ただの甘い話になれば良い。エクシリア高校 (桜咲梨闇)
しおりを挟む

プロローグ&人物紹介(四人)

とある世界のとある町

 

ここに顔や背がほとんど瓜二つの娘がいます。

 

その二人の娘は片方は別に瓜二つでもなんとも思ってなく…

 

もう一人はもう片方と比べられるのを嫌がっていました。

 

名前も一緒、声も一緒、背も姿も……

 

 

違うのは性格と……アホ毛が有るか無いか

 

そんな二人には仲のいい男の子が一人ずついました。

 

医者を夢見る男の子……料理人を夢見る男の子……

 

 

これはそんな四人の男女の物語……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

 

ミラ・マクスウェル

この物語のヒロイン。

燃費が悪く他人が考えないようなことを平気でする事もある問題児

しかし優しい性格で他の一般生徒からの人気が高い

 

エクシリア高校の生徒会会長

 

 

 

ジュード・マティス

医者を目指す真っ直ぐな好青年

ミラとは高校に入ってからの付き合いだが危なっかしい彼女のブレーキ役兼お母さん?

たまに探偵並の洞察力を発揮する

 

生徒会副会長

 

 

ミラ・クルスニク(分子ミラ)

ツンデレ

ミラ・マクスウェルにとても良く似た女の子

他の生徒からの人気も高いが……ちょっと冷たいためマクスウェルには負ける

人気では負けても良いがそれ以外で負けるのは嫌らしい……

近所に住むルドガーの事が

「べ、別に好きじゃ……無いんだから……」

とのこと

 

 

料理部副部長

 

 

ルドガー・ウィル・クルスニク

料理人を夢見る男の子

ミラ・クルスニクの事が好き

無口の時もあれば良く喋る事もある。

一番キャラ崩壊しそう……

良く家に遊びにくる幼女の世話が忙しい。

バイトをしていてお金を貯めている

本人曰く

「いつ、どんなときに借金を背負うか分からないから」

 

らしい

 

 

料理部部長

 

 

 

とりあえず主要キャラの四人でした

 

作者はルドミラが好きなので必然的にこちらの二人の話が多くなると思います。

あと書くの遅いです

 

 

 




感想やこんなシチュエーションが良いなぁ、と言うのが合ったら教えてください
ピンと来たら書きます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話(ミラ)

書き方が安定しない……


side:少女

 

朝日が窓から差し込み始める時間一人の少女が目を覚ます……

 

窓から差し込む光が少女の髪に当たり金髪の髪を目立たせる

 

少女はゆっくりとした動作で寝間着を脱ぎ、制服に着替え始め身なりを整える

 

着替えが終わり髪に櫛を通し全ての準備が整うと早朝にも関わらず自宅を出て小走りで何処かに向かっていく

 

ある程度移動するとマンションの前で立ち止まり…

 

「今日は起きているんでしょうね」

 

そう呟きマンションの中に入りエレベーターに乗り三階を目指す

 

エレベーターが止まり目的の部屋の前まで移動すると静かに扉を開け中に入っていく

すると猫が出てきて

 

 

___ナァー

 

「おはよ、ルル」

 

その猫___ルルに挨拶を返しそのままリビングに行く

 

リビングにつくとコーヒーの香りが漂っておりメガネを掛けた長身の男性がテーブルについていた

 

「おはようミラ」

「おはようユリウス……」

 

 

少女___ミラは少し辺りをキョロキョロして何かを探しているとユリウスが

 

「ルドガーならまだ起きていないぞ」

 

「べ、別にルドガーを探していた訳じゃ……」

 

図星を付かれて恥ずかしいのか語尾がどんどん小さくなっていく

 

「そうか…まぁならルドガーを起こしてくるとしよう。待っていてくれ。」

「待って…別にユリウスが行かなくても……私が…」

 

「エルが起こす!」

 

急にリビングに幼女が現れた

 

