自分が東方キャラになったら (カブタロウ)
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○○の日常

はい。生存報告代わりの投稿です。
もう一つの方の作品は活動報告どうりに3月にあげますのでどうかこの小説で我慢して下さいm(_ _)m



私の名前は○○。人里に住む妖獣だ。ちなみに狼だ。

身長は…138cm。

……え?スリーサイズだって?教えてほしい?

別にいいけどさ…

あー、バストが64で、ヒップが73、ウエストが53。

…あ?今、私のこと『ロリ』って言った奴。出てこい。テメェの身体を食い千切ってやる。

お前らの業界ではご褒美なんだろ?

こう見えても私は執念深いんだよ。

 

…さて、自己紹介はこれくらいにして、今日も姉貴に挨拶にいくか。

まだ朝早く、人気の無い人里を水色の髪をたなびかせて歩く。

日は上がりきっておらず周囲は薄暗い。

手には自家菜園で作った採れたての野菜、果物を持って、目的地は『迷いの竹林』。

ああ?『姉貴』が誰かだって?…いちいち聞いてんじゃねぇよ。もうちょいで分かるんだからじっとしてろ。

で、目的の竹林についた訳だが…。

 

『迷いの竹林』

そこには何時までも薄い霧が立ち込め、高く伸びた竹が此方を試すかの様に上から睨みつけてくる。

この竹は異常な速度で成長し、日々日々変化するため目印というものがない。

よってとても迷いやすく、運が悪ければ一生抜けられないと言われる。

……噂ではこの霧の上空には化け物がいるとか…。

 

「ハァ、しかし此処にはどうも慣れないな…」

 

と、愚痴を零しつつも姉貴はここで生活しているので入らなければ会えないのだが。

取り敢えず、地面の匂いを嗅ぎ始める。

姉貴の匂いを見つけるのだ。

 

「…あった」

 

その匂いを辿って竹林を歩く。

どんどんと匂いが強くなってくる。近づいてきた証拠だ。

そして一段と匂いが強くなる。

目の前に姉貴がいると確信して顔を上げた。

 

「…また来たの?貴方」

 

そこには呆れた顔をした姉貴…『今泉影狼』殿がいた。

 

「…姉貴!おはようございます!」

 

「ああ、もう、…おはよう」

 

「差し入れっス!どうぞ!」

 

持ってきた野菜、果物を差し出す。

 

「ありがとう…でも何度も言うけど何で私が姉貴なの?」

 

「姉貴はあの『博麗の巫女』に戦いを挑み、追い込んだではないですか!」

 

そう、ある異変が起こったとき、私は迷いの竹林にいた。

そして、見たのだ。姉貴が博麗の巫女に弾幕ごっこで勝負しているのを。

 

「でも、私は負けたのよ?」

 

苦笑を浮かべて私を見る姉貴。

 

「何をおっしゃるのです!あの『博麗の巫女』に善戦したのですよ!?」

 

あの怪物巫女に戦う前に瞬殺される仲間がいる中での『影狼』の姿は、まさに自分にとっての英雄だった。

 

「(悪い子じゃないんだけどなぁ…)」

 

影狼は心の中で呟く。

 

「うーん、でも私は何も教えることはないよ?」

「大丈夫です!私は姉貴の後ろを付いて行きます!」

 

「そ、そう…」

 

「ですが私もいつかは姉貴のように狼に変身したいです」

 

「だけどあの姿は結構毛が……いえ、何もないわ」

 

「?どうしました?」

 

「いずれ変身出来たら分かるわ….」

 

 

 

_____________________________________________________________________

 

 

 

 

姉貴に朝の挨拶を終え、人里へと戻る。

帰ってくる頃には日も上がり人里には早くも活気に溢れていた。

 

「おう!○○ちゃん!おはよう!」

 

「ああ、八百屋のおやっさんか。おはよう」

 

「○○じゃねぇか。おはよう」

 

「おう、大工のオヤジ。おはよう」

 

「○○ねぇちゃん!おはよー」

 

「向かいの娘か!おはよう」

 

実は私はある能力で人里ではちょっとした有名人だ。

どんな能力かって?それはな…

 

「おーい○○!来てくれー!アレ頼むわ」

 

…どうやら早速出番のようだ。

 

声をかけられた方へ向かうと、着物をきた青年が家からコッチコッチと手招きしている。

顔馴染みでもあるので別段緊張も無く家に立ち入り、言われるがままついて行くと、そこには

 

桶に汲まれた大量の水があった。

 

「コレをアレすればいいんだな?」

 

「そうだ。いけるか?」

 

「勿論だ」

 

桶の水に手をかざし、能力を発動する。

すると、一瞬にして

 

グツ、グツ、グツグツ

 

時間にしてみればほんの一秒もなかっただろう。

あっという間にお湯が沸いたのだ。

 

「おー!ありがとう!薪をきらせてて火が無かったんだ。助かったよ」

 

「ふふん、お安い御用だ」

 

そしてさっそうとその家をさっていった。

これで私の能力が分かっただろう?

