真剣でCrazyな兄弟に恋しなさい!S (銃剣)
しおりを挟む

prologue

アットノベルでリメイクした物を移転してきました



???side

 

 

「…ん?」

 

 

俺が目を覚ますとどこもかしこも真っ白のところに寝ていた

上も下も右も左も真っ白

果たして現実のものなのかと疑うぐらいに

 

 

「とりあえずやるべき事は…」

 

 

「Zzz…Zzz…」

 

 

「寝てる兄貴を叩き起こすか」

 

 

俺の隣で大の字で寝ているのは俺の兄貴(戦道狂助)である

言い忘れていたが、この兄貴の弟である俺(戦道太一)

まぁ紹介はこのくらいで

 

 

「おい兄貴。起きてくれ」

 

 

「…んぁ?」

 

 

なんとも間抜けな声を出しながら目覚める兄貴

目は半目で寝起きの状態だった

 

 

「どうした太一…まさかだと思うが俺はソッチじゃないからな」

 

 

「俺だって違うわ!!」

 

 

突然気持ち悪い事を言ってくるバカ兄貴

 

 

「とりあえず周りを見ろよ」

 

 

「周り?」

 

 

兄貴が周りを見たせいか、可笑しな事になっている事に気付き目を覚ます

 

 

「おいおい、なんだコレ」

 

 

「俺だって知りたいよ」

 

 

「ようやく目を覚ましたか」

 

 

「「!?」」

 

 

突然俺達以外の声が聞こえ、振り返って見る

そこにはローブ姿の老人が立っていた

 

 

「爺さん誰だ?」

 

 

「儂か?まぁ簡単に言えば神様じゃ」

 

 

神様? GOD?

 

 

マジで言ってんのかこの爺さん

 

 

「マジじゃよ。大マジ」

 

 

うぉお!?聞こえんのかよ。俺の考えてること

 

 

「聞こえとるぞ。筒抜けじゃ」

 

 

とりあえず、この爺さんが神様だって事は信じよう

そう考えていたら兄貴が神様に質問していた

 

 

「なぁ爺さん。此処がどこだ?」

 

 

神様相手に溜口はないと思った俺は悪くない

これを読んでる読者だってきっと思ってる…読者って何だ?

 

 

「此処は天国と地獄の狭間のような所じゃ」

 

 

天国と地獄の狭間?いや、そんなの聞かされたら…

 

 

「もしかして俺達…死んだ?」

 

 

「そうじゃ」

 

 

「「Oh…」」

 

 

俺と兄貴は地面に膝と手をに付ける→orz

そりゃあ死んだなんて聞くと落ち込むよ

 

 

「いや、実はのう。お主らが死んだのは儂のせいなんじゃよ」

 

 

「は?どういうこと」

 

 

「実は…」

 

 

俺達は神様に死んだ原因を聞いた

何でも俺達が学校に向かう途中、道路に飛び出した女の子が居て、そこにトラックが猛スピードでやってきた

女の子はトラックに気づいたが、恐怖なのか逃げ出せなかった。そこに母親が走ってきて女の子を庇うようにやってきた。そして、そこから俺達が飛び出して、女の子とその母親を突き飛ばして代わりに轢かれて死んだという事だ。その時轢かれたせいなのか、その時の記憶が飛んでいたらしい

 

 

「しかし、なんでそれが爺さんのせいなんだ?」

 

 

「いや、実はお主らのリストが合ってな。うっかりお茶を零したせいか…ちゃんと吹いたんだが、間に合わず」

 

 

「それで死んだと…なんとも複雑な死だよ」

 

 

「本当にスマン」

 

 

神様が頭を下げながら、俺達に謝る

いや謝ってくれるのは、良いんだけどよ

 

 

「ところで神様、俺達って天国?それとも地獄?」

 

 

「いや、お主らは天国にも地獄にも行けん」

 

 

「「何で?」」

 

 

兄弟は天国と地獄に行けないことを神に聞いた

 

 

「儂はお主らを死なせてしまった責任がある。だから転生してもらおうと思っておる」

 

 

テンプレですね。分かります

 

 

「ちなみにどんな世界だ?」

 

 

「お主らが行くのは真剣で私に恋しなさい!Sの世界じゃ」

 

 

真剣で私に恋しなさい!Sって確か女がやたら強いっていうアレか

 

 

「退屈にはならないから問題ないな」

 

 

「まぁ確かに」

 

 

平凡よりかは、刺激的なのが良いな

よりアグレッシブで楽しいのが

 

 

「よし、転生する前に特典を幾つか与える」

 

 

「何でも良いのか?」

 

 

「当然」

 

 

神様がそう言うと兄貴が顎に手を置いて考え始める

しばらくすると兄貴は

 

 

「まずDevil May Cryシリーズのダンテのスタイルとデビルトリガー。デビルトリガーは4で、リベリオンとエボニー&アイボリー、コヨーテ・Aをくれ」

 

 

「うむ。お主はどうする?」

 

 

兄貴はDMCシリーズか…俺も同じで良いか

 

 

「俺はDevil May Cry4のネロのデビルブリンガーを下さい。あとデビルブリンガーはヘルバウンドとホールドは自分の意思で使えるように」

 

 

「良し分かった。ちなみに魔力を使う攻撃は代わりに気にしといたからの。気はどちらも多めで、戦闘経験も入れといておこう」

 

 

すっげぇ太っ腹だな神様と俺は思った

そんなことを考えながら、神様が後ろを振り返り手を前に出した。するとそこから門が現れる

 

 

「この門を潜れば転生できる。いろいろあったがお主ら達者でな」

 

 

「あぁ。神様も元気で」

 

 

「じゃあ、俺達行くわ」

 

 

俺と兄貴は門の所へ歩いていく。門を潜る前に顔だけ振り返り、神に言った

 

 

「「ありがとよ!神様」」

 

 

それだけを言って門を潜ると、そこで意識を失った

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

brother profile(キャラ設定)

※少し書き直しました


名前 戦道 狂助 (せんどう きょうすけ)

 

身長 185cm前後

 

誕生日 2月3日

 

一人称 俺

 

あだ名 狂助 狂

 

武士テーマ 激   刺『激』があるから人生は楽しい。……そうだろ?

 

武器 リベリオン エボニー&アイボリー コヨーテ・A 閻魔刀

 

所属 2-F

 

流派 我流というよりスタイル

 

好きな物 オリーブ抜きのピザLサイズ ストロベリーサンデー おちょくりやすい奴

     ゲーム トランプ 甘い物

 

嫌いな物 見下す奴 偉ぶる奴 おしゃべりな奴 辛いもの 

 

趣味 武器の手入れ 人をおちょくる ギャンブル

 

大切なもの 友人 弟 家族 仲間

 

苦手なもの 堅苦しい奴 自分よりテンションの高い奴

 

尊敬する人 ダンテ バージル

 

容姿 DMC3のダンテ

 

本作兄弟主人公の兄。事故で死んでしまい、DMCシリーズのダンテの能力を貰い転生する。家族で暮らしていたが、親が事故に遭って他界。その時に親の仕事の関係で九鬼財閥引き取られる。原作開始時は九鬼から離れ、太一と一緒に住んでいる。性格はDMC4のダンテを少し足したような感じ(戦闘時だけ)。

 

 

 

 

 

名前 戦道 太一 (せんどう たいち)

 

身長 180cm

 

誕生日 3月16日

 

一人称 俺

 

あだ名 太一 

 

武士テーマ 倒  この腕はお前をぶっ『倒』す為にあるってことだ!

 

武器 レッドクイーン ブルーローズ デビルブリンガー 閻魔刀 

 

所属 2-F

 

流派 我流

 

好きな物 甘いもの パスタ ピザ(兄の影響) 綺麗なもの ゲーム トランプ

 

嫌いな物 見下す奴 偉ぶる奴 人の努力をバカにする奴 苦い物

 

趣味 兄と同じ武器の手入れ ブルーローズの試し撃ち 散歩 読書

 

大切なもの 友人 兄 家族 仲間

 

苦手なもの 常に戦いたがる奴 堅苦しい奴

 

尊敬する人 ネロ 

 

容姿 DMC4のネロ

 

 

 

本作兄弟主人公の弟。兄と同じように事故で死んでしまい、DMC4のネロの能力を貰い転生する。家族の死がショックで、右腕のデビルブリンガーが覚醒する。デビルブリンガーは自分の意思で発動する事が可能になり、日常生活の時は普通の右腕にしている。兄と同じく九鬼財閥に引き取られる。原作開始時は同じく九鬼から離れ狂助と一緒に住んでいる。性格は面倒事は嫌いだが本当は面倒見が良い。兄のストッパー

 

 

 

 

銃器・接近武器について

 

銃の弾はゴム、接近武器は刃を潰しているが本来の物と大して変わらない

銃器は弾が無くても、代わりに気を使って撃つことも出来る

 

 

魔具について

 

これも本来の物と変わらない

世界中のどこかに封印され、並みの人間では到達出来ない場所にある

 

 

閻魔刀について

 

これも本来の物と変わらない

妖刀として一部の者しか知らない。魔具と同じく封印されているが、場所は日本にある

 

 




更新する際、少し変えるかもしれません


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 01 ~未来の弓~ The bow of the future and a girl 【少女を救え】

太一side

 

 

「…暑ぃ」

 

 

うっす戦道太一だ

あの門を潜った後、気づいたらBabyになっていた

そして隣を見れば俺と同じくBabyになっていた兄貴もいた。あれはビビった、いやホント

そして俺達の新しい親だが、偶然にも名前が戦道だったので名前は変わっていない

恐らくあの爺さんなのかもしれないが…まぁそれは良いとしよう

 

 

「ふぅ~しっかし暑いぜ今日は」

 

 

今の季節は夏

太陽の激しい日光が刺す時期

 

 

転生してから早くも経って小学生だ

そして今の容姿は髪は白で顔立ちは整っている…簡単に言えばDMC4のネロを幼くした感じだ

そして現在進行形で近くの図書館に向かっている。理由は面白い本探し&散歩だ

まぁ特に変わりなく、向かっていると

 

 

「おい近づくな!椎名菌がうつるぞ」

 

 

「や~い!淫売の娘!」

 

 

「…グスッ…痛い」

 

 

近くで俺と同じ男の小学生グループが、一人の少女を虐めているところを見かけた

それは生前の記憶があった為、一目で誰だか分かった

 

 

「あれは京か…しっかし、これは」

 

 

ハッキリ言って酷いという言葉が頭に浮かぶ

確か京の母親が淫売だったか…それが原因でいじめられるようになったっけ

でもよ…

 

 

いくらなんでも酷過ぎねぇか?

 

 

「おい、何やってんだ?」

 

 

俺は少年グループの一人の肩を掴んだ。ちなみに右手で

 

 

「何だよ邪魔すん…って戦道!?」

 

 

肩を掴まれた少年が俺の事を見て驚くと他の奴らも俺を見て驚く

 

 

「もう一回だけ聞く。一体何やってんだ?」

 

 

「お前知らないのかよ!?こいつは…イデデデデデ!!」

 

 

俺は掴む力を強めると掴まれた少年は痛がる

他の奴らはコレを見て、少し俺から距離を置く

 

 

one more(もう一度だ).一体何やってんだ?」

 

 

「こ、こいつは淫売の娘なんだよ、椎名菌なんだって!!」

 

 

「Ha?馬鹿かお前ら。そんな理由で女を泣かすとか…」

 

 

俺は少年の肩を掴んだまま、持ち上げ

 

 

「くだらねぇ事してんじゃねーよ!!」

 

 

他の小学生グループの方に思いっきり投げ飛ばす

投げ飛ばされた少年が少学生グループとぶつかり、倒れこむ

俺は倒れ込んでいる少学生グループに近づきながら指の関節を鳴らす

 

 

「さぁお前ら…じっくり…」

 

 

Cry out(泣き叫べ) now!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うぁあああああああああ~~ん!!!!』

 

 

小学生グループ全員がボロボロになって逃げ出した

まぁ俺だけどね。やったのは

そんな事を考えながら呆然している京に声を掛ける

 

 

「大丈夫か?もうアイツら行ったぜ」

 

 

「……」

 

 

未だに俺を見て呆然としている京

 

 

「まぁ…とりあえずここに居てもしょうがないし、どっか行こうぜ」

 

 

俺はそう言い、京の手を取って場所を変えることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

変わって場所は公園だが、今は俺と京の二人しかいない

俺は自販機で飲み物を買い、ベンチで待っている京の所に向かう

 

 

「ほれ、お茶で良かったか」

 

 

「…ありがとう」

 

 

俺は京の隣に座り、お茶の缶を渡す

京はお礼を言いながら受け取る

 

 

「気にするな」

 

 

俺は炭酸の缶の蓋を開け、飲む

夏はやっぱり炭酸に限る。火照った体に来る爽快感

 

 

「……ねぇ」

 

 

「あぁ?」

 

 

「なんで…助けてくれたの?」

 

 

京がお茶の缶を見ながら言ってくる

 

 

「なんで助けたか…ねぇ」

 

 

俺は炭酸を飲みながら暫く黙る

 

 

「じゃあよ…助けるのに理由なんているのか?」

 

 

 

 

 

京side

 

 

私は夏休み、図書館に向かっている時に私を虐めてくる奴らとあった

でも、そこに彼がやってきた

 

 

家の学校では天才的な兄弟がいる。それが戦道兄弟

その弟である戦道太一。いつも兄である戦道狂助が問題を起こした時には代わりに先生に謝っている彼

なにかと苦労をしている彼が

 

 

「……ねぇ」

 

 

「あぁ?」

 

 

「なんで…助けてくれたの?」

 

 

私は彼に聞いた

どうして私の事を助けてくれたのか

 

 

「なんで助けたか…ねぇ」

 

 

彼が炭酸を飲みながら暫く黙る

やっぱり…彼は私を助けたのは偶然

淫売の娘だって思えば

 

 

「じゃあよ…助けるのに理由なんているのか?」

 

 

「…え?」

 

 

私は彼の答えに戸惑った

助けるのに理由が必要なのかと

 

 

「助ける理由か…強いて言うなら、ただ助けたかったって事だな」

 

 

っ!?

ただ助けたかった…それだけの理由で私を助けてくれた?

 

 

「それによ。淫売の娘だって言われてるけ…親は親で、お前はお前だろ。そんな事で責められるなんて絶対に可笑しいと思うぜ俺は」

 

 

初めてだった

こんな事言ってくれる人がいたなんて

 

 

「…うぅ…グス」

 

 

「ってオイ!大丈夫か!?」

 

 

私は自然と涙が出た

それは虐められたのではなく、ただ嬉しくて

 

 

 

 

 

太一side

 

 

「もう平気か?」

 

 

「…うん」

 

 

俺が励ましていたら急に京が泣きだして焦った

なんとか泣き止んでもらえたが

 

 

「なぁ…お前名前は?」

 

 

「椎名…京」

 

 

実は言うと京と話すのはこれが初

学校では、不思議なくらいに接触がなかった。探そうにも見つからず、結局放課後になっても見つからなかった

それも京だけでなく、原作キャラである風間ファミリー全員とだ

 

 

「分かった京だな、俺は戦道太一だ。よろしく」

 

 

「うん…よろしく」

 

 

俺が京に笑顔で言うと顔を少し赤く返事する

あれ?フラグたったか

 

 

こうして俺は一人の少女を救った

 

 




原作キャラの口調が全然掴めません
本当にどうしたら


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 02 ~狂の兄~ Deviation elder brother people 【幼き武神に鉄槌を下せ】

太一side

 

 

「最近どうだ。なにかあったか?」

 

 

「特に変わった事は無い」

 

 

あの夏休み以来、こうして俺と京は遊ぶ事が多くなった

また学校で虐められていると思って、京に聞いたら「何にもされなかった」と答える

俺も疑問に思い、兄貴の所に向かったら、黒い笑みを浮かべていた

恐らくだが…いや絶対に兄貴がやったなと確信した

 

 

それはなぜか?だって京を虐めていた奴らが兄貴の顔を見たら真っ青になって震えていたんだぞ

どれだけの悪夢みせたんだよ。トラウマレベルか?

そんな事もあり、京は虐められなくなった

そして今、公園のベンチで一緒に喋っている

 

 

「そういや京。なんの本読んでるんだ?」

 

 

「…推理小説」

 

 

おっ推理小説か。中々面白そうだな

 

 

「今度俺にも推理小説貸してくれ」

 

 

「うん…いいよ」

 

 

京が顔を赤くして答えてくる

するとそこに

 

 

「おーい。太一」

 

 

兄貴が手を振りながら、俺達の方に歩いてくる

そして大きな袋を担ぎながらだった

 

 

「どうした兄貴。その袋は?」

 

 

「いや、サッカーでもやんねぇか」

 

 

袋から一つのサッカーボールを取り出す

しかし袋にはまだ六つのボールがある

 

 

「なんで七つもあるんだよ」

 

 

「普通にやっても面白くないだろ」

 

 

普通にやらないサッカーって何だよ

まぁ偶には激しく体を動かすのも良いかな

 

 

「OK.やってやるよ、京はどうする?」

 

 

「私はここで見てる」

 

 

「分かった」

 

 

俺は兄貴と一緒に広い所に行く

兄貴が右足だけでボールをリフティングする

 

 

「それで、ルールはどうする」

 

 

「シンプルに地面に着いた方が敗けでどうだ?」

 

 

「OK」

 

 

俺がそう答えると兄貴がリフティングしながらボールをパスする

俺は胸で受け止め、右足、左足とリフティングし、兄貴にパスをする

何回かパスを続けると

 

 

「よーし、Levelupっと行くか」

 

 

そう言うと兄貴はボールをパスして、袋からボールを二つ取り出し、蹴ってくる

 

 

「ちょ!?いきなりかよ!!」

 

 

俺は一つ目のボールを上に大きく蹴り上げ、

二つ目のボールは軽く蹴って頭の上に乗せる

三つ目のボールはそのまま胸で受け止め、落ちる所を右足の太ももとふくらはぎで挟む

ちなみに一つ目のボールは高く蹴り上げた為、まだ落ちてこない

 

 

「兄貴てめぇ」

 

 

「だから言ったろ。普通にやっても面白くないって」

 

 

だからって突然やるなよ

見ろよ。京がすげぇ驚いてるぞ

 

 

「兄貴がそう言うなら、こっちだってやらせてもらうぜ」

 

 

俺は一つ目のボールがそろそろ落ちてくるのを確認し、右足で挟んでいたボールを右に

頭に乗っかっているボールは左に、そして蹴り上げたボールは前に蹴る

三つとも違う方向に蹴られ、壁に当たるかして軌道が変わる

俺は流石に無理だろうと考えたが

 

 

「……Hum」

 

 

兄貴がやれやれという顔をしながら袋から残りのボールを全部出す

 

 

「ふっ!…はっ!…せい!」

 

 

三つのボールを蹴り上げる

そして残ったボールを上にあげ、後ろを向きながら

 

 

「Ha―ha!」

 

 

その場でジャンプし、地面に背を向けた状態でオーバーヘッドキックをした

四つのボールは壁に当たり、さらにはボール同士で当たって俺が蹴ったボール全てに当たる

 

 

「Yes!どうだ太一。俺の蹴りは」

 

 

兄貴が地面に着地し、ポーズを決めながら聞いてくる

正直言って凄いのだが

 

 

「なぁ兄貴」

 

 

「あん?どうした」

 

 

「ボールどうするんだ?」

 

 

「…あ」

 

 

そう俺が適当に蹴ったボールに確かに当たったが、そのせいで全部のボールがどこかに行ってしまった

ましてや、そのボールであんな事になるなんて俺と兄貴は知らなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大和side

 

 

「俺は本当に悪なんだ子猫も平気でイジメ殺せる!お前も殺すぞこのアマ!」

 

 

「ほう、悪か……素敵だなぁ先輩、デートしてくれ。あそこの建物の三階、屋上まで付き合ってくれ」

 

 

上級生に遊び場にしてた原っぱを力づくで奪われた俺達は、ある人物に助けを求めた。それは川神百代

あの人ならきっとやってくれると思い、依頼の報酬として集めていた野球カードのレアカードと舎弟になるという条件で引き受けてくれた。そして数人居た上級生全員を一人で倒し、今リーダーともいえる上級生に迫っていた

 

 

「あそこの建物の3階……屋根まで付き合ってくれ」

 

 

ズルズルと引きずりながら上級生を連れて行き、建物に入っていった

 

 

「だ、大丈夫かな?」

 

 

隣で不安に思ったのは、師岡 卓也。あだ名はモロ

一見で見ると少し地味

 

 

「地味って言わないでよ!!」

 

 

モロが何か言ってくるが、そんな事を気にしている場合じゃなかった

建物の屋根を見ると、上級生が突き落とされた

 

 

「おい!ヤバイんじゃねーか!」

 

 

「両足からだとイクんじゃないか、これ」

 

 

俺とキャップがそう考えていたが

次の瞬間

 

 

……ズドン!!

