」

 

自分、レオナルド、怪物、下っ端を炎の壁で囲む。

 

レオ「くっ。これから抜け出すには聖剣レベルでないと突破出来ないみたいですね」

 

零誠「安心しろ。これは流石に俺でも三分しか保たせられない。少しの間だが付き合ってもらうぞ」

 

レオ「すぐにこの炎の壁を解析してアンチモンスターを構築すれば追撃出来る」

 

零誠「さて、三分間経てば『ソード・キャメロット』は確かに消えるが、お前等が三分後無事とは何も保証してないぞ」

 

レオ「なっ!?」

 

零誠「この剣は太陽の映し身。もう一振りの星の聖剣……『転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)!」

 

湖の精霊から授かったエクスカリバーの姉妹剣。

 

太陽の灼熱で燃やし尽くす。

 

零誠「基本的に悪魔だから戦闘は夜なのでこれはを使う機会が少ないんだが、『聖者の数字』が発動して能力が三倍に上昇している」

 

レオ「くっ。まぁ、あなたを離せたし良しとしますか」

 

零誠「何?」

 

 

ゼノヴィアサイド

 

少し前

 

ジーク「さて、剣士同士仲良くしようじゃないか」

 

レーセーの作り出す炎の壁から1キロ程離れた位置で私、イリナ、夕麻はジークフリードと対峙している。

 

夕麻「私は剣士という訳ではないんですけどね」

 

ゼノ「ハアッ!!」

 

ジーク「おっと」

 

キンッ!!

 

ジーク「魔帝剣グラム。魔剣最強のこの剣なら、奇跡を使用しないそのデュランダルでは不意打ちも通らない」

 

先手必勝と言わんばかりに攻撃したがこんなにも容易く防がれるとは……

 

ジーク「うちの組織では『聖王剣アーサー』、『魔帝剣ジークフリート』と並び称されている。君達オカルト研究部の中で勝てるのは兵藤零誠位だろう」

 

ゼノ「ッ!!」

 

イリナ「ゼノヴィア!!」

 

イリナは魔剣に劣らない二振りでゼノヴィアに加勢に入る。

 

キン!キン!

 

ジーク「凪ぐだけで空間を切り裂く魔剣ノートゥングと北欧に伝わる伝説の魔剣バルムンク」

 

ゼノ・イリナ・夕麻『なっ!?』

 

三本もの魔剣を所持しているのには驚いたが、それよりもその三本を同時に扱ってることにより一層驚く。

 

どこかの海賊王の部下のように口で咥えている訳ではなく、背中から一本ドラゴンの腕のような物が生えており、その腕が魔剣を握りしめている。

 

ジーク「この腕かい?これはありふれた神器の『龍の手(トウワイス・クリティカル)』。そちらの兵藤零誠の持つ『赤龍帝の篭手』の下位なんだがこちらのも亜種化しているんだよ」

 

本物のドラゴンの腕ということか。

 

どうする?

 

剣の腕はジークが教会にいた時のことを考えるとあっちが上。何か隠している様子があるし、束になっても勝てる確率は低い。

 

なら、一撃を与えよう。

 

イリナにコンビ時代に決めていた合図を送る。

 

ゼノ『退避』

 

カッ!!

 

ジーク「これは!?」

 

超至近距離での光の波。

 

イリナ「くっ!?」

 

全力で後退したイリナでさえ余波でふっ飛ばされるのだからジークもふっ飛ばされる。

 

イリナ&ゼノヴィア「「夕麻!!」」

 

夕麻「はい!!」

 

木場から渡せれた『光喰剣』は文字通り光を食らう魔剣。

 

ならば光を食わせ続けたらどうなるのか?

 

喰ったのだから糧となるのが道理。

 

夕麻「言ったじゃないですか。私は剣士ではないって」

 

夕麻が手に持った二本の闇の長槍をジーク目掛けて投擲する。

 

夕麻はオールラウンダーな主を持つが故に様々な武器を使っているが槍の投擲を最も得意とする。

 

剣士の戦闘には入り込めないが、遠距離となれば別。

 

充分に対峙出来る。

 

ジーク「『禁手化』」

 

 

木場サイド

 

レーセー君のことだから平気だろうが、ゼノヴィアさん達が気になる。

 

ジークの実力はおそらくだヵ英雄派なの2番目か3番目たろう。

 

加勢に行きたいところだが、非戦闘員のこの3人を放っておくわけにはいかない。

 

レーセーくんが僕を頼ったのだからちゃんと期待に答えないと。

 

スタッ

 

やはりこちらにもレーセーくんの炎の壁から逃れた敵が来たようだ。

 

木場「やるのかい?悪いけどこの3人には指一本も触れさせないよ」

 

???「いや、やらないよ」

 

木場「なんだって?」

 

僕は予想と違う答えが返ってきて驚いた。

 

ゲオ「だからやらないって言ったんだ。自己紹介しとくが、俺はゲオルク・ファウストの子孫のゲオルク。『絶霧』の所持者でそちらの2人と同じで戦う人間じゃない。やってもいいが俺が負けたら表の一般人に迷惑かかかるぞ」

 

ならば何故わざわざ僕の前に現れたんだ?

 

いや、それよりも

 

木場「2人?僕以外に戦える者がいるように見えるのかい?」

 

ゲオ「全く見えないな。……流石、俺が調節しただけある」

 

木場「どういうことだ?」

 

ゲオ「見せた方が早いな」

 

パチン!

 

ゲオルクが指を鳴らすと足野さんのかけている眼鏡が霧散した。

 

ビクン!

 

足野「……わ、私……いえ、アタシは……」

 

足野さんの身体が跳ね上がると髪の色が黒から段々金髪に変わって行き、顔も西洋人の物に変わって行く。

 

足野「……英雄派のジャンヌ」

 

 



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作戦会議in京都

お久しぶりです。
部活で出すコミケ用ので忙しくってここまで遅れてしまいました。
ホントに久しぶりだな。
これからもよければお願いします。




零誠サイド

 

『聖剣集う爛の城』が解かれて見えた光景に驚いた。

 

ジークが三面六臂になっているのは禁手化を使ったからだろう。だが、ジャンヌがいて足野が居ないってことは攫われたか?

 

零誠「一般人にまで手を出しやがるのかよ」

 

レオ「違います。足野孔雀には手を一切出してません。というか、足野孔雀なんてこの世に存在しませんし」

 

しぶとく生き残ったレオナルドが意味の分からないことを言ってきた。

 

曹操「レオナルドの言ってることは真実だ」

 

アザゼルが相手していたはずの曹操がこっちに来たってことはチート二人の戦いに一段落着いたみたいだな。

 

アザ「上空で戦ってる最中に見たが足野があの銀髪に変わりやがった」

 

アザゼルも警戒しながら零誠の隣に降りる。

 

零誠「は?何トチ狂ったこと言ってんの?」

 

アー「大変です!!目の前で足野さんが変わってしまったんです!」

 

零誠「何!?そんなことがあるなんて……」

 

アザ「いくらなんでも態度変え過ぎだろ!?」

 

ギャーギャー五月蝿いから放っておく。

 

零誠「で、どういう訳だ?」

 

曹操に向かって問いかける。

 

曹操「分かっているのだろ?つまり、足野は英雄派からのスパイだったんだ」

 

零誠「ちげーよ。いくらなんでもあんだけ近くにいたら魔力に気づくわ。それに悪意、敵意、殺意に敏感な俺が全く何も感じ無かったっていうのはどういうことだ?ってきいてんだ」

 

曹操「それは、本人に聞いた方がいいだろう」

 

曹操はジャンヌに対して説明するように言う。

 

ジャン「………」

 

ジャンヌは無言で何も言おうとしない。

 

ゲオ「おい、ジャンヌ」

 

ジーク「まーまー、ジャンヌも記憶が戻ったばかりで混乱してるんでしょう。変わりにゲオルク、君が説明しなさい。あのたも随分とこの作戦には関わりましたし」

 

ゲオ「仕方ないな。俺の禁手の『霧の中の理想郷(ディメンション・クリエイト)』は霧であらゆる結界装置を作成できる。そこのシスターに使われたあの反転の拘束具は上級悪魔のお坊ちゃんに敵等に渡したのだな」

 

『覇龍』を使う前のあれか。

 

ゲオ「さて、赤龍帝。ここまで言えば分かるな?ジャンヌに結界装置を付加して魔力の制限、記憶の改竄、容姿変化を行ったということだ」

 

零誠「……雰囲気に似合わない隠れ巨乳はそういう理屈だったのか」

 

女性陣『レーセー(君)(さん)(主様)?後で少し話がありますから』

 

零誠「……遠慮する方向で」

 

ちなみにジャンヌは赤面して俯いている。

 

曹操「お前らはシリアスを少しくらい続けられないのか?」

 

零誠「シリアスは後半のお楽しみってことで」

 

曹操「ま、いつも自然体でいられるというのは十分な才能だな。いや、兵藤零誠、君を信頼しているからか。ジャンヌを回収する作戦でこうまでやられるとは君は人を引き付け、成長させる力が異常と言っても高いようだ。王としての才能があるようだな」

 

こいつらは精神的な面では話が合うかもしれないが、戦闘面で言えば苦手なタイプだわ。

 

曹操「なるべく早めにジャンヌを潜り込ませていて正解だった。データ抜きで今回のような顔見せではなく、君と戦ったら負けるだろうしね」

 

スパイが居たんだ。半分以上の情報はバレてるって考えていた方がいいか。

 

アザ「一つ聞きたい。貴様等英雄派の狙いはなんだ?」

 

アザゼル教諭の質問の答えは知っているし、予想出切る。

 

曹操「以外に俺達の活動理由はシンプルだ。人間としてどこまでやれるのか知りたい。挑戦したいんだ。それに化物を倒すのは人間の仕事だろ?」

 

ヴァーリーに近い雰囲気をまとうだけある。

 

零誠「そうだな。確かに化物を倒すのは英雄の仕事だ。だがな、お前達はやり方を間違った」

 

曹操「どういう意味だ?」

 

零誠「お前達はご先祖様のような英雄になれねえよ。基本的にやられ役、良くて反英雄になるのがおちだ」

 

言っても分からないだろう。自分が正しいと思ってしまった奴はとことん盲目になる。

 

曹操は聖槍を構える。やはり、意味が分からなかったのだろう。

 

ならばあれも聖剣を構えるだけだ。

 

ピカッ!?

 

今にも始まりそうなところで俺達と英雄派の間に魔方陣が展開される。

 

そして、魔方陣から召喚されるのは巨大な岩と土の塊。

 

アザ「ゴグマゴクだと!?」

 

アザゼルはあれが何か知っているようだ。

 

ルフェ「ゴッくん、やっちゃえ!」

 

ゴグマゴクに気を取られて気づかなかったが、どうやらルフェイも一緒に召喚されたようだ。

 

零誠「ルフェイ、簡潔に説明」

 

ルフェ「はい!ヴァーリ様がうちのチームに監視を送った英雄派にお灸を据える為にゴッくんを送りました」

 

レーセーのファンであるルフェイはレーセーの要求に簡単に答える。

 

ゴグ『ゴオオオオォォォォォオオオオオッ!』

 

そして、ゴグマゴクはルフェイの命令に従って英雄派に襲い掛かっている。

 

零誠「アザゼル教員、ゴッくんの説明」

 

アザ「ゴッくんって……あれは古の神が量産した破壊兵器だそうだ。問題が多すぎて停止させて次元の狭間に放置されたらしいが……実物でしかも動いてるのなんて初めて見た!!解体してえ!!」

 

研究者魂に火が着いてるよ。

 

零誠「ヴァーリたちが次元の狭間泳いでたのはグレートレッドの確認だけじゃなかったのな」

 

ルフェ「はい。オーフィス様が言っていた情報を元に探し出しました」

 

ゴッくんの相手をするのは曹操のようだ。

 

ドッバーーーーーーーン!!

 

曹操の聖槍は如意棒の如く伸び、刺さりはしなかったもののかゴッくんを仰向けに倒すことに成功した。

 

水飛沫によって出来た霧の中から千鳥足の女性がこちらへやってくる。

 

そういやこっちに来てたのもう一人居たな。

 

ロス「人が気分良く寝ているところにドッカン!バッタン!うっさいんれすよ!」

 

泣き上戸で眠り上戸な上に怒り上戸かよ。

 

英雄派はグレモリー眷属だと分かると早々に攻撃態勢を取った。

 

ロス「なんれすか?やるんれすか?いいれすよ。元オーディンの付き人の実力見せてやろうじゃないれすか!」

 

ロスヴァイセさんの後ろに大量の魔方陣が展開される。

 

イメージでいうなら、Fate/zeroの金ぴかVSライダー戦でライダーが固有結界壊された後に金ぴかが宝具撃ちまくった時の宝具が出る時の波紋が全部魔方陣にした感じです。

 

ロス「全属性、全精霊、全神霊を用いた私特性フルバーストを喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

炎、水、雷、土etcが馬鹿みたいに発射されてく。ぼくなかんがえたさいきょうのまほうって感じ。

 

ヤッベー。最高じゃんこれ。こういうぶっ飛んだの俺好きだよ。

 

だが、英雄派は霧で防御され、攻撃が届いてない。

 

さすがは結界系最強って言ったところか。

 

曹操「邪魔が多すぎるな。そろそろ撤退させてもらうか。堕天使総督にグレモリー眷属諸君、今夜二条城で九尾の御大将を使って実験を行う。良ければ来てくれ」

 

そう言うと英雄派を囲う霧か濃くなっていく。

 

アザ「ちっ!元の世界に戻るぞ。戦闘状態を解いておけ」

 

霧が消えると元の世界に戻っている。

 

アザ「京都を実験場にだと!小僧がふざけやがって!」

 

おいおい、怒ってるからって物に当たるなよ。殴った電柱が傾いてんぞ。

 

九重「なんで、なんで母上が……母上は何も悪いことしてないのに……」

 

ま、戦闘パートで示してやろうじゃないか。

 

やはりあいつらが英雄だなんて間違っている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ホテル

 

松田「あんだけ豪華なバイキングなんて駒王学園は大盤振る舞い過ぎだろ」

 

元浜「全くだ」

 

夕食後に俺の部屋に集まり、デジカメで撮ったものの鑑賞会が行われていた。

 

やはりというべきか、足野孔雀の痕跡は全て消えていた。資料からも記憶からも。

 

一昨日言ってたあれも作り物だったのかね?全く敵役やるなら徹底的にやって欲しいものだ。

 

みんなが自分の部屋に帰り、就寝時間になると裏に関係ある奴らが全員俺の部屋に集まった。

 

……せめえよ!!俺の部屋が一人部屋だから分かるが十人以上はいることなんて設定されてねえからな!立ち見が出てるレベルだし。

 

アザ「作戦伝えんぞ。二条城と京都駅周辺を中心に警戒態勢を張っている」

 

京都駅は入り口で二条城は曹操が宣言していたからな。

 

アザ「そして、二条城だが、京都のあらゆるパワースポットから二条城に向かって気が流れていやがる。実験とやらに使うんだろうな」

 

零誠「で、配置はどうするんすか?」

 

アザ「まず匙を除くシトリー眷属は京都駅周辺だ。このホテルの警護、そして不審な輩を狩れ」

 

シトリー『はい!』

 

匙「俺はどうするんすか?」

 

アザ「お前はグレモリー眷属とイリナと一緒にオフェンスに回ってもらう。八坂の姫の奪還がメインだ。悪いな。いつもお前達に任せちまって」

 

零誠「慣れてる奴が付くのは当たり前ですからね。構いませんよ。ですが、流石にこれじゃあ人数が足りなくないすか?」

 

アザ「そのことだが、最悪実験を助っ人が来るまで遅らせるだけでいい」

 

零誠「その言い分だと本当に化物級が来るようっすね」

 

アザ「ああ。そして世界各地でテロが起きてるせいで『フェニックスの涙』の需要が増えてな、そのせいで今回三つしか準備できなかった。この分だとレーティングゲームには出せねえ可能性があるな」

 

ライザーいじめて泣かせるって手があるな。うん。世界平和(笑)の為に協力してもらおっかな。

 

アザ「機密事項になるんだが『聖母の微笑』を各勢力血眼になって探している」

 

木場「現在ヒーラーは重要ですからね」

 

零誠「確かにそうだが本当に重要な所はそこじゃねえよ。『禍の団』に捕獲されて洗脳されんのが一番不味い。それ防止だろ。だが、その仕事は天界連中に任せたほうがいいな。下手に私欲に走る悪魔が見つけて無理やり眷属にしたらテロリストに簡単に変わっちまう」

 

アザ「……そうだな。人間に良いイメージ持たれるのは三大勢力の中で天界だけだかんな」

 

アザゼルはなぜかこちらに申し訳無さそうな視線を向けてくる。

 

零誠「ん?自陣の悪魔を悪く言ったのは正直事実だし、『禍の団』の悪魔は旧魔王派を除けばほとんど主に不満を持つ転生悪魔だしな。それに戦争しねえって誓ったんだ。有能な奴が天使に転生しても構わないし、そいつが堕ちて堕天使になっても構わねえよ」

 

アザゼルとレヴィアタン以外はその話を聴いて悪魔がヒーラーを手に入れる機会が無いと言っても過言でない提案をしたことに気付く。

 

アザ「そう……だな。堕天使総督の俺と魔王レヴィアタンが戦争を起こさせないって誓ってやる。それにアーシアの協力のおかげでアジュカも回復能力の研究が進んでいるそうだし、俺達、堕天使も回復系の堕天使も人工神器について研究が進んでいる。出来次第一番に悪魔に送ることも総督である俺が誓ってやる」

 

この誓いは破られることがないと思える。

 

アザ「フェニックスの涙はオフェンスに二つ。シトリー眷属に一つずつ渡しておく」

 

妥当な分配だな。

 

アザ「俺は二条城に結界を張る。どんなことがあっても他に被害を出さないから安心しろ」

 

レヴィ「私は京都の外に集まった各勢力の指揮をするわ。悪い子がお外に出ようとしたら煌いてもらうわ」

 

さて、何がどう煌くのかね?