…え?まだわからないって?…しょうがないな。

 

 

私の能力は

 

 

 

 

『一瞬にしてお湯を沸かす程度の能力』だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

…おい、そこのお前。『地味』だとか『弱っ!』って言っただろ。

これでも妖獣だ。妖獣の力をその身に刻んでやろう。四肢を噛み砕いてやる。

 

因みに私が沸かしたお湯は普通のお湯より冷めにくいんだぞ?

しかも発電にも使えてだな…

…まあ、言ってても仕方がない。今日は仕事があるからな。

まず、飯を食べてその後、仕事場である河童んとこに行くとしよう。

取り敢えず肉を買って帰ろう。(人肉じゃないよby作者)

……作者よ。私の回想に入ってくるんじゃない。

 

作者「え?…フゴッォ!」ピチューン☆彡

 

…フム、今日は肉を買わなくても良さそうだな。

 

 

 

 

____________________________________________________________

 

 

 

 

飯を食べ終え、河童の住処である『妖怪の山』へ向かう。

勿論歩きで、だ。

…空を飛ばないのか、と言われてもなぁ、飛べないから仕方ないだろ。あいつらとは違うんだから。

暫く歩くと川が見えてくる。この川を沿って歩いていけば…

 

「お!来たな○○!今日は頼むよ」

 

「ああ、勿論だとも」

 

この話し掛けて来た河童は『河城にとり』。

同じ髪色なので何かと親近感を覚えている。

 

「さあさあ、入って入って」

 

にとりのラボへと入る。

周囲の壁からは絶え間無く機械の駆動音が反響していた。

 

「こっちだよ」

 

ラボの奥へと進み、他の部屋とは違い随分こじんまりとした部屋へと通された。

その部屋の中央には大きな桶に並々と注がれた水とその上に組まれた謎の装置があった。

 

「あとは頼んだよ」

 

首肯を返し、桶の水に能力を使う。

…この量を沸騰させるには少々体力を使うようだ。

 

「…ハァ!」

 

グツグツグツグツ

 

「ふう、無事に沸いたよ」

 

「おーありがとう!」

 

因みに私は何をしたのかと言うとどうやら電気とやらを作っているらしい。

どうも私もよくわからないのだが。

なにやらタービンがどうとか熱エネルギーがどうとか何を言っているのやら。

こういう話は河童に丸投げするしかない。

 

「…ところで○○さ。この後時間ある?」

 

「なんだにとり?別に空いているが」

 

「ちょっと遊んでいこうよ」

 

そしてにとりはチラッとポケットから3D○を見せる。

 

「ふふ、その言葉を待っていたよ」

 

そして私もポケットから3○Sを取り出した。ーーーーーー

 

 

 

 

「今だヤド○ン!『とおせんぼう』!」

 

「なに!?」

 

「これで○○のポ○モンは交代出来ないよ?」

 

「しまった!」

 

「このポケモ○の名前は25ヤ○ラン!このままTOD勝ちだ!」

 

「この卑怯者め!」

 

「褒め言葉です(^◇^)」

 

まさに外道。ーーーーーーーーー

 

 

 

「あ!?リオレ○スそっちにいった!」

 

「任せろ。…くらえ属性解放切り!」

 

『ギャオオオオ』

 

「しまった!?にとり!後ろ!」

 

「え?」

 

『ドカーン』

 

『力尽きました』

 

『報酬金が3000z減りました』

 

「「…………………」」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「1、2、3、4、5…まーた借金だよ…」

 

「ふふ、さっきの○ケモンで害悪パなんて使ったからバチが当たったんだ」

 

「ちぇ、言ってな。今に大逆転してやる」

 

「ふん、どうだか…8か。1、2、3、4、5、6、7、8…えーなになに?『最下位の人と手持ちのお金を入れ替える』ぅ!?なにこれ!どんなマスなのよ!」

 

「わーい、わーい(^◇^)」

 

「また、にとりに負けた…orz」

 

 

 

 

 

「あ、もうこんな時間だ」

 

人○ゲームで意味のわからないマスに止まりにとり惨敗し、雪辱を晴らすべくス○ブラでボコッていたのだが、そろそろ帰らなければならない。

 