「ルドガーはエルが起こすの!!」

 

「やぁ、おはようエル。良くこんな朝早く来れたね。」

 

ユリウスが大人の対応(スルー)をするとそのままルドガーの部屋に入っていく

 

 

「やっぱりユリウスって……苦手だわ。」

 

「メガネのおじさん空気読んでないね。」

 

そんなこんなで今日も1日が始まる

 

 

 




基本的に一話一話短いです

文字数五百ぐらいを目安に頑張って行きます

何かシチュエーションのリクエストが合ったら教えてください


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話

ルドミラにならない(T-T)


Side:ルドガー

 

 

これは夢……?

 

俺がまだ小さい頃の話だ___

 

 

 

「ねぇねぇルドガー公園いこうよ!!」

 

「……いやだ」

 

小さい頃の俺は無愛想で人見知りをする奴だった

 

そのせいか友達と呼べる人もいなかったし、世界には俺と兄さんだけ、それが当たり前だと思っていた

 

でも___そんな俺にいつも声をかけてくれる一人の少女がいた

 

彼女はいつも綺麗な瞳で、それを見ているこちらが吸い込まれそうなぐらいだ

 

家の前にある公園のブランコに座って空を見上げていると、いつも彼女は声をかけてくれる

 

「一緒に遊ぼうよ。一人じゃ詰まんないでしょ?」

 

 

金色の髪を風がなびかせ、その髪を押さえつける仕草が妙に人を惹き付ける

 

「詰まんなくないよ」

 

「良いからほら、押すわよ」

「ウワァ!!」

 

おもいっきり力を込めてブランコを押し始め

 

「ほらルドガー、男の子なんだからそんな声あげない」

「そ、そんなこと言っても……」

 

俺が怖がりなのを知っているのにいつもそうやって構ってきた

 

「スピードアーップ!!」

「もうやめてよぉー」

 

 

___だけど…

 

 

__俺はそんな彼女に……

 

 

___いつの間にか……

 

 

「また遊ぼうね」

「う、うん」

 

惹かれていたんだ

 

 

 

「___ド__き_」

 

ん?

 

 

「おい__きろ」

 

 

誰?

 

「おいルドガー朝だぞ。もう起きろ」

 

兄さんか…

 

俺はベッドからおりて

 

「おはよう兄さん」

 

「おはようルドガー。もうミラが来てるぞ」

「エッホントに!?」

 

「あぁ、ちなみにエルもな。お前が一番遅い」

 

そういわれ時計に目をやるとまだ短針が6の数字を少し過ぎたところだった

 

「いや、あの二人が早すぎなんだよ。まだあと30分は寝れる」

 

「いいから起きてこい。今日はお前が朝食作るんだろ?」

 

「分かった、着替えたら行くよ。」

 

「俺が着替えを手伝ってやろうか?」

 

少し笑いながらユリウスがそういってきたが

 

「子どもじゃあるまいし、着替えぐらい一人でできる」

 

__それは残念

 

そう呟いてユリウスは部屋から出ていった

 

 

「ったく……どこまで本気なんだか……」

 

 

まぁ今日は夢見が良かったし…

朝食はトマトサンドイッチにするか

あ、でもエルがいるのか、まぁエルのだけ別のにすればいいから、

昨日の残りのスープも温めないと

 

でも……ミラがいるって言ってたしアイツなら勝手に台所入って暖めてるよな

 

 

さて、着替えも終わったし

 

 

今日も1日頑張りますか



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話(ミラ)

仕事の暇な時間で書いてます



ユリウスがルドガーを起こしにいってすぐに

 

「ねぇミラ、今日の朝ごはんなにかな?」

 

エルがそうやって聞いてくるので

 

「そうね、ちょっと待ってて」

 

私は勝手知ったるなんとやらの如くルドガーの家の冷蔵庫を開けてみる

 

「パン一斤にハムが少々……卵1パックにレタスが半分……あとはトマトね」

 

