提督夫妻が鎮守府に着任しました。 (珈琲と紅茶)
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1 出会いと派遣は突然に

色々な人の作品を参考にしました!
ただ、夫婦(艦娘は除く)で鎮守府を纏めるのは無かった(多分?)ので書いてみました。
タグの通り誤字や脱字があると思いますので、気が付いた方は指摘していただくと幸いです。
また、感想がありましたら執筆の励みになりますので嬉しいです!


 三月、ある鎮守府から海軍本部に報告があった。

 

それによると「柱島泊地」の鎮守府から提督を派遣してほしいとのこと。

このところ何処の鎮守府でも良くあるパターンだからあまり気にしなかったが…

ただ、今回は重要だ。

何せ「再三派遣したのにも関わらず提督が逃げ出している」ことだ。

 

理由は至極簡単で、単に問題児揃いだからだ。

勿論、やるべき任務は全てやっている。

戦績もほぼ負け無しで唯一「本部の最大戦力」による敗北しかない。

正に懐刀と呼んでも良かった位の実力。

だからこそ、この鎮守府からのは何とかしてやろうと苦心している。

最近では噂が流れる位に知られているから普通なら呼ぶ前に逃げられてしまう。

さて、代わりの提督でも充ててあげるか…

 

今日の秘書官の赤城に「ある士官」を呼んでくれるよう頼んだ。

すると、「…いいんですか提督?あの人は都合良く動いてくれるとは思えないんですが」

「…そこら辺は任せたよ」実際は「貸しを返してもらう」のだから簡単だろう。

「分かりました、では少々お待ちください提督」

赤城が出てってから少し経ち…

 

自室のドアにノックが三度。

どうやら来たようだ。

「…入りたまえ」言ってあげると入ってきたのは

「…失礼します、中佐の佐々木です。大将、なにかご用ですか?」

長い黒髪をポニーテールに留め流行りのフレームと薄型レンズを合わせた透明感のある水色眼鏡を掛けた所謂「デキル女」を体現している。

 

「…君がそんな格好をするようには思わなかった。」

「…私だって女性なんですから少しは気にしますよ!それで、用件は何でしょうか」

眼鏡を持ち上げつつも少し照れが見えた。

 

「済まなかった、では本題だ。君には柱島泊地の鎮守府の提督になって貰う」

「…本気ですか?他にも優秀な人達なら幾らでも居た筈ですが。」

不審そうにしつつも言葉を選ぶ余裕はあるようだ。

…さては知ってたな。

「確かにその通りだ。しかし、君だからこそということだ」

何せ訓練学校をギリギリで卒業で、もし根回しして無かったら半年も経たずに退学していただろう。

…色々あったんだよ、色々ね。

 

「…分かりました、ではいつ出発ですか。」

「今から二時間後の一七00で頼むよ。」

…まあ、この後の予定は若造から聞かされているしこの位で良いだろう。

「…あの、本気ですか。」

見ると動揺し過ぎて格好が台無しにしか見えない。

若造はこういうところに惹かれたのだろう…

「…提督、良いんですか。私が彼女の側ならもう少し余裕が欲しいと思うのですが。」

どうやら赤城さん、心配してる様だけど君も一緒に若造のを聞いてたよね。

白々しい。でもそういう所も好きだよ~

「…分かりました、では後程。失礼しました。」

そう言うとそそくさと佐々木は退出した。

 

 

工廠に向かう途中の廊下にて

 

佐々木は頭を抱えつつ蹲っていた。

端から見るとパンツが見える位にしているのだから痴女にしか見えない。

「(…まさか、派遣されるとは思わなかった。それに、出発があと二時間後というのも驚き。普通は一週間後とかじゃないのかしら?訳が解らない…)」

…コツッコツッ

音は小さいが間隔は広くこっちに近づいて来ていた。

そして

「…大丈夫か、佐々木。さてはさっき大将に呼ばれた時に退官願い出せとか言われたのか。」

心配して声を掛けてくれた。

良く見ると葉山だ。

よく突っかかってくるが訓練学校の成績は座学と実技共に断トツの主席。

噂では既に彼女持ちとされていて裏ではファンクラブが多数結成されている位の美形。

私とは産まれてからの幼なじみ。

…かなり羨ましかった。

 

「…違う。今回は配属先が決まったの」

「何処の?」

「柱島泊地」

そしたら

「…本当か。」

顔を青白くしていた。

それも着ていたYシャツよりも白く。

 

だが、すぐに戻り

「…なあ、行くまでに予定は無いよな。なら、少し付き合ってほしいんだ」

と言うが早いか、右手を掴まれ……

気が付くと〈アクセサリーショップ〉だった。

 

着くと「少し待ってて」と言われて待っていると…

「…済まなかった、急に連れてきて。でも、渡したかったんだ」

左脇には薄く細長い箱と右手には小さく、しかし存在感がある箱。

つまりネックレスと結婚指輪だ。

 

いつだったか占うから左手出してと言われたときに測られたのだろう。

「…意外だろ。俺」

少し照れ臭そうにしているがカッコ良かった。

「…佐々木、いや佳夜。君が好きだ。俺も一緒に行かせてくれ」

「……良いの?私で。スタイル良くないし、家事出来ないのに。それにあの噂の鎮守府に行くんだよ。」

「…超ストライク。家事ならこれからで良いし、内緒で君の親御さんに挨拶しに行ったら『あの娘を宜しく』と言われたし、きっと鎮守府だって上手くやっていけるよ!」

そんなこと言われたら…

「これから宜しくね!ア・ナ・タ。」

…さて、この事を大将に報告もとい相談しようと行こうとしたら「既にしてあるから大丈夫だよ」と一言。

…引っくり返りそうだった。

 

 

出発前の港にて

「さて、さs、いや葉山提督夫妻。一七00、これより柱島泊地に向けて出航したまえ。道中、二人の時間を大事にしつつ定時連絡や手紙を忘れずに。また、逢おうその時を楽しみにしている!」

「あちらの娘が何かやらかしましたら私g」見ると赤城の口を大将が抑えている。

「「大将もお元気で!」」

 

「(ウチの赤城はあまりそんな素振りしないからあの二人のはかなり新鮮だった)」

「提督、それなら今から甘えても宜しいでしょうか」

「…読み過ぎだ。だが、良いぞ」

 




最初なので勢いで書いてみましたが、やはり難しい。
連載している人達は出掛けたりしてモチベーションを上げたりするのでしょうか。
また、今回少しだけ出てきた赤城さんも口調がどんな感じかあまり分からなかったので、参考にした人達の書き方に似せてみました。
稚拙かもしれませんがこれから宜しくお願いします。
意見、感想お待ちしてます。


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2 デレと新事実は徐々にが無難

さて、二回目の投稿です。
元々は自身の鎮守府の日常を書こうとしたのですが、
それでは話を創れ無さそうと試作の段階で諦めました。
今回は、普通といえる筈(?)の話です。
夫妻は…。
そして、目的地の鎮守府も出てきます。


海上 船の甲板

 

肝心の二人はというと…

「」

「」

「「(…すっごく気まずい。)」」

「「あのさ…」」

「」

「」

「…先に」

「…いや,そっちからで良いさ」

「」

「」

絶賛イチャイチャ中であった。

まさか,その日の内に婚約していきなりの共同生活。

普通のカップルでも困惑するが,此方は軍人同士。

どちらも色恋沙汰など無く,その素振り(バレンタインなどの)をしようものなら「軍から問答無用で不純異性行為と見なされ牢送り」位に厳しかった。

また,肝心の上官達は「そうなりたきゃ此処から出てからね」と言い、もれなく不穏な空気に包まれ殺気が付いてくる。

 

「…じゃあ私から。今夜どうするの?主に夕食とか」

 

確かにこの船には食堂が無く、代わりに個別でキッチンがあった。

食料に関しても贅沢にとはいかないが十二分にあり,一週間は楽に生活できる。

「ん,それなら作ろうか?要望とかあるなら言ってくれよ」

「…じゃあ一緒にやらせて」

顔を蒸したようにふっくら紅くした嫁。

…天使みたい。

リア充●●しろ!

…どっかで妙な声が聞こえた気がした。

 

「いいよ,なら何にしようか」

 

三十分位で完成。

今回は四品。

作ったものを甲板にあったテーブルセットに置き、

「「頂きます(!)」」

 

「…美味しい、隣で見てたけどなんで?」

嫁は不思議な顔と笑みを混ぜて浮かべていた。

「ん,何にもしてないがな…」

実際,嫁は湯を沸かすまでが精一杯。

そこからすると不思議でしかないのだろう。

「寧ろ,君が何故湯沸かししか出来ないのが不思議だよ」

 

…記憶通りなら確かウチの訓練学校では調理実習があったはずだが…

「…だって今まで箱入りだったから教えて貰えなかったし,そういう日に限って休んじゃったから。それに補習あったけど以下略」

何と言うか不思議だよ嫁さん。

まあ、教えがいもあるから良いんだけど。

 

「…もう少し食べるか?」

そう言いつつ追加で作ったパエリア擬きを食べてると

「ん~ん,もういっぱいだよ。片付けは私に任せて!」

嫁は立ち上がり空いた皿を持って行き始めた。

 

…とてつもなく不安なのは何故だろう?

気のせいか…

擬きも食べ終わりそれから十分位経ち、どうやら終了したようだ。

 

で,任せた結果は…まあ成功したと言えるか。

若干皿の枚数が少ないのは気のせい…多分…。

しかし気になる部分があり、

「…で,その手はどうしたのかな~」

よく見るとほんの少しだが切り傷があった。

「…気にしないで欲しかったかな」

少し照れが混じった困り顔。

前言撤回。

そういう所も好きだけど少しは頼って欲しかったな~。

「ひとまず手を出して。手当てしたいから」

やっている間に

「…ありがと。」

小声ではあったが…嬉しかった。

 

 

柱島泊地の鎮守府

 

横須賀から返信が来ていたので、提督代理である龍田は提督室で目を通していた。

「(…この鎮守府に着任してくれる提督(ひと)がまだ居てくれて良かった~。何せ此処では艦娘(私達)が尽くし過ぎてしまうようで、今までの提督(ひと)は持って一月足らず。)」

 

勿論、葉山夫妻にはこの事を伝えられてはいなかったが、この鎮守府には兎に角耐えられなかった「ナニカ」があった。

だからこそ、大将は頼んだのだ。

 

「…さて、朗報として返ってきたし、早く皆に報告しないと~。」

と、呟いていると

ドン、ドン!、ドン!!と聴こえてドア前で一瞬止み、飛び込んできたのは金剛だった。

勿論、「てーーーーえーーーーとーーーーく!!」と叫びながら。

そして、辺りを見渡ししょんぼり。

直ぐに戻ると

「…HEY、龍田。いつものタイショーからgood news でも届きましたカ」

「あら~随分耳が早いわね~。その通りよ」

 

金剛のセンサーは提督関係限定なら誰よりも気付き易く、勿論引き際も心得ていた。

そのお陰で此処では龍田に次ぐ練度であり、纏め役も出来るほど。

因みに報告書には「唯一、全鎮守府内で自身を律する事が出来る金剛」と記されている。

「なら、残っているwork、ワタシもhelpしてアゲルヨ!皆はどんなreactionするカナ」そう言うと秘書艦の椅子に座り手伝い始めた。

 

 

海上 船内の一室

 

あれからお風呂(二人で)に入り、互いに洗いながら悶々として湯船に入るものの背中合わせ。

本当は食事の時よりも話は弾んだが…何故か覚えていない。

嫁は「もう少ししたら出るね」と言ったので先に出て一足先に指定された部屋へ。

 

入ると一つはキッチンがある方のドア、まだ見ていないもう一つのドアを開け部屋に入ると【キングサイズのダブルベットが一つ。

机が何故か隣り合うように二つ。

ベッドの直ぐ近くにティッシュ箱。

照明が怪しい。静か過ぎる空調。

やけに大きいテレビとマルチディスクプレイヤーと如何わしい薄板箱(二十冊あり、全て違うプレイを収録してあった。所謂●●だ)。全自動ゴミ箱と全自動掃除機】最後の二つは良いか…

 

「(…頼んでおいた通りになっているとはいえ、やり過ぎだ)」

 

此れを大将に話した時、やけにニヤニヤしていたのは本人も一度はやってみたかったのだろう~。

やるせなくなる前に部屋を出ようとノブに手を掛けたが握れなかった。

…もう来てしまったのである。

 

「…?……。………何よコレ~!?」

「取り敢えず落ち着け、あんまり五月蝿いと迷惑だよ。」

一先ず、嫁を落ち着かせ状況整理させることにした。

 

五分後、やっと収束。

「…つまり、貴方が頼んでおいたモノを大将が更にやってしまったと」

嫁が怒っていると思い土下座。

「済まない、反省している」

嫁はため息を吐くと

「…良いよ。…でも、…私の頼みも聞いてほしい。…そしたら…今回は許す!」

頬どころか全身真っ赤になりつつも言い切った。

「…何をs」

言おうとしたその唇に重なった。

そして…柔らかな感触でありながら垂れること無く張っている。離れると嫁は

「…しよ。」と言った。

 

 

柱島泊地の鎮守府

 

月が見え始めてから半分位に上がった頃…

「…助かったわ~。金剛さん」

「NO problem!さて、食堂に行きまショウ!」

ドアを蹴り破り向かおうとしていた金剛に

「…金剛さん、先に行っておいて~。私はコレ出して来るから~。」

「Oh ,OKデス!では後ホド!」

 

書類を提出しに行くために別れた龍田だったが、

「…姉さん」

「…龍田、お疲れ。後は俺に任せとけ」

天龍がいた。

 

「…あら~姉さん。まだ行ってなかったの~。なら一緒に持っていってくれるかしら~」

「良いのかよ。それ位なら全部やってやるのに」

「良いの~。」

「(…未だに龍田の事がよく解らない)」

「…何か私に関係のある事考えてるの姉さん~。」

「!、何でも無い。」

 

提出し終わった後、食堂にて報告会を行った。

各々、様々な反応だったが「ある一面の部分を持つ者達」は「言葉では表現出来ない笑み」を浮かべていた。

 

 

…その日、壊れた筈の提督室のドアが次の日には何も無かった様に元に戻っていたという。

…誰も処置をしていない筈なのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




よく作家さんが
「話がタイミング良く降りてくるのは稀」と言いますが、痛感しております。こうして投稿する前にも何度か書いてはボツ。
「キャラが勝手に動く」となるには先が長そうです。
また、気まぐれで執筆しているためにムラが出ます。
…誰か絵描いてくれないかな。(冗談です!)
誤字や脱字があったりしたら報告してください。
気になることや感想をお待ちしてます。


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3 初夜の翌日と彼女等の日常の朝

三回目の投稿ですが、今回は深夜ではありません。
本編も朝からスタートなので…
「日常物」程、書く時間を考えないと思い付かないですね。



海上 ある一室

 

…あれから何時間経ったのだろうか。

ふと、テレビ下の時計部分を見ると「06:30」を表示していた。つまり、寝てから三時間。

我ながら人離れしている…

あの一言から覚えている限りだと「21:00~」やっていて、思い出される獣のようなやり取り…張り切り過ぎだ。

 

さて、朝食でも作っとくか。

嫁は一度寝るとサイレンが鳴らない限りは起きない。

俺はメニューを考えつつ身嗜みも同時に整える。

勿論慎重に行動しているから、呼ぶまでは寝ておいてくれるだろう。

…寝顔最高!

 

海上 船内の廊下

 

制服を来て一人で歩き回っていると

「「おはよう御座います!葉山中佐殿!」」

二人の士官が挨拶してくれた。

「おはよう。…確か…君達、名前と階級を教えてくれるかい?」

見たところ、大将の教え子だった筈。

「はい、私は坂井勤です。階級は少佐。ついさっきまでは当直に入っていました。」

背は私より五センチ位高く、あまり物怖じせずに話してくれる。

…クマがあまり無い様に見えるが若いのだろう。

制服を着ているがかなり屈強そうだ。

 

「同じく、少佐の高橋光博です。今回は、貴方の様な方をお連れするのは光栄です!」

彼もまた高く、なかなかの体つき。今言っていたことは

どうやら、本心なのだろう。

隣に居た坂井は頷いていた。

「そうか、坂井君に高橋君か。ところで、坂井君…昨日はどうだったかな?」

聞こえていたのなら口止めしておかないと後で良い笑い物だ…

 

「…な、何も有りませんでしたよ。」

…絶対聞こえたな。

高橋君、君ももう少し表情を隠せるようにしてくれ。

…ニヤけ過ぎだ。

 

「…この事は内密にね。」

表情を笑顔にしたつもりが二人とも「此の世のモノとは思えないモノを見た後」の様に首を縦に降り続けていた。

…やり過ぎたか。

だが、これ位しないと効き目は無いからな。

 

「…では、またね。後、言おうとしないでね。大将がどんな風になるか分かってるでしょ」

二人は聞こえて無さそうだが放置しよう。

さて、キッチンに行くか…

 

 

鎮守府(柱島泊地)

 

「05:00」

艦娘達が各自の部屋で寝ている為静かではあったが、

食堂では間宮が朝食の準備をしていた。

本日は和食らしく、辺りには香ばしい匂いと米特有のあの匂いと味噌汁の匂いが混ざり合って、凄まじく幸せになれそうな空間が広がっていた。

 

「(さて、一区切り付き次第少し休憩しましょうか…)」

彼女はかなり早く準備している。

後々の為にも必要なるからである。

 

「06:00」

本日の遠征組が食堂にやって来た。

最初に来たのは暁型四姉妹。

その旗艦となる川内型の「川内」。

次に来たのは練習巡洋艦の「香取」。

それに睦月型の「如月、文月、望月」。

高雄型の「摩耶」。

 

各自、眠そうにしながらも朝食を受け取りに来る。

それを見てしまうとやはり、自身が艦娘で良かったと笑顔になる。

何せ出撃の際はキリッとしているのに、こんな顔を見せられればそうなるだろう。

 

「07:00」

あの子たちが出発してから30分。

さて、戦争だ。

まだ顔が固い加賀と連れてきた赤城が来ていた。

私は、此の二人の為だけに早起きしているようなもの。

今日位はある分で済めば良いのですが…

 

…やはり、無理でしたか。流石は一航戦。

血も涙も無い。

ですが、食べてもらえるのは良いことです!

…他の方の分も急ぎで用意いたしまょう!

 

 

海上 自室のキッチン

 

ふと、俺は考えていた。

…アイツと結婚した自覚があまり無い。

いや、有るにはあるのだろう。

だが、心配だ。

 

俺の知っている他の鎮守府の提督は「艦娘と結婚」しているか「引っ張り廻している」のどちらかで勿論「一人」である。「二人」なんて以ての外だろう。

それに、自身としても嫁にしても、仮とはいえ艦娘と「ケッコン」する事にもなるだろうから。

…先のことはその時考えるか。

 

さて、今回は手軽にサンドイッチにするか!

15分位経ち

 

付け合わせと丁度良いモノもあったからそれも追加で…

…よし、起こしに行くか!

 

 

自室の作業兼寝室

 

隣の部屋に入ると、相変わらず寝ていた。

それも、色々脱げながら…

「起きろ、朝食出来たぞ」

言いながら近づくが…

しかし、起きない。

それどころか抱きついてくる。

…タチが悪い。いや起きてるだろう!

 

「…冷めるから早く起きてくれないか」

「…?、…!?、…わ、解った」

紅くなりながらも飛び起き、着替え始めた。

結婚して無ければまずあり得ない光景。

そのままキッチンに向かってから食事をしに甲板に向かった。

 

 

 

 

 

 




さて、少し短いですが此処で切ります。
艦これ自体はやっているのですが、文章としての自然な
口調を表現するのは努力が要りますね。
今回は割と適当。
誤字脱字が有りましたら教えてください!
割と抜けてると自覚はしてますが注意しきれない…
感想・意見もお待ちしております!


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4 提督着任~誰が定員一人と決めたんだ 前編~

投稿四回目。
そろそろ馴れそうな反面、ノリが…
もしそうなったとしても出来る限りは締められるように努力はします(多分)。
勿論、当分先ですがね~



海上 作業兼寝室

 

あれから私と彼は食事を済ませ、鎮守府に到着したらどうするかを話し合っていた。

 

「一応、此れは私が指名されているから私自身としてはやる事が無いの。ただ、元々誰も付いてこない筈だったのに付いてきてくれた貴方は何かしたいことあるの?」

「…そう言われるとあまりやりたい事は無いかな。強いてやるとしたら、二人の関係の説明と鎮守府独自のルールを彼女達と話し合う事かな~」

 

…そう言いつつも片手には珈琲。

何気にやる気になっていたのは感心しつつも意外だった。

そういう私も彼が淹れてくれた物を飲みながらだから不思議ではないけど…

「そっか~、なら私も安心かな。私自身、何すれば良いのか分からなかったし」

何せ大将は言わなかったけれど、私が調べられる限りで分かったことは「何しても問題は出る」と思ったのだから。

主に私達の身が…。

 

「それじゃあ、着くまで何していようか?…渡されていた資料はもう読んだかい」

そう言う彼はもう読み終わっていたようで私に渡してくれた。

…見たところ辞書みたいな厚みで、大きさはお掃除ロボット位。

 

…早すぎではないかな~。

私呼ぶまでにそんなに時間無かったし、私と話ながら読むのを止めないし、それでいて言わなかったことに気付きながら答えをくれる。

やっぱり化け物かしら…

「…人を化け物みたいに見るなよ。」

遂には心読むし、人を辞めてんじゃん!

