奴良リクオになりて、妖生を謳歌する。 (村椿征)
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キャラクター紹介〜妖怪&人間〜
妖生謳歌〜キャラクター紹介〜ー妖怪編ー


はい、どうもぉー!叡です。連続投稿なのかな?今回のコーナーではキャラクターの詳しい紹介をしていく的な何かです。これは新しい情報が入り次第どんどん追加していく予定ですので宜しくお願いします。さてさて、前置きが長くなってしまいましたがどゔぞ!


 

 

 

 

 

 

 

奴良リクオ(人間、ぬらりひょん)

 

原作とは打って変わってなのか?性格改変ではないが細かいところは変わっている。少し鋭く、バトルジャンキーなところは原作との大きな違いの一つである。

 

 

明鏡止水・千本桜

 

千本の剣戟を飛ばすという荒技。夜の方でしかできないが威力は強力なものである

 

明鏡止水・紅

 

剣の突き技。剣先が紅く光り敵を突き殺す。昼でも夜でも使え、使い所があっていれば岩をも砕く一撃がくりだせる。

 

奥義・明鏡止水"桜"

 

原作と同じ。本作は昼と夜の両方が習得済み。

 

日暮桂花(人間、犬妖怪)

 

リクオの幼馴染で言動やら何やらはほとんど本作ではまだ明かされていない。作者の度量に期待

 

日暮犬夜叉(人間、犬妖怪)

 

桂花の父。技が一個一個強く、誰にでも頼られる存在。また、奴良組の幹部。犬組の頭。

 

 

風の舞

 

風の傷と同じような持ち手で技を放つため、よく間違われやすい。この業の方が強くて、周りに旋風を出現させて千切りにする。

 

風の傷

 

犬夜叉原作と同じ

 

爆龍波

 

こちらも同じ

 

日暮かごめ(人間【巫女】犬妖怪)

 

弓使い。犬夜叉の妻で、桂花の母。強い女性で清めの力がある。浄化の力が人一倍、二倍以上ある。

 

奴良鯉半(ぬらりひょん、人間)

 

リクオの父で奴良組の二代目総大将。かなり力が強いが、本作では語られていない。今後語られるかもしれない。これまた作者の度量次第。

 

奴良若菜(人間)

 

ごくごく普通の一般人ではなく、極道の妻なので隠し武器と拳銃を持っている。なかなかに扱いが上手いらしい。

 

奴良乙女(花妖怪)

 

リクオの腹違いの母。花妖怪で、本作リクオ曰く清楚。力は本作ではまだ明かされていない。

 

奴良乙名(人間、花妖怪、ぬらりひょん)

 

リクオの腹違いの姉。その力は風見幽香に匹敵すると言われている。作者の度量に期待。

 

ぬらりひょん

 

若々しい頃の容姿で、強くて逞しい初代総大将。力は原作の並ではない。恐ろしく強いという。

 

奴良珱姫

 

ぬらりひょんの妻。妖怪化し、治癒能力を持つぬらりひょんになった。原作よりはるかに戦闘力がある。

 

雪女・氷麗

 

今一番、リクオの妻に近い妖怪。原作以上の力をつけ見参。

 

破壊僧・青田坊

 

原作より力が増しており、なかなかの心の広い持ち主。

 

風見幽香(花妖怪)

 

*印の一人。リクオ強化の手伝いをした人。笑(s)顔が似合う妖怪。

 

 

花映 マスタースパーク

 

超極太妖力レーザーを傘からブッパする。

 

八雲紫(スキマ妖怪)

 

不気味で胡散臭が持ち味。駆け引きが得意で戦闘も得意。完璧である。

 

西行寺幽々子(亡霊)

 

おっとりとしていて、だがそれとなく何かを察せられているかのような感覚に陥る。

 

魂魄妖忌(半人半霊)

 

剣士でどんなものでも切る程度の能力を持つ。庭師なのだが、その戦闘力は破格。

 

魂魄妖夢(半人半霊)

 

きれぬものなどあんまりない。だが努力はたゆまない。行き届いた環境で修行中の身。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まだまだ増えるよー。ということでね、叡です。連続投稿は初めてだったのですがどうでしたでしょうか?気休め程度に見てくれたら幸いです。


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出だし、ここが一番肝心所
妖生を持つ


初めまして、絶対初めましてですよね?初投稿、処女作になります。
響きがエロいな。ということでこの作品を読む前に軽く注意。
二次創作作品です。お嫌いの方はそのまま見ないことをお勧めいたします。それがよろしいのであれば、ご覧ください


ある日、僕は死んだ。死因はとても間抜け。ドブに足を滑らせ頭から地面にキス。こんな一般人なか弱い僕は死んだ。

 

 

起きると真っ白い世界が目の前に広がる。これは神様転生という奴か。一人で納得していると目の前から声が聞こえてくる。

「少年よ、転生したくない?」

はいテンプレテンプレ、と思ってしまう自分はなに様なのだろうか?

はい、したいです。自分の決意は変わらない。ある一人の男に生まれ変わりたいのだ。妖怪、ぬらりひょん。奴良リクオに。

「うむ、お主はなかなか潔いいな。その心の構え方に惚れた。よし、お主を奴良リクオに転生させてやろう。第二の人生、いや妖生を大事にな。そこで二つまで特典をやろう。決めてくれ」

そうか、考えてなかった。盲点だったな。決めた、一つは心の中で固い決意に変わった。まず、一つめいいか?

「ああ、構わんよ」

イレギュラーの追加。いい方面でだ。

「お安い御用よ。して、次は?」

次は、そうだな。修行すればするほど強くなると、最後はほんの願望なんだが、前世の記憶をなくしてくれ。転生したと、特典をもらった事実だけを残してくれ。

「うむ、ほんにお主は潔いいの。あいわかった。承ろう。ではな、少年………ぬらりひょんよ」

ああ、少しの間だけどありがとう、神様。楽しかった

「ああ、わしもじゃ。………じゃあの」

うん、じゃあ。

二度めの目の前が暗くなる瞬間だった。本当に少しの間だが、最高に面白い時間ではあった。そんなことを考えながらどんどん意識は闇に沈んでいく。さてと、どんな出会いがまっているのかな?

 

 

「生まれましたよ、鯉半さん。男の子ですよ、玉のような可愛いね!」

「おうおう、鯉半に似てふてぶてしい顔なこって」

うん?なんだなんだ、知らない天井だな。声は……、出せないな。

当然っちゃ当然か。

「こら、犬夜叉。失礼なこと言わないの!全く、ごめんなさい鯉半さん」

「いいんでぃ、気にしなさんな。犬夜叉も十分ふてぶてしいぜ?しかし、お前の娘はかごめさんに似てよかったな。お前に似てたらふてぶてしいってもんじゃねぇや!はははは!」

「失礼なこと言いやがって、まぁいいか。しかしどうにもめでてぇな。酒でも飲むか!」

「だな、かごめさん!うちの倅頼みます。あっちで親父やらなにやらで決めてきますわ」

「はい、名前決め。頑張ってくださいね!」

「あいよ!」

ああ、イレギュラー追加ってすげぇなぁと、思ってしまう俺がいた。

今日はもう眠いや。今一度出直そう。それがいいと本能が言っている。いや、確実に囁いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。また、いつになるかはわかりませんが、続きの方上げていきたいと思います。


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原作前。修行中のリクオさん
三年の月日が流れ、いろいろなことをする


これからは少し長めで本文書きたいと思います。
学校だるたんですな。


まずは1年めからご紹介していこう。女中、護衛役の確認。

雪女 氷麗

破戒僧 黒田坊

青田坊

首無

毛女郎

お目付役

黒羽丸

ささ美

トサカ丸

牛頭丸

馬頭丸

牛鬼

まぁ、こんなところか。そして僕には幼馴染がいて、名前を日暮桂花 という。まだ僕らは声を出し始めたばかりで意思疎通がままならない。ああ、早く修行したいところだ。

 

 

二年め飛ばして三年目。二年目の見どころ、というか語りどころはないに等しい。三年目。やっと意思疎通ができる時期。 桂花とはおもちゃで遊ぶ仲だ。そして夕方ぐらいになると僕は犬夜叉と修行していた。……………………。

「"風の傷"!!」

「きょうかすいげつ!」

犬夜叉の技を間一髪のところでかわしきり、ずらしきり。心を落ち着かせて、ぬらりくらり。まだまだ攻撃は続く。死にはしないだろうが当たったらまず間違いなく致命傷になること間違いなしな攻撃がパーティに並ぶ食事のようにずらずらと。くる、くる、くる。なんどもずらし、なんどもよけて。

次はこちらの番と言おうとしている僕の手にある刀が震える。反撃したいか?なるようなるさ。

「めいきょうしすい、さくらふぶきのはなみざけ……」

 

いちテンポおくれ、

 

「"爆龍波"!」

いきなり強い風が来たかと思うと、僕の攻撃を巻き込み、それを力に変えてさらに強い風となってこちらに帰ってきた。ああ、今日はこれで終わりか。物足りないも、満足感だけは立派にあるから困ったものだと僕は思う。

あたり、裂け、意識が薄れる。白と黒の世界がーーーーー反転した。

ドクン、と。強く脈打つ。何度もなんども。ドクンっ!ドクンっ!ドクンっ!血が滾る。ぼくの、この俺の血が。大妖怪、ぬらりひょんの血が!

「なんだ?……まさか、変化?早くないか、変化するの」

犬夜叉は何かを言っているようだが、ぼくには関係ない。

今は俺が暴れたい気分なんだ。暴れさせろ!戦わせろ!本能が騒ぐ。とにかく騒ぐ。そうだ、俺はもっと強くなりたい。勝ちたいし、敗北を味わいたくない。まだだ、もっとだ!

 

「いくぞ、犬夜叉。ここからが本当の戦いだ」

「ああ、いいぜ。相手してやるよ!」

 

二人が言ったと同時に剣戟が始まる。激しい剣の重ね合い。犬夜叉の妖刀は重く、一発一発が鉄の塊のようだ。だがそれに負けないように、父に貸してもらった祢々切丸を振るう。塊を砕き壊すかのように。冷静に、的確に、鋭い刃をいれる。何分経った?いや何時間経った?俺にはとても長い時間剣を交わしていたような感覚にとらわれる。

 

「いくぜ!、"風の舞"!」

暴風が吹き荒れている。犬夜叉の中心に集まって、そしてものすごいスピードで風の刃が飛んでくる。これを防ぐには新しい技しかない。三年間懐にしまいこんでいた、考え抜いた"業"。

 

「明鏡止水、千本桜」

 

千本の剣戟、とまではいかないがそれに比する数の剣戟を一瞬にして叩き出す。その剣戟で風の舞の中心を狙う。これでもかというくらいに。何度もなんども、なんども狙う。しつこく、粘り強く。

ミシッと舞が音を出して破れた。その瞬間を狙い千本桜をかます。これでもくらえ!元は弱者だった、人間で、脆い存在だった。俺の本気を!とどけ!!とどけぇぇぇぇえ!

 

「うぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!」

 

気がついたら声を出していた。口に出して。なんの恥ずかしげもなく。清々しい気分だ。だが、犬夜叉の方が一枚も二枚も上手。

簡単にいなされて負けた。負けたというのに気持ちがいい。どうしてだろうか。ぼくにはわからない。

 

 

 

知っている天井。おじいちゃん、ぬらりひょんと桂花。それに氷麗も居る。まぁ、あんだけ盛大に負ければそれも当然か。この思考をすぐに切ると、彼女らに向き替える。

 

「お怪我はありませんか?リクオ様。ほんとにけがはないですか?」

相変わらず心配性な氷麗。だからぼくはこういう。

「大丈夫だよ!全然痛くないから!!」

と、いうと安心したような気がする。しかしそこで行く手を阻む桂花。ぼくに近づいて話をしようかとすると口を開けようとした瞬間痛むぼくの怪我の部分を押したではありませんか!うむ、これは、

 

「いたっ!いたいよっ!やめてくれ、桂花!」

これを聞いた瞬間の桂花の表情。思ったとうりと言わんばかりの慈しみの顔。うん、氷麗にも桂花にも当然ばれてましたね。

 

「にひひひ。やっぱりね。りっくんはかくしかたがへただなぁ。

「くそぅ。ここはおとこにはなもたせてよー!」

「わははははは!リクオ、奴良組の女はつえぇやつが多いぜ?威勢がいいつーか、なんつーか。」

「総大将?その言葉は聞き捨てなりませんね。誰もが誰もつよいわけではないですよ。現に私はか弱いですし……。」

えぇ、氷麗がか弱い?そんなわけないだろう。たぶん天真爛漫という言葉が似合うのは奴良組で彼女ぐらいだろう。そんな目線を向けると、気づかれたのか、

「リクオ様?どうやら夕餉は間に合っているようですね。運ばなくても?」

それはやめていただきたい。noと答えられる日本人、日本妖怪になろう。勘弁して欲しいと話したら、すぐに許してもらえた。

さすが氷麗。可愛いし心も広くて結婚するなら氷麗がいいなと思ってしまった。

 

 

「おい、リクオ。今日は客人が来る。大人しく待っていてくれ。つっても古い友人だから、まぁなんかしても許してくれるだろうさ」

と、父が言ってきた。ふむ、友人が来るのか。では犬夜叉と一緒に遊ぼうということで、父さんにその旨を伝えた。そして、わかった!と言われ、ぼくは犬夜叉のところに行く。

 

「ねぇ、犬夜叉。父さんの古い友人、って誰だろう。とてもきになるんだよなぁ」

「詳しいことはわかんねぇけど、花妖怪の友人やスキマ妖怪。他に亡霊なんかも知り合いにいるらしいぞ。ていうか、今日はその古い友人が一気に集合だからたぶんそのせいだろうな」

ふーんと思いながら聞いていてふと思った。スキマ?ああ、花妖怪?

え?亡霊?それは、あの作品を彷彿とさせる、うん。

一言言おう"イレギュラー強さはんぱねぇ"と。

悟ってしまった自分の間の良さもやばいが、本当に父さんの友人関係には脱帽せざるをえない。すごいね。

ふと、耳を澄ませると、何やら賑やかな喧騒が聞こえてくる。

父の声が混じっていて一回聞いただけでわかってしまう。犬夜叉にありがとうと告げ、障子に隙間が空いていたのでそこから覗く。

 

「あらぁ?可愛い子ねぇ。鯉半の子供とは思えないわぁ」

「本当だな。クリクリしている」

「あら、幽香がそんなこと言うなんて、幽々子は予想どうりだけど。ねぇ、その皮剥いでみて?」

「ぶち殺されたいか?このクソババァ」

「あゝ?テメェもじゃ!ボケェ!」

「うふふ、紫、しゃべり方が崩れてるわよぉ〜」

 

覗いた瞬間ばれてしまった。これは反省。まだまだ隠遁が使いきれてないからか?そんなことを思いつつ、この三人はとんでもない妖気と実力を兼ね備えてるとわかった。この人たちと修行すれば……、よし。そうと決まれば早速言うしかないだろう。それを心に秘め、向きなおる。…………なんていおうかなぁ!

 

 

 

 




早い投稿ですね。自分で亀投稿とか言ってたくせにね。来週から期末テストなので投稿できないかもしれません。かも、なので多分隙をついて書くと思います。
補足を入れておきますと、ぬらりひょんは若々しい姿のままで、まだ父は生きていて、珱姫も居ます。ちなみに設定としましては、珱姫はぬらりひょんといるうちに妖怪化し、結構長く生きているという。
これはご都合主義も追加の方向ですね。


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父の旧友……、何で大妖怪なの?

村椿叡です!亀投稿とか言っておいてこいつなんなんだとか思ってますよね?
自分でもそう思ってます。←ただのバカですね。期末近いのにね!
まぁ、生暖かい目で見ただけると幸いです。


さぁ、ぼくはどうする?この人達にどうやって修行見てもらおうか?全然思い浮かばないのだが。しかし、ぼくは修行付けてもらいたい。シュゥゥウ、と音を立てた。途端言葉が口から漏れてきた。

 

「お願いします。ぼくに、俺に!修行をつけてください!」

 

 

プライドなんか捨てる。この人達は俺より強い。だったらちっぽけな心はいらない。修行してもらう、その一心だ。

 

「私はいいぞ。少し厳しめだがな」

「幽香はなんかリクオくんを潰しそうで怖いわ。私もいいわよ。式神を連れてきてね」

「私もいいわよぉ〜。妖忌や妖夢を呼んでねぇ〜」

 

やった、やってやった。やったぞ。俺はやった。そう思った瞬間込み上げてくる。ありがたさ、嬉しさ。

 

「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」

 

最高の気分だった。本当に何も言えない。

 

「リクオ、やるからにゃ頑張れよ」

「ああ、親父。やるよ、俺。」

 

そして一夜が明けていく。

 

 

よし、朝から修行でそ。……噛んだわけじゃないよ?

