転生した俺のナルガ亜種人生。 (ナルガ亜種)
しおりを挟む

★1:渓流/闇の中に影ふたつ
1.緑迅転生!


ある日突然ナルガクルガ亜種になってしまった男の、
どこかのんびりとしたお話。

村クエが終わらないので腹いせに書きましたorz


ナルガクルガ亜種。別名、緑迅竜。

緑色の体毛で草木に同化して、

気配もなく獲物を狩る知能の高い飛竜種だ。

 

ナルガクルガといえば

鋭い刃翼と、鞭のようにしなる長い尻尾が主な武器だが、

亜種はさらに高い知能と運動能力を持つことで知られている。

 

 

 

 

 

さて、突然だが俺はナルガクルガ亜種になってしまった。

意味不明だとは思うがまずは聞いてくれ。

俺はごく普通の大学生で、名前は「緑坂 竜(ミドリザカ リュウ)」という。

名前負けしてる感はあるが、それは仕方ない。

サークル等にも入っておらず、土日は暇を持て余している。

俺はモンハンが好きで、最近はモンハンクロスに夢中だった。

 

でだ。

土曜日の夜遅くまでリオレウス狩って防具作って、

目標達成、よし寝るぞ、はい起きた、俺モンスター!

意味不明だわ!こんなんやってられるか!

三日くらい現実逃避して寝てたわ!

 

...しかし、そうは言っても腹が減ってきた。

ここは渓流の、ゲームで言うエリア9の木の上のようだが...

どうしようもないし、仕方ない。

やってやろうじゃん?生き抜いてやろうじゃん?

とか強がってみたものの空しいばかり。

しょんぼりとしながら、ナルガはケルビが好みだったなぁとかなんとか考えていたが...

 

なんか、思った以上に自然と動ける。

二足歩行だった俺が、四足歩行を一瞬でマスターしちまった。

やるじゃん、俺、とか自画自賛しながら

調子に乗ってケルビを狙ったら

見事に全員に逃げられた。

だめじゃん、俺...

 

だが、ここでめげないのが俺流スタイル。

一度四足歩行に直ぐに適応した俺はテンション上がりまくりで、

エリア2の辺りで別のケルビの群れを見つけた俺は、

音を立てずに木の間から群れの一匹に近づき、

刃翼の一撃を撃ち込んでやった。

仲間が突然倒れて、周りのケルビは慌てて別方向に逃げ出した。

一発でいけるとか俺、天才かもしれない。

え?さっき失敗してた?それはきっと気のせいさ!わっはっは!

 

さあ、ケルビを食おう。

ゲームの中では生で食ってたしいけるよな?

俺はおそるおそるケルビを一口ガブリと...

......あ、旨いわこれ。

脂ギトギトでもなく、適度に甘い感じがgood!

さて、残りは危ないし持ってかえって家で食べy...

 

弓ハンター「うわ、ナルガクルガ亜種!?」

 

銃槍ハンター「おいおい、ホワイトレバー集めにきただけなのに...おい、どうする!」

 

片手剣ハンター「どうするって、あたしたちはまだ下位ハンターだよ!?」

 

太刀ハンター「くそ、ここは逃げるしか...!」

 

まずい。ハンターに見つかった。しかも4人組。

これからのことを考えると、ハンターと敵対はしたくない。

万が一狩猟依頼でも出されたら確実に死ねる。

 

(俺は敵じゃないぞ!!)

 

と言ってみたがただの唸り声にしかならなかったので、

一歩下がって首を振ってみた。

 

弓ハンター「...あら、襲ってこないのかしら?」

 

(そうだ!そうだ!!)

 

と必死に首を縦に振ってみる。

なんだ、わかってくれるじゃん。

 

太刀ハンター「いや、ナルガクルガ種は狡猾なモンスター...罠かもしれないぞ、イクサ」

 

イクサ(弓)「な、なるほど...」

 

(だああああああ!!違う!!!違う!!!)

 

猛烈に首を振る俺。

ちがうんだ!話を聞いてくれ!

 

片手剣ハンター「ではカタスさん、先手必勝ではないですかっ?」

 

カタス(太刀)「そうだな、ゼル、刃薬を準備しろ」

 

ゼル(片手剣)「はい、会心の刃薬です!」

 

説明しよう!刃薬とは、片手剣に用いる薬品で、

会心率アップなど様々な効果があるスグレモノなのだ!

俺も愛用してたよ、うん、だからそれしまおう、ね?

 

銃槍ハンター「待て、俺に任せろ」

 

カタス(太刀)「...大丈夫なのか?ルソ」

 

ルソ(銃槍)「...話せばわかるさ、きっと」

 

イクサ(弓)「...一応、麻痺薬矢に塗っておきます」

 

ルソ(銃槍)「ああ、ありがとな」

 

(おおルソよ、お前は天使だ!男だけど!)

 

内心ほっとしながらも俺は首をかしげて見せた。

話を続けてもらうためだ。

 

ルソ(ナルガクルガは獣人族と似た性質があると聞いたことがある...)

ルソ(これは憶測に過ぎないが...)

ルソ(こいつは獣人族の内、上手く喋れないが理解はできるというタイプに近いのではないかと思う)

ルソ(まあ、そうだとしても大発見なわけだが...)

ルソ(そもそも話せるアイルーやメラルーが発見されたときも大騒ぎされたというのだ)

ルソ(不自然な話ではないのではないだろうか)

 

ゼル「ねー、ルソはなんで独り言良いながら怖い顔したりニヤニヤしたりしてるの?」

 

イクサ「しっ、こら、みちゃダメよ」

 

ルソ(聞こえてるんだが...後で絶対しばいてやる)

 

ルソ「お前、俺らを攻撃する気はないのか?」

 

(うんうん)

 

ルソ「何故だ?人間が好きなのか?」

 

(そうだよ、ほらホワイトレバーどうぞ)

 

さっき食べかけたケルビのホワイトレバーを置いてやった。

飯はなくなったけど仕方ないよね。

 

ルソ(銃槍)「おい、ホワイトレバーもらったぞ!」

 

カタス(太刀)「これでクエストクリアじゃないか!!」

 

イクサ(弓)「やったわね、あと1つだけ出なくて苦しんでたのよね♪」

 

へえ、ホワイトレバー納品やってたのね。

...しかし、罠を警戒していたんじゃなかったのか?

こいつら、能天気すぎないだろうか...

だがまぁ、俺の方も助かったのは事実だし、ここは素直に喜ぼう。

 

「ギャウ!ギャウ!」

 

ゼル(片手剣)「あはは、この子喜んでるみたい!」

 

回りより一回り小さい小柄な女の子ハンターが

無邪気に喜んでいるので俺も少し機嫌がよくなった。

 

「ギャギャギャウ♪ギャギャギャウ♪」

 

ゼル(片手剣)「ぎゃぎゃぎゃう!あはははっ!」

 

カタス(太刀)「あんまはしゃぐんじゃねぇぞ?はははは!」

 

 

 

 

 

そんなこんなで暫くゼルとかいう女の子ハンターと遊んで、

タイムアップが近いらしく別れることとなった。

俺は刃翼を横に振ってバイバイをしてやった。

 

さて、もう一匹ケルビ狩ってくるか!

 

 

 

 

 

ーギルドー

現在、渓流で下位相当のナルガクルガ亜種を確認。

ただしハンターの足りない納品アイテムを分けてあげるなど

友好的且つ知能の高い一面を持っている模様。

また、人間の言っていることがわかるとの報告もあり。

下位の緑迅竜自体未確認なので、

至急観測を依頼として以下のように出すこととする。

 

 

緑迅竜はオトモダチ?!

★2

 

報酬金:1200z

契約金:300z

目的地:渓流

 

成功条件:ナルガクルガ亜種の観察

失敗条件:ナルガクルガ亜種の狩猟

 

依頼主:ギルドマネージャー

依頼内容

 先日、渓流にて下位相当の緑迅竜を観測。

 下位の緑迅竜自体未確認対象な上、

 質問に対し簡単な応答をする、

 納品アイテムを分けるなど、

 明らかに知能が高すぎることと、

 武器を構えられても襲ってこなかったため、

 ギルドはこれを特別な個体と判断、

 観察を依頼する。

 なお、狩猟は厳禁とする。




冒頭にも書いたような気もしますが、
この小説はモンハンクロスの村クエ消化で疲れたので、
気分転換に書きました(^p^)
村クエ多すぎる...

不定期更新となりますが、
のんびり待ってやって下さい。

きっと村クエでまた疲れたら
更新します...


あと、ナルガクルガ種と獣人族が似ているというのは
どちらもモチーフがネコであるためです。
他に特に深い意味はありません。たぶん。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2.猪突猛進!

今回は大型モンスターと出会います。
下位のナルガ亜種のお手並みやいかに。

ー登場人物ー
・ナルガクルガ亜種
 主人公。大学生。
 ケルビが大好物。最小金冠サイズ。

・太刀ハンター カタス
 主人公と会ってしまった悲劇のハンター4人のイケメンリーダー。
 気刃大回転斬りだけをよく外すという残念ぶり。割と中二病。
 武器:山刈鎌
 防具:ドボル一式
 スタイル:ギルドスタイル
 狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・片手剣ハンター ゼル
 周りの3人より一回り小さい小柄な女の子ハンター。
 無邪気に喜ぶのでこっちまで嬉しくなる。癒し枠。乗りが得意。
 武器:アイシクルスパイク
 防具:ベリオ一式
 スタイル:エリアルスタイル
 狩技:ブレイドダンスⅠ

・銃槍ハンター ルソ
 いかにもな感じのゴツいハンター。狩り場では男の中の漢。でも普段はチャラい。
 名前がショボいことと、よくカタスの大回転斬りにこかされるのを気にしてる。
 武器:フレイムスロワー
 防具:アグナ一式
 スタイル:ストライカースタイル
 狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・弓ハンター イクサ
 大和撫子のような美しい女性。狩りより釣りの方が上手いかもしれない。
 しかし本人が結局狩ると決めたのと、弓の扱い自体は上手いので黙認されている。
 武器:ディオスアローⅠ
 防具:ブラキ一式
 スタイル:ブシドースタイル
 狩技:トリニティレイヴンⅠ


注意!今回は大型モンスターと戦闘するので
少しだけ残酷な描写があるかもしれません!
苦手な方は、申し訳ないですが、ブラウザバックをオススメ致します_(._.)_


さて。今日はガーグァでも狩ってみるか。

まぁ、久々に鶏肉が食いたくなっただけだがな?

てことで渓流6に移動。ガーグァってこの辺にいたよな...

 

「ブルゥ、ブルゥ、プォォォォン」

 

この聞き慣れた声はブルファンゴか...?

いや、ちがう!

 

瞬時の判断で横へ跳ぶと、ドスファンゴが目の前を通っていった。

なんだドスファンゴか、と思ったそこのあなた。甘い!

ドスファンゴの突進はドスジャギィ程度軽々と突き飛ばす威力があるのだ。

今の鍛えてない俺が食らえば一撃で骨が折れるかもしれないレベルである。

 

さらにもう一つ、ドスファンゴを警戒する理由がある。

それは、ナルガクルガ種は直線的な動きが苦手なことだ。

これにより、ブルファンゴ達にさえかわした突進の勢いで間合いを離されてしまい、

ブルファンゴに一撃も食らわせられないのである。

 

逃げることもできるが、相手も下位相当だと、なぜか見ただけで分かった。

確実に格下である。

こいつにビビってるようじゃ、この先生きていけないだろう。

とか思っている間にドスファンゴが再び突進してきた。

 

ドスファンゴの動きに合わせて大きく跳んで、尻尾を...叩きつける!

放った会心の一撃はしかし、ドスファンゴの方が早く下を素通りされて終わった。

まずい。俺は内心焦った。

ドスファンゴの突進を見てからじゃ尻尾は間に合わない。

かといって回り込んで刃翼を叩きつけようにも距離が遠すぎた。

しかもノーモーション突進と溜め突進を使い分けてきやがる。

 

やべぇ。こいつラスボスなんじゃね?とかヤケになってると、

ゲームとは違う動きをしてみたらどうだろうか?

ふとそんな疑問が浮かんだ。

とりあえず3度目の突進をかわし、ドスファンゴがこちらを振り向いたときに

自分から見て左手にあった木を横倒しに薙ぎ倒した。

木が盾になって突進を防いでくれ...木をぶち抜いて突っ込んできた。HAHAHA!

ダメだこりゃ☆

 

ドスファンゴ。攻撃方法は突進と牙の振り回しのみ。

しかしそれ故に。その突進は小さな体に対して異常な威力を持つ。

ゲームでもよく一撃か、多くて三発程度で木々が無惨に吹き飛ぶのをよく見かけた。

 

閃いた。その突進の威力を逆に利用してやろう。

木をぶち抜いたとき若干突進の速度が下がったので、

不意打ちながらも余裕を持ってかわせた。

いい加減当たらない突進にドスファンゴも鼻息が荒くなってきている。

怒り状態に突入のようだ。

 

相手が溜め突進を使うのを待つ。

2度3度突進をかわすと、奴が溜め突進に入った。

溜め突進なら途中で止めるのは容易ではないはず。

 

(さあ!こい!)

 

モンスターの性なのか、はたまた俺の性格か。

それはわからないが、命を賭けているというのに、

逆に燃えてくる自分が可笑しくてたまらない。

二匹の呼吸が、一瞬重なる。

 

「プォォォォォォン!!」

 

(今だ!)

 

ドスファンゴがさっきにも増して高速で突っ込んでくる。

そこに...俺は刃翼の一撃をかました...いや、刃翼を「置いた」。

敵の移動を予め予測してその位置に溜め斬りをするなどの「置く」ではなく、

本当に「目の前に出しただけ」といった感覚に近い。

 

だが、ドスファンゴは勢いを止められぬまま

斬れ味青レベルの鋭利な刃翼に突っ込んだ。

一瞬の出来事だった。

ドスファンゴの体は文字通り真っ二つに裂かれ、それ以降動くことはなかった。

 

(や...やった!やったぞ!!ついに俺は大型モンスターに勝てるようになった!!)

