東方無集録 (生きる死神)
しおりを挟む

1章『無』を操る少年の幻想入り
なにも無い少年


初めまして。生きる死神と言います。

初投稿ですがよろしくです。

それでは、スタートです。


 

 

ここは、忘れ去られたものたちがたどり着く楽園。

 

『幻想郷』

 

その中でも嫌われ者の住む地底、そこにその少年はいた。

 

 

 

?「んー? ここはどこだー? 」

 

少年は頭の上に?マークを浮かべて辺りを見回していた。

 

?「おかしいなー、昨日寝たときはこんな場所じゃなかったはずなんだけどなー」 

 

少年がこんな場所と言うのも無理はない。

 

何故なら、少年が起きた場所は、彼の家の布団ではなく…

 

ゴツゴツとした岩に囲まれた場所だからである。

 

少年は思った、

 

?「(これってー、寝てる間にどっか違う場所に吹っ飛んだのかなー? )」と。

 

 

普通であればパニックに陥ったりするであろうこの状況で、少年は全く別の行動をし始めた。

 

?「まー、ここがどこだろーと知らないけどー、元の場所よりは退屈しなそーだなー」

 

そう言いながら探索し始めたのだ。

 

そんなこんなで、探索し初めてどれくらいたったのかは分からないが、少年はこの岩だらけの場所に建つ大きな建物を見つけたのだ。

 

?「おー、大きな建物だなー」

 

少年はその建物の大きさに驚きつつ近付いていった。

 

?「ここがどこかも一応知りたいしー、ここの家主にでも聞けるといいなー」

 

少年はそう思いつつその建物ーー屋敷ーーのドアを叩いた。

 

?「すいませーん、誰かいませんかー」

 

ドアを叩いてみたが、しばらく待っても反応は無い。

 

?「あれー? おかしいなー。こんな大きな建物なのに誰もいないのかなー」

 

少年はそう言いながらも、違うことを考えていた。

 

?「(ノックの音が小さくて聞こえなかったのかもしれないなー)」

 

そして少年は、明らかにドアを叩く音とは思えない強さでドアを叩いた

 

?「あのー、誰かいませんかー?」

 

これだけ強く叩けば人がいるなら誰か反応するだろうと少年は思った。

 

しかし、現実はそう甘くもなかった。

 

これだけの強さでドアを叩いても誰も出てこなかったのである。

 

さすがにまいった少年はほんの少し申し訳無さそうに、数秒後にはそれも無くなっていたが、そんな顔をした。

 

?「しょーがない。ちょっと失礼かもしれないけどー、勝手に入って探すとしよー」

 

普通の思考ではまずありえない方法を考え出し実行した。

 

?「おじゃましまーす」

 

そう言いながらドアを開けて入ったのだ。

何故鍵が開いていたのかは分からないが、誰かが閉め忘れたのだろうと思いスルーした。

 

中はとても静かで誰かがいるようには思えない。

 

誰かいないかなー。そんなことを考えながら屋敷の中を歩き回っていた。

 

?「いやー、それにしてとここは広いなー。これだけ広いと迷っちゃいそうだなー」

 

こんなこと言っているが、すでに迷っている。

 

?「こんなに歩き回っているのに誰にも会わないなー。まさかのお留守だったのかなー? 」

 

そう言う少年は実際にはどれほどかは分からないが体感で数十分位は歩いていた。

 

しかし、少年は気付いていた。

さっきから自分の後ろを付いて来る人物がいることを。

ただ、すぐに反応するのは面白くないと思い、黙っていたのだ。

 

 

タタタッ

 

 

そう足跡をたてながら付いてくる後ろの人物にバレないように少年は考えていた。

 

?「(さっきから付いてくるこの後ろの人は誰だろうなー。この屋敷の人ならいいんだけどー、それ以外だといろいろめんどくさいなー)」

 

そう思っていた少年はここで取るには普通ではない案を思いつく。

 

?「(そーだ。誰もいないと思ってると思われてるならー、それを利用して少し驚かせてみよー)」

 

そして、少年は…

 

?「あーぁ、誰もいないなー。さっきから足音してるのになー」

 

そう言うと、後ろの足音の発信源が明らかにビックリしたような気がした。

 

そして、その人物は口を開く。

 

?「あなた、私がいることに気付いていたの? 」

 

そう問いかけてきたのだ。

 

少年は特に考える様子もなく返答する。

 

?「わりと最初から気付いていたかなー」

 

彼はそう言って振り向くとそこには彼より小さい少女がいた。

 

少女は驚いた顔をして、疑問を投げかける。

 

?「えっ、ならなんで話しかけなかったの? 」

 

?「えー? だってそんなことしたらー、面白く無いよー。あははっ」

 

少年は少女の疑問に笑いながらそう答えた。

 

少女は不思議そうな顔をしながら少年を見つめている。

 

?「面白くないから話しかけないって変なやつだね、あなた」

 

少女は少年を変な奴と言うと彼は少しむくれた顔をして口をとがらせる。

 

?「変なやつだなんてひどいなー、ちょーっと楽しくしようとしただけなのにー」

 

?「そこが変なのよ、さっきから妙に間延びした話し方だし、不思議な人ね」

 

少女は少年を不思議そうに見て言う。

 

?「あははっ、それよく言われるよー」

 

少年はそう言って笑った。

 

少女はほんと変な奴と再度思った。

 

?「それにしてもよく私に気付けたね。普通の人じゃ私には気付けないはずなのに」

 

少女はそう言って少年を見ると、少年は不思議そうな顔をしていた。

 

?「んー、なんでー? 」

 

?「その前に自己紹介するね。私の名前は古明地こいし、こいしって呼んでねー。で、気付けない理由は私が無意識を操るからだよっ」

 

少女はこいしと名乗り理由を言った。

 

少年は理由を聞いて特に興味を持った様子もなく返答する。

 

?「へー無意識ねぇー。それなら僕は普通にわかるなー。あ、僕の全無 真也(ぜんむ しんや)って言うんだー、真也って呼んでー」

 

少年も自己紹介をし、また分かる理由を言った。

 

こいし「えっ? なんで、真也にはわかるの? 」

 

分かると言われて驚くこいし

 

真也「それはねー?

 

僕が『無』の集まりだからだよー」

 

そう言って、その顔は何も思っていないように笑った。

 

この2人がここで会った。

そこから物語は始まった……。




いかがだったでしょうか?

これからも頑張っていくので投稿したときには見てもらえるとうれしいです。

それでは、また投稿したときに会いましょう。

追記

修正しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

まさかの異世界!?

どーも。
次の投稿で会いましょうとか言って、次の日に投稿しました、生きる死神です。

今回も見ていただけると嬉しいです。

それでは、スタートです。


 

 

 

こいし「えっ? 『無』の集まりってどういうこと? 」

 

意味が分からないように首を傾げるこいし。

 

予想通りの反応だなー。そんなことを考えている真也

 

真也「やっぱり分からないよねー。なんて言うんだろー、もっと分かりやすく言うとー、ありとあらゆる『無』が集まってるって言った方がわかりやすいー? 」

 

少し説明に困る真也は伝わったのか不安げだ。

しかし、それでこいしは理解してくれたようだった。

 

こいし「ありとあらゆる……ってことは、その中に無意識もあるから、普通に気づけたって事? 」

 

真也「そーゆーことー。他にもいろいろあるよー? 例えばー、感情とか心とか反応とかー」

 

以外と早く理解してくれたこいしに、真也は他の例えを出してみた

 

こいし「えっ、ちょっと待って? 感情とか心は分かったよ。でも、反応ってどういうこと? 」

 

だんだん頭が追いつかなくなったこいしはそう言うと、真也がやってしまったと言った顔をした

 

真也「少し難しいかー。簡単に言うとー、最初に『無』がつく言葉は大体僕は分かるのー」

 

先ほどよりかは幾分か簡単な例えを出して説明した。

 

それを聞くと少し驚いたこいし

 

こいし「最初に『無』って……、じゃあ、『無反応』とか『無理』とか『無限』ってこと?』

 

真也「そー! さらに言うとー、それらも操れたりするよー」

 

自分から例を出して聞いてきたこいしに、少し嬉しそうな顔をした真也は、得意気にそう言うと笑みを浮かべた。

 

こいし「うわぁー、なかなかずるい能力だねー」

 

納得したこいしは率直に思ったことを言った。

 

真也「? 能力? なにそれー」

 

こいし「あれ、今の話って能力の事じゃなかったの? 」

 

能力と言われた真也はよく分からないと言った顔で首を傾げる。こいしも首を傾げていて話が噛み合っていないことに気付いた。

 

真也「いやー? 今のは前から出来たことを教えてあげただけだよー? 」

 

こいし「あれ、もしかして、ここがどこだか分からなかったりする?」

 

首を振ってから先ほど説明したことが能力ではないと言う真也。こいしはもしやと思い質問をした。

 

真也「そーなんだよねー。よく分かんないからここら辺ふらついてたらここにたどり着いたんだよー」

 

こいし「そっかー、じゃあ、私が教えてあげる!」

 

返ってきた言葉にこいしは胸を張って得意げな顔をする。

 

真也「ありがとー。よろしくねー、こいしー」

 

 

 

 

少女説明中

 

 

 

 

こいし「ってことー。分かった? 」

 

真也「おっけー、よーくわかったよー。ここが幻想郷っていう不思議な場所でー、ここは地底の地霊殿ってとこなのねー」

 

説明が理解できたか確認するこいしに、真也は説明の内容をざっくりと答えた。

 

こいし「そう! 私も住んでるよ! 」

 

真也「そーなんだー。で、ここの人たちは能力を持ってる人がいっぱいいてー、しかも人の形をしてるけど妖怪なんでしょー」

 

何故か自分も住んでいることを言ったが真也はあまり触れずにスルーして、さらに確認する。

 

こいし「そ! 私も妖怪だよ? 」

 

真也「まー話の流れ的にー、そんな気はしてたよー」

 

思いの外反応の薄い真也にこいしは不思議そうな顔していた。

 

こいし「その割には反応薄いねー」

 

真也「まーそこまで気にする必要ないかなって思ったりー? 」

 

おどけたように言う真也はニコニコと笑みを浮かべる。

 

こいし「ほんと、真也って変わってるよねー」

 

真也「なんか、よく変わってるって言われるなー」

 

こいし「あっ、さっきの真也の出来ることを幻想郷の能力で言うと〈『無』を操る程度の能力〉かな? 」

 

変わってると言われる真也の小言をスルーして、こいしは彼が出来る事を幻想郷の能力に変換した。

 

真也「なんか明らかにチート臭いんだけどー」

 

こいし「チートって、言うのが何かわからないけど、とっても、強い能力なのはわかるねっ!」

 

チートと言う言葉がよく分からないこいしは首を傾げるが真也はそんなこと気にしていなかった。

 

真也「ただの体質かと思ってたらここでは能力なんてねー。不思議なこともあるねー」

 

こいし「そーいえばさ、真也って最近ここに来たんだよね?」

 

何かを思っているわけでもなく声には特に感情もこもっていない真也。こいしは気付かないままだった。

 

真也「最近というかー、ついさっき気付いたらここにいたんだよねー」

 

こいし「外の世界に帰りたい?」

 

訂正を入れて答える真也に、こいしはちょっと残念そうな口調で質問する。

 

真也「んー、あっちは退屈だしー、こっちの方が退屈しなそうだからなー(それに、こいし可愛いしー僕の体質というか能力聞いても何とも思わなかったみたいだしー)」

 

口ではこいしについては何も言っていないが、頭の中では自身のことを聞いてなんとも思っていないこいしに好感を覚えていた。

 

こいし「じゃあさじゃあさ! ここに住もうよ! 」

 

真也「えっ、勝手に決めちゃっていいのー? 」

 

食い気味に言って身体ごと近付いてくるこいしに、真也は少し驚きながらも不安そうな顔をする。

 

こいし「だいじょーぶだよー。お姉ちゃんは優しいから許してくれるよー」

 

大丈夫と言ったこいしになんとなくだが面倒なことが起きるのが目に見えた真也

 

こいし「よし、じゃあお姉ちゃんを探しにいこー!」

 

真也「えっ、なんで、手握ってるの? ちょっと待ってよー、こいしー!?」

 

急に手を握られ驚いている真也だがそんなことをこいしは気付かないのでされるがまま連れて行かれた。

 

こうして、真也はこいしに引っ張られてこいしの姉を探しに地霊殿を連れ回されるのであった。




次の話はさとりと会うことですかね。

では、次の投稿で会いましょう。

ばいばーい。

追記

修正しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

地霊殿の主との話

はーい、次相変わらず早い生きる死神です

今回はタイトル通りあの人に会いますよー

ではー、スタート


 

 

 

 

 

手を掴まれたまま、地霊殿の中を連れ回されること体感で数分後……。

 

真也「こいしー、ちょっと止まってー」

 

こいし「ん? どしたの?真也ー? 」

 

呼び止められたこいしは不思議そうに真也を見る。

 

真也「いやさー? さっきから引っ張り回されてるせいで疲れたからさー少し休もうよー」

 

こいし「うーん、じゃあ、キッチンでなにか飲もっか!」

 

疲れたように言う真也にこいしはそう提案した。

 

真也「いいねー、そーしようー」

 

2人は仲良くキッチンに向かった。

 

 

 

ーーーキッチンにてーーー

 

 

 

こいし「なに飲むー? 」

 

真也「なにがあるのー? 」

 

なにがあるか知らない真也は逆に聞き返す。

 

こいし「えーっとねー、紅茶でしょ? コーヒーでしょ? ミルクもあるし、お水もあるよ? あとは、果物で作ったジュースもあるよ! 」

 

真也「へーいろいろあるねー、じゃあジュースもらっていいー?」

 

いくつか言われた物の中からすぐに選ぶ。

 

こいし「いいよー、どれがいい? 」

 

そういって、こいしは3つのジュースを置いた。

 

一つ目はオレンジジュース

 

二つ目はリンゴジュース

 

三つ目は明らかにあちらの世界ではあり得ないような色をしたもの

 

それを見て真也は

 

真也「(これは明らかに人が飲むものではないような気がするぞー? )」

 

三つ目を見て飲んではいけないと察した真也。

 

こいし「どれにする? 」

 

そんな真也の考えを知らずに聞いてくるこいしに

 

真也「え、えっとねー、じゃあリンゴジュースがいいなー」

 

こいし「わかった! 私はオレンジジュースにしよー♪」

 

どことなく変な返し方になっていることを知らないこいしは何故だか上機嫌だった。

 

 

 

 

 

そして、二人でジュースを飲みながら話してると……

 

?「? 誰かいるの? 」

 

そう聞こえドアが開いた。

 

?「いったい誰がいるのかしら……って、あなたは誰なのかしら? 」

 

真也「(誰か来たーっていうかー、たぶんこの人がこいしの姉かなー? でも、話してたのにこいしに気付いていないようなー……)」

 

入ってきた少女の様子を見ながら考えていると、少し威圧感を出しながら質問してくる。

 

?「アナタは誰? なぜここ所にいるのかしら、勝手に入ったなら容赦しないわよ? 」

 

少女は真也に疑いの目向けてそう言った。

 

真「ちょ、ちょっと待ってー。僕はこいしに連れてきてもらったんだよー? 」

 

少し焦りながらそう言うと少女は驚いた様子で

 

?「こいし? こいしが見えるの? こいし! 出てきて! 」

 

こいしの名前を呼んだ。

 

すると、このピンク色の髪をした少女の後ろからこいしが、ふっ、と現れた

 

こいし「ただいまー、おねーちゃーん」

 

そういいながら抱きついた。

 

?「きゃっ、もう、こいしったら。また無意識に遊び回っていたのね? 」

 

少女はまた驚きつつも妹が帰ってきたことを喜んでいるように見えた。

 

こいし「ごめんね。でも、無意識だからしょーがない! 」

 

?「(とっても嬉しそうで不思議ね)」

 

少女は不思議そうな顔をしていると

 

真也「なんかー忘れられてるけどー、こいしー、その人がこいしの姉なのー? 」

 

ちょっと空気だった真也が聞くと。

 

?「はっ、ごめんなさいね。私はこの地霊殿の主の古明地さとり、こいしの姉よ」

 

少女もはっとしたように自分の名前を言った。

 

真也「どーも、ついさっきこの世界にきた全無 真也でーす」

 

さとり「真也君ね、こいしが見えたのには驚いたけどなんで、ここにいるのかしら? 」

 

名前を聞いたさとりは当初の疑問を投げかける。

 

真也「それはここがどこか聞きに来たんだけどー……「ねぇねぇ、お姉ちゃん! 真也をここに住んでもらってもいいよね!? 」って、こいしー、話してる最中はやめよー? 」

 

こいしに割り込まれたので途中で話が途切れた。

 

さとり「えーっと、ここがどこなのかはもうわかってるのよね? 」

 

少し頭を抱えつつ言うと

 

真也「うんーさっきー、こいしに聞いたー」

 

こいし「ねーおねーちゃん、いいでしょー?」

 

さとり「うーん、まあ危ない人ではなさそうだからいいわよ? 」

 

噛み合わない会話に眉間にしわを寄せつつ、さとりはOKを出した。

 

真也「おー、ありがとう……「やったー! 真也これからよろしくねー! 」 だーかーらー、話を聞いてよー」

 

またも話しているときに割り込むこいし。

 

さとり「(すでにこいしに振り回されてるわねー。大変だろうけど頑張ってもらわないと。最初からこいしが見えていたのも気になるし、最初からずっと心が読めないのも気になるわね)」

 

その様子を複雑な心境で見ていた。

 

真也「そういえばさっきー、この世界には人の形をした妖怪がいるって話を聞いてー、こいしも妖怪だって聞いたんだけどー、なんの妖怪なのー? 」

 

思い出したように言うとそれを聞いた途端、さとりとこいしの顔が少し暗くなった。

 

さとり「……私たちは覚、人の心を読む妖怪です……」

 

そう言ったのを聞いて真也が聞かない方が良かったのかと察し

 

真也「もしかしてー、あんまり聞かない方がいいことを聞いたかなー? もしそうならーごめんねー」

 

ちょっと気まずそうに言った。

 

さとり「いいんです。いつかは話すことが今になっただけですから」

 

真也「心が読めるって事は僕の心も読めたりするー?」

 

そう言われたさとりは驚いたようで

 

さとり「……実は全く読めないのです。真也君の心は」

 

真也「ふーん、やっぱりそうかー。あ、あとー君付けしなくてもいいよー? 僕もさとりって呼ぶからー」

 

それを聞いた真也はどこか納得した様子で頷いた。

 

さとり「わかりました、それでやっぱりってどういうこと?」

 

了承してから聞くと

 

真也「それは、僕の能力が関係してるねー」

 

そういって話し始めた……

 

 




はい、あの人はさとりでしたー

投稿不定期なんていいながらどんどん投稿してますが、時間があるから出来ているのでないときはほんとに、投稿できないとおもいます

それでは、また次回会いましょう

追記

修正しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼は『無』で出来ているのか?

はーい、こんばんは、生きる死神です

今回はシリアス?注意ですかね

それと、まだあって間もないのにこれはおかしいだろというのは気にしないでください

同じもの同士気があうんです、たぶん笑

では、スタート



 

 

彼は話し始めた、自分の能力でもあり、今の彼のすべての元となった『無』についてを。

 

真也「あのねー。僕の能力は〈『無』を操る程度の能力〉みたいなんだー」

 

さとり「(『無』を操る? そんなの防げるわけ無いじゃない! なんて能力なの!? )」

 

表情には出していないが内心驚いている彼女を後目に話し続ける。

 

真也「でねー、その中にはこいしの無意識やさとりが心を読むのに必要な心もあるのー」

 

さとり「心ってどういう事? 」

 

浮かんだ疑問をそのまま口に出すと

 

真也「この場合の心は『無心』かなー。こいしの無意識がわかるのは僕自身が無意識を操れるからかなー」

 

彼はそれに答える。

 

さとり「そういうことなのね。じゃあ、読ませることも出来るの? 」

 

彼女は納得してまた質問すると

 

真也「うーん、出来ないことはないだろーけどー、んー……」

 

真也は歯切れが悪そうに口ごもる。

 

さとり「どうしたの?」

 

彼女はそれを気にして聞くと

 

真也「まあいっかー。この話は他の人にはしないでねー? いいー? こいしもー」

 

彼は気にしないような顔をして2人に聞く。

 

さとり「わかったわ」

 

こいし「おっけー!(忘れられてると思ったー)」

 

2人が了解したのを聞いた真也は

 

真也「えっとねー。まあ、簡単に言うと今の僕には『なにも無いんだ』。心はもちろん、感情も、関心も、かなー」

 

軽くそう言った。

 

さとり「えっと、それはどういうことかしら? 」

 

彼女は訳が分からなそうに言うと

 

真也「これを説明するにはあっちの話が必要なんだけどー、いいかなー? 」

 

彼は元いた世界の話になることを言った。

 

さとり「わかったわ」

 

こいし「(なんか良くない話な気がする……)」

 

了解したさとり、こいしは無意識のうちに良い話ではないことを感じ取った。

 

真也「まーざっくり言うねー。こんなこと他の人に言うもんじゃないしー」

 

そして彼は話し出した。向こうの世界であったことを。

 

真也「まずー心が無い理由はー、虐められてたからー。感情がない理由はー、親友が亡くなったからー。関心がない理由はー、あっちの世界に退屈しすぎて飽きたからー」

 

彼はそう言った。

 

さとり「えっ、とても軽く話すような内容には思えないのだけれど……」

 

こいし「………………」

 

驚き怪訝な顔をするさとり、こいしは何も言えず黙っていた。

 

真也「だってーこんな話を感傷に浸りながら話しても空気が重くなるだけだよー? 」

 

彼はそう言うがさとりは

 

さとり「そうだけれども…」

 

納得していなかった。

 

こいし「(みた感じはそんなに年もいってなさそうなのになんで、そんな悲しい経験をして、そんな悲しくもないようにいられるの? 私なら耐えられないよ…)」

 

信じられないといった顔でこいしは真也を悲しそうな目で見ていた。

 

真也「それにー、まあそのおかげと言っていいのかわからないけどー、こんな能力もあるしねー。たぶんこの能力がなかったらここにはこれなかったからねー、少し感謝かなー? 」

 

彼はそういって笑った。

 

その笑顔はこいしとさとりには、どこか寂しそうにも見えた。

 

こいし「(こんな悲しい経験をしてほんとは辛いはず。私も眼のこともあるけど、真也だって辛いはず。真也の気持ちを少しくらいわかってあげたい……! )」

 

少女が1つの決心をし、彼を知りたいと思い始めた頃

 

真也「そうそう、もう一つあってねー」

 

さとり「?」

 

真也「両親が離婚してるしー、もういないんだー」

 

忘れていたことを思い出して言った

 

それを聞いた2人は

 

さとり「……ッ!!!」

 

こいし「(えっ、それじゃあ、真也は今まで、ずっと独りだったの? )」

 

驚きのあまり声がでなかった。

 

真也「んー、こんな感じかなー? これで僕の説明は終わりだよー。今が何時か分からないけどお風呂借りるねー? こいしー、場所教えてー」

 

話が終わり彼は風呂にはいると言った。

 

さとり「……ぁ、わかったわ……」

 

こいし「……うん、ついてきて」

 

2人はまだ動揺から抜け出せなかった。

 

こうして、この日地霊殿に新たな住人が増えた。

 

 

 

 

 

  

真也「いやー、良い湯だったー」

 

こいし「そー? ならよかったっ! 」

 

二人は真也に割り振られた部屋で話していた。

 

話している理由はこいしが誘ったからである。

 

真也「でー、話があるっていってたけどー、なんのことー? 」

 

彼はこいしに呼んだ理由を聞いた。

 

少し気まずそうにして口ごもるこいし。

 

こいし「……真也はさ? あの話をするとき悲しくないの? 」

 

そう聞くと

 

真也「うーん、なんかもう悲しいとかあんまりわかんないからねー。それくらいもうどうだっていいことなのかもしれないなー」

 

そういいながら、彼は少し振り返っていた、自分の記憶を。

 

しかし、それは長くは続かなかった。

 

 

 

なぜなら

 

 

 

次のこいしの一言で驚かされたからだ。

 

こいし「…………じゃあさ、なんで今、真也は泣いてるの? 」

 

その言葉に驚き動揺する。

 

真也「……ッ! 僕が泣いてるってー? 」

 

そう言ったが

 

こいし「だって、さっきの話をして何かを考えてる時にはもう涙が流れてたよ? 」

 

いつから流れていたかまでこいしには分かっていた。

 

真也「んー、僕にもわからなかったなー、何でだろうー」

 

理由が分からない真也は首を傾げていると

 

こいし「もしかしたら、私の能力のせいかもね」

 

自分の能力のせいだとこいしは言った。

 

真也「どういうこと?」

 

理由を聞く真也。

 

こいし「私は無意識を操るの。だから、真也の無意識を操って本心を出させたのかもしれない」

 

自分の仮説を言ったこいしに、それを聞いた真也はまさか、といった顔だった。

 

真也「そんなことは……。もう、慣れたはずなのに……『無いことが真実』だと、そう決心したはずなのに……」

 

そうつぶやくと

 

こいし「無意識の前では、それも無駄かな? だって無意識だもん」

 

彼女はそういって、見とれるくらいの微笑みを浮かべた。

 

真也「(……ッ、な、なんだろうこの気持ちは。こいしの笑顔を見たら胸の奥が熱くなった、これは? )」

 

その笑みを見た真也は不思議な気持ちになった。

 

こいし「だからさ? 私の前ではさ、本心のままでいてほしいな? 」

 

切実な思いを告げるこいし。

 

真也「どうして、そこまでするの? 僕は今日あったばかりのほぼ他人だよ? 」

 

彼はそこまでする理由を聞いた。

 

少し怒った顔こいしは口を開く。

 

こいし「そんなこと関係ないよ! もう一緒に暮らすんだから他人じゃない! 家族だから! それに、私にもその気持ちはわかるよ……」

 

最初に強く言ったあと、小さな声でそう言った。

 

彼には最後のも聞こえており

 

真也「こいし……。わかるって、どういうこと? 」

 

そう聞くとこいしは悲しそうな顔で

 

こいし「さっきさ、お姉ちゃんがさ、心を読む妖怪だって言ったよね? 」

 

さっき言っていたことをもう一度言った。

 

真也「うん、覚妖怪だってね」

 

それを思い出しながら真也は答えた。

 

こいし「でもね、私には読めないの。心を閉じちゃったから……」

 

こいしは理由を言って悲しそうな顔をする

 

真也「あ……。だから、姉妹なのに能力が違うのか……」

 

納得したように真也は言った。

 

こいし「そういうこと。私が心を閉ざした理由。それは、人の醜い心をみたくなかったから。そして、私は無意識を操り誰にも意識されなくなった」

 

こいし「今まで、そのことを気にしたことはなかったよ? でもね、お姉ちゃんですら私に気づけないって分かったときは泣いちゃったよ、あまりにも悲しくて」

 

彼女は悲しそうな、寂しそうな顔でそう言った。

 

真也「……」

 

何も言わずにそれを黙って聞く。

 

こいし「だからね? 真也がいろんなものを失った悲しみは少しは私にもわかるの。だから、私はあなたのことを知りたい。ねぇ。だめかな。こんな、理由じゃ」

 

恐る恐るといった様子のこいしが聞くと

 

真也「………………」

 

彼は黙ったまま。

 

ダメだと思い半ば諦めたこいし。

 

こいし「やっぱり、ダメだよね。会ったばっかりでお互いのこともしらな「ダメじゃない! 」……、真也? 」 

 

真也「ダメじゃないさ。こいしだってその話はしたくないはずなのにそれを僕にしてくれた、それはもう僕のことを知るためにまずはこいしのことを教えてくれたんでしょ?」

 

諦めようとしたが真也の一言で遮られ、その後の彼の言葉ではっとする

 

こいし「私は……」

 

真也「そうじゃないにしてもね? 人には言いたくないことがある。それをこいしは僕に話してくれたから。これだけで、もう十分こいしのことを信用するに値するよ」

 

彼はそう言ってこいしの目を見たりそれを聞いたこいしの表情はぱぁぁっと明るくなった。

 

こいし「じゃあ……! 」

 

真也「うん、こいし。今日はお互いのことを知るために話し合おっか! 」

 

こいし「うん! 」

 

こうして二人はお互いを知りながら夜を過ごしていった。

 

途中で芽生えた感情はお互いわからぬまま。

だけど、この感情はいつかわかるだろう、そう思い深くは考えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談になるが、この日長く話し続けた二人は次の日盛大に寝坊してさとりに怒られるのであった。




今回はだいぶ長めでしたね

書いてるこっちも少し重たい気分でした

こんな感じで話は進んでいきます

次回は残りの地霊殿メンバーとの話ですかね

では、また投稿したときに会いましょう

追記

修正しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

不思議なペットたち

いやー、自分で書いたものを見てると、こうやって、黒歴史は生まれるんだなーと考えちゃいますね笑

そんなこんなで投稿ですが、そろそろキャラ崩壊が始まるかもしれません(もうしてたらすいません)

異変前にキャラ設定を出そうとは思っています

では、スタート


 

 

 

 

地霊殿に新たな家族が増えてから2日後、真也はこいしと地霊殿を回っていた

 

真也「うーんー、ほんとに地霊殿は広いねー」

 

彼はこいしと周りながらそう言った

 

こいし「うんっ、灼熱地獄跡を埋めるために出来てるからとっても広いの!」

 

彼女はえっへん!と胸を張りながら言った

 

真也「灼熱地獄かー暑そうだねー、でも地霊殿はそんなに暑くないよねー?」

 

彼はそれを聞いて疑問を口にした

 

こいし「それはねっ!私たちのペットが管理してるからだよ!」

 

彼女は誇らしげにそう言った

 

真也「あぁー、そういえばペットがいるって言ってたねー」

 

彼は思い出したように言うとこいしが

 

こいし「そっ!2人いるよ!」

 

人数を答える

 

真也「そっかー、いつ会えるかなー」

 

真也がいつ会えるかと言うとこいしは

 

こいし「もしかしたらもうすぐだったりして!」

 

そう言って笑う

 

真也「そんなわけ無いよー」

 

真也はそれを否定していた

 

そうこうしていると、

 

 

 

 

 

さとり「あー、いましたね、2人とも」

 

さとりが現れた

 

こいし「おねーちゃーん!」ダキッ

 

こいしはさとりを見た途端走って抱き付いた

 

さとりはそれを少し驚きながらも受け止め

 

さとり「きゃっ!もう、こいし!急に抱きつかないで!」

 

こいし「ごめんなさーい」

 

そういいながらも、さとりの顔は怒っておらず、こいしもそこまで申し訳なさそうではなかった

 

真也「(この姉妹はほんとに仲がいいなー、たとえ、心を閉ざしていても姉妹は姉妹だもんなー)」

 

真也はそんな2人を嬉しそうに見ていると

 

さとり「あっ、忘れてました、二人を呼びに来たんですよ」

 

さとりが用件を思い出し言う

 

真也「んー?なんでー?」

 

真也は何かと聞くと

 

さとり「ペットたちが帰ってきたから会ってもらおうと思って」

 

さとりは先ほどこいしが言ったことがほんとになるようなことを言った

 

真也「おぉー、さっき言ってたことがほんとになっつー」

 

真也は素直に驚きこいしは

 

こいし「ね?いったでしょ?ふふっ」

 

そう言って笑った

 

さとり「(なにを話してたのか気になりますが、こいしが楽しそうだから気にしないでおきましょうか)」

 

さとりはそんな2人を暖かい目で見ていた

 

こいし「じゃあ、早速いこうよー!」

 

こいしはそう言って走り出し真也も

 

真也「あっ、待ってよーこいしー」

 

こいしを追いかけ走り出す

 

さとり「2人とも慌てすぎですね…、あっ、ペットたちはキッチンにいますよー!!」

 

さとりは2人に場所を伝えてゆっくりと歩いて向かう

 

 

 

こうして、3人はペットたちが待っているキッチンに、向かった

 

 

 

キッチンにて

 

?「うにゅー、新しい家族って誰なんだろうねー」

 

?「うーん、さとり様とこいし様が認めた人だからすごい人なんだろうけど…」

 

2人の少女が話していると

 

さとり「さあ、二人とも入って」

 

さとりが入って真也とこいしに入ることを促す

 

こいし「お燐!お空!ひさしぶり!」

 

そういってこいしはお燐とお空と呼ばれた少女たちに飛びついた

 

?「こいし様ー、お久しぶりですー」

 

?「相変わらずですね、こいし様は」

 

こいし「えへへー」

 

2人は飛びつかれても驚いておらずこいしも嬉しそうだった

 

さとり「こいし、そこら辺にして自己紹介するわよ?」

 

さとりはそんな3人を少し見てからそう言った

 

こいし「はーい」

 

さとり「まずは新しい家族を紹介しましょう」

 

さとりはこいしの返事を聞いてからそう言った

 

真也「んー、えーっと、この前ここに来たー、全無真也ですー、よろしくねー」

 

真也が自己紹介すると

 

?「うにゅ?お真かー!」

 

どことなくバカっぽい少女が元気にそう言うと

 

?「お真って…」

 

隣にいる真面目そうな少女が苦笑いして言った

 

さとり「次は2人ね、お願い」

 

さとりが2人に促す

 

?「はーい!私は霊烏路 空!お空って呼んでね!」

 

先ほどお真といった少女が元気いっぱいに言った

 

真也「お空ねー、よろしくー」

 

真也はお空に会釈する

 

?「あたいは火焔猫 燐、お燐って呼んで」

 

次に苦笑いしていた少女が言った

 

真也「お燐ねー、よろしくねー」

 

真也は同じようにする

 

さとり「さて、自己紹介も終わったことだし昼食でも食べましょうか」

 

真也とこいしは朝から回っていたのでお腹が空いていたからさとりの言葉に飛びついた

 

こいし「おねーちゃーん!早く早くっ!」

 

真「さとりー、おなか減ったよー」

 

こいしはそう言ってさとりに抱きつき、真也もそう言う

 

さとり「わかったから!ちょっと待って。こいしは私に抱きつかないで!作れないから!」

 

さとりはこいしを振り解こうとする

 

お燐「(真面目に挨拶したと思ったらなんかすごい抜けてるようになった?不思議な人だねー、こいし様と似てるし、雰囲気とか)」

 

そう思い、隣にいたお空に話しかけようとした

 

 

 

 

が、お空はそこにいなかった

 

 

 

 

お燐「あれ?お空は?」

 

お燐は隣にいるはずのお空がいないことに気付き探すと

 

お空「うにゅー!私もおなか減ったー!」

 

お燐「ダメだこりゃ」

 

お空は真也とこいしに混じって昼食をねだっていた

 

お燐「はぁ、あたいもやるかね、さとり様ー!あたいも手伝いますよー!」

 

呆れたお燐がそう言うとなんとかこいしを振り解き、囲まれていたのから脱出できたさとりは

 

さとり「あら、お燐ありがとう、とりあえず、なにか簡単に作りましょう」

 

そういって、やっと、作り始めたのであった

 

 

 

 

 

昼食後(描写がないのは作者が思いつかなかったからですごめんなさい

 

 

 

真也「さてー、おなかもいっぱいになったしー、ちょっと休もうかなー」

 

真也が休もうとすると

 

お空「お真ー!遊ぼー!」

 

お空が後ろから飛びついてきた

 

真也「んぁっ?なんだお空かーびっくりしたなーもー。なにして遊ぶのー?」

 

真也は驚きつつもそう聞くと

 

お空「弾幕ごっこやろう!」

 

お空はそう言う

 

しかし真也は

 

真也「弾幕ごっこー?なにそれー」

 

なんのことか分からずお空に聞く

 

お空「あれ?知らないの?」

 

お空は知らないことを不思議に思っていた

 

真也「うん、まだ聞いてないかなー」

 

その話を聞いたこいしが、

 

こいし「じゃあ、私とお空でやるから見てて!それから考えようよっ!」

 

そう提案した

 

お空「いいですねー!そうしましょー!」

 

そういって2人は外に行ってしまった

 

真也「なんで、見せる相手を置いていくのかなー。とりあえず、追いかけるかー」

 

真也はそんな2人を苦笑いしながら追おうとすると

 

お燐「あたいも行くよ」

 

お燐がそう言った

 

真也が

 

真也「んー?お燐もー?なんでー?」

 

そう理由を聞くと

 

お燐「真也たち3人だと止める人がいないでしょ?」

 

とても真っ当なことをお燐は言った

 

真也「その通りー……」

 

真也も正論すぎてまた苦笑いしていた

 

こうして、2人も外に向かった




はい、地霊殿メンバー全員出ましたー

次は弾幕ごっこですが、正直そのシーンを描写できる自信がありません、どうしましょう^^;

それと、作者は堅苦しいのはあまり好きではないのでそろそろ真也のキャラがぶっ壊れるかもしれませんがご了承くださいm(_ _)m

では、また次の投稿で会いましょう

追記

誤字訂正しました!

こいしがこいひになっていました

パルミアさんご指摘ありがとうございます!

追記

修正しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

性格悪いから

はい、こんにちは、生きる死神です

今回かなり残念かもしれません、弾幕の描写に悩んだ結果です

もしかしたら、主人公の弾幕ごっこは面白味の無いものかもしれません、そのときはまた考えますね

では、スタート


 

 

中庭にて

 

こいしとお空が行った弾幕ごっこを見たあと、真也はスペルについて聞いていた

 

真也「さっきのはすごかったなー」

 

真也は先ほどの弾幕ごっこを見た感想を言った

 

こいしはそれを聞いて

 

こいし「えへへー、そうかなー?」

 

嬉しそうに笑ってそう言った

 

真也「そうだよー、見てて面白いしとってもきれいだったよー」

 

それを聞いたこいしは

 

こいし「楽しんでもらえて何よりだね!」

 

真也が楽しんでくれたことを喜んでいた

 

真也「あ、でさー、さっき使ってたカード?について教えてよー」

 

真也はカードについてこいしに聞いた

 

こいしは

 

こいし「いいよー、まずは、さっき使ってたカードはスペルカードって言うの、まあ、長いからスペカってみんな言うけどね」

 

そう言って笑った

 

真也はそれを聞いて

 

真也「スペカねー、あれってどうやって作るのー?」

 

反復してそう聞くと

 

こいし「あれは、スペカ用の紙があってそれに出したい弾幕をイメージしながら力を込めると作れるんだよー」

 

こいしはそう答えた

 

真也「へーそうやって作るんだー、あ、そーいえばー僕弾幕出せるかなー?」

 

真也はそれを聞いて納得していたが根本的なことに気づいてそう言った

 

こいしもそれは気付いていなかったようで

 

こいし「そういえばまだ試してなかったねー今やってみよーよ!」

 

今実践してみることを提案した

 

真也「そうだねー、やり方教えてー」

 

真也がやり方を聞くと

 

こいし「うーん、なんかこう、手のひらに力を込める感じ?」

 

こいしはなんとなくの説明をすると

 

真也は見よう見まねで

 

真也「んーー、ていっ。……あ、できたー」

 

意外にも出来た

 

こいし「出来たねー、で、それを飛ばすの!」

 

こいしはまた説明する

 

真也「こうかなー?おー、飛んだ飛んだー、けっこー早いねー」

 

真也は言われたとおりに飛ばすことが出来た

 

こいし「真也弾幕作るの上手いねー、初心者でこれだけ出来るのはビックリだよ!」

 

こいしは真也が思いの外出来たことに驚いていた

 

真也「なんだかわからないけど、出来そうな気はしてた、あはっ」

 

真也も驚いているようで笑いながらそう言った

 

こいし「じゃあさ、空を飛んでみようよ!そしたらさ、移動も楽だしいろんなところいけるよ!」

 

こいしはまた新しいことを試してみるように言った

 

真也「えっでもさー、人間って普通は空飛べないよー?」

 

真也は普通は出来ないと思ってそう言ったが

 

こいし「えっ?そうなの?私たちはみんな飛べるから普通だと思ってたよ」

 

こいしはそれを聞いて逆に驚いていた

 

真也「うーん、じゃあ能力使ってみよーか」

 

真也は能力でどうにかすることにした

 

こいし「えっ、出来るの?」

 

こいしはそんなことができるのか不思議そうだったが

 

真也「うん、たぶんね、《人間が空を飛べないという理を無視する》」

 

そういうと、真也は浮き始めた

 

真也「おっ、できたー」

 

真也は出来たことにそこまで驚いていなかった

 

こいしもそんな真也を見て

 

こいし「やっぱり、真也の能力ってずるいねー、ふふっ」

 

少し笑いながらそう言った

 

真也「まあまあ気にしちゃダメだよー、でもこれで飛べることもわかったねー」

 

真也はそう言った

 

こいし「じゃあ、説明に戻るね?スペカには、二つ種類があってね?一つは弾幕を撃ちながら動ける普通のスペル、さっき(描写してません、ごめんなさい)私が使ってた〈本能「イドの解放」〉とかかな?」

 

こいしは元の説明に戻した

 

真也「確かにー、動いてたねー、じゃあさ、お空が避けるしかなかったあのスペカはー?」

 

真也は先ほどの光景を思い出しながら言うと

 

こいし「そうそう、あれがもう一つ、耐久スペカでこれはそのスペカが発動している間は攻撃が出来ないから避けるしかないの。さっきので言うなら〈反応「妖怪ポリグラフ」〉だね!」

 

こいしは真也の反応を見ながらそう言った

 

真也「ふーん、避けるしかない耐久スペカかー、それすっごい僕好みなんだけどー」

 

真也はいつもとは違う笑みを浮かべてそう言った

 

こいしはそんな真也に、戸惑い

 

こいし「えっ?どういうこと?」

 

そう聞いた

 

真也は

 

真也「だってさ?その間は攻撃されないんでしょ?そしたらさ、痛いの受けずに済むじゃん、なんて良いものなんでしょう。………なんてね、あははっ」

 

冗談めかしてそう言ったがこいしにはそうは思えなかった

 

こいし「そ、そうだね」

 

このときこいしは真也の闇の部分を垣間見た気がした

 

しかし、それよりもさらに驚くことを聞くことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「しかもさ、一方的に攻撃できるのも良いところだねー。相手の逃げまどうところを見れるのは面白そうー。アハハハハッ」

 

今度は悪魔のような笑顔でそう言った

 

こいし「…………ッ!」

 

こいしは背筋が凍るような感じがした

 

そのときの真也の表情が全くの無表情でなんの感情も無く言ったからだ

 

しかも、最後に笑ったとき、明らかにいつもの笑い方ではなかった、彼のふざけた雰囲気が嘘のような、まるで悪魔のように笑ったのだ

 

こいしは黙ってしまった、それを察した真也は、

 

真也「おっとー、ごめんごめんー。ちょっと言ってることが怖いかなー?まあ、使い勝手が良さそうだなってことを言いたいだけだよー」

 

真也はそう言ったが

 

こいし「そ、そうだねー……(やっぱり、過去の記憶はそう簡単には忘れられないよね)」

 

こいしは少し驚きながらも彼に同情していた

 

こいし「(真也がこうなったのは向こうの世界の人のせい、私たちがどうこう言える事じゃないかもしれないけど……、でも、私は他人事には思えない……!)」

 

こいしは真也のことを思って真也を見ていた

 

その視線に気付かない真也は、

 

真也「よし、早速作ってみようかなー」

 

早速作ろうとする

 

こいし「(いったいどうしたら、真也は悲しい思いをしないですむかな?)」

 

こいしはまだ考えている

 

真也「あ、紙が必要なのかー、こいしー、スペカ用の紙ってどこでもらえるの?」

 

真也は紙が無いことに気付きこいしに聞くが

 

こいし「(私に出来ることは少ないかもしれない、でも、どうにかしたい!)」

 

こいしはまだ考えており反応しない

 

真也「こいしー?おーい、こいしー?」

 

真也はこいしが黙っていることを不思議に思いこいしに何度か声をかけた

 

こいし「ふぇっ!?、な、なに?真也?」

 

こいしはそこでやっと考えから戻ってきた

 

真也「いやさー?さっきからボーッとしてるからさ、少し不思議に思ってねー。あ、それでさ、スペカ用の紙ってどこでもらえるのー?」

 

真也はそんなこいしを不思議に思いつつそう言うと

 

こいし「あ、あー、スペカ用の紙ね。えーっと、それなら、お姉ちゃんが余りをもってるかも!」

 

こいしは少し焦っていたがそう答えた

 

真也「じゃあー、さとりのとこにいってみよー」

 

真也はそれに気付かずそう言うとこいしも落ち着いたのか

 

こいし「そーだね!じゃあ一緒に行こっか!」

 

こうして、2人はさとりの部屋に向かった




はい、まだ、スペカは出来ませんでした

ですが、さっき書いたとおり真也のスペカは耐久ばかりというほんとにチートかもしれません、もしかしたら、弾幕ごっことはいえないかもしれません

僕も調べたりして頑張りますのでどうか、よろしくお願いします

ちなみに、こいしとお空の弾幕ごっこはこいしの圧勝です

ここのこいしはかなり強めです、それに真也君が見ていたので張り切っていましたから最初から全力です
お空ファンの方すいませんm(_ _)m

次の話はいろいろ出来るのですが…まだ、地霊殿から出てないのでそろそろだしましょうかね?

では、次の投稿で会いましょう

追記

修正しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

地底っていろんな人(妖怪)がいるね

はい、生きる死神です

こんかいは、タイトル見ればなんとなくわかると思います

なんか、今まで一番長くて後半とんでもないシリアスかもしれません、予想外です

では、スタート


 

 

今、真也は困っていた

 

こいしと共にさとりを探しにきた、そこまでは良かった。そう、良かったのだ

 

?「あんた誰だい?」

 

?「妬ましい妬ましいブツブツブツブツ」

 

?「始めて見る顔だねー」

 

?「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「どういうことなのーー」

 

こうなってしまったのは、2人がさとりの部屋に向かうために玄関から入ろうとした時のことだった

 

ーーー回想ーーー

 

こいし「とりあえず、中入ろっかー」

 

真也「そーだねー、ってあれー?玄関のとこにいっぱい人がいるのは気のせい?」

 

こいしが中に入ろうと言って玄関に向かおうとすると真也が玄関に何人か人がいることに気づく

 

こいし「あれ?ほんとだー、いっぱい誰かが来てるー、今日何かあるのかなー?」

 

真也に言われて気づいたこいしは首を傾げてそう言った

 

真也「とりあえず行ってみよーよ」

 

こいし「そうだねっ!行ってみよー!」

 

二人はそう言って向かおうとしたがこいしが真也よりもは早く向こうに行ってしまい真也は置いてかれてしまった

 

真也「あっこいしー、もーまた1人で行っちゃったよー、待ってよーこいしー」

 

こいしが玄関につきそこにいた人たちに声をかけた

 

こいし「みんな今日はどうしたの?」

 

?「私は久しぶりにさとりと飲もうと思ってね、誘いにきたのさ」

 

?「私はそこのバカに連れてこられたのよ、ほんと、そうやって有無をいわさずに連れて行くところ、妬ましいわパルパル」

 

?「私も呼ばれたから来たのさ、キスメは私が呼んだよ、1人だけ参加しないのは良くないからね」

 

?「……別に……、気にしなくても……いいのに……」

 

こいし「ふーん、飲みに来たんだー。私たちもお姉ちゃんに用があるから、一緒に行こうよ!」

 

?「私たち?誰かいるのかい?」

 

?「そうやって普通に誘えるのも妬ましいわパルパル」

 

?「ん?こいし、あんた1人だよ?」

 

こいし「えっ?あれ?おいて来ちゃった?」

 

こいしは置いてきたことに気付く(遅い)

 

?「こいしは変わらないねー」

 

こいし「てへっ!無意識のせいかな?ふふっ」

 

?「そうやって無邪気に笑えるのも妬ましいわねパルパル」

 

真也「こいしー、おいてかないでよー。一緒に行くんじゃなかったのー?」

 

そして、その話題の中心がいることに気付くのである

 

こうして、最初にいたる

 

ーーー回想終了ーーー

 

真也「とりあえずー、皆が同時に言ってて分からないしー、名前も分からないから自己紹介しよー」

 

?「おぉ、悪い悪い、私は鬼の星熊勇儀さ」

 

真也「勇儀ねー、よろしくー」

 

真也は勇儀と握手する

 

?「私は橋姫の水橋パルスィよ、そんな簡単にまとめられるのも妬ましいわねパルパル」

 

真也「なんか妬まれてるけどー、気にしなーい、パルスィねー、よろしくー」

 

なぜ妬んでいるのか疑問な真也だがそれは放っておいた

 

?「私は土蜘蛛の黒谷ヤマメ、皆からは地底のアイドルとも言われてるよ!」

 

真也「地底のアイドルかー、ヤマメねー、よろしくー」

 

ヤマメとも普通に握手する

 

?「……私はキスメ、釣瓶落とし……」

 

真也「釣瓶落としのキスメねー、よろしくー」

 

キスメとは軽い会釈で返した

 

ヤマメ「ほら、私たちは自己紹介したんだからあんたもしなよ」

 

全員の自己紹介が終わったところでヤマメが真也にも促す

 

真也「そーだねー、僕はこの前ここにきた全無真也、いちおー人間だよー、よろしくねー」

 

真也はいつも通りの間延びした口調で言った

 

勇儀「ほぉ?人間がこんなところに?なにを思ってこんなところに来たんだい?」

 

勇儀が真也に興味を持ち

 

パルスィ「人間がこんなところで普通に過ごしてるなんて妬ましいわねパルパル」

 

パルスィがまた妬む

 

真也「いやー、寝て起きたらここにいてねー?こいしとさとりに住んでいいよって言われたから住んでるのさー」

 

真也はパルパル言ってるパルスィは放って置いて勇儀の質問に答えた

 

ヤマメ「不思議なこともあるもんだねぇ」

 

キスメ「……能天気……」

 

ヤマメはのんきにそう言い、キスメは小さくそう言った

 

真也「なんかキスメにちょっとグサッとくること言われた気がするー」

 

こいし「自己紹介終わったなら、お姉ちゃんのところにいこーよー?」

 

真也がキスメの言葉に何か刺さった物を感じこいしがそれをスルーして促した

 

 

勇儀「ちょっと待ってくれ」

 

勇儀が止めた

 

真也こいしパルスィヤマメキスメ「「「「「?」」」」」

 

勇儀以外は?を浮かべていると

 

勇儀「こんな所にいる人間なんだ、能力くらいあるだろう?」

 

勇儀はそう聞いてきた

 

キスメ「……確かに……」

 

キスメもそう言った

 

真也「あー、あるよー、知りたいのー?」

 

真也が確認すると

 

ヤマメ「まあ、持ってるなら知りたいねぇ」

 

パルスィ「こんな普通の人間でさえ能力を持ってるなんて、妬ましいわねパルパル」

 

相変わらずパルっているパルスィをスルーした真也は

 

真也「んー、パルパルはほっといてー。僕の能力はー、《『無』を操る程度の能力》だよー」

 

そう言った

 

真也こいし以外「「「「!!??」」」」

 

それを聞いた4人はとても驚いていた

 

勇儀「ハッハッハッハ、これは面白いやつじゃないか!」

 

パルスィ「なんて強い能力なの…!?というか、さりげなくパルパルとか、呼んでんじゃないわよ!妬ましい!」

 

ヤマメ「いやぁ、これは本気の勝負じゃぁ勝ち目がないねぇ」

 

キスメ「……変なやつ……」

 

勇儀が豪快に笑って面白そうだと言い、パルスィは能力の強大さに驚き、ヤマメは勝ち目がないと言い、キスメは変な奴と評した

 

真也「うん、予想通りの反応でとても面白いねー。ってかー、キスメは僕のこと嫌いなのかなー?さっきからグサグサきてるねー」

 

真也はあらかた予想通りだったのかそんな反応をしていた(キスメは別)

 

こいし「まあ真也能力を聞いたら誰だってこういう反応すると思うよ?」

 

こいしがフォローを入れると

 

真也「まあ、分からないでもないけどー……」

 

真也は少し小さい声でそういった

 

が勇儀が

 

勇儀「よし!真也!あんた私と勝負しないか!?」

 

真也に勝負をふっかけた

 

パルスィ「あんたバカじゃないの!?ただの人間なのよ!?そんなことも考えないあなたが妬ましいわパルパル」

 

パルスィは勇儀の言ったことに強く反対した

 

こいしも驚いた顔で

 

こいし「えっ、ちょっと待って、真也はまだスペカ持ってないんだよ?勝負にもならないよ!」

 

真也は勝負出来ないと言い

 

ヤマメ「それには同意だねぇ、さすがにスペカを持ってない人間をボコボコにするのはどうかと思うよ?」

 

ヤマメも少し避難するような目で勇儀を見てそう言い

 

キスメ「……さすがに無理だと思う……」

 

キスメも同じように言う

 

こいし「ほら!皆言ってるよ!勇儀!また今度にしなよ!」

 

こいしはみんなの意見を聞いて勇儀に訴える

 

しかし勇儀は楽しそうな顔で言った

 

勇儀「いや、みんなの言うことも分かるけどさ、真也を見てみなよ」

 

そう言われて真也以外は真也を見ると…

 

真也「うーん、弾幕だけで勝つねー、能力なしじゃー無理かなー。でもーやろうと思えば出来るかなーって、みんなどうしたのー?」

 

真也は全員の視線が集まるまでどうやって勝つか考えていた

 

真也勇儀以外の全員「「「「いや、なにやることになってるの(よ)!!??」」」」

 

4人はそろって同じようなことを言った

 

勇儀「ハッハッハッハ、ほんとに面白いやつだね。まさか、スペカ無しで私に勝とうってのかい?」

 

勇儀はまた豪快に笑って楽しそうに言った

 

真也「まー、無理じゃないと思うよー?」

 

真也はいつも通りにこにことした顔で言った

 

こいし「真也っ!やめときなよっ!相手は勇儀だよっ!?鬼は普通の勝負じゃ、最強とも言われてるんだよっ!?真也が死んじゃうよ!」

 

こいしは全力で真也を止めようとする

 

ヤマメ「さすがに無理だ思うねぇ、来たばっかりの人間じゃぁ」

 

キスメ「……スペカもないし……さすがに」

 

パルスィ「まず、勝てるって思ってるのが妬ましいわねパルパル」

 

ヤマメやキスメ、パルスィも無理だと言って諦めさせようとする

 

勇儀「まあ、こういわれるのもしょうがないが、どうする?真也。確かに私は強いよ?はっきりいって来たばっかりのスペカも持たない人間じゃ死ぬだけだよ?」

 

勇儀は少しつまらなそうな顔でそう言うが

 

真也「いやー、皆言いたい放題言ってくれるねー。まーわからないでもないよー?確かに僕は人間だし来たばっかりだしー、スペカもないしー、飛ぶのだったさっき出来るようになったしー、弾幕だって出来るようになったのはついさっきさー」

 

真也はいつも通りの口調で言った

 

それを聞いたヤマメが

 

ヤマメ「じゃあ……「だからってそれがなんの理由になるの?」……し、真也……?」

 

何かを言おうとした

 

そのとき、

 

こいし以外は初めてとなる真也の闇を見ることとなる

 

真也「この世に絶対なんてないし、勝負は決まってるかもしれないね。でもね?だからってやらないのはどうかと思うよ?大体、人間たからって甘く見過ぎ。能力もあるし、空だって飛べる、弾幕も撃てる。君たちさぁ、なに勘違いしてない?なんかいろいろ言ってくれるけどさぁ…」

 

真也は急に間延びした口調から普通の口調になりそう言った

 

真也以外「「「「「………………」」」」」

 

他の面々は何も言えず黙り込んでいた

 

もうすでに、真也は変わっていた。その変化に何人かは震えが止まらず冷や汗も出てきていた

 

真也「はっきりいって、関係ないよ。悪いけど、その気遣いは無駄かな。僕はこの勝負引かないよ。いや、引かないじゃない……勝つね。」

 

そしてかろうじて一度見ていたこいしはなんとか声を出して止めようとした

 

こいし「し、真也……、わ、わかったからさ、き、今日はやめよ?ね?またスペカ作ってからさ「こいし」な、なに?」

 

その言葉は……

 

真「僕のことを思って言ってくれるのはうれしいな。

 

そのときの真也は……

 

「でも、僕はやめないよ。

 

そこで見たものは……

 

「だからね?気にしなくていいよ?アハハハハッ」

 

言っていることとは明るく聞こえるが、その表情は全くの……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『無』だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、なぜかシリアスになりました

作者はあまりシリアスは好きではありません、なんでこうなるのでしょう(T.T)

まあ、これで真也の『無』を地底勢は全員みましたね

さあ、次回は勇儀との勝負です、スペカはないので弾幕のみですが、先に言っときます、勇儀ファンの方すいませんm(_ _)m

真也君は能力フルでガチでやります

次回で真也の能力の使い方が分かると思います(明らかなチートです、もちろんタグつけてあります)

では、また投稿したときに会いましょう

追記

修正しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

彼は『無』、それは変わらない

はい。早く異変やって幻想郷を回らせたいのでまたもや投稿です

こいし「雑だねー」

真也「そうだねー」

はい、今回から前書きと後書きに誰かくるかもしれません

真也「かもなんだねー」

こいし「しかも、「」の前が名前になってる」

はい、そういうことです、というか、僕はこんな堅苦しいのは好きじゃないのです

真也「そういわれてもねー」

こいし「まあまあ」

てなわけで、これからは僕もキャラ崩壊してるかもしれませんが気にしないでください

では、

「「「スタート」」」


先の話し合いからとりあえず勝負することとなった2人を含めた6人は地霊殿を離れ戦いやすいところに来ていた

 

真也「いやー、地底ってほんと普通の町と変わらないねー」

 

こいし「そうだよー、地上から来て住み着いた人たちが作ったんだよ!」

 

真也「へー、そーなんだー」

 

真也とこいしと勇儀以外「「「「(なんでさっきあんなことあったのに平然としてられるの!!??」」」」

 

勇儀「なあ真也、ほんとにいいのか?能力は使っていいさ、でも、ほんとに勝てるのかこの私に、一応言っておくが勝負となったら手加減はしないぞ?しかもそれが弾幕ごっこじゃないならなおさらだ」

 

真也「だーかーらー、別にいいって言ってるでしよー?もー、しつこいなー」

 

真也がしつこいというのも無理はない、なぜなら、ここにくるまでに他の全員にも同じ事を言われていたからだ

 

勇儀「ならいいが……、まっ、真也がそういうならいいさ、久しぶりの本気の勝負楽しませてもらうよ!」

 

真也「じゃあ、ちょっと待ってねー準備するからー」

 

そういって真也は勇儀と離れた位置に行く、しかしその後ろにはこいしがついてきていた

 

真也「こいし?どこまでついてくるの?もう始めるから、危ないよ?」

 

こいし「………………」

 

真也「こいし?大丈夫?」

 

こいし「……ッ!大丈夫なんかじゃないよ……!」

 

こいしは真也にだけ聞こえる声で言った

 

真也「こいし……」

 

こいし「ほんとは戦ってほしくなんてないよ!なのに真也は勝つって言って無理しようとする……。私はね!?真也に怪我して欲しくないよ!ねぇ!真也ぁ!」

 

真也「…………」

 

こいし「……はぁ、やっぱり言ってもダメかな、でも私は怪我して欲しくないって思ってること忘れな「ありがとう」い……真也?」

 

真也「こいしがそこまで心配してくれてうれしいよ、今まで他の人に心配されたことなんてほとんどないから、ほんとうれしいよ。でも……、ごめんねこいし。僕はこれだけは引けない、だからいくよ。でもこれだけは約束するね、絶対戻ってくるよ」

 

こいし「……絶対だからね?約束破ったら許さないんだから……」

 

そういってこいしは他の皆のもとへ戻っていった

 

真也「(いやー、ほんと、こいしが心配してくれて、うれしいな。なんか良くはないけどほんとにうれしい。それと、さっきこいしに言われたときにもこの前と同じような感じがしたなー。これってもしかして……)」

 

勇儀「そろそろいいかー?」

 

真也「(いや、また今度考えよう。今は戦いに集中だ)」

 

勇儀「真也ー?」

 

真也「いいよー。始めよー」

 

勇儀「よし、じゃあ、こいしに始めの合図をしてもらおうか。こいし、いいかい?」

 

こいし「……わかった。じゃあ、いくよ?

 

そして戦いの幕が上がる

 

真也vs勇儀

 

よーい、始め!!」

 

その声が聞こえた途端勇儀は真也を狙って弾幕を撃った

 

勇儀「(さすがにいきなり本気は酷いから少し様子を見るかな)」

 

しかし、その弾幕は真也へは飛ばず、急に『見え無くなった』

 

勇儀「!!??」

 

真也「…………」

 

消えた弾幕はどこへ行ったのか。あれをやったのは真也なのかいろいろな疑問があるがそれをおいてまずは言った

 

勇儀「これは楽しませてくれそうじゃないか!なぁ?真也ぁぁ!!」

 

しかし真也はなにも言わない

 

真也「………」

 

勇儀「よーし、ここからは本気でいくよ!」

 

そういって大量の弾幕を撃った、もちろん、弾幕ごっこではないので隙間はない、といっても、大きく避ければいいのだが

 

しかし、真也は思いもよらぬ方法で避けて見せた

 

真也「…………」

 

真也が手を出し、握ると不思議な音を立てながら一つの塊になって消えた

 

勇儀「……ッ!これは弾幕は効かないのか?一筋縄ではいかないねぇ!」

 

そういって拳を作り思いっきり目の前の空間を殴った、するとその衝撃波が真也に飛んでいったのである

 

勇儀「弾幕がダメなら、衝撃波はどうだい!」

 

しかし、真也は

 

真也「…………」

 

避けようとしなかった

 

真也以外「「「「「!!??」」」」」

 

こいし「(なんで避けないの!あんなの当たったら死んじゃうよ!お願い、避けて真也!!!)」

 

しかし、その願いは杞憂に終わった

 

 

 

なぜなら……

 

 

 

真也は衝撃波に当たったはずなのに傷一つ付いていないからだ

 

勇儀「どういうことだい?今のは確実に当たったよな?」

 

そう思うのも無理はない、今のは誰が見ても当たっていたのだから

 

しかし真也は喋らない

 

真也「…………」

 

真也は無言で最初に放ってきた避けられないくらいの弾幕を作り、飛ばしてきた

 

勇儀「なっ!」

 

勇儀は驚いていた、ただの人間がこんなに弾幕をはれるのか?だが、それよりも、まずは避けることにした

 

勇儀「ふんっ!このくらいどうってことないさ!」

 

そういって大きく避けると勇儀は目を疑った

 

勇儀は真也のいるところを見ていたはずだった

 

 

 

しかしそこには

 

 

 

誰もいなかった

 

勇儀「なにっ!消えただと!いったいどこに…」

 

そう言っていると

 

「なーに、してんのさーそっちじゃなくてこっちだよー」

 

声がした方向を見るといつもの雰囲気をした真也がいた

 

が、その周りには多くの弾幕が漂っていた

 

勇儀「い、いったいなにがおきたんだい!?」

 

真也「まあ、それはこれが終わってからのお楽しみにー。それじゃあ、いくよ?」

 

真也はそういうと周りに漂っていた弾幕からレーザーを放ってきた

 

その黒い弾幕から放たれるレーザーはかなりの速さで勇儀に向かってきた

 

勇儀「おっと!これは手を抜きすぎていたのかもしれないなぁ!」

 

そういってレーザーを拳で打ち消した

 

真也「えーそんなのありー?レーザー打ち消すなんてなかなかできないよー?」

 

勇儀「私は鬼だからね!こんなこと朝飯前さ!」

 

そういっていっきに近付くと拳を振りかぶり思いっきり殴ろうとした

 

 

真也はすでにそこにはいなかった

 

勇儀「またか!」

 

真也「そうだよ、まただよよー」

 

今度は後ろの放から声がした

 

振り向きざまに弾幕を放つと

 

真也は

 

真也「うわっと、あぶないなー」

 

軽く避けていた

 

しかし避けられることを考えて撃っていた勇儀はその好きに近づき思いっきり蹴り飛ばした

 

勇儀「ふんっ!」

 

風を切る音と共に真也は吹き飛んだ

 

しかし、真也は相変わらずの様子だった

 

真也「危ない危ない、もう少しで骨くらいは逝ってたね」

 

勇儀「おかしいねぇ、今ので終わらせられる位の威力はあったはずなのに」

 

真也「そろそろ決めさせてもらうよーこっちも能力には慣れてきたしー」

 

勇儀「はんっ!能力だよりで勝てるのかい?」

 

そんな挑発に真也はいつも通りの笑みで

 

真也「その能力に今から負けるんだよー勇儀はねー」

 

そついって、また弾幕を作り出し打ち始めた

 

勇儀「そんなしょっぱい弾幕でほんとに勝とうなんて思ってるのかい!?」

 

そういって避けた

 

はずだった

 

勇儀はそれを避けて同じく弾幕を放とうとした、しかし、後ろからの急な衝撃で止めざるをえなかった

 

勇儀「ぐふっ!?なんだ!?後ろから急に!?」

 

真也「あははっ、ほーらね、油断してるからー。そんなんじゃ倒れちゃうよ?」

 

勇儀「ちっ!やってくれるねぇ!」

 

そうして何度か弾幕の応酬をするが何度やっても必ず当たってしまう

 

勇儀「(なんでだ?避けているはずなのに当たる……さすがにこちらも何度も当たるのは良くない……しょうがない、けりをつけるとするか)」

 

しばらくして

 

勇儀「この技を乗り切ったら真也の勝ちでいいよ!」

 

真也「ふーん、それでいいんだ?」

 

勇儀「もちろんさ!これを受けて立っていたらもうお手上げさ」

 

そういって大きな声で宣誓した

 

勇儀「四天王奥義「三歩必殺」!!」

 

それを聞いて見ていたこいしたちはというかいつの間にか観客たちは

 

「これは終わったな、今まで生きていたのは奇跡だなでも、姐さんのあれは無理だな」

 

みんなそう口々に言っていた

 

しかしこいしは違った

 

こいし「(真也は約束してくれた……!なら大丈夫なはず……!真也戻ってきてよね……!)」

 

そして、観客たちは見た、結果を、そして

 

 

 

目を見開いた

 

 

 

なぜなら

 

 

 

煙が舞っていたのが収まり見え立っていたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也だったから

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、なんかもう物語の最終局面みたいな雰囲気出てますがそわなことはありませんよ?笑

さとり「そういわれてもねぇ…」

あっ、さとりさん

さとり「出番少ないしこっちに来てみたわ」

すいませんm(_ _)m

さとり「で?次はどうするの?」

えーと、次は今回の戦闘で起こったことの解説です

てなわけで、次の投稿で会いましょうー!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ありえない方法で

はーい、こんにちはー生きる死神です

真也「今回は前回の説明だねー」

そーです、説明です、正直無理矢理感が否めないですが、もう気にしません!

真也「今更気にしてたらーこの先無理だねー」

そ、そうだねー、あ、それと、テストが終わり部活が始まるので投稿頻度が下がるかもしれません

真也「そういいながらも投稿するのが君だよねー」

ま、まあ、あながち間違ってないですがほんとのことですから!

それと、感想を誰でも付けれるようにしました!一言でも感想がいただけると僕もやる気がわくのでよろしくです!

では、

「「スタート」」


結果を見た観客たちは驚いていた

 

それも無理はない、なぜなら、ただの人間だと思っていたやつが、あの、鬼の四天王に打ち勝ったのだ

 

しかも、傷一つ無く、だ

 

こいし「(よかった……真也がほんとに無傷で帰ってきてくれた……)」

 

こいしが安堵していると、

 

真也「勇儀も連れてきたよー」

 

真也が帰ってきた、そのことに気付いたこいしは真也に話しかけようとした

 

 

周りにいた鬼「おい!どうやって姐さんに勝ったんだ!ただの人間なんかじゃ無理なはず、なにかいかさまでもしたんだろ!」

 

真也が周りの鬼たちに詰め寄られて近寄れそうにもなかった

 

こいし「ちょ、ちょっと!」

 

なんとか通ろうとしてもこいしの体格ではどうにもならず、どうしようかと悩んでいた

 

そのとき

 

勇儀「……、まったくお前たちは、なにも分かっちゃいないねぇ」

 

今までなぜか喋らなかった勇儀が話し出したのだ

 

周りにいた鬼「姐さん!どういうことですか!あいつがいかさましたんじゃないんですか!」

 

勇儀「そんなことはないさ、この勝負は能力ありの本気の勝負さ、ちゃんとタネがある、そうだろ?真也」

 

そのときの真也はヤマメやパルスィに同じように詰め寄られていた

 

真也「んー?もちろんあるよー?説明するー?」

 

勇儀「もちろんさ、してもらわないとこっちもすっきりしないからねぇ」

 

そう言われ真也はいつもの笑顔で説明し始めた

 

真也「んーとねー、じゃあ、最初にやった弾幕が消えたやつはー、正しくは消えたんじゃなくてー『見え無くなった』のー。僕なりに言うならー『無視』だねー」

 

勇儀「ほぉー、だから急に見えなくなったのか」

 

真也「そー。まあ『見え無い』だけで、消えた訳じゃないからーそのあとやった方法で消したけどねー」

 

ヤマメ「その方法って?」

 

ヤマメがそうたずねた、真也は、

 

真也「あれはー『形を無くした』のー。『無形』かなー?それで、一つ一つの形を無くして大きな塊にしてから完全に消したのさー」

 

それを聞いてパルスィが、

 

パルスィ「ならなんで、最初から全部消さないのよそんな面倒なことをやるあなたが妬ましいパルパル」

 

真也「それは出来ないこともないんだけどー、ちょっと面倒だったからー、一つにして消したのー。まあ、自分の周りだけ消したら流石にばれるかと思ったのもあるけどねー」

 

キスメ「……めんどくさがり……」

 

キスメの一言に、何か刺さった真也はそれをスルーして説明を続けた

 

真也「でー、次の衝撃波のやつはー「意味を無くした』。要は『無意味』だねー、だから、威力はないけど強い風みたいになったかなー」

 

こいし「(だから、あれを喰らって無事だったんだ……)」

 

周りの鬼たちも「なんだこいつは……」と、卑怯なものを見る目ではなく、気味の悪いものを見る目をしていた

 

それに気付いたこいしは真也を見ると

 

真也と目があった、そのときの真也の表情はどことなく悲しそうだったのをこいしは見てしまった

 

真也はそれが他の人にばれないようにすぐにいつも通りの笑顔を浮かべ説明に戻った

 

真也「次はなんだっけー?」

 

勇儀「急に消えたやつだな」

 

真也「あぁー、あれは皆知ってると思うよー?」

 

その言葉に真也とこいし以外は、えっ?、という声をあげざるをえなかった

 

勇儀「どういうことだい?知ってるって」

 

真也「えっ?わからないのー?これは出来る人がもう1人いるけど……」

 

真也はそう言うとこいしの方を見た

 

それにつられた他の人たちもこいしを見ていた

 

それに対しこいしは

 

こいし「……無意識、ね……」

 

そう言った

 

勇儀「あれが無意識!?どこをどうみたって一瞬で消えて移動していたじゃないか!」

 

真也「あれは、ほんとに無意識だよー?確かにこいしのは確認しづらいよー?でもこれはほんとのことだよー?」

 

ヤマメ「うーん、少し信じられないねぇ」

 

真也「はぁー、えっとねー、あれは勇儀の無意識に入っただけだよー?こいしと同じ事をしただけさー」

 

そう言われてもう納得するしかない真也とこいしを除いた全員

 

パルスィ「じゃあ、最後のは?あんなことできるやつ、普通はいないわよ妬ましいパルパル」

 

どんなときでも妬ましいのは変わらないのがパルスィであった

 

そして

 

ヤマメ「それは私も思ったねどうやったんだい?」

 

と、他の人も同様に聞いてきた

 

こいし「(ここまでくるとなんとなくわかるような…)」

 

そんなこいしの思いを知らない真也は説明する

 

真也「あれはー、まず最初に勇儀が僕を殴る直前に勇儀の力を無くしたのー、『無力』かなー。あれタイミング間違えてたら当たってたから実は冷や冷やしてたよー」

 

ヤマメ「よくそんな賭けみたいなことが出来たねぇ!」

 

真也「まあ、いろいろあるからねー」

 

真也はそういうとこいしの方をチラッと見ました

 

それに気付いたこいしは  

 

こいし「(もしかして、怪我して欲しくないっていう私の我が儘に答えるため……?そんな、そんな我が儘のために真也は賭けみたいなことをしたの?そんなの……)」

 

そう驚きながらも少し嬉しいような悲しいような気持ちになった

 

真也「あと、さっきさ勇儀が急に喋ったでしょー?あれは、勇儀の『意識を無くした』。これぞほんとの『無意識』ってねー!あははっ」

 

その真也のギャグを周りは何とも言えない空気で流していた

 

真也「……さすがに無言は堪えるねー」

 

その割には平気そうな真也であった

 

ヤマメ「あんた……ほんとに人間かい?今のを聞いて怪しくなったよ」

 

パルスィ「そうね、普通の人間にはあんなことはできないものね妬ましいパルパル」

 

キスメ「……ほんと変なやつ……」

 

真也「あははー、これでも人間だよー」

 

真也はこれだけ言われてもどうでもよさげに答えていた

 

そんな説明が終わると同時に

 

さとり「ここでなにをしているんですか?」

 

さとりが現れた

 

それに対して勇儀は

 

勇儀「ちょっと真也と本気の勝負をしてただけさ」

 

さとり「!それは本当ですか!?真也!何でそんなことしていたの!」

 

真也「あー、勇儀に挑まれたからー、受けただけどよー」

 

勇儀「そういうことさ。残念ながら私は負けちまったんでねぇ、しかも真也に無傷でやられたからたまったもんじゃないよ」

 

さとり「無傷で!?どういうこと!?真也!」

 

しかし、真也は

 

真也「あぁー、もう疲れたし僕地霊殿に帰るねー。こいしー、一緒に戻ろー?」

 

こいし「えっ?う、うん、わかった。」

 

そういうと真也とこいしは地霊殿に帰ってしまった

 

さとり「ちょっと!まだ話は終わってませんよ!」

 

さとりも追いかけようとしました、しかし、

 

勇儀「さとり?なんで帰る前に止めなかったのさ、お前なら心を呼んで止められただろう?」

 

そう勇儀に止められてしまったのである

 

言われたさとりは困った顔で考え込んでしまった

 

勇儀「どうしたんだい?なにかあるのかい?」

 

さとりはそう言われ、少しためらうかのように顔を背けると

 

さとり「真也の心は読めないのです……いや、読めないのではなく『無い』、といった方が正しいでしょうか」

 

勇儀「?どういうことだい?さとりが心を読めないなんてこいしくらいじゃなかったのかい?」

 

さとり「それは……いろいろあるのです…私も帰りますね…」

 

それだけいうとさとりは止められる前に地霊殿に帰ってしまった

 

勇儀たちはこいしと同じく心を閉ざしているのか、と思いそれ以上は気にしないようにした

 

 

 




はい、どことなくシリアスで悲しいです

こいし「書いたやつが言うな」

うっ、こいしちゃん、ズバッといいますね

こいし「ほんとのことだもん」

そ、そうですね、今回の説明は読者様からしたらなんだこれと思うようなものかもしれません、私が書きたいように書いた結果なので、まあ、とんでもないチートだなって流してください^^;

こいし「それで流せたら苦労しないよ?」

グサッ

はい…とどめ刺されたんで、そろそろ終わりです

次回は先に帰った真也とこいしですね、それが終わったら異変に入りましょうかね

では、また次回会いましょう

こいし「またねー!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二人の思いは惹かれあう

はーい、せっかくもらったアドバイスを忘れる前に投稿しようと思った生きる死神です

真也「今回は僕とこいしの話ばっかだねー」

そりゃあ、この作品の主人公とヒロインですから(^∇^)

真也「は、はぁ、まあ、いいけどさー」

はい、少し早いですが、

「「スタート」」


 

 

こいしは真也と帰り地霊殿についたあと部屋で話そうと言われて真也の部屋に来ていた

 

 

しかし、部屋についた真也は話しかけようとはせず飲み物を準備したり着替えるなのして、いっこうに話しかけてくるそぶりがなかった

 

それでこいしは真也が言うことはないのかも、と思い自分が聞きたいことを先に聞くことにした

 

こいし「ねぇ、真也?」

 

真也「ん?なにー?こいしー」

 

こいしは少し考え、そして心配するように言った

 

こいし「…………さっきさ、私と目があったよね?」

 

真也「……うん、そうだね」

 

こいし「…………その時真也がどんな顔してたか、自分で気付いてる?」

 

そう言われた真也は少し考え込み、答えた

 

真也「いや、わかんないね」

 

それを聞きこいしは

 

こいし「その時の顔とっ「言わなくて分かるよ」、………」

 

真也はその先を言わせないように被せて言った

 

真也「たぶん、悲しそうな表情でもしてたんだろうね、こいしが心配そうに聞くならそういうことだろうから」

 

こいしは少し黙ったあと真也を見ていた

 

こいし「…………うん」

 

真也「ねぇこいし?」

 

こいし「…………なに?」

 

こいしは真也がなにを言うか待っていた

 

しかし、真也はなかなか言わない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チク、タク、と時計の音だけが響き続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで、この部屋に誰もいないようなそんな静けだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その静けさを破ったのはやはり、真也だった

 

真也「僕はさ?虐められることなんてどうってことはない。

 

悪口を言われようが陰口叩かれようがどうだっていい。

 

お世辞なんて聞き飽きるくらい聞いた。

 

表面だけの心配や助言だって聞いてきた。」

 

真也はそこで話を切った

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

また、

 

 

 

 

 

 

時計の音が響く

 

 

 

 

 

 

真也「独りでいることたってもう慣れっこさ。

 

だからね?わかるんだ、皆の視線が僕を気味悪がっていたことくらい。

 

でもさ、こいしはそんな僕を本気で、心配してくれた。

 

僕は驚いたよ。こんな僕に本気で心配する人がいるってことにね。

 

だから、僕はこいしとの約束を破りたくなかった。

 

そして、君を悲しませたくなかった。君が僕にそう求めたように僕も君にそう思ってたんだ。

 

ねぇ。僕はあの人たちを信じるつもりはないかもしれない。もしかしたら、話すこともないかもしれない。

 

こいし。僕は君に聞きたい。

 

君は僕のことをどうおもってるの?」

 

真也はそうこいしに問いかけた

 

こいしは黙ったまま、なにも言わずに俯いている

 

 

 

少し震えているようにも見える

 

 

 

真也はそんなこいしの答えを待っていた

 

こいしが答えない間、考えていた

 

真也「(……たぶん、僕がこいしに抱いているこの不思議な感じ。

 

これは、恋っていうものだ。僕には心が無いから恋なんて言葉を使えるとは思えないけど。

 

初めて僕を本気で受け入れてくれたこいしのことを僕は好きになってしまったのかもしれない。

 

会って間もない少女、しかも異世界の自分とは全く異なる少女を好きになってしてしまったのかもしれないな。)」

 

確信はない。なぜなら、彼にはなにも無いのだから。

 

だから、この想いが恋なのかも本当にこいしのことを好きなのかも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だか、真也には分かることもあった

 

真也「(なにも無い僕だけど、これだけは言える。

 

こいしの悲しい顔は見たくない。笑っている顔だけを見ていたい。

 

この想いは間違ってない。)」

 

真也はそう確信づけた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、また、長い沈黙はこいしの一言で破られた

 

こいし「………………わかんない」

 

その言葉に真也は面食らった

 

こいしのことだからはっきり言ってくれる、そう思っていたのだから

 

こいしはそんな真也を気にせず自分の思いを打ち明けた

 

こいし「……私は、初めてあったときから真也のことを同じものを見るように見てた。

 

それは、たぶん、真也に対して嫌な感じもあったんだと思う。

 

だって、真也が自分にどこか似ていたがら。

 

私は心の眼を閉じて、お姉ちゃんを困らせてる私が嫌い。

 

だから、真也も同じように見てたんだと思う。

 

でも、真也は違った、私には想像もできないような悲しみを知ってた。

 

私は家族を失う悲しみを知らない。親友を失う悲しみを知らない。私はなにも知らなかった。

 

真也のことを嫌な眼で見ていた自分が嫌になった。それと同時に、真也がなんでこんなに明るく振る舞えるのか知りたかった。

 

そして、あの日の夜に真也が教えてくれたから、私は真也を信じられるようになった。自分の嫌な過去を他人の私に教えてくれた、それだけでもう、真也を信じられると思った。

 

悲しい過去を背負った真也を私は見たくないから、これからは笑顔で入れるようにしたいと思った。

 

真也の悲しそうな顔を見るたびに閉じた心の眼が痛くなるの。まるで真也の悲しそうな顔を見たくないみたいに。

 

でも、少し眼が緩んだ気がしたの。たぶん、真也だからだと思う。

 

私にはこれがなにかわからないよ。ただ、真也の悲しい顔が見たくないだけなのか、それともまた別の何かなのか……。

 

真也ぁ、ぐすっ、教えてよぉ、ひっぐ、私が感じているこのなにかをさぁ……」

 

こいしは言い終えると泣いてしまった

 

真也はそれを見ると過去に無くしたなにかが痛むのを感じた

 

そして、それは真也も知らないうちに行動に移していた

 

こいし「……ッ!?」

 

いつの間にか抱き締めていた

 

そして、真也は答えた、こいしの感じる何かを、自分と同じ何かを

 

真也「……こいし、それはたぶん、恋、だよ。相手のことが好きなんだと思うよ。」

 

それを聞いたこいしは

 

こいし「……ぐすっ、こ、い?」

 

泣きながら聞き返すこいしに

 

真也「そう、恋。僕もこいしに想っていた感情さ」

 

こいし「……ぐすっ、真、ひっぐ、也も?」

 

真也「そう、僕はこいしのことが好きなんだと思う。

なにも無い僕だから違うかもしれない。でも、こいしの悲しい顔は見たくない。これだけは言える。こいしも僕に思っていたのと同じだよ」

 

そういうとこいしは少し黙り考え始めた

 

その間、真也はこいしを離さず、ずっと、抱き締めていた

 

そして、こいしが泣きやむと同時に

 

こいし「わかった、私は真也に恋してるんだね?私は真也のことが好きだってことね?」

 

こいしはそういうと泣いて真っ赤になった顔を気にせずにとびっきりの笑顔で真也に言った

 

真也「そういうことなんだろうね。僕も同じだよ」

 

こいしはそれを聞くと真也から離れて後ろを向いた

 

こいしが離れたことを不安に思い見ていると、

 

こいし「ならさ?外だとさ、お互いの気持ちが通じ合っていたらどうなるのか、教えてよ?」

 

そう、天使のように微笑みながら真也に言った

 

真也「……お互いの気持ちが通じ合ったら二人は恋人になるんだよ」

 

それを聞いたこいしは驚いた顔をしたあと恥ずかしそうに泣いて赤くなった顔をさらに赤くして、真也に抱きつき胸に顔を埋めながら呟いた

 

こいし「真也、私はあなたが好き……だから、これからもよろしくね?」

 

そういうとこいしは真也の顔の方を向き満面の笑顔で真也に笑いかけた

 

真也はそれを見て何かを取り戻したように感じた

 

そして、すぐにその正体が分かった

 

それは……

 

 

 

『感情』だと

 

 

 

無くしたはずの感情が今戻ってきた。それに真也は喜んだ、そのおかけで今こいしの想いに向き合えたから

 

でも、まだ、無いものはある

 

しかし、その時の真也は思った

 

真也「(こいしと一緒ならすべて取り戻せる。こいしとなら出来るはず。いや、出来無いことなんてない)」

 

そう、思ったと同時にこいしに

 

真也「今までは独りだった、でも、これからは独りじゃない。こいしがいるから独りじゃないこれからは一人だ。よろしくね、こいし。いや、僕の大好きな人」

 

そう言って抱きしめる力を少し強くしたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、地底に新たなつながりが生まれた

 

その瞬間を偶然二人を捜して部屋の前を通りかかったさとりは「あぁ、よかった……」、そう思い自分の部屋に帰っていった

 

 




はい、ついにくっつきました、早いですねー

真也「こんなに早くていいの?」

こいし「ね?読者がついていけてないよ?」

うっ、僕は早く二人のあつーいシーンが書きたいなと思って!

真也「そんなの書けるの?」

こいし「無理そうだよね」

うぐっ、なんか、とても辛辣ですね…

真也こいし「「君(作者)だから」」

早速息のあったところを見せてくれたところで次回は、異変に入ります、初異変です、緊張です

真也「スペカは?」こいし「弾幕ごっこどうするの?」

あっ…、え、えーっと、では、次また会いましょう!

真也こいし「「逃げたね」」

あ、ちなみに、シリアス臭がすごいですが、異変の時はほのぼのというかギャグになるかもしれません、てか、そうでもしないとやってられん笑

では!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

間章キャラ設定&コラボ話
キャラ紹介※話が進むごとに設定追加&ネタバレ注意


はい、前回異変に入ると言いましたね?

あれは嘘だ!

真也「どーしたのー?なんかテンション高いよ?」

それはですね、テストの点が平均よりは近いのが多かったのと、一番は感想が7件もいただけて、お気に入りが17もあったからです!

こいし「へーよかったねー」

こいしちゃんが可愛いって感想もありましたよ?真也君どうおもいます?

真也「可愛いのは認めるよーでもーこいしは僕と付き合ってるんだからねー」

こいし「ちょ、ちょっとぉ、真也ぁカァァ」

真っ赤になってますね、ではそろそろ、

「「「スタート」」」

こいし「(うぅ…恥ずかしいよぉ…カァァ)」

※ネタバレが多いです、見るときは注意してください


真也「細かくやったねー」

 

キャラ紹介

 

名前:全無 真也(ぜんむ しんや)

 

二つ名:何も無い少年、無の集合体

 

年齢:16歳の高校2年→17歳

 

誕生日:4月08日

 

種族:人間、本人は『無』の集まりと言っている

 

身長:164㎝

 

体重:50㎏

 

容姿:黒髪で耳にかかるくらい、前髪はわけずにそのまま、わりとかっこいい方(こいしが言うには「可愛いところもあるよね!」だそう)、眼は真っ黒

 

服装:黒のズボン(夏は七分丈、冬は長ズボン)に、白のYシャツに灰色のカーディガンを着ている、時々黒色も着ている(シャツもカーディガンも両方長袖、夏は半袖のシャツとカーディガン)

暑くないのかと思うときもあるが自分で暑さを無くしてるときもある

 

こいしからもらった黒色のバラのペンダントをつけている

 

右手にさとりからもらった黒い腕時計、左手首にフランからもらった赤と黒のミサンガ(願い事はこいしが幸せになりますように)、ポケットには天子からもらった大地のお守りがある

 

左手の薬指に銀色の指輪もつけている

 

能力:『無』を操る程度の能力

 

能力説明:『無』を操れる

 

具体的には、『無』のつくような言葉(無意識、無心、無感情など)を操ったり、相手の『無』を操る、『無』を無くす事も可能(無意識を無くす要は打ち消すなど)、

『見え無くする』や『意味を無くす』など何かを無くすことも出来る、しかし、そのままの意味になるので『見え無くした』ところで消えるわけではない

 

また、能力を無くす(無能力)ことも出来無くはないが、本人がそれをしたらつまらないからとほとんどやることはない

 

『無』を使って出来ること→無意識、無視、無意味、無心、無感情、無関心、無謀、無防備、無情、無法、無効化、無双、無人、無想、無抵抗、無限、無尽蔵など(もしかしたら増えるかも)

 

本人はこの能力をそこまで悪いとは思っていない

 

初の弾幕ごっこ戦で能力を使いすぎると体が怠くなったり疲れたりする事が分かった

 

表情:常に笑っておりなんの感情をしているのか分かりづらい、ただ特定の場合(こいしの悲しそうな顔を見る、自分の嫌なものやこと)は無表情になり眼の光が消える

 

性格:過去に多くの悲しみを通って来たとは思えないほど明るくぼけているが、本人も知らぬうちに顔や行動にでることがある、過去を語ることには抵抗はないが深くは話さない(なので細かいことを知っているのはこいしとフランと天子、聖、ぬえ)

 

好き:楽しいこと、美味しいもの(特におにぎりが好きなようだ)、こいし、こいしとすること(熱々か!)

 

嫌い:つまらないこと、虐め差別など人を蔑むこと、こいしの悲しそうな顔

 

活動場所:地底(地霊殿)楽しいとこならどこでも

 

攻撃方法:弾幕(能力も使う)、鎌(時々)

 

スペカと説明:

 

《無心「心無い言葉」》

真也の周りに黒い霊力玉が大量に浮かびそこからどんどんレーザーを放つ レーザー自体は細くそこまで早くはないが量が多いので避けるのが難しい

 

真也が今まで言われてきたこと(過去にあったこと、本編では触れていませんがこいしとの話し合いの中ででたことになってます)を元にしている 言葉=レーザー

 

《無符「何処までも追い詰める悪夢」》

真也の周りから小さな弾幕が何十個と現れ、相手または相手の弾幕を追尾する 一つ一つは弱いがこれも量が多いので避けづらい

 

真也が悪夢は何処までも追いかけてくるものだと考えそこから生まれた 追いかけてくる弾幕=悪夢

 

《無情「手加減の無い力」》

真也の右手から頭を通り一周して8個黒い霊力玉が現れ、真也の右手の前に出した大きな霊力玉に線で結ばれ、魔利沙のファイナルスパークですら打ち消し飲み込むほどの超強力な霊力砲を放つ

 

真也の経験した虐め(これもこいしとの話し合いの中)を元に作った 手加減の無い力=超威力のレーザー

 

《感情「抑えきれなかった怒り」》

最初に真也から全方位に大量の小さな弾幕を少し放つ、その後小さな弾幕が相手を抜いたりしたあと一つに固まり大きな弾幕となって戻ってくる その戻ってきた弾幕で自分を抑えるように囲い、その間に小さな弾幕を大量に溜め込み、抑えきれなくなったかのように放ち続ける 不意打ち気味にくるのと弾幕の量が多いためなかなか強い

 

真也が取り戻した感情の中の怒りを元にした 抑えきれないほどの怒りはこいしを傷つけられたことなど

 

抑えきれない怒り=大量の小さな弾幕

 

《感情「空から降り注ぎ沸き起こる喜び」》

真也が右手を上に左手を下に(この手はどちらでも変わらない)向け、大量の弾幕を打ち出す その後上に打ち出した弾幕は重力に従って降り注ぐように下に飛び、下に打ち出した弾幕は沸き上がるように上に飛んでいく 上下両方を気にして避けないといけないのでこれまた難しいスペル

 

これは取り戻した感情の喜びを元にした この喜びはこいしと想いを通じ合えたことなど 降り注ぐ、沸き起こる喜び=降ってくる、下からくる弾幕

 

《無符「無為無策の篭の鳥」》

なかなか長い耐久スペル 相手をかごの形をした弾幕の壁で覆い、真ん中からレーザーが降ってくる、このレーザーは簡単だがその後下についたレーザーが弾幕に変わりいろんなところに飛んでいく、壁についたとたんほかの弾幕と薄い線で結ばれその線を通ってレーザーが放たれる、これの繰り返しである そこまで難しいとは思えないスペルだが、弾幕のつく位置によってはなかなかきついことにもなる

 

これはなにもできない籠の中の鳥が虐められることを示している、真也がなにもできず虐められていたことが元になった 籠の中の鳥=相手(過去の自分) 壁から放たれるレーザー=虐め

 

《無神経「突き刺さる視線」》

相手を囲むように周りからレーザーが飛んでいく、数はそこまで多くないがスピードが速く避けづらい

 

周りから飛んでくるレーザー=視線

 

《感情「悲しみの雨」》

空から雨のように中型の弾幕が降ってくる

そのままでもなかなか強いが真也に当たると水しぶきのように弾け小型弾幕になり降っていく

悲しみは雨空と表現することもあることからできた

 

《感情「弾ける楽しさ」》

真也を中心に周囲に大型の弾幕を飛ばす

しばらくした後、それは弾けて中型の弾幕をいくつか飛ばす

楽しさは弾けるようなところからできた

 

《感情「喜怒哀楽の折々」》

これは簡単に言えば真也の感情スペルの集まったもの

1つ1つは短いが四回変わるのでとてもやりづらい

 

《無符「無意識な犯行」》

無意識と名前が付いているが、実際は相手の視界を無くし、その上で無意識に攻撃するというもの。ナイフを使って物理をかますことも可能。なお、無くした視力はスペル終了後に元に戻る。攻撃と同時に場所はランダムで全方位に小型弾幕を放つ。速度は普通。

 

《無符「無意識の傷」》

相手の無意識に入り込み、相手が気付くまで攻撃を仕掛けるスペル。真也自身の無意識も混じっていると気付くのにさらに時間がかかる。ナイフを使った物理も可能。攻撃している間、場所はランダムで全方位にレーザーと小型弾幕を放つ。速度もランダム。

 

《無符「無意識の死神」》

どこからともなく取り出した鎌をふるい、その軌跡から黒い弾幕を飛ばすスペル。実はナイフでも出来るが、鎌の方が名前に合ってる。

 

《温情「光り輝く者への慈悲」》

情を取り戻したことにより使えるようになったスペル。取り戻した今ではレーザーを自身から打つ唯一のスペル。なお、このスペルは放つさい無意識になるので、止まるタイミンクがあやふやだったりする。が、わりと場を考えたタイミングで止まることも。

 

《無双「全ての終わり」》

周囲に全ての攻撃を打ち消す弾幕を張る。それだけ。ただ、これで打ち消せない弾幕はほとんどない。ただし、自身の周囲のほんの少ししか飛ばず、継続時間もかなり短い。用はボム。

 

こいしとの合体スペル

 

《無符「無意識と意識の狭間」》

こいしと真也が協力して使えるスペル、どちらかが「イドの解放」を行い、その弾幕が相手の近くに飛んだときにもう一方が「スーパーエゴ」を使い片方から打たれた弾幕を引き寄せる、ある程度溜まったら役が交代される

 

《無符「青い(黒い)薔薇のペンダントの誓い」》

どちらかだけでも使えるスペル

同時に使うと2人を中心に青と黒の薔薇弾幕が、青は右回り、黒は左回りで少しずつ外に向かっていく。

こいしの《「サブタレイニアンローズ」》に似ているが、密度と威力がだいぶ違う

1人で使った場合、こいしなら青、真也なら黒の薔薇弾幕が自分を中心に円を描いて放たれる。放って5秒はその場で待機するが、その後外に向けて動き出す。これを繰り返す

 

《心繋「2人を繋ぐペンダント」》

こいしと真也の合体スペル

2人の間に弾幕の線が現れ、2人の動きにあわせてそれは動く

こいしは青、真也は黒の弾幕を周囲にばらまく

2人の距離が近付き、弾幕が重なると相手を狙ったスピードの速いレーザーとなって飛んでいく

本編では出なかったが、再度遠くにいっても線は現れる

 

その他

 

・本人はいろいろなものが欠けている

心(意識ではなく深く思ったり考えること)

 

・一方、取り戻したものもある

感情(こいしと想いが通じ合ったことで取り戻した)

関心(聖たちにあったことで幻想郷の人に興味を持った)

情(地底メンバー傷つけることに躊躇して戸惑ったことで取り戻した)

 

・基本的にこいしと2人で行動している、理由はもちろん恋人同士だから(真也はこいしといるのが楽しいのもある)、しかし、そのことを知っているのは今のところ地霊殿のメンバーとフランと天子と雛と聖と小傘とぬえ(お燐とお空には話してある、さとりは聞いていた)

 

・ここでのこいしは一途である程度は考えることも思うこともできる、さらに、真也にのみ今はほんの少し眼が開く

 

・真也はこいしを中心に考えているのでこいしと帰りたいと思えば戦いだって負けを認めて簡単に諦める

 

・こいしは自分の変化に戸惑っているが真也のために受け入れようとしている

 

・今のところ真也の能力を聞いて気味悪いものを見る目で見なかった人…こいし、フラン、雛、天子(驚いただけ)、聖、小傘、鈴仙、ぬえ

 

・霊夢たちと弾幕ごっこをやった際、異常なほど弾幕の量が多かったのは、真也が怒っていたのもあるが能力で霊力を無限に作っていたから、結果疲れ果てていた

 

・真也とこいしは色違いでお揃いのバラのペンダントをしている

お互いそれをとても大切にしている

 

・能力を使いすぎると数日くらい地霊殿から動かなくなる(疲れたから)

 

・誕生日にもらった指輪をとても大切にしている

 

・最近気付いたが、能力を何度も使うとくる疲労が大きくなった気がするらしい

 

・実は取り戻した言葉のスペルはあまり使えない。

例)情を取り戻したことにより《無符「手加減の無い力」》




はい、こんな感じですかね、足りないところや気になるところがありましたらどうぞ質問してください

こいし「わー、いろいろあるねー、恥ずかしいこともあるけど」

気にしちゃ負けです

真也「なんと真っ黒なこと」

それはまあしょうがないですね

真也「しょうがないで終わらせたよこの人ー」

はい、それはおいといて、このキャラ紹介はこれからもちょくちょく変わると思います

もしかしたら、キャラが増えるかも

こいし「ふーん、がんばりなよ?」

はい!頑張ります!では、また、次の投稿で会いましょう

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

この小説における原作キャラの説明※ネタバレ&メタ回

はいどーも生きる死神です

真也「今回は完全に説明回だねー」

こいし「地の文はなにもないから注意してね」

それと今回でるのは真也とこいしだけです

真也「出番がいっぱいー」

こいし「いつもいっぱいあるでしょー」

はいはい、では

「「「スタート」」」

(メタイ上にネタバレ多いのでこれは後に読むことをおすすめします)


真也「どーも、真也だよー」

 

こいし「私もいるよー」

 

真也「というわけで説明はいるよー」

 

こいし「順番は原作に出てくる順番かなー」

 

真也「もしかしたら間違えるかもしれないけど大目に見てねー」

 

こいし「まずは霊夢!」

 

真也「霊夢はここでは感情表現が大きくわりと分かりやすいようになってるねー」

 

こいし「さらに言うとここではあんまり出番はないね、宴会とかそういう場じゃない限りは」

 

真也「理由もあるよー、何故かというと異変の時は僕たちは一緒に行動しないで違う人に会ってるからだねー」

 

こいし「だから、霊夢たちにはほとんど会わないよ、でも日常編とかではでるかもね」

 

真也「お次は魔里沙ー」

 

こいし「ここでは口調は「~ぜ」がつかないときもあるよー」

 

真也「あとは、こーりんやアリスに特別な感情を持ってるわけではないよー」

 

こいし「あ、主人公勢は後半でオリスペカでるかもね」

 

真也「はい次はールーミアー」

 

こいし「ここではなのかー口調はあんまりないよー」

 

真也「あとはEX化に関してはまだ考え中かなーだって」

 

こいし「もしかしたら出てくるかもしれないね」

 

真也「あとはルーミアは食べ物大好きだよー」

 

こいし「次はチルノだね」

 

真也「まるきゅうー」

 

こいし「短い!」

 

真也「あとはーてかあんまり出てこないだろうからねー」

 

こいし「あぁ、チルノどんまい」

 

真也「大ちゃんー」

 

こいし「こっちも同じくあまりでませんね」

 

真也「ここの大ちゃんはとてもいい子ですー」

 

こいし「美鈴ー」

 

真也「ここでは寝てるときもあれば起きてるときもあるから門番はちゃんとやってるよー」

 

こいし「寝てるのがばれてるかは不明ー」

 

真也「咲夜ー」

 

こいし「わりと上から目線が多いかなー」

 

真也「キャラが崩壊しそうで怖いって作者が言ってたー」

 

こいし「小悪魔ー」

 

真也「うーん、パチュリーの付き人ー真面目ーそれくらいかなー」

 

こいし「短いねー」

 

真也「はい次ーパチュリー」

 

こいし「動かない図書館は伊達じゃないっ!」

 

真也「某総帥のセリフですねーというわけであまり動かないしーわりとよくあるタイプかなー」

 

こいし「レミリアー」

 

真也「カリスマブレイクはするけどカリスマもしてるよー」

 

こいし「妹思いだけど時々空回りしちゃうね」

 

真也「まあいい姉だよねー」

 

こいし「ここでフランです!」

 

真也「フランはここではとても重要なキャラですねー」

 

こいし「どこがー?」

 

真也「僕は知らないよーあれ見てるだけだからー」

 

こいし「はい、メタイのはおいといて、フランは狂気が無くなったので無邪気でとても子供っぽいです」

 

真也「あと、僕の能力を怖がらなかった人でもあるよー」

 

こいし「レティはまだ」

 

真也「アリスー」

 

こいし「あんまり出番はないけどまあわりと友好的なタイプになったよ」

 

真也「人形劇はやってるしそこまで冷淡じゃないよー」

 

こいし「ルナサー」

 

真也「真面目で大人しいタイプー」

 

こいし「とても書きやすいタイプ」

 

真也「メルランー」

 

こいし「明るい、自信家かなー」

 

真也「キャラ崩壊しそうですー」

 

こいし「リリカー」

 

真也「とりあえずまともで話しやすいタイプーあとはまとめ役になったー」

 

こいし「妖夢ー」

 

真也「辻斬りではないよー、真面目でしっかり者かなー」

 

こいし「とても良い子だね」

 

真也「幽々子ー」

 

こいし「スマホでやってると変換がし辛いってー」

 

真也「ただの愚痴だねーかなり自由でお腹はブラックホールみたいですー」

 

こいし「慧音ー」

 

真也「とっても真面目ー」

 

こいし「それだけ?」

 

真也「うむー」

 

こいし「みすちー」

 

真也「被害者だねー」

 

こいし「わかってたなら止めなよー」

 

真也「リグルー」

 

こいし「少し男の子っぽいかな?」

 

真也「かもねー」

 

こいし「てゐー」

 

真也「悪戯兎詐欺だねー」

 

こいし「漢字が違うよーな」

 

真也「鈴仙ー」

 

こいし「狂気の瞳に少し悩んでるよー」

 

真也「苦労人だねー」

 

こいし「永琳ー」

 

真也「1人で考えてるたいぷなのかなー」

 

こいし「真也に攻撃したのは輝夜に害をもたらすかもだからー」

 

真也「輝夜ー」

 

こいし「わりと普通の女の子になったね」

 

真也「でも妹紅とはわりとよくある感じー」

 

こいし「妹紅ー」

 

真也「もこたーん」

 

こいし「もこたーん」

 

真也「阿求ー」

 

こいし「物知りで好奇心旺盛でいろんなことを知りたがるねー」

 

真也「そのせいでああなったんだけどねー」

 

こいし「リリーホワイトはでないかも」

 

真也「幽香ー」

 

こいし「戦闘狂、花を愛してる、真也にもう一度挑もうとしてるらしいよー」

 

真也「うわーまじかーいやだなー」

 

こいし「メディスンー」

 

真也「キャラが分かりにくいけどそこまで人間を嫌ってないよー」

 

こいし「わりとおとなしい感じかなー」

 

真也「小町はまだかもー」

 

こいし「映姫もまだかな」

 

真也「静葉はーうーん、特に書くこと無いよーな」

 

こいし「うわー、可愛そう」

 

真也「穣子ー」

 

こいし「うーん、明るめだったかな?」

 

真也「そうじゃないー?」

 

こいし「雛ー」

 

真也「雛も僕の能力を聞いて怖がらなかった人だよー」

 

こいし「もしかしたら今後もでるかもー」

 

真也「そこまでネガティブにはなってないよー」

 

こいし「椛ー」

 

真也「真面目でー少し自信家になったかなー」

 

こいし「文ー」

 

真也「ちょっと不遇なキャラだねー」

 

こいし「あやや口調は少ないかもね」

 

真也「早苗ー」

 

こいし「まだそこまで常識を捨ててないよー」

 

真也「でも、少し染まってきてるはずー」

 

こいし「神奈子ー」

 

真也「信仰はいつでも欲しいみたいー」

 

こいし「あんまりキャラ把握してないねー」

 

真也「諏訪子ー」

 

こいし「ケロちゃんではないかもねー、わりと真面目キャラになるかもー」

 

真也「天子はここでは重要キャラの1人だねー」

 

こいし「後何人かな?」

 

真也「さあねー天子は心を許すとあんな感じの口調になるようにしたみたいだねー」

 

こいし「あれはあれで可愛いよね!」

 

真也「そうだねー」

 

こいし「衣玖は苦労人かな?」

 

真也「そうだねー天子に振り回されてる感じかなー」

 

こいし「まあそれも減るかもしれないね」

 

真也「ヤマメー」

 

こいし「地底のアイドルにしたはずー」

 

真也「とても明るいキャラだよー」

 

こいし「キスメー」

 

真也「話す前に……がつくよー」

 

こいし「けっこーぐさっとくることを言うかなー」

 

真也「パルスィー」

 

こいし「パルパルしてるよー」

 

真也「してるけどそこまで性格はひんまがってないよー」

 

こいし「お燐ー」

 

真也「地霊殿のしっかりものだねー」

 

こいし「お空の保護者でもあるよねー」

 

真也「さとりー」

 

こいし「お姉ちゃんはゲスくはないよー」

 

真也「僕のことも迎え入れてくれたとても良い人だよー」

 

こいし「作者の好きなキャラの1人だよー」

 

真也「みなさんお待ちかねのこいしー!」

 

こいし「これ私が私を説明するの?」カァァ

 

真也「じゃあ僕がやるよー!ここではー、タグの通りヒロインでありこの小説の最重要キャラであり、(可愛いし)、うっすらと第3の目が開いていて、(可愛いし)無意識に流されてないし、(可愛いし)、とっても純粋で、(可愛いし)、一途で、(可愛いし)、なによりも僕の一番の理解者だよー!」

 

こいし「なんか誰よりも長いし所々何か聞こえるんだけどっ!」カァァ

 

真也「そんなこいしも可愛いなー!」

 

こいし「なんでそんな素直に言うのよー!」カァァ

 

真也「気を取り直してナズーリンー」

 

こいし「星の落とし物をよく探しに行かされる苦労人だね」

 

真也「愚痴が始まると周りが見えないみたいー」

 

こいし「小傘ー」

 

真也「いつも楽しそうだねー」

 

こいし「真也のことを受け入れてもくれたよ!」

 

真也「一輪&雲山ー」

 

こいし「一輪は真面目キャラー、雲山はまあよくある感じかな?」

 

真也「話したら面白そうだねー」

 

こいし「村紗ー」

 

真也「明るい元気な子ー」

 

こいし「血の池地獄……」

 

真也「星ー」

 

こいし「少し抜けてる感じかな?」

 

真也「忘れ物は多いよー」

 

こいし「聖ー」

 

真也「とっても優しいお母さんみたいな人ー」

 

こいし「真也の過去を聞いて真也を受け入れてくれたね」

 

真也「ぬえー」

 

こいし「大妖怪っぽくないね」

 

真也「でもやるときはやるみたいだよー」

 

こいし「今はこんな感じかな?」

 

真也「まだ出て来てないメンバーは今後追加されるかもねー」

 

 




はい、というわけで説明でした

真也「茶番だったねー」

こいし「なんか私のところおかしくない?」

真也「そんなわけないよ!」

こいし「し、真也ぁ!」カァァ

おぉ、熱い熱い

真也「事実だもんね!」

こいし「これ以上はやめてよー!」カァァ

はいはい、では

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!第三の神社の神主!?

はーい、どーも生きる死神です

真也「今回はなんとコラボでーす」

はい、今回のお相手は東方神社人を書いているパルミアさんです!

こいし「失礼の無いようにするんだよ?」

もちろん!頑張りますよー!

では、

「「「スタート」」」


 

 

ある日のこと

 

真也は珍しく1人で地上を散歩していた

 

しばらくして、近くの草むらの方からガサッという音が聞こえ不思議に思いそちらを見た

 

 

 

 

 

するとそこには見たことのない男性がいた

 

?「さて、来たのはいいけれど…どうしようか。とりあえず誰かに意見を聞ければいいのだが」

 

その男性はそんなことを言いながら辺りを見回していた

 

真也に気づいたその男性は

 

?「……こっちじゃ見かけない人だな。誰だ?」

 

真也に話しかけてきた

 

真也は

 

真也「んー?僕は全無真也だよー?真也って呼んでー、君はー?」

 

そう答えその男性にも名前を聞いた

 

男性は

 

?「俺は小春三月、呼ぶのはどちらでも構わない」

 

名前を言った

 

真也は興味を持ったようで

 

真也「じゃー三月でー、でさーさっきなにか呟いていたみたいだけどーなに考えてたのー?」

 

先ほど言っていた独り言の内容を聞いた

 

三月は少しめんどくさそうに

 

三月「あー、それはバレンタインのお返しに何を渡そうかと考えてたんだ。こういうのはあまり経験がないからな」

 

そう答え真也を見て、はっ、とした顔で

 

三月「…急な頼みですまないが何かアドバイスをくれないか?」

 

三月は真也に言った

 

真也は少し考え悪魔のような笑みを浮かべ

 

真也「僕と弾幕ごっこで勝てたらアドバイスあげるよー」

 

三月にそう言った

 

三月は心底めんどくさそうな顔をして

 

三月「なんでアドバイス得るのにそんなこと…まあいいか。でも俺スペカ三枚しか無いんだが」

 

やることは決めたものの三月はスペカを三枚しか持っていなかった

 

真也はそれを聞いて少し考え

 

真也「じゃあー、僕も三枚でやるね」

 

そう三月に提案した

 

三月はその提案を了承し少し開けた場所に移動した

 

 

 

 

ついた二人は距離をとり

 

真也「じゃあー、スペカ三枚、被弾は三回まで、この石が地面についたらスタートねーいくよー」

 

真也がそういうと石を上に投げ

 

地面につくと同時に三月は弾幕を展開した

 

10個程度の弾幕を放ってきたので真也は避けようとしたが

 

それはある程度広がると急にその場に止まった

 

真也は少し驚き観察すると

 

真也「(あー、これもしかして移動に制限掛けるようなやつかーなかなかめんどいなー)」

 

そんなことを考えている間にも三月は弾幕を放ち周りに5、60個ほど弾幕が停止していた

 

真也も弾幕を張り始めた

 

周りに黒い弾幕を浮かべそれを止まっている弾幕と三月に向かって放つ

 

三月はそれを避けながらまた弾幕を放つ

 

止まっている弾幕に当たった弾幕は打ち消したようだ

 

三月「自分から戦おうと言った割にはあまり攻めてこないんだな」

 

三月は弾幕を放ちながら真也に話しかける

 

真也も打ち消す弾幕と三月を狙う弾幕を放ちながら

 

真也「いやー別にそこまで好戦的ではないよー?」

 

そう返す

 

真也が打ち消したりしながら弾幕を打ち合っているうちにその場に100個ほど弾幕が止まっていた

 

真也はそれを見てそろそろ邪魔くさいと思い

 

真也「さて、そろそろ使うかなー」

 

そう言うと三月はそれを防ぐために

 

三月「安易に使うのは危険だと思うが」

 

と呟いた

 

するとその場に止まっていたはずの三月の弾幕が急に

四方八方に飛び散った

 

これには真也も驚き

 

真也「うわぁ、なかなかやらしいことするねー」

 

そう言いながらも真也はそれらを避けようとしたが

 

真也「めんどいからスペカでやっちゃえ」

 

スペカを構え宣誓した

 

真也「いくよー、《無符「何処までも追い詰める悪夢」》」

 

真也の周りに小さめの弾幕が浮かび始める

 

三月はそれを見て構える

 

真也「よーしいけー」

 

真也の声とともに浮かんでいた弾幕が三月の弾幕と三月に飛んでいく

 

三月は少し驚くが気を引き締め

 

三月「追尾型か、これはまた厄介なものを」

 

三月は弾幕を撃つのを控えて避けに徹した

 

 

 

 

 

少しずつ三月の弾幕が減っていく

 

三月は自分を狙う弾幕が多くなってきたので

 

三月「まずいな。《春符「桜吹雪」》」

 

スペルを発動し桜の形をした弾を周囲に展開して真也の追尾弾を打ち消した

 

真也「おー、打ち消されたかーそれに僕の弾幕も終わっちゃったー」

 

真也は全く気にした様子もなく言った

 

三月はその様子を見ながら

 

三月「どうせまだ手はあるんだろ?」

 

そう言ってまた弾幕を放ち始める

 

真也もまた展開して応戦する

 

三月の弾幕がまた100個ほど溜まった頃

 

三月「さて、もう一度」

 

また弾が外に向かって飛び始めた

 

真也は今度は避けに徹するようで

 

真也「あーもー、数が多いー」

 

嘆いていた(顔は笑っているが)

 

飛び始めた弾幕が終わると真也は

 

真也「よーし今度は当てるよー」

 

スペルを出し

 

真也「いっくよー《無心「心無い言葉」》」

 

宣誓した

 

真也の周りにいくつもの弾幕が浮かび始めた

 

三月はそれを見て

 

三月「今度はなんだ?」

 

そういってまた気を引き締めると

 

真也「さーて、今度は当たるかなー?」

 

浮かんでいた弾幕からレーザーが放たれ始めた

 

そのスピードはそこまででもないがなかなか量が多く三月も避けづらそうにしていて

 

三月「ぐぅ、避けにくいったらありゃしないな…ちっ!」

 

そう言っている間に一発のレーザーが三月の左腕に当たった

 

真也はそれを見て少し喜び

 

真也「やっと当たったー。さぁーてもっといくよー?」

 

少し弾幕の量を増やした

 

三月は驚きこれはまずいと思い

 

三月「仕方ない!《無意識「空白の五秒」》!」

 

そう言うと三月は急に目の光が消え弾幕をどんどん避け始めた

 

これを見た真也は不思議に思ったが

 

真也「(うーん、無意識って言ってたからそれで避けてるのかーすごいなー)」

 

そう思いながら三月を見ていた

 

真也の弾幕が終わるとともに三月も元に戻り

 

三月「あー、ほんときっついな」

 

弾幕を放つ

 

真也も楽しそうに笑い

 

真也「僕はとっても楽しいよー。さぁ、もっと楽しもう?アハハッ」

 

真也もまた弾幕を放ち始めた

 

両者ともスペカを二枚使っているが被弾した回数では三月が不利でありなかなか厳しい状況だった

 

三月「(うーん、これはこのままだと競り負けるな。なんとか一発当てたい)」

 

三月は思考しながら弾幕を放ち今度は200個程溜めると

 

三月「(よし、ここでスペルも同時に!)」

 

止まっていた弾幕が外側に飛んでいくのに合わせ

 

三月「真也!行くぞ!?《小春「狂い咲き」》!」

 

三月はスペルを宣誓した

 

三月の宣誓と共に五本の弾幕の道が真也の上を越えて展開され固定される

 

真也は飛んでくる弾幕の多さに面食らいつつもそのスペルがどう来るかを考えていた

 

真也「(これはこのあと普通に動き始めるのかなー?それともまた違う方法なのかなー)」

 

そして、固定された弾幕から五つの桜の花びらの形をした弾幕が桜の形になるように飛んできた

 

真也はそれに驚き避けようとしたが

 

真也「わっ、これはきつい……あっ」

 

桜の弾幕を気にし過ぎたせいでこちらに向かってくる弾幕に気づかず被弾した

 

真也「おー、これはなかなか手厳しいねー」

 

真也はニコニコしながら言った

 

三月はそれを見てやっぱりといった表情を浮かべるが

 

三月「喋る暇があったら動いた方がいいと思うぞ」

 

また弾幕の道から桜の花びらが桜の形になるように放たれる

 

今度は真也もうまく避けてなんとか凌ぎきった

 

真也「いやー、これはなかなか厳しいスペルだったよー三月ー」

 

真也が相変わらずニコニコしながら言ってきたので三月は

 

三月「言ってることと表情が一致してねぇよ」

 

そう言いながら弾幕を放ち始めた

 

真也はそれを見て

 

真也「さて、そろそろ勝たせて貰おうかなー」

 

弾幕が止まっていくなか真也はスペルを出した

 

真也「さぁ、三月、これを避けれる?」

 

真也はいつもの雰囲気ではない真面目な雰囲気で言った

 

真也「いくよ、《感情「抑えきれなかった怒り」》」

 

真也の宣誓と共にまず、小さい弾幕が少し大量に放たれた

 

三月はそれを見て

 

三月「ちっ、量が多いな」

 

そういいながらも避けた

 

三月「ま、どうせ更に何かあるんだろうが」

 

三月がそう言うとともに後ろから中くらいの弾幕が飛んでくる

 

三月はそれに気づけずまた被弾した

 

三月「ちっ、少し下がりすぎたか」

 

三月がそう言うが真也は弾幕に囲われなにも言わない

 

三月が身構える

 

 

 

 

身構える三月に弾幕は襲いかかる

 

真也から弾幕が放たれたのだ

 

三月「……これは流石に無理そうだ」

 

余りの多さに負けを悟る三月

 

その三月の様子をあざ笑うかのように弾幕が襲いかかり…

 

 

 

 

被弾した

 

 

 

 

 

しかし弾幕はなぜか止まらず

 

三月「もう三回被弾したんだけど…まあいいか。痛いわけじゃないし」

 

三月にいくつか当たりつつしばらくして止まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝負は真也の勝ちで終わった

 

三月は弾幕が止んで一安心していた

 

三月「真也?なんで決着ついてたのに弾幕が止まらなかったんだい?説明してもらおうか」

 

なかなか良い笑顔をしながら真也に言った

 

真也はそれを軽く受け流しながら

 

真也「ごめんねー、楽しかったから止めれなかったーあははっ」

 

そう笑いながら言った

 

三月はその答えに呆れたように溜息を吐き

 

三月「んじゃ、特に俺はすることもなくなったし帰るわ」

 

三月がそう言ったが

 

真也はいつもの笑顔ではなく優しい笑顔で

 

真也「三月との勝負は楽しかったからーアドバイスあげるよ!」

 

三月にそう言った

 

三月はかなり驚いたようで

 

三月「え?いいのか?俺負けたぞ?」

 

そう言うが真也は気にした様子もなく

 

真也「いいのー!勝たなきゃアドバイスをくれないなんて言った僕のわがままに付き合ってもらったし、なにより三月がその人のこと大切にしてるのが分かったからねー」

 

そう言って三月をじっ、と見ていた

 

三月はそれを聞いて

 

三月「くれるならありがたくもらうが、大切にしてるっても恋人って訳じゃないし」

 

三月はそう言った

 

真也はそれを聞いてため息をつき

 

真也「(こりゃ、相手も大変そうだなー、三月のお相手さんお疲れー)」

 

そんなことを思っていた

 

三月はため息をつかれたことを不服に思い真也を問い詰めたが真也はのらりくらりと受け流した

 

 

 

 

そんな言い合いを終えてから真也が

 

真也「あー、そうそうアドバイスは三月がチョコ貰ったんだよねー?たぶん、三月への思いがこもってるはずだからー、三月もその人に三月の思いのこもったものをあげればたぶん喜んでくれるよ」

 

後半真面目な口調で言った

 

三月はなんでそこまで言うのかと思い真也に聞こうとすると

 

 

 

 

 

?「真也ー、こんな所にいたの?」

 

胸元にあるコードのついた目のようなものが特徴的な少女が真也を探しに来た

 

三月は誰だと思い

 

三月「ん?誰だ?」

 

そう言った

 

するとそれに答えたのはその少女ではなく真也だった

 

真也「あー、その子はこいし、僕の恋人だよー」

 

隠すことなく言った

 

こいしはそれを聞くと顔を赤くして

 

こいし「ちょっと!私この人知らないのになに暴露してるの!」

 

真也にデコピンした

 

真也はよろめきながら笑って受け流すと

 

真也「この人は三月、違うところから来た神社の神主みたいな人だよー」

 

そう説明した

 

こいしはそれを聞いて

 

こいし「三月ねよろしく、えっと…真也も言ってたけど私は真也の恋人なの…」

 

挨拶したが後半の言葉は恥ずかしいのかだんだん小さくなった

 

三月はその光景に苦いもん食べたいと思いつつ二人の服を見て気付いたことを言った

 

三月「あれ?2人とも同じバラのペンダントしてるのか」

 

真也はそれを聞いて嬉しそうな顔をして

 

真也「これは僕たちが人里で送りあったもの。思いを込めあったからなにを貰っても嬉しいのさ。これでなにが言いたいかは何となく分かったでしょ?」

 

三月にそう言うと三月は

 

三月「ふーん…まあ参考にはなったよ。ありがとな真也、あとこいしも」

 

そう言うと帰ろうとしたがあることに気付く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三月「あれ?俺どうやって帰ればいいんだ?」

 

それを聞いた真也とこいしはずっこけた

 

真也「ちょ、三月ーそれ忘れちゃだめでしょー」

 

こいし「なんか抜けてるね」

 

三月はこいしの一言になにか刺さるのを感じながらも

 

三月「どうやって帰ろうか…」

 

そう悩んでいると

 

真也「んー?なら僕の能力を使って送ろっかー?」

 

真也はそう提案した

 

三月は頭の上に?が浮かんだようで

 

三月「真也の能力で?どうやって?」

 

そう聞くと真也はなにも考えてないように

 

真也「僕の能力は「『無』を操る程度の能力」だよー、それで三月を送ってあげるよー」

 

そう言った

 

三月はそれを聞いて少し驚いたが

 

三月「それは中々面白そうな能力だな」

 

臆した様子もなく、気味悪いものをみる視線を送ることもなく言った

 

真也とこいしはそれを聞いて驚き

 

真也「僕の能力を聞いても気味悪いと思わないの?」

 

こいし「(また普通に能力を言ったよ…まあ、これはもうどうにもならないけど、それよりも三月か私みたいな反応するとは思わなかったな)」

 

真也は疑問をこいしは心の中で少し安堵していた

 

三月は真也の疑問に対して

 

三月「え?だってそんな能力があったら色々応用が利きそうじゃん」

 

そんなことを言った

 

真也はまた驚き

 

真也「そんなこと言う人あんまりいなかったな」

 

こいしを見ながらそう言った

 

こいしもその視線に気付き真也を見ていた

 

三月は二人を見て仲良いなと思いつつ

 

三月「あー、お二人さん良いところ悪いが送ってもらえるか?」

 

少し気まずそうにそう言った

 

真也は、はっ、として

 

真也「あ、ごめんごめん、そうだ三月の能力も教えてよー」

 

真也は三月に能力を聞いた

 

三月はめんどくさそうな顔をしていたが

 

三月「俺の能力は「信仰を利用する程度の能力」と「無視する程度の能力」だ」

 

真也はそれを聞いて

 

真也「へぇー能力二つもあるんだーすごいねー」

 

素直に賞賛した

 

しかし三月は

 

三月「そんなことないぞ?「信仰を利用する程度の能力」はまだ信仰が集まってないからあまり使えないし、「無視する程度の能力」も戦闘向きではないからな」

 

そう言った

 

真也はそれを聞いても

 

真也「でもさ、信仰が溜まれば使えるんでしょー?それに無視する程度の能力だって考え方変えればいろいろできるじゃーん、例えば物理法則を無視するとかー」

 

そう言うが三月は

 

三月「まあ信仰は確かにそうだけど、いやさすがに俺の能力にそこまではできないぞ?」

 

そう言って否定した

 

真也「出来ないにしてもいろいろな考え方があるってことを知ればできることは広がるよー」

 

真也はそう言いながら笑った

 

その後

 

真也「三月の神社なら信仰しても良さそうだなー」

 

そんなことも言った

 

こいしはその発言に驚き

 

こいし「真也がそんなことを言うなんて!」

 

そう言って真也を見た

 

三月はその反応を不思議に思い

 

三月「なんでそんなに驚いてるんだ?」

 

こいしに聞くと真也が答えた

 

真也「僕は神を信じてないからねーだから前に信仰しないかと誘われたときも断ったしー」

 

そう言って胸元のペンダントを弄っていた

 

三月は納得したがなんで自分の神社はいいのかと思い聞くと

 

真也「だって、三月のところならなんとなく安心できるしーなにより面白そうー」

 

真也はケタケタ笑いながら言った

 

三月は笑い方にイラッとするも少し嬉しそうに

 

三月「そうか、そう思ってくれるなら嬉しいよ」

 

そう返した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後もいろいろ話し、ついに三月を帰すときが来た

 

三月「いや、ほんとにお世話になったな」

 

三月がそう言って頭を下げる

 

真也は楽しそうに笑いながら

 

真也「いやいやーこっちも楽しかったからー、ね?こいしー」

 

こいしに振る

 

こいしは

 

こいし「うん!ありがとね三月、しっかり渡すんだよ?」

 

感謝の言葉を述べながら、最後に忘れないように念を押した

 

三月はやれやれといった様子で

 

三月「わかってるよ、じゃ、真也よろしく」

 

真也に言った

 

真也は

 

真也「じゃ行くよ?それっ!」

 

かけ声とともに不思議な空間を作った

 

真也「それを通れば帰れると思うよーまたねー三月ー今度はそっちにでも遊びに行くよー」

 

真也はそう言って手を振った

 

三月もそれに答えながら

 

三月「あぁ、またな、来たときはもてなしてやるかもな」

 

そういって真也の作った空間に入っていった

 

三月が入ると空間は閉じてその場に静粛を作り出した

 

 

 

真也はそれを小さな声で破った

 

真也「君は気付いてあげないとねー……」

 

そう言うとこいしの手を取り

 

真也「じゃ、帰ろっかー」

 

そう言って二人で帰って行った

 

二人の帰った場所に残ったのは木々が少し折れた空間だった

 

 




はい!どうでしたか?初のコラボは大変で緊張もしましたがとても書いてて面白いものでした!

真也「いやー三月はいい人だったよー」

こいし「なかなか面白い人だったしね!」

2人も嬉しそうです!

今回コラボしてくれたパルミアさん本当にありがとうございました!

真也「ありがとねー!」

こいし「ありがとー!」

皆さんぜひパルミアさんの東方神社人見てみてくださいね!こちらとはまた違った世界観とキャラの折り合いが見れますよ!

では、また次回まで

「「「ばいばーい」」」

(パルミアさん本当にほんっとうにありがとうございました!)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!兎耳の生えた少年!?

はーいどーも生きる死神です

真也「今回はコラボだよー」

こいし「お相手は東方兎光録を書いているtikyu-giさんだよ!」

はい、失礼の無いように頑張りますよ!