 

 

「グベェ!!」

 

 

『えぇ!?』

 

 

この場にいた全員が驚いた

上級生が地面に着く寸前に体に何かが当たり、その反動でくの字になりながら地面に落ちる

それにより両足に怪我はなくなったが

 

 

「あぁ…あぁ…」

 

 

体に丸い跡があり、口から唾液を垂らし、白目を向いていた

そして上級生の側に転がっているものを見た

 

 

それはサッカーボール

 

 

どうしてサッカーボールが向かってきたのか

そんな事を考えていたら

 

 

「あーこんな所にあったかボール」

 

 

俺達は声のする方を向くと

そこには白髪の男子二人と最近虐めが無くなった椎名の姿だった

 

 

 

 

狂助side

 

 

ようやく俺sideか

おっす戦道狂助だ。今最後のボールを探していたら

なんかそこら辺に倒れている野郎共と、どっかで見たことある奴らが居た

でもその前に

 

 

「悪いが、そこのボール取ってくれないか」

 

 

「わ、分かった」

 

 

ニヒルな男子がボールを取って、投げてくる

それをキャッチし、袋に入れる

 

 

「サンキュー。それじゃあ行くか」

 

 

俺は太一と京を連れて行こうとした

 

 

「待てーーーーー!!」

 

 

上から大声で叫びながら、向かってくるオカッパlady

うん…こいつら風間ファミリーじゃね?

 

 

「お前強いな。私と戦わないか!?」

 

 

What?

一体このバトルジャンキーは何を言っているんだ

 

 

「そいつはデートのお誘いか?」

 

 

「あぁ。そうだ」

 

 

「…悪いがまた今度にしてくれないか。少し予定が入ってるもんで」

 

 

当然予定なんて嘘だ

ただ単に太一とまたサッカーの勝負がしたいからだ

 

 

「こんな美少女の誘いを断るのか?」

 

 

美少女というのは確かだが、自分で言うか普通

 

 

「だったらもう少し可憐な振る舞いをしてほしいねぇ。そうすれば、付き合っていいぜ」

 

 

「可憐な振る舞いなんて出来ない…ぞ!!」

 

 

バトルジャンキーこと百代がいきなり拳を突き出してくる

普通だったら避けられないスピードだが

 

 

「…Trickster(トリックスター)!」

 

 

パチン!!

 

 

右手を前に出してフィンガースナップ(指パッチン)をする。それと同時に体から黄色いオーラが一瞬出る

そして拳が顔に当たるか当たらないかのスレスレの距離をダッシュで回避しダブルダッシュで後ろに回り込む

 

 

「なっ!?」

 

 

「オイオイ、遅すぎるぜ。Hurry up(早く来い)baby《マヌケ》」

 

 

俺は百代の頭を指で突っつきながら挑発する

 

 

「っ!…舐めるな!!」

 

 

振り向き様に殴ってくるが、それも避け建物の向かって走る

そして壁に足を付け

 

 

「hu,hu-!!」

 

 

ウォールハイクで壁を駆け上がりながら垂直で走る

 

 

『えぇー!?』

 

 

「すげぇ!!壁を垂直で走ってやがる!!」

 

 

「おいおい。どうなってんだ!?」

 

 

下でモロ、ワン子、大和が驚き

キャップは驚きながらも笑っていて、ガクトは信じられない顔をしていた

 

 

「ははははっ!!良いぞ。お前、最高だ!!」

 

 

百代は俺を追いかけようと、建物の中に入った

俺は屋上に向かって走り抜けようとした

 

 

 

 

 

「ほい、到着」

 

 

俺は屋上に着き、百代が来るのを待つ

しかし来たのは良いが、戦って良いのかどうか?

こっちも事情というものがある

どんな事情かは、それはsecretだがな

 

 

「もしもバレたら、面倒にもなるし…どうするか」

 

 

「追いついたぞ!!」

 

 

Oh…なんてこった

俺には考える時間すら無いというのかGODよ

 

 

「さぁ…戦ってもらうぞ!?」

 

 

そんな事を言いながら構えて、今にも飛び掛ってきそうな百代(バトルジャンキー)

今の俺はリベリオンどころか武器一つ持っていない

素手でやるのは微妙

 

 

 

この結果、俺がやるべき事は

 

 

 

「OK.お望み通り戦ってやる…ただし」

 

 

俺は不敵な笑みを浮かべる

 

 

「俺に傷一つ付ければの話だぜ?…RoyalGuard(ロイヤルガード)!」

 

 

俺は体を前にし、右腕を横に曲げ、左腕を後ろにやりフィンガースナップをする。それと同時に水色のオーラが一瞬出る

別にバレたってしょうがないさ。これを回避するなんざ無理な話

それに面白い事はとことん楽しむ!!

 

 

Now(さぁ)……Let's rock(遊ぼうか)!!」

 

 

 

 

 

 

百代side

 

 

今私は嬉しくて仕方がなかった

目の前にいる白髪の男。私はそれを見てある事を思い出した

家の学校で問題児とされている人者が居た。その人物の名は戦道狂助

ほとんどの授業はサボり、出たとしても居眠りをして、何かと騒ぎや問題を起こしているらしい

だが、テストの点数はオール満点を叩き出し、学校の方も手が付けられないとの事だ

 

 

私は初めは興味すら無かったが、今日の事で気が変わった

私の突きを避けただけでなく、後ろに回り頭を小突いてきた

馬鹿にされた事もあるが、そんな事はどうでも良かった

壁を垂直に走ったり、私に対しては余裕を見せている

 

 

それにこいつ、今までとは気の感じが変わっていた

さっきまでの気は、なんだか流れが早く感じたが、今度の気は厚みがあるように感じた

 

 

「気を変えられるなんて、面白い!!面白いぞお前!!」

 

 

「お前、相当楽しんでるだろ?」

 

 

あぁ楽しい。今まで私と戦える奴が居なくて退屈していた

こうして張り合える相手が居るだけで嬉しいぞ!!

 

 

「さて、Ladyfirstだ。来いよ」

 

 

あいつは妙な構えをしながら手招きをしてくる

 

 

「後悔するなよ!川神流・無双正拳突き!!」

 

 

私は奴との距離を一気に詰め、未だに構えている奴を放つ

決まったかと私は思った

 

 

ガキン!!

 

 

だが私の拳は奴の目の前で止まった

一瞬だが、奴の前に円形の気が、私の攻撃を防いだ

 

 

「Hey.そんなんじゃ俺を倒れないぜ」

 

 

「くっ!!このっ!!」

 

 

私は少しムッと来て、奴に拳を連打する

しかし、尽く奴の気が私の攻撃を防ぐ

 

 

「そろそろ行くか…release(リリース)

 

 

ズドンッ!!

 

 

「がッ!!」

 

 

奴が気で攻撃を防ぐと同時に私にデコピンを繰り出した

私はあまりの衝撃と痛さにその場で蹲る

 

 

「うぅ…今何をした」

 

 

「な~に。お前が攻撃しまくって、溜まりに溜まったエネルギーを一気に打ち込んだだけだぜ」

 

 

奴は笑いながら説明するが、それが腹が立つ

 

 

「こんなもんで終わりか…You scared(ビビってんのか)?」

 

 

そんな事を言いながら挑発している

後の方は何言っているのか分からないが…やっぱ腹立つ

 

 

「そんな訳…ないだろ!!」

 

 

「おっと」

 

 

隙を付いて攻撃するもまた避けられる

 

 

「お前、戦う気あるのか!?」

 

 

「おいおい、別に俺が真面目に戦うと思うか百代(バトルジャンキー)

 

 

こいつ!!絶対倒してやる!!

私はすぐに瞬間回復で回復し、奴に向かう

 

 

 

 

 

 

 

狂助side

 

 

「はぁ…はぁ…くぅ~」

 

 

バトルジャンキーと遊んで約10分位たったはず

俺は余裕で奴は息を上げている。それは気の使いすぎと激しく体を動かしたせいでもある

そして額を抑えながら睨んでくる

どうしてそうなったが…こうしたからだ

 

攻撃してくる→ロイヤルブロック→攻撃してくる→ロイヤルブロック&リリース(デコピン)→瞬間回復して来て、また攻撃してくる→ロイヤルブロック→敗けじと攻撃してくる→ロイヤルブロック&リリース(デコピン)

 

 

これの繰り返し

いや~なんだか楽しくて仕方がないなコレ!!

 

 

「お前~本当に戦う気あるのか~!!」

 

 

そんな涙目ながら睨んできても威厳もへったくりも無いな

まぁ俺のせいだけどな

 

 

「悪いな。こっちはサイドアームどころか武器一つ所持してないんでね。使えるのはデコピンしかない」

 

 

「なんでデコピンなんだよ!!手とか足使えよ!!」

 

 

「いや、そう思ったが…」

 

 

俺は百代(バトルジャンキー)を指差しながらポーズを取りながら

 

 

「デコピンだけで相手を倒すって……イカれててCrazy(イカしてる)だろ?」

 

 

不敵に笑いながら言った

そんな事をしたのか、なんか体を震えて

 

 

「馬鹿にするのもいい加減にしろーーー!!」

 

 

激怒しながら突っ込んできた

なんの変わりもない直線コース。またロイヤルブロック&リリース(デコピン)で決めようかと思ったが

 

 

「さすがにlunchtime(メシの時間)まで掛かるのはゴメンだ」

 

 

俺は変わらず防御姿勢を取る

百代(バトルジャンキー)の攻撃をブロックでロイヤルブロックするが

 

 

(…っち。早くなってやがる)

 

 

さっきより拳の連打が早くなっている

これにはさすがに連続でジャストブロックするのも難しくなる

俺は次の攻撃が来る前に後ろに飛ぶ

 

 

「逃がすか!!」

 

 

奴も前に飛び、空中との攻防になった

エアブロックでロイヤルブロックを狙う

 

 

「どうした。余裕が無くなっているぞ?」

 

 

確かに余裕がない

しかし、敗けるというのは無い。決して

お互い地に付いて俺は発する

 

 

「おい百代(バトルジャンキー)!それそれfinishとするぜ」

 

 

「終わらせる物なら終わらせてみろ!」

 

 

あぁ終わらせるぜ

なんせ次にやるのは

 

 

royalblock(ロイヤルガード)&……royalrelease(ロイヤルリリース)

 

 

ズガァン!!

 

 

「ガァァ!?」

 

 

さっきより強めのデコピンをかます

リリースに比べ威力が少し高い。さらに言うと今までロイヤルガードで蓄積されたロイヤルゲージの量はLv4上限のMAX30000だ。それを一気に放出するデコピンは思いっきり拳を振るうより相当威力がデカい

そんなデコピンを食らい、その場に尻餅をつく百代(バトルジャンキー)

そして俺はまた軽く挑発する

 

 

「Hey!Come and get(捕まえてみろよ) meそれとも降参か?」

 

 

 

「………」

 

 

おぉ?もう諦めたか

だが念のため

 

 

Hey!(オイ) What's up(どうした)!今更怖気づいたのか!?」

 

 

「………」

 

 

ん?何かおかしいぞ。突然喋んなくなったな

俺は違和感を感じ、百代(バトルジャンキー)に近づく

顔は下を向いていた

 

 

「どうした?何で黙ってんだ?」

 

 

俺は、その場で膝を曲げ、腰を落とし、顔を覗きこんだ

 

 

 

 

 

 

だがこの行動が自分にとって後悔する事になった

え?何故かってそれはだな

 

 

「うぅ…ひっく…」

 

 

泣いてたんだよ。真剣(マジ)

それはもう武神とか武人とかの面影がなかったよ

俺はそれを見てFreezesする

 

 

「(や、やっちまったぁあああああああああ!!!)」

 

 

俺は心の中で叫んだ

だってそうだろ。相手は未来の川神最強の武人とは言え、今そこに居るのはか弱い女の子が泣いてるんだぞ!

しかも、これだと俺泣かせたようなものだよ!前世では女の子泣かせたことないし、ヤバいすげぇ罪悪感が…

と、とりあえず、どういう行動をすればいいんだ!

 

 

 

選択肢

・挑発

・ほっといて帰る

・Jackpot!

 

 

 

おい!ろくな選択肢がないぞ。挑発と帰るのは畜生だろ!最後のJackpotって何!

俺は悩みに悩み、ある行動に出る

 

 

「泣くなって、そんなに痛かったか?」

 

 

俺は軽く抱きしめながら、頭を撫でて慰める。これしかないって方法は

 

 

「ん…こんな美少女をいじめて楽しいか」

 

 

「それはすまない。ちょっと刺激が強いエスコートだったか」

 

 

「あんなのがエスコートって言えるのか」

 

 

「バトルジャンキーには丁度i「川神百代」……what?」

 

 

「川神百代だ。私の事は百代と呼べ。いつまでのバトルジャンキーって呼ばれたくないからな」

 

 

なんか素直になった百代

そういう時こそ

 

 

「それじゃ愛称と言う事でモモちゃ「それはやめろ」冗談だよ冗談」

 

 

「お前が言うと冗談に聞こえないのだが」

 

 

「そいつは悪かったな。俺は戦道狂助だ」

 

 

軽くジョークを挟む事を忘れない

そんな事も考えてながら太一達の事が気になる

 

 

「それじゃ、そろそろ行きますか」

 

 

「えっ!?ちょ、ちょっと待て!?」

 

 

「あぁ?どうした」

 

 

俺は立ち上がると同時に背面から腕を回して、ヒザの下に腕を差し入れて抱きかかえて持ち上げる

分かりやすく言うとお姫様抱っこだ

 

 

「な、なんで抱く必要あるんだよ!?」

 

 

「それは単に背負うのが面倒、抱えるのが楽だ」

 

 

そう言いながら、建物の屋上を飛び降りる

 

 

 

 

 

 

 

太一side

 

 

「なあ、俺達の仲間に……『風間ファミリー』に入ってくれよ!」

 

 

えぇ今バンダナを巻いた少年

たぶんキャップが俺達にファミリーに入ってくれと誘っている

兄貴VSモモ先輩は、どうやら兄貴が勝ち。今さっき抱えながら建物の屋上から降りてきた

その先抱えられた方は顔を少し赤くしていたが

 

 

「俺は別に良いが、二人はどうする?」

 

 

「俺はNo problemだ。面白そうだし」

 

 

「わ、私は…」

 

 

京が言いにくそうな顔をする

たぶん、monkey(ガクト)とかだろうな

 

 

「なぁ…京も入れても良いか?」

 

 

「げぇっ…椎名k(ガシッ)頭がああああああああああ!!」

 

 

俺は頭の悪いmonkey(ガクト)を躾けるために、右手で頭を掴み上げる

その際、指をめり込ますように力を入れる

 

 

「太一。それぐらいにしないと、そのmonkey(ガクト)やばいぞ?」

 

 

「そうだな。あと30分したら離す」

 

 

「いや30分もしたらガクト死んじゃうから!!」

 

 

なんか影薄が心配しているが、俺は気にしない

そして俺は30分とは行かないが5分ぐらいでやめた。その時monkey(ガクト)が震えていたが気にしない

そんな事もあり、自己紹介を済ませ、京も仲間に入れるという条件で俺達は風間ファミリーに入ることにした

 

 

「よっしゃあ!!新生風間ファミリーの始まりだ!」

 

 




原っぱ争奪戦がうろ覚えすぎて大丈夫か心配です
自分なりに精一杯の戦闘描写です
どこかおかしい所があったらコメントください


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 03 ~楽と苦~ No gains without pains 【苦渋な試練に耐え抜け】

皆さんお久しぶりです
全く手を付けなかったのは、色々やる事があって忙しいのとまじこいsをもう一度やろうとしたら、何故か全く起動できず、どうしたらいいかというのがありました


太一side

 

 

ジリリリリリリリ!!バキッ!!

 

 

「ん……またやっちまった」

 

 

目覚ましの音につい右手で思いっきり振りかぶってしまう

その際、目覚ましは毎回scrapになる

 

 

「あぁ~。さて、急いで行くか」

 

 

日曜は学校が休みで、大体はのんびりするのだが

 

 

「なんで休日は訓練とかあるんだよ。面倒くせぇ」

 

 

そう、休日は訓練するのが決まっている

ほぼ日課に等しいぐらいに。俺はジャージに着替えマイペースで訓練場所へ向かう

何故訓練をするのか。それは神様から貰った戦闘経験と俺達の住んでいる場所である

 

 

 

 

 

 

 

九鬼財閥

 

 

 

俺達が今住んでいる所である

家の両親は九鬼財閥の技術開発をしており、九鬼帝さんと局さんとは交流関係でもあったらしい

しかし、ある日の時だった。俺達はある事を聞かされた

 

 

それは、仕事中の両親が事故で亡くなった

原因は開発中の不慮の事故だったらしい。その時、俺は心の中で何かが崩れそうになった。いくら前世の記憶があっても親が亡くなれば誰だって悲しむものだ。俺は人気のない所で涙が枯れるまで泣いた

 

 

その時に突然右腕が光りだした

そして光が止むとそこにはデビルブリンガーとなった右腕があった。

俺は驚いたが、すぐにデビルブリンガーを使ってみた。特に異常はなかったが困ったことがある。それは、この腕でどうやって帰るかということだった。俺は戻ってくれないかなぁと考えていたら、デビルブリンガーだった右腕が元の人間の腕に戻った。おそらくデビルブリンガー発動のON/OFFが出来る事を知った。

 

 

親が亡くなった数日後に葬式をした

その後、どこに引き取るかで話し合いの時、あの人がやってきた

 

 

「なぁお前ら、俺の処に来る気は無いか?」

 

 

これが九鬼帝さんとの出会いだった

俺達は拒むことなく、九鬼の処に引き取られる事にした。どうして俺達を引き取ってくれたのかと聞いたら

 

 

「あの二人とは友人って関係だったんだよ。局もそうだった」

 

 

そう言いながら少し悲しそうな顔をしていた

そんな事もあり、俺達は九鬼に住むことになった訳だが

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、日に日に訓練が過酷になってんだよ」

 

 

神様がくれた戦闘経験があった為、こうして訓練をやらされるが…

そんな事を考えながら、歩いていると訓練場所に何人かの人影が見え、少し走り出す

 

 

「おはようさん」

 

 

「来たか、太一」

 

 

場所に着いて、一番最初に声を掛けた金髪の執事服を身に纏う男。ヒューム・ヘルシング

九鬼家従者部隊序列零番の永久欠番。そして俺達の師匠?でもある。だが大体は兄貴の相手をしている

訓練するようになったのは、九鬼に引き取られて、みんなに俺達の自己紹介の時、急に蹴りをかましてきたのがヒューム

俺はバックステップで、兄貴はトリックスターで回避した。そうしたら、笑み浮かべながら武術の指導をしてきた

でも俺達は武術とか、そういうのは興味なく我流で行くことにした

 

 

「少し体を慣らしておけ」

 

 

「OK」

 

 

俺は腕や脚を伸ばし、体を慣らしていくと

 

 

 

「おはよう、太一兄」

 

 

「おっは~太一」

 

 

「おはよう、義経、弁慶」

 

 

ポニーテールが特徴な可愛らしい女の子、源 義経

ウェーブがかかっている切れ目な女の子、武蔵坊 弁慶が挨拶しにやってきた

二人共『源 義経』『武蔵坊 弁慶』のクローンである

ヒュームと訓練してる時に義経達と知り合い、色々遊んでいたら、

「お兄ちゃんって呼んでも良いか?」と言ってきた。流石にお兄ちゃん呼ばわりは合わないと思い別の呼び方にしてくれと言ったら「じゃあ太一兄で良いか」とまぁこんな感じになった。弁慶とは兄貴と一緒に川神水を一緒に飲む仲である。それから川神水は酔った気分になるが、ノンアルコールの飲料水である

 

 

「おはよう太一」

 

 

「おう清楚。おはよう」

 

 

そして挨拶してきた女の子は葉桜 清楚

彼女は誰のクローンなのかは教えられておらず、正体も一部の者しか知らないらしい

本当に一体誰のクローンなんだ?