 

その日は一日中猪肉パーティーだったのは言うまでもない。

この体ではドスファンゴも旨かった。

 

 

 

 

 

ー銃槍ハンター ルソー

さて。今回の俺の出番を奪い去った緑迅竜への苦情は置いといて。

ドスファンゴ狩猟のクエストを受けて行ったら既にドスファンゴが一撃で真っ二つ。

傍らにはあの下位の緑迅竜。

ちょっとよく分かんない。

 

 

 

 

 

ーギルドー

渓流の下位相当ナルガクルガ亜種が、

大型モンスターを一撃で倒したとの情報が入っています。

攻撃力が異常なのか、他に何か種があるのかは分かりませんが、

ひとまずこの緑迅竜を危険と判断し、観察依頼の難易度を更新します。

 

 

 

 

 

一刀両断、緑迅竜

★3

 

報酬金:3000z

契約金:600z

目的地:渓流

 

成功条件:ナルガクルガ亜種の観察

失敗条件:ナルガクルガ亜種の狩猟

 

依頼主:ギルドマネージャー

依頼内容

先日、下位緑迅竜を再び観測。

大型モンスターを一撃で倒すなど

超強力な個体の可能性が高く、

またそもそも攻撃していないとか、

木を倒して盾に使おうとしたなど、

とんでもない話がいくつも入っている。

ギルドはこれを危険な個体と判断、

クエストレベルを引き上げた。

なお、狩猟は厳禁とする。




ハンターの紹介出したのにハンター出てないのはすみません!
次回出します、次回!

あと装備が優秀なのに主人公にビビってたのは、
次回で描写しますが下位のナルガ亜種に前例がないのが原因です。


クロスのクエ消化に疲れたので更新しました。
(捕獲クエストで見極め付いてたのにネコがトドメ刺してしまったとか
特産ゼンマイが足りてないとかetc.)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3.甲虫討伐!

はい。卵運びで2回失敗しました、水玉スフレです。
運搬の達人と超人両方付いてるのに、なんででしょうね?
爆弾ネコ連れ回してるのが悪いんですかね?

ー登場人物ー
・ナルガクルガ亜種
主人公。元大学生。初観測となる下位クラス。
ケルビが大好物、最近はファンゴ肉もお好み。最小金冠サイズ。

・太刀ハンター カタス
イケメンだが爆弾で自爆するのがこの男。
ブシドーをやってみたが、無双斬りの斬り上げがほとんど当たらず太刀が白いままだった...。
武器:山刈鎌
防具:ドボル一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・片手剣ハンター ゼル
女の子女の子した見た目とは裏腹に回避性能のお陰か割と強い。日焼け跡がgood。
ただし、捕獲用麻酔玉は忘れないのに罠を両方とも忘れたりする。
武器:アイシクルスパイク
防具:ベリオ一式
スタイル:エリアルスタイル
狩技:ブレイドダンスⅠ

・銃槍ハンター ルソ
みんなの頼れる盾。ダメージを受けて狩技ゲージが溜まっていく...
狩人のオアシスを設置したとたんエリア移動をされて涙目。
武器:フレイムスロワー
防具:アグナ一式
スタイル:ストライカースタイル
狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・弓ハンター イクサ
大和撫子のような美しい女性。爆破属性スキー。
ブシドーは保険にしてるだけ。貴重な常識人。超色白。
武器:ディオスアローⅠ
防具:ブラキ一式
スタイル:ブシドースタイル
狩技:トリニティレイヴンⅠ


今回はハンターたち主役の回となるかもしれません。


朝の暖かい日射しで目が覚める。

おはよう、と誰にともなく言ってみて、エリア9の木の上から降りる。

そして気分でブルファンゴかケルビが狩って、食べる。

最近はそんな毎日で、特に変わったこともなかった。

 

こういうときに限って何か起こる。

きっと誰かが仕組んだんじゃないか?

 

ゼル「あ、ナルガ亜種さんだ!やっほー!」

 

ゼルだったか?

少女が片手剣をぶん回しながらこっちへやって来る。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

ルソ「あまり近づくな...そいつ、大型モンスターを一撃で倒せるんだぞ」

 

ゼル「気にしない気にしない!よく見たらこの子の目、優しそうな目をしてるもん!」

 

ルソ「そうか。お前、そういうことはすぐ分かるもんな」

 

ゼル「うん!」

 

ルソ(だったはず)が話を終えると、側を歩いてたオルタロス達にいきなり砲撃した。

俺が不思議に思い首を傾げると、

 

ゼル「あたしたちね、オルタロス討伐に来たの。今ルソが三匹倒したから、あと四匹!」

 

ルソ「20匹以上倒したら、ネコタクチケットが届くんだよな」

 

俺は納得した。

ということは、あとの二人とは別行動なのだろう。

小型モンスター討伐の際は、数をこなすことが必要になってくるため

必然的に分散し、各個撃破していくのが最も効率がよくなるのだ。

なお、今こうしてのんびり会話しているように見えるかもしれないが、

ゼルが興奮して片手剣をまたぶん回し出して別の意味で恐怖である。

まあすぐにルソが止めてくれたが。

 

カタス「どうやら先客がいたようだな」

 

イクサ「あらあら、すっかり仲良くなっちゃって。あ、さっき二匹倒したわよー」

 

お、二人が合流したようだ。

しかし装備が豪華な割に弱そうなんだよな...なぜだろうか?

抜けてるというか...

 

ゼル「うわーい、ナルガ亜種さんもふもふ~♪」

 

ゼルはベリオシリーズを身に付けている。

...こんなのがベリオロスに勝つだなんて信じられない。

ひょっとして他のハンターについていったんじゃ...

 

ゼル「あ、オルタロスでてきた。それっ」

 

ゼルの剣撃は、驚くほど正確にオルタロス二匹を同時に捉え、一気に斬り倒した。

片手剣の短いリーチで、小型モンスター相手に一撃で二匹に命中させる技量。

確かにこのハンターは、腕があった。それもかなりのもの。

 

ゼル「あー!毒ケムリ玉もってたのに忘れてたよー!!」

 

うん。だけどダメだった。

狩りはできるが、ハンターとしては微妙かもしれない。

 

カタス「ていうかよ、おいルソ、俺に竜撃砲当てるなって言ったろ?」

 

ルソ「それなら俺に大回転当てるのもやめろって言ったじゃないか」

 

カタス「しょうがねぇだろ!練気の色上げたいんだよ!」

 

ケンカしている。この人たち、個人の狩りの腕は良さそうなのにいろいろダメだ。

唯一まともなのはイクサさんくらいで...

 

イクサ「ロイヤルハニー♪ふんふふーん♪」

 

なんか皆ダメだった。

あ、オルタロスがまた出てきたぞ。

オルタロスが一番近くにイクサを突っつきだした。

 

イクサ「いたい!あっこら、私の足に噛みつかないでください!え、防御力ダウン~!?」

 

 

 

 

 

そんなこんなでゼルが疲れて帰りたいと言い出したのをきっかけに、俺らは別れた。

この前のお礼にとカタスにユクモ温泉タマゴを大量にもらったが、

旨くて涙が出そうになった。

日持ちしなさそうなので全部食べてしまったが、できることなら残しておきたかったものだ。

 

ついでに、オルタロスを一撃で二匹倒すチャレンジをしてみたが、

敢えなく失敗。一匹は倒したがかすった方は瀕死ながら逃げられてしまった。

 

そのまま食べようとすると防御ダウンの酸を食らって厄介そうだったので、

ゼルに(なぜかもらった)毒ケムリ玉を使ってオルタロスを食べたら、

独特な食感と腹に入ってたらしき熟成キノコがかなり美味だった。

もしオルタロスを食べるなら、熟成キノコをご一緒にどうぞ。

おいしいよ、ぜひお試しあれ。

 

 

 

 

 

ーギルドー

下位の緑迅竜の件ですが、

攻撃力は下位基準と言える能力のようです。

オルタロスもかすり傷では倒しきれないようでした。

しかし知能の高さは留まることを知らず、

毒ケムリ玉をオルタロスに使い、

オルタロスをバラバラにせず形を残したまま食すという

異常なまでの知能の高さを持っていました。

攻撃力の低さと知能の高さを考え

依頼をまたも更新しようと思ったのですが、

ギルド長から怒られそうなので

今回はやめておきましょう。




モンハンクロスの私は
レウスS一式のエリアル太刀です。

ほんとブシドーができる腕が欲しいです。
これさえあればクロスでは他に何も武器要らないです。

それができれば私には怖いものはありません。
アルバトリオンなんてなかった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4.水獣強襲!

今回は強力(?)な大型モンスターと出会います。
ナルガ亜種も大苦戦、果たして...

ー登場人物ー
・ナルガクルガ亜種
 主人公。元大学生。人間だった頃は泳ぎが得意だった。
 ルドロスが嫌い。最小金冠サイズ。

・太刀ハンター カタス
 ドボルベルクに勝てたのは、気刃大回転が簡単に当たるから。
 剣よりも鎌にロマンを持っているタイプ。およそ172cm。
 武器:山刈鎌
 防具:ドボル一式
 スタイル:ギルドスタイル
 狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・銃槍ハンター ルソ
 アグナコトルに勝てたのは、タルGを調合分まで持ってったから。
 竜撃砲よりもフルバーストにロマンを持っているタイプ。およそ188cm。
 武器:フレイムスロワー
 防具:アグナ一式
 スタイル:ストライカースタイル
 狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・片手剣ハンター ゼル
 鬼人薬とホットドリンクは間違えないが、
 秘薬と電気袋は間違える。およそ138cm。
 武器:アイシクルスパイク
 防具:ベリオ一式
 スタイル:エリアルスタイル
 狩技:ブレイドダンスⅠ

・弓ハンター イクサ
 デフォルトで悪運が発動してるような人。
 小型モンスターの攻撃は何故か彼女にばかり向かっていく。およそ165cm。
 武器:ディオスアローⅠ
 防具:ブラキ一式
 スタイル:ブシドースタイル
 狩技:トリニティレイヴンⅠ

注意!今回は再び大型モンスターと戦闘するので
少しだけ残酷な描写があるかもしれません!
苦手な方は、申し訳ないですが、ブラウザバックをオススメ致します_(._.)_


最近、ルドロスの群れが増えた。

ルドロスと言えば、地味にHPが高いのと、あと水属性やられによく泣かされたなぁ...

とか呑気なことを思ってたが、今はそうも言ってられない程増えた。

数十匹がその辺を闊歩していて気持ち悪いことこの上ない。

 

俺は、ここである仮説を立てた。

この現象は、ロアルドロスの仕業ではないかと。

 

水獣ロアルドロス。

見た目の可愛らしさとなんとなく気品が高そうな雰囲気から、

ペットにしようとする貴族も多いなど人気の高いモンスターである。

ハンターからも狂走エキスを落とすことから好かれていた。

弱いしね。

 

ただし、それはロアルドロスの強さが対ハンター戦では活かされない故のこと。

俺は以前ルドロスの群れに囲まれたから分かるが、あの水弾はヤバイ。

とんでもない量の水が粘液で圧縮されてて、かかるだけで水の中のように体が重くなる。

水を振り落とそうにも謎の粘液でくっついているし、

水の塊が体に乗っかっているのは正直不快でたまらない。

 

その不快の塊たるルドロスが群れを成している。

俺には耐えられん。

トドメとばかりに住処の木の下で散々鳴くもんだからうるさくて寝れやしない。

 

あのスポンジ生地も旨いんじゃね?絶対に食い潰してやる。え?いやいや、ぜーんぜん怒ってないよ俺。

さあ狩りに出かけるとしましょうかねぇ!!

 

 

 

 

 

エリア7。水辺に背の高い草が群生し、光虫が舞うエリア。

水棲モンスターの格好の場所。

 

──そこに奴はいた。

大きなタテガミやトサカがリーダーであると威厳を示し、

青い瞳は俺を捉えて離さない。

仮説通り。そこにいたのは、水獣ロアルドロスだった。

 

こいつは下位モンスターだが、俺と同格、またはそれ以上だと悟った。

俺が弱いのもあるが、何よりこいつ自体が上位クラスになる寸前程の実力を持っている。

理屈とは違う、また別の何かで、俺はそう悟った。

 

ところで小型モンスターというのは大型モンスターの前に

恐れを為している姿ばかりをゲームで晒していると思う。

だが実際はどうかというと、俺を見てもビビらないどころか果敢に攻めてくるのだ。

俺がスモールサイズでショボそうだからかと一時期落ち込んだものだが

どうやらそうではないらしく、果敢に挑むジャギィ達を何度も見てきた。

 

そんな頼り甲斐のある小型達だが、ロアルドロスはそんなルドロス達を一鳴きで下がらせた。

これまで野生を生きてきた俺の勘的な何かが言っている。

 

こいつは俺と一対一の真剣勝負をするつもりだ。

それほどにこいつは自信があり...そして、強い。

 

『水弾ブレスを食らってはいけない』。と直感で感じる。

こいつの前では、例えそれだけでも命取りとなろう。

 

お互いが睨み合う。10秒かも10分かも分からない沈黙の後...

先手をとったのは、ロアルドロスの方だった。

 

「ヒュゥゥオウウウウ」

 

ロアルドロスは、ぎこちないが、それでいて素早い海竜種特有の突進でこちらに迫ってきた。

速度は十分だ。だが、海竜種の小さな手足ではすぐには止まれないし、サイドステップも不可能。

命中する直前、ドスファンゴのとき身につけた「置きカウンター」を繰り出した。

 

(勝負あったな)

 

と慢心していた俺は、

しかし直後何かとても重いものに上に乗られ体勢を崩した。

 

(なんだ、何があった!?)

 

パニックになって無様にもがく俺の上から降り、

余裕そうな顔をして元の間合いに戻るロアルドロス。

押し潰したのは、ロアルドロス本人だったのだ。

 

(何が起きたか分からない...!)

 

確かに刃翼が命中するところまで来ていたはず。

おかしい。

置きカウンターを破られ体勢を立て直してなお混乱する俺を前に

ロアルドロスは「まだか?」と言わんばかりにあくびをしている。

 

──なめられている。バカにされている。

ムカつくが...思い出せ、俺。

ロアルドロスは突進後、何を繰り出す?爪の一撃?重量を活かし上半身を持ち上げたプレス?

いや違う。

前者なら刃翼が弾き、奴の爪を砕いていただろう。

後者なら予備動作で丸分かりだ。

なら、どうやって上に登った...?

 

...そうか。飛び掛かりか。

どうしてこんなに簡単なことに気づかなかったんだろうか。

水獣のジャンプと言えば聞こえは可愛らしいが、

実際には自らの胴体の高さ程飛躍しているのだ。

その跳躍力で刃翼を飛び越し、俺を押し潰したのだ。

 

タネが分かれば怖くない。

冷静さをようやく取り戻した俺を、水獣は、眠いような、呆れたような。そんな細い目で見た。

そして一瞬の後、再び突進をしてきた。

他にも攻撃方法はあるはずだが、手を抜いているのだろう。

俺は、わざと置きカウンターを再び繰り出した。

ロアルドロスは、刃翼を避けるために跳ぼうとほんの一瞬、踏み込み...

