蒼き鋼と摩天楼の如しモノ (ゴメG)
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ぷろろーぐ

鋼鉄の咆哮×艦艇作品=混沌

大体この式が成り立つ筈。


 

 

 

 

 

「・・・・・おっ、早速一匹釣れた。今日は幸先イイな」

 

 

そんな事を呟きながら竿を上げて、掛かった魚を掴みながら20歳にも満たない少女はくすりと笑う。太陽の光を反射して燦然と輝く金色の髪を靡かせながら、まだビチビチと暴れる魚を木箱に入れて、自身の右側にいるもう一人の少女に向かってカーリングのように甲板の上を滑らせる。

彼女の肌には、先ほど暴れた魚から飛んだ水滴が付いて、それ(水滴)は白くそれでいて不思議な温かさを感じる斜面(手の甲)を濡らしながら滴り落ちる。

 

 

「お姉ちゃん、ちょっと早すぎない!?私まだ一匹も釣れないんだけど!」

 

 

幸先イイと呟いた少女の妹と思える少女はうがっー、と獣のように叫びながら竿を放り投げる。

釣りに専念している姉は妹をちらりと見てからまた浮きだけをじっーっと見る、妹の方は大人しそうな姉とは対照的に悪戯が好きそうな表情を顔に浮かべながら、立ち上がって木箱の中の魚を突っつく。

箱の中の魚は、少し静かになったと思った途端に突かれたことに驚き、またビチビチと跳ね水滴を妹の顔に飛ばす。

 

 

「うわっ、ちょ、冷てッー!」

 

 

目には入らなかったものの、冷たい海水が顔に付いた妹は片目を瞑りながらばたばたと慌てる。

それを横目で見た姉は、我慢できなくなったのかくすくすと笑いはじめ、握っていた竿が揺れるほどこの状況を楽しんでいた。

願わくばこの至福の一時が続くように・・・・と。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

やあ皆さん。

本日も御日柄が良く、いい一日になりそうです。(元気な妹を見ていると癒される)

俺はとある軍艦になってしまった27歳童貞。ギリギリ魔法使いにはなっていないから安心してくれ。

えっ?無機物に用はない、妹を紹介しろって?

ふっふっふ、甘いな諸君。俺が軍艦という無機物になったのであれば、必然的にできた妹も姉妹艦という立ち位置になるのだぞ。

さて、下らない(嘘)話は後にしといて俺がこの体になってしまうまでの話をしよう。

俺はこの軍艦になる前の職業は海上保安庁の「特別警備隊」略すと「特警隊」に属していた。

職務に任において、終始課された任務に不平不満を言わずに取り組んできた。

・・・・嘘です。選抜でアメリカ軍特殊部隊「SEALs」から技を学んで来いと送られたときは、あまりの教育の恐ろしさにちびり掛けて、終わった後ずっと上に対する文句言いまくってました。

で、でもあんな世紀末さながらの荒れた日本で保安庁に属していたけど結構生き残れていたから、優秀だと褒められても可笑しくないと思うんだゾ。

 

 

ん?じゃあなんで軍艦になってしまったのかって?

それは細かく説明すると長くなるから簡単に説明するけど、経済が崩壊して一気に治安という二文字がなくなった様な日本で、ギリギリ残っていた保安庁の任務で武器密輸船の取り締まりを行ったんだけど、その武器密輸人に雇われてた傭兵みたいなガチムチ男に、脳天でも煙草が吸えるような状態にされて意識が暗転してからこうなりました。

所謂転生ってことで良いのかな?

でも転生って言っても、シャーマニズム、仏教においての概念として色々文献に書いてあるほどその手の宗教においては何ら珍しいとも言えない真理なのかもしれない。

じゃあ輪廻転生の概念で、無機物になってしまうことはあるのか?