では、

「「「スタート」」」

(今回はあちらの世界に行っているので最初の方はこいしがいません。また東方兎光録の少しのネタバレらしきものを含んでいます。気になる人は是非東方兎光録を見てみよう)


 

 

 

ある日のこと

 

真也は肌寒い感覚で目が覚めた

 

真也「ふあー、寒いなーおかしーなー昨日はベッドに入ったよな……」

 

真也はそんなことを考えながら寝ぼけ眼を擦りベッドを確認しようとした

 

 

 

しかし

 

 

 

そこにはなにもなかった

 

 

 

あったのは空気に阻まれる感触

 

真也「えっ?なんで僕空から落ちてるの?」

 

真也はやっと自分の今の状況に気がついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう真也は今

 

 

 

空から落ちているのだ

 

真也「そっかそっかー空から落ちて……ってえぇぇぇ」

 

現状把握してまた驚いた真也は

 

真也「うーんこのままだと地面に激突して死んじゃうねー」

 

どうやって地面との激突を回避するか考えていた

 

そして

 

真也「あ、空飛べばいいじゃんー」

 

とても簡単なことに気付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也が空の旅をしている頃

 

?「やっと煉獄から出れた……まずはどこに行こうかな……」

 

血だらけ兎耳の生えた少年が歩いてきた

 

そして空から何かが落ちてきていることに気付いた

 

?「あれ?何だろう、あれは……」

 

その少年がよく目を凝らして見るとそれは人だった

 

?「えっ?人が落ちてる?」

 

そう思ったその少年はとりあえずそちらの方に歩いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「たまには空を落ちるのも楽しいねー」

 

真也はのんきなことを言いながら空を落ちていた

 

そしてそろそろ飛び始めないと危ないところに達したところで

 

真也「よっ、と、これで大丈夫かなー」

 

空を飛んでゆっくりと地面に着地した

 

真也「いやーどうなるかと思ったなー」

 

真也はそんなことを言いながら辺りを見回すと

 

木が鬱蒼と生えている森の中ということに気付いた

 

真也「ふーん、ここは森の中かー……んー?」

 

そうして興味なさげにあたりを見ていると真也の正面から不思議な少年が現れた

 

真也はその少年を見てすぐに思った

 

真也「(なんで兎耳生えてるんだろー)」

 

真也がその少年をじっと見ていると向こうもこちらを見ていたことに気付いたようで

 

?「えーっと、君は誰なの?」

 

そう言った

 

真也はいつもの笑顔で

 

真也「僕は全無真也、真也って呼んでねー。君はー?」

 

自己紹介をするとその少年にも促した

 

少年は

 

?「僕は兎神光平、光平って呼んでほしいな」

 

そう言った

 

真也はそれを聞いて

 

真也「光平ねよろしくー。ところでさーここってどこなのー?なんか空から落っこちてきたらしくてさーどこか分からないんだよねー」

 

真也が光平にたずねた

 

光平は

 

光平「うーん、僕にもわかんないな。僕も今ここにきたばかりだからね」

 

そう言って悲しそうな顔をした

 

真也はその様子にすぐに気づき

 

真也「なにかあったの?」

 

光平にそう聞いた

 

光平は話すか迷っていたが真也の真っ直ぐで真剣な目を見て話しても大丈夫かなと思い

 

光平「実はね、さっきまで煉獄っていう拷問施設?みたいなところに捕まってたんだ。それで、仲間たちと脱出して、今に至るって感じかな」

 

そう言った

 

その時の光平の顔はとても悲しそうで辛そうで、それでいてあまり怒っているという感じが見られなかった

 

真也はそれに少し疑問を持ちつつも

 

真也「捕まるような覚えはあったの?」

 

そう言うと光平はとても辛そうな表情で

 

 

 

光平「……僕が、異常だから……」

 

 

 

そう言った

 

真也はそれについて考えるがいっこうに答えがでず

 

真也「ごめん、ぜんぜん分からなかった。光平のどこが異常なの?」

 

そう聞かれた光平は

 

光平「それはこの兎耳と真紅の瞳のことだよ」

 

そう言って自分の兎耳と瞳を指差した

 

光平「これは遺伝子の突然変異らしいんだよね……」

 

それだけ言うと光平は口を閉ざして重苦しい雰囲気が場を満たした

 

真也はその表情や言ったこと、自分と会うまでにあったことを考えてから

 

 

 

真也「君が異常なら、僕は『皆無』だったのかな」

 

 

 

そう言った真也の目は光がなかった

 

その真也の様子に光平は少し驚くも理由を聞いた

 

光平「それってどういうことなの?」

 

真也はそれに

 

真也「僕は家族や親友を失い、虐められていたよ。その上僕にはこっちでいう能力があったから誰もがみんな僕を気味悪い目で見てきたよ。」

 

答えた真也はもう慣れているが聞いている光平は驚いていた

 

光平「そんな……」

 

そんな光平を後目に

 

真也「そのせいで僕は僕のいろいろなものを失ったよ。例えば表情、まあこれは生きていくために必要だったからすぐに取り戻したけどね。あとは感情とか心とか。感情も嬉しいことがあって取り戻せたけどね」

 

説明する真也は悲しげだが、感情を取り戻したことを話していたときの表情はどこか嬉しそうだった

 

光平はそんな真也を見て

 

光平「真也も大変な人生を送ってきたんだね……」

 

そう言った

 

2人は悲しい過去を通った仲間のように感じた

 

そのおかげか2人はわりと早く打ち解けることが出来た

 

 

 

光平「そういえばさ、真也の能力ってなんなの?」

 

光平は思い出したように言った

 

真也は特に気にすることなく

 

真也「僕の能力ー?「『無』を操る程度の能力」だよー」

 

そう言ったが光平は驚いていて

 

光平「すごい能力だね!どんなことが出来るの?」

 

真也になにが出来るか聞いた

 

真也は少し嬉しそうに

 

真也「そんな反応してくれるのは珍しいなー。出来ることはまあいろいろあるけど、たとえば無意識を操ったり無意識になったりすることかな?まあ極端に言うと無がつけばなんでも操れるし、なんでもできるかな」

 

そう言った

 

光平はまた驚いたようで

 

光平「わぁ!とても強いね!僕の親友とどっちが強いかな?」

 

そう言った

 

真也は少し興味を持ったようで

 

真也「どっちが強いってことは光平の親友も強いのかなー?」

 

光平にそう聞いた

 

光平は

 

光平「うん!身体能力も高いんだけど、能力も強くてね「自然を操る程度の能力」を持ってるんだ!」

 

なぜかうれしそうに言った

 

真也はよくわからなかったがまあ気にはせず

 

真也「へぇーなかなかすごい能力を持ってるねー、てもさその自然ってどういうものなんだろー。概念的なものも含まれるのかなー?」

 

そう光平に聞いた

 

光平は少し考えると

 

光平「わからないけど、多分そうだと思うよ」

 

そう答えた

 

そしてどこか期待した目で真也を見ていた

 

真也「うーん、正直に言うと能力ありきなら僕が勝つよー。まあ弾幕ごっこだとわからないけどねー」

 

真也はそう言って少し笑った

 

光平は少し意外そうに

 

光平「そうなんだ、てっきり僕の親友の方かなって思ってたんだけどね」

 

そう言った

 

真也は少し心外そうに

 

真也「だって僕が能力を本気で使ったら能力を無くすことも出来るからねー?まあ疲れるしそんなのつまんないからやらないけどねー」

 

そう言ってケタケタ笑った

 

光平はその笑い方に少し制裁を加えたくなって

 

光平「ていっ!」

 

真也にデコピンした

 

真也は驚いたのと光平がそんなことをやったのにまた驚いていて

 

真也「いたっ。なにするのさー光平ー」

 

そう言って光平を問い詰めるが

 

光平「ちょっとした悪戯心だからさ…ね?」

 

光平が予想外に可愛い顔をして言ったので真也は

 

真也「う、うん、しょーがないから許してあげるー」

 

少し焦りながら言った

 

光平はその様子に疑問を感じながらも気にすることはないかと忘れ去った

 

真也「あ、光平の能力を教えてよー」

 

真也はなんとか焦っていたのを隠そうとして光平に聞いた

 

光平は少し恥ずかしそうに

 

光平「僕の能力は「体を修復する程度の能力」だよ。真也ほどすごい能力じゃないよ。」

 

そう言った

 

真也は恥ずかしがってる光平が少し可愛いと思いつつ

 

真也「へぇー怪我しても大丈夫なんだねー」

 

そう言った

 

光平「そうだけど、あまり酷いと時間がかかるし、腕とか切り落とされるとさすがに治らないんだよ」

 

光平はそう言ってどこか遠いところを見ていた

 

そんな様子の光平に真也は

 

真也「(なにかあったのかなー)」

 

直感的に察して黙っていた

 

 

 

 

 

それから真也と光平は楽しく話していた

 

その時

 

妖怪「ひゃっはー!人間が二匹もいるぜ!」

 

弱い妖怪が現れた

 

その妖怪は2人がどんな人間かわかっていない

 

真也「んー?なにこいつー」

 

光平「えっ、どうしよう」

 

2人は真反対な反応をしながらその妖怪を見ていた

 

妖怪はそんな2人に

 

妖怪「怖じ気づかない人間は珍しいがそんなの関係ねー!ひゃっはー!」

 

そう言って襲いかかった

 

光平「うわっ!」

 

光平は目をつぶってしまった

 

妖怪の攻撃が来ると思った

 

 

 

 

 

 

真也「うるさいなー、無に帰してあげるー」

 

真也がそう言って手を開き握ると

 

 

 

そこにいたはずの妖怪はいなくなっていた

 

 

 

光平は目を開けたときそんな光景を見て驚いていた

 

光平「えっ……これって真也がやったの?」

 

そう聞くと真也は

 

真也「うん。うるさいしー、なにより光平を襲おうとしてたからねー」

 

そう答えた

 

光平は不思議そうな顔で

 

光平「どうして?まだ僕たちあって1日もしてないよ?」

 

そう聞いた

 

真也は

 

真也「どうしてって言われてもねー、僕がそうしたかったからかなー。まああえて言うならこは僕を受け入れてくれたから、かなー」

 

そう言った真也は嬉しそうに笑っていた

 

光平はまた疑問に思い

 

光平「受け入れたって?」

 

そう聞くと

 

真也「光平は僕の能力を聞いても気味悪いものを見る目で見なかったし僕の過去を聞いて同情してくれた。それだけでも僕には十分理由になるんだ」

 

真也はそう言ってくるくるとその場で回った

 

光平はそれを聞いて納得し、真也の行動に笑いながら

 

光平「そっかそっか、ならいいや」

 

そう言って2人で笑いあっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして2人で話して時間が過ぎ

 

真也「そろそろかなー」

 

真也は空を見ながらそう言った

 

光平「そろそろって?」

 

光平は不思議そうに言った

 

真也はそれを聞かれると少し悲しそうにして

 

真也「ここは僕が元からいた世界じゃないっぽいんだー」

 

そう言った

 

光平はその言葉に驚いた

 

光平「真也は別の世界から来たってこと?」

 

真也に聞くと

 

真也「そうだねーだからそろそろ帰らないといけないみたいなんだー」

 

そう言うと真也は手を開いて

 

真也「せっかく仲良くなったのにごめんね光平。でも、覚えておいて。僕は君のことを忘れないし僕は君のことをいつでも助けてあげるから。」

 

閉めた

 

するとその場に不思議な空間が開いた

 

光平は真也その空間を通る前に

 

光平「なんで!なんでそこまでしてくれるの!」

 

そう聞いた

 

真也は儚い笑みを浮かべながら

 

真也「それは君が僕を受け入れてくれたから。それに僕の友達だからね」

 

そう言って真也はその空間を通って帰っていった

 

その場に残った光平は

 

光平「真也……ありがとう……」

 

そう言って1人佇んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「帰ってきたー」

 

真也は帰ってくると

 

こいし「あっ!真也!どこに行ってたの?探したんだからー!」

 

自分を捜していたらしい大好きな人が近付いてくる

 

それに喜びを感じながら

 

真也「ちょっと新しい友達を作ってきたー」

 

そう言って輝くような笑顔を浮かべた

 

 




はい、向こうの世界にいってもらいました!

真也「いやー光平は良い人だったよー。なにかあったら助けてあげたいなー」

こいし「私もあってみたいなー」

良かったですね真也、それと今回コラボさせてくれたtikyu-giさん本当にありがとうございました!

真也「ありがとねー」

こいし「ありがとー!」

というわけで皆さんtikyu-giさんの東方兎光録見てみてくださいね?

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」

(tikyu-giさん本当にありがとうございました!うちの真也も自由に使ってくれてもかまいません)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!風を操り停止させる少年!?

はい、どーも生きる死神です

真也「今回はーシュガーライトさんのー」

こいし「東方停止風とのコラボだよっ!」

はい、停楽風真君が来てくれましたよー

真也「いやーどんな人かなー」
 
こいし「私も会えるかな?」

それは本編ですねー

では

「「「スタート」」」


 

 

 

 

天気のいいある日のこと

 

真也は地霊殿の自室でまったりしていた

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

こいし「真也ー!プリン食べたいから買ってきてー!」

 

こいしが扉を開け放ちながら言ってきた

 

真也はそのことに少し驚きながら

 

真也「いいけどー何でプリンー?」

 

そう聞くとこいしは

 

こいし「なぜか食べたくなっちゃってー、えへへ」

 

少し恥ずかしそうに頬を掻きながら言った

 

真也は

 

真也「わかったー行ってくるねー」

 

すぐに地上に向かった

 

 

 

 

 

 

 

地上につき人里に向かう真也は

 

真也「プリンかー、僕もあんまり食べてないしこいしの分も含めて2つ買うかー」

 

そう言いながら飛んでいた

 

 

 

人里につきプリンが売っている店についてプリンを探す真也

 

真也「プリンはどこかなーっと、お、あったー」

 

真也は残り一つだったプリンを見つけ自分の分はしょうがないかと思いつつ手を伸ばした

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

紫の羽織を来た少年と手が当たってしまった

 

真也「あ、すいませんー」

 

?「こちらこそごめんな」

 

そう言って一旦手を引いてから再度手を伸ばすが

 

真也「あれ、またかー」

 

?「もしかしてこのプリンを狙ってるのか?」

 

真也はまた先ほどの少年と手が当たった

 

その少年にそう言われた真也は

 

真也「そーだよー、買ってきて欲しいって言われたからねー」

 

そう答えた

 

その少年は

 

?「ふーんそうか、でも俺はプリンが大好きだから引く気はないぞ?」

 

そう言うと少しこちらを睨む

 

真也は少し興味を持ち

 

真也「ならさー弾幕ごっこは出来るでしょー?それでどっちがプリンを得るか決めよー?」

 

少年にそう提案した

 

少年は少し考えた後

 

?「分かった、やってやろうじゃないか」

 

そう言って外にでた

 

真也は少し楽しそうに笑って

 

真也「また面白そうな人見つけたかもねー、あはは」

 

そう言い少年の後を追って店から出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也と少年は手頃な弾幕ごっこのしやすい森の中の少し開けたところにいた

 

真也「名前が分からないのは嫌だからー自己紹介しよー、僕は全無真也、真也って呼んでねーよろしくー」

 

真也が自己紹介をし

 

?「俺は停楽風真、風真でいいよ、よろしくな真也」

 

少年は風真と名乗り挨拶した

 

真也はそれを聞き終えると

 

真也「じゃあさっそく始めよっかー、スペカは無制限、被弾はどうするー?僕はどちらかがダウンするまでやってるけどー」

 

弾幕ごっこのルールを決める

 

風真は

 

風真「うーん、真也のやり方でいいよ」

 

そう言った

 

真也はそれを聞いて楽しそうに笑顔を浮かべ

 

真也「じゃあ、スペカ無制限どちらかがダウンするまで、この石が地面についたら開始ねー、いくよー」

 

 

 

真也はそう言うと石を投げる

 

 

 

そしてぶつかると同時に

 

 

お互いの弾幕が展開される

 

真也「まずは小手調べだよーそれっ」

 

真也は風真の実力を調べるために周りに20個ほど弾幕を浮かべてから風真に飛ばす

 

風真は

 

風真「そんなの甘いぜ!」

 

そう言って避けてから同じ様に打ち返してくる

 

真也はこれなら楽しめそうと思い

 

真也「あははっ、これなら楽しめそうだよー。もっと行くよー」

 

そう言うと今度は5、60個ほど浮かべ、風真とその周りに向かって一気に飛ばした

 

風真はそれを見て面白そうに笑い

 

風真「やっぱ弾幕ごっこは楽しくないとな!行くぞ最初のスペル!《風符「空駆ける疾風」》!」

 

スペルを宣誓して普通の弾幕より速い弾幕を打ち出し真也の弾幕を打ち消して、さらに真也を狙った

 

真也はとても楽しそうに

 

真也「あははははっ、楽しーよー。じゃあ僕も使うよー《無心「心無い言葉」》」

 

スペルを宣誓した

 

真也の宣誓と共に真也の周りに黒い霊力玉が浮かび始める

 

風真は少し警戒しながら

 

風真「スペルを使ったか、さぁ、どんなスペルなんだ?」

 

そう言うとそれに反応したかのように霊力玉からレーザーが飛んでくる

 

その速さはそこまでなものの数が多くなかなか避けづらい

 

真也「ほらほらー、頑張って避けてよねー?」

 

真也が霊力玉を浮かべながら言ってくる

 

風真も負けじと

 

風真「はっ!この程度じゃ当たらないよ!」

 

そう言うと飛んでくるレーザーの群をすべて避けきった

 

風真はまだ余裕がありそうで

 

風真「まだまだいけるぜ!」

 

そう言って真也に弾幕を打った

 

真也はその様子に満足そうな笑みを浮かべながら

 

真也「なら、次、いくよー?《無符「何処までも追い詰める悪夢」》」

 

そう言ってスペルを宣誓した

 

すると周りに小さめの黒い弾幕が10数個浮かび始め

 

 

 

それは

 

 

風真を狙って飛んでいった

 

風真は少し予想通りと笑っていたが

 

風真「ふっ!これくらいなら…!?」

 

それを避けようとしたときに追尾してくることに気付いた

 

風真は少し焦り始め

 

風真「ちっ!これはなかなか難しいスペルだな!なら!《風符「旋風陣」》!」

 

風真がそう言うと風真の周りに盾の形をした風を作り出し、追尾弾の嵐を防ぎきった

 

真也はそれを見て驚いたようで

 

真也「おー、防御スペルもあるんだー」

 

そう言った

 

風真はニヤリと笑いながら

 

風真「攻めるだけじゃなく、守るのも大切だぞ!今度はこっちだ!まずは《速風「雄風の追い風」》!」

 

スペルを宣誓すると風真は風を放出し始めた

 

真也はそれを疑問に思い

 

真也「そんなことしてなにがあるのかなー?」

 

そう言うと風真は

 

風真「そらは見てのお楽しみだ!行くぞ!」

 

急に動き出した

 

真也は先ほどより動きが早くなっていることに気づき

 

真也「へー、今度は自身の強化スペルかー。しかも速度を上げるのかー。ほんっと面白いねー風真はー」

 

そう言って笑いながら風真に向けて弾幕を打つ

 

しかし動きの早い風真には当たらず

 

風真「さて、次はこれだ!《透風「ブラインドエア」》!」

 

風真がそう宣誓すると

 

 

 

 

 

なんと

 

 

 

 

風真が真也の視界から消えた

 

そのことに驚いた真也は

 

真也「えっ?消えたー?これがスペルの効果かなー?うーん、やっかいだなー」

 

そう言って少し周りに弾幕を打ち当たる様子がないところを見て

 

真也「うーん、これはジリ貧だー、よしスペルでやるかー」

 

そう言うとスペカをだし

 

真也「さあいくよー《感情「空から降り注ぎ沸き起こる喜び」》」

 

真也は浮かび上がってから片手を上に向けもう一方を下に向け弾幕を打ち始めた

 

 

 

 

 

それをそれが当たらない位置で見てた風真は

 

風真「(これはどういうスペルだ?とりあえず俺も近付かないと攻撃できないな)」

 

上手く当たらないように真也に近付いていった

 

そしてそろそろ弾幕を打とうかと思ったとき

 

 

 

 

 

 

 

打ち出されていた弾幕が急に方向転換して上から降ってきたり下から沸いてきたのだ

 

風真はそれに驚き攻撃するのを思いとどまる

 

風真「(な、なんだこれ!いきなり方向転換したぞ!しかも上下の挟み撃ちとかめっちゃ難しいじゃん!)」

 

風真はそんなことを考えながらなんとか避けていたが流石に上下を両方意識し続けるのは難しいので

 

風真「(えぇーい、これはスペルで打ち消す!)」

 

そう思いスペカを出すと

 

風真「《嵐符「即席大竜巻」》!」

 

姿を現した風真が宣誓すると

 

 

 

風真の周りから強烈な風が吹き風真を襲っていた弾幕たちを打ち消した

 

真也「やーっと出てきたねー。それにしてもなかなか面白いスペルばっか持ってるねー」

 

真也は姿を現した風真のスペルに感心しながら言った

 

風真は

 

風真「そんな余裕無くしてやるよ!《風符「風速100m砲」》!」

 

スペルを宣誓した

 

すると風が渦を巻きながら真也の方に向かってきた

 

スペードも早くあまり時間がない中

 

真也「あははははっ。さあいくよー、《無情「手加減の無い力」》」

 

真也はスペルを宣誓した

 

真也の周りに8つの黒い霊力玉が浮かび正面に1つの大きな霊力玉が現れる

 

真也「さぁ、これで終わらないでよー?」

 

真也がそう言うと共に正面の大きな霊力玉に周りの8つの霊力玉から線がつながれ極太の黒いレーザーが放たれた

 

風真はそれを見て

 

風真「うおっ!まじかよ!これはやば…っ!」

 

そう言って避けようとしたが

 

 

 

黒い奔流に飲み込まれた

 

 

 

真也はそれを見て

 

真也「あれー?避けれると思ったんだけどなー」

 

スペルが終了した

 

真也「んー、あれで消し炭になんてなるわけないからなーどこ行ったのかなー……って」

 

風真が何処に行ったか分からないので探していた真也は突然正面から飛んできた弾幕を驚きながら食らった

 

真也「うわっ」

 

 

 

すると

 

 

 

風真「まだ終わってないぜ?真也」

 

風真か何処からともなく出てきた

 

真也は何処から出てきたのか、そんなことよりも

 

真也「やったやった、まだ楽しい弾幕ごっこは続くよー」

 

この楽しい弾幕ごっこを続けられることに喜んでいた

 

風真「ほんととんでもない強さしてんな、真也は」

 

風真はその様子と弾幕ごっこの強さに呆れながらも内心楽しんでいた

 

そしてまた撃ち合いが始まる

 

 

 

 

 

 

しばらくしてから

 

真也「そろそろスペル使うよー《無神経「突き刺さる視線」》」

 

真也がスペルを使った

 

すると風真を中心に風真を狙って速いレーザーがいろんな方向から飛んできた

 

風真「おわっ!なんだこれ!速いしいろんな方向から来るからやりづらい!」

 

風真はそう言って避けていたが速さに避けるのだけでは無理だと思い

 

風真「よし!止めるか《停止「ムーブロック」》!」

 

スペルを宣誓した

 

すると風真に向かってきていたレーザーが止まった

 

真也はその光景に驚き

 

真也「んー?レーザーが急に止まったー?これは風真の能力かなー?」

 

そう言って風真を見ると風真は

 

風真「そう、これは俺の能力「停止させる程度の能力」だ」

 

そう言って弾幕を打ち始めた

 

真也はそれを避けながらこちらも打つがそれは止められてしまい風真には届かない

 

真也「うー、なかなかめんどくさいスペルだねー。ならー《感情「抑えきれなかった怒り」》」

 

真也はスペルを宣誓した

 

 

 

 

すると真也から小さい弾幕が大量に少し放たれた

 

 

 

風真はそれを軽く避け真也に

 

風真「なんだこれ?その程度で終わりな訳がないよな…!」

 

そう言っていると

 

 

急に後ろから飛んできた弾幕が風真を襲う

 

風真「ちっ!後ろからとは分かりづらい!しかもなかなか威力があるな!」

 

被弾した風真は悪態つきながら真也のいるところを見た

 

 

 

そこには

 

 

 

中くらいの弾幕に囲われた場所があった

 

 

風真「な、なんだあれ!あそこの中に真也が?」

 

風真がそう言い怪しみながら弾幕を放つとそれを待っていたかのように中くらいの弾幕が周りに吹き飛びそれと同時に小さい弾幕が大量に、今度は長く放たれた

 

風真「うわ!量が多いしなかなか長い!」

 

風真はそれを弾幕で打ち消したり避けながら凌いでいたが徐々にに当たり始めたので

 

風真「くっ!これは辛いぞ……!だったら《風撃「エアロインパクト」》!!!」

 

スペルを使った

 

手に風を溜めそれを

 

風真「おりゃ!!!」

 

殴ると同時に放った

 

その一撃で風真に飛んできていた弾幕はすべて打ち消された

 

真也は楽しそうに笑いながら

 

真也「あははっ、これも耐えるなんて風真はすごいねー」

 

そう言ってまたスペルを出し

 

真也「さあ、これが最後のスペル。いくよー《無符「無為無策の篭の鳥」》」

 

そう言った

 

 

 

すると

 

 

 

風真を囲うように籠の形をした弾幕の壁が出来た

 

風真「なっ!まさか耐久スペルか!」

 

風真が驚きながらそう言うと真也は

 

真也「せいかーい。さぁー、それに耐えきって見せてよねー?」

 

そう言うと共にスペルは始まる

 

まず頂点から真下に向かってレーザーが放たれる

 

風真は突然始まったことに慌てながらもそれを避ける

 

風真「いきなり来るから焦ったぜ…!」

 

風真が一安心下のもつかのま、そのレーザーが弾幕に変わりいろんな方向に散らばった

 

風真「のわっ!今度はなんだ!」

 

風真はそれを避けたが上からのレーザーを警戒しすぎて壁についた弾幕から薄い線が出ていることに気付かなかった

 

風真「今度は焦らないように………ぐふっ!」

 

その結果線の上を走るレーザーに命中した

 

真也はその様子に

 

真也「あまり油断してるとー当たっちゃうから気をつけてねー」

 

そう言った

 

風真は思いのほか威力が高いことに焦り

 

風真「さすがにこれを何度も食らうのはきついな!なら《停風「停止を運ぶ風」》!」

 

スペルを宣誓した

 

 

 

風真は風を打ち出した

 

 

 

それはちょうど飛んできたレーザーに当たり

 

 

 

止まった

 

 

 

真也はそれに驚くが

 

真也「もっと止めないとどんどんくるよー?」

 

そう言った

 

真也が言ったとおりにレーザーは止まる限界の時間になるとまた動き出した弾幕に変わって散らばり壁についた

 

風真「ちっ!さすがに耐久スペルを止めるのはなかなかきついぜ!」

 

風真はそう言いながら何度も止めて避けるが、スペルの終了時間が来ても終わらないスペルに

 

風真「これは、さすがに無理だったか…」

 

そう言うといくつかの線が重なった部分にいた風真はレーザーの交錯するところで被弾してダウンした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「いやー楽しかったよー」

 

真也は上機嫌だ

 

風真「いやーあんなに強いとは思わなかったな」

 

風真もやりきった顔をしている

 

2人は人里に戻り店にいた

 

2人の争いの種となったプリンは2人が弾幕ごっこをしている間に補充されていたので、それを見た2人が少し力が抜けたのだった

 

真也「よしーこれて僕とこいしの分も買えたー。そろそろ帰るかなー」

 

真也は2つのプリンを手に入れたのでそろそろ帰ろうかと思った

 

するとその時店にあったプリンを買い占め店の人に変な顔されていたが全く気にしていなかった風真は

 

風真「そういえば真也ってどこに住んでるんだ?」

 

真也にそう聞いた

 

真也は

 

真也「僕は地底の地霊殿に住んでるよー今から帰るけど風真もくるー?」

 

そう答え風真に一緒に来るか聞いた

 

風真は少し考えた後

 

風真「どうしよーかなー……「あっ!いたー!真也ー!」ん?誰の声だ?」

 

風真が考えていたとき誰かの声が聞こえた

 

風真がその方向を見ると胸元に第3の目があり青いバラのペンダントをした少女がいた

 

真也「あ、こいしーどうしたのー?プリンなら買えたよー?」

 

真也がその少女に話しかけていた、話している感じからして知り合いなのは確実だと思った風真は

 

風真「なぁ真也、その子は誰だ?」

 

真也にそう聞いた

 

するとそれに答えたのは真也ではなくその少女だった

 

こいし「あっ、あなたとは初めましてだね、私は古明地こいし、こいしって呼んでね!あなたは?」

 

こいしはそう言うと風真に名前を聞いた

 

風真は

 

風真「俺は停楽風真、風真って呼んでくれ」

 

そう言った

 

それから風真は真也に

 

風真「真也、もしかして2つプリン買ったのって」

 

そう言うと真也が

 

真也「そうだよーこいしが買ってきて欲しいって言ったからだよー」

 

そう答えた

 

風真は疑問に思い

 

風真「なんてこいしは自分で行かなかったんだ?」

 

そう聞くとこいしは

 

こいし「なんか真也と行って私だけ買うとか恥ずかしいと思ったからー!」

 

そう言った

 

真也は笑いながら

 

真也「僕も食べたいから自分の分も買ったよー帰ったら一緒に食べよっかー」

 

こいしにそう言った

 

こいしはうんとうなずいたが風真が

 

風真「なんかとても仲良いみたいだがもしかして2人はあれか?」

 

2人を見ながらそう言うと真也は胸元の黒いバラのペンダントを見せながら

 

真也「そー!これを見れば何となく分かるでしょー?」

 

そう言われた風真は納得し

 

風真「そうかそうか、なんか羨ましいなー」

 

少し羨ましそうな目を真也に向けていた

 

真也は誇らしげな顔をしていた

 

すると風真が

 

風真「こんな可愛い彼女なんてなー、俺もほしいよ」

 

そう言うと真也は

 

真也「まさか、狙ってるなんて言わないよね?」

 

少し怖い笑みを浮かべながら風真に言った

 

風真は雰囲気の変わった真也に驚きながらも

 

風真「そ、そんなわけないよ!あ、そうだ、地底での生活ってどうなんだ?」

 

風真は焦りながら話題を変えた

 

真也はそれを気にしつつも

 

真也「ふつーに楽しいよー?地底の人は皆面白いし優しいし、温泉もあってとっても良いところだよー」

 

そう言って地底の良いところを言った

 

風真はそれを聞いて

 

風真「ふーん、地底も面白そうな場所だな!さて、そろそろうちの奴が待ってるだろうからここらへんで俺は帰るよ。またな、真也」

 

地底に興味を持った

 

そして風真は待ち人のために帰って行った

 

 

 

 

真也はそれを見ながら

 

真也「風真はたぶん僕の能力を聞いても動じないタイプの人だなーまた会えるかなー」

 

少し嬉しそうな顔をしながら言った

 

こいしは

 

こいし「ふふっ、また面白い人に会えたね、さ、帰ってプリン食べよ!」

 

そう言って真也の手を取り歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰った2人は仲良くプリンを食べたそうだ

 

風真は帰ってからプリンを食べた後少し考え事をしていたら一緒に住んでいる同居人に1つ食べられたらしく激怒したそうな




はい、停楽風真君でした

真也「今回は能力は伝えないのねー」

こいし「そうねーいつもならどこかで伝えるのに」

んー、今回はシリアスは入れたくなかったから抜きました!もしその下りが見たかったらまた今度かシュガーライトさんに言ってみよう(無茶ぶり)

真也「うちの作者が迷惑かけてすいませんー」

こいし「後できつくしかっておきますからー」

ちょひどいなー

それはともかく、みなさん、ぜひシュガーライトさんの東方停止風見てみてくださいね!風真君の活躍や風真君の家の同居人もしっかり出てきますよ!

真也「またあいたいなー」

こいし「願ってれば会えるよ」

はい、では、次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!世界一面倒くさい男!?

はいどーも、生きる死神です

真也「今回はコラボで~す」

こいし「お相手は?」

はい、お相手は出ったあ!世界一面倒くさい男!を書いているもう眠いさんです

真也「失礼しちゃだめだよー」

こいし「ちゃんと書きなよ」

はーい、では

「「「スタート」」」


 

 

ある日のこと

 

幻想郷の地底に摩訶不思議な男が来た

 

その男は少しへらへらとした様子でそこにいた

 

?「おー、ここはどこだ?なんか周りが岩だらけなんだが」

 

男はあまり驚いた様子もなく周りを見渡していた

 

そしてとりあえず歩くことにした

 

 

 

歩くこと数十分

 

?「あ?なんかでっかい建物あるな、とりあえず行ってみるか」

 

大きな建物を見つけ、近づいていった

 

そして、その建物の玄関らへんまで見えるところに行くと

 

?「うわ、なんかリア充が見える。うーん、女の子の方は可愛いなぁ、でも俺には彼女(たぶん)がなぁ…」

 

玄関と門の間らへんで2人の男女が話しているのが見えた

 

男はしばらく考えた後、悪魔のような笑みを浮かべ

 

?「よし、とりあえず、話しかけよう」

 

そう言ってそのリア充に近付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男が近付いて話しかけてくる少し前

 

真也「今日はどうするー?」

 

こいし「んー、今日は地底の商店街でも回る?」

 

真也とこいしは今日なにをしようか話し合っていた

 

真也は思案顔で

 

真也「あー、この前も商店街は回ったしなぁー」

 

そう言いそれを聞いたこいしが

 

こいし「じゃあ、地上にする?」

 

そういって聞いた

 

真也がそれに答えようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのとき

 

?「やぁ、お嬢さん、ぼくと一杯お茶なんてどうですかな?」

 

見るからに、というか明らかにめんどくさそうな男が2人の中に割って入ってきた

 

男はこいしを見ている

 

こいしはいきなりのことに驚いたが

 

こいし「えー、いや」

 

あっさりと断った

 

男は残念がる素振りもなく

 

?「まあ、予想はしてたよ」

 

そう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「んー、なに勝手に口説いてくれちゃってんのかなー」

 

こいしをいきなり口説かれたことに真也はとても怒っていた

 

それは近くにいるこいしはおろか、スキマを通してどこかの賢者妖怪にさえ感じられたら

 

 

 

 

 

それを男は

 

?「可愛い女の子がいたら話しかけるのが基本でしょう?そうかっかしなさんなって」

 

なにも感じてないようにそう言った

 

真也はこいつは面倒くさい上に、たぶん話術じゃ勝ち目がないと思い

 

真也「はぁ、分かった、けど、こいしに手を出したら……容赦なく無くすから」

 

そう言うと怒気を無くしいつもの表情に戻して

 

真也「んー、ところで君は誰かなー?」

 

名前を聞いた

 

男は先の言葉からの変わり身の早さに感心しつつも

 

?「俺?俺は狂島左右、左右って呼んでくれ」

 

そう言っておどけたように一礼した

 

真也は少しイラッとしつつも

 

真也「左右ねー僕は全無真也、真也でいいよー」

 

そう言った

 

若干空気だったこいしも

 

こいし「私は古明地こいし、こいしでいいよ」

 

そう言って軽く会釈した

 

自己紹介を終えた真也は立ち話もなんなので

 

真也「立ち話は嫌だからー、僕の部屋に連れてってあげるー」

 

そう言って地霊殿の中に入り自身の部屋に連れて行った

 

 

 

 

 

部屋についた真也は3人分のお茶を用意して全員に渡した後飲みながら

 

真也「ところでさー、左右はなんでここに来たのー?」

 

そう聞いた

 

左右は少し考えた後

 

左右「なんかいつも通りに歩いてたら変な穴に落っこちて気付いたらここにいた、以上」

 

そう言った

 

真也とこいしはこれを聞いて

 

真也こいし「「((絶対紫のせいだ))」」

 

そう思った

 

2人の思ったことなど知らない左右は

 

左右「あ、真也、アルプスいちまんじゃくやろうぜ」

 

そう言って真也を見た

 

しかし真也は

 

真也「え?アルプスなんだっけー?聞いたこと無いけどわかんないなー」

 

不思議そうな顔でそう言った

 

そのことには少し驚いたのか左右は

 

左右「真也アルプスいちまんじゃく知らないのか?あの有名なアルプスいちまんじゃくをか?うわーこれは予想外だな」

 

そう言った

 

真也は少し申し訳無さそうに

 

真也「ごめんねー、あんまり遊びには詳しくないからさー」

 

そう言って頭を掻いた

 

左右は少し考えた後

 

左右「よし、ならしりとりだ、これならわかるだろ?」

 

しりとりを提案した

 

真也もさすがにわかるのか首を縦に振った

 

真也「あ、でもこいしはわかるー?」

 

真也は思い出したようにこいしを見て言った

 

こいしはなんのことか分からない様子で

 

こいし「うーん、分かんないから2人でやっててよ私見てるから」

 

そう言った

 

左右はそれを聞いて(ここから会話文がしばらく続きます)

 

左右「じゃあ、しりとりスタートな、しりとりの、り」

 

真也「りんご」

 

左右「五稜郭」

 

真也「栗」

 

左右「リュックサック」

 

真也「くず餅」

 

左右「チョーク」

 

真也「クリスマス」

 

左右「スモーク」

 

真也「クリスマスツリー」

 

左右「お?この場合はりでいいのか?」

 

真也「うん、そうだねー」

 

左右「じゃあ、リーク」

 

真也「九条ネギ」

 

左右「牛肉」

 

真也「クナイ」

 

左右「異国」

 

真也「車」

 

左右「マーク」

 

真也「苦悩」

 

左右「右翼」

 

真也「口」

 

左右「チーク」

 

(ここらへんで真也が少しいらいらし始める)

 

真也「鍬(くわ)」

 

左右「枠」

 

真也「杭」

 

左右「移植」

 

真也「櫛」

 

左右「シンク」

 

真也「九九」

 

左右「苦肉」

 

真也「苦情」

 

左右「うーん、もう「く」で終わるやつ思いつかないなー」

 

真也「やっぱりくで終わらせようとしてたんだねー!!」

 

真也はストレスがたまったようでとてもイライラしていた

 

対して左右は

 

左右「だってしりとりの必勝法は同じ語尾で返すんだろ?ならやるだろ」

 

そう平然と言った

 

真也は納得しつつも

 

真也「もうちょっとさー、普通にやりたかったのにー」

 

少し不満げに言った

 

左右は

 

左右「まあまあ、しょうがないって」

 

そう言って真也の肩をポンと叩いた

 

真也は少し悔しいようなムカッとしたような気持ちになり

 

真也「むー。ていっ」

 

左右の額にデコピンをお見舞いした

 

左右は

 

左右「うおっ、いきなりなにすんだ真也」

 

そう言って真也を睨むが真也はどこ吹く風とわざと口笛を下手に吹いて知らん顔していた

 

さすがに左右もイラッとし

 

左右「そーかそーか、ならこっちもやり返すぜ」

 

そう言うと真也の鼻頭にデコピンをした

 

真也は少し仰け反りつつ

 

真也「ふぁっ。いったいよーもー」

 

そう言って笑った

 

左右もつられて笑ってしまった

 

こいしもその光景に笑っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後はなんだかんだありつつも仲良く話し、左右がふと

 

左右「あ、そういえば今何時だ?」

 

何時か聞いた

 

真也は時計を見て

 

真也「んー、八時くらいかなー」

 

そう言った

 

それを聞いた左右は少し驚くと

 

左右「おーもうそんな時間か、でも俺どうやって帰ればいいんだ?」

 

そう言って腕を組んで考え始めた

 

真也「あ、そういえば、なんか不思議な穴に落ちたんだっけー」

 

真也は思い出したように言った後

 

真也「(あ、良いこと思いついた)」

 

なにか考えついたのかとても良い笑顔を浮かべ

 

少し後ろを向きぼそぼそとなにか呟いた

 

左右はそれを何かと思い

 

左右「ん?真也、なに言ってんだ?」

 

そう言った

 

すると真也は悪魔のような笑みを浮かべながら

 

真也「あははははは、なんのことだろーねー」

 

そう言って笑った

 

左右は変なやつと思いながらまた考えようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

左右「あー、どうやって帰……ちょ、うわ!」

 

左右の座っていた足元に不思議な空間が開いたのだ

 

左右はかろうじて端を掴んだ

 

左右「うわ、これ俺が落ちてきた穴と似てる!」

 

そう言いながら左右は上がろうとするが

 

真也「そりゃそうだよーだって同じだもーん」

 

真也がニコニコしながらそう言うと

 

左右は驚きつつも

 

左右「分かってんなら助けてくれよ!」

 

そう言った

 

しかし真也は

 

真也「んー、もう帰った方がいいみたいだからこのままお別れかなー」

 

そう言うと手を開き

 

左右「ちょ、さすがにこれはひど「ばいばーい」ちょ、真也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

真也は左右が文句を言おうとしたのを無視して手を握り締め不思議な空間を閉じた

 

その空間からとんでもない叫び声が聞こえたが2人は聞いてない振りをした

 

真也「いやー、すっきりしたよー」

 

こいし「なんか、騒がしい人だったね」

 

2人の感想はこれだった

 

この日真也ぐっすり眠れたそうな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、真也が呟いていたのは

 

真也「紫ー、左右の足元にスキマ開いてー」

 

こう言っていた




はい、狂島左右君でした

真也「ほんと面倒くさいというかなんというかー」

こいし「騒がしい人だったなー」

はい、もう眠いさんコラボありがとうございました!
狂島左右君のキャラは全然こちらでは再現できてなかったのでぜひもう眠いさんの出ったあ!世界一面倒くさい男!を呼んでみてくださいね!

ではここらへんで

「「「ばいばーい」」」

(あ、今活動報告で質問募集してますよーあともう眠いさんほんとにコラボありがとうございました!)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!感情の無い覚り妖怪!?

はいどーもお久しぶりです生きる死神です。

真也「空いたねー」

いやまあ一応受験でしたんでねぇ。終わりましたが。

こいし「これからはペースは元に戻るの?」

たぶん元に戻ると思います。

はい、それで復帰第一回はコラボです。

お相手は黒犬51さんの書いている東方贖罪譚~3人目の覚り妖怪~から秦 空 さんです。

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 いつも通りだと思われる真也とこいしの昼(12時頃)。2人は眠い目を擦りつつ本日の予定を話ながら食堂に向かっていた。

 

真也「んんー。まだ眠いなー」

 

こいし「私もー。昨日夜更かししたからだねぇ」

 

彼女の言うとおり2人は昨日の夜に真也の部屋で本を読んでいたのだ。おおよそ1時過ぎまで。

2人は基本的に日付が変わる前に寝ることが多いので、日付をまたぐと次の日はだいたい眠そうにしている。

 

朝ご飯ー、と呟きながら2人は食堂に向かった。

 

 

 

    ◆

 

 

 

さとり「あら、遅かったわね2人とも。夜更かしでもしたかしら?」

 

食堂につきドアを開けると、さとりがコーヒーを飲みながら()()()()()()

 

真也「あははー、本を読んでたら思いの外時間が過ぎててねー」

 

こいし「今日のお昼ご飯はっ?」

 

?「今日はトーストとサラダ、後スープもだったよ」

 

ありがとー!と返したこいしに真也も一緒についていった。置いてあったお昼ご飯を持ってきて、2人はテーブルにつくと手を合わせて食べ始める。

 

真也「あー、ドレッシング忘れたー」

 

?「これいるか?」

 

対面に座っている()()からドレッシングを、軽く会釈して受け取る。こいしも次貸してと言ってトーストを頬張る。

 

真也「……」

 

こいし「……」

 

さとり「うーん……」

 

?「……」

 

誰も話さない間が開く。そして……

 

こいし「いや、あなた誰!?」

 

はっとしたようにこいしが声を上げ、真也も今更ながら気付いたようで対面に座っていた男性を見つめる。

 

?「いや、今それ言うか?もっと気付くタイミングがあっただろう」

 

対面に座っていた少年ーー黒い着物を着た赤い髪ーーは真顔でそう言った。

 

真也「空気に溶け込みすぎて気にすることもなかったよー」

 

そう返されたその少年はやれやれと頭を振って、無表情にこちらを見る。

 

?「呑気なやつだな。俺は秦 空(はたの うつろ)。別の所にいたんだが、誰かにこちらに放り込まれたみたいだ。適当に散歩していたらいつのまにかここにいた」

 

名前を名乗った彼は手元にあったコーヒーを一口飲んでまた2人を見る。

 

真也「空ねー。僕は全無真也、真也でいいよー。よろしくー」

 

こいし「私は古明地こいし。こいしでいいよ」

 

空「いや、こいしは知っている。向こうにいたとき俺はここにいたからな」

 

へぇーと適当な相づちを打ちつつパンを頬張る真也。こいしは知ってたのねと言うとそのまま食事を続ける。

 

さとり「私は部屋に戻るわ。2人とも、空さんをよろしくね」

 

口をもごもごとさせながらこくこくと頷き、さとりはそれ見ると食堂から出て行った。

 

空「……」

 

その様子を少しだけ表情が変わったような空が見ていたが、2人は特に気にすることもなく食べ続けた。

 

 

 

    ◆

 

 

 

真也「ごちそうさまー」

 

でしたー、とこいしも続き2人は食器を片づける。空は相変わらず無表情で座ったまま。何かを考えているようにも見えるが、2人はよく分からなかった。

 

真也「さてとー。ご飯も食べたしー、空はどうしたいー?向こうに帰りたいなら帰せるけどー」

 

そう言った真也の発言に彼は、無表情で考え込む。表情が変わらないため何を考えているのか分からないが、たぶん帰るか帰らないかを考えているのだろう。

 

空「……そうだな、もう少しいようかと思う。少し気になることもあるからな」

 

聞かれてから1分もたたぬ内に彼は答えた。

 

その答えを聞いた真也は特に驚くこともなくいつも通りだった。こいしも同じような反応をしていた。

 

真也「ふーん。それでさー、気になる事ってなにー?」

 

ストレートに質問する真也に、彼は同じように聞き返す。

 

空「……真也、お前は人間か?」

 

そう聞かれた真也は、何が言いたいのか分かると同時にいつも浮かべている笑みを黒くした。

 

真也「僕は人間だよー?君は覚り妖怪みたいだねー」

 

空「……」

 

答えを聞いても特に驚くことはなかった空。覚りだとバレていたのは、第三の目を浮かばせていたからだろう。

 

真也「なんとなーく、君が聞きたいことは分かるよー。でもねー、それを話すにはちょーっと時間が足りないよねー。いろんな意味でねー」

 

空「……まあ、そうだな」

 

少し黒い笑みを浮かべる真也は、その言葉に壁を感じさせる。いろんな意味と言っているあたり、空のことをあまり信用していないのが分かる。

ちなみに、この場合の時間というのはかかる時間というのもあるが、どちらかというと、会ってからの時間という意味の方が大きい。

 

真也「それじゃあ僕から質問ー。

 

 

 

 

ねぇ。()()()()()()()()

 

空「………………」

 

浮かべた笑みは真っ黒で、聞いた質問は答えが分かりきっていた。聞かれた空も、予想通りに黙り込む。

 

隣に座るこいしは、頭の中に不安一杯で2人のやりとりを見ていた。出来れば、争い事にはなって欲しくないなと考えつつ。

 

空「……それは、答えないとだめか?」

 

1分ほど続いた沈黙を、彼の苦し紛れの問いが破る。その顔は相変わらず無表情だが、なんとなく答えたくないと思っているように感じられた。

 

真也「んー、別に答えなくてもいいけどー。答えないならそれはそれでー、どう考えてたかは分かるしねー」

 

そう言った彼はあははと笑い、笑みをいつものに戻した。空はやれやれと思いつつ、ちらとこいしに視線を向けてから口を開く。

 

空「ところで、真也とこいしは仲が良いみたいだが、なにかあるのか?」

 

こいし「!!??」

 

唐突に自分の、しかも未だに慣れないその手のネタを振られたこいしから、ぼんっ、という音が聞こえたような気がした。彼女の顔はトマトみたく真っ赤になっていた。

 

真也「んー、どうしてそう思ったのー?」

 

隣から聞こえた音とちらっと見える真っ赤な彼女の様子に、少し苦笑いが混じりつつ真也は聞いた。

 

空「なんというか、向こうにいたこいしはこんなに長く一定の場所にいることがなかったからな。しかも、こいしも時々真也のことを見てたし」

 

ふーん、と小さく頷きながら、隣のこいしを見てみれば、小さくあうあう言っているのが目に入った。その様子が可愛いくて真也はちょっと理性が危うかったが、空がいた事によってなんとか耐えた。

 

真也「んーとね、君の思ってる通りだと思うよー」

 

それを聞いた空も納得したようで、1つ首を縦に振ると、少し考えるように無言になった。

 

その様子を何を言うでもなく見つめる真也。こいしは真っ赤になっていて話を聞いている余裕はなさそうだ。

 

空「……1つ聞きたいことがある。いいか?」

 

真也「いいよー。僕に答えられるならねー」

 

沈黙を破った空、真也は胸元のペンダントを弄り始めた。

 

空「2人の関係が俺の予想通りなら、恋という感情はどんなものなんだ?俺はちょっとした諸事情でそういうことがあまり分からなくてな」

 

真也「どういうものか、ねー……」

 

問われたことに対し考え始める真也。その様子を見守る空は向こうであった1人の少女を思い浮かべ、すぐさま消した。

 

真也「そもそもねー?感情っていうものではないと思うよー。なんていうんだろー、相手を思いやることや好きになるのが恋なんじゃないかなー?」

 

空「思いやること、好きになること……。ふむ、少し考え方が違っていたみたいだな」

 

答えを聞いた空はまた考え込んでいるようだった。

しかし、真也は口を閉ざさない。

 

真也「これは僕の考えたことだからー、あんまり重く捉える必要はないよー?まずさー、恋自体があやふやなんだからー、しっかりとした定義なんて作れそうにないしー」

 

空「……そうだな、そうかもしれないな」

 

笑みに少し優しさが混じっていた。彼の笑みに空は謎の安心感を感じ。どうしてそう感じたのかは分からないが、敵ではないと無意識に判断したようだ。

 

真也「さーて、僕はちょっとこいしを部屋に送ってくるよー。空はどうするー?」

 

空「そうだな、あまり2人の仲に割ってはいるのは良くなさそうだ。ここらへんで帰らせてもらおうか」

 

真也「なら送ってから返してあげるー」

 

そう言うとまだ赤くフリーズしてるこいしの手を引いて歩き出す。こいしの無意識を操っているため、無意識に歩いてもらっているのだ。

 

部屋につきこいしをベッドに寝かせた後、真也は外で待っていた空に話しかける。

 

真也「それじゃあ開くよー。ほいっ」

 

かけ声とともに空の目の前に不思議な空間が出来る。見た目が真っ黒で、どこかの賢者の使うものよりも禍々しい。

 

空「……これ、入っても大丈夫なのか」

 

真也「へーきへーき。いろんな人が入ってったけどたぶん大丈夫だよー」

 

たぶんという不安になること極まりない発言に、空は少し嫌な顔をした。

 

空「さすがに無責任過ぎないか?」

 

真也「だって僕そういう能力だもーん」

 

半目で睨む空の視線を、真也はなんのそのと受け流し口を尖らせて答える。

 

空「ん?そういえばまだ能力聞いてなかったな」

 

ふとそのことに気付いた空だったが、睨んでいた目を元に戻すと真也がとても良い笑顔でこちらを見ていることに気付いた。

 

空「なんだ?言えないのか?」

 

真也「……知りたかったからまた今度会ったときに教えてあげるよー。だからー、ばいばーい」

 

少しの沈黙を経て、笑みが黒くなった真也はそう言うとあははと笑いながら空を押した。

 

空「うぉっ。ちょ、おい」

 

真也「今度会うときは僕に聞いたことを自分でも考えて答えを聞かせてねー。その時に教えてあげるよー。その時が来たらだけどねー」

 

穴に吸い込まれた空を追うように、空間から顔を出して真也はそう言うと、にやっと笑っていなくなり、空間は閉じられた。

 

 

 

    ◆

 

 

 

真也「うーん、ちょっーと強引だったかなー?まあいっかー。さーて、こいしは元に戻ってるかなー」

 

そう言いながら、真也は押し込んだ彼のことを考える。

 

真也「(さとりを見るときだけちょっと表情変わってた気がするけどー、これはもしかしてー……)」

 

ご飯を食べていたときに見た光景を思い出し、にやっとした真也はこいしの部屋に入り、今日も1日をゆっくりと過ごす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「あ、向こうのこいしを傷付けたら許さないよって言うの忘れてたー」

 

こいし「さすがにそれは無理があるでしょー……」

 

起きたこいしと話していた真也が言ったことに、こいしは呆れて苦笑いを浮かべていた。




はい、どうでしたかね。

真也「無責任ー」

こいし「私のフリーズ相変わらずだね」

そこは気にしてはいけない。

まったりとしたお昼の一時でしたがどうだったでしょうか。

次回は未定だけど、とりあえず本編を進めようかと。

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!不幸な白蝕龍!?

はいどーも。今回はコラボです。

真也「お相手は 禍津孤王 さんだよー」

こいし「白いマガラさんの転生記 から ヴァイス が来ましたー!」

珍しいかは分からないけど真也がぼけに回ったなぁ。

真也「楽しそうだねー」

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

季節も秋に近づき、夏の暑さが弱まる10月。真也とこいしは季節の変わり目に霧の湖の周りを歩いていた。

 

真也「んー、涼しくて過ごしやすいねー」

 

こいし「ねっ!景色も見てて楽しいしね!」

 

夏から秋に変わるこの頃は草木も、瑞々しい緑から燃えるような紅への移行期間だ。緑色の葉の中に、ちらほらと紅く染まった葉が混じる。 

霧がかかる湖の近くの草木も例外ではなく、色のグラデーションを2人は楽しんでいた。幻想郷の自然は外の世界よりも圧倒的に多く、その量は微々たる変化でさえ、視覚にも分かりやすく映る。

 

 

 

美しい景色を見ながら、湖の周りを歩く2人の頭の上から誰かの声が聞こえてくる。

 

?「なーーーんで俺は空から落ちてるんだよぉーーーーーーー!!!」

 

聞こえてくる怒号に2人はちらりと目を向けると、白の和服に黒髪の少女が落ちてきていた。

 

誰かわからないこいしは不思議なような、可愛そうだなといった目で見ている。だが、その少女を知っている真也はなんというか、何かを察したような顔で見て、こいしの手を取ると何も見なかったように湖から離れるように歩き始めた。

こいしは何か言いたそうに落ちてくる少女と真也に目を行き来させるが、真也に気にしたら負けだよと言われてしまい、何とも言えない表情でそのまま歩く。

 

 

 

そして、

 

 

 

?「どわーーーーーー!」

 

 

 

歩き始めてすぐにそんな声が聞こえたのと同時に、湖から何か───少女だが───が落ちた水音が聞こえた。

それを軽く無視して歩き続ける2人に、湖からあがった少女は、

 

?「いや無視すんなよ!?特に真也!お前気付いてただろ!」

 

声を張り上げて背中を向けて歩く2人、特に真也にツッコミを入れた。

少女に名指しで言われた真也は振り返り少女の方に近付く。彼の浮かべた笑みに面倒くさそうな様子が見えるが、雰囲気は明らかに楽しげだった。

 

真也「あははー。気付いててもスルーするのは大切だよー」

 

?「いや、助けろよ!?俺だったから良かったけど、他の人だったらどうすんだ!」

 

真也「他の人なら助けるよー?」

 

?「なら俺も助けろよっ!!??」

 

笑い声と共にボケたことを言う真也に、その少女は至極真っ当なツッコミを入れるが、返された返答に余計大きな声でツッコまざるをえなくなった。

 

こいし「ねえ、その人誰?知り合い?」

 

今でも完全に蚊帳の外だったこいしが、真也の後ろから頭をひょこっと出して、誰かと問う。

 

?「あー、そういやまだ名前言ってなかったな。俺はヴァイス。まあ、前に真也が俺の世界に来たからその時に知り合った感じだ」

 

聞かれた少女はヴァイスと答え、知り合った経緯も特に聞かれていないが答えた。

それを特に気にする様子もなくこいしも笑顔で言葉を返す。

 

こいし「ヴァイスね!私は古明地こいし、こいしでいいよ。よろしくね!」

 

真也の後ろから横に移動したこいしは、少し不思議そうな顔でヴァイスを見つめる。それに気付いたヴァイスが、どうしたのか問うと、

 

こいし「なんで俺って言ってるの?あなた女じゃないの?」

 

と、なかなか核心をつく質問をした。

その質問に、ヴァイスは少し驚いたような表情になるがすぐに表情を戻して口を開いた。

 

ヴァイス「あー、俺って言ってるのは舐められないようにしてるだけだよ。この方が厳ついだろ?」

 

明らかに視線が違う方向を向いてるのがバレバレだが、こいしと真也は暖かく見守っていた。

 

ヴァイス「なんだよ。ニヤニヤして」

 

訝しそうな表情でそう聞くと、2人は声をそろえてなんでもないと言った。表情はニヤニヤしたままだが。

 

何ともいえない表情になるヴァイスは、ニヤニヤしていることを気にしないことにした。

 

ヴァイス「それにしても2人は息ピッタリだな。内容はおいといて、さっきの全く同じタイミングだったぞ」

 

こいし「えへへー!すごいでしょー!」

 

話題は変わり息がピッタリだったことを誉める。こいしはふふんと胸を張って誇らしげだったが……

 

ヴァイス「無い胸張っても何も変わらな……待て、落ち着くんだ、そのナイフをどかしてくれ」

 

こいし「ナニカイッタカナ?」

 

デリカシーの無い発言に一瞬で背後に回っているこいし。その手には何故かナイフが握られており、ハイライトのない目は狂っているように見える。

 

ヴァイス「ちょ、真也、助けてくれ。この子怖い」

 

そう言って真也に助けを求めるも、求められたら当人はにっこにこ笑みを浮かべて何も言わない。むしろ、さっきより別の意味で笑みが深くなった気がした。

 

真也「んー。残念だけど僕はこいし側だよー?」

 

そう言うとどこからともなく鎌が現れる。真っ黒な鎌を見て背筋がぞっとしたヴァイスは、仕方なく擬人化を解き、龍に戻った。

無意識にそれを察したこいしは離れていたため、逃げ出すことに成功したが……

 

火妖精「わぁー!黒い龍がいるぞー!」

 

水妖精「きゃー!食べられるー!」

 

木妖精「逃げなきゃー!」

 

偶然近くにいた妖精たちにその姿を見つかってしまい、森の中が騒がしくなる。

 

真也「あーぁ、これはどんどん妖怪とか妖精が寄ってくるねー」

 

ヴァイス「誰のせいだよおいっ!」

 

盛大にボケる真也にツッコミを入れたヴァイスは、2人をわしっと掴むとそのまま空へ飛び立った。

 

 

 

   ◆

 

 

 

運良く雲が出ておりその上を飛ぶヴァイス。その背中に乗せられている真也とこいし。2人も飛べるのだが、何故か乗せられている。

 

ヴァイス「いやほんとこの姿でこっちを飛ぶとか想像もしなかったわ」

 

真也「そもそも来るとすら思ってなかったでしょー」

 

やれやれとぼやいていることに真也がツッコミを入れる。こいしはその様子を見てくすくすと笑っていた。

 

ヴァイス「そりゃあまあ来るなんて思ってるはずないだろ。むしろもう会わないような気までしてたわ」

 

確かに、と同意する真也もこいしと同じようにくすくすと笑う。2人とも楽しそうに笑っていた。

 

ふと何かに気づいた真也は、ヴァイスの背中から下を見た。そして、その何かに気づきニヤリと笑みを浮かべる。

 

真也「ヴァイスー。下見てー」

 

ヴァイス「あ?下?」

 

言われたとおり下を見たヴァイスは青ざめた。

その視線の先にあったのは、妖怪の山。それが意味するのは……。

 

真也「天狗来ちゃうよー」

 

ヴァイス「やっぱり不幸だこんちくしょう!」

 

嘆きながらスピードを上げ、その場から離脱を計る。しかし、(ヴァイスにとっては)残念なことに天狗たちは気づいてしまった。

すぐさま数人の天狗たちがこちらに向かってくる。

ヴァイスは舌打ちをし、さらにスピードをあげ逃走する。

 

真也「ちょ、早いよー」

 

こいし「おーちーるー!」

 

ヴァイス「頑張って捕まってろ!」

 

ぐんぐんスピードを上げられ、真也とこいしは振り落とされないよう必死だった。

あがるスピードに次々に過ぎる雲。視界がスピードに慣れる頃にはすでに天狗達を振り切っていた。

 

 

  ◆

 

 

3人は地上に降りた先は魔法の森。

 

ヴァイス「あー。疲れた。帰りたい。なんだって別世界でまで不幸な目に遭わなきゃいかんのだ」

 

降りたった先で見つけた切り株に腰掛け、ぶつぶつと不満を呟く。見るからに負のオーラでいっぱいだ。

 

真也もこいしも苦笑いをしているが、さすがに日も暮れかねないので声をかける。

 

真也「なんだかんだ振り回されてるけどー、帰れるよー?」

 

ヴァイス「帰れるのか!?それはマジか!?やったぜ!やっと帰れる!」

 

帰れるということを聞いたその様子は周りを気にせず、嬉しさを率直に表していた。

ガッツポーズをする彼女の様子を見て、真也は再度問う。

 

真也「今から帰してあげるけどー、未練はないよねー?」

 

言い方に若干の不安を残すが、ヴァイスは少し考え1つ問い返す。

 

ヴァイス「1個聞きたいことがある。前にあったときに確か能力のことを聞いてなかったな。だから聞かせてくれ。お前はお前の能力をどう思ってるんだ?」

 

真剣な目で聞くその声は、それなりの覚悟が感じられる。いつも通りに笑みを浮かべている真也とは真逆で、真也がふざけているようにも見える。

 

真也「そーだねぇー……」

 

どこかを見て呟き、くすりと笑みを浮かべると再度ヴァイスを見る。そして、その表情にヴァイスは驚いた。

 

真也「少なくとも、僕がこうやって笑みを浮かべて生きてるってことで、なんとなく察しは付くかな?」

 

会ってからの語尾が延びる口調も、感情を隠すような、分からせないような笑みも、どちらも無くして彼はその底知れぬ黒い瞳で彼女を見つめた。

 

ヴァイス「……そうだな。なんとなくは察したよ」

 

真也「ふふふ。まあ、僕はこの能力を嫌いでも憎んでも、悲しんでもいないさ。僕にはそんなもの無いようなものにでも出来るから。でもねぇ、強いて言うなら、この能力は呪いじゃなくて、試練みたいなものだと思うよ」

 

無表情に浮かべた笑みは、口角のみをあげ、不完全な笑顔として彼の顔を覆う。それはまるで今の彼を体現するかのように。

 

ヴァイス「はっ。そんだけ言えるなら大丈夫だろう。それじゃあ帰してくれるか?」

 

真也「おっけー。じゃあ、達者でねー?」

 

彼の言葉を聞き、何かに大丈夫だと確信したヴァイスは帰してくれように頼む。しかし、先ほどと一転して今度は明らかに悪い笑みを浮かべている彼の様子に、何とも言えない不安と共に嫌な予感をさせる。

 

そして、それは見事に的中することになる。

彼が手を握りしめると、ヴァイスの前ではなく、足元に空間が出来た。

つまり、重力に従って物は落ちるので……

 

ヴァイス「なんで最後までこんな目に遭うんだよ!!!!!」

 

真也「ちゃんと着けるから安心してねーーー」

 

見事に穴に落ち、暗闇に消えていく。真也の発言にも出来るかぁ!と返して消えていった。

 

こいし「あれで良かったのかな?」

 

真也「たぶん大丈夫だよー。さてとー。帰ろっかー」

 

穴に落ちた残念な少女を見届けた2人は、何事もなかったかのように、その場を後にするのだった。




はいどーでしたかね。

真也「ぼけるのって楽しいねー」

こいし「胸が無いなんてイワセナイ」

大丈夫だ。ここのこいしはまな板ではない!(あるとは以下略)

真也「僕はどんなこいしでもいいけどねー」

あっ、こいしが撃沈した。

さて、こちらよりも先に禍津孤王さんの方で真也が出ているので是非とも見てね(ステマ感)

あと、活動報告にて真也のイメージを聞いてます。
コメントあるとうれしいな。

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!花を愛する男!?

はいどーも。

真也「今回もコラボだよー」

こいし「お相手は 大神 龍 さん!」

霧咲 香くんをお借りしましたー。

真也「団子食べ過ぎー……」

こいし「?」

あれはまあ、演出。
それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

真也「ふぁーぁ。どこ行こうかなー」

 

1人呟く彼の側には、いつもいる彼女の姿が無かった。

彼の恋人は、朝早くに起きてちょっと出掛けてくると言ったきりどこかに行ってしまった。

そんなわけで彼は1人で地上を散歩していた。

 

真也「んー、天子とかぬえとかに会ったらいいなー」

 

そんなことを言いつつふらふらと歩く。無意識を使ったり使わなかったりで、傍目からすると現れたり消えたりと不思議なことをしている。

本人は特になにも考えているわけではないのだが。

しばらく歩き続け、気付けば魔法の森。

 

真也「あー、誰かいるかなー……って、あれー。あの人どこかで見たことあるなー」

 

宛もなく歩いていると視界にどこかで見たことのある人物が入り込む。

空色の髪、ダークブラウンのロングコートに同色のカーゴパンツ。後ろからなのでよく見えないが、記憶をたどれば黒いシャツも着ていたような。

そして、その背中には1本、太刀を差していた。

 

?「はぁ。俺昨日部屋で寝てたはず何だが……」

 

どんよりとした雰囲気を漂わせる男は、肩を落として溜息を付く。

 

真也「なーにしてるのさー」

 

ふっ、と後ろに近寄り真也が声をかけると、一瞬ピクリと震え、振り向いた。

 

?「あ?あー、どっかで会ったか?」

 

完全に忘れられている真也。それを気にすることもなく笑みを浮かべる。

 

真也「会ってるよー。僕は全無真也。だいぶ前に迅真達と一緒にいたよー」

 

いつ会ったかまで言われて男はようやくそんなやついたなぁと、思い出した。

 

?「あ、あー。いたな、そういえば。俺は霧咲香。あの時は忙しかったから記憶から抜けてた」

 

すまんすまんと謝る香に、気にしないでーと返す。真也は思い出したように口を開く。

 

真也「そういえばさー。なんでこんなところにいるのー?」

 

香「あー、たぶん紫に落とされたんだと思う。俺なんかしたっけなぁ」

 

どこの世界でも紫って迷惑なんだなぁと思う真也だった。

 

 

  ◆

 

 

二人は場所を変え、人里の甘味処に来ていた。

 

香「おー、団子うま」

 

真也「ここの団子はいつも美味しいよー」

 

頼んだ団子を頬張りながら幸せそうに咀嚼する香と真也。ちなみに現在2皿目(1皿3本)。

 

香「悪いな。帰してくれる約束に団子までおごってもらっちまって」

 

申しわけなさそうに言う割には、どんどん団子を口に運んでいる。真也はそれを気にする様子もなく、あははと笑いゆっくりと食べる。

 

真也「そういえば香の能力ってなんなのー?迅真と仲良いってことは相当に強そうなんだけどー」

 

追加を頼みながら香に能力を聞く。香は顔の前でそんなことないと手を振った。

 

香「あいつ程強くなんかないぜ。俺はただ植物を生み出せるだけだ。まあ、なんでも作り出せるけどな」

 

それって充分強いじゃん。とは言わない真也だが少し苦笑いを浮かべていた。そして、何か思いついたようで、悪い笑みを浮かべ始めた。

その笑みに気づいた香が、若干引き気味に声をかける。

 

香「なんだか嫌な予感をさせる笑顔だが、俺になんかするわけないよな?」

 

真也「んー?あー、いやねー。別になんてことはないー。あー、でもー、ちょっと頼みたいことはあるかなー」

 

かけられたのを逆によしとした顔で、真也はその笑みのまま少し体を前のめりにする。

 

真也「ちょーっと欲しい花があってねー?」

 

香「あー、ちょっと待った。悪いが、俺は植物を生み出すことは出来るが、花をそのままポンと出せる訳じゃないんだ────」

 

それを聞いた真也はかなり残念そうにしていたが、今度は香が笑みを深くする。

 

香「────そのままは無理だが、成長速度を変えた種なら出すことが出来る。この意味、分かるよな?」

 

真也「それってもしかしてー?」

 

はっとした顔でまたうれしそうな笑みを浮かべる真也。香の顔もにやにやとしている。その間に団子の追加が運ばれてくるが、店員に変な目で見られていたのには気付かなかった。

 

香「それで、なんの花が欲しいんだ?」

 

来た団子を頬張っている香からのその質問に、待ってましたとにやりとする。

 

真也「いくつかあるんだー。欲しいのはね────」

 

それを聞き終えた香はその通りに種を出し、団子を追加した。

 

 

   ◆

 

 

食べ終わった2人は外に出て、人里からも出てきていた。

 

香「ありがとな。団子を食ったのは久しぶりでちゃいと食い過ぎちまったぜ」

 

真也「いやまあさすがに15皿も食べるとは思ってなかったねー。うん」

 

お腹をさする香に、苦笑いで応対する。

さて、と一息つき真也が一歩前に出る。

 

真也「それじゃー、君の世界と繋いであげる。最後に何かあるかなー?」

 

手を握りしめ、いつもの不思議な空間を作り始める真也。香は、それを眺めつつなんとなく思いついた疑問を口にする。

 

香「なぁ、今は楽しいか?」

 

流れるように出たその問いに、真也は一瞬小さく震えた。そして、特に振り返ることもなく、そのまま喋りだした。

 

真也「んー、楽しいとは思うよー?まあ、そうでもなきゃ、今日君と会うことも無かったと思うよー」

 

背中を向けてそう言うが、その言葉には少し悲しい声色を感じる。特に後半は曖昧に濁しているが、絶対にないと言い切っているようにも思えた。

 

香「…そうか。それならいい」

 

それだけ言うと、お互い黙りを決め込む。真也の作り出す空間をじっと何もせずに見つめる香。

完成まで見届け、そこに近付く。

 

香「それじゃあ、その花、大切にしろよ?」

 

真也「わかってるさー。花言葉まで考えてるんだからー。しないわけないよー」

 

一瞬のやりとりに混じった真也の想い。それに気付いた香は、ふっと笑いその中に入っていった。

ちょっとすると空間は勝手に閉じられる。香が向こうに着いたのだろう。

そして、また空間を作り出す。見えた先は地霊殿。真也はなにも言わずにそれに入り、その場には誰もいなくなった。

 

 

  ◆

 

 

帰ってきた真也はすぐに中庭に移動し、もらった種を植えてみる。正直半信半疑であったが、これで嘘を付いても意味はないだろうと思い、頭の片隅へ追いやった。

そして、植えてしばらくすると香の言ったとおり、真也の欲しいと言った色が綺麗に揃えられていた。

そこにあるのは、黒赤色、ダークピンク、ゴールドに近い黄色、オレンジ、青。こちらはそれぞれ1本づつだった。

また、緑、紫のそれも4本づつしっかり花を咲かせていた。

 

真也「おー、本当に出来たねー。薔薇の花言葉もばっちりだし、おっけーそうだねー」

 

彼が香に頼んだもの、それは薔薇だった。植物を生み出すと聞いてすぐにこれが思いついたのだ。これも薔薇の花言葉を読んで覚えていたからである。

綺麗に咲いたそれらを、茎の途中から切り、丁寧に棘を取る。そして、それら全てを部屋に持って行く。事前に紙も適当な物を買って部屋に送っていたのだ。

 

真也「さーて、こいしはともかく、さとりは意味が分かるかなー」

 

渡したときの反応を想像しつつ、計13本の薔薇を持って彼は自室に帰って行った。

 

そしてその夜、地霊殿から嬌声が響くのが聞こえたらしい。




はい、どーでしたかね。

真也「薔薇は大成功かなー?」

こいし「綺麗だった!」

ここで、真也が渡した色別の薔薇の花言葉と本数による意味を書いときます。
こいし宛
・黒赤色…決して滅びることのない愛
・ダークピンク…感謝
・ゴールドに近い黄色…何をしても可愛らしい、希望
・オレンジ…無邪気
・青…一目惚れ
5本…あなたに出会えて本当に良かった

さとり宛
・緑…穏やか
・紫…尊敬
8本…あなたの思いやりと励ましに感謝します

以上が、今話にて真也が渡した薔薇の色別花言葉です。

真也「ぴったりでしょー?」

こいし「狙いすぎだよもう!」

いやぁ、なかなか良い案だと思ったんだ(メタ)

何かあればどうぞ連絡をよろしくです。

次回は、てか次回もコラボの予定。消化するのよー。

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!不穏で不審な巫女!?

はいどーも。
今回は もう眠い さんの リアル から 博麗 をお借りしました。

真也「シリアスー?」

こいし「なのかな?」

シリアスと見せかけた砂糖……と見せかけたシリアスです。
なかなかに濃い気がした()

それでは
「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

地底の入り口、そこに青年が立っていた。

 

?「…あ?なんで俺こんなところにいるんだ?」

 

辺りを見回し、自身が昨日いたところと違うことに気付き、首を傾げる。

幻想郷内ではあると直感的に分かるが、下手に知らないところを動きたくない彼は、どうしようかと頭を悩ませていた。

すると、ちょうど良いところに男女2人組が頭上を飛ぶのが見えた。

しめた、と思い彼は2人に声をかけることにした。

 

 

 

   ◆

 

 

 

真也とこいしはいつも通り地上に向かっていた。時間があれば必ず地上に向かっているが、遊ぶ相手はほとんど変わらなかったりする。

しかし、今日はそんな2人に別の人物が声をかけた。

 

?「あのー?ちょっといいですかー?」

 

声の方向、下から声が聞こえた。2人はそちらを向くと、白いYシャツに黒のスラックスを履いた黒い短髪の青年が立っていた。その腰には木刀があり、大方剣が扱えるのかと思われる。

 

青年を視界に入れ、何だろうと思い2人は地上に降りる。青年も降りてきた付近に歩いてきた。

 

?「突然すいません。お2人はここの住人ですか?」

 

申し訳無さそうに頭を下げながら声をかけた青年。2人はその通りの意をこめて頷く。

 

真也「君は誰かなー?」

 

?「あ、申し遅れました。私は博麗と言うものです」

 

名前を聞かれた青年は博麗と名乗った。2人も同じように名前を告げるが、彼の名前に首を傾げる。

 

真也「博麗?霊夢の知り合いー?」

 

博麗「霊夢さんが生きてるんですか!?」

 

驚いたように声を大きくした彼は、何かに気付いたようで声を元の大きさに戻し再度口を開く。

 

博麗「あの、たぶん私、別のところから来てしまったみたいです」

 

困ったような顔をして俯く彼に、真也は特に何を思うこともなく1つ頷きどうするか問う。一方こいしは何ともいえぬ不信感を彼に抱いていた。

 

こいし「(なんだろう、この人、変な感じがする。よく分からないけど、注意しとこ)」

 

無意識に何かを感じた彼女は、思ったことを頭の片隅に置いておき、2人の話を聞いた。

 

真也「どうするー?すぐに帰してあげてもいいけどー」

 

その真也の問いに彼は首を横に振って、興味津々な様子で答えた。

 

博麗「いえ、ここの地理も知りたいですし、案内してもらえませんか?」

 

彼は地底の案内を希望した。真也は少し驚くが、すぐにいつもの表情に戻り、1つ返事で了承した。

 

2人が案内のために先に立って歩き出す中、博麗は隠した本心の中で隙をうかがっていた。

 

博麗「(こいつら、隙しかないが相当に強いことは分かる。もしかしたらまたどこかで会うかもしれない。今のうちに力量を計っておこう)」

 

その目に不穏な色を隠し、不思議そうな顔で自身を見て待っている2人。彼は()()()()()()()()()申し訳なさそうな顔で追いついた。

 

 

 

   ◆

 

 

 

一行は商店街を歩き始めた。

地底の商店街は主に妖怪がやっているが、一部物好きな人間も混ざって商売をしていた。

店の種類も、土産屋、居酒屋、八百屋、着物屋、甘味処など、生活するのに困らない程度には揃っている。

見回せば居酒屋がよく目に入る。やけに居酒屋が多いのは、ここを開拓したのが鬼だったからである。

居酒屋の占める割合が高いのは、住み着いた鬼がよく飲むからだろう。

そんなこんなでぶらりぶらりと歩きつつ、適当に目に付いたものや、博麗から質問があるものを答える。

 

博麗「ところで、これだけ大きな商店街ならば、それを統治しているようなところもありますよね?」

 

そう言って商店街からもよく見える大きな建物────地霊殿に目を向ける。

 

真也「そうだねー。あそこはこことは違って鬼は住んでないよー。いっぱいの動物とー、僕たち一部の妖怪とかが住んでるんだー」

 

なんとなく子供っぽい言い方にこいしは笑っているが、博麗は少し真剣な表情で彼を見る。

 

博麗「真也さんは妖怪なんですか?」

 

そういった彼の目は真剣そのものだったが、それに対する真也の反応は反対にふざけたようなものだった。

 

真也「僕はただの人間だよー。こいしは妖怪だけどー、僕はなんてことはないただの人間さー」

 

両手を広げ、くるくると回りながら笑みを深くして話す。人間という部分を強調してるように思える。

だが、周りに妖怪が多く住む中でここまで余裕を持って動く少年が、ただの人間とは彼には到底思えなかった。

なにより、彼から感じる得体の知れない力が、それを強く物語っていた。

神妙な表情になる博麗だが、あまり気にすることでもないかとすぐに話題を変えた。

 

博麗「お2人は仲がとても良いみたいですが、もしかしてそういう関係なんですか?」

 

少し悪そうな笑みが見えるが、聞かれた2人は特に何ともない様子でそうだと答える。

こいしが赤面しなかったのは、彼に注意しあまり考えていなかったからか。それとも単に慣れてきたのか。どちらかは分からないが、真也にとっては少し新鮮だった。

 

博麗「こんなことを聞くのもなんですが、お2人はお互いのどんなところが好きなんですか?」

 

その問いに対して、2人は寸分の狂いもなく声を揃えて言った。

 

「「そんなの、全部だよ?」」

 

答えた2人も息の合いように、聞いた博麗はそのお互いの想いように素で驚き立ち止まった。

2人も立ち止まったがここで真也はさらに付け足す。

 

真也「って、言いたいんだけどー、実際は全部なんて言えないよねー」

 

またも驚いた表情になるこいし。博麗も、不思議そうな顔で続きを促す。

 

真也「だってさ?僕はこいしのすべてを知ってるわけじゃないもん。僕は知ってる範囲ではこいしのことが大好きだよ。そういうこと」

 

いつもの伸ばす口調もなりを潜めて、いつもと違う本当の笑みで答えた真也に、こいしは驚きが止まらないようで動きが止まってしまっている。

博麗はその表情から嘘なんて1つもないのだと察する。

少しして復活したこいしが口にしたのは、またも博麗を驚かせるものだった。

 

こいし「びっくりだよ!私も同じ事考えてた!」

 

長く一緒にいると思考が似るという話があるが、この2人に関してはややそれを通り越している。

しかし、2人の関係は通り越すには十分過ぎた。むしろ、似るという程度では足りなかったようだ。

 

博麗「ふむ、2人の仲の良さには感服しますね。私にもそんなことを思えるような人が現れないものか…」

 

どことなく悲しそうな雰囲気を漂わせるが、自ら苦笑でそれを吹き飛ばした。

 

博麗「それで、この商店街以外にはなにがありますか?」

 

真也「さっき言った地霊殿とー、後は喧嘩とかなんかするときのための荒れ地みたいなのかなー」

 

聞かれた問いに間を空けずに返答する真也。博麗は何か考えるような素振りを見せ、口を再度開く。

 

博麗「一応荒れ地も見てみたいですね」

 

その言葉に了承し、2人がまた歩き出す。

一方博麗はまだ立ち止まっており、黒い笑みを浮かべる。

 

博麗「(そろそろ仕掛けてみるか。真也の方が得体の知れない何かがあって、興味がある。狙うはあいつだな)」

 

腰に携えた獲物を軽く触り、前を歩く2人に追いつくように歩き出した。

 

 

 

   ◆

 

 

 

荒れ地に着き、立ち止まった2人。

そこに後ろから博麗があるいてくる。

 

真也「さてとー。これで一通りかなー?」

 

こいし「地霊殿は?まだだよね…………しゃがんで!」

 

いきなりの事に驚く真也だが、すぐにしゃがみ込む。その場でしゃがんだために、何が起きたのか。なぜしゃがまないといけなかったのか、考える暇もなかった。

しゃがんですぐに、後ろから何かのぶつかり合う音が聞こえた。

振り向いてみればこいしがナイフを横にし、振り下ろされた木刀を受け止めていた。

その木刀の持ち主は────博麗。

 

こいし「どういうつもり?返答によっては怪我じゃすまさないよ」

 

危惧していたとおりに襲ってきた博麗に対し、こいしはその瞳に強い怒りを持って睨みつける。

振り下ろした木刀を見て、何か納得したように鼻を鳴らす博麗。その目には何も感情がこもっていないように見える。

よく見た目だと、こいしは頭の中で呟く。

後ろにいる恋人の、怒ったときになる目によく似ている。しかし、2人には決定的な差があった。

それは、それがふりであるか。

真也の場合、一度感情を無くしているため、こもっていないようではなく、こもっていない。

それに対して博麗は、そんな経験をしてきたわけではないと見える。それではいないようでしかない。

 

博麗「どういうつもりも、手が滑っちゃっただけですよ。急に木刀を振りたくなっただけです。その先に彼がいるとは思ってませんでしたよ。私、素振りをしてるときは周りが見えないんです」

 

長々と吐かれた台詞は胡散臭さしかなく、まるでとってつけたようにしか思えないが、当の本人は本気で言っている。もしこいしが心が読めたなら、それが嘘ではないと分かっただろう。あいにく、こいしはまだ完全には開いてはいないので読むことはできないが。

 

こいし「そんな分かりやすい嘘で突き通せるわけ無いでしょ」

 

博麗「嘘じゃないんです。本当ですよ?」

 

明らかに悪意のある笑みを浮かべるが、それすら本当か嘘か分からない。

こいしは再度真偽を問おうとした。

しかし、それを立ち上がった真也が止める。

 

真也「あー、うん。大丈夫だよこいし。博麗は嘘ついてないよ」

 

その言葉に驚いたのはこいしだけではなかった。博麗もそんなバカなと言った顔になるが、すぐさま平静を装う。

 

真也「君さ、心から騙せば嘘もバレないと思ってるでしょ。確かにそれは間違ってないけどさ、それって無意識に本音を隠してるようなものだよ?心が騙されていようが、結局ボロは見つかるよ」

 

ナイフをおろさせこいしの前に出た真也は、いきなり空間を作りだし、右手をつっこんだ。

その先で何かを掴んで引っ張り出す。つかみ取ったのは、博麗の木刀。

 

真也「あとね?こんなただの木刀で僕のこと殺せるだなんて思わないでよ。こんなんじゃ痛みも感じないよ?どうせならねー、うん、こんなのとか」

 

薄ら笑いを浮かべ、冷たい光を瞳に灯し再度空間に手を突っ込む。

今度は日本刀が出てくる。

 

真也「これでようやく血が流れるね。まあ、それでも僕を殺すには足りないよ」

 

そう言って木刀を博麗に放り投げる。

投げられたらそれを受け取った博麗は、表面上冷静に見えた。内心がどうかは知らないが。

 

博麗「はぁ、ご忠告どうも。でも、これでも殺すことは出来ると思いますよ?打ち所が悪ければね」

 

真也「そうじゃないんだよ」

 

少し殺意を込めた視線を飛ばす博麗に、真也はやれやれと手を振り日本刀を自身に向ける。

 

真也「見てなよ。君じゃ僕は殺せない」

 

向けた日本刀をそのまま何のためらいもなく突き刺す。貫通した腹からは血がとめどなく流れてくる。

後ろで息をのむのが聞こえたが、聞こえないふりをして日本刀を引き抜き、話を再会する。

 

真也「君の能力が何かは知らないけど、僕をどうにかするには全く足りないよ。今出来たこの傷だって、もう無くしたから」

 

そう言った時には本当に腹にあった傷は跡形もなく消えていた。流れた血が残っていることから嘘ではないと分かる。

 

博麗「なかなか人間離れしてますね。普通そんなことしませんよ?」

 

乾いた笑いとともに少し後ずさった博麗。

逆に真也は当然といった顔。そして、一歩前に出て、その顔に狂気を張り付けた。

 

真也「君の普通は僕の普通じゃなかったって事。まあ、僕自身人間なのか怪しい気がしてるけどね」

 

そう言って笑うと手を握りしめる。

何事かと博麗が周りを見ると、すぐ後ろに謎の黒い空間らしきものが出来ていた。

 

真也「それを通れば帰れるよ。大丈夫、変なところには飛ばさないから。そんなことしても意味無いしね」

 

再度真也の方を見れば、会ったときの表情を浮かべていた。後ろのこいしはまだ怒りが消えていないが、彼にはどうでもよかった。

 

博麗「そうですか。それではここらで帰らせていただきましょう。また会うとは思いませんが、縁が会えばまた」

 

そう言って中に入っていった。

空間が閉じ、辺りに音がなくなったところでこいしが正面に回り込んでくる。

 

こいし「どうしてお腹に日本刀なんて刺すの!」

 

行き場のない怒りというか、無茶なことをする真也に妥当な怒号が飛んでくる。

聞かれた真也は頭を掻きながら苦笑いを浮かべる。

 

真也「いやまああれが一番効果的かなって思ってねー。大丈夫だよ、なんともないからさー」

 

そうしゃないと憤慨するこいしだが、どれだけ言っても彼にはどうしようもないのが分かっているので、諦めてため息を一つ。そして、腕にしがみつく。

 

こいし「こういう危ないことはやっちゃだめ。分かった?」

 

上目遣いに聞く彼女に、真也は少し焦りつつもお茶を濁して浮き始める。

さらに長いため息がこぼれたが、聞かないことにして真也は地霊殿に戻っていった。




どうでしたかね。

真也「血がぁー」

こいし「レバー食べる?」

のんびりしてんなぁこいつら。
シリアス希望でしたが、ちょっとお砂糖入りました。
箸休めだ。うん。

次回は通常の、そろそろ最後の一人を出そうかなと。

それと、活動報告ちゃんと読んでくださいね?
見てなかったなんて知りませんよ?

それでは次回まで
「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!迷惑被る嘆きの鬼!?

はいどーも。何時もより早く投稿できました。
コラボ回です。

真也「お相手は三度目ー。大神 龍さんー」

こいし「今度は 閃鬼 をお借りしたよ」

今のところネタが出ない限りこれで一旦ストップかな。
ネタぁ……()
さて、それでは
「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

地霊殿から出てすぐのこと。

 

真也「んー、お酒のみたーい」

 

こいし「まだ昼だよ!?」

 

呑気に呟いた彼に突っ込む彼女。時間はまだまだ昼過ぎだ。

秋は過ぎ去り冬になっても、地底は相変わらず日夜宴会のごとき騒ぎよう。地上と違って灼熱地獄跡があるので、地底は地上よりも暖かい。なので妖怪達は冬になってもほとんどは薄着で飲み続けている。

そんな鬼の集まる地底に別の鬼が1人。

 

?「うげ。ここどこだよ……」

 

歩き出そうとした2人の目の前に不思議なスキマが現れ、中から誰かが現れる。

肩甲骨辺りまである栗色の髪、紅葉柄の着物を着た見た目女っぽい男。男だと分かったのは声が男性らしかったからだ。

 

真也「およー?随分と災難な現れ方だねー」

 

こいし「これまた大変そうね」

 

?「初対面の人に哀れみの目で見られる俺ってなんなんだ」

 

2人から若干茶化すような哀れみの目で見られ、名前も名乗っていないがなんとなく元の世界でも扱いがよくないんだろうなと察してしまった。

転がった状態で顔を隠して嘆いていたが、ため息一つこぼして2人を見ると立ち上がる。

着物の汚れを取って口を開く。

 

?「ここがどこだか知らねえが、初めましてだな。俺は鬼の閃鬼。よろしくな、お2人さんよ」

 

頭を掻きながら名を名乗る。彼──閃鬼はどことなく疲れたような雰囲気を放っていた。

2人も同じように自己紹介をする。

 

真也「初めましてー。僕は全無真也。人間だよー、たぶんねー」

 

こいし「私は古明地こいし。あなたの思ってるとおり覚り妖怪だよ。大丈夫、私はおねーちゃんと違ってなんでも喋る訳じゃないよ」

 

閃鬼「あ、あぁ。心読めるのか」

 

心が読めることに少し動揺する彼の様子に、真也は疑問を感じるがそこは気にしないことにした。

 

閃鬼「てか、たぶんってなんだ。お前人間だろ?どう見ても」

 

適当な自己紹介に突っ込みを入れるが、聞かれた本人はどこ吹く風。全く聞いていない。

呆れる閃鬼にいつも通りと笑うこいし。会ったばかりの3人はすでに打ち解けていた。

 

真也「ところでさー、鬼なんでしょー?お酒強いんだよねー?」

 

思い出したように話題を変えた彼に、閃鬼はなんとなく嫌な予感を感じる。

鬼なので弱いわけではないが、あまり飲むと二日酔いが……なんて思考になる。

しかし、そんなことを気にしてくれる真也ではないので。

 

真也「ちょうどいいから一緒に勇儀達の宴に混ざろーよー」

 

こいし「(あっ、嫌って言っても強引に連れてく気だ)」

 

歩きながらニコニコと笑みを浮かべている彼の心を読んで、閃鬼の返答なんて期待してないことを覚る。

そして、なんと言っても連れてかれる運命の閃鬼に心の中で小さく合掌した。

といっても、止めるわけではないのだが。

ちなみに、心を読んでいるので動揺している理由も知っているが、バレたらどうしようという思いが強かったので口にはしないことにした。

一方、嫌な予感を感じつつも拒否をすることでもないと思った閃鬼は、すでに歩き始めている2人に着いていった。

 

 

空いていそうな店を探していた3人。すると、声をかけられた。

振り向くとそこには、閃鬼からすると出来れば会いたくなかったような、真也とこいしはちょうど良かったというような相手だった。

話しかけてきたのは、勇儀。向こうの世界においては閃鬼の姉貴分のような人だ。

 

勇儀「なんか知らない妖力を感じると思えば、こいしと真也と……お仲間か!」

 

現れた彼女は、一瞬顔をひきつらせるも、閃鬼を見てすぐに表情を戻す。この前の出来事がまだ心残りのようだが、仕方のないことだろう。

それはさておき、知らない人物であるにも関わらず、同じ種族とわかったことで仲間と言ってしまった。

これに閃鬼は絶望感を漂わせる雰囲気に、死んだ顔になっていた。

もちろん、ここから分かるのは……。

 

勇儀「さぁさ!飲もうや飲もう!鬼なら酒で腹を割ろう!」

 

陽気に閃鬼の方を掴み、近くの店へと引きずっていってしまった。

完全に空気な2人だったが、顔を合わせてくすりと笑い、その後を追いかけていった。

店に入れば背中を何度も叩かれながら話している2人の姿が。その周りには別の鬼達も見えた。元からいた客のようだ。

 

閃鬼「は、はは……。あ、真也!お前も酒飲むんだろ!こっちこい!」

 

引きつった顔で笑っていた彼だが、真也を見つけると助かったような顔でこちらに呼ぶ。

呼ばれた真也は一瞬そのまま行こうとしたが、何か考え始め停止する。

その様子を不思議そうに見る閃鬼と、思考を読んで苦笑いを浮かべ、その後なぜか菩薩のような表情になるこいし。

とても嫌な予感、というよりかは厄介なことが起きると確信した閃鬼。しかし、それを避ける方法は無かった。

 

真也「いいよー。でもー、こいしと飲みたいからしばらくそっちで飲んでてー?勇儀ー、お酒分けてー」

 

行くとは言ってくれた真也。しかし、すぐにではなくしばらくしてから。

一瞬よしといった顔が見えたが、その後の言葉でだんだんと青ざめていた。

その様子に笑いが堪えられない真也とこいし。

そんなこと知らない勇儀は二つ返事で酒をいくつか渡した。

酒を受け取った2人は、閃鬼にガッツポーズを送って別の席に行ってしまった。

その後ろ姿をひたすら恨めしそうに見つめる閃鬼。

そしてまた肩を掴まれ引き戻される。

 

勇儀「お前はこっちで飲むんだよ!さあ、もっと飲もう!」

 

閃鬼「は、はい(真也覚えとけよ!)」

 

輪の中で飲みながら苦笑いし、心の中で般若の形相を浮かべていた。

 

 

時間は過ぎ去り、飲み始めて5時間は経過しただろうか。地底から月は見えないが、たぶん日は暮れているのだろう。

顔を真っ赤にしてフリーズしかけているこいしと、いい感じに酔った真也が、閃鬼のところへやってきた。

まだまだ元気がある勇儀たちに、そろそろ疲れてきたところの閃鬼。2人がやってくるのを見てようやくかと言った顔をすると、勇儀に一言二言話して2人を押して店から出た。

 

真也「あんまり押さないでよー」

 

閃鬼「押さないでー。じゃねぇよ!どんだけ待たせるんだおい!しばらくって言ってからめっちゃ時間経ってんぞ!酒瓶何本も空けちまったよ!」

 

軽く頭を振りながら呆ける真也に、怒濤の突っ込みを仕掛けた閃鬼。しかし、軽く流され効果はないようだ。哀しみにじだんだを踏んでいた。

 

真也「それでー?外に連れ出したのはそれが言いたかっただけー?」

 

閃鬼「あ、いや、聞きたいことがあってな。さっき勇儀姐さんと話してたら、お前らのことも教えてくれてよ。なんか規格外の能力があるとか、本気の勝負に勝ったとか、いろいろと面白い話が聞けたんだがな」

 

少し酔いの醒めた真也は未だに顔を赤くして上の空なこいしの手を握りつつ、いつもの調子で問いかけた。

それに閃鬼も本題を話し始めた。かなり端折った内容だが、あれだけの時間があったのだから勇儀の知っていることは大半話されているだろう。

能力のところで何ともなさげな顔をしている辺り、彼の世界にも相当な能力の持ち手がいると思える。

それはおいといて、話を続けられる。

 

閃鬼「お前らって付き合ってんだろ?」

 

真也「あー、うん。そうだよー。随分直球な聞き方をするねー。プライバシー考えてよー」

 

閃鬼「いや、プライバシーなんてこの世界に無いだろ……っと、いや、なんでもない」

 

ド直球なその質問に答えながらも切り返した真也の顔は、なにかに察したようだった。

言葉を濁した閃鬼もやっちまったという顔をしていた。

 

真也「まあいいやー。それで、質問ってー?」

 

しかし、彼はそれを気にしなかった。いや、しなかったというよりかは、何か察したように触れなかった。

その事に感謝しつつ閃鬼は聞きたかった質問をする。

 

閃鬼「あ、あぁ。付き合ってるからなおさらだが、もしこいしがいなくなったらどうするんだ?」

 

真也「んー、それが寿命で死んじゃったなら仕方ないよ。僕も死ぬし。でも、誰かが連れ去ったり、万が一殺したりしたら────」

 

未だ直らぬ赤い顔のこいしをちらりと見て質問した閃鬼。真也は握った手に少し力を入れた。

そして、その顔から笑みを無くして無表情を張りつけ、三日月のように口を歪めた。

そして、一言。

 

真也「────後悔させてあげるさ」

 

光の消えた目はどこまでも飲み込まれそうな錯覚に陥りそうになる。そして底冷えするような低い声で発した言葉。

聞いていた閃鬼は感情のこもっていないその言葉から感じた殺意や憎悪に背筋を冷やす。

酒で火照った体を急速に冷やす真也の言葉。

後悔とだけ言ってその他のことを言わない辺り何をするかは分からないが、少なくとも彼の怒りに触れてはいけないと察した。

 

真也「といってもー、そんなことは僕がいたら起きないと思うけどねー。そんな怖い顔しないでよー。僕はただの人間だよー?」

 

凍り付いた空気から一変、いつもの口調に表情。

普段通りに戻してにっこりと笑う。

ふざけたように話しているが、その目の光はまだ薄かった。

 

閃鬼「ほんとお前は人間なんだか怪しいけどな……」

 

ほっと胸をなで下ろし、軽く頭を横に振って苦笑いを浮かべた。

聞きたかったことも聞けた閃鬼は、何か気付いたようで、また暗い雰囲気を醸し出す。

 

閃鬼「あ……。俺、どうやって帰ればいいんだ……」

 

帰り方が分からないことに気付いた閃鬼はがっくりとうなだれる。

そもそも来たときのスキマらしきものも、紫がやったとは限らないので、帰り方が分からないのも当然である。

しかし、こちらの世界では分からなくても帰してくれるのが常のことだ。

 

真也「んー?僕が帰してあげるよー」

 

彼女の手を握っている反対側の手を握り締める。

すると、閃鬼の右側に黒い空間が現れた。

不思議そうな顔でそれを見ている閃鬼に、首を傾げている真也。

 

閃鬼「これ、入っても大丈夫だよな?また変なところに飛ばないよな?」

 

真也「なーに心配してるのさー。今まで何人も帰してるけどそんなことは無かったよー。……たぶん」

 

閃鬼「おいっ!?最後ので不安になるからやめてくれよ!?」

 

疑心暗鬼な閃鬼に大丈夫だと話していたが、つい勢いで口が滑ってしまったようだ。

といっても、実際その後を見れるわけではないので確信は持てないわけで。

でも、入らないことには始まらないので、無理にでも押し込んであげる真也。

 

閃鬼「押さなくていいから!?普通に入れるから!」

 

真也「じゃあぱぱっと入っちゃいなよー」

 

軽く押し問答をしたところで手を離す真也。

一息ついて恐る恐る空間に近づき、まずは手を入れてみた。

入れた先は黒い空間の中で見えないが感覚はあったようだ。

 

閃鬼「これなら大丈夫か。んじゃ、じゃあな。会うかは分からんが、またな」

 

そう告げると空間に入っていった。

少しすると空間は閉じて、帰せたのだろうと察した。

騒がしい客人も帰り、顔の赤い彼女と2人でしばし立ったまま。

未だに赤みの引かない彼女をどうしようかと一瞬悩むが、おんぶすればいっかと気づき、一旦手を離して背中におぶる。

出来るだけ揺らさないようにしながら地霊殿に戻っていった。




はい、どーでしたかね。

真也「お酒おいしかったー」

こいし「うぅん。記憶が……」

お酒の飲み過ぎ(心の読み過ぎ)はダメですね。
特に真也のはね。

こいし「そうだね……」

真也「?」

てなわけで、次回からはネタが生まれない限りは本編進めて行きます。
予定では四話くらいやって、最終章入ります。
それでは次回投稿まで
「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2章地霊異変~初めての異変~
異変の始まり


はい、やっと、異変です

真也「やっとだねー」

こいし「長かったね」

そうですねー、思ったよりも話が増えましたからね

真也「ついに、あの人たちも登場かなー?」

うーん、そうですね、でると思います

こいし「確定じゃないの?」

僕の書くときの気分です笑

真也こいし「「はぁ…」」

うわ、2人してため息つくなんて!もう、始めちゃえ!

では!

「「「スタート」」」


 

 

真也とこいしがお互いの想いを知り、恋人同士になってから一週間が経った

 

真也は最初の目的のスペカも作り(合体スペカも)弾幕ごっこもできるようになった

 

そして、地霊殿の内部をあらかた覚え、やることもなく、こいしと地霊殿をふらついていた2人はさとりを見つけた

 

真也「あっ、さとりだー」

 

こいし「おねーちゃーん!」

 

さとり「きゃっ、びっくりしたわ、最近疲れてるからやめて欲しいわねーこいし」

 

さとりは酷く疲れた様子で言った

 

それに対し2人は

 

真也「どうしたのー?」

 

こいし「休まないの?」

 

と、さとりを気遣う言葉をかけた

 

さとり「嬉しいことを言ってくれるわ。で、疲れてるのは、仕事が多いのもあるんだけど……」

 

そういうとさとりは心配そうな顔で

 

さとり「最近お空が帰ってこないのよねぇ……どうしたのかしら……」

 

それを聞いた2人は

 

真也「仕事が大変で帰ってこれないのかもよー?」

 

こいし「お燐が帰ってきてるなら教えてくれるでしょ?」

 

そう言われたさとりは

 

さとり「確かに最初は忙しいかなって思ったんだけど、お空は必ず2日に一回は帰ってくるのよ?それがもう5日も帰ってこないのよ?さすがに心配だわ」

 

真也とこいしは確かにおかしいな、と思った

 

さとり「それに最近お燐も元気がないし、心を呼んでも分からなかったのよね、ただ仕事が疲れたってことだけ」

 

そう言うとさとりは悲しそうな顔をして

 

さとり「なにかあったのかしら……」

 

そう言った

 

真也はお燐を探そうと思い

 

真也「じゃー、僕がお燐に聞いてくるよー。さとりに言えないことかもしれないし」

 

そう言ってこいしの手を取り

 

真也「こいし、いこっかー」

 

駆け出した

 

こいし「あっ!もー!おねーちゃーん!あんまり気にしすぎちゃだめだよーー!?」

 

それだけ言うとさとりの視界から消えていった

 

さとり「ほんと、あの2人は似てるわね……すぐにどこかに行くところもそっくりね」

 

そう呟くと部屋に戻ろうとしたが

 

さとり「あ……お燐がどこにいるか言ってない……」

 

そのことに気付きましたがもう遅いと思い諦めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、地上では…

 

?「じゃあ、行くわよ?」

 

?「こっちは準備オッケーだぜ!」

 

?「私もいつでも行けるわ」

 

?「私も大丈夫です」

 

?「はわわ、初めてですが大丈夫でしょうか…」

 

?「そんなの気にしないでやれることやればいいのよ!じゃ、行くわよ!」

 

5人の人間?達が地底に向かっていた…

 

?「さあ、異変解決の始まりよ!」

 

このとき、既に異変は始まっていた

 

それは、地底以外を知らない真也が初めて地上の人たちを見ることになるとは思いもしなかった…

 

 




はい、短いですね

真也「そうだねー、それよりもさー?なんか異変解決組多くないー?」

こいし「たしか、2人だったはずじゃない?」

そうですね、ここら辺がたぶん原作と違います、口調で誰が誰だか分かるかもしれませんね

真也「まあ、あのコンビは確定だねー」

こいし「残りの3人はいったい…」

ちなみに、真也のスペカは後々出ます

では、また、次回会いましょう

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

あっちこっちそっちどっち?

はい、こんばんわー生きる死神です

真也「タイトルふざけてるねー」

なんか今回の話考えてたらふっと出てきたのを採用しました!

こいし「なんかバカっぽい」

うぐ、確かにバカですけど、やれば出来るはずです!

真也「はいはいそうだねー始めようかー」

(あ、流された)

き、気を取り直して、では、

「「「スタート」」」

※最後にお知らせがあります


 

 

異変解決組が地底に入ってきた頃、

 

真也とこいしはお燐を探しに行こうと外に出ていた

 

が、

 

こいし「どこ探そうと思ってるの?」

 

真也「……よく考えたらー僕お燐がよくどこにいるのか知らなかったー」

 

この考えのなさであった

 

これには呆れたこいしが

 

こいし「お燐は灼熱地獄跡か地上によくいるからそのどっちかだね」

 

お燐のいそうな場所を教えた

 

真也は少し考えて

 

真也「あっついところは嫌だからー先に地上の方に行ってみよー」

 

そう言って駆け出した

 

なにも考えてないであろう真也の様子を見たこいしが

 

こいし「待って真也!そっちは地上の入り口の方じゃないよ!」

 

真也はすぐに止まりこいしの方を向き

 

真也「えぇー、じゃああっち?」

 

と、さっき向かおうとした方とは反対を指差した

 

しかし、その方向ですら間違っていたのでこいしが手をつなぎ、

 

こいし「真也だけに任せたら日が暮れちゃいそうだから、私がしっかり教えてあげる!」

 

そういって最初に行こうとした方向の右に向かって歩き始めた

 

真也はとあることに気付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地底に日ってあったっけ?、と

 

しかし言う前にこいしに引っ張られていたので口に出すことはなかった

 

 

 

 

その頃、地底の入り口では、

 

キスメ「……疲れた……」

 

ヤマメ「ハァ、ハァ、これはきついねぇ、キスメ大丈夫かい?」

 

キスメ「……ちょっと、キツいかも……」

 

ヤマメ「やっぱりかい?私もそうなんだよね結構被弾してるしそろそろ終わりかな?」

 

?「なんの話をしてるのかは分かりませんが決めさせてもらいますよ!」

 

?「早く倒して異変を終わらせてお嬢様に報告しなければ」

 

ヤマメとキスメは異変解決組の内の2人と弾幕を打ち合っていた

 

しかし、もうヤマメとキスメはカードを使い切ってしまい、この手練れの2人に勝ち目がなかった

 

ヤマメはもう終わるであろうこの戦いの中で違うことを考えていた

 

ヤマメ「(いやぁ、こんだけ強いと他の奴らが心配だねぇ、勇儀やこいしは大丈夫だろうけどパルスィやさとり、最近来たあいつはちょっと無理があるんじゃないか?あいつの弾幕ごっこの強さを知らないから何とも言えないがまあ、少しは出来るだろうねぇ)」

 

そんなことを考えながら2人の放ったスペルが直撃し意識が遠くなっていった

 

 

 

 

 

 

一方、真也とこいしは

 

真也「これ美味しそうだねー、今度食べたいなー」

 

こいし「もう!真也!何回寄り道してると思ってるの!?」

 

なぜか寄り道していた、しかもこの忙しいときに

 

真也「うーんと、確かこれで5回目なはずー」

 

こいし「いやそんなこと数えなくて良いからね!?」

 

指折り数えている真也を見てこいしは頭を抱えていた

 

その様子を見た真也は

 

真也「ごめんってー、気になっちゃうんだから仕方ないってーじゃあ行こうー」

 

少し笑いながら歩き始めました

 

しかし、

 

こいし「だーかーらー!そっちじゃないって!あっちだって!」

 

また道を間違えているのであった

 

真也は少し笑ってしまったようで、

 

真也「あはは、ごめんねー?えーっと、あっちー?」

 

その反応に少し不機嫌になったこいしは、

 

こいし「もう!次寄り道したら置いてっちゃうよ?」

 

と、頬を膨らませながら言うのだった

 

真也は少し顔が赤かった

 

こいしは不思議に思い、

 

こいし「真也?顔が赤いよ?体調悪いの?」

 

と心配そうに聞いた、

 

それに対して真也は少し照れているような恥ずかしそうな顔で

 

真也「いや、こいしのむくれた顔が可愛すぎて……ね?」

 

こいしの目を見ながら言った

 

こいしは驚いたと同時に少しずつ顔が赤くなり

 

こいし「なんでそういうこと素直に目を見ながら言うのよ……」

 

と機嫌を治しながら言った

 

(このバカップルめ!)

 

そんな声がどこかから真也には聞こえた気がしたが気にしなかった

 

真也「よし、本当に行こうかー」

 

そう言って手を握り直し、こいしと一緒に歩き出した

 

こいしはまだ顔が赤く

 

こいし「(もー、嬉しいけど恥ずかしいよー!それに、真也のことだから嘘じゃないだろうしー、あぁー、もー、ほんとに恥ずかしい!)」

 

そんなことを思っていた

 

2人はやっと入り口に向かった

 

そして、数分かけてつくとそこには意識を失ったヤマメとキスメがいた

 

それに気付いた2人はすぐに駆け寄り

 

真也「ヤマメ?大丈夫?」

 

こいし「キスメ!どうしたの!?」

 

意識のない2人に声をかけた

 

しばらくして、意識の戻ったキスメに事情を聞いた

 

こいし「大丈夫?まだ、辛いなら寝ててもいいよ?」

 

キスメ「……もう大丈夫……平気だよ……」

 

真也「じゃあー何があったか教えてくれるー?」

 

そう真也に聞かれた真也は先ほど起こった出来事を話し始めた

 

キスメ「……ヤマメと2人で入り口のところで話していたの……あそこは私たちのお気に入りの場所だから……そしたら、急に上から始めてみた5人組が降りてきて、地霊殿はどこって聞かれたの……知らないやつに教えるのは嫌だからヤマメも2人で弾幕ごっこをきて追い返そうとしたの……そしたら負けちゃってこの通り……」

 

まだ意識の戻らないヤマメを心配そうに見ながらキスメは言った

 

真也は気になることがあったがいったん置いておき真也とこいしの本来の目的を聞くことにした

 

真也「あ、そうだー、お燐見たー?」

 

キスメは少し考えると

 

キスメ「……いや、私たちは見てない……気絶してる間に通ったかもしれないけど……それだったらさっきの5人組にあうだろうから……」

 

それを聞いたこいしは灼熱地獄跡の方にお燐がいると思い真也に話しかけた

 

こいし「真也、たぶんお燐は灼熱地獄跡にいると思う。すぐに向かおう?」

 

しかし真也はなにか考えているようでこいしの声が聞こえていない

 

こいし「真也?ねぇ、聞いてる?」

 

真也は、はっ、と顔を振り、

 

真也「ごめん、少し考え事してた」

 

こいしは不思議に思ったが気にせず行こうとした

 

が、真也がキスメに質問をしたので踏みとどまった

 

真也「キスメー、さっきの5人組の服装教えて貰えるー?」

 

そんなことを聞く真也にこいしは

 

こいし「なに聞いてるの真也。そんなことより早く行こうよ」

 

と、催促するが

 

真也「ごめんこいしー、もしかしたら会うかもしれないから聞いとこうと思ってー」

 

そう言われたこいしは納得しキスメの方を見た

 

キスメ「……服装……紅白の腋が出た巫女服着てるやつが1人とそれの青白版が1人……あとは、白黒の変なやつと緑色の服着たやつ……あっ、メイド服来たやつもいた……」

 

それを聞いて覚えた真也は

 

真也「わかったーありがとねーキスメーあとはゆっくり休んでてー」

 

そう言ってこいしと地霊殿に向かった

 

 




お知らせです、活動報告に質問を置いておきました

この先に関わることなのでよければ答えて貰えると助かります

ーーーーー以下、後書きーーーーー

はい、異変解決組の服装が分かりましたねー

真也「これ、原作分かる人一発で分かるねー」

うーん、まあ、人間が異変を解決するんだから、人間で異変解決組の人って言ったらねぇ?

こいし「今回は途中でどうでもいいの挟んだよね」

あれは、ちょっと2人にいちゃついてもらおうかと思いました(^∇^)

真也「ふーん、君の無意識操ってあること無いこと吐かせようか?」

こいし「私も手伝うー!」

ちょ、ちょっと待ってよ、ただ2人の熱いところ書いただけじゃん!読者様にも見たい人いるかもよ!

真也「それはそれー、これはこれー」

こいし「そうそうー」

あ、なんかやばそう、次回のことをいっておこう

次回は、地霊殿に戻ってきます、そしたらそこでは…!?

はい、こんな感じで異変は進みます、残念ながら勇儀は出ませんね、申し訳ありません、直で戻ってもらいたかったので、ちなみに、お燐も無しです、というか、お燐はストーリーの重要なキャラなのでまだ出ません

真也「どこいったのかなー」

こいし「だから、灼熱地獄跡だって!忘れないでよもう!」

あーもう、このバカップルは…

真也「何か言ったー?」ゴゴゴ

こいし「返答次第では能力も辞さないよ?」ゴゴゴ

あ、あかんやつだこれ、よし、逃げます、では、

「「「ばいばーい」」」

にーげろー!

真也「逃がさないよー!」

こいし「待てー!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

『無』だって怒る

はい、こんばんわー、生きる死神です

真也「こんばんわー」

こいし「こんばんわー!」

今回は真也たちが地霊殿に戻ってきます

真也「なにがあるのかなー?」

それは見てのお楽しみ!

こいし「楽しみになるようなの書けるの?」

ザクッ、か、書けますよ………たぶん

真也「たぶんじゃだめー」

こいし「そうだそうだー」

はい、精進します

では、

「「「スタート」」」

※今回はかなり今までで一番長い上にイラッとする表現があるかもしれません、ご注意下さい


 

 

 

真也たちがヤマメたちに話を聞いていた頃、

 

さとりは

 

さとり「真也とこいしはお燐を見つけられたかしら……なぜかあの2人には任せてはいけなかった気がするわ……」

 

お燐を見つけられるか心配していた

 

そして、玄関で手持ち無沙汰に待っていると……

 

?「ここが地霊殿かー?」

 

?「さっきの鬼が言うのが正しければそうよ」

 

?「大きな建物ですね」

 

?「紅魔館よりも大きいかもしれないわね…」

 

?「ここは暑いですね~」

 

そんな声が聞こえてきた

 

さとり「(明らかに真也とこいしではないわね、他の地底のメンバーでもないし……誰かしら?)」

 

と、考えていると

 

玄関のことで聞こえた話し声の原因が入ってきた

 

?「ここにいるってことはあん「はいそうですよ、私が古明地さとりですよ」、はぁーまためんどくさそうなのが来たわね」

 

紅白の巫女とその青白版、白黒の魔法使いに緑色の剣士、メイドがそこにいた

 

紅白巫女「私が何もいってないのに分かったって事はここ「はい、読めますよ、だから、あなたが聞きたいことも分かります」、なら話が早いわ、あなたこの異変のこと何か知ってるかしら?」

 

さとり「(異変?時々見る新聞で地上で何か起こっていたのは知っていたけど、ここに来たという事は地上で何かあったのかしら)」

 

さとりは紅白巫女が言ってることについて考えてはいたが、一向に答えが出せずどう返答しようか困っていた

 

一分ほど考え、

 

さとり「異変のことがなんのことか分からないのでまずは説明してください」

 

そう言われた5人は

 

白黒の魔法使い「地上に怨霊が溢れてきたんだぜ!」

 

緑色の剣士「それで、そのままだと人にも影響があるかもしれないので」

 

紅白巫女「紫に聞いて」

 

青白巫女「ここに来たわけです!」

 

メイド「で、何か知っているのかしら?」

 

さとりはそう言われたのと説明していたときの心を読み驚いた

 

さとり「(地上に怨霊が溢れている!?この方たちが嘘をついてるなんて事はないから…怨霊を管理しているのはお燐……やっぱり、お燐に何かあったのね!)」

 

やっと合点がいったさとりであったが腑に落ちないことがあった

 

さとり「(なんでお燐が怨霊を管理できていないのか、もしかしてお空が帰ってこないことに関係があるのでは?そうだとしたら、怨霊が地上に溢れていることはお燐のなにかのメッセージかもしれない)」

 

そう気づき、改めて5人を見て

 

さとり「地上でなぜ怨霊が溢れているのかは分かりませんが、うちのペットがたぶん原因なのは分かりました。私から言っておくので今日はお帰りください」

 

さとりはそう言った、しかし、

 

紅白巫女「異変解決するのが私の仕事だから任せるわけにはいかないのよね」

 

白黒の魔法使い「おい!私たちもいるんだぜ!」

 

メイド「そうよ、1人でやるのは良くないわ」

 

緑色の剣士「皆で協力するのが早いと思いますよ」

 

青白巫女「そうですよ!協力が一番です!」

 

紅白巫女「あぁーもう、仕方ないわね!で、分かったでしょ?私たちは帰る気はないわ、異変の元凶のいるところを教えてもらいましょうか」

 

全く聞く様子のない5人にさとりはため息をつき

 

さとり「全く……こちらに任せてくれればいいものを……」

 

そして、少し値踏みするように5人を見ると

 

さとり「ならば、私を倒すくらいしてもらわないと先には進めませんよ?」

 

そう言って挑発をかけた

 

それに反応した白黒の魔法使いが怒り

 

白黒の魔法使い「お前くらい軽く倒してやるぜ!」

 

そう言い、弾幕ごっこを始めようとしたが

 

青白巫女「待って下さい!今回は私がやります!まだ一回もやってないからやりたいです!」

 

紅白巫女「それは私もよ?」

 

青白巫女「うぐぐ…体力は温存しといた方がいいですよ!だから、私がやります!」

 

そう言って前に出て

 

青白巫女「さぁ!やりましょう!風祝の力見せてあげます!」

 

大幣を構えて言う青白巫女にたいし、

 

さとりはめんどくさそうに

 

さとり「こっちはいろいろやることがあるのに……早く終わらせて帰ってもらいますよ!」

 

そして2人は大きな声で

 

青白巫女「奇跡の力ご覧に入れましょう!」

 

さとり「自らのトラウマに囚われるが良いわ!」

 

弾幕ごっこを始めた

 

 

 

地霊殿で弾幕ごっこが始まった頃、真也とこいしは

 

こいし「ねぇ真也?なんで服装のこと聞いたの?会うってだけじゃ少し違和感あるよ?」

 

真也にさっきのことを聞いていた

 

真也はこいしの前を飛びつつ

 

真也「会うかもってのはほんとだよー?まあー他にもあるけど……」

 

少し口ごもった真也を変に思い

 

こいし「なぁに?言えないことあるの?」

 

と、真也に近づき問い詰めると

 

真也「えっとねー、一応こんな僕とも話してくれた人たちだし仇でも取れたらなーってね?」

 

真也はこちらを向かずに言った

 

その時の表情が見えなかったが、たぶんいつも通りだろうと思ったこいしは

 

こいし「へぇー、あのときあんなこと言った真也がねぇー」

 

と、少し感心したように言った

 

しかし真也は

 

真也「別に他意は無いよ?僕からしたら地霊殿の家族以外はどうでもいいしね、いちおー世話にはなってるからそうしようかなって思っただけだよ」

 

いつもの口調ではなく真面目な口調で言った

 

こいしはその口調で本気だとわかり

 

こいし「そ、そうなんだー」

 

と、少し気まずそうだった

 

その後、十数分飛び続け、2人は地霊殿についた

 

そして玄関を開けると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにはさとりが倒れていた

 

こいしはそれを見た途端

 

こいし「お姉ちゃん!大丈夫!?ねえ!?お姉ちゃん!?」

 

すぐに近寄り声をかけた

 

さとりは少しキツそうに目を開けこいしを見ると

 

さとり「あぁ、帰ってきたのですね……お燐はいましたか?」

 

自分のことではなくこちらの目的のことを聞いてきた

 

こいしはそれに対し

 

こいし「見つかんなかった!それよりどうしたの!?なにがあったらこんなにぼろぼろになるの!?」

 

そう言ってさとりの服を手に取った

 

さとりはそれを見るとついさっき起こったことを話した

 

さとり「それはさっき弾幕ごっこをして負けたからですね。思いの外強くて服もぼろぼろになってしまいました」

 

真也はそれを聞いて

 

真也「それって紅白巫女と青白巫女、白黒の魔法使いに緑色の剣士、それとメイドの5人組?」

 

さとりは少し驚き

 

さとり「えぇ、そうですよ。私は青白巫女にやられましたが、なぜそのことを知ってるんですか?」

 

真也は聞いておいて良かったと思ったと同時に、大切な家族を傷付けた5人に対し怒りを覚えた

 

真也「地上に向かったらヤマメたちが倒れていて事情を聞いたらその5人の服装を教えてくれたよー」

 

真也は怒りを抑えながら言った

 

そして、こいしに確認をとろうと隣を見た

 

 

 

が、

 

 

 

そこには誰もいなかった

 

それに驚いた真也は

 

真也「こいし!?どこにいったの!?」

 

さとりもその事に気づき

 

さとり「もしかしたら私をほろぼろにしたことを謝らせようとしに行ったのかもしれません!こいしはまだ子供で弾幕ごっこは強いですが、あの5人はたぶんそれよりも強いです!急いでこいしに加勢した方がいいと思います!」

 

そう言い真也を送り出そうとするが

 

真也「それは分かったけどさとりをこのままにするのは嫌だから」

 

そう言ってさとりの服の端をつまみ

 

真也「『服の傷を無くす』、はい、綺麗になったよ」

 

服をの傷を直した

 

それにさとりほ驚いたが

 

さとり「私はいいですから早く行ってあげて下さい!」

 

自分を放っておくように言った

 

真也は少し考えて

 

真也「わかった、さとりは出来るだけ休んでてね?」

 

それだけ言い外に出て行った

 

さとり「こいしは大丈夫かしら……なにも無いといいけど……」

 

こいしの無事を願いさとりに限界がきてその場で意識を失った

 

 

 

 

真也は外に出てさっき言っていたことを思い出していた

 

真也「(確かお燐は灼熱地獄跡にいるはずで、5人組の目的地は地霊殿だった。でも、帰ってくるときに会わなかったってことは帰ったんじゃなくて灼熱地獄跡に向かったはず。なら、そこに行けばこいしもいるはず)」

 

そう考え、こいしの無事を思いつつうろ覚えで灼熱地獄跡に向かった

 

飛ぶこと十数分……

 

 

 

そこには……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5人に囲まれて弾幕ごっこをするこいしの姿があった

 

真也はそれを見てすぐに

 

真也「こいし!!!」

 

こいしの名を呼んだ

 

が、

 

それに反応している余裕がないらしく、しかも5対1の圧倒的不利の状況でさらに追い込まれて疲れ切っているのが、真也の目にもよく分かった

 

真也はそれを見て焦り

 

真也「(どうすればいい!?このままじゃこいしが倒れる……それは嫌だ!でもどうすれば……)」

 

考え込んでしまっていた

 

 

 

そして、その時は訪れる

 

こいしは長時間弾幕を打ち続けていたのか、だんだん動きが遅くなっていた

 

そして一瞬の隙をつかれ、白黒の魔法使いの弾幕が当たり、気絶してしまった

 

こいしが気絶して落ちてきていることに気付いた真也は

 

真也「こいし!」

 

すぐにキャッチしてこいしの様子を見た

 

真也「(こんなに疲れて切ってて……しかも服もぼろぼろ、なんでやったんだ……)」

 

あまりのこいしの様子酷さに激しい感情に飲み込まれそうだった

 

そして、不意に聞こえてきた声でそれは真也を変える

 

 

 

白黒の魔法使い「やっぱ、弾幕はパワーだよな!」

 

紅白巫女「そんなことないわよ!弾幕は技よ!」

 

緑色の剣士「そんなことはおいといて帰りましょうよ」

 

メイド「そうよ、早く帰りましょう、もう疲れたわ」

 

青白巫女「それより、さっきやってた娘の近くに人がいますよ?こんな所にいるのはおかしくないですか?」

 

青白巫女の一言で真也に気付いた他の4人は

 

紅白巫女「そうね、なんでこんなところにいるのかしら」

 

白黒の魔法使い「そんなの聞けば一発だぜ!おい!そこのやつ!なんでこんなところにいるんだ!」

 

緑色の剣士「ちょっと!少しは状況を考えましょうよ!あの人さっきの娘を抱えて困ってますよ!」

 

メイド「別にそれはいいじゃない、こっちが勝ったんだし」

 

青白巫女「少し不謹慎じゃないですか?あの娘の知り合いかもしれませんよ?」

 

そう言いながら真也に近付いていた

 

そして、真也の後ろにくると

 

白黒の魔法使い「おい!聞いてんのかぜ!?」

 

真也の肩に手をかけこちらを向かせようとした

 

 

 

その時

 

 

 

真也「……絶対に許さない……」

 

白黒の魔法使い「!!??」

 

白黒の魔法使いは驚き少し後ずさった

 

それを見た紅白巫女は

 

紅白巫女「なに怖じ気付いてんのよ、ただの人間でしょ?」

 

白黒の魔法使い「い、いや、そいつめっちゃ怒ってるんだぜ!さすがに驚くだろ、困ってるだけだと思ったら!」

 

そして、誰でも分かるような怒気が周りを覆う

 

緑色の剣士「あぁー確かに怒ってますねー」

 

メイド「なにか癪にさわったのかしら」

 

青白巫女「やっぱりさっきの娘の知り合いですよ!」

 

5人が言い合っていると真也の発していた怒気が消えたことに気付いた

 

青白巫女「あれ?もう大丈夫そうじゃないですか?」

 

そして、真也に声をかけようとした

 

青白巫女「すいませーん、少し話を聞きた「君たちがやったのかな?」……!!??」

 

後ろを向いたまま急に喋り始めた真也を不審に思いながらも

 

白黒の魔法使い「あぁ!そうだぜ!やっと終わったから帰ろうとしたらお姉ちゃんの仇!って急につっこんできたから全員で倒した、それだけだぜ」

 

真也「別に1対1で良かったんじゃ?」

 

紅白巫女「確かに良かったかもしれないけどその娘他のやつより強そうだったから、5人でやったのよ」

 

真也「5人でそうやってこいしを虐めたんだね」

 

メイド「虐めてなんかいないわよ、ただ向かってきて邪魔だったから倒しただけよ?」

 

緑色の剣士「ちょっと!少しは言葉を考えましょうよ!」

 

 

 

 

 

そして、その真也の次の一言で5人はとてつもない恐怖を

感じることになる

 

 

 

 

 

 

真也「ふーん、なら、僕からしたら君たちも邪魔だから倒してもいいんだよね?」

 

恐ろしいほどに低い声は5人の耳を貫くように放たれた

 

白黒の魔法使い「や、やれるもんならやってみろだぜ!」

 

緑色の剣士「そ、そうですよ!こっちは異変解決してきた実力者です!」

 

メイド「それに一人じゃさっきと変わんないわよ?」

 

青白巫女「さすがに無理なんじゃ……」

 

そういって、恐怖を振り払い真也に言った

 

しかし真也は

 

真也「言いたいことはそれだけかな?」

 

先ほどと同じ声で言った

 

その不気味さ、不審さ、恐怖に5人はなにも言えなかった

 

真也はなにも言わないと分かると喋り始める

 

真也「実力者だからなに?そんなの僕には関係ない。1人だからって負けるとは限らない。そして、僕に無理はない」

 

そう言うと真也は笑い出す

 

真也「アハハハハッ」

 

その笑い声に違和感を感じた紅白巫女が真也に声をかけようとした

 

しかし

 

それは振り向いた真也の顔を見たことによって出来無くなった

 

真也「こいしをこんなにやってくれたからには、それなりのことで返させてもらうよ。アハハハハハハハハッ」

 

そう言って振り返った真也の顔は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑っているのに全くの無表情だった…




はい、ついに真也と異変解決組が接触しました

今回誰もいないのは本編があれだからです

そして、次回は弾幕ごっこですね

まだいろいろ考え中ですが頑張ります!

まだ活動報告に募集してますのでよろしくです!

では、ばいばーい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

無情な力

はーい、こんばんわ、生きる死神です

今回は真也の初の弾幕ごっこですね

スペカの表現に悩みましたがもらったアドバイスと自分なりの表現で頑張ります!

では、スタート


 

 

 

無表情な真也は5人に

 

真也「ねぇ?名前くらいは教えてよ、いいでしょ?」

 

と、この場の空気に合わないようなことを言った

 

5人は少し面食らったのと、不審感を持ちながらも答えることにした

 

紅白巫女「博霊霊夢、素敵な楽園の巫女よ」

 

白黒の魔法使い「霧雨魔理沙!ふつうの魔法使いだぜ!」

 

緑色の剣士「魂魄妖夢、半人半霊の剣士です」

 

メイド「十六夜咲夜、完全で瀟洒なメイドよ」

 

青白巫女「東風屋早苗です!祀られる風の人間です!」

 

真也は聞くと少し笑みを浮かべ

 

真也「へぇー、みんな一応人間なんだー」

 

そう言い始めようとする

 

 

霊夢「ちょっと待ちなさい。私たちが言ったんだからあなたも言いなさいよ」

 

霊夢に真也も同じように名前を言えと言われた

 

真也は面倒そうな顔をして

 

真也「全無真也、うーんと『なにも無い」人間ってことにしといて」

 

そう言った

 

霊夢は少し疑問に思い真也に聞いた

 

霊夢「『なにも無い』ってどういうことよ」

 

霊夢がそう言うと他の4人も気になっていたらしく

 

魔理沙「私も気になってたんだぜ!」

 

妖夢「私も気になりますね」

 

咲夜「お嬢様への土産話くらいにはなるかしら」

 

早苗「もしかして……?」

 

同じように口をそろえて言った

 

しかし

 

真也「うるさいなぁもう、他人に教える気なんてないよ、さっさと始めよう」

 

拒否し少し苛立ったように言った

 

霊夢「なら私たちが勝ったら教えてもらうからね!」

 

霊夢はそう言いお札と大幣を構え

 

魔理沙「また勝たせてもらうぜ!」

 

魔理沙は八卦路を構え

 

妖夢「悪いですが斬り捨てます!」

 

妖夢は楼観剣を構え

 

咲夜「生意気なあなたには罰が必要のようね!」

 

咲夜はナイフを構え

 

早苗「あなたに恨みはないですが……やらせてもらいますよ!」

 

早苗は大幣を構えた

 

真也「こいしの仇とらせてもらうね、アハハハハッ」

 

真也が笑いながら弾幕を張ったのをスタートに戦いは始まった

 

 

 

魔理沙「先手必勝だぜ!《恋符「マスタースパーク」》!」

 

スペルを宣誓し八卦路を真也に向け

 

人1人は軽く飲み込めるサイズの光線を放った

 

真也は

 

真也「ふーん、大きいし早いね。でも、そんなんじゃ僕は落ちないよ?」

 

余裕そうに言って魔利沙の攻撃をかわした

 

真也「じゃ、次はこっ「あなたの番は来ないわよ!」次はなにかな?」

 

咲夜が真也の言葉を遮り

 

咲夜「《幻符「殺人ドール」》!」

 

咲夜が言い真也に攻撃をしようとした

 

 

 

 

 

周りがモノクロで動かない世界になった

 

 

 

 

 

咲夜「あなたじゃ私には勝てないわ」

 

そう言ってナイフを投げようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「なにを言ってるのさ」

 

動きが止まったはずの真也が急に動き出し他

 

それに焦った咲夜は能力を解除してしまった

 

咲夜「!?なんで動けるのよ!?」

 

その驚きぶりに周りも不思議に思ったのか

 

魔理沙「どうしたんだぜ?咲夜、お前が驚くなんて滅多にないぜ」

 

霊夢「そうね、珍しいわね、どうしたのかしら」

 

咲夜を心配して聞いた

 

それに対して咲夜は

 

咲夜「わ、私の能力が効かないかもしれないわ……」

 

そう答えた

 

その発言に今度は妖夢と早苗が反応した

 

妖夢「そんなことがあるんですか!?」

 

早苗「時が止まっていても動けるだなんて…」

 

普通ではないことに焦り驚いていると

 

真也「へぇー、咲夜の能力は時を止めれるんだー」

 

真也はいたって興味の無いように言った

 

咲夜は悔しそうに顔を歪めながら

 

咲夜「えぇ、そうね、私の能力は時間を操れるわ、まあ、あなたには効かないみたいだけど」

 

そう言った咲夜は他の4人に顔を向け

 

咲夜「分かってると思うけど、今回の戦いは私は当てにはならないわ。足手まといにはならないようにするから頑張ってちょうだい」

 

そう言いながら他の4人より少し後ろに下がった

 

霊夢たちは驚きつつも案を考えていた

 

霊夢「(咲夜の援護がないのはかなり痛いわね)」

 

魔理沙「(なかなか面白そうなやつじゃねえか!私の十八番を避けられたし楽しめそうだな!)」

 

妖夢「(さてどうしましょうか……)」

 

早苗「(これは手強いですね…)」

 

良い案が浮かばず困っていると

 

真也「そっちがこないならこっちから行かせてもらうよ?」

 

そういってスペカを掲げ

 

真也「《無心「心無い言葉」》」

 

そう告げると同時に真也の周りに大量に黒い霊力玉が漂い始める

 

霊夢「!みんな来るわよ!」

 

霊夢がそう言ったのと同時に真也の周りに漂っていた霊力玉から玉と同じ色のレーザーが放たれた

 

魔理沙「くっ!数が多いから避けにくいぜ!」

 

魔理沙たちは放たれるレーザーの多さに苦戦していた

 

一つ一つから放たれるレーザー自体は細くそこまで速くはないが、あまりにも多く攻撃する隙が見当たらないのだ

 

真也「ほらほらー、そんなんじゃ当たっちゃうよー?」

 

真也はそう言って霊力玉の数を少し増やす

 

妖夢「なっ!まだ増えるんですか!ただでさえキツいのに!」

 

少しといってもあまりない隙間をさらに狭めてくるのだ、妖夢がそう言うのも無理はない

 

霊夢「あーもう!めんどくさいわね!夢符《二重結界》!」

 

いい加減痺れを切らした霊夢が結界を張り周りに大声で言う

 

霊夢「避けてばっかじゃジリ貧よ!頑張って攻めるのよ!」

 

周りを鼓舞しながらお札を放つ

 

魔理沙「お前と違ってこっちは結界なんて張れないんだ!避けに徹するのもしょうがないんだぜ!」

 

実際そうだ、結界を張って守りながら攻撃できる霊夢はいいが、守る手段を持たない魔利沙や妖夢は下手に攻撃しようと余所見すると被弾しかねない状況だった

 

早苗「私も結界を張って守れば!」

 

早苗はそう言い大きめの結界を張り

 

早苗「魔理沙さん!妖夢さん!こっちです!」

 

2人を自分の結界の後ろ側に呼んだ

 

魔利沙「なかなか行きづらいぜ!」

 

妖夢「行く前に被弾しかねないです!」

 

何とか行こうとするも弾幕の嵐に身動きがとれずそのまましばらく避け続け、真也がスペルブレイクするまでたどり着けなかった

 

真也「あららーもうブレイクしちゃったかー誰か1人くらいは落としたかったんだけどなー」

 

悔しがるそぶりの真也に

 

霊夢「こんなのに当たるほどやわじゃないわ!」

 

まだ余裕のある霊夢が言い返した

 

しかし、他の4人、特に妖夢と魔理沙はかなり疲弊していた

 

魔理沙「はぁはぁ、なかなかきついんだぜ」

 

妖夢「精進が足りなかったかもしれません」

 

それを見た真也は

 

真也「誰も落ちなかったけど疲れさせることはできたからいっか。さぁ、次い「やらせないわよ!」むー、今度は霊夢かー」

 

霊夢が真也の言葉を遮りスペカを出し

 

霊夢「今度はこっちよ!《霊符「夢想封印」》!」

 

霊夢が言うと霊夢の周りから7個のカラフルな弾幕が真也に向かって飛んでいく

 

真也「んー、避けよ……っと?」

 

真也は避けようとしたがホーミング性があり避けることは難しいとわかる

 

真也「ふーん、なら、《無符《何処までも追い詰める悪夢」》」

 

宣誓すると同時に真也の周りから小さい弾幕が何十個も生まれ、それは霊夢の弾幕に向かっていく

 

霊夢「まさか相殺する気!?」

 

霊無が驚くのも無理はない

 

なぜなら、霊夢が打った弾幕に対して真也の弾幕は明らかに小さいのだ

 

真也の弾幕の2、3倍はあるような霊夢の弾幕にそんなのでは無理だと思ったからだ

 

真也「あはっ、甘く見てると痛い目見るよ?」

 

そういう真也の顔は笑っている

 

しかし目は笑っていなかった

 

霊夢「(なによこいつは!どうしてこんな強いのよ!)」

 

霊夢は真也の強さに驚きつつも破られることはないと高をくくっていた

 

が、その余裕はすぐになくなった

 

最初は押していた霊夢の弾幕は何度消えてもどんどん出てくる真也の弾幕に少しずつ削られ押し返されていたのだ

 

これには驚いた霊夢や他の4人は

 

魔理沙「こいつ、霊夢の夢想封印を止めれるのか!」

 

妖夢「このままじゃ消えちゃいますよ!」

 

咲夜「もっと押した方がいいんじゃない!?」

 

早苗「でも、どうするんですか!?」

 

霊夢「そんなこと言われても!」

 

焦ったまま時間過ぎ霊夢の弾幕が打ち消されると共に真也の弾幕も止まった

 

真也「あーらら、まーただめだったかー」

 

霊夢「もう!本当に、めんどくさいやつね!」

 

霊夢はそういいお札を投げようとする

 

が、魔理沙が止める

 

魔理沙「待て霊夢!次は私が行くぜ!マスタースパークよりも強いので押し切ってやるぜ!」

 

魔理沙はそう言い八卦路を構え

 

魔理沙「行くぜ!《魔砲「ファイナルスパーク」》!!!」

 

先ほどとはスピードも威力も段違いの魔理沙の光線が放たれる

 

真也「さっきの強化版かーならこっちはこれかな」

 

そう言って真也の頭から足まで霊力玉が8つ並び、真也が正面に手を構えると大きな黒い霊力玉が現れる

 

真也「さあ、1人目を落とそうか《無情「手加減の無い力」》」

 

真也の正面の玉に周りに浮かんでいた霊力玉から黒い線が出て正面の玉に繋がると同時に

 

魔理沙のファイナルスパークでさえ飲み込むほどの超巨大な霊力砲が放たれた

 

魔理沙「なっ!!!」

 

それに驚いた魔理沙は出力を上げて押し返そうとするが勢いは止まることはなくそのまま押し切り

 

魔理沙「うわぁぁぁぁ!!!!」

 

魔理沙を飲み込んだ

 

その光景に唖然とする4人

 

そして霊力砲が止まると魔理沙は気絶していて地面に落ちていった

 

霊夢「魔理沙!」

 

霊夢はすぐに魔理沙を助けに向かった

 

妖夢「なんて威力なんですか……」

 

咲夜「あれは打ち消せそうにないわね……」

 

早苗「どうしましょう……」

 

3人は圧倒的な威力にただ呆然としていた

 

真也「はい、1人目、こいしを倒した人だったしちょうど良いかな」

 

そして、新たなスペカを出して

 

真也「さぁ、次は誰の番かな?アハハハハッ」

 

光の無い目で笑うのだった……




はい、長くなりそうだったので分けることにしました

スペルの表現はどうでしたか?自分なりに考え調べたらこうなりましたね(苦笑)

もしこうしたほうがいいなどありましたら是非感想によろしくです!