…私、大丈夫かな~

 

「…それは顔に出すぎだからだよ。佳夜は、嘘が付けなくて実習の「騙し合い」全く出来なかったでしょ。」

…否定はしない。

 

でも、あれから私も頑張って動揺を隠せるようになった筈。

だから、私は卒業出来たのに。

…勿論、それ以外にも課題は多くあったけれどね。

 

「…やっぱり敵わないな。流石主席。」

「…嫌味にしか聞こえないよ。まあ、良いさ。ところでそれ(柱島泊地鎮守府の資料と彼女達の扱い方)について大まかに教えようか」

…やっぱり、私の夫は彼でないと嫌だ。

 

 

柱島泊地の鎮守府

 

提督が「今日」着任されるとあって、何気にソワソワしている妹を見かねた姉、天龍は嘆いていた。

「(…毎回の事とはいえ、不味いだろ。)」

 

現在、龍田は提督代理としての仕事を金剛に押し付けた挙げ句、五分と同じ所に居なかったのだから。

しょうがないので姉として金剛に謝りに行ったが

当の金剛は「No problemネ!こういう時位くらいはワタシに任せて下サイ!」

…ウチの金剛はデキて良かった。

 

お陰で他の艦の姉妹達はアレを纏められるのだから。

そう、ウチの鎮守府には「少々(で済まない)困った娘達がいる」。

 

 

柱島泊地の鎮守府 海岸

 

到着してみると日が真上にあるから今は昼のようだ。

気になったので鎮守府を見ることにした。

遠目で見る分にはあまり問題無さそう。と言うよりかなり綺麗。

いや、新居同様だった。

 

周りには防風林等があり、青々とした見た目をしてはいるが、丁寧に手入れされており鬱陶しくはなかった。

また、正門辺りには横断幕が掛けてあり…

「ようこそ!柱島泊地鎮守府!!」

…明らかに来る所を間違えた気がした。

 

船に戻り、一息着いた。

気を取り直して持ってきた荷物を持ち、正門へ向かっていくと遠征から帰ってきたのだろう艦娘達と出会った。

 

「…ん、君達は遠征帰りかい」

「…?、そうなの?」

私は教えてもらったのにも関わらず忘れていた。

「…貴方達は何者、返答s…次第によっては撃つわ」

「「」」…噛んだな(わね)

『『『『(だから、れでぃ()ね(だね)(なのです))』』』』

 

「…私は葉山。君のもう一人の提督だよ。そして、其処にいる女性士官の夫だよ。」

「…?、え、私は此処の提督として就任する旧姓佐々木の葉山です。突然でゴメンね~。」

『『『『『?、!!!!!!?』』』』』

…波乱の日になりそうだ




今回はコレで。
何とか今日中に次を上げられるようやってみます。
では~


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5 提督着任~誰が定員一人と決めたんだ 後編~

なんとか間に合わせたい(切実)


『…し、失礼しました。私は川内型軽巡洋艦の川内です。s、葉山提督夫妻、ようこそ鎮守府へ 私達は歓迎致します。』

見た目が凛々しいがまだ垢抜けない感じも残る少女。

…高校生位か。

 

『特Ⅲ型駆逐艦の一番艦、暁よ!一人前のレディとして扱ってよね』

『同じく二番艦の響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ。』

 

『三番艦の雷よ!かみなりじゃないわ!』

『四番艦の電です。どうか、よろしくお願いいたします。』

此の娘達は中学生位。

色々な艦娘が居るのは知っていたが個性も様々。

 

「宜しく!…敬語とかは辞めてもらって良いわ。私の名前は佳夜って呼んでねそれ以外も可よ。良いでしょ?貴方」

「そうだな、俺としても仲良くありたいしそれにやり易くなるから良いよ。後、俺は悠だ。他のでも良いぞ」

「…では、佳夜さん、悠さんこれから宜しくね。暁達は先に補給行っときな。此の二人は私が案内しておくから。」

「わかったわ、ではまた!」

 

そう言うと暁達は行ってしまった。

第一印象は大丈夫そう。雷を除いて。

…あの娘、俺を見て黒い何かが出ていた気がする。

 

…気を取り直して

「…じゃあ、二人を提督室に連れていくね」

「「ああ、頼む(ね)」」

入り口から入り廊下を通っていると挨拶を艦娘達にされる。

一部の連中は俺か嫁に黒い何かが向いていた。

 

 

提督室の前に着くと

「さて、二人が提督だよね。事前の連絡だと一人だとなっていたから提督室の机と椅子は一セットしかないんだよ。届くまでどうする?」

川内が聞いてきたので

「じゃあ、ソファーあったっけ?それを俺が使うよ」

「良いの?ありがと。」

「ゴメンね~。急ぎで工厰に頼んでおくよ!それじゃあまた後で~」

川内は工厰に行ってしまった。

すると直ぐに三回ドアをノックする音がした。

「「入って良いよ」」

見ると黒い何かに覆われている娘達が入ってきた。

 

「初めまして、龍田だよ。提督代理をしていましたあ~。」

「高速戦艦、榛名です。提督達が着任されて榛名、感激です!」

「扶桑型戦艦の姉の方、扶桑です。宜しくお願い致します。」

「同じく妹の方、山城です。宜しくお願い致します。」

 

「こんにちは。高雄です!こんな素敵な提督達が来てくれて良かったわ!」

「軽巡洋艦、大井です。北上さんは好きだけど…提督達も好き…ですよ。」

「改めまして雷よ。もっと頼ってくれて良いわよ。」

「僕は時雨。…提督達居なくならないでね…。」

「私、荒潮です。もう、提督達が来てくれなくてどうにかなってしまいそうでした~」

 

…恐らく此の娘達が困ったちゃん達。

今いるだけで九人。他にも居るとすればかなり大変だ。

 

 

どうするか考えているとまた三回ドアをノックされた。

「「良いよ」」

「Hey!提督達。そろそろlunch timeなので一緒に行きましょう!! 」

 

金剛がやってきた。

タイミング良いね~。

折角なので私達は顔合わせ序でにお昼を食べるために食堂に向かう。




やっぱり無理だった。
誤字脱字がありましたら報告を。
意見や感想もお待ちしてます。

…誤字報告を受けまして修正しました。


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6 夫妻と艦娘達の食事風景とその他

六回目の投稿。
少しずつとはいえ、心境の表現に手を付けようと思います。
分かっている知識だけでは限りがあるので慎重且つ大胆に出来るように(…結構キリキリしながら)努力していきます。
…では、お楽しみ下さい。稚拙ですが…


食堂 昼

 

そこでは、既に食べて始めている艦娘のグループが何個かあり、食べる量も様々であれば食べている料理も様々。

駆逐艦組の暁型四姉妹は今日のお勧めにあった麻婆豆腐を食べているようだ。

…雷、何時の間に

 

「辛、辛いわよ!なんで、赤城さんはこんなモノを美味しそうに食べられるのかしら!やっばり、レディだからかしら…」

「…それは暁がお子様だからじゃないの?それに赤城さんなら」

「…姉さん、毎回同じ反応だけど学習しているはずだよね。」

「確かに辛いのです。でも、それを上回る程の美味しさ!…暁お姉ちゃん、辛いのがツラいなら電が代わりに食べちゃうなのです!」

…やはり、暁は此処でもれでぃ()だった。

 

当の赤城は加賀と食べに来ており今回の麻婆豆腐は寸胴鍋に入ったまま置いてあり、ご飯もそれに見合う量の入った小櫃があった。

…正規空母は皆こんなにも食べるものなのか。

 

赤城はひたすらに、加賀は時折赤城を見ては笑みがこぼれている。

加賀自身もあまり辛いのはダメなようで、少し口元が腫れていた。

…食べるペースは一定なのに

 

他の娘達もサンドイッチだったりラーメンを食べている。

…間宮さんお疲れ様です

 

そして、私達も昼食を食べるためにトレイを持って間宮が居るところに行くと、向こうから

「…お二人が着任された提督ですね!お名前訊かせてもらっても良いですか?」

せっかくなので自己紹介をすることにした。

「私は葉山佳夜。今日のお勧めをお願い」

「で、俺は彼女の夫の悠だ。俺も同じのを頼む」

「分かりました!では、お二方此方をどうぞ」

そう話をしつつも手を動かし、用意してくれた。

 

遠目で見たときと違い、飾り付けも山椒や刻み唐辛子が載っていたりしてとても綺麗だった。

食べるために席を探していると長門を見つけた。

向かい側には陸奥も居て軽く手を振ってくれた。

 

「貴女は確か…長門だったわね」

「貴方方が着任してきた提督なのだな。」

「そうよ、で、貴女に頼みたい事があるの協力してくれるかしら」

「と言うことは自己紹介と此の鎮守府の取り決めか」

「その通り!だから引き留めておいて欲しいの」

「…それをせずとも集まってくれると思うのだが」

 

ふと、俺が食べながら周りを見ると食べ終わった娘達が此方を囲みながら座っているのが判った。

…一部の娘達からの色々な身の危険も一緒に、な

 

「…長門、此は毎回のことなのか。今までの提督で此処で逃げた奴はいるか?」

「…一人居た。年は貴方より少し若く気が弱かった。致し方無いとはいえ、申し訳なかったと思う」

「…やはり、居たんだな。ならアイツは実家で農業やってるのも納得がいく」

「!、では、幸せに暮らしているのだな」

長門は安堵していた。

(既にいない人とはいえ、会ったときから気さくでこんな私に言葉を掛けてくれた 。あの後は酷く後悔した。)

「…ああ、そうだよ。今頃は結婚式を挙げてる筈だ」

 

取り敢えず嫁も食べ終わったので、トレイを間宮に渡して自己紹介をする事にした。

「皆、俺が葉山悠だ。本日付けでもう一人の提督として着任する。呼び方は各自で決めてくれ」

「?、私は、葉山佳夜。旧姓は佐々木よ。私も提督として着任ね。私も呼び方は任せるわ」

目がキラキラしている娘も居れば…ギラギラしていたり、溜め息をつく娘もいる。

大半は最初にした方だ。

分かり易くて良い。…溜め息は常識人か。

…後は触れてはいけない気がする

 

「さて、気になることが無ければ此処のルールについて話し合いたい」

「…質問、良いですか」

一人手を挙げた。…弥生か。

「良いよ」

「…は、初夜は…どう…でしたか」

…いきなり重い。出来れば言いたくない。

 

「…ノーコメントで。知りたかったら個別に来て…私が話すわ」

佳夜はモジモジしながらも顔は無表情。

…我慢したな。ってそういう問題じゃない!

本気か佳夜!!

あの娘達コソコソ、ソワソワし始めちゃったじゃん。

…赤面しながら。

 

「…もう無いなら次行くぞ」

もう一人挙げた。…大井だ。

「…なんだ」

「…恋愛に限界なんて有りませんよね」

…これまた重いモノを。

言うと思ったけど此の場でか。

「…推奨とは言わないが黙認くらいだな」

そんなものあまり気にしたら此処でやっていけないだろう~。

…踏ん切りも付くさ

「…私は、良いよ!」

…!?、解ってはいたから良いよ。

好きにしてくれ

「…もう良いな、次だ」

「ルールだが、俺は幾つか設けたい」

前もって書いておいた紙を読み始めた。

┌───────────────────────┐

│・安全第一。殲滅作戦や進行作戦、あらゆる作戦に│

│ おいて中破になったら即時帰還せよ。異論は認め│

│ ない。 │

│・少しでも損傷が認められるなら即入渠。 │

│・各自で、装備を決めよ。必要に応じて開発するの│

│ を許可する。別途、理由を纏めた書類を提出。 │

│・意見があれば常識の範囲での提督室への入室を認│

│ める。緊急時は特例措置をとる。尚、執務に支障│

│ が無ければ遊びに来ても良し。 │

│・原則、演習組は必ず入れ替わる。特例はこの限り│

│ でない。 │

└───────────────────────┘「これに追加したい項目はあるか?」

一人手を挙げた。伊58だ。

「休みはどの様に取れば良いのでち?」

「ん、そりゃ~何も無い日だろう。一応は警戒態勢にしつつな。」

伊58は納得したようで座った。

「では、解散よ。此の後呼ぶ娘達は必ず来てね」

そして、食堂を後にした。




…何気に疲れてしまう。
原稿用紙数枚なのに(泣)
最近では恋愛に全く興味が無い人やどちらとも恋愛対象となる人も居るわけで、私個人としての意見は至って可笑しいとは思いません。
それに、愛情表現が不思議な人達だって、それが彼らにとっての「普通」なのだから。
…こんな事を書いていて当の本人は至ってノーマル。
解っているようでいて、出来ていないかもしれません。
まあ、適当が何時もの私ですからね(オイ!
次を気長にお待ち下さい~


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番外 エイプリルフール 

初の番外編です!
嵌める人もいれば嵌められる人もいるエープリルフール。
かくいう私は嵌められる事無く協力者だったりします!
…どんな事かは…訊かないで下さいね。
一応、作中の夫婦の着任は去年の五月となっています。
ではお楽しみください


四月一日

当日の午前中は世に言う【エイプリルフール】だ。

勿論、この鎮守府も例外ではなく…

 

 

柱島泊地鎮守府 寝室

「(今年もこの日がやって来た!去年は大将の鎮守府の娘達や嫁も弄り倒したが今年は自分達の鎮守府の娘達を弄れる!!ヒャッヒャヒャヒャ!!!)」

 

現在、0000時。

悠は出来上がり過ぎてはいるが毎年の事だから特に問題ないだろう。…寝直そう。

そう、この時、

私は夫である悠を何がなんでも押さえ込んでいれば…あんな事になら無かったのだろう~

 

 

今までにも散々やらかしておいて当の黒幕は全く懲りておらず。

一昨年は訓練学校で迎えたが、根も葉もない様な噂を滝のように流し回り、挙げ句言われた本人ですら信じ込み始め掛ける大惨事となった。

 

 

横須賀の大将の鎮守府(去年の被害者)

同時刻 寝室

 

「…っはぁぁ!?はぁー。夢か」

「…大丈夫ですか?」

「済まんな、起こしてしまったか赤城。今年はアイツが居ないと頭では解ってはいるのだかな」

酷い汗。

もし、貴方が見たものが私の知っているモノと同じなら…私もアレは…トラウマになってます。

「…いえ、私もあの時のを思い出し掛けていたので起きてました。今年はもう安全な筈なのにあの声が今にも聴こえてきそうなんです!」

「…寝直すか。赤城、お休み」

「ええ、お休みなさい貴方」

この他にも魘されている娘も多く居たが、それは別の話。

 

 

柱島泊地 海岸

0500時

 

長門は毎日の日課である見回りを兼ねた散歩していた。

ふと、此方に向かって歩いてくる人影があった。

「…悠か、珍しく貴方が早起きをして歩いているのは」

「…その声は長門か、…実はお前に伝えたい事があるんだ。」

その時の顔は嫌でも覚えている「蒼白く、酷く窶れたような顔」だ。

「?、どうしたんだ?急にそんなこと言い出すなんて貴方らしくないぞ」

 

その時の私は気づくべきだった。

今日が【エイプリルフール】だという事を…

しかし、私はつい、訊いてしまったんだ

 

「…それはな、俺が転属することになったからだ。理由は大本営が「鎮守府に一人居れば良い。二人も要らない」と言ったからなんだ」

冗談と思った。

だが、あまりにも何時もの顔と違っておりそうは思えなかったのだ。不覚にも

「…」

提督は何も言わぬ私を頬っておき歩いて行ってしまった。

 

俺は長門からは見えない所まで行くと

「(…よし、まずは一回目!)」

心の中で絶叫した。

 

…しばらくしてから歩いていると球磨型の球磨と多摩に出会った。

「…おはよう、球磨に多摩」

「悠、おはようだクマ!」

「おはようニャ!悠が早起きなんて珍しいニャ」

「…実はお前達に伝えなきゃいけない事がある。

それはな、…俺が転属するからだ。

理由は大本営に言われてな」

(冗談に決まってるクマ。…。…本当にクマか!?)

(いきなり何ニャ!転属?

…遂に彼処まで多摩の敵になったのかニャ)

 

「…多摩。」

「…何ニャ」

「…準備するクマ!」

「分かったニャ!」

 

二人は工厰棟に走って向かってしまった。

「(二回目も成功!…だけどさっき話していた【準備】が気になる…まぁ、良いか)」

 

 

またしばらく歩いていると摩耶に会った。

「おはよう、悠、…長門に何か言ったのか。

珍しくぶつぶつ言いながら蒼白い顔で作戦を練っていたぞ」

 

…どうやら、長門の状態を摩耶は見たようで俺を探しに来たのだろう

…長門、今日が何の日か忘れているだろう?

 

「…長門にも話したが、…実は大本営から転属するように言われたんだ。」

「…悠、冗談だろ?、冗談と言ってくれ!」

「…済まない、だが事実だ。」

 

…摩耶は放送室のある本部棟に走っていった。

…怒りで済まない形相をしたまま

「(…計画通り。三回目も成功!!

…まさか摩耶も今日が何の日か忘れているだろうか?)」

 

…この時の俺は摩耶を引き留め真実を追加で話すべきだったのだ。

ウチの鎮守府は…普通じゃないのだから

 

 

柱島泊地 

本部棟放送室

 

摩耶は息を整えながらレバーを動かしている。

「(放送出力を個人→寮全体に変更してと

…スピーカーも最大にして)」

 

マイクの電源を入れ

「緊急事態だ!悠が転属するぞ!!

集合は食堂。大本営のアイツ等〆に行くぞ!!!」

 

 

柱島泊地 

艦娘寮棟

 

現在、0600時。

スピーカーから聴こえてきた内容に全員は耳を疑った

 

 

一航戦の部屋

「?、!?加賀さん、起きて下さい!悠が!!」

「?…分かりました、赤城さん行きましょう。

…久々に高揚します!」

 

 

二航戦の部屋

「…五月蝿いな、!?蒼龍起きて、食堂に行くよ!!」

「Zzz、?何?何かあったの?」

「悠が転属だって」

「…早く行きましょう!」

 

 

五航戦の部屋

「!?、翔鶴姉!」

「…瑞鶴?、!?分かったわ」

 

 

雲龍型の部屋

「!?姉さん、雲龍姉さん起きて!」

「Zzz、後、五分だけ…zzz」

「…雲龍姉さん!悠が転属させられちゃうんだよ!」

「…葛城、それ本当なの?」

「あ、天城姉さん起きた」

「…それは夢よ、天城、葛城」

「「…」」

「「それは悠に直接訊いてからにしましょうよ雲龍姉さん!」」

 

 

軽空母の部屋 その1

「?…悠さんが転属するそうですね。」

「…二人でお店建てたかったですね」

「…悠さん、飲み仲間だったのに」

「龍鳳、あたしも飲み仲間が減るのは困っちゃうね~。…佳夜ちゃん厳しいし」

「…隼鷹、貴女は怒られて当然よ。でも、居なくなるのは…嫌よね」

「私も、…嫌よ!

ウチは二人の提督がいるから成り立っているようなもの。

…どっちが欠けてもダメになるわ。」

「…千歳姉。…隼鷹、そういう意味では私も同意見よ!」

「よし、いっちょ暴れるために作戦会議に出ますか!」

 

 

軽空母の部屋 その2

「?、騒がしいな~。!?、…悠、ちょっちやらかしたんかな?」

「龍驤さん、流石にそれは無いとは思いますけど…気になりますね」

「なら、ちょっち行ってみる?」

 

 

水上機母艦の部屋

「…悠のお陰で私の第二ちゃんもスムーズに使える様になって、

やっと役に立てると思ったのに…

悠が居なかったら…意味無いよ。」

「…それを言うのなら私だって。

…他の鎮守府の私達は提督に料理してあげたり、

行事での服装位でしか活躍出来なかった。

…でも、貴女と同じ様に悠にはお世話になりました。

…出来る事なら何でもして引き留めたいですよ!」

「…千代田、私達で出来る事が無いか訊きに行こうよ!」

「千歳姉。…なら皆で行きましょうか!」

 

 

戦艦組

長門型の部屋

「陸奥、起きてくれ。大本営に直談判しに行くぞ!」

「?、長門、突然どうしたの?」

「陸奥、悠が転属させられるようだ。」

「?、…長門、書類を確認したかしら?」

「…失念していた。だか、悠から伝えられた事だ」

「ふ~ん?…それなら放送にあった食堂に行こうかし

ら。」

 

 

大和型の部屋

「?、悠が転属だと。馬鹿馬鹿しい」

「武蔵、そう言いつつも何故行こうとしているのですか?」

「…べ、別に良いではないか!…盗られたくない…なんて…言える訳が…!?」

「良い事を聴きました!