 

アザ「駆王学園ではソーナたちがバックアップしてる」

 

零誠「部長達は?」

 

アザ「グレモリー領で『禍の団』とは関係の無い暴動が起きてるから鎮圧に行ったよ。将来治める土地だから威厳を見せるって意味もあるだろうな。ま、グレモリーの女性陣が出て行ったんだ。直ぐに収まるだろう」

 

レヴィ「『亜麻髪の絶滅淑女』『紅髪の滅殺姫』『銀髪の殲滅女王』が揃うんだから悪漢よね」

 

何、そのオーバーキルな二つ名は……。てか、暴動起こした奴等が不憫になってきた。

 

なんて思っているとアザゼル教諭が俺の肩に手を置いてきた。

 

アザ「お前も大変だな」

 

零誠「???」

 

全員(((その三人が外堀埋めようとしてんだもんな(ね))))

 

作戦会議終了



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VS影

感想の返信に書いた次話投稿達成。
期末期間なのに俺何してんだろう?



二条城に向かうまで少々時間があるようなのでいい加減にクリスピードーナッツの報酬を貰うことにした。

 

意識を潜らせると今回は前回来た時に強制退場をくらった扉の前

 

今回はこの扉に鍵がかかっていないのが何故か分かる。

 

ならば開けるしかないだろう。

 

そして、扉の先には

 

零誠「……図書室?」

 

本棚と本しかない。

 

これがエルザードとエルシャが抑えていた物?

 

中を見てみると本と本棚以外にも扉があった。

 

零誠「また扉かよ!!」

 

しかも、「絶対に開かないよ」って主張をビシビシ感じる程鎖で扉が開かないように封印されてる。

 

零誠「……鍵穴がない……だと?」

 

『Boost!』

 

ドラ「ちょっ!?何やってんの!?」

 

零誠「扉はもうこりごりなんだよ!!てか、鍵穴無いってことはぶっ壊してもいいってことだよね?」

 

ドラ「いや、ダメだろ。こういうのは窮地に陥った時とか仲間との友情とかで開放されんのがセオリーだろ!」

 

零誠「知るか。正直、そんな主人公補正は俺に存在してると思えないし。壊した方が早いと思う」

 

『Boost!』

 

ドラ「だからやめ

 

数分後

 

零誠「はぁはぁはぁ。……なんで壊れねえんだよ!いや、マジで。強度が高いだけかと思ったら分解も出来ねえのは何故だ!?」

 

ドラ「ま、ドラクエとかで魔王の城の壁にメラゾーマぶちこんでも壊れないのと一緒だろ」

 

零誠「ちっ、鍵穴がありゃピッキングで簡単に開けられんのに」

 

ドラ「ピッキング得意な主人公って……」

 

どうやら聖槍相手に覚醒無しで挑まにゃならんようだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ホテル入り口にて

 

花戒「元ちゃん、無理しちゃダメよ」

 

草下「そうよ、元ちゃん。明日はみんなで会長へのお土産を買うって約束なんだから」

 

匙「おう」

 

由良「元士郎、テロリストにシトリー眷属の意地を見せてやるのよ?」

 

匙「分かってるよ」

 

巡「危なくなったら逃げなさい」

 

匙「足なら鍛えてるよ」

 

匙は激励を貰っているところだ。

 

仲良くなったのはいいと思うがソーナ会長と全く進展がないのはヘタレすぎだろ。

 

てな訳で、二条城に向かうバスへ乗る。

 

俺は窓際で楽しむことにするかね。

 

出発

 

アザ「レーセー、ちょっとい……何食ってんだお前?」

 

モグモグ

 

零誠「見て分からないんすか?単子葉類ショウガ目バショウ科バショウ属の多年生草本ですよ」

 

アザ「いや、ホントに何食ってんだよ!?分かりやすくバナナって言えばいいじゃねえか!」

 

零誠「全く見て分かるなら聞かないでくたさいよ。それにバナナはオヤツに含まれないんだからお菓子と別に持ってきてもいいじゃないすか」

 

持ってた鞄から駄菓子を出す。

 

アザ「修学旅行気分か!」

 

零誠「え、当たり前じゃないですか。せっかく今回行けなかった二条城に行くんですもん」

 

アザ「……お前に聞いた俺が馬鹿だった。だが、これだけ言わせてもらうぞ。果物のバナナはオヤツに含まれる」

 

『果物』に照準を合わせて、

 

零誠「そんなのおかしいよ!」

 

言弾発射

 

零誠「バナナは果物ではなく野菜にカテゴリーされる」

 

Break!!

 

はい、ロンパ。

 

アザ「そ、そんなバナな!?」

 

零誠「そのオヤジギャグは無いと思う」

 

アザ「自分はあんだけはっちゃけておいて酷いな!」

 

零誠「で、用件は何すか?」

 

アザ「いきなり話戻すのかよ。まぁ、人間相手に元人間のお前は躊躇いがあんのかって聞こうと思ったんだが、今のお前見てりゃ心配する必要は無さそうだな」

 

零誠「マジでそれ愚問ですよ。大体人間が普通に生活してれば悪魔や堕天使ましてはドラゴンなんかの人外と合うこと自体無いんですよ。会えないなら殺しあうこともない。人間の敵は基本的には人間なんだから」

 

アザ「まるで人間の時に人を殺したことがあるような言い方だな」

 

零誠「全くそのような記憶は存在しませんよ」

 

記録はあっても記憶は無い。

 

アザ「ん?……まぁ、いいが。他の奴等はお前のように行かんだろうからお前が先頭に立ってやれ。お前が突き進む限り、あいつらもついてくる」

 

零誠「了解しやした」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

二条城前

 

オフェンスを降ろしたバスは結界をもう少し大きめに張る為にアザゼル教諭を載せて離れて行った。

 

霧が濃くなってきてる

 

零誠「はぁ、また転移かよ」

 

『絶霧』発動

 

次の瞬間俺がいたのは地下鉄のホームだった。

 

周りに誰も居ない。

 

『参加者9名 英雄派9名選出』

 

アナウンスが流れてくる。

 

『舞台京都(偽)』

 

『各陣営1人リーダー選出 リーダーを思考してください』

 

リーダーになる奴を思い浮かべろってことか?なら年功序列でロスヴァイセさんかね?

 

『多数意見が反映されます』

 

『参加者勝利条件 東西南北に配置されている英雄派の撃退 中央に配置されている英雄派の撃退 片方の達成』

 

『英雄派勝利条件 グレードレッドの召還』

 

おいおい、何サラッとぶっ飛んだこと抜かしてんだよ。

 

『追加ルール リーダー以外はダメージを一定量受けたら追放 配置された英雄派は拠点より500M以上離れられない』

 

なるほどな。だが、このルールは知っているだろう英雄派に有利過ぎないか?

 

『参加者側のリーダーは副リーダーを選択してください 副リーダーはリーダーと同じ役柄です』

 

さっきから思うのだが、このアナウンス言葉遣い滅茶苦茶だな。

 

で、この『あんたがリーダー』ってなんか果てしなくムカつく文字が浮かんでいるのだが。

 

俺が決めろってか?

 

……この役目最悪たな。よくよく考えるとこのリーダーという役目はは最後までゲーム盤にいられる。最後まで戦っていられる。

 

しかし、つまりは最後までいないといえない。最後まで戦わないといけない。致命傷を受けてもいないといけない。死のうが戦わないといけない。

 

道連れを選べってか?

 

なら俺はーーーを選ぶ。

 

『副リーダーが決定されました』

 

零誠「で、俺が菓子を入れてきた鞄に入ってんのいい加減出てこい」

 

九重「な、バレておったか。上手くお菓子に化けられたと思ったんじゃがな」

 

背負っているリュックサックから九重が頭を出す。

 

零誠「当たり前だ。てか、その状態で元に戻ったら菓子が潰れんじゃねえか!」

 

九重「安心せい、菓子なら全部食った」

 

零誠「どこに安心出来る要素があんだよ!!」

 

チクショウ。ツマミ系なら潰れても平気だと思ったのに。

 

零誠「こんなことならバスの中でアザセル教諭に突き出せば良かった」

 

九重「悪かった。恩返しに京都の隠れ銘菓つけるから許せ」

 

零誠「その言葉忘れんなよ。ま、二条城があんま見れなかったから良しとするが」

 

せっかくだから城の中に入りたかったんだけどね。

 

零誠「それとそこから出んなよ。どうやら敵さんのお出ましのようだから」

 

みんなと連絡撮るのは後だな。ここってケータイ繋がんのかね?

 

禁手化する。

 

???「こんばんわ。赤龍帝殿。俺のことは覚えてくれているかな?」

 

敵さんのお出ましなのだが、

 

零誠「誰?」

 

???「まあ、そうだろうな。あんたと直接ぶつかった訳じゃないしな。ぶつかったとしてもあんたにとっては俺は取るに足らない雑魚だから覚えてることはないだろうな。一応、ドライグにも聞いてみてくれ」

 

だってよ。

 

ドラ『知らん』

 

零誠「知らんだってよ」

 

???「やはりか。だが俺はあんたと戦う力を手に入れた」

 

英雄派の男の影が不規則に動く。

 

???「俺はあんた達のリンクが切れてる時にあんた達の町に攻め入ってボコボコにされた敗北者だ。あの時の悔しさ、恐さ、自分への不甲斐なさが俺を次の領域に至らせた。これが新たな影の使い方だ。『禁手化』」

 

英雄派の男は影を俺の『赤龍帝の外套』のように纏う。

 

そして影で出来た一本の太刀を携える。

 

???「これがあんたの防御無用の分解からイメージを得た『闇夜の大盾』の亜種化した禁手状態『闇夜の獣爪』だ」

 

英雄派の男は太刀を壁に突きつける。

 

???「よくなんでも斬れる剣ってあるだろ?いわゆるそれだ。だが、この剣は切る必要がない」

 

英雄派の男は突き刺したまま太刀を適当に動かすとなんの抵抗もなく壁に模様が描かれる。

 

零誠「……で、あんた名前なんだ?いい加減???表記をすんのが面倒なんだが」

 

九重「お主、あれだけの物を見てよくいつもの態度が貫けるのう」

 

零誠「戦場で取り乱したら死ぬぜ」

 

九重(面白そうだからって理由で煽ってるだけのように思えるのじゃが)

 

???「お得意の挑発には乗らないぞ。普通はそんなのに乗らないだろ」

 

零誠・九重「「お前(お主)らのリーダーは乗ってたけどな(がな)」」

 

というか聞かれたんだから名乗れよ。

 

零誠「てか、名乗らないならこっちが勝手に命名すんぞ。んー、よし、お前は今から影男Aな」

 

影男A「センス無さ過ぎだろ!!だいたいAってことはB、Cっているのかよ!?」

 

零誠「何言ってやがる。『Aはあなたが好きだから』の略だ」

 

影男あなたが好きだから「何名前にとんでもないものブチ込んでくれちゃってんの!?」

 

零誠「うっせえな。そんなにAが嫌ならBにしてやるよ」

 

影男BLでご飯三杯はいけます「Bはどういう意味gって、俺はそんな腐った趣味はねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」

 

零誠「金ジャリ、BLと言えば?」

 

九重「ベーコンレタスじゃろ」

 

零誠「だよなー。何あいつ想像したんだろうな?(笑)」

 

影男B「……し、死ねや!ゴラァ!」

 

零誠「八つ当たり格好悪い」

 

怒りに任せた攻撃を影男Bがしてきたので普通に避けさせてもらった。

 

零誠「やっぱ英雄派煽り耐性低いな」

 

さーて、おしゃべりの途中に色々とあの亜種化した禁手について対抗策ってのを考えていたんだが浮かばないもんだ。

 

ん?趣味でやってたんじゃないかって?嫌だなあ、善良な一般市民がそんなひどいこと意味も無くする筈ないじゃないか。

 

たく、最近原作とズレ過ぎてるから原作知識を脳の隅っこに置いておいたから禁手前の『闇夜の大盾』と亜種化しなかった場合の『闇夜の獣皮』の能力を思い出すのに時間がかかっちまったよ。

 

零誠「金ジャリ、適当に炎でもぶつけてみてくれ」

 

九重「心得た」

 

まずは原作時の攻略法である熱

 

九重の火の玉を影男Bはコートによって防ぐ。炎の玉は影男に当たらなかったかのように通り抜ける。

 

どうやら俺の影から出すとかの小細工はしずらいみたいだな。防御面積も減ってるしあの太刀にどんだけ才能回してんだよ?