次回は明日あたりに投稿すると思います

では、ばいばーい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

感情的な攻撃

はい、こんばんわー生きる死神ですー

前回の続きですねー、果たして霊夢達は勝てるのか?

相変わらずスペルの表現がイマイチかもしれませんがよろしくです

(今回もイライラする、これはウザッってなるような表現があるかもしれませんご注意下さい)

今回はいつもよりは少し長いです

では、スタート


 

 

 

真也は光無き目で霊夢達を見ると

 

真也「さぁ、まだまだ行くよ?もっと頑張らないとさっきの魔理沙みたいになっちゃうよ?」

 

わざと挑発するように言い

 

真也「頑張ってね?《感情「抑えきれなかった怒り」》」

 

スペルを宣誓すると

 

早苗「あれ?なにもきませ……!」

 

妖夢「はったりなんです……!」

 

咲夜「今のうちに攻撃す……!」

 

なくなか来ないスペルの攻撃に3人が怪しみながら攻撃を仕掛けようとした

 

 

 

 

そのとき

 

 

 

真也の方から大量の小さな弾幕が「少し」放たれた

 

いきなりのことに面食らった3人は

 

早苗「随分と不意打ちっぽいですね!」

 

妖夢「この程度!」

 

咲夜「さっきに比べたら甘いものね」

 

少し焦ったが軽く避けた

 

そして今度こそ攻撃をしようとした

 

 

 

 

 

 

またしても急な攻撃に防がれたのだ

 

それも後ろからの攻撃に、だ

 

早苗「!また不意打ちですか!?」

 

妖夢「今度は何です!?」

 

咲夜「いったいなに!?」

 

後ろから現れた大きな弾幕は3人を狙う…わけではなく、そのまま中心に飛んでいった

 

その中心は真也であったが、なぜこんなことをしたのか分からなかった

 

そして、大きな弾幕が真也の周りに来ると、「まるで真也を囲み抑え込むように」止まった

 

その光景に

 

早苗「今度はなにが起きるんです?」

 

妖夢「今度は騙されませんよ!」

 

2人が構えながら待つ中、

 

咲夜「(いったいどういうこと?なぜあのように囲っているのかしら…スペルの名前は確か……抑えきれなかった怒り……よね。……はっ!もしかしてこのスペルは……!)」

 

咲夜は考えていたが答えがでて急いで2人に言おうとした

 

 

 

 

しかし、それには時間が足りなかった

 

 

 

 

真也の周りに抑え込むように止まっていた弾幕が「抑えきれなくなった」かのように弾け飛んだ

 

その事にも驚く3人だったがそれよりも驚くものがあった

 

それは、小さな弾幕の量だった

 

最初に打たれた少しの量とは比べものにならない程の弾幕が同時に放たれたのだ

 

早苗「な、なんて量なんですか!」

 

妖夢「この量はきついですよ!」

 

咲夜「そういうことだったのね!あれは!」

 

早苗と妖夢が焦り驚く中、咲夜が納得しているように目を細めていた

 

早苗「咲夜さん!どういうことですか!」

 

妖夢「簡単でもいいので教えて下さい!」

 

2人は何とか避けながら咲夜に理由を聞こうとしていた

 

咲夜「わかったわ、最初のあれは抑える前の怒り、後から飛んできたのが怒りを抑え込んでいたのよ、そして今のこれが抑えられなかった結果、そういうことよ!」

 

咲夜もぎりぎりのところで回避しながら大きな声で説明していた

 

真也「おぉー、正解だよ咲夜、でも、もう少し早く気付くと良かったねー」

 

真也がうっすらと笑みを浮かべ咲夜に皮肉にも聞こえる賞賛の言葉を送った

 

咲夜「くっ……!これは数が多すぎる……!」

 

咲夜はその皮肉さえも届いていないような余裕のない状況だった

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

2人目の脱落者が現れる

 

妖夢「う、うぅ、そろそろ、きつ、い……!」

 

妖夢に限界が来ていたのだ

 

先ほどのスペルで避けるしかなかった妖夢はその分体力も消耗しており、今回のも相まって限界が来たのだ

 

徐々に妖夢が被弾し始める

 

早苗「妖夢さん!」

 

咲夜「妖夢!頑張りなさい!これを抜ければチャンスがくるはずよ!」

 

2人の激励は妖夢に届いていたのか分からないが妖夢はなんとか凌ごうとしていた

 

真也「アハハッ、もう体力も無いだろうのに頑張るねー早く楽になっちゃえばいいのにー」

 

真也がそう言い放つと共に

 

妖夢「ぐっ……も、もう、だ、め……」

 

妖夢は被弾し過ぎて気を失った

 

早苗「妖夢!うっ、まだ、続いてるですか!」

 

咲夜「ちっ!妖夢もやられるなん……!」

 

2人は妖夢を心配しながらも回避を続けていた

 

 

 

妖夢が落ちていったとき魔理沙を地面に下ろしていた霊夢は

 

霊夢「ちょっ!今度は妖夢!?もう!私は救護係じゃないのよ!?」

 

妖夢を助けに行った

 

 

 

真也の弾幕が終わると共に早苗が

 

早苗「はぁ、はぁ、もう、攻撃はさせません!」

 

スペルを出して宣誓した

 

早苗「《開海「モーゼの奇跡」》!!」

 

早苗が言うと同時に真也の周りに移動が出来無いように制限がかかる

 

真也「移動制限かー、しかも当たるとダメージかーなかなかひどいねーこれー」

 

そんな軽い口調で言う真也に早苗は

 

早苗「あなたの今までのスペルに比べればましですよ!行きます!」

 

真也に言うと自身からも弾幕を放ち始める

 

真也「ははっ、このくらいどうってことないよー」

 

その言い方と同じくらい軽々と避けていく

 

早苗「(なんでこんなに動けるんですか!とてもただの人間とは思えないです!)」

 

早苗はそう思いながらも弾幕の量を増やしていく

 

真也「そろそろ、こっちもお返ししよ「そうはいかないわよ!」むー、なにができるのかな?咲夜」

 

真也は少し鬱陶しそうに咲夜に言った

 

咲夜「ここで終わらせるわ!《デフレーションワールド》!!」

 

いつの間にか後ろにいた咲夜が大量に投げたナイフでこちらを狙っていた

 

真也「あー、これはさすがに避けれないかな?」

 

真也はそう言うと共に早苗の弾幕と咲夜のナイフに被弾した

 

当たりに弾幕の爆発による煙が立ち込める

 

早苗「はぁ、はぁ、や、やりましたか?」

 

咲夜「これでダメだったらどうしようもないわよ?」

 

煙が消えず不安になるなか2人は終わったと願っていた

 

 

 

 

その願いは

 

 

 

 

煙の中から現れた真也によって

 

 

 

 

打ち消される

 

真也「痛いねーでも、これじゃまだ終わらないよ?」

 

真也は被弾はしていたがそこまで体力が削られたようには見えなかった

 

早苗「そんな……これじゃあもう……」

 

咲夜「これはさすがに無理じゃないかしら……」

 

その状況に希望を無くし始める2人

 

そこに

 

霊夢「なーに、辛気くさくやってんのよ!これくらいいつもやってんでしょ?」

 

この状況を打破してくれるであろう霊夢が来た

 

早苗「れ、霊夢さん!」

 

咲夜「それはそうだけど、どう考えても彼は強いわ」

 

2人は多少希望を取り戻したがそれでもこの不利な状況に悲観的だった

 

霊夢「確かにそうかもしれないけど、私たちなら勝てるでしょ?」

 

霊夢はそういって2人を鼓舞する

 

早苗「そ、そうですね!やってやります!」

 

咲夜「そうね、まだ終わってないしね」

 

2人はやる気に満ちていた

 

 

 

が真也の一言に凍りつくこととなる

 

真也「なんかもう終わりみたいに言ってるけど、僕まだスペカ持ってるからね?悪いけど、そろそろ退場してもらうよ?」

 

真也は3人に言い放った

 

そしてスペカを出し

 

真也「さぁ、次は誰かな?《感情「空から降り注ぎ沸き起こる喜び」》」

 

真也が右手を上に向けた

 

するとその手から上に向かって大量に弾幕な打ち出された

 

それと同時に左手を下に向けこちらからも大量の弾幕を打ち出す

 

早苗「今度は何ですか!」

 

早苗が言うのを皮切りに

 

上に打ち出された弾幕は空から降ってくるように

 

下に打ち出された弾幕はまるで沸いてきたかのように上に飛んできた

 

咲夜「今度は上と下からの挟み撃ち!?」

 

霊夢「ほんと面倒ね!しかも性格の悪そうなスペカなこと!」

 

3人は避け始めるがさっきまで落ちた2人を助けていた霊夢はともかく、ずっと打ち合っていた早苗と咲夜にはこれを回避し続ける余裕などなく

 

早苗「れ、霊夢さん後は頼みました……」

 

咲夜「な、情けないけどもう無理ね……」

 

2人は力尽き落ちていった

 

真也「はい、残り1人。さぁさ、霊夢はどこまで避けれるかな?」

 

落ちていった2人を一目で確認した真也は霊夢にそう言う

 

霊夢「誰がこんなのでやられるもんですか!」

 

そう言いながら霊夢は回避しながらお札を投げる

 

しかし霊夢が投げたお札は上と下からくる弾幕により一つも真也には届かなかった

 

真也「ほらほら、早く倒してみなよー」

 

真也は軽く挑発する

 

霊夢「こんなので!」

 

霊夢はその挑発を軽く流しながらさらにお札を投げる

 

そして打ち消されるの繰り返しで真也のスペルに時間がくる

 

真也「ありゃ、終わっちゃったかーさすがは博霊の巫女、強いねー」

 

真也は少し馬鹿にするように霊夢を誉めた

 

霊夢「当たり前でしょ!こんなんでやられてちゃ博霊の巫女なんてできないわ!」

 

霊夢は少し憤慨するが

 

霊夢「それより私のこと知ってたのね」

 

自分のことを知っていた真也に疑問をとばす

 

真也「あぁ、それは……」

 

真也は下を見てある場所を見る

 

霊夢「(あそこは……確かこいつがさっき私たちに喧嘩を売ってきたやつを置いたところだっけ)」

 

霊夢はその事に気づくが真也の表情を見て息をのんだ

 

 

 

その時の真也の表情があまりにも悲しそうだったからだ

 

霊夢「……!」

 

真也は自分がそんな表情をしているとは知らず

 

真也「こいしが教えてくれたよ」

 

それだけ言った

 

霊夢「……そう」

 

霊夢は先ほどの表情を見たせいでなにも言えずやっと開いた口からはそれしかでなかった

 

しかし、そんな霊夢の状態も長くは続かなかった

 

真也がまた光の無い目でこちらを見たからだ

 

真也「さて、こいしの仇、そろそろ終わらせてもらうよ?」

 

真也はそう言い、スペカを出そうとした

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「真也!!!」

 

真也を呼ぶ声が聞こえたのは……




はい、最終的に霊夢1人になりましたね

ほんと真也はチートみたいな強さしてますがいろいろ理由はありますので気にしないで下さい

最後の声、誰か分かりますかね?結構分かりやすいですが…

次回は声の主と弾幕ごっこの結果となにか(その場の流れ)ですかね

では、ばいばーい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

有耶無耶になる勝負

はーい、こんばんわー、生きる死神です

今回は前回の後書きで言ったとおりです

やっと異変が終わりそうです、そしたら日常編に行きますよ(たぶん)

では、スタート


 

 

?「真也!!!」

 

 

 

自分を呼ぶ声に真也は

 

真也「この声は……」

 

その声の方向に期待のこもった視線を向けると

 

 

 

そこには

 

 

 

さっきまで気絶していたこいしがいた

 

真也「こいし!!!」

 

真也はこいしが起きたことに喜び、すぐに向かおうとした

 

しかし、

 

霊夢「勝負の最中によそ見だなんて、随分と余裕なのね!」

 

霊夢が真也に向けて大量のお札を投げてくる

 

真也「あぁーもう。鬱陶しいなぁ」

 

真也はそれを打ち落としたり避けたりして被弾しないようにしている

 

しかし、撃ち落としても避けてもどんどん飛んでくるお札の数に、苛立ちが溜まっていく

 

真也「(早くこいしの元に行きたいのに)」

 

真也は苛立ちと焦りが混じったよく分からない気持ちになっていた

 

そして、その苛立ちが最高潮に達したとき

 

霊夢「くっ!なかなか当たらないわね!ならスペカで「あぁもうしつこい」……!」

 

霊夢がなかなか当たらない真也に苛立ちスペルを使おうとしたとき

 

真也「こっちはこんな戦いどうでもいいの。早く終わ

らせるよ」

 

真也はそう言うとスペカを出し

 

真也「《無符「無為無策な篭の鳥」》」

 

真也が宣誓すると共に霊夢を囲うように鳥籠を模した弾幕の壁が現れる

 

霊夢「なにこれ!」

 

霊夢が驚いていると囲っている鳥籠から攻撃が始まった

 

鳥籠の頂点から一番下に向かってレーザーが放たれる

 

霊夢はそれを軽々と避けて真也に追撃をしようとして

 

真也「それは耐久スペルだから。攻撃したって無駄だよ」

 

真也の声と自分の投げたお札が壁に当たり消えるのを見て避けることに専念した

 

霊夢「なんで耐久スペルなんてもってんのよ!」

 

霊夢が愚痴を言っている間に先ほど放たれたレーザーが弾幕に変わりいろんなところに飛んでいく

 

そして、その弾幕が鳥籠の壁に当たると止まり違う場所の弾幕と薄い線で繋がる

 

霊夢「これは線の上にはいちゃいけないって私の勘が言ってるわね」

 

霊夢の勘は当たっており霊夢が線の上から退いた途端、その薄い線を走るようにレーザーが放たれた

 

霊夢「なんてめんどくさいスペルなのよ!」

 

その後も最初と同じ動きに翻弄され霊夢が避けること

に集中し始めた

 

 

 

 

 

 

その時真也は、

 

真也「こいし!!!大丈夫!!??」

 

こいしの元に飛んでおりこいしを心配していた

 

こいし「うん、もう、動けるくらいには回復したよ。それよりさ、真也はなにしてるの?」

 

こいしは腕をぶんぶん振り動けることを証明したあと、真也になにをしているか聞いた

 

聞かれた真也は少し気まずそうな顔で

 

真也「えっと……こいしの仇打ち……かな?大丈夫だよ、もう4人落としたから」

 

最後の一言はやってやったといった表情だった

 

こいしに答えるとこいしは驚いたあと怒った顔をして

 

こいし「なんで仇打ちなんてしてるの!私は自分から突っ込んで負けただけだし、妖怪だからそんな簡単には死なないよ!真也が弾幕ごっこやることなかったのに!」

 

こいしは自分のことより真也のやったことに怒っていた

 

真也は困ったような顔をしてこいしを宥めるように

 

真也「それは分かってるよ。でもね、自分の恋人がやられて黙ってる奴なんていないと思うんだ。だから、こうしてやってたの。」

 

こいしはそれを聞いて嬉しそうに顔を赤らめて

 

こいしか「あ、う、うん。そ、そうなんだ。私を思ってやってたのね。でも、真也怪我してない?私はそれが心配なの」

 

途中不安そうな表情で真也を見た

 

真也はまったく平気そうな顔で

 

真也「一回2人からの弾幕に被弾したけど、全然大丈夫だよ」

 

真也はそういってこいしに納得してもらおうとした

 

しかし、こいしは気付いていた

 

こいし「ねぇ……少し無理してるでしょ?ほんとはあんまり大丈夫じゃないでしょ?」

 

こいしは真也の嘘を感じ取り真也を問い詰めた

 

真也は驚き表情に焦りがでて

 

真也「そ、そ、そんなことないよ?ほんと大丈夫だって」

 

なんとか疑惑を晴らそうとしたがこいしは真也の言葉を信じておらず、ジトーっとした目で真也を見つめていた

 

やがてその視線に耐えられなくなった真也は本当のことを吐露した

 

真也「うぅ……ばれないと思ったのに……確かに能力を使いすぎて体が重いけどさぁ……」

 

真也は自身の能力の代償のせいだと言った

 

こいしは嘘はついてないなと思い

 

こいし「うーん、ならもう帰ろうよ!巫女だって諦めてくれるでしょ!」

 

真也に帰ることを提案した

 

真也「うん、こいしが大丈夫ならもういいや、帰ろうか」

 

こいしの提案に賛成し巫女に勝負を終わらせることを告げに行った

 

 

 

 

 

真也が巫女がいるところに戻ってくると

 

真也「おぉー、あれを避けきったんだ、すごいね」

 

霊夢が耐えきったことに素直に賞賛の言葉を送った

 

霊夢「はぁ、あれくらい、はぁ、どうってことないわよ、はぁ」

 

息を切らしながらも真也に答える霊夢

 

次に備えて体制を整えようとしたが、真也の言葉に固まってしまった

 

真也「この戦い僕の負けで良いから」

 

真也は霊夢を見て言った

 

霊夢「はぁ!?いきなり負けで良いってどういうことよ!」

 

霊夢は急に言われたことにより混乱して真也にその言葉の真意を聞いた

 

真也「だーかーらー、僕はもうこの戦いをやる必要はなくなったから負けを認めるって言ってるのー」

 

真也も一回で納得してくれると思っていたので、少し怒り気味に答えた

 

霊夢に納得した様子はなく、むしろ怒りが爆発しそうになっていた

 

霊夢「あんだけやっといて今更逃げるわけ!?そんなの許すと思ってんの!?」

 

霊夢は完全に怒っていたが

 

真也「だからなにさ、別に死んでないし、相手が負けを認めてるんだから良いでしょ?」

 

真也も負けじと言うが霊夢は仲間が簡単にやられたことと自分のスペルが聞いていなかったこともあり聞く耳を持たなかった

 

霊夢「とにかく!どっちかが気絶するまで終わらせないわよ!」

 

真也はそれを聞いてめんどくさそうな顔をして

 

真也「はぁ……博霊の巫女がこんなに頑固だなんて……もういいや、悪いけど帰らせてもらうよ……」

 

真也はそう言うと後ろを向き

 

霊夢「帰らせないって言ってんでしょ!」

 

霊夢がお札を投げてくる頃には

 

 

 

 

 

その場にはいなかった

 

 

 

 

霊夢「!?いない!?どこいったの!?」

 

霊夢が辺りを見回しても影も形も見当たらず

 

霊夢「あぁーー!!逃げられたー!!」

 

霊夢は逃げられたことに気づき盛大に怒鳴ったのであった

 

 

 

 

 

真也は霊夢の前から移動し、こいしと共に地霊殿に向かっていた

 

こいし「ねぇ、巫女が怒ってたけど大丈夫?」

 

先ほどの一部始終を見ていたこいしが心配そうに聞くと

 

真也「思ってたより頑固で負けを認めても終わらせてくれなかったから無意識使って逃げてきましたー」

 

真也はおどけたように言った、その言葉にこいしはやれやれ、と思い巫女にドンマイ、と心の中で言ったのであった

 

2人が地霊殿につくとさとりが待っており

 

さとり「こいしっ!!大丈夫だった!?」

 

珍しくさとりからこいしに抱きつきこいしの心配をしていた

 

こいし「わっ!お姉ちゃんから抱きついてくるなんて……明日は雪かな?」

 

こいしは心配されたことより姉の行動に反応した

 

さとりは軽く流されたので

 

さとり「もう!ほんとに心配したんですからね!?こいしまであの5人に怪我させられたんじゃないかと思って冷や冷やしてたんだから!」

 

さとりは少し怒りながらこいしに言った

 

こいし「えーとねー5人とは弾幕ごっこやってやられちゃったけど、真也が代わりに4人倒したみたいだし、服とかも真也が直してくれたよ」

 

こいしは真也を見ながらさとりに大丈夫だということを伝えた

 

さとり「ならいいですけど……それより、真也、あなたほんとに4人倒したの?」

 

さとりはとりあえず納得し、先ほどから話に入らないでいた(空気になっていた)真也に聞いた

 

真也「うんー、紅白巫女以外は倒したよー」

 

真也はなにも考えていないように言った

 

それに驚いたさとりは

 

さとり「1人でやったのですか!?なんて無茶なことを!」

 

真也を少し非難するような眼で見た

 

真也はその視線すら気にした様子もなく

 

真也「別にー割と余裕だったけどー……」

 

真也はそう言ったがこいしがまたジト目て見ていることに気づき、

 

真也「少し被弾しました、はい」

 

と、正直に言った

 

その様子にさとりは

 

さとり「とりあえず今日は休みましょう。また明日話し合いましょうか。私も話さなきゃいけないことがあるので」

 

疲れを取るために話をやめにした

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻った真也は

 

真也「はぁー疲れたー体が重いー眠いー」

 

と、口にしてまもなくベッドに倒れ込みそのまま熟睡した

 

 

 

一方こいしは

 

こいし「(あんなに感情的になるなんて思ってもなかったな。お姉ちゃんのときも確かに怒りは感じたしそのせいで突っ込んじゃったんだけど、真也が言ったときはそれよりもイラッとしたな。前ならこんなに感情的になんてならなかったのに。これも真也といたから私が変わったのかなぁ……)」

 

真也が弾幕ごっこをしたことを聞いたときのことを思い出し物思いに耽っていた

 

こいし「(変わってしまうのは怖いけど……真也が受け入れてくれるなら……それでもいいかな……?真也が変わったときも受け入れられるようにしなきゃ!)」

 

自分の確かな変化を感じながら決意をしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異変は解決した、博霊の巫女とその4人の仲間達によって。

 

しかし、最後に突如現れた謎の人間に倒されたことは誰もが想定外だった。

 

それはのちのち大きな波紋となり真也とこいしに影響を与えるのだが、それはまだ未来の話

 

余談だが相手に逃げられた博霊の巫女は帰るときも怒っており仲間の軽いちょっかいでも爆発しそうだったという

 

妖怪達も退治されるのではないかと気が気じゃなかったと言っていたらしい

 

 

 

 




はーい、ついに決着がつきましたね

真也「あんな終わり方でいいのかなー?」

久しぶりに真也にも来てもらいましたね

真也「久しぶりー」

これで、やっと日常編にはいれますよ!

こいし「その前に宴会でしょ?」

あ、こいしちゃん、確かにその通りです

真也「次回は宴会かー」

真也の言うとおり次回は宴会です、いろんなキャラが出ますので、キャラ崩壊してたらすいません^^;

真也こいし「「そんな出せないでしょー?」」

そ、そんなことないよ!たぶん

真也「たぶんってー…」

こいし「変わらないね…」

は、はい、ではまた明日会いましょう!

「「「ばいばーい」」」

ちなみに、気絶していた4人はまず魔利沙と妖夢は先に落ちていたので復活しその2人が咲夜と早苗を運びました

霊夢は怒っていたので無理ですね笑


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

異変の理由

はーい、こんばんわー生きる死神です

真也「今回は異変の大まかな説明とー」

こいし「初の宴会かなー?」

とまあ、言いたいこと言われましたがその通りなんですよ

真也「いやー、お燐がいなかった理由があれだなんてねー」

(お燐出し忘れてたのは本当に申し訳ありませんでした!本編少し確認していたら気付いてもう間に合いませんでした)ドゲザッ

こいし「なんで作者土下座してるのー?」

真也「これにはふかーい訳があるから気にしちゃだめだよー」

というわけで、

「「「スタート」」」


 

 

 

真也たちが休んだ次の日、今回の騒動の大まかな理由をさとりから聞いた

 

割と長かったので要約すると

 

最近来た山の上にある神社の神がお空に力を与える

   ↓

お空が暴走する

   ↓

お燐が気付いてさとりにバレないようにお空を疲れさせてなんとかする

   ↓

そのうち耐えきれなくなったお燐が地上に怨霊を飛ばし助けを求める

   ↓

結果お空は異変解決組に倒され異変が解決した

 

ということらしい

 

それを聞いた真也は

 

真也「(これは完全に僕らが悪いのかー)」

 

と思っていた

 

そして、それらを聞いたあとさとりから重要なことを聞かされる

 

さとり「それと、今回異変を起こしてしまったので、不本意ですが地上に行き宴会の手伝いと顔合わせのようなことをするそうです」

 

不本意のところを強調しながらさとりは真也、こいし、お燐、お空に伝える

 

お燐「本当ですか?さとり様はよろしいのですか?」

 

お燐はさとりを心配していたが

 

さとり「今回はしょうがないですし、たまには地上も見てみたいですから。それに、真也はまだ地上を見てないでしょう?」

 

お燐に答えて、最後に真也を見ながら聞くと

 

真也「確かに見てないけどー僕のことは気にしなくても良いよー?」

 

真也は遠慮していた

 

しかし、こいしが

 

こいし「いいじゃんいいじゃん!なにか面白い人いるかもよ?行ってみよーよ!」

 

真也に行くことを勧めると

 

真也「うーん、じゃあいっかー」

 

と、特に考えることもなく答えた

 

その会話に

 

さとり「(こいしが頼めばすぐに終わった気がするわねぇ……)」

 

お燐「(あたいもそう思いますよ、さとり様)」

 

お空「(うにゅーよくわかんないけど、仲良いね!お真とこいし様!)」

 

さとりとお燐が2人に聞こえないように小さな声で少々ため息がちに話し、お空は一度言われてるにもかかわらず忘れていた

 

 

 

 

そして、宴会当日

 

真也「へぇーここが幻想郷の地上かー」

 

真也たちは地上にでていた

 

地底のメンバーは全員出てきているが、さとりとお燐は先に行ってしまいお空もそれについて行き、勇儀とパルスィ、ヤマメとキスメも真也とこいしより先に向かっていた

 

なぜ真也とこいしが他の人たちより遅いかというと、真也がまたも寄り道ばかりしたからだ

 

こいし「やっと地上についたよ……ほんと真也は寄り道好きだね」

 

こいしは呆れながら真也に言うと

 

真也「だってーここって元いたところより見たこと無い物が多いから気になるんだよー」

 

そこまで反省した様子もなく返した

 

こいしはそれに、また呆れていたが

 

こいし「それよりさ、幻想郷の地上は真也の元いたところよりどうなの?」

 

気になっていたことを聞いた

 

真也「うーん、こんなに木は生えてないしー、道も舗装されてたしー、空気も汚いしー、こっちの方が全然良いねー」

 

真也は嬉しそうに答えた

 

その様子にこいしは

 

こいし「(嬉しそうだなー、やっぱり向こうの世界は楽しくなかったのね……こっちにきて正解なんじゃないかな?)」

 

そんなことを考えていた

 

 

 

 

しばらく2人で歩き、予め教えてもらっていた道を進み大きな神社についた

 

真也「えーっと、ここが宴会場所の博霊神社かなー?」

 

真也は記憶を掘り下げながらこいしに聞く

 

こいし「うーん、多分そうじゃないかな?そこにある鳥居にそう書いてあるよ」

 

こいしは鳥居を指さして答える

 

真也「ふーん、ここが博霊神社かー」

 

そういいながら境内にはいると

 

さとり「あっ、来ましたね、真也とこいし」

 

先にきて待っていたさとりがいた

 

真也「んー、さとりだーあれー?お燐とお空はー?」

 

さとりしかいないことを不思議に思った真也が聞くと

 

さとり「2人には宴会の料理を作ってもらってるのよ、私は妖怪の賢者に話があるって言われたからここにいるんだけど……」

 

さとりがいない理由を答え、自分のいる理由も言うと

 

?「あら?私を呼んだかしら?古明地さとり?」

 

さとりの近くに急に不思議な空間が開き中から金髪の不思議な服を着た女性が現れた

 

さとり「話があると言ったのはあなたですよ?八雲紫」

 

さとりが心底面倒くさそうな顔をしてその女性(八雲紫と呼んだ)に言った

 

紫「確かに私は話があるとは言いましたが、他の人は呼んでないわよ?」

 

彼女はそう言うと扇子で口元を隠しながら真也とこいしを見た

 

さとりはその視線に気付くと2人を見ながら

 

さとり「あぁ、この2人はちょうど今来て私と話していただけですよ、2人ともなにか手伝ってきてもらえる?」

 

と、紫に説明した

 

紫をこいしを少し見たあと、真也を見て

 

紫「この子、外の世界の子よね?なんで地底にいるのかしら」

 

相変わらず扇子で口元を隠したまま、さとりに問う

 

さとりは特に気にした様子もなく

 

さとり「さぁ?確か気付いたらいたらしくこいしが一緒に住みたいと言ったからそれを了承した、それだけですよ?」

 

2人の事情は言わずに答えた

 

それを聞いた紫は

 

紫「……気付いたらいた、ねぇ……」

 

真也から視線を移さず小さな声でぼそっと呟いた

 

その声は誰にも聞こえなかったが、真也は見られていることに気づき

 

真也「んー?僕になにかー?」

 

そういつも通りに紫に言った

 

紫は胡散臭い笑みを浮かべながら

 

紫「いや、あなたの名前を聞いていないと思いましてね。教えて貰えるかしら?」

 

真也に言った

 

真也はいつもの表情を崩すことなく答えた

 

真也「全無 真也、よろしくねー、えーっと名前は……」

 

真也が挨拶し、紫の名前を知らないことに気付いて

 

真也「なんて名前か知りたいなー」

 

紫にも名前を聞いた

 

紫「あら。私としたことが。私は八雲紫、この幻想郷の創設者であり妖怪の賢者ですわ」

 

そう紫は答えた

 

真也は特に興味を示したこともなく

 

真也「ふーん、紫ねー、よろしくー」

 

と、普通に呼び捨てで言った

 

そして、こいしがすでに手伝いに行っていたことに気付くと

 

真也「あっ!また置いてかれたー!こいしー!どこー!」

 

こいしを探して神社の中に入っていった

 

紫はその様子を見ながら

 

紫「全無真也……うーん、いつ来たのかしら……寝てないから見逃したはずではないんだけど……注意することもなさそうね……」

 

小さな声で真也のことを少し不思議な眼で見ていた

 

そして宴会の準備も終わり(真也は結局こいしを見つけるのに時間がかかりなにもできなかった)、真也の初の宴会が始まった

 

多くの人が集まるこの宴会で真也は多くの人に出会うことになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが、この先の日々を変えるとも知らずに……




てーなーわーけーでー宴会にぎりぎり入りませんでした、まあ、形的には始まったことにはなりましたが

真也「初の宴会かーお酒飲むのー?」

もちろんでしょ!飲んでもらいますけど、それはメインじゃないですからね?

真也「ちぇーつまんないことにならなきゃいいやー」

こいし「楽しければいいの?」

真也「もちろんー!」

まあそれは次回にね?

真也「はーい」

こいし「うんっ!」

あ、お燐を出し忘れていたのは本当にすいませんでしたm(_ _)m

これからはないようにしますのでこれからもよろしくお願いします

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

「楽しいこと」と「つまらないこと」

はーい、こんばんわ、生きる死神です

真也「今回は宴会だねー」

こいし「いろんな人がいるね!」

いやー、いろんな人がいるからめっちゃ長くなったよ

こいし「というか、私空気じゃない?」

そ、それは…その…

真也「んー?(黒笑)」

ちょ、ちょっと待って真也!今回はしょうがないんだ!

真也「ふーん、次は増やしてね?」ゴゴゴ

は、はい!

で、では、

「「「スタート」」」

※最後にまた重要なことがあります、見て貰えるとうれしいです


 

 

スタートした宴会、真也はこいしと共にいろんな人のところを回ることにした

 

最初に行ったのは妖夢がいるところ

 

 

 

真也「妖夢ー、楽しんでるー?」

 

妖夢に宴会を楽しんでるか聞いた

 

妖夢「楽しんでますよー、真也さんはお酒飲みます?」

 

妖夢は答えると共に酒はいるかと聞いてきた

 

真也は少し驚いた顔をすると

 

真也「えっ、こっちって未成年で酒飲んでいいのー?」

 

真也が聞くと隣にいたこいしは驚いた顔をして

 

こいし「えっ?向こうは飲んじゃだめなの?」

 

と、逆に聞き返したのだ

 

その反応に妖夢が反応した

 

妖夢「向こうってなんです?」

 

真也はなにを考えるわけでもなく即答する

 

真也「あぁー、僕外からきたからー外だと僕の年だと酒は飲んじゃいけないんだよねー」

 

妖夢に説明すると妖夢はかなり驚いた顔をして

 

妖夢「外来人なんですか!?真也さん!?」

 

真也はむしろ驚いた顔をして

 

真也「え、気付いてなかったのー?」

 

こいしはその会話に割って入り

 

こいし「真也、たぶんみんな知らないからある程度は説明しときなよ」

 

と、真也に助言した

 

真也は少し思案顔になり、その後まあいいか、と言うような顔で

 

真也「えーっと、今回宴会に来てるみなさーん、僕は全無真也って言いまーす。外の世界から来た外来人?でーす、よろしくー」

 

と、大きな声で軽い自己紹介をした

 

その反応は様々であり

 

?「ふーん、外来人ねぇ……なかなかおもしろそうなやつね」

 

おもしろそう、と目を鋭くする者や

 

?「へぇー、外の世界から来たならまだどこも信仰してないよな?」

 

自分の神社を信仰してもらおうかと狙う者もいたり

 

?「あの人が魔理沙の言ってた真也ね……」

 

友の話を聞いて興味を持つ者

 

?「こいつは良さそうな奴が来たな!」

 

なにか確信したようなことを言う者

 

今のは例だが様々な反応があった

 

そして、妖夢のところでも反応はあった

 

?「あなたが妖夢を軽く倒した子だったのね~少し予想外よ~」

 

そう言いながら近寄ってきたのは、桃色の髪に貴族のような青い豪華な服を着た女性が真也のところに来た

 

真也「誰ー?」

 

真也は名前を聞いた、その女性は、ふふふっ、と無邪気な笑顔を浮かべながら

 

?「あら、ごめんなさい。私は西行寺幽々子よ、幽々子って呼んで?」

 

真也は

 

真也「幽々子ねーよろしくー」

 

と軽く返した

 

幽々子はそれを聞いてから先の顔のまま

 

幽々子「ところで、真也君はどうやって妖夢に勝ったのかしら?少し気になるのだけれど、もしかしてその隣の子が代わりにやったのかしら?」

 

と、妖夢に勝ったことを聞いてきた

 

真也はいつもの笑顔のまま

 

真也「ふつーに弾幕ごっこやって勝ったよー、こいしはその時は気絶してたねー」

 

真也は答えながらこいしを見て少し真剣な顔をしたように幽々子には見えた

 

幽々子「普通にねぇ……うちの妖夢はそこまで弱くは無いはずなのにね~妖夢~?教えて貰えるかしら~?」

 

幽々子は妖夢を捕まえると妖夢に聞いた

 

妖夢「いえ、本当に普通の弾幕ごっこですよ、幽々子様」

 

妖夢は真面目に答える、幽々子はそれを聞いて

 

幽々子「ふーん、まあいいわ、お酒はいかがかしら?」

 

もうどうでもいいかのように、真也に酒を勧めた

 

真也はそれを

 

真也「じゃあ、もらうーありがとー」

 

とふつーに貰った

 

こいしは

 

こいし「えっ?いいの?飲んでも」

 

先ほどとは違う反応に戸惑っていると

 

真也はそんなこいしを優しい笑みで見ながら

 

真也「ここは幻想郷でしょー?別に外のことなんて気にしなくても良いかなーってねー?こいしも飲もー?」

 

と、こいしにも勧めた

 

こいしは納得して

 

こいし「ありがと!」

 

受け取った

 

幽々子「あなたたち仲が良いわね~」

 

幽々子はその様子を微笑ましそうに見て言うと

 

真也「だよねーありがとー」

 

真也は笑顔で答え、こいしは

 

こいし「そ、そうだよね、そう見えるよね」

 

少し焦ってるかのように見えた

 

真也はそろそろ移動しようと思ったのと同時にこいしの反応で何かいわれそうと思い

 

真也「そろそろ他のと子にも行くねーまたねー妖夢と幽々子ー」

 

と、こいしの手を引いて移動した

 

その後ろ姿を見ながら幽々子と妖夢は

 

幽々子「あの2人ほんと仲良いわね~まるで恋人同士みたいね~」

 

妖夢「そうですね」

 

と、笑っていた

 

 

 

 

真也たちは次に咲夜が入るところに行った

 

真也「咲夜ー楽しんでるー?」

 

お決まりのように言うと咲夜は

 

咲夜「えぇ、楽しんでるわ」

 

と、返した

 

そして、真也が来たことに気付いた周りの人たちは

 

?「あなたが真也ね、咲夜から話は聞いてるわ、随分と軽くやってくれたみたいね」

 

どことなくカリスマの漂う見た目幼女が言う

 

真也「んー?君は誰ー?咲夜の家の子供かなー?」

 

真也は悪びれる様子もなく言うと

 

その発言に怒った幼女は

 

?「誰が子供よ!私はレミリア・スカーレット!紅魔館の主で500歳の吸血鬼よ!」

 

と先ほどのカリスマなど無かったかのように、見た目相応の反応をした

 

その反応を見ていた咲夜は鼻を押さえて消えていたがそれは気にせず

 

真也「レミリアねーよろしくー」

 

軽く流す真也、その反応にまた怒ったレミリアは

 

レミリア「なんでそんなに軽いのよ!私は夜の王の吸血鬼よ!あなたなんて片手で捻れるのよ!?」

 

もはや必死すぎてかわいいと思えるような状態だが、真也はスルーして

 

真也「他の人も名前教えてー」

 

周りにいた人たちの名前を聞いた

 

軽くスルーされたレミリアの怒った声が聞こえるが無視していると

 

?「初めまして、私は紅美鈴。美鈴と呼んでください」

 

中華風の服を着た少女が言い

 

?「パチュリー・ノーレッジ、魔法使いよ」

 

紫色の髪に紫色の服という紫ずくめの格好をした少女が言い

 

?「パチュリー様の使い魔、小悪魔です、気軽にこぁとでも呼んでください」

 

赤い髪に小さい羽の生えた真面目そうな女性が言い

 

?「フランドール・スカーレット!フランって呼んで!」

 

金髪に赤い服を着て、背中に宝石のような物がぶら下がった幼女が言った

 

真也はそれらをすべて聞いてから

 

真也「美鈴にパチュリー、こぁにフランねよろしくー」

 

いつもの笑顔で答えた

 

するとすぐに美鈴が話しかけてきた

 

美鈴「あなたが咲夜さんを倒したんですよね?」

 

咲夜を倒したことを聞いてくる美鈴

 

真也「うん、普通の弾幕ごっこで倒したよー」

 

いつも通りに答えた

 

美鈴は少し期待したように

 

美鈴「なら今度私ともやってくれませんか?是非とも咲夜さんに勝ったあなたの実力を見てみたいのですよ」

 

真也はその提案を

 

真也「うーん、僕の気が向いたらでいい?美鈴はどう見ても格闘家だし弾幕ごっこ苦手でしょー?そんな人とやるのは弾幕ごっこじゃない気がするしー」

 

と、断った

 

美鈴は少し驚きながらも落ち込んだ様子で

 

美鈴「バレてましたか……では気が向いたら弾幕ごっこでいいのでお願いしますね?」

 

それだけいい美鈴は他のところへ行った

 

真也はそれを見送るとこいしに話しかけようと思い隣を見た

 

しかし、そこにはこいしはいなかった

 

真也「あれ?こいしー?」

 

こいしはどこかと辺りを見回すとフランと2人で話していた

 

どうやら気があったようでもう仲良くなっていたのだ

 

真也「こいしーそろそろ次のところいこー?」

 

こいしに近寄り言うと

 

こいしではなくフランが真也に近寄り

 

フラン「ねぇねぇ!あなた外から来たんでしょ!?今度外の話聞かせて!?」

 

目を輝かせながら真也に頼んできた

 

こいしもフランに話して欲しいらしく

 

こいし「フランはいい子だから大丈夫だと思うよ」

 

フランの後押しをした

 

真也は少し考えてから

 

真也「わかったー今度行くねー」

 

それだけ言い移動することにした

 

こいし「あ、待ってー」

 

こいしもついてくる

 

 

 

 

 

真也「次は早苗のところかなー?」

 

そう言いながら早苗に近づき

 

真也「早苗ー楽しんでるー?」

 

本日三度目のセリフに

 

早苗「楽しんでますよー」

 

と、お決まりの、返しをもらう

 

?「あんたが真也か、私は八坂神奈子、守矢神社に奉られてる軍神さ」

 

大きな注文縄を背負った女性が自己紹介をし

 

?「私は洩矢諏訪子、祟り神さ。それより真也はどこかを信仰してるかい?」

 

2つ目のついた帽子をかぶった幼女が話しかけてきた

 

真也「神奈子と諏訪子ねーよろしくー、で信仰はーしてないしする気もないかなー」

 

真也は挨拶しながら諏訪子の質問に答えた

 

諏訪子はなぜかと聞いてくる

 

真也はそれに対して

 

真也「んー、さぁねー」

 

理由を教えることなく流した

 

神奈子が不思議に思い追及しようとしたがこいしがにらんでいることに気づき

 

神奈子「なんだい、そこの娘に睨まれるようなことをした覚えはないんだけどねぇ」

 

こいしに聞くが、こいしはぷいっと違う方向を向いてなにも言わなかった

 

その様子にまた疑問を感じるが早苗が真也に質問したことでそれを忘れた

 

早苗「それよりも!真也さん!外の世界から来たってことは、アニメとか分かりますか!?」

 

と、食い気味に聞いてきたからだ

 

真也は若干引きながらも笑顔は絶やさず

 

真也「ご、ごめんねーあんまり見てないからわかんないなー」

 

早苗の期待に反した答えを返した

 

その返答に早苗は落胆したようで

 

早苗「そうですか……でも、外の世界出身は同じですからいろいろ話せることはありますよね?」

 

とりあえず話題を作ろうとした早苗は真也に聞く

 

真也「早苗も外の世界から来たんだーどうやってー?」

 

真也は来た方法に興味を持った

 

早苗は少し予想外のことを質問され面食らったが

 

早苗「そ、それは神社とともに儀式を行い飛ばしたんですよ」

 

と律儀に答えた

 

その答えに満足したのか興味を失ったのかは分からないが真也は

 

真也「そっかーそれじゃあまだ回ってないところもあるからそろそろ行くねー」

 

と、こいしと共に移動した

 

 

 

真也「うーん、次は魔理沙かなー?」

 

そう言った真也は魔理沙がいたところに来て

 

お決まりの流れをやった

 

そして、その近くにいた金髪の女性が

 

?「あなたが真也ね。魔理沙から話は聞いたわ、とんでもないパワーのレーザー打ったとか」

 

真也「うんー、そうだけど、君は誰ー?」

 

名前を知らない女性に聞くと

 

?「私はアリス・マーガトロイド、人形使いと言ったところかしら」

 

よろしくの意をこめて頭を下げながら自己紹介をした

 

真也「アリスねーよろしくー」

 

と真也も軽く頭を下げた

 

アリスはそれを見てから真也に質問した

 

アリス「あなた、魔理沙を倒したって聞いたけどだうやったのかしら?」

 

美鈴が聞いたことと似たようなことを真也に聞く

 

真也はそれに対して美鈴と同じように返してアリスに質問する

 

真也「アリスって人形使いって言ってたけど人形を操れるのー?」

 

その答えをアリスは実際に操って見せることにした

 

アリス「ほら、この通りよ」

 

上海「シャンハーイ」

 

蓬莱「ホウラーイ」

 

2体の人形が現れた

 

真也はそれを不思議そうに見て

 

真也「へぇー、ほんとに操ってるんだー生きてるみたいー」

 

と素直な感想を述べた

 

アリスは嬉しそうに笑うと

 

アリス「そう言って貰えると嬉しいわね、私は完全に自立した人形を目指してるからそれに近づいてるってことがわかるわ」

 

そう言って喜んでいた

 

真也が人形を見てほっこりしていると

 

こいしが

 

こいし「真也ーお腹減ったー何か食べよー?」

 

お腹が減ったことを主張した

 

真也「そっかーそれじゃあ早く回るの終わらせて食べよっかー」

 

そう言ってアリス達を見て

 

真也「またねーアリスー」

 

そう言って最後の霊夢がいるところに向かった

 

 

 

真也が霊夢を最後にしたのは理由がある

 

それはもちろんここの主だから最後にしたというのもある

 

が、本当の理由はこの前の勝敗で絶対にこじれると思ったからだ

 

そして真也の予想は当たることになる

 

霊夢がいるところにいくと

 

霊夢「あぁー!あんたはー!」

 

真也がくると同時にすぐに怒りながら寄ってきて

 

霊夢「ちょっと!勝ち逃げなんて許さないわよ!」

 

真也はその様子にため息をつきながら

 

真也「もー、僕の負けで良いって言ったじゃんー、しつこいよー」

 

霊夢を宥めるように言うが霊夢全く落ち着く様子もなく

 

霊夢「あんだけやっといて負けだなんてどう考えても無理があるわ!」

 

霊夢の発言を聞いた先ほどまで霊夢と酒を飲んでいた幼女、それに付き合わされていたような少女が近くに寄ってきて

 

?「霊夢がやられるってどういうことだい?」

 

二本の角の生えた小さな少女が言った

 

?「それは私も気になりますね」

 

黒い翼の生えた真面目そうな少女が言った

 

真也は答える前に

 

真也「その前に名前を教えてよー」

 

真也にそう言われた2人はすぐに答えた

 

?「私は伊吹萃香、鬼さ」

 

幼女が言い

 

?「あやや、失礼しました。私は清く正しい幻想郷の伝統ブン屋、射命丸文です。どうぞよろしく」

 

少女が言った

 

真也「萃香に文ねーよろしくー」

 

それだけ言うと周りを見て

 

真也「(はぁ、さっきの霊夢の怒号のせいで周りの意識がこっちに向いちゃったよ。めんどくさいし、絶対周りもこっちの話を聞いてるんだろうなー、はぁ……)」

 

真也は内心ため息をついていた

 

そんな真也の思いを知らない2人は真也に聞く

 

萃香「で、どういうことか教えてくれるかい?」

 

文「ぜひ教えて下さい!」

 

真也は今度は本当にため息をつき

 

真也「はぁ……、えっとね、霊夢が言ってるのは異変解決しに来た5人と僕が弾幕ごっこをやって、霊夢以外を倒してから僕が負けを認めて、逃げたことを怒ってるんだ」

 

真也が言ったことに驚くこの場にいる全員

 

萃香「ほんとかぁ?あの四人がそう簡単に負けるようには思えないがなぁ」

 

文「いやーそれが本当だったらスクープものですよ!」

 

萃香は疑い、文は目を輝かせ喜んでいた

 

そこで、さっきから放置されていた霊夢が話に入ってくる

 

霊夢「だから、どう考えたって私の負けなのに勝手に自分の負けで良いとか言われて逃げたのが気に食わないのよ!」

 

霊夢は今にも噛みつきそうな状態だ

 

そんな霊夢の様子を見た真也は

 

真也「はぁ、じゃあ、もう引き分けで良い?確かに僕は4人倒したけど全員は倒せてない、倒す前に逃げたから、それでいいよね?」

 

めんどくさそうな空気を全面に出して最大限の譲歩をした

 

霊夢はまだ納得していなそうだったが

 

霊夢「む~、しょうがないわね!それでいいわよ!」

 

霊夢はそれだけ言うと酒を飲もうとしたがあることを思い出し、再度真也の方を向いて

 

霊夢「そういえば、聞いてなかったけどあんた能力あんの?あったら教えなさいよ」

 

能力を聞いたのだ

 

そのことにこいしはこれはいけないと思った

 

こいし「(このままだとまた真也が悲しい顔をするはめになる!それはどうにかしたい……)」

 

こいしが不安そうな顔を浮かべながら考えていたとき、真也はちらっとこいしを見て嬉しそうに笑うと

 

真也「僕の能力は、「『無』を操る程度の能力」だよー」

 

なんと少しも気にした様子もなく言ったのだ

 

これには全員が驚いた

 

こいしもだ、まあこいしの場合は少し理由が違うが

 

こいし「(えっ!?なんで言っちゃうの!?またあんな視線を浴びることになるんだよ!?真也!?)」

 

そう思いながら真也を見ていたこいしは真也がこちらを見ていたことに気づいた

 

その時の真也は笑っていた、しかし目の奥に悲しみの感情が見えた

 

そして、周りの反応はほぼ同じようなものだった

 

「「「「「「(なんて能力なの!?そんなの勝ち目がないわ(よ)(ぜ)(でしょ)(じゃない)!!??)」」」」」」

 

そして真也に気味の悪いものを見る目で見ていた

 

真也は思っていた

 

真也「(やっぱり、誰もかれも能力を聞けばそう言う目で見る。こいしだけかなやっぱり)」

 

しかし真也の考えは外れていた

 

フランがこいしと同じような反応をしていたのだ

 

真也はそれに気づいていなかったが、こいしは気づき安堵する

 

こいし「(よかった……フランは私と同じ反応してる、仲間がいたよ、真也……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこのときの出来事は真也に変化を与えた

 

それは、良いものなのか悪いものなのか

 

それを知るものは今はいない……




はい、やっと原作キャラをいっぱい出せました

真也「あー、いっぱいいるねー」

こいし「それより大丈夫なの?」

最後のあれはまあこのあとに関係しますから必要だったんです、ごめんね真也

真也「うん、まあ、しょうがないよね」

こいし「真也…」

はい、まあ、真也にはこいしもいるしこのあと味方は増えますから大丈夫です

あ、それと、活動報告にまたアンケート?っぽいのを置いときました、よろしくです

では、また次回まで

「「「ばいばーい」」」

追記

誤字報告があり直しました

幽々子が幽幽子になってました

tikyu-giさん誤字報告ありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お酒飲んで楽しんで、結局つまんない

はーいこんばんわー、生きる死神です

真也「今回は酒飲んで楽しむよー」

こいし「(真也が酔ったらどうなるんだろう…)」

真也が酒飲んでますが現実は駄目なんで!そこ注意ですよ?

真也「一杯飲むぞー」

こいし「酔わないよね?」

こいしちゃん、それフラグだよ?

こいし「やっちゃった…」

では、

「「「スタート」」」

(最初にお酒飲みたいって言ってますが前回貰ったときに飲まなかったんです、こいしとのことを聞かれる前に移動しましたから)


 

 

 

 

真也は能力を告げたあとがこいしに

 

真也「こいしー何か食べよー?酒も飲んでみたいしー」

 

何か食べるのと酒を飲もうと提案した

 

こいしは真也が能力を告げたことを不思議に思いながらも、あとで聞けばいいやと思い

 

こいし「わかったー!あ、フランも一緒でも良い?」

 

こいしは、さっきフランが自分と同じような反応だったのを思い出し、真也に誘って良いか聞いた

 

真也はそのことに笑顔は崩してはいないものの、虚を突かれたようで

 

真也「え、えっと、フランを?まあ、いいけどー」

 

一応は了承した

 

そのとき真也は

 

真也「(なんでフランを誘うなんていったんだろう、どうせみんなと同じ反応だろうに)」

 

フランを呼びに行ったこいしを見ながらそう考えていた

 

 

 

 

こいしがフランを連れてきて、真也と3人で食べたり飲み出したりし始めてから少しして

 

真也「そういえば、なんでフラン呼んだのー?こいしー」

 

フランを呼んだ理由をこいしに聞いた。たぶん、仲良くなったのもあると思っていたがそれ以外にも何かあると思ったからだ

 

こいしはその質問に対しフランを見て

 

こいし「……フランが他の人とは違う反応をしてたから」

 

そう言ってフランにその理由を聞きたいと言うような顔をしていた

 

フランもそれを察して

 

フラン「……うーん、それは私も似たような能力だからかな?」

 

答えると真也は頭の上に、?が浮かんだように

 

真也「僕と似た能力ってー?」

 

フランに聞いた

 

フランはためらうこともなく

 

フラン「私の能力は「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」だよ」

 

そう言って近くにあったつまみを一口食べた

 

真也とこいしは少し驚いたあと納得したような表情で

 

こいし「そういうことだったんだ、だから真也の能力を聞いてもそんなに驚かなかったんだね」

 

真也「おーこれはなかなか怖い能力だー」

 

真也は軽くおどけているがフランはそれを無視して

 

フラン「この『目』を潰すと壊せるんだ」

 

手のひらに何かの『目』を出現させた

 

真也はそれを見て

 

真也「ねぇー僕のも出せるー?」

 

そう聞いた

 

フランはやってみると驚いた顔をして

 

フラン「えっ!なんで真也のは出ないの!?これもあなたの能力のせいなの?」

 

真也の『目』がでないことの理由を聞いた

 

真也は予想通りといった顔で

 

真也「んーたぶんそうだねー、『無』なんだから『目』もなにもないよねー」

 

そういってケタケタ笑っていた

 

こいしはその笑い方に

 

こいし「(わぁー、なんか腹立つ)」

 

そう思い真也の頭にデコピンした

 

真也はビックリして

 

真也「いたっ。え、こいしなにするの?」

 

そういってこいしに聞くがこいしは知らんぷり

 

真也は何度も聞くが全て知らんぷりされてお手上げ状態になった

 

フランはその様子を見て

 

フラン「2人ってほんと仲良いよねー」

 

子供のように言った

 

真也は少し考えておりこいしは顔を赤くにして

 

こいし「そ、そう?ふつうだと思うんだけどなー?」

 

どこか違うところを見ながら人差し指同士をツンツンしている

 

真也は考え終わったようでこいしの様子を見て、可愛いと思いながら

 

真也「誰にも言っちゃダメだよ?」

 

フランに言ってこいしを見て

 

真也「僕たち恋人同士だから」

 

そうフランに告げたのだ

 

こいしは顔をさらに真っ赤になって

 

こいし「え、ちょ、なんで言うのよ!」

 

真也に問い詰めるが真也はどこ吹く風で

 

真也「フランなら大丈夫だと思ったからさー」

 

そう言ってフランを見ると

 

フランはとても良い笑顔を浮かべていて

 

フラン「そっかー!だからかー!うんうん納得!大丈夫だよこいし!誰にも言わないから!」

 

約束を守ることを伝えた

 

真也それにほっとして

 

真也「よし酒飲もー」

 

飲むと言い始めた

 

フランも反応し

 

フラン「私もー!」

 

2人が酒を飲もうとしている中こいしはまだ真っ赤で

 

こいし「(うぅー地底以外じゃフランが初めてだー、別に何でもないのにこんなに顔が熱くなるなんて…)」

 

その話に入れなかった

 

そして、こいしが復活した頃

 

 

 

 

こいし「えっ?なにがどうしたらこうなるの?」

 

こいしは目の前の状況に唖然としていた

 

今のこいしの目の前の状況は

 

フランは酔いつぶれており、真也は黙って飲み続けていた

 

ちなみに、周りも酔いつぶれている、かなり長い間こいしはフリーズしてたようだ

 

こいしはこの状況に

 

こいし「これは……真也ってかなり酒強い?」

 

鬼もダウンしていたようでさらに驚いていると

 

真也がこいしが復活したことに気づいたようで

 

真也「あ、こいし、復活したんだね、一緒に飲もうよ、飲む人がいなくてさー」

 

一緒に飲もうと言った、その時の真也はいつもの口調は少ししか残っていなかった

 

こいしは疑問に思いながらも、真也と飲みたいなと思い

 

こいし「いいよ!私にもついでくれる?」

 

そういって器を出すと

 

真也は近くにあった酒を手に取りこいしの器に入れ

 

真也「はい、どうぞー、じゃあ乾杯」

 

こいしと乾杯して飲み始めた

 

こいしは少し飲んでから

 

こいし「これ美味しいねー……って真也?」

 

真也が俯いて黙っていることに気づいた

 

しばらくすると真也は

 

真也「こいしー」

 

急に動き出しこいしに抱きついた

 

こいしは突然のことに全く動けず、しばらくなにが起こったのか分からなかったが、ゆっくりと真也の行動を理解すると

 

こいし「ちょ、ちょっと!真也ぁ!?なんでいきなり抱きつくの!?私かなり恥ずかしいんだけど!?ねぇ!?真也ぁ?聞いてる!?」

 

顔を真っ赤にしながら抱きついている真也に問うが、真也は聞く耳を持たないようで

 

真也「こいしー♪」

 

そんなことを言いながらこいしの首筋にキスをしたのだ

 

こいしはそれにびっくりしたのと同時に思考がついていかなくなり

 

こいし「ちょ、あぅぅ、もぅ、だめぇ」

 

顔を真っ赤にしたまま気絶してしまった

 

真也はそのことにはしばらく気づかず、何度か同じことを繰り返してるうちに、やっとこいしが気絶したことに気づいた

 

真也「ありゃ?こいし?……ま、いっか」

 

気にせずまた繰り返し始めた。その時こいしがちょくちょく反応していたのはここだけの話

 

 

 

 

 

 

その後真也も寝てから数時間後

 

真也「ふぁあ、あれー?なんで寝てたんだろう……」

 

真也が起きてなんで寝ていたのか疑問に思い思い出そうとすると

 

真也「あっ……」

 

さっきこいしにやったことを思い出してしまい、珍しく顔を真っ赤にして

 

真也「これはやっちゃったなー……あとでこいしに謝らなきゃ」

 

こいしに謝ることを決めてこのままだとこいしが風邪を引くかなと思い

 

真也「よっと、どこかに寝させられる場所はないかなー」

 

こいしをおんぶしてこいしの寝かす場所を探し始めた

 

神社の中の住居スペースにちょうどいい布団があったのでそれを借りて

 

真也「よいしょっと、これでいいかなー」

 

こいしを寝かせるとまた眠気が来てこいしの近くで寝ようと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

紫「ちょっと聞きたいことがあるのだけれどいいかしら?真也君」

 

突然、紫が現れた

 

真也はさして驚いたこともなく

 

真也「この場でよければいいよー」

 

いつも通りの表情と口調で返した

 

紫はこいしをちらっと見たが

 

紫「まあいいわ、で、私が聞きたいのは……」

 

そこまで言うと紫が身にまとう雰囲気が変わった、それは明らかな警戒感と威圧感、それに少々の殺意が混じっていた

 

紫「あなたはその能力を使ってどうする気かしら、答えによってはこの場から消すわよ?」

 

そう言って真也を脅してきた

 

しかし真也は

 

真也「んー?別になにもする気はないよー?ここは楽しいところだしー前いたところよりも全然良いところだしー」

 

まるで友達に話すかのように言った

 

それに紫は警戒感を殺意に変え

 

紫「そんなのはどうでもいいのよ。あなたはなにもしないってことだけを聞いてるのよ。あなたなんか私の前ではただの赤子のよ「うるさいね?」……!」

 

真也をさらに脅そうとした

 

しかし真也が間に口を挟んだことで止めざるを得なかった

 

それは急に入ってきたこともあるが、それよりも止めざるを得ないことが起きたからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、真也が明確な殺意と怒りを発していたからだ

 

真也「いちいちうるさいね、別にやらないって言ってるじゃん。そんなに言うなら起こしてほしいの、逆に。そんなわけ無いでしょ?だったら余計なことを言わないでほしいな」

 

その言葉は紫を凍らせるのに十分だった

 

それは圧倒的に格下だと思っていた相手がもしかしたら簡単に自分を殺せるかもしれないと察したからだ

 

紫は全身から汗がでるのを感じた。それとともに体が震えているようにも感じた

 

紫「な、なら、い、いいわ、私はあなたを歓迎するわ、真也」

 

なんとか震えを抑えながら真也に言うと

 

真也「もし心配なら何かやるときは君を呼んでやって良いか聞くから、それでいいよね?」

 

真也は紫にそう言ったが、最後のところは有無を言わせないような強さがあった

 

紫はまた体が震えるのを感じたが

 

紫「わ、わかったわ、それでいいわよ、それじゃまたいつか会いましょう」

 

それだけ言うとそそくさと隙間に逃げ込んだ

 

真也はそれを見届けると

 

真也「はぁ、これだからちょっと賢いやつは……」

 

それだけいって、真也は寝始めた

 

真也が寝た数分後

 

真也の前の布団がもそりと動いた

 

こいしは実は起きていたのだ、紫と真也の会話の始まりあたりから

 

こいしは驚いていた、それはあの真也があのような殺気を放てることにだ

 

こいし「(さっきの真也怖かったな……でも、どうしてそんなに怒ってたんだろ……今度聞いたら教えてくれるかな……?)」

 

そんなことを考えていたが、またも睡魔に襲われ

 

こいし「(ふぁぁ、眠いや、もう一度寝よう)」

 

そう思い、真也の方を向いて

 

こいし「真也、おやすみ」

 

それだけいって意識は深い闇の中に落ちていった

 

かろうじてまだ意識があるときに

 

こいしもね

 

と聞こえたのをこいしは胸の奥にしまっておくことにした

 

 

 

 

こうして、初の宴会は終わった

 

この後、全員が起きた頃、解散し真也たちも地底に帰った

 

そのとき、こいしが真也を笑顔で見ていたのに気づいたのは誰もいなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして異変は幕を閉じ、真也たちは新たな日常を過ごしていく

 

この先の真也たちはどうなるのか、それは神のみぞ知る




はい、宴会が終わりました!

真也「ちょっと強引じゃないー?」

う、そう言われればそんな気がしなくもないですが…

こいし「私は真也の酔い方に疑問があるなー?」ゴゴゴ

いや!あれはちょっと熱いところを出そうかなって思って!

真也「ふーん?言いたいことはそれだけかなー?」ゴゴゴ

あかん、逃げよう

次回からは日常?編です!活動報告にちょっとしたことが書いてあるんで見て下さいね!

では、また次回会いましょうー!

「「「ばいばーい」」」

では逃げます!ピューン

真也こいし「「あ、まてー!」」

追記

誤字報告がありました!

紫のセリフで真也君のところが真也訓になってました

パルミアさん報告ありがとうございます!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2,5章日常?非日常?
人里に行ってみよう


はーいどーも、生きる死神です

真也「ついに日常編かー」

こいし「いろんなところ行けるね!」

そうです、これからいろんなところ行きますよー

真也「今回は人里だねー誰がいるかなー」

こいし「あ、また真也が寄り道しそう」

それは、まあ、はい笑

こいし「諦めるしかないか…」

よし、それでは!

「「「スタート」」」


 

 

 

異変が終わって2週間ほど経った

 

真也は地底はあらかた回ったので地上を回ることにした

 

真也「こいしー地上行かないー?」

 

こいしは真也の質問に対して

 

こいし「んー?いいよーどこにいくの?」

 

軽くOKをだした

 

真也はどこに行こうかと思い

 

真也「じゃあ、まずは人里ってとこ行ってみよー」

 

他の人間を見てみたいという思いとなにか面白いものはないかなと思って人里を提案した

 

こいしも楽しそうな顔で

 

こいし「じゃあ行こう!」

 

2人は人里に向かった

 

 

 

 

人里についた2人は驚いていた

 

真也「おぉー。なかなか活気があるねー」

 

こいし「うわぁー人がいっぱいいるー」

 

真也はともかくこいしの反応は少しずれていた

 

それはさておき真也はさっそく探索しようと歩き始めた

 

こいしもそれについていく

 

そして、良さげなお店を見ていると

 

赤い服を着た里の人「あれってさとり妖怪か?なんでこんなところに…」

 

青い服を着た里の人「心を読むんでしょ?気味が悪いわー」

 

子供連れの黄色い服の里の人「見ちゃだめよ?心を読むわるーい妖怪だから」

 

真也は周りの人がこいしを見て非難じみた視線と軽蔑することを言っていることに気付いた

 

真也はこいしを見るとこいしも気付いていたようで、どことなく悲しげで辛そうだった

 

真也はそれを見ていつもの笑みが黒く染まった

 

真也「(こいしを悲しませるなら……)」

 

真也がこいしに何か言った者に能力で報復しようとしたとき

 

こいし「……真也、いこ……」

 

こいしが真也の手を引いて駆け出した

 

真也「えっ?ちょ、こいし?」

 

真也は驚きそのままついていきこいしが立ち止まると、こいしにその理由を聞いた

 

こいしは先ほどの表情のまま理由を説明した

 

こいし「だって……あのままだったら真也絶対何かしてたでしょ?それはイヤだし私が悪いのはわかってたから……」

 

真也はそれを聞いて驚くと共にこいしの帽子を取り頭を撫でながらこいしに語りかけるように

 

真也「ごめんね、こいし。確かにイラッとしてやろうとしたよ。だから謝る。でも、こいしが悪いってことはないよ。さとり妖怪だからって差別する人達が悪い。こいしが気にする必要はないよ」

 

こいしに言った

 

こいしはそれを聞いて真也に抱きつき

 

こいし「ぐすっ、真、也、ひぐっ、うわぁぁぁん!」

 

泣き始めた

 

真也はそれをなにも言わずに抱きしめ、頭を撫でていた

 

しばらく泣いてこいしが離れ

 

こいし「ごめんね真也。もう大丈夫、さ、探索再会しようか」

 

泣いた後の赤い目を擦りながら真也の手を取り歩き始めた

 

真也はそのままついていきながら

 

真也「(こいしは大丈夫って言ってたけど……もしまたこいしを泣かせるようなことがあったら……)」

 

自分の心に黒いなにかが現れるのを感じていた

 

 

 

 

その後、甘味処に入り

 

真也「なに食べるー?」

 

こいし「んー、あ、これ食べる!」

 

真也「じゃあ、僕はこれかなー」

 

真也は三色団子を、こいしはなぜかあった抹茶のアイスを頼んだ

 

頼んだものが来て

 

真也「おー、これおいしいー」

 

真也は団子を食べ

 

こいし「これも冷たくておいしー!」

 

こいしもアイスを食べた

 

真也は二本目を食べようとしたとき何か思いついた顔をして

 

真也「こいしー?これ食べるー?」

 

自分の団子をこいしに差し出した

 

こいしはそれを少し戸惑いながら

 

こいし「あ、ありがと」

 

食べた

 

真也はその後それを何のためらいもなく残っていたうちの一つを食べた

 

こいしはそれを見て

 

こいし「(ちょ、さっき私が口付けちゃったのにふつうに食べるなんて)」

 

少し顔を赤くしていた

 

真也はそれに気づき

 

真也「あ、これ間接キスだーあははー」

 

真也も少し顔を赤くしながら言った

 

こいしはその時、少し意地悪な顔をして

 

こいし「じゃあ、私のもあげるね、はい、あーん?」

 

あーんと言いながらアイスを差し出した

 

これには真也も顔を真っ赤にして

 

真也「あ、あーん」

 

食べた

 

こいしは顔を赤くしながら

 

こいし「ど、どう?おいしい?」

 

真也に聞くと

 

真也は照れたように笑いながら

 

真也「うん、美味しいよ、こいしが食べさせてくれたことも関係あるかもね?あはは」

 

そう返したのだ

 

こいしは茹で蛸のように真っ赤になり

 

こいし「そ、そう。良かった!」

 

そう答えた

 

その時店にいた人たちは

 

(あっついし甘いよ!!!)

 

そう思いこれまたなぜかあったブラックコーヒーを全員頼んだ

 

 

 

 

 

2人はしっかりと2人の時間?を楽しんだ後、店を出てまたなにかないかと探し始めた

 

その時、後ろから話しかけられた

 

?「おや?見ない顔だな」

 

?「あれじゃないですか?最近来た外来人とか」

 

真也とこいしは振り向くとそこには、青い不思議な服を着た女生と、着物を着た礼儀正しそうな少女がいた

 

真也「んー?君たちは誰ー?」

 

真也は知らない人だと思い聞くと

 

?「おっとすまん、私は上白沢慧音、寺子屋で教えている者だ」

 

女性が言い

 

?「私は稗田阿求、御阿礼の子です、あなた方は?」

 

少女に言われた真也とこいしは

 

真也「慧音に阿求ね、よろしくー。僕は全無真也、真也って呼んでー」

 

こいし「私は古明地こいし。こいしって呼んでね」

 

そう答えた

 

慧音はこいしの名字を聞いて何かに気づき

 

慧音「古明地……、あぁ、地底のさとり妖怪の妹か」

 

そう言うと阿求が興味を持ったようで

 

阿求「さとり妖怪ですか?あまり話を聞けてないのでお話を聞きたいですね」

 

そう言いこいしを見た

 

こいしはどこか嫌そうで

 

こいし「んー、まあいいけど……」

 

真也を見た

 

真也はどうしたのかと思いこいしを見返すと

 

阿求が真也を見て

 

阿求「あ、最近来た外来人の方ですよね、話は聞いております。なんでも異変解決に行った人たちに勝ったとか、もしかして能力持ってますか?」

 

そう聞いた

 

それにこいしは宴会の時と同じ反応をし真也を見ると

 

真也はなにも考えていないような顔で

 

真也「僕の能力は「『無』を操る程度能力」だよー」

 

同じように言った

 

慧音と阿求の反応も似たようなもので

 

慧音「す、すごい能力だな……」

 

阿求「そ、そうですね」

 

苦笑いしながらそう答えた

 

真也は内心ため息をつきながら

 

真也「(やっぱりねー)」

 

そう思いこいしの手を引き

 

真也「こいしに話を聞くのはまた今度でーもう帰るねー」

 

そのままどこかへ行ってしまった

 

慧音と阿求はぽかんとした様子でそれを見送った

 

 

 

 

 

こいしは真也の行動にデジャヴを感じ

 

こいし「(これからも真也が能力を答えるたびにこうなるのかな……)」

 

悲しい気持ちで思っていた

 

やがて真也は止まりこいしの方を向いた

 

こいしはその真也の顔を見て驚いた

 

真也「なにを驚いてるのー?」

 

真也は見当もつかないような感じで言ったがこいしは

 

こいし「だって、真也すごい怖い顔してるよ?」

 

そう言った

 

真也は普通の人が見たら確実に青ざめてしまうような怖い顔をしていた

 

真也はそれに対してそこまで驚いた様子もなく

 

真也「あー、それはーあの人たちがどことなく僕たちを見せ物を観るような感じがしてさーすごいいらってしたんだよね」

 

理由を説明し、表情を変えすまなそうにし

 

真也「もし、こいしが嫌だったならこれからは出来るだけこういうことはやめるよ」

 

こいしを見た

 

こいしはそれを聞き少し怒ったような顔で

 

こいし「真也。私は嫌だなんて思ってないし実際あの人たちの反応は嫌だったよ。でも、だから真也にどうしてほしいなんて無い!真也は真也のまますごしてほしいよ!だから、私をそんなに気にしなくていいよ?」

 

こいしは真也に言うと真也は嬉しそうな顔で

 

真也「ふふふっ、やっぱりこいしは優しいね。だから僕は君に惹かれたのかな」

 

そう言うとこいしの手を取り

 

真也「さっき良さそうな店を見たからそこにいこー?」

 

そういって、歩き出した

 

こいしはその様子に

 

こいし「(ふふっ、嬉しそうにしちゃって、ほんと子供っぽい、ふふふっ)」

 

心の中で微笑みながらついていった

 

 

 

 

真也「ここだよー」

 

こいしは真也の連れてきた店を見るとそこは装飾品が売っている店だった

 

こいし「ん?ここでなにか買うの?」

 

真也に問うと

 

真也は少し嬉しそうに笑うと

 

真也「ひーみつー、あははっ」

 

そういって二人で中に入り真也は何かを探し始めた

 

こいしはなにを探しているのかと思いながら自分も何かを探し始めた

 

2人が思い思いに物を見つけると

 

真也「こーいし、これあげる」

 

真也はこいしに箱を手渡した

 

こいしは何かと思い

 

こいし「開けていーい?」

 

開けてみるとそこには青いバラを模したペンダントが入っていた

 

真也「こいしをイメージしてみたけどどうかな?」

 

真也が聞くとこいしは嬉しそうにしてすぐにつけた

 

こいし「ねぇ?似合う?」

 

こいしが聞くと真也は満面の笑みで

 

真也「うんっ」

 

そう言うとこいしに帰ろうと話しかけようとしたが

 

こいし「私も真也にあげたい物があるの!」

 

こいしに遮られた

 

こいしはどこからか小さな箱を出すと真也に手渡した

 

真也は驚いて

 

真也「開けてもいい?」

 

聞きこいしから了承をもらい開けるとそこには

 

こいしに渡したペンダントの黒色のバラのタイプが入っていた

 

これにはもはや唖然として

 

真也「これは僕のイメージかな?」

 

真也が聞くとこいしは少し照れたように

 

こいし「そうだよ、ほんとはもっとなにか良いものを買おうと思ったんだけど、私どうきてもバラが頭から離れなくてね、だから黒色のバラを選んだの」

 

真也はそれを聞くとすぐにつけようとしたがうまくつけれず

 

真也「こ、こいしーつけてー」

 

ちょっと泣きそうになりながらこいしにつけてもらった

 

その時こいしは可愛いと思ってしまった

 

真也はつけて貰うと

 

真也「どうかな?変じゃない?」

 

そう聞いた

 

こいしはとても嬉しそうに笑うと

 

こいし「ぜんぜん変じゃないよ!似合ってる!これでお揃いだね!」

 

そう言って真也の腕に抱きついた

 

真也も嬉しそうに

 

真也「そうだね。そろそろ帰ろっか」

 

そういうと2人は仲良く地底に帰っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はーい人里編でしたーこれからも時々来るかもしれませんね

真也「こいしとお揃いかーふふっ」

こいし「そうだねっ!あははっ」

なんか二人の世界に入ってるし、なんか笑い方逆になってるし(でも違和感ないな)

真也「次回はー?」

次回はうーん霧の湖かなー?もしかしたらコラボの話を書くかも

こいし「えっ?コラボしてくれる人いたの?」

そーなの!なんといたんですよ!というわけで、また書いたときに説明しますがコラボを書きます

真也「失礼の無いようにねー」

真也の能力で失礼を無くしたいよ(切実)

こいし「自分でやりなよー」

はい、頑張ります、では、次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

湖の周りにはいろんな人が?

はい、こんばんわ、生きる死神です

真也「今回は霧の湖だねー」

こいし「なにがあるかなー?」

今回は少し短めにして、では

「「「スタート」」」


 

 

 

人里に行った2日後

 

真也たちは今度は霧の湖にいた

 

理由は

 

こいし「フランのところに行こうよ!」

 

と言ったからだ

 

真也は特に気にすることもなくOKを出し向かった

 

その道中にある霧の湖で道草を食っていた

 

真也「いやー霧が濃いねー」

 

こいし「ほんとねー」

 

どことなくのほほんとした空気を出しながら霧の濃い湖の上を飛んでいる

 

すると…

 

?「やい!お前ら勝負しろ!」

 

?「止めときなよーチルノちゃーん」

 

?「あなたは食べても良い人類?」

 

?「これはこれは~なんとも仲の良さそうな2人組~♪」

 

?「虫達がこの人たちは危ないって言ってるよー?」

 

かなりキャラの濃そうな5人が現れた

 

真也はあまりにも多いのでとりあえず

 

真也「うるさーい、自己紹介はしよー」

 

場を静めて自己紹介を促した

 

 

 

?「あたいはチルノ!さいきょーなんだぞ!」

 

青い妖精が

 

?「私は大妖精です。大ちゃんってみんなは呼びます」

 

緑色の妖精が

 

?「私はルーミア。宵闇の妖怪なのー」

 

金髪に黒い服を着た少女が

 

?「私は~♪ミスティア・ローレライよ~♪みすちーって呼んでね~♪」

 

赤い髪に鳥のような羽の生えた少女が

 

?「僕はリグル・ナイトバグ。リグルって呼んでね」

 

最後に緑髪の男の子っぽい少女が名前を言った

 

真也はそれを聞き終えて

 

真也「チルノに大ちゃん、ルーミアにみすちー、リグルねーよろしくー」

 

全員に軽く挨拶した

 

それを聞いたみすちーが

 

みすちー「あなた達はなんて言うの?」

 

歌うようには言わず普通に聞いた

 

真也とこいしは

 

真也「僕は全無真也、真也って呼んでねー」

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでね!」

 

そう言った

 

みすちーやリグル、大ちゃんは名前を復唱して覚えようとしているが、ルーミアとチルノは違った

 

チルノ「そうじゃなくて!あたいと勝負しろ!」

 

ルーミア「で、あなた達は食べても良い人類?」

 

チルノは挑戦的に、ルーミアは獲物を見るように言った

 

これに対して真也は

 

真也「勝負はめんどいー、それに僕たちは食べちゃだめー」

 

両方とも拒否した

 

チルノはそれに不満なようで

 

チルノ「良いから勝負しろー!」

 

そう言ってしつこく周りを飛び回る

 

さすがにイラッときた真也とこいしは

 

真也「あーめんどい、やってあげるからきなよー」

 

こいし「ぼっこぼこにしてあげるね?」

 

黒いオーラを出しながら受けた

 

その様子に5人は

 

チルノ「へ、へーんだ!そのくらいどうってことないぞ!」

 

大ちゃん「やっぱり止めとこうよー!」

 

ルーミア「こ、怖いのかー」

 

みすちー「これはやばいと思うな」

 

リグル「あ、だめだこれ」

 

チルノは強がり、大ちゃんはそれを止めようとし、ルーミアは怯え、みすちーとリグルはなぜか悟った顔をしていた

 

その様子を見た2人は

 

真也「可愛そうだから大ちゃんは参加しなくて良いよー?」

 

こいし「他の人は強制参加ねー」

 

黒いオーラを出したままそう言った

 

大ちゃんは申し訳なさそうにしながら離れていった

 

大ちゃんが離れていくのを見ながらみすちーとリグルは

 

みすちーリグル「「((なんで私たちも巻き添え食らってるの……))」」

 

しかし2人のそんな思いは届くことなく勝負は始まる

 

 

 

 

真也「さーて、容赦しないよー?《無神経「突き刺さる視線」》」

 

真也は始まると同時にスペルを使った

 

すると四人の周りからレーザーが飛んできた

 

チルノ「なにこれ!」

 

ルーミア「ちょ!危ない!」

 

みすちー「いぃぃやぁぁぁぁぁぁ」

 

リグル「何で僕も巻き添えにぃぃぃぃ!!!!」

 

それぞれの反応を示しながら頑張って避けるが

 

元からやる気など無かったみすちーとリグルが直ぐに被弾しダウンした

 

それを見たチルノは

 

チルノ「やったなー!」

 

弾幕を打ち始めた

 

ルーミアは相変わらず避けに徹している

 

真也飛んでくる弾幕を避けながらこいしに

 

真也「こいしー合体スペルやってみよー?」

 

そう提案した

 

こいしは不思議そうな顔で

 

こいし「いいけど、どんなの?」

 

そう聞くと真也は

 

真也「2人が交互にこいしのスペルの《本能「イドの解放」》と《抑制「スーパーエゴ」》をやるのー」

 

そう答え悪い笑みを浮かべた

 

こいしはそれを聞いて同じように悪い笑みを浮かべ

 

こいし「いいよ、やろっか」

 

了承した

 

真也はそれを聞いてから

 

真也「僕のスペルが終わったらやろっかー」

 

そういってスペルが終わるのを待った

 

 

 

 

そして、終わると

 

真也「さーて、次は「今度はこっちの番だ!」んー?早く終わらせたいのにー」

 

真也がスペルを使おうとしたところでチルノが割り込み

 

チルノ「お返しだ!《氷符「アイシクルフォール」》!」

 

そう言うとチルノから氷のような弾幕が放たれるが

 

 

 

真也「目の前が安全なのはどうなのかなー」

 

チルノの前が安全地帯だった

 

2人はそこで息を整え

 

真也「さぁ、いくよー?こいし」

 

真也が言うとこいしが

 

こいし「うん!いくよ!」

 

答え2人が声を合わせて

 

真也とこいし「「《無符「無意識と意識の狭間」》」」

 

言うとともに真也がこいしから離れこいしがハート弾幕を放ち始める

 

チルノはそれをすぐに避けるが

 

 

 

 

急に方向が曲がりそれに不意をつかれ被弾した

 

チルノ「えっ!なに!?」

 

チルノはなにが起こったか分からぬまま急に曲がる弾幕に翻弄されダウンした

 

ルーミアはそれを何とか避けていたがすぐに力つきダウンした

 

真也「よし、上手くいったー、やったねこいしー」

 

両方ダウンさせた2人はハイタッチしてその場を後にし紅魔館に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人がいった後

 

チルノ「ちくしょー!負けたー!」

 

大ちゃん「しょうがないよチルノちゃん、あの人たち強かったよ?」

 

ルーミア「なんで私もー?」

 

みすちー「それをいったら私たちはなにもしてないのに巻き込まれたわよ」

 

リグル「ほんと傍迷惑な話だよね」

 

各々が愚痴りながらまったりとすごしていた




はい、というわけで短めですね

真也「いやーすかっとしたよー」

こいし「楽しかったね!」

それはよかった

今回短めの理由は早く投稿したかったのと、この後11時にコラボの話を投稿するからです!

真也「期待しないでねー」

こいし「そうだねー」

うぅ、では、次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

紅魔館にもいろんな人が!?前編

はい、こんばんわ生きる死神です

真也「今回は長いというかキャラが多いから前後半に分けたよー」

こいし「いやーほんと多いねー」

では少し早いですが

「「「スタート」」」


 

 

 

霧の湖を後にした2人は赤い館、紅魔館に来ていた

 

真也「いやー赤いねー」

 

こいし「ほんとねー目がチカチカする」

2人はまず紅魔館の外見の感想を述べていた

 

すると

 

美鈴「zzz」

 

門の近くで美鈴が寝ていることに気付いた

 

真也「熟睡してるねー」

 

こいし「そうだねーほっとこっか」

 

2人は美鈴が起きないように中に入っていった

 

 

 

 

中に入りまた驚く2人

 

真也「中も赤いねー」

 

こいし「ねー赤ばっかりだね」

 

2人はそんなことを言いながら探索し始めると

 

咲夜「あら?この前の宴会のときの……紅魔館に用かしら?」

 

咲夜が来た

 

こいしは

 

こいし「フランに会いに来たの!どこにいるか分かる?」

 

来た理由を言い場所を聞くと

 

咲夜「んー、妹様なら地下にいるわ、大図書館に行けば分かるわ」

 

そう言うとそこら辺にいた妖精メイドを呼び

 

咲夜「この2人を大図書館に案内しなさい」

 

そう言って妖精メイドに任せてどこかに行ってしまった

 

2人は妖精メイドについていき、大図書館についた

 

真也「おー、いっぱい本があるし広いねー」

 

こいし「ねーどんな本でもありそうな感じ」

 

2人は大図書館の大きさと本の多さに驚いていると

 

パチュリー「なんであなた達がここにいるのかしら」

 

こぁ「用があって来たんじゃないんですか?」

 

パチュリーとこぁが2人に気付いた

 

真也は

 

真也「フランに会いに来たよー」

 

そう言って地下への入口を捜すと

 

パチュリー「フランがいるのはあの扉の先よ」

 

そう言って一つの扉を指さした

 

真也とこいしはお礼を言いながら行こうとしたが

 

真也「あ、そういえばーレミリアに会ってないなー」

 

真也がそう言いこいしに

 

真也「こいしーレミリアにも会いに行こうよー」

 

そう提案した

 

こいしはそれを

 

こいし「うん、いいよーどこにいるかなー?」

 

そう言って2人は探しに行こうと大図書館の出口に向かうが

 

レミリア「その必要はないわよ?」

 

ちょうど、探しに行こうとしたレミリアが大図書館に来た

 

真也「おーちょうどよくレミリアが来たー」

 

こいし「タイミングぴったし!」

 

こいしの言葉に違和感があるがそれはほっといて

 

レミリア「咲夜があなた達が来てるっていうからここに来たけど、この館の主に挨拶ぐらいしていきなさいよ」 

 

レミリアは少しカリスマ感を出しながらいった

 

しかし真也は

 

真也「えーめんどいー」

 

一言でぶったぎった

 

レミリアは驚き

 

レミリア「いや挨拶くらいはできるでしょ!?それをめんどいなんて言ったら、なにをするにもめんどいで終わるわよ!?」

 

速攻でカリスマブレイクしながら真也に問い詰めた

 

真也は

 

真也「だってレミリアなら大丈夫そうだしー」

 

失礼すぎる事を言った

 

レミリアはさすがに怒ったようで

 

レミリア「私なら大丈夫ってなによ!だいたい礼儀の一つも知らないの!?私はこの館の主なんだから少しは礼儀を知りなさいよ!」

 

真也にそう言った

 

真也は少し面倒くさそうに

 

真也「どーどー、礼儀は知ってるしー別に全然無礼にしているつもりはないよー。僕には礼儀とかそういうのはどうでもいいし、『礼儀が無い』なんて僕の能力でどうにでもなるよー」

 

そう言ってレミリアに説明した

 

レミリアは少し驚きながらもこの前の宴会でのこと話思い出したのか

 

レミリア「あ、そう、確かフランに会いに来たのよね?」

 

少し嫌な視線を向けながら

 

レミリア「フランになにかしたら殺すわよ?」

 

そう言って真也に殺気をぶつけた

 

その時話を聞いていただけのこいしは

 

こいし「(はぁーどこに行ってもこんな感じじゃ楽しめないよー)」

 

もう慣れたのかそうなことを考えていた

 

そして真也は

 

真也「はぁ、めんどいなぁー、そんなことしないし、君じゃ僕を殺せないよ」

 

そう言って光の無い目でレミリアを見た

 

その目で見られたレミリアは後退りしながら

 

レミリア「そ、そう、ならいいわ。フランも新しい友達ができたって喜んでたから」

 

そう言うと大図書館から出て行った

 

真也はそれを見届けると小さな声でそれこそ隣のこいしにしか聞こえない声で

 

真也「こんな人ばっかり」

 

そうつぶやいた

 

こいしはその言葉に悲しい気持ちになるも

 

こいし「(私はそんなこと無いって真也は知ってるしだから私を信じてくれてる、私が気にすることはないよね?)」

 

そう思いつつ真也を見ていた

 

真也はふっと雰囲気が戻ると

 

真也「さて、フランのところに行こー」

 

そう言って先程パチュリーが指さした扉に歩いていった

 

こいしはそれについていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この先の光景や彼女との会話で2人は本当の彼女を知る…




はい、どうも適当にやった感が否めませんが、今日も11時に番外編、今度はこいしに異変が!?なんてものを投稿しますのでお許しください!

真也「いやー今回はざっくりしてたねー」

こいし「ねー美鈴は五行位だったしね」

う、早く進めないととんでもない長さになりそうだと思ったのと、出来るだけ一日一話くらい投稿したいから彼女はその犠牲になったんですよ…

真也「美鈴ーごめんねー」

こいし「また機会があれば話そうねー」

はい、この後の番外編に力を入れすぎたのも原因かもしれませんが、そんなことはないと信じつつ

次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外!こいしに異変が!?

はーいどーもこんばんわ、生きる死神です

真也「えっと、とりあえず一回逝こうかー?」

こいし「一片の情もないよー?」

お、落ち着け!せめて書かせてくれ!

真也「しょーがないなー」

こいし「むー……」

はい、こいしちゃんの機嫌が悪化する前に

「「「スタート」」」


 

 

とある日の朝(7時頃)

 

こいしは自室のベッドで目を覚ました

 

こいし「ふぁーぁ、よく寝たー」

 

そう言いながら体を起こし身だしなみを整える

 

こいし「んー、今日はどうしようかなー……って、えぇぇぇぇぇーーーーー!!!!!?????」

 

服を着替え最後に鏡を見てチェックをしようとしたこいしは驚いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その少し前真也は

 

真也「むにゃむにゃ、もう食べられないよー、むにゃむにゃ」

 

夢の中だった(おい)

 

そしてそのせいでこれから来る事件?に気付くことはできなかった

 

真也「むにゃむにゃ、だーかーらーもう食べられ「真也ーーー!!!」ふぇっ?」

 

また謎の夢の内容を口に出していた真也は急に開けられた(というより押し開けた?)扉の音と自分の大好きな人の声で目が覚めた

 

真也「ふあー、おはよーこいしー、どうし「ねぇ真也!なにか!なにか生えた!」ちょ、ちょっと追いつこうかこいし?」

 

真也はどうしたのか聞こうとしたがこいしがかなり慌てているため落ち着かせることにした

 

こいしも真也に宥められとりあえず落ち着いた

 

真也はこいしが落ち着いたところでなんでそこまで慌てていたのか事情を聞いた

 

こいしは未だ驚きが抜けないようで

 

こいし「えっとね?朝起きて、着替えてから鏡を見たのそしたら…………頭に猫耳が生えてたの!」

 

そう言って自分の頭を指さした

 

真也は寝ぼけ眼を擦りながら見てみると

 

 

 

そこには…

 

 

こいしの言うとおり猫耳が生えていた

 

しかもピクピクと動いている

 

真也「おーほんとだー猫耳生えてるねー」

 

真也はほのぼのとしたように言った

 

こいしはそんな反応の真也に

 

こいし「いや、なんでそんなにほのぼのしてるの!?私はこうなった理由が知りたいよ!真也も手伝ってよ!」

 

そう言ったが真也は

 

真也「ごめんーこいしーまだ眠いやーむにゃむにゃ」

 

また夢の世界にこぎ出していた

 

うつらうつらとしている真也にこいしは

 

こいし「ちょっと!手伝ってよー!ねぇ真也!」

 

そう言いながらゆさゆさと体を揺すると

 

真也「むーならこいしも一緒に寝てしまえー」

 

そう言ってこいしを自分のベッドに引きずり込んだ

 

こいしは突然のことに驚き、次第に理解すると

 

こいし「ちょ!ばかばか!なにやってるのよ!」

 

顔を赤くしながら真也をぽかぽかと叩くが真也は気にせず

 

真也「おやすみー……」

 

寝てしまった

 

こいしはこの状況で寝れる真也に驚きながらも

 

こいし「えっちょっ、嘘でしょ?私はどうすればいいの…」

 

どことなく諦めモードに入っているが自分の好きな人のベッドに入っているからか、だんだんとそんなことどうでもよくなり

 

こいし「いーやー、私も寝よー」

 

そう言ってこいしも寝てしまった

 

 

 

2人が寝てから3時間後

 

真也「ふあー、よく寝た……って、あれ?何でこいしが僕のベッドで寝てるの?」

 

真也は起きて今の状況に?がいっぱいだった

 

するとこいしも起きたようで

 

こいし「ふぁーぁ、おはよー真也」

 

そう言ってのびをしていた

 

真也はなんで普通に反応してるのか疑問になり

 

真也「えっとこいしー?なんで僕のベッドで寝てるのー?」

 

そう聞いた

 

こいしは呆れた様子で

 

こいし「真也が私を引きずり込んだんだよ?」

 

そう言うと真也はやっとそのことを思い出したようで

 

真也「あ……、ごめんー。ってことは猫耳もー?」

 

謝りながらこいしの頭を見るとやはりそこには猫耳があった

 

こいしは自分で触って確認しながら

 

こいし「はぁーやっぱり夢じゃないよねー」

 

そう言って落ち込んでいた

 

真也はその様子を見て

 

真也「いやー全然似合ってるよー?めっちゃ可愛いよー」

 

こいしを励ました

 

こいしはその言葉に顔を赤くして

 

こいし「そ、そう?ならいいかな」

 

そう返した

 

真也はどうもこいしの猫耳が気になるようで

 

真也「ねーこいし、その耳触っていいー?」

 

そう言いながらもすでに手はこいしの頭に延びていた

 

こいしは手が延びてきていることに気付かず

 

こいし「えっ?別にいいけど……って、ひゃ!もう触ってるじゃん!」

 

急に触られたことで変な声がでてしまった

 

真也はその反応にニヤリとして

 

真也「ふーん?この耳って感覚が鋭いみたいだねー?じゃあー……」

 

そういってこいしの後ろに素早く回ると

 

真也「くすぐっちゃえー」

 

そういってこいしの猫耳をくすぐり始めた

 

こいしはなかなか辛いようで

 

こいし「ちょっ!ひゃ!やめてよ!ひゃん!くすぐっ、ふぁ!?たいって!ふぇえ!」

 

変な声を出しながらもなんとか抵抗していた

 

しかしあまり力がでないようで真也を止めることはできずそのままなすがまま数分間くすぐられ続けた

 

 

 

こいし「……」

 

真也「ほんとーにごめんなさい」

 

くすぐりが終わり息が整ったこいしはものすごく良い笑顔で真也に正座しろと言った

 

真也は抵抗したらダメだと無意識やら直感などで察し素早く正座した

 

こいしはかなりご立腹で

 

こいし「なんで止めてくれなかったの?」

 

そう言って止めなかった理由を聞く

 

真也は真剣な顔で

 

真也「こいしが可愛すぎたのと反応が可愛すぎて止められなかったの」

 

そう言ってこいしを見た

 

こいしは顔を真っ赤にしながら

 

こいし「……そんなこと言われたら怒るに怒れないじゃん……」

 

小さい声でそう言った

 

真也「ほんとごめんねーそろそろお腹空いたしご飯食べにいこー?」

 

真也は時間が朝ご飯を過ぎていることを察しながらこいしに言った

 

こいしは少し恥ずかしそうに

 

こいし「他の人に見られたらどうしよう……」

 

そう言った

 

真也はその様子にまた可愛いと思いながら

 

真也「こういうときこそ無の出番だよー」

 

そう言って能力を使用した

 

 

 

 

2人は能力でバレないように食堂に行きご飯を食べた

 

真也「ふーお腹いっぱいー」

 

こいし「うん、今日はどうする?」

 

真也とこいしはこの後どうするか話していた

 

真也は

 

真也「なにをしようにもーこいしのその猫耳があるからあまり動かない方がいいかもねー」

 

そう言って軽くこいしの猫耳を撫でた

 

こいしは少し反応しながら

 

こいし「ひゃあ、じゃあ今日は部屋でゆっくりしよっか」

 

そう言って2人はこいしの部屋に向かった

 

 

 

こいしの部屋で真也はあることに気付いた

 

真也「(猫耳だけじゃなくて尻尾も生えてるー!?)」

 

なぜ気付かなかったのかは分からないが真也は驚き、悪魔の笑みを浮かべ

 

真也「(あはは、またくすぐっちゃおー)」

 

そう思い、なにか暇をつぶせそうなものを探しているこいしの後ろに近づき

 

真也「こーいしー!」

 

そう言ってこいしの尻尾を軽く握った

 

すると

 

こいし「ひゃぁあ!」

 

悲鳴を上げながらへたり込んでしまった

 

そして真也をすごいジト目で見ながら

 

こいし「しーんーやー?」

 

最早黒いオーラさえでてるこいしを前に真也は

 

真也「い、いや、猫耳だけじゃなくて、尻尾もあったから気になっちゃって、ね?」

 

そう言って頭を下げた

 

こいしはそのことに驚き鏡を見ると

 

こいし「あっ!ほんとだ!尻尾もある!なんで気付かなかったのかな?」

 

もっともなことを言いながらこいしは自分の尻尾(なぜか服を貫通している)を触っていた

 

真也はその姿を見て

 

真也「(可愛い)」

 

ストレートにそれだけ思っていた

 

こいしもなんとなく真也が思っていることに気付いたのか

 

こいし「うぅ、真也また思ってるでしょ?」

 

真也にそう言った

 

真也はためらいもなく

 

真也「だって可愛いんだもん、しょーがないよー」

 

そう言った

 

こいしは顔を真っ赤にしながら

 

こいし「もぉ、なんでストレートに言うの……」

 

そう言って頭を抱えていた

 

真也はこいしに近寄り軽く抱きしめながら

 

真也「ストレートな方がこいしには伝わるでしょ?」

 

そう言って頭をなでた

 

こいしはその言葉に少し感動しつつ

 

こいし「今日はこの猫耳と尻尾に感謝しとこうかな……」

 

そう言った

 

真也はまた悪魔の笑みを浮かべ

 

真也「なら、またくすぐってもいいよね?」

 

そう言うとこいしはこれはやばいと思い

 

こいし「えっと、それとこれは違うような……」

 

少し逃げ腰になるが抱きしめられてるので逃げることもできず

 

真也「さーて、楽しい楽しい時間だよっ」

 

そう言ってまた始めるのであった

 

 

 

 

その日地霊殿の一室では悲鳴と笑い声がずっと響いていたという

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに次の日の真也はとても楽しそうに

 

こいしは疲れ切っていたがどこか嬉しそうだったらしい

 

結局なんで猫耳と尻尾が生えたのかは分からずじまいだったが




はい、番外編の猫耳(&尻尾)の話でした!

真也「あれは可愛かったし楽しかったー」

こいし「うぅ、ほんとに大変だったよもう」

まあ、なんだかんだ楽しんでたからいいじゃないですか!

真也「うんー。そーだねー」

こいし「(今度は真也にもなにかあるといいな)」

はい、では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

紅魔館にもいろんな人が!?後編

はーいどーもこんばんわー、生きる死神です

真也「今回はフランがいっぱいー」

こいし「なんか最近出番少ないような……」

そ、そんなことないはず!てか、原作キャラをある程度出さないと話が進まないの!

真也「んーこいしの話あったからいいんじゃないー?」

こいし「あれは……」

(あれというのは一話前のこと)

まあ、そろそろ始めましょうか

では

「「「スタート」」」

(今回はシリアスばかりな上会話文が長いです)


 

 

真也とこいしは地下への入り口を開いた

 

そこはかなり暗く奥の方が見えなかった

 

真也「なんでこんなところにフランはいるんだろー?」

 

真也は当たり前の疑問を言った

 

こいしも共感し

 

こいし「そうだねーみんなと同じように住んでると思ってたのに」

 

そう言って2人は奥に進んでいった

 

 

 

奥につくと扉がありそこには何ともいえない字でフランの部屋と書いてあった

 

真也「ここだねー」

 

真也が言い

 

こいし「フランいるかな?」

 

こいしはそう言い扉をたたくと……

 

フラン「だぁれ?」

 

フランの声が返ってきた

 

いることがわかったので2人は

 

真也「僕だよー真也だよー」

 

こいし「私もいるよー会いに来たよー」

 

そう言って扉が開くのを待った

 

ちょっとして、扉が開き

 

フラン「わー!ほんとに来てくれたんだ!入って入って!」

 

フランが出てきて2人を中に招き入れた

 

 

 

フラン「来てくれてありがとね!ちょうどやることなくてひまだったんだ!」

 

そう言ってニコニコと笑顔を見せながら2人を見る

 

真也はいつも通りの感情のわかりにくい笑顔で

 

真也「どこに行こうかって時にこいしがフランって言ったから来たー」

 

そう言った

 

こいしは楽しそうな顔で

 

こいし「お外の初めての友達だからねーいろいろ話そうよ!」

 

そう言って3人でいろんなことを話した

 

楽しいことや

 

怒りを感じたこと

 

嬉しいと思ったこと

 

そして、悲しくなるようなことを話すときに

 

真也「ちょっと待ってねー」

 

真也がそう言って手を開き

 

 

 

それを閉めた

 

 

 

真也「はい、もういいよー」

 

そう言う真也だがこいしとフランは疑問があるようで

 

こいし「今なにやったの?」

 

フラン「能力でなにかやったの?」

 

そう聞くが真也いつもの笑顔で黙ったままだった

 

こいしはこうなったら教えてくれないと思い

 

こいし「ま、いっか、あ、でさーなんでフランはこんなところにいるの?」

 

フランになぜこかにいるのか聞いた

 

すると、フランは先ほどまでニコニコとしていた笑顔を無くして悲しそうな顔をしながら

 

フラン「それは……私の能力と狂気のせいかな……」

 

そう言ってぽつぽつと語り始めた

 

フラン「2人は私の能力を知ってるよね?私は生まれた頃から狂気が抑えられなくて時々暴れてたの。その時に能力を使って暴れるから、危ないからってここに閉じこめられてたの。

そして、この幻想郷にきてお姉様が異変を起こしてそれを解決しに来た2人の人間が私を外に出してくれたの。その時初めて外の世界の楽しさやおもしろさを知ったの。その異変が終わってちょっとずつ私も外に出してもらえるようになったんだけど、まだ狂気は残っててたまに暴れちゃうからまだここにいるの。どうやっても抑えられなくて悲しいんだ、ほんとはもっとお姉様やみんなといたいのに。」

 

言い終わったフランはポロポロと涙をこぼしていた

 

黙ってそれを聞き終えた真也とこいしは難しい顔をしていた

 

そして、先にこいしが口を開いた

 

こいし「……私もね、自分の元の能力のせいでみんなから嫌われてたんだ。私はさとり妖怪、この第3の目で相手の心を読む妖怪」

 

そう言ったこいしは自分の胸元にある第3の目を触った

 

こいし「私はいろんな人と仲良くなりたかった。

でも、この目のせいでそれは叶わなかった。みんな心を読まれるのを嫌がって私やお姉ちゃんを差別して虐めた。

そして、それに耐えられなくなった私はこの目を閉じた。そしたら心を読めなくなってね、嬉しくてお姉ちゃんに話しかけようとしたんだ。

そしたらね?お姉ちゃん私に気付かなくてさ、あのときはほんとに驚いたよ。そして悲しくなったよ、私を唯一愛してくれたお姉ちゃんが私に気付いてくれないってことがわかってね。

それからふらふらと地底のいろんなところに行ってね、時々私に気付く人もいたの。でも、私の目を見るとすぐに嫌そうな目でどっかに行けって追い払われるの。

だから、気付いてくれなくてもいいから地霊殿でお姉ちゃんに気付いてもらえる日を待っていたの。しばらくしたら、お姉ちゃんが私に気付くようになってね、その時はほんとに嬉しかった。誰にも気付かれず気付いてもらえても虐められる、そんな日々が終わったの。

それからしばらくして真也が来た。あの時のことは今でもはっきりと覚えてる。私に気付いてくれてしかも差別も虐めもしない人がいるってことにほんとに泣きそうになったよ。

まあ、さすがに会ったばかりだから泣かなかったけどね。それから真也のことを知って私のことも話してお互いを理解して気持ちも繋がった。

そして今こうして私たちはいられる。だからね?私は少しだけこの目を閉じたことに感謝できたの。真也に見つけてもらえたから。」

 

こいしは長く悲しい過去と少しの嬉しい今を話した

 

それを聞いたフランは

 

フラン「こいしも辛い過去を送ってきたんだね……」

 

悲しそうに言った

 

ここまで真也は一言も話していない

 

フランは不思議に思い真也を見た

 

そして真也の顔を見て驚愕した

 

 

 

その時真也は

 

 

 

光の無い目でどこかを見ていたからだ

 

フランは正直怖かった

 

なぜなら、フランが見る限りいたも笑顔を浮かべている真也がこんな表情をしているのを始めてみたからだ

 

フラン「し、真也……?」

 

フランが真也に声をかけたことでこいしは真也の様子に気づき

 

こいし「あぁ、私たちの過去を聞いて悲しくなったのかな?真也の方がもっと悲しい、いや、そんな言葉じゃ言い表せないようなものを過ごしてきたのに」

 

そう言ったこいしの表情はとても悲しそうで辛そうなものだった

 

フラン「赤の他人の私やこいしの過去に?それに私たちの過去よりもって…?」

 

フランがそう言うとさっきまでなにも言わなかった真也が口を開いた

 

真也「僕が『無』な理由が過去にあるんだ。」

 

真也はそう言うとこいしにしか細かいことを話していなかった真也自身の壮絶な過去をフランに教えた

 

その話を聞いたフランはあまりに壮絶な過去に声は出せず、表情も唖然としたものになった

 

こいしは真也が話している最中は終始悲しそうにそれでいてそれを受け入れるように決意のこもった目で真也を見ていた

 

真也が話し終えるとフランは

 

フラン「そんな……真也にそんな酷い過去があったなんて……」

 

未だに驚き冷めやらぬ表情で言った

 

真也は少し悲しそうに

 

真也「もう過去を話すのには慣れたんだけどね、他の人の、それも僕を受け入れてくれた人の過去を聞くのは慣れないものでね、どうしてもあんな感じになっちゃうんだ」

 

そう言うとフランにある提案をした

 

真也「フラン、僕は能力で君の狂気を消すことができると思う」

 

それを聞いたフランはまた驚いた

 

フラン「そんなことできるの!?」

 

それを聞いた真也は

 

真也「多分出来るよ、いや、絶対……かな?」

 

そう言うとフランの頭に手を置き

 

 

 

そっと離した

 

フラン「ほんとに無くなったの?」

 

フランは半信半疑で聞くと真也は

 

真也「ほんとだよ、証明は出来ないけどもうでてくることはないよ」

 

そう言うと少し疲れたようで

 

真也「こいし、今日はそろそろ帰ろうか、ちょっと僕疲れちゃった」

 

そう言ってフランの部屋から出ていった

 

こいしはフランの方を向いて

 

こいし「このことは秘密だよ?狂気、完全に消えてると思うからまた今度遊ぼうね」

 

そう言って真也を追って出ていった

 

1人残されたフランは

 

フラン「誰にも言わないし誰にも言えないよ、ほんとにありがとね、真也」

 

そう言った彼女の顔はまるで長年縛られていた呪縛から解き放たれたようで清々しかった

 

 

 

 

真也「はぁ、疲れたー」

 

真也は大図書館を通りロビーに来た

 

後ろからこいしも来た

 

こいし「もーちょっとは待ってくれてもいいじゃーん」

 

そう言うこいしの顔は少し悲しそうだった

 

こいし「……まだ気にしてる?」

 

こいしはそう聞いた

 

真也はなんのことを言ってるかすぐに見当がついた

 

真也「まあね、気にしない方が無理な話かな。でも心配しないで、僕は大丈夫だから」

 

そう言うとこいしの頭をなでた

 

こいしは少し心配そうにしたがすぐにそれを振り払い

 

こいし「真也がそう言うなら私は気にしない!さっ!帰ろっか!」

 

そう言って真也の前に立ち扉を開けて手招きした

 

こいし「さ、早くいこ?」

 

そう言ったこいしの表情を真也はまるで女神みたいだな、なんて思いながら手招きされる方に寄っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が帰った後

 

レミリア「なんで私達が見てるのがバレたのか……」

 

パチュリー「あの子、なかなか危なそうね」

 

レミリアの部屋で一つの水晶玉を見ていた2人はそう言って難しい顔をしていて

 




はい、とんでもないシリアスでしたね

真也「はぁー、また知らない方がいいものを知った人が増えちゃった」

こいし「真也……」

まあフランは今後重要なキャラですから

真也「ふーん」

こいし「なにに重要なのかなー」

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」

追記

誤字報告がありました!

真也のセリフに離すのには慣れたが話すのに離れたになってました

パルミアさん、tikyu-giさんもかな?報告ありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

外には出れたか

はーい、こんばんわ生きる死神です

真也「今回はフランのその後を知るために紅魔館にもう一度行くよー」

こいし「どうなったかなー」

はい、というわけで

「「「スタート」」」


 

 

紅魔館での出来事から2日後

 

真也は疲れが酷くてあまり動かなかったのでフランの様子を見に行くことが出来なかった

 

が、ようやく復活したので2人は行くことにした

 

 

 

真也「よーし、ついたー」

 

真也とこいしは紅魔館についた

 

すりと今回は美鈴が起きていた

 

美鈴「あ、こんにちは、真也さん、こいしさん」

 

美鈴は2人に気付くと挨拶した

 

2人はそれに答えながら

 

真也「中入っていーい?」

 

こいし「フランに会いに来たの!」

 

そう言った

 

美鈴は特に気にもとめず

 

美鈴「いいですよ、どうぞお入りください」

 

そう言って門を開けた

 

2人は美鈴に感謝の言葉を言いながら中に入っていった

 

 

 

美鈴「あれ?そういえば、誰か入れちゃいけないって言われたような……」

 

美鈴がそのことに気付いたのは2人が入った後だった

 

 

 

真也「相変わらず赤いねー」

 

真也はそう言って少し目を擦る

 

こいしも目を細めて

 

こいし「目がチカチカするー」

 

そう言って2人は大図書館に向かった

 

 

 

 

真也「あ、そういえば咲夜がいなかったようなー」

 

こいし「あ、そう言われればそうだね」

 

2人はそんなことに気付いたがあまり深くは考えなかった

 

 

 

大図書館についた2人は早速地下に向かった

 

なぜか大図書館には誰もおらず、無人だったが全く気にしないのがこの2人

 

真也「いやー誰もいないから静かだねー」

 

こいし「いや、図書館は静かにする場所でしょ?」

 

真也の発言にこいしがつっこみながら地下の入り口を開け進んでいく

 

 

 

 

フランの部屋についた2人は扉をたたく

 

真也「フーラーンー」

 

こいし「真也とこいしだよーいるー?」

 

そう言ってしばらく待つと

 

フラン「あ、また来てくれたんだ」

 

心なしか元気のなさそうなフランの声が聞こえてきた

 

真也とこいしはそれを心配しながら扉が開くのを待った

 

ちょっとして扉が開いた

 

 

 

するとそこには

 

 

 

目を赤くしたフランがいた

 

フラン「入っていいよ」

 

元気の無いようにフランが言った

 

2人は少し驚きながら部屋に入りフランに事情を聞いた

 

真也「なんでそんなに目が赤くなってるのー?」

 

こいし「もしかして出れなかった?」

 

2人はそう言ってフランの顔を見た

 

フランは泣きそうな顔で

 

フラン「あの後ね?2人が帰ってからお姉様に狂気が無くなったから外で遊びたいって言ったの。そしたら全然信じてもらえなくてね?しかも真也とこいしになにか吹き込まれたんでしょって決めつけたの。私が少し怒って弾幕を放ったらほらやっぱりって言われてね。それで悲しくなってさっきまで泣いてたの」

 

真也が疲れを取っていた2日間の出来事を教えてくれた

 

こいしはとても腹が立ったようで

 

こいし「なんで妹の言葉を信じれないの!?酷い話だよ!ねぇ?真也……!」

 

そう言って真也を見ると

 

 

 

真也の表情が明らかに怒っていた

 

 

 

しかも明らかな怒気とほんの少しの悲しみを放ちながら

 

真也「……わかった、まだレミリアは信じてないんだね?」

 

真也はそんな顔のままフランに聞いた

 

フランは真也の様子が変わったことに驚くも

 

フラン「……うん」

 

真也の目を見てそう答えた

 

その時の真也の目はなにも分からないほど濁っていた

 

こいしもこのままだとなにか起きかねないと思い

 

こいし「真也?とりあえず今日はフランと遊ぼうよ」

 

そう言ってなんとか話題を変えようとした

 

しかし

 

真也「ごめんこいし、今からやることが出来たよ」

 

そう言った真也は手を開くと

 

真也「妹の思いを受け止められない姉には反省してもらうよ……」

 

握り締めた

 

 

 

すると

 

 

 

どこからか悲鳴が聞こえたように思えた

 

真也「さて、これでもフランの思いを受け入れないなら……」

 

真也はそう言うと部屋を出て大図書館に戻った

 

こいしとフランはそれを慌てて追いかけた

 

 

 

こいしとフランが真也に追いつくとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜか服がところどころ破けているレミリア、咲夜、パチュリー、こぁがいた

 

その光景に驚くこいしとフラン

 

その2人に気付いたレミリアが

 

レミリア「フラン!やっぱりこいつは危険よ!私たちにこんな目をあわせるような奴なのよ!」

 

フランにそう訴えた

 

フランは迷っているようだったが、2日前に聞いた真也の過去を思い出し

 

フラン「そんなわけないよ!真也は、私にも優しくしてくれたから!お姉様が勘違いしてるだけだよ!」

 

レミリアにそう言って誤解を解こうとした

 

しかしレミリアは苛立った表情で

 

レミリア「なんでわからないの!もういい!こんな奴私が消し去ってあげる!」

 

そう言ってレミリアは真也に近付いて思い切り殴ろうとした

 

 

 

しかし

 

 

 

それは真也が能力を使ったことで失敗する

 

レミリア「!!??」

 

レミリアはなにが起きたのか分からないという顔をしているが真也は気にもせず

 

真也「直で妹に言われてもダメなんだね……なら、悪いけどちょっと痛い目見てもらうよ」

 

そう言うと真也は手を開く

 

それを見た咲夜が止めようとして

 

咲夜「お嬢様はやらせないわ!」

 

そう言ってナイフを投げた

 

 

 

しかしそれは

 

 

なんと木っ端微塵に壊れて届くことはなかった

 

咲夜「なっ!」

 

咲夜が驚いている中、パチュリーが

 

パチュリー「今のはフランの能力ね」

 

そう言ってフランを見た

 

フランはどこか決意した表情で

 

フラン「真也がこの誤解を解いてくれるなら私は真也をこの嫌いな能力で守るよ!」

 

そう言って四人を見ていた

 

その様子に真也は

 

真也「これだけ見てもまだ変わらないのかな?」

 

レミリアにそう問いかけた

 

レミリアは苦々しそうな顔で

 

レミリア「くっ……分かったわよ!フランはもう狂気が無くて能力も制御出来るってことでしょ!もういいわ」

 

そう言うとレミリアは大図書館から出ていった

 

咲夜もそれを追いかけて出ていった

 

その場に残ったパチュリーとこぁは魔法で回復してから

 

パチュリー「私はまあどっちでも気にしてなかったから」

 

こぁ「私は……よくわからないですが嘘をついているとは思っていませんでしたよ、今更言うのもあれですが」

 

そう言って2人はいつもの場所に行ってしまった

 

その場に残ったのは真也とこいしとフラン

 

フラン「えっと、ありがとね真也。私のために無茶してくれて」

 

フランはそう言って真也を見た

 

真也はいつもの表情で

 

真也「いやー?別にこれでフランが外にでれるなら安いものだよー」

 

そう言って大図書館から出ていった

 

こいしはその後ろ姿を見ながら

 

こいし「真也……あなたはまた無理をする……」

 

そう言ってから

 

こいし「とりあえず良かったねフラン!暇があったら一緒に遊ぼうね!じゃ、またね!」

 

それだけ言ってこいしは真也を追いかけていった

 

その場に残ったフランは

 

フラン「なんかデジャヴだなー、それにこいしが言ったことって……」

 

疑問が残ったがそれを頭から追い出して、とりあえずこの図書館の本を読むことにした

 

 

 

 

大図書館からでた2人は前と同じようにロビーにいた

 

しかし今回違うのは2人ほど人が増えていた

 

その2人はレミリアと咲夜だった

 

レミリア「さて、あれだけやってくれたんだから、少しは落とし前つけてもらうわよ?」

 

咲夜「お嬢様に怪我させられたからにはそれなりの報復をするわ」

 

2人は殺気を出しながら言った

 

真也はレミリアがいる理由について多分納得しなかったのかな、なんて思いつつ

 

真也「うるさきなぁー帰らせてよもー」

 

そう言っていつもの笑顔を向けた

 

こいしは少し冷や冷やしながら

 

こいし「(またなのね)」

 

内心呆れていた

 

レミリアと咲夜は真也の言葉にカチンときたようで

 

レミリア「そう簡単には帰らせないわよ!」

 

レミリアが言うのと同時に咲夜と一緒に弾幕を放った

 

しかしそれを真也は

 

真也「めんどくさいから無くなっちゃえ」

 

そう言って全て消し去った

 

レミリアたちはそれに驚き少し恐怖した

 

その様子を見た真也は

 

真也「これくらいで怖じ気づくんだったら勝負なんて仕掛けないでくれるかな?めんどくさいし、紫が怒りそうだし、君たちは無駄死にするだけだよ?」

 

そう言った真也はいつもの笑顔から無表情になり、瞳も感情の無いものに変わった

 

その変化に最早恐怖を通り越して死を感じた2人は

 

レミリア「わ、悪かったわ!だから殺さないで!まだ私にはやることがあるから!」

 

咲夜「ごめんなさい!お願いだからやめてください!」

 

そう言って真也に懇願した

 

真也はそれを無表情な顔をどことなく冷たくしながら

 

真也「これ以降は無いから……」

 

そう言ってこいしの手を握りその場から消えた

 

レミリアたちは自分たちに向けられた死の予感が無くなったことに安堵した

 

そしてあれだけのことが出来る者だからフランの狂気が無くなったのも本当なのだろうと思い直したのであった

 

 

 

 

こいし「ねぇ真也、もしあの2人があの時反抗してたらどうしてたの?」

 

真也に手を握られ一緒に無意識の中で移動したこいしは移動を終えてから真也に聞いた

 

真也は少しめんどくさそうに

 

真也「あれだけやってもだめだったら、ちょっと痛い目見てもらうか、能力で少し弄ってたかもねー」

 

そう言った

 

こいしはこの言葉がほんとであると確信し、また、そうならなくて良かったと安心した

 

 

 

その後また疲れた真也が地霊殿に帰ると言ったので2人は地霊殿に帰って行った

 

 

 

ちなみに、フランは今日以降普通に外にも出してもらえるようになり、みんなと同じように暮らすことも出来るようになったとか

 

そのことにフランはとても喜んでいたらしい

 

ただフランが真也の名前を口に出すたびにレミリアと咲夜が少し青ざめた顔になるのが気になったらしいが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして紅魔の館に住んでいた狂気の少女は無の少年に救われ、新たな生活を送り始めた

 

こうしてまた無の少年を信頼する者が増えた




はい、その後の話でしたー!

真也「あーやりすぎた感が否めないよー」

こいし「ドンマイ真也」

あはは……少し誇大表現しすぎましたかね

ちなみに、ここで感想にあったなんで真也がレミリアたちが水晶玉で見ていることに気付いたかというと

真也「あれはねー、能力を使ってあの場所を見えなくしたのと音を無くして声を聞こえなくしただけなんだよねー」

というわけなので気付いていたわけではないです、まああんなことしてる時点で気付いてるようなもんですけどね

それと今回の話にあったレミリア達の服が破けていたのは

真也「あれはー僕がレミリアの周りにあった物を無理矢理爆発させたからだねーまあレミリアだけだと思ってたから他の人もあんな事になってるとは思わなかったけどねー」

こいし「真也の能力協力すぎよ」

はは、まあ、いろいろ理由はありますよ

あと、前に募集した質問の答えを一応本編にも描写しましたが分からなかった可能性もあるので言っときますね

まず、無礼になれるかということに関しては、なれることはなれますが、真也は誰に対しても同じように接するので関係ないですね

また妖精メイドに名前をつけるかということに関してはさすがに一人一人に名前を付けると僕の頭がパンクするのでしません

あと無理を変えれば何でも出来るのではないかということについては……まあはっきり言いますとそうですね。ほんとチートですいません笑

それと今日の10時30分にまた番外編を投稿します

内容は真也に異変が!?

ということで次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外!今度は真也に異変が!?

はいどーも、生きる死神です

真也「そしてそのままさよーならー」

こいし「ちょ!落ち着いて真也!」

あ、終わった(諦め)

こいし「諦めないでよ!?」

だって、真也が本気になったら全部「それ以上は駄目だよー」もがっ!?

こいし「もう始めるよー?」

ぷはっ!で、では

「「「スタート」」」

※最後にお知らせがあります


 

 

ある日の朝(7時)

 

真也は眠りから覚めた

 

真也「ふあー、よく寝たー」

 

そう言って着替え始める

 

しかし、その最中に真也は自身の違和感に気付く

 

 

 

 

あれー?僕こんなに胸元重かったっけー?

 

 

 

そう思った真也は鏡を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「えっ、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也が自分の異変に気付く少し前

 

こいし「ふみゅー、そんなに撫でないでー」

 

こいしはよく分からない夢を見ていた

 

こいしが夢の中でふわふわとしていると

 

真也「こいしーーー」

 

真也がドアを遠慮なく開けて入ってきた

 

こいしはその音で目が覚めた

 

こいし「ふぁーぁ、おはよー真也どーしたのー?」

 

うとうとしながらこいしが真也に聞くと

 

真也「どーしたもこーしたもないよー。なんか僕……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女の子になってるよー」

 

真也は焦りながら言った

 

こいしはそれを聞くと意識が覚醒したようで

 

こいし「ふーん……、って、えっ!?真也が女の子に!?」

 

そう言って真也を見ると確かに髪が腰まで伸びており(しかもなぜかきれいだった)

 

身長も自分と同じくらいで

 

なにより胸元が大きかった

 

こいし「(ま、負けた……)」

 

こいしはそのことに少し落ち込みながらもとりあえず真也に事情を聞いた

 

こいし「どうしてそんなことになってるの?」

 

こいしに聞かれた真也は

 

真也「わかんないー、心当たりは……あ」

 

最初は心当たりが無さそうにしていたが、何かに気付いた

 

こいし「思い出したの?」

 

そう言われると真也はばつが悪そうにして

 

真也「昨日、女の子も楽しそうだよねー、なんて言ったからかなー?」

 

昨日言ったことを言った

 

 

 

ーーー回想ーーー

 

真也「男の子って時々めんどくさいこと押しつけられるんだよねー」

 

こいし「そうなんだー。女の子、って言ってもここの女の子はみんな力あるけど、そんなに押しつけられないんだよね?」

 

真也「そーそー、女の子ってそんなことないから楽しそうだよねー」

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

 

こいしは昨日のことを思い出しため息をつくと

 

こいし「もー、真也は能力で性を無くすことも出来そうだもんねー、なら、今日は女の子で過ごしてみれば?」

 

真也にそう提案した

 

真也は少し考えてから

 

真也「そーするよー、たまにはこいしと同じ目線もいいかもねー」

 

そう言って楽しそうに笑った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後2人は地霊殿を回っている

 

その時の真也はなぜかあった女の子の服を来ていた

 

ちなみに、真也の格好は上は女物になっただけで変わらず、下が膝丈の黒のスカートになっただけである

 

しかし、真也がなんかすーすーするー、といったのでこいしが自分のタイツを貸してそれをどうにかした

 

真也「いやー、女の子っていろんなもの着るんだねー」

 

真也は感心しながら言った

 

こいしは呆れたように

 

こいし「まあ、確かにそうだけど、真也はいつもの格好からあんまり変わってないよねー」

 

そう言って真也の服の端を摘まんだ

 

真也は苦笑いしながら

 

真也「しょーがないよー上はあんまり変えなくても変わらないしねー」

 

そう言いながら頭を軽く掻いた

 

こいしはそれから少し考え何かひらめいたようで

 

こいし「よし!じゃあ、これから着せ替えてあげる!」

 

そう言うと真也の手をつかみどこかへ走り出した

 

真也は突然のことに反応できず

 

真也「えっ、ちょ、こいしー?うわわわわー」

 

そのまま連れて行かれた

 

 

 

こいしの部屋につきどこからだしたのかいろんな服が出てきた

 

真也はそれを見てこれはやばいと本能的に察しそろそろと逃げようとしたが

 

こいし「なーに逃げようとしてるの?」

 

すごく良い笑顔で腕を捕まれて逃げれなくなり

 

真也「あ、うん、ごめん」

 

真也はこれからのことを悟り諦めた

 

 

 

 

 

 

 

 

こいし「これはどうかなー?」

 

真也はかれこれ十数着着替えていた、そのせいでかなり疲れていた

 

真也「こ、こいしー、そろそろ休まない?僕疲れたよー」

 

そう言ってこいしに休むことを提案した

 

するとこいしはニヤリとして

 

こいし「ふふーん♪休みはこれを着てからねー?」

 

そう言って渡されたものは

 

 

 

 

博霊の巫女の服だった

 

真也「えっ?これ着るの?」

 

少し驚いて真面目な口調で聞くとこいしは当然といった顔で

 

こいし「黒髪だから似合うってー♪霊夢も同じ黒髪だからねー」

 

そんなことを言って服を渡してくる

 

真也はもう諦めたようで

 

真也「うー……わかったよー着ればいいんでしょー」

 

なかば自棄になりながら着替えた

 

その様子を見たこいしは

 

こいし「(うわぁー、すごい似合ってる、霊夢も良かったけど、真也も似合うなー)」

 

そんなことを考えていた

 

そして着替えが終わり真也が

 

真也「これでいいー?もう疲れたから休みたいよー」

 

そう言って少し泣きそうな顔でこいしを見た

 

こいしはその顔にドキッとして

 

こいし「う、うん、いいよ」

 

そう言って顔を伏せた

 

真也は不思議そうだったが好奇心より疲れが勝ったのかこいしのベッドに座り込みそのまま横になって寝てしまった

 

真也「すー……すー……」

 

真也はすやすやと眠っている

 

その様子に少し悪戯心が沸いたこいしは

 

こいし「ふふふっ、起きたら驚くかなー?」

 

そう言ってまたなにかを始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也は自分にかかる重みで目が覚めた

 

真也「んーー、ん?右腕が重い……あぁ」

 

少し伸びをしようとして右腕があがらないことに気づきそちらを見ると

 

そこには

 

楽しそうな顔で眠っているこいしがいた

 

真也はこいしのその表情を見て少し嬉しくなり起こさないようにこいしを抱きしめ

 

真也「いつもありがとね」

 

こいしの耳元でそう言った

 

こいしはそれが聞こえていたのか分からないがその時こいしの表情はとても嬉しそうだった

 

真也「あはっ、ほんと可愛い顔を惜しげもなく晒しちゃってるよー」

 

真也はそう言いながらこいしの頬をぷにぷにと指でつつき遊んでいると

 

こいし「ふみゅー、あむっ?」

 

こいしが急につついていた指を咥えたのだ

 

真也は驚いてすぐに抜こうとしたがこいしが手をつかんだせいで離すことも出来ずされるがままだったので

 

真也「もーそろそろ起きてもらうよー」

 

そう言うとこいしの耳元に口を近づけ

 

 

 

息をふーっと吹きかけた

 

 

 

するとこいしがビクッととして

 

こいし「な、なにー。あ、おはよー真也……ってなんで私真也の手を掴んでるの?真也の指もべとべとだし」

 

こいしは少し顔を赤くしながら起きて、真也に聞いた

 

真也は少し笑いながら

 

真也「僕が起きてこいしの頬をつついてたらいきなり指を咥えられたらよー」

 

そう言った

 

こいしはまた少し赤くなり

 

こいし「え、ご、ごめん、すぐに拭くね」

 

そう言って自分の服に少し巻きつけ拭き取った

 

真也はこいしが起きたのでベッドからでた

 

 

 

そして自分の格好を見て驚いた

 

 

 

なぜなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいしと同じ服を着ていたからだ

 

真也「えっ?なんで僕こいしと同じ服を着てるの?寝る前は霊夢の服だったよね?」

 

真也が慌てているとこいしがクスッと笑い

 

こいし「私が真也が寝ている間に着替えさせたの!少し遊ばせてもらったけどねー、ふふっ」

 

そう言ったこいしはとても楽しそうだった

 

真也はそんな顔のこいしにどうする気も起きず苦笑した

 

 

 

 

 

その日の夜

 

真也「あー、ほんとに大変だったなー」

 

こいし「お姉ちゃんが私の偽物だって疑ったときは面白かったなー」

 

真也は疲れたようにこいしは楽しそうに言った

 

こいしが言っている偽物とは

 

結局真也の服がこいしと同じものになり(というかこいしにお願いされて断りきれなかった)2人で地霊殿を歩いていたところ、さとりに見つかりなぜか偽物と勘違いされ追い回されたのだ

 

心が読めないのまで一緒なので証明しづらかったが能力を使って見せたら納得してくれたので解決はした

 

解決は

 

なぜそう言うかというとさとりが納得すると同時に真也に

 

さとり「真也が女の子ねー面白そうね、こいし、私も手伝うわ」

 

そう言ってこいしと2人でまた着せ替えが始まったからだ

 

またもいろんな服を着せられ疲れ果ててたがそんなことお構いなしに着せ替えは続いた

 

そして真也がダウン寸前で終わり今に至る

 

真也「あーもう女の子はこりごりかなー」

 

真也はそう言って肩を落とす

 

こいしはそんな様子の真也を見て苦笑して

 

こいし「あーあんなに付き合わせちゃってごめんね?今度埋め合わせはするから」

 

そう言ったこいしの顔は少し申しわけなさそうだった

 

それを聞いた真也は

 

真也「もー次はやめてよねー?まーこいしとお揃いの服を着れたときは少し嬉しかったけど……」

 

少し呆れながらも後半顔を赤くしながらそう言った

 

こいしはそれを聞いて同じ様に顔を赤くし

 

こいし「今度は普通の時にお揃いの服着ようね?」

 

真也に期待の目を向けた

 

真也はもちろんといった表情で

 

真也「まずは一緒に探しにいこっかー」

 

そう言って笑顔を浮かべた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして真也の騒がしい1日は幕を閉じた

 

後日、2人がどこかで買ってきたお揃いの服を着てお互い嬉しそうにしていたのはここだけの話




はい、真也か女の子になりましたー

真也「いやーほんと着せ替えはつらかったー」

こいし「ふふふっ、私は楽しかったよ?」

楽しそうで何よりですね

真也「(今度はこいしに何か起きないかなー)」

こいし「(また真也に何か起きるといいなー)」

はいでは次回まで

「「「ばいばーい」」」

(活動報告にコラボについての質問をおきました、書いてもらえると、コラボの話を書くとかに参考になりますのでよろしくです)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

綺麗な向日葵畑の美しい棘

はいどうも、生きる死神です

真也「今回はあそこかー」

こいし「どんなところかなー♪」

(あんまり楽しめるとは限りませんけどねー)

真也「もう始めよー」

こいし「そーだそーだ」

はいはい、では

「「「スタート」」」


真也がレミリアたちを脅した日からまた2日後

 

真也「よーし復活ー」

 

真也は疲れがとれて動き出した

 

こいし「じゃあ、今日は地上を探索しようよ!」

 

こいしはその様子を見て嬉しそうにしながら言った

 

真也は軽く了承して地霊殿をでた

 

 

 

 

真也「んや?ここはどこかなー?」

 

真也とこいしはどこに行こうかと思ったときに

 

真也「たまには無意識に身を任せてみよー」

 

こいし「いいねーそうしよっかー」

 

2人はそう言って無意識に移動したのだ

 

そして着いたのは

 

 

 

真也「すごいなー、一面

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

向日葵だらけだー」

 

向日葵畑、通称太陽の畑だった

 

真也とこいしは辺り一面が向日葵に覆われている光景に感動していた

 

真也「わーすごい綺麗ー」

 

こいし「とっても綺麗だねー!」

 

素直な感想を口にしていた

 

すると

 

?「あなた達だぁれ?」

 

急に後ろから声がした

 

真也とこいしは振り向くとそこにはどことなく人形っぽい少女がいた

 

真也はその少女を確認しつつ

 

真也「僕は全無真也ー、真也って呼んでねー」

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでね」

 

そう言った

 

それを聞いたその少女は

 

?「真也とこいしね。私はメディスン・メランコリー、鈴蘭畑に住んでいる人形よ」

 

そう自己紹介した

 

それを聞いた2人は

 

真也「人形なのー?」

 

こいし「ぜんぜん人形に見えないねー」

 

至極まっとうな感想を述べた

 

メディスンは

 

メディスン「ここでなにしてたの?」

 

そう2人に聞いた

 

真也とこいしは

 

真也「無意識に身を任せてふらついたらここについたからーここの向日葵を見てたのー」

 

こいし「とっても綺麗だから見とれちゃってたの!」

 

そう言った

 

メディスンはそれを聞いて少し心配そうにし

 

メディスン「2人はここの管理人を誰か知ってる?」

 

そう聞いた

 

2人にはなにも分からず首を横に振ると

 

メディスン「ここの管理人は「あら?ここでなにしてるのかしら?」……あ、来た」

 

メディスンが何かを言おうとした時、急に日傘をした赤と緑のチェックのシャツを来た女性が遮った

 

真也とこいしはそれぞれ女性に対して

 

真也「んー?君は誰ー?」

 

こいし「……どこかで見たことある気がするなー……」

 

そう言った

 

女性は意外そうに笑うと

 

?「あら、私を知らないやつがこの幻想郷にいるなんてね。私は風見幽香、ここの管理人よ」

 

そう説明した

 

真也とこいしは

 

真也「幽香ねー、僕は全無真也ー、真也って呼んでねー」

 

こいし「古明地こいし、こいしって呼んで」

 

そう返した

 

幽香は少し観察するように2人を見ながら

 

幽香「で、あなた達はここでなにしてたの?答えによってはちょっと痛い目見てもらうわよ?」

 

少し威圧しながら言った

 

それを聞いたメディスンが焦ったように

 

メディスン「いや幽香、私はここでなにしてたか聞いただけだからね?なにもしてないからね?」

 

自分がなにもしてないことを弁解した

 

幽香は興味なさそうに

 

幽香「あなたには聞いてないわよ、あなたが何かするようには見えないもの」

 

そう言った

 

メディスンはそれを聞いてほっとした顔をした

 

真也はその様子を見ながら

 

真也「僕たちは無意識にここにきてこの向日葵畑を見てただけだよ?」

 

そう言った

 

幽香はそれを聞いて興味を持ったようで

 

幽香「ふーん、無意識にここにきたと、それでこの子たちを見ていたと」

 

そう言った

 

幽香の目はなぜか鋭かったが真也は気にせず

 

真也「これだけ綺麗な向日葵がこんなに生えてるんだからー見とれるのもしょーがないでしょー?ね、こいしー?」

 

こいし「うんうん、そうだねーとっても綺麗だった!」

 

こいしに同意を得ながら言った

 

幽香はそれを聞いて少し嬉しそうにしながら

 

幽香「そう?そう言ってもらえて私は嬉しいしこの子たちも喜んでるわ」

 

そう言って笑顔を浮かべた

 

真也はもうなにもなさそうだなーと思いこいしに移動を提案しようとした

 

 

 

その時

 

 

 

真也「こい……っと、なにするのかなー幽香ー?」

 

真也は突如飛んできた弾幕を回避することになった

 

幽香は楽しそうに笑っていて

 

幽香「こんなところに人間が普通にやってくることなんてないしなによりあなたは面白そうだからね。能力持ってんでしょ?」

 

そう言うと真也はめんどくさそうな顔をして

 

真也「はぁーなんでこんなことにー、僕の能力は「『無』を操る程度の能力」だよー。これでいいでしよー?」

 

そう言った

 

それを聞いたメディスンは驚き少し怖いものを見る目で見ていた

 

メディスン「(なんて能力なの!)」

 

幽香は少し驚いた後怖い笑みを浮かべ

 

幽香「これは楽しめそうね、私とちょっと戦ってもらいましょうか。あなたに拒否権なんて無いわよ?」

 

そう言った

 

真也はめんどくさそうに

 

真也「やだよーめんどいしー無駄だもーん」

 

そう言った

 

こいしもそう思い

 

こいし「真也帰ろうよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うとこいしは急に景色が変わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのことに驚くこいし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていつの間にか真也にお姫様だっこされていた

 

 

 

真也「こいしになにするのかな?」

 

 

真也のそんな声が聞こえた

 

状況が分からないこいしは取りあえず真也を見ると

 

 

 

真也はかなり怒った顔をしていた

 

幽香「いや、その子がうるさいから黙ってもらおうかなってね?」

 

そう言う幽香はとても楽しそうだ

 

こいしは少し恐怖を感じつつ

 

こいし「真也、早くいこ?」

 

そう言った

 

しかし

 

真也「ちょっと待ってね?幽香に軽く仕返しするから」

 

真也はそう言うと手を開き

 

 

 

握った

 

 

 

すると

 

 

ドサッという音が聞こえた

 

こいしはその音の方を向くと

 

 

 

そこには

 

 

幽香が意識を無くして倒れていた

 

真也「ちょーっと気絶してもらったよー」

 

そう言うと真也はこいしの手を握り

 

真也「さて、帰ろっかー」

 

そう言った

 

こいしは毎回どこかに行くたび、やっかいなことに巻き込まれるなーなんて思っていた

 

こいし「そうだねー」

 

こいしの返答を聞いた真也は行きと同じく無意識になりこいしの手を握ったまま地霊殿に帰った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後気がついた幽香はとてもイライラしていてちょっと近くを通った妖怪をぼっこぼこにしたとかしてないとか

 

メディスンも自分が巻き込まれないか気が気ではなかったらしい

 

 

 

 

 

 




はい、太陽の畑に行きましたね

真也「なんであんなに好戦的なんだろーなー」

こいし「娯楽が少ないからなんじゃない?」

それを言ったらいろんな人に当てはまりません?