コンロのうえに鍋があったのでそれも確認する

 

「そして特製スープね。」

 

この残りの量を見る限り朝食のことを考えて作ったことは明白だ

 

「多分今日の朝食はスープとエルには卵サンドじゃないかしら?」

 

そうエルに伝えながらスープを暖めるため鍋に火をかける

 

「スープ!?エル、ルドガーのスープ好きだよ♪」

「ハイハイ分かってるから……座って待ってなさい」

 

___はぁーい

 

それから私は野菜を切ったりパンを焼いたりしているとユリウスが戻ってきた

それから少しして

 

「おはようミラ、エル」

 

ようやくルドガーが起きてきた

 

 

「おはようルドガー。今日もエルより起きるの遅いね」

「そうだなっとミラ、代わるよ」

「別に良いわよ寝坊助さん」

 

__残り少しだし

 

「寝坊ってまだ早朝だぞ。学校行くにしても十分早いって」

 

そういって自然に私の横にたちながらスクランブルエッグを作り始める

 

二人で朝食の用意をしているとユリウスとエルの会話が少し聞こえてきた

 

「ねぇ、あの二人っていつになったら付き合うの?」

「さぁな?どちらにせよそう簡単にルドガーは嫁にはやらんが」

 

 

なっなんて会話してるのよ!!

しかもなんでルドガーのほうが嫁なのよ!?

普通逆でしょう

 

 

___でも……違和感ないかも……

料理も家事もルドガーのほうが上だし……

いつもエルの面倒みてる姿はお母さんみたいだし

 

 

__もしかして私って女としてルドガーに負けてる?

 

そんな考えに耽っていると

「兄さん、エル。ご飯できたよ」

 

いつの間にか朝食ができていた

 

___ルドガーにはあの会話が聞こえてないのかしら

 

 

 

それならそれで別に良いけど……

なんか釈然としないわね

ちょっとイライラするわ

 

 

まぁこの苛立ちはルドガーのサンドウィッチにマスタードを大量に塗ることで沈めるとして

 

 

残りのサンドウィッチも手早く作り私も席につく

 

 

「「「「いただきます」」」」

 

 

___か、辛い……

 

ルドガーのそんな声を聞いて私は優越感に浸った

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話

Side:ルドガー

 

 

何故かマスタードがたっぷり塗られたサンドウィッチを完食し、エル用の弁当も作り終え

今は登校中だ

 

「……今日は数学があるわね」

 

少し憂鬱そうにミラが呟いたのが聞こえた

 

「あれ?ミラって数学苦手だったっけ?」

「苦手な教科なんて無いわよ!!……ただ担当教師がね…」

 

「あぁ、アルヴィン先生ね」

 

 

__数学担当教師アルヴィン

 

女子男子両生徒から人気がある先生だ

気さくで分からないところも丁寧に教えてくれる

生徒を多少からかうところもあるがそれを含めて人気があるといっても良い

 

 

「いや、苦手じゃないの……ただあの人私をあの女と比べるから嫌なの」

 

確かにアルヴィンはミラとあの人を比べたりするが

 

「ちゃんとあの人もミラのことをちゃんと見てるさ」

 

たまにミラの心配をして

__アイツ一人になってないか?

 

などと俺に聞いてくる

 

そんな会話をしていると前の方からジュードがやって来た

 

「おはようミラさん、ルドガーも」

「「おはよう」」

 

ジュードがどこか疲れている様子だったので

「どうした?疲れてる様に見えるけど……」

 

そう尋ねると

「昨日生徒会の仕事でミラに無茶なスケジュールの仕事頼まれて……寝るのが遅かったんだ」

 

このジュードの言うミラはミラ・マクスウェルの方だ

うちの学校にはミラと呼ばれる女子が二人いて皆がいろいろな名前で呼んでいる

 

