IS -after∞infinity!- (ジョナサン@なろう民)
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プロローグ
俺と言うものがこの世界に生まれた時から、俺は一人だ。
毎日が同じことの繰り返し。
厳しく、つらい事の繰り返し。
俺はそれでいいと、当時そう考えていた。
それが俺にとって当然なのだと。それが俺にとっての義務なのだと。
だが。俺は18の歳を迎える前に知ってしまう。
自分が、歪んだ。歪められた存在であることを。
IS -after∞infinity!-
インフィニット・ストラトス。
ずっと昔宇宙空間での活動を目的に開発されたマルチフォームスーツ。
そして現在、兵器として・・・もとい、スポーツとして今もなお開発が進められている。
その能力はまさに∞(インフィニット)と言える。
最高速度はステルス機を上回り、攻撃力は巡航ミサイルをも凌ぐ。
おまけにビームやバリアなどの空想でしか考えられないような兵器を使用できる。
兵器として研究されるのも当然だ。
しかし、強力な力を持つと言うことはそれだけ危険な物だ。
アラスカ条約―まあ、そういうのが危険なことに使われないように、一国だけでその力を独占されないように結ばれた条約―の締結から、今のスポーツとして扱われているのが現状だ。
そんなISに携わる未来ある若者を育てる学園が、そこにあった。
その名は・・・
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EP01「入学!IS学園」
(・・・ら)
「・・・」
(・・・ーい・・・・きら)
るせーよ。折角人がゆっくり寝てるってのに・・・。
(・・・)
あー、これでゆっくり寝・・・・・
―ガンッ!!!
「ぐっはぁっ!?」
突然股間に激痛が走る!痛い!超痛い!
「何すんだお前ッ!!」
がばっと布団から飛び起きた俺。
「やほ♪」
痛む股間を押えつつ、見上げると。
「・・・春」
昔から俺とつるんでいた親戚が大きなショルダーバッグを肩に、俺を見下ろしていた。
「秋良」
そいつは俺の名前だけ言って時計を指差した。
「・・・あ」
時刻は7時。
そして大事な事を思い出した。
織斑秋良、15歳。
入学式に遅刻するか否かの山場だった。
EP01「入学!IS学園」
俺は織斑秋良。ご覧の通り、学生。
そして今日からIS学園の1年生となる。
・・・今、「IS学園って、女子校状態じゃなかったっけ?」
なんてことを考えている人もいるかもしれないので、ここで現在のIS学園について少し補足しておこうと思う。
IS学園と言うのは、その名の通り、IS(インフィニット・ストラトス)について学ぶ学校。
国立だから入学試験はある程度の才能がないと通らないという。
そんなエリートコースにどうして俺が行くことになったのか。それは追々話すとしよう。
で、さっきの疑問符についてだが。
近年、ISの技術者が不足しているのだ。
斬新な発想も求められ、こうしてIS学園に男子の入学する枠が設けられたと言う訳。
とは言っても、女子の入学希望者と比例してもその差は負の方に圧倒的。
女子ばかりの所に、しかも超試験が難しい所に行くのはとても優秀な清潔感あふれる好青年か、下心満載のただの馬鹿だけだ。
・・・俺?俺は・・・おっと、モノレールの速度が落ちてる。続きは後で。
―次は、IS学園前、IS学園前です―
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
モノレールが停車し、自動ドアが開いた瞬間、スタートダッシュ。
「そんなに叫んだら学園まで息持たないよー」
「お前も呑気に走ってたら遅刻するぞ」
「はいはい」
俺と肩を並べて駅の階段を駆け下りるこの女、俺の親戚である。
名前は春。姓は皆堂。
俺とは「はとこ」の関係にある・・・つまり、俺のじっちゃんの姉の孫娘になるわけ。
で、俺と同じように今日からIS学園1年生だ。
駅の改札に切符を滑り込ませ、制服・着替え等入ってる鞄を担ぎ直し、再び全力疾走。
「でさ!」
「ああ!?」
春が切り出す。
「正直あの秋良が受かると思わなかった!」
「あのって!?」
「平均的な成績の!」
「お前がそれを言うか!てか何回目だ言うのそれ!」
「だって私ん方が・・・ハァ、成績・・・ハァ、良かったじゃん・・・ハァ」
段々息が切れてきた春。
「いわん・・・こっちゃ・・・ねえな・・・」
かくいう俺も。
そうこう走っているうちに学校門前に来た・・・ってまずい!予鈴(と思しき音)が鳴ってる!
