~転生者深海棲艦奮闘記~前世持ちの姫がチート鎮守府とか相手に頑張るお話~ (R.H.N)
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~プロローグ1~偽装航空戦艦~

プロローグその一になります。

このプロローグは本作品主人公サイドのプロローグです。

取り敢えず、この時期の他の深海棲艦たちと、この頃の日本の主要キャラクター達の、計3つのプロローグを予定しています。


~??????~

 

 

(ゴボゴボッ、ゴボゴボッ)

 

 

(ゴボゴボボッゴボゴボボッ)

 

(ザバァッ)

 

「ブハッ、はぁっ、はぁっ・・・・あれ……ここは……一体?」

 

 

(おかしいな、私は・・・・死んだ筈なのに……)

 

 

「……あれ?私、どうして死んだっけ?そもそも何で死んだのか思い出せない・・・・。」

 

 

「なんとなく、元々は日本の自宅で死んだって言うのは覚えているけど・・・・。」

 

 

「ここは……どこかの島の海岸付近なのかな?」

 

 

ここは太平洋上のとある島、その変わった姿をした少女は、己の記憶の一部を思い出せぬまま、気がつけばその島の海岸にいたのである。

 

 

「取り敢えず島を捜索しようかな、ってうわぁ!!」

 

 

何がなんだか訳がわからないその少女は、島の捜索しようと立ち上がり、そして海面を見て驚愕、思わず尻餅をついてしまう。

 

 

「これは・・・・この私の姿は、もしかして空母ヲ級?でもだとしたら・・・・って思い出した!、私、艦これをしていたら何でか知らないけど倒れた本棚の下敷きになっちゃって・・・・。」

 

 

 

その少女・・・南丞 絢香(なんじょう あやか)はこんな姿でこの島にいつの間にかいたという状況になる前は、軍事関係のものが好きで、自宅で流行りのゲーム(艦隊これくしょん)をプレイしていたが、急に倒れてきた軍事関係の本を満載した大きめの本棚に頭を強打し、そのまま下敷きになってしまった事を思い出す。

 

 

「それにしても、私、もしかして転生しちゃった?、空母ヲ級に?、ここは艦これの世界なの?、ってかこの私の姿と何となく感じる違和感は何?」

 

 

絢香がやけにきれいな海面で自分の姿を確認すると、そこには艦これの(空母ヲ級)とそっくりな自分の姿があった。

 

 

「私が空母ヲ級っぽいのはわかったんだけど・・・・、この私から出てるっぽい緑色のオーラみたいなのと、頭の被り物から感じる違和感は一体・・・・。」

 

 

絢香は自分の艦これの知識を使い、自身の姿に関して情報を整理する。

 

 

~以下暫くのあいだ、自身の姿と能力に関して軽く調査中~

 

 

「見た目は完全にヲ級だよね・・・、杖っぽいのの代わりに刀持ってるのと、緑色のオーラ出してるのを除けば。」

 

 

(私が深海棲艦なら当然武装とかあるはず……試してみますか)

 

 

「艤装出ろ~」(ガション!)

 

 

「えぇ・・・・頭のアレの口から戦艦のっぽい主砲みたいなのが出てきたんだけど、元々横についてるのはもしかして副砲?。」

 

 

「ってかさっきまで感じてた違和感が消えた?、もしかして違和感の原因はこの主砲?」

 

 

「航空機は出せるみたいな感覚がするんだけど・・・・」

 

 

「航空隊、発艦!!」(ウィーン,ガコンッ!)(ブーーーン)

 

 

「成る程、航空機と同時に使用は出来ない・・・っと、」(ウィーン,ガコンッ!)

 

 

「あっ、艤装は念じるだけで動かせるんだ、便利~。」

 

 

「航空機はっと、え~っと、ステータスがみれればなぁ・・・・ってうわわ!」(ヴォン)

 

 

「頭のアレの目が光って・・・・へぇ~これでステータスみれるんだ~、んで、ステータスや装備はっと、何々……」

 

 

自身の容姿、つけてる装備やその他もろもろについて整理すると。

 

 

自分の体は《偽装航空戦艦姫》というらしいこと(空母ヲ級に偽装している航空戦艦の姫クラス深海棲艦ということらしい。)

 

 

そのためか見た目は緑色のオーラ(自分の意思で隠せる)を除けば完全に普通の空母ヲ級、オーラを隠してる状況なら主砲を出さなければ空母ヲ級と判別は困難だということ。

 

 

 

そして自分の頭にあったヲ級の頭のアレみたいなのだが、帽子の形をした武装庫らしく、武器と艦載機はココに入っていて、着脱可能だということ。

 

 

 

武装は念じれば勝手に操作可能でかなり操作速度が速いという事、搭載航空機の発着中は帽子型武装庫から主砲を取り出せない事が主にわかった。

 

 

「武装の確認……っと、おお、インチ表記とサンチ表記、センチ表記の3種類で切り替え可能なんだ表記の変換はっと・・・・やっぱり念じるのね。」

 

 

絢香、もとい偽装航空戦艦姫は自身の武装を確認してみる。

 

 

武装、41センチ連装砲2基4門、15,2センチ連装副砲2基4門、水上レーダーmarkⅢ(名称変更可能)、深海棲艦戦markⅢ(形状、名称変更可能)90機、深海地獄艦爆(形状、名称変更可能)36機、深海棲式隠密偵察機(形状、名称変更可能)10機、深海棲式高高度偵察機、(形状、名称変更可能)6機、大規模煙幕発生装置、深海棲式暗号通信傍受&解読装置、深海棲式偵察記録装置&記録再生装置一式、深海棲式通信傍受装置。

 

 

「武装は自分の深海棲艦としての名前に恥じず完全に航空戦艦ね、どっかのサイトで見た姫クラスのとんでもない航空機搭載能力はないけど、深海棲艦姫クラスの中ではかなり豊富な部類に入る艦戦搭載数と、なんかとても使えそうな艦これの中では聞いたことない偵察機2種類や通信傍受装置、暗号通信傍受&解読装置、偵察記録装置、記録再生装置一式があるから、それで情報を集めまくって戦略、戦術を建てて自分は砲撃戦を主砲と副砲で補助、航空戦は艦戦で制空握って艦爆メインで戦うタイプみたいね。」

 

 

「名称と形状変えられるんだ~、やっぱり形状変えるんならアメリカの機体に変えようかな?でも架空機とかに変えるのも乙なものだし・・・・。」

 

 

「まっ、とにもかくにも、取り敢えずの事をする必要があるみたいね、」

 

 

擬装航空戦艦姫はせっかくだから前世の記憶にある色々な軍事知識で武装の名称を変えようかなとか思いつつ、自身の装備の特殊装備枠を見る。

 

そこには。

 

 

特殊装備、

 

 

深海棲艦泊地生成装置。

 

 

 

とおもいっきり書かれていた。

 

 

「せっかくの第二の生なんだし、深海棲艦として過ごすのも悪くないわね、私は一応姫クラスだから・・・・普通の深海棲艦は私の部下になるのかな?」

 

 

「(南丞絢香)としても(偽装航空戦艦姫)としても、艦娘沈めるのはアレだしな~、気絶させてこっちの泊地にお持ち帰りして見るのもアリかしらね?」

 

 

「ってか艦娘と人類とほぼ自動的に敵対確定なのが辛い・・・・、理想論なんだけど、やっぱ前世が人だし出来れば共存したいんだけどねー。」

 

 

「んで、仮にこの装置で泊地を建てるとしたら・・・・この島しか無いよね~」

 

 

偽装航空戦艦姫は自身の持つ深海棲艦の泊地を建てる装置を見て、自分がいる島を見ながら呟く。

 

時間は朝、帽子の眼で水面に写しているモニターによれば、午前9時頃、自分が、倒れる本棚に巻き込まれ死んだと思われる時刻辺りから大して時間がたっていない、さりげなく、日付も死んだ時と同じという状態だった。

 

 

「それにしても便利な機能ね~、これなら深海棲艦として生活してても、人との感覚の剥離にあんまり困らなくて済みそうね。」

 

 

「まぁ取り敢えずして先ずはこの島の探索よね、ここは一体どんな島なんだろう・・・。」

 

 

偽装航空戦艦姫は浜辺から陸に上がり、島内部の探索を始める。

 

 

そんな彼女を、空の上からこっそり見てる人の姿に気づかずに・・・・・・。

 

 

 

「…………オープニング!!!!」

 

 

「はっはい!なんでしょうか?」

 

 

「なんでしょうか?、じゃねーよ!彼女こっちでのやり取り覚えてねーじゃねーか!」

 

 

「/(^o^)\ナンテコッタイ、ヤバいヤバい、取り敢えず、もう一度事情を説明し直しましょう!。」

 

 

「そうするしかなかろうよ・・・・、全く、この世界での昨日の件に然り、こっちの件と言い、お前は何でこの世界に関して問題ばっか起こすの?馬鹿なの?死ぬの?」

 

 

「しかもこっちの件と違って昨日の件は起こったことが事なせいで俺たち介入不可なんだよ?どーすんの、これ?」

 

 

「なるようになるしかないでしょう・・・、それにしたって今時随分と変わった転生者特典の取り方しましたよね~」

 

 

「まぁ深海棲艦になる前提でなら、精神面と合理性を考えるとあの特典の取り方は納得いくがね~しかし彼女、どんな暮らしをするのだろうな?」

 

 

「まぁそんなこといってたってしょうがないじゃ無いですか、彼女は我々のミスの補償として、深海棲艦の姫クラスになって転生した、それでいいじゃないですか()()

 

 

「9割方君のせいなんだけどね・・・・」

 

 

こうして深海棲艦の姫として転生した南丞絢香は深海棲艦《偽装航空戦艦姫》としての生を送り始める・・・・。

 

 

一方その頃のこの世界の日本は、国内で深海棲艦の事を一時すっぽかしてしまうレベルの大事が起こっていたのであった・・・・。

 

 

 

 

~次回に続く~

 

 

 




この作品は私が先行して執筆している作品

「チートな技術屋さんと画家さんが夫婦で鎮守府に着任しました、これより艦隊の指揮を執ります…ってへ?」

の本編開始3カ月ほど前から始まっています、そちらの方の作品の前日談を含む作品であり、この作品を別のキャラクターの視点で見たものとなっています。

そのためその作品のキャラクターが割りと多数出てくる上、そちらにもこちら側のキャラクターが出てきます為、その点を注意して頂ければと思います。


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~プロローグ2~深海棲艦サイド~絢香転生前日、前編~

本作の主人公、南丞 絢香が転生する前日に深海棲艦達に起こった出来事のお話です、割りとグロいです。

最初に軽く神様的な存在のサイドの話があります。

本編はその後の部分なので読むときは注意してください。

さりげなく前後編に別れています。


私の名前はプロローグ、始まりを意味する言葉を名に持つ、いくつかの世界で掛け持ちで神様をやっているとある神様の部下、今回、本来やってはいけないことを一つやらかしてしまった。

 

 

神様の許可無しによる物体の異世界転移である。

 

 

しかも転移先が艦これの世界で、転移させたのがよりにもよって(信長征海伝)と言う架空小説の世界の上総型戦艦、すぐさま元の世界に戻したけど、転移してしまっていた十数分のうちにトンでもない事が起こっていたらしく、今現在は、それに気づいた神様によるマジ説教の直後である、いやほんとマジでごめんなさい。

 

 

「ん?この地獄送りリストに一人、まだ死んでない人がいるぞ?ちょっと地獄へいって死神に仕事してもらわなきゃ、」

 

 

この時の見間違えが翌日、リスト対象者と誤認され、南丞絢香が不当にあの世へ引きずり込まれてしまう原因を作ることを、オープニングはまだ知らない・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~横須賀近海、深海棲艦特設超巨大補給基地~

 

 

「中間棲姫様、港湾水鬼様、装甲空母姫様、全艦隊の補給完了、いつでも出撃出来ます、集積地棲姫様の防衛部隊も全艦の補給が完了したとのことです。」

 

 

緑色のオーラを放つ中間棲姫、港湾水鬼、装甲空母姫、集積地棲姫の4体、物言わぬ浮遊砲台やら護衛の深海棲艦達やらを従え、今か今かと報告を待ちわびていたらしく、やって来た空母ヲ級エリートが報告をしたとたん、落ち着かない表情を一変させ、中間棲姫に至っては黒い笑みを浮かべていた。

 

 

 

「あらそう?それじゃあそろそろ出撃としましょうかしらね?」

 

 

「だな、日本で何が起きたのかは知らんが、横須賀や呉、トラックとかの鎮守府がほぼ機能停止してるのをみすみす逃す我々ではない。」

 

 

「結局、ぽっぽちゃんや港湾棲姫とかは不参加になっちゃったけど、私達のありったけの戦力を使えばあの混乱している日本内地鎮守府群は一捻りだわぁ・・・・。」

 

 

「倉庫番は私達に任せとけば十分だからねぇ・・・・、倉庫番の私達の分も含めておもいっきり暴れて来ちゃってよ。」

 

 

「あぁ、今から鎮守府の艦娘達の悲鳴が存分に聞けると思うと楽しみでしょうがないわぁ・・・・!」

 

 

今、この横須賀近海に浮かぶ超巨大補給基地にはゆうに4000は越すであろう大群の深海棲艦達が集まっており、国内各地の鎮守府へ襲撃する時を今か今かと待ちわびている。

 

 

どうしてこんなに大群が横須賀近海何て言うところに集まっているのか?迎撃の為の艦娘の艦隊はどうした?等々思う所は色々あるだろう。

 

 

 

事の発端は一週間前に遡る~。

 

 

~中間棲姫の中央泊地~変わった報告がされたようです~

 

「んんっ?、ヲ級、横須賀含めた日本各地の鎮守府からの艦娘の出撃がストップしてるって言うのと、日本内地が大混乱ってどういうことなの?ちょっと説明してくれる?」

 

 

「説明しようにも、その報告そのまんまです、日本各地で警察と軍が非常に大規模な動きを見せており、それに伴ってか各地の鎮守府は防衛に主体をおいている状態のようです。」

 

 

「また内地鎮守府と外洋鎮守府の一部にて、軍に鎮守府の提督とおぼしき人物が多数連行されている様子が空母艦載機より偵察できました。」

 

 

「また、我々の宿敵である日本内地5大鎮守府(4鎮守府に大湊警備府を含んでいる)の5人の提督のうち、呉と舞鶴、大湊の提督と思われる人物が各地で軍に連れていかれたとの報告が先程各地近海を偵察していた艦隊から寄せられてきました。」

 

 

「そう・・・・これはチャンスね・・・・、わかったわ、そっちは情報の完全な真偽確認をお願い、私はこの後の中央泊地総合姫会議にて今回の事を元手に大反撃の提案をしてみるわ。」

 

 

「了解です。」

 

 

 

~中央泊地総合姫会議~深海棲艦達が一大反攻を計画するようです~

 

 

中間棲姫「・・・・と、言うわけで最近やられっぱなしの私達だし、ここいらで大規模な反撃に移りたいのよ、相手の状況的に今はちょうど良い時期だと思わない?」

 

港湾水鬼「賛成だな、最近ボッコボコにやられっぱなしだし、このタイミングを逃すわけにはいかない。」

 

 

集積地棲姫「やるんだったら倉庫番は任せてもらおう、私も最近の敵の攻勢で戦力を分散せざるを得ない状況で勢力下の倉庫がひどい目に会った、カウンターのつもりで資源庫狙いをしてくる敵を今度は全力で迎え撃ってやる。」

 

 

装甲空母姫「私は戦線が遠いから泊地に代理たてといて少数で参加するわ。」

 

 

北方棲姫「ほっぽは取られた勢力圏取り返すの優先したいからパ~ス、」

 

 

港湾棲姫「私も取られ過ぎた勢力圏回復をしときたいからパスで。」

 

 

泊地水鬼「ごめんなさい・・・・私の所も戦力の抽出は無理な感じだわ・・・・。」

 

 

ハワイで開かれた深海棲艦総合姫会議、そこで行われた深海棲艦のトップ達による反攻作戦会議は各地の戦況を鑑み、一部勢力圏の戦力で行う形に調整されていっていた。

 

 

~深海棲艦総合姫会議~、これを語る上においては、まず深海棲艦について一部述べていかねばならないだろう。

 

 

この世界における深海棲艦は海上に人工の浮き島を作りそれを元にするか、元々の島を利用して、艦これにおける鎮守府に似たような施設群を建設し、そこを拠点にして活動している。

 

 

そしてその「深海棲艦達にとっての提督」にあたる、最高指揮官にあたるのがこの緑色のオーラを放つ深海棲艦姫、水鬼クラスなのである。

 

 

この緑色のオーラを放つ深海棲艦は姫クラス、水鬼クラスのみであり、このオーラは深海棲艦にとってのある種の提督適正を示すものなのである。

 

 

このオーラを纏った深海棲艦は纏ってない同種よりも格段に強く、深海棲艦達のトップの役割を担う。

 

 

深海棲艦はこのオーラを持つ姫、水鬼をトップとして、そのトップとその配下達が基地とする泊地群の中央にあたる「中央泊地」なる巨大な泊地を形成し、中央泊地の支部としてオーラが無いだけの姫、水鬼クラスが設営し、オーラ持ちの命令でそこのトップとして泊地を率いる「支部泊地」、更にそこから支部泊地の長の命令で鬼クラスが主に設営の主導をし建設されるのが「分営泊地」と枝分かれしているのである。

 

 

んで、各トップは世界の海洋各地に己の勢力圏を形成しており、各トップがそれぞれ独自の考え方を持ってして活動しており、独自の文化圏を持ち合わせ、ある種の国と言える程になっていた。

 

 

んで、その世界各地の深海棲艦勢力のトップを一同に集め、自分達が軍事行動を初めた10年程前に、深海棲艦の魔の手から逃れようと住民がアメリカ本土へ逃れ、無人となった状態で深海棲艦が中立地帯として占領したハワイ諸島に3か月に一度の割合でこうして各勢力のトップが集まり。

 

 

各地の戦況確認やら各地の艦娘や提督に関する情報交換を行ったり、勢力圏同士でのイザコザに対応したり、勢力圏がいくつかの合同して艦これで言うイベントにあたる大規模作戦を練ったり、深海棲艦同士の交流模擬戦なんかをやったりしているのである。

 

 

今回の会議は、艦娘達による幾度とない大規模作戦で各地の勢力圏が衰退していたことが主な原因で、本来出席予定のいくつかの勢力圏トップが欠席になってしまっていた。

 

 

因みに解説し損ねたが、人型の通常深海棲艦及び、姫、水鬼、鬼クラスは普通に地上を歩いたり、しゃべったり出来る。(駆逐棲姫のように人型なんだけど足っぽいのが無いのは、器用にバランスを取って跳ねながら移動したり、駆逐棲姫のようにル○バみたいな動きをして移動する)

 

 

他にも地上施設を建てたり補修したり・・・。

 

 

割りと人間に近い行動も取ることができるのである。

 

 

(言語は「ある言語」に似た共通の言語を持ち合わせている。)

 

 

そのため、ハワイ諸島、陸上の建物は補修され、掃除されたりして以外にも綺麗に扱われていた。

 

 

 

中間棲姫、「作戦の完全な概要は後日、それじゃあ、参加勢力は各自泊地建造資材を宜しくね。」

 

 

港湾水鬼「今回参加できそうにないほっぽ達も頑張ってくれ、私達の反攻が成功したら一気に楽になるだろうから・・・・。」

 

 

北方棲姫「港湾のねーちゃんたち、ありがとー、ほっぽも頑張るからね!」

 

 

港湾棲姫「私たちも勢力回復急がなくちゃ・・・・。」

 

 

泊地水鬼「何とか間に合わせられれば援軍を出すつもりだから、其まで頑張ってね!」

 

 

集積地棲姫「さーて資材の準備っと・・・。」

 

 

装甲空母姫「それじゃあ、今回の会議はこれで終了、解散ということで。」

 

 

「「「「お疲れさまでした、」」」」

 

 

こうして一週間の間に、参加勢力の深海棲艦達が横須賀近海に反攻作戦の為の中継の補給基地を全力で建設、作戦の決行を可能にしたのである。

 

 

 

 

そして話は冒頭の横須賀近海に戻り、今ついに、日本国内の(深海棲艦視点において)謎の大混乱の隙をついた、深海棲艦による一大反攻作戦が行われようとしていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがその時、これからいざ進軍というタイミングで、深海棲艦達は最大クラスの()()()()()しまったのである。

 

 

 

「お取り込み中失礼します!、大変です、突如謎の超巨大戦艦2隻が本泊地近海に出現!!我々の迎撃をものともせずこっちに突っ込んで来ます!!」

 

 

 

 

「エッ!?!?(゜゜;)\(--;)(゜-゜)(。_。)」

 

 

 

 

今、大反撃に移ろうとしていた中間棲姫達に、余りにも残酷な不運が襲いかかろうとしていた・・・・。

 

 

 

~続く~




後編に続きます。


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~プロローグ2~深海棲艦サイド~絢香転生前日、後編~

前回の続きになります、グロ注意。


~横須賀近海、深海棲艦特設超巨大補給基地~なんかヤバイのが2隻も接近しているようです~

 

 

 

 

 

 

「・・・・なにあれぇ…?」

 

 

「……ざっと偵察機の映像をみた私の感想なんだが、この2隻は多分本物の戦艦大和とかよりも遥かにでかいぞ・・・、それにしても何でこんなのがこんなところに・・・・。」

 

 

 

「なぁんで迎撃の戦艦隊や駆逐隊が返り討ちにあっているのよぉ(゜-゜)、しかも相手の船体見た感じまるで傷ついてないじゃなぁい!(涙目)」

 

 

「航空隊はどうしてるんだい!早く航空攻撃初めなさいよ!」

 

 

「それが・・・・上空から襲撃しようにもミサイルと協力な対空砲火の嵐でまともに近づく事も出来ず・・・・。」

 

 

「航空攻撃は迎撃されてしまっているのか・・・・、煙突とかに集中砲火して足を止められないか?」

 

 

「偵察機の情報によると、そもそも煙突と思われる構造物そのものが見当たらないとの事です……。」

 

 

 

「「「「そんな……っ!」」」」

 

 

 

補給基地からおよそ4キロの地点に突如現れた謎の巨大戦艦2隻、この2隻は迎撃にあたる深海棲艦の攻撃をものともせず、まるで浮要塞のようなたたずまいで、この深海棲艦特設巨大補給基地に揃って向かってきていたのである。

 

 

 

(誰か奴等を止めろー!!)

 

 

(ダメだ!まるで攻撃が効いてない)

 

 

(こっちに来るな……うわぁぁぁぁぁぁ!!)

(メキメキメキョッ)

 

 

(嫌……たす)(グシャッ)

 

 

(ヤバい!巻き込まれ)(ザシュッ)

 

 

(アアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!)

 

 

(に、逃げるんだぁ……勝てないよ……こんな化け物相手なんて……。)

 

(もうだめだぁ・・・おしまいだぁ)

 

 

攻撃がまるで敵に効かないながらも、必死で応戦する者、

 

 

自分達の攻撃がまるで効果ないことに愕然とする者、

 

 

二隻の進路上にたってしまった不幸により、船の船首に衝突して肉体を押し潰される者、

 

 

後ろにまわったのは良いものの、接近のし過ぎで推進スクリューに巻き込まれ体を切り刻まれる者、

 

敵の正確すぎる搭載砲による反撃でミンチになったり、蜂の巣にされたりした者、

 

 

余りの参状に某伝説のスーパーサ○ヤ人を見たときのベ○ータ見たいな状態になる者等、

 

 

迎撃に出た深海棲艦達は二隻の巨大戦艦相手に阿鼻叫喚の地獄絵図を成していた。

 

 

同じようにして迎撃していた各トップ直属の精鋭や装甲空母姫がこの日のために選び抜いた最精鋭等も二隻の巨大戦艦にまともにダメージを与えることさえ出来ず、反撃の集中砲火で呆気なく沈んでいく・・・・。

 

 

「これは・・・・間違いなく泊地衝突コースね。」

 

 

「あぁ私の大切な部下達が・・・・。」

 

 

「これはもう・・・・作戦云々いってる場合じゃないね。」

 

 

「悔しいけど・・・・あの戦艦に勝てないのは事実ね、おとなしく引き下がりましょう……。」

 

 

「何て事だ!……まさかこんなタイミングで、こんな特大の邪魔が入るだなんて・・・・。」

 

「こりゃぁ意図的に見たくても見ることの無いレベルでとんでも無い有様だねぇ・・・・。」

 

 

中間棲姫達はこのままだとこの泊地に衝突、ついでに早く撤退しないと此方が例外なく全滅すると判断、泊地から離れるように二隻の巨大戦艦に近づきながら各自、味方に後退を促す。

 

 

ちょうどその時、二隻の巨大戦艦は揃って右向きに旋回、補給基地前方3キロの地点で泊地に対して横向きになる。

 

 

もうすでにここに来ていた深海棲艦達は、全戦力の2割も残っていない程にまで消耗し、有頂天にあった士気も、地の底に沈んでいた。

 

 

「一体何をするつもり・・・・?」

 

「とりあえず、泊地を避けようとしているのかなぁ・・・・?」

 

 

「うん?索敵機の映像からするに・・・・、いかん!あの2隻、やけにデカイ主砲を全部泊地に向けたぞ!!」

 

 

「あぁ・・・・これで作ったばっかの泊地はおしまい決定ね・・・・。」

 

 

「何にも出来ない此方は悔し過ぎて涙が出そうだよ・・・・ッ!」

 

 

 

 

 

 

キュイイイイイン!ガション!

 

 

ガゴンッ、ガゴンッ、

 

 

 

 

単縦陣で二隻の巨大戦艦が動かした主砲 、55口径66サンチ3連装主砲。

 

 

それが1隻がにつき4基12門、2隻合計で8基24門にも及ぶそれが泊地へと、水平に向けられる。

 

 

そして・・・・。

 

 

 

 

 

「シュドォォォォォォォォォンン!!」

 

 

 

 

 

 

泊地に向けられた砲は一斉に轟音を鳴らし、泊地に対し、砲弾が向かっていく。

 

 

 

その巨大な砲弾は泊地の至るところに直撃し、そして泊地に残っていた資材や泊地の施設等に一斉に誘爆。

 

 

深海棲艦達が1週間足らずという短い時間の中で完成させて見せた一大泊地(補給基地)は、ほんの数分前までの姿がまるで存在してなかったかのように、幾多もの爆音と轟音、を響かせて粉々に粉砕されていったのである・・・・・・。

 

 

だが、これで深海棲艦達の悲劇が終わればまだマシであった。

 

 

 

「えっ、何?キャァァア!」

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

そう、爆発の衝撃である。

 

 

 

4つの深海棲艦の勢力が大群を率いて建築した、まだある程度資材が残っていた巨大な泊地施設群、それに一斉に叩き込まれたのは24発もの戦艦大和を遥かに越える威力の砲弾。

 

 

さすがに核爆発には負けるが、それでも尋常じゃないほどの衝撃が着弾地点周辺を襲い、

 

 

基地近くにいた装甲空母姫の旗下で、何とか生き残っていた直属の装甲空母鬼や戦艦タ級の群れがそれぞれ2隻ずつを残して壊滅。

 

 

すぐそばで装甲空母鬼達に守られていた装甲空母姫自身も轟沈寸前の特大ダメージを受け。

 

 

大爆発を起こした泊地の施設や設備の破片で中間棲姫が中破。

 

 

同様の理由で港湾水鬼は小破の上、盾として用意していた多数の浮遊砲台が全滅。

 

 

その他生き残り多数に大損害が発生し、小破未満はなのは集積地棲姫と各勢力のほんの僅かであり、中破以上でもある程度マトモに戦えるのは最初にいた大群の1%にも満たなかった。

 

 

「そいえば・・・・あの巨大戦艦は・・・・どこにもいない・・・・?」

 

 

「私達が体験したのは悪夢だったとでも言うのぉ?」

 

 

「こんな質の悪い悪夢なんてあるかい!、こりゃ現実だよ、だけどそれにしたって大した被害と多くの謎を多く残したねぇ・・・・。」

 

 

「それにしたってひどすぎるよぉ・・・・、こんなのって残酷過ぎるよおぉぉ・・・・(T_T)」

 

 

「・・・・無力、だったわね………ただひたすらに、あれを前にした私たちは……、それにしても、艦娘達の悲鳴を聞こうとして、私達の悲鳴をあの化け物に聞かせる結果になっちゃったわねぇ・・・・、ヲ級、貴方が無事で、取り敢えず安心したわ。」

 

 

「伊達に中間棲姫様の副官を長くやってる訳では無いですからね・・・・、まぁほぼ死にかけの状態なんですけどね。」

 

 

「……取り敢えず、揃って撤退しますか、こんな状況じゃあ、マトモに戦うことさえ出来ないですし。」

 

 

爆発とその余波が終わり、深海棲艦達が辺りを見回すと、既に先程の超巨大化物戦艦は二隻とも姿を消したあとであった。

 

 

まるで悪夢を見ていたかのような感覚を覚えた中間棲姫達はとてつもない喪失感と悲しみを背負いながら、それぞれの中央泊地へと帰還していく。

 

 

深海棲艦達は、このタイミングで艦娘達が襲いかかってくるのを恐れていたが、幸いな事に、艦娘達が襲いかかってくること無く、途中で応援部隊のつもりで横須賀に向かっていた泊地水鬼の部隊と合流し、泊地水鬼の部隊に守られ、各々の泊地へと帰還していったのである。

 

 

この大事件は事件の生き残りや深海棲艦達の交流ネットワークを通じて各地に流れ、突如現れた謎の超巨大戦艦2隻は深海棲艦達にとって畏怖の対象となり、暫くの間、深海棲艦達の侵攻がストップする要因となる・・・・。

 

 

この事件、実は、巨大戦艦出現の数分前ごろから、たまたま深海棲艦の巨大補給基地の規模確認に来ていた日本空軍の偵察機E-2ホークアイ、コールサインを「オーディエンス6」と呼ぶ機がその一部始終を目撃しており、機体から撮影された写真と映像が空軍に送られていたのだが、この事が報道されたのは事件の実に1カ月も後のことだったのである。

 

 

 

それには日本国内の混乱に直接つながる、ある出来事が関わっていたのだが、それはまた別のお話・・・・・・。

 

 

 

~続く~

 

 

 

 

 

 

 

 




擬音の表現が難しい・・・・。

次回はプロローグ3、同時期の日本国内のお話になります、私の執筆、公開しているもうひとつの作品を読んでいれば、もしかしたらプロローグ3における主役が解るかも・・・・?。




絢香「私の出番まだなの!?」


???「もうちょっとだけまっててね。」


絢香「・・・・・・。」


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~プロローグ3~日本国~プロローグ2と同じ時期~

プロローグ3、プロローグ2の頃の日本国の状況のお話です。

色々とヤバい描写、一部提督の怒りのボルテージ爆上がり必至の描写などがあります、今回のは特になので、閲覧する際は注意してください。

余りにもヤバすぎる感じでしたら、修正する予定です。

プロローグとか書いてる癖に設定補完の為の外伝的お話でもありますので、読み飛ばしちゃうのもありです。





~絢香転生およそ2週間前~日本国内で大事件発生です~

 

日本国トラック泊地所属、ヤルート島鎮守府にて。

「隊長、今回はかなり大きな()()()ですな。」

 

 

「だなぁ・・・・、抜き打ちを何度やってもこんなに発見に時間が掛かるとは・・・・、それにしても、憲兵の仕事してて思うけど、どうしてこんなことするやつがいるのかね?」

 

 

「人の欲望は増大するのが基本ですからね、艦娘達との交流や提督としての仕事、立場等で己の欲求に耐えられなくなったのでしょう。」

 

 

神奈川県の江ノ島にある横須賀鎮守府に所属するとある鎮守府、今ここに多数の憲兵が入り込み、提督を拘束して拘置所へとつれて行っている所である。

 

 

基本、海軍の提督の犯罪を取り締まる憲兵隊は陸軍所属なのだが今回、いつもは期間予告ありの憲兵による各鎮守府への監査を久しぶりに抜き打ちにしてみたところ、このヤルート島鎮守府含め幾つかの鎮守府分営府の提督が捜査網に引っ掛かり逮捕されたのである。

 

 

そして今この場で話している憲兵隊長とその副官は、証拠品の押収を任せて鎮守府の一角で軽く煙草を一服しているところなのであった。

 

 

因みにここの提督の罪状は、艦娘達の資源を他の提督の所に不正に販売していたことである。(本来は鎮守府間の資源のやり取りは防衛大臣の許可が無い限り基本禁止なのだが、ここの提督は資源の一部をこっそり融通する代わりに、金を取っていたのである。)

 

 

因みにこうした禁止事項(資源のやり取りや、艦娘の扱いとかに関してのみなので、項目数はそんなに多くない、鎮守府建物を好みに改装するのも、許可がいるが可能なくらい。)を破り、「犯罪」を犯している提督の事をこの世界では俗に「ブラック提督」と読んでおり、憲兵はこの「ブラック提督」を摘発、逮捕することが主な仕事となる。

 

 

「隊長!!!」

 

「どうした?」

 

「たっ大変です、先程の押収した資料の中に、こんなものが・・・・、」

 

(資料を憲兵隊長へ一冊の本を渡す。)

 

「うん?なんだこれ?」(本をペラリ)

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

憲兵隊長とその副官はその本を開くと、急に表情を暗くしてその本を読み続ける。

 

 

「「なんじゃこりゃあ!!!」」

 

 

そして出てきた内容に驚きの声をあげるしか無かったのである。

 

 

2日後、深夜2時。

 

 

~事件発生5日前~

 

 

~とある料亭~

 

完全な防音を施した部屋。

 

 

「こんなクッソ夜中に我々を呼び出して何だね?高木くんおまけに手袋マスク着用でとか何のバツゲームだね?。」

 

 

「極秘の会談があるからってわざわざ早めに仕事切り上げて来たんだ、説明してもらおうかね。」

 

 

「槇田さん、永重さん、気持ちはわかりますが落ち着いて下さい、他の皆さんも、まずはこの資料をご覧になってください。」

 

 

 

「警察庁の刑事局の局長に、公安課の課長、法務大臣の私に空軍のトラック方面指揮官、それにトラックやパラオの本営府提督や幾つかの警察署の署長までいるじゃないか・・・・、私ももそうだが他にもそうそうたる面子がいるんだな。」

 

 

 

「槇田局長や永重法務大臣とかは有名人でもありますな、さて、資料を拝見するとしましょうか・・・・・!!?」

 

 

 

「何で私やトラックの人のようにカタカナの本営府の一部提督まで・・・・!!!」

 

 

「「「こ・・・・、これは…………っ」」」

 

 

 

そこには、ものすごい数の不正と犯罪の証拠になりうる書類等の山、更には何百枚もの写真。

 

 

 

犯罪の証拠の主な内容としては、艦娘の所属する鎮守府のうち、簡単に言えば主要なポジションに当たる本営府と、本営府に所属してる枝分かれの鎮守府である分営府の二種類あるのだが、この内横須賀、舞鶴、呉、佐世保の国内における特に主要な本営府の提督。

 

 

そこに所属する分営府の提督の9割、本来取り締まり側にいるはずの憲兵隊の最上層部、更に、法務大臣、国土交通大臣(この場にいる)を除いた各大臣やマスメディア業界に強力な力を持つマスメディア関係者多数、色んな業界の多数の有名人や国会議員、果てには現首相と前首相(この二人がここ10年程の首相)までもが、主犯格の本営府提督4人とトラックの古参分営府提督、首相、前首相と結託し、後述のとんでもない犯罪に関わって甘い汁を吸っていたりしたのである。

 

 

 

このブラック提督達の幾多もの具体的な罪状だが、余りにも多すぎるので、一部のみ書き記すが、

 

 

艦娘の極端すぎる酷使、鎮守府資材と分営府への輸送を行うように防衛省から指示された一部資材の横領、及びその資材の同じようなブラック提督への密売、及びそれによる利益等での資金入手。

 

 

更ににその資金を流用して、闇の水上闘技場みたいなのを作り、そこで艦娘同士の殺し合いによる賭博、挙げ句の果てに所属艦娘の虐待、他の鎮守府の艦娘の拉致及びレ○プ後の殺害等々、ひどいってレベルじゃない内容であるのは確かである。(これよりも酷い事例多数、麻薬関係まで。)

 

 

関係者は主に先程の最後の事例に直接関わったり。

 

 

(要するに鎮守府から拉致した艦娘を(18禁)して自身の肉欲を満たしていたと言うこと、オマケに楽しんだ後に証拠隠滅のため殺してるのだからとんでもないグズである。この作品の著者もこんな描写書いてるうちに殺意が込み上げてきたほど。)

 

 

事件の隠蔽をしたり。(この件を調査しようとしたジャーナリスト、憲兵の暗殺等。)

 

 

(見返りに賄賂を貰っていた模様、賄賂資金源は水上闘技場や資材密売で手に入れていた様子。)

 

 

バックアップをしていたようである。

 

 

(艦娘殺害用の武器の軍から横流す、艦娘拉致の為の準備や、その他のセッティングをする、水上闘技場の偽装工作、警察から提督への捜査権を法律で取り敢げ捜査妨害をする、証拠を掴み告発に動いた艦娘を暗殺する等々。)

 

 

マスメディア関係者はこの他に、深海棲艦に対するマイナスイメージを捏造してテキトーに大々的に宣伝する、深海棲艦への国内の人間の印象を操作する、等々、深海棲艦との戦いにおいて根本的な問題となりうる事を7年も前からやっていた事が記されていた。

 

 

因みに関わっていた奴のリストまで証拠付きであった、犯人サイドは証拠隠滅が甘かったようである。

 

 

因みに証拠の写真だが、犯人達が撮っていたのであろう艦娘達の(ガチ18禁)なシーンの写真であった、「やったねたえちゃん!」の元ネタに匹敵するくらいの吐き気を催すとんでもない写真の数々である、週刊誌だったら即大スキャンダル確定で出てくるレベル、とにもかくにも酷すぎる。

 

 

その後にあったのは高木による日本各地の探偵によるここに来て、この資料を読んでる人達の調()()の結果であった、どうやらここに来ているのは、この件に無関係だと確定した人物たちだったようだ。(実際、どの人物も無関係である。)

 

 

「おい!!!高木ぃイイイイ!!これはどういうことか説明しろおぉぉぉォォォォォォ!!」

 

 

「これは…………何てこった!私は自身の上司がこんな外道を行ってるのに法務大臣の立場でありながら気づけなかったのか!!!!」

 

 

「このリストのこの欄……まさか!、私の……鹿島・・・・だというのか・・・!日時は……ちょうど1週間前・・・・防衛大臣あの外道野郎ォォォォ!!!!」

 

 

「嘘……でしょ・・・・?私の所の艦娘達・・・・横須賀の提督はこの子は優秀だから後方に栄転って言って・・・・その裏でこんな目に会っていたの・・・・?」

 

 

「私の所の艦娘までもか・・・・しかもこのリスト・・・・分営府の艦娘や鹵獲した一部の深海棲艦まで・・・・。」

 

 

「くそっ!我々が捜査に踏み込めないのを良いことにこんなに好き勝手やっていたのか!!」

 

 

「前から怪しい部分はあったがまさかこれほどまでとは・・・・。」

 

 

「深海棲艦と艦娘との戦いにおいて蚊帳の外な人ばっか来てるなとか思ったらそう言うことか・・・・。」

 

 

これら資料を見た各人はそれぞれの反応を示すが、これが到底許せる話では、無いこと明らかであった。

(トラックの提督は4年前にガチ結婚して子供までいる状況で大切な妻の鹿島を殺害され怒りが有頂天に、リンガ泊地の提督は後方に後進育成の為栄転と聞いていた自慢の艦娘達のその後を知ってしまい悲しみにくれ、警察署の署長達は、これまで日本が深海棲艦と戦う理由になっていた深海棲艦に対する印象が、実はマスコミに創作されたものだと知り半ば呆然としながら怒りを露に。)

 

 

そして、この極秘会談を開いた高木 成義(たかぎ なりよし)はこの真っ先に高木に詰問した槇田 信重(まきた のぶしげ)達にこれがトラックのとある古参提督の分営府から憲兵隊のてで発見されたこと、同時に憲兵が摘発した分営府でもこれの一部が押収されたこと、トラックの提督を摘発した憲兵隊隊長が特に信頼していた自分に渡してくれたこと等を話し、そこから「ある計画」を来た人に対し持ち出す。

 

 

こんな大事件ほっとくわけにも行かず、すぐさま高木の案に全員乗り、計画実行のため各自動き出す・・・・。

 

 

5日後、計画が発動され、早朝から日本各地の警察と陸軍憲兵隊が一斉に動きだし逮捕対象を一斉に逮捕していく。

 

 

この時、国民からある程度の人気があった槇田と高木が先頭にたって行動に移り、半ばクーデターのような外道集団逮捕劇は成功。

 

 

この外道案件に関わっていた屑の集団を大量に逮捕、一時期政府機能が停止しかけたが、一か月後には安静を保つようになる。

 