ジュードの場合ミラ(マクスウェル)、ミラさん(クルスニク)

エルだとアホ毛のお姉さん、ミラ

アルヴィンはミラ、ミラ姫

といった具合だ

 

アルヴィンのミラに対する呼び方は多少からかいが含まれているためミラ自身は嫌がっている

 

「あの女、そんな無茶な仕事をジュードに頼んだの?」

 

ちなみにミラはミラ・マクスウェルのことを一方的に嫌っている

 

本人曰く

__なんか見ててイライラするのよ

だそうだ

もう一方のミラの方に聞くと

__私は気にしないぞ、彼女と私は別人だからな

と大人の対応をしている

 

「ちなみにどんな仕事だったんだ?」

 

「うん、それがね__」

 

 

ジュードが一枚の紙を取りだし

 

「これなんだけど…」

 

 

俺たちはそれを見てやっぱり彼女は突拍子も無いことが好きなんだと再認識させられた

 




お気に入り登録、感想を書いてくださり
ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編その1

久しぶりの更新です。

遅れてすいません


Side:ルドガー

 

テスト最終日で学校が午前中で終わりミラと二人で校内を歩いていると前からアルヴィン達が何かを話していた

 

「「アルヴィン昼食おごってよ(ください)!!」」

「だからなんで俺がレイアに奢らなくちゃいけないんだよ…」

「だってテスト終わったし今回は手ごたえ合ったんだ!!」

「エリーに勉強教わってたもんねレイアは・・・」

「ティポは黙ってようね~」

 

 

四人?の会話を聞いて

 

―――昼食か…偶にはどこかに食べに行くのもありだよな

 

思いったったが吉日さっそくルドガーは行動した

 

「なあミラ俺たちも昼どこかに食べに行かないか?」

するとミラはあまり乗り気じゃないのか

「別に昼ごはんぐらい食べに行かなくても作ってあげるわよ」

と別の案を出してくる

 

「いや、偶には何処かで外食でも…」

「お金が勿体ないわよ」

 

「おごるから」

「制服で行くのは校則違反よね。」

 

「着替えてから…」

「一度家に帰るのなら作るほうが良いわよね」

 

 

ルドガーの提案は悉く却下されていく

 

「わかったよ…」

 

――なんで外食嫌なのかな?

 

 

Side:ミラ

 

――ようやく諦めたみたいね。

私が何度断っても珍しく譲らなかったルドガーだったがついに諦めた

 

――今日じゃなきゃ良かったんだけど…

そう私は今日が午前中で終わるのをわかっていたため昨日の内に昼食の準備を済ませて来たのだ

 

それがいつも通りの昼食だったならば私もルドガーの誘いに乗っただろう

 

しかし昨日は今日の昼食をルドガーと二人で食べれると思いすごく頑張ってしまったのだ。

そのため豪華な昼食の準備が出来上がってしまった

 

これを残すのは勿体ないし、かといって晩御飯に持っていくには人数的に足りないのだ

 

 

「ルドガー今日の昼は楽しみにしてなさい。」

 

だから私は落ち込んでるルドガーにそう声をかけるのだった

 

 

 

Side:アルヴィン

 

――ったく、教師にたかるだなんて何考えてるんだこの二人…

 

レイアとエリーゼの相手をしていたアルヴィンはふと視線を横にずらすとミラとルドガーが目に入った

 

「ルドガー今日の昼は楽しみにしてなさい」

 

そんなミラの声が耳に届いたので俺は二人に声をかけたんだ

 

「おい、そこの二人なに面白そうな会話してんの?」

 

そうするとミラは露骨に嫌な顔をしてこちらを見てきた

しかしルドガーは対照的に明るい笑顔を向けてきた

 

「いや、四人が昼食の話をしてたのを聞いて、俺たちもどこかに食べに行こうって言ったんですが…」

「ルドガー!!話すことないじゃない!」

 

――ハハァン、ミラ姫様は何か準備してあるのかね…ここまで露骨に折角ルドガーの説得が上手くいってたのに…って顔してるよ

ん?なんでそんな考えが読めるのかって?

