魔法少女リリカルぐだぐだオーダーズAs! (焔薙)
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ぐだぐだプロローグ!

息抜きで前に思い付いたネタで書いていこうと思います。

設定はガバガバです、沖田の子孫ってなんだよ(哲学


海鳴市の住宅街から外れた場所にある立派な日本庭園にこれまた如何にも武家屋敷、海鳴市では知らない者は居ないと言われる名家の一つ『織田家』

 

その広大な敷地にある蔵の中で物語の歯車は回り始める。

 

ガサガサ

 

「むぅ、なにか面白い物はないかのうっと言ってもこの辺りのはもう殆ど漁ってしもうたし」

 

その大きな蔵の中で物を漁っている黒の長髪の少女はこの織田家の長女で一族の中で最も血を受け継いでると言われている『織田 雪信(ゆきのぶ)』今日は学校が休みなので趣味のガラクタ漁りに精を出しているようだ。

 

埃に塗れようともあまり気にせずに大量の物の中から自分が面白そうだなと思う物を探していく、何かを見つけては見つめ、気に入らなければ元に戻しまた探す、それを続けること1時間、ふと雪信の耳に声が聞こえた。

 

「む?誰かおるのか?」

 

顔を上げ、その声によく耳を傾ける、微かにだが何かが声を上げているのが聞こえた。雪信は不審に思いその方向へと進む、近づくに連れてハッキリ聞こえてくる声。

 

「ノッブ!ノーブー!!」

 

「…一体何が住み着いておるのじゃ」

 

呆れたような言葉をしているがその声には嬉々とした感情が込められているのが分かる、漸く自分の欲を満たすような物に出会えると。ゆっっくりとだけどその足取りはとても軽く声の発信源へと歩を進める、そして発信源に辿り着く。

 

そこはまだ雪信も手を付けていない区間で山のようにガラクタ(本人談)が積まれており、その山に埋もれるように二等身くらいの人形のようなものの下半身だけが見えバタバタ足を動かしていた。

 

「なんじゃ…あれは」

 

「ノッブ!?ノーブー!!!!ノブ…」

 

「ええい、待っておれすぐに出してやる」

 

雪信の声を聞いたからなのか一層バタバタさせてから抜け出さないとアピールするためか弱々しく声を上げた、何だか哀れに思った雪信はその人形の足を掴み、思いっ切り引っ張るが小学生の力では中々抜けず、一旦手を離して一息入れてから…

 

「ドリャァァァァァ!!!」

 

渾身の力を入れて引っ張るとズボッと言う音と共に埋もれていた物の全体が現れた。

 

それは二頭身でデフォルメされて黒の軍服と菊紋が入った留め具の赤いマント、赤いツバの黒い軍帽の前部分には菊紋が入った太陽の光部分を表したような飾りを被った雪信そっくりの人形…が抜けた際に雪信の手から離れてクルクル回転しながら宙を舞っていた。

 

「あっ」

 

「ノォォォォォブゥゥゥゥゥ!!??」

 

雪信が気の抜けた声でそのクルクル回転する人形を見ていると叫び声とは似合わず、回転に合わせてその小さな身体を動かし、そしてスタッと着地、しかもポーズまで決めている。

 

「おお、中々やるのうお主!」

 

「ノッブ!」

 

拍手を送りながら称賛されると人形は得意気に腰に手を当て胸を張る、先程からの様子を見るとどうやら言葉を理解しているらしい、それを雪信は感じると早速質問をしてみる。

 

「して、貴様は何者じゃ」

 

「ノブ?」(首を傾げてから横に振る)

 

「何、イマイチ記憶に無いじゃと、なら仕方があるまい、では名前は分かるか?」

 

「ノッブ!」(両手を上げて跳ねる」

 

「ほうほう、『ノッブ』と申すのじゃな」

 

「ノーブー、ノブノブ?」(雪信に腕を向けてから首を傾げる)

 

「む?おお、儂が名乗って無かったの『織田 雪信』じゃ」

 

三文字と身振り手振りで伝える人形こと『ノッブ』とそれをさも当たり前の様に理解する雪信、なんとも奇妙な光景が蔵の中で繰り広げられていたがふと、雪信が何かを思い出したかのようにノッブの事をじっと見始める。

 

「ノブ?」(首を傾げる)

 

「いや、この蔵は基本かなり古い物しか入れておらん、なのにお主と言う明らかなオーバーテクノロジーが居た事に少々疑問を覚えてな」

 

そう、この蔵は古い壺や刀、何故か火縄銃など明らかに年代物を通り越した骨董品とかしか無いはずなのだがノッブは自立してしかも思考まで持ち合わせる人形、不釣合いもいいところなのだ。幾ら技術が発展したこの世の中でもここまで自立思考を持った人形が開発されたなど聞いたこともなく雪信からすれば何故こんな物が我が家の蔵に眠っていたのかものすごい疑問で目を瞑って顎に手を当てて考えるも全く皆目検討が付くわけはなかったので

 

「仕方があるまい、父上に…今は仕事で居らんかったな、ならあやつに見せてくるか。着いて来るのじゃノッブ」

 

「ノッブ!」

 

敬礼のポーズ取ってからフヨフヨと浮かび上がりそのまま雪信の頭の上に着地する。避けようと思えば避けれたのだがその浮かぶというまたハイスペック過ぎる光景に驚きそれどころでは無かったがすぐに我に返り。

 

「ぬお、誰が頭に乗れと申した、まぁよい、落ちるんじゃないぞ」

 

「ノブノブ」(満足そうな顔で頷く」

 

上機嫌なノッブに思わず呆れつつも笑みが溢れる雪信、そんな二人は足取り軽く蔵を出て正門から外に出ようとした時、いかつい顔でサングラスをした黒服の頭にヤの付きそうな格好の男性に声を掛けられる。

 

「お嬢、どちらへ?」

 

「総美のところへな、して父上は今日は帰られるか?」

 

「今日は帰られないと聞いておりますが、何か御用で?」

 

「そうか…いや、コイツの事について聞こうと思ったのだがな、まぁよい行ってくる」

 

「お気をつけていってらっしゃいませ、お嬢」

 

手をブラブラさせて正門から出て行く雪信に一礼する黒服、その時見た。頭に乗っている奇妙な人形が雪信の頭を叩いているところを、だけど黒服はああ、また妙な物を発掘したんだろうなぁ程度に考えるでまた勤務に戻っていった。

 

所変わって雪信とノッブの奇妙なコンビは正門から出て目的地へと歩みを進めていた。

 

「ノッブ?」(雪信の頭をペシペシと叩く)

 

「どこへ行くかじゃと?儂の無二の親友の家じゃ、もう着くぞ」

 

ほれここじゃと止まった場所は織田家と大差ないくらいの正門、違いを上げるとすればこちらのほうが何処と無く荘厳な雰囲気を醸し出している感じがするというところか。

 

まぁそれ以外にはそこまで大きな代わりが無く、雪信は門をくぐり敷地内に入り迷いのない足取りで道場に向かう、その際、庭の手入れをしていた初老の庭師に声をかけられる。

 

「おや、雪信お嬢ちゃんじゃないか。今日もお嬢様に会いに来たのかい?」

 

「うむ、そちも元気そうで何よりじゃ。あやつは道場か?」

 

「ええ、鍛錬しておられますよ。それを見せに行くのかい」

 

「そんなところじゃ、ではな」

 

お気をつけて、と庭師の言葉を背に道場へと向かう、誰もノッブに深いツッコミも何も入れないのは毎度妙な物を持ち込んでいるせいである。まぁそれはそこまで重要なことではないので割愛、雪信とノッブが道場前に着くと中からは気迫の篭った声と竹刀を振るう音が聞こえてきた。

 

「朝から精が出るのう、入るぞ!」

 

ガラッと開け放つとそこには白の本来は長い髪を編み上げるように一本で纏めポニテにした道着姿の少女が竹刀の素振りしている姿、彼女はここ『沖田家』の長女にて『沖田総司』の生まれ変わりとまで言われる程の剣の腕を持つ少女、名を『沖田 総美』よく単純な名前じゃなと雪信に弄られることもある。

 

総美は雪信が入ってきたことに気付くと素振りを止め、側においてあった手拭いで汗を拭きながら

 

「おはようございます、雪信。何をしに来たんですか?」

 

「うむ、コイツを見せにな」

 

未だ頭に乗っていたノッブの首根っこを掴んでブラーンと前に出す、総美はそれを見てふむと頷いたあと

 

「随分貴女に似た人形ですね」

 

「フッフッフ、それだけではないぞ、ほら」

 

「ノブ!」(両手を上げる)

 

「…」

 

只の人形かと思っていたものが突然、動きしかも喋ったと言う光景に総美は固まった。それを雪信とノッブは不思議そうに見つめる、彼女からすれば只人形が自立して動いてる『だけ』と言う感想なのだ。

 

「雪信、私遂におかしくなったんでしょうか、人形が勝手に動き喋った気が…」

 

「安心せい、現実じゃ」

 

片手で顔を覆いため息をつく総美に雪信は冷静にそう返すと更に大きな溜息と共にノッブを見つめる。

 

「いよいよ織田家の蔵も魔境になってきましたね」

 

「ノブ?」(不思議そうに首を傾げる)

 

「貴女のことを…貴女?まぁいいですか、それで私に見せてどうするんですか?」

 

「いや、コイツについて何か知らんかと思うてな」

 

真顔でそう言う雪信に新しいもの好きの貴女が知らないなら私が知るわけ無いでしょうと呆れ気味に返す総美、だがすぐにああと何かを思い出したかのように声を出すと

 

「だったら明日、マシュに聞いてみたらどうですか」

 

「おお、そうじゃな、マシュマロおっぱいに聞けば何か分かるかもしれぬな!」

 

「ノッブノブ?」

 

彼女たちがそんな会話してた頃、海鳴市のある一軒家にて

 

「クシュン!何か明日辺りに巻き込まれそうな気がします…」

 

メガネを掛けた淡い色の短髪少女がくしゃみをしてそんなことを呟いたが、その予感が的中するのは言わずもがなである。




と言うことでぐだぐだ始まりました新シリーズ。半端者の悪平等もちゃんと書きますよ!

容姿に関しては
雪信→魔人アーチャーを幼くした感じ

総美→桜セイバーを(ry

マシュ→そのまま幼くした(ry

って言った感じです。

次回からは一人称視点で進行してきますよ!(尚、次回投稿日は未定


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ぐだぐだ第一話じゃ!

ぐだぐだと戦闘描写


今日、儂はとんでもない出会いをした。

 

「ノーブーノーブー!」

 

この今、目の前をちょこちょこと動き回るわしに似た人形、そうこれがとんでもない出会いといった物の正体じゃ。しかしあの古ぼけた物しか入れてないはずの蔵に何故こんな物がおったのじゃろうか、それに自立してしかも喋るなんてそんなもの開発されたというのも聞いたこと無い。

 

「ノッブ!」

 

「ええ、頭を叩くな、聞いておるわい」

 

うーむと考えこんでおるとそいつ、もといノッブがいつの間にか頭に乗り儂の頭をペチペチと叩いてくる、どうやらさっき暇だと言ったのに無視されたと思わいそれが気に食わなかったらしく少し怒ってるみたいだ。

 

「雪信、その人形の言ってることが分かるんですか?」

 

「うむ、不思議とな…はて、なぜ分かるのじゃ?」

 

「いえ、知りませんよ…」

 

そうか、総美は分からんのか、言われれば儂は初対面からこやつの言葉は不思議と分かった、思えばそれすらも疑問に思うことじゃったな。

 

頭に乗っているノッブの首根っこを掴んで目の前に持ってきてじっと見つめる、感触も只のぬいぐるみ何だがのう…

 

「さっきも言いましたが明日マシュに聞くまで悩んでも仕方ないのでは?」

 

頭を悩ましているのが分かったのか総美から言葉をかけれた、確かにこやつの言い分も最もじゃ、うむ、悩んでいるなら剣を振るうのも悪くはないかもな。

 

「…そうじゃな、総美、一本打ち合い頼めるか」

 

「おや、貴女からとは珍しい。良いですよ、手加減はしませんからそのつもりで」

 

「ノブノブ?」

 

「手加減なしはいつものことじゃろうが、今日こそ一本取ってみせるわい!見ておれノッブ、儂の勇姿をな!」

 

近くに掛けてあった竹刀を手に持ち、軽く数回素振りを始める。悩んだら打ち合ってみる、昔からそうやって気を晴らしておった、まぁ戦績は芳しくないがの…

 

と言うのもこやつ、総美はあの『沖田総司』の血筋を引いており在ろうことか生まれ変わりとまで言われるほどの腕前、儂も『織田信長』の血を一族で一番濃く受け継いでるなんて言われるものの剣の腕前では天と地の差があるのじゃ。

 

因みにじゃが儂らがやる打ち合いは限りなく実戦に近い形で行う、昔こそ防具をつけておったが長年やりやったお陰かこの二年くらい前から絶妙な打ちの手加減ができるようになってからは防具すら付けておらぬ、危ないかもしれんがコイツの本気を見るには防具が重りだったのじゃ。

 

道場の中心で距離を向かい合い一礼、そして竹刀を構える。この瞬間、総美から来る空気が変わった、さっきまでの穏やかな少女ではなくそこにいるのは…

 

(侍、末恐ろしいやつじゃよ全く…)

 

「ノ、ノブ…」

 

「準備は良いですか?」

 

隙のない構えと言葉に答える形で自分も構えを取り見据える、ここからは一瞬の勝負になるじゃろう。

 

「…」

 

打ち合いの時の総美は少々特殊で、中段の構えから半身に構え竹刀を傾斜させて切っ先を少しだけ下げて構えてグッと重心を低くして足に力を込め一気に間合いを詰める形を取る。

 

『平晴眼の構え』、手加減無し、そう言っておったがその構えを見た儂は思わず苦笑する、そういったのもこの構えを取られてそこから繰り出される攻撃を未だ防ぎきった、もしくは凌いだ試しが無く正に必殺と言っても過言ではない構えだからだ。

 

総美は元々体はそこまで強くなく、儂と比べればスタミナもない、故になのか短期決戦を好む節があり逆に長期戦となると一気に不利になる。つまりこの一撃さえ凌げばわしの勝率は大きく跳ね上がることになる…と思っておる、さっきも言ったが凌ぎ切った試しが無い故何とも言えんのじゃ。

 

実際は数秒、しかし相対する儂らには数十分にも思える睨み合い、向こうも考えておるのじゃろう長年こうやって打ち合ってきたが故に儂が慣れていること、そして攻め方も割れているだからこそどうするか

を。

 

(さぁて、どうする。怖いのは初撃、こいつ速いからなぁ)

 

儂?まぁ考えてはいる、いるが考えとかを読まれているのはわしも同じ、つまりこっちも攻めあぐねている。

 

(考えても答えが出ないなら…)

 

「(あの目、動くっ!?)チィ!」

 

(初撃を防げるようにはなりましたか…しかし!)

 

竹刀と竹刀が交わる音が道場に響く、総美の目が変わったと思った時には奴は既に間合いを詰めて奴の持つ最速の突きを放たれていた、咄嗟に反応して防御の構えを取らなければこれで落とされていただろう。だがそれだけで奴が終わるわけもなくそこから怒涛の攻めと連撃が繰り出される。

 

(出遅れた!こやつ相手に後手はかなり…マズイ…!!)

 

最初の一撃は突き、そこから身体全体を動かして右、左、上、全てがいやらしいタイミングでの連撃になんとか対応して防ぐが兎に角全部速い、防御と言うのは攻めるよりも考え、身体を動かすから体力を使う、このままじゃ確実にジリ貧からの一本で負けが見えると分かってはいるが…

 

(こうなった総美から攻めに転じる方法が…これしかあるまいか!)

 

迫り来る攻撃を防ぐ、そうすれば総美はすぐに竹刀を引いて連撃に移ろうとするがそのタイミングでそのまま押し込んで鍔迫り合いに持って行く、こうすれば連撃を止められさらに仕切り直しも出来るようになるからの。

 

「考え、ましたね」

 

「伊達に長くやりやっておらんからな」

 

この状況になって初めて総美が口を開く、こやつは基本勝負中は一言も発しない、強いて言うなら気合を入れる時くらいで本当に無駄口は叩かず敵を屠ることに集中する。そんな奴から口を開かしたのだがその声は称賛が少々と面白くなったといった感じが大半を占めていて思わずコイツ絶対戦闘狂の気質があるじゃろと心の中で苦笑してしまった。

 

「しかし、そのナリで力が意外にあるのは卑怯じゃろ」

 

「これでも鍛えてますからね」

 

ググッと竹刀を持つ力を込めて押し込もうとするがそれと同じくらいの力で均等にされるのを感じて愚痴をこぼす、まぁ年中竹刀を振るって鍛えているのだから分からなくもないがそれでもこんなヒョロっとした身体の何処にこんな力が…

 

(ちっ、防戦でスタミナを使いすぎたか、もう連撃を捌ける余裕はないのう…)

 

(思ったより今日は粘りますね。私もあまり余裕はない…)

 

((次の一手で勝負を決める))

 

今こやつと思考が被った気がしたがまぁ良い、なんて思いながら竹刀に力を入れると向こうも同じくらい入れてそして同時に相手を押す動作をしこれには総美も驚いたような顔をしているがそれは儂もじゃ!お陰で距離は離せたが少しよろけてしまったわい!

 

じゃがそれは向こうも同じ、なら。直ぐ様体勢を直して身体全体に力を入れて一気に前に出る、向こうは迎え撃つ形にしたのか儂の詰めに合わせて竹刀を振るう。だが残念だったの、その行動は…

 

(読み通りじゃ!)

 

その軌道を読み取り、姿勢を低くして一気に飛び込む、ギリギリではあったがこれで竹刀は回避、証拠に竹刀が広がった自慢の髪にあたった感触がした、それを感じ転がりつつ次の行動に移ろうと顔を上げた瞬間、目の前には竹刀の切っ先。

 

「王手、まだやりますか?」

 

勝ち誇った笑みを浮かべながらも決して油断した雰囲気を出さない顔、これはもうどうしようもあるまいと竹刀を起き両手を上げ降参の意を示すと綺麗な流れで竹刀を腰に添え直し一礼、全くあの状況から見るにこやつめ。

 

「…感覚だけで儂の行動読みおったな?」

 

「貴女相手に読み合いは不利ですからね、だったら見てから行動した方がやりやすいですし」

 

それができるのはお主だけじゃ…キチンと見ていないから分からないが恐らく竹刀を振りきってそのまま即座に竹刀を引き身体を儂に向け直し今に至るって感じじゃろう、これだから規格外は普通相手の動きを見てからなんてすんなりされてたまるか!