真也「それなー」

こいし「確かにそうだったね」

というわけで次回はどうしましょうか

真也「白玉楼かー妖怪の山かー守矢神社かー博霊神社かー魔法の森かなー?」

こいし「どこに行こっかなー」

次はどこにしましょうかね

まあそれは追々考えるとして明日はもしかしたら予約したもの以外更新しないかもしれません

理由は明日はうちの学校の合唱祭だからです

真也「へー頑張れー」

こいし「たのしそー」

はい、もしかしたら疲れて書かないかもしれませんが予約したのは投稿されますので

ちなみにその話はコラボです

では、次回まで
「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

白玉楼は景色が良い!

はい、昨日は合唱祭でした生きる死神です

真也「結果はー」

こいし「どーせ入賞もしてないでしょ」

なんと最優秀賞ですよ!一番でした!

真也「そ、そんなばかなー」

こいし「明日は雪かな?」

この言われようである

もういいです、では

「「「スタート」」」


太陽の畑に行った3日後

 

真也「今度は妖夢と幽々子がいるらしい白玉楼に行ってみよー」

 

こいし「おー」

 

復活した真也とこいしははどこか雑なノリで白玉楼に向かった

 

 

 

しかし地底の商店街を歩いているときに

 

真也「あ、そーいえばー幽々子ってめっちゃよく食べるらしいからーなにかお土産でも買ってこーかー」

 

こいし「そーだけーなににするー?」

 

真也は幽々子がとんてもない胃の持ち主であることを思い出しなにかお土産を買うことにした

 

 

 

真也「これはどーかなー」

 

こいし「これも良さそうじゃない?」

 

2人はあーだこーだ言いながらお土産を選んでいた

 

しばらくして選び終えた2人は今度こそ白玉楼に向かった

 

 

 

 

真也「あれー?白玉楼ってどこにあるのかなー」

 

真也はよく考えたら白玉楼がどこなのか知らないことに気付いた

 

こいしはそれを聞いて呆れた顔をして

 

こいし「知らないで行くって言ったの?」

 

そう言った

 

真也は少し困ったように笑みを浮かべると

 

真也「ごめんねー、こんな時は無意識でー」

 

そう言うと能力を使って白玉楼に向かった

 

 

 

 

真也「はっ、ここはどこー?」

 

真也は無意識にどこかについたと思い能力を止めた

 

するとそこは桜が両側に植えられている階段にいた

 

その先はまだ続いておりなかなか長そうに見えた

 

こいし「これを上るのは骨が折れるよー」

 

こいしはとても嫌そうに言った

 

真也は

 

真也「いや、飛べばいいよねー?」

 

冷静にツッコんだ

 

こいしはその手があったかと言ったような顔をして

 

こいし「あー、階段は上るものだとつい……」

 

そう言った

 

真也はまあ良いかと思い

 

真也「さー、行こっかー」

 

階段の上を飛んで一番上を目指した

 

 

 

 

こいし「すごーい!とっても綺麗!」

 

こいしは白玉楼の敷地内を見て感動したように言った

 

真也も同じことを思ったのか

 

真也「ねー、すっごいきれーだなーここの庭師さんもこれだけやるのは大変なんだろーなー」

 

そんなことを言っていると

 

妖夢「あれ?真也さんとこいしさんですか?」

 

横の方から妖夢の声が聞こえた

 

真也たちはそちらを見ると妖夢がいたので

 

真也「あー妖夢ー、暇だから来てみましたー。お土産もあるからーいいよねー?」

 

真也は近付いてお土産を渡しながらそう言った

 

妖夢は驚いた顔で

 

妖夢「お土産ですか?中身は……食べ物ですね、しかも地底のですか、あまり人里では見ないものですね。これは幽々子様も喜びそうです!ありがとうございます!」

 

そう言ってとても嬉しそうに感謝した

 

真也とこいしは良いことをしたと思いながら

 

真也「ところでその幽々子はー?」

 

こいし「確かにいないねー」

 

幽々子がいないことに気付いたので妖夢に聞くと

 

妖夢「幽々子様は今お客様とお話になってますね」

 

そう言った

 

真也はそれを聞いて

 

真也「お客ってだれー?」

 

客が誰か気になり妖夢に聞いた

 

妖夢は

 

妖夢「騒霊楽団の3人てすね」

 

そう言った

 

真也は誰かと思いき妖夢にさらに聞こうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「あれ?あなた達は誰?」

 

?「あー!見たこと無い人たちがいるー!」

 

?「あの人達もお客さんかな?」

 

妖夢と話していた縁側の反対側から3人の少女が現れた

 

真也「んー?君たちは妖夢が言ってた騒霊の人達ー?」

 

真也がそう聞くとその3人の中のリーダーだと思われる少女が

 

?「そうだよ、私たちが騒霊楽団のプリズムリバー3姉妹、私は長女のルナサよ」

 

金髪の大人しそうな少女が言った

 

?「私はメルラン!よろしくねー!」

 

青髪の明るそうな少女が言った

 

?「私はリリカ、よろしくね」

 

薄茶色の髪をした真面目そうな少女が言った

 

真也はそれを聞いてから

 

真也「ルナサにメルラン、リリカねーよろしくー、僕は全無真也、真也でいいよー」

 

そう自己紹介した

 

こいしもそれに続き

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでね!よろしく!」

 

はきはきとそう言った

 

お互い名前を知り顔も覚えたところで

 

ルナサ「あ、ここにいるなら私たちの演奏聴いてほしいな」

 

メルラン「確かにー!聴いてってよー!」

 

リリカ「そうだね、一回聴いてもらってもいい?」

 

ルナサが提案しメルランがそれに便乗しリリカが真也達に聴いてもらっても良いか聞いてきた

 

真也はそのコンビネーションの良さに

 

真也「(さすが3姉妹、コンビネーションいいねー)うんー、いいよー、こいしもいいよねー?」

 

そんなことを思いながらこいしにも良いか聞いた

 

こいしはもちろんといった顔で

 

こいし「うん!聴いてみたいな!」

 

そう言ったのでルナサ達は

 

ルナサ「じゃあ少し待っててもらえるかな?準備してくるよ」

 

メルラン「待っててねー!」

 

リリカ「期待しててね?」

 

そう言って準備をしに中に戻っていった

 

それを確認したあと

 

幽々子「あら、他にもお客さん来てたのね?言ってくれればもてなしたのに。───妖夢が」

 

幽々子がどこからともなく現れた

 

妖夢はそのことに小さく悲鳴を上げてから

 

妖夢「あ、幽々子様、先ほどから来てましたよ、というか、なんで私がもてなすんですか!幽々子様がここの主なんですからね!?」

 

ぷんぷんと怒って幽々子に言った

 

幽々子はそれをどこ吹く風のように受け流して真也たちに

 

幽々子「冗談は置いといてあなた達も聴いていくのよね?なら一緒に話して待ってましょうか」

 

そう言って世間話をしようと提案した

 

真也たちも了承しルナサ達の準備が整うまで4人で楽しく話していた

 

 

 

 

しばらくするとルナサ達が来て

 

ルナサ「準備が出来たわ」

 

メルラン「さー!始めるよー!」

 

リリカ「ゆっくりしてってね?」

 

そう言って演奏を始めた

 

真也とこいしはその演奏に感動しながら聴き入っていた

 

真也「(聴いてていろんな気持ちになるなー)」

 

こいし「(すごい上手いなー)」

 

そんなことを聴きながら思っていた2人だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演奏も終わりルナサ達が近付いてきて

 

ルナサ「どうだったかな?」

 

メルラン「良かったでしょー!?」

 

リリカ「今回もいつも通りに出来たよ」

 

真也たちに感想を聞いてきた

 

真也は

 

真也「すっごい上手かったー。それに感動したなー」

 

拍手しながらそう言った

 

こいしは

 

こいし「すごかったー!何度でも聴けそうだよ!」

 

そう言って目をキラキラさせていた

 

ルナサ達はそれに満足なようで

 

ルナサ「それなら良かったよ」

 

メルラン「でしょー!?やっぱりそうだよねー!」

 

リリカ「ありがとね、機会があったらまた聴いてね」

 

そう言って帰って行った

 

 

 

それを見送った真也たちも

 

真也「そろそろ帰ろっかー?こいしー」

 

こいしにそう聞いた

 

こいしは

 

こいし「そーだね、どれくらいかかったか分からないしねー」

 

そう言った

 

それを聞いていた幽々子は

 

幽々子「あら、あなた達帰り方が分からないようね、妖夢、送ってあげなさい」

 

そう言って妖夢に送ることを命じた

 

妖夢も主の命なので

 

妖夢「わかりました、真也さん、こいしさんついてきてください」

 

そう言って歩き始めた

 

真也は妖夢の後ろについて行きながら

 

真也「幽々子ーまたねー」

 

そう言って幽々子に手を振った

 

こいしも

 

こいし「お土産食べてねー」

 

そう言って同じ様に手を振った

 

幽々子もそれに手を振り返してくれた

 

 

 

妖夢「ここから行けば向こうに帰れますよ」

 

妖夢の案内で無事に冥界の入り口についた真也とこいしは

 

真也「案内してくれてありがとねー、また来るよー」

 

こいし「案内ありがとー!」

 

そう言って手を振った

 

妖夢も

 

妖夢「また来てくださいねー」

 

そう言って手を振り返してくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後地霊殿についたこいしと真也は少し2人で話してから自室に戻った

 

こいしは

 

こいし「(今回はなにも起きなくて良かったな)」

 

そう思っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにお土産で持って行ったのは地底の名物の温泉饅頭百個である

 

しかしそれもほんの数分で無くなったと妖夢が嘆いていたらしい

 

 

 

 

 




はい、白玉楼でしたー

真也「あー演奏すごかったー」

こいし「ね!また聴きたいね!」

あの3人のキャラ把握するの大変でしたよ、ルナサ以外全然分からなかったものですから

真也「ルナサはわかるんだー」

こいし「なんで?」

ルナサがあの中では一番好きだから

真也「全体の一番はー?」

もちろんこいしちゃん

真也「ふーん?」

こいし「し、真也落ち着いて!」

そうじゃなきゃこの小説も書き始めてないんですよ!

真也「へー」

こいし「そーなのかー」

ちょ、反応薄いしこいしちゃんのは違うキャラのやつだし

真也「はいはいー」

こいし「そーですねー」

……もーいいや、では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

妖怪だけじゃない山

はい、こんばんは生きる死神です

真也「今回は妖怪の山かなー?」

こいし「そうだよね?」

そうです、そしてタイトルは神もいたりするからああなりました

真也「へー」

こいし「ふーん」

では

「「「スタート」」」


 

 

白玉楼に行った2日後

 

真也「妖怪の山って言うのがあるらしいから行ってみよー」

 

こいし「それって地底の入り口から出たところがその山の中立った気がするんだけど」

 

真也が妖怪の山に行こうと提案しこいしがすぐそこじゃないかと言った

 

それを聞いた真也は

 

真也「あれーそうなのー?知らなかったよー」

 

ちょっと棒読みな感じで言った

 

こいしは少しイラッとして

 

こいし「ごめん真也イラッとしたからデコピンするね」

 

そう言って真也の額にデコピンした

 

真也はその一連の流れの速さに反応できず

 

真也「えっ、ちょっ……あうっ」

 

止める声を出す前にデコピンされ情けない声を出した

 

こいし「ふふっ、可愛い声だね」

 

こいしはその真也の声を聞いて笑いながら地霊殿から出ていった

 

真也は抗議するまもなくこいしが出ていったので

 

真也「あ、ちょ、こいしー。待ってよー」

 

こいしの後を追って出ていった

 

 

 

 

こいしに追いついて地底の入り口から出てきた2人は

 

真也「あんまりー気にしてなかったけどーここが妖怪の山かー」

 

真也は何かおもしろそうなものがないか探していると

 

 

 

 

?「そこの人間!ここで何をしている!ここがどこだか分かってるのか!」

 

 

 

後ろから急に強い口調で声がかけられた

 

真也は振り向くとそこには白い尻尾と耳に白い服を着た少女がいた

 

真也はその格好を見ながら

 

真也「分かってるよー妖怪の山でしょー」

 

そう言った

 

その少女はそれを聞いて少し怒ったようで

 

?「分かってるなら早く出ていけ!ここは人間のいていい場所ではない!」

 

ここから出ていけと言ってきた

 

真也はそれをめんどくさそうに聞きながら

 

真也「別にー僕はここの妖怪なんかじゃやられないしー第一こいしもいるから大丈夫だよー」

 

そう言った

 

それを横で聞いていたこいしは

 

こいし「(あ、今完璧ケンカ売った)」

 

少し呆れた表情で考えていた

 

そのこいしの考えは当たったようで

 

?「人間が妖怪に勝つ?はははっ!笑わせるな、そんなの無理に決まってるだろう、博霊の巫女や白黒の魔法使いのように人間の域から出ていなければな!」

 

その少女はそう言って真也の言ったことを真っ向から否定した

 

こいしは今度は完全に諦めた顔になり

 

こいし「(あ、だめだこれ)」

 

そう思っていると

 

 

 

真也「うるさいなー、もう話さなくていいよー」

 

真也がそう言っていつの間にか手を開いており

 

少女はそれを不思議に思いながら

 

?「は?なんだそれは、そんなもので私に勝てるのか?」

 

そう言って挑発した

 

真也は少し意地悪な笑みを浮かべ

 

真也「あははっ、どうだろーねー?」

 

そう言って手を握った

 

 

 

すると

 

 

 

?「ふん!なにも起こらな……!」

 

少女がはったりだと思って何かを言おうとしたが

 

 

 

それは

 

 

 

突然起こった爆発で止められた

 

?「な、なにをしたんだ!」

 

少女がそう言うが真也は

 

真也「教えないよーそろそろしつこいと思ったからねー」

 

そう言ってケタケタ笑った後、少し殺気を出しながら

 

 

 

 

真也「これは警告だよ?これ以上まだなにかするなら次は……」

 

 

 

 

そう言って少女を見ると少女はガタガタ震えながら

 

?「ご、ごめんなさい!私が悪かったから許してください!」

 

先ほどとは変わって見た目と合った少女らしい口調で謝った

 

真也はそれを見ていつもの笑顔に戻し

 

真也「いいよーところで君の名前はー?」

 

そう聞いた

 

少女は

 

?「私は犬走椛、白狼天狗です。あなた達は?」

 

そう言って2人を見た

 

真也が

 

真也「僕は全無真也、真也でいいよーよろしくねー椛ー」

 

そう言った

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでね!よろしく椛!」

 

こいしも元気にそう言った

 

椛はそれを聞いて

 

椛「真也さんにこいしさんですか……どこかで聞いたような……。あ、めんどくさい人がこっちに来てる。真也さんこいしさん、私ここらへんで仕事に戻りますね、では」

 

最初は考えるように言っていたが途中何かに気付いたのか早口で言ってどこかへ言ってしまった

 

真也たちはそれをポカーンとしながら見てると

 

文「あやや?これはこれはこの前宴会にいた真也さんとこいしさんじゃないですか。こんなところでなにを?」

 

椛が言った方向とは反対から文が来た

 

こいしはそのことに

 

こいし「(あ、椛が言ってためんどくさい人って文のことか、確かにこれはめんどくさそうだなー)」

 

この前の宴会を思い出しながらそんなことを考えていた

 

真也は特になにも考えずに

 

真也「暇だったから妖怪の山を探索しに来ただけだよー?」

 

そう言った

 

文はそれを聞いて

 

文「あやや、そうなんですか!そうだ、もし暇ならちょっと質問に答えてもらっても良いですか?」

 

そう言って少し真也達の方に近付いてきた

 

真也は

 

真也「その質問はなんのためなのー?」

 

そう聞くと文は

 

文「私が書いてる文文。新聞に書くんですよ!外来人はめずらしいですし、それに真也さんの能力は強いですからねー、あること無いこといろいろ書けま……はっ、私はなにを言ってるんだか、で、どうです?答えてもらえますか?」

 

少し速口でそう言った

 

それを聞いた真也は雰囲気が変わり

 

真也「もし答えなかったら?」

 

どこか威圧感をだしながら言った

 

文はそれを気にせず

 

文「そうですねー、私の自己解釈で書きますね!まあどう捉えるかは私次第ですがね!」

 

そう言って笑った

 

 

 

しかし

 

 

 

真也「ふーん、じゃあ、答えないし勝手に書かないでね?」

 

真也は明らかな殺気を出しながら言った

 

文はそれに驚き焦りながら

 

文「な、なぜです?あなたが答えないならあなたは関係ないでしょう?」

 

そう言った

 

真也はそれを聞いて今度は笑みが消え

 

真也「関係ないとかそういうのじゃないよね?僕が迷惑するんだから無関係じゃないよ?僕は新聞とかそういう人のことをてきとーに言って周りを誤解させるものが嫌いなんだよね。もし、君がそれでも書くというなら、僕は今ここで君に痛い目にあってもらわないといけなくなるんだ、嫌でしょ?」

 

文の目を見ながらそう言った

 

文は完全に気圧され

 

文「わ、わかりました!絶対しませんから!」

 

そう言った

 

真也はいつもの状態に戻り山を探索しようと歩き出すが

 

真也「あ、もし、新聞に少しでも僕のことを載せたら、覚えててね?」

 

途中で振り返って文の方を向き悪魔のような笑顔でそう言った

 

文は

 

文「は、は、はい、わかりました……」

 

最早返事する気力すらもがれていた

 

真也はそんな状態の文を気にすることもなく

 

真也「さー、行ってみよー」

 

そう言って探索し始めた

 

 

 

 

真也たちがてきとーに歩き始めてからしばらくすると

 

?「あら?こんな所に人間?危ないから帰った方がいいわよ?」

 

どこからか声が聞こえた

 

真也はその声の方を向くとそこには緑色の長い髪を不思議な結び方をして赤色の多い服を着た女性がいた

 

真也「んー?僕は普通の人間じゃないから大丈夫だよー、君は誰ー?」

 

真也はそう言って女性を見た

 

?「私?私は鍵山雛、厄神よ、近づいたら厄いから近づかないでね?」

 

女性は名前と種族を言った

 

真也はそれを聞いて

 

真也「厄神ー?厄かー無くせないこともないかなー」

 

そう言うと雛に手を向けて開き

 

雛「?なにをするのかしら?」

 

雛がそう言ったあと

 

真也「ほいっ、これで無くなったかなー?」

 

手を握りそう言った

 

雛は最初はなんのことなのか分かっていなかったが

 

雛「うん?なにをしたのかしら……えっ!?私の厄が無くなってる!?」

 

やっとなにをされたかに気付くととても驚いていた

 

真也はその様子をおもしろそうに見ながら

 

真也「あははっ、雛の厄を無くしてあげたよー。これで近づいて話せるでしょー?」

 

そう言った

 

雛は怪訝そうな顔をしながら

 

雛「あなたいったい何者?」

 

そう聞いた

 

真也は

 

真也「僕は全無真也、真也って呼んでねー僕は無を操る人間かなー」

 

そう言った

 

こいしも一応と思い

 

こいし「私は古明地こいしだよ」

 

そう言った

 

雛は真也の言ったことを聞いて少し驚いたあと

 

雛「厄を無くしたのね、なかなかすごい能力ね」

 

そう言った

 

真也は少し驚いたようで

 

真也「雛はあんまり驚かないんだねー」

 

そう聞くと雛は

 

雛「確かに驚いたけど、私の厄をどうにか出来る人なんていなかったからあんまり気にならないのよね」

 

そう言って笑った

 

こいしは

 

こいし「(雛もあんまり驚かなかったなーまあ厄神だから厄で困ってたこともあるだろうし確かにありがたいだろうなー)」

 

そんなことを考えていた

 

真也「へー、ま、楽しく話せるならいっかー」

 

そう言って笑った

 

 

 

 

その後3人で楽しく談笑した後、雛と別れまた探索し始めた

 

今度は川に着いた

 

真也「おー川が流れてるーってあれー?なんかいるようなー」

 

真也が川を眺めていると何か見つけたようで

 

こいし「ん?なにかいたの?」

 

こいしも真也の見ている方向を見ると確かにどこか歪んだような変な空間があった

 

2人は顔を見合わせ少し考えた後

 

真也こいし「「よくわかんないけど水掛けてみよー」」

 

全く同じセリフを言って思いっきりその空間に水を掛けた

 

 

 

すると

 

 

 

?「うわ!もー!なにするんだ!」

 

急に青い服に大きなリュックを背負った少女が現れた

 

2人は少し驚いて

 

真也「わっ。急に知らない人が出てきたー」

 

こいし「いったいどこから出てきたの?」

 

そう言うと

 

?「私は河城にとり、どこからって質問にはさっき君たちが水を掛けたところからかな」

 

そう言った

 

真也は

 

真也「にとりかーよろしくねー僕は全無真也、真也って呼んでねー」

 

そう言って自己紹介した

 

こいしも

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでね!」

 

そう言って自己紹介した

 

にとりは

 

にとり「真也とこいしね、覚えたよ!それにしてもこんな所になにしに来たんだ?」

 

不思議そうな顔を浮かべながらにとりが聞くと

 

真也「暇だったからここを探索に来たのさー」

 

真也はそう言って周りを見渡した

 

にとりはそれにつられて同じようにしながら

 

にとり「へーこんなところまでねー、って、あ!さっき水掛けられてあれ壊れちゃったんだ!直さなきゃいけないから私はもう行くよ!またどこかで会えたら話そうね、ばいばい!」

 

はっとした顔をして急いでさっきの空間を歪めるなにかを直しにどこかに行ってしまった

 

真也とこいしはその後ろ姿を見ながら

 

真也「なんか慌ただしかったねー」

 

こいし「ねー、落ち着きがなかったね」

 

そう言って呆れたように笑ってまた歩き出した

 

2人の足は頂上に向かっていた

 

 




はい、今回はここまでです

真也「なんか雛とにとり短くなかったー?」

こいし「確かに、なんで?」

あー、それは早く次に行きたかったのと思いのほか字数がいきましてね

真也「多くてもいいでしょー?」

こいし「何か問題でもあったの?」

いや、特になにもないんですが、僕のこだわりで見やすいようにあまり文字数増やしたくないんですよねー

真也「ふーん、そう言えば雛って作者の好きなキャラにいたよねー?」

こいし「へーそうなの?」

確かにそうですね、だからもっと絡ませようかとは思ってたんですけど、ちょっとね

真也「はいはーい、じゃ、そろそろ終わろー」

こいし「おー」

おぉ、雑い雑い

では次回まで

「「「ばいばーい」」」

(今日はこのあと十時半にコラボの話が投稿されますよ、良ければ見てください)

追記

誤字報告がありました

まずこいしさんがこいし3になってました

あと後書きの良ければが避ければになってました

パルミアさん報告ありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

神がいっぱい、守矢神社!

はい、こんばんわ、生きる死神です

真也「今回は守矢神社だねー」

こいし「神がいっぱいって?」

それは出てないキャラと守矢神社のキャラを合わせたからです

真也「ふーん」

こいし「さっそくいってみよー」

では

「「「スタート」」」


 

 

 

頂上に行く道中にいろんな人に会った真也とこいしはついに頂上についた

 

真也「おーここが守矢神社かなー?」

 

こいし「そうじゃない?」

 

2人は上りきった階段の先にあった神社を見て言った

 

周りに誰かいないかと見回すと神社の方で掃き掃除をしている見たことのある人物がいた

 

真也はその人物に近付き

 

真也「あー早苗だー」

 

そう声をかけた

 

声をかけられた早苗は振り向いて

 

早苗「あ、真也さんにこいしさん、こんにちは。本日はどのようなご用件で?」

 

にっこりと笑いながらそうたずねた

 

真也とこいしは

 

真也「守矢神社に行ってみよーってことで来たー」

 

こいし「いろんな人に会いに行ってる感じかなー」

 

そう言った

 

早苗はそれを聞いて

 

早苗「そうですか、でしたら今神社の中に神奈子様と諏訪子様とお客様が話していますので行ってみてはどうですか?」

 

神社の中に行ってみては、と提案した

 

真也は少し考えると

 

真也「お客さんいるのに入っていいのー?」

 

そう聞いた

 

早苗は

 

早苗「大丈夫だと思いますよ、今回はただお喋りに来てるだけのようですから」

 

そう言って少し2人を見てから

 

早苗「もし良ければ私が一緒に行きましょうか?」

 

そう言った

 

こいしは不思議に思い

 

こいし「早苗もいるとなにかあるの?」

 

そう聞いた

 

早苗は少し困った顔をすると

 

早苗「いえ……特に何かあるわけでもないんですが、最近二柱のお二人が昼間から酒を飲んでいることが多くてですね、ちょっとそれを確かめに行こうかなと」

 

苦笑いして言った

 

真也とこいしは

 

真也「(苦労してるみたいだねー)」

 

こいし「(ね、なんでもない風を装ってるけどちょっと疲れてる感あるよね)」

 

早苗に聞こえないように早苗を労った

 

早苗はその様子を見て相談してると思い

 

早苗「どうします?行きますか?」

 

そうたずねた

 

真也は

 

真也「いいよー、一緒に行こうかー」

 

そう言って了承した

 

早苗はそれを聞いて

 

早苗「では、ついてきてください」

 

そう言って2人を先導して歩き出した

 

 

 

 

 

2人が早苗のあとをついていって数分したら

 

早苗「ここにいるみたいですね」

 

苦笑いを浮かべながらそう言って立ち止まった

 

真也は早苗が立ち止まったところに近くに行くと

 

 

 

 

 

神奈子「ほらーもっと飲めーい!」

 

 

 

?「ちょ、神奈子、少し落ち着きなさい!」

 

 

 

諏訪子「大丈夫だってー!」

 

 

 

?「諏訪子もよ!」

 

中から知っている2つの声と知らない2つの声が聞こえてきた

 

それを聞いた早苗は見てわかるくらい黒いオーラをだして

 

早苗「これはちょーっとお話したほうがいいですねー」

 

ついでにとてもいい笑顔でそう言った

 

それを見た2人は

 

真也「う、うんー、そうだねー(神奈子と諏訪子お疲れー)」

 

こいし「そ、そうした方がいいね(これは大変なことになる気が)」

 

口では早苗を肯定しつつ内心これから起きるであろう惨劇または悲劇(喜劇?)を想像しその被害者の2人に死ぬなよと思った

 

そして

 

早苗「かーなーこーさーまー?すーわーこーさーまー?」

 

早苗が障子をバッと開けてそう言うと

 

それを聞いた神奈子と諏訪子が真っ青な顔に冷や汗を滝のように流しながら

 

神奈子「さ、早苗っ!?こ、これには、ふ、深いわけが……」

 

諏訪子「そ、そうなの!ちゃんと理由があるから!」

 

そう言って早苗を宥めようとしたが

 

早苗は黒い笑みを浮かべたまま黙って2人を見ている

 

神奈子「お、落ち着いて、早苗!」

 

諏訪子「そ、そうだよ早苗!話せばわかる!」

 

その突き刺さる視線に耐えられない2人はそう言ったが途中でこのあとのセリフが予想できることを言ってしまった

 

 

 

それは……

 

 

 

早苗「問答無用!」

 

早苗がとてつもなく怖い顔とどうやって出しているのかわからない低い声でそう言うと2人の首根っこを掴みずるずると引きずっていった

 

2人は

 

神奈子「ちょ、待って、ほんと落ち着いて早苗!」

 

諏訪子「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

そう言いながら連れて行かれた

 

その光景を見ていた4人は

 

真也「なんだろうこの茶番みたいなのー」

 

こいし「すごい取り残された感あるよね」

 

?「私たちに被害がなくて良かった……」

 

?「そうねお姉ちゃん」

 

そう口々に呟いてたぶん連れて行かれた2人が荒らしたであろうその場を黙々と片づけ始めた

 

 

 

 

片づけも終わり真也は自己紹介をしてないことに気づいたので

 

真也「あーそういえばさー自己紹介してないからさーやろうよー」

 

全員に向けてそう言った

 

今4人は一つのちゃぶ台に集まって座りながらどこからか出したお茶を飲んでいる

 

真也の呼び掛けに最初に反応したのは

 

 

 

こいし「あーそうだね、じゃあ私から、私は古明地こいし、こいしって呼んでね」

 

こいしが最初にそう言った

 

それを聞いた真也が

 

真也「じゃあ僕ねー僕は全無真也、真也って呼んでねー」

 

そう言った

 

それをお茶を飲みながら聞いていた残りの2人が

 

?「私は秋静葉よ、紅葉の神様よ」

 

赤い服に金髪の女性が

 

?「私は秋穣子、豊穣の神様なの、よろしくね」

 

茶色っぽい服に金髪に帽子をかぶった女性が

 

そう言った

 

それを聞いた真也が

 

真也「静葉と穣子ねーよろしくねー」

 

そう言ってニコニコと笑顔を浮かべた

 

静葉はそれを見てから

 

静葉「いきなりだけど、2人はどの季節が好き?」

 

そう聞いた

 

それを聞いた穣子は同時に

 

穣子「もちろん秋よね!?」

 

そう言った

 

こいしは少し考えてから

 

こいし「うーん、地底に季節の概念があんまりないからわかんないなー」

 

そう答えた

 

その答えを聞いた2人はなんとも言えない表情になるが、それを振り払い期待の目で真也を見た

 

その視線の先にいる真也は

 

真也「僕は……どの季節も一緒かなー」

 

こいしにはどこか悲しそうな寂しそうな顔に見えた

 

それに対して聞いていた2人はそうは見えなかったようで

 

静葉「えっ、なんで?秋が一番でしょ!」

 

穣子「そうよ!秋は一番いい季節だわ!」

 

そう興奮しながら言った

 

真也はそんな2人を宥めるように

 

真也「うーんどの季節にも良いところはあるしさーなによりずっと同じ季節なのはありがたみを感じなくなると思うなー」

 

そうゆっくりと答えた

 

その答えを聞いた2人は少し難しい顔をしていた

 

その顔を見た真也は少し笑いながら

 

真也「例えばさーずっと冬だったら寒いじゃんー?夏だったら暑いしーそれ以外にもその季節だからこその行事もあるんだからさー」

 

そう言った

 

それを聞いた2人は納得したように

 

静葉「あー確かに4分の1に一回くればありがたみも消えないわね」

 

穣子「それに夏や冬の間だからこそ秋の過ごしやすさが分かりやすいもんね」

 

そう言ってうなずきあっていた

 

その様子を満足そうに見ている真也

 

そんな真也をみるこいしは

 

こいし「(なんだろう、さっきの表情、私には寂しそうに見えたんだけどなー)」

 

そう思うも後で聞けばいいやと思いとりあえず頭の片隅においた

 

 

 

 

 

その後、4人は楽しく話し合い真也とこいしがそろそろ帰ろうと言うまで話していた

 

真也「じゃー、またねー静葉ー穣子ー」

 

こいし「またね!」

 

そう言って手を振る2人

 

静葉「またねー!」

 

穣子「今度は一緒に焼き芋でも食べようねー!」

 

それに手を振り返しながら秋姉妹は帰っていった

 

外に出るときに早苗のお説教の声と二柱の謝り続ける声と諦めきった声が聞こえたが誰も気にしなかった(というか気にしてはいけなかった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして地底に戻り地霊殿に帰ってきた2人は真也の部屋にいた

 

こいし「ねぇ真也さ、さっきどの季節が一番か聞かれた時、寂しそうな顔しなかった?」

 

こいしは部屋でくつろぎながら真也に聞いた

 

真也はそれに驚いたようで

 

真也「え?そんな顔してたー僕?」

 

逆にそう聞いた

 

こいしは

 

こいし「気付いてなかったのね、なんかどことなく寂しそうだったよ?」

 

そう言うと心配そうな顔をした

 

真也はそんなこいしの表情を見てこいしの頭をなでながら

 

真也「そうなんだ、気付いてなかったよ、たぶんどの季節も独りだったからだろうね」

 

そう言ってどこか遠い目をした

 

こいしはされるがままだが真也の言い方から

 

こいし「(ほんとはそれだけじゃないんだろうね)」

 

そう思った

 

でもそれを口に出すことはしなかった

 

なぜか

 

それはそのことを口に出していったら自分が悲しい顔をして真也も悲しくさせてしまうからだ

 

だからそのことは自分の胸の中にしまっておいた

 

真也「あはは、ほんとこいしの目にはかなわないな」

 

そう言って軽く第3の目もなでる

 

こいしはくすぐったそうにしながら

 

こいし「うっすらと開いたこの目はまだ見えてないけど、私の目は真也を見てるから、独りじゃないからね?」

 

そう言うと頭をなでていた真也の手をとり握ってニコッと笑った

 

その顔を見た真也は照れながら

 

真也「ほんっとかなわないな……こいしには、こいしにはなにも勝てなそうだよ」

 

そう言って笑った

 

そしてこいしは自分の部屋に戻っていった

 

真也「あはは、ほんとこいしは僕をよく見てるなー」

 

1人残った真也はそうつぶやいた




はい、これで妖怪の山と守矢神社も行きましたね

真也「あとは博麗神社と魔法の森かなー?」

こいし「魔法の森ってなにかあったっけ?」

あの人がいますね

真也「あーあの人かー」

こいし「じゃー博麗神社は?」

あそこはあの場所の2人を出しますかね、今後に必要でもありますし

真也「何処の人かなー」

こいし「楽しみー」

はい、では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

空の上の人!

はいこんばんわ、生きる死神です

真也「今回はあの人かなー」

こいし「どこで会うのかな?」

ちょっとあれですけどあそこですよ

真也「ふーん」

こいし「じゃあ始めよっか」

はい、では

「「「スタート」」」

(今回は後半シリアス&天子のキャラ崩壊注意)


 

 

守矢神社に行った2日後

 

真也「博麗神社に来たけどだれもいないなー」

 

こいし「おかしいなー霊夢のことだから絶対いると思ったのにね」

 

2人は博麗神社に来ていた

 

理由は

 

こいし「今日は霊夢のところいこっ!」

 

真也「いいけどー、あそこにまだ会ってない人いたっけー?」

 

こいし「なんか私の無意識が誰かくるって言ってるのっ!」

 

真也「無意識って便利だなー」

 

とまあ、こんな事があったからである

 

しかし実際来たところ誰もいないので

 

真也「うーん、これはお留守かなー」

 

こいし「えー……おっかしいなー誰かくると思ったんだけどなー」

 

真也がそう言った後、こいしが目に見えて落ち込んでしまったので真也が慌てて

 

真也「あ、えと、たぶん少し待てば誰かくるよー。だからちょっと待ってみよー」

 

そう言ってフォローした

 

こいしも少し立ち直り

 

こいし「そうだね、少し待ってみよっか」

 

そう言って神社の縁側に座って景色を見ながら2人はボーッとしていた

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

霊夢「あーもう!あんたが来るとほんとにろくなこと無いわね!」

 

?「別に楽しいからいいじゃない、私暇なのよ」

 

?「あの総頭領娘様、暇だからと言って何度も霊夢のところに行くのはどうかと……」

 

ふとそんな声が階段の方からして2人は意識を戻した

 

2人は階段の方を向き見ると

 

長くて青い髪に小さな桃のついた帽子をかぶった少女

 

天女のような羽衣を肩らへんに浮かべ青紫色の髪をした女性

 

その2人が霊夢と一緒にいた

 

その2人を見た真也とこいしは

 

真也「おー霊夢久しぶりー。霊夢ーその2人はー?」

 

こいし「やっぱり霊夢は面白い人に好かれるねっ!」

 

そう言ってこちらに気付いて近付いてきた霊夢に言った

 

霊夢ほそれを聞いて疲れたような雰囲気を出しながら

 

霊夢「あー真也とこいし久しぶりね。それとこいし、面白い人に好かれるって言われても私は嬉しくも何ともないわよ」

 

そう言って神社の中に入っていった

 

長い青い髪をした少女はそれを見て

 

?「あ、ちょっと!まだ暇なんだからもう少しつき合ってよ!」

 

そう言って止めようとしたが霊夢は

 

霊夢「あー私もう疲れたからしばらく寝るわ。暇ならそこの2人に相手にしてもらいなさい、その2人もなかなかめんどくさいやつだから」

 

そう言ってさっさと中に入っていってしまった

 

その少女は少し不満げだったが真也とこいしを見てから

 

?「うー、霊夢が面白いから良かったのに、まあいいや、とりあえずあんた達の名前教えなさいよ」

 

そう言って自己紹介を求めた

 

そう言われた2人は

 

真也「僕は全無真也、真也って呼んでねーよろしくー」

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでねっ!」

 

そう言った

 

それに対して聞いていた2人は

 

?「真也とこいしね、ふーん、確かに面白そうな感じがするわね」

 

?「はぁ……、もうどれだけいろんな人に迷惑をかければ気が済むのやら……」

 

少女は納得し楽しそうにするも女性はため息をつき霊夢と同じ様に疲れた雰囲気を出していた

 

それを見てこいしが

 

こいし「私達も言ったからあなた達の名前も教えてよ」

 

そう言った

 

それを聞いた2人が

 

?「あー、言ってなかったわね、私は比那名居天子、天人よ」

 

長い青い髪の少女が

 

?「私は永江衣玖、衣玖と呼んでください真也さんこいしさん」

 

青紫色の髪の女性が

 

そう言った

 

真也とこいしは

 

真也「天子と衣玖ねーよろしくー」

 

こいし「天子(てんし)って天子(てんこ)って読めるねー」

 

そう言った

 

こいしの言ったことを聞いた天子は

 

天子「ちょ、てんこってなによ!私はてんしよ、て、ん、し!」

 

先程までの余裕そうな雰囲気は消え去り少し怒りながら言った

 

その様子を見た真也と衣玖は

 

真也「天子って面白いねー」

 

衣玖「総頭領娘様がこんな反応をするなんて、なかなか珍しいですね」

 

真也は楽しそうに衣玖は物珍しそうに言った

 

そんなこんなで4人はたわいもない話をして盛り上がっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそれは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天子の一言で終わりを告げる

 

天子「そういえばさ、こんな所に普通にいるんだから真也も能力持ってるのよね?」

 

天子は何気なく言ったがそれを聞いた真也とこいしが先程の楽しげな雰囲気から明らかに悲しそうな雰囲気に変わったのに気付いた

 

もちろん空気の読める衣玖も同じで

 

衣玖「(総頭領娘様、これはあまり良くない話題のようです)」

 

天子「(そ、そうね、なんでかは分からないけどあまり聞かない方が良かったみたいね)」

 

2人は小声でそう言って話題を変えようと

 

天子「あ、あのさ、人里にさ、おいしい甘味処あるからさ、一緒にいこ「僕も確かに能力を持ってるよ」……」

 

そう言ったが真也が途中で口を挟んだことでそれも終わってしまった

 

途中で口を挟んだ真也はいつもの語尾が延びた口調を無くして

 

真也「僕の能力は「『無』を操る程度の能力」だよ」

 

そう言って2人を見た

 

天子と衣玖はその時の真也の目を見て息をのんだ

 

 

 

なぜなら

 

 

 

その時の真也の目は光が無くどこまでも底の見えない黒一色だったからだ

 

そんな目を見た天子と衣玖は

 

天子「ふ、ふーん、なかなかすごい能力ね」

 

衣玖「こ、ここで生きるにはそれくらいの方がいいですよね」

 

少し戸惑いながらもそうフォローを入れた

 

しかし真也は

 

真也「あはは、ここで生きるなら、ね……」

 

そう言うと真也は急にどこかに消えた

 

天子と衣玖はそのことに驚くが

 

こいし「……また、また言った。なんでそうあなたは自分の嫌なことを他の人に話すの……?過去はそう簡単には振り切れないのに……。あなたが大丈夫だと言っても、私にはそうは見えないよ……?」

 

こいしがとても悲しげに呟くのを聞いてこいしに

 

天子「……あんた何か知ってんのね」

 

天子はそう言った

 

こいしはそれを

 

こいし「……もちろんね、それでなに?私にそれを話せって言うの?」

 

少し怒りを含んだ目を天子に向けた

 

天子はこいしと話していた感じからそんな感情を向けられるとは思わず

 

天子「いや、嫌なら良いわ、別に他人の過去をほじくり回すほど私も人として腐っちゃいないわ、それに私にもあるし……」

 

そう言って断ったが最後の方はかなり小さな声でそうつぶやいた

 

衣玖は知っているのか黙ったまま

 

こいしもそれを聞いていたようで

 

こいし「……あなたなら大丈夫かもね、真也の過去、あなたには聞く覚悟はある?」

 

そう言って天子を強い思いのこもった目で見た

 

天子はそれを受け止め一旦衣玖の方を向き

 

天子「衣玖、今日は先に帰りなさい、後で私は帰るから」

 

そう言われた衣玖は少し不安げな顔をしたが天子の言葉には逆らわず

 

衣玖「わかりましたよ、あまり遅くなってはいけませんよ」

 

後ろ髪を引かれる思いを我慢しながら帰っていった

 

それを見届けた天子は

 

天子「さて、これで大丈夫。私は聞くわ、真也の過去を」

 

そう言ってこいしを見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周りに誰もいない無人の森の中真也はいた

 

真也「はー、また言っちゃったなーこいしに怒られそうだなー」

 

真也は少し地霊殿に帰った後のことを思いやれやれと思いながらこいしが来るのを待っていると

 

こいし「真也」

 

後ろからこいしの声がした

 

ちょうどよくこいしが来た

 

真也はそう思いこいしが来たので帰ろうと思い

 

 

 

振り返った

 

 

 

そこには

 

 

 

こいしと少し暗い表情をした天子がいた

 

真也は天子がいたことに面食らいつつも

 

真也「えっとーなんで天子がいるのー?」

 

天子にそう聞いた

 

するとそれにこいしが

 

こいし「私が連れてきた、手をつないで私が無意識に真也がいるところに来たからね」

 

そう言った

 

真也はそれを聞いて

 

真也「ふーん、なんで連れてきたのか分からないけどーまあいいやーこいしーそろそろ帰「真也、私は天子に真也の過去を話したの」……それはなんでかな?こいし」

 

気にせずこいしに帰ることを言おうとしたがこいしの言ったことにより真也は雰囲気を変えた

 

こいし「それは……天子も真也と似たようなことを体験してきたから」

 

こいしはそう言うと天子を見た

 

天子は少し悲しそうな顔をしながら

 

天子「ごめんなさいね、勝手に聞いちゃって。でもね、私もそういう過去があったからどうしても知らずにはいられなかったのよ。」

 

そう言うといったん言葉を区切り

 

天子「……正直に言うと私は驚いたわ。あんたがそんな過去を持ってるだなんて。楽しそうに話してる感じからそんな気はしなかったのに。こいしから聞いたときは胸が締め付けられるような気持ちになったわ。私が歩んだ過去なんてちっぽけに思えるくらいにね」

 

そう言った

 

真也はそれを黙って聞いていた

 

そして

 

真也「君が僕に同情してくれたのはわかったよ。それで僕に会いに来たのはなぜかな?僕は表面だけの気持ちや上っ面だけの思いは大嫌いなんだ」

 

そう言いきった

 

天子は全く気にすることなく

 

天子「私の過去も教えようかなって。別に同情どうこうじゃなくて、ただ私が勝手に聞いたことへのお返し……って言うのもあれだけどちょっとした罪滅ぼしとでも思ってちょうだい」

 

そう言うと少し呼吸を整え

 

天子「私はね、今は天人だけど昔は普通の地上の人間だったのよ。まあ少し偉いというか良いところのお家だったけどね。

それでそのときはまだ天子ではなく地子って呼ばれてたわね。まあそれはおいといて私って昔っからこんな誰にでも上からな対応だったからさ、ぜんぜん友達がいなくてね、私はいつもそれをうらやましそうに見てたのよ。まあそんな様子は見せてなかったけどね。で、それからしばらくして何か認められたのか天人になることになって私ももちろんなったわ。その時私は天人になったんだし誰かしら友達が出きるだろうって思ってたわ。

でもそんなことはなかった。今では衣玖がいるけど、衣玖は私のお目付役だから友達とは言えないし。それで私はまた独りぼっちになったわ。しかもその時も相変わらず私の性格は変わらないからさ、不良天人だとか言われて避けられてたわ。私はいつも独りぼっちだったわ、だから異変を起こして誰かと話したかった。

まあ結果的にはこうやって地子に降りてきてはいるし、面白いやつとも会えたわ。

でも、それでも私はまだ独りだったわ。だから、いつか本当の意味で心を許せる友達が欲しかったの。まあ、今でもそれは叶ってないけどね。」

 

そう言いきると悲しそうに笑った

 

それを黙って聞いていた2人は

 

真也「……………………」

 

こいし「あなたの思いはわかるよ。独りはつらいよね」

 

真也は黙ったまま、こいしはそう言った

 

天子はそれを聞いて

 

天人「ふふふっ、ありがとねこいし。あんたはいいやつだわ」

 

そう言って笑った

 

そして黙ったままの真也を見て

 

天子「これで私の話は終わりよ。私はこれが言いたかっただけ。同情はいらないわ、じゃあね。」

 

そういって帰ろうとしたが

 

真也「天子」

 

真也に呼ばれて止まった

 

天子は何かと思い振り向くと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手を握っているのが目に入った

 

天子はそれを見て首を傾げるが

 

天子「ん?真也いったいなにを……!」

 

そう言った途中で自分の頬を伝う熱い何かに気付いた

 

真也は

 

真也「天子、そうやって気持ちを隠すのはだめだよ、そんなことしてたら僕みたいになっちゃうから。それに君はもう独りじゃないよ。僕は、独りの人を放っておくのは嫌だしなにより君は独りで頑張ってきた。僕はそれを無碍になんてしないさ。」

 

そう言うと同情ではなく親しみと暖かい気持ちのこもった目で天子を見た

 

天子はその目を見て

 

天子「私はもう我慢しなくていいの?もう独りじゃないの?」

 

そう言うと天子は真也を見る

 

真也はそんな天子に

 

真也「うん、君はもう独りじゃない、僕もいるしこいしだっている、少なくとも独りではないよ。大丈夫、これから君を独りにはしないよ」

 

そう言うとこいしが真也の近くに寄り

 

こいし「あなたは独りじゃないから、私達は天子を独りにしないよ」

 

そう言った

 

天子は我慢できなくなったのか

 

天子「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!真也ぁぁぁ!こいしぃぃぃ!!!」

 

そう言って2人に飛びついてまた泣き出した

 

2人はそんな天子を

 

真也「よく頑張ったね」

 

こいし「今は我慢しなくていいからね」

 

そう言って受け止めながら天子が泣き止むまでそのままだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天子が泣きやみ空も少し暗くなってきた

 

天子「え、えへへ、泣き過ぎちゃったかな、ごめんね真也、こいし」

 

天子は2人に心を許したのか前までの上からな言い方ではなく年相応の少女のような口調になった

 

これが本当の天子の口調なのだろう

 

真也「大丈夫だよーこれで天子が落ち着いたなら問題ないよー」

 

こいし「そうだねっ!そろそろ暗くなってきたし私たちも帰るから天子も帰りなよ?」

 

2人はそう言うと天子は

 

天子「……また遊びに来てもいい?」

 

少し不安そうに言った

 

それを聞いた2人はなにを言ってるんだといった顔で

 

真也「もちろんだよー」

 

こいし「また辛くなったら言ってね、私達はいつでも天子を受け入れるから」

 

そう言うと手を振って帰っていった

 

天子は

 

天子「ふふふ、嬉しいな」

 

そう言うと天界に帰って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地霊殿についたあと2人は少し話しお互いの部屋に戻った

 

真也は部屋につき寝る準備ができた後

 

真也「独りと1人は違う、それは間違えたら人の心は壊れちゃう。僕はもう独りじゃないから、他の人が独りになることがないように助けてあげる、それが僕のような人を生まないための一歩かな」

 

誰に言うこともなく言いベッドに入った

 

 




はい、これでほとんど終わったんで次回あたりから異変に入りましょうかね

真也「なにこの全力のシリアスー」

こいし「というか、天子の口調ー」

あーあれはあの方が心を許した感じがしますしなにより可愛いかなって

真也「まあそんな感じはするねー」

こいし「確かにそうかもね」

あ、異変に入る前にコラボと一つの番外入れるんで異変に入るのは早くで明後日ですかね

真也「ふーん」

こいし「また番外かー今度は何かな」

それはお楽しみ

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外!真也とこいしに異変が!?

はいどうも、生きる死神です

真也「今回はどうなるのかなー?」

こいし「事によっては……ね?」

あ、あはは……とりあえず落ち着けもちつけ

真也「ぺったんぺったん」

こいし「ぺったんぺったん」

ほんとにやり始めたよ

では

「「「スタート」」」


 

 

ある日の朝(十時頃)

 

真也「ふぁあ、んー、よく寝た……って、んー?」

 

真也は目を覚まし欠伸をしながら伸びをすると

 

真也「あれー?なんか声が高いようなー」

 

そう思い鏡を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「えぇぇぇぇぇぇぇ」

 

その光景を見て驚いていた

 

 

 

 

真也が絶叫する少し前

 

こいし「ふぁぁ、あふ、よく寝たなー……って、あれ?」

 

こいしは真也と同じように欠伸をしながら声を発すると

 

こいし「あれ?私こんなに声低かったっけ」

 

自分の発した声がいつもより低いので不思議に思い鏡を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいし「ふぇぇぇぇ!!!!????」

 

真也と同じように絶叫した

 

そのタイミングは惜しくもピッタリ一致していた

 

 

 

 

2人はお互いの絶叫を聞いてもしかしてと思い、お互い部屋を出てお互いの部屋に向かい廊下で出会った

 

 

 

 

そこで見たのは

 

 

 

 

自分の姿だった

 

 

 

 

それを見た2人は

 

真也「え?え?なにが起きてるの?」

 

こいし「なんか入れ替わってる?」

 

気が動転しながらもなんとか現状を飲み込もうとした

 

 

 

しかし

 

 

 

さとり「もぅ、朝からどうしたのよ、2人とも叫び声上げちゃって」

 

現状を飲み込むどころか落ち着く暇もなくさとりが現れた

 

2人はさらに慌てつつも

 

真也「(と、とりあえず、なんとか話を合わせよう!)」

 

こいし「(わ、わかった、じゃあ、私から話すよ?)」

 

小声で口裏を合わせて

 

真也(こいし)「い、いやねー?すっごい大きな虫が追ってくる夢を見ちゃってねー」

 

真也(こいし)が言うとこいし(真也)が

 

こいし(真也)「そ、そうなの、私もちょっと怖い夢見ちゃってね」

 

なんとか話を合わせた

 

さとりはその様子をなにも思うことなく

 

さとり「あらそうなの、でも朝から絶叫はやめてよね?」

 

そう言って行ってしまった

 

その後ろ姿を見ながら

 

真也「い、いやー危なかったねー」

 

こいし「とりあえず今日は部屋からでないようにしよっか」

 

2人はそう言って真也の部屋に行った

 

 

 

 

真也「それにしても一体なにが起きたら入れ替わるんだろうねー」

 

真也は自分の部屋につきいつもの服(着替えはお互いがお互いを着替えさせた、その時目は瞑っていた)に着替え原因を考えていた

 

こいしはそれを聞いて

 

こいし「うーん、わかんないよ」

 

なにもわかんないと手を振った

 

真也はどうしようかと考えていたが

 

真也「まあ、なっちゃったものは仕方ないし、明日には戻るだろうから今日はこのまま過ごそっかー」

 

そう言った

 

こいしもそう思い

 

こいし「そうだね!なにする?」

 

そう言うと真也は少し悪い顔をして

 

真也「じゃあー、抱きついちゃえ!」

 

そう言ってこいしに抱きついた

 

抱きつかれたこいしは顔を赤くして

 

こいし「な、なんでそうなるの!」

 

そう言うがどこか嬉しそうだ

 

真也はそれをニヤニヤしながら見ているとこいしは少しイラッとし

 

こいし「そんなニヤニヤするならめっ!だっ!」

 

真也の額に人差し指でつん、と押した

 

真也は

 

真也「あうっ」

 

と可愛い声を出す

 

こいしはその声に

 

こいし「ふふふっ、可愛い声だしちゃったねー」

 

と先ほどの真也と同じ様に言うが

 

真也はまたニヤニヤして

 

真也「可愛い声なのはこいしだよねー、この体はこいしのなんだしー」

 

そう言った

 

こいしはそのことを忘れていて言われた瞬間顔を真っ赤にして

 

こいし「もー!ばかばかっ!」

 

そう言いながら真也をポカポカと叩いた

 

真也はそれを楽しそうに笑いながら受けていた

 

 

 

 

 

時間は過ぎ、お昼を食べ、夜になり夕食も食べ風呂に入ることになった

 

真也「ねー、お風呂どうするー?」

 

こいし「あっ……」

 

2人は本日最大の難問にぶち当たった

 

真也は

 

真也「今日は入らないで、明日朝早く入るー?」

 

そう提案すると

 

こいしは嫌そうに顔を振り

 

こいし「えー、やだよー体洗いたいよー」

 

そう言った

 

真也は困って考えているとこいしは何か思いついたようで

 

こいし「あ、ならさ、一緒に入って洗いっこすればいいじゃん!」

 

そう言った

 

それを聞いた真也は目を丸くして

 

真也「え、それ本気で言ってる?」

 

そう言うとこいしは気の抜けた顔で

 

こいし「もちろん!」

 

そう言った

 

真也は頭を抱えて

 

真也「それはいいけど、あ、じゃあバスタオル巻いて入ればいっか」

 

そう言うとこいしはそれがいいと首を縦に振った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「いやーほんとに洗い合うとは思わなかったよー」

 

こいし「だからー最初からそう言ったでしょ?」

 

2人はバスタオルを巻いて湯船に浸かりながら話していた

 

体の洗いあいの話はしないでおこう

 

真也は十分暖まったのか

 

真也「そろそろでるねー」

 

そう言った

 

するとこいしも

 

こいし「あ、じゃあ私も出るよ」

 

そう言って2人は風呂場から出た

 

 

 

 

 

その後体をふきあっていて少し湯冷めしたのはしょうがなかった

 

そして2人は真也の部屋で

 

真也「いやー大変だったねー」

 

こいし「そうだね、朝起きたときはどうなるかと思ったよ」

 

今日の出来事を振り返っていた

 

真也は苦笑いで、こいしはため息混じりで話していた

 

そして2人とも睡魔がきて

 

真也「僕は向こうに戻るかなー」

 

真也がそういうとこいしが

 

こいし「えー今日は一緒に寝ようよ!」

 

そう言ってベッドに引きずり込んだ

 

真也は抵抗するまもなく引きずり込まれ諦めたように

 

真也「あーもうしょうがないなー」

 

そう言うとこいしを抱きしめ

 

真也「じゃあ、おやすみー」

 

そう言ってすやすやと寝息を立て始めた

 

それに対してこいしは

 

こいし「(な、なんで抱きついて寝るのよ!普通に寝ればいいのに!)」

 

顔を真っ赤にしながらそう思っていた

 

そう思っていたのに言わないのは起こさないためであった

 

こいしはドキドキしながらも睡魔に勝てず

 

こいし「ふぁあ、だめ、眠い……」

 

そう言って寝てしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その次の日2人は戻っていないという夢を見てまた絶叫するのだがそれは別の話




はい、中身の入れ替えでした

真也「いやーいろいろ大変だったねー」

こいし「なんであんなことが?」

さぁーねぇーとりあえず今日は締めますねー

真也「え、ちょっ」

こいし「早くない?」

そんなことないですよーでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編!真也へサプライズ!?

はいどーも、生きる死神です

こいし「今回は真也のために頑張るよっ!」

そんなわけで真也はここにはいません

こいし「いやー真也が喜ぶと良いなっ♪」

(こいしがやったらなんでも喜ぶような…)

では、

「「スタート」」


 

 

4月8日(現在朝10時)

 

この日は特別な日だ

 

真也「んあー、そういえば今日は誕生日だったっけなー」

 

真也は今日が自分の誕生日だということを思い出したが

 

真也「今まで祝ってもらった事なんて全然無いからなー。正直どうでもいいなー。こいしもどっか行っちゃったしー」

 

自分の誕生日をないがしろにしていた

 

なぜなら、自分が言っていたこともあるが、一番はこいしがいないからである

 

当のこいしはというと

 

こいし「今日は少し用があるから出かけるねっ!」

 

そう言ってどこかに行ってしまった

 

こいしの用がなにかは分からないがついて行くのはダメだと思い、地霊殿でまったりしているのだ

 

真也「んー、ひまだー、誰か……あ、そーだ、天子を探そー」

 

真也はあまりにも暇すぎたため、地上に行き天子を探すことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「あれー?全然見つからなーい」

 

真也は地上にでて数時間(現在夕方5時)探したが見つからなかった

 

無意識などを駆使しても見つからなかったことに真也は驚いていたが

 

真也「んー、まー、しょーがないかー、そろそろこいしも帰ってきてるだろうし帰るかー」

 

真也はそう考えて地霊殿に帰ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「あれ?ほんとに誰もいない」

 

真也は帰ってきていろんなところを探したが誰1人も見つからないのだ

 

現在夕方6時

 

真也は少し寂しく思いつつ部屋に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「よし、戻ったみたい、急いで準備しよう」

 

?「そうね、早くしないと日が変わるわ」

 

?「それに真也もかわいそうだしね」

 

?「真也の泣く姿は見たくないな……」

 

?「あたいたちもゆっくりしてられませんね」

 

?「うにゅー、さすがに忘れてないからねっ」

 

真也が戻ったあとこそこそと6人の影が動いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「ふぁ、ふあーあ、もぅ、こんな時間かー」

 

真也は部屋に帰ったあとベッドでごろごろしていたら睡魔に襲われそのまま寝てしまった

 

時間は夜9時

 

真也は時計を見て時間を確認すると

 

真也「んー、おなか減ったし、食堂行くかなー」

 

そう思い部屋を出た

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

廊下の遠くで誰かの走る音が聞こえた

 

真也がその方を向くと

 

 

 

 

 

見覚えのある姿が目に映った

 

鴉羽色の帽子に黄色のリボン

 

黄色に黒い袖の服

 

薄緑色のスカート

 

ちらっと見えた青いバラのペンダント

 

真也はとっさに声がでた

 

真也「こいしっ?」

 

真也はそう言ったがこいしは止まらず駆けていき、角を曲がった

 

真也は不思議に思いすぐに追いかける

 

 

 

 

 

真也「ちょ、こいしっ?待ってよ!」

 

真也が追いかけ始めてから数分、未だにに追いつけずにいた

 

しかしその距離はちゃくちゃくも詰めており、あと数分もすれば追いつけそうだった

 

真也「(なんでこいしが逃げるのか分かんないけど、とりあえず追いかけなきゃ)」

 

真也はそんなことを考えながら追っていた

 

そして、また角を曲がった先

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにはこいしの姿はなかった

 

真也「あれっ?」

 

真也は驚くがすぐに無意識と気づき能力を使う

 

すると

 

こいしが扉の前で待っていることに気づく

 

真也「あれ?なんであんなところで待ってるんだろ」

 

真也はそう思いつつこいしのいるところに近付いていくと

 

こいしは中に入ってしまった

 

真也はますます不思議に思いこいしのいたところに行く

 

すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「入ってー」

 

中から誰の声とも分からない声が聞こえた

 

真也はそれを聞いて不審に思いつつ扉に手をかけ

 

 

 

開けた

 

 

 

すると

 

 

 

「「「「「「真也、誕生日おめでとー!!!」」」」」」

 

真也が入ったとたんなぜか持っているクラッカーを鳴らしながら、こいし、フラン、天子、さとり、お燐、お空が迎えた

 

真也は唖然としつつ

 

真也「え、っと、これは僕のためのサプライズ?」

 

未だ頭が理解しておらずぽかんとしている真也にこいしが

 

こいし「真也のためにみんなで用意したんだよっ!」

 

そう言って後ろを指さす

 

真也は指を刺された方を見ると

 

 

 

そこには

 

 

 

おおきな垂れ幕に「真也誕生日おめでとう!!!」と書いてあり、テーブルには大きなケーキや豪華な料理があった

 

真也はだんだんと頭が追いついてきたのか

 

真也「ぼ、ぼくなんかのために……?」 

 

小さく少し震えた声で呟く

 

もちろんこいしが聞き逃すはずもなく

 

こいし「真也だからやってるんだよっ!さ、みんなで食べよう?」

 

そう言って真也の手を取る

 

真也はとても嬉しそうに

 

真也「うんっ!」

 

笑顔を浮かべて頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事も終わり、みんなでまったり雑談していると

 

さとり「そろそろいいかしらね」

 

さとりがそう言い

 

天子「そうね」

 

天子が同調し

 

フラン「忘れないうちにね」

 

フランが言い

 

お燐「いやーなににするか迷ったよ」

 

お燐が少し困ったような顔で笑い

 

お空「うにゅ、私忘れなかったよ!」

 

お空が自慢げに言う

 

真也はなんのことかわからず戸惑っていると

 

天子「私たちから真也にプレゼントよ!」

 

天子がそう言うと1人1人渡してくれる

 

真也は貰ってから

 

真也「開けてもいい?」

 

そう聞くと全員から

 

「「「「もちろんっ!」」」」

 

そう返ってきた

 

真也は1つ1つ開けていった

 

さとりからは黒い腕時計

 

フランからは赤と黒の二色のミサンガ

 

天子からは大地のお守り(いろいろ防いでくれるみたい)

 

お燐からは不思議なパズル

 

お空からは大量の温泉卵(もちろん保存)

 

をもらった

 

真也は俯きながら

 

真也「あはは……。ほんと、みんなありがと……。ほんとに嬉しいよ……」 

 

少し震えた声でそう言った

 

周りは真也を暖かい目で見守っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サプライズパーティーも終わり天子とフランは泊まっていくことになったが疲れていたのかすぐに眠ってしまった

 

さとりやお燐、お空もすぐに自室に戻っていった

 

真也とこいしは2人真也の部屋にいた

 

真也「ほんとにありがとね、このサプライズってこいしが言ったんでしょ?」

 

真也はそう言うとこいしは照れくさそうに

 

こいし「えへへ、わかっちゃうか、その通り、私がみんなに言って準備したんだ、朝からやってたから大変だったよ」

 

そう言うととても満足そうに笑う

 

真也もその笑顔に嬉しそうにしていると

 

こいし「でさ、まだ私から渡してないよね?」

 

こいしがそう言い真面目な顔をしていた

 

真也は

 

真也「あぁ、そういえばそうだね、あの時は他の人からもらって忘れてたけど、今更ながら少し悲しいかな」

 

そう言った

 

こいしはちょっと、ごそごそして息を整えると

 

こいし「はい、これ、私からのプレゼント、開けてもいいよ」

 

こいしからプレゼントを渡された

 

真也はそれを受け取りすぐに開けた

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

驚きのあまり固まった

 

 

 

 

そこには

 

 

 

2つの指輪が入っていたから

 

真也「これって……」

 

真也が言うとこいしはとても恥ずかしそうに

 

こいし「私からのプレゼント、まだ真也は外の話だと出来ないけど、これで一応は、ね?」

 

そう言うと顔を隠してしまう

 

真也はその言葉を聞くと耐えきれなかったのか

 

真也「ぐすっ、あり、はぁっ、がと、ね」

 

泣きながらこいしに抱きついた

 

こいしは驚きながらもそれを受け止める

 

こいし「ふふふっ、サプライズ大成功だねっ」

 

そう言ってこいしは真也の頭を撫でた

 

真也はこいしに撫でられながら少しの間泣き続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「あはは、ちょっと泣きすぎた気がするなー」

 

真也は泣き止むと少し恥ずかしそうに笑った

 

こいしはそれを微笑みながら

 

こいし「あ、真也、つけてくれるよね?」

 

そう言った

 

真也ははっとして

 

真也「うん!もちろん!」

 

そう言ってすぐにつけ

 

真也「こいしにもつけてあげる!」

 

そう言ってこいしの手を取り指を通した

 

2人はとても幸せそうに笑顔を浮かべながら夜を過ごした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、なかなか起きてこない2人を気にした天子やフラン、さとりが見に行くとそこには

 

 

 

とても幸せそうな顔で眠る2人の姿が見れたとさ




はい、真也の誕生日回でした

真也「ほんと泣きすぎたー」

こいし「ほんとうれしそうだったよ!」

それはよかった、2人ともこれからも幸せにね

(これで終わりじゃないよ?)

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3章興味を持てる人たち
空飛ぶ船?


はーいどーも、生きる死神です

真也「やっと新しい異変だよー」

こいし「題名で分かる人は分かるね」

異変ですがどちらかというと人に会わせるだけのところに近い(異変全部そんな感じ)

真也「弾幕ごっこしなくても話を聞いてくれるからねー」

こいし「普通はないような…」

では、

「「「スタート」」」


 

 

 

真也とこいしが地上を散歩していたときのこと

 

真也「いやー最近面白そうなこと無いねー」

 

真也は退屈そうに言った

 

こいしはそれを聞いて

 

こいし「確かにそうだけど……私といるのも面白くないの?」

 

冗談のようにいった

 

真也は冗談と分かっていて

 

真也「そんなわけないし、こいしといるのはどちらかというと楽しいかなー、こいしとならなんでもだけどね」

 

笑顔を浮かべて否定した、最後はとても小さい声で言ったが

 

こいしは聞こえていたようで

 

こいし「もぅ、ばか……」

 

顔を赤くしてそう言った

 

バカップルー!

 

そんな声がどこからか聞こえた気がした

 

そんな熱い?やりとりをしていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛「あなた達、なにしているの?」

 

後ろから声がして振り向いたら雛がいた

 

ちなみに、2人は無意識に妖怪の山に来ていた

 

真也は少し驚いた顔で

 

真也「わー、びっくりしたー」

 

棒読みで言った

 

雛は少しイラッとし、こいしもイラッとしたので

 

こいし「ちょーっと、動かないでね?

 

こいしが素早く後ろに回り込み

 

雛「いくわよ?」

 

雛がおでこらへんにデコピンをした

 

真也「え、ちょ、こい……うひゃっ」

 

真也はあまりの手際の良さになにも出来ずに食らった

 

雛「あとついでに」

 

そう言うと雛は人差し指を額に向けてトンっとする

 

真也「むー?」

 

真也がちょっとむくれていて可愛かったのはこいしと雛の秘密で

 

雛「ついでにめっ、とかいうのやってみたの、まぁやりたかっただけなんだけどね」

 

雛がクスクス笑いながら言うと

 

真也がむっとした顔で

 

真也「僕で遊ばないでよもー」

 

そう言った

 

こいしがそれに反応し

 

こいし「それは無理だね」

 

同じようにクスクス笑いながら言った

 

それを聞いた真也は驚いた顔で

 

真也「そ、そんなー」

 

そう言って大袈裟に落ち込んだふりをした

 

こいしも雛もふりと分かっていたので

 

こいし「はいはい、次どこか行くよ?」

 

雛「分かりやすいわよ、それ」

 

いつも通りに言葉をかけた

 

真也も予想通りの反応だったのか

 

真也「えー、そうかなー」

 

そう言ったが顔は笑っていた

 

そこで雛が当初の疑問を思い出して

 

雛「あ、そうだった、2人はなんでここにいるのかしら?」

 

そう聞くとこいしが

 

こいし「最近面白いこと無くて退屈だったの」

 

そういい真也がその後に

 

真也「なにもする事無かったからー無意識に回ってるのー」

 

そう言った

 

雛はそれを聞いて少し考えると

 

雛「あー、最近空を飛ぶ船の噂をよく聞くわよ?」

 

少し興味をそそることを言った

 

真也もこいしも気になり

 

真也「空飛ぶ船かー面白そうだなー」

 

こいし「どこらへんにあるのかな」

 

と、面白そうなことを見つけたように言った

 

雛はそんな2人の様子に苦笑いしながら

 

雛「あなた達ってほんと似てるわね、見てて面白いわ」

 

そう言うと2人は顔を見合わせてから

 

真也「だってー僕たち恋人同士だからー」

 

こいし「似ちゃうのもしょーがないっ!」

 

と息のあった解答をした

 

雛は今度は驚いて

 

雛「あなた達付き合ってたのね、ふーん、お似合いよとても」

 

素直にそう言った

 

それを聞いた2人は嬉しそうに

 

真也「ありがとねー」

 

こいし「お似合いだなんて……」

 

感謝(もう一名は撃沈してるが)をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後真也はこいしが復活するまで雛と話して待っていた

 

真也「でさー、お空がねー温泉卵をまるまる一個をそのまま食べようとして口が開かなくてさー」

 

雛「ふふふっ、それは面白いわね」

 

2人が談笑していると

 

こいし「お似合いだなんて……はっ!私はなにを?」

 

こいしが復活した

 

真也はその様子を楽しそうに見ながら

 

真也「やっと帰ってきたねこいしー、さーて、面白そうなことも聞けたし早速行ってみるかー」

 

そう言ってこいしの手を取ると

 

こいし「え?ちょっと、私まだ把握してないんだけど?」

 

こいしが焦りながらそう言うと

 

雛「そんなこと言っても彼が止まってくれると思う?」

 

雛が分かりきったことを聞いた

 

その質問にこいしは諦めた表情で

 

こいし「ないねー……」

 

そう言うやいなや

 

真也「さぁ行こー」

 

真也がこいしを引っ張って動き出した

 

こいしはそれを少し抵抗して遅くすると

 

こいし「雛ー!ありがとねー!また今度来るねー!」

 

それだけ言うと真也にもう行くと伝え真也の隣を歩き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな2人の様子を暖かい目で見ながら

 

雛「ふふふっ、ほんとあの2人は仲が良いわ、厄なんて近寄れないくらいにね♪ふふふっ」

 

 

雛はとても楽しそうに笑っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也とこいしはこうして面白そうなこと(面倒事)に首を突っ込んだ

 

この異変でどんな出会いがあるかは近い未来にわかるだろう

 

 

 

 

 




はい、導入的な感じですね、割と短めでした

真也「なんか日常回と変わらないよーな」

こいし「そうだね」

ほんとはもう、1人出す予定だったんですけど思いの外3人の絡みが書けたから諦めました!

真也「なんで自信ありげに言うのさー」

こいし「それは自信満々に言う事じゃないよ」

そうですね、次回こそは出しますよ、まずはあの苦労人

真也「誰だろなぁー」

こいし「どんな人だろうね」

ではここらへんで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

苦労人な神の使い

どーも生きる死神です

真也「今回は誰に会うのかなー」

こいし「どんな人かなー」

んー、ちょっとキャラ崩壊してないか心配

真也「そんなのいつものことでしょー」

こいし「ほんとだよね」

あ、あはは、そうですね、では

「「「スタート」」」


 

 

 

真也たちは雛に聞いた噂からいろんなところを探索していた

 

真也「んー、全然見つからないねー」

 

こいし「ねー、この変なのはよく見つかるのにね」

 

2人がそう言うのも無理はない

 

何故かというと

 

 

 

 

雛に聞いてから既に2、3時間は経ったが未だに見つからないのだ

 

そもそも空飛ぶ船なのにあまり空を見てないのも理由だが

 

そして、こいしの言う変なものとはどことなくUFOみたいな物のことだ

 

真也「んー、これなんなんだろうねー」

 

真也はいくつか持っている内の1つを持って不思議そうに見る

 

こいしも同じように見て

 

こいし「なんかこれ、この見た目は違う気がするんだよねー」

 

そう言った

 

真也はそれに疑問を持ち聞こうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「あぁー!ほんっと、ご主人はよく宝塔を無くすなぁもう!毎度毎度探してる僕の身にもなってほしいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然聞こえた大きな愚痴に2人は顔を見合わせ、その声が聞こえた方を向いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どことなくねずみのような、というかねずみみが生えているからねずみの妖怪なのであろう少女が不思議な棒を持って歩いていた

 

真也は面白そうな物を見つけたような顔で

 

真也「あはは、なんか面白そうな人がいるよー」

 

そう言ってこいしを見ると

 

こいし「ねっ!ちょっと話しかけてみよっ!」

 

同じような顔をしていてとても楽しそうだった

 

 

 

2人は早速少女に話しかけた

 

真也「ねーねー、君は何してるのー?」

 

こいし「苦労してるみたいだけどどうしたのー」

 

2人はなんの脈絡も無くそう話しかけた

 

少女は気付いていなかったのか、話しかけられるとびくっとして

 

?「うわぁ!ビックリしたなぁもう。いきなりなんだ?君たちは誰かな?」

 

少し警戒しながら真也たちの方を向いてそう言った

 

真也は楽しそうな顔で

 

真也「あはは、そんなに驚くことじゃないでしょー、僕は全無真也、真也って呼んでねー」

 

そう言いこいしも

 

こいし「あなたの反応面白いねっ!私は古明地こいし、こいしって呼んでね」

 

そう言った

 

二人の名前を聞いた少女も

 

?「ふむ、真也とこいしか、僕はナズーリン、毘沙門天の使いといったところかな」

 

自身の名前を名乗った

 

真也は名前を聞いてから

 

真也「ふーん、ナズーリンねー、呼びにくいからナズでいいやー」

 

とてもフランクにそう言った

 

ナズーリンはそれに驚き

 

ナズーリン「え、いや、なんで初対面の人に軽く名前を呼んでるんだよ。しかも短くされたし」

 

そう言ったが真也は聞く耳を持っていない

 

次にこいしが

 

こいし「そんなことはおいといてさ、ナズはここで何してるの?さっき大きな愚痴が聞こえてきたんだけど」

 

そう聞くとナズーリンはしまった、といった顔で

 

ナズーリン「あー聞こえてたかー、んー僕は今ご主人から言われて飛倉の欠片ってものを探してるのさ、それと同時にご主人の宝塔も探してるんだけど、どちらも全然見つからなくてね、もう大変だよ」

 

そう言ってとても疲れたようにため息をついた

 

真也とこいしはその様子を見て

 

真也こいし「「((これは相当苦労してるなー))」」

 

全く同じことを思った

 

そして、可愛そうな目でナズーリンを見ているとナズーリンがの視線に気付いたが

 

ナズーリン「もしかして、君たちも同情してくれるかい?そう思うよね。あの人はいつもいつも何か無くしては私の能力を当てにして探しに行かせてブツブツブツブツ」

 

完全に勘違いして彼女の苦労話(というより愚痴)を始めた

 

真也とこいしはこれには面食らい

 

真也「あー、これは長いやつだねー」

 

こいし「そうだねー、さすがにこっちも疲れそうだから退散しちゃおっか」

 

2人はそんな事を言って未だに愚痴を言っているナズーリンを放ってまた探しに行った

 

それに気づかないナズーリンは

 

ナズーリン「でさー、ご主人は虎のくせに小心者でさーブツブツブツブツ」

 

真也たちがいなくなってからも10分ほど話し続けていた

 

そしてやっといないことに気付いたナズーリンは

 

「でねー、ご主人はまだね…って、あれ?いない。うーん、話が長すぎたかな。まあ、それだけネタのあるご主人が悪いんだ」

 

2人がいないことに少しがっかりしつつも、ここにいない自身の主人に罪をかぶせてまた捜し物を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナズーリンを放ってまた探索し始めた2人

 

真也は思い出したように

 

真也「あーそう言えばさー、さっきこれが見た目が違うって言ってたけどー、それっていったいどういうことー?」

 

そう言ってこいしを見て聞くと

 

こいし「あー、それはね、私の無意識がこれは違うって言ってた気がしたんだよね、まあ合ってるかはわからないけどね」

 

少し苦笑いしながらそう言った

 

それを聞いた真也は少し考えてから

 

真也「んー、じゃあ能力で本当の見た目にしてみよっかー」

 

そう言ってUFOを1つ持ち手を開いて

 

こいし「見た目変わるかな?」

 

こいしがそう言って真也の持っているUFOを見て

 

真也「んーほいっ!」

 

ぐっ、と手を握ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也が手にしていたUFOは不思議な形をした欠片になっていた

 

そのことに驚いた真也とこいしが

 

真也「んぁっ?なんだこれー?」

 

こいし「わっ!ほんとに変わったね!」

 

そう言ったとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「ふぁっ!?驚かそうとした私が驚かされるなんて!」

 

後ろから急に声が聞こえた




はい、ナズーリン登場と次のキャラです

真也「ナズはいじりやすそー」

こいし「ねーとっても面白そう!」

あー、この2人に目を付けられるなんて、ナズーリン、お疲れ様

真也「最後の人は誰だろねー」

こいし「んー、たぶん分かる人は分かるみたいだよ」

そうですよー、あの子です

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

驚いちゃった

どーも生きる死神です

真也「最近投稿頻度下がったねー」

こいし「ねー前は毎日一回は投稿してたのにね」

ははは、リアルが忙しくてあまり書けないんですよ

真也「完結できるのー?」

こいし「失踪はやぁよ?」

わかってますよ、もちろん終わらせます

では

「「「スタート」」」


 

 

2人は自分たちの驚いた声を聞いてまた驚いた声を出した人の方を見た

 

?「いやー、私が驚かされるなんてあなたやるねー!」

 

その人はこちらか見たことに気づいたのかそう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その少女は水色の服

 

一本足の下駄

 

茄子色の唐傘

 

そして、特徴的な赤と青のオッドアイだった

 

真也「んー、君は誰かなー?見たこと無い人だけどー」

 

真也が少女の格好を見てから聞くと

 

?「私は多々良小傘!唐傘の妖怪かな!」

 

少女は小傘と元気に言った

 

こいしは興味を持ったようで

 

こいし「小傘ね、私は古明地こいし、こいしでいいよ!小傘はここでなにしてたの?」

 

そう聞くと小傘は

 

小傘「私は人が驚かすのが好きだから誰か脅かしやすい人いないか探してたの!そしたら2人がいたから脅かそうとしたら、ね。逆に驚かされちゃった!」

 

そう言うとてへっと言うかのように片目を閉じて舌を出して頭に手を当てたポーズをした

 

真也はそれを面白そうに見ながら

 

真也「ふーん、小傘は面白い子だねー、あ、僕は全無真也、真也でいいよー」

 

そう言った

 

小傘は楽しそうに

 

小傘「真也ね、真也とこいしはここでなにしてたの?」

 

そう聞くと真也は

 

真也「僕らはー空飛ぶ船の噂を聞いて探してたらーここにきちゃったー」

 

とてもざっくりと説明した

 

こいしは呆れたような顔で

 

こいし「真也ー、さすがにおおざっぱ過ぎるよ。えたとねー探してるのはほんとだけどここにきたのは、まあ、ちょっとめんどくさそうな人から逃げてきたらここにきたのが正しいかな」

 

そう言った

 

小傘はそれを聞いて

 

小傘「へー、めんどくさそうな人か、あとで驚かしに行こうかな」

 

なにか悪いことを考えてる顔で言った

 

真也はそんな小傘の顔を見て楽しそうに

 

真也「小傘は楽しそうだねー」

 

そう言った

 

こいしは少し不思議そうに真也を見ている

 

小傘はきょとんとした顔で

 

小傘「うん?私は楽しいけど、真也は楽しくないの?」

 

そう聞いた

 

こいしには真也がいつもの表情だが瞳にはどこか悲しげな光が見えた

 

こいしは不安そうに真也を見ていると

 

真也「うーん、楽しくないわけではないよーこっちの世界はとっても楽しいしー良い人もいるしー面白いことたくさんあるしねー」

 

真也はどこか遠くを見ながらそう言った

 

こいしは直ぐに察したが小傘は気付かず

 

小傘「真也って外の世界から来たんだ!外の世界ってどんな感じなの?少し気になるな!」

 

興味津々にそう言った

 

真也はそんな小傘をどこか優しそうな目で見て

 

真也「外の世界は小傘が思うほど良いところじゃないよ。」

 

そう言った

 

こいしはこの時点で

 

こいし「(このままだとまた真也が悲しむ…!)」

 

そう思い話を変えようと

 

こいし「ねぇし「こいしは気にしないで」………」

 

喋ろうとしたが真也がまるでそれに気付いていたかのようにこいしを止めた

 

こいしは複雑そうに真也を見るが小傘は全く分かっておらず

 

小傘「?そうなの?外の世界から来た人はみんな帰りたがるって私は聞いたけどなぁ」

 

少しのんきにそういうと真也は

 

真也「あはは、確かに外に家族や友人、恋人や仲間、希望や未練があるなら帰るだろうね。」

 

瞳に悲しみと寂しさを宿らせてそう言った

 

こいしはやるせなくなり黙って真也と小傘の会話に耳を傾ける

 

小傘はさすがに気付いたようで

 

小傘「えっ…それってもしかして…」

 

そう言った

 

真也はいつもの表情で

 

真也「そう、僕は外の世界にはなにも思ってないし残ってない。未練なんてある訳ないし、あんな世界はまっぴらごめんだ」

 

しかし瞳には光が無くそう言った

 

こいしは帽子を少し深くかぶり目をつむる

 

小傘はなんとなく察して何も言えなくなる

 

真也はそんな2人の様子に少し苦笑いすると

 

真也「あはは、やっぱりこんな話はしないほうがいいな。空気が重くなるし、つまんないし、なにより、誰の得にもならない」

 

そう言うと手を開いて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

握り締めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると

 

近くにあった木が一本『無くなった』

 

小傘はその様子を見て

 

小傘「今のは…?」

 

そう言うと真也は自嘲気味に笑いながら

 

真也「あはは、この能力は向こうの世界のおかげで使えるようになったもんだから何も思ってないってのは違ったかな」

 

そう言った

 

こいしは悲しそうに真也を見ていた

 

真也はそれに気付くと真也も悲しそうな顔で

 

真也「ん、こんな暗い話はもう止めにしよっか。いつまでもこんな空気は僕も嫌だしね」

 

そう言うと真也はペンダントを弄りながら周りをふらふらと歩き出した

 

小傘はそんな真也に話しかけようか迷っていると

 

こいし「ねぇ。小傘は真也のこと、気味が悪いと思う?」

 

こいしがそう聞いてきた

 

小傘は唐突な質問、しかも内容が内容だったので驚いて

 

小傘「えっ、何でそんなこと聞くの?」

 

そう聞き返した

 

こいしはふらふらと歩く真也を書なしそうな目で見ながら

 

こいし「真也はいろんな人に気味悪い物を見る目で見られてきたの。他にも悲しい体験をしてきた真也はああやって平気そうにしてるけど、ほんとは悲しんでる。私は真也を信じてるし裏切らないから、大丈夫だけどあなたはどう?他の人と同じ?それとも…」

 

そこまで言うとこいしは真也から視線を外し小傘の目をじっと見た

 

小傘はこいしの真剣な表情を見て

 

小傘「……私は……真也のことを……そんな目では見てないよ……だって……私にも……嫌な過去はあるんだから……」

 

途切れ途切れにそう言った

 

こいしは真剣な顔のまま

 

こいし「小傘にもあるのね、嫌な過去」

 

そう言うと小傘は昔を思い出したようで悲しそうな顔で

 

小傘「私は元は忘れ傘からなった妖怪。その時の記憶は何となく残ってるの。大事にしてくれていた持ち主がある日突然使ってくれなくなった。それどころか使い捨てのように忘れていった。私は、それから一度も使われることはなかった。だから今、こうやって妖怪として過ごしてる。こうやって自由に生きれるのは嬉しいけどたまに思い出すと悲しくなるんだ」

 

そう言ってこいしに背を向けた

 

こいしはそんな小傘に

 

こいし「小傘はその悲しさを知ってるから真也にも優しくできる。真也は自分を受け入れてくれる人にはとても優しいから。」

 

そう言うと小傘の前に回り込み

 

こいし「さっ、一緒に話そう?真也も小傘を受け入れてくれるから」

 

そう言って小傘の手を取り歩き出した

 

小傘は手を取ってもらい歩きながら

 

小傘「(この2人は悲しみを背負って生きてるんだな。だからこそ他の人が悲しんでいるのを見たくないのかな。自分に出来るなら助ける、それがこの2人なのかな。)」

 

そんなことを思っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也、小傘、こいしは3人で仲を深めながら話した

 

その中には悲しい話もあったが他人を受け入れることの出来る3人はそれも受け入れていた

 

3人は仲を深めたあと、また遊ぶ約束をして別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也の持つペンダントの黒がさらに深く濃くなった気がした




はい、シリアスになりました

真也「ほのぼのばっかりだったからーちょーどいいんじゃないー?」

こいし「私は突っ込み役なのかな?」

小傘「そうかもね!」

おぉう!小傘いたのか!

小傘「なんとなく来ちゃった!」

こいし「なんとなくって…」

真也「小傘っぽいねー」

あはは、まあそうですね、たまにはいいかな

小傘「真也の過去は私も聞いたから真也のことをこれから助けていくよー!」

真也「あはは、嬉しいねー」

こいし「(これでまた1人真也の理解者が増えた!)」

はい、それでは次回まで

「「「「ばいばーい」」」」

小傘「驚けー!」

真也「わっ」

こいし「ひゃっ!」

うわっ、びっくりしたなぁもう

小傘「大成功!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

赤い眼?

どーも生きる死神です

真也「今回はなんだー」

こいし「赤い眼ってなんだろ」

さーねー、もう始めるよー

では

「「「スタート」」」

(後書きもよければ見てください)


 

 

 

小傘と別れた真也とこいしはまた船を探してふらふらと歩き回っていた

 

真也「ほんっと見つかんないねー」

 

こいし「ねー、そろそろ見つかっても良さそうなのにね」

 

2人は見つからないことを不思議に思いながら話していた

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこか見覚えのある服をした一行を見つけた

 

真也「んー?なんか見たことあるよーな」

 

こいし「えっ?どこどこ?」

 

真也はそれに気付いて首を傾げて考えているがこいしは気付いておらずどこかときょろきょろしている

 

真也「あそこだよーあそこー」

 

真也はそう言って指を指すとこいしはその方向を見て

 

こいし「あっ、ほんとだー。ってあれは霊夢と魔理沙と妖夢と早苗に………んー、見たこと無い人もいるね」

 

5人だと気付き名前を言っていくが1人だけ分からず不思議そうな顔をする

 

真也はそう言われて思い出したようで

 

真也「あー、そう言われればそうだねー、確かに1人見たことない人いるねー」

 

そう言っていると向こうのその知らない人がこちらに気付いたようで

 

その少女は霊夢たちに何かを言っていた

 

真也たちにはそれが何か聞こえずまた話していると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「あら、誰かと思えばこいしと真也じゃない」

 

さっきまで向こうで話していた霊夢が話しかけてきた

 

真也は少し驚いたが霊夢と一緒に他の4人もいることを確認して

 

真也「どーもー、こんなところで霊夢は何してるのー?」

 

そう聞くと霊夢は目をキラキラさせて

 

霊夢「空飛ぶ船の噂を聞いて探しているのよ!なんでも、その船には宝がいっぱいあるって聞いたからそれをもらって売ればお金が手にはいると思って!」

 

そう言ってまだ手にしていないお金を妄想してにやけ顔になっていた

 

真也とこいしはそんな様子の霊夢に少しながら引いていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「私を忘れちゃ困るぜ。2人こそこんなところでなにしてるんだ?」

 

魔理沙がそう言って話しかけてきた

 

真也はなぜかめんどくさそうな顔をして何も言わなかったので

 

こいしが少々呆れた顔で

 

こいし「あー、私たちもね同じ噂を聞いて面白そうだったから探してるの。でも見つからなくてね、船じゃなくて人はよく見つかるのに」

 

そう言った

 

魔理沙は納得したように頷き未だ妄想している霊夢を見て同じく引いていた

 

 

 

 

 

 

そしてそれを聞いていた知らない少女が

 

?「ねー、あなた達は誰?他の4人は知ってるみたいなんだけど教えてくれないんだ」

 

真也とこいしにそう言った

 

2人はその少女を見て少し驚きながら

 

真也「僕は全無真也 真也でいいよー」

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでね!あなたは?」

 

そう言うと少女は2人の名前を一度反芻してから

 

?「私は鈴仙・優曇華院・イナバよ、長いから鈴仙でも優曇華でもどっちでもいいよ」

 

そう言って軽くお辞儀した

 

真也とこいしはその様子に戸惑いつつも

 

真也「じゃー鈴仙って呼ぶねー」

 

こいし「私もー」

 

そう言った

 

鈴仙「よろしくね、あ、ところでさ、2人は私の目を見て何ともない?」

 

鈴仙ははっとした顔でそう言った

 

真也とこいしは顔を見合わせ

 

真也「んー?なんともないよー?」

 

こいし「私もだよ?」

 

そう言うと鈴仙は驚いたようで

 

鈴仙「え?私の能力が効いてないの?」

 

そう言った

 

真也とこいしはなにがなんだか分からない様子で

 

真也「えーどういうことー?」

 

こいし「鈴仙の目を見ると何かあるの?」

 

そう聞くと鈴仙は少し悲しそうに

 

鈴仙「私の目を見ると普通の人だと狂気に陥っちゃうんだ、だからあまり人の目を見ないようにしてるんだけど、さっきは突然だったから普通に見ちゃったんだ。」

 

そう言った

 

真也はその様子に

 

真也「(んー、鈴仙は自分の目を好きじゃないんだねー、まあ見る者を狂気に落とすなんて心地の良いものじゃないしねー)」

 

そう考えていた

 

こいしは鈴仙の目を見て

 

こいし「ほら、やっぱりなんともないよ!私たちは大丈夫だから気にしなくていいよ!」

 

笑顔でそう言った

 

鈴仙はそれに驚いたあと嬉しそうに笑顔を浮かべ

 

鈴仙「ふふっ、ありがとっ!」

 

そう言った

 

 

 

 

 

 

 

こいしと鈴仙が仲良くなったところで妖夢が

 

妖夢「あのー、お2人は船を探しているときに何か見つけましたか?」

 

おずおずと空気を壊したくなさそうにそう言った

 

真也はこいしと鈴仙の様子を見てから

 

真也「僕たちはなんか変な形の欠片なら見つけたよー」

 

そう言ってそれを取り出すとそれを見た妖夢ではなく先ほどまで妄想していた霊夢が

 

霊夢「あ、それ私たちも持ってるわよ。」

 

そう言った

 

真也はそれを聞いて

 

真也「そうなのー、じゃー僕たちが持ってる分もあげるねー」

 

そう言うと持っていた欠片を全て渡した

 

霊夢はいきなり渡された大量の欠片に

 

霊夢「ちょっ!どんだけ見つけたのよ!」

 

そう言って驚くが

 

真也「よーし、ここらへんで僕らは消えるとするねーこいしーそろそろ行くよー」

 

真也はこいしに声をかけると

 

こいしはそれを聞いて鈴仙に

 

こいし「あーもう行くみたいだから。今度鈴仙のいるところに遊びに行くね!」

 

そう言った

 

鈴仙も頷き

 

鈴仙「うん!迷いの竹林を抜けた永遠亭ってところにいるか遊びに来てね!」

 

そう言った

 

それを聞いたこいしは頷いて返して真也の方を向くと

 

 

 

真也「じゃー、ばいばーい」

 

 

 

真也がそういうと2人は消えてしまった

 

霊夢は大量の欠片をいきなり渡されたあげくどっかに行ったことに怒り、欠片をしまいつつ愚痴をぶつぶつ言っていた

 

魔理沙や妖夢、早苗はまったく気にしていなかったが鈴仙は初めて見たので驚いていると

 

早苗「あー、今いきなり消えたのは真也さんの能力ですよ」

 

鈴仙にそう言った

 

鈴仙は疑問に思い聞くと

 

早苗「うーん、まあ言っちゃうと真也さんの能力は「『無』を操る程度の能力」なんですよ、それでいきなり消えたんじゃないんですかね」

 

早苗はそう説明した

 

鈴仙はその能力に少し驚きつつも

 

鈴仙「(もしかしたら、真也にも私と同じように悲しいこと、あったのかな)」

 

そんなことを考えていた

 

 

 

 




はい、赤い眼は鈴仙でした

真也「あー、たしかにまだ出てなかったねー」

こいし「今更感あるねー」

あぁ、やっと永遠亭組が出せるよ

真也「お疲れー」

こいし「また先でしょ?」

まあそうですけどね

では、次回まで
「「「ばいばーい」」」

※活動報告に質問を置きました、よろしくです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

不明との遭遇

どーも生きる死神です

真也「今回で宴会前に会う人は全員ー?」

こいし「あんまり会ってないような」

んー、今の所はそうですね

真也「んー、またいろんな人に会ったなー」

こいし「(真也を怖がらない人が増えてよかった)」

さてでは、

「「「スタート」」」


霊夢が怒り出す前にさっさと逃げてきた真也とこいし

 

真也「あはは、あともう少し遅かったら絶対霊夢に怒られてたねー」

 

こいし「いや、あとで宴会とか行くんだったらその時に怒られると思うよ?」

 

真也は楽しそうに笑ってそう言うがこいしが呆れたようにそう言うと

 

真也「え、あ、確かにー」

 

真也はまったく分かっていなかったように驚いた

 

こいしはやれやれと頭を抱えて

 

こいし「それで、この後はどうするの?またぶらぶらと散策する?」

 

そう聞くと真也は一度周りを見て

 

真也「(んー、それも良いけどーなんかいるよーな)」

 

何かがおかしいと言ったようであった

 

こいしはそんな真也の様子を不思議そうに見ていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいし「ねー、しん………!」

 

こいしは話しかけようとした途端、真也に急に引っ張られて腕に収まった

 

真也は何も言わないがこいしは顔を真っ赤にして

 

こいし「え、ちょ?真也?何があったの?いきなりのことで何も分からないんだけど。」

 

真也に目でも訴えかけていると

 

真也「ちょっと待ってね。」

 

そう言って真也は周りをきょろきょろすると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然何の変哲もないところ(こいしにはそう見えた)に弾幕を1つ放った

 

こいしは疑問に思いその弾幕の向かう先を見ていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その弾幕は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木に当たる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった

 

 

 

 

 

そう、木に当たるはずだった

 

その弾幕は当たるはずの木の前で急に打ち消された

 

こいしはそれに驚き真也に聞こうとした

 

真也「いつまで隠れてるのさー、出てきなよー」

 

が、真也の発言でそれも出来なかった

 

それよりもこいしは真也が言ったことを理解できていなかったので

 

こいし「え?真也、誰かいるの?」

 

そう聞くと返ってきたのは真也からではなく

 

?「ふふふっ、男の方にはバレてたけど女の方にはバレてなかったみたいね」

 

先ほど見ていた方から声が返ってきた

 

こいしはその声に

 

こいし「ねぇ、姿を見せてよ!」

 

そう言うとその声の主はふふふって笑って姿を現した

 

真也「………………」

 

こいし「…あなたは…誰?見たことないけど」

 

真也はその姿を見ても黙っておりこいしは見たことのない人にそう言うと

 

その少女は背中にある特徴的な右と左で形状の違う3対の羽をゆらゆらと動かしながら

 

?「見たことないでしょうね、私もあなた達を知らないから。私はぬえ、封獣 ぬえ、大妖怪の鵺よ」

 

誇らしげにそう言った

 

 

 

 

 

 

こいし「ぬえちゃんね!私は古明地こいし!こいしって呼んでね!」

 

こいしがさっきとは打って変わって明るく話しかけたことでぬえは驚き

 

ぬえ「は?なんであんたそんなに明るく話しかけてくるのよ、私は大妖怪の鵺よ?普通は怖がったり怯えるところ何だけど」

 

こいしを呆れたような目で見てそう言った

 

こいしはそんなこと気にした様子もなく

 

こいし「鵺がどうとか関係ないよ?この場所にはもっといろんな妖怪が入るからそんなくらいじゃ驚かないよ!」

 

そう言った

 

ぬえはそれを聞いて絶望したような表情で

 

ぬえ「そ、そんな…この私がそんなくらいだなんて………!」

 

目に見えるくらい暗いオーラを出しながらそう言った

 

こいしはそれを見て面白いと思いつつ真也を見るとそんな思いは消し飛んだ

 

 

 

 

だって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也の目が明らかに敵対していたから

 

こいしは真也の様子に驚いて

 

こいし「真也?なんで黙っているの?ぬえは変な子じゃないから大丈夫だよ?」

 

真也にそう言うが真也は顔は笑いつつ目はさっきのまま

 

真也「ふーん、僕は全無真也、真也でいいよー」

 

それだけ言うとペンダントを片手で弄びながら、小傘の時と同じようにふらふらと歩き始める

 

こいしはそんな真也に少し不安を覚えつつも

 

こいし「むー、まあいいや、ところでぬえはここで何してたの?」

 

すぐに切り替えてぬえに聞くとぬえは今度は手に持っていた槍をくるくると回しながら

 

ぬえ「私はここらへんを通る人を脅かしたりしていただけよ?まあ、あんまりこないしつまんなかったところに2人が来たから良かったけど。こいしは驚いてくれたんだけど、真也はまったくの無反応で悔しいわね

 

何をしていたか言った

 

その時のぬえはこいしが驚いたことには嬉しそうだったが真也が驚かなかったことに悔しそうな顔をしていた

 

こいしはそんな表情がころころ変わるぬえを気に入ったのか

 

こいし「ぬえは面白いねっ!」

 

そう言うとぬえはまた驚いたというか、呆れたようで

 

ぬえ「また面白いとか…こいしは人間じゃないの?真也は明らかに人間だったしこいしもそうかと思ってたんだけど」

 

そう聞くとこいしがむしろ驚いたようで

 

こいし「えっ?私妖怪だよ?気付いてなかったの?」

 

そう聞き返すとぬえはえ?といった顔で間抜けな顔をした後

 

ぬえ「まさか私は人間と妖怪の区別も出来ないなんて…それにしてもなんで妖怪と人間が一緒にいるの?普通なら人間なんて餌くらいにしかならないよね?」

 

自分が区別できないことを嘆きつつも、真也とこいしが一緒にいる理由を聞いた

 

こいしはそれを聞くと少し考えはっとしたあと顔を赤くして

 

こいし「そ、それは、私と真也が仲がいいから?」

 

と、人差し指同士をつんつんとしながら目をそらし気味にそう言った

 

ぬえはこいしのその様子にニヤリと笑い

 

ぬえ「ふーん?もしかしてあなた達、付き合ってたり?」

 

そう言うとこいしは顔をさらに赤くして

 

こいし「そ、そうだよ」

 

そう言った

 

ぬえはその返答に驚きつつも納得したようで

 

ぬえ「は~だから2人でいるのね。それに真也の私を見る目が異様なくらい怖いのもこいしに弾幕を飛ばしたからか、あ~納得納得」

 

槍を地面にさして腕を組みながらうんうんと頷いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくこいしとぬえが楽しく話していると真也が戻ってきた

 

こいし「あ、真也戻ってきたね、ちょうどいいし3人で話そうよ」

 

こいしが真也に話しかけると真也はぬえに

 

真也「ねぇぬえー。なんでこいしに弾幕を飛ばしたのー?」

 

表情はいつも通り、いつものように黒くなにも思っていない目でそう聞いた

 

ぬえはその真也の様子を少し不審に思いつつも

 

ぬえ「あー、あれは驚かすためにやっただけよ。まあ、さっきこいしに少し聞いたから、悪かったとは思ってるわ」

 

少し申しわけなさそうにそう言った

 

真也はそれを聞くともう特に何も聞きたいことはないのかニコニコしながら黙っていた

 

ぬえはそんな真也に

 

ぬえ「あ、真也ってさこんなところにも普通に来れるんだから能力持ってるよね?」

 

そう聞いた

 

こいしは真也を不安げな面もちで見ていると真也は

 

真也「持ってるよー僕の能力はー「『無』を操る程度の能力」だよー」

 

何も気にせずそう言った

 

ぬえはその能力に一瞬驚いたが

 

ぬえ「はぁ~なるほどね、だから私がいることもばれたのね」

 

また納得したように頷いていた

 

そこでこいしがぬえに

 

こいし「ぬえの能力はなんなの?」

 

そう聞くとぬえは

 

ぬえ「あぁ、私の能力は「正体を判らなくする程度の能力」よ、だから姿を判らなくして隠れていたのよ」

 

そう答えた

 

こいしは感心したように

 

こいし「へぇ~、かくれんぼなら負けないねっ!」

 

しかしどこかずれた感想を返した

 

ぬえもその返答は予想してなかったのか軽く転けて

 

ぬえ「こ、こいしって結構天然なのね…」

 

苦笑しながらそう言った

 

真也はそんなぬえに

 

真也「いやー、こいしはわざとやってるときもあるよー」

 

そう言った

 

こいしはそう言った真也の額にでこぴんをし、真也がんあっ。と変な声を出していてぬえがその様子を見て笑うという、どこか気の抜けた空間が出来た

 

 




はい、今回はこんなところですね

真也「ぬえは面白いねー」

こいし「ねっ!話してて楽しいよ!」

それはよかったね、あ、ここで報告です

まず、大神 龍さんの東方種変録にて真也を出させてもらっています、いろんな人が出ていますよ

また、パルミアさんの東方神社人でもこの前のコラボの三月sideが書かれています

あと、もう眠いさんの出ったぁ!世界一めんどくさい男にて、真也の誕生日を祝ってくれています、また違った真也とこいしが見れますので是非見てみてください

コラボしてくださった皆様ありがとうございました!

真也「こんな作者とコラボしてくれてありがとねー」

こいし「興味ある人は是非見に行ってみてね!」

はい、では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

異変後の宴会はお決まりの行事

はーいどーも生きる死神です

真也「宴会だー」

こいし「タイトルってもしかして…」

ふふふ、こいしちゃん、分かっても言っちゃだめです

真也「なにかあるのー?」

こいし「う、ううん、なんでもないよ!」

あ、タイトルは火事と喧嘩は江戸の華をもじりました

真也「語呂悪いー」

こいし「ねー」

うっ、一応考えたんですから!

それでは、

「「「スタート」」」


 

 

 

真也とこいしとぬえの3人は仲良く話していた

 

真也「あはは、あーもう暗くなってきたねー」

 

こいし「あ、そうだねーもう異変も終わったんじゃない?」

 

ぬえ「異変ってなに?」

 

真也がそう言うとこいしがそう言いぬえが聞き慣れない単語に反応する

 

こいしはぬえが知らないことに少し驚きつつも

 

こいし「異変って言うのはね、誰かが自分のしたいことを主張して幻想郷にもたらすことだよー」

 

そう説明するとぬえはまた疑問が出来たようで

 

ぬえ「ふーん、じゃあさ、今回の異変は何があったの?」

 

そう聞くとこいしは、はっ、とすると

 

こいし「確かにそう言われてみれば考えてなかったっ!てへっ!」

 

すぐさま開き直ってそう言った

 

ぬえはその様子に呆れつつ(隣の真也はこいしを見て笑ってる)

 

ぬえ「どっかに行けば分かるんじゃない?」

 

そう言うとこいしは考え込むが真也が

 

真也「んーならさー、博麗神社行ってみよー?たぶん宴会かなんかやってるだろーからさー」

 

そう提案した

 

こいしもぬえもそれに賛成して3人は博麗神社に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人が神社につくとまず目に入ったのは森を探索していたときに会ったナズーリンとその周りにいる見慣れない人たちだった

 

真也たちはその人たちを見て誰かと話し合っていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナズーリン「あっ、君達はあの時の」

 

先にナズーリンが真也たちに気付いた

 

それに反応した周りにいた人達もこちらを見て

 

?「おや?初めて会う人ですね」

 

?「~~~♪(ご飯を美味しそうに食べてる)」

 

?「1人は人間だけど、他の2人は妖怪じゃない?」

 

?「これは聖の理想に近いですね!」

 

4人(若干1名ご飯に夢中だが)はそれぞれそう言った

 

最初に言った女性は金に紫のグラデーションが入った上から下に行くにつれて色が変わった髪に優しそうな雰囲気をしている

 

またご飯に夢中の少女は金髪に花を模した飾りを載せている

 

3人目の少女は黒い髪に白地に青緑色の縁取りのセーラー服を着ておりどことなく緩い雰囲気を出している

 

最後の少女は紺色の頭巾から水色の髪が見えなにより周りに浮かんでいる不思議な雲に目がいく

 

真也たちはその個性的(この幻想郷においてこの言葉はあまり意味ないが)に少し驚いていた

 

真也たちが驚いていることに気付いたのかは分からないがナズーリンが

 

ナズーリン「あ、まだ私以外とは自己紹介してなかったね。聖たちもどうだい?」

 

そう言うと最初に優しそうな女性が

 

?「そうですね、私は聖白蓮、お好きなように呼んでください。」

 

そう言ってこちらに微笑む

 

次にご飯を美味しそうに食べてる少女だが

 

?「~~~♪(まだ食べてる)」

 

ご飯に夢中で気付かない

 

それに呆れたナズーリンが

 

ナズーリン「あぁもう…ご主人!いつまで食べてるんだい!自己紹介くらいしたらどうだい!?」

 

食べている少女に言った

 

すると少女はビックリしたようで

 

?「むぐぅ!?もぐもぐごっくん。あ、えと、私は寅丸星です、毘沙門天の代理です。」

 

食べていたものを飲み込んで周りの空気を察したのか真面目な様子でそう言った

 

真也たちはその様子に笑いを隠せなかったが

 

そんな星を苦笑しながら見ていたセーラー服の少女が

 

?「ふふふ、あ、私は村紗水蜜、呼びやすいから村紗でいいよ」

 

そう言った

 

最後に雲を周りに浮かべている少女が

 

?「私は雲居一輪です、一輪と呼んでください。それと私の周りの雲は雲山と言います。よろしくと言ってますね」

 

とても真面目にそう言った

 

真也たちはそれを聞き終えて

 

真也「聖に星に村紗、あと一輪と雲山ねー、よろしくー僕は全無真也、真也でいいよー」

 

こいし「私は古明地こいし、こいしって呼んでね」

 

ぬえ「私は封獣ぬえ、ぬえでいいわ」

 

自分たちの自己紹介をした

 

するとこいしとぬえの名前を聞いた村紗と一輪が

 

村紗「古明地…古明地、こいし…こいし、あ、地底の覚り妖怪の妹か!」

 

一輪「ん?封獣ぬえ?もしかして地底にいなかった?」

 

と、2人に話しかけた

 

こいしとぬえは最初は分かっていなかったが2人の名前をよくよく考えたら

 

こいし「あっ!村紗って血の池地獄が大好きだったあの村紗か!」

 

ぬえ「一輪ってそういえばいたわね、雲山と一緒に」

 

ようやく思い出したようでそれを聞いた村紗と一輪も

 

村紗「ちょ、なんでそんなこと覚えてるの!」

 

一輪「やっぱり雲山の方が印象に残ってるのね…」

 

どこかずれてる気がするが思い出してもらえたことに喜び4人は楽しそうに話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それに入っていない星、ナズーリンはというと

 

星「~~~♪(また食べ始めた)」

 

ナズーリン「はぁ~まったくもうご主人はブツブツ」

 

星はまた食べ始め、その様子を見たナズーリンが頭を抱えてまた愚痴をこぼすという状況だった

 

聖と真也は顔を見合わせ苦笑すると

 

聖「すいませんね、うちの子たちが迷惑かけて」

 

真也「そんなことないよーナズは面白いし星もなんか面白そうだしー、村紗も話したら楽しそうだし一輪もちょっとイジったら楽しそうだしー。とっても良い人ばっかりじゃんー」

 

聖が謝るが真也はそんなこと気にしていない風にそう言った

 

聖はそれを聞いて嬉しそうに微笑むと

 

聖「ふふふっ、そうですか真也さんにはそう感じるんですね。とても良いことだと思いますよ」

 

そう言った

 

真也は少し不思議そうな顔をしたが、まあいいかと思い

 

真也「あー、ところでさーなんで今回の異変ってなんで起きたのー?」

 

この宴会にきた目的を思い出して聖に聞いた

 

聖はそれを聞かれると少し困ったような顔になり

 

聖「それはなんといいますか、少々お恥ずかしいのですが、村紗と一輪、星とナズーリンは私が法界に封印されているのを助けに来てくれたんですよ。そのために飛倉の欠片というものを集めて星蓮船を使って来たのですが、その…空を飛んでいたらしいのでして、それが見た者には物珍しく写ったようでして宝があるとかなにか不思議なものがあるとかなんとか言われてこんな騒ぎになったようです」

 

苦笑しながらそう説明してくれた

 

それを聞いた真也は驚いた顔をした後とても嬉しそうな笑顔で

 

真也「聖は仲間に恵まれてるねー封印されているのを助けに来てくれるなんてーそう簡単には出来ないよねー」

 

そう言った

 

聖はその通りと頷いてから

 

聖「私も本当に良い仲間を持ったと思っています。もし皆さんに会っていなければ私はあそこで一生を終える可能性もあったんですから。感謝してもしきれません」

 

とても晴れやかに笑って言った

 

真也はその笑顔を眩しいと思いつつ

 

真也「聖は良い人だねー僕には眩しいくらいだよー」

 

そう言った

 

すると聖は真也を心配そうに見て

 

聖「真也さん、もしかしてあなたはなにか抱えているんですか?」

 

そう聞いてくる

 

真也は一瞬話すかどうか迷ったが聖の性格と話した感じの人柄で大丈夫だと思い

 

真也「んー、これから話すことは一部の人は知ってるけど言っちゃダメだよー?」

 

先にそう前置きし

 

聖「………分かりました。他言無用を心得ます」

 

聖がそう言ったところで真也は話し始た

 

黒く光の無かった自身の過去を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話を聞き終えた聖はとても悲しそうに

 

聖「そんな過去を通ってきたのですか…真也さんは…」

 

真也を見てそう言った

 

真也は自嘲気味に笑いながら

 

真也「あはは、もう今では気にしてないしーなんだかんだこうやって楽しめてるからいいんだー、今の僕はもう1人じゃないしねー」

 

そう言うと楽しく談笑しているこいしに目を向けた

 

その視線に気付いたこいしが真也に手を振る

 

それを見た周りの3人がこいしを茶化したようでこいしが顔を赤くしながら怒っている

 

真也はその様子をとても嬉しそうに見ていた

 

聖はそんな真也を見て察したのか慈悲深い笑顔で

 

聖「真也さんは見つけたのですね。自身を理解してくれる人を。」

 

そう言った

 

真也は聖に視線を戻してにっこりと笑うと

 

真也「あは、そうだねー聖の言うとおりだよー僕には僕を理解してくれる人がいるからー、僕はその人に裏切られない限りは大丈夫。」

 

最後は真面目な口調でそう言った

 

聖はそれを嬉しそうに笑って見ると2人はとりとめのない話を始めた

 

その時の2人の顔はどちらも自分を救ってくれた物に対する感謝の笑顔で溢れていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつか、その笑顔が崩れ去る時が来るかもしれない…

 

その時、こいし達はどうするのだろうか




はい、ほのぼのからのちょっとシリアスでしたね 

真也「聖はとっても良い人ー、僕のことを知ってもまったく蔑んだ目で見ない所か心配してくれたー」

こいし「(私が知らないうちにまた真也の味方が増えてる)」

はい、まだ宴会は続きますよ、次回は頑張って弾幕ごっこをしたいですね

真也「出来るのー?」

こいし「むりそー」

がんばりますよー、原作キャラにもオリスペカ持たせることを決心しましたから

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

異変と弾幕ごっこは幻想郷の華

はーいお久しぶりです生きる死神です

真也「更新遅くないー?」

こいし「ねー、最後の更新月曜だよ?」

うっ、いろいろ忙しかったんですよ、部活やらTRPGやら、まあ、また新しい奴やるんですが

真也「ちょーっとお灸を据えた方が良いかなー?」

こいし「ちょっととは言わずにがっつりやろうよ!」

や、やめて、これ以上削られたら書けなくなっちゃう

真也「しょーがない、そろそろ始めよー」

こいし「おー」

はいでは、

「「「スタート」」」


 

 

 

聖と世間話で盛り上がっていた真也

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「あっ!真也!」

 

どこかで飲んでいた霊夢が真也に気付き近寄ってくる

 

真也は霊夢が寄ってくること自体少しめんどくさそう(前回の宴会のこと)な顔だったが、霊夢の顔を見てさらにめんどくさそうにした

 

真也「はぁー、これはめんどそうだなー」

 

真也はため息をつきながらこちらによって来る青筋立てた紅白巫女を見ていた

 

霊夢は真也に近付き怒った顔で

 

霊夢「ちょっと!いきなり大量の変な欠片渡してくれて大変だったじゃないの!」

 

真也に問い詰めるように言った

 

真也はとてもめんどくさそうだが、顔には出さないようにいつもの顔をキープしながら

 

真也「いやさーなんとなくあれ霊夢達に必要かなーって思ったからさー」

 

なんとか霊夢を宥めようとする

 

しかし霊夢はそんなこと関係ないようで

 

霊夢「私じゃなくても良かったでしょ!」

 

なかなかの剣幕で言う

 

真也はめんどくささ全開で適当に受け流していると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「おー、おまえらなにやってんだぜ?」

 

魔理沙が2人に近付いてきた

 

霊夢は魔理沙を無視して真也に詰め寄ろうとするが魔理沙に捕まり魔理沙にその怒りの矛先を向ける

 

魔理沙「おーおー、なんかよくわからないけどとりあえず落ち着け霊夢」

 

霊夢「なによ魔理沙!あんたもあの欠片を私に押しつけたでしょ!」

 

2人は軽く口論を始めた

 

その様子を見ていた聖がめんどくさそうな顔をしている真也に

 

聖「もしかして、真也さんも飛倉の欠片を集めてくれたのですか?」

 

そう聞くと真也は聖に顔を向け霊夢達が口論してるのを極力聞かないように片耳を塞いで

 

真也「あーまあそうだねー、でも僕らはなんか面白そうだったから集めてただけだよー、結局集めた奴は全部霊夢に渡したしー」

 

自身は関係ないと言っているかのようにそう言うと聖はとても優しい笑顔で

 

聖「いえいえ、間接的でも集めていただいているのですから、感謝しなくては」

 

そう言ってまた頭を下げる

 

真也はそんなこと良いと言わんばかりに手と首を振っていると

 

こいし「なにしてるの?真也」

 

地底の懐かしいメンバーの輪から抜けてきたこいしが真也に話しかけた

 

真也はとても嬉しそうな顔をして

 

真也「んーこれは聖が僕らが間接的でも集めてくれたことに感謝してるって言うからー、そんなこと無いって意味で否定してたー」

 

とそう言う

 

聖はなぜ真也が嬉しそうなのかは分からなかったが、おおよそ、こいしが来たことが嬉しいのだろうと、そう考えた

 

こいしは真也に感謝くらいは素直に受け取りなさいと叱って?いて、真也はそれを楽しそうな笑顔で流していた(おい)

 

聖がそれを暖かい目で見守っていると

 

霊夢「あーもう!だったら弾幕ごっこで決めてやろうじゃないの!」

 

魔理沙「あーいいぜ!やってやるぜ!」

 

口論していた2人がヒートアップして空に浮き上がり弾幕ごっこを始めた

 

真也とこいしとヒートはその様子を綺麗そうに眺めて

 

真也「やっぱり弾幕ごっこって綺麗だよねー」

 

こいし「ねー!見てるだけでも楽しいよね!」

 

聖「そうですね。こうやって美しいものを見れることもまたありがたいです」

 

と、3者3様の感想を述べた

 

その後しばらく3人で霊夢と魔理沙の弾幕ごっこを酒のつまみに話していると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上からどちらかの当たらなかった弾幕が飛んできた

 

3人はそれに気付かず話していた

 

その結果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいし「あいたっ!」

 

こいしにヒットした

 

そこまで強い弾幕ではなかったのかこいしにそこまで怪我はないが、少し服が汚れてしまった

 

聖はそれにあらあらといった様子で

 

聖「これは流れ弾ですか。よく見たら周りにも飛んでいますね。」

 

そう言うとこいしは当たった部分の服をつまんで

 

こいし「あー、家帰ったら洗わなきゃー」

 

少し怠そうに言った

 

すると真也がこいしが摘まんでいる部分に手を当て右手を握り締めた

 

するとこいしの服の汚れが綺麗さっぱり無くなった

 

こいしは知っているので何事もなかったかのように真也にありがとうといった

 

しかし初めて見た聖は驚き真也に聞こうとした

 

聖「すごいですね。これも能力でやっ「ごめんねー聖ー。ちょーっとあそこの2人にお仕置きしてくるからー後でもう一度聞いてくれるー?」……!」

 

しかし真也が途中で明らかに怒っているのであろうがなんとか隠しているような、凄まじい笑顔で聖にそう言うと

 

聖「は、はい、お忙しいところすいませんでした」

 

聖は萎縮してしまいどこか外れた返答をしてしまった

 

それを聞いたかわからないが真也はとてつもなく黒いオーラを発しながら空で戦っている紅白巫女と白黒魔法使いにお仕置きをしに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「と言うわけでー、悪いけどお仕置きー」

 

霊夢魔理沙「「いやどういう訳だよ!!」」

 

2人してそうツッコんだ

 

真也が先ほど起きたことをとてもざっくりと、それでも分かるように説明したからだ

 

真也はそんなこと知らないと言わんばかりにものすごい笑顔で浮かべると

 

弾幕を展開し始める

 

霊夢「うわっ!いきなり!」

 

魔理沙「こりゃ、やるしかないぜ!」

 

2人は不意打ち気味の弾幕を避けつつ同じように弾幕を打ち始める

 

 

 

 

 

しばらくしたところで真也がポケットから

 

真也「よーし、そろそろいくよー、《感情「悲しみの雨」》」

 

スペカを出し宣誓した

 

すると、そらから黒い中くらいの弾幕が振ってくる

 

霊夢「うわ、上から振ってくんの!」

 

魔理沙「うー、避けづらいぜ」

 

霊夢は器用にグレイズしたりしながら避け、魔理沙もすごく避けづらそうにしながら動く

 

すると

 

霊夢「めんどくさいスペルね………っ!」

 

愚痴を言いつつも避けていた霊夢は自身の勘がここは危ないと言っているのに気付き急いで動く

 

すると空から中くらいの弾幕に混じり小さめの弾幕が振ってくる

 

しかもそれは少しづつ動いている

 

霊夢ははっとして上を向くと

 

真也「~~~♪」

 

真也が弾幕雨の降る中、くるくると回りながら動いていた

 

それはどこか雨を楽しんでいるようにも見える

 

魔理沙にも同じように小さい弾幕が混じったのか

 

魔理沙「あーもうめんどくさい………っあ!」

 

それに気づけなかった魔理沙は被弾する

 

しかしそこまで威力はないのか魔理沙の様子はあまり変わっていない

 

それから数秒後スペルが終わり霊夢が

 

霊夢「相変わらずめんどくさいスペルね!」

 

真也に向けてそう言ったが真也はどこ吹く風と聞き流しまた弾幕を展開した

 

すると魔理沙がポケットからスペルを取り出し

 

魔理沙「よーしお返しだ!新しいスペルを食らえ!《星符「シューティングスターレイン」》!」

 

宣誓すると空に大きな魔法陣が作られ

 

そこから1つ、虹色の弾幕が打ち出される

 

真也と霊夢はそれを軽々と避けるがもう一度魔法陣を見たとき顔をしかめた

 

なぜなら、先ほどの弾幕が大量に振ってきていたからだ

 

数にすると大体20個ほど、しかしその弾幕はなかなか大きくそれでいて速さもあり避けづらいものだった

 

真也と霊夢がそれを裁いている中

 

 

 

 

下から観戦しているこいしはそのスペルを見て

 

こいし「ふわー、流星群ってこんな感じなのかなっ!」

 

そんな感想を言った

 

 

 

そんなことを知らない真也と霊夢は時間いっぱい避けきりまた三つ巴で対峙する

 

霊夢「ちょっと魔理沙!なんで私も狙うのよ!一緒に真也を狙った方が楽でしょ!」

 

霊夢は鋭い怒声を魔理沙に飛ばすが魔理沙は気にした様子もなく

 

魔理沙「2人同時に狙った方が後々楽なんだぜ!」

 

むしろしてやったりといった顔で言った

 

それを聞いた霊夢はポケットから荒々しくスペルを出すと

 

霊夢「もう良いわ!私も狙ってやるわ!《霊符「夢想共鳴」》!」

 

宣誓し大型で虹色の弾幕を放つ

 

それは狙っているわけではないのかまっすぐと飛んでいくが

 

霊夢「はっ!」

 

霊夢の掛け声と共に1つが破裂する

 

破裂した弾幕は周りに中型の弾幕を飛ばす

 

2人はその様子に疑問を覚えつつ避けようとした

 

 

2人は先ほどの名前を思い出し周りを見た

 

すると

 

周りにあったはずの大型の弾幕はなくなり、中型の弾幕が大量に発生していた

 

あちらこちらから飛んでくる大量の弾幕に2人は

 

真也「うわー、これはめんどくさいぞー」

 

魔理沙「うわっ!こんなに大量にか!」

 

そう言いつつ避ける

 

第一波が終わる前にまた霊夢が大型の弾幕を放つ

 

真也はまたやられたら避けるのも難しいと思いポケットからスペカを出して

 

真也「よーし、《感情「弾ける楽しさ」》」

 

宣誓し、霊夢と同じように大きな弾幕を数10個放つ

 

それは霊夢の弾幕と同じように弾ける中型の弾幕になり相殺する

 

その様子は霊夢のスペルと同じように見えるが色が決定的に違った

 

虹色と黒色

 

混じり合うとその2色の弾幕は黒が勝ったのか黒くなって消える

 

しばらくして同時にスペルが終了し霊夢が悔しそうな顔で

 

霊夢「くっ!あれならいけるとおもったのに!」

 

そう言い真也が楽しそうに笑いながら

 

真也「あははっ、あれくらいじゃあ倒せないよー」

 

そう言うとふと周りを見て

 

真也「あれー?魔理沙はー?」

 

魔理沙がいないことに気付く

 

霊夢も気付き慌てて探すと2人より上から

 

魔理沙「私はここだぜ!」

 

魔理沙の声が聞こえた

 

2人が同時にその方向を見ると魔理沙がニヤリと笑いながらスペルを掲げており

 

魔理沙「2人のスペルが対抗してくれたおかげで逃げれたぜ!今度は私の番だ!《降星「フォースメテオ」》!」

 

スペルを宣誓した

 

すると魔理沙の背後に大きな魔法陣が出来あがり、

 

魔理沙「いっけぇ!」

 

そう言うとともにとてつもない大きさの白い弾幕が落ちてくる

 

それはさながら落ちてくる隕石のようであった

 

真也「うわー、これは避けるのも大変だー」

 

霊夢「もう!なんでこんなにめんどくさいスペルばっかなのよ!」

 

2人はそういって落ちてくる隕石のような弾幕から全力で逃げる

 

その弾幕は方向調整が出来ないのか出てきた後、方向を変えずに落ちていく

 

そして、地上の少し前で消えた

 

魔理沙は当たらなかったことを悔しそうにして

 

魔理沙「ちっくしょー!あんな良い位置からやったのに当たらないのかよ!」

 

そう言うと弾幕を放ちなから2人に近づく

 

真也はポケットからスペルを出そうとすると

 

霊夢「今度は私よ!受け取りなさい!《霊符「夢想輪廻」》!」

 

いつの間にか霊夢がスペルを出して宣誓した

 

霊夢の宣誓とともに、霊夢の周りを大型で虹色の弾幕がくるくると回る

 

それはしばらく回るといろんなところに散らばり始める

 

真也と魔理沙はそれを軽く避け先ほどのようにならないように弾幕を見ていると

 

散らばった弾幕は小型の弾幕を放ちながらだんだん小さくなっていき終いには消えた

 

しかし放たれた小型の弾幕は確実に2人を追いつめられるだけの量があった

 

真也「なにこれー、すっごい多くてやだー」

 

魔理沙「まーた増える奴か!」

 

2人は愚痴りつつ回避する

 

小型の弾幕が消える前に再度霊夢の周りにいつの間にか回っていた弾幕が放たれたまた小型の弾幕が放たれる

 

真也は少しめんどくさそうな顔でポケットからスペルを取り出し

 

真也「めんどーだからースペルで終わらせるー《感情「喜怒哀楽の折々」》」

 

宣誓した

 

そのスペルは宣誓と同時に真也を挟んで上と下から弾幕が飛んでくる

 

それは真也のスペル《感情「空から降り注ぎ湧き起こる喜び」》と酷似している、というよりそのものだった

 

魔理沙「うわ!上と下からなんて同時はキツいぜ!」

 

魔理沙は上下の弾幕に板挟みにされつつ何とか避けていた

 

5秒ほどすると、その弾幕は終わる

 

魔理沙はほっと一息していると

 

急に小型の弾幕が短いながら大量に飛んでくる

 

魔理沙は不意をつかれたが何とか避けた

 

霊夢のスペルも終わり同じように避ける

 

すると今度は後ろから中くらいの弾幕が突然飛んでくる

 

2人はそこまでは反応できなかったのかそれにもろに当たる

 

魔理沙「うぐっ!」

 

霊夢「きゃっ!」

 

さすがにもろに当たるのはダメージがあったようで2人は少し息を切らしていた

 

後ろから飛んできた中くらいの弾幕は真也を囲うように止まると、しばらくしてからその場で不規則に動き始める

 

魔理沙「ん?この感じ、どっかで聞いたような……っ!」

 

その様子を見た魔理沙が考え、何かに気付いたところで

 

中くらいの弾幕を先頭に大量の小型弾幕が少し長く放たれる

 

魔理沙はそれを見て舌打ちして

 

魔理沙「ちっ!やっぱりこれはあの時に使われたらしいスペルのやつか!」

 

そう言って避ける

 

これは《感情「抑えきれなかった怒り」》と同じである

 

2人は弾幕を回避するだけではなく相殺しながら何とか避ける

 

しかし、それでも数多くの弾幕を完全に避けきることが出来ずいくつか被弾した

 

そしてそれが終わると今度は空から中くらいの弾幕が振ってくる

 

霊夢はこれを見てすぐに

 

霊夢「これさっき使ったスペルじゃない!」

 

《感情「悲しみの雨」》ということに気付いた

 

魔理沙もそれに気付いたが魔理沙のところだけ真也が狙っているのかかなりの量の小型弾幕が降ってきており

 

魔理沙「う、うぐぅ、これは厳しいぜ……」

 

魔理沙もあまり威力が無いにしてもそれまでの分もあり徐々にに削られたのか

 

魔理沙「も、もうダメだぜ……」

 

力尽きて地上に落ちていった

 

霊夢は横目にそれを見て地上でこいしが魔理沙を拾いに行っているのを確認した後、険しい顔で裁き始める

 

それは5秒ほどで終わり今度は真也なら大型の弾幕が放たれる

 

霊夢は今までの流れから何がくるか気付いていた

 

霊夢「やっぱり最後はこれなのよね!」

 

霊夢が気付いているとおりこれは《感情「弾ける楽しさ」》であった

 

大型弾幕から弾けた中型の弾幕の嵐に霊夢はだんだんと掠っていき、最終的に疲れが来たのか被弾し始め、魔理沙と同じ様に力尽きて落ちていった

 

真也はスペルが終わりその様子を眺めながら

 

真也「アハハッ、楽しかったなぁ。やりすぎた感は否めないけど、ま、お仕置きって言ってたしいいよねっ」

 

いつもの口調ではなく真面目な口調で、しかし言っていることはいつもと同じように言うととても楽しげな笑顔で地上に戻った

 

 

 

 




はい、久しぶりの弾幕ごっこでした

真也「いやー楽しかったー」

こいし「真也強すぎー」

あはは、さすがとしかいいようがない

真也「まあまあー気にしちゃいかんなー」

こいし「そうだね」

さて、次回は弾幕ごっこのその後と真也がこいしに……(一回やってる)ですかね、まあ予定ですが

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

酔っ払い再び

どーも生きる死神です

真也「今回でこの章は終わりらしいねー」

こいし「おー次はなんだろー」

次回からは少し日常やってまた異変ですかね

真也「展開早いねー」

こいし「それは最初からだよ」

はい、では

「「「スタート」」」


 

 

お仕置き(物理)を終えた真也はにこにこしながら戻ってきた

 

真也「いやー終わった終わったー」

 

こいし「ちょっとやりすぎじゃない?」

 

真也がやり切った感を出しながら言うとこいしが呆れた表情でそう返す

 

真也はにこにこ顔を苦笑に変えて

 

真也「うーん、そんな気はしてたー終わったときにー」

 

こいし「いや遅いよね?もっと早く気付けたでしょ」

 

頭を掻きながら言ったがこいしの鋭い一言でがっくりとうなだれていた

 

聖はそんな2人を微笑ましいものをみる目で見ていた

 

こいしはそれに気付き

 

こいし「あ、そういえばさ、さっき真也に何か聞こうとしてたよね?私で良ければ答えるよ!真也のことなら大体分かるから!」

 

さらっと爆弾発言らしきものを投下しながら答えた

 

聖はそれを聞くと少し苦笑しながら

 

聖「ふふふっ、では先程こいしさんの服の汚れが消えましたが、真也さんは何をしたんですか?」

 

そう聞くとこいしは少し考えてから

 

こいし「………真也の能力は聞いたかな?」

 

少し暗い表情で聞いた

 

聖は先程からの変わりぶりに驚きつつも

 

聖「は、はい、聞きました。確か「『無』を操る程度の能力」でしたよね?」

 

そう答えるとこいしは能力を言ったときの聖の表情から大丈夫だと判断して

 

こいし「うん、そうだよ、であの汚れが消えたのは真也の能力で正確には『無くなった』が正しいかな」

 

そう答えるとこいしは未だにうなだれている真也に近付き頭を撫でて言い過ぎたと謝り始めた

 

真也がそれをそんなことないからと首を振っているが強く抵抗しないとこから完全に嫌がっているわけではなさそうだ

 

聖はそんな光景を見て

 

聖「ふふふっ、まるで恋人同士ですね。いや、もしかしたらさっきのことからすればそうなのかもしれませんね。でも秘密にしときましょうか!」

 

暖かい気持ちを感じつつ他の仲間のところへと移動した

 

そしてみんなが酒を飲んだり騒いだりして真也とこいしが宴会の様子を確認すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見事に全員撃沈していた

 

酒を飲まない聖が撃沈していたのは疲れかなにかだと思いたい2人だったが

 

真也「せっかく来たのにあまり飲んでないし飲もうよー」

 

こいし「そうだねー余ってるおつまみ取ってくるねー(あれ?なにか忘れてるような…)」

 

真也が飲もうと言いこいしがつまみを取りに行くことになった

 

こいしはその時なにか忘れてはいけない、特に自分に被害というか何かあるような気がしたが、思い出せないので断念した

 

そして、つまみをいくつか取って返ってくると

 

真也「はははー、あーこいしーお帰りー」

 

明らかに顔の赤い真也がいた(というか出来上がっていた)

 

こいしはもう飲んだのかと思いつつ

 

こいし「もー先に飲まないでよー、一緒に飲もうよっ!ほら、おつまみ持ってきたからさ!」

 

真也の隣に座ってつまみを食べながら一緒に酒を飲み始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、2人だけの宴会もつまみがなくなり、酒も減ってきたところで

 

真也「あははーこいしー」

 

こいし「ちょ真也ー!こんなところで抱きつかないでー!」

 

真也が完全に酔っ払った

 

こいしはいきなり抱きつかれて困惑しつつも嬉しい気持ちがあり戸惑っていたが、次の真也の行動で前回のことを思い出すことになった

 

真也「~~~♪」

 

こいし「ひゃっ!?ちょ、ちょっと真也、ふわっ!」

 

真也が唐突にこいしにキスをし始めたのだ、頬や首筋、額などに

 

こいしはそれに焦り反面嬉しい気持ちで顔が真っ赤になっていた

 

そしてこいしの容量を越えて

 

こいし「あ、あぅ~~~」

 

真っ赤なまま気絶してしまった

 

真也は相変わらず気付いてないが、しばらくして少し酔いが覚めたところでこいしの状態を見て

 

真也「あ、あちゃー、またやっちゃったー。明日謝らないとこいしが怒りそうだなぁ」

 

またやってしまったと顔を酔いじゃないことで赤くして反省した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、こいしを抱いたまま真也は物思いに耽る

 

真也「(今回の異変でいろんな人にあったなー。驚かすことが好きな小傘、脅かそうとして失敗したぬえ、自分より相手を心配する鈴仙、ささいなことでも必ず感謝する聖、愚痴を言いつつもなんだかんだやることはやるナズ、ちょっと抜け出る星、明るくて元気な村紗、真面目で聖のことを慕ってるみたいな一輪、こんなにも多くの面白い人がここにはいるのかー。僕はほんと良いとこに来たんだなー。前だったらこんなに他人に興味を持つことなんて無かったのになー。これもここに来たことでの変化かなー。今ならいろんな人に興味が持てそうだなー。)」

 

寝ているこいしの帽子を取り、頭を撫でながらそんなことを考えていると

 

こいし「すー、すー」

 

頭を撫でていたこいしが抱き締めている手に自分の手を合わせた

 

真也はそれを驚いた後とても嬉しそうな顔で

 

真也「(あは、僕の一番の興味はやっぱりこいしかな。いつだってこいしが僕に無くしたものをくれる。もしかしたら他の人がくれるかもしれないけど、今はこいしから、それだけでも十分かな。)」

 

そう思い頭を撫でていた手を重ねられたら手の上に乗せて周りから自分たちを見えないようにして、真也は眠った

 

次の日もその先もこいしと一緒に入れることに幸せを感じながら




はい、デッレデレな回でした

真也「君って人はー」

こいし「そろそろ怒るよ?」

(あ、やばい、これはまたやられるやつだ)

はいでは次回から日常です

では次回まで

「「「ばいばーい」」」

にぃーげるんだよぉー!