でも、初顔がいる。それは俺と同じような年の子で女の子だった。ええ?すごく可愛いんだが、可愛いんだが!敵意むき出しなんですが?現在睨まれています。

 

「初めましてだよね、奴良リクオです。よろしくお願いします。魂魄妖忌さん。妖夢さん」

「うむ、よろしく頼むぞ。リクオ」

「………よろしく」

 

ううん、嫌悪だぞー。やべ、怖えな。だが仮にも三代目候補。こんなことで怖気付いてはいけない。それを抑えてぼくは行くんだ。

 

 

 

 

妖忌さんとまずは打ち込み。木刀ではなく、真剣で。当たれば傷はつくが、そこは妖怪。しかもぼくはおばあちゃんの血を少しだけだがおおめに継いでいるらしい。剣戟が飛び交う。時々妖夢さんも混じって打ちあう。だが、なぜだろう。妖夢さんの剣には殺気がこもっている。だがその分避けやすい。

 

「第一打ち込み終了!3分休憩!」

「「はい!」」

 

一時間の打ち込みが終わり、3分の休憩が入る。その3分で感覚をつかなければならない。反省して、構え方を確認。刃の入れ方も細かく見ていく。

 

「休憩終わり!第二、開始!」

「「はい!!」」

 

まだ打ち込みは続く。

 

 

 

 

第五打ち込みが終わった時、すでにもう昼餉どきだった。育ち盛りの空きっ腹にはどんな飯でも腹に入る。氷麗が心配そうな目でこちらを見てきたので満面の笑みを浮かべた。そしたら氷麗の顔が赤くなった。なぜだろう?まぁ、今日は暑いしな。と勝手に納得。さてと、昼餉昼餉。

 

「いただきます……、と」

 

一人で飯を食う。これも修行のうち。いつ襲われてもいいように常に気配察知を怠らない。…………………飛んでくる。叩き落とす。

二本も来た。片方は妖忌さん、もう片方は……妖夢さんか。

昼餉も食べ終わり、ごちそうさまというと息を吸い、ありがとうございました!と高い声で言う。次は幽香さんとの修行。とても楽しみだ。

 

 

昼餉も食い終わり、さてと修行と思った瞬間いきなりパンチが飛んできた。それを"ずらす"。

 

「なかなかやるじゃないか。最初に避けられたのはお前で初めてだ」

 

となかなかシビアなお褒めの言葉をいただき、コクンと頷くことにする。

 

「よし、追加攻撃だ。今回は剣は使うな。畏れだげで逃げてみろ。当たったら無事じゃ済まないと思え」

「はい!」

 

正直言って拷問なんじゃないかとぼくは思う。

 

 

しばらく経ち、畏れのコツがつかめてきた!気がする。あくまでも気がするなので全く当てにならないが。しかもみんな縁側で僕らの修行見てるし。でも今は"ずらし"続ける。とにかく、"ずれてやる"。

そうしてやっていたら、いつしか幽香さんの攻撃が怖くなくなった。畏れなくなった。そしてぼくはある逃げる方法をとる。カウンターだ。攻撃された瞬間人間じゃ反応できない速度で浴びせる。まぁ、幽香さんには防がれ、もう一回カウンター入れられる。これが本気でないんだからすごい。

 

「よし、休憩だ。次は剣持ち。私も武器を持つことにしよう」

 

えっ?何だって?とんでもない言葉が出たかと思うと、休憩時間まで体力保存しておけということなのだろう、飲み物があった。ありがたくもらっておくことにする。

 

 

それから武器持ちで殺りあった。本当に本気で。まだ戦いは続いている。激しい剣の雨。音、火花。どれを取っても最高の響き。バトルジャンキーだな、ぼくは。

 

「ウルルルルルルああああ!」

 

ぼくが吼え、

 

「ははははははははははははははははは!!!!」

 

幽香さんが笑い、

 

「「はははははははは!!」

 

まさに地獄絵図と化してきている。庭は壊れていない。そこにも気遣い、一進一退の攻防をしている。命の掛け合いをこれほど楽しいと思ったことはない。だが、ここが俺の生きているところ、存在を示せる場所でもある。一番上に立つものは一番しっかりしてなければならなない。じいちゃんや父さんなんかも強いし、しっかりしている。時々スチャラカだが。まぁ、その思考を切り捨て、今はこっちだとさらに集中する。考え事してたら負けた、など呵々大笑ものである。いらない思考を一切まっさらにし、勝つために考える。闘いながら。矛盾しているかもしれないがどんな妖にも隙はある。そこを突く。

だが、なかなか見せてくれない。どうしたとことか。いや、わかっている。そんなことはわかりきっていた。そのわかりきっていた中で見つけなければならない。何かないか、なにか。この戦局を一気に変える、超宇宙級な思考。うん?あ、………分かったかもしれない。これだ!!そう思い、その途端に体が実行に移していた。

 

 

いきなり攻撃をやめたかと思うと、ぼくが一撃をかます

 

「明鏡止水、紅」

 

俺が編み出した突き攻撃。この名前の由縁は動く速度が速すぎて剣の先っぽが紅色になることから付けたのだ。

いきなりのことだったのか、狙いどうり幽香さんの動きを崩せた。

一気に推して参る。そして剣をいくばくも振るってきた俺の体に悲鳴が入る。しかしそれも気にせず。幽香さんに目掛けて振るう。

しかし避けられ、幽香さんの傘の先端が光ったかと思うと、

 

「花映 マスタースパーク」

 

妖力砲を放たれ、俺は意識を失った。

 

 

 

 

もう長いこと意識を失っていたと思う。思うだけであって本当は違うかもしれないが。それぐらいに長く目が開けられず。やっと目が開いた。ーーーーー黒い背景。真ん中に大きな桜。光っている乱れ桜。今ぼくがいるところは酒のような匂いがする水のような何か。

人がいる?妖だ、あれは。しかもその妖、あれはぼくだ。

 

「よぉ、昼」

 

そう言われたら、なぜか返す言葉がするりと口から出てくる。

 

「やぁ、夜」

 

これが僕ら半妖に満たない妖怪の初めての出会いであった。奇妙な感覚だ。自分自身にあっても発狂しないし、驚きもしない。まるでそうであるかのような、それが正しいことである。と、断言されてる気持ちになる。

 

「ねぇ、夜。ぼくは死んだの?」

「いや、死んじゃいねぇさ。何たって俺の体だからな」

「それもそうか」

 

納得してしまった。こりゃ一本取られたね。あ、意識が薄れてくる。

お別れみたいだ。いや、常に心の中にいるけども。

 

「じゃあね、夜。また来るよ」

「ああ、またな。待っててやるよ」

「うん!」

 

こうして夜に別れを告げ、昼が動き出す。

目を開けたらとても眩しく、何人かが見える。帰ってきたのだ。精神世界から、現実に。

 

 




どうだったでしょうか。誤字脱字などがございましたらご報告お願いします。期末テスト前なので本当に一週間できないかもです。亀投稿のタグ消そうかな?見ていただきありがとうございました!


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原作のはじまり、はじまり。
目が覚め、いろいろな歯車が回り始める


はい、どうもぉ〜!村椿叡です!!
はい!テスト期間中ですね!8日から11日です。
ただのバカですね!私は!はい、作者はどうしようもない駄目人間です。何か誤字脱字や、間違いなど、この小説の批評、などなどを教えてもらえたらと思います。何卒宜しくお願いします!


目を開くと視界に光が入り込んでくる。眩しいっ!と思った瞬間、瞼を閉じてしまう。それが次第に慣れていき、ぼくは視界を取り戻すことができた。それから周りの見渡し。桂花と氷麗が泣いていた。あれ?え?誰だよ、桂花と氷麗泣かしたやつは!………ぼくだよね?ああ、やってしまった、と思ったと同時に罪悪感が芽生える。ごめんと声をかけるだけでいいんだ、いやでも。今回はそれですまないかもしれない。ありとあらゆることを考える。ずれてずれてずれて。知恵を振り絞って。やっとの事で口を開く。

 

「ただいま、桂花、氷麗」

「「おかえりなさい、りっくん!

リクオ様!」」

 

ああ、帰ってきた。そう思えた。しかしそのあと、

 

「リクオ様?どういうことか説明してもらいますからね?」

「りっくん?あの霊体連れてる子はだれ?」

「え、えっと〜」

 

どうやら誤魔化されてはくれないようで、話が終わるまで動かないらしい。ぼくが全力で振りほどこうとしてもビクともせず。女の底力は、ああ、いや、乙女の恋の力は複雑怪奇、そして意味不明な部分でもある。

 

 

 

事情を説明し、やっとこさ落ち着いたところで、体が熱くなってきた。昼)ああ、出るんだね。夜はまだ眠ってなよ。夜)いや、昼こそ眠ってろ。無理しすぎだ。お前は人間、俺は妖怪。そういうことだ

昼)じゃあ、お言葉に甘えて。会話が終了し、煙が音を立てる。

 

「んじゃ、桂花、氷麗。行ってくる!」

 

と言い残すと、"ずれた"。

 

「ああ!リクオ様!逃げないでくださーい!」

「そうだよ、りっくん!逃げないで〜!」

 

ごめんなさい、あとで存分に怒られるので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからというもの、妖忌さん、幽香さん、紫さん、の順でローテーション修行していった。そうして、ぼくは成長していく。

 

4歳、桂花が女中になる。うん?ぼくと同い年だよね?桂花?

どうゆうことだ?チンプンカンプンなのだが。ええ?犬夜叉の剣を引き継いだ?ああ、なるほど。一人前になったと。そういうことだったのか。話は変わるが、ぼくもこの頃になると修行は自分で素振りをしているか、たまにくる師匠達に組手やらをしてもらう。それで師匠達は約束してくれたのだ、百鬼に入ってもいいと。だからそのために頑張る。盃を交わしてやる。師匠の前に、桂花と盃を交わした。ぼくは五分五分がいいと言ったのだが、桂花が7分三分と言って聞かなかったので、潔く7分三分の盃で交わした。これで正式にお付きになったわけだ。元から氷麗はお付きだったためそのまま変更なし。まあ、奴良組は安泰ですね。だがしかし、やってくれましたよガゴゼさん!貴方いたんですねぇ……!はらわたが煮えくりかえりそうでしたよ。とりあえず、あれはシカトの方向で。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある夜のこと、ぼくが風呂に入って体を洗い、もう一回湯船につかろうと決心した時に、師匠達と氷麗、桂花などが入ってきた。……………え?いや、おかしいでしょう?なぜわたくす目が入っていると声をかけたのに入ってくるんですか。

 

「師匠方、……なぜこちらに」

「あら、貴方いま桂花と氷麗と妖夢を見たでしょ?」

「リクオ様のえっち」

「りっくん、めっ!だぞ」

「貴方は罪を重ねるおつもりで?」

 

確かに視姦してしまった感は否めない。紫さんが言うと同時に三人とも腕を組んで胸を隠す。罵倒付きで!まぁ、おれに見られるのがやだったんだろう。それにしても、この人たち胸大きいな!説明してみるとだな、ふくよかなその胸は首の少し下からへそより少し上にあり、その大きな膨らみは男の欲をすべて受け止め切れそうな……いや、だからと言って視姦していいわけではないし。でも、確実にどの胸も男の浅く醜い欲望を体現しているかのような。それでは失礼か。男の、そうだな………宇宙的神秘、といったほうがいいかもしれない。ああ、やばい、これはやばい。何がやばいっておれのミニリクオがび◯◯んだから。しかもさりげに見えそうな位置にあるからな。やばい、静まれおれ。いや、決しておれの方ではなく、ミニの方……。仕方ない、慣れよう。そうしよう。

 

「もう出ます、のぼせてしまいそうなので」

「あぁ、リクオ。すまないな。あのスキマBBAを止めることができなかった」

 

 

いいえ、大丈夫です。多分誰にも止められなかったでしょう。そして風呂から上がる。

 

 

 

 

 

 

ふぅ、さっぱりしたな。しかし風呂は最高ということか。うん。天啓を得た気がするぞ。そして、歯車が回り始めた気がする。儚い歯車も。尊い歯車も。攻撃的な歯車も。みーんなみんな。すべてがすべて。5歳も終わり、短い小学校の原作が、始まろうとしている。

おれはとてもワクワクしていた。年甲斐もなく。おれは手に力を込め、やってやるという気分になる。さぁ!ここからはぬらりひょん様の出番ということだ!おれ、奴良リクオはここに負けないことを誓った。誰にも負けたくない。もうあんな惨めな思い、二度とごめんだ。さぁ、はじまる。おれの新たな第一歩が。そう、真新しすぎる第一歩が。

 

 

 

 

 




はい、いかがでしたでしょうか。テスト期間中とあってのことかクオリティが低いのにさらに低くなりましたね!ヤベェよぅ。
ストーリーのおさらいなんかをやってきます。
ごくごく普通の一般人が死に、二つ+aのお願いをします。
それでから奴良リクオの生をうけ、いま必死こいて生きています。
この小説は完結を目指しますので二年間ぐらいかかるかなぁ?
まだ書きたい小説もあるので並行してやってくかんじでいいかな?
兎に角!前書きでも言いましたとうり、もう質問でもなんでもいいので、アイディアいただけると助かります。ネタがそこまでないものでして。
これからも頑張っていく所存、どうかこんな馬鹿な作者を応援してやってください。


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若き主、出入りの時間

はいどうもぉー!叡です。やってまいりました。ようやっと期末が終わり、活動できるようになりました。また何卒よろしくお願いします!


 

 

「リクオくーん!学校行こー!」

 

この子の名前は家長カナちゃん。僕の幼馴染で、とても天真爛漫で活発な子だ。この子のは言うならば太陽的存在かもと、勝手に思ってしまっている。その声にぼくは応じる。

 

「待っててー!いまじゅんびしてるからー!」

 

と、毎回ここに来てバスに乗るのだ。

 

「若、行ってらっしゃいませ」

「ああ、行ってくるよ」

 

と、ぼくはかけていく。さてと、学校に行くべ。

 

 

 

今日は研究レポートを提出する日なのだ。その提出の日に妖怪のことについて研究してきた奴がいるらしい。そいつの名前は、確か清継だったかな?あと島 二郎だったと思う。そいつらは妖怪の素晴らしさを語るわけではないのだろう。むしろその逆でバカにして、存在を否定するのだろう。だいたい予想は出来る。そういう浅はかな奴の顔は何回も見てきた。いやと言うほどにね。どいつもこいつも思考回路が同じなのだろう。ワンパターンで面白みがない。妖怪をバカにされることで、はらわたが煮えくり帰りそうになるのだ。おや、講義の時間みたいだ。さて、今回のやつはどんなことを言ってくるんだろうな。

 

「やーやー、みなさんお待ちかね。ぼくの妖怪に対する研究レポートを聞かせるよ」

「よっ!」

「待ってました!!」

「いいぞいいぞ!」

 

野次が飛ぶ。御託はいい。さぁ、聴かせてくれ!お前の意見を。

 

「まず、妖怪など存在しない。何故かって?いまは全て科学的根拠があるからさ。金縛りなんかはいい例だね。あれは妖怪の仕業とされてきたけど実際違ってね。医学的には睡眠麻痺と呼ばれる睡眠時の全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態をさすんだよ。不規則な生活、寝不足、過労、時差ぼけやストレス等が要因とされているわけだ。他にも証明されている現象はあるよ。だからほとんどフィクションなのさ。ノンフィクションなんかはない」

 

そう締めくくり、清継は満ち足りた顔で話を終えた。まさかここまで納得させられる講義を出されるとは。他のバカにしてきた奴らは、稚拙な物言いだけで判断し、ここまで医学的、科学的な踏み込んだ説明をしてはいなかった。この男には何か見所があるな。だがしかし今日はバスに乗らんで帰ろう。ちょっとそういう気分だ。なんとなくだが腹には一物抱えてるのかもしれない。

 

 

 

 

帰りの学校の道。ぼくはカナちゃんに別れを告げて一人で歩いていく。少し顔を伏せつつ、陰鬱な気持ちで。

 

「若〜!捜しましたぞぉ!」

「カラス天狗!どうして………」

「若の帰りが遅いようでしてな。探しておりました」

「そうなんだ。ならいいんだ」

 

カラス天狗に掴まれて、奴良組の本家に帰っていく。はぁ〜。今日は一日疲れたな。家帰ったらニュース見よう。そうしよう。

 

 

 

 

「ただいま」

「おぉ、リクオ!今帰ったか、いや〜心配したんだぜ、今"にゅーす"を見ていてな。そしたらこんなことが」

 

と、おじいちゃんの近くにあるテレビに眼を凝らすと、驚いてしまった。なんとカナちゃんが乗っているバスがトンネルで事故に遭ってしまったらしい。一大事である。なんとかしないと……!まずい、まずい、まずい!どうすればいい?何をすれば……、ああ。そうだ。出入りすりゃいいのか。

 

「おい、木魚。出入りだ。出るぞ。ガゴゼの野郎。俺の友人に手ェ出しやがった。ついてきたい奴はついてこい。出入りだ!!」

「はい、いつまでも若のお側に」

「うん、リク様の側に使えます」

「この黒と青が若に近づく奴は葬ります!」

「「「「我ら一同、同じ覚悟でございます!!!」」」」

「わかった。お前らついてこい」

 

 

俺はそう言うと、ぞろぞろと百鬼を連れてカナちゃんのいるトンネルに行った。さぁ、どうガゴゼを調理してやろうか。

 

 

ーーーー3人称ーーーー

トンネル内ではパニックが起きていた。泣く者や、叫ぶ者なんかもいた。ガゴゼがそこに現れて、三代目を亡き者にしようとしたのだ。

だが、そんな目論見を見破られたとも知らず、ガゴゼは当然のように奴良リクオを探す。

 

「ははははは!!三代目はどこだ!探せ!そして見つけ次第殺せ!」

 

ガゴゼは狂ったように叫び、周りの子供達は怯え、もうダメかと諦めてしまう子もいた。しかし、そんな時に声が上がった。

 

「誰が誰を殺すって?やれるもんならやって見やがれ。お前じゃ俺を殺すことなんて到底できない。さぁ、この人でなしどもを地獄に先に行かせてやってくれ」

 

そうリクオが締めくくると、リクオ率いる百鬼たちが一斉にガゴゼの組に襲いかかる。

 

「ぐわっ!」

「や、やめ、ぐぶぅ!」

「しぬ、死んでしまう、たすけーー」

 

いろいろな断末魔が聞こえ、ガゴゼ以外の妖怪はみな死んでしまった。

 

「す、すごい。これが妖怪の主。かっこいい……!」

「えっ!清継くん!?」

 

清継と島の声が飛び交う中。カナは思ってしまっていた。かっこいいと。黒と白が入り混じった髪。その妖艶な顔。なんでも包んでしまいそうな真紅の目。その全てを好きになってしまいそうだった。カナはその感情に戸惑ってしまい、今はわからないがこれの正体を知ることになるのはずいぶん後ということになる。それが果たしていいのか悪いのかは神のみぞ知り、本人には知りえないのだから。

 

 

ーーーー1人称(リクオ)ーーーー

俺はカナちゃんを見つけた途端、安心してガゴゼに集中できると思った。いや、確かに集中できるのだが、カナちゃんにひとこと声をかけたかった。だから声をかけることにした。

 

「カナちゃん、怖かったら目ぇつぶってな。目つぶり終わった頃にゃもう終わってるよ」

 

そう言うと、俺は満足できたのか、安心したのか、ガゴゼに声をかける。

 

「なぁ、ガゴゼ。お前に三代目を継げない理由がわかるかい?子供を食うことを生業にしていたよな、お前は。そりゃお前の畏れは確かに恐ろしいさ」

「じゃあ、なんで俺は継げないのだ!!」

「それはテメェが三代目の器じゃねぇからだ。子供殺して悦に浸ってるようなヤツァ、どう足掻いてもゼッテェになれねぇさ」

「………ちくしょぉぉぉおおおお!!!」

 

