織田信奈の野望~雑賀孫一に生まれ変わり~ (ミスターサー)
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雑賀と根来

雑賀孫一

戦国最強の鉄砲傭兵集団、雑賀衆の頭

堺(大阪)の真下で鍛冶、林業など工業技術で賑わい、発達していた。

そして、ある一角の茶屋ににて茶をすすっていた。

 

「うめ~、美味しいじゃないか」

 

「雑賀の若旦那もやっと好き嫌いが無くなったのも喜ばしい事で」

 

「オレをいくつだと思ってるんだ、こう見えても元服を迎えていてだな」

 

「この太田、雑賀の若旦那をまだ子供と見ておりますゆえ」

 

「うるせーよ、たくっ」

 

雑賀孫一の隣には太田定久という男が居た。

太田定久、遠くない未来に根来衆の頭となる男だ。

 

太田は孫一より二つ年上であり、南蛮武器の扱いに長けた男。そして孫一の腐れ縁の友人である。

 

「・・・で、太田。最近、種子島を手に入れたそうだが」

 

「お耳が早いことで。

そうですな・・・我等、根来衆の一人、津田監物が交渉に成功して」

 

「へぇ、なら鍛冶衆に」

 

「渡しておりますが・・・あ奴等の事、すぐに生産するはず」

 

「ははは」と孫一は笑い、腕を組む

 

「確かにコッチの奴等は南蛮渡来の技術に驚いていたが、新たな技術や戦術製作に飢えていたのは事実。

良い物(武器)が有るとコチラもはかどる」

 

「それに」

 

「「金も回る!」」

 

二人が御互いの顔を見て、笑っていると「太田さまー!太田さまーー!」という声が聞こえ、太田は顔を声の方に向け、種子島量産の話を聞いて喜んだ。

 

 

話は変わるが、この雑賀孫一は転生者である

彼は、里親の虐待による衰弱死により転生したのである。その里親は親族で父方の弟に任されたが、弟は遺産目的により虐待をして彼を殺した。

 

しかし因果か何か分からないが彼は雑賀孫一として生きているのである。




雑賀孫一
年齢
・20

身長
・170

体重
・60

性別
・男

武器
・太刀、銃剣火縄銃「焙烙」

家紋
・しいて言えば火縄銃、ヤタガラスの紋ではない

好物
・鳥肉と魚類

嫌物
・偉ぶっている豪族

最近の悩み
・妹の婿が見つかるか心配(色んな意味で)


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スカウトされる?

「あ~む、むぐむぐ・・・」

 

種子島(火縄銃)の量産化を成功した雑賀衆と根来衆は二つに別れて東西目指して種子島売りをしていた。

そして孫一は、その件を当主の妹から種子島の行商の事を頼まれて今、美濃の中央の街に居た。

 

が何故、堺に売らず美濃に居るのか。理由は二つ有る。

一つ、堺の商人の大半はケチで取引に応じない場合も有る。

堺は、南蛮受け入れも多い為に今、雑賀の里にも無い火薬等必要不可欠な物を手に入れる金の集金に必死に集めていることが原因である。

いくら海送の優れた土地の堺でも異国から唐突に買い入れると破産が目に見える、なので堺は赤字ギリギリであった。それが一つ。

 

二つ、これは極めて簡単。共同体の村々の軍事金の為である。最近一つ目の問題が終わりに来ていたのだが、流石に作りすぎた種子島を管理するのは難しいため、他国に売って資金調達をしている。そしてその他に必要な物は雑賀の現地で残りの必要な物を売る。それでも足りないのなら堺に呼び込みをするのだ。まぁ、その分、手間賃として火薬等を格安で買う事もできる。

しかし、

 

「どうするかなー。最近じゃ、種子島の事を鉄棍棒の類と考えてる大名が多いし。だからと言って落ちぶれ豪族などに売ったところじゃ、皮のなんとかだ・・・」

 

そう、種子島ならぬ火縄銃は当時、といっても活躍した場のなく伝来した物であまり知られていない時代で有った。

そして種子島には弱点が複数存在する。大きく目立つのは使用費用だ。

 

当時、火薬などは海外から輸入して来たものが多いゆえ。他に改良も施していない初期型で目立つ所も無かったし、弓とは違い、火力は高いが連射や距離に負けてる物が多きいのだ。あと重要なボルトも無いという話も有るのだが、雑賀衆はいち早く改良した為まがい物ではない。

 

「なんで・・・売れないのかなぁ、だからといって尾張の南蛮好きの織田に売るのは良いが小さき国だからなぁ」

 

孫一は湯をすすってはため息をつき、箱に詰められた四十丁の種子島を見る。

一つは堺の豪商に売れ、二つ目は自身の自衛用武器として背負っているのだ。

 

「だったら一つくれません?」

 

「あ?」

 

「どうも」

 

金柑の髪留め、大きなおでこ

しかし、美人の分類で綺麗な顔立ちをしている女の子が孫一の目の前に居た。

 

「・・・誰?」

 

「私は明智十兵衛光秀です」

 

「その、おでこさんは何故これ(種子島)を?」

 

「そうですね、しいて言えば・・・って、おでこォ!?」

 

「ん。あぁ、申し訳ない。ちょっと素が出てしまった」

 

「素!?そんな酷いですよ!」

 

「冗談だ」

 

「あ、冗談なんだ・・・」

 

「でも名前が覚えられないからオデコちゃんで」

 

「酷い!」

 

「まぁまぁ、落ち着け・・・」

 

「ま、隣に座りな」と孫一は横に有った箱を下ろし、ポンポンと席を叩く。

明智光秀は横に座り、孫一の種子島を見ているが孫一は色声で、褒め言葉を使い、店の女将に団子を注文している。

 

「さてオデコちゃん、君は何故欲しがるのかい?」

 

「明智です!

そうですね、まず戦(いくさ)で使うのには、まだ不便さが有ります」

 

「だろうね、維持費に整備費、火薬、生産、全ての面に対して不利だ」

 

「そう、その通りです。だから数で補います」

 

「・・・ほう」

 

「まず、二列式に並べて一列が撃ち、二列目が弾を込めて渡す

それを繰り返せば相手を殲滅可能です」

 

「・・・同じ案だな」

 

「同じ?」

 

「こちらの話だ、さて欠点を抜けば満点。欠点を言えば七十ぐらいかな。」

 

「その訳は?」

 

「撃ちと弾込めでは足りない、矢の援護も必要不可欠だ。

あと矢は火矢にしていけば火達磨になり、足止めもできる」

 

「なるほど、矢は必要だと思いましたが、それ(火矢)は考えつきませんでした。」

 

「で、種子島は何丁有りますか?」と明智に聞かれ、孫一は「四十丁」と簡単に答えながら女将が持ってきた新しい串に刺された団子の一本を取り、食う。

 

「四十ですか、少ないですね」

 

「くちゃ、くちゃ、ゴクン・・・いや大の大人が最大に持てるのは、それぐらいでしょう、普通は」

 

「ま、いいです。それ全部買います・・・」

 

「正気かい?身なりは侍だけど、金は?」

 

「私はこう見えて、とある方の小姓なのです」

 

「とある方?」

 

「聞いて驚くなですよ、斎藤道三様です」

 

「へぇ、美濃の蝮の」

 

「はい、って驚かないんですね」

 

「ま、信じていないからね。この御時世だ、驚くのも、信じるのも人の勝手さ」

 

「私は嘘をついてません」

 

「そうかい、なら証拠を見せてもらおうか?」

 

「・・・、分かりました。証拠ですね」

 

「ついてきてください」と明智は言うと立ち上がり、全部の団子を手に持つ

 

「・・・へいへい、分かったよ。おーい、勘定。」

 

「あいよ~」

 

孫一は団子代の十二文払った後、種子島が詰められた箱を背負い明智の後について行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・嘘だろ。」

 

「いいえ、本当です。」

 

明智に連れられた、というより面白半分で来た孫一は正座をして美濃の当主、斎藤道三の目の前に居た。

 