 

外道逮捕劇の翌週、衆参同時選挙が発生、その結果、外道逮捕劇において先頭に立つことになった槇田が首相に、空軍上層部から、面倒事押し付けの意味を含め強制的に政界送りされた高木が防衛大臣となり、新たな内閣が誕生、前法務大臣だった永重 富憲(ながお とみのり)等は事件を察知出来なかったことを理由に政界を引退、各カタカナ鎮守府提督は、心に色んな傷を負いながらも、国内のメイン鎮守府に着任することとなる。

 

 

この時世界各地はこの外道逮捕劇に注目が集中し、マスコミ関係の逮捕者にも容赦ない処断を出した裁判所と(やっぱり裁判所関係は事件に無関係だった&思いっきり証拠が数え役満なのでやり易い。)逮捕に貢献した日本警察と空軍、その後の処理に奔走した槇田内閣を高く評価するのであった。

 

 

 

この外道逮捕劇の裏側で、深海棲艦の動きに大きな変化があったことに、そしてその転機が、外道逮捕劇の同日に起こっていたことに気づいたものは、ごくごく少ない人物のみであった・・・・。

 

 

 

「そいえば槇田首相、ようやく建築に入ったラバウルの防衛どうしましょ?それと提督のあてが・・・・」

 

 

「防衛は陸軍の日輪中佐に任せればいいだろ、彼女は事件に関わってなかったし、リハビリ終わったばっかだし、提督の当ては・・・あっ」

 

 

「「元から採用していた奴、殆ど既存の補充に使うしかないやん・・・・」」

 

 

 

海軍的には日本と艦娘の微妙過ぎた関係を劇的に改善し、ついでに慢性的な提督不足を呼ぶことになった外道逮捕劇、通称「蛆虫狩り事件」、チート集団がラバウルにやってくる、ちょうど3か月前の事件である・・・・。

 

 

 

 

~プロローグ終わり~本編に続く~

 

 

 




~メタ空間~


Q、一部閲覧者の心を代弁する君「奥さんを殺されたトラック提督とか、騙されて所属の艦娘殺されたリンガ提督とかに救いは無いんですか!!」


A、RHN「・・・・・・」



一部(ry「無いんですか!?」


RHN「・・・・・・難しさを考えようよ。」


一部(ry「・・・・・・・・・・」




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~第一話~泊地生成~

プロローグ1からの続きです。

深海棲艦になった主人公が己の泊地を作ります。

なおかなり濃いオリジナル設定が混ざっており、長めの解説が入ります。

思いっきり経営SLG要素が混ざりましたので、そう言うのが苦手な方はブラウザバックするのを推奨致します……。


~????~偽装航空戦艦姫が泊地を建てるそうです~

 

 

「ざっと辺りは探索したかなぁ・・・・。」

 

 

 

「それにしても採掘場があんなにあったなんて驚いたわ……、そして辺りに散らばっているアレ・・・・見た目は艦これの資源だよね……。」

 

 

時刻は午前11時頃、絢香はいつの間にか来ていた島の探索を一通り終え、最初の浜辺で情報の整理をする。

 

 

まず、この島には何かの採掘場と思われる建物がいくつもあった事である。

 

 

試しに深海棲式隠密偵察機を飛ばし、軽く島を調べたら直ぐに見つかった。

 

 

細かく調べてないため詳しくは判らないが、どの採掘場も、何かの露天掘りをしていたようだ。

 

 

二つ目には、この島中に艦これにおける「資源」(燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイト)の見た目そのまんまの物が沢山あった事であった。

 

 

空豆みたいなサイズの資源がそこら辺に散らばっており、偵察機で採掘場の群れを調べた時。

 

 

とある採掘場は弾薬がびっしりと、山のように集まっており

 

 

また別の採掘場だと鋼材がかなり沢山転がっていたり

 

 

また別の採掘場には先の二つ程ではないが、燃料が多くあったりするなど。

 

 

恐らくだが、これは、これからの泊地生成に関してかなり重要な事なのかな?と絢香は山勘ながらに思った。

 

 

「何かのメモ帳みたいなのがほしいわね、パソコンみたいなのないかしら?」

 

(ヌッ)

 

絢香がぼやいた時、帽子の口から黒いパソコンのようなものが出てくる。

 

 

「…………見た目はほぼ完全にノートパソコンね、なんでか外側にヌ級の目がある以外は。」

 

 

絢香はパソコンについている軽母ヌ級の目を気にしつつ、そのノートパソコンみたいなのをを開く。

 

 

ノートパソコンみたいなのを開くと見た目は完全にパソコンであり、さりげなくマウスまで付いていた。

 

 

「試しに立ち上げて・・・っと、おお!メモ帳の他に偵察機からの映像が纏められてあるじゃない、これまた便利な代物ね。」

 

 

絢香は立ち上げたパソコンのメモ帳アプリに今回整理した情報を事を記録する。

 

 

そして情報の記録が完了し、遂に泊地生成をし始めようと行動に移る。

 

 

「えっと深海棲艦泊地生成装置を取り出してと、これは・・・・旗?」

 

 

「取り敢えず地面に刺せって事なのかしら・・・・えいっ、」(グサッ)

 

 

帽子から取り出した深海棲艦泊地生成装置は長い棒についた黒の四角い旗と言う見た目の物であり、絢香は取り敢えず的な感覚でその場にその旗を思いっきり刺す。

 

そうすると辺り一体が黒い何かによって変容し始め、徐々に港の形を形成し始める。

 

 

「合っていたみたいね~(ピカー)ん?あのこっち来てる光の球体はな、うわなにをするやめ。」

 

 

 

黒い物体が港を形成し始め、さりげなくいくつかの建物を形作り始めた頃、突如上空から飛来した光る球体に絢香は飲み込まれてしまうのであった・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~神様とその部下による説明~

 

 

 

「う・・・・ん?」

 

 

「やっと起きたか、南丞絢香」

 

 

「やっと起きましたねぇ・・・・。」

 

 

「あなたたち、いったい何者?」

 

 

絢香が目を覚ますとそこにいたのは二人の男性、一人はなんか仙人みたいな姿した老人で、もう一人はなぜか歌舞伎とかでよく見る黒衣の衣装を来ていた。

 

 

「私?、一応神様と言う奴だね、隣はその直属の部下だよ。」

 

 

「今回君がここに来たのは君がこっちの時間感覚にして数時間前の出来事を覚えてなさげだったんで一応説明のためにね。」

 

仙人みたいな姿した老人が自分を神様だと言うとなんか微妙に申し訳なさそうな表情で何かを説明しようとする。

 

 

「数時間前?仮にモノホンとして・・・・もしかして貴方達私が何故か深海棲艦に転生した理由を知ってるの!?」

 

 

「知ってるも何も、当事者ですし・・・・」

 

 

絢香の質問に黒衣の男性が答える。

 

 

「まぁそのなんだ(どうしてこうなった)的な疑問が君に残っていたからそれの解消をとね、」

 

 

「そういうわけです、あっ、私の名はオープニングと言います。」

 

 

「なるほどねぇ・・・・」

 

 

「そんなわけだし、ちょっと過去の映像を流すとしよう。」

 

 

仙人が指パッチンをし、出てきたモニターから少し前の映像が流れる。

 

 

 

 

 

 

~転生少し前~南丞絢香は転生するようです~

 

 

絢香「・・・・うん?、あれ……私……確か艦これしてたときに倒れてきた本棚に頭をぶつけて……」

 

 

オープニング「気がつきましたか?南丞絢香さん」

 

 

神様「おっ気がついたか・・・・さてここからが本題だぞ・・・・。」

 

 

絢香「ん!?此処はどこ?貴方達はいったい何者!?」

 

 

神様「ワシは俗に言う神様と言う奴じゃよ、隣は直属の部下のオープニング」

 

 

神様「今回、君が呼ばれたのは他でもない、君ね、そこのオープニングの手違いで死んじゃったんじゃよ。」

 

 

絢香「はぁ!?ちょっとどういう事よ、生き返らせるなりなんなりしてよ!」

 

 

神様「すまんの~、生き返らせるのは無理なんじゃ、だから・・・・」

 

 

オープニング「許して下さい!!生き返らせる以外ならなんでもしますから!!」

 

 

神様「と、言うわけなんじゃ」

 

 

絢香「生き返れないのか・・・・ん?今なんでもするって言ったわね?」

 

 

絢香「それじゃあ艦隊これくしょんの世界にチート特典付きで転生したいんだけど・・・、無理かしら?」

 

 

神様「そのくらいならお安いご用、転生先は提督?それとも艦娘?」

 

 

絢香「いや、深海棲艦でお願い、」

 

 

オープニング「へ?まぁ良いですけど・・・」

 

 

神様「深海棲艦になるとして・・・・、特典は?」

 

 

「取り敢えずキャラクターエディット出来る?オリジナルの深海棲艦で転生したいから。」

 

 

神様「構わんが・・・・何を作ることやら。」

 

 

~自身の転生する深海棲艦を形成中~

 

 

絢香「出来た、名付ければ(偽装航空戦艦姫)ってところかしらね。」

 

 

オープニング「空母ヲ級の変わり種と言う感じの見た目とステータスですね。」

 

 

神様「思いっきり姫クラスだがな、まぁこれでどう転生させようかも決まったわい。」

 

 

絢香「後残りの転生特典なんだけど・・・・、転生先の日本の日付と時刻がわかるように、と言うのと、深海棲艦の姫として持ちうる能力に一部ボーナスを、そして自身の活動拠点を一つくれないかしら?」

 

神様「最後のは転生のしかたの関係上すぐ手に入るし・・・・、あ、そうじゃ!、手に入った拠点運営が少し楽になるようにしといてやろう。」

 

絢香「拠点運営って・・・まあいいや、それでおねがい。」

 

 

オープニング「それじゃあ転生させます。」

 

 

神様「あ、転生の内容なんだけど、君には深海棲艦達の一つの勢力圏の長をやって貰うよ、長をやる上で必要なことは拠点である深海棲艦泊地を生成したときにメモを出しておくからそれを参考に頑張ってね。」

 

 

絢香「因みに転生先は何処なの~?」

 

 

神様「面白いことになりそうだから初期位置はニューカレドニア島だよ~ほんじゃあ頑張ってね~」

 

 

 

 

~以上、回想終了~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、そう言うことだったのね、やっと思い出せたわ、ありがとさん。」

 

 

流れた過去回想を見せられ、転生前の出来事を思い出した絢香。

 

 

神様とオープニングは絢香が記憶を取り戻したのを確認すると、新しい生を頑張ってくれと言い残し、光の珠となって空の彼方に消えて行く。

 

 

気がつけば絢香は先程の砂浜に寝転がっており、さっき建設され始めた自身の泊地は、既に建設が完了し、鎮守府みたいな設備や、深海棲艦が生まれる、海軍工厰のような施設や工場みたいなものまで、黒や灰色等の黒に近い色で統一されながらも、深海棲艦の軍事基地として申し分ないものが完成されていた。

 

 

 

「これは凄いわね・・・・、あっ、あれは倉庫かしら、どれどれ・・・・へぇ~この島内のあのちっこい資源を引き寄せて自動で回収するんだ~メモしとこ」

 

 

絢香が見たのは、灰色で統一され、マークとして分かりやすく艦これでの各資源のマークがついている倉庫、各倉庫の正面右隣に各資源の残量を示したメーターがあり、今は各資源4000と表記されていた。

 

 

更に、ボーキサイト倉庫正面に張られていたメモ用紙によると、この倉庫は常時定期的に自然発生する島内の資源を引き寄せて自動で回収してくれる便利な物だとの説明があった。

 

 

「これなら資源の心配はあまり必要なさそうね、んじゃこのまま一人じゃ寂しいし、仲間を呼び出しますか。」

 

 

倉庫を軽く確認した絢香は、早速配下を産み出そうと、《深海棲艦出現ドック》へ向かう・・・・。

 

 

 

 

 

~深海棲艦出現ドック~偽装航空戦艦姫が新しい深海棲艦を生み出すようです~

 

 

「へぇ~‥‥‥深海棲艦を生み出すドックってこんな感じなのねぇ~。」

 

偽装航空戦艦姫(絢香)がドックの中を確認すると、そこには16個の部屋へのドアがある空間になっており、その16個の部屋から深海棲艦がやって来るようであった。

 

「メモによると‥‥‥‥なるほど、世界の海のどこかで生まれるのを待っている深海棲艦を呼び出す装置なのね、」

 

 

ここにもやっぱりメモは貼られていて、内容によれば、このドックは、世界中の海で「生まれ待ち」してるらしい深海棲艦の魂を呼び出し、肉体を形成するための装置なんだそう。

 

 

特に装置を使うのに必要な資源は無く、呼び出すのに掛ける時間がやってくる深海棲艦の種類を絞る方法だとの内容が記されていた。

 

 

因みに、起動させれるのは緑色のオーラをした姫、水鬼クラスをだけらしく、呼び出される深海棲艦は、強い奴ほど呼び出すために時間を掛ける必要があるらしく、配下として姫クラスを呼ぼうとすれば丸2日は必要らしい。

 

そして最後に、深海棲艦は人で言う食事みたいな感じで、毎週種別ごとに一定の資源量を食さないといけないと書いていた。

 

 

「要するに維持費ってことね・・・・、まぁ最初だし8時間くらいかけますかね。」

 

 

偽装航空戦艦姫は目の前の部屋の手前にあるパネルを操作し、6時間かけての深海棲艦を捜索するようにした。

 

 

ついでに待ち時間の間は暇なので休憩もかねて昼寝をする個とにした。

 

 

そして6時間後‥‥。

 

 

「アラヨット・・・・アンタガ、オレのボスナノカ?オレとオナジ航空戦艦ナンテカワッテルナァ・・・・、コレカラヨロシクナ!!」

 

 

「ちょっ、戦艦レ級じゃない!?おまけに‥‥エリートクラス・・・・」

 

 

部屋が出てきたのは白い頭髪で、服に付属した黒いフードをかぶっている幼い少女の外見をした深海棲艦、偽装航空戦艦姫を見ると、右手で敬礼しながら挨拶してきたその深海棲艦は赤いオーラ纏う「重雷装航空戦艦」と呼ばれた、戦艦レ級。

 

そのエリートであった。

 

 

 

 

~続く~

 

 

 

 



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~第2話~勢力拡大と輸送船襲撃 前編~

前回の数日後になります、今回は前後編に分かれており、後編の次の話はこの作品のキャラ紹介になる予定です。


連動作品のほうで艦娘の募集を行っています、興味がありましたら活動報告「~登場艦娘募集~そのに~ 」を参照して見て下さい。


ちなみに今回の時系列は連動作品の本編開始のおおよそ2か月程前に当たります。

今回あたりから独自設定が多数出てきます。


~ニューカレドニア島~偽装航空戦艦姫勢力本拠地~

 

 

南丞絢香(偽装航空戦艦姫)が泊地を形成し、エリートのレ級と出会ったあの日から十数日が経った日の夜。

 

 

 

「偽航戦姫さま、(偽装航空戦艦姫のこと、長いのでこの名称が定着してしまった。)新型航空機B-32 フライング・デビル(紺碧の艦隊序盤で加賀、利根、筑摩を葬った機体のこと)の開発が完了しました。」

 

 

「あら?もうB-32対艦用掃射機型が完成したの?早すぎない?」

 

 

「姫様が見た目と設計図を前世の記憶を元に用意してくれましたからね、簡単に出来ましたよ?」

 

 

「そうなんだ・・・・その二つあればあんな化物航空機でも5日の猛スピードで完成するのね~、あっ、性能はどうなってる?。」

 

 

「姫様の指示通り、模擬演習で戦艦棲姫を仮想標的として、性能試験を行いましたが、この機体7機の斉射で戦艦棲姫が撃沈判定を受けています、我々の中だと、人間の真似事をして作った航空基地から出撃させる以外では、姫様とエリートのレ級、それと空母棲鬼位しか搭載出来そうに無いですが、機体性能は対空を除きかなりのレベルになっています、ただ、やっぱりというかなんと言うか、製造コストがやけに高くなりましたが・・・・。」

 

 

「戦艦棲姫がそんなあっさりと・・・・かなりの性能であることは間違い無さげねぇ・・・・、ってかコストはどうなったの?」

 

 

「一機につきボーキ16です。」

 

 

「うわぁ・・・・普通ならボーキ1で航空機数機分のこのご時世でその製造コストは・・・。」

 

 

「どうされます?既に指示通り先行で20機前後は製造しましたが?」

 

 

「まぁ予定通り後40機の製造と、同時に計画書を渡した迎撃機仕様の開発を急いじゃって、あとは製造コスト下げる努力でもしてもらおうかしら?」

 

 

「わかりました、開発部に指示を出しておきます。」

 

 

「頼むわよ。」

 

 

偽航戦姫はやって来た空母ヲ級エリートの報告を受け、新しい指示を深海棲艦装備開発部に送るように手配する。

 

 

 

今のやり取りにおいて幾つかの疑問が思い浮かんだ人へ説明し始めると、まず最初に前回の最後からの現在までの間の出来事を簡略化して話すのだが。

 

 

1、レ級エリートを秘書として、出現ドックを全部7~10時間で設定し、その日、レ級と共に寝る、翌日、活動開始。

 

 

2、呼び出し結果を確認

→ ヤ バ イ の ば っ か り

→ダイソン、わるさめ、潜水棲姫、軽巡棲鬼、空母棲鬼がタ級やヲ級(エリートが1隻まぎれていた)、ネ級やロ級の中に混ざり出現、最初期の勢力状況でいきなりチートが多数出現すると言う事態に。

 

 

3、レ級が前線に出たがったので、秘書を泊地唯一のヲ級エリートに任せ、空母棲鬼等はウォーミングアップついでの訓練を開始。

 

 

4、自身は偵察機を活用して周辺の偵察をしつつ、こっそり装備開発の為に開発工廠に移動、自身が前世で見てた小説等を元手にした幾つかの航空機の開発を開始。

 

 

5、突然いなくなった絢香を探しに来たレ級エリートとヲ級エリートに開発してる所を見つかり、思いっきり詰問される、ここで偽航戦姫はあまりの詰問の激しさに自分の正体(自身が人間から転生した存在であること等)をばらすことになり、こっそりヲ級達を尾行していた戦艦棲姫達にまて自分の正体がバレる、が、部下たちはまるで気にしなかった模様。

 

 

 

6、以降偽装航空戦艦姫は転生前の南丞 絢香の方の名でも呼ばれるようになり、彼女の知識を使った航空機開発に興味を持った配下が何人かが混じり、本格的にスタート、幾つかの航空機の開発と既存の航空機の改良型の開発を始める。

 

 

(深海棲艦の航空機は、ゲーム的に言えば、総数の限界を超えない限り、好きなスロットに好きなだけ同じ種類の航空機を載せることができるのだが(だから某画像で1スロットに艦爆140載っけてるレ級のような無茶苦茶が通るのである。)、機体をスロットに装備すればボーキを補充するだけで機体がポンポン出てくる艦娘と違い、此方は開発した物を泊地内の航空機製造工場で製造する必要があり、割りとリアルな兵站事情がそこには存在している。

 

 

7、開発のうちのひとつが終わり、冒頭の会話に至る。

 

 

という訳なのである。

 

 

因みに、深海棲艦は、製造したいものを開発してしまえば、資源(艦これ的、リアル両方が対象になる)を消費することで色んな物を作ることが出来ると言う割りと驚異のメカニズムをそもそもとして持ち合わせており、今現在、泊地内部含めたニューカレドニア島全域が軍事要塞化の作業真っ只中にあった。

 

 

(日用品から建材、発電機など機械類から装備の類、支部や分営の泊地を建設するものまで様々、但し食料系統は無理なのと、人員の必要性、技術開発の際、英国面に堕ちる可能性もあるため、運任せで開発資材が必要な艦これの開発と優劣つけづらい。)

 

 

(艦これの装備開発→基本ランダム、あっという間に完成する、複数そろえるのに何度も開発を行わないといけない、基本運ゲー)

 

 

(深海棲艦の開発→系統だっている、開発にめっちゃ時間がかかる、一度完成したらあとは設計仕様書のコピーを深海総合生産工場にポイーして生産数の設定と必要資源の投下をすればいくらでも用意できる、いちいち生産の必要があるため開発してから実戦配備に時間がかかる、一部、装備品以外の物も開発できる。)

 

 

 

沿岸の一部に浮き桟橋を利用した深海棲艦の飛行場が完成したり。

 

 

(基本偵察機が飛行場から各地へ偵察のため飛び立ち、泊地の付近に敵が接近したのを確認すると迎撃のため自動で離陸する仕様にしている。)

 

 

泊地に防衛の16インチ砲、対空砲等が備え付けられたり(16インチ砲はあまりに配備されないが、対空砲や8インチ砲とかなら世界各地の深海棲艦泊地によく備え付けられている。)

 

 

因みに数日しか経ってないのに要塞化や技術開発がやけに進んでいる理由は、転生者特典の「泊地運営が楽になる」に原因があった。

 

 

よーするに開発にかかる時間が短縮されていたのだ、本来生産可能になるまでの時間がかなり短縮されていたのが原因であった。

 

 

「(ガチャッ、バタン)失礼するわよ」

 

 

「あっ、南丞さま、わざわざこんなところまで、一体何のご用で?」

 

 

「まぁちょっと様子をね、ネ級の方はどう?人間の言語の勉強は?」

 

 

「自分でも驚くぐらいです、レ級殿も日本語をあっという間に習得してましたが、私は既に英語がスラスラになってしまっています。」

 

 

偽装航空戦艦姫がやって来たのは島内にあるもともとフランス語系の大学だった建物であり、今現在は偽航戦姫と話をしているネ級のような事をするための施設として流用されていた。

 

 

ネ級がやっていたのは、偽航戦姫が自らこの学校や付近の建物群等を捜索して発見した、幾つかの、日本語含めた各種外国語の本など、語学用の道具の類いを使った人間の言語の学習であった。

 

 

敵にあたる人類のことについて知ろうと言う意味合いの活動として初め、最終的には志願者を募り、世界各国へ現在絶賛開発中の幾つかの変装道具を使って、人や艦娘へ変装させた配下を使っての内偵活動や、同じく開発中の妨害工作用具(工具や小型の爆弾等)で鎮守府の妨害工作活動などが出来るようにするのも考えている。

 

 

とは言えど、もと人間であるが故に言語習得は時間がかかると踏んだ偽航戦姫は、数ヶ月プランのつもりで配下に人間の多数の言語を覚えさせようとしたのだが、なぜか物凄いスピードで何かしら一つの言語を習得していく深海棲艦がとても多かった。

 

 

艤航戦姫によって初めて生まれた実質副官にあたるレ級エリートは、日本語を僅か3日で絢香と普通に日本語で会話できるレベルに至るまでマスターしていたが、何でそんな早くマスター出来たのか聞いたとき、

(マルデ何カヲ思イ出スカノヨウニ覚エラレタ)

と、レ級は言っていた。

 

 

 

「一応英会話用の資料も日本語の資料と共に用意してたけどまさかこんな早くに習得するなんてね・・・・、目下最大の研究が進むかしら?」

 

 

「私たちの本当の正体、ひいては我々が生まれた理由のことですか・・・・もと人間の絢香様のような視点でないと簡単には起きない疑問でありますな。」

 

 

「謎そのものも簡単に解けそうにないものだけどね~、引き続き、他の皆と頑張ってね、まぁ夜遅くまでのめり込みすぎて翌日の活動に支障を出すことはないように。」

 

 

「はっ!」

 

 

(それにしても、レ級達は今頃輸送船襲撃と相成っている頃かしら?、この前試しにオーストラリア近海を哨戒していたら、艦娘のガチ精鋭を護衛にしてなんか運ぼうとしてるブリズベン行きの輸送船の通信を傍受して、次の寄港地とか言ってたケアンズまでの航路上に、かなり強いやつばっか揃えた部隊を試しに待ち伏せさせてみたけど、、練度が十分と言う訳ではないし、ついで感覚で普通に考えたら変な命令を出しちゃったけど、大丈夫かしら?、兎にも角にも、レ級達を信じて無事であるのを祈るしかないわねぇ・・・・。)

 

 

絢香はこれまで深海棲艦全体において幾つもの理由で余り深海棲艦全体が調べられてなかった「深海棲艦達が生まれた要因、理由」を中々の研究規模でもって初めたのだが、この語学習得能力はその研究に関して、何かしらのヒントになると思いつつ、語学勉強をするネ級と別れ、オーストラリア南部の港からラバウルへと、鎮守府の建築資材を運ぶ輸送船の襲撃に向かったレ級の艦隊を軽く心配しながら、泊地の施設改装状況を確認しに、夜空の中、泊地内部を巡り初めるのであった・・・・

 

 

 

 

 

 

~後編へ続く~

 

 



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~第2話~勢力拡大と輸送船襲撃 中編~

前回の続きになります。

まさかの中編です、長くなりすぎた・・・・。

今回、一端視点を艦娘側にしています。

後編はいつも通りの深海棲艦側に戻ります


~前編ラスト同時刻~その頃~オーストラリア近海、ブリスベンからケアンズまでの航路上のとある地点。~

 

 

 

「後数時間でケアンズですか、このままだと何事もなく輸送船の護衛はすみそうですね。」

 

 

「最近近くに深海棲艦の新しい拠点が出来た可能性があるとから気を付けろと本国政府の高木さんから連絡があったから、この輸送船の防衛に私たちがこうして来たが・・・・正直必要なかったようだな。」

 

 

「まだ私たちの出番がないとは限らないけどね、索敵は疎かにしないようにしなくちゃ。」

 

 

「最後まで気を抜かないでくださいよ?、護衛してる輸送船にもしもの事があったらラバウルの鎮守府建設に支障が出かねないんですから。」

 

 

「この輸送船がラバウルへの資材を積んでいることを考えれば、ある意味僕たちを派遣したのは間違ってないと思うよ?」

 

 

オーストラリアのシドニーを出港し、ブリスベンとケアンズを経由して、最終目的地ラバウルへと向かうため、ブリスベンから、次の経由地ケアンズへと向かう輸送船を護衛する艦娘達、

 

 

日本からオーストラリア近海の制海権を確保するために日本から派遣された達の提督の一人が送り出したその艦隊は輸送船の護衛にしてはガチとしか言いようがなく。

 

 

大和改、武蔵改、利根改二、足柄改二、五十鈴改二、睦月改二、如月改二、時雨改二、雪風改、秋月改、とかなりの高練度の艦娘が揃っていたのである。

 

 

(この世界には、艦これのような出撃制限は基本存在していないため、こんな編成が可能なのだ。)

 

 

 

この輸送船、オーストラリアの工場で組み立て可能なレベルまで作られた新型のレーダーサイトのパーツ1式が揃って積載されており、深海棲艦に沈められたりでもしたら届け先のラバウルのレーダー施設建築が大幅に遅れること間違いなしの状況だったため、輸送には深海棲艦に積み荷が重要な物だとばれるの覚悟で精鋭が割り当てられたのである。

 

 

今回護衛に来ていた大和たちも同様で、深海棲艦の襲撃に対応できるように派遣元の中でも特に精鋭である艦娘たちが輸送船の護衛に来ていたのであった。

 

 

そして、輸送船がオーストラリア空軍と、同国陸軍の対艦兵器の射程圏まであと十数分というタイミングで、「それ」は襲い掛かってきた。

 

 

 

「大和!対空電探に感ありだ!、やけに大きいのが4時の方向から6機ほど近づいてくる!」

 

 

「たったの6機!?夜間なのに?偵察機にしては数がほんの少し多いですね・・・・大型ということは空母の鬼、姫クラスからの機体でしょうか?」

 

 

 

「こっちも捉えました!対空戦闘準備しときます。」

 

 

 

「!?大変じゃ!水上電探に7時の方向からこちらに接近してくる深海棲艦の反応多数あり、戦艦2、軽巡、駆逐、空母がそれぞれ1に・・・・・ダイソンの奴と空母棲鬼の反応じゃ!」

 

 

「戦艦棲姫が来ているの!?くっ、こちらの事情に感づかれたのかしら!?」

 

 

突如現れた大型機群の反応、わずか6機という哨戒にしては多いその数に、秋月達駆逐艦勢が対処のために輸送船進行方向東側に前進し、同時に戦艦棲姫を含めた艦隊の確認のため、足柄と利根、大和が南側に前進、大和と五十鈴は輸送船付近に残ることにする。

 

 

「まだ敵艦隊の全容はわからないの?・・・・ん?、!?いけないっ!駆逐隊はその場から離れてぇ!!」

 

 

「え?」(バシャァァァァァン!!)

 

 

駆逐隊が東側に突出したタイミングで、五十鈴は急速で浮上してくる深海棲艦の反応をソナーで捉え、射線上に時雨達がいるのに気づくと、時雨達を対比させようとするが、時既に遅し。

 

 

深深度にて待ち伏せをしていた潜水棲姫が急速浮上と同時に放った8つの酸素魚雷は一つは外れたものの、残りは真っ先に雪風を捉え、雪風は機関部近くに一発が直撃、激しい水柱を上げ、機関部が浸水し単独での航行が不可能になり。

 

 

時雨は2発直撃で、当たりどころが良かったのか、ギリギリで轟沈を回避したが、大破しその衝撃で気絶してしまった。

 

 

秋月に至っては4発も命中していたが、運良く 3発が不発に終わり中破に留まっていた、

しかし爆発の衝撃で対空兵装の一部が吹き飛び、まともな対空戦闘能力を失ってしまっていた。

 

「時雨さん!しっかりしてください!!」

 

 

「潜水棲姫!?普通は泊地の付近で待ち伏せしてるような艦なのに・・・・」

 

 

「ふぇぇぇ…何でこんなところに来てるんですかぁ!!」

 

 

「不味いっ!機関部が・・・・」

 

 

「!!、急がないと!」

 

 

「ちょっと待ってください!五十鈴さん!!」

 

 

潜水棲姫の突然の出現に慌てた五十鈴は睦月達の援護のため大和の制止も聞かず睦月達の方へと向かう、が、潜水棲姫は浮上し雪風達を一瞥すると、何をする訳でもなくそのまま急速に潜航していってしまう。

 

 

五十鈴と睦月達が爆雷を投下するが1発が当たり潜水棲姫にかすり傷を与えただけで潜水棲姫は悠々と海底にその姿を消してしまっていた。

 

 

(ザッパーン!!)

 

 

「待ちなさい!!・・・・逃がしちゃったか・・・・ん?あれは?しまった!こっちが本命か!」

 

 

「何・・・・あれ・・・・」

 

 

(ブロロロロロ、ブロロロロロ)

 

 

そのタイミングでやって来たのは6機の非常に大きな航空機。

 

 

そう、先程武蔵達が電探で関知した6機の航空機であり、防空のために備えていた秋月達が、潜水棲姫の雷撃で混乱してる間に近くにまで飛来していたのである。

 

 

妖精さんの視点からすれば大型の鯨と勘違いしそうなほどの巨体(全長の時点で戦艦艦娘の身長と大差ないレベル、)を成したその6機の深海棲艦の爆撃機と思われる()()は機体下部からロケット砲のような物を出したかと思うと・・・・・・、

 

 

(ブオォォォン!)

 

 

「!?そっちはまさか!やらせない!!」

 

 

「まさか私たちで対空戦闘になるなんて!」

 

 

「くっ…武装が破損してなければ・・・・っ!」

 

 

目の前の五十鈴達を()()()して()()()の方へと向かっていく。

 

 

五十鈴、睦月、如月、秋月、雪風が迎撃するが秋月は雷撃の影響で本領を発揮できず、五十鈴は気絶した時雨を抱え、雪風は航行不能で動きにくい状態で攻撃したため、6機中1機を撃墜することが精一杯であった。

 

 

 

 

そして・・・・・・、

 

 

(スガガガガ!ドドドドトォン!!)

 

(シュゴォ!シュゴシュゴォ!!)

 

 

「いかん!何じゃこの弾幕は!ってへぶうっ!?」

 

 

「きゃああああああ!」

 

 

「ぐあっ…ああああああああああ!!」

 

 

「足柄さん!利根さん!武蔵!くっ…このぉ!」

 

 

()()から放たれた物凄い数のロケット弾が武蔵達を襲う。

 

武蔵達はロケット砲の砲火と攻撃の最中に撃墜された機体から放たれた煙幕のようなものに飲み込まれ、視界から消えていく。

 

 

しばらくして、煙幕の煙が収まり、大和達は武蔵達を確認するも、

 

 

足柄は主砲を中心に弾幕を食らい大破、10門もの主砲がほぼ全部使い物にならなくなり、

 

 

利根はカタパルトと顔面にロケット弾が直撃、搭載水上機に誘爆して大破&気絶。

 

 

武蔵も3機の集中砲火を受け、大和が途中で1機落としたからか、損傷自体は中破に収まるも、主砲1基を残して兵装が全部使用不可と言うほぼ置物状態になり、無傷なのは大和、五十鈴、睦月、如月の4隻のみと言う非常に大変な事態となっていた。

 

 

因みに武蔵達に大損害を与えた5機のうち、2機が大和の対空砲火で撃墜されたが、残り3機はまるで大和達を嘲笑うかのように高高度へと逃げていってしまった。

 

 

「ちっくしょう…この私が、ここまでやられるなんて… 」

 

 

「まだだ…まだこの程度で、この武蔵は…沈まんぞ!」

 

 

「ソリャソウダロウナァ、()()ハタッタ6機シカツカッテナイシ、デモマァ、飛バシタ機体ノ半数モオトスナンテ相当腕ガイインダナ、」

 

 

「!?、武蔵っ!その場から離れて!!」

 

 

「んなっ!?」「トリアエズ、オネンネシテテナ?」(ドゴッ)「うがっ・・・・……」

 

 

空襲が一段落し、態勢を建て直そうとした武蔵

に煙幕に紛れ、どさくさに武蔵に接近していた

レ級が中破状態の武蔵の鳩尾を殴り、奇襲の一撃を受けた武蔵は呆気なく意識を手放す……。

 

 

「武蔵ぃっ!!」

 

 

「嘘……あれって・・・・。」

 

 

「レ級エリート・・・それに・・・・駆逐棲姫に軽巡棲姫・・・・……。」

 

 

「あっ・・・・ああ…………。」

 

 

そこに現れたのは、先程、水上電探で捉えた艦隊だったのだが、種別を確認出来なかった残りの敵のラインナップ、及び敵艦隊の全貌を見て、睦月達は絶望するかのようにその場に固まる。

 

 

 

戦艦棲姫、空母棲鬼、駆逐棲姫、軽巡棲姫、空母ヲ級、戦艦タ級、

 

 

ヲ級の周辺には新型と思われるエイのような形をした艦載機、空母棲鬼の周辺には先程武蔵達を襲った航空機が大回りで展開しているのが良く見てとれた。

 

 

只でさえと言える姫クラスが3隻、武蔵を襲った機体を飛ばしてくる空母棲鬼、新型と思われる機体を展開しているのがヲ級、そして、よりにもよってチートと名高い戦艦レ級のエリート。

 

 

先程の潜水棲姫がまた浮上してくる可能性を考えると、一部除いてボロボロの大和達ではどうしようも無いのが目に見えていた。

 

 

「あ・・・・・・ぁ・・・・・・・・」

 

 

「ヲ級、武蔵ヲ盾二シテオケ、」

 

 

「~~(深海棲艦の言葉で何かやり取りしている。)」

 

 

「どうすれば・・・・いいの?」

 

 

「・・・詰んでるようにしか見えない……。」

 

気絶した武蔵を肉壁として受けとるヲ級、

 

 

 

「サァテ、ット、()()ヲハジメルトシマスカ!」

 

 

「嘘………でしょ?」

 

 

「ここまでなの・・・・?」

 

「まだ・・・・やられるわけにはいかないのに・・・・っ!」

 

 

 

大和達の目の前には、これから起こる惨劇のことしか、もう、見えていなかった・・・・

 

 

 

 

 

~後編へ続く~

 

 



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~第2話~勢力拡大と輸送船襲撃 後編~

前回の続きになります、次回はキャラの紹介です。


前回ラスト数時間後、

 

 

「・・・・うまくいきましたね、レ級さん、」

 

 

「案外上手ク行クモンダ、精鋭クラス相手ト聞イタ時ハチョット焦ッタガ、ボスノ作戦ガ見事ニ当タッタナ。」

 

 

「それにしても、普通に考えると変わった命令だったわねぇ、()()()()()()()()()()()()()()()()、だなんて。」

 

 

「ボスガ元々人ダッテ言ウノモ有ルンダロウガ、タブンカンタンナ戦術ノ面モ有ルンダロウナ。」

 

 

「と、言いますと?」

 

 

「彼処ニ居タノハ、鎮守府ノ中デモカナリ精鋭にアタル艦娘達、ソシテ基本的ニ、艦娘ト言ウノハ、ソノ練度ガ上ガル程、戦闘デ負ッタ傷ヲ癒ヤスノニ、資源ト時間ヲカケルカラナ。」

 

 

「ソレト艦娘ト輸送船ノ乗組員ヲ全員生カシテ置イタノハ、今回、相手が新シク確認シタ俺達ノ勢力ノ長ヲ、アノ場ニイナイウチノボスジャ無クテ、戦艦棲姫サマダト誤認サセル為ダロウナ。」

 

 

「なるほど、相手の資源にダメージ与え、ついでに偽情報を掴ませに行ったと。」

 

 

「ソウ言ウ事、マッ、大和ニダメージヲ与エラレテイタラ、カナリノダメージヲ与エラレタンダガナァ。」

 

 

「大和を攻撃する予定だった機が迎撃されたんじゃ仕方ないわ、それでも今回は機体以外の損失はないし、完全勝利と言って差し支えないわね。」

 

 

「ダナ。」

 

 

先程輸送船と大和たちを襲い、目的を達したレ級達は、目的であった()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と入手した試製51cm連装砲等を潜水棲姫以外のメンバーで分担して運んでいるところであった。

 

 

今回、偽航戦姫の配下のレ級達がこの輸送船からパーツを強奪するために行った作戦は以下の通りとなる。

 

 

まず、潜水棲姫が、潜水棲姫ならではの特徴(急速浮上、潜航と、爆雷、ひいては対潜ミサイルでさえ届かない深深度から水上の様子を見れる点、浮上と潜航だけならものすごいスピードで可能、水圧?問題ないです。)を生かして、輸送船航路上にあるソナーに捉えられにくい深深度の岩場付近で待機しておく、

 

 

それと同時期に先行試作されていたB-32を空母棲姫から発艦、輸送船と艦娘達が潜水棲姫のいる辺りに来た段階で輸送船の正面方向寄りの角度から相手の対空電探に移るように飛行する、自分達は航空隊が発見された直後くらいで感知されるように調節する。

(相手が待ち伏せポイントに、だいたいいつ頃いるのか偽装航空戦艦姫が通信傍受で想定できたお蔭で可能になったことである。)

 

 

次に、飛ばした航空隊を駆逐艦娘達が感知し、防空の為に輸送船から離れたりしたら、雪風、時雨、秋月の優先順位で

(雪風と時雨の優先順位が秋月よりも高いのは、幸運艦としてのまぐれを偽装航空戦艦姫が極端に恐れたため。)狙いを絞って潜水棲姫が急速浮上して雷撃、戦果を確認しないで良いから即急速潜航、再び深海で待機する。

 

 

→突然の雷撃で軽くパニクってるタイミングで先程飛ばしておいたB-32フライング・デビル隊突入、3機が武蔵、1機が大和、他の2機は1機ずつ利根と足柄を狙うように攻撃する。(防空部隊がかなり残っていたら、特攻覚悟で大和と武蔵に集中砲火。)

 

 

このタイミングでマトモにダメージを与えられてなかったら即時撤退、ある程度ダメージを与えられていたのなら、ヲ級とレ級にのせているADスカイレイダーを飛ばして、無傷の艦娘に攻撃を加えながら接近(今回はこれを刊行する必要がなかった。)、武蔵か大和のどちらかをレ級が殴って気絶させて、ヲ級が盾として抱える(この際、新型航空機、深海エイ型艦戦〈対空値が震電改並みの新型夜間戦闘機〉を展開、いざというときの盾に使用する)。

 

 

ここで潜水棲姫再浮上、輸送船真横に取り付き、輸送船乗組員と、大和と武蔵の内、ヲ級に盾にされてない方の、両方に対してそれぞれ、武蔵及びこの場の艦娘、そして輸送船の乗員の助命と引き換えに輸送船の積み荷と艦娘の武装解除を要求する。

 

 

(大和達は当初、突然の交渉開始と流暢に日本語と英語で話しかける戦艦棲姫に困惑、超距離の通信で大和と交信したオーストラリアへの派遣提督は、深海棲艦に武装の独自開発能力はあっても、武装の解析能力は無いと言う元来の考えに捕らわれ、また、どっちにしても積み荷が無くなるのはほぼ確定なので、精鋭艦娘及び乗員達の命と新型レーダーサイトの機密性とを天秤し、絶望的状況の中から出てきた要求を、深海棲艦側の提案通りに進むと言う一縷の望みに賭けて脅迫内容を受け入れる事を決断する。)