 

マジで俺が相手したからって理由で成長するタイプはいい加減勘弁して欲しい。

 

色々と考えていたら九重が未だに炎の玉を連発している。

 

あ、影男Bが太刀で炎の玉を斬った。

 

ん?コートから赤い燐粉のようなものが出てる。

 

零誠「成る程そういう仕組みか。金ジャリ、後は任せな」

 

九重には休んで貰う。

 

零誠「なあ、ちょっといいか?お前、洗脳されてないだろ」

 

攻撃最中に少しは怒りが収まったのか、影男Bは攻撃を止め、質問に答える気になったようだ。

 

影男B「ああ、そうだよ。俺は俺の意思で曹操に付き従っている。理由も気になるみたいだな?」

 

ああ、気になる。こいつみたいな名前も無いキャラのことは忘れてしまった。なら知らないといけないだろ?これから倒す相手だ。

 

影男B「神器を得た者が誰しも良い人生を送れた訳じゃない。俺のように影を動かせる子供が身内にいたらどう思う?」

 

アーシアと似たような境遇か。

 

影男B「気味悪がられ、迫害されるに決まっている。俺はこの力のせいでまともな人生を送れなかった。でもな、曹操はこの力を素晴らしいといってくれた」

 

俺がギャスパーに道を示したようにこいつに曹操は道を示したのか。

 

影男B「この力を才能と言ってくれた。英雄になれるといってくれた。今までの人生を全て薙ぎ払うような言葉をくれた曹操の為に生きたいと思っても仕方ないだろう?」

 

零誠「あれは英雄なんて口にしていいものじゃねえよ」

 

胸糞悪い。

 

影男B「曹操は英雄だ!!俺の生き方を、力の使い方を教えてくれた!利用されているとしても構わない。クソのような扱いを受けて、クソみたいな生き方を送ってきた俺達神器所有者にとってクソのような人生に実を与えてくれた曹操は英雄なんだよ!!俺の力が、悪魔を、天使を、神々を倒すのに役立つんだ。こんな凄いことが他にあるか?それにな、悪魔も堕天使もドラゴンも元々人間の敵だ!常識だろうが!そしてあんたは悪魔でドラゴンだ!人間にとって脅威でしかない!」

 

影男Bは独白するように叫ぶ。

 

零誠「全くもって胸糞悪い」

 

影男B「なんだと?」

 

零誠「胸糞悪いつってんだよ!!力のせいで迫害された?英雄の曹操が人外を倒すっつう生きがいをくれた?人外は脅威だから倒す?全くもって胸糞悪いんだよ!!」

 

影男B「そ、そうだろうが!」

 

やっぱりこいつを曹操を英雄だなんて認めない。

 

零誠「じゃあ、聞くがな、今言ったお前が持ってる人外だから倒すっつう生きがいは力を持っていたから迫害したクソみたいな連中と何が違うんだよ?」

 

影男B「え?」

 

零誠「確かに悪魔の中には悪行重ねるクズもいるよ。ドラゴンもそうかもしれない。でも、それが天使を殺す理由になるのか?人間と会ったこともない悪魔の子供を滅ぼす理由になるのか?金ジャリの母親を奪う理由になるのか?」

 

影男B「……うるさい」

 

零誠「理由は人外だから?自分と違うから倒していいっつうのか?それってお前を迫害したクズを肯定してるようなもんじゃねえか」

 

影男B「……うるさい……うるさい」

 

零誠「つーか、同じ人間の神器所有者を洗脳して戦わせてる理由になってねえじゃん。守る筈の人間を危険な目にあわせてる曹操のどこが英雄なんだよ?」

 

影男B「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!」

 

影男Bは俺の口を塞ぐ為に突っ込んできた。

 

零誠「『再編開始』」

 

相手が太刀ならこちらも刀で相手してやろう。

 

相手が何でも斬れる刀ならこちらはなんにでも斬られる刀を使おう。

 

零誠「『薄刀 針』」

 

軽く、薄く、脆い刀。羽毛のように軽く、硝子細工のように脆い、美しき刀。

 

零誠「拙者にときめいてもらうでござる」

 

振り降ろされた影の太刀の刀身に針の目を凝らさねば見えない刀身を滑り込ませる。

 

話は変わるが聖剣因子は技術と量次第で強化や防御等色々なことに使える。

 

俺は量も普通だし、技術に関しては磨いてない。

 

それでも使いたいなら『Transfer!!』倍加で量を補い、単純な使い方をする。

 

ピカッ!!

 

影男B「何っ!?」

 

影男Bの全身が光る。

 

俺でも聖剣を発光させるくらいは出来る。

 

光がやむと影男Bの禁手は解け、目を押さえてる。

 

どうしてこうなったか説明すると影男Bのあの太刀は斬っていたわけではなく、触れた物をバラバラの出口(コート)へと送ることによって破壊していた。

 

俺はその能力によって破壊された刀身を発光させることで影に光を当て、影を消したのだった。

 

全方向から光を当てれば影は消える。常識だぜ。

 

零誠「ぶっ飛んで、後悔して、反省しやがれ」

 

『Transfer!!』

 

ドカッ!!

 

一回倍加の拳で影男B殴り飛ばした。

 

零誠「曹操に会う前のお前となら友人になってたかもな」

 

 



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部員VS英雄派

大学の休みって暇、バイトしかすることねえ。
ので、投稿。
今度オリジナルのラノベでも書いてどっか応募してみようかね?
そいsて、話変わるけど冬コミに出す予定だったFate/stay nightのネタ小説(果てしない駄作)だけど他の部員が遅れたせいで落としそうなので投稿したほうがいいですかね?
読みたい人が居たら感想にください。


prrrrrr!!

 

零誠「はいはい、こちら零誠」

 

木場『あ、レーセー君』

 

ケータイが鳴っているので出ると木場からだった。

 

木場『僕はゼノヴィアさんと一緒にいるんだけどそっちは誰といるんだい?』

 

零誠「金ジャリ」

 

木場『なんで九重さんが!?」

 

零誠「俺の荷物に紛れ込んでた」

 

木場『君のことだから気づいてたのに連れて来たんでしょ」

 

零誠「ソンナコトナイヨー」

 

木場『はー、僕達は一番近い西の拠点に向かっている。北の拠点には夕麻さん。南の拠点にはロスヴァイセさんとイリナさん。中央の拠点にはアーシアさんと匙君』

 

零誠「なら南が一番近いからロスヴァイセさんとイリナと合流する……のはちょっと時間かかりそうだ」

 

線路からゾロゾロとモンスターが大行進してきた。

 

なんかさー。俺だけ特別待遇過ぎない?

 

零誠「そんじゃ、また後で」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー--

 

木場サイド

 

西拠点付近

 

零誠『そんじゃ、また後で』

 

ガチャ

 

ゼノ「レーセーはなんて?」

 

木場「一番近い南に向かうらしいんだけど、何かあったみたいで時間がかかるみたいだ」

 

ゼノ「そうか。なら私達は予定通り西の拠点を落とすぞ」

 

木場「そうだね。でも、レーセーくんのところばかり凄いね。さっきの英雄派の1人が脱落したってアナウンスがあったけど他のみんなが違かったからレーセーくんだろうし」

 

拠点にいる5人以外全員レーセーくんにぶつけるつもりかもしれない。

 

ゼノ「それだけレーセーが重要視されているってことか。ならそちらに目がいっている間に終わらせる」

 

そう言うとゼノヴィアさんは鞘に入ったデュランダルを取り出した。

 

ゼノ「出発前に届いてな」

 

木場「もしかしてその鞘って」

 

ゼノ「やっぱり気づいたか。これはエクスカリバーを打ち直したものだ」

 

なる程。デュランダルの聖剣の波動をエクスカリバーの波動で相殺したのか……

 

木場「教会にはパワーバカしかいないのか」

 

ゼノ「なっ!?それはいくらなんでも酷いだろ!」

 

あ、口に出てた?

 

木場「ごめん。でも、力を抑えるのに力ってどれだけ短絡思考なんだい?」

 

ゼノ「(プチッ)木場ちょっとそこ立て」

 

木場「ん?ここかい」

 

ゼノヴィアさんが指差した所に移動する。

 

ゼノ「エクス・デュランダル!!」

 

木場「危なっ!?」

 

ゼノヴィアさんがいきなり聖剣ぶっぱしてきた。

 

ギリギリで避けられたからケガは無いが、ナイトじゃなかったら昇天してた。

 

ゼノ「チッ……これで西拠点は潰れたも同然だな」

 

木場「舌打ちしたうえに無かったことにしたよね!?」

 

ゼノ「なっ、あれは!?」

 

木場「スルーですか?」

 

ゼノヴィアさんが誤魔化しているのを除いても驚き過ぎているので煙を上げて、更地になった西拠点を見ると六臂の剣士が立っている。

 

ジーク「全くいきなりのご挨拶ですね。早速『阿修羅と魔龍の宴(カオスエッジ・アスラ・レヴィッジ)』を使う羽目になってしまったよ」

 

木場「ゼノヴィアさん」

 

ゼノ「さっきのことは後でだ。今はあれをなんとかするぞ」

 

レーセーくんみたいにふざけてる余裕は無さそうだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夕麻サイド

 

北拠点

 

夕麻「足野さん……いえ、英雄派ジャンヌ。あなたには聞かないといけないことがあります」

 

ジャン「あら、何かしら?」

 

ジャンヌは笑顔で言った。

 

夕麻「なんで主様はあなたが隠れ巨乳ってこと知ってたんですか!?」

 

ジャン「そっちぃ!?」

 

それ以外に聞くことなんてあるんですかね?

 

ジャン「いや、普通はなんで騙したとか、裏切った理由とかそういうこと聞くんじゃないの?」

 

夕麻「そう言われればそうですね。じゃあ、どうして騙したんですか?」

 

ジャン「……あなた軽いわね。敵と向かい会ってる時のテンションじゃないでしょ」

 

夕麻「主様を見てるとこおなりますよ。あ、でも、他の方より繋がった私の方が影響強いですかね」

 

ジャン「……つ、繋がった?」

 

あれ、何故かジャンヌさんの雰囲気が変わりましたね。

 

ジャン「あなた以外にその……そういうこと彼としてる子っているの?」

 

夕麻「いえ、私だけしか繋がった人なんていませんよ」

 

ジャン「そう。ならあなたをブツブツ」

 

なんか殺気を物凄く感じるんですけど!?

 

夕麻「なんでエーテライトが繋がってるだけでそこまで殺気向けられないといけないんですか?こっちからは主様の思考見れる訳じゃないんですよ!」

 

ジャン「へ、繋がってるって合体とかそういう意味じゃなくて?」

 

ジャンヌはキョトンとして言う。

 

夕麻「合体?……なるほどそういう意味と勘違いしたんですね。エーローイー。ジャンヌさん、エーローイー」

 

ジャン「うっさいわね!!」

 

顔が真っ赤になってる。

 

夕麻「ジャンヌさんって知識ばっかりで経験とか無さそうですよねー。あ、ちなみに実際の年齢っていくつなんですか?」

 

ジャン「ね、年齢のことはどうでもいいじゃないっ!」

 

夕麻「二十歳超えてるのに学生服って、それもうコスプレですよね(笑)」

 

ジャン「(ニコッ)ぶっ殺す」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ロスヴァイセサイド

 

南拠点

 

???「ハッハッハーッ!いい塩梅の魔法攻撃だっ!」

 

このヘラクレスという男、私のフルバーストを食らって小さな傷と軽い火傷だけってどんだけ頑丈なんですか!?

 

イリナ「はっ!」

 

イリナさんがヘラクレスの真後ろから剣を振り下ろす。

 

イリナ「なんですって!?」

 

驚くのは無理も無い、綺麗に背中に入った剣と刀は傷を負わせることは無かった。しかし、より驚くことがあった。ヘラクレスはイリナさんの攻撃に気づいていたのにも関わらず何もしなかったのだ。

 

ヘラ「おいおい、なんだその攻撃は?もっと殺す気で来いよ。それか邪魔だから隅でじっとうずくまってろよ」

 

イリナ「くっ」

 

確かにヘラクレスの言う通りである。今回のイリナさんの攻撃に力が乗っていない。イリナさんはヘラクレスを殺すことを恐れているのだ。

 

アザゼルが言っていたことがイリナに当てはまったのだ。

 

剣に選ばれるスキル。どのような剣だろうと扱いこなせる。逆を言えば思ったようにしか剣を振れない。神を妄信していた頃でさえ酷くても後遺症が残る程度の攻撃しか人間にっしてこなかったイリナにとって腐っても人間であるヘラクレスを殺す為の攻撃が出来ないのだ。

 

ロス「イリナさんの分まで私が頑張るしかない」

 

ヘラ「そうそう。使えない天使は放っておいてこのケンカを楽しもうぜ!俺の攻撃と同時に相手を爆発させる『巨人の悪戯(バリアント・デトネイション)』の禁手化を見せてもいいと思うくらいには爆発ショーを長引かせろよ!」

 

ロス「頑張るのは生徒を守るのが教師の役目だからよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

匙サイド

 

中央拠点

 

俺はヴリドラ化を済ませ、九尾化した八坂さんを縛りあげている。

 

これだけ聞いたらこっちが優勢に思えるが実際は五分五分、少しでも気をぬいたらこっちが殺られる。

 

この裏京都の敵方の勝利条件を満たす為のキーパーソンは呼び出す為の力を集めてる八坂さんとその装置を制御するゲオルク。

 

ゲオルクは八坂さんの力を利用して作った結界に引っ込んで制御と八坂さんの補助をしている。

 

こっちにはアーシアちゃんの補助があるからやられるということはない。

 

だがこのままだと持久戦になる。そしたら援軍が来る時間稼ぎにはなるが、グレートレッドが呼び出されちまう。

 

ちっ、どうすりゃいいんだよ?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

木場サイド

 

『西拠点にてグレモリー眷属ナイト脱落』

 

木場「くっ、ゼノヴィアさんが」

 

ジーク「グレモリー眷属のナイトは面白いですね。片方は名剣を使っているのに剣術のレベルが低い。もう片方は剣術の腕が高いのにレベルの低い魔剣を使っている」

 

ジークは5本の伝説的な魔剣を構え言う。普通の光の剣は夕麻さんの槍で破壊されたらしい。

 

ジーク「多分君の剣術の腕は僕より高い。だが、言っちゃあ悪いが君の作った聖魔剣は駄作ばかりだ。赤龍帝の構築能力くらいのレベルが無いと僕の魔剣には敵わない」

 

悔しいがその通りだ。これまであのジークの魔剣と打ち合ったが聖魔剣は10回も打ち合わない内に折れてしまった。

 

木場「『地形効果 聖魔剣千本巡り』これが僕の今造り出せる上限だ」

 

ジーク「話を聞いて無かったのかい?何本あろうと通用しない」

 

全力で翔ろ。

打ち合えないというなら打ち合わずに叩き込め。

十回で出来ないなら百回、百回で出来ないなら千回繰り返せ。

 

ジーク「な!?」

 

パリンパリンパリンパリンパリンパリパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリン

 

ジークは勘のみで攻撃を防いでいく。

 

ジーク(気を抜いたらこちらがやられる。しかし、千本作成したせいか耐久値が極端に低いみたいだ)

 

聖魔剣の数が半分程折れた頃になるとジークは木場の攻撃に目が慣れてきたようだ。

 

ジーク(これは千日手のようだな。残り半分か。ミスさえしなければ僕の勝ちだ)

 

ジークは木場と視線が一瞬合う。

 

ジーク(目が変わった!?この攻撃何かが違う!?)

 

木場「はあ!!」

 

木場の聖魔剣の聖剣の部分が光る。

 

ジーク「これは赤龍帝の作ったデュランダルの奇跡!?」

 

ゼノヴィアの聖剣ぶっぱに破壊された聖魔剣によってこの場に聖剣因子が充満している。

 

ジークにこの強力な聖剣を悟らせない程に充満している。

 

駄作しか作れないなら作れる者が作った剣を使う。

 

ズシャッ!