※戦道兄弟は転生してから結構経っているので、記憶が曖昧になってます

 

ん?なんか電波が聞こえたが、まぁそれは置いといて

 

 

「フハハハハハハハ!!太一よ、おはよう!!」

 

 

「フハハハハハハハ!!おはよう太一!!今日も絶好の訓練日和だな!!」

 

 

「朝からテンション高いですね。揚羽さん、英雄」

 

 

このテンションの高い二人、額に×の傷のある九鬼揚羽と九鬼英雄

この姉弟はハッキリ言って、着いていけない位テンションが高い、いやテンションしかないって言ってもいい

 

 

「どうした太一。元気が無いみたいだが」

 

 

「いや、アンタ等のテンションにあてられて」

 

 

そう言いながら、俺は辺りを見回す

理由は一つ。兄貴とあいつがいるかどうか

 

 

「そういえば与一は「ここに居るぞ」おっ。いたのか」

 

 

俺の後ろに居たのは灰色の髪をした…何故が家の軍師に同じ匂いがする奴

那須 与一。こいつも同様クローンである

 

 

「珍しいね与一。休みの日は、いつも寝坊してる癖に」

 

 

「そんな事したら、また太一からデーモンアームが喰らっちまう」

 

 

与一は休日は寝坊して、よく起こされるのだが、面倒だから頭を掴んで叩き起した。勿論右手で

それ以来訓練には寝坊せず来るようになった。ちなみにデーモンアームというのは与一が付けたらしい

一通り集まり、体も鳴らした時に

 

 

「皆様、おはようございます」

 

 

目の前にメガネを掛け、これまた執事服を身に纏う男クラウディオ・ネエロがそこにいた

 

 

「それでは、今日のトレーニングメニューなのですが…やはり」

 

 

「あぁ、まただ」

 

 

「やっぱり来ないか」

 

 

「「「兄貴(小僧)(狂助様)が」」」

 

 

この場に居ない人物。それは俺の兄貴こと戦道狂助

兄貴は与一以上に寝坊し続け、それが原因でヒュームと何度か死合いもしている

 

 

「あの小僧、直す気がないな」

 

 

「ヒューム。兄貴だから仕方ねーよ」

 

 

ヒュームも溜息を付き、俺もそんなヒュームを声をかける

 

 

「…もういい、今日限りであいつには訓練はやらせん」

 

 

「良いんですかヒューム?」

 

 

「構わん。それに訓練に出ても真面目にやらんしな」

 

 

ホント苦労してるなヒューム

まぁこれで問題は起きない「ちょっと良い」ん?

 

 

「たぶん狂助の寝坊はいつもと違うと思うよ」

 

 

「はっ?違うって」

 

 

弁慶の言葉に全員が視線を向ける

 

 

「昨日、狂助の部屋に遊びに行ったら、ベットの下から果物が入り川神水が入った瓶を取り出してるとこ見ちゃって。私も欲しくなって一緒に飲んたけど」

 

 

まさか…

 

 

「一口飲んだら、これがクセになる位美味しくて、つい遅くまで。何本か部屋に持って帰ったけど………狂助はたぶん、あのまま飲み続けたと思うよ」

 

 

「…クラウディオ」

 

 

「はい」

 

 

「少しここを任せる」

 

 

そう言うとヒュームがその場に消える

たぶん兄貴を起こしに『ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!』あっ…やっぱり

建物から大きな音がすると、入口から二つの影が飛び出て、俺達の前に着地する

 

 

「おいヒューム。相変わらずのmorningcallだな」

 

 

「黙れ、今日という今日は俺も殺す気で行くぞ」

 

 

赤のTシャツに黒のジャージ姿でいる兄貴と青筋が出てはち切れそうなヒュームがいた

兄貴とヒュームは、非常に仲が悪い。もう犬猿の仲を超えて龍虎って感じで

そんな事もあり、二人の周りにはクレーターしか残っていない。それでよく局さんに叱られている

 

 

「とりあえず、兄貴の訓練はヒュームに任せて、早くこっちもやろうぜ」

 

 

「いつも思うんだけど、大丈夫なの?」

 

 

「清楚、あの二人の喧嘩は今に始まった事じゃないだろ」

 

 

「あれを喧嘩で済むレベルじゃないだろ」

 

 

与一がそう言いながら、少し震えていた

それはある日、俺が与一の所に行こうとした時に二人の喧嘩に巻き込まれ部屋が半壊したとの事だ

その時の与一はボロボロの状態で発見され、騒動に駆け付けた者達は驚愕や呆れ、涙目など色々あった

 

 

「とりあえずクラウディオ、始めようぜ」

 

 

「そうですね。狂助様もヒュームと訓練なさっていますし」

 

 

あれを訓練と思っているのはたぶん俺とクラウディオだけ

義経と清楚は苦笑いし、与一は相変わらす震え、弁慶はいつも通りの反応

 

 

兄貴を除いた全員の訓練が始まった

最初に体力作りに500mのトラックを30周位ランニング

揚羽さんは80周で俺は150周。俺だけ5倍とかクラウディオって鬼?

 

 

その後場所を変え、各自のトレーニングメニュー

俺は一通りの筋トレを300回×5セットをやるが…やっぱクラウディオって鬼か悪魔?

そう思いながらやっていた俺

 

 

トレーニング後は自分の訓練

義経は刀の剣術、弁慶は錫杖の棒術、与一は弓の弓術、揚羽さんと英雄は拳の武術

清楚は武術を習っていないので筋トレで終了。そして今俺はというとクラウディオに呼び出された

いつもなら揚羽さんか英雄と組手をしてるところだが

 

 

「クラウディオ。用ってなんだ」

 

 

「はい。実は太一様にお渡ししたい物が」

 

 

渡したい物?

 

 

「反助様とイヴ様からです」

 

 

「!?…父さんと母さんから」

 

 

「はい」

 

 

クラウディオが返事を返すと、執事達が大きなアタッシュケースを4つ持ってくる

その内の二つのアタッシュケースが開き、中身を見て驚いた

一つには、細身の刀身を分厚い曲刀に換装し、背にジェット推進器が付き、柄の部分がバイクのアクセル状になっていて、全体の色は赤の大剣

もう一つには、縦に並設されている2本のバレルの六連装大口径リボルバー

 

 

俺は知っているこれはネロの武器

 

 

レッドクイーンとブルーローズ

 

 

「これを父さんと母さんが」

 

 

「はい。そして残りの二つが」

 

 

クラウディオが残りのアタッシュケースが開けたと同時に二つの影が横切った

その時、アタッシュケースの中はすでに無くなっていた

俺は影が横切った方を見る

 

 

「HA、HA!この手にフィットする感覚、良いねぇ!!」

 

 

未だにヒュームが猛攻しているに対し、今まで何も持ってなかった兄貴の両手には白黒の二丁拳銃が握っており、連射していた。そして背中には鍔に当たる部分の両側に髑髏の彫刻がされ、まるで一つの金属から削ったかのような銀一色の大剣を横にして背負っている

 

 

あれは紛れもなくダンテの武器

 

 

リベリオンとエボニー&アイボリー

 

 

ってか兄貴

一瞬で使いこなしてるし

 

 

「クラウディオ。兄貴の持ってる物も」

 

 

「はい。反助様とイヴ様からです。太一様には大剣・レッドクイーンと六連装大口径リボルバー

・ブルーローズを、狂助様には大剣・リベリオンと2丁の大型拳銃・エボニー&アイボリーです」

 

 

そのまんまだな

まぁ別に良いんだけど

 

 

「狂助様は、見事に使いこなしていますね。太一様もブルーローズをお持ちになって見ては?」

 

 

そう言うとクラウディオが遠くを手で指すと、そこには的らしき物があった

 

 

「あぁそうだな」

 

 

俺はアタッシュケースにあるブルーローズを取り出す

ズッシリとした銃の重み、銃口付近からシリンダーにある薔薇の刻印の美しさ

ネロが愛着が湧くのも頷ける。俺はそう思い右手で構え、的に照準を合わせ、引き金を引く

 

 

ズガンッ!

 

 

発砲と共に来る反動が大きいが、デビルブリンガーの腕力を持つ俺には問題はない

そして弾丸は的に当たって粉々に破壊、威力にも申し分ない

 

 

「ふぅ…」

 

 

ブルーローズを下ろし、一息つく

するとクラウディオが軽く拍手をしていた

 

 

「お見事でございます。普通のリボルバーよりも重量も反動も大きいブルーローズを一瞬で使いこなすとは」

 

 

「ありがとう、クラウディオ」

 

 

俺はブルーローズの試し撃ちをした後、クラウディオが俺達に渡した武器について話を聞いた。なんでも帝さんの護衛の為に、専用の武器の設計をしていた時、帝さんが「もう少しカッコイイのが良いな。俺としてはこんな風に」っと色々無茶を言った結果

レッドクイーン、ブルーローズ、リベリオンとエボニー&アイボリーが生まれた

 

まさか帝さんが武器の発案者とは

 

話を聞いた後レッドクイーンのイクシードを試し、EXゲージを3まで出来、ある程度の技を試したところで俺の訓練は終わった

 

 

「ふんッ!」

 

 

「Twosome Time!」

 

 

その間もヒュームが蹴りを繰り出すが、兄貴は避けた後

動き回るヒュームに違う方向に向けて同時に連射していた

 

 

というより、まだやってんのかよ!!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 04 ~小さな雪~ Snow of a small life 【消え去る命をその腕で守れ】

皆さん長く更新せずにすいませんでした
実はまじこいsがやっと友人から借りる事が出来ました
つぎに更新するのは何時かわかりませんができるだけ早くします


太一side

 

 

「暇だなぁ…ブルーローズのメンテでもするか」

 

 

「暇だからって銃のメンテナンスするって何!?」

 

 

モロがつっこんでいるが無視をする

モモ先輩と兄貴の一件が終わり、風間ファミリーに入ってから色んな事があったな

台風の中、竜舌蘭を守ろうと全員で行って。モモ先輩と兄貴が飛んでくる物を吹っ飛ばして俺は巨大な板を右腕で持って壁にし、残ったメンバーはブルーシートで花を守った

そして全員で集合写真を撮って、50年後また撮ろうと全員で約束した

 

それから風間ファミリーで遊ぶ事が当たり前のようになった

色々遊んだなぁ~サッカーしていたらモモ先輩と兄貴がバトル

鬼ごっこしていたらモモ先輩と兄貴がバトル

かくれんぼしていたモモ先輩と兄貴がバトル

野球をしていたら………どうしていつもあの二人遊ぶ度に戦いが勃発するんだよ

結果は兄貴が全勝。散々おちょくっての勝利だ

 

そして今キャップ以外はいつも通り原っぱで各自やりたい事をしていた

そんな時、誰かが見ていることに気づいた

視線を向けるとそこに白い髪に白い肌、そして赤い瞳をした少女。動物でいえば白ウサギみたいな感じ……あれは間違いなく小雪だ

 

俺は気になり、小雪の所に歩む

小雪はこっちに来る事に気づきビクッとしていた

 

 

「どうした?」

 

 

「仲良しで羨ましいなって」

 

 

少し元気がないみたいだな

うん…よし

 

 

「一緒に遊ぶか?」

 

 

「いいの?」

 

 

「問題ない。俺に任せろ」

 

 

そう言って俺は小雪の手を取り、キャップ達の所に行った

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういう訳で反対した男全員はアイアンクローの刑だ」

 

 

「いや、そういう訳ってどういう訳!?それに僕達反対どころか何も言ってないよ!」

 

 

モロの相変わらずの鋭いツッコミから始まる会話

ぶっちゃけワザとだが

 

 

「冗談はさておき、みんなにお願いがある」

 

 

俺は真剣な眼差しでファミリーに言う

 

 

「小雪を仲間に入れてくれないか」

 

 

「小雪ってそいつをか」

 

 

大和が俺の後ろに隠れている小雪に指差す

 

 

「言いたいことは分かる。どこの誰か分からない奴を仲間にするのは反対なんだろ」

 

 

「…まぁそういう事だな」

 

 

「俺様も反対だな」

 

 

「僕もちょっと」

 

 

「…私も」

 

 

大和、ガクト、モロ、京は反対

これには予想はついていた。ここはやっぱアレを見せるか

 

 

「…みんな俺の右腕を見てくれ」

 

 

俺の右腕に見るよう全員に言う

兄貴は何か分かった顔をした

 

 

「何だよ太一。お前の右腕なんか」

 

 

ガクトが何か言おうとした時

俺の右腕が青く光り、人間だった腕がデビルブリンガーとなった

急に変わった事に皆が驚く

 

 

「太一…それ…」

 

 

「まぁ生まれつきというより、発現したって感じだな」

 

 

京が驚きながらも聞いてくる

俺はデビルブリンガーを摩りながら話す

 

 

「確かに小雪の髪はアルビノで少し人と違う所もある。でもそれ以外は俺達と変わらない、ちょっと違うだけで避けるなんて俺は嫌だ。だからお前らにデビルブリンガーを見せた」

 

 

俺の話に黙って聞く皆

 

 

「もしもこれが怖いって言うなら構わない。そん時はファミリーから抜ける覚悟だってある。けど小雪だけは仲良くして欲しい」

 

 

俺はそう言って皆に頭を下げた

深々と…小雪の為に

 

 

「…良いんじゃねーか」

 

 

『狂助!?』

 

 

最初に兄貴が口を開いた

兄貴の言葉に男性陣が驚いている

 

 

「別に太一が連れてきたんだ。問題ねーだろ」

 

 

「いやでもキャップ居ないのに」

 

 

「それともアイアンクローがご所望か?」

 

 

『いえ結構です!』

 

 

男性陣がビシッ!としながら言う

monkey(ガクト)の躾けを見てから俺が右腕を出すと震えだす男達

風間ファミリー掟『何か仕出かしたら太一にアイアンクロー5分間。抵抗した場合10分追加』というのが出来たのは言うまでもない

 

 

「京、ここが良いのは分かる。でも他と話す事も大切だと俺は思う」

 

 

「…分かった。私もこの子と遊ぶ」

 

 

「京は賛成っと…モロは」

 

 

「どうせ反対にしたらアイアンクローでしょ?僕も賛成でいいよ」

 

 

色々言ってもモロは根が優しいからな

 

 

「良しmonkey.お前はどうだ」

 

 

「猿言うな!俺様は反《バキリ!(適当に拾った石を握りつぶす音)》対にする訳ないだろ?」

 

 

良し武力交渉成功

あとは軍師だけだが

 

 

「あとはお前だけだぜ大和。ちなみにワン子とモモ先輩なら兄貴に任せてるから無駄だぜ」

 

 

「さっきも言ったがキャップなし良いのかよ」

 

 

「アイツなら喜んで入れると思うぞ」

 

 

「だからって…いやもう良いよ」

 

 

良し全員説得したぜ

え?そんなのに見えないって…気のせいだ

 

 

「という訳で小雪。今日から俺達風間ファミリーの仲間だ!」

 

 

「うん…よろしく!」

 

 

少しだけ元気なった小雪

その後俺達は日が暮れるまで遊んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここか?」

 

 

「…うん」

 

 

俺は小雪の家まで送る事にしたが、小雪の元気がない

家の前まで来て俺は小雪と別れを告げる

 

 

「じゃあな小雪」

 

 

「…またね」

 

 

弱々しく哀しい瞳をしながら家の扉を開け入っていた小雪

だが俺はその場から立ち去らず裏に回った

 

 

「Ha!」

 

 

デビルブリンガーのヘルバウンドで屋根着地

そのまま窓を開けようとした時、小雪の氣が乱れて始めている

 

 

「ちっ!やっぱりか!」

 

 

俺は窓を蹴り破り家に侵入

小雪のもとへ急いで向かうとそこには殴る蹴るの暴行をしていた小雪の母親の姿があった

俺はそれを見て頭の中が何かが切れた

 

 

Scum(クズが)!」

 

 

俺はスナッチで母親を引き寄せバスターで掴みホールドで掴んだままぶら下げる状態にする

 

 

「そうだよ…この腕はお前みたいな奴を

 

 

 

 

ぶっ倒す為にあるってことだ!」

 

 

俺はそのままデビルブリンガーで床に叩きつける

小雪の母親はバスターによる攻撃で気を失った。本気でやっては居なかったから死んでは居ないだろう

その後警察に通報し小雪の母親は逮捕され、小雪は一旦九鬼の所で預かることにした

 

 

「ねぇ太一」

 

 

「うん?」

 

 

「こらからも僕は太一と友達でいい?」

 

 

「当たり前だろ。俺だけじゃない…ファミリー全員でまた遊ぼうぜ」

 

 

「うん!」

 

 

 

 

俺は消え去りそうになった小さき雪を守った




次回は結構飛ばす予定です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 05 ~旅の約束~ The beginning of a trip 【予想外な事態を対処せよ】

皆さん遅れて申し訳ありません
ここまで遅くなった理由は
・何故かまじこいとまじこいsのデータが全て消える

・それを追い打つように中々休みが無い

・書く気が0となる

・A1やA2の存在に気づき、少しやる気になる

・友人に貸してと言うも「だが断る!」と言われる

・諦めず頼み続ける。そして何とか借りることに成功

・なんやかんやあり、今に到る


という事です
この後の更新も遅くなると思います


太一side

 

 

小雪の母親が逮捕されてから数年

今じゃ中二になっている

 

 

「えぇ~とコイツをはめてからっと…ユキ、いい加減離れてくれないか?」

 

 

「やだ~。少しは僕と遊べ~」

 

 

背中に抱きついてくるユキ

今は榊原夫妻の養子になっている。とても優しい人たちでユキも元気になったが、有り余りすぎて困る

それからユキと言うのは本人から呼んで欲しいの事だ

 

現在はお馴染みブルーローズのメンテだが進まない

 

 

「ユキもすっかり太一君に懐いてますね」

 

 

「というより懐いてない時があったか若?」

 

 

「お前らも言っていないで少しは手伝え」

 

 

俺とユキの事を見ていたのは葵 冬馬と井上 準

二人とはユキを病院に連れて行った時、近かったのが葵紋病院という事もあり、そこで知り合った

その後色々あったが、今じゃ風間ファミリーのメンバーだ

えぇ?他のメンバーの説得?もちろんアイアンクローですが何か?

 

 

「これをこうして終わりっと」

 

 

「手馴れた物ですね」

 

 

「つーか中二の男子が銃の手入れしてる事自体可笑しいと思うが」

 

 

「うるさいぞハゲ」

 

 

「そうだそうだ~ハゲ~」

 

 

「ハゲじゃありません!スキンヘッドです!」

 

 

そう言えば、ユキが準の髪の毛全部剃ったんだよな

あれから準が何かに目覚めたみたいだし

 

そんな事を考えながらユキ達と遊び、それから兄貴達と合流した

まぁ途中からまた喧嘩(一方的な兄貴のおちょくり)があったがな

それから全員が帰るのを見てから、俺と兄貴は九鬼に帰った時

兄貴が部屋に来るよう言われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っで?どうした兄貴」

 

 

兄貴の部屋で適当な場所に座り用件を聞く

雑誌を読む手を止め、俺を見る

 

 

「実はな太一。俺達は数年間旅に出ることになった」

 

 

旅?急にそんな事……ちょっと待て今俺達って言ったか?

 

 

「まさか兄貴。俺も行くのか!?」

 

 

「当たり前だろ。今回はお前も関わるんだからよ」

 

 

そう言って兄貴は机から手紙を取り出し、俺に渡す

手紙を開けて読む

 

 

<元気にやっとるか戦道兄弟。お主たちを転生させた神じゃ。実はお主たちが転生させた『まじこいS』の世界にDMC3と4の魔具がある事が分かった。恐らくお主たちの特典の影響だろうと思うが、それ以上な事は起こらん。そこでお主たちに頼みたいことがある。世界のどこかにある魔具を回収して欲しい、もちろん使っても構わん。それから閻魔刀に関しては妖刀として日本のどこかにある。それぐらいじゃ、では良い人生を by神>

 

 

なるほど

これは確かに俺も関わる事だな

 

 

「兄貴、いつ出発するんだ?」

 

 

「大体一週間後ぐらいだ。それまで用意しとけよ」

 

 

一週間ね…長いようで短いな

俺はそう思いながら自分の部屋へと戻った

その際義経達が部屋に遊びに来てたらしく、旅の事を言ったら泣き付かれた

それはまた別の話になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義経達を説得してから翌日

いつも通り遊んでいる時ファミリー全員を集め、旅に出るという事を話す

 

 

「お前等に話がある」

 

 

「話?」

 

 

「私達、付き合う事になりました」

 

 

「付き合っていないし、そうじゃない」

 

 

「そうだよ~。僕と太一が付き合うんだよ」

 

 

「だから違う。頼むから話聞いてくれ」

 

 

京とユキからの好意には正直嬉しいが

俺が誰かと付き合うというの気持ちは、まだ無い

決して鈍感ではない。絶対無い

 

 

「俺と兄貴は、一週間後に旅に出る事になる」

 

 

「旅って突然だな。どれ位だ?」

 

 

「大体2,3年って所だな。しばらく帰って来れない」

 

 

「ずるいぞお前等二人だけで旅なんて!俺も行きたいぞ!」

 

 

キャップが駄々をこねる

こう言う所は昔から変わってない

 

 

「そういう事だから軍師。俺達が居ない間は頼むぞ」

 

 

「あぁ、任せろ」

 

 

俺と大和は、拳で軽くぶつけあわせる

 

 

「帰ってきたら、絶対土産話聞かせろよ!」

 

 

「OK.飛びっきりな話聞かしてやるよ」

 

 

「太一。お前が帰ってきた頃には俺様はモテモテになってるからな!」

 

 

「それは絶対に無いぞガクト」

 

 

「体には気を付けてね太一」

 

 

「お前もなモロ」

 

 

「太一君が居なくなるのは寂しいですが、私はいつまでも待っていますよ」

 

 

「ありがとよ冬馬。それから一応言っとくが俺はNormalだからな」

 

 

「まぁ無茶だけはするなよ」

 

 

「………policeに捕まらない事を祈ってる」

 

 

「相変わらず冷たいな!?」

 

 

他の男メンバーに大和と同じように拳で軽くぶつけあわせる

 

 

「ワン子、いつもまでも元気で居ろよ」

 

 

「うん、分かった!」

 

 

「京、ちゃんと人とのコミィニケーションを大切にな」

 

 

「…約束する。その代わり必ず帰って来てね」

 

 

「ユキ、あまり冬馬達に迷惑掛けるなよ」

 

 

「太一も早く帰って来てね!」

 

 

「モモ先輩、大和と一緒にファミリーを……ってアレ?」

 

 

モモ先輩に別れの挨拶をしようとしたら、いつの間にか居なくなっていた

 

 

「居なくなってる……兄貴。モモ先輩は何処に」

 

 

俺は兄貴に居場所を聞こうとしたが、モモ先輩同様に居なくなっていた

 

 

 

 

 

 

 

狂助side

 

 

太一が旅に出る事を伝えたら、急に百代が俺に話があると言い出し

ファミリーに黙ってその場を離れた

 

 

「オイ百代。話って何だ?」

 

 

今は土手に二人っきり

時間的には夕焼けで、川の水面に夕日が当たり輝く

百代は土手の坂を少し下っている場所に居る為、後姿しか見えない

 

 

「………」

 

 

「Hey.黙ってないで何か言ってくれよ」

 

 

「………」

 

 

俺の言葉にピクリとも反応しない百代

一体何してんだ?