「十兵衛。ワシを呼んだのはこの者に会わせる為か。」

 

「は、申し訳ありません。この者、武器商人らしく種子島を専門に売ってるのです。」

 

「ほう、種子島を・・・。で、この者を会わせたのか教えてもらおうかの」

 

「はい、実はこの者から種子島を買ってもらいたいのです。」

 

「十兵衛。お主が願いを頼むとは珍しい。明日は雨が降るかのう」

 

「唐突で申し訳ありません。」

 

明智は、正座した状態で道三に頭を下げて、詫びた。

それを見た道三は「うむ」と一言だけ言い、孫一に顔を向けた。

 

「まず、ワシの事はご存知だと思うが斎藤道三。美濃の蝮と呼ばれる男じゃ」

 

「ご丁寧に感謝いたします。私は孫一で堺から来た武器商人でございます。」

 

「ほう、堺から。遠路はるばる御疲れであろう。して何故、美濃に?」

 

「お恥ずかしながら、私はとある商人のドラ息子でして。親に勘当され、種子島を数十丁を貰いうけて諸国を旅しておりました。」

 

「ほう、それにしては鍛えておるが?」

 

「時世が時世なので。」

 

「なるほどのう・・・。で、お主に聞きたい事が有るのだが、一まとめで言うが良いか?」

 

「どうぞ」

 

「裏雑賀衆の頭領が何故、ワシの地に居(お)る?」

 

「・・・、はて?何のことで」

 

「誤魔化すな若造、雑賀の姫武将の雑賀孫市と武将雑賀孫一の脅威は美濃に届いておるわ

とくに、お主が背負ってるソレ(家紋)が証拠よ」

 

「・・・、どうやら誤魔化せないようだ。ご察しの通り、裏雑賀衆の頭領、雑賀孫一とはオレのこと

さて、どうするんだオレを?」

 

「そうだのう、ただ牢に入れるのもほしいし、・・・よし、それでは客将とならんか」

 

「は?」

 

孫一は大きく口を開いた




やっと書けた


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実演

「はい、注目」

 

場は美濃、雑賀孫一は自分用の種子島、焙烙を構えて、徳利を射抜こうとしていた。

あの一件から六日経ち、客将の立場として美濃に滞在していた。

 

「まず種子島は重藤弓より弾は飛ばない、殺傷距離は約四尺(220m)だ

構造は複雑で、火薬を入れて下手に弄りまわすと爆発して死ぬから構造を覚えろ。

 

いいか、弾が装填されてなくとも、火薬を入れて無くても、普段は人に銃口を向けるな。」

 

バーン!と高い破裂音が鳴り、徳利は壊れて、ただの破片と化した

 

「ちなみにオデコちゃん、君だよ」

 

孫一は、横目で物珍しい武器を見て目を輝かせている明智光秀を見た。

「う、うるさいです!あと良いじゃないですか、振ったり、逆さにしたり、引き金引いたり」

 

「暴発(ぼうはつ)する要因だし、死ぬよ」

 

「暴発?」

 

「簡単に言えば種子島が吹き飛んだ挙句、手が無くなること」

 

「うえ・・・」

 

明智は弄くるのを止め、元の通りに戻した。

 

「よし。さて今回は試し胴を使い、威力と構えを見てもらう」

 

「ほい!質問でさ、先生」

 

一人の男の足軽が挙手をする。

 

「ほい、なんだい?」

 

「試し胴ってなんだ?」

 

「よし、『画面の向こうに居る人(読者)』に分かるよう、説明していきたいと思う」

 

 

「先生、読者って何のことだぁ?」

 

「比喩だ、比喩。

試し胴、種子島の試射を胴に撃っては、その威力と性能、射程距離。そして実用性を確認する胴のことだ。」

 

「ほへぇ・・・便利な物じゃな」

 

「そんなことは無い」

 

弾込めを終え、孫一は否定をしつつ、火種と火蓋をきり、試し胴に向ける。

 

「この胴は主に足軽や兵が使う普通の胴だ。しかし限度がある。胴の耐久性だな。

直すのも良いが、全て直すのは無理だ。厚さは無くなり、薄くなるから不可能な所もあるからね」

 

引き金を引き、胴に目掛けて撃つと胴に穴が開いた。そして孫一は、その場に線を引いて種子島の弾込めを開始する。その横で足軽や明智は「おぉ!」と声を上げる。

 

「んじゃ、この線が殺傷範囲だが・・・。良いか、今回はオレが詰めた種子島を撃ってもらうがお前等が持っているのは鉄の棍棒ではない、弾を撃ち込めて、相手を悶え苦しみさせ、殺す道具だ。

そして、それは使い方を間違えれば焙烙玉(ほうろくだま)と化してお前等の命を奪う道具だ。それを覚悟して撃ってもらう」

 

弾込めを終え、孫一は顔を上げた。

そして、その顔を見た足軽達と明智は身を一つ引いたのだ。その顔は、まるで鬼の面で笑顔を被った冷淡な表情だったのだから・・・

 

「あぁ、そうそう・・・言い忘れていたがお前等。一週間で使い方とか叩き込むから・・・どうした、なんで泣き顔なんだ?その顔だと怯える子供だぜ?安心しろ。一週間の地獄なんざ、あっ!という間さ」

 

その後、一週間地獄を受けていた足軽は語る。「先生はあの世から来た鬼だったんや」と

 



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未来を考え、国を愛する息子

唐突に言うが、斎藤道三には息子と娘が居る。

 

息子、斎藤義龍

娘、お蝶

 

である。

特に息子は父とは仲が悪いのだが、父譲りか。商売上手である。

 

さて、何故唐突にそのような話になるかと言うと種子島の講習にその息子、義龍が参加を始めたからである。

 

「どうした?鬼の指導をするのではないのか?」

 

「あの、その、まず義龍殿はどうしてコチラに」

 

雑賀孫一。通り名、裏雑賀衆当主は走りこみで疲れ果ててる兵士達に一喝を入れ、商売一筋の大男、義龍に面を向かって理由を聞いた。

 

「なんだ、理由か?理由は簡単、織田に対する策を講じるためだ」

 

「織田との?」

 

「あぁ。昔から織田の先代と親父殿と戦をしていてな、そこを終わらせる為の新たな策に必要かもしれぬ」

 

「しかし、斉藤家には今孔明が居られると道三様からお聞きしたのですが」

 

「・・・。あ奴など信用しておらんわ。戦(いくさ)や政(まつりごと)の策だけ置いてゆくだけで、顔もろくに出さず。あげくの果てに美男子ときた!」

 

「だから己の才を上げる為に・・・。そしてこの国の、美濃の為に全力を上げたいのだ」と彼は剛毅の姿勢で言った。

孫一は、その心意気を認めた。まぁ、一部は除くが孫一とて裏だが頭(かしら)の位置だ。協賛できる部分も有ったのだろう、彼は納得の頷きをして義龍に話をする。

 

「それならば、お教えしましょう。しかし、ながら義龍殿に合う種子島が無いのです。」

 

そう、義龍は大男と言っても大きすぎて、種子島の引き金さえ指先に入らないぐらいの手のデカさである。

考えてもらいたいのだが、彼はこの時代では珍しい流木と化した丸太のように大きく、そして肩幅も広い大男なのだ。

そして、そんな大男の手に合う種子島など存在するはずがない。

 

「なんだと?それでは知る事が出来ないではないか。誇る事ではないが実践で積む者でな」

 

「なるほど、そうでしたか。いやはや気が回らなく申し訳ございません。種子島は確かに実践を積まなければ怖い武具な物でして」

 

「それは見ていれば分かる。」

 

「流石お目が良い。実は義龍殿だけにお伝えするのですが、裏雑賀が密かに製作している大型な種子島が有るのです・・・」

 

「ほう、それはどんな物だ」

 

「国崩しと呼ばれる・・・大筒です」

 

「ほう・・・国崩し、とは?」

 