真也「待てー」ゴゴゴ

こいし「待てー!」ゴゴゴ

(活動報告を投稿しました、どうぞよろしくです)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3,5章ちょっとした(非)日常
特別番外!記念すべき?50話!


はーいどーも生きる死神です

真也「今回は前回のアンケート通りやってくらしいよー」

こいし「全員押し込むみたいだから1人1人が短かったらごめんね」

はいでは、

「「「スタート」」」

(とっても長いです、時間のあるときに読んでくださいね)


空飛ぶ船の異変が終わって数日後の朝(7時頃)

 

真也「こいしー今日はなにするー?」

 

こいし「うーん、なにしよっか?」

 

真也とこいしは朝早くから一日の計画を立てていた

 

理由としては前日にこいしが

 

こいし「明日は1日どっかに行こうっ!」

 

こんな感じに言ったからである

 

2人は朝からあそこどうかなーあっちはどう?などと話していると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとり「あら、2人とも早いわね」

 

少し眠そうなさとりが話しかけてきた

 

こいしはさとりの方を向くと

 

こいし「今から抱きつくね?」

 

そう宣言するとさとりは眠そうだった顔がはっとして

 

さとり「う、うん……きゃっ!」

 

さとりがいいと言った瞬間、こいしは抱きついた

 

こいしがさとりに抱きついて楽しそうに笑いさとりも呆れながらもそれを見ている様子を見た真也は

 

真也「(あははー、ほんと仲良いなー……というかこいしが事前に聞いたー)」

 

仲睦まじいと微笑んでいたがこいしが事前に聞いたことを考えて少し笑っていた

 

さとりがそれに気付いたかは分からないが、真也に

 

さとり「あぁ、そういえば、真也はこいしから誕生日に何をもらったのかしら?こいしが後で渡すって言って見せてくれなかったのよね」

 

少し興味ありげに聞くと抱きついていたはずのこいしが顔を赤くして

 

こいし「それは聞いちゃだめー!」

 

さとりの前に立って手をわたわたと振っている

 

真也はその光景に少しにやけていたが突然こいしが振り向いたことでそれも収まると

 

こいし「真也も!言っちゃダメだよ?」

 

こいしはそう言って人差し指同士をつんつんしてもじもじしていた

 

そんな様子のこいしにさとりも真也も

 

真也さとり「「((か、可愛い))」」

 

全く同じことを考えていた

 

そんな状態がしばらく続き先に直ったのはさとりで

 

さとり「はっ、やっぱり気になるわね。真也、教えてちょうだい」

 

真也にそう言うと真也も直り言おうとしたが

 

真也「えっとねー、もらったのはーゆ「だーめー!」むぐっ」

 

こいしが口をふさいできたため肝心な残りの2文字が言えなかった

 

しかし、ふさいだ手が悪かったのかさとりからは真也の口をふさぐ手の薬指にキラリと光ものが見えた

 

さとりはそれをよく見ると驚いたあととてもうれしそうな表情で

 

さとり「ふふふ……こいしはそれを渡したのね。もういいわよ?こいしが渡したものが知れたし、それの意味を考えたら……ね?」

 

そう言うとほんとにうれしいのかずっとにこにこしている

 

こいしははっとして手を隠すと

 

こいし「じゃあ、なにを意味してるか言ってみてよ」

 

少しむくれた様子でさとりに言った

 

さとりはそれを聞くと少し考えてからまたにやっとし

 

さとり「ほんとに言ってもいいの?」

 

こいしにそうたずねると

 

こいし「う、うん!ほんとに分かってるから分からないもん!」

 

少し焦りつつも強気にそう言った

 

さとりはクスッと笑みをこぼし

 

さとり「なら言うわよ?それはけっ「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!やっぱりだめーーー!」……ほらやっぱりね」

 

言おうとしたがこいしが真っ赤な顔をしながら大声でかき消そうとしたためさとりは楽しそうに笑った

 

真也はどういう意味かは知っているので何も言わずにただにこにことほんとに楽しそうな笑顔で2人のやりとりを見ていたが

 

こいし「うぅ~、真也!地上行こっ!」

 

こいしが急に真也の手を取り駆け出す

 

真也はいきなりのことで引きずられそうになるがなんとか持ち直し

 

真也「ちゃんと帰ってくるからねー」

 

さとりの方を向いてそう言うとこいしになにか言ってしっかりと同じ速度で走っていった

 

さとりはそんな2人をとてもうれしそうに見ながら

 

さとり「こいしがあんなに感情を表に出すようになるなんてね。ほんと真也のおかげだわ。」

 

誰に言うでもなく呟くと軽い足取りで自分の部屋に戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地上に出た2人は空をふわふわとゆっくり飛びながら

 

真也「勢いで来ちゃったけどどうするのー?」

 

こいし「うーん……さっきは恥ずかしくて焦ってたから何も考えてなかったっ!」

 

どうするか話していたがこいしが手を頭の後ろに持って行き片目を閉じて舌を出しながら、てへっ!なんて言ったので

 

真也「うーん、そのポーズどっかで見たようなー」

 

こいし「今のは小傘がやってたポーズだよっ!」

 

真也が誰のか考えていたがこいしがすぐに教えてくれたので

 

真也「あーそうだねーそんなポーズしてたねー」

 

こいし「あのポーズ可愛いよねっ!」

 

真也はそんなこともあったねと言った感じだかこいしがそう言うと真也は

 

真也「こいしがやるともっと可愛いねー」

 

こいしの目を見てそう言った

 

こいしはまっすぐ目を見られながら言われたからか

 

こいし「そ、そう?ありがとっ!」

 

顔を赤くして照れながらそう答えた

 

そんな様子にまた可愛いなと真也が思っていると

 

こいし「あっ!あそこに見覚えのある茄子色の傘が見える!」

 

こいしが突然そう言ったので真也もこいしが指さした方を見ると

 

真也「あー確かに見覚えのある水色の服だねー」

 

確かに見たことのある少女がいたので2人は顔を見合わせると

 

真也「またやろっかー」

 

こいし「いいねっ!」

 

悪い笑みを浮かべなから2人は見覚えのある少女に近づいていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地上では小傘が誰か驚かせそうな人を捜していた

 

小傘「~~~♪誰か脅かしやすそうな人いないかな~」

 

少し上機嫌に歩いていると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「「ばぁっ!」」

 

いきなり目の前に2人の人が現れ手を前に突き出してきた

 

小傘はなんの警戒もしていなかったので

 

小傘「うひゃぁっ!」

 

素っ頓狂な声を上げてしまった

 

その声を聞いた2人は笑い出したので息を落ち着かせた小傘は2人をよく見ると

 

小傘「あっ!真也とこいしか!」

 

自分を驚かしてきた2人の正体に気付いた

 

名前を呼ばれた2人は楽しそうに笑いながら

 

真也「そーだよー、僕とー」

 

こいし「私だよっ!さっきの小傘は面白かったねっ!」

 

小傘の方を向いてそう言うとまた笑い出した

 

小傘はさっき自分が上げた声を思い出しと恥ずかしくなり

 

小傘「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃん!ほんとにビックリしたんだから!」

 

少し涙目になりつつそう言った

 

2人は小傘が涙目なことに気付き

 

真也「あははーごめんねー小傘がいたから前回のことを思い出しちゃってねー」

 

こいし「また驚かそうって話になったから!また驚かされちゃったね!」

 

真也は謝りこいしはまだ少し笑いながらそう言った

 

小傘はこいしの言ったことに確かにと思い

 

小傘「そういえば前回も驚かされたね!むぅー2人は驚かすのうまいね!」

 

2人を誉めると真也もこいしも

 

真也「僕は能力のおかげだよー」

 

こいし「私も同じだよ?」

 

能力のおかげだと否定する

 

しかし小傘はそれでもと言わんばかりに

 

小傘「でも実際私驚いてるんだから間違ってないよ!私も2人みたいに脅かしたいなぁ」

 

そう言って羨ましそうに2人をみたのでこいしはなにか考えつくと

 

こいし「じゃあさじゃあさ!3人で誰か脅かしてみようよ!」

 

思いついた案を言った

 

真也も小傘もそれに賛成し3人はどのように驚かすかを話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里にて妖夢は散歩していた

 

今日は主からゆっくりして良いと言われたからだ

 

妖夢「いやー忙しくないってこんなに良いことなんですねー♪」

 

そんなことを言いながら人里の店を見て回りつつ歩いていた

 

妖夢「~~~♪」

 

天気も良く機嫌の良い妖夢はとても楽しそうに散歩していた

 

が、それは唐突に終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「「わぁっ!」」

 

妖夢「ふわぁっ!?」

 

急に正面から2人に驚かされた妖夢はなにも警戒していなかったため、可愛らしい声を後ずさると

 

妖夢「…………え?」

 

なにかにぶつかり恐る恐る振り向くと

 

?「驚けっ!」

 

妖夢「みょん!?」

 

振り向いた途端後ろにいた人に驚かされた今度はよく分からない声を上げながら尻餅をついた

 

妖夢を驚かした3人組は妖夢を取り囲みながらにこにこ笑って立っている

 

妖夢「みょ、みょーーーん。ってあれ?」

 

妖夢は情けないようなよく分からない声を出していたが周りにいたうちの2人の顔を見ると誰が驚かしたのかに気付き

 

妖夢「し、真也さんにこいしさんじゃないですか!」

 

そう言うとにこにこと笑っていた真也とこいしは楽しそうに笑いながら

 

真也「あははーそうだよ僕とー」

 

こいし「私とー」

 

小傘「私もいるよ!」

 

最後に小傘も入って笑いながらそう言った

 

妖夢は自分が出した声に恥ずかしく思っていると

 

真也「いやーそれにしてもみょんってねー」

 

こいし「あれとっても可愛いかったね!」

 

小傘「あんなに驚いてくれたの初めてだよ!私うれしい!」

 

先ほどの声を掘り返していたので妖夢は顔を赤くしながら

 

妖夢「許さなーい!」

 

剣を引き抜き3人に迫る

 

妖夢がやることを察した3人は

 

真也「にっげろー」

 

こいし「逃げるが勝ちだよー!」

 

小傘「わ、私もー!?」

 

人里の外に向かって走り出した

 

妖夢もそれを追って走っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「ま、待てー!」

 

小傘「た、体力ありすぎでしょ!あの子!」

 

小傘は未だに追いかけてくる妖夢から逃げていた

 

妖夢も結構疲れてはいるようだったがまだまだ追いかけてきそうだった

 

小傘「それにしてもあの2人はどこに行ったのー!」

 

小傘はどこかに行った真也とこいしを恨めしく思っていた

 

何で2人がいないかというと

 

 

 

~~~回想~~~

 

 

真也「うーん、このままだとなー」

 

こいし「真也、ちょっと」

 

小傘「?」

 

3人が逃げているとこいしが真也を呼び真也の耳になにか言うと真也はニヤッとしてまた走り出した

 

小傘は不思議に思いつつも走っていて、人里から出て真也とこいしが少し速度を上げて急に曲がった

 

すると

 

小傘「あれっ!?」

 

2人がいなくなっていた

 

小傘は突然のことに困惑するが後ろから

 

妖夢「待てー!」

 

刀を持った鬼の形相のような妖夢が追ってきていたのですぐにまた走り出した

 

そして今に至る

 

 

~~~回想終了~~~

 

 

 

小傘「はぁっ、はぁっ、もうっ、疲れたっ!」

 

小傘はなかなか長い間逃げていたためもう体力が限界に達していた

 

妖夢「ま、待てー!」

 

妖夢は未だに追ってくるため小傘はもうダメだと思い近くにある木の影に隠れると

 

妖夢「はぁ、はぁ、どこ行ったのかな」

 

妖夢は辺りをキョロキョロと見回すが

 

妖夢「えぇーい、全部斬ればわかる!」

 

そう言うと周りにある木を斬り始めた

 

小傘はこれはやばいと感じ

 

小傘「(お願い!こっちに来る前に力尽きて!)」

 

そう願っていると

 

妖夢「これで最後!」

 

無情にも小傘が隠れている木が最後の一本になった

 

小傘は観念し

 

小傘「(あはは、短い人生だったなぁ。妖怪だけど。人を驚かしてその報復でやられるなんて笑い話になっちゃうよ。)」

 

諦めモードに入っていたが

 

小傘「(あれっ?斬られないなぁ)」

 

いつまで経っても斬られない自分の隠れている木を不審に思いちらっと後ろを見ると

 

妖夢「みょ~~~ん……」

 

妖夢が倒れていた

 

小傘は何が起きたのか分からず呆然としていたが

 

真也「危ない危ないー」

 

こいし「ぎりぎり、間に合ったね!」

 

真也とこいしが呆然としている小傘を見て笑っているのに気付き

 

小傘「ふ、2人とも~!」

 

小傘は2人に近寄って抱きついた

 

小傘「怖かったよぉ」

 

小傘は涙目で言うと真也とこいしは苦笑しながら

 

真也「いやータイミング見計らってたら遅くなっちゃったー」

 

こいし「逃げ切るにはあぁするのが楽かと思ってね?ごめんね?小傘」

 

2人ともちょっと申し訳無さそうに謝った

 

小傘はそれを聞くと安心したのか長時間走っていたことの疲れからかそのまま寝てしまった

 

小傘「すー……すー……」

 

真也「あららー寝ちゃったかー」

 

こいし「あれま。妖夢も気絶してるしどうしよっか?」

 

寝ている小傘と気絶した妖夢をどうしようかと悩んでいると

 

真也「とりあえず妖夢は白玉楼に送ろっかー」

 

真也はそう言った

 

こいし「そうだね。じゃあ私は小傘を背負うよ」

 

真也「じゃあ僕は妖夢だねー」

 

こいしは小傘を背負い真也は妖夢を背負うと空を飛んで白玉楼に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「幽々子ー妖夢が気絶したから連れてきたー」

 

こいし「ついでに友達もー」

 

幽々子「えっと、なにがあったのかしら?」

 

真也とこいしは白玉楼につくと幽々子を探し見つけた途端そう言った

 

幽々子は苦笑いしながらそう聞くと

 

真也「えっとねーかくかくしかじかなことがあってねー」

 

こいし「で、まるまるうまうまなことになって」

 

幽々子「その結果、みょんな状態になったのね。分かったわ」

 

真也とこいしの説明を聞いて幽々子はしっかり納得した

 

しかし幽々子は困った顔で

 

幽々子「あら、夕飯どうしようかしら。妖夢がいつも作ってくれるから妖夢がいないと私の夕飯が無いわねぇ」

 

そう言うと真也とこいしは少し考えて

 

真也「なら僕作るよー」

 

こいし「私も手伝うー!」

 

夕飯を作ると言った

 

幽々子は少し驚いた後

 

幽々子「あら、真也君は料理出来るのかしら」

 

そう聞くと真也はほんの少し、しかも知っている人にしか分からないくらい少し悲しそうに

 

真也「1人で暮らしてたからねー料理は出来るよーじゃあ作ってくるよー」

 

そう言うと台所を探しに行った

 

こいしも慌ててついて行ったが幽々子が

 

幽々子「台所はあっちよー」

 

指差した方向が真反対であった

 

 

 

 

 

少年少女料理中

 

 

 

 

幽々子「あら、かなりの量があるわね。それにどれも美味しそうねぇ。早速いただきます」

 

幽々子は2人が作った料理を見てそう言うとすぐに作り始めた

 

2人はものすごい勢いで食べていく幽々子を見ながら

 

真也「いやー前に妖夢が愚痴っていたの聞いてて良かったねー、あ、これおいしー」

 

こいし「ねー、聞いてなかったら大変なことになってたね、これも美味しいよ!」

 

妖夢が愚痴っていたことを思い出し感謝しつつ自分達で作った料理を食べていた

 

こいし「それにしても真也料理上手だね、どれも美味しいよ!」

 

こいしはいろんなものを少しずつ食べて真也にそう言った

 

真也はこいしに褒められ嬉しそうに

 

真也「そうかなー?それなら良かったよー」

 

そう言った

 

 

 

 

 

しばらくして料理が結構減ってきた頃

 

 

 

 

 

妖夢「うぅ、私は一体なにを……ってすごい!誰がこの量を!?」

 

妖夢が復活したようで3人が食べている部屋にきた

 

妖夢の質問に対してこいしが

 

こいし「これ作ったの真也だよ!私も少し手伝ったの!」

 

自慢げに胸を張ってそう言った

 

真也は苦笑いしながら料理を食べている

 

妖夢はそれを聞くとまた驚き

 

妖夢「真也さんって料理出来たんですか!?私も一口いただきますね……あむっ、!?お、美味しい!私も料理には自信がありますけどここまでとは!」

 

真也が料理出来たことを驚きながら言って料理を一口食べると美味しさにまた驚いた

 

真也はそんな妖夢をちょっと面白そうに見ながら笑っていた

 

妖夢「こんなに上手いなんて、真也さん、今度教えてもらっても良いですか?」

 

妖夢は真也にそう聞くと真也はちょっと驚きつつ

 

真也「いいよー、今度の宴会の時にでも教えてあげるねー」

 

そう返してまた料理を食べていた

 

妖夢も真也が教えてくれると言ったのでうれしそうに笑った後、まだ残っている料理を食べ始めた

 

 

 

 

 

食事が終わり真也とこいしは帰ろうかと思い

 

真也「そろそろ帰るねー」

 

こいし「小傘は任せて良いかな?」

 

お茶を飲んでくつろいでいる幽々子と妖夢にそう言うと

 

幽々子「ご飯美味しかったわ。ありがとうね」

 

妖夢「あ、はい、私の責任でもありますのでちゃんと帰しますよ」

 

幽々子「責任ってどうとるのかしら~?」

 

妖夢「え、えっと、その、うーん、みょーん……」

 

幽々子の発言に妖夢が考えて始めたので真也とこいしはそのまま帰ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「帰るって言ったけどー少し寄り道しよー」

 

こいし「どこにいくの?」

 

真也は白玉楼を出てから少しするとそう言ってこいしの手を取り少し道をそれる

 

こいしはどこに行くのか見当がつかなかったが真也に手を引かれるがままついていくと

 

真也「うーん、無意識だとここが良いってー」

 

こいし「ふわぁぁぁ!綺麗……」

 

真也が立ち止まり上を見上げた

 

こいしもつられて見上げるとそこには

 

 

 

大きな満月を背にした大きな桜があった

 

 

 

真也もこいしもその光景に息をのんでいた

 

時間的に夜桜を眺めているがとても綺麗なのには変わりなく

 

真也「とっても綺麗だね……」

 

こいし「ね……綺麗すぎて夢見たい……」

 

2人はその景色の良さに恍惚とした表情をしていた

 

そして真也が

 

真也「朝の話、覚えてる?」

 

急に朝のことを聞いた

 

こいしはいきなりのことで驚き

 

こいし「う、うん、覚えてるよ?それがどうしたの?」

 

ちょっと焦りつつもそう返すと真也は見上げていた夜桜への視線をこいしに移した

 

こいしも同じく真也を見ると真也はこいしの目をまっすぐに見つめ

 

真也「まだ、年齢的に無理だけど、その時になったら僕と────してくれる?」

 

意を決したようにそう言った

 

こいしもしっかり待っていたのか動揺せずに

 

こいし「うん、その時までその日まで待つから……そしたら────しよっか」

 

そう言うと2人は近付き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目をつぶり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の距離は零になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして2人は離れるとどちらも恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、しかしとても幸せそうに笑いながらもう一度夜桜を見上げ手をつないで帰って行った

 

 

 

2人がいなくなった後には満月の照らす桜のみ残った




はい、2人の約束とアンケート結果の話でしたー

真也「長くなったねー」

こいし「ねー1日でいろんなところに行ったね」

何とか押し込みましたから、しょうがないですね

真也「最後のって……」

こいし「もしかして……」

ふふふ、最終章後のお楽しみですね

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!感情を操る熱い2人組!?

はいどーも生きる死神です

真也「今回はコラボだってー」

こいし「お相手はー?」

お相手は前回の予告通り

東方協奏録を書いている羅旋さんです

真也「しっかり書きなよー?」

こいし「怒られるからね?」

わかってますよ

では

「「「スタート」」」

(今回の話はたぶん今までの中で一番甘い話だと思っています。砂糖無理!!って人は我慢して読んでね笑)


ある日の朝(10時頃)

 

真也「んー、今日はどこ行くー?こいしー」

 

こいし「うーん、最近行ってないところとか?」

 

真也「そしたらーうーん…んー?」

 

真也とこいしが玄関で1日の予定を考えていると

 

?「真也ー!遊びに来たぞー!」

 

?「こいしー私もいるよー」

 

外から聞き覚えのある声が聞こえてきた

 

真也とこいしはその声で誰が来たかを一瞬で判断し

 

真也「コレはちょうど良いところに来てくれたねー」

 

こいし「ねー、2人も含めて一緒に遊ぼっか!」

 

これからの予定を何となくだが決めて、玄関を開けた

 

そこにいたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奏詞「やぁ、真也、この前ぶりだな」

 

こころ「こいし久しぶり」

 

2人の予想通り、奏詞とこころだった

 

真也とこいしは予想通りのことに加え、2人と仲が良かったのでにこにこと笑顔を浮かべながら

 

真也「そうだねーこの前ぶりだねー」

 

こいし「やっほーこころ!久しぶりっ!」

 

真也は奏詞を中に招き入れ、こいしはこころに飛びつく

 

奏詞は遠慮なく入り、こころはこいしに飛びつかれて少し動きづらそうだったがなんとか入った

 

真也と奏詞はお互いの恋人がくっついているので

 

真也「可愛いなー」

 

奏詞「やっぱり可愛い…」

 

同じようなことを呟いた

 

しかし2人には別の意味で捉えたようで

 

真也「んー?まさか浮気かなー?奏詞ー」

 

奏詞「真也こそ誰に向かって言ったのかな?」

 

すぐに一触即発の空気になった

 

2人はどこかどす黒い雰囲気を醸し出していたが

 

こいし「なーに怖い顔してるのっ!今日はせっかく来てくれたんだし、楽しもうよっ!ねっ?真也!」

 

こころ「…奏詞も。頭に血が上りすぎだよ」

 

くっついていたこいしとこころが2人の雰囲気に気付き仲裁に入った

 

お互いの恋人が仲裁に入ったのだから治まらないわけがなく

 

真也「あはは、そーだねー、ごめん奏詞ー君がこころ以外頭にないことを忘れてたよー」

 

奏詞「こちらこそごめんな。真也にとってのこいしが何かを忘れてたよ」

 

すぐに仲直り?したが

 

こいし「なんか恥ずかしいような…」

 

こころ「そう?私はなんともないけど」

 

こいし「こころは慣れてるからでしょ!」

 

こいしは少し顔が赤くこころは平然としていた(こいしの突っ込みはもっともである)

 

 

 

 

そんなこんなで奏詞とこころを2人は真也の部屋に連れて行った

 

真也「お茶でも用意してくるねー」

 

こいし「あ、私も何かとってくる!」

 

奏詞「あー気にしなくても良い…行っちゃったよ」

 

こころ「あの2人だからしょうがないよ。待ってよ?」

 

真也とこいしがお茶やらなんやらを取りに行くと、奏詞とこころはいつも通り、平常運転であることをしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「うーん、これは熱いー」

 

こいし「いやいや、なんで人の部屋であそこまでどうどうといちゃつけるの!?」

 

真也とこいしはお茶と少しのお菓子を持って部屋に戻ってくると

 

そこには

 

奏詞「(無言で頭撫でてる、しかも膝の上に座らせて)」

 

こころ「(特に何か気にした様子もなく撫でられてる)~~~♪」

 

奏詞が膝の上に座っているこころの頭を撫でているという、なんともお熱い(甘い)空間が出来ていた

 

その状況に真也は平気そうだったが、こいしは耐性が無かったのか顔を赤くしていた

 

だが、いつまでもそうしているわけにはいかないので中に入った2人はお茶とお菓子をおくと

 

真也「ほんと2人は熱いねー」

 

こいし「もう少し他人の家ってことを意識しようよ?」

 

真也は特に気にした様子もなく、こいしは注意するが

 

奏詞こころ「「真也とこいしの部屋だから大丈夫」」

 

こいし「すごく息ピッタリだよもう!」

 

全く同じことを同じタイミングで顔を合わせるまでもなく言ってのけた2人にこいしは頭を抱えていた

 

真也「うーん、僕もー」

 

こいし「ふぇっ!?」

 

すると真也がいきなりこいしを引っ張り抱き締めた

 

こいしは突然のことで反応できずされるがままだったが、状況を理解すると顔を真っ赤にして

 

こいし「ちょ、ちょっと真也!?いきなりはやめてよ!?それに人前は恥ずかしいし…」

 

反論したが最後の方は呟くように言った

 

しかし真也は

 

真也「じゃあ事前に言えばいいー?」

 

とても悪い笑顔でこいしに聞くと

 

こいしはその笑顔で全てを察し

 

こいし「いや!やっぱりいいから!むしろ聞かなくて良いから!私が反応に困るから!」

 

諦めて投げやりに言った

 

真也はそんなこいしの帽子を取ってベッドにおくと頭を撫で始める

 

こいしも諦めたのかされるがままだが、顔は赤いがとても幸せそうにしていた

 

ここまで放置されている奏詞とこころは

 

奏詞「(うーん、割って入れる空気じゃないよな)」

 

こころ「(そうだね。ここで入れるのは空気の読めない人だね)」

 

先ほどのまま真也とこいしの様子を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでお熱い空間のまま時間が過ぎお腹が空いてくる頃(12時30頃)

 

真也「あっ、そろろおなか減ったしーお昼食べようかー」

 

こいし「そうだね、そろそろ2人もおなか空いたでしょ?」

 

奏詞「確かに、おなか空いたなぁ」

 

こころ「私も」

 

相変わらず撫でたまま、撫でられたままだが真也がそう言いこいしが聞くと、奏詞もこころも同じ反応をした

 

真也は少し考えると何か思いついたようで

 

真也「じゃー人里に行ってなにか食べよー」

 

こいし「団子屋くらいしかなかったよーな…」

 

奏詞「団子でも良いんじゃないかな?」

 

こころ「私、お団子好き」

 

真也の提案にこいしは団子屋しかないと言ったが奏詞もこころも良いと言ったので、4人は軽く身の周りを整えて外に出て人里に向かった

 

もちろんそれぞれの恋人を隣にして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「んー、やっぱり団子は美味しー」

 

こいし「ねー、美味しいっ!」

 

奏詞「そうだな」

 

こころ「~~~♪」

 

4人は人里につき団子屋で団子を食べていた

 

団子がとても美味しく機嫌が良い4人だったが

 

奏詞「ん、こころ、あーん」

 

こころ「ん、ありがと」

 

急に奏詞がこころに団子を食べさせこころも普通に食べてるのを見て

 

こいし「あわわわわ、なんで人前で出来るの…」

 

真也「ふーん?」

 

こいしは顔を赤くして慌てていたが、真也がなにか考えているような反応をしたので

 

こいし「えっと…真也?もしかして、2人がやったのやろうとか考えてないよね?」

 

こいしはなんとなく嫌な(果たして本当に嫌なのか)予感がして真也に聞くと

 

真也「んー?んー、やってほしい?」

 

逆に笑顔で聞き返されこいしはまた焦る(顔も赤い)

 

その様子に奏詞とこころは

 

こころ「こいし可愛い…あ、私も、あーん?」

 

奏詞「2人とも初々しいなぁ、あ、ありがと」

 

2人の様子を見ながら奏詞はこころに食べさせてもらっていた

 

こいしはうんうん唸っていたが

 

こいし「(でも、やっぱりしてほしいなぁ…)」

 

ほんとはやってほしいと考えていると

 

真也「…こいし、あーん?」

 

まるでこいしのしてほしいことを察したように真也がこいしに団子を食べさせようとしてくる

 

こいしは驚いたがやってほしいと内心思っていたのもあり

 

こいし「あ、ありがと」

 

顔を真っ赤にしながら食べていた

 

真也は満足そうに笑みを浮かべながら

 

真也「美味しい?」

 

こいしにそう聞くとこいしは相変わらず赤い顔のまま

 

こいし「…美味しい…真也が食べさせてくれたからもっと…」

 

とても小さい声でそう呟いた

 

真也は聞こえておりとても嬉しそうだったが奏詞にも聞こえていたらしく

 

奏詞「お似合いだな…」

 

こころ「?」

 

同じく小さい声でそう呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく団子を食べ、お腹が膨れたところで4人はすることもなく空を散歩していた(15時頃)

 

真也「んー、たまにはのんびり空を飛ぶのもいいねー」

 

奏詞「そうだな、こんな日はのんびりするに限るな」

 

真也と奏詞は気持ちの良い午後の日差しを受けながらふわふわとしていた

 

こいしとこころはというと

 

こいし「…でねーこの前は~~~」

 

こころ「ふーん、そんなこともあったんだね~」

 

楽しそうに最近のことを話していた

 

真也と奏詞はその光景だけでもうすでに顔がにやけていたが

 

真也「んー?あれはー…」

 

奏詞「真也?何か見つけたのか?」

 

真也が何かに気付いたのか遠くを見つめていて奏詞が何かと聞いた

 

一方こいしとこころも

 

こいし「あ、誰かくるなぁ」

 

こころ「?誰が?」

 

こいしが気付きこころがそう聞くと

 

 

 

 

 

 

天子「あっ!真也だ!久しぶりっ!」 

 

空から要石に乗った天子が現れた

 

真也とこいしは気付いていたから良かったが奏詞とこころは気付いていなかったので

 

奏詞「ん?誰だ?」

 

こころ「あなただーれ?」

 

そう聞くと天子は2人に気付いていなかったのか

 

天子「えっ?あ、あぁ、私は比那名居天子。天人よ」

 

少しいつも通りに口調を戻して返答した

 

奏詞とこころは特に何とも思わなかったようで

 

奏詞「天子か、俺は桜川奏詞、よろしく」

 

こころ「秦こころ、よろしく」

 

普通に挨拶した

 

2人が挨拶したところで真也が

 

真也「あれー?いつもの口調じゃないのー?」

 

そう言うとこいしも疑問に思っていたようで

 

こいし「ね!最初の口調はどうしたの?」

 

そう聞くと天子は少し顔を赤くして

 

天子「あ、あれは、し、真也とかこいしの前だけなの!」

 

そう言うと真也とこいしは不思議そうに

 

真也「なんでー?あの口調でもいいじゃんー」

 

こいし「そうだよー、可愛いしあの口調!」

 

天子を見ながらそう言った

 

天子はもう言い逃れが出来ないと感じたのか

 

天子「うー、わかったよもう!これでいいの!?」

 

素直に最初の口調に戻した

 

真也とこいしはそれに楽しそうに笑っているが

 

蚊帳の外な奏詞とこころは

 

奏詞「面白い人だね」

 

こころ「ね、3人ともとっても楽しそう」

 

そんな3人を見てそんなことを言っていた

 

天子は恥ずかしそうだったがそれも振り切ったのか

 

天子「でさ、4人はなにしてるの?」

 

メンバーを見て不思議そうにすると

 

真也「なにするか話してたら奏詞とこころが来てー」

 

こいし「ちょうどいいから4人で遊んでてー」

 

奏詞「さっきまで団子食べててー」

 

こころ「今は空を当てもなく飛んでるのー」

 

天子「見事なコンビネーションだね、こっちが驚くくらいだよ」

 

順番に今までの経緯を4人で綺麗に説明した

 

天子がそういうのも分かるくらい息ぴったりであった

 

天子「とりあえずなにしてるか分かったけど、これからどうするの?」

 

天子にそう聞かれると

 

真也「うーん、なんも考えてないなー」

 

こいし「ねー、どこ行こうかー」

 

奏詞「しばらく空をゆっくり飛ぶのも良いと思うよ?」

 

こころ「なにしても良いと思う」

 

4人は特になんも考えていなかったようだ

 

天子はその様子に少し苦笑すると

 

天子「ならさ、私も一緒にいてもいい?今することないんだ」

 

真也たちにそう聞いた

 

真也「全然良いよー」

 

こいし「良いけど、衣玖は?」

 

奏詞「人が増えるのは問題ないよ」

 

こころ「楽しそう」

 

真也、奏詞、こころは良いと言ったがこいしの一言に天子は

 

天子「あ、忘れてたよ。うーん、もしかしたら今探してるかな」

 

すっかり忘れていたようで少し考えいると

 

 

 

 

 

衣玖「総頭領娘様ー!」

 

天子がやった来た方角から衣玖が来た

 

天子はげっ、といった顔で

 

天子「噂をすれば本人とかいうやつかな」

 

真也「なんか違うよーな」

 

こいし「違うの?」

 

奏詞「うーん、間違ってないけど違うような」

 

こころ「私は分かんない」

 

天子は言うが4人からのツッコミで苦笑しながら

 

天子「私は帰らないとダメみたい。またね、今度は遊んでね」

 

そう言うとこちらに向かってくる衣玖の方を向き

 

天子「分かったわよ!今行くわよ!」

 

そう言って帰って行った

 

真也たちは苦笑いしながらまた空の散歩を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日も暮れた夜(20時頃)

 

真也達は冥界の桜を見に来ていた

 

なぜかというと

 

真也「あ、そーだ、この前の桜のところいこー」

 

こいし「いいねー」

 

こんな感じで真也とこいしが奏詞とこころを連れてきたからだ

 

今日の月は三日月、満月ほどではないが桜を綺麗に映えさせる

 

4人はそんな桜の下で酒を飲みながら花見をしていた

 

酒は真也とこいしが

 

真也こいし「「無意識にどこからか持って来ちゃったみたい!」」

 

見事にハモリながらそう言った

 

奏詞もどこからともなく酒を出しつつ4人で飲んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飲んでいたのだが、持ってきた酒の度数が思いの外強かったのか真也が

 

真也「んー、こいしー」

 

こいし「あーもう!またなのー!」

 

すぐに出来上がってしまった

 

奏詞とこころも

 

奏詞「あらら、出来上がってるね」

 

こころ「ん、そうだね、奏詞は?」

 

奏詞「僕はそんなことはないかな、でもいつもよりは酔ってる方だよ」

 

こころ「そっか」

 

奏詞に抱かれて頭を撫でられているこころは上機嫌そうに、でも少し眠そうだった

 

そしてなんとか真也をいなしていたこいしだったが

 

真也「もー、素面でいるのはだめだよー」

 

こいし「えっ?」

 

真也が唐突にこいしを放した

 

こいしはいつもと違う展開に驚いていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「んんー、んー」

 

こいし「んむっ!?んんー!んー…んっんっ、んぅ…」

 

真也が酒を含みこいしを抱き寄せ頭までしっかり固定してこいしにお酒を口移しした

 

こいしは予想できなかった、というより抵抗する暇もなかったので、為すすべもなく真也からの口移しを受けていた

 

そして2人が離れると

 

こいし「えへへー♪真也に口移しされちゃったー♪」

 

真也「こいしも出来上がりー♪」

 

度の強い酒というのもあったがこいしは真也からの口移しということに、耐えきれなくなりそのまま酔ってしまった

 

珍しく酔っているこいしを見た奏詞とこころは

 

奏詞「おー、大胆だねー」

 

こころ「ん、私もー」

 

奏詞「はいはい、こころもね」

 

こころ「んっ、ふふふっ、ありがと」

 

その空気に当てられたのか口移しとまではいかないが2人の世界に入っていた

 

真也とこいしはどちらも酔っており、いつもとはテンションが違う(おかしい)ので

 

真也「こいしー♪」

 

こいし「真也ー♪」

 

真也「こいしっ♪」

 

こいし「真也っ♪」

 

お互い抱き合いながらこっちも2人の世界に入っていた

 

二組のカップルはお互いの世界に入りながら、夜を過ごしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜も更け時間も遅くなってきた(22時頃)

 

真也「あははー♪」

 

こいし「すー…すー…」

 

奏詞「あらら、やっぱり寝ちゃったか」

 

こころ「すぅ…すぅ…」

 

真也は寝ているこいしを抱きながら頭を撫でており(帽子は膝元においてある)

 

奏詞も寝ているこころを膝枕しながら頭を撫でていた

 

こいしは寝ているのだが無意識に真也の撫でていない方の手を握り

 

こころも同じように握っている

 

そんな状況の中

 

奏詞「さて、そろそろ日が変わるし、僕らは帰るとするよ」

 

真也「そっかー、また遊びに来てねー」

 

奏詞はこころを持ち上げ、俗に言うお姫様だっこをして告げる

 

真也も抱いていたこいしを背負い立つ

 

真也「なにかあったら呼んでねー、いつでもいくよー」

 

奏詞「わかった、またな、真也」

 

真也がそういい奏詞は少し笑うと能力を使い帰って行った

 

こいしと2人残った真也は

 

真也「あの2人が幸せになることを祈ってるよ」

 

そう呟くと、背中に背負った愛しい恋人を起こさないように、ゆっくりとその場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、真也とこいしはその日の夜のことを思い出し、あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら笑いあっていたとさ




はい、どうでしょうか、とっても甘いだろう?

真也「恥ずかしい」カァァ

こいし「同じく」カァァ

まあまあ、楽しそうだったし良いじゃないか

真也「うぅぅ」カァァ

こいし「あぅぅ」カァァ

ダメだこりゃ、さて今回は東方協奏録から奏詞とこころをお借りしましたが羅旋さん、なにかあったらどうぞ言ってくださいね

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」

(これは言うんかい)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2人の気持ち~真也~

どーも生きる死神です

今回は真也視点ので書きます

しかも台本形式じゃないです

さらに言うと本編には関係………あるかわからないですね笑

では、スタート


 

 

僕、全無真也には、とっても可愛い彼女がいるよー

 

彼女の名前は古明地こいし

 

彼女は僕が初めてこの世界にきて、入った家、うーん館って言った方がいいかなー?

 

その館の主の妹なんだー

 

僕が館の中を歩いて人を探して(家探しとか言っちゃだめだよー?)いたところに、後ろからついてきてたんだー

 

僕自身、あまり他人に興味は無かったし誰かいるなー程度にしか思ってなかったんだけど、なんとなく驚かしてみて話したら、とっても面白い子だったー

 

だから彼女ともう少し話してみたいと思ったよー

 

自分でも少し珍しいと思ったよねー

 

興味なんて無くなったと思ったしー

 

でもこいしの笑う顔を見るとどうしてか分からないけど無いはずのこころが少し暖かくなったんだー

 

もしかしたらこの時点で僕はこいしのことを好きだったのかもねー

 

一目惚れなんて柄じゃないのになー

 

まー、それでーこいしの姉のさとりに住んで良いよって言われて住み始めたけどー

 

さとりに聞かれて僕のことを大体言っちゃったからなー

 

正直ねー、あ、これはまたダメな感じかなー、なんて思っちゃったよねー

 

こいしも黙っちゃってたしーさとりも少し動揺してたしー

 

だからあの空気をどうにかするために話し変えたのにさー

 

お風呂から出てこいしと部屋で話してたら僕のことを聞かれてねー

 

どうしようかって思ったよー僕の過去はあまり人に話すもんじゃないしー(もうすでにいろんな人に話してるだろってのは無しだよー)

 

なによりなんだか分からないこの暖かい気持ちを芽生えさせてくれたこいしに拒絶されるのは、他の誰に拒絶されるよりも怖かったんだ

 

でも

 

こいしは自分の嫌な過去でさえ僕に話してくれた

 

出会って間もない僕に、こんな、気味悪い、いや、気味悪いなんてもんじゃない、存在してるだけでも嫌われる僕に

 

そんなこいしに涙目で訴えられたら耐えられないよねー

 

こいしがやっぱりダメだよねなんて言ったけど、僕にはそんなこと無かったから

 

あの時は僕でもなんであそこまで話したのか不思議でしょうがなかったよ

 

しかも出ないと思ってた、いや枯れたと思ってた涙まで流れてさ

 

こいしの能力に僕は負けたんだ

 

無しかない僕は無意識のこいしに泣かされた

 

いやー、言い方が悪いなー、泣かされたんじゃなくて本当の気持ちをさらけ出させられた、その方がいいかなー

 

てもまあ、そのおかげでこいしと分かり合えたし、あの勇儀との勝負の時も、こいしが僕を心配してくれた

 

だから僕は本気でこいしとの約束を守りにいった

 

まあ、結果的に周りの観客にいろいろ言われてそのせいでこいしも悲しそうになったときは僕も嫌だったけどね

 

あの時はさとりが来なかったらどうしてたかなー

 

もしかしたらあの場の全員気絶させてたかもねー

 

まあそんなことはどうでもいいとしてーその夜僕とこいしは想いを伝えあって、晴れて付き合い始めたよ

 

いやーあのときのこいしは本当に可愛かったなぁ

 

涙目であんな風に笑うなんて反則だよ、もう

 

それからはいろいろあったなー

 

宴会でいろんな人にあってー

 

能力を言ったらこいしに心配そうな目で見られたなー

 

あの時フランがこいしと同じような反応だとは思わなかったけどねー

 

その時に酔っ払ってこいしにイタズラ?(絶対にセクハラではない、はずー)しちゃったのはほんとに悪かったなー

 

まあ紫になんか言われてちょっとイラッとして言い過ぎた気がしたけどまあ、いいよねー

 

それからフランの話を聞いて狂気を無くして

 

いろんなとこ回って

 

天子の寂しさを僕とこいしが慰めて、いや僕みたいなのを増やさないために天子を助けてあげた

 

空飛ぶ船の時はまあ興味の涌く人ばっかりだったなー

 

みんな面白くて興味を持たないことの方がバカみたいに感じちゃったよー

 

弾幕ごっこはやりすぎた気がしたけどね、あはは

 

でも

 

一番記憶に残ってるのは

 

やっぱりこの前の夜桜を見たときのことかな

 

あの時

 

こいしの手を引いてあそこについて夜桜を見たとき

 

夜桜の綺麗さとそれを眺めているこいしのなんていうんだろ、可愛さというか綺麗さ?うーん、違う気がする、なんて言うのか分からないけど、とりあえず言いたいのは

 

こいしがなによりも輝いて見えた

 

その事に僕の頭はいっぱいになったねー

 

夜桜も綺麗だったけど、こいしの前では引き立て役だったね

 

それで朝の話を思い出したら、前に誕生日を祝ってもらったときにもらった指輪の意味を、僕は知ってたから

 

でも、それでも

 

こいしが本当にそう意味で渡してくれたのか

 

僕は少し疑っちゃった

 

だから、あの時、してくれる?だなんて聞いちゃった

 

結果的にこいしは僕が考えてた通りの答えを返してくれた

 

あれでもし違ったらどうしてたかな

 

悲しみ狂うなんて話じゃない

 

こんな世界、無くしてしまおう

 

そう思ってたかもしれない

 

まあ、それも杞憂だったけどね

 

それに、最後のあれは、僕的には

 

本当に、どんなことよりも幸せだった

 

今まで虐められて、親友が死んで、家族が離婚した上両方とも死んで、そのせいでこんな能力にも目覚めちゃって

 

でも、ここに来てからは、こいしがいたから

 

こいしに会えたから

 

僕は今こうして幸せに過ごせてる

 

全部こいしのおかげ

 

こいしがいなかったら僕はもう戻れなかったと思う

 

だから

 

だから僕は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、誰かが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいしに酷いことをしたり、こいしを悲しませるなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は絶対に許さない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例え、どんな手を使ってでも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕がどうなろうとも………




はい、真也の想いです

次回はこいしの想いを書きたいなぁ

では次回までばいばーい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2人の気持ち~こいし~

はいどーも生きる死神です

今回はこいしの気持ちです

前回同様台本形式ではありません

さらに本編に関係…あるかもわかりません笑

ではスタート


 

 

私、古明地こいしには付き合ってる人がいるの

 

彼の名前は全無真也って言うの

 

真也と会ったのは、私が地霊殿をふらふらしてたらいつの間にか真也が中を歩いてて無意識のうちに後ろをついてってたからかな

 

そしたら真也に驚かされちゃって

 

あの時はほんとにびっくりしたな、今まで私を意識できた人なんていなかったから

 

だから私は興味を持って、真也といろいろ話そうと思った

 

そしたら、お姉ちゃんが真也に過去のことを聞いた

 

ほんと、真也の過去の話を聞いたときは胸が締め付けられる思いだったな

 

私も自分の第三の目を閉じてお姉ちゃんにすら意識してもらえなくなったときは、泣いちゃったけど

 

真也は私以上に酷く、悲しい過去を通ってきてた

 

あまりに驚きすぎてその時に真也に聞けなかったから、真也がお風呂に入った後、私は聞いちゃった

 

真也は慣れてるなんて言ってたけど、私の能力が無意識のうちに発動して真也に干渉しちゃったらしくて

 

涙を流してた真也を見たらなんだか真也を1人に出来ないって思いが生まれたの

 

泣いてることに驚いてる真也はなんでか分かってなかったから私が理由を言うと

 

真也は驚いてた

 

そりゃそうだよね、真也の能力自身に私の無意識が入ってるし、真也が言ってたけどあれだけの過去を通ってきたから、涙も枯れてると思ってもしょうがないよね

 

そんな真也を見て、私は自分の過去を話すことを決意した

 

私の自己満足でもいい、真也を知りたい、支えてあげたい、そう思ったから

 

あの時、真也が黙っちゃったときはほんと焦ったよ

 

やっぱりダメかなー、そう思っちゃった

 

でも、真也がそんなこと無いって言ってくれたときは内心嬉しかった

 

その夜はいろいろ話したなぁ

 

向こうの世界はいろんな面で幻想郷より進んでるってこととか、ちょっと怖かったけど、真也の過去を細かくね、あの時も真也が泣きそうで悲しかったな

 

それから日が経って

 

勇儀といきなり勝負することになって

 

私は心から反対した

 

なんで、なんで勝負なんてするのかって

 

せっかく知ることが出来たのに

 

鬼、しかも勇儀じゃ真也が死んじゃうって思うとほんとに悲しかった

 

だから、勝負開始寸前にわがままを言った

 

私だけの思いだったかもしれないけど

 

それでも言った、そしたら真也は約束してくれた

 

私は嬉しかったな、真也が約束してくれて

 

しかも守ってくれて

 

もうその時には閉じた心を優しく開くような不思議な気持ちが芽生えてた

 

その気持ちがなにかすぐには分かんなかったけど、真也を見てたらその気持ちが強くなったし、ドキドキしたりもした

 

あの時は周りの観客とかに囲まれて話せなかったけど

 

真也が帰るって言って私にも話しかけてくれたときは少し嬉しかった、良くないね

 

私は真也に嫌われてないんだって感じたよ

 

その後、真也の部屋で私達は話して、私のあの気持ちを真也が教えてくれて、真也も同じ気持ちを持ってて

 

私達は晴れて付き合い始めた

 

話は聞いてたけど、実際なると閉じた心が少し開くくらい、それくらい嬉しくて泣いちゃったのに笑顔が溢れちゃった

 

それからの日々は心配したり驚いたりもしたけど、ほんとに幸せだったの

 

宴会の時に話してから、フランのとこに遊びに行って、フランの狂気の話を聞いて私達のことも話して、真也が狂気を無くして

 

人里に行って少し嫌な思いをしたけど、真也にプレゼントも出来た

 

あの時は嬉しそうだったな、見てて私まで嬉しくなっちゃった

 

だから真也から貰ったときは嬉しすぎて、普通に反応しちゃった

 

ふふふ、私って単純なのね

 

それからいろんな場所に真也と行って

 

今度は天子を慰めたりもした

 

真也の誕生日が来たって私は知ってたから、真也と親しい人達と集まって真也を祝った

 

あの時真也から逃げて部屋に連れて行く役をやったけど、少し心苦しかったな真也に悪いことしちゃったなって思った

 

でも、真也が全く気づかずにお祝いできたから、真也のほんとに嬉しそうな表情が見れて私は嬉しかった

 

そしてその夜私は真也に指輪を渡した

 

驚いてたなぁ、ふふふっ

 

あの時はほんとに幸せで満たされてたなぁ

 

渡した意味にはそう意味も少しは、いや、ね、うん、あったけど、恥ずかしいからあまりはっきりは言えなかったな

 

そしてこの前の空飛ぶ船の異変のときはいろんな人に会ったなー

 

小傘にぬえ、鈴仙にナズ、聖や星に一輪、それに地底であった村紗

 

懐かしい人もいて楽しかったなぁ

 

でも、一番記憶に残ってるのはやっぱり、この前見に行った夜桜の時の出来事かな

 

真也に手を引かれてついて行った先で見た夜桜は今まで見た景色の中では、一番綺麗でその綺麗さにうっとりしちゃった

 

そしたら真也がその日の朝の話をしてくるから、私はすごい焦っちゃった

 

でも、真也が私を真剣な目で見てたから、私もしっかり気持ちを整えて真也の言葉を待ったの

 

そして真也がその時になったらしてくれるか、って聞いたとき私は実は泣きそうだった

 

こんな私でも、幸せになって良いのかなって

 

でも私はしてほしいって、そう答えた

 

真也はなにも言わずに私に近付いたから

 

もしかして、って思ったの

 

実際、ああいう場面ってほんとにドキドキするのね

 

閉じた心がうるさすぎて、真也にも聞こえちゃうんじゃないかって、そう思ってたな

 

そして、その時

 

たぶん、幸せな日々の中でも、たぶん、いや、絶対に一番心から幸せだったって言える日になった

 

今までぼんやりと開いてた私の第三の目もまた少し開いた気がしたの

 

それても真也に心はまだ無いからなにも分からなかったけど

 

それでも真也が私を愛してくれてるって感情は、恥ずかしいくらい伝わってきた

 

なんでだろうね、覚りの第三の目は心を読むだけなのに

 

私には真也の気持ちが感じられた

 

もしかしたら私の真也の想いがそう思わせたのかもしれないけど

 

それでも

 

そう感じられるくらい幸せなんだから

 

別に良いよねっ!?

 

私は真也が好き

 

大好き

 

あまり口にも出せないし、行動にも出せてるか怪しいけど

 

誰よりも好きだって断言できる

 

だから

 

だから私は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也の悲しい顔を見たくない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也は私になにかあるとすぐにお仕置き(そんな程度じゃない気がするけどね?)しに行くけど

 

私だって、真也に何かあったら守りたいって、そう思ってる

 

でも真也が1人でやっちゃうから、私はずっと真也を見てるだけ

 

そんなのは嫌なの

 

真也が傷つく姿なんて見たくない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな姿を見るくらいなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必ず守るから、絶対に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例え、誰かが犠牲になっても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしそれが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私だったとしても…




はい、こいしの気持ちでした

2人は愛し合っている

だからこその気持ち

それは2人の愛の証でもあり

危ない爆弾にもなりうる

2人の想いはいつか

きっといつか、みんなの目に見える形になる

それが果たして良い形なのか

それとも悪い形なのか

それは今は分からない




とまあ、堅苦しいのはおいといて

次回はコラボの話を書こうかなって考えてます

お相手は東方協奏録を書いている羅旋さんです

それと、向こうではすでに投稿されていますので是非見てみてください

また、来世さんの書いている東方理解録にも真也が出ていますのでそちらも良ければ是非見てみてください

お砂糖連盟の仲間の話はとても甘い(確信)

こちらとはまた違った真也と雷世さんの考え抜かれた世界観を楽しめますよ

では次回まで

ばいばーい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

迷う竹林の先

どーも久しぶりです、生きる死神です

真也「んー、久しぶりだね」

こいし「どうしたの?」

えっとですね、ちょいとスランプのようなものになりまして

真也「どんまーい」

こいし「お疲れ様」

はぁ、サクサク行きたいんですけどね

真也「はじめよー」

こいし「そだね」

では

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

真也とこいしは迷いの竹林と言うところに来ていた

 

迷いの竹林というのは、不思議な霧と少し斜めったような地形により入った者を迷わせると有名な竹林である

 

2人がこんな所にいるのは

 

真也「んー、永遠亭ってどこかなー?」

 

こいし「たしか鈴仙はそこにいるって言ってたはずだよねー」

 

この前の異変で会った鈴仙に会うためである

 

永遠亭という名前だけを聞いたため細かい場所が分からなかったので、無意識に頼ってきたのだが竹林につくとそれも頼りにならなくなってしまった

 

2人は名前は聞いていたので竹林の前で

 

真也「どーするー?迷いのとか言われてるからー入ったら迷うんだよねー」

 

こいし「誰かここを案内してくれる人がいると居居んけどね」

 

そんな話をしてどうやって行こうかと話し合っていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「ん?お前らなにやってるんだ?こんな所で」

 

後ろから誰かに声をかけられた

 

2人は後ろを振り向くと、そこにいたのは

 

長くいろんなところを結んだ白髪に白いシャツ、赤いもんぺを着てポケットに手を突っ込んだ女性が立っていた

 

真也はその女性の姿を確認してから

 

真也「あー、その前に君は誰ー?」

 

そう聞いた

 

聞かれた女性はそのままの格好で

 

?「私は藤原妹紅、妹紅でいいよ。2人は?」

 

自身の名前を言って、真也とこいしにも同じことを聞く

 

真也「僕は全無真也、真也でいいよーよろしくねーもこたーん」

 

こいし「私は古明地こいし、こいしでいいよ、よろしくねもこたん」

 

2人は笑顔でそう言うが

 

妹紅「いや、もこたん言うな。誰がもこたんだ」

 

妹紅が2人の自身の呼び方に疑問を覚え、突っ込みを入れるが、2人は聞く耳を持っておらず

 

真也「あー、もこたんさーこの先にある永遠亭の行き方わかるー?」

 

こいし「もし分かるなら案内して欲しいなーもこたーん」

 

妹紅に永遠亭まで案内して欲しいと頼んだ、呼び方を変えずに

 

妹紅「あー、まあ行けるが。あともこたん言うな」

 

妹紅は少しためらいつつもそう言った

 

真也とこいしはよし来たと言わんばかりに妹紅の手を取り

 

真也「なら話が早いよーもこたーん」

 

こいし「連れてってねーもこたん」

 

妹紅「えっちょ、待って連れてくから、引っ張るなっ!あともこたんじゃなーい!」

 

妹紅の制止も聞かずに引っ張っていく、妹紅は相変わらずもこたんと言われるのを否定するが、2人が変える気が無さそうな顔に諦めた

 

 

 

 

 

妹紅「はぁ、ここが永遠亭だ」

 

2人は妹紅の案内により無事永遠亭についた

 

2人は永遠亭をついて周りを見て、鈴仙が外にいないことを確認すると

 

真也「もこたんありがとねー!」

 

こいし「ありがとっ!もこたん!」

 

妹紅に感謝の言葉を送りつつ、中に入ろうとした

 

 

 

 

 

 

妹紅「あ、そう言えばここ、悪戯兎がいるから気をつけろよ……って遅かったな」

 

妹紅が2人に注意を促そうとして、視界から2人が消えていることに気付いてため息を付いた

 

妹紅がいる場所より下から

 

真也「もう少し早く言って欲しかったなーあはは……」

 

こいし「そ、そうだね、いてて……」

 

真也とこいしの声が聞こえた

 

妹紅はその声に返事をしようとすると

 

?「うささ、成功したうさね」

 

その落とし穴の近くにいつの間にか妹紅には見覚えのある人がいた

 

妹紅「あ、またかお前」

 

?「うさ?あ、また姫様と殺りに来たうさ?」

 

2人はごくふつうに会話しているが

 

こいし「ねー、これ中々深いから軽く足ひねったー」

 

中からこいしの愚痴のようなものが聞こえてくる

 

妹紅はやれやれと思いつつ助けようとした

 

そのとき

 

真也「とりあえずこの落とし穴作った人には、しっかりお話してあげないとね……」

 

真也の語尾の延びた口調ではない声と共に、肌がぴりぴりするような空気を感じた

 

妹紅は何事かと思い中を見ようとしたが、その前に真也が穴からこいしをおんぶして出てきた

 

妹紅「おい!大丈夫か……って大丈夫そうだな、ん?」

 

妹紅は2人の格好が落ちる前と変わってないことから、大丈夫だと判断した

 

こいしは足をひねったという割には元気そうに立っている、その顔は少し心配そうだが

 

妹紅はこいしの様子に問題ないだろうと思って真也を見た

 

妹紅「こいしは大丈夫そうだな、真也は……っ!?」

 

真也を見た妹紅は息をのむ

 

真也は会ったときのにこにこ顔はそのまま、明らかに怒気を放っている

 

真也「誰がこの落とし穴作ったかな?」

 

そう言うと妹紅の方をみる

 

妹紅はなにも言わずに首を激しく横に振る

 

真也はそれを見て近くにいて、いきなり上がってきた2人に驚いている妹紅の知り合いを見た

 

?「わ、私じゃないうさ!」

 

その少女は全力で否定したが、真也は落ちたときに妹紅が言っていたことを思い出すと

 

真也「君か、あれ作ったの。さて、少しお話ししようか……」

 

いつもの笑顔をとてつもなく黒い笑顔に変え、その少女に近付く

 

少女は危機を察知し、脱兎のごとく逃げ始めた

 

真也もそれを追って少女の逃げた永遠亭内に入る

 

その場に残されたこいしと妹紅は

 

こいし「あーぁ、またやっちゃったね。あの子が生き残れることを祈っておこっと」

 

妹紅「真也って一体……」

 

片や祈りつつ、片や真也の変わりように驚きつつ、中に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

?「ちょ、しつこいうさー!」

 

真也「逃げちゃダメだよ」

 

少女は未だに真也から逃げていた

 

かれこれ10分ほどは逃げ続けているだろう

 

真也は少しめんどくさくなってきたのと、こいしを置いてきてしまったことを思い出し

 

真也「悪いけど、そろそろ終わりだよ」

 

そう言うと手を握り、少女の力を無くして捕まえた

 

少女はすぐに戻った力でじたばたともがくが、がっちりと真也に掴まれてしまい逃げることも叶わない

 

真也は捕まえた少女を逃がさないようにしつつ、こいしたちを探し始めた

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

鈴仙「あ、真也さん。こんなところでなにして……って、てゐ!?えっ真也さん、もしかしててゐが何かしましたか!?」

 

どこからともなく鈴仙が現れた。鈴仙は真也を見て何でここにいるのかと聞くが、真也がてゐと呼ばれた少女をがっちり捕まえていることに気付くと、顔を白くして申し訳無さそうにそう聞いた

 

真也は先ほどの黒い笑顔ではなくいつもの笑顔で鈴仙を見ると

 

真也「んー?この子は落とし穴作って僕とこいしをはめた上にーこいしが足をひねっちゃったからーちょーっとお話してあげようかなって思ってねー?」

 

そう言うとあははははと笑いながら、てゐを掴んでいる腕に力を込める

 

てゐは悲鳴を上げているが、真也は気にした様子もなく、鈴仙は少し青ざめているが気にしないようにと頭を振り

 

鈴仙「うちのてゐがすいません!やらないようにといつも言ってるんですが……」

 

とても申し訳無さそうに頭を下げ耳も垂れているが、真也はそんなことないと手を振ると

 

真也「いやいやー鈴仙は悪くないよーこの子がいけないからね……」

 

そう言って黒い笑みを浮かべててゐを睨む

 

睨まれたてゐはびくっとするとがたがたと震え始める

 

その様子に鈴仙は何ともいえぬ気持ちになるが、このままではらちがあかないと思い

 

鈴仙「と、とりあえず、こいしさんと合流しましょう?」

 

真也にそう提案してなんとかこの場を乗り切ろうとする

 

真也は少し考えると、頷き歩き始める

 

鈴仙はほっと一息付くと歩き始めた真也についていった

 

 

 

 

 

真也「んー、どこかなー……あ、いたー」

 

こいし「あ、やっと帰ってきた。ふふっ捕まえたのね、その子」

 

妹紅「すまん、邪魔してる」

 

鈴仙「これはまた不思議なメンバーだなぁ」

 

真也と鈴仙(+てゐ)はこいしと妹紅がいる部屋にたどり着いた

 

2人はなにも気にせずしゃべり始めたが、真也の腕にはてゐが捕まっており相変わらずじたばたするてゐを力を入れて静かにさせていた

 

こいしもこいしでそんな状態のてゐを全く気にせず話している

 

妹紅と鈴仙はそんな2人に頭を抱えてため息を付くと

 

妹紅「なぁ、そろそろそいつ放してやれよ」

 

鈴仙「謝りますから、そろそろ放してもらえませんか?」

 

真也にそう言うと、真也はこいしを見てこいしがこくんとうなずくのを見ると、てゐ軽く放り投げた

 

てゐ「うさっ」

 

投げられたらてゐは床でワンバウンドすると壁に当たり止まった

 

投げた真也は全く気にしていなかったが、何か思い出したようではっとすると

 

真也「あ、そう言えばーこの子の名前聞いてなかったなー。鈴仙ー教えてー」

 

そう言うと鈴仙を見る

 

鈴仙はあれ?知らないのにやってたの?と、思いつつ

 

鈴仙「あ、はい、因幡てゐですよ」

 

そう答えた

 

真也はそれを聞くとふーんとだけ言ってこいしとまた話し始めた

 

鈴仙は壁にぶつかって気絶しているてゐを指でつつき始める

 

妹紅はなにもすることが無くなったので帰ろうとすると

 

 

 

 

?「あら。誰か来てると思えば妹紅じゃない。また殺られに来たのかしら?」

 

?「あら?見たことない2人も混じってるようです」

 

妹紅「げっ」

 

妹紅が出ようとした入り口から2人の女性が現れる

 

1人はピンク色のゆったりした服の胸元にピンク色のリボン、赤いロングスカートそして長く美しい黒い髪

 

もう1人は特徴的な赤と青を半々に分けた服に、同じく服と反対の配色のロングスカート、長い銀髪を三つ編みにし、頭に赤十字の入った青い帽子を被っている

 

真也は二人の声に反応して振り向き、2人の姿を確認すると

 

真也「んー?君たちは誰ー?」

 

妹紅に聞いたように2人に聞いた

 

黒髪の女性が先に口を開く

 

?「私は蓬莱山輝夜、お姫様だけど堅苦しいのは嫌いだから輝夜でいいわ」

 

?「私は八意永琳、医者のようなことをしているわ」

 

2人はそう言うと自分たちの知らない真也とこいしにも同じように聞くと、真也とこいしは先ほどの妹紅と同じように返した

 

それを聞いた輝夜は妹紅の方を向き、挑発的な笑顔を浮かべながら

 

輝夜「で?また来たのはそういう理由でいいのかしら?」

 

妹紅「ちっ。今回はそう言う訳じゃなかったが、会ってしまったからにはやるしかないな!」

 

妹紅に確認すると、妹紅は舌打ちをしてやれやれと頭を振りつつ外に出て行った

 

輝夜もそれを追い、静かになったところ

 

永琳「で、あなたたちはなにをしに来たのかしら?」

 

外に出て行った輝夜を見ていた永琳が真也たちの方を向きそう聞く

 

真也は少し考えると

 

真也「別にー?何となく来ただけだよー?強いて言うならー鈴仙から聞いたから鈴仙に会いに来たって感じかなー」

 

そう答え、てゐをつついている鈴仙の方をちらりと見る

 

永琳はふむと呟き少し考えると

 

永琳「ところで、こんなところにふつうに来てるのだから、あなた能力持ちよね?」

 

真也にそう聞く

 

真也ははぁ、とため息を付くとこいしにちらりと視線を送り、こいしが少し間を空けてから頷いたのを確認すると

 

真也「うん、あるよ。僕の能力は「『無』を操る程度の能力」だよー」

 

そう答えた

 

それを聞いた永琳は一瞬とても驚いた顔をするが、すぐに平時の顔に戻ると

 

永琳「あなたはその能力でここでなにをする気かしら?もし姫様に何かする気なら……殺すわよ、この場で」

 

どこから取り出したのか弓を構えながら、真也に向かって殺気を出してそう問いかける

 

その殺気乃矛先である真也は同じやりとりをしたことがあるからか、うんざりした様子で

 

真也「はぁ……別に何もしないよ。したところで何も面白くもないしね。それに悪いけど、君じゃ僕を殺せないよ。僕を殺せるのは……だけだよ」

 

永琳に光のない目を向けながらそう答える

 

最後に言った部分はこの場にいる誰も聞こえなかったが、誰も気にしてはいなかった

 

永琳はただのはったりだと思い真也に狙いを定め弓を引くが

 

永琳「!?」

 

ちらと、真也の位置を確認した瞬間に引いていたはずの弓が無くなっていることに気付き、また真也から殺気が出ていることにも気付き冷や汗をかき始める

 

そんな様子の永琳にまたもため息をついた真也はかなりびくびくしている鈴仙の方に顔を向け

 

真也「鈴仙、今日は邪魔しちゃってごめんね?また今度なにもないときにこいしと3人で話そうね」

 

そう言うとこいしの方を向きこいしの手を取り、頷くのを確認して2人は一瞬にして消えた

 

永琳はその事に驚き絶句しているが、一度見た鈴仙は冷静に考えていた

 

鈴仙「(真也さん……あんな能力を持っていたなんて……たぶん私よりも辛い目にあってるんだろうな……)」

 

そう考えつつ鈴仙はただならぬ殺気を感じて戻ってくる、空で殺し合っていた2人をぼーっと見つめているのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地霊殿に帰ってきた2人は真也の部屋で話していた

 

こいし「真也。あまり目立つことはしちゃだめだよ?あんまり敵を作ると大変だよ?」

 

真也「うん。分かってる。でもああいうのは一度分かってもらわないとダメだからね」

 

こいしは相も変わらず無茶しかける真也を心配してそう言うが、真也はそこまでやめる気は無さそうに見える

 

こいしはそんな真也の様子を悲しそうに見ながら、話題を変えて1日を終えた




はい、久しぶりに書いたらなんかもう、よく分かんなくなりました

真也「なんかいつもより長いねー」

こいし「新しい人が来るとシリアスになるのは安定だね」

あはは……しょうがないですよね~

真也「次回は早めに投稿しなよー?」

こいし「無理は良くないけどしっかり更新しないと忘れられちゃうからね?」

分かってますよ、次回はもう少し早くしたいです

あと、活動報告の好きなキャラアンケートよろです

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編!こいしの日!?

はいどーも生きる死神です

真也「今回は何の話ー?」

こいし「私の日……?」

そうですよー、こいしの日です

真也「そーなのかー」

こいし「そーなのかー」

はいでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

本日は5月14日、人によっては何の日だ?と思うかもしれないが、真也にとっては特別な日である

 

真也「だからーこいしー人里行くよー!」

 

こいし「なにがだからなの!?」

 

真也はこいし特に理由を言うこともなく、手をつかんで引っ張っていく。こいしは大きな声で真也に突っ込んだが、行くことに抵抗はないのでそのまま2人は人里に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里についた2人はさっそくどこに行くか話し合い、その結果とりあえず甘味処に行くことにした

 

真也「前も来たねーここの団子美味しいよねー」

 

こいし「ね♪私この味好き♪」

 

2人は甘味処に入ると団子を4本注文し、来た物を食べていた

 

甘く美味しい団子を頬張る2人はとても嬉しそうだったが、真也はチラリとこいしを見て飲み込むタイミングを見計らって

 

真也「~~~~♪」

 

こいし「ふぁっ!ん~!ん~っ、んむ~」

 

こいしが驚くのもスルーしてキスをした。しかも団子の口移し付きで、こいしは突然のことに驚き少し唸るも、抵抗しても無駄なのは分かっているので諦めて受け入れる

 

真也は上機嫌そうに口を話すと楽しそうに笑いながらこいしを見る。こいしは真也から口移しされた物をゆっくりと噛み、飲み込むと

 

こいし「もぉー!いきなりなにするの!びっくりしたじゃん!」

 

顔を赤くしながら真也に怒る。が、先程拒否しなかったこととやったことになにも言われてないから、真也は相変わらず楽しそうに笑いながら

 

真也「なんかやりたくなっちゃったー。反省はしてないし後悔もしてないよー!」

 

こいし「いや反省くらいしてよっ!?」

 

盛大にボケてこいしはしっかりと突っ込む。周りから見たら完全に恋人同士なのは丸分かりであり、どこからどう見ても真也が悪い(悪いのか?)のであった

 

こいしはむー!と唸りながら頬を膨らませると、何か思いついたようで悪い笑みを浮かべると、こいしも先程の真也と同じように団子を含むと少し噛み

 

こいし「お返しっ!んっ!」

 

真也「あむっ!?んー!んんー」

 

真也に抱きつき口移しをした

 

真也は予想していなかったのか、無抵抗でそれを受ける。だが、嬉しいようで顔はとても笑顔だ

 

しばらくしてこいしが離れ、してやったりと言った顔を浮かべているこいしに真也は嬉しそうに、あははと笑いつつ

 

真也「まさかこいしがするとはねー驚いたけど嬉しいなー」

 

こいし「やられっぱなしはイヤだもん♪これでおあいこっ!」

 

こいしの頬を軽くつつきながら言うと、こいしは上機嫌ににひひと笑う

 

すでに甘い空間が出来ているわけだが

 

客&店員達「(甘いわ……家でやれよ……)コーヒーください)

 

その空間に耐えられないお客やら店員達はコーヒーを飲み始めた。が、砂糖が入っていないブラックを飲んでいるはずなのに甘く感じるそうだ

 

客&店員達「(あまっ!?)」

 

真也とこいしはそんなこと気にせず、まったりと話ながら食べ進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食べ終わった2人は外に出て次はどこに行くかと話していると

 

黒い服を着た男「うわ、覚り妖怪、またかよ。しかもあの妖怪と一緒にいるってことはあの男も似たようなもんか。気味悪いな」

 

薄黄緑の服を着た女性「人里に来てまで人の心を読みたいなんて、性悪な妖怪ね。隣の男もどうせ同じでしょう」

 

水色の服を着た子連れの親「あの妖怪は見ちゃだめよ?一緒にいる男の人もね?」

 

黄色い服の女の子「うんわかったー!」

 

2人は周りから聞こえてくる非難と罵声、それと同時に何も言っていないがこちらを見て気味悪いと言うような視線が体中に突き刺さる

 

真也「……はぁ」

 

こいし「……どこ行く?」

 

ため息をつく真也を心配そうに見るこいしがそう言うと、真也は心配させないようにかいつもの笑みで

 

真也「ちょっと行きたいところあるからいいー?」

 

こいしにそう聞くと、こいしはいいよと答え真也が手を握ってきたのでそれに握り返し、真也の目的地に歩いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいし「ここ?」

 

2人は少し歩き何かの店に着いた

 

こいしは外見では何か分からずキョトンとしているが、真也は中に入っていく

 

こいしは慌ててついて行くと、中はどうやら装飾品店のようでいろんな装飾品があった。ペンダントやブレスレット、イヤリングにネックレス。こいしは前に来た店とは違うため、興味深そうに周りを見ていた

 

2人が入ってから2時間ほど経ち

 

こいし「結局何のために来たの?」

 

真也「あははー秘密ー」

 

2人はそのまま出てきた。こいしは何をしていたのかすごく気にしていて、真也にいろいろ聞くが曖昧な返事で受け流されるので諦めた

 

その後2人は特にすることも無くなったので地霊殿に帰ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地霊殿に帰ってきた2人はそのままこいしの部屋に移動する

 

理由は真也が、今日はこいしの部屋が良いと言ったからである

 

こいしはなんでだろうと思いつつ部屋に向かう

 

途中真也が何か考えていたのか、自分の部屋に行き何かを取ってきた

 

こいしはそのことを聞くが後のお楽しみーと言われてはぐらかさせれてしまった

 

こいし「(なんか今日はよくはぐらかされるなぁ。隠し事はあんまりして欲しくないんだけどな……)」

 

少し悲しい思いがこいしを襲うが、真也がなぜか楽しそうにしているのでそんな思いを忘れることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで部屋につくと真也はこいしのベッドに座り、こいしに向けて手招きをする

 

なぜかすごくにこにこしていてちょっと怖いと思いつつこいしが近付くと

 

こいし「ふぇっ!?」

 

真也がこいしを抱き寄せ帽子を取り、自分の膝にこいしの頭を乗せた

 

こいしはいきなりのことで驚いたが、少しすると落ち着き何をするの?と真也に聞いた

 

真也はちょっとねーとだけ言ってこいしの見えないところでなにかガサゴソとしている

 

こいしはそれが気になりつつも真也の膝の上でいつもとは違う目線から真也を見てちょっとにやけていた

 

ちょっとすると準備かなにかが整ったようでこいしの方を向くと、こいしの右耳が上になるように向きを変える

 

こいし「?」

 

これからなにが始まるのかよく分からないこいしは疑問の表情だが、真也が頭に手を乗せ

 

真也「動かないでねー?それじゃあ始めるよー」

 

そう言うとこいしの耳になにかが入ってくる

 

こいしは突然のことに驚き焦るが、真也に動いちゃいけないと言われていたのでなんとか我慢する

 

しばらく耳の中を何かで探るような動きをされているうちにこいしは段々気持ちいいなと思い始める

 

それにしては気付いたかのように真也は、手を動かしながら

 

真也「どー?こいしー。気持ちいいー?」

 

そう聞いてくる。こいしは少しぼーっとしていたためはっとしつつも

 

こいし「……うん。気持ちいいよ。でもこれ何をしてるの?」

 

そう答えると、真也はクスッという笑い声を出しつつ

 

真也「これはねー耳掻きだよー。耳の中にたまってる耳垢を取ることだよー。これ気持ちいいんだよねー。だからこいしにもしてあげよーと思ってねー」

 

手を動かして耳垢を取りつつ答える

 

こいしは生返事を返しつつ、初めて受ける耳掻きの気持ちよさを味わっていた

 

それからちょっとすると右耳が終わったらしく、こいしの向きが反対にされる

 

こいしは真也を目の前にして少しドキドキしつつも、またもやってくる気持ちよさにうとうとし始める

 

真也「寝ても良いよー?」

 

まるでこいしが思っていることが分かっているようなタイミングで真也はそう言った。こいしはそれにもう驚かずむしろ良いよと言われたのでそのまま夢の世界に落ちていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいしは誰かが頭を撫でている感覚で目を覚ます

 

真也「あれー?起こしちゃったー?」

 

上から真也の声が聞こえたので頭を撫でていたのは真也だと気付くこいし

 

こいし「うぅん。撫でてくれてるのが心地よかっただけだよ。どのくらい寝てた?」

 

少しうっとりした表情のこいしはそう聞くと、真也は嬉しそうに笑みを浮かべつつ30分くらいーと答える

 

こいしはそのくらいかと思いつつ真也の膝から頭を上げる

 

真也はその様子をニコニコしながら見ていた

 

こいしは少し伸びをし、欠伸をすると真也に抱きつきながら

 

こいし「なんで今日はこんなにいろいろやってくれるの?」

 

そう聞くと、真也はあれー?と言いながら頭を掻いて

 

真也「最初に言わなかったっけー?今日は5月14日だからだってー」

 

こいし「うん、言ってたけど、意味がよく分かんなかったの」

 

理由を言ったが、こいしが分かっていなかったと知るとありゃりゃーと言いつつ説明し始める

 

真也「今日ってさー5月14日てしょー?」

 

こいし「うん。それがどうしたの?」

 

真也「5月14日ってさーこいしとも読めるよねー」

 

こいし「5月14日……こいし……514、あー!そういうことね!」

 

真也がほとんど答えとも言えるがそう言うと、こいしは手をぽんと叩いて納得の声を上げる

 

こいしはそういうことだったのかと思いつつ

 

こいし「でも私の日って、少し恥ずかしいな……」

 

顔を赤くしてそう言うと、真也はあははーと笑いつつ

 

真也「照れてるー可愛いよーこいしー」

 

こいしの耳元でそうささやく

 

そんな声にこいしはまた顔を赤くするが、あることを思い出した

 

こいし「ところでさ?あの人里に行ったときの店で何やったの?そろそろ教えてよ」

 

真也はついにきたかと言った表情でニヤリとすると、またもどこからかガサガサと袋を取り出した

 

真也「これだよー開けてみてー」

 

そう言いながらこいしに手渡されるそれは、中身が分からないように梱包されていて開けないと中身が分からない

 

こいしはもらってすくに開け始める

 

真也はその様子をどこかうきうきした様子で見ている

 

そして急ぎ目に開けると中から出てきたのは

 

こいし「ふわぁ~……ハートの髪飾りだ!」

 

こいしの言うとおりハートの髪飾りー色は青ーが出てきた

 

真也はこいしがそれを手にとってキラキラした目で見ているのを嬉しそうに見ながら

 

真也「それねー僕が頑張って作ったんだけどーどうかなー?つけてくれるー?」

 

そう言うとこいしはすぐに髪の毛を纏め、どこからか出したゴムで結わえポニーテールになるようにうまく結んだあと髪飾りをつけて

 

こいし「ど、どうかな?似合う?」

 

少し顔を赤くしながら真也にそう聞く

 

真也は満面の笑みでうん!と答えた

 

こいしは鏡でつけた姿を見て、手作りなんだと思いつつ

 

こいし「ありがとっ!真也っ!」

 

そう言って抱き付いた。真也はそれを嬉しそうに抱き返し2人はとても幸せそうに笑い合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日からこいしは時々帽子ではなく髪を結わえて髪飾りをつけるようになった

 

つけているときのこいしはとても嬉しそうで真也も同じようだった




はい、こいしの日特別編でした!

真也「ポニテの可愛い!」

こいし「ありがとっ!」

あーもう、熱いったらありゃしない

さて、次回はどうするか未定ですが、本編を進めたいですね

真也「頑張ってねー」

こいし「頑張れ!」

はい!では、次回まで

「「「ばいばーい」」」

(もう一つの作品、「幸せを教えて」もよろです)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仲良い皆で弾幕ごっこ!

はいどーも生きる死神です

真也「今回は珍しく弾幕ごっこだよー」

こいし「相手はタイトルの通り、わかる人には分かるねー」

正直スペル表現するのに悩みすぎて笑

真也「どんまいー」

こいし「お疲れ様」

はいでは

「「「スタート」」」


真也とこいしは今空を飛んでいる

 

なぜかというと

 

真也「今日はなにするー?」

 

こいし「たまには私も弾幕ごっこしたい!だからさ、天子とぬえを連れてフランの所に行こっ!」

 

こいしがこんな感じで弾幕ごっこしたいと言い出したからなのだが、空を飛んでいるのは天子を探しているからである

 

なんだかんだ地霊殿から出てもうすでに3時間くらいは経過しているが、一向に天子が出てくる様子がない

 

2人が地霊殿を出たのが11時頃だったので、もうお昼時を過ぎた頃だ

 

真也「あー、お腹減ったなー」

 

こいし「だね。一旦人里で何か食べてから探す?」

 

真也がお腹をさすり立つそういうとこいしは遅めの昼食を提案した。真也はうなずき2人は人里に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~少年少女食事中~

 

 

 

 

 

 

真也「美味しかったねー」

 

こいし「ね!じゃあ探すの再開しよっか!」

 

2人は食べ終わり、人里の入り口らへんで話していると

 

ぬえ「あれ?真也とこいしじゃん。なにしてるの?」

 

真也「あーぬえだー」

 

こいし「ちょうどよかった!後々探すことがなくなったね!」

 

ぬえが森の方から現れ、2人に話しかけた。こいしが嬉しそうなしてる理由をぬえはよく分かっていないが、まあいいやと思いつつ真也に声をかける

 

ぬえ「ここでなにしてるの?」

 

真也「あー、今日はこいしが弾幕ごっこやりたいみたいだからー仲良い人を集めてやろー、ってことで探してたんだー。そしたらぬえが来たってわけー」

 

真也の説明でだいたい把握したぬえは分かった、そう言うと2人と一緒にさっき探していたらしいもう1人を探すことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「うーん、今日は会わないなー」

 

こいし「ね、いつもならそろそろ出て来ても良さそうなのにね」

 

ぬえ「その天子ってやつ、どこに住んでるの?」

 

3人で探すこと3時間、なぜか未だに見つからない天子を少し疲れてた3人はなぜだろうと思いつつ、地上にあった森の木陰に降り立ち休憩し始めた

 

真也「うーん、今日は天界でなにかやってるのかなー?」

 

ぬえ「え?天子ってやつ天界住んでるの?」

 

こいし「あれ?言わなかったっけ?」

 

ぬえは真也が言ったことに反応すると、こいしはぬえの反応に不思議そうな顔をするが、ぬえが頷いたことであちゃーと言いながらぬえにごめんねと言いつつ

 

こいし「天子は天界のね、なんだっけ、お姫様?良いところのお嬢様?かなんかなんだよ。あ、お嬢様だっけな、確か。そうだよね?真也」

 

真也「んー?そうだよー?比那名居って家のねー」

 

ぬえ「へー、そうなのね」

 

そんな話して長い間探して疲れていたため、3人は1時間ほど休憩すると、もう一度探しに空を飛び始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再度探し始めて1時間が経ち、なんでこんなに会えないんだろうと思い始めた頃

 

真也「うーん、天子はどこにいるんだー?」

 

天子「呼んだ?」

 

こいし「うわぁっ!」

 

ぬえ「んっ!?びっくりしたぁ」

 

真也がそう言った瞬間、天子が空から現れた

 

真也「あーやっと見つけたー」

 

天子「へ?私を探してたの?」

 

こいし「そうだよ!かれこれ5時間は探したかな?」

 

ぬえ「そう考えると長いね……」

 

天子はキョトンとしているが、3人は達成感のようなもので天子がキョトンとしていることに気付かない

 

真也「よーし、やっと集まったしー紅魔館に行こー」

 

こいし「そうだね!早速向かおう!」

 

ぬえ「こんな時間からで大丈夫なのかな……」

 

天子「え、ちょっと私に説明ないの?」

 

訳が分からない天子を無視して真也とこいしは行ってしまう。ぬえは時間に疑問を持ちつつ、2人を追う。天子は疑問がいっぱいだったがとりあえず3人を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「ついたー!」

 

こいし「長かったなー」

 

ぬえ「だいたい分かった?」

 

天子「うん、分かった。ありがとね、ぬえ」

 

4人は紅魔館の門前に降り立つと、いつも通り?寝ている美鈴に

 

真也「起きろー」

 

こいし「門を開けてー」

 

ぬえ「じゃないとー」

 

天子「要石当てるよー」

 

美鈴「え、ちょ、要石ってなんですグエッ」

 

4人の息ぴったりで美鈴に脅しをかけ、美鈴が起きたのを気にせずやった。どこかしてやったり顔に美鈴は要石の当たった頭をさすりつつ

 

美鈴「ご用件はなんでしょうか?」

 

真也「フランと遊びに来たー」

 

こいし「だから開けてー」

 

美鈴「分かりました、ではどうぞ」

 

2人の返答を聞いた美鈴は門を開けて4人を中にいれる

 

4人は中に入り、エントランスを普通に通り、大図書館にある地下の入り口を通りフランの部屋に来た

 

真也「フランー遊びに来たよー」

 

こいし「いるー?」

 

ぬえ「なんで地下に?」

 

天子「暗いね」

 

フランの部屋の前でドアを叩き、フランが開けるのを待っていると

 

フラン「おー、真也とこいし……に見たことのない人もいるね。とりあえず入って」

 

ドアを開けて思いのほか人がいたことに驚いたフランだが、中に招き入れる

 

真也とこいしは普通に、ぬえはなんでこんなところにいるんだろうと疑問を持ちつつ、天子は暗いなぁと思いつつ、中に入る

 

全員が入ったところでフランが真也とこいしを見ながら

 

フラン「遊びに来たのは分かったけど、そこの2人は誰?」

 

名前の知らないぬえと天子をちらりと見て聞くと

 

ぬえ「あー、私は封獣ぬえ、ぬえでいいよ」

 

天子「私は比那名居天子、天子って呼んでね」

 

フラン「ぬえに天子ね、私はフランドール・スカーレット。長いからフランで良いよ、よろしくね!」

 

2人から自己紹介をし、フランもそれを聞いて自己紹介をした

 

フランの疑問が無くなったところでぬえが

 

ぬえ「ところでさ、なんでフランはここにいるの?他の人みたいに向こうに住まないの?」

 

来た当初から思っていた疑問を聞くと、真也とこいしも今気付いたようで

 

真也「そういえばー普通に住めるようになったはずだよねー?もしかして…また?」

 

こいし「落ち着いて真也。なにかあったの?」

 

明らかに黒い笑みで言う真也をなだめつつフランを見ながらそう言うと、あははと苦笑しつつ

 

フラン「えっとね……実は、長くここにいたからかここの方が安心出来ちゃってね、てへ」

 

こいし「なんだぁ、そういうことね」

 

こいしはフランの返答に安心したが、ぬえはまだなにか疑問があるようで 

 

ぬえ「長くって、どういうこと?」

 

そう聞くと、先程まで苦笑していたフランの顔が一気に悲しそうになった。ぬえは聞いてはいけないことを聞いてしまったと気付き、やっぱり言わなくて良いと言おうとすると

 

フラン「いいよ、教えてあげる。私が長くここにいた理由」

 

フランが先にそう言って話し始めた

 

ぬえはやってしまったと思いつつ、聞いてしまったからには最後までちゃんと聞こうと思い、耳を傾けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランの話が終わり、重い雰囲気に包まれるが

 

フラン「私のは確かに重いけど、2人に比べたらまだましなのかもって思うんだ」

 

真也とこいしを見てフランがそう言うのをぬえは胸が締め付けられる思いで見ていた。フランでさえこんなに重いのに、それ以上なんて、普通は耐えられない。なんで2人はこんなに平然としてられるのか、そんな疑問が浮かんでくる

 

真也とこいしはしばらく黙っていた、すると天子が今度は話し始める

 

天子「私も、2人ほどじゃないけど、あるんだ、嫌な記憶」

 

そう言うと天子は話し始める。ぬえはまた聞くことに集中した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぬえ「2人は辛い過去を通ってきたんだね……」

 

2人の過去を聞いて、ぬえはそう言った。2人は真也とこいしを見て同じように2人に比べたら全然と言わんばかりに首を振っている

 

ぬえはちらりと真也とこいしを見るが、聞いてはいけないと思い、何も言わずにその場の空気に耐える

 

こいし「私も話すよ、嫌な記憶、過去を」

 

話し始めるこいしを見てぬえは

 

ぬえ「(あぁ、なんでこんなにも悲しい過去を背負ってるのに、明るく振る舞えるの?私には無理だよ)」 

そう思いつつ、また耳を傾けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぬえ「……」

 

こいし「これくらいかな。私は。真也は……言わなくても良いよ。真也が一番辛いはずだから」

 

話し終えたこいしは真也の手を握り、心配そうに言う

 

真也は俯いていて表情が分からない。ぬえは大丈夫なのかと思っていると

 

真也「いいよ、僕も話すよ。じゃなきゃ対等じゃないから。皆話してるのに、僕だけ話さないのはおかしいから」

 

そう言うと真也は話し始める。3人の中でもっとも重く、悲しい話を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぬえ「そんな……真也、あんたは……」

 

話を聞き終えたぬえはあまりの凄絶さになにも言えなかった。一度聞いている天子でさえ、口を真一文字に結びスカートをぎゅっと握り何かこらえている

 

こいしは真也の手を握り、心配そうにみている。真也はなにも思っていないのか無表情でどこかを見ている

 

真也「……僕はあまりこの話をしたくはないけど、ここにいる皆は、僕のことを受け入れてくれたから、だから話した。知ってる人もいるけど、あまり他の人に言わないでよ?」

 

そう言った真也はどこか朧げな笑みを浮かべて笑った

 

そんな真也にぬえと天子は心がズキズキと痛むのを感じた

 

そろそろ話を変えようと思ったこいしは

 

こいし「はい!湿っぽい話は終わりだよ!ここに来たのは遊びに来たんだから!私は弾幕ごっこがやりたいの!皆でやろうよ!」

 

そう言うと周りをみる。天子と真也はもう切り替えたようで、やるかーとか言いながら準備を始める

 

ぬえは少し悲しそうな表情だったが、少し頭を振り

 

ぬえ「よーし、大妖怪ぬえの力を見せてあげる!」

 

明るい声でそう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆の過去の話をしているうちに時間が経って、今は8時を過ぎたくらいだ

 

外も暗くなりフランが外で弾幕ごっこをするのも問題なくなった

 

こいし「今回は真也は私との合体スペルのときだけだよ?」

 

真也「うぅ、こいしの被弾を止めれないのが辛いよー」

 

天子「熱いなぁ」

 

ぬえ「そうねぇ」

 

フラン「いつものことだよ」

 

5人は空を飛んで準備をする

 

真也は二枚のスペルを持つとその場から離れた

 

4人の準備が整ったところでこいしが

 

こいし「今回のルールは、スペカは無制限、被弾は3回まで、範囲は紅魔館の上のここらへん一体だよ。皆良い?」

 

天子「いいよ!」

 

ぬえ「おっけーよ」

 

フラン「楽しくやろっ!」

 

こいし「じゃあ、私の放つ弾幕が爆発したらスタートね!いくよ!」

 

ルールを説明し、皆の了解を得たところで、空に向けて弾幕を放つ

 

4人が息をのんで弾幕が爆発するのを待つ

 

こいしの放った弾幕は、空を上っていき、数秒経過して、爆発した

 

フラン「早速行くよ!《禁弾「スターボウブレイク」》!」

 

爆発した瞬間にフランがスペルを宣誓する

 

宣誓と共に、フランを中心に虹色の弾幕が全方向に放たれる

 

こいし「いきなり凄いの放つねっ!おっと!」

 

天子「これくらいなら当たっても痛くないけど、ルールだからしょうがないよね」

 

ぬえ「結構激しいなぁ」

 

放たれる虹色の弾幕を3人は避けているとフランから放たれる弾幕の量が増える

 

こいしは最初はそれも避けようとしていたが、余りの多さに無理だと判断したのか

 

こいし「うーん、厳しいなぁ私も使う!いくよ!《無意識「だからしょーがないっ!」》」

 

スペカを取り出し宣誓する

 

それと同時にこいしの姿が消える

 

フラン「あれ?こいしはどこに行ったの?」

 

天子「私は、知らない、よ!」

 

ぬえ「私、も、よ!」

 

3人がこいしの姿を探していると、どこからともなく青い薔薇弾幕が飛んでくる

 

この中で薔薇弾幕を放つのはこいししかいないのでどこからか放ってきたのだが、飛んできた方を向いてもこいしはいない

 

フラン「あれ?いなかった?どこだろ……あ、スペル終わっちゃった」

 

フランが確認している間にスペルが終わる

 

ぬえと天子は息を整えると、突然飛んできた赤い薔薇弾幕を避ける

 

ぬえ「今度はなに!」

 

天子「どこから?」

 

2人は飛んできた方を見るが誰もいない

 

さっぱりわからず、飛んでくる間隔の早くなった薔薇弾幕を避け続けていると

 

フラン「むーどこから……わぁ!」

 

こいしがフランの目の前に唐突現れて弾幕を放つ

 

いきなり現れたため対処ができず思いっきり被弾するフラン

 

ぬえ「なによ今の、避けれる?」

 

天子「無理だね」

 

こいし「無意識だからしょーがないっ!」

 

フラン「いや無意識にもほどがあるよね!?」

 

ぬえと天子が弾幕を避けつつ会話しているところに乱入して弾幕を放って満面の笑みでそれだけ言って消えるこいし

 

フランはなんだこれはと思いつつもまた避け始める

 

10秒ほどしてこいしのスペルが終わる

 

こいし「よし、フランに当てれた!」

 

フラン「いや目の前にいきなり来たらそりゃ当たるよ」

 

ぬえ「これはひどい」

 

天子「無意識だからしょうがないよ」

 

こいしが喜んでいるのをフランが冷静に突っ込み、ぬえが頭を抱えているところ天子は諦めていた

 

このとき真也は「あー、名前の通りだなー」そんなことを言いながら観戦していた

 

ぬえ「よく分かんないけど私もいくわよ!《正体不明「恐怖の虹色UFO襲来」》!」

 

宣誓と共にどこからともなく現れた虹色のUFOが上から降ってくる

 

それは波打つように弾幕を配置しつつ落ちていく

 

こいし「なにこれ、落としちゃえ」

 

天子「変なのが飛んできた」

 

フラン「壊した方が早いよね?」

 

ぬえ「みんな酷くない?」

 

落ちてくるUFOをどんどん破壊していく3人

 

ぬえは頭を抱えつつも何とか当たるようにと思っていると

 

止まっているだけだと思っていた天子が近くにあった弾幕がいきなり動いたことに反応できず被弾した

 

天子「うわっ!」

 

フラン「いきなり動くのね!」

 

こいし「うーん、ちょっとめんどくさいなー」

 

ぬえは当たったことによろこんでいたが、相変わらず壊されてあまり弾幕が増えないままスペルが終わってしまった

 

ぬえ「もう少し壊すの待ってくれても良くない?」

 

ぬえが少し涙目で言うが3人は知らん顔して弾幕を展開する

 

諦めつつぬえも展開し始めると

 

天子「よし、私もいくよ!《地震「避難険路」》!」

 

宣誓と共に上から要石が振ってくる

 

3人はそれを避けて天子に攻撃を仕掛けるが、どんどん上から落ちてくる要石に防がれたりして中々攻撃が当たらない

 

そして

 

こいし「あいたっ!」

 

したから上がってくる弾幕に気付かなかったこいしに弾幕が当たった

 

それで下からも弾幕が来ているとこに気付いたフランとぬえは下の警戒も入り、回避が難しくなる

 

うっとおしく思ったフランがスペカを取り出し宣誓する

 

フラン「あーもうじれったい!いくよ!《禁忌「レーヴァテイン」》!」

 

フランの手に黒い棒が現れそれを振り下ろす

 

するとその後に赤い小さな弾幕が配置され外側に飛んでいく

 

その弾幕で飛んでくる弾幕を持った棒で要石を壊していくフラン

 

こいしとぬえは相変わらず避けたままでフランのやり方を見て

 

こいし「脳筋?」

 

ぬえ「ごり押しだなぁ」

 

そんなことを言っていた

 

それが少し続いて天子、フラン共にスペルが終わる

 

するとこいしが

 

こいし「真也ー!やるよー!」

 

真也を呼ぶ

 

呼ばれた真也はこいしの近くに飛んでいき

 

こいし「いくよ?」

 

真也「うんー」

 

カードを持つと宣誓する

 

真也こいし「《無符「青い(黒い)薔薇のペンダントの誓い」》」

 

2人がそう言うと2人を中心に青と黒の薔薇弾幕が青一列、黒一列で展開される

 

それは2人の周りを青い薔薇弾幕は右回り、黒い薔薇弾幕は左回りに回りつつ少しずつ外に向かっていく

 

外に向かっている間もどんどん弾幕は放たれる

 

フラン「うわぁ、綺麗だけど量が多いなぁ」

 

ぬえ「熱いし多いしさんざんね」

 

天子「どうやって避けよう」

 

見た目だけならこいしの《「サブタレイニアンローズ」》と余り変わらないが、弾幕の量、色、密度が違った

 

3人はこれを前にして避け方が思いつかなかったので

 

フラン「スペルで対抗だ!《虹符「7色の翼」》!」

 

ぬえ「私もね。《未確認「襲来する未確認飛行物体」》」

 

天子「だよねぇ。《「全人類の緋想天」》!」

 

3人は各々スペルを宣誓し対抗する

 

フランはいろんな所を飛び回りながら、虹色の弾幕をばらまく。しかも翼のあたりからは無差別にレーザーも放たれる

 

ぬえはどこからともなく赤、青、緑、虹色のUFOを出現させ、赤は1人を狙った赤い小さな弾幕を大量にばらまき、青は青いレーザーを進行方向に放ち、緑は上から太めの緑色のレーザーと小さな弾幕を放ちつ。虹色は赤青緑レーザー、小さな弾幕を乱射しつつ飛び回る

 

天子はいつの間にか集めていた気質というものを極太レーザーにして放った。それは弾幕に当たるとどんどん小さな弾幕に変わり、ほかの弾幕と相殺し合う

 

この場が眩しい位の光で覆いつくされる

 

しかし

 

天子「くぅ……さすがに厳しいかな……あっ!」

 

レーザーを放っていて無防備な後ろからフランの弾幕が飛んできて天子に当たる

 

フラン「背中ががら空きだよ!ってあっ!」

 

当たったことに喜んでいたフランだが、目の前にあった緑色のUFOに気付かずそのまま体当たりをかます

 

フラン「いったーい!」

 

ぬえ「フランも周りを見ようね!」

 

ぬえは誇らしげに言っているが、後ろに薔薇弾幕が迫ってきていることに気付いておらず

 

ぬえ「あっ、いてっ!」

 

そのまま被弾

 

現時点で被弾数はこいし、ぬえが1、フラン、天子が2でこいしとぬえが有利である

 

こいしと真也の合体スペルも終わり、他の3人のスペルも終わり全員少し息を整える

 

整ったフランがスペカを取り出し宣誓する

 

フラン「そろそろ危ないし終わらせにいくよ!《禁忌「フォーオブアカインド」》!」

 

するとフランが4人に増える

 

フラン1「さあ」

 

フラン2「私達の」

 

フラン3「攻撃から」

 

フラン4「耐えられる?」

 

増えたフラン達がそう言うと共に弾幕を大量に放ち始める

 

こいし「うわ!人数が多いから避けづらい!」

 

ぬえ「なによこれ、大変すぎない!?」

 

天子「え、ちょ、私狙われてる!?」

 

こいしとぬえは何とか避けているが、狙われている天子はあまりの弾幕の多さに

 

天子「あっ!……3回被弾しちゃった……」

 

被弾してしまい、3回被弾したので下に降りていった

 

フラン達「「「「これで残り2人だよ!」」」」

 

こいし「むー!こんなのスペルで吹き飛ばしてやるんだから!《愛符「溢れる想い」》!」

 

1人減って1人当たりの弾幕の量が増えたので、避けづらくなると感じたこいしはスペルを発動する

 

こいしを中心にハート型弾幕が周りを回り、どんどん増えていく。増えた弾幕は少しずつ周りに飛んでいく

 

フラン達はこれを相殺しようとするが、威力が高いのか打ち消されて相殺するのに時間がかかる

 

そうしている間に増えたフランのうち1と4が消えた。分身だったようだ

 

フラン2「あらら、もうやられちゃったか」

 

フラン3「まだ2人いるから大丈夫!」

 

ぬえ「そうかしら?《正体不明「忿怒のレッドUFO襲来」》!」

 

フラン達が余裕そうにしているのをぬえが打ち壊す

 

ぬえの宣誓と共にまたもどこからともなく赤いUFOが現れる

 

それはフラン達を狙ってレーザーを放っていく

 

フラン2「うわわ!」

 

フラン3「ちょ、2人同時に狙うのはずるいよ!」

 

ぬえこいし「「フランが言えることじゃないよ」」

 

フラン達は避けながらそう言うが見事にハモる2人の声でガーンと言う音の聞こえそうな雰囲気を出す

 

そしてさすがに2人からの集中砲火に耐えられなくなったのか

 

フラン2「あぅ!」

 

フラン3「あたっ!」

 

2人のフランに当たりスペルが終了する

 

フラン「あー、3回当たっちゃったー。下で待ってるよー」

 

満足げな表情でフランはそう言うと下に降りていった

 

この時点で1対1の勝負で被弾数も同じという状態のこいしとぬえ

 

しかし両方ともまだスペルは継続しており

 

こいし「当たってよー」

 

ぬえ「嫌だよ!」

 

ぬえのスペルのUFOが放つレーザーはこいしの放つ弾幕にかき消されているのでまったく当たらない

 

そしてぬえのスペルが終わりこいしの周りにあった弾幕すべてが放たれる

 

ぬえ「え、ちょ多い!うぎゃっ!」

 

放たれた弾幕は確実にぬえの逃げ場を潰していきそのまま命中した

 

こいし「よし、これで後一回♪」

 

ぬえ「う、うぅ、やってくれるね」

 

上機嫌のこいしにぬえは少しむくれるが両者ともにスペルを出した所で空気が張り詰める

 

こいし「これで終わらせるよ?」

 

ぬえ「そんなわけないじゃないこいしを後2回被弾させて私が勝つよ」

 

お互いに視線をぶつけながらそう言うとこいしは真也を呼んだ

 

そして2人が揃ったところでどちらもスペルを宣誓する

 

こいし真也「「《心繋「2人を繋ぐペンダント」》」」

 

ぬえ「《正体不明「哀愁のブルーUFO襲来」》!」

 

真也とこいしの宣誓と共に、2人は距離を取る。すると2人の間に線のようなものが繋がる。それは弾幕のようでどちらかが動くとそれも動く。そして真也からは黒、こいしからは青の弾幕が展開される

 

ぬえは宣誓と共にどこからともなく現れた青いUFOを操りレーザーを乱射する

 

それらはどちらもランダムに放たれるので1つも狙ったものはないが数が多く相殺し合う。しかしこいしと真也が動くと2人を繋いでる弾幕の線も動くので移動範囲が制限されるぬえは回避がし辛い

 

そのまましばらく続き真也とこいしが近付いた

 

ぬえは疑問に思いつつ飛んでくる弾幕避けていると

 

ぬえ「……っ!」

 

急に飛んできたこちらを狙ったレーザーを何とか避ける

 

飛んできた方を見ると2人の間に合った線が重なりレーザーとなって飛んできている

 

ぬえ「あぁもう、ほんとに熱いし嫌になっちゃう」

 

愚痴りつつもぬえは避けるが、逃げた先が弾幕が大量にあるところだった

 

ぬえ「あーぁ、負けちゃったか。まあ、大妖怪ってこと証明できただろうしいっか」

 

そう言うと少し笑顔を浮かべつつ被弾した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「お疲れー」

 

こいし「久しぶりにやって楽しかった!」

 

フラン「真也とこいし強過ぎだよ、あはは」

 

ぬえ「私が大妖怪ってことわかったかしら?」

 

天子「あー、もう少し残りたかったなー」

 

5人は終わった後、もう一度空に集まり話していた

 

真也「ぬえが大妖怪なのはーなんとなーくならわかったー」

 

こいし「うーんなんとなくだけどね」

 

フラン「真也の方が強いんじゃない?」

 

天子「私もそう思う」

 

ぬえ「なにこの扱い泣いて良い?」

 

4人からの言葉に少し涙目なぬえだが楽しそうなのは見て分かるので誰も慰めない

 

真也「さてー時間もあれだし解散しよっかー」

 

こいし「そうだねー」

 

フラン「また遊びに来てね!」

 

ぬえ「今度は分かってもらいたいなぁ」

 

天子「今度はもっと強くなってやりたいな!」

 

真也がそう言ったのを皮きりに3人は各々の家に帰っていく

 

真也「僕らも帰ろっかー」

 

こいし「うんっ!」

 

2人もそれを見送ると地霊殿に帰って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、4人の弾幕ごっこでした

真也「頑張ったねー」

こいし「こんなに長いの珍しいね」

すでに力尽きそうです

真也「お疲れー」

こいし「お疲れさまっ!」

はいありがと。では次回あたりから新章かな、短めだけどたぶん

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4章紛失騒動?~あれ?ものが無い~
珍騒動の始まり


はい久しぶり?なのかな、生きる死神です

真也「今回から新しい章だよねー」

こいし「今回は何をするのかな」

あ、今回の章の時間なんですが、諸事情により神霊廟と被ってます。というか被せました

真也「なんでー?」

こいし「やらないの?」

うん、神霊廟だけは内容がよく分からないから。期待してた方(いない気がする)はごめんなさい

では、

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

真也「今日はどこに行くー?」

 

こいし「あー、ちょっと待ってー。髪結ぶからー」

 

真也がこいしに髪飾りをプレゼントした日から、数日後の昼

 

真也はこいしの部屋でこいしの支度を待っていた

 

こいしはもらった髪飾りをつけている

 

いつもの帽子が見当たらないかららしいが、本人は特にどこかにやった覚えはないらしい

 

真也「(まー、こいしのことだからどっかに置いてあるんだろなー)」

 

自分があげた髪飾りをつけてくれているこいしの姿を嬉しそうに見ながらそんなことを考えている真也

 

こいしの準備も終わり、どこに行こうか話し合おうとすると

 

 

 

 

さとり「こいし、いる?」

 

ドアをノックする音と共にさとりの声が聞こえた

 

こいし「はーい!いるよー!」

 

こいしが返事をするとさとりは入ってくる

 

その顔は心なしか悩んでいるように見える

 

真也もこいしもそれに気づき、2人は顔を合わせるとこいしが

 

こいし「どうしたの?なにか悩んでるように見えるよ?」

 

さとり「えっと、あのね?私の部屋にあった本が数冊無くなってるんだけど、何か知らない?」

 

部屋の方がいくつか無くなった、それがさとりの悩みだった

 

しかし2人には何の覚えもないので2人そろって首を横に振る

 

さとりはその様子を見ると小さく肩を落とし、ごめんなさいね、それだけ言って部屋を出ていった

 

真也「うーん、何の本が無くなったのかなー?」

 

こいし「お姉ちゃんがあそこまで気を落とすくらい大切にしてた本ってなにかあったかなー?」

 

さとりが出て行った後をしばらく見ながら2人は何か思い当たるものがないかと考えたが、何も思いつかなかったので諦めて本題のどこに行くかを話し始めた

 

 

 

 

 

 

真也「んー、とりあえず地上に行ってー誰か知り合いにあったらその人と過ごすでいっかー」

 

こいし「うんっ!そうしよう!」

 

ようやく話がまとまり2人がロビーに行くと

 

 

 

 

 

お燐「あ、こいし様、真也、ちょっといいですか?」

 

後ろからお燐に声をかけられた

 

2人が振り向き軽くうなずいてお燐が話すのを待っていると

 

お燐「あの……私の火車しりません?朝から見つからないんですが」

 

真也「んー?お燐の火車ー?」

 

こいし「私たちは見てないけど……」

 

火車が無いとお燐は悲しそうに言った。お燐の仕事道具でもあり長年使ってきたのもあるからか、どこかどんよりとした雰囲気を出している

 

お燐は2人が知らないことを聞くと、ありがとうございます、とだけ言ってまたどこかへ行ってしまった

 

真也「うーん、今日はよくものが無くなる日だねー」

 

こいし「それにしてはここだけで2人とか多くない?もしかしたら私の帽子もそうかもしれないし」

 

2人はものが無くなっていることを聞きに来るのを二回も見ているからか、なにか怪しいと感じたが無くなってるだけなら大丈夫なはず、そう考えて外に出て行った

 

 

 

 

 

真也「あれー?あそこにいるのお空じゃないー?」

 

こいし「あ、ほんとだ。なんでこんなところにいるんだろ」

 

2人が外にでて地上に出るための穴に向かっていると、なぜかお空が何かを探して飛んでいるのを発見した

 

なんとなく既視感を覚える2人だがお空に近づき声をかける

 

真也「お空ーなにしてるのー?」

 

こいし「何か探してるの?」

 

2人に声をかけられたお空は気付いていなかったのか、体をビクリと震わせ2人の方を向いた

 

お空「うにゅ、えーと、実はいつもつけてるマントが無くなっちゃって……さとり様とお燐に迷惑かけるのは嫌だから探してるんですよ」

 

2人はお空も何かーーお空の場合はマントーーを無くしていることに違和感を覚える

 

真也「んー、さすがに多くないー?」

 

こいし「ね、いくらなんでも多すぎるね」

 

お空「うにゅ?なにが多いんですか?」

 

2人が頷き合っているのをなんのことだか分からないお空は首を傾げている

 

真也「とりあえずー僕達も帰ってきたら探してみるから頑張ってー」

 

こいし「忘れちゃだめだよー」

 

お空「うにゅ!さすがにいつも身につけてるものは忘れませんよ!」

 

2人はあとで大騒ぎしながら探すことになるだろうな、そう思いつつその場を離れた

 

 

 

 

そして、地上に続く大きな縦の穴につく

 

真也「それにしてもなんか変だよねー」

 

こいし「ね。なんで今日いきなりものが無くなるんだろうね」

 

2人は地上に行く前にものが無くなっていることについて話し合っていた

 

真也「こいしの帽子は昨日はあったしー」

 

こいし「お燐の火車も、昨日チラッと見えたときは持ってたし」

 

真也「お空のマントもちゃんとつけてたー」

 

こいし「唯一お姉ちゃんのは分かんない。さすがにお姉ちゃんの部屋の本は多すぎてよく分かんない!」

 

昨日のことを確認していくと、やはり今日突然ものが無くなっているように感じる

 

そんな1日でものが無くなるのか?

 

2人はその結論にたどり着くが

 

ヤマメ「真也ーこいしー」

 

キスメ「……ちょっといい?」

 

突然2人を呼ぶ声に一旦思考を止める

 

真也「あーヤマメだー」

 

こいし「それにキスメもだね、どうしたの?」

 

2人がヤマメとキスメが上から降りてきてだいたい目線が同じになったあたりで

 

ヤマメ「ちょっと聞きたいことがあるんだ」

 

キスメ「……特に真也」

 

そう言われる

 

キスメの一言に真也はへ?という顔になるがそれを無視したこいしが2人に聞くと

 

ヤマメ「実はね、私の家にあった秘蔵の壷が無くなってるんだけど。真也、何か知らないかな?」

 

真也「えー?僕ヤマメの家自体知らないよー?だからそんなこと言われてもー」

 

なぜかまたものが無くなった、しかも真也にそれを聞いたヤマメのことを少し疑問そうに見つめるこいし

 

ヤマメが聞きたいことがなくなり、キスメの方を向いて軽く桶をつつくと

 

キスメ「……私も、予備の桶が無いの。何か知らない?」

 

真也「いやーヤマメと一緒だけとキスメの家知らないしー僕が桶を何に使うのさー」

 

真也を見ながらそう言うキスメに不思議そうな顔で答える真也。こいしはなんで真也なのだろうと思い、2人に聞こうとした

 

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

誰かの声「いたぞー!あそこだー!」

 

4人「え?」

 

後ろからこちらの方に向かって声が聞こえたのと同時に大量の足音が聞こえてくる

 

そして

 

その足音が4人からちょっと離れたところで止まり

 

先頭の鬼「おいそこの人間!お前がやったんだな?」

 

先頭にいた鬼が手に持った金棒を肩に乗せて、真也を睨みながら言うと

 

隣にいた鬼「お前しか出来ないって分かってるんだからな!」

 

隣の鬼も真也を睨みながら怒鳴る。そしてそれに呼応するかのごとく周りにいた鬼や妖怪達も同じように、真也に向けて怒声をあげ始める

 

真也はなんのことだか分からず、状況を掴めないでいると後ろの2人が

 

ヤマメ「あー、やっぱり真也がやったことになってるね」

 

キスメ「……しょうがない」

 

こいし「真也がやったって、どういうこと?」

 

こいしは2人の発言に疑問を抱き細かく聞こうとしたが

 

先頭の鬼「なんとか言えや!」

 

先頭にいた鬼が近くにあった手頃な大きさの石を真也に投げる

 

真也は唖然としていたが石が飛んでくるのには気付いたので、避けることは出来た

 

真也「いや、ちょ、僕が何をしたのさ!」

 

何も分からないまま石を投げられた真也は正面の集団に言うと

 

先頭の鬼「お前がうちの食べ物やら酒などを無くしたんだろうがっ!しらばっくれてんじゃねぇ!」

 

隣の鬼「そうだ!お前しか出来るような奴がいないんだからお前だろやったの!」

 

2人の鬼が真也に怒鳴り声をあげ、周りの妖怪達も同じように真也に怒鳴り声を飛ばす

 

真也は全く見に覚えのない疑惑にどこか悲しみを覚えたが、こいしの一言でそれも奥底に沈む

 

こいし「真也は昨日から私といたんだから出来るわけ無いでしょっ!」

 

その声に静かになる鬼達だが

 

隣の鬼「別にお前が気付いてないだけかもしれないだろ!」

 

鬼がそう言ったことによりまた怒鳴り声が響き始める

 

こいしは一方的に真也を犯人だと決めつける鬼達に、もう一度声を上げようと口を開いたが

 

真也「僕がやったという証拠は?もちろんあるんでしょ?そんだけ言うなら」

 

真也が能力を使い音を無くしてから、そう言ったのを聞いて口を閉じた

 

真也のもっともな意見を聞いた先頭にいた鬼は、真也を気味が悪いものを見るような、最初の頃の真也の能力を聞いた者が向ける視線で真也を見て

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先頭の鬼「お前のその気味の悪い能力に決まってるだろ!」

 

そう、言い放った

 

 

 

 

 

 

 




はい、新たな章は真也が犯人?そんな感じです

真也「僕何もしてないのにー……」

こいし「何もやってないって言ってるのに!」

まあまあ、落ち着いて

あ、地上ではもう異変は始まっています

真也「次回が憂鬱だなー」

こいし「私がいるから!」

ふふふ、頑張ってね

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

凍る空気

どーも生きる死神です

真也「また空いたねー」

こいし「もう慣れたよ」

すいません、久しぶりにやったゲームが楽しくてつい…

真也「終わらないよー?」

こいし「終わるのいつになるんだろうね」

はい頑張ります

では

「「「スタート」」」

(今回から前回話に出た「先頭の鬼」を「先鬼」、「隣にいる鬼」を「子鬼」と表記します。一々先頭だとか隣だとか会話文の前につけるとそれだけで長くなってしまうからです。名前の理由は特にないので気にしないでください)


 

 

 

 

 

先鬼が言い放った一言で隣の子鬼や周りにいる妖怪も同じように真也に罵詈雑言の嵐を浴びせ始めた

 

 

 

 

 

 

ヤマメとキスメはさすがに言い過ぎだと感じ止めようと声を出したが、いくら2人で声を出しても多勢に無勢には勝てずかき消されてしまう

 

 

 

 

 

 

その最中にいる真也は、いや真也とこいしは

 

真也「……………………」

 

こいし「……なんでよ、能力1つで決めつけるなんてないよ……そんなの……あんまりだよ……」

 

周りが熱を帯びていく中、反比例するかのように凍りついていた

 

 

 

 

 

 

どんどん熱くなる周りの空気に対して、どんどん凍りつく2人の空気

 

 

 

 

 

 

こいしは真也にかけられる罵詈雑言の嵐にひどく心を痛めていた

 

 

 

 

 

 

こいし「(まだ完全に決まった訳じゃないのに、決めつけて、そうやって真也を1人にする。何も分かってないよ。真也がそんなことをするはず無いって私が一番知ってる。絶対に違うのに!なんで皆真也を責めるの……)」

 

 

 

 

 

 

少し開いていたはずの心の瞳は大好きな者が周りから責められることに耐えられず、また少しと閉じていく

 

 

 

 

 

 

それに気付いている真也は

 

真也「(結局、こうなるんだ。能力1つで悪人に仕立てて、そうやってまた1人にするんだ。勝手に決めつけちゃってさ。別に僕はもう慣れてるから、どうってことはないよ。でもね、僕が責められてることで悲しむ人がいるんだから。こいしだけ……いや、もしかしたらフランや天子、ぬえとかも悲しんでくれるかもしれない。それでも一番悲しんでくれるのは隣にいるこいしだから。それに、閉じていた心の目がやっと少し開いたのに、また、僕のせいで、君たちのせいで、閉じている。このことだけでも、僕は君たちに対して容赦なく反撃することも出来るよ。でもそれは、こいしが望むことじゃないから。たとえ、どんなに嫌われていても、こいしに嫌われたくないから、こいしは地底の皆が大好きだから。だから僕は何もしない。でも……それでも、こいしを悲しませた罰……受けてもらうよ……!)」

 

そんなことを考えながら気づかぬうちに自身の持つ黒いペンダントを握り締めていた

 

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

真也「いーよもー、どーせ僕が違うって言ったってさー聞く耳持たないんでしょー?じゃあもういいからー」

 

いきなり声を出した真也に熱くなっていた周りの空気も急速に冷たくなる

 

そして、暴言を吐き続けていた妖怪達の代表と言わんばかりに先鬼が

 

先鬼「じゃあ、やったことを認めるんだな?」

 

そう言うと、ペンダントを握り締めていた手を離した真也はこいしの手を取り少し浮かび

 

こいし「え?」

 

真也「やってないことを認めるだなんてー、そんなことするわけ無いじゃーん。そんなに僕のことを犯人にしたいならー捕まえてみなよー……捕まえられるもんならねー」

 

それだけ言うとそのまま空を飛んで2人は何処かへと逃げ出した

 

地上にいる先鬼などの集団は、取り逃がしたことを憤慨しつつ

 

先鬼「早く追えっ!逃がすんじゃねえぞ!」

 

子鬼「さっさと捕まえてやったことを吐かせろ!」

 

周りにいる妖怪と鬼達に指示を出していた

 

 

 

いきなりのことで唖然としていたヤマメとキスメ

 

ヤマメ「……どうしようか。このままここにいても意味はないね」

 

キスメ「……とりあえず、地霊殿に向かう?」

 

どうするか悩むヤマメにキスメは地霊殿に行くことを提案する。ヤマメが首を縦に振ったのを見て、2人は地霊殿を目指して飛んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を眺めていたものか1人

 

?「あら?地底で何か起きたのかしら?」

 

その者が見ていたことに誰も気付かなかった

 

いや、唯一真也は気付いていたが、気にもしなかった

 

そして、次の時には、もういなくなっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唐突に手を取られ、空へと連れ出されたこいしはしばらく飛んでから、真也の横に並び心配そうな目で見つめる

 

その視線に気付かないわけがない真也は

 

真也「大丈夫だよー僕は何ともないからー」

 

そう言って隣に並ぶこいしにいつもの笑みを見せた

 

どこか納得いかない表情のこいしだが、これ以上は真也に気を使わせると思い、話題を変える

 

こいし「……わかった。これからどうするの?何か宛あるの?」

 

そう聞かれた真也は特に考えた様子もなくすぐに

 

真也「いやー?あの人達なんでか知らないけど地上探してるからーしばらく空をさまよう感じかなー?」

 

こいし「いや、それじゃ普通に地上から見えるでしょ。どこかに隠れよ?」

 

そう言ったが、こいしの鋭い切り返しで少し考える真也

 

同じように考えるこいし

 

2人はしばらく考えていたが、何も思いつかなかったようで

 

真也「とりあえずー無意識に逃げた方が良いかなー?」

 

こいし「私もそれで良いと思う。たぶんあの人達じゃ見つけられないだろうからね」

 

いつもの策を真也が出し、こいしが了承する形で2人は能力を使い地上を逃げ始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地上を逃げる2人が無意識に立ち寄った橋

 

そこにパルスィがいた

 

パルスィ「私の家の食料とマフラーが無くなるなんて……やったやつが妬ましいわパルパル」

 

なにやらパルパルしている様子に真也とこいしは能力を止め、近づいて話を聞こうとする

 

真也「あーパルパルだー。なにパルパルしてるのー?」

 

こいし「まーたパルパルしてるのね」

 

2人がいつの間にか近くにいたことにもパルパルしているパルスィだが、俯き少し考えると真也を妬ましい目で睨み

 

パルスィ「あなたね、ものが無くなる騒動の犯人は。あんまり決めつけたくはないけど、あなたの能力なら出来るでしょうし」

 

そう言った

 

こいしはまたこの話かと、また真也が疑われるのかと、うんざりしつつパルスィに話しかけようとしたが、真也が先に声をかけたことでこいしは止まる

 

真也「あー、皆そう言うけどー僕は何もしてないよー?昨日はこいしと雛と遊んでたしー」

 

昨日していたことを軽く話す真也にパルスィはまた少し考えて

 

パルスィ「地上の奴がどうかなんて知らないけど、たぶんそんなこと言ってもあいつらは信じてくれないわよ?そんなことを普通に言うあなたが妬ましいわパルパル」

 

真也「だよねー。パルスィはどうなのー?」

 

そう言われたパルスィは隣にいるこいしをちらりと見てから

 

パルスィ「……私は今はもうあなたがやったとは思ってないわよ。あなたが普通に嘘をつくようには見えないし、隣のこいしもなんの反応もしてないからほんとのことだろうし。私は信じてあげるけど、他の人はどうするのよ。あー嘘をつかないなんて妬ましいわパルパル」

 

なんとかパルスィは真也がやってないことを信じてくれたが、他の人のことを考えてなかった真也はあははと苦笑いで誤魔化す

 

その様子に呆れてため息をついたパルスィは、真也に1つアドバイスをする

 

パルスィ「予想だけど、この地底の皆のなにかものが無くなってると思うわ。地霊殿の奴がどうかは知らないけど、たぶん間違ってないでしょう?」

 

真也「うんー、そうだねーさとりもお空もお燐も探し物してたよー」

 

自身の予測が間違ってなかったことを確かめたパルスィは、真也をじっと見て

 

パルスィ「たぶん、無くしたものはだいたい食料がこちらは多いわ。地霊殿では分からないけど、覚り妖怪や八咫烏、死体好きの火車が無くしたものは分からないけど、なにかしら大切なものなんじゃないかしら?」

 

真也「すごいねーその通りだよー」

 

次々と予想を確信に変えていく

 

真也は純粋にパルスィを誉める

 

パルスィ「まあ、今までのはあまり関係ないかもしれないけど、私が言いたいのはどっかの怪力バカからあるものを取ったら、たぶん、というか確実に殺しにくるわよ?あなたを」

 

真也「えー!それって勇儀のことでしょー?僕が取るなんてはずないのにー」

 

パルスィが伝えたかったことを聞いて真也は不満そうにそう言った

 

今まで会話に入らなかったこいしは2人のやりとりをぼーっとしながら聞いていたが、どこからかとてつもない殺意が放たれていることに気付いた

 

それは話していた2人も気付いたようで

 

真也「……もしかしてー」

 

パルスィ「……やっぱりね」

 

こいし「……これってかなり危ないかな」

 

とてつもない殺気を放っている者が、明らかにこちらに向かっていることにも気付いた3人

 

真也とこいしは能力をすぐに使えるようにして

 

真也「パルスィありかとね!」

 

こいし「ありがと!」

 

それだけ言うと無意識に潜りどこかに消えていった

 

パルスィはそれを少し呆然としつつ見ていたが、殺気の主がいつの間にか近くにいたことで我に返る

 

パルスィ「……はっ!私は……。あ、この感じは……」

 

首をギギギという音が聞こえるくらいゆっくりと振り向くと

 

そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇儀「……真也はどこだ……!」

 

いつもの豪快な笑みなど微塵も感じさせない、弱肉強食の頂点に立つ鬼の、その中でも四天王と呼ばれるもっとも強い者の怒り狂った表情をした勇儀が立っていた

 

 




はい、真也とこいしが逃走中です

真也「追っ手怖すぎないー?」

こいし「これ見つかったら終わりだよね?」

さぁ?どうでしょうかね。なんとか撃退すればいいんじゃないんですか?

真也「怒り狂った勇儀を撃退とか……キツいね」

こいし「さすがに厳しいでしょ」

周りを警戒する2人の後ろに……ハンター…!

