ハイスクールD・D・D(更新停止中) (ラグナクス)
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番外編
あらすじ集


すみません
一回目の概要は内容を覚えていないので載せることができません。


2回目のあらすじ

 

 

ユーガ「ワン・フォー・ワンでDD魔導賢者ケプラーを特殊召喚。効果で地獄門サーチ地獄門でリリスサーチ。スワラルとリリスで融合召喚。DDD烈火王テムジン。ハウリング通常召喚効果でリリス特殊召喚。ハウリングとリリスでシンクロ召喚DDD疾風王アレクサンダー。さらに」

 

ゼット「長い!」

 

ユーガ「邪魔するな!まだまだ終わらねぇぜ。DDD烈火王テムジンは自分フィールドにこのカード以外のDDモンスターが特殊召喚された場合、墓地のDDモンスター1体特殊召喚する。効果で・・・」

 

蒼枒「あらすじ全部埋まるからやめろ」

 

ユーガ「やっと出番が来たからテンション上がってしょうがないんだ!こんなんじゃ満足できねぇぜ」

 

蒼枒「俺だって満足してない。もっと嫁とイチャイチャしたい」

 

ゼット「お前らはまだいいだろ。ヒロインと始めから一緒にいて。俺なんてまだ出てきてないんだぞ!」

 

ユーガ「一番出番あるのに何言ってやがる」

 

蒼枒「原作沿いだからな。ゼットのヒロインの出番はまだまだ先だ」

 

 

 

____________________________________________

3回目のあらすじ

 

 

ロセ「あれ?主人公達は?」

 

黒歌「作者があらすじの文字数制限を見ないで書いたら1000文字超えて、入りきらなかったから今回はいないにゃ」

 

ロセ「代わりに私たちに出番が来たと。それと後ろでガンガンとなってるこの扉は何ですか?」

 

黒歌「きっとまだ出番がないヒロインがここに出てこようとしてるのにゃ。後々出番が一番あるのに・・・」

 

ロセ「そうですね。私は外伝しか出番がありませんし」

 

黒歌「私もそこまで多くはないにゃ」

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3回目のあらすじだったもの

1000文字を超えたため入りきらなかった

 

 

 

ゼット「ようやく主人公同士が出会ったな」

 

ユーガ「話数にして21話。1章は出会う気配すらないとか」

 

蒼枒「基本的に原作(悪魔)に関わり合いがないからな」

 

ゼット「それは主人公としてどうかと思うけど・・・」

 

蒼枒「転生者である主人公が原作にかかわらないものもいる。大丈夫だろ」

 

ユーガ「そんなことよりも質問が来てるぞ!俺と蒼枒どちらが強い?だってさ」

 

蒼枒「それはユーガだろ。作者公認チートだからな」

 

ゼット「いや、奇襲したら蒼枒の勝ちだろ」

 

ユーガ「そうなんだよ。俺そこまで身体能力ないしな。精々崖から落ちたり爆弾で吹っ飛ばされても無傷なだけだ」

 

ゼット「十分すげえよ!」

 

ユーガ「ただ本当にそれだけなんだよ。仮に蒼枒が本気で仕留めに来るとデュエル始める前に首はねられて終わる」

 

蒼枒「だがデュエル開始されればデッキによっては終わりだ」

 

ゼット「ならやってみればいいだろ?ちょうど質問が来てたバスター・ブレイダーのデッキ使って」

 

ユーガ「そうだな。デュエル!」

 

蒼枒「おい!俺はやるとは言ってな・・・」

 

ユーガ「俺は《破壊剣士の伴竜》召喚効果で《破壊剣-ドラゴンバスターブレード》サーチ。 《竜破壊の証》で《バスター・ブレイダー》サーチ。《伴竜》をリリースして《バスター・ブレイダー》特殊召喚。《ドラゴンバスターブレード》の効果で《バスブレ》に装備して効果で特殊召喚からの《ドラゴンバスターブレード》に《バスブレ》チューニング。シンクロ召喚!《破戒蛮竜-バスター・ドラゴン》。効果で《バスブレ》蘇生。2枚伏せてターンエンド」

 

蒼枒「始まってしまったか。そしてフィールドに2体のモンスターか。ならどちらも破壊するまで」

 

ユーガ「そううまくいくかな」

 

ゼット「《バスター・ブレイダー》は相手のフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×500アップする。蒼枒は青龍でドラゴン族に部類されるから《バスター・ブレイダー》の攻撃力は3100だが・・・」

 

蒼枒「そんな遅い攻撃に当たるわけないだろ!」《バスブレ》と《バスドラ》撃破

 

