【オーバーロード】食事処もふキッチン【二次創作】 (野神 汰月)
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お一人目 モモンガ様がご来店しました

本日のお客様は我等が愛しの超越者。骨っ子ことモモンガ様です。
いろいろつたないですが最後までお付き合いください☆

あとがき有り


「こんばんわ~(^□^)」

 

 ガラッという音と共に店の引き戸が開かれ、そこから異形種の男性PC(プレイヤーキャラ)が入ってくる。挨拶と同時にエモーションアイコンがぴこっと表示された。

 本日最初のお客はスケルトン系の異形種で、PCネームはモモンガ。彼はこの店『食事処もふキッチン』の常連の一人であった。

 

 「モンちゃんいらっしゃい(^-^)」

 

 そんな彼を迎えるのはもふキッチンの店主で亜人種、獣人種(ライカンスロープ)の狼族(ウルフリング)、もふキチである。

 

 ここで少し獣人種(ライカンスロープ)について説明しておこう。

 

 獣人種とはワーウルフやワーキャット、コボルトなどの所謂獣属性を持つ種族の上位種である。

 見た目的には二足歩行する獣といった感じで、全身毛皮で覆われ、獣の頭を持つ種である。

 先に述べたワーウルフやワーキャット、コボルト等もこれに近い容姿を持っていたり、種族レベルに応じて似たような形態を取れるようになるのだが、獣人種のそれはより人に近い形態になる。

 一番判り易いたとえでいうならば、髪の毛。

 先のワーウルフの容姿は完全に二足歩行する狼といった感じだが、獣人種になると髪の毛が追加される。

 他にも手足なども人間のものに近くなり、動作も人間に近い感覚で行える。

 ……まあ、利点でいうならその程度でしかないので種族レベルを割り食ってまで取ろうとするプレイヤーは滅多にいないのだが。

 

 話がそれたが、もふキチはそんな滅多に居ないプレイヤーの一人だ。

 

 「その、モンちゃんっていうのやめてもらえませんか?(^-^:)」

 

 入店直後に渾名で呼ばれたモモンガは、もふキチに抗議する。

 

 「なんで?可愛いじゃないか。モンちゃん」

 

 もふキチは気に入ったプレイヤーや常連たちには必ずといっていいほど渾名をつけていた。それは今ではこの店の名物(?)にもなっているのだが、どうやらモモンガはその渾名がお気に召さないらしい。

 

 「何度も言ってますけど、中の人は三十代後半のオッサンですよ?それなのにそんな可愛らしい渾名はちょっと……(´・ω・`)」

 

 「だが、断る!(`・ω・´)」

 

 「えぇ~……」

 

 もう何度繰り返したかわからないこのやり取りだが、今日も断られてがっくりと肩を落とす骨。

 

 うん、今日も平和である。

 

 「で、今日は料理(バフ)かい?それともお喋りかい?」

 

 フフフと笑み――表情は変わらないが……――を零しながらもふキチは尋ねた。

 もふキッチンは食事――実際に食べることはできない――を楽しむか、店主であるもふキチとのお喋りを楽しむ為に来店する客が多い。モモンガもよくお喋りに来るので今日はどちらなのだろうかともふキチは聞いたのである。

 

 「あ、今日は料理(バフ)でお願いします(^-^)」

 

 「はいよ。で、内容は?」

 

 「今日はギルドのメンバー数人と一緒にアームスヴァルトニル湖周辺の森にある上級ダンジョンに行くので――」

 

 そこまで聞くともふキチは皆まで言うなと手で言葉を遮り料理を始める。

 

 もふキチはこのYGGDRASILに置いては珍しく料理系の職業(クラス)を極めたPC(プレイヤーキャラ)である。

 そんな彼の作る料理で得られるバフの効果は大きく、それ目当てで来る客も多い。

 

 「それにしても、またなんでこっちのダンジョンに?いつもはニブルやムスペル辺りで狩りしてるでしょ」

 

 料理を作りながらふと疑問に思ったことを口にする。

 モモンガの所属するギルド、アインズ・ウール・ゴウン(AOG)は異形種のみで結成されているギルドだ。

 そんな彼らが多種多様な種族……主に異形種をPK対象としてみる人種族の割合が多いワールドにあるダンジョンに態々出向くのが不思議だった。

 

 異形種狩り……それはYGGDRASILに根強く浸透してる行為のひとつである。

 異形種は、その名の通り異形なものが多く、見た目がモンスターそのものであったり、グロテスクなものがほとんどだ。

 そんな彼ら彼女らをそのものズバリモンスターとしてPKする……所謂正義の味方ごっこをする人種族が多いのだ。

 無論モモンガも初心者の頃その被害にあいまくり、このゲームをやめようと思うところまで行ったのだが――。

 

 「まあ、この辺りにも異種族狩りするやつ等が出没するのは知ってるんですが、ギルメンの中にあそこのmobが落とすレアアイテムが欲しいっていう人が居ましてね……。で、それなら異種狩りに遭っても返り討ちにできるようにと多人数で行くことになりまして」

 

 「なるほどねぇ……まあ、ここの所被害にあったっていう異種族のPCの話は聞かないが、気をつけることだ」

 

 「はい、ありがとうございます(^-^)」

 

 そんな風に会話をしてるうちに料理は出来上がる。

 出来上がった料理をカウンター席に出すと、モモンガは席に着き「いただきまーす」と言って料理を食べ(る動作をし)た。

 一瞬で料理は消え去り、モモンガの視界に幾つものバフアイコンが表示される。

 継続時間は二時間……。破格のタイムである。

 

 「いっつも思うんですが、このゲームの中の料理が本当に食べられたらどんなにいいかと……もふキチさんの作る料理凄く美味しそうですし(´・ω・`)」

 

 「まあ……現実世界(リアル)じゃこんな料理喰えないからなぁ」

 

 22世紀現在、地球環境は悪化の一途をたどり、今では天然食材なんて高級品も高級品……一般人の口には入らないようになってしまっていた。

 

 「さて、バフも貰えたし……お会計お願いします」

 

 「はいよ。2000ユグドラシル金貨(YG)な」

 

 「何時もながら良心的なお値段で……はいこれ」

 

 システムコンソールを操作してモモンガは支払いをする。

 金額を確かめ、OKボタンをクリックするもふキチは

 

 「道楽でやってる店だし、客と楽しく話ができれば本当はそれを代金にしたいくらいなんだがね」

 

 と、苦笑交じりに応えた。

 

 「それじゃあ行ってきます。帰りにまた寄らせてもらいますね」

 

 「ほいほい。土産話楽しみにまっとるよ(^▽^)」

 

 はーいと返事をしながら、モモンガは店の暖簾を潜って出て行く。

 しかしながらとモモンガは思う。

 もふキチの事がたまにお年を召して定年退職したお爺さんのように思える事が間々ある。

 自分を含め、自分の所属するギルドのギルメンを見る目がまさにそれっぽいし、時々言葉遣いがお年寄りのソレになる事もある。

 

 (……いや、まさかね)

 

 お年寄りがゲーム……しかもこんな殺伐としたものをやるとは思えない。

 自分の思考を二、三度頭を振る事によって追い出し、ギルドメンバーたちとの待ち合わせ場所に向かうべく飛行(フライ)の魔法使い飛び立った。

 

 





 と、いうことで、最近ハマっているオーバーロードの二次創作……『食事処もふキッチン』シリーズ一回目!いかがだったでしょうか?

 こちらでははじめまして☆

 堕猫(だねこ)こと野神 汰月(のがみ たつき)です。ケモノスキーです。

 何番煎じか判らないオリ主をぶっこんでの二次創作です。

 でもケモノでオバロ二次とか誰もやってねぇだろ~……って思ってたら、いたよ。ハーメルンで人狼のオリ至高の御方でやってる人居たよ!くそう(笑

 さてさて、このもふキッチンシリーズですが、実は“前置き”です。このシリーズがある程度行くと“本編である異世界編”に突入します。

 ……とか言ってますけどこの堕猫、いっつも途中でエタるんですよねぇ。オリジナルなんて改稿がほぼ全て書き直しになり途中で精神力尽きて放置状態になってるし。

 でも、何とか最後までやりとおしたいなぁって思ってるのでお付き合いくだされば幸いです。

 んで、ですね?もふキチのデータをここに書いておきます。

 もふキチ 獣人種・狼族

 身長182cm
 体型は均整の取れた細マッチョ系をイメージ。
 体毛の色は白。
 髪の毛は青銀の長髪で首の後ろ辺りで一纏めにくくってる。
 店に居るときは割烹着。和風…純和風。
 趣味:料理、お喋り
 時々店閉めてどっかに言ってる模様。

 まあ、今のところはこんな感じかなぁ。後々色々と“明かしていく”(意味深

 では短い駄文でしたがお付き合いあざっす!また次回お会いしましょう☆


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 お二人目 ウルベルト・アレイン・オードル様がご来店しました

今回は厨二病(笑)の悪の大魔術師さまがご来店です。
はじめに言っておきますが、汰月は彼のこと嫌いじゃないです。むしろ好きです。(でも設定とか知らないからほぼ捏造)


 休日の夜、プレイヤーのログイン率が一番高くなる時間帯に、もふキチの運営するプレイヤーショップ『食事処もふキッチン』に今日も客が脚を運んだ。

 

 「こんばんわ。開いてますか?」

 

 表に暖簾がかけられ、入り口の引き戸が開くということは開いているということなのだが、儀礼的にその客は入店しながら店主に尋ねる。

 

 その客は羊の頭を持つ悪魔で、自称悪の大魔術師。名前をウルベルト・アレイン・オードルと言った。

 

 「いらっしゃいベルトさん(^▽^)」

 

 もふキチは何時ものように割烹着に身を包み、カウンターの向こうからエモアイコンをぴこっと表示させながら応えた。

 

 「もふキチさん。そのなんか仮面ラ○ダーに出てきそうな渾名はやめてくださいませんか?(^-^;」

 

 <ヒトッパシリツキアエヨ!

 

 「いいじゃないか、変身ヒーローの相棒的で。何が気に入らないんだか」

 

 「……たっちの野郎が思い浮かぶから嫌なんだよ」

 

 もふキチの疑問に先ほどとは打って変わり、ガラの悪い口調でウルベルトはそう言った。この口調が実はウルベルトの素である事をもふキチは知っている。

 普段はきちんと丁寧語で話す彼だが、とある人物の事となると急に不機嫌となり口調が崩れるのだ……。

 

 「おまえさんとたっちぃは本当に仲が悪いなぁ」

 

 実はこのウルベルト氏は先日来店したモモンガの所属するAOGのギルメンの一人。そんな彼は同じギルメンのたっち・みーと言う聖騎士と仲があまりよろしくない模様。

 もふキチはいつも「何故なんだろう?」と疑問に思っていた。

 

 ちなみに件のたっち・みー氏は仮面ライ○ーが大好きだそうで、それを連想される渾名を彼は嫌ったようだ。

 

 「ん~……それじゃあ、ウルルンっていうのはどう?」

 

 ならばと以前渾名をつけようと考えていた候補の中の一つを提示してみる。

 

 「ぇ、なんですかその月刊少女漫画雑誌みたいなのは……」

 

 それは遥か昔から現在に至るまで発行され続けてるとある月刊少女漫画雑誌の誌名そのまんまであったので、ウルベルトは若干苦笑気味に応えた。

 ソレに対しもふキチは「かわいいだろ?」とドヤ顔(表情は変化しないが)である。

 

 「もふキチさんのネーミングセンスが斜め上過ぎる件について……というか私は一応悪の大魔術師っていう体でRP(ロールプレイ)してるんですよ?さすがに可愛いのはちょっと(^^;;)

 

 「(そういえばこやつ厨二病じゃったか……)」

 