 

む、そう言えばと周囲を見渡すとノッブの姿が見えなくなっていた。

 

「総美、ノッブを知らぬか?」

 

「は?そこにって居ない…」

 

「ノッブー!」

 

景気のいい掛け声と同時に頭に重さが加わる、どうやら儂らが終わったのを見計らって宙を浮き上から降ってきた感じじゃな。

 

「全く…で、どうじゃった儂の勇姿は」

 

「ノブノブ」

 

「なに?まぁ、確かにそうじゃが」

 

「何を言ってたんですか」

 

おお、そうじゃった、他の者には分からないんだったな。

 

「いや、儂は剣より射撃のほうが得意って言われてな」

 

「ああ、確かに」

 

…なんでノッブはそんなことまで知っておるのじゃ?儂はコヤツの前でまだ射撃の腕なぞ見せてはおらんはずじゃが、まぁ良い元々謎の存在、これくらいの事が起きても不思議ではないか。あとは適当に総美と語り合いながら適当な時間で切り上げ家に帰って翌日の準備をしてから布団に潜る。

 

一応母上にも見せたのだがその時の反応が

 

「あらあら、可愛いわねぇ」

 

そう言っただけで特に不信がりもせずにノッブを可愛がり何か知らぬかと聞くも知らないわねぇごめんなさいと返された、こうなると父上も知ってるか怪しいな…

 

謎の存在、ノッブとの一日はこうして幕を閉じた、まぁ明日マシュマロさんに聞けばいいじゃろ、はっきりせずとも何か答えが返ってくるだろうからなそう思いながら気付けば寝てるノッブを見て儂も睡魔に身を委ねた。




次回!マシュマロおっぱいサーヴァント似の少女が登場!


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ぐだぐだ第二話じゃ!

ぐだぐだと二週続けて更新


翌朝、一応で設定してある目覚ましより先に目が覚める、まぁ何時も通りじゃな。

 

「ノーブー…ノーブー…」

 

「お主は機械の癖して寝るんじゃな、まぁ可愛いが、ほら起きんか」

 

気持ちよさそうに寝息?を立てているノッブの頬を突付く、しかし機械で寝るとなると、やはり只の自立型ではなさそうじゃの。もしやこれは儂の想像を遥かに超えた存在かもしれぬ、いやぁワクワクするのう。

 

「フフ」

 

「ノブ?」

 

「む?いや、何も無い、では着替えてから朝の鍛錬に行こうか」

 

ノブ!と敬礼するノッブを見てから寝間着の着流しを脱ぎ朝の鍛錬用の服装に着換える、終えたら部屋から出てそのまま道場へと足を運ぶ。

 

まぁやることと言っても素振りをしたり偶に使用人相手に打ち合いをしたりで、今日は残念ながら暇な使用人が居ないので素振りと

 

「ノッブー!」

 

(コヤツが他にできることを今のうちに把握しとかんとな)

 

正直な話、コイツにはまだ何かしらの機能が眠っていると儂は睨んでおる、本来ならマシュマロ…ああ、誰じゃとそろそろ言われそうじゃな、軽くじゃが紹介しよう。

 

『マシュ・キリエライト』世界的にはそこそこ有名な機械工学の『キリエライト家』の長女で無論マシュもその意志と知識を持っておる、なので今回のような自立型人形などなら彼女に見せたほうが何かしらの答えが貰えるじゃろう。

 

では話を戻す、つまりはマシュに見てもらってからのほうが危険ではないのじゃが、まぁ好奇心と言うものは抑えられまいから今ここで見てしまおうって話なわけじゃ。

 

「それで、ノッブよ、空を飛んだり自立したり以外に何かできることはないか?」

 

「ノブノブ?ノッブー!ノーブーノブノブ!!」

 

「ぬお!?ちょ、儂に向けるな!」

 

聞くと突如、ノッブの両手の部分が光を発したと思ったらそこには儂には馴染みの深いものが現れしかもそれをこっちに向けるから慌ててそう告げるとノッブはそれを影も形もなく消した。

 

儂には馴染みの物、その名も…

 

「(火縄銃じゃと…?一瞬だけしか見なかったが間違いなく本物じゃぞあれ)ノッブよ、もう一度出せるか?」

 

「ノブ」

 

ポンなんて軽い効果音がなりそうな感じにまた火縄銃が出され手渡される。ズシリと来る重み、簡単にじゃが見てみた結果から言えば本物、しかし弾丸と火薬は装填されているものの肝心の火種と火皿部分が無くこのままでは撃てない。

 

「…?」

 

「ノッブ!」

 

「なんじゃと、そのまま引き金を引けばいい?…ここでは撃てん射撃所に移るぞ」

 

自分で言ってなんじゃが儂の屋敷も大概じゃよな、完全防音の射撃所が当たり前のように存在してるって…あまりに今更な事を思い苦笑いしながら射撃所の扉を開け中に入る。

 

「お嬢!?」

 

「ああ、気にするな一発撃ったら学校行く準備する、車の準備を頼む、今日はマシュも迎えるからそのつもりで頼む」

 

「はっ!大丈夫だとは思いますが怪我にはお気をつけて下さい」

 

「うむ」

 

射撃所には一人の黒服、まぁ使用人じゃが、掃除をしていたが儂を見るや姿勢をビシっと正す。儂としてはこれが普通なのじゃが総美からはここはまるでヤの付く人達の集まりですねと言われたことがあったな、失礼な、少々そう見えるだけで普通の屋敷の使用人じゃよ、その使用人に簡単に要件を伝えると綺麗なお辞儀をしたあと部屋から出て行く。

 

それを見送ってから…む?そういえばノッブは何処に行ったのじゃ?

 

「おい、ノッブ!」

 

「ノブノブ!」

 

「うおっ!?お、お主、光学迷彩も使えるのか…」

 

足元から声が聞こえたと思ったらSF映画みたいな光学迷彩の剥がれ方がしてそこにノッブが敬礼しているのを見て思わずまた苦笑、こいつもう何でもありじゃな…さてうかうかもしてられん、学校に行く準備も考えるともうそんなに時間もないしな、さっさと試し撃ちしてしまおう。

 

一応イヤーマフとゴーグルをしてから端末を操作してターゲットを出す、ソレに向かって火縄銃を構え照準を合わせ引き金を…引く。火縄銃の射撃に本来必要な手順を全てしてないのにも関わらず射撃音がしターゲットの頭部の中心には弾痕が、つまり発射されたというわけじゃ。

 

それと同時に手にあった火縄銃はフワッと消えてしまった、どういうことじゃ…

 

「ノブノブ、ノーブー」

 

「今の火縄銃は…魔法で出した…?魔法じゃと?」

 

SFかと思ったらファンタジーになりよった…その場で暫く頭を抱え悩もうかとも思ったが時間が惜しかったのでノッブに声をかけ部屋に戻り学校に行く準備を済ましていると、部屋の前から聞き慣れた親友の声がした。

 

「雪信、そろそろ行きますよ!」

 

「うむ、もう終わっとるわい直ぐに行く!」

 

制服にも着替え鞄も持ち部屋の扉を開けると同じく制服姿の総美の姿、あれじゃないつ見てもだが

 

「似合わんな」

 

「貴女には言われたくありませんよ、と言うか何回目ですかこの会話は」

 

「ノブノブ」

 

「貴女も…勿論来るんですよね、じゃないとマシュには見せられませんし」

 

ふふ、こやつはきっと周りに見られて混乱を招くことを恐れておるのじゃろう、じゃが安心せい!と胸を張り総美に言ってからノッブにまた光学迷彩を施すよう言うと

 

「ノッブノブ」

 

「消えっ!?はぁ、なんだか驚くのも疲れてきましたよ私」

 

ノッブの自慢気な声だけが足元から聞こえると更に総美はため息を付く、こやつその内にストレスとかで胃がやられるぞ絶対。

 

学校へは我が家の車で向かう、いつもは儂と総美だけだが偶にマシュも迎えに行くこともある。今日はその日じゃ、ノッブをステルスで隠したあと門前に待機していた少々古い感じのする黒い車に乗り込み使用人に向かうよう告げる。

 

「あれですね、使用人の方も良い人なのは分かってるんですがこの車にその姿はどうにかならなかったんですか…」

 

「今更じゃろ、そもそもこれは儂じゃなくて父上が決めたことじゃからな」

 

新しいの好きの父上が変えないってことはかなり気に入ってるってことじゃから今後も変わらんだろうな、因みにじゃが移動中は流石にノッブには静かにしてもらって頭に乗ってもらっている、喋ると混乱を引き起こしかねんからな、まぁ儂の使用人や侍女なら問題ないとは思うがの。

 

そうこうしている内にキリエライト家が見えてきた、と言ってもマシュの家は普通の一軒家、中には入ったこと無いが絶対地下室とかがあると儂は睨んでおる。

 

「…ところでマシュには事前に連絡しましたか?」

 

「何を言っておる、両親には伝えたが本人には言ってないから拉致るに決まってるじゃろ、ほれ出てくるぞ」

 

ガチャっと玄関が開き制服姿の淡い色の短髪メガネでその歳にしては発育の良い身体の少女『マシュ・キリエライト』が出てきた、では…

 

「確保じゃ!!」

 

「私ですか!?ああ、もう、ごめんなさい!」

 

「へっ!?」

 

車のドアを開けると同時に驚く速さでマシュを拉致り車に引き込む、引きこまれた本人は何をされたのか理解できなかったようだが直ぐに

 

「なんで私は誘拐まがいな迎え方されたんですか…」

 

「雪信に聴いて下さい、私も勝手に片棒をかつがされただけなんです…あ、おはようございますマシュ」

 

「おはようマシュ、突然じゃが見てもらいたい物があるゆえに拉致った、安心せい学校には向かっておるからな」

 

「はぁ、貴女の唐突な行動には慣れてるのでまぁ良いですが、それで何を見せたいんですか?」

 

これじゃ、とノッブに声をかけてステルスを解いてもらう、それを見たマシュは驚愕の顔をしてそれから口に手を当ててブツブツ何かを呟き始めた、ふむなにか知っておるかもしれぬな?

 

次に少し見ていいですかと神妙な顔付きで聞いてきたので了承、マシュはノッブを受け取りマジマジと確認していく、少ししてからノッブを返してきた。

 

「して、何か分かったか?それとも知っておるか?」

 

「…いえ、すみません、これだけじゃ何も、あっバラしたら」

 

「ダメに決まっておるじゃろ」

 

「ではお手上げです」

 

両手を上げてそう言うマシュ、だがさっきまでの顔は確実に何かを知っている表情、まぁ言わないで隠すということは儂らに知られてはマズイことなんじゃろうな…だったら聞かんよ、必要なら儂らが勝手に巻き込まれるからな。

 

「そうか、マシュでもわからぬとは益々不思議なやつじゃよ」

 

(良いんですか?絶対知ってますよ)

 

(別に良い、必要なら向こうから言うじゃろうからな)

 

「ノブノブ?」

 

「うわ、しゃべりましたよこれ」

 

光学迷彩を起動させる呪文みたいなのを唱えたノッブにマシュが驚く、それを見た総美はまぁ良いですがと下がり我々を乗せた車は儂らの通ってる学校『私立聖祥大学付属小学校』に到着した。

 

因みにじゃが儂らは全員小学三年生じゃぞ?




すまない…マシュちゃんの出番めっちゃ少なくてすまない…

(三万用意しましたがジャンヌオルタちゃんは来てくれませんでした)


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ぐだぐだ第三話じゃ!

六万積んだら邪ンヌさん来ました(喀血


車から降り、正門を抜けて昇降口でマシュとは一旦別れる、儂と総美は同じクラスじゃがマシュは違うからの。

 

靴を上履きに履き替えてる時に総美がコソコソと話しかけてくる。

 

「で、ステルスで隠してるとは言えノッブをいつまでも頭に乗っけておくわけには行きませんよね」

 

「うむ、なので暫くは鞄に入ってもらうつもりじゃ、良いな?」

 

ペシペシと頭を叩かれる、どうやら肯定のようじゃな。周りを見て今なら大丈夫というタイミングを見計らい鞄に仕舞い込む、窮屈だと思うが致し方あるまい。

 

しかしこのステルス状態は完全に見えなくなるのは良いが儂からも見えないのは不便じゃな、まぁ贅沢を言っても仕方があるまいか、そもそもここまで完璧なステルス自体もうおかしい領域じゃからな。

 

「さて、今日は何か面白い授業はあったかのう?」

 

「貴女の基準の面白いなら有りませんよ、いつもと同じ授業です」

 

「ならばクラスメイトでも眺めるしかあるまい…か」

 

退屈なように聞こえると思うが、それで良いのじゃ、確かに儂個人としては何かしら新しい刺激というものを欲してはいる、だがそれだけじゃいつもの日常ならそれもまた良し。

 

昇降口を抜け、階段を上がり教室に入り自分の席に行き鞄を机の脇にあるフックに掛けておく、隣の席には総美が同じく鞄を掛けてそれから席に座る。

 

儂も席に座ってからボケーッとクラスの様子を眺める、これはもう日常というかいつもの流れじゃ、しかしこれが中々に面白くての、決して飽きが来ることはないのじゃ。

 

…今一人の男子生徒の叫びが聞こえたがまぁ嘘吐き絶対許さない系女子が居たんじゃろうな、それも儂のクラスの人間じゃが。

 

「あ、雪信に総美、おはようだワン」

 

「おはようございます」

 

「うむ、相も変わらずキャラがハッキリせんな」

 

「姉みたいに一つはつまらないだろう?良妻願望は同じだがな」

 

フフンと自慢気に言うピンク髪の少女、こいつ自分を猫系と言いながら語尾は『だワン』だがその行動力と日向ぼっこ好きは猫みたいなのでまぁ多分猫系女子で良いんじゃろうな。

 

因みにじゃがコイツには姉が居るらしい、そいつは狐っぽいとか言ってる。

 

続いてガララと教室の戸が開き入ってきたのは肌も髪も綺麗な白の少女、さっき儂が言った嘘吐き絶対許さない系女子だ。

 

「お、今日の日課はもういいのか?」

 

「ええ、旦那様もそろそろ分かってくれると良いのですが…」

 

「まずその段階を全てすっ飛ばした旦那様呼びからなんとかしなければダメなのでは?」

 

総美の最もな指摘に少女はあら?私と旦那様は前世から一緒なのです、記憶が無いので旦那様は実感が無いのでしょうが何れは分かってくれます。それを真顔で言えるお主の精神に儂はどう答えれば良いのじゃ…どうにも一途というか何というか、まぁ男子生徒の方も別段嫌っているわけでは無いのがコヤツの暴走を更に加速させる要因なんじゃがな。

 

談笑しているとチャイムが鳴り、そろそろホームルームの時間だというのを知らせる。猫系と嘘吐き絶対許さない系は席へと戻った所で儂も軽く一息吐く、楽しいんじゃが疲れるのも少し本音じゃ。

 

「毎度思うのですよ雪信」

 

「何をじゃ?」

 

突然神妙な顔で呟く総美、なんじゃなんじゃ、急にそんな真面目な空気を出しおって何か重大なことでも思い出したのか?

 

「なんでこのクラスってこう前世が濃そうな人達が集まるんだろうって」

 

「それ儂らにも返ってくる言葉じゃからな?」

 

割りとどうでも良かった、総美は真面目なんじゃが極稀にこういった謎のボケをかましてくれる。なんて言っておると担任が入ってきて皆が席に着く、む、担任はどんなやつかじゃと?普通の格闘技が得意で黒スーツでビシっと決めた女教師じゃよ。

 

ホームルーム、午前の授業を軽く聞き流しながら受ける、真面目に受けるべきなんじゃが今日はそんな気になれんかった、理由はよく分からん。大方ノッブの件が大半なんじゃろうがマシュは何か知ってるが話さない、かと言って父上がなにか知ってるとも思えない。

 

自分らで解明することも出来なくはないだろうが難しいじゃろうし、うーむ、ええい止めじゃ、何をするにも考えるにも材料が足りなすぎるのじゃ、今は保留じゃ!

 

午前の授業がそんな感じに終わり昼休み、と言っても何処かに移動して食べるというわけではなく総美と自席で食べる…いつもはが頭に今日は付くが。

 

その日もいつも通り弁当を開こうとした時、教室の入口が開いた、この時は儂も総美も誰かが出て行ったんだろうなぁと思っていたのだがその人物は教室に入ってきて儂らの前で止まった、顔を上げるとそこにはマシュの姿。

 

「む?マシュ、珍しいな」

 

「ええ、そうですね。それで何か用ですか?」

 

「いえ、これから屋上で昼食でも一緒にと思いまして」

 

屋上…ああ、確か昼休みの時だけは開放されてるんだったな、たまには良いじゃろ。それにマシュから声をかけてくるときは何かしら重要なときじゃからな。

 

「分かった、総美も良いな?」

 

「問題無いですよ、では行きましょうか」

 

「良かったです、あっノッブも連れて来て下さい」

 

ノッブも?まぁ良いかと、広げてた弁当を包み直して鞄を軽く蹴りノッブを起こして頭に乗せてからマシュと屋上へと向かう。

 

道中特に何かあったわけでもなく屋上、そこには一人の少女の姿、見覚えは無いな。

 

…いや、少しだけ覚えがあるな、う~む思い出せん、もしかしたら見ただけで名前は聞いてないかもしれぬ。

 

「すみません、お待たせしました」

 

顎に手を当てて考え込んでいるとマシュがツイテ少女に声をかけそれで我に返る。

 

さていつまでも黙ってるわけにはイカンな、それにツイテ少女が儂らを知らんからえっとって言った顔で見とるし自己紹介しておくか

 

「初めまして、儂は『織田 雪信』じゃ、してこっちが親友の」

 

「『沖田 総美』です」

 

「あ、『高町 なのは』です!」

 

ツイテの少女、『高町 なのは』は儂らが名乗ると自身も名乗ってお辞儀をする。高町…高町…高町!