後で詳しく聴かせてください!!では、行きましょう」

 

 

航空戦艦

伊勢型の部屋

「?、日向!」

「…?、何?伊勢」

「悠が転属s」

「…急いで集まりに行こう」

 

 

扶桑型の部屋

「?、…山城」

「…はい、姉さん行きましょうか」

 

 

高速戦艦

金剛型の部屋

「?、!?…悠さんが転属?

…それなら…殺ってしまえば」

「…!?、榛名wait!比叡、霧島起きて下サーイ!」

「Zzz…金剛お姉様?、榛名!?」

「Oh!比叡、榛名を押さえるのを手伝って下サーイ。」

「はい、お姉様。比叡、気合入れて押さえます!」

「…眼鏡、眼鏡。お姉様方、私の眼鏡を知りませんか?」

「…霧島、Searching on desk」

「…?、ありました!って榛名!?」

「霧島、比叡と一緒に押さえつつ食堂に行って下サーイ!私は悠を連れて行きマース!」

「…榛名は大丈夫です。…早く行きましょう…」

 

 

重巡洋艦

高雄型の部屋

「?、愛宕、鳥海聞こえたかしら。

(…大本営、まだ懲りないのかしら)」

「…摩耶の声ね。」

「…悠さんが転属するなんて、計算が合わないわ…」

「…鳥海、それは後にして取り敢えず行きましょう

(一刻も早く落とす作戦を挙げなければ…)」

 

 

青葉型の部屋

「…悠さん、さてはやらかしましたね!

…取材しに行かないと!!」

「…青葉、取材も良いけど落ち着いて!」

 

 

妙高型の部屋

「?…悠!?…早く手を出すべきだったわ」

「…足柄、貴女自分が何言っているか…解っているかしら」

「…妙高、貴女も落ち着け。流石に足柄も本気ではないだろう」

「…那智姉さん、残念ですが二人とも本気です!

私、どうしたら良いでしょうか?」

「!、取り敢えず行こう。それで判断しよう」

 

 

古鷹型の部屋

「?…古鷹~悠が転属だって~zzz 」

「Zzz…!?、何で加古は寝てるの?」

「Zzz …此れでスカート…あんまり変わらないかzzz」

「なら、行こうか」

「メンド臭い~って引っ張らないで~!!」

 

 

航空巡洋艦組

最上型の部屋

「?、ん~悠が転属だってさ」

「!?、それってかなり重大じゃん!モガミン!」

「…鈴谷、朝から騒がしいですわ。」

「…クマノン、それは無理な相談だと思うのだけれど」

「!?、三隈さん貴女が言ってしまいますの?」

「…取り敢えず皆で行ってみよーよ!」

 

 

利根型の部屋

「…ん?筑摩!?起きるのじゃ!!」

「…姉さん?どうかしたの?」

「悠が転属するそうじゃ」

「!?、なら行きますか姉さん」

「…筑摩、ちと動きが速すぎてはいないかの~」

 

 

重雷装巡洋艦の部屋

「悠が転属するか~

…大変だね~」

「…北上さん…実は怒ってますか?」

「そりゃそうだろう。

…実際、お前と悠なら悠を選べる位に密かに好意有ったんだぜ。」

「…それは否定出来ませんね。前にもこんな事がありましたし…

実は軽巡の私よりは有りませんが…好きですしね。」

「(…悠って割とタラシなのか。まぁ…俺も…好きだし…な)」

「…っと早く行くか。食堂に」

 

 

軽巡洋艦組

球磨型の部屋

「…姉さん達遅いね」

「どうせ、姉貴達の事だ。

朝食時には戻ってくるだろう。

…後は大井を何とかしないとな~」

「悠…私は貴方と北上さん、

それに佳夜がいるから良いのよ。

…大本営だかなんだか知らないけど

…転属させるなら…殺るしかないわ」

「木曽っち、大井っちの事なら

何時もの事だから気にしない方が良いよ~」

「…もう信じたくないぜ。

…姉貴達には悪いが先に食堂に行っておくか」

「そだね。さて、大井っちも行こうか」

「…やっぱり魚雷で…ウフフ」

 

 

天龍型の部屋

「…フフ」

「…龍田、分かったから食堂行くぞ」

「…ウフフ…沈みたい船は何処かしら」

 

 

長良型の部屋

「…悠が転属ですって。

さては、五十鈴のお陰かしら」

「かもしれないね。

悠が栄転してくれるなら私も嬉しい!」

「…でも…私は行って欲しくない…です」

「…さては、名取…好きでしょ…悠の事」

「!、…そういう由良だって…そう…なんでしょ」

「…バレてたか~。…じゃあ、鬼怒や阿武隈は?」

「…あたしは…す、好きだよ」

「…え、私?私は…悠の事…好き…って何言わせるの!…本人居たらどうするの…」

「なら、やることは一つね。食堂に行きましょう!

作戦なら五十鈴にお任せ!!」

 

 

川内型の部屋

「…悠さんが転属ですか。

嫌々戦果を挙げに言ってくるようには

見えませんでしたが…」

「夜戦!?ねぇ神通、今、夜戦って言わなかった?」

「…姉さん、真剣に考えてください

…悠が居なくなるのですよ。」

「え~那珂ちゃん、ファンの悠くんが離れるのは嫌!」

「そうなのか、なら…どうすれば良い?

…夜戦()しか無いかな」

「本気ですか、姉さん?

…でも今回、やることは一つですよ。

姉さん、那珂ちゃん。…行きましょう」

 

 

阿賀野型の部屋

「?…悠が転属するようね」

「…?どういう意味矢矧?」

「…阿賀野姉、つまり違う鎮守府に行ってしまうの」

「!、あたしとしても困るわ…

悠のためなら、…深海棲艦の団体

…いえ、全世界の艦とだって戦うわ」

「…酒匂、キャラ変わり過ぎ。」

「…酒匂、それもアリね。

…実際のところアッチのやり方は、

けして良いモノではなかったし

悠に対しての対応が…慈悲なんて無くても良い」

「…能代姉も何乗ろうとしているの!?って阿賀野姉は何処行くつもり?」

「…食堂に決まってるでしょ。…ご飯まだかな~」

 

 

開発&改修&事務&教務&配達&管理艦の部屋

「?、あら?悠さんが転属?そんなこと書類にありましたっけ?」

「…あり得ない、だが、悠本人が言ったようだ…боюсь(残念だ)」

「…私としては悠が居てくれた方が良いな~!

…佳夜さん、厳しいし~」

「…そこについては私も同意かな

…実際、悠さんが居なかったら此処まで進みませんからね。」

「…それは夕ちゃんが際限無く開発し過ぎるからじゃないかな~明ちゃんも一緒だけど。

私からしたらおかしいと思うし。」

「…それは島ちゃんにも言えることでしょう。

…実は届け物無くても架空の書類提出して、

走り回ってるでしょ!私、知ってるんだから」

「…それに悠さんが気付かない振りをして頂けているから未だに続けられるのですよ。分かってるんですか?」

「…三人とも落ち着いてください。

先ずは、悠さんが転属しないように手を打つ必要が有ります。

…鹿島、貴女はどう思っていますか?」

「?、私ですか、悠さんが居なくならないためなら…

大本営の娘達を殺ってしまったとしても…

しょうがないと思ってます。ウフフ」

「…鹿島さん、意外とぶっ飛んではいますが…

事務艦をしている私も同感です。

…未だ懲りてないようですから…良い薬ですよ。」

「…取り敢えず食堂に行きますか」

 

 

駆逐艦組

睦月型の部屋

「?、!?、皆、聞こえたにゃしい。食堂に行く人は黙って手を挙げて」

「「「「「「「「「…!」」」」」」」」」

 

 

吹雪型の部屋

「…悠さんのためなら何処にでも行き、どんな事でもやり遂げます!」

「「「「「(そこについては同意(よ)(ね)。…あの人の為なら)」」」」」

 

 

綾波型の部屋

「…私達なりに出来る事をやって来た筈。

…やっぱり大本営はもう一度潰すべき」

「「「「…姉さん随分大きく出たな…」」」」

「…ウチの糞提督…あんな事されたら…行かせられるワケ…ないじゃない!!」

…曙の話はまた別の話。

 

 

暁型

「?、!?…レディとして、止めなきゃ!」

「…姉さんにしてはマトモだね」

「…五月蝿いわね、響。

…私が言っているのはおかしいの?」

「そんなことは言ってないさ。ただ」

「…私達も忘れないで。って事よ!」

「電も忘れないで欲しいのです!」

 

 

初春型の部屋

「…皆、解っておるな」

「「「…」」」

 

 

白露型の部屋

「…姉さん。僕、行かせたくないよ」

「…時雨ちゃん、それにしても準備が良すぎると思うよ」

「…それは皆同じっぽい。」

「「「「「「「「それは言わないで」」」」」」」」

 

 

陽炎型の部屋

「…しれえが居なくなった困ります!…かくなる上は…」

「「「「「「「「「「「「「「「「焼き討ち有るのみ!慈悲はない」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

夕雲型の部屋

「…二人で居るからこその提督なんだから…邪魔はさせない。…例えそれが大本営だとしても…許さない!」

「夕雲姉さんにばかりやらせないわ!」

「あら、風雲。有り難うね」

「「「「「「「(風雲にばかり良い顔させられない)」」」」」」」

 

 

秋月型の部屋

「…佳夜さんを泣かせるのは、断固阻止しましょう!」

「…秋月姉さん、気合入りすぎです。」

「…そういう照月姉さんも本気ではないですか。」

「貴女達の様な妹を持っている事を感謝しています。では…行きますよ」

 

 

伊&露号潜水艦の部屋

「…大本営だとしても許されない事もあるのでち!」

「その通りよ。だから、イムヤとしても参加しに行きたいわ」

「なら、はっちゃんも!」

「イクも忘れないで!」

「二人の為なら…まるゆも頑張る!」

「なら、食堂に行こーよ!皆集まってると思うし~」

「…ろーちゃん忘れていかないで~!?」

 

 

ドイツ艦の部屋

「…!?、悠が転属だと!提督は鎮守府に二人居たって良いじゃないか!

…よし、大本営潰すわよ」

「Bis姉、落ち着いて。

悠も大事だけど、此処が潰されても困るのよ!

…私にとって佳夜姉も大事なんだから」

「…Pia (ピーア)姉さん本音漏れちゃってますよ。」

「…Lea(レーア)、そういう貴女も…

そうでしょう…同型の私が気付かない訳無いでしょう。」

「…取り敢えず行きませんか?

…ユーは先に行ってます」

 

 

イタリア艦の部屋

「?…Lia(リア)、Rosa (ローザ)ちゃんそれにLibe(リベ)、zara(ザラ)

…さっさと食堂に行って作戦決めて…殺りにいこう!」

「オー!」

「…姉さん達、もう少し落ち着いてください。

今日は「あの日」の筈…

しかし…私としても…悠が…居なくなるのは…イヤなんですから」

「「Rosa姉のツンデレ~」」

「…良いじゃないですか。

私だって…私らしくないって言うの二人共!」

「「「「わ~Rosa(姉)が怒った~」」」」

「…さっさと行きましょう」

 

 

アメリカ艦の部屋

「…やっぱり何処のbossもno goodなところは変わりませんね~。…行きますか」

 

 

柱島泊地 寝室

「(…やっぱりこうなっちゃったか~。

…前もって話しておくべきだったか。

…でも、此れだから()を選んだ訳だし。

…食堂行こうかしら)」

私は彼がやらかした事の始末を思いつつ制服に着替え、

直ぐに食堂に向かった。

 

 

柱島泊地 食堂

 

あの放送のお陰で此処に居る全艦娘が勢揃いし、

作戦会議を計画していた。

一方、間宮は

「(…今日はエープリルフールだった筈。…悠さん、さては…やりましたね。…一応、皆さんのお詫びの品を朝食と同時進行で作っておきましょう。)」

 

 

柱島泊地

海岸

 

あれから俺は…後悔していた

「(…やり過ぎた。…どんな顔して謝りに行くかね。

あんな長門初めて見た。球磨や多摩のあの反応…摩耶の焦り様…俺は愛されてるな…クヨクヨしてられないか。よし…逝こうか)」

…そして食堂に逝き始めた

 

 

柱島泊地 

食堂

 

…作戦は纏まり朝食をとることになった。

各自黙々と食べておりその目には火を灯す者、

焦点が合っていない者、輝いている者も居て…もう一人の提督である私は心底安堵し嫉妬しそして後悔した。

 

 

…確かに彼は誰に対しても優しく、すべき対応を全てこなし、とても誠実で謙虚。

誰一人として沈没させていない。…そしてあのルックス。

…恋する娘が居ない訳がない。こんな職場なら尚更だ。

 

 

…彼はどんな顔をして来るのだろう?

笑顔、無表情、案外申し訳無さそうにして来るのだろうか?

…こんな事で楽しみ始めている私も可笑しいのだろうがその位で丁度良いのだろう。

 

 

…そして、俺は着いてしまった。処刑場(皆が作戦会議している食堂)

入ってきた俺に長門が声を掛けてきた

「…悠、待っていたぞ。…作戦が纏まった。

貴方を連れていかせるものか!」

総勢165人の声が

『オーーー!』

食堂に木霊した

 

そして、同時に俺は土下座した。

「済まない!…あれは嘘だ」

『え?えーーーーー!????』

「…何だ、嘘だったのか。

…悠、もうそんな事言わないでくれ

…本気にしてしまったではないか」

「…姉さん、だから言ったでしょう。」

「…陸奥。だが良かった~」

『さて、悠(さん)この後は…』

「…間宮さん、アレありますよね?それをお願いします」

「分かりました。

でも…私の分は…宜しくお願い致しますね~!」

…凄まじく嫌な予感。

 

ふと振り向くと

背後に佳夜が居た。

「…ねぇ悠君…皆の責任…取るのよね…じゃないと…私、ユルさないから…」

雰囲気に押され

「…慎んでお受け致します…」

 




如何でしたか?
呆気ない最期でしたが…あの後、悠は色々責任取らされた挙げ句しっぽり搾られた()そうです。

悠「…なぁ、俺の待遇を考え直してくれよ~。」
C&T「散々やっていたのだから知ったことか!…あの後結構お楽しみだったそうだな。…野郎ぶっ殺してやる~!!!リア充は消毒だ~」
悠「ウァァァァーーーーーーー!!!????」

次は本編でお会いしましょう。


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7 秘書艦?誰だって良いだろう…大将、俺(私)は決められません!

八回目の投稿です。
一話辺り二千字位が丁度良い感じ。



 提督室に戻り、佳夜と二人で話しているとドアの前で三度ノック。

「悠さん、佳夜さん…加賀です。

秘書艦についてお話があります」

 

着任初日の初仕事。

大将のところだと、赤城が秘書艦としてよく頑張っているのを見ていたがウチの場合はどうしようか?

 

 

その時の大将の提督室

 

…俺は大将の下で輸送作戦の内容チェック係として働いていた

赤城「…提督」

大将「…まだ昼ではないし終わっとらんだろ…我慢せい」

赤城「はい…」

 

コン、コン、コン

悠「大将、葉山です。

今回の作戦で気になる点があるので相談したいのですが」

大将「…葉山か。入れ」

カリカリカリカリ……

悠「…失礼します」

大将「で、葉山。何処がだ? 輸送物は雑貨…特に問題無い物だ。

艦隊編成も駆逐の暁たち四姉妹に旗艦は軽巡の神通。

…まさか行き先の事か?」

悠「そうです。…彼処の鎮守府は前回も同じ内容ですが、気になったので独自で調べたところ…裏金の洗浄を請け負っているようです。

それも今まで分かっている額は…我が国の財源分はありました」

 

…ちなみに当時の国家予算は六九兆円程で海軍の割り当ては五分の一。

それでも毎年国家予算は必ず余剰金が出ており本来ならば日皇銀が今までの国債の精算に充てられている筈だが、どういう訳か歳出の部分にそれが明記されておらず「予備支度金の調整」としてあり帳尻が合うようになっていた。

 

だが「用途不明金が陸・海・空の軍上層部に流れている」という噂があり、

解決しようと動いているが…それは今となってもいたちごっこの状態である。

 

大将「!?、因みに何年位続いているモノだ?」

悠「…およそ二十年ですね。…他の鎮守府も同じような痕跡がありましたが、

いずれも既に処理されたようで…

今ではそれが冗談に聞こえる程にさっぱりしています。」

 

カリカリカリカリ…

大将「…解った、なら令状挙げて鎮守府もろとも強行捜索させてもらえるよう手を打つ。…赤城」

赤城「…分かりました。では、どの様に追加しますか?」

大将「…戦艦の長門、陸奥…軽巡の天龍、龍田…後は任せた」

赤城「…では、逃亡防止として五航戦の翔鶴、瑞鶴と潜水艦のイクとゴーヤに駆逐艦の島風を加えます…宜しいでしょうか、提督」

大将「…やり過ぎている様に思えるが…赤城、それでやろう。書き替えておいてくれ。令状は私が取っておくから終わったら直ぐに実行出来るように手配してくれ」

赤城「…昼ご飯は?」

大将「後だ。…そんな顔をするな。…心配しなくても後で奢ってやる」

赤城「…絶対ですよ」

 

…その後、一応は解決したが今もなお、別の処で続いている。

…解決後の大将は酷く窶れていたが赤城は何を頼んだのだろう?

 

『…入って良いよ』

静かにノブを回して引き、

「…失礼します」

入って来た。

…格好からのイメージもあるが、加賀も…良いよね!

 

内心思っていると

「!?」

佳夜がつねってきた。

…そんな事しなくても大丈夫だから。

 

「?、悠さん何かあったんですか?」

「いや、気にしなくて良い。で、そっちとしてはどうしたい?」

「…意外ですね。普通なら貴方方、提督が決めたものに私達が従いますが…」

「…どうせ、そうしようとしたらアノ娘達が黙ってないだろう。」

「…私としても日替わりでやってもらう方が

色んな娘達と話せるから固定は無しかな~」

「分かりました…では、此方でランダムになるように手は打っておきます」

『ありがとう(ね)』

「…今日は私、加賀が秘書艦を務めさせて頂きます」

…心なしか表情が柔らかくなった気がした

 




…どういう訳か筆の進みが良い適当野郎。
明日は雪でも降るのかなσ( ̄∇ ̄;)
まだ、不定期ですが、
週単位で一~二つ挙げられるように調整します
(但し、出来るとは言っていない)
…小論文も同じ様に書けたらな~


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8 執務中と彼女達の秘書艦決定戦

相変わらずの適当野郎です。
今回は…日常回(?)です。



今日の秘書艦の加賀は今後の秘書艦についての返事を二人から受け、ソレをメモに書いてから台車の上に持ってきておいた書類の束を二人の前に置いた。

 

 

「…これが今までのと今日の分のモノです。…今までのは、主に着任される前に行われた作戦の指令書で既に報告書も書いてあります。後は判を押していただければ完了です。…そして、今日の分についてですが大本営からのと横須賀の大将殿の二通、今後の鎮守府運営の計画書の草案の作成ですね」

 

元々は提督代理である龍田が今まで分のをやる筈だったのだが、来ると解ってから惚けてしまい任務中以外はポンコツと化した。

…大丈夫かな?