ガゴゼは俺に向かってきたしかしその動きは単調でただただ爪を振り回してるに過ぎない。もう送ってやろう。

 

「先逝って待っててくれや。奥義・明鏡止水"桜"」

 

俺の盃の酒が炎となり、相手を焼き尽くすまで消化されない強固な炎が纏わりつく。ガゴゼは焼き尽くされ、息絶え、これにてトンネル事件は終了したのである。

 

 

「いやいや、よかったな。リクオ。友を守れてよ」

「ああ、父さん。うん、本当によかったよ。本当に」

 

少し湿っぽくなってしまった親子同士の会話。しかし次の父さんの話で仰天することになろうとはまだ知らない。

 

「…………なぁ、リクオ。お前に言っておきたいことがあるんだ。聞いてくれるか?」

「ああ、いいよ」

「そうか…。実はな、お前には腹違いの姉がいる」

 

姉がいる……、姉がいる………、姉がいる…………。父さんの声が耳に反響し、その現実を受け入れようとしない体がある。

 

「え?」

「本当だぞ?母さんも知ってるし、若菜だって知ってる」

 

いや、だからこそまずいんじゃないのか?いや、妖怪の世界では一夫多妻なのか?そこのところがわからない。

 

「ちなみに妖怪は一夫多妻は認められていてな。連れてきてる」

「誰を?」

「腹違いの子を作った俺の女」

 

うん。わかってたよ。わかってたさ。どうなっちまうんだろう。これから。とても陰々鬱々な気持ちになってしまい、今日はもう寝ると父に告げ、床の間にはいる。明日が対面の日らしい。未だ見ぬ姉よ、どうかぼくに心労を与えないでください。

 

 

はぁ、心の中でも外でも溜息が出始めてしまった。今、俺は客間に居て、妖怪の姿で会わないと失礼に値すると思いそうしたのだ。ガラガラっと襖が開き、とうとう入ってきてしまったみたいだ。

 

「初めましてじゃな。君の姉の奴良乙鯉(ぬらおとり)という。よろしくなのじゃ」

「初めましてだな。あんたの弟の奴良リクオだ。一応三代目候補だ」

 

最初の出会いはそんなもんだった。これからどんなことが起きるのだろうか一抹の不安が過る。最後は父さんの二人目の人だ。

 

「初めましてね。リクオ。私は奴良乙女。花妖怪よ」

 

花妖怪は花妖怪でも、幽香さんとはえらい違いだ。乙女さんの方は清楚な感じ。幽香さんの方は笑(s)顔が似合うとても凶暴な女性だ。本人に心を覗かれていたら殺されていた。そんなことを思いながら、乙女さんに挨拶を済ませ、俺は鍛錬に出かけていく。家に居づらいからな。はぁ、なぜだか最近胃が痛い。最後に溜息。

 

「はぁ………」

 

 

 




長くなってしまいましたが叡だよ!ということで叡でございます。私、今日は三島で卓球の大会をやっておりまして、少し遅れてしまったのです。すいません。話はすごく変わりますが、キャラのプロフィールを次回は出したいと思います。オリキャラとあとは東方やら犬夜叉ですかね。では遅くなりましたが次回をお待ちください。


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中学生の主、妖怪退治に行く

お気に入り50人突破!!祝いじゃ祝いじゃ!ということで今日も今日とて頑張っていきたいと思います。期間が開いてすみません。アニメやら部活やらで遅れてしまいました。申し訳ないです。これから頑張ります!


中学一年生になったら、妖怪百鬼できるかな♩………なんとなしに歌ってみたけどこれはないな。うん。やめよう、これは。というわけで中学生になった。いつもと変わらない日常といえばそうなのだが、清継くんが妖怪に興味を持ってしまったのが心残りでもある。だが、あのとき助けなければガゴゼに殺されていた。カナちゃんも他の子もみんな死んでしまっただろう。だから助けた、というわけではない。自分の意思でやったのだ。まぁ、そこは置いておいておこう。うん?クラスに清継くんがいる。どうかしたんだろうか。確か清継くんは2組なのに。

 

「やあやあ、みんな。清継だよ〜。今日は妖怪が出るところに行きたいと思ってね」

「あれ、清継くん、妖怪は信じてないんじゃなかった?」

「いやいや、あのとき君も主に助けられただろう?憧れたんだ!あの方に!」

「そうなんだ」

 

と、何やら話をしている様子。何か変なことをやらかさないといいが……。

 

「おや、奴良くん。前は妖怪を否定して申し訳なかったね。訂正するよ」

「あ、ああ。別にいいんだよ」

 

清継くんの価値観に何かあったのか。まぁ、"あの時"助けたことが関係しているのだろうが。

 

「ところで奴良くん。学校の裏校舎に行ってみないかい?あそこは出るらしいんだ。………妖怪がね!」

 

えぇ?なんて?妖怪?内の組のモンじゃねぇな。多分どっかのワケェ奴らだろうか、古参妖怪かだな。

 

「そうか、わかった。行かせてもらう」

「そうかそうか!行ってくれるか!ありがとう、奴良くん!」

「え、奴良いくのかよ。やめといたほうがいいぜ。胡散臭い」

「コラッ!紗織、そんなこと言わないの!」

「ええ〜、でもさ鳥居」

 

そんな不毛な話し合いを続け早五分経過したところで、他クラスの方から倉田くんと及川さんが来た。

 

「俺も頼めるか」

「それ、私も行っていい?」

「もちろんだよ。いいに決まってるさ」

 

ええ!……不安だな。しかも、及川さんと倉田くんみたことあるような?いや、でも気のせいだと思ったのでこの妙な既視感を取り払うことにした。そうして夜になった。涼しく、春の夜としては最適な心地いい風が吹いている。春風てやつだ。母二人に見送られ、少しだるげに行く。カナちゃんも付いてくるらしいし、島くんも来るし、なんか守れる気がしないのだが何がなんでも守ってみせる。そんな覚悟を心の中で呟くと、とたとたと歩いていく。はぁ、今から学校に行くなんて杞憂すぎるかもしれないけど陰鬱な気持ちになってしまう。溜息をつくと幸せが逃げてしまうからそこまでつくのはやめよう。

 

 

 

 

「みんなついたかい?」

「う、うん」

「大丈夫っすよ。清継くん」

「大丈夫だよ」

「大丈夫よ」

「問題ない」

 

みんな揃って、漸く廃校舎に行くところだ。物々しい雰囲気で、今にもワケェ連中が出てきそうだ。奴らは畏れに飢えているからな。だから余計注意しないと。

 

「じゃあ、行くよ〜!」

「はい!清継くん」

 

島くんと清継くんが喋っている頃、カナちゃんが喋りかけてきた。

 

「ねぇ、リクオくん。本当に出るのかな?妖怪」

「ま、まさか。出るわけないよ。大丈夫大丈夫」

 

気休めにもならない言葉を送ってしまったバカな自分がいた。安心させるためには仕方のないことなのだが、罪悪感が芽生えなんだか申し訳なくなってくる。もう、妖気はすごく充満しているのでいるのは確実なのだ。だからこそ申し訳ない。なんとかなるのか?完璧に防げるのか?と聞かれるとわからないんだが。廃校舎に入り周りの妖怪からの視線が痛い中、やらかしやがった若い連中がいた。なんとヘビ型妖怪が現れたのだ。まだみんなは気づいてないようだが早急に手を打たないとまずいことになる。

 

「おおっとー!足が滑ったー!」

 

勢いよくヘビ型妖怪に向かって飛び蹴りをかまし、ことなきを得た。その後もたくさんの妖怪が出現し、僕がバリケードをしてきた。漸く妖怪の波が収まったかと思うと、冷や汗が吹き出してしまった。

 

「なぜ妖怪が出ないんだろうね〜。本当にいないのかな」

「本当だね。リクオくん。やっぱりいないんだね。妖怪」

「そうだね!いないね!」

「残念っすね。清継くんの世紀の発見になるかと思ったんすけど」

 

本当に危険な橋を綱渡りしているかのような紙一重の防御。自分を棚に上げすぎかもしれないが、正直言ってかなり辛い。主に心臓の動悸が激しくて精神に悪い、という面でだ。

 

「じゃあ、この教室で最後にしようか」

「そうっすね」

「そうだね」

 

ん?………!その教室はまずい早く伝えなければ!ばったり奴らの食事にまみえてしまうやもしれない。

 

「そっちは……「そっちはダメよ!」

 

狼の妖怪がいてカナちゃんは気絶し、清継くんと島くんが逃げ出してしまった。まさかの展開だ。そしていきなり僕の声が遮られ、及川さんの声が上がる。………やっぱりそうか。自分の中にあった疑問がすべて解け、楽になったところで。本気を出すか。

 

「奥義・明鏡止水・桜」

 

俺が技を放った瞬間、妖怪どもが炎に包まれ轟々と激しい音を立てて燃えている。俺の炎は波紋が鳴り止むまでその炎が消えることがない。

 

 

「さて、と。種明かししとくかい?氷麗、青」

「気づいてたんですかい、若」

「ああ。ばればれだ」

「どの時点でお気づきになられたのですか?」

「小3の頃からだろう。いつもいつも周りにいて露骨すぎるぜ。どうせ達磨とかカラス天狗とかが口をすっぱくして護衛をつけろと言ってたんだろ。だいたい想像はつくぜ」

「そうでしたか。この女はどうします?家に帰すのなら我々の姿を見られずに、起きられる前に家に送りますが」

「そうだな。青、頼んだぜ」

「はっ!若のご命令ならば、やってやります!」

 

こうしてひと段落。ひと段落したところで氷麗にこんなことを聞いてみる。

 

「なぁ、桂花はどこだ?」

「桂花は今は潜んでおります」

「そうか。どうりで校舎に入った時周りの妖怪どもとは違う見守る視線があったのか」

「……!気づいておられたのですか」

「ああ。まあな」

 

そんなことを話していきちょうどいい風なので、氷麗を連れ家に帰る前に散歩をすることにした。夜の風が心地よく、家を出て行く時と何ら変わらないぐらいの風が吹いてくる。肌にあたり、妖怪の血で温かくなっている俺の熱を下げてくれる。隣にいる氷麗の肌の冷たさも相まみえて。氷麗の肌はすべすべしてて、人間の肌と同じぐらい、いやそれ以上に綺麗だ。可愛くて可憐で、誰にも渡したくない。誰にも傷つけさせやしない。多分俺は氷麗のことが…………。そんなことを考えるうちに、家に着いた。氷麗との散歩の中では言葉はいらない。俺らは静寂を好き合っているようだ。そう、会話などなくても氷麗は察してくれている。俺も氷麗の考えていることは大抵わかる。だからこそ二人とも黙っているのだ。恥ずかしいから。自分から言う勇気は俺らにはないとお互い知っている。それは楽しみだから。何が楽しみだって?それはどちらかが先に告解するか、だ。俺らのペースでやっていけばいい。決して早くはないが遅くもない。だから、もし二人の勇気が合致したらその時は…………、その時はお互いに胸の内にあるこの激しい心の病を打ち明けるだろう。それはいつになるのか誰にも予測できない。俺は当然知らないし、氷麗にもわからないだろう。神のみぞ知るのだろう。俺ら二人はその答えに向かってまた一歩、また一歩踏み出して行く。

 




どうだったでしょうか。久しぶりのぬら孫は?楽しめていただけたら幸いです。さて、前書きに書いてあったとうりなのですが、最近忙しく。今日ようやく一年生の授業課程が終了いたしまして、ようやっと羽を伸ばせる……わけではないんです。私、部活動をやっていまして、休みがほとんどないのです。それは他の部員の方々と同じなのですが、言い訳がましく申し訳ございません。時間をかけないとクオリティが上がらないので。お時間をおかけしましたが読んでいただきありがとうございました。あ!あとサ◯◯クヘッ◯さん新巻ありがとうございます!


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主さんの古き友人の御家騒動

はい、どうもぉー!叡でございます!明日には沼津で大会があるので今日投稿させていただきたいと思います!気合が入っておりまして、頑張る所存。何卒宜しくお願いします!あ!投票者様、一人目達成です!本当にありがとうございます!


妖怪退治と護衛がいるという事実を知り、少し頭がクラクラっとしてきた。島くんと清継くんは見てないとぼやいていたが、カナちゃんだけは少し不安そうな顔だ。まあ、彼女は強い。妖怪のぼくらよりも、心が強い。そう安心してしまった。学校から家に帰るとおじいちゃんがいた。

 

「よぅ、リクオ。おめぇあてに客人が来てるぞ。早く行ってやんな」

 

「うん、わかったよ。すぐに行くね」

 

一体誰だろう。ぼく宛の客?もしかしてもしかすると、あの妖怪かも。すぐにその妖怪のイメージがつき、身震いしてしまった。やばい、あの妖怪が来る。そう、鴆くんが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

客間に通された鴆くんに会いに行くため、着替えて向かう。最後にあったのは何年前か?彼ら鴆は体に毒を持っており、その毒を治療や攻撃に使うことができる。しかしそのため彼らは短命で体が弱く病弱だ。だから最近は来れなかったのだが………。体調が良くなったのかどうかは知らない。何か土産話でも持ってきたのだろうか。深く考えるうちにどつぼにはまる。思考のループ。何度も同じところをぐるぐるぐる……。そのため思考を放棄し進む。何が待っていようとぼくは道を突き進むだけだ。そう思考放棄(逃避)しているうちに客間の前に着き、三回ノックして失礼すると声をかけて襖を開けた。

 

「若!お久しぶりでございます、鴆です!」

 

「ああ、久しぶり。鴆くん、元気にしてたかい?」

 

「ええ!私はなんとも……。それよりも若のお身体の方が大事にございます。大丈夫だったでしょうか」

 

「ぼくはなんともないよ。それよりも鴆くんのことさ」

 

「なんと……!この私目のために、わざわざ若を心配させるとは!申し訳ございません」

 

「いや、気にしないで。心配性なのは癖なんだ」

 

「そうでございますか、失礼しました」

 

昔からこうなのだよな。とてつもなくぼくにはと言うか本家には丁寧で、他の知らない組とかには厳しい目を送るという。その丁寧語をやめてもらいたいのだが、というか一度やめてと言ったのだが一向に聞く気配がない。これは彼の性なのだろう。そう思い切って治すのを諦めた。そうしてしばらく談笑していたら、氷麗が来てお茶を持ってきてくれた。茶を置いてごゆっくりという様はとても美しく凛としていた。さすがはぼくが好………なんでもない。いや、違うんだ。そうじゃない。とりあえずこの思考はやめにしないと、自分が恥ずかしすぎて死ぬ。急に出てきたものだから、いつもはこの思考に直結することはない。しかし、今回は急に出てきたため心の整理ができなくなっていたようだ。取り乱してしまったが、ちょうど心が落ち着いたところで鴆くんが帰りますといい、火車に乗って帰って行った。そうしてからしばらく経ち、酒を渡すことを思い出した。これはまずいと思い、じいちゃんに

 

「おじいちゃん!鴆くんに酒を届けてくる!」

 

「おお!早いうちに帰ってこいな」

 

さて、と。急がなければ!なぜか妙な胸騒ぎがする、心配だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鴆一派の屋敷に着くと、それはもう酷い状態だった。周りの竹は燃えていて、屋敷の壁はボロボロのズタズタ。これはどう考えても人為的なものだ。屋敷本体は燃え盛っており、轟々と音を激しく立たせながら火を吹いている。

 

「鴆、鴆はどこだ!誰だ、鴆一派の屋敷を燃やしたのは!」

 

「それは私だよ、奴良組三代目」

 

「貴様は確か、鴆のお目付役の蛇太夫。貴様ァ!……ゆるさねぇ」

 

「リ、リクオ。なんでここに。いや、すみません若。動転しておりました。こやつに図られたのでございます。この俺とあろうものが、こんなことで」

 

「待ってろ。すぐ終わりにしてやる。行くぞ」

 

「お前は誰だ!奴良組三代目はどうした!」

 

「テメェの目の前にいんじゃねぇか。変化した奴良リクオがよぉ」

 

「ま、まて。待ってくれ!や、ややだ。死にたく……ぎゃぁああ!」

 

最後に蛇太夫は断末魔をあげ、地獄に逝った。あっけない最後だったと言える。

 

「鴆。大丈夫だったか。もう安心しな」

 

「あんたが、まさか。妖怪変化したリクオかい?」

 

「フッ、やっぱり鴆は丁寧語つかわねぇ方があってるぜ」

 

「そうかい?俺は生意気だと思ってるんだがな」

 

「そんなこたぁねぇさ。お前は十分に立派な妖怪だぜ?」

 

「ありがとよ。……ところでよ、リクオはなんでここに来たんだ」

 

「ああ、そういやぁ………」

 

「若!若!カラスです。カラス天狗でございます!酒はここですよ!」

 

「おお、すまねぇな。じゃ、一杯やるか」

 

「おっ!あんたが注いでくれんのかい?」

 

「ああ。注いでやる」

 

「なぁ、リクオ。あんたと正式に義兄弟になりてぇ。酌み交わそうぜ五分五分の酒をよ」

 

「ああ、いいぜ。鴆は弱い妖怪だからな。俺が守ってやる」

 

こうして鴆と義兄弟の盃を酌み交わした。帰り道、俺はカラス天狗に尋ねた。

 

「なぁ、カラス。あとどれぐらい盃を交わせばつえーやつになれる?」

「リ、リクオ様。お継ぎになる覚悟はあるのですね。百の数でございます。そこまでしていただかないと、リクオ様の目指すものにはなれないとカラスは思います」

「そうかい。なら百の数、盃を酌み交わしてやるよ」

 

こうして夜は更けていく。こんな一日の出来事であった。




今回は少し試させていただきまして、「」のところを詰めて書くか、詰めないで書く、どちらの方が見やすかったでしょうか?私は書いている人なのでわからないのですが、皆様はどうした方がよろしいでしょうか?そこのところを感想いただけると幸いでございます。その他きになることがあれば、私のことなんかも、答えられる範囲で答えていきたいと思います。ありがとうございました。


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花開院の陰陽師と謎の巫女〜前編〜

どうもぉー!叡です。お気に入りいつの間に70人突破しました!ありがとうございます。大会が終わりまして、明日は温泉に行きます。その待ち時間やらにあげたいと思いますので、よろしくお願いします!