真也「うわぁっ!」

こいし「きゃあっ!」

なんてね、冗談ですよ

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

怒り狂う鬼

はい、久し振りです、生きる死神です

真也「ついに放置になったのかと思ったー」

こいし「今回はどうしたの?」

今回遅れたのは、勇儀のスペルが思いつかなかったのと、リアルの方が大変でへばってました

真也「頑張れー」

こいし「頑張って!」

完結はさせる、これは絶対

では

「「「スタート」」」


 

 

真也とこいしは、ハンター(捕まったらやばい)から全力で逃げていた

 

真也「なんでだろ、能力で逃げてるはずなのに完全に位置バレてる気がするよー!」

 

こいし「わけがわからないよー!」

 

2人は能力を使って逃げているが、追いかけてくるハンターはずっと2人の後を追いかけてくる

 

そのハンター……怒り狂った勇儀……だが、ほとんど無意識に追いかけているから、2人を追いかけられるのである

 

その事に気付ける訳のない2人はそのまま逃げ続けるが、勇儀の方が早いのかだんだんと距離を詰めてくる

 

そして、しばらく逃げ続けたが

 

 

 

 

真也「やばい!捕まる……っ!」

 

こいし「真也!」

 

 

 

 

そのまま、追いつかれ捕まった真也はわしと襟首らへんを持たれて投げられる

 

こいしはその真也の後を追っていく

 

勇儀「やーっと、捕まえたぞ。真也。私から酒を奪ったこと、後悔させてやる。手加減無しでな!」

 

真也をぶん投げた勇儀は真也が聞いていようがいまいが関係無さそうにそう言うと、すぐさま大量の弾幕を放つ

 

投げられたら真也は投げられた勢いを無くして体制を戻しこいしが隣に来るのを待ってから、怒り狂った勇儀と対峙する

 

真也「うわぁー……これは絶対ごっこの威力にしてないよねー」

 

こいし「あー、さっきちょこっと聞こえたけど、手加減無しって言ってたよ。やばいよね、これ」

 

2人は飛んでくる弾幕を避けつつ、どうしようか、そう考えていると

 

 

 

 

 

こいし「……っう!」

 

真也「こいし!」

 

こいしが弾幕に被弾とまではいかないが、かすった

 

しかし、威力が通常とは段違いなため、かすっただけでも普通の弾幕ごっこの弾幕よりも数倍の威力はある

 

それだけにこいしは痛そうに顔を歪めている

 

そんな様子のこいしを見た真也は、いくら自分がやってないうえに濡れ衣で襲われて、逃げているとはいえ、無関係なこいしにも被害がいったこと、なによりこいしが傷ついたこと、それだけでもう真也は止まらなかった

 

真也「……もう、知らないよ」

 

そう呟くと、こいしの傷と服の損傷を無くしてから光のない目で勇儀を見つめる

 

こいし「真也……私はいいから……」

 

真也「こいし、ごめんね。こいしが良いって言っても、どうしても僕には抑えられないみたいだから。少し痛い目を見てもらうだけだから。大丈夫、心配しないで」

 

心配そうに見つめるこいしを出来るだけいつもの笑みを浮かべつつ、しかしその笑みは怒りに染まっていた

 

こいしは何か言いたげだったが、もうなにを言ってもダメだと思い、無理しないで、それだけ言って少し離れる

 

なにも言わなくてもこちらの意を察してくれたこいしに感謝しつつ、真也はさきほどの目で勇儀を見つめる

 

勇儀も少しだけ落ち着いたようで

 

勇儀「真也、お前がなんと言おうが私はお前がやったと思ってる。お前がやってないと言うなら、私を止めて見せろ。手加減はしないがな!」

 

そう言うと、勇儀はまた弾幕を大量に飛ばし始める

 

それに対して真也は、いつもの笑顔を無表情に変え、ため息をつく

 

真也「……どうして能力だけで決めつけるんだろ。証拠もないのに、能力が証拠だって言われても、能力使った後はだいたい地霊殿で寝てるんだからそんなわけないのに。これだから分からず屋は嫌だよ」

 

そう言うと、スペルを取り出し、宣誓する

 

真也「誤解を早く解かせてもらうね《無情「手加減の無い力」》」

 

宣誓すると周りに8つの黒い霊力玉が浮かび始める

 

そして真也の前に一際大きな弾幕が現れ

 

真也「いくよー」

 

そう言うと右手を前に出して、黒い霊力砲を放つ

 

それは勇儀と真也の間にあった勇儀の弾幕を飲み込んで勇儀に向かっていく

 

それを勇儀は何ともない顔で見ると

 

勇儀「こんなもんで私を倒せると思うなあっ!」

 

右手に力を込めてレーザーを止めるように殴りつける

 

それはよほどの物では止まらない真也の霊力砲を止めるどころか、打ち消してしまった

 

それには驚きを隠せない真也

 

真也「えっ?そんな力業で?」

 

勇儀「ふん!こんなもん、効かないよ!今度はこっちの番だよ!」

 

驚いてる真也を尻目に、勇儀はスペルを取り出す

 

勇儀「これでもくらいな!《力業「押して駄目ならさらに押せ」》!!!」

 

スペルは宣誓されると勇儀の正面に大量の弾幕が配置される

 

そして、勇儀が右手を振り抜くのにあわせて飛んでいく

 

先頭は大きな弾幕、その後ろに中くらいの弾幕が数個、そしてその後ろに小さめの弾幕がいくつものついていく

 

真也「これくらいなら避けれるよー」

 

軽々と避けた真也だが、再度勇儀の方を向いて絶句した

 

なぜなら

 

 

 

 

先程の弾幕の固まりらしき物が2つに増えていたからだ

 

またも勇儀の振り抜きにあわせて飛んでくる弾幕群

 

真也は少し焦りながらもそれを回避するが、先頭の弾幕の大きさがなかなかのものであり、2つ並んでくると間を通るのは危険だと思わせるものだった

 

そして、また飛来した弾幕群は今度は4つ

 

四角を描きながら飛んでくる弾幕群に真也は目を細めながらも大きく動いて避ける

 

そして、次の弾幕の数に愕然とした

 

飛んできた弾幕群の数は8つ

 

今度は×の字を描いて飛んできた

 

中央にいたら確実に避けれないであろうそれを真也は横に動いて避けるが、ここであることに気付いた

 

 

 

 

真也「(小さい弾幕の動きが遅いっ……!)」

 

小さめ弾幕は大きな弾幕や中くらいの弾幕に比べて、通り過ぎるのが遅いということに

 

いくら小さいとはいえ、手加減無しの勇儀の弾幕はかするだけでも致命傷になりかねない威力なので、かなりの障害になることに気付く

 

そして、正面からくる弾幕群の数とあわせて見て真也は目を見開く

 

飛来する弾幕群は16こ

 

4×4の正方形を描きながらそれは飛んでくる

 

大きく避ければいいのだが、それまでにいろんなところを避けていた真也の周りには大量の弾幕が残っている

 

真也は隙間を通って回避しようとするが

 

真也「……うっ!」

 

どうしても間に合わず、大きな弾幕に左腕がかすってしまう

 

それだけなのにとんてもない痛みが真也を襲う

 

まるで左腕をトンカチかなにかで殴られたような、いやそれ以上の痛みだった

 

真也はそれを耐えつつ次の弾幕群を待った

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「……?こない?」

 

なかなかこないことに気付いた真也は勇儀を見た

 

するとスペルブレイクしたのか、悔しそうな顔をした勇儀が視界に入った

 

勇儀は悔しそうにしつつも

 

勇儀「さすがにこれだけじゃ駄目か。ならこれはどうだい!《恐怖「一鬼当戦」》!!!」

 

またスペルを出して宣誓する

 

一騎当千、それは1つの騎兵が1000人の兵を倒す、そのような意味で使われる言葉だが、勇儀が言ったのは一鬼当戦、つまり、1人の鬼で戦いを終わらせる、そう意味を含んでいた

 

実際、鬼は戦闘力が高いため、間違ってはいないが幻想郷だからこその名前であった

 

真也は意味を考える暇は無いので、すぐに攻撃を避けれるように身構えた

 

そして、真也はここにいるのは危ないと無意識に感じ取りその場をすぐに離れる

 

すると、真也がいた場所をなにかが通り抜けた

 

目で追えない速度だったそれは通り抜けた先で止まる

 

 

 

 

 

通り抜けたもの、それは勇儀だった

 

 

 

 

勇儀がものすごい勢いで突進をしたのだ

 

そして、通り抜けて後からは小さめの弾幕がばらまかれる

 

真也「うわっ!」

 

驚きつつも真也はばらまかれる弾幕を避ける

 

しかし、避けている最中にまたも無意識に危険を感じる

 

その場を離れてみればまたも勇儀が通り抜ける。そしてまた弾幕がばらまかれる

 

それの繰り返しをもう一度避けたところで

 

真也「(どうしよう、このままだと絶対にこっちがやられる。でも僕の攻撃は効かないし……、なにか、何かいい方法は……)」

 

何か方法はないか考える真也だが、突撃してくる勇儀と、迫り来る弾幕の嵐になかなか思い付かない

 

そして、2回回避をしたところでスペルブレイクをした

 

真也はほっと一息つくが、まだ終わってないためすぐに切り替える

 

勇儀はまたも悔しそうに顔を歪めているが、少し気が晴れたのか先ほどよりは落ち着いている。ほんとに少しだが

 

勇儀「相変わらず強いな、真也。だがまあ、私の本気の一撃を耐えられる訳はないな。さあ、いくぞ!《四天王奥義「三歩必殺」》!!!」

 

悔しそうな顔をどこか余裕そうというか、勝ちを確信した顔でスペルを宣誓した

 

そして

 

勇儀「一歩目!」

 

かけ声と共に勇儀の周りに高密度で大量の弾幕が展開される

 

しかしそれはそこから動かないため、特に驚異にはなりそうもないと真也は感じた

 

しかし

 

勇儀「二歩目!!」

 

二歩目の弾幕が周りに展開されたことで焦りを感じ始める

 

真也「(今回は避けれる気がしないなぁ)」

 

半ば諦めにも近い気持ちが真也を襲うが、こいしにいわれたことが頭をよぎると、その顔はいつものように笑みを浮かべる

 

そして

 

勇儀「三歩目!!!」

 

三歩目が放たれると、勇儀の周りに極大弾幕が展開され、避ける場所は無くなったと見えた

 

実際勇儀から見ても、こいしから見ても避ける場所など無かった

 

だからこいしは絶望した顔でそれを見ていた

 

 

 

 

 

 

こいし「そん……な、真……也?嘘……でしょ?そうだよね?嘘に決まってるよね!?嫌だよそんなの!私は認めないんだから!」

 

 

 

 

 

 

目の前の状況を認められないこいしは半狂乱で頭を抑え、それを否定しようとする

 

そんなこいしを見て少し心を痛める勇儀だが、こればかりは真也が悪いとそう考え、こいしとはしばらくあわない方が良いなと、そう考えた

 

そして、その場を立ち去ろうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「どこに行くのさー。僕は生きてるよー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇儀「そんなばかなっ!」

 

こいし「真也ぁっ!」

 

勇儀にとっては信じられない声が、こいしにとっては誰の声よりも安心できる、そんな声が聞こえてきた

 

絶対に避けられた筈がない、そう確信していた勇儀は驚きのあまり言葉が出なかった

 

こいしは真也が無事ということに歓喜のあまり泣きながら抱きついている

 

真也はそんなこいしを愛おしそうに見つめ、そして、少しの怒りとそれ以上の悲しみのこもった目で勇儀を見た

 

勇儀はそんな真也の視線に気付いたが何も言えなかった

 

真也「とりあえず言っておくとー《無双「全ての終わり」》ってスペルの効果だからねー」

 

スペルの効果で避けた、真也はそう言った

 

《無双「全ての終わり」》、このスペルは自分の周囲にありとあらゆるものに打ち勝つ、まさに無双、そんな弾幕を放つスペルである。ただ、その範囲と時間はかなり短く、当てるにはかなり接近する必要があるが、弾幕を打ち消すだけならその場で放てばいい。そんなスペルだった。

 

勇儀は真也がそう説明しているのも耳には入っておらず

 

勇儀「(本当に人間なのか……真也は……正直、言い方は悪いが化け物にしか思えないね)」

 

そんなことを考えていた

 

そして、真也がもっとも嫌う目で見ていた

 

真也はもちろんそれに気付いており、勇儀に戦闘を継続する気が無いことが分かると

 

真也「……やっぱり、君もそっち側なんだね」

 

それだけ言って、こいしの手を取ってどこかに消えていった

 

後に残された勇儀はただただ虚空を見つめるばかりであった

 

 

 

 

 

そして、その場を見ていたものがもう1人

 

?「……やっぱり、あの子は危ないわね。でも、地底でいったい何が起きてるのかしら……」

 

その人物は、戦闘の跡を少し見据えてどこかに消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、なんだかチートのタグを全力で使った回でした

真也「これじゃ読者が増えないわけだねー」

こいし「これはひどいね」

……今回の回はだいぶひどいのは分かってるんですが、正直これ以上間を空けるとさすがにやばいと思ったんですよ

内容がかなりひどいから、お気に入りは減るのは覚悟の上です
とりあえず、この章はシリアスしかないから、やることやったら早めに終わらせて最後の1人を迎えに行きましょう

真也「作者のメンタルが危なそー」

こいし「自業自得だねー」

……はい、では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

取り戻したもの

はい、どーも生きる死神です

真也「今回はシリアス展開だよー」

こいし「悲しい……」

はい、ちょっとテンション下がり気味ですが

「「「スタート」」」


 

 

 

 

真也とこいしは勇儀と戦った場所を離れると、真也の疲労が酷かったため地霊殿に向かっていた。真也はまだ動けそうには見えるがこいしの目には無理をしているのが一瞬で分かった

 

こいし「大丈夫?能力使いすぎた?」

 

真也「んー、大丈夫なんだけどー最近能力使ったときの疲れがだんだん重くなってきた気がするんだよねー。いつもみたいに無意識とかなら大丈夫なんだけどー、さっきみたいに強いものだと疲れが酷いみたいー」

 

空をふらふらと飛びつつ2人は地霊殿に向かう

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

地霊殿に着いた2人は

 

 

 

 

騒然とした

 

 

 

さとり「……疑いたくはないけど、嘘だと思ってはいるんだけど、どうしようもないのよね……ごめんなさい、真也、こいし……」

 

お燐「あたいも嘘だと思いたいけど、こうも被害が多いとね……ごめんなさい、こいし様、真也」

 

お空「うにゅ、とりあえず捕まえないと駄目なんだってー」

 

先鬼「やっと帰ってきたな!この化けもんが!」

 

子鬼「これでおまえの帰る場所はないぞ!」

 

 

 

地霊殿の前に集った先鬼と子鬼の率いる妖怪集団

 

そして、さとりとお燐とお空だった

 

真也とこいしは妖怪集団よりも、さとり達がいることに驚いた

 

こいし「お姉ちゃんも、真也が犯人だと思ってるの?」

 

そうであってほしくはないが現実はそうとしか思えない光景にこいしは悲しみと嫌気が差しつつ、さとりに聞いた

 

さとり「……やってないとは思いたいけど……こうも出来る人が限られてしまうと、どうしようもなのよ……ごめんね、こいし……」

 

本当に申し訳無さそうに顔を俯かせ、どこか消え入りそうな雰囲気でさとりは言った

 

その様子にこいしはやるせない気持ちになり、同じ様に俯き手をぎゅっと握り小さく震え始めた

 

真也「(……こいしが悲しそうだから、みんなに痛い目を見てもらたい。でも、どうしてもやるのには抵抗があって出来ないよ。こいしが悲しむなら、例えさとりであっても関係ないはずなのに、なんで、なんで抵抗があるんだろ。こいしのためなら、誰にだって手加減なんてしないって決めたのに)」

 

隣のこいしの様子を悲しそうな目で見ながら、そう考えていた真也ははたと気づく

 

真也「(もしかして、これが『情』なのかな。誰かを思う気持ちはその人に何かするときも出ちゃうのかな。今までなら誰に対してもそんなことはなかったはずなのに。こんなときに取り戻さなくても良かったのに。なんで、なんで僕は……)」

 

気付いてしまった取り戻したものに、真也は頭を抱えてうなり始める

 

それに気付いたこいしは自分が悲しいことも頭の隅に置いてすぐに寄り添い心配し始める

 

さとり達も心配していたが、妖怪集団はそんなことを気にする様子もなく

 

先鬼「なんだかわからねぇが、ちょうどいい。今とらえて吐かせるぞ!」

 

子鬼「やっちまえ!」

 

先鬼と子鬼の声と共に妖怪集団は襲おうとした

 

 

 

 

 

 

ヤマメ「やめな!真也はなんもしてないんだから!」

 

キスメ「……真也はやってない……」

 

パルスィ「やめなさいよあんた達、みっともないわね」

 

 

 

 

妖怪集団が真也達に攻撃を仕掛けようとした矢先、2人の前にヤマメ、キスメ、パルスィが現れ立ちふさがった

 

妖怪集団はなぜか真也に味方するヤマメ達にどよめき始めた

 

先鬼「なぜだ!なぜそいつを庇う!そいつが犯人で間違いないだろう!」

 

子鬼「そへにお前らも被害者だろう!そんなやつ庇ってないで此方側につけよ!」

 

先鬼と子鬼は憤慨しヤマメ達に怒声を投げかけるが、ヤマメ達は冷めた目つきで見据え

 

ヤマメ「犯人だという証拠はあるのかい?」

 

キスメ「……被害者だからって何でもして良い訳じゃない……」

 

パルスィ「多勢に無勢で1人を責めて、あんた達、それでいいの?それで本当に解決すると思ってるの?」

 

淡々と、それでいて確実に妖怪集団を落ち着かせるように話した

 

先鬼と子鬼以外の妖怪達は、今まで先鬼と子鬼の指示で動いていたようなものなのでああも言われると何も言えないらしく黙り込む者しかいなかった

 

しかし、先鬼と子鬼は諦めてないらしく

 

先鬼「証拠なら、そいつの能力があるだろ!それが確固たる証拠になる!」

 

子鬼「そいつは強いんだから人数でどうにかするしかないだろ!それで解決しないなら、また他の奴を捕まえて吐かせればいい!」

 

なおも真也を犯人だと疑うように言った

 

 

 

 

 

 

その言葉にヤマメ達はまた反論しようとしたが、それをする前にあがった声で止まる

 

 

 

 

 

 

こいし「もういやっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

未だうなっている真也に寄り添うこいしが、ついに耐えきれなくなったのか目から滴を流しながら叫んだ

 

 

 

 

 

 

 

そのままこいしは滴が溢れ出るのも気にせず叫ぶ

 

 

 

 

 

 

 

こいし「もうやだよっ!みんなして能力で決めつけて!そんなに能力で決めつけるんなら、私の能力でも出来るでしょ!なんで……なんで真也を……真也だけを犯人だなんて決めつけるの!」

 

 

 

 

 

辺りに自分の最も好きな者を差別されたこいしの悲痛な叫びが木霊する

 

 

 

 

 

 

叫びはやがて静粛を生み出し、場を覆う

 

 

 

 

 

静かになった場にこいしの嗚咽が小さく響く

 

 

 

 

 

それは、こいしと真也の仲を知るものにずしりとのし掛かるようにも思えた

 

 

 

 

 

さとりとお燐は特に2人のことを考えていたこともあり、苦虫を噛み潰したような表情で少し俯く

 

 

 

 

 

2人の仲を知らない(忘れてる)お空やヤマメ、キスメとパルスィにも、それは同じだった

 

 

 

 

 

先鬼と子鬼は少し顔を苦々しくしていたが、それでも真也を犯人だと思っていることには変わりないようで

 

先鬼「……悪いが、それでも俺達にはそいつ以外には犯人はいないと思う」

 

子鬼「……悪いとは、思ってる」

 

こいし「悪いと思ってるなら!それだったら他の犯人を捜してよ!1つのことで決めつけないでよ!」

 

2人が申し訳なさそうに言ったのを、こいしが真也に縋りながら叫び咎めた

 

 

 

 

 

こいしの半分くらいまで開いていた第三の目は、少し、また少しと閉じられていく

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

完全に閉じられたとき

 

 

 

 

 

その場の空気が変わった

 

 

 

 

 

さとり「……っ!なに、これ……」

 

お燐「これはいったい……」

 

お空「な、なんだか怖いよ」

 

ヤマメ「何が起きてるんだい……」

 

キスメ「……怖い……」

 

パルスィ「これは……妬ましいなんて言ってられないわね……」

 

先鬼「な……なんなんだ……」

 

子鬼「もしや、そいつなのか……?」

 

急に変わった場の空気にどよめく人々

 

 

 

 

 

しかしその中でこいしだけは、気付いた

 

こいし「(あ、真也が……真也が怒ってる……だめ……怒りに任せて行動したらまた敵が増えちゃうよ……お願い……落ち着いて……!)」

 

今までうなっていた真也が、嘘のように静かになっていたこと、いつのまにか胸元のペンダントを弄っていたこと、そして、明らかな怒気と、何とか抑えようとしている殺意に

 

このままだとまた敵を作ってしまうと思ったこいしは、ペンダントを弄っている手に自分の手を重ね、なんとか抑えようとしていた

 

しかし、今まで動かなかった真也が唐突に動き

 

 

 

 

 

真也「ごめんね、こいし。もう、駄目だよ」

 

 

 

 

 

こいしの耳元に顔を近づけ、それだけ言うとこいしの手を握りながら、前に出た

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

真也「もう許さないよ?例え僕を捕まえて違ったらまた他の人に同じ目に逢わせようとすること、なにより、こいしを泣かせたこと、絶対に後悔させるからね?アハハハハハハハハハハハハハハッ」

 

 

 

 

 

その声は冷たく、しかし、怒りや悲しみ、それを上回る憎悪、それらが混ざり合って聞く者を震え上がらせるようだった

 

 

 

 

 

さらに笑い声をあげているはずなのに、顔は笑っているはずなのに、目が全く笑っておらず、光がないことはこの先の未来が良いものではないことを見た者に予感させる

 

 

 

 

 

 

ただならぬ雰囲気の真也に、このままでは良くないと思ったさとり達や妖怪集団はなんとか取り押さえようとスペルを用意する

 

 

 

 

 

スペルを取り出したことを確認した真也もポケットからどことなく黒いスペルを取り出し、宣誓しようとした

 

 

 

 

 

?「そこまでよ」

 

 

 

 

 

それは、唐突に入った乱入者の声で遮られた

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、乱入者登場

真也「あー、あいつかー」

こいし「誰?」

次回は乱入者の話です

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ものの行方と犯人

はいどーも生きる死神です

真也「まーた一週間空いたねー」

こいし「頑張ってよー」

うーん、最近構想考える時間があまりないというか、思いつかなくてねぇ

真也「今回でこの章は終わりー?」

こいし「そうなのー?」

うーん、そうですね、次回からはまた、というかたぶん最後の日常というかまあ、うん日常だな、それに入ります

では

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

一触即発、まさにそんな空気の中に入ってきた乱入者

 

 

 

 

その姿を見て首を傾げる者

 

 

怪訝な顔で睨む者

 

 

なんでいるのか分からないと言った顔の者

 

 

そんなことお構いなしに真也を睨みつける者

 

 

その反応は多種多様だが、さとりはある可能性に気付く

 

さとり「(……あ、まさか、この一連の騒動の犯人って……)」

 

それは、その乱入者の能力を思い出したことから気付いた可能性

 

しかし、それを確かめようにも場の空気が凍りつきすぎて確かめられない

 

少しの焦燥感と、この可能性に賭けたいという希望を胸にさとりはその時を待った

 

 

 

 

 

 

 

一方、乱入してきた人物に、真也は出していたスペルをポケットに戻しうんざりしていた

 

真也「(はぁ……さっきからちょろちょろ見てたみたいだけど、今度はなんなのかな。さっきまでなんも言ってこなかったんだから、割り込まないでほしいな)」

 

時々感じていた視線はその乱入者からであったことには気付いており、なぜこちらを見ているのかは気になってはいたが状況が状況だったのと、なにより、真也がその人物をあまり好まないというか、興味を持たなかったのが真也に確認させる気を無くさせた

 

真也「(ん?そういえば……)」

 

 

 

 

そこで真也は思い出した

 

 

 

 

この人物の能力に

 

 

 

 

そしてそれは

 

 

 

 

誰がやったのかという疑念を晴らし、真也を納得させる十分な理由だと気付く

 

 

 

 

しかし、それは納得しいつもの表情に戻そうとした真也の顔を一瞬で黒く染める

 

 

 

 

 

真也「(じゃあ……こいしが泣いたのはなんだったの?勝手に決めつけられてその上こいしが嫌なこともされて、なのに本当の犯人は別にいました?……そんなこと、僕が許すとでも思うのかな……)」

 

 

 

 

 

辻褄が合い、納得し、しかしこいしはなんで泣かなきゃいけなかったのか。その原因となった人物に、真也はドス黒い笑みを浮かべて問いかけた

 

 

 

 

真也「………………今更何をしにきたのかな?前から見てることには気付いてたけどなんの用かな?生憎今は手が込んでて君の話に付き合えるほど、時間は無いんだ。でもさ、今、このタイミングで現れたってことは、なにかしらの意図があるんだよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねぇ……紫……?」

 

 

紫「……えぇ、そうよ。なんの意味もなく現れるわけが無いじゃない」

 

 

 

 

 

名前を呼ばれた紫は、前に向けられたら真也からの殺気よりも、さらに強くさらに濃い殺気や怒気、憎悪が混じったものに表面ではそこまで変化はないが、内心冷や汗どころか紫色のロングスカートに隠れた足は震えだしていた

 

紫「(な、なんなのよ、この殺気は!前よりも強くなってるじゃない!これは一歩間違えたら一瞬であの世に逝かされそうね……)」

 

尋常ではない状態の真也に警戒しつつ、紫はこの場の状況を知るためとりに話しかけた

 

紫「少しいいかしら古明地さとり。今の状況を教えてもらえるかしら?」

 

さとり「……そうですね、わかりました。ですが、教えてから逃げ出すのは無しでお願いしますよ」

 

紫「?わかったわ」

 

紫はさとりの意味深な言葉に少し疑問が浮かぶがまずは状況把握をするためにそれを頭の片隅に押し込んだ

 

 

 

 

~少女説明中~

 

 

 

 

さとり「……ということです。お分かりになったかしら?」

 

紫「………………え、えぇ。ありがとう」

 

説明を聞き終えた紫は顔面蒼白だった。それは話しているさとりはもちろん周りにいる妖怪達や真也も気付いていた

 

明らかに不自然な様子の紫に、さとりは先程思いつき可能性のある予測を話し始める

 

さとり「……これは私の予測です。それを頭に入れておいてください。」

 

紫「……え、えぇ」

 

さとり「先程説明したとおり、今地底ではいろいろなものが無くなっています。それは大体が食料ですが、一部違うものも混じっています。たとえば、私の本、お燐の火車、お空のマント、こいしの帽子、勇儀の杯、パルスィさんのマフラー、キスメさんの予備桶、ヤマメさんの秘蔵の酒樽。これらは、昨日まではありましたが、今日突然無くなりました。その結果、そんなことが出来るのは真也しかいないということになり、今に至っているわけですが、さっき、あなたを見たときにあることに気付いたんです」

 

そこで一息いれるさとり

 

対して紫は隠しきれなくなった冷や汗がだらだらと流れる

 

さとり「あなたの能力は「境界を操る程度の能力」、そしてそれはスキマと呼ばれていろいろなことが出来る。例えば、スキマを繋げて移動する、スキマに攻撃を通して回避する、スキマから覗き見する、など。そして、スキマを操って狙ったものを取ることも出来るはず。それが出来るならば、このものが無くなる騒動の犯人の可能性に真也だけでなく、あなたも加わるはずです。ですが、昨日、真也は地上の友人と遊んでいた。それはその友人が証言できますし、いつもいつも能力を使って移動してるわけではないはずだから、誰かしら真也を見てるはず。そうよね?真也」

 

根拠を挙げていく中でさとりは真也に確認をする

 

真也「……そうだね、いつもは使ってないから、たぶん椛とかは気付いてるかもね。他にも遊んでるところをにとりとか、静葉や穣子が見てるかもね」

 

思い出すように真也が言ったところで、さとりは目を細めてその奥に怒りを宿しつつ紫を見て続きを話す

 

さとり「真也が言ったとおり、確認すれば真也が昨日本当に遊んでいたことが分かるでしょう。ということはです。可能性としてありえた真也が無くなったということは、残るのはあなたしかいないんですよ。八雲紫。さぁ、どうなんです?やってないなら、自分で説明してもいいですよ?もっとも、周りは待ってくれなそうですが」

 

鋭い目つきは紫を刺すように、その口調は紫がなんと言おうとも犯人だと言うように、周りの目線も同じように睨みつけてくる

 

紫は完全に打ち負かされた様子で、小さくため息を吐くと

 

紫「……はぁ、そうよ、その通りよ、確かに私がやったわ。いえ、やったというよりは、やってしまった、の方が正しいはずよ」

 

やったことを認めたが、少し訂正を加えてさとりを見る

 

訂正されたことを謎に思うさとりは先を促すように紫を睨む

 

紫「そう睨まないでちょうだい。ちゃんと話すわ。それで、やってしまった、と言ったわけは今、いや、さっきまでかしら?異変が起きていたの。まあ、それはそこまで関係は無いんだけれども、異変を解決したら宴会をやるのがお約束なのは知ってるわよね?それで、いつも通りに霊夢を送り出そうとしたの。そしたら「紫、今回くらいなんか用意しなさい。じゃないと宴会に参加させないわよ?スキマ使って無理にでも参加しようもんなら……退治するわよ?」って。さすがにいつもいつもなにも用意してなかったから、私もなにか探そうと思って適当にスキマを使ったのよ。そしたらいろんなものが集まったのよ。そこにはもちろん食料はあったのだけれど、ところどころそれ以外のものもあったわね。まあ、それが今回に関係してるとは思ってもみなかったわけだけど」

 

扇子で口元を隠しているものの苦笑いしているのがなんとなく分かってしまう紫に、さとりは呆れた表情で頭を抱えてため息をつく

 

さとり「はぁ……。あなたのその適当さのせいで今大変なことになっているのが分かっているのですか?地底の妖怪は一度喧嘩などをしたら止めるのも大変なんですから、しっかり考えてくださいよ」

 

紫「ほんとに悪いとは思っているわよ。だから、ちゃんとあなた達のものは返すわよ。ほら」

 

盛大にため息をつかれながら説教された紫は、ばつが悪そうにしつつもスキマを開き、それぞれのもとにスキマで取ってしまったものを返した

 

それで満足した者達が帰りその場に残ったのは地霊殿組と紫、ヤマメ、キスメとパルスィだけになった

 

ヤマメとキスメ、パルスィもものは返ってきたので、特にすることもなさそうにこの話の行く末を見守っていた

 

紫「さて、これで全部返したわね?じゃあ私は戻る……っ!」

 

もうなにもないとスキマを開き帰ろうとした紫は、背後から放たれる殺気の存在を思い出し背筋が凍った

 

真也「ねぇ……まさか、これで帰れると思ってるの?こいしを泣かせた原因作っといてぇ、それはないよねぇ?君には痛い目見てもらわなきゃ、僕の気が済まないんだぁ?さぁ……地獄を見せてあげる……。アハハハハハハハハッ」

 

それはまさに、悪魔とも呼べる笑い声だった、聞く者の心を震え上がらせるような

 

これは戦闘も避けられないと確信した紫は、すぐに警戒を高めいつでも応戦できるようにする

 

さとり達はあまりにも格上同士の戦いに、割り込むのは自身にも危険が及びかねないと感じ、見ていることしかできなかった

 

そして、真也がスペル取り出し、宣誓しようとした

 

 

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

スペルを宣誓しようとした真也は自分の袖を引っ張ちているこいしに気付く

 

 

 

 

 

すぐにこいしに近寄り、心配そうにこいしを見つめる

 

 

 

 

こいし「もう、いいよ?これ以上真也が傷つくのは見たくないから。やっと疑いも晴れたんだし、帰ろう?帰ってゆっくり休もうよ。ねぇ、真也……」

 

 

 

 

その声は近くにいなければ聞こえないほど小さく、しかしそれは真也を想う気持ちが溢れていた

 

 

 

 

自分が悲しいことも気にせず自分のことを心配してくれるこいしを真也は無碍にするつもりもなく

 

 

 

 

 

真也「……良かったね。こいしのおかげで命拾いしたんだから。こいしに感謝してよね?

 

でも………………今度こいしを泣かしたら……

 

いや………………ちょっとでも傷つけたら……

 

次はないから。容赦しないから」

 

 

 

 

 

最後は無表情に、ただ淡々と感情も込めずに、それでいて情も込めずに脅しをかけた真也は、こいしの手を引いて能力を使ってその場から消えた

 

 

 

 

 

その場に残された紫達は

 

紫「……はぁ。戦うことにならなくて良かったわね。さすがにあの子とやることになったら、五体満足なんて言ってられないでしょうから……」

 

さとり「こいし……大丈夫かしら……ごめんなさい、真也。こいしを頼むわ……」

 

お燐「2人は大丈夫かなぁ……」

 

お空「うにゅう……」

 

ヤマメ「疑いが晴れて良かったけど……大丈夫かなぁ」

 

キスメ「……とっても心配……」

 

パルスィ「あの子達なら大丈夫だろうけど、なにもないと良いわねぇ……」

 

紫は安堵感を隠しきれず、さとり達は言葉葉違えど、消えていった2人のことを心配していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、地底を騒がせたものが無くなる騒動ーー後の物失騒動と呼ばるーーは終わった

 

しかしそれは、真也とこいし、特に、こいしに大きな傷跡を残すことになった




はい、ついに今章も終了です

今回は2人はいませんから1人でやります

ついに真也は『情』を取り戻しましたが、2人はだいぶ大きなダメージを受けましたね

次章の日常は少しいつもとは違うかもしれませんが、出来るだけいつも通りに行きますね

あと、活動報告をおいておきましたのでよろしくです!

では次回まで、ばいばーい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4,5章日常と非日常は隣り合わせ
お疲れ様


はーいどーも生きる死神です

真也「今回は看病回ー?」

こいし「私、恥ずかしいよぉ」

(やべえ、可愛い)

はい、今回の回は久しぶりのいちゃいちゃ、なんてことは無く、わりと真面目な話ですね

真也「その割にはほのぼのもあるよねー」

こいし「ほんと好きだねー」

別にいいじゃないかぁ!

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

物失騒動の日から2日後

 

未だに真也は部屋で寝ていた

 

こいし「うーん、まだ寝てるなぁ。いつもならもう起きても良い頃なんだけどなぁ」

 

なかなか起きない真也を心配するこいしは、真也の寝るベッドの脇に椅子を置いて座っていた

 

そして、その心配は行動に表れており、こいしは眠る真也の手を左手で握っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋には時を刻む音が小さく響き、部屋からは寝息と、寝息をたてる少年を心配する少女の吐息しか聞こえなかった

 

 

 

 

 

話す相手もいないので、部屋は静まり返り、ただただ時間だけが過ぎていく

 

 

 

 

 

そんな中、こいしは唐突にしゃべり始める

 

 

 

こいし「……私は、真也に傷ついて欲しくないのになぁ。どうして私はすぐに傷ついて、泣いちゃうんだろう。今回の事も、私がもっと落ち着いていたら真也があんなに怒ることもなかったし、すぐに収まったのに」

 

 

 

自分のなってほしくないことにばかり、自分のせいで向かって行ってしまったあの時のことをこいしは思い出し、また目元が熱くなる

 

 

 

こいし「真也は私のことをいつも必ず守ってくれるけど、じゃあ真也のことは誰が守るの?真也を守りたいと思ってるのは、私だけなのかな。それに思ってるだけじゃあ、駄目だよね。行動に移さなきゃ、思うだけなら誰にでも出来るしなにも変わらないよね」

 

 

 

未だ起きぬ少年を、愛おしそうに、それでいて悲しそうに顔を撫で、そして行動を起こせない自分を悔いるように、撫でた手を膝元で強く握る

 

 

 

こいし「……私は、真也のためなら動けるって、自信はあるのに。それなのに、いざっていう時に私の体は動いてくれない。なんで?まだ誰かを完全に信じることに躊躇してるの?それとも、私が傷付いてさらに事が悪化してしまうのを知らないうちに考えて、怯えているの?私はいったいどうしたいの?」

 

 

 

 

強く握った手から力を抜き、力無く自身の膝に落とした。こいしは自嘲気味に笑みを浮かべながら、落とした手の平を見ながら、何がしたいのかも分からない自分の心の内にその手の平に熱いものが落ちた

 

 

 

 

こいし「私はそれなりには、弾幕ごっこなら、強いって思ってる。だけど、それでも真也には適わない。でも、力が無いからって、それで真也を助けられないって誰が決めたの?そんなことで諦めてちゃ、真也に笑われちゃうよ。真也のことは、私が守るって、決めたんだから……!」

 

 

 

 

自問自答で自身の力のなさを痛感しつつも、その答えに真っ向から反対する。目からはまだ熱いものが落ちてくるが、こいしはそんなことを気にしていなかった

 

 

 

 

こいし「私が真也を守るって、そう、決めたんだから。絶対に、大事な人を失いたくないから。今度は真也を助けてみせるから。お願い、目を覚ましてよ……!」

 

 

 

 

起きてくれなきゃ、自分がいくら決意しようと独りよがりで終わってしまう。こいしはそう思いつつ、目の前の少年が起きることを願う

 

 

 

その願いは

 

 

 

叶う

 

握っている手を握り返される

 

こいし「真也?」

 

すぐに気づいたこいしは声をかける

 

真也「うぅん……、まだ体が重いなぁ。あ、こいし、おはよ。もしかしてまたずっとここにいたの?」

 

未だ重い体を起こしつつ、側にいるこいしに声をかけた真也

 

泣いていたことを悟られないように、こいしは少し目元を拭ってから

 

こいし「うん。真也がこうやって寝てるときはいつものことでしょ?」

 

実際、こいしの言うとおり、真也が疲れすぎで眠るたびにこいしは真也の部屋で真也の看病をしていた

 

それは真也の体調が気になるのもあるが、一番は真也が二度と起きないのではという、こいしの一抹の不安からでもある

 

今のところ、それが当たってしまったことは無いがいつか本当のことになってしまいそうで、こいしはただ怖かった

 

それでも真也の前では出来るだけ明るく振る舞うために、いつもそれを閉じた心に封じ込めていた

 

……実際は、真也が起きてくれた喜びに忘れていることもあるのだが

 

こいし「ていうかさぁ、またなんて言わないでよ。いっつも心配してるんだからね?」

 

自身の厚意を無碍にされているように感じ、こいしは指呼し頬を膨らませる

 

真也「あ、いやね?僕のことを心配してくれるのは嬉しいけど、こいしも自分のことを考えて欲しいなって。僕のことなんか放って置いて……「ねぇ。それ本気で言ってるの?」……ごめん。言っちゃ駄目だったね」

 

少し苦笑を浮かべつつ話していた真也だが自分のことを蔑ろに言った瞬間、こいしに遮られ真意を迫られる

 

こいし「……私はさ。真也に自分のことをどうでもいいようになんて考えて欲しくないの。いつも言ってるよね?真也が傷つくのは見たくないって。私は真也が大好きだから、そんなこと言って欲しくないの。……お願いだからさ、もっと自分のことを労ってよ……」

 

その目に宿すは悲しみ、しかしどこかに怒りも含ませて真也を射抜く。声も、心なしかいつもより低く真也にはそれだけで無い心が締め付けられるような、胸にどんと衝撃が響くように思えた

 

真也「ほんとにごめん。こいしのことを何も考えずに言っちゃったね。僕は大丈夫だから、ちゃんとこいしとの約束を守るから」

 

こいし「むしろ私のことしか考えてないから、真也は自分のことを考えてないんでしょ?」

 

真也「あ、あはは……」

 

こいしの想いに応えるように真也は真面目に答えたが、こいしに痛いところをつかれて苦笑いしか出来なかった

 

こいし「もう……ちゃんと自分のことも考えてよね?私のことを考えてくれるのは……嬉しいけどさ」

 

少し頬を膨らませながら言ったこいしだが、最後は顔を赤くしつつ声が小さくなった

 

それでも真也には聞こえていたので

 

真也「うん。分かってる。こいしが僕のことをよく考えてくれてるのもね?」

 

本当に嬉しそうに、表情にも一遍の悲しみもなく目にも悲しみの色はまったく無かった

 

その様子にこいしはまた赤面するが、それでも同じように嬉しいのは確かだった

 

真也「ところでさ?こいし、僕が寝てる間に泣いたよね?」

 

こいし「……っ!」

 

先程まで嬉しそうに笑っていた真也は、こいしの隠そうとした涙に気がついていた

 

バレないと思っていて、完全に意表をつかれたこいしは激しく動揺するがなんとかそれが真也にバレないように自分を落ち着かせ

 

こいし「……うん。真也のことが心配で……ね?」

 

否定せずに真実を話した。しかし深いところはなにも言わずに。一番上に当たる部分のみを簡潔に伝えた

 

真也「……そっか。ありがと。こいしがなにで泣いてるのか気になっただけだから。気にしなくていいよ?……少し目元が赤いけど、可愛いのは変わらないなぁ」

 

疑うそぶりもなく真也はこいしの言葉を信じ、少し苦笑いをしながら話を終わらせる。最後にこいしが赤面するような言葉を付け足して

 

もちろん、それが聞こえているわけで、こいしは激しく赤面しつつ真也に笑顔を向ける

 

それは大好きなものといれる安堵感、自分のことを一途に考えてくれる嬉しさ、それに自分が抱いた一抹の不安への反省の意を込めたものを

 

真也「うん、やっぱりこいしは可愛い。あー、まだ疲れが抜けてないみたいだから、もう少し寝ようかなー。たぶんね、僕は無くしたものを取り戻す度に能力の反動が大きくなってると思うんだ。だから、ちゃんと起きるのは明日になると思う。それまで僕の部屋にいるの?」

 

最初にまたこいしを赤面させるようなことを口に出しつつ、いつもより寝ているのが長い原因をこいしに伝える真也。最後にこいしへの質問を投げかけつつこいしを見つめる

 

もちろん、こいしは最初の言葉で顔は赤くなっていたが、能力の反動を聞いてどことなく安心したようにも見える

 

そして、真也の質問に対しての返答は……

 

真也「こいし?どうするの……って、あーうん、そんな気はしてたよー」

 

こいし「えへへ♪」

 

自身も真也のベッドに潜り込み寝ている真也に抱きつくことで答えた

 

なんとなく予想していた真也は、嬉しそうに笑みを浮かべ抱きついているこいしの頭から帽子を取って椅子に置くと、頭を撫でる

 

真也「うーん、もう少しこいしを撫でていたいけどそろそろ限界みたいだからー。おやすみ、こいし。また明日ね」

 

そう言うと真也はゆっくりと体を倒して横になり、また寝息をたて始める

 

その様子をにこにこと笑いながら見ていたこいしは、なぜか満足げに真也に抱きついてから

 

こいし「明日も一緒にいれるのが嬉しいよ……おやすみ、真也。お疲れ様」

 

最後の言葉は無意識に、でも本心から言ってこいしも眠りに落ちた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいしの第三の目は、物失騒動でまた閉じてしまったがこの日からまた少し開くようになったとか

 

そして、翌朝様子を見に来たさとりは2人がお互いを抱き合いながら寝ているのを見て安心してそっとドアを閉じたとか

 

 




はい、幸せな夢見てそうでした

真也「こいしは暖かいー」

こいし「真也もだよ?」

(うわぁ、ただでさえ暑いのにまた熱くなった)

さて、次回はコラボを含めた日常です

真也「今回はいっぱいコラボの希望が来てたみたいだからー作者も張り切ってるよー」

こいし「まあ、書くのは遅めだけどね」

なんですかこの上げてから落とすのは

まあ、いろんな人から来てるから頑張りますよ!

あ、募集はまだまだしてますので、今回のコラボは特殊なので気になった方はどうぞ!

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!死神見習いの少年!?上

はーいどーも生きる死神です

真也「今回はコラボだよー」

こいし「お相手は東方、強くてニューゲームを書いてる玄武 水滉さんから、雲母 策士丸だよ」

今回はいくつかのコラボは2話とかになるから気をつけてね

真也「シリアス入れる気なかったのになっちゃたたねー」

こいし「しょーがない」

うん、やりすぎた感が否めないがやりきる

では

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

真也が能力の代償の疲労が完全に取れてから数日後のこと

 

2人は地上を宛もなくふらふらとしていた

 

真也「んー、なんもすることないねー」

 

こいし「ねー。せっかく来たけど、こうもふらふらしてるだけだとねー」

 

特に何も考えずにふらふらと飛んでいたので、2人は暇を持て余していた

 

そのまま暇すぎる2人は特に意味のない会話を続けながら飛んでいると……

 

 

 

 

 

真也「んー?誰だろー、あれー」

 

こいし「へ?あ、ほんとだ。ここら辺じゃ見ない人がいるねー」

 

2人は何となく飛んでいた人里から少し離れた所で、黒いローブに骸骨を模した仮面を付けた大振りの鎌を持った者がいたのだ

 

明らかに不審過ぎるその外見に、2人は少し小首を傾げながら

 

真也「どう見てもここら辺に住んでる人ではないよねー」

 

こいし「あんな人が住んでたら人里の人安心できないよー」

 

あまりにも不審過ぎるその人物に、不信感を募らせつつとりあえず話しかけに行くことにした

 

 

 

 

 

真也「あのー……ちょっといーい?」

 

こいし「あなたはだーれ?」

 

2人は怪しすぎるその人物に近付き、話し掛けた

 

その人物は、2人の声を聞いてはいたが何も話さない

 

じっと2人を見ているだけである

 

答えを待っていても、返ってきそうにないと思った真也はもう一度聞こうとすると

 

?『俺は雲母策士丸(きらら さくしまる)。長いから丸とでも呼んでくれ。訳あって声が出ないから、こうして筆談でしか話せないんだ。さっきまで何も書かなかったのは、どこに紙とペンを締まったか忘れてた焦ってたんだ」

 

こいし「書くのはやっ!」

 

真也「その割には書けなかった理由がしょうもないねー」

 

唐突に取り出した紙に名前と話さない理由を書いた

 

2人はその書くスピードに驚きつつも怪しい人物ではないと感じた

 

真也「丸かー、よろしくねー。僕は全無真也、真也でいいよー」

 

こいし「私は古明地こいし、こいしでいいよ!」

 

策士丸『真也にこいしか。よろしくな。それでなんだが、ここがどこか分かるか?気付いたらここにいたんだが』

 

サクサクと自己紹介をして、策士丸が2人に質問した

 

真也「ここー?ここは人里からちょっと離れた所の森かなー?」

 

策士丸『そうか。ありがとな、真也』

 

真也が答えたのを聞いて策士丸は感謝の言葉を書くと共に、考え始める

 

策士丸「(ここはたぶん、違うところの幻想郷だな。そうでもなきゃ、今まで一度も2人に、特に、真也に会ったことがないなんて無いはずだからな。うーん、ちょうど良い機会だし少し2人の実力が見てみたいな)」

 

自分が違う幻想郷にいることを素早く理解すると、違う世界の住人達に興味が沸いたのか策士丸は仮面の内に静かに闘争心を燃やしていた

 

真也「ところでさー、丸はここでなにしてるのー?」

 

策士丸『何と言われてもな、本当に気づいたらここにいたから特に何もしていないんだよな。あ、そうだ、もし良かったら俺の特訓に少しつき合ってくれないか?』

 

あまり聞き慣れない言葉に首を傾げながら真也は問い返す

 

真也「特訓ー?それは弾幕ごっこってことー?それとも殺傷設定ありきのー?」

 

策士丸『どちらでも大丈夫だ。俺は少し特殊なんでな』

 

特訓のことを理解した真也は、そちらではなく戦い方と策士丸のことで気になったようで

 

真也「特殊ってー?それって能力関係なのかなー?」

 

策士丸『あぁ。俺の能力は「コンテニューしなければならない程度の能力」だ。そのせいで、俺は死んでもコンテニューしてしまうからな。普通の弾幕ごっこでも、殺傷設定ありでも、俺は問題ないんだ』

 

策士丸の能力を聞いた真也はふーんと、特に気にした様子もなく頷くと何かを言おうとしたところで

 

こいし「私がやりたい!」

 

真也「え?こいしがやるのー?」

 

いきなり手を挙げてぴょんぴょんと跳ねながらこいしがそう言ったのだ

 

自分でやろうと思っていた真也は面食らったが、内容を少し考えて

 

真也「んー、こいしがやるならー普通の弾幕ごっこにしてほしいなー。もし殺傷設定ありでやりたいんならー……この場で僕がヤッテアゲルヨー」

 

策士丸「(な!なんだ!?いきなり豹変したぞ!?)」

 

良いとは言ったものの普通の弾幕でやって欲しいという真也は、その後の言葉で有無を言わさないような威圧感があった

 

さっきまでにこにこと笑っていた真也の突然の豹変ぶりに驚いた策士丸、さすがにこの真也を相手にするのは寒気がしたのか

 

策士丸『分かった。普通の弾幕ごっこでやろう。ルールはどうする?被弾数でやるか、どちらかが気絶するまでか。あと、スペルの枚数もだな』

 

こいし「やったー!じゃあさ、スペルは3枚、被弾数も3でいい?……気絶形式でやると、たぶん真也が怒るからね」

 

少々冷や汗かきつつもも策士丸は了承した

 

被弾数とスペルの枚数を決める際、小さな声でこいしが言ったことがさらに策士丸に冷や汗をかかせる

 

策士丸『それで大丈夫だ。じゃあ、スタートの合図は真也にやってもらうか。あ、1つ言っておくが、この通り声が出ないからスペルの宣誓は掲げるだけだから注意してくれ』

 

こいし「分かった!よーく見とくね!」

 

真也「んー、りょーかいー」

 

冷や汗かいていることがバレないようにちゃんと筆談で返答し、こいしと策士丸はちょうど良い距離にするために空に浮かび上がって飛んでいった

 

 

 

 

 

真也「2人ともいーい?」

 

こいし「いいよー!」

 

策士丸『大丈夫だ』

 

2人がある程度離れその場に止まったところで真也が大声で準備は良いかと聞き、オッケーだと返ってきたところで

 

真也「じゃあー、スペル3枚、被弾数3回、弾幕ごっこ、よーい、スタート!!!」

 

再度ルールを言って開始の宣言をした

 

こいし「早速いくよ!」

 

策士丸「(まずは様子身でこいしの弾幕を見ようか)」

 

開始と共にこいしは周りに弾幕を浮かべて策士丸に向けて放つ

 

その数50個程

 

それなりの密度はあるが避けられないほどでは無い策士丸はそれをするすると回避して、反撃のために同じように弾幕を放つ

 

反撃の弾幕をこちらも同じくするっと避けるとこいしはにこにこと笑って話しかけてくる

 

こいし「ふふふっ!それくらいじゃ私には当たらないよっ!」

 

策士丸『そりゃあこれで当たるような奴はそんなにいないだろうな』

 

軽いこいしの挑発に策士丸も軽い挑発で返す

 

その後もしばらく普通の弾幕の応酬を繰り返し、こいしが先にスペルを取り出す

 

こいし「よーしっ!そろそろスペルいっくよー!《無意識「だからしょーがないっ!」」

 

策士丸『名前おかしくないかっ!?』

 

策士丸が高速でツッコミを入れたが残念ながらその時にはもうこいしはその場にはいなかった

 

いったいどこから来るかと気を張って待つ策士丸の右斜め後ろあたりから、青い薔薇弾幕が飛んでくる

 

数にして30個程なので、密度は薄く軽く避けた策士丸だが、その間に今度は左上から赤い薔薇弾幕が同じくらいの個数飛んでくる

 

同じように避けている間にも青と赤の薔薇弾幕が交互に多数の方向から飛んでくる

 

そこまで密度が高くないおかげで今は被弾もなく避けれているが、時々思いの外近くから放たれるとこもあり肝を冷やす

 

これでさらに近くで放たれるのは良くないと思った策士丸はスペルを掲げる

 

《死符「風前の灯火」》

 

スペルを掲げると策士丸の周りに大体30個程の人魂型の弾幕が配置される

 

それはゆらゆらと揺らめきながらその内側に誰かが入るのを拒んでいる

 

こいしのスペルはまだ続いているがあまり近くにこなくなったように思える

 

策士丸「(うーん、これで当たりに来てくれたら良かったけどさすがにそう上手くはいかないか)」

 

こいしから放たれる弾幕に当たっては消えまた現れる策士丸の弾幕

 

そして5秒程経過してこいしのスペルが終わる

 

こいし「むー!その人魂のせいで近付けなかったー!」

 

策士丸『そりゃまあ近付かせないように配置してるしな』

 

手をぶんぶん振りながら愚痴をこぼすこいしに、策士丸は高速筆談で返しつつ苦笑いを浮かべていた

 

こいしはまた弾幕を打ち始めるが、まだ策士丸のスペルは終わっておらず策士丸の周りからじりじりとこいしを囲むように動き出す

 

打ち消しても打て消してもまた現れる策士丸の弾幕は、こいしの逃げ場を無くして被弾させた

 

こいし「あー!……いてて、先に当てられちゃったかー。今度は当ててやるんだから!」

 

被弾させられたこいしはさらに躍起になり、弾幕の数を増やして策士丸を被弾させにいく

 

おいそれと被弾するつもりもない策士丸はそれを隙間を見つけては避けていく

 

またも弾幕の応酬になるが、今度は策士丸がそれを破る

 

策士丸「(このままだとジリ貧だな。スペルを使って狙うか)」

 

《死符「隣り合わせの死」》

 

掲げたスペルが発動する

 

こいし「今度は何かな……っ!」

 

何がくるかとわくわくしていたこいしは、突然両隣から白黒の弾幕が大量に打ち出される

 

横から大量の弾幕が迫ってくるので上に逃げようとしたがなぜか逃げられなかった

 

驚きつつもこいしも急いでスペルを取り出し宣誓する

 

こいし「わわっ!危ない!《本能「イドの開放」》!」

 

宣誓するとこいしを中心にピンク色のハート型弾幕が全方位に放たれる

 

横方向の弾幕を相殺しつつ正面から策士丸の方へと弾幕は向かっていく

 

策士丸はそれを避けつつさらに弾幕を放つ

 

こいし「むぐぐ。量が多いよぉ……あたっ!」

 

なんとか弾幕を相殺していたが数に負けて押し切られ、こいしはまたも被弾する

 

そこで両者ともスペルが終了した

 

こいし「むー、私2回も被弾してるのに丸はまだ0回かー」

 

策士丸『そんなことないぞ?さっき1回被弾したからな』

 

策士丸の言ったとおり、正面からのこいしの弾幕を避けていたが、思いの外相殺されていたので弾幕を増やそうとしていたら被弾していたのだ

 

こいし「あれっ、そうなんだ。それでもまだ私の方が不利だし!最後のスペル、いくよ!《抑制「スーパーエゴ」》!」

 

1回ではまだまだ不利なこいしはスペルで逆転を狙う

 

宣誓されたスペルはこいしの周りから青色のハート型弾幕を作り出し、最初に横向きに回りつつこいしに近付いていく

 

そして、どんどんこいしの方に向かっていき、最初の弾幕がこいしに当たり消える頃には周囲からの弾幕は交差しつつ一方は右周り、もう一方は左周りでこいしを囲うように集まってくる

 

策士丸「(あー、後ろから飛んでくる上に回ってるから避けづらいな)」

 

背後から飛んでくる弾幕の群の方を向いて避けつつそんなことを考えていたが、交差しているためか弾幕が分かれるタイミングを見誤り被弾してしまった

 

策士丸「(ちっ。これは中々厳しいな。こっちも最後のスペルを使うとするか)」

 

被弾した策士丸はスペルを取り出し掲げる

 

《死符「死神舞踊」》

 

掲げた次の時には、策士丸が持っていた鎌が大きくなる

 

それを振り回すと迫ってくる弾幕は斬られて打ち消され、振るう度に出て来る小さな鎌型の弾幕はさらに周りの弾幕を相殺していく

 

最初はこいしの弾幕が圧倒していたが、だんだんと削られてこいしへの道が出来始める

 

そしてその道を振るわれた鎌から放たれる鎌型の弾幕が飛んでいき

 

こいし「あー、これは当たるなぁ……あたっ!」

 

見事に当たった

 

 

 

 

 

真也「はーい、こいしが3回被弾したから終了ですー。2人とも帰ってきてー」

 

策士丸『了解』

 

こいし「あーうー、負けちゃったー」

 

真也の静止で弾幕ごっこは終了した

 

結果はこいしの3回被弾で策士丸の勝利

 

策士丸も2回被弾していたが、こいしは自分のことに夢中で気づいていなかったのだ

 

負けてしまったが満足そうなこいしは、楽しかったと言わんばかりに笑みを浮かべなから

 

こいし「私の我が儘につき合ってもらっちゃってごめんね?丸との弾幕ごっこ楽しかったよ!ありがとっ!」

 

策士丸『そう言ってもらえるなら俺も嬉しいぜ。こちらこそありがとう!』

 

2人とも満足そうに笑い合っているが、真也が

 

真也「んー、丸はさーこいしとやっただけでいーのー?僕とはやらずに帰るー?」

 

少し意地悪そうな顔で策士丸に聞く

 

策士丸「(む、こいしとやって少し疲れているけど真也の力も見てみたいな。しかし、全力でやれるか……?最悪、あのスペルがあるが……)」

 

一戦した後なので策士丸の体は疲れていたが、本人はやる気だった

 

策士丸『やりたいのはやまやまだが……少し疲れてるから休憩しても良いか?』

 

真也「んー?それくらいなら僕が無くしてあげるよー」

 

休憩を求めた策士丸は、真也が言った言葉の意味がよく分からず小首を傾げた

 

策士丸『無くす?いったいどういうことだ?』

 

至極全うな疑問に対し、こいしが少し沈んだ様な雰囲気になったのを感じつつ策士丸は真也に聞いた

 

こいしの様子をどこか愛おしそうに見た真也は、すぐにいつもの表情に戻り策士丸の方を向く

 

真也「それは僕の能力だよー。「『無』を操る程度の能力」だよー」

 

策士丸『無?それって具体的に何が出来るんだ?』

 

思いの外能力が抽象的で分かりにくかった策士丸は、さらに真也に質問する

 

真也「んー、簡単な例は無意識だねー。無意識を操ることも出来るしー。後はーさっき言ったみたいな何かを無くすことも出来るよー」

 

策士丸「(!?すげぇ強い能力じゃねえか!こんな能力持ってて、なんでこいしは悲しそうなんだ?)」

 

真也の能力の概要を聞いた策士丸は、こいしが悲しそうにしている理由が分からなかった。だから、策士丸は聞くことにした

 

策士丸『なあ、なんでこいしは悲しそうなんだ?そんなに強い能力なら、そんな不自由も無いだろ?』

 

その質問にこいしは一瞬、ほんの一瞬だけ敵意が現れるがすぐにしまい込み悲しそうな顔になった

 

先程まであんなに楽しそうだったこいしが一瞬でも敵意を表したことに驚きを隠せない策士丸だが、それよりも驚くことがあった

 

それは

 

真也「……不自由もない、ねぇ……」

 

策士丸「(な、なんだ?あんなににこにこしてたのが嘘みたいに無表情になったぞ!?もしかして地雷踏んじまったのか!?)」

 

会ってからほとんど変わらなかった真也の表情が、策士丸の質問を皮切りに無表情になったのだ

 

さすがにこれにはやってしまったと思った策士丸はすぐに謝罪を書こうとしたが

 

真也「まぁ……確かに君からしたら不自由無いだろうね。少なくとも、僕の通ってきた道を知らなければね」

 

その目から光を消し、無表情で、声も無機質に、今までとは別人のように様変わりしてしまった真也の様子に策士丸は筆を動かすことすら出来なかった

 

策士丸「(これって、相当辛い過去を通ってきたのか?もしそうだとしたら、あんな質問、いくらなんでも考えなすぎだった)」

 

やってしまった事に後悔し始める策士丸だったが

 

真也「……まあいいや。こんな話はする気もないし聞かせる気もないから。それで、策士丸は僕とやりたいの?やりたくないの?やりたくないなら、今すぐ元の世界に返してあげるよ?」

 

策士丸「(んなっ!?俺が違う世界から来たって気付いてる!?)」

 

真也の発言はそんな策士丸を驚かした

 

ここで帰れば、それはそれで良いのだろう

 

しかし、策士丸にその考えはなかった

 

策士丸『……俺には真也の事情は分からない。だが、それを聞いて同情するくらいは、いや、少しは理解してやれるかもしれない。だから、真也。お前に勝負を申し込む。俺が勝ったら、事情を聞かせてもらうぞ』

 

会って間もない相手になぜここまでするのかと、策士丸自身疑問に思ったが、せっかく会えた新たな友達を見捨てる気など毛頭無かったからか、その疑問は打ち消された

 

自分のことをほとんど知らない策士丸が自分の内側に踏み込んでくるのを、何ともいえない気持ちを覚えながら真也は口を開く

 

真也「……そこまで言うなら、いいよ。僕に勝てたら教えてあげるよ。いや、違うかな、聞かせてあげるって言った方が正しいかな。もし君が負けたら、有無を言わさずに帰すからね」

 

策士丸『分かった。形式は?さっきと同じか?」

 

真也「たまには本気でやろうか。殺傷設定ありでやろうよ。僕はそう簡単には死にはしないから、気にしなくてもいいから。スペルも無制限でいいよ。本気でかかってきてよ」

 

不気味なほどに静かで、誰とでも仲良くなるようなそれでいて内側に入ってくることを拒むような、そんな雰囲気の真也に策士丸は絶対に勝つと心の中で誓った

 

策士丸「(せっかく会えたんだ。友達になったからには無責任に投げたりはしないぞ!)」

 

 

 

 

 

こうして、真也と策士丸の死闘が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、次回は真也と策士丸のガチ戦闘です

真也「んー、どうなるかなー」

こいし「どうなるかな?」

うん、どうでしょうね?笑

はい、玄武 水滉さん、何かありましたらどうぞ!

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!コンテニューしなければならない死神!?下

はいどーも生きる死神です

真也「今回もまた空いたねー」

こいし「しかもこの文字数」

はい、今回は10000越えという初の長さに加えて玄武 水滉さんのオリキャラの能力の関係上、死亡表現(残酷な表現?)があります、戦闘が大半なので注意です

真也「能力の細かいことは今回のコラボでは書いてないから玄武さんの東方強くてニューゲームを見てねー」

こいし「てなわけで前置き終わらせて始めるよ!」

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

戦闘をするに当たってまず、真也が先にこいしと弾幕ごっこをやった丸の疲れを能力で無くした

 

策士丸『ありがとう。(こんなに便利な能力なのに、なんで真也はあそこまで豹変したんだろう)』

 

感謝の言葉を書きつつ丸はまだ真也の豹変の理由を考えていた

 

しかし考えても分からない物は分からないので、頭の片隅に押し込みこれから始まる戦いに備える

 

真也「あ、そうだ。一応僕も少し能力使うよ。さすがに死なないとは言っても生き返るって訳じゃないからね。いいよね?」

 

策士丸『ああ。もちろん使っていい。俺も常時発動してるような物だからな』

 

2人の会話は端から見れば普通に仲の良い者同士の会話に見えるが、実際は表面上笑っているが目の光は無い少年と黒いローブに骸骨の仮面をつけて大振りの鎌を持った少年という異様な光景だった

 

 

 

 

2人がある程度離れたところで

 

こいし「じゃあ、いいかな?スペル無制限、どちらかが力尽きるまで、それでいいよね?」

 

真也「僕はそれでいいよ」

 

策士丸『俺もそれで大丈夫だ』

 

こいしのルール説明に2人が了承したところで

 

こいし「それでは、始めるよ。それでは私の打つ弾幕が爆発したらスタートね」

 

そう言ったこいしが空に向けて弾幕を放った

 

それはなぜか青い薔薇弾幕でありなぜそれなのか丸は少し考えたが、すぐに戦闘モードに戻った

 

空に放たれた青い薔薇弾幕はどんどん上へと上がっていき、地上から打ち上げているから空を飛んでいる2人からしたらそこまで上ではないが見上げる程度には上がったところで、散った

 

それを皮切りに真也は小手調べに50個ほど弾幕を作り出し(もちろん殺傷設定で)丸に向けて打ち出す

 

それに対して丸は弾幕が散ったのに少し疑問が浮かんでいて反応が遅れてしまう

 

策士丸「(ちっ!いきなり最悪のスタートになったよ!)」

 

少し慌てながらも飛んでくる弾幕を避けながら鎌で切り裂きながら潜り抜ける

 

真也「まあこれぐらいじゃあ駄目だよね」

 

策士丸『さすがに甘く見すぎだ!そんなんじゃ一度も俺は死なないぞ!』

 

ふーんと納得したように頷きながら挑発のような言葉を投げかける真也に、策士丸もなんのと言い返す

 

真也「なら、これくらい避けれるよね?《無心「心無い言葉」》」

 

表情は無表情に。目の光は相変わらず無いが、声はどことなく期待してるように聞こえる

 

そんな真也の周りに宣誓されたスペルの弾幕が展開される

 

黒い中くらいの霊力玉が浮かんでくる。それは、30個程現れるとレーザーを放ち始める

 

放たれたレーザーは乱雑に狙いもなく丸に向かっていく

 

策士丸「(数多すぎるだろ!しかも何も狙ってないからまた避けにくい!)」

 

避けようにも狙いがなくばらばらなそれは狙いを定めてくるよりも避けづらく、弾幕でもないので切り裂くのも容易ではない

 

なんとか避けて鎌で切り裂いてを繰り返す策士丸だが、次から次へと飛んでくるレーザーは無情にも策士丸の体力を削っていく

 

策士丸「(がっ!なんて威力してんだよ!一発一発がぶん殴られるような威力じゃねえか!どんだけ力こまてんだよ!)」

 

レーザーの威力に仮面の下の顔を歪めつつ、何とか凌ごうとするが

 

策士丸「(ちっ!切っても避けてもきりがない!さっきから当たりすぎて足の感覚もない!このままじゃジリ貧……!やば……!)」

 

痛みに意識を取られすぎたせいか、一発、切り裂き損ねたレーザーが策士丸の胸を貫いた

 

そこで一度策士丸の意識が途絶える

 

 

 

 

真也「あーぁ、やっぱり駄目か。まぁ、頑張った方なんじゃないかな?それでも、丸の能力なら復活するんだろうし……ほらきた」

 

地面に落ちていった策士丸を特に何を思うでもなく見ながら呟く真也は、そろそろかと言ったタイミングでその場から離れた

 

真也の離れた後を弾幕がいくつも通り抜けていく

 

策士丸『まだ終わってないぞ?』

 

能力通りコンテニューした策士丸は真也の後ろから浮かんできながら弾幕を放ってくる

 

それらを軽く避けた真也はすんと鼻を鳴らすと

 

真也「さて、次、いくよ?《感情「押さえきれなかった怒り」》」

 

策士丸が死んだ時点で終わっていたスペルから新しい物を取り出し、宣誓する

 

小さな黒い弾幕が少しだけ大量に放たれる

 

策士丸「(短いな。さすがにこれで終わるはずはない。次はどうするつもりだ?)」

 

飛んでくる大量の小さな黒い弾幕を軽く避けて次に備える策士丸に、死角は無いと思えたが

 

策士丸「(なかなかこな……!)」

 

どれだけ気を張っていても唐突に、しかも後ろから来る弾幕には気付けなかったようで

 

策士丸はその後ろから飛んでくる黒い中くらいの弾幕に心臓部分を貫かれて、またも意識が途絶えた

 

 

 

 

 

コンテニューした策士丸の目に最初に入ったのは、中くらいの黒い弾幕に囲われた不思議な集合体だった

 

それはまるでなにかを抑えつけるかのように前後にゆらゆらと揺れている

 

策士丸「(あの中に真也がいるのか?さっき死んだせいであの弾幕がどうなったのかを見れなかったから分からんな)」

 

少々疑問に思うが考えていてもきりがないので、策士丸はすぐに対応できるようにある程度離れた位置で真也の行動を待った

 

そして、策士丸が待って数秒後

 

中くらいの黒い弾幕を先頭に小さな黒い弾幕が大量に放たれた

 

策士丸「(うおっ!?これはやばい!)」

 

飛んでくる大量の黒い弾幕に焦りを覚えた策士丸はスペルを掲げた

 

《死符「隣り合わせの死」》

 

発動するとそれは真也の両側から大量の白黒の弾幕を打ち出す

 

それは真也の弾幕とぶつかり合いお互い相殺しあい、数を減らしていった

 

 

 

 

 

主に横に位置した弾幕の話だが

 

正面にある物までは届かなかったのかどんどん策士丸に向かっていく

 

策士丸「(なんつう物量だよ!あんだけ出して押し切れないとか知らねえぞ!)」

 

頭の中では驚きに思考が熱くなるが、体は冷静に飛んでくる弾幕を斬って避けてを繰り返して、食らうダメージを最小限に留めていた

 

それでも、掠っただけでも殴られた位の威力になるそれは、いくら最小限に抑えようとしても限界があった

 

策士丸「(があっ!量が多すぎるんだよ!何時になったら終わるんだこのスペルは!)」

 

全身を襲う途方もない痛みに、策士丸は早く終われと祈りつつその場を切り抜けようとする

 

そしてそれから数秒後

 

弾幕の嵐は止み、少しむっとした表情の真也と傷だらけで全身がボロボロな策士丸が、そこに残った

 

真也「うーん、堅いね。中々落ちなくて僕も大変だよ」

 

策士丸『あいにくいつも死と隣り合わせだからな。死にたくない気持ちのおかげで切り抜けられるんだよ』

 

またも挑発というか皮肉のような物を投げかける真也に対し、策士丸はこの程度と胸を張る

 

あっそとも言わん顔の真也はそこまで気にした様子もなく次の弾幕を展開する

 

スペルではなく普通の弾幕の打ち合いが始まり、2人は幾つもの弾幕を作り出し打ち合いながら空を縦横無尽に飛び回る

 

真也「追いかけっこが好きならこれをあげるよ。《無符「何処までも追い詰める悪夢」》」

 

どちらかというと逃げながら弾幕を打っていた真也が、スペルを宣誓する

 

小さな黒い弾幕が30個程真也の周りに現れ、少しその場でふわふわと浮かぶ

 

策士丸「(これは、追尾型なのか?さっきの文言からしてもそんな感じがするな)」

 

真也の周りにある弾幕を注意深く見ながら、真也の言った言葉の意味でこの先の展開を予測する

 

そして、その予測は当たる

 

浮かんでいた弾幕は一気に策士丸を狙って打ち出される

 

それは予測していた策士丸が動くと同じように追尾していく

 

策士丸「(やっぱりか。だったら)」

 

《死符「死神舞踊」》

 

掲げると、策士丸の持つ鎌が大きくなる。そしてそれを∞の字を描くように振るい始める

 

振るわれた鎌は飛んでくる追尾弾を切り裂いていく。振るわれた鎌から放たれた小さな鎌形の弾幕は、一部はそのまま飛んでくる弾幕を幾つか切り裂いて削り、あまり当たらなかった弾幕は新たに打ち出される弾幕とぶつかって削っていった

 

2人のスペルは拮抗しておりどちらが有利不利などなく、いかにスペルが長いかで結果は決まると思われた

 

 

真也「あ、そろそろ終わる……あたっ」

 

策士丸「(やばい、もうすぐ終わる……ごふっ!)」

 

お互いの弾幕が向かい来る弾幕を乗り越えて双方にダメージを与える

 

真也はそこまで痛がってはいないが、策士丸は脇腹を抉られてそこから血がだらだらと溢れ地上へと流れ落ちる

 

その様子を見た真也は、その目に少しの憂いを込めて

 

真也「……コンテニューしても痛いのは何度でも味わうんだから、そろそろやめなよ。悪いけど、君の無駄死にとしか思えないよ?」

 

顔は無表情のまま、でも声にも少し心配してるようにも聞こえる

 

それに対して策士丸は明らかに血を流しすぎてふらふらとしているが

 

策士丸『なんと言われようが真也に勝つまで俺はやめねえからな?無駄死にだと言われようがなんだろうが、俺は俺を貫いてやる』

 

意識も怪しいのか字が少し乱れているが、しっかりと真也に意志を伝える

 

そしてまだ意識があるうちに1枚のスペルを掲げる

 

《死符「命の代償」》

 

すると、先程までの怪我が嘘のようにその場に策士丸がいた

 

策士丸『これで文句ないだろ?』

 

真也「……はぁ、君は物好きだね。何度死んでも僕は知らないから」

 

策士丸『そんなに死なねえからな!』

 

どうだと胸を張りながら紙を見せた策士丸に、溜息つきつつその言葉には少しの期待が隠れていた

 

それに気付いた策士丸は仮面の下でニヤリと笑みを浮かべて筆を走らせた後、仕切り直しと言わんばかりに弾幕を作り打ち出す

 

同じく打ち返す真也は考えていた

 

真也「(……例えどんなにやっても、今の僕には意味ないからなぁ。やるなら殺すくらいじゃなきゃ。まあ丸がそんな事できるとは思えないけど)」

 

この勝負、策士丸が本気で殺しに来ないと策士丸に勝ち目がないと。しかし策士丸がそんな事をするとは思えない真也はどうしようかと考えていた

 

すると

 

策士丸『考え事なんかしてると当たるぞ!』

 

ふと策士丸の方を見るとそう書いてあり、ん?と思った真也が周りを見るとなぜか後ろから弾幕が来ていた

 

真也「なにこれ。もしかしてスペル使った?」

 

状況が分かっていない真也は策士丸に聞くと、やれやれと首を横に振りながら策士丸は筆を走らせ

 

策士丸『ああ。《死符「風前の灯火」》だ。なんとなく気付いていない気はしていたが、本当だったか』

 

そう書いた。ふむ、と納得した真也はならばと同じようにスペルを掲げる

 

真也「じゃあ僕も。《無神経「突き刺さる視線」》」

 

すると策士丸を中心に周りから策士丸を狙った速いレーザーが飛んでくる

 

先ほど後ろにあった弾幕は避けられそのまま策士丸の近くに行くと、さらに大量の人魂型の弾幕が配置される

 

その数40程

 

配置された人魂型の弾幕は周りから飛んでくるレーザーの大半を防いでいく

 

それでも防げないレーザーは少なく乗り越えたとしてもそれは策士丸には全く脅威にならなかった

 

策士丸『その程度なのか?』

 

真也「言ってくれるね。ならこれはどう?《感情「悲しみの雨」》」

 

このままではジリ貧だと思った真也は、自らスペルを終わらせ新しいスペルを宣誓する

 

 

 

空から黒い中型弾幕が降ってくる

 

それはまるで雨のように

 

策士丸「(名前の通り雨か。しっかし、これだけならまた人魂型の弾幕で防げるんだが)」

 

人魂型の弾幕を自身の上方に配置してこれから何が起きるかと待っていると

 

策士丸「(何も変わらな……!)」

 

あまり変わる様子が無かったので一部を真也の周りに配置しようとした策士丸は、唐突に細かくなり数が増えた弾幕に驚き急いで人魂型の弾幕を増やす

 

周りを見ると先ほどの中型の弾幕が降ってきているが、自身の所のみ細かい小型の黒い弾幕が降ってきている

 

それを疑問に思った策士丸が降ってくる弾幕の隙間をよく見ると、真也がくるくる回りながら飛んでいるのが見えた

 

策士丸「(これは、雨の中で、遊んでいる?真也に当たった弾幕が細かくなって降ってきているのか)」

 

疑問を解消し、人魂型の弾幕で降ってくる弾幕をほとんど防げているので策士丸は先程とあまり状況は変わらなかった

 

そのままスペルは終了した

 

真也「むー、駄目だったか。そのスペル時間長いね」

 

策士丸『まあな。そういうスペルだから』

 

軽く言葉を交わす2人は今までとは違い皮肉も挑発もない。普通に話すそれはもう友達のようにも思える

 

真也「んー、このスペルで勝ちに持って行きたいな。《無符「黒い薔薇のペンダントの誓い」》」

 

スペルを宣誓すると、真也を中心に黒い薔薇弾幕が放たれる。それは真也からしばらく離れると制止する。その間にまた真也から弾幕が放たれ、5秒経過し最初の弾幕がまた動く頃には2、3回放たれていた

 

策士丸「(これは、密度が高いな。普通にいったら確実に打ち落とされそうだ。だが、さっきの言葉、強欲だなぁ)」

 

真也のスペルを見て少し分析すると、仮面の下でははっと笑いスペルを掲げる

 

《死符「断罪の鎌」》

 

掲げた後、策士丸は鎌を担ぎ真也に向かっていく

 

その様子を薔薇弾幕に囲まれながら不思議そうに見ていた真也は

 

真也「(んー?なんで突っ込んでくるのかな?さすがに考えなしではないだろうし。さっきのスペルに何かあるのかな)」

 

そう考えていたが、何が来るか分からないのでそのまま弾幕を放ち続けた

 

そして、真也の周りに制止している弾幕に近付いた策士丸は、担いでいた鎌を振り下ろした

 

すると

 

真也「……えっ?」

 

先程まで真也の周りにあった弾幕がすべて消えた

 

これには予想もしていなかったので唖然とするが、もう一度策士丸が鎌を振ろうとしているのを見て我に返り再度弾幕を放つ

 

そして

 

策士丸が鎌を横薙に振り抜くと、先程消えた真也の弾幕が返ってくる

 

それは真也が放った弾幕とぶつかり相殺するが、消えていた弾幕の方が多いので相殺されなかった残りか真也に向かっていく

 

真也「……やってくれるね」

 

ぼそりと呟くと自分の放った弾幕に飲み込まれていった

 

 

 

策士丸「(やったのか?いや、そんな簡単に終わる訳ないよな?)」

 

真也に当たった弾幕は当たりに花弁を舞い散らせ策士丸の視界を埋め尽くしていた

 

そして、それらが落ちる頃、真也は顔色変えずまたそこにいた

 

真也「んー、あれはさすがに驚いたかな。でもまあ、まだ足りないよね。さてと、次行くよ?」

 

策士丸「(嘘だろ?俺にあんだけダメージ与える威力の弾幕食らってて平然としてる?どんだけ頑丈なんだよ!)」

 

なんてことなさそうな真也に驚きが隠せない策士丸だが、そんなこと知らない真也はスペルを取り出す

 

真也「さぁ、このスペル。丸はどこまで耐えられる?《無符「無為無策の籠の鳥」》」

 

宣誓されると、策士丸を中心に弾幕で出来た籠の様なもので囲われる

 

真也「先に言っとくね。これは耐久スペル。たぶんコンテニューしてもまたその中に戻らされるから気をつけてね」

 

言い終わると同時に中央上からレーザーが降ってくる。しかも中くらいの太さのが

 

不意打ち気味に来たが軽く避けた策士丸はこの先の展開が読めずにいた

 

そのせいか、唐突に動き出したレーザーが分裂した弾幕に気付けず左肩を掠る

 

策士丸「(ぐっ!これは動きが読めない!避けづらいことこの上ないぞ!)」

 

策士丸を掠った弾幕とそれら以外の弾幕はそのまま弾幕の壁にくっつく

 

そして、そこから出てくる薄い予告線を見た策士丸はその上が危ないとすぐに分かるが、分かっていても無理だった

 

なぜか

 

策士丸「(はぁ!?嘘だろ?確かに避けるスペースはあるけど狭すぎるだろ!)」

 

そう、弾幕ごっこのルール上スペルカードには避けれるだけの空間が無ければいけない

 

そして、このスペルはその空間が今までよりも異様なほど狭いのだ

 

それはまるで、本気で殺しに来ているようにも思える

 

真也「今回はちょっと奮発して多くしてみましたー。丸なら避けきれると思ってるから、頑張ってね」

 

困惑してなんとか空間に移動する策士丸に、先程よりも幾分か声の明るい真也がそれとは裏腹に無情な宣告をする

 

嘘だろぉ!?、と言わんばかりに仮面の下では驚いているが状況が状況なので、あまり動けなかった

 

そして、一段落したところで予告線をレーザーが走った

 

スレスレにそれをかわす策士丸は、この後もこれが続くのかと思うとすでに気が重かった

 

策士丸「(さすがに避けるだけじゃその内削られて死ぬだけだ。ここはスペルで耐えきる!)」

 

そんな思いを振り切るために策士丸はスペルを掲げる

 

《冥符「死葬ノ倶利伽羅 序」〉

 

すると、策士丸が持っていた鎌が変形して大剣になり緋色の炎を纏う

 

さらに策士丸にも変化が

 

真也「(んー?さっきまでの策士丸の力の元と違うなー。今のスペルに何か関係あるのかなー)」

 

先程まで策士丸が使っていたのは霊力だったのだが、今の策士丸は神力になっていた

 

神力をよく知らない真也にとっては何か変わった程度にしか分からないが、何かしてくれるんだろうと期待してその剣を構えた策士丸を見つめた

 

策士丸「(さて、使ったはいいが明らかに大剣でこれはちょっと厳しいんだよなぁ。でも下手すると時間で終わりかねないし。しばらくはこれで耐えるしかないか)」

 

第2波のレーザーが来るのをその手に持つ大剣で上手く真ん中から引き裂いてみる

 

引き裂かれたレーザーはそんなことお構いなしに底に届き、また分裂する

 

その分裂した弾幕に対しても大剣を振って切り裂いたりして数を減らす

 

そのおかげか、先程よりは空間が出来て避けやすくなる

 

これはいけると思った策士丸はそのまま大剣で分裂した弾幕を斬って、空間を作り避け続けていたがスペルの時間が気になり始める

 

策士丸「(うーん、時間が怪しいな、もしかしたら途中で終わるかもしれないし、最後のスペルを使って凌ぐとするか)」

 

これ以上は厳しいと判断した策士丸は新たなスペルを取り出し掲げる

 

《冥符「死葬ノ倶利伽羅 破」》

 

すると今度は手に持っていた大剣が2本の双剣に変わって蒼い炎を纏った

 

変形した一対の双剣を手に策士丸はまた分裂したレーザーを切り裂き始める

 

先程よりも手数が圧倒的に多くなり弾幕の数がみるみる減っていく

 

その様子を真也は感嘆の声を漏らしつつ見ていた

 

そして、その後4回5回繰り返された後、スペルは終了した

 

策士丸『どんなもんだ。真也のスペルを乗り切ってやったぞ』

 

真也「いやー、あんな力業で避ける人初めて見たよー。なんというか脳筋なんだね、丸ってー」

 

ふんと胸を張る策士丸に対して真也は目をぱちぱちと瞬かせながら何とも微妙な言葉を返す

 

策士丸『いや、脳筋じゃねえよ!?あのスペルはああやって使うもんだから!』

 

脳筋認定は嫌なのか策士丸は真也に詰め寄り説明する

 

まあむあと詰め寄ってくる策士丸を押しやり、あははと笑うと真也はカードを取り出す

 

真也「さて、まだ君のスペルは終わってないんだし、僕もまだ使ってないスペルがあるんだよね。これで決着にしようか。君が僕のスペルを凌げたら君の勝ち。逆に凌ぎきれなかったら僕の勝ち。それでいい?」

 

策士丸『あぁ、わかった。そのスペル打ち砕いてやる』

 

カードを手にひらひらと裏表を見せながら説明する真也に、そんなもん余裕だといった感じで軽く双剣振る

 

2人は距離を取り、真也がスペルを宣誓する

 

真也「さてと、これが最後のスペル。《温情「光り輝く者への慈悲」》」

 

宣誓すると、頭の上に1つ、両肩の斜め上辺りに1つずつ、両足の下辺りに1つずつ、計5つが正五角形を形作るように白い弾幕が現れる

 

それは隣同士で線で結ばれると、正面に中くらいの白い弾幕が現れそらも周りの弾幕と線で結ばれ、正五角錐になる

 

真也「さぁ、準備は整ったよ。丸も準備はいいかな?」

 

白く光る正五角錐の中でもう無表情ではなく、いつもの笑顔で真也は問い掛ける

 

それに対して策士丸は準備万端と言うことを示すために双剣を交差させて頭の上に掲げた

 

ふふっと笑った真也は目の前にある弾幕に握りしめた右手を突きだし

 

真也「じゃあ、いくよ」

 

そう一言言うとその手を開いた

 

その瞬間、目の前にある白い弾幕から閃光が放たれる

 

それは名の通り光り輝き、慈悲を与えるかのように閃光は伸びていく

 

それを目の前にして策士丸は冷静だった

 

策士丸「(さぁ、これが最後の根比べだ。これは双剣で受けきれるか分からないが、大口叩いたからにはやりきってやるさ!)」

 

仮面の下でふっと笑うと双剣を目の前でクロスさせ、その閃光に突っ込んだ

 

白く輝く閃光と蒼く揺らめく炎を纏った一対の双剣は、正面からぶつかり合いどちらも一歩も引かずに前へ進もうともがく

 

それを放った者達も、負けるわけにはいかないと意地を張り合いさらに力を込める

 

継続して放たれる閃光は双剣に対して弾かれながらも、その勢いを衰えさせることなく進み続ける

 

対する双剣は、閃光を弾いて前へ前へと突き進みながら蒼い炎を周りに散らす

 

両者とも一歩も引く様子が無い中、策士丸は焦り始める

 

策士丸「(やばいぞ。このままだと先にスペルが終わっちまう。そしてら負け……それだけは嫌だ。だがどうすれば……)」

 

スペルの制限時間が近付いてきていると直感で感じた策士丸は背中に冷たいものが流れる

 

策士丸「(ここまで来たんだ、ここで負けてたまるか!)」

 

意志を固めた策士丸はさらに力を込めて突き進む

 

真也「………………」

 

閃光の大本にいる真也はどこか憂い気な顔で笑みを浮かべる

 

そして、策士丸がスペルが終わると目をつぶった瞬間

 

策士丸「(やばい……!これはまた一回死んで……!)」

 

あることに気付く

 

それは

 

策士丸「(レーザーが、こない?スペルブレイクしたのか?)」

 

レーザーが急にこなくなったこと

 

それはスペルブレイクを意味していると策士丸は気付き、安堵感で包まれていたがさらにあることに気付く

 

策士丸「(待てよ?まだ俺スペルが終わってないから突っ込んでるよな?そしたら、このままだと真也にぶつかるような……)」

 

まだ終わっていなかったスペルを展開したまま策士丸は突っ込んでいることに気付く

 

そして、すぐに目を開けた

 

そこには

 

もうすでに目の前に真也がいた

 

策士丸「(!!!)」

 

止まろうにももう時すでに遅く、間に合うこともなくそのまま策士丸は真也に双剣を突き出したまま突っ込んだ

 

そして反射的に斬ってしまう

 

真也「っぐふ。あーぁ、負けちゃったか。おめでとう、丸の勝ちだ」

 

そう言う真也の腹からは突き出された双剣によって斬られた後から血が流れる

 

策士丸『お、おい!そのままでいいのか!?』

 

焦る策士丸が素早く書いた紙を見せると、自嘲気味に笑った真也は1つ頷き地上に降りる

 

しばし呆然とした策士丸はいつの間にか解除されていたスペルに何ともいえない気持ちになりつつ少し遅れて降りていった

 

 

 

 

 

 

こいし「……結果は、途中でルール変更したみたいだから丸の勝ち、でいいんだよね?真也?」

 

真也「もちろんー。さてと、じゃあ約束通り話すとしようか」

 

策士丸『いや、その前に傷どうにかしろよ!?』

 

地上に降り勝敗を改めて確認したあと、こいしの隣で真也は話そうとしたが策士丸に怪我をどうにかしろと止められたら

 

真也「んー?あー、忘れてたー」

 

こいし「忘れるもんじゃないでしょ。そういうのは」

 

策士丸「(ずれてんなぁ)」

 

忘れてたとすっとぼける真也にこいしが隣からジト目でそう返す。策士丸は内心でそんなことを考えつつ真也が怪我を治すのを待った

 

 

 

 

真也の傷も能力で無くして、お互いの服の汚れなども無くしたところで約束通り真也は話した

 

真也「んー、細かく言うのはよくなさそうだから、簡単に一言で纏めちゃうね。僕は元は外の世界からきた外来人だけど、外の世界ではいわゆる、天涯孤独、ってやつだったの。これで言いたいことはなんとなく伝わるかな?」

 

策士丸「(天涯孤独……確か意味は、身寄りもなくひとりぼっち、だったっけな。……ってことは、真也は外の世界でひとりぼっちだったってことか?)」

 

真也の言った一言を頭の中で意味を解釈し外の世界での真也の状況をなんとなくだが把握することの出来た策士丸

 

真也「まー、そうなったのにもいろいろ理由はあるんだけど、それは別に言う必要ないからいいよね。で、そのせいなのかおかげなのかは分からないけど、僕の能力は発現したわけだよ。向こうの世界では僕の能力は異質というか嫌悪を抱かれるものらしくてね、まあ、いろんな人にいろんなことをされたよ」

 

そう語る真也の顔はどこか懐かしそうで、その内容とは一致していないことに違和感を覚えるような話しぶりだった

 

そんな様子を仮面の下で苦い顔をしながら聞く策士丸は何も言わずに話を聞く

 

真也「そーゆーことだから、僕の能力は確かに便利だろうけど、不自由が無い訳じゃないから。まぁ、これのおかげで今ここにいれるって考えたら、悪いことばっかりじゃないなって思うよ」

 

最後を明るく締めた真也の目は隣を見ており、その目には喜びの色が見える

 

そして、その視線の先にいるのは同じように見ているこいしだった

 

その様子から2人が普通よりも強い絆で結ばれているのだろうと気付く策士丸は顔を見せない仮面の下で優しく笑っていた

 

策士丸「(そうか、今真也がああしていれるのは、こいしのおかげなんだな。向こうの世界で天涯孤独だった真也は、こっちの世界で居場所を見つけられたんだな)」

 

そう考えた策士丸は、2人の関係をなんとなくで把握するとまた紙にさらさらと何かを書いた

 

策士丸『なぁ。ちょっとお熱いところ悪いが聞きたいことがあるんだ。2人にとって大切な人について教えてくれよ』

 

真也「大切な人についてかー」

 

こいし「んー」

 

書かれた内容を見て2人は少し考える

 

真也「んー、僕からしたらその人は僕のことをよく知ってくれて、それでもまた知ろうとしてくれる人だねー。誰よりも僕のことを考えてくれてるし、もちろん、僕も考えてるけどね。まあ、僕にとって大切な人はかけがえの無い人だね」

 

そう話した真也は一度もこいしを見なかった。それでも策士丸にはその人が誰のことを指しているのかすぐに分かった

 

こいし「私も同じかなぁ。いつも私のことを守ってくれるし、私のことをよく考えてくれてるから、その人のことを守ってあげたいし、同じくらい考えてるって分からせたいな!」

 

にっと笑ったこいしはそう話し、隣にいる真也にちらっと視線をとばしてにこにこ笑みを浮かべる

 

2人が同じように想い合っていることが分かった策士丸は笑みを浮かべていた

 

策士丸『そうか、2人がどう思っているかは分かったよ。俺も似たようなことを思える奴がいるからな、少し気になったんだ。ありがとな』

 

真也「そーなんだー。お幸せにねー」

 

こいし「お幸せにっ!」

 

似たもの同士だったことに真也もこいしもにやにや笑いながらエールを飛ばす

 

3人の仲は前よりも深まったように見えた

 

 

 

 

 

策士丸『そろそろ帰るとするよ。紫辺りが送ってくれるだろ』

 

真也「んー?僕が送ろうかー?」

 

こいし「真也の能力ってほんと不思議だよね」

 

あの後3人は楽しく雑談をして、少し日が暮れてきたところで策士丸が帰ると紙に書いた

 

真也はそういうと、答えを聞く前に能力を使い不思議な空間を開く。その隣でこいしは少し苦笑を浮かべているが

 

策士丸『お、ありがとな!最後の最後までお世話になったぜ。今度はこっちにも遊びに来てくれよな!』

 

そう書いた策士丸は空間に近付いていく

 

真也「あははー、気になるから行きたいなー」

 

こいし「私も行けたら行きたいな」

 

良い返事を返し手を振る2人

 

そんな2人に手を振り替えし空間に近づき、後一歩で入るというところで

 

策士丸『そういえば、2人の前で仮面外してなかったな』

 

真也「そーいえばそーだねー」

 

こいし「確かに。ちょっと気になるね」

 

さらさらと書かれた紙を読んで確かにと納得すると、策士丸が2人に背を向け何かをする

 

そして改めて振り向き無言で手を振ってその空間に入っていった

 

真也「あー、以外と優しそうな顔だったなー」

 

こいし「ね。あの仮面は似合わないね」

 

2人は帰る前に見た策士丸の素顔が思いの外優しそうだったのが印象に残った

 

そして、空間が閉まったところで

 

真也「さてとー、そろそろ暗くなってくるしー帰ろっかー」

 

こいし「ほんとは能力使いすぎて疲れてるだけでしょ?」

 

帰ろうと提案した真也にこいしはじーっと見ながらそう返す

 

ギクッ、という音が聞こえそうな反応をする真也はいつもの笑顔がひきつっている

 

真也「そ、そんなことないよー。なんでそんなこというのさー」

 

必死で誤魔化そうとする真也にこいしははぁ、と溜め息をつくと人差し指をビシッと真也に指し

 

こいし「私が気付かないと思ってるの?真也のことをいつも見てるんだから気付かないわけ無いじゃん!」

 

そう言い放った

 

これには何とも言えない真也は肩を落とすと

 

真也「むー、やっぱりこいしにはばれちゃうかー。まあさすがに分かりやすいのもあったけどさー」

 

こいし「ふふんっ!さすがにわかりやすかったからね!なんどか傷を無くしたり、服の傷も無くしてるし、なにより、霊力無尽蔵か無限にしてたでしょ!」

 

頭を掻きながらそう言うとこいしが何に使っていたかを答える

 

それに驚きつつもなんだと安心する真也

 

真也「あー、確かにそれであってるねー。もう一つあるんだけどー、気付いてないかー」

 

こいし「えっ?もう一つ?うーん、私が気付かないなんて……」

 

まさかのもう一つあったことに驚くこいしだったが、少し考えてるうちに真也が先に飛んでいってしまったことに気付いて追い掛ける

 

こいし「待ってよー!」

 

真也「あははー、ごめんごめんー」

 

追いついたこいしはむぅーと頬を膨らませ真也に近寄ると軽く体当たりをする

 

うわっ、と言いながら少し体勢を崩した真也だがすぐに戻すと笑いながら地底の入り口に向かっていく

 

2人は仲良く笑いながら地底に戻っていった

 

 




はい、どうでしたか

真也「いやー、強かったなー」

こいし「最後の能力の使った場所って結局どこだったの?」

あー、あれは珍しくスペルに能力が少し入ってるんですよね。まあ、もう一つあるけど

真也「ヒントは最後のスペルー」

こいし「んー?最後……あ、もしかして」

はい、というわけで玄武 水滉さんどうでしたか?何かあればとうぞ言ってください!

真也「向こうの丸は霊夢ととっても仲良くしてるみたいだから見てみてねー」

こいし「是非是非見てね!」

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編!七夕と夏祭り、夜空に咲く光の華

はーいどーも生きる死神です

真也「今回は七夕のお話ー」

こいし「7月7日だから合わせて投稿したみたいだよ」

間に合うか心配だった……

真也「お疲れ様ー」

こいし「よく頑張ったね」

うぅ、2人の優しさが身に染みる……

真也「今回は9500文字ちょっとあるから見るときは気をつけてねーいつもより長いよー」

こいし「それじゃあそろそろね」

はい、それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

 

地上の空も暗くなってくる夜の7時頃

 

真也「んー、こいしはまだかなー」

 

いつもの黒いズボンに白いシャツ灰色のカーディガンではなく、濃いめの青地に黒色の薔薇が幾つか描かれた浴衣を着た真也は地霊殿の玄関で待っていた

 

今日は7月7日、外の世界では七夕なのだが、幻想郷でも博霊神社で夏祭りが行われていると、数日前に地上に遊びに行ったときにフランに言われたのだ

 

真也「いやー、夏祭りなんて僕には縁のないものだと思ってたなー。こっちに来てほんっとーに変わったなー」

 

自分の来ている浴衣の袖の中にあるペンダントを少し弄くる

 

真也「(それもこれも全部こいしのおかげ。こいしは地上の祭りは初めてらしいから、ちゃんと迷子にならないようにしないとね!)」

 

自身の想い人を迷子にさせないように、しっかりしないと、そんなことを考えていると

 

 

 

 

こいし「ごめんね。待たせちゃったかな?」

 

真也「んー?大丈夫だよー、そんなに待ってな……」

 

やってきたこいしに本音で待ってないよと言おうとして振り返った真也は、息をのんだ

 

真也「……」

 

こいし「……変、かなぁ?真也は、どう思う?」

 

いつもの服装から今日のためにこいしは、淡いグリーンに少し暗めの青い薔薇がいくつも描かれた浴衣を来ていた。そして髪型は、真也が渡した髪飾りで髪を首もとで纏めて左肩から流していた(サイドダウンと言うらしい)

 

いつもの活発で元気いっぱいの姿はどこへやら、そこにいたのはお淑やかに不安げな表情のこいしだった

 

真也が何も言わないことに不安を覚えるこいしは、少し俯き、それから顔を上げて上目遣いにか細い声で呟く

 

こいし「……お姉ちゃんは似合ってるって言ってたけど、真也がどう思ってるか聞きたいなぁ」

 

真也「……あ、っと、えと、あのね?」

 

とりあえず言葉を発した真也に、こいしはじーっと視線を送る

 

真也「……言うのがすっごい恥ずかしいんだけど、うん、似合ってる。いつも可愛いけど、今日はいつも以上に可愛いよ。なんだか今日は大人っぽい感じがするしね」

 

顔を赤くしながら少し視線を泳がせていた真也は、少し間を空けてしっかりとこいしの目を見てそう答えた

 

その答えにこいしは、言葉ではなく、行動で返す

 

こいし「嬉しいっ!」

 

真也「わっ!こいし?」

 

ぴょんと飛んで抱きついたこいしに真也は驚いて受け止めるも少しよろめく

 

こいし「……真也が似合わないって言ったら、私、郷外に出るのやめてたかも……」

 

しっかりと抱き締めて離さないこいしは弱々しくそう呟いた

 

そんなこいしに真也は優しく頭を撫でてあげることで安心させようとする

 

真也「僕は、こいしが何を着てても似合うと思うしどんなこいしでも大好きだから。似合わないだなんて、言わないから」

 

こいし「真也……ありがと……」

 

抱き締める力さらに強くして、こいしは感謝の言葉を述べた

 

そして、ふっと真也から離れてくるりと後ろを向いて浴衣を直すと

 

こいし「よしっ。じゃ、いこっか!」

 

振り向いて手を差し出した

 

その顔はいつも以上にキラキラと輝いていて、真也は頬が熱くなるのを感じながらその手を取って地上に向かった

 

 

 

 

 

 

 

博霊神社に着いた2人はまずその人の多さに驚いた

 

真也「うわぁー、ここってこんなに人が来ることあるんだねー。宴会の時以外でも人来るんだねー」

 

こいし「たまに見に来るといっつもすっからかんなのに、祭り事の日はさすがに来るんだね。これなら賽銭くれくれ巫女さんも今日は静かそうだね」

 

驚いた割には話の内容がどちらかというと馬鹿にしているような感じである2人

 

すると

 

霊夢「だぁーれが賽銭くれくれ巫女だ、このバカップルが」

 

真也「あたっ」

 

こいし「いてっ」

 

どこからともなく現れたいつも通りの巫女服の霊夢が大幣で2人は軽く叩く

 

霊夢「さすがにお祭りの日くらいは参拝客も来るわよ。……まあ、出店やってるのは妖怪の方が多いんだけどね」

 

真也「さすがは妖怪神社ー……いたっ」

 

こいし「それにしてもいきなりどうしたの?妖怪が暴れないように見張ってるの?それとも暇なの?」

 

霊夢「あんたも叩かれたいのかしら?」

 

呆れ顔で言った霊夢は、自身が呟いたことにツッコミを入れた不届きもの(真也)に制裁(大幣)を食らわし、苦笑いと呆れ顔の混じった何とも言えない表情でこいしの質問に返答する

 

霊夢「まあ、どっちも同じくらいね。実際暴れないようにってのもあるけど、何もしてないと暇なのよ。祭りも回れて暇もつぶせる、一石二鳥よ」

 

真也「そのうち祭りを回ることが主にー……ごめん、その力の入った大幣を降ろしてそろそろ頭痛い」

 

こいし「真也……。まあ、霊夢の事情はわかったよ。私達は普通に回るから、また今度ね?」

 

返した返答に訂正を入れてこようとした阿呆(真也)に前の2回よりも力の込めた大幣を振り上げて、にっこりと笑っていた霊夢だが、こいしがそろそろと言ったところで溜め息をつきながら力を抜いて降ろした

 

霊夢「はぁ……面倒事を持ってこなかったらお茶くらいは出してあげるわ。あと、あんたの連れが余計なこと言わなかったら」

 

立ち去り際、ふんと鼻を鳴らしながら人混みに消えていく霊夢はこいしの隣にジト目で視線を送って消えていった

 

こいし「もぅ、煽りすぎは良くないよ?これから回るんだから怪我なんてしないでよねっ」

 

真也「はい、ちょっと遊びすぎちゃった。反省したからそろそろ行こっかー」

 

腰に両手を当て、やれやれと首を振りながらこいしはそう言うと、真也も少し真面目な表情で返した

 

行こうと言った真也が手を出すと、ふふふと笑ったこいしはその手を取って祭りの人混みに入っていった

 

 

 

 

 

 

こいし「あー!あれも食べたいっ!」

 

真也「こ、こいしー、まずは持ってるもの食べてからねー?」

 

こいし「えー?食べたいよー!」

 

出店を回り始めて早1時間、こいしの左手には綿飴(早苗達が作ってた)が、真也の右手には焼きそば(なぜか鈴仙1人作っていた)とお好み焼き(勇儀と鬼達が作ってた)が1つずつ入った袋を持っていた

 

ちなみに、こいしの右手と真也の左手は回り始めてから一度も離れていない

 

(どこかから「さすがかよ!」と言う声が聞こえた)

 

そんな手持ちがいっぱいな状態で今度はこいしはあれーーリンゴ飴(静葉と穣子が作ってた)ーーが食べたいというのだ

 

さすがに手が足りない真也はどうしようかと悩んでいたのだが

 

こいし「ほら!手は空いたよ!だから買って良いよね!?」

 

真也「そんなすぐに手が空くわけー……ってほんとに空いてるー!?」

 

悩んでいるうちにかけられた声で、こいしの手を見ると本当にさっきまで持っていた綿飴が消えているのだ

 

リンゴ飴を買いに行くこいしについて行きつついつ食べたんだろうと考えていると

 

ぬえ「これいつまで持ってればいいのよ」

 

真也「あれー?ぬえいたのー?」

 

いつからいたのか分からないが黒地に赤と青の不思議な模様(なんだかUFOっぽい)の入った浴衣を着たぬえが現れた

 

真也の反応にひどい!と憤慨しつつその手に持ったものを少しかじる

 

真也「んー?それってもしかしてー」

 

ぬえ「これ?これはこいしに持っててって言われてるから持ってるのよ。あの子私を荷物持ちかと考えてないでしょうね……もぐもぐ、甘いなー」

 

だから手が空いていたのかと納得した真也

 

少し小言を呟きながらその手の綿飴をまたかじると

 

こいし「買ってきたよ!ありがとね、ぬえ……って、食べてるし!」

 

ぬえ「ぬえぇっ!?」

 

食べているところを買って戻ってきたこいしにばっちり見られる

 

変な声が出たぬえはなんだか良い笑顔を浮かべているこいしに謝る

 

ぬえ「ご、ごめんね、ちょっと食べたくなっちゃったの!」

 

こいし「もー、それなら行く前に言ってよね!ほら、ぬえの分もあるからさ!」

 

ちゃんと謝ったぬえにちょっとだけ怒った表情を見せると、すぐに笑顔に切り替えてリンゴ飴を渡す

 

え?と言った顔のぬえは感謝しつつそれを受け取る

 

真也「そういえばさー、ぬえっていつからいたのー?」

 

ぬえ「それまた掘り返す?」

 

こいし「あー、綿飴をどうしようかと悩んでたら来たんだよ。ちょうど良いから持っててもらってね!」

 

最初の疑問を掘り返すとぬえがしょぼくれた顔をする

 

そしていたのは真也が悩んでいるときからだったらしく、気付いていなかった真也はどれだけ手を空けることを考えていたのかと2人に笑われることになった

 

それから、綿飴をこいしとぬえは仲良く(ぬえは最初申し訳なさそうだったけど途中から普通に食べ始めた)分け合ったあとリンゴ飴を食べている時

 

ぬえ「あ、マミゾウだ」

 

こいし「まみぞう?」

 

真也「ーー♪(リンゴ飴食べてる)」

 

知り合いを見つけたらしいぬえが、その名を出すがこいしは聞き覚えがないのでよく分からなかった

 

(真也はリンゴ飴に夢中)

 

ぬえ「まあ、最近来たやつで外にいたときの知り合いみたいなもんかしら」

 

こいし「へー、外の世界ねー」

 

2人の関係を聞いたこいしは少し興味を持つが、隣の真也のことを考えそこまで露骨には表さなかった

 

ぬえ「私、あいつと話してくるわ。リンゴ飴ありがとね。今度なにかあげるわ。それじゃ、またね、お熱いお2人さん」

 

こいし「あ、うん、またね。一応期待してるね」

 

離れていくぬえを見送ると、未だにリンゴ飴を美味しそうに食べている真也の袖をつつく

 

真也「んー?」

 

こいし「ねぇ、どこかに座って買ったもの食べよ?」

 

リンゴ飴を食べつつ少し考えていたが、縦に1つ頷くとどこかに歩き出すした

 

 

 

 

 

 

こいし「あー、お腹いっぱい」

 

真也「以外と買ってきたものだけでお腹いっぱいなっちゃったねー」

 

2人は祭りの会場から近いところにある森の中の岩に座っていた

 

買ってきたものを食べ終わり(食べさせ合いもしていた)、少し休憩して祭りの様子を眺めていると

 

天子「あれ?こんなところで何してるの?」

 

真也「あ、天子ー」

 

こいし「んー、休憩かな?天子は?」

 

どちらかというと2人の左側、神社の本殿側から天子が現れた

 

天子「私?私はねー……えーっとね、その、ねぇ」

 

こいしの質問に対して歯切れの悪い天子に、真也とこいしは顔を見合わせもしかしてと思い

 

真也「もしかしてさー、迷い子になっちゃったのー?」

 

こいし「衣玖とはぐれちゃったのかな?」

 

迷子かと尋ねると、その通りだったのか天子は帽子を深くかぶり無言で小さく頷く

 

真也「んー、ここで少し待ってればー?その内こっちにも来ると思うよー?」

 

こいし「下手に探しに行ってもすれ違うかもしれないしね」

 

2人の言葉にうんうんと頷き、2人の座っている岩に腰掛ける(岩は以外と大きく3人くらいは余裕で座れる)

 

真也「そう言えば天子も浴衣着てるねー」

 

こいし「とっても似合ってるよ!」

 

天子「そ、そう?ありがと!」

 

ふと話題にした天子の浴衣。いつもの服ではなく黄色の星のような模様の入った水色の浴衣を着ていた

 

髪も結んで上げて、簪で止めているのでよく見るといつもとは違う雰囲気があった

 

天子「たまにはちゃんと着てくださいって、衣玖に怒られちゃってね。似合ってるなら着て良かったかも」

 

こいし「うんうん!似合ってるよ!真也もそう思うよね?」

 

真也「うんー。とっても似合ってるー。雰囲気も大人っぽいー」

 

2人から褒められ顔を赤くしながらも嬉しそうな天子

 

それに対してこいしは少しむくれていた

 

こいし「へーんだ。私は子供っぽいですよーだ」

 

天子「あれ?もしかして、こいし、嫉妬してる?」

 

わざとらしく子供っぽい口調で話すこいしに、天子はストレートに疑問をぶつける

 

少し戸惑ったがふん!と強がりを見せるこいしに真也が耳元で何かを言うと

 

こいし「……」

 

真也「~~♪」

 

ぼんっ、とでも言うようにこいしが顔を真っ赤になり、真也はとても機嫌が良さそうに鼻歌を歌い始める

 

そんな2人に置いてかれる天子だが

 

天子「ふふっ、ほんと仲良いんだから」

 

ニコッと笑みを浮かべながらそう言うと少し周りを見渡す

 

すると

 

天子「あっ、あそこにいるの衣玖っぽい!」

 

真也「おー、行ってきなー。僕たちはもう少しここにいるからー」

 

見渡した先に衣玖がいたのか天子は岩からぴょんと降りる

 

天子「2人ともありがとね!また今度遊ぼうね!じゃあ、2人とも楽しんでね!」

 

そう言うと天子は走り去っていく

 

それを見送り未だに横でトマトのように顔を赤くしているこいしの頭を撫でて

 

真也「そろそろ行けるかなー?」

 

こいし「う、うん」

 

そう聞き、頷きながら答えられたので岩から降りてこいしが降りてくるのを待ち、降りてきたところで手を取ってまた2人は祭りの人混みに入っていった

 

 

 

 

 

 

 

こいし「あ、御守り売ってる」

 

真也「ほんとだー。お祭りです御守りってあんまり見ないよーな……って、売ってるの雛だー」

 

雛「あら、2人とも。いらっしゃいな。厄神特製の厄除けの御守りはいるかしら?」

 

なんとなく気になった御守りの店をよく見ると雛がやっていた

 

近付いて売っている御守りを見ていると

 

雛「うーん、2人は私ともよく話してくれるしちょっと特別なものをあげようかしら」

 

真也「特別なものー?」

 

こいし「いいの?」

 

少し考えていた雛はそう言うと、真也達からは見えないところで作業を始める

 

雛「少し時間かかるから他のやつを見てて」

 

そう言われた2人はまた御守りを見てあーだこーだと話し始める

 

そして、数分後

 

雛「はい、これでいいかしら」

 

真也「これはー?」

 

こいし「なんだろ」

 

2人に手渡されたのは、見た目は一般的な御守り

 

雛「私の売ってる御守りは私の能力を少し付与して作ってるから御守りが厄を取ってくれてるんだけど、今作ったのは特製で厄を集めるだけでなくその厄を浄化するのよ」

 

真也「浄化ー?」

 

こいし「どういうこと?」

 

渡された御守りの説明を聞いて、少し分からないところがある2人

 

雛「えっとね、今売ってる御守りは厄を集めるにも限度があってねそれを越えるともう使い物にならなくなるの。でも、2人に渡したのはその限度に達する前に自動で集めた厄を浄化できるの。要は無くしたりしない限りは厄を集め続けてくれるわ」

 

真也「えっ!そんなものもらってもいいのー?」

 

こいし「これかなり高いでしょ?」

 

細かい説明を聞いた2人は驚いて本当にもらっていいのかと聞くが、雛は笑顔でいいのよと頷く

 

雛「あなた達は誰も話しかけてくれない私に話しかけてくれたからね。あなた達と話すの楽しいしね。いいのよ、お金なんてこれは私からのプレゼントよ」

 

真也「雛……ありがとねー」

 

こいし「ありがとっ!」

 

嬉しい理由に2人は感謝する

 

真也「あー、普通の御守りも買ってくねー。地霊殿のみんなにもあげたいしー」

 

こいし「そうだね。雛!これ5つ頂戴!」

 

雛「あら、買ってくれるのね。ありがとね、はい、どうぞ」

 

ちょっとしたお土産として御守りを5つ買っていく2人

 

2人はまたねと声をかけてまだまだ祭りを回る

 

 

 

 

 

 

真也「んー?あそこにいるのフランじゃないー?」

 

こいし「あ、確かに。それに隣にいるのは魔里沙だ。2人で何してるんだろ」

 

雛の出店から離れて祭りを回っていると、フランと魔里沙の2人組を見つけて

 

フランは黒い百合の花の描かれた赤地の浴衣、魔里沙は白い三日月の描かれた黄色地の浴衣を着ていた

 

向こうも気付いたららしく近付いてくる

 

フラン「こんばんわっ!2人とも浴衣似合ってるね!」

 

こいし「フランありがと!フランも似合ってるよ!」

 

魔里沙「お前らも来てたのか」

 

真也「いちゃ悪いのかなー」

 

フランとこいしは2人でわいわいと話し始める

 

真也は魔里沙と少し険悪になるが話し始める

 

魔里沙「いや、そんな訳じゃないんだぜ。地底のやつらもこの祭りのことを知ってるんだなと思ってな」

 

真也「あー、そういうことねー。僕たちはフランから聞いたんだー。勇儀とかはたぶん他の友達に聞いたんじゃないー?」

 

実際、回っている間に、ヤマメ、キスメ、パルスィ、お燐、お空はいた

 

さとりがいないのは大方第三の目を気にしてるからだろう

 

魔里沙「ふーん。あいつらにも地上の知り合いがいるんだな」

 

真也「さぁねー。僕は良く知らないよー」

 

2人がまったりと話していると

 

フラン「ねえねえ!向こうで短冊ってものに願い事を書くところがあるからこいしと真也行ってきなよ!まだ行ってないでしょ?」

 

真也「んー?短冊ー?」

 

こっちでは聞かないような言葉に聞き返してしまう真也

 

魔里沙「あぁ、あれか。たぶん紫のやつが面白そうだからってまあ外で調べてきたんだろ。私達はもう書いたし行ってきたらどうだぜ?」

 

真也「ふーん、そうなんだー。こいしー、どうするー?」

 

こいし「いこっ!」

 

間違いではなかったので、紫はなんでもやるなぁと思いつつこいしに聞くと即答で返ってきた

 

2人はフランと魔里沙に別れを告げ2人から聞いた場所に向かった

 

 

 

 

 

 

真也「ここみたいだねー」

 

こいし「ねー。んー、人がいっぱい……」

 

2人は言われたところにつくと、またも人の多さに驚いた

 

祭りの会場の入り口もそこから見える中の様子で人が多いのを確信していたが、短冊を書くための会場は単純な人口密度ではこちらの方が上回っていた

 

なんとか短冊とペンを手に入れた2人はどこかに書ける場所がないかと探す

 

すると

 

誰かがこちらに向けて手を振っているのに気付く

 

その人のところから見える特徴的なものに2人は誰か振っているのか気づきそこに向かう

 

そこにいたのは

 

小傘「やぁやぁ!2人も短冊書くの?」

 

真也「そうだよー。小傘も書いてたのかなー?」

 

こいし「傘のおかげですぐに分かったね」

 

にこにこと笑みを浮かべる小傘だった

 

やってきた2人が書くというので自分がいたところを空ける

 

2人は小傘に感謝しつつ先にこいしが書き始める

 

小傘「私はもう書いたよ」

 

真也「何書いたのー?」

 

こいしが書き終わるのを待ち続け雑談をする2人

 

小傘「私はね、『もっと驚いてもらえますように』ってね!」

 

真也「あー、小傘らしいねー」

 

こいし「書けたから真也も書いてー」

 

小傘の書いた願い事に苦笑いしつつこいしにはーいと答えた真也が、こいしと場所を入れ替えて書き始める

 

こいし「それにしてもよく私達に気付いたね」

 

小傘「あー、書き終わって周りを見てたらなんだか見たことのある2人組が見えてね。手を振ってみたら案の定真也とこいしだったわけ」

 

それじゃ違う人だったらどうするのというこいしの問いに、知らんぷりすると答えた小傘

 

2人は笑い合って雑談を続ける

 

2分ほどして真也も書き終わる

 

真也「これってどこに吊すのー?」

 

小傘「あそこみたいだよ」

 

こいし「うわぁー、大きいね」

 

真也の質問に小傘が指差した先にはかなり大きな(神社を超える、鳥居と同じかそれ以上)笹のようなものがあった

 

真也「これは一体どこから持ってきたのかなー」

 

小傘「さぁね。あの妖怪の賢者がどこからか持ってきたんでしょ」

 

こいし「それにしては大きすぎるでしょ」

 

明らかにサイズのおかしいそれに真也とこいしは呆然としつつも書いた短冊を吊す

 

真也「こいしはなんて書いたのー?」

 

こいし「えー、真也のも教えてよ」

 

小傘「あーっと、もう少ししたら花火ってのもあるらしいからねー。じゃあ、またね」

 

2人が2人の世界に入り出すと察した小傘は、最後にちょっとした情報を伝えて人混みに紛れていった

 

真也「(花火かー)じゃあー、一緒に言おうよー」

 

こいし「いいよー。せーの」

 

真也こいし「「『『こいし(真也)とこの先も一緒にいれますように』』」」

 

小傘の言っていたことを頭の片隅に起きつつ、真也はこいしと合わせて書いた内容を言った

 

そして、その内容が全く同じことに2人は笑い出す

 

真也「あはははは、同じこと考えてたみたいだねー」

 

こいし「ふふふっ、無意識に同じこと書いちゃったのかな?」

 

2人とも満面の笑顔で笑い合う

 

(周りは「うわ、あっつ!しかも甘っ!」ってなったらしい)

 

そして、真也はこいしの手を引いてどこかへ歩き出す

 

こいし「どこに行くの?」

 

真也「ひーみーつー」

 

そう言うとにこにこと笑って歩き出した

 

 

 

 

 

真也「んー、ここかなー」

 

こいし「ここは?」

 

手を繋いで2人がやってきたのは神社の境内の方から森に入ったところの開けたところ

 

真也「ここならたぶん花火がよく見えるんじゃないかなー」

 

こいし「そうなの?」

 

振り返ってみるとそこから境内までは木が生えていて鬱蒼としているが、2人のいる位置から正面は遮るものがほとんどないのだ

 

そして、2人が雑談をしていると腹部に響く鈍い音が空気を伝わって聞こえてくる

 

空を見上げてみればそこには色とりどりに咲き誇る鮮やかな光の華

 

その光景は、2人の脳裏に焼き付き記憶にしっかりと残る

 

真也「うん、ここで正解だったね。綺麗な花火だね」

 

こいし「弾幕ごっこも綺麗だけど、この花火っていうのもとっても綺麗だね」

 

次々とあがる赤、青、黄、緑、はたまた白や紫など外の世界でも見れないような色の花火が見るものを飽きさせない

 

真也「ん、こいし?」

 

ふと気がつくとこいしが近くにいて、頭をこてんと真也の腕に預けていた

 

こいし「もっと真也の近くで見たいの。良いよね?」

 

そう言ったこいしの目に映るのは、輝きを放つ光の華と真也だけ。答えは言うまでもなく笑顔を見せると伝わった

 

 

 

 

 

 

 

そして、2人はもう一度見つめ合うとお互い目をつぶり

 

 

 

 

 

 

花火の音を耳で聞きながら

 

 

 

 

 

 

瞼の裏で大好きな者の姿を思い描きながら

 

 

 

 

 

 

誰もいない森で、色鮮やかな空を背景に

 

 

 

 

 

 

2人は絆を深めまた1つ忘れることのない思い出を記憶に刻んだ

 

 

 

 

 

それから2人はゆっくりと離れると一言も話さず、しかしその顔は幸せそうに満たされていた

 

 

 

 

 

 

 

真也「花火、終わったね」

 

こいし「ね。綺麗だったね」

 

花火も終わり2人は未だに森の中で話していた

 

そう言って笑ったこいしの笑みにはまだほんのり赤みが残っていたが、それさえ引き立てるものにしかならないと、真也は感じていた

 

真也「さてと、そろそろ帰ろっか」

 

こいし「そうだね……いたっ!」

 

少し見とれていた真也が我に返り、帰ろうかと手を差しだし、その手を取ったこいしが歩き出すと急に悲鳴を上げたその場に立ち止まった

 

真也「えっ?どうしたの?大丈夫?」

 

こいし「えーと、そこにあった石に躓いて足首捻っちゃった……」

 

しゃがみこみ足首をさするこいしは痛そうに目を細める

 

その様子に真也はこいしが痛めたという足首に手を当て、能力を使って痛みを無くす

 

こいし「ありがと。これで歩けるかな」

 

真也「いや、僕がおぶっていくよ。またこいしが怪我するのは嫌だしね」

 

立ち上がったこいしが歩き出そうとするのを止めて真也はそう言った

 

そこまでしなくて言いよと首を横に振るこいしだが、真也がいいからいいからと背を向けて屈んでしまったので、しょうがなくその背に体を預ける

 

真也「よっ、と。大丈夫?落ちないかな?」

 

こいし「大丈夫だよ。それより重くない?」

 

しっかりとおんぶして立ち上がった真也は歩き出すとこいしの心配をする

 

心配してくれることに嬉しくなり顔がにやけそうになるが、真也からは見えないと気付き止めることなく笑みをこぼす

 

真也「僕も大丈夫だよ。それじゃ、地霊殿に帰ろっか」

 

こいし「うんっ!」

 

後ろで笑うこいしに気付かないまま真也は歩いていく

 

大好きな者の背中の暖かさと、半日歩き回りはしゃいで疲れがたまっていたこいしは夢の世界へと漕ぎ出しそうになる

 

真也「眠いなら寝てても良いからね?ついたら部屋に連れて行っとくから」

 

こいし「ありがと~真也ぁ~……すぅ……すぅ……」

 

うつらうつらとしているこいしに気付いた真也は、静かに笑みを浮かべつつそう言った

 

そんな真也の厚意を受け取りこいしは感謝の言葉を言ってすぐに夢の世界に旅立った

 

真也「……今日もありがとね。こいし。君のおかげで今日は忘れられない1日になったよ」

 

もう聞いてないであろう大好きな恋人に小さな声で感謝をする

 

その恋人は聞こえているわけではないはずだが表情は幸せそうだった

 

静まり返る道を、月明かりに照らされながら、片や幸せな笑顔を浮かべ、片や背中にかかる幸せな重みに笑みを浮かべ、ゆっくりと帰って行った




はい、どうでしたか?

真也「こいしを可愛く書こうとしたってのがなんたか分かるようなー」

こいし「恥ずかしーよー」

そりゃあ、こいし大好きだからね、あ、真也には勝てないよ?

真也「そりゃねー」

こいし「もぅ!」

さて、次回は何を書こうかな

真也「やることはやってねー」

こいし「新しいことやるのはかまわないけどねー」

ウグッ、わ、分かってるよ

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!半神半妖の常識?少女!?

はいどーも生きる死神ですよー

真也「とりまお仕置きー」

こいし「遅いよー」

落ち着けぇ!

俺も分かってるんだ!正直本当に思いつかないし全然書けないしで困ってたんだよ!

真也「次回は早くしましょうねー」

こいし「今回は 翠月茉弥さん の 東方八風凜 から 八雲 夏凜 ちゃんを借りました!」

ほのぼのとシリアスが混ざってますが

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

 

本日の幻想郷は外の世界で言う猛暑日のようであった

 

真也「うー、暑いー」

 

こいし「暑いねー。本当に今日誰か来るの?」

 

2人は夏の良く晴れた空の下、人里から少し離れた森の中で佇んでいた

 

真也が言うには、今日は誰か来るらしく外にいた方がいいかもー、とのことだ

 

こんな暑さの中誰が来るんだろうという疑問を抱えつつ待っている2人

 

時間は太陽がもっとも高い位置に昇る少し前の12時半過ぎ

 

木陰にいるので幾分かはましだが、それでも暑い本日の幻想郷は2人から元気を搾り取ろうとする

 

真也「なんだってこんな暑い日なんだろー。あーつーいー」 

 

こいし「それが分かったろ苦労しないね。あっつい!」

 

2人とも流れ出る汗を持ってきたタオルで拭きつつ(バッグ持ってきてそこに入れてた)、来訪者を待つ

 

すると

 

こいし「あー、来たら何か冷たいもの食べたい…」

 

真也「そーだね…!?」

 

暑さに負けそうなこいしの発言に相槌をうっていた真也は唐突に何かに気付く

 

そして

 

?「お婆ちゃんのばかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

こいし「えっ?」

 

唐突に聞こえる誰かの怒声?に驚くこいし

 

そして、それが真上からだと気付く前にこいしはその場から動かされていた

 

?「わぁぁぁぁぁぁ!!!!きゃっ!」

 

こいし「……あれ?なんで私ここに動いてるの?」

 

落ちてきた少女が隣にいる中、先ほどの位置から自身の意志ではないもので動いてることに状況が飲めないこいしは、ふと少女の下を見て全てを理解する

 

?「いたたたた……いきなり落とすなんて酷いよお婆ちゃん……あれ?なんでこいしさんがこんなところに?」

 

何とも言えない表情のこいしに気付くことなく、落ちてきたその少女は自分の置かれている状況にも気付くことなく問いかける

 

こいし「あー、うん。たぶん、あなたの知ってる私じゃないと思うよ」

 

?「へ?それってどういう意味ですか?」

 

かなり気まずそうに返答したこいしを、少女は訝しげに見つめる

 

こいし「あの、下。落ちてきてから……」

 

?「下?下に何が………………!?」

 

少女はこいしに指指された通りに下を向くと、顔を赤くしてすぐさま立ち上がって声をかける

 

?「ご、ごめんなさい!真也さん!大丈夫ですかっ!?」

 

真也「あ、あはは……大丈夫だよー。2人とも怪我してなくて良かったー(暑いー)」

 

そう、落ちてきた少女が潰していたのは真也だった

 

そして、こいしが動いていたのも真也が危険を無意識に察知してすぐに動いたからなのである

 

こいし「真也ー、この子が今日来るかもって言ってた子?」

 

真也「そうだよー。まあ、こんな登場だとは思ってもなかったけどねー」

 

?「いや、あの、本当にごめんなさい。向こうでくつろいでたら急にお婆ちゃんに落とされて……」

 

潰れていた真也は立ち上がり身だしなみを整える

 

それが終わるのを確認してこいしが問いかければ、その通りと返す真也

 

少女は申し訳無さそうに頭を下げているが真也は気にした様子もなく頭を上げてと言う

 

真也「あー、この子は前にちょっと遊びに行ったというかー、放り込まれた世界の子だよー」

 

?「はい、えっと、真也さんの言ってるとおり別世界から来ました。八雲 夏凜です。えーっと、こっちの世界のこいしさん、よろしくです」

 

こいし「夏凜ね。向こうの私に面識あるみたいだけど、私さん付けされるの好きじゃないからこいしでいいよ!」

 

ここで入った自己紹介、別世界の少女ーー八雲 夏凜は見た目は早苗とほぼ同じで守矢神社の巫女服に緑色の髪なのだが、目は夏凜の父親から継いでるのであろう紫色に少し鋭く、頭には蛙と蛇の装飾品ではなく星の缶バッジのついた黒いキャスケット帽を被っている

 

向こうの世界の早苗がどうかは分からないが夏凜は常識はあるらしく、とても律儀にこいしの返答に困っていた

 

夏凜「えっ。っと、私、あんまり名前を呼び捨てにするの慣れてないんですけど……」

 

真也「あー、そーそー、僕のことも真也でいいよー?僕もさん付けは好きじゃないからねー」

 

こいし「そーそー!普通に名前だけ呼べばいいの!」

 

かなり悩んでいる様子の夏凜にごり押しするかのごとく追い討ちをかける2人

 

夏凜「……うーん、あまり慣れないのでしばらくはさん付けのままですがそれでもいいですか?」

 

真也「うんうん。それでいいよー」

 

一応ながら呼んでくれると約束した夏凜ににっこりと笑みを浮かべた2人

 

真也「さてー、忘れてたように暑さがおそってくるからー、冷たいもの食べに行こー」

 

こいし「そだね。あっついね……」

 

夏凜「こっちは向こうよりも暑いです……」

 

気付くと汗がだらだらと流れるこの暑さに、3人は人里に向かい冷たい物を食べに行くことにした

 

 

 

 

 

 

 

人里に着いた3人は甘味処に行き、すぐにかき氷を頼んで食べていた

 

夏凜「やっぱり夏はかき氷ですね。アイスもいいですけど……あっ!キーンときました!」

 

真也「あははー。ゆっくり食べなよー」

 

こいし「ふふふっ。冷たくて美味しいね」

 

真也は緑色のメロン味、こいしは赤色のいちご味、夏凜は青色のブルーハワイの味を選んだ

 

一気に食べ過ぎたのか、かき氷をテーブルに置き頭を抑えている夏凜の様子に笑っている真也とこいし

 

真也「夏は冷たい物が美味しい季節ー。かき氷でキーンとするのも1つの醍醐味だったりしてねー」

 

夏凜「うぅ……なんで私だけ……。真也さんもこいしさんにもキーンとくれば……」

 

こいし「ゆっくり食べてたら大丈夫……あぅ、私にもきた……」

 

シャクシャクとかき氷を食べている真也の言葉に、夏凜は頭を押さえながら小言を呟く

 

そして、ふっふっふーと笑いながら食べていたこいしにも、例のあれがくる

 

夏凜「ふふっ。そんなこと言ったりするから、こいしさんにもくるんですよ?」

 

こいし「あたたっ。ここまできたら真也もキーンとなっちゃえー」

 

真也「ここまできたら僕にもくるよーな気がするー」

 

キーンときて頭を押さえているこいしを見て楽しそうに笑っている夏凜

 

当のこいしはむぐぐと言った表情で、真也に視線を飛ばす

 

この流れは自分にもくると思った真也はさっきからスピードを落としてかき氷を食べ進めていたが……

 

真也「……いたっ!……うー、やっぱり僕にもー」

 

こいし「これで全員きたね!」

 

夏凜「流れって怖いですね」

 

予想通りなのかは分からないが、真也にも頭痛が訪れる

 

頭を押さえている真也に、こいしはなぜか勝ち誇った顔でかき氷を再度食べ始める

 

今までの流れに少し身震いをした夏凜は、そのことを頭から追いやってかき氷を口に運んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真也「んー、いい感じに冷えてきたー」

 

こいし「うん、さっきまでの暑さが嘘のようだね!」

 

夏凜「とか言いながらまだかき氷食べてますけどね?」

 

1つ食べ終わったら2つ目と

 

3人とも新たなかき氷食べてさらに涼しさを求める

 

真也はカル○ス味(なんであるんだ)、こいしはコ○ラ味(こちらも同じく)、夏凜は食べてみてのお楽しみと書かれていた味のものを食べていた

 

真也「夏凜ー、それ何味なのー?」

 

こいし「私も気になる!」

 

夏凜「あー……、なんていうか、とりあえず甘いです。砂糖みたいな感じがしますね」

 

砂糖味なのかなと納得する真也とこいし

 

その反応に疑問か浮かぶが、気にせず食べ進める夏凜

 

 

 

 

 

 

その後3人は2個目のかき氷をしゃくしゃくと食べ終わり、さすがにお腹が冷えるといけないので代金を払って外に出た

 

真也「うーん、涼しくなったねー」

 

夏凜「涼しいですね。夏でも夜風は心地良いです」

 

こいし「じめじめーっとしてなくてちょうど良いね!」

 

ゆっくりと雑談しながら食べていたからか、時間はすでに夕方を回っていた

 

じめじめとした夏の夜に吹く夜風の涼しさは、かき氷を食べても少し残っていた熱を心地良く取り去る

 

そんな中、こいしは不思議な物を見つける

 

こいし「あれ?なんだろ、あのお面」

 

真也「んー?誰かの落とし物かなー?」

 

夏凜「(あれ?なんだか見たことある……というか、似たような物をいっぱい持ってる人いたような……)」

 

日が落ちて少し暗くなった人里を眺めていたこいしは、ふと見た路地の手前にお面が落ちていることに気づいた

 

落とし物なのは合っているのだろうが、それを見た夏凜は何か引っかかるような感じがした。が、ぼんやりとしても思い出せないので諦めた

 

こいし「うーん、なんか、何とも言えないお面。でも、これ持ってると不思議と何かが沸いてくるような……」

 

真也「とりあえず近くにそれを落としてそうな人探してみるー?」

 

夏凜「たぶん、持ち主もお面をいっぱい持ってるかもしれませんね」

 

お面を拾いに行ったこいしは、そのお面の見た目に不思議そうな顔をする。見た目は特に何かの表情をしているわけでもなく、ただ真っ白いお面なのだがなぜか、不思議な気分になるとこいしは言う

 

落とし主を探そうと真也に則り、夏凜も自分の中でつっかかっていたことを一応口に出した

 

 

 

 

しかし

 

こいし「いーよ!私、探してくるから2人は待ってて!」

 

真也「あっ……行っちゃった……」

 

夏凜「行ってしまいましたね」

 

2人を制してこいしは走り出して行ってしまった。途中で姿が消えたので、真也か能力を使っていなかったから無意識になったらしい。消えていった方向を悲しそうに見つめる真也に、夏凜は少し心を揺さぶられる

 

夏凜「……すぐに、帰ってきますよ」

 

真也「……そうだったら良いけど。途中で目的忘れて遊びに行ったりしたら……」

 

静まりかえる空気に居心地の悪さを感じた夏凜は、精一杯の言葉を口にするが真也の悲しげな表情は変わることなく、口調も間延びしておらずなんとなくでも真也の想いが夏凜には分かった

 

夏凜「……真也さん。あなたにとっての助けとなる存在がいなくなったら、どうしますか?」

 

真也「……いきなりなにかな。そんなことを聞いて、どうしたいの」

 

唐突に聞かれた質問は悲しげな表情だった真也を怪訝な顔にさせる。聞いた夏凜は至って真面目な顔で、いや、先程の真也がしていた表情に似た顔で言う

 

夏凜「……私は、私の両親が大好きです。両親がいなくなったら、私は、どうなるかは自分にも分かりません。今の真也さんは、なんというかこいしさんがいなくなってからとても悲しそうなので、真也さんにとってこいしさんはそんな人なのかなって思って聴きました」

 

声のトーンは低くその声に含まれているのはいなくなってしまったらという悲しみと、自分がどうなるか分からないという恐怖

 

それを真也はしばらくの間無表情で見つめると

 

真也「……いなくなった理由が、年だったら僕も一緒に死ぬだろうね。でも、もしそうじゃなくて、誰かに殺されたりしたなら………………殺した人の存在を無くしていた証拠すら無くす。それから僕も死ぬかな」

 

どことなく不安げに話していた、しかし、後半を話すときその目には明らかな憎悪があった

 

それはまるで実際には起きていないのに起きるということを予知しているかのように

 

そんな真也の様子に夏凜は何も言えずに息を飲む

 

真也「……少なくとも、どちらにせよ、僕も死ぬのは変わりないね。……さてと、心配だから探しに行ってくる。もしこいしが帰ってきたら2人で待ってて。入れ違いは嫌だし、ちゃんと帰ってくるから」

 

そう言った真也は夏凜の返答も聞かずにこいしの走っていった方向に消えていった

 

その場に1人取り残された夏凜。今いる場所は自分の知った人里ではなく見知らぬ人里。周りに人はいるのに誰も知っている人がいない場所に独りでいることに、なにか恐怖にも似た感情が沸き上がってくる

 

時間帯的に人も疎らになっていく

 

孤独とも言えるその状況になって実際には数分だが、誰も知ってる人がいない場所でただ1人待っている夏凜には、体感的にはその10倍ほどには感じられた

 

そして、沸き上がってくるその感情に押しつぶされそうになった

 

そのとき

 

こいし「はぁー。見つからなかった……あれ?夏凜、真也は?」

 

夏凜「あっ……こいしさん……」

 

消えていった2人の方向を向いていた夏凜に、後ろから声がかけられた

 

その声がこいしのものだとすぐに気付く夏凜

 

肩を落として残念がっていたこいしは、真也がいないことを疑問に思い夏凜に聞いた

 

夏凜「……真也さんなら、こいしさんが心配だからって、数分程前に探しに行きました。入れ違いは嫌だって言ってたんですけどね……」

 

こいし「そぅ……入れ違いになっちゃったかぁ。……ねぇ、夏凜。なんでそんなに泣きそうな顔をしてるの?」

 

振り返った顔のまま、夏凜は先程真也に言われたことをそのままこいしに伝える

 

それを聞いたこいしは少し残念そうにした後、真面目な顔で今の夏凜の核心をつく質問をする

 

聞かれると思っていなかった夏凜は一瞬ビクッと震え、無理矢理表情を明るくして答える

 

夏凜「そんなことないですよ。ほら、悲しそうになんて見えます?」

 

こいし「そんな嘘ついても意味ないよ?」

 

一瞬で崩された自身の嘘に少しながら呆れ、そして隠しても無駄だと思った夏凜

 

薄暗い中、ぼぉっと移るこいしはただただ真っ直ぐ見つめてきて、どことなく真也もこんな表情をしそうだなぁと思う

 

夏凜「はぁ……なんでバレちゃうんですかね。私、そんなに分かりやすかったですか?」

 

こいし「んー、まあ振り返ったときの顔と、今さっきの顔が全然違ってたから、印象に残ってたよ。それ以上に、私、心を読めない分、なんとなく嘘を見破れるようになったのかも。真也が嘘ついてても分かるし」

 

そう言ったこいしの顔はどこか陰があったが、それでも最後にはいつもの笑顔を浮かべた

 

これは適わないと思った夏凜は、諦めてこの場に独りだったのは寂しかったことを伝えた

 

すると

 

こいし「ほら、これなら寂しくないでしょ?」

 

夏凜「……え?」

 

話し終わった夏凜をこいしは急に抱き寄せた

 

状況の掴めない夏凜は間の抜けた声を上げる

 

こいし「私ね、時々寂しくなって泣きそうになるときがあるの。そんなときにはいつも真也が同じようにしてくれたから。夏凜にもしてあげようかなってね」

 

夏凜「こいしさん……」

 

抱き寄せた後、優しく背中をさするこいし

 

言葉が足りないけど何となく伝わる不器用な心配に、夏凜は笑みと共に熱い滴を1つこぼした

 

 

 

 

 

 

夏凜「ありがとうございます。こいしさん。なんだか少し気分が楽になりました」

 

こいし「いいのいいの!私も頼ってくれても良いんだからね?」

 

しばらくそのままでいた2人は、夏凜が落ち着いたことを確認して離れた

 

感謝の言葉を述べる夏凜にいつもの笑みを浮かべて答えるこいし

 

夏凜「……そうだ。真也さんにも聞いたのでこいしさんにも聞きたいことがあります」

 

こいし「なーに?」

 

夏凜「こいしさんにとって助けとなる人がいなくなったら、どうしますか?」

 

その質問を聞いたこいしは腕を組んで考え始める

 

その間一言も喋らずこいしが口を開くのを待つ夏凜

 

こいし「……私なら、悲しんで泣いて物に当たって人に当たって、最後にはたぶん認めて、死んじゃうかもね。私は種族柄、愛されることも好かれることも少なかったからね。今はいろんな人とも仲良くできてるし、その、愛されてるって実感出来る人もいるし……」

 

開いた口から流れるこいしの答え。それは先程の真也の答えと似ていると夏凜は感じた

 

後半を話すこいしの顔が赤いことから、誰のことを言っているのかなんとなく察した夏凜

 

こいし「たぶん、その人のおかげで今私はこうしていろんな人と仲良くできてるから。そんな人がいなくなったら、私、死んじゃうかな」

 

夏凜「そう……ですか。そんなことが起こらないことを願いますね」

 

顔は赤いが真面目な顔で言い切ったこいしに、夏凜は心底そんなこと起こらないで欲しいと願った

 

 

 

 

 

 

そこからしばらく2人は黙っていたが、なかなか帰ってこない真也に業を煮やしたこいしがぶうぶう言い始めて、その場の空気は明るくなった

 

それから数分後、2人が雑談をしていると

 

真也「あ、こいし帰ってきてた」

 

こいし「もー!待っててって言ったじゃん!」

 

夏凜「まあまあ、そう怒らないでくださいこいしさん」

 

やっちゃったという顔をして帰ってきた真也にこいしは頬を膨らませてぷんぷんと怒っていることを見せつける

 

一応といった感じでそれを止める夏凜はとても楽しそうに笑っている

 

そんな2人をみた真也は

 

真也「(ん。さっきよりも夏凜の表情が明るい……吐き出したのか、吹っ切ったのか。僕には分からないけど、こいしが何かした気もするし、まあなにはともあれ良かった)」

 

内心嬉しいと思いつつこいしの小言を軽く聞き流す

 

その様子にまたこいしが怒って夏凜が止める、そんな3人の様子はとても楽しそうに笑っていた

 

 

 

 

 

 

真也「あー、そろそろ夏凜も帰った方が良いんじゃないかなー?」

 

こいし「そんな時間かー」

 

夏凜「そうですね、日付を跨ぐと怒られてしまうのでそろそろ帰りますかね」

 

その後は人里から出て直ぐのところで話していた3人

 

時間も夜に入っており時刻は9時頃

 

さすがにそろそろ帰らないと夏凜がまずいとのことなので解散することになった

 

真也「今日は楽しかったねー」

 

こいし「まあ、いろいろあったけどね?」

 

夏凜「ふふっ、楽しかったですよ。私は」

 

楽しそうに笑った夏凜を見て真也とこいしも満足そうに笑う

 

真也「さてとー、能力で空間作ってー」

 

夏凜「なんですか?この不思議な空間」

 

こいし「これは異世界の人が帰るときに真也が能力で作る空間だね。夏凜の世界に繋がってるよ」

 

作られた空間を不思議そうにみる夏凜にこいしが軽く説明をする

 

するとまた疑問が浮かんだ夏凜

 

夏凜「そういえば真也さんの能力ってなんですが?少し気になってたんですよ」

 

こいし「あー、えーとね、真也の能力は「『無』を操る程度の能力」だよ。少し強すぎる能力かもしれないけど、いろいろあったからあんまり気にしないであげて?」

 

少々の好奇心で聞いた質問にこいしから返ってきた返答は思いの外強力な能力

 

しかし、それを言ったときのこいしの顔が暗かったことから事情をなんとなく察し、その話題をそこで切り上げた

 

真也「よし、これで大丈夫ー」

 

夏凜「ありがとうございます」

 

不思議な空間を完全に作り終えた真也に感謝する夏凜

 

夏凜「それでは、今日はありがとうございました。本当に1日楽しかったです」

 

真也「それなら良かったよー。また会えると良いねー」

 

こいし「またね!今度はもっといろんなお話ししようね!」

 

空間に近付き、2人の1日の感謝の言葉を言った夏凜

 

2人も夏凜にまた会えたらいいねと言葉をかける

 

夏凜「それではまた会うときまで。さようなら……………………真也、それにこいし」

 

真也「あっ」

 

こいし「ふふふっ」

 

空間に入る直前に2人をさんを付けずに呼んだ夏凜に2人は驚き笑顔を浮かべた

 

夏凜が通って閉じた空間のあった場所を見つめながら2人は少しの間その場に止まる

 

真也「あははー、やっぱり面白い子だったねー」

 

こいし「ね!そろそろお姉ちゃんも心配するだろうし、帰ろっか!」

 

思ったことを口にした真也は、そう言って先に駆け出したこいしを追いかける

 

追いつかれたこいしは真也の隣で笑みを浮かべながら地霊殿に帰っていった

 

 




はい、どうでしたかね

真也「夏凜は良い子ー」

こいし「可愛い子だったね」

茉弥さんこんなに時間がかかってしまいすいませんでした

ちなみにですが、今回のコラボもですが、間章に投稿されてない場合は本編に関係あるので注意ですよ

真也「といってもー、がっつりと関わってる場合とそうでもない場合があるんだけどねー」

こいし「今回のはどこだろうね?」

さて、現在活動報告にて質問とアンケートを置いています

目を通してもらってよければ答えてもらえると嬉しいです

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

その従者、曲者?