 

悠「…佳夜、判子押しといて。俺は草案やるから。…加賀は出来上がり次第、どちらのでも良いから渡しに行ってくれ…それまで待機」

佳夜「分かったわ。…悠、一人で決めすぎよ」

「了解したわ…なら、十分程外します。」

私はそう言ってから提督室を後にした

 

 

提督室

 

加賀が退出してから執務こなしていた二人。

しかし、肝心の加賀が十分どころか二十分過ぎても戻ってこない。

佳夜「…悠、加賀さん遅いね。何かあったのかな~?」

悠「もしかしておんn!」

ドカ

佳夜「真面目に話しているから茶化さないで。」

悠「…ゴメン。でもその本で叩くのは止めて!めり込む!で、もし、あるとすれば…秘書艦関係とか…かな」

 

 

食堂

 

そこでは艦娘達による会議が行われていた。 

つまり、悠の発言は当たってはいた。

しかし、事態はもっと酷いことになっている。

それはアノ娘達も参加した上で進めているために一々中断しては取り押さえなければいけないのだ。

それでも、

長門「では、馬鹿共も大人しくなったから続きだ。今まで挙げてもらった案は全部で四つ。」

┌───────────────────────┐

 1 全体くじ引きで選出する。

 2 艦種別で何かしらの方法で一人を選出し、

  集まってからもう一度くじ引きをして選出する。

 3 定期的にジャンケンをして順番を決める。

 4 艦種別でくじを引き、順番を決め、

  その中で何かしらの方法をしてをする。

└───────────────────────┘

「その中で一つを選んでもらおう。」

最終決議で、挙手による採決に入った。

「では、一番。」

挙げた本人である夕張と開発担当予定の明石が手を挙げた。

「二番。」

これにはアノ娘達が手を挙げた。

「三番。」

これには雪風などの強運娘と賭け事好きの酔っぱらいの隼鷹が挙げた。

「四番。」

当然だが残りの娘達が挙げた。

「では、賛成多数の四番で決定する。くじは…陸奥、出来たか?」

陸奥「後は配るだけよ。」

長門「そうか、では各艦の代表は受け取りに来てくれ」

 

戦艦より大和、

高速戦艦より金剛、

航空戦艦より扶桑、

正規空母より加賀、

装甲空母より大鳳、

 

軽空母より龍驤、

水上機母艦より千歳、

重巡洋艦より古鷹・妙高・高雄、

航空巡洋艦より利根、

軽巡洋艦より天龍・球磨・長良・川内・阿賀野、

 

重雷装巡洋艦より北上、練習巡洋艦より香取、

駆逐艦より睦月・文月・吹雪・深雪・綾波・

曙・暁・初春・白露・夕立・海風・朝潮・

朝雲・陽炎・雪風・磯風・嵐・夕雲・

長波・朝霜・秋月、

 

潜水艦よりイムヤ、潜水空母よりはっちゃん、

特別艦より夕張、ドイツ艦よりビスマルク、

イタリア艦よりリットリオ、そして、

アイオワが出てきた。

駆逐艦の代表者が多いのはただでさえ多いウチの艦娘の殆どだからであり、少しでも公平にするためである。

 

 

長門「…では引いてくれ」

全員が引き終わると

「開いてみてくれ、書いてある数字が若い程、先だ。」

一斉に開いた

 

雪風「幸運の女神のキスを感じちゃいます!」

一番は雪風だったようだ。

その他はバランス良く分かれたようで文句が出てこない。…ある娘は除いて

 

大鳳「…何故」

どうやら最後だった。 

長門「では、明日より頼むぞ」

 

 

そして、終了したと同時に加賀が自分の職務を思い出して提督室に駆け込み、二人の前で土下座をしたことは秘密であり今後の二人の揺すり道具となった。

 

 

ところで彼女達が決めている間あの二人は執務をどうやっていたかというと

佳夜

・判子押し→三十分で終了。

やる事が無くなったので悠に引っ付く

→構ってくれないので押し倒す

→滅茶苦茶●●●した

→ソファで仮眠→

廊下から聴こえてくる足音で起床し椅子に座りに行く

→加賀到着。

 

・草案→半分位纏まった頃

→佳夜が引っ付く→押し倒される

→覚悟を決めて滅茶苦茶●●●した

→佳夜を寝かせてから再開

→完成して一休みしている時に廊下から足音

→佳夜が戻ってきたのを確認→加賀到着。

     

 

…途中、余計なものがあった気がするが省かせてもらう。

悠「お前は出てこなくて良い!」

佳夜「…あの人だってたまには出たいのよ。許してあげて」

悠「…佳夜が言うなら」

 




佳夜「…で、貴方は何処まで見ていたの?」
C&T「…全部」
『!?』
C&T「お願いだから●察に掛けないで!」
『なら…先ずすべき事があるでしょう』
_(..)_
C&T「…全て忘れます」
「「「…」」」
悠「待遇改善」
C&T「却下です。お楽しみだったんですから良いじゃないですか。私じゃなかったら真っ先に●ってたんですよ」
佳夜「私は?」
C&T「どのような改善方法で?」
悠「…俺とはえらく差があるな~。…何処から駄目にして欲しい?」
来るな、佳夜さん助けて!
佳夜「こんなに良いものを何故止めなければいけないの?」
来るな。来るなぁ~!…ウァァァー!!!!!

何かとこういう関係になった事が無い私ですが、
願望としてはかなり上の方にあったりします。

次を気長にお待ちください_(..)_





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9 加賀の失態と妙なツボと合った仲

…短文で駄文でスミマセン。
今回は加賀と瑞鶴が出ます。
此処の加賀は…ある意味正常です。



加賀が提督室に駆け込み土下座を見せてきた後、私達はそれを許し理由を聞くことにした。

 

 

佳夜「ねぇ加賀、質問して良いかしら?」

加賀「…私に答えられる事なら包み隠さずにしましょう」

悠「なら、質問だ。今さっきまで何をしていたんだ?」

加賀「明日からの秘書艦を決めるための会議をし、

やり方が決まったので順番をくじ引きで決めていました。

原因は私が赤城さんと話していた時にうっかり口を滑らせてしまったからだと思います。」

 

淡々と答えてはいるが、二人には「加賀は嘘をついていない」事が解った。

だが、二人にとってその回答では不十分だった。

加賀としては「出来事の詳細」を伝えれば良いと判断したが、二人にとっては「詳細」という反省文だけではなく「感想」。つまりは加賀のその時の心情も聴きたかったのだ。

当事者ではないが故の好奇心。

そして加賀自身気付いていないが、僅かだが口角が上がり最初に話した時より心なしか早く少しトーンが高い。二人には「とても嬉しい結果」だったのが薄々感じられた。

 

それ故に悠は

「加賀、ソレについてだが選出する方法を話し合っている間、その時どう思った?」

質問をぶつけることにした。

加賀「…。…話し合いですが、…早く決まらないかなと思っていました。その時は既に十分経とうとしていたので提督室に戻らなければいけないと覚えていたので」

佳夜「そう。…なら、くじ引きをして結果が分かった時はどうだったかしら」

 

 

当然、加賀は訊かれていることが「反省」と「報告」でだけではなく「感想」も含まれていた事に気付き、少しだけ頬が紅く染まった。

つまり、「照れ」だ。

加賀「…」

佳夜「…加賀?ねぇ?」

悠「佳夜、少し待て。」

加賀「…嬉しかったです。」

『そう(か)、それは良かったわ(よ)』

「…では、明日の秘書艦を報告します。駆逐の雪風です。」

 

悠「理由は解っているけど幸運艦らしい結果だな」

佳夜「…雪風ちゃん?加賀、その娘は此処ではどういう事をしてきたの?」

加賀「…黙秘します」

悠「…何故だ」

加賀「…彼女の為です。本人から聞かされる様になるまでお待ちください」

佳夜「…女の子に秘密なんて一つや二つあったって不思議ではないわ。それで納得しとくわ」

悠「佳夜にひm!?痛っ!!!」

悠の足は机で見えないがバールでも打ち付けられた様な痛みを受けた。

…隣の佳夜は笑顔。

突然、加賀は何も無かったように

「…では、提出してきますので少々お待ちください」

言って、足早に部屋から出た。

 

 

廊下

 

(…危なかった。我ながら表情が出にくくて良かったわ。…実は笑ってしまいそうだったから)

…此処の加賀のツボはおかしかった。

 

他の鎮守府の加賀は割と言葉に表情よりも気持ちを表現していて、瑞鶴が居ればほぼ必ず衝突しその後仲良くするらしいのだが、此処の加賀は何故か何処の瑞鶴とも直ぐに仲良くなってしまう。

…全く読めない筈の表情や言葉なのにも関わらず。

 

 

気になったウチの青葉は瑞鶴にそれをぶつけると

「どうしてかは私にも解らないわ。…只、最初に会った時に思ったの。仲良くなれそうだとね」

何処の瑞鶴に聞いてもやはり同じような事が有るようだ。

 

反面、他の鎮守府の赤城とだけは馬が合わないらしい。

当然、それをもぶつけた青葉に赤城は

「笑いのツボがおかしいから…ではいけませんか?」

疑問を疑問で返されたが納得した。

…やはりウチの加賀は普通では無いと。

 

 

で、深呼吸していた加賀に

「加賀さん、何してるんですか?」

装空の瑞鶴が話しかけた。

「…いえ、何でも無いですよ」

装おうとしている加賀に対して

「…悠が佳夜さんに踏まれた」

「!?……………」

声を殺しつつ笑う加賀。

「図星ね…全く何処が笑う所なのかは分からないけど…貴女が此処の加賀で良かったわ。…今言った事が事実なのか気になるわね。」

瑞鶴は言った。

…表情こそは呆れているが言葉では確実に彼女に対して良い印象をもっている事が伺える位に。

その後、動けなくなってしまった加賀を連れながら瑞鶴は加賀の仕事をやり、提督室に戻しに行くことにした。

 

 

 

提督室前のドア

 

瑞鶴「…悠さん、佳夜さん、装甲空母の瑞鶴です。加賀さんを連れてきました。」

佳夜「分かったわ。入って」

 

悠「…どうした、加賀?」

瑞鶴「…二人とも、加賀さんの前で何したんですか?」

悠「…」

佳夜「悠の足を踏んだだけよ。それがどうかしたの?」

瑞鶴「…本当にあったとは。…取り敢えず夕食に行きませんか?まだ、食べてないですよね。二人共」

『?…!?』

 

 

瑞鶴に言われるまで忘れていた二人は、夕食をとりに食堂へと向かった。

…未だ笑う加賀と手を貸す瑞鶴を連れて。

 

 

 

 

 

 

 




加賀「…C&T、貴方は私をどうするつもりですか?」
C&T「勿論、笑い者。σ( ̄∇ ̄;)…ダメかな?」
加賀「…第一次攻撃隊、全機発艦。目標、作者!」
!?、ギャァァァ!!!

…最近、物を無くす事が多い適当野郎です。
小さかった頃は行動範囲が狭かった為に直ぐに見つかっていたのですが、此処数年は無くしてから一年近く経ってから見つかったりしています。
…歳をとるって怖いね

意見、感想もしくは要望でも構いません。
出来ないなりに応えてみますので、お待ちしてます。





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10 食堂にて夕食 ~やっぱり皆女の子~

初感想を頂いたので勢いに任せ一本。



食堂

 

四人が着いた時、机の配置が変わっていた。

 

それも間宮さん側を空けたコの字形。

そして、空いている空間に四人掛けのテーブルセット。

 

 ┏━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━┓

 

       ┃   厨房    ┃     

 

       ┗━━━━━━━━━┛     

 

入口                      

 

                       

 

  〇│〇              〇│〇 

 

  〇│〇     ┌──┐     〇│● 

 

  ●│〇    ▽│  │□    〇│● 

 

  ●│〇     │  │     〇│〇 

 

  ●│〇    △│  │◇    〇│〇 

 

  〇│〇     └──┘     〇│〇 

 

  〇│〇              〇│〇 

 

     〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 

 

    ~─────────────~    

 

     ●〇〇〇●〇〇●〇〇〇〇●  

 

 

 

 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

 

 

…二人と瑞鶴は思った。「嵌められた」と。

 

やった張本人達は何食わぬ顔で食べ続けてはいるが、やたらと目が合う様な気がした。

…その目は獲物を狩る猛獣の様だった。

 

 

悠「…間宮さん、今日は皆どうしたんでしょうか?」

間宮「…察してください。」

 

…どういう訳か昼食の時より機嫌がよく見える。

…気のせいか

 

佳夜「…悠、気にしない方向で食べようよ。ね」

そう言って佳夜は間宮さんが用意してくれた夕食である

プレートを渡してきた。

夕食はハンバーグのようだ。

 

悠「…ああ、分かった。…瑞鶴?」

瑞鶴は心なしか落ち着かなくなっており、廃人同然の加賀を放置してキョロキョロしていた。

 

そんな妹を見ているどちらの姉も笑みを浮かべ、もう一人の瑞鶴は…加賀を見ていた。

…どこか心配そうにしてはいるが黙々と食べている。

他の彼女達と同じように。

 

 

 

 

 

仕方が無いので二人は取り敢えず自分達のプレートを置きに行き、

悠「瑞鶴?…間宮さん、瑞鶴のと加賀の分をお願いします」

間宮「?、後で持っていきますね」

佳夜は加賀を肩で支え上げ、席に連れていった。

 

 

そして、四人が座るとさっきより視線を感じる。

気になり振り返れば、目を逸らす。

諦めてボーッとしていると、

間宮さんが二人の分を持って来てくれた。

 

その頃には瑞鶴も戻ってきており、

「?、!?…私、どうしてたの?」

説明すると、

「…そうなの。悠…ありがと。」

と言ってから

「頂きます」

食べ始めた。

 

 

一方、加賀は未だに戻っていない。

目の前に置いてあるハンバーグを見ずに、焦点の合ってない目で中空を見ていた。

…笑い続けて固まり掛けている顔のままで。

 

 

『頂きます』

切り分けて一口。

『…ん~』

悠「…間宮さん最高~!」

佳夜「…美味しい。なのに負けた感じがするのは何故?」

瑞鶴「!?…間宮さんまた腕上げましたね!」

間宮「瑞鶴さん、有難う御座います!今回は自信作でして渾身の一品なんです。」

 

 

一方の加賀は相変わらずの静止だったので、俺が切り分けて口に一切れを入れてやる。

すると、

「?」

焦点が定まり…

「!?」

俺を見て赤面し…突き倒した。

 

「うぉ!」ガターン

 

 

『…大丈夫?』

悠「…ああ、平気。」

立ち上がって、椅子を戻し、座り

「…加賀、どうだ?」

加賀「…美味しいです。…悠さん、もう一回…お願いします」

 

…ますます、目線が厳しくなる。

一部、殺気立ってるよ~

 

佳夜「…私にもしてよ。」

…どうやら焼きもち。

佳夜にもしてあげると

 

ほぼ嫉妬と殺意のハーモニーに包まれた。主に俺が

…そんなに悪い事したのかな?

取り敢えず食べ進め…

 

 

食べ終わり、周りを見渡すとまだ彼女達はいた。

悠「ん?俺に何か用か?」

すると、

『私たちにもして~!』

ズドーン!!!!

押し倒されてしまった。

 

「…なぁ、秘書艦の時じゃ駄目なのか?」

そう言ってあげると殆どの娘達は渋々離れてくれたが、

『…悠(さん)の意地悪。』

…まだ、アノ娘達がいた。

扶桑「…悠さん…それでは嫌です!」

山城「…姉さんの言う通りです。今が良いのです!」

榛名「…加賀さんにもしてあげたんですから…ね」

雷「私にだってしてよ!」

時雨「…僕にもそうしてくれたって…良いよね?」

高雄「…私だって甘えたい時位あります。…それが今だって良いでしょう?」

荒潮「…高雄さん、それを言うなら私だって…」

大井「…悠さんがしてくれないなら私!」

龍田「悠さ~ん、おねが~いよ」

 

…彼女達の一言が次々と重くのし掛かる。

 

耐えかねた俺は

「…分かった」

了承した。

 

だが、後ろから

佳夜「…何が分かったんですか…悠?」

 

今日二回目の恐怖体験。

…ウチの嫁さんって本当に箱入り娘だったっけ?

 

 

アノ娘達は

『!???』

震え上がり、佳夜の前で懺悔会を始めたのだった。

 

 

で、それが解散した後に帰ってきた佳夜曰く「…当分は大人しくなる筈」とのこと。

…一体、何があったのだろうか?

普通、懺悔会を始めたら必ず全てをやり切るために人数にも寄るが

たった一時間程で終わったのだ。

…絶対トラウマになるものだろう。

 

 

そんなこんなで事態は収拾し、二人と秘書艦である加賀は提督室に戻った。

 

 

 

 

 

 




イメージ図の表示について
一応、入り口から見て手前側が戦艦、奥側が駆逐艦となっています。
黒丸はアノ娘達。各自の位置は何となくで察してください。
白丸は(二人から見ての)常識人。
三角は提督。下向きは悠で、上向きが佳夜。
四角は加賀。傾いているのが瑞鶴。
都合上(面倒臭くなったから)一部省略しました。

さて、本文からも解ると思いますがアノ娘達はヤンデレ(風)にしていこうと思っております。
(本当は5からそうしようと思ってた。なんて死んでも言えない…)
龍田さんは公式モノなので特に気にせず書けると思いますが、一番大変なのは高雄さん。
真面目キャラが売りだったんですが、ウチではお疲れ気味になってもらってます。
高雄さんの病んでる感じがする画像はあんまり無いんですよね~(多分)。
それに、台詞付きにもなるとほぼ無いんじゃないかな(白目)
作中の艦娘の多さ。今作は全員いる設定です。
これ以上は本文より長くなりそうなので此処で切ります。
意見、感想もしくは要望をお待ちしてます。


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11 提督室到着後とその場の勢いとその翌日の三人

不定期タグを保険にしている適当野郎です。
今回はやっと、赤色タグの意味が…。
悠の過去の話が何故か割り込む。
…使う所無かったからです(泣)

追記
修正につき一部の場面全カット(._.)
全容は18用にて書いておきます。


提督室に戻った二人と秘書艦の加賀は疲れていた。

佳夜に関しては精神、悠には押し倒しによる肉体、加賀は恐らくその両方。

各自、リラックスも兼ねてソファに座ることにした。

当然並びは悠の左右に二人が座る。

右が佳夜、左が加賀。

 

 

悠「…佳夜、加賀、少し距離が近いと思うのだが」

二人とも悠の腕を両腕で掴み、悠としては離して貰いたい半面、二人の体を服越しではあるが直に接していてとても良いのである。

…疲れていてもアッチの方はやはり元気なようで、理性によって別の方に意識を向けてはいるもののかなりギリギリだった。

既に昼の時点でヤったのにも関わらず。

 

それを知ってか知らずか

佳夜「良いでしょ、別に~」

加賀「…私がやっていては可笑しいでしょうか。嫌なのであれば直ぐに離しますが」

この有り様。

 

 

大将にバレたら牢送りどころがトラウマまっしぐらの前線投下(丸腰で)させられるよ。

悠は過去を振り返る

…前にエープリルフールの後始末で罰ゲームをやる事になり、その時の内容は「たった一人で戦艦レ級を何かしらの方法で鎮守府に連れて来る事」だった。

当然、無理難題…と言えるなら良かったが

 

沖にて

偶然単独で動いていたレ級が

「?、ナンダオマエハ?」

話し掛けてきたので

「人間の葉山だ。レ級、お前甘いもの食べたいか?」

質問してみると

「…ハァー?…タトエバナンダ?」

質問で返されてはいたが、俺は今回の支給品として

渡されていた食事の一部であるチョコレートを差し出し

「チョコレートって言うんだけど。…食べてみるか?

試しに割ってそれを手渡すことにした。

レ級は恐る恐る俺が渡した一欠片を受け取り

「?」

俺が口に入れたのを見ると一口

「!??、甘イ!」

「だろ~、もっと食べたいか?」

「ウン!」

…餌付けしながら連れて来れてしまった。

で、その時のレ級は現在大将の鎮守府で甘いものを食べつつ、珠に海に出ては同志を増やしている。

 

 

…思い出したら今思い付いたモノでさて出来そうで自身が此処に配属されるように許可が取れたのも頷けた。

悠「…好きにしろよ」

そして悠は…諦めた。

 

 

一息付き、ふと壁掛け時計を見ると2200。

悠「加賀、今日はお疲れ様。次の時もよろしく頼むよ」

俺は声を掛け、仕事の終了を伝えた。

…今日はそれらしい事はして無いけど感謝したところもあったから。

 

加賀「はい。今回のような失態をしないよう心がけます。…では」

部屋を出ようとした加賀に声がかかった。

佳夜「…加賀、待って。」

加賀「?」

佳夜「悠、一人で帰すのも遅いから折角だし三人で寝ない?」

『!?』

 

突然の佳夜の一言に俺と加賀は一瞬で赤面した。

悠「本気か?…なら俺はソファで寝るよ。ベットは二人で使ってくれ」

悠は間違えを阻止するべく安全策をとろうとしたが

加賀「…私は…構いません。悠さんが…宜しければ」

 

さっきのままの顔(うっすらではあったが悠と同じ反応)で俯きながら答えた。

悠「?…!?」

佳夜「…早くも堕ちたか~。…悠、良いよね?」

悠「…はい」

三人は寝室へと進んだ。

 

 

寝室

ドアを開けると洋室であり、広さは提督室の倍近くある。

間接照明が安らぎを与えるが如く大小様々置いてあり、どこかの一流ホテルの最上クラスを思わせる。

そして、ベットが一つありあの船に置いてあったものと同じで大きさは倍あるものだった。

それを見た二人は思った。

『…大将、ノリノリ過ぎるだろう』と。

 

 

そんな二人を見ていた加賀だったが、服を脱ぐことにした。

無論、寝るために。

しかし、それに気がつく悠は

「何、いきなり脱いでいるんだよ!」

騒ぎ出す。

 

加賀からすれば何時もの事なので

「寝る時は何も着ないので」

佳夜「…案外進む所は進んでるのかもね」

悠としては出来れば越えたくない一線を軽々越える加賀。

佳夜としては、羨ましい半面意外なところも見れて笑顔だったりする。

悠「そんなこと言ってないで止めてよ佳夜!」

佳夜「イヤよ♪」

 

 

翌朝

 

佳夜を寝かせてシャワーを浴びにベットから降りて歩く。

で、浴び終わり髪を乾かしてから寝室に戻り、

ふと置時計を見ると0500。

つまり、一夜丸々し続けた事に気づく。

ワーイ!完徹だよ!!