 

坂を下り、百代に近づいた―――――

 

 

ギュッ

 

 

その瞬間だった

百代は俺の方に振り返り、抱きしめてきた

 

 

ってWhat!?

 

 

「百代。お前何し「……くのか」っは?」

 

 

百代がボソっと何かを呟いたのを聞き、耳を近づける

 

 

「こんな…美少女を置いて…どこかに行くのか?」

 

 

それは武神である百代ではなかった

いくら強くても中身は普通の女の子だと思う。ただ…

 

 

「百代」

 

 

「…何だ?」

 

 

「もうすぐ高校生になるのに少女は無いだろ」

 

 

ドスゥ!

 

 

いつも通りのおちょくりをしたら腹殴られた

顔には出さないがすげー痛い

 

 

「…ごっほ!いきなりだな」

 

 

「お前が変な事言うから悪い」

 

 

「それに関してはsorryっと言っておくが、何だ?照れ隠しか?」

 

 

「……っふん」

 

 

俺の質問に対し、百代が少し顔を赤くしながらそっぽを向く

何というか…

 

 

「cuteだな。百代」

 

 

「ッ!?」

 

 

ドスゥゥン!!

 

 

今度はさっきよりも強く殴りやがった!

いくら頑丈でも痛てーよ!!

 

 

「だから殴るなよ」

 

 

「お前がからかうから悪いんだろ!」

 

 

俺から離れ、顔を真っ赤にしながら後ろに振り向く百代

 

 

「ったく。そんなに戦う相手が居なくなるのが詰らないのか?」

 

 

「……嫌なんだ」

 

 

「What?」

 

 

「私はずっと戦えない事に不満を感じていた。ジジイがいつも精神修行とうるさい日々。もう川神院に私と戦う奴が居なくなった。もっと強い奴と戦いたい、この世界に私と戦える奴は居ないかってずっと考えてた。そんな時にお前が現れた」

 

 

百代は振り返らず、今までの事を語りはじめる

 

 

「やっと会えた、お前という強い奴に。でも結局お前は一回もまともに戦ってはくれなかった。いつもいつも私をおちょっくては馬鹿にして、攻撃が当たらなければ、からかう。本当にムカつく毎日だった……でも何故か嫌いじゃなかったんだ。あいつ等と一緒に遊んで、お前と喧嘩して、そうしてる内に私の心の中の戦いたいって欲が徐々に薄れて来た。私が本当に欲しかったのは…こういう仲間との繫がりだったかもしれないな」

 

 

俺は語る百代の姿を見て、少しずつ近づく

 

 

「でも、お前が旅に出ると聞いたら何故か一人だった頃に……戻る気がして…またこの世界に私……だけを…残し…て行く気がし……て」

 

 

「Stop.もういい」

 

 

俺は震えている百代を優しく抱きしめる

少し震えが収まった。いくら強くとも百代だって弱い部分はある

それは百代だけじゃない。人間誰しも心のどこかにソレはある

 

 

「お前は一人じゃない。あいつ等がお前の事を支えてくれる」

 

 

「…本当か?」

 

 

「信じるかはお前次第だな」

 

 

俺は百代から離れ、前を歩く

 

 

「一つだけ約束してやる」

 

 

「ん?」

 

 

「俺が帰ってきたら、そん時はお前の相手してやる」

 

 

「ッ!本当か!?」

 

 

「俺はLadyに対して嘘はつかないぜ」

 

 

百代が勝負になると顔を輝かせる

まぁでも…

 

 

「お前がLadyと言える位の女ならの話だがな」

 

 

「…それは私の事を女として見ていないって言いたいのか」

 

 

「女として見て貰いたいなら俺のHeartぐらい射止めて見せろ……と言ってもお前じゃ無理か」

 

 

「っむ……だったら私からも約束しろ!」

 

 

百代が大声を上げながら俺に向かって指を指す

 

 

「お前が旅をしている間、私はこれまで以上の美少女になってお前から『好き!』って言わせてやる!その時は私の言う事、何でも聞いてもらうぞ!!」

 

 

「ッ!?………HAHAHAHA!!こいつはとんでもないLove Callだ。でも嫌いじゃないぜ」

 

 

不敵な笑いをしながら百代に近づく

 

 

「良いぜ。俺がお前の事を心の底から惚れた時、お前の言う事、何でも聞いてやる。それも一つだけじゃなく、ずっとな」

 

 

「言ったな?後悔するなよ。お前がすぐにその気にさせるぐらいの女になってやる」

 

 

「あぁ、楽しみにしてるぜ」

 

 

そう言って百代の横を通り過ぎ、帰ろうとする

 

 

「狂助!……また会えるか?」

 

 

「………」

 

 

俺は後ろを向いたまま手を振る

そして土手を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第三者side

 

九鬼に戻り、荷造りをしていた太一

一通り終わった後、狂助が部屋にやって来ては川神水を突き出した

普段は飲まないのだが、今日は月が出ているとの事で月見酒(酒ではない)として飲む事にした

 

 

「しかしなぁ」

 

 

「ん?」

 

 

「百代の奴、結構アグレッシブに見えて乙女だなってな」

 

 

「一体何があったんだよ」

 

 

そう思いながら太一は川神水を飲む

 

 

 

 

 

同時刻

 

 

「うぅ~~~~~~ッ!!」

 

 

自分の部屋のベットに寝転がり、枕を抱きしめ真っ赤な顔を埋める百代

あの時言った事が恥ずかったのか、川神院に帰ってきてからずっとこの調子である

 

 

「……ルーよ。モモに一体何があったんじゃ(恐らく奴じゃろうな)」

 

 

「……サー?(たぶん狂助の仕業だネ)」

 

 

こっそりとその様子を扉の隙間から窺ていた鉄心とルーである

 

 




ここまでして良かったのか不安がいっぱいです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 06 ~東と西の乱戦~ Confused fighting 【不利な戦いから勝利に導け】

東西交流戦は二回に分けます


第三者side

 

 

「あぁ~やっと着いた」

 

 

「あっという間の旅立ったな」

 

 

空港から出てくる二人組みの男

 

一人は二の腕辺りに赤い刺繍が入っている紺のコートにズボン、三つのベルトが止められている茶色のブーツ。両太もも辺りにはベルトが巻かれ、コートは袖を捲くっている。中は赤のフード付きパーカーで二つのチャックで真ん中の部分を閉めている。左手首に革のブレスレット、人差し指と薬指にはそれぞれ違う指輪をしている。片手にはコートの刺繍と同じマークが入った大型のアタッシュケースを持っている

 

もう一人は三つの革のベルトで止められた赤のベストにズボン、黒のロングブーツ。こちらも左の太ももにはベルトが巻かれている。中は黒のインナー、両手には革手袋を付けている。脇にはベストと同じ色のコートを持ち、背中には黒のギターケースを背負っている

 

 

「まさか旅の最初に訪れた場所が紛争だったとはな。どう思う兄貴」

 

 

「俺も正直驚いた。でも良いLiveは出来たぜ。太一」

 

 

この二人の正体は戦道兄弟である

川神を離れること3年と数ヶ月。二人は成長し、神の頼み事である魔具の回収が終え、戻ってきた

 

 

「それにしてもこのコート全然暑くないな」

 

 

「そりゃあ九鬼からの特注だぜ?通気性は抜群だ」

 

 

夏の季節にコートという暑い格好で居るが、それは見た目だけであって

着ていても暑くはない

 

 

「それより早く行こうぜ兄貴。先に九鬼に行かねーと」

 

 

今は夕方

徐々に日は沈み、暗くなってくる時間である

しかし、狂助は指を左右に動かし、舌を打つ

 

 

「おいおい太一。これから俺達は楽しいPartyに行くんだぜ」

 

 

「Party?何のだよ」

 

 

「東西交流戦って言えば分かるか?」

 

 

「…確か福岡の天神館と川神の集団戦だろ」

 

 

太一は少し間をあけ、思い出し話す

二人は旅をする時、別々でしていた。太一は国内で閻魔刀を狂助は国外で魔具を探していた

数ヵ月後、太一も国外に行った時、偶然にも狂助に会い一緒に旅をしていた

 

 

「あの時、行くんじゃなかったぜ。ったく」

 

 

「不運続きだな。太一」

 

 

太一が国内を周っている時であった。福岡に寄り、閻魔刀を探しついでに観光をしていた。その近くでひったくり事件が発生

それを見た太一はデビルブリンガーを使い、一撃で犯人を捕まえ、周りから感謝されていた

その一部始終を見ていた天神館の生徒。その強さは噂となり、天神館全土にいきわたる事となった。そして色々面倒になったと言う

 

 

「でも今更遅すぎないか。ここからダッシュで行く気か?」

 

 

「太一。俺がPartyと聞いて、何も手を打っていない訳ないだろ」

 

 

狂助が自信満々で言うと遠くからヘリの音が聞こえてくる

その音は徐々に大きくなり、近づいてくる

 

 

「オイまさか…」

 

 

「Exactly.こういう事だ」

 

 

狂助が指を真上に指す

そこには黒いヘリが低空で飛んでいた

ヘリからハシゴロープが投下され、それを上っていく

 

 

「さすが帝さんだ。すぐにヘリを寄こしてくれるとはな」

 

 

「まぁあの人なら面白そうだなって言うだろうな」

 

 

ある程度ハシゴロープを上るとヘリは上昇していく

 

 

「さて、楽しいLiveになると良いがな」

 

 

「恐らく大和達もいるだろう。戦いながら再開の挨拶とするか」

 

 

そんな事を言いながらハシゴロープからの絶景を楽しむ二人

ヘリが向かうのは東西交流戦が行う、無人の工場地帯である

 

 

 

 

 

 

川神市工場跡地帯

 

 

月下で学生達の誇りを賭けた東西勝負が始まっていた

腕自慢のぶつかり合いで負傷者が続出していた

残存兵力は西が120、東は50。押させているのは西の手馴れのせいである

こちらも得意場所に配置した男達が奮戦しているが…

 

 

「ははっ、工場は面白いな!アスレチックだぜ!」

 

 

「おのれ、すばしっこい奴じゃけぇのう!」

 

 

翔一は相場の悪さを気にせず飛燕のように舞い

相手を蹴り倒していく

 

 

「立体的な戦闘を意識しろ!常に高い位置をとれ」

 

 

「やりよるわ!負けてられんぜよ!」

 

 

忠勝は高低差を利用して敵を押し込んでいる

 

 

「ここから先は男という壁があるぜ。通せねぇな!」

 

 

「ぬぐ、東にも、骨のある男がいるタイ」

 

 

岳人は狭い道で囲まれないようにして、敵を防ぐ

 

大和にこの数日で出来た事といえば、情報収集と戦闘ステージの入念な下見ぐらいだった

勝利の鋳込みが全然出来ていないのを大和は悔やんだ。得意の寝返り工作でも仕込んでで起きたかった所だが…

 

 

「―――――とにかく今出来ることを1つ1つやっていくしかない」

 

 

そんな時だった

大和のポケットから携帯の着信音が鳴る

恐らく状況の変化だろうと携帯を開き、ディスプレイを見ると

 

 

「狂助!?」

 

 

ディスプレイには『戦道狂助』という文字があった

急いで電話に出る

 

 

《Hey commander.随分と楽しくなってるそうじゃないか》

 

 

携帯から軽い口調が聞こえてくる

その声の主が誰か一発で分かる

 

 

「狂助!お前川神に戻ってなのか!?」

 

 

《あぁ、中々刺激的な旅だったぜ。それと俺と太一は途中から参戦するからよろしくな》

 

 

その言葉と共に電話が切れツーツーと鳴る

大和は携帯を仕舞い、笑みを浮かべる

 

 

「手馴れには手馴れ。予想外の助っ人の登場で再配置も出来た、反撃開始だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逃げるしか能がないのか東の腰抜けはぁぁぁ!!我等西国武士ならば、体が焼かれようが攻撃は止めぬ!」

 

 

「くっ、ああまで言われて…でも、我慢!」

 

 

大友焔の改造大筒から発射される焼夷弾

回避に専念する一子

 

 

「オイ、何だあれは!?」

 

 

一体誰の声かは知らないが一人が空に向かって指を指し、声を上げる

それにこの場に居た全員が視線を向ける。視線の先には遥か上空で待機しているヘリ

するとそこから二つの人影が飛び出し、徐々に降下するスピードを上げる

 

 

「Hahahaha!Hoooo!!」

 

 

ズドォォォォン!!

 

 

そんな叫び声が聞こえ、二つの人影が地響きを鳴らしながら地上に落ちてくる

砂埃が舞い、見えない

 

 

「な、何!?」

 

 

何が起こったか分からず混乱する一子と周りの者達

砂埃の中から二人の姿が出てくる

 

 

「ステージにしちゃあ味気ないと思わないか?」

 

 

ここに東の狂う助っ人が参上する

 

 

 

 

 

 

 

太一side

 

 

ヘリが工場地帯に着いた時には始まっていた

途中大きい爆発が起こり、向かっているとワン子と大友が戦っていた

ヘリは急上昇し、兄貴が飛び降りるという馬鹿なことを言い出した。止めようとしたが、もう兄貴は飛び降りていた。俺も仕方なく、飛び降り地面が見えたときデビルブリンガーを伸ばし殴る。速度を落とし着地した

 

 

「太一!狂助!」

 

 

俺達の事に気づいたワン子が近づいてくる

3年前より強くなっているのが分かる

 

 

「二人とも帰ってきてたのね!」

 

 

「あぁワン子。久しぶりだな」

 

 

ワン子の頭を撫でながら言う。ワン子は笑顔になり、頭を手に押し付けてくる

本当に犬みたいだな

 

 

「太一にワン子。お客さんがお待ちだぜ」

 

 

兄貴の言葉にワン子がはっとして、薙刀を構える

俺はワン子より前に出る

 

 

「久しぶりだな大友。福岡であった以来か?」

 

 

「太一。まさかお前が東のだったとは……でも大友は誰であろうと倒すのみ!」

 

 

「口を挟むようだが、お前そろそろStock切れじゃないのか?」

 

 

兄貴が俺と大友の会話に割り込んでくる

しかし大友は

 

 

「一言教えてやるぞ東の!この大友に弾切れはない!」

 

 

大声と同時に新しい弾の束を担ぎ込んだ兵士が、大友の後方から現れた

 

 

「ガーン!せっかく弾切れ狙ってたのに!」

 

 

ワン子が涙目ながら言う

 

 

「たわけ!補給船を築いておく。戦の初歩と知れい!」

 

 

「だったらそのご自慢の戦って奴を、俺が崩してやる」

 

 

アタッシュケースを開け、そこから一本の大剣『レッドクイーン』を取り出す

背負いながら柄を捻り、アクセルを吹かす

 

 

「太一だろうが容赦しない!大友家秘伝・国崩しぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

 

大友の大筒から発射される焼夷弾

レッドクイーンの刀身の先を地面に付ける

 

 

「Humph!」

 

 

発射された焼夷弾をレッドクイーンで両断する

両断された弾は横に通り過ぎ、着弾し爆破する

 

 

「まだまだ!!」

 

 

大筒から補充された弾を撃ってくる大友

俺はレッドクイーンのエンジンを吹かし、推進剤を使って剣速を速くし次々と両断する

ある程度両断してからレッドクイーンを背負う

 

 

「諦めたか…この一撃で終わりだ!」

 

 

大筒から撃たれた弾は一直線で向かってくる

俺は右腕を構えると共にデビルブリンガーにする

 

 

「Buster!」

 

 

バスターで飛んでくる弾を掴み上げる

弾は爆発せず、デビルブリンガーの手にある

 

 

Catch this(喰らえ)!」

 

 

掴んだ弾をそのまま投げ返す

弾は剛速球の如く向かって行き、大友と兵士が居た場所に着弾し爆破する

 

 

「悪く思うなよ大友。こっちも仲間の為にやってる…」

 

 

「まだよ太一!!」

 

 

ワン子が俺に飛びつき、押し倒した

倒れた俺達の頭上を大筒弾が轟音をあげ飛んでいく

 

 

「っち…まだか」

 

 

「大友家、秘伝…国…崩し…!!」

 

 

大友は、腕に大きなダメージを負いながらも

その傷を自分の足や歯でフォローしながら筒を撃ってきやがった

やっぱりあの程度じゃダメか

 

 

「~♪、おいワン子」

 

 

すると兄貴が口笛を吹きながら笑みを浮かべている

 

 

「人前で太一を押し倒すとは中々思い切ったことするじゃないか」

 

 

「え?……えぇぇ!?ち、違うわ!私は太一を守ろうとしただけで!」

 

 

倒れている俺の上に乗っかっているワン子

兄貴が冗談を言うと俺の顔を見た後、顔を赤くする

 

 

「隠すこと無いだろ。愛しい男に飛びつくのは乙女の特権だぜ」

 

 

「だ、だから違うってぇぇ……」

 

 

兄貴のからかいにワン子が顔をさらに赤くしながら下を向くが

そこに俺の顔があり、目が合った瞬間、顔を真っ赤にする

 

 

「ご、ごめん太一!今退くから!」

 

 

ワン子は慌てて上から退く

俺は立ち上がり、コートに付いている汚れを払うと

 

 

「さて、お前等下がってろ。俺が片付ける」

 

 

脇に持っていた赤いコートを袖を捲くった状態で着ていた兄貴が前に出た

 

 

 

 

 

 

 

 

狂助side

 

 

「そろそろ俺も参加したいんでね」

 

 

「けど兄貴。向こうはまだ残ってるぜ」

 

 

確かに兵も武器もまだ残ってる

けどコイツ(・・・)の火力には誰にも勝てないぜ

 

 

「お、大友はこんなこともあろうかと、各地に弾薬は隠して保管済みだ!伊達や酔狂で場所を選んでるわけではないのだ!」

 

 

向こうは工場の床を指しながら言っている

他の兵士も突っ込んで来てるが

 

 

「そっちが大砲なら―――――俺はこれだ」

 

 

コートの中に手を回し、ある物を取り出した

スーツケースの形をし、真ん中にはドクロのようなマークがある

その実態は災いを封じたパンドラの箱のように、数多くの武器に変形し、破壊をまき散らす兵器『災厄兵器パンドラ』だ

 

 

「それじゃあ食べ放題と行くか」

 

 

俺はパンドラを床に置く。次の瞬間パンドラが光を発すると

ガトリング砲『ジェラシー 』に変形し、床に置いた状態で連射する。相手の足元を狙い動きを止める

そしてまた光を発し、今度はバズーカ『ヘイトリッド 』に変形し

 

 

ガシャ! ガシィン!

 

 

展開をする。右手で支えた状態で持ち、左手でグリップを持ち構えてから撃つ

一発のミサイルが向こうの中央で着弾し爆発

 

 

『うぁぁああああああああああ!!』

 

 

敵が爆破で宙に浮く中、俺はパンドラを元の形態にし、後ろに持っていく

 

 

「さて、デザートの時間だ」

 

 

パンドラは光を発すると歯車のような物体が球体のようなに展開し、座席となり、そこに座るとハンドルが後ろから前に下り、前の砲台が左右後ろへと展開する

最後にフットレストが出てくると展開した砲台から主砲の発射口が開き、フットレストが完全に足にフィットする位に出てくると全砲台から主砲が飛び出てくる

 

パンドラの浮遊移動砲台『アーギュメント』である

俺はニヤリと笑いながらハンドルを―――――思いっきり下げる

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

360度から発射される無数のミサイル

空へと向かいながら宙に舞う敵と地上に居る敵に向かい軌道を変える

ミサイルは全て追尾となっている。その結果

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドドドドドドォォォォーーーーーンンン!!!