 

(今だ!)

 

大きく宙返りをし、尻尾に力を込めて渾身の尻尾叩きつけを繰り出した。

飛び上がったロアルドロスは避けることなどできず、尻尾へ突っ込み...

バキャン!

 

「ギュウウウウ」

 

うめき声のようなものと共に、自慢のトサカが粉々に砕け散った。

ルドロスが駆け寄ろうとするが、ロアルドロスはそれを止めた。

 

(頭を叩き潰すつもりだったのになぁ)

 

地面に刺さった尻尾を抜きながら、こいつの強さに感嘆する。

攻撃が命中する直前、顔を僅かに引き、回避したのだ。

そうしなければ、頭が持っていかれて勝負はとっくについていただろう。

それだけ能力面では格下の相手である。

 

だが、戦闘技術も戦闘経験も、明らかに奴の方が上だ。

その場合どっちが結果的に上かは、ハンターとモンスターを例にすれば分かるだろう。

ハンターがロアルドロス側、モンスターが俺側だ。

ハンターは攻撃力も防御力ももはやないに等しいが、武器や防具を作り補っている。道具も使える。

モンスターは攻撃力も防御力も高いが、武器や防具を自ら作ることはできない。道具もほぼ使えない。

精々進化の過程で得た溶岩や氷の鎧、その辺の大岩や雪程度だろう。

 

下位の装備でもG級の敵に勝てる人がいるように、

G級の装備で下位の敵に負ける人もいるのである。

戦闘経験と技術の差は、ここに出る。基本スペックなど戦闘技術の前には関係がないのだ。

 

 

 

ロアルドロスが象徴たるトサカを砕かれた怒りに目が血走る。

泳ぐために発達した筋肉が浮かび、タテガミがより膨らむ。

ここからが本番だ。

 

ロアルドロスは、怒りに我を忘れたかのようにまた突進をしてきた。

とは言え、移動手段がこれしかないので仕方がないのだろう。

 

眼前まで迫り、奴がまた踏み込んだのを確かに確認してから、大きく宙返りをした。

次は決める──

 

(食らえ!!)

 

俺の渾身の一撃は、しかし地面に突き刺さり、ロアルドロスには当たらなかった。

ロアルドロスは、横へ転がったのだ。回避するために。

本来ハンターやジャギィなどを押し潰すための転がり攻撃だが、それを回避に使ったのだ。

 

(こいつ...頭も良い)

 

ロアルドロスは地面に尻尾が刺さり動けない俺に、俺があれだけ嫌がっていた粘液水弾ブレスを吐きかけた。

『水弾ブレスは食らってはいけない』。直感で分かっているだけに...

 

(しまった!!)

 

避けなければ...避けなければ...!外れてくれ...!

しかしそんな俺の思いをよそに、水弾ブレスは残酷にも綺麗に着弾し、俺の体重は倍に増えたような感覚に陥った。

実際には倍ほどはないのだろうが、それでも俺の動きを制限するには十分過ぎた。

恐らく、尻尾叩きつけや、飛びかかりは使えないだろう。試すにも、大胆なスキを晒すことになる。

大回転...いや、それもバランスを崩して危険だ。起き上がれない可能性すらある。

重くなった俺の体に、

 

「ヒュゥゥウウウウ!!!」

 

(ぐあっ!)

 

ロアルドロスは俺に少しずつ爪の一撃を浴びせていく。

一撃必殺の技も、毒も持っていないロアルドロスだが、

確実にダメージを与えていく爪なら持っている。

俺も頑張ってよけてはいるが、このままではジリ貧だ...!

 

出血していく身体に、貧血だろうか、目眩がして青い星がちらつく。

...青?

青...青...青色...

 

(......そうだ!)

 

俺は思い付き、賭けに出ることにした。

突然ロアルドロスに背を向け、全力で走り出す。

一対一の潔い勝負から逃げ出した敵をこの性格のロアルドロスが許すはずがなく、

動きの遅くなっている俺にすぐに追い付き、爪を食らわせる。

途中アキレス腱を切られ激痛が走るが、それでもなお足を引きずり俺は移動する。

 

目指すは植物の生えている場所だ。

必死に走る俺と、怒りをぶつけるロアルドロス。

幾度となく切られつつも、

俺は小さな木の実がたくさん生えているところに辿り着くと...

勢い良くそこを漁り始めた。

 

ロアルドロスは何かの罠かと思ったようで一瞬下がったが、

ロアルドロスは歴戦の勘から、すぐに攻撃を再開した。

 

爪が刺さる。何度も何度も引き裂きれる。

尻尾の根本が焼けるように熱く、足が痺れるように震える。

 

(早く...見つけなきゃ...)

 

尻尾の棘が剥がれ、皮が抉られたとき...

まさにその時。

 

(あった!!)

 

見つけた。

俺はすぐさまそれを食した。

水弾の水が消え去り、体が瞬時に軽くなり、

俺はそのまま尻尾による大回転を放った。

 

ロアルドロスは不意を突かれ大回転に直撃し、

タテガミに穴が空いてしまった。

水が溢れ出ていく。

 

俺が口にしたのは、ハンターの間で「ウチケシの実」と呼ばれている代物だ。

属性やられを即座に直す、不思議な実。

高価で貴重だが、数が少ないだけで実際は色々な地域に生えている。

ここ渓流にも、ウチケシの実はあった。

 

(運も実力の内だ、悪いな)

 

ロアルドロスは少しの間動揺していたが...

タテガミから水分が抜けてしまい重量はなくなったし、

水弾も撃てないし、何より水獣は水分が抜けると疲弊してしまう生き物だ。

もうロアルドロスに勝ち目はない。

 

ロアルドロスはこちらを向くと、ルドロス達に何か命令を出した。

ルドロス達が俺の周りをぐるぐると回るが...

しかし、敵意は全く感じられない。

意味不明で、思わず首を捻ると...

 

ゼル「それは、ロアルドロスが君をこの辺りの縄張りの主だと認めてくれたんだよ」

 

右を向くと、片手剣を腰に差した少女が立っていた。

少女は手をばたばたさせながら、

 

ゼル「よかったね、縄張りが広がったよ?あははっ!」

 

と自分のことかのように嬉しそうにはしゃいでいる。

いろいろ気になるが...

 

ゼル「あたしがいつから居たか気になるでしょ?今来たばっかりだよ!」

 

ゼル「えと...とりあえずいつもの場所にいこ?」

 

ゼルの言うとおり、ルドロス達が邪魔なので、

謎の儀式をスルーして、エリア9へと移動することにした。

 

 

 

 

 

ゼル「ロアルドロスのことがわかったのも気になるんでしょ?」

 

ゼル「...あたしね、将来ギルドの看板娘になりたいんだ。」

 

ゼル「だから、モンスターのこともっといっぱい知りたいの。」

 

ゼルは、俺の傷口に包帯を巻きながら、

瞳を輝かせてそう言った。

 

ゼル「なんでかな。君の聞きたいこと、わかるよ」

 

ゼル「あたしがここに来たのは、君の観察依頼を受けたからだよ」

 

ゼル「観察依頼が出た理由は...ホワイトレバーをくれた時と、あとあと、ドスファンゴを一撃で倒したせいかな

   ...はい、包帯ぜんぶ巻けたよっ」

 

観察依頼が出ているということは、少なくとも

俺はギルドに敵だとは思われていないようだ。

 

ゼル「...ねぇ。君は、あたしがギルドの看板娘になるのを、応援してくれる?」

 

俺は、力強く頷いた。

なんとなく、この子ならやれそうな気がしたのだほ。

 

ゼル「ほんと!?やったー!ナルガ亜種さんが応援してくれるなら百人力だよー!!」

 

ゼルが片手剣をぶん回しながら走り回る。

興奮する度に片手剣をぶん回す看板娘...ヒエッ

 

 

 

 

 

ゼル「じゃーねー!あ、傷が治るまで、ちゃーんと、じっとしてるんだよ?」

 

ゼル「ほら、痛いの、痛いの、とんでけーっ」

 

ゼル「あははは!早く治るといいねっ!」

 

そんな感じでゼルは去っていった。

さて、俺も回復するために寝るとするか...

あいててて、こ、腰が...

 

 

 

 

 

─ユクモ村─

ゼル「ほんとーだってばー!ナルガ亜種さん、ちゃんとうん、ってしてくれたもん!」

 

フクロ「たまたまよ、そんなことあるわけないわ」

 

この老人は、ゼルの祖母のフクロという。

この人も昔は凄腕ハンターで、且つ看板娘もしていた。

基本的にそういった事例は少ないものの、モンスターをよく知っている看板娘が

実は狩りが得意ということはたまにあったりするのだ。

ハンターが少なかった昔では、兼任してる人はもっと多かった...と本人は言う。

 

ゼルは幼い頃に母を亡くしてから、祖母であるフクロに育てられてきた。

しかし、フクロはいつもゼルのやることや言うことをいつもその通りだね、と肯定してきた。

そのせいでここまで自由奔放に育ってしまったのだが...

しかし、そのフクロが初めて否定したことがある。

会話の成立するモンスターのことだ。

 

フクロは何か知っているのかもしれない、とゼルは幼心にそう思ったが、それが何かはわからなかった。




ロアルドロス強すぎィ!
お陰で時間かかってしまった...

次に出すモンスターは悩みますが...何がいいんでしょうね?
ストーリーは決めてるんですが、途中で出てくる敵が決まってない。
例えるなら、緊急クエは決まってるけど、キークエを決めてない、的な。

ところでガンナーのレウスS一式が完成致しました。
ヘビィボウガンは何を使えば良いのだろうか...誰かアドバイスくれないかなぁ(チラッチラッ
ついでにモンスターの希望もくれたら嬉しいなぁ(チラチラッ
誰かくれないかなぁ(チラチラチラッ


...はい、悪ふざけしてすんませんした!(あ、でも本当に来てくれたら嬉しいかも)
それではありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4.EX ギルドの動向とフクロの思いとルドロスの群れ。

なんかミスって前書きの一部と後書きが全部消えてました。
すみません!

今回は少し番外編となります。
飛ばして読んでも構いませんが
もしかしたら重要なことを言ってるかも。

ー登場人物ー
・ナルガクルガ亜種
 主人公。元大学生。人間だった頃は泳ぎが得意だった。
 ルドロスが好きになった。最小金冠サイズ。

・太刀ハンター カタス
 気刃大回転スカ斬りが得意技。
 剣よりも斧にロマンを持っているタイプ。およそ172cm。
 武器:山刈鎌
 防具:ドボル一式
 スタイル:ギルドスタイル
 狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・銃槍ハンター ルソ
 絶対回避は逃走用。
 フルバーストすき。およそ188cm。
 武器:フレイムスロワー
 防具:アグナ一式
 スタイル:ストライカースタイル
 狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・片手剣ハンター ゼル
 回復薬グレートを調合しようとして、
 応急薬グレートを大量生産。およそ138cm。
 武器:アイシクルスパイク
 防具:ベリオ一式
 スタイル:エリアルスタイル
 狩技:ブレイドダンスⅠ

・弓ハンター イクサ
 デフォルトで悪運が発動してるような人。
 尻尾を剥ぎ取っても甲殻ばかりなこの頃。およそ165cm。
 武器:ディオスアローⅠ
 防具:ブラキ一式
 スタイル:ブシドースタイル
 狩技:トリニティレイヴンⅠ


ーギルドー

最近、下位相当のナルガクルガ亜種が、

渓流最強の大型と言われていた強個体ロアルドロスに勝利したようです。

それに伴い、クルペッコなど強個体ロアルドロスを怖れていたモンスターが

渓流に戻ってきた模様です。

 

なおその際、ウチケシの実を食し水属性やられを治したことが確認されています。

知能が高い、という範疇を凌駕していると個人的には思うのですが...

ギルドとしてはたまたまだろう、ということで処理をするようです。

 

 

その3日後ナルガクルガ亜種がウチケシの実を再び使用し

たまたまと公言してしまったギルドが慌てたのはまた別の話である。

 

 

 

 

 

水を打ち消し緑の影

★3

 

報酬金:4000z

契約金:800z

目的地:渓流

 

成功条件:ナルガクルガ亜種の観察

失敗条件:ナルガクルガ亜種の狩猟

 

依頼主:ギルドマネージャー

依頼内容

下位緑迅竜を新たに観測。

ウチケシの実を食したのは

どうやらまぐれではなかった。

ロアルドロスを倒し、

普通なら興奮状態のはずの奴が

ハンターと会っても襲いかからなかったのも珍しい。

ギルドはこれを貴重な個体と判断、

報酬金を引き上げ、

ギルドの失態を隠s...ゲフン!

ギルドは真摯に受け止め依頼を再度出すこととする。

なお、狩猟はいつも通り厳禁とする。

 

 

 

 

 

ーユクモ村 ゼルの家ー

フクロ「話がわかるモンスター...ねぇ」

 

フクロ「そんなの、いるわけない。いるわけないわ...」

 

フクロは、ハンター時代愛用していた、もうボロボロになった

ナルガS一式と夜行弩【梟ノ眼】を見つめながら、

 

フクロ「いるわけ...ない。あたしゃ...会ったこともない。そうに決まってる」

 

そう、誰もいないのに自嘲気味に呟いた。

彼女がハンターを引退した理由は、誰も知らない。ゼルですら知らない。

だが、『誤射』が原因だという噂が一番多かった。

とはいえ、引退して長い彼女の噂自体減ってきており、

彼女がハンターだったことすら知らない人の方が多いわけではあるのだが。

 

ゼル「ただいまーっ」

 

フクロ「あら、おかえり」

 

孫に偽りのない笑顔を向ける優しい彼女の真相を知るものは、

彼女自身の他には、誰もいないのかもしれない。

 

 

 

 

 

ー渓流 ナルガ亜種ー

(ふあぁーあ...っと)

 

あくびをしながら、俺は今散歩中である。

脚がほぼ完全に治ったので、リハビリ的な意味を込めている。

が、竜の生命力は素晴らしいようで、もはや不自由なく以前のように動けてしまう。

 

しかし最近気になるのが、ルドロス達が常に護衛のようについている。

前に3匹後ろに3匹の六角形防護陣である。

 

俺の野生の勘的には、

「俺のせいで怪我させちまったから、これくらいは」

といったイメージか。

群れの新たな主である(らしい)俺はロアルドロスにも気を遣われているようだ。

 

しかしルドロス防護陣強いぞこれ!