 

「ああ!!」

 

「にゃ!?」

 

「なんですか突然…ほら、二人共驚いてますよ」

 

あ、うん、すまぬ、引っ掛かっていたのが取れて少々嬉しかったんじゃ…とりあえず声を突然上げた理由を事細かに話す。高町、昔にと言っても割りと最近じゃが総美と高町家の長男じゃったかなが試合をしている時に見たことがありあとその際に食べた『翠屋』のシュークリームが絶品だったということを思い出してなと話す。

 

「ああ、あの時の、とても強いお方でした。あの時は負けましたが何れリベンジをしたいですね」

 

「シュークリームは絶品じゃった。今度また買いに行きたいものじゃ」

 

「あ、思い出した、あの時は声をかけれなくて帰っちゃったから…」

 

まぁ、あくまで付き添いって感じじゃったからな、それも仕方あるまいて。とりあえず立ちっぱなしも何だからとベンチに座って弁当を広げ食べ始める、全員シンプルながらどれも技術の高さを伺える弁当じゃってそうじゃない。

 

「して、何のようじゃマシュ、ただ昼を楽しむために儂らを呼んだわけじゃあるまい?」

 

「うん、アリサちゃんとすずかちゃんに来ないでって言ったから私も少しだけ不思議に思ってる」

 

「…そうですね」

 

マシュは覚悟を決めた顔で呟いてから、儂らの方を見ると

 

「ノッブの事についてです」

 

「え、マシュちゃんそれは…」

 

「分かってます、ですが黙っててもいいことは有りません、それに安心して下さい彼女たちは口は堅いですから」

 

なのはとマシュの会話に儂と総美は顔を見合わせる、どうやらノッブについてはマシュだけではなく、なのはも知っているようじゃな。

 

少し二人が会話していたがなのはが納得すると改めてマシュがこちらを向くとゆっくりと口を開いた。

 

「ノッブを出してもらってよろしいですか」

 

「うむ、ほれステルスを切って良いぞ」

 

「ノブノブ」

 

ノッブのステルスを切ったらなのはがノッブを初めてみた時のマシュと同じような顔をした、だがノッブに驚いてるというより他の何かに驚いてる感じじゃ。

 

「なんで、雪信ちゃんがデバイスを…」

 

「デバイス?」

 

どうやら、簡単な話じゃなさそうじゃ。




猫系少女に姉の狐系、そして嘘吐き絶対許さない系女子…ダリナンダアンタイッタイ

あ、只のモブなので今後は多分出てきませんし名前も有りませんよ?

・・・話の展開の仕方が下手でごめんなさい


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ぐだぐだ第四話じゃ!

月更新とか情けなくないの?


その後、マシュからノッブ、もといデバイスについての説明を受けたんじゃが正直驚きの連続じゃ。

 

「つまりだ、このノッブはお主らが言うようにデバイスと言う言わば魔法の杖のような存在でお主らも持っている」

 

ここで一旦区切って二人を見ると頷いていた、魔法に関しては朝ノッブから見せられたから驚きはしなかったがよもや二人も魔法を知っていて扱えるとはな。

 

む、じゃがそれだとなぜ総美にもこの話を聞かせた?こやつはあくまでノッブを見ただけ、所有者は儂なのだからなのはの言うアリサとすずかみたく着いて来ないよう言えばよかったはずじゃ。

 

表情を変えたつもりはなかったは微かに変わっておったのじゃろう、マシュが気付くとすぐに儂の疑問に答え始める。

 

「本当は黙ってるつもりでしたが総美さん、貴女もデバイスを所持している可能性があるからです」

 

「え?いやいや、私はそんなファンタジーじみた物は何も所持してませんし見たこともありませんよ?」

 

両手を振って否定する総美、しかしマシュの顔は真剣そのもので決して冗談で言ってる様子ではないのが見て分かるほどであった。

 

しかしデバイスをなぁ、それらしいものは何も…いや、待てよ。と一つの仮説が組み上がる、先ほどのデバイスの説明でデバイスにはストレージデバイスとインテリジェンスデバイス、またアームドデバイス、融合型デバイスの四種が存在しておると言っておった、後ろ2つの説明は割愛されたがインテリジェンスは自立行動と思考能力が可能なデバイスつまり儂の『ノッブ」がそれに当たる、ストレージはその逆で意思は持たずただ魔法の記録だけを目的とした記憶媒体じゃと言ってたな。

 

確かにインテリジェンスなんてファンタジーじみたものは総美は所持してはおらぬじゃろうな、じゃがストレージなら?儂には心当たりが一つだけあった。

 

「総美、お主がいつも大事に持っておるお守りを出してくれ」

 

「お守りを?まぁ、いいですけど」

 

唐突に言われながらも自身の首に掛けてある紐を引っ張りお守りを取り出す、まぁお守りと言っても良くあるあのようなお守りではなくて総美にとってのお守りって言うのが頭に付くがの。

 

総美が取り出したお守りは刀の鍔、しかし普通のより一回り近く小さい物だ、総美の祖父が亡くなる前にこやつに送ったものらしく以降、肌身離さずに持ち歩いておるのじゃ。

 

「で、これがどうし…ああ、はい、二人の顔見たらなんとなく分かりました」

 

「…マシュちゃん」

 

「魔力の量が少ないですからもしかしたら違うのではと願いましたが…」

 

その歳で疲れた溜息をつくのかなのはよ…しかし二人のこの反応を見るに当たりじゃな、これが総美のデバイスということじゃろう。

 

だがこやつのは何も反応を示さないの、少々面白くないデバイスじゃ…

 

「雪信、面白く無いとか思わないでくださいね」

 

「ハッハッハ、そんなわけなかろうよ」

 

「わざとらしい笑いが何よりの証拠ですよ、全く。でもなぜ私にもデバイスが…?」

 

難しい顔をして悩み出す総美。と言うかなのはがさっきから喋ってないが大丈夫か?あ、いや大丈夫そうじゃな、つかノッブ貴様いつの間になのはと絡んでおったのじゃ

 

「そればっかりは私にも…そもそもデバイスとして機能しだしたのは昨日、もしくは一昨日とごく最近だと思います、そのため今まで総美さんが持っていると気づけませんでしたから」

 

「ごく最近…まさかノッブか?」

 

「ノブ?」

 

「え、なんで?」

 

「ノッブと私のデバイスは何らかの形で繋がっていて、片方が起動するともう片方もってことですか」

 

総美の言葉にうむ、と頷くとなるほどとなのはも納得する、がしかしなぜ誰がと言う疑問は残るがの。

 

まぁこればっかりは考えても答えがすぐ出るものではあるまいか、やれやれ今まで普通の日常を謳歌していたと思ったら急に色々と巻き込まれるとは人生何があるか本当にわからないものじゃ。

 

その後はまぁ、特に書き出すような事は無かったの、普通に昼飯を食べながら会話しただけじゃ、儂らがデバイスを持っていたからと言って向こうが何かしてくるというわけでは無いようじゃから特に儂も総美も深くは聞かんかったからな。

 

強いて言うなら、昼食を終えて教室に戻るかという所でマシュが気になることを言っておったな。

 

「二人共、夜に何かを感じても気にしないでください。恐らくデバイスとの接触で魔力を感じるようになっただけだと思いますので」

 

真剣な顔はさっきまで何回か見ていたので気にはしなかったが声には警告の感じが思いっ切り含まれていたのを感じた、関われば儂らの安全は保証できない、そんな感じのニュアンス。

 

「ええ、分かりました」

 

「そうじゃな、覚えておこう、ではな二人共」

 

「うん、またね!」

 

「ノブノブ!」

 

ステルスになったノッブを頭に乗せ屋上から出る、もう大丈夫じゃろうという所で儂は軽く笑いながら口を開いた。

 

「マシュめ、儂との付き合いが短いわけじゃなかろうよ…」

 

「いやいや、あの子のことですから純粋に危ないから関わるなって…ああ、はいはい言っても無駄ですよね」

 

当たり前じゃ、こんな面白そうなことに首を突っ込まなかったらそれこそ後悔するに決まっとるわい。クックックなんて我ながら悪い笑いをしておると今度は真剣な声で総美から

 

「ですがマシュのあれはお巫山戯でも何でも無い警告です、間違いなく関われば…命すら危ういものですよ」

 

「…分かっておる、それを踏まえて尚、儂はそれに関わりたいと言っておるのじゃ」

 

「はぁ、最近は大人しくなったかと思ったのですが…分かりました、私も付き合いますよ」

 

「お主ならそう言ってくれると信じておったわい」

 

儂がそう言うと私が行かなくて何かあったら夢見が悪いですからね。と苦笑しながらこやつは告げる、昔からの付き合い故来てくれるじゃろうとは思ってはいたがやはりこう言われると少し嬉しくなるのは秘密じゃ。

 

そんなこんなで今日の学校は無事に終わり、現在は放課後の正門前で迎えの車を待っておる。このまま帰っても良いのだが…そうじゃな今日はあやつが図書館におる日じゃ、寄ってみるのもよかろう、どうせ夜まで時間を潰さなくちゃいかんし。

 

「総美、図書館に行くぞ」

 

「図書館?ああ、そうですね、良いですよ」

 

そこで迎えの車が到着、乗り込んでから運転手に図書館に向かってくれと伝え、車は図書館へと進路を取った。

 

学校からその目的の図書館は離れてはおらず、車なら数分と掛からずに到着、降りてから儂は運転手に

 

「家の者に今日は少し遅くなる故そう伝えてくれ」

 

「畏まりました、何かありましたらご連絡を」

 

深くは聞いてこないのは最早信頼があるからじゃろうな!なんじゃ総美、言いたいことがあるならその少々呆れた視線を送らずに口にするが良い

 

「信頼がと言うより最早止めても無駄だと思われているのではないかと」

 

ざっくり言いよったなこいつ、いや否定はせぬよ、親も結構放任主義なところがあるしな、っと話が逸れるな、さて中に入りあやつを探すとしよう、この時間帯なら未だいるはずじゃしな。

 

総美を連れ中に入り、目的の人物を探す…そう探すのじゃが海鳴市が誇る図書館、大きさもそれ相応にある訳でな。

 

「何処に居ると思いますか?」

 

「さぁ?じゃが、意外に早く見つかるかもしれぬぞ」

 

目的の人物が今現在何処で本を読んでるかなんぞ分かるわけもない、この場合はもう虱潰しに探しまわるしかないか。

 

「誰が意外に早く見つかるやって?」

 

…噂をすれば影ってやつじゃな、声の方を見るとそこには栗色の短髪で車いすの少女が膝の上に本を数冊重ねた状態で儂らの方を見て笑っていた。




更新が遅くて本当に申し訳ございません…個人的事情とスランプとEXTRACCCで筆が進まなくて、いやはい、ごめんなさい

あとここからはやて嬢が出演しますが関西弁上手く書けるかな…


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ぐだぐだ第五話じゃ!

酒呑童子チャレンジに失敗してそして三蔵ちゃんチャレンジにも失敗しそうですが私は元気です。


車椅子の少女、名を『八神はやて』知り合ったのは割りと最近でこの図書館、その時は少し総美と調べ物してる時じゃったが話せば少々長くなるゆえに割愛する。

 

「お主じゃよはやて、元気そうじゃな」

 

「この通りピンピンや!殿も総ちゃんも元気そうやな」

 

「雪信の暴走が無ければもう少し元気になれそうですがね。本、持ちましょうか?」

 

おお、ありがとなと総美が本を受け取ってから儂らは近くのテーブルに行きそこに全員座る。それにしてもはやては本当に本が好きじゃな、今日は…む?

 

珍しいな、料理本なんて、それにどれも数人で楽しむようなレシピ。じゃがこやつは一人暮らしのはずでは。

 

「ん?どしたん、殿?」

 

「ああ、いや、レシピ本とは珍しいなと思ってな、レパートリーに困るような才では無いはずじゃからなお主は」

 

視線に気付いたのか、はやてが本から儂に視線を変えて聞いてきたので素直に疑問をぶつけると、ああこれはなと柔らかな笑みを浮かべながら答え始める。

 

「今な、私を援助してくれてるおじさんが遠い親戚に声をかけてその家族が家に来てくれたんよ、だからもう少しレパートリー増やそう思ってな」

 

「おじさんってあの外国に居る人じゃろ?お主の遠い親戚に外国人もおったのか」

 

「うん、そうやで」

 

嘘をついてるようにも見えない位当たり前のように頷くはやて、ふむ、まぁ個人のことじゃからあまり深くは聞けんが妙にきな臭いのう。そもそもにしてその『おじさん』っというのも怪しい、いや両足が動かず独り身のはやてを援助してくれてるからいい人なんじゃろうが…

 

次の話題はその両足のことについて、見ての通りはやては両足が殆ど動かん。物心ついた頃にはもう症状は出てたとも言っておったがその時から一貫して原因は不明、しかも麻痺は進行していると言う。

 

「はやて、足の調子はいかがですか?」

 

「松葉杖や補助があれば歩けるけど近頃は流石にシンドくなってきた、けどまだまだ大丈夫や」

 

「そうか、じゃが無理に笑うなよ、泣きたくば儂も総美も…それにその親戚もおるのじゃからな」

 

真面目にそう伝えるとはやては恥ずかしそうな顔でな、なんや急にとまた本を読み始める。初対面の時からの印象、こやつは絶対に自身の弱音を吐かずに抱え込むと思っておる、杞憂ならそれでいいがこれでも儂は人を見る目には自信がある故の心配というわけじゃ。

 

さて、儂らもなにか読もうかの、魔法…の事はあるはず無いし無難に適当に探すとするかにするか、時間はまだあるから少し分厚くとも問題あるまいて。はやてと総美に一声掛けようかと思ったが集中してたので一人…ああいや頭にノッブが居たな、を連れて適当に本棚を眺める、どうせなら面白く分厚い本…ほう、これなんか面白そうじゃないか。そう直感で感じた本を抜き取りまた席に戻ると丁度総美がこっちを向き儂の手に持っている本を見て一言。

 

「あの、なぜその本を?」

 

「戦に必要なのは戦力と情報と昔から決まっておろう?」

 

「なんや殿、学校で新しい遊びでもするんか」

 

二人が驚いたその本はなんてことのない海鳴市の地理が乗ってる本じゃ。何かが起きるとすれば今日、これは勘じゃが魔法の戦いになると思っておる、だから儂は考えた、それが起きるのは何処かということを。

 

とりあえずはやてにはそれに近いことじゃよと答えてから本を開く。マシュは夜と断言した、次に何かを感じても気にするなとも言っておったからそれから推測するに我が家からそして、二人の家からもそんなに離れてない場所で何かが起きるということが考えられる。

 

命のやり取りが行われ、尚且つ儂の家及び二人の家からもそこまで離れておらず、戦いに適した所…鞄に入ってた自由帳に地図を写して、各家の中心から大体の半径を決めてコンパスで円を描いてその重なる場所を求める…ここじゃな、海鳴市中心街。最初は無難に山奥とか思ったが家からは距離があり過ぎるし他は戦場にするには狭くならばと思ったのがここ、人は沢山いるが魔法が秘密の存在ならば人に気付かれずに済む魔法があるはずじゃ。

 

とりあえず中心街と山を張り、戦略を考える。クックック、久しぶりで血が滾るわい!

 

(…なぁ総ちゃん、殿が凄い悪い顔して地図を読んどるんだけど)

 

(久しぶりに病気が発病しただけです、お騒がせしてます)

 

(せ、せやか、でも楽しそうやな)

 

二人がコソコソとなにか話してるが気にしないで地図に赤い印をつけていく、位置的には少々不安だがまぁ問題ないと思われるしそれに何も参戦するわけでは無い、観戦するだけなのでこんなものでいいのじゃ。

 

なぜさっきまで戦う気満々なこと言ってたのに観戦だけ?と思われそうじゃが、戦力がなくとも情報があれば地の利で参戦も可能だったじゃろうな。しかし今の儂らには戦力も魔法に関する情報も無い、故に出来ることの第一歩は情報収集しか無い、歯痒いがの…

 

(これだけ目星を付けておけばあとは現地で臨機応変って所じゃな、出たとこ勝負と言うのは本来避けるべきだが贅沢も言えん、更に言うなら双眼鏡くらい持って来るべきじゃったか)

 

鞄を漁ってみるが無論入ってる訳もなく、ここで時間を潰すつもりだったが一度家に戻るか…?父上が帰ってるならついでに聞けるし、と言うか晩飯のことを考えてなかったし外食でも構わぬがやはり家の飯のほうが美味しいからの

 

「雪信、何か困りごとですか。さっきから表情がコロコロ変わってますよ?」

 

「む、そうじゃ、総美かはやてよ、双眼鏡を持ってはおらぬか?」

 

「いえ、持ってませんが?」

 

「私も無いなぁ」

 

ま、そうだろうな。これは本当に一度帰るか、親には夜出る時に星を見に行くとでも言えばいいじゃろうし、やれやれ流石に無計画が過ぎたかのう。いや、まぁはやてと会いたいのもあったから決して完全な無計画ではないか、うむそうじゃな。

 

とりあえず総美に一旦家に帰ることにすると伝えよう、と言うことで伝えるとふむと読んでいた本を閉じて何かを考えるように目を瞑ってから

 

「まぁ、制服じゃ動き難いですし良いんじゃないですか?」

 

「ああ、それも考えてなかったな。と言うことじゃはやて、すまぬが儂らは少々早めに切り上げる」

 

「ええよ、気にしなくても。私ももう少ししたら家に帰ろう思ってたし」

 

そう言うはやての声は少しだけワクワク感が混ざっていた、どうやら今日の晩ごはんの献立が決まったようじゃな。さてとりあえず電話して迎えを呼ぶか…制服の(勝手に改造して取り付けた)懐のポケットから携帯を取り出して迎え用の電話を呼び出してコールする。

 

「…雪信じゃ。すまぬが迎えに…なんじゃと?うむ…ああ分かった、それではな」

 

「何か問題でも?」

 

「いや、父上の指示で近くで待機してたらしくてな、恐らく直ぐにでも…」

 

「お嬢、迎えに上がりました」

 

速いのう…声の方を見ると見慣れた織田家の使用人の姿が、仕方ないことじゃが周りの客が少々引いているのは多分気のせいではないと思う。怖いかのう…どいつも気のいい人間なのじゃがこればかりは仕方ないか。

 

「ご苦労、おおそうじゃ、折角の機会だ、送ってゆくぞ、はやて」

 

「いや、悪いよ。それにほら私車椅子やし」

 

「ふっ、織田家を舐めるなよ。と言うことじゃ、準備を頼む」

 

は、直ちにと一言言ってから図書館を出る使用人、少ししてから儂らも外に出るとそこには既に準備が整った迎えの車と使用人の姿、じゃが車はいつもと違う、少々大型のワゴンになっており後部座席の一部は昇降シート、トランク部分にはレールが出せて車椅子が入れやすいようになっておる。

 

これを見たはやては、かなり驚いた様な顔をして儂の方を見る。じゃから言っただろうに織田家を舐めるなよと、あの父上はもし万が一必要になってから用意するじゃなくてこんな事もあろうかとって既に用意しておく人間じゃからな。

 

「こういうことじゃ、でどうするはやて?」

 

「え、えっと、じゃあお願いしようかな」

 

「一々驚いてたら疲れますよ」

 

こうして、儂らは車で帰路に着いた。そう言えば、はやての家に着いて降ろして別れてから後ろを見たら何やら金髪の女性が少々慌てた感じで出てきたな…あれが件の親戚、まぁ良いか。




え?どうやってすぐに車を用意したかって?そこはほら、知ったら消される秘密ってことで…

次の投稿は…どっちやろうな…(遠い目


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ぐだぐだ第六話じゃ!