 

 

「無念だぁぁぁっ!!!」

 

 

全て命中する

残った敵は爆破と共に遠くまで飛ばされていく

 

 

「あはは…すっかり相手をとられたわ。それに凄過ぎて付いていけない」

 

 

「相変わらずの破壊力だな」

 

 

後ろで見ていたワン子が苦笑い、太一が呆れ気味で言う

オープニング・アクトにしちゃ刺激が強すぎたかもな

俺はパンドラを元の形態に戻し仕舞う

 

 

「太一。俺は敵の大将探しに行くぜ。ここから別々だ」

 

 

「OK.俺はワン子と一緒に敵兵倒してくる。ワン子、行くぞ」

 

 

ワン子を脇に抱える太一

 

 

「え?太一何して「Ha!」きゃああああああああああああああ!!?」

 

 

太一は建物のパイプや手すりにスナッチを使い、自分を引き寄せながら遠くに移動した

その速さにワン子の叫びが聞こえたが…まぁいいか

 

 

「俺も移動するか」

 

 

フラフラと歩きながらその場から立ち去ろうとした

その時、死角から三本の弓が俺に迫る―――――

 

 

ズガァン!ズガァン!ズガァン!

 

 

事は無かった、俺は懐からエボニーを抜き取り、矢に向かって撃つ

矢は全て撃ち落した事を確認し、狙撃してきた方と逆を方向に歩く

 

 

「俺を仕留めたいんなら、もう少し腕を磨いてから来な。あぁそれと…」

 

 

ドーーーーーーーーーーーーン!!

 

 

エボニー回しながらを仕舞うと遠くから爆発音が聞こえる

 

 

「家の弓士の狙撃には気をつけろ…ってもう遅いか」

 

 

そう言いながら俺はその場を後にした

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 07 ~騒ぐ狂宴~ Deviation outbreak of war 【残党共を捻じ伏せろ】

やっと書けました
今年中には出来るだけもう一話書きたいなと思っています


狂助side

 

 

太一と別れ、俺は大将を倒しに工場を徘徊していた

しばらくそうしていたら

 

 

「いたぞ!」

 

 

「あの男も東の奴だ!打ち倒せ!」

 

 

いつの間にか敵に囲まれていた。そりゃあミサイル乱射している男が東に居るなんて騒ぎ始めたからな

仕方ないとは言え、出来れば野郎より美女が良かったがな

 

 

「お客も集まったことだし派手にいくぜ。Come on!」

 

 

コートからエボニー&アイボリーを抜き取り構える

 

 

「この数を一人で挑む気か?愚かな奴だ!」

 

 

敵が一斉に迫ってくる

 

 

Gun(ガン)!」

 

 

バチッ!!

 

 

フィンガースナップせず、ノーモーションで叫ぶと体から青いオーラが一瞬出る

敵の拳や武器が俺に当たる前に上に跳躍する

 

 

「Rain Storm!」

 

 

スガガガガガガガガガガガガ!!

 

 

『ぐぁああああああああああ!』

 

 

上下反転し真下の敵に銃弾の雨をお見舞いする。体をガトリング砲のように回転させて、高速で弾丸を下に撒き散らす。そして着地し、残りの敵をそれぞれ違う方向に銃を向け連射する

 

 

「うぉおおおおおおお!!」

 

 

その中に刀を持って迫る敵が一人

斬りかかろうとするが避け、エボニー&アイボリーを仕舞い

新たな銃器を取り出し後頭部に突きつける

 

 

バァン!

 

 

「ぐぉお!」

 

 

引き金を引いて、撃つ

今度の銃器は水平二連型のショットガン『コヨーテ・A』

 

 

「Fire Works!」

 

 

ヌンチャクのようにコヨーテ・Aを振り回しながら、

前・左右方向に3連続で撃つ

 

 

バァン!バァン!バァン!

 

 

「「「ぐはぁ!」」」

 

 

三人仕留めた所でコヨーテ・Aに弾丸を一発だけセットする

 

 

「背中がガラ空きだ《バァン!》ごはぁ!?」

 

 

「…Back Slide」

 

 

 

自分の真後ろに敵が攻撃する直前に

振り返らずコヨーテ・Aだけを後ろに構え撃つ

今のが最期だと思っていたら敵はまた、攻め込んでくる

 

 

「全く…人気者は辛いねぇ」

 

 

「それは違います。貴方はもう少し緊張感を持つ事を知りなさい」

 

 

後ろから声がしたので振り返ってみると

そこには俺のコートのような赤い長髪の軍服、そして左に眼帯の女―――――マルギッテがそこに居た

まぁ知ってたけどな

 

 

「マルギッテじゃないか。川神に居るのは、あの親馬鹿の命令か?」

 

 

「中将に対して、そのような発言はやめなさい。異国に居るお嬢様を心配しているだけです」

 

 

「それを親馬鹿って言うんだが、まぁいい。ところでお前は何しに来たんだ?」

 

 

「騒ぎを聞いてやってきただけです。最もその必要は無かったですが」

 

 

相変わらず堅いなぁマルギッテは

もう少し表情柔らかくすれば、男を掴めるのに

少しからかってみるか

 

 

「そうか…てっきり俺に会いに来たと思ったが、残念だ」

 

 

「なっ!?馬鹿な事を言うのはやめなさい!」

 

 

「Hey.そんなに否定すること無いだろ。折角会えたんだ」

 

 

俺は顔を赤くしたマルギッテに手を差し伸べる

 

 

「どうだいマルギッテ。この戦いが終わった後、デートでもするか?」

 

 

「デッ!?」

 

 

マルギッテの顔がさらに赤くなると顔を下げ俯く

しばらくして顔を上げると睨みつけながら近づいてくる

これはもしかすると…再会のkissって奴か?

おいおい、マルギッテにしちゃ思い切ったアプローチ―――――

 

 

ドスゥゥ!!

 

 

というのは無かった

俺が貰ったのは熱いkissではなく、熱いトンファーだった

分かってはいたが痛い

 

 

「…たまげたね。照れ隠しにしちゃあバイオレンスだな」

 

 

「黙りなさい。この程度で済むことだけでも、有難いと思いなさい」

 

 

「OK.そう考えておくがあいつ等の相手はどうする?」

 

 

「ここは私が引き受けます。貴方は九鬼の援護へ行きなさい」

 

 

「俺はオフェンスがやりたいが仕方ないな」

 

 

俺は残りの敵をマルギッテは残りに任せ、英雄の所へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

途中トリックスターに変え、スピードを上げる

すると遠くから二つの影が遥か空へと上っていくのが見えた

やがて影は大きく反転し、流星のように落ちてくる

気の流れで一人はあずみだと分かった時

 

 

ドォーーーーーーーーーーーーーン!!

 

 

空中で爆破が起きる

たぶんあずみが自爆に使ったんだろう

助けに行きたいがトリックスターじゃ間に合わない

気をかなり使うが…このスタイルだな

 

 

Quick Silver(クイックシルバー)!」

 

 

パチンッ!

 

 

左手を真上にフィンガースナップすると、体から白色のオーラが一瞬出る

 

 

Keep still(じっとしてな).Time-Lag」

 

 

次の瞬間

俺以外の全てが白に染まり、スローモーションになる

消費系の中で反則的なスタイル・クイックシルバーのタイムラグを使った

しかし気の消費が激しく、持続時間も10秒未満である

 

今の内に爆破が起きた場所まで向かう

今も落下しているがスローモーションで遅い。俺はあずみを抱えると同時にタイムラグを解除する

 

 

「ッ!?狂助!」

 

 

「なぬ!?いつの間に!」

 

 

急に俺が現れたことに驚くあずみと全身黒ずくめ野郎

 

 

「おいあずみ。怪我無いか?」

 

 

「あ、あぁ別に無い…ってか何抱えてんだ!?」

 

 

あずみが顔を赤くしながら暴れだす

今のあずみの格好?そりゃあ爆破を利用して脱出した時、メイド服を脱ぎ捨てたんだろう

その下は少し露出した水着姿で居てお姫様抱っこでいる。これはこれで中々…うむ

 

 

「お前さっきからジロジロ見るな!」

 

 

「おいおい、助けてやったのにそりゃないぜ。それにこれ位の役得があっても別に良いだろ」

 

 

「お前の助けなんか必要ねーよ!」

 

 

ったく人の親切は素直に受け取るもんだぜ。ママンに教わらなかったのか?

 

 

「何者だうぬは?一体どこから」

 

 

あずみとイチャイチャ(からかい)をしていたら後ろから黒ずくめ野郎が居た

俺はあずみを下ろし、こう答える

 

 

「ただの狩人(ハンター)だぜ。お前を狩りにな」

 

 

「狩人だと?ふざけた事をぬかす奴だ。風馬もろとも討たせてもらう」

 

 

黒ずくめ野郎が一気に10人に増える

 

 

「へぇ~そいつは楽しみだ…Sword Master(ソードマスター)!」

 

 

パチンッ!

 

右手を斜め前にフィンガースナップすると、今度は赤いオーラが一瞬出る

そしてコートからある物を取り出す

鉄の輪に付けられている三叉のヌンチャク

スピードに優れ、氷属性を持つ武器『ケルベロス』だ

 

 

「さて、お散歩の時間だぜ。ケルベロス」

 

 

「無駄だ。何を出そうが変わりはしない」

 

 

黒ずくめ野郎がそう言って全員直進してくる

 

 

「Crystal!」

 

 

ケルベロスの鎖を目前の地面に突き刺す

前一直線に大きな氷柱を三本突き出して残像を消す

 

 

「地面から氷だと!?」

 

 

「余所見してる場合か?Windmill!」

 

 

本体を見つけ、腕に取り付けたケルベロスを回転させて攻撃する

 

 

「ぐぉおおお!?」

 

 

「&…Revolver!!」

 

 

ズドォン!

 

 

「ぐはぁ!!」

 

 

ウィンドミルで怯んだ後、その場で跳び、空中で回転しながら近づいていき、ケルベロスを叩き付ける

黒ずくめは強烈な一撃で倒れる

 

 

「お前の攻撃は出鱈目すぎるな。しかも三叉のヌンチャクなんて奇妙な武器使いやがって」

 

 

「火力は低いが使いこなせば強いぜ?」

 

 

俺はケルベロスを仕舞い、あずみと共に英雄と合流する

 

 

 

 

 

 

 

太一side

 

 

「さて、どこいくか」

 

 

ワン子を連れ、前線に来ている

レッドクイーンを片手に倒していると

 

 

ピィーーーーーー!

 

 

「誰か私を呼んでいるわ!」

 

 

ワン子は急に何処かに走っていく

まさかだとは思ったが今でも犬笛で反応するのか

俺はワン子の後を追う

 

 

 

 

 

 

しばらく走っていたらワン子が島と戦っていた

さて俺は

 

 

「いく……ぐほあ!?」

 

 

大和に切りかかる石田(バカ)を蹴り飛ばす

 

 

「太一!?」

 

 

「大和。怪我無いか」

 

 

俺が大和の安否を気にしていると

石田が睨みつけながら起き上がる

 

 

「戦道太一……貴様が東の武将だったとは!貴様等、西方十勇士の怒りを見よ、ぬああああーーーー!!」

 

 

石田の気が大きくなり放出し始める

髪は金髪になり逆立つ

 

 

「奥義・光龍覚醒!!!斬新だろう、東の!!!」

 

 

「あぁ…髪が金になるなんて見た事がねぇ!!」

 

 

大和、驚くところそこじゃないだろ

 

 

「西では、女よりも男が強い!ハハハハハ!貴様等、軟弱な東の男共と俺は違うのよ!」

 

 

妙な自身で言ってるところ悪いが

 

 

「その軟弱な男に右腕で叩きつけられたのはどこの誰だろうな……西軍大将?」

 

 

「貴様ぁ…その減らず口を叩けるのは今のうちだ!光龍覚醒した俺に勝てる奴など川神百代ぐらいだ!!あの時、貴様に受けた屈辱はここで晴らす!!」

 

 

「へぇ、やってみろよ」

 

 

石田は刀を構え、俺はレッドクイーンを背負った状態でエンジンを吹かす

 

―――その刹那

誰かが工場の垂直に近い壁を、駆け下りてくるのに気づいた

 

 

「!?、何やつ!?」

 

 

「源義経!推参!!」

 

 

ザシュン!!

 

 

「ぐはああああああ!!」

 

 

石田が振り向いた時には義経に斬られていた

 

 

「ぐ……はっ、その名前…お前も…俺や島と同じように、武士の血を引く人間か…」

 

 

「違う。義経は武士道プランで生まれた者。血を受け継ぐものにあらず…そのものだ」

 

 

「……?それにしても理不尽なまでの強さ…惚れ…る…」

 

 

石田は、気を失った

瞬殺とはいえ、石田は少なくとも腕はある

 

 

「…ッ太一兄!?」

 

 

「義経。久しぶりっておわ!?」

 

 

義経が俺に気づいたら駆け寄ってきたら急に抱きついてきた

 

 

「どうしてすぐに帰ってこなかったんだ。義経達は心配したんだぞ」

 

 

「悪かったよ。兄貴に連れてかれてよ。それよりその格好は?」

 

 

「これは川神学園の制服だ」

 

 

義経の笑顔で言う

そこに大和が俺に話しかけてきた

 

 

「知り合いか太一?」

 

 

「あぁ。お前等と会う前からな」

 

 

「…でも、俺は彼女のような目立つヤツ知らないんだけど」

 

 

「無理もない。義経は、今日から2-Sに編入された」

 

 

「……Sクラスなのか」

 

 

「そうだ。Sは実力最優先の、選抜クラスだそうだな。弁慶が、義経はやれば出来る子、というので頑張ろうかと」

 

 

義経と弁慶はSクラスか

正直エリートとかそういう場所に行く気がない。堅苦しいのは御免だ

俺も兄貴もだが

 

 

「覚醒し御大将が、ああもあっさりと…!」

 

 

「オジさん、今は勝負の最中よ!スキありーっ!!」

 

 

「何、はぐううっ!!」

 

 

俺達の会話を他所に

ワン子が一撃を与え、島はガクリと気絶した

 

 

「見事な薙刀さばき。義経は感動した!」

 

 

「あはは、どうもどうも」

 

 

「これぐらい感心した!」

 

 

苦笑いのワン子に義経が手をバッ、と横に広げている

何か知らんがワン子に似てるのかな。義経は

 

 

「…えーと、ところでどなた?」

 

 

「その話は後だ…ともかく、これで勝ったな」

 

 

「うん。敵将はすべて倒した。勝ち鬨を高らかにあげよう」

 

 

「そうと決まれば…」

 

 

俺と義経はワン子を見る

 

 

「え、あ、アタシが…勝ち鬨!?」

 

 

「その権利がある。義経が保証する」

 

 

「義経がそう言ってるんだ。遠慮するなワン子」

 

 

「いやははは、て、照れるけど…それじゃあ」

 

 

照れながらも大きく息を吸い込み、薙刀を持った手を上に挙げ、勝ち鬨を上げた

 

 

「敵将!全て討ち取ったわ――――!!!」

 

 

「勝ち鬨をあげろ――――!!!!!」

 

 

ワン子が声高らかに勝利宣言をする

それは戦場から東の者達に伝わり、怒号がなった

 

 

「フハハハハハ! 皆の者、大義であった!!」

 

 

そこへどこからか来たのか

英雄と冬馬が現れた

 

 

「おい九鬼英雄。なんなんだ彼女は。2-Sだそうだが」

 

 

「武士道プランの申し子か。予定よりも早く投入されたな」

 

 

「義経も武士だ。戦と聞いては武士の血が騒いで黙っていられない」

 

 

「貴方が義経のクローン…しかしまさか女性だとは」

 

 

「義経は義経だ。性別は気にするな」

 

 

「ええ、私もどちらでも構いません」

 

 

お前の場合、違う意味で言っているだろ冬馬

 

 

「太一君。まさか貴方が帰ってきたとは驚きです」

 

 

「サプライズって奴だ。どうしてお前等を驚かせたくてな」

 

 

「そうだったんですか。ユキが聞いたら驚きますね」

 

 

まぁその前に体当たりしてくると思う俺が居るわけだが

 

 

「我が友太一よ!帰ってきたか!!」

 

 

「よう英雄。相変わらずのテンションだな」

 

 

それが元気である事の証拠だし

別にいいか

 

 

「それにしても何だ武士道プランって…?」

 

 

「明日の朝、テレビを見よ。それが一番てっとり早いわ!」

 

 

「これから、よろしく頼む」

 

 

義経がぺこりとお辞儀する

 

 

「どうも、こちらこそよろしく」

 

 

大和も同じようにお辞儀する

 

 

「これから、よろしく頼む」

 

 

再び義経はお辞儀する

 

 

「大事なので義経は2回言ってみた。では、さらば」

 

 

義経は、姿を消した

しかしすぐに戻ってきた

 

 

「…大変な事に気づいてしまった…」

 

 

「どうした?」

 

 

「ヘリから投下されたのだが…帰り道が分からない」

 

 

「……俺と一緒に帰るか」

 

 

「…うん」

 

 

しょんぼりしながら頷く義経

俺は大和に俺達が帰った事を秘密にするよう行った後

義経と共に九鬼へ帰った

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 08 ~友との出会い~ Reunion 【親友達と再会しろ】

なんとか今年中に更新できました
皆さん2013年もあと僅かとなりました

今年の大晦日、皆さんはどのように過ごしますか?

それでは皆さん
一足早いですが、明けましておめでとうございます
これからもよろしくお願いします


太一side

 

 

東西交流戦から翌日

昨日九鬼に帰ってきて、弁慶と清楚と再会したら義経と同じく抱きついてきた

その後は与一と会い、色々旅の話しをしながら夜を過ごした

 

兄貴は揚羽さんに呼び出されたが、少し経って爆発と同時に逃げる兄貴と追う揚羽さんの姿を窓から見ていた

 

 

「あぁ~眠い」

 

 

「しょうがないだろ。鉄心さんに呼ばれたんだからよ」

 

 

そして今、生徒も居ない川神学園の廊下を歩いていた

格好も指定夏服だが、俺達の制服は違う

 

俺は紺の制服。二の腕辺りに赤い刺繍

中は脱着可能のボタン着きフードの赤いシャツ

 

兄貴は真紅の制服。丈と袖が長い

片方の袖は破いたような長さ。中は黒のノースリーブ

 

 

戦闘用のコートを制服風に九鬼の方で発注したのだ

かなりイケてるが、最初兄貴は何も着ないで前を全開にしようとしたが、全力で止めた

時間帯は7時過ぎだが…さすがの俺も眠い

 

 

「ったく。なんで俺達だけこんな早く」

 

 

「帝さんから言われた以上、無視する訳にもいかねーだろ」

 

 

俺達引き取ってくれた恩もあるしな

そんな愚痴を言いながら鉄心さんの居る部屋に着いた

 

 

「やっと着いたぜ。邪魔するぞ爺さん」

 

 

「もう少し礼儀正しくしろよ兄貴。失礼します」

 

 

兄貴がノックもせず、扉を開けて入り、俺も続いて入る

 

 

「狂助。太一のように出来ぬのかお主は」

 

 

「そうだよ狂助、少しは見習わないとダメヨ」

 

 

学長室には鉄心さんとルーの二人が居た

 

 

「んな事より爺さん。こんな朝早く呼び出して何のようだ?」

 

 

「用という訳ではない。ヒュームから聞いているぞ、お主は毎日のように寝坊するなり修行をサボるなりしているな」

 

 

「…返す言葉はねーな」

 

 

そこでやれやれな顔をするな

なんでそこまで余裕なんだよ

 

 

「編入初日に遅刻というのはイカンのでな。早めに登校してもらったんじゃ」

 

 

「もう少しで全校集会だから。二人とも待機しててネ」

 

 

そう言って二人は部屋を出て行った

 

 

 

 

 

 

 

大和side

 

 

川神学園のグラウンド

朝のHRでは、やはり臨時で全校集会が開かれた

 

「皆も今朝の騒ぎで知っているじゃろう、武士道プラン」

 

 

全学生達を前に、学長の説明が始まった

 

 

「この川神学園に、転入生が8人入ることになったぞい」

 

 

学長が示した人数を聞き、皆がざわめく

 

 

「武士道プランについての説明は、新聞でも見るんじゃ。重要なのは学友が増えるという事。仲良くするんじゃ…競い相手としても最高級じゃぞい、なにせ英雄」

 

 

学長が一回間を空け、話を進める

 

 

「武士道プランの申し子達は、全部で4人じゃ。残り4人は関係者と協力者じゃ。まず3年生、3-Sに1人入るぞぃ」

 

 

3-Sのクラスの生徒が学長の話に期待が高まる

 

 

「それでは葉桜清楚、挨拶せい」

 

 

学長の声と共に、女の子が1人じゃなりと目に出た

そのまま、ゆっくりと檀上に上がっていく

 

 

「こんにちは、はじめまして。葉桜清楚です」

 

 

男子達が全員がその姿に見惚れる

 

 

皆さんとお会いするのを、楽しみにしていました。これから、よろしくお願いします」

 

 

ふわり、と挨拶した後、周りの男子達からは歓声が巻き起こった

 

 

「が、学長、質問がありまーす!!」

 

 

そしてそんな大歓声の中、1人の男子生徒が言った

ふと見たらヨンパチだった

 

 

「全校の前で大胆な奴じゃのう。言うてみぃ」

 

 

「是非、3サイズと、彼氏の有無を…!」

 

 

「全校の前でこの俗物がーっ!みんな、私の教え子がすまん」

 

 

バチン!