あのロアルドロスの元にいたルドロスだから違うのか?

最近姿を見せるようになったアオアシラすら追い払うし...

 

 

その時、一体のルドロスが真正面からやって来た。

道を開けてやろうとすると、よく見たらそいつの眼に「勝負しようぜ!」って見えた。

リハビリにちょうどいいな、と思いつつ開戦の意思として尻尾凪ぎ払いを放った。

 

ルドロスはそれを伏して回避して突進してきた。

宙返りして...ドカーンっと。

 

尻尾の棘がルドロスに刺さる前に止めた。

ルドロスは関心したような眼をした後、すっと戻っていった。

前より少しだけ、スピードが上がっていた。

スピードが前と同じならルドロスの攻撃が直撃していた...

ルドロスの強さを再認識した。

 

 

なお、ルドロス防護陣は傷が完全に癒えるとなくなりました。




後書きが消えていた....orz

最近、スラッシュアックスの「アルトエレガン」をゲットしました。
龍属性最高値のスラアクです!
スラアクはストライカーが良いのでしょうか?
うーん...

ルドロスは個人的に小型の中ではかわいいと思います。
尻餅レベルで抑える良い仕事をしますし。
それでラギアクルスの大放電直撃したりもしますが...

ルドロスの突っつき
ハンターこける
ラギアクルスの大放電
力尽きました
報酬金が0になりました
これ以上復活できません
クエストに失敗しました(^p^)

ここまでテンプレorz

ブルファンゴだったら無敵時間で助かるんですけどね...


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5.紫毒竜姫!

どうも、よく使う操虫棍は舞乱棍な水玉スフレです。
氷属性は便利でいいですね!

・ナルガクルガ亜種
主人公。ウチケシの実にハマった今日この頃、
ルドロスが好きになれた。スモールサイズ。

・太刀ハンター カタス
今回出番なし。
正義感は強いが、『世界を守る!』など、彼のスケールはとにかくデカイ。
武器:山刈鎌
防具:ドボル一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・銃槍ハンター ルソ
実は水属性武器が憧れ。水ガンランスを使うのが夢。
ただ、彼がいくら音爆弾を投げてもガノトトスはあがってこない。
武器:フレイムスロワー
防具:アグナ一式
スタイル:ストライカースタイル
狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・片手剣ハンター ゼル
山菜じいさんに気に入られてる。
本人もまんざらじゃない様子(強走薬くれるから)。
武器:アイシクルスパイク
防具:ベリオ一式
スタイル:エリアルスタイル
狩技:ブレイドダンスⅠ

・弓ハンター イクサ
狩技の存在をよく忘れる。
ビンはそもそも狩りに行く前から忘れてる。
武器:ディオスアローⅠ
防具:ブラキ一式
スタイル:ブシドースタイル
狩技:トリニティレイヴンⅠ

・ゼルの母 フクロ
ゼルのお母さん。昔はギルド嬢でありながら、G級ハンターだった。
現在は引退済み。
武器:夜行弩【梟ノ眼】
防具:ナルガ一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:全弾装填Ⅲ、絶対回避【臨戦】

注意!今回は再び大型モンスターと戦闘するので
少しだけ残酷な描写があるかもしれません!
苦手な方は、申し訳ないですが、ブラウザバックをオススメ致します_(._.)_


ー沼地ー

カタス「リオレイアの討伐ねぇ...」

カタス「ドボルベルクを狩れる俺にわざわざ頼まなくても他の奴がいるだろうによ」

カタス「...まぁ、やってやるか」

 

そこでカタスが見たものは

異常に薄紫に染まった広場と

傷のない多数の死体と

毒液らしきものを撒き散らす変わり果てた雌火竜の姿だった

 

 

 

 

 

 

ーギルドー

先日、通常のリオレイアを狩猟する依頼を受けたハンターにより、

沼地に紫毒姫リオレイアが居たことが確認されました。

依頼主が紫毒姫リオレイアを知らなかったため、

誤って通常のリオレイアだと報告してしまったと思われます。

事前観測により通常のリオレイアだと確認も行っていたのですが、

事前観測に行った者が見たリオレイアは依頼とは別の個体だったことが確認され、

そちらの狩猟にはこの依頼を受けた者とは別のハンターが向かっています。

紫毒姫はその後渓流に移動しており、ユクモ村周辺への甚大な被害が予想されます。

 

なお、紫毒姫を発見したハンター自身も劇毒により重体となっており、

紫毒姫の狩猟も別のハンターに任せることとなりました。

紫毒姫の狩猟許可が下りたハンターは、

急ぎ紫毒姫リオレイアを狩猟して下さい。

 

また、紫毒姫リオレイアが突如縄張りに侵入してきたことにより、

例のナルガクルガ亜種が狩猟に介入してくる恐れがあります。

縄張り争いはより大きな生態破壊を与えかねない上、

ハンター自身が巻き込まれてしまう危険性もあります。

さらに、ロアルドロスが緑迅竜と戦闘後、ルドロス達が緑迅竜も守る様子が確認されており、

ロアルドロスとナルガクルガ亜種は何らかの関係で共存関係か何かになっていると思われ、

縄張り争いとなるとあの強力なロアルドロスも乱入してくることが危惧されます。

狩猟へ赴くハンターは、ナルガクルガ亜種やその味方達にも十分注意してください。

 

 

 

 

 

ーユクモ村ー

イクサ「カタスが、紫毒姫リオレイアにやられて重体だそうよ」

 

ルソ「あいつがやられたのか...」

 

ゼル「しかもその紫毒姫がこの近くに来てるって」

 

イクサ「カタスのことは心配だけど、この村に特殊許可が下りるようなハンターは私達以外にはいないわ」

 

ルソ「...俺ら三人で行くしかないのか」

 

ゼル「...うん、そうだね」

 

イクサ「もちろん、紫毒姫リオレイアを狩ってから、直ぐにカタスのところへ行くわ。」

イクサ「...カタスは、そんな簡単に倒れるような男じゃないもの。ちょっとくらい待たせたって大丈夫よ...」

 

ゼル「...そう、そうだよね...」

 

ルソ「......。」

 

カタス、ルソ、ゼル、イクサは、集会場のクエストなら

ハンターになった時からずっと4人一緒に受けてきた。

ゼルは親が優秀だったこともあり、比較的幼くしてハンターとなったが、

他の三人は大きく年上で、ゼルにとっては兄や姉のように親しく、

ゼルがハンターになるのを待って、みんなで一緒にハンターになろうと言い出すような

とにかくとても仲の良い四人組で、周りからの評判もよかった。

 

しかし、いつも四人で受けるはずなのに、

今回カタスが紫毒姫に一人でやられた理由。

それは、所謂『村クエスト』と呼ばれる、一人専用のクエストだったからだ。

その分類はギルドの誤りであったのだが...。

そのためにイクサ達は本来なら四人で行けたかもしれないのに、

と悔しさを顕にしていたが、

ギルドとて万能ではない。

イクサ達もそれは分かっているし、

何度も助けられたことがあるため、

深く責めることが出来なかった。

三人はそのやるせなさを紫毒姫にぶつけるかのように───

依頼を受け、何故か焦る気持ちを抑えつつ渓流へ向かったのだった。

 

 

 

 

 

ー渓流 モンスターsideー

(今日はなんだか騒がしいようだが...?)

 

俺が寝坊して昼頃起きたとき、

ルドロス達がせわしなくロアルドロスの元へ向かうのが見えた。

ケルビはとうに逃げ去り、甲虫も巣穴に引っ込んでしまった。

 

俺は、なんとなく嫌な予感がして、

ルドロス達と共にロアルドロスの元へ向かった。

 

 

 

 

 

ー渓流 ハンターsideー

渓流に着いて一番に千里眼の薬を飲んだルソは、

エリア8に2体と、エリア5に1体の大型モンスターがいると分かった。

 

ルソ「エリア8に2体、エリア5に1体。」

ルソ「今この渓流に居る大型モンスターは、強個体水獣、例の緑迅竜、そして紫毒姫だ」

ルソ「───どれが、紫毒姫だと思う?」

 

ルソ達は、なるべくなら緑迅竜達を刺激したくなかった。

狩猟に介入してくることを避けてのことだ。

となれば、紫毒姫が居る方を選びたいと思うのは当然だが...

狂走薬グレートを飲んでいたイクサは首を振ったが、

会心の刃薬を塗っていたゼルは迷いもなく言い放った。

 

ゼル「紫毒姫は、エリア5にいる。間違いないよ」

 

ルソ「そうか。お前の情報に間違いがあったことがない。今回はゼルを信じよう」

 

イクサ「ええ、賛成よ」

 

ゼルは、紫毒姫が普通ならエリア8に最初いることを知っていた。

しかし、沼地から移動してきたということは、食料を求めてきたのではないかと踏んだのだ。

紫毒姫は劇毒を撒くことができるが、それ故に辺りの小型モンスターは死滅し、

結果自身の食料を乏しくしてしまうことも多いという。

 

となれば、食料となる小型モンスターがいない上、

ロアルドロスやルドロスの現在の住み処となっているエリア8にわざわざ行くことはないだろうと考えた。

そして、消去法でエリア5であると結論が導かれたのである。

 

 

 

 

 

エリア5に着いた彼女らが見たものは...

異常に薄紫に染まった広場と、

傷のない多数の死体と、

毒液らしきものを撒き散らす変わり果てた雌火竜の姿だった。

 

ああ、カタスも同じ光景を見たんだな...と、ルソは緊張ながらにリーダーの恐怖を悟った。

紫毒姫はこちらを見つけると、大きな咆哮をあげた。

三人は緊急回避でこれを避けると、ルソが盾を構え、

イクサがその後ろで弓をつがえ、ゼルが後ろに回り込むいつもの陣形になった。

ここにカタスが横に張り付いていれば完璧だったのに───と三人が思ったそのとき、

紫毒姫はブレスを吐く予備動作をとった。

 

しかし三人は慌てることなどなかった。

ルソは盾を構えイクサの前に立ちふさがり、イクサはこの隙に剛射を叩き込む。

ゼルはエリアルのジャンプ攻撃で、乗りチャンスを狙う。

 

紫毒姫のブレスはルソの盾で受け止められ、イクサの剛射が頭に幾度も叩き込まれる。

紫毒姫はブレスの残り火を首を振って消した。

同時に、ゼルは尻尾攻撃を警戒し、回避の準備をしている。

紫毒姫は、ゼルの思惑通りに、まるでディアブロスのような後方尻尾薙ぎ払いを繰り出した。

しかしベリオ一式により回避性能が発動していたゼルはエリアル回避で尻尾をかわし、

そのまま後ろ足を踏み台に高く飛躍し、片手剣を翼に振り下ろした。

紫毒姫はそのままバランスを崩し、ゼルはその背中へと飛び乗った。

 

ゼル「乗ったよ!」

 

ルソ「よし、頑張れ!」

 

乗り状態である。

紫毒姫の背中に跨がったゼルは、片手をつき、もう片手で

剥ぎ取りナイフを背中に何度も突き立てる。

紫毒姫が振り落とそうと暴れると、

ゼルは両手でがっしりとしがみつき、粘る。

イクサが弓で援護をし...

 

乗り───成功!

 

紫毒姫リオレイア「ウォォゥ!!」

 

紫毒姫が大きく倒れ込んだ!

自身の体重によりなかなか起きあがれない紫毒姫に、

三人の猛攻撃が命中していく。

そして、ルソの竜撃砲が炸裂し、剛射のダメージもあり、

顎の棘が粉微塵に吹き飛んだ。

部位破壊、成功だ。

これは大ダメージだったろうと誰もが思ったし、実際そうであった。

証拠に、紫毒姫が起き上がったとき、

紫毒姫は怒りの咆哮をあげた!!

ルソとゼルはガード、イクサはブシドー回避で対応し、

全員直ぐに元の位置に戻った。

 

ゼル「紫毒姫が怒ったよ!...毒に気をつけて!」

 

ルソ「了解!!」

 

イクサ「わかったわ!」

 

 

 

 

 

ー渓流 モンスターsideー

少し時間が戻り、ルソ達が渓流に着く少し前───

俺は、ロアルドロスの会議(?)に集まっていた。

ロアルドロスの言っていることはさっぱりわからないが、

どうやら話の最中でちらちらとルドロス達が一斉にこちらを見るものだから、

俺が重要であることは間違いなさそうだ。

しかし、肝心のなにを言っているかがさっぱりわからない。

アイルーやメラルー達には会うたびに速攻で逃げられるから、

獣人族による通訳ということもできない。

 

それから5分くらいが経ち、

ロアルドロスがエリア6に移動し始めた。

まるで着いてこいと言うかのようにこちらを見ながら進むので、

俺は着いていこうとすると...

ロアルドロスは俺の足元に水弾を吐きかけ、そしてしばらくこっちを見つめると、

そのままエリア6へ去った。

ここにいろ、ということだろうか...?

とにかく、俺はその場で置いていかれたルドロス達と共に

立ち尽くしたのであった。

 

 

さらに5分した後、俺が居ても立ってもいられずうろうろしていると...

 

???「頼む、ナルガ亜種、あいつらを助けてやってくれ!!」

 

 

 

 

 

ー渓流 ハンターsideー

怒りに狂う紫毒姫がルソに向かって突進を繰り出す。

ルソはガードし、後ろにいたイクサまで突進が通ることはなかった...

と思いイクサが剛射を放った瞬間、紫毒姫は突進の勢いのまま半回転し

イクサに毒の尻尾を叩きつけた!

 

イクサ「かは...っ...!?」

 

ルソ「イクサ!!」

 

ゼル「イクサ!解毒薬!」

 

イクサは劇毒にもの凄い勢いで体力が抉られるおぞましい感覚に身を震えさせつつ、

その場からなんとか離脱しようとした。

しかし、イクサを狙って紫毒姫が火炎ブレスを放とうとする!!

 

ルソ「そうはいかんぞ!!」

 

ルソがイクサとの間に入り込み、ガードを試みるも、

咄嗟のことだったために間に合わず、振り向く内に火炎ブレスがルソに直撃する!