 心の中で以前からの言動で彼が中学二年生――実年齢の事ではなく……――だったのを思い出したもふキチはやはり同じく別候補であげていた渾名を切り出す。

 

 「じゃあ、る~べ~でどうだ」

 

 「ぉ、なんか左手に鬼の手とか封印してそうな感じでかっこいいかも」

 

 それにウルベルトの中の中学二年生が反応する。が、しかし

 

 「でもやっぱ何故かたっちが思い浮かぶから却下で!」

 

 「なん……だ……と……」

 

 個人的には自信のあった候補の一つを拒否されて愕然とするもふキチ。(※元ネタとなった地○先生ぬ~○~の○~べ~の中の人はたっち・みーの中の人と同じです)

 

 「ええい……ならお前さんはもうダンスさんだ!」

 

 「いや、踊るじゃなくてオードルだから!!」

 

 ヤケクソ気味になったもふキチはラストネームから捻って(?)適当に渾名をつける。が、これも却下されてしまう。

 

 「まったく、厨二病のくせにあれこれと……」

 

 「安心しろ、自覚はある(`・ω・´)キリッ」

 

 「あ、厨二病じゃなくてどこぞのホスト風万年二位のかたでしたかスミマセン」

 

 「ちょ……私『未元物質』じゃありませんから!」

 

 なんだこのネタの応酬は……段々カオスな会話になって来たので渾名の事は一先ず置いておき、もふキチは目の前の客のご用向きを伺う。

 

 「それで、今日は食事(バフ)かい?このままお喋りかい?」

 

 「あ~、特にバフ目当てって言うわけじゃないんです。ちょっと……まあ、なんというか時間つぶしみたいな感じで……」

 

 用件を聞くと急にしどろもどろになるウルベルト。何だろう……と思考を働かせピンとくる。

 

 「お前さん、またナザリックでたっちぃとやらかして他のギルドメンバーに迷惑かけて逃げてきたな?」

 

 「うっ……」

 

 どうやら図星のようである。

 

 ナザリックというのはギルド、アインズ・ウール・ゴウンのギルド拠点で正式名はナザリック大地下墳墓。以前は攻略ダンジョンであったところをAOGが占拠し、本来六層構造だったのを改築し全十階層にいたる巨大な拠点へとしたユグソラシルでは有名な場所である。

 

 「はぁ……まあいい。ところで厨二病なお前さんにちょうどいいものがあるぞ」

 

 そう言ってもふキチは徐になにかを作り始める。料理ではなく飲み物のようだ。

 

 「最近開発した新レシピでな、誰かに試してもらおうと思ってたんだ」

 

 「へぇ……」

 

 もふキチは背の高いシャンパングラスに数種類の液体……恐らく酒類を注ぎ、マドラーでステアする。

 

 それは宝石のように輝く紅い色をしていた。

 

 「ほい、お待ちどうさん。名前は『赫の瞳(ルビーアイ)』と名付けた」

 

 そのカクテル(?)の名前を聞き、ウルベルトの中の中学二年生が再度はしゃぎだす。

 

 「おお!なんかどこぞの魔王みたいな名前ですね!!」

 

 嬉々としてグラスを受け取るウルベルト。しかし彼はなんでこう古のネタが通じるのだろうか?実はオタクなんじゃ……ともふキチは疑い始めた。

 

 「えっと……なんだっけ?しゃ……しゃ……」

 

 記憶の中の魔王の名前を思い出そうと思考をめぐらすウルベルト。そして思い出したのか某古の有名なRPGで技を思いついたときのように電球のアイコンを光らせてこう言った。

 

 「そう、シャベルニクボウだ!」(※何もかも違います)

 

 と、ウルベルトが叫ぶように言ったその時、ものすごい音と共に店の入り口が開かれた。

 

 「私の悪口いうやつはどいつだぁぁぁぁぁぁぁ!?(`□´#)」

 

 激おこアイコンを光らせながら店に飛び込んできたのはピンク色の肉棒……ではなくスライムだった。

 そのスライムの言葉に対してもふキチはウルベルトの方を指差す。

 

 「貴様かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 「ちょっ……まっ―――!?」

 

 「問答無用!!!」

 

 「アッ―――???!!!」

 

 闖入者はウルベルトの言葉を無視しものすごい勢いで肉薄し、触手の様な腕を伸ばしラッシュを開始する。それはもう見事な拳撃だった。

 

 その攻撃に“ウルベルトのHPは見る見る減っていき”ゼロになる。

 

 「な……なんで“同士討ち”(フレンドリーファイア)解禁されて……グフッ」

 

 その言葉を最後にウルベルトは店内から消えた。恐らくセーブポイントであるナザリックへと“死に戻り”したのだろう。

 

 「You Win!」

 

 某格闘ゲームのようなスライムの見事なハメ技にもふキチは賞賛の声を送る。

 

 「十年早いんだよ!」

 

 あ、バーチャンなファイターの方でしたか。

 

 「茶ーちゃん、いらっしゃい」

 

 「あ、もふキチお兄ちゃんこんばんわ~(*^-^*)」

 

 もふキチに茶ーちゃんと呼ばれたピンクのスライムは可愛らしいロリボイスで挨拶をする。

 彼女の名前はぶくぶく茶釜。彼女もAOGのギルドメンバーの一人だ。

 

 「急にお邪魔してごめんなさい。とりあえず今日は帰るね?」

 

 どうやら何かを感じ取って急遽ここに来ただけのようだ。

 

 「はいよ、今度はゆっくり来ておくれ」

 

 「はぁ~い(*^-^*)」

 

 そう言ってぶくぶく茶釜は退転して行った。

 

 ――今日も平和(?)な食事処もふキッチンである。

 

 

 

 その後、デスペナルティを喰らいレベルダウンしてしまったウルベルトが必死に経験地稼ぎをするため最上級ダンジョンに篭ってMob狩りをする姿が目撃されたとか何とか……。

 




 と、言う事でお二人目のご来店は悪の大魔術師ウルベルトさんでした。

 ちなみに、何故同士討ちが解禁されていたのかと言うと、プレイヤーショップにはいくつか簡易権限が与えられており、ショップ内での揉め事を解決するために専用システムコンソールで解除する事が可能なのです!(モロ捏造)ということでひとつ、よろしくお願いします。

 あ、それと噂でワールドディザスターの職業はその職業を持つPCをPKする事でなれる……というのを聞いたんですが、もしそれが本当だったらプレイヤーショップ内ではその手の特殊ペナルティは発生しないと言う設定でご理解くださいますようお願いします。(だったらデスペナもなくしてやれよという突っ込みは却下で……何故なら、そのほうがかkk……いや面白いから!)

 ウルベルト回ということでいかがでしたでしょうか?なんか最後ににくb(殺気を感じてgkbr)ゲフンゲフン、美しい桃色スライムちゃんが乱入してきましたが……次回、彼女の回になります(タブン

 今回はネタをそこそこ入れられて満足の汰月ですが、ほんとどうでした?

 ネタの内容的には仮面ラ○ダードラ○ブ、とある魔術の禁書目録、ス○イヤーズ、ぬ~○~、バーチャ○ァイターなど取り入れてみました。君は幾つ判ったかな?

 それとネタと同時にいくつか伏線入れておきました。まあ、お気づきの方はもうお気づきでしょうが……これから色々もふキチについて明かされていく事でしょう。


 それではまた次回お会いしましょう。次回もこの番組に――コネクトオン!!(謎


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過去編 魔天狼 白狼と呼ばれたプレイヤー

 次回は茶釜さんだと言ったな?……あれは嘘だ

 スミマセン、本当ごめんなさい。茶釜さんのネタがあまり思いつかず、めっさ短い物になってしまうので後回しです(((
 今回はもふキチの過去話回になります。ほのぼのしない(と思われる)のでほのぼのを求めてる方はキングクリムゾン!この話は消し飛ぶ!!ってやってください。

 ※誤字の指摘を受け速攻修正しました


 彼はPKKer(PKをPKする者の事)だった。

 

 彼がこのYGGDRASILを始めて二年。その間にいろんなことを知った。

 その中でどうしても腹に据えかねるものがある。それが異形種狩りだった。

 人種の間で不文律となりつつある人間――妖精種であるエルフ等もここに含まれる――以外をMobと同じように狩る行為だ。

 異形のものはすべからくモンスターと一緒。だから狩る。

 全ての人種がその思想を持っていたわけではなかったが、その考えを持つものが大半であった。全体的な割合で言えば七、八割の人種プレイヤーが異形種狩りの類だ。

 

 彼がYGGDRASILを始めたのはサービス開始から一年ほどたった頃で、その頃にはもう異形種狩りは蔓延していた。初心者の頃に襲われた事もある。

 特に憤慨したのは正義を名乗る集団が異形種狩りをしている事だ。

 彼は語る。

 

 「正義とは力を持たぬものの事だ。蹂躙され略奪され搾取されるだけのものの事だ。力を振るう者はすべからく『悪』であり、正義とはその悪に手も足も出ないものの事をさす言葉だ。力を持つものが正義を名乗るな。名乗るなら悪党を名乗れ」

 

 「悪党には悪党の矜持がある。弱い者虐めしかできないやつは悪でも悪党でもない。ただのクズだ。そんなに弱い者虐めがしたけりゃ自分より弱いMobのPOPする狩場にでも篭ってろ」

 

 「俺は悪党ではあるが『正義の味方』でありたいんだ……。それは、ああいう弱い者虐めしかできないやつらから搾取され続ける、力はあるがまだ弱い彼ら彼女らを助ける者という意味でだ。決して正義を振りかざす者のことではない」

 

 「――まあ、けど結局は俺も弱い者虐めみたくなってしまうのだろうから、やつらと同じクズに分類されてしまうのかな?これじゃ二律背反だ」

 

 彼は決まって最後には苦笑した。

 

 しかし、そんな彼の思想に共感する者もいる。そんな中から数人のプレイヤーが彼の元に集い、いつしか小さな集団が出来上がっていた。

 

 それがPKK集団(クラン)『魔天狼』である。

 

 魔天狼は彼を中心とした六人のプレイヤーの集まりなのだが、基本はソロプレイ。何故なら彼がソロプレイヤーであり、あまり徒党を組みたがらないからである。

 何故一人に固執するのか。誰かが尋ねた際、彼はこう言った。

 

 「“昔から多くのMMO-RPGをプレイ”してきて、ソロが一番性に合ってるから……かな?別に人付き合いが苦手とか人見知りだとか言う事はない。それに、ソロの方が難易度上がってよりゲームを楽しめるじゃないか」

 

 彼の言葉に多くのプレイヤーが「あ、コイツ廃人の類だ」と思ったのは言うまでもない。

 

 そんな彼にいつしか二つ名が付けられていた。

 

 【優しく非情な白狼】

 

 それは彼の外装が純白の毛並みをもつ狼で、ある種のプレイヤーにしてみればとんでもなく優しく思え、ある種のプレイヤーにしてみれば非情で残忍という印象を与えていたためだった。

 

 彼は今日も虐げられる今はまだ弱者と呼べるプレイヤーたちに救いの手を差し伸べる。悪党として…・・・正義の味方であろうとして。

 

 そしてとある出会いがあり、しばらくの後――彼はクランを解散し、忽然と姿を消した。

 

 それはとあるイベントが開始早々クリアされ終わった翌週のことだった。

 




 ごめんなさい!何時もの約半分の代物になってしまいました・・・。

 今回はもふキチの過去のお話でした。いかがでしたでしょうかね?

 実はもふキチの思想は汰月の好きなとある作品に影響されたものです。なんの作品か判った人はこっそり言ってみて下さい。当たってたらきっと汰月は仲間がいたとはしゃぎまわります。犬のように!猫だけど!!

 さて……茶釜さんのネタ早く考えねば。感想お待ちしてます!