ユーガ「うわあ、マジかぁ。ならリバースカードオープン!《破壊剣の追憶》。手札の《破壊剣一閃》を墓地に送り、デッキから《バスター・ブレイダー》を特殊召喚する。」

 

蒼枒「また出したか」

 

ユーガ「俺のターン、ドロー。《おろかな埋葬》で《破壊剣の使い手-バスター・ブレイダー》を墓地に送り、墓地の《破壊剣の追憶》を除外して効果発動。《破壊剣の使い手-バスター・ブレイダー》と《破戒蛮竜-バスター・ドラゴン》を除外し、《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》を融合召喚。さらにリバース発動。《闇次元からの解放》の効果で《破戒蛮竜-バスター・ドラゴン》を守備表示で特殊召喚。《バス・ブレ》2体で攻撃」

 

蒼枒「返り討ちにし・・・どういう事だ!?」」

 

ユーガ「《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》がモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドのドラゴン族モンスターは守備表示になり、相手はドラゴン族モンスターの効果を発動できなくする。これで俺の勝ちだ」

 

蒼枒「ふざけるな!ドラゴンを無力化する能力なんて・・・。だが手はある」

 

ユーガ「何度やっても同じになるだけだ!デュエル!ってあれ?なんでドローできるんだ?」

 

ゼット「(蒼枒さん行動するの早過ぎ。地面に何か仕込んでる)」

 

ユーガ「俺は《ワン・フォー・ワン》を発動し手札の《伝説の白石》捨ててデッキから《破壊剣士の伴竜》召喚。効果で《破壊剣-ドラゴンバスターブレード》サーチ。《青眼の白龍》サーチ。《伴竜》をリリースして《バスター・ブレイダー》特殊召喚。《ドラゴンバスターブレード》の効果で《バス・ブレ》に装備して効果で特殊召喚からの《ドラゴンバスターブレード》に《バスブレ》チューニング。シンクロ召喚!《破戒蛮竜-バスター・ドラゴン》。効果で《バス・ブレ》蘇生、《破壊剣士融合》で《バス・ブレ》と《青眼の白龍》を融合。《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》を召喚して攻撃」

 

蒼枒「くそっ」

 

ユーガ「やはり手も足も出ないようだな。ターンエンド」

 

蒼枒「同じ手が通用すると思ったか!生命の木!邪悪の樹!」

 

ユーガ「ちょっ!?おま!本編未登場の技使うか!?」

 

蒼枒「勝つためなら遠慮なく使う。さらに捕植龍!植壊龍!」

 

ゼット「2体のドラゴン!?」

 

ユーガ「なっ!《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》だと!?」

 

蒼枒「いけ植壊龍。剣士を攻撃」

 

ユーガ「バカめ。ドラゴンはすべて守備表示になり、効果も使えない」

 

蒼枒「バカはお前だ。植壊龍は植物だ!ドラゴンではない」

 

ゼット「何、龍と名がつくのならばドラゴンではないのか!?」

 

ユーガ「《バーサーク・デッド・ドラゴン》などと同じ、ドラゴンの名を持つが別の種族か」

 

ゼット「だが《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》は相手のフィールド・墓地おドラゴン1体につき1000ポイント攻撃力が上がる」

 

ユーガ「今の《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》の攻撃力はは3800だ・・・何!?3300に下がっているだと!?」

 

蒼枒「邪悪の樹は相手の生命力を吸いとり成長する」

 

ユーガ「それにより攻撃力が下がったというわけか。そして生命の木は力を与える、というわけか」

 

蒼枒「その通りだ。《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》を撃破。これで動ける。捕植龍でそのドラゴンも破壊だ」

 

ユーガ「くっ!慢心してカードを何も伏せなかったのが敗因か」

 

蒼枒「これで終わりだ」

 

ユーガ「グァァァアアアア」

 

ゼット「雷を落とした後、斬撃を飛ばして終わりか」

 

ユーガ「やられたと思っていたのか?」

 

蒼枒・ゼット「何・・・だと・・・」

 

ユーガ「手札からクリボーを捨てて戦闘ダメージは0にした」

 

蒼枒「ここで俺が勝って終わるんじゃなかったのか!?」

 

作者「我が書き換えたのだ」

 

「絶対に許さねえ! ドン・サウザンドオオオオオオ!!」

 

ユーガ「ドン・サウザンドへの風評被害wwwww」

 

※ドン・サウザンドは全く関係ありません

 

ユーガ「俺のターンドロー!《七生の宝刀》を発動。《破壊剣の使い手》を除外して2枚ドロー。よし、そっちが本編未登場の技使うなら俺だって考えがあるぞ!《壺の中の魔術書》発動。互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする」

 

ゼット「お互いって一方的にドローできるじゃねえか!《強欲な壺》より凶悪だろそれ」

 