 

 

交渉に成功したので(失敗したら輸送船と人質の艦娘を沈めて即時撤退。)、まず武装解除した艦娘を輸送船内部のベッド等を利用して全員簀巻きにして輸送船内部の奥地に近い部屋に、鍵をかけて閉じ込める。

 

(鍵は強奪完了後輸送船艦長に返却)

 

その後艦娘の武装解除で入手した武装の内、電探等いらない物を一部積み荷の中身と取り替えるように置いといて、積み荷であるレーダーサイトのパーツを纏めて全部強奪。

 

 

艦長に簀巻きにした大和達がいる部屋の鍵を渡し、悠々と帰還。

 

 

以上でもって、レ級達はたった3機の新型航空機の損失だけで、精鋭の艦娘達が守る輸送船の中身を強奪することに成功したのである。

 

 

ついでに、新しい泊地の存在(偽装航空戦艦姫の拠点のこと)を軽く仄めかし、交渉全体を戦艦棲姫が取り仕切ったので、相手に新泊地の長が戦艦棲姫であると言う偽の情報が出回る可能性も出来、大和達を実質撃破した事と併せて此方の泊地への艦娘側の襲撃に対して抑止力をつけやすくすることにも成功したのであった。

 

 

因みに武装解除で入手した武装は後々解析され、そのデータを元に深海棲艦向けのを新規設計、開発され初める予定である。

 

 

 

「レ級さん、この量は重いです・・・・、もう少し減らしてくれませんか?」

 

 

「無茶言ワナイデクレヨ!、コッチダッテヲ級ヨリ遥カニ重タイ量抱エテルンダカラサァ…」

 

 

「前が良く見えない・・・・・・」

 

 

「しかし潜水艦の私は運ぶパーツが水に濡れると惨事なので荷物運びに参加できないのであった、まる。」

 

 

 

しかし、レ級達も偽航戦姫が計画したレーダーサイト組み立てのパーツ一式丸々強奪するのは流石に欲張り過ぎだったようで、分担して持ち運ぶ事は出来たが、速度が落ちて日付が変わる前の深夜に強奪を終えたレ級達が偽装航空戦艦姫の泊地へと、無事帰還したのは日付が変わり、翌日になった昼間なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、日本、防衛省。

 

 

「・・・・・・その報告は本当かね?」

 

防衛大臣の高木は、つい先程起こった輸送船襲撃により、輸送船の積み荷を分取られたオーストラリア派遣提督の処分を考えていたが、やって来た大本営鎮守府の秘書艦、飛鷹を中継してやって来た追加の報告を見て困惑した表情で飛鷹に先程の言葉を問いかけていた。

 

 

 

「間違いありません、処分対象のオーストラリア派遣提督に関しては減刑を望む請願がレーダーを積んでいた輸送船の船員たちから提出されました、曰く〈あの時の相手側の交渉(脅迫)に応じていなかったら今頃、肉盾にされていた艦娘と自分達の内の何人かは間違いなく死んでいた、レーダーが奪われたのは最早仕方がない〉との事です。」

 

 

「うむむむむ・・・・・・まさか深海棲艦が新型レーダーサイト一式の組み立てパーツを分取る為にわざわざ現場の艦娘達を巻き添えにして交渉に入るとは・・・・」

 

 

「実質の脅迫ではありますが、件のオーストラリア派遣提督の艦娘達を交渉の席に着けさせたと言うのも間違って無い様子です、どう処分します?」

 

 

「どう処分するも何も、最新とは言えレーダーサイト一式が分取られただけだし・・・・あのレーダー昨日欠陥が今更見つかったし……、そもそも相変わらず少数の深海棲艦の艦隊だと艦娘の以外の水上レーダー反応しないし・・・、深海棲艦にはこちら側の兵器の運用能力はあっても、解析、利用能力は無いのだろう?、なら処分は規定通りに2週間提督の謹慎と8ヵ月分の大幅減給処分で済ませるしか無いだろうな。」

 

 

「確かに規定通りではありますが・・・・派遣提督陣からは〈脅しに屈するとか何て様だ!こんな奴処断しろ!!〉と件の提督を厳罰に処するように意見書が多数飛び交って来てるのですが・・・・」

 

 

「輸送船沈んでないし、脅しに屈した形とは言え輸送船乗員と自身の所属艦娘の命救う判断下した訳だし、何より証言によると相手の内の半分が姫と鬼で、他にもエリートのレ級とか混じってたんでしょ?」

 

 

「夜間に待ち伏せ食らってるのはマイナスだけどいつもは引きこもりの潜水棲姫と吸引力が相変わらずのダイソンが混じってたんじゃしゃーないわ。」

 

 

「と言う訳で処分はさっきので済ませるとして、気になるのは報告にあった新型航空機の形状なんだけど、具体的にどんな感じ?」

 

高木は最終的にあっさりと派遣提督の処分を決めると、飛鷹に報告にあった新型航空機2種の具体的な容姿を聞く。

 

 

「えーっと、一つは普通の空母ヲ級の回りを周回していたエイの形をした航空機(戦闘機だとはわかっていない)、それと機体下部からロケット砲で攻撃してきた大型の爆撃機と思われる機体の2種です、この内後者に関しては、大和さんと五十鈴さん、睦月、如月の証言と会わせたところ、何故かアメリカのB-36の試作型、XB-36と容姿がほぼ完全に一致したとの事です。」

 

 

「!!?、いかん!何で武装解除した艦娘の装備まで分取ったの?とか思っていたがそう言う事か!」

 

 

「?、どう言うことです?防衛大臣。」

 

「今回新しくソロモン諸島付近の何処かに出来たと考えられる、今回の件で出てきた戦艦棲姫がトップと思われる泊地はこちら側の兵器の研究、解析能力を持ち合わせている可能性があるぞ!!、もしかしたら今回の深海棲艦達の目的は、こちら側の兵器の解析の為の素材入手の為かも知れん!!」

 

 

「んなっ!、じゃあ」

 

 

「・・・・この事を対深対策部門へ伝えてくれ、他の泊地も実は…なんて事があり得るかもしれん。」

 

 

「了解しました!急いでこの事を伝えますのでこれで失礼します!!」(バタンッ)

 

 

 

「あぁ、胃が痛くなってきたよ ・・・。」

 

 

高木は飛鷹とのやり取りを終えたのち、腹を痛そうに抱える。

 

 

高木が、深海棲艦の目的に気付いたのはよかったが、今回の出来事に関しては、もう既に後の祭りとしか言いようがなかったのである。

 

 

 

その頃偽装航空戦艦姫は、レ級達が成した大収穫に狂喜乱舞しつつも、早速艦娘の装備解析とレーダーサイトの組み立てを行うのであった・・・・・・。

 

 

 

 

~番外編を経て、次回へと続く~

 

 

 



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~登場人物紹介その1~偽装航空戦艦姫とその配下達~

偽装航空戦艦姫(南丞絢香)とその配下の深海棲艦達の紹介です、次の話でプロローグ2で出てきた他の勢力圏の深海棲艦達、ついでに一部提督側のキャラ紹介もしちゃいます。

長いので注意


又、今回の後書きに、深海棲艦についての設定と、ゲームっぽい感じでの偽航戦姫の勢力圏に関するステータスを表示します、次話で予定してる他の勢力圏との比較の際に参考にしていただければと思います。


南丞 絢香 (なんじょう あやか)

 

 

偽装航空戦艦姫(通称、偽航戦姫)

 

 

生前は17歳

 

 

この物語の主人公。

 

 

連動作品の主人公達のとはまた別の世界から深海棲艦に転生してきた高校生の少女。

 

 

母は元海上自衛官、父は現役の高校体育教師と言うなかなかに珍しい組み合わせの家に生まれ、母の実家が剣道場、父の実家は明治初期から続く軍人の家系とこれまた変わった家系と家庭環境で育った為、自身も高校の剣道の全国大会で準決勝にまで行った事があったり、強盗のために襲いかかってきた大の大男を返り討ちにしてたりと、人間としてはかなり強い方であった。

 

 

母のかつての海上自衛官としての仕事ぶりに憧れを感じ、海上自衛官を目指すため防衛大に入るのを目指すが、試験勉強中に息抜きで艦これをプレイしていたところ、その世界の神様直属の部下(オープニング(キャラ名)のこと、)のハイパーうっかりで間違って死神に本棚を使って殺害されてしまう。

 

 

本来、将来的にその世界で女性初の統合幕僚長になるであろうと神様に目されていたほどの隠れた才能があったが、直属の部下に殺され神様はマジギレ、可哀想に思った神様の手引きでチートありの状態で転生、深海棲艦、偽装航空戦艦姫として生まれ変わる。

 

 

偽装航空戦艦姫と言うのは「空母ヲ級の姿に偽装することが出来る航空戦艦の姫」と言う意味であり、普段は空母ヲ級そのまんまの外見をしているが、頭のヲ級の帽子の偽装を解くと、帽子の無くなったヲ級に、2つの長い真っ黒でやけに硬い飛行甲板が左腕の上下に付き、腰の辺りの両サイドに、金剛型に似た装置を使った40サンチ連装主砲2基が付き、右手の普通のヲ級が持ってる杖のようなものが黒い刀に変化し、携えるようになる。

 

 

姫クラス全体としてはどっちかと言うと強い部類に入るが、根本的に情報戦以外では器用貧乏なのが特徴。

 

 

情報戦では、ニューカレドニア島の本拠地からオーストラリア沿岸部辺りまでの距離の通信、暗号を傍受し、解読する装置等を固定装備として持ち合わせており、暗号で相手の行動を確認→それに対応するように作戦を練る→暗号内容及び通信内容がガセ、或いは罠だった時の事も考え、作戦を練り込む。

 

 

と言う感じで作戦立案の際の参考資料として大活躍している。

 

 

レ級達が実行した輸送船襲撃の際にも、彼女は通信傍受と暗号解読で輸送船の航路、護衛する艦娘達の具体的規模、ざっくばらんとした積み荷の中身の情報を事前に掴んでおり。

 

 

(中身がレーダーサイトのパーツだとは把握出来なかったが、新築されるラバウル泊地鎮守府に運ばれる、届けるのに失敗して喪失すると不味い最新式の何かとまでは掴めていた。)

 

 

B-32を投入して、自重無しの艦隊編成で挑むことを決定付ける大切な情報となっている。

 

 

本人が戦闘する時は、右手の黒い刀で接近戦、主砲で砲撃戦、搭載航空機で航空戦と行い、使用する主砲、艦載機を換装することで色んな仕事をそつなくこなせるようになっている。

 

 

また、見た目にそぐわぬものすごい武装搭載の為のキャパシティを持ち合わせており、航空機は機種関係なく最大220機が運用可能な他、通信傍受、暗号傍受、解読システムや強力なレーダー、ソナー、おまけに長門型の主砲を2つも搭載してるのにまだまだ武装搭載が可能で、実はレ級の如く甲標的に該当する潜航艇の運用能力が微弱ながらもあるなど(運用能力あるんだけど雷装は20もない、しかも現在はその系統の装備を装備してないので使えない、)、魚雷系統以外の性能試験に向いている深海棲艦としての能力を持つ。

 

 

(艦これ的にいえば彼女をイベントボスとして用意した場合、基礎スペックはそんな高くないものの、彼女の装備スロット数が8~10個もあり、そこに装備される大量の装備による大幅な補正値が原因で悩まされる感じになる。)

 

 

艦娘を沈めるより、大破のボロボロの状態で撤退させたほうが精神衛生的にも提督側の資源を禿げ上がらせる的な意味でも良いと考えており、基本艦娘を沈めようとしない、人を殺すと恨み辛みがヤバイと考えてるので、人を殺そうともしないと言う、深海棲艦にしては割りと甘いと言えそうな考えを持ち、防衛中心でたまに艦娘側に内部工作などをしたりしながら、勢力圏をひっそり拡大、安全を確保してこうと言うのが基本方針。

 

 

性格は割りと寂しがりや、転生してある程度落ち着いて来たからか、両親に会いたいと思っていたりする、されど深海棲艦の姫と違わぬ風格も備えつつある。

 

 

架空戦記や、色んなアニメ、ゲーム等が好きで、ニコ○コ動画やらやる○スレやらそういったネタにある程度詳しい、又、かわいい子が好きで、折角深海棲艦に転生して、本物の艦娘とかいるんだからと、駆逐艦娘とかを何とか鹵獲して、普通にに可愛がりたいと言う目標みたいなものがある。

 

 

このほか、某黄色熊の野球ゲームで高校の正月休みを使いきった事とかもある。

 

 

 

緑色のオーラが示す、深海棲艦達のトップの一角をやってる訳なのだが、普通にクソ強い配下、物凄いスピードで進む開発、終わらない泊地要塞化などで仕事が多く、又部下もどっちかと言うと武官みたいなポジションばっかなので、内政要員の少なさに涙目状態になっている。

 

 

深海棲艦達の姫としての目下の悩みとして、レ級エリートやらダイソンやらわるさめちゃんやら、超強いクラスの配下が多数いて維持費用がかかること。

 

 

艦娘を取っ捕まえて味方につけ、実質無力化させて愛でるにはどうすれば良いのかと言う事。

 

 

レ級やヲ級達などの個体認識の為に自分の配下の一部に「名前」をつけようか迷っている事と言う目下の悩みがある割りと苦労人。

 

 

人たらし、軍略、情報処理など多方面に才能があり、深海棲艦になってからはそれらをさりげなくフル活用している。

 

 

因みに、プロローグの偽航戦姫装備欄には書かれていないが、南丞 絢香として生きていた頃の私物(小説だとか本だとか、DVD、パソコンだとかお気に入りの同人誌だとか、一部ゲーム機とかまである。)の一部が何故か偽装状態の帽子からのみ取り出したり、しまったり出来るようになっており、技術開発の際に軽く参考にしたり、B-32のように実際に開発、製造したりしている。

 

 

 

尚、通常、彼女の呼び方は(姫様) (偽航戦姫様)な訳であるのだが、配下たちに自身が元々人間で、転生者であることをばらしている為、一部の配下からは(南丞様) (絢香様)と呼ばれたりしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦レ級エリート

 

 

(偽航戦姫勢力圏所属、偽航戦姫親衛艦隊旗艦。)

 

 

偽航戦姫が最初に産み出した、ソシャゲの艦これで現在イベント出禁状態であることで有名な深海棲艦。

 

 

本来、深海棲艦は生まれるとき、姫クラスとか以外はオーラ無し(つまりノーマル)で生まれ、戦闘や訓練などで練度が上がることでエリートやflagshipに変化するのが普通なのだが、このレ級は俗に言う、強くてニューゲーム(要するに一度深海棲艦としての生を終えて、生前の記憶と、戦闘能力を維持した状態で再び深海棲艦として生まれた)をした深海棲艦であり。

 

 

前世にてトラック泊地を強襲し、トラック防衛をしていたチート陸軍軍人、日輪 水菜と死闘を繰り広げ、水菜を全治半年の大怪我に追い込むも敗北、戦死したレ級そのものである。(ここら辺の下りは、連動作品の番外編その一にも記載されている。)

 

 

戦死後、数ヶ月もの間、魂のまま転生を待っていたら、偽航戦姫によって魂を引き寄せられ、新たな体で生まれた深海棲艦である。

 

 

 

基本的に偽航戦姫のことをボスと呼び、前線で戦う事を好む切り込み隊長みたいなポジション。

 

 

(ただ単に前線で戦えれば良いらしく、別段戦闘の勝敗などはあんまり気にしないスタイル、)

 

 

戦艦レ級と言うのはそもそもとして割りと気が触れており、何処の深海棲艦勢力圏でも扱いに困る存在なのだが。

 

 

ここのレ級は、自分の上司が同じレ級以外では出来なかった、自分と同じことが(一応)出来る事と。

 

 

(烏賊潜航艇を偽航戦姫に貸して確かめた、)

 

 

その狂気故に自分達レ級が基本的に厄介者扱いされる存在なのにも関わらず、

 

 

最初は驚きながらも自分の存在を歓迎してくれた偽航戦姫の姿勢に感動し、生まれたときに持ち合わせていた水菜への狂気的な執着心がぶっ飛んだ結果「某シュミレーションゲームで例えるならば、主君への忠誠心がクソ高い呂布」

と形容できるとんでもない存在になってしまったキャラクター。

 

 

ツナ缶が大好物であり、前世では「トラック泊地を艦載機で強襲→泊地の混乱のどさくさに紛れて食料庫でツナ缶あさり→ツナ缶見つけて食っていたところで水菜に見つかる→逃走を図ろうとするが逃走中に繰り広げられた水菜との死闘が愉しくなる→結局死闘を続行して、そのまま負けて死亡。」と自分の間接的死因になっていたりもした。

 

 

今現在は偽航戦姫に並んでトップクラスの戦闘能力を持っており、輸送船襲撃の際に大和から入手した試製51cm連装砲を解析、20インチだと戦艦水鬼が装備してて面白みがないからと、砲積技術開発長のタ級の手で、深海棲艦向けに試製51cm砲を参考に新規設計された「深海試製25inch連装砲」を搭載予定である。

 

 

偽航戦姫とは一応上司と部下の関係であり、レ級の砲も偽航戦姫に強い忠誠心を持ち合わせているが、身近な深海棲艦から見たレ級と偽航戦姫は相棒同士の関係にみえるらしい。

 

 

狂気がすっ飛んだからか普通に指揮官として有能、形式上は偽航戦姫の親衛艦隊の旗艦だが、親衛と言う言葉を借りただけの精鋭艦隊の旗艦をやれている点からしても、偽航戦姫だけでなく他の深海棲艦からも信頼されているのがわかる。

 

 

日本語がペラペラ、たまに偽航戦姫と日本語で話すことがある。

 

 

 

戦艦棲姫(偽航戦姫勢力圏、偽航戦姫親衛艦隊所属)

 

 

レ級の次に生まれた16隻のうちの1隻。

 

(この深海棲艦以下、ここで紹介する偽航戦姫勢力圏所属の深海棲艦は同様の存在である。)

 

 

艦これにおいて「ダイソン」呼ばわりれる事に定評のある深海棲艦、主な仕事はメイン盾。

 

 

自身のクソ硬い装甲と耐久で味方を庇いつつ砲撃で戦うのがメイン戦法であり、偽航戦姫からは「深海棲艦界のブロン○さん」と渾名されている。

 

 

レ級の次に深海試製25inch連装砲を搭載予定であり、ついでに装甲をマシマシにして、

 

 

輸送船襲撃の際に雪風から取ってきた新型高温高圧缶とをベースに改設計された「深海試製超高圧缶」と、

 

 

五十鈴から取ってきた改良型艦本式タービンを同じようにして改設計した「深海式大型タービンプロトタイプ」に機関を換装して性能強化を図る予定であり。

 

 

「これさえあれば戦艦水鬼にも負けない!」と意気込んでいる。

 

 

緑色オーラが無いってだけで、もとから姫クラスなので戦闘艦隊においてはリーダー的な存在であり、この勢力圏では潜水棲姫と並ぶ参謀ポジションを担う。

 

 

因みに英語と日本語が得意とのこと。

 

 

 

潜水棲姫(偽航戦姫勢力圏所属、通商攻撃艦隊旗艦。)

 

 

輸送船襲撃の際に、幸運艦で有名な雪風や時雨防空駆逐艦の秋月に、急速浮上中と言う、まともに照準する時間があまり無い状況下で魚雷を当てて実質戦闘不能に追い込んで見せた伊19顔負けのスナイパー、深深度からの急速浮上による飽和雷撃、遠距離からの魚雷スナイプ

、急速浮上で対象に近づいて接近戦を仕掛けたりなど、潜水艦の割には攻撃のレパートリーががある方である。

 

 

泊地では戦艦棲姫と並ぶ参謀ポジションであり、戦艦棲姫が防衛網構築に才を発揮するのに対して、此方は通商攻撃(急速浮上を活用して、輸送船に取りつき船の乗組員を脅迫→中身だけ入手してスタコラサッサする寸法。)においてその才を発揮する。

 

 

ドイツ語と何故かロシア語が流暢。

 

 

ヴェールヌイが聞いたら恐らく驚愕するの確定レベル。

 

 

 

 

 

 

 

 

駆逐棲姫(偽航戦姫勢力圏所属、ロイヤルティー諸島支部泊地司令官)

 

 

悪雨ちゃんの名で有名な戦艦より硬い駆逐艦の姫クラス。

 

 

駆逐水鬼よりかは弱いがそれでも駆逐艦としては異常、また水鬼とは違って、軽巡棲姫、棲鬼、駆逐棲姫、棲鬼は相手のレーダーにはそれぞれ駆逐艦、軽巡洋艦の反応で映るので

 

 

(水鬼クラスや大型の姫、鬼クラスだとそれぞれ独特の反応が出てモロバレする、尚、偽航戦姫は偽装中のみ空母の反応になる)

 

 

駆逐艦×8の艦隊を確認→イ級とかだろうし実践経験積ませるため駆逐艦隊で攻撃するか→残念!、全部悪雨ちゃんでした! 死 ぬ が よ い。

 

 

の極悪トラップが可能と言う利点もある。

 

 

輸送船襲撃の際、体格に合わず無理やり戦艦棲姫並の重量を持って帰ったさりげない功労者であり、帰還後姫クラスと言う事もあって、泊地近くのロイヤルティー諸島と呼ばれる島々の内の一つに置いた支部泊地の長として、偽航戦姫以外で最初の同勢力圏内最初の泊地の指揮官となった。

 

 

足が無いため、地上移動時は下半身の艤装をル○バみたいに動かして移動する。

 

 

支部泊地の長になったのは良いが、偽航戦姫と同じく、後々泊地の維持に苦心するようになる。

 

 

日本語が喋れるのだが、別段、日本語で喋ると声が春雨に似るとか言うような事はない。

 

 

 

軽巡棲鬼(偽航戦姫勢力圏所属、雷装、対空火器技術開発部門責任者)

 

 

偽装航空戦艦姫の部下で魚雷、と対空火器の開発部門の統括担当、輸送船襲撃の際には大和達を簀巻きにした実行犯。

 

 

いつもは深海棲艦の装備研究所にて魚雷、対空兵装の開発を行っており、現在は初期型の誘導魚雷、CIWSの開発を目標として開発を進めている。

 

 

 

 

空母棲鬼(偽航戦姫勢力圏所属、航空機技術開発部門責任者)

 

 

輸送船襲撃の際、陸上機を運用して武蔵、利根、足柄に損傷を与えた深海棲艦鬼クラス。

 

 

元々から空母水鬼、空母棲姫、空母棲鬼は陸上機クラスの大型機を運用出来る利点があり。

 

 

この利点と本人の強い希望により、航空機の技術開発の主任を任されている。

 

 

偽装航空戦艦姫に見せてもらったいくつもの、いろんな架空、リアル問わない航空機の資料で見た航空機が気に入ってしまい、技術開発に携わる事となった。

 

 

紺碧の艦隊で出て来たB-32を再現しようと偽装航空戦艦姫に提案したのも実は彼女であり、

 

 

輸送船襲撃の際の実践投入は運用実績と運用データ採取も含めて行われ、少数で利根、足柄、武蔵に大ダメージを与えることに成功、かなりの量のデータの採取と運用実績をあげる事に成功している。

 

 

 

将来的な目標は偽航戦姫に見せてもらったアメリカのB-52爆撃機等を開発して、各地の鎮守府の資源庫と軍港設備(積み荷下ろすクレーンとかの事。)を高高度から戦略爆撃し、鎮守府機能を弱体化させることが出来るようにする事である。

 

 

 

 

戦艦タ級(偽航戦姫勢力圏所属、砲積技術開発部門責任者、)

 

 

余り戦うのを好まないタ級、輸送船襲撃の際は荷物持ちを担当していた。

 

 

余り前線に出たくないと思っており、輸送船襲撃から帰還した際にその事を偽航戦姫に伝えた時、忙しい偽航戦姫から大和から奪った試製51cm連装砲の解析を頼まれ、解析した結果、砲系統の技術開発者の道に進みたくなり、偽航戦姫から正式に砲積技術開発の責任者となった。

 

 

現在は偽航戦姫に見せてもらった護衛艦の写真にあった速射砲と、レ級達向けの25inch砲の開発に心血を注いでいる。

 

 

 

 

空母ヲ級(偽航戦姫勢力圏所属、親衛艦隊所属。)

 

 

親衛艦隊に所属しているノーマルのヲ級。

 

 

普通、空母ヲ級はflagship改になって初めて(無理やり)夜間に航空機を飛ばせるのだが、

 

 

このヲ級に初めて搭載されたエイ型の艦戦は元から夜間戦闘可能な仕様で開発されており、夜間でも完全な置物にはならなくなったことを喜んでいる。

 

 

尚、輸送船襲撃の際は無理やり艦娘の装備をほぼ全て持たされたもよう。

 

 

 

空母ヲ級エリート(偽航戦姫勢力圏所属、偽航戦姫秘書艦兼、副艦)

 

 

レ級エリートと同じく、最初からエリートの状態で生まれた前世持ちの深海棲艦。

 

 

前世では装甲空母姫の勢力圏所属であり他の勢力圏に対する外交官みたいな仕事を基本的に行っていた。

 

 

しかし、プロローグ2において横須賀近海で出撃を待っていたときに、()()()()()()二隻の謎の巨大戦艦に遭遇、迎撃に当たるも、片方の艦の航路上に出たのが災いし、巨大戦艦の片割れに引き殺されてしまった可愛そうな子。

 

 

前世にて他の勢力圏との交流に良く行っていたため、他の勢力圏の内情や、勢力圏維持の大変さを知っており。

 

 

他の勢力圏に対しての博識さと、数少ない内政可能要員として偽航戦姫に秘書兼副官の座にレ級に変わって就任した。

 

 

今現在は大絶賛泊地要塞化中。

 

 

前世の末路の影響か、タ級以上に前線に出たがらない深海棲艦である。

 

 

(本来、戦闘を好まない深海棲艦は疎まれる傾向にあるが、偽装航空戦艦姫はそんなことが無いので、偽航戦姫はこのヲ級他、配下からの人気はかなり高い方である。)

 

 

巨大戦艦の件はトラウマになっている。

 

 

ヲ級エリートの割にはかなり強い方、内政要員の他、空母棲姫と同じように新型艦上機のテストヘッドも勤めている。

 

 

 

 

重巡ネ級(偽航戦姫勢力圏所属、対人通訳官。)

 

 

偽航戦姫の部下であり、英語、仏語、日本語等を習得して深海棲艦と世界各地の人類との間の通訳が出来るようになる事を目指す深海棲艦。

 

 

偽航戦姫が元人間であると知った後、他の誰よりも人間の事を知りたくなり、将来的に人類側との接触においてどんな国の人間が相手でも通訳可能になれるようにと、現在勉学中。

 

 

 

前線に出て、人と実際に接することで自分の勉学の成果を知ろうと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 




深海棲艦について、

とある言語に似た深海棲艦独自の言語を持ち、それで基本的に会話する。


通常の姫、鬼、水鬼クラスは、非常に片言ながら人間の言語を話せる。(主に挑発に用いられる。)

(偽装航空戦艦姫の勢力現在は、人の言語を学ばせようと言う方針によって、各深海棲艦が各自に言語学習をしており、何故か物凄いスピードで習得している、と言う状況である。)

緑色のオーラをした姫、水鬼クラスが複数おり、1体1体が各々の勢力圏を保持している。


この緑色をした深海棲艦、単純に深海棲艦達の長の一人を示しているだけでなく、そのオーラをした深海棲艦が、同種と比べてもやけに強い事も指し示している。


(装甲空母姫で言えば、本来装甲空母姫は純度100%の陸上機を扱えない筈なのだが、緑オーラのは平然と装備してくる。
戦艦水鬼で言えば本来の戦艦水鬼より、機動力と同じ武装を用いた際の武装の威力が非常に高くなっている。
その他、最低でも同型の深海棲艦より全ての性能が1,5倍になっている)


又、ドロップ深海棲艦なるものがあり。
(艦これのドロップ艦の深海棲艦バージョン、)


基本的に艦娘、深海棲艦共にドロップ艦は世界各地の何処かの海にいきなり生まれるので(例外は艦娘が沈んだ深海棲艦の沈没地点から生まれたケースくらいなもの。)、味方側の勢力と接触する前に敵側の戦力に囲まれると、艦娘、深海棲艦共に、艦種関係なく悲惨すぎる末路を辿る事となる。


又、艦娘、深海棲艦関係なく、ドロップにて生まれ、味方側へ合流しようとする際に、同じような味方艦を発見すると臨時の艦隊を組む傾向にある。


(例外の代表例は、偽航戦姫勢力圏所属のレ級エリートの前世であり、何処かの勢力に属するわけでもなく単独で、水菜との戦闘で死ぬまでの長い間行動していた。)


艦これでの資源(ゲーム画面にあるあの4種類の画像そのままのもの。艦これ的資源と呼称する)を基本的な食事とし、1週間毎に艦級別にある程度決まっている数値の資源を食すことで生命を維持している。


人間が食べる食料などを食べると艦これ的資源
無しで長期に渡り生命を維持できる。


(非常にグロい話だが、深海棲艦は消費の激しい姫、鬼クラスでも、成年男性を2、3人食せば艦これ的資源の消費無しで大体3週間は持つ、消費の安い駆逐艦に至っては、後期型とかでも3ヶ月は一切食事を取らずとも生命を維持できる。)


(その為に、本来の深海棲艦は輸送船等を襲撃した際、その輸送船の乗組員などを全員食べて皆殺しにしてしまうのである。)


基本的には人類及び艦娘の装備を解析する能力が無く、基本的に装備を独自の技術系統に基づいて開発している。
(実は偽装航空戦艦姫勢力圏以外でも装備を解析している勢力圏は一応存在している。)




以下、ゲームっぽい勢力圏ステータス説明。


《偽装航空戦艦姫勢力圏。》


長、偽装航空戦艦姫(通称、偽航戦姫。)


本拠地、ニューカレドニア島。【各深海棲艦の勢力の本拠地の位置。】

支部泊地数、1、(内訳、完成0、建設中1、建設準備0)

【本拠地の他にあるメインの泊地、基本的に本拠地が陥落した際は、後方で予備とされている支部泊地を新たな本拠地とするのが深海棲艦の各勢力の慣例】


分営泊地数、0(内訳、完成0、建設中0、建設準備0、)


【本拠地、支部泊地、分営泊地の違いは、
本拠地→ここに長(緑オーラの姫、水鬼クラス)がいる、

支部泊地→本拠地と同じく、基本的には長が自らかなりの資源を利用することでのみ製造可能な泊地生成装置(第一話で出てきた旗のこと)によって生成されるのだが、長がおらず、通常の姫、水鬼クラスが指揮官としている泊地、自身の勢力圏の本拠地が陥落した際は、大体自身の勢力圏の支部泊地に新しく本拠地を置き直すのが普通。


分営泊地→泊地生成装置を使うのではなく、前線に用意した深海棲艦製の浮き島や、前線に近い既存の無人島等に簡易的な建築を行うことで建てる泊地であり、本拠地、支部泊地と違い深海棲艦を産み出す機能と、倉庫による周辺の資源の自動収集機能が無く、維持には支部泊地、或いは本拠地からの資源補給がほぼ必須であることが特徴、大体は鬼か深海棲艦のflagshipクラスが指揮官としている。】


(ここに輸送ワ級が重要なポジションにいる理由があり、深海棲艦の輸送級は、ノーマルのあれ単艦で一度に10万とかの資源を合計して運べるため、多数の分営泊地への資源輸送を1隻のワ級が担ってる事とかがよくあるからである。)


艦艇戦力(所属している深海棲艦を種別に書き記したもの、総数が書かれており、{}内がそのうちのエリート以上、「」内が非戦闘要員の隻数となる、偵察担当もここに該当、)


駆逐艦以下(PTボート小鬼群も該当、基本1隻につき週間維持消費資源総計15以下、以降艦種は、共通して週間維持消費資源総計の最低値は、記載されている最高値の半分、端数切り上げとなっている、なお、維持費は艦種別である。)178隻{4隻}「112隻」


巡洋艦(雷装巡洋艦とかもまとめて該当する、基本1隻につき週間維持消費資源総計35以下)85隻{10隻}「57隻」



21600


戦艦(レ級もここに該当、維持費は鋼材に偏っている。基本1隻につき週間維持消費資源総計220以下、)47隻
{2隻}「11隻」

空母、軽空母(維持費が燃料に偏るのが特徴、週間維持消費資源総計240以下)
18隻{1隻}「8隻」

潜水艦(維持費が弾薬に偏る艦種、週間維持消費資源総計150以下)

12隻{0隻}{6隻}


姫、鬼クラス(軽巡棲姫だろうが戦艦棲姫だろうが、潜水棲姫だろうがここに該当、ほかの艦種と比べると、分類上戦艦なのに燃料の消費がやけに重たい戦艦棲姫など、通常の艦種とは違った維持費の構成をしている。)

5隻{姫、鬼系統クラスにeliteとか無いので該当せず}「0隻」


主力艦、特になし。


【各勢力圏毎に、重視している艦種や主力として扱っているクラスがあるのだが、偽装航空戦艦姫の勢力圏の場合、まだ勢力圏として確立したばっかなので主力とか決まってないって言うのと、そもそも偽装航空戦艦姫は何かしらを主力に据えようとする思考を持ち合わせていないのが原因。まだ描写はしていないが、強いて言えば駆逐艦ではなくPTボート小鬼群で偵察をすることを基本としている点から、PTボートが偵察における主力と言えるかもしれない。】


本拠地ステータス。(ざっくばらんの表記な上に特にゲームっぽくなるので注意。)


週間入手資源量。(一週間で倉庫によって自動収集される資源の量、活動の為の資金みたいな扱いと思えばいい。)

燃料16632、 弾薬22680 鋼材19656 ボーキサイト5040

【通常の増加量は艦これの週間増加量と同じ、偽航戦姫の本拠地はこれに神様のチート補正で均一50%増であり、更にそこから燃料10%増、弾薬50%増、鋼材30%増、ボーキサイト据え置きの増加量補正がかかっている。
この増加量補正は本拠地が資源地帯である事が影響している。】


週間維持消費資源、(週間毎に所属深海棲艦が食料として消費する維持費の総計、ボーキサイトは食料にならず、基本的に航空機の生産や開発に関係するのでここには含まれない。尚、入渠費用、装備開発費用なども含まない純粋な維持費であるため、酷い言い様ではあるがリアルでの仕事による収入にかかる税金みたいなポジションだと考えると良い。)

燃料6820、弾薬8210、鋼材6570、


維持費種別トップ3。(オマケ、大食艦は誰だ!と言う参考にでも。)

燃料部門

1位、戦艦棲姫、920

2位、偽装航空戦艦姫、730

3位、戦艦レ級エリート、450

弾薬部門、

1位、偽装航空戦艦姫、1230

2位、潜水棲姫、840

3位、軽巡棲鬼、370


鋼材部門、

1位、戦艦棲姫、750

2位、空母棲鬼、725

3位、偽装航空戦艦姫、680



本拠地内施設(レベル表記。)《》内に各勢力圏本拠地におけるレベルの分布を記述。


深海棲艦棲息寮【深海棲艦にとっての自宅みたいな扱い、艦娘寮の深海棲艦版。レベル×30隻前後が住める。】レベル3《レベル2~4》


深海棲艦出現ドック【深海棲艦が生まれてくる場所。レベル×4隻同時に生成可能。】レベル4《レベル1~2》


深海式装備開発研究所【深海棲艦向けの装備開発を行う、あくまで開発であって生産は別。レベルが高いほど高度の技術を要する武装開発が可能。開発速度はレベルと関係していない。】レベル5《レベル3~8》


深海式統合生産工場【航空機以外の物を装備品、日用品とか関係なく生産する工場、レベル×2つの生産ラインがある。】レベル2《レベル6~11》


深海式航空機製造工場【航空機限定で生産する工場、ボーキサイトは大体ここで消費し切るのがセオリー。タコヤキとかでもボーキサイト1で3~5機作れるのが普通、レベル×1の製造ラインがある。】レベル×2《レベル2~9》


深海式入渠施設【深海棲艦向けの入渠施設だが、実は艦娘向けと原理が全く同じであり、違うのは施されている装飾や内装、外観だけと言うオチがある。レベル×4隻の同時入渠が可能】レベル4《レベル3~6》


泊地防衛施設【これのレベルで大体、その本拠地からと前線との距離を推量出来るとか言われている。最低限しか無かったりするし、ガチガチだったりする。高ければ高いほど要塞っぽい、40サンチ砲台を複数有していれば、大体レベル4~5に達するが、同じレベルなのに施設の陣容がまるで違うことがしばしばある、実質あんまり参考にならないのが実情。】レベル7《レベル1~15》


尚、基本的には、深海棲艦は己を鍛えることでelite、flagship、ひいてはflagship改に段階的に変化していく、そのさい、強化されていくたびに維持費が増えるというデメリットがあり、変化していくたび、大体維持費が5%前後増える。


姫、鬼系統のクラスにアニメ版で飛行場姫が中間棲姫に進化したみたいな事は存在しない。


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~登場人物紹介その2~日本政府と深海棲艦各勢力圏~

プロローグ2、3に出てきた日本政府と深海棲艦の各勢力圏のキャラ紹介です。

たまーに更新されると思います。


槇田 信重(まきた のぶしげ)、63歳

 

 

元警察庁の刑事局の局長で、現在は日本国総理大臣になっってしまった苦労人、

若かりし頃ははノンキャリアの刑事だったのだが、ほぼ不眠不休の努力の末、凶悪犯多数逮捕などの数多の功績を挙げ、その結果、現代警察では到底不可能なスピードでの昇進を繰り返し、46歳でキャリア組の一部を追い抜いて警視監にまで進むという大出世を遂げる。

 

 

・・・・・が、このことにいい加減反感を覚えたキャリア組の思惑が動き、功績のメインが実働捜査にあったことから、実働捜査に基本的に関われない警察庁刑事局の局長にされてしまう、その後もある程度の活躍をするが、立場上実働捜査に関われないことに歯がゆさを覚えることとなる。

 

 

その後、深海棲艦が突如出現し、その後の一連の流れによる国内のパニックを収めるため、警察官時代に名が広く知られていた彼が当時、短期ながら法務大臣を務めていた永重 富憲からの要請で奔走することになる。

 

 

で、事態収拾が完了しまた実働捜査に関われない日々を送ることになるのだが、鎮守府で起こった事件の捜査に警察が関われないことに不満を感じたり、深海棲艦の存在について独自の人脈で調べてみようかとしていたタイミングで、「蛆虫狩り事件」が発生、永重 富憲からの要請という形で再び実働捜査に関わり、国外逃亡しようとしていた元首相を乱闘の末拘束したりして、「蛆虫狩り」に高く貢献した。

 

 

 

その結果、事件の影響で一時停止した国内機能を回復するため、本人の意思(警官続けたい)を無視して、周辺から事件後の首相に仕立てられてしまう。

 

 

彼自身はものすごく嫌がったが、周辺の強すぎる押しに負け、現在に至る。

 

 

彼自身は深海棲艦と交渉の余地があるのならば、早急に停戦交渉を行い、シーレーンをできるだけ回復して現状の国内の疲弊を解消したほうがいいと考えているが、

 

 

そうするには深海棲艦による丸10年もの間、被害を受けた人々のこともあり、10年分の人々の恨みつらみを、それまでに深海棲艦との戦闘を早期に終わらせられる可能性があったのにも関わらず、深海棲艦に関する偽と真偽不明の情報を流して深海棲艦との対立構造を確固たるものにしてしまった、「蛆虫たち」に擦り付けるほか無いとしている。

 

 

 

(人類側にとって)深海棲艦に関しては、多数のマスコミなどに偽情報をつかまされていたせいで既存の情報が信用できなくなり、既存の情報である、「交渉不可能」から{交渉可能かどうか不明}となった点も含めて、批判を一斉に浴びる覚悟で停戦交渉ができるかどうかに関しての深海棲艦に関しての調査と、停戦交渉のための計画を、防衛大臣及び、現国内4大鎮守府提督たちなどとともに計画中。

 

 

捕縛術と護身術にやけに優れており、特技は手錠投げ、警官としては、ルパン三世の銭形警部

並みに優秀。

 

 

 

 

高木 成義(たかぎ なりよし)53歳。

 

 

現防衛大臣、元空軍少将

 

 

深海棲艦との戦いが始まる前は空軍にてパイロットの育成プログラム作成に関わっていた人物、艦娘が出現する前、深海棲艦との初期の戦いにおいては深海棲艦の艦載機に撃墜されていく空軍の姿をまざまざと見せつけられており、通常型航空機(艦娘の使う航空機と区別してこう呼称される)を深海棲艦泊地及び大艦隊強襲専用にする手法を編み出したのは彼である。

 

 

蛆虫狩り事件において、主犯格を一網打尽にするための計画を槇田達に持ちかけ、実行に移すことで事件を勃発させた張本人。

 