漸く色々落ち着き始めてます。


家に着き総美と一旦別れ、私服に着替えた儂はノッブを光学迷彩状態で頭に乗せて父上の部屋へと向かっている。

 

知らぬならそれでも良い、じゃが聞いておかねば儂の気がすまぬ。そんなこんなで廊下を突き進み、父上の部屋の前に到着するやいなや、ノックもそこそこに戸を開け放った。

 

ガラッ

 

「父上、居るな?入るぞ」

 

「雪信…お前ノックというのをだな」

 

「む?ああ、友人宅じゃキチンとノックするから安心するのじゃ」

 

「いや、家でもやれよ」

 

「それなら大丈夫じゃ、父上の部屋以外ではやっておる」

 

お前なぁ…と呆れながらも笑顔でため息を突き酒を飲んでいる若干の白髪が混じりながらも威厳のある感じがする男が儂の父上。

 

因みに容姿だけで言うとある意味、信長に近いとも言われておる。まぁ実際の信長を見てないから何とも言えるのじゃがな。

 

「で、何か用があって来たんだろ?」

 

「おお、そうじゃった。父上、コイツについてなにか知っておるか?」

 

頭の上で寝息を立てている光学迷彩状態のノッブを強めに叩いて起こすと少々不満気な声と同時に迷彩が剥がれる。

 

それを見た父上は少し固まってから、おぉう?と儂が差し出したノッブを掴みマジマジと見る。

 

「よく出来た人形だな、キリエライトか?」

 

「そう返すということは父上は知らぬということじゃな」

 

「なんだ?家で見つけたのか?」

 

知らぬという割には勘は鋭いな…そうじゃよとコイツを見つけた経緯を話すとふむと顎髭を弄りながら考えこむ。

 

「キリエライト夫婦とジジイが仲良かったから仕組むとすればその辺りだが…コイツ、この自立思考と光学迷彩だけじゃねぇな、よく分かんねぇが普通じゃない力を感じる」

 

「…本当は何か知っておるじゃろ?」

 

いやいや、勘ってやつだよ。本当かと思いたいが本当なんじゃろうな、まぁマシュに聞いた通りであるなら父上が何かしら知ってるということはないだろうとは思っておったから良いがの。

 

さてこれ以上はもう何も話は出そうにないな、そう判断した儂は父上に邪魔したなと一言告げてから部屋を出ようとするっとそうじゃ。

 

「父上、今夜は総美と星を見に行くつもりじゃ、故に夕食後に出かける」

 

「ん?ああ、構わねぇぞ、怪我だけはするなよ」

 

その言葉に戸を開けようとした手が何故か止まり得も知れぬ悪寒に襲われた。まるで儂が何をしに行くのか、そしてマシュから何を聞いたのか全てを知っていて…いやそんな筈は、本当に、本当に何も知らない…知らないんじゃよな?振り向けず儂はそのままの体勢で出来る限り平静を装った声で

 

「不思議な事を言うのう、星を見るだけじゃよ」

 

「いやいや、もしかしたら流れ星が落ちてくるかもしれねぇぞ?」

 

「それも…勘か?」

 

「ん?ああ、そうだな…」

 

勘だよ、ニタリと笑いながら父上がそう告げた…と思う。相も変らずに儂は振り向けてないからの。

 

それから分かったと返事してから部屋を出る。そして戸を締め切った直後、凄まじい脱力感が体を襲い、そして額からは汗が吹き出た。

 

(自分の親じゃが…正直、今回のやり取りは久しぶりに恐怖を感じたぞ)

 

その後、数分して落ち着いてから自室に戻り双眼鏡か、それの代わりになるものを探す。

 

(確かこの辺りに…おお、あったあった)

 

とりあえず総美にも貸し出す用に2つを鞄に入れ、そして夕食の時間、その際に母上にも今日この後、総美と星を見に出かけると伝えると

 

「分かったわ、気をつけてね」

 

「…いや、ありがたい事なのじゃが、深くは聞かんのな」

 

「貴女が唐突に何かをするなんて今更ですから。大怪我さえしなければ厳しくは縛りません」

 

なのでしたいことをしなさいな。優しく微笑みながらそう告げる母上に儂は少々気恥ずかしくなり顔を背けてしまった。それを見てなのか父上がぐいっと酒を飲んでから一言

 

「まっ、何かあっても俺ら親がなんとかするからな!」

 

「父上、もう呑んどるのか」

 

顔が赤いぞ何本目じゃ?、酒瓶片手の父上に思わずそう言うとハッハッハ!まだまだ三本目だよと笑いで返されたがこの短時間でもう三本も開けておったのか…いや、いつものことじゃから良いが…

 

そんな賑やかな夕食も終わり、時間にして大体8時、私服に着替え準備を済ませた儂はノッブを頭に乗せ携帯で総美を呼び出す。

 

意外と思われるかもしれぬが総美も携帯電話を一応持っている、まぁこの現代に無ければ中々に不便じゃから当たり前といえばそうなのだがな。

 

【総美です、もう出ますか雪信】

 

数コールの後、特に変わりのない総美と繋がり早々にこちらの要件を聞いてくる。まぁ行くと言ってあるから電話が来ればその要件とすぐ分かるじゃろうがな。

 

【うむ、話が早くて助かるわい。今からそっちに向かうから門の前で待機しててくれ】

 

【分かりました…何もなければ良いんですか】

 

【まっ、それは行ってからのお楽しみじゃ】

 

ではなとそこで通話を切る、さて待たすのも悪いさっさと行くとしようかの。

 

準備を済ませ両親に声をかけてから門を抜けると12月の夜特有の冷たい風が儂を襲う、コートを着てきて正解じゃな…と思っておると頭の上から

 

「ノブ…」

 

「寒い言われてもな…」

 

と言うかお主機械のくせして寒さを感じるのか…いや、寝ることも出来るのじゃから不思議でもないか?

 

しかし待てよ、眠るはスリープモードだと考えてもおかしくはない、じゃが寒さを感じるって何じゃ?あれか、お主は温度計にもなるのか?

 

「ノッブ!?」

 

「ならんのかい!?」

 

「何コントしてるんですか」

 

声の方を見れば、そこには和服にジャケットと言う中々に斬新な格好に竹刀を入れる袋を肩から下げた総美の姿。

 

「フル装備じゃな」

 

「当たり前ですよ、何かが起きるのが分かってるならそれだけの準備はしますよ、そちらは大丈夫なのですか?」

 

「儂の方も万端じゃ、こやつが中々面白い事ができるしのう」

 

「面白い?」

 

「ノッブ」

 

儂の言葉に不思議そうにノッブを見る総美にそれは行ってからのお楽しみ、じゃろ?と言うとため息をつかれた。

 

行く前から疲れるとは大変じゃのう、さて時間が惜しいからサッサと行動を開始しようかの、こうして儂らは天体観測、もとい厄介事に首を突っ込みに中心街へと歩を進めた。

 

場面は移り、中心街のとあるビルの屋上そこで張り込みの刑事よろしく町並みを監視しておる、寒い…おお、そうじゃ。

 

「総美、茶を持ってきたが飲むか?」

 

「頂きます、何も起きませんね」

 

「まだそんなに時間は経っとらんしな、ノッブも何か感じたらすぐ知らせるのじゃよ?」

 

「ノブノブ!」

 

了解とか言いながらもこやつは屋上を自由に走り回る、自由じゃのう。対して総美と儂は望遠鏡と双眼鏡で眺めつつ、持ってきたお茶を飲む、そんな事を続けて30分…まだ何も起きない、時間は既に20時を回っている。

 

「…外れか?」

 

「かもしれませんね」

 

マジか~、ここまで準備して空振りはちょっと来るものがあるのう…ってノッブ?何をやっておるのじゃコイツ、さっきから同じ方向じっと眺めとるが

 

「どうしたノッブ」

 

「ノブ、ノブノブ」

 

なんじゃと?ノッブが示した方向を望遠鏡で見てみるとそこには三つ編みのツインテールの赤い髪の少女の姿、こやつがそうなのか?

 

「ノッブは何と?」

 

「あ、ああすまぬ、ここから丁度見えるのじゃがそこの赤い髪の少女が魔導師かもしれぬと言っておる」

 

そう伝えると総美も双眼鏡でその場所を見る、確認できたようで双眼鏡を下ろすとふむと目を瞑り何かを探り始める。

 

「何しておるんじゃ」

 

「いえ、魔力というのを感じれるかなっと、この感じたこと無いのがそうでしょうね」

 

はや、もう掴んだのか。では儂もやってみるかと総美と同じように目をつむったその時

 

「ノッブ!!??」

 

ノッブが突然騒ぎ出し、何を突然と目を開けた瞬間、中心街から人の気配が消えるのを感じた。

 

「雪信!!」

 

「これが魔力ってやつかって言っとる場合じゃないな、これは…」

 

そうぼやいた理由は一つ、気配が消えた瞬間、新たに3つの魔力?を感じあろうことかそのうちの一つはこっちに向かってる感じがするからじゃ。

 

さて、どうするかの。切羽詰まりつつあるこの状況下で儂はそれでも不思議と笑みを浮かべていた。




お久しぶりです、ええっと、突然ですが半端者の方ですね、一旦凍結しましてリターンズと題打ちまして話をもう一回書き直そうかと思います。

と言うのも色々読み直してみてちょっとあまりにもガバガバ過ぎてどうしようもなかったと言うのが大半でありましてそれならいっそとまた長い期間掛けて作り直そうとなりました。

色々更新も遅かったり何だりとご迷惑おかけして大変申し訳ございません・・・


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ぐだぐだ第七話じゃ!

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィちゃんの凄まじい破壊力で槍鯖レギュラーメンバー確定してイシュタル姐さんも来た我がカルデアは常に種火が足りません(お久しぶりです)


さてとりあえず、すぐに打てる一手は…これしかないな!

 

「直ぐにビルから出るぞ、急ぐのじゃ!」

 

「御意!」

 

「ノッブ!」

 

脱兎の如く駆け出し、屋上の出入り口の扉に手をかけた総美の顔が一瞬強張る。

 

何度も、何度もドアノブを回し、開けようとするが無情にもピクリとも動かない様子だ。

 

「ど、どういうことですか…」

 

「まさかこの奇妙な空間が広がった所為か!?」

 

こうなるとはちょっと予想外じゃぞ!気配は…向かってきとる、手段はないわけではないが…

 

「ノッブ、火縄銃に消音とか付けれたりは」

 

「ノブ…」

 

一応で聞いてみたが両腕でバッテンを作られた、仕方があるまい場所を教えるようなものじゃが

 

決心を付けた儂はノッブにアイコンタクトを送ると直ぐに意図を理解したノッブが火縄銃を出しそれを受け取り構えて叫ぶ。

 

「下がれ、総美!!」

 

「え?ちょ、何を!?」

 

「押しても引いてもダメならぶっ壊すだけじゃ!!」

 

狙いをドアノブに定め、一瞬だけ集中、そして引き金を引く!

 

ドオ!と言う銃声が街に響く、ドアの破壊には成功したが確実に儂らの居場所がバレたはず、そう思いノッブを頭に載せしっかりしがみついてるように告げてから

 

「とにかく急ぐぞ!」

 

総美に少々急かしながらドアを蹴り開け、階段を駆け下りる。

 

「あれが、面白い事でしたか」

 

駆け下りてる最中、総美が聞いてくる。チラッと見たがかなり余裕そうというかコヤツも何気笑っておった。

 

そう言えばこやつが持ってきた竹刀袋、まぁ中身は木刀じゃと思うが一応聞いてみるか。

 

「それで総美、その袋の中には木刀か?」

 

「いいえ、もっといいものです」

 

妙に声が楽しそうじゃな、一体何を持ってきたんじゃコイツ…

 

(こういう状況下になるとハイになるのは前々から知っておったが、今回は一段とテンションたけぇなこいつ)

 

気になります?なら見せましょう、驚かないでくださいよ?と別に頼んでもないのに走りながらルンルンな感じで言ってから袋の紐を解きながらそれを取り出す。

 

それは…鞘に収まった一振りの刀、いやこれは…一度だけじゃが見覚えあるぞ、だがあれは。儂はその見間違えるはずのない、しかし同時にこの場にある筈のない刀の名称を恐る恐る口にする。

 

「菊一文字則宗…」

 

「ええ、ですが本物、ではないと思います。なんせこれ今朝のデバイスがこうなったのですから」

 

「デバイスが?」

 

それで元に戻せないもんですからとりあえずそのまま持ってきました。ほ~、つまり総美のデバイスは2形態、いや違うな待機と起動で別れておるということじゃな?

 

いいなぁ、いやノッブはそれ以上に面白い事満載じゃからな、何も羨ましくないわいっとそう言えばじゃが…

 

「そのデバイス、名はなんというのじゃ」

 

「そうですね…無明でどうでしょう」

 

今決めよったぞ…そんなこんなでそろそろ出口と言った所でノッブが異常を感じたのか、儂の頭の上で騒ぎ始めた。

 

「ノッブ!!ノッブ!!」

 

「な、なんですか急に!?」

 

流石に階段を駆け下りてる時は危ないからと出口の扉近くで一旦立ち止まり、それからノッブを下ろすと手振り身振りと声で伝えてくる。

 

「魔力反応が増えた?」

 

「…みたいですね、2つ増えてます、ですが片方は妙に弱々しいですね、それにもう片方はこちらに向かってたのと接触して…動き回ってるところ見ると戦闘してるかもしれません」

 

まだ総美みたいにすぐにそしてはっきりと感じることはできぬが確かに2つほど増えており、片方は若干弱く感じ、もう片方は激しく動いているのを感じる。これってつまり片方は戦闘を行い負けたってことじゃろ?

 

(とすると相手はあの結界が出てから現れた魔力反応のうちの誰かで、ならもしかすればもう片方は儂らの味方、とまではいかずとも敵になることは無いと考えて良さそうじゃな)

 

「考えてるところ悪いですがこれからどうしますか」

 

「このままここにおってもいい状況にはならんじゃろう、だからと言って出ていっても良くなるとは限らんじゃろうなぁ、と言うことで総美、抜いておけ」

 

結局、こうなりましたか。嘆くようにそう呟きながらもすぅっと鞘から刀を抜いて鞘を腰に差す。儂もノッブから火縄銃を受け取り扉に手をかける。

 

行くぞ、と視線で総美に確認を取る。向こうも静かに頷く、頭のノッブもペシペシと大丈夫だという意思表示をしてくる、では…

 

「出z「キャァァァァァ!!!」ぬおお!?」

 

扉を開け放って飛び出そうとした時、儂らの視界に金髪の黒衣の少女が『落ちて』来た…は?あ、いや今更じゃな、うん、ノッブが飛ぶなら人間が飛んでもおかしいところはないな、多分。

 

「雪信、人間は少々おかしいと思います」

 

「あ、やっぱり?」

 

とりあえず直ぐに少女のところへと駆け寄ると気を失ってるようじゃった、軽い脳震盪じゃろうから直ぐに目を覚ますだろうがそれよりも気になるのはその手に持ってる折れた杖のような物、これもデバイスなのでは、深く思案しようとした時、ノッブがさっきのとは比較にならないレベルで暴れ始める。

 

「ノッブ!!!ノッブ!!!」

 

「…何者だ」

 

上から威圧じみた大人の女性の声、直ぐに振り向き火縄銃を構える。そこに居たのはピンクの髪の騎士のような格好をした女性、その手には機械の剣が握られていてその剣先は儂らに向けれていた。

 

深く探らずとも分かった、こやつはこの時代に居るような存在ではない、それだけ戦い慣れた雰囲気を醸し出してその敵意は実体を持ってるかの如く容赦なく突き刺さり身体が震える、じゃがこれは恐怖ではない、当然だろうな父上よりは怖くないからのう、それよりも思わず…

 

「クックック」

 

「この状況下で笑うか、子供にしては肝が座っているのか、それとも恐怖か?」

 

「おっと、すまぬ、安心せい狂ってはおらぬよ」

 

楽しんでいるのじゃ、自然とそう口から出た、やれやれこれでは総美の奴を言えんのう。女性の方は儂の言葉に眉をひそめて不用意にも高度を下げてきた、恐らく儂が持ってる火縄銃、それを知らないとしても見てくれ遠距離武器じゃから下手に距離を開けるのは不利という判断じゃろうな。

 

いや、その判断だとしたら全くもって正しい、じゃが今回ばかりはそれのお陰で非常に助かったわい。出来る限り騎士にバレぬよう儂はほくそ笑み、先程の質問に応えることにした。

 

「して、何者だという質問じゃったな、そうさな。儂…いや、『儂ら』はお主の…」

 

「敵ですっ!」

 

そこまで言うのと同時にビルとビルの合間、つまり路地裏から騎士の背後に影が現れる、誰じゃと確認するまでもない、その影の正体はただ一人、扉から出たと同時に身を潜めておいた総美、既に突きの構えで騎士を狙う。

 

「こちらはすまぬがちょいと事情を知ってる程度の子供でな、よもや卑怯とは言うまいな!!」

 

即座に儂も照準を騎士の剣を持った右腕に合わせる、殺すつもりはないが戦闘に支障がでれば退くはず。

 

貰った!そう確信したがこの騎士を甘く見ていた、いや、魔法を甘く見ていたが正しいな、まぁ何が言いたいかというと…

 

「ああ、卑怯とは言わんさ、寧ろ…!!」

 

「えっ?」

 

左腕の小手で防ぐ、儂の想定ではこの時点で崩れた。騎士は奇襲してきた総美の一撃を紙一重で回避、完全な奇襲からの自身が持てる最速の突きを避けられあの総美が一瞬だけ驚き動きが止まり、その一瞬を付いて首を掴まれる。

 

「ガッ!?」

 

「総美!!ちぃ!」

 

どうする、もう既に当初の作戦は完全に瓦解した、いやとにかく今は総美を救出が先じゃ、あのままじゃ投げられるか最悪あの剣で貫かれる。なら撃つべき場所はここは総美を掴んでいる左腕を!照準を即座に付け直し撃つ、弾丸は吸い込まれるように左腕へと向かっていったが…

 

「良い腕だ、仲間の危機にも慌てず撃てるとはな…だが」

 

パシィン!

 

「なっ!?いや、まだじゃ!」

 

「何発撃っても「私を…忘れないでもらえますかね!!」むっ」

 

謎の光に一発目が阻まれ、二発目を撃とうとした時、総美が勢い良く身体を動かし掴んでいた腕を蹴り上げ拘束から抜け出し儂の隣へと来きた、全くヒヤヒヤさせおって…じゃがこれで仕切り直しとなったな。

 

「…で、どうするんですかこれ」

 

「正直手詰まりじゃ」

 

はい、これが現実じゃ。




次回、漸く変身!あとマシュマロおっぱいちゃんも参上!!


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ぐだぐだ第八話じゃ!