 

木場「カハッ!?」

 

ジーク「僕の勝ちです」

 

背中から血が噴出す。

 

ジーク「……ですが、腕一本分あなたの勝ちです」

 

ボトッ

 

ジークの左腕が落ちた。

 

『西拠点にてグレモリー眷属ナイト脱落』

 

ジーク「もしあの一瞬に目が合って無かったら負けていたのは僕だった」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夕麻サイド

 

夕麻「はあはあはあ」

 

ジャン「まだやるのかしら?」

 

ジャンヌさん、強い。でも、

 

夕麻「何故、手加減してるんですか?」

 

ジャン「手加減?そんなのする筈無いじゃない」

 

夕麻「今だって追撃すれば退場に出来るじゃないですか。さっきから防御主体で全然攻撃しかけてきませんし」

 

ジャン「そ、それは……えーっと、そう。あなたの武器はレーセーくんの作る物を転送してる物だからレーセーくんの魔力が減らせるじゃない。そう、そういう理由なのよ!」

 

全く今理由作りました感しかしませんね。

 

夕麻「それならもう主様に武器を送って来ないように言っちゃいました。敵の策に乗るわけにはいきませんしね」

 

ジャン「なっ!し、仕方ないわね!今度は退場させちゃうんだから!」

 

夕麻「ふふ」

 

彼女を見ているとついつい笑みがこぼれてしまう。

 

ジャン「な、何が可笑しいのよ!」

 

夕麻「だって友達と話してるのと変わらないんですもん。こっちに戻って来ませんか?」

 

ジャン「あなた友達ってねー。だいたいアタシはあなた達を騙したのよ?戻れるわけないじゃない」

 

夕麻「戻れますよ」

 

ジャン「バカじゃないの?」

 

夕麻「戻れますよ」

 

ジャン「ふざけないで!アタシがあんな幸せな所にいていい筈ないじゃない!」

 

目に涙を浮かべて叫んだ。

 

夕麻「やっぱり戻って来たいんじゃないですか」

 

ジャン「うるさい!」

 

言葉と共にこの戦い最初に挑発した時以来のジャンヌさんからの攻撃。

 

私は光の槍で受けて受けて受けまくる。

 

この場から退場しない為に。友達と話し続ける為に。

 

ジャン「誰が許すのよ!こんなアタシを!」

 

言葉を攻撃に乗せ、強く強く叩きつけてくる。

 

夕麻「私が許しますよ。主様だって、班のみんなだって許してくれます!」

 

ジャン「あんたは心から言ってるバカだから信じられる。でも、他のみんなだってそういう訳じゃない!」

 

その言葉は重い一撃と一緒に叩きつけられる。

 

そのまま鍔迫り合いとなる。

 

夕麻「大丈夫です!だって私の時もそうだったから!」

 

ジャン「なっ!?」

 

押し勝ったのは私、これからはずっと私のターン!

 

夕麻「私なんて主様のこと殺した原因なんですよ!こんな私許しちゃうバカな主様が、バカな私を助けたバカな主様がバカなジャンヌさんを許さない筈ないじゃないですか!!」

 

こっちも言葉を乗せて思いっきりぶち込んでやった。

 

ズシャッ!

 

夕麻「え?」

 

私は目にも止まらぬ速さで斬られた。

 

ジャン「ごめんね。やっぱりアタシは言葉だけじゃ信じられない。外に出たらすぐに京都から離れなさい。冥界に逃げた方がいいわ」

 

信じられないけど、心配はしてくれるんですね。

 

全くそんな泣きそうな顔するんだったらやらないでくださいよ。

 

では、退場前に一つだけ、

 

夕麻「バーカ」

 

『北拠点にてグレモリー眷属使い魔脱落』



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零誠VS英雄派

久しぶりです。ジャンヌの設定考えんのに時間かかりました。それではどうぞ。



零誠「ダッシャアアアアアアアアアアアアアア!!私は地上に帰ってきた!」

 

怪獣のパレードを壊滅させて地上に出ることに成功した。

 

マジでだるかった。十匹ずつ俺に合わせてアンチしてきたから武器変えねえといけなかったからな。

 

さて、中央にいる2人以外脱落したらしいので俺は南、西、北、東の順で全力で回ろうと思う。てか、南にもう向かってる。

 

というわけで南拠点です。

 

ヘラ「待ってたぜ」

 

零誠「そうかい。こっちは時間無いから物凄い勢いで敗北しちゃってくれ」

 

イリナとロスヴァイセさんを倒したのはこいつか。

 

ヘラ「つれねえこと言うなよ。俺はヘラクレス。俺はお前みたいに強い奴をぶっ倒したいんだよ。あの天使は全然駄目だったな。ま、ヴァルキリーの方はいい線行ってたんだけど後ちょっとのところでリタイアしちまったな」

 

あー、こういうタイプいるわ。自分の趣味の話でで他の奴を評価したがる奴。

 

しかも、その趣味がバトルジャンキーって果てしなく面倒。

 

ヘラ「そんじゃ、お前はすぐに終わらないでくれよ!」

 

そして、こういう奴は返事を待たない。というか話を聞かない。

 

零誠「『投影開始』」

 

ドカン!!

 

ヘラクレスに殴られるのと同時に爆発が視界を奪った。

 

ヘラ「なんだよ?もう終わりかよー。呆気なさすぎ…だ…ろ?」

 

爆煙が晴れると無傷で現れる。

 

零誠「うん。やっぱり視界を奪うだけか」

 

ヘラ「な…んだと?」

 

零誠「何を驚いてんだよ。驚きたいのはこっちだっつうの。いくら『十二の試練(ゴッドハンド)』使ってるとはいえ、無傷とはな。お前の攻撃は一流とは程遠いみたいだな。」

 

ヘラ「『十二の試練』!?」

 

零誠「そう。あんたのご先祖様が受けた試練だ。お前みたいなド三流ではなく、本物の英雄のな。だいたいお前名前負けだぜ」

 

ヘラクレスは怒りによって顔が赤く染まる。

 

ヘラ「俺は英雄だぁぁぁぁぁぁぁ!!かっ消してやる!!禁手化ゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

ヘラクレスの巨体が光り、突起物を生やしていく。

 

ヘラ「これが俺の禁手!『超人による悪意の波動(デトネイション・マイティ・コメット)』だ!!」

 

光が止むと突起物の体に生えた突起物の正体があらわになる。

 

突起物の正体はミサイル。そのミサイルは全て俺に照準がセットされ、発射された。

 

ドッゴォォォォォォォォォォォォォン!!

 

また俺の視界は爆炎に覆われる。

 

ヘラ「はっははー!!どうだ俺は一流なんだ!ご先祖さんだってとっくに超えてんだよ!!」

 

零誠「その口閉じろ。『射殺す百頭(ナインライブズ)』」

 

爆煙の中から放たれた九つのレーザーによってヘラクレスを貫いた。

 

煙が晴れると弩弓を構えた無傷のレーセーが現れる。

 

ヘラ「カハッ…さっきの……でも…無傷か…よ」

 

零誠「いや、先程の攻撃は一流だったから三度程死んだ。だが『十二の試練』と言っただろ。その攻撃が今の四倍だったら死んでいたな。理解したか?お前は本物のヘラクレスを超えてねえよ」

 

ヘラ「くっ…理解した」

 

『南拠点にて英雄派脱落』

 

次は西拠点か。

 

キングクリムゾン、を使う必要無い程早くついた。

 

俺は限界を超えてみました。

 

命のストック一つ使っちまえば限界くらい超えられる。

 

残機8

 

ジーク「随分と早かったですね」

 

零誠「ジャンヌに対しての説教パートで結構行数使うからお前もマキな」

 

ジーク「それはどうかな?」

 

零誠「いや、片腕でどうすんだよ?てか、なんで退場してねえの?なに、お前がリーダー?」

 

ジーク「僕がリーダーなわけないじゃないか。ただ僕の場合は腕に関してはいくらでも代用が効くからね」

 

ジークの腕の切断面からドラゴンの腕が生えてくる。

 

零誠「来いよ。4Pカラー」

 

レーセーはそれに驚くことなく、指で挑発する。

 

ジーク「ふっ同じ手に二度も引っかかるような私ではない」

 

零誠「阿修羅とか言って顔は一つしかないな。それじゃあ蜘蛛か蛸だろ。そういや、ONE PIECE

の魚人に剣士でいたよな。速攻で負けた雑魚だったけど。なぁ、ハッちゃん?」

 

ジーク「誰がハッちゃんだ!!コンチクショー!!」

 

だから沸点低いな。おい。

 

振られる五本の魔剣をレーセーは受け止めた。

 

手も足も使わずに身体で。

 

ジーク「は?」

 

零誠「ジークフリートで有名なのは龍殺しの魔剣の他にもう1つあんだろうが」

 

ジーク「返り血の鎧!?」

 

零誠「『悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)』お前は充分一流だがその剣が俺の身体の芯に届くことはねえよ」

 

ジーク「だが、その鎧には弱点が!」

 

零誠「簿大樹の葉なんて攻撃させっかよ!」

 

ドカッ!!

 

ジークを殴り飛ばした。

 

『西拠点にて英雄派脱落』

 

零誠「次はちゃんと鎧も用意して来い」

 

時よ、止まれ。をした感じ並みの短時間で北拠点に到着。

 

残機7

 

ジャン「やっぱりあなたは脱落せずに来たわね」

 

零誠「なんだ?そんなに俺に会いたかったか?」

 

ジャン「そ、そんな訳無いでしょっ!?」

 

ジャンヌは真っ赤になって怒鳴る。

 

零誠「そーかい。ま、そんなことより聞きたいんだが、何故テロリストなんかしてんだ?正直キャラ的に合わないだろ」

 

ヘラクレスとジークは大体予想出来たから聞かなかったかが、こいつには聞いとかないといけない気がする。

 

ジャン「……いいわ。教えてあげる」

 

ジャンヌは神妙な顔つきとなり語り始める。

 

ジャン「アタシの本当の名前はアドルフ・J・プファオ」

 

ミドルネームのJはジャンヌの略称だろうが、あの苗字は……

 

零誠「処刑を行ったイギリスは無いにしてもご先祖さんと同じフランス人かと思っていたんだが、ドイツ人だったとはな」

 

ジャン「いえ、フランス人よ。ストラス・ブール出身のね」

 

零誠「なるほど。確かに今じゃあそこはフランスだが、戦時中はドイツだったな」

 

ジャン「ええ。ちなみにアタシの姓は曾祖母が曾祖父と関係を持った時に変わったの。それくらいの時期でアドルフという姓に心当たりは無いかしら?」

 

アドルフ

 

1940年頃に『気高き狼』という意味を持つその姓の人物。

 

つまり、ジャンヌはジャンヌ・ダルクだけでなく、もう1人の英雄の子孫ってことになる。

 

いや、反英雄か。

 

零誠「……アドルフ・ヒトラー」

 

ジャン「そう。今度はイタリア抜きでやりましょう」

 

第二次世界大戦でのことをドイツ人がよくその言葉を言う。

 

零誠「ちょっと待て。ヒトラーの子供は全員死んだし、ジャンヌ・ダルクに関して言えば子供すら居なかっただろうが」

 

ジャン「魔女狩りで死ぬ魔女がいると思う?そして祖母は隠し子だったし」

 

子孫のお前が魔女って言っちゃていいのかよ。

 

ジャン「曾祖母の目的はフランスとイギリスへの復讐よ。国を狂わせたあのカリスマが普通の人間にあると思う?曾祖母が曽祖父であるヒトラーを都合のいい独裁者に作り変えたのよ。そして最前線に立ち、戦った」

 

……マジかよ?

 

零誠「じゃあ、お前もそのバカげた願いを?」

 

ジャン「ふふっ、アタシにはそんな大それたことに興味無いわよ。ま、復讐ってことには変わりないか。その復讐もとっくの昔にもう終わってるし」

 

零誠「もう終わっているだと?」

 

ジャン「そうよ。ナチスってだけでアタシの国では迫害されるの。髪を切られ、店を追い出されるの。でも、セイクリッド・ギアが目覚めたら一瞬だったわ。復讐が終わるのは、世界が真っ赤に染まるのは」

 

ジャンヌは自虐的な笑みを浮かべて言う。

 

セイクリッド・ギア。突き詰めてしまえばただの暴力でしかない。

 

それを制御する力が無ければただの災害だ。

 

終わったと言ったが、彼女の中では何一つ終わってないのだろう。

 

ジャン「それで、アタシは家にも帰れず全てから逃げ出して1人の所を『禍の団』にスカウトされたってわけ。これがアタシの全てよ」

 

何一つ終わってないと言ったがどうやら失言だっみたいだ。

 

ジャンヌの世界は一度終わっている。

 

零誠「……来いよ。魔女」

 

ジャン「……やっぱりそうよね。夕麻が言ってたような妄言は現実では起こらない」

 

ジャンヌの顔が能面のように無表情になる。

 

ジャン「禁手化『断罪の聖龍(ステイク・ビクティム・ドラグーン)』。『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』の亜種よ」

 

ジャンヌの背後に現れたのは聖剣で創られたドラゴン。

 

ジャン「……やりなさい」

 

翼を広げ、俺に向かって突撃してくる。

 

零誠「主よ、この身を委ねます」

 

俺の体が発火する。

 

零誠「『紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)』!」

 

命を燃やし剣か放たれる聖火。

 

禁手化の亜種に対し、固有結界の亜種。

 

『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?』

 

ジャン「なんですって!?」

 

『断罪の聖龍』を『紅蓮の聖女』を焼き尽くす。

 

零誠「この聖火を放つ代償は命。孔雀(プファオ)、てめえを俺は気に入った。命くらい賭けてやれるくらいにな」

 

ジャンヌの顔は虚を突かれた顔に変わる。

 

ジャン「……アタシみたいな魔女なんかに何言ってるのよ」

 

零誠「聖火で魔女である英雄派ジャンヌは死んだ。てめえの糞みたいな世界は燃やした。そして、俺の世界を見せてやるからお前の人生を、聖女でもない、まして魔女でもないアドルフ・J・プファオの人生を足野孔雀の人生を俺に預けろよ」

 

ジャン「……いいの?」

 

涙を流し、彼女を訪ねる。

 

いいぞ。と告げようとした所で鮮血が舞う。

 

ジャン「え?」

 

曹操「いい訳あるか。この魔女が」

 

 



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零誠VS曹操

次回、京都編ラストです。
感想お願いします。


残機6

 

曹操「いい訳あるか。この魔女が」

 

上空に立つ曹操が見下すように視線を向ける。

 

ジャン「な……んで!?」

 

零誠「喋るな。傷に響く」

 

意味の分からない者を見るような目で曹操をジャンヌは見る。

 

曹操「なんで?それは刺された理由を聞いているのか?東を守っていた俺がここにいる理由を聞いているのか?それとも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

致命傷を受けている筈の自分がリタイアにならない理由を聞いているのか?」

 

零誠「!?」

 

ジャンヌが刺されたことにばかり気を取られていたが曹操に言われて気付く。

 

最初の方にも言ったがリタイアはある意味救済処置だ。傷を負っても死ぬ可能性は低い。

 

曹操「説明してやるがその顔を見るに大体のことは気付いたみたいだな。なら答え合わせ程度にするぞ」

 

一つ目の疑問の答えは裏切ったから。

 

二つ目の疑問の答えは重要である筈の東の拠点をモブキャラに任せるという奇策を取ったことを渡月橋での反応ごか怪しかったジャンヌには伝えなかったから。

 

そして、三つ目の疑問の答えはジャンヌが英雄派側のリーダーだから。

 

曹操「他の連中には指示してあったからジャンヌをリーダーにすることは簡単だ」

 

このクソ野郎は始めからジャンヌを捨て駒にするつもりだったってことかよ。

 

零誠「ぶっ殺す」

 

曹操「だからリーダーじゃない俺は死ぬ前には退場するんだ。死ぬのはそこの魔女だ」

 

ジャン「くっ……はぁはぁ」

 

曹操を睨みつけるジャンヌの目は虚ろになっている。

 

零誠「死なせねえよ」

 

俺はジャンヌにアザセル教諭からこの出来レースの前に渡された液体をぶっかける。

 

ジャン「こ、これはフェニックスの涙!?」

 

どんな傷でも癒やす秘薬の効果は絶大だな。傷がもう塞がりやがった。

 

零誠「おっと、まだ安静にしとけよ。あの聖槍は聖人殺しでもあるんだから」

 

そう言って曹操の目線の高さまで飛び上がる。

 

零誠「『再編開始』」

 

倍加して武器を準備する。

 

曹操は確かに三国志の中じゃ最も有名と言っても過言ではないだろう。

 

だが、最も有名な奴が一番強いって訳じゃあ無い。

 

呂布奉先

 

三国最強の武芸の塊である『軍神五兵(ゴッド・フォース)』を握り締め、構える。

 

曹操「……やはりな。赤龍帝、それが今使える精一杯の武器なんだろう?」

 

零誠「ちっ、気づいてたのかよ?」

 

曹操「ああ。というかこの戦場は赤龍帝を倒す為だけに用意した」

 

何そのVIP待遇?俺が来なかったらどうするつもりだったんだよ?

