真心は誰のために (葵(あおい))
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真心は誰のために

ちょっとした興味で書いたらこうなった…
イムヤファンの皆さんごめんなさい。
注意!
駄文です!


蒼い海、白い砂、綺麗な光景だ。

 

伊168、通称イムヤは砂浜の上に横たわっていた。

 

蒼い海、白い砂、後ろを振り向けば建物の残骸。人だった物体、

仲間だった人の亡骸…友達の亡骸…ナキガラ…ナキガラ…

 

イムヤは死んでいた。

肉体ではなく精神が。

 

 

今から少し前、艦娘の活躍で、長きにわたる制海権争奪戦争は、

勝利までもう少しというところまでだった。

 

 

 

そこで最後で最悪の悲劇が訪れた。

今までに類を見ない深海棲艦の大群がこの鎮守府に押し寄せた。

その戦争は皮肉なことに記念日として残っている。

 

 

 

黒煙、爆音、硝煙の匂い、そして人の叫び声。

悲しみ、怒り、憎しみ、恨み、負の感情が詰まった声。

「総員!撤退だぁ!急げ!急いでくれぇぇ!!」

若い男性が喀血しながら叫ぶ。

「提督!貴方も撤退を!」

金剛さんが叫ぶ。あまりの緊迫故に何時もの口癖は消えていた。

「だめだ!私1人が先に逃げ出すわけには行かない!」

 

 

上は大惨事だった。だが、下は地獄だった。

仲間の死体、敵の死体。綺麗になんて残ってない。首が飛んでいたり、黒焦げだったり、手足が千切れていたり。

見たものの精神が崩壊しそうなぐらいだった。

「ヒッ…」

 

 

私たち潜水艦は隠れて撃つのが仕事。

水面下のスナイパーだ。

それが少しでも声を出すとどうなるか。

 

結果はコロサレル。

上からは雨のように爆雷が。横からは数多の槍のように魚雷が。

 

私達は船だ。戦艦だ。撃沈とはいつも隣り合わせ。

そんなことはワカッテイタ。

 

でも…怖い。こわい、こわいこわイこワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ。

 

目の前に爆雷が迫っていた。横からはもう避けれない所まで魚雷が迫っていた。

「「「「「イムヤッ!!」」」」」

 

ごめんね。ハチ、ゴーヤ、イク、シオイ、まるゆ。

私、先に逝ってるね…

 

次の瞬間、強い衝撃に襲われた。

けれど爆雷や魚雷などの冷たい衝撃じゃない…暖かい衝撃だった。

 

眼を開けるとまず入ってきたのは赤。

 

そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

肉塊だった。

 

 

 

 

「あ…ああ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

イムヤの精神が崩壊した。いや、死んだ。

 

 

「みんなぁ…みんなぁ!!ぁぁぁぁ!」

 

そこから先はひどかった。

 

水上では、全艦娘対全深海棲艦の頂上戦争が起きていた。

 

しかし、勝ったのは艦娘でもなく深海棲艦でもなく人間だった。

 

 

各国の最高技術者は、その技術の粋をかき集め、彼女らを殲滅する兵器を完成させていた。

もちろん艦娘も、深海棲艦も生きては帰れない。それどころか死体すら残らない。

 

 

 

そうとも知らず艦娘達は必死で戦った。背後に自分たちだけが助かろうと思っていた下衆共の存在を守るために。

 

提督達は必死で反対した。その兵器を使わせないために。

 

だがこの世の中は非常だ。無慈悲だ。残酷だ。

 

アメリカは世界の反対の中、単独でこの最終兵器を海域に投下した。結果は最高。

世の中から全ての艦娘と深海棲艦が消えた。しかし、兵器は作用しすぎた。

動物という動物が死滅した。

地球から生命体のほとんどが消えた。

しかし…イムヤともう1人の男性が生き延びた。

 

 

理由は至極簡単だった。息をしなかった。水中でも陸地でも。

イムヤは精神を殺られ、男性は意識を刈られた。

 

 

 

 

 

イムヤは命からがら帰投した。

男性は意識を刈られたまま帰ってこなかった。

 

 

艦娘は燃料さえあれば生きていけるし、歳も取らない。

これから先は彼女1人で生きていくしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球から全ての生命が絶滅した。

 

 




ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

後、この艦娘のこんな小説が読みたいなどのご要望をお待ちしております。


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