 

 

「…さて、少し早いがやるか!」

悠は執務をするために事務棟に向かう事にした。

 

 

 

加賀は初夜だった。

しかしながら自身の想いに従った結果足腰がダメになっており、起きてから驚いた。

(…でも…二人に認めてもらえたのよね私は)

しかし、気持ちは不思議と嫌ではなかった。

 

 

今まで鎮守府では、提督とそんな関係になる前に提督が夜逃げなどで逃亡してしまう。

彼女達としては一緒に居たいのだが、重すぎるの一言によって避けられるのだ。

 

 

だが、それは二人の提督が来た事によって変わった。

まだ、一日しか経ってはいないからその一歩は進んでいると思う。

たった一人では、男も女も関係無く駄目。

それを逆手にとった大将もかなりの功績だろう。

そして、夫婦でやって行く事にした事により、互いが相談相手となってあまり精神に負担がない。

まさに、この鎮守府にとっての理想の提督だ。

 

 

…とは流石に考えはしなかったが、欲張りな願いを祈るだけなら良いだろうと最後に思った。

「…雪風はまだ来ないのでしょうか」

動けないので格好がつかない加賀。

この時0510。

当然ながら悠か事務棟の人達か間宮位しか起きていない。

(※警戒係は24時間警戒体勢のため此処では含まないことにする)

当然ながら佳夜は寝ていた。

 

 

悠が提督室に今日の分を置いて寝室に戻ってきたのは

佳夜と加賀の様子を気にしての事だった。

この時0525。

悠「…ん?加賀起きたか。」

加賀「…悠、おはようございます。もしかして…あれから寝てませんね。」

悠「…ああ。お前が寝てからは佳夜が寝るまでやってた。で、気付けば0500。割と良くあるから一轍なんてノーカン。」

 

加賀「…悠、貴方一応軍人なだけよね?昨日なんか三時間睡眠。…特殊部隊入りはして無かった筈。」

悠「…そういえば一度だけ精密検査を受けたことがあった。」

加賀「…結果は?」

悠「…確か生命力はGの五倍。」

加賀「…聞き間違いですか?」

悠「話を折るな。で、回復力はこの世のものとは思えないレベル。記憶力は短期なら普通で、中長期ならウチに居るベルヌーイ百人分。容量なら普通の人の倍。只、効率が良すぎて限界は四百才overだと。…これだけでも辞めてると言えなくも無いな。」

 

加賀「…悠、もう少し受けてみたら如何でしょうか。必要があれば私達も手を貸しますので」

悠「…加賀がそう言うのなら行くよ」

悠は渋々検査をしてもらった研究所に手紙を書くことにした。

その後、検査を受けに行き結果を受け取って彼女達を驚愕させるのは別の話。




今、キャラ紹介のために色々と書き込んでいる訳ですが悠の設定を人間離れさせる予定です。(今作の本文を参考にしつつですが)
一応は佳夜と悠が主人公としてますが、番外も小匙一杯位考えています(当然ながらその場のノリが命)。
稚拙ですが読んで下さりありがとうございます。
…投稿のペースが変わるのはタグ通り!
次も気長にお待ちください。


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12 雪風の秘書艦初日 朝

どうも適当野郎です。
最近、夢を見るようになりまして
覚えている内容だと
此処の登場人物に怒られたりとか言い合いしたり…

夢では嘘みたいな事が割と良くあるから怖い…
では、続きです。


0530。

雪風は目覚めた。

今日は自身が秘書艦の日のせいもあってか、何時もより三十分早く起きてしまった。

その割には何故かとてもワクワクしており、調子としてはとても良い方だ。

 

当然だが、雪風はあの二人が好きだ。

着任して二日だが、自己紹介の時の二人の印象がとても良く

金剛さん風に言うならlike以上love未満というところ。

(…少し早いですが司令達にあいさつしにいきましょう!)

そう思った雪風はまだ残る眠気を覚ますために着替え、

顔を洗い他にやることを終えてから提督室に向かった。

 

 

提督室

 

ドアの前に立った雪風はノックを三回。

しかし、返事が帰ってこない事が気になり静かにノブを回してドアを開けると誰も居ない。

壁掛け時計を見ると0545。

(もしかして、寝坊でしょうか?でも、机に今日の分があるのはおかしいです。とにかく行ってみましょう!)

そう思った雪風は寝室に向かう事にした。

 

 

寝室

加賀「…悠、…今何時ですか?」

加賀は昨夜のせいでの筋肉痛でスローモーションでしか動けない身体を気にしつつ尋ねた。

悠「…0550だが、雪風ならまだ来てないぞ。」

当の悠は佳夜の顔を弄りながら答えた。

加賀「…そうですか。」

 

 

コン、コン、コン。

加賀と話してから二、三分後で三回ノック。

「本日の秘書艦の陽炎型駆逐艦八番艦の雪風です!起きてますか?」

 

噂の雪風が来た。

悠「佳夜はまだだけど、起きてるよ。入っておいで」

雪風は音を立てずにドアを開け入って来た。

…見た目は小動物の様にも見えるがどういう事なのだろう?至って他の鎮守府の雪風と変わらないが。

雪風「おはようございます!えっと…悠、さん」

少しぎこちない。

 

悠「…雪風、呼び方は言いやすい方で良いからね。」

雪風「分かりました!…では、しれぇ」

…何故、ひらがなの様に聞こえるのかは分からないけど雪風が良いならそれで良しとしよう。

雪風「何で…加賀さんが寝てるんですか?」

…口調も表情も変わって無いのに寒気がする。

悠「…」

雪風「…しれぇ?」

悠「…まだ知らなくても良い事もあるから、気にしないでね」

雪風「…青葉さんを焚き付けますよ」

悠「…説明するからそれは無しで」

 

 

説明中

 

 

雪風「つまり、加賀さんと…したと。」

赤面しながら言う雪風。

…恥ずかしいなら言わなくても良いのに

悠「…もう少し包んだ言い方は無かったか」

雪風「…しれぇのエッチ。」

俺は項垂れた。

…正論は何故ここまで効くのでしょうか

 

加賀「…私がお願いしたんです。雪風、貴女には関係無いでしょう」

雪風「加賀さんが言うのなら…そういう事にしておきましょう。…でも、しれぇにはして欲しいことがあります」

悠「…聞くだけ聞くよ」

雪風「雪風も…してください」

悠「…ん?雪風、まだ寝ぼけているのか?」

雪風「…本気ですよ?…しれぇが相手なら…今からでも」

 

今にも脱ぎ掛けている為に乱れる服装

悠「雪風、服装を正せ。…加賀」

加賀「…遅かれ早かれ分かっていた事です。悠…諦めて下さい。」

…誰のせいでこうなった。

…俺のせいか( ;∀;)

悠「…ハァ~。…分かった。執務終わったら答えを出すから…佳夜を起こすぞ」

佳夜は相変わらず寝ていた。

 

 

0630。

悠「佳夜、起きろ」

雪風「佳夜さん、朝ですよ!」

佳夜「…う~ん…後五分~zzz」

毎回ながら佳夜を起こすのには苦労する。

訓練学校時代は大将達指導官が様々な方法で起きない学生をたたき起こしていたが、唯一放棄され掛かった位に起きないのだ。

 

只、寝れなくなる様な極限状況でも何時も通りなのだから長所でもあるので結局は黙認されていたが。

 

 

悠「雪風、提督室から大砲とドッキリ一式持ってきて」

雪風「?は、はい」

雪風は提督室に取りに行くために寝室を出た。

加賀「悠…そんな物を申請して良く許可出ましたね。」

悠「…色々あったんだよ、色々ね」

加賀「…後で詳しく教えて下さい。気になったので」

雪風「しれぇ!持ってきました!」

悠「雪風、ありがとう。…加賀、今度な」

 

雪風「?」

悠「今日は何にしようかな~?」

雪風「!、これなんかはどうでしょう?」

雪風の手には某スピーカーと繋がったMP3プレーヤー。

他にも音関係ならクラッカーとか目覚まし時計もあるのだが、他の娘の事に気を使って選んだようだ。

…でも、他の娘達には見せられない顔してるよ。

表現するとしたら「悪巧み」かな?

あんまりしなさそうなんだけどな~。

 

 

悠「…良いの選んだね。じゃあ、電源入れて…」

ボタンを操作してその中にある一つを選択。

スピーカー側も範囲を絞ってから音量調整。

さて、再生!

佳夜「!?」

佳夜は飛び起きた。

佳夜「悠!!!」

悠「佳夜、朝ご飯だ。食堂行くぞ」

佳夜「…分かったわよ。でも、加賀はどうするの?誰かさんがやり過ぎたせいで動けないんだから。」

加賀「佳夜さん、悠のせいではないです…私がいけないんですから」

悠「佳夜、それは言わなくても分かってる。じゃあ加賀、おんぶするから腕を伸ばしとけよ。…よっと」

寝間着姿の佳夜と何時もの格好の雪風と悠、そして悠に背負われている着崩し気味の加賀は食堂に向かった。




此処の青葉はスキャンダル好きですが、恋愛感情はノーマルで且つ純情。
本当に嫌がっている事は絶対に記事にしない事から一応信頼されて許可が出てます。
雪風、案外怖い嫁でも似合いそうと思ってたりします。
私の勝手なイメージですが。


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13 雪風の秘書艦初日 朝食~三人の女子会と悠の心情~

書き方を少し変えてみました。
やってみて分かったことがあります。
…思うままで無いから辛い。
それでもうまく表現出来ていれば幸いです。



食堂

 

で、俺達は食堂に着いたわけだが現在七時前の筈。

俺は周りを見渡し目が点になった。

席は戻っている。

 

コの字→対面席を縦、横に窮屈ながら全員座って少し余裕がある程。

それは些末だ、気にするところでは無い。

暁達が居るのも何ら不思議では無い。

今日の遠征の一番目の組だからだ。

当然、他にも居たが何かしら予定が組まれている娘達ばかりなのでそこも変では無い。

…少し離れて座る赤いのを除いて

 

 

…何故赤城が食べ始めている?

俺は今日の分を持ってくる間に流し読みしていたが赤城の名前が書いてある部分は無かった筈だ。

「…加賀、赤城はいつもこんな早くから食べているのか?」

「はい、それは何時も通りです。…悠達が来る前からなので」

…空母って沢山食べるとは聞いてたけど朝食から寸胴鍋はどうかと思う。

…常時警戒体制だからか?

聞いたこと無いから分からないけど。

 

 

そう思うと改めて間宮さんには驚かされる。

一体何時起きでどの位寝ているのだろう?

かなり大変そうに見える。

…主に赤城達のせいとも言えるのだが。

が、彼女の表情には笑みもあるため本人としては苦では無いのだろう。

一応は休暇も前から取れるようにしていたらしいけど、

あくまでも此処の料理を任されている身としては申請し難いのだろう。

後で改善策を練るか強制で休暇取らせるか~!

 

と、俺がうんうんと頷いていると

「しれぇ、何考えてるんです?」

首を傾げて雪風は訊いてくる。

…しまった。

これから食べるのにボーっとしてた。

「ん?間宮さん、ちゃんと休暇取ってるのかな~と思ったから何か手を考えていたんだ。」

「そうですか!そういえばあまり休んでるところは見たこと無いんです間宮さん。」

 

 

 

「…悠、お腹が空きました。そろそろ席に連れていってください。」

加賀は限界のようだ。

…まぁ毎朝、赤城と同じように食べている時間の筈なのだからしょうがないか。

「そうね、私もあんな起こされ方したら自棄食いでもしたくなる位に空いてるもの。」

佳夜が続く。一々言わなくても良い。

それに君は寧ろ少食だろうに。

…言いたくなったのかな?

 

そういう俺もそこまでではないが空いている。

…案外赤城が食べてる量でも良さそうか。

朝ごはん位なら別に太りはしないのだから。

「加賀、佳夜分かったから少し待て。雪風、加賀を座らせてくるよ」

俺はそう言ってから背負っている加賀を座らせにいった。

 

 

私は加賀を座らせにいった悠を見つつ、雪風に話し掛けることにした。

「ねぇ、雪風」

「何でしょう?佳夜さん」

「…貴女、悠の事どう思ってるの?」

「…そうですね~出来る事なら貴女と同じ位愛されたいですし愛したいですね。」

すんなり出てくる答えに私は

「…雪風、貴女もそうなのね」

「はい!」

「そう。…なら早めに受け取りに行きましょう。詰まってしまうから」

私はそう言ってから

「間宮さん、普通盛りが一つと赤城さん盛りが一つをお願いします」

頼むことにした。

 

 

俺は加賀を座らせて佳夜と雪風がいるところに向かうと

間宮さんに注文していたところだった。

「追加で赤城盛りをもう一つ頼む。雪風は?」

「?…あ、そうでした。では普通盛りも一つ追加です」

「分かりました。…でも、悠さん、本当に良いんですか?赤城盛りをおやつ以外で頼むととてつもない量なんですよ。」

間宮さんは答えつつも念を押してきた。…当然だ。

あれは特注もいいところで、調理にはカレー作りより楽ではあるものの時間が掛かる。

また、まだ(赤城盛りを)食べてない娘達(軽空(龍驤以外)と正空と装空)もいる。

「ん~、なら半分で。足りなかったらまた来る」

それでも間宮さんは驚愕していた。

身体が勝手に作業しているのは奇跡みたいなもので何時固まってもおかしくない。

「…分かりました。覚悟してくださいね」

そして、頼んでいた佳夜と雪風の分の二つを出してくれた。

 

 

私は自分のと雪風の分が出てきたので先に加賀が待つ席に向かうことにした。

「悠、先に行ってるね」

「待ってますからね悠さん!」

二人(加賀と雪風)には詳しく聞き出すとしよう。

私としては悠の事をどう思っているかは何となく聞いているけど、女としてのは聞き忘れていたのよね。

「ああ。直ぐに行くよ」

悠は気付いていた。

二人共、言葉だけなら何処でも聞くようなものだったが温度差と言えば良いのだろうか。

佳夜は平静を装ってはいるが、明らかに何かを俺が居ない間に済ますつもりなのだろう。

雪風は…好意オンリー。

解り易いが、あくまでも俺の勘だから確実とは言えない。

…佳夜を起こすと言った時の顔は表情豊かの証と言ったところか。

直ぐとは言ったが自分のが出来るまでまだあるし、

加賀には悪いが其れが終わる頃に行くとしよう。

 

 

そう思った俺だったが中断が入る。

「悠さん、加賀さんのが出来たのですが持っていきますか?」

…加賀の分が出来てしまった。

行くわけにいかないのでわざと間宮さんが気づくようにチラッと彼方を見ると、

「…。しょうがないですね~私が持っていきましょう!」

どうやら察してくれたようである。

 

 

席に着いた私と雪風は、先に座っている加賀と話していた。

「悠が来るまで今後の事を話しましょうか」

「そうね、それは賛成。雪風は?」

「雪風も賛成です!」

周りの娘達が聞き耳を立てる中、始まった。

 

「では単刀直入に訊くわ二人共、女として悠とはどうしていきたいかしら?」

「佳夜、それは愚問。愛し愛される仲でありたいわ」

「加賀、それはアッチも?」

「当然。当分はご無沙汰になるけれど、応えていきたいわ」

顔には出ていない様にも見えるが心なしか柔らかな感じに見える。

本当に本気のようだ。

 

「そう。昨夜は相当楽しんでくれたようね。私、貴女となら仲良く出来る!…なら雪風はどうなのかしら?」

「!?雪風ですか?…」

急に振られた雪風はあたふたしているが何とか答える。

「どうしたの?黙ってたら分からないわ」

「…が…する迄したいです」

「もう一度お願い」

「しれぇが満足する迄したいです!」

…ボン。

雪風は爆発した。

どうやら、かなり大きい地雷を踏んだようである。

 

『…はぁ?』

佳夜と加賀は雪風を見てから顔を見合わせる。

『…』

「…ん~。予想を遥か斜め上に越えた答えね。」

「私も此れには驚きです。てっきりそっちの線は無いと思ったのですが」

「…二人共酷いです!」

雪風は頬を膨らませる。未だ紅く染まったままで

「御免なさい。でも…貴女なら出来そうね。」

「佳夜、それは私も同感。…不沈艦の名は伊達では無いわね、雪風」

「済みません。加賀さん、貴女の分をお持ちしました。」

間宮さんが来ていた。

「…何時から聞いてたの?」

佳夜は尋ねる。

「雪風さんの驚きの一言からですね」

「!?…お願いですから忘れてください」

間宮さんの返答を聞き、雪風は土下座しようとした。

「解ってますよ。…内緒にしときます。…他の人達も良いですよね?」

笑みを浮かべている間宮さん。

「…」

周りの娘達は沈黙で返した。

冷や汗と震え、そして暗黙の了解。

…恐怖政治かな?