 

曹操「ふっ、仕方ないから説明してやろう」

 

ドヤ顔で曹操は言う。

 

零誠「上から目線ムカつく。誰がそんな説明を聞いてやるか」

 

曹操「よし。実はな……聞かないのか!?」

 

零誠「うん。説明時間勿体ないしカットで」

 

曹操「そこは聞けよ!結構重要なことだろ!」

 

零誠「別に興味無いから」

 

曹操「この作戦考えんのにも時間と費用を浪費したんだぜ!な、聞けって!」

 

零誠「何?そんなに聞いて欲しいのかよ?」

 

曹操「ああ、聞いて欲しい」

 

零誠「じゃあ、言い方ってのがあるだろ?」

 

曹操「聞いて下さいお願いします!!」

 

零誠「仕方ないな。説明させてやるよ」

 

曹操「ありがとうございます!」

 

やっぱり英雄派ってバカ?

 

曹操「まず赤龍帝と戦うにあたってやってはいけないのは赤龍帝の仲間を殺すことだ。殺したら最後世界が終わる。だから死ぬ前に退場させるというルールで対処した」

 

覇龍は俺も望まない形だからな。

 

曹操「そしてここからが重要な場所だ。赤龍帝は相手の能力に応じて対応した能力を使用してくる。弱点が無いって言っても相違は無いだろう。しかし、その能力を使用するのに必要な燃料が無限って訳じゃない。ならばその燃料が尽きるまで数をぶつければいい。しかも、別々の能力。その点レオナルドの相性は抜群だった」

 

確かにその通りだ。いくら燃費のいい能力と言ったって回数使えばきれる。しかし、その点は対策しておいたんだが。

 

曹操「その点を補う為の倍加の能力にも対応させた。こちらは単純に貯める為の時間を与えなければいい」

 

グレードレッド召喚というタイムリミット。

アンチモンスターの種類が変わる早さ。

 

曹操「そして、最後の詰めに幹部とぶつける。赤龍帝、お前は武器を使う時は出来るだけその相手に関係ある武器を使う傾向がある。多分だがそれも戦闘に関係あるんだろ?」

 

相手に縁のある武器を使うのはプレッシャーをかけるという意味があったが、それよりも近くに媒介があるのでコストを抑えられるという利点の方が強いのだ。

 

曹操「だが使い易くなったと言った所で蘇生能力に無敵と言っても過言でない鎧、それに聖火なんて使ったら燃料がきれるのも当たり前だ。実際、ジークとの戦いの時になんて鎧だけで魔剣を一本も作れなかったしな」

 

ぶっちゃけると念入りに作った『十二の試練』でさえ、オリジナルより劣化している。

 

オリジナルなら同じ死因で二度は死なない(一度に何度み死ぬは可)のだが、移動の際に同じ方法で死んでいる。

 

曹操「その結果、呂布の武器一つ。聖槍相手なんだから神槍か最悪赤兎馬位は使うだろ」

 

零誠「はいはい、そうですよ。ちっ、確かにその方法なら有効かもしんねえけど普通実行するか?バカじゃねえの?」

 

曹操「バカみたいなのはお前の無駄の無いシステムだろうが」

 

そりゃ、倍加ありきで使えそうな魔術に才能ぶち込んだからな。

 

曹操「あと、癖か知らんが話してる最中は倍加しないんだな」

 

零誠「話してる最中は相手に集中しなさいって躾られたんでね」

 

曹操「さて、そろそろ始めるか?どうせ倍加する材料がもう無いのだし、武器はもう打ち止めだろ?」

 

零誠「バーカ」

 

『Divid』

 

曹操の聖槍からオーラを二割奪う。

 

曹操「材料を俺から持って来るか」

 

『Boost!』

 

それを倍加し増幅。

 

しかし、新たな武器を作る余裕はない。

 

ならばこの武器を十全に振るう。

 

零誠「『投影装填(トリガー・オフ)』」

 

今から振るうのは狂うことの無かった三国最強の5つの武芸。

 

零誠「『全工程投影完了(セット)ー是、軍神五兵(ゴッド・フォース・ブレードワークス)』」

 

切断。あらゆる防御を破壊する一撃。

 

曹操は受けようとはせず避け、二撃レーセーに叩き込む。

 

残機4

 

マジかよ。一撃必殺過ぎんだろ。

 

刺突。避けさせること又は貫くことによって動きを封じる突き。

 

曹操はこれを避け、突く。

 

打撃。巨大な手甲にし、防ぐ。

 

一撃だったから良かったが、二撃目があったら割られていた。

 

薙ぎ。敵を一掃する一撃。

 

曹操は防ぎ、聖槍で貫こうとする。

 

払い。その攻撃を弾き、同時に攻撃を当てようとするが曹操は間一髪でそれを避ける。

 

これが5つの武芸。曹操に届くには5つでは足りなかった。

 

ならば6つ目を持って来るまで。

 

射撃。弓を構え、レーザービームを放つ。

 

今度こそこれで打ち止め。

 

破壊力は充分。

 

しかし、技の出が遅かった。

 

弓を引いている間に曹操は体勢を整えてしまっていた。

 

一瞬の差だった。もし何か一押しあれば届いていた。

 

ジャン「ならアタシがその一押しになるわ」

 

零誠・曹操「「!?」」

 

ジャン「なに、驚いてるのよ?レーセー君を夏休みからずっと見てたのよ。レーセー君の必要な物くらい分かるわよ」

 

曹操に向かっているのはレーザービームだけではなかった。下から聖火『紅蓮の聖女』

 

彼女は自分と違って正当な所持者と言っていい。

 

そして、俺が仲間と認識したのだ。使えぬ筈が無い。

 

地上ではジャンヌの半身は燃えている。

 

使えると言っても代償を払わなくていいという訳じゃない。

 

神速のレーザービームに面制圧の聖火。

 

形は違うがどちらも必殺の一撃。

 

曹操「クソォォォォォォォォォォォォ!!この魔女がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

曹操は聖火の対処を選択した。

 

辿り着くのはレーザービームのが早いだろうが、聖火は今対処しなければ焼かれるしかない。

 

その対処の方法は、

 

ジャン「あがっ!?」

 

聖槍がジャンヌの心臓を貫いている。

 

命を燃料とするならその命を散らせてやれば、聖火は勢いを無くして消える。

 

曹操「グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

聖槍の力を聖槍を持たない左腕に宿し、レーザービームを防いでいる。

 

だが、その程度の小細工で防げる攻撃ではない。

 

レーザービームは腕を貫き、左目を抉る。

 

そこで止まったのは小細工が効いたのだろう。

 

曹操「この怨み絶対返すぞ!!」

 

『北拠点にて英雄派リタイア』



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9巻エピローグ

今回後書きで質問?があります。
できるだけ参加してください。


???「これは着くのが遅すぎたかのう?」

 

小さな老猿が俺に近づいてきた。

 

零誠「全くだ。闘戦勝仏殿」

 

孫悟空と言えばみんなも分かるだろう。

 

零誠「こっちはもうほとんど終わっている」

 

闘戦「中央の妖怪の御大将もか?」

 

零誠「そちらもそろそろ終わる。あのタイプは管理者をボコる。それでも止まらない場合はもう直接関わり深い奴に声かけだろ」

 

闘戦「なるほどそれで御大将の娘っ子がいないという訳か」

 

実は地上に出てきた時に九重と別れ、九重を中央の拠点に向かうように指示していた。

 

闘戦「しかし、あの状態の御大将に言葉が通じるとは思えないんじゃが」

 

零誠「それも問題ない。今度うちの猫につける予定の首輪を使えばなんとかなる。ちゃんと金ジャリにそれを持たしたよ」

 

闘戦「随分と機嫌が悪いのう。その抱えている半身が焼けた死体が原因かのう?」

 

零誠「コロスゾ」

 

闘戦「ほっほっほ、恐いのう」

 

零誠「ちっ、何かしたいのなら中央行って手伝ってやれ。時間も早まるだろう」

 

闘戦「そうさせてもらおうかの。そうそう、外との通信に使える機材を置いておくぞ。どう使うかはお主次第じゃ」

 

通信?どう使うか?

 

闘戦「最後に一つだけ、いくらなんでも手際が良すぎるんじゃが、お主はなにを知っているんじゃろうの?答えは言わなくていいぞ」

 

零誠「何?」

 

闘戦勝仏は中央の方向をに向かって行った。

 

てか、中央拠点に緑色の龍が見えるんだが、

 

零誠「そんなことより、誰に繋ぐかだ」

 

気にくわないが闘戦勝仏が無駄なことをしていくとは思えない。

 

どう使えばジャンヌを助けられる?

 

どう使えばプファオの死を否定出来る?

 

ちっ、魔力残量がありゃそんなの簡単ののに、

 

シェンロンにでも繋げろってか?

 

ドラゴンボールみたいな素敵アイテムこの世に存在しな………………………………………………………………………………………………………………………………くもない。

 

全くあれは猿というより狸だろ。

 

零誠「それを手に入れるのに必要な相手は」

 

サー『やあ、レーセー君。そっちは大変だったらしいね』

 

零誠「前置きとかそういやの飛ばしてもらえますか?今回の報酬ですが」

 

サー『いきなり報酬の話かい?いつもは私が言い出すまで言ってもこないのに。随分と余裕の無い状況のようだね』

 

零誠「はい。京都で起こったテロの首謀者である禍の団所属英雄派を退けた報酬として『悪魔の駒(イービル・ピース)』を頂きたい」

 

サー『うーん、『悪魔の駒』か。それは上級悪魔の特権だからね。中級悪魔の君には渡せない』

 

零誠「そこをなんとか!」

 

サー『うん。それなら君を上級悪魔にしよう』

 

はい?

 

零誠「そ、そんな軽い感じでいいんすか!?」

 

サー『いいよ。いいよ。特例を認めるというのが君の特典だ』

 

零誠「なら『悪魔の駒』を渡すという特例の方が簡単なんじゃ?」

 

サー『いや、上級悪魔にした方が周りが五月蝿くない』

 

そういうことか。確かにその通りだ。『悪魔の駒』を持つ中級悪魔は前例が無い。しかし武勲を上げた者を

上級悪魔にする前例ならいくらでもある。

 

サー『ほら、今そちらに送ったからなんとかしなさい』

 

零誠「ありがとうございます!」

 

通信を切った所で魔法陣が現れ、小さな箱が現れる。

 

上等な箱だ。開けるとチェスの駒が入っている。

 

彼女に合う駒は騎士。

 

どうやら一つで足りるみたいだな。

 

零誠「我レーセー・ヒョードーの名において名ず。汝、アドルフ・J・プファオよ。今、再び我の下撲になるため、この地に再び魂を帰還させ、悪魔となれ。汝、我が『ナイト』として新たなる生に歓喜せよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

京都最終日

 

俺達は予定通り京都タワーに来ている。

 

俺は少し一人になりたく、グループから少し外れている。

 

結論から言うとプファオの悪魔への転生は成功した。

 

しかし、完璧に元通りという訳にはいかなかった。

 

ジャンヌの焼けた右半身は丸焦げというわけではないが、真っ赤に痕が残ってしまった。

 

そして、まだ眠っている。

 

やはり考えてしまう。

 

自分が主人公と呼べないただの異物であると。

 

世界に愛された彼らと違い、世界と敵対する。

 

皮肉なことにあれだけ英雄派に言っていた反英雄という言葉が一番似合うのは自分なのだろう。

 

零誠「はぁ」

 

???「ため息なんか吐いてどうかしたの?」

 

零誠「え?」

 

声がする方向に振り向くと左右非対称の彼女が立っていた。

 

ジャン「その驚きはなんでアタシがここにいるかに対してかな?その答えは起きたら一番に最初にレーセー君に会いたかったからかな」

 

俺は不思議だった。

 

彼女が笑っていたことが。

 

彼女の顔はこのような結果に悲観するか、原因である自分に対し怒りを向けるのが正しいのだから。

 

ジャン「ちょっと驚き過ぎじゃない?まるでお化けでも見たような感じじゃない。悪魔だけど」

 

動揺する俺の不自然に気付き彼女は言う。

 

零誠「いや……その肌気にしないのか?」

 

ジャン「気にしない……と言ったら嘘になるわ女だしね。でも、これは自分勝手な魔女の暴力ではなく、あなたを守る為に放った聖火の代償だもの、引きずったりなんてしないを」

 

単純なことだった。

 

この笑顔は彼女がただ単に強かったから存在しているのだ。

 

先程の悩みは彼女にしたら侮辱以外の何物でもないのだろう。

 

ならばわざわざ触れる等と無粋なことをやめ、今はこの修学旅行最終日を楽しむとしよう。

 

ジャン「あ、アザゼル先生から言うように言われたんだけど修学旅行から帰ったら上級悪魔の件で色々冥界で書類書かないといけないらしいわ」

 

本当に楽しもうなんなら慈悲でもう二、三日滞在しようかね?

 

 




質問
今回上級悪魔になったので眷属が誰がいいか感想に書いてください。
ちなみに予定は
ティアマット クイーン
ジャンヌ ナイト
白音 ルーク
黒歌 ビショップ
オーフィス ポーン×8
九重 ビショップORルーク
なので募集はナイト1、
ビショップORルーク1です。
リアスの眷属以外からお願いします。
オリキャラ可です。
質問してなんですが更新亀なのでいつ出せるか謎です。

いや、むしろ亀なら他のss書けよと言う人も書いて欲しい原作を感想にお願いします。


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学園祭って修学旅行に次ぐ学校イベントなのに原作でどんなことやってたのか記憶に残らないのは何故?
10巻プロローグ


http://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=33556&uid=29817
アンケ的何かからのアンケートが活動報告で行われています。
投票お願いします。
マジで。



あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「俺は目の前の書類を減らしていると思ったら、いつのまにか書類が増えていた」

な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も 何をされたのか分からなかった…

頭がどうにかなりそうだった…。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

 

零誠「なんだただの新手のスタンド能力か」

 

グレイ「違います。現実逃避は止めて書類を片付けて下さい」

 

現在、魔王様宅で書類と格闘中です。

 

零誠「そりゃ、現実逃避もしたくなりますよ。なんすかこの書類の山は?机の向こう側が見えないってどういうことすか!?」

 

グレイ「特例を使用したじゃないですか」

 

零誠「今まで武勲で上級悪魔になった奴等はこんな数捌いたんかよ!?」

 

それ戦争の時ってどんだけ紙無駄使いしたんだよ。

 

グレイ「……に加え、一番最初の下僕が元テロリストというのも問題ありです」

 

零誠「さい…ですか…」

 

元テロリストだからって差別いくない。

 

零誠「ちきしょー。皆は今頃文化祭の準備かー。個別で売り上げ勝負してんのになー。もし負けたらこの書類のせいっすよー」カキカキ

 

グレイ「責任を押し付けるのは遺憾ですが、愚痴りながらも書類を処理するところは流石ですね」

 

そんな社蓄スキル褒められても嬉しくない。

 

銀の匙でも言ってたよね。

 

いただきますは社蓄に対して言うんだぜ。

 

……家畜か。

 

匙つったら銀色のヴリトラ?ナニそれかっくいい。

 

あ、ちなみにうちの部ことオカルト研究部の学園祭の出し物は旧校舎を贅沢に使ってオカルトっぽいことを個人個人でやるという超アバウトな『オカルトの館』名前は原作と一緒になった。

 

勝負にした方が売り上げ増えるだろということと皆やりたいことが違うのでこんな形になった。

 

優勝商品は部員一人に対し、命令権一つ(常識の範疇を超えないレベル)

 

( )の中が結構重要。無いとR-18タグ付く可能性大。

 

さて、このような状況が理由なのかハンデに丁度いいとか言って部員全員から冥界に送り出された。

 

ハンデって何?