ユ-ガ「知らん。禁止カードでも何でもないから問題ない。死者蘇生により《破戒蛮竜-バスター・ドラゴン》。効果で《バスブレ》蘇生。《アドバンスド・ドロー》で《バス・ドラ》をリリースして2枚ドロー。墓地の《バス・ドラ》と《青眼》を除外して《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》を召喚し《最強の盾》装備。バトル、《カオス・ソルジャー》で植壊龍を攻撃!さらに捕植龍を続けて攻撃」

 

蒼枒「くそっ。攻撃力5500は流石に無理か」

 

ユーガ「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

蒼枒「とりあえず《バス・ドラ》と《バス・ブレ》は破壊させてもらう」

 

ユーガ「トラップ発動!《デモンズ・チェーン》」

 

蒼枒「ふざけんな!」

 

ユーガ「これで攻撃できないし能力も使えないだろ」

 

ゼット「攻撃も能力も使えない以前に詰みだろ」

 

━━━━━━━━ユーガ勝利━━━━━━━━

 

ユーガ「いつも感想くれる人が蒼枒の方がチートって言われてたけど、かなり穴があるよな」

 

ゼット「蒼枒は速さ特化だからな。攻撃力もあるし能力も応用が利き回避も高い。けど防御はそれなりだ」

 

蒼枒「《デモンズ・チェーン》1枚で完封されたからな。回避できないから魔法・罠・モンスター効果は発動された時点で防ぐ手立てがない。実際《デモンズ・チェーン》はほとんどの相手に有効だろう」

 

ゼット「黒歌なら防げるんじゃないのか?」

 

ユーガ「タッグか?やめろ!蒼枒達は面倒なんだから(負けるとは言っていない)」

 

ゼット「俺は?」

 

ユーガ「ゼットは弱いから大丈夫だ。ヒロインとのタッグでもなんとかなる」

 

ゼット「そんなはっきり言うな!」

 

蒼枒「実際そうだからあきらめろ」

 

___________________________

 

4回目のあらすじ

 

 

ユーガ「よっしゃああああ!!ロセが彼女になったぁぁぁあああ!」

 

ゼット「俺もようやくヒロインが登場だぁ!!!」

 

蒼枒「黒歌もついに表舞台に出れるぞ!」

 

パン!パン!パン!と片手を上げて手を合わせる

 

ユーガ「付き合うまで半年か・・・長かったな」

 

ゼット「ユーガはともかく3章までずいぶん掛かったな」

 

蒼枒「週1ペース。そして第2章では3分割を2回してたからな」

 

ユーガ「一体いつになったら俺は本編に出れるんだ!?」

 

作者(ロキと一緒に出てきます)

 

蒼枒「と言うことだが・・・何章だ?」

 

ゼット「あー・・・第7章だって」

 

ユーガ「ということは今のままのペースだと俺は1年間待たなきゃいけないってことか!?」

 

作者(まぁ。そうなるな)

 

ユーガ「ふざけんな、てめぇ!」

 

作者(落ち付けって。5章と6章は飛ばそうか悩んでるから早くなるかもしれないぞ)

 

蒼枒「それは何故だ?」

 

作者(だってパワーアップイベントなんて考えてないし、ゼット以外の出番がないし・・・しいて登場させたい言えばゼファードルぐらいか?)

 

ユーガ「さっさと飛ばせ!それでも半年は本編に出れないじゃないか!!!」

 

ゼット「飛ばすな!俺のヒロインとの絡みがなくなるだろうが!」

 

ユーガ「知るか!俺には関係ないことだ!」←ヒロインとカップル

 

蒼枒「俺はどちらでも構わない。俺が本格的に動くのは第8章だ」←ヒロインと夫婦

 

ゼット「この勝ち組共が!」←ヒロインとほぼ絡みなし

 

 

___________________________

 

5回目のあらすじ

 

ゼノ「ようやく私もヒロインとして活躍ができるな」

 

ロセ「おめでとうございます。ようやくヒロイン全員が集まりましたね」

 

黒歌「長かったにゃ~。ゼノヴィアは登場も遅かったから絶斗との絡みもなかったからね」

 

ゼノ「だがその辛抱もこれまでだ!ストーリー上私たちが表に出ることが多いからな。自然と一緒にいることになる。同棲もしているしな」

 

ロセ「羨ましいです。私なんてデートしか・・・」

 

黒歌「ロスヴァイセは話数が少ないから仕方ないにゃ」

 

ゼノ「そう言う黒歌はあまり出てないのに余裕だな」

 

黒歌「もちろんにゃ!私は蒼枒といつも一緒にいて、蒼枒のために料理作って、1つの布団の中で蒼枒に包まれながら寝て・・・にゃあん」

 