鴆くんを救い、見事お家騒動に巻き込まれました。というわけで、カラスには悪いことをした。酒を持って来させて疲労しているだろうに。疲れてないと言い張ってまた仕事してたし。大丈夫じゃないと思うのだが、どうだろうか。まぁ、カラスにはカラスの思考があるからな。それにケチをつけるのはまちがっているだろう。その思考を打ち止めし、今日先生に言われたことを思い出す。明日転校生が来るらしいのだ。どんなやつなのかという気持ちはあるがそれ以外はなにもない。氷麗と桂花以外には興味ないのだ。……やめよう。自分の首をただただ締めているだけだ。そんなことを思いつつ、今日も夜が更けていく。

 

朝になり、今日も晴れが続く模様だ。今日は日直で早くいけないといけない日なので6:30に起きたのだ。やはり朝の春風も気持ち良いものだ。まだ重い瞼を開けるのにはぴったりの気持ち良い風。ほとんどの思考が、風が気持ち良いとなっている。起きたばかりの脳の働きの悪さにはうんざりだ。もうちょっとちゃんとしてくれ。さて、時間も良い頃だしそろそろ学校へ行こう。

 

「行ってきます!」

 

「行ってらっしゃい!」

 

「「「「行ってらっしゃいませ!」」」」

 

こんな感じで毎朝見送られるこっちの身にもなって見てくれ。恥ずかしいな。まぁ、別にいやじゃないんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校に着き、日直の仕事を終えて席に着く頃には朝読書の時間。本を取り出し英語系統の本と、古典系統の本を読む。これが毎日の朝読書の日課だ。これが読むとなかなか面白い。知識欲は人並み以上にあると自負している。おっと、先生が来たようだ。ようやく噂の転校生の紹介があるのか。少しワクワクしている自分がいる。まぁ、どんなやつでも良いのだが、できれば絡みやすいやつだと良いなぁ。

 

「じゃあ、入ってください」

 

「「はい、失礼します」」

 

ん?二人なのか。しかも両方とも女の声だ。うーん、絡みにくそうだなぁ。

 

「私の名前は花開院ゆら。どうぞよしなに」

 

「私の名前は博麗霊夢よ。よろしく」

 

ううん?なんか、二人とも浄化の力が強いような?なんか嫌な予感がするんだよな。これで清継くんに絡まれなければ良いのだが、なんか無理っぽい。はぁ、憂鬱だ。そこはかとなく危機を感じている僕であった。

 

昼休み。本を読んでいて周りの状況に気付けなかったのが僕の敗因だ。清継くんたちに囲まれていた。

 

「なぁ、奴良。妖怪なんていなかっただろ」

 

「うん、いなかったよ巻さん」

 

「いや、奴良くん!確かにいたはずなんだ。いたはずなんだよ!」

 

「見間違いじゃないかしら。あれは不良よ、不良」

 

「うん、そうだよー!きっとあれは不良だったんだよ」

 

「き、君らは……及川さんに家長さん。そうだったかな……?う〜ん、確かに不良に見えたような、見えなかったような」

 

「清継くん!あれは不良っすよ、不良!多分清継くん疲れてたんっすよ」

 

「島くん……!そうだったかなぁ。まあ良いや」

 

「よくねえっつーの。結局どうしたんだよ。妖怪は」

 

「だよー!私も気になる!」

 

「トリーさんに巻さんまで……。いや、妖怪はいる。証明してみせるさ!それが主のことにつながりそうだからね!!」

 

「ろくなことにならへんよ」「ええ、そうね」

 

「き、君らは?」

 

「私は転校生の博麗霊夢。巫女をやってるわ」

 

「私も転校生。花開院ゆら。陰陽師をやってるんや」

 

な、なにぃぃぃいい!巫女と陰陽師だって?まさかのまさか、そのまさか。やばいことになったなぁー、嫌だなぁ。ずっと氷麗と桂花を眺めていたいなぁ(逃避中)精神崩壊してしまいそうだ。

 

《リ、リクオ様。これは厄介なことになりましたよ。巫女と陰陽師です!緊急事態です〜!滅せられます!》

 

《確かに危険だね。しかし、相手は僕らの妖気には気付いていない。不幸中の幸いだ。やり過ごすしかないよ》

 

《そうですね、やり過ごしてみましょう》

 

こうやって小声で話して近づいているとなんだか勘違いされそうだ。しかし、甘くて良い香りがする氷麗はとても魅力的だ。だから勘違いされても良いかもしれない。人間側の演説は続く。

 

「妖怪なんてろくなもんやない。彼奴らは危険な存在や。見ても絶対に追いかけんこと。さもないと命を取られるかもしれん」

 

「こっわ!おい、清継?」

 

「い、いや。それは………」

 

「ついでに補足しておくと、妖怪には二種類の妖怪がいるのよ。知性を持った獣型の妖怪。道具に張り付いた怨念型、つまりは付喪神のことね。その二種類に分けられているわ」

 

「どっちのほうがやばいかというと、それは圧倒的に獣の方なんや」

 

「彼奴らは凶暴でね。時たま手をつけられなくなるほど恐ろしい力を持つの。まぁ、私は痛くもかゆくもないけど。普通の人間が妖怪の爪になんて当たったら……………多分即死ね」

 

「怖いよー、沙織!」

 

「私もだー!鳥居!」

 

「確かに怖い存在だね。でも彼らはこちらが何もしない限り人畜無害とまではいかないけど、そこまで危害を加えるような奴らじゃないよ。ただ興味を持つ程度のことにはなるようだけどね」

 

ここで声を発してしまったぼく。やばいかなぁ、これバレるかなぁー?心の中では冷や汗ダラダラ。心臓の動悸が激しくなる。ここまで緊張すると腹がキリキリしてきた。

 

「貴方、妖怪に詳しいのね」

 

「ま、まあね。妖怪は好きだし。ははははは!」

 

ヤベェ、目が笑ってねぇ!あれは何か考えてる目だ。どうしようか、どうしよう。……うん?清継くんが何か言いそうだ。もうこの際なんでも良いから何か言ってくれ!清継くんにかかっているだ。

 

「ではぼくの家にどうだい?妖怪関連の記事や資料なんかがあるからそこでいっぱい妖怪議論をしてくれたまえよ」

 

おい、清継くん。君は何目線で言ってるんだい?清継くんの堂々とした態度が今の場面となっては勇敢な戦士に見えるのはなぜだろうか。とても良い度胸をしていると思う。

 

「良いわ!行ってやろうじゃないの」

 

「私も興味がわくわ。行くで」

 

この二人のコンビネーションには驚かせられてばかりだ。次はどんな恐ろしいことが待ち受けているのだろうか?俄然興味がわかないことは初めてだ。ここまでいきたくないと思ったことも初めてだ。ストレスのせいで胃が。ストレッサーとなっている、悩みの種二人をどうにかしないと。でも、今から清継くんの家か。まあ、清継くんの家自体には興味が湧いた。その興味心でストレッサーとなるものを打ち砕く!…………ことはできない。前向きに捉えていこう。考えても仕方ない。今は行くしかない。氷麗も心配そうな顔しているし。もしばれたとしても、氷麗だけでも守らなければ。覚悟を決めていくことにする。ウダウダしてても仕方ない。行ってやるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清継くんの家に着いた時の感動といったらもう超絶に最高気分だった。まさかここまで広い豪邸だったとは。さすが御曹司なだけあって動きも速いし、スペックも高い。デフォルトのままであの素早い身のこなしだ。たいしたものだろう。ちなみにこれは前やったサッカー大会の時の身のこなしについての考察だ(現実逃避中)いきなり話がぶっ飛んだどころの騒ぎではない。多分地球一周した。それはさて置いて。今は清継くんの豪邸の妖怪資料室にみんないるところだ。そこにはなんと人形やら昔の漢字などがあり、時代別に丁寧に分けられているようだった。こんなところに几帳面な一面が見られる。しかし清継くんはこれは祖父の研究結果という。いずれは自分の研究結果で埋めるとのこと。しかし彼も論文を書いていて素晴らしい出来だったと言っておこう。妖怪の議論はまだ始まった、ていうか片足突っ込んだ程度である。




いかがでしたでしょうか?変なところで切って申し訳ない。多分明日には後編が出せると思うので、待っていてください。今日は体力が持ちません!腰が痛いし、胃がキリキリするしで………。ヘタレですいません!では次回お会いしましょう!批評、誤字脱字、感想などなどコメントを募集しております。また気になったことがあれば気軽にコメント宜しくお願いします!


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花開院の陰陽師と謎の巫女〜中編〜

はい、どうもぉー!叡です!小鳥遊虹さん!誤字脱字の方ありがとうございました!また、アドバイスなどもありがとうございます。
藤井蓮さんなども度々のコメントありがとうございます!これを見ている皆皆様方には大変ご迷惑をおかけしていると思いますがどうかこんな私に付き合ってください。また、投票者の方がお一人増えました!ありがとうございます!これからも頑張っていきますので宜しくお願いします!


ここは資料室。禍々しいものが渦巻いている気がする。どゆことよ。まあ、安心できないことには変わりはない。最初に清継くんに案内されたのが、昔の妖怪の書物だ。そこに載っていることはとても興味深く、おじいちゃんに今度聞いてみようと思ってしまうほどだった。そして次の紹介に移った。だんだんと聞くのが面倒になり右から左へ受け流してしまうことにする。だるいなぁ。そして最後に禍々しいものの元凶っぽいものの紹介だ。清継くんがこの人形についている日記を読み始めた。………っ!まずいな。力を使うしか……。いや、でもこれは最終的に、みんなに危害が及んだらの場合だ。

 

「滅!」

 

花開院さんが言霊を放った時に紙が発光して瞬く間に人形目掛けて飛んでいく。この人は強い。直感とかそうゆうの抜きにしてもありにしても。ゾッと寒気がする。今、博麗さんと花開院さんに見られた?いや、妖気は完璧に隠したはずだ。きっとそのはず。まだ寒気は消えない。冷や汗が吹き出し今にでもいなくなってしまいたい。だが今は氷麗がいるし、置いてはいけない。だからぼくは睨み返すことにした。殺気はこめてはいないが氷麗に危害を加えるようなら躊躇はず、俺が出るだろう。でもまだダメだ。まだ出てきちゃいけない。タイミングを見計らって。狡猾に。

 

「奴良、あんたに話があるわ。きなさいよ」

 

「私もや。奴良くんに話がある」

 

「うん、いいよ。そっちがそのつもりなら、ね」

 

こうしてぼくはお呼ばれされて、豪邸のすぐ近くにある森林には入った。まあ、聞かれることはわかりきっている。俺は俺の答えを出すだけだ。戦闘になったらそん時はそん時。どんな事態にも臨機応変に対応しないと三代目総大将候補の名折れ。何がなんでも氷麗や他の妖怪たちは守りきってみせる。

 

「返答次第によってはあんたを滅するわ」

 

「私も同じや。そこんとこは変わらへん」

 

「そうか。わかった。質問に答えよう」

 

ここはあくまでも冷静に。一つ一つ言葉を選んで言わなければ。もし、戦闘になった場合は……、さっきも言ったとうりそん時はそん時。そこは変わらない。でも後悔しないように準備は絶対にする。

 

「じゃあ、一つ目の質問よ。あなたは何?」

 

「ぼくは人間でも妖怪でもない。中途半端な存在。クオーターさ。笑っちゃうだろ」

 

「……次の質問よ。あなたはどんな妖怪?」

 

「ぬらりひょん。のらりくらりとずれてゆく。実体がないみたいにすり抜ける。妖怪の総大将の孫」

 

「最後の質問よ。あなたは私たちの敵?」

 

「状況と場合によってだ。俺ら組に危害を及ぼすつもりなら容赦はしねぇし、俺の組は人間を襲わせねぇ。もし、俺の組の一員の一人が人間に仇なすようならそいつは容赦しねぇ。それが俺の、三代目総大将候補の生きる道だ。これは妖怪仁義に誓って嘘じゃねぇ。ここで嘘言ったら腹切って死ぬ」

 

今の俺の目はひどいことになっているだろうな。まさかこうも簡単にバレるとは。師匠たちになんと言われるか。怒られるか、修行の一からやり直しか、どちらにしてもいやである。後者の方がまだマシだが。そんなことを考えながら答えを待っていると、お札を構えてきた。まあ、妖怪の言うことなんざ信用できねぇか。仕方ねぇわな。多分親が妖怪にやられたとか、それ以上壮絶な何かとかだろう。だいたいそういう奴らは聞く耳持たん。さて、ここからが大変だ。

 

「霊符【夢想封印】!!!」

 

「守護の型・山紫水明・墨絵」

 

守護の型・山紫水明・墨絵とは。強力な墨で山や水などを墨で生成し超強力な結界を張る、守り専用の型。それに阻まれたら大抵はガードできるはずなのだが、なんかミシミシ言ってるような………。ヤベェな。人間の時じゃまだ弱いままだ。そこらへんの雑魚には勝てるかもしれないが、巫女や陰陽師となるとそうはいかないか。仕方ない化けるか、妖怪に…………!

 

「よしっ!結界は割ったわよ。ゆら、頼んだわ」

 

「まかせときぃ!式神・ヒトデの光」

 

光速で髪が突っ込んでくるこれはくらっとこうか。避けられない。爆発が起き、周りは土煙で俺の状況は見えない。よし、変化。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人称〜〜〜博麗霊夢〜〜〜

ゆらが攻撃を放ち、奴良を仕留めたかと思った。しかし油断がいけなかった。忘れていた。彼は三代目候補なのだと。土煙が消えるとなんとそこにいたのは奴良とは似ても似つかない、白と黒の入り混じった髪の毛の背が高い、正真正銘の妖怪。これがまさか妖怪変化?恐ろしい。妖気が20倍以上に膨れ上がっている。想像以上だわ。これは追加攻撃をするしかない。奴良の目を見ていると心を奪われる。あの爛々と輝く紅い深紅の眼。妖艶な艶がかかったあの肌と唇。その一つ一つに意思があるような、全てに見透かされているようなそんな気がしてならないのだ。まぁ、私には"効かないが"。再度追加攻撃を仕掛ける。ゆらが辛そうだから。

 

「喰らいなさいな、霊符【無想陰陽】」

 

まるで意思のない、意識できない球を飛ばし奴良目掛けてとんでいかせる。だが、それはずらされてカウンターを繰り出してきそうだと私の勘が告げる。むかしから勘がよく、すごい確率で当たる。考えたことは深くはないが、少し考えてしまったのはいい思い出だ。今は気にすることはない。むっ……!避けられていた。いや、ずらされたと言ったほうがいい。奴良の戦闘スタイルは天才型ではないはず。あの計算された動きは確実に誰かに指導してもらったはず。だが、その計算された動きが多すぎて暗記に"少しだけ手間取って"しまう。そのうち計算された動きがなくなる。そこが狙い目。心理戦を仕掛けるとはなかなか頭がキレるらしい。だけど私相手に心理戦をした時点でほぼ負けは確実。頭がキレようとキレまいと、私には関係ない。どんな通念も捩じ曲げる。それが博麗の巫女のあり方であり、私の能力でもある。それに気付きさえすれば奴良に勝機はあるのだが、なにせ気づけない。その時点で詰みなのだ。

 

「フッ、見せてやる。奥義をな」

 

なんだと?まだ隠していたのか。だけど無駄よ。何をやっても無駄。その奥義がどんなものかは知らないけど多分そこまでの威力はないはず。それがただのハッタリかのどちらか。しかし次の瞬間戦況は一気に傾く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人称〜〜〜奴良リクオ〜〜〜

この俺の奥義。守護の型を少し変えて、攻撃の型にしてやればいい。結界そのものを攻撃に使ってやるとは思っても見ないだろう。チェックメイトだ。

 

「攻撃の型・山紫水明・色絵」

 

この山紫水明は結界に色付けすることによって、色の力で敵を惑わす幻覚系統攻撃。つまり精神攻撃の類だ。意外にこういう業を使ってもいいかもしれないと思い作ったのだ。なかなかに難しく、抜けるのは困難だろう。しかし博麗霊夢はあれは天才型のはず。多分精神攻撃系が聞くのは多分花開院の方だけ。だが、二対一と一対一ではずいぶん違う。まず、周りにサポート役がいたらさっきのように大業を出されるだけだ。戦術の幅が一気に広がり活路を見出せてきた。ミシミシ言ってる。また嫌な音だ。自分の結界を破られる音はすごい嫌いだ。なんか作ったものを壊されているみたいで。いや、壊されているのか。仕方ない。業を試してみるしかないか。妖忌さんに教わったあの業を。相手が出てきたところを一気に叩く!

 

「喰らうがいい!切断剣【時空切り】」

 

読んで字の如く。時空を切った。どうだ!これ………で、な…に?石ころ?後ろ!しまった、後ろを取られた。まずったな。これは死んだか。十分に妖生謳歌できたかな?微妙なとこだけど。なんか大きな霊気の球がぶつか……らない?どうして、なんでだ?死ぬかと思ったのだが。………ん?あれは桂花?桂花の風の傷か?これは。

 

「リクオ様!お待たせいたしました。私も参戦いたします」

 

「お前、さらにここを混沌にする気か?」

 

もううんざりなのだが、仲間のため。そうも言ってられない。最終奥義を放とうと決意した瞬間に止めが入った。

 

「やめねぇか。よぅ、巫女さんよ?それにリクオもじゃ。やめにしとけ」

 

「わかった」

 

「なんで妖怪の言うことに従わないといけないの?」

 

「まあまあ、そこは気にすんな。紫に言われてるからな」

 

「え…………?なんで、あいつが今出てくんの?どうゆうこと、ぬらりひょん」

 

「どうもこうもあるかいな。とりあえず本家に行きゃわかる。そこの花開院家のとこの娘っ子もつれてきな。そしたら本人から話が聞けるじゃろ」

 

「そう、わかった。行くわ」

 

そういった瞬間緊張感がほぐれ、疲労感がどっと押し寄せてくる。ああ、まずい。意識失いそう。業に体力を相当持ってかれたようだ。鍛え直しが必要だな。起きたらやろう。今は心地よい感じに身を任せてみようと思う。多分桂花がなんとかしてくれるだろう。頼んだ、桂花。もう俺はクタクタだ。こう思い終わるとプツリと回線が切れたように倒れて寝た。




はい、叡です。書いていたら中編が出来上がったのです。すいません。なんか、申し訳ない気持ちでいっぱいです。これが出し終わったら本当に花開院編は終わりなのでそれでもよろしい方はどうぞご覧ください。批評、感想、誤字脱字報告などコメントがございましたら気軽にどうぞ!では!