「○○もう帰るのか?」

 

「ああ、まだやる事があるからな」

 

「そうか…また来てね!」

 

「そうするよ。楽しかったよ。またな」

 

そうしてにとりのラボから人里の自分の家に帰った。

 

 

 

________________________________________________________

 

 

 

 

 

帰宅するとまず、家庭菜園の野菜、果物たちに水をあげる。

姉貴にあげるものなんだ、しっかり育てないと。

その後、保管してあった肉を喰らい、(何の肉か?…ご想像にお任せする)

布団を引いて床へと着く前に日記を記す。

日記は癖みたいなもので子供の頃からずっと続けている。

 

 

……おい、今私を『今も子供だろ』と思ったやついるだろ。後でシバく。覚えとけ。

 

そしてゆっくりと瞳を閉じていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




種族→妖獣(狼)
危険度→極低
能力→一瞬でお湯を沸かしす程度の能力
身長/体重/BWH→138cm/38kg/64/53/73
性格性質→執念深い
髪色→水色

これは作者の本名でやった結果です。
こんな感じで『メッセージ』で送って頂けたら嬉しいです。
…感想欄からでもいいですがネタバレになるのでm(_ _)m
どんどんご応募待ってます!
後、感想も待ってます。

…来るのかなぁ。


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仙人のペット

リハビリ代わりなのでガンガン行きますよー。

※前回と作風が全然違うので注意!


『妖怪の山』

幻想郷中にある山であり、遠くから見上げる霊峰は霞がかかって絶景である。

豊かな緑、潤沢な水、多種多様な動物が住み、一種の理想郷でもある。

そんな生活し易い場所には勿論妖怪も存在し、山頂には天狗の集落が在るだけでなく、最近できた博麗神社と対を成す守谷神社という神社がある。

他にも河童の住処や、地底への入り口など古今東西、千差万別の妖怪たちが跋扈する『魔境』とも言える場所でもある。

…その山の森深く、ある決まった道歩むことだけでたどり着く不思議な場所がある。

その場所は山が吹雪で白く染まっていようが、雷鳴が山を包んでいようが、景色が変わることはない。

多くの動物、幻獣が住んでおり、不思議な暖かさがある。

そこはある仙人の修行場だ。

 

『茨華扇』またの名を『茨木華扇』。

 

「おーい○○。居るかしらー」

 

華扇はペットのある妖獣を呼ぶ。

 

「にゃー」

 

鳴き声とともに猫が現れる。

その猫は黄土色の珍しい毛並みを持っていたが他に特筆すべきものは無い普通の猫だ。

 

「あら、居たのね。ちょっとお使いをお願いしてもいいかしら?」

 

「……承りました」

 

すると、猫は長身の美女へと変化していた。

艶やかな長い黄土色の髪に、ちょこんと猫耳が生えている。

切れ長の赤い瞳を持ち、灰色と黒のストライプの着物を纏っている。

 

「ーーっと、これらを お願いね」

 

華扇からお使いの紙を渡される。

それを受け取ると、その豊満な胸の中へとしまう。

 

「では」

 

として優雅な仕草で、華扇の修行場から下山していくのだった。

 

 

_________________________________________________________

 

 

 

妖怪の山の中腹まできただろうか。

その妖獣に変化が現れた。

長く艶やかな髪は段々と短くなり、あっちこっちにはねた癖毛になる。

猫耳がペタンと閉じたか閉じた思うと、替わりに二対の牛角が生えた。

 

「ふーーぅ。やっと戻れたぜ」

 

これはこの妖獣による能力である。

その名は

 

『気圧が下がると猫化する程度の能力』。

 

山を降り、気圧が上がったことによって本来の姿へと戻ったのだ。

そしてこの能力にはもう一つの特徴がある。

 

変化した妖獣は着物が動きにくいのか、袖をぐっと肩まで捲り上げ、紐を緩めて少しはだけさせる。

 

「んー、何だかちょっと気分がいいし、人里で遊ぼっかなー」

 

そんなことを呟いた時、その妖獣へ直接脳内に話しかける存在があった。

 

(ちゃんと華扇様のお使いを済まんだぞ)

 

「…へいへい、分かってますよっと」

 

その声に驚くこと無く、声に出して返す。

…これが何かと言うと、所謂『二重人格』というものであり、能力のもう一つの特徴である。

この二つの人格は記憶を共有しており、表に出ていないときでも頭で会話することができる。

 

『牛』の人格を持つ妖獣が裏の『猫』の妖獣へ話しかける。

 

「しっかし、面白いなぁ。あのお前がまるで『式』みたいに人の言う事聞くなんてなぁ」

 

(…………そうか?)