「秋良!良い事考えた!ちっと止まって!」
「え?お、おう!」
春が何か思いついたらしい。
俺はその言葉に従い、かかとで急ブレーキを掛けた。
「秋良!」
春は止まらず、俺の方を向いた。そして。
「パス!」
「え――――――おわぅ!?」
春が自分の荷物を俺に投げ寄越した・・・重ッ!
「秋良ー!私の荷物を頼んだー!」
そう言って春は荷物をキャストオフして軽くなった分速度を上げて、予鈴が鳴り終わるまでに・・・門を通過。
「・・・」
春・・・テメェ。
俺は春に対する怒りのボルテージを押えつつ、ため息をついた。
「ハァ・・・」
とりあえず言い訳でも考えておこう。
どうも、ジョナサンです!
にじファン移転の俺ですが、どうぞよろしくお願いします!
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EP02「幼馴染3人衆」
結局、俺が門に辿り着くと立ち番?らしき先生から冷ややかな目で見られる羽目になった。
とにかく春にこの借りは絶対に返す!と固い決意を固めた所で俺は入学式の場所へと向かっているのだった。
入学式の会場に向かう最中、早速借りを返すと心に決めた相手を見つけた。
それと同時に、春も俺を見た。
「ねーねー」
「・・・んだよ」
「入学式って、何処だっけ」
「・・・○○だっ!」
俺は親切に答えてやりつつ、大きな大きなバッグを春に投げ返してやった。
EP02「幼馴染3人衆」
学生寮・エントランス
入学式を終えた後は部屋割りを見た後寮へ荷物を運ぶ作業だ。その後は制服を着てクラス分けを確認後、とっととクラスに向かう筋書き。
「随分人集まってるねぇ~」
人でかなり混んでいる。勿論ほぼ全員女子だ。特に張り出してある部屋割りには密集している
「・・・」
「秋良?見に行かないの」
春が俺を覗き込む。
「・・・春、ちょっと見に行ってくれよ」
「へ?何で?自分で見に行きゃいいんじゃん」
「俺に女子の中突っ切れってのか」
「うん」
躊躇なく言う。ひでぇな。
「・・・こんな時あいつが居ればなァ」
「呼んだか?」
「そうそう、こんな感じで・・・わっ!?」
「うおっ!?」
何時の間にやら現れた人物に驚いた。
「突然唐突に現れるんじゃねぇ!」
「春休みぶりの再開だろ~?寂しい事言うんじゃねーよぉ」
「くんな!何か臭い!」
「相変わらずだよねぇ」
春は俺にべた付くこの人物を、やれやれといった感じで見てくる・・・。
この人物、俺と春が小学生時代からつるんでいる男、中島|蒼空(そら)。
見ての通り、軽い雰囲気を持つ。
春休みにどこかに出かけていたようだったが・・・
「因みにどこ行ってたのさ」
春が気になっていることを聞く。
すると蒼空は親指をぴっと突き出して。
「グアムでナンパ!」
「アホだ」「アホだ」
こうゆう奴のままで安心した。
安心したら俺は良い事を思いついた。
「・・・お、そうだ!蒼空。お前、女子の群れに突っ込む勇気があるか?」
「おう!」
即答。
「よし!ならば行け蒼空!俺の部屋番号を確認して来い!」
「了解・・・あれ?」
見ると、もう先程までの人混みはがらんがらんになっていた。
「やー。とゆうわけでとっとと行こっか」
春が改めて言い、俺たちはとっとと部屋割りを見た。
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