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 三人目 ぶくぶく茶釜様がご来店されました

 予告通りぶくぶく茶釜さんがご来店です。今回は下ネタを含みますのでご注意ください☆

 ※サブタイをそろえるため修正しました


 ウルベルトが来店し、その時ぶくぶく茶釜が乱入してより数日後・・・・・・。今度はゆっくりしに来てくれと言うもふキチの言葉通り茶釜は遊びにやってきた。

 

 「もふキチさん、ばんわーです☆」

 「いらっしゃい、茶ーちゃん(^-^)」

 

 ぷるぷると震える、形的には男性のアレのようなピンク色の肉塊――もとい、スライム種の茶釜はカウンター席にどうやってるのかは謎だが「よっこいしょ」という掛け声と共に座る。

 

 「先日は急に押しかけちゃってごめんなさい、もふキチお兄ちゃん(´・ω・`)」

 

 席に着くと開口一番でロリなアニメ声で茶釜は謝罪してきた。

 彼女は現実では売れっ子アニメ声優であり、幼い感じの声から大人な感じの声まで幅広く使い分けてくるので慣れていないと色々と大変である。

 

 「いや、まあ別にいいんだけどね。俺も調子乗って同士討ち(フレンドリーファイア)解除したし」

 「あ~、まさかダメージ入ってデスるとは思ってなかったから本気出しちゃって・・・・・・あの後ウルベルトさん必死になってデスペナでダウンしたレベル上げてた」

 

 その時謝罪代わりにレべリング手伝ったけどね~と苦笑気味に茶釜は言った。

 

 「ちなみに、なんであんな絶妙なタイミングで店に来たんだい?」

 

 妙にタイミングのいい時に乱入してきた茶釜に少し疑問を感じていたもふキチは、この際に聞いてみようと尋ねてみることにする。

 

 「う~ん・・・・・・なんていうか、囁いたのよ――私のゴーストが(`・ω・´)」

 

 え、何その全身サイボーグの女性の台詞。君公安九課の人だっけ?中の人違うよね?君の大先輩の台詞だよ?と中の人は思った。

 もふキチは返ってきたせの言葉に「そ、そうか・・・・・・」と苦笑気味に返したが。

 

 「そういえば茶ーちゃんの弟の鳥、昨日来て「また姉ちゃんがエロゲにでてた!!」って嘆いとったぞ?」

 

 話題を変えようと瞬時思考を巡らせて、そういえばと思い出した。

 彼女の弟、ユグドラシル内では鳥人(バードマン)のペロロンチーノというPCネームでプレイしている彼は、十八禁厳禁のこのゲームの中でエロを広言し、また生粋のエロゲーマーでもあった。

 そんな彼が先日来店した際に、新しく出た待望作のエロゲに自分の姉が声優として出演していたと嘆いていたのだ。

 ちょっとウザかったので少しばかり弄って遊んでやったのだが・・・・・・。

 

 「うちの愚弟がご迷惑をおかけして本当にごめんなさい(´・ω・`)――アイツ、後でヌッ殺す」

 「いやいや・・・・・・俺も弄って遊んだから別に構わんのだけど。――茶ーちゃん売れっ子で別段金に困ってるわけでもなかろ?何でまたソッチ方面まで手を出してるんだい?」

 

 そう、もふキチは今までずっと不思議に思っていた。

 かなりの売れっ子で仕事には困らず、金銭面でも安定しているであろう茶釜が何故そこ――色々名前を変えては十八禁のゲームなどに出演している――までして働こうとするのか。

 以前聞いた話では声優という仕事に昔から憧れており、その職に就けたことがとても嬉しいということは聞いていた。憧れの職に就けたのはすばらしい事だとは思うが、何故?どうして?という疑問が湧いたのだ。

 本来、リアルに関してゲーム内で尋ねることはマナー違反ではあるのだが、もふキチはついつい尋ねてしまった。

 

 「う~ん・・・・・・まあ、もふキチさんになら話してもいいかな?」

 

 数秒程考えてから、茶釜は語りだす。

 

 彼女ら姉弟は幼い頃に両親を亡くしていた。

 そんな二人を両親に代わり育ててくれたのは父方の祖父母だと言う。

 彼女らの祖父母は小さいながらも会社を経営するそこそこ裕福な家庭であり、昨今教育機関に子供を通わせるのに多大な資金が必要になるこのご時世に、二人ともを高校まで行かせてくれたらしい。

 茶釜は高校を卒業と同時に働きながら憧れだった声優を目指し成功。

 弟のペロロンチーノは卒業後内定を貰っていた某大型アニメショップの店員となった。

 二人を高校卒業まで面倒を見てくれた祖父母に何とか恩返しがしたいと考えた茶釜は、念願かなってなれた声優で稼ぎ、祖父母を温泉旅行にでも連れて行ってあげようと思い立った。

 

 「もうすぐお爺ちゃんとお婆ちゃん、喜寿を迎えるしちょうどいいかなって。でも今のご時世旅行に行こうとするととんでもないお金かかっちゃうでしょ?温泉なんてアーコロジー内にしかないし」

 

 環境汚染の問題で今地球上でもっとも安全な場所、それがアーコロジーだった。宇宙開発の一環で研究、開発の進んでいたコロニー用の技術を転用した『地上の楽園』とも呼ばれるそこは、上流階級の人間しか暮らせないような場所だった。

 そのアーコロジーに一般人が入るのにも色々とお金がかかる。

 事前審査に健康診断、入場パスを入手するのに大体一般人の給料一月分は吹っ飛ぶ。

 さらに温泉旅館に泊まろうとすれば、四人一組でウン十万もするだろう。

 

 「だからね、今はどんなお仕事でもやれることは全部やって稼がなきゃ・・・・・・愚弟は給料全部エロゲとかアニメグッズにつぎ込んでやがるし(#`Д´)」

 

 最後に『激おこ』アイコンを点灯させながら茶釜は語り終える。

 もふキチは・・・・・・感動していた。コレが現実世界で話していたのであれば、確実に涙を流していたであろう程に。

 

 「茶ーちゃんはええこじゃのう・・・・・・本当にええこじゃ」

 

 そしてキャラ作りを忘れて“素の喋り方”をしてしまう。

 

 「――そんな茶ーちゃんにはきっと近い内良い事があるよ。絶対(*´ω`*)」

 

 数瞬の間を置き、もふキチは茶釜の頭をもふもふした手で撫でた。

 

 「(*^-^*)」

 

 そのもふもふした感触に茶釜は笑顔のエモーションをぴこぴこと連打しながら受け入れた。

 

 

 * * *

 

 

 もふキッチン来店からしばらくした現実でのこと。

 

 ぶくぶく茶釜こと後藤 裕子(ごとう ひろこ)は一通の電子メールを受け取っていた。

 それはとある大手食品メーカーが行っていたキャンペーンの当選メールだった。内容はアーコロジー内にある超高級温泉二泊三日宿泊の旅である。それも家族四名一組の・・・・・・。

 しかし――裕子は喜ばず、まず疑問に思った。

 確かにこのメーカーの食品をよく利用している。このご時世、一般に口にできる食料は人工食料だ。その味はどれほど見繕っても美味しいとはいえない。が、このメーカーの出しているものは他のメーカーのものに比べると断然ましなのだ。確かに少し値は張るが、一般人でも手が出せる良心的な価格帯で出回っている。だからよく利用する事は利用している。

 けれど、こんなキャンペーンやっていただろうか?

 当選メールには自分の名前――無論本名だ――が入っている。でも自分はキャンペーンのことを知らなかったし、応募した覚えもない。

 そこで裕子はまずその当選メールに記載されていた相談用窓口に連絡を取った。何かの手違いではないか・・・・・・同姓同名の他人が当選したものが自分のところに間違ってきてしまったのではないか?そう思って――。

 だが、返ってきた答えは間違いなく自分、後藤 裕子が当選者であるというものだった。

 更に住所も年齢も電話番号も完璧だった。

 

 「私が忘れてるだけで応募したのかな?」

 

 確かに自分の稼ぎだけではどうしようもなく、また時間がなかったことから色々な懸賞に応募していた。その中でこのキャンペーンがあり、それに応募していたのかもしれない。

 裕子は次第にそう思えてきた。

 

 『そんな茶ーちゃんにはきっと近い内良い事があるよ。絶対』

 

 先日もふキチに言われた言葉が頭を過ぎる。

 

 「――まさか、ね?それにしてももふキチさんすごいなぁ。もしかして未来予知能力者だったりして・・・・・・んなわけないか」

 

 声優をやっててアニメや漫画などの内容に毒されてきたのだろうか。あまり弟のことを笑えないなぁと裕子は内心で自嘲した。

 なんにせよとりあえずこれで祖父母の喜寿にはお祝いと今までのお礼を兼ねた旅行をプレゼントできる。そう思って裕子は頭を切り替えた。

 

 

 * * *

 

 

 「もふキチおにーちゃん♪」

 

 当選メールが届いて数日後。茶釜は再びもふキッチンへと足を運んでいた。

 

 「茶ーちゃんいらっしゃい(^-^)」

 

 何時ものように笑顔のエモーションを表示しながら迎えてくれたもふキチに、茶釜はあるアイテムを手渡してきた。

 

 「今日はおにーちゃんに私からプレゼントだよ♪」

 

 それは、ぱっと見なんの変哲もない金属の棒だった。

 茶釜が言うにはそれはデジタル腕時計で、手首に当てると巻きつき時間が表示されるらしい。

 

 「その時計、表示されてる時間の所をタップすると声が出る仕掛けなんだけど、私の声を入れてあるの☆」

 「有名な声優さんの声が入ってるとは、レアものだなあ(*´ω`*)でもいいのかい?貰っちゃって」

 「うん、貰って貰って~☆あと、七時二十一分と十九時十九分のときに鳴らすと良い事があるよ。十九時十九分のほうは連打すると隠しボイスも聞けるから!――あ、でも絶対一人の時に聞いてね?私とのヤ・ク・ソ・クだょ☆」

 

 それだけ言うと茶釜はすぐに帰ってしまった。

 

 しかし、何故急にプレゼントを?まさかバレたか?

 いや、根回しはきちんとしたはずだし、ばれるような要素は・・・・・・無い、はずだ。

 

 「・・・・・・まあ、とりあえず茶ーちゃんが言ってた七時二十一分のボイス聞いてみるか」

 

 時計を装着し、時間を七時二十一分に合わせ、時間表示のところをタップする。

 

 『もふキチお兄ちゃん、(自主規制)の時間だよぉ~♪』

 

 甘ったるく欲情を誘うような色声が流れる。その声だけで普通の男は皆愚息が聳え立つ塔のようになるだろう。それほどの破壊力がそのボイスにはあった。

 

 「――――」

 

 もふキチは無言のまま今度は時間を十九時十九分にセットしてタップする。

 

 『イク、イクのぉぉぉぉぉぉぉっ!!』

 

 今度は時計がビクンビクンと二度振動するおまけつきだった。

 もふキチは更にその時間を連打する。

 

 『イイイイイイイイイイイ――らめぇぇぇぇっこわれちゃうよぉぉぉぉぉぉっ!!!』

 

 ビビビビビビビ――ビクンビクン。今度は連続で振動した後、大きく二回震えた。

 ――流石十八禁ゲームにまで出演する声優である。その声のクオリティは半端なかった。

 もふキチは無言のままその場でログアウトした。

 

 現実に戻ったもふキチは、年甲斐も無く滾ってしまい、もにょってしまったそうな・・・・・・。

 

 

 

 もにょった後のモードワイズマンなもふキチのコメント

 

 「最低だ、俺って・・・・・・」

 




 良い話だなぁで終わる訳が無かった。

 こんばんわ、汰月です。

 今回恐らく一番長いお話になりました。茶釜さんええ子やで、ほんまに(T△T)
 というか今回のコレ・・・・・・規制に引っかからないよね?大丈夫だよね?