ゼノ・ロセ「くっ、これが私たちとの差か(ですか)」

 

 

 

___________________________

 

6回目のあらすじ

 

ユーガ「ようやく第4章が終わったか!ここまでで来るのに1年以上掛かったな」

 

蒼枒「そうだな。4章はなんだかんだで一番長くなってしまったしな」

 

絶斗「だが一応一区切りがついたんだろ?情報開示も多くなったし」

 

蒼枒「そうだな。最もまだまだ続くがな」

 

ユーガ「俺の本編登場もまだだしな。続いてもらわなくちゃ困るぜ」

 

絶斗「ユーガだけ実質過去編だからな。あと今章でようやくユーガのところのメンバーが揃うらしいが・・・」

 

ユーガ「なのになんで本編に俺よりも先にヒロインと親友が出るんだ!」

 

蒼枒「それは俺たちが転生者だからだろう」

 

絶斗「俺は転生者じゃないぞ!だが原作に沿って進んでるなら登場人物もそれに沿うのは当然のことだろ?今章は夏休みに冥界に行くところだし」

 

ユーガ「原則沿いって・・・原作における今章のメインキャラ居ないのにか!?」

 

蒼枒「しょうがないだろ。子猫なんてものは存在しないのだし」←黒歌・白音・日本情勢に影響

 

絶斗「これも蒼枒の影響か。本編での影響力は大きからなぁ。だが一番キャラに大きな影響与えたのはユーガだろう?」←ゼノヴィアに影響

 

ユーガ「そうだけど・・・。だからって名前しか出れないって」←ロスヴァイセ・ゼファードルに影響

 

 

 

 

___________________________

 

7回目のあらすじ

 

黒・ゼ「本編登場おめでとう!」

 

ロ「ありがとうございます。ヒロインとして恥じないよう頑張ります」

 

黒「頑張るにゃー。この章で本格的に動くんでしょ?」

 

ロ「はい。私たちの見せ場があるそうです」

 

ゼ「?たち、だと」

 

ロ「そうです!ユーガがようやく本編に出るんですよ!」

 

黒「それはよかったにゃ。ユーガが出ることは作者の内で初期のころに決めていたみたいだからにゃ」

 

ゼ「まあ、この先の展開を知っている方はどこで出てくるか分かると思うがな。それにしても黒歌は余裕だな。この章でもほとんで出番がないってのに」

 

ロ「そうですね。舞台は冥界が主ですし・・・」

 

黒「私は出番が少ないかわりに2人にできないことをしてるもの。満足にゃ~」

 

ロ「・・・やはり夫婦というのは強いですね」

 

ゼ「全くだ」



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龍と黒猫が結ばれた日

作者は結婚式に出たことなんてないから婚儀はカット!!!!


【蒼枒side】

 

長かった婚儀を終えて俺と黒歌は小部屋で休憩をとっていた。

 

黒「疲れたにゃー」

 

蒼「お疲れ様」

 

これでようやく黒歌と夫婦になれた。歴代の青龍に比べても結婚するのはダントツではやいだろう。子供をできるようになるまであと150年近くかかる。その間あらゆる面で黒歌を護っていかなくてはならない。だが後悔なんて全くない。心から愛する女性と結ばれて、本当に幸せだ

 

黒「蒼枒もお疲れにゃん」

 

瞳と同じ金で刺繍された黒引き振袖を来た黒歌はいつもより綺麗に見える。本来ならば和装の中で最も格が高いとされる白無垢を着てもらうはずだったが・・・

 

 

黒「きついにゃ~」

 

蒼「少しの間我慢してくれ」

 

白「それにしても・・・違和感がすごいですね」

 

葉「普段の着物は黒ですから・・・」

 

碧「う~ん。白一色、それに顔しか見えないと誰かわからないな。しょうがないとはいえ黒歌はあんまり敷地内から出てないし。家に来てからこうやって結婚するまでの間も短い。婚儀に来る方とは初めての方も多いだろう。色打ち掛けのほうがいいんじゃないか?」

 

フ「色打ち掛けよりも黒引き振袖の方が似合うと思います。あれならイメージを崩さずにすみますし」

 

本人含め家族全員一致で白無垢はやめになった。母さんの勧めで黒引き振袖になったが、今の黒歌を誰にも見せたくないと思えるほどに黒引き振袖を着た黒歌は綺麗だ。

 

黒「?どうしたにゃ」

 

蒼「こんな綺麗な黒歌を誰にも見せたくないなと思っただけだ」

 

黒「にゃ!うれしいにゃ」

 

抱き着いてくる黒歌は本当にかわいい。セットされた髪を乱すわけにもいかず、撫でたいのをやめて抱きしめ返すと黒歌はそのやわらかい双丘を押し付けながらキスをせがむ。互い顔を近づけ唇が重なろうとした瞬間