 

計画の穴を突かれ、元首相に逃げられかけたものの、槇田の活躍により、蛆虫狩りは無事に完了することとなるのだが、この時に当時の防衛大臣と大量の鎮守府提督が取っ捕まり、せっかくやっとのことで取り返した幾つかのシーレーンが深海棲艦の大反撃で大方奪還されてしまった為、空軍の最上層部に責任とらされる形で無理やり防衛大臣にされてしまう。

 

(要するに、埋め合わせを押し付けられたのである。)

 

 

その他、事前に最前線のマトモに残ってる提督達に大本営鎮守府を通して前線からの撤収を依頼してたために、この混乱に関して、事件の容疑者(犯人)として捕まった提督を除いて、提督と艦娘を失う事は無かったので直ぐに反撃体制を敷くことができたが、国内がグタグタやってるうちに海外派遣提督陣が奮闘、大西洋方面戦線がアメリカとの連絡復活一歩手前にまで遂に到達し、最後の一押しの為だからと太平洋方面戦線の鎮守府に着任予定だった新規採用提督の一部を引き抜かれてしまう。

 

 

以上の結果、大西洋方面戦線等海外派遣の提督はその数を膨らませる一方、太平洋方面戦線は慢性的な提督不足に陥り、撤収させた提督を大量に移動させることで南とか維持した、ハワイ攻略の為の戦線を除き膠着状態に陥る結果を引き起こしてしまった張本人。

 

 

今現在は、大本営鎮守府提督の補助を借りながら、奪還されたシーレーンの再奪取を試みている。

 

又、現在はチートが揃いに揃っているラバウル基地鎮守府の提督達に長く続きすぎたこの戦いを終わらせる切っ掛けを作ってくれるだろうと期待している。

 

 

蛆虫狩りの少し前の頃から槇田に護身術と捕縛術を教えてもらっており、この観点から槇田を師匠と呼んでいる。

 

 

永重 富憲(ながお とみのり)61歳

 

病弱であったため、短期で何回かに分かれて法務大臣を勤めた人物。

 

蛆虫狩りの歳、元首相達が行っていた数々の悪行に気づけなかった責任を感じ、政界を去る。

 

 

現在は前から悩まされていた胃ガンが再発し、闘病中。

 

 

七海 橋鵺(ななうみ きょうや、元トラック泊地提督現横須賀提督)29歳

 

 

元々はトラック泊地本営府(トラック泊地そのもの、本営府、分営府については連動作品参照。)に勤めていた提督。

 

 

トラック泊地創設(割りと初期)の頃からの非常に優秀な提督の一人で、トラック泊地を中継して太平洋方面戦線の維持に尽力していた提督。

 

 

4年ほど前に、当時の秘書艦、艦娘である鹿島と結婚し(ガチの方、)、一人娘を授かっていたが、妻の鹿島が「蛆虫達」の被害に遭い死亡していた事実を知り憤慨、高木に協力し、太平洋方面戦線各地のブラック提督を逮捕するための段取りを行った。

 

 

最愛の妻の死を受け入れきれず、愛娘に母の死を告げることも出来ずにおり、娘には長期の出張と誤魔化して、妻を亡くした怒りと娘へ嘘をつく罪悪感から精神を磨耗しており、横須賀本営府の提督に就任して、横須賀でもうすぐ4歳になる娘に心配されながら、精神的な療養をしている。

 

 

後にとあることが切っ掛けでラバウルにやってくる提督の一人。

 

 

瀬野 由奈(せの ゆな、 元リンガ泊地提督、現呉鎮守府本営府提督)19歳

 

 

リンガ泊地本営府の提督をやっていた少女提督。

 

 

幼い頃、(深海棲艦が出てくる前)、両親が航空機事故で死亡、孤児となって孤児院で暮らしていたが、深海棲艦出現の少し前、初代横浜大本営鎮守府提督になる女性に引き取られ、今現在の姓を名乗ることになる。

 

 

自分を引き取ってくれた母の事が好きで、母の力になれないかと言う思いから提督になることを決断、本人に提督適正があったこともあり、艦娘が出現した翌年に、母の背中を追うようにしてリンガ泊地の本営府提督に就任する。

 

 

プロローグ3の5年ほど前の時期に母、初代大本営鎮守府提督が海外派遣提督達への視察のために向かっていた際、マラッカ海峡付近で行方不明になった時(事故による物と説明されている。)は激しく落ち込んでいたが、自身の鎮守府に所属していた艦娘達に慰められ復帰したが、今回の蛆虫達の件では、母に変わって家族同然だった自身の所属艦娘達が被害に遭って死亡していた事実を知ってしまう。

 

 

事件後、極端に精神を磨耗しほぼ廃人同然となってしまっている。

 

 

現在、多少は持ち直して呉鎮守府本営府の提督になっているが、精神的に非常に不味い状況であるのは変わり無く、又、後にとあることが切っ掛けでラバウルにやってくる提督の一人となる。

 

 

提督としては非常に優秀であり、事件前までは、ラバウル付近の深海棲艦の掃討、マラッカ海峡付近に展開していた中間棲姫勢力圏最大のの支部泊地の撃破に所属艦娘も、その一部を失ってしまっていたが、前線から何度も提督の前線復帰を望む声が出てきているほどである。

 

信濃 正幸(しなの まさゆき、第2代目横浜大本営鎮守府提督)

 

 

新機の深海棲艦情報や、新しい艦娘の出現報告、新しい泊地の出現など、世界各地へ派遣した鎮守府からの報告や連絡を統括する、かつては神奈川県横浜市の巨大貿易港であった横浜港周辺一帯をを丸々鎮守府にすることで生まれた全鎮守府に対する中枢の役割を成す鎮守府、横浜大本営鎮守府の管理、指揮を行う2代目の提督。

 

 

前任の初代大本営鎮守府提督、瀬野 陽香(せの はるか)がマラッカ海峡で行方不明になった際、変わりとして大本営鎮守府に着任した。

 

 

プロローグ3で「私の所の艦娘~」の下りの発言は彼でありその後、「蛆虫達」の残していた記録等から、初代大本営鎮守府提督が行方不明になったのは、彼女の親友、夏風 麟(なつかぜ りん)が機長を勤めていたC-130Hが海域の状況確認を兼ねて、マラッカ海峡経由でインドへ向かおうとしていた所を元首相の配下のスティンガーで撃墜されていたからであると知り(要するに初代大本営提督は由奈が知ってるような事故死じゃなく謀殺)リンガ提督の精神状態では伝えられないと考え、周辺にこの事を隠したままでいる。

 

 

 

 

「蛆虫達」。

 

日本国内部にて、艦娘が出現し、その力を借りて深海棲艦に反撃を開始し始めた頃から、政府中枢等に居座っていたゲスの極みもビックリの外道を働いていた超規模犯罪者集団の総称。

 

 

こいつら、プロローグ3等で語られていた幾多もの犯罪を世界レベルで行っている世界レベルの大犯罪組織であったことが「蛆虫狩り」事件の数日後に判明し、世界中で蛆虫狩りが発生、日本は愚か世界中の政府機能が一時停止してしまう程の大惨事を成していた。

 

 

尚、蛆虫達の被害者の末路に関しては「あまりにグロすぎる」として公表されておらず、民間レベルではその真相が闇にされている。

 

(公表する場合、どうあがいてもR-18Gとか付くの確定なので仕方ない。)

 

 

因みに、コイツらが消えたお陰で、人類側と艦娘との連携が非常に劇的に改善されており、いかにコイツらが邪魔だったのかがよくわかる。

 

因みに日本での主犯格は全員死刑執行済み。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中間棲姫(中間棲姫勢力圏、本拠地、太平洋クリスマス島)

 

 

プロローグ2で謎の巨大戦艦に配下をフルボッコにされた緑オーラの中間棲姫。

 

 

元キリバス領クリスマス島を本拠地とする勢力圏で元々は5年ほど前にマラッカ海峡で生まれたのだが、由奈提督とインドネシア方面戦線の提督の攻撃を受け敗走、長きにわたる逃避行の末、3年前に、すでに人類側が放棄していた太平洋クリスマス島を本拠地として、本格的に勢力圏を形成した深海棲艦、自身の出生がよくわかっておらず(これは、基本的にドックから生まれてくる深海棲艦以外は、偽装航空戦艦姫を除いて共通している事柄である。)自身の出生を調べつつ、南太平洋上の島々を中心に勢力圏を形成している。

 

 

最近、これまでに人類側の攻撃で放棄され、人類側も大西洋方面戦線、インド洋戦線の激化で手をつけられずにいたパプアニューギニア及びソロモン諸島、元バヌアツ共和国(9年前に放棄)方面に新しい姫(偽航戦姫のこと)が勢力圏を作り始めた事を知り、今度の中央泊地総合姫会議へと招待することとなる。

 

 

副官のヲ級eliteは、生まれて直ぐに配下にしたドロップ艦(何故かelite)、であり、一番古い付き合いである。

 

 

人心(対象は深海棲艦だが)掌握能力に優れ、本来はそう簡単に卸す事の出来ない戦艦レ級を何隻も配下に加えている。

 

 

現在、ソロモン諸島に新しい支部泊地を作る作業中。

 

主力は潜水ソ級と重巡リ級。

 

 

 

 

装甲空母姫、(装甲空母姫勢力圏、本拠地、アメリカ西海岸近海、洋上本拠地)

 

 

アメリカ西海岸、サンフランシスコ近海に本拠地の巨大な浮き島を有する緑オーラの装甲空母姫

 

 

プロローグ2では、わざわざ太平洋を横断するレベルの長距離航海をしてきたのに惨敗し、既存の勢力圏を縮める遠因となってしまった。

 

 

現在戦力の再編成中、主力は軽空母ヌ級。

 

 

 

港湾水鬼(港湾水鬼勢力圏、本拠地、元日本国領南鳥島)

 

巨大戦艦の被害者その3、緑オーラの港湾水鬼。

 

元々はミッドウェー島に本拠地をおいていたのだが、人類側の度重なる攻勢でミッドウェー諸島が陥落、少し前から南鳥島の支部を新たな本拠地にしたばかり、プロローグ2の大損害で大西洋においていた支部を撤収させる羽目になる。

 

現在、戦力再編が完了し、小笠原諸島にある鎮守府分営府を襲撃する準備中。

 

 

 

 

集積地棲姫(集積地棲姫勢力圏、本拠地、台湾。)

 

 

深海棲艦緑オーラの姫クラスの中で、多々だ唯一人類側にやけに最前線ラインに本拠地を構えている武闘派の集積地棲姫。

 

 

世界各地に散らばらせている支部泊地に資源をよく溜め込んでおり、最近、人類側にそこを急襲されては資源をパクられるようになっていたのだが、横須賀奇襲が巨大戦艦の妨害で大失敗し、大量に供出していた補給用物資と、泊地防衛部隊の一部を失い、度重なる日本空軍泊地強襲航空隊の襲撃もあり、本拠地の防衛が怪しくなっている。

 

 

北方棲姫(北方棲姫勢力圏、本拠地アッツ島)

 

 

深海棲艦緑オーラの姫クラスの癒し枠、元々は幌筵島に本拠地を構えていたのだが、3年ほど前に、幌筵島に泊地を建てようとした人類側にフルボッコにされ、アッツ島に本拠地を構え直している。

 

 

ほっぽちゃん自身は基本的に見た目も性格も幼女の完全癒し枠なのだが、副官の軽巡ツ級eliteは策士であり、悪雨ちゃんだらけの艦隊や、海上に機雷を散布する手法でのシーレーン封鎖を行うなどの、わりとえげつない戦法を取っている。

 

 

勢力圏としては、偽装航空戦艦姫を除くと唯一の航空機解析施設があり。

 

 

爆装の零戦や烈風、彗星等を解析して、タコヤキだとか復讐艦攻だとかを開発したのは実はこの勢力圏である。

 

 

その航空機開発力は実の所偽装航空戦艦姫の現在の開発能力と同等であり、後に偽装航空戦艦姫の航空機開発部門と、此処の航空機開発部門はライバルの関係になる。

 

 

因みに、趣味で特殊物資と言うものをよく集めており。

(艦これで言う秋刀魚や菱餅のこと、資源や資材になる辺りも一緒。)

特殊物資を集めて溜め込む度に、これを狙って艦娘の大群がやって来て、防衛部隊をタコ殴りにして奪っていくため、最近、物資の隠蔽スキルを覚えた。

 

 

 

 



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~第3話~ラバウル先行偵察と中央泊地総合姫会議への誘い~

今回は、完成間近でチート提督出現少し前のラバウル鎮守府の先行偵察と、中間棲姫からの中央泊地総合姫会議への誘いが来る話です。


~偽装航空戦艦姫が勢力圏を作り始めて3ヶ月が経過しようとしているある日~

 

 

~中間棲姫勢力圏本拠地、早朝のクリスマス島にて~

 

 

「中間棲姫様、最近出現した新しい泊地の件なのですが……」

 

 

「うん?どうしたのヲ級?そんなに不思議そうな顔をして?」

 

 

「それが、ちょっとおかしな報告が入りまして…………。」

 

 

 

中間棲姫の本拠地、クリスマス島。

 

 

 

偽装航空戦艦姫が開発したB-32フライング・デビル隊が、紺碧の艦隊にて戦艦比叡によって、此処に着陸しようとしていた機が、艦砲射撃の嵐に出会い壊滅させられた、B-32因縁の地の一つ。

 

 

此処に本拠地を置く中間棲姫は、ニューカレドニア島の周辺に最近、少しずつ出現した新しい幾つかの泊地が、何処の勢力圏に属しているのかの確認を行っていたのだが、部下からの報告書を纏め終え、中間棲姫に報告しに来たヲ級エリートの表情は、「何で?」と言いたげな疑問符だらけの困惑したものとなっていた。

 

 

因みに、何でわざわざ調べてんの?何で他の勢力圏の長達に連絡で聞いてみないの?と言う疑問に関する答えなのだが、まず、中間棲姫が最近建設作業中のソロモン諸島の支部泊地に関係がある。

 

 

この泊地、自身が配下にした戦艦レ級達を集中配備して、ソロモン諸島を確保しようとする艦娘達を奇襲、撃破する為の秘密基地にする予定のため、外部に完全秘匿で建設作業をしているのだ。

 

 

(中間棲姫は、戦艦レ級が恐ろしい存在であるがゆえに、自身がレ級を制御出来る事を、仕事の増加による過労を恐れて他の勢力圏の長たちに教えていない。)

 

んで、他の勢力圏のものと思われる泊地が近場に出来始めたため、その泊地を管理する勢力圏に其処の所在がバレる前に、所属勢力圏の長と会談して、此処のことを黙っておいて貰おうと考えたのである。

 

 

と、言うわけでこの泊地群へ物資を輸送する輸送ワ級の航行ルートなどを元に、この泊地が何処の勢力圏所属なのかをこっそり確認していたわけなのだが、此処で話は冒頭の会話に戻る。

 

 

 

「偵察隊からの報告書によりますと、彼処は新しい勢力圏が産み出した泊地らしく、長は戦艦棲姫だと思われると書いてあるのですが・・・。」

 

 

「ん?戦艦棲姫が長なら別段何も疑問符が付くような事は無いんじゃない?只最近新しい勢力圏が生まれたってだけで。」

 

 

「それが・・・・、長とおぼしき戦艦棲姫には緑オーラの存在が確認されず、しかもその戦艦棲姫とその取り巻きが、ただの空母ヲ級に命令されて活動していた、なんて報告が入っているんですよ。」

 

 

「えー・・・・・・、緑オーラが確認できない上に、長と思われる戦艦棲姫がノーマルのヲ級の命令に従っているって事?」

 

 

「そういう事です、後、中央泊地に該当するのはニューカレドニア島にあったそうです。」

 

 

「ニューカレドニア島かぁ、そいえば彼処って何故か放置されてたわね。」

 

 

「それと、もう一つ気になる報告が。」

 

 

「ん?まだ何かあるの?」

 

 

副官からの報告を聞き、幾つかの疑問が早速浮かんだ中間棲姫だが、ヲ級eliteからの報告は続く。

 

 

「まずその新しい勢力圏なのですが・・・、非常に大規模な研究施設と、艦娘側の装備を解析してると思われる先程のとは別の研究所、更に人類側のレーダーサイトと似たような施設、オマケに陸上機を運用してると思われる浮き桟橋と思われる物を確認しました。」

 

 

「うわぁ・・・研究施設って・・・・艦娘の装備解析行えるのって装備種類が限定されてる前提加えても、ほっぽちゃんの所と、パナマ運河で只今絶賛大決戦中の運河棲姫の勢力圏とか位だったわよね?」

 

 

「後は知ってる限りではインド洋の泊地水鬼の勢力圏位だったはずです。」

 

 

「独自に研究しようにもそもそもノウハウが無いからこちら側の航空機開発は全部ほっぽちゃんに丸投げしてると言う悲しい有り様。」

 

 

「防空棲姫だとかの新しい深海棲艦も増えてはいるのですけどねぇ・・・・。」

 

 

「この新しい勢力圏、色んな意味で期待が持てそうね。」

 

 

「ですねぇ~」

 

 

「(スタスタスタ、)失礼シマス、姫サマ、イツモノ奴デス。」

 

 

「あら、レ級じゃない、ありがとうね。」

 

 

「イエイエ、イツモノ事デスノデ、ソレデハ失礼。」

 

 

中間棲姫が副官の空母ヲ級eliteと話を続けていると、レ級が一つの紙を手渡し、一礼して去っていく。

 

そこには、中央泊地総合姫会議の出欠を取るという内容と、既に回答し終えた他の深海棲艦勢力圏の長達の出欠状況がかかれていた。

 

 

曰く、

 

北方棲姫、出席

港湾棲姫、出席

装甲空母姫、出席

空母水鬼、出席

戦艦水鬼、欠席

集積地棲姫、出席

運河棲姫、欠席

港湾水鬼、出席

泊地水鬼、出席

 

となっていた、尚、自分は新しい勢力圏を除けば最後に回ってきたらしく、他の長は既に出欠の回答を済ませた後であった。

 

 

「私も参加っと・・・・、そうだ、ヲ級、ニューカレドニア島の長に書状を届けさせるように頼めない?」

 

 

「書状ですか?、・・・ああなるほど、そういう事ですか、了解しました、すぐに手配します。」

 

 

この十数分後、クリスマス島からニューカレドニア島へ向かうとある艦隊が、母港を出港するのであった・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~偽航戦姫勢力圏本拠地、ニューカレドニア島、勢力圏総司令部、重役会議室~

 

 

時刻は夜11時頃、ニューカレドニア島の偽装航空戦艦姫はこの夜遅くにわざわざ主な配下を呼び寄せ、最近、人類側が建設中のニューブリテン島ラバウル基地鎮守府への、量産化した高高度偵察機による偵察で確認した映像などを元に、対策を練るための会議を開いていた。

 

 

「と、そんなわけでこの泊地に関して注意しなくてはいけないのは陸軍の防衛部隊ですね、特にこのピンク髪の人物。」

 

 

「コノ姿・・・・マサカ、マタ彼女ノ姿ヲ見レルナンテナァ、水菜ァ…………。」

 

 

「ちょwwwwwwもしかしなくてもこの人前世のレ級を殺った人物じゃないwww特徴がピッタリすぎて草生えるわwwwwww。」

 

 

「姫様、笑いすぎです、それにしてもレ級、それは本当なのか?、だとすれば、陸戦でとはいえレ級とやりあえると考えると、こちら側にアドバンテージの無い陸戦では彼女に勝つには私のような姫クラスが必要になる状況だ、リ級達を30隻とかでも倒すのは困難だと考えて良いレベルの猛者だそ!。」

 

 

「よくよく装備を確認すると、この人物以外の兵士も装備はかなり良い方だから、人数用意されたら私や戦艦棲姫とかでもやられる可能性大ね、少数で奇襲が一番効果的かしら?」

 

 

副官のヲ級の一言で始まった話題は、ラバウル基地に先行で配属されている陸軍防衛隊と、偵察のカメラに写っていた、日輪 水菜中佐の事であった

 

ラバウルに駐屯している陸軍の防衛部隊は、数こそ少ないものの、大型深海棲艦に上陸された時のために、RPG-7に代表されるような対戦車クラスの兵器を多数用意していた。

 

この幾多もの対戦車兵器クラスの武装の数々、基本的に上陸出来ない駆逐艦クラスとかの小型艦だけでなく、上陸する空母や戦艦クラスの深海棲艦にもかなり有効であり、具体的に言えば、比較的装甲が薄いノーマルの空母ヲ級や重巡リ級とかだと、対戦車ライフルでも即死ワンチャンがあり得るレベルで、戦艦棲姫等の姫クラスでも、5発とか10発とか受けると持ちこたえられない程である。

 

(ミサイルとかもっての他、一発でも食らったら水鬼クラスでも中破は確定する。)

 

 

そして何より、深海棲艦は海上での高い機動性を陸上ではまるで発揮出来ない、どんなに早くても一般人の走る速度と大差ないのが現実だ。

 

 

尚、深海棲艦は、重巡リ級でも対戦車ライフルが直撃すると最低でも中破、最悪致命傷を負う事があるのにも関わらず、普通に考えたら明らかに対戦車ライフルより威力が上であろう艦娘の装備としての20,3センチ砲の直撃を、重巡リ級が受けても小破にとどまることがある位の謎の防御特性を有している。

 

 

なので、海戦で一番恐ろしいのが艦娘なのは当然の事なのだが、上陸戦、及び陸戦に話が刷り変わったとき、一番恐ろしいのは実の所武装した人間の方なのである。

 

 

真面目な話、レオパルドや90式等と言った現代の戦車とかが大挙して押し寄せてくれば、余程深海棲艦側に豊富な戦力がない限り、深海棲艦側に勝ち目は一切残っていない(旧式の74式1両とかでも、レ級がソロで挑むとかなると勝てるかどうか非常に怪しくなってくるほどである。)。

 

 

偽航戦姫達は知らないが、集積地棲姫の本拠地の台湾には、本拠地保持の為()()に1000隻近い大型深海棲艦が常駐しているのだ、いかに深海棲艦にとって武装した兵士が陸上で脅威であるのかと言うことと、人類の勢力圏に近い陸地を保持するのが大変なのかがわかるだろう。

 

話がそれたが、そんなわけで、偽航戦姫達はこのラバウル防衛部隊という強敵への対処をどうするか考えていた。

 

前にチラリと述べていたが、この勢力圏、相手側からのヘイトを少しでも和らげるのと、中破大破艦艇の修理で相手の資源消費を狙う為に、殺生を禁止してるというかなり辛い縛りが入っている。

 

人間に至っては失明等の強烈な後遺症があるケガを負わせるのも禁止しており、《どうやって相手を無力化していくか考えていく》前提条件の非常に厳しい作戦構築となっていた。

 

 

しかも最大の壁となっていたのは偽装航空戦艦姫の相棒、エリートで前世持ちのレ級の前世を撃破した猛者である日輪中佐の存在であった、この人物、何で強敵なのかと言えば、レ級を倒した時に使っていたのは刀立ったからなのである、深海棲艦の格闘戦闘能力は艦娘と大して変わらず、ル級が本気で殴りかかったら大の大男でも盛大にぶっとばされて大ダメージを負うのである、当然、そのリスクを避けるため普通兵士は遠距離から攻撃してくるのだが、この人物は殴られるの覚悟で接近し、二刀流で切りつけてくるのである。

 

更にレ級の話によれば、レ級が本気で殴り付けても普通に耐えるという常人では土台無理な耐久力と海上を全速力で航行する駆逐艦娘と見間違うかのような機動力があることも判明し、この人物に対峙出来そうな戦力が、姫クラスを除くと一度負けてる相棒のレ級位しかいないことも相まって、戦艦棲姫も潜水棲姫も彼女への対処に非常に難儀していたのである。

 

 

 

「うーん・・・・現状の戦力だとラバウルを叩くのは無力みたいねぇ…………仕方ないし、この件は保留にしときましょうか。」

 

 

「ダナァ・・・・水菜ガ居ルシ、モウ少シ戦力ヲ用意出来ナイトココノ攻略ハ無理ダロウナァ・・・・。」

 

 

「だな、せめて戦力の全容を把握できれば良いんだが、ざっくりわかってるだけでもこれだけの戦力だからなぁ、(コンコン、)「失礼致します。」空母棲鬼か、入って来ていいぞ、」

 

 

「姫様、先程、本島近海にて、中間棲姫の勢力圏に所属していると名乗った艦隊が入港許可を求めてきました、いかが致しますか?」

 

 

「中間棲姫の勢力圏?何でこんなところに?」

 

 

「…………あぁ成る程、絢香様、入港を許可した方が宜しいかと。」

 

空母棲鬼から入った報告は近海に、中間棲姫勢力圏所属だと言う艦隊が、港への入港を求めているとの報告であった。

理由になりそうな要因があまり思い付かず困惑する戦艦棲姫を横に、副官のヲ級eliteは何かに気づいたらしく、偽航戦姫に入港を許可するべきだと進言する。

 

 

「うん?そうなのヲ級?それまたどうして?」

 

「恐らく、そろそろハワイ本島にて中央泊地総合姫会議が開かれるから、そこに招待する予定ではないのかと。」

 

「へぇ~、そんなイベントあるんだぁ、なら参加しとかないとねぇ、解ったわ、空母棲鬼!入港を許可すると伝えて!、後、私たちはやってくる艦隊を出迎えるわよ!」

 

「「了解。」」

 

 

~数分後~

 

 

 

 

 

空母棲鬼に誘導され、偽航戦姫(偽装状態)とその部下に迎えられる艦隊、陣容は、イ級4、ホ級1ヲ級2とタ級のエリートであった。

 

「初めまして・・・・いきなりで失礼ですがそこのヲ級殿、貴女がここの勢力圏の長で間違いありませんか?」

 

「初めましてですね、ってかよくわかりましたね、バレないように姿を偽装していたのですが。」

 

「ヲ級に姿を偽装しているわけですか……緑オーラも隠せると・・・・、失礼、我が勢力圏の長、中間棲姫様よりの書状であります、後々のご確認をお願い致します。」

 

「了解しました、この書状は後で必ず確認させて頂きます。」

 

「ありがとうございます、ではやることも終えたのでこの辺で・・・・「ちょっと待ってください、帰還中に艦娘の夜襲を受けるかもしれませんし、今夜は此処で一夜明かされては?」……宜しいのですか?」

 

 

書状を渡し終えたタ級を、偽航戦姫が呼び止める。

 

 

 

「まぁこちらは拠点の位置がよかったのか、まだ近くに戦線とかがある状態と言うわけでもないですし、補給物資には余裕があるので、それに、私に書状を渡した事を中間棲姫に確実に伝えたいですし。」

 

 

「・・・・ありがとうございます、恐れ入りますが、一晩宜しくお願いします。」

 

「さて、やって来たタ級達の寝床用意するぞ、誰か手伝え!」

 

「ネ級、タ級タチノ補給ノ為ノ準備ヲ始メテクレ。」

 

「了解しました。」

 

 

こうして、タ級達を出迎えた偽装航空戦艦姫は、翌日、タ級達を途中まで精鋭で見送り、タ級達が偽航戦姫達に感謝しながら帰路についた後、中間棲姫からの書状を開封したのだが、そこには副官ヲ級の予想通り、中間棲姫からの中央泊地総合姫会議への誘いの文が入っていた。

 

 

中央泊地総合姫会議は数日後に開催されるらしく、早速出席する旨の文を書き、使者のタ級達が教えてくれた、中間棲姫の本拠地、クリスマス島へ、安全性を考慮して、相棒のエリートレ級を使者に、空母棲鬼、潜水棲姫、タ級2隻に、ロ級7とPTボート小鬼群22の大艦隊にて、返答の文を届けさせたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでレ級を送った後、いよいよ偽航戦姫は初めての中央泊地総合姫会議へと出席する為に、色々な準備をし始めるのであった・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~続く~

 

 

 

 

 



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~第4話~中央泊地総合姫会議とやって来たチート達、前編~

今回は中央泊地総合姫会議のお話です。

登場する姫、水鬼が多いので、発言者の区別のために途中で一時台本形式になります。

長いので二分割しました。



~元アメリカ合衆国ハワイ州、現深海勢力共通中立地帯ハワイ諸島、オアフ島~

 

 

 

この日、偽装航空戦艦姫がやって来たのは、かつてハワイ州の州都があり、今現在、深海棲艦達の情報交換、交流の場としてどの勢力圏も泊地を置くことが許されない中立地帯の一つになっているオアフ島である。

 

 

 

前日、本拠地を潜水棲姫とレ級eliteに任せ、偽航戦姫が副艦のeliteヲ級と、護衛の2個艦隊(戦艦棲姫と駆逐棲姫が指揮している。)を引き連れ、島に入り向かっていったのは、かつてまだハワイが一つの王国であったときにただ一つ建てられた宮殿、イオラニ宮殿のすぐ近くにあり、深海棲艦の驚異によってハワイから人が去って行った後も、深海棲艦たちの手によって拙いながらも維持されてきている元ハワイ州庁舎であった。。

 

 

何を隠そう、この元州庁舎こそ、中央泊地総合姫会議のいつもの会場なのである。

 

 

 

「まさかハワイにやってくる日が来るなんて思いもよらなかったわね~、他の島の警備艦隊の規模とか見てて思ったけど、さすが各地の勢力圏の長達がやってくるだけあって警戒も警備も厳重だし、空中に展開してる艦載機、種類がまちまちだけど相当な数よコレ。」

 

 

深海棲艦の長達が一同に会するからなのか、ホノルルとオアフ島周辺海域の上空には数えきれないほどの航空機が展開し、オアフ島含めたハワイ諸島各島には、各勢力圏が防備を分担して、それぞれに700は下らない数の深海棲艦達が展開していた。

 

 

「失礼致します、此処は中央泊地総合姫会議の会場となっておりますが、勢力圏の長はどちらに?」

 

 

「姫様、偽装状態を解除してください、オーラが見えないので検問の方が困惑されています。」

 

 

偽航戦姫は、庁舎に入る前に入り口にて守衛の戦艦ル級にこの中で勢力圏の長は誰なのかと聞かれる。

 

 

副官ヲ級がそれに気付き、偽航戦姫に偽装を解くように偽航戦姫に言う。

 

 

「あっ、偽装状態なのをすっかりと忘れていたわ、御免なさいね、今偽装を解除するから‥‥‥‥‥‥‥‥、これで良いかしら?」

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥確かに、失礼致しました、そちらのお方が今回会議に初参加の偽装航空戦艦姫様ですね?会議について軽く説明させて頂きますが、まず会議に臨席できるのは各勢力圏の長と、それぞれの副官一隻の各勢力圏毎2隻ずつとなっております、3個艦隊、総計50隻までと制限させて頂いている護衛艦隊の方々は、会議室内に入る事に関しては、非常事態でもない限り、原則として禁止となっておりますので注意してください。」

 

 

「了解したわ。」

 

 

「それでは、中に入るとしましょう。」

 

 

偽航戦姫がヲ級への偽装状態を解除し、本来の姿に戻ると、それまで隠れていた緑色のオーラが出てくるようになり、それに気づいたル級が謝罪をする。

 

 

その後、ル級から姫会議に関しての軽い説明を受けた後、偽航戦姫達は建物内へと入っていく。

 

 

建物内で案内深海棲艦に誘導され数分、会場となる広めの会議に到着する。

 

 

既に会議実の付近には他の勢力圏の深海棲艦が多数待機しており、偽航戦姫のオーラを感じ取ったからなのか多数の視線が偽航戦姫達に向いていた。

 

 

「では、護衛の我々はこの付近で待機します、何かあったらすぐにこちら側へ逃げてきてください。」

 

 

「ヲ級、姫様の事は頼みます、此処で姫様を補助出来そうなのはヲ級ぐらいしかいそうにいないですし。」

 

 

「ははは‥‥‥‥割りと責任重大ですが、何とか頑張ってみます。」

 

 

「そうそう、航空機や他の装備に関して説明を求められたら空母棲鬼やタ級を呼ぶつもりだから、そのときはよろしくね。」

 

 

「了解したわ、それじゃ姫様、また後で。」

 

 

護衛の戦艦棲姫達と別れた後、偽航戦姫はヲ級を連れ、中へと入っていく‥‥‥‥‥‥‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

~中央泊地総合姫会議~

 

 

(以降、会議が終わるまで、発言に関しては台本形式を用います。)

 

 

偽航戦姫「失礼します、偽航戦姫、只今到着致しました。」

 

 

戦艦水鬼「おっ、まさか全体で二番目にやって来るとはな、貴公が中間棲姫が呼び出した新しい我々の仲間、偽装航空戦艦姫殿か?」

 

 

偽航戦姫「その通りです、私の事を知ってるとは、割りと情報が出回ってるんですね。」

(すっごい体格が大きい‥‥‥‥‥‥‥‥身長も軽く250センチは越えていそう・・・)

 

 

戦艦水鬼「まぁ中間棲姫が情報を各所に流してくれたしな、このくらいは把握済みさ、紹介が遅れたな、私はインド洋の海上基地を本拠地とする勢力圏の長、戦艦水鬼だ、自慢できることと言えば、この私専用装備の《深海式30インチ連装砲》と砲技術が自慢だな。」

 

 

偽航戦姫「嘘!?開発中の25インチ砲が負けている!?」

 

 

偽航戦姫が戦艦水鬼の砲を見ると、そこには、ただでさえ巨大な戦艦水鬼の体格にさえ、多少過剰と思えてしまうほどの巨砲がしっかりとのっていた。

 

 

戦艦水鬼(私の所以外でそこまでのサイズの主砲を開発できる所ははじめて知ったぞ・・・・あと、砲技術の開発技術に関してうっかり口を滑らせてしまった・・・・。)

 

 

偽航戦姫「そう言えば戦艦水鬼さんって確この会議欠席だったはずでしたよね?」

 

 

戦艦水鬼「ああ、本来は戦線を安定させるために時間を使うために欠席させてもらおうと思ったのだがね、案外早くに戦線が膠着しちゃったから戦線を部下に任せて緊急で参加することにしたんだよ。」

 

戦艦水鬼「この会議、各勢力圏の安全性の面の問題もあって、会議開始までに確実にここにこれる人数が少なくてね、今も既に会議開始20分前だが、大体は会議開始5分前位のギリギリに滑り込んで来るのばっかりさ。」

 

 

偽航戦姫「そうなんですか、各島に多数の艦艇が既に展開してたんでてっきり各地の長はとっくに到着してたのかと思ってました。」

 

 

戦艦水鬼「まぁ会議開始2日ぐらい前に先行して各島の警備艦隊を先行させておくのはセオリーだからな、貴公も次からは警備の艦隊を派遣してくれると嬉しいよ、何分大事な会議だから、何かあると大変なんだ、警備艦隊はどれだけいたって過剰にはならんよ。」

 

 

防空棲姫「主さま、装甲空母姫様がもうすぐやってくるそうです。」

 

 

戦艦水鬼と偽航戦姫との雑談に割ってきたのは戦艦水鬼の副官である防空棲姫。

 

 

偽航戦姫「やって来ましたか、・・・・そうだ、戦艦水鬼さん、折角ですし、装甲空母姫さんを驚かしません?」

 

 

戦艦水鬼「ドッキリを仕掛けるという訳か‥‥‥‥私が貴公と此処にいることは装甲空母姫達は知らんはずだし面白そうだ、その案乗った!」

 

 

ヲ級「姫様~私の胃が痛くなりそうな事するのやめてくださいよ・・・」

 

 

防空棲姫「主さまもノリノリで準備してないで下さいよ・・・・。」

 

 

戦艦水鬼と偽航戦姫がドッキリの軽い下準備をするのを見たヲ級と防空棲姫は、互いに苦労してそうなお互いの表情を見て、さりげない親近感を覚えるのだった。

 

 

~ドッキリ敢行中~(ダイジェストで)

 

(尚、標的は装甲空母姫だけじゃ無い模様)

 

 

 

装甲空母姫「ひやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

集積地棲姫「うっひゃあ!!、ウーン(失神)」

 

 

中間棲姫「・・・・何のつもり?(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

 

 

戦水&偽戦「すいませんでした!!(土下座)」

 

 

 

空母水鬼「うわわっ!!(艦載機を出しながら)」

 

 

戦水&偽戦「ちょっこの数は‥‥‥‥アバーッ!」

 

 

~廊下~

 

 

戦艦棲姫「・・・・また驚かそうとして反撃もらってるようちの姫様‥‥‥‥。」

 

 

空母棲姫「あら?貴女は偽航戦姫という所の護衛さんかしら、私と同じく随分懲りない上司を持ったものね。」

 

 

戦艦棲姫「む、その言い方から察するに貴公は戦艦水鬼の所の護衛か。」

 

 

空母棲姫「まぁね、折角だし、私達は私達で各地の戦力について軽く情報交換しない?」

 

 

戦艦棲姫「その申し出は嬉しいのだが、我々が持ってるのはせいぜい新兵器とラバウル、オーストラリア東部近海方面の簡単な情報位だぞ?」

 

 

空母棲姫「ラバウルの情報はあまり出回ってないから助かるわ、それと新兵器?の情報もあるそうだしそれで十分よ、私の方はこっちで独自開発した色んな兵器と、インド洋の戦況が主ね取り敢えず情報交換してみましょうよ?」

 

 

 

「インド洋か‥‥‥‥、各地の戦線の状況を聞くつもりだったから助かる、では宜しく頼むよ。」

 

 

飛行場姫「あら?貴女達、情報交換しているの?私の所も北太平洋戦線と最近開発した新型艦載機の情報があるから私も混ぜてくれないかしら?」

 

 

空母棲姫「あら?もしかして北方棲姫の所の飛行場姫さん?新型艦載機の情報は是非とも欲しいわね。」

 

 

戦艦棲姫「新型艦載機か、私の所属する勢力圏は最近できたばっかりの新参なのだが、姫様の技術部も少し前にエイの形をした艦載機の開発が完了してな、そちらの航空機と北太平洋戦線の話も気になるから是非とも情報交換させて欲しい、私からもお願い出来ないだろうか?」

 

 

飛行場姫「えぇっ!?新しい艦載機の開発能力がそっちにもあるの!?、凄く気になるわ!速く始めましょ!」

 

 

空母棲姫「ちょっ、飛行場姫さん張り切りすぎです!(私の所も航空機の改造技術はあるけどそこは隠しとこ・・・・。)」

 

 

 

‥‥‥‥

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥数十分後。

途中、戦艦水鬼と偽航戦姫が驚かした集積地棲姫が失神したり、中間棲姫を驚かそうとして失敗し、鬼のような形相で怒られたり、空母水鬼に反撃の爆撃食らったりと色々あったが、各地の長たちが集まり、軽い挨拶と自己紹介を交え、ようやく会議は始まった。

 

 

 

ちなみに、良心が働いた結果、北方棲姫だけは二人の悪戯に巻き込まれずに済んでいたりする。

 

 

中間棲姫「それじゃ始めるわよ、まず最初にうちではいつものほっぽちゃんの所の航空機開発の件について聞きましょうか、。」

 

 

北方棲姫「と言うわけでほうこく~、少し前についに、ほっぽが開発していた新型艦載機が完成したの~、これでごく一部で見かけられた震電にも勝てるようになったよ~」

 

 

 

装甲空母姫「やった!これでやっと劣性にたたされていた航空機事情を打開できるわぁ!」

 

 

空母水鬼「どんな航空機なの?ほっぽちゃん。」

 

 

北方棲姫「えっとね~(ガサゴソ)」

 

 

偽航戦姫(うそーん、震電改に勝てる機体が開発されてたなんて・・・・エイ型夜間戦戦闘機の話どうしよう・・・・・・。)

 

 

 

艤装をガサゴソやっていた北方棲姫が艤装の口から取り出し、試しにと発艦したのは、鯱の形をした航空機だった。

 

 

その鯱は、偽航戦姫視点ではさっき空母水鬼が出してきた猫艦戦より遥かに速く、まさしく鯱と言わせんばかりの獰猛な目がギラリと光っていた。

 

 

北方棲姫「じゃーん!新型艦載機、深海鯱艦戦だよ!」

 

 

集積地棲姫「強い(確信)」

 

 

港湾水鬼「これは‥‥‥‥これならこれまで数の暴力が基本だったこっちの航空隊も質重視にに移行できそうね、ところで、生産コストとかってどうなってるかしら?」

 

 

北方棲姫「そこが痛いところになっちゃってて‥‥‥‥‥‥‥‥ほっぽの航空機製造ラインでも、ライン一つだと一日に数機が限界で、ボーキサイト1での製造機数はたったの3なの‥‥‥‥‥‥‥‥。」

 

 

 

港湾棲姫「流石新型艦載機‥‥‥‥性能もさることながら、製造コストも尋常じゃないわね。」

 

 

泊地水鬼「1ラインで一日に数機が限界なのが痛いな、まともな数量産して運用可能になるのに時間がかかりすぎるぞ。」

 

 

 

中間棲姫「これの課題はコストよりも製造数ね、ほっぽちゃん、これの製造速度の向上をメインに改良をお願いできるかしら?」

 