「弾の重さは約二十匁(約七十五グラム)、弾の大きさは焙烙玉一つの大きさを放つ。強力な化け物種子島です。」

 

「その破壊力は?」

 

「城の城壁を一撃で突き破る威力、しかし安全面は良い物でしてね。いかがです?」

 

「それは良いな。しかし現物を見て、撃ってみないとな」

 

「えぇ、それはもちろん。現物を見ないと始まらない事には変わらない。しかし問題が・・・」

 

「金、か?」

 

「その通り、造るのも、運ぶのも、費用がかかって良い物も造れませんからね。」

 

「いくらだ」

 

「そうですね。ざっと、この額かと」

 

孫一は懐から筆と紙、墨を取り出して、金額を書き入れる。

 

「・・・そんなにするのか?」

 

「威力が威力ですからね」

 

「・・・」

 

 

 

 

その後、義龍は孫一の出した大筒を二倍の値段で買い取り、そしてその行動を内心笑う孫一だった。

だが孫一は知らない、何故なら遠くない未来にその二倍の価値が自身の身体に撃ち込まれてもがき苦しむ事になろうとは、まだ・・・知らない。




「あとがたり~、今回から気まぐれ放送する。あとがたりの陣だ。まずは自己紹介、オレは主人公の雑賀孫一と」

「今回メインのキャラ、斉藤義龍」

「そして雑賀孫一の弟子の立ち位置の明智光秀でお送りするです」

孫「さて急に始まりました。あとがたりの陣」

義「そうだな、今回の話は短く、数時間で思いついた話と聞いたが」

明「義龍様、それは禁句です」

義「なに?」

孫「ま、良いじゃないオデコちゃん。とにかく今回のテーマはコレ」

テーマ
「大筒の入手」

孫「大筒とは、短筒の正反対な威力を持つ化け物火縄銃だ」

義「それと課題は関係ないのでは」

明「そうですね、どうして課題にそっていない話を?」

孫「まぁ、そう言うな。実は今回は原作やアニメを重視した疑問を作者のサーが考えたんだぜ」

義「御託は良いから本題を話せ」

孫「最近、サーはアニメや原作を見て、「義龍さん、なんで大筒(バズーカ)を持ってるんだ?」と考えたらしい」

明「そんなの、あの源氏物語バカが送ったに決まっているのです」

孫「うん、最初はそう感じたらしいんだけど・・・」

義「どうした?」

孫「あぁ、うん・・・実は不便なんだよ」

義「不便?便秘か」

孫「分かりやすいオヤジギャグありがとう。オレが言ってるのは運ぶ道と資金だよ」

明「あぁ、なるほど・・・確かに不便ですね」

孫「分からない人は原作小説の4巻の地図を見てください。海路は種子島(島のほう)から輸入には時間がかかるから駄目、だからといって足軽になった時に入手するのは難しい
だから雑賀衆と繋がっている堺の商人とか色々考えた結果。」

義「このざまと」

孫「そうらしい、美女好きの源氏物語の男がくれるはずも無いからね。」

明「あの、お歯黒貴族は?」

孫「あ・・・」

義、明「おい」

孫「あっと、そろそろお時間だ」

明「おいこら、無視すんな、です」

義「諦めろ」

孫「と、いうわけでここらで失礼」








裏方
「ところでサー、貴族の事忘れてたのか」
「書いてる時に思い出した。雇ったことも考えれば良かったです・・・」
「そうか・・・」


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後ろ盾の計画は頓挫す

「明日(あす)の昼、織田信奈と会う。同席してくれんか?」

 

「は?」

 

場は斉藤道三の茶室で二人の男が座っていた。

この小説の主人公で裏雑賀当主の雑賀孫一と美濃の蝮と呼ばれる斉藤道三だった。

 

「いやいやいや、何故?何故私が?」

 

「お主だけじゃないわ。十兵衛も居(お)る」

 

「いや、そーいう問題じゃねーよ」

 

孫一は焦りすぎて、もはや素に近い言葉を出してしまい。焦りつつも冷静なツッコミを入れる。

 

「あの、ね。何故と聞いてるんだ」

 

「何故だと思う?」

 

ニヤリと正座で道三は笑い、孫一は胡座になって左腕を左足の膝上に乗せて頭を掻く。

 

「義龍と離すのが主な理由か・・・」

 

「ほう、分かっておるな。」

 

孫一は「それ以外無い」とぼやき、今更ながら義龍との関わり合いが大きくなった事を後悔していた。

義龍とは大筒を売って以来、義龍は暇さえ有れば孫一の元に尋ねて大筒の稽古を頼んでいた。

孫一は、それを断らなかった。主な理由は雑賀衆や根来衆そして裏雑賀衆との繋がりが強くなり、栄えやすくなるからだ。

 

斉藤道三は、そこに気が付いていた。

ましては穏健派の武将であり、戦事(いくさごと)を強いる武力派(義龍)の後ろ盾(孫一)が居るのに対して良くは思わない。そこで後ろ盾を引き離す事にしたのだ。

 

「で、どうじゃ?」

 

「否定するのは、無理なんだろ?」

 

孫一は、いまだに頭を掻き続けながら溜め息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日は進み、とある崖に光秀率いる鉄砲軍と孫一、道三、光秀が草木に隠れながら織田軍を見ていた

 

「なんとまぁ、命知らずな。オデコちゃんは、この場面をどう見る?

相手は火蓋を切り、進軍を進めるコレを見て・・・」

 

カチャリと南蛮人から買い入れた望遠鏡をたたみ、光秀に渡した。

 

「気が触れてるとしか思いませんよ師匠」

 

光秀は望遠鏡を目に通さずに道三に渡した。

 

「ほう、これはこれは。うつけと呼ばれる程の大胆さじゃわい」

 

道三は望遠鏡を受け取り、覗きながら豪快に笑う。

 

「だろうな。うつけ、どころか命知らずな輩だと思えるがね。しゃーない、オデコちゃん。迎撃する形になっているから不意討ちなしでいこう」

 

「わかりましたです。」

 

孫一はそう答えを光秀から聞くと道三に近づく。

 

「道三殿、あなたは何を考えている?」

 

「さぁ、何かのう?」

 

パチリと望遠鏡たたみ、孫一に顔を見せぬまま、道三は光秀を連れて正徳寺に向かった。

そして孫一は最後に残り、先程覗いていた光景・・・織田の当主に訴えていた足軽の服装を思い出していた。

 

「あれは、制服だよな・・・まさか未来人か?」

 

しかし、その呟きは誰も聞かれぬまま青い空に溶け込んでいった。




孫「あとがたり~、この企画は作者の暇つぶしで書かれ、そして話を解説するためのスペースみたいなものである。
と、いうわけで主人公の孫一です」

明「今回も補助する明智光秀です」

「げすとの道三じゃ」

孫「今回の議題はこれ!」

アニメとオリジナル展開

明「うすうす気づかれて思いますが火蓋を切って行進するなど原作には無い行為です」

道「あにめで書かれた描写を使ったほうが良いと感じたそうじゃ」

孫「そして現在武力派の後ろ盾にいる理由は武器の買い込みが良いし。義龍殿は買い物上手なためだそうです。その金はいずれタグの科学チートに結果が載ります」

明「では次回の更新まで終わりです」








オマケ、サーの独り言スペース
ちなみにヒロインは今川さんでOK?
もしヒロイン希望があれば、物語の改変しますから是非感想にてご投稿を


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蝮とうつけの会談

正徳寺の本堂。三人の人物が座っていた。

壁に寄りかかりながら胡座(あぐら)をして座る雑賀孫一。

正装でもない楽な茶色の着流し姿である斉藤道三。

その斉藤道三の後ろで正座をして控える小姓、明智十兵衛光秀。

の三人である。

 

しかし、その外に控えている者も居る。

物静かに正面入り口に正座する、まだ無名の槍使い、前田犬千代。

そして前回孫一が気になっていた制服青年がいた。

 