新年初更新なのにぐっだぐだですまない…


儂らは今絶賛…

 

「敵と言ったな、ならば子供でも遠慮なくいかせてもらおう、だが安心しろ殺しはしない、ただ主の為、その魔力は貰うぞ」

 

「これは絶体絶命ってやつですよね、何か策はありますか雪信」

 

「さっきも言ったが手詰まりじゃ、儂らに味方してくれる誰かが来ればワンチャンあるかもしれぬが」

 

滅茶苦茶大ピンチじゃ、奇襲は失敗、儂の火縄銃は通らず、接近戦は先程の通り総美ですら返り討ち、本当に打つ手が無いと言う状況…

 

おかしいなぁ、今夜は儂らは観戦のだけの筈だったんじゃがなぁ。早々に場所がバレ、それでも後から来た魔力反応が足止めしてる間にどうにかなるかと思ったらまさか両方やられ、しかもその片方である金髪の少女が後ろで伸びており起きないとここを無闇に離れられないと…

 

(まぁ、是非も無しじゃな)

 

こうなったのは大半が儂の責任、ならばこの火の粉は払わねばならぬ、何があろうと決して諦めぬ、悪いがかなり諦めが悪い人間じゃからの。

 

騎士と儂らの距離はまだある、がそんなの踏み込まれたらどうなるか分からん、総美みたいなのが居るくらいじゃからな一瞬で目の前なんてことも決してありえない話ではない。

 

何かないか、それだけを前の騎士から視線を逸らさないようにしつつ頭をフル回転させる、打つ手は無いそれは確かじゃ、しかし逃げの一手に絞ればまだ何かが出てくるかもしれぬ。

 

「…雪信、私が合図したら後ろの彼女を抱えて逃げて下さい」

 

幾数、幾十の考えを巡らせていると突然、刀を構えながら騎士に睨みを効かせていた総美がそう口を開く。しかし何を言い出すのじゃコヤツは、要は自分が足止めするからその間に逃げろってことじゃろ?そんなこと

 

「出来るわけなかろうよ」

 

「しかしこのままでは、それに切り合いで足止め目的ならまだ彼女とやりあえます」

 

「なら儂とお主で当たったほうが勝率は上がる」

 

「火縄銃はさっき通らなかったじゃないですか」

 

ぐ、それを出されるとちょっと弱るぞ。だからと言ってコヤツの案は承認できぬ、それは今の状況では悪手じゃ、やれるとは言っているが止まられても良くて数分、先の奇襲の様子から見るに最悪足止めが叶わない可能性すら出ておる。

 

これは二人でかかっても恐らく変わらない、そう考えたほうが良い、じゃがこれ以上のんびり考えてる時間も無い、騎士と儂らの距離は向こうが歩いて近付いてる為、まだ少々の余裕があるがそれも後数分、行動を起こされたらもう一瞬と言う距離。

 

「行って下さい、少なくとも殺されはしません。だけど相手が言う魔力に関してはきっと奪われたらマズイものです」

 

「…」

 

だからこそ、奪われるのは総美のみにして儂と後ろの少女を逃がす。やはりそれしか…無いのか、儂としてはその案を認めると負けなのじゃが致し方なし、か?

 

(ん、なんか聞こえる?)

 

「相談は終わったか?では、参る!」

 

「くっ、行って下さい!!雪信!」

 

突撃してくる騎士に迎え撃つ構えを取る総美。じゃが儂はいや、その、誰か来とる、と騎士が迫ってるのに驚くほど呑気なことを口にしようとした時、それは

 

「だあああああああああ!!」

 

「!?」

 

そんな叫び声を上げながら今まさに衝突しそうだった総美と騎士の間に空から割って現れる。無論、騎士の方はそれを敵と断定してか突撃から剣を振るうがそれを流れるように手に持った大きな盾で防ぎ大きく振り払って勢いのまま回転、儂の前まで下がってきた、騎士の方も弾かれた勢いで大きく下がっているのでこれでまた振り出しに戻ったな。

 

その間に総美も盾持ちの隣まで下がってくる。して何者じゃと言う話になるが、まぁ騎士のような鎧越しでも分かる膨よかなマシュマロ、淡い色の髪、言わずもがな、マシュ・キリエライト。盾を構え、騎士を警戒しながらチラッと儂らを見るその目は明らかに怒ってた、まぁコヤツの警告をぶっちぎってここに居るんじゃから当たり前といえばそうなのだが。

 

「助かったわい、マシュ」

 

「…私、少し怒ってますから」

 

「まぁ、でしょうね。それでも助かったことには変わりありません、私からもお礼を」

 

儂と総美が揃って頭を下げると少しため息を突いてからフフッと笑った、なんじゃ儂らがここにいることはまるで最初から分かっとったみたいな感じじゃな。

 

「怒ってるのでは無いのか?」

 

「ええ、怒ってます。でもそうですね…やっぱりここに来ちゃいますよね」

 

何かを言い聞かせる様にマシュは呟く、その様子に儂は総美の方を見ると総美も不思議そうに首を傾げる、いやその、それは良いのじゃがっと視線を騎士へと向けると向こうは向こうで、筋骨隆々とした何故か犬耳っぽいのを生やした男と会話して、ん?

 

「って何か増えとるぞ!?」

 

「え、あっ、本当だ」

 

呑気じゃな!?因みにマシュは気付いてたようでえ、今気づいたんですかと言う顔しておる、悪かったな戦場なのにあっちこっち気が行ってて。

 

さて、状況を確認しよう。現状は戦えるのは恐らくマシュのみ、対して向こうは騎士と筋骨隆々の男。1対2、数的不利じゃな、せめて儂らが戦えれば…

 

「ノブノブ、ノッブ」

 

「なんじゃ、今…がっ!?」

 

「どうしま、ぐっ!?」

 

今の今まで黙りこくっておったノッブが突然インストール完了、同調開始と呟きその瞬間強烈な頭痛が儂を襲う、隣では総美も頭を抱え痛みに耐える。何が、起きた…!敵の攻撃?いや、それは違う、だったらマシュが慌てるはずじゃ、だと言うのに奴はかなり冷静に儂らを見ておる。

 

この疑問は頭痛が治まると同時に解消された、思わず口元がニヤける、総美の方も丁度終わったらしく息を整えながら儂の方を見ると小さく笑いながら頷く。先の頭痛はとある情報のインプット、それはこの状況を打破するのに絶対に必要であり同時にこれ以上に厄介事に巻き込まれること必須の情報、じゃが後悔などしておらぬ寧ろ楽しみが増えて大満足じゃ。

 

「…もう後に退けませんよ?」

 

「上等です」

 

「是非もなし!」

 

マシュからの言葉に儂と総美はそう返すと前に出る、総美は刀を構え目を閉じ、儂は腕を組み仁王立ち、ノッブも頭の上で同じポーズを取っておる、その行動に騎士と男は警戒の色を一気に強める。では始めようかの!

 

「礼装…」

 

「展開じゃ!!」

 

唱えた瞬間、儂には炎が、総美には桜吹雪がそれぞれを囲んだ。しかし炎か、これはあれか信長の最後、比叡山、何かと炎と縁があったがゆえにってやつかのう?なんと思っておると目の前で炎が形取り弾ける、そこには火縄銃『種子島』と一振りの刀『圧切長谷部』それをそれぞれ手に取ると今度は儂を包む様に這ってくるって怖!?熱…くはないがこれ怖いぞ!

 

炎は儂の身体各種を包むとまた形取り弾け、最後に帽子が目の前に現れたので被ってから確認してみるとノッブの衣装ではないか。じゃがまぁアヤツの衣装は割りと好きじゃから寧ろ好都合じゃ、と言った所で炎の幕が収まり視界があける。

 

「おや、ノッブの衣装じゃないですか、似合ってますよ」

 

声の方を見ると総美の姿、じゃがさっきまでの和服ジャケットと言う斬新なスタイルではなくまるでくノ一の様なすっげー丈がミニな着物に袖口がダンダラ模様で白く染め抜いた浅葱色の羽織、新撰組のそれを上から着た姿、儂は日本というよりドイツ軍服っぽいがこやつはキチンと和風じゃな。

 

「そちも随分と大胆な姿じゃな」

 

「二人共、少しいいですか…バイタル正常、はい、無事に完了したようですね」

 

「色々聞きたいがそれは後じゃ、待たせたのう!」

 

火縄銃を構え、更に複数丁を滞空待機させ騎士と筋骨隆々の男に向け両隣では総美とマシュがそれぞれ獲物を構え戦闘態勢に入る。対して向こうは騎士のほうが剣を構え、男は無手のようじゃな、両手を軽く広げ重心を落としたのが見えた、距離がある故に表情はよく見えぬが騎士の方は笑ってる気がした、アイツ絶対に総美と同じバトルジャンキーじゃもん。

 

このまま開幕、の前に二人に軽く指示飛ばしておくかの、と思い先ずはマシュに

 

「マシュ、済まぬがここは儂と総美に任せてくれぬか。お主には後ろでまだ伸びてる少女を頼みたい」

 

「後ろ?ってフェイトさん!?あ、はい任せて下さい」

 

今気づいたんかい…、さて総美には

 

「雪信、あの騎士は私がやります、やらせて下さい、と言うかそれ以外あり得ません」

 

「アッハイ」

 

もうやだこのバトルジャンキー、どうやら向こうも似たような話をしてたらしく男の方がため息を突き儂の方を見る、あっうん、事情は察した、あやつも苦労してるんじゃな。

 

「さて、いざ…開幕じゃ!!」

 

この言葉と同時にその場の儂含めた全員が即座に行動を起こした、かくして仕切り直しの初陣の火蓋が切って落とされた。




あけましておめでとうございます(震え声

FGO第一部ラストで泣き、アニメで動いたロマニ泣き、その後のぐだぐだオーダーで笑った大晦日でした。

今年もなんとか更新していきたいと思いますゆえ、よろしくお願いします


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ぐだぐだ第九話じゃ!

総美ちゃんは斬り合いたい。

エドモンさんはダメみたいですね(悟り目


装い新たになった直後から身体から力が溢れ出たのは感じていたが、雪信の号令と同時に踏み込んだ瞬間、身体が先程よりもとても軽く感じた。あっ、どうも今回は私、沖田総美視点でお送りしてます。

 

え、なんかキャラが違いすぎないかって?まぁ、普段はもうちょっとおとなしい感じですけど今は別です、なんたって目の前にバトルジャンキー(同類)が居て、そいつと対峙してて、今まさに激突できると言う状況に興奮せざる負えないでしょう

 

ですがそれは内面にトドメて表情、挙動には決して出さないようにする、それらを出すということは読まれやすく、不利になりやすくなるということですからね。

 

戦場の斬り合いにおいて語り合いも、名乗りも不要です。ですがこれだけは…

 

「全力を持って、斬らせてもらいます」

 

「ああ、来るがいい、私もそれを望んでいた!」

 

対して騎士の女性は迎え撃つ構え、ですがそれは悪手だと思わせてあげますよ!無明から頭に叩き込まれた魔法、と言っても私が使えるのは基本中の基本を除けば三つのみ、しかも一つは必殺と言える物で無闇に使うわけにも行かず、もう一つはなぜかロックされているので普段使えるのはたった一つ、されどこの一つが私にとっては十分過ぎる魔法です、その名も…

 

(行きます『縮地』!)

 

後一歩で共に間合いにと言う所で魔法を発動、同時に騎士から見れば私の姿は掻き消えただろう、しかし彼女は即座に反応、右真横に居た私からの突きを剣で弾く、流石にかなり強化されたとは言えこれで倒れてくれるはずないですよねとちょっと内心舌打ちしながら縮地で離れ、間髪入れずに縮地、今度はすぐ目の前に現れ再度突きを放つ。

 

「くっ、ふん!」

 

この突きを騎士は右小手で防ごうとする、先ほどみたいに避けない、つまりこちらのスピードが上がり対処がしづらくなったからの行動でしょうがこの姿になってからの無明の突きはその小手ごと肉を斬る、だが驚く表情はしてもそこは伊達で騎士の姿をしてるわけではないらしく、負傷も気にせず鋭い突きを放ってくる。

 

「っ!!」

 

それに対して突きの伸び切った身体を無理矢理逸らす、節々から痛みと完全には避けきれず頬と肩に軽く斬られたが問題ありません、そのまま縮地で再度距離を取り斬られた左肩をチラッと見る、そこまで深くないことを確認してから一呼吸を入れ相手を見据えあのやり取りで分かったことを頭で整理する。

 

(相手、実戦慣れし過ぎてる…それも私や雪信とは違って模擬じゃない、本当の戦場、しかも斬り合いが重点されてる感じですね)

 

「先の少女といい、お前といい、この状況下で笑えるとはな」

 

突然騎士にそう言われ口元に触れてみると確かに笑ってた。まぁこれだけ白熱した戦いなんて高町家の長男さん以来ですし寧ろこの状況だからこそ笑えないと、ねぇ?

 

「…おかしいですかね?」

 

「それを聞かれると困るな、私も楽しいと感じてしまってるからな」

 

ならこの話は終わりでいいですね。口にはしてないがそんな感じに刀を構え直す、その際斬られた左肩から痛みが走るが無視、これくらいなら無明がなんとかしてくれる。

 

相手もそれを察したのか剣を構え直して、それからまた語りかけてきた、よく喋る人ですね。

 

「まず謝ろう、少し、いやかなり見くびっていたと」

 

「…」

 

「言葉は不要、か。では行くぞ」

 

カシャンと騎士の剣から音が鳴り何かが排出されたその瞬間、身体が自然とバックステップを踏んでいた刹那

 

ガキィン!

 

そんな甲高い音とともにさっきまで私が居た地面が削れた。何事かと騎士の方を見るとそれはすぐにわかった、剣が変わっていた、いや持ち替えたとかではなくて剣そのものが変形していたと言った方が合ってますね。形状的に所謂蛇腹剣、剣の癖に鞭みたいに間合いを伸ばす何とも厄介な武器です、その分扱いが難しいはずなのですが

 

「ほう、避けるとはな」

 

本心から感心したような口調で言いながら武器を再度構える。まぁ見ての通りそれを扱えてる以上これは強敵ですね、って話ですよ、ですがこちらには縮地がありますからぶっちゃけ間合いなんて関係ないんですけど

 

動きをよく見て、二撃目を振るう瞬間に踏み込み間合いを詰める。その際剣が頬をまた掠めるが無視、相手が腕を振るう、剣が機動を変え私に襲いかかるが縮地で前…いや

 

(右!)

 

嫌な予感が過り右に縮地を使わず跳ぶ、見ると縮地で飛ぼうとした場所に囲む様に展開された剣が見えた。もう縮地に慣れ始めてる、いや私が直線過ぎましたか、新しい力というのにはしゃぎ過ぎましたね、これは反省です。

 

ですが二度目はありません、慣れ始めたのならまた違うことをすればいい、そうじゃなくとも

 

(もっと速く動けばいい!)

 

「!?(まだ速くなるのか!)」

 

遂に目だけで追えなくなったのか、顔、そして体ごと動かして私の姿を追おうとする、ですがそうなったのならもう追いつけませんよ。それを確認してから脳内で機動を描く、一撃で確実に決めれる軌跡

 

(一歩、音超え…)

 

心の中で一節目を唱え、騎士の真横に現れる。当然反応され剣が迫るが落ち着いて回避、また速度を上げその場から離脱、もっと速く!

 

(二歩、無間…)

 

まるで私だけが動いてる錯覚に陥る程の速度で動きながら騎士にも注意を払う、なんかこれだけ速くても反応されそうですから、と思ってたら忙しなく私を視界に収めようとしていたのに今は動いてない、これは…ああ、成る程最初と同じように迎え撃とうと、そうですか。

 

(三歩、絶刀…!!)

 

無意味です、三節目を唱えると同時に真正面に姿を晒す。それでも警戒していたはずの騎士の目にはまだ影が現れたというレベルにしか視認されてない、だけどそれで十分だと言わんばかりに剣を振られ私は斬られ…

 

「っ、残像!?」

 

「無明…」

 

ですから無意味ですって、私は貴女みたいに正々堂々なんてそこまで考えてないですからね。そう、彼女が斬ったのは残像、自分でも驚いてます残像って出せるんですねってまぁ無明のサポートのお陰ですけど、ですがこれで完全に背後を貰いました。

 

「参段づっ!?ちっ!」

 

魔法を付加した必殺の突きを発動直前、視界の隅からこちらへと直進する光を確認、攻撃を無理矢理中断して空中で縮地を使い騎士と距離を離すと同時に光弾が前を横切る。

 

なんですか、何なんですか?斬り合いの邪魔する輩は誰なんですか?攻撃の辿って視線を移すとそこには仮面を被ったこれまた如何にも怪しい感じの・・・男?なんか違和感感じますね。

 

「…そっちの手の者ですか?」

 

「いや、違う」

 

はぁ、なら第三…じゃなくて第四勢力ってやつですか、まぁ敵なのは確実ですね、敵意と殺意増々で私の事見てますし。

 

「危ないところだったな」

 

仮面が騎士にそう声をかける、しかし騎士の方はあからさまに不機嫌な表情と態度で剣をそっちに向ける。そりゃそうでしょうね、折角の死合もとい斬り合いを思いっきり水を差されたんですから、かく言う私もいい感じに怒ってますけど

 

「ふむ、剣を向けられる覚えはないのだが」

 

「黙れ、貴様が勝手にしたことだろう」

 

騎士の声には確かな怒気、しかし仮面の方はそれを理解できてないようで半ば呆れたような声でそう告げていた、これは…別段この方々はあの仮面とは手を組んでるわけでもない、という解釈で良いんですかね?

 

「…すみません、斬っていいですか?」

 

「は?あ、え?」

 

「あ、ごめんなさい間違えました、あれは貴方の味方ではないという解釈で良いんですよね」

 

いけませんいけません、再確認のつもりがちょっと怒りが言葉に出てしまいました、しかしこの騎士は以外に表情豊かですね、私のあの言葉に間の抜けた顔で私を見てきましたよ。

 

しかし直ぐに気を取り直したのか真面目な顔になり、いえ随分と曖昧な表情で言葉を考えるようにしてから口を開く。

 

「我々の味方、ではない。が敵…でもない」

 

「そうですか、ならやっぱり」

 

斬ります、そう言いかけた時、私の目の前に爆音と共に鎧と盾をボロボロにしたマシュが転がってきて屋上で私達が見た赤い髪の少女が騎士の隣に着地してきた。

 

あまりにも急な展開に、私は思わず雪信に現実逃避ついでに無明から流れてきた基本魔法の念話を試してみる、が

 

《雪信、大変です、マシュがやられて敵が増えました》

 

《奇遇じゃのう、こっちも増えたぞ、なんじゃあの仮面って!?危な!ええい、なんとか合流する、それまで持ちこたえてくれい!!》

 

そこで念話が途切れた、ああ、何というかまぁ、今日はとことん激動な一日なんだなぁと内心思いながら無明を構え直し…

 

(ま、やるだけやりましょうか)

 

また口元が笑みを浮かべているのを感じていた。




いつになるか分かりませんがこの作品のマシュ主人公の無印編も書けたらなぁって思う。

次回ものんびりですが早めに更新を心がけます・・・


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ぐだぐだ第十話じゃ!