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花開院の陰陽師と謎の巫女〜後編〜

はい、どうもぉー!叡です!とうとう花開院編も最終局。今すごく胃がキリキリしています!ネタが思い浮かばず未熟な限りです。話が飛びますが、投票者の方が3人になりました!とてもびっくりしましたが、とても嬉しい気持ちでいっぱいです!本当にありがとうございました!


後ろからの視線がいたくて圧を感じる今日この頃。皆様はいかがお過ごしでしょうか?俺はとっても死にそうです☆ここまでくるとじじいの歩く順番決めは意図的だったと言える。なぜ花開院家と博麗家に話があるのか?そこはじじいしか知りえない。だから俺は黙って視線のダメージを受けるしかないのだ。ああ!痛いなぁ!ちくしょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと本家につき視線から解放される。すごい後ろ側がチクチクする。女からの視線は耐えられない。俺は修行しようかなと思いスタスタ縁側の方に足を進めようとしたのだが、じじいに行く手を阻まれてしまい行くに行けなかった。

 

「お前も残れ、リクオ」

 

いや、絶対嫌なんだが。ねぇ、クソじじい。どうしてなの?おかしいよね?視線はあんたも感じてたはずだ。なのにそんな余裕綽々みたいな顔しやがって。これが年の違いなのか?多分そうなんだろうと勝手に思い込み、それに対しては疑問を抱かなくなった。昔は、てゆうか今もすごいもてていて視線に慣れている、とゆうことなんだろう。

 

「じゃ、ゆら、霊夢。冷静に聴け。わしはぬしらの父から手紙を預かっておる。出生の秘密と、妖怪を憎むなというその理由。まぁ、聴くかどうかはぬしらしだいじゃ。嫌な過去を知ることになるかもしれん。それでも聴くか?」

 

「私は聞くで。何が本当で何が嘘かを」

 

「私もよ。是が非でも言ってもらうから」

 

とりあえず二人とも聴くらしい。さて、じじいの話はどんなものなのだろうか。果たしてその全貌は。気になってしまう。そしてとうとう覚悟を決めたのかじじいが語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こりゃぁこりゃぁ昔の話あるところに博麗光輝(はくれいこうき)と言う若者がおったそうな。光輝はとても優秀な厄祓いで、ほとんどの厄を祓えてしまえるほどに強力だった。ある日突然、八月一日麗奈(ほずみれいな)と言う有名な巫女が光輝の元を訪れた。なぜ訪れたのかというと、嫁入りのためだったということ。そして二人は無事に結婚。幸せで子供もできた。それまでが良かった。突然、嵐が起き、大地が裂け、まるで天の怒りを表しているかのような天変地異が起きた。家は大地に巻き込まれ嵐に巻き込まれ、粉々に砕かれた。だが、二人は赤子の周りに結界を張って、そうして赤子だけがその場に残ったと言う。本当は妖怪に襲われて死んだのではなく環境のせいで死んでしまった悲しき過去。同時刻に花開院家の方にも問題が。国の重役共が警察を引き連れ、赤子を射殺しようとした。それを防いだのは花開院ゆな、花開院優(けいかいんすぐ)だ。その警察たちは捕まり、防いだ二人は死んでしまった。国に狙われた虚しく、やるせない過去。これが出生と妖怪を憎むなという所以である。

 

「これが全貌じゃ。どう取るかはぬしら次第。信じるも信じないもぬしら次第。わしからは何も言わん」

 

「………………ふざけるなよ。人間が人間を殺す………?そんな馬鹿げたこと、あってたまるか。……許してたまるか!!」

 

「落ち着けリクオ。お前も冷静になれ」

 

「……っ!………………っ!!少し落ち着いてきた」

 

「「………!」」

 

「ぬしらはなんで妖怪のリクオがこんな顔になる必要があるんだろうとか思ってんだろ。こいつは一味違ぇ。友達や仲間のためなら命を懸けて戦う。4分の一妖怪の血が混じってるからか、人間にも妖怪にも肩を入れちまう。少し甘ぇおとこなのさ。こいつのじじいをしているからよくわからぁ」

 

「そんな、私の信じてたもんは嘘やったんか?」

 

「私は一体何を見てたと言うの?幻想?それとも逃避した世界?」

 

「そんなん自分で見つけろや。それでも見つからなかった時にはまた探し尽くせばいい。そうゆうもんさ。人生も、妖生も」

 

俺は落ち着き、この一連の話を聞いて、やはりじじいはすごいと思った。こんなにも冷静に、そして平常心を保って。いつかはオヤジやじじいみたいな大妖怪に成ってみせる。そう決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんまにありがとうな。奴良くん」

 

「私からも。ありがとう。奴良」

 

「いや、気にするな。オレは妖怪の味方。昼に礼を言ってくれ。今の状態で言われてもあいつはわかんねぇ」

 

「わかった。私が伝えとく」

 

こうして別れを告げ、博麗と花開院は帰っていた。紫師匠が言っていた。博麗霊夢は私のお気に入りだと。だから今度聞いてみよう。何か彼女のことがわかるはずだ。オレは周りのことを知ろうとしてはいなかった。何でもかんでもただただ助ければいいだけだと思っていた。だが、それは過去や未来の行き先について考慮していなかった。だから俺は周りのことを知り、そして助けていこうと思う。オレが今出せる、考え抜いて考え抜いて考え抜いた言葉だ。これからはもっと知識や技術を大切にしていこう。誰にも負けないように、誰も死なせないように。せめて自分の手の届く範囲であれば必ず。だから俺は明日へ向かう。生き抜いていく。百鬼の仲間たちを護るように、学校の友達を護るように。突き進んでいきたいと思う。そう思えれば大丈夫だ。自分に言い聞かせながら頭の真ん中に置いておく。




叡です!御殿場の練習試合があり終わってひと段落ついてからの投稿でした。やっと花開院編が終わり、次はいよいよ旧鼠に。本格的にストーリーに浸かる予定です。これからも休む時はあると思いますが、頑張って、粘っていきたいと思います!勝手な都合で休んでしまい申し訳ないです。


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浮世絵町一番街に巣食う鼠刈り

はいどうもぉー!叡でございます!お久しぶりな気がします。長らくお待たせいたしました。なんと、お気に入り人数80名様に、投票者様の数がなんと5票!至極、感謝の極み。これからも精進していく所存。よろしくです!


二人が本家から去ると、どうにも胸が騒いだ。なにか、行かせてはいけない。よくないことが起きる。どうにもそんなことが頭をよぎる。胡乱で曖昧で、なぜだか不気味で。とにかく、言葉では言い表せないような危機、恐怖が誰かに注がれそうだとかんじた。さっき送り出した彼女たちが心配だ。この虫の知らせは何を意味しているのだろうか。また、どのタイミングでそうなるのか。そんなものは見当もつかない。この思考は更に疑問を増やし続けるばかりか、最悪の予想までしてしまう。あの二人が死んでしまうこと。それは昼が絶対に許さないし、何が何でも護り抜くだろう。それは夜とて同じこと。天敵に借りを作るのもまた一興。そう言って助けるだろう。どちらとて本質は同じことと昼と夜は思い、そう結論づけた。とりあえず、進展があるまで動かないほうがいいだろう。また何か知らせが届くまで考える事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜花開院ゆら視点〜〜

今日はたくさんのことが起きた。いきなり妖怪の総大将に話があると言われ、その孫と一緒に行く事になった。まあ、その孫言うのが奴良リクオくんなんやけど。本家にはいってから、なんか大勢に見られてたような気がする。妖怪の視線かなと思うと、人の視線も混じっていた。どうゆうことやろ?でも、怯まずにはいられなかった。妖気が濃すぎる。これはさて置いて、今は帰り途中だ。

 

「霊夢あれ、家長さんじゃ……」

 

「本当ね、どうしたのかしら」

 

どうやら、ホストに絡まれている様子。でも、そのホストは………あれは旧鼠!!まずい、あのクズ妖怪を止めんと!式神を取り出して戦闘準備や。

 

「あいつ、妖怪ね。お札、っと」

 

「殺してやるわ。あいつは悪い妖怪やしな。女を貪ることしかできん腰抜けには負けん」

 

「おい!そこの妖怪!わたしらがお前らを屠ってやるわ!覚悟なさい!博麗術式一の舞、白竜縁起!!」

 

「禹歩天蓬天輔天任乾坤元亨利貞。出番や!!わたしの式神!!貪狼。」

 

霊夢とわたしが術式を唱えると、霊夢からは白い龍。わたしは狼がでてくる。

 

「あいつら鼠や。貪狼、食べてしもて」

 

「白竜、家長さんの周辺を守りなさい。………鼠一匹近寄らせるな」

 

そして、旧鼠のボスらしきものが話しかけてきた。鼠風情が、粋がるんちゃうわ。

 

「やぁ、仔猫ちゃん。そんな物騒なものしまいなよ。おれらはただ説得したいだけさ」

 

…………!この鼠、わたしに手を伸ばそうと……!

 

「鼠が!触れるな!!」

 

「ああ?」

 

そう一変表情が変わると周りがガヤガヤし始める。何が始まるんや。一体、どうゆうことや。

 

「あいつ、星矢さんをおこらしちまった」

 

「終わったな!」

 

「ふん、鼠風情がどうほざいても変わらんわ」

 

「きゃあ!」

 

「家長さん!」

 

「なに!?なんで鼠が!」

 

「小さな隙間さえあればあれぐらいの芸当は当然というもの。見くびったな陰陽師ども」

 

そう言われた瞬間頬に激痛が走る。痛かった。ただただ純粋に痛かった。この、ネズミィ。と恨みばかりか、殺したくなってきた。式神を使うと家長さんがどうなるかわかったものでないので、しまうことにする。そして私たちは三代目の人質として、連れて行かれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜奴良リクオ視点〜〜

手紙が届いた。一番街からだ。博麗霊夢、花開院ゆら、家長カナは預かったと。……………舐めたことしやがって。ふざけるなよ?確か一番街仕切ってるやつは化け猫のはず。だが、今来客してるのは猫。オレはそいつから話を聞いた。名は良太猫。

 

「すいません、若!!わしらは非力で弱い妖怪。あんなドブネズミどもに一番街を乗っ取られたんです。そりゃぁ、奴らのやり方は汚ねぇもんでした。仲間に一服盛ったり…………。奴らは自分の欲望でしか動かない奴らです!お願いしやす!あいつらをしめてくだせぇ!」

 

「おめぇらの気持ちはよくわかった。………出入りだ。今日の夜までの鼠刈りだ」

 

「若!ありがとうごぜぇやす!ほんとに、ありがとうごぜぇやす!!!」

 

「ああ、てめぇの組はてめぇのモンだ。ならやらなきゃならねぇ。それが男さ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだなんだ!こいつらは!三代目はどこだ!本家の奴らだよなぁ!」

 

こいつが大声あげているうちに、黒と首無を後ろに回せてあの三人を解放させてやる。さて、準備は整った。鼠刈りの時間だ。…………覚悟しておけよ?お前らは良太猫のシマを奪ったばかりか女まで襲った。おれらのシマで女を襲うなんてヤツァゆるさねぇ。

 

「星矢さん!化け猫組の奴らもいます!」

 

「おい、真ん中の奴!テメェ何もんだ!」

 

「わかってんだろ?オレが奴良組三代目、奴良リクオだ。テメェら見てぇな妖怪に下につく資格もねえ。鼠刈りだ!テメェら!!」

 

オレが言った途端、抗争が始まる。オレは旧鼠のボスと対峙していた。

 

「てめぇ!ぶっ殺してやる!人質もろともな!!」

 

「よく後ろを見てみろ。人質とやらはどこにいる?」

 

ふと、星矢は後ろを見た。そこの檻に入れてあったはずの"仔猫"がいないということに。オレはその様を見てニタァとした。

 

「テメェの負けだ、観念しろ」

 

「くそがぁ!!こうなったらテメェをぶ殺しておれが三代目になってやる!!!」

 

「やっと牙を剥きやがったか。だが、テメェ程度の牙なら問題ない」

 

「ガァァァアアああ!!!」

 

奴が大鼠になり、体躯がでかくなる。だが、見掛け倒しとしか思えない。これで終わらせてやる。もう、テメェは見たくねぇ。

 

「奥義、明鏡止水・桜」

 

盃に息を吹きかける。そうすると炎が吹き出して、星矢を炎が包む。その炎は轟々と燃え火柱を立てる。

 

「その波紋、鳴り止むまでお前を燃やし続ける。………夜明けと共に塵となれ」

 

こうして、鼠刈りが終わる。良太猫たちのシマは取り返した。ひとまず良かったな。助かって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、三人と出会う。

 

「ありがとな。助かったわ」

 

「私からも、ありがとう」

 

「首無、助かったって言ってるぞ」

 

「いえいえ、若のご命令通りですよ。おれは特に」

 

「そうか、ありがとな。にしても、オメェは女に甘いな」

 

二人とも、カナちゃんには黙ってくれてるらしい。軽く会釈し、妖怪の時間は終わりを告げる。学校で礼を言おう。そうして夜明ける。今日も風が気持ちいな。




どうでしたでしょうか!新話は?楽しんでいただけたでしょうか?そんな不安が横切る中、投稿期間少し空いていましたね、申し訳ない。今日は富士川で練習でした。四月二日、三日は清水総合体育館で試合です。予定つめつめですが、頑張ります!


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恐ろしきは近しい者かな〜前編〜

注!!今回は短いです


花開院さんと博麗さんの件は終わり、やっとひと段落つけるかなとか思った矢先。それを許してくれない人物がいた。そう、清継くんだ。彼の行動は予想外すぎてぬらりひょんのぼくでもこの人はぬらりくらりしているなと思ってしまうほどである。今日は大きな山に妖怪探検に行くらしく、そのため"清十字怪奇探偵団"なるものを作ったそうだ。メンバーは清継くん、島くん、巻さん、鳥居さん、花開院さん、博麗さん、氷麗でぼくだ。親愛なるメンバーは多いに越したことはない、と清継くんは語る。

 

「諸君、集まったかな?今日は明日に行く山の発表だよ!なんと、その山とは……………捩眼山さ!」

 

「捩眼山?なんすかそこ」

 

「島くん、言って見ればわかるさ!まさに妖怪のスポットだってね!」

 

「ねー、清継。あたしらも行かなきゃダメ?」

 

「当然さ!巻さんもトリーさんも来なきゃ!それに宿泊施設には温泉があってね。そこの温泉は気持ちいいらしいよ」

 

「そ、それなら行ってもいいかな」

 

巻さんも鳥居さんも懐柔されてしまい、あとは博麗さんと花開院さんだけと、なってしまった。ぼくはもともと行く予定ではあったからいいんだけど、花開院さんと博麗さんはどうするのだろう。

 

「悪い妖怪がいたらとっちめるしかないわね」

 

「そうやね、悪い妖怪だったらの話やね」

 

と、二人は薄く不気味に笑う。こわっ!こわいよ。まったく、女の子がそんな顔していいのかな。ぼく的には駄目だと思うけど、それを言うとなんだか怒られそうで……。まあ、とにかくこれで全員いくことが確定。なんだかこんな大勢で遠くに出かけるなんて初めてだからワクワクしてきてしまった。これを周りに言うと子供扱いされそうだから決して言わないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捩眼山に行くため、電車を使う。今は妖怪ポーカーというものをやっている。それもお菓子を賭けて。賭博でないか!と言われると子供の遊びとしか言いようがないので勘弁してほしい。さて、今回はなんのカードが出るかな。

 

「よし、準備はいいかい……?では!いっせーのーで!」

 

「あはは!清継また納豆小僧!」

 

「弱すぎだよ!あはははは!」

 

「清継くん、さすがにこれは運が……。あははは!」

 

「ていうか、奴良はさっきからぬらりひょんだけしか引いてないわね。どれだけ引き運がいいのかしら」

 

「あはは、本当だね。如何してかはわからないけど……」

 

本当にどうしてなんだろうね?まったく身に覚えがない。仕組んだつもりもない。しかし的確にぬらりひょんの柄を当ててしまう。これは運命力の差ではないだろうか?勝手に思ってしまった。

 

「さすがリクオくん……。頑張って!」

 

「あ、あの子。誰かな。ていうか、さっきからリクオくんを見過ぎだよ!ど、どうしよう。好きなのかな?リクオくんの事(小声)」

 

こうして電車内の時間はとても楽しいものとなった。でも、さっきカナちゃんが小声で何か言ってたような……?まあ、ぼくには関係ないことなのだと思う。そうゆうのに男が口出ししても違うと思うから。だから何を言ってたとしても気にしないにしよう。

 

「ついたよ!ここが捩眼山さ!」

 

「うわっ!大きいな!」

 

「でけーっすね!」

 

「「禍々しい」」

 

「ここが………」

 

捩眼山はとても大きく、そして妖気が渦巻いていた。こんなところになんの用があるのだろうか。ああ、探検だった。これから何が起こるのだろう、そういう期待感と少しの怖さが少しだけ、少しだけだが際立たせてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




すいません!今回は短いですがこれは前半です!後半の方はまた後に出しますのでご了承ください。最近携帯の調子が悪くて………。こんな作品ですが、待ってくれる人のために頑張りたいと思います!
活動報告にて、オリキャラ募集です。詳しくはそちらをお願いします!


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恐ろしきは近しい者かな〜後編〜


とんでもなく遅くなりました!叡です!インハイ予選がありましてこうして一ヶ月間投稿できませんでした。いまもかなりきつい状態ですが、頑張っていきたいと思います。そして、これが終わったら、番外編です。募集して、キャラをくださった小鳥遊さん、もう眠いさん、ありがとうございます!次の話は真のストーリーを書いていきたいと思います。天邪鬼ですので、昼は男。夜は女とさせていただきます!これから前書きは報告があった場合とさしていただきます。こちらの都合で度々申し訳ないですが、ご了承ください。言い訳はこれぐらいで……。では、どうぞ!