 

サー「おお、やってるみたいだね」

 

サーゼクスさんが部屋に入ってきた。

 

グレイ「ええ、サーゼクス様と違って仕事をこなしてますよ。レーセー様と同じ量の書類がありましたよね?」

 

こ、恐い。グレイフィアさん、顔笑ってんのに後ろに黒いオーラが見える。

 

サー「い、息抜きも必要じゃないか…」

 

グレイ「はぁ、今日中に終われば構いません」

 

零誠「それで、俺に用件ですよね?」カキカキ

 

サー「ああ。新人戦のルールはどうする気だい?」

 

零誠「そのことですか。今までと同じチームでお願いします。ジャンヌの能力安定してないんですよ。少なくともサイラオーグさんとの戦いには間に合いそうにはないですね」カキカキ

 

現在ジャンヌの創り出した聖剣は形を留めておくことが出来ていない。

 

熱でドロドロ溶けていくのだ。どうやら聖火が問題だったらしい。

 

聖剣使えないからって流石に命を燃やす聖火を使わせるわけにはいかないしな。

 

サー「分かった。それと朱乃くんがバアル家の執事と一緒に来ているよ」

 

零誠「朱乃さんが?」カキカキ

 

サー「君の倍加の力が必要なようだ。行ってあげてたまえ」

 

零誠「ちょうど半分くらい終わったんで息抜きがてら行ってきますかね」

 

俺は部屋を後にする。

 

サー『もう半分終わったのか。なら私の仕事を少し回しても……』

 

グレイ『サーゼクス様?』

 

サー『じょ、冗談だよ』

 

扉越しにそんな会話が聞こえてきたが放置しとく。

 

増えていたら流石にキレるけど。

 



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ミスラ・バアル

アンケ的何かからのアンケートの結果より
ナイトがベンニーア、ビショップがヴァレリーに決まりました。
イリナとレイヴェルが惜しいところまで行きました。
更新亀ですがよろしくお願いします。


バアル家の執事に連れられ、来たのはシトリー領にある病院の一室。

 

そこにあるベッドで眠っているのはサイラオーグさんの母親のミスラさん。

 

ミスラさんは深い眠りに落ち、目の覚まさない病にかかっている。

 

何故バアル家の本妻がバアル領ではなくシトリー領の病院にいるかと言うとシトリー領の設備が良いからという理由だけではない。

 

全く持って下らないいつもの御家事情だ。

 

魔力を持たないサイラオーグさんを侮蔑し、バアル領に居場所が無く、グレモリー家も保護しようとしたがサイラオーグさんを守る為に断ったのだ。最悪この状態のミスラさんをバアル領に置いていたらサイラオーグさんの人質として利用されるだろう。

 

俺と朱乃さんが呼ばれた理由は朱乃さんの発信と受信で心に呼びかけて欲しいという理由らしい。

 

零誠「俺は能力の補強と言った所か?」

 

朱乃「ええ。共鳴を使った方が成功する確率も上がると思ったんですよ」

 

零誠「了解しました」

 

倍加を貯め、共鳴を発動する。

 

『Resonance!』

 

後は朱乃さんの仕事だ。

 

一分程試してみだが、

 

朱乃「……駄目みたいですわ」

 

……失敗か。

 

朱乃「お力になれず申し訳ありませんわ」

 

執事「いえ、ご多忙な所来ていただきこちらこそすみません」

 

んー、朱乃さん能力を考えるとあちらの情報が来ていないのだからレム睡眠ではなく、ノンレム睡眠の可能性が高い。まぁ、このような情報は大して役に立つという訳ではないが。

 

サイラ「そこで何をしているんだ?」

 

新しく病室に入ってきたサイラオーグさんに声をかけけてきた。

 

それから俺達は休憩フロアに移動し事情を話す。

 

サイラ「そうか、わざわざ悪いな」

 

サイラオーグさんは笑いながら言った。

 

サイラ「それとゲームについてだが、俺の過去を知ったからと言って手を抜くなよ」

 

零誠「当たり前ですよ。むしろ頼まれてもやるような奴じゃないことくらい知ってるでしょ?」

 

サイラ「ふっ、確かにそうだな。だが勝つのは俺だ。俺にはこの肉体しかない。滅びの魔力を継げなかった俺は負ければ全てを失う。それが不器用な俺の進む道だ」

 

全てを失う。全てとまでは言わないが、それは俺にも当てはまることだろう。武勲によって上級悪魔になった。しかし、上級悪魔になってから最初のゲームであるサイラオーグさんとの試合で負けたら風当たりが強く俺は終わる。

 

サイラ「なら母上のことを話しても大丈夫だな。母上は俺にあえて厳しく育ててくれたんだ。諦めなければ必ず勝てるとな。もし母上が居なかったらここまでの成長は無く、魔王になるという夢を持つことも無かっただろう」

 

そう語るサイラオーグさんの顔はとても穏やかで、そして誇らしげだった。

 

その後は軽く世間話をして執事さんにグレモリー家まで送っていただいた。

 

零誠「さて、仕事に戻り……なんで朱乃さんは怒ってらっしゃるんですかね?」

 

隣にいる朱乃さんはいかにも私怒ってますと主張するように頬を膨らませていた。

 

何これ?怖いというより可愛い。怖い時はホントに凄いからね。あれは視線だけで人を殺せる。マジあくまに転生しといて良かったわ。

 

にらみつけるとこわいかおでステ下がりではなく一撃必殺とかなにその無理ゲ。

 

朱乃「だってせっかくみんなに邪魔されずにレーセーくんと2人で過ごせると思いましたのにサイラオーグ様とばかりで、全然わたしにかまってくれないんですもん」

 

ですもんって構ってちゃんか。まぁ、可愛いから許します。

 

だってどっかの引きこもりも言ってたけど可愛いは唯一不変の正義だから!

 

零誠「えっと……じゃあ、どうしたら許してもらえますかね?」

 

朱乃「そうですわね……では、文化祭でチョコバナナをご馳走してください」

 

零誠「え?チョコバナナを奢るだけでいいんですか?」

 

朱乃「ええ。そもそも私の我が儘なんですからそれで許してあげます」

 

零誠「了解しました」

 

朱乃「約束ですよ」

 

零誠「チョコバナナ位の出費を踏み倒す程財布は冷え切ってませんよ」

 

文化祭を楽しみにする朱乃さんを見送り、仕事に戻る。

 

零誠「俺もとっとと終わらせて文化祭の準備に戻らないと」

 

そう呟きながら書類のある部屋に戻るとそこには焼き鳥の妹のレイヴェルが書類に目を通していた。

 

レイヴ「あ、レーセー様、お帰りなさいませ」

 

零誠「グレモリー家に来るなんてなんかあったのか?」

 

レイヴ「いえ、レーセー様がいらしていると聞いたのでたまたま作った茶菓子をお持ちしたんです」

 

零誠「わざわざ悪いな。じゃあ、書類を片付ける前にお茶をいただくとするか」

 

少しキッチンを借り、お茶の用意をして部屋に戻る。

 

零誠「紅茶で良かったか?」

 

レイヴ「はい。では、こちらをどうぞ」

 

レイヴェルが鞄から取り出した箱を開ける。

 

零誠「お、マフィンか」

 

レイヴ「まぁ、レーセー様のに比べたら大したことありませんが」

 

零誠「そんなことないぞ。よく出来てる」

 

一口食べそう言うとレイヴェルは満面の笑みで喜んだ。

 

零誠「そういやあの書類に目を通していたがなんか気になる点でもあったか?」

 

レイヴ「えっと……待っている間少し時間がありましたのでサインだけでいいものと判子だけでいいもの、そして両方必要なものに分けたのですが、余計なことをしてしまったのなら申し訳ありませんわ」

 

零誠「え、マジ?そんな余計なことなんてとんでもない!秘書に欲しいくらいだわ」

 

レイヴ「ホントですの!?」

 

なにに驚いたのかレイヴェルは身を乗り出す。

 

零誠「ああ。上級悪魔になってこれからこういう面倒な仕事も増えるだろうから優秀な秘書を雇おうかと思ったんだが、ま、上級悪魔のレイヴェルを雇うわけにもいかねえしな」

 

レイヴ「ちょっとやること出来たんで帰ります」

 

そう言ってレイヴェルは部屋を出て行った。

 

零誠「いきなり帰るなんて俺なんか悪いことしたか?」

 

翌日

 

レイヴ「本日づけでレーセー様の秘書に就任したレイヴェル・フェニックスですわ。どうぞよろしくお願いします」

 

また我が家に居候が増えました。



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合同記者会見

二ヶ月ぶりに更新です。
更新亀ですいません。
お待たせしました。
……誰も待ってないか。
では、よければどうぞ。


レイヴェルが秘書になったよ。秘書と言えばうちの秘書艦のながもん可愛いよながもん。

 

てか、艦コレの開発者もあそこまで人気になると思わなかっただろうな。だって艦体ってどう頑張っても限りがあるし。

 

改2の次に真、その次にV3、V4と改造をメインに置いていけばもう少し引き延ばせるんじやね?イナイレ化だな。

 

あれ見てサッカー始めたちびっ子諸君に言うが、どんなに頑張っても化身は出ない。

 

さて、そろそろいい加減にこの非生産的な現実逃避を止めて現実を受け入れることにしよう。

 

現在俺は一年の教室に来ている。

 

そして、猫と鳥が喧嘩している。

 

上の二行の間に何があったか簡単にまとめるとレイヴェルあたふた、白音に救援を指示、白音「ヘタレ焼き鳥姫」、レイヴ「侮辱は許さない」以上

 

ギャス「うぅっこ、怖いですぅ!」

 

おい、同じクラスなんだから働け女装蝙蝠。

 

まあ、俺が同じ立場だったらゼッテーやらないけどな。触れたらこっちに飛び火しそうだもん。

 

ギャス「レ、レーセー先輩ぃ、何とかしてくださいよぅ」

 

このクソ後輩こっちに振りやがりましたよー!

 

零誠「いやいやー、ここはギャスパーが行くべきだろう。ほら、行って友好でも育んで来いよ」

 

ギャス「元引きこもりのコミュ症にとってあの状態の2人と友好を深めるなんてモンハンのミラに裸で挑むのと同じくらいの難易度ですよ」

 

零誠「大丈夫。ミラの攻撃には即死系あるんだから大して変わらねえよ」

 

ギャス「それって装備あっても無理ってことじゃないですか!?」

 

零誠「いやいやー」

 

ギャス「いやいやー」

 

白音・レイヴ「「うるさいです(わ)!!」」

 

零誠・ギャス「「すんませんしたー!!」」

 

そっちの方がうるせーよ。と言いたいがこの迫力の前には無理です。

 

ギャスパーなんて土下座して謝ってんもん。

 

俺?流石に後輩の前でそんな無様なまねはしませんよー。身内ばかりの自宅や部室じゃ分かんねーけど。

 

零誠「まぁ、だが真面目にお前ら仲良くしろ。秘書と部下が険悪じゃ支障をきたす」

 

白音と黒歌は最初の予定通り俺の眷属になってもらった。

 

余り駒を消費したくないので黒歌は『破戒すべき全ての符』で一度悪魔をやめてもらってからもう一度ビショップになってもらった。これのおかげで2個のところを1個で抑える事が出来た。

 

他のみんなも俺の眷属になりたいと言っていたが流石にそれは却下した。

 

『悪魔の駒』だが死を覆す結構重要なアイテムだ。

 

俺に課せられたルールに対抗出来る数少ないこれはみんなの死に直面した時までとっておきたい。

 

そんなこと考えてるうちに休み時間の終わりのチャイムが鳴り、レイヴェルはクラスメイトに打ち解けていた。

 

……授業サボるか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

文化祭に向けての作業中に木場が話しかけてくる。

 

木場「調子はどうだい?」

 

零誠「ぼちぼちと言ったところだな」

 

木場「ところでレーセー君はディハウザー・ベリアルって知ってるかい?」

 

零誠「確かレーティングゲームの王者だろ?」

 

木場「そう。正式なレーティングゲームのランク1位。ベリアル家始まって以来の怪物の現当主。不動の頂点のゲームの覇者。皇帝(エンペラー)ベリアルと称されているよ」

 

皇帝ね……聞くと二天竜を思い浮かべちまうが。

 

木場「ランキングが20位から別次元、トップテンは英雄と称えられ、5位より上は不動、そして、3位ピィディゼ・アバドン、2位ロイガン・ベルフェゴール、1位ディハウザー・ベリアルは現魔王に匹敵する力量を持つと言われてるよ。ま、お三方は戦争でも起きない限り動かないと言われてるんだけどね。数多くのゲームの特性で研磨された結晶と褒め称えられているよ」

 

零誠「実際に魔王様達が参戦したらどうなるのかね?」

 

木場「ランキングは大分変わると思うけど案外魔王様達は苦労するんじゃないかな?実戦とゲームの戦略随分と違うし」

 

零誠「それは俺にも言えることだな」

 

戦争がなくなったから代わりに用意されたレーティングゲーム。その中で実力の磨かれたトップ3と実戦で上級悪魔となった俺では方向性が大分違う。

 

木場「レーセー君も上級悪魔になったからゲームの覇者を目指してもいいんじゃないかい?ま、僕も部長の眷属として飛び込まないといけない世界だしね」

 

確かに面白そうではあるな。でも参戦するとしたら部長と同じく大学卒業後かね?

 

零誠「ふと思ったんだが、俺が覇龍使ったらランキング何位どれくらいだろう?」

 

木場「……それは、ランキング以前に君への対策でレーティングゲームが無くなると思うよ。本気で止めてね」

 

何気なく言った発言に本気でお願いされちまったよ。

 

うん、世界滅ぶからね。あれ。

 

零誠「なんにしても今はサイラオーグさんか」

 

木場「何か準備でもしてるのかい?」

 

零誠「ちょっとした情報収集くらいかな。あっちの眷属がどこまで成長してるかだな」

 

原作知識を少し思い出させてもらった。

 

木場「それはちょっとじゃないでしょ!?」

 

零誠「でも能力の方向性はほぼ当たると思うけどもしかしたら外れるかもしれないじゃん」

 

木場「ほぼってどれくらい?」

 

零誠「九割」

 

木場「……サイラオーグさんに同情するよ」

 

チート?なんのことだから分かりませんね。

 

大体、一番のメインであるサイラオーグさんの能力開花させたんだから俺に情報戦挑む意味無いでしょ。

 

零誠「さて、今日のところはノルマはこなしたしこれ位で作業を仕舞にするかね」

 

明日はそのサイラオーグさんと記者会見がある。猫被る準備しねえと。

 

零誠「そっちも明日記者会見だろ?今日は程ほどにしとけよ」

 

なんと部長の相手はソーナ会長である。

 

というか記者会見の為にわざわざ冥界行くのだるくね?