 

…間宮さんの事はまた別の話。

 

間宮は加賀のを置いておくと

「では、ゆっくりしていて下さい」

持ち場へと戻っていった。

「…じゃあ、続けるわ。もう一つ質問、他の娘達が同じ様になったとしても良いわよね」

「…致し方がありません。」

「佳夜さんと悠さんが良いのであれば」

「分かったわ。では最後に…貴女達が知っている範囲で他の鎮守府の娘達との違いを教えて」

「…かなり長いうえに此所では面倒な事が起こる恐れがあるので控えた方が宜しいかと」

「そうですね。雪風も加賀さんと同じです。唯一言える事は昨日提督室に来た九人は気を付けて下さい」

「そう。(…何かあると思ったら)なら、悠が来るまでに彼の気になる事を聞いてもいいわ」

 

 

結局、悠が

「やって来るまでに後十五分掛かるから先に食べておいて」と言いに来たので、加賀と雪風は尽きるまで質問してやっと食べ始めるのが悠が到着する頃だったりする。

 

 

 




…やっと書き終わった。
割と台本形式の方が思ったままに出来るし、キャラを指定して書けるから口調の変化による差別化を気にし過ぎないでいられるので楽ですね。
でも、本当に小説として書くとしたら今回の回を更に細かく表現しないといけない。
出来る限り尽力しますが、思い付いた時に書くのが私なので暖かい目で見ていただけると嬉しいです。


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14 雪風の秘書艦初日 ~昼前 

遅くなりました_(..)_



提督室

 

朝食を食べ終わった夫妻と秘書艦の雪風は未だ食事中の加賀を放置し、執務をしに提督室へと戻った。

「しれぇ、雪風は何をお手伝いしましょうか?」

「ん~食休みしておいていいよ。なんなら佳夜もそうしたら?」

そう言いつつも悠はさっき取ってきた資料とにらめっこしていた。

 

「…悠が言うのは変じゃないかしら。赤城盛りの半分とはいえ私達と同じペースで食べ終えているのよ。寧ろ貴方がそうすべきよ」

確かにその通りである。

彼女達は二十分程で食べ終わったのだ。

けして早い訳ではないが悠に関しては少々…いやかなり可笑しい。

 

「そしたら今日何もしないよ~良いのかな?」

書類から目を離し、からかうような口調を真面目な顔で言う。

「…やっぱり休ませて。」

「お言葉に甘えさせてもらいます。しれぇ!」

…大人しくソファで休むことにした

 

食堂

 

一方、置いて行かれた加賀は後から来た金剛姉妹に捕まっていた。

「…加賀さん、昨夜はお楽しみだったようですね~」

「…何の事でしょうか」

「とぼけても無駄です。榛名、知ってるんですよ」

「…済みません加賀さん。…私の計算に狂いがあったようです。」

「比叡、気合!入れて!!止めようとしたのですが…」

「榛名、cool down。そんなに迫ッテしまっては加賀も答えられマセーン」

他にも食べている娘達が居るが、全員聞き耳を立てている。

 

…加賀としては内緒にしておきたかった事だが、何処から漏れたのだろう。

(…青葉かアノ娘達ですね。一応は気を付けていた筈ですが)

「…詳しくは貴女が秘書艦をやってみてから…ではいけないかしら」

納得できた他の娘達は話し始めた。

「…榛名は…大丈夫です。」

顔こそいつも通りだが、やはり気になるようである。

「そう。…なら食事を続けましょう」

未だ半分残った味噌汁と御櫃の山はその後三十分で消え去ったという。

 

 

提督室

 

やる事が無い佳夜と雪風は朝食の時の話の続きをすることにした。

「ねぇ雪風、今ならどうかしら?」

「?…そうですね。では九人の話をしましょう。」

「順番は任せるわ」

「なら、龍田さんですね。」

ガタッ

「…あら~何か聞こえると思ったら。雪風ちゃん…解ってるわよね~」

突然ノックも無しに入ってくる龍田。

…後で盗聴器を探してみようかしら。

 

「…龍田、急に入ってくるなんて変よ。何か用?」

「佳夜さん、突然で申し訳ないけどぉその話はしょうがないのぉ~。…諦めてくれないかしら」

表情はいつも通り。

でも説明されるのだけはイヤみたいで最後辺りは僅かだけど間を置いた感じがする。

「…分かりました。では他の人に関しても…ダメかしら?」

(こちらとしても気になったら直ぐにでも解決しておきたいのよね…)

龍田は少し考えるそぶりをした後

「ん~…触りだけよ。それ以降は…ね」

それだけ言ってから部屋を後にした。

 

『…ふ~。』

「釘を刺されてしまいました。」

「そうね。…悠は?」

相変わらず集中して終わらせていた。

…お茶でも用意して労いでもしましょうか。

 

 

艦娘寮 

 

あれから加賀は食堂から全く動けない為に誰かを呼ぼうとしたが、二人の瑞鶴がそれを見かねて肩を貸してくれたのだ。

で、今は部屋に入っていて二人に引いてもらった布団で横になっている。

…当然ながら二人は未だ部屋に居るわけで

「感謝します二人共。お陰で部屋まで来れました。」

装「あまり気にしないで。練習の時はいつも助けてもらってばかりだし…たまにはね」

正「そうね、甘えさせてもらうからこそのもあるから。今日ぐらいは…手伝うわよ」

(何故二人が赤面しているのか解りかねますが…)

「…では、赤城さんが来るまで頼みます。」

結局二人は赤城が部屋に来るまで色々と加賀の事を世話してくれたのこと。

 

 

廊下

 

龍田は考えていた。

(まだ二日目なのよ。そうそう何でも話を簡単に話してしまえば良いものではないわぁ)

 

元々は此の鎮守府も普通であり、時々妙なことが起きる位で設備や立地も他と大差なかった。

変わったのは加賀が入ってきてからだ。

 

当初この鎮守府は護衛任務や広域索敵任務を主に担当する所であり、駆逐艦や軽巡、重巡は揃っていたのだが、空母だけは揃いも揃って集まらず航空艦隊の配備が急務であった此所では他の鎮守府に募っていた。

 

丁度その頃、変わり者の空母が居るのだが扱いに困ったので受け入れを頼まれた。

それが加賀だった。

最初、加賀は本当に何を考えているのか分からず此方は距離を測りかねていた。

 

他の鎮守府の加賀だとあまり話しはしなかったが少なくとも表現は豊かであり、そこまで話しづらいとはされていなかった。

だが、此処のは居なくなったと思ったら実は背後に立っていたり、部屋を見に行けば大抵釣りに出ていて置き手紙があったり、そして帰ってくると必ず大物を間宮さんに渡し黙って釣りに戻ったり。

 

食料としては有り難かったが他の事をあまりしない彼女は他の娘達との繋がりはほぼ無かった。

 

しかし、任務は待ってくれずに言い渡された。

結果としては本来必要な空母三隻分を一人でやり切った。

 

とても素晴らしいことであり私達は認識を改めることになったわけだが、当の加賀は全く変わらずに生活した。

仕方がないので建造を再開することになり、直ぐに赤城が入ってきた。

本来なら加賀と仲が良い筈だったのだが、一週間も経たずに転属届けを出しに来た。そのときの理由が

「…何故か合わないので」だった。

 

そして、暫く空母は加賀だけであり話し相手は増えるようになったが生活は変わらず。

それが三ヶ月程過ぎた頃建造から瑞鶴が出てきた。

それからは徐々に増えていき、遂には戦艦も入ってくるようになった。

 

今となっては此処は移籍組が半分以上であり、戦闘面は第一線を張れるようになった。

 

だが、提督が逃亡するようになったのだ。

人間でいう執着というものが私達の一部の娘達に生まれ、それが度を越えていたかららしい。

それから私達はあまり表に出し過ぎないように注意してはいたが、どうしても我慢し切れない部分が出てきてしまいこの始末なのだ。

 

(少しずつ話せるようになったら良いわねぇ~)

そうして龍田は自分の部屋に戻っていった。

 




内容としては龍田の振り返りが殆どですが、それほど書くのには苦労しなかったり…。
寧ろ日常は大変。
俄にも劣る知識を想像で補いながら続けるのは悩みますね。
他の方はどうやって此を維持しているのでしょうか…
勿論、戦闘も含めて。

次も気長にお待ちください。


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15 雪風の秘書艦初日 佳夜と雪風の昼食作り

お久し振りです。
…中々筆が進まなかったですが、出来たので短いですが上げておきます。




提督室

 

悠が執務の処理に没頭している間、佳夜は雪風とお話をしようとしたが龍田の突然の入室からの忠告。

他にやる事として挙げられたのが料理しかなかったので協力して昼食を作ることになった。

 

「…で、何を作ろうかしら」

現在、私室の一つであるキッチンに居る二人。

「決めてなかったんですか?」

「(実は今まで悠の手伝いとかしかやった事無いなんて言えない…)雪風ならどうするかしら」

表情には出さずに済む佳夜。

 

「そうですね~サンドイッチなんてどうでしょうか」

そう言いながら冷蔵庫を覗く雪風。

気になった佳夜も同じように見てみると

冷蔵庫はどうやらいくつかに別れており、そこは野菜室だった。

中は多種であり、現在、深海悽艦によって海を押さえられている筈なのだがそんな風には思えない。

他の箇所も同様で…此処がどれ程恵まれていて戦力としても期待されているか解る。

「そうね。それなら合間に食べられるし、野菜も採れるからバランス良いわね。」

佳夜はそれを再確認しつつ答えた。

 

三十分後、取り敢えず完成したサンドイッチ(仮)。

具材は

・レタス、トマト、ロースハム

・たまご

・鶏の照り焼きとキャベツ

他にも色々と並んでいたが…

 

佳夜は内心驚いていた。

「(…初めて悠の手伝い無しでした。それより…雪風、私よりも出来るなんて!)」

馴れた手付きで使った器具を洗う雪風。

 

彼女が作ったものは

・(佳夜の為に用意することにした)鶏の照り焼き

短時間で用意したにしてはとても味が染み込んでおり、盛り付けをしっかりすればそのままメニューの品になる程に完成度が高く、甘辛いソースは計り取らずに目分量で調整していて、適当と言うより長年の勘といったところ。また、焼き加減に至っては完璧といえた。

 

・(今回使った物の残りで)スープ

適当にしか見えない具材の投入の仕方。

だが、入れるまでの小技を駆使することにより照り焼きとほぼ同時に出来上がるように調整していた。

 

 

普通、間宮や伊良湖、鳳翔が居ない鎮守府では、艦娘達が当番などを作ったりして調理等を行う。

当然だが此処も練度が上がる前は居なかったので、代わる代わる遠征組以外で休みの娘が担当していた。その担当を一番やっていたのは雪風だったりする。

勿論、始めの方は失敗続きであり砂糖と塩を間違え、挙げ句味付けの「さしすせそ」を逆の順番で分量を間違えて入れてしまい、結果として黒い何かが出来て一人で処分をした。

…その時の雪風は、大戦の時以上に凄まじかったらしい。

 

 

完成したものをソファの近くのテーブルに置きに行き、

悠に一区切り着けさせる為に声を掛けた。




最近、就活の為に面接練習や作文などをしたりするのですがあまり意味が無い様に感じたりしています。
…書くための想いが割と削られる( ;∀;)
また、暫く書けないかもしれません。
此処で謝っておきます_(..)_

悠「…俺が手伝える事があれば呼んでくれ」
C&T「気持ちはありがたいけど一言言わせてくれ…リア充は消毒だ!」
佳夜「…龍田」
龍田「…五月蝿い人は何処かしら~」
C&T「_(..)_」

気長にお待ちください


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16 雪風の秘書艦初日 悠の品評会と結局の返事

一週間振りですね。
今回は…何でしょうかねぇ~中々筆が進まなかった。



俺は佳夜達に執務の中断を言い渡されて、渋々ソファに座りにいった。

…まあ、執務九割程終わってたから別に良いんだけどね~

 

で、テーブルを見渡すとサンドイッチ、スープ。

「…君らなりに気を使った結果でいいのか。」

俺は一目見て思った。

…明らかに佳夜は、やった形跡が無い。

あまりにも上手であり、とても美味しそうに飾られていて見た目は喫茶店のセット品。

もしや雪風が作ったのだろうか。

…いや、あっても不思議ではないけど今回は違うと思いたい。

 

「…」

「しれぇ?」

俺が黙っていたのが気になったらしい

「ん?何でもない。佳夜?」

「…一応私もやったのよ」

呼ばれてむすっとしている佳夜。

…惚れた身としてはそんな顔も見られるのは嬉しい!

 

「ふ~ん、雪風は?」

俺は気持ちによる顔の変化を出さない様にしつつも念の為意識を雪風に移した。

…照れ隠しなんて俺らしくないな

「スープとサンドイッチの具材の鶏の照り焼きです!頑張って作ってみました!」

!?

…話には訊いていたがまさかな。

「…驚いた。いつから料理を作るようになったんだ?」

「え~と…三年位前からです!」

俺は耳を疑う。

三年?

 

割と初期から居そうなのに、ましてたったそれだけの年数で腕を上げるのは困難な筈。

…雪風、出来る娘どころか既に奥さんいや、お艦か。

人は見かけに因らないと言うが、流石に…

「…ぇ、しれぇ、お疲れですか?」

また考え込んでいたらしい。

取り敢えず食べるか

 

「かもしれない。取り敢えず佳夜、雪風有り難く頂くよ」

俺は食べる為にソファに座り、手を出そうとすると

「ちょっと待った!手洗ってきなさい」

佳夜が注意してきた。

よく見ると雪風も口には出さないが苦笑い。

…洗いに行った。

 

 

「気を取り直して…頂きます」

俺はソファに戻り一言。

『頂きます』

二人も向かい側に座り食べ始めた。

 

俺が最初に手を付けてみたのは鶏の照り焼きサンド。

持ってみると見た目以上にずっしりとした感じで、食べ応えがある。重さだけなら広●苑半分位ありそう。

二人は何を取ったのか気になり見てみると

佳夜はスープ。

雪風はBLTサンド。

 

佳夜はいつも最初に汁系を食べているから不自然でも無かった。習慣とはいえ音を立てず上品に食べるのを見るとやはりお嬢様なのだと実感する。

 

対する雪風は見た目に反してかなり食べるようだ。

だって、顔の二倍はあるだろうバケットに挟まれたBとLとTはミルヒィーユの様になっており、育ち盛りの娘が食べる筈が無いだろうという量を豪快に一口。

…何処に用意しといたんだ?

 

俺も一口

「!?…旨い」

俺も割と料理するから解るけど、出来てから時間が経ってからって出来立てと差が出る筈なんだが、例外入りしたナニカ?なのか。

全くさっきと変わらずに温かい。

 

 

二十分位経って一つ完食。

結構お腹にずっしり来る。朝もあんなに食べたのにな~

二人はというと

「ハム」

佳夜は軽めに見えるサンドを

「カフ」

雪風は俺も食べた照り焼きだ。

で、俺は

軽めに見えるサンドを山の様に重ね食べる。

 

 

結局食べ終わったのは一時間を軽く過ぎ、最早1500。

…本当に何やってんだ俺は。

『御馳走様でした』

「御粗末様でした」

三人で挨拶を締めて俺は

執務の続きを始めようと席に戻ろうとすると、

 

「Hey~テイトク達、Tea timeネ~!」

金剛が入ってきた。

…あれ、ついさっきまで昼食だったんだけどな~

「おやつですか、片付けを軽くやったらしましょうか」

「良いですね!雪風、頑張ります」

「What!?未だLunch timeだったンデスカ!?ワタシも手伝いマス」

…どうやら、続きはまだのようだ。

 

 

さて、片付け終わったテーブルに置かれたものはティーカップとその下にあるソーサー。そして今日のおやつは英国では定番とされるスコーン。

こそこそと動き回る姉妹達。

金剛は妹達にカップやポットの調整を頼んでいたのだが、そのお礼として+三人の計七人分の準備をさせてほしいと言ってきた。

当然だが

「勿論良いぞ。なあ、佳夜?」

「当然でしょ!寧ろしてくれないと困ってました」

俺達は快く了承した。

 

その後の時間は短いながらも充実していてとても良かった。

…榛名が自然に寄ってきては取り押さえられる所がある以外は。

 

 

で、やっと終わった。

執務?遠征から演習、出撃での警戒任務に至るまで、

三分で纏め出しておきながら他の事をも一時間で既に済ませた。

早すぎるって?…そうなのかあまり実感無いんだよな~

唯一やってなかったのが雪風への返事。

…まあ、本人も解ってるだろうけどね。

 

俺はそう決めてから席に座ったまま伸びをして一言。

「…雪風、ちょっといいか」

すると雪風は待ち呆けていた様で

「…何でしょう、しれぇ?」

欠伸をしていた。

因みに佳夜は寝ている。

しょうがないので夕食前まで寝かせておくことにした。

…金剛達が居なくなってから直ぐ電池が切れた様に眠ってしまったから。

 

「朝の事は覚えているな」

すると雪風は寝ぼけたまま

「?」

首を傾げた。

…まさかとは思うが忘れたのか

まあ、些細な事に気をしている暇は割と無かったりするからな。

特に初日は何をするにも余裕が無い。

例えその人がどんなに自分のペースを維持出来るとしてもだ。

 

「雪風?」

俺は再度呼び掛ける。

「!?、雪風は大丈夫です!」

どうやら、戻ったようだ。

「もう一度言うぞ、朝の事は覚えているな」

「はい。…では」

「答はNOだ。流石に無しだと思う。」

「…」

途端に目に涙を浮かべ始めた雪風。

その姿はまるで年相応の女の子にしか見えない。

 

申し訳ないけど、未だ憲兵さんに捕まりたくない。

此処では、と言うより雪風の…ね。

…態々言わせないで欲しい。

それに加賀の時は…その、不可抗力だ。

…俺は悪くないもん。…冗談です、本当に済みませんでした。

 

「雪風、よく聞いて欲しい。俺はね、正直に言うと凄く嬉しいんだ。途中から入ってくることになり、それなのに着任初日から好意を向けられるというのはとても珍しく、良いことなんだ。…普通なら提督に対して何かしらの対応をする。…勿論悪い方向で」

 

「だが、此処はそんな事を一切せずに其れどころか秘書艦決めですら、あんなにも真剣且つ楽しみながら進めている。昨日の夕食もそう、居心地としては最高だよ」

 

「だから、俺は…その…ちゃんとした対応をすることにしたんだよ。こんなにも良い娘達ばかりが居るにも関わらずに逃亡することになってしまったアイツ等(前任の提督達)。…確かにあんな事をされたら此方としての対応は合っているのだろう。普通ならな」

 

「だが其れでは何も解決しない。いや、其れどころか悪化していく筈。…だから、まあ、今の雪風への返事は拒絶では無く待っていて欲しいんだ。つまり保留。解決したら改めて答えさせてくれ。其れで良いか」

長々と話してしまったが、解ってくれるだろうか。

 

「…なら、未だあるんですね。…良いでしょう分かってあげます。…必ずですよしれぇ」

涙を拭く雪風。

まだ、本人としては納得し難い様ではあるが良いのだろう。

涙目ながらも笑みを浮かべているのだから。

 

我ながら嘘を、いやこれもまた本心だから良いのか。

…少しずつ解決していける様に日々を過ごせたら良いかな。




相変わらず書くペースが滅茶苦茶。
…気分が乗らないと全く進まない。
ほぼ毎日とか無理(泣)

次も気長にお待ちください_(..)_


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17 雪風の秘書艦初日 夕食~

加賀「…今回は何故時間が掛かったんですか。理由を聞きましょう」
C&T「…黙秘させてください」
加賀「発艦用意」
C&T「…言いますよ。…履歴書の書き損じによるストレスでやる気が出ませんでした」
加賀「そうですか…流星改全機発艦。攻撃目標、作者」
ちょ!?ま、待っt、ギャャァァァーーー!!!?????
…どうぞ


1855

夕食の開始時間五分前。

私は悠と雪風に起こされた(嵌められた)。所謂寝起きドッキリ。内容は…察して欲しいわ。

…もうお嫁にいk…問題無いか。既にしている訳だし。

もし、一言言うとするなら「もうお仕事したくない」かしら。

 

そうして起こされた私は服のボタンを留め直し、手鏡を見ながら軽く髪を後ろに流しておいてソファから離れる。

…手鏡が何処から出てきたかって?気にしたら負けよ。

 

「佳夜?もう良いか、食堂行くぞ」

悠が呼んでる。もう少し寝ていたかったけれど間宮さんの作る料理を一食でも抜くわけにはいかない。

…私の数少ない楽しみの一つなのだから。

なので私は急いで部屋から出て悠と雪風と合流し食堂に向かった。

 

 

1900

私達は時間には間に合ったもののまだ献立すら確認できていない。

今日はどうやら、皆にとっても重要な日だったようね。

待っている間暇だったので、一つ前に並んでいる娘達に話しかけることにした。

 

「ねえ、ちょっと良いかしら」

振り向いてくれた娘達は駆逐艦の「吹雪」と「白雪」。

他の妹達は先に行ってしまい、置いていかれたようね。

「こんばんは!佳夜さん、悠さん、それに雪風ちゃん。」

「お疲れ様です。何かご用でしょうか」

「貴女達、今夜の献立は何か知っているかしら」

すると、

「解る?白雪」

小声で話す吹雪に

「吹雪姉さんはしょうがないですね。姉の代わりに答えましょう。佳夜さん、それはカレーの日だからです。」

そんな姉を見つつも答えてくれる白雪。

 

忘れてた。

…だから、歩いている間妙にスパイスの感じがしたんだ。

我ながら残念な記憶力。いや、まだ着任して二日目だよ!