「・・・織田の姫、遅くね?」

 

最初に物静かな空気を破った孫一は、そう言いながら種子島の焙烙をメンテをし始め、もはや礼儀知らずな行動しはじめた。と同時に道三は欠伸をして「確かに遅いのう」とぼやきながら茶をすする。

 

制服青年はそれを見て顔をしかめる。

だが待たせれているのも事実で、織田軍が着いたのは現代の時間で言うと三十分前。約束の時間よりも待たされた方は異常に長く感じた。

 

「美濃の蝮!待たせたわね!」

 

すると突然に戸が開き、京友禅の着物を着た美しい少女が入ってきた。

その少女は、織田(おだ)信奈(のぶな)。織田の姫武将で先程の奇怪な服装では無く、顔に泥も無い美しい白肌が出ていた。

 

道三は茶を噴出しそうになり、織田の姫にかけぬように孫一の方に向い噴いた。

 

「ぶう!」

 

「うわ!きた-ってオレの焙烙にお茶がぁあああああ!」

 

孫一は立ち上がり、急いで焙烙を分解して水(お茶)が入った部分を徹底的に拭き取る。

その間、光秀は、密かに心の中で孫一の相棒に経を唱えて前を向いた。

 

「うお、お、おお!なんという美少女」

 

あ、まだ駄目だこりゃ。と分かりやすい顔になりそうになった光秀は、再び師である孫一に顔を向けたが既にその場に居なく、織田の前田犬千代の横で焙烙を天日干しして膝を縁側に着け、顔を下に向けて落ち込んでいた。

 

「あぁ、師匠が白くなっていくです」と密かに呟いた。

 

 

「蝮、単刀直入に言うわ。あんたの娘を頂戴。尾張には、いえ、今の私にはアンタの力が必要なのよ」

 

「ほう、しかしじゃ。言うまでも無く、ワシはそなたを信じてはおらぬ。しかも尾張一国も押さえつけられぬ、まとめるのも出来ず。どこを信じれば良いのかさっぱりじゃ」

 

と、いつも間にか大将同士で真面目な顔で話し合いを行い始めた。

道三は、いつもの目ではなく、まさに獲物を狩る蝮の目をしていた。

しかし織田の姫は退かない。そして眉さえ動かさない。

 

「蝮、あんたの器なら実力を一目で見抜くはずよ」

 

「ほう、だが、それほどワシは見た目だけでは判断せん」

 

「あらそう、意外ね」

 

「意外じゃろう?さてといくつか尋ねたい」

 

「いいわよ。」

 

「では孫一よ。織田の姫武将(うつけ)に質問せい」

 

しかし返事が無い。

 

「あの道三様。失礼ながら今、師匠は、その、あんな状態でして、です」

 

光秀が指した指の先には、シクシクと泣く孫一が居た。

 

「焙烙がぁ、焙烙がぁ・・・。親友から貰った焙烙がぁ、妹から貰った木彫りの柄がぁ・・・」

 

「さて、姫よ。そなたは、尾張のうつけと呼ばれるが-」

 

「え、無視!?」と制服青年は言うと前田犬千代に「うるさい」と一喝され、蝮とうつけ姫の話は進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・で、だ」

 

「なんじゃ軟弱者」

 

「おい禿げ、てめー、まずド頭(あたま)打ち抜いてやるからさ、そこに立てや」

 

会談が終わった後、孫一は完全復活した焙烙を片手に取って、イイイヤホォオオオオオオ!と跳ねて喜んだのだが・・・

 

「怖いのう。じゃから、はよう逝け」

 

「勝手にオレを話のダシにしておいて挙句の果てに織田に売りやがる。てめー本当に人間か!!」

 

そう、道三は織田信奈の天下統一の夢を聞き、さらに制服青年が戦を止める仲介役になり。なんやかんや同盟する事になったのだ。

そして美濃の譲り状を書き終えた道三は[織田信奈に我が客将の雑賀孫一を種子島指南役として渡す]と書いたのだ。

 

「師匠、ここは本堂ですから罰当たりですよ」

 

と光秀が仲介に入り、宥める。

 

「でもよ!オデコちゃん!」

 

「それに美濃の武力派の後ろ盾になる者を、まして天下の傭兵軍団の頭を送った方が向こう(織田陣)と交流しやすいですし、信用も得ます」

 

「そりゃそうだ・・・。ってオレが言ってるのは、そういう以前の問題で!美濃で内乱したらどうすんだって話だ!」

 

孫一の意味は良く分かる。美濃の破格の譲り状を作り、次期当主の義龍にも、美濃三人衆、そして家臣達に相談もせずにアカの他人の織田家に無償、しかも娘まで譲るという気の狂った行動。この行為はまさに「内乱を起こせばよい」と言っているものだ。

 

「それは分かっておる」

 

「なら」

 

「じゃがワシは、もう一度夢を見たいのじゃ」

 

「夢?」

 

「天下人という夢じゃ。ワシはもう良い歳・・・ならば天下を、新たな世を作ろうとする者に賭けたいのじゃよ。」

 

「・・・それが、あの織田の姫さんか」

 

道三は無言で頷く。その顔には今まで無かった闘志を表す男の顔つきになっていた。

 

「わかったよ、わかりましたよ!」

 

孫一は頭を右手で掻き、本堂の外に向かうが突然振り向き、光秀に言う。

 

「オデコちゃん、もし蛇(道三)が死にかけた時はオレは助けないからな。」

 

「・・・分かりました」

 

「んじゃ、お世話になりましたよ~」

 

今度こそ孫一はフラフラしながらも本堂を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ、新たな場に仕官

「ふざけんじゃないわよ!エロ猿!」

 

「うっせえ!ばーか、ばーか」

 

「たのしそう」

 

「・・・そうなのかい?」

 

「うん」

 

だが、孫一は新たな主とその足軽の喧嘩を見て溜め息を吐いた。

その後、槍使いの少女に曲者扱いされたのはココに簡略させていただく。




孫「あとがたり~、もはや三回というありがた迷惑なこのコーナー。今回も語らせていただきます。主人公の雑賀孫一です。」

「げすとの前田犬千代」

「明智光秀に代わって、この天下の美少女!織田信奈よ」

明「あれ?私降板?めいんじゃないですか?」

サー(ディレクター)「違いますから行きましょうね」



ズリズリ・・・

「は、離してくださいです!離して!H・NA・SE!!」


一同「・・・」

孫「えっと・・・今回のお題はこれ!」

お題「裏雑賀の説明」

孫「です」

信奈(以下、奈)「これは分からない人も居るんじゃないかしら」

犬千代(以下、犬)「犬千代も知らない」

孫「だろね。ま、作者の考えたネタはこんな感じ。」

雑賀衆は傭兵集団だが闇に存在する忍者集団も面白いかもしれない。
なら、影武者も居ても面白いし、雑賀孫市が死んだ年も不明ならもう一人居ても良いんじゃね?

孫「って感じかな」

奈「随分、適当ね」

犬「安直」

サー「ひでぇ・・・」


孫「ま、詳しく説明すると今後のネタばれするからココまでにするよ」

奈「で、ひろいんは誰にするの?」

孫「感想にオデコちゃんと書かれてるね。どうもありがとうございます。もしかするとヒロイン候補は今川さんと取り合いになるかもしれない・・・オイ、作者ヨベ!アイツはハーレム嫌いだろうが!」

奈「あれ、じゃあ私は天下一よ?」

孫「いや、それは無いよ。確実に・・・自称だし、年下はあまり」

奈「なんですって!この年増好き!」

孫「嫌な言い方だな!おい!」


ギャーギャー!
ドパン!
タネガシマヲウツナー!