 

ま、そういう訳にはいかないんだろうけどな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

そんな訳で翌日の放課後の記者会見の行われるホテルの一室で待機している。

 

部屋にいるのはゲームに出る俺、黒歌、ギャスパー、夕麻。出ないが俺の眷属である白音とプファオ。秘書をやっているレイヴェルである。

 

その部屋にアザゼルが様子見として入ってきた。

 

アザ「お前ら、記者会見だからって緊張……するのはギャスパーだけか」

 

入ってきて開口一番でその発言が出るくらいくつろがせてもらっている。

 

俺と白音はテーブルに置いてあるフルーツやケーキをガチ食いし、黒歌は俺の腿を勝手に枕にして寝転がっている。夕麻とプファオは備え付けのキッチンで量が足りなさそうな俺たちの食料を追加で作っている。レイヴェルは俺のこれからの予定の管理で緊張どころじゃない。

 

零誠「緊張何それ食えんの?」

 

アザ「言うと思ったよ。コンチクショー」

 

ギャス「なんで人が沢山いるところ行くのにそんな平然としていられるんですかぁー?」

 

唯一緊張てかびびって、ダンボールに閉じこもっているギャスパーが会話に入ってくる。

 

零誠「人じゃなくて悪魔な。そう考えると緊張より恐怖を感じるか?ま、同属だから特に問題無いけど」

 

白音「……ギャー君、そんな時にとっておきな方法がある」

 

ギャス「ええ!本当ですか!ぜひ教えてください白音ちゃん!」

 

俺が適当なこと言っていると白音が代わりにアドバイスがあると言うとギャスパーは嬉しそうな声で是非と頼んだ。

 

白音「……じゃあ、目を瞑ってイメージして大きな部屋を」

 

ギャス「はい!イメージしました」

 

ギャスパーは言われた通りにする。

 

白音「……次にイメージするのは沢山の記者の人」

 

ギャス「ひぇぇー恐いですぅ」

 

これまた言われた通りにしてビビるギャスパー。

 

白音「……これがとっておきの方法、記者の人の顔をニンニクだと思うの」

 

ギャス「ニンニクだと……おええええええ」

 

沢山の嫌いなニンニクに囲まれたイメージをしたギャスパーの顔色は物凄い勢いで悪くなった。

 

ギャス「酷いよ!白音ちゃん!」

 

白音「……南瓜でも可。話を最後まで聞かないギャー君が悪い」

 

ギャス「わざとでしょ!?」

 

白音「……うん、悪い?」

 

ギャス「悪いよーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

記者会見会場

 

記者「お久しぶりですレーセーさーん!」

 

会場に入ると前回のインタビューを担当した記者さんが声をかけてきた。

 

零誠「お久しぶりです。今回もよろしくお願いしますね」

 

記者「はい!なんなら今から2人っきりで夜景の綺麗なこのホテルの最上階でディナーをしながらインタビューを「させませんわ!」ちょっと途中できらないでくださいよ!?」

 

レイヴ「インタビューするのはあなただけでなく他の社の方もです。そんな身勝手なことしてレーセー様のイメージダウンに繋がるようなことはお控えください」

 

記者「なんですか?そんないちゃもん言って私の超玉の輿計画を邪魔するあなたは一体何者ですか?」

 

記者さんは正論を言われてレイヴェルにつっかかる。

 

レイヴ「わたくしはフェニクス家長女のレイヴェル・フェニクスですわ。僭越ながらレーセー様の秘書を勤めさせていただいてます。もし、レーセー様と話がしたいのならわたくしを通してからにしてもらいますわ」

 

ここぞとばかりにレイヴェルはレーセーの重要な立ち位置にいることを主張する。

 

記者「フェ、フェニクスってあのフェニクスですよね?一体なにがあったらこんな状況に?……いえ、そんなことよりも今はレーセーさんに近づくことを優先せねば!ではではレーセーさん、私を眷属になんてどうですか?私って結構役立ちますよ」

 

伝統ある上級悪魔のフェニクスが上級とはいえ転生悪魔の俺の下で働いてることをそんなことって放っておいて記者として大丈夫か?

 

ま、ちょうどいい話になったしここらであの宣言しとくか。

 

零誠「その件なのですが集まってる他の社の記者さんも聞いてください。俺こと兵頭零誠は今のところ眷属を増やすつもりはないので申し込みとかはご遠慮ください」

 

その瞬間カメラのフラッシュが大量にたかれる。

 

サイラ「レーセー、俺が来る前に始めてしまったのか?」

 

時間には余裕を持って会場入りしたはずのサイラオーグさんは少し困惑している。

 

零誠「すいません。俺が眷属作らないってことでこんなに反応されると思わなかったんですよ」

 

サイラ「はぁ、数少ない上級悪魔になった転生悪魔なのだから少しは注目されている自覚を持った方がいいと思うぞ」

 

零誠「気をつけます」

 

サイラ「では、合同記者会見を始めるとしよう」

 

記者会見で聞かれたことは上級悪魔になって何がしたいか?や試合への意気込み、魔王になるつもりなのか等あったが猫被って適当に答えといた。

 

サイラオーグさんは質問に対し、真摯にそして盛り上がるように回答していた。秘密兵器予定のポーンについては黙秘していたが。

 

相変わらず真っ直ぐな人だ。

 

記者会見が終わり会場を出たところでサイラオーグさんへ一言

 

零誠「あなたの眷属の手の内全部知っているんで対策を取らせてもらいました」

 

サイラ「!?」

 

驚いたサイラオーグさんを気にせずにその場を去る。

 

さて、どこまでサイラオーグさんは真っ直ぐでいられるか?

 

 



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ミーティングもどき

本当にスミマセン
10巻ってリアスとくっつく話ですが、この作品では
その予定ないのでサイラオーグ戦しかネタがありません。
更新亀ですがどうぞよろしくお願いします。



アザ「ミーティングを始めるぞ」

 

兵藤家のVIPルームにていつもの面子が勢ぞろいしていた。

 

アザ「ミーティング前に各勢力についてだが、面倒なことになった。英雄派の連中が一般に紛れてる奴や転生悪魔の神器保持者に禁手の手段を広めてる」

 

それを聞いて孔雀の奴が顔をしかめた。

 

孔雀「それはちょっとマズいわね」

 

神器によって怨みを晴らしてしまったことがあるのでそれと同じことが起きると思ってるのだろう。

 

リアス「心無い上級悪魔もいるのよね」

 

まあ、つまりテロリストにとって万々歳ってな状況な訳ですね。

 

アザ「お前等にはこれだけ言えばだいたい分かって貰えたと思う。それで、俺はレーセーのサイラオーグ戦のアドバイザーになったんだが……いるか、俺?」

 

零誠「……微妙」

 

アザ「だよな。俺もそう思ったんだがあっちにディバウザー・ベリアルが付いちまったから付かないわけにもいかないんだよ」

 

零誠「何それズルイ。あっちは皇帝様でこっちは不良教師かよ」

 

アザ「おい!俺は元堕天使総督だぞ!」

 

零誠「え?アザゼル教員って駄天使じゃないんですか朱乃さん?」

 

朱乃「あらあら、私と先生と半分も同じ種族に見えます?」

 

零誠「……見えません」

 

朱乃「ちょっと間があったことに疑問を覚えますが、つまり、そういうことです」

 

朱乃さんが乗ってきてくれたのは嬉しいが、先程の質問を正直に返すのは厳しい者がある。

 

……だってあなたもSMの変態じゃないっすか。

 

アザ「おい!朱乃も充分こっち側だろうが!むしろバラキエルに朱璃の性癖が合わさったから余計性質悪いだろうが!」

 

流石にそこまで思っていないがアザゼル教員もそう思っていたらしい。

 

朱乃「実は新技があるんですけど実験台になってもらえます?」

 

はい、出ました。この作品恒例の目が笑っていない笑顔。むしろ目据わってるし。

 

アザ「……先生をモルモットにしちゃ駄目だと思うぞ」

 

零誠「生徒をモルモットにしてる屑が何言ってやがる」

 

一番の被害者の俺としては、いいぞ。もっとやれ状態である。

 

朱乃「うふふ、レーセーくんの敵討ちといきましょうか」

 

リアス「その辺りにしときなさい」

 

この状況を見かねたのか部長が止めに入った。

 

朱乃「ですが、リアス」

 

リアス「レーセーの前で新技見せてどうするの。やるなら後でレーセーたちのいないところでにしなさい」

 

アザ「ちょっ!リアスゥッ!」

 

違った。ただ俺に手の内見せたくないだけでした。

 

リアス「アザゼル。早く話し進めないとレーセーのチーム追い出して私達全員の実験体になってもらうわよ」

 

アザ「お前らレーセーに染まり過ぎしゃね?って分かった分かった。分かったからその手を下ろせ、お前ら」

 

やっと話が進む。

 

アザ「まず、なんで俺とかみたいなアドバイザーがついたかと言うとお前とサイラオーグは新人悪魔で群を抜いてるからこのカードはぶっちゃけると金になる。そこに俺達みたいな知名度の高い奴をつけるとより注目度が上がるんだよ」

 

うわっ、汚い大人の世界を見た。

 

零誠「つまり、仕事しなくても名前売れてるんだからいいだろ。ってことですか?」

 

アザ「そこまで言わねえがもう一度聞くぞ。いるか、俺?」

 

零誠「微妙」

 

アザ「というわけだ」

 

木場「2人を見ると片方は新人悪魔のパワータイプトップでもう片方はテクニックタイプトップ」

 

ギャス「片方は魔力を持たない落ちこぼれでもう片方は純血でもなんでもない転生悪魔」

 

アー「そしてお二人ともテロリストを倒している」

 

ゼノ「悪魔には珍しい努力するタイプで」

 

イリナ「下級悪魔から期待されてると言う点でも同じだけれど」

 

リアス「蓋開けてみたら片方チートキャラでそものね」

 

零誠「うんうん。マジサイラオーグさんパンチチートだよなー」

 

全員『お前だよっ!!』

 

そんなみんなして言わなくてもいいじゃないすか。

 

アザ「一応、サイラオーグの眷族の情報集めてかきたが」

 

零誠「あ、読ませてもらいますよ。俺の情報の誤差修正したいんで」

 

アザ「せっかく容易したのに誤差修正用とか」

 

で、ミーティングと言えないレベルの話し合いを終えるとテーブルの上に小型の魔方陣が発動される。

 

この大きさは連絡用に使われるものだ。それに、この紋様はフェニックスだな。

 

レイヴ「お母様!」

 

その魔法鵜人から映し出された立体映像の貴族の女性はレイヴェルの母親らしい。

 

フェニ『ごきげんよう。レイヴェル』

 

はい、ごきげんよういただきました。THE金持ちって感じだよな。

 

フェニ『急にごめんなさいね。なかなか時間が取れなくて』

 

レイヴ「いえ、わたくしは構いませんが、突然どうされたのですか?」

 

フェニ『……リアスさんと赤龍帝さんはいらっしゃる?』

 

俺と部長をご指名か。

 

リアス「ごきげんよう、おばさま。お久しぶりですわ」

 

フェニ『あら、リアスさん。ごきげんよう、お久しぶりですわね』

 

零誠「初めまして。兵藤零誠です」

 

フェニ『ごきげんよう。こうしてお会いするのは初めてですわね。このような挨拶で申し訳ございませんわ』

 

零誠「いえ、こちらこそそちらの娘さんに仕事を任せている身でありながら挨拶にもお伺いできず申し訳ありません」

 

フェニ『それは仕方ありませんわ。何分こちらも外せない事情がありますので来てもらっても顔を出せるか分かりませんし』

 

零誠「では、今後挨拶が出来る機械を作れるよう平和になるよう努力させていただきます」

 

フェニックスの涙関係で仕事多いのだろう。

 

フェニ『それと、レーセーさん。あなたには特にレイヴェルのことで頼りにしているのです』

 

零誠「勿論雇ってる身としてはレイヴェルさんのことは俺が危険こら守りますよ」

 

フェニ『それもですが、変な虫がつかないように注意してくださらない』

 

レイヴ「お、お母様!?」

 

零誠「んー、すみません。それは、絶対とは言えません」

 

2つ目の願いをやんわりと断るとレイヴェルのお母さんは渋い顔となる。

 

フェニ『……それは、どうしてか聞かせてもらえるかしら?』

 

零誠「失礼ですが、あなた達の考える変な虫と俺の考える変な虫は違うものだと思われるからです。もし一般の生徒を変な虫と捉えるのならその頼みはご期待に添えません。俺としては一般の生徒の意志も尊重しといのです。勿論レイヴェルの意志を一番に尊重しますが、もしレイヴェルと相思相愛となる人間が現れたら、よっぽどクズじゃない限り俺は手出し出来ませんよ」

 

貴族の基準とか俺にほ分からねえから俺は俺の基準で動く。

 

フェニ『……それで構いませんわ。くれぐれもレイヴェルの意志を尊重してくださいよ』

 

零誠「ええ。ですが、そんなことは起きないと思いますよ。レイヴェルはしっかりした娘さんですから」

 

フェニ『では、また近いうちに』

 

そう言うと魔法陣は消滅する。

 

殆ど俺しか話してなかったが、平気なのか?

 

周りを見るとレイヴェルほ顔を赤く染めており、他の女性陣は苦虫を潰した顔となっている。

 

女性陣(((レイヴェルにも後ろ盾がいるのか)))

 

 



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アグレアス

「ラピュタは本当にあったんだ」

 

俺達はゲームの行われる空中都市アグレアスに向かうゴンドラの中からその空中都市を眺めてる。

 

「バルス」

 

『何故にそこで滅びの呪文!?』

 

ゴンドラに乗っている俺以外が声を揃えてツッコム。

 

「だってロボット兵呼ぶ呪文なんて長ったらしくて覚えてねえもん」

 

長すぎて最初の一文字目も覚えてないレベルまである。

 

「いつも思うんだが、滅びの呪文が一言とか普通逆だろ。どうするんだよ。ついうっかり口に出しちゃった時とかさ」

 

「バルスなんて言葉ついうっかりで言わないと思いますけど」

 

俺の疑問にギャスパーはそうそう無いと言うが。

 

「白音、ピンクの汗を流す動物は?」

 

「クイズですか?……カバ」

 

「正解。じゃあ、電話が繋がらないときにメッセージ残すのは?」

 

「留守番電話」

 

「ほらバルス言った。バルったじゃん」

 

滅びの呪文=短い=うっかり言う

 

証明終了

 

「証明終了じゃないにゃ。そもそもバルったってなんにゃ」

 

うん。脳内のくだらねえ式を悟るのやめようか。

 

小五ロリと書いて悟りと読む。

 

「小五ロリ。我のこと?」

 

「お前もか。オーフィス」

 

オーフィスとブルータスってなんか似てね?

 

「似てないわよ。伸ばし棒と最後のスしかあってないじゃない」

 

プファオまで

 

何?思考読むの流行ってるの?

 

(流行ってるというわけじゃありませんよ。主様)

 

こいつ。脳内に直接!?

 

(ライン繋がってる使い魔ならではの方法ですね)

 

もういいや。一周回ってなんか楽しくなってきたし。

 

さて、未だ喋ってないのはレイヴェルだけだな。

 

そう思いレイヴェルが何をするのか見て待っていると、

 

「あのう、レーセー様?わたくしの顔に何か付いてますか?」

 

顔を赤らめそう聞いて来た。

 

「はー」

 

「なんで溜息疲れたんですのわたくし!?」

 

そんなことしているとゴンドラが空中都市に着いたようだ。

 

「よく来たな。お前等。ここからはリムジンだ」

 

ゴンドラを降りると第一声をかけてきたのは先に向かったアザゼル教員。

 

そんでもって視界を覆うのはフラッシュ。

 

耳に入るのは割れんばかりの歓声。

 

リムジンへと向かう俺の手にはダンボール一箱。

 

ギャスパーのやつ。瞬く間にお荷物にトランスフォームしやがったよ。

 

宅配便で送ってやろうかと思ったが、リムジンまでは運んでやることにした。

 

そして、リムジンの中へと無事乗り込むことが出来たので一言。

 

「まるで人がゴミのようだ」

 

「まだラピュタネタ引っ張るの?まあ、ジブリでも特に名作ではあるけれど。ちなみに私は『蛍の墓』が一番好きね」

 

俺の一言に反応したプファオは名作だがジブリの中でも特にきつい作品をチョイスしてきた。

 

「私は『猫の恩返し』ですかね」

 

「甘いにゃ。白音。『猫の恩返し』は『耳をすませば』のスピンオフなんだから『耳をすませば』こそ至高にゃ」

 

つまり猫又姉妹は猫出ている作品がいいってわけですね。

 

俺的にジジとかも好きだけど……猫バスもいいな。

 

「私は『サトラレ』ですね。考えていることが筒抜けとか究極の露出プレイ!!」

 

うちの使い魔、マジ自重しろ!

 

もしかしてさっきゴンドラの中で思考読まれてたのって俺が悟られだからっすかね?