 

ルソ「ぐあっ!?」

 

ゼル「ルソー!!」

 

ルソ「...いや、俺は大したことはない!」

 

ルソの着ている装備はアグナ一式である。

溶岩を纏うアグナコトルの装備は火耐性が桁外れで、ルソはほとんど無傷だった。

 

しかし、ほとんど無傷であるとはいえ、大きく吹き飛ばされたことには変わりはない。

陣形が崩されたことに、イクサは責任と焦りを感じていた。

ゼルは片手剣の特性を生かし、生命の粉塵を使いイクサを回復するも、

イクサ自身紫毒姫に狙われているので解毒のタイミングが見つからない。

意識が毒に蝕まれるなか、視界に映ったのは、

紫毒姫の左後方から近づく、大きな黄色だった。

 

ロアルドロス「ヒュオオオオオゥ!!」

 

紫毒姫リオレイア「アァァゥ!」

 

ルソ「ロアルドロスか...縄張りを守ろうとしてるのか、それとも助けてくれたのか...いや、前者だな」

 

紫毒姫はロアルドロスを足音で気づいていたらしく、

カウンターでイクサの方を向いたまま横回転サマーソルトを繰り出した。

しかしロアルドロスは得意の飛びかかりでサマーソルトを飛び越し、

背中に乗っかり、サマーソルトで低空にいた紫毒姫を地上に押し倒した!

 

イクサはこれをチャンスだと思い、解毒薬を飲み、

そのまま続けて回復薬グレートを飲み体力を完全に回復させた。

 

ゼル「尻尾を斬れば劇毒を弱められるはず!!」

 

ゼルは持ち前の知識を活用し、

尻尾へ片手剣で斬り込んでいく。

しかしこのときゼルは思った。

下位個体であるはずなのに、何故劇毒を持っているのか...?

紫毒姫の下位個体は猛毒ではなかっただろうか。

 

しかし、考えている暇など与えてはくれない。

ロアルドロスがとうとう押し退けられてしまった。

ロアルドロスは距離をとると、今度は真正面から突っ込んだ。

紫毒姫は鼻で笑うと、今度は縦にサマーソルトを放った。

しかし直前、ロアルドロスは横に転がり、紫毒姫はサマーソルトを外した。

ここまでは、ロアルドロスの得意なフェイントコンボである。

ナルガ亜種も騙せた強力なコンボだが...

 

もし、フェイント時に出させた攻撃に隙が無ければ、

或いは次の攻撃に繋げられたら...どうなってしまうことだろうか。

当然、このコンボは成立しなくなってしまう。

 

そして...紫毒姫は、サマーソルトを出した後、

回り込みサマーソルトを出すコンボが出来た。

 

紫毒姫はロアルドロスが転がった先へ回り込み、滞空サマーソルトを放った。

命中し、トサカが吹き飛び、顔がへこんだ。

劇毒が回る身体に足を引きづりつつ、勝てないとわかったロアルドロスは

戦闘を放棄した。

負ける前から逃げるのはただの臆病者だが、

負けた後潔く退くのは強者にしかできぬことだ。

強者でないものは、引き際も弁えずに勝手に死んでいく。

だからいつまでも弱者だった。

 

そして、去る強者を追わぬも、同じく強者のみにできることであった。

弱者は敵が再び襲ってくるのを恐れ、トドメを刺そうとするが、

強者は再び襲ってきてもまた戦えば済む話だからと、無駄な殺生はしない。

 

そして、ロアルドロスも紫毒姫も、『強者』であった。

ロアルドロスは退き、紫毒姫はそれを追いはしなかった。

しかし───強者は、強者同士の戦いを邪魔をする者と、

弱者のように逃げ惑い回復を図り、再び堂々と戻ってくる者...

つまり、『人間』とは、とても相性が悪かった。

強者は、本来無駄な殺生はしなくとも、このような輩は絶対に許さない。

殺してしまうほどに、許さない。

例えば───ロアルドロスと戦っている途中、ずっと弓を射っていたそこの人間が!!

 

イクサ「きゃあ!?」

 

ルソ「イクサ!...うおっ!?」

 

ゼル「二人ともっ!」

 

紫毒姫は、風圧でイクサとルソを吹き飛ばした後、

イクサに、信じられないスビードで怒りの声と共に滑空突進を食らわせた。

 

イクサ「きゃぁぁぁぁっ!!!」

 

ルソ「イクサ!!」

 

イクサはブラキ一式で防御力は高い方だが、それでもガンナー装備である。

二つ名の攻撃など、まともに食らえば体力を軽く半分は持っていかれてしまうだろう。

ましてや怒り時の攻撃など...致命傷にまでなるかもしれない威力である。

 

イクサ「う...うぅ...ぁ」

 

ルソ「イクサ!しっかりしろ!!」

 

イクサの元へ咄嗟に駆けつけたルソだったが、

弱々しく声をあげるイクサに、紫毒姫はトドメをさすために

突進を行った。

火炎ブレスではルソに止められると判断したためだ。

 

ルソ「イクサ!イクサーー!!」

 

ルソは必死に盾を構えてガードするも、

さっきと同じように尻尾を叩きつけられ...

 

紫毒姫リオレイア「オオォォォォウ!!」

 

紫毒姫は突如として横倒しに倒れ込んだ!

顔には棘の刺さった跡、そして...

なんと、気絶しているではないか!

 

(この俺の棘...ナルガ亜種の棘はな、上手く当たれば一撃で気絶させるんだぜ...)

(俺の縄張りで好き勝手やってくれてんじゃねぇか!許さねぇぜ!!...とか、カッコつけてみたりな!)

 

そして現れたのは...

他でもない、あのナルガクルガ亜種だった!!

 

ルソ「お前は...!」

 

ゼル「ナルガ亜種さん...!」

 

首でクイッと紫毒姫を指し、

迅竜種特有の構えをとった。

 

ゼル「一緒に戦ってくれるんだね!」

 

(...あぁ!)

 

俺は頷き、イクサを見つめてやった。

ルソがイクサに秘薬を飲ませ、回復した!

 

イクサ「...あ...ナルガ亜種...」

イクサ「...もしかして...助けてくれたの!」

 

イクサが立ち上がると同時に、

紫毒姫も気絶から立ち直り、そして大きな咆哮を起こす!

 

紫毒姫リオレイア「ウォォゥァァァァァァァ!!!」

 

(今の俺は怒ってるから、大声でピーピー鳴いても無駄だぜ!)

 

ナルガクルガ亜種「アァァゥァァォゥアアッ!!!」

 

お互いの咆哮が交差し、そして...

 

(勝負だ!)

ゼル「せいやぁぁぁ!」

ルソ「おらあぁぁぁ!」

イクサ「はぁぁぁっ!」

 

ハンターたちも声をあげて臨戦態勢に入った!

 

紫毒姫を倒すために、食料を得るために、縄張りを守るために、仲間を守るために。

それぞれは命を懸けて、自らの目的を果たすために、全力で戦う!!




長くなるので少し切ります。
二つ名モンスター強すぎて初見で一乙した記憶が。。

もう少し早く投稿したかったのですが
ブラウザがバグって保存どころかプレビューもできなかったのです。
申し訳ないです...


最近ハンマーやろうかな、と思って
金雷公ジンオウガのハンマーが使いたい!
金雷公行こう!
【受注条件を満たしていません】
【HR5以上】
ハンマーは諦めます...。

そんな感じで
狩猟笛「ユクモ雅笛【千鳥】」、ライト「夜行弩【梟ノ眼】」
を未だにメインに活動してる我がハンターの話でした。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6.陸姫竜舞!

どうも、水玉スフレです。
ガーグァの卵をとろうとして
ガーグァのヒップドロップを食らうのはいつものこと。

ー登場人物ー
・【主人公】ナルガクルガ亜種
主人公。毛繕いは欠かさなくなってきた。
出番が少なくても、
見せ場はしっかり作る主人公の鏡。

・【強個体】ロアルドロス
主人公の子分的な立ち位置。
ロアルドロス自身は「ナルガ亜種さん!あんたの強さに惚れました!」
みたいな風に思っている。

・太刀ハンター カタス
今回出番あり。
解毒薬を飲もうとして毒を食らうというコンボで力尽きてた。
武器:山刈鎌
防具:ドボル一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・銃槍ハンター ルソ
実は水属性武器が憧れ。水ガンランスを使うのが夢。
ただ、彼がいくら爆弾を置いてもハプルボッカは見向きもしない。
武器:フレイムスロワー
防具:アグナ一式
スタイル:ストライカースタイル
狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・片手剣ハンター ゼル
ネコタクチケットと間違えて、
お食事券を納品しかけたいつもの人。
武器:アイシクルスパイク
防具:ベリオ一式
スタイル:エリアルスタイル
狩技:ブレイドダンスⅠ

・弓ハンター イクサ
相変わらずの爆破属性厨。
いつか爆破投げナイフを投げたいと思っている。
武器:ディオスアローⅠ
防具:ブラキ一式
スタイル:ブシドースタイル
狩技:トリニティレイヴンⅠ

・元軽弩ハンター フクロ
ゼルのお母さん。得意料理は揚げ物。
若い頃は男ハンターから大層人気だった。とは本人談。
武器:夜行弩【梟ノ眼】
防具:ナルガ一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:全弾装填Ⅲ、絶対回避【臨戦】

注意!今回も、大型モンスターと戦闘するので
少しだけ残酷な描写があるかもしれません!
苦手な方は、申し訳ないですが、ブラウザバックをオススメ致します!


─沼地─

ギルドの失態により勘違いされた元狩猟対象であるリオレイアには、

別のハンターが派遣された、というのは以前話した通りである。

 

こちらの方は元クエストにのっとり、一人専用クエストとなっていたので

派遣されたハンターも勿論一人なのだが...

 

ヴェル「ったく....なんで私がこんなクエストやらなきゃいけないのよ...」

 

派遣されたクエストにて、

ベースキャンプに着くやいなやいきなり愚痴をこぼしたこのハンターは、

ヴェルという名の双剣使いである。

 

水属性のガノカットラスという双剣を持ち、

腰だけを露出している(ガノス一式装備に腰部位は存在しないため)

そんな奇抜かつ大胆な格好の彼女は

ギルドからも珍しいと注目を集めていたが、

高い水属性による部位破壊を得意とした彼女はギルドの素材研究にも役に立っており、

その安定性のあるスタイルとギルドへの貢献度の高さからギルドからの評価も高かった。

しかし、彼女は他のハンターからは少し近寄りがたいとも言われていた。

その理由は...

 

ヴェル「ま、まぁ、他にやる人がいないなら、仕方ないものね?」

ヴェル「...いやいや、べ、別にカタスのためじゃないんだから...!」

 

いわゆるツンデレだったためである。

しかも超テンプレの。

 

彼女はその優しさから

オトモに辛い思いはさせたくない(本人は邪魔されそうで嫌なだけだ、と言い張っているが...。)

という考えを持ち、オトモは連れていなかった。

そのため、今キャンプにいる彼女の周りには完全に誰もおらず、

誰もいないのに自分にひたすら言い聞かせている姿は

とてもシュールなものがある...。

 

なお、先程のセリフも、彼女がカタスが好きなわけではなく、

ただ単に非常に照れ屋なだけである、と本人の名誉のため付け加えておこう。

 

カタスとは先輩後輩の仲だが、

カタスは先輩であるヴェルも名前で呼ぶくらい仲が良かった。

そしてヴェルもカタスは後輩の中でも一番できる奴だと思っているくらい信頼していたので、

実は今回劇毒により重体になったとき、誰よりも一番心配していたのは彼女だった。

まあ、本人は認めないのだが...。

 

しかし、この性格が様々な災いを呼び寄せていることを

彼女はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

ヴェル「リオレイア、発見ね」

ヴェル「...閃光玉、よし。怪力の種...ん...飲んだわ」

ヴェル「それ、突撃よ!」

 

リオレイア「!!」

リオレイア「ウォォゥァァァァァァァ!!!」

 

彼女はギルドスタイルであるが、段差を利用し咆哮を空中でわざと受けることで

耳を塞ぐことなく凌ぎ、そのまま右から頭に向けて三発入れ、

リオレイアがこちらに振り向くと同時に左へ回避した。

リオレイアの突進は誰もいないところへ行き、

突進終わりの尻尾が下がったタイミングでまた三発入れる。

 

リオレイアは後ろにいるヴェルにサマーソルトを当てるために

バックジャンプ飛行をしたが、

 

ヴェル「閃光玉よ!」

 

リオレイア「ウァァァ!?」

 

リオレイアは突然のことにバランスを崩し、墜落した。

ヴェルは既に鬼人化しており、右翼に猛攻を加え、弱点の水属性により破壊した。

そのまま、起き上がり威嚇する女王の顔面に乱舞を叩き込み、破壊する。

リオレイアは怒り咆哮をあげたが未だ目は見えず、尻尾を振り回すのみ。

ヴェルは左翼に鬼人回転斬りを6セット叩き込み破壊し、

怯んで下がった尻尾目掛けて突進斬り開きと斬り上げを命中させ、

 

ヴェル「あと乱舞2回分ってとこかしらね」

 

と呟くのである。

リオレイアは閃光から立ち直るも、閃光を警戒し飛ぼうとしない。

下がりながら高出力火炎ブレスを吐いたが、ヴェルはそれより早く後ろへ回り込んでおり

尻尾に鬼人回転斬りを2発入れ、シビレ罠を足元に置きに行く。

 

リオレイアは後ろにいたはずのヴェル目掛け尻尾を振り回すが当たらず、

そうしているうちにシビレ罠の設置が終わり、リオレイアは罠にかかってしまった。

 

リオレイア「ウゥゥォゥゥ...」

 

動けないリオレイアの足に乱舞を二発入れてから、

尻尾へ車輪斬りを浴びせ切断した。

そして尻尾を素早く剥ぎ取ると、

 

ヴェル「げ、逆鱗...!い、いや、別に欲しかったわけじゃないし」

 

と喜んだりするのがいつものことだった。

 

ヴェル「そろそろエリア移動かしら」

 

と言うと同時にリオレイアは空へ飛び立った。

普段なら追いかけ、トドメを刺しに行くのだが...

...リオレイアの移動する方向がおかしい。

 

ヴェル「あっちは...紫毒姫の逃げた方と同じね」

ヴェル「...嫌な予感がするわ...。沼地から移動しないでくれたら助かるのだけれど」

 

 

 

 

 

ーギルドー

千里眼の薬を飲んでも沼地内にはいなくなっていたため、

ヴェルは急いで帰還し、ギルドに報告した。

すると間も無く気球の観察員から、リオレイアが渓流に移動しているとの報告が入り、

ヴェルは紫毒姫と原種リオレイアは敵対関係にあることを知っていたため、

カタスの仲間達を信じ、ギルドから紫毒姫狩猟許可を得ていない彼女は

ギルドで待つことにした。

 

しかしすぐにギルドから、カタスが医療施設から姿を消したと教えられた。

しかも、慌てたヴェルが彼の家を確認したところ、BOXからドボル一式と山薙鎌と、

解毒薬を始めとした毒を持つ強力なモンスター用のアイテムのみ消え去っていたのだ。

 

ヴェル「まさか、あのバカ、渓流に行ったんじゃないでしょうね!?」

 

ヴェルはカタスのことが心配で仕方なかった。

しかしそれ故、紫毒姫のいる渓流へ向かってしまったのであった...