 ということで今回ヤらかしてしまったわけですが・・・・・・いかがだったでしょうか?ペロロンさんと同類の方ならきっと受け入れてくれると信じている!信じたい!!信じ・・・・・・させて?

 茶釜さんの本名(捏造)、後藤 裕子に関してですが、まあアニメの茶釜さんの中の人まんまですね。ひろこって読みですけどゆうこにも読めますしコレ。他にいいの思いつかなかったんです。安直でごめんなさい!!!

 他の方の本名(捏造)もしてるんですが、今後出す事があるだろうか・・・・・・。いやあると思う。あって――欲しいなぁ(遠い目)

 ではまた次回お会いしましょう。See You Again. Byebye♪(某声優さんのラジオ番組風に)


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 四人目(実は三人目)ペロロンチーノ様がご来店しました

今回は実は三人目だったはずの例の鳥がご来店です。

 注意:本作の鳥の扱いが結構酷いです。ペロファンの方はブラウザバック推奨(^q^)



 (前回の)ぶくぶく茶釜が来店する前日・・・・・・この男が来店していた。

 

 「もふキチさぁぁぁぁぁぁん!!(T△T)」

 「カエレ!(`・ω・´)」

 「ひでぇ!?Σ(´Д`||」

 

 来店と同時に罵声を浴びせられたこの男――鳥人(バードマン)ペロロンチーノはショックを隠せないでいた。

 彼は十八禁厳禁のこのゲーム内でエロを広言しており、自他共に認めるエロゲーマー。そして購入する作品その殆ど全てに自分の姉である茶釜が出演しておりそのことについてよく泣き言を言いに来るのだ。そりゃカエレ!と言いたくもなるだろう。

 

 「何時も思うけど他のメンバーとの扱いの落差酷くないですか!?」

 「貴様のエロゲ談義に付き合っていられるほどこっちは暇じゃないんだ。どうせまた茶ーちゃんが新作エロゲに出てたとかで泣き言言いに来たんだろ・・・・・・」

 

 溜息ひとつついてもふキチはエロゲ脳な鳥を睨み付けた・・・・・・いやゲーム内では表情は変わらないのだが雰囲気的に睨んでいるのだろう。声も刺々しいものがある。

 

 だがしかし、鳥は諦めなかった。その為余計な一言を言ってしまう。

 

 「え~・・・・・・客居ないじゃないですか。どう見ても暇を持て余してるじゃないですか(´・ω・`)」

 

 その言葉に店内の空気がピキッと音を立てて凍りつく。

 

 「ほォ、貴様いい度胸だ。余程愉快なオブジェになりてェと見える――」

 「あ・・・・・・」

 

 ゴゴゴゴ・・・・・・という二十世紀から続く超ロングセラー作品のようにもふキチの背景に字が浮き出ているような感じがする。というか見える・・・・・・私には敵が見えるぞ!!

 

 「さァ、スクラップの時間だァァァァァァァッ!!」

 「ひッ、ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」

 

 某セロリ(笑)のような台詞を吐き、プレイヤーショップ専用のコンソールウィンドウを出し同士討ち解禁のボタンを押した。それと同時にショートカットキーに入れておいた装備一式を呼び出す。

 料理系の職種で埋め尽くされているはずの彼だが、何故か職業制限に引っかからず昔から愛用していた刀を抜き放つ。

 

 「た、タンマ!タンマ!!私が悪かったですゴメンナサイ!!許してぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 あまりにも本気なもふキチに、茶釜たちAOGの女性ギルドメンバーによって鍛え上げられたシステム外スキル『ジャンピング土下座』を発動させる。

 

 「ほォ、ジャンピング土下座たァやるじゃねェか・・・・・・」

 「ゆ、許してくださいますか?!」

 

 ぴたっと動きの止まったもふキチに安堵の色を浮かべるペロロンチーノ。しかし、彼の不幸はまだ終わっていない。

 

 「だが、許さねェ。大人しく料理の材料になりやがれ!!」

 「ふ、不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 その後しばらく店内では「ア――ッ!!」という声と悲鳴とよく聞き取れないテンションのあがった騒ぎ声が絶えず、そして攻撃音が響いたそうな・・・・・・。

 

 

 * * *

 

 何度かPKされては(ペロロンチーノが持っていた)課金アイテムによるデスペナ無しの復活を繰り返しされ、ようやく許されたペロロンチーノはカウンター席に突っ伏していた。

 

 「うぅ・・・・・・虎の子の課金アイテムが・・・・・・すっからかんに・・・・・・」

 「お前さんが俺を怒らせるのが悪い。俺は悪くねぇ」

 

 許しはしたが今だムスッとしたもふキチはそういいながら料理をしていた。

 最後のほうでペロロンチーノが何でもすると言ったので、ならば自分の作る料理を食べろという事で許したのだ。その為今現在料理をしているもふキチなのだが、これがまた最高な嫌がらせだった。

 

 「おら!できたぞ、喰え!!」

 「Σ(´Д`||Σ(´Д`||Σ(´Д`||Σ(´Д`||Σ(´Д`||」

 

 出された料理を見て、ぺロロンチーノは戦慄し、思わずショックアイコンを連打してしまう。

 

 出てきた料理は二品。どれも鶏肉料理なのである。

 しかもそれだけではなく、どれもが――

 

 「ローストチキンの“ペペロンチーノ”とチキンステーキ“オリーブオイルとニンニク鷹の爪”仕立てだ」

 「なにこの嫌がらせ!?共食いとか!――っていうか俺はペロロンチーノであってペペロンチーノじゃないんだけどっ!!」

 「ちなみにお残しは許しまへんで?」

 「どこの食堂のおばちゃん!?Σ(´Д`||」

 

 ということである。素晴らしく(?)パンチの効いた嫌がらせである。

 

 「何でもするって言ったよな?」

 

 食べるのを拒むペロロンチーノに冷ややかに言い放つもふキチ。ちなみに食べずに逃げたら罰金一G(ギガ)ユグドラシル金貨を支払わされてしまう。その支払いすら拒むと、ゲーム内で犯罪暦が付き、しばらくの間強力なNPCキャラの軍勢に追い掛け回される羽目になる。この間、拠点や街などには一切近寄れなくなるのでどう足掻いても逃げられない。

 助けを求めようとしても恐らく姉に話が通り、そこからギルメン全員に通達され、誰も助けてはくれないという孤立無援の状態に陥る事間違いなしだろう。

 

 「――はい、いただきます(T△T)」

 

 自分の言ったその一言が怒れる獅子・・・・・・もとい狼を叩き起こしてしまったのだ。自業自得である。

 

 「――そういえば、以前から不思議に思ってたんですが」

 

 二品ともきちんと食べ終えてから、ペロロンチーノは前々から疑問に感じていた事をもふキチに尋ねた。

 

 「もふキチさんの作る料理って、なんで種族やペナルティ関係なく誰でも食べる事ができて、かつバフまでつくんですか?」

 「ああ、それな。俺は料理人系職業片っ端から取ってるんだが、その中に隠し職業である『至高の料理人』(ワンダーシェフ)っていうのがあるんだ。コイツの特殊技術(スキル)の中に種族ペナルティ関係なく作った料理を食べさせられバフを付加できるものがあるんだよ」

 

 ペロロンチーノの質問に素直に答えるもふキチ。その答えに彼は驚いていた。

 

 普通、自分の職業や特殊技術に関してペラペラと素直に喋るやつはこのユグドラシル内では滅多にいない。喋るとしたらそれはとんでもない馬鹿か、超初心者のどちらか・・・・・・なのだが、もふキチに関してはどっちでもないとペロロンチーノは理解している。

 つまり、別段話しても、なんてことはないと本人が思っているという事だ。

 

 「こいつのお陰でアンデッドやスライム系のお客さんにも喜んでもらえてるし、隠す必要もあんま感じないしな」

 

 ペロロンチーノの驚愕を感じ取ったのか、もふキチはなんてことなさそうに笑って言った。

 まあ、確かに戦闘系の職業ではなく生産系の職業だし、彼のようにプレイヤーショップを開いてまで料理を振舞うPCも珍しい。だからなのだろうとペロロンチーノは納得した。

 

 「さてと・・・・・・この後ちょいと食材調達に行くから今日はもう店仕舞いだ。さあ、帰った帰った!!」

 

 カウンターの向こうから出てきたもふキチはペロロンチーノを立たせるとぐいぐいと押して店の外に追い出してしまった。そして最後に一言――。

 

 「カエレ!!(`・ω・´)」

 

 と、最初の台詞を繰り返して店を閉めてしまった。

 

 ポツンと取り残されるペペロンチーノ・・・・・・。

 

 「――モモンガさんに慰めてもらおう(´・ω・`)」

 

 ボソッと呟き、誰が見ているわけでもないのにアイコンをぴこんと表示して、彼は拠点であるナザリックの第九階層円卓の間に転移していった。

 

 

 

 * * *

 

 「・・・・・・さてと、時間が大分差し迫っとるのぉ。“客人”は――もうそこまで行ったか。今日は楽しませてもらえそうじゃ」

 

 誰も居なくなった店内で、もふキチは一人呟いていた。

 

 「さあ、ワシを楽しませろよ――ども」

 

 途中、声が小さすぎてなにを言ったのかは判らないが、その声は新しい玩具を見付けた子供のように無邪気で――

 

 

 

 とてつもなく冷酷だった。

 




 という訳(?)で鳥の人のお話でした。ペロさんは汰月の中では弄られキャラです。弄られて何ぼな人です。そして名前が美味しそうです(じゅるり)

 茶釜さんの話が『イイハナシダナァ(´∀`)』だったので今回はものすごく(汰月的には)はっちゃけてみました☆いかがだったでしょうか?


 最後、もふキチがなにやらコソコソしてましたが――この件については今しばらく謎のままになります。予定してるAOGメンバーのお客様が全員来店されて・・・・・・その後に明かそうかなと思っています。タブン

 ではまた次回お会いしましょう。今度は、ちょっとリクを貰っている社畜様をお迎えしようかなぁと。このシリーズの時系列的にはまだ社畜になってないんですけどね(´∀`:)ではでは~


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 五人目 ヘロヘロ様がご来店しました

 股 背 棚(またせたな)!先週まったく更新できませんでしたごめんなさい(´・ω・`)

 今回は『骸骨と共にぼっちが行く』のチェリオ様に「社畜まだぁ(´・ω・`)?」とリク(?)頂いたので本来予定にはなかったヘロイン・・・・・・もといヘロヘロさんがご来店です。



 今日も今日とて平和な時間が流れる食事処もふキッチン。そこに珍しい客が来店する。

 

 「ばんわ~☆です(^-^)」

 

 形が一秒として安定せず、また同じ形を取る事もない粘体物質・・・・・・もとい、スライムの上位種である古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)のヘロヘロが、気さくな挨拶と共に入店した。

 

 「へろちー、へろー☆(´ω`)」

 

 それに対してもふキチも気さくな感じにヲヤヂギャグを交えつつ挨拶を返す。

 

 ヘロヘロはゆらゆらと揺れながらカウンター席のもふキチの目の前の椅子に腰(あるのか?)を下ろす。

 

 「また珍しいのが来たなぁ。今日はどうした?」

 

 滅多に・・・・・・というかこの店を開いてから初めてではなかろうか?それほどにヘロヘロの来店は珍しかった。

 以前はとある事情でよく顔をあわせていたのだが、もふキッチンを開店してからはめっきりとご無沙汰になっている。

 

 「もふキチさんが最近ナザリックに顔を出さなくなりましたからね~。顔を見に・・・・・・いやぁ、お元気そうでなによりです~(^-^)」

 

 ぴこぴことエモーションアイコンを出しながらヘロヘロは少し間延びした感じの・・・・・・まったりとした口調でそう答えた。

 とりあえず、客人に何も出さないのは気が引けるもふキチは(ゲーム内ではあまり意味がないのだが)飲み物を出す。背の高いグラスに氷と並々に注がれた黄色の炭酸水・・・・・・レモンスカッシュである。