ヒュゥゥウウと風が冷たい音を立てて肌を刺激する。雲行きが怪しく、いまにも降り出してしまいそうな天気である。階段から空を見上げオレは氷麗を抱えて下へ下へと降りていく。そこにはカナちゃんがいた。

 

「あなたは………」

 

「カナちゃん……。ちょいとこの子の世話してくれねぇかい?」

 

「え?」

 

「いきなり不思議かもしれねぇが、頼む」

 

「……、はい。わかりました。今度何があったか教えてくださいね?」

 

「約束はしかねるが、分かった」

 

「はい!」

 

風が激しくなり、轟々と音を立て落雷する。少しカナちゃんが身震いしたが、なんとか持ち堪えたらしい。俺は少し安堵して上へ上へと向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼下がり、だが昼に近い時。ボクたちは捩眼山の階段を上っていた。

 

「マイファミリー達よ!まだ疲れてはいないだろうね?」

 

「清継く〜ん!もうヘトヘトっすよ」

 

「あたしもダメ〜」

 

「じ、じゃあトリーさんも……?」

 

「私はまだ少し平気かな」

 

「ここに味方が!!」

 

四人が談笑する声を後ろで聞きながら、ボクは清継くんが行く時に少しだけ話してくれた梅若丸の祠を探していた。梅若丸といえば、牛鬼の幼少時代の名前。あるところに梅若丸という少年がいた。少年は見事に育ち、青年になった。ある時梅若丸は寺子屋の先輩的存在に石を目にぶつけられ隻眼になってしまったという。だが、それでも青年は諦めずに勉学や剣術に励んだそうだ。ある日、女が二人青年に近づいた、その女二人は梅若丸に絶望を持ってきた。その絶望とは母が牛鬼に攫われたという知らせだった。彼はすぐに捩眼山へと行き、牛鬼の元へたどり着いた。しかし、時既に遅し。もう母は喰われて牛鬼の口の中に。その開いてる口の中を見やると目や耳から血を出し息絶えていた母がいた。それに激怒した梅若丸は牛鬼の腹を突き破ったり、自分の何倍もある爪を抉ったりとした。自分を牛鬼とすることで彼は母親の無念や、他の人間の無念を晴らしたかったのかもしれない。これで話は途切れている。そう考えているうちに、霧がかかった森林地帯に差し掛かる。

 

「ねぇ、あそこになんか描いてないかな?」

 

「本当だ、梅若丸って書いてあるよ」

 

「え?……よくわかったねリクオくん」

 

「へ?………ま、まぁ目はいいほうだからね!ほ、ほら。そんなことより行ってみようよ!!

 

「う、うん」

 

カナちゃんはボクと話していて、何か引っかかってたみたいだ。でも無事だ。多分ばれてない。うん、ばれてないことを祈ろう。訝しげに見ないで!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その祠を見つけると、清継くんが歓喜した。

 

「よくやった!奴良くん!やっぱり君は妖怪運がいいみたいだねぇ!!」

 

「そ、そうかな?」

 

「ああ、絶対そうさ!」

 

なんかばれてるんじゃないかな、ボクの正体。おかしいでしょう?完璧に気配は経ってるのに。うん?何やら足音が聞こえる。あ、顔少し見えた。足音の正体は薄汚ねぇおっさんだった。上の方に妖気を感じ、このおっさんを操っているらしい。気づいてないと思ったら大間違いである。氷麗も気づき、固まらせようとしてるみたいだが、今はまずい。あいつの正体はもうわかる。なので氷麗に待てをして、操り主について考察する。馬頭丸、奴は主に女になって対象を誑かし、最終的には殺す。また今やってるように、操るのも得意としていてる。

 

「あなたは………、化原先生!」

 

「なんや、変なおっちゃんやね」

 

「そうね、何日も風呂に入ってないんじゃないかしら」

 

「失礼だぞ!君たち!!なんてこと言うんだ!全く」

 

「お、落ち着いて!清継くん!彼女たちは別に悪気がないわけじゃないと思うんだ!だから耐えよう」

 

「む、むぅ」

 

「はははは!若者は元気あっていーね!」

 

「化原先生がそういうのなら…………」

 

こうして、化原先生(馬頭丸)との邂逅を果たしたボクたち。ここで化原先生に牛鬼のことについて話してもらい、ーーすでに知っているーー化原先生は夜の森に出てはならないという忠告をして帰って行った(操りの役目を終えた)。清十字怪奇探偵の御一行は清継くんの別荘を目指し歩く。着いた頃には夕焼け小焼け。カラスが鳴く頃だ。女子たちはお風呂に入り、男子たちはどうなるのかというと覗きではなく、周辺探索ならぬ妖怪探索なるものする。それが決まり氷麗もひょことついてくる。可愛い…………ハッ!少し意識が飛んだみたいである。瞑想をし迷走したみたいだ。洒落でなくて。洒落でなくて!そうして歩いていくうちに呪術の類の詩が頭に流れ込んでくる。清継くんと島くんはそれぞれバラバラな方向へ千鳥足で進んでしまっていた。その時だ。広い空間にいたボクを襲ったのは牛頭丸である。奴良組の中でも武闘派と名高い妖物である。

 

「てめぇが三代目候補の奴良リクオだな」

 

「だったらなんだい?」

 

「…………………殺す!!」

 

刹那、火花が飛び散る。刀と刀がぶつかり合い、こすりあいをして音を立ててまた繰り返す。このサークルを何回続けただろう?このサークルは何分回ったのだろう。少なくとも五分以上。だが僕らには一時間やさらにもっと長い時間に感じただろう。ボクは口を開く。

 

「誰に命令された…………、と聞くのは無粋か?」

 

「てめぇには目星がついているはずだ。この捩眼山に入った時点で」

 

「高く見てるんだな」

 

「ふんっ!戦闘に不必要なのは余計な傲慢なんだよ。しかしどうにも解せない。なぜお前は"今妖怪じゃない"?」

 

「妖怪は見かけによらないんだよ」

 

「答える気がねぇか。もう話はいいだろう。死にな!」

 

牛頭丸の殺ろうとする殺しの太刀が空を切って虚しく音を立てる。ボクは鏡花水月をし、ぬらりくらりと這いより気絶させる。思ったよりもすんなり決まり、最後は呆気なく終わってしまった。別荘の方は三羽烏の妖気がするので大丈夫だろう。近くにいる氷麗はぼくを探して体力が切れたか眠っている。とても幸せそうな顔だ。この笑顔を守る為に牛鬼のいる天辺に行こうと思う。そう思うと血が騒ぎ熱くなる。"オレ"は変化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゥゥウウと風が冷たい音を立てて肌を刺激する。雲行きが怪しく、いまにも降り出してしまいそうな天気である。階段から空を見上げオレは氷麗を抱えて下へ下へと降りていく。そこにはカナちゃんがいた。

 

「あなたは………」

 

「カナちゃん……。ちょいとこの子の世話してくれねぇかい?」

 

「え?」

 

「いきなり不思議かもしれねぇが、頼む」

 

「……、はい。わかりました。今度何があったか教えてくださいね?」

 

「約束はしかねるが、分かった」

 

「はい!」

 

風が激しくなり、轟々と音を立て落雷する。少しカナちゃんが身震いしたが、なんとか持ち堪えたらしい。俺は少し安堵して上へ上へと向かっていく。

 

 

☆(三人称)

 

 

牛鬼の根城につきリクオは牛鬼に投げかける。

 

「なんでこんなことをした?答えな、牛鬼」

 

「これは革命ではない。改革だ。この意味がわかるか」

 

「………つまり、どんどん衰退していく奴良組を変えたかったんだろ?」

 

「その通りだ。リクオ、お前は本当の意味で総大将を継ぐ意志はあるのか?」

 

「あるに決まってんだろ。じじいや、親父の畏れの大紋背負うんだ。それぐらいの意志はねぇとやってけねぇだろうぜ」

 

「それを聴いて安心した。心置きなくお前と戦える」

 

「やるかい?」

 

「ああ」

 

沈黙が流れ、ヒュゥゥゥウウと風が吹く。戸が音をカタカタとたてる。一触即発の雰囲気がその場に出る。二人の頬に汗が滴り落ちる。稲妻が走り雷鳴が轟いた瞬間に戦いの幕が切って落とされた。刀同士がぶつかり合い、甲高い音を奏でる。二人は舞い踊っているかのようにフットワークをし華麗にそして素早く相手の腹を狙う。達人に近いもの同士の戦い。それは有名な芸術作品をあくなきまでに見れるのと同じ。この二人の戦いは人を見惚れさせる、まさに圧巻。空いた口が塞がらなくなるようなそんな戦いである。そんな戦いについに終止符が打たれる。リクオの攻撃速度が牛鬼のソレを凌駕して腹に突き刺さる。かなり長いこと打ち合っただろう。二人には少なくとも何時間単位で時が動いたと思うだろう。しかし、この間僅か7分程度である。ドサリと音を立てて倒れた牛鬼が口を開く。

 

「もう終わったのか………?」

 

「ああ。終わった」

 

「そうか、負けたか。負けたのか俺は」

 

「ああ、負けた。お前はオレに負けた」

 

「もう体が動かん。あとは好きにしろ。煮るなり焼くなり、な」

 

「そうかい、俺が決めていいんだな?……………じゃあ生きろ」

 

「は?」

 

「生きて俺の力になれ。お前の力はこれからも奴良組に必要だ。だから生きろ」

 

「これは一本取られた」

 

二人が笑う。これはもう最高だと言わんばかりに。丁度三羽烏が現れる。三羽烏が慌てて、牛鬼を殺そうとしたが、リクオがそれを止めて、数日後に牛鬼の処遇を会合で伝えることにしたのだ。これが奴良リクオの選択。これこそがイレギュラーの混じった、カオスな選択。この選択があっているか、間違っているかなどはわからないが。今のリクオにとってはこれが最もいい答えでないかと感じていた。



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主さんの落とし前の付け方

大変遅くなりました。叡です!諸事情、いいえ、部活の為に少し滞っていました。申し訳ありません。少しお付き合いください。
説明を少々、
☆三人称視点
★一人称視点(リクオ)
♦︎一人称視点(妖怪・人間・神)
となっております。ここでお知らせなのですが、試しに真(オリキャラ)のサイドストーリーを描いていて気づいてしまったのですが、私、文才低杉ィ!!ということで、今の私ではとてもじゃないですが表現できませんでした。なので予告違いですがそのままストーリーを進めていきたいと思います。オリキャラを作って下さった小鳥遊様ともう眠い様には誠に申し訳ないです。このサイドストーリーはこの作品が完結してから番外編で書かせていただきますので、身勝手な理由ですが何卒ご了承ください。いきなりですが、初期テスト近いんです。マゾですね私!!そ、それと報告ですが。なんと、なんとですね!遅くなりましたがお気に入り100人突破でございます!本当にありがとうございます!これからもエンディング目指して頑張りたいと思います!!では遅くなりましたが、どうぞ!


牛鬼が目を覚ましたと氷麗から聴いてすぐに牛鬼のいる部屋に向かう。確か今いるところから少し遠いいぐらいの部屋だったかな?なにぶん、本家の屋敷は広くて部屋を覚えるのが大変である。ボクは他の人からしたら記憶力がいい方なのでまだわかるが、初見の人からしてみればわからないのは必然だろう。一人で考え込んでいるうちに、牛鬼の部屋の前に到着。三回戸を叩き入ってもいいかと促す。どうぞ、と声が返ってきたので遠慮なく入らせてもらう。

 

「やぁ、牛鬼。加減はどうだい?」

 

「……だいぶ良くなりました」

 

「そうか。そりゃよかった。無事で何よりだよ」

 

「……何故」

 

「うん?」

 

「何故お止めになったのです?私は主の命令に背き不敬を行いました。いえ、不敬よりもひどいことをいたしました。何故お止めに」

 

「簡単なこと。牛鬼が奴良組に必要だからだ。お前には畏れを教えてもらいたいし、他の剣術も教えてもらいたい。犬夜叉だけでなく、他の奴らにもな」

 

「そんなことで」

 

「そんなことだからいいんだよ。今日は総会だ。そこでお前に落とし前をつける、というか仕切る。総会でもしボクについてきたいと思ったのなら口を開かずに、平静を保て。まあ、牛鬼なら簡単にできそうだけどな」

 

「わかりました。深く、深くおわびを」

 

「気にするな。お前みたいなやつがいるから面白いし、為にもなる」

 

そう捨台詞を吐き、その場から退出する。さてと。あぶり出すとしますかね。ボクの意見に反対している奴らを。言い方はひどいが、まあ、各々信じているものと、見えているものが違うから、思想の違いなど人間間でも妖怪間でも変わらないだろう。だが、すでにボクは氷麗と桂花を偵察、潜りに放った。その網に引っかからなければ、総会で引っ掛けるだけの話。ただ二人にもそういう経験値を上げておきたい為だ。これが吉と出るか凶になるかはまだわからない。しかし、賽の目はもうすでに投げられている。取り返しはつかない。それはもう、三代目候補の座に着いた時点まで戻るのだが。今は置いておいて、目先のことだけに集中しよう。頑張るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やってまいりました。総会でございます。さてと、主さん流落とし前を見せてやる。意気込みをより一層強くして、挑む。戸を開け、挨拶を

 

「今回は食事の後に総会だ。まずは食事を。いただきます」

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

そう、最初は冷静に。そして落ち着け。自分に何度も言い聞かせる。だが、初めてのことだ。緊張してガッチガチになっては舐められる。それだけは阻止しないといけない。もうボクはここに座ってる時点で首領(ドン)なのだから。

 

「なぁ。三代目さんよぉ。儂が知っていることなら、こんな祝い事に使う料理は使われないはずなんだが」

 

「そうだ。それについてだ。牛鬼の処遇についてだが、五日間の本家謹慎でボクに刃を向けた不敬はお咎めなしである」

 

「なあにぃ!」

 

「一体どういうことじゃ!儂は牛鬼が刃を向けたとも、切ったとも聞いた。それをお咎めなしぃ!何を考えてるんだ!三代目の自覚があるのか?………うん?」儂孤立してない?

 

「ほぅ。一つ目。お前は確かに言いすぎたな。網に引っかかった魚と同じだぜ?さて、どう言い逃れするよ。さぁ。どうする?」

 

「グググゥー!」

 

「なんてな。これからも本家として励むように」

 

「じゃぁ、これで総会は終わりだな?ではこの俺、奴良 鯉半の次は奴良 リクオに決定する。なお、リクオはまだ三代目候補。だが、二代目、初代が不在の場合はそいつが頭だ。まあ、テメェらよろしくたのまぁ」

 

親父の掛け声で総会はお開き。無事にボクは勝つことができたのだ。そして丸め込めた。すべて丸く収まるようにしたかった。誰もかけさせたりはしたくない。ボクが三代目になったら、人間にあだ名し、無闇に傷つけることをいとはないやつがいたら、許すことはできないだろう。それは他の組にも言えること。土足でこの奴良組に入ってこようものなら、何してくれよう?その頃。別のところでは不穏な空気が漂っていた。七人のおかしな服のようなものをまとった同行どもがシャランと杖を鳴らし歩く。そいつらには明確な目的があり、そこに向かっている最中だ。浮世絵町には禍々しい、奴良組とは別の何かが迫ろうとしていた。まだそれは奴良組にはわからなかったが。強者は感じ取っていた。これは一波大きなものが来ると。

 

 




今回は短めでしたがそこは申し訳ありません!!目をつむっていただくと……。すいません!次は四国編にてございます。四国編はたくさん書こうと思っているので宜しくお願いします!唐突に皆様に質問がございます!コ○・コー○カスタマーケ○ィン○(株)の中でトップ3はなんですか?因みに私は
一位M○Xcoffee
二位○カ・コーラ
三位D○Pepper
ですかね。美味しいですよねあれ。すんごい関係ない話でしたが、今回はどうだったでしょうか?楽しんでいただけたら幸いです。それでは寝る方はいい夢を……。起きている方は体をあまり傷めないよう……。
ではでは!


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"魔を照らす鏡"、主さんの激昂を買わむ

はい、どうもぉー!征です!最近復活した征です!ピピッと柵が思い浮かんだので、長めに書いてみました、毎回こうだといいんですが、中々難しいですよね。完結を謳っておきながら、なんたる体たらく。お待たせしました!それではどうぞ!
の前に、

お気に入り百四十人突破!!
UAは一万八千突破!!

皆々様の御心のお陰で御座います!本当にありがとうございます!



 

カナちゃんーーーー

カナちゃんーー

 

 

またーーーー

会おうねーー

 

 

バッ!布団がめくれ落ちる音と共に、寝目覚めの悪い夢を見た少女、家長カナは起床する。

最近、めっきり見ることは無くなっていたと言う夢は、十三歳の誕生日の日に唐突にやってきた。

 

「また、あの夢を見ちゃった……。六歳の時から、繰り返し……見る夢……」

 

 

 

 

 

 

〜奴良組本家〜

 

妖銘酒「桜」を手に取り、僕は明鏡止水の訓練を始める。

杯に並々「桜」を満たし、準備は完了。

前、犬夜叉に言われたことがある。

人間に妖力は使えないと。

わかっているのだが、僕は世間一般の人とは違う。

あの妖怪の総大将、ぬらりひょんの血が四分の一も流れている。

「おお」

 

「お?若?」

 

黒田坊と首無の声が聞こえる中、僕は技を発動させる。

成功させれば、まずは第一歩前進したことになる。

 

ーーーー奥義・明鏡止水!!桜!!ーーーー

 

杯に並々入った「桜」は渦巻き、火を散らして燃えあがる。

……犬夜叉、僕は出来たぞ。人間の身で妖力を使う事を。

 

「やりましたな!明鏡止水の完成です!!」

 

「見事な明鏡止水です!拙僧は、早速赤飯の用意を……」

 

「大袈裟だよ、二人とも。まだこんなのは序の口なんだから」

 

二人の世辞がどうにもむず痒いが、本当にまだ完成はしていない。

未完成のまま、出入りの時には使えない。

もっと強くならなきゃ。

心中は穏やかとはかけ離れた、荒々しい思考の渦の中、おじいちゃん(年齢詐欺)と父さん(年齢欺騙)の声がかかる。

 

「おう、リクオ。成功したんだな、明鏡止水!ありゃー、儂がまだ若い頃に考えた奥義でなぁ。それをああも容易くできるとは、さすがは我が孫じゃわい!」

 

「そうだなーぁ、俺も若い頃に出来たから、センスがいいんだな!俺もリクオも!」

 

「二人とも、飲んでる?少し酒の匂いがするけど……」

 

ギクリと音が聞こえそうなぐらいに瞬間的に固まる二人は、なんだか見ていて面白い。

 

「総大将?」

 

「二代目?」

 

黒田坊と首無に問い詰められた、二人はバツが悪そうに、鏡花水月のもどかしさが如く消える。

如何やら逃げたようだ。

 

「総大将ーー!!」

 

「二代目ーー!!」

 

黒田坊達は、二人を探しに走って行ってしまった。

なんとも間抜けな我が祖父に父。

そんな二人に少し、少しだけ安心しながら学校へ行く時間なので、行くとする。

 

 

 

 

♦︎!家長カナ!