犬「・・・かんぺが来た、もし宣伝したい方が居れば作者の方にメッセージを送りください。少しでもご協力できたら幸いです。

・・・無謀、批判くる。ちなみにこんな感じ」

今回の提供は
いつも元気な○○!「-タイトル-」
イエぇぇぇぇガぁぁ!「-タイトル-」
の提供でお送りします

犬「・・・じゃれあいが終わらない。あ、おーけーさいんが出たのでこれにて閉幕。次回もお楽しみに」


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織田の姉弟

ちょいっと伏線回です。分かりやすいけどね。


「アンタ、これから鴉と呼ぶわ」

 

「は?」

 

急にあだ名を貰った主人公、鴉こと雑賀孫一は、?のマークを浮かべていた。

その鴉というあだ名を与えた可憐な少女、織田信奈はドヤ顔で孫一を見る。

 

場は尾張の城下町に有る一角の茶屋、ういろうを楊枝で刺して食べる所にお忍び姿の織田信奈がやってきて何も言わず隣に座り、ういろうを食べ始め。その後、孫一に尾張の状況を聞き終えて、冒頭のあだ名の件になったのだ。

 

「あー、お姫さん」

 

「なにかしら、鴉」

 

「なんで鴉っていうあだ名をくれたんでしょうか?」

 

「気に入ったからよ!文句ある!」

 

「いや、意味分からん。」

 

正直言って孫一は要らない事だった。

ただでさえ、この雑賀孫一という名が本当の名前で無いのだからこれ以上、名を増やされるのは御免ほうむる所だ。

 

「なによ、その言い方・・・文句有るの」

 

「ねーから勝手にしな。オレは、まだアンタを信用して無い。そしてオレは嫌々道三に言われてココ(尾張)に居るんだ。忘れないでくれよ。」

 

「・・・ふん」

 

信奈は立ち上がり、「暫くしたら政(まつりごと)の話をするからくる事」と言い。残っていたういろうを全て食い尽くして去っていった。

 

「オレのういろう・・・」

 

ガクリと肩を落とし、孫一は頭を掻く。そして店内を見回し茶屋で酒を飲んでる場違いな男に話しかける。

 

「こんな場違いで一人酒か?」

 

「うるせえぞ、良いじゃねーか。この酒は美濃産で辛いからよぉ、この甘さで丁度良いんだ。まさに良い組み合わせなんだ」

 

まさに酒飲みのようでもなく呂律はハッキリして喋るが、孫一は「美濃産、ね」と言いつつ、肩を上げ、やれやれとした顔で「同席していいか」と許可を聞くと、男は「良いぞ」と豪快に快く答え返し、手招きをする。

 

「で、最近どうだ。その美濃の調子は」

 

「可でも無く、否でもない。一触即発状態だ。」

 

「やはりか。じゃあ、この尾張はどうだ?」

 

「別の奴に聞いてくれよぉ。おらぁ、しらねーから」

 

「・・・そうかい

話は変わるが蝮酒は美濃で作れるか?こっちで作りたいから蝮を持ってきてくれねーか。」

 

「蝮酒をねぇ。だが何故おれぇなんだ、まだ頼める輩がいるだろぉ」

 

「猟師と見たからだ。その手の豆や弓を引く跡がハッキリしてるからな」

 

「へぇ、目が良いじゃぁねえか。だが、それなりに金が要るが?」

 

孫一は懐から銭袋の一つを男に渡し、「商談成立!」と男はういろう代を払って揚々と去っていったと同時に近くの長屋から騒がしい声が、聞きなれた声が響いた。

 

孫一は金を払い、茶屋から出て、その長屋に向かうと槍を構えた巨乳でポニーテールをした美少女、鬼の柴田勝家が小さい女の子を背負っている未来人の足軽、相良(さがら)良晴(よしはる)に向けていた。

そして勝家の後ろには小さい少年が立っていた。その少年の口から血を流してドヤ顔で立っていたが、やはり痛むのかスリスリとその部分を撫でていた。

 

「なんの騒ぎなんだいコレは?」

 

孫一は、まず良晴と勝家の間に入り、槍を退けた。

 

「こ、これは雑賀殿!」

 

「雑賀さん!」

 

「孫一・・・」

 

「やぁ、猪ちゃんにサル君に、子犬ちゃんも居たのか?」

 

「む、居た。サルの、良晴の横に居たから見えなかっただけ」

 

良晴の横に立っていて見えなかった犬千代が孫一の言葉に腹を立てたのか、頬を膨らませ、不機嫌になる。

 

「いや~、悪いね。横から見てたから見えなかったのさ。で、どうしたの。この状況は」

 

「えぇ、実は-」

 

 

勝家と良晴の話を簡略すれば、このような流れになる。

・まず、ドヤ顔していた少年、織田信勝は若侍を連れ、この長屋に押し入る

・その信勝は、良晴の事を笑いに来たうえ、自身の姉である織田信奈をうつけ呼ばわりした

・ならばと良晴は「うつけ呼ばわりするならば、この国の未来を考えての発言を言えよ」と言ったが、全て穴だらけで、最悪の美人集めてハーレム作るというバカけた話

・そしてついに手が出てしまって

 

「現状である、っと」

 

「はい」

 

「そうだねぇ。まず、お互いバカの集まりだと分かったよ」

 

「は?」と全員は声を上げる。

 

「まず、サル君。君の身分は?」

 

「え、えっと・・・草履取り、つまるところ足軽だけど」

 

「うん、そうだね。じゃあそこの少年は?一応、城主の弟だからね。その場で打ち首は有っただろうね」

 

「え、いや、それは」

 

「まぁ、男だから侮辱されたのが許せなかったのは仕方ないが、最終的に城主の事さえ巻き込む騒動になりかけたんだからね。」

 

「う、はい」

 

「次は、え~と、誰だっけこの子。」

 

孫一は信勝を見て首を傾げる。

 

「信勝様です」

 

と、勝家は答える。

 

「そ、じゃ。少年で」

 

「な!」

 

一人の若侍が刀に手をかけようとしたが、孫一は手を差し出して「待て」という。

 

「オレは名前を覚えるのが苦手でね。しばらくはこのあだ名で呼ばせてもらうけど良いかな?」

 

信勝は「ぼくは寛大だから良いよ」と答え、それを聞いた若侍は手を引いた。

 

「ありがとう、少年。さて少年、何故君は若侍を引き連れて、しかもこの柴田勝家こと猪ちゃんを呼んでココに、長屋に来たのかな?」

 

「話を聞いていなかったのかい?それは、このサル君を笑いに来たからで。」

 

「そうかな、オレから見て、集団で泥棒しようとする物盗り集団しか見えなかったよ」

 

「う、そ、それは護衛で」

 

「護衛なら猪ちゃんだけで十分なはずだ」

 

「う、五月蝿い!ぼくは偉いんだぞ!」

 

「そうかい、オレは裏だが最強の傭兵集団の雑賀衆の頭領で、美濃の使者役けん尾張の種子島指南役だ。もし変な動きを見せたら雑賀、美濃の者達が尾張を滅ぼすから発言に気をつけな」

 

「・・・!」

 

信勝は目を見開いた。なにせ、孫一は孫一という名でしか知られておらず。最近信奈に雇われた、ただの足軽と思っていたのだ。そして何故勝家が「殿」と言った理由が今になって分かったのだ。

 

「そういえば、あの話の中で美濃を潰すとか、種子島が何ちゃらこうちゃら言っていたねぇ。こりゃあ切腹もんの上言かな?」

 

「それは、方便だよ!嘘も方便だって言うだろう」

 

「そうかい、それは良い事聞いたよ。うん、じゃあ、この話は喧嘩両成敗。無かった事にしようか」

 

「っ!この件を白紙にするのかい!?そんなのは!」

 

「じゃあ最後に、この長屋は誰が管轄下に入れてる長屋なのかな?」

 

「そ、それは!」

 

正式に言えば、この長屋は長屋の長(おさ)である浅野という物だ。しかし派閥で言えば織田は織田でも信奈である。

理由は信奈の家来、犬千代も住んでいるのがこの長屋であり、良晴もココに住ませている。そう考えれば考えが一つ、この長屋は織田信奈の管轄だと分かる。

 

