男女逆転オーバーロード! (花見酒)
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男女逆転オーバーロード!
忠誠の儀のシーンのみという、やっつけ感……。ネタでしかないので、短編です。
そして、コキュートス、スマヌ……! スマヌ……
※注意
シャルティア、アウラ、マーレの名前が一部本来と違うのはそれそれ性転換しているためそれにふさわしい名前にしたため。
シャルティア・ブラッドフォールン → シャルティエ・ブラッドフォールン(男性名らしく)
アウラ・ベラ・フィオーラ → アウラ・ベロ・フィオーレ(後半を男性名詞)
マーレ・ベロ・フィオーレ → マーレ・ベラ・フィオーラ(後半を女性名詞)
「――――至高の御方に忠誠の儀を」
ナザリック地下大墳墓の階層守護者各自が、守護者統括の言葉で一斉に隊列を整える。
それをモモンガは半ば放心した状態で見やった。
モモンガは骸骨である
その白い骨の指には9つの異なる力の籠められた指輪をはめ、繊細な彫刻の施された冠とネックレス、金と紫で装飾された黒のガウンをはおり、無色の宝石を散りばめた漆黒のロングドレスを身につけた骸骨……それが彼女のユグドラシルでのキャラクターだ。
中の人であるプレイヤーの鈴木
アインズ・ウール・ゴウンは、かつてはユグドラシルに数千を超えるギルドの中、41名という少数で9位にまで上り詰めたギルドである。
人数が少なかったのはギルドメンバーの中の人が女性ばかりで男性が3人しかいないというPK・PKKギルドとしてはかなり異質なギルドであり、所属するためには異形種で社会人であることが条件の他、様々な理由で人を増やせなかったことも原因だった。
そんなギルドメンバーが、自分の趣味と実益、時間と金を注ぎ込んだ結果生まれたのが、ギルド本拠地であり、かつては1500人というサーバー始まって以来の討伐部隊を全滅せしめた悪名高きナザリック地下大墳墓である。
所在地は、ヘルヘイムにある霧が立ち込めるグレンベラ沼地と呼ばれる毒の沼地。
元は六階層のダンジョンだったが、10階層構成に改装され、階層ごとにそれぞれ墳墓、地底湖、氷河、大森林、溶岩、荒野という特色を持ち、ロイヤルスイートと呼ばれる居住スペースの9階層、そして10階層神域と呼ばれる場所にある玉座の間。特に9階層と10階層は途方も無い作り込みをされ、第三者がその場にいれば余りの調度品の見事さに目を奪われ呆然とするレベルのものだった。
もちろん、階層内部の作りこみだけにその全てが注ぎ込まれたわけではない。それぞれの階層守護者、領域守護者、ロールプレイ用のお遊び用のメイドや執事といったNPCにもそのこだわりは注がれたのである。
そのナザリックの地下大墳墓で、モモンガは12年という長きに渡って運営されてきたDMMO-RPGユグドラシルの、そのゲームの最期の時(誤字にあらず)を迎えようとしていた彼女は、不可解なことにそのゲーム内の姿のまま、ナザリック共々ユグドラシルではない謎の場所に転移し――――今の状況に陥っていた。
――――そして、話は戻る。
ナザリック地下大墳墓、第六階層にある
ローマ帝政時代に作られた
「第一、第二、第三階層守護者、シャルティエ・ブラッドフォールン、御身の前に」
跪いて、臣下の礼を取るシャルティエが身にまとうのは漆黒のドレス。それはボールガウンドレスと言われるもので、本来は舞踏会等で着用されるスカートのシルエットが大きくふくらんだウェストの華奢さを強調するドレスである。そのドレスにフリルとリボン付のボレロカーディガン、そしてフィンガーレスグローブをつけ、その白蝋染みた肌を隠している。
その見た目の年齢は14歳ほど。まだ幼さが抜けきれず、それでいて子供とも言いがたい歳であるがシャルティエは吸血鬼の真祖であり、見た目通りの年齢ではない。
長い銀の髪をサイドテールに結い上げ、絶世の美少女、美の結晶ともたたえられそうなそれは麗しい顔をしているのだが……
男の娘で屍体愛好家。
この少年をこのように作成したのは、自他ともに認める雑食系腐女子ペロロンチーノ。かつての仲間である彼女は、ボーイズラブだけでなく通常のエロゲーや乙女ゲームですら、楽しむ豪の者であっただけに、彼女の愛し子とも言えるシャルティエにはその趣味が全力で開花されていた。
続いて、第五階層守護者である冷気をまとった巨体の二足歩行の昆虫系を思わせる異形種のコキュートスが、シャルティエと同じように名乗り、臣下の礼を取り頭を下げると次に控えていた二人のダークエルフが前に出た。
「第六階層守護者、アウラ・ベロ・フィオーレ。御身の前に」
「え、えとっ 同じく、第六階層守護者、マーレ・ベラ・フィオーラ。御身の前に」