 

学校の機械的な鐘が耳を通り抜けながら、私の心臓は動悸していた。

男子生徒の子の気持ちは嬉しいけど、今は、あの人が気になっていて……。

 

「あの……、ごめんなさい」

 

「あ…………そう、です……か。ハハ……。す、好きな人が………………いるからですか?」

 

「き、気になっている人なら…………」

 

彼の質問に首肯すると同時に、声を上げてどこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

 

〜浮世絵中学、屋上〜

 

関西方面の独特の訛り混じりの言葉が、高く響く。

標準語もそれと等しく、高い声で響く。

「ハイ!そこ!!ちゃう!!式神の構えは『こう』や!!恥ずかしがったらあかん!!」

 

「そうよ!これは逃げのためのものではないわ!妖怪に気持ち負けしない『凄み』よ!!」

 

愛の鞭、将又熱烈指導?とにかく真剣に教えてくれる、陰陽師の花開院ゆらと、巫女の博麗霊夢。

その指導を受ける鳥居夏美と巻沙織は、とても珍妙な踊りで本当に大丈夫かと頭を抱える。

二人が指導を受けている中、家長カナは一人、奴良リクオの事を望遠鏡で見ていた。

望遠鏡から見えるのは、日暮桂花と及川氷麗(雪女"氷麗")と共にクラスの雑用をしていた。

 

(あ、あの子達はリクオくんの事が好きなのかな?だ、だとしたらどーしよう……って、私は何考えてるだ!?ただ、リクオくんにスペアの眼鏡を返そうとしただけで……)

 

長く思考していたが、終ぞ答えは出ずに、 先に彼女の頭がオーバーヒートしたようだ。

リクオの事を考えすぎたせいで、カナは赤面する。

然し、如何にも悩んでいられず、あの夢のせいで、今日はどこにも寄らず早く帰りたい気持ちで一杯だったので、そそくさと帰ろうとするが、清継に捕まる。

如何やら、誕生日プレゼントをくれるらしい。

一つの箱が手渡され、其処にあったものは、呪いの人形的なナニカがあった。

「それは家長さんをモチーフにした妖怪だよ!」

 

清継が嬉々として語っている。

カナは、思考を停止させた後、コンマ一秒程の速さで階段へ向かう。

声をかけられた気がしたのだろうか?少しだけ振り返ったが、歯牙にもかけなかったようだ。

教室に移動して、メインバッグを机の引っ掛けから取ると、如何にも悪い夢を見たせいか、突然睡魔が襲ってくる。

酷い眠気で、直ぐに意識が遠のく。

起きたら、夕焼け小焼けの夕飯時だった。

夢を見ていた。また、あの夢を。

カナは怖がりになった原因をこの夢のせいだと想起したが、今は意味のないことだと断じて思考を取り下げる。

ーー瞬間、ゾワッと全身の毛が逆立つ感覚を覚える。

怯懦な性格で、怖いのが苦手な彼女は、早く帰ろうと足を進める。

 

その頃、清継達はある話をしていた。

 

「『紫の鏡』の話を知っているかい?諸説あるが……その言葉を二十歳まで覚えていると殺されてしまうっていうね!」

 

清継が影の差した顔でそう言うと、反論が飛ぶ。

 

「うげげげげげぇ〜〜!覚えちゃうじゃない〜〜!!」

「そーだよ!やめよーよ!」

 

沙織と夏美は、あまり怖がりではないが、精神的嫌悪感が強く働いたらしい。

 

「まぁ、聞きたまえ。……実は、この町で七年前に起きているんだ。『十三歳の誕生日』に死んでしまった子が何人も出たという事件が」

 

ゆら、霊夢、沙織、夏美、二郎は息を飲む。

 

「ボクは……それが妖怪の仕業じゃないかと思うんだよね」

 

 

 

 

 

 

♦︎!家長カナ!

 

駅ってこんなに遠いものなのかと思考していた。何時もなら二、三分くらいで着くはずの駅が、もう五分もたっているのに一向に見えてこない。

見えてくるのはさっきから無機質なコンクリートとフェンスだけだ。

すると、私は感じ取ってしまう。如何にも、見てはいけないような類のものを。

反対からくる、自転車?

その上に乗っているのは何?

「みぃつけた」

 

自転車に乗っている正体は、あの夢に出てくる鏡だった。

 

「ひ……う…………あ……」

 

声が出ない。

恐怖心が強すぎて、口が回らない。

……堪らなく、怖い。

嫌だ、嫌だ、嫌だ!!

 

「十三歳のお誕生日……おめでとう……カナちゃん」

 

に……逃げ………逃げなきゃ…………足を……足を出せ。

必死に、震える体を押さえつけ、一歩踏み出し、大きな声を出して逃げる。

私には、もうこれしかない!

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁあああ!」

 

私の中で渦巻いていく疑問と恐怖。

それが絡み合って心と体を締め付けていく。

 

「にげ……られないよ……」

 

あの鏡がそういった瞬間に、視界が反転して、なぜか後にしたはずの校舎の中に居た。

直ぐに機転を利かし、理科室に逃げ込む。

私は確かに学校を出たはずなのに、今、何故か学校にいる。

あり得ない現象が重なってか、肉体的疲労よりも精神的疲労の方が強くなりつつある。

自分でもわかるぐらいにひどく息を切らしているし、動悸が酷い。

バックがもぞもぞ揺れている。

何事かと覗いたら、手鏡にあの鏡がいる。

 

「ここ……狭いよぉ……」

 

まただ。視界が反転して何処かの男子トイレにいる。

……!

 

「きゃぁぁぁあああ!な、何!この人形!」

 

一際目立つ不気味さと、不細工さを兼ね備えた気休めにもならない道具。

それがバイブ音を鳴らし振動している。

『やぁやぁ、家長さん!実はこの人形、清十字怪奇探偵団の通信機になってるんだよーん!』

 

そんな事実、聞いていなかった。

というか、言ってすらいなかったよね。

前言撤回、気休め程度にはなる。

 

「た、助けて!清継くん!!いま、妖怪に襲われてて、この学校の男子トイレにいるの!」

 

『な、なんだって!それは、直ぐに助けないと!!待っていて!』

 

スピーカーの後ろから、霊夢ちゃんとゆらちゃんの声が聞こえてきた。

少しだけではあるが、精神は落ち着いた。

……!あっちにゆらちゃん達が!

 

「ここだよ!ここ!!ねぇ!…………嘘、見えてない……?ここは鏡の世界?」

 

絶望しかないというのは、この状況に使われるべき言葉だろう。

希望も何もない中で、声が聞こえる。

 

「カナちゃん!?真逆、妖怪!?」

 

鏡が壊される。

あ…………あ、い…………や。も、う。

ダメ!そう思った時、如何やら神様は見逃してはいなかった。

 

「オレのシマで女に手ェ出してんじゃぁねぇぞ」

 

あの人が助けに来てくれた。

リクオくんとは別に気になっている、あの人。

あの人は、とても怒っていた。

鏡に対して、凄く。なんでだろうかと悩んだが、全く出てこない。

瞬く間に鏡を壊し私を救ってくれたあの人は、放心状態の私に声をかけてくる。

 

「気ぃつけな。ここは怖いから」

 

「あ、ありがとう……」

 

こうして、私はあの人に助けられたのである。

 



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「化け猫」でのでぇーと

明けましておめでとうございます!お久しぶりでございます。4ヶ月ぶりに登場の征です。もうしわけございませんでしたーーぁぁああ!
時間が、と言い訳をするわけでもございませんのでご安心ください。
では、久しぶりの小説、謹んでお詫び申し上げ、お楽しみください!
短いですけど……っ!


 

 

私、家長かなは混乱していた。今、この状況に。

なにが起きているのかわからないが、混乱していた。今、この状況に。

とにかく混乱していたことを思った。

 

 

 

♦︎!家長カナ!

 

あの人、つまりは妖怪さんだが、その人に家まで送ってもらうことになったが、私が無理を言って、どこかの居酒屋絵連れて言ってもらったのだ。

 

「後悔しても、……知らないぜ?」

 

彼はそんなことを言ってはいるけども、私はそんなことは絶対にないと思った。

なんたって、多分私は彼の事が……。

 

「全然ね、……そんなこと、……ないから。後悔、……しないから」

 

そうして言ったら、そうかと短く一言だけ帰ってきた。彼の横顔は何処か楽しそうに見えたのは、私の気のせいではないだろう。

 

 

 

 

〜化け猫横丁〜

 

「あんたは…………、ぬらりひょんの孫かい。妖怪なら顔パスだね、通んな!」

 

ふわりと体が浮いたかと思うと、彼の位置はいっきに扉まで移動し、私を隠しながら化け猫がいる居酒屋に入る。

一瞬おばあさん(最初に声をかけた老婆)に変な顔をされたが、そんなことはなかった。

道を進んでいくと、周りから、いや屋台から声が上がる。

 

「いらっしゃーい!!」

 

「2名さまおとおししまーす!」

 

店員の軽快な声が響き、活気が溢れる、まさに居酒屋というに相応しい雰囲気の店に入る。

 

「お冷一つ。彼女にゃ水を。ちなみにその子は13だ」

 

「へいっ!13……おめでたじゃないですかいっ!!すぐに甘い「でざーぁと」を用意させますんで!」

 

彼は猫の店員さんにそう声をかけると、店員さんは畏まった、でも、少し砕けた言葉遣いで急ぎ慌てる。

 

「妖怪は13で成人なんだ。……人間ってバレたら、食われるかもよ?」

 

最初は周りにはかろうじて聞こえる程度に。しかし、最後の言葉は私にだけ聞こえるように耳元で。……顔が近いよぅ。

食われるのは勘弁なので、大人しくしてよう。

 

「あら、可愛い子を連れてるじゃない」

 

「ねぇ、大将、その子なんの妖怪?きになるわぁ」

 

彼はフと笑い誤魔化したように、人間だよという。

周りからは大爆笑。妖怪を見て怖がらない少女はいないと、妖怪たちは大きな声で笑っていた。

彼も、笑っていた。

少し、いや結構嬉しくなった。

 

 

 

 

 

♦︎

〜家長宅〜

 

「今日は、その、ありがとうございました。私、楽しかったです。とっても、とっても」

 

私は精一杯の感情を込めて、ありがとうの意を込めて言う。

 

「カナちゃんは、もう関わっちゃいけないぜ?」

 

彼はそんなことを言いながら、少し笑い、また、暇があったら。と言って空に消えていった。

 

 

 

 



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不穏な風が迫る時

だんだん更新が遅れて行っていると確実に思っている私こと、征でございます!
いやしかし、最近寒くなってまいりました。
みなさま、風邪を引かぬよう、暖まれてお読みください。
それでも寒い人は、お飲物をば飲んでください!
では、どうぞ!!


〜化け猫横丁、店前〜

 

三郎猫が店前で掃除をしていると、怪しい影がゆらりと近く。

体格はとても男とよくわかる体つきで、中肉中背のボロボロのカッパのような衣服に、シルクハットのような黒い帽子を身につけている。

三郎猫は気づいて、その男に声をかける。

 

「あ、スイマセーン!もうすぐ夜明けなんで……閉店ですー!」

 

男が口を開いたと同時に風が三郎猫の周りを駆けてズタズタにしていく。

 

「!?うがっ!!」

 

血反吐を吐き、体を引き裂かれて三郎猫はばたりと倒れる。

数人の化け猫達が寄って来て、三郎猫に声をかける。

 

「どうした!突風が吹いたと同じぐらいに三郎猫が!」

 

「しっかりしろ!三郎猫!!」

 

 

 

 

〜通学路〜

 

僕、奴良リクオは昨日盛大にやらかした。何が【もう関わっちゃいけないぜ?】だっ!

カナちゃんが妖怪嫌いなのは、僕が他の人より知っているはずだ!

なんて嫌がらせをしたんだと、そう思ってしまうのは気のせいではないはずだ。

しかし、やってしまったからにはもう後の祭り。夜の僕は何か詩人を気取っているように流れ者を体現している。

オブラートに包まない言い方をすると冷ややかである。

 

「おはよう」

 

驚いて後ろを振り返るとカナちゃんがそこにいた。

どうやら、僕は自分の世界に入り込んで長考し過ぎていたせいか、後ろから近くカナちゃんの存在に気づけなかったみたいだ。

だから、少しどもってしまったのだろう。

 

「かか、カナちゃん!?き、昨日はっととと!!なんでもないなんでもない!」

 

言葉の上で空回りをしているみたいで、すごいもどかしいことになってしまったが、言葉にしてしまったのでもう遅い。

訝しげな目でこちらを見てくるのは当然といえよう。

だが、カナちゃんが差し出して来たのは、そう差し出して来たのはメガネである。

捩眼山で落としていたのだろう。どうりで見つからないと思った。

というか、僕はメガネを落とすという、典型的失敗をしてしまったことによる羞恥とで顔が真っ赤だ。火山ができて爆発できる自信があるねっ!

 

「リクオくん、……あなたに聞きたいことがあるの」

 

不穏な空気が流れ出る。何を問いただされるか皆目見当もつかないが、果てしないオーラを纏っていた。

 

「へ……?」

 

「今までの行動を思い返して見て……、私思ったんだけど。リクオくんがいるところに毎回彼がいるの……。昨日の鏡の時だって。もしかして、リクオくんさ……」

 

はい、ヤベー。

これやべー。

絶対気づかれただろ、これ。

これは成すすべもなく終わってしまうのか。バットエンドなんて嫌だよ?まだ人生を、いや妖生を謳歌していない。

さぁ大ピンチかと思い覚悟を決める。

その次に口を開いた時に出て来た言葉は……

 

「リクオくんってさ、彼のお友達なんでしょ!?」

 

ぇぇええええ!!!

絶対に気づかれると思っていた、しかし気づかれなかった。

これほど嬉しいことは今ないが、カナちゃん、流石に気付こうよそこは。

僕なら二、三秒かからず溶ける自信があるね。

まぁ、バレなくてひと安心と小さな吐息を漏らし、空を見上げてみる。

これは夜の僕に惚れたな、うん。

自画自賛と、自己満足が混じり合い、他の人間が僕の考えを読めるとしたなら、僕はとんだ自信家で、自意識過剰の阿保に見られるだろう。

聞いてくれ、僕の夜の顔は誰よりも顔がいいと思う。いや、自慢とか自己満足とかではなく、事実を述べているだけなのだ。

まぁ、この時点で自意識過剰ではあるが。

この後、滅茶苦茶カナちゃんに追い回された……、悲しい。

 

 

 

 

 

 

♦︎

〜狒々の屋敷〜

 

「ワシを誰だと思うとる、大妖怪、狒々様じゃぞ?貴様程度になぞ負けるものか」

 

大妖怪、狒々。奴良組でも中々の古参の一人。とても強く、たくましい。

彼の腕っ節の強さにおいて、右に出る者もいなかった。

しかし、それは今は昔の話。

謎の男の襲撃により、体はもうボロボロ。

満身創痍で、立っているのがやっとの状況であるが、プライドと奴良組の誇りで立っている。

 

「貴様はもう終わりじゃ、中々強かったと褒めてやろう」

 

その男が腕を下に下ろした瞬間、ありえないぐらいの風が狒々の顔面めがけてとんでいき、つけていた仮面が壊れて吹っ飛んでしまい、絶命してしまったのは、火を見るより明らかだろう。

果たして、謎の男の正体やいかに。

奴良組には、何かの影が刻一刻と迫って来ていたのであった。



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主さんへの過保護

はい、タイミングがここまでずれると酷いことになると知りました、征です!連続投稿という、今年受験生になる者としてはとてもお手本になれない行動でございますね。ですが、私は無視して投稿します!どうぞ、ご覧ください!


♦︎

〜狒々の屋敷〜

 

リクオがカナに追い回されているのと同時刻に、不気味に笑う影が二つ、三つ。

その影たちは一人の男を筆頭に動いていた。

一つの舌が出ている影が言う。

 

「これなら、奴良組は楽勝なんじゃねぇの?弱体化こそしてはいねぇが、一週間とかかんねーんじゃね?」

 

そう言い終わると、狒々の死体に紙を置く。

無残に散らかった死体に泥を塗るような行為。しかし、彼らの目的は奴良組の破壊が目的であった。そのため、その行為は彼らにとっては正当性のあるもの。

 

「奴良組は今は脆い。まるでコンビニで買えるプリンの様にね。……切り崩すのは簡単さ、頭がなくなればすぐに崩壊してしまうだろう」

 

「頭」

 

「そうーー奴良組の総大将。いや、妖怪の総大将ぬらりひょんは四国八十八鬼夜行がーーーー殺るよ」

 

 

 

 

 

〜狒々の屋敷〜

 

そこに三羽烏が来たのは数時間後の出来事だった。

最初にトサカ丸が口を開く。

 

「なんだ……?これは…………!狒々様の組が……、全滅しとるじゃねぇか……っ!」

 

彼ら彼女らの目に映ったものはとてもひどい惨状だった。

死屍累々、もっと悪く言えば屍山血河。

とにかく酷い状況であるのは間違えない。

ささ美が状況整理のために確認する。

 

「狒々様は前回の総会にいらっしゃらなかった。狒々様は奴良組幹部の中でも長老格の大妖怪。しかも構成員三百匹の大所帯。それを一晩で片付けたとなると相当の手練れ」

 

ここで言い終わると、溜息を漏らす。

焦った時の焦心から解放された時の安堵感ではなく、怒りだ。圧倒的な怒り。狒々をその様に無残にした相手に対する、一切混じり気のない怒り。

その殺気を露わにしたささ美を、黒羽丸がなだめる。

 

「落ち着け、今は落ち着くのだ。風が狒々様を切り裂いた。うちのものでない、外部の悪意を持った攻撃だ」

 

「風と言えば、昨日の化け猫のところで事件があった。なんでも三郎猫が風に当てられて重症だそうだ」

 

「未知なる……敵勢力か?」

 

三羽の烏天狗たちは顔を見合わせ、どす黒い表情になる。

 

「すぐに親父に報告しろ!!奴良組の本部に警告を通達!犬夜叉様や、一つ目様たちの大妖怪クラスの方々にも護衛をつけろ!」

 

「初代と二代目をお守りするんだ!」

 

そうして三羽烏達は奴良組本家へ通達したのである。

 

 

 

 

 

♦︎

〜電車〜

 

僕は今、通学路にある電車で学校に向かっている。そっちの方が近いし、確実であるからだ。

護衛はいらないと前に氷麗達に行ったはずなのだが、牛鬼の一件があってから、皆の過保護っぷりが凄まじい。

ほら、あそこに首無が……、あ、やばい!首、首が!