其れ以外の事まで把握している悠の方がおかしい。

…つまり私は悪くない。

 

「…さん、佳…さん、佳夜さん大丈夫ですか」

「…ええ、平気よ」

…また考え込んでた。

「済まないわね、白雪。」

 

中々進まない列に僅かばかり聞こえてくる声。

…赤城達正空組。

どうやら、赤城・加賀が「赤城盛り」について間宮さんと少し揉めているようね。

 

えっと~

今日の取り決めだとカレールー(寸胴鍋を二人で一つ)、トンカツ(駆逐艦の娘サイズ×二)、エビフライ(六本)、ご飯(一升×二)。

後は個別判断でするようだけど何処が変なのかしら。

…私ならカロリーが気になって頼めないし、そもそも食べられない。

 

そんな話を聞き始めてから五分。

悠が動いた。片手には…バズーカ?のようなものを持っている。

正気かしら?食べ物の恨みは怖いと言うけれど、今回は「一航戦」よ。

そんな心配をよそに音を立てず競歩選手も吃驚の早さで二人の真横に迫り、肩に担ぎ直したアレ(バズーカ?)をドカン。つまり発射した。

 

突然現れた悠に倒れた二人(赤城と加賀)

間宮さんが混乱する中、

「…さっさと進めようか間宮さん。…あの二人には後でたっぷりと言っておくから…ね」

いつもと違う凄味のある声を掛けた。

顔は笑顔なのに…ヤ●ザの親玉も震え上がるような雰囲気をさせた悠に間宮さんは

「!?…そ、そうですね。では、前に来てください。」

驚きつつも対応を再開した。

 

 

順調に進み遂に私達の番になった。

「悠さん、さっきはありがとうございます!御礼として何か追加したい物はありますか?」

「ん~じゃあ赤城盛りにしてくれるか。今日は、さっきので見た目以上に疲れたからな」

「!?、そうですか。少し待っていてください。…あの量は直ぐ出せる様な物じゃないですからね」

苦笑をしつつも、用意を続ける間宮さん。

 

「その間に…佳夜さん、今夜はどうしますか?」

「そうね、私は軽巡の娘サイズでお願い」

「軽巡…ああ大盛りですね。……どうぞ」

私の目の前に出された大盛り。

ご飯はお茶碗二杯、ルーがお玉(業務用とでも呼べる程のサイズ)でこれも二杯、そしてトンカツ一枚とエビフライ二本が載っていた。

 

…訓練学校の食事を思い出すわね。あの頃の私は毎回此の量を食べようとしては誰かに途中で食べて貰ったっけ。

「ありがと。悠、先行ってるわね」

 

私が席を探してみると丁度ポツンと空いた四人席。両側は金剛四姉妹と意外の組合せである天龍、龍田、扶桑、山城。

…嫌な予感しかしないけれど、其所しか無いのだから悠には諦めて貰いましょう。

 

 

悠がカレー(赤城盛り)を持ってきた。

後ろには雪風。…あれ、貴女私より早く用意してもらった筈なのに。

そう私が思っていると悠がウインク。…刺してやろうか?っていけないいけない!一応私はお嬢様だったのよ。いつからそう思う様になったのかしら…。

 

「…佳夜、他に席は無かったのか。」

席に座っている私以外の娘が見えない所で凄く嫌な顔をした。…諦めて悠、どうせ他の娘は狙ってやってることではない。此れは彼女達(金剛四姉妹(主に榛名)と扶桑と山城と龍田)のせいよ。

幾ら貴方でも彼女達の前では大人しいのね。

 

「…今夜はここしか無かったの。」

私は極力平静を装って返した。

「そうか。雪風、お前は榛名の横近くに座ってくれ」

悠は扶桑や山城より榛名が怖いようだ。

…それについては私も否定し切れないかも。

現時点においての一番の危険人物?が榛名だと思ったから。

 

で、結局悠は龍田側の向きの金剛寄りに座った。

 

霧 榛┃雪 佳┃扶 山

───┃───┃───

比 金┃悠  ┃龍 天

 

「…じゃ、頂きます」

『頂きます』

 

 

『御馳走様でした』

「御粗末様でした」

何事も無かったかの様に挨拶をする七人。

いや、六人+間宮さんで七人。

此れには理由があったの。

 

最初は食べ始めて僅か三十秒で龍田が空いている席に移ろうとして天龍が止めに入ったところ、龍田の右手による腹パンによってカレーが入った皿に沈み、

移ったと思った龍田が五秒で悠に縄を掛けられる。

 

で、此れで終わったと思いきや第二回が此の十分後位に始まり、

やっと三分の一迄食べ終わり、一息着こうとした私に扶桑が突然(悠には)見えない位置を触り始めた。

堪らず私は扶桑に仕返しを実行。

山城が扶桑に加勢する。

異変に気付いた悠によって十五秒で縄に掛かる二人(扶桑と山城)

 

「二度あることは三度ある」ってことでその五分後、

榛名が「間宮さんに水を貰いに行くので通してもらえませんか」

悠は快く了承。霧島に監視を一時的に止めさせる様にジェスチャーをする。

取りに行った後、榛名が席に戻ろうとして間違って水を悠の頭に溢す。

後始末を付けその時に上着が濡れた悠はTシャツ一枚で食事を続行。

上着を洗い場に持っていく振りをしてトイレに行った榛名を偶然間宮さんが目撃。

中々帰ってこない榛名に怪しむ霧島。間宮さんに聞きに行き発覚。

榛名が帰ってきたところを五秒で縄に掛ける悠。

 

 

で、現在に戻って

トレーを片付けている。

…縛った娘達は明日の朝まで逆さ釣りで門の上。これでも訓練学校の時の罰則より緩いのだから甘いのかもしれない。…まあ、そもそもこれに遭う人はウチに居なかったので見たことはないけれどね。

 

作業が終わった悠は

「…霧島、さっきやったの教えるから明日の1000に教導室に来てくれ」

「了解です、司令。」

「…その、名前で呼んで貰えるか霧島。嫌ならそのままで良いんだけど。」

右手で頭を掻きつつ落ち着かない悠。

「意外ですね司令、理由をお聞きしても?」

「その…落ち着かないんだよ。元々俺は昨日も言ったけど、此処にいる以上は皆家族なんだ。作戦中はしょうがないとして、居る間位は構えてて欲しくない。…変かな」

「そうですか。司令なりの理由が聞けて良かったです。…では悠、明日宜しくね」

霧島に言われた一言で悠が鼻血を勢い良く噴射。

…私は少し嫉妬した。…私だってあんな反応見たこと無いのに~

急いでティッシュを取り出す雪風。間宮さんは床を掃除。

「悠!?大丈夫ですか?」

「(ティッシュを鼻に詰めながら)…ああ、大丈夫。今のが意外過ぎたようだ。…気にしないでくれ」

「そうですか、では…また明日」

『お休み~(なさい)』

「Good night!悠、佳夜、間宮、ゼカキユ~!」

「お休みなさい、二人に雪風に間宮さん!」

 

片付け終わって

「さっきは済みませんでした。」

間宮さんに平謝りする悠。

「良いんですよ、ところで止まりましたか」

「(誰からも見えない位置で鼻から取り出してから)ええ、もう平気です」

「そうですか、それは良かったです」

「では、明日もよろしくお願いします。お休みなさい」

『お休みなさい(!)』

「ええ、お休みなさい」

こうして私たちは食堂を出た。

 

 

時間を飛ばして2200。

どうしたかって?

…何も無かったんだから良いじゃない。

 

そうこうしているとソファに座っていた悠が両腕を上にして伸びをしていた。

そして時計を見て

「…もうこんな時間か。雪風、今日の仕事は終わりだ。休んで良いよ」

そう言ってあげると

「…?、!?。…では、雪風休ませて頂きます!お休みなさい悠さん、佳夜さん!」

「お休み~雪風」

「お休み。次も頑張ってくれよ」

雪風は部屋から出ていった。

…姉妹達も待っているのでしょう、直ぐにしかし静かに廊下を走って寮の方に向かっていきました。

 

「じゃあ、俺達も休むか。佳夜、お風呂どうする?」 「そうね…一緒に入るわ」

「…は?本気か」

「勿論本気よ。…まさか嫌なの?」ゴゴゴゴ!

「…分かった分かった。慎んでお受け致しますよ…お嬢様」

「…言い方は気に入らないけれど、まあ良いわよ」

仲良く入浴。

 

 

出てからは髪を悠に乾かしてもらったり、着せてもらったりした。

…流石にそこまでは聞かないでしょうよ。●葉?その娘なら悠が早々に〆てあるから問題無いわよ。

今じゃあ、何処の文屋より公正でしっかり稼ぐ部分も作ってるくらいよ。

検閲?それは大本営の方がガバガバなんだから心配も無し。

 

 

寝室

「…此れで二日目終了なんて思えないよな」

「そうね…私、もっと自分から歩み寄らなきゃって思ってたのに…此処じゃあ危機感をもっと持った方が良いと思ったわよ。…襲われそうだったし」

「それについては…明後日…いや明日考えよう。お休み」

「お休み」

悠は寝た。

…今日は珍しくしなかったわね。まあ、たまには良いわよね。

そして私も寝た。

 




字はその人を表すと言いますが、あまりそこで判断して欲しく無かったり。
…私自身、何か書こうとすると何故か手が震えたりして字が揺れるんですよね。
中学の頃から部活を始めて一年経った頃位から出てきて、今ではまともに書こうとするのを諦めそうになってる。
数こなせばどうこう出来るものでもないですが、何とかしてみせます。

次に書くのも未定です。
気長にお待ちくださいm(__)m


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18 秘書艦天津風 ~朝~

お久し振りです。
三ヶ月ぶりですかね~

実は続きが詰まっていたり、就活でも中々結果が出なかったりで病み掛けてました(笑)
この続きは活動報告にて。

短めですが少しでも楽しんでいってくださいね~


0530。

今日の天候は晴れであり、潮風が気持ちよく感じられるような…そんな日である。

 

朝食の準備をする間宮さん以外は起きてないはずの時間。

…私自身、秘書艦は生まれて初めての経験だから緊張しているのかもしれない。

まだ眠気が残っている中、私はベッドの上で自分の頬を両手で叩く。

「!」

感覚はある。

けど、やっぱり顔を洗った方が冴えるのかもしれない。

()

そう思った私はいつもの洗顔セットにフェイスタオルを持って部屋をこっそり出た。

…まぁ、どうせ勘の良い雪風とかが起きて付いてくるかもしれないけどそれはそれで良いのよ。

 

 

で、当の雪風はというと未だ夢の中。

見えそうで見えないアレは彼女お気に入りのパジャマによってしっかりとガードされている。(…コラ!勝手に妄想を膨らませないで下さい。…憲兵さん呼んじゃいますよ。…私?しっぽり搾り取られてしまって今では真人間の様な記者ですから…ホントですよ)

同室である時津風・浦風についてもまだ寝ており、天津風の心配?は杞憂だった。

ちなみに時津風は上に茶色いパーカー(フードの上部分に犬の垂れ耳の様なものが付いている)を羽織るだけ。

浦風は浴衣(白×藍色で、紫陽花の模様に染物特有の味のある落ち着いた物)を着ており、帯を緩めてあるであろう部分にはタオルケットが掛かってある。

 

 

ふらふらと覚束無い歩きにまともに働かない頭を何とかして洗面所に到着。

途中、食堂を通り過ぎたんだけど今日も中々に美味しそうな匂いがしていて楽しみだわ!

 

…っと、うっかりしてたわ。私、今日の秘書艦なのよ。

物思いに更けるのは今じゃないわ。

その思いを断ち切るかの様に洗顔を始めた。

 

 

「ふ~」

中々キリッとしない表情と格闘してはみたものの今日はこれで良いのかもしれない。

…下手に格好を付けても私らしくないだろうし。

洗い終わって顔から湿り気が僅かに残る位にタオルで拭く。

その後、保湿液やらを使い肌のケアに勤しむこと五分。

 

 

(さて、準備も出来たことだし部屋にセットを置いてきて着替えてから今日の分を取りに行ってこなきゃ)

私はそう思い部屋に戻ろうとして、

ドン!

誰かとぶつかった。

「っ!」

「?、済まない。」

そう言ってわたしを慎重且つ丁寧に立たせた。

「いえ!私も寝起きだっt…悠さん!?」

「おはよう、確か…今日の秘書艦だったよね。天津風」

「そ、そうね。初めてだから拙いかもしれないけど宜しく」

私はお辞儀をする。

「…ところでさっき起きたのか。まだ制服ではないからそう思ったんだけど」彼は私が頭を下げて切った時に言う。

私は思った…悪戯な笑みを浮かべているに違いない。

 

姿勢を戻し、顔には出さないようにしつつも私は返す

「!そ、それは今から向かおうとしていたんです!…私、気になったんですが悠さんは何故もう起床しているんですか?」

「ん?…いつもの日課みたいなものだからかな。後は業務前に君と少し話をしてみたいと思ったから…ではダメかな?」

彼はそう言って最後には首をかしげた。

…拒否出来なくなりそうな位に似合っていたけれど、私は何とか理性が勝った。

「…着替えてからではダメですか。」

否、先延ばしにしただけ。

…私もまだまだね。

 

 

「そうか、ならその後真っ直ぐ提督室に来てくれ。」

一応、私の気持ちを汲んでくれた彼はそう言って向かおうとしていた方向に進んでいった。

「ふ~」

一息ついて…

そして、私は部屋に戻った。

 

 

着いてから壁時計を見ると「0550」。

つまりあれから二十分経ったことになる。

で、あの同居人達を確認すると

「(そろそろ総員起こしのはずなんだけど…)」

相変わらずぐっすり。

雪風に至ってはベットから落ちそうで落ちないギリギリで寝ており、本当に自分の姉妹なのか不安になったりする天津風。

ちなみに、そういう天津風も実は逆立ちしていたり等の奇妙な寝相が青葉によってしっかり撮られたりしているのは秘密である。

裏では言い値で取引されているとか…

 

 

0555。

私はいつもの制服に着替え終わり、提督室に向かった。

 

 

提督室前

コンコンコン。

一般では「入室の時のノックの回数は三回」とされるけど、人によっては二回の場合もあったりする。

まあ…此処ではノックをしない人の方が圧倒的に多いので実は今更しなくても良いんじゃないかと私は思ってたりする。

 

「悠さん、天津風よ。入るわね」

「…」

そして、ドアを開けた。

まず目に入ったのは書類の束と格闘する悠。

天井に届き掛けるほど高く積み上がっており、今にも崩れそうになっている。

…いつものとは桁違いに多い。大規模作戦前でもこんなことは片手で足りるほどの数しかないのに。

よく見ると三ヶ月先までの予定が置いてあり、月の行事まで細かく纏めてある。

 

次に目についたのはソファで横たわる佳夜。

…着任の時には想像できない色々な部分が乱れており、他の鎮守府の青葉なら「青葉、見ちゃいました( ☆∀☆)」と言わんばかり。

その日の内には鎮守府全員に広まり、当分は赤面しながら生活しなければならない。

 

その点、ウチの鎮守府は心配がいらない。

私達が青葉さんと『お話と準備』をしっかりしたおかげで、(表面上は)何も無くなったわ。

 

「お、天津風か。おはよう」

気づいた彼は右手にペン、左手に判を持ったままこちらを向き返事をした。

「悠さん、これはどういう事ですか」

私はそう言いつつ机に寄った。

パッと見で分かったのは彼の目元には僅かだけれど隈があった。

「…。つい、やってみたくなったから。…後、二時間あれば半分終わるから、そっちで気になる所が無ければ各所に届けに行ってくれるかい?」

「はぁ!?…悠さん、一応お訊きしますが貴方は執務をいつ開始されましたか」

「う~ん、運び入れが0400位から始めて…大体二五分かな」

そう言いつつも両手は阿修羅の様な動きをしており、私は拝みそうになった。

 

…間違いない。悠さんは人外だ。

演習先や遠征中の他の鎮守府の娘達とたまに話をしたりして知った事がある。

勿論、それはあくまでも噂程度のものも混じることがあるから信用しきってはいないけど。

 

提督にも何種類か居ると聞いた事があるけれど、一番扱いが難しいタイプ。

もう一人の佳夜さんは逆のタイプである為に二人の仲も私達の相性も良い。

…実務以外は。

 

「…悠さん、後一時間で朝食なのでその頃には一旦切り上げてくださいね。」

「ああ、それだけは忘れないよ。あんなに美味しい食事を一食足りとも抜きたくないから!」

それを最後に言ってから彼は書類にだけ視線を落とした。

その間は笑みを浮かべつつ。

「あ、そうそう、佳夜を起こす時間も要るから五分前に声を掛けて」

…結婚しているって良いな~

 

 

そして私は仕上がっている書類に目を通す。

私は思わず声をあげそうになった。

 

…今まで提督不在の中、代理としてやっていた艦娘(龍田)に艦娘がやるところの仕方を一度紙に書いてもらった事があるけれど、その時の記憶と此処の書類を照らし合わせても矛盾や引っ掛かる点も無いし、とても綺麗に纏められていてスゴイと思った。

 

「ん?どうした天津風?」

彼は私の反応に気付いたのかまた此方を向く。

…相変わらず両手は止まらずに。

「な、何でも無いわよ」

「そうか…問題無いのなら良いが」

 

 

私は書類を手直しすること無く各所に渡しにいくことで時間は過ぎていくが、この後提督室にやって来る遠征組(今回はボーキ集めがメインなので四班就くが少数精鋭。旗艦は)や出撃組(潜水艦娘達が一班、他三班は早期警戒組として行動。旗艦は)を納得させるには十全な説明と理由が書き揃えてあり、後で彼女達に驚かれる事になる。

 

 

0655

「悠さん、五分前ですよ」

壁時計を見ていた私は約束の時間になった事を彼に伝えた。

「そうか…フフフ!ハッハハハハ!!」

!?

思わず私はひっくり返った。

「済まないな、『佳夜をどう起こす』のが毎朝の楽しみの一つなんだ。」

彼は表情こそ申し訳なさ十分なのに口調は悪びれる事無くはっきり言う。

…「天才」ではなく「天災」の方がしっくりくると思うわ。

たった数十分程でわかるほど「人外」と呼びたくなる位に色々とレベルがおかしいのよ。

 

私は思考を維持しつつ、起き上がった。

「…では天津風、君ならどうやって佳夜を起こすか」

タイミングを図ったかの様に彼から質問された。

「…そうね、私だったら…曲を流すわ。寝起きならヘビメタ…かしらね」

以前、私が寝起きドッキリでやられたものを今回は私の手でやってみたいのよね。

…私も毒されたかしら

「ん…それならやってみるか!」

 

~準備中~

 

ソファで横たわる佳夜の目の前のテーブルには雪風も使った某スピーカー、タイマー付プレーヤー。

…あと二分で時間なのだけれど、こんな事していて良いのかしら。

 

置いてから離れて十秒後

「Z…!!!!!」

あの様子だと起きたようね。

 

そう確認してから私と悠さんは佳夜さんに近づき、

「佳夜さん、おはようございます!」

「文句の一つでも言いたいと思うが…時間だぞ」

「!?」

佳夜さんは声には出さないものの驚愕していますが、何とか着替えようと起き上がろうとしてソファから

 

ズドン!

「うっ!」

転げ落ちました。

 

「しょうがないな~着替えは後で良いから…ちょっと我慢しろよ」

悠はニヤニヤとした口許で音も無く屈み佳夜を片手で抱き抱え、

「急ぐぞ、天津風!」

言うが早いかそこから消えた。

「は、!?ま、待ってください!!」

 

 

食堂前

「到着!…あれ、天津風は?」

佳夜をお姫様抱っこで連れてきていた悠は下ろした後に話しかけようとした。

だが、肝心の天津風がいない。

悠は、「普通」に走っただけだ。

廊下から

…ドッドッドッド~

近づいてくる音。

どうやら天津風だ。

「はぁ、はぁ、悠さん、はぁ、突然消えないで、はぁ、ください」

天津風は息も絶え絶えに紡ぐ。

「ん?済まない。…でもただ走っただけだよ。」

「走っただけで私が追い付かないのは可笑しいですよ!」

 

本来、艦娘は艤装を使うことで「船としての」全力が出せる。また、使わなくても駆逐艦娘でも一般男性の同等以上はある。

因みに此処の娘達はオリンピックの金メダリストを軽々超える。

 

しかし、見た目は「一般的な体格と身長」の悠に追い付けないのは確かに変な話である。

事情を知らない彼女にとってはこの状況が未知な訳だから怒気が含まれていたとしても不思議ではない。

 

「…そう言うのなら加賀に訊いて無かったという事か。説明は後でするから今は朝食にするぞ。(…後で加賀に理由を聞いてみて、場合によっては軽くお仕置きかな。)」

彼はそう言って食堂に入る。

佳夜は…とっくに入って朝食を受け取り席に着いており、

「やっと、悠ちゃん来た~」

…此処が鎮守府で無ければこんな場面も自然なのだが。

 

「お、置いてかないで!」

天津風も入った。

 

 

「おはようございます。悠さん、今日は少し遅かったですね。…一応戦艦盛りまでなら直ぐに出せますが、どうしますか?」

間宮さんは念のための準備をしながら聞いてくる。

「ん~じゃあ戦艦盛りにするよ。足りなかったらまた来るから」

悠の口調そのものは至って普通だが、用意をする側の間宮さんを見てあげて欲しい。

ホッと一息入れてから前もって用意していた中身に仕上げをして、一生懸命に炊飯用の鍋からご飯を器に寄そう。

額に汗が一筋。

 

 

「…お待たせしました。どうぞ」

ッズン

「お!今日は鯵の開き定食か。」

スゥ

「…悠さん、毎回思うんですけど重くないんですか?」

「やっぱり…変かな?」

 

…自覚が無いのは色々と不味い。

だが、学生の時はこれが当たり前なのだから。

彼の周りには『飛んできた砲弾を投げ返す』や『刃物を防具無しの状態でメッタ刺しさせた筈なのに血が一滴も落ちずに刃先が潰れていた』、『素手で新海域を突破した』。

他にも挙げられるが挙げれば人外の集まり。

 

「だが…これを日常として慣れて欲しい。他の提督が来て、俺と同世代だと思ったら皆こんなもんだから。・・・佳夜(嫁さん)を除いて」

苦笑にしか見えない表情をしているが右手に持っているものは微動だにしておらず、左手で天津風の背中を押して前に進ませようとする。

 