また長い期間停滞してすまない・・・


バトルジャンキー共はこの際は無視して儂は筋肉隆々の犬耳生やした男に向かって火縄銃を展開しつつ話しかけてみる。

 

「…のう、これ別に戦わなくてもいいんじゃないかの?」

 

「そうも、行くまい」

 

ですね~、まぁこれで引いてくれたら苦労しないわいって話になるし?それに目的も分からずじまいはちょっとどうかと思うじゃん?

 

しかしどう聞き出そうかのう、ああ、この手があった

 

「(さて乗ってくるかのう?)名を名乗ってやろう、我が名は第六天魔王の子孫、織田雪信なり!」

 

「ふっ、私はヴォルケンリッターが盾の守護獣『ザフィーラ』!」

 

よっしゃ、組織名が取れたぞ!やはりこの手の輩には正々堂々と名乗るとキッチリ返ってくるものじゃな!!

 

しかしヴォルケンリッター…聞いたことないのう、いや魔法関連なんじゃろうから当たり前なのだが、さて次は、答えてくれれば御の字じゃが

 

「して、何が目的じゃ?この様に大規模な事をやるからには…世界征服でもするつもりかのう」

 

「そのようなことではない…いや、何を言っても無駄であろう」

 

ちっ、まぁ分かってたことじゃ。筋肉隆々の男、もといザフィーラはそれだけを言うと構えを取る、これ以上の語りは不要ってことか。

 

儂も刀を腰の鞘に収めて浮遊させてある火縄銃と更に両手でも構えて思考を巡らす。

 

ありゃインファイトに持ち込まれたらアウトの分類、なら徹底的、アウトレンジから『足止め』するとしようかのう!

 

「ほれ、行くぞ!」

 

ドガガガガガ!!

 

「ぬぅ!!」

 

方向性が固まったと同時に滞空させてた火縄銃を掃射、それは両腕に装備された小手で防がれる、なのですぐに次を出現させ再度掃射、とにかく防がれようが動かせなければ、なんて上手くいくとは限らんじゃろうな

 

「ふん!」

 

(そのまま突っ込んで来るか、じゃが予測済みじゃ!)

 

銃撃を継続しつつ即座に飛び退き距離を何とか保つ、この姿になってからの火縄銃は火力が増したらしく一発一発が本物、いやそれ以上の威力を持って相手のスピードを削る。

 

向こうもこのままではジリ貧になると思ったのか、ザフィーラが突然動きを止め、両手に力を入れ始める。

 

(って言うかこいつ当たり前のように防いでるが魔法が凄いのかそれともあの小手が凄いのか…いや、小手も魔法由来なら魔法が凄いのか)

 

「縛れ、鋼の軛!!」

 

「ぬおっ!?」

 

唱えられたと同時に地面から光の棘が儂に向かって来る、それを冷静に飛んで避けようとした所、針は更に延びしかも周りのビルからも生えよった。

 

じゃが空中には出てこない、という事はビルでも何でも接地面からじゃないとこれは出せないということ、そして奴はこの針の制御で止まっている。

 

「ちょいとまだ組み立てきれてないが仕方ないか、ノッブ!火縄銃の制御補助破棄、配置に付けい!」

 

「ノブノブ!」

 

ノッブからの応答と同時に鉄砲の射撃の精度が落ちたのか先程まで全弾命中してた弾丸がバラつき始める、やはりノッブの制御がなければ今のわしには難しいが今はこれで良いのじゃ。と言うか恐らくじゃがこれが正しい使い方だと思う、わしのは対個人と言うより対集団の魔法な感じするからのう。

 

「さて、そろそろ…」

 

数は…むぅ、魔力の回し方が荒かったかちょいと少ないがまぁ良いじゃろう。配置確認、状況確認、数が想定より少ないからそこをちょいと弄り、よしこれでなんとかなるじゃろう。とひたすら回避と射撃を並行しながらするがその間も棘に掠ったりする、地味に痛いぞこれ…

 

「(わしも回避しながらはそろそろ辛くなってきたのでな)今じゃ!やれ、鉄砲隊構え!!」

 

号令と同時にそれは現れた、ザフィーラを包囲するように魔法陣が幾数も現れそこからノッブ、まぁあれより小さいからちびノブと名付けよう、それが出現しそれぞれが火縄銃を構えている。

 

(ぐっ、これは鉄砲召喚より魔力を多く消費するのか…)

 

「!?」

 

「今更驚いても遅いわい、放てぇい!!」

 

真正面からならば防がれるじゃろうが今度は周囲からじゃ、と思うが魔法が分からぬが故にこれでも

 

「この程度ならば!」

 

棘の制御を捨てたのか発生は止まるが代わりにザフィーラを囲むように光の膜が現れ、銃弾を防いでいく、ちびノブの鉄砲は一発限り撃てばそれで終わりじゃが

 

「(やはり防がれるか!じゃがこれであの棘は出てこない、そしてそこから次の手!)銃撃したものから再度構え!」

 

「「「ノブノブ!」」」

 

ちびノブ達が取り出したのはデフォルメこそされているがどこからどう見ても地雷、それを全ちびノブが脇に構え…お、ザフィーラが気付いて何かしようとしてるようじゃがそれをおめおめと許すわしじゃなくての!

 

「動くな」

 

「な、ちっ!!」

 

銃弾の嵐に防御を強いられる。さて準備は整った、次の幕を開けようではないか!!

 

「突撃じゃ!!」

 

「「「ノブ~!」」」

 

再号令と同時にザフィーラに向け全ちびノブが走り出し一体が接触すると爆発を引き起こし消える、それが大体20近くのちびノブによって途切れなく続けられる。じゃがこれで終わるはずもなかろうて…なのでもう一枚切らせてもらうぞ。

 

「三千世界に屍を晒すが良い…天魔轟臨!!これが魔王の三千世界(さんだんうち)じゃ!!」

 

唱えきると同時にわしの背後に三千なる火縄銃が召喚され、そこから銃弾…ではない、ビームが放たれザフィーラが居る場所を焼き尽くすがごとく制圧射撃が降り注ぐ。

 

周りの被害を一切合切無視した制圧射撃、これにより爆煙が立ち昇りザフィーラがどうなったかが晴れるまで確認できん…が、あれほどぶつけたのじゃ少なくとも戦闘が可能な状態とは思いたくない。そんな事をわしは思いつつそれでも警戒は解かずに火縄銃を構えたまま晴れるのを待つ、そして煙が薄くなりそこに見えたのは

 

(…やはり今日は間が悪い日なようじゃの)

 

ザフィーラは想定よりも浅いがそれでも戦闘続行はぎりぎりといった感じのダメージを受けたようじゃが問題はとその前に庇うように立っている謎の仮面の男…いやぁ、あれは男のふりした女じゃな?

 

「無事か?」

 

「…何者だ」

 

「なに、貴様らに倒れられると困る者なだけだ」

 

見た感じ、ザフィーラの味方、じゃが第三、ああいや第三はわしらじゃから第四勢力であやつらと関わりがあるという感じじゃない。だが状況はマズイ、ザフィーラは何とかしたとは言えもし仮面の奴が回復魔法的なものが使えれば2対1、もし使えなくともそもそもわしが先のちびノブ大量召喚と三千世界(さんだんうち)で魔力を少なくない量使ってしまいこの2つはもう使えない。

 

そして何よりあやつの戦闘スタイルが全くわからない、もし同じく遠距離も可能で近接も出来るとすれば戦況は一気に不利になることは間違いなかった。どうする、そう思考を巡らせていると状況をさらに悪くする一報が総美より送られてきた。

 

《雪信大変です、マシュがやられて敵が増えました》

 

念話によって送られてきた総美の言葉に思わず笑いが溢れる、どうにも本当に今日は厄日らしいと、とりあえず返事はしておくべきじゃな…

 

《奇遇じゃのう、こっちも増えたぞ、なんじゃあの仮面って!?危な!ええい、なんとか合流する、それまで持ちこたえてくれい!!》

 

念話の途中で光弾がわしに迫るもそれをなんとか回避、返答なんて聞いてる暇もないので打ち切り仮面の奴と向き合うと表情は読めんが何やら驚いてる感じに。

 

「ほう、避けるか。まぁいい、貴様はここで落とさせてもらうぞイレギュラーは排除すべきだからな」

 

「(ありゃガチじゃな、落とすなんて言ってるが殺す気満々じゃぞ)ノッブ、総美の居場所とそこまでの最短ルートを出せ、それと火縄銃の制御を再度頼む」

 

ノブノブの声と同時に脳内に地図が浮かび上がり、点滅する光点とそこまでのルートが出るがこれ飛べってことじゃな?と言わんばかりにビルを突っ切っていた。まぁ最短ルートじゃからな、当然そうなるわな、それじゃ

 

「合流か?無駄なことを、貴様の仲間のところにも一人向かっている、今頃…」

 

「殺られている?それこそ冗談じゃな、わしならいざ知らずあやつがそう簡単に負けるものか、さらに言えば」

 

そこまで言った所で射撃開始、突然の攻撃開始に向こうは反応が遅れ数弾が命中、じゃがそんなののんびり確認する暇もないので即座に反転、飛翔しながら再度斉射して総美との合流のため逃亡開始じゃ!

 

「わし、お主らのガチでやりあうつもりはないのでな!さらばじゃ!!」

 

「ちっ、逃がすか!」

 

どうやら、二回目の斉射はそんなに足止めにはならなかったようじゃが距離は稼いだのでわしは出来るだけトップスピードで総美との合流に急いだ、総美との距離はそれなりにある、さぁ鬼ごっこを始めようじゃないか。




なんだこのくっそ雑な戦闘描写のもなりきれてない文章は…

次回、時空管理局と合流できたら良いな、カルデアスタンバイ!


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ぐだぐだ第十一話じゃ!

お、お久しぶりです(小声

ちょっと無理くりでも話を進めようと長くなってしまった…


数発命中させ、その後の斉射で距離も稼いだ筈じゃったのだがやはり経験の差と言うものは大きく既に相手はわしを射程内に入れたようで容赦ない攻撃にさらされている。

 

(速い。しかも)

 

「ノブッ!!」

 

ノッブの警告と同時に回避行動、光弾がさっきまで居た地点を通り過ぎる。攻撃も正確で当たったビルの外壁が砕けたところを見ると威力も洒落にならん、このままじゃ総美と合流する前にやられるのがオチか…と言うかなんでアイツラあんなに離れてるんじゃ、おかしいじゃろ戦闘開始時は同じ地点におったはずじゃなのに

 

「ノブノブ(離れたのは自分では)」

 

小声でノッブが何かつぶやいたようじゃが聞き取る余裕なぞない、つかそろそろヤバイ、このままじゃ本気で逃げ切れん、距離的には前のビル突っ切ればもうすぐなのじゃがその前に接敵される…ならばいっそのこと

 

(迎撃するか?いや、それこそ悪手、勝てる要素が微塵も…む、待てよビル?ほう、これならもしやすると逆転もあり得るかもしれぬ、ならば)

 

よしやろう、その結論に至ると同時にビルの窓をガシャン!とぶち破り転がりながら着地、直ぐに火縄銃を展開して斉射、が尽く回避される、思わず舌打ちをしてしまうが当たり前の結果と言われればそれまでじゃ、確かにわしの火縄銃は威力もストッピングパワーも弾速もある、しかし当たり前じゃがあまりにも弾が直線すぎる、故に射線を見切られれば回避なんぞ容易い部類じゃろう。本来ならば数による弾幕でその欠点を補っておるのじゃが今は魔力の節約のためにその数を抑えて火縄銃を召喚してしまっている、そこまで神経質にならなくていいレベルの消費だがまだどのくらい戦闘が長引くかわからない以上節約できるならするべき…なのじゃが

 

(ここは弾幕を張るべきじゃったか)

 

いや、今更なことを言っても仕方がない、直ぐに柱の陰に隠れ策のためにちびノブを二体召喚、簡単に指示をしてからチラッと仮面の方を見ると目の前に一発の光弾…!?

 

「(しかもさっきまでと違っ!?)ぬぐぁ!!」

 

「遮蔽物が多い場所で迎え撃たれそうなら広範囲の攻撃が来ると考えなかったのか?」

 

「ゴホッ、痛ぅ…(ちっ、そんな魔法も当然あるか、わしが使えるんだからのう)」

 

抜かってた、いやマジで…と言うか真っ直ぐ飛ぶ榴弾もどきな攻撃とか卑怯じゃろ、わしも国崩しみたいな大砲作ってやるからな覚悟しておるがいい…!!

 

なんて冗談叩きたいところじゃが我慢、とにかく今は立ち上がりやつと対峙する。めちゃくちゃ痛いがまだ戦える、それを告げるように圧切長谷部を手元に出して構える。

 

「まだ戦うつもりか」

 

「当たり前じゃ、まだやりたいことがあるからのう、貴様なぞに殺されてたまるか」

 

ビルの中とは言えそこまで広い空間でもなく、対峙しているわしらの距離も言うほど離れていない、と言うか火縄銃の距離じゃない。

 

だが問題にもならない、柱という遮蔽物があり、更に言えばまだやつはまだ気づいてないようじゃしな。ならば策がなるまで時間を稼ぐのみ、ってそれが一番難しいんじゃけど。

 

「では、行くぞ!」

 

踏み込むと同時に火縄銃を二丁展開、即座に射撃

 

「ふっ」

 

相手はそれを回避、に合わせて間合いに踏み込み上から振り下ろす、バックステップで回避される、それに合わすように火縄銃を一丁召喚射撃

 

がこれも半身を逸しただけで避けられる、今度は反撃とばかりに踏み込まれ回し蹴りが放たれる。

 

それをギリギリでしゃがみ躱してから刀を横薙ぎに振るうも奴はすぐに距離を離し光弾を数発わしに向けて撃たれる

 

「ノブノブ!」

 

「でかしたノッブ!」

 

やばっと思ったがノッブが叫ぶと同時に魔法陣が浮かび上がり光弾を防ぐそこで一旦睨み合う。

 

魔法が絡むとまだ対処がうまくいかんのう、いつもの感じでやればこうなるのはわかっていたつもりじゃったが…とと?おお、もう持ってきよったかならば

 

「(思ったより早かったな)クククッ」

 

「何が可笑しい…?」

 

「む?ああ、そうじゃな、なぜかと言えばまぁこう返すしか無いのう」

 

戦国ボンバーマンの真似事をわしがすることになろうとはなっての、そう告げたその時、頼んでおいたものを持ってきたちびノブの叫びと何かが落ちる音、そして辺りが白い靄のようなものに包まれた。

 

「これは?」

 

奴は仮面をしてるからわからぬと思うがわしの鼻にその靄が付着すると思わずくしゃみが出そうになる、それをなんとか抑える、流石にこの場面でそれは恥ずいからな。

 

更にもう一体のちびノブがまた何かを投げそれが地面に落ちると景気良く飛散する、濃さは十分、さて仕上げじゃと火縄銃を10丁呼び出す、しかしこれは弾を込めておらず代わりに魔法で編み出した火種と火皿が付いている。

 

「科学は好きか?わしはまぁ機械工学はそんなにと言うかマシュの方が強いが科学方面、特に爆発なんかはそれとなく分かる口でな」

 

バフッバフッとまた2つほど重い落下音、いよいよそれが何なのか、仮面越しでも奴には分かったようで…ちょっと多くないか?

 

「小麦粉…ま、まさか!?」

 

「お、なんじゃ魔法の世界でもこれって習うというか知られておるのか、では終幕じゃ!」

 

その言葉を言い切るか否かの所でわしは窓からビルを脱出、それと並行して策に気付いた奴が逃亡なり防御行動を起こす前に、爆弾を抱え突撃を開始する二体のちびノブ、そして起爆用の火縄銃を一斉に起動、刹那

 

バァァァァァァァン!!!と想定以上の小麦粉を集めたことによりド派手な爆発音、まぁ言ってしまえば粉塵爆発が引き起こりさっきまで居たビルの一室と全てのガラスが派手に吹き飛ぶ、もちろんその衝撃波も凄まじくなるのでそんなに離れられなかったわしに容赦なく襲いかかり

 

「ぬぉぉぉぉぉぉ!!??」

 

「ノブノブノブー!?」

 

一応ノッブがシールドを張ってたのでガラス片でのダメージはなかったが勢いそのままに受け身もうまく取れずに地面に叩きつけられ、ゴロゴロ転がりながら思わず唸ることになる。

 

「ぐぉォォォォ~」

 

痛い、いや、この衣装のお陰でこの程度で済んだのじゃろうがそれでも痛いものは痛いのじゃよ、ああくっそもう少しちびノブに細かく指示出せばよかったか、まさかあそこまで持ってくるとは…と言うか今どの辺りじゃ?あのビルからすぐが総美の反応があったしとノッブがまだ律儀に出してる脳内マップの光点を見ると

 

(あ、ここじゃん)

 

「…今の爆発、雪信だったんですか?」

 

「うむ、仮面ごとな、まぁやつも死んではおらんじゃろうが動けんだろう」

 

物凄く呆れた感じの目でわしを見るは少々ボロボロな感じになっては居るが余裕そうな総美と息も絶え絶えのマシュ、今だ気絶中の金髪、右腕から血を流しているが比較的無傷の最初の騎士、気付いたらそっちに合流して尚且つ与えたダメージも回復してるザフィーラ、最初に目撃したときとは違う服装でハンマーを持ってる赤毛、そして集中的に総美にやられたのか切り傷だらけの仮面。

 

(ふむぅ、合流出来たのは良いがこれはどういう状況じゃ?)

 

そもそもこれだけの推定敵が居るのに総美のダメージはそんなに大きくない、いくら総美でも多人数は苦手じゃからもう少しやられてるはずじゃし、マシュも盾は確かに先程よりやられてはいるがそれ以外はそんなに変わっとらんし、これではまるで戦ってたのが総美&マシュ対仮面じゃぞ…?

 

「(まぁよい、それならそれで形勢逆転ってやつじゃろ?)ほれ、貴様のお仲間は重傷じゃろうな、どうする?あやつを連れて退くなら追わぬ」

 

「え、ま、待ってください!確保した方が…」

 

「この状況と人数できると思いますかマシュ、確保しても彼女らとの戦闘の可能性が高いです。その最中に逃げられる、背中から撃たれるとどちらかの可能性が残るなら退いてもらったほうが今はいいです」

 

わしが仮面に出した提案にマシュが反論を挟もうとするがそれを総美が止めると渋々と言った感じだったが引き下がる、さて仮面はどう出る、そしてヴォルケンリッター達もどう動く?