 

北方棲姫「わかった~、ツ級、開発主任の飛行場姫おねーちゃんとがんばってみる!」

 

 

港湾水鬼「頼む、最近やけに強い零戦とかだとかが」

 

 

偽航戦姫「あの‥‥‥‥すいません、ちょっと良いですか?、実は最近私の所もこの鯱には勝てそうに無いですが、震電には勝てるであろう機体を開発したんです。」

 

 

北方棲姫「え!?それ本当なの!ちょっと見せて~。」

 

 

港湾水鬼「ええっ!、ほっぽちゃん並の航空機開発能力があるの!その新型機、どんなものなのか是非とも見せて欲しいわぁ。」

 

 

偽航戦姫の話に強く食いつく北方棲姫、以外にも港湾水鬼も気になる様子。

 

 

偽航戦姫「それの説明も含めて、ちょっと部下を呼んできます。」

 

 

集積地棲姫「ん?この場で貴女が説明すりゃいいだけじゃない、何で部下をよぼうとしているんだい?」

 

 

偽航戦姫「今来ている部下のうちの一人に、設計者がいるので彼女に説明させるのが適切かと。」

 

 

装甲空母姫「成る程ね、じゃあ呼んで来ちゃいなさいな。」

 

 

偽航戦姫「では‥‥‥‥ちょっと失礼、(スタスタ)」

 

 

 

 

 

 

一分後

 

 

空母棲鬼「ほ、本当に私が説明するんですか!?」

 

 

偽航戦姫「大丈夫大丈夫、軽くスペック説明すれば良いだけだから、肩の力抜いてゆっくり説明しても大丈夫よ。」

 

 

北方棲姫「あれ?おねーちゃんどうしたの?凄く目をキラキラさせて。」

 

 

飛行場姫「いやなに‥‥‥‥ほっぽが驚くような話があって来たんだけどね、・・・そこの空母棲鬼が説明するでしょうから期待すると良いわよ。」

 

 

戦艦棲姫「(廊下にて)空母棲鬼はうまく説明出来てるだろうか?かなり緊張してたから心配だ。」

 

 

防空棲姫「多分大丈夫でしょ。」

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

 

 

 

港湾棲姫「‥‥‥‥‥‥‥‥成る程ねぇ、こっちは夜間飛行可能な上に震電に勝てるスペックと生産コストと速度もボーキ1で5機で1ライン日産30余機、通常艦隊向けはこっちで決まりね。」

 

 

 

泊地水鬼「ただ、性能は鯱の方がかなり良いから少数生産ながら鯱も用意するべきねぇ‥‥‥‥ってか対震電を考えると鯱って実は相当オーバースペックなのに今更気づいたわぁ‥‥‥‥。」

 

 

中間棲姫「これからは主力がエイ型に推移し、鯱がエース用になる感じで艦載機事情は推移することになりそうね。」

 

 

空母水鬼「新しい機体の活躍が期待で良かったわぁ、折角だし、後で技術交流しましょうよ、もっと強力な艦載機が開発できるかも知れないわよ。」

 

 

 

集積地棲姫「それもアリやなぁ、一連の説明を聞く限り他にも他分野に渡って技術を開発できるらしいやん?、もしかすれば偽航戦姫の所を参考に、技術開発能力を持ち合わせてない勢力圏が技術開発を手に入れられるかも‥‥‥‥‥‥。」

 

 

空母水鬼「‥‥‥‥‥‥‥‥ネ級、ちょっと技術交流の為の人材をリストアップしときましょうっと。」

 

 

ネ級(空母水鬼の副官)「はぁ・・・また思い付きを実行に移そうとする癖か‥‥‥‥‥‥‥‥そんなに多くは派遣できませんからね?」

 

 

 

装甲空母姫「空母水鬼ったらずるいわねぇ、装甲空母鬼!、私達もリストアップ急ぐわよ。」

 

 

装甲空母鬼(装甲空母姫の副官)「了解、サクッとリストアップを済ませとくわ。」

 

 

 

 

エイ型の説明と鯱型との性能比較をした結果、汎用性はエイ型が、純粋な空戦能力は鯱型の方に軍配が上がった為エイをメインに、鯱を少数生産していく方針で勢力圏全体の航空機運用指針が策定されていく。

 

 

(エイがゲームで言う対空16、一方鯱は対空23、震電改に対して鯱投入は恐ろしいオーバーキルになる。)、

 

 

又、偽航戦姫の勢力圏が北方棲姫の勢力圏並の航空機開発能力を有することを知った各勢力(集積地棲姫、中間棲姫、戦艦水鬼は説明中、さりげなく偽航戦姫の勢力圏の技術開発能力は多岐にわたっていることを聞き逃さなかった。)は、

北方棲姫の勢力圏の技術伝授能力ではなぜか無理だった技術開発能力獲得に光明が見えたことを受けて、早速偽航戦姫の元に送る研修の技術者深海棲艦を選出し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・ここで事件は起きた。

 

 

 

~廊下にて~

 

 

ル級「空母棲姫様!至急水鬼様達にお伝えしたいことが・・・・。」

 

空母棲姫「どうしたのル級?主様に伝えたいことってなに?」

 

会議室手前の廊下に大急ぎでやって来たのは戦艦水鬼勢力圏所属のル級、室内の戦艦水鬼達に伝えたいことが出来たらしく、荒い息をしながら防空棲姫に話しかけてくる。

 

 

戦艦棲姫「空母棲姫殿、ここはとりあえず落ち着いて話を聞きましょう、んで、伝えたいことって一体何のだ?」

 

ル級「それが・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~中央泊地総合姫会議、会議室~

 

 

中間棲姫「それでさぁ、流星改だとかに紛れてたりする何かやけに動きの良い天山とかで何か分かってる事って無いかしら?、塗装の一部に軽い違いがあるくらいしか解ってないからどう対処したものか困ってるのだけど。」

 

 

偽航戦姫「あ、それエース部隊仕様ですね、その彗星だとか天山だとかは、俗に江草隊や友永隊、501航空隊だとか呼称されている、艦載機に乗っているちっこい妖精さんの、エース部隊の仕様なんです、練度が非常に高いのでさっさと落とすに限ります。」

 

 

空母水鬼「へぇ~、航空機に乗ってる妖精には強い奴が混じってる訳なのね~。」

 

 

港湾棲姫「そういったエース達が流星改だとかに搭乗してくると厄介ね、そうだ、この前やけに練度が高いゼロの航空隊を支部の艦隊が確認したらしいから、それに今度鯱をぶつけてみるとするわ。」

 

 

偽航戦姫(港湾棲姫にロックオンされた何処かの村山隊終了のお知らせ。)

 

 

偽航戦姫が空飛ぶ鯱に襲われる江草隊や村山隊等の姿を思い浮かべていたこのタイミングで、呼び出してもいないのに、突如ドアを開けて戦艦棲姫と防空棲姫が入って来たのである。

 

 

戦艦棲姫「姫様、大変です!運河棲姫殿が・・・・」

 

 

空母棲姫「主様、ヤバイです、非常事態です。」

 

 

集積地棲姫「どうしたんだいそんなに取り乱して、何かあったんかい?」

 

 

ヲ級(偽航戦姫副官)「戦艦棲姫様の取り乱しようからして何となく嫌な予感がしますが、何があったんです?」

 

 

防空棲姫「空母棲姫、貴女が取り乱すとはよほどのことがあったみたいですね、運河棲姫殿に一体何が?」

 

 

空母棲姫「それが・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦棲姫「運河棲姫殿が、先程、僅かな護衛と副官の重巡棲姫殿共々ボロボロの状態でハワイ本島近海にて、泊地水鬼殿の艦隊に保護されたとの報告が・・・・」

 

 

泊地水鬼「え?」

 

 

戦艦水鬼「え?」

 

 

中間棲姫「え?」

 

 

 

 

空母棲姫「運河棲姫殿いわく、

(しくじっちゃった・・・パナマの本拠地が陥落して、なんとかここまで逃げてこれた、軽い修理が終わったら会議に参加させてほしいです‥‥‥‥‥‥‥‥。)とのことです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

各長達「 なっ、なんだってー!!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

突如やって来た凶報、それはパナマ運河をこれまで維持してきていた運河棲姫が敗北し、本拠地が陥落した上にボロボロの状態でハワイまで敗走してきた、と言う内容であった・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

~後編へ続く~

 

 



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~第5話~中央泊地総合姫会議とやって来たチート達~

前回の続きです、ついに時系列がラバウル鎮守府側に近づいて来ました。


運河棲姫「・・・ありがとう、助かったわ。」

 

 

戦艦水鬼「むしろよくここまで逃げ延びてこれたな・・・」

 

 

運河棲姫「もうこちらの戦力は殆ど残ってないけどあっちも元々太平洋方面へ進出する能力がなかったからね、運河の一部を爆破して逃げてきたの。」

 

 

空母水鬼「それにしても何で敗走したの?あなたの所って相当な戦力があったわよね?」

 

 

ボロボロの運河棲姫を手当を手伝った長達、早速運河棲姫から事の経緯を聞くことにする。

 

 

運河棲姫「元々あちら側は艦娘を使って陸海から攻めてきていたのは知ってるよね?」

 

 

偽航戦姫「え?そうなの?てっきりアメリカはロボットとかでも擁してきたのかと・・・。」

 

 

運河棲姫「あら・・・あなたが噂の?じゃあ説明するわ。

 

 

まずアメリカは元々の戦略として、陸と海の両面から艦娘を多数派遣することで、私の本拠地、パナマ運河要塞泊地に攻撃を仕掛けてきていたの。

 

 

だけど、元々枢軸国の出身の艦である艦娘達と、連合国だったアメリカ国民、そして何より孤立してる状況。何分元から敵対していた同士だからか、内ゲバが激しくて士気や練度はお世辞にも高いと言えない状況だったのよ。」

 

 

偽航戦姫「アメリカにも艦娘たちが出現していたのか・・・。」

 

 

運河棲姫「まぁそのお陰で数の暴力でこれまでは普通に凌げていたんだけど、数ヵ月前、大きな変化があったの。」

 

 

装甲空母姫「大きな変化?」

 

 

運河棲姫「大統領交代と連合国出身艦娘、アイオワの登場よ。」

 

 

戦艦水鬼「アイオワ!?純連合国の艦娘が現れたのか!?」

 

 

偽航戦姫「アイオワ・・・かなり強力な米軍戦艦ですね、それが艦娘になった訳ですか。」

 

 

運河棲姫「そのようね、その前後になんか大きなゴタゴタがあったらしいんだけど、それから彼らはアイオワと新大統領を仲介して急に仲良くなり始めちゃって、一気に敵の質が上がってきたのよ。」

 

 

北方棲姫「ツ級、どういうことかわかる?」

 

 

ツ級(ほっぽちゃん副官)「急激な敵の質の上昇に運河棲姫さまの方が対応しきれず、戦線が崩壊、本拠地を放棄せざるを得なくなった・・・と言うことですね。」

 

 

集積地棲姫「こりゃ大変な事になったねぇ、只でさえ大西洋は失陥寸前なのにここでパナマが落ちたとなったら、時間を掛ければ南北アメリカが実質日本やイギリスとかと連絡できるようになる訳だ。」

 

 

空母水鬼「参ったわねぇ・・・流石にアメリカの国力が加わって艦娘を進撃させられたら太平洋、インド洋戦線も現状じゃ持たないわぁ。」

 

 

北方棲姫「ほっぽ達の居場所が無くなっちゃうよぉ・・・」

 

 

運河棲姫「ごめんなさい・・・、私が不甲斐ないばかりに・・・。」

 

 

戦艦水鬼「気にするな運河棲姫、むしろ敵地のど真ん中と言えるパナマをここまで維持できたんだ、本来のハードさがようやく表に出てきただけさ。」

 

 

泊地水鬼「取り敢えず仮の本拠地は決めてある?取り敢えず地盤を固め直す手伝いはさせてよ。」

 

 

運河棲姫「新本拠地は・・・未定なの、インド洋の方に良さげな支部があるにはあるんだけど、戦線の変化次第だと危険になりそうで・・・。」

 

 

戦艦水鬼「どうするんだ?確か南太平洋にも支部があったはずだが?」

 

 

装甲空母姫「うーん、それにしても困ったわね・・・、このままだと全勢力圏の各泊地が遠からず危険に晒される事になるわ。」

 

 

中間棲姫「後方拠点になりうる泊地が無くなるのは痛すぎる・・・、どうにか出来ないかしら?」

 

 

偽航戦姫「うーん・・・・いっそ全戦力を太平洋に集中させるために、本拠地をここにします?運河棲姫さん。」

 

 

中間棲姫「それは・・・そもそもここは全勢力圏における中立地帯の扱いだし・・・。」

 

 

港湾棲姫「・・・いっそ全勢力圏を統合してここを本拠地にしちゃう?」

 

 

他の長達「!!!!」

 

 

空母水鬼「・・・・・それもありと言っちゃえばアリね、そもそも私達は極端に積極攻勢をかける必要のある目標を持ってる訳じゃないし、合理性を考えるとアリなのよねぇ・・・。」

 

 

偽航戦姫「目標?、そう言えば皆さんって何を目標にして活動されてるんです?」

 

 

話が勢力圏統合の話題へ推移していくなか、偽航戦姫は各勢力の長に、そもそもとして聞いておきたかったことを聞く。

 

すると

 

 

港湾棲姫「そうね・・・・・、各勢力ごとに目的は違うでしょうけど、」

 

 

北方棲姫「ほっぽはねぇ、」

 

 

戦艦水鬼「一番の目的と言えば」

 

 

港湾姫、北方、戦水「自分達の居場所の確立かしら(だよ~)(だな)」

 

 

中間棲姫「私はそれに付け足して、横須賀とかでふんぞり帰っていた外道の始末もあったんだけどね~。」

 

 

ヲ級(中間棲姫副官)「2ヶ月くらい前に処刑されたらしいので、この目的は霧散して結局他と同じですね。」

 

 

偽航戦姫「他も大体おんなじ感じですか?。」

 

集積地棲姫「一度コミケとやらに行ってみたいとかはあるけどねぇ・・・」

 

 

空母水鬼「昔制圧した陸地を捜索するとたまに隠されてる《同人誌》とか言うのが部下達の間で人気でねぇ・・・・・私は同人誌を直接入手したいとか思っちゃうのよねぇ・・・・。」

 

 

運河棲姫「私は人に認められるような一大建築を建ててみたいですねぇ、世界には色んな所に綺麗な建物があるから、深海棲艦の力でそれらに負けない建物を作って見たいとかは思いますね。」

 

 

装甲空母姫「私は平穏な日々が過ごせればそれで・・・・。」

 

 

港湾水鬼「私はこの身で艦娘とお話してみたいわぁ、まぁ、いずれにしても人類と敵対している現状では到底無理な話だけどねぇ。」

 

 

泊地水鬼「私は装甲空母姫と同じね・・・それと、自分達がどんな存在なのかを知りたくもあるわね。」

 

 

戦艦水鬼「偽航戦姫はそこら辺、どうなんだ?なんか決まった目標があったりするのか?」

 

 

偽航戦姫「あ、私ですか?私は駆逐艦や巡洋艦とかの艦娘を鹵獲してじーっくり可愛がってあげたいな~とか思ってますね。」

 

 

空母水鬼「わかるわその気持ち、駆逐艦の娘とか、こっちに襲いかかってくる現実を見ないでおけば、かわいい娘が揃ってるものね~。」

 

 

と、長達が己の目的を話した辺りで、戦艦水鬼が突如振った話題により、長い雑談が始まる。

 

 

 

 

戦艦水鬼「それにしても、我々はどうしてこの世にこんな形で生を受けたのだろうな?なんだかんだ言って、6年前に最初の朝日を目にしてから、どうもこの疑問に対する答えが得られない。」

 

 

北方棲姫「ほっぽも気になっている話ではあるけど、今は答えの手がかりも見つかってないしね。」

 

 

港湾水鬼「何だかんだ言って、最古参の泊地水鬼と装甲空母姫も生まれて直ぐに勢力圏の長になったのは7年前の事だしねぇ・・・」

 

 

集積地棲姫「台湾にあった資料からすると、人間と深海棲艦が戦いを始めたのは10年前、その2年後に艦娘が出現して、その翌年に泊地水鬼と装甲空母姫が勢力圏を確立、だもんねぇ。」

 

 

中間棲姫「その後も新しい勢力圏や深海棲艦が出現するようになったり、艦娘の方も、日本以外の艦艇の艦娘が出現し始めたりと色々起こってるし、何が原因なのかしらね?」

 

 

戦艦水鬼「研究してる深海棲艦達の中でもこれに関する説は多数飛び交っていて確定しそうにないし・・・・。」

 

偽航戦姫「説?、具体的には?」

 

 

港湾水鬼「代表的な説を幾つか並べると・・・

 

 

1、深海棲艦と艦娘は表裏の関係であり、深海棲艦と艦娘はそれぞれ死亡する時、確率で深海棲艦が艦娘に、艦娘が深海棲艦に変化することがある、説。

 

 

2、深海棲艦は元々人間で、死んだ時に、強烈な怨念(的な感じの霊的要素)によって深海棲艦になった、と言う説。

 

 

3、深海棲艦は人間以外の何かの生物が突然変異、あるいは進化して生まれた生物である説。

 

 

4、実は神様とかそんな感じのヤツがテキトーに産み出したのが深海棲艦と艦娘である説。

 

 

5、1と2と4の説を複合し、深海棲艦と艦娘は、元々死んでいる人の魂が何らかの人的要因によって変容し、そのまま転生したりした結果、生まれた存在であると言う説。

この5つかしらね。」

 

 

 

偽航戦姫「割とガチの考察なんですね・・・(私が別世界から転生した存在だってことは黙っておこうっと。)」

 

 

戦艦水鬼「まぁどれも憶測の域を越えてないから、真実はこうだった!な展開もあり得そうなんだがな。」

 

戦艦水鬼「っと、話がずれたな、いい加減本題に戻すとしよう、まずこれからの方針だが・・・。」

 

 

空母水鬼「これから各戦線厳しくなるのが目に見えてるし、さっきの案を利用して、大西洋の残存戦線とインド洋戦線を引き上げてハワイを本拠地に統合の勢力圏作っちゃいましょうよ!技術力共有とかも出来るし。」

 

 

装甲空母姫「それの改案見たいなものだけど、インド洋戦線のどこかに本拠地をおきなおす手もあるにはあるわよ?、今一番勢力的に優勢なのはここだし。」

 

 

港湾棲姫「それは無理じゃ無いかしら?インド洋にはここみたいな中立地帯が無いから候補地選定で各勢力の間のいさかいが起きるかもしれないし、何よりマダガスカルに然り、統合の巨大泊地を建設できそうな所は大方前線に近いじゃない。」

 

 

中間棲姫「それを言ったらここも同じ感じじゃ無いかしら?」

 

 

集積地棲姫「うんみゃ、ここはミッドウェー方面以外は此方が押さえれてるから、ミッドウェーを警戒しとけば何とかなるだろうね、アメリカ西海岸側が本格的に押されてきたらわからないけど。」

 

 

偽航戦姫「これはいよいよ深海棲艦の生存圏確立のタイムリミットが見えてきてしまった感じですかね、私は新参なんであまり視点が広いわけでは無いですが。」

 

 

北方棲姫「相手がハワイを西海岸側とミッドウェー側から挟み撃ちにする手はずを整えるまでにほっぽ達が人類側のどこかしらと有利な形で停戦出来ないと・・・・。」

 

 

泊地水鬼「実質的なGAME OVER、それ以後は深海棲艦は完全に狩られる側になる・・・か、やっぱり、ほぼ大西洋側が壊滅したのが痛いわねぇ。」

 

 

 

港湾水鬼「しかしながら、現状だと相手が停戦に応じる感じは無いわよ?、それにそもそもとして相手と接触して交渉を行えるようにする為のつてが無いし・・・・」

 

 

中間棲姫「生き延びる為とは言え、我々深海棲艦は業を重ね過ぎたしねぇ、時の流れは深海棲艦の破滅をお望みなのかしらね?」

 

 

空母水鬼「言いたい気持ちはわかるけど悲観過ぎるわよ、中間棲姫。」

 

 

戦艦水鬼「取り敢えず聞くが、現状ここを拠点として統合の泊地を作る事に反対意見はあるか?」

 

 

会場が長い沈黙に包まれたのち、戦艦水鬼が再び口を開いた。

 

 

戦艦水鬼「いないみたいだな、それじゃあ泊地建設は決定として・・・現実的な内容の確認などを行うとしよう。」

 

 

装甲空母姫「艦隊の指揮系統、現状の各泊地の扱い、勢力圏統合の後の戦線の引き直し等・・・・やるべき事は沢山ね、偽航戦姫、話の内容についてこれそう?あんまり無理しなくても大丈夫だからね?」

 

 

偽航戦姫「いえいえ、まだ大丈夫です、むしろここからが正念場ですし。」

 

 

運河棲姫「私はしばらくハワイにいることになるのかしらね?取り敢えず細かい内容を詰めますか。」

 

 

そこからは統合勢力圏の詳細についての話に会議はシフトしていく。

 

 

ハワイ諸島の大規模泊地化工事について、インド洋戦線からの引き上げ時期の検討、マダガスカルや集積地棲姫の本拠地である台湾に代表される人類側に近い位置の泊地群の扱い、統合勢力の体制について等多数・・・・・・。

 

 

途中、運河棲姫が「かなり大きな話になっているので意見の幅を広げるべきじゃ?」と発言したのがきっかけで、副官だけでなく各勢力の参謀親衛隊長クラス等まで会議に参加することとなり、会議が長期化し、会場が手狭になってしまう。

 

 

会場を移動したり意見の集約に時間をかけたり、(これ1日じゃ絶対終わらない!)と察し、大急ぎて泊まり込みの準備と各勢力本拠地への連絡、補給物資の確保と各勢力代理指揮官の任命などでかなりの時間を潰したために会議が長期化、本来日帰りで済ませる予定が10数日がかりの大会議に発展し、各勢力の以後の予定が変化、会議が完了するまでは防戦に集中するよう各自が連絡を入れた結果世界各地の深海棲艦がしばらく海域から主だった戦力を引き上げさせる事態にまで発展したのであった。

 

 

そして・・・・・・。

 

 

 

中間棲姫「・・・・やっと終わったわね。」

 

 

偽航戦姫「リアルの政治家達もこんな苦労をしてるんですかね・・・・・・疲れた……。」

 

 

戦艦水鬼「まさかここまで話が大規模になるとは思わなかったぞ、だがこれで、」

 

 

運河棲姫「大方の方針決定は済みましたね、後は実働段階に入るだけです。」

 

 

集積地棲姫「全く、長クラスだけでは収まりきらないからって副官以下の段階でも別途に話し合いが始まるレベルにまでなるとは思いもよらなかったねぇ。」

 

 

空母水鬼「最初は何気ない一言だったのに、それが原因でここまで話が大きくなるとは予想外だったわ。」

 

 

装甲空母姫「そうではあるけど、お陰で本格的に統合する目処がたったしよしとしましょうよ。」

 

 

北方棲姫「ほっぽ疲れた~しばらくヒコーキ作る仕事にもどる~!!」

 

 

港湾水鬼「私も事後処理を済ませたら暫くニートしていたい・・・・・・」

 

 

港湾棲姫「途中、警備の艦隊が何度も交代したり、運河棲姫主導で取り敢えずの泊地機能の建設始めたり、記録とったりと大変だったけど、やった価値はあったわね。」

 

 

泊地水鬼「ようやくこれで一先ずは終わりと・・・・・・。」

 

 

戦艦棲姫(偽航戦姫)、飛行場姫(北方棲姫)「(ドアを蹴破りながら)姫様!大変です(よ!)!!」

 

 

偽航戦姫「どうしたのいきなり?尋常じゃない焦りぶりだけど。」

 

 

北方棲姫「お姉ちゃんもどうしたの?」

 

 

飛行場姫「少し前偽航戦姫のところが最近完成したラバウルの鎮守府を先行で偵察したのよ。」

 

戦艦棲姫「それで、その結果を確認したのですが・・・・高高度偵察機が通常通り撮影したのと、ステルス偵察機が撃墜される前に残した写真にこんなのが・・・・・・」

 

偽航戦姫「どれどれ……!?」

 

中間棲姫「嘘……もしかしてこの艦娘……。」

 

泊地水鬼「ちょっと見せてね……!?、この艦娘は……いままで見たことはないけど・・・・もしかして!」

 

 

飛行場姫と戦艦棲姫が見せてきた写真には

ラバウルの空に多数展開する青い紫電と港の埠頭にいる5人の人物、そして港近くの演習場にて、長門や翔鶴と言った強力な艦娘に混ざって佇んでいる、()()()()()艦娘であった・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

~続く~

 



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~第6話~バケモノ集団出現とラバウル基地潜入偵察~

前回、総合姫会議か終わりかけたタイミングで偽航戦姫達にとんでもない情報が入ってきました。

今回はその情報群の整理と、ラバウルへ潜入するある深海棲艦のお話です。


今回も登場人物が多いため、途中台本形式となります。


~ハワイ諸島オアフ島、元市庁舎の一室にて~

 

 

 

 

「装甲空母姫、この艦娘をどう見る?」

 

 

「え?いきなり何…………嘘・・・・あの時の…………。」

 

 

「…………やっぱりそう思うか。」

 

 

戦艦水鬼は、偽航戦姫配下の空母棲鬼がラバウルへの偵察機が撮ってきた、いくつかの写真の内、煙突のない艦娘の写真を装甲空母姫に見せ、反応を聞いてみる。

 

 

すると装甲空母姫はそれを見て何かに気づいたのかその場でガクガク震え、怯え始めたのである。

 

 

「詳しくは判らんが・・・・新しい艦娘のようだ、相当の重武装と重装甲と思われる。」

 

 

「間違いないわ・・・・この艦娘はあの時補給基地を吹き飛ばした艦の片割れ・・・・」

 

 

装甲空母姫が何故こんなに怯えているのか?

 

 

その理由はプロローグ2を見れば、自ずとわかることであろう。

 

 

「装甲空母姫、緊急案件だ、統合泊地の件が終わった所ですまんが・・・・2時間後、大会議場に集まってくれないか?」

 

 

「・・・・わかったわぁ、それまでに気を落ち着かせとく。」

 

 

「頼むぞ。」

(・・・・これは厄介ってレベルじゃないものが出てきたな…………偽航戦姫が他の写真も調べているが、これ以上のヤバイ要素は正直勘弁願いたいところだ…………)

 

 

装甲空母姫に簡単に用件を伝えた戦艦水鬼は、心の中でこう思うも、現実は非常にも更なる問題を読んでくる……………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~2時間後~大会議場にて~

 

 

泊地水鬼「・・・・話は聞いたわ、偽航戦姫、結果報告をお願い。」

 

 

偽航戦姫「わかりました、まず皆さんが大きな関心を持っているであろう、件の無煙突の艦娘についてです。」

 

 

「この艦娘、主砲サイズだけで、非常に巨大な砲を3連装で4基も有してるのを確認しました、サイズは21inchを軽く越えていると思われ、その他副砲、対空機関砲等々多数を確認しました、こちらが見易い部類の写真です。」

 

 

空母水鬼「これはこれは・・・・」

 

 

装甲空母姫「改めて確認しても、相当な重武装ね。」

 

 

集積地棲姫「・・・・ちょっと待ってよ!コレ、よく見たらCIWSとVLSがついてるじゃないか!?」

 

 

中間棲姫「不味いって領域じゃないけど、あの時の艦の艦娘だとすれば納得してしまうわね、コレと交戦したら生き残れそうに無いわ…。」

 

 

運河棲姫「そんな……只でさえ人類側のミサイル攻撃は種別問わず我々の大きな脅威なのに、それが艦娘に装備されてるなんて・・・。」

 

 

港湾棲姫「現状、鎮守府から飛んで来るジェット機からのミサイルでも鬱陶しいことこの上ないのに、更に厄介なのが出てきたわね。」

 

 

港湾水鬼「話に聞くその戦艦がこの艦娘だったとしたら、この艦娘は相当なバケモノねぇ、どう対処すべきかしら?」

 

 

ヲ級(偽航戦姫副官)「姫様・・・・スミマセン、少しの間、失礼します・・・・。(ガシッ)」

 

 

偽航戦姫「(ぶるぶる震えてる・・・ヲ級も相当この艦娘が怖いのね、)大丈夫よヲ級、何かあったら私が助けてあげるから、しっかりなさい。」

 

 

 

ヲ級(偽航戦姫副官)「はい………………。(姫様、本当にスミマセン…………っ!)」

 

 

写真に写っている黒髪ロングの艦娘を確認し、殆どの艦娘がその武装に戦慄するなか、北方棲姫と偽航戦姫はある程度冷静にその姿をよく観察していたが、ここで北方棲姫が突如偽航戦艦姫へ話しかけてきた。

 

 

北方棲姫「偽航戦姫ねーちゃん、ちょっといいかな?」

 

 

偽航戦姫「何ですか?」

 

 

北方棲姫「ほっぽ、この艦娘の正体かもしれない艦に心当たりがあるの。」

 

 

他の姫達「「「!!?」」」

 

 

空母水鬼「それは本当なの!?ほっぽちゃん!?」

 

 

偽航戦姫(嘘!?前世の記憶で架空戦記の軍艦は大体知ってるはずの私でも見当がつかないのに!?)

 

 

中間棲姫「ほっぽちゃん、その心当たりって何なの!?お願いだから教えて!!!」

 

 

北方棲姫による突然の発言に、長達がどよめき、副官達もそれは本当か!?と言わせんばかりに北方棲姫に目線が集中する。

 

 

北方棲姫「うん、ほっぽがまだ択捉島を押さえていた頃に手に入れたたくさんの本に、人が想像で描いた軍艦が書かれているのが幾つかあってね、その時《上総型戦艦》っていう艦がさりげなく出ていたんだ。」

 

 

中間棲姫「架空戦艦!?何でそんなのが艦娘になってるの????」

 

 

北方棲姫「わからない、だけどほっぽが見る限りだと、主砲数、副砲配置、無煙突と言う点、武装種類数がその本の記述とすごくにてるから、多分この艦種だと思う。」

 

 

偽航戦姫「ほっぽちゃん、それ、何て言うタイトルの本なの?(一体どんな本にそんな艦の情報が!?)」

 

 

北方棲姫「えっとね・・・のぶながせーかいでん?とか言うタイトルだね、のぶながって人がほんのうじ?っていう所で死ななかったら?っていう古い時代の事を描いた本だったと思う。」

 

 

偽航戦姫「・・・・ちょっと後で調べてみるわ。(知らなかった…………そんなの…………ってか何で戦国時代を描いた小説に現代艦も真っ青の超性能戦艦が出てきているのよ・・・・。)」

 

 

北方棲姫「後ね、この戦艦にはもうひとつ共通点があるんだ。」

 

 

装甲空母姫「?」

 

北方棲姫「中間のお姉ちゃんたちは補給基地を吹き飛ばした戦艦は2()()()()っていっていたよね?、この戦艦も「上総」「下総」って言う名前で2隻存在しているみたいなの。」

 

 

集積地棲姫「・・・・成る程、あの時のバケモノはこの二隻であり、この艦娘はそのどちらかである・・・・そう言う訳だね?」

 

 

北方棲姫「うん!お姉ちゃんたちはどう思うの?」

 

 

偽航戦姫「物凄く納得がいった、って所ですね、スペックはどうなってるんです?」

 

 

ツ級(北方棲姫副官)「それに関しては私が、この戦艦のスペックですが主砲:55口径66cm砲を三連装4基、12門。対空兵装には速射砲、機関砲、ミサイル多数。

 

 

原子力機関を有し、速力は34ノット以上、そしてここからが問題なのですが……MVP(主要防御装甲)は2400mm以上、核戦争を前提とした防御力をもつとあります。」

 

 

ツ級(北方棲姫副官)「更に基準排水量は46万トン越え、全長500m以上の巨大戦艦と記されています。」

 

 

戦艦水鬼「何だそのバケモノは!!武装はともかく、いくらなんでも重装甲過ぎるだろう!!それとそんな巨体で34ノット出せるとか頭イカれてるんじゃないのか!?」

 

 

中間棲姫「原子力機関・・・昔存在してたアメリカの空母にあったとか言う奴ね。」

 

 

空母水鬼「・・・・コレに勝ち目ってある?正直蹂躙される光景しか思い浮かばないわ・・・。」

 

ツ級から説明されたスペックを聞き、姫達は驚愕と恐怖を露にする。

 

 

横須賀近海にて装甲空母姫、港湾水鬼、集積地棲姫、中間棲姫の精鋭大艦隊を葬り、補給基地を吹き飛ばした二隻の巨大戦艦の正体がとんだ超戦艦だと知り、空母水鬼でさえ困惑し半ば恐慌状態で弱音を漏らす。

 

 

偽航戦姫「・・・・只でさえ問題なのに、まだ伝えないといけないことがあるなんて……。」

 

 

港湾棲姫「まだなにかあるの?勘弁してよ・・・・。」

 

 

偽航戦姫「むしろ此方が大問題です、この写真を見てください。」

 

 

中間棲姫「うん?これは……!?」

 

 

戦艦水鬼「鎮守府の倉庫の写真……!!!」

 

 

偽航戦姫「撃墜される前のステルスが撮ってきてくれました、正直、これが一番の問題と思われます。」

 

 

装甲空母姫「そうね……補給は大事だもんね…………。」

 

 

偽航戦姫が出した写真は、ざっくばらんと見ても100万は越えている量を所蔵していると表示されている燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトの倉庫の写真と、その数日後に取られた、各資源300万近い数値を示した倉庫の写真であった。

 

そして、その目の前にはなにかをやり遂げたかのように満足した様子で目の前に佇む画家のような長髪の人物が写っていた。

 

 

装甲空母姫「でもだからってこの資源量は無しでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

戦艦水鬼「うわぁ……何だこの資源、1割寄越せと言いたくなるんだが・・・。」

 

 

北方棲姫「コレだけあったらヒコーキ沢山作れるのに…………。」

 

集積地棲姫「この資源量、うちらの個別勢力圏の月別総収入と大差ないんやけど、どこからこんな…………」

 

中間棲姫「大西洋戦線方面かしらね、あそこはこの前放棄して引き上げちゃったし、余裕ができたからまとめて融通したのかも。」

 

 

偽航戦姫「あのバケモノ戦艦の運用の為に・・・・って所ですかね。」

 

 

運河棲姫「もう駄目だぁ・・・・おしまいだぁ・・・・勝てるわけがないよこんなチート鎮守府。」

 

戦艦水鬼「冷静になれ運河棲姫、この男は補給の確保を担当してるのか、彼をどうにかすれば補給効率を落として補給をしづらくさせれるかな?」

 

港湾棲姫「成る程、補給不可能にしてから叩くと、でも簡単じゃないのは明白よ?どうするの。」

 

北方棲姫「・・・・コスト度外視ならどうにかできると思う。」

 

空母水鬼「どうやるの?ほっぽちゃん。」

 

北方棲姫「ほっぽね、よく、色んな本を読むんだけどさっきの艦種確認の時のように打開策になりうる架空兵器があるの。」

 

 

偽航戦姫「・・・・ほっぽちゃん、それってもしかして《富士》って名前じゃなかった?」

 

 

北方棲姫「偽航戦姫のお姉ちゃんも知ってるんだ、そうだよ、超大艇《富士》、これが作れれば、超高高度からの絨毯爆撃でこの倉庫を潰せると思う。」

 

戦艦水鬼「行けるのか?ほっぽ。」

 

 

偽航戦姫「いってみましょう、私の所も協力します。」

 

 

中間棲姫「この艦娘はどうするの?」

 

 

戦艦水鬼「時が来たら、航空機による大規模攻撃と、ありったけの潜水艦を集中配備した艦隊の狼群作戦でWパンチを仕掛ける。」

 

 

港湾水鬼「そのくらいしか方法が無さそうね・・・・。」

 

 

集積地棲姫「そうだ!最近思い付いた作戦があるんだけどさ・・・・。」

 

全貌が少しずつ解明されていくチート相手の対処法を決めつつあった中、集積地棲姫が何かを思い付いたらしく、ある作戦を提案してきた。

 

・・・・・・・・

 

戦艦水鬼「成る程、そんなものができていたのか、ならその作戦、悪くないな。」

 

 

空母水鬼「だけど参加戦力は決死隊じゃない、どうするの?」

 

偽空戦姫「私の所に一番のあてがあります、彼女に任せてみようかと・・・・」

 

中間棲姫「それ本当!?一体どんな・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話が始まり、暫くの後に()()()()に関して話し終わり、取り敢えずの会議は終了を迎えた、そして、その数日後・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ニューブリテン島南部沿岸夜10時頃~

 

 

この日の夜、海岸線の彼方から、とある深海棲艦がこっそりとやって来ていた。

 

「潜水棲姫、タスカッタゼ、コレで作戦の本番二ハイレルナ。」

 

「気にしないでレ級、あなたこれから潜入作戦でしょう?姫様のてによる久しぶりの本格作戦なんだから、頑張ってね。」

 

「ワカッテルヨ、何ダカンダデ、ボスノ命令ダカラナ、ヘマシナイヨウニ全力をダスサ。」

 

「もうそろそろ作戦開始前の最終通信の時間だから準備しといてね、じゃあ、ソロモンの中間棲姫勢力圏の基地でまた会いましょう。」

 

「アア、ソッチモキヅカレルナヨ。」

 

そうレ級が言ったとほぼ同時に、潜水棲姫は帰路につく。

 

 

レ級が潜水棲姫と別れ、海岸から上がろうとした直後、通信が入る。

 

 

 

「・・・・(ザパァ)、コチラレキュウ、コチラレキュウ、ボス、仕事場ニトウチャクシタ、コレヨリサクセンヲカイシスル。」

 

 

 

「どうやら上手く警備の隙を突けた見たいね、んじゃ、カモフラージュと、変装を併用しての潜入、ヨロシクネ。」

 

 

「了解よ!雷に任せなさい!・・・ホントニ声ハコンナ感ジデ合ッテイルノカ?」

 

 

「十分、雷に変装すれば、ばれにくくなるのは間違いないわよ、後はあなたの腕を信じる事するわ。」

 

 

「信頼サレテルノハ嬉シイコトデス、ンジャマ、通信切リマス、後デノケッカ報告ヲタノシミニシテテクダサイ。」

 

 

「ボス・・・・イヤ、偽航戦姫サマ。」

 

そう言った後、レ級は敵の基地、ラバウル鎮守府へ向け、歩み始める・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「水菜ァ・・・今回バカリハ遭遇戦ハ勘弁ダゼ・・・・・・。」

 

 

 

続く




と、言うわけで最近出番のなかったレ級がついにラバウルに潜入します。経緯の説明とかは次回入りますが、今回、少ししたら活動報告にて、重要なアンケートをとろうと思います。

場合によっては複数出すかもしれませんので、よろしくお願いします。


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~第7話~ラバウル潜入~

レ級、ラバウルへゆく~


~ニューブリテン島、ラバウル基地付近~

 

 

 

 

「ハァ~、ヤッテキタノハイイケドマズハ此処カララバウルマデ向カワナイトイケナインダヨナ、気ヅカレナイヨウニシナイト。」

 

 

ニューカレドニア島から偽航戦姫の命令により、ラバウル基地のあるニューブリテン島へやって来たレ級elite、何でここへ来てるのかと言えば、ラバウル基地の戦力確認をメインに、出来れば謎の青い紫電や補給担当と思われる人物と、まだ確認できてない提督が誰なのかを確認する為である。

 

 

今回、レ級はこの任務を遂行するに当たって、いくつかの道具を用意し、この場にやって来ていた。

 

 

 

「サテト・・・・マズハ変装ヲ完全ニシナイトナ。(ゴソゴソ)」

 

 

海岸から森に入り、人にみられにくい所に入ったタイミングで、レ級は何やら尾の艤装から色々と取り出し初める。

 

 

取り出したのはマスク、服装に変わった形の靴

黒のハイソックスetc.