 

 「あ~、態々どうも~です(^-^)」

 

 ヘロヘロは出されたグラスを外装の口のような窪みに持っていく。すると音を立てずにグラスの中の液体がするすると減っていく――ちょっとしたホラーである。

 飲み終わると、ヘロヘロの視界にバフアイコンが点滅する。そのバフというのが・・・・・・

 

 「あ、酸性強化バフですね~。この後ちょっとこの辺りに出没するっていう噂のPK集団探しに行こうと思ってたのでありがたいです~(^-^)」

 

 このヘロヘロ氏。趣味がプレイヤーの装備を溶かして、相手の嘆き声を聞くことらしい。悪趣味な・・・・・・ともふキチは思うのだが、自分もゲーム内では人のことを言えないような趣味趣向のロールプレイをしているので口にはしたことがない。

 

 「で、お前さん、ただただ俺の顔見に来ただけってわけでもないんだろう?」

 

 ヘロヘロの飲み終えたグラスを下げながらもふキチはそう尋ね・・・・・・いや確信をもって聞く。

 

 「ええ。もふキチさんに協力いただいて創ったNPCの子のAIがやっと組み終わりましてね~」

 

 以前、もふキチはAOGに乞われて、一体のNPCを創っていた。確かメイドの一人だった気がする。もふキチの趣味全開で外装と種族を組み上げ、設定にも口を出していた。後はAIだけ・・・・・・というところだったのだが、ずいぶんと時間がかかったようだ。

 

 「いやあ、何しろ他の子のAIがまた複雑でして・・・・・・時間がかかってしまいました。今度ナザリックに会いにいらしてください」

 「ほいほい了解(´ω`)」

 「そのご報告と――」

 

 もふキチの創ったNPCに逢ってやってほしいというので軽く了解する。が、どうやら話はそれだけではないようだ。口調から少し暗い雰囲気を感じる。

 

 「もしかしたら今後、ユグドラシルのイン率が落ちるかもしれません(´・ω・`)」

 「そりゃまたどうして?」

 

 どうやら少し込み入った話になりそうだ・・・・・・。そう感じたもふキチはいったん会話を中止させ、コンソールを操作して、外から客が入らないようにロックをかけ、声が外に漏れないようにした。念押しで覗き見防止に攻性防壁も展開しておく。

 ここ、食事所もふキッチンは時折相談事を持ち込まれる。その時は往々にして守秘的なものが含まれるためこうして時折情報が漏れないようにするのだ。

 処置を終えたもふキチは、続きを促すように手を差し出す。

 

 「私――近々会社を辞めることになりそうでして・・・・・・」

 

 話を聞くに、どうやらヘロヘロの働いていた会社が経営破綻を起こし倒産寸前の状況にあるらしい。その為新しい就職先を探さなければならないのだが――このご時世、碌な会社がないのだ。

 ヘロヘロは専門学校まで出ており、プログラミング関連の資格をいくつも所持している。そのお陰で今まで働いてきた割と条件がよくクリーンな会社へ入社できたのだが、再就職となると・・・・・・割と真っ黒なブラック会社あたりにぶち当たる可能性が高い。何しろ今後生きていくためには早急に手に職をつけなければいけないし、職場を選んでいる余裕は無いに等しいのだ。

 

 「――と、いうわけでして」

 「・・・・・・」

 

 黙って話を聞いていたもふキチは徐に外部連絡用コンソールを開く。

 

 外部連絡用コンソールというのは、ダイブ中でもリアルの方に連絡ができる(突発的なパーティ・クラン・ギルドメンバーへの召集など)ように運営が設置したそのままずばりなものなのだが、ユグドラシラー(ユグドラシルをプレイしてる人)に重宝されている。

 

 もふキチは何事かをメールに書き込むと送信、また書き込んでは送信を繰り返す。そのうち、しばらくすると《伝言/メッセージ》が飛んできたようで耳元に手を当てて思考発声(念話みたいに声を出さずに話す技術)を用いて会話をしているようだ。

 

 「へろちー、確かAIプログラム技師資格一級持ってたよな?」

 「え?・・・・・・あ、はい。そのお陰でAOGのAI組みに抜擢されたわけですから」

 

 突如話を振られて困惑するヘロヘロ。もふキチはそんなヘロヘロをそっちのけで返答を聞くとまた《伝言/メッセージ》に戻ってしまう。

 

 AIプログラマーの資格は大抵取得してきたヘロヘロだったが、このAIプログラム技師一級を取るのには苦労をした。寝る間も惜しんで勉強し、また受験料が馬鹿みたいに高く、それこそ社畜がごとき生活をおくってやっとの思いでとったのだ。

 ――まあ、今まで働いてた会社では何の役にも立たなかったのだが・・・・・・。

 

 「よし、話はついた(´ω`)」

 

 資格を取るためのあの日々を思い返していたところ、急にもふキチの声が上がって引き戻される。

 話はついた?どういうことだろう・・・・・・。

 そう思っているとヘロヘロの視界にゲーム内でのメール着信アイコンが点滅した。

 

 「俺の知り合いに腕の立つAIプログラマー探してる御仁がいてな。その人にへろちー推薦しといた(`・ω・´)」

 

 その言葉にヘロヘロは驚きつつ今しがた来たメールを開く。

 内容は一度逢って話がしたいので、とりあえず履歴書と有資格免許を持って指定した日に指定した場所まで来てほしいということが書かれていた。

 

 「――え?えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

 そして何より驚いたのがその発信者の有する会社名・・・・・・いや企業名だった。

 それはとある財閥が母体のAI研究所で、様々な分野で活躍し、年間数千億を稼ぎ出す超一流企業だった。

 一体この人の人脈ってどうなってるんだ?そう思いもふキチに視線を向けるヘロヘロだった。

 

 

 

 * * *

 

 後日、ヘロヘロの思ったとおり、働いていた会社は倒産した。だが、ヘロヘロはそのままスライドするかのように新しい職に即就くことができた。無論、もふキチが推薦したという超一流企業だ。

 彼はとある極秘プロジェクトの開発室に新人として投入される。

 そこは超ホワイトな職場で、毎日定時あがりで残業になってもきちんと手当てがつく。更には年休もあり、年間残業規定が21世紀初頭の労働基準法並みという、他社と比べると天国みたいな職場だった。もちろんボーナスもでる。

 ただ、極秘プロジェクトということで規則はガッチガチだし、制約も多かった。何枚も宣誓書にサインさせられた。

 社員寮を割り当てられてそこに引っ越したのだが、この社員寮もまたすごかった。そこそこ高級なマンションの一室で2LDK。それでいて寮費無料・・・・・・。引越し初日は緊張して眠れず、寝不足のまま出社初日を迎えたのは致し方ないことなのだ。

 

 そんなこんなで高待遇、高所得者になったヘロヘロは、退社後毎日のようにユグドラシルにログインできるようになったそうな・・・・・・。

 

 もし、もふキチに推薦されず、自力で再就職していたら――

 

 考えるのも恐ろしいことになっていたに違いないと思うヘロヘロだった。




 と、いうわけで・・・・・・やったねヘロヘロさん!社畜完☆全☆回☆避だよ♪

 こんばんわ、汰月さんです(´ω`)ヘロヘロさんには救いの手を差し伸べたかったので社畜回避していただきました。
 ・・・・・・あれ、これってもしかして異世界フラグじゃね?

 さてさて・・・・・・ここで、皆様にお礼を述べたいと思います。
 祝!一万PVオーバー!!お気に入り五十人オーバー(正確には六十オーバー)です!!やったねたっちゃん!!(狂喜の舞)
 汰月の書いたものにしては初の快挙です。本当にありがとうございます。

 これからもこんな感じでやっていきますがなにとぞ温かい目で見守ってやってくださいますようお願いいたします。

 そして、ご意見・ご感想・質問・叱咤激励(罵詈雑言はやめてください><)などなどじゃんじゃんしていただけたらなぁと思います。何でも答えるよ?ネタばれ以外なら・・・・・・。

 ではまた次回お会いしましょう。次回もこのチャンネルに・・・・・・テイルオン!!(某ツインテール作品風)


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 特別編:もふキチが狩りに出かけるそうですよ?

 今回は特別編!
 もふキチがAOGメンバーと狩りに行くお話です。
 今回は前半。戦闘は後半で書く予定!!


 平和な時間が流れていく食事処もふキッチン。だがその日はいつもと少々事情が違った。

 

 「は?――今なんて言った?(´・ω・`)」

 

 呆けたつもりはないし、言葉の意味は理解しているがそれはもふキチにとっては予想外で、それを受け入れるのは少々問題があった。

 

 「ですから、一緒に狩りに行きましょう!って言ったんですよ(*´ω`*)」

 

 それは何時もの様に唐突にやってきたAOGのギルドマスター。可愛い骸骨(もふキチ談)ことモモンガがもふキチを狩りに誘いに来たのだった。

 しかも場所はムスペルヘイムの最奥で炎の古竜(フレイムエンシェントドラゴン)が標的だという。

 

 (まさか、“ばれたのか?”)

 

 一瞬もふキチの頭に自分の“秘密”がバレたのかと危惧する。だがそんなことを表には出さない。すぐ表に出すやつは三流以下だ。

 もふキチはあきれたような声を作り、モモンガに話しかける。

 

 「お前さん、判ってる?俺、生産職。戦闘力なんぞないに等しいんだぞ?それをレベル七十から八十台のドラゴン狩りに誘うとか・・・・・・俺に恨みでもあるのか?(´・ω・`)」

 

 まあ、実際は“その程度なら何とでもなる”のだが――

 

 「恨みだなんてそんな!!――いつもお世話になってるもふキチさんと一緒に冒険できたらいいなとか、炎の古竜だったら肉が素材として入手できるから・・・・・・もふキチさんのことは絶対俺たちが守りますから!!」

 

 モモンガは慌てて否定する。

 ただ一緒に冒険がしてみたいだけなんだと・・・・・・いつものお礼にドラゴンから入手できる素材を一緒にあつめてプレゼントしたいだけなんだと。

 それに・・・・・・と、モモンガは続ける。

 

 「もふキチさん、以前はソロでも最上位のプレイヤーだったじゃないですか。それに、いくら狭い空間で遠距離狙撃できなかったとはいえ、あのペロロンチーノさんを手も足も出させないままPKしちゃったらしいじゃないですか・・・・・・あ、別にそのことについて報復だとかしたいわけじゃありません!その件についてはペロロンチーノさんに非があったみたいですし、本人も認めてますから。すっごい嘆いてはいましたけど(^-^;;」

 

 生産職なのにそれだけ戦れるんですから!と言われてしまう。

 

 まあ、確かに前回は少しばかりやりすぎた感はある。

 言われたことにカチンときて大人気ないことをしてしまい、多少罪悪感はあるのだ。あの後こっそり蘇生用課金アイテムをいくつかエロゲ脳な鳥に贈ったし・・・・・・。

 

 ここまで言われて誘いを断るのは気が引けた。それならと、もふキチは一緒に狩りに行くことを承諾したのだった。

 

 

 * * *

 

 

 少々準備があるからと、もふキチはモモンガとは店で別れムスペルヘイムの集合場所で待ち合わせることになった。

 そこにはよくもふキッチンを訪れるAOGのメンバーが揃っていた。

 まずはこの狩りにもふキチを誘いに来たAOGのギルドマスター、可愛い骸骨モモンガ。何時ものように神器級アイテムで身を固めている。

 次に自称悪の大魔術師、ベルトさんことウルベルト・アレイン・オードル。彼もまた自身最強装備で身を固めている。

 そして、桃色肉棒、粘液盾と呼ばれる、お馴染みピンクスライムぶくぶく茶釜。こちらは種族の性質上見た目は変わらないがおそらく内部に防御重視の装備でガッチガチにしてきているだろう。更にはどうもっているのかは謎だが盾を二つ装備している。