 

「私からして見れば、未だ違和感を感じるんだぜ?…何せお前はーーーー

 

 

 

妖獣は少し前、華扇と出会う頃に想いを馳せた。ーー

 

 

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あるすっかり晴れた夏の日。

村を少し離れた、近くの山の棚田で一人の村人が農作業をしていた。

 

「あっついのー……」

 

汗まみれになった額を手ぬぐいで拭く。

ふと、横の森の茂みをみた。特に理由は無かった。

するとそこにはえらいべっぴんなねぇちゃんがいた。

 

「ん!?」

 

幻覚かと思い、目をこすってもう一度見る。

しかし、以前変わらずねぇちゃんは存在しコッチコッチと手招きしている。

 

「おーい。そこのねぇちゃん!その森は危ねぇぞ!人食い妖怪が出るって噂だ!」

 

ねぇちゃんは返事をせず、ひたすら手招きしている。

不思議に思って近づいていくと、そのねぇちゃんは森に姿を隠した。

 

「あ!待てって!」

 

さっきまでねぇちゃんがいたところには着物の帯が落ちていた。

 

「え…これって」

 

帯が無ければ着物はずり落ちて、まともに着ることは出来ない。つまり……

思わず喉を鳴らした。

そして不用心にも森へと足を進めていく。

 

「……あれ?ここ、どこ、だ?」

 

いつしか森に迷ってしまう。

いつの間にか辺りは薄暗くなり、動物の声に一つ聞こえない。

ざわざわと葉が揺らめく。

何故か心臓が鳴り止まず、頭の中が身の危険を知らせる警鐘が鳴り続けた。

そんな時、あのねぇちゃんが現れた。

 

「あ!ねぇちゃん!おらを森の外まで案内して、くれ、ね、……」

 

そのねぇちゃんには猫耳が生え、こちらを見て舌舐めずりしていた。

 

「ふふ、残念だな。お前は一生を帰ることはできないよ」

 

「う、あ、うわぁあああああ!誰か!誰かぁ!」

 

「…無駄だよ。ふふふ」

 

「なな、南無阿弥陀南無阿弥陀南無阿弥陀……」

 

「己で逃げることを捨て、仏へと縋ったか。…ハッ、興醒めだ。もう少し楽しもうかと思ったがお終いだ。…頂こうとするか」

 

ジリジリと近づき長い爪をギラつかせる。

そして腕を振り上げ、命を狩ろうとしたときーーーー

 

『お待ちなさい』

 

『最近、多くの人を誘惑し襲う妖獣とは貴方の事ですね?』

 

 

______________________________________________________

 

 

 

「で、確かそのまま華扇にボコボコにされたんだよな」

 

(……そうだったな)

 

「私ぁ、何度も人を襲い過ぎるのを止めたよな?」

 

(…面目ない)

 

「クククッ…さて、昔話もこれくらいにしてサクッと済ませて遊びますかぁ」

 

(ハァ…ちゃんとやれよ?)

 

「ほーいほい」

 

(……わかってるのか?)

 

しばらく歩いて、もう少しで人里に着く、というところで茂みから声が聞こえる。

 

「………うー………へった……」

 

「ん?なんだ?」

 

ガサガサと茂みを分け、声の正体をみる。

 

「うあー、腹、減ったー」

 

…腹を空かせたルーミアが倒れていた。

 

「お?○○かー?腹減ったから何か食わせろー」

 

「お前か…まあ、いいぜ。ついてきな。団子でも食わせてやる」

 

しかし、ルーミアについて来る様子はない。

 

「お腹が減って歩けないのだー」

 

「お前なぁ…ハァ、しゃあない。ほら、背中貸してやるから」

 

「ありがとうなのだー」

 

ルーミアはピョコっと背中に乗り、おんぶをしてやる。

 

「みんな〜ついて来るのだー」

 

「は?」

 

『わーい、ありがとう○○!』

 

すると、更に奥から蟲の妖怪やら、氷の妖精やら、鳥やらがぞろぞろと出てきた。

 

「お、お前ら!?…図りやがったな?」

 

「なんのことかわからないのだー」

 

「ハァァァ……仕方ないなぁ」

 

(ふふ、お人好しだな?)