うん?あそこにも、水かきがついている手の……、河童じゃないか!

青に黒までいる。

そうしてみていると電車が揺れて盛大に自分の体が持っていかれる。

むにゅっと気持ちいい感触に包まれて、ハッと気づく。

 

「ちょちょちょ、毛倡妓まで〜〜!?」

 

どうしたことだろう、こんなにも多いのは流石に聞いていない。

ていうか、これカラスが仕組んだことだろう?まぁ、わかってはいたさ。うん。

 

「リクオ様!そのまま学校までお供してまいりますからね」

 

「え?ええ?」

 

当然女性に免疫のない僕はしどろもどろになり、口数が減る。

僕は昔からそういう子供だった。

しかし、ここで氷麗からストップがかかる。

 

「ちょっと……、そろそろ若からはねれましょう毛倡妓!!あつくるしいでしょ!」

 

「無理よ……この状況じゃしょうがないでしょー」

 

「リクオ様もいつまで挟まっておられるのでしょーかぁ!?挟まれたいのなら、いつでも私に言ってくださいまし!」

 

「いや、違うんだよ氷麗。そして、女性がそんなはしたないこと言っちゃダメだよ?」

 

そんなこんなで、僕たちの慌ただしい電車の時間が流れていく。

 

 

 



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風情を愛する総大将、怪異・妖怪「ムチ」との対峙

はい、どうもぉー!最近の一押しはこの素晴らしい世界に祝福を!と、ぬらりひょんの孫と、ノーゲム・ノーライフと、バカとテストと召喚獣と、トリニティセブンと、REBORNと、僕は友達が少ないの征でございます!
な、なんと!なんと!!二百名様お気に入りとなりました!
これは、記念すべき年です!なんか節目の時にやるべきですね!お気に入りにしてくださった皆々様のためにも、ここは頑張りたいと思います!!
本当に!本当に!!ありがとうございます!皆様のおかげで日々の生活を頑張れるといっても過言ではありません!
投票者様も九名様と、増えてまいりました!
今後とも、この征精進いたしますのでよろしくです!!
コメント、評価お待ちしております。気が向いたら、何かどうぞ!
疑問や設定についてお答えできることはお答えします!
今回からは視点などの切り替えは特に言いません。
これからは皆様方の想像力を養ってもらうべく(ただ単純に、ふつーに入れ忘れた)、やってみようと思います。
……これでよかったら、そのまま通してみようかな?と、考えております!
では、どうぞ!


奴良組本家では、それはそれはとても慌ただしく駆け回るカラス天狗の姿が見える。

三羽烏から来た通達を受け、他の幹部格の妖怪たちにも通達に回っているのだ。

何せ、構成員三百匹の大所帯の狒々組が壊滅状態な上に、今は未知の敵勢力がいるかもとのこと。

これで警戒しないバカはいない。

それはカラスもわかっていることだ。だから大慌てなのだ。

 

「総大将!あなた様にも強力な部下をつけませんと!」

 

「ワシには必要ないぜ?なんたってつえぇからな!」

 

「な!今はそーいう我儘はだめですっ!!」

 

「でーじょうぶだって。……カラス、お前は昔から心配性じゃの!」

 

「む、むぅ。で、では二代目は……」

 

「俺にも必要ないぜ?なんてったて、俺には守る人が二人もいるんだからな」

 

「で、ですよねぇ」

 

「俺も必要ないぜ、カラス天狗。俺はかごめを見るのに忙しくてな」

 

「わたしも戦えるわよ?犬夜叉、昔みたいにまた一緒に頑張りましょう?」

 

「そうだな、久々にいいかもなぁ」

 

ひとしきりにカラスが聞くと、周りはやはり大妖怪。

しかも犬夜叉夫妻と二代目夫妻は惚気る始末。

何か女性陣の顔が火照っているし、もうカラスには収集がつけられないだろう。

そうして頭を抱えているカラスに、無慈悲の鉄槌が下される。

 

「あ、ワシは少し散歩に出かけるから、珱姫のことは桂花、お前が守ってくんな」

 

ぬらりひょんがそう言うと、どこからともなく現れた影が一人。

犬妖怪、日暮桂花である。

あれ、桂花って犬妖怪だよね?これ犬妖怪の速さじゃねぇよ。

もうカラスには世界が濁って見えるぐらいに疲弊していた。

しかし、それは頼もしいことでもある。

カラスは基本ポジティブシンキングで、ほとんどのこと(嫁さん以外)は動じない。

それは、ぬらりひょんたちの手によって、いや、人聞きの悪いことかもしれないが、嫁さん以外にも悩むことができてしまったという、言外に含んだものだろう。

 

 

カラスは改めて向き直って言う。

 

「総大将、あなたは絶対に無理しないでくださいね!」

 

「わかってるって」

 

「二代目様!犬夜叉様!あなた様方もですからね!」

 

「「へいへい」」

 

「だるそうに返さない!!」

 

「カラス天狗様、私は珱姫様の護衛がありますので、それでは」

 

「う、うむ。行って参れ。くれぐれも、くれぐれも……気おつけるように。勝てないと思ったらすぐに珱姫様と共に逃げてくるのだぞ?」

 

「はい。ご丁寧にしてくださり、ありがとうございます」

 

そうしてカラスは役目を終えると、今度は居間にいる、リクオの異母姉の乙名に声をかける。

乙名はお茶を飲んでおり、安穏としている状態である。

流石のカラスもこれには絶句。

もしかしたら、未知の席勢力に襲われるかもしれないのに--!

 

「乙名様!あなたには護衛をつけさせます!よろしいでしょうか?」

 

「……いやじゃ」

 

「はい、では……。え?」

 

「え?ではない、いやだというておる」

 

「いえいえ、いえいえいえ!駄々をこねては困ります!今度という今度はつけてください!」

 

「いやだというものはいやなのじゃ!カラスの分からず屋!!」

 

「分からず屋ではありません!わたしはカラスです!!」

 

「そんな当たり前のことを言うてどうするのじゃ!!知っておるわ!!」

 

「「ゼェハァ、ゼェハァ」」

 

二人とも壮絶な口撃に口撃を重ねて、大声を張り上げていた。

傍から見れば、怒鳴り合いについた代償にしかなってないそれは、とても自業自得という言葉が似合う光景だった。

ここでカラスは冷静になって考える。

もしここで乙名様が護衛をつけないで手傷を負ったとなれば、これは奴良組本家のお目付役たちだけでなく、総大将、二代目、三代目候補リクオ様の顔に泥を塗ることになる。

ここは何が何でも折れてもらわねば……!

 

「わ、わかりました。では、護衛には妖夢をつけます。同性ならば、話も合いますでしょうし、気が楽でございましょう?」

 

「う、うむぅ。確かにそうなのじゃが……。なにぶん、妖夢には避けられてる感が半端じゃないのじゃが…………」

 

「いえ、そんなことはありませぬ。大方、乙名様のカリスマ性に当てられたのでしょう。乙名様は素晴らしい才能と実力を兼ね備えた持ち主ですからなぁ」

 

「う、うむ。……あいわかった。それでは妖夢についてもらうこととしよう」

 

「はは!今すぐに」

 

そうしてカラスは心の安寧を得ると同時に、奴良組本家主要人物の防御体制が整ったのである。

ある花妖怪と隙間妖怪と亡霊姫はどうかしたのかって?

あの方達は、自らの力で百鬼以上。それに準ずる力の膨大さだ。あの方達にそのような無礼なことを聞けば、カラスの身長はもっと縮むだろう。

 

 

 

 

 

 

所変わって、ここはビルが密集する街。

最近は風情やら趣深いものがなくなって来たように感ぜられる。

 

ワシャぁ哀しい!こんなにもでかい無機物がそびえ立つ街の、どこに風情を感ぜられれば良いのやら。

突如として、ビル風が吹き、女子高生のスカートをめくったではないか!

少しは、認めてやってもいいのかもしれんのぅ。

 

あんまり見すぎると、ちょっと寒気がしてくるからやめよう。

家で鬼のような顔をした珱姫が待っている風に想像すると、どれだけ怖いことか。

 

「納豆小僧、ワシはちょっとぶるっちまったぜ」

 

「なぜです?総大将」

 

「珱姫のこと考えたら…………」

 

「…………た、確かに。そりゃ怖いですねぇ」

 

「じゃろう?」

 

なんでもないような雑談をしながら、街をぶらぶらしていく。

途中に宇佐美バアさんからアメをもらい、食えたもんじゃないアメをボリボリしながらまた進む。

 

 

そうして、ふと周りを見てみると、スーパーマーケットが一つ。

そこには見慣れた顔が二人もいる。

陰陽師の嬢ちゃんと、巫女の嬢ちゃんときたもんだ。

五時の鐘がなった途端、その小規模な戦争--タイムセールの半額商品の取り合い--が幕を切って降ろされた。

 

「五時や!!!タイムセールや!!!」

 

「ゆら!!気合い入れるわよ!!!!」

 

「当然や!!……う!!ど……どっちが…………徳や!?わからん……これはマズイで!?」

 

「こ……こっちも…………なんて難しい選択肢なの!?唐揚げがいいか!コロッケがいいか!」

 

そして数分経った後のスーパーマーケットには閑古鳥が鳴いている。

膝をついた少女が二人。

ここは男として、魅せないわけにはいかないだろう。

 

「大変じゃのぅ、毎回こんなことやってんのかい」

 

「あ、あんたは、ぬらりひょん!」

 

「ど、どーしたのよ。私たちを笑いにきたの?」

 

「違う違う!ワシはそんな風情のないことはしないぜ?ほら、お裾分けってやつだ!他人の家でただ飯を食らうぬらりひょんからのお裾分けじゃ!もう二百年先ぐらいまで見られないかもしれんのぅ!!」

 

こうしている方が楽しいし、愉快だ!

全身から笑いがこみ上げ、ついに爆発!

ワシは呵々大笑と涙をちょちょぎる。

腹がよじれるぐらい笑ったのはいつぶりか、確か鯉半がガキの頃に、目無しに襲われて、それを返り討ちにした時だったか!

あの時はガキながらになかなかどうして見所のあるやつだと感心したもんだ!

 

「あ、ありがとう。返してなんて言っても絶対に返さないからね」

 

「う、うちもや!礼はすれども、返却はせぇへんで!」

 

「よいよい!その程度で気にするやつはお前ら二人において他にいんじゃろうて!」

 

こうして、陰陽師&巫女の娘と何気ない与太話などをしていると、変な風が吹き荒れる。

なんじゃ、これは。明らかに妖の類じゃぁねぇか。

唐突にその風は襲ってきた。

その吹き荒れる風は、一つ一つに殺気がこもっていて、さながら全方向から睨みを聞かされてるぐらいの嫌な感じが体を弄る。

その嫌な風から、娘っ子二人を担ぎ、避ける。

 

「…………!ほぅ、避けたか」

 

「ふむ、見た限りお主は四国妖怪じゃなぁ。なんじゃ、四国の田舎モンがなんかようかい?」

 

「ぬらりひょん、あんたの首をもらいうけにきた」

 

「へぇ…………!そいつはいいや。最近退屈してたんだ。こんないいタイミングで敵襲が来るとは思うわなんだ。ビルに上がろうぜ」

 

言葉を交わした瞬間、ワシと、怪異、妖怪ムチはビルへと駆け上がる。

こいつは中々いい、趣きがすこしだけわかるやつみてぇだな。

ワシにはわかる。

こいつは狒々を殺したやつだ。

 

「狒々を殺ったのはお前かい?彼奴はワシとかふぇをする仲じゃたんじゃがのう。惜しい奴をなくした」

 

「奴は強かった。だが、もう歳だった。あいつはもうお前のために力を振るうことはできない。次はお前だ、お前なんだ」

 

「ふむ、多少わかるようじゃが……。お前、風情がないのう」

 

ワシは決めていた、お前との対談で。彼奴は、狒々は古株だったんじゃがのう。

今は、こいつじゃのぅ。

終わらせるとするか。

腹を括った瞬間に、殺意のこもった風が吹き荒れ、ワシに向かって暴れ出す。

 

「無駄だ!風は受け流しても、ムチの毒が体を蝕む!」

 

チャキと鞘から抜かれたドス。

祢々切丸のような妖怪だけを切るような特殊武装はなく、鉄砕牙のように変化する効果もない。

ただのドスにワシの畏れを載せれば--------敵はワシの前で無力と化す。

 

「…………みえねぇ。どこに、いや、そこにいる!?逃げられるはずがねぇ。いや、しかし、確かにいる。なんで、見えねぇんだ……!?」

 

「何物も自分にとって、大きすぎる存在と出会ってしまった時に、その存在を畏れるあまり、気づくことをやめる。見えていても、認識できぬようになる。それがわしの力」

 

(ぬらりひょんの)・明鏡止水』

 

「ワシの盃に波紋は鳴らぬ。……どうじゃ。ワシの戦い方----風情があるじゃろ」

 

ワシは、四国に行かねばなるまい。

あの大狸にあって確かめたいことがあるからのう。

では、行くとするか。

四国へ。

 

「納豆、旅は道連れとよく言うじゃろう?四国へ行くぞ。用ができた」

 

「へ、へい!総大将が言うなら地獄へ付き合う所存!」

 

こうして、ワシたちは娘っ子二人に別れを告げ、四国へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 




テスト期間でございます。て、言いますか、後二日しかない。まだ数学にしか手をつけていない!!文系なのに……。いえ、こんなことにめげず頑張っていこうと思います。なので投稿が遅れるかもしれませんが、ご了承ください!!


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主さん、玉章との望まぬ邂逅

どうもぉー!征でございます!
最近どうもご無沙汰続きでございまして、誠に申し訳なく思います。m(__)m
インターハイ予選もそろぼち近くなってきましたので、この一回の投稿で四月は終わりとなります。ご了承くださいませ。
それと、報告なのですが、Twitterを始めました。気になった方は村椿征と名前を入れて見てください。多分出ます!
注意、この回は原作とかけ離れていて、なんぞこれぇ!!となるかもしれません。
よーく気おつけてお読みください!
少ないかもしれないです。


僕が学校を出るときは日が暮れていて、氷麗とカナちゃんと一緒に帰路についているときだった。

奴ら妖怪は人の気持ちも考えず、突然襲ってくる自然災害のようなもので、神出鬼没などと言う四字熟語が似合う者共である。

 

「やぁ、奴良リクオくん。僕は四国八十八鬼夜行が主、玉章(たまずさ)だよ。仲良くしよう」

 

そう、四国からわざわざ望んでもいないのに来た。

此奴は何を言ってるんだ。

ーー後ろに鬼を連れて仲良くしようだなんて。

 

「何を言ってるんだ、お前」

 

「連れないことを言うもんじゃないよ?君は才能に溢れている。血を血で洗う戦いを想像したことがあるだろう?妖怪の主、ぬらりひょんの血を継ぐものなのだから」

 

やめろ、それ以上言うな。

 

「ーーーー君は自分の中に溢れる血の可能性に気づいているのか?妖怪の中でも最も強い、濃い血を」

 

本当に、収拾がつけられなくなるぞ。

 

「ーーーー君は妖怪だ。紛れもなく、ね」

 

頭の中の何かが外れる音がした。

そこからは早かった。

俺が出て来て玉章を捕まえようとした。しかし、紙一重で避けられてしまい、こう言葉を残す。

 

「君とは決着をつける日が必ず……必ず近いうちにくる。それまで楽しみに待っているよ」

 

本当に謎な男だ。

わざわざこのことを言うために俺の前まで来たのか。

カナちゃんに正体バレちゃったな。

 

「カナちゃん、俺のことどう思う?怖いだろ。いきなり変化してごめんな。あいつから守るには、()じゃなくて()が必要だったんだ」

 

「ううん、リクオくんは怖くないよ。だって、いつも救ってくれてたの、わかるもん。私に意地悪して、妖怪の世界から抜けて欲しかったんだよね?わかるよ、なんとなく。

リクオくんはいつまでたってもいいリクオくんだから!」

 

そう言ってもらえて、初めて救われたような気がした。そして、初めて言ってもらえたことで、目頭が熱くなってきてしまったみたいだ。

初めてとは大切な経験であり、心に残る暖かいものであると、改めて自覚した。

カナちゃんと別れを告げ、奴良組本家に戻って態勢を立て直す。

 

 

 

 

 

 

奴良組本家ではある悲報が伝えられる。

 

「リクオ様!浮世絵町の各地で妖怪が暴れ回っているとの情報が入りました!また新たな情報が出ましたらお伝えします!」

 

彼奴らか、彼奴らがやったのか。

よくもまあ、こんな堂々と……。

犬夜叉達は安静な状態ではあるが、それ以外の、奴良組のシマに問題があった。

奴良組の土地神に攻撃して信仰を奪っているのだ。

 

「いますぐに反撃に出るぞ。土地神のところへ回って、四国の奴らに目に物を見せてやるぞ。妖怪は畏れを抱かせるもんだ!俺らが畏れて何が妖怪だ!ーーーー行くぞ、奴良組出撃だ」

 

こうして、水面下の戦いではなく、表面での戦いになっていく。



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