はい、お久しぶりです
生きる死神です

真也「もはや失踪したかとー」

こいし「最近投稿遅れてない?」

いやー、ネタは思いつかないわ、書こうにも上手くいかないわ、もはや書く気を削がれることまで起きるわで大変ですね

真也「頑張ってよー?」

こいし「見てくれてる人もいるんだからね?」

はい、頑張ります…

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

良く晴れた日の午後

 

2人はあてもなく飛んでいた。本当は天子に会おうと思っていたのだが、午前から探しても見つからなかったため諦めたのだ

 

真也「うーん、どこに行こうかなー」

 

こいし「最近同じ人とよく遊んでる気がするな」

 

並んで飛びながらくるくると回っている真也に、帽子を脱いで扇いでいるこいし

 

そのままふらふらと無心で飛んでいると周りの空間が変わったように感じる

 

2人が止まり辺りを見回すと、そこにはやけに猫がいる家屋があった。しかも人里にあるような家よりもだいぶ古そうだ

 

見慣れないものへの不審感と、何か新しいことが起きるかもということへの好奇心を2人は持ってその家屋に近づいていった

 

 

 

地面に降り立ちふと前を見ればこの家で飼われているのであろう猫があちらこちらから顔を出して見ていた。2人の近くにも猫がすり寄ってきて、警戒した様子もなく尻尾を振っている

 

近付いてきた猫を2人は撫でたりしていると中から足音が聞こえてくる

 

真也「誰かいるのかなー?」

 

こいし「これだけ猫がいるってことは猫好きの人かもね!」

 

10数匹はいるであろう猫を見て癒されていた2人に足音の正体が近寄ってくる

 

?「あれ?あなた達は誰ですか?ここは普通ならこれないはずなんだけど……」

 

特徴的な二股の尻尾にふさふさした猫のような耳。赤いベストに赤いスカート、頭には緑色の帽子を被り、首もとに黄色の蝶結びされたリボンをつけている。ショートカットの髪から見える耳にはわっかのようなものも見える

 

そんな少女は2人を前におろおろと困惑している

 

真也「僕は全無真也、真也でいいよー」

 

こいし「私は古明地こいし。こいしでいいよ。あなたは?」

 

2人が自己紹介をしたので少女も笑みを浮かべながら返す

 

?「私の名前は橙です!気軽に橙って呼んでください!」

 

元気一杯に名前を言った橙に2人もつられて笑みを浮かべる

 

ここで橙がはっとした顔になり、頭を左右に激しく振ると

 

橙「って、そうじゃなくて!なんで真也さんとこいしさんはここにいるんですか?普通ならここには来れませんよ?」

 

最初の疑問を再度口にして2人の返答を待つ橙

 

しかし、2人もなぜ来れたのかよく分かっていないので説明しようがなかった

 

そもそもここがどんな場所かも分かっていないので何を言うにも情報が足りないのだ

 

難しい顔をしている真也とこいしに橙がもしやと思い口を開く

 

橙「もしかして、迷子になってました?」

 

真也「んー?そんなことは無いと思うけどー……」

 

こいし「どうしてそう思ったの?」

 

逆にそう思った理由を聞かれた橙は説明を始めた

 

彼女が言うには、ここはマヨヒガと呼ばれる場所で、幻想郷とはまた別の場所にあるらしく、普通に来ようとしても来れないらしい。先ほど言ったとおり、迷子になるとここに来るんだとか。さらにここに来れると運が良くなったり云々、まあ、来れたらラッキーらしい

 

説明を聞いてふーんと思いつつ真也は頭の中で適当に飛んでたのを迷子だと思われたのかなー、なんてことを考えていた

 

それはともかくとして、2人は折角来たのでここで遊ぼうかと考えた

 

真也「少しここでゆっくりしてって良いかなー?せっかく来れたんだしー」

 

橙「多分大丈夫だと思いますけど、少しだけですよ?」

 

許可を得れたので2人は猫と遊び始める

 

その様子を見ていた橙もつられて猫と遊び始めた

 

 

 

 

 

そんなこんなで若干2名無心というか無意識に遊んで1時間程経過した頃

 

?「ちぇーん。どこだー?おやつの時間だぞー」

 

橙「おやつっ!」

 

先ほどまで人の気配を感じなかったマヨヒガの中から声が聞こえてきた。しかも、橙の名前を呼ぶ声だ

 

おやつに反応した橙はすぐさま中に戻っていった

 

その反応に意識を戻した2人は顔を見合わせる

 

真也「橙っておやつ好きなんだねー」

 

こいし「すこい勢いだったもんね」

 

どことなく子供っぽく感じた橙の行動に2人は笑みを漏らす

 

すると足音が外へと向かってきていることに気付いた

 

2人は橙が戻ってきたのかと猫と戯れながら待っていると

 

?「おや?お前達は誰だ?見たこと無い顔だが」

 

やってきたのは橙ではなく、背後にいくつか見える金色の尻尾が特徴的で、ゆったりとした白いロングスカートに青い前掛けのような服を着た女性だった。頭には2つの尖りを持つ帽子も被っている

 

やってきた女性はそう言うと少し警戒心を持って2人を見た

 

真也「僕は全無真也だよー。真也でいいよー」

 

こいし「私は古明地こいし。こいしでいいよ。狐さんはなんて言うの?」

 

2人が名前を言うと、というか真也が名前を言うと驚いた表情をし、真也をじろじろと見て何かを考え始めた

 

考えに夢中になっている女性に2人はどうしたものかと悩んでいると、マヨヒガの中から橙が出て来た

 

橙「藍様?何をやってるんですか?」

 

藍?「……おっと。少し思考に時間を取りすぎたか。私は八雲藍。たぶん気付いているだろうが紫様の従者であり式神だ。それと、私は狐さんではなく九尾という妖怪だ、覚り妖怪の妹よ」

 

我に返った女性ーー橙には藍と呼ばれたーーは落ち着いて自身の名前を明かした。最後にはこいしに対するちょっとした皮肉も込めて

 

もちろんこいしはそれに気付きむっとした表情になるが、真也がそれを視線で止めた

 

真也「藍ねー。紫の式神かー。紫よりもしっかりしてそうだねー」

 

視線で止めたがやり返さないわけでもなく、藍ではなく藍の主である紫を話題に皮肉で返した

 

それをふっと鼻で笑うとその目は急に鋭くなる

 

藍「紫様が前に酷く怯えて帰ってきたときの話の人間がお前だったとはな。実際に会ってみればこの世界では珍しいが向こうの世界ではどこにでもいそうな人間じゃないか。まあ、能力のことは聞いているから普通ではないのは分かっているがな。私は別にどうも思わないししないがな」

 

口調は厳しく一言一言に棘があるようで、聞いている側からすれば不愉快なことこの上ないことだったが、真也は顔色1つ変えずいつも通りニコニコと笑みを浮かべたまま何も言わずにそれを聞いた

 

話し終えた藍は目は鋭いまま、だが雰囲気は幾分か柔らかくなり再度口を開く

 

藍「だが、この前の騒動は私の主が悪いことをしたとまは思っている。間接的とは言え種を蒔いたのは紫様だ。あの方は頑固な方でもあるからそうそう謝りなどしないだろう。だから変わり、と言ってはなんだか私が謝ろう」

 

そこで一旦言葉を区切り呼吸を整えると

 

藍「すまなかった。紫様が時々スキマから見ていたのは知っているだろうが、私も紫様から事の顛末は聞いている。そして、結果的に2人を傷つけることになったのも聞いている。紫様は謝る気は無さそうだから私が主の代わりに謝ろう。本当にすまなかった」

 

そう言って深く頭を下げた

 

相も変わらずニコニコと笑みを浮かべて謝罪を聞き、藍の誠意を見た真也

 

真也「別に良いよー。今更そんなこと気にしても仕方ないしー、こいしもちゃんと瞳はまた開いたしー。強いて言うならー、ちゃーんと君の主には仕事してほしいなーって、思ってるよー」

 

笑みを浮かべたままそう答える真也。その笑みの裏側で何を考えているのか分からない藍はそのままの意味で言葉を受け取った

 

藍「私もそう思っているよ。そうでなければこうして謝ることもなかっただろうからな」

 

受け取ったがやはり皮肉で返してくる彼女に、こいしは苦手意識を持ったがそれは半開きの心の奥に閉まっておくことにした

 

真也「さーてとー、2人のおやつタイムを邪魔するわけにはいかないしー、僕らは帰るよー。ここは迷わないと来れないみたいだしー、今度は会うことはないかもねー」

 

藍「ふっ。私もお前みたいな得体の知れない人間と会うのはこれっきりだと信じているよ」

 

最後の最後まで皮肉の絶えない2人をこいしと橙は不安そうに見ていたが2人反対を向いて歩き出すとそれぞれについて歩いていった

 

真也とこいしはしばらく歩くとふわりと空を浮かび上がり、またあてもなくどこかへ飛んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「私を前にしても全く変わった様子もなし、か。さすがは紫様を脅しただけはあるな。聞いただけでは分からないが、紫様が向けられたという殺気を私に向けられたら同じような反応をするのだろうか?」

 

そこまで言った藍はくくくっと何か楽しみを見つけたように笑うと後ろについていた不安そうな顔の橙の頭を撫でてマヨヒガの中に消えていった




はい、マヨヒガに行ってもらいました

真也「いやー、あんなに皮肉ばっか言ってくるとはねー」

こいし「ちょっと怖かった」

なんでか分からないけど藍がすごい真面目キャラになった

まあいいか

真也「次回はいつだろー」

こいし「頑張ってよ?」

あはは、頑張りますよ

まあ、ちょっーと時間がかかりそうですけどね

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」

追記

活動報告を投稿しました

見てくれると嬉しいです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!存在を司る青年!?

はーいどーも生きる死神です

真也「今回は大神 龍さんとのコラボだよー」

こいし「 東方存在録 から 薙浪迅真 に来てもらったよ!」

実は存在録の前作である種変録の時に一度コラボに参加してるので一度あったことになってます

真也「気になる方は見てねー」

こいし「今回は10000ちょっと越えてる長めだから注意してね!」

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

良く晴れた幻想郷の夏のある日、地上を飛び回っている真也とこいしの姿があった

 

真也「んー、今日はどこに行くー?」

 

こいし「そーだねぇ。この前はどこ行ったっけ」

 

2人はふわふわと空をゆっくり飛びながら話し合っていた

 

内容は、どこに行くか

 

うーん、と悩むこいしは腕を組んでいる

 

こいし「あっ、今日は紅魔館にしよう!フランと遊ぼうよ!」

 

真也「あれー?この前行ったようなー」

 

ぽん、と手を叩いたこいしが出した案に真也は少し首を傾げる

 

半目でじーっと見つめるこいしは、じゃあどこに行くのと言いたげだった

 

その視線に気付いた真也は、少し考えるそぶりをすると

 

真也「……んー?誰かいるー……!」

 

ふと見た先にあまり見かけないような、ただ、真也からしたらまた別のことを思い出す人物がいた

 

こいし「え?あー、誰かいるね。誰だろ……って、真也!?」

 

真也の見ていた方向を見たこいしもその人物に気付き、疑問の声を出して隣を見るとそこには誰もいなかった

 

再度前を見るとそこにはいつの間にか真也がその人物に近寄っていた

 

こいし「ちょっ、知らない人じゃなかったの!?」

 

慌ててこいしもその人物に近付いていくのであった

 

 

 

 

 

真也「まさか、君が生きてるとはね。驚いたよー」

 

?「まあな。俺もさすがに死んだかと思ったが、ルーミアを置いては死ねないからな」

 

後からやってきたこいしが到着する頃には、真也と謎の人物ーーYシャツにジーンズを履いた黒髪黒目の男ーーは普通に話していた

 

こいしが近付いてきたことに気付いた真也は振り向くと申し訳なさそうな顔をする

 

真也「あっ。ごめんねー。置いてっちゃってー」

 

こいし「いや、それはいいんだけどさぁ。その人だぁれ?」

 

気にした様子もなくこいしが真也に訪ねると、真也ではなくその男が答える

 

?「俺は薙浪迅真。まあ、別の所であった真也の友達だ」

 

こいし「迅真ね。私は古明地こいし、こいしでいいよ」

 

その男ーー迅真ーーは、不思議そうな顔でこいしを見つめる

 

その視線にこいしが首を傾げる

 

迅真「2人って付き合ってんのか?」

 

こいし「……っん!?」

 

真也「えーっと、何を思ってそんなことを言ったのかなー?」

 

ずるっと転んでしまいそうなこいしを支えながら真也は苦笑いを浮かべつつ問い返す

 

頭を掻きながらその様子を少し見ていた迅真は口を開く

 

迅真「いやな、前見たときに真也が付けてたペンダントの色違いを付けてるからな。そういうことかと思ってな。まあ、今のお前らの感じからしても間違いではないだろ」

 

真也「君の観察力がすごいのか記憶力がすごいのか僕には分からないよー。『前会ったときは覚えてらんねぇ!?』とか言ってたのにー」

 

こいし「(やっぱり分かりやすいものなの!?)」

 

当時を思い出すように迅真は話したが、その時に言っていたことを真也も引っ張り出して答え、苦笑いを浮かべた

 

しかしこいしは時々なる赤面フリーズ状態になっており全く上の空

 

そんな様子のこいしに何となく察した真也はとりあえず体制を整えて立たせておく

 

真也「それにしてもさー、こっちで会うとは思ってなかったよー。何かあったのー?」

 

迅真「いや、俺にも分からん。紫に日頃の恨みから落とされたのか、ルーミアにいたずらされたのか。それかまあ、なんかあったんだろ」

 

横目でこいしが話を聞いてないと確認しつつ真也は疑問を口にした

 

それに対して迅真も考えられる要因を挙げたが、そこまで気にしていない様子であった

 

迅真「とりあえずなんか来たからふらついてたらお前らに見つかったわけだ」

 

真也「なんとも幸運なのか不運なのかー、よく分からないねー」

 

楽観的な迅真に苦笑いを浮かべて返した真也

 

ここで迅真は唐突に話題を変える

 

迅真「そうだ。前会ったときに思ってたんだが、真也と一度戦ってみたかったんだよな。前回はそんな余裕もなくやられちまったし。今度会えるかは分かんないしな」

 

真也「んー、良いけどー」

 

迅真「なら物理ありでも良いか?俺弾幕ごっこは苦手なんだよ」

 

真也「えっ、物理?僕あんまり物理は……」

 

獲物を狩るような目で真也を見ている迅真は、真也の答えに楽しそうに笑った後、真也が驚く発言をした

 

言葉を濁した真也の頭の中には、忌々しい過去の中で出来る限りやらないと思っていたことを思い出す

 

脳裏に浮かぶのは、振るわれる暴力とそれを受けることしかできない自分。その時はまだ能力の制御が完璧に出来ておらず、痛みを無くすことも出来なかった。今となっては遠い昔のようでもあるが、その時に自分から拳を上げたり脚で蹴ることなどはしなくなった

 

苦い過去を思い出し少し真面目な顔になる真也、その様子を不思議に思った迅真だったが、笑顔が消えたことから何かしら都合が悪いのだろうと察した

 

迅真「……うーん、物理は良くなさそうだな。悪いな、苦手だが弾幕ごっこでやるか。それでいい……って、真也?」

 

真也「いやー、別に物理ありでいいよー。僕もちょっと護身とかこいしを守るために覚えとこうかなってー」

 

迅真の気遣いを断った真也の顔はただ笑っていた

 

頭の中では、やらないと決めていたことと決別して、自分の大事な人のために力を手に入れることを決めていた

 

先程とは変わった様子の真也に微妙な顔をする迅真だが、本人に言われてはどうにもならないので諦めた

 

迅真「まあ、真也が良いなら良いが、何を使うんだ?大体のもんなら俺が創ってやるよ」

 

真也「迅真の能力っていったいなんなんだかー。んーじゃあーナイフと日本刀、それとー……うーん、鎌、とかー」

 

創ると言った迅真に疑問をぶつけつつ、試しにいくつかの武器を答えた真也。最後の1つがどこから思いついたのかは分からないが、本人はそこまで気にしていなかったので迅真も気にしないことにした

 

真也に言われたものを創りながら自身の能力を説明し始める迅真

 

迅真「俺の能力は元は「ありとあらゆる生物の力を操る程度の能力」だったんだが、見事にやられて剣に吸い込まれてる間になんかいろいろあってな、今は「存在を司る程度の能力」になったんだよ。まあ、簡単に能力の説明をすると存在にいろんなことが出来る、ざっくりしてるがそういうことだ。おかけで、まあ、こうやって武器も創れるし、わりと楽に生活出来てるな」

 

真也「へぇー、存在ねー。おー、ありがとねー」

 

説明が終わると武器は全て完成し、真也は1つずつ手に持って軽く振ってみる

 

ナイフ、日本刀、大鎌。全てを一度は持って試し振りをした真也はナイフを再度持って振り始めた

 

そして、大鎌をもう一度振ってから口を開く

 

真也「なんとなーくねー、ナイフと鎌なら扱える気がするー。日本刀は無理かもー」

 

迅真「どういう基準なんだか。まあ、それで良いなら良いぜ。その2つはやるよ。日本刀は閉まっとくか」

 

受け取った日本刀をどこからか取り出したバッグに放り込む。どう見ても日本刀が入るような大きさではないのに、跡形もなく消えたことを不思議に思う真也

 

まあ、そこまで気にしてるわけではないが

 

迅真「さて、と。早速やるか」

 

そう言うとバッグから札のようなものを取り出し、親指を切って出した血を染み込ませた

 

その札は結界札と言うらしく、この中で死んでも結界から弾き出されるだけで影響はないとか

 

不思議そうに見つめる真也に、札を投げて張り終えた迅真は少し悪い考えが閃く

 

迅真「あ、そうだ。真也に質問だ」

 

真也「なにー?」

 

迅真「もし真也が自分と同等かそれ以上の敵に会って、且つ戦闘になったとして、引き金がそこのフリーズしてる彼女だとしたら、守りきる自信はあるか?」

 

考えを行動に移すために迅真は悪い笑みを浮かべながら真也に質問を投げかける

 

いつもの笑みを消して無表情で考え込む真也を傍目に迅真は、1つ行動を起こして真也からの答えを待たずに口を開く

 

迅真「例えば……こうやって人質みたくなってたとしたら」

 

こいし「ふぇ?」

 

真也「……どういうつもりかな?」

 

いつの間にかこいしを捕らえて人質のようにしている迅真。その顔は悪役そのものだ

 

さっきまでフリーズしていた上に唐突に状況が変わり何も分からないこいしは気の抜けた声をあげた

 

いつもの笑みを辛うじて保ったまま鋭い視線をぶつける真也

 

2人の間に険悪な空気が流れる

 

なんとなく空気を察したこいしも固唾を飲んでその場の流れが良くなることを祈る

 

そして、どこからか聞こえてきた小鳥の鳴き声にこいしが気を取られているうちに、迅真としてはほんの一瞬何も起きないだろうと安心した瞬間

 

真也「……まあ、答えとしては、上だろうがなんだろうが、そんな人、ぜーんぶ無くせば終わりなんだし。さらに言うとね、迅真、もう少し意識をしとかないと人質も意味無いよ?」

 

こいし「え?」

 

迅真「……さすがに無意識は違うな。どんだけ意識しようとしても隙が出来ちまう」

 

人質のように捕まっていたこいしはすでに真也の腕の中(なぜかお姫様だっこ)

 

一瞬呆気に取られていたこいしも今度はすぐに理解して、というか今の自分の状況が恥ずかしくてすぐに下ろしてもらった

 

せっかく思いついた考えはものの見事に失敗して笑うしかない迅真は乾いた笑い声をあげた

 

真也「まあ、誰であろうとこいしを傷つけるって言うなら、容赦ないよ。例えそれが友達だとしても。迅真であってもね」

 

迅真「ふんっ。その顔なら物理が出来なかろうが少しはやれそうだな!」

 

そう言った迅真はバッグから再度日本刀を取り出し素振りをする

 

迅真「ちょっとした手加減だとでも思ってくれたらいい。まだナイフの扱いにも慣れてないだろうしな」

 

真也「その慢心で負けても知らないからね」

 

そう言うと2人は獲物を構えて対峙する。片やナイフ、片や日本刀と、明らかにリーチに差があり優劣も決まっているように見える。その上ナイフを使う真也は初心者。迅真は武器は使い慣れているように見える

 

この時点で既に差があるように見えるが、迅真は違うことを考えていた

 

迅真「(初心者だとしても真也の感じだと適当にやってたら一瞬で首を狩られるな)」

 

こいしに安全なところに行くように話している真也から、なんとなく得体の知れない雰囲気を感じていた

 

ある程度こいしが離れたことを確認した真也は顔を迅真に向ける

 

真也「よーし、やるとしようかー」

 

迅真「それはいいが、彼女を離して良かったのか?もしかしたら俺が狙うかもしれないぞ……!?」

 

またも意地の悪い顔で少しこいしに視線を向けた迅真の頬を何かが通った

 

直ぐに視線を前に向ければそこにいるはずの真也の姿は無く、後ろから感じる先ほどの雰囲気に目を向ければそこには消えた真也の姿があった

 

そして頬を一撫でしてみれば、赤い液体が垂れているのが分かった

 

真也「僕の前でそんなことしてたら、どうなるか分かんないよ?無意識だし」

 

迅真「おいおい、随分便利な無意識だな。さすがに速すぎるだろ」

 

ナイフを片手に砕けた笑みを浮かべる真也の姿はたどことなく狂気的なものを感じる

 

口ではそう言った迅真だが、内心少し焦っていた

 

迅真「(真也の無意識は気付けないとどうしようもない。その上今の一瞬で切りつけられるんだから、それがもっと長くなると考えると……ははっ。面白くなってきたぜ)」

 

無意識の内に出来る無数の切り傷を予想して少し寒気を覚える迅真。しかしそれすらも面白いと感じる彼の感性もまた狂っているだろう

 

だらりと下げた右手に日本刀を持ち全体の雰囲気が緩んでいる迅真。それと反対に顔は獰猛な笑みを浮かべていた

 

最初に動いたのは真也

 

手に持つナイフではなく弾幕を10個程産み出し、迅真の周囲に向けて放つ。弾速は遅く、余裕で避けれそうである

 

さらに放ってからすぐに今度は50個ほど弾幕を産み出しレーザーを放つ。狙いを定めずただ乱射した

 

迅真「おいおい、こんなんで俺を落とせるとでも思ってるのか?」

 

呆れた表情で笑った迅真はゆっくりと飛んでくる弾幕を追い抜いたレーザー軽々と避ける

 

その際に大きなミスを犯して

 

レーザー避けた後、まだやってこない弾幕を見て真也を見ようとした

 

 

そこには真也はいなかった

 

ここで迅真はやってしまったことに気付いた

 

迅真「ちっ!目を離した隙に無意識になりやがったか。こいつは面倒だな」

 

なんとか真也を見つけ出そうとする迅真の周りに弾幕が飛んでくる。避ける必要もないので無視する

 

弾幕が通り過ぎた

 

真也「いつまで探してるのさー。僕は君の後ろにいるよー?」

 

間延びした口調が後ろから聞こえ振り返ってみればにこにこ笑う真也の姿が目に入る

 

やられた。そう思いつつ振り向く迅真の右肩に痛みが走る

 

迅真「ぐっ!?なんだ?」

 

真也「ほらー。ちゃんと意識しないと傷すら気付けないよー?」

 

痛みの発生源を見てみれば深々と切り裂かれていることに気付く

 

流れ出す血は滴り地面に落ちていく

 

すぐに能力で治した迅真は豪快に笑いながら鋭い視線で真也を睨む

 

迅真「はっ。この程度じゃまだまだ届かないぞ?」

 

真也「まー、1つじゃあねー。今度はもっと行くよー?」

 

挑発するような言動に、ならばと言い返した真也は笑みを深めた。そしてナイフを迅真に向けてスペカを取り出し

 

真也「君は、自分の無意識をどこまで意識出来る?《無符「無意識の傷」》」

 

そう言った真也は今度は全方位に弾幕とレーザーを飛ばすとその場から消えた

 

飛んでくるレーザーや弾幕の速度はバラバラで、速いのもあれば遅いのもある

 

その上、定期的にどこからか産み出されるため減る様子が無い

 

迅真「ふんっ。さっきと同じじゃあ芸がないな」

 

そう言うとポケットからスペカを取り出した

 

迅真「たまには合わせてみるのも面白そうだ。《火矢「炎の矢(フレイムアロー)」》!」

 

先制されると同時に全方位に打ち出される炎の矢

 

本来それは対象を前後左右から狙うものだが、その対象を捉えられていないため、ただ全方位にばらまかれている

 

迅真「まじか、無意識に狙えなくなってるってことか。厄介なこと極まりないな」

 

ばらまかれる自身のスペルを見て驚く迅真だが、これだけ打っていればそうそう攻撃などこないだろうと考えていた

 

産み出されるレーザーと弾幕を迅真が創り出す炎の矢がぶつかり打ち消しあう

 

体感的には10秒程したところ

 

いつまで立っても当たる様子のない攻撃に少しイラッとした迅真は、最初に言われた真也の言葉を思い出す

 

迅真「そういえば俺の無意識を意識出来るかとか言ってたな。無意識……意識……ん?」

 

閃いた迅真は能力を発動する

 

迅真「『俺の無意識』に『意識』の存在を付加」

 

そう言うと正面からナイフを振り上げて襲ってくる真也が見えた

 

慌てて回避した迅真に驚いた表情をするとともに、やっとか、といった顔をする真也

 

避けられた真也が止まり迅真と対峙したところでどちらもスペルが終了する

 

真也「やっと気付いたねー。随分時間がかかったねー」

 

迅真「分かりにくかったんだからしょうがないだろ?まあ、相変わらず変化はなさそうだから問題な……ごふっ!?」

 

安堵していた迅真は唐突に込み上がってきた何かを口から吐き出す

 

それは真っ赤で、一目で血だと分かった。すぐに全身を見回すと身体中至る所に切り傷があった。しかも何カ所かは刺されたようにも見える

 

やってくれたな。そんな顔で真也を睨みすぐに治した

 

真也「だから言ったじゃーん。こんなに見つけるのに時間がかかるともっと増えちゃうよー?」

 

わざとらしく首を傾げて笑みを浮かべた真也にさすがにもう少し力を出さないと一方的にやられると思った迅真はスペカを取り出した

 

迅真「なら今度はなられる前にやってやるさ。《血禍「ダーインスレイブ」》!」

 

宣誓と共に持っていた日本刀はどこかに消え、現れたのは真っ黒な何かに覆われた黒い日本刀のようなだが刃が太く見える剣

 

迅真「んー、これならもうちょいやれるか!」

 

真也「んぁ!?」

 

現れた剣を手に一気に近付き振り下ろしてくる迅真に、真也は驚きつつもナイフで抑えようと横にしてぶつける

 

だが、獲物の大きさも力も負けているので段々と刃は近付いてくる

 

真也「さすがにナイフで受け止めるのは無理ー。だーかーらー……」

 

じりじりと寄ってくる刃を見て空いている左手に弾幕を創り出す

 

そして、それを思いっきり殴るように振りかぶり、唐突に出て来た黒いもやのようなものにぶつかる

 

迅真「苦し紛れの一撃を止めちゃったが、どうするんだ?このまま斬っても良いんだが」

 

真也「苦し紛れとか笑わせないでよー。周りを見なきゃねー」

 

その言葉に疑問を抱き真也を視界に納めつつその後ろを見てみれば、いつの間にか現れた弾幕

 

真也の後ろだけですでに数10個ほど小型の弾幕があった。つまり、2人の周りにはもっと多くあるのが容易に想像できた

 

弾幕はこちらに向けて動き出す

 

それを見て舌打ちをした迅真は、にこにこと笑みを浮かべている真也の空いている横っ腹に左足で蹴りを入れて吹き飛ばし、後ろの弾幕を切り裂いて脱出する

 

真也「ごほごほ。いきなり蹴りは酷いよー」

 

迅真「そんなこと言われてもな。勝負なんだから、我慢してくれ」

 

そう言うと手に持つ剣を空でなんども振りかぶる。そこに弾幕が現れいくつか真也を狙う弾幕と共に飛んでいく

 

それを見た真也はにっこりと笑うとスペカを取り出し

 

真也「今度は僕を見つけれるかなー?《無符「無意識な犯行」》」

 

宣誓した真也はその場をくるっと一回転しながら姿を消した

 

そして、それと同時に周囲から小型の弾幕が辺りを飛び交う。真也を狙った弾幕も消えた瞬間真っ直ぐに飛んでいき飛び交う弾幕にぶつかった

 

さっきと同じだと思った迅真が再度自身に能力を使うが現れない。理由が分からず混乱する迅真に、唐突に痛みが走る

 

すぐに真也のナイフだと察し、切られたらしい左肩を見れば血が流れ出ている

 

しかし、真也の姿は見当たらない

 

迅真「今度はなんだ?さっきとは違うみたいだが」

 

とりあえず剣振り回し時々向かってくる小型弾幕を打ち消し、後に現れる弾幕でさらに打ち消す

 

それでもまた痛みが走る。今度は右足の太股辺り

 

先程よりも早く剣を振り回す

 

それでも新たな痛みが増える

 

いくら振っても切られるこの状況にさすがに頭に血が上った迅真は、さらにスペカを取り出す

 

迅真「あぁもう面倒くせぇ!《模倣「ゲート・オブ・バビロン」》!!」

 

宣誓すると辺りに大小さまざまな大きさの武器ーーナイフ、日本刀、槍、鎌、大剣、矢などーーが現れ全方位に飛んでいく

 

辺りを飛び交っていた弾幕を貫き突き進むそれは速度も変えながら周りの空間を一掃する

 

一掃されながらもまだまだ止まることを知らない真也の弾幕は辺りを飛び交い場を埋めようとする

 

辺りを埋めようとしているだけの真也の弾幕を、全方位に放っている迅真の弾幕は容赦なく削っていき

 

なににも当たらなかった弾幕は宛もなく飛んでいく

 

 

 

そして

 

 

 

そのうちの1つが

 

 

 

当ててはいけない人に当たってしまう

 

こいし「えっ、や、きゃあ!」

 

迅真「あ?あー、こいしに当たっちまったか。そこまで弾幕は濃くないはずなんだがな」

 

空中で戦っていた2人とは違い最初に真也が出来るだけ安全なところに行ってもらっていたこいしは、地上で回避していた

 

しかし、上から振ってくる弾幕を避けていると迅真が振る剣から出る弾幕と、全方位に放たれる武器の弾幕を避けきることが出来なかった

 

その結果こいしに当たった。“当ててしまった”

 

迅真「少し頭に血が上りすぎたか。こいしはやりたくてやってるわけでもないしな……!?」

 

当ててしまったことを反省して周りを見渡そうとして、正面を見た、その時

 

ふと見た正面に真也がいた

 

しかし、いつものようなぼんやりとした雰囲気など微塵もさせず、放たれるのは殺気

 

そして、真也が後ろを向いているため表情が見れない。放たれる雰囲気でニコニコとしていないのは予想出来る

 

いつの間にか真也のスペルは終わっており、時折飛んでくる迅真の弾幕を全く見ずに回避する

 

真也「あれ?もしかして、こいしに当てちゃった?ねえねえ、当てちゃった?」

 

後ろを向いたまま真也は話す。その声色には何の感情も含まれていないようである

 

真也「こいしを傷つける者は誰も許さないって……言ったよね?」

 

振り向いた真也の顔は誰が見ても青ざめるほど笑っていた。口角を三日月のごとくあげ、その目には何の色も見られない。首を少し傾げて笑みを浮かべているその様子は見る者に狂気を感じさせた

 

迅真「……!」

 

見た瞬間に背筋がゾッとした迅真に、ナイフが投げられる。その狙いは迅真の肩。一寸の狂いもなく

 

それを持っている剣で弾き、そして、ナイフに目がいったことを後悔する

 

再度真也を見ればその手には先ほどは使っていなかった大鎌があった。

 

大鎌を手に持ち狂ったような笑みを浮かべる真也はさながら死神のように見えた

 

真也「さぁ、無意識に後悔するといいよ。《無符「無意識の死神」》」

 

どこからか取り出したスペルを左手に持ち宣誓し、鎌を振る真也

 

その軌跡から黒い小型弾幕がいくつも打ち出される

 

迅真「ちょ、おい、いきなりかよ!」

 

飛んでくる弾幕に剣で打ち消しスペルで打ち消し対抗する迅真

 

1振り目の弾幕が終わると、真也はその場で一回転しながら鎌を振る。もちろん軌跡は現れ辺りに黒い弾幕を撒き散らす

 

横にしか来ない真也の弾幕を上に移動することで避け、そこから弾幕で真也を狙う

 

はずだったが

 

迅真「あ?いないだと?また無意識を使ったのか?」

 

円形の軌跡が残っている中心を見ても真也はいなかった

 

やがて、その軌跡も消えた。しかし、真也は見つからない。能力を試してみても見つからない真也

 

急に寒気を感じた迅真はその場を離れると、先ほどまでいた所に軌跡が現れる。そこから放たれる弾幕は迅真を狙ってくる

 

迅真「いったいどこにいやがるんだ!」

 

舌打ちをしながら叫び再度感じた寒気に移動すれば現れる軌跡。先ほどのがまだ残っているので場の弾幕が増える

 

その後も幾度も襲われ辺りに継続して5つ程の軌跡が残るペースで避けていた

 

さすがに埒があかない迅真は新しいスペルを取り出し、宣誓しようとした

 

 

 

迅真「こうなったら最後のスペルだ!これで終わらせて」

 

 

 

真也「終わっちゃったね」

 

 

 

しようとした迅真の耳元で聞こえた真也の声。何の感情も込められていないそれは間近で発せられたことで、迅真に普段なら感じない恐怖を思わせる

 

 

 

気付いたときにはもうすでに遅く

 

 

 

真也「僕の勝ちだね」

 

 

 

振り向けばそこには先ほど狂ったような笑みで鎌を振るう真也が見えた

 

 

 

 

鎌を振り終え、迅真が結界の外に出されたのを確認した真也はいつもの笑みを浮かべた

 

真也「んー、ちょーっとやりすぎた気がするけどまあいいやー」

 

そう言うや否や結界が解かれ、真也は地上に降りて迅真のところに向かう

 

迅真「真也ってこんな強かったのか。鎌とかナイフもあんだけ扱えるなら普通に戦えるだろ」

 

真也「んー、まあこの世界では僕の方が強かっただけだよー。迅真のところだと能力が制限されてるような気がしてねー。それにー、僕は無意識に振るってるわけだからーあんまし得意じゃないよー」

 

苦笑いしながら言う迅真に、そんなことないと手をひらひら振りながら答える真也

 

無意識に振れるなら普通に出来るだろ……。 なんてことを考えていた迅真だが口には出さないでおいた

 

こいし「はぁ、唐突に戦闘始まるからビックリしたよもう。ちゃんと一言声かけてよね?」

 

2人「「はい、すいませんでした(ー)」」

 

お疲れ模様のこいしがジト目でそう言い、2人は平謝りしてその様子にこいしが笑い、釣られて2人も笑い出した

 

空気が和み、先ほどの殺伐とした空気が嘘のようであった

 

 

 

 

迅真「そうだ、さっき1つ質問したがもう1つあるんだった」

 

真也「んー?なにー?」

 

3人で談笑し始めて数分、迅真は思い出したように手を叩き口を開いた

 

迅真「真也、お前は今、能力を持っていることをどう思ってるか?」

 

思い出した質問、その内容は能力について。真也は何かを考えているのか黙り込む

 

質問した迅真も、その様子を見守るこいしも喋らず、場に静粛が流れる

 

真也「僕はねー、この能力を持っていること自体は別になんとも思ってないよー。まー、確かに能力があったからいろいろと嫌なこともあったけどねー」

 

そこで一旦言葉を区切った真也はこいしを横目で見て笑みを浮かべる

 

真也「でもねー?この能力があったから今こうやって僕の能力を気にしないような人達にも会えたんだー」

 

視線に気付いたこいしがニコリと笑うと笑みが輝いたように見えた

 

真也「僕のこの能力は普通の人から見ても、能力を持ってるこの幻想郷の人こら見ても異質で特異な物だって分かってる。だからといって、僕がこの能力を憎んでるわけじゃないよ。だって、この能力がなかったら、あの時迅真にも会ってないし、こいしにも会えなかったからね」

 

そう言った真也の顔は笑顔で輝き、本当に会えたことを嬉しく思っているように見えた

 

迅真「そうか。その能力はお前を縛っているわけではないんだな」

 

ニヤリと笑う迅真はそう言うと立ち上がる

 

迅真「それが聞けて良かったぜ。そろそろ俺も向こうに戻るとするわ。次会うときは負けないからな?」

 

真也「僕だってこいしの前では負けないからねー?」

 

お互い負けないと張り合い、そして笑った

 

迅真「じゃあな、真也。次会う時を楽しみにしてるぜ」

 

そう言って迅真は能力を使って元の世界に帰って行った

 

真也「次会う時も負けないからねー」

 

こいし「意地張りすぎだよー」

 

いなくなった相手に向けて言う真也にこいしは笑みを浮かべて話しかける

 

真也「さーて、帰ろっかー。こいしも避けることで疲れたでしょー」

 

こいし「うーん、まあかなり飛んできたからね。次は参戦したいなー」

 

それはやめて欲しいなー。 そう考えていた真也だったが、こいしがジト目で見ていることに気付き考えていることがバレたと分かると笑顔を浮かべた

 

2人は手を繋いで地底に帰って行った




はい、どうでしたか?

真也「無意識は万能ー」

こいし「一部無意識じゃなかったよーな」

そこらへんはまあ気になる人がいればかな

真也「次回は何するのー?」

こいし「コラボ進めなよ?」

うっす、頑張ります

今回コラボしてくれた大神 龍さん、ありがとうございました!

では、次回まで

「「「ばいばーい」」」

追記

現在活動報告にて記念話アンケートと質問募集をしてます

コメントしてもらえると嬉しいです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

たまには温泉に行こう! 前編

はーいどーも生きる死神です。

真也「温泉回かー」

こいし「といってもたぶん予想しているのとは違いそうだけどね」

また、温泉だからってラッキースケベやらほのぼのするわけじゃないしね。
どっちかっていうと、ちょっとした説明回チック。

真也「そーだねー」

こいし「そろそろ始めよ?」

そうだね。

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

いつも通りに遊んで帰ってきた真也とこいし。

2人は真也の部屋で話そうという事で向かっていた。

すると、彼の部屋の前にさとりがいた。

 

さとり「あ、お帰りなさい。2人とも」

 

こいし「ただいま! 何してるの?」

 

さとり「たまには温泉に行って体でも休めようかなって思ったの。それでお燐とお空も連れて行くから、2人にも声をかけようと思ってたんだけど、いるか分からなかったのよ」

 

なるほどー。 と、呟き頷く真也は特に何も言わなかった。こいしは行くのか行かないのかよく分からなかったが、特に行きたくないなどとは行ってないので行くんだろうなと思っていた。

 

さとり「それで、今から行くけど大丈夫かしら」

 

彼の反応に何も言わないさとりだったが、こいしと同じようなことを考えていたので気にしてもいなかった。

 

2人は1つ頷き互いの部屋に別れて準備をしに行った。

 

 

 

 

真也「ここが地底の温泉かー」

 

こいし「あれ? 来るの初めてだっけ?」

 

温泉についた地霊殿組一行。真也はこいしの質問に頷いて答えると、先を歩いていたさとりに声をかける。

 

真也「さとりー。ここって男女別れてるよねー?」

 

さとり「えぇ。もちろんよ。いくら幻想郷に女性が多いからって、男性用が無いわけではないわ。安心してちょうだい」

 

その答えにホッとした真也は番台の説明を流し聞きしながら、別のことを考えていた。

 

真也「(これで混浴だと僕の目のやり場に困るからねー。あーでもー、こい……いやいや、そんなこと考えない考えない)」

 

途中で良くない方向に思考が向かいかけたので軽く頭を振って雑念を払う。

しかし、さとりへの質問を耳聡く聞いていた者がいた。

 

お燐「おや~? もしかして、こいし様と入れなくて残念ー、とか考えてたり~?」

 

真也「そ、そんなことないよー!」

 

近付いてきたお燐は小声でそう言うと、彼は珍しく声を少し大きくして慌てて否定した。

が、その時に顔が赤くなったのがばればれだったのでさらに何かを言われることはなかったものの、お燐はニヤニヤしながら真也の元を離れていった。

 

そんなことない、そんなことないと呟いている真也に今度はこいしが近づいてくる。

 

こいし「ねぇ……真也。……お燐が言ってた事って、本当なの……?」

 

どことなく悲しそうな雰囲気を漂わせるこいしに真也は口ごもってしまうが、彼女の表情に耐えられなくなった彼は少し恥ずかしそうに口を開く。

 

真也「……本当は、入りたいけどさ。僕の目のやり場に困るというかなんというか。入りたくないわけではないんだけど……その、ね」

 

なんとか伝わって欲しいという思いも込めてこいしに、視線を送る。それを聞いて、送られてきたものを受け取った彼女は頬を赤く染めながらニコッと笑った。

 

こいし「ありがとね、真也。……じゃあ、また後でね?」

 

いつの間にか2人だけになっていたことに気付いたこいしは、それだけ伝えると女湯の方に向かっていった。

それを見送った後、まだ顔の赤い真也も顔を少し振って男湯に向かった。

 

 

 

 

 

軽く身体を流し、温泉に浸かる。

真也達が帰ってきたのが9時頃だったため、準備諸々を含めて温泉に着いたのは9時半頃。

時刻的には人がいないこともなさそうだが、本日は外で宴会でも行われているのか、男湯は人がまばらだった。

 

真也「んー。温泉なんていつぶりかなー。向こうにいたときはそんなゆっくりしてる暇無かったからなー」

 

気の抜けた表情で温泉を堪能する。

周りに人がいないのでほぼ貸し切りとも言える状況であった。

誰の視線を気にすることはないので、のびのびと入ることが出来た。

 

誰もいないこと、それは真也にとってまた別の意味だった。

 

真也「……1人なのは久しぶりかなー。いつもはこいしといたしー」

 

いつか言った言葉を思い出す。

 

『1人と独りは違う』

 

向こうの世界でいつも独りだった彼にとって、こちらの世界であった大好きな彼女や似たような境遇を通ってきた友人達と出会えたこと。それはその言葉をまんま変えたことになる。

こちらに来てから真の意味での独りになることは無くなった。

それもすべてはこちらに来たから、来れたから。

向こうにいたら今頃何をしていたかなんて、想像するのも容易いものだった。

 

今の彼は周りに人がいない『1人』である。

人がいないだけなら、人のいるところに行けばいい。

しかし、彼には能力が、忌避される能力があったから。

彼はどこに行っても独りであった。

『独り』であり『1人』だった彼にとって、こちらの世界の自身を忌避せず、普通に接してくれて、笑みを向けてくれて、自分を理解してくれる。

 

そんな人たちに会えたことだけですでに彼は幸せだった。

この日常が好きだった。

 

真也「……みんな、優しいな」

 

思考がどんどん深くなるのを抜け出して、ただ呟く。

 

しばらく何も考えずに湯船に身を任せてぼーっとしていた。

水面を見て、時折波紋が現れるのを無心で見ていた。

 

ふと、入る前にあった看板に、露天風呂があることを思い出した。

 

真也「んー、露天風呂も行ってみよっかなー」

 

軽く手を開閉させてから湯船を出て外に向かった。

 

 

 

 

 

露天風呂がある外に出た真也、湯煙が上がる中に先客が4人。

 

真也「へー、露天風呂はこんな感じなんだー……んー?」

 

軽く全体像を見ていた彼は、聞き覚えのある声が聞こえてくることに気付く。

 

お空「うにゅー、ちょっと熱いよぅ」

 

さとり「あら、少し涼んだらどう?」

 

こいし「うーん、お空には熱いのね」

 

お燐「あ、こいし様。来ましたよ」

 

先客は先ほど別れたこいし達。

鹿威しの音が響く中、仲良く談笑していたところ、お燐が待ち人が来たことに気づき声を上げた。

 

真也「あれー? ここって混浴だったのー?」

 

さとり「あら? 聞いてなかったかしら? ここは混浴もあるって番台さんが説明してたわよ?」

 

首を傾げた彼にさとりが答えると、説明を聞き流していたことを思い出した。

 

お燐「もしかして、違うこと考えてて話を聞いてなかったんじゃ~?」

 

真也「だ、だからー、違うよー!」

 

にやにやしながら悪い笑みを浮かべているお燐は、慌てている真也の様子にさらに笑みを深める。

 

こいし「いつまでそこにいるの? 入らないの?」

 

今言われたとおり、真也は入り口からほとんど動いていなかった。

入り口でのこともあって入りずらそうだった真也だが、こいしがじーっと無言の圧力をかけてきたので、ちょっと顔を赤くしつつも入ることにした。

 

真也「そ、そういえばさー、待ち人がどうこうって聞こえたけどどういうことー?」

 

一応タオルを巻いてはいるがそれでもあまり見ないように、目線は定まっていない。どやされるのがイヤで話を逸らそうとしたようにも見えた。

実際、それに気付いている3名(気付いていない1名はボケている模様)はにやにやしているが。

 

さとり「あぁ、それはね。ちょっと聞きたいことがあってね」

 

真也「聞きたいことー?」

 

なんだろうと少し考える彼に3人は少し顔を見合わせていた。

 

さとり「じゃあ、私からよ。前々から寝てることが多いとは思ってたんだけどね? 最近さらに寝てる時間延びてない? 大丈夫?」

 

真也「あー、それはねー」

 

彼が言うには取り戻したものーー今なら『感情』『関心』『情』ーーの数で強力な“無”を使ったときの疲労の具合が変わるらしい。

向こうにいたときは何も無かったので、疲労は感じていなかったらしい。

こちらに来て、感情を取り戻してから疲労を感じるようになったとのこと。

 

真也「1つだと1日ー、2つだと2日ー、現状の3つだと4日みたいだねー。倍々で増えていくのかなー、そしたら『心』を取り戻したらー1週間とかあり得るかもー」

 

さとり「そういうことだったのね。そしたら、心を取り戻したらあまり不用意には能力は使えないわね」

 

そうだね。 そう頷くといつもの笑みを少し深めた。

その変化に気づけたのは、いつも一緒にいるこいしだけだったが、何故いつもと違ったのかは分からなかった。

 

さとり「そうだ、もう1つあるのよ。

 

    いつこいしと結婚するの?」

 

真也こいし「「!!??」」

 

お燐「おやおや~? そんなに驚いてるって事は考えてなかったのかな~?」

 

お空「うにゅう? 家族増えるの?」

 

唐突に落とされた特大の爆弾に真也とこいしは顔が真っ赤でもはや蒸気が出ているように見える。

お燐は満面の笑みで悪い顔をしているし、お空は素で爆弾を増やす。

 

頭の片隅にあったとは言え、自分で考えたり言うのと、他の人に言われるのでは心持ちが全く違った。

 

真也「え、えーとー。あのー、うーん、そのー」

 

上手く言葉の出てこない彼はあたふたとしていて、見ていて何故か癒されるようだった。

何も言わないこいしも顔は真っ赤でなにやら「結婚……家族……」と呟いていた。

 

さとり「しないの?」

 

真也「い、いやね? 僕外の世界だとまだ結婚出来る年齢じゃないからさー? せめて出来る年齢なってからかなーってね?」

 

さとり「いや、あなたお酒飲んでたじゃない。お酒は外だともっと年を取っていないといけないんでしょう?」

 

完全にさとりに論破されてしまった真也はぐうの音も出ないようで、顔を赤くしながら少しぷるぷるしている。

こいしは相変わらずである。

 

さとり「あなた達のことだから特に急かすわけではないけど、もし、するんだったら、こいしのこと、よろしくね?」

 

真也「え、あ、うん。もちろん。分かってるさ」

 

先ほどまで少し意地の悪そうな顔をしていたさとりの顔は、今ではたった1人の肉親の幸せを想う姉の顔になっていた。

 

彼も顔を赤かったがそれでもちゃんと答えた。何まで言うことはなかったが、その言葉の中にさとりの想いを感じ取りながら。

 

さとり「ふふふっ、ならいいわ」

 

そう言うとさとりは少し逆上せてきたのだろうか、湯船からあがり近くのベンチで涼み始めた。

 

お燐「じゃあ、あたいからも質問。たまーに真也とこいし様を命蓮寺で見るんだけど、遊んでないときもたまにいるよね? 何してるの?」

 

たまにお燐が命蓮寺にこっそりと行くときに、真也達を見ることがあった。その時に遊んでいることもあればそうでないときもあったのだ。

 

真也「あー、それかー。あれは聖によく誘われてるんだよねー。仏教のことでねー」

 

なんでも、彼とこいしの“無”というものが、仏教の理念に近いんだとか。

2人からしてみれば特にそういう気でいるわけでもなく、興味があるわけでもないので、いつもやんわりと断っているらしいのだ。

それでも聖は諦めてくれないらしいが。

 

お燐「あー、そういうことなんだ。確かに2人ともそういうことには興味なさそうだもんね」

 

真也「信じてないわけではないんだけどねー。僕には必要ないことだからねー」

 

そもそも、こいしといたいだけだからね。そう呟いた声は鹿威しの音ともに湯船に吸い込まれて消えていった。

 

お燐「にゃは。分かったよ」

 

それだけ言うとさとりの近くに行き談笑し始めた。

その様子を見て真也は楽しそうに笑みを浮かべた。




どうでしたか?

真也「このさとり……」

こいし「お姉ちゃん……」

さとり「なによ。そんなに結婚のこと聞かれたくなかったの?」

2人にも事情があるんでしょう。察してあげてください。

さとり「そうね。するってのは分かったからいいわ」

真也こいし「「むぅ」」

顔赤いなぁ。

さて、次回は温泉回後編、今度はお空とこいし、そして……?

次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

たまには温泉に行こう! 後編

はーいどーも生きる死神です。

真也「後編だよー」

こいし「真面目回だね」

温泉なのになぜこうなったのか分からないけど、気にしないで始めましょう。

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

談笑しているお燐とさとりを見て笑みを浮かべていた真也のところに空が近付いてきた。

先程まで熱いと言って体を冷やしていたみたいだ。

 

お空「お真ー! 温泉熱いよー!」

 

真也「いやー、そんなこと言われてもー」

 

熱いと言いつつ元気そうな彼女に、真也は苦笑いを浮かべて応対する。

 

何かを思い出したようにはっとした顔で手を叩いた。

 

お空「うにゅ。そうだ! 私、お真に聞きたいことあるんだった!」

 

真也「今まで忘れてたのねー」

 

鳥頭が健在だなぁ、なんてことを考えているが口には出さず、また苦笑いをする。

 

お空「お真はさ! ここに来てから楽しい?」

 

真也「んー、楽しいよー?みんな面白いし良い人多いしねー」

 

そう言って真っ先に頭に浮かべたのは、大好きな恋人。そして地霊殿の家族に、過去を知る4人、その他にも雛や聖など、今まで会って自分のことを受け入れてくれたり、ひどい扱いをしなかった人を思い浮かべた。

 

思い浮かべた数の多さに自分でも驚きつつ、向こうにいたときを思いだし、その差に嬉しそうに笑みを浮かべる。

 

真也「こっちには優しい人がいっぱいだよー」

 

お空「うにゅ。ならいいや! 私が聞きたかったのはこれだけだよ! あっついから私も上がる!」

 

そう言うとお空はすぐに湯船から立ち上がり、さとり達の元に向かっていった。

 

さとり「私達は先に出ているわ。2人でゆっくりしなさない」

 

寄ってきたお空を見て、さとりは真也とこいしにそう言うとニコリと笑って中に戻っていった。

それを見届けると、ふと隣を見ると大好きな人が少し顔を赤くしてそこにいた。

ただそっと、隣に寄り添っていた。

 

談笑していた声も無くなり2人も口を開かず、辺りに鹿威しの溜まった水を流す際に出る小気味良い音と、湯船に湧いて溢れた水の流れる音が響く。

 

辺りを静粛が支配する。

2人にとってはこの無言の空間でさえも、心地の良いものだった。なにも話さなくても、ただ隣にいるだけ。それだけでも、2人には十分だった。

 

そんな空間は、長くはなかった。

 

こいし「……温かいね」

 

真也「……そうだねー」

 

唐突にこいしが口を開いたと思えば、出て来たのはその一言のみ。

ちょっと面食らった真也だが、深くは考えずに答える。

 

少し間が空いて、こいしは半分程開いた第三の目をゆっくりと手に取り、愛おしそうに撫でた。

 

こいし「……ねぇ、真也。もし、私の目が完全に開いて、真也の心も取り戻せたら。私は真也の心が見たい」

 

そこで切ったこいしは、撫でた手でそのまま自分の体を抱き締めた。

 

こいし「でも、真也は見て欲しくないかもしれない。その時、私はどうすればいい?」

 

温かい湯船に入っているというのに、こいしの身体は震えていた。それは寒さではなく、拒絶されたことを思ったときの恐怖。

彼に限ってそんなことはないと、そう信じたいと、思っている。

でも、どれだけ思っていても、本当かは分からない。

 

聞いてからしばらくなにも話さない彼の様子に、不安を覚える。

 

そして、彼は口を開いた。

 

真也「……僕は気にしないよ。見たかったら見ればいいよ。こいしに見られて困ることなんてないし、それでこいしが安心できるなら、なおさらね」

 

隣で震えている彼女の方をそっと抱き寄せ、ふわりと浮かぶ第三の目を優しく、慈しむように撫でた。

第三の目は覚りにとってはとても重要な機関である。それを撫でられると、その人への想いによって感じ方が変わってくる。

好いている者ならば心地良い、嫌いな者ならば嫌悪感を抱く。

彼女らにとってはそう言うものだと、いつか2人で話していたときに聞いた。

 

それを覚えていた真也は、言葉だけでなく行動でも安心できるようと思っていた。

 

震えはいつの間にか止まっており、自分の肩に頭を乗せていた。

身体を抱いていた手も解かれていた。

 

こいし「……真也なら、そう言ってくれると思ってたよ」

 

その状態のままぽつりと呟く彼女の閉じた心は暖かいもので満たされていた。

 

そして、時々思っていたことをそのまま疑問として吐き出した。

 

こいし「…………もし。もしだよ。私じゃなくて、フランや、天子、ぬえに先に会ってたら。真也は、今みたいな関係になってたと思う?」

 

真也「……」

 

乗せていた肩から頭を上げ、湯気の漂う空を見上げて返答を待つ。

 

隣で口を開くのを待つ彼は撫でていた手を止め、寄せていた手を離し、腕組みしながら考えている様子だった。

 

ほんの少しの興味で聞いたことだが、これでそうだと言われたらどんな顔をすればいいのか分からなかった。自分で聞いておいてなんだが、先程の答えもあり少しの自信があった。

彼なら大丈夫だろう、と。

そう思うしかない彼女には空を漂う湯気が少し灰色に見えた。

 

真也「……分からないかな」

 

こいし「……えっ?」

 

そうだ。

とは言われなかったものの、分からないという返答。予想していた答えと違い驚きと戸惑いを隠せない。

 

そんな彼女をあえて気にしている様子のない彼は言葉を紡ぐ。

 

真也「……3人とも僕とは仲が良いから、断定は出来ないかな。僕の過去を聞いても受け入れてくれるなら、大丈夫だろうから」

 

そこで一旦切り、ちらと隣を見た。

相変わらず上を見上げたまま、口を閉じていたが少し震えているように見えた。

顔もなんの表情も浮かべていないように見えるが泣いているように感じた。

 

その様子見た彼はどこかにちくりと刺さるような感覚を覚える。

そんな顔をさせてしまったことへの罪悪感と、こんなことしか言えない自分に嫌悪感を抱きながら、口を開く。

 

真也「……でもね。こいしとじゃないとたぶんここまで幸せに思える日々は無かったと思うんだ」

 

こいし「……なんで?」

 

震えた声で聞く彼女は、いつの間にか水面を見ていた。

 

真也「だってさ、こいしほど僕と共通点のある人はいないよ。フランだってぬえだって天子だって。あると言ってもこいしほどじゃない」

 

そう言うと先程彼女がしていたように空を見上げて湯気の消え行くところを見ていた。

 

真也「なにより、無意識に僕は負けちゃってるからね。こいしに無意識のうちから惹かれてるんだろうから。他の誰でもない無意識を操るこいしだからこそ、だよ」

 

なんの脈絡もないように思えるが、実際1度彼女に無意識に涙を見せた真也からしてみれば、彼女の無意識には勝てないのかもしれない。

大まかな無意識として真也の方が上なのだろうが、彼女の、たった1つのことへの力は彼女の方が上なのかもしれない。

だから、彼女の能力は唯一真也の能力に勝てる可能性があった。

それは、唯一無二の、他の仲の良い者達にも無いとても大きなアドバンテージだった。

 

こいし「……じゃあ、私が覚りとして元に戻って、無意識を操れなくなったら、真也は私から離れちゃうの?」

 

その声は小さく、震えていた。

俯いた彼女の顔は見えないが、どんな顔をしているかは容易に予想できた。

 

だから。

 

だからこそ、そんな顔をさせたくないから、彼は想いを口にする。

 

真也「そんなわけないさ。こいしが無意識を操れなくなったとしても、こいしなのは変わりないから。今まで過ごして作った思い出があるんだから。そんな簡単に離れるわけないし、今の僕にはこいし以上に大切な人はいないから」

 

そう言うと、彼女の方を向く。

 

そして、彼女も泣きそうな顔で、今にも溢れてしまいそうな滴を瞳に溜めてこちらを向いた。

 

こいし「本当だよね? 嘘じゃないよね?」

 

真也「もちろんだよ。こういう時に僕は嘘をついたことはないから」

 

それを聞くと顔を手で覆い、後ろを向いた。

 

まだ震えている背中に寄り添い抱き寄せる。

 

少しだけすすり泣く声が聞こえるが、悲しくて泣いてるわけではないと無意識に感じ、笑みを浮かべる。

 

彼に包まれている彼女は嬉しさで泣いていた。

やっぱり彼は私を好いてくれている。愛してくれている。

それだけで涙が流れた。

 

涙はしばらく止まらず、止まるまでそのままでいた。

 

 

 

涙も止まり泣きはらした目を隠すことなく満面の笑みを浮かべているこいし。

その様子にとても嬉しそうな真也。

2人はとても幸せそうだった。

 

 

 

 

 

空を浮かぶ湯気はもう、灰色ではなかった。




はいどうでしたかね。

真也「泣かせてしまった……」

こいし「き、気にしないで!」

(熱い)

はい、ちょーっとリアルが忙しくて更新が遅くなりそうです。
次回はコラボを書く予定ですが、リアルの予定によっては、9月中旬頃まで投稿しないかもしれません。

真也「将来に関わるからごめんねー」

こいし「完結はさせるからね!」

それと同時にもう一つ、今悩んでいることがありまして、台本形式を取ろうか悩んでいます。

真也「理由に関しては活動報告に載せるよー」

こいし「今後についても関わるから意見や取って!とか取らないで!だけでもいいよ!」

できるだけ多くの人の意見が聞きたいところです。

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!秋の望月に出会う久しい2人

はーいどーも。

真也「ちょっと遅れちゃったねー」

思いつかなかったんや、ごめんなさい。

こいし「今回はコラボだよー」

お相手は、羅旋さん の書いている 東方協奏録 から 桜川奏詞 と 秦 こころ さん達です。

真也「まったりとしたお話だよー」

こいし「秋!」

それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

時は巻き戻って9月15日、中秋の名月と呼ばれる日だ。秋の夜空に満月の浮かぶ日、お月見をするのに持ってこいだと誰かが言っていた。

時間も、そろそろ月が頭の上に来るような時刻。妖怪の時間とも言える時刻だ。

 

そんな中真也とこいしは妖怪の山を歩いていた。

 

真也「まさか静葉と穣子からこんなに秋の食べ物もらえるなんてねー」

 

両手に秋姉妹からもらった秋が旬のものを持って、表情は変わらぬものの、口調に少しの喜びが入っていた。

 

こいし「少し暑さが弱まったから散歩してただけなのにねー。2人も秋らしくなってきて嬉しかったのかな?」

 

同じく片手にいくつかの食べ物を持ちつつ彼女は、嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

いろいろともらえたので、お返しも考えないとね。なんて、話をしながら2人は地底への穴を目指していたが、ここで思わぬ2人に出会った。

 

真也「どれも美味しそ……んー。あの2人は」

 

こいし「ん?2人って……あ、懐かしいね」

 

ふと前を見た真也の呟きに、つられたこいしも見てみれば、そこには見たことのある2人組がいた。

 

黒髪に眼鏡をかけ、黒のポロシャツにジンーズ、トレンチコートに黒の靴をはいた男。

 

?「寄り道しすぎて違うところに来たみたいだな……」

 

桃色の髪に頭にかけられたひょっとこのような顔のお面。チェック柄の緑っぽい青色のシャツ、独特な形をした髪と同じ色のバルーンスカート。それに黒色のブーツ。

 

?「たぶん、妖怪の山。地底に向かう穴らへんだと思う」

 

こちらに気付いていない2人に、真也とこいしはにっこりと笑みを浮かべる。そして、ゆっくりと2人に近付いていき、声をかける。

 

真也「やー、2人ともー。こんなところで迷子かなー?」

 

こいし「いつ以来かは覚えてないけど久しぶりだね」

 

そう言ってみると、気付いていなかった2人は少し驚き振り返り、真也とこいしの姿を見てまた驚いていた。

 

?「寄り道してたらこっちに来たみたいだ。迷子ではない。断じて違う」

 

?「いつだっけ、最後に会ったの。とりあえず久しぶり、こいし」

 

絶対に違うと言いつつ、隣の彼女に無言の視線で刺されてなんとも言えない顔になる男。

女の方は視線を戻しこいしを見て、ひらひらと手を振る。

 

男の名は桜川奏詞(さくらかわそうし)、女の方は秦こころ。2人と会うのは4回目、前にあったのは夜桜の綺麗な夜の白玉楼だった。

 

真也「それを迷子って言うんだよー。おっちょこちょーい」

 

ふざけるように言った真也の態度からして、馬鹿にしているのが一目瞭然である。奏詞はむぅとしかめっ面になるが、間違いとも言えず無言でそっぽを向いた。

 

こいし「うーんと、たぶん1ヶ月とか?もしかしたらもっとあるかもしれないけど分かんない!」

 

振られた手に振り返して笑みを浮かべたこいしは、こころに近づきハイタッチする。片や笑みを浮かべ、片や無表情で行うそれは少し可笑しく見えた。

 

奏詞「せっかく会えたんだ、4人で酒でも飲みながら話でもしようじゃないか。満月もほら、こんなに輝いてる」

 

空に輝く月を見上げながらそう言った奏詞に、3人は同意し月のよく見える場所を探して移動することにした。

 

 

 

      ◆

 

 

 

 

真也「ここらへんでいいかなー?」

 

奏詞「いいんじゃないか?」

 

適当に移動してやってきたのは、山を登って神社の近くに見つけた開けた場所。ちょうどよく切り株等もあり座るのにも使えそうだった。

 

こいしとこころは2人でわいわいと話している。相変わらずこころの表情は変わっていないが、すぐ近くで漂っているお面はころころと変わっている。その様子から彼女が楽しんでいるのがなんとなく分かった。

 

真也は手に持っていた食材をいつもの不思議な空間に放り込んで、こいしの持っていたものも放り込む。そして、そこに手を突っ込んで酒とちょっとしたつまみを取り出した。

 

奏詞「真也って、そんなことできたっけか」

 

真也「そーだよー。元々出来たけどー、やることが無かっただけー」

 

酒とつまみをどこから取ってきたのか些か疑問が残るが、そんなことを気にしていたら酒が不味くなると思い気にしないことにした。

 

真也と奏詞の2人が準備を終えた辺りで、話していた少女達もお互いの恋人に近づく。

 

こいし「あんまり飲み過ぎないでよ?酔われるといろいろ大変なんだから……」

 

こころ「ほどほどに」

 

忠告する2人だが、こいしの方は後半のところでいろいろと思いだしたようで、頬を赤く染めていた。その様子に真也も無意識に察し、苦笑を浮かべて頭を掻いていた。

 

こうしてたき火を囲んで4人の小宴会は始まった。

 

 

 

    ◆

 

 

 

話題は最近起こったことから、恋人同士の惚気話まで終始尽きることはなかった。特に、4人それぞれが惚気出したときは、その恋人は顔を赤くして恥ずかしそうにしているし、聞いている2人もなんだか嬉しそうにしていた。

 

真也「いやー、たまにあうだけでもこんなに話せるなんてねー」

 

奏詞「それは俺も思うな。話題が尽きないもんだな」

 

酒を飲みながらあははと笑い、そう言ってまた酒を飲む。返ってきた言葉には軽く一言で返してまた飲む。2人の少女も楽しそうにしているのがよく分かる。

酒が進めば酔いが回る。酔いが回ればテンションがあがる。そしてまた酒を飲んで酔いが……と、だんだんループしているこの小宴会。

 

真也「こいしー」

 

こいし「あーもう!やっぱりこうなるの!」

 

残念ながらこいしの予想通りに酔いの回った真也は、こいしに抱きつき彼女が赤面不可避な言葉を呟き始める。

もちろん、それを間近で聞かされているこいしからしたらたまったものではない。

ので、なんとか脱出を試みる。が、とても嫌というわけでもないし、なんだかんだ嬉しいので引きはがせずなすがままである。

 

奏詞「2人は相変わらずだなぁ」

 

こころ「そうだね。2人らしいね」

 

その様子を寄り添いつつ、温かい目で見守る2人は真也達程では無いものの、なかなか熱い雰囲気を放っていた。

こころが少し眠いのか、夢の世界に漕ぎ出しかけているが、その様子も奏詞にとっては可愛いもの。

酒を飲みながらその場の雰囲気はだんだん熱く、静かなものになっていった。

 

少女達が酔いやら赤面からのフリーズで寝てしまった。そんなときでも男2人の会話は続く。

 

奏詞「そういえば。前に聞いた気もするが、真也にとって愛ってなんだ?」

 

真也「愛かー。うーん」

 

聞かれた問いに考え始めた真也は、隣で肩に頭を乗せてすやすやと眠る彼女を横目見た。そして、しばらく見つめた後、小さく笑って口を開く。

 

真也「今の僕には心が無いからね。愛が何かはよく分からないよ。愛って言うのは心が無ければ受け取れないから。今の僕にもこいしにも、まあ、こいしは半分開いてるけど、完全に心があるわけじゃないから」

 

そう言うとこいしの帽子を取り頭を撫でる。寝ている彼女は気持ちよさそうな顔をして笑みを浮かべる。その様子に彼の表情はとても嬉しそうに見えた。

 

真也「心が取り戻せたら、愛が何か分かる気もするよ。まあ、なんとなく愛って、誰かのことを大好きになることかなって、思ってはいるけどね」

 

そう言った彼の表情は明るく、しかし、どことなく陰のあるそれだった。

 

答えを聞いた奏詞は、暫く何も言わなかった。何か考えているように見えたが、ようやく口を開くと、

 

奏詞「そうか。それが真也にとっての愛か」

 

それだけ言って酒を一口飲み、また口を閉ざした。

 

同じく何も言わない真也は、優しげな笑みを浮かべながら、隣の彼女の頭を撫でる。

 

しばらく無言の間が続いたが、酒を飲み終えたのであろう奏詞が口を開いた。

 

奏詞「真也。もしいつかお前達がゴールインするなら、その時は祝いにくるよ。その時までに、ちゃんと心を取り戻せよ?」

 

そう言うと、こころをお姫様だっこし、目の前に謎の空間が開く。

 

真也「帰るんだね」

 

奏詞「ああ。今度会うときは祝うときだ。またな、真也」

 

言い終わった奏詞はその空間の中に消えていった。

その場にたき火と真也とこいしの2人が残る。

たき火の木の弾ける音と、小さな寝息のみが聞こえる。

 

真也「次会うとき……か。その時には、こいしのことを幸せに出来てるかな」

 

たき火を能力で無くし、自分達が持ってきた酒瓶などを空間の中に入れる。

片付けが終わった後、空を見上げ、満月の夜空を見る。

空に輝く月は、どこまでも白く、2人を照らしていた。

 

真也「さて、帰ろっか。いつまでもここにいたらこいしが風邪引いちゃう」

 

そう言ってこいしをおんぶして立ち上がる。背中にかかる重みに、ふふっと笑うとゆっくりと歩き始めた。

どこまでも静かな秋の夜空は、白い満月を1つ浮かべて2組の恋人達の出会いを引き寄せた。

 

 




はい、どうでしたかね。

真也「愛ねー」

こいし「私また寝てるし……」

真也が酔ったらお決まりだね。あと、真也の愛についてのことはまあまあ大切なこと。

真也「次回はなんだろねー」

こいし「またコラボかもね」

相変わらず未定ですが、次回もよろしくです。

それでは

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

知りたかったもの、知りたくなかったもの

はーい久しぶりです。かなり遅れてしまいましたね。

真也「失踪の危機かー」

こいし「えっ、ほんとに?」

んなわけないよ。単純に構想が思いつかなかっただけだよ。
今回は、日常編です。

真也「しんみりとしてるね後半ー」

こいし「ねー」

そだね、それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

真也の部屋、彼とこいしはそこで本を読んでいた。朝からさとりが仕事している部屋にある本棚から、適当に本を選んでは読んで、他の本を探すのを繰り返していた。

特に何かの本が読みたくて始めたわけではないが、2人がたまにはゆっくりと本を読むのも良いだろうと、そう話し合って決めた。

 

真也「ふー。この小説なかなか面白かったよー」

 

こいし「私の読んでたやつも展開は好きかな」

 

お互い読み終えてはこんな風に軽く感想を伝え合い、読んでいたものを交換したりしながら、日付の変わる今まで読み続けていた。

お互い感想を伝えるときしか話すことがほとんどないが、それでも静かな空間を不快に思うことなど無かった。むしろ、楽しんでいた。

寝転がりながら。

お互いに背を向けてもたれ掛かりながら。

時には同じ本を2人でゆっくり読みながら。

ただ、静かにこの空気を楽しんでいた。

 

2人はベッドの上で本を読んでいるが、その近くにいくつかの本が積まれたテーブルがある。さとりの仕事場を往復しているうちに「何度もこないで一気にいくつか持って行きなさい」と言われたのだ。半分ほどはもうすでに読んでおり、もう片方はまだ手を着けていなかった。

持ってきた本の種類は、統一性は無く、タイトルで気になったもの、あらすじを読んで面白そうだと思ったもの、単純に目に入ったものなどがある。

 

2人はそれぞれの本を読み終え、感想を伝え合った後、テーブルに置いた本からどれを読もうか探していた。

 

真也「どれを読もうかなー……お」

 

こいし「んー、どれにしようかな……あ」

 

手にとってあらすじを読んだり、タイトルを見ながら次の本を探していた2人の目に1つの本のタイトルが目に入った。

『いろんな花言葉を知る』

この本が目に入った2人は、軽く見合い笑みを浮かべると、その本を手に取り1ページ目を開いた。

 

 

 

真也「いろんな花言葉があるんだねー」

 

こいし「そうだね。普段気にもしない花にもあるとはね、思いもしなかったよー」

 

最初の花から1つ1つ読んで感嘆の声をあげたりしながら読んでいた2人。

本のページも半分を過ぎたあたり、2人は自分達にとってとても思い出のある花の花言葉を見つけた。

それは『薔薇』。互いに送ったペンダントを見やり、その時のことを思い出し少し赤面しながらも、どんな花言葉かと思いを馳せながらそのページを読み始めた。

 

まず、1色目、赤系統の薔薇。

主な意味は情熱や愛に関したものが多い。代表的なものは【愛情】や【情熱】といったところか。

さらに、赤の中の色別にも花言葉があるらしい。緋色や真紅、紅色に濃紅色、黒赤色、帯紅。ほとんどは愛に関しているものばかりだ。

また、赤い薔薇の蕾にも意味があり、純粋な愛というのが主だろう。

 

真也「予想していたとおりだけど愛に関してるもの多いねー」

 

こいし「どれも私からしたら恥ずかしいくらいの花言葉だなぁ」

 

自分の弾幕にも赤い薔薇あるじゃんと思った真也だったが、それは言わずに飲み込んだ。

 

ページをめくり2色目はピンクだ。

主な意味は優しさや上品なものが多い。代表的なものは【美しい少女】や【温かい心】といったところか。

さらに細かく見ていくと、桜色、プリティーピンク、ブライダルピンク、ダークピンクになる。主な花言葉とは少し変わって、【誇り】や【かわいい人】などの花言葉になったりする。

また、ピンクの大輪には【赤ちゃんが出来ました】という意味がある。

 

真也「……」

 

こいし「……」

 

最後の大輪の意味を見て、お互いなんとなくで妄想してしまい顔が真っ赤になり、恥ずかしくて何も言えなかった。もちろん、嬉しそうでもあるのだが。

 

3色目は黄色。

主な意味はどちらかと言えば友情的な面のものが多い。代表的なものは【友情】や【可憐】といったところだろうか。

さらに細かく見ると、ゴールドに近い黄色とイエロードットがある。前者は【何をしても可愛らしい】【希望】、後者は【君を忘れない】と、なかなか重ための花言葉だ。

 

真也「黄色って元気ってイメージあるけどー、なんだか同じような気がするよー」

 

こいし「そうだね。黄色にはそういうイメージがあるのかもね」

 

またページをめくって4色目、オレンジだ。

主な意味は信頼や絆といったところか。友人に送るのに向いていると言える。【健やか】や【絆】、【魅力】などが一例だ。

また細かく見ると、薄オレンジ色に【無邪気】【爽やか】という花言葉がある。

 

真也「無邪気かー」

 

こいし「な、なんで私を見るの?」

 

無邪気という言葉に反応した真也に、なんとなくニヤニヤとした目つきで見られたこいし。疑問があったみたいだが、笑みを浮かべたまま何も言わない真也に何を言っても無駄だと察し、次の色を読み始める。

 

5色目、白色。主な意味は尊敬だろう。代表的な花言葉は【心からの尊敬】、【純潔】だろうか。

白の薔薇は色別というより、部位や咲き方に花言葉がある。蕾や小輪、一重咲きである。ちなみに、蕾と小輪には愛または恋をするには若すぎるという意味がある。一重咲きには素朴という意味だ。

 

真也「白い見た目と合ってるねー」

 

こいし「白は純粋な感じがするしね」

 

白の服を着たこいしを想像した真也が、顔を赤くしていたのを不思議そうに彼女が見ていたが、気付いていなかった。

 

ぱらりとページをめくって6色目、青だ。2人が見たかったうちの1つでもある。

主な意味は奇跡や不可能に関係したものが多い。その花言葉は【奇跡】に【不可能】と分かりやすい。

 

真也「青の薔薇ってねー?昔は作れなかったらしいんだけどー、最近になって向こうの技術が発展して作れるようになったらしいんだー」

 

こいし「ふーん、そうなんだー。この色は花言葉通りの奇跡の色なんだね」

 

真也「そうだねー。こいしにお似合いだよー」

 

そう言って少し肩を寄せ、にっこりと笑みを浮かべその他の花言葉を見る。

すると、

 

真也「……あ、あははー」

 

なにかを見て顔を赤くしながら気の抜けた笑い声を出す真也。

その視線の先を辿ってみると、なるほどこいしも赤面した。

そこに載っていたのは【一目惚れ】。

 

真也「ある意味これも奇跡だねー」

 

こいし「そうだねっ」

 

お互い顔が真っ赤だが、当時の2人にはそんな知識は無いので仕方のないことであった。

 

気を取り直して7色目、紫だ。

主な意味は誇りや上品など、威厳のあるものが多い。花言葉は【誇り】、【気品】といったところか。

色による違いは淡いものにあり、その花言葉は【気まぐれな美しさ】だ。

 

2人の脳裏に1人の人物がすぐに浮かんだが、気にすることなくそれを打ち消した。

 

このページはもう1色載っていた。

8色目、緑。花言葉は【穏やか・あなたは希望を持ちえる】だ。

 

真也「緑の薔薇って珍しいねー」

 

こいし「ねっ。緑色も綺麗でいいなー」

 

あまり見たことのない緑色の薔薇を、2人は思い思いに見てページをめくる。

 

9色目、虹色。

主な花言葉は【奇跡】、【無限の可能性】だ。

虹色は人工的に作られるため、天然物はない。しかし、それでも目に映る鮮やかさは天然の薔薇にも引けを取らないだろうと2人は感じた。

 

真也「これ、すっごく綺麗だねー」

 

こいし「ねっ。虹色かぁ……」

 

そう呟いたこいしの脳裏には、日ごろの感謝や気恥ずかしくてあまり口にすることの出来ない想いを、この薔薇とともに真也に贈りたいという気持ちが芽生えた。

それはすぐに決意に変わり、話しながらもどの色をどこで取るかなどの段取りを考え始めた。

 

虹色の隣からは今度は部分別の花言葉になっており、赤い薔薇の葉や葉全般での意味、棘などのが載っていた。

その下には種類別になっており、多弁と一重、野バラの花言葉が載っている。

このページはこれで終わっており、次のページを開くと今度は状態別で載っていた。

満開や赤と白のしおれたもの、白の枯れたもの。また棘のないものやその蕾にまで花言葉があった。

次ページは本数による花言葉になっていた。最初は1本から、最多では999本まで細かく書いてあった。

本数によるものだけでも多くの意味があり、それを1つずつ見ては一言二言会話を交わして次を見る。そんな時間が過ぎる中、こいしは気付いた。

 

黒の薔薇が出てこない、と。

 

もしかしたら気付いていなかっただけかもしれないが、たぶんまだ出て来てないだろうと思った。

なぜなら、青い薔薇のときに他より少し多く会話していたから、黒のそれなら忘れるはずがない。

だからまだなのだろうと結論づけた。

 

本数に続いて、今度は組合せについてだった。

赤い薔薇の中に白色や、黄色の薔薇の中に赤色。3つの蕾の中に1つの薔薇、2本の花に1つの蕾、2つの蕾に満開の花、草花に薔薇1輪とそれなりに多くの組み合わせがあった。

どれも悪い意味ではなかった。

 

そして、ここから先は別の花についてになっていた。

 

真也「あれー、黒の薔薇はないのかなー」

 

こいし「ねー。私もそれ思ってたよ」

 

2人はそのことを疑問に思いつつ、また読み進めることにした。

 

 

 

    ◆

 

 

しばらく読み進めていると、今度はあまり良くない花言葉を持つ花について載っていた。

今まで読んでも黒の薔薇が出てこなかったので、2人は一抹の不安を抱きつつも読み進めた。

 

そして、ついに探していた黒の薔薇を見つける。

その薔薇の花言葉は、

【貴方はあくまで私のもの】

【憎しみ、恨み】

【決して滅びることのない愛、永遠の愛】であった。

もちろん注釈もついていた。1つ目は恋人からの束縛のような意味、3つ目は単純な愛についてだと書いてあるが無意識にもっと愛してほしいということたとも載っている。

しかし、それ以上に2人に衝撃を与えたのは2つ目。注釈には、『この意味で送られたであろう場合は要注意。あなたに対して良くない感情があるので、何か起こる前にきっぱりと縁を切っておきましょう』、と書いてあった。

それを読んだ2人はしばしの間なにも話せなかった。

少し間を置いて口を開いたのは────こいしだった。

 

こいし「……私は、そんな意味で渡した訳じゃないからね。この花言葉で言うなら3つ目になるけど、私は今で十分嬉しいから、そんなに考えなくて良いからね?」

 

優しい声色で、少し泣きそうな表情で、彼女はそう言った。対する真也も、何かを言いたそうにはしているが、口をもごとごとするばかりで何も言い出せない。

ようやく出すことが出来たのは、『うん』、その一言だった。

 

彼の中では取り戻した感情が酷くうねり、今はない心を戻る場所も無いように埋め尽くしている。

 

真也「(分かってる。こいしがそんなことを想って渡した訳じゃないって分かってる。でも、この色にこんな花言葉がつけられているのは、やっぱり昔の僕が引き寄せたようなものなのかな)」

 

荒れ狂う悲しみにも似た何かと、静かに膨れ上がる憎悪にも似た“黒”。ただただ、ぐるぐると脳内を、身体を、ぽっかりと空いた大事なものの収まる空間を、それは駆け巡り彼を追い詰める。皮肉にも、彼を埋め尽くしているものも同じ“黒”だった。

どこまでも終わりの無いような真っ黒な思考を止めたのは、やはり彼女だった。

 

こいし「あなたが1人で考え込んじゃうのは分かってる。心の無いあなたの想いは私には読めないけど、薄く開いてるこの瞳にも、あなたの強い感情はなんとなく伝わってるんだ。だから、私も受け止めてあげる」

 

読んでいる最中は寝ころんでいたはずの彼女は、いつの間にか起き上がっており、彼を強い想いを込めた眼差しで見つめている。

釣られるようにか、無意識のうちか、どちらにしても彼にはよく分からないが起き上がった。

そして、彼女が彼を引き寄せる。

彼より少しばかり小さい身体に引き寄せられ、身体を抱かれながら頭を撫でられる。

何が起こったのか分からない彼だったが、起きたことに気付くと驚き、口を開く。

 

真也「……こいし?」

 

呼ばれた彼女はそのままの状態で口を開く。

 

こいし「大丈夫。私はあなたを裏切ったりしないから。私はあなたの味方であり続けるから。だから、安心して」

 

赤子をあやすように呟かれたその言葉は、不思議なほど彼を落ち着かせた。

彼の中を暴れ回っていたその“黒”もどこかに隠れてしまった。

落ち着いた彼は、いったん離してと言い、彼女から少し離れると今度は彼から抱きつく。

この行為に彼女は驚くこともなく、ただしっかりと受け止めた。

 

その時、小さく感謝の言葉が呟かれたが、ちゃんと聞こえていた彼女は彼に見えないように優しく笑っていた。

彼もまた、呟いた後一筋の跡が頬に残っていた。

 




はい、花言葉回でした。

真也「いろいろあるねー」

こいし「あんなにあるとは」

資料に探してたときは思いのほか多くて驚いてましたわ。

真也「次回はどうするのー」

コラボを進めたい、が、日常も進めないと。

こいし「頑張れー」

はい、では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編!?トリックオアトリート!

はーいどーも。二週間建ったか分からないけど久しぶりですね(白目)

真也「最近落ちてるねー。なにがとは言わないけどさー」

こいし「だいじょーぶ?」

モ、モチベが、モチベがあがらないんです……。

真也「頑張れー」

こいし「頑張って進めてねー」

うっす……。
それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

 

秋も深まり、時々ある寒い日は冬に近づいていることを感じる10月31日。外の世界では有名なハロウィンのある日なのだが……、

 

真也「やっぱり知らないよねー」

 

こいし「うん。外の世界のことを知ってそうなのは紫とかだけだし」

 

まあ、予想通りと言える結果で、何とも言えない表情になる。しかし、すぐに気を取り直すと、

 

真也「なら知らない人たちにイタズラしちゃおうよー」

 

悪い笑みを浮かべてそう言った。こいしも乗り気のようで、同じように笑みを浮かべると、こくりと頷き厨房に向かった。

 

  ◆

 

厨房につき、大量のクッキーを焼いた2人は、それらを適当な袋に包み、適度なサイズのバスケットを取り出して放り込んだ。

さぁ外に行こうというところで廊下にでると、ばったりさとりと出くわした。

 

さとり「あら?2人揃ってどこに行くの?そんなバスケットまで持って」

 

なんとなく眠そうに見えるが、また夜更かしして本でも読んでいたのだろうか。そんなことを考える真也に対し、こいしはにっこりと笑みを浮かべて魔法の言葉を口にする。

 

こいし「ふふふっ、おねーちゃん!トリックオアトリート!お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞー!」

 

そう言いながらさとりに近付き、不敵な笑みで後ろに回り込む。

唐突なことに目を丸くしているさとりだったが、言葉の意味を理解すると1つ頷き真也に向かって手招く。

それになにも考えずに近付いてきた彼から、正しくは彼の持っていたバスケットから1つ小包を取り出すと、後ろに回っていたこいしに渡した。

 

さとり「はい、これでいいんでしょ?」

 

こいし「そうなんだけど違うのー!」

 

したり顔で笑みを浮かべるさとりに、こいしは不満そうだったがノリに乗ってくれたことが嬉しいからかあまり強くは言えなかった。

 

真也「まーまー。そろそろ外に向かおうよー」

 

こいし「むー。帰ってきたら悪戯するんだから!」

 

さとり「その時にはちゃんと作っておくわよ」

 

ちょいと肩を叩かれ催促されたこいしは、捨て台詞を吐いて歩き出したが、さとりの返しに嬉しそうな悔しそうな顔をして走っていってしまった。

真也もちらりとその顔を見たので、少し笑みを浮かべて後を追いかけていった。

 

 

 

   ◆

 

 

 

太陽が真上にあるような時間。地底の道中にいたそれなり交友のある人たちに、説明ついでに配りやっと地上に出てきた。

どこから行こうかと話し合っていると、ちょうどよく2人に声をかけるものが現れた。

 

天子「あら?真也とこいしじゃない。こんな所でなにしてるの?」

 

話しかけてきたのは天子、その傍らには衣玖もいた。口調が違うのはそういうことかと納得しつつ、2人にここにいる経緯と例の言葉をかけてみる。

 

天子「うーん。さすがにお菓子は持ってないわね。桃ならあるんだけど、これまっずいのよね」

 

衣玖「私も持ってませんね。もう少し早く聞いていれば何かしら簡単に作ってきましたね」

 

2人も予想通り知らなかった様子で、やっぱりかと思いつつ少し肩を落とすが、まあ仕方ないと考え直してクッキーを渡す。

 

その場で味の感想を聞いてみると……、

 

天子「んっ、美味しいわよ。2人って以外と料理出来るのね」

 

以外と言われたことに問い返してみると、天子はあんまり出来ないようで、何かチャレンジするとよく失敗してしまうそうだった。

 

衣玖「うーん、お返し出来ないのが残念な美味しさですね」

 

2人から美味しいと言う感想がもらえた真也とこいしは、2人に別れを告げて最初の目的地に決めた紅魔館に向かった。

 

 

 

   ◆

 

 

 

到着した2人はいつも通りに寝ている美鈴のどことは言わないがとある場所にクッキーを置いて中に入っていった。

 

入るとすぐ咲夜が出て来た。適当に用件を伝えると、先に向こうから魔法の言葉をかけられた。

 

咲夜「では、トリックオアトリート」

 

真也「おっ、咲夜は知ってるんだねー。お菓子どうぞー」

 

知っていたことに少し驚きつつも、お菓子を渡し、今度は咲夜にかける。

すると、どこから持ってきたのか分からないが、チョコを渡された。板チョコに似た形状のそれは、真也に黒、こいしに白が渡された。2人は一列折って食べてみると、真也はほろ苦さを、こいしは優しい甘さを感じた。向こうの世界で言うビターチョコとホワイトチョコだろう。

2人は咲夜に感謝を伝えると、フランのいる地下室に向かった。

 

途中図書館を通りいつも通り本を読んでいるパチュリーと、せっせと働く小悪魔にもクッキー渡し、部屋につく。

 

真也「フランー。遊びに来たよー」

 

こいし「やっほー!」

 

扉を叩きその前で待っていると、扉が開いた。開いた瞬間を狙ってこいしがトリックオアトリート!と言うが早いか、向こうからも同じ言葉が返ってきた。

向こうにいたフランは少し驚いたような顔をしていたが、こいしと顔を見合わせるとぷっと吹き出し笑い始めた。

 

真也「2人ともやることが同じだったねー」

 

2人のやったことに呆気にとられていた真也も、くすくすと笑みを浮かべてそう言った。

 

一笑いしたところがフランが中に2人を招き入れた。

中に入りお互いに持っていたお菓子を交換し、お互いのお菓子を食べる。

フランが渡したのは赤いマカロンだ。

 

真也「んー、甘いねー」

 

こいし「マカロンって甘いんだねー」

 

感想は甘いしか出てこなかったが、美味しかったようで満足そうであった。ちなみに血は混ざっていなかった。

 

2人の渡したクッキーの感想は

 

フラン「あ、これ好きな味だ。2人で作ったの?」

 

なかなかの高評価で2人は嬉しそうだった。

 

真也「作ったのは2人でだけど、主にやったのは僕だよー」

 

その言葉にフランは驚き、こいしはなんだか恥ずかしそうに顔を赤くしていた。

 

こいし「真也ったらほとんど1人でやっちゃうから、私強引にでもなんかやらないと1人で作っちゃいそうだったのよね」

 

フラン「真也恐るべし……」

 

厨房でこいしの入る隙もなく、1人でクッキーを作っている真也を想像し、フランは少し吹き出すがこいしは不満げだった。

 

こいし「なのに僕はそんなうまくないよ、って言うんだから。もー、私が料理を作ることはないかもしれないわ」

 

真也「いやいやー、向こうにいたときは自分で料理するしかなかったんだからー。それなりに出来ないと悲しくなっちゃうよー」

 

やれやれと嘆くこいしに、そんな気は毛頭無さそうな口調で真也は言い返す。2人の光景にフランはなんだか食べたクッキーが甘くなったように感じた。

 

お互い食べ終わったので、最後のターゲット渡しに2人はフランに別れを告げて、紅魔館から移動した。

 

 

 

   ◆

 

 

 

2人がふよふよと飛んでついたのは命蓮寺。門前に見知らぬ妖怪がいることに気づく。

 

真也「あれー?君は誰ー?」

 

?「あっ、こんにちはー!私は幽谷響子って言います!」

 

こいし「響子って言うのね、私は古明地こいし、こいしでいいよ!」

 

名前を名乗った響子にこいしが同じく名乗れば、真也もそれにあわせて名前を教えた。響子もやはりハロウィンを知らなかったので、軽く教えるとまだクッキーは残っていたので響子にも渡し、中に入っていった。

 

寺の中に入ると、目的の人物はすぐに見つかった。青色のUFOに乗っかってふよふよと浮いていた。

 

こいし「ぬえー!トリックオアトリート!」

 

ぬえ「ぬぇぇ!?な、なに?なんの呪文よそれ!」

 

いきなり話しかけられたぬえは、UFOからずり落ちそうになるのをなんとか保って体勢を立て直した。

その様子に笑っている真也とこいし。それに気づいたぬえは顔を赤くしつつ、再度質問した。

 

ぬえ「で!トリックオアトリートってなんなのよ」

 

真也「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞっていうことなんだー。外の世界のハロウィンのときに言う言葉だよー。さー、どうするー?」

 

言葉の意味を簡単に説明したところでじりじりとぬえに近づく真也。その隣でこいしも近づいてくる。その顔に悪い笑みを浮かべて。

 

ぬえ「えっ?ちょっと、なんでそんな怖い顔してるの?待って。そんな笑顔でこっちこないで、お菓子持ってないけど悪戯はやだよ!?」

 

こいし「持ってないなら悪戯だよ!」

 

返答を聞くや否や、こいしはぬえに飛びかかりUFOから引きずりおろす……わけではなく、そのままぬえの背中に飛び乗り、さっと脇に手を入れてわしゃわしゃとくすぐり始める。

 

こいし「そーれこちょこちょー」

 

ぬえ「わひゃっ、ちょっ、あふっ、やめっ、いひっ

、くすぐったっ、あひゃっ」

 

有無をいわさずくすぐりを続けるこいしの顔は、喜色満面で見ている真也まで楽しくなってしまっていた。

しかし、ここで真也も加わる。

 

真也「さーて、あんまし大きな声を出されると他の人に迷惑かかるからしばらく無音にするよー」

 

そう言ってきゅっと手を握るとぬえの声が聞こえなくなる。しかし、くすぐりながら笑っているこいしの声は聞こえている。

今は、ぬえの声だけが『無音』になっているのだ。

ぬえはそのことに気づくと、驚きも束の間くすぐったさに表情を崩し、いつ終わるかも分からないくすぐり責めに頭を悩ませることになった。

 

   ◆

 

くすぐり始めて10分程で、ぬえが少しぐったりし始めたので声を聞こえるようにし、くすぐりを止めた。

 

ぬえ「はぁ、はぁ。もう、さすがに、この長さは、酷いよ」

 

息も絶え絶えにそう言う彼女の額には汗が見える。しかし、2人は満足そうな笑みを浮かべて何も言わない。

 

ぬえ「さすがにくすぐり責めはきついよぉ」

 

UFOに乗っているというよりは、布団を干すようにぐったりと置かれているような状態だった。背中の羽も、似たようにぐったりとしている。

 

真也「それじゃあ本題だよー。クッキーあげるー」

 

ぐったりしているぬえを気にすることもなくクッキーを差し出す。彼女は力の入っていない手をなんとか持ち上げてクッキーを受け取った。小包を開け、クッキーを口に放りこむ。

 

ぬえ「あぁ、うん。普通に美味しいわ。さっきのことの後だからか余計に美味しく感じるよ、ねえ」

 

最後の方に皮肉満載でそう言うも、2人はにこにこと笑ったまま動じることはなかった。

 

命蓮寺の残りのメンバーの分をぬえに渡すと、2人は手を振って地底に帰っていった

 

 

 

   ◆

 

 

 

地霊殿に帰ってきた2人は、食堂のテーブルに座って自分達用に取っておいたクッキーを食べていた。

 

真也「うーん、もう少し焼いても良かったかもねー」

 

こいし「そーぉ?私はこれでもいいと思うなー」

 

さくさくと食べながら談笑していると、厨房からさとりが出てきた。

 

さとり「あら、お帰りなさい。クッキーは渡せたみたいね」

 

頭に三角巾をつけ、エプロンをしているさとりは手に何かを持って話しかけてきた。

2人は軽く返しつつも手に持っているものが気になって仕方なかった。

さとりもそれに気づいており、ふふっと笑うとそれをテーブルにおいた。

それにかかっていた蓋を取ると、中から何かのパイが出てきた。

 

真也「おぉー。カボチャパイかなー?」

 

こいし「そこはパンプキンパイじゃない?」

 

さとり「どっちにしても変わりはないわ。2人が行く前に言ったとおり、ちゃんと作ったわよ。さ、冷めないうちに食べましょう」

 

キレイに焼かれたパイに2人は小さくお腹が鳴った。その音に2人はくすっと笑い、いつもの格好に着替えたさとりを交えてパイを食べ始めた。

 

こいし「んー!おいひい!さすがおねーちゃん!」

 

さとり「ふふっ。ありがとう、こいし」

 

幸せそうな顔でパイを頬張るこいしに、さとりも幸せそうに笑っていた。その様子をパイを食べながら見ていた真也は、

 

真也「(僕は料理の美味しさよりも、こうやって幸せそうに食べてくれる方が嬉しいと思うんだよね。そういう意味で、僕の料理はまだまだなんだろうなー)」

 

思い浮かべたのは、隣に座る大好きな彼女と囲む食卓。もしかしたらそこには2人以外がいるかもしれないが、それが誰なのかなんて分からないし、考える気にもならなかった。真也にとって、今はただ幸せに彼女といれればそれでいい、そう思う彼の無い心は何かで満たされ始めていた。

 

   ◆

 

食べ終わるかどうかのあたりでさとりがふと呟いた。

 

さとり「そういえば、私まだ言ってなかったわね」

 

こいし「んぅ?」

 

なんだろうと言ったようなこいしの反応に、にやりと悪い笑みを浮かべるとその言葉を呟く。

 

さとり「トリックオアトリート」

 

こいし「んぐぅ!?」

 

さとり「どっちにする?お菓子?悪戯?」

 

呟かれた言葉に、こいしは食べていたパイを詰まらせそうになるのをなんとか回避する。しかし、さとりは無情にもどちらにするか追求してきた。

 

こいし「ちょ、待って、私クッキー持ってない……」

 

さとり「なら悪戯ね。さて、なににしましょうか」

 

青ざめた顔でこいしが言うと、にやりと笑いさとりはどうしようかと考え始める。そこに真也が割って入った。

 

真也「ならさー、こいしにくすぐりをしなよー。こいしはやってはいるけどやられてはいないんだよねー」

 

こいし「ちょっ、真也!?」

 

唐突な敵への加勢。考えていたさとりはそれがいいわねと、手を叩き、こいしはまさか裏切られるとは思ってもいなかったので驚きが隠せない。

 

真也「もちろん、僕もやるよー?」

 

さとり「ふふふ、たまにはいいかもしれないわね」

 

こいし「えっ、ちょ、待って?話せば分かるって。落ち着いてね?ちょっ、そんな手をわきわきしながらこっちにこないで!やだやだやだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

抵抗する間もなく、2人に連行されたこいしはこいしの部屋で誰にも聞こえぬ悲鳴と叫声をあげることになった……。




はい、どうでしたかな。

真也「楽しかったー。いろんな意味でー」

こいし「最後のでどっと疲れが……」

ご愁傷様だね。まあ、仕方ない。

真也「さとりがあんなに活き活きしてるの久しぶりにみたかもー」

こいし「前は温泉だったような」

ツヤッツヤになってそうですねぇ。

さて、次回こそはコラボを進めたい。進めたい(願望)
まあ、最近はモチベの低下でかなり怪しいんですけどね。

では次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

開かれた瞳、受け取れた愛

はいどーも。
今回は1人です。

珍しく八千文字もいってます。読むときは注意よー。

それと、今回は最後の重要人物、かつ、2人の変化の回です。

とっても大切なお話です。
(砂糖かなり多いよ、たぶん)

それではスタート


 

 

 

 

こいし「寒い!」

 

真也「そろそろ厚着した方がいいんじゃないー?」

 

冬も近づき、雲一つない晴天でも日差しより空気の冷たさに負けるある日。

地上をふらふらと飛ぶ2人は、一足早い冬の手厚い歓迎にまいっていた。

真也は長袖のいつもの格好、こいしは首もとにマフラーを巻いてはいるが、その他は普段通りの格好をしていた。彼はそれなりに厚着しているため、そこまで寒そうではないが、彼女の方は全体的に薄着で寒そうだった。

 

こいし「そうなんだけどね。持ってる服が似たようなのが多いんだよね」

 

二の腕辺りをさすりつつ、寒そうに震えるこいしは暖を求めて真也にひっつく。

ひっつかれた彼も少し顔を赤くしつつ、頭の中で彼女の衣服がわりとワンパターンなことを思い出す。

 

真也「じゃあさー、服でも買いに行こうよー。僕も防寒具欲しいしねー」

 

閃いた彼の案に、こいしも賛成と笑みを見せて2人は人里に向かった。

なお、くっついたままである。

 

 

  ◆

 

 

人里に着くと、いつも通りあまり人目に付かないうちに服屋に入る。

 

真也「どんなの買うのー?」

 

こいし「うーん、いつもの色違いでいいかなって。あとは上に羽織れるものがいいかな?」

 

店内を周り良さげなものを選んでは軽く試着して、これというものをいくつか見つけた。

ちなみに、地底にも服屋はあるのだが、向こうのはこいしの趣味に合わないらしい。一応買わないわけではないが、地上の人里の方がよいとのこと。

こいしは紺色のケープと薄い水色のポンチョと黄緑色のスカート、さらに黒いシャツと黒いスカートを買うことにした。お揃いだねと嬉しそうに言っており、真也はなんだか嬉しそうだった。

真也はマフラーを買おうとしたのだが、こいしが作ってあげるからと言ったので断念した。なので、いつでも着れそうな黒の羽織と紺色の甚平を買った。

 

真也「これで冬はしのげるかなー?」

 

こいし「ダメだったらまた買えばいいと思う!」

 

お互い買った服を持ちつつ、そのまま甘味処に向かった。

 

 

  ◆

 

 

甘味処で団子と温かいお茶を楽しむ2人。ここだと2人の嫌なことも聞こえてこないというか、空気を悪くすると店の人が怒るので誰も話さない。

なので2人はこの店を贔屓していた。よく来るので店員にも顔を覚えられている。

 

真也「んー、温かいお茶と美味しい団子はいい組み合わせだねー」

 

こいし「ねっ。体も温まるし、値段も良心的で嬉しいよ」

 

店のことを褒めつつ団子を食べ進める2人。

すると、2人の近くに誰かが立った。

立ったのは少女。桃色の髪に頭にかけられたひょっとこのような顔のお面。チェック柄の緑っぽい青色のシャツ、独特な模様をした髪と同じ色のバルーンスカート。それに黒色のブーツ。

 

?「後で話がある。人里の外の森で待ってる」

 

口早に少女はそう言うと、店からそのまま出て行った。

2人は少し固まっていたが、待ってると言われてしまったので、残っていた団子をすぐに食べ、お茶を飲んでお金払って少女のあとを追った。

 

 

 

  ◆

 

 

言われたとおりに人里の外の森に着くと、先ほどの少女が、少女の周りにいくつものお面を浮かばせて待っていた。

 

?「来たね。私は秦こころ。用があるのは、あなた」

 

自身の名を名乗って、指差したのは────こいし。

 

こいし「私?私、あなたとは初めて会うはずだよ?」

 

首を傾げて不思議そうにするが、別のところで実は会っている。

まあ、こちらでは初めてなので間違ってはいないのだが。

一応こいしと真也も名を名乗るが、特に反応はなかった。

黙り込んだ真也は、こころの顔を見て考え事をしていた。

 

真也「(んー、この子が無表情なのは、そういう妖怪なのかなー。それともなにかあったのかな?)」

 

会ってから全く変わらない表情を気にしていた。自身が時折浮かべているであろう表情と同じであり、なんとなく不気味さを感じる。

まあ、自身も浮かべていることがあるので、見ている方はこんな感じなのかと内心思っていたり。

辺りに浮かんでいるお面も何かしらの意味がありそうだなとは思うが、なにかは分からなかった。

 

こころ「確かに初めて会うが、あなたから希望を感じる。今の私に足りないもの、それを知るために戦ってもらう」

 

そう言って虚空から薙刀を顕現させる。霊力で創り出したであろうそれは、青白く輝いていた。

一方的に勝負を仕掛けられたこいしは、どうするか迷っていた。

 

こいし「(私から希望を感じるって言われてもなぁ。私の希望、希望…)」

 

自身の希望を考え、すぐさま思いついた彼女は構えるのではなく、隣に立っている大好きな彼の手を握った。

今まで考えることの無かった自分にとっての希望。言われて考えれば、すぐに彼が思い浮かんだ。

それは、彼女にとって今、彼が一番大事であるということだった。

肉親である姉や、長く共にしていたペット達、初めて出来た地上の友すらさしおいて、一番。

閉じた心を半分開かせる程に、彼女は彼のことが好きだった。初めて会ってから今まで、いろいろなことがあった。喧嘩はしたことはないが、時々してほしくないことをする彼に少しうんざりとすることもあった。

それ以上に一緒にいることが楽しくて仕方なかった。

彼と過ごす日々は彼女にとって何よりも忘れがたい思い出だった。

その途中で開きかけた瞳、それは今日ようやく完全に開いた。信じることの出来なかった人間に希望を持つことで、ついに開かれた。

 

こいし「私の希望は、真也だよ。今の私があるのは真也のおかげだから」

 

そう言って微笑んだ彼女の笑顔は、真也が何時見たどの表情より輝いており、そして、開いた第三の目が彼に衝撃を与えた。

 

真也「こいし、それって…!?」

 

こころ「完全に開いている?」

 

いつもは語尾を伸ばして感情をこめない喋り方をする真也も、今回ばかりは驚きが隠せなかった。先ほどとは変わった状況にやや戸惑うこころ。

開いた瞳に優しく手を添え、彼女は笑みを浮かべた。

 

こいし「うん、やっと開いたみたい。あと、こころが思ってるとおり、元々は半開きだったよ」

 

思っていることを先に言われたこころは表情は変わらぬが、常に一つ頭にかかっていたお面が驚きを表しているのであろうものに変わっていた。

 

こころ「もしかして、覚り妖怪?」

 

こいし「うん。その通り。前は閉じてたんだけど、彼のおかげで開いたよ」

 

心を読んでも出来るだけ口にしないようにするこいしは、普段通りに会話しているように見える。内心、こころの心が表情以上にころころと変わっているのが見ていておもしろいと思っているが。

一方、開いた瞳を見ながら真也は自身の心について考えていた。

何時か言った、愛は心が無いと受け取れない。今日こいしが心を開いたことによって、彼女は愛を受け取れるようになった。いや、前々からお互い愛し合ってはいたが、『愛』という形ではなく、『好き』という形だった。

今の彼にとって、彼女が心を開いたことは自身の心を取り戻すまたしてもない機会であった。

しかし、彼には1つ悩みがあった。

それは、取り戻し方が分からないということ。

今まで取り戻した『感情』、『関心』、『情』はすぐにわかった。

『感情』なら、怒り、哀しみ、喜び、楽しみを感じた。

『関心』は興味の無かった人たちに持つことが出来た。

『情』はこちらに来てからお世話になった家族に敵対されたとき、今まで通り何も思うことが無かった。それが無くなった。

どれも本人にとっては分かりやすい変化があったし、取り戻したのもこいしが鍵だった。

今回の心も、鍵はこいしなのだが、分かりやすい変化が分からなかった。

 

真也「(心、心ってなんだろう)」

 

今更ながら無くしてはいるが、心というものを深く考えたことがなかった。

どこにあるのかもわからないが、誰もが持っているというそれ。真也にとっては早々に無くしているので、どういったものかわからなかった。

自分で言ったことを思い出しても、やはり分からない。

誰かを好きになれる心、誰かを悲しめる心、誰かを怒れる心、誰かを喜べる心。

それは誰かを想うためだといつか言ったような気もする。それだったらいつでも彼女のことを想っていた。

四六時中というわけではないが、何かあれば彼女を真っ先に思い浮かべ、何よりも優先した。

これが心があるという証拠なら、もしかしたら『心が無い』というのは嘘だったのかもしれない。

こちらに来て、彼女に会って、好きになって、お互いの想いが重なって、彼女を何よりも大切に想った。

それが心だというのなら、彼女に会ってからずっと心があったんじゃ?

そんな考えが頭を埋める。そして、それは喜ぶよりも先に、彼女を騙してしまったと思ってしまう。

 

真也「(でも、さとりは僕の心を読めなかったはず)」

 

心があったならば、さとりが読めたであろう。

しかし、彼女は読めないと言った。心が無いと断言した。

つまり、彼の心はやっぱり無いのだ。

だとしたら、彼女を想うこれはいったい何なのだろうか。

想いだけが形になって、しかしそれはただの言葉や一時の考えであったのか。

いや、そんなことはない。そんなはずはない。

彼にとって彼女は最も大切で唯一無二の理解者だ。眠れない夜に彼女を想ったことも、嫌なことがあって少し無茶な行動に出たのも、特別な日にした好きという証の行動も、全てその場限りだったわけじゃない。

誰よりも好きで、誰よりも想っていた。

それでも、今の彼には答えが出せそうになかった。

 

真也「(よく分かんないよ…)」

 

もし今の彼を見てこいしが心を読めたなら、彼女はどうするのだろかと、彼は考える。

気にすることはないと慰めるか。

大丈夫だよと励ますか。

それとも、一緒に考えようと同じように背負ってくれるか。

先の見えない自問自答に頭を悩ませるが、彼女の発言を思い出して彼はようやく光を見つけた。

彼女の希望は、自身。ならば、彼の希望は?

 

真也「(そっか。僕の希望も…)」

 

もしかしたらずっと考え続けていたかもしれない悩みの答えは、案外すぐに、そして少し前にヒントがあった。

彼女は希望を明確に意識して、心が開いた。だったら、同じように希望を意識してみれば、見つかるのではないか。

そう思った彼は、同じく希望を考え、やっぱり同じように答えが出た。至極簡単な答えだった。

 

真也「(僕もこいしが好き…いや、愛してるさ)」

 

外の世界で蔑まれ、親しい人達と死別し、生きる希望すら無くしかけていた。

気づかぬままこちらに来て、初めてあった彼女に興味を持った。

外の世界はみんな同じような思考で、してもいないことばっかり考え、やってもいないことの可能性まで視野に入れる。

だから、真也は恐れられた。その能力で何をするか分からないから。張り付けた笑みが不気味で、深いところを知ろうともしなかった。

こちらの世界はそんな外とは違って全てが輝いて見えた。自身の能力を受け入れてくれた新しい家族、過去を知ってもなお仲良くしてくれる友達、誰よりも自身を理解してくれる愛しい恋人。

気付いてみれば簡単で、すぐ近くにずっとあったのだ。心を取り戻すためのヒントは。

ただ別のことに夢中で、それらをそっちのけにしていただけだった。

 

真也「(うん。もう、大丈夫。今度は無くさないように大事に持っていられる)」

 

あることが確認できなくても、確かに感じる彼女からの想いを受け取る心は、誰も分からなくても誰にも否定させはしない。

今まで受け取ることの出来なかった愛を、2人はようやく受け取ることが出来た。

隣の真也の雰囲気が変わったとこいしは何となく感じた。ちらりと目を向けてみれば、今度は彼女が驚かされた。

 

こいし「えっ、真也。もしかして!?」

 

真也「だーいせーいかーい!」

 

読めた心が自身への想いでいっぱいで、すぐに顔が熟れたトマトみたいに赤くなる。

読まれた真也は何も気にした様子もなく、むしろ、もっとちゃんと自身の想いが伝わってることが分かってとても嬉しそうだった。

 

こころ「…今度はなに」

 

置いてけぼりにされているこころは、なんだかもう投げやりだった。

 

真也「あー、ごめんごめん。僕も希望を意識してみただけだよー」

 

口調もいつも通りに戻し、浮かべる笑みもまたいつもと同じだが、無くした全てを取り戻した彼は、今一番希望でいっぱいだった。

直感的にそれに気づいたこころは、今度は真也を指さす。

 

こころ「なんだか分からないけど、あなたからも希望を感じる。こいしは戦う気がなさそうだから、あなたに変わってもらうわ」

 

改めて薙刀を構えたこころに、真也は全く動じずただ手を開いて握った。

 

真也「今日は戦うような気分じゃないんだー。それに、君の希望も僕らが持ってるものとは違うと思うよー」

 

こころ「薙刀がっ!?」

 

手に持っていた薙刀が一瞬で無くなり、驚くこころ。

それを気にした様子もなく話していた真也は、突き放すだけにするのはどうかと思った。

だから、さらに話しかける。

 

真也「でもまー、君が希望を見つけるのを手伝ってあげるよー。僕らの希望を見つけてくれたお礼にねー」

 

握った手はすでにおろされ、どうすると暗に聞くような静寂。

悩む様子を見せるこころは、ころころと、お面を変えつつ、1分程でようやく答えを告げる。

 

こころ「手伝ってもらう。2人の近くにいたら何かに気づけそうだし」

 

やれやれと手を振っているが、なんだか嬉しそうに見えたのは気のせいだろう。

なんだかんだこころと仲良くなった2人だが、こころがいつもどこにいるのか知らなかった。

それを聞いてみると、命蓮寺と言われた。ぬえに会うことも出来るのでちょうどよいと想ってしまったのは2人の秘密である。

また今度話そうということでこころと別れ、真也とこいしは地底に向かう。

しかし、ここで1つ問題が発生した。

それは、こいしが無意識を操れないということ。

 

こいし「開いちゃったら操れないかなとは思ってたんだよね。まあ、なんとかなるよ」

 

第三の瞳を開き、無意識の世界を抜けたこいしはもう無意識を操れない。いつものように無意識で地底に帰ったりすると、もしかしたらまた瞳が閉じてしまいそうだと彼は思った。

その心を読んでいる彼女は苦笑いをして口を開く。

 

こいし「そのときはそのときだよ。読めなくても損はないしね。あ、でも真也の心が読めなくなるのはなぁ」

 

平気と言うわりには、ちょっとのことで頭を悩ませてしまうその様子に、真也は小さく笑みを浮かべ繋いだ手を引く。

 

真也「そのときに考えればいいよー。荷物もあるから帰ろっかー」

 

先に浮かび上がった彼に引っ張られて浮かび上がるこいし。ペースを合わせて帰る様子はどこか夫婦のようにも見えた。

 

 

   ◆

 

 

 

地底の道中で何人か知り合いに会い、こいしの第三の目のことを聞かれた。全部開いちゃったとだけ言って切り抜けたが、心の読めるようになった彼女は、聞いてきた知り合いの心が拒否を考えていないことに感謝した。

そして、地霊殿についた。

真っ先に向かったのは、さとりの部屋。ドアを開ければ窓の前の椅子に座って本を読んでいるのが見えた。

何の気もなしにお帰りと声をかけるさとりだが、その時に()()()思考に驚き、そして2人に目を向けた。

視線の先に立っていたのは、遠い昔に閉じてしまった瞳が開いている大切な妹。

そして、初めて会ったときに心が無くて読めなかった外来人の彼。

2人の変化に驚き、心を読んで何があったかを把握したさとりは、とても嬉しそうに笑顔を見せた。

 

さとり「開いてくれたのね…こいし」

 

こいし「うん。開いちゃった」

 

何もなさそうな会話だが、2人ともお互いに心を読んで考えていることに同じように考えて答えていた。

最初の一言からはそれが続いているが、さとりは途中で思考を区切ると2人に近づいた。

 

さとり「似たようなあなた達が心を開いてくれたのがとっても嬉しいわ。こいしの心を開いてくれた真也にも感謝じゃ言い表せないくらいの思いよ」

 

いつもは抱きしめられる側のさとりが、こいしを優しく抱きしめ、表情を隠してそう言った。

心の読めるこいしはさておき、読めない真也も何で隠しているのかはすぐに分かった。

取り戻したそれに暖かいものを感じながら、さとりが落ち着くのを待った。

5分ほどその状態で固まっていたさとりは、ようやく顔を上げ、こいしから離れる。

 

さとり「痛かったかしら」

 

こいし「そんなことないよ。お姉ちゃんに抱きつかれる日が来るなんてね。今日はいろんな事があり過ぎて眠れそうにないよ!」

 

軽く思い出しながら話したこいしは、未だに心がどきどきしていた。それは帰り道の道中で自身の目を見た者たちの思考を読んだこともあるが、一番は彼の暖かくて受け止めきれないほどの想いを読んだからである。

心を読むと頭の中にそれらが浮かんでくるのだが、彼の心はそれがすべてこいしのことで、しかも絶え間なくずっと流れてくる。そのままだとあまりの想いでパンクしてしまいそうなのだ。

先ほどちらりと読んだ際も、あまりの多さにしばらく頭が茫洋として周りが安定せず雲の上に立っているようだった。彼と手を繋いでいなければ、もしかすると座り込んでいたかもしれない。

それくらい彼の想いは強くて、心地の良いものだった。

そんなこいしの思考すら読んで、さとりは嬉しそうに微笑んだ。

 

さとり「ほら、そろそろ部屋に戻ったらどう?こいしも少し整理したいでしょ?」

 

見事に考えを読まれたこいしは赤面するが、事実なので何も言えず小さく頷くことしかできなかった。

その様子に笑みを浮かべる真也も、さとりの言うことに賛成だった。

 

真也「そうだねー。僕も戻るよー。こいし?戻ろっかー」

 

軽く手を引いて、思考の世界から彼女を引き戻す。

小さく頭を振って彼女はさとりに後でねと言って部屋から出た。

 

さとり「あなたが彼に希望を持って心を開いたなら、私も少しは人間に希望を持ってもいいのかしら…」

 

2人のいなくなった部屋に1人呟き、今まであった過去を振り返る。すぐに思考を変え、夜ご飯を考えながら席につき本の続きを読み始めた。

その表情はいつも以上に嬉しそうで幸せそうだった。

 

 

   ◆

 

 

真也と分かれて部屋に戻ったこいしは、ベッドに座り込んでそのまま横になった。

頭の中は相変わらず真也の心の中のことでいっぱいだ。

そもそも自身への強く、熱い想いをあんなにぶつけられたら忘れるのも難しい。

頭の中を埋めるように彼の想いが駆け巡り、身体はまたも感覚が無くなる。

ふわふわと浮かんでいるような感覚に囚われるが、それすらどうでもよくなるほど頭の中のことでいっぱいだった。

 

こいし「ある程度は予想してたんけどなぁ。こんなに強いとは…あうぅ」

 

想定していた何倍もの想いを見て、もはや一種の快楽的な何かに変わっていた。

身体を痺れさせるような麻薬にも似た、強い想いだったが、彼女にとってはなによりも安らげるベッドのようでもあった。

このまま慣れるまでじっとしていようと思い、そのまま頭の中を埋め尽くす想いに思考を委ねていった。

 

一方真也はというと、部屋に戻ってからベッドの上で座ったまま動かなかった。

ずっと取り戻した心の中で、彼女のことばかり思い出すのだ。

 

真也「うーん、嫌じゃないんだけど、これだとこいしがまた赤くなっちゃいそうだからなー」

 

ちょっと彼女のことを想っていたら顔を真っ赤にして固まってしまったので、もしかしたら考えすぎていたのかもしれない。

実はこいしが読んだのは真也の想いの半分にも満たない。すぐに目をそらしたので何とか固まる程度で収まったが、もし半分も見ていたらどうなっていたことか。

 

真也「…愛が強すぎるってねー」

 

苦笑しながらも、やっぱり頭の中は彼女のことだらけ。

今度何も考えないことでも練習しようかなと思いつくが、なんだか怒られそうな気がした。

 

真也「能力で読めなくする手もあるけど…」

 

それだとこいしが確実に怒ると分かっていた。

そしたらもう手段は1つしかない。

 

真也「こいしには諦めて心を読んでも赤面しないようにしてもらわないとねー」

 

慣れてもらうしかないと思った真也は、ベッドから立ち上がると愛しい彼女の部屋に向かった。

そのおかげというか、せいというかは不明だが、彼女の部屋から驚きと幸せが混じったような声が聞こえたとか。




ほいどーでしたかね。

真也「こいしの悲鳴が可愛かった」

書いてはいないけど、ぴゃあぁぁぁぁぁ、って感じ。

こいし「やめて!」

ふぁぁぁぁぁ、でもいいかも。

真也「いいねー」

こいし「ただでさえ真也の心読んでるんだからやめてよ」

お熱いことです。
ようやく最後の1人が出せて、2人の心も戻ってなんだか一安心してます。

次回はコラボか、番外かも。

真也「思ってるよりペースが遅くて焦ってるよねー」

こいし「いろいろと計画が間に合わないんだってねー」

そうですよ、夏休みにサボってたあの頃の自分を海にぶん投げたい。

まあ、それはおいといて。
それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ!現実を追い求める少年!?

はいども。最近ネタが不足してて死にそうです。

真也「今回はコラボだよー」

こいし「お相手は 神矢レイラ さんで 人形師の裏切り者 から 彦星白愛 をお借りしたよー」

日常だったはずなのにどうしてこう(シリアス)なった。
それと、今回の話は前話のこいしが瞳を開く前の時間軸なので、心は読んでないです。

真也「変な時間軸だねー」

こいし「変なのー」

心を読むのは今回は合わなかったんや。
あ、それと、この前もらった感想にて、神子が出てないならこころがいるのは可笑しいという指摘をもらいました。
たしかこの前の章の最初の前書きに神霊廟と重なってるって書いてあります。
さらに、現章の1話目が能力の反動で寝ているのですが、その間に心綺楼は終わっています。
連続して異変が起きてますが、進行の関係上こうなっています。
ちなみに、寝ていたのは4日間です。

というわけで連絡終わり。
それでは
「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

現実というのは、その世界によって変わる。

もし、その世界が常に残酷であれば、それがその世界の現実になる。

逆に、その世界が常に大らかであれば、それもその世界の現実である。

もし異なる世界の現実が混ざり合ったとしたら、それは強い方が勝つのだろうか?