そりゃあ俺が一応教師って職業だからさ

教師ってさ生徒の顔見ただけで多少なりとも考えがわからないとやってけないのよ…

 

「それじゃ私達帰るから、先生も早くその子達連れて帰ったら」

 

ミラは俺が余計な事を言う前に会話を終わらせたいのかそう切り出してきた

 

――偶にはこいつの意思を尊重しますか…

 

「ハイハイ、姫の言うとおりに。ほらエリーゼ、レイアしょうがないから奢ってやるよ。ただし牛丼な。」

 

「やったー!!」

「えーなんでアルヴィンが決めるんですか?」

レイアは喜び、エリーゼは少し不服そうだ。

 

だが、俺が牛丼を選んだのには理由がある。

「給料日前だからだ」

 

そう今日は給料日の三日前

 

本当ならこの二人に奢るのはすごい財布にダメージを与える行為なのだが…

 

「アルヴィンくんはーきゅーりょーびまえー!無理してたり…」

「ここまで聞いといて聞くのもなんですが、私たちに奢って大丈夫ですか?」

 

ティポとエリーゼが聞いてくるが

 

「お前ら…いくら給料日前って言っても大人をなめるなよ」

 

「アルヴィン私大盛りね!!」

 

「レイア、お前は遠慮って言葉知ってるか?」

「気兼ねなく頼ること、それが仲間の証!!」

 

レイアが胸をはって言っているが

 

――まあ、この二人なら大丈夫だろ。

 

 

って思ってたのに

 

「ならば、私は特盛だな」

「僕は並盛で」

「私はパレンジ食べたいな」

「俺は…特盛だ」

 

 

ミラにジュードにミュゼにガイアス!?

 

「おーい、お前ら…何を言ってるんだ?」

 

「何、今日は生徒会の仕事がなくてなジュードと一緒に校内の見回りをしててな」

「そこでアルヴィン達を見かけたってわけ。」

 

ミラとジュードはそういうが

 

「そこから近づいたら食事にいくと聞こえてな。」

「ご相伴に与ろうと…ミラが」

 

「なるほど、ミラの意見に逆らえないジュードの意見はわかった。あんたらは?」

 

俺はガイアスとミュゼ、教師二人組に聞いた

「今日は会議がなくテストの採点も終わらした」

 

「だからガイアスと帰ろうかって歩きながら相談してたのよ。そしたら…」

 

「俺たちの会話が聞こえったてか?」

「「あぁ/えぇ」」

 

二人揃って頷いた

 

「お前らは同僚だろ?割り勘な。」

 

俺がそう呟くとレイアが、

「アルヴィン男らしくない~」

 

「うるさい、ほら行くぞ。じゃあなルドガー、ミラ姫」

 

 

 

そのまま全員で歩き出すと後ろから

――姫って言うな

って声が聞こえた

 

 

 

 

 

 

Side:ジュード

 

僕たちが校内を見回っているとアルヴィン達の声がした。

 

「何を話しているんだろう?」

 

会話の内容が気になってふと呟いてしまった

その声がミラに届いたのだろう

 

「フム、気になるなら近づいてみよう」

 

案外ミラも気になっていたのかそんな提案をしてきた

 

ていうかもう近づき始めている

 

「ちょっとミラ」

 

僕はあわててミラのことを追いかけ始める

 

会話がはっきりと聞こえてくる場所まで近づくと

 

 

「――しょうがないから奢ってやるよ。ただし牛丼な。」

 

その一言がミラの胃袋を刺激した

 

 

グゥー

 

そんな音が聞こえてきた

 

「……ミラ」

 

「フム空腹になってしまったようだ」

 

そんなっ…

 

「ちゃんと見回りを始める前にパン食べたでしょ!!」

 