「・・・分かったよ、ココは大人しく引こう。しかし、そこのサル君にはコチラの処分を叩きつける。」

 

「そうだね。ならサル君にはその処分を撤回できる働きをしてもらうよ」

 

信勝は、ギリッ・・・と奥歯を鳴らして若侍を連れて去り、勝家は礼をして去って行った。

 

「ふ~、やれやれ」

 

溜め息を吐き、頭を掻く孫一は厄介事から一時離れてくれた事に安堵の顔になる

そして「カッコ良かったですぞ!」と良晴に抱えられた少女は笑顔で孫一を見た。

 

「正直助かった。ありがとう」

 

犬千代が礼を言うと「いやいや」と孫一は謙遜した。

 

「しかし、すまんね。この騒動はちょいっと長引くはめになった」

 

「でも、これが一番の解決策」

 

「そう言ってくれると有りがたいよ、子犬ちゃん。さて、サル君」

 

「な、なんだよ?」

 

「ちょっとお話しないか?ろくに話せなかったが未来から来たことについてのお話を、ね」




孫「あとがたり~。あとがたりとは、本のあとにある、あの!あとがたりである!
どうも最近涼しい夜で元気な主人公の孫一です。」

「今後のセカンド主人公、相良良晴!」

「そして、ショタ担当の織田信勝さ!」

孫「って、今回は花がいねー!」

サル「いや、仕方なくないか?孫一さん。今回はあまり女キャラでなかったし」

孫「出てたじゃん!猪ちゃん居たじゃん!」

ショタ「まあ、分かるよでもココまで来て機材?っていうのかな?それ壊しまくってたし」

孫「コレ全部根来衆の出費なんだけど!?」
※このあと信奈が弁償しに来ました。値段はサプライズです。

サル「で、今回は読者様に分かりやすい伏線ばかりだけど大丈夫か?」

孫「大丈夫大丈夫、ではタイトル」



「今後の動き」



孫「ま、今回の伏線から主人公は暗躍するタイプの主人公です。」

サル「だろうな。あ?カンペ。サーの無謀な挑戦、土田御前の改心フラグを作る・・・ハアぁあああ!?」

孫「おいおい、大丈夫かこれ」

ショタ「無理だろうね。母上頑固だし」

孫「賢くない頭を捻って頭が暴発しなければ良いのだが」

サル「今回の話も相当捻ったし、良心痛めて少しご都合したし。こりゃ完結するのか?」

孫「原作続く限りはやるだろう」

ショタ「道長いよ?」

孫「そうだな、っと今回はココまで。

今回の提供は
堺に来たら揚げたこ焼きや!の堺揚げたこ会
出会いを見つけるなら雑賀の里へ!雑賀衆と根来衆の提供でお送りしました」


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未来人、相良 良晴

意味不明な文に・・・本当に申し訳ありません


「未来から来たんだろ」、と何も隠さずに、躊躇いもなく、そう孫一は聞く。

そして「そうだ」と返す良晴。

 

「アンタ。雑賀孫一だよな」

 

「ま、一応そうなってるが?」

 

「なるほど。ならアンタは雑賀衆のトップ、頭なのか?」

 

「まぁね。歴史に存在しない無い裏だがな。あと普通に話して良いぞ、オレも未来人に近い存在だからな」

 

「それって、どういう事だ」

 

さて、場は先程の長屋からやや離れた木の近く。孫一は良晴と一対一の話をつけたく、ここに来ていた。

また、ここには人も隠れるような場所も無く。暗殺者が来たとしてもすぐに分かる位置だ。

 

「で、自称先輩未来人の雑賀さん。聞きたいだけど」

 

「なんだい、答えられる範囲なら答える」

 

「アンタはどうやってココに、戦国乱世の時代来たんだ?」

 

「さぁねぇ・・・オレもさっぱり分からんのさ。おぎゃあ!と赤子から産まれて前世の記憶ってヤツを受け継いだのさ。それを思い出したのは数えて五つの時にかかった流行り病から生還した時だった。

あの時はびびったね。まさかよく有る物語、いや二次小説みたいな三流の御伽噺の類になった気分だったよ。あ、けして二次小説を否定してる訳でも無いからあしからず。」

 

「・・・ちょ、ちょっと待て!転生?そんな訳ねえ!ありえねえ!」

 

「有りえるんだよ、何処の仏教の教えには、輪廻転生って言葉が有るようにね。

それに君も体験中なはずだ、ありえない現象を今、この時代に居るだけという事実がね・・・」

 

それを聞いた良晴は黙ってしまった。今、この身に起きてる不思議現象は実際に起きてる事で、否定できない要因もある。

 

「それに、この世界の戦国時代はオレ等の知る戦国じゃないのは確かだ。」

 

「え?」

 

「姫武将しかり、オレしかり・・・もう別世界の歴史が有るみたいなもんさ」

 

「でもそれだけじゃ!」

 

「確信がねぇ、って訳か?

だが・・・この世界に産まれて二十年でも分かる事だし、経験したことが有るからさ。」

 

「経験?なんのだよ」

 

「・・・歴史の修正とその改変をな」

 

「修正?ちょっと待て!なんか変な方向にいってるし意味わかんねぇ!」

 

「・・・だろうな。じゃあこうしよう。

Aが俺等の知ってる男の織田信長の居た世界としよう

Bが俺等が居る世界、姫ちゃん。織田信奈が居る世界だとしようか」

 

「あ、ああ」

 

「オレは死んだ時にAの世界からBに、サル君はAの世界から知らないずの間にBの世界に来た」

 

「ここまでの疑問は?」と問いを投げると良晴は首を振る。

 

「オーケー、ならオレが産まれたのは約二十年前、その間いろいろ有ってね。

オレは本来は雑賀孫一じゃない。本当の名は鈴木(すずき)重朝(しげとも)。鈴木(すずき)重秀(しげひで)の子だ。」

 

「鈴木重秀って織田信長の野望に出でくる雑賀衆の頭領じゃねえか!」

 

「そういう事さ、そして権力争いに勝った病弱軍師の叔父、重兼(しげかね)の情けで生き延び最後の鈴木重秀家の生き残りさ

 

オレが産まれたせいで歴史は狂い、本来の孫市が産まれたことによってオレの一族は抹消されたのさ」

 

「・・・」

 

「だから今ここで言う。この先の歴史は知らないが、歴史を狂わせたりするのは止めておけ」

 

そう不気味な言葉を残して孫一は去って城に向かった。




孫「あとがたり~、あとがたりとは、めんどいから以下省略」

猪「あとがたり初登場でこの仕打ちはひどくないですか!」

孫「猪ちゃん、五月蝿いよ。という訳で今回のゲストは鬼柴田の柴田勝家ちゃんだ!」

猪「どうも、それでは今回のお題はこちら!」

「鈴木家と孫一の謎」

孫「今回、雑賀衆の鈴木家のお話だよ」

猪「雑賀と鈴木って違うんですか?」

孫「書籍によると鈴木家は、何故か孫一を多用していて父の重秀も使っていたんだ。[本人の自著にもよる]」

猪「あれ、でも本来の歴史は孫一殿のお父上が雑賀の上に立たれるはずでしたよね。今回の話は・・・」

孫「そこで似ている異世界説が出るんだよ。そもそも雑賀孫市は謎の多い人物でもしかするとの世界観をだしたかったんだ」

猪「なるほど・・・あれ、なんかもう終わりだそうです。え!?早い!?」

孫「そうだね。じゃあ最後に問題でも出そうか」

猪「も、問題ですか?」

孫「神社に参拝するお辞儀の回数と手を叩く回数は何回だ」

猪「え!?えーと」

孫「それでは答えは次回まで、ばいばーい」


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商売=稼ぎ=米と茶器

「だーからー!なんで焼き物をしねーんだよ!この守銭奴姫!」

 

「今はそんなことをしている場合じゃないでしょ!」

 

「今だからこそやるんだろうが!」

 

「だから意味わかんないわ!」

 

「少し考えろボケェ!アホォ!」

 