 

「夕麻さんは実写の作品がいいんですね。僕はエヴァの前にやった『巨神兵東京に現わる』が好きですね。あの技術凄すぎます」

 

華麗なるスルースキルで変態発言をスルーしたギャスパーのチョイスは映画どころか短編アニメですらなかった。

 

「巨神兵つったら、まずは『風の谷のナウシカ』だろうが」

 

ま、普通はそうっすよね。アザゼル教員。てか、この人のチョイスが普通とか珍しい。

 

「クオリティで言ったら『かぐや姫の物語』の方が私は好きですね」

 

確かにあれ凄すぎ。なんでアカデミー賞取れなかったんだよって思うレベル。

 

ああ、夢の国がチートスペックだったのか。

 

「それでレーセー先輩はどの作品が一番好きなんですか?」

 

「やっぱりラピュタ?」

 

「俺は『ルパン三世カリオストロの城』」

 

『確かに宮崎作品でけども!!』

 

ジブリでは無いようです。

 

またもやジブリの話をしていたら目的地であるドーム型の巨大会場についた。

 

ジブリパねえ。

 

試合時間が夜なのでまだ時間がある。

 

開始時間まで隣のホテルで待機することになっている。

 

ホテルの通路でフードとローブで姿をほとんど隠した陰気臭い集団とすれ違う。

 

『これはこれは堕天使総督ではないかに噂の赤龍帝殿ではないか』

 

その集団の中心にいる祭服を纏った骸骨が声ではない何かで話しかけてきた。

 

「これはこれは地獄の底の冥界下層に住まう死の神ハーデス殿。そんなに死神を引き連れて悪魔と堕天使を嫌うあなたが上に上がってくるとはどういう気の吹きまわしで?」

 

アザゼル教諭が皮肉そうに返す。

 

『ファファファ……。カラスが言うではないか。最近上が喧しいから様子を見にな』

 

「骸骨ジジィ。ギリシャであんただけ協定に否定的だそうだな」

 

『だとしたらロキのように屠るか?』

 

「オーディンのエロジジィのように寛容になれって言ってるんだよ。あんたの周りは黒い噂が絶えないんだよ」

 

『カラスとこうもりが上でピーチクパーチク五月蝿いんでな。防音対策しないとな。で、そっちの赤龍帝は随分と静かじゃの。赤いのと白いのが地獄で喧嘩しておった頃が懐かしい限りだ。そういえばロキを屠ったのは赤龍帝だったか。これは恐い恐い』

 

『……ハーデス。殺気を向けてくれて皮肉言ってるところ悪いが、相棒はあんたらの話長くて立ちながら寝てるぞ』

 

「Zzzz」

 

『ファッ!?』

 

『おい、相棒、起きろ』

 

ドライグに起こされ目を覚ます。目覚まし時計より優秀なドライグ。一家に一台欲しいね。

 

「おい、レーセー。何時から寝てたんだお前」

 

「それは勿論俺の地の文がなくなったところから」

 

「地の文ってなんだっ!?」

 

「それは勿論会話と会話に存在する俺視点の文のk「言わせねえよっ!!」……もうほとんど言っちまったんだけど」

 

『……まあよいわ。今日は楽しませてもらおうか。今宵は貴様等を連れて行く予定は無いのだから精精死なぬようにな』

 

ハーデスは俺達の空気をスルーしてシリアス感を出して忠告してくる。

 

「ハーデス殿。空気をきっちりと締めるそのお姿流石ですね。その調子でがっちりと牢獄の鍵を閉めておいてください。……特に蛇のは厳重に」

 

最後の一言は呟くように言ったが聞こえているだろうか?

 

その前の文だけで意図が伝わることは充分あるだろうけどな。

 

「堂々としているが、あの骸骨ジジイの実力が輪からねえわけじゃないだろ?」

 

「そりゃあ、分かりますよ。あれ、アザゼル教員より強いでしょ。相手が自分より強いからってビクビクしなければいけないって決まりがあるわけでもないでしょ」

 

「確かにそうだな。そういうところはお前の眷属連中にも見習って欲しいがな」

 

みんなを見ると黒歌とギャスパー以外はガチガチに固まっている。

 

「ま、仕方ないでしょうね。でも、黒歌は分からなくもないが、ギャスパーも平気だったか」

 

「レーセー、それは違うにゃ」

 

黒歌がそう言うと手をギャスパーの顔の前で振る。

 

「この通り、ビビり過ぎて気絶してるにゃ」

 

「……マジか」

 

こいつのこと原作より育てたのに、原作よりビビりってどういうことよ?

 

「「来たぞ!アザゼルッ!」」

 

お次に現れたのは上半身裸のガチムチのおっさんの二人組み。

 

「来たな。ゼウスのオヤジにポセイドンのオヤジ。相変わらず暑苦しいぜ。ハーデスのこれ位分かりやすけりゃいいんだが」

 

神様二人に絡まれんようにアザゼル教諭を観察しているとどんどん押されていく。

 

教諭がヘルプサインを出したように見えたがスルーして更に新しくやってきた二人組みの方を向く。

 

「来たぞ。お前達」

 

「わらわもな」

 

「タンニーンさんにティア、よく来たな」

 

タンニーンさんは小さくなっており、ティアは人型になっている。

 

「今日の試合最後まで楽しんでくれや」

 

「おう」

 

「何も起きなければ楽しませてもらうかのう」

 

ティアが意味深なことを言うが、原作との性格が違う彼女が同じようにレーティングゲームの抑止力となっているのか気になったが掘り下げるのは止めた。

 

そうして俺達は控え室に着くのであった。



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ROULETTE-TO-ONE

就職活動目前、現実逃避にあげました。
また、更新遅くなるかもです。



レーセーサイド

 

ゲーム開始時間目前に俺、ギャスパー、黒歌、夕麻はドーム会場の入場ゲートに続く通路で待機していた。

 

他の一緒に来た連中は観客席にいる。

 

原作ならライザーやサーゼクスさんのイベントがあったが、その二人は部長の試合会場にいるっぽい。

 

「さて、いつも通りに行こうと言いたい所だが、ギャスパー、視線沢山あると思うが気絶すんなよ」

 

「無理です」

 

「そこは嘘でも『はい』だろうが」

 

全くもってしまらない。

 

「はあ、頼むから気絶すんな。運ぶのがめんどい」

 

「……えっと、ダンボールありなら……」

 

「分かった。もうそれでいいよ」

 

そう言うとギャスパーは嬉しそうにダンボールを被った。

 

ダンボール常備してることに驚かなくなった自分がいる。慣れって恐いね。

 

『さあ、いよいよ世紀の一戦が始まります!東口からサイラオーグ・バアルチームから厳選された5名の入場!』

 

「「「わああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」

 

歓声がこっちまできやがる。え?これ今から俺達も浴びるの?鼓膜破れちゃうよ?

 

『西口からレーセー・ヒョードーチームの入場!!』

 

「「「「「わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」

 

さっきのと倍位あるんですけど!?

 

俺だけではなく黒歌と夕麻もこの歓声に少し戸惑っている。

 

「何をしているんですか?先輩!行きますよ!」

 

なんでこの状況でビビりのギャスパーが頼もしいかな?

 

ダンボールか?そのダンボールですか?何?新手の神器?

 

何それ欲し……くはないな。

 

むしろ、ビビりが頼もしいとムカつく。

 

「ギャスパー、向こう着いたらそのダンボール没収にゃ」

 

「えっ!?」

 

俺と同じように感じたのか黒歌の理不尽なパワハラがギャスパーを襲う。

 

そんなやり取りをしてる内に俺と黒歌と夕麻の緊張はほぐれたので嫌がるギャスパーを両側からホールドして俺達の陣地の浮き島に到着した。

 

『ごきげんよう!今夜の実況は私、元七十二柱ガミジン家のナウド・ガミジンがお送りします!そして、ゲームを仕切るの審判はリュディガー・ローゼンクロイツ!』

 

実況付きとはマジでプロ使用か。

 

てか、リュディガーさんといえば人間からの転生悪魔の最上級悪魔でランキング第七位の大先輩じゃないっすか。

 

『そして、特別ゲスト!解説には堕天使総督のアザゼル様にお越し頂きました』

 

居ないと思ったらそんな所にいたんかい!

 

てか、マジであの教諭何もアドバイスしてなくね?

 

『さらに、特別ゲストがもうお一方、レーティングゲームのランキング第一位!ディハウザー・ベリアルさんです!!』

 

「「「「「「「「わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」」」」

 

てめえらは声を毎回デカくしねえと気が済まねえのか!

 

特別ゲストからの一言を貰い、ルール説明に入る。

 

『まずはフェニックスの涙についてですが、テロリスト集団「禍の団」の連続テロにより、需要と価格が跳ね上がり、用意するだけでも至難の状況です。しかーーーーしっ!フェニックス家の御厚意とバアル、ヒョードー、両陣営の支持されるたくさんの皆様の声が届きまして各チームに1つずつ支給されることになりました!』

 

それはありがたいが、俺達はサイラオーグさんを二回倒さなければならないってことだ。

 

あっちも俺を二回倒さなければならないと考えているだろうな。

 

『今回のゲームは試合形式で行われます!短期決戦であり、観客の皆様が盛り上がるように設定された特殊ルールで行われます!若手同士のゲームでありながら様式はプロ仕様!それではレーセー選手、専用の設置台のほうへお進みください。』

 

おいおい名指しでご指名ですかいな。

 

俺は言われた通りに部屋の隅にある台のところへ行く。

 

すると設置台からは立体映像のルーレットが映し出される。

 

『そのルーレットが今回の特殊ルールの要!今回のレーティングゲームはレーセー選手の為に重鎮達が考えられた『ROULETTE-TO-ONE』です!』

 

俺の為に重鎮が考えたというだけで嫌な予感しかしない。

 

『では、肝心のROULETTE-TO-ONEをご説明いたします!使用されるルーレットには1~5までの数があり、1が6つ、2が4つ、3が3つ、4が2つ、5が1つとなっております!その出た数がサイラオーグチームから試合に出る人数となります!』

 

サイラオーグチームと今言ったよな?じゃあ、俺達は?

 

『そして、レーセーチームの試合に出られる人数は1名となります!これはレーセーチームの圧倒的不利ではありますが、重鎮達のこれ位のハンデが丁度いいという期待をひしひしと感じます!』

 

期待じゃねえよ。これただの嫌がらせだよ。

 

『しかし、レーセーチームにもささやかですが有利な点があります。サイラオーグチームは出れる選手がいない場合を除き、試合に連続で同じ選手を出すことは出来ませんが、レーセーチームは出すことが出来ます!』

 

ささやかというか、こっち3人なんだから続投出来なきゃ誰が出るか丸分かりでしょ。

 

『それでは、レーセー選手、ルーレットを回して下さい!』

 

俺は思いっきりルーレットを回す。

 

1対1になる試合が出る確率は37.5%

 

俺は夕麻を連れて試合を行えるが、見せるゲームなのでリーダーが序盤から出ちまったら不況を買う。

 

マジでこれクソルールだな。

 

反則覚悟なら確率弄れるがゲームでそこまでやる必要は無いか。

 

『おおっと!流石はレーセー選手、最低値の1を出しました!第1試合は1対1での勝負となります!作戦タイムは3分。出場選手を選出してください。なお、ポーンのプロモーションはフィールドの到着後、昇格可能となります』

 

いつの間にかルーレットは止まり、1が出ている。

 

そして作戦タイムに入ると特殊な結界で両陣営を覆った。

 

「……これは外に音や視覚などの情報が漏れないようにする結界にゃ」

 

上級悪魔でビショップの黒歌が結界の能力を識別した。

 

「んじゃ、作戦会議と行きますか。俺行く訳にいかねえしどっち行く?じゃんけんで負けた方でいっか」

 

「ちょっ!?じゃんけんで決めるんですか!?」

 

「じゃーんけーん」

 

「待っ」

 

「「ほい」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『制限時間の3分になりました。出場する選手は魔方陣の上へ進んでください。両チームの選手が魔方陣に着きましたら中央のフィールドへ転移します。転移終了と同時に試合開始となります。現在張られている結界は試合が開始すると解除されます』

 

じゃんけんで負けた方はもう魔方陣の上にいる。

 

あちらさんも魔方陣の上についたのか魔方陣が光る。

 

「普通さー、あのタイミングで負けるって言ったらさー……」

 

『おおっと!第1試合の出場選手が中央のフィールドに登場です!そして両陣営から選ばれたのはなんと上級悪魔である黒歌選手です!レーセー選手の右腕の登場です!』

 

「……お前だよなギャスパー。空気読めよ」

 

「そ、そんな理不尽ですよー」

 

あのタイミングで勝つとかもしかしたらこいつはメンタルがおもっくそ強いのかもしれん。

 

そう思い、ギャスパーを見てると睨まれてるのと勘違いしたのか、

 

「ひいぃぃぃぃ!?」

 

「試合全部終わるまでにダンボール使用したら、これからずっとお前の近くにあるダンボール自然発火するという恐怖体験を味わせるぞ」

 

「ひっ!?」

 

ダンボールに逃げようとしたので先手を打っておいた。

 

「主様、黒歌さんの試合始まっちゃいますよ。あ、主様の右腕は黒歌さんに譲りますが右手は私ですよ!」

 

夕麻が余計なことを付け加えていたがスルーして中央のフィールドに目を移す。

 

『対するバアル眷族も右腕の登場です!クイーンのクイーシャ・アバドン選手です!』

 

「ウィザードタイプのぶつかり合いだから見た目派手になりそうだなー」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒歌サイド

 

普通、いきなりじゃんけんすることになったらグーかパーなのにあそこでチョキを出すとはギャー助も中々腕を上げたにゃ。

 

「てっきりハーフヴァンパイアの方が出てくると思ったのですが、あなたが来ましたか」

 

アバドンがそう漏らす。

 

「まあ、よろしくにゃ」

 

試合が始まってるが最初は相手方の出方を見る。

 

最初から全力を出したら大人げないにゃ。

 

アバドンは羽を広げ上空へ飛んだ。

 

私は飛ばずに地に足着けて、構える。

 

そこからは魔力の撃ち合い始まる。

 

アバドンは氷や風、炎に水と様々なバリエーションの魔術を使ってくるが、私は気を練りこんだ魔力の塊で反らしたり、相殺していく。

 

フィールドの形がどんどん変わっていき、私が立つ所から2、3m程先はまともな地形をしていない。

 

「これって次の試合どうするのかにゃ?場所を変えるのか、それとも修復するのかどっちだと思うにゃ?」

 

ふと疑問に思ったのでアバドンに話を振ったのだが、スルーされ魔術の雨霰が降り続ける。

 

……もう飽きてきたにゃ。

 

今まで防御メインでやってきたが攻勢に変える。

 

大量の魔力を弾幕のように撃つ。

 

「くっ」

 

アバドンは撃ち落とせず、回避する回数を増やしていく。

 

「ほらほら弾幕薄いよ何やってるにゃ!」

 

アバドンを急かしながらこちらの弾を増やして行くと、アバドンもとうとう耐え切れなくなり『ホール』を出現させた。

 

『ホール』とはアバドン家の特色であり、空間に異界へ続く穴を開け、全てを吸い込むというもの。

 

『ホール』でグラシャボス戦で圧倒している映像を見たにゃ。

 

「私の『ホール』はいくつも出現させることが出来ます!」

 

アバドンは今までの試合で使用していなかった数の『ホール』で私の弾幕を吸い込んで行く。

 

「ならこっちも数を増やすだけにゃ!」

 

私が更なる弾幕を展開を展開しようとしたら、アバドン『ホール』が私を囲い込むように出現していた。

 

「そして、吸い込んだ攻撃を放つこともできるのです。では、先程の弾幕を纏めてお返しましょう」

 

無数の穴から、厚すぎる弾幕というかレーザーが私目掛けて放たれる。

 

「……これは……避けきれないにゃ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ホール』使ってもにゃ。『空蝉』」

 

私とアバドンの立ち位置が変わる。

 

「私には必要無いからお返しなんてしなくていいにゃ」

 

『サイラオーグ選手の『女王』リタイヤです』

 

「狩りは獲物を仕留めた時が一番危ない。ハンター×ハンター3巻でも読んで出直してきにゃ」

 



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