 

「ちっ、いってろ」

 

少し赤面しながら答えた。

そして、ルーミア(+その他諸々)を伴って人里に着いたのだった。

 

 

 

 

_______________________________________________________

 

 

 

 

「で、どうして博麗の巫女がここにいる?」

 

「別にいいじゃない。どこにいたって」

「そうゆう事じゃない……どーして私の金で団子食ってんだよ!?」

 

華扇のお使いを終え、腹減った腹減ったと煩い奴らに団子を食わせていると、知らぬ間に博麗の巫女が我が物顔で私の分の団子を食べていたのだ。

 

「煩いわねー。あいつらに食わせてやってたんだから私もいいじゃない」

 

「あのなぁ…」

 

「お!?なんかいっぱい集まってるな?…ふふふ、楽しそうじゃないか。私も食べるんだぜー!」

 

「お前は霧雨!ちょ、来んなって…」

 

私の皿の団子をやけに鮮やかな手つきで盗り、

 

「ハムッ。…うん、美味いんだぜ!」

 

「勝手に食ってんじゃねー!」

 

「そうよ、私の勝手に食べるんじゃないわよ」

 

「お前のものでもねぇよ!」

 

「おや、面白そうな事になってるじゃないか」

 

何処からともなく幼女体型の鬼が現れる。

 

「げぇ、萃香ぁ!?」

 

「おーい、みんな〜面白いことになってるぞー」

 

「あ!?萃香てめぇ、能力使って萃めやがったな!?」

 

「さあ?なんのことだか」

 

「あらあら〜私もお邪魔しようかしら?」「幽々子様ぁ〜お待ち下さい〜」「私も一つ下さいな。アムッ」「紫様!仕事から逃げないで下さい!」「お?人が集まってるねぇ。人を隠すなら人混みの中、サボるにはもってこいだ」「あら、咲夜。私達もあそこにお邪魔しようかしら」「はい。お嬢様」「あやややや!?こりゃあえらく人がいますねー。…スクープです!」「おや?何やら騒がしいですね…?私もお邪魔しちゃいましょう!」

 

ぞろぞろと人が集まり、一つの宴会の様になってしまった。

 

「あーもう!好きにしろぉぉーーー!」

 

(ふふふっ…アハハハハ!)

 

 

…その様子を上から大きな鳥に乗って見ている影があった。

 

「遅いから、心配してきて見れば…。プッ、仕方ないですね。助けに行きましょうか」

 

そしてその影はゆっくりと高度を下げていった。

 

 

_______________________________________________

 

 

 

「はー、疲れたぁー」

 

修行場への帰り道、くどくどと愚痴を零す。

 

(本当にお人好しだな)

「うるせぇよ」

 

口を尖らせて反論する。

 

「…と、そろそろだな。後は任せた。私は眠る」

 

すると体が変化し、最初の頃の猫耳に変わる。

 

「くくっ。お休み」

 

そして無事に華扇の元にたどり着き、華扇に「疲れたでしょう?もう休みなさい」と言われ、猫の姿に変わると適当な棚の上に登る。

 

「にゃー」

 

一声鳴くと、包まって眠りについていった。

 

「ふふ、お休み、○○」

 

華扇は毛を一回撫でると部屋の明かりを消し、床についた。

部屋は静寂と暗闇に包まれた。

 

「…にゃー」

 

 

 

 

 

 




今回はホワイト・ラム様から頂いたキャラです。

種族→妖獣(牛)
危険度→高
能力→気圧が下がると猫化する程度の能力
身長/体重/BWH→165cm/59kg/92/60/88
性格性質→お人好し
髪色→黄土


いやー難しいと思ったら案外筆が進みました。行き当たりばったりで書いたので違和感があるかもです。
どんどん応募待ってます!あと、感想も。


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紙芝居『人形の恋』

あああああああああああああああああ(発狂)
マジで黒歴史確定です。
急展開で、更に慣れていない恋愛の話なので読みづらいです…。
それでも良い方はどうぞ。
(オリキャラでます)


「紙芝居屋さん!なんか新しいお話やってー」

 

人里のとある一角では紙芝居が行われていた。

 

「ふふふ、しょうがないですね。いいですよ。では…」

 

紙芝居屋を名乗る人物は微笑みを浮かべ、新しい物語の準備をする。

そして口を開けて、その物語を紡ぎ出す。

 

「昔々、ある所にーーーー

 

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妖怪の山、その一角には人間は勿論妖怪さえもほぼ立ち入ることのない場所がある。

その場所は山の麓の下流域。

そこには数知れない数の雛人形があった。

そしてもう一つ特筆すべきは『人間でも視覚出来る程』溜まり込んだ厄。

それはここに住まう厄神による影響である。

名を『鍵山雛』。

厄を溜め込むことができ、厄そのものが力の源である。

だが、本人とって『力』でも他から見れば『害』でしかない。

その厄は何時しか集めていた雛人形を少しずつ蝕んでいった。

そして一人の妖怪が生まれる。

 