いや、きっとどちらかに寄ることもなく均等さを保って新たな現実が生まれるのだろう。

それが、異質な力との混ざり合いだとしても────。

 

 

地霊殿の昼頃。真也とこいしはキッチンにて客人を迎えていた。

2人が先程、庭園で水やりをしていたときにひょっこり現れた彦星白愛(ひこぼしはくあ)という青年。出会ったときは唐突すぎて2人とも身構えたが、白愛の丁寧な説明で大事にはならなかった。

薄い桃色がかった銀髪に金色の瞳。その長い髪を黒いリボンでポニーテールにして結んでいるが、性別は男だ。

2人とも初見では女だと思っていたが、本人が男だと言って驚いてしまった。

服装は、白い半袖のワイシャツのような衣服の上に黒いサロペットと呼ばれるものを着ている。

ちなみに、このサロペットがスカートの形になっているのだが、中に黒い半ズボンを履いているらしい。

また、左腕にのみ黒い腕輪をしている。大方お洒落なのだろう。

 

真也「さてー。僕たちはこの後地上にでも向かうけどー、君はどうするー?」

 

手元にある空のカップを眺めながら問う彼に、白愛は少し考えてから答える。

 

白愛「そうだね。2人の行く先に着いていってもいいかな?こっちの世界の現実が見てみたいんだ」

 

ふーん。とそっけなく返す真也だが、頭の中では白愛の言葉が少し気になっていた。こいしは特に何か思ったこともないようで、全員のカップを片付ける。

現実という聞く者によって意味の変わりやすい言葉を平然と使用した彼に、真也は少しの興味を持った。

 

真也「(よく分かんないけどー、考えすぎても意味ないかなー?)」

 

思考をそこで終わらせると、片づけていたこいしも戻ってきたので白愛を連れて外に向かった。

 

 

地底の商店街はいつも賑わっている。それはもう昼夜も関係なく。

店をやっているのが妖怪ということもあるが、そもそもこの地底にいるのが鬼が大半なので毎日が宴会のようなものであった。

そんな商店街の中を何気なく歩く3人。いや、正しくは2人と白愛。

2人はもうこの喧騒すらいつものことで慣れてしまっているが、白愛からすると向こうの世界ではまだ会ったこともない妖怪達がどんちゃん騒ぎをしているのだ。初めて通るには少々、というかかなり驚くだろう。

 

白愛「ここは地上と違って活気に溢れてるね。毎日が楽しそうだ」

 

視界に入る者全てが楽しそうに酒を飲んだり話をしている。そんなところで、彼は楽しそうに話した。

真也もこいしもいつもは気にもしないことを改めて聞いて、納得していた。

 

真也「こうも騒がれると夜眠る僕らには少し騒がしいけどねー」

 

苦笑いを浮かべてこちらに来てすぐの夜を思い出す。夜だというのに物凄い騒ぎ声が聞こえてくるのだから、なかなか寝付かなかった。

 

こいし「そうかな?私はあんまり気にならないけどね」

 

それは昔は無意識だったからでしょと真也にツッコミを入れられ、そうでしたーと返すこいし。そのやりとりを聞いて白愛はくすりと笑みをこぼす。

 

白愛「2人は仲がいいね。どれくらい一緒にいるんだ?」

 

ふと気になったことを聞いてみる。真也とこいしは少し考え込むがすぐに口を開く。

 

「「確か9ヶ月くらい?」」

 

見事な息の合いようである。真也達は笑っているし、白愛もつられて笑っていた。なんとも和やかな空気である。

話しながら歩いていると、よく道中の鬼達に絡まれる。真也が住み着いたり、異変が起きて他の人間がきたりしたので、人間がいることには慣れているここの鬼達。おかけで今日ここにきた白愛にまで飲もうと声をかけてくるのだが。

まあ、声をかけられても断っている。酒が飲めないからではなく、単に3人の目的地が地上だからだ。

今歩いているのは、白愛が飛ぶのがあまり得意でないとのことでそうしていた。

といっても、真也が能力を使って人里まで移動すれば良いのだが、せっかくだし話たいという白愛からの要望もあったりする。

そんなこんなで地底の入り口に到着する。

ちなみに、勇儀とパルスィはどこかで飲んでいたのか会えなかった。

 

真也「ここからは上にあがるんだけどー、どうしよっかー」

 

地上に行くには垂直に飛ぶしかないのだが、白愛のことを考えると別の手段も必要になる。

すると、上から2人降りてくる。

 

ヤマメ「おろ?真也とこいしじゃないか。珍しいねぇ」

 

キスメ「…珍しい…」

 

糸を伝って降りてきたヤマメと桶の中にいるキスメ。

いつもは2人とは無意識を使って通っているので会わないのだが、今日は使わなかったので珍しく会ったのだ。

世間話を程々に、白愛も交えて簡単な自己紹介と今までの経緯を2人に話した。

するとちょうど良い方法があると言われる。

その方法は、キスメの桶に白愛を乗せてヤマメの糸で上まで送るというもの。

なかなか奇抜なアイデアだが、今においてはとても良い方法である。

 

キスメ「…ほら、入って…」

 

桶からするりと出てくる……のではなく、どこからともなく別の桶が降ってくる。ヤマメは驚いてはいないが3人は予想と反していて驚いてしまった。

 

白愛「あ、この桶以外と大きいな」

 

桶の入り心地は悪くないようで、真也と同じくらいの身長でキスメより大きい白愛でも、あぐらをかいて座れた。

どういう作りなのか気になることこの上ないが、それは記憶の彼方に吹き飛ばして気にしないことにした。

白愛の乗った桶にヤマメの糸が張り付き、ついに空へと浮かび上がる。

乗っている白愛は奇妙な浮遊感を感じるが、そこまで悪くはないのと不思議な体験をしていることでむしろ楽しんでいた。

あがる桶の隣を真也とこいしも速度を合わせてゆっくりとあがっていく。ちなみにヤマメ達も着いてきている。

ヤマメ達を加えた5人で少し雑談をしていると、地底の穴の淵に着いた。

2人に感謝の言葉を贈った白愛。それを確認した真也とこいしは2人に手を振り、白愛を連れて人里に向かった。

 

 

人里に着き、先ほどと変わらぬように歩き始める。しかし、真也とこいしへの対応は相変わらずであった。

白愛は知らないので、よく分かっていないが時々聞こえてくる内容は、どれも2人を貶し罵倒するようなものだった。

いくら今日あったばかりの仲であっても、白愛の正義感がそれを許さなかった。しかし、2人がそれを止める。

 

真也「どうしたって無駄だから諦めなよー」

 

こいし「私たちは大丈夫だから、ね?」

 

会ってから変わらぬ笑みを見せて、何もないように振る舞う2人。それに白愛は何か突き刺さるような感覚を覚えるが、どうしようもなかった。

大丈夫と言われてしまったので里人に何かを言うのは良くない。かといって2人の深いところに踏み込むには時間が足りなかった。

歯がゆい思いを胸に抱えつつ、仕方なく2人の後をついて行く。

2人のいつも通っている甘味処に着き、適当に注文するとどうしても耐えきれなかった白愛は2人に質問を投げかける。

 

白愛「どうして2人はあの人達に何も言わないんだ?大丈夫だなんて言われても、2人の表情はどう見てもそうは見えなかったよ」

 

真剣な眼差しを投げかける白愛に対して、真也とこいしの反応は全く別だった。

 

こいし「私は種族柄もう慣れちゃってるしね。今は違うけど、昔はよくあったことだからねぇ」

 

今は半分開いている瞳も、昔は硬く閉ざされていて開くことなんて無いと周りも当人も思っていた。

今となってはそれも嘘のようではあるが。一度見てしまった心の汚さを、彼女はまだ忘れてはいないし、忘れることはできなかった。

一方真也はというと、それは異質な返答だった。

 

真也「正直どうでもいいのが一番かなー?僕にとってはこいしに手を出さなければ、あの人達なんていてもいないようなものだから」

 

黒い瞳に怪しい光を浮かべて答えた彼は、その笑みに黒く不気味な何かを混ぜる。

こいしはそれが怒りとは違った別のものだと感じた。

会ってからずっといる彼女には、それが自身を案じてくれているのか分かるのだが、やっぱり彼自身のきは何も考えていないと分かってしまう。

やれやれと頭を振る彼女に対して、白愛はやはり納得しきれていなかった。

 

白愛「真也にとってそういうことなのは分かったが、それでもここにくる回数は少なくないだろ?毎回毎回言われてどうも思わないのか?」

 

やや踏み込んだことを聞いてしまったような気もした彼だが、どうも真也の返答が気にかかりすぎた。

まだ知り合いというレベルの真也に、本当はここまで聞く気など毛頭なかった。しかし、2人に先ほど浮かべた無理矢理作ったような笑みがそれを許さなかった。

白愛の質問に対する真也の返答は、正直狂っているとも感じられた。

彼女が良ければよいという彼女本位な考え方、白愛は知らないが真也もこいしも同じような考え方なのでどちらも特には気にしていなかった。

周りにそこまで深く入ってくる人もいないので、それが知られることはなかった。

そして、今度の返答もどこか狂っているように思えた。

 

真也「どうも思わないなんてことはないけど、思うだけ無駄だし、そんなこと考えてどうにかなるならどうにかしてるさ。どうにかならないのが人間ってものでしょ?」

 

さも当然というかのように首を傾げて笑みを浮かべる。こいしは気にせず団子を食べているが、白愛は一瞬息が詰まってしまった。

諦めにも似たこの返答。しかし、これは諦めているのではなく無関心とも言える。

 

真也「強い力を持っていたらそれだけで忌避される。使わなくても危険と言われて、まるで犯罪者みたいに扱われる。勝手な思考で一方的に決めつけて味方を集めてそれを押し付ける。まあ、これはちょっと極端でもあるけど、全部が間違ってるわけではないでしょ?」

 

人間なんてこんなものさと言わんばかりの真也の言葉に、白愛は言葉を失った。

相も変わらず団子をほおばるこいしだが、頭の中はいつもと同じように心配していた。

心を読むと言うだけで迫害されて、地底に追いやられたこいしからすれば、真也の言っていることは間違ってはいなかった。

ただ、全ての人間がそうではないとも思っていた。

もちろん、真也もそれは言わなかったが分かっていた。現に今いる店の店員や、服屋、装飾屋などの店員は2人を普通に扱ってくれる。

一概にそうだと括るのは良くないとはもちろん分かっている。

しかし、括れてしまう程に人間の汚いところを見てきた2人は、そういう考えがどうしてもあるのだ。

しばし言葉を失っていた白愛だが、ようやく口を開くことができた。

 

白愛「…なかなか厳しいことを言うね。俺も同じ人間だし真也も人間だろ?そこはどうなんだ?」

 

自身や真也もその毛嫌う種族だと聞けば、真也は不思議そうな顔で口を開いた。

 

真也「え?別に全部の人間がそうだとは思ってないよ?実際白愛とか、どこかの巫女とか、さっきのに当てはまらない人もいるさ。でもね?」

 

いったん区切り、お茶を飲む真也。こいしは団子を食べ終わりお茶を飲みながら2人の会話に耳を傾けていた。

話を再会する。

 

真也「少なくとも僕が生きてきた周りには、当てはまらない考えの人がほとんどいなかったんだよ」

 

悲しさすら感じさせる物言いだが、言った本人は至って笑顔。それを浮かべていることを強要されているかのごとく表情は変わらない。

能面のように変わらぬ表情に、白愛は彼の過去を想い、しかしどうしても納得できなかった。

 

白愛「過去がどうかは俺には分からないけど、今は楽しいんだろ?それならそれを邪魔されるのは嫌じゃないのか?」

 

底の見えない黒の瞳に投げかけた問いは、予想よりも簡単なもので返ってきた。

 

真也「嫌に決まってるじゃないか。僕だって一応人間さ。今では感情もあるんだから、怒りだって感じるし、悲しみだって思うさ。だけど、『そういう人間』には何言っても無駄だって分かってるんだ。なら無視して聞き流して放置するのが一番でしょ?」

 

最善はある意味我慢とも取れるその言葉。何か彼にその言葉を出させたのか気になるが、これ以上の深入りは拒絶にも繋がりそうだと判断した白愛は、仕方なくお茶を飲んだ。

話が終わったと察したこいしが別の話題を振ってくる。

 

こいし「そういえば白愛は私たちに付いて来たいって言ってたけど、どうしてそうしたの?」

 

今日ここに至るきっかけとなった白愛の返答の理由を問いかける。

それをちょっと考えてから返答する。

 

白愛「それは向こうとは違った現実を見てみたかったからかな?いる人によって変わるのかと思ってね。実際、こっちの現実は向こうよりも少し和やかな気がするよ」

 

少し変わった言い方で答えた白愛に、こいしがさらに質問する。

 

こいし「時々現実って言葉を使ってるけど、それって口癖?」

 

何の気なしにこいしは聞いたがその返答は少し予想外だった。

 

白愛「あぁ、いや意識してるわけではないんだけどね。どうも使いやすくて出て来ちゃうんだ。口癖と言うほどなのかは分からないけど、よく使ってるかも」

 

本人が分からないというのはこいしもよく分かることだった。無意識に何かしているとそのことに関して聞かれても分からないからだ。

昔の自分が何か聞かれたときにこうやって答えていたと思うと、少し不思議な感覚に襲われる。

気付けば団子もお茶も無くなっており、そろそろ店を出ることにした3人。

お金を払って外にでると、やはり嫌な声が聞こえてくる。

面倒くさそうな顔をしている真也が手を握った。

すると、周りの音が無くなった。

いきなりのことに驚く白愛は何かをしたと思われる真也を見る。ちなみにこいしは時々こういうことが起きるので慣れていた。

 

真也「あー、うるさいから無音にしてるだけだよー。一応僕らの声が聞こえるようにはしてるよー」

 

簡単にそういうが、能力を知らない白愛はどういうことかよく分からなかった。

それが真也にも伝わったのか簡単に自身の能力を説明する。

納得した白愛を連れてまた人里を歩くが、後はたまに行く店しかなかったので白愛を帰すことになった。

里からでて地底の穴の入り口付近で真也が能力を使って不思議な空間をつくりだす。

説明もいつもと同じで、白愛も驚いていた。

 

白愛「あ、そうだ。1つ聞きたいことがあるんだ。いいかい?」

 

そう聞いてくる彼に頷いて返す。

 

白愛「もし、目の前の現実が無くなったら。2人は取り戻す?」

 

目の前の現実という彼らしい聞き方に苦笑する2人。

少し考えてこいしが先に口を開いた。

 

こいし「それが仕方のないことなら諦めるよ。でも、そうじゃないなら取り戻そうとするね、私なら」

 

にっと笑みを浮かべてそう答えた。仕方のないことという曖昧なことに少し引っかかるが、彼女の中ではそれが最適な答えだったのだろうと思って口は開かなかった。

それに対して真也も答える。

 

真也「んー、こいしと同じかなー。あ、でも、もし理不尽に奪われたんなら、僕だってそれなりの対応して取り戻すかなー」

 

相変わらず語尾は呑気なものだが、内容はなかなか語尾と反していた。

それに白愛も乾いた笑めを浮かべていた。

 

白愛「まあ、2人ならそうするのが分かったよ。今度会うかは分からないが、会ったらよろしくな!」

 

そう言って空間を通って彼は帰っていった。

閉じた空間は跡を残さず消え去る。彼のいた痕跡まで無くしたかのように感じるが、2人の記憶にはちゃんと残っている。

 

真也「面白い人だったねー」

 

こいし「ね。でも珍しく真也の思考が見れた気がするよ。いつもは何もいわないのにね」

 

悪戯っ子のような笑みを浮かべて首を傾げる彼女に、彼も楽しそうに笑った。

 

真也「なんでだろうねー。僕にも分かんないけど、僕をはっきりさせないといけないような気がしたんだー」

 

彼の能力を知っているわけではないが、真也は自身をはっきりさせないといけない思っていた。

だから甘味処であそこまではっきりと自身の思考を口にしたのだ。

彼女はいつもと違った理由に不思議そうな笑みを浮かべるが、真也はなんだか面白そうに笑っていた。

 

真也「(君も気にしないような人なら、もっと早くに会いたかったなー)」

 

浮かんだ思考をすぐに消し去り、きょとんとしているこいしの手を取って穴の中へ降りていった。




はい、どうでしたかね。

真也「シリアスー」

こいし「シリアスー」

分かってるんだ、日常希望なのにこうなってしまったのは良くないって。
だがネタがなぁ…。
次回は今のところ最後の日常回予定を書こうかと。
それ投稿したら後はコラボ終わらせて最終章入りたいな。

真也「時間がないってねー」

こいし「ネタもないのにねー」

抉ってくるのやめろ()
なにげ今回のもキャラ掴めてるか心配だ。

というわけで次回投稿で会いましょう。
「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

あなたにあげるために

はいども。またも少し早いです。

真也「急いでるねー」

こいし「まだ後2話分あるもんね」

ええ。クリスマスも頑張るので、早く進めないといけませんな。

真也「クリスマスかー」

こいし「クーリスマスが今年もーやーってくるー」

なんで知ってるんだ。
てなわけでそれでは
「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

雲1つない快晴な日。しかし冬の寒さが太陽の暖かさを打ち負かしてしまうそんな季節。

黒いマフラーをつけた真也、それに紺色のケープを羽織り同じ色のマフラーを巻いたこいし。マフラーはこいしの手作りだ。いつも着ている服の上から着ているが、とても暖かそうに見える。

先日買った防寒具などを着た2人は地上に出てきていた。

 

真也「用事ってなにー?」

 

こいし「ひーみつ!」

 

聞いているとおり真也は今回の目的を知らない。こいしが人里に行きたいというので向かっているのだ。いつも目的があるわけではないが、どちらかが誘うときはなにかしらの理由はあるのだ。

行くこと自体は嫌ではないが、気色悪い視線や聞きたくもない陰口を叩かれたりするのは目に見えていた。

とはいっても、行って無意識を使わなければいつものことでもあるので、今更どうというわけではない。

ただまあ、心を開き読むようになったこいしのことが心配だった。

そんな心も筒抜けで、彼女は優しく微笑む。

 

こいし「大丈夫だよ。ささっと行けば問題ないから!」

 

問題ないように振る舞っている彼女だが、内心本当はまだ怖かった。

彼と会う遠い昔に見た、酷く醜い人間たちの心。妖怪も例外ではなく、みな覚りを前にしてその中を汚れたもので染めた。見たくもない怒りや悲しみ、憎しみや興味もない他人の秘密、恋慕まで知ってしまう。

結果、人間たちの容赦ない憎悪や憤怒の対象となり、地上を歩くと石ころを投げられることもあった。

そんな心を見ないために閉じた瞳はもう開かれている。今の時代の人間たちが、どんな心を持っているかなんて分からない。でも、どうせなら昔のようなものではないと思いたかった。

しかし、弱いところを見せてしまえば彼は心配し自分を守ってしまう。傷つく彼を見るのも嫌だから、彼女は忘れられぬ恐怖を心の奥底に沈め明るく振る舞う。

 

真也「……無理、しちゃ駄目だよー?」

 

気付けば彼が隣で手を握っていた。もしかしたら昔のことを思い出しているうちに近づいていたのかもしれない。

そして彼の言葉に一瞬言葉が詰まったこいし。間を空けて返した彼は、いつもの笑顔にいつの間にか心配したような表情を混ぜていた。

気付かれてはいないはずだが、やはり彼には見抜かれてしまうらしい。

思わぬ不意打ちに驚きつつも、嬉しい気持ちで一杯だった。

 

こいし「うん。ありがと」

 

改めて彼の気遣いに感謝し、嬉しそうに笑みを浮かべる。握られた手の暖かさを感じつつ2人はゆっくりと人里へ向かっていった。

 

 

人里につき、中に入ろうとした真也。すると、こいしがそれを止めた。

 

こいし「真也は待ってて?これは私1人で行きたいの」

 

真也「え、でも大丈夫ー?」

 

1人ということに心配する彼に、こいしは嬉しい気持ちを抑えつつ頷いた。

用事を終えたらすぐに帰ってくるから、と言って臆することなく中に入っていった。

その様子を1人見守っている真也。

 

真也「大丈夫かなー」

 

どうにも拭えない不安を感じながら、約束通り彼女が出てくるのを待つことにした。

一方こいしはあまり周りを見ないようにしながら早足で歩いていた。

第三の瞳の視界内に入ると勝手に読んでしまうので、正面のみを見据えつつ、頭の中に入ってくる他人の思考を無視していた。

歩くこと数分で目的の場所に着いた。そこは、2人が持っているペンダントを買った店。

安堵の一息をして、こいしは中に入っていく。店内に客はおらず、彼女からするとなかなか良いタイミングだった。余計な思考をみる必要がないのはとても嬉しいことだった。

レジのところを見れば探していた店主がいた。

 

こいし「すいません」

 

店主「あいよ。あ、嬢ちゃんか。今日は連れはいないんだな」

 

彼女が話しかけると何かの本に目を落としていた店主が顔を上げた。見た目的には50代ほどに見えるが、実際のところはどうなのかは分からない。

言葉の通り店主はこいしと真也のことを覚えていた。2人とも時々この店でなにか買ったり、新しい商品を見たりしていたからだ。

店主の言葉にこいしは大きくうなずくと、本題を切り出した。

 

こいし「今回は作りたい物があるの。それで、いくつか色が必要なんだけど……」

 

店主「なにが必要なんだ?」

 

必要な色を答えると、店主は少し難しい顔をした。ちょっと待ってろと言って裏方に入っていった。

周りのアクセサリーを見ながら数分ほどして店主は帰ってきた。

 

店主「嬢ちゃん。1色だけ足りなかったな。紫なんだが、これが作るのが少々時間がかかるんでな」

 

こいし「じゃあ、今度来たときには作っておいてもらえます?」

 

店主「おうよ。なんなら作りやすいようにある程度形も決めといてやろうか」

 

1色足りないとのことだが、今度来たときには作っておいてくれることで解決した。さらに、店主の心遣いにより形まで決めといてくれるというのだ。

ここまでくると分かるだろうが、こいしは真也に手作りのものを渡そうとしていた。

 

こいし「前に買ったのと同じなんだけど、それでも大丈夫?」

 

店主「大丈夫さ。任せときな」

 

前回買ったのがかなり前のことで覚えているか不安だったが、それも杞憂たったようだ。

ちなみに、前回はちょうどよく青と黒のバラのペンダントが売っていたのを買っていた。

 

こいし「それじゃあ、また今度来ます」

 

店主「おうよ。大体一週間くらい空けてくれりゃ作れるはずだ」

 

彼女の立ち去り際に大体の目安を伝えてくれた。彼女も振り返りながら感謝の言葉を告げて頭を下げると、そのまま外へ出ていった。

それを見送った店主は読みかけの本を適当に置くと、裏方から色を作るための用具を取り出して早速作り始めた。

時間がかかるというのは、赤も青も強い色で配分が少しでも偏るとすぐに赤紫だったり青紫になるのだ。そのためにも早くから作らないといけなかった。

失敗が増えれば青と赤と色もまた取りに行かないといけないので、時間がかかるというのも頷けることだ。

本を読んで凝り固まった身体を適度に動かし、すぐに集中して色を作り始めた。

 

 

外へ出たこいし。これで彼女の目的は大体果たせた。後はまた今度来て、作って彼に渡すだけ。渡したときの彼の表情がどうなるか、思い浮かべるだけで顔がにやけてしまった。

しばらく緩む頬を抑える作業をしていたが、ようやくしゃきとすると彼の待つ場所に歩き始めた。

相変わらず入ってくる思考。まだこいしが認識されてないのかほとんどの思考に彼女のことは出てこない。

それに安堵しているが、いつ出てくるか、それでなにが起こるかなんて分からないので警戒しつつ歩いていた。

ようやく門が見え、彼のいるところまで近付いてきた。姿は見えないが、たぶん門にもたれ掛かっているのだろう。

頭の中をごちゃごちゃと埋める思考とようやく離れられる。

そう思った瞬間だった。

『こいつ、覚りじゃないか?』という思考が入ってきたのは。

いきなりのことで足を止めて、周りを振り返ってしまった。人が多く誰が考えたのかわからない。しかし、振り返ってしまったことで逆にさらに同じような思考が増えた。

このままだと良くないと感じた彼女はすぐに歩みを再開し、早歩きで外へ向かう。

頭の中をちらちらと嫌なものが過ぎっていくが、そんなことは気にしていなかった。

そして、ようやく出口につく。ふっと一息つき最後の一歩を踏み出した──『気色悪いな。こんなところに出てくんなよ』──ところで、入ってきたの醜い思考に歩みが遅くなる。

外れていて欲しかった予想が的中してしまい、一瞬心を絶望が埋める。しかし、すぐにそれを振り切り彼の元へ駆け込んだ。

 

真也「あ、きたー……って、わっ」

 

そのままの勢いで彼に抱きつく。視界に入った彼の思考はただ心配していた。その事に抑えていたなにかが溢れそうになるが、ぐっと堪えて強く抱きしめる。

何も言わずに抱きつかれてなにもよく分かっていない真也だが、それでも優しく背中を撫でながらそれを受け止めた。

分からなくても人里に、1人で入ったのだから不安や恐怖があったのだろうと思った。実際それらはあっていた。だから彼女は何も言わずにこうしていた。

彼女は何も言うことはないが、ずっと心を読んでいた。自身への心配とやはり強い想い。それらを見てようやく気持ちが落ち着く。

 

こいし「ごめん。大丈夫じゃなかったかも」

 

真也「うん。いいよ。仕方ないから。用事が終わったなら帰ろっか」

 

そのままの体制で話すこいしに、真也はじっとこちらを見つめている第三の瞳にそっと触れながら返した。

抱く力が一瞬また強くなるが、それもすぐに元に戻る。

優しく触れ、撫でながら彼女が完全に落ち着くのを待つ。

2、3分ほどで彼女は離れた。

 

こいし「ん。ありがと。やっぱり真也の心は優しいね」

 

真也「あはは。こいしだからね」

 

簡潔に感謝を伝え、手を握る。その返答も同じように簡潔で、しかし心の中ではしっかりと想っていた。

空いている左手で能力を使って空間を開くと、地霊殿に繋げた。

早く帰った方がこいしのためにも良いと思ったからだ。それも筒抜けなのだが、彼女は何も言わずに空間に入っていく真也に着いていく。

その心の中に、消えぬ恐怖と暖かい想いを浮かべて。

 

 

「やっぱりあれはどうにかした方がいいだろ」

 

「でもなんもしてないぞ?」

 

「いるだけで気色悪いんだ。そんなの放っておけるか」




どうでしたかね。

真也「なにもらえるのかな」

こいし「ひーみつ!」

もらえるのはまあ分かっちゃいますなあ。
んで、次回はクリスマス編書いて、いけたら年内には最後の日常書きたい(願望)

真也「頑張れー」

こいし「早いね」

思いの外時間がね。
それでは次回まで
「「「ばいばーい」」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編!聖夜に集う友とのパーティー、そして?

はいども。少し遅れましたが、クリスマス回でっす。

真也「時事ネタだねー」

こいし「好きだね」

書きたかったんだから仕方ないね。
今回は7000くらいだったかな。
それでは

「「「スタート」」」


 

 

 

 

 

12月25日。外の世界ではクリスマスと呼ばれ、家族や仲の良い恋人たちが仲良く過ごす日、と真也は言った。ちなみにその前日はクリスマスイヴと言うらしいが、なんなのかはよく分からないらしい。

何故か幻想郷にもそれが認知されているのだが、外の世界の情報を仕入れているのは大方どこかの胡散臭い賢者なので、クリスマスもたぶんそうなのだろう。

そんなわけでこんな良い日なので真也とこいしは前日のうちから色々と準備していた。

具体的には、呼ぶ友人たちの予定と料理などの材料集め、何をするかなどだ。

最後のみあまり決まっていないが、仲の良いメンバーが集まれば考えなくても何か起きると思って放っておいた。

 

真也「それじゃーみんなを連れてこよっかー」

 

こいし「そうだね!」

 

ほとんどの準備が終わった2人は早速地上に向かい、友人たちを迎えに行った。

地上に着くと、それは見事な白銀の世界が広がっていた。

作業をしていて昼過ぎに出て来たのだが、あまり溶けることなく未だに降り続ける白い結晶に、地面も木もすっかり雪化粧してしまっていた。

こちらに来て初の雪にいつもより楽しそうな真也は、空から降る白の中をくるくると回りながら歩き始める。

 

真也「雪なんて久し振りだよー。こっちは自然が綺麗だから雪が積もってるとさらに映えるねー」

 

口調は相変わらずだが、その心が嬉しそうにはしゃいでいるのをこいしは第三の目で見ていた。

そして、その様子につられて楽しそうに笑みを浮かべて後をついて行く。

心地良い音共に雪を踏みしめ、足跡を残しながら2人は進む。目指す先は紅魔館だ。

道中をゆっくり雪を楽しみながら歩いていたので思いの外時間がかかっているが、時間がギリギリになりそうであれば真也が能力を使うのでそこまで気にすることもなかった。

そんなこんなで紅魔館に着く。門前にはいつも通り寝て……いなかった美鈴が。

 

美鈴「こんにちは真也さん、こいしさん。ご用件は妹様ですね?」

 

真也「珍しく起きてるねー」

 

こいし「明日は大雪かな?」

 

2人に気づき声をかけてくる。用件も知っているためすぐに門を開けた。が、2人の発言に心外そうな顔をする。

 

美鈴「酷いですね。私だってちゃんと起きてるときはありますよ!」

 

真也「門番ならいつも起きてないとダメでしょー」

 

反論する美鈴だが、華麗なカウンターを食らってそのまま閉口してしまった。その様子を見て小さく笑っているこいし。

うなだれている美鈴を気にせず2人は中に入っていった。

エントランスにつくと、妖精メイドが2人に近付いてきた。

用件を伝えると、待つように言われ呼びに向かっていった。

紅魔館もクリスマスを楽しむ用意をしているようで、あちらこちらで妖精メイドが装飾をしていたり、掃除や何かを運んでいた。

いつもなら咲夜が現れるところを妖精メイドが現れたあたり忙しいのだろう。見てる限りでもすでに30人程の妖精メイドがいる。見えないところも含めればその数は100はいくのではないだろうか。

そんな数の妖精メイドに指示しながら働いているであろう咲夜には賞賛したい2人だが、生憎姿が見えないので諦めた。

適当な雑談をしているうちに先程のメイドがフランと共に帰ってくる。

 

フラン「やっほ!以外と遅かったね」

 

こいし「真也が雪ではしゃいじゃってねー。ゆっくり歩いてたら遅くなっちゃった」

 

手を振って2人に近付き声をかけたフラン。こいしがそれに反応し、横目で真也を見ながら返す。当の本人は若干顔が赤くなっているように見えた。

すぐに真也も話を変える。

 

真也「それはおいといてー。次は天子迎えに行くよー」

 

急ぎ足に外へ出て行く彼の様子に、こいしもフランも苦笑していた。日傘を差したフランと共にこいしが、後を追いかける。

門前で振り返って待っているが、何かに気付いて空を見ていた。

 

こいし「ん?なに見てるの?」

 

真也「あー、天子来そうだなーってねー」

 

その言葉通り、空から大きな石とともに天子が降りてきた。

首もとに青いマフラーをしているあたりこの寒さが堪えているのだとみえた。

降りてきた彼女は手を振りながら3人のもとに近付いてくる。

 

天子「地上見てたら見覚えある姿が見えてね。降りて来ちゃった」

 

真也「ちょうどいいよー。今から迎えに行くところだったからー」

 

浮かぶ要石に乗りながら話す天子は、寒そうに手を合わせて息を吹きかけている。

移動の準備は出来たようなので最後の目的地、命蓮寺に4人は向かった。

距離があるので今回は真也の能力により紅魔館から命蓮寺へ空間を無くして移動した。

残るはぬえとこころ。到着して境内を見回すとUFOに乗っているこころがいた。

 

こいし「迎えにきたよー、って。なにしてるの?」

 

こころ「遊んでるの」

 

黒いUFOに乗りながら返答するこころに、ぬえがどこかを聞くと、下を指さした。

その指の先にあるのは黒いUFO。

もしやと、思った天子がつついてみると、ぴくりと動き姿が変わる。

 

ぬえ「うひゃっ!っと、もう!私で遊ばないでよこころ!」

 

こころ「やだ」

 

正体不明を操るぬえが黒いUFOに化けていたようだ。会話の感じではこころにやらされたと見える。

2人は、というかぬえがこころにご立腹のようだが、間にこいしが割ってはいる。

 

こいし「ほらほら。みんな集まったし行くよ?」

 

そう催促し、ちらと真也を見る。その意味を察した彼は手を開いて握り黒い空間を作り出す。

いつもの直結しているそれだ。行き先はもちろん地霊殿。少し時間が押していると思ったこいしがもしもの時を考えて伝えておいたのだ。

 

真也「じゃー、入ってー」

 

そう言いながら手招きをする。まずはフラン、次に天子と迎えにきた順に入っていく。

真也とこいしを抜いて全員入ったところで、2人も中に入って黒い空間は消えた。

 

 

地霊殿についた6人は一息つく間もなく準備を始めた。ぬえが少し休ませろと言っていたようだが全員にスルーされていた。

やることは夜ご飯の調理、ツリーの飾り付けだ。分担は、調理組が天子、ぬえ、フラン。装飾組が真也、こいし、こころだ。

調理組に不安が残るような気もする真也たちだが、さとりとお燐も手伝うとのことなので、安心して準備を始めた。

まずは調理組。作るのはシチューとパスタ、それとローストチキン。どれもそこまで作るのは難しいものではなく、さとりとお燐の手伝いもあれば難なく完成出来る……はずなのだが。

パスタを作っている天子とぬえ。

 

天子「あ、塩と砂糖間違えた!」

 

ぬえ「あれ、パスタどれくらいやるんだっけ」

 

沸騰してきた水の入った鍋に、塩と間違えて砂糖を放り込み、再度水を入れ替えるはめになったり、茹で時間を忘れて麺が微妙に伸びてしまったり。

あまり料理をしていないのか悪戦苦闘していた。

一方シチューを作るフランとさとり。

 

フラン「お、良い感じの色になったよ!」

 

さとり「それじゃあ他の材料も入れてちょうだい。あ、違うわ。それは唐辛子よ、人参じゃないわ。ていうか誰よこんなところに唐辛子置いたの」 

 

フランが時々別のことをしかけたり、違う物を使ったりしそうなときは、さとりが心を読んで注意してくれた。おかげで特に問題が起きることもなくシチューを作ることが出来ていた。

そしてローストチキンを作っているお燐とどこからか現れたお空はというと……。

 

お燐「お願いだから向こう行ってなよ!」

 

お空「やだ!ちゃんと見守るの!」

 

お燐「いやあたい1人で出来るから!」

 

お空「やだ!私も手伝う!」

 

1人でやっているところに現れたお空を追い返すことに苦戦していた。なぜか嫌々言って動かないお燐に

お手上げ状態のお燐。目でさとりに助けを求めるが、見事に無視され肩を落とす。諦めてだだをこねる大きな赤ん坊を宥めながら、作ることに集中するのだった。

調理組が順調だったりてんやわんやしてる一方、装飾組もいろいろと揉めていた。

主に、真也の飾り付けのセンスで、だ。

 

真也「えー、こっちの方がいいと思うんだけどなー」

 

こいし「いやいや。そこはおかしいでしょ」

 

こころ「こいしが正しい」

 

今揉めていたのはツリーに付けるリンゴの飾り物のことだ。真也はいくつか纏めて飾り付けようとし、それをこいしとこころが止めて適度に間隔を持って付けていた。

少し拗ね気味の真也に、2人は息のあった連携で否定をする。味方もいなく、自身の装飾の下手さに愕然とする真也。諦めて部屋の隅で体育座りまで始めてしまった。

最初はそれを呆れた目で見て放置し、飾り付けを黙々と進めていた2人だが、とある部分に取りかかったところで顔を見合わせ笑みを浮かべた。

 

こいし「真也ー。やってほしいところあるんだけど」

 

真也「いいよいいよー。こいしがやってー」

 

こころ「いいからやるの」

 

お願いするように言うこいしをそのままの体制で拒否する真也だが、こころに無理矢理引っ張られ連れ戻される。

仕方なくツリー見てみると、ほとんどの飾り付けが終わっており真也の出番などないように見えた。

そう思った真也がそれを言おうとすると、こいしがなにも言われずに何かを差し出してくる。

それはツリーの頭につける星だった。さすがに間違えることはないそれに、全員くすりと笑みを漏らした。

そして、それをつけたところで装飾組の仕事は終わった。

完成したツリーは、頂上に輝く星、緑の衣服に赤いリンゴやキラキラ光る色とりどりの玉を身にまとって、楽しみなパーティーの立役者となる。

ちょうどよく調理組も終わったようで、料理が運ばれてくる。パスタを持つ天子とぬえがなぜか疲れているように見える。さとりとフランの持つシチューは食欲をかきたてる匂いとともに湯気を漂わせており、忘れていた腹の音が小さく鳴る。

そして、お空に引きずられてお燐も現れる。作っていたチキンはお空が持っていた。

 

真也「ちょーど出来たみたいだねー」

 

こいし「お燐……お疲れ様」

 

こころ「美味しそう」

 

並べられる料理を見てちょうど良かったと思う真也。そして、引きずられているお燐の心を読んで、何があったのかを知ったこいしは、静かに手を合わせた。

お面をころころ変えながらテーブルの上の料理に、目を輝かせているこころ。

作った5(6?)人も3人の反応に満足そうだ。

そして。飾られたツリーを見て綺麗だと口々に言う。

 

さとり「あら、真也あなたずいぶんセンスないみたいね?」

 

心を読みくすくす笑いながら茶化してくる。真也もむっと思いつつも、間違っていないので何も言わずにそっぽを向く。

それを同じように笑ってみているこいしと笑いを表すお面を被ったこころ。

それにつられた周りも笑みを浮かべる。唯一真也のみむすっとしているが、こいしに何時まで拗ねてるのと言われ一つ溜息をつき、口を開く。

 

真也「わかったよーもー。それはいいからご飯食べよー。せっかく温かいのに冷めちゃうよー」

 

その言葉に皆も賛成で、わいわい騒ぎなから席に着いた。テーブルは8人用なのだが、横に1人座ることで9人でも大丈夫だった。

外の世界で俗に言うお誕生日席に座ることになったのは、真也。

真也から見て右側に地霊殿組、順番はこいし、さとり、お燐、お空だ。

反対側には天子、フラン、こころ、ぬえ。

全員が席に着いたところで、真也が音頭を取る。

 

真也「それじゃー、みんな揃ったのでー。今宵のクリスマスパーティーに参加してくれてありがとねー。それでは、いただきまーす」

 

いただきまーす、と他の人たちも声を合わせて言うと、早速料理を食べ始める。

パスタに手を付けるもの、シチューを口にするもの、手掴みでチキンを食べるもの。

置いてある料理のどれから手を付けるかは皆ばらばらだが、共通してみな幸せそうだった。

しばらくは食に集中し、喋ることなく食器が擦れ合う音だけが響く。

しかし、その静粛を打ち壊すものが現れる。

 

ぬえ「んぐっ!?」

 

チキンを食べていたぬえが苦しそうに表情を歪めた。つまらせたのだろうと周りは思い、隣にいたこころが水を渡す。

すぐにそれを口に流し込み、お世辞にも綺麗とは言えない音を響かせながら事なきを得た模様。

 

こころ「急いで食べ過ぎ。料理は逃げないよ?」

 

ぬえ「あ、あはは……。美味しくて夢中になっちゃった」

 

苦笑いを浮かべて理由を話した彼女に周りも笑い、それを話のタネとして会話が盛り上がり始めた。

大妖怪らしくないと話すのは真也とこいし。胸を張って私が焼いたと言い張るお空とそれを死んだ目で見るお燐。フランと天子はそのやりとりを見て笑みを浮かべている。こころはまだぬえと話しており、唯一さとりだけ誰とも話さず心を読んで楽しんでいた。

 

さとり「(私がこんな空間にいるなんて、昔なら考えられなかったわ。私を恐れないこの子たちのおかげね)」

 

優しい笑みが浮かんでいるのを自覚しつつ、それをどうすることもなくそのままでいた。それが何より心地良く、昔の自分とは違うと思いながらも幸せだと思えることだからであった。

そわな1人思考に耽るさとりを放っておくわけがなく……。

 

こいし「1人でなに考えてるの!ほら、おねーちゃんも話そ!」

 

さとり「……。えぇ、そうね。何の話をしてたのかしら?」

 

姉が誰とも話していないのに気づいた妹が話の輪に誘う。その光景を嬉しそうに見ている真也は、心の中でも嬉しそうに笑っていた。

楽しい時間は過ぎるのも早く感じ、気付けば全員食べ終わっていた。

分担して食器を片付け、テーブルを綺麗にするとまたも真也が話を切り出す。

 

真也「はいはーい。さて、それじゃあお待ちかねのプレゼント交換でーす」

 

事前に用意してもらっていたこの時のためのクリスマスプレゼントを、せっかく集まったので交換して誰のが来るか楽しもうということだ。

先に真也が回収し、皆に別の部屋で待機してもらっている間にごちゃまぜにしてテーブルに置いておいた。

少なくとも自分のを取ることはないはずなので、適当に取っても問題はないはずである。

早速開始ということで、それぞれがなにが入っているかを少し考えながら選択していく。

その様子を最後に取る予定の真也は楽しそうに見ていた。

全員が取り終え、真也も被らずに取ったところで開封タイムだ。

 

フラン「じゃーん!……と、これは……赤いバラのペンダントね!」

 

さとり「あら、それは私のね」

 

最初に開けたのはフラン。その中身はさとりからのものだった。

 

お空「うにゅ?これは……桃とピアス?」

 

天子「それは私だよ。桃でなんとなく分かるかな?」

 

首を傾げているお空に渡ったのは天子のもの。

 

こいし「私のは……青い扇子ね!これこころでしょ!」

 

こころ「やっぱりバレる?分かりやすかったかな」

 

一目見て誰からのかを当てるこいしに、ひねれば良かったかなと思ったこころ。

 

ぬえ「私のは……温泉卵?」

 

お空「それ私だよ!」

 

何とも言えない微妙な顔になるぬえと、自信満々なお空。周りも苦笑いを浮かべていた。

 

お燐「値のはなにかな?これは、桃色の腕輪だね」

 

フラン「それは私からだよ!」

 

すぐに付けてみて良いものだと思ったお燐、フランはその様子を嬉しそうに見ていた。

 

さとり「私のは……白いニット帽かしら」

 

真也「それは僕からー」

 

冬にはとてもお世話になりそうなニット帽をもらったさとりは、はいはいと手を挙げている真也に笑みで感謝を伝えた。

 

こころ「私のは、黒い髪飾り?」

 

ぬえ「それは私のだよ」

 

お面とは反対側に付けて似合うかぬえに聞くこころに、ぴったりと返すぬえ。

 

天子「私のは何かな~。これは、ミサンガ?」

 

こいし「はーい!」

 

青と緑が織り交ぜられたミサンガを、腕に巻く天子。元気よく手を挙げたこいしは、満足げだ。

 

真也「それじゃ僕のはー、饅頭だねー」

 

お燐「ありゃま。それはあたいだね」

 

見覚えのある饅頭を受け取った真也に、お燐もこれは予想外と言った感じだ。

なにがくるか分からないのがこの交換会の楽しみなので、これもまた仕方のないことだろう。

最後のイベントも終わり、残るは談笑タイムそれぞれが貰ったプレゼントを手に楽しく話し始める。

今日の予定はこれで一通り終わり、来てもらったメンバーは泊まることになっている。明日には帰るが疲れていなければ寝るまで賑やかな時間だろう。

お燐やお空は仕事があるので部屋に戻ったが、残りのメンバーは眠気がくるまでずっと雑談などで盛り上がっていた。

そして、時間は過ぎ、お風呂も入り疲れからかほとんどが寝てしまった夜11時過ぎ。

まだ起きているこいしは真也の部屋にいた。

 

こいし「お疲れさま。大成功だったね」

 

真也「こいしもねー。成功して良かったよー」

 

2人はベッドに腰掛けながら1日を振り返っていた。準備やら片づけやらで疲れもあるが、こうして楽しく出来たことがなによりも嬉しいものだった。

笑顔のまま話をしていると、ふとこいしが顔を赤らめて何かを言おうともじもじとし始める。

その様子を不思議そうに思う真也だが、声をかける前に先に向こうからかけられる。

 

こいし「その、さ。私からのクリスマスプレゼント、まだだから、ね?」

 

少し目が横にそれているが、恥ずかしくて直視できないのだと分かる。そして、少し戸惑っているその隙をついて真也の顔に近づき、そっと唇を重ねた。

ほんの一瞬のことだった。瞬きする間もなく行われた犯行は、彼の心を釘付けにした。

驚いて固まる彼に、こいしも今までに見たことないくらい顔を赤くして黙り込む。

数瞬の間をおいてようやく真也の思考が動き出す。それを読んだこいしがさらに顔を赤くし、顔まで隠してしまう。

 

真也「あ、えと、その。珍しいね。こいしからなんて」

 

しどろもどろになってしまったものの、なんとか感想めいたものを言えたが、残念ながら当の彼女は聞いていない。というより聞いている余裕がなかった。

主に自分からした恥ずかしさと、真也の心を読んだことによる追撃でパンク寸前になっていた。

そんな彼女を優しく抱きしめて、頭を撫でながら口を開く。

 

真也「プレゼントありがと。すっごい嬉しいよ。僕からはこれくらいしか出来ないけど、ごめんね?」

 

恥ずかしがり屋な彼女を、心を読まなくても伝わるように簡単ながらも心を込めた感謝を送る。

頭を撫でていた手を彼女の心に触れさせて、優しく包み込む。

気付けば彼女も同じように抱きしめ返していた。

少し潤んだ瞳で上目遣いにこちらを見て、満面の笑みを浮かべる。

 

こいし「いいの。とっても嬉しいから、私も」

 

ドキリとしてしまうような優しい声色で呟く。独り言のようにも聞こえるが、もちろん宛先は彼だ。

聖夜に愛し合う恋人同士は、いつも以上の幸せを感じながら1日を終えた。

次の日の朝をこっそり覗いてみれば、幸せそうな2人の寝顔が見れるという確信を持って。




はい、現状これと次回の簡単な正月番外編を書いたら、最終章に入ります。
てか、正直なところ正月編書いて次から最終章って、なかなか差が激しいような(なにがとは言わない)

まあ、一番書きたかったところでもあるので、期待してて下さいな。

今回2人にはお休みしてもらってるんで締めは1人で。
それでは次回までばいばーい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編!新年一発目!あけおめことよろ!

はいども、新年明けましておめでとうございます。
今年は完結出来たらいいなぁ。

真也「あけおめー」

こいし「ことよろー」

相変わらず息ぴったりだね。
新年明けながら、最後の日常編でっす。

それでは
「「「スタート」」」


 

 

 

 

もうすぐ新年になる大晦日の12月31日。時刻は日付の変わる30分前。年越しそばを皆で食べた真也とこいしは初詣に行くために外に出ていた。さとりたちも一緒だ。

目指す先は博麗神社。出店などもでているらしく、巫女が忙しくしているのが目に浮かんだ。

まだ時間があるので、ゆっくり歩きながら向かっていた。わいわいと話ながら、真也は1年を振り返っていた。

来た当初はよくわからず、適当にふらついて今住んでいる地霊殿にたどり着いた。勝手に中に入って人探しをしていたらこいしに出会い、そのまま仲良くなった。

異変が起き、彼女を好きだと気付いて、同じ想いだったのを知って、嬉しかったのは今となっては懐かしい。

それから2人でいろんなところに行き、知り合いを増やし、仲良くなり、2人の仲もさらに深まった。

夜桜を見た日や、夏祭りの日、最近ではクリスマスの日は特に思い出に強く残っている。

初めてあったときは今ではある4つのものが無く、彼女も心を閉ざしていた。しかし今は、開き楽しそうに笑っている。楽しいことばかりではなかったが、こうして笑顔が見れているのが本当に幸せで、とても嬉しかった。

思考の海に1人入っている真也に気づいたこいしが声をかける。

 

こいし「考え事?」

 

真也「んー、1年を振り返ってだけー。いろんなことがあったなーって思ってねー」

 

こいし「ふふ、そうだね。心も懐かしいことが読めるよ」

 

4人の話の輪から抜けて、左隣で下から見上げる彼女。内心で可愛いと思いつつ返し、お互い懐かしげに過去を思い返す。

1人で考えてたことは、2人になって会話になった。お互いが会ってから感じたことや思い出を話し、その時を思い出してはまた思ったことを話した。

ゆっくり歩いていたはずだが、日が変わる前に神社に着いた。境内は人や妖怪でごった返しており、下手にはいればはぐれてしまいそう。5人で固まって賽銭箱を目指して歩みを進める。

道中知り合いもおり、軽く声をかけて挨拶もして、出店も見ながら歩くこと十数分。

本殿につく少し前に日付が変わる。どこかで歓声が聞こえたが、なにか催しでもやっているのだろう。

 

真也「あけましておめでとー。これからもよろしくねー」

 

こいし「ふふっ、こちらこそ。よろしくね?」

 

お互いに新年の挨拶を済まし、本殿に着く。いつもよりは人がおり、この様子は巫女もほくほく顔だろうなと思い浮かべた。

小銭を投げ入れ軽く手をたたき、合わせる。今年も良い年になるように願い、その場を後にする。

 

真也「これからどうするー?僕らは初日の出見たいから残るけどー」

 

さとり「私たちは帰るわ。明日もやることがあるし、これからも見る機会はあるから」

 

道から少し外れたところでこの後の予定を話す。真也とこいしは初日の出を見るために地上に残り、さとりたちは仕事のため戻ることになった。

手を振って別れると、2人は何をしようかと考えていた。

すると、

 

霊夢「あら、真也とこいしじゃない。なにしてんの」

 

何故か酒瓶を持った霊夢が現れた。特になにをしていたわけでもないので、そのまま何もしていないと答えるとちょっと来なさいと連れて行かれる。

ついて行った先は、神社裏。春なら桜の美しい場所だが、今は冬なので寒々しい枝の木しかない。

しかし、そんな場所で行われていたのは宴会だった。メンバーは見覚えのあるような者ばかりで、出店の通りで会った者もいた。

 

真也「これはなにしてるのー?」

 

霊夢「年越し前から飲み明かしてんのよ。新年もまた仲良く飲めるように、だったかしら。妖怪の集まる神社ってなにごとよもう」

 

わいわいしながら酒を飲んで雑談で盛り上がっていた。かなりの量の瓶が転がっており、全員相当飲んでいるのがわかる。霊夢が持っていたものも気付けばどこかに消えていた。

呆れ顔で手から消えた瓶と、来年も変わらぬこの光景を思っていたようだが、根は優しいのだろう、すぐに平然とした顔に戻った。

そんな彼女をおいておき、適当に見回しているとフランの姿が見えた。2人は霊夢に一言移動することを告げ彼女のところに移動した。

 

フラン「ふふ~ん♪あ、こいしと真也だ!2人も来たんだね!」

 

こいし「霊夢に会ったら連れてきてくれたの!」

 

会って早々会話の盛り上がる2人に対して、真也はその周りにいるその姉やらメイドやらと、目だけだが火花が飛び散るような戦いをしていた。誰も何も言っていないが、その視線のみで会話しているようだった。

 

真也「(面倒だなー)」

 

強い視線を投げかけつつ、頭の中に面倒という単語が浮かんてきてすぐに別の場所に目を移す。ちょうどその先にはこころとぬえたちがいた。

会話に盛り上がっているこいしに声をかけるのもあれだったので、何も言わずに場所を移動した。

 

こころ「お、真也だ」

 

ぬえ「やっほー」

 

真也「ちょーど見えたから来てみたー」

 

2人が手を振ってきたので軽く振り替えしつつ近付く。戒律の厳しいらしい聖の元だから酒も飲んでいないだろうと思っていた真也だが、聖は別の場所にいるらしく、自由に酒を飲んでいた。

 

ぬえ「いやー、やっぱ宴会は酒がないとね!」

 

真也「わかるー」

 

こころ「つまみも欲しい」

 

適当な器を借りて真也も酒を飲み始めた。ここでも去年を思い返しつつ雑談に花を咲かせ、日の出までの時間を潰すことにした。

そんなこんなで時間は日の出前。大半の者が眠そうな顔で、瞼を擦っている者もいる中、真也は元気に酔っぱらっていた。

 

真也「んー、もっと酒ちょーだーいー」

 

ぬえ「もうないってばー……」

 

こころ「飲み過ぎ……」

 

酔いどれ真也の応対にそろそろ疲れてきた2人。そこに助っ人が現れる。

 

こいし「あれ、真也が酔っぱらってる」

 

ぬえ「ちょうどいい時に来た!」

 

こころ「真也をどうにかして」

 

ちょっと頬の赤いこいしがふらりと歩いてきた。酒を飲んだのだろうと容易に分かる。彼女が来たことに気付いた真也はすぐに飛びつく。文字通りに、だ。

 

真也「こいしー」

 

こいし「わっ!ちょ、危ないって。それに周りに人いるから!」

 

真也「僕しーらなーい」

 

こいし「あーもう!ほら、ちゃんと立って!」

 

飛びついてきた彼をしっかり受け止める辺り、こんなことがあったのだろう、とぬえとこころは思った。ふにゃふにゃになっている真也を立たせると、2人に声をかける。

 

こいし「ごめんね?ちょっと酔いが醒めるまで別のところに行くよ」

 

ぬえ「いーよいーよ、そのまま2人で楽しんできなよ」

 

こころ「これが楽しそうってことなのか」

 

肩を貸して軽く甘えてくる真也を上手くいなしつつ、2人からの茶化しに何も言わずにその場を後にする。移動した先は神社横の森の中。気にもたれ掛からせ、一息つく。

 

こいし「よいしょ、っと。宴会の度毎回酔ってるの気のせいかな」

 

過去にもあった宴会を思い出し、毎度酔われて甘えられていることに気付く。が、時すでに遅し。木にもたれ掛かっていたはずの真也が音もなくこいしに抱きついた。

 

こいし「ふえっ!?」

 

真也「んー、こいし暖かい。あー、そろそろ初日の出の時間だねー」

 

驚く彼女を気にすることなく呑気な顔して話す。すぐに呆れた顔になったこいしだが、この後の展開を読むことは出来なかった。

それは……、

 

真也「それじゃー、場所いどー」

 

足下に不思議な空間が出来ると言うこと。そして、重力に従って落ちるのだった。

 

こいし「きゃあああ!?」

 

いきなりのことに悲鳴を上げ、目をつぶってしまったこいしだが、ふわりとした浮遊感とともに、誰かに体を持ち上げられていることに気付く。

恐る恐る瞼を開くと、そこに広がっていたのは新年初の日を受けて明るくなってきた美しい青空。照らされた雲は白を輝くように見せる。そして、真正面に映る愛しい彼。にこりと笑ってごめんねと謝ってきた。

 

真也「酔いはさっき無くしたんだけどー、驚かせたかったんだー」

 

こいし「う、うん。え、でも私飛んでな……!」

 

ふと気付いた飛んでもいないのに体の浮いているような感じ。少し首を回すと横に彼の体があったことで今の状況に気付いた。

そう、お姫様だっこされていたのだ。

気付いてしまったことで、顔を赤くして少し暴れてしまう。しかし、それが逆効果になりさらに強く抱きしめられるような形になってしまう。

 

こいし「え、あ……うぅ」

 

真也「危ないよー。すぐに飛べばなんとかなるけど落ちちゃうよー」

 

そうしていることに特には意味はなく、飛べばいいだけなのだが、真也が離す様子が無くその上こいしがあわあわと思考が停止してしまった。

そうこうしている間に、新年に迎えられた太陽が姿を見せた。今年も変わらず幻想郷を照らしてくれるだろう。

 

真也「ほら、見えたよ。初日の出」

 

こいし「え、あ、うん。綺麗……」

 

促されてようやく再起動を果たす。遮るものもなく、その姿を優々と見せるその美しさに感動するこいし。

新年明けから真也に振り回されている彼女だが、それでも彼とまた新しい1年を過ごせることを感謝していた。

彼も両手にかかる愛しい重さをしっかりと感じつつ、去年以上に彼女を想い愛すと決心した。

その心も読んでしかしなにも言わず優しい笑みを浮かべる彼女に、照れたような顔で笑いかける。

2人の仲は新年になってさらに深くなるだろう。そこに立ちはだかる苦難さえ乗り越えてくれるはずだ。

新年に祝福された少年少女はしばしその姿を目に焼き付け、それから家に帰っていった。

 

 




どーでしたかね。
これにてこの日常章は終了です。
6ヶ月もここだけでかかっていることに正直目を背けそうですが、ラスト突っ走ります。

さて、次章から最終章ですが、みなさん砂糖はしっかり貯まっているかな?
しばらくは砂糖とは無縁の話になります。足りなかったらどこか見返そうね!(露骨なステマ)

最終章、2人を襲う苦難、そして……。

それでは次回まで
「ばいばーい」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

終章,黒心異変~憎悪の黒花、開かぬ瞳~
踏みにじられる花


終章一話目。
これからは2人はここに来ません。
胸くそ注意です。
それでは、スタート


 

 

 

 覚り妖怪の少女は、自身が愛する少年に書き置きを残した。置き際にちらと寝顔を見ると起きる様子もなく、幸せそうに眠るその表情につい手が出てそっと頭を撫でてしまった。なんだか嬉しそうな顔を浮かべているようにも見えるが、気のせいだろう。

 

 そろそろ家を出るため手を離そうと思った矢先、行かないでと言うかのように捕まれてしまう。なにもなければそれも気にはならなかっただろう。しかし、少女にはとても大事な用事があった。

 

 だから、握られた手を優しく解き、少年が悲しそうな顔をしたのに気付くこともなく部屋を出ていった。

そのまま家を出て、元気良く走って地上に向かう。その姿を見た鬼の頭領は彼が居ないことを気にしたが、ほぼいつも通りだと考えた。

 

 賑やかな地底から冬の寒さと静けさを感じる地上に着いた。木々は衣服を取り払われ枝のみを見せ、いつか振った雪は溶け地表をさらけ出していた。空は黒々としてやや分厚そうな雲が覆い、しばらくしたら雨が降り始めそうだった。風も強く冬の寒さも相まって思わず身震いしてしまう。

 

 雨が降る前に用事を果たして帰らなきゃと考え、首もとに巻いた少年とお揃いのマフラーを頼りに目的地へ向かう。場所は人里だ。

 

 少し銀色がかった美しい緑髪は、ハートの髪飾りで結ばれふわふわと左右に揺らしながら、出来るだけ周りを見ないように駆け抜けた。着いたのは、いつもアクセサリーを買っている装飾屋。店に入りすぐに店主に視線を移す。相手もようやくかと言わんばかりの顔で、奥に一度引っ込んだ。

 

 数分ほどして、この前は無かった紫色があった。これで作れると喜ぶ少女は店主から型を借り、いつか買ったものと同じを真似るように色を乗せ始める。

色のない真っ白な薔薇は、少女の手によって虹色に染め上げられ彩り美しいものに変わった。

 

 着色することに経験があったわけではない少女だが、奇跡とも呼べるレベルで綺麗なものが出来上がった。それは、店主から見てもとても良くできたものだった。

 

 嬉しさを隠せないようで、満面の笑みを浮かべながらお代を払い店を出た。

 

 我ながら良く出来たと思い、再度それを見てにやけていた。しかし、それがいけなかった。

 

 少女は見ることに夢中で気付けなかった。自身を囲う悪意の刃に。酷く醜い正しさの刃は、完全に少女を捕らえ悲劇はもう起こる目前だった────。

 

 

 少年は夢を見た。愛しい彼女と美しい景色を見る夢を。それはこの世界だから見えたもの。お互いなにも話していなかったが、それだけで心は満足だった。

やがて、少女が立ち上がり、少年に手を振ってどこかへ歩き出した。慌てて後を追い、その手を掴んで引き止めようとした。

 

 しかし、少女は聞こえない声でなにかを喋り、捕まれた手をするりと抜けてどこかへ行ってしまった。聞こえなかった言葉に気を取られ、後を追うことの出来なかった少年は、その後ろ姿が2度と帰ってこないように見えていた。

 

 何度彼女の名を呼び叫んでも、1度も振り返ることなかった。遠くへ行ってしまう彼女の周りには、光を持った黒い何かが周りを囲っており、酷く恐ろしいものに見えた。

 

 少女の姿はどこかへ消えた。辺りに浮かんでいた美しい景色は、いつの間にか底の見えない闇に包まれた。そして、少年は得体の知れない悲しみに満たされていた。

 

 あまりにも長く、強い悲しみだった。終わりも見えず終わらせる方法も分からない──いや、1つだけあった。それは────。

 そしてようやく少年は目を覚ました。

 

真也「……夢、なの?」

 

 寝起きは最悪で、冬だというのに汗までかいていた。汗を流したいと思い、そのままベッドから出て真っ先に風呂場に向かった。

 

 10分ほどして、帰ってくる。先ほどは気付かなかった書き置きにも気付き、書いたのがこいしだと分かり謎の胸騒ぎに駆られすぐに読み始める。

 

 内容は、簡単に言えば、先に出かけている。とのことだ。出掛けた先が気になるが、1人で行くときは必ず行き先を伝えてから行くのであまり話さない場所、つまりこの前待っててと言われたこともあり、人里だと見当をつけた。

 

 胸騒ぎと行く先が相まって彼の不安を駆り立て、すぐに着替えて部屋を出る。

地霊殿を飛び出し、飛んで地上に向かう。道中何人か知り合いを見かけたが、胸騒ぎが晴れずかまう暇がなかった。

 

 地上は夢で見たような黒さで塗られた雲が空を覆い、肌には冷たい雫が降ってきていた。戻る暇など無いので、片手間に能力を使い傘を取り出す。多少濡れることは気にせず、人里に向かって飛んでいった。

 ────その先で、過去を越える悲劇が襲うとも知らずに。

 

 

 無表情な面霊気の少女、秦こころはその人溜まりを偶然見つけた。

 なんとなく団子を食べにきて、暇だったから里の中を歩いていた。ただそれだけだ。

 妙に強い感情を感じ、しかし何か分からず近付いてみると、誰かに寄って集って聞くにも堪えない言葉を投げかけていた。

 浮かぶお面を不快そうなものに変え、その場を離れようとしたときだった。聞き流せない言葉が聞こえたのは。

 『この覚り妖怪が!気持ち悪いんだよ!』

 自身の知る範囲で覚り妖怪と呼ばれるのは、地底に住む2人しかいなかった。しかし、姉の方はめったに出ることはないから、今ここにいるのが妹の方だとすぐに分かった。

 そして、それが自身の知り合いだという時点で彼女の体は動きだしていた。

 

こころ「どいて!」

 

 お面を怒りの形相に変えて、人の塊を割るように突っ切っていく。何人かに嫌な顔をされたが、そんなことはどうでもよかった。持っていた傘も投げ出し、雨に濡れることも気にせず突き進む。

 密度の高さに、どれだけの人がいるのだと思い悪戦苦闘しつつも中心に辿り着く。

 そこで見たのは────、

 

こころ「……こい、し」

 

────自身にとって一番の友人、そして、当たってほしくなかった予想、古明地こいしだった。

 いつからこれが起きていたのか分からないが、彼女の姿は酷く汚れていた。衣服は雨に濡れ、体中泥にまみれていた。美しい緑髪は、泥に汚れて見る影もなく、いつも浮かべている瞳を抱え込むようにうずくまっていた。

 元気溌剌として、楽しそうな面影はまるで嘘のように消え去り、そこにいたのは心身共に傷つき、なにも話さない変わり果てた彼女の姿だった。

 すぐさま駆け寄り、服に泥がつくのも気にせず声をかける。

 

こころ「こいし!ねえ!こいし!大丈夫!?」

 

こいし「…………ぁ、こころ、だ。どうした、の?」

 

 必死に呼びかけるとようやく顔をあげ、やつれた笑みを浮かべて言葉を返す。

 余りにも痛々しく、普段の姿からかけ離れてしまったその様子は、感情をよく分からないこころに、悲しみとはこういうものだ、と強く気付かせる。

 なにも言えず、呆然と変わってしまった彼女の姿を見ていると、急に世界に音が戻ってきた。

 

「おい!そいつを擁護するってのか!」

 

「その妖怪は人の心を読むのよ!害しかもたらさないわ!」

 

「いるだけで胸くそ悪いんだ!そんなやつを守るんじゃねぇ!」

 

 すぐに聞こえてきたのは、こいしを庇ったこころに対する非難とこいしに対する偏見とも言える罵倒だった。

 どうでもいいと聞き流しても、周りには数十人もいるため、嫌でも罵詈雑言が耳に入ってくる。それら全てがこころに関係しているわけでもないのに、彼女まで嫌な気分になっていた。

 ということは、それらを一身にぶつけられていたこいしの気分は、最悪など軽く越えているだろう。

心の読めないこころには分からないが、こいしは投げかけられる言葉と共に、心からの言葉まで見てしまっていた。

 それは心からも彼女を傷つけ、瞳を閉じようと思わせるほどだった。

 しかし、閉じていなかった。この状況において誰よりも傷つき悲しんでいるのに、閉じることはなかった。

 なぜなら、こいしの心の片隅に真也の姿があったから。彼のおかげで彼女の心はぎりぎりで耐え続けていた。

 しかし、里の人らはそんなこともお構いなしに言葉の暴力を続ける。

 

「お前みたいなのはいらないんだよ!」

 

「なんでまだ生きてるのよ!早く巫女に退治されなさい!」

 

「妖怪とは仲良くできるとは思っているが、お前は別だ!」

 

「地底に帰れ!2度と出てくんな!」

 

 醜さを極め、覚り妖怪ではなくこいし単体を狙ったような言葉。それらも彼を想う彼女には耐えられた。

 しかし、そんな彼女の心を、最後の一線を、最低の一言が粉々にぶち壊す。

 

「一緒に来ているあの男もだ!お前と仲が良いって事はあいつも敵だ!」

 

 こいしは理解していた。自身の種族がどんな人妖からも嫌われることを。だからこそ、開いた瞳で心を読んでも、口に出さないようにしていた。それは、嫌われることを避けるためではない。彼に迷惑をかけたくなかったから。

 自分といる彼を、悪く言われたくなかった。だから、ずっと耐えてきた。

 しかし、それもあの一言で砕け散った。

 耐え続けた心はついに閉じた。見たくない心を遮断して、心の平穏は取り戻されたのか?

 いや、そんなわけはない。心が読めなかろうが嫌でも言葉で傷つけてくる。粉々になった心がいくら泣いても、誰も気付かない。止まらない。

 折った心に対する過剰な攻撃は止まず、容赦なく土足で入りこみ、踏みつけていく。

 目からは雨に混じって熱い悲しみが零れ、しかし誰も気付いてくれない。いや、気付いても止めてくれないだろう。

 少女の心はトラウマに囚われ、それでもなお責め苦を味あわされる。

 無表情な友人が何度も制止の声を張り上げるが、たった1人では誰も聞く耳を持たなかった。や、聞いていても知らない振りをしていた。

 

こいし「……ぁはは、なんで私は、こんなに責められないといけないんだろ」

 

こころ「お願い、止まって!もうやめて!こいしがなにしたって言うの!」

 

 心も体も満身創痍で、もはや笑い声も乾いてしまった。悲痛ともいえるこころの叫びに、誰かが反応する。

 

「なにをした?はっ。いること自体が罪なんだよ!」

 

 どこまでも無責任であまりにも鋭い悪意の刃は、手加減することなくこいしの心を引き裂いた。

 この状況にこころは焦っていた。それは、こいしが自暴自棄になる可能性もあった。

 しかし、それ以上に危険で起きてはいけないことを危惧していた。

 それは、今の状況を真也に見られること。もし、見られてしまったら……。

 考えたくもないことが起きてしまいそうだった。だからこころは何度も声をあげる。意味がないと分かっていても。誰にも届かないと分かっていても。いつか、きっと誰かが止めてくれる。そう信じていた。

 その祈りは、もっとも起きてほしくなかった最悪の形で果たされた。

 

 

 

 「こい……し……」

 

 聞こえた方角は何の因果か、自身が割っていったところから。

 その視線の先には、今一番ここに来て欲しくなかった人がいた。

 

 




悪意の矛先は、少女から移される。
次回まで、またね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一方的に光を振りかざす黒

はい、どうもです。
終章2話目です。
正論だとしても嫌なことはあると思います。
それでは、スタート。


 

 

 

 

 この状況で最も起きて欲しくなかったことが起きて唖然とするこころ。あまりにもタイミングが悪すぎて、声を出すこともできなかった。

 

 胸騒ぎが当たり、しかも、夢で見たことが現実にもなったようで目を疑う真也。手に持った傘は濡れた地面に落ち、べちゃりと音を立てて横たわった。

 

 両者の視線はお互いの方向を見合っているが、交差することはなく一方的に向けられていた。

 里の人間は、ほとんどは未だにこいしを罵倒しており真也が現れたことに気付いていないが、一部の者はこころの視線を追って気付くことができた。

 

真也「……なんで、こいしが」

 

 小さく呟いた言葉は雨音と罵声に掻き消され、誰にも届くことはなかった。いや、口の動きでこころだけが雰囲気を察していた。

 なにも言えず、ちらりとこいしを見やる。壊れたような笑みを浮かべ、まだ真也には気付いていなかった。

 ふと、彼女の右手元に虹色に輝く物体を見つけた。衝撃の強さで逆に落ち着いてしまったからだろう、先ほどは気付いていなかった。

 それに気を取られ、再度真也がいた方を見ると姿がなかった。

 辺りを見回そうとした瞬間、近くで彼の声が聞こえた。

 

真也「夢じゃない……」

 

 気付けばこいしを抱きかかえた真也がいつの間にか横にいた。その目は酷く悲しんでおり、今にもそれが形を成して零れ落ちそうだった。

 先ほどまで浮かべていた笑みは消え、今は目をつぶってた。体は震えており、彼がそばにいることに気付いていなかった。いや、気付けなかった。目を開ければ自身を非難し否定する人が見えるから。だからそばに誰か来ても目を開けなかった。

 人溜まりを突っ切ったのがこころから見て左。こいしは今右側におり、真也の声が聞こえたのはその右側からだ。

 一瞬で移動したことに驚いたのはこころだけではない。

 

「は、あいついきなり現れたぞ!」

 

「あいつが仲良くしてる人間じゃないか?」

 

「そうだ、そうに違いない!」

 

 民衆はついに気づき、矛先を変えた。いや、完全には変わっていなかったが、半数以上が真也に向けられた。

 

「お前、覚り妖怪なんかと仲良くして、心を読まれることが気持ち悪くないのか!」

 

 罵声が飛び交う前にぶつけられた問い。これによっては反応を変えるとでも言いたそうだった。

 しかし、そんな質問で、こんな状況で心が揺らぐほど彼は弱くなかった。

 

真也「全く。心を読まれることを気持ち悪いと思うのは分かるよ。でもそれは君たちの心が汚いからでしょ?僕は読まれて困るようなことはないし、君たちほど汚れてないから」

 

「こんのガキがぁ……!」

 

 動ずることなく、そして臆することなく自身の答えを返す。その瞳は誰に向けられることもなく彼女を見つめていた。

 一方挑発としか思えない真也の言葉に、民衆は怒り標的を彼に変えた。

 

「お前が仲良くして庇ってるのは、誰からも嫌われてる妖怪なのは分かってんのか!」

 

「誰だって隠したいことの一つや二つあるのよ!それを勝手に見られるなんて許せないわ!」

 

「お前1人が大丈夫だからって、他のやつまでもが同じだと思うなよ!」

 

 どれも間違ってはおらず、確かに正しい正論と言える。人間からみたら、妖怪は気味が悪い。中でも心を読み脅かす覚り妖怪はことさら嫌われている。

 彼らの言い方はまるで、自分たちは間違っていない、と、言っていることはどれも人間として正しく、自分たちは正義だと言い張るようだった。正しさを武器にして悪を叩く。この場合の悪役は、真也とこいしだが。

 一方的に決めつけ、間違っていないと勝手な思いこみで攻め立てる言葉ばかりを並べる。

 そんな彼が最も嫌う言葉などに聞く耳なぞ持たず、ただ彼女が自身に気付いてくれるのを待つ真也。

 そして、ようやく待ち望んだ瞬間がくる。

 

こいし「……あれ……?真也……?」

 

真也「うん。そうだよ。僕だよ、大丈夫?」

 

 震えていた体に真也の熱が伝わり、かなり冷え切っていた体は熱を取り戻す。薄く開いた瞳は恐怖の色を濃く残しているが、その視界に入った愛しい彼のおかげで一瞬で薄れる。

 色は移り変わり、恐怖から悲しみに変わる。潤む瞳は変わらず、一度は止まっていた涙はまた零れそうになる。

 しかし、表情は笑顔だった。壊れたのではない。彼を心配させたくない、悲しませたくなかったから。それだけで彼女は笑みを浮かべる。心からの笑顔などとは到底言えないが、それでもこころに見せたものよりかは幾分かましだった。

 

こいし「私……真也に渡したいものがあるの……、あれ……ない……!」

 

 寒さでかじかみ震える手を動かし、渡そうとしたものを握っていたのであろう右手を動かす。しかし、そこにはあるはずのものはなかった。

 酷く慌てて周りを見回す。しかし、見つからない。

 彼女からは死角になって見えないが、こころがさっき気付いたため教えることができた。

 

こいし「ない……ない……!」

 

こころ「こいし、ここだよ」

 

 探す手を導いて背中側に動いていたペンダントを取らせる。濡れた地面に落ちて、泥や雨水がついていたが、拭き取ればすぐに美しさを取り戻す。

 見つかったことにほっとし、今出来る限り精一杯の笑顔で彼を見て渡す。

 いつか見た思い出の笑顔からかけ離れてしまったことに、悲しみを覚えたがそんなそぶりを見せず受け取る。

 7色の輝きは、今の状況とは不釣り合いなほどに美しく、彼の記憶を蘇らせる。

 それは、ある日見た花言葉の本。そして、そこに書いてあった言葉。

 

こいし「一目見てから渡したかったの。『無限の可能性』、ここで変わった真也ならぴったりだと思ったから」

 

 受け取った手は開いたままで、彼女がそっと手を添え握らせる。思い出が色濃く蘇り、不思議と心は落ち着いた。

 なにも言えず、見つめることしかできない真也は、ただ優しく抱きしめてやることが一番のお礼だと思った。

 しかし、今いるのは2人だけではない。

 

「無害そうに振る舞いやがって!見る度心が読まれてるかと気が気じゃないんだぞ!」

 

「2人揃って2度と里に来るな!お前らはここに来ていいもんじゃねぇ!」

 

 相も変わらず怒声と罵声は響き渡り、2人の間に水を差す。こころはまた止めようと必死になっているが、効果は全くと言っていいほど無かった。

 そして、こころの声がかすれそうになってきたところで────音が消えた。

 

真也「黙ってなんて言っても通じなそうだから、音を無くしたよ。こんなどうでもいい声なんて聞きたくもないよ」

 

 よく聞こえる彼の声は、怒りとも悲しみとも似つかぬ声色だった。愛する人を傷つけられ、怒りが無いわけではないだろう。しかし、彼女がそれを望んでいないと分かっていたから、彼はなにも思わぬ口振りで話した。

 しかし、いつもの口調が消えている時点で彼女にはバレていた。

 

こいし「私のことは気にしなくていいよ。誰も間違ってないから。私が覚りだからいけないんだよ」

 

真也「確かに間違ってない。間違ってないけどさ……」

 

 自嘲気味に笑い、悲しみを隠して呟いた彼女は、なんだかとても儚く見えてしまった。今にも消えそうな蝋燭の灯り、それが一番適しているように思える。

 彼女の言葉は間違っておらず、それ故に真也はなにも言えなかった。正しいと言うことはほとんどは良いことに働くだろう。しかし、それは必ずではない。

 今が良い例だ。

 正しいからと言ってそれで真也が納得したわけではない。

 正しいからはいそうですと鵜呑みにできたわけではない。

 正しさは、誰にでも当てはまるわけではない。今起きているこの状況も、里の人にとっての正しさであり、それは真也にとっても、ましてやこいしにまで正しいとは言えなかった。

 結局は個人の正義を集め押し付け、相手が反論出来ないのを理由に集団で叩いているだけだ。それは傍目から見たら正しいのかもしれないが、被害者からしたらそんなもの正しさもなにもない。

 だからこそ今、真也はかける言葉を探し、口を開けずにいる。

 

真也「……確かに間違ってないけど、じゃあこいしはこのままでいいの?もし今を切り抜けても、来る度にこんな目に遭うのを仕方ないと諦めちゃうの?」

 

 ようやく開いた口から出た質問は、彼女が今の状況を良いと思っているか。

 そんな、ただの確認だった。

 

こいし「そんなわけない!……そんなこと、いいと思ってるわけない……。でも、私は妖怪で、心を読むから。人間ばっかのこの里で、いること自体が間違ってるなら、どうしようもないじゃん……」

 

 震える体が大きな声で否定する。しかし、その勢いもすぐになくなり、また呟くような声で悲しみを言葉にする。

 どうしようもないと、現実を見て諦めた彼女は瞳を閉じる。身体は大丈夫だろうが、精神的に疲れ切っていた。

 見たくないものを見ないように。

 今起きたことが夢であって欲しいと願うように。

 そして、また自分のせいで何かをしてしまうであろう彼に申し訳ない気持ちを抱いて、彼女は闇に意識を沈めた。

 その変化に気付いたのは、すぐだった。

 急にかくんと頭が下がり全身に力が入っていなかった。まるで、糸の切れた人形のように。

 それを見たとたん死んだかと錯覚してしまった。胸が上下していることでそれは違うと分かったが、それでも意識を失ったという事は、彼に大きな衝撃を与えた。そしてその瞬間、いくつもの負が混ざった感情が爆発した。

 彼女を失ってしまったかと錯覚するほどの悲しみ。

 彼女を傷つけ追い込んだことへの怒り。

 今にも能力を使ってしまいそうになるほどの憎しみ。

 彼女を助けることができなかった悔しさ。

 そして、なにも出来なかった自分への嫌悪感。

 それらが全て混ざり合い、一挙に心を蝕もうと暴れ出した。耐えられないほどの強い感情は、今にも心を壊してしまいそうだった。

 取り戻したばかりのそれでは耐えようにも耐えられず、このままでは壊れ落ちるのも時間の問題だった。

 そして、それは体の中から外へも形を持って流れ出そうとする。

 

真也「うぁぁ……!」

 

 反射的に能力を使い、自身の発する音も無くす。おかげで耐えられず漏れた感情は、声無き叫びとなった。

 彼の変化に、こころもすぐに気付いた。酷く苦しそうで、今にも暴れ出しそうな強い感情を感じた。

 しかし、どうすることも出来ず、収まることを願うことしか出来なかった。

 無くしていた音が聞こえるようになり、再度罵詈雑言が彼らを攻め立てる。

 彼女の頭を胸に抱き抱え無意識のうちにペンダントを握り締めていた。心は悲鳴を上げ、もう無理だと助けを求める。しかし、助けなどあるわけもなく、ひたすらに耐えることのみしか出来なかった。

 

こころ「真也!耐えて!」

 

「お前らなんかここにはいらねぇ!出て行け!」

 

『出て行け!』

 

「2度と地底から出てくるな!」

 

『出てくるな!』

 

 励ますこころの声を遮るように被せられた民衆の言葉は、どこまでも彼を追いつめる。

 さらに、言葉だけでなく石ころまで飛んできた。いくつも飛んでくるそれは、こいしの体や真也、さらにはこころにまで投げられていた。

 過去の記憶が蘇り、今の光景と一致してしまう。それだけでも辛いというのに、関係のないこころ、さらには抵抗も出来ない愛しい彼女にまで容赦なく降りかかった。

 言葉と力の暴力は、真也を追いつめ、そして越えてはいけないラインを越えてしまった。

 そして彼に、変化が起きる。

 今まで苦しそうにしていたのが、嘘のように静かに、そして近くのこころは感情を感じなくなった。一瞬にして消えた強い感情は、どこへ行ったのか分からなかった。

 そして、彼はゆっくりと瞳を閉じ、開けた。そこにあったのは光を持った人間の目ではなく、光を失い濁りきった、底の知れない化け物の目だった。

 

真也「……もう知らないから」

 

 表情は張り付けられた笑みを浮かべ、今のこの場にはあまりにも似合わなすぎた。それに神経を逆撫でされた人々はさらに石ころを投げてくる。

 しかし、そのどれもが彼らに到達することはなかった。

 なぜか。それは、石ころ自体が消えて無くなったから。

 なんの動作もなく消えた石に、恐れおののく人々。彼らをあざ笑うかのように真也は口を開く。

 

真也「こいしは優しいから、君たちのことを許してくれるんだろうね。でも、僕はそんなに甘くないんだ。自分言ったこと、やったことには責任くらい持てるよね?」

 

 瞬間、手加減などない膨大な霊力が彼から発せられた。間近で受けてしまったこころは一瞬気が飛びそうになるも、なんとか堪えた。

 しかし、なんの予備動作もなく起きたそれに、民衆は耐える間もなく意識を刈り取られた。

 その場に倒れ込み、起き上がらない人々。その様子はまるで死体をいくつも放置したようだった。

 

真也「……さてと、こいしをこんなところにいさせたくないや。こころ、一緒に来る?」

 

 立ち上がり、能力を使って汚れを無くす。そして、顔だけ振り返りこころに問いかける。その際にいつも以上に黒い空間を開く。

 変わってしまった彼の様子に、言葉に出来ない思いが胸を詰まらせ言葉を出せなくさせる。なんとか首を縦に振り、彼が開いた空間に入っていった。

 誰も気付くことはなかったが、彼が持っている虹色のペンダントは、渡されたときよりもさらに強く光を放っていた。それは、脈動するように輝きの強弱を変えていた。

 立ち去り際、真也は一瞬立ち止まり無表情に呟く。

 

真也「邪魔するなら、君だろうと容赦しないよ」

 

 その声は誰に向けられたか。その答えを知る者は彼しか居なかった。

 

 一方彼から発せられた霊力は各地の強者に伝わり、それぞれを動き出させようとしていた。

 ──紅き館の主は、妹を心配しつつも瀟洒な従者と運命の時を待ち続ける。

 ──幽冥の屋敷に住む亡霊姫は、気にする様子を見せずただ時の流れに身を任せる。

 ──竹林の奥にある屋敷に住む医者は、自身の守る姫に危険が来ないか回る頭脳で思考する。

 ──魔法の森に住む普通の魔法使いは、異変を予感し準備を始めた。

 ──向日葵畑に住む妖怪は、いつかの雪辱を思い出し、怒りを携え時期を待つ。

 ──妖怪の住む山の頂上の神社の神は、この先の行く末を案じ健気な巫女に注意を伝える。

 ──人里の守護者は今は倒れ伏した人々の元に駆けつけ、警戒を強める。

 ──博麗神社の巫女は鋭い勘で、この先に起こるだろう面倒ごとに気怠そうにする。

 ──地底の館に住む覚り少女は、酷い胸騒ぎと感じた霊力に嫌な予感が止まらない。

 そして、冬の間は寝ているはずの妖怪賢者は、最も危惧すべき自体の回避のために目覚め、彼を監視する。

 人里で起きた悲劇は、後に起こる異変の踏み台となった。過ぎてしまったことは変えることなど出来ない。今日起きたことは誰もが過ちを犯したと後悔することになるだろう。

 

 

 

 少年は黒い空間の中、少年は決意した。

 愛しい少女を抱えて1人呟く。

『もし、君を誰かが傷つけるなら。

 僕は君を守るよ。

 例えそれがこの世界の創始者でも。

 それが、心を許した友達だとしても。

 それが、君の家族だとしても。

 もし、この世界が君を傷つけるというのなら。

 僕は戦うよ。

 全てを敵にしても。

 ────全てを、無に帰すことになっても』

 胸元にある最初のプレゼントは、まるで闇を体現するかのようにその色を深めていた。




動き出した歯車は止まらない。
それでは次回まで、またね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

譲れぬ意志の壁

はい、終章3話目です。
遅れてしまい申し訳ありません。
理由は後書きにて。
それではスタート。


 

 

 

 

 

 人里で起きた騒動から3日が経った。その日のうちに博麗の巫女と人里の守護者によって当事者たちと、それを見ていた者たちに聞き込みを行い、状況把握をしとりあえず住人らは3日間の外出禁止となった。

 これには賛否両論だった。農業を営む者や日銭で食いつないでいる者は外に出れないことに怒り、特にはなにもない者や、子を持つ夫婦などは喜んでいた。

 なにも起こらないまま3日が経ち、里は騒動が起きる前と何ら変わった様子もなく運転し始める。

 その様子を空から見ていた巫女は1人呟く。

 

霊夢「はぁー。面倒臭いことをしてくれたわね、あいつら。まぁ、今回のは人間側にも問題があったからどちらが悪いとは決めきれないんだけど」

 

 職務上彼女は人間の味方である。しかし、今回の件では味方すべき方が先にふっかけてしまった。彼女の言う“あいつら”にはなんの悪いところもなかった。

 いや、なにもなかったわけでもない。人里に入る上で妖怪は害を為すことはない、または為しても抑えられるであろうものが入ることを許可されている。というか、それが暗黙の了解ともいえる。

 それを踏まえて考えると、今回起きた騒動は少し、いやそれなりには非があるとも言えた。といっても被害はその場にいた人間たちの気絶でしかなく、珍しく起きてきた紫と話し合ったが、やはり対処するにはあまり軽すぎた。

 

霊夢「いくら妖怪が悪だと言っても、今回のはねぇ」

 

紫「あら、それは間違ってないわよ」

 

 溜め息をつきながら眼下の人里を眺めていたところに、奇妙な隙間が開き声が飛んでくる。

 ここ最近起きていて、今回の騒動を警戒しているようだ。

 

霊夢「間違ってないけどねぇ。今回のことはさすがに人間側の過剰反応としか思えないわ。確かにあいつら(覚り妖怪)に心を読まれるのは気味が悪いけどね」

 

 私は楽で良いけどね。と事も無げに吐き捨てる。しかし、紫の表情は明るくなかった。

 

紫「あなたはそうなのは知ってるわ。ただ、人間というのは思っているよりも醜いものよ。今回の騒動はそれが表に出てきてしまった、それだけなのだけれど。さすがに相手が良くないわ。彼を怒らすのは私としても避けたいことなのに、全く。いつも人間というものは踏み越えてはいけない線を考えなしに越えてしまうから面倒だわ」

 

 扇子で口元を隠しているが、それでもわかるくらいに彼女の顔は険しく、普通の人間であれば恐怖するほどの怒りが目に見えた。

 それも霊夢にとってはどこ吹く風なのだが、これからを考えると、とても気が重かった。

 もし異変が起きたら解決するのは彼女だ。しかし、いくらそれを起こして退治するにも今回ばかりはやりづらかった。

 

霊夢「どうしてこんなことになったのかしらねぇ」

 

紫「出会った2人が悪かった、というには少しばかり無責任すぎるかしら。でも、今後のことはあなたに任せるわよ?いくら人間が悪いといえど、あなたの仕事だから。出来ないわけ、ないわよね?」

 

 やれやれと頭を振り、自身の直感がうるさいくらいに今後起きることに警鐘を鳴らしていた。それを鬱陶しく思いながら、あまりに露骨な紫の挑発を軽く流す。しかし、異変が起きたら解決するという意志は言外に感じさせられた。

 そのことに満足した紫は再度隙間を開く。

 

紫「後は任せたわ。私も一応彼を監視してはいたのだけれど、能力のせいでそれも阻害されてて今何しているか分からないのよね。気を付けるのよ、今の彼は危険だから」

 

 最後の一言は無責任なようでもあったが、受け取った霊夢からするとそれは珍しく心配の色を含んだものだった。

 

霊夢「はぁ、あんたにそんなことを言うとはね。私ももう少し警戒を強くする必要があるかしら」

 

 変わりもしない眼下の光景を一瞥し、彼女は袖を翻して神社へ帰っていった。

 ────異変が起きたのは、彼女が神社に付き自身の勘に従い準備を終えたときだった。

 

 

 

 時は遡り、霊夢が人里の上空で独り言を呟き始める前。

 地霊殿の一室、1人の少年と1人の少女はいた。視線の先で眠るもう1人の少女を見守りながら。

 

こころ「こいし……、辛そう……」

 

 眠り続けるこいしの顔は酷く辛そうで、見ているこころまで胸が締め付けられようだった。手を握って起きてほしいと願うも、それが叶うのはいつになるか。それほどに彼女は起きる様子がなかった。

 同じくそれを離れたところで見ている真也は、何も言うことはなく、ただ黙っていた。見た感じでは何かを考えているように見えるが、それを知るのは彼のみだ。

 例の騒動から3日経っても一向に目覚める様子はなく、拭いきれない不安はどんどん大きくなるばかりだった。

 

こころ「真也、こいしは起きるかな。また前みたいに笑ってくれるかな」

 

真也「……」

 

 縋るように彼に話しかけるが、反応はなく、いつからか瞑られた目は開かない。

 しかし、彼から発せられる霊力は日に日に増していた。上限の蓋を取り払ってしまったのだろう、際限を知らずに増えて漏れるそれは、今では地上にまで溢れていた。

 何も出来ず、見守ることしか出来ず握る手に力が入るこころ。

 

真也「……こころ、こいしをよろしくね」

 

こころ「……え?」

 

 今までずっと口を閉ざしていた彼の突然の言葉。それはまるで今からどこかへ行くようなもの。

 思わず聞き返すような反応になってしまった。

 

こころ「ちょっと、それはどういうこと?」

 

真也「……地上に行く。そして、異変を起こす。それだけ」

 

こころ「自分で何言ってるか分かってるんだよね?」

 

 説明を求めたら、酷く短くそして簡単に返される。その様子に思わず強い言葉が出てしまうが、仕方のないことだった。

 

真也「もちろんだよ。ずっと考えて、ようやくそれが出来る頃合いになったから話した、そういうことだよ」

 

こころ「……いつから考えてたの」

 

真也「こいしをここに連れてきたときからだよ。それからずっと今まで待っていた。ようやく、かな」

 

 落ち着き過ぎたようにも思える彼の言動に、呆然とした様子でさらに追求する。それすらもすぐに返されてしまう。もう、止めることも出来ないと察してしまった。

 だから、彼には悪いかもしれないがこころは一番効果的であろうことを口出した。

 

こころ「……こいしを放っていくの?」

 

 それは、彼女を愛している彼にとっては最後の防波堤ともいえるもの。

 しかし、それは意味を為さなかった。

 

真也「うん。だからこころに頼んだ。たぶん、異変中に起きるかなって思って、その時はこいしを止めてね。こいしが来たら、僕の決心も揺らいじゃいそうだから」

 

 いつも張り付けていた笑顔を浮かべ、そう言うと身に付けていたものを1つずつ取り外しテーブルの上に置いていく。

 

こころ「……これは?」

 

真也「傷つけるのは嫌だからね。ここにおいていくよ。一緒に思い出もね。これで何も気に止めることはないから」

 

 いつかの誕生日にもらったものを全て置き、残ったのは黒い薔薇のみ。しかし、それを外す様子はなかった。

 

こころ「それはいいの?」

 

真也「あぁ、これはまあ、ある意味僕を表してるし、それなら一緒に持って行った方が良いと思ったからね」

 

 黒い薔薇の花言葉を知るのはこいしと真也のみ。片方は眠り、もう片方は話す気はなく、それは闇に葬られた。

 ふと、彼はベッドに近づき、こいしの頭を優しく撫でた。その顔は最近見た中では一番優しく、そして悲しそうなものだった。

 

こころ「待って、真也。本当は……」

 

真也「頼んだよ。今度会うときは、異変後がいいな」

 

 止めようとした彼女の言葉を最後まで聞かず、自分勝手に言葉を残し、彼は部屋から消えた。

 残されたこころと、眠るこいし。振り向き彼がいた方を見つめ彼女は、紡ぐことの出来なかった言葉を、誰にも伝わらない言葉を続けた。

 

こころ「一番待ちたいのは、あなたなんでしょう。なのに、なんで、なんで自分を犠牲にしてしまうの……」

 

 紡がれた言葉は誰にも届くことはなく、煙のように消えてしまった。

 背中では、誰かに縋るように手を伸ばすこいしの姿。

 

こいし「……待って……真也……行かないで……私を独りにしないで……」

 

こころ「こいし!?」

 

 悲痛とも取れる彼女の呟きは時既に遅く、最もとどい欲しかった人に届くことはなかった。

 すれ違ってしまった2人がまた交わるのは、まだ先のこと────。

 

 部屋から消え再度音もなく彼が姿を表したのは、商店街の道の真ん中で仁王立ちしている鬼の前。そこにいたのは勇儀だった。

 

真也「……何してるの」

 

勇儀「何って、そりゃあ、あんたを止めるために立ってたのさ」

 

真也「……さとりかな」

 

勇儀「ご名答。まあ、必死に頼まれちゃあ断れないからね」

 

 酒を飲みながらもその気迫はいつも通り、いや、いつも以上にあり、前に本気の弾幕ごっこをしたときよりも強かった。

 

真也「まあ、予想通りかな。それで、どうするのかな」

 

勇儀「どうするもなにも、あんたを止めるさ。それが頼まれた私の仕事だからね。悪いけど、今回は手加減無しで行くよ」

 

 手に持った杯を放り出し、構える勇儀。しかし、真也はそれを気にすることもなく歩き始める。それに拍子抜けした彼女だが、彼の能力を視野に入れ、より警戒を高める。

 そして、勇儀のこぶしが届くところまで来た。

 

真也「止めたかったなら、構えるよりも先に殴りに来れば良かったのにね。まあ、そうしても結果は変わらなかったけどね」

 

 その言葉は彼女に届くことはなかった。

 なぜか。それは、射程範囲に入った瞬間に彼女が気絶していたから。

 いや、正しくは、意識を無くしていた。

 

真也「まあ、仕方ないよね。悪いとは思ってるけど、僕も曲げられないからさ」

 

 倒れ伏した彼女をちらと一目見て、そう呟くとまた彼はその場から歩き去った。

 歩みを進め、橋につく。そこにはやはり彼女がいた。

 

パルスィ「はぁ。やっぱり駄目だったみたいね。まあ、あなたが止まるとは思ってなかったんだけど」

 

真也「今度はパルスィか。君も止めに来たのかな?」

 

 橋の真ん中で腕を組み、溜め息をつき真也を見ていた。しかし、何も言うことはなく道を空けた。

 

真也「あれ、止めないのか」

 

パルスィ「私にそんな力はないわ。ただ私が聞きたいのは、あなたがこれから起こすことに後悔はないのかしら?」

 

真也「後悔?そんなことをするくらいなら始めから起こす気なんてないよ」

 

パルスィ「そう。じゃあ、進みなさい。あなたを止める役目は彼女たちに任せるわ」

 

 会話を終え、商店街の方に歩いていくパルスィ。その姿を見送ると、真也はまた歩き始めた。彼女が聞いた質問も、その後の言葉の意味も考えることもなく。

 そうして、地上に向かう縦穴の入り口についた。その前に立つ3人の影。

 

真也「最後はやっぱり君たちだよね。うん、分かってたよ」

 

さとり「分かっていたなら帰りなさい。あなたを地上に行かせる気はないわよ」

 

 瞳に曲げる気などない強い決意を秘めたさとりが立ちはだかる。その後ろにはお燐とお空もいる。

 予想していたとはいえ、あまり嬉しくはない状況だった。会うとは思っていたが、彼からすると住まわせてもらっている恩もあり、何事もなく通りたかったのだ。

 

真也「さとりこそ、ここまできて僕が止まると思ってるの?やめといた方が良いよ?僕も家族を傷つけるとは気が引けるから、通してくれると嬉しいんだけど」

 

さとり「忠告は有り難く受け取るけど、引く気はないわ。あなたのおかげであの子の瞳が開いた。それに感謝はしているわ。だからこそ、あなたを止める。それがあの子のためにもなるだろうから」

 

 強い意志を持って彼の前に立つ彼女に、言葉での懐柔など無意味だろうと真也は悟った。だから、彼は最後の警告をする。

 

真也「本気なんだね。怪我しても知らないからね」

 

さとり「そんなこと承知の上よ。こいしのためなら、例えこの眼を犠牲にしても止めてみせる」

 

 第三の眼を頼りにする彼女からすればそれは何よりも強い鋼の決意。それを打ち砕くのは並大抵のことでは無理だろう。

 これから起きることはどうでもいいが、彼女にしてしまうであろうことを考えると気が重くなるのを感じた真也。

 しかし、彼にも引けない決意があった。

 

真也「はぁ。僕だって君とは争いたくないさ。でも、僕にだって異変を起こしてでも為したいことがあるから」

 

 真也は1枚、さとりたちも各1枚ずつスペルを掲げた。

 

真也「始めようか。僕を止めてごらん」

 

さとり「止めてみせるわ。こいしのために」

 

 互いに譲れぬ意志を持って弾幕ごっこは始まる。その先に覆すことの出来ぬ運命が待っていようとしても。

 

 




どうでしかたね。
遅れた理由に関しては、ちょっと書く気が起きなくてですね。
なんとか今話を書き上げましたが、次話ももしかしたら遅くなるかもしれません。
それでは、次回までばいばい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

美しくも散る花

はい、少し遅れた気がします。
終章4話目。
軽い弾幕ごっこを含んでおります。
それではスタート。


 

 

 

 

 

 真也とさとりたちの弾幕ごっこが始まって既に5分ほど経過した。勝敗の条件も決められないまま始まったこの勝負だが、お互いどちらかが挫けるまで続くと分かっていた。

 サイズも速度もバラバラな黒い弾幕を飛ばす真也、それぞれが決まったサイズである程度は決められた速度の弾幕を放つさとりたち。

 人数差的にもさとりたちが押していた。いや、押していて当然なのだが、さとりは不安が拭えなかった。

 

さとり「(おかしいわ。彼ならこんな緩い弾幕なんて放つわけがない。異変を解決した5人を1人で相手したくらいなら、もっと激しく放ってきても良いはず。なにか狙っているのかしら?それとも、手加減でもしているのかしら)」

 

 簡単と言えば嘘になるような弾幕だが、予想していたよりかは激しいわけでもなく、手加減しているようにしか思えないものだった。

 人数差を有利に使い3方向から攻撃しているので、1人に来る弾幕の量が少なくなるのは当たり前なのだが、それにしては少なすぎる。一度も被弾させられてはいないが、相手も被弾していない。

 まるで消耗狙いの消極的な戦い方だ。こいしがたまに話していた様子よりも幾分違うことに、さとりは不審感を拭えず、警戒心を高めて弾幕を放っていた。

 

 一方真也は飛んでくる弾幕に対して相殺するように放ちながら、被弾を狙っていないような量を保って考え事をしていた。

 

真也「(どう考えても勝てる道理が無いんだけど、どうする気なのかな。このままじゃ向こうが消耗して終わるだけなんだけど)」

 

 手加減しているわけでも、何かを狙っているわけでもない。ただ、この結果の見えている勝負をどうするつもりなのかが分からず、あまり激しく弾幕を張っていなかった。

 考え事を止め、3方向から来る弾幕を軽く眺め手元に視線を落とす。左手にあるのは、今回使うスペルカード1枚。

 

真也「(無駄に消耗させるよりも、いっそのこと一気に終わらせてあげた方がいいかもね)」

 

 少しだけ暖かい色を灯した瞳は、悲しそうに3人を見た。それを別の意味で捉えたさとりは、2人に声をかける。

 

さとり「お燐!お空!お願い!」

 

お空「はい!」

 

お燐「はいさ!」

 

 名前を呼ばれた2人は、お互い視線を交わして頷く。そして、スペルを取り出した。

 

お空「行くよお燐!」

 

お燐「任せな!《霊符「踊る怨霊」》!」

 

 宣誓と同時に真也の周りに5つの赤い幽霊らしきものが現れる。それらは出現と同時に一定きょりを保って回り始め、移動を妨害するように弾幕を飛ばす。

 飛んでくる弾幕は、どれも狙っているものではないとしばらく避けてから気づいた真也。途中から一点に止まり、時折飛んでくるさとりの弾幕を相殺しつつ、警戒を続ける。

 そして、ようやく頭上からの肌を焼くような熱気に気付く。

 

真也「これは……」

 

 その視線の先にあったのは、超巨大な赤い弾幕。それを放つ直算のお空がいた。熱気は弾幕から放たれており、距離は近くもないのに汗が流れ出るほどだ。

 

お空「行くよ!《核符「アトミックフレア」》!」

 

 宣言し、その熱の塊は放たれる。緩やかだが確実に地面へ向かう凄まじい熱量の弾幕。後続はないが、それ1つがいくつも出さなくて良いほどの火力を持っていた。

 それに対して真也は未だに周囲を弾幕で囲われており、移動が出来ない。お燐とさとりはすでに離れていて、巻き込まれることもないだろう。迫ってくる巨大なそれを前にして彼は顔色1つ変えず、手のひらから1個、たった1個のやけに深い黒色の弾幕を打ち出した。

 その様子を安全なところから見ていたさとりは、お空の弾幕に比べて何十分の一でしかない弾幕で、どうやって対処しようとするのか分からなかった。

 

さとり「あれ1つでお空の弾幕を止める気なのかしら……」

 

 どう見ても無謀としか思えないそれは、それに反していとも容易く打ち破って見せた。いや、打ち破ったのではない。まるで元から無かったかのように熱を放っていた弾幕を消し去った。

 

真也「……これで終わり?なら、僕もスペル使うよ?」

 

 いつの間にかお燐のスペルも終わっていた、というよりかは、さっきの弾幕と一緒に消えてしまった。

 何が起きたか分からず、焦るお燐とお空。さとりは、自身のスペルを準備し慌てる2人に声をかける。

 

さとり「焦ってばかりでは止められないわ!次がくるわよ!」

 

真也「苦しめるのは僕も本意じゃないんだ。だから、早く終わらせてあげる」

 

 さとりたちの準備が出来るまでなぜか待っている真也。焦っていた2人が落ち着いたのを見てスペルを宣言する。

 

真也「美しいものも何時かは散ってしまう。いつまでも続くことがないように。《花枯「褪せていく色」》」

 

 言い終わると同時に、8つの花が出現する。1つ1つの色は異なり、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、そして黒色。それぞれの花からその色の弾幕が周りに放たれる。放たれる弾幕は小型だが、その量は今までよりも数倍、いや数十倍もあった。

 圧倒的物量で攻めてくるそのスペルを、さとりたちは相殺するのも交えつつ避ける。

 お空は外側を大きく動きながら。

 お燐はその素早さを武器に隙間すらも潜り抜ける。

 さとりは相殺して作った空間を上手く使っていた。

 3者3様の避け方で、弾幕を耐える。しかし、物量でくるそれは避け方も関係無く襲いかかる。

 最初の脱落者はお空だった。外側を大きく動いて結果、早々に体力が限界に達した。その上相殺もしており、妖力も枯渇してしまった。

 その結果動きは鈍くなり、相殺するための弾幕を作る妖力もなく、被弾を重ね脱落した。

 1人落ちたところで弾幕の勢いが弱まるはずもなく、続けてお燐が落ちる。ランダムで放たれていたため、逃げた先が運悪く被弾不可避の場所だった。そのまま被弾が増え続けて落ちていった。

 残るはさとり1人。

 浮かぶ花は段々と色が抜けていき、今では白一色になっていた。放たれる弾幕も白くなり、まるで雪のようにあたりを埋め尽くす。

 

真也「こんなんじゃ僕を止めるなんて無理だよ?」

 

 埋め尽くされた白の中で明らかに浮いている黒。真也は煽っているわけではなく、ただそのまんまのことを言っていた。

 さとりも、それは承知で弾幕を耐えていた。そして、ようやく待っていたタイミングが訪れる。

 白い弾幕を放っていた花は、花びら1つ1つに変わり散り散りになった。ひらひらと辺りを浮かんでは沈み、最後まで妨害としても仕事を為す。

 その光景を、弾幕の雨を切り抜けたさとりは、ちらりと見てスペルを宣誓する。

 

さとり「あなたを止めるわ!《想起「うろおぼえの踊り霊と超熱球」》!」

 

真也「……まさか」

 

 名前は変わっているが、放たれた、というより起きたそれは、先ほどのお燐とお空と同じものだった。少しばかり温度の下がったような気もするが、ほぼほぼ遜色はないものだった。

 移動を妨害する黒い弾幕、そこから放たれる米粒大の自身を狙っていない小型弾幕。そして、そこに打ち込まれる大型な熱を放つ弾幕。

 それら全てが真也を襲う。対して彼は、その対処すらも先ほどと変わらなかった。

 手のひらから中くらいのやけに黒い弾幕を、迫る赤い弾幕に放つだけ。もはやデジャヴすら感じてしまうものだ。

 

さとり「もしかして、あの弾幕って……」

 

 今更ながら気付いたその弾幕の効果、というよりかは能力。しかし、それは遅すぎた。

 さとりの予想は覆ることはなく、やはり弾幕は消え去った。彼の弾幕もまとめて。

 

真也「さて、スペルは終わっちゃったけど、どうするのかな。単純に弾幕だけの応酬でもするの?それとも拳で語り合う的な?僕、物理は苦手なんだけど」

 

 周りに弾幕は無く、ふわりと浮かぶ2人以外なにもなかった。

 少しだけ冗談っぽく言ったが、やるならやってやるという気も感じられる。

 

さとり「そんな気はないわ。私だって弾幕ですらあまり得意ではないのに」

 

 やれやれと手を振り地上に降りる。それに釣られて真也も降りた。

 そのまま彼女はその場で彼を見やる。何も言わず、無言で見つめる。その視線を気にすることもない彼は、勝負も終わったと思い、縦穴に歩みを進める。

 そして、2人が横並びになったとき、さとりが動いた。

 

真也「……えっと、どういうつもり?」

 

さとり「私だってこんなことしたくないです。でも、これくらいしか足止めする方法がなかったんです。諦めてください」

 

 やや顔が赤いようなさとりは、真也を押し倒す形で言った。横並びになった瞬間彼を押し倒し、手も絡めて身動きを封じたのだ。

 傍から見れば、顔の赤い美少女が、まあそれなりに顔の整った少年を押し倒しているなんとも美味しい光景なのだが、残念ながら少年にそれは意味が無かった。

 

真也「手も絡めて、まあ、能力の発動を封じるって意味ではまあ間違っちゃいないね」

 

さとり「ええ。あなたは手を握らないと使えないでしょう?なら、絡めてしまえば封じられるわ。あとは、力でなんとかするわ。いくら覚りと言えど、それなりにはあるから」

 

 絡めた手に力を入れ、逃がさないという気持ちが彼にもよく分かった。そして、それを彼はとても残念そうに、すっからかんの心は申し訳ないように、彼女を見ていた。

 

真也「本当に、頑張ったと思うよ」

 

さとり「……どういう意味かしら」

 

 訝しむように目を細めるさとり。封じようとその手に入れられていた力が急に抜ける。突然のことで驚くも、腕で何とか代わりをしようと試みるが、両手から力が抜け、簡単に引き矧がされてしまった。

 

さとり「そんな……!どうして!」

 

真也「確かに僕はいつも能力を使うときに手を握ってるけどさ」

 

 一拍置き、立ち上がった彼は、力が入らず見上げることしかできないさとりを見下ろす。そして、手をひらひらと振り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

さとり「まさか……、そんな!」

 

真也「たぶん思ってる通りだよ。別に、手を握らなくても能力は使えるよ」

 

 衣服に付いた砂や汚れを払い、ちらりと後ろを見る。

 

真也「お疲れ様。次会うときは、異変後だね」

 

さとり「待ちなさ──」

 

 吐き出された言葉は最後まで紡がれることはなく、その場に残ったのは重苦しい空気と意識の無くなった少女、そして真也のみ。

 

真也「悪いとは思ってるけど、僕を止めるなら君じゃない」

 

 悲しげな瞳は、地霊殿の方角を見て、瞼を閉じる。再度開いたときには、もう、悲しみの色はどこにもなかった。

 気絶した3人を放置して彼は縦穴に進み、地上を目指す。道中ヤマメとキスメに会ったが、2人とも彼の瞳を見て何も言わず暗闇に姿を消した。

 ようやく真也が地上に着いた頃。幻想郷各地にいるパワーバランスを担う者たちは気付いた。つい3日前に感じた霊力を。

 

紫「はぁ、本当になってしまったわ……」

 

 自身だけが佇む目玉模様の空間で、彼女は呟いた。開いた隙間は、遠目から黒い少年を映しており、もう止めることが出来ないことなど分かりきっていた。

 

紫「後は彼女たちに頑張ってもらいましょう。私が割って入ったら、被害は増えること間違いないでしょうから」

 

 別の隙間を開き、それぞれに映る少女を見た。紅白の巫女、白黒の魔法使い、吸血鬼の妹、有頂天の天人もどき、正体不明の妖怪。

 そして、無表情な面霊気とそれに見守られる無意識の少女を。

 

 




どうでしたかね。
チート安定な主人公ですね。
次回も頑張る、間に合うかは分からんが。
それでは次回までばいばい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

黒い心の発露

はい、間が空いて申し訳無い。
生きる死神です。
終章5話目です。
それではスタート。


 

 

 霧の湖の畔に経つ赤い館──紅魔館。そこの中にある図書館から続く地下、その先の部屋の中でフランはベッドに座って考え事をしていた。

 考え事の種は3日前に感じた強い霊力。それは悲しみや憎しみなど強い感情が込められていた。久方振りに感じたそれは、もう無くなって半年ほど経つ自身の狂気と似たように感じて気持ち悪くなる。

 それほどに強い霊力を発しそうなのが思いつく範囲で1人しかいなかった。

 

フラン「たぶんあれ真也だろうなぁ。でも、なにがあったんだろう」

 

 最近の彼はあんな負の感情などあるようには見えなかったと思い返す。とは言っても過去のこともあり、ただ表面に出していなかっただけかもしれないが、そうだとしてもこいしがいるならば止められていたはず。

 現場を見ていない彼女には何が起きているかは憶測しか立てられず、また、最近外に出ることを止められているため確認する手段もなかった。

 

フラン「なんで外出ちゃいけないんだろ。お姉様はなんだかイラついてた様な気がするけど……」

 

 自身に外へ出ないよう言った姉の言葉を思い出す。

 

レミリア「今は出ないでちょうだい。その、良くないわ。いい?」

 

 としか言っていなかった。その時はあまり気にしていなかったが、よく考えてみると言葉を濁している辺り怪しいところがあった。

 

フラン「さっきどこかへ行っちゃったし、追いかけてみようかな」

 

 よし、とベッドから立ち上がり扉を開け図書館へ向かう。

 そこにはいつも通り魔術書を読むパチュリーがいた。こぁは見あたらないが、仕事のために飛び回っているのだろうと思った。

 

フラン「パチェ。ちょっと外に言ってくる」

 

パチュリー「……そう。気をつけなさい」

 

 二言で返すとまた本に目をやる。しかし、声色はやけに心配しているようだった。

 止められなかったことに少し驚いたが、特に気にとめることもなくエントランスまで移動して玄関の扉を開く。

 そこで、先ほどの言葉の意味を理解した。

 

フラン「なにこれ。黒い……球体?変なの……!」

 

 玄関からも見える謎の黒い球体。どこの上に浮かんでいるのかは分からないが、それなりのサイズはありそうだ。

 しかし、それよりも驚いたことがあった。

 それは、

 

フラン「私、今なんて言った……!?」

 

 勝手に口が動いた。それは心の中で呟いたはずのもの。しかし、なぜかは分からないが今意志とは関係なく口から出てきたのだ。

 

フラン「どういうこと?これって、異変?だとしたら面倒だなぁ……また!?」

 

 まるで心の黒い部分を表すように全て口から出てきてしまう。止めようにも無意識に動くようで、どうすることも出来なかった。

 そして、すぐに思い当たった。これが誰が起こしたものか。

 

フラン「……真也。彼しかいない。でもどうしてだろう。会って話を聞かなきゃ」

 

 本心も今度は一致し、すぐさま外へ飛び出す。幸い空は黒々とした雲に覆われており、日傘はいらないようだった。

 

フラン「日傘が無くても動けるのは助かるな。気持ち悪いけどね」

 

 何となく慣れてきた裏腹な言葉に、苦笑いしながら黒い球体を目指す。姉を追うと言っていたが、今は自身の直感があそこへ行けと言っていた。そこに姉がいるような気もしているが。

 ところ変わって命蓮寺。ここからも黒い球体が見えていた。しかし、寺の住人は一言も発さない以外は変わった様子はなかった。

 1人を除いて。

 

ぬえ「なによあれ。こころは帰ってこないし、なんかみんな黙ってばっかりだし。つまらないわ……なに今の」

 

 青いUFOに身を預けてふわふわと浮かびながら呟くと、余計な言葉が混じった。フランよりこは落ち着いてはいたが、内心少し驚いていた。

 

ぬえ「もしかして、これ異変?だとしたら暇つぶしにはなりそうね……うーん、勝手に口が動くなぁ」

 

 間違ってはいない本心が口から出るが、特に気にはしていなかった。むしろ、誰も話さない理由が分かり、合点がいったところだ。

 ならば、と。黒い球体の方を向く。

 

ぬえ「面白そうね。行ってみましょうか。今なら誰にもなにも言われないしね」

 

 楽しそうにそして、相変わらず漏れる本音も笑いに変えフランと同じく球体に飛んでいった。

 2人が黒い球体に向かっている頃、空の上では要石に腰掛け同じように黒いそれを見下ろしている天子がいた。

 少し神妙な顔つきの彼女は、そこに来てから一言も発することなく考え事をしていた。その瞳には、心配と疑心の色。

 

天子「(いくつか打ち込んだ要石が返ってこない。なんとなくこれが真也がやったのは分かってる。中には彼がいるのだろうけど、なんでこんなことをしているのかな)」

 

 聞く人も答える人もいない疑問は彼女の頭の中のみでぐるぐると回り、唯一それを解決できる口は開く様子がない。

 考えてばかりでは視野が狭まるので、辺りを石に乗ったまま飛んでいるのだが、そこで見覚えのある人物が視界に入った。

 

天子「あれは……霊夢と魔理沙ね」

 

 黒い球体の下部からこちらに向かう赤と白黒の姿。口調も外向きに直し、二人がこちらに来たところでいつもと変わらぬ様子で声をかける。

 

天子「相変わらずね、二人とも。異変解決?まあ、それしかないんだろうけど。……あれ?なに今の」

 

 勝手に口をついて出た言葉に驚いた様子に、今来た二人はやはりといった顔だ。

 

霊夢「その通りよ。これは異変、それもかなりたちの悪いやつね」

 

魔理沙「全くだぜ。言いたくもない事まで言っちまうから大変だぜ。さっさと終わらせないとな……ほらな?」

 

 なるほど、理解した天子は頷き二人を見る。ここまで来た理由は関与しているかどうかだろう。まあ、彼女の様子からそれも結果は分かっていたが。

 

天子「残念ながら私は知らない。だからここでこうして考えごとしていただけ。暇つぶしにはなるけどね……口が動くなぁ」

 

 眼下の黒球をちらと見やり、二人に視線を戻す。解決組が動いたからには、これも終わりの見えたもの。しかし、彼は一度二人を破っていた。それを天子が知っているわけではないが、彼の力をある程度分かっている彼女は、不敵に笑う。

 彼女の笑みに不審そうな顔になる二人。その口が開くのはすぐだった。

 

天子「二人が強いのは知っているけど、彼も相当よ?私も暇しているし、手伝ってあげようか?まあ、ちょうどいい時間つぶしでしょうから」

 

 付け足される言葉も気にすることなく提案する。その瞳は楽しそうに二人の様子を伺っていた。

 聞いた二人も互いに何も言わずに考える、が。答えは案外すぐに出た。それは、二人からすると苦々しく、天子からすれば予想通りだった。

 

霊夢「そうね。人手は多い方がいいわ。本当はあまり妖怪には干渉してもらいたくはないんだけど、相手が相手だからそんなことも言ってられないわ」

 

魔理沙「どうせなら他にもいると助かるんだがな。宛になるかは分からんが……はぁ」

 

 異変の影響を受けない霊夢とは違い、もろに受けている魔理沙は一々漏れる言葉にうんざりしていた。その様子には霊夢も気付いていたが、振れることでもないのでスルーしていた。

 そして、残りの二人が揃う。

 宝石のような翼をはためかせ、フランが現れる。

 赤と青の三本の触手を蠢かせながらUFOに乗るぬえも現れた。

 ──ついに、役者は揃った。

 

フラン「なにしてるの?こんな場所で。変なメンツね……気にしないでね」

 

ぬえ「おぉ、なんだか人がいるわね。少し驚いたわ。なかなか濃いわね……あー」

 

 来た早々異変の影響で出た言葉に少したじろぐが、周りはあまり気にした様子もなく、それを見て二人も気にしないことにした。

 揃ったメンバーは、幻想郷でも屈指の強者と呼べる者ばかり。他にもいるのだが、誰も彼もが現れるわけではないだろう。

 

霊夢「ちょうどいいわ、二人も手伝いなさい。ここに異変の主がいるわ。相手も分かってる。少しばかり手こずりそうだから、人手が欲しかったのよ」

 

 彼女の言葉に二人も頷き、それを見据える。

 一切変化の無かったそれは、急に動き始めた。形成されていた球体の形は崩れて一つ一つが小型の黒い球になる。見覚えのあるそれは、今度は中心と思われる部分に収束していき、その数を減らしていく。

 そして、それらが全て晴れたとき。

 彼が姿を現した。

 予想は当たっていた。異変主が彼と言うことは。そう、それだけは。

 黒い球が消えた周りにいたのは、幻想郷のパワーバランスを担っている者たち。しかし、その誰もが意識がない。その中にはフランの探していた姉と従者の姿もあった。

 謎の力で浮遊していた彼女らは、重力に従い地面に落下する。助けようにも数が多く、どうあがいても間に合わない。

 落ちていく彼女らに見向きもせずに彼は口を開く。

 

真也「やぁ。ようやく揃ったね」

 

 何気なく声を発した彼は、底なしに黒い瞳を五人に向ける。その瞳に感情は無く、ただそこにいるだけのものとして彼女らを見ていた。

 

霊夢「待っていたとでも言いたいのかしら?」

 

 挑発的な彼の言葉に乗って彼女が返す。やや怒りの色が見える声だが、彼は全く気にしない。

 

真也「その通り、かな。まあ、異変解決は君の役目でしょ?だから待っていたんだ」

 

霊夢「あいつらと遊びながら、かしら?」

 

真也「遊び?そんなわけないよ。ここに無闇に突っ込んできたから、意識を無くしただけ。別に弾幕ごっこもしてなければ、殺し合いもしてないさ」

 

 淡々とした言葉の応酬はお互い懐をさぐり合うよう。しかし、そんなことを呑気にやっているつもりは彼女には無かった。

 

霊夢「なにがしたいのか知らないけれど、一応聞いとくわ。なにが目的かしら」

 

真也「目的、うーん。まあ、こいしの恨み晴らしと言えば分かりやすいかも知れないけど、ちょっと違うんだよね」

 

 その彼の言葉に霊夢ではなく別の人物が反応する。

 

フラン「こいし?なにかあったの?……あれ?」

 

真也「ん?霊夢辺りから聞いてないんだ。まあ、それを僕が言う必要はないから教えないよ」

 

 霊夢に聞けとばかりに閉口され、彼女を見るフラン。彼女以外に知っている者もいなかったため、周りからの視線が集まっていた。

 一つ溜め息をつき、腕を組んで考えるように目を閉じる。すぐに話さないのは言葉を選んでいるように見えた。

 

霊夢「……三日前、古明地こいしが人里の人間に囲まれて主に罵声と軽い暴行みたいなものを受けたわ。その場には彼と秦こころがいたらしいわ。どれも聞いた話だけどね」

 

 そう話し終え真也をちらりと見る。雰囲気が変わった様子もなければ、こちらに向けられた瞳の濁りがどうなるということもなかった。

 なんとか琴線には触れなかった。それが霊夢の思ったことだ。

 言葉を選んでいたのは、いきなり癇癪を起こされ攻撃されるのは良くないと考えたからだ。

 それも、杞憂に終わりほっとすると、今度はフランが彼に問いかける。

 

フラン「どうして私達に言ってくれなかったの?ここには私や天子、ぬえだっているよ。なのに、なんで?」

 

 真っ直ぐな視線が彼に向かう。攻めるとも案じているとも取れるその言い方に苦い顔を彼はする。

 ようやく表情の変わった彼に安堵の息が漏れたフランだが、その答えは予想外だった。

 

真也「必要なかったから、かな。正しくはこれの責任を負うのは僕だけで良かった」

 

天子「私たちにはそれを一緒に背負う資格はないの?」

 

 突き放すような言葉に黙ってしまったフランの代わりに天子が話す。

 少し長い沈黙が場を流れる。彼の目は天子に向いており、閉じられることもなくただ見つめていた。周りの視線も自然と彼に集まる。

 

真也「……ないよ。君たちは僕を倒して異変を終わらせればそれでいい。そのために、話さなかった」

 

霊夢「……あんたねぇ」

 

 きっぱりと拒絶の意志を見せた彼に、霊夢がまた溜め息をつき呆れたように睨む。

 

真也「さて、今は普通に喋れてるけど、それはここだけだからね。ちょっと、聞いてみる?」

 

魔理沙「聞くって、なにをだ?」

 

 主語のない質問に魔理沙が聞き返す。

 それを待っていたように彼は手を握り黒い空間を出現させる。その時、そのナニカが聞こえる前、彼は笑っているように見えた。

 その意味を問おうとして、聞こえてきたそれに思わず絶句する。

 

真也「いやぁ、本当に醜いよね。自分たちを棚に上げてよく言えたよ。──ほんっと、笑える」

 

 聞こえたのは、何かの罵り合う声。卑下する声。何かに耐えかねた啜り泣く声。罵声が飛び交っているのが容易に想像出来るようだった。

 思わず逸れた視線を彼に戻すと、笑えるなどと言っておきながら無表情だった。

 

『お前の一々癪に障る声が大嫌いだったんだよ!』

 

『お前だって同じだ!いつもいつも俺の邪魔しやがって!』

 

『あんたなんかより私の方が綺麗なのに、なんであんたが選ばれるのよ!』

 

『そういうところよ!醜さを押し付けないでもらえる?』

 

『お前は黙って愛想良く笑ってればいいんだよ!』

 

『私は人形じゃない!私にも自由がある!』

 

 これだけの声が聞こえる辺り、場所は人里なのだろうと察する。

 どれも聞くに耐えないようなものばかりで、気分まで悪くなる。

 

霊夢「嫌な音ばかりね。気分が最悪だわ」

 

真也「だろうね。僕も聞きたくないね」

 

ぬえ「じゃあなんで異変なんて起こしたのさ」

 

 明らかに矛盾したようなことを言う彼にぬえが聞く。うーん、と呟きすぐに次に繋げる。

 

真也「こうすれば僕に嫌悪は向くでしょ?これでこいしに向けられた嫌悪は消えた。後は僕がどうにかすれば解決さ」

 

フラン「どうにかって、具体的な案はあるの?」

 

 曖昧な彼の言い方を気にしてさらに追求する。問われた彼はすぐには答えず、間が空く。

 寒風が耳元でひゅーひゅーと音を鳴らす。黒い雲で埋められた空からは雨が降りそうだ。口が開くのを待ちつつ辺りを見回したフランはそう思った。

 1分ほど、実際にはもっと短かったかも知れないがようやく彼が口を開く。しかし、その答えは彼女が求めていたものではなかった。

 

真也「話す必要はないね。これは僕自身の問題だから、気にしなくていいよ」

 

 きっさりと断ってはいるが、後半少しだけ気遣ったようにも聞こえる。しかし、それを聞く前に彼が先を取った。

 

真也「問答はもういいでしょ?そろそろ始めないと、里がもっと荒れるよ」

 

霊夢「……あんた、もしかして」

 

 フランから視線を外し、霊夢に合わせる。その言葉と向けられた瞳から彼女は察した。察したが上で口を開いたのだが、その先は続けられなかった。

 その先の言葉を聞かないように彼が遮ったからだ。

 

真也「さぁ、始めよう。君たちは5人いるから僕は15回被弾したら負け、君たちは気絶するまで頑張ってね。スペルは何枚でもいいよ」

 

 唐突な弾幕ごっこのルール確認。だいぶ彼が不利なように思えるが、彼の実力と彼女らの実力を合わせたらほぼ同じようなものだろう。

 それでも彼は勝つ気だと霊夢は分かっていた。しかし、異変は必ず解決されなければいけない。この弾幕ごっこの結果はなんとなく分かっており、誰が決着をつけるのかも分かってしまった。

 それに気付いたから彼は遮ったのだろう。彼女は溜め息をつき、御札を構える。

 その様子に真也は前はいつも浮かべていた笑みを張り付けた。へらへらと、なにが起きても笑っていそうな表情を。

 

霊夢「ほんっとに最悪だわ。割に合わなすぎだわ」

 

魔理沙「あいつとやるのは避けられないんだなやっぱり」

 

 異変解決のスペシャリストは自身の獲物を構えて彼と対峙した。

 それを見て3人も心を決めた。

 

フラン「止めるしかない。これ以上あなたが背負うことはないんだから」

 

ぬえ「付き合ってやるわよ。ここまで来たんだから」

 

天子「こんなことにはなって欲しくなかったんだけどなぁ」

 

 それぞれレーヴァテイン、三つ叉の槍、緋想の剣を構える。

 ようやく準備が整った彼女らを見て彼は瞳と同じくらい黒い弾幕を浮かべた。

 

真也「それじゃあ始めよう?正義の使者なら僕みたいな真っ黒い悪なんてお決まりの展開で倒せるだろう。でも、ただではやられないから。」

 

 皮肉とも言えるその口はすぐに閉じて、それを合図に戦いは始まった。

 この場に勝者などいないであろう戦い。これはただの時間潰しだ。いつも言っていた彼の言葉通り、ただ待ち時間を無駄な争いで潰しているだけ。

 

真也「悪いとは思ってるよ。でも、異変の解決には君たちも必要だからね」

 

 誰にも聞こえないよう小声で呟く彼は、ほんの一瞬だけ申し訳無さそうに目をつぶった。

 

 




どうでしたかね。
実は本日が初投稿から一年だったりします。
我ながら遅いとは思っていますが、これからも活動は続けていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
それでは、次回までばいばい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

無彩色の世界

お久しぶりです、生きる死神です。
長らく更新が空いてしまって申し訳ない。
理由に関しては活動報告を見てくださいな。
それではスタートです。


 向かってくる黒い弾幕。それらを時に相殺し、時にひらりと舞うように避ける少女たち。踊るように動く様はまるで踊り子のようだ。

 その色鮮やかな弾幕を迎え撃つは、張り付けられた笑顔の少年。多方向から飛んでくる弾幕をそれぞれに相殺しながら、数を減らして避けていく。避けながらも始めた位置からはあまり動いておらず、最小限の動きで回避を続けていた。

 対称的な色の弾幕の応酬は、真也による一方的な宣誓から既に10分ほど続いていた。

 

霊夢「予想通りではあるけど、埒があかないわね」

 

フラン「この人数に対してこれだけ競れるんだから、たぶんまだ余力があると思うよ」

 

 御札と針を投げつつぼやいた言葉に、フランがその手の烈火の如き剣を振りつつ反応する。

 面倒くさそうな顔を隠すこともなく見せるが、それで何か変わるということはない。

 焦れったさを感じているのは霊夢だけではない。大回りに避けながら弾幕を放っている魔理沙やぬえもだった。

 

魔理沙「もっと攻めたいんだぜ!」

 

ぬえ「スペルで押しちゃダメなの?」

 

 ごそごそとスペカを出そうとする2人に、制止の言葉が飛ぶ。

 

天子「やるなら揃えないと。無駄打ちしたところで意味はないわ」

 

 まともな意見に返す言葉もなく、再度相殺と回避に意識を集中させる。

 一方、真也は相対する5人を1人ずつ何かを探るように見ていた。

 いつもは握ったままの手を開き、いつでも能力を使うことが出来るよう抜け目もない。

 一通り見たところで口を開く。

 

真也「こんなに緩い弾幕じゃ、僕は止められないよ?」

 

 あからさまに煽るような発言に、冷静だった霊夢や天子、フランは気にもしない様子だが、元々じれったさを感じていた残りの2人には、その言葉も裏を探ることもなく受け取ってしまっていた。

 すぐさまスペカを取り出した2人は、意気揚々と宣誓する。

 

魔理沙「そんなに激しいのが希望なら、やってやるさ!《恋符「マスタースパーク」》!」

 

 手に持ったミニ八卦路から放たれる白い極光。それは飛んでくる黒い弾幕を全て飲み込み突き進む。

 

ぬえ「その余裕、無くしてあげる!《正体不明「憤怒のレッドUFO襲来」》!」

 

 宣誓と同時にどこからか飛来する赤いUFO。それらは全て真也を狙ってレーザーを放つ。いくつものUFOから絶え間なく放ち、その場にいることを許さない。

 2つのスペルが同時に真也を狙い、彼もそれを受け止め──るわけもなく、自身を狙うレーザーを相殺しつつ、巨大な光を避ける。

 

真也「そんなもんなの?それじゃ当たらないよ?」

 

天子「なら私も手伝おうかしら。《地震「避難険路」》」

 

 まだ余裕があるような真也に、追い打ちをかけようと天子もスペルを宣誓する。

 すると、空から小型の要石が無数に振ってきた。それらは他の所へ打たれた弾幕も巻き込み相殺しつつ、彼を追い込む。

 自身狙いの弾幕にただ逃げ場を減らすだけの弾幕。極光はまだ続いており、微妙にながらこちらへ動いている。

 1度見たことがあるので、これが後に下からも弾幕が来るのはわかっていた。

 

真也「んー、これは中々厳しいな。さすがにスペル使わないと抑えようがない」

 

フラン「なら早速被弾して貰おうかな!《禁忌「レーヴァテイン」》!」

 

 スペカを取り出そうとした真也にフランが追撃をする。先ほどから持っていた炎剣を、スペルとして今度は振りかざす。

 振った後の軌跡から赤い小型弾が飛び、少ない安置をさらに減らす。

 結果、4つのスペルに挟まれ、彼は1度目の被弾をした。

 

霊夢「これだけやってようやく1回ね。先が長いわ」

 

真也「なら、減らそうか?」

 

 被弾した後とクールタイム中に彼女はまたぼやくが、それに真也が反応した。

 表情は変わっておらず、瞳は濁り意図が読めないがどう考えても虫の良い話すぎた。

 

霊夢「私は構わないけど、それあんた不利になるわよ?」

 

真也「別に構わないよ。長くやっても意味なんて無いからね。なら、早く終わらせられる可能性をあげようかなって」

 

霊夢「確実じゃないあたり、そこは譲らないのね。まあ、早く終わるのはこっちとしても助かるからいいんだけど」

 

 はぁ、と長い溜息をつき、やや散開している残りの4人を見る。2人の話し声は聞こえていたらしく、怪訝そうだったり、怒ったようだったり、つまらなそうだったりと4人4様の反応だった。

 一応納得はしているようだが、どうにも腑に落ちない顔をする者もいた。

 

真也「さてと、被弾数は僕が10くらいにしたらいいのかな?それとも5回にする?早くしたいなら後者。退治した感が欲しいなら前者をお勧めするよ」

 

霊夢「そうねぇ……」

 

 腕を組みどうするか悩む──ようなそぶりを見せているが、実際はすでに答えは出ており、今考えているのは別のこと。

 この、弾幕ごっこの終わりのこと。

 彼の言う意味のない戦い、がなにを指しているか彼女は見当がついており、それを考えると確かに今行っているのは時間稼ぎも良いところの遊戯だ。

 戦ったところで得られるのは、余計な疲労感や倦怠感のようなものだろう。いや、多少の達成感や満足感も得られるかもしれないが、徒労に終わるのが見えているのにそこまですることもないとは思っていた。

 

真也「どうするの?」

 

霊夢「そうね……5回にしましょ。早く終わらせたいからね」

 

真也「早く終わらせたい、ねぇ。まあいいや。残り4回、頑張ってね?」

 

 答えを聞いて不敵な笑みを浮かべた彼は、再度弾幕を張ろうとして──止まった。

 その様子に同じく動こうとした霊夢たちも不審そうに止まった。

 

霊夢「……?」

 

真也「……、気のせいかな?さあ、行くよ?」

 

 停止していた彼は頭を振って、一瞬視線を下に向けたがすぐに前に戻した。たった一瞬のことになにをと問う間もなかったが、その瞳がなにかを思っていたのは分かった。

 しかし、なにをと聞こうにも彼は弾幕を張り始めてしまった。

 比較的近くにいた霊夢が飛んできた弾幕を避けるのを皮切りに、再度弾幕の応酬が始まった。

 だが、それは長くは続かなかった。

 

真也「悪いけど、僕もそろそろ使わせて貰うね」

 

霊夢「!来るわよ!気を付けなさい!」

 

 不気味に笑いながらスペルカードを取り出す彼に、霊夢は即座に反応し周囲に警戒を促す。

 今の真也の状態を考えると普段通りのスペルを使うとは思えない彼女らは、小さな動きも見逃さない勢いで警戒していた。

 そんな彼女らを嘲笑うように、彼は宣誓する。

 

真也「さあ、始めよう。《無符「無々色の世界」》」

 

霊夢「……?なっ!」

 

 告げた言葉が空気に溶け、数瞬の間を置いて世界は暗転、はたまた白く包まれた。

 視界を埋めた眩い光か、または視力を奪うような闇に驚きを隠せない彼女らに、さらなる追い討ちがかかる。

 ようやく視界が復活し、見えるようになった彼女らの眼に最初に映ったのは、酷く味気ない色のした空だった。

 次に気づいたのは、眼下の木々がやけにシンプルな色になっていること。

 そして、世界を見回してようやく自身の服の変化に気づく。

 

フラン「これは……どういうこと?」

 

天子「服が、白と黒に、なってる……?」

 

 視界は全てが白と黒、そして灰色で構成された世界になっていた。いや、よく見ればそれは白黒灰だけではなく、その間の色も含めて構成されている。

 それは正しく無々色(七色)の世界だった

 そこはまるで色素の抜け落ちた世界。

 彩りが無くなった、モノトーンな空間。

 健常な者ならば見ることなど無いであろうつまらない景色。

 空の色も、木々の色も、大地の色も、全てが例外なく変えられてしまっていた。

 その変わりように驚くことしかできない彼女らを後目に、真也はその世界をぼんやりと眺め笑みを浮かべた。

 その表情は、彼女らの反応が彼の予想通りのものだったのだろうと思われた。

 

真也「これが彩りのない世界。どう?ここはお気に召したかな?」

 

 おどけた様子で聞いてきた彼は、まるでこの場の雰囲気に合っていなかった。

 しかしその服装は、誰よりもこの場に合っており、だからこそこの場の支配者は彼であった。

 

ぬえ「酷いくらい地味なんだけど。もっと派手な色の方が好きなんだけどね」

 

真也「そっか。まあ、そうだろうね。別に好まれるとは思ってはいないから大丈夫」

 

 半眼で答えたぬえに特に気にした様子もなく返答し、右手を前に突きだし開いた。

 その手をそのまま握ることなく適当に仰ぐと、どこからともなく弾幕が流れてくる。

 その色はこの世界を構成した単色のみで、背景と重なり合うとやや見づらさを感じてしまう。

 

真也「それじゃ、頑張って避けてね?このスペル中はありとあらゆる方向から弾幕飛んでくるから。半耐久スペルみたいなものさ」

 

 驚愕した声など耳を通り抜け、一方的な範囲無制限の弾幕による攻めが始まった。

 自然に存在する木々や、雲、空にある太陽からも弾幕が飛んでくる。

 ともすればそれはまるで御伽噺のような世界だった。

 現実ではまず自発的に弾幕が飛ばされることは無いであろうものから打ち出され、四方八方から狙われる苛烈なスペル。

 まだ1枚目だが、彼の本気の度合いが分かるものだった。

 

魔理沙「いくらなんでもこれはやりすぎだろ!相殺しても間に合わなくなるって!」

 

霊夢「そんなことわかってるわよ!いいから避けなさい!」

 

 反撃の糸口を掴むためにも現状はなんとか耐えねばならない彼女らだが、相殺するにも1つの方向を打ち消す間に、別の方向からいくつも飛んでくるため相殺が間に合わないのだ。

 スペルを使って相殺もしたいのだが、それすらする余裕もないほどに全方位から波のように押し寄せてくる。

 必然的に5人は固まり、背中を預けるようにして弾幕の相殺をしていた。

 その様子を遠くからぼんやりと見つめ、視界に収まる単色な色のぶつかり合いを眺める真也。

 この世界に変わってから彼女らの放つ弾幕すら彩りを失っていた。

 ただ1人この世界を作り、意のままに操る彼は、固まり抗う5人ではなく、地面に視線を向けていた。

 

真也「まだ、まだ来ないで欲しいな。せめて後1枚……」

 

 呟きは弾幕のぶつかる音にかき消され、5人に届くことはなかった。




いかがでしたかね。
次話に関してですか、完全に未定となっております。
今回みたくまた四ヶ月とか空くかもしれませんし、もしかしたら一ヶ月以内の可能性も少なからずあります。
が、リアルが忙しすぎるのであまり急かさないでもらえると嬉しいです。
それではまた次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 10~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。