 

 

「あぅぅうんっ!…ウッ!」

 

 

ヨンパチが小島先生の鞭の制裁を受け、倒れる

 

 

「アホかい!…まぁ確かに3サイズは、気になるが」

 

 

「…ええっ」

 

 

学長も言葉に本人は赤くする

 

 

「ごほん…皆さんのご想像にお任せします」

 

 

『かーわいいーーーー!』

 

 

姉さんも混じって男子が大声の歓声が上がった

 

 

「それから彼氏は居ませんが……その…」

 

 

急に顔を赤くし俯きはじめる

 

 

「あの~すいません!なんて言ったんですか!?」

 

 

1人の男子が大声で聞く

 

 

「か、彼氏は居ませんけど……す、好きな人は居ます!!」

 

 

『………』

 

 

顔を真っ赤にし大声で叫ぶ

そしてしばらく沈黙が続き

 

 

『何だってぇぇぇぇぇええええええええええええ!!?』

 

 

「どこのどいつだ!!俺達の清楚先輩に毒牙をかけたのは!?」

 

 

「探せ探せ!!血眼になって探し出し炙り出せ!!」

 

 

「判決死刑!!即刻死刑!!」

 

 

「■■■■■■ーーーー!!?」

 

 

…ほとんどの男子は怒りにより狂気になりつつある

 

 

「総代、真面目にやってくださイ!」

 

 

「おぉ、すまんすまん。ついのう。葉桜清楚、という英雄の名を聞いたことなかろう皆」

 

 

「これについては、私から説明します。 実は私は、他の三人と違いまして、誰のクローンだか自分自身ですら教えてもらってないんです。葉桜清楚というのはイメージでつけた名前です。25歳ぐらいになったら教えてもらえるそうです。それまでは学問に打ち込みなさいと言われています。私は本を読むのが趣味なんです…だから清少納言あたりのクローンだといいなと思ってます」

 

 

清楚先輩の説明にさっきの狂気が徐々になくなり、男子のテンションがあがる

 

 

「皆、テンションが上がってきたようじゃな、良いぞ良いぞ。2年に入る3人と協力者を紹介じゃ。3人が2-S、協力者が2-Fとなる。まずは源義経、武蔵坊弁慶。両方女性じゃ」

 

 

男子は弁慶と聞いて、少し不満の声が出てくる

 

 

「では両者、登場」

 

 

そしてすぐに2人の少女が歩いてきた。

1人は源義経……もう1人は

 

 

「こんにちは、一応弁慶らしいです。よろしく」

 

 

くせっ毛のある美人

 

 

『うぉぉぉおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!』

 

 

さっきとは違い、歓喜の声が轟く

 

 

「…ん、ごほん、ごほんっ」

 

 

「義経ちゃん、落ち着いて…大丈夫」

 

 

「ん。義経はやれば出来る」

 

 

「…よし!」

 

 

義経が気合を入れる

 

 

「源義経だ。性別は気にしないでくれ。義経は、武士道プランに関わる人間として、恥じない振る舞いをしていこうと思う。よろしく頼む!」

 

 

義経がマイクでそう言うと

 

 

「うぉおおー、こちらこそよろしくだぜ!」

 

 

「女なのは気にしない!俺達にとってはご褒美だぜ!」

 

 

男子の怒号が、大地を揺らした

義経の紹介も終わり、学長が次に進める

 

 

「女子諸君次は武士道プラン唯一の男子じゃ」

 

 

今度は女子の期待が高まりはじめる

 

 

「2-S、那須与一!でませい!」

 

 

学長に呼ばれるが

待てども待てども一向に現れない

 

 

「照れているのかのう?よーい「HAHAHAHAHA!!」む?」

 

 

突然と高笑いが上から聞こえてきた

そしてそれは壇上まで近づき

 

 

ドォーーーーーーーン!!

 

 

着地する

 

 

「ふぅ…刺激的な登場だな」

 

 

「与一、生きてるか?」

 

 

「…し、死ぬかと思った」 

 

 

そこにはファミリーの男子最強の兄弟

太一と狂助だった。そして太一に担がれた男子が一人

 

 

 

 

 

 

太一side

 

 

屋上から飛びありながらの登場

本当は兄貴が屋上でサボろうとしたから呼びに言ったら与一も居たので

ついでに連れてこうとしたら、もう集会が始まっていたらしく、こういう登場になった

 

 

「さて、問題児も来たことじゃ。那須与一と共に協力者を紹介する。戦道狂助!戦道太一!挨拶せい!」

 

 

俺達の名前が呼ばれ、壇上に上がる

 

 

「2-Fに編入する事になった戦道狂助だ。ファンレターは俺に直接渡すか下駄箱に頼む」

 

 

「同じく2-Fに編入する事になった戦道太一だ。バカな事を言っている奴の弟で、本人はおちょくりで言っているので気にしないように。クローンである義経達の護衛の協力でいるから、これからよろしく頼む」

 

 

「……那須与一だ。よろしく」

 

 

俺達が一通り紹介と挨拶をしたら

 

 

『キャアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

 

女子からの歓喜が来る

 

 

「物凄くイケメン!!」

 

 

「お兄さんはちょっと危ない感じで、弟さんがしっかりしている所とかステキ!!」

 

 

「はぁ…はぁ…じゅるり」

 

 

こんな風に女子達からの声と

 

 

『………っけ!!』

 

 

男子達の冷たい態度である

壇上から下り、俺達は義経達の隣に並ぶ

兄貴は下りるまで女子達の歓声に対し、手を振って返事をする

 

 

「ありがとう太一。与一を連れてきてくれて」

 

 

「アイツと一緒にサボろうとしてた兄貴とついでにな」

 

 

「与一。後でアルゼンチンバックブリーカーだよ」

 

 

「げぇ!?勘弁してくれよ姉御」

 

 

「清楚、ブルーローズメンテしてるから集会終わったら呼んでくれ」

 

 

「えぇ!でも太一…ってもう聞いてない」

 

 

俺はブルーローズのメンテに取り掛かる

一回でも怠っていたら、まずいからな

 

 

しばらくしてから集会が終わり、俺と兄貴は2-Fに行く

 

 

 

 

 

 

 

「まさかお前等が九鬼の協力者とはな」

 

 

「悪いな。今まで黙ってて」

 

 

場所は変わり、2-Fの教室。時刻は昼休み

俺達の紹介の後、担任の小島先生に言われた席に着く

俺も兄貴も窓際の席…実に良い場所だ

兄貴はずっと授業中、寝てるか窓の外見てるかしていない

 

 

「どっちかって言うと今まで九鬼に住んでた事に驚きだよね」

 

 

「オイ太一!狂助!まさか清楚先輩達と一つ屋根の下で暮らしてたのか!?羨ましすぎるぞ!!」

 

 

「親の仕事関係でなモロ。それからガクトうるせぇから口閉じろ」

 

 

「んな事より、早く旅の話し聞かせろよ!」

 

 

「キャップも落ち着け」

 

 

俺が話をしていると

近づいてくる懐かしい気を感じる

 

 

「よぉクリス。久しぶりだな」

 

 

「太一!リューベックであってから連絡一つしないで何をしていたんだ!?」

 

 

「俺も色々やることがあったんだよ。Justice Foolish」

 

 

「?…どういう意味だ」

 

 

「正義バカ」

 

 

「誰が正義バカだ!?」

 

 

俺はクリスと冗談交じりの親しく会話をしていると鋭い視線が感じる

それも男子だけでなく京とワン子もである

 

 

「そういえばクリスと親しく話してたけど、知り合いか?」

 

 

大和が俺に尋ねてくる

 

 

「俺と兄貴がまだ旅で別れる前、ドイツのリューベックに居たんだ。そしたら兄貴が「ドイツといえばフラムクーヘンだろう」って言いながらどっかに行っちまって」

 

 

「仕方ないだろう。ピッツァ・ビアンカであるフラムクーヘンを一度食べてみたかったんだよ」

 

 

相変わらず兄貴のピザ好きには溜息が出る

各国回ってピザと聞けばすぐに居なくなるし

 

 

「そして一人になった俺が探していたら、大勢の男が一人の女の子を囲んで居たんだよ」

 

 

「それがクリだったって事ね」

 

 

「そうだワン子。俺はデビルブリンガーを使って男を全員投げ飛ばして助けたんだ」

 

 

「あの時は凄かったぞ。あの異型の右腕には」

 

 

「そしてクリスのお父さんのフランクさんと出会って色々世話になった」

 

 

正直あの時が本当に面倒だった

急にドイツ軍が俺の事を包囲し始めるし、まぁ右腕元に戻さなかったからな

クリスの説得がなきゃ逃げてたところだった。兄貴を置いて

 

 

「…本当にそれだけ?」

 

 

京がジッと見つめてくる

すると兄貴が笑いながら

 

 

「そういやクリスとデートしてたな。我が弟ながらやるねぇ」

 

 

「別に良いだろう。買い物ぐらい」

 

 

「……手を繋いでか?」

 

 

「やっぱり!」

 

 

「だからややこしくするな!!」

 

 

「…じゃあ今度私と付き合って。市役所まで」

 

 

「それに関してはNOと全力で言おう。好意は嬉しいがまだお友達で」

 

 

このやりとりも懐かしいな。クリスは顔を赤くしてるし

これはユキにもいえる事だが、京のオプローチは兄貴のピザ好きに匹敵するほどだ

俺はまだ誰かを好きになる事は……無いのかな?

 

こうして、俺と兄貴は川神学園で何気ない時間を過ごすのである

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 09 ~一触即発~ Cope with it 【振り翳す拳に即座に対処せよ】

新年一発目の更新です
色々遅れたのは遊んでたのと温泉に行ってました


太一side

 

 

放課後

俺達は義経達に会いにSクラスへと向かっていた

 

 

「義経達、いるかしらね?」

 

 

「いるだろうな。義経達の気を感じるし」

 

 

「狂助もそうだけど、太一も十分規格外だね」

 

 

モロがそんな事を言ってるが、これぐらい身につけられるぞ

しばらくしてSクラスの前に着くと、

 

 

「検問だ。ここは通れないと知りなさい」

 

 

クラスの扉の前にマルギッテがいた

 

 

「揉める気はないぜ?挨拶「monkeyが言っても説得力無いから下がれ」…誰が猿だ!」

 

 

ガクトがワーワー言ってるが、万年発情してる奴を猿と言って何が悪い

さて、こういう時は

 

 

「兄貴、頼む」

 

 

「俺かよ……マルギッテ、俺達は義経に会いに来たんだ。俺と太一は九鬼の協力者だから問題ないだろ?」

 

 

「…分かりました。お嬢様もいらっしゃる事ですし、いいでしょう」

 

 

そう言ってマルギッテが退き、扉を開け、2-Sに入る

しばらく見渡すと義経達を見つける

 

 

「おお、義経達がいたぞ…スキが無いな」

 

 

「弁慶も凄く強いわね。間近で見ると良く分かるわ」

 

 

ワン子とクリスが義経達の強さを見る

 

 

「あっ!太一兄!」

 

 

「よぉ。義経」

 

 

「東西交流戦ではどうも」

 

 

「東西交流戦ではどうも」

 

 

「わざわざ挨拶に来てくれたのか、太一兄も来てくれてありがとう!」

 

 

義経が嬉しそうに俺達に駆け寄ってくる

 

 

「弁慶ー、与一ー、太一兄が来てくれたぞ!来てくれ!!」

 

 

「はーい」

 

 

弁慶がゆらーっと歩いてくる

 

 

「機関からの刺客かもしれねぇ。俺は会わないぞ、絶対にな」

 

 

そして相変わらず与一は中二病な事を言っている

そんな事を言っていれば

 

 

「わけのわからない事を。ブツクサ言ってないで来い」

 

 

「いてててて姉御痛ぇよ。おい引っ張るな、引っ張るな!!!」

 

 

与一が弁慶に引きずられてくる

 

 

「クリスティアーネ・フリードリヒだ!」

 

 

「源義経。改めて、よろしくお願いする」

 

 

義経とクリスが熱い握手を交わしている

 

 

「直江大和。よろしくね弁慶さん」

 

 

「どうも。太一の妻、戦道京です」

 

 

「いや違うからな」

 

 

今まで旅で会ってない分、京も積極的になっていて困る

好意は嬉しいんだけど

 

 

「まぉよろしく。けど太一は私のだから渡さないよ」

 

 

「お前のじゃないぞ弁慶」

 

 

「やっぱり浮気!?」

 

 

「まだ付きやってないぞ京」

 

 

弁慶も便乗して言ってくる「ウェ~~イ」ごふぅ!?

背中から衝撃が来るが、何とか踏み止まる。何かと思い、振り返ると白いものが目に飛び込む

 

 

「ユキ、いきなり突っ込んでくるな」

 

 

「太一が僕のところに来なかったのが悪いのだぁ」

 

 

それは悪いと思っている

俺がユキを撫でながら謝っていると

 

 

「…俺は気を許さないぞ。悪魔のナイフがどこから狙っているか分からないからな」

 

 

馬鹿が一人で何か言っているが無視

 

 

「川神一子よ。武道やってるから話し合おうと思うの」

 

 

ワン子は無邪気100%の笑顔で与一に話すが

 

 

「…一つ言っておくぜお前達」

 

 

与一はクールにくねっとポーズをつけて言った

 

 

「あまり俺に関わらない方がいい…不幸になるからな」

 

 

何故そこまで警戒してんだよ。ホラ見てみろ大和が心の傷を開きつつあるだろ

キャップ達がニヤけて、兄貴なんかそれ以上だぞ

 

 

「なーんかこういうタイプの奴を昔見た気がするんだよ」

 

 

グサッ!

 

 

「うぐっ!な、なんだか心が痛い。古傷が開いて…」

 

 

「懐かしくもあるよねぇ、この中二病的な感じは」

 

 

「那須与一に質問だ!人生とはなんだ?」

 

 

「フン、死ぬまでの暇つぶしだろうよ」

 

 

グサッ!グサッ!

 

 

大和から何かが刺さる音が聞こえる

膝を付き、手を床を置きながらも与一に言う

 

 

「や、やめろぉっ…そんな事言って、後で恥ずかしいのはお前なんだぞ!!!」

 

 

「俺に干渉するな。面倒事に巻き込まれたくなければな」

 

 

与一はぷいっとそっぽを向いた

 

 

「あふんっ もうやめて!」

 

 

恥ずかしさのあまり、のたうち回る大和

そこへ兄貴が近づき、しゃがむ

 

 

「心配すんな大和。昔お前もポーズして言ってただろ……「誰かが俺の事を狙ってる。っふ…まさかな」って」

 

 

ボキッ!

 

 

あっ…大和の心にヒビ入った

というか兄貴、止めさすな

 

 

「こらっ、与一。だめだろう?」

 

 

「あぁーん?」

 

 

「他のクラスから、わざわざ挨拶に来てくれたんじゃないか。仲良くやっていなかいと」

 

 

「知るか。俺は基本的に人間ってやつが嫌いなんだよ」

 

 

「与一…」

 

 

義経は落ち込みながらも与一の昔の事を話す

俺も昔、どうしてこうなったか知ろうと聞いたら一切話してはくれなかった

 

 

「あほらしい。いつの話を言ってんだよ優等生」

 

 

与一のさりげない一言に弁慶が怒る

 

 

「与一。公衆の面前で義経に恥をかかせたらどうなるか教えておいたはずだが?」

 

 

「冗談じゃねえやってられるか!」

 

 

与一は逃走した

けど、俺が見逃すと思ったか

 

 

「Ha!」

 

 

俺はスナッチを使い、与一の襟を掴む

 

 

「げぇ!太一のデビルブリンガー!?」

 

 

「戻ってきな!」

 

 

「おごぉ!」

 

 

そのまま与一を近くに引き寄せる。そしてホールドした状態にし、弁慶に渡す

 

 

「ほれ弁慶」

 

 

「ありがと太一。捕まえたぞ与一」

 

 

弁慶は片手で持ち上げ窓の側まで行き、冬馬に窓を開けるように頼む

それを喜んで開ける冬馬

 

 

「与一、ちょっと頭冷やそうか」

 

 

「う、うおあああああっーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

与一は片手で窓の外まで豪快に放り投げられる

少ししてザッパーンという着水音が聞こえた

 

 

「片手でプールまで投げたんですか。凄いですね」

 

 

「腕力だけならお姉様並よ。まさにパワー系ね…」

 

 

「わわわ、与一大丈夫かな、ちょっとすまない!」

 

冬馬とワン子は弁慶の力に驚き

義経は、鞄からタオルを出して教室を飛び出した

 

 

「義経は本当に甘いな…まぁ、そこが魅力なんだが」

 

 

弁慶はニヤけているが

教室に居る全員がポカーンとしているっと

 

 

スパンッ!!

 

 

教室に響く強い音

全員が驚いて、音のした方を向く

 

そこには拳を突き出すモモ先輩と、それをリベリオンで防ぐ兄貴の姿があった

 

 

 

 

 

 

 

狂助side

 

 

「随分とviolenceな再会だな。百代」

 

 

「お前が早く帰ってこないから悪い」

 

 

与一が弁慶に投げらた後、俺に殺気が飛んでくる

振り返ると拳が迫っており、ギターケースからリベリオンを取り出し防ぐ

 

 

「さぁ、相手してもらうぞ。狂助」

 

 

「デート以外ならお断りだぜ?まぁLadyとしてならだが」

 

 

俺が軽く挑発すると百代が青筋を立てる

 

 

「こんな美少女を目の前にして……見る目が無いな!」

 

 

Trick(トリック)!」

 

 

百代が拳に入れる力を強くしてリベリオンで防ぐ俺ごと吹っ飛ばした

その瞬間ノーモーションでトリックスターになり、スカイスターを使い、気で足場を作り、冬馬の開けた窓の方に跳ぶ

そのまま俺は外に出ると百代も窓に出て追いかけ、互いに同じ位置で地響きを鳴らしながら着地する

 

 

「…やっぱりお前は最高だな」

 

 

「…お褒めに預かり光栄って言えば良いか?」

 

 

砂埃が舞ってる中、百代は拳、俺はエボニーを相手の顔の前で構えている

 

 

「何をしとるんじゃ、お主ら!!」

 

 

そこへ騒ぎを聞きつけたのか、爺さんが怒鳴り声を上げながらやってくる

 

 

「ジジイ。今良いところなんだぞ」

 

 

「バカモンが。お前と狂助との決闘は、まだじゃ」

 

 

「そういう事だ。決闘(デート)は、まだ今度な」

 

 

「……もう少し構ってくれてもいいじゃないか」 ボソッ

 

 

百代が何かブツクサ言っているが爺さんが止めにより、場は収まった

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 10 ~兄弟双剣~ Dual leadership【二つの守護の暴走を止めろ】

悪魔は出ないはず?っとタグに書きましたが
すいません。コイツ等出しちゃいました


太一side

 

 

夜の川神学園前

 

 

「早く来すぎたか」

 

 

「別にそうでもないだろ」

 

 

俺と兄貴はキャップ達を待っていた

モモ先輩と兄貴のじゃれ合いの後、学長にこっ酷く叱られヘロヘロになって帰って来た

そしたらキャップが急に『今夜、集会やるぞ!学園前に集合だ!』っと言い出した

他は全員ノリ気だった。そして、一回帰った後、私服に着替えて待っていた

 

 

「おーい。二人ともーー!!」

 

 

しばらくして遠くからワン子の声が聞こえる

その後ろにはキャップ達も居る。全員私服で

 

 

「っよ。これで全員か?」

 

 

「ゲンさんは、家の手伝いで来れないって連絡あった」

 

 

「あとはまゆっちが来てない」

 

 

まゆっち…という事は

 

 

「あ、あの遅れてすいません!」

 

 

すぐに後ろからさらっと伸びた黒髪、後ろで紐を二本に結った少女が走ってくる

うん、やっぱ由紀江だ

 

 

「由紀江。久しぶりだな」

 

 

「た、太一さん。お久しぶりです!」

 

 

由紀江が顔を赤くしながら挨拶する

すると京やユキから鋭い視線を感じる

 

 

「まさか、また浮気?」

 

 

「浮気~?」

 

 

「おやおや、太一君はモテモテですね」

 

 

「だから浮気じゃない。冬馬も言ってないで助けろ」

 

 

京とユキだけじゃなく、ワン子やクリスまで睨んでくる

兄貴は面白がって笑っている。って笑ってんじゃね!コラァ!