十歳ほどの子供のダークエルフの双子の兄妹である。金の髪を肩口で切りそろえ、浅黒い褐色の肌に森を思わせる緑と海を思わせる青のオッドアイ。まるで鏡合わせのような左右対称の同じ顔を持つが、兄妹で役割と性格が全く違う。
兄であるアウラは、幻獣や魔獣を使役するビーストテイマー兼レンジャーで、快活な太陽のような少年であり、妹のマーレはドルイドで、月の光を思わせる内気な少女だ。
アウラは白いベストにそのベストに合わせたスラックス、マーレは深い緑色の森の葉をかたどったような短めのマントと同じく白の短めのスカートに合わせた白のニーソックスという、どちらも白を基調とした服を身に着け、その下にお互いに対称となる色合いの兄は赤、妹は藍の革鎧を装備している。
この双子の設定をしたのは、ペロロンチーノのリアル兄であるぶくぶく茶釜である。彼は数少ない男性ギルドメンバーの一人であり、自分の理想の弟妹を彼等に設定したとモモンガは聞いていた。
そのためか、それぞれが作った守護者であるアウラとシャルティエは、まるで在りし日の二人のような仲の良い喧嘩をここに来るまでにモモンガに見せていた。
その二人が跪く隣に優雅にスーツ姿の女性が並ぶ。
「第七階層守護者、デミウルゴス。御身の前に」
耳ざわりの良い落ち着いた声で挨拶し、彼女は臣下の礼を取る。
ダークエルフを思わせる褐色の肌、漆黒の髪をキッチリと夜会巻きにし、かけている丸メガネさえもアクセントになるアジアンビューティだ。
ジャケット、ベスト、スラックスと、ともに同じ生地でできた女性用の三つ揃えのパンツスーツにネクタイをしめている。そして10センチ以上はあろうかという高いかかとのハイヒールをふらつきもせずに着用していた。
その姿はやり手の秘書か弁護士のようだが、腰の辺りから銀のプレートに包まれた尻尾が伸び、周囲に揺らめく炎を幻視させる彼女は邪悪な悪魔である。そもそも、耳ざわりが良い声というのも、悪魔である彼女が持つとあるパッシブスキルのせいだ。
最後に控えるは、ナザリック地下大墳墓階層守護者統括……アルベド。
「守護者統括、アルベド。御身の前に」
アルベドはラテン語で「白」を意味し、自他ともに認める設定厨のギルドメンバーに作られたNPCである。
低い、腰に来るような艶やかなテノールボイスをもち、まるで、結婚式の新郎のようなグレーベージュのショートフロックコートを着用した絶世の美形である。
純白のシャツと対象的な漆黒の長い髪に、金の虹彩に爬虫類のような縦に長い瞳孔を持った比類の無い整った顔。腰の辺りから堕天使を思わせる黒い翼が広がり、左右のこめかみから山羊を思わせる太い角が曲がりながら前に突き出しているが、それすらも人外の美しさを引き立てるものだ。
「第四階層守護者及び、第八階層守護者を除き、各階層守護者、御身の前に平伏し奉ります」
漂う緊張感に、モモンガはどうすればよいかわからず、彼等を眺めることしかできない。
一部の自身の特殊能力が駄々漏れになっていることすら気がついていなかった。
「――――至高なる御身よ、どうか、ご命令を。我らの忠義をすべて御身に捧げます」
2/17 PM21:17追記
2/18 AM02:12一部改稿(ルプーとエントマの男性名称)
連載は無理なので、以下に性別逆転した他の一部のナザリック勢の妄想を書き連ねて供養します……
セバス・チャン
名前は男性名の女性執事。外見は壮年の凛々しいおばさま。
もちろん、服装は、もとのセバスと一緒
理由:家令は執事でないといけない。メイドではハウスキーパーになってしまう。
ユリ・アルファ → ユリシーズ・アルファ
男性名も略せば元と一緒なので、ユリと呼ばれてる。
きっとかっちりした燕尾服。
ルプスレギナ・ベータ → ルプスレクス・ベータ
男性名でもきっと、ルプー呼び。駄犬かわいい、ワーウルフ。
ルプーはシスターっぽい衣装だったので、カソック寄りの服と考えていた。
きっと某刀剣乱舞のへし切り長谷部っぽい服着てそう。
ナーベラル・ガンマ
名前かわらなさそうな人その1。見た目はきっとクールなイケメン執事。
男でも内面は変わらないだろうし、微妙にポンコツな感じなはず。
シズ・デルタ
名前かわらなさそうな人その2。ショタ枠執事。
ソリュシャン・イプシロン → ソリュード・イプシロン
どこのホスト? みたいな感じになりそう。
エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ → エントマ・ヴァシリアス・ゼータ
陰陽師か神主みたいな狩衣付けてそう。
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