「あぁ、二つ食べたぞ」

 

「まだあれから十五分しかたってないよ!!」

 

「しかしお腹がくぅくぅ空いたんだ。仕方ないだろ」

 

そんな会話をしていると後ろから

「まぁミラったらお腹でも空いたの?」

 

ミュゼとガイアスがやってきた

 

 

ちなみにミュゼは理科の教師、ガイアスは社会の教科を教えている教頭だったりする

 

「ミュゼか」

 

「もうそんな呼び方じゃなくてお姉ちゃんって呼んでよ。」

ぷぅ、という擬音が聞こえてくるように頬を膨らませた

 

――ほんとにこの人教師か?

 

僕はそんな疑問が頭をよぎったが無視した

 

「なぜマクスウェルは腹が空いているんだ?なにも食べていないならいざ知らず確か購買でパンを買っていたと思うが?」

「良く生徒のことを見てるな」

ミラがそう聞くと

「今日みたいに午前中で帰れる日に購買は混まないからな。利用する生徒が少ない日なら顔が見えるからな」

 

そんなことを当然だろう、と目で言ってきた

 

そんな会話をしてると

「アルヴィン私大盛りね!!」

 

レイアのそんな声が聞こえ

 

「ふむ、アルヴィンが奢るようだな。我々もご相伴しようか。」

 

「しよう!しよう!ほらジュードもミラもいくよ。」

 

 

そうやって連れて行かれた

 

 

その中でも僕が並盛を選んだのは最後の良心だったのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

行く途中にアルヴィンに聞いてみたのだが

 

「あそこにはルドガーとミラさんがいたけど誘わなくてよかったの?」

「あぁ、ミラ姫が露骨に誘うなって目で言ってきたからな。…きっと今頃二人でうまいもの食べてるさ」

 

 

 

 

Side:ルドガー

 

結局大所帯になってアルヴィン達は去って行った。

 

まさかガイアス達が増えるとは思わなかったが…

まぁしかし生徒会長が入ってきたから俺たちは行かなくて良かったかもしれない…

 

 

声かけられなかったけど………

 

そのことに少し落ち込んでいると

「さぁルドガー帰りましょ。昼食は私が作ってあげるから」

 

ミラから珍しく手が伸びてきたため俺はその手を取り帰ることにした

 

――我ながらこんなことで機嫌が直るとは…安いなぁ

 

 

 

END

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

ちなみに次の日学校に行くとアルヴィンがローエン校長に土下座をしているのが見えた

 

 

耳を傾けると

 

「――――給料の前借を…」

 

 

という言葉が聞こえてきた

 

それを聞いてミラは

 

「情けないわね…」

 

 

俺もああはなりたくないと思った

 

 

 

END

 




お気に入り登録ありがとうございます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編その2

「ねえルドガーお花見いこ!!」

寝ているルドガーを起こしに朝早くにルドガーの部屋に来て起こした後の第一声がそれだった

 

「……」

 

まだ頭が覚醒してないのか何も返事を返さないルドガー

 

「ねえってばお花見~!!」

 

体を揺さぶられようやく頭が起きてきたのか

「おはようエル」

 

「おはようルドガー!!お花見お花見」

 

 

 

Side:ルドガー

朝エルに起こされると朝の挨拶の代わりにこんな言葉が飛んできた

「ねえルドガーお花見いこ!!」

 

その一言にまだきちんと起きていない俺の頭は一時機能停止した

 

そんな俺を見てエルはまだちゃんと起きていないことに気付いたのか俺の体を揺さぶり始めた

 

「ねえってばお花見~!!」

 

頭が揺れることによって頭が冴えはじめようやく俺が出した第一声は

 

「おはようエル」

 

だった

 

 

 

Side:ミラ

 

今日はなぜかいつもより早く目が覚めた

折角の日曜日なのに早朝に目が覚めてしまった

 