 

ほんの数瞬の膠着、状況から仲間の容態が気になったのか、それとも単純に不利だと判断したのか仮面はゆっくりと戦闘態勢を解き

 

「ここは、お前の言う通り退く、どうやら時間切れのようでもあるようだしな」

 

「時間切れ…?」

 

わし等は勿論、ヴォルケンリッターもその言葉に反応し聞き返そうとしたとき何かが大出力で放出された音と空に伸びる桜色の光がわしの目に飛び込んできた。

 

なんじゃありゃ…え、ごん太ビームとかあれも魔法なの?ええ…わしのもビーム出るけどあんなに太くないぞ…

 

「なに?…分かった、全員退くぞ今ので結界が破られた」

 

「はぁ!?っていや、まぁあれだけの威力なら当然かちっ、これだけいて魔力は取れなかったのが痛いな」

 

「いや、あの砲撃の主の魔力は取れたらしい…取られて尚撃ったのは正直予想外だったらしいが」

 

どうやらヴォルケンリッターも退くようじゃな、その方が嬉しい、こちらもこれ以上の抵抗はジリ貧過ぎてやってられんかったからな…総美は知らんがなんて考えとったらその本人が口を開いた

 

「退きますか、残念ですがこの状況では私も貴女も満足に戦えないですからね」

 

「ああ、そうだな、次こそは決着を付けたい所だ、ではな小さき剣士よ、そしてその倒れている少女にもそう告げてくれ」

 

あ、割りと限界だったんじゃなお主もそれでも残念ですがって言葉が出るところがなんともお主らしいというかなんというか…そんなことを思っているとふと視線を感じそっちに向くとザフィーラがなんとも曖昧な表情でこちらを見ていた。

 

ので軽く手を振り疲れたと言ったジェスチャーをすると向こうも苦笑をしつつ疲れたように息を吐く、何か知らんが戦闘中に限ればこいつと仲良くやっていけるような気がしたぞ。

 

「じゃあな盾女」

 

「今度は防ぎきってみせます」

 

へっ、そりゃ楽しみだ。それだけを赤髪が告げると騎士が合図を飛ばしそれぞれが高速で飛んでいった。気付けば仮面も居なくなってたのできっと飛んでいったんじゃろうと思ったところで体から力が抜けて座り込んでしまう、いや流石にシンドいのう…

 

見れば隣で総美も膝をついていた、って言うか汗やばいな大丈夫かこいつ

 

「流石に…ペースを考え無さ過ぎました」

 

「まっ、生きてるから結果オーライじゃよ、してマシュわし等はこれからどうなる?」

 

「そうですね、間違いなく管理局に厄介になるでしょうね」

 

空を見ながら呟くように言うマシュに釣られわしと総美も見るとそこには数人のローブ上のバリアジャケットの魔導士とその中でも階級が高いのじゃろう黒髪の少年に囲まれていた。

 

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ、すまないが我々と来てもらえるか」

 

そう告げられ、総美の方に視線を向ける、総美も総美で状況が理解できたようで小さくため息を付いてから頷く。こういうときはあれじゃ、素直に武装を解いて両手を上げるのが無難じゃな。

 

「話が早くて助かる、ではアースラまで同行を願おう」

 

これからどうなるんじゃろうな~気楽に考えながらわしと総美とマシュはそのアースラへと連行されたのであった。




次回も何時になるか未定ですが更新します!出来るだけ早くしたい(願望


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ぐだぐだ第十二話じゃ!

スランプとかお仕事とかFGOとかなんかもう色々の要素が相まってクッソ更新が遅くて申し訳ございません、失踪はするつもりはないです完結まで鈍亀でも這ってでも更新は続けます。











セイレム楽しみですね(小声


慌ただしく人々が駆け回る中、わしと総美の連行組はクロノと言った執務官の後ろを付いてく、どうやら誰かに合わせたいらしくその場所まで連れて行かれるようじゃ。

 

因みにマシュはこの船に来て早々に自身の大破したデバイスを診せて来ると何処かへと消えた。まぁここに来てから何人かに挨拶されておったし、来たことあるんじゃろうな。

 

「そういえば一つ良いか?」

 

「機密に触れるようなのでなければ」

 

「いや何、先程の金髪の少女は無事かと思ってな」

 

「彼女なら無事だ、既に目を覚ましている」

 

それを聞き多少なりと安心する。流石にまだ意識不明とか言われたら夢見が悪いところじゃったからな。

 

あ、因みに礼装(クロノが言うにはバリアジャケットと言うらしいが)は解除しておるぞ、流石に窮屈じゃしな。なのでノッブは現在わしの頭の上に居る。

 

無論、総美も解除して無明も現在は元の鍔の形に戻っておる、これについては総美本人が使い方を把握したようですぐにでも刀状態にできるとのこと。

 

して何処へ向かっておるのじゃろうかと思いっているとクロノが足を止めたのでわしらも止まる、どうやら目的の部屋まで着いたようじゃの。

 

クロノが扉横の端末を操作し二三何かを会話すると扉が開く、そこから見えたのはなんと驚きの和風全開の光景。

 

思わず呆気にとられる、いやぁ異文化交流するかと思ったらまさか自分の国の持て成しされるなんて欠片も思ってなかったからのう。

 

「なのはもだが、君たちも同じ反応をするんだな」

 

「まぁ、宇宙船に通されたと思ったら和風全開でしたってなれば誰でも驚きますよ」

 

なるほどな、納得してからクロノはわしらを部屋の主のところまで案内するように歩を進める。まぁ案内言っても畳と毛氈が敷かれた場所に女性がおるからそこしか無いのだが。

 

「艦長、二人を連れてきました」

 

「ありがとう、はじめまして私はここ、アースラの艦長を務めてます『リンディ・ハラオウン』です」

 

どうぞ、座って楽にしてください。そう進められればわしらが断る理由もないのでわしは胡座、総美は正座でそれぞれ座る。

 

座ると女性、リンディからどうぞとそれぞれに抹茶を出される、まぁ喉乾いてたしあれこれ言うのもどうかと思うし何よりわしがそういうの面倒だから余程じゃなければ気にしないのでありがたく頂く。

 

「さて、茶を頂いた後で申し訳ない、わしは『織田 雪信』してこっちが」

 

「『沖田 総美』です、お茶中々のお手並みで」

 

「あら、ありがとう。それで早速だけど何故あの場に居たのかしら?」

 

一息付いたとことでわしらも名乗り、早々に本題が切り出された。と言っても別段やましい事は何もないのでうむと頷いてから

 

「天体観測じゃ」

 

思いっきり嘘を吐いた。いや待て嘘ではない4割は本当のことだから問題ない、なんてこと思っているとリンディの左後ろに移動してたクロノが訝しげな感じで

 

「それは本当なのか?」

 

「寧ろそれ以外にあの場所にいる理由があると?」

 

「む…」

 

そう言うと押し黙ったクロノに対してカカッと笑いながら茶を口にする。

 

「では貴方方は巻き込まれた、と言う事でよろしいかしら?」

 

「はい、その認識で構いません」

 

続いてリンディの言葉に総美が答える、まぁこいつからしたら最初っから最後まで巻き込まれたっていう立場じゃからな。さてこの調子なら何とか面倒なことにならずに開放されそうじゃなと気を緩めた瞬間、リンディの目の前に映画とかでしか見たことのない空間投影モニターが映し出されそこにはメガネマシュマロ少女ことマシュが映し出されていた。

 

「あら、マシュちゃん。デバイスの方は大丈夫?」

 

「突然すみませんリンディ艦長、それとデバイス『カルデアス』ですがもう修復も困難なレベルでの損傷とのことで、すみません応急処置レベルだったのに無理に出撃してしまった所為で…」

 

「でもそこまでしてお友達を助けたかったのでしょ?それで、何か話が?」

 

あ、そうでした。そこでふと湧き上がった嫌な予感、と言うかお主そんな状態であの戦場に割って入ってきたのか…うわ、なんか凄く悪い事した気がする今更じゃけど。

 

「はい、そこに二人、居ますよね」

 

「ええ、今話をしていたところよ、彼女たちに用かしら?」

 

「えっと、私がと言うより…」

 

何やら歯切れの悪い感じじゃなと思っていると急にマシュが消え、次に写ったのは色白な女性の姿、確かマシュの保護者ではなかったか?

 

「二人に用があるのは私さ」

 

「レオナさんが?」

 

レオナって言うのか、今までチラッとしか見たこと無いし会話も父上や叔父上とならしていたがわしとはしたこと無いがゆえにその辺りは全く知らんのじゃ。

 

「ああ、もっと正確に言えば彼女らのデバイスだね。それで大丈夫かな?」

 

そう言うとレオナ殿はわしらを見据える、どうやら答えを待っているようだがわしとしてはこいつ(ノッブ)の事が詳しく分かるというのなら万々歳で見てもらいたい。

 

総美も総美で見せることに関しては異論が無いようで静かに頷く、がここで一人だけ否、一体だけ異議を申し出んと抗議の声を上げるやつがいた…

 

「ノォォォォォォブゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

「…なんか断ると高らかに叫んでおるが」

 

「なぁに、マスターが良いって言ってるんだから問題ないさ!」

 

あ、この人割りと畜生だな?まぁ確かにノッブが駄々こねようがどうしようがわしも強制連行するつもりだったからそういう意味では自分も変わらんな。その主をレオナ殿に告げるとそれはそれは楽しそうな笑みを浮かべながら

 

「そうかい!ならば待ってるからすぐに来てくれ、それと来る途中でいいから、なのはちゃんとフェイトちゃんも連れてきてもらえると助かるよ、彼女たちにも用事があるからね。ではまたあとで」

 

言うだけ言ってプツリと映像が途切れた、どうやら通信は終了らしい。中々にキャラが濃そうな人じゃったな。

 

「ノ、ノブ…」

 

諦めろノッブよ、あの手の者はどうあがいてもお主には勝てぬ…

 

「えっと、ではクロノ、彼女たちを案内してあげてちょうだい、なのはさんとフェイトさんには私から話しておきますので途中で合流を」

 

「分かりました、じゃあ付いてきてくれ初めての人間が逸れると迷いかねないからな」

 

「うむ、では艦長殿、失礼する」

 

「失礼します」

 

まぁ如何にも広そうな艦内じゃからなぁと思いつつリンディ艦長に挨拶をしてから後を追う、因みに沖田は軽くお辞儀をしてから付いてきておる。

 

しかし改めて見るとこう…本当にSFな世界に飛び込んでしまった感じがバリバリしてちょっと、いやかなり心が踊ってしまうのう、これでいっそ艦隊戦でもあって砲撃やら何やらが飛び交うのも見れればもう大満足なのじゃが…

 

「少なくても雪信が思ってるようなことは起こらないと思いますよ」

 

「いや、だが宇宙船じゃぞ?あるかもしれないではないか」

 

「…一体何を考えていたんだ」

 

お、クロノが食いつくとはな、他人にはそこまで関心がないと思って負ったがなんてクッソ失礼なことを思いながら先程のことを話すとこれまた盛大に溜息を突かれた、えぇ…

 

「なんじゃなんじゃ、いたいけな少女の夢を溜息一つでぶち壊すとは男の風上にもおけんのう」

 

「いや、そういう意味での溜息ではなかったのだが、それにそういう事は殆ど無いよ」

 

そうなのかつまらんのう、とそこで前から二人の少女が歩いてきてることに気付きそっちに視線を向ける。

 

「え、雪信ちゃんと総美ちゃん?」

 

そこには驚いた表情と声でそう呟いた高町なのはとそれを不思議そうに見てる金髪少女の姿、そういやわしらがあの場に居たってコヤツは知らんかったんじゃな。

 

「おう、学校ぶりじゃな」

 

「こんばんは」

 

「あ、こんばんは、じゃなくてなんで二人がアースラに!?」

 

なんでも何も彼処におったからじゃがと答え簡単にその時の状況を説明してなのはがそうだったんだと少々気に病んだ感じの声でそう答える。どうやら学校で話したせいでわしらが巻き込まれたと勘違いしているようだったので

 

「貴様が気に病むことではあるまいて、わしが好きで首を突っ込ん…あっ」

 

「先程は天体観測と聞いたが?」

 

やっべー、フォローしようとしたら自爆したぞ…マズイ、クロノの目がすげー怖い、仕方ないかくなる上は!!

 

「まぁそれよりもじゃ、そっちの金髪少女、怪我の具合はどうじゃ」

 

「え?あ、大丈夫です、私こそ彼処でやられなければ巻き込まれなかったのに…ごめんなさい」

 

「そこは気にしなくても構いませんよ、さっきも雪信が言ったように彼女が首を突っ込んだだけですので、私としても巻き込まれましたがあのような強者(つわもの)と切り会える機会が増えると考えれば嬉しいですしっなんで皆さん私を見てちょっと距離開けてるんですか?」

 

黙っとれバトルジャンキー、お前それで彼女のフォローになると思ったの?そんなことちょっと微笑みながら言えば誰だってそんな反応になるわ、まぁ場の雰囲気は少し軽くはなったようじゃから…良かったのか?

 

「さて、まだ名を名乗っておらんかったな『織田 雪信』じゃ」

 

「『沖田 総美』です、別にバトルジャンキーじゃないんですけど」

 

「『フェイト・テスタロッサ』、です」

 

うむぅ、まだ気に病んでる感があるのう、なのはといいどうやら似た者同士…いや、はやてもそんな気がするからなんじゃ海鳴はそういう子供が多いのか?わしも子供じゃが。

 

「もういいか、そろそろメンテナンスルームに向かいたい」

 

「そういえばレオナさんが呼んでるって」

 

「ああ、だから余り待たせると何を言われるかわからないからな」

 

では行くぞと先を歩くクロノに続きわしらも行動を開始する。道中、互いに簡単な自己紹介、それからわしらのデバイスの事を話す際に頭でふて寝かましてるノッブを叩き起こす。

 

「ノブ…」

 

「自律行動してる?、凄いね」

 

「うむ、今はまぁちょいと不機嫌気味じゃが何狂犬病予防注射に気付いた犬みたいんものじゃ気にするな」

 

「犬…でいいのかなぁ」

 

犬じゃろ、いつもは駆け回っとるしと付け加えると上の住人からペシペシ叩かれ犬扱いはやめろと抗議の声が来る、意外にわがままなやっちゃのうと思っとると急に大人しくなりそして…

 

「着いたぞって何をしているんだ」

 

「ノブ!!ノブ!!ノォブ!!!」

 

「何処へ逃げるというのじゃ、諦めい!!」

 

「大丈夫だよノッブちゃん、レオナさんは悪い人じゃないから!」

 

「あ、あわわ、ほら落ち着いて」

 

全力逃亡をしようとしたノッブ、だがそれをわしが首根っこを押さえその両横でなのはとフェイトが言い聞かせるという光景にクロノが何回目か分からぬ溜息と総美の苦笑い、最後に

 

「そうだとも、私は何も君をバラそうなんて思ってないからね、さぁ入りたまえ」

 

「あの、手にドライバー持ってそのセリフは少々説得力がないのではと」

 

メンテナンスルームの扉が開き色白の長身の白衣の女性ことレオナといつものパーカーにメガネのマシュが出て来てそこでノッブは諦めたがごとくぶらーんとなった。さていよいよこやつと総美のデバイスの事が分かる時が来たようじゃな、そんなことに心を踊らせながら五人と一体はメンテナンスルームへと足を踏みれた。




次回、ノッブと無明の秘密!

カルデアスタンバイ!

年内に…出来たら嬉しいなぁ


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ぐだぐだ第十三話じゃ!

あけましておめでとうございます!あ、止めて石投げないでごめんなさい

ではでは今年も(更新とかその他諸々)ぐっだぐだな物語開幕開幕


「さて、ようこそ我が工房へ!」

 

両手を広げ高らかに宣言するレオナ殿、いや、明らかに主任クラスじゃないじゃろう…

 

「ああ、安心したまえ、主任は私だから我が工房は何一つ間違ってはいないよ、さてもう一人紹介しようじゃないか」

 

では少し待っていてくれたまえと部屋の奥に消えた、いやぁテンションたけぇなぁ、と言うかあのテンションと性格で主任なのか大丈夫なのかそれ…

 

「腕は確かなんだ…」

 

「お主思ったが絶対に苦労人じゃろ、これからよろしくな」

 

「頼むから僕の頭痛の種を無闇に増やさないでくれよ」

 

ん?これからってどういうことじゃだと?簡単な話じゃ、あれだけ派手な敵対してて一般に戻れるはずなかろうってことじゃ、そして向こうもそれはもう理解しておるから今の会話になったというわけじゃ

 

それから少しするとレオナ殿の声ともう一人女性の声が聞こえ姿を現す。メガネに白衣の少々癖っ毛のある女性はわしらを見ると同時に驚いた表情になってレオナ殿に詰め寄る。

 

「え!?二人も連れてきちゃったんですか!」

 

「ああ、遅かれ早かれ彼女らにも聞くのなら早いほうがいいと思ってるからね」

 

「そうですが…あ、申し遅れました、私『マリエル・アテンザ』です、ここでメンテナンススタッフをしています」

 

あ、きっとここのスタッフの大半はレオナ殿に振り回されるのが日常な連中なんじゃなと直感で思わせるほどの雰囲気を纏わせながらもそれでも明るい雰囲気を持った女性、マリエル殿の自己紹介に合わせわしらも軽くまた名乗りを上げる。

 

「うんうん、主任から聞いてるよ。でも二人のデバイスは主任じゃないと説明出来ないんだよね」

 

「それは、どういうことじゃ?」

 

「何、それは私が手がけたデバイスシステムを乗っけているものだからってだけさ」

 

「と言うことは雪信の『ノッブ』も私の『無明』もレオナさんが?」

 

ああ、そうとも。ふふんと聞こえてきそうな顔でそういうレオナ殿、まぁだろうな、寧ろこれで違かったらどうしようかと思うところじゃったぞ。一人納得しているとそれを聞いたなのはがあっと何かを思い出したかのような声を出してから。

 

「それって、確か『デミ・サーヴァントシステム』でしたっけ?マシュちゃんのデバイスにも使ってるって、あれ、でもあれって確か…」

 

「お、よく覚えてたね。あの時は結構バタバタしてると思ったんだけどね」

 

「と言うか僕達の預かり知らないところでまたデバイスを作ってたのですか…」

 

「クロノ…」

 

疲れるように溜息を付いてるクロノとそれを心配するように覗き込むフェイトはまぁ置いておいて、また知らぬ単語は増えた…説明を求めるようにレオナ殿を見ると勿論と言った感じに頷き空間ディスプレイを出現させる。

 

「では説明させてもらうよ、試作デバイス『カルデアス』及び今しがた完成した後継機にしてマシュの正式デバイス『キャメロット』の『デミ・サーヴァントシステム』を搭載しているものを『デミ・サーヴァントデバイス』と呼んでるものだ、と言っても二人にはその『デミ・サーヴァントシステム』が分からないだろうからこれを軽く説明しよう」

 