 

 

そして暫くしたらあら不思議、外見だけはほぼ完全に艦娘、(雷)になってしまったではないか!いつの間にか尻尾までどっか行ってしまっているのである。

 

 

変わりすぎじゃい!!と言いたいところだか、コレにはれっきとした理由がある。

 

 

ここで、時系列を1日程前へと戻す事としよう~。

 

 

 

 

 

 

~潜入前日夜。~ニューカレドニア島にて~戦艦レ級は変装するようです~

 

 

 

 

 

 

「ただいま~、レ級、戦艦棲姫、何か変わった事あった?」

 

 

「オカエリ、ボス、特に変ワッタ事ハナカッタゼ、現状ハ平穏ソノモノダ。」

 

 

「お帰りになられましたか姫様、途中で潜水棲姫と交代したのでそちらの近況は知らないのですが、会議はどうなりましたか?」

 

 

「会議の結果、私達深海棲艦はハワイに統合の大規模な泊地を作り、今後は全勢力を統合、深海棲艦の統合勢力圏を設立し、本拠地をハワイにする事になったわ。」

 

 

「ンジャア此処ハ予定通リ・・・・・・」

 

 

「敵の大規模侵攻を察知したらその段階で放棄、ハワイへと全機能を移転するわ。

 

 

他の勢力圏も軒並み本拠地を廃棄し、順次本拠地機能をハワイへと移す算段よ。」

 

 

 

「やはりそうなりましたか・・・まぁ、此処もオーストラリア方面の艦隊とラバウル方面の偵察機隊にかなり警戒されるようになりましたからね。」

 

 

(それともう一つ、少し前、会議の関係で一旦こっちに戻ってきたとき、思いっきりキングフォスルみたいな形した人工衛星っぽいの見つけたからここの要塞丸見えで弱点に気づかれてるかも知れないのもあるんだけどね。)

 

 

「へぇ~此処が偽航戦姫の仕事場なのかぁ~なかなか広くて居心地よさげだなぁ~。」

 

 

「成る程、外から見たけど物凄い要塞ね、防衛の艦隊の規模と練度はそれほどでもないけど、コレだけ防衛施設が充実してれば艦娘の侵攻にもかなり耐えれそうね。」

 

 

「ウォォッ!イキナリ何ダヨ、驚イタジャネーカ……エッ?緑ノオーラ!?」

 

 

「ああどうもはじめましてだね、私は集積地棲姫、お察しの通り、偽航戦姫と同じく、他の勢力圏の長をやってる者さ。」

 

 

「同じく、中間棲姫よ、今回はお邪魔してごめんなさいね。」

 

 

レ級の目の前に突如現れたのは、緑のオーラをした集積地棲姫と中間棲姫であった。

 

 

そしてその二隻はレ級を見つめながら

 

 

「この子が貴方の言うアテかい、成る程、レ級なら外見的に似せられなくもないね、ちょっと失礼するよ。」

 

 

「エッ、ボス?コノ長タチ一体何ノタメニヤッテ来タンデス?」

 

 

「レ級、貴方には暫くしたらラバウルに潜入してほしいのよ。」

 

 

「ヘ?ラバウルニデスカイ?ヤロウニモ外見ノ問題でマトモナ潜入ナンテ無理ナ気ガスルンデスガ。」

 

 

「レ級、確か貴方って尻尾隠せたよね?」

 

 

「出来無クハナイデスガ、無イト実質上非武装デスヨ?取リ出スノニ時間掛カリマスシ。」

 

 

「時間かければ非武装と重武装に切り替えられるってさりげなく恐ろしいことだと思うの。」

 

 

「オーイ、早くさっきのレ級連れてきてよ~」

 

 

「はいはい、んじゃレ級、すこしばかり頼むわよ?」

 

「エ?」

 

レ級がすっとんきょうな声をあげると同時に、レ級は偽航戦姫につれられ、集積地棲姫に色々とされ初める。

 

 

そして数時間後~

 

 

「おおお~、ここまでそっくりになるなんて、凄いわね。」

 

 

「アノ~何デコンナコトニ?」

 

そこには、目の色以外が完全に艦娘の(雷)の姿となったレ級の姿があった。

 

「後はこのカラコンを入れれば・・・・よし!、これでメイクは完了だね。」

 

集積地棲姫がカラーコンタクトをレ級につけると、外見は完全に雷となっていた。

 

その精度足るや特殊メイク担当の集積地棲姫や服飾をやった中間棲姫でさえ驚いた程である。

 

「改めてみると凄い再現度ね、どこでこんなスキルを?」

 

 

「台湾だよ、あそこを占領したときにこの手の本をたくさん見つけてね、潜入に使えないかと艦娘の外見に似せる手法を試行錯誤したのさ、中間棲姫に任せた服の方も同じ感じだね。」

 

 

「あ、そいえばさレ級、アンタ声真似って出来る?」

 

 

「ん?雷ノ声真似カ?、大丈夫よ提督、私がいるじゃない!・・・・コンナ感ジ?」

 

 

「・・・・何でできるのよ、」

 

 

「姫様ノ記録媒体ニ艦娘ノ声ガタクサン記録サレテテナ、姫会議絶賛開催中デ暇シテタ時ニ、隠シノ一発芸ヲ極メルツモリデ幾ツカ真似出来ルヨウニシテタッテダケ。」

 

 

「うん、一発芸でそれは凄すぎるわ、そのメイクと合わせたら威力抜群よ。」

 

「偽航戦姫にこれから見せるけど・・・・勘違いしないよね?」

 

「大丈夫ジャネーノ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんまりにも精巧過ぎて一瞬本物と間違えたわ。」

 

 

雷の姿となったレ級をみて、即座に砲口を向けてしまった偽航戦姫は後にこう語る。

 

とまぁ、要するに集積地棲姫と中間棲姫の手で特殊メイクされていたのだ、尻尾は目立つので格納しているが武器が全部其処にあるのでレ級は現在丸腰である。

 

因みに、特殊メイクで偽航戦姫を驚かせた直後に作戦は開始され、実はメイクしっぱなしでここに来ていたりする。

 

 

さて、さすがに余談が過ぎたので、今現在のレ級の方へと話を戻すとしよう。

 

 

辺りを警戒しつつ、偽航戦姫が事前に空撮で見つけていた警備の穴をくぐり抜け、ラバウル鎮守府建物にまでやって来たレ級。

 

 

先ずは執務室へ潜入して情報の確認からである。

 

普通に考えて迂闊すぎだろとか言いたくなるだろうが突っ込んではいけない。

 

 

(アッサリ侵入出来タナァ・・・・ン?コレハ名簿カ?)

 

 

まるで人の気配がせず、慎重に執務室迄の道を歩んでいたが、レ級は執務室にアッサリと侵入出来てしまっていた。

 

 

そして、そこで所属艦娘のリストを発見し、開いてみる。

 

 

「フムフム・・・・空母系に偏リスギィ!、後リュウオウ(青ノ6号)ッテナンダヨ、ソレト例ノ戦艦ハ・・・・上総トイウノカ、取り敢えずソコノ紙模写シトイテ、後デホウコクダナ。」

 

 

レ級は簡単に所属艦娘が書かれていたその紙の内容の一部を、たまたま近くにあったコピー用紙に模写した後、執務机にポツンとある日記に目がいった。

 

 

「コレハ日記カ?、何カ情報がアレバ良イケドナァ。」

 

 

そんな軽い気持ちで読んだレ級はその内容をみて驚いた。

 

 

「菜桜と優樹菜が港で……」

 

 

「日輪中佐がりゅうおうに演習を挑んだ結果・・・」

 

「開発してたらカオスなものが出来たと正成から・・・・」

 

等々、日記の数日分をテキトーに読んだだけの癖に、所属する提督が4人であること。

 

その提督の名前は蒼井創作(タイトルにあった)のほか、優樹菜、菜桜、正成と言うらしいこと。

 

竜王とか言うのはミサイルと高性能潜航艇を載っけたチート潜水艦であること。

 

また、りゅうおうは紫のスク水を来た潜水艦娘であることなどがアッサリと判明してしまった。

 

 

(情報漏洩の大 戦 犯 蒼 井(比喩表現) )

 

 

(チョッ、使エル情報オオスギ……情報管理ガバガバ過ギルダロ……)

 

 

レ級はそんなことを思いつつ、周辺を警戒しながら情報を書き写した紙を服の内ポケットにしまい込み、鎮守府建物の外へ出る。

 

 

(後ハ帰還スレバ良イダケダシ、セッカクダカラココノ倉庫アサッテツナ缶取リニイクカナァ。)

 

 

レ級が雷の姿をして、鎮守府前の港の埠頭にて大好物への思いを募らせていたとき、事件は起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ん?そこにいるのは雷?」

 

 

(エッ?)

 

レ級が振り替えると、其処には前世の転頃からその姿に見覚えのある女性、白ミニスカ軍服を着た桃色サイドテールの美少女がいた。

 

 

「あら、水菜さんじゃない!どうしたのこんなところで?」

 

 

(シマッタァァァァァ!水菜ダァァァ!)

 

 

「ちょっと仕事が入ってね、それより雷の方こそどうしてこんなところに?」

 

 

「響達はもう寝付いちゃったんだけど、私だけ寝つけ無くってね、ちょっと夜風に当たりに来ていたの。」

 

 

こんな速さでさっき見た名簿の情報が役に立つとは思わなかったレ級、第六駆逐隊が着任してるのは確認済みなのでばれなければ会話も可能である。

 

 

「成る程、雷達が此所に着任したの、ついさっきだもんねぇ・・・・、うまく寝れないのも仕方ないか。」

 

 

エ?着任シタバッカ?マジデ?とかレ級は思いつつ、話題を自分達の事から反らすために質問を入れる。

 

 

「ところで水菜さん、仕事が入ったとか言っていたけど、一体何があったの?」

 

 

「ああ、そうだった!雷ちゃん、ちょっと悪いんだけど、この島の内部に深海棲艦が侵入してきたと思われる痕跡が発見されたのよ、雷ちゃんはなるべく安全そうな場所に避難しといてくれる?」

 

 

「えっ?深海棲艦が侵入してきてるの!?、大変じゃない!捜索には人数が必要だし、私が上総さん達を起こしに行くわ!」

 

 

(目ノ前ニソノ深海棲艦がイルケドナ!)

 

 

「えっ?雷だけで大丈夫?」

 

 

 

「大丈夫よ!私がいるじゃない!」

 

 

 

「・・・・そう、解ったわ、んじゃあ雷ちゃん、非常事態だし、上総さん達を宜しくね。」

 

 

 

「任せて!それじゃ、また後で!」

 

 

 

「後でね~。」

 

(フゥ……何トカ凌ゲタ……バレナイヨウニ倉庫イッテツナ缶クッテカラ帰ルカ。)

 

 

水菜との会話を何とか凌げたレ級は取り敢えず艦娘寮の方向へ向かい、寮へ入ると見せかけて倉庫へと向かう。

 

 

水菜が軽く尾行してる可能性を考えての行動であったが、コレが水菜が尾行してくる動機になるとはこのときのレ級は思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、レ級は倉庫にたどり着いた。

 

 

 

「・・・・ハァ、ヨット、艤装を展開シテッ・・・トォ、コノ変装、雷二完全二化ケル事が出来ル事ハ立証サレタナ、姫様に後デ報告シトカナキャナァ、ソレニシテモ、アノ姿デ水菜二声カケラレタ時ハ内心ヒヤットシタゼ。」

 

 

水菜は来ないだろうと思いながらレ級はメイク時につけられたカラコン等外すレ級、これだけ見るとレ級が雷のコスプレしてるようにしか見えないだろう。

 

 

(ン?コンナトコロニスプーンガアル、ボスガ、缶詰食ウ時ハ、コレツカウトイイワヨトカイワレテイタガ……)

 

 

「サァ~ッテット、オ目当テノ物ハット、(ガサゴソ)・・・・・・アッタアッタ、コレノ味ガ忘レラレナインダヨネェ・・・・(パカッ)」

 

 

レ級は器用にツナ缶をあげると、近くにあったプラスチックのスプーンで中身を掬って食べ始めた。

 

確かにボス…偽航戦姫の言うとおりスプーンを使うと食べやすい……今度は何処かでこれを調達しといて食べるか……そんな事を思いつつ食っていたとき、突如大声が上がった。

 

 

「ウゾダドンドコドーン!!!」

 

 

「ウワァッ!!水菜!?シマッタ、ツケラレテイタカ!」

 

 

そう、レ級をこっそりつけていた日輪 水菜 中佐の声である。

 

 

 

 

不味い、武装はまだ展開しきれていない。

 

 

潜航艇は陸じゃ意味無いし、主砲は未展開、航空機は飛ばせるがこんな狭いところで飛ばしたところで役に立つわけがない。

 

 

このままだと殺られる!そう思ったレ級が取った行動は……。

 

 

 

「え、ええい!こうなっちゃったら仕方ない!そこのレ級、覚悟!」

 

 

「チョッ、ヤバイヤバイ!コウナリャヤケダ、ウオーーーーー」

 

 

「えっ?こっちくんの!?あっやば」(ドンガラガッシャーン!!)

 

 

突撃であった、いっそこっちからインファイトに持ち込めばワンチャンあると思ったからなのだが、この時、水菜は何を思ったのか無駄に勢いをつけてレ級に切りかかろうとし、レ級の方も半ばヤケクソで水菜に接近したために、水菜はレ級を切りつける前にレ級と衝突。

 

 

その結果、

 

 

「フゴッ!~~~~~ッ!!!!~~!!」

 

 

キスしてしまった、某動画サイトで言うエンダァァァァァァ!なシーンである。

(ヤバイヤバイ、水菜トキスシテルジャンオレ!、ン?水菜ノ顔……フフフフフ。)

 

 

最初こそキスしてる事実に戸惑っていたレ級だったが、水菜の顔が段々とろけてきている、そしてその顔はレ級にとっては、そそる物があった。

 

(イイヤ、コノママ水菜ヲ喰ッチマオウ)

 

コレが男性提督だったら憲兵案件ものの事を思い浮かべながらレ級は何かに目覚めたかのように水菜へキスをつづける。

 

 

憲兵呼んできてー!と言いたくなるだろうが、あいにくの事、レ級に執拗にキスされてる水菜がその憲兵である。

 

 

水菜もそろそろ限界……と言うタイミングで、それは起きた。

 

 

水菜を押し倒てキスしてる状態のまま数分が経ち、水菜が心地よさで意識が飛びそうな状態になってるこのタイミングで、たまたま起きて開発工廠付近にいた技術者と思われる男が、先程の水菜中佐の声を聞きつけやって来た。

 

 

・・・・・・そう、やって来てしまったのである。

 

 

……気まずい雰囲気が暫く場を包んだ。

 

 

そして、2人と1隻揃って暫く沈黙した後。

 

 

「・・・・・・キマシタワー?」

 

その男が呟いた、瞬間。

 

 

「ッーーー!!!!(キュボン)」

 

水菜は余程恥ずかしかったのか思考をショートされ気絶してしまった。

 

レ級はと言えば。

 

 

「コウナッタラ手段ハヒトツ、逃ゲルンダヨォォォォォォ!!」(スタタタタタタ…)

 

 

「あっ待てこら!」

 

 

全速力で逃走を始めた情報を集めたのは良いが持ち帰らなければ意味はない、スニーキングに失敗した今、レ級がするべき事は一目散に逃げることであった。

 

 

倉庫を出て港から逃げようとすると、陸軍の警備兵がレ級を追いかけてきていた。

 

「いたぞー!逃がすな!!」

 

「あれは……レ級だ!遠巻きに殺るぞ!」

 

「ウヒィィィィィィィ!!勘弁シテクレェェェェェェェェェ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、情報収集には成功したがもう2度とこんなことはやりたくないと思うレ級なのであった………………。

 

 

~続く~?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本国、横須賀市内にて…………

 

 

 

「…………(ガチャン)こちら《情報源》、《切り込み隊長》、応答願います。」

 

 

 

「こちら《切り込み隊長》、何か分かった?」

 

 

「やはり、ラバウルに《補給線》と《技術支援》の夫婦はいると見て間違いありません。」

 

 

「やっぱり?、それにしてもあいつら、急に失踪したと思ったら()()()()()()にいたのね、でも()()()()無理矢理来た甲斐はあったわ。」

 

 

「それともうひとつ、本土にて《気まぐれ》が活動してる証拠を発見しました。」

 

 

「げっ!あいついるの!?私彼女苦手なんだけど……」

 

 

「仕方ありませんよ……彼女の性格からしてこの辺は……。」

 

 

「それと、《魔法書》がまた実験失敗してへんなやつ手に入れちゃったんだけど、どうする?」

 

「そんなこと言われましても…………」

 

 

「まあいいや、それで、ちょっと聞くけど()()()()()?」

 

 

「いえ、現状で集まった情報だけでの段階だと()()()()()()()()()()()()。このまま任せて大丈夫かと。」

 

 

「そう、なら良いのだけど、ともかく私と《魔法書》、《人間カービィ》は引き続き待機しとくわ、そっちの情報収集お願いね。」

 

 

「了解致しました、それではまた…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も知らぬ内に動くこの人物達の、正体はいかに?

 

 

~続く~

 



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~第8話~大作戦事前準備と姫達が見たもの~

その日、レ級が持ち帰った情報は恐ろしいものであった。

 

 

翌日から数日に渡り、入手した情報の整理を段階的に行ったが、その後に確認されたラバウルの新たな艦娘の件の話も混じり、情報をまとめて対策会議を開くまでに時間をかけてしまったのだ。

 

 

そして、遅れながらもやっとのことで、レ級がラバウルに戻って数日の後、再びハワイに於て統合姫会議が開かれるのであった。

 

 

 

「《青の6号》《織田大日本二大最強戦艦》《鋼鉄のリヴァイアサン》に《超兵器双胴航空戦艦》とかチートも大概にしてくれ!!」

 

 

しかし、ようやくハワイの拠点化が進みだし、本格的な反抗作戦を立案しようと思った矢先に後述する報告の群れが発生した。

 

 

太平洋方面に全力を出せるから楽になるかと思ったタイミングでもあった為、会議の開口一番に置いて、この報告を聞いた戦艦水鬼が叫んだのも無理は無かった。

 

 

「うう・・・人が小説とかで名前を出してる強い艦が揃い過ぎだよぉ・・・・」

 

 

「こっちもほっぽや偽航戦姫の所の開発陣が頑張ってるけど、これらと直接戦って勝てる気がしないわねぇ。」

 

 

北方棲姫も、中間棲姫も、このチートと言って等しい艦娘達への対抗手段として決定打となりうる物を用意出来そうにないと悟り、非常に弱気になっている。

 

 

あの日、レ級が持ち帰った資料と北方棲姫と偽航戦姫が持っている本や、集積地棲姫が台湾から引き上げるに辺り残った建物から収集させた本などから、ラバウルにいた《片割れ》は上総の方であり、もう一隻の(りゅうおう)とは《青の6号》と呼ばれる作品に出てきた超武装潜水艦であることが判明した。

 

 

だがそのたった数日後にまたラバウルにて新しい艦娘の存在が確認され、上述した情報リソースを元に調べた所、深海棲艦の一部に深刻なトラウマを与えたもう1隻の戦艦、「下総」、《鋼鉄のリヴァイアサン》に出てきた命中率チート戦艦「ヴァツーチン」と、多少武装に違いがあったが超巨大双胴航空戦艦「近江」の存在を確認、更に名称不明のアメリカ艦娘とアイオワ、ザラ、グラーフの海外艦娘も確認されたのである。

 

 

それらの内、既存の艦娘と謎のアメリカ艦娘を除いた艦娘は偽航戦姫達が見つけた情報ソースそのままならば、凄まじいなどと言う言葉で済ませてはいけない恐ろしさを有しているのがほぼ確定していた。

 

 

そして止めと言わせんばかりに、同時期にラバウルにて某小説にて《電征》と呼ばれる艦上戦闘機が確認され、他の一部鎮守府でも同様に確認例が出たため、偽航戦姫の配下である空母棲鬼、北方棲姫の配下である飛行場姫がそれまでに開発していた大型水上爆撃機《爆龍》等を持ってもこちら側の劣勢は目に見えてしまっていたのである。

 

 

「う、ヴァツーチンは通信妨害を行えば弾道観測を妨害できないかしら?それに人類側は現在、マトモな人工衛星が残って無かった筈だし・・・・」

 

 

「駄目ね・・・・レ級が発見した資料によると、ヴァツーチンが観測されるずいぶん前、ラバウルで小型の人工衛星が妖精の主導の元に発射されてたそうなのよ・・・・」

 

 

「実際、私が空に浮かぶやけに変な形の人工衛星を観測しちゃってね、部下に命じてたまに様子を確認してもらっているわ。」

 

 

「あらららら、ちょっと不味いわね、何か打開案は出ないかしらね・・・・。」

 

 

「失礼します水鬼様、開発部と、哨戒部隊より連絡です。」

 

 

「手短に話してくれ。」

 

 

「先ず開発部から、北方棲姫様と偽航戦姫様の開発部による共同開発を行っていた空中戦艦《富士》、双胴型との3胴型両方の開発が終了し、生産を開始いたしました。」

 

 

会議の場が重くなるなか、やって来た防空棲姫が出してきた報告は、少しばかりの打開策を思い浮かばせる打開策になった。

 

 

「・・・・あまり使いたくない手だけど、1つ良い案が思い浮かんだわ、富嶽をできるだけ多く用意して、ラバウルの倉庫を急襲するのよ、燃料倉庫は効果があるかはわからないけど、弾薬倉庫を吹き飛ばせば間違いなく大打撃になる筈よ。」

 

 

「でも普通の手段だと迎撃されない?」

 

 

「富嶽を使い捨てにしかねないけど、超高高度からの急降下爆撃なら行けるかも・・・・」

 

 

「成る程・・・・よし、作戦決行までに揃えられるだけ揃えよう。」

 

 

「陽動の航空隊も揃えなきゃね、」

 

 

「相手の強大さからするに、相当数の製造が必要だから、早いとこ工廠を増設しなきゃ。」

 

 

「お取り込み中のところ申し訳ありませんがもう2つ報告があります。」

 

 

「ん?なんだ、報告してくれ。」

 

 

作戦案の一部に纏まりが生まれる中、防空棲姫から続けて報告が入る。

 

 

「1つ目ですが、先程集積地棲姫様の所のドックにて新しい仲間が建造されました。」

 

 

「ほうほう!してその内容は?」

 

 

「対象は鬼クラスの様でありますが、《駆逐古姫》、《駆逐古鬼》と名乗っています。」

 

 

「詳細は確認中でありますが、凄まじいステータスの代わりに大食いのようです。」

 

 

「あら、高性能な味方がまた増えたのね、嬉しい限りだわぁ。」

 

 

「アカン・・・維持費が・・・・維持費が・・・・」

 

 

 

「だが、このタイミングで新しい味方が増えるのは嬉しい話だ、後で確認するとしよう。」

 

 

新深海棲艦の参入に沸く会議であったが、当の集積地棲姫だけは維持費を気にしてそれどころではなかった。

 

 

「続けて二つ目の報告です、艦娘側が大規模作戦の準備をしてる予兆を発見、また無線の傍受に成功し、簡単な作戦目標を掴むことに成功しました。」

 

 

「何!?それは本当か!」

 

 

「何処?何処を狙っているの?」

 

 

相手の作戦の事前察知成功の報に更に沸き上がる会議陣、防空棲姫の話に期待がかかる。

 

 

「今回の人類側の作戦目標は、ニューカレドニア島およびソロモン海の完全攻略にある模様、また陽動として大規模艦隊によるミッドウェー方面からのハワイ攻撃もあるようです。」

 

 

「わーお、私の地元ですか、攻略先」

 

 

「地元って・・・それよりも、その作戦内容でなら、ミッドウェー方面へ一大攻勢を仕掛ければミッドウェー奪還も無理では無さそうだな。 」

 

 

「ニューカレドニアはもぬけの殻にしとくべきかしらね、ラバウルへの具体的対策と平行して作戦案を練るとしましょうか。」

 

 

「後、もう1つ気になる報告が・・・・」

 

 

そして、このタイミングで防空棲姫の最後の報告が入る。

 

 

「非常に気になったのは、英国、プリマスのデヴォンポートに各国の通常艦艇群と、何隻かの輸送船が終結し始めていること、そしてその殆どが「国際連合」の旗を掲げている事です。」

 

 

「ん?通常艦艇群?」

 

 

「あー、偽航戦姫は知らなくても無理はないわね、実はまだ艦娘も我々は深海長クラスも出現する前の話、人類側の軍艦と当時の深海棲艦との間に何度かの戦闘があったんだけど、その時の生き残りが各国にバラバラの状態で温存されているのよ。」

 

 

 

「多分、インド洋と大西洋で深海棲艦が見当たらなくなったから動き始めた感じね、何でイギリスに総集結してるのかはわからないけど。」

 

 

「待って・・・・国際連合旗?運河棲姫、国際連合の組織の本拠地ってどこ?」

 

 

「確かニューヨーク・・・・あ!」

 

 

「成る程・・・・大西洋横断によるアメリカとの連絡復活と国際連合の形式的復活が本筋の狙いか!!」

 

 

長達は察した、実のところ、人類側にとっては太平洋方面に置ける攻勢の全てが囮のようなものであることを、本当の目的はアメリカと言う超大国との連携復活によるハワイ挟撃への道筋を立てる事にあるのだと。

 

 

だが悲しいことに、この本筋の目的と思われる方を阻止する戦力は、既に大西洋、及びにインド洋から引き上げており、阻止行動に移るのは不可能に等しかった。

 

 

だが、太平洋アジア圏側の戦線を一気に楽にするための情報は出揃っていたし、遅滞するくらいの戦力は派遣できたために、この後、会議において、相手側の作戦タイミングにあわせ、ミッドウェー方面で大攻勢をかけること、大西洋方面は簡易的な遅滞戦術を行うことを決定、ニューカレドニア島に関しては、適度に交戦した後、放棄してハワイに退避することで纏まった。

 

 

そして、作戦の準備を進めつつ、何日か過ぎたある日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海の長の一人、北方棲姫は夢を見ていた。

 

 

これまでに何度か見た、とある夢である。

 

 

その夢の中では、自分はとある人、一介の技術者の姿ををしていた。

 

 

 

遥か遠く、横須賀の海岸で飛行艇の試験飛行を行っているようであった。

 

 

 

「ーーーーーーーさん!やりましたよ!これなら自衛隊に売り込み出来ます!!」

 

 

「良かった・・・・やっと要求基準を満たした機を産み出せた・・・・」

 

 

夢の中での己の意思に関わらず夢の中の自分は勝手に話し、受け答えをする。

 

 

そしていきなり場面は変わり、自身が飛行機に乗っているシーンに移る。

 

 

まるで何かを成し遂げたかのように気分が高揚している夢の中の自分の視点である人物。

 

 

「まもなく、幌延に到着します。」

 

この後何が起きるのかは何度も見ているので、覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

突如発生する大爆発音。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炎上し、落下していく機体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして海底に沈み行く自分・・・・・・

 

 

この最後の時、いつも目の前に朧気ながら戦艦タ級が見えるところまで、その夢はそれまで見てきたそれと一緒であった。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・またあの夢かぁ。」

 

 

北方棲姫がたまに見るこの夢は最初に見た日から忘れられないものとなっており、最近ではこの夢に何かしらの()()があるように思えてきたほどになっていた。

 

 

「・・・・空はやっぱり綺麗だなぁ……」

 

 

北方棲姫が見た夜空は、まるで何かを教えたそうにしているのであった………。

 

 

 

 

 

それと同じ頃、もう2隻、夢を見ていた深海棲艦がいた。

 

 

 

 

 

 

~とある深海棲艦の夢の中~

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶりですーーーー提督、何だかんだ言って3年ぶりですかね?」

 

 

「ーーーーも元気そうじゃない、今日は輸送頼むわよ、」

 

 

「任せてください!」

 

 

飛び立った機は二人の女性を載せ、マラッカ海峡へと向かっていた。

 

 

 

 

「そういえば、奴らは今のところどんな感じなんです?」

 

 

「………相変わらず、酷い事をやってる様子ではあるわ、尻尾掴みきれてないからアレだけど、視察先が()()()()()から、そこから芋づる式に出来ればなぁ・・・・とか思ったりして。」

 

 

「私は輸送任務で忙しすぎるからあまり関われませんが、気を付けてくださいね?」

 

 

「わかってるわかってる・・・・ん?・・・・こりゃ詰んでるわね。」

 

 

機長の女性と会話してたその女性が見たのは、海峡付近から此方を狙う数々の人影。

 

 

「まさか、私の巻き添えを自重せずに殺しにかかるなんて・・・提督を殺しときたいようですね。」

 

 

「ーーーーーの事が心配だけどこりゃもうしょうがないわね、ーーーーー、ごめんね、私は帰れそうにないや。」

 

 

「ーーーーーーが横浜に残してきた子達が、あの子を支えてくれれば良いのだけどね、まぁーーーーーと一緒に死ぬんなら人生、マシな終わりかた立ったのかもしれないわね」

 

 

「私も私で提督の後世の安穏でも願いますよ。」

 

 

「そう?・・・・ありがとね、ーーーーーー、。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その直後、場面が切り替わり先程の機が放たれたミサイルにより撃墜され、マラッカの海に沈んでいく・・・・。

 

 

 

 

 

 

「・・・・っはぁっ!!」

 

 

 

マラッカに沈んでいく機を見終えると、その深海棲艦は夢から目覚める。

 

 

 

「・・・・また見たわね、この夢、でも夢の中で聞けてない二人の名前って、なんなのかしらね?」

 

「でもまぁ私が気にしても答えが見つかるわけでもないし・・・、せっかくだし、今度本格的に調べてみましょう。あの夢の中のように、マラッカで死んだ提督と飛行機乗りがいるかどうかの事を・・・・・・。」

 

 

 

そんなことを呟きながら、その深海棲艦、中間棲姫は一抹の疑問を覚えつつ、再び就寝に至るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~続く~

 



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~第9話~作戦開始と初期奇襲大失敗~

 

 

 

ついに起きた作戦開始当日の深夜0時、偽航戦姫はニューカレドニアを部下たちと共に発とうとしていた。

 

 

 

 

「姫様、そろそろ出ませんと。」

 

「・・・そうね、にしてもトラップ作りすぎた感が・・・」

 

「ですね・・・」

 

ニューカレドニア島の海岸にて出港の時を迎えようとする偽航戦姫は、随伴の戦艦棲姫、軽巡棲鬼、駆逐棲姫他の随伴を伴い、ハワイへと向かうこととなったのだが、その間に半ば暇潰しの感覚で島に大量の落とし穴を掘ってしまっていた。

 

 

 

余りに作りすぎて、沿岸に着くまでに偽航戦姫と駆逐棲姫が一度落ちており、また、深さの方も、誤落下によるダメージを塞ぐため、集積地棲姫が台湾から持ってきていたクッションを敷いとかなければこんなことで損傷する羽目になっていただろう程に深く掘っていたのである。

 

「まぁ・・・深夜テンションで張りきり過ぎましたからね。」

 

「後詰めは戦艦水鬼の艦隊が引き受けてくれるからね、早めに引き上げないと。」

 

「ですね、急ぎましょう」

 

「ラバウル爆撃の空母棲姫とトラック奇襲のレ級は大丈夫かしらね・・・」

 

 

 

一抹の不安を抱えつつ、偽航戦姫がニューカレドニアを離れた頃のオーストラリア近海。

 

 

「・・・北方棲姫様、そろそろ時間です、」

 

「・・・よし、富士を発機させるよ!」

 

「よし、富士・・・・・・発艦!!」

 

 

オーストラリアの南側から出撃した12機の富士、主目標はラバウルの燃料倉庫、次点で衛星管理施設を目標としていた。

 

この富士長距離爆撃機は、本物と違い航続距離が短くなっていたが、その分急降下、急上昇能力が大幅に強化されており、限界高度は2万超にまで強化されていた。

 

この航空隊の攻撃の正否は今回展開した作戦において重要であり、何としてでもラバウルにある数百万単位の物質在庫を吹き飛ばしたいと言う思惑がそこにはあった。

 

放たれた富士は、ラバウルに潜入したレ級の情報を元に動き、ラバウル倉庫を吹き飛ばすべく、航行するのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隊長、そろそろトラックです。」

 

「ソウカ・・・戦闘準備、一暴レスルゾ。」

 

「はっ!」

 

一方、時系列はトラック方面にて同日昼頃、偽航戦姫のレ級エリートを旗艦とし、レ級だけで編成した特別攻撃艦隊はトラック襲撃の準備を始め、直ぐにでも終わりそうと言う状況に至っていた。

 

「目標どうします?今近くに映っているのは駆逐艦のみですが。」

 

「遠クニハ?(戦艦が数隻ちらほら・・・)」

 

「先ズハ近場ノ駆逐艦相手デイイカ、全航空機発艦準備ダ。」

 

少しの後、多数のレ級から凡そ600機もの攻撃隊が、ただ一隻の駆逐艦のところへと殺到する。

 

 

 

 

 

「・・・・・・ちょっと、これは不味いかな…………?」

 

 

迫り来る航空隊をみて驚きのあまり立ちすくむ響、口調は冷静な物であったが、本人からすれば泣きたいレベルの出来事である。

 

 

(ウランデクレルナヨ、コレモ戦イダ。)

 

すこしだけ響の方に接近したレ級達は、エリートのレ級が心のなかでそう思いつつ、これをもって始まる戦いへと気概を改める。

 

 

・・・・・・が、突然航空隊の前で爆発音がしたかと思うと、響に殺到しようとしていた航空隊の30%近くが響の目の前で散っていく。

 

「ナッ!?航空隊ガ溶ケタ!?」

 

レ級が驚くと同時に今度は閃光発生し、航空隊が発生した閃光に飲み込まれていったのである。

 

 

「・・・・・・コレハヒドイ。」

 

 

今の二回の攻撃で600近く発艦した航空隊は殆ど撃墜され、残りもボロボロで戦力に換算出来そうにない、レ級達にはまだ500程度航空機が残っているが、それを使う意味はないと言わせんばかりの雰囲気が辺りを包み込む。

 

 

 

「響ちゃん!大丈夫!?」

 

「ヴァツーチン!うわわっ!?」

 

「響ちゃ~ん、大丈夫?」

 

「虚まで・・・私は大丈夫、助けてくれてありがとう……怖かったよぉ……」

 

「んで、主犯はそこの深海棲艦達と・・・、」

 

 

(ウワァァァァァァァァァァァァァァ!!!!)

 

 

航空隊壊滅から少しして、響の所にやって来た艦娘が二体、レ級達はそのうちの片割れを見て戦慄する。

 

 

「レ級・・・・・・か…………覚悟しなさい!!」

 

 

「逃がさないよ!!」

 

 

「ヴァツーチン、接近してきます!どうします隊長!?」

 

 

「誰ガ隊長ダ、コウナッタラ仕方ナイ、応戦スルゾ!」

 

 

ヴァツーチン、深海棲艦側が交戦を避けるようにしていた艦の1つである。

 

 

深海棲艦側はこの艦がニューカレドニア攻略に投入されることを解読した暗号から発見、守備ガラガラのトラックに奇襲を仕掛ける腹積もりだったのだが……。

 

 

目の前にいるのはヴァツーチンとやけに速い駆逐艦、やれるかどうかはわからないがやるしかない。

 

 

「主砲、セイシ(ギャァァァァ!)ンナッ!」

 

レ級達が主砲を放とうとしたとき、一体のレ級にヴァツーチンの主砲が直撃、全弾命中の威力には敵わず、一撃轟沈してしまう。

 

 

「遅い!遅いよ!魚雷発射ー!」

 

 

「ウワァァァァァ!」

 

ヴァツーチンの主砲でボコボコにされ、逃げようとすると高速の駆逐艦の攻撃を受ける……、ヴァツーチンに攻撃しようにも、衛星からのデータ受信で弾着観測を行うヴァツーチンの驚異の命中率と、謎の駆逐艦がなす50ノットは優に超えるであろう速力に阻まれ、響の方に攻撃を加えようとすると、ヴァツーチンの弾幕に阻まれるのであった。

 

 

「コンナニ呆気ナク……」

 

 

「うわわっ!危ないよー!」

 

「ェ?」

 

遭遇から20分も経たぬ内にエリート以外のレ級は全滅、そして・・・。

 

 

 

 

ドーン!

 

 

「ガァァァァッ!?グフッ!」(バタッ)

(ヒメ・・・サマ・・・・・・)

 

 

「……あ、」

 

 

残ったエリートレ級も虚の魚雷直撃でボロボロの状態で虚に()()()()()()()、吹き飛ばされ気絶してしまうのだった。

 

「やっちゃったね、虚。」

 

 

「・・・・・・ヴァツーチンさん、この深海棲艦、此方の方で治療したいのですが、良いですか?」

 

「・・・どうしてか聞いて良いかしら?」

 

 

「その・・・ボロボロの状態で酷いことしてしまいましたので……」

 

 

「・・・司令官、(どうしたのヴァツーチン?)虚がエリートのレ級を此方で保護したいと具申してきたのですが……」

 

 

「あー、許可しますので、可能な状態なら捕虜扱いにしてくれませんか?、深海棲艦側全体の実情を聞いてみたいですし。」

 

「了解しました、虚が轢いて気絶していますので、とりあえず拘束して鎮守府に帰投しますね。」

 

「あ、そうそう、今の襲撃を受けて、ラバウルから騎龍が向かってくるそうです。」

 

「再発防止策ですか・・・ラバウルは大丈夫なので?」

 

「倉庫が吹っ飛んでしまいましたし~、まぁ大丈夫かと、夫が本気出しましたし。」

 

「本気出したからってどうこうなる被害ではないはずですが……」

 

「まぁ、防衛なら大丈夫ですよ、食料倉庫吹っ飛んでたら食料クレクレしてしまいそうですけど。」

 

 

「(大丈夫なのかしらそれ・・・)、とりあえずこれより気絶してるエリートのレ級、響、虚と共に一時帰投します。」

 

「了解しました、短い距離だけど、潜水艦とかに気を付けてね。」

 

「了解」

 

 

こうして、偽航戦姫のエリートレ級は捕虜となってしまった。

 

取っ捕まったレ級の運命やいかに?

 

そして、本作戦の結果やいかに?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あらら、始めましてね、」

 

 

「始めましてと言うべきだろうか、名も知らぬ深海姫よ、」

 

 

「私の名は偽装航空戦艦姫、略して偽航戦姫よ、覚えておいてくれると光栄だわ。」

 

 

 

「名乗って貰ったのだ、返礼くらい必要だろう、私の名は・・・・・・蒼井創作だ。」

 

 

 

 

 

~つづく~

 



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~第10話~合流と遭遇~

約一年ちょいぶりの次話投稿です、
覚えてくれてる人いるかなぁ?