元が人形であったのが頷ける程美しい顔立ちに小麦色の髪。首にスカーフを巻いている。

更には豊満な体を持ち、あらゆる男が振り向くような容姿だった。

しかし、その容姿が日の目を見ることは未だ無かった。

何故なら生まれながらにある能力があったからだ。

 

『不幸をもたらす程度の能力』

 

この能力は自制する事が出来なかった。

鍵山雛の能力で『厄』として集めてもらうでしか制御することが出来なかった。

もし、雛から離れればたちまち周りが『不幸』に巻き込まれる。

山の猿に会えば、ぶら下がっている木の枝が折れ、

天狗に会えば、雷雨に襲われ怪我を負わせる。

 

少女は怖かった。何もしないでも相手を傷付ける、この能力が。

でも、憧れていることがあった。

それは『人里』。

人里で平和に暮らすことが夢だった。

しかし、叶わないことも承知だった。

だから、遠く山から眺めているだけだった。

 

 

「………ハァ」

 

○○は誰に聞かせるわけでもなくため息を漏らす。

ため息をすると幸せが逃げると言うが、私にとってそんなことは関係ないことだ。

「行きたいな、人里」

 

山の岩場から人里を見る。

最初は見るだけで我慢するつもりだった。でも日に日にその思いは募っていく。

どうしても行きたかった。

だから行動に移したのだった。

 

 

「雛さん!私の厄をとって下さい!」

 

自分の生まれた場所に住む鍵山雛にお願いをする。

 

「………分かったわ」

 

そう言うと雛は能力で○○の厄を集める。

そして一通り終わるとこう言った。

 

「私の能力で○○の厄をとったわ。だから貴方の能力は抑えられたでしょう。でもそれは一時的なもの。もって数日です。次第に能力が発動し始めます。そこからは貴方の選択です。そのまま人里に住むか、また私のもとへ戻るのか。…別に私のもとへいることを強要してきるのではありません。それを決めるのは貴方の決断です」

 

○○は一瞬顔を喜ばせたが、すぐに険しくなる。

 

「……分かりました」

 

「分かったならいいわ……楽しんできなさい」

 

「ッ…!…ありがとうございます!」

 

私は喜びのあまり山を駆け下りた。

 

 

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初めて人里に来た。

初めて人間をみた。

初めて団子を食べた。

初めて雛以外の人として喋った。

○○にとって初めての連続だった。

目を輝かせながら歩いているとある広場に踊りでた。

そこではある青年が子供達に物語を聞かせていた。それも紙に絵を描いた物と同時に進行して聞かせていた。

 

「昔々、お城にはある女の人が……」

 

題は『灰かぶり姫』というものだった。

あらすじはある使用人の灰かぶり姫が、魔法で城の食事会に行き、そこにいた城主と恋におちる。しかし、魔法は九つ時に切れてしまう。

それを恐れた灰かぶり姫は指輪を置いて逃げ帰ってしまう。後に城主がその持ち主を捜し灰かぶり姫と結婚する。という話だった。

 

私はとても憧れてしまった。女の子は一度は憧れてしまうのではないだろうか。証拠に物語を聞いていた子供達の女の子は黄色い声を上げている。

私はそのまま物語を聞かせた人を見つめていた。

そしてその男性と目があった。

 

 

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俺は悠介。人里に住む普通の男、と言いたいところだが、実は外来人だ。

しかも、能力を持っていた。(いや、幻想郷に来て初めて知ったんだけどな)

 

『感情を伝える程度の能力』

 

俺はこの能力を駆使して人里でちょっとした有名人だ。

これで外の童話とかをアレンジした話を聞かせれば登場人物の感情を伝えることができ、ダイレクトに物語を楽しむことができるのだ。

それで、今日も今日とて紙芝居を聞かせていたんだが、

今日は珍しいお客がいた。

童顏の整った顔立ちで、首にスカーフをまき、輝く小麦色の髪を肩から流している。

初めて見る顔だった。少なくとも常連さん(子供達)の親御さんではない。

だから、かな。とても気になったんだ。

紙芝居を終えた後、未だこちらを見つめるその人を見てみた。

目があった。

すると、その女の人は逃げていってしまった。

 

「あっ……」

 

何故だかわからないが自然とその背中を追ってしまっていた。

 

「お兄さん!そっちにボールが……」

 

小さくなっていく背中に手を伸ばし、

 

「待っ……イタっ」

 

後ろからボールが当たる。

 