 そしてそんな茶釜に何故か盾でド突かれているのは毎度お馴染みエロゲ脳、ペロロンチーノ。爆撃の翼王と呼ばれるに相応しい装備で身を固めているものの、この状態を見たらなんというか・・・・・・アレである。ちなみにもふキチは「爆撃の翼王?エロゲの欲王の間違いじゃね?(´・ω・`)」と言って茶釜を爆笑させた。

 そして――

 

 「ごz――もふキチさん遅いですね」

 

 今のところもふキッチンに(シリーズ上)顔を出していないが、近接型が一人もいないということで御呼ばれした彼、アルフヘイムの公式戦で優勝し、特殊職ワールドチャンピオンを獲得した純銀の聖騎士たっち・みーその人がいた。

 何か言いかけて修正したのを他のメンバーは気にしたが、もふキチさんに対して何時もそうなので放置。

 

 「店じまいとか装備の用意とか、いろいろとあるんでしょう。少し遅いくらいで何言ってるんですか貴方は」

 

 集合約束の刻限間近にも関わらず、未だ来ぬ待ち人に心配そうな声を上げるたっち・みー。そんな彼に横槍を入れたのはウルベルトだった。

 この二人・・・・・・何故か知らないが仲が悪い。それはもう呼吸をするかのように自然と喧嘩をする。今ではもう見慣れた光景である。

 

 「最近あの辺りでも異業種狩りが出没してるんです。あの方なら心配は要らないかもしれませんが、生産職にリビルドなさってるのですからもしものことが・・・・・・と心配するのは当然じゃないですか」

 「ハッ!笑わせないでいただきたいですね?プレイヤースキルの塊で悪を公言されてるあの人が生産職になったくらいで異業種狩りとかやってる連中に遅れをとる訳ないじゃないですか。痴呆がはじまりましたかァ?」

 「人が人を心配して何が悪いというんです?というか、悪を公言しているからなんだというんですか。あの方もおt――いえ、ミスをされることはあるかもしれないじゃないですか」

 「悪は正義に負けないンですゥ。本人も言ってるじゃないですか、正義は悪に決して勝てないと」

 「・・・・・・なんですか?私に喧嘩を売りたいんですか?いいですよ、買いましょう。私は貴方に売られる喧嘩は高額で買いますよ?ええ、買わいでか!」

 「上等だ正義馬鹿騎士!!この場でスクラップにしてやンよォォォォォ!!!」

 

 口喧嘩がヒートアップして実力行使に移行しようとする。毎度ながらなぜこの二人はこうも争いあうのか。

 そして、それを止めるのは――

 

 「はいストップ!Pvするなら他所でやりましょうね(#^-^)」

 

 おこエモを出しながら二人の間に割って入った肉棒だった。

 

 「これ以上やるっていうなら・・・・・・私が相手になんぞ?」

 

 最後にドスの効いた声で二人を睨み付けるかのように交互に視線を向ける。

 妻子持ちのたっち・みーは言うに及ばず、いつも女性陣に頭の上がらないウルベルトもその凄みのある脅しにすぐさま引いた。女性は怒らせるととんでもなく恐ろしいのだ。

 喧嘩が止まってため息ひとつついた茶釜はモモンガに声をかける。

 

 「そういえばモモンガさん、ヘロヘロさんも誘ったんでしょ?あの人は来ないの?」

 「ええ、誘うには誘ったんですがどうやら都合が悪いらしくって・・・・・・(´・ω・`)」

 

 モモンガはここにいるメンバー以外にももふキチと交流があるギルメンには声をかけていた。ヘロヘロもそのうちの一人なのだが、彼は新しく入社した会社の親睦会・・・・・・それも自分が入社したことで行われるそれに参加せねばならず、泣く泣く非参加ということになった。本人はすごく参加したかったようなのだが――。

 

 「そっかぁ・・・・・・あんちゃんもやまちゃんも来れないみたいだし、今回はこの面子でやるしかないね」

 

 前衛一、後衛四、その他一というなんともアンバランスなPTになってしまったが、まあゲーム内最強のうちの一人が前衛をやり、防御に定評のある自分・・・・・・遠距離では愚弟に最強のワールドディザスターもいるのだからなんとでもなるか――。

 茶釜がそう思ったとき、集合場所としたワールド移動用ポータルに転移エフェクトが生じた。

 待ち人来る・・・・・・かな?

 

 「いやぁ、お待たせ。ちょいと準備に手間取ってな」

 

 転移してきたのはどこか武士っぽい着物を着こなした人狼・・・・・・いや狼種の獣人だった。

 白黒の虎縞紬に緋袴。その上から青の羽織、腕には黒い光沢のある籠手を付けていた。

 それらは神器級アイテム四神シリーズ装備。もふキチがソロプレイヤーとして活動していた際の愛用装備だった。

 腰には一振りの長太刀を佩き、手にはチェーンソーを――

 

 「って、チェーンソー!?Σ(´Д`||」

 

 声を上げたのはペロロンチーノだった。何故にチェーンソーなのだろうか・・・・・・他のメンバーも驚いていた。

 

 「チェーンソーではない。包丁だ!(`・ω・´)」

 

 その疑問に返ってきたのはソレを包丁だと言い張るもふキチだった。

 

 「いや、どっからどう見てもチェーンソーなんですけど!?」

 「じゃあ、道具鑑定してみろ。れっきとした包丁だからこれ」

 

 突っ込んだウルベルトにそこまで言うならとチェーンソーを手渡してくるもふキチ。ならばとウルベルトはそれに《上位道具鑑定》をかける。

 

 「うわぁ・・・・・・マジでカテゴリが包丁になってやがるゥ」

 

 鑑定結果に驚きの声を上げるウルベルト。その鑑定結果を各々に伝える。

 

 「名称は――鮪喰(マグロイーター)?零式ってのはタイプゼロって読むのかこれ・・・・・・。武器カテゴリは包丁。なんか解体用ってあるんだが、多分戦闘用ってことなんだろ。食材アイテムのドロップ率にボーナスがかかってる。しかも半端ない・・・・・・更に言えば神器級」

 「えぇー・・・・・・」

 

 その鑑定結果にペロロンチーノが何か言いたそうにもふキチを見る。

 

 「お前さん、知らんのか?チェーンソーは神すらもばらばらに解体する伝説の解体用の包丁なんだぞ(`・ω・´)」

 「チェーンソーって言ってるじゃん!!やっぱチェーンソーだよ!!」

 「ちなみに、その腰の刀は?」

 

 モモンガが気になったのかもふキチが佩いている刀について訊いてきた。

 

 「ああ、これもカテゴリは包丁。鬼包丁:竜殺し」

 「え?竜殺しって・・・・・・」

 

 モモンガはその名を冠するとあるアイテムを知っていた。

 竜殺し――魔剣グラム。

 財知の竜を殺したとされる北欧神話由来の世界級アイテムだ。

 

 「あ~、モンちゃんが想像してるのとは違うぞ?これは俺が作った神器級アイテムだ。世界級アイテムじゃない」

 

 ぱたぱたと手を振りながらもふキチはモモンガの考えを否定する。彼の世界級アイテムは確かにこのゲーム内に存在し、誰かが所持しているらしいという噂を耳にしていたモモンガは、その所持者がもふキチなのでは?と考えていたので少し残念だった。

 

 「さて、お喋りはこの辺にしてそろそろ行きますか」

 

 チェーンソー・・・・・・鮪喰をウルベルトから返してもらってそれを肩に担いだもふキチはそこにいる全員にPT要請を飛ばす。

 皆目の前に現れたPT要請コンソールのYesボタンをクリック。これで準備は完了だ。

 

 「一応コレ(鮪喰)装備してるから前衛いけるし、俺とたっちんで前やるから。ベルトさんは後衛で氷雪系魔法、鳥はかく乱しつつ援護射撃。モンちゃんはバフ担当。いけそうならRS(リアリティスラッシュ)で部位破損狙って。茶ーちゃんはベルトさんとモンちゃんの護衛、やばそうだったら鳥も守ってやって」

 

 もふキチはてきぱきとそれぞれの役目を指示する。それらに全員了解と頷くと炎の古竜の沸くポイントへと進軍を開始した。

 

 

 

 続く




 ・・・・・・なんだこのグダグダ感。そして文才のなさに凹みつつ投稿してる汰月です。オラに文章力を分けてくれ!!!

 ということで今回マイナーなネタを二つほどぶち込んでみました。

 一つ。鮪喰――これは某本大好き人間が死んじゃって犬になってシザーウーマンの飼い犬になり本を読んだり事件に巻き込まれたりする作品の主人公の妹が持ってる包丁です。あの作品マジで好きだった(完結しているので知らない人はぜひ読んでみて!)

 二つ。チェーンソーは神をもばらばらにする――まあ、知ってる人は知っている、某GBのRPGのネタです。もしかしたら他に元ネタあるのかもしれませんが汰月がしってるのはこれ。

 さて、恐らく次回も特別編でお届け!今回の続きできっともふキチ無双が始まります。おたのしみに☆


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 特別編:もふキチが大暴れするそうですよ?

 今回はもふキチが生産職の癖にスキル使って大暴走します!

 本当はもう少し色々ネタを詰め込む予定でしたが、ギブアップです(^q^)
 あと、人によっては嫌悪感を抱く恐れがあるのでご注意を。
 オリジナルスキルが壊れ性能です。ふざけんな!って方はメッセージで「やめろよこの馬鹿!」とどっかの試練の主人公見たく罵倒してください……あ、感想ではおやめくださいね?


 「ハーッハッハッハ!ヌルい!!ヌルいぞ!!!」

 

 突然ですが皆さんこんにちは。ギルド、アインズ・ウール・ゴウンでギルドマスターをやらせていただいてますモモンガです。

 今日はいつもお世話になっている狼種の獣人、もふキチさんとムスペルヘイムの最奥で炎の古竜(フレイム・エンシェントドラゴン)をギルドメンバーと共に狩りに来ています。

 もふキチさんは生産職にリビルドしているみたいなので私たちAOGの面々で守らないと!

 

 ――と、思っていたのですが……。

 現在、そのもふキチ氏は私たちから離れた場所で、炎の古竜を単独でバラバラに解体しております。えぇ、それはもうハイテンションで……。

 おい、そこの獣人。アンタ俺に「生産職で戦闘力皆無」みたいなこと言ってなかったか?どこが戦闘力ないんだよ。強すぎだろ!?

 炎の古竜のアルゴリズム……行動パターンや攻撃モーション等を完璧に把握してるのか、余裕の回避行動で手に持ったチェーンソー――本人は頑なに包丁と言い張り、道具鑑定でもカテゴリが包丁だったという謎の装備――を振り回し次々と竜種を肉の塊にしていってます。いくらボス属性無いといっても竜種のレベル七○から八○のMobなのに……。

 なんだ、あの人。絶対今でも現役バリバリ(死語)にPKKしてんじゃないのか?動きが前衛辞めて結構立ってるやつのそれじゃないんだが……。

 ――あ、所々素に戻ってしまってますがスルーしてくださいね?