「・・・・・・北方棲姫様、富士航空隊、帰投致しました」

 

 

「成果はどう?」

 

 

「作戦は成功、ラバウル基地の燃料倉庫は爆散、これであの鎮守府は大規模な艦隊行動を行いづらくなりました。」

 

「なお、こちらが送った富士はぼろぼろの3機のみの帰還です」

 

「やった!これで当座は凌げるかな?、でも富士はもう暫くは出せないね・・・」

 

「流石にそれは仕方ないかと」

 

ラバウルへと爆撃機を飛ばしてから数時間後、オーストラリア近海からラバウルを迂回して移動し、ギルバート諸島近海にて配下と共に富士を回収、回収された富士からの情報を纏めた副官のツ級からの報告を受け、北方棲姫は取り敢えず作戦が成功したことに安堵していた。

 

 

 

 

 

「ですがいくつか気になることが」

 

「何々?」

 

「まず、ラバウル爆撃を行った帰還機からの報告によりますと、こちらが傍受し解読した暗号と食い違い、ラバウルに例の超武装潜水艦と双胴戦艦、謎のアメリカ艦とが展開していたとの報告がありました」

 

 

「え?解読した暗号が正しいと、超武装潜水艦と双胴戦艦って今は大西洋のはずだよね?」

 

 

「恐らく偽物を掴まされたのかと思われます、謎のアメリカ艦に関しては正確な位置を割り出せていたことを考えると、作戦進行に支障が出るのを覚悟で意図的に偽の情報を流布し、ラバウル主力の配備位置を誤認させたのかと。」

 

 

「だとしたら作戦関係の暗号が出回る前に何かしらの方法で口裏合わせていた可能性が高いね、と、すると此方が予想したラバウルの方面戦力配備位置は完全に当てに出来ない・・・かな?」

 

 

「いえ、恐らくラバウルの超武装艦群が、ラバウル及びトラックの防衛、ニューカレドニア攻略、統合本拠地方面陽動、大西洋方面配備の5方面に戦力を分散した事はほぼ間違いないかと」

 

 

作戦成功に安堵する北方棲姫だが、報告を聞いている副官のツ級の分析は高い精度でもって現状の不安点を指摘していた。

 

 

「ん?報告?ちょっと待って・・・・・・ツ級、もしかしたら今言った予測、半分合ってて半分間違ってるかもしれない」

「・・・と言うと?」

 

 

他の方面から北方棲姫の所に到達した連絡用の機体が北方棲姫に何かを報告する。

 

それを受けた北方棲姫は、何かに気づき、ツ級の予測に報告を元にした自身の新たな予想を被せてみる。

 

 

「今さっきニューカレドニア守備艦隊と本拠地から連絡があったんだけど、まず一つにニューカレドニア守備艦隊は上総、下総と大和以下、ラバウル鎮守府の主力()()と交戦していたみたい・・・さっき壊滅して今は残存艦が敗走してるらしいけど」

 

「ラバウル鎮守府の主力のみ・・・なるほど、例の巨大戦艦を主力とする少数精鋭での突破作戦で来ましたか」

 

「それと、本拠地からは、トラックに向かった中間棲姫のレ級艦隊と、統括してた偽航戦姫のエリートレ級との連絡が途絶えたって連絡があったんだ」

 

「んなっ!奇襲開始からまだ時間が・・・!まさか!」

 

 

ニューカレドニアの防衛艦隊敗走(ミッドウェー方面部隊には玉砕したと誤報が流れた)と、トラック奇襲部隊からの通信途絶と言う二つの報告は戦況が良くないことを端的に示すものであったが、北方棲姫は冷静に話を続ける。

 

 

「うん、私達が警戒していた超武装艦群、【りゅうおう】【上総】【下総】【近江】【ヴァツーチン】と不安要素だったラバウルの主力大型艦隊、そして謎のアメリカ艦、この内ヴァツーチンを除いたほぼ全ての艦がニューカレドニア攻略とラバウル防衛のどっちかに当てられているよね?、そして・・・」

 

 

「トラック奇襲艦隊が速攻で通信途絶・・・となると、ヴァツーチンがいるのはトラック島・・・と言うことになりますな」

 

 

北方棲姫の言葉にツ級が悟る、その顔には自然と笑みが溢れていた。

 

 

「このまま推移すれば、作戦成功はほぼ確実だね」

 

「それどころか、半ばバクチだった副目標も達成できそうですな」

 

「ニューカレドニアは囮、持ち合わせの戦力の殆どを超武装艦が投入される(と予測されていた)本拠地周辺の防衛に回し、その間にラバウルの燃料倉庫を吹き飛ばして超武装艦の補給線にダメージを与え、トラック奇襲による混乱で作戦中止に追い込むプランから、超武装艦が本命の防衛線に出張らないのを良いことにした反攻プランに早変わり・・・だね!」

 

「防衛線に自ら出陣なされた港湾、戦艦両水鬼様がドヤ顔で戦果自慢する姿が今からでも見えそうですな」

 

「だね、それじゃあこっちはやることやったし、取り敢えず退却しようよ」

 

「御意に」

 

自分達の仕事は終わった、予定通りに部隊を引き上げる予定だった北方棲姫は、このタイミングにて、何処からかやって来た非常に強い悪寒に襲われることとなる。

 

 

 

 

 

「・・・・・・ッツ!(なに・・・これ、)」

 

「姫様?」

 

「・・・ツ級、あなたは部隊を纏めて先に引き上げてて、ほっぽはちょっと気になることが出来たから。」

 

「・・・見たところ姫様のそのご様子では我々も同行した方が良さげですが?」

 

「それはやめて、多分無駄死にするだけだと思う、」

 

「!?、・・・わかりました、姫様、後武運を」

 

「うん、じゃあツ級、後お願いね?」

 

何かを感じ取った北方棲姫は、自身の感じ取った悪寒のする方向に見当をつけると、隠匿していた緑色のオーラをあえて纏いながら、ホバークラフトと見紛う程の高速でその方向へと全速力をもってして急ぐ・・・

 

 

「この方向・・・偽航さんと中間さんの合流位置の・・・間に合って!」

 

 

全力で疾走する北方棲姫の脳裏には、ニューカレドニアに工作を行った偽航戦姫と、それを迎える予定の中間棲姫の姿が写っていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一方、マーシャル諸島、偽航戦姫、中間棲姫合流地点~

 

 

 

「偽航戦姫、お疲れ様、うまく仕込み終わったようね」

 

「ええ、なんとか、それにしてもあの守備隊はラバウル、トラック付近方面からの戦力に耐えきれるでしょうか・・・」

 

 

北方棲姫が全力で駆け出した頃、元本拠地であるニューカレドニア島に()()()を施した偽航戦姫と直属の部隊はニューカレドニア島が予定よりも早くに占領された場合のことを考え、艦娘の戦力が及んでいない東側の諸島群れを避け、相手の虚を付く想定であえて北上し現在はマーシャル諸島へと到着していた。

 

トラック諸島に多少近いこの地で迎えである中間棲姫の部隊と合流し、ここから東進しつつハワイまで退却する手はずとなっており、道中敵の主力が進軍してくるであろうミッドウェーに近づくため、そしてミッドウェーの守備隊が聞きに陥ってるのならばその場で駆けつけるために中間棲姫の部隊が護衛の役目を担っていた。

 

 

「事前に此方が入手した情報が嘘で、ラバウルの超武装艦が一隻でもニューカレドニアに投入されていたら、敗走は確実でしょうね」

 

 

「その時のために時間をかけてニューカレドニアに工作を仕掛けたわけですけど・・・どうなることやら・・・作戦はどうなってます?」

 

 

「ごめんなさい・・・こっち方面は厳重な無線封鎖中で良くは・・・取り敢えずラバウル爆撃が成功したのはわかったんだけど・・・」

 

 

「それなら最低限、超武装艦の足を止めることは出来たかな・・・?」

 

偽航戦姫が心配しているのは後詰めとして残ったニューカレドニア島防衛部隊の事であった。

 

彼女達が用意した仕掛けが発動した場合、それは防衛艦隊の敗走を意味していたが故の発言だったが、この時、撤退において無線傍受による位置バレを避けるため偽航戦姫も中間棲姫も通信を封鎖していたのが仇となり、この時、とっくのとうにニューカレドニア防衛艦隊が敗走していたことに気づくことが出来なかった事が、彼女達のその後の展開に大きな影響を与えてしまう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ッツ!」

 

「・・・姫様?、それに中間棲姫様も・・・?」

 

「・・・・・・・・・ねえ偽航戦姫、あなたも感じた?」

 

「・・・・・・はい、とても嫌な【何か】を感じましたね」

 

「そう、じゃあ、嫌な「姫様!偽航戦姫様!、何かが猛スピードで接近してきます!」・・・!?」

 

 

二人の姫が突如感じた謎の嫌な予感、偽航戦姫の副官であるヲ級eliteが心配そうに二人を見つめるが、それとほぼ同時に中間棲姫の副官であるヲ級eliteが【何か】に気づき、報告する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後、彼女達のすぐ近くで起こる、あまりにも大きすぎる水しぶき。

 

そして・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・こちらヴァツーチン、ラティメリア、聞こえていますか?・・・・・・そちらが観測した謎の深海棲艦のいる地点に到着、蒼井提督、騎龍さん、上総さんの到着も確認致しました、後、今回は緊急の要件なので仕方無いのですが、次からはもう少し穏便な輸送方法にしていただけませんか?私、割りと必死でいきゅうちゃん抱えてたんですからね?」

 

「両提督もとんでもない無茶苦茶をなさいますね、それにしても正成提督と共同で動くとこのような芸当も可能だなんて・・・・・・あ、ヴァツーチンさん、ニューカレドニアに残したいきゅうちゃんに何かあったらすぐ報告するようお願いしとくようお願いいたします」

 

「あいたたた、蒼井提督のお手伝いの為とは言え、あんな無茶苦茶をすることになるなんて・・・あ、提督申し訳ありません、着水の衝撃で機関が不調になってしまった模様です。」

 

「ぽよ~、ぽよぽよ~~」

 

「あのヴァカみたいな方法で無事な方が基本的にはおかしいからへーきへーき、あんまり無理はするなよ?」

 

「了解致しました」

 

 

 

 

巨大な水しぶきの中から現れたのは、黒髪ロングで長身、かつ肩に真ん丸い猫をのせた艦娘。

 

同様に高身長で、肩に赤い何かを乗せた白髪ロングの艦娘。

 

前者二人に比べると多少劣るも、それでも日本人女性の平均と比べると明らかに長身で、黒髪ポニーテールでどことなく不知火に似た顔つきのメイド艦娘。

 

そして、透き通った水色の瞳をし、膝まで届くんじゃないのかというレベルの長髪である画家のような格好をした男・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ偽航戦姫、彼女たちってもしかしなくてもってやつ?」

 

「・・・・・・じゃないかしら?」

 

「ヒッ!、姫様っ!スミマセンっ!」

 

「大丈夫よヲ級、あなたは私が守るからね、」

 

「まずいことになりましたね姫様、偽航戦姫様との合流のタイミングでの遭遇とは・・・」

 

「クソッ!戦闘準備だ!姫様達を守り通すぞ!」

 

大慌てで偽航戦姫に付いていた戦艦棲姫達が来訪者達の前に立ちふさがる。

 

 

 

 

「敵戦力を確認・・・例の謎の深海棲艦と中間棲姫、戦艦棲姫を中心とした艦隊のようです、蒼井提督、ご指示を」

 

「と、その前に少し良いか?」

 

「御意に」

 

 

 

 

 

 

よりにもよってやって来たのはあれほど自分達が警戒していたラバウル鎮守府の超武装艦3隻とおもいっきり宙に浮いているラバウルで補給関係を握っていたと思わしき人物。

 

男はともかくとして他の艦娘3体には到底勝てそうにない、といえるほどの過剰戦力がこの場にやって来たのだ。

 

そして、宙に浮く男はメイド服の艦娘と短くやり取りすると自ら宙を歩いて偽航戦姫たちに近づいてくる。

 

 

メイド服の艦娘は此方の様子と彼の行動を逐一見守っていて隙は無さげだし、残りの二人も白髪の方の通信で何かしらのやり取りをしているが、その実何か起きたらすぐ対応できるように全く隙のない状態だと言うことが直ぐに理解できた。

 

 

「っ!撃てぇー!」

 

「・・・待ちなさい!!!」

 

焦った戦艦棲姫の号令により護衛たちの砲が、男に向かって一斉に火を吹く。

 

中間棲姫が遮ろうとするが時既に遅し、男はマトモに砲火を受けることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光景をみた艦娘たちは、その様子を見つめるも、表情に特に変化は起きていない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくの後、砲火の中からは()()()男が姿をゆっくりと表していた・・・・・・。

 

 

~続く~

 

 

 

 

 

 

 

 



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~第11話~主人公、捕まる~

タイトルでだいたいオチが見えてますが、今回多少グロめの描写が入っています、ご注意下さいますようお願い致します。


 

 

「ハハハハ・・・手荒い歓迎ご苦労さん、」

 

「な・・・なぜ生きているんだ・・・近距離からの我々の一斉射だぞ・・・」

 

 

 

戦艦棲姫達の攻撃を受けて無傷・・・・・・普通の人間に命中すれば、間違いなくミンチになっていたであろう攻撃を受け切った男の様子を見て、思わず戦艦棲姫達が後退りする。

 

 

 

「・・・・・・やはり人と同じような存在、といえるのかな?このようすだと()()()()には良い情報を持ち帰れそうだ。」

 

「提督、攻撃許可を下さい、流石に提督に攻撃されててこちらは動かない、と言うわけには参りません!」

 

「不許可だ、暫くはこのまま様子を見るのもアリと判断した、私は正直この状況ならどうとでもなる、だからそっちに砲火が飛んで来た場合の反撃は許可する。」

 

「しかし・・・!」

 

「騎龍、私の手伝いのために来てくれたのならば、頼むから今この場での私の行動を邪魔するのは勘弁してくれないか?早いとこ彼女達を倒したい気持ちは解るが、判断材料が足りん、それと・・・(ゴニョゴニョ)」

 

「・・・っ!、了解致しました・・・・・・申し訳ありません、蒼井提督」

 

「此方も無茶に付き合わせてすまんね。」

 

 

 

 

男と近江と思われる艦娘が軽くやり取りした後、三名の艦娘はその場で待機し、男はゆっくりと偽航戦姫達に近づきながら何かを考えているようだった。

 

 

 

 

「ぽよ~ぽよよ~ぽよ?」

 

「・・・恐らく提督は提督のやり方で彼女達を()()()としているのかと、」

 

「ぽよよ?ぽよ~ぽよよよよ~」

 

「・・・御意に、私も微力ながらお力添えをさせて頂きたく存じ上げます」

 

「ぽよ、」

 

 

 

「・・・こちらヴァツーチン、ラティメリア、通信は相変わらず良好です・・・なんですって?・・・了解しました、提督は今取り込み中ですので、こちらで独自に対応させて頂きます、構いませんか?・・・・・・有難うございます」

 

 

 

 

(他の二隻も二隻で独自に話をしてるわね)

 

(恐らくヴァツーチンは衛星中継でトラックかラバウルのどちらか、或いはその両方と、上総は肩にのってる真ん丸い猫とでしょうか?)

 

(あの真ん丸な猫ちゃんかわいいなぁ、ってそれよりもあの猫ちゃん上総よりも偉い立場っぽいけど何者なのかしら?)

 

(わかりません、でももしかすると国の象徴みたいなのやも・・・)

 

(天皇家のように?そうとも思えないけど?、それよりも水面下の潜水棲姫とどうにか連絡つけられないの?)

 

(下手に動くとバレてしまいます、って言うかとんでもない衛星でこちらを観測していた事実がある以上気づかれてると考えるのが妥当かと)

 

 

 

男が近江(さっき騎龍と呼ばれてたのを失念してる)と話をしてる間、お互いに相手へのアクションが殆どない奇妙な状態となったのを利用し、偽航戦姫たちはこそこそ話をしていた。

 

おもいっきり相手の声が聞こえるので、耳にした情報をもとに現状を再確認してゆく。

 

取り敢えずサーチ&デストロイされない分、状況は思ったよりも遥かにマシなようである、しかし全滅すら普通に考えられる危険な状況なのに変わりは無い。

 

と、ここで男の方に動きが起きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・まず最初に一つ問おう、そこのヲ級は何故に、今尚その姿を偽っているのだ?」

 

(・・・偽装を解くか、)「・・・あらら、始めましてね、」

 

「始めましてと言うべきだろうか、名も知らぬ深海姫よ、」

 

「・・・私の名は偽装航空戦艦姫、略して偽航戦姫よ、覚えておいてくれると光栄だわ。」

 

「名乗って貰ったのだ、返礼くらい必要だろう、私の名は・・・・・・蒼井創作だ。」

 

(姫様!?)

 

(ほう?案外そっけなく偽装を解いて来ましたね、それにしてもこの緑色のは、やはりただ者ではない・・・と、)

 

(・・・・・・・・・)

 

偽航戦姫の偽装が解かれ、本来の姿がさらされると共に、隠されていた緑色のオーラが放たれ始める。

 

それとほぼ時を同じくして中間棲姫も覚悟したのか、偽装が解かれる頃には彼女隠がしていた緑色のオーラが彼女から放たれ始めていた。

 

 

 

 

 

「ほほう?、偽戦嬢だけでなく、そっちの中間嬢も同じオーラを持ち合わせていたのか、エリートやflagshipが常にオーラを纏ってるように見えるのに対して、と言った風に思えるな」

 

「私達はこう見えて、深海棲艦の親玉の一角なのよ?安易に姿をさらすわけにもいかないから己の手で出ないように力を押さえてるのよ?」

 

「成る程、偽装もそのためか・・・・・・こんな形で納得することになるとはな~」

 

「こちらも此方でいかにしてここに貴方達がやって来たのか知りたくなったわね、場所は例の衛星で見つけた、としても、蒼井さんはともかくとして、少なくともそちらの三隻ともは、ついさっきまでそれぞれ全く別の所にいたと思っていたのだけど?」

 

男の興味が二人に定まり、男と偽航戦姫、中間棲姫による会話が本格的にスタートした。

 

戦艦棲姫達が固唾を呑んで様子を見るなか、三名の艦娘は偽航戦姫と中間棲姫を食い入るようにして見つめている。

 

「ああ、種明かしは簡単さ、信じてもらえそうにないけどね」

 

「種明かし?」

 

「そっちにいる上総と肩にのってる猫ちゃん、ヴァツーチンと赤い子は私とラバウルにいる親友とで即席したカタパルトを使って貰ったよ。」

 

「即席のカタパルト?」

 

「カタパルトと言うよりは巨大なパチンコでしたけどね、何ですかあのゴム、どんだけ強度があるのかと」

 

「・・・・・・よーするに現地からぶっ飛んで来たと?そんなことが・・・」

 

「まぁあり得んと思うだろうから、今この場で説明してしまおう」

 

 

男から為された種明かし、しかし荒唐無稽すぎて信用ならない。

 

そんななか、男・・・創作はその出来事を納得させる為、近くの水面を指差してこう一言加えた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこいらへんに人の腕っぽいのが落ちてるだろう?、あれは()()()()()()私の腕その物なのだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・場が完全に凍りついた。

 

この言葉、完全に艦娘達にも予想外だったようで皆一様に言葉を失い、指差した方に注目している。

 

そして、男が指差した方向を見ると、確かにそこには人の腕と思われるものが、男の着ているコートと同じ物のような布切れと共にぷかぷか浮かんでいるのがおもいっきり見えていた。

 

当然、先程男は無傷と言ったように、今の男には両方に腕がちゃんとくっついてるし、着ているコートも欠けたような跡は存在していないし、血が飛び散ったような跡すら存在しない。

 

しかし、その浮いている腕には爆発でついたと思われる火傷の後がしっかりとついている他、ぷかぷか浮きながら千切れたと思われるところからドクドクと血を流してるのである。

 

創作と偽航戦姫、中間棲姫以外の全員の顔が一気に青くなる。

 

余りの恐怖に二人の副官であるヲ級二人が体をぶるぶる震わせながらそれぞれの主に正面から抱きついた。

 

 

 

(姫様姫様姫様姫様姫様・・・・・・)

 

(姫様・・・タスケテ・・・ヒメサマ・・・!)

 

「・・・こりゃ重症ね、このままちゃんと抱いてあげとかなくちゃ、私の大切な副官が再起不能になっちゃうわ」

 

「こっちはまだマシだけど、暫くホラーは禁止になるわねこりゃ」

 

「・・・・・・スマンね、流石に恐怖を強めすぎたか」

 

「・・・にしても、この様子だと物体をいきなり生み出す感じか・・・質量保存の法則とかがボロ泣きしそうね」

 

「ホントにねぇ、でも酷い話、やっとラバウルの動きに納得がいったわね、()()()()()()()だなんて想像もつかないわよ普通」

 

「・・・その事実にたどり着いてそれでも尚()()()()()()()()()()君たちも十二分に異常だがね・・・」

 

「結構空元気なのよ?、私達は背負ってるもの沢山あるし、貴方達にとっては下らないとしても、深海棲艦には深海棲艦なりのプライドって物があるしね」

 

「んで、気になったんだけど残りの二人はどうやってここに?」

 

さっき何が起こっていたのかを理解して恐怖のあまり立ち竦む深海棲艦、艦娘達、特に副官であるヲ級達と真ん丸い猫が負った心理的ダメージはとてつもなく大きかったらしく、二人のヲ級は唯一耐えた中間棲姫と偽航戦姫に抱きついて幼児退行に近い症状を引き起こし、真ん丸い猫の方に至っては驚愕と恐怖のあまりあ○たのジョーも真っ青の如く毛の色が一時的に脱色されて真っ白になっていた程である。

 

その他、上総と護衛の戦艦棲姫は立ってるのがやっとの状態になり、ヴァツーチン含めた他は完全に腰が砕けてその場にへたり込んでしまうほどであった。

 

創作がバッサリと言ったのもそうだが、何よりもこの場にいた誰もが、あのとき何が起きていたのかを()()()()()()()()程にまで基本な能力が高かった事が、この時は災いしてしまっていた。

 

そんななか、明らかに顔をひきつらせながらも耐えている中間棲姫、それ以上に平然としてる偽航戦姫は多少ペースを崩しながらも話を続けていく。

 

そして、偽航戦姫が口にした疑問でもって二人には更なる情報が飛んでゆく事となる。

 

 

「・・・・・・投げられました」

 

「へ?」

 

「投げられたんです、トラックに突然やって来た【蒼井提督のご親友】を名乗る軍人風の男性にひょいっと、それも片手で。」

 

答えたのは騎龍であった。

 

「・・・あー、正成のヤツ、【頼もしい援軍が纏めてやってきたから騎龍を送っても大丈夫になった】とかいってたけど、来たの【アイツら】だったのか・・・」

 

「【あいつら】?」

 

「・・・あー、【あいつら】に関しては真面目に知ろうとするのはやめとけ、割りとマジで感覚麻痺するから」

 

騎龍が震える声で出した返事に反応する創作、しかし、そこから出た中間棲姫の質問に対して、彼は軽く警告をするだけで答えようとはしなかった。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・提督、後で聞きたいことが沢山出来ました・・・ご覚悟は宜しいですね?」

 

「・・・出来てるが・・・【アイツら】が来た以上【私達】をどうこうしようとする事だけは止めておけ、本気で大変なことになるぞ?」

 

「・・・わかりました」

 

直後、上総から砲を向けられる創作、半ば脅迫紛いである上総からの問いに対して、創作はかなり困った顔をしつつも、ある種それ以上に脅迫めいた返しで応対する。

 

両人の顔は、この時困惑とある種の諦観が伺えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・で、取り敢えずそれらはおいといてぇ、さて、偽戦嬢と中間嬢・・・それとそこのほっぽちゃんはこの状況に対して如何するかね?」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・あっ」

 

 

 

 

 

 

 

とんでもなく濃い話をしていたからか、すっかりと話がそれていたがそのせいで完璧に対応が遅れたのが、この戦いの決着をつける要因となっていた。

 

 

色々と濃い話をしている間に、いつの間にか偽航戦姫達は周辺一体をちっこいエイ型の潜水艦やら多数のジェット艦載機やら空中を浮遊しているロケランやらRPGやらに完全に包囲されていたのである。

 

ついでに、やっとの思いで近くにやって来ていた北方棲姫も、到着とほぼ同時に訳もわからず包囲されていた。

 

 

「騎龍、お疲れさん、上手いことやったなぁ」

 

「相手の意識が完全に戦闘の外に向いていましたからね、隙をついて戦力を展開するのが容易だったのは助かりました。」

 

そう、騎龍は最初に創作と話をしたタイミングで既に戦力をこっそり展開し始め、途中固まりながらも持ち合わせの戦力をバレずに展開する事に成功していたのだ。

 

いかなる状況でも、自身の本来の目的を悟られずに仕事を成し遂げきった騎龍の凄みもさることながら、衝撃的過ぎた創作の話と、元から恐怖の対象であった上総の様子に集中していた深海棲艦側のミスもあった、とこの場では言えただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・これはオワタwww\(^o^)/」

 

「完全にやられましたね・・・あ、潜水棲姫が騎龍についてるクレーンみたいなのに吊るされてる。」

 

「殆ど味方も動けないし・・・助けに来てくれたほっぽちゃんもミイラになったミイラ取りになっちゃったし・・・・・・」

 

「これはもう、仕方無いのでは?」

 

「よねぇ・・・・・」

 

色々と言いたい要素の話こそ存在するが、この時、すでに戦いの大勢は始まる前から決してしまっていた。

 

故に偽航戦姫たちが取った行動は、至ってシンプルなものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「・・・・・・・・降伏します(T▽T)尸~~」」

 

 

そう、降伏である、正直相手が悪すぎたとしか言い様のない、あっけない結末なのであった。

 

 

 

 

 

 

(これで、取り敢えず相手の作戦に完全に嵌まった事と、ニューカレドニアで物理的に嵌まった分は取り返せたか・・・?)

 

この時、創作は上記のようなことを心のうちに秘めていたことは、ちょっとした裏話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・戦闘する間もなく捕まってしまった偽航戦姫達。

 

 

 

こうして、深海棲艦の存亡をかけた一大作戦は大反抗によるミッドウェー方面の再占領とそれによる大量の捕虜の確保、ニューカレドニア島の喪失、そして、よりにもよって3人の長とその部下が大体纏めて引っ捕らえられて捕虜にされると言う結末を持ってして、幕を閉じるのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取っ捕まり、魔境と言って差し支えなくなってるラバウルに連れてこられた偽航戦姫達の運命やいかに!?

 

 

~続く~

 

 

 



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~第12話~ラバウル連行と変わり者達との会話~

人類側の視点突っ走る前に、ある程度此方で突っ走っとくことにしました。

という訳での第12話です


偽航戦姫達が捕まった少し後の話である・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ここがラバウル鎮守府ですか」

 

「正確には【ラバウル本営府】だな、ここラバウルはこの一帯に展開予定の鎮守府の統括を行うことを想定して建設、増設されている、本営府に統括されている鎮守府は、基本的に直営府、或いは分営府と呼ばれるんだそうだ。」

 

「上空を警戒する航空機の数々や、沿岸部の増設された砲台、サーチライトと思われる代物や見たことない形のレーダーサイト・・・・・・ここホントに一介の鎮守府?下手な要塞より遥かに強そうなんだけど・・・」

 

「ほっぽが爆撃した倉庫がもう建て直されてる・・・しかも前のより遥かに固そうな建物に・・・」

 

「あの爆撃、主犯君の所かい・・・・・・とんでもない戦法を取ってくれたもんだ・・・」

 

作戦終了から暫くした後、創作達に連れられラバウルにたどり着いた偽航戦姫達は、まず最初にその威容に驚きの驚く事となった。

 

少し前に富士の爆撃を受け大損害を負ったラバウルは、恐ろしい勢いで修復を果たし、既に作戦開始前の状況に殆ど立ち返っていたのである。

 

それどころか、いつのまにやら作戦前にはなかったレーダーサイトやらサーチライトやらが増設されており、鎮守府の資源倉庫も無骨ながら実質剛健と言った風体の固そうな代物に早変わりしている等、急ピッチでの復旧と拡張が進められていた。

 

 

「さて、そろそろ入港するぞ、」

 

「それにしても、私たちを特に拘束したりせず連れてきて良かったの?」

 

「下手に動けばどうなるかくらいわかってる様子だったからな、別段必要ないかと判断させてもらったに過ぎんよ」

 

「・・・・・・なるほどね、」

 

 

創作の誘導で港へと到着する。

 

 

「・・・・・・何か起こすようでしたら容赦は致しませんからね?」

 

「ぽよ!」

 

(・・・・・・やはり深海棲艦である故か、余り信用されてないわね)

 

「・・・・・・ウチの姫様を余り甘く見ないで頂きたいですね」

 

(ヲ級!?)

 

「・・・・・・そのお姫様の後ろで震えていた貴方に言われても説得力が無いのですけれども」

 

入港直前、後から上総に警告される偽航戦姫。

 

正直、この時彼女の思考は既に戦うことをすっ飛ばし、いかにして人類側との講和の方針を貫くのに有効な繋ぎをつけられるかに集約されていたので正直警告の内容は殆ど意味をなしていなかったのだが、上総の言葉に感じる高圧的な態度から、少なくとも上総(と、そばいにいる丸い猫)からは不審感バリバリに思われている事を察することができたのだ。

 

・・・が、意外にも副官のヲ級がこの言葉に反応し反駁したのである。

 

 

「確かに、あの時の私は情けないと言ったらありはしませんよ、ですが姫様はそんな私が助けを求めてしまった時、それに応じるだけでなく、【守ってあげる】と言って下さったんです」

 

「あの時、実質的に逃げ道を失ったあの時も、その少し前までに私達を囮にするなり、姫様一人守れもしないこんな情けない部下なんてサッサと見捨てといて逃げるなりすれば、姫様だけでも逃げ延びることができたでしょう」

 

「それをしなかったのは、姫様が御自分で言ってしまわれた事を破りたくないと言う意志があったからです、第一、そんなに信用ならないのならばあの時此方の降伏を受け入れずに沈めたって良かったじゃないですか、貴女方なら捕虜を得ることに苦労はしないでしょうし」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・まぁヲ級ちゃんの言いたくなることもわかるわね、流石に深読み前提になるだろうけど、【降伏した時点で、深海棲艦にも命が惜しいヤツがいる】って事は認識してほしいというか、僧兵染みた宗教狂いの集団みたいなのとは違うとは感じてほしいというか・・・」

 

 

「・・・・・・、確かにそういった存在ではないことは認めざるを得ませんね、失礼致しました、先程の発言、取り消させていただきます」

 

「・・・・・・、ヒァ~~」

 

 

ヲ級の自虐が混じった熱弁と中間棲姫の苦言に反応した上総、暫しの逡巡の後上総は発言を取り消して謝罪したのである。

 

すぐ近くの丸猫もなにかをいっているようなのだが、生憎のところ猫の言葉はわからないのでその真意は理解しようがなかった。

 

 

 

「発言の取り消し、感謝するわ、そういえば、私たちの他に捕虜っているのかしら?」

 

「・・・・・・ゴッツい片寄っているがいるぞ、トラックにカチコミ噛ましてきたレ級艦隊丸ごとだけだけど」

 

「・・・・・・あの子達でさえ対抗しようが無かったのね、ヴァツーチンには」

 

「いえ?流石にそうでもありませんわよ?、あの結果はたまたま此方側にそちらに視認されてなかった戦力があの場にいた事が理由ですし、隊長格のエリート以外は轟沈直後にウチの博士とその知り合いさんがサルベージを刊行した結果ですしね」

 

「あ、最初は全員大暴れしたんで手を焼いて無理矢理拘束してましたけど、貴方達が連行されてくると小耳に挟んだとたんに大人しくなったんですよ」

 

「・・・・・・そう、あの子たちが一度沈んだのを助けてくれたのね」

 

「なんて礼を言ったら良いのかしらね、命あっての物種、って言うし、こんな形だけど安否を知れたのは嬉しいかな・・・」

 

「悪く言えば、無理矢理死の縁から呼び出した、とも取れるだろうがな、」

 

「そうでもないよ、ほっぽはトラックに向かったレ級達は偽航戦姫と中間棲姫が一、二を争う程に信頼してる子達だって知ってるから、」

 

「・・・此方としても手を尽くした甲斐はあった・・・か、」

 

自分達の他に、自分達が派遣したレ級達が捕まってることを聞き、取り敢えずは安堵する偽航戦姫達、創作も創作でやる甲斐はあったことを確認し、偽航戦姫達には見えないところで安堵していた。

 

 

 

 

 

「間もなくラバウル本営府に到着致します」

 

「現地ついたら取り敢えず私についてきてもらうことにするか、聞いた話、【あいつら】が来たらしいし、到着したら上総達は順次解散して構わんぞ」

 

「了解しました」

 

(そういえば創作さんの乗ってる乗り物、アレアニメ版ホー○ズの第一話で見たような気が)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くの後、創作達に連行された偽航戦姫達は、チート艦娘が多数観測されたラバウルにとうとう至る事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

到着した時、まず最初に偽航戦姫達は何人かの人物からの出迎えを受けた。

 

到着と同時に上総達はバラバラの方向へとそれぞれの移動していったが、やっぱり心配なのか、直ぐに遠巻きに此方の様子を見る様に位置取りをし始めたようである。

 

 

 

 

 

「蒼井提督、お帰りなさいませ、」

 

「すまんね三日月、任務明けから間もないのに一番に出迎えて貰うとは・・・」

 

「いえ、来訪者の方々と下総さん達が自分が一番最初に出迎えるんだと殴りあいのケンカを初めまして・・・そちらが偽装航空戦艦姫さんで、あちらが中間棲姫さんで間違いありませんよね?」

 

「・・・怖がらないのね、少なくとも表面上は」

 

「ふふふふっ、まぁこの鎮守府には偽航戦姫さんや中間棲姫さんに負けず劣らず、或いはそれ以上に本当のところは怖い人達が結構いますからね・・・相手を信用することの大切さを学ぶならば、多分ここにいるのが一番手っ取り早いと思いますよ?」

 

「そんな魔境なのここ!?・・・ちょっと不安になってきたわね・・・」

 

 

 

まず最初に迎えたのは、この鎮守府に所属する艦娘、三日月であった。

 

他にも多数の人物がここに向かおうとしていたらしいが、我先にと物理で争いだした結果、遅れて動いた彼女が最初にやって来ることになったらしい。

 

幾ら上総、ヴァツーチン、騎龍が近くで見張っているとはいえ、相手は深海棲艦の親玉格三名と戦艦棲姫等の強力な深海棲艦たちである、拘束していない以上奇襲を受ける可能性は想定しているはずだが、三日月はこれと言って恐怖する様子も無く、何者かが争ってるのであろう前方鎮守府建物の入り口を呆れたように流し見しつつ偽航戦姫達を見つめていた。

 

 

 

「魔境も何も、ここにいる人々を下手に知ったら発狂待ったなしですからね、実のところ私と私を()()()提督はつい数十分前までアメリカ東海岸にいましたし・・・」

 

「・・・・・・え?、もしかしてここ複数提督制!?ってかアメリカから数十分って・・・いや、創作って名前の提督ならばそれも可能そうと言うのが怖いわね」

 

「あー、折角ですし私がその辺を解説させて頂きますね・・・・・・あ、ちょうどいい感じに・・・」

 

 

 

提督が複数いることに驚く中間棲姫だが、他に幾らでも驚く要素があるためにツッコミが追い付かない上に、その内の一部は自身の数時間前の理不尽な状況を思い出して納得できてしまうものだったために軽く恐怖を募らせる。

 

 

・・・・・・が、それよりも衝撃的な事が、この後目の前の光景として映るとはこの時の深海棲艦達は誰も気づかなかったのである・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ムギュッ!」

 

「フニャッ!」

 

「オアフッ!」

 

「ポピー!」

 

「あぶばっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「・・・・・・・・・・・・へ?」」」

 

 

鎮守府と思われる建物の正面入り口から多少の損傷と共に目をグルグルさせながらほっぽられて積まれていくレ級達。

 

 

「OH・・・対超兵器艦である私でも歯が立たないなんて・・・・・・」(バタンキュー)

 

 

「そんなっ・・・・・・まさか私が負けるなんて・・・申し訳ありません、お姉さま・・・」(ムキュウッ!)

 

 

「さりげなく私も巻き込まれてるじゃないですかー!ヤダー!・・・・・・・・・オウフッ!」

 

レ級が積まれ終わったかと思えば、今度は他のレ級と同じようにして、謎のアメリカ艦及び()()()小破~中破ぐらいの状態のまま鎮守府正面入り口にほっぽられて伸びてしまった姿を見ることになったのである。

 

 

ついでに巻き添えでレ級と面識のある日輪中佐が伸びる事となっていたが、そのあとに出てきた人影により、その出来事を目撃したことによる驚愕は、更なる驚愕によって打ち消される事となる。

 

 

 

 

 

 

(パッ、パッ、)「・・・はぁ、漸く貴方との一騎討ちってヤツにまで持ち込めたわね、あ、こっち見ないでよ?さりげなく服ボロボロなんだから」

 

「お前なら幾らでも手段あるのだから隠すなり服変えるなりすりゃいいだろそのくらい・・・・・・にしても、そこそこ骨のある嬢ちゃん達だったが、やはり現状の俺相手でもエリレとチート艦娘混ぜ混ぜした程度では対抗しきれんか、」

 

「たしかメガネの嬢ちゃんの名は下総だったかな?、姉の方の上総とやらもさっきの俺相手にこのくらい健闘してくれると嬉しいもんだが」

 

「あら覇天、私の援護あっての結果でしょう?、今の貴方だとタイマンだと流石に辛くなるんじゃないのかしら?」

 

「俺含めた鎮守府の中にいたヤツみーんな巻き添えに無差別攻撃噛ませばこうもなるだろうが・・・・・・、お、出迎え1号決定戦やってる間に帰ってきたようだな・・・・・・アレ?」

 

「あそこにいるのさっきの三日月ちゃんじゃない?、もしかして私たちトップバッター取られた!?」

 

「なん・・・・・・だと・・・・・・」

 

 

 

鎮守府から一組の男女が姿を表す。

 

その二人はお互いに此方の方を見ながら会話していたようであったが、偽航戦姫達と、会話する三日月に気がつくと、ガックリと肩を落としたのだが、その姿が尋常ではないのだ。

 

分かりやすい女性の方から言えば、はっきり言って()()()()()()()()()

 

外見こそなんか儀礼用とも日常用とも取りにくい大層な服を着た金髪ロリの幼女でしか無いのだが、()()()1()0()()()()()()()()()()()()()()

 

しかも一つ一つを見て行けば、なんとなく創作物で見かけるような感じで、吸血鬼、竜人、天狗、妖精の羽が二枚づつ不揃いに並んでいるのだからたまったものではない。

 

 

男の方はと言えば、見た目こそ顔面偏差値のそこそこ高い黒髪で、茶色のコート含めなんとなく放浪者をイメージさせる中年の人物だったが、服の一部がバッサリと破けて恥ずかしがる女性の方と、鎮守府の外にて伸びている下総達を見る限り激戦(というか最低でも服装へのダメージは不可避と考えられる)であったのにも関わらず、この男は完全に無傷でその場に立っていたのだ。

 

どうやら下総達とケンカしていたのは彼らのようであったが、下手をすれば創作並みに厄介かつ強力な人物を新たに二名も確認したことから、偽航戦姫達はもはやその場で呆然とする他なかった。

 

 

「・・・・・・提督、あの二人が話にあった【親友】の方で?」

 

「そうだぞ?あっちの男が覇天、そっちの見た目幼女がアウドムラと言う名だ、アイツラもこっちにやって来る際に能力が【あの時期】までリターンしてるようだけど、それでもアイツラ今の俺よりも強いからなぁ・・・・・・」

 

「成る程・・・覇天さんは伊達に私を投げ飛ばせた訳じゃなかったと・・・・・・」

 

「私なんかアウドムラさんに彼処までいきなり飛ばされましたからね・・・提督、捕虜の方々が完全に固まってますが・・・・・・」

 

 

 

上総は目の前の光景が信じられない、と言った感じで様子を見ながら創作に聞く。

 

創作はあっさり答え、補足するように騎龍とヴァツーチンが呟く、それは、さりげなく彼らがあの場で偽航戦姫達にたどり着く手助けを彼らから受けていたことを示唆するものであったが、偽航戦姫達は下総よりも明らかに格上の人物が新たに二人、おまけに片方は純然たる人外っぽいのを確認して完全に固まっており、それどころではなかったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・ごめんなさい、ちょっと取り乱してたわ、取り敢えずは大丈夫」

 

「・・・・・・でも、一言だけ、一言だけ叫んでいい?」

 

「・・・・・・構わんよ」

 

 

一時的には冷静になった中間棲姫達だったが、北方棲姫が創作に許可を得ると、一旦偽航戦姫含めた深海棲艦達は、皆一様に深呼吸を始めた、そして・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなの勝てるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チートにチートが重なって大変なことになっている鎮守府を見て、思いの丈を一言で纏めてぶつける偽航戦姫達。

 

その叫びは、あまりにも理不尽な戦力差を見せつけられたことに対する、魂の叫びがこもっていたのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~次回、「深海棲艦とラバウル鎮守府」偏へと続く~

 

 

 

 

 

 

 

 



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第二編
第2編「深海棲艦とラバウル鎮守府」、プロローグ【偽航戦姫の私的記録】


偽航戦姫達が捕まり、ラバウルにやって来ました。

本編、ラバウル鎮守府編はそれから一週間たったある日から始まります。

プロローグはラバウルにやって来た偽航戦姫の私的記録です。


【~偽航戦姫達が捕まり一週間~】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・何だかんだと捕虜生活が一週間を過ぎたので、現状確認と捕虜生活の中で見知った事を、私的記録としてここに記すこととする。

 

 

まず最初に、あの作戦・・・・・・私達が捕虜になった原因でもあるあの出来事について、何があったのか?どうしてああなったのかについてある程度時系列に併せて整理がついたのでまとめることとした。

 

 

あの作戦・・・・・・深海棲艦の生存圏確保とニューカレドニア占領妨害、防衛を目標とした【太平洋ノ鎮魂歌】作戦は、人類側、深海棲艦側共々、本来の目的とは違う副次目標に無駄に力を入れすぎた結果、双方痛み分けに等しい形での決着となったと言うことがわかった。

 

 

まず私達は【ラバウルの戦力がハワイ方面で陽動を行う隙にニユーカレドニア攻略】が相手の大方の目標だと、相手の作戦目標を私の情報収集網をメインとして収集した情報を元に想定した。

 

 

対応の作戦として、ラバウル戦力を深海棲艦のほぼ総戦力で迎撃、撃退しつつ、戦艦水鬼の精鋭によって他の鎮守府のニューカレドニアを防衛、富士によるラバウルへの爆撃と、レ級達によるトラック奇襲でラバウルの戦力をトンボ帰りさせて撃退しつつ、他の鎮守府からニューカレドニアにやって来る戦力を迎撃、あわよくば仕掛けたトラップ(落とし穴)で身動きが取れ無くなってるところを自身の戦力で包囲し再占領する。

 

 

【太平洋ノ鎮魂歌】何て言う大層な作戦名は、ラバウルの戦力とぶつかるハワイ防衛部隊側は、ラバウル主力との交戦になるため生存が絶望的になるだろうと考えてのことであった。

 

 

・・・・・・が、結果はこの作戦に含み案を組み込んだ戦艦水鬼と、港湾水鬼以外にとっては意外な結果になったのだ。

 

【この作戦においては、私達深海棲艦にとって凄まじく嬉しくない誤算と、嬉しい誤算とが2つずつ存在していた】

 

 

一つ目の嬉しくない誤算・・・・・・まさしくそれは【超高速特殊戦術護衛艦[駆逐艦]・虚(うつろ)】(以降、虚と表記)の存在だ。

 

ラバウルにて此方が確認しそびれたこの艦こそ、情報戦を中心に装備を整えていた私と同等・・・・・・或いはそれ以上の情報戦能力を持つ川内に似た白髪のNINJA・・・・・・つまり私は情報戦において彼女に完全敗北していたのだ。