答えは解無し・・・なのかもしれない。

少なくとも俺の知ってる文献で無機物にも転生してしまうとは聞いたことがないし、見たこともない。あっても転生する物は有機物にしか有効じゃないということかもしれない。

それで、この転生で無機物になってしまったことを理解するのには時間が掛かったよ。

だって肉体と言うか、本体が無機物なのに身体があったんだよ?――――――人間の身体が。

始めはなんでやって連呼しまくってたけど、何故かすぐに情報整理ができたんだ。

主にこの三つだが。

まず第一に俺は前世の知識を持ったまま地に足を付けれたこと。

第二に俺の本体は無機物であり、この姿は何時の間にか入っていた知識にあった”メンタルモデル”だということ。

第三に完全に俺の演算能力と本体の動作は連結しているようで、頭の中で処理するだけで本体が動かせること。

 

 

あっ、それともう二つ言うことがあった。

俺がこの体になってからできた妹について、だ。

さっきも言った通り俺は転生し、無機物である船となった。

つまり問題はそこ(無機物)なんだ。

本来無機物は、単純な一部の炭素化合物と、炭素以外の元素で構成される化合物である。

加えて無機とは”生命力を有さない”であり、このような妹という概念はないはずなのである。

ならば何故この元気な少女を妹として俺は認識したのか?

それは恐らく、艦艇において軍用艦などは普通何隻か同じような船が造られる。これらは纏めて「○○型」や「○○級」などと呼ばれる。

例えば旧日本海軍の長門型ならば、一番艦でありネームシップである「長門」は長女で、次に造られた二番艦の「陸奥」は姉妹艦として次女ということになる。

無論艦船には性別などないのだが、世界では艦船を指す言葉には女性形が多いので詳しくは分からないが、姉妹艦とはそうゆうモノなのだろう。

 

 

それと、俺は軍艦となったことで”メンタルモデル”とやらが形成されたんだが、正直メンタルモデル云々に関しては全く前世では知りえなかったことだ。

何時の間にか入っていた知識では、”メンタルモデル”とやらは外界との接触を図り情報収集を行うために形成された人間型のインターフェイスであり、演算中枢である”ユニオンコア”の直接的な端末らしい。

だとすると俺のこの体は、データで精密に形成された擬似的な肉体と言うことになる。

訳の分からない”ユニオンコア”とかもあるみたいだし、俺は本格的に人外と化したのが少し悲しいが、それの御かげで俺の”メンタルモデル”で形成される人間型が男ではなく女であったことを知った後にあまり錯乱せずに済んだというわけでもあるから、かなり複雑な心境だ。

人外になったボーナスが精神強化とかみたいな物だと考えると、日常的に平和な時間を一時でも味わえていた前世とは何度か角度が変わってしまったけど、軍艦という争い事に対して効力を発揮するモノ(政治でも実際の戦闘でも)となってしまった以上割り切るしかないのかと思う時もある。

まあ俺は、軍艦となってしまっても新しくできた妹との平和な日常を失いたくはない。

そのためなら戦うことでさえ躊躇はしないつもりでいる。これでも海の治安と安全を司る一介の警備隊員だったのだから。

それに前世の同じ部隊の隊員の様に頼れるメンバーもいるし、俺は今度こそ平和を守ってみるさ。

 

 

「姉御っ!獲物掛かってますぜ。急いで上げやしょう!!」

 

「・・・・?あっ、本当だ!お姉ちゃん。おっきいの掛かってるよ!!!凄い撓り!」

 

「えっ?・・・ってマジだ!やばいよやばいよ?!」

 

 

嗚呼、やっぱりこの騒がしい日常は悪くない。

 

 

「一気に引けば何とか・・・・・。あっああああああ」

 

「ストップッ!ストッーーーープッ!!このままだと竿折れちまうよ!!」

 

「大丈夫っ!!折れてもまた作ればイイは、な、しぃぃぃぃぃ!!!」

 

「それを作る俺の苦労も考えてくれぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

どうか何時までも続いてほしい。この面白可笑しく話題の尽きない生活が・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――主人公は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――その願いは、非情にも打ち破られることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何も言わんでくれ。
これは思いついたネタを書いただけなんだ。(更新遅めを暗示)

お、俺は悪くねぇ!!悪いのはプレ2の鋼鉄の咆哮2でレシプロ機オンリーでジェット機搭載の空母を沈めることが可能な事なんだ!

はい、とゆうわけで何時もの如く、評価の際には一言感想を願います。
と言ってもこんな殴り書きの小説を読んでくれる人はいなさそうですけど・・・・。










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