 

 

 

 

 

ー渓流ー

カタス「ゼェ....ハァ....やっとついたぜ」

カタス「俺の不始末だ....あいつらに任せるわけにはいかねぇ」

 

カタスは、紫毒姫に再び挑もうとしていた。

カタスは、仲間達を信じていた。

だからこそ、仲間達が紫毒姫を倒してしまう、と思っていた。

 

カタスというハンターは、これまで負けたことがなかった。

いや、負けたことがないと言えば語弊があるかもしれない。

つまりカタスは、負けたとしても、必ずリベンジを果たすハンターとして有名だった。

そんな彼は、紫毒姫にボロボロに負けたのが、悔しくて仕方がなかったのだ。

そして、リベンジの相手が討たれてしまうことを恐れているのである。

 

カタス「こんな状態でも、準備くらいはできた」

カタス「千里眼の薬で、激しく動いている反応はエリア6だけだ」

カタス「ちっ...震えが止まらねぇ」

 

彼が武者震いだと思い込んでいるこの震えは、

衰弱した身体と、恐怖した心から来る震えであった。

 

カタス「......大丈夫だ。俺は、」

カタス「...俺は、これまで最後は必ず勝ってきた」

カタス「俺に出来ないことはない。そうさ、勝てるに決まってる」

 

???「あなた、そんな自己暗示してまで怖いのを隠したいのね」

???「...バッカみたい。バカよ、あなた」

 

カタス「...ヴェル先輩」

 

ヴェル「ふん。あなたはいつもそうよ、勝手に一人で突っ走って」

 

カタス「俺が何しようと、俺の勝手です」

 

ヴェル「悔しいのはわかる」

ヴェル「私だって負けたら悔しいわ。人間だもの、当たり前じゃない」

ヴェル「でもね、あの子達も、仲間のあなたがやられたことを、相当悔しがってたのよ?」

 

カタス「...あいつらが」

 

ヴェル「同じ悔しい同士。先にリベンジに行ったあの子達を優先してあげなさい」

ヴェル「先輩命令。いい?」

 

カタス「...そうですね。俺は、自分の悔しさしか知りませんでした」

カタス「先輩、ありがとうございます。やっぱり優しいんですね」

 

ヴェル「ばっ、や、優しくなんてないわよ!!」

 

カタス「え!?怒るところですか!?!」

 

ヴェル「怒ってないわよ!!」

 

カタス「怒ってますよ!!」

 

ヴェル「ぬぬぬ...」

カタス「ぬぬぬ...」

 

彼女たちが我を忘れ、いつもの痴話ゲンカをしていると...

 

???「イクサ!!」

???「イクサ!」

 

と、遠くから微かに叫びが聞こえた。

仲間がピンチになっている、とカタスは思った。

 

カタス「イクサ!!くそ、助けにいかねぇと!」

 

ヴェル「待ちなさい、あなた、戦える身体じゃないわよ!」

 

カタス「足手まといになるか...くそっ!!」

 

ヴェル「わたしはアイテムなんて何も持ってないわ」

ヴェル「でも、あなたはアイテムがあるでしょう?」

ヴェル「そのアイテムをわたしにくれれば、私が助けにいってあげる」

 

カタス「先輩、後ろ!!」

 

ヴェル「!?」

 

カタスが叫んだ瞬間

ヴェルの背中に、突如現れたリオレイアの爪が突き刺さる!

 

ヴェル「ぐっ!!」

ヴェル「...ちっ、今渓流に着いたみたいね。間の悪い...」

ヴェル「あなた!アイテムポーチを早く寄越しなさい!」

 

カタス「は、はい!」

 

ヴェル「私はこいつの相手をするわ!」

ヴェル「あなたは、早く逃げなさい!!」

 

解毒薬を飲み干した彼女は勇ましくそう言うものの、

カタスは分かっていた。彼女は強がっているが

本当は不意打ちによってかなりの傷を負っていることが。

 

しかし、それでありながら、カタスはきづかぬフリをした。

そして、エリアから退避した。

自分が足手まといになることが分かっていたからだ。

 

 

そして───彼はある行動に、いや、賭けに出た。

「『あいつ』に助けてもらえるかもしれない」と、

何か理屈ではない感覚で、そう思ったのだ。

なぜそう思えたのかは、彼にも分からない。

 

カタスはエリア8へふらつきながらも辿り着き...

そして、大量のルドロス達の中にいる『あいつ』に向けて。

助けを求めたのだった。

 

カタス「頼む、ナルガ亜種、あいつらを助けてやってくれ!!」

 

 

 

 

 

─エリア4 原種リオレイア─

ヴェル「...ふぅ、カタス、ちゃんと行ってくれたわ」

ヴェル「うっ、背中が痛い...」

 

ヴェルは、かなり危険な状態だった。

動けるものの、出血が治まらない。

 

ヴェル「はぁはぁ...ふぁ...このままじゃ、まずいわね...」

 

ヴェルは、自分が窮地に陥ろうと、

カタスをリオレイアが追うのを恐れ、退こうとしなかった。

彼女は、優しい性格であるが、

 

ヴェル「鬼人化!はっ!はぁっ!」

 

優しい性格であるがために、自身を苦しめてしまうのだった。

 

ヴェル「う、尻尾回転!...ぐぅっ!しまった!」

 

そして、優しいだけでは、ときに残酷な結果を生むこともある──

 

ヴェル「そん...な...私、ここで終わりなの?」

ヴェル「まぁ、いいか。私、誰からも好かれないし...」

ヴェル「じゃあね、カタス。」

ヴェル「あなただけよ、私とちゃんと話してくれたのは」

 

カタス「勝手に別れの台詞吐いてんじゃねぇぞコラァ!」

 

ヴェル「あ、あなた、なんで!?」

 

(俺もいるぜ)

 

ヴェル「そっか。あなたが噂の緑迅竜ね」

ヴェル「リオレイアが気絶してるのも、あなたかしら」

 

(ああ)

 

ヴェル「私は背中と脚をやられて動けないけど...」

ヴェル「あなたにお願いするわ。あいつを倒して!」

 

(任せろ!!)

 

『俺』は気絶から立ち直ったリオレイアを見つめ、

戦いの構えをした。

リオレイアは、なんと───逃げ出そうとした。

ヴェルとの戦いで傷ついていたのもあるし、

せっかく追い詰めたのにやり直しになったのが

ショックだったのかもしれない。

 

リオレイアは、足の遅そうなこの竜から逃げるなら、

走ってエリアの端へ移動してから飛んだ方が良いと踏んだ。

しかし、それこそが間違いで───

リオレイアが走った先に既にいる!!

リオレイアは別の方向に走るが、そこにも既にいる!!

リオレイアはやけになって緑迅竜に走ってぶつかろうとしたが....

 

(甘いな)

 

渾身の、スピードアップした尻尾叩きつけをかましてやった。

ヴェルの食らわせたダメージが予想外に多かったのと、

今の一撃が首に刺さったこともあり、

リオレイアは静かに倒れ、息を引き取った。

 

強者は、弱者とは戦うくせに、

強者とは戦わずして逃げる者を許さない。

リオレイアは、まさにこの弱者だったのだ。

 

カタス「すげぇ」

ヴェル「すごいわ」

 

ヴェル「ちょっとなにハモってんのよ!」

 

カタス「え、えぇ!?」

 

(...俺はエリア5へさっさと行くか)

 

緑迅竜は、エリア5へ移動した。

 

カタス「...先輩。背中の手当しますよ」

ヴェル「じ、自分でできるわよ!......」

 

 

 

 

 

ーエリア5 紫毒姫リオレイアー

(紫毒姫、発見。棘...食らえ!!)

 

紫毒姫が横薙ぎに倒れる!

 

(この俺の棘...ナルガ亜種の棘はな、上手く当たれば一撃で気絶させるんだぜ...)

 

(俺の縄張りで好き勝手やってくれてんじゃねぇか!許さねぇぜ!!)

(...とか、カッコつけてみたりな!)

 

ルソ「お前は...!」

 

ゼル「ナルガ亜種さん...!」

 

首でクイッと紫毒姫を指し、

迅竜種特有の構えをとった。

 

ゼル「一緒に戦ってくれるんだね!」

 

(...あぁ!)

 

俺は頷き、イクサを見つめてやった。

ルソがイクサに秘薬を飲ませ、回復した!

 

イクサ「...あ...ナルガ亜種...」

 

イクサ「...もしかして...助けてくれたの!」

 

イクサが立ち上がると同時に、

紫毒姫も気絶から立ち直り、そして大きな咆哮を起こす!

 

紫毒姫リオレイア「ウォォゥァァァァァァァ!!!」

 

(今の俺は怒ってるから、大声でピーピー鳴いても無駄だぜ!)

 

ナルガクルガ亜種「アァァゥァァォゥアアッ!!!」

 

お互いの咆哮が交差し、そして...

 

(勝負だ!)

 

ゼル「せいやぁぁぁ!」

 

ルソ「おらあぁぁぁ!」

 

イクサ「はぁぁぁっ!」

 

ハンターたちも声をあげて臨戦態勢に入った!

 

ゼル「乗り、狙うよっ!」

 

ルソ「恐らく、ゼルが乗れるかで勝負が決まる。」

ルソ「みんな、ゼルを援護するんだ!!」

 

イクサ「了解よ!」

 

紫毒姫は不意打ちを食らわせた乱入者に

怒り狂い突進するが...

 

(おっと。無断で縄張りに侵入してるのは、

どこの誰だっけなぁ!!!)

 

緑迅竜は不意に入り込んできた侵入者に

怒り狂い返しの叩きつけを放つ。

 

飛行が得意でなく、かつ真っ直ぐ走るリオレイア種は

総じて叩きつけを上手く回避できないようで

叩きつけは全力で頭に突き刺さった。

 

しかし、紫毒姫もこの程度ではやられない。

紫毒姫は怯んで下がったが、そのいかにも燃えそうな身体を見て

火炎を放った。

 

(それを待ってた)

 

しかし、火炎を放ち、残り火を消したその僅かな隙に

緑迅竜が消え去った!!

 

紫毒姫「グォォォウ!」

 

紫毒姫は辺り一面を尻尾で薙ぎ払うが、

ゼルは足元に退避し、イクサは離れ、

ルソはガードした。

 

そして、再度薙ぎ払ったとき、

紫毒姫は尻尾に違和感を感じた。

 

尻尾が、ない。

 

紫毒姫「グォォォォォォォォォォァァァァウ!!!」

 

紫毒姫は激痛に悶えるが、その隙を

毒を壁にして消すことを怠らなかった。

だが、毒を壁にするということは、

紫毒姫自身も敵を見辛くなるということであり...

再度緑迅竜を見失ってしまった。

 

紫毒姫はとても焦った。

目の前で対峙しながら、不意打ちをされ続ける。

こんなことがあっただろうか?

あるわけがなかった。

黒の原種と戦ったことはあるが、

横に回り込んでくるだけで隠れることがなかった。

 

それが、今この状況である。

紫毒姫は、ジリ貧というにはあまりにもダメージが大きい

この状況がとにかく恐怖で仕方がなかった。

 

が、その時、正面に緑迅竜が突然現れた。

うっかりしたんだか知らないが、これはチャンスだ!!

と紫毒姫は突進した。

そこに巨大な刃が置いてあるとも知らずに。

 

紫毒姫「アァァァゥォォゥァゥァァァァアアア!!!」

 

悲鳴とも怒りとも悔しさともとれる声をあげながら、

紫毒姫はただ前に出された刃翼に正面から突っ込み

血を噴き上げた。

 

ルソ「ゼル、今だ!!」

 

ゼル「うん!!」

 

ゼルは見失うのを恐れ毒霧を出さない紫毒姫に

乗り攻撃を連発し、とうとう乗った!

 

紫毒姫「グォアウアアアアア!」

 

紫毒姫も、これが成功してしまえば負けると思い

必死でもがく。

だが、スタミナを温存していたイクサの剛射が連発され、

ルソも砲撃で援護するのでどうしようもなかった。

乗り───

───成功だ。

 

紫毒姫「ウゥォゥ、ゥゥォアアアアアア」

 

紫毒姫が弱った声を上げもがくが...

 

ルソ「よし、みんな、トドメだ!いくぞ!」

 

ゼル「うん!!」

 

イクサ「もちろん!!」

 

(ああ!)

 

ルソ「覇山竜撃砲!!!」

ゼル「ブレイドダンス!!!」

イクサ「トリニティレイヴン!!!」

 

(尻尾...叩きつけ!!!)

 

三人と一体の竜の全力の一撃が、紫毒姫を襲う!!

そして...