スッとまた別のモニターが現れるがそこに写っていたのはマシュのシルエットと謎の数値、あとこの星の文字ではない文字で色々書かれているがその辺りはレオナ殿の説明聞いたほうが早いな。

 

「さて、見ての通りこれはマシュだ。『デミ・サーヴァントデバイス』と言うのは言ってしまえばこの星の神話等に出てくる英雄の力をデバイスに収めて使ってしまおうというちょっとネジが飛んだ発想から着手生まれたデバイスなんだ、まぁ魔法なんてのがあるからね、そこに考えが至っても不思議ではないだろう。で当初こそただデバイスに収めてって話だったし現に開発できたんだけどそこで新しい問題が出てわけさ」

 

「…強大すぎた、故に使える人間が居らんかった」

 

思わずわしが呟くとレオナ殿がほうっと感心した声を上げる、いや待て、ああそういうことか…

 

「そう、君が思ってるとおりさ、『普通の人間』に扱えない代物ならばそれに適合或いは扱える人間をいや、もっと言ってしまえば『機械人間』を作ってしまえばいい、そして生まれたのが」

 

「私『マシュ・キリエライト』となります、はい、私は人間ではなく人の手によってこの『デミ・サーヴァントデバイス』を使うためだけに生み出された存在なのです」

 

スッと前に出てきてそういう彼女の顔は少々辛そうではあった、まぁ今まで隠し事しててってところじゃろうな。だがまぁ、『だからどうした』仮に彼女がそうであったとしてもわしらが一々気にするかそんなもん、魔法とか宇宙船とかが存在してるのならばそういった物が生まれるのも直ぐに思いつくしな。

 

「マシュ、何を気にしているかは知らぬがわしらがその程度のことでお主と関わりを断つと思っておるのか?」

 

「そうですよマシュ、伊達に貴女の友人をしてませんし、貴方以上にぶっ飛んでる雪信の幼馴染をしているんです、それくらいどうってことありませんよ」

 

「え、いや、だって…あ、ありがとうございます」

 

「さて、しんみりいい話雰囲気をしてる暇はないよ、では次になぜ君たちは『デミ・サーヴァントデバイス』を扱えるかについての説明に入ろうじゃないか!」

 

「余韻って大事だと思うんですよレオナさん!」

 

「う、うん」

 

若干どころかガチ泣き既のなのはの叫びに同じくガチ泣きではないが潤んでいたフェイトが小さく同意するもハハハ、たしかに大事だけど割りと時間が押しちゃってるからね、すまないね。と軽く流すレオナ殿、ああうんもう何も言うまいて…と思いつつ新たに出されたモニターに目を移すとそこにはわしと総美のシルエットが先程と同じように映される。

 

「ま、見ての通り、これはそこの二人さ」

 

「お、なんじゃわしらも実はってオチか?」

 

「ざぁんねん、それは無いよ。君たちは正真正銘、人間だよ」

 

そうかと納得しつつ、レオナ殿の話に耳を傾ける。と言うかさっきからマリエル殿が黙ってるが良いのか?まぁわしらのデバイスに関しては口を挟めぬだけか

 

「っとその前にだ、マリエル君、多分先になのはちゃん達の用事をそっちで済ました方が良いと思うよ、時間は有限だからね」

 

「あ、やっぱり長くなるんですね。分かりましたではなのはちゃん、フェイトちゃんこっちに来てくれるかな」

 

急じゃな…だったら最初からそう言えばよかったのでは、いやよそう、わし個人の考えでこの場を混乱させてはならぬからな。という事でここからはわしと総美とクロノ…おや?

 

「お主は行かなくてよいのか?」

 

「ああ、このまま話を聞いてないと何かまたとんでもないことを聴きそびれそうな気がしてね」

 

「やだなぁ、そんなこと無いさ…マシュの作成した組織の技術協力に確かDr.スカリエッティが関わっててしかも完成と同時に姿を消したくらいかな?」

 

「なっ!?」

 

誰じゃそいつ思ったがクロノの反応見る限りトンデモナイ爆弾なのは確かなようじゃな、正直そろそろ話し進めんか?

 

「聞きたいだろうけどまぁ待っててくれよ?さて、こっちの説明を続けようか。『デミ・サーヴァントデバイス』はさっき言ってたように本来であれば普通の人間には扱えないはずだった、それはミッドチルダで研究してるときから何度も確認したから確かな事実だったんだ」

 

「ですが私たちは扱えている…」

 

「ああ、総美ちゃんの言う通りさ、地球に来てここ、海鳴市に腰を据えて初めて発覚した時はそりゃもう驚きに驚いたものさ。勿論私は直ぐに理由を探した、その為に君たちの両親と接触して二人の血液を調べた、そして見つけたんだよ」

 

スッとまた新しいモニターが投影される。がまぁ分かるのはその血液の成分とその数字だけで他はちんぷんかんぷん、という事でまたレオナ殿の説明を待つ。

 

「それは血筋、そのデバイスに封じ込めた英雄の子孫、しかもただ子孫で良ければって訳でもなくその中でも先祖との魂の波長が同じないし似ているものに限り『デミ・サーヴァントデバイス』の適合者となることがわかったのさ」

 

なんじゃその見つけるだけでも天文学的数字の低さの確率、欠陥品どころか失敗作に近いではないか…軽く呆れておると総美が少し思案する顔した後

 

「その、疑問なのですが私達の先祖はたしかに有名ではありますが神話の英雄に比べたら何か特別な力を持ってはいないのに何故ベースに選んだのですか?」

 

「だからこそさ、特別な力が無い近代に近い英雄であれば扱えるんじゃないかなって言うのが理由さ」

 

それでも駄目だったけどね!えぇ…寧ろよく2機もその扱える人間が居るかどうかも怪しいデバイス作ったし許しが出たな

 

「わしからも聞いてよいか、何故昨日になってこいつも無明も起動したのじゃ?」

 

「単純に魔力の発現が昨日だったって話だよ、それでノッブが起動すれば連動して無明が起動、逆もありえたけどね」

 

というわけでまぁ諸々もうちょっと細かい説明したいけど良い時間だし後日にしようか。そう言われ携帯の時計を見れば22時、確かに明日も学校だと考えればもう帰って寝なければという時間じゃな。

 

「と言うか言うほど長くなかったな」

 

「誰も長くなるなんて言ってないのにね」

 

そこでなのは達も帰ってきた…見覚えのない緑髪の少年を連れてが後ろに着くがまぁあやつの知り合いじゃろうなうん。

 

「あ、そっちも終わった?」

 

「く、クロノ、大丈夫?さっきよりもひどい顔してる…」

 

触れてやるなフェイトよ、ちょっとそこの主任がホウレンソウしてるか怪しいレベルの情報を持ってただけじゃ…

 

「はい、今しがた、それと…」

 

「初めましてだよね、『ユーノ・スクライア』です」

 

名乗ってから一礼する少年、ユーノに続きわし等も軽く自己紹介をしてから

 

「さて、わしらはもう帰るのじゃがお主等は大丈夫なのか?」

 

「うん、お母さんたちもこういうことに私が関わってるって知ってるから、それにリンディさんも説明してくれるから」

 

「雪信たちの方こそ大丈夫なの?」

 

「む?ああ、問題ない問題ない、このデバイスの事で間違いなくこっち側の事情知ってるから寧ろ問い詰めるつもりじゃ」

 

「そうですね、今回ばかりは両親に連絡入れて帰ってきてもらって私も聞かなければなりませんね」

 

若干、怒気の孕んだ声で言う。聞いてきたフェイトが少々怯えているように見えるが気のせい、気のせいだと言ったら気のせい。

 

という事でわしら小学生組はメンテナンススタッフに挨拶しリンディ艦長とクロノ、それとクロノの幼馴染の『エイミィ・リミエッタ』と言うこれまた元気ハツラツ少女と共に家路につくことになった。




次回 まぁその何かやらかしてくれるさ。

と言うか話の流れ酷すぎるだろこれ…


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ぐだぐだ第十四話じゃ!

3ヶ月も更新しなくて本当に申し訳ありません・・・

今回は日常編、因みに本家Fate信長はこんなにうっかり屋じゃないと思うよ!


翌日……に行くと思ったか、皆と別れ帰ってからの出来事後じゃ!!と意気込んではみたのじゃがな?

 

「では、今は話せぬと言うのじゃな」

 

「いや、明日には話すぜ?」

 

という訳じゃ、父上の言い分はとりあえず総美の両親が戻る明日に集まり話すということ、まぁ話すというのならばそれで良いのじゃが。

 

「と、綺麗に、そして何事もなくわしが部屋に戻ると考えてはおらんじゃろうなぁ?」

 

「お、おう?何をするつも……」

 

父上の言葉を遮るタイミングで投影される空間モニター、そしてそこにはこれまたいい笑顔のレオナ殿、あらあら、お久しぶりですねと挨拶する母上、固まる父上。

 

「やぁ、夜分済まないね!これから遊びに行ってもいいかい!」

 

「いやいやいや、急だなおい!?」

 

「お、なら急じゃなければいいんだね、では明日の夕方そっちに寄るからよろしく~、じゃあね~」

 

「はい、お待ちしておりますね」

 

え、いや待てと言った所でレオナ殿が止まるわけもなく無情にも閉じる投影モニター、ふむ流石じゃわしでもここまで父上を手にとることは出来ぬ。

 

「そういうことじゃ、多分当日はキリエライト家以外にも来るじゃろう」

 

「ああ、分かった、だったらこの際だ宴にしちまうか」

 

「お、それ乗った」

 

「あらあら、じゃあお母さん張り切っちゃうわね」

 

とまぁそんなふうに明日の段取りを決めてただけな夜じゃったわけさ。

 

して場面が変わり翌日の昼休み、昨日と同じくわしと総美はマシュに誘われ屋上へと向かう階段の途中。

 

「と言う訳で、今日はわしの家で色々と話そうではないか」

 

「はぁ、確かに昨夜レオナさんが張り切った感じにそう伝えにはきましたが本当に大丈夫なのですか?」

 

気にするな、準備するのはそういうの大好きの母上だからな、因みに今朝の段階で相当張り切ってたので今日の夕食は間違いなく豪華じゃ。

 

「私は私で、両親が久しぶりに帰ってくるので忙しくなりそうです」

 

隣で溜息をつくのは総美、やつの両親は何をやっとるかは詳しくは知らんが海外を飛び回っておる。まぁ仲が悪いとかではないのでそこは安心してもらって良い。

 

「さて、あまり待たせてはマズイだろうし屋上行くぞ」

 

「もう扉の前ですけど……」

 

気分じゃ気分、軽く言い訳をしてから扉を開け屋上に入るとそこには昨日会ったツイテ少女の高町なのは、同じく昨日が初対面の金髪ツイテ少女のフェイト・テスタロッサ、うむここまでは問題ない。

 

問題は次じゃ、頭のカチューシャが印象的な物静かそうな少女と見ただけで分かるほどの活発さを感じる少女の二人、なんか見覚えある、つか絶対見たことある。

 

「……おお、アリサとすずかではないか。久しぶりじゃのう」

 

「その妙な間は何かしらね。雪信?」

 

「いや、忘れてたわけではないぞ、ちょっと思い出すのに時間がかかっただけじゃ」

 

それって忘れてたって言うわよね!いやぁ元気なやつじゃのう。という感じにこの二人はなのは達と知り合う前からの知り合いじゃ、まぁ会ったのは片手の指で足りる回数だが。

 

「お久しぶりです、二人共」

 

「うん、久しぶり。そっちも元気そうだね」

 

「まぁ雪信に振り回されてれば嫌でも元気よね。それよりほら、総美はきちんと覚えてるじゃない」

 

「いや、待てわしとてそうポンポンと忘れたりはせぬぞ。そもそも忘れとらんと何度言わせる、あれじゃ昨日少々濃密すぎる一日だったが故にちょっとな」

 

ポリポリと頭を掻きながら座り弁当を広げる。それと同時に……っとここでとてつもないやらかしを引き起こした。というのもマシュに呼ばれたがゆえに昨日と同じようにやつを連れてきた挙げ句、同じように起こしてしまった。

 

「ほれ、昼じゃぞ起きろ『ノッブ』」

 

「え、あっ、待って雪信ちゃん!!」

 

へ?突如として叫ぶなのはに驚くも時すでに遅し、ノッブは光学迷彩を解きつつわしの頭から綺麗に着地する。

 

「……え、なにそれ」

 

「何ってお前、ノッブだが?」

 

「いや、そうじゃなくて」

 

何を言いたいんじゃ?いや、それよりも何故なのはは固まりマシュは顔に手を当てて空をあおり見て、あっふーん、やらかしたんだろうなぁわし。

 

「雪信、もしかしなくてもこれって二人にはこっちの事情は何も話してないとかでは?」

 

「え、事情って何?」

 

「なのはから何も聞いとらん?」

 

淡い希望とともにそう聞くが首は無慈悲にも横に振られる、はいお疲れ様でした。潔い諦めと共になのはとマシュの方を向いてゆっくりとサムズアップ、ついでに笑顔も付けておこう。

 

「な~の~は~?」

 

「ア、アリサちゃんこれにはちょっと言い出せなかった訳があってね?雪信ちゃんもサムズアップされても困るよ~」

 

「いや、すまぬ、てっきりその辺の事情は知っとるものかと」

 

「いえ、なのはさんが踏ん切りつくまで話さないってことでしたので」

 

アリサに言い寄られ困り顔のなのはにそう謝りつつ、ノッブにおにぎりを渡す、そこでああ、そういやノッブの話しした時は二人を連れて来なかったなと思い出し苦笑を浮かべる。

 

そう考えればこれはわしが撒いた火種、仕方がないここは助け舟の一つでも出さなければ不義かと一つ溜息をついてから言い寄らんとしているアリサに

 

「まぁ待て、なのはの言う通り事、この件に関しては少々面倒でな、わしとて知ったのは昨日じゃ」

 

「ふぅん、知り合って間もない雪信と総美には話せて私やすずかには話せないことって何?」

 

「え、えっと……」

 

「アリサちゃん、落ち着いて、フェイトちゃんも怖がっちゃうよ」

 

「話さぬとは言っとらんじゃろうて。のう、マシュ、なのは、フェイト?」

 

「え、私も!?」

 

なんかフェイトが素っ頓狂な声を上げとるような気がするが聞こえぬ、さて弁当を食べるとしようではないか。

 

「……まぁ、三人に任せれば大丈夫ですか」

 

「ま、是非もないよね!」

 

「そうなのかな?」

 

すずかがなにか呆れているようじゃがお主はマシュ達の話を聞かんで良いのかと聞こうと思ったがまぁそんなに距離が離れているわけでもないので普通に聞こえとったな。

 

そんなこんなで弁当を突きつつ、マシュが魔法について、なのはとフェイトが少し前にあった事件での事を流石に全ては出来なかったようだが主要なことは話し終え、それを聞いたアリサは一言

 

「なるほどね、あの時マシュやなのはがバタバタしてたのはそういうことだったと」

 

「ご、ごめんね、本当は素直に話さればよかったんだけど」

 

「いいよ、聞く限りだと言い出すのだって難しそうなことだって分かるから」

 

それよりも、とアリサが視線を移したのは先程までの緊張した感じなぞ嘘のような感じに弁当を食べて頬を緩ますフェイト、こやつ完全に話すこと話したから己は暫く蚊帳の外だとか思ってそう。

 

「驚いたのはフェイトがなのはと敵だったってところよね、大丈夫、容赦なかったでしょ?」

 

「待って?」

 

「え?あ、うん、初対面の時やその次くらいまでは私が勝ってたけどえっと、覚悟が決まったっていうのかなそれからは私も色々無理してたとは言え強かった。最後は、ははは」

 

何故か急激に目から光が消え渇いた笑いを出し始めるフェイト、その瞬間、マシュを除く全ての視線がなのはへと刺さる。暗に全員が告げる、一体どんな事をしたのだと。

 

一方、そんな視線を向けられた彼女は弁当を置いてから両手を振るい弁明を始める。

 

「ち、違うからね!そんなフェイトちゃんがあんなにトラウマに成るなんて思わなかっただけで」

 

訂正、それは弁明ではなく自爆じゃった、流石のわしもこれにはツッコミを入れたのは悪くないと思う。

 

「なお、悪いわ。え、なにしたのお主」

 

「あ、映像ありますよ」

 

「マシュちゃん!?」

 

思い出したかのようにマシュがそう告げると最早隠す素振りすら見せずに昨日見たあの巨大な盾を手のひらサイズにしたアクセサリー、もといデバイスを取り出し投影モニターを出してその映像を流し始める。

 

止めようとするなのはを尻目に全員が見たその映像の内容は『フェイトの四肢を拘束し魔力をかき集めてその塊と化した極太ビームを動けないフェイトに撃ち込む』と言う映像、満場一致でそりゃああなると全員が思ったのは言うまでもなかろう。

 

「一応フォローしておきますとこの頃のなのはさんではここまでやらないと勝てなかったという背景がありますよ」

 

「私達が友だちになった時も確かに私が悪くてビンタが飛んできた、ええでもあれで仲直りして今があるわ。マシュのフォローも分かるけどそれを踏まえて言うわよなのは、容赦無さ過ぎじゃない?」

 

「え、何お主の友人に成るのって一回は痛い目合わなきゃならんの?」

 

「そ、そんなことないから!?そこまで暴力とかに物言わそうとか考えてないから!」

 

「ああ、ほら雪信、からかいも程々にして下さい。平気ですよなのは、彼女の口元をよく見て下さい、笑ってますね?つまりそういうことです」

 

総美の指摘通りわしは既にからかいモードになっておる、それを理解したなのはが頬を膨らませ怒ってますという雰囲気を醸し出し始める。

 

「すまぬすまぬ、中々に良い反応するがゆえにな、お詫びというわけではないが今宵我が家で宴を開くから来てくれ、無論フェイトのところもじゃよ?」

 

「え、フェイトちゃんも?」

 

「私の所ってことはリンディさんやクロノもってことだよね」

 

その言葉にうなずき肯定、それと同時にマシュの所も来ると告げると何かに気付いたなのはが分かったと言ってくる、さて本来であれば二人は予定にはなかったが聞いてみるか。

 

「うむ、二人はどうする?」

 

「あ~、先にその二人招待ってことは魔法関連の話もあるんでしょ、遠慮しておくわ。行ったらもっと凄いこと聞かされそうでそれこそパンクしそうだし」

 

「私もごめんね、また次ある時は行きたいな」

 

ふむ、なんとも察しが良い娘よのう。てな感じにその話は終わりあとは日常の雑談をしつつ昼食の時間は流れていったとさ、ああでも少々許されたわけではなく、なのはにはわしの弁当のおかずを少々献上することになったのじゃがな、ああわしのハンバーグ……




次回は宴編、それと+なにかかもしれない?でもキャラ数多すぎて会話回しでハゲるわこんなん・・・(宴


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