「ッ〜……」

 

「ごめんなさい。にーちゃん。ちっと手ぇすべちまって」

 

ボールを投げた子供が近づいてくる。

 

「ああ、いいよ。今度は気をつけて遊べよ?」

 

元気な子供達を見て笑みを浮かべるが、ふっと気がつき追っていた女の人の方を見るが、その姿はなかった。

なんとなく喪失感を感じた。

 

「…話したかったな」

 

ふと、そんな言葉が溢れた。

……所謂、『一目惚れ』というやつなのだろう。初対面で相手のことを何も知らないのに仲良くなりたいと思った。

 

「また明日も来るかな」

 

そんな期待をした。

その夜は中々寝付けなかった。

 

 

 

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翌日。

紙芝居をしていると、件の女性が現れた。

内心、小躍りしそうだったが、堪えて紙芝居を続ける。

劇を終えると俺はすぐに女性へ近づいていった。

 

女性はすぐに逃げそうになる。

俺は思わずその腕を握ってしまった。

 

「………えっ」

 

女性は大きく口を開ける。

 

マズイ!叫ばれる!?このままじゃ俺、社会的に死んでしまう!どうしようどうしようどうする!?何をする!?

 

「いや、あの、ちょ、そのあのあの、えーあれでね?、そそそれでですねー」

 

慌てた俺の声を不思議に思ったのか、開いていた口を閉じてこちらを見る。

 

「あああのー、俺の紙芝居を見てましたよね?」

 

「紙芝居?…あ、あの話の仕方のことですね。見てました。とても面白かったですよ」

 

「ああ、ありがとうございます。例えばどどんな話が?」

 

何故だか緊張してしまい言葉が乱れる。

 

「そうですね。ーーー」

 

「そうですか。他にーーー」

 

「あらーーー」

 

 

 

話すうちに緊張がほぐれ、会話がはずむ。

女性も警戒を解いてくれたようだ。

…仕掛けるなら今かな。

 

「あのー、もうすぐ昼時ですし」

 

「ん?そうですが?」

 

コテンと首を傾げる。かわいい。…いや!そんなこと考えてる場合じゃない!

 

「い、一緒にお食事でもいかがでしゅか!」

 

………噛んだ。

 

 

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お食事処では二人の男女が談笑している。

 

「へー、紙芝居は初めてでいらしましたか」

 

「お恥ずかしながら…」

「いやいや!恥ずかしがることありません!」

 

名前は○○と言うそうだ。

どうやらこの女性は人里に来てすぐの人のようだ。…外来人の方かな?

 

「あ…もうこんな時間ですか…」

 

○○に言われてもう外が暮れてきていることに初めて気づいた。

楽しい時間とはすぐ過ぎ去ってしまうものだ。…名残惜しい。

○○もこの時間が名残惜しいかったという顔をしている…ような気がする。

 

「また、会えませんか?紙芝居のあとで」

 

ふと、口から飛び出した。

○○も驚いている。自分も驚いている。

 

「お、お願いします?」

 

○○はチグハグに返事を返す。

 

「ありがとうございます?」

 

『……プッ』

 

何だか可笑しくて二人で顔を合わせて笑った。

 

 

次の日もまた次の日も俺は○○とであった。

俺は楽しかったが、○○は日をおう度に不安気な表情を零すようになった。

そしてこの日は人里を二人で散歩している。空は快晴だ。

しかし○○はずっと張り詰めたような表情をして無理に笑っているように見えた。

 

「あのさ、○○。なんか不安そうだけどどうした?」

 

「いや、その……なんでもないです」

 

「ん……そうか」

 

ちょっと寂しかった。

 

「あ…そうだ。あの団子屋で少し休もうか」

 

「そうですね」

 

二人で団子屋の店先の椅子に座り、団子を一つ注文する。

○○はタレでスカーフが汚れるのを防ぐのかスカーフを脱ぎ、椅子へ置いた。

客が多いのか団子は中々こなかった。

 

『………………』

 

流れる沈黙。

…やっぱりいつもと違う。もっと生き生きしていたはずだ。

 

「なぁ…ーー

 

もう一度問おうとしたその時、手に冷たい感触がした。

 

雨だ。

いつの間にか暗雲が立ち込め、雲が唸っていた。

 

「あー、洗濯物干しっぱなしだ。ツいてないなぁ」

 

考えなしにつぶやいたのだが、○○は顔を白くした。

 

「ごめんなさい……」

 

○○は言った。

 

「ん?なにが?」

 

俺は何に対しての謝罪かわからなかった。

 

「実は私は、…妖怪なんです」

 