だが、彼女は動かない。

何故なら彼女は悠が放った衝撃発言によって立ったまま気絶してしまったからだ。

「…マジか。少しは肝が据わっているかなと思っていたんだけど」

そう言いつつ目の前で手を翳してみたりしてみる。

「反応が無い。只の屍の様だ…なんてな」

「悠さん、私が貴方の分と天津風さんの分を運んでおきますから彼女のことはお任せしますね。…伊良湖ちゃん、私運んでくるから少しの間任せるわね」

間宮さんはそう言うが早いか割烹着を脱ぎ俺が持っていたプレートを取り上げ、もう片手には天津風の分(駆逐艦盛り)を持つ。

 

「では、先に向かってますね」

二つのプレートの重量の差がかなり違う筈なのに器用にバランスを取ったまま進んでいく。

 

 

「っと見とれている場合じゃない。…よっと」

両手で天津風を抱える。

所謂『お姫様抱っこ』だ。

 

(…思った以上に軽いモンだな。普通ならこんな娘達が深海棲艦(奴等)と戦っているとは思えないよな。しかも見た目、何処に出しても恥ずかしくない位に整っているんだから外部の奴等の一部じゃ提督達(俺達)の事をあるお話の人物の『プ●デュー●ー』かなんかと勘違いするらしい。お陰で横須賀等の憲兵達は特殊手当を出されてる。此れが軍の予算が増える要因の一つなんだから何とも言えなかったり。)

色々と考えつつも席に到着。

 

「よっと」

スッ

両手で抱えていた彼女を椅子に座らせる。

 

「!?…あれ…私、なんでもう座っているのよ?」

どうやら天津風は気がついたようだ。

「気が付いたか、天津風。…ところで、朝食はこれで良いか?間宮さんに任せていたから」

「え?あ、ありがと。ってさっきの話の理由を聞かせなさいよ!気になって仕方がないじゃない!」

…心なしか顔が赤い。

それに煙突?みたいなところから湯気のようなものが。

頭に叩き込んでおいた資料によると、どうやら感情が高ぶるとそうなるらしい。

…やっばり艦娘は面白いな。

 

食事中

 

 

「ふ~。予定より早く食べ終えたことだし、続きをしに行くかね~」

そう言いつつ椅子を後ろに下げようとした。

「!?ちょっと!私、まだだから待っててよ」

「うん?」

見ると天津風はまだの様だ。

佳夜()に至っては一、二口しか進んでない。

起こし方間違えたか…

「わらしおおひへひへいはなひへ~(私を置いていかないで~)」

…ならペース上げといてよ。

「…分かったから。後十分だけ待つよ」

 

 

結局食堂から出たのは二十分位経ってからだった。

 




次は未定です。
…出来るだけ纏められる様には善処します。
ではでは(^_^)/


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19 秘書艦天津風 ~続きと何でも無いような昼前~

今回はちょっとずつ書き出したものを。
一気に書ける時が無くなってきているようなので。

ただ、最期?までは書き切りたいですね。
最近の安定剤になっているので、中途半端だと絶対に他の事に向かえなくなる気がするので。



 提督室

「さて、続きといきますか!」

「…待ちなさいよ。まだあなたの事を聞いてないんだから!」

「Zzz …朝ご…はん…良か…った…zzz 」

三者三様。

 

…一人は寝ているが。

 

「何だ、天津風。寝てる奴の近くで大声出すとは良い趣味をしているね」

悠は顔だけをこちらに向けつつ作業中。

…表情を簡潔に表すのなら「愉悦に染まった下種」の笑みと言ったところか。

そんなとき、

(「シャッターチャンス!」)

…天井裏では、青葉(ジャーナリスト())による盗撮。

 

無音だった筈のシャッターに

カチッ

悠は右足のつま先で何かを押し

 

ドゥン!

ドサッ

ココハ!?

「よ!」

悠サン!

ッハ、ナゼ、バレタンデス!?

 

PI~PO~PA~PO~

『こm…青葉=サン、此方、風鬼委員(風紀委員)ノ重巡ノ妙高DEATH。至急食堂マデ出頭シテ下サイ。繰リ返シマス、青葉=サン…早ク…来タ方ガ良イDEATHヨ』

PI~PO~PA~PO~

 

「…と言うわけだ。青葉、逝って来い」

満面の笑みに変えて見せる悠。

…一体いつ気づいたのさ

「部屋に戻った時」

…直ぐじゃねえか!準備も糞もねえなオイ

「…悠、誰に話し掛けてるのよ」

「気にするな。」

「そう…」

「「…」」

「じゃあさっき聞きそびれたモノの理由を聞かせなさいよ」

「…終わってからじゃ「ダメよ」…分かった」

 

説明中

 

 

その頃の食堂では

青葉「重巡青葉です。此処に出頭いたしまs」

キャア~!!

 

 

青葉「ムグ~」バタバタ

背もたれの付いた椅子に荒縄と対艦娘用の鎖で雁字搦めさせられていた。

…手錠に足枷、猿轡、目隠しまで。

…誰が用意したんでしょうね

S「(僕だけど。…なんなら君も…どうかな?)」

…丁重にお断りします

 

神通=サン「サテ、早速DEATHガ判決ヲ言イ渡シマス。…今回ノ裁判長、川内=姉サン」

川内「…罰として潜水艦娘(太いモノ大好きっ娘)達の標的係(エサ)を一月。これでも甘いけど皆サン宜しいか」

『異議無シ』

川内「じゃあ、閉廷!」

その場に居た三桁は煙の様に消えた。

 

重巡KG「寛大な判決感謝致します。…青葉、これに懲りたらもう少し大人しく出来る様にしなさいよ。…私も手伝ってあげるんだから」

途中で声が小さくなる。

…少し羨まs…ゲフンゲフン。

 

 

一月位経った頃

 

悠は青葉に

「あの後どうだったよ」

と聞いたら、

「…ノーコメントで(泣)」

と返され、

申し訳無さで間宮の羊羹と悠の手料理をプレゼントしたのは内緒だったり。

 

 

 

提督室

「…って事なんだが、理解出来たか。…よし、こっちも終ーわり!」

話が終わると同時にあの量も終了。

…私は夢を見ている様だわ。

「…」

 

 

「…風、天津風、大丈夫か?」

「!?」

…彼は目線を私に合わせ、キス五秒前位に近づいていた。

「何よ!????」

思わず真っ赤に。

…佳夜さん居るんだから、勘違いさせる様な事しないでよ。

…好きになりそうになったじゃない。

「…それはそれで良いと思うがな」

悠は小声で言う。

「!?、な、何で心読めるのよ!!」

「ん?…物心ついた頃…かな」

「その間は何なのよ。聞かなk「いずれ話すことになるだろうから良いよ」…そう、分かったわ。」

 

追加の説明中

 

「…人外なんて生易しいレベルじゃないわね」

天津風は呆れる。

何故、資料だけを鵜呑みにしてしまったのかを。

 

「(これでも抑えているなんて言えない…)まぁ、これ位が当たり前だったんだ。…だからって退くなよ。…かなり傷つくんだから」

苦笑する悠。

…羨ましい反面、人の欲も丸見えな訳だから普通の人なら即永久入院コース。

 

「分かってる、分かってるわよ!…でも、直ぐには納得出来ないわ。だから…私なりの答えを今夜までに考えさせて。」

早口だが、感情が溢れている天津風。

…骨抜きにしたのは何人目だ悠。

(知るか。でも、佳夜と一緒に居たいと思ったのが入学式だったり。…どうやって説明しようか)

…暇があったらにしよう。でないと私が持たない…。

(…心配になってきた)

「ああ。…天津風、時計見てみろよ」

悠に言われて天井近くまで見上げる。

 

「あ」

…一三〇〇。

それは昼食を意味していた。

 



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20 秘書艦天津風 昼食前~昼食終わり ~「箱入り娘だってやる時はやる?」~

また三ヶ月空けてしまいました。
…申し訳ありません

言い訳させて貰えるなら
今回は、その…少しずつ加えていった結果、キリの良いところが無かったので無理矢理作ろうとした結果だったりします。
後は、未だに立ち直れなかったり?してるからなのかもしれません。





提督室

 

「もうなの!なら…悠、佳夜さんを起こさないと」

天津風は蒸気?の様なものを吹き出しつつ慌てる。

 

…さっきの感じは何処へ?

(俺に聞くなよ。ただ、今回はお前の所為でなってる訳だから…ね)

…分かったから。だから、此方に拳銃の様なもの(それ)を向けるんじゃない。

(此方でフォロー出来る様にしろよ。でないと)

…誠心誠意でさせて頂きます。

 

「そんなに慌てなくても良い。佳夜なら「何かしら?」…起きたから」

さっきまで寝言を言いつつ爆睡していた筈の彼女が、

そう思わせない程にキリッとしていて、乱れた制服を直している。

 

「…どんな手を使ったのよ」

「佳夜はご飯の時間になると必ず起きるから、何もしなくて良いんだ」

「なら、朝食はどうして起きられないのよ?」

「それは私が答えるわ。…低血圧だからよ」

整え終わったのか右手で欠伸しているのを見えない様に隠しつつ答える。

「?、嘘でしょ」

「それも極度のだから、学校の時も毎回何かしらの手で起こしてもらっているの」

「…。そう。なら、焦ってたのがバカみたい。…じゃあ、行くわよ」

 

 

食堂

 

今日も今日とて食事処特有の匂いが立ち篭めている。

既に食べ終えた娘も居たりするがそんなのは特に問題が無い程に此処は広く、

それが当たり前の日常としてある様に。

…此処が軍事施設で無ければと悔み、一刻も早く艦娘(彼女)達には普通の生活を過ごして欲しいとさえ。

 

 

昨日は佳夜と雪風が昼食を作ってくれたお陰で此方には来なかった。

だが、俺が見る限り他の娘達は一昨日と変わったところは無い筈だ…多分。

 

『…』

…前言撤回。やっぱり変化があった。

 

今、此処に居る艦種は潜水組以外の全て。

(但し、今日は演習や休暇で出掛けている娘を除いてなので、それなりに空いている。)

だが、席の座り方に違和感があった。

(まず外側に座らないのは…良しとしよう。そんな日もあるだろう)

(…報告書に記載されていた通りだし、一昨日も遭った事だからもう驚かないけど。)

 

問題は…態々加賀の時と同じ様な座り方にしている事。

しかも、目が血走っていたり白目剥いてたりハイライト消えてたりしたまま。

 

(…本当にこの鎮守府は面白いなぁ。)

「…う、悠ってば!」

「…」

佳夜は悠の耳元まで寄って大声で叫ぶが反応が無い。

「ハァー…佳夜さん、アタシに任せて」

そう言って、天津風は佳夜に呼ばれたことに気付かない悠に

 

ガキン!!

回し蹴りをした。

「痛!?何で蹴ったアタシの方が痛いのよ!!」

「…天津風か。次にもし俺がボーッとしてたなら蹴りではなく、目を塞ぐとかの方法にしてくれ。…さっさと手当しとかないと腫れ上がってくるぞ」

悠は何も無かったという風に話しかけてくる。

 

((…本当に人なのか?))

食堂に居た艦娘達から疑いと驚きと興味の目が此方に向いた。

(そんな目をしなくても良いのに…特に青葉。高揚し過ぎの青い方以上の輝きをしてるし)

 

「…天津風大丈夫?間宮さん、濡れタオルとかってすぐ用意出来ますか?」

佳夜が伝え終えてからすぐに

「おっそーい!佳夜さん、そういうの私持ってきたよ!」

島風がやって来た。

…明らかに過剰な程の箱?を持って。

大きさは一般の救急箱二個分より少し大きい程。

 

「あ、ありがとうね島風ちゃん!」

「おう」

佳夜は少し動揺しつつも島風から箱?を受け取り、天津風の処置をし始めた。

「島風?あんt!?…それ本当に置いてあったものなの?」

「天津風、私の事疑っているの?でもこれはホントだよ!…少し変わったモノも一緒に入っているけど多分」

(…後で俺も中身を確認しておくか。)

 

悠がそう思った時、開発(意味深)厨(夕張)改修(意味深)兼改造(意味深)厨(明石)は複数で挑んできた鬼級や姫級を単艦で相手する以上のプレッシャーを感じてしまったとか。

…まさに絶望と言ったところ

 

「…これで良し!」

「佳夜さん、ありがとう島風も…ありがとね」

佳夜が処置を終えて、天津風はお礼を言うと

「お、おう!」

すぐに顔を背け、妙な返事をする島風。

(((…好きな女の子に感謝された男の子か。)))

背けた顔を他の娘達に見られ、その場ではこんな感じだった。

(シャッターチャンス)

彼女(青葉)を除いて

 

「さて、間宮さん申し訳無い。遅くなったね、いつもの量で日替わり定食を頼むよ」

「いえいえ、私や伊良湖ちゃんは前に出られない代わりにやっているので良いですよ。…ただ、ここからは外さないで下さいね。」

話しながらも悠の為の食事を用意する間宮。

 

「ん?どういう事だい」

「ここの担当って、他の私達からは羨ましい環境なんですよ。他の鎮守府の娘達より少し変わった方々と二人の提督。ここで見られることが色々あって、仕事が苦では無くなってるんです!」

間宮は、あの一航戦の胸部装甲の様な山を器に一つ、二つと手元が一切ズレずに作っては返事をする。

「わ、私も間宮さんと同じです!他のところへの異動はさせないで下さい」

どういう訳か、さっきまで別の場所(配達受け取り先の港)に居た筈の伊良湖が間宮の隣まで来て、悠に話す。

…二人とも白目が無い。ある種の人形と化した。

 

(なんて返すかね~。)

悠は悩む。だがそれは一瞬

「気に入ってもらえているなら良いよ。それに俺や佳夜が居ない間までには慣れたようだし、俺としてはこのまま居て欲しいなぁ。まあ…無理難題言う奴居たらお話して、それでも駄目なら…一週間程特別教育。って事で良いか?」

『は、はあ』

…いつの間にか復帰した二人は曖昧な返事をする。

「あ、悠さん用意出来ましたよ!今日はボルシチです!」

間宮は言う。

 

用意されたものを見ると、

・ボルシチ(寸胴鍋一つ。隣に置いてあった)

・パン(ホテルの朝食に見られる様な盛り合わせを2つ)

・ご飯(あの一航戦サイズのお山が五つ)

・サラダ(さっきのサイズ二つをお皿に載せたもの。二つ)

・サワークリーム(3●で出してるアイス(ノーマル)のサイズ。三つ)

 

…あの二人(赤城と加賀)がおかしいのか、()がおかしいのかは何とも言えないが、

おおよそ見積もってみても成人男性が取って良い量では無い。

ましてや彼は提督。

デスクワークが主な仕事の筈なのに…だ。

 

…一体どんな代謝しているんだか

(C&T、お前よっぽど手を出して欲しいみたいだね。…頭に穴増やしてあげようか?)

…なら、見せる努力してよ。此方の身にもなれ。普通に考えたら、お前肥満体だろ。

(殺す。三つ数えるから三行で遺書書いて。それだけ待つからさ)

…ま、待って

(はい、一~)

ズガン!

…あ、危な!?三つ数えるんじゃないの!?

(ゴメンf(^_^;指滑った!)

 

「…悠さん、突然発砲しないで下さい!」

間宮は叫ぶ

「ゴメンね、何か見えたからつい」

アハハと少しはにかみながら言う悠。

(…後でお話…しようか)

…ア、ハイ

 

そんなこんなで佳夜の番が来た。

「私も悠と同じ物を。駆逐艦盛りで」

「は~い!…どうぞ」

間宮はプレートを佳夜の側の台に載せる。

スッ

「ありがと、さっきの発砲に関しては私がキツく言っとくから見なかった事にしてあげてね。」

「はい…後、天井凹んでいるのでその修繕もお願いしますね」

「勿論よ!…そのままにしておくのは、私も嫌だからね」

そう言って佳夜は悠の待つテーブルへ向かった。

 

佳夜が受け取ったので天津風の番になった。

「…」

「どうしたの?」

間宮は尋ねる。理由を知っているからだ。

「…」

天津風がこんな風に黙っている時は大抵決まっている。

〈島風が何を食べたのか〉

「…島風ちゃんなら比叡さんレシピのカレーを頼んできたよ」

間宮は小声で天津風の耳元に呟く。

「!。ならそれで」

天津風は即座に答える。

「…どうぞ」

 

 

…さて、突然だが此処での〈比叡カレー〉と艦娘〈比叡〉についてお話ししよう。

普通、艦これの比叡はカレーを作るとかなり独創的な味と風味、そして戦艦である本人以外の姉妹を一発大破にさせる程の破壊力。

一言で表すなら〈食物錬成型の生物兵器〉と言ったものになってしまう。

 

だが、此処の比叡はどういう訳か良い意味の「気合い、入れて、行きます!」と言う様な程に上手であり、他所の鎮守府の提督から其処の比叡の料理教室の講師を頼まれたり、料理対決の選手として出場したりする。

…勿論、チョコレートも絶品。

 

こんな感じの比叡だが、此処の他の艦娘達と同じ様に問題がある。

それは、〈他の鎮守府の比叡より金剛が好きであり、また提督への愛も同じ位ある〉である。

 

これだけ聞くと、ちょっと度が過ぎるだけだと思うだろう。

勿論、他にもあるが先に書いたモノよりかは許容範囲内である為に不問となっている。

 

では、筋を戻そう。

他よりも想いが強い此処の比叡だが、憲兵の御世話になった事は三桁以上。

 

第一、金剛への強姦未遂

 第二、金剛の監禁未遂

 第三、提督への強姦未遂

 第四、提督の監禁未遂

 第五、両者の監禁未遂

 

これで、一部である。

…これでもちょっとで済む人が居るならば、彼女に紹介してしまいたい。

ともかく、これが此処に居る理由である。

 

 

「…間宮さん、いつもありがとね」

小声で天津風は伝える。

…目以外は自然な笑顔で

 

そして、悠や佳夜の待つテーブルへ向かった。

 

 

食事中

「天津風、此処の日替わりって誰が決めているんだ?」

悠は右手にスプーン、左手にはガーリックバターが塗られたパンを持ったまま聞く。

「え~と、確か艦娘達の希望を青葉経由で受け取って、間宮さんが必ず和洋中になる様に調節して出してる。かな」

天津風は比叡カレーを口に運びかけたまま答えて、その後含む。

 

「…私も書いたら通るかな?」

佳夜はサラダに入っている苦手なものを端に避けつつ呟く。

『野菜抜きはさせないから(わよ)』

二人揃って答える。

「え~」

 

 

「ふ~、ご馳走様」

「悠、待って~」

「わ、私も後一口だから待って」

既に食べ終えて自身の食器(?)を間宮の居るところへ持って行くのを済ませて、食堂のドアに向かおうとする悠に、佳夜と天津風が待ったをかける。

 

「…佳夜、待つからその手に持ってるナイフを下ろそうか」

見ると、本来そこに無かったサイズのナイフを投げようと構える佳夜。

…佳夜さん、普通(ノーマル)の筈だよね?

 

「いつの間に。…佳夜さん、それを私に渡すかテーブルの上に置いてください」

天津風は一瞬驚くが、

「なら、置くわ。…今のはゴメンね天津風」

すぐに下ろし、小声で隣に座る天津風に謝る佳夜。

(危なかった…)

優は安堵した。

 

 

五分後

「「御馳走様(でした)

佳夜達は声を揃えて言う。

そして、テーブルから離れ、間宮のところに行き、悠の隣へ。

「悠、さっきはゴメンね!」

佳夜は悠の右腕に抱きつきつつ謝る。

「…俺が規格外なだけだから良いよ」

そんな佳夜に苦笑いしている悠。

「話しながらとはいえ、あんなペースをされたら…ね」

「…佳夜、本当にゴメン。」

「」

「…後、天津風、君は俺や佳夜を見ても、もう気絶とかしなくなって良かったよ。これで安心して次も任せられる」

「…その後付けっぽい言い方は気になるけど…そうね、任せてもらうわ。駆逐艦天津風として」

こうして、三人は食堂から出たのだった。

 

 

 

 




悠「さてC&T、やってきたぞ」
C&T「…本当に申し訳ありませんでした」
orz
悠「まあ、今回は見逃すよ。確かに俺は君にそんな事教えたこと無かったし、まさか書くとは思わなかったから」
C&T「…」(。。)(゜゜)
悠「だからって、罰は無くならないよ。」
C&T「…どういう事?」?!(・◇・;) ?
悠「こういう事さ」ドアのノブをガチャ
┃駆逐艦娘達
C&T「へぇ?」( ̄▽ ̄;)
悠「駆逐艦娘達に告ぐ、砲撃用意、目標作者」
C&T ヘ(゜ο°;)ノ
悠「…って!!!」
ウァァァアアアア!!!!!!!!!?


恐らく次は年明け位になると思います。(八割位そうなる筈、残りの二割は…奇跡でしょうかね)
…なるべく詰めすぎない程度で頑張ってみます。

今回も読んで頂き有難う御座いました。


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