「あ、ほ!?鴉!あんたね!」

 

 

「うるせぇ!特産品が食い物ばかりな国は栄えねぇ!文化広めろ!」

 

「知るか!」

 

長屋の一件から二刻たった頃、雑賀孫一と織田信奈の一騎討ちの口論をしていた。

 

主な理由は資財である。

何故忙しい時期に資財を集める必要が有るのかというと、尾張領の赤字が原因である。信奈が織田領を継ぐ前、つまるところ先代のころ。

 

当時、美濃と三河に挟まれた土地である尾張は、両隣とは犬猿の仲とも言えるぐらいの小競り合いを起こしていた。

 

また現、三河統治者の松平元康の母は今川家に縁が有る家元だった。

 

今川は三河の先代当主に対し、『妻を同盟維持の為、家に返してもらう』と連絡、三河の先代はいやいやながらも承諾し、妻を今川に帰した。

 

だが今川が『返して終わるのでは意味がない』と、数ヶ月後『孫の安全に松平元康を今川に来させよ』と表向きに脅していた

 

父は小さな国の統治者な為、頷くしかなかった・・・が、運命は上手くいかなかった

 

その今川に行く途中に先代織田の当主が松平元康を誘拐したのだ。

そして板挟みになった三河の当主は身動きも取れず。

数年後、三河の当主は死んでしまい、三河は簡単に今川に呑み込まれてしまったのだ。

 

織田は攻められては堪らないので松平元康を返して時間を稼いだのだ。

詳しい話をすれば、長くなるが結果は成功より失敗が大きく、真逆な結果となってしまった。

 

それだけじゃない、美濃攻めも三度行えど失敗して、兵も財源も、挙げ句の果てに先代織田当主は亡くなった。どうにもならない財政難となっている。

 

 

「金が無ければ戦はできねぇよ!

あと兵は?兵法は?対策は?全部その場しのぎが多い!」

 

孫一は叫ぶが

 

「そんなの解ってるわよ!だいたいね、アナタ何様よ!

私の地よ!私の民よ!」

 

「だぁああかぁらぁああ!この頑固がぁああ!」

 

ちなみに言い遅れたが、言い争いの側には織田家臣達が居て眉をひそめて見ていた。

 

が、とある女性家臣がバチリと扇子を力強く閉じて言い争い中の二人を黙らせる。

 

「議題を投げ、言い争いをするなど愚の骨頂。零点です。」

 

「で、でも。万千代」

 

「姫様」

 

信奈は反論しようとするが、ピシャリと一言で止められる。

 

「そして雑賀殿、アナタは道三様の客将で織田の客将での立場なのをお忘れですか?」

 

「・・・失敬した。大人気ない行動や言葉を言った。」

 

「申し訳ない、姫様。皆様。」と頭を下げる孫一。

 

「本当よ、いきなり特産品の焼物をしようと言い始めたから、頭が狂ったのかと思ったわ。」

 

信奈は文句を言いながら胡座をしている右膝を掻く。

 

「狂ったとか酷いな、姫ちゃん。

 

それが財を上げたりするには手早い方法なんだよ。特に茶器とかね」

 

「?」

 

当時、戦国時代では「有名な茶器程、一国の価値あり」と言われるぐらい価値が有ると言われている。

 

現に資料では足軽が有力な武将を討ち取った際、優良な茶器を手柄として貰っている事が有った。(ちなみに足軽は茶器ではなく土地が欲しかったとぼやいていたが、伏せておく)

他に、ここから未来では時価数兆円で買い取り、日本からの輸出を防いだとの話も有る。

 

「昔、唐から伝わる何百両とする茶器を見たことがある。

 

そこでオレは、茶器は一国以上の価値すら有ると考え、尾張産茶器を造ることを考えた。

 

さらに今は南蛮人がこの地に往来する事が多い。

南蛮人用の手土産にも造れば、尾張の良い資金になる」

 

「・・・なるほどね。ま、頭に入れておくわ」

 

信奈は孫一の計画を皮算用の一つと考えて深く考えなかったし、現在の問題を考えた。

 

「で、万千代。兵の件だけどどうする?」

 

「・・・やはり信勝派が原因かと。有って四十点。無ければ六十点です」

 

「信勝?あぁ、少年の事か」

 

孫一はあれは確かに問題だ。と考え、頬を掻いた

 

「確か、織田家は二つに割れているだよな?」

 

孫一は全員に訪ねる

 

「えぇ。信奈様の派閥である信奈派と信勝様と土田御前様のお二人が作っている派閥、信勝派が有るんです。

ただでさえ、織田の、尾張の危機と言えるのに・・・協力もしてくれません。零点です。」

 

と先程の言い争いを止めた女性家臣、丹羽 長秀が答える。

 

「土田御前様は、たしか姫様の母君で。前当主の奥方・・・

そして南蛮文化嫌いな方だった気が・・・」

 

そう孫一が呟くと信菜が反応して答える。

 

「そうよ、しかし問題がそれだけじゃないの。

私の弟は、二度の謀反を起こしたの」

 

「二度!?よく首が繋がってるもんだ」

 

「言いたいことは分かるわ。

でも、あれでも弟なの。次は確実に切腹させるわ。必ず」

 

「・・・まぁ、その覚悟は良いけどさ。

実は言うと、三度目の謀反のきっかけが出来ちゃったかもしれない」

 

「へ?」

 

 

 

 

 

「それ、どういう事よ!!鴉!」

 

「いや姫様、意味が有るが喧嘩両成敗は無理だからオレなりに納めたんだが」

 

うこぎ長屋の一件を話す孫一は頭を掻いて説明したのだが

 

「あのバカ猿!打ち首物のバカをやって!」

 

と、信奈は立ち上がってから、天に向かって吼えた。

 

「まぁ、仕方ねーんじゃね?男なら退けぬ意地が有るし」

 

「でも無謀ですね。四点」

 

と、孫一は良晴が言いそうな答えを言うが、万千代こと長秀は孫一が聞いた事のない不吉な低評価を叩いた。

 

「・・・で、どうする?」

 

「どうするって、言われても仕方ないわよ。

サルに三千貫を与えて八千石の米を買わせる試練を与えてやるわ。」

 

「ん?今の長秀殿。現在、尾張の相場は?」

 

「だいたい三千貫で四千石が限界ですね、孫一殿。良晴君には難しいかと、三十点。」

 

「・・・だが、難しいほど良い立場と認めるぐらいの地位に推せるから妥当だとオレは思うが・・・

うーん・・・」

 

孫一は頭を下げて考えたが良い案さえもない。

 

「だが三千貫をただの足軽に与えるのもな。」

 

と一人の家臣が呟いたが謀反を無事納める手は、これしか無いと考える。

しかし反対な理由もいくつか有るが

一番高いのが、身分違いでの切腹命令は信勝派の相手を喜ばせるうえに、調子を良くさせて、謀反と流れ込む可能性も有ったからだ。

 

「異論は無いわね。

七日後にサルに言い渡す。異論は、無いわね・・・」

 

「御意」

 

信奈以外の家臣と孫一は頭を下げた。

 




孫「あとがたり、あとがたりとは、めんどいから以下省略」

万「酷い言い方です。六点」

孫「と、いうわけで今回のゲストは丹羽長秀さんこと万千代姐さんです!」

万「姐さん?」

孫「あれ、年上でしょ?」

万「私は数えて二十歳ですけど・・・」

孫「まさかの同い年設定!?聞いてないよ!」
※実際年齢は解らないので孫一と同い年にしました。

万「私をいくつと考えてました?」

孫「一、二歳上ぐらいと」

万「許容範囲なので許します。七十点♪」

孫「意外に点数高いな!おい!」





孫「では前回のクイズの答えは
二拝二拍手一拝です

丁寧な作法では一揖二礼二拍手一礼一揖

一揖は、鳥居をくぐる際には、軽く一礼する事を『一揖(いちゆう)』というらしい」

万「ちなみに参道は真ん中を歩くと罰当たりなので止めましょう」

孫「てな訳でお題はコチラ」


『更新遅れまして申し訳ありません、ごめんなさい』

孫「これ謝罪やん・・・お題はコチラ」


『御家騒動の前にある資金の伏線』


孫「尾張出身は分かると思うが、今回焼き物を出そうと思います」

万「焼き物をした理由は?」

孫「作者いわゆくサーは織田信長が茶器で国を潰すとかきっかけで調べると焼き物の資料は出るわ出るわで、焼き物やろうか、売れるんじゃね!ってノリノリに書いてたらこんな話に」