 

葉「お兄さま!お義姉さま!いつまで休んでるんですか。挨拶に行きますよ!」

 

葉月が勢いよく扉を開け、部屋に入ってきた。

 

黒「にゃあ・・・もうちょっとだったのに」

 

葉「キスなんて後でいくらでもすればいいじゃないですか。今は天照大神(あまてらすおおみかみ)様等、大勢の方々が来てくださってますからそちらが先です」

 

俺と黒歌は葉月に広場へと追い出された。仙術を使い天照大神(あまてらすおおみかみ)様と師匠である建御雷之男神(たけみかづちのお)様と須佐之男命(スサノヲ)様を探し出し、そのもとに向かった

 

 

 

蒼「天照大神(あまてらすおおみかみ)様。建御雷之男神(たけみかづちのお)様に須佐之男命(すさのを)様。本日はお越しいただきありがとうございます」

 

ス「様なんてつけなくていい、いつもどうり師匠と呼べ師匠と。調子が狂う」

 

建「うむ。我もそちらで呼んでくれるとありがたい」

 

天「あなたたちは・・・まぁしかたありませんね。蒼枒、そして黒歌。おめでとうございます」

 

蒼「ありがとうございます」

 

黒「あ、ありがとうございます」

 

俺たちの前にいるのは日本の最高神と2神の武神。そんな方々を前に黒歌も緊張してるようだ

 

天「まさかこんな早く婚儀を行うとは思いませんでした」

 

建「貴殿の父、碧守の時はかなり遅かったからな。力を失ったとはいえ悪魔と結ばれるとは思わなかった」

 

ス「そうか?好きになった者と結ばれるだけだろ。何も不思議ではないだろ」

 

天「あなたは違和感なかったかもしれませんが他の神は反対の者もいたんですよ。結局青龍を尊重することになりましたし、おかげで歴代最強と言われる蒼枒が生まれましたが」

 

ス「そう言う姉様だって悪魔と聞いたときは反対だったろ。その後事情を聴いて変わったけれども」

 

天「それは・・・そうでしたが」

 

ス「結局のところ本人たちにまかせておけばいいんだよ、こういうのは。じゃあ俺は酒を飲みに行くぜぇ!」

 

建「やれやれ、仕方がない奴だ。・・・蒼枒」

 

蒼「はい!」

 

建「これからお前は苦労することだろう。長い間、妻をあらゆるものから護らなくてはならないからな」

 

蒼「十分承知しております」

 

建「ならいい。何かあったときは遠慮なく我々を頼るがいい。忙しい天照はともかく暇にしてることが多いスサノヲは手を貸してくれるだろう」

 

蒼「はい、ありがとうございます」

 

天「我々はそろそろ行きましょう。蒼枒達もまだ会わねばならない方がいるようですし・・・」

 

天照様の視線の先には現青龍に現朱雀。そしてその弟の朱明がいた。

 

蒼「そうですね。これで失礼させていただきます」

 

俺と黒歌は天照様達を離れ、朱明たちのところに向かった

 

天「私たちもちょっとお話したい方がいるみたいです」

 

建「我はスサノヲを連れてくる」

 

 

 

次に向かったのは本家の4神・・・といっても青龍と朱雀と朱明だけだが

 

蒼枒「青龍。朱雀に朱明も、本日はお越しくださりありがとうございます」

 

青龍「2人とも結婚おめでとう。碧守とフィーリスの結婚からかなりはやかったな」

 

朱雀「おめでとうございます。ふふふやはりこうなりましたか」

 

朱明「姉上、こうなることを見越して手伝ったのでは。蒼枒、黒歌。おめでとう」

 

蒼枒「ありがとうございます」

黒歌「ありがとうございます」

 

3人から祝福の言葉が贈られる。特に朱雀には悪魔の駒(イーヴィル・ピース)摘出の時に手伝ってくれたから感謝しきれない・・・なんだかお酒を飲みまくってるみたいだが大丈夫か?