 

 

彼女が工作のために放った欺瞞通信を飛ばす魚雷・・・・・・本来は立体ホログラムで戦術単位の欺瞞を行う魚雷の副次機能によって、偽装された通信を大量に傍受させられ、人類側の作戦内容が偽装されていた。

 

【偽装航空戦艦】を名乗る私が、速力70knot越えのチート護衛艦相手とはいえ、仮にも相手の偽装にまんまと引っ掛かったのだ。

 

気づいたときには、自分の名前のに恥ずべきミスをした恥ずかしさと、自分のミスで沈んでいった他の深海棲艦達への申し訳なさで悶絶し続けたものである・・・・・・。

 

 

二つ目の嬉しくない誤算は、ラバウルへの爆撃が完了し、嬉しい誤算によって反攻が成し遂げられた直後辺りの段階で、トラックとラバウルに此処の提督達の親友がやって来たことだった。

 

 

まさか此処にいる四人の提督が【異世界からの来訪者】だとは思わなかった、正直私と同じ転生者かと思っていたのだ。

 

 

(この【転移提督】と【親友】の人々については後述することにする、正直とんだチート共過ぎて・・・・・・)

 

 

転移提督とその親友がこのタイミングで遭遇したために、創作提督、上総、ヴァツーチン、騎龍の4名が私たちの元にたどり着けたのだそうだ。

 

まぁ、正直その親友・・・アウドムラと覇天と言う人物がいかに異常なのかは初見のインパクトで大体わかっていたので、気になるのは【この世界】にやって来ているものの、所用で日本本土に赴いていていまだに会ったことの無い二人の人物だったりするのだが。

 

 

 

んで、嬉しい誤算と言うのは、【人類側の戦略が此方側の戦略とミスマッチを起こしていた事】と、【捕まったことで、日本の首脳部が講和を考えて米国へと発ったと知ることが出来たことである】

 

 

人類側の戦略は此方の大方の予想のほぼ逆であり、収集した情報を元手に【別の可能性】として予測を立てて作戦に含み案を組み込んだ戦艦水鬼と港湾水鬼のほぼ予測通りに進んだのだ。

 

いってしまえば【ラバウル戦力を持ってしてニューカレドニアを電撃攻略、ハワイへは攻略も視野に入れた大規模な陽動を仕掛ける】と言う戦力配置を真逆にしたものである。

 

この事は、ニューカレドニア戦線に過剰戦力を送り、結果副次的に私達が捕虜になったことと、逆としてハワイでの陽動攻勢に此方がほぼ全力を出し、【艦娘と提督達を捕虜にして半ば人質にする】と言う戦艦水鬼と港湾水鬼の含みが成立することになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んで、嬉しい二つ目の誤算を知ったのは私達が捕まって暫くの後の事である。

 

前々から講和ルートを探っていた私達だったが、実は人類側も講和を考えて動いてる勢力が主流になりつつあることを、ラバウルの提督の一人に教えてもらったのだ。

 

槇田 信重と高木 成義・・・・・・日本の首相と防衛大臣であるこの二人が、深海棲艦との講和の道を探っているらしい。

 

この他、横浜に各鎮守府の総元締めである【大本営鎮守府】なるものがあること、そこには他の戦線で捕虜になった深海棲艦が監視付きで保護されてること、その他、幾つかの鎮守府には深海棲艦が人類側に立って所属してることなど、色々と有用な情報がてに入った事をここに記し残す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、ラバウル鎮守府にいる超性能艦娘や提督、そして捕虜になった私達の現在を簡単に記録しとくこととした。

 

 

【艦娘】

 

 

特記事項がある艦娘のみ記述、順不同。

 

 

【りゅうおう】

 

事前に確認していたOVA版「青の6号」、紫スク水に白ジャケットを着た褐色の女性、斬新な服装とそのスタイルに目が行くが、原作アニメでの活躍に恥じない実力者。

 

ゾーンダイクとの戦いが終わったあとの時系列からやって来たらしく、自身の所属していた超国家組織「青」の理念を基に深海棲艦を【海上及び海中の安全を脅かす存在】として敵視していたが(残当な見解である)、深海棲艦と対話が可能であることを知った辺りから何か悩んでる様子がある。

 

ロレンツィニシステムによるものか素体の性能かは判別がつかないものの潜水棲姫よりも遥かに高い運動性能を持つため、通常の艦娘の対潜水艦兵器は無力である関係上、下手をすれば実質的なラバウル最強は彼女かもしれない。

 

現在、他の海外艦の面子、駆逐棲姫、軽巡棲姫ら深海棲艦の一部メンバー及び鎮守府所属の女性提督の一人と共にラバウルから多少離れた町、ココポへと良く赴いている模様。

 

 

 

 

【上総】【下総】【三郎】

 

左二名が副官ヲ級達にトラウマを植え付けた超装甲戦艦で三郎というのは彼女達と共にやって来た神格を持つネコ。

 

・・・・・・後者に突っ込みたい所が多数あるが、三郎本人(ネコだけど)は明らかにポヨ○ヨ観察日記のネコである。(上総と下総の姉妹に特に大切にされてる辺り他にも色々と秘密があるらしいのだが、現状は不明)

 

 

ラバウルにおける文句なしのメイン盾及び前線指揮官役の艦娘。

 

最大装甲厚2400ミリ、排水量46万トン、66cmの主砲を12門、全長は500メートル越え、と言う恐ろしい船であり、単純な防御能力では後述する騎龍よりも上なのではないかと思われる。

 

何がなんでも最後まで生き残り続ける司令塔と言った感じの設計だが、この姉妹は思ったよりも武闘派かつ厳格なようで、色々とアレなラバウル鎮守府のメンツが何かやらかす度に、艦娘だろうが提督だろうが軍属だろうがお構いなしに説教&お仕置きを担当している様子。

 

最近は捕虜なのにラバウル鎮守府所属提督達の好意で平然と鎮守府を歩き回れる私達の監視も担ってるらしく、ラバウルに足りない部分を積極的に補っている苦労人たちでもある。

 

最近、両人ともにやって来たばかりの覇天、アウドムラとよく話している姿を目撃するが、何を話しているのか気になるところである。

 

 

 

【騎龍】【モンタナ】

 

ラバウル鎮守府に所属する超兵器と、超兵器に対抗するために生まれた米国戦艦の二人組。

 

騎龍は超兵器ながら、その特殊な建造経緯とメイド服が語るように、どちらかと言うと実験艦、補助艦の意味合いが強いらしく、何かしらのコンセプトを中心として特化する傾向にある超兵器の一角の割には多芸で、私達を捕虜にした時量産されたグランパス(りゅうおう艦載の小型潜航艇)や航空機を多数展開して包囲網形成に寄与したり、しょっちゅう武装が切り替わるからと鎮守府で取り敢えず付与されたらしい2基のヤケに強力なクレーンを巧みに操って潜水棲姫を引き揚げて捕縛するなど【武装を取り扱う事】に秀でているのがよく分かる。

 

あと、レ級を助けてくれた恩人である事などから、前述の艦娘達とは違い、深海棲艦が純然たる敵なのか否なのか作戦中に見極めていた様子。

 

ただ、聞く限りと見た限りでは一度も上総と下総の説教の対象になっておらず、逆に二人が三郎と小さなイ級の事とかで過剰反応して暴走した時に、制圧、鎮静化を担当している為、鎮守府の中では三日月と同率で一番の常識人だと思われる。

 

 

 

 

 

 

モンタナは他の艦の濃さで印象が薄れがちだが、艦娘の中では恐らく他に類のない愛煙家だったり(飲酒に関しても、量に視点が傾くこれまでの艦娘と違い、上質な酒を味わうように飲んでいる姿が確認されている)対超兵器を想定した戦艦であるなど、騎龍とは別で、鋼鉄の咆哮世界出身の通常艦艦娘であることなど、出身世界の艦として見ても、艦娘個人として見てもかなり独特な特徴を有する艦娘である事がわかる。(鋼鉄の咆哮=超兵器のイメージなので、彼女のような存在は非常に貴重である)

 

駆逐艦娘達の前では吸わなかったり、分煙の流れに沿って喫煙してたりとマナーの良さも伺え、見学した【チート提督VS艦娘達】の演習においても、チート提督の理不尽な攻撃網を前に冷静に対処し、上総、下総が撃沈判定を受けた後も主要指揮をしっかりと引き継いで、時間一杯まで攻撃を凌ぎきり、自身の撃沈判定と引き換えに指揮下の艦娘を全艦生存がさせるなど、主要指揮を取る上総、下総とは別の形で高い部隊指揮能力を有していることが判明している。

 

彼女も深海棲艦に関してはまだ明確な敵対をすべきか見極めている様子だが、超兵器に関してはかなり強い敵意を持っているらしく、【超兵器らしさ】の薄い騎龍は例外として扱って交流を深めている模様。(本人談)

 

そんな二人だが、私が最も気になるのは【彼女達の出身世界とたどったルート】である。

 

騎龍は建造経緯を聞く限り無印3の南極独立国家所属っぽいのだが確信は得られず、おまけに武装に紺碧の艦隊が混じった挙げ句、持ち合わせの艦載機はアヒル航空機に対抗して生まれたと説明されていて2のPSP版との関わりが匂うなど、どの世界出身なのか完全な断定がしづらく、仮に無印3だとしても独立なのか連合なのか枢軸なのかわからないので気になってしまう。

 

モンタナは建造経緯とその後の関係上ほぼ間違いなく鋼鉄2PSPのアメリカ出身なのだが、となるとウィルキアの某海軍小将達がどのルートを辿ったのかが気になるわけで・・・(特に作中で銀婚式を迎えた例の日本人教官と、アレな疑惑の強く、他ルートでは殆ど出番のない副官に関しては気になる所である)

 

と言ったところなので、その辺も聞き出したい所である。

 

最近の騎龍はウチのタ級及び戦艦棲姫、北方棲姫、夕張、明石、第六駆逐隊メンバーらと共に鎮守府の提督の一人が常駐する開発工厰によくおり、モンタナは中間棲姫と別の提督、及びその配下と思われる長門らと共に鎮守府にやって来る輸送艦の来港、出港管理を手伝ってるのが確認されている。

 

 

 

 

【ヴァツーチン】【虚】

 

 

此方の戦術、戦略を崩した繋がりでのラインナップである。

 

【魔女の眼】と呼ばれる砲撃管制システムや枢軸国の亡命技術陣が総集結した建造経緯、レ級達をフルボッコにした実績などで有名な共産ロシアの超大型戦艦で此方のトラック奇襲を完全に瓦解させたヴァツーチン。

 

人類側の作戦を偽装することで、此方のカウンター作戦の想定を見事に空振りさせることで私達を捕らえるきっかけを産み出した虚。

 

正直、他の艦娘相手もそうだが、この二人に対しての現状での航空戦術は非常に悪手であると考察される程の二隻だが、原因不明ながらヴァツーチンは前述した覇天と言う男にかなり過剰に警戒されており、それと関係したかのように、虚はアウドムラと言う名の少女をやけに警戒してる様子が伺える。

 

ヴァツーチンは創作提督と共に空母艦娘の艦搭載機妖精を鍛える役目を担っており、中間棲姫の所のレ級達がヴァツーチンにトラウマを持つようになったのと同じくらい艦搭載妖精たちにとってはヴァツーチンの理不尽な対空火力がトラウマとなった模様。

 

虚はウチのレ級を轢いた件を私と本人に謝ってくれており、その関係でウチのレ級と仲良くなり、何故かレ級と良く絡む陸軍の憲兵と思われる桃色髪の女性と共に大体一緒にいるようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えずは記録をここまでとし、引き続き、ラバウル鎮守府での捕虜生活を送りつつ、時勢の見極めとラバウルの提督、及びその関係者達の様子を調べる事とする。

 

~偽装航空戦艦姫、南丞絢香~

 

 

 

 

 

 

 

~続く~







次回より、ラバウルにやって来た偽航戦姫達と、ラバウル鎮守府との交流が始まります。


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第2編第二話、開発工厰と虹色の鍵

やっとこさ第二編も本格的に動き出します、執筆速度は相変わらずですが地道に更新は続けていく予定です。


 

「・・・・・・ここが話にあった開発工厰?」

 

 

「そういうことだ、ようこそ開発工厰へ、と言っておこう」

 

 

ラバウル鎮守府の部隊に捕らえられ、捕虜として連行されて何だかんだ一週間が過ぎ去った。

 

とは言えど、何故かラバウルの方針により殆ど

捕虜らしくない自由な状態で過ごしており、中間棲姫達や私の配下たちも鎮守府内を割りと自由に歩き、鎮守府を調べ回っていた。

 

 

鎮守府を取り敢えず調べたところ、前にレ級(ヲ級達共々誰が誰だかとなると紛らわしいので名付け予定)が潜入した時やその前後に偵察機を自ら飛ばして調べたときとは大きく変わり、たったの数日で恐ろしいまでの武装化&要塞化が進んでいた。

 

 

レーダーサイトの増設に始まり、地上に設置されていた砲台には増加装甲が施され、深海棲艦から鎮守府への空襲に備えた妖精さん主体の基地航空隊が急速に増設され、専用の滑走路の増設が行われてたり、初期はヘリ数機とE2、F4改修型とF2が一機ずつのみだった通常の航空機部隊も、空自の主力と言えるF15や数の関係で無理矢理引っ張り出されてきたのか、F2の前身であるF1等がここラバウルにやって来ていたのである。

 

 

また、試験配備なのか何なのか、鎮守府近くの港湾部には新たに大型の連装砲が2基ほど配備され、上空には多数のドローンが高頻度で飛び交うようになり、挙げ句の果ては鎮守府周辺に大規模な防潜網が追加で張られ始めるなど、到底この短期間で起こった変化とは思えない事が起こっていた。

 

 

 

 

・・・が、開発工厰、建造ドックの2つは訳あって現状の私たちでは見学不可能の状態になっていたのだ。

 

 

今回、開発工厰へと招待されたのはここの提督の一人である村ノ瀬 正成(むらのせ まさしげ)提督に頼んでみたところ、同提督同伴を条件に許可が降りた、と言う事情あっての事であった。

 

 

「まぁなんだ、まだまだ性能評価を終えてない代物が多いが、ゆっくり見学していってくれ」

 

 

「好意に感謝させてもらうわ、工厰内をざっと見回しただけで早速、いろいろ言及してみたい話が出来たから。」

 

 

(・・・突っ込みたい!ホントにいろいろ突っ込みたい!!!)

 

 

今回、先に話にあった通り彼、村ノ瀬正成がここを見学する許可を出したからこそであるのだが、招待した彼自身も彼で、半ば自身の住処と化していた此処に珍客とも言える深海棲艦達がやって来たことに対し、少し嬉しそうにしているのが偽航戦姫には見てとれた。

 

それは取り敢えずおいとくとして、彼女はざっと見ただけで工厰内がカオスを極めていると確信した訳なのだが、【深海棲艦の親玉の一角、偽航戦姫】としてではなく、【転生者、南丞絢香】として気になり、言及したくなる開発品と思われる装備群がところ狭しと並んでいた。

 

ついでに今補足しておけば、現在この場にいるのは絢香と正成を除けば、

 

空母棲鬼(描写に無いだけで、爆撃隊発艦直後に偽航戦姫達に合流するため一足先に北方棲姫の所から離脱、中間棲姫と同タイミングで合流し、やっぱり捕まっていた。)

 

ヲ級エリート(偽航)

 

タ級

 

戦艦棲姫

 

軽巡棲鬼

 

騎龍

 

夕張

 

明石

 

以上8名がこの工厰にはやって来ている事を先に伝えておくこととする。

 

 

 

 

「早速なんだけど・・・・・・私の目の前に映るコイツ、アルケオプテリクスよね?おもいっきり私のレーダーにノイズ発生してるし」

 

 

「その通りですね、博士が倉庫再建記念に開発祭り開催しようとしてたら、まーたいつのまにやら資材投入限界が拡張されてたからって限界まで資材を投げて無計画に開発しまくりまして・・・・・・そしたら警告音と共にって所ですね、パイロットの妖精さんも私が知ってる人にそっくりなもので・・・・・・」

 

 

「えぇ・・・・・・・・・」(その割には皆反応が薄いのだけれどもねぇ、特に正成提督は)

 

 

(始祖鳥のパイロット・・・南極独立国家軍との面識・・・アンダマン海で救助されるパイロットと考えると、もしかすると連合ルート?)

 

私の目に映って思わず突っ込みを入れたくなったのは、ゲーム【鋼鉄の咆哮】シリーズに出てくる飛行機型の超兵器、【始祖鳥】アルケオプテリクスであった、作品別に武装仕様の違う赤と迷彩柄の二種類の機体があるのだが、両方ともあると言う充実っぷりである。

 

私自身が始祖鳥に関して鋼鉄プレイヤーしか解らないような考察を続けるなか、騎龍は話を続ける。

 

 

「あの戦争の後年、ソビエトがドイツから技術をパクった陸上戦艦と、自前の衛星型超兵器で南下を始めた時に【あの艦隊】の援護を受けつつ衛星攻撃用の対宙レールガン引っ提げて出動したときも、【返せなかった借りを返す】なんて言って二隻の陸上戦艦と交戦した陸上部隊の援護に本機で駆けつけてくれまして・・・」

 

 

とんでもない事がわかった、この騎龍って子、原作の通常エリアにいないだけでおまけエリアに参戦してるっぽいわコレ、ってかアダマン海のパイロットよりにもよってスレイプニル×2と戦ったのね・・・・・・アレ固すぎて一両相手するのもやっとなのに・・・ん?おまけエリアと言えば・・・・・・

 

 

「・・・・・・・・・あひる艦隊(ボソッ)」

 

「やめてください・・・アレは私のトラウマなんですから・・・ってか何で深海棲艦がその事を!?」

 

 

「いえ何、この世界にスレイブニルとその衛星らしき超兵器が出てくるゲームがあってね、そこにアホみたいな重武装してる生物が出てるのを覚えててね、こう見えて私持ち合わせる情報は幅広いのよ?」

 

 

「そうなんですか・・・・・・今でも覚えてるんですよ?あの光景、見た目可愛いあひるちゃん達が壮絶に物騒な兵器をこっちに向けてきたあのときの光景は・・・・・・」

 

「ってかあの、気がつけば海面はえげつない武装のあひるとすわん、まがもに包囲されるわ、空中は空中でジェット戦闘機真っ青の超高速で飛んでるあひるの口から荷電粒子砲がヌッと出てきたり・・・・・・白旗上げなかったらどんな悲劇になっていたやら、」

 

 

 

 

 

 

 

騎龍が遠い目で自身の体験談を語る。

 

 

軽く聞くだけでもわかることが多いがどうやらあっちの世界のあひる達は航空機までアヒルで統一されていたらしい。

 

不規則な機動性を別としたその他のスペックなら、鋼鉄世界最強航空機の一角ハウニブーすら軽く越えるのがアヒル航空機群である。

 

PSP版のゲームに出てきたこの航空機群は、見た目がアヒルの癖に最高速はF22の倍近く、種類によってはパルスレーザーやら荷電粒子砲やらの光学兵装を持っていて、一機単独が下手な戦艦並の耐久を持っている化け物であり、船の方もレーザーで武装してるし、すわんに至っては波動砲をブッパしてくる種類もいるもんなので、攻撃前の単純に包囲されただけのタイミングで白旗を上げる判断は正しいと言わざるを得ない。

 

「あの後多数のすわんに同行艦艇共々拘禁されて・・・・・・第零遊撃艦隊が来てくれなかったらどうなっていた事やら・・・・・・まぁどっちにしても、あの後の私には常に【アヒル相手に白旗振った超兵器】と言うアレな称号と、【武装衛星を打ち落としたただ唯一の軍艦】といった称号とが併存することになったわけです・・・・・・おまけに、最終的には遊撃艦隊と共同ですわんとあひるの大群を護衛することになりましたし・・・・・・(チョウヘイキゲキチンキロクヲソノゴエイイライデキロクシタノハナイショニ…)」

 

 

「うっわぁ・・・・・・騎龍も波乱の艦生過ごしていたのね・・・・・・ん?【第零遊撃艦隊】!!?」

 

 

「姫様?何か心当たりが?」

 

「遊撃艦隊は多数の超兵器を沈め、我が南極独立国家、【ウィルキア共和国】の独立にもっとも大きく貢献した英雄で、私の前身である播磨と近江を沈めたのもこの艦隊ですけど・・・・・・ご存知なので?」

 

 

「ちょちょちょまった!!?ウィルキア!?今ウィルキアって言ったわよね!?」

 

 

「どうされました?そんなに急に慌てて・・・・・・」

 

 

「・・・・・・騎龍、スマンコレ情報の再交換必須だわ、夕張、後で鎮守府の人員大方集めるから協力してくれ」

 

「了解です!あまり話になかった騎龍さん達の話、楽しみにしてますね!」

 

「え?、私何か変なこと言いました?」

 

「言ってないわよ?、ただ、名前に聞き覚えがあるのが多すぎるのよ、貴方の出身世界でない世界でのね」

 

「はぁ・・・・・・?」

 

この鎮守府、存外に身内同士の身の上話をしないらしい、第零遊撃艦隊にしろウィルキアにしろ、鋼鉄の咆哮をプレイしてたりその辺を調べてたりすると出てくるキーワードなのに・・・・・・、正成さんも騎龍から飛び出した情報に反応して夕張に指示を通した、この鎮守府の所属艦娘に関する重要情報の入手チャンスがやって来たかもしれない。

 

「・・・・・・何です?このやけに仰角の高い大砲は?」

 

「対宙レールガン、宇宙空間の軍事衛星攻撃用です、ウィルキア共和国軍が超兵器衛星、【ソビエツキー・ソユーズ】を撃破するために話にあった遊撃艦隊の艦艇に装備しようとして余った奴を改造する形で急造されたそうで、2つだけ生産されて騎龍さんに搭載、ソ連軍事衛星と戦える貴重な攻撃武装として機能したんだそうです」

 

「何でも、その時は陸上戦艦とかも同時に相手にしながらだったらしいんですけども、遊撃艦隊の援護もあって騎龍さんはその衛星を落とせたのだとか、コレがなかったら今頃騎龍さんのいた世界はどうなっていたんでしょうね?」

 

 

「対宙・・・・・・道理でこんな高角で・・・・・・コレがあれば宇宙空間の人工衛星に対応出来たのに」

 

「数日前、試しにラティメリアへ向けて放ったことがあるんですけど、博士謹製のあの衛星、コイツの弾弾き返してましたからねえ・・・正直無理じゃないかと思いますよ?ってか博士あの衛星なんなんです!?魚の形してるわやけに重武装だわ観測衛星の真似事も可能だわ、どんだけ万能なんですか!?」

 

 

「ハッハッハッハッハッ、ラティメリアはそれまでの同型衛星とはほぼ別物だからな、何しろ衛星軌道上での武装衛星艦隊の旗艦になることを予定して建造してた代物だ、妖精さん向けに改装されたとは言え、話していないだけで戦術、戦略単位の兵器を多数収蔵してるんだぞ~あの衛星は」

 

「装甲材として使ってる【マイロニウム統合合金】はペラ紙並の薄さで30mm機関砲の攻撃を楽々弾く対実弾用鬼畜装甲だ、ラティメリアに施されたマイロニウムの重装甲なら、高出力のレーザーだって長時間耐えられる程だぞ?」

 

 

「なんですかその化け物、騎龍さんの話してた衛星型の超兵器よりも強そうじゃないですか・・・・・」

 

 

「量産性皆無とか言うクソ致命的な弱点があるけどな!、ついでに言うと、製法も特殊すぎるから、マイロニウム使ってる衛星はラティメリアだけだし・・・・・・」

 

 

「つまり、ラティメリアを沈めれば他の衛星群への対処は格段に楽と・・・・・・覚えておきましょう」

 

話が逸れていた間に、ヲ級と明石が対宙レールガンと例の武装衛星の話で盛り上がり始める。

 

正成もそれに加わるが、さりげな~くとんでもない情報が飛び交う辺り、この鎮守府がいかに特異なのかを思い知らされる。

 

騎龍がさりげなく超兵器撃破記録を持つ貴重な超兵器だったり(他例はアメリカ製サルベージ超兵器ワールウインドを沈めたフォーゲルシュメーラしかいない)、例の武装衛星が鋼鉄の咆哮に出てきた超兵器武装衛星よりも格上だったり・・・・・・正直突っ込みどころが多すぎて頭がパンクしそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだそうだ、偽航戦姫、君に聞きたいことがあるんだった」

 

「聞きたいこと?」

 

「そう、あまり他言したくないからね、」

 

「・・・・・・同伴を条件とした立ち入り許可はそのためか」

 

「そう言うこと、次いでだし他の深海棲艦諸氏にも聞いてみるとしようか」

 

正成提督が急に何かを思い出したらしく、私に対して質問を投げ掛けてくる。

 

戦艦棲姫は正成の本来の意図を察知したらしいが、気にするでもなく正成は懐から小さな箱を取り出すと、簡単に質問し始めた。

 

 

「君達深海棲艦は提督になるのに【適正】が必要なことは知っていたかね?」

 

「・・・・・・へ?私は知らなかったわ」

 

「初耳ですね、単純に海軍がテキトーに人選してると考えてましたが・・・・・・」

 

「え?、そんなのあったの!?」

 

 

「少なくとも全体の常識ではないようだな・・・・・・この箱の中の鍵がその適正を図る代物なんだが・・・・・・」

 

「ふーん、そうなんだどれどれ……」

 

 

「あっ!不用意にさわる(ペカー)うおっ、まぶしっ!」

「えっちょまっ、」

 

「姫様!?」

 

正成から聞いたのは提督に適正が必要であったことを知ってたか否かと言うもの、可能性は想定してたが事実として知ってるわけではなかったのでいい情報が聞けたなとか思いつつ(ヲ級達も知らなかった様子なのには心の内で安堵したのは内緒)、正成に見せられた鍵を詳しく調べようと手にとって見たところ、突然として鍵が輝き、閃光が辺りを包んだのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして。

 

 

 

 

 

「・・・・・・今の閃光は一体……!!?」

 

「姫様・・・?」

 

「姫様、その鍵は一体?」

 

「姫様ェ・・・・・・」

 

「・・・・・・正成提督、」

 

「・・・・・・緊急会議開くぞ、必要人員全員集めろ!、捕虜も含めて全員だ!」

 

「了解しました、鎮守府内各艦娘に伝達します。」

 

「あ、もしもし、開発統括の正成です、陸の日輪中佐と本土の槇田首相に連絡繋げて頂けませんか?、控えめに言って大事件なんで。」

 

「これはこれは面白いことになってきましたね!」

 

()()()()ワンチャンありそうですねぇクォレハ・・・・・・」

 

 

 

 

 

光が収まったとき、私の手には()()()()()先程の鍵があった。

 

どうやら提督適正を図る代物だったらしいが、この結果は予想外だったらしく、騎龍の一言を起点とし正成提督の判断ですぐさま全体会議の開催が決定する。

 

正成提督はその場にあったケータイで大慌てで関係各所に電話を始め、騎龍は正成提督を促した後は鍵を見つめて動かない。

 

明石、夕張はコレから起こるであろう出来事に期待を寄せ、ヲ級達は困惑しながら鍵を持った私を見つめる。

 

(空母棲鬼に至っては口を開けたままである。)

 

 

 

「それにしても虹色ねぇ・・・・・・こんな変則的な鍵見たことも聞いたこともないわね~」

 

「コレが提督適正の証でしょうか?」

 

「そうじゃないかしら?仮にも深海棲艦に提督適正あるなんて前代未聞だろうし・・・・」

 

「色以外は何の変哲もない鍵かぁ、何で私がもったらこんなことになったのかしらねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?

 

 

「姫様?どうされました?そんなに顔を青くして、」

 

 

「・・・・・・何でもないわ、気にしないで」

 

 

「はぁ・・・?」

 

 

 

提督適正を示すと思われる鍵について語り合う私達。

 

 

話の最後、私は鍵を見つめていく中で、自身にも形容しがたい物体を見かけることとなってしまった。

 

 

 

それは、目の前の提督が【いかに恐ろしい存在なのかを確信させる】に足るものであったのだが、幸か不幸か、私が鍵を通してとある物を見かけたのはヲ級達に気づかれなかったようであった。

 

 

 

 

「すまんがここの鎮守府要員間で緊急に話さなければならない事が出来た、私はここで取り敢えず装備の整理をさっさと済ませちゃうから、他の皆は先に会議室の方に向かっておいてくれないか?」

 

 

「了解しました」

 

「仕方ないわね、私達も先に向かうわよ」

 

「わかりました」

 

「提督、私達も先に行って待ってますね」

 

「すまんな」

 

電話をしていたからか、私が【ソレ】を見て顔を青くしたことに気づかなかったらしい正成提督が、急ぎの会議への出席を促してきた。

 

虹色の鍵の件が話に上がるのは目に見えていたので、当事者である私も出ざるを得ないと考え、他の艦娘達やヲ級達と一緒に、提督一人を置いて会議室の方へと向かうのであった・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工厰に残った正成が一人、不穏な雰囲気を残していたことに気づかずに・・・

 

 

~続く~

 



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幕間1、工厰での会話

久しぶりの投稿
尚、完成したのは幕間の模様。



 

 

 

「・・・・・・・・・AIDAM、」

 

 

偽航戦姫達が去ったあと、一人工厰内にいた正成は工厰を片付けるといった行動には移らず、暫くの後に工厰内にあった近未来的デザインのリュックに向かって呼び掛ける。

 

 

「・・・・・・・・・今は【本性】でいたい頃合いか・・・、IF(イフ)!!」

 

 

【お呼びですか、お父様】

 

中の機械を取り出すときにいつも呼び出す存在の名前で呼んでも反応しないことに気づいた彼は、リュックの中の管理者の「もう1つの名前」を呼ぶ。

 

すると、すぐさまリュックの中から機械的なアームに乗せられてパソコンが彼の目の前に現れる。

 

 

その画面の中にはメイド服を着た白の短髪と()()()()()()()()をした少女が映っていた。

 

 

「今日は管理AIとしてではなく、()()()()()いたい日か、IF」

 

 

【その通りです、まぁ本当であればいつでもお父様の子としてあり続けたいのですがね、お父様が危険だからと止めなければいつでもこのあり方のままでいたいのが本心なのですよ?】

 

 

「それは知っとるが、そうとは言えど、()()()()()()()()()()()()()()()()()この世界には【人間が自分達以外の知的生命体と接触、交流した経験】が無さすぎるんだよ、まぁ人口生命の概念はともかくこっちにも人工知能の概念はあるから露見したとしても反応は比較的薄く済むだろうがなぁ・・・・・・・・・」

 

 

正成と会話をするパソコンの中の少女、正成の事を【父】と言い切る彼女と正成とはお互いを視認できてるらしく、異質な者同士の会話と言う、端から見れば不思議な光景が他に誰もいない所で行われる。

 

 

【まぁ、今ソレを話し続けてもキリが無いですし、取り敢えずおいておきましょう、でして、確認したいのというと・・・・・・】

 

 

「・・・ああ、まさかとは思うが、偽航戦姫は察知したのか?」

 

 

【非常に不味いことではありますが、()()()()()()()()()()()()、現在秘匿封印してる《ミラクリア》、《AFV》両[第零級終焉兵器]を一度に察知された公算が高いです、少なくとも《ミラクリア》の方は本体が自身の存在を察知されたことを関知しています。】

 

 

「そうか・・・・・・最後の1つ、【PUV】は基本的に起動させようが無いのは救いなのかもしれん、アレが露見すると面倒どころではないからな」

 

 

【《AFV》も、露見すると・・・って所ですからね、でもその取り敢えずアイデア浮かんだら作たい病どうにかならないんですか?日に日に危険物が倍々ゲームしてて私も管理が面倒なんですよ?】

 

 

【・・・・やっぱり沿岸部の誘導連装砲にしろ無人偵察機編隊にしろ倉庫の魔改造にしろなんにしろ、一度スイッチはいるとぶん殴ってでも止めないとノンストップで改造と新造を続ける性分をどうにかしない限り私の負担は増えるばかりな気がするのですが?】

 

 

「それは何度も言うが私の性分なんだ、許して、許してクレメンス・・・・・・・・・」

 

 

【まぁ、勢いをそのままに産み出したその他の[第壱級破滅機械]、[第弐級滅星機械]、[第参級究極超兵器][第肆級超機械兵器]、その他諸々の発明品群も一緒に察知されなかっただけマシと見ておきますか】

 

 

「その一言に尽きる・・・・・・か、」

 

 

物騒な会話を継続する正成と少女、その顔には既に達観してるかのような表情が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、その辺は考えると長くなるから一旦置いておこう、IF、ハワイの深海棲艦と国連の動きはどうだ?」

 

 

【国連は概ね予想通りです、早期講話派の日本、ドイツ、イタリア、イギリス、ロシアと継戦派のフランス、アメリカ、カナダ、オーストラリアとで意見が対立しています】

 

 

【予想外と言えば、中国が中立状態であることと、深海棲艦の侵攻で実質的に滅びた各諸島国家の亡命政府は概ね早期講話派に回ってることでしょうか?、中東諸国もエジプトが早期講話派、イスラエルが継戦派な事を除けばおおよそ中立状態です】

 

 

【南米は完全に様子見ですね、正直どっちでもよさげな様子です、インドも様子見に徹していますが、日本政府首脳部との対談で早期講話に傾いています、又アメリカに関しても、世論から見るとハワイを取り返す事が出来るのであれば早々に講和派に転じる可能性が高いです】

 

 

「端から単純に見ると随分と不思議な対立構造だな、元枢軸+英露と北米+仏+オーストラリアって・・・・・・ってかコレ米国が早期講話に傾いたら一気に流れが決まる状態か、」

 

【大体そう見て違いないかと】

 

 

 

二人の話は続く。

 

 

「深海棲艦はどうだ?、ラティメリアの報告によるとハワイから殆ど動かずにいるとのことだったが」

 

 

【前回の大規模作戦の結果得た捕虜の取り扱いで四苦八苦してる様子です、恐ろしいことに、各深海棲艦が協力してハワイの送電設備の再整備を行ったり、占領されたミッドウェー方面から輸送されたと思われる魚が多数観測されたり、挙げ句の果てにいつのまにやら大掛かりな農業生産プラントが複数稼働してるのが確認されたりと人と、実のところ人と大差ない、或いは人を越えた技術力を有している模様でもあります】

 

「うっわぁ・・・・・・マジかよ・・・本土の()()の調査結果次第だけど、【黒】だったらマジで大変なことになるじゃねえか・・・・・・・・・」

 

 

【その辺は大丈夫だと祈りたいところですが、いかんせん調査内容が内容ですからね、】

 

 

「お前が祈りたいといってる時点で大丈夫じゃない気が半端じゃないがな」

 

「【蛆虫】の件が()()()と関連がある可能性があるだけでも胃が痛くなるのによぉ、【元いた世界】でもやつら似た手口で散々っぱら社会を混乱させてた事を彼女に指摘されて今さら思い出したけど、こっちでも関わってるんだってなったら流石にスルーできんぞ」

 

正成は本土で起こったとある事件の事を思い出しつつ、腹に手を当てて露骨に痛がる素振りを見せた、しかし、何か意を決したのか、直後にトレードマークとも言えた白衣を脱いでリュックの中にしまい、その状態のまま呟いた。

 

 

「いざとなったら・・・・・・覚悟は決めとくか。」

 

 

【いざとなったら・・・・・・ですか?竜王さんに【第陸級禁忌技術】の組合せ段階ですら本気で止められたのにですか?】

 

「そうだ、ただでさえ半端じゃない勢いで止められたのにも関わらず、だ」

 

【まさかお父様、アレ以上の段階の発明品を使用するおつもりですか!?少なくとも参級以上を使ったら間違いなく竜王さん含めた他の艦娘たちや本土の人々からの印象が壊滅的になりますよ!?】

 

 

「参級どっこじゃない、最終手段だが状況次第では《AFV》を使用する」

 

 

【ちょっと待ってください!いくらお父様相手と言えどそれは容認できません!思い直してください!】

 

 

「確かに、私が《AFV》を使用すればほぼ間違いなく【艦娘と深海棲艦両方を全面的に敵に回すことになる】し、【場合によっては創作と訣別することになる】だろうが、いかんせん相手が相手だ」

 

 

「竜王と交わした誓約もあるが、ヤツらが関わってるのなら容赦なく破る事になっても構わん!」

 

 

博士!今貴方がこの場で何をのたまっているのかわかっているんですか!

 

 

「スマンなIF、言いたいことはよーくわかる、だが私はこう言わざるを得ない・・・・・・」

 

 

 

・・・これは確定事項だ!これ以上の反論は聞かん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【そんな・・・わかりました、ですがお父様、後生ですからあまり無理はなさらないでください、いざとなったら私が咎を引き受けるくらいはしますから】

 

 

「・・・・・・そんなことが起きないことを願うよ、【あれらの咎】を背負うのは私と友たち位で十分だ、優樹菜にも、子供たちにも、ましてや他の人々にも背負わせるわけにはいかん、コレばっかり私のは下らん我儘だ、引き下がるつもりはない」

 

「IF、私が本当に間違ってると思ったらば、そのときは殺してでも止めてくれ、正直、私の性分ではそうせんと止められんだろう」

 

「その時がくれば、創作とアイツは協力する筈だ、まぁそんな事が起きなければそれに越したことはないがね」

 

 

「お父様・・・・・・・・・」

 

 

鉄の箱に張られた液晶から正成を悲しそうに見つめる虹目のメイド服少女。

 

 

 

彼女はその時、完全に覚悟を決めたと思われる正成の、なんとも返しようがない達観した表情をただ見つめることしかできないのであった。

 

 

 



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幕間2、とある会話

 

 

「・・・・よっと、会談の場所はここであってるかのう?」

 

 

・・・・その仙人染みた老人がやって来たのは、凄まじい神々しさを放つ森の中。

 

そこにあるのが当たり前、と言わせんばかりに違和感無く佇む丸太で出来た椅子と机がその場にはあった。

 

それと同じく、机を挟んで二つある椅子の片方には、深刻な面持ちの青年がいるのも老人にはわかった。

 

 

老人はもう片方の椅子に座ると青年の方を見ながら話を切りだし始めた。

 

 

「・・・・さて、お主に送った抗議文は読んでもらえたかの?、此方が転生者を送ることを事前に告知していたのにも関わらず、事前告知も無しにお主が管理してる世界から例の連中を勝手に該当世界に転移させおった、もしこの事が絢香への妨害行為だとしたら、お主、わかっておろうな?」

 

老人は静かに、しかし確かに強い怒りを込めて青年に言う、しかし青年が困ったと言う顔を変えずに、冷静に返答した。

 

 

「事前告知無しに彼らをあの世界に送ったことと、彼女・・・・絢香嬢をあの世界へ送られるよう誘導したことは申し訳ないと思っています・・・・が、私にも私なりの理由があっての事です、まずはそのへんの説明から」

 

 

「ほう?絢香ちゃんをわざわざあんな死地に放り込むのだ、余程の理由があるのじゃろうな?」

 

 

「・・・・該当世界の神と連絡が繋がらなくなってます」

 

 

「ほう?あやつがか?」

 

 

「はい、」

 

青年の言に意外そうな顔をする老人、しかしなにかを察したのか、ポンと手を合わせると話を切りだし始める。

 

 

「【蛆虫】か、」

 

「ええ、【それ】は、彼らの行為に間接的、直接的にかなり関わっているようです、神不在の状況にして抑止力の発動を不可能にして、アレだけの所業を引き起こさせたものと考えられます」

 

「やけにひどいと思ったら抑止力が動いとらんかったのか・・・・あやつが不在となればそれも納得かのう、それでこれまでのと言う訳じゃな?」

 

 

「ええ、私は一応代理なのでメンツを投げ捨てれば抑止力を無理矢理誤作動させることくらいは可能です、しかしこれだけやっても対処できるか否か・・・・」

 

「彼ら+人類+艦娘+深海棲艦+抑止力、これだけあればどうにかなるじゃろ?」

 

「いえ、彼らに対策を施されてました、現状だと問題を根本から破壊するのは無理でしょう」

 

「・・・・あの頃と言うのはそう言うことか、確かにその状態だと【それ】に対抗するのは困難じゃな、最悪纏めて・・・・か、しかも行動を開始したと来たか」

 

「・・・・最早、【彼女】を探させる他ないでしょう、私は引き続き取れる手を打っておきます、貴方の方からもお願いできますか?」

 

「やれるだけのことはやっとくかのう」

 

 

「頼みます、では早いですが私はこれで」

 

 

そう言うと青年は何処かへと消えて行く。

 

「さて、ワシのケツにも火がついとるとは思わんかったが、あの子が不味いのう、急がねば」

 

 

そう言うと老人もまたその場を去る

 

老人と青年のいたその森はいまだに、目映い光を放ち続けていた。

 

 

 

 

 

 



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