万「・・・作者、零点です」

孫「あれ?そーいや、猪ちゃんは?」

万「前回のクイズで知恵熱を出しました」

孫「・・・」



追記
孫「あと原作とは違い、滝川が送る資金源は仲違いと防衛費に回して赤字です。」

万「理由は?」

孫「滝川軍とは仲違いしていないと今回の話も成り立たず、茶器関連も進められなかったからです。」


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自炊と魂

御詫び、更新遅くなりました。申し訳ありません。

そして早いが、ハッピークリスマス!

present for you!
(スペル合ってるかな?)
↑英語苦手な作者


「・・・できたぞ」

 

雑賀孫一、二十歳独身、職業は種子島指南役と裏雑賀衆頭目。

そんな男が今、料理をするために土間に降りていた。

 

「雑賀様、あとは僕等がやります。」

 

「・・・ん?いや良いよ。これくらいやるし」

 

一人の小姓が声をかけるが、孫一は料理を盆の上に置いて、片付けをし始めた。

 

孫一と先程の小姓以外の手伝いはヒソヒソと話し声を上げていた。

 

「女の戦場(いくさば)で料理を」

「男だが中身は女では無いか?」

 

など話をしていた。

 

「聞こえてるよ、それに自炊をする日々を送ってきたんだ。

これくらいやらせろ。」

 

「うっ」と黙る手伝い達は蜘蛛の子を散るように消えた。

 

孫一は溜め息をついて、片付けを終えてから盆を持ち。自室に向かった。

 

ちなみに、この自炊癖は世の裏を知ってからである。

裏雑賀の当主で有るも関係なく、昔毒殺されかけた事によってのトラウマによっての癖である。

 

勿論、妹・・・正式には義理だが彼女には花嫁修業という仮の名目で自炊をするようにさせた。

 

また可愛い妹の為に毒殺を防ぐ意味も有った。

 

 

 

話は戻り、孫一は客室の部屋に戻り、盆を机に置く。

 

「・・・いただきます」

 

孫一の今日の夕食料理。

・白米

輝かしい炊きたてご飯

 

・八丁味噌のネカブ(ネギ)味噌汁

赤味噌なので味が濃いかも?しかし、ご飯が進む。ネギが食べやすい大きさで切られてる。

 

・酒

木の香りがする。すっきり喉越しが良い。

 

・八丁味噌の上澄み野菜炒め

醤油代わりに上澄みで炒めた。醤油ベースを考えた肉の無いただの野菜炒め。

 

・八丁味噌ときゅうり

味噌付けて良し、そのまま胡瓜食べて良し。酒のつまみに最適。

 

「もぐもぐ・・・味噌づくしだな。野菜炒め、ちょっと味が濃いな。」

 

孫一は、もぐもぐと食べる。政の帰り道で適当に買った酒を注いで呑もうとするが突然、襖(ふすま)が開き、数人の若侍が入る。

 

「雑賀孫一殿、我々について来てもらう」

 

「・・・無粋だねぇ、飯を食ってる最中だよ。」

 

「飯などコチラが用意する。安心してついて来い。」

 

「嫌だ。なんで行く必要が有る?それに誰が呼んでいるのか答えてくれ」

 

「言えん、しかしだ」

 

「良いから、黙ってついてこい!」

 

一人の若侍は短気だったのか、腹を立て声を立てて料理の盆を蹴飛ばす。

 

「・・・」

 

「はん、生意気言ってんじゃねーよ。さっさとついてこい!」

 

孫一は蹴り飛ばされた料理を見て黙る。

 

「聞こえてんのか!あぁ!」

 

「・・・なぁ」

 

「あ?」

 

「食い物ってのはなぁ!!精魂込めて作った奴が居るから回るもんだ!

テメェは食い物を粗末にしやがった!」

 

ダン!と孫一は立ち上がり、先程の若侍を背負い投げの要領で中庭に投げた。

 

「なぁあ!?」

 

そして他の若侍は孫一の突然の行動に驚き、口を開く。

 

「・・・あの料理はなぁ」

 

孫一はクルリと若侍達を見て―

 

「値切りを重ねてなぁ・・・」

 

トン、と足音を立て―

 

「安く、良い品を使った物ばっかりで」

 

黒い笑顔を振り向きながら―

 

「手間隙かけて作った料理なんだよ」

 

前に進む。そして孫一は「だから」と呟き。

 

「死ぬほど殴るが良いよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ふむ、ふむ。で、何か?」

 

「何か、とか。その・・・うちの下の者が迷惑を」

 

「で?」

 

「えっと、申し訳ありません!」

 

「うん、やだ☆」

 

「即答!?」

 

「だって、こんな世の中なのに食べ物を粗末する奴を許すわけないだろ。食えねぇ、食えねぇって餓えてる奴も何処かに居る。

 

それに美味しい飯の元は、精根込めたうえに汗水垂らした百姓の一つの証だ。武家の魂の刀が宿るように、野菜には百姓の魂が入っているんだ。

 

オレが許せねぇのは、それだ。

オレだけじゃねぇ。雑賀や根来の奴等が見たら、一揆を煽りかけて潰すぞ」

 

「か、勘弁してください!」

 

「やだ!☆」

 

「うわぁああん!御先代に会わす顔がないよぉお!」

 

孫一は目の前で焦っている少女、柴田勝家を見てニヤニヤしている。ちなみにこのやり取りが、三回以上やっている。

 

しかし何故、勝家が孫一の前に居るのか。それは部下が孫一に対する無礼を行ったことの謝罪に来たのだ。

 

食事は台無し、同盟国の客将であるのにも関わらずに頭を下げないで上から目線。

 

もはや、どちらが悪いのか分かりきっている事だ。

 

でも孫一も悪いことをしている。武士の魂である刀を中庭にある木の枝に刺して、塩が混じった水を被せ。先程の武士の三人を罪人に行う簀巻き状態で別の木に宙吊り状態となっている。簡単に言えば蓑虫(みのむし)みたいな状態である

 

「ま、良いか。今回の件は手打ちにしましょう。暗くなりましたし。」

 

「本当ですか!」

 

「お、おぅ」

 

パアッ!と笑顔になる勝家を見て、孫一は今まで行った行動に良心を痛めてしまう程、心に矢が飛んで来た。

 

「・・・どうしましたか?」

 

「いや、うん。自分の心は醜いなぁ、って」

 

「?」

 

良心が傷んで何かが負けた・・・。そんな気がする孫一であった。

 

 

ちなみにその後、勝家が男三人担いで帰ったのには驚きを隠せなかったのと「何しに来たのだろう」と考えてしまった孫一だった。




孫「あとがたりとか、もう・・・どうでも良いや」

サー「ちょ、孫一さん!?」

孫「クリスマスなんざ」

サー「なんか暗いよ!カメラとめろぉ!」





孫「すまん、壊れた。あとがたり!あとがたりとは!本の最後の語りを語るあとがたりである。

さて二ヶ月ぶりの更新だが」

サー「ごめんなさい!」

孫「・・・ま、良いさ。さて、サーは今回なにかをパロったよな」

サー「はい、孤独のグルメをパロディしました。」

孫「だよねー。で今後の課題は」

サー「一巻を抜ける!」

孫「大丈夫か?」

サー「忙しくなるけど大丈夫!」

孫「と言うわけで今回のタイトルは!」


『来年の目標発表』


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