 

朱雀「まさか~あの時は何かおもしろそうだから手伝ったに過ぎませんよ~」

 

青龍「朱雀。お前もう酔っぱらってるんじゃあ」

 

朱雀「おめでたい日ですもの~。お酒がおいしいわ~」

 

青龍から注意を受けるが朱雀はそれを無視して黒歌に抱き着いた

 

朱雀「黒歌ちゃ~ん」

 

黒歌「にゃ!」

 

朱雀「もう夜は済ませたの?」ボソ

 

黒歌「・・・まだですにゃ」////

 

朱雀「頑張ってね~。龍は伊達じゃないわよ」ボソ

 

朱明「姉さん花嫁に何やってるんだ!」

 

朱雀「や~ん、黒歌ちゃんかわいいのに」

 

青龍「さっきの凛とした声は何だったんだ」

 

朱雀「あれは録音したのを再生しただけ~」

 

青龍「お前ほんと何やってるんだ!」

 

ぎゃあぎゃあ騒ぎ出す本家たち。本当仲がいいな

 

黒歌「・・・蒼枒」

 

蒼枒「なんだ?」

 

黒歌「私・・・頑張るからね」

 

蒼枒「何を!?」

 

 

 

 

次は妖怪の総大将のところに行こう

 

リクオ「蒼枒さん、黒歌さん。結婚おめでとう」

 

つらら「おめでとうございます。」

 

蒼枒「ありがとう。ぬらりひょんは来てないのか?」

 

青田坊「総大将はどうしても外せない用事があると言って来てないぜ」

 

黒田坊「これなくてすまないと言っていた。それと今度ぬら組に遊びに来てほしいそうだ」

 

そうか、来れなかったのか、残念だが仕方ない。

 

蒼枒「そういえばあれから妖怪状態になったりしてないのか」ボソ

 

青田坊「ああ。全くないな」ボソ

 

黒田坊「あの姿はもう見ることができないのか」ボソ

 

蒼枒「確か妖怪における成人年齢って12歳かそこらだったよな?まだ10歳だしもう少し待ってみればいいんじゃないか?」ボソ

 

黒田坊「確かに、待ってみてもいいかもしれんな」ボソ

 

 

 

 

その他にも来てくださった方々に挨拶をして回った

 

 

天皇「ご結婚おめでとうございます」

 

蒼「こちらこそ、お忙しいところありがとうございます」

 

天皇婦人「2代に渡り婚儀に参加できるとは思いませんでした。私たちは本当に幸運です」

 

天皇一家や

 

 

バ「結婚おめでとう」

 

朱璃「おめでとう。困ったことがったらおっしゃってくださいね?」

 

蒼「ありがとうございます」

 

バ「黒歌のことは私以外は知らないし、朱璃を助けてくれた恩を仇で返すような真似はしないから安心してくれ」

 

朱璃「もし女ことをしたら離婚ですから」

 

バ「しゅ、朱璃~」

 

朱里さんとバラキエルさん

他にもたくさんの方が来てくださった

 

 

【黒歌side】

 

もうすっかり日も落ちて夜。来賓の一部も帰ったけど妖怪や神の方々はこれからが本番だ!と言わんばかりにお酒を飲み出来上がってるものも出てきているころ、私と蒼枒は家に戻って来たにゃ

 

蒼「はぁーやっと終わった」

 

黒「疲れたにゃー」

 

何故か引いてある布団にダイブ。一日中立ちっぱなしの上、格上の方々に挨拶して緊張しっぱなし。とてもじゃないけどつぶれそうになったにゃ

 

黒「蒼枒?」

 

蒼「やっぱり綺麗だよなー。一日中見てても飽きない」

 

黒「にゃー。ありがとにゃ」

 

やっぱり蒼枒にそういわれるのはすごい嬉しい。隣に座っていた蒼枒が覆いかぶさって、体を上に向けられた」

 

蒼「ごめん、黒歌。抑えきれない」

 

そう言ってキスされる。そういえば前に蒼枒のお母さん、フィーリスさんが言ってたにゃ。婚儀を行い、夫婦になったものはその夜に皆の前から姿を消すって

 

黒「蒼枒」

 

口が離されると今度は自分から。離れないように蒼枒の首に腕を回しキスをする。

 

蒼「ん・・・黒歌」

 

黒「あん、そうやぁ」

 

着物が脱がされる。私たちはお互いに求め合い溺れて行った・・・

 

 

蒼枒・・・あの時助けてくれて、私を選んでくれて、ありがとにゃ。私、本当に幸せだよ。これからもよろしくね。愛しい愛しい私の旦那様

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お ま け

 

【アザゼルside】

 

俺はアザゼル。神の子を見張る者(グリゴリ)で総督をやってるものだ。バラキエルが急に休みをくれって言ったから許可を出したが気になって後をつけてきた。入っていったのは青山龍神宮という神社で今日は結婚式を行っているみたいだ。俺はばれないように婿と花嫁を見たが花嫁の方に驚いた。

 

アザゼル「(あれは指名手配されてるSS級悪魔の黒歌じゃねえか!なんでこんなところに)」

 

この場には悪魔の気配が1人しか感じられないが、黒歌からは全く感じられない。

 

アザゼル「(一体どうなってやがる。しかもこの場の大半は妖怪だ。人間もいるがなぜ平然といられる!?)」

 