 

 「……モモンガさん」

 「何ですか、ペロロンチーノさん?」

 「……あそこでバーサクっちゃってる獣人のオッサン、ナニモンなんでしょうね?」

 「私に聞かないでくださいよ……。ただ本人曰く、生産職で戦闘力皆無なPCらしいですよ」

 「ウゾダ!ウゾダドンドコドーン!!」

 

 今現在もふキチさんとは別の集団と戦っている我らAOGですが、彼を見てペロロンチーノさんが話しかけてきたので質問に私が答えるとあまりのショックに思わずオンドゥルる。

 あ~、ペロロンチーノさんもたっちさんの影響貰ってるんですね。私もたっちさんに薦められて何作品か見ました。剣、あれは面白かった。何がってあの空耳の酷さが。個人的には平成ライ○ーの中ではダブルに出てきたスカルが好きですが――自分のアバター的にもw

 ……今度、あんな感じの外装そろえてみようか?ウルベルトさんに頼めば何とかなりそうな気がする。

 

 「おい愚弟、なに遊んでやがる。さっさと遊撃にもどれ」

 

 未だ衝撃から立ち直れていないペロロンチーノさんにドスの聞いた女性の声がかけられる。

 その卓越したヘイト管理で周囲のドラゴンを一身に引き付け、見事に壁の役目を果たしてる見た目桃色の男性器なスライム。ペロロンチーノさんの実の姉で現実では超売れっ子声優のぶくぶく茶釜さんだ。

 

 「もうちょっと待って……まだショックから立ち直れて――」

 「黙れ小僧、焼き鳥にすんぞ?」

 「今行きます!!」

 

 脅されて文字通り飛んでいくペロロンチーノさん。それにしても茶釜さんはよくアレだけの数をヘイト管理しつつ壁しながら喋る余裕あるなぁ。ウルベルトさんとたっちさんが物凄い勢いで攻撃してるのに……。

 そんな風に感心していると今度は私に話しかけてきた。

 

 「モモンガさん、バフ切れそうなのでくださいな」

 「あ、ハイ」

 

 慌てて皆に集団化した支援魔法をかける。

 ちなみに私は炎対策の支援魔法を所持していないが、そこはもふキチさんが用意した携帯食でまかなっている。その他の防御支援とステータス向上の魔法を私が担当しているというわけで……。

 

 「ありがとー(*^-^*)それにしてももふキチお兄ちゃんすごいね♪」

 

 先ほどとは違い、ロリなアニメ声で話しかけてくる茶釜さん。本当、声優ってすごいと感心します。どこから出してるんだろ、あの声。

 

 「そうですね。戦闘力皆無とか言ってた割には無双してますし……」

 「まあ、もふキチお兄ちゃんたしか解体職もってたからそれで無双できるのかもね~」

 

 解体職……確かファーマー等のクラスが飼育した食用の動物を精肉にする際用いられる職業だったかな。環境破壊以前の現実世界では結構グロイ職種だったと聞いているけど。

 

 「解体用のスキルって、生きてる食料になるMobや動物ユニットでも通用するんですね」

 「みたいだね~(´ω`)」

 

 もふキチさんもすごいけどこの状態で会話しながらエモだせる茶釜さんもすごいです。私がやってたら確実に会話する余裕もエモ出す余裕もないと思いますよ。

 

 

 * * *

 

 「いや~、戦った戦った(*´ω`*)」

 

 もふキチはどこぞの黒ずくめの二刀流剣士のような台詞を言いながら、別行動していたAOGメンバーの元へと戻ってきた。

 声は弾んでいるが、先ほどまでのようなイっちゃってるテンションではなさそうなのでモモンガは少しばかり安堵した。自分もブチ切れたときはギルドメンバーからまるで魔王のようだと言われるが、絶対もふキチの方が魔王だと思う。

 

 「お疲れ様です」

 「おつかれちゃーん」

 

 モモンガが労いの声をかけると、気安い言葉で返してくれる。うん、いつものもふキチである。

 

 「ヤバイ、MP消費が――(´・ω・`)」

 「私も疲れました……」

 

 モモンガの後ろではたっち・みーとウルベルトが座り込んでいた。まあ、ダメージディーラーがこの二人しかいないのだから仕方ない。え?鳥はどうしたかって?アイツ、もふキチの方ばっかり気にしててまったく役に立たなかったらしい。今茶釜に説教されてる。

 

 「ベルトさんは種族や職業ペナで消費ハンパないからなぁ。たっちんはこれくらいで音を上げるとはだらしない。お前さんそれでもワールドチャンピオンか(`・ω・´)」

 

 へばってる二人……いや主にたっち・みーに檄を飛ばすもふキチ。いや、だらしないというがいくら茶釜がヘイト稼いで引き付けていたとしても結構な数をウルベルトと二人で狩っていたのだから疲れるのも当然である。一人で同じ数相手に無双していたもふキチのほうが異常なのである。――本人はまったく気づいていないが。

 しかし、彼の場合解体スキルがなければあそこまで無双はできなかっただろう。

 解体スキルは他のプレイヤー達からすれば倒したモンスターや絞めた食用動物等を解体するスキルだと思っている。が、このスキルの説明文(フレーバーテキスト)には生きてるものは解体不可、とは書かれていない。皆常識に囚われすぎだともふキチは思う。食用にできるMob相手ならこれほどの壊れ性能なスキルはないと思うのだが……。

 そこで、そういえば……とモモンガが疑問を口にする。

 

 「もふキチさん、さっきの無双……解体スキル使ってやってたんですよね?たしか解体スキルって成功率が設定されてたと思うんですが、もふキチさん全然ミスしてませんでしたけど、もふキチさんのスキル成功確立ってどれくらいなんですか?」

 

 そう、彼のスキルには成功率が設定されており、スキルレベルを上げてもさほど上昇しないのだ。それもこういった戦闘でこのスキルが使用されない要因の一つでもあった。

 

 「ん?――ああ、解体スキルってのは、装備品が解体用の装備であったり、またステータスで補正かかるからな。ちなみに補正対象ステは器用さ(DEX)と素早さ(AGI)。俺はこの二つともカンストしてるし、装備がコレ(鮪喰)だから成功率はシックスナインってとこか」

 「もふキチさんが下ネタ!?Σ(´Д`||」

 

 もふキチのその言葉に真っ先に反応したのはペロロンチーノだった。さっきまで茶釜に説教されていたはずなのだが、他のメンバーと違って感想がまったく別のベクトルを向いていた。

 他のメンバーはその言葉に感嘆の声を漏らしていたのだが――

 

 「おい弟、少し黙れ(#`д´)」

 

 激おこエモを出しながら、先ほどよりもっとドスの聞いた低い声を上げる茶釜。馬鹿丸出しな弟の発言に姉として呆れつつも、この煩悩しか詰まっていないのではと思えるその頭の持ち主に憤怒する。

 

 「ペロロンチーノさん、シックスナインって言うのは九九・九九九九パーセントを指す言葉で、卑猥な意味ではないんですよ?(^^;)」

 「エロ公言してる貴方ともふキチさんを一緒にしたらだめです」

 「この煩悩戦死が……やっぱ絞めて捌いて料理してやろうか」

 

 まず初めにたっち・みーの、続いてウルベルトの、そして最後にもふキチの言葉がペロロンチーノに突き刺さった。最後が怖い!!

 

 (というか戦死!?戦死って何?!俺煩悩と戦って死ぬの!?)

 

 新たな(?)二つ名(不名誉)を受けたペロロンチーノは密かに戦慄していた。

 頭を茶釜にど突かれながら――ダメージは入っていない――蹲る鳥を他所に会話は続く。

 

 「凄いですね。つまりほぼ即死させられるなんて……あのクラスのドラゴンになると、スキルでブーストかけても私の即死魔法じゃいいとこ二分の一程度なんですが」

 「いや、でも食用にできるMobじゃないと攻撃力なんてないし……そもそも即死は無理。観てて分かってると思うがバラバラにしない限りやつら死にゃせんよ(´・ω・`)」

 「それでも――この人と一括りにするのはアレですが、私たち二人掛りで倒してる炎の古竜を一人、しかも数発で仕留めるもふキチさんは凄いです(*^-^*)」

 「私もこの人と……というのが癪ではありますが、同意見です。――これもムカつく話ではあるんですけれどもね」

 「あ゛?やンのかコラ?」

 「先に言い出したのは貴方ですよ?ウルベルトさん(#^-^)」

 

 そして睨み合う(表情は変わらないが……)たっち・みーとウルベルト。もふキチはそんな二人を見やって苦笑をもらしつつやれやれと肩を落とした。

 何故この二人はこんなにも喧嘩っ早いのだろうか。他の誰かであればそうでもないのに。そして、戦闘になれば誰よりも相性がいいというのに……。

 

 「さて、この後どうする?まだ続けるかい?(´ω`)」

 

 二人の喧嘩を止めるためにも、もふキチはその場にいる全員を見渡しながら尋ねる。

 

 「あ~……すみません、私はちょっとMPが厳しそうです(´・ω・`)」

 「私はまだいけそうですが、先ほども言ったとおり少々疲れました」

 「私は余裕だし、まだやるなら付き合うよ?もふキチお兄ちゃん♪」

 「私もMPには余裕がありますが……ウルベルトさんが厳しいとなるとこれでお仕舞いですかね?」

 「煩悩戦死……エロゲ脳……欲王……」

 

 なんか最後鳥がブツブツ言っていたが、モモンガと茶釜以外は無理そうだ。折角鮪喰の他に竜殺しまで持ち出したのだが、披露することはかなわなそうである。

 鮪喰にはエネルギーゲージが設定されており、それが切れるとしばらく使えなくなる。まだ狩るのならこれを仕舞い、腰に佩いた刀……のような包丁、鬼包丁:竜殺しを抜き暴れようとも思ったのだが。

 

 「それじゃあ今日は解散かな」

 「そうですね。――あ、もふキチさん、トレード要請出すので承認お願いします(^-^)」

 

 とは言っても、炎の古竜の沸くポイントで全滅させては沸くのを待ち、沸いたらまた狩る……というのをかれこれ五回ほど繰り返した。狩としては十分な成果を挙げられたはずである。

 

 「今回は古竜の肉が三十、古竜の骨が六つ、あとデータクリスタルが少々ですね」

 「肉と骨は貰おう。骨は良い出汁取れる(らしい)し。データクリスタルはこっちでも出てるのをそっちに渡すわ(´ω`)」

 「え?いいんですか?炎の古竜のデータクリスタルって結構レアで高値がつきますけど……」

 「ああ、金には困ってないし、データクリスタル自体にも今のところ必要性感じないからな」

 

 必要になったら自分で何とかできるし……と付け加えて互いにトレードを成功させてコンソールを閉じた。

 今日はこの場で解散ということになり、もふキチはポータルで……モモンガたちはペロロンチーノが再起不能なレベルで落ち込んでいたため《転移門/ゲート》を使ってナザリックへと直接帰還していった。

 その後……もふキッチンでは暫くドラゴンステーキフェアが格安で開催されたらしい。

 

 

 * * *

 

 「――ついに、完成だ!(`・ω・´)」

 

 炎の古竜狩りから暫くの後、ペロロンチーノはナザリック大地下墳墓の第九階層に誂えた自室でなにやら製作に勤しんでいた。

 

 「コレで絶対一泡吹かせてやる……覚えてろよ――めっ!!」

 

 その声はなにやら好からぬものを含んでいたと甲斐なかったとか。




 あるぇ?気づいたらなんか過去最長?

 どうも汰月です。最近更新頻度下がってきてるなぁ、がんばらねば(`・ω・´)

 今回、壊れ性能なオリジナルスキルを出してみました。ぶっちゃけ卑怯じゃね?って自分でも思います。でも食用になる相手にしか効かないし、いいよね?ね?

 次回は――鳥が最来店するかも?なんか最後のほうでなにやら企んでましたが……。お楽しみに?


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六人目(と七人目)たっち・みー夫妻がご来店しました

大変お待たせしました。もふキッチン再開です。
本日のお客様はたっちさんとその奥さんです☆

もふキチの正体がちらっと垣間見える――かも?