(いつもの私なら日曜日は十時過ぎにしか起きないのに…)

 

しかも二度寝をしようと思ってもいい感じに頭が冴えてしまって眠れない

 

(しょうがないわね)

 

日曜日はいつもお昼からしかルドガーの家に行かないが今日は朝から行こう

 

そう思った私はパジャマを脱いで私服に着替える

着替えながらテレビをつけるとエルが見そうな戦隊物の特撮がやっていた

 

ちょうど怪人を倒し終えたところなのだろう。もう変身を解いてしめに入っていた

その場面では仲間のみんなで桜を見ている場面だった

 

「お花見か…」

 

知らずに口から独り言が出ていたが

 

―――そういえば最近お花見してないわね

 

子供のころはよくルドガーとお弁当を持って公園に行き遊ぶついでにお花見をしてたのに…

 

そしてテレビのチャンネルをニュースに変えると

「今日は全国的に晴れ。絶好のお洗濯日和となるでしょう」

と天気予報士のこえが聞こえた

 

(これは…神様がお花見に行けって言ってるのよね。)

 

そう思った私の行動は早かった

テレビを消し着替えを終え、財布と携帯を身に着け家の鍵を掛けすぐさまルドガーのいえに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インターホンも鳴らさずにルドガーの家に入ると玄関に見慣れた靴が一足あった

 

(エルも来てるのね)

 

リビングに行くと日曜日なのにもうルドガーが来ていた

 

大方エルに起こされたのだろう

 

まだ起きて時間がたっていないのか眠そうな顔をしながらキッチンに立っていたルドガーに声をかけた

 

 

「今日はお花見に行きましょうルドガー。アンタに拒否権ないけどね。」

 

するとルドガーはこちらに向き

 

「……ミラもか」

 

と言ってきた

 

「私もってなによ。ほかに誰かに言われたの?」

 

そういうとルドガーは視線をリビングにあるソファに向けた

私もそこに目を向けるとエルがニコニコ顔でこちらを見ていた

 

それだけで私はルドガーが言った言葉の意味が理解できた

 

「ミラおはよう!!あのね今日はルドガーとお花見に行くんだ。ミラも行くよね?」

 

「えぇ、私も今日はお花見に誘いに来たし…」

 

(まさかエルもアレをみて急に行きたくなったのかしら?)

だとしたら思考回路が同じくらいってことよね

 

「で、ミラも弁当作るの手伝ってくれるよな。」

ルドガーがそう声をかけてきたが

 

「なんで私が!?あなた一人でも十分じゃない」

 

「俺はミラが作った弁当が食いたいんだが…」

 

「いつも作ってあげてるじゃない。学校のある日に」

 

そういつも平日の弁当は私が作っている。ルドガーは朝早くに起きることができない人間なため人が起こしに行かないと遅刻ギリギリの時間に起きるのだ

そのため弁当を用意する時間もなくいつも私がつくっているのだ

 

 

「俺はミラと一緒に作りたいんだよ」

 

っんな…

 

今私の顔を見たら赤く染まっているだろう

 

「バッ…バカじゃないの!?」

 

あぁまったく…こんな一言で感情を揺さぶられるなんて…

 

こんな相手ルドガーだけなんだからね

 

 

 

Side:ルドガー

 

まったく珍しく日曜日にこんな時間に来るかと思えばエルとおなじことを言うなんて…

どうせミラもエルのはまっている戦隊物を見て思いついたんだろ?

 

まぁそこがかわいいって言ったらかわいいんだけど

 

まあこれ以上からかうのもかわいそうだしとっとと弁当作っちゃいますか

 

 

 

 

(ルドガートマト入れないでね)

(あ、私から揚げ食べたい)

(お前ら…リクエストするなら前日から言えよ…)

 

 

 

 

結局ルドガー一人で弁当を作って三人で花見に行きました

 

 

 

 

 

 




最近自分で何が書きたいのか分からないです


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。