はっきり言ってここは異常だ。ここは一度神の子を見張る者(グリゴリ)に戻ってバラキエルの奴にそれとなく来てみよう。そう思いこの場を離れようとしたところ

 

天照「あなたが神の子を見張る者(グリゴリ)のトップのアザゼルですね。私は天照といいます。少しお時間をよろしいですか」

 

・・・日本神話の主神に見つかった。しかも俺の退路を塞ぐように二人の男が立ちふさがった。1人は食ってる最中だが

 

天照「ここでは何ですから移動しましょう。もちろんついてきてくださいますよね?」

 

にっこりと笑っているが目が笑っていない。どうやら俺に拒否権はない様だ。

 

 

この日神の子を見張る者(グリゴリ)は日本神話に条約を結ばされた。

 

 



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青龍vs白龍皇

タイトル詐欺注意!vsとついておきながら戦いになっていません
・・・だってヴァーリの攻撃方法とか分からないしorz

お気に入りしてくださった方が165人を突破しました。皆様ありがとうございます
・・・でも今回で減るんだろうな(´Д`)



【ヴァーリside】

 

俺の名はヴァーリ。神滅具の白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を持ち、現在・過去・未来において史上最強の白龍皇と呼ばれている。俺は幼いころ父に捨てられ、シェムハザに拾われてからはアザゼルに育てられた。そんなある日、いつもは揚々としているアザゼルが疲れた様子で神の子を見張る者(グリゴリ)に戻ってきた

 

ヴ「どうした?まるで何か搾り取られたみたいに生気がないぞ」

 

ア「ヴァーリか・・・いやちょっとミスっちまってな」

 

アザゼルが言うには突如休みが欲しいとバラキエルが言ってきたので望み通り休みをくれてやった。後々気になって後をついていくと日本の神社に着き、そこで結婚式が行われていたとのことだ。それだけなら気にもしなかったが問題はその後。参加者の中には日本の神も参加していて、ひそんでいたアザゼルを見つけ、無理矢理条約を結ばされた。正直日本神話と神の子を見張る者(グリゴリ)の間に条約が結ばされようが俺は知らないが日本神話の神とは戦ってみたい

 

ア「ああそれと・・・日本にいる青龍の逆鱗には頼むから触れるなよ」

 

ヴ「日本の青龍?それがどうした?」

 

青龍と言えば中国の四神の一つだ。それがなぜ日本にいる?

 

ア「バラキエルが参加した結婚式がまさに青龍の結婚式だったんだよ。バラキエルの奥さんが殺されそうになったのは前に話しただろ?その命を救ったのが日本の青龍だ。俺としてもバラキエルの奥さんを救ってくれた恩があるし、何より今、というよりは次期か、の青龍は日本歴代最強と言われているらしい。まだ成熟していないのにも関わらずだ」

 

日本歴代最強の青龍だと?それは是非とも戦ってみたいものだ。それから俺は日本の青龍のいる場所と本気で戦うための逆鱗に触れる方法を調べた。場所自体はすぐに見当がついた。青山龍神宮。青龍が祀られているという神社だ。おそらくここにいるのだろう。そして逆鱗に触れる方法だが・・・こちらは慎重に調べた。何故ならアザゼルに見つかってしまうと妨害してくる可能性が大きかったからだ。だがようやくその方法を見つけた。青龍の一族は生涯ただ一人を愛し、最愛の人は何が何でも守り大切にするらしい。最初見た時は最強を名乗るのに誰かを愛するなんてことをしていていいのか、と思って捨てていたが、後々考えれば青龍の伴侶を傷つけさえすれば本気で戦えるのではないかと考えた。確証はないがこの方法が手っ取り早いだろう

 

アル『行くのかヴァーリ。日本の青龍のもとに』

 

ヴ「ああ。青龍の力がどれほどのものか見てみたい。そして」

 

この戦いで俺はもっと強くなる。グレートレッドを倒すにはまだ力が足りないが青龍を倒し、また一歩俺は前に進む。俺は神の子を見張る者(グリゴリ)を飛び出し、青山龍神宮に向かった

 

 

1時間後

 

【アザゼルside】

 

ア「おい!ヴァーリはどこに行った!?」

 

機械のメンテナンスをしていたら日本の青龍についてを調べられているのが見つかった。それだけなら特に気にもしなかったが、その検索元がヴァーリの部屋からだった。あいつは戦闘狂だ。日本歴代最強と聞いて興味を持たれたか

 

コ「ヴァーリの奴ならどこかに飛んで行ったぞ」

 

ア「なんだと!?」

 

答えたのはコカビエルだった。奴は最近トレーニングを始めたがそんなこと、今はどうでもいい!今はヴァーリのことだ。あいつは青龍が悪魔嫌いになっているのを知らない。もしヴァーリが悪魔の血を引いていることがばれたら間違いなく殺される。