 ゆっくりと時間の流れるアームスヴァルトニル湖に浮かぶ島リングヴィ・・・・・・その中心に佇む町にある食事処もふキッチン。今日も平和な――

 

 「この馬鹿もんがぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 時間が過ぎると思いきや、もふキッチンの店主である獣人族狼種のもふキチの怒声が木霊した。

 

 彼の前には二人のPCがその怒声にびくりと身体を震わせていた。

 

 一人は全身を白銀の鎧に包まれ、深紅のマントを羽織った聖騎士。AOGに所属するYGGDRASILに七人いない最強の騎士の一人・・・・・・ワールドチャンピオンたっち・みーその人であった。

 

 もう一人、そのたっち・みーに寄り添うように、もふキチと同じく獣人族(ライカンスロープ)狐種(フォックスリング)の女性が立っていた。装備は純白のローブでぱっと見た感じ魔法詠唱者のようだが・・・・・・。

 

 「二人ともそこに正座!!」

 

 「「は、はい!」」

 

 再び轟くもふキチの怒声に、たっち・みーと女性PCは仲良くその場に正座した。

 

 事の発端は二人が来店した数分前に遡る。

 

 

 ***

 

 「ごz――もふキチさん、こんばんわ」

 

 その日の夜も更け始めた午後九時過ぎ。週末ということもあり、これからプレイヤーのログイン率が増え始めるその頃に、たっち・みーは一人の女性を伴い来店した。

 女性のPCネームはテル・ミー。その昔、もふキチと共にPKK集団(クラン)『魔天狼』に所属していた古参プレイヤーの一人だ。

 

 余談ではあるが、彼の集団『魔天狼』に所属していたメンバーはその殆どが異形種の中で獣属性を持つアバターや種族で構成されていた。

 

 そんなテル・ミーとたっち・みーが出会ったのは、偶然・・・・・・ではなく、もふキチの紹介だったのだが、二人は実は現実世界(リアル)でも顔見知り、どころか幼馴染で、もふキチもその時初めてたっち・みーの中の人が自分もよく知る人物だったことに気がついた。

 

 「おやまあ、たっちぃとテルが一緒とは珍しい。いらっしゃい(^-^)」

 

 たっち・みーがテル・ミーと一緒にこの店に来るのはこれが初めてだったため、少しだけ驚いたもふキチだったが、いつものように笑顔のエモーションアイコンをぴこっとだしながら二人の来店を迎える。

 

 「お久しぶりです、おj・・・・・・もふキチさん。今日はご報告があって、このひとと一緒におじゃまさせていただきました」

 

 テル・ミーがたっち・みーのように何かを言いかけて修正する。

 

 「ほお、お前さんたち夫婦(・・)が揃って()に報告とな?」

 

 テル・ミーの言葉で、もふキチはいつもの口調ではなく素の口調(・・・・)で語りかけた。その時ささっとコンソールを開いて店の扉のロックと防音、攻勢防壁の展開を行う。

 

 たっち・みーとテル・ミーはこのYGGDRASILでも夫婦だが、現実世界でも夫婦である。その二人が揃って自分に何事か報告することがあって来たという・・・・・・。これは確実に外には漏らさないほうがいいだろうと、もふキチは考えたのだが、それはどうやら別の意味で当たりのようだった。

 

 「先日、私の妊娠が発覚しまして」

 

 「――は?」

 

 一瞬の間を置き、もふキチの口から少々不機嫌そうな声が漏れる。

 

 「妊娠二ヶ月目ということで、まだ多少は大丈夫なのですが今後仕事(・・)とこのYGGDRASILのイン率が下がると思いますのでその後報告をt――」

 

 そこまでテル・ミーが言いかけたところで初頭のもふキチの怒声が響いたというわけである。

 

 

 「おぬし等、何故そんな大事な話をゲーム内でするんじゃ!?そういうことは現実世界で顔をあわせてするもんじゃろうが!!」

 

 ガミガミと頭ごなしの説教がたっち・みーとテル・ミーを襲う。二人はその説教に正座をしながら肩を落とした。たっち・みーは怒る目の前の獣人に対して言い訳のように言葉を紡ぐ。

 

 「しかし、御前様(・・・)。以前YGGDRASILにインされている折にお伺いしましたところ、お怒りになられたではありませんか・・・・・・ですからこうして――」

 

 「あほぅ!!あん時のおぬしの用件がくそ下らんことだったからじゃろうが!!!んな下らん用件でソロ攻略しとったのを邪魔されたら誰だって怒るわい!!」

 

 以前・・・・・・と言っても大分昔の話ではあるが、まだもふキチがソロプレイヤーとして現役だったころ、たっち・みーが事前連絡もなく突如もふキチの現実世界での住居に押しかけてきたことがあった。アポなしでの訪問だったので何事かと思いきや、隣にいる妻のテル・ミーと些細なことで口喧嘩をしてしまいどうしたらいいのかという、本当に犬にでも食わせろ!とでも言いたくなるようなくだらない内容だったのだ。しかも語られる内容の九割がたがノロケ話。そりゃ怒るというものだ。

 

 「二人とも今すぐログアウトして儂んとこまで来い!三分で来い!!四十秒で支度しろ!!!」

 

 もふキチはそう捲し立てると二人をさっさと店から追い出し、自らもログアウトした。

 

 「この後、恒例のイベント(・・・・・・・)があるというのに・・・・・・。今週はやれんのう」

 

 と小さく愚痴をこぼしながら。

 

 ***

 

 その後、三分では無理だったが超特急でもふキチの住居まで夫婦二人で向かったたっち・みー夫妻はもふキチにどやされながらも祝福された。

 その翌日にはAOGメンバー全員にその事が通達され、数日後には二人を祝うためにもふキチ主催のパーティが現実世界で催されるのだがそれはまた別の話である。




 はい、短いですがお久しぶりの更新です。

 皆様大変長らくお待たせしました。ちょっとリアルでヤバイ汰月さんです。

 たっちさんとその奥さんが登場!奥さんはもふキチと現実世界でとある関係なのですが・・・・・・はたして!

 その謎は近日中に何とか公開できたらなぁと思います。

 ※次回予告
 たっち・みー夫妻に子供ができた!これはギルド総揚げでお祝いしなくちゃと張り切るモモンガ様。そこでオフ会を企画、もふキチに相談すると――?
 次回食事処もふキッチン
 『リアルもふキッチンにAOGメンバーがご来店されました』
 ご期待ください。(なお、作者の都合で番組が予定変更される恐れがございますご注意ください)


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番外編 もふキチがナザリックに来場しました

すっごくお久しぶりですの!
ちなみに今回のお話は前編…後編はそのうち^q^
捏造改変祭りですのでそういうのが嫌な方はブラウザバック推奨!!
今回も短いDeath☆(キリちゃん並感)


 とある夜のユグドラシル。いつも誰かが来店し、もふキチとおしゃべりをしているはずの食事処もふキッチンだが、本日は臨時休業となっていた。

 店のドアに張り紙風のホロウィンドウが点灯しており、そこには

 

 『本日は臨時休業しています、一昨日きやがれください(^q^)』

 

 というポップな文字が躍っていた。

 

 きっと一見さんが見たら蟀谷青筋待った無しな文章ではあるが、幸い(?)なことにこの日は来客がいなかったため難を逃れていた。……逃れていたのだろうか?いや、もふキチなら喧嘩売られたら言い値の倍額で買い取って返り討ちにしそうな気はする。攻撃力皆無なはずなのに某鳥の様にフルボッコなビジョンが見える。私には見える!

 

 そんなもふキチが何処へ行ったかというと――

 

 

 「もふキチさんいらっしゃい(^-^)」

 

 

 ギルド、アインズ・ウール・ゴウンの本拠地、ナザリック地下大墳墓にやってきていた。

 

 ナザリック地下大墳墓、第九階層円卓の間。そこには毎度おなじみ我らがギルマス、可愛い骸骨ことモモンガを始め、悪の中学二年生(笑)、ベルトさんことウルベルト・アレイン・オードル。粘着盾、ピンクの(自主規制)ことぶくぶく茶釜に、煩悩戦死(もふキチ命名)やらエロゲの欲王(これまたもふキチ命名)など不名誉(?)な二つ名を与えられた鳥人ペロロンチーノ。先日超有名企業に転職した黒くどろっとした謎の液体生物ヘロヘロ。そしてこの間もふキチに雷を落とされた聖騎士、ワールドチャンピオンたっち・みーらがもふキチを出迎えていた。

 

 普段から転移制限をかけているナザリックに、もふキチはモモンガより貸し与えられたリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン(長ったらしいので以下RoAOG)を使用してサーバー転移用ポータルからここまで直接転移してきた。

 

 

 「今日はお招きに預かり、もふキチがぁナザリックにぃキタ――o(・∀・`o)(o`・∀・´o)(o´・∀・)o ――♪♪」

 

 某古の目薬のCMをパクったお笑い芸人のようなネタで登場するもふキチ。その恰好は、もふキッチンにいるときと変わらず、着物割烹着と純和風装備のままだった。

 

 そんなもふキチが今日、店を休みにしてナザリックに来た理由。それは以前ヘロヘロがもふキッチンに足を運んだ時に交わした約束を守るためだった。

 

 

 「――ということで、へろちーとの約束を果たす為に、俺、参上(`・ω・´)」

 

 某ライダーの様に香ばしいポーズをとり、更に声真似までしたもふキチ。それに反応するのはもちろん

 

 「モ○タロスぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

 ライダー大好きたっち・みーその人だった。そんなたっち・みーにもふキチは「黙れムシキング!(`・ω・´)」と言ってばっさり切り捨てているが……。(たっち・みーはライダー好きすぎて蟲系異形種)

 

 「ところで、今日はこのメンツだけなのかい?」

 

 ざっと円卓の間を見回してもふキチが訊くと、モモンガは残念そうに「そうなんですよ(´・ω・`)」と返してきた。

 

 「他のみなさんはどうしても都合が付かないらしくて……餡ころもっちもちさんなんかはすごくもふキチさんにお会いしたかったらしいんですけどね」

 

 「あんちゃん可愛いもの好きだしね~。もふキチお兄ちゃんに触発されて、PCも一旦破棄して作り直しちゃうくらいだし」

 

 AOGに三人しかいない女性ギルドメンバーの一人、餡ころもっちもち。もふキチとの出会いはAOG加入後だが、彼と出会ったことで課金してまで種族をもふキチのような獣人族の犬種に変更するなど大のモフモフ愛好家だった。もふキチに懐いているギルドメンバーの一人で暇なときはもふキッチンに遊びに行ってはもふキチを押し倒してモフモフしている。

 

 そんな彼女だが、今日はリアルの方でどうしても外せない用事があるとかで不参加。非常に悔しがっていた。きっと後日もふキッチンに押しかけてきて今日の分までもふキチを襲い倒すことだろう……。

 

 「やばい、俺逆セクハラされる予感しかしねぇ……(´・ω・`)」

 

 もふキチもそう思ったのだろう、ショボーンとアイコンを点灯させながらそう呟いた。しかし、セクハラやエロ行為に厳重なこのユグドラシルにあって、何故かもふキチに関しては女性PCに触ろうが、女性PCに押し倒されようがいつも警告がなされないのは何故なのだろうか?エロゲ魔人(笑)はよくその事を不思議に思い、更に羨ましがっているのだが。

 

 「さてさて、それでは本日のメインに参りましょうか」

 

 話の流れも落ち着いてきたころ、今回もふキチを招く切っ掛けとなった張本人のヘロヘロがそのどろっとした身体の一部分を盛り上げ――恐らく手を挙げたのだろう――全員の注意を引く。

 

 「もふキチさんの力作……ルプスレギナ・ベータとの初対面ですね」

 

―続く―




という訳でルプーの製作者としてもふキチが名乗りを上げてしまった……もし原作側で製作者決定してたりしたら削除しますのでゆるしてくだしあ!!

2023/6/23追記
どうやらルプーの創造主スマホゲーのほうで判明したらしいんですが、改変!ということでひとつ(^^;

てか誰だよ獣王コン川って…


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