 

 

「よし!全員揃ったし行くぞ!」

 

 

そこにキャップが大声で言う

これで空気が変わって助かった

 

 

「ほら、早く行こうぜ太一!狂助!」

 

 

キャップが俺と兄貴を指差す……って今なんて言った?

 

 

「秘密基地に行くんじゃないのかよ?」

 

 

「今、クッキーが基地を改装中だから、無理だぞ」

 

 

大和が俺の問いに答える

それにしても…

 

 

「…クッキーか」

 

 

「あれ、太一はクッキーの事知ってるの?」

 

 

「開発してから俺と話す事があって、そこから仲良くなった」

 

 

「そう言えば、太一と狂助は九鬼に居たんだね」

 

 

ワン子に言った俺の後にモロがそう言った

しかし、問題なのは基地に行けない。そして俺達の名が上がったって事は

 

 

「一応言っとくが九鬼は無理だぞ」

 

 

「えーーー。せっかく楽しみにしてたのによぉ」

 

 

「確かに九鬼には行けないが、俺達の家だったら行けるぞ」

 

 

「あれ、もう出来てたのか?」

 

 

「あぁ。出来てるぞ」

 

 

兄貴はニヤリっと笑いながら先に行く

疑問に思うファミリーと俺は付いて行く

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだ」

 

 

着いたのは俺達が住んでいた家

正確に言えば、家だった場所。そこに建っているのは周りの家とは明らかに違う作り

外国に建ってそうな家。簡単に言えばDevil May Cryそのものである

 

 

「本当に改装されてるよ。前の家の面影全然無いぞ」

 

 

「いいじゃねーか。九鬼から出て、ここに住むんだからよ」

 

 

兄貴は内ポケットから鍵を取り出し、ドアの鍵穴に挿し込み、錠を開ける

家の中に入ると内装もまんまである。奥にデスクに椅子、隣に服掛け。部屋の端にはジュークボックスにドラムセットにコンポにエレキギター、その近くに普通のソファーにL字ソファーにテーブル、天井には複数のランプとシーリングファン、娯楽としてビリヤード台にダーツマシーンが置かれ、壁には剣やナイフ、銃やライフルなどの武器が飾られ、バーカウンターまである

もちろん二階もある。ファミリー全員は家の中を見回す

 

 

「まぁ適当に座ってくれ。何か作ってくる」

 

 

「おい太一!ビリヤードやっていいか!?」

 

 

「おう。いいぞ」

 

 

「おいキャップ。次は俺にやらせろよ」

 

 

「僕もやろうかな」

 

 

「じゃあ、俺も」

 

 

「私達もやりませんか。準」

 

 

「若が言うなら」

 

 

キャップがビリヤードをやりたがっており、それに続いてガクト、モロ、大和、冬馬、準が言う

 

 

「さて、ピザだけにするか。兄貴」

 

 

「いや、ストロベリーサンデーも作る」

 

 

おい、デザートまで作る気かよ

俺は呆れながら、兄貴と一緒にキッチンに向かう

 

その時、少女六人が二階に行ったことに気づかず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

百代side

 

 

太一と狂助が部屋の奥に行ったのを見てから全員を集める

 

 

「よし、あの二人がキッチンに向かったな。部屋に行くぞ」

 

 

「でもお姉様。本当にやるの?」

 

 

「私は大いに賛成」

 

 

「僕も~」

 

 

「自分はあまり乗り気ではないが」

 

 

「わ、わわわ、私も」

 

 

京以外がノリが悪いが私はやめない。狂助の家に来たらコレを絶対にやると決めた

そう、部屋漁りだ。そして二階に着き、先に進むと部屋が複数ある

 

 

「どれかが狂助か太一の部屋だな」

 

 

「まずはこっちから」

 

 

京が一つ目の部屋に入る

それに続いて私も入る。部屋には机やベット、タンスなどもあり極普通である

服掛けには紺のコートが掛けられている

 

 

「これって太一のコートだから、ここは太一の部屋ね」

 

 

「太一のコート~~」

 

 

「太一の匂い……くんくん」

 

 

「ちょっと京!何してんのよ!?」

 

 

「そうだぞ!匂いを嗅ぐなど不潔な!」

 

 

「そ、そうですよ!」

 

 

「太一の匂い……すぅ~はぁ~」

 

 

「良い匂~~い」

 

 

ワン子とクリとまゆっちを無視してコートを嗅ぐ京とユキ

という事はどっちかが狂助の部屋か

 

 

「次ぎ行くぞって…何してんだ」

 

 

「「「えっ?」」」

 

 

さっきまで文句を言っていた三人がいつの間にか京とユキと同じように嗅いでいた

お前達は本当に太一の事が

 

私は先に部屋を出て、向かいの部屋に入る

さっきの部屋と明らかに違い、作業台に様々な部品

壁に女のポスターが貼られている。小さい冷蔵庫が設置され、壁際に大型のライフルが置かれていた

 

 

「ここは部屋というより作業場だな。ここも違うな」

 

 

私が部屋を出るとワン子達も出てきた

 

 

「お姉様、そっちはどうだったの?」

 

 

「こっちも違ったな。残るは」

 

 

通路の先にある残った部屋

そこはさっきの二つとは違い、何か異様な空気が漂っている

な、なんか出そうな気がする

 

 

「さっきより暗いわね」

 

 

「それに、何か嫌な感じがする」

 

 

「僕も感じる~」

 

 

「ほ、本当に行くのか?」

 

 

「………」

 

 

ワン子達も残った部屋の雰囲気に気づくが

まゆっちは黙っていた

 

 

「どうしたまゆっち?真剣な顔して」

 

 

「いえ…何か鋭い物を感じて」

 

 

まゆっちの言う通り、部屋の中から微量ながら気を感じる

それも只の気じゃない。刃みたいな物で斬られるような気が伝わってくる

 

ワン子達は部屋に入り、私は怖がりながらも部屋に入る

部屋は広く、何も無い。部屋は薄暗い

 

 

「何も無いわね。でも気は感じる」

 

 

「さっきより強い」

 

 

「あぁ自分も感じる」

 

 

ワン子、京、クリの三人は部屋に入った瞬間、気を感じ取った

でも周りには何も無かった。私は勘違いかと思った時

 

 

《兄者。久方ぶりの客人じゃ》

 

 

《客人じゃな》

 

 

『ッ!?』

 

 

私達ではない。誰かの声が聞こえる

しかし、誰も居ない。……これってまさか…

 

 

《客人は、もてなさねばなるまい》

 

 

《もてなさねばなるまいな》

 

 

《しかし―――どうやって?》

 

 

《知らん。どうしてくれようか》

 

 

「ど、どこから声がするんだ!?」

 

 

「お姉様、落ち着いて!」

 

 

私は周りから声がする事に怖がると

 

 

《兄者。客人が涙目で怯えておるが》

 

 

《―――ナミダメ?ナミダメとは?》

 

 

《ナミダメというのは―――――》

 

 

「いい加減に出てこい!!」

 

 

私は限界のあまり、気弾を撃とうとした時

何かが私達の近くに飛んでくる

 

 

《待たれい客人よ》

 

 

《ここで暴れては困る》

 

 

私達の目の前に出てきたのは赤と蒼の二つの剣だった

ノコギリのような刃で柄の部分は頭になっていた。喋っているのは頭の部分だ

 

 

「お、お前等が喋っていたのか?」

 

 

《以下にも》

 

 

《我等が話している》

 

 

「喋る剣とは、信じ難いな」

 

 

「これも九鬼の機械なのかな?」

 

 

クリとワン子が信用していない

 

 

《それは否だ。我々は強き者の剣》

 

 

《断じて機械なのではない》

 

 

「そう言われてもね」

 

 

「ねぇ~」

 

 

京とユキも同じような反応をするが

まゆっちは、未だに真剣のままだった

 

 

「あの、一つお伺いしても良いですか」

 

 

《何だ》

 

 

《我等に答えられるならば》

 

 

「……ここから強い気が感じるのですが、一体何処に?」

 

 

まゆっちがそう聞いた途端、二つの剣の気が強り、噴出しだした!

噴出した気は徐々に体のとうな形となっていく

 

 

《我等の務めは、此処を守る事!》

 

 

《在り処を話すわけにはいかぬ!》

 

 

《《もしも知りたければ……我等兄弟を倒すことだ!!》》

 

 

 

剣を抜き、逆手に構える

相手が本気だと知り、私達も構える。剣を持った奴等は迫ろうとした時

 

 

スガァン! ズガァン!

 

 

二発の銃声が響く

それと同時に喋る剣二本が弾かれ宙を舞い床に刺さる

 

 

「お前等、俺は言ったよな……No.Talking(しゃべるな)

 

 

声の方を振り向くと、銃を構え、片手にピザを持っていた狂助の姿があった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 11 ~刺激な思い~ It can keep talking【今までの経緯を話し通せ】

太一side

 

 

「もしかしたらと思って、兄を先に行かせて正解だったな。あんまり漁りとしないでくれよ」

 

 

『ごめんなさい』

 

 

今、二階に行った女性陣に説教中

兄貴の方も扉に鍵を掛け厳重にする

 

 

「太一、もう反省してんだから。早くしようぜ」

 

 

キャップは、そう言っているが

目の前に並んでいるピザとストロベリーサンデーが食べたくて仕方ないって言うのは分かる

だって涎出てるんだぜ?

 

 

「はぁ…分かった」

 

 

女性陣が説教を終え、全員飲み物が入ったグラスを持つ

 

 

「じゃあ…太一と狂助が帰って来た事に祝して」

 

 

『かんぱ~~い!!』

 

 

全員グラス同士を接触させる

そして各々ピザや菓子をつまみ始める

 

 

「さて、そろそろ旅の話を聞かして貰うぞ。それとあの顔面の剣の事も」

 

 

しばらくしてキャップが言い始める

皆も手を止め、俺と兄貴、そして黙って壁に飾られているアグニ&ルドラを見る

 

 

「じゃあ俺から話す」

 

 

先に俺の話からする

 

 

―――あれは兄貴と別れて国内に旅をしていた頃、俺は西に向かっていた

 

 

「あれ?狂助と一緒じゃなかったの?」

 

 

「俺と兄貴は目的は一緒だったけど、別々に行動してたからな。そこも含めて話す」

 

 

―――俺と兄貴が旅に出たのはある物を手に入れる事だった。それは魔具と呼ばれた武器だ

 

 

「魔具?」

 

 

「ワン子は一度見たことあるだろ。兄貴が使ったトランク」

 

 

「あぁ!」

 

 

「あの大爆発って狂助の仕業だったのかよ」

 

 

「まぁ子供の頃、壁を垂直で走ったりしてたけどね」

 

 

―――ガクトとモロが納得してるから話戻すぞ。俺も魔具を集めに行く前に、ある物を探していたんだ

それは妖刀と呼ばれた刀だ

 

 

「妖刀とは、聞いただけで物騒ですね」

 

 

「いや若、物騒で済むレベルじゃないでしょ」

 

 

―――準の言うとおり、その妖刀は「人と魔を分かつ」とも、「闇を切り裂き食らい尽くす」とも言われている刀だ。その刀の名は『閻魔刀』

 

 

「閻魔刀?聞いたこと無いな。まゆっちは」

 

 

「少し位なら………妖刀・閻魔刀、その刀は強者だけが扱うことが出来ると言われ、それ以外の者が手にした時、閻魔刀の刃が襲うと言われています」

 

 

「要するに認めさせれば良いのか」

 

 

―――それは違うぞキャップ。いくら力が強いと言っても、それが本当の強さじゃない。閻魔刀自身がその力に屈服しなければならない。モモ先輩だったらギリギリ持てるぐらいだろうな

 

 

そう思いさっきの部屋から持ってきた物を取り出す

竹刀袋に何重にも紐が結ばれている

 

 

「一つ言っとくぞ。気抜くなよ」

 

 

俺はそう言って竹刀袋の紐を解き始める

そして、そこから刀を取り出す。白の柄に金の鍔、黒の鞘に黄色の紐が通った装飾

スパーダの形見でもあるバージルの愛刀『閻魔刀』

竹刀袋から出した瞬間、武士娘達が顔を強張る

 

 

「凄まじいな」

 

 

「はわわわわ…凄い気ッ!!」

 

 

「……強いよ」

 

 

「何か僕、近づきたくない」

 

 

「何という圧だ」

 

 

モモ先輩、ワン子、京、ユキ、クリスが閻魔刀を見ただけで恐れる

すると由紀江が神妙な顔をして

 

 

「太一さん。その妖刀・閻魔刀を見せて貰っても」

 

 

「あぁいいぞ。けど、ほんの少しだからな」

 

 

俺はゆっくりと閻魔刀閻魔刀を鞘から抜く

すると右腕が勝手にデビルブリンガーになり、俺の気が徐々に上がっていく

上がった気は体から放出され、閻魔刀の刀身も光を出し、気を出し続ける

やばいッ!これ以上はアレが発動する!?

 

 

「ッ!?…も、もう結構です!!」

 

 

由紀江は慌てて鞘から抜く事を止める

俺も急いで閻魔刀を鞘に納め、竹刀袋に入れる

俺は閻魔刀に当てられた気で、顔から汗が出る

女性陣もそうだが、男性陣もだった。兄貴以外は

 

 

「た、太一さん。大丈夫ですか?」

 

 

「あ、あぁ。大丈夫だ」

 

 

正直言って平気ではない

もしあのまま抜き続ければどうなっていたか分からない

 

 

「気が使えない俺達ですら危ないって分かったぞ」

 

 

「あぁ。あれは危険だな」

 

 

「俺様の筋肉の美貌すら霞める程の存在感だったぜ」

 

 

「僕も意識失いそうだったしね」

 

 

「あれが刀とは、世の中は広いですね」

 

 

「改めてお前等の規格外差に圧倒されるな」

 

 

男性人が各々感想を言ってくる

そして、空気を変えるため、今度は兄貴との話をした

話的にはモモ先輩クラス以上でしか進むことが出来ない場所が幾つもあるという事

そして、何故魔具を集めに旅に出たのか?っと聞いてきたから兄貴が「面白そうだな」という理由で振り回されたっと言ったら全員納得してくれた

 

話してる内に楽しい時間が過ぎていった

 

 

 

 

 

 

 

狂助side

 

 

Partyが終わり、夜空の下を歩いていた

ファミリー全員帰って行き、太一も九鬼に戻った

明日ぐらいで引越しが完了し、あの家に住める

そんな俺は、百代と一緒に川神院に向かっている。ワン子は先に帰った

 

 

「綺麗だな」

 

 

「そうだな。隣に美女でも居れば最高なんだがな」

 

 

「お前の隣には絶世の美少女が居るぞ~」

 

 

「さぁ~てどこに居るのやら」

 

 

星が輝く夜空を見ながら歩く

百代のからかいもしながら

 

 

「…いい加減私に構え」

 

 

「言ったろ。Ladyとしてならって」

 

 

そう言うと百代は不貞腐れてしまった

おれはやれやれと仕草を見せながら手を差し出す

 

 

「エスコートしましょうか?Lady」

 

 

するとパッと振り向くと差し出した手を掴む―――

ことなく腕に抱きついてきた。それにより腕に百代の胸の感触が

 

ハッキリ言ってGood!と心の中で思う

 

 

「これはどういう事で」

 

 

「私からのアプローチだ。嬉しいか?」

 

 

「…悪くないが、どうやらsweetな時間は終わりだな。そうだろ揚羽」

 

 

俺、後ろから感じる気を察知し、その持ち主の名を言う

すると暗いの道の街灯から姿を現したのは九鬼揚羽だった

 

 

「流石だな狂助。いつも修行をサボっていながらというのに」

 

 

「男が女より弱いなんて嫌なんでね」

 

 

「そうか。それより狂助、少し百代と話がしたい。先に戻れ」

 

 

俺は黙って百代の抱き付から離れ、一人夜道を帰る

 

 

 

 

 

 

百代side

 

 

「…揚羽さん。どうしたんです、こんな時間に」

 

 

「あぁ、早いうちに話しておいた方がいいと思ってな、百代」

 

 

揚羽さんは、いつものと違い真剣な顔をした

 

 

「お前は狂助の事が好きか?」

 

 

「ッ!?ア、アイツの事が好きな訳」

 

 

「だが、奴の腕にしがみついた時のお前の顔は満更ではなかったぞ」

 

 

うぅ!狂助にどんな願いをしようか考えてたから気づか…ってちょっと待て

何で狂助の事を揚羽さんが

 

 

「ま、まさか揚羽さん。アイツの事」

 

 

「あぁ、我は狂助の事が好きだ」

 

 

直球だった

まさかの事だった

揚羽さんも狂助の事を

 

 

「それに我だけじゃない。あずみや九鬼のメイド達も同じだぞ」

 

 

はぁ!?

アイツ、九鬼のメイドまで手出したのかよ!?

 

 

「恐らくだが、他にも女も作ってる筈だ。はぁ~~……それで、百代はどうなんだ?」

 

 

「…私は」

 

 

急にあいつの事で頭が一杯になり始める

アイツが居ない時期、ファミリー全員と集まったが何かが足りなかった

 

 

 

 

 

良いぜ。俺がお前の事を心の底から惚れた時、お前の言う事、何でも聞いてやる。それも一つだけじゃなく、ずっとな

 

 

言ったな?後悔するなよ。お前がすぐにその気にさせるぐらいの女になってやる

 

 

あぁ、楽しみにしてるぜ

 

 

 

 

 

あの後、何かが心の中を満たした気がした

それと同時に恥ずかしさもあったが、それも幸せに感じた

 

…なんだ、アイツより先に

 

 

「好きです。あいつの事が」

 

 

私が引き寄せられたじゃないか

 

 

「……そうか。だが言っとくぞ百代」

 

 

「はい?」

 

 

「狂助は我の伴侶だ。誰にも渡さん、例えお前でもな」

 

 

「望むところですよ。私が先に振り向かせますから」

 

 

この日、私と揚羽さんは共に競う武人として

そして恋のライバルとして認め合った

 

 




揚羽さんの口調がわかりません
というより原作キャラの口調がいまいち掴めません


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 12 ~各々の考え~ It is a thought as an idea【学園生活を堪能しろ】

第三者side

 

 

時刻は放課後

ほとんどの生徒が下校する時間である

他にも部活などの活気な声。それとは逆に静まり返っている場所―――図書室

武道に定評のある川神学園だが、図書室の蔵書量も普通の学園より遥かに多い(学長談)

 

本来なら静寂に包まれた空間だが、今は少し騒がしい

 

 

「おい、清楚ちゃんが読書してるぞ」

 

 

「呼んでるのは、ジャック・フィニイだ。いいセンスじゃねぇか…短編の”愛の手紙”は名作だよな。古風だがそこがいい」

 

 

「はぁ…可愛いよなぁ…清楚ちゃんマジ清楚」

 

 

読書する清楚の姿が文学少女好きの心を掴んでいる

 

 

「図書館では静かにしたまえよ」

 

 

3-Sの京極の正論に、浮かれている皆が我に返った

再び静寂になると京極は清楚の立ち振る舞いやカリスマ性を観察する

清楚が、京極の姿に気付いて小さく手を振る

京極も扇子を振り、挨拶を返した

 

しばらくすると騒ぎが沸く

それは男子ではなく、女子もだった

女子の注目を集めていたのは太一。清楚とは違う席に座り、伊達眼鏡を掛け、ヘッドホンで曲を聴きながら読書していた

 

 

「あぁ太一君の読書姿、カッコイイ」

 

 

「伊達眼鏡なんて様になってるわ」

 

 

「ねぇ話しかけてきなよ」

 

 

「えぇでも」

 

 

清楚は男子、太一は女子の注目の的になっていた

 

 

 

 

 

 

太一side

 

 

非常に視線を感じる。主に女子から

朝から強い気を感じたが、別に気にする事はなく登校した

授業を終え、放課後に図書室に行ったらこうなった

 

 

「はぁ…(トントン)…ん?」

 

 

誰かが肩を叩かれた

一端本を閉じ、ヘッドホンを外しながら振り返る

叩いたのは清楚だった

 

 

「清楚じゃないか。どうかしたか?」

 

 

「うん、太一の事見かけたからついね」

 

 

「まぁこうして話すのは久しぶりだしな」

 

 

俺と清楚が親しげに話していると

 

 

「己ぇぇぇ!!よくも俺達の清楚ちゃんを!!?」

 

 

「確かあいつは2年に編入した戦道!!」

 

 

「ちくしょぉぉぉ!俺もお話したいぃぃぃぃ!!」

 

 