衝撃だった。

 

「そして、私は『不幸をもたらす程度の能力』を持ってるんです…」

 

ついていけなかった。

 

「ッ……!ごめんなさい!」

 

○○は駆け出していってしまった。

立ち上がり、追おうとしたが足が動かない。

未だ状況についていけなかった。

ただ、立ち惚けるだけだった。

また、椅子に座る。椅子は雨に濡れていた。

手を動かすと布の感触がした。

 

「これは……」

 

○○が、妖怪だとか、不幸がもたらすんだとか、まだよくわからない。

でも、今、追わなければ一生後悔する気がした。

俺は覚悟を決めて雨の中を走った。

 

 

 

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「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ………」

 

 

私は逃げている。

雨で体が濡れてしまったが関係はない。

 

楽しかった。

人里の生活は新しいの連続だった。

悠介と会うこともできた。

でも、切れてしまった。

 

嫌われたくなかった。

人里の人間に、悠介に。

でも、もっと人里に居たかった。

でも、嫌われるのはもっと怖かった。

 

だから、逃げた。

 

「あっ……」

 

ズテッ

 

「うううぅ」

 

転けてしまった。

何故か立ち上がれなかった。

 

「う、ヒクッ、うう」

 

涙が溢れた。

体に力が入らない。

 

「ーーーーーい!○○ーー!おーい!」

 

あの人の声が聞こえた。

思わず振り返った。

紛れもなく悠介だった。

 

「なん、で」

 

「ハアハア、さて、なんでだろうな」

 

「私は妖怪で」

 

「うん」

 

「不幸をもたらすんですよ?」

 

「うん」

 

「…嫌われたくないんです」

 

また、逃げようとする。

 

「待って」

 

咄嗟に腕を掴まれた。

 

「離してよ」

 

「嫌だな」

 

「もう、なんなんですか!」

 

手を握られた。

すると、悠介の感情が体に伝わってきた。

暖かい。

 

「…好きなんだよ。○○が。たったそれだけだ」

 

「…私は不幸をもたらします。それでも、それでも、ずっっっっっと一緒にいてくれるんですか!?」

 

叫び、だった。

 

「そうだ、なっと」

 

腕が布で包まれる感触がした。

悠介の腕と一緒にスカーフが巻かれていた。

 

「これで一緒、だろ?」

 

また、涙が出てきた。

思わず抱きついた。

 

「お、おい…」

 

「ずっと一緒だから良いんですよね?」

 

「…まあな」

 

悠介は頭を撫でながら呟く。

 

「なぁ、俺思うんだ」

 

「ん?」

 

「『不幸』っであることは実は『幸運』であることと一緒だってな」

 

「それに俺と会ったことは不幸なんかじゃないだろ?」

 

「……やっぱり、不幸です。だって私は、貴方無しじゃ生きられないんですからっ」

 

「…ハハッ、そりゃ不幸だ」

 

二人は笑った。

 

そして自然と顔を近づけあった。

未だ雨は降り続いてムードもへったくれもないが自分達にとってはこれ以上無い祝福だと思えた。

二人はゆっくりと唇を重ねたのだった。

 

 

 

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「ーーーおしまい」

 

紙芝居屋さんは終わりの言葉を言った。

 

「もうおしまいなのかー?もっと続きが知りたいぞ!」

 

「チ、チルノちゃん!こういう話に続きなんて求めちゃだめだよ」

 

「そーなのかー」

 

「ルーミアちゃんはそれを言いたいだけでしょ…」

 

「そーなのだー」

 

「ふふっ」

 

紙芝居屋さんの女性は小麦色の髪を揺らす。

 

「おーい○○!帰るぞー」

 

「はい!悠介さん!…じゃあ今日はおしまいね」

 

『バイバイ!』

 

「またね」

 

荷物を纏めると、彼のもとへ向かう。

 

「今日も○○は人気ものだな?」

 

「ふふっそうですね。嬉しいです」

 

二人は手を繋ぐ。その手首にはボロボロのスカーフが巻かれていた。

 

「あっーボールが」

 

飛んできたボールが悠介の頭に当たり、悠介の頭が○○の頭に当たる。

 

『イテッ』

 




今回は『神薙之尊』さんから
種族→人形
危険度→極低
能力→不幸をもたらす程度の能力
身長/体重/BHW→169cm/61kg/88/62/89
性格性質→甘えたがり
髪色→小麦色

いやー駄文でしたね(汗
慣れないことするもんじゃない。
しかも長いし。
ここまで読んでくれた人は猛者ですね。本当にありがとうございます。
応募、感想待っています。


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