 

紫毒姫「グゥゥァゥ、アアアアァァァァ....」

 

紫毒姫は、

────倒れた。

 

ルソ「や...」

 

ゼル「や、やったー!!やったよ、カタスぅ!」

 

カタス「はぁ...デカイ音が聞こえたと思ったら...」

カタス「よかった...お前ら、本当によかった!」

 

イクサ「あれ、カタス!?」

 

ゼル「え!?なんでここに!!」

 

カタス「そろそろだと思って来ちまった、わりぃ...」

カタス「あ、安心したらなんだか眠気が...」

 

ゼル「カタス!」

 

ルソ「カタスが倒れた!」

 

ヴェル「───全く、世話が焼けるわね」

 

イクサ「ヴェル先輩もなんでここに!...って、ち、血だらけですよ!」

 

ヴェル「あ、あら...私も、人のこと...言えな...」

 

ゼル「ヴェル先輩!」

 

ルソ「ヴェル先輩が倒れた!」

 

イクサ「早く、医療施設へ運ばないと...」

 

ゼル「は、早く運ぼ!...あ、ありがと、ナルガ亜種さん!」

ゼル「あれ...?ナルガ亜種さん...?」

 

 

 

 

 

ーエリア8ー

(大丈夫か、ロアルドロス)

 

ロアルドロス「ヒュォオウ」

 

(まあ、これ食え。薬草だ、遠慮はいらん)

(じゃあな。俺も疲れた、もう寝るよ)

 

ロアルドロス「ヒュォォ!」

 

(またな)

 

 

 

 

 

ーエリア5ー

ゼル「うん、まぁ、ナルガ亜種さんもお家に帰ったよね!」

ゼル「さあ、みんなも帰ろ!おうちへ帰るんだ!」

 

ルソ「おう!」

イクサ「ああ!」

 

カタス「zzz」

ヴェル「zzz」

 

イクサ「...ふふ、幸せそうな顔。よかった、無事で」

 

 

 

 

 

ーギルドー

紫毒姫、並びに通常種リオレイアの討伐を確認。

ユクモ村への被害は事前に防ぐことができたようです。

突如消えた負傷したハンターも、

紫毒姫を狩ったハンター達が、渓流にて無事保護したようです。

 

なお、今回、強個体水獣と友好的緑迅竜が乱入してきたものの、

紫毒姫にのみ戦いを挑み、去った模様。

水獣は負けて撤退したものの、緑迅竜はハンターと協力し

紫毒姫を撃破したことから、

獣人族のように人間を敵だと考えていない可能性が高いでしょう。

 

ただ、これが草食モンスターのように

人間が危害を加えて来ていないからなだけなのか、

もしくは知能がとても高く人間を味方だと考えているのか。

ギルドとしてはあくまで前者だと考えるようですが、

私としては───いえ、なんでもありません。

 

ちなみに今回、優秀なハンター2名が負傷したために

ギルドはしばらく代わりの者をユクモ村に派遣しようと思います。

では、報告はここまでとします。

本当に、村が無事でよかった。




二話に渡る紫毒姫編はこれで完結です。
紫毒姫だけでなく、二つ名モンスターは
村を雪崩で壊滅させたりやりたい放題ですね。
一部の古龍並みの災害を引き起こしてるんじゃないでしょうかね。

さて。続々と登場する新キャラですが、
彼らは一応主人公の転生の謎に関係があります。
なのでこれから出てくる人数などはもう決まっていますが
実はハンマー、チャージアックス、操虫棍、ヘビィだけ
あまり装備を知らなかったりするので
その4つの装備使いが出るのは先かもしれません。

下位ハンターばかりで不思議かも知れないですが、
G級ハンターどころか上位ハンターも
フクロ達と一緒に引退したり、既にユクモ村にいなかったりします。
なのでそれを引き継ぐ形でルソ達がハンターとなったものの
ゲームと違い、この世界では上位の基準がとても厳しいです。
まあ本来、公式ではG級ハンターはごく僅かな人しかなれず
上位ハンターもかなりの凄腕という設定らしいので
この世界はそちらに準拠していると思って頂ければ。

次回は少し遅れるかも知れませんが
どんどん色んなモンスターを出していきたいですね!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7.黒竜滅刃

どうも、水玉スフレです。
ガーグァの卵をとろうとして
ガーグァのヒップドロップを食らうのはいつものこと。

ー登場人物ー
・【主人公】ナルガクルガ亜種
主人公。穀物も摂る。
新たな目的を見出だすことを目指す。

・【強個体】ロアルドロス
主人公の子分的な立ち位置。
今日はひなたぼっこ中。(要は出番ほぼなし)

・太刀ハンター カタス
今回出番あり。
以上!
武器:山刈鎌
防具:ドボル一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・銃槍ハンター ルソ
実は水属性武器が憧れ。水ガンランスを使うのが夢。
ただ、彼自身、ザボアザギルが苦手。
武器:フレイムスロワー
防具:アグナ一式
スタイル:ストライカースタイル
狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・片手剣ハンター ゼル
間違えてネコ飯で酒を飲んでしまい
イクサに猫撫で声でおねーちゃんすきーと言ってた黒歴史。
武器:アイシクルスパイク
防具:ベリオ一式
スタイル:エリアルスタイル
狩技:ブレイドダンスⅠ

・弓ハンター イクサ
ボマースキルは常備。スタイルの良さとかけて、
ダイナマイトボマーと呼ばれてるとか。
武器:ディオスアローⅠ
防具:ブラキ一式
スタイル:ブシドースタイル
狩技:トリニティレイヴンⅠ

・元軽弩ハンター フクロ
『黒弩のフクロ』と呼ばれた伝説のハンター。
G級ハンターからも未だに憧れの存在。
武器:夜行弩【梟ノ眼】
防具:ナルガX一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:全弾装填Ⅲ、絶対回避【臨戦】

・双剣ハンター ヴェル
ツンデレハンター。腰を露出してるので
それ目当ての男がよく釣れる。が、本人は気づいていない。
武器:ガノカットラス
防具:ガノス一式(腰無装備)
スタイル:ギルドスタイル
狩技:獣宿し【餓狼】Ⅰ、金剛身


紫毒姫を撃退してから数日。

俺は、ロアルドロスと共に、渓流を散歩したりする毎日を送っていた。

ロアルドロスは、話こそ通じないものの

俺の良き友であり、弟分である.....と、少なくとも俺は思っている。

 

例のハンター達も、最近は危険なクエストも入って来ず、

あの太刀使いも、回復して無事戻ってきたようだ。

狩りが怖くないのかと銃槍使いが言っていたが、

太刀使いは、狩りが俺を呼んでいる!とかなんとか言って

結局全線へ恐れることなく出ているらしい。

大した狩魂だ。

 

 

さて、俺はというと...

最近、尻尾たたきつけだけでなく、獲物を獲るときによく使う

連続斜め飛びつき攻撃のスピードも若干上がった気がする。

...というくらいで、あまり何も変わっていない。

強いて言うなら、肉ばかり食べるのもよくないかな?と思って

怪力の種や忍耐の種を食べた後、

あ、うめえわこれ!...ところで、俺肉食だから別に要らなくね?

という結論に至り、一日一回のおやつ程度にしているとかか。

攻撃力や防御力が上がるかと期待したが、

スモールサイズとはいえ

人間と比べて身体が大きすぎるのか、そんなことはなかった...

 

そして、自分が肉食だとか

今の状態を普通にさらっと受け入れていることにも

自分ながら若干驚いた。

そんな近頃である。

 

 

 

ところで自分は今、気になっていることがある。

最近、何者かに見られているような気がすることがあるのだ。

しかし、誰かはわからないのだ。誰かはわからないのだが...

 

なぜか、心のどこかで、奴のことを感じている。

奴のことがわかる。

奴は、俺がナルガ亜種になったことに関係があると...

 

 

 

 

 

─霊峰─

フクロがユクモ村の専属ハンターだったとき、

アマツマガツチという古龍が現れた場所。

フクロがかの古龍を撃退したその地には、

今は絶景が広がるばかりである。

 

そこから、人になった緑の竜を見下ろす──

一頭の、黒の竜がいた。

 

黒の竜は、小さく呻くと、やがて飛び立った。

飛び立つ先は、水没林────

 

 

─水没林─

カタス「オラ!へへっ、大回転ヒットだぜ」

 

カタスは、紫毒姫にも負けじと思い

装備を強化すべくドボルベルクを村クエで狩っていた。

 

そのときである。

黒き竜が、降り立った。

 

カタス「......ナルガクルガか。キングサイズだな、こりゃ」

 

カタスがそう思いながらこやし玉を手に取ると...

ナルガクルガがふと消えた。

 

カタス「....なに!!?」

 

気づくと、ドボルベルクは地に伏せ、二度と動かなくなっており、

しかしこちらへ殺気を放つのをやめない黒き竜は、カタスを睨む。

 

カタス「俺とやり合おうってのか?いいぜ」

 

カタスは震えを隠しながら言ったが、

黒き竜は首を振るのみ。

 

カタス「お前も、人間の言葉がわかるのか...?」

 

そう聞くと、黒き竜は

 

「貴様ではないか。黒き弩の使い手を知らないか?貸しがあるんだ」

 

と答えた。

これに驚きパニックになったカタスは、

 

カタス「え!?ほ、他の奴に聞いてくれ」

 

と言ったが、

それを聞き届けた黒き竜は、返事もせず飛び去った。

 

カタス「...あれはやべぇ。ナルガクルガじゃない。化物だ」

 

 

 

 

 

 

─火山─

ルソ「せいっ!!」

 

ルソは、アグナコトルを村クエで狩っていた。

カタスがやるなら俺も、と装備強化をしに来たのだ。

 

アグナコトルの硬化した部位に砲撃を当て軟化させ、

そこから斬撃を浴びせる手慣れた大柄な男の様は豪快の一言。

 

そこへ黒き竜が舞い降り、炎戈竜が倒れ伏すのは一瞬であった。

ルソが、竜撃砲を当てるために全方位ブレスを狙ったときだった。

 

ルソ「......獲物を横取りされたか」

 

「いや、そんな気はない。が、貴様に問いたいことがある」

「貴様は──黒き弩の使い手を知らないか。」

 

ルソ「な、な、な、しゃ、喋りやがった...!?」

ルソ「ちっ...ど、どうすれば...逃げるか!?」

 

ルソの慌てる様を見て、黒き竜は呆れたように飛び去った。

 

ルソ「......俺は......知らない...よな。黒き弩の使い手」

 

 

 

 

 

─孤島─

イクサ「せい!」

 

イクサは、二人が装備強化すると聞き自分も、と思い

ブラキディオスを倒しに来たのだ。

 

ブラキディオスの角を爆破したのと、

黒き竜がブラキディオスの胴体を裂いたのはほぼ同時だった。

 

イクサ「また、強力なナルガクルガ種ですか」

イクサ「......あなたは...あの緑迅竜と似ています。」

イクサ「あなたも、言葉がわかるのではないですか」

 

イクサは、自分でも驚くほど冷静で、驚くほど鋭かった。

 

「......ほう、おもしろいことを言うな、貴様」

「貴様、黒き弩の使い手を知らないか」

 

イクサ「存じません。残念ながら。」

イクサ「ですが、何故?」

 

「少し借りがあるだけだ──貴様が気にすることではない」

「貴様は、話が通じるようだ。他人任せでもない、混乱もしない」

 

イクサ「そうかしら。光栄ですわ」

 

「また孤島に来ようと思う。」

「その時までに、黒き弩使いを調べてくれないか」

 

イクサ「......見つかるかはわからないけれど、やりましょう」

 

黒き竜はその言葉を聞くと、頷き飛び去った。

 

イクサ「不思議な竜が多いわ。何かの予兆でなければよいのだけれど...」

 

 

 

 

 

─凍土─

ゼル「えい!」

 

ゼルは、ベリオロスの攻撃を一度も被弾せず一方的に攻撃していた。

そんなとき、ベリオロスを上回る速度でベリオロスを狩る黒き竜が

ゼルの前に現れた。

 

ゼル(...G級個体!?なんで!?)

 

ゼルは、モンスターを観察する力に長けており

故に、モンスターの強さを計ることもできた。

だからこそ、ゼルには理解できない。

目の前の竜は、ナルガクルガのようで、

ナルガクルガではないのだ。

あの緑迅竜のように、根本的なところで『何かが違う』。

 

「貴様...貴様は...」

 

そして、ゼルは悟った。

 

あたしはここで死ぬんだと

 

「貴様......黒き弩の使い手だな!?!?」

「殺す。コロス!呪う。黒き弩の使い手よ!この日をどれほど待ちわびたか!」

 

黒きナルガクルガらしき『何か』は、ゼルに高速で迅翼を振るう。

ゼルは回避するが、エリアを移動しようにもそう簡単に動けない。

ずっとこちらを狙っている。

背中など見せれば、簡単に見失ってしまうかもしれない。

それになにより、おぞましい程の殺気が、逃げることを許さない。

 

G級モンスターに勝てる装備ではないし、

かといって逃げることもできない。

閃光玉を使おうにも隙がないし、モドリ玉は持っていない。

 

ゼル(いやだ、死にたくない。助けてよ、カタス、ルソ、イクサぁ)

 

ゼルはあまりの恐怖に泣き出してしまった。

 

......ハンターと言えど、子供なのだ。

彼女には、この禍々しい竜の殺気は──耐えられなかった。

 

ゼルは、この世の全ての竜や龍の、

出来うる限りの情報を知っていた。

古龍をも知る彼女に、

その情報にない、あまりにも恐ろしい存在が目の前に現れたのだ。

自身の情報を頼りに狩りをする彼女が、

いかに恐怖の底に突き落とされたかは想像に難くない。

 

「何を泣いている。貴様は!」

 

ゼル「ぐすっ...いやだよ...来ないで...許してよ...」

ゼル「あたしは...あたしは...ちがうの...」

ゼル「黒い弩は...あたしは...持ってないの...」

 

「......貴様ァァァァ!!ここまで来て惚けるのか!?」

 

黒き竜は赤の光を目から出し怒り狂った。

 

「アガァァアアァ...ァァァァアアアアアアアアア!!!!!」

 

声にならない叫びをあげるその竜の様は、狂ってるとしか表せなかった。

 

ゼル「助けてよ!あたしじゃないの!」

ゼル「あたしは片手剣使いのゼル!」

ゼル「あなたなんか知らないの!!」

ゼル「ねえ!助けてよ!あたしじゃない!!」

ゼル「あたしじゃないあたしじゃないあたしじゃない.......!」

 

ゼルも、叫びをあげる。ゼルも、狂っているとしか表せない状態だった。

 

 

──そしてゼルへ黒き竜が飛びかかろうとしたその時

 

ゼル「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

???「ふっ!」

 

ガキィン、と音がした。

ゼルの前に躍り出た槍と盾を持つ若い男のハンターは...

 

???「間に合ったかな。事情は後だよ、早く逃げて!」

 

ゼル「ふぇ、あ、ありがと...ございます」

 

槍を持つハンターは、ルソの尊敬する数少ないG級ハンターの

イディオという男だった。

 

彼は誰にたいしても柔らかい態度で接し、

男言葉をほとんど使わない優しく話しやすいハンターだ。

 

ナルシストなところが少しあるが、

ヴェルと正反対で誰からも好かれる彼は、

酒場で特に話が合った

操虫棍使いとチャージアックス使いの二人を連れて

狩りに出掛けていた。

 

しかしその二人を狩りの途中で亡くして以降、

彼は酷く落ち込み、マイハウスへ引きこもるようになり、

一時期引退まで考えたという。

 

しかし、ある日突然採取ツアーに出掛けると、

彼は狂ったように毎日ツアーに出掛けるようになった。

 

特に渓流、水没林、火山、孤島、砂原、凍土の

新大陸6つのエリアへ頻繁に出掛けたという。

 

ギルドからも昔とても助けてもらったハンターなだけに

彼を除名するのはよそうという意見が多く

結果黙認されている現状だ。

 

そして、今回も凍土のツアーに出掛けたところだったのだ。

 

イディオ「さて、あの子は逃げ切れたかな」

 

「......。」

 

黒き竜は、あまりの怒りに放心している。

やっと見つけた獲物を取り逃したからかはわからない。

 

イディオ「なんだい、拍子抜けだね」

イディオ「僕はナルガクルガ種が嫌いでね。ちょっと狩られてよ」

 

しかし、黒き竜はそのまま飛び去ってしまった。

 

イディオ「僕のことは眼中にもなかったのかな」

イディオ「仕方ない、帰ろうか」

 

 

 

 

 

─霊峰─

俺は、霊峰から視線を感じると思って登ってみた。

しかし、長時間飛ぶのは疲れるので

時々歩いてたら道中でロアルドロス(違う個体)と出会い

丸一日かかってしまった。疲れた....。

 

(うーん、何もないような...)