「神よ!今こそ奴に天誅を下したまえ!!」

 

 

…とまぁこんな感じで嫉妬の目が来るんだが、俺は気にせず清楚と話す

 

 

 

 

 

 

 

 

清楚と話をして、すっかり日が落ちてしまった

図書室を出るまで痛い視線があったが気にしない

借りた本を手にして靴箱に向かっていると

 

 

「ん?大和と弁慶?」

 

 

「あぁ太一。図書室で本借りたのか?」

 

 

「面白そうな本があったからな」

 

 

「太~~一」

 

 

弁慶が俺を呼びながら腕に抱きついてくる

 

 

「弁慶、急に抱きつくのやめろって」

 

 

「いいじゃないか。私と太一の仲だし」

 

 

いや、そんな関係になった覚えはないぞ

 

 

「お…?靴箱に手紙が入っていたなう」

 

 

弁慶が自分の靴箱を開けると手紙が入っていた

 

 

「ラブレターか決闘状か」

 

 

「ラブの方だ。3年生から…年上に興味ないんだよねー。あと、手紙は気持ちが伝わりにくい気がしてどうも…」

 

 

そう言って俺の方に向く

…俺に向かっていうのも困るんだが

 

 

「ん?」

 

 

俺も自分の靴箱を開けると弁慶よりも多く手紙が入っていた

 

 

「まさか太一も」

 

 

「Loveだな」

 

 

どう見ても決闘とかそうじゃなかった

 

 

「………」

 

 

無言で睨んでくる弁慶が怖い

とりあえずこれは開けずに持っておこう

 

 

「とりあえず、帰ろうぜ」

 

 

俺は誤魔化し、靴を履き替えグラウンドを出る

するとグラウンドでは、ギャラリーの大歓声が起きていた

 

 

「おおっ、まだ決闘やってるのか?」

 

 

「おや、三人とも今お帰りで」

 

 

「まぁな。戦ってるのは義経とワン子か」

 

 

「今も白熱中だぜ」

 

 

観戦していた冬馬と準が俺達に気づいた

義経の太刀とワン子の薙刀が激しく繰り出され火花が散っていた

 

 

「なんという激しさ!義経は驚愕した!」

 

 

義経は薙刀を太刀で捌きつつ、ワン子に賞賛を送る

 

 

「(この重い一撃はガードできないわよっ!)」

 

 

ワン子が怒涛の一撃を打ち込む

しかし、義経は攻撃を見切り、防がずに後ろへと跳ぶ

着地と同時に前に突撃し、ワン子を斬りつける

 

 

「うわぁっ!!」

 

 

これにはワン子も対応できず、倒れる

ギャラリーの大歓声が赤く染まっている校庭に響き渡った

 

 

 

 

 

 

30分後、200人近くいたギャラリーは散る

義経とワン子は互いに健闘を称えていた。ワン子には再戦、クリスには初戦を約束する

俺達も下校しようと校門を通ると紋白が同じクラスの生徒達に挨拶されている姿が見えた

 

 

「よぉ紋白」

 

 

「おぉ!太一ではないか!」

 

 

紋白は俺に気づき、喜びながら近づく

それを見ていた準が鬼のような形相をしていたが無視する

 

 

「すごいな紋白は!義経はいたく感激した!義経達は、あそこまで、まだ皆と仲良くなっていない」

 

 

「何言ってんだよ義経。Fiendならもう居るだろ」

 

 

「そうよ。義経は、もうバイバーイって言える連中いるでしょ?」

 

 

俺とワン子はドンッ、っと自分の胸を叩く

クリスも笑顔で頷いた

 

 

「…そうか。ありがとう!」

 

 

義経は元気になり、いつもの笑顔に戻った

 

 

「さぁさぁ、ここの連中を紹介してくれ」

 

 

「あぁ。こちら川神一子さん」

 

 

「よろしくね!」

 

 

ワン子が元気良く、紋白に挨拶する

 

 

「兄からいつも話は聞いている、川神一子」

 

 

「あ、あはは…そっか…」

 

 

あの元気一杯のワン子も英雄の事を聞いたら苦笑いする

それに関しては分かる。俺もあのハイテンションには付いていけない

揚羽さんの事は兄貴に任せっぱなしだがな

 

 

「こちらは椎名京さん、弓の名手だそうだ」

 

 

「それほどでもない。苗字は椎名。…まぁよろしくね」

 

 

「…ふむ。椎名京か」

 

 

「?」

 

「将来の夢は決まっているのか?」

 

 

「愛する人に嫁ぐこと。夢というか決定事項?」

 

 

そう言って俺の方を見る

好意は嬉しいが友達で

 

 

「では、嫁ぎながら、九鬼財閥で働く気はないか!」

 

 

「私が?」

 

 

「ああ。優遇するぞ!九鬼は人材を求めているのだ!」

 

 

紋白は名刺を渡たしながらそう言う

これには流石の京もビックリしていた

 

 

「こちらはクリスさん」

 

 

「クリスティアーネ・フリードリヒだよろしく」

 

 

「うむ。こちらこそな」

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

紋白…せめて何か言ってやれ。何も無いのは一番ダメだぞ

見てみろクリスがちょっと悲しそうだぞ

 

 

「それで、こちらが直江大和さん」

 

 

「お前とは一度、目があったな。よろしく…えーと」

 

 

「紋様と呼ぶがいい」

 

 

「はは、よろしく紋様」

 

 

「うむ!」

 

 

…だからせめて何か言ってやれ。特に何もないのはダメだって

その後、全員の紹介を終えると義経達と別れる

そのあとに由紀江と合流し、下校した

 

 

 

 

 

 

多馬大橋の所までやって来た

橋の下では、モモ先輩がスッキリした顔でピーチジュースを飲んでいた

その近くに挑戦者達が使ったと思われる武器の山に座りながらトマトジュースを飲む兄貴

 

 

「いやぁ楽しかった!決闘につぐ決闘で満足だ」

 

 

「百代。少しは俺にも寄越せよな」

 

 

「そう言うなら私と戦え」

 

 

「嫌だね」

 

 

モモ先輩と兄貴が話してる中

俺達は橋の下に行く

 

 

「放課後からずっと戦っていたのね、お姉様」

 

 

「そう。なんせ全国から挑戦者が来ているからな」

 

 

「その途中で何故か俺も戦うことになったがな」

 

 

「あんな挑発すれば誰だって怒るだろ」

 

 

兄貴の挑発は誰しも怒らせるからな

放課後になっても居なかったのはモモ先輩に付き添っていたのか

そう思っているとヒューム現れた

 

 

「遠くから見ていた。嬉しそうに戦うんだなお前は」

 

 

「実に満足です。…ヒュームさんとも戦ってみたいなぁ」

 

 

モモ先輩がそんな事を言った途端

 

 

「……ぐはっはっはっはっ!!笑わせるなよ小娘!」

 

 

「む」

 

 

ヒュームは笑いだした

その反応にモモ先輩はムッとする

 

 

「予言をしておいてやる。いずれお前は負ける。九鬼が用意した、ある対戦相手によってな!」

 

 

「私の対戦相手…?」

 

 

「冬までにお前が無敗だったら喜んで相手してやろう」

 

 

「誰だが知らないが、楽しみですね」

 

 

そしてヒュームは瞬間回復の事を指摘する

技の対処や倒し方などを言ってから姿を消す。モモ先輩はボコボコに言われた事に腹が立ち

ワン子と共にトレーニングすべく、風のように走り去った

俺も家に帰ろうとしたら、兄貴に鍵を渡さる。兄貴の話だと今日の夕方には荷物が全て移動したので今日から、あの家に住む事になったらしい

 

 

 

 

 

 

狂助side

 

 

俺は太一に鍵を渡し、一足先に帰らせる

さてと…

 

 

「居るんだろヒューム」

 

 

「……ふんっ」

 

 

俺の後ろにヒュームが現れる

 

 

「対戦相手が居るって言ったが、もしかして」

 

 

「お前じゃない。少なくともな」

 

 

「まぁお前から頼まれてもやらないが」

 

 

「それはこっちの台詞だ」

 

 

あぁいつ話してもコイツとは仲良くしたくない

イライラしてきた。絶対に一泡ふかしてやる

 

 

「お前はどうする気だ」

 

 

「What?」

 

 

ヒュームが急に意味深な顔をし出す

 

 

「あの小娘が何も変わらなかった時、お前は戦うのか?」

 

 

「…Noだ」

 

 

俺は百代と戦わないのは単に面倒+からかう為じゃない

分からせてやる為だ

 

 

「力に固執ばかりしてちゃ、いつか大事なもんを無くす。それが分かるまで俺は戦わん」

 

 

「…そうか」

 

 

ヒュームは納得し、その場から消える

俺も何事も無かったかのように帰った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MISSION 13 ~日常と賭け~ Capture snatching【盗人から物を取り戻せ】

GW入って急いで書きました


太一side

 

 

改装した家から川神学園に皆と登校していると

 

 

「俺はシンロン。愛も情も許さない…いざ勝負、川神百代!」

 

 

ドスゥゥン!

 

 

「うぐわぁ!お前に勝ち、梁山泊に入ろうとしたものをー!」

 

 

モモ先輩への挑戦者が現れては星となるという、いつもの通りの事

さらにいつも通り大和に絡むつき大和の頭をヨシヨシと撫でている

 

 

「あの接触が羨ましいぜ畜生!松風、言ってやれ!」

 

 

「年上って響きはいいけど、早く年取っちまうんだぜ?」

 

 

由紀江、それを言っちゃ不味い

 

 

「決ーめた。今夜は島津寮の201号室に泊まうっと」

 

 

「ええええ!?私の部屋ですかっ?」

 

 

「寝技の乱取りで、上下関係を再確認させてやろうな」

 

 

涙目の由紀江、そして迫るモモ先輩

 

 

「あーあ、言い過ぎたんだねこれは」

 

 

「確かにな」

 

 

モロに賛同し、いつも通りな感じで登校していると

 

 

「リンリンリリン、リリーン♪」

 

 

風をまとって、文学少女こと清楚が現れた。

 

 

「おお見ろモロ!葉桜先輩だぞ清楚だなぁ!」

 

 

「ホントだ…見てよ、自転車から降りる仕草も絵になるねぇ」

 

 

ガクトとモロが色めきだっていた

 

 

「太一、モモちゃん、こんにちはー!」

 

 

「よ、清楚」

 

 

「清楚ちゃんこんにちは!おっぱい揉んでいいかな」

 

 

「ええっ!?」

 

 

いきなりのセクハラ発言する

清楚も顔を赤くする

 

 

「いつの間に仲良くなったんだ」

 

 

「ワタシ美少女ニメガナイ、スグニ教室イッテ、口説イタ」

 

 

「オーイエス…」

 

 

「発言違うぞ大和。oh yes……だ」

 

 

「o、oh イエス?」

 

 

「NO.……oh yes」

 

 

「oh yes」

 

 

「Goodだ」

 

 

…なんで兄貴は大和に英語の発音教えてるんだ

それは確かに俺も発音良く言ってるけど

 

 

「葉桜さんを紹介してくれよモモ先輩!太一!!ハァハァ!」

 

 

「えー?」

 

 

「なんでだよ?」

 

 

正直、この発情Monkeyに清楚の事紹介したくない

モモ先輩もそんな返事をしてると

 

 

「紹・介・し・て・く・れ・よ!!!」

 

 

「わ、分かった分かった。血の涙を流すな!!」

 

 

「一旦涙拭け」

 

 

今のガクトの顔は本気で悪魔も泣き出す程の迫力がある

俺も少し引いたぞ

 

 

「楽しそうなお友達だね、モモちゃん。太一」

 

 

清楚は、柔和に微笑んだ

 

 

「島津岳人です。ベンチプレスで190あげます。俺様と結婚を前提にお付き合いしてください。」

 

 

「あはは、お互いわかり合ってからね、島津君」

 

 

ガクトの告白を軽くあしらう清楚

 

 

「フフフ。キモイと断られなかっただけ善戦しただろう」

 

 

「いいんかいそれで…」

 

 

「大和。頭の悪いMonkeyに何言っても無駄だ」

 

 

こう言う時は何も言わないほうがいい

面倒になるのはごめんだ

 

 

「清楚は自転車通学なんだな」

 

 

「うん。気持ちいいんだよね、風を感じて。九鬼財閥に開発してもらった電動自転車でね、坂道を苦もなくすいすい進むんだ。だから名前は、スイスイ号って言うの」

 

 

スイスイ号って…まぁ清楚からすれば良いな

Simple is bestだ

 

 

「皆さん、よろしくお願いします」

 

 

清楚の自転車―――スイスイ号が喋りだす

 

 

「おおお喋ったぞ!これも腹話術か?」

 

 

「こちらは機械ですね、松風は九十九神ですが」

 

 

「メイドイン九鬼なら喋っても不思議じゃないわ!」

 

 

「人工知能はクッキーで実証済みだからな…」

 

 

皆が納得している様子

俺も兄貴もだが

 

 

「はい。クッキーさんは、私の先輩にあたります」

 

 

「この自転車もしかしてトランスフォームするのかな」

 

 

「師岡様。残念ながら、そのような機能はありません。私は、ただの自転車ですので」

 

 

「ただの自転車は普通しゃべらないと思うケド…」

 

 

「家にもしゃべる剣が居るが」

 

 

「あれは別だよ!?」

 

 

アグニ&ルドラは喋る剣としては同じだと思うけど

九鬼の技術力で作れるんじゃ

 

 

「いやぁそれにしても、すっげぇ自転車だな。なぁ、俺が乗ってみていいか?風になろうぜ」

 

 

「すみません。拒否いたします。私に乗れるのは主のみ」

 

 

「おお、忠誠心がある」

 

 

「もしくは美少女の方なら歓迎します」

 

 

「ただのスケベだった…」

 

 

少しでも感心した俺が馬鹿だった

 

 

「場をなごませる、小粋なジョークというやつですよ」

 

 

「じゃあ俺が乗ってもいいんだな?」

 

 

「断固、拒否します!」

 

 

「いーじゃん、いくぞ!」

 

 

「きたねぇケツを乗っけるんじゃねぇ!(ビキッ)」

 

 

「うわぁぁぁ、大和、太一…こいつ怖いぞぅ!!」

 

 

「無理に乗ろうとするからでしょ…それにしても」

 

 

「ジョークですよ、ジョーク」

 

 

「いやジョークじゃねぇだろ」

 

 

今の声はマジだったろ

なんでクッキーといいコイツといいキレやすいんだよ

 

 

「なんで九鬼が作る人工知能はすぐキレるんだ…」

 

 

「まさしくクッキーの後輩って感じするよね」

 

 

「すいません、私を守る為にこういう威嚇機能がついているようなんです」

 

 

「行きましょう清楚。余裕をもった登校を」

 

 

「はーい。それでは皆さん、また学校で」

 

 

清楚は颯爽と自転車にまたがり、登校していった

俺達も向かおうとした時

 

 

「太一!おはよう!」

 

 

「ごく、今日も快晴で川神水が美味い…と…」

 

 

トコトコやってきた義経と弁慶

弁慶は相変わらず朝から川神水を飲んでいた

そして与一は、遥か後ろで歩いていた

 

 

「義経達と一緒に歩くのが、嫌なんだそうだ」

 

 

「嫌というか、照れてるみたい。子供だよね」

 

 

「可愛い女の子と歩くの拒むなんて、アホのする事だぜ。同姓のやっかみ視線が実に心地いいんですけどねぇ」

 

 

「一緒に歩くだけで優越感とか、小さいぞガクト」

 

 

「どうだぜ。男はもう少しBigに生きねーとな」

 

 

「ふふふっ。モテない男にとっちゃ、義理チョコの1と0かで違う訳。そういう意味では感謝してるぜモモ先輩」

 

 

義理チョコねぇ…まぁ俺と兄貴の場合

チョコで苦労したな

 

 

「あれ、太一。何かチョコの事で苦い顔してるけど」

 

 

「…皆に言ってなかったが、バレンタインの時は女子からの本命が数十個も来てるんだよ。食うのも大変で」

 

 

「そういや、時にチョコと同時にラブレターも貰ったこともあったな」

 

 

「チクショオオオオオオオオオオッ!!やっぱ顔なのか!?顔なのかァァ!!?」

 

 

ガクトが涙を流しながら迫ってくるが、正直鬱陶しい

チョコに関しては食べきれなかったからファミリー全員で食べたけどな

 

 

「おい狂助。チョコは良いとしてラブレターなんて聞いてないぞ」

 

 

「オイオイ百代。もしかして嫉妬か?」

 

 

モモ先輩が兄貴に殴りかかろうとしていた

朝からそういうのは勘弁して欲しいと思った瞬間

 

 

「いっただきぃぃぃぃ!!!!!」

 

 

義経の鞄をバイクに乗った男が奪い去った

瞬時に由紀江も斬撃を繰り出すが、機体が刃を弾く

 

 

「!。手加減したとはいえ、私の斬撃を弾くなんて…」

 

 

バイクは無駄な動作を一切せずに走り去った

大和はナンバーを携帯で撮影していた。俺もこのまま逃がすわけ無いけどな

 

 

「主の持ち物を盗むとは、許せないな」

 

 

弁慶が落ちてる小石を拾い、逃げ去るバイクに投げつける

石は後頭部めがけ飛んでいく。全員命中すると思った、その刹那

 

 

「うぉらあああ!!!」

 

 

ひったくりは飛んできた小石を拳で弾き飛ばした

義経の鞄狙いだけあって普通の奴じゃないと思ったが

 

 

「さて、どうするか「待て太一」ん?」

 

 

急に兄貴が話しかける

 

 

「お前だけ追っても良いが、それじゃダメだ」

 

 

そしてら兄貴が歩き出す

そこには合流した与一が、弓を構えていた

 

 

七大地獄へ(ワールド・)「オイ与一」あぁ?」

 

 

与一が弓を引くのをやめる

そして兄貴は

 

 

「あのひったくり、俺達によこせ」

 

 

 

 

 

 

 

 

狂助side

 

 

「よこせって、あのバイクもう豆粒みたいに小さいぞ」

 

 

大和がそういうと全員頷いていた

 

 

「No Problem.俺達には関係なしだ」

 

 

そう言って俺はポケットからコイン取り出す

すると太一が俺の隣に立つ

 

 

「ルールはひったくりを先に捕まえたら勝ち。スタートはコインが落ちた時だ」

 

 

「OK」

 

 

俺はコインを親指で上に弾く

コインの弾く音と共に宙を舞い、地面に向かって落ちる

そして俺と太一は構え、コインが地面にすれすれになった瞬間

 

 

……キンッ

 

 

俺達は動き出した

太一はデビルブリンガーのヘルバウンドを使い加速する

俺はトリックスターになり、ダッシュからのダブルダッシュで追う

驚異的な速度でひったくりとの距離を縮める

 

 

「そろそろFinishだッ!」

 

 

俺はひったくりとの距離が五メートルまで縮まった瞬間

トリプルダッシュで一気に決めに掛かる

 

 

「お先!」

 

 

「What!?」

 

 

加速したのを見計らった太一が俺の肩を掴み

ヘルバウンドでさらに加速した

 

 

「Ha!」

 

 

「ごぁ!?」

 

 

Catch this(喰らえ)!!」

 

 

「うぐはぁあああああ!!」

 

 

太一がデビルバスターでバイクごとひったくりを掴む

そして地面に叩きつける。バイクは粉々に大破した

 

 

「俺の勝ちだな兄貴」

 

 

「しょうがない。今日の所は譲ってやる」

 

 

俺と太一は、こういった勝負は今に始まったことじゃない

中学の時にひったくりやら強盗を先に捕まえた方が飯を奢るという実にシンプルな事をやっていた

そして九鬼の従者達がひったくりを拘束する

 

 

「太一ありがとう。義経はおおいに感激した!」

 

 

「別にいいさ。眠気覚ましに良い運動になった」

 

 

そう言っているが素直に困ってる義経を放って置けないのが太一だ

コイツはこういう所がなぁ

 

 

「まずったな。弓のモーションを敵に見られた…」

 

 

そして中二バカが何かしら言ってるが無視するか

さて…今日のピザはどうするか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太一side

 

 

ひったくりの一件が無事に済んでいつも通りに学校へ向かった

一通りの授業が終わり昼休みに入っていた

 

 

「……Zz」

 

 

「………」 カチカチ

 

 

今は大和と一緒に屋上の貯水槽の上に居た

ここは大和とキャップだけが知っているまどろみの空間である

大和は寝転み、俺は座りながらブルーローズのマガジンを入れたり出したりしている

心地よい風を受けながら長居していると

 

 

「おっ、こんな所で昼寝をしている男のコと拳銃で遊んでる男のコをはっけーん」

 

 

「…ん?」

 

 

俺は急に声のする方へ向く

その声は聞き覚えのある声でもあった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだね太一君」

 

 

「あぁ…こうして話すのはな」

 

 

そう、後ろに居たのは松永燕だった



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。