 

ゼル「ぐす、ぐすん......」

 

(うお!?)

 

ゼル「あ...ナルガ亜種さんだ...へへ」

ゼル「泣いてる顔、見られちゃったかな」

 

カタス「なんだ、緑迅竜の方が先だったか」

 

イクサ「やっと見つけた!もう、探したのよ?」

 

ゼル「えへへ、ごめんなさい...」

 

ルソ「ほれ、ハンカチ」

 

ゼル「...ありがと」

 

ルソ「鼻かむのには使うなよ?」

 

ゼル「そんなことしないもん!」

 

結局、いつもの三人が集まってきたようだ。

 

ヴェル「あら、仲良くやってるわね」

 

イディオ「僕もまぜてよ♪」

 

知らないハンターがいるが、槍を持っているので

この平和な数日のうちに聞いたイディオという

ルソ憧れのハンターだというのはすぐにわかった。

 

 

イディオ「さて、そこの無害な緑迅竜も関係あるかもしれない」

イディオ「凶悪な迅竜の話」

イディオ「みんなも見たんでしょ?」

 

ヴェル「ちょっと待って、あたしは見てないわ」

 

イディオ「ああ、ヴェルちゃんは旧大陸にいたからね」

 

ヴェル「ヴェルちゃん言うな!!」

 

イディオ「ごめんごめん。それで、他のみんなは新大陸だよね」

 

ルソ「うむ」

カタス「ああ」

イクサ「ええ」

ゼル「......」

 

イディオ「僕は、あの竜をずっと探してた」

イディオ「説明は今は省くけど、とにかくあの竜は新大陸にいる」

イディオ「あの竜を僕はどうしても狩らなければならない」

 

ルソ「あの竜も、イディオ先輩は倒せてしまうんですか」

 

イディオ「いや。僕一人ではきっと無理」

イディオ「死んだ二人がいればきっと...いや、それは過ぎた話か」

イディオ「でも、場所を把握くらいはしておきたい。」

 

イクサ「あの竜、孤島にまた来る、と言っていました」

 

イディオ「そうか。なら僕は、暫く孤島に通うことにしよう」

イディオ「ありがとう。」

イディオ「それと、あの竜が探している黒い弩の使い手」

イディオ「心当たりある人、いる?」

 

ゼル「...あたしの、おかあさん」

 

イディオ「そっか。君のお母様は、そうだったね」

イディオ「あの伝説の『黒弩のフクロ』だったね」

イディオ「ありがとね。僕は孤島に通うことにするよ」

イディオ「また会おうねー、ヴェルちゃんたちー」

 

ヴェル「ヴェルちゃん言うなー!!」

 

イディオは笑いながら去って行った。

しかし、そのやりとりでゼルがくすっと笑ったので

イディオなりの励まし方だったかのかもしれない。

 

ヴェル「じゃあ、私ももう行くわ」

ヴェル「ゼル、私、応援してるから。あなたのことっ」

 

ヴェルは恥ずかしがりながらその場を後にした。

 

ゼル「...あたし、すっごく怖かった」

ゼル「死んじゃうんだって、思った」

ゼル「でもね、イディオ先輩が助けてくれたの」

ゼル「あたし、三人にずっと助けをもとめてた」

ゼル「三人に、ずっと依存しすぎてたのかもしれないなって」

 

イクサ「ばか、そんなわけ...」

カタス「そうだ!!」

イクサ「...えっ?」

 

カタス「そうだ。ハンターたる者、村クエで他人に頼るなど愚行。」

カタス「そんなんじゃ、G級ハンターなんか夢のまた夢だ」

 

イクサ「ちょっと、なにもそんなに...」

カタス「だがな!!」

イクサ「...っ!?」

ルソ「......。」

 

カタス「村クエ以外ではな、他人を信じることが重要だ!」

カタス「時に後ろにいる仲間を信じ、後ろも見ず突っ込むことも!」

カタス「時に前の仲間を信じ、後ろから弓を引くことも!!」

カタス「こうやって今、お前の話を聞いてやるのも!!!」

 

カタス「...全部、仲間にしかできないことだ」

 

カタス「......いいか、仲間に依存するのはダメだ」

カタス「だが、仲間を信じ、共に行くことは、決して悪いことじゃない」

カタス「俺にはわかるんだ。」

カタス「お前、依存しすぎてたから距離をとろうとか思ってたんだろ」

 

ゼル「......カタス」

 

カタス「仲間にしかできないこともある」

カタス「仲間には、できないこともある」

カタス「でもな、仲間に出来ることも、できないようにするのは」

カタス「一番、バカなことだよ」

カタス「...お前は、俺たちに甘えてもいいんだ。」

カタス「今は村クエと違って、みんないるんだからよ」

 

ゼル「...う、うわぁぁぁぁん!カタスぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

カタス「ったく、鼻水垂らして大泣きしやがって。」

カタス「...しょーがねぇ奴」

 

ルソ「...ははは!」

イクサ「...ふふっ」

 

 

......俺、いる意味あったか?

 

 

 

 

 

それから、ゼルが泣き終わると、

カタス達は俺に別れを言い、帰っていった。

 

俺は、その黒き竜に会わなければならない。

そいつに会わないと、ずっと人間に戻れない。

心のどこかで、それがわかっている。

 

だから俺は──ロアルドロスに別れを告げた。

不思議と通じたのか、ロアルドロスは沢山のルドロスを呼び出し

俺を見送ってくれた。

目指すは───孤島に。

俺は、あの竜が来るはずの孤島に、移ることにしたのだ───




長らく間が空きましたが、ようやく渓流編完結です。
いや、長かった。
というのも、完全に投稿したものと思い込んでいました。
やっちまった。

あと操虫棍とチャージアックス好きな人ごめんなさい。
ちゃんとエピソード入れるんで許してくださいなんでも(ry


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

★2:孤島/疾風に緑迅を知る
8.絶海孤島!


どうも、水玉スフレです。
レッツボマー!

ー登場人物ー
・【主人公】ナルガクルガ亜種
主人公。雑食化した。
凶個体ナルガクルガが人間に戻る手掛かりを握ると信じる。

・【強個体】ロアルドロス
主人公の子分的な立ち位置。
主人公を見送るった後、実は健気に寝床の監視をしている。

・【凶個体】ナルガクルガ
『深き闇と絶望の化身』byカタス。
まあ実際その通りなのかもしれないけども......。

・太刀ハンター カタス
『決めろ!炎のクリティカル!』が彼のお気に入りの言葉。
しかし見よ、彼の武器の会心率はどう見てもマイナスだ!!
武器:山刈鎌
防具:ドボル一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・銃槍ハンター ルソ
実は水属性武器が憧れ。水ガンランスを使うのが夢。
しかし、もう諦めた。
武器:フレイムスロワー
防具:アグナ一式
スタイル:ストライカースタイル
狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・片手剣ハンター ゼル
お酒はダメな年齢。結婚もまだダメ。
とはいえ、まずそれらとは無縁と思われるが...
武器:アイシクルスパイク
防具:ベリオ一式
スタイル:エリアルスタイル
狩技:ブレイドダンスⅠ

・弓ハンター イクサ
スタイルが良いのをゼルやヴェルに羨まれ
どうすればいいかと問い詰められ困惑中。
武器:ディオスアローⅠ
防具:ブラキ一式
スタイル:ブシドースタイル
狩技:トリニティレイヴンⅠ

・元軽弩ハンター フクロ
『黒弩のフクロ』と呼ばれた伝説のハンター。
狩り、泳ぎ、料理、掃除、洗濯、なんでもこなします!
武器:夜行弩【梟ノ眼】
防具:ナルガX一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:全弾装填Ⅲ、絶対回避【臨戦】

・双剣ハンター ヴェル
腰の露出が非常に誘惑的で大人な魅力を醸し出す...が、
実年齢も精神年齢も普通に少女。ツンデレ枠。
武器:ガノカットラス
防具:ガノス一式(腰無装備)
スタイル:ギルドスタイル
狩技:獣宿し【餓狼】Ⅰ、金剛身

・槍ハンター イディオ
ナルシストハンター。自分を王子様だと思っており、
クラウンと名のつく槍を愛用するG級系男子。
武器:イディオクラウン
防具:三眼一式orドーベル一式
スタイル:ギルドスタイル
狩技:絶対回避、不死鳥の息吹


ふーん...あれが孤島か。

ゲームで見てたのとは随分違う、もっと綺麗な景色だな。

 

俺は孤島に着いた。

途中で何もアクシデントが起こらなかったのが幸いだ。

 

(さて、俺の家を探すとするか...うお!?)

 

地面が激しく揺れている!

な、なんだ、地震か!?

...........お、治まった...

もしかして、ここ、まだナバルデウスがご存命なんじゃ...

 

イクサ「あら、ナルガ亜種さん、もう来てたのね?」

イクサ「今の地震が気になるかしら?あれはね、何が原因かわからないの」

イクサ「ラギアクルスにこの規模は無理だろうし...」

 

ナバルデウスについてはわかってないのか。

 

 

 

 

 

イクサが俺を見つけてすぐギルドに報告してくれたようで、

俺が狩猟対象になることもなかった。

 

???「こんにちは!」

 

イクサには感謝しなければ...ん?

 

???「あの、こんにちは!」

 

なんだか内気そうな女の子ハンターが挨拶してきている。

 

ヴェル「ちょっと。反応してあげなさいよ」

 

(あ、ああ、こんにちは)

首をぺこっと下げて会釈してやる。

 

???「はぁ、よかった。無視されてるのかと思いましたぁ」

 

ヴェル「よかったわね。」

ヴェル「この子はモガの村の専属ハンターよ」

 

???「はい、はじめまして!狩猟笛使いのミヤといいます!」

ミヤ「この地震の原因を突き止めるべく、頑張っております!」

 

誠意は伝わってくるんだが、

文末で一々ぺこぺこしなくてもいいんじゃないのか?

 

ヴェル「この子はモガの専属ハンターだけど、前はユクモにいたの」

ヴェル「装備がまさかのユクモノ一式だけど...まぁ許してあげて」

 

ミヤ「す、すみませんすみません!私、ユクモ村を忘れないようにって」

 

装備に関してはヴェルが言っちゃダメだろ!

腰なんか装備しろよ!

 

ヴェル「ところであなた...」

 

俺か?

 

ヴェル「ちょっと着いてきてほしいんだけど、平気かしら?」

 

俺は首を縦に振った。

 

 

 

 

 

ヴェル「エリア10よ。海にエピオスが見えるわね。」

ヴェル「私、泳ぎは得意よ。ガノトトスを狩れるくらいにはね?」

 

ミヤ「わたしも、その、いっぱい練習したら、できるようになりました」

 

ヴェル「エピオスを狩ってみてほしいの。できるかしら」

 

え?

俺、泳ぐの?

 

 

 

 

 

わかったことが4つあった。

 

1.いぬかきすれば、重量の割に腕力が高いナルガ種なので意外と泳げる。

2.酸素は人間のときよりかなり保つ。が、水の中だと上手く攻撃できない。

3.刃翼の形がヒレに近いので、潜っても割と早く泳げる。

4.おぼれるこわい

 

ヴェル「やっぱりってとこかしら。」

ヴェル「私ね、地震は海の古龍だと思ってるの」

ヴェル「ゼルが言ってた。ナバルデウスという古龍がいると。」

 

ミヤ「な、ナバルデウス?」

 

ヴェル「そう。その昔、モガの村に大地震を起こしたとされる古龍」

ヴェル「その古龍に挑んだのが───あの凶悪ナルガだそうよ」

 

ミヤ「ナルガクルガが!?」

 

ヴェル「その時、凶悪ナルガと共にハンターがいたそうだけど」

ヴェル「その記録は凶悪ナルガ自身により消されたそうなの」

ヴェル「でも、ナルガクルガが泳げるなんて思わないわよね?」

ヴェル「そこで試してもらったのよ。緑迅竜に」

 

(俺、実験台だったのかーい)

 

ヴェル「感謝してあげるから、元気出しなさい、ほら!」

 

ミヤ「あ、あははは...」

 

ヴェル「とにかく。ビックリしてるかもしれないけど」

ヴェル「泳げるモンスターは意外といるわ」

ヴェル「奇面族や、ナルガ種に近いアイルー達も泳げるのよ」

ヴェル「それに、ヒレすらない古龍が泳ぐ例もあったはずだわ」

ヴェル「泳ぐ飛竜種も確認されているらしいし、案外有り得るのよ」

 

 

 

 

 

─ユクモ村─

ゼル「お母さん。緑迅竜さん、泳げたって」

 

フクロ「...そう。今日はおでんよ」

 

ゼル「お母さん...」

 

フクロ「.........。」

 

フクロ(泳ぐナルガ種...ゼル、あなたに悪いことが起こりませんように)

 

 

 

 

 

「......。」

 

黒き竜は龍属性のエネルギーを溢れさせながら孤島を見下ろす。

黒き竜の下には、空の王者『だったもの』が無惨に横たわっている。

 

「黒き弩さえ見つかれば......他の奴等など危害を与える価値もない...」

「これまで長い時を待った。今さら少し待つことなど容易い」

「緑の竜も、退屈せずに過ごせる良い見物になろう」

 

黒き竜は、あくまで楽しそうな表情を見せながら、

瞳は狂気に塗れ赤と黒で染まっていた.......。




孤島編の始まりということで、短く纏めました。

アイルーが泳げるなら猫も泳げますよね。
猫が泳げるなら、猫をモチーフにしたナルガ種が泳げなければおかしい!

そして、この事から、
アイルーが可愛いならナルガ種が可愛いことが導かれます。

とても論理的かつ明解な証明ですね!



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。