 

ア「くそっ!」

 

あの時疲れていたせいもあって話しちまったが龍とか最強とか聞いてあいつが興味を示さないはずがない。俺はヴァーリを追いかけて青山龍神宮に飛んだ

 

 

 

【ヴァーリside】

 

神の子を見張る者(グリゴリ)を飛び出して青山龍神宮に着いたが

 

ヴ「山一つが神社なのか・・・鳥居もでかいな」

 

ア『ああ。それに結界も張られている。この規模からして山を覆っているだろう』

 

これほどの規模の結界を張ることができるのか。今から戦うのが楽しみだ。俺は鳥居をくぐり神社の中に入り階段を昇っていく。結界の中に入ったからだろうか、何か押さえられているような感覚がある。階段を上り終えるとまた鳥居があり目の前には巨大な本殿が広がった。他の参拝客もいるようだが俺と一緒に来たものは皆、小屋の前で何か書いているようだ。

 

ヴ「何をしているんだ?」

 

「こちらは参拝の仕方や神域内での注意や禁止事項をお配りしています。はじめての方でしたらこちらにご記入をお願いします」

 

そう言って巫女が渡してきたものは名前が書く部分がある注意・禁止事項が書かれた紙と折りたたまれている紙。禁止事項には調べにもあった通り伴侶に触れるべからずとある。それに神域内での騒ぎも禁じられているか・・・とりあえず言われた通り名前を書いて敷地内に足を踏み入れた。さて、誰に話しかければ青龍に会えるか・・・見回して見ると白い猫又の巫女の隣に長い青い髪を1つにまとめた巫女を見つけた。確か歴代の青龍の髪は青色と調べが出ている。彼女は血縁者である可能性が高い。俺はさっそく話しかけた

 

ヴ「すまない。青龍に会いたいんだが今どこにいるかわかるか?」

 

葉「あなたはいったい・・・何の用で?」

 

ヴ「俺はヴァーリ。白龍皇だ。アザゼルから聞いて来てみたんだが・・・」

 

白「青龍であるお義父様なら、先ほどお義母様と買い物(デート)に出かけました」

 

いないか。なら日を改めてくるとするか。・・いや待て、確か条約を結んだのはついこの間のはずだ。結婚してから子供ができるまでいくらなんでも速過ぎるだろう

 

白「少し聞きたい。今の青龍は日本歴代最強と言われていると聞いたんだが」

 

葉「それは私のお兄様です。まだ神格がないので正確には次期青龍という立場ですが」

 

白「お義兄様なら家にいます。お会いしたいようですが会えるかどうかはわかりませんが」

 

 

 

 

【蒼枒side】

家の前にある広場。それで今、俺は両手に竹刀を構えながらと黒歌と対峙していた

 

蒼「黒歌・・・行くぞ」

 

黒「いつでもいいにゃ」

 

自然体のまま、特に構えることも、動く気配もない。

 

蒼「(・・・かわいいな~)」

 

二本の尻尾をゆらゆらと揺らし耳をぴくぴく動かす仕草に気が緩みそうになる。だが、黒歌の修行に付き合っているのだ、手加減はすれど油断はしない。地面を蹴り、正面から逆笠斬りに振う。切り裂かれた黒歌は不気味な笑顔を浮かべながら俺に絡みつこうとする

 

蒼「分かってはいるがやっかいだ」

 

バックステップで避けるが黒歌が爆発。それと同時に周囲から200を超える様々な形状・属性の術が俺に向かって放たれた。

 

蒼「チィ」

 

気を感知すると上に25人の黒歌が俺に向けて術を放っていた。術はまるで壁のように迫ってくる。俺はその場に鉄下駄を脱ぎ捨て、障壁を足場に空へと移動した。術を切り払い、避け、25体のうち1体を斬るも再び爆発を起こす

 

蒼「また分身か!?」

 

先ほどよりも爆発までの時間が短かった。おそらく俺の姿が見えているのだろう。でなければ近づいた瞬間に爆発なんてことはできない。

 

蒼「・・・やっぱりこれじゃあ間に合わないか」

 

逃げ回る俺に迫る術は数こそ減っているものの誘導がついているらしく避けてもまた戻ってくる。俺の四方からは隙間のない本当の炎の壁を作り出し、上からは6つの隕石を降らせ、下では竜巻が発生してた。枷を一つ外した状態では無理があると思い符を剥がす。ああ、本当に黒歌の才能が羨ましい。黒の猫又は最も強いと言われているが、俺が長年かけて鍛えてきた速さが立った数年で追いつかれるなんて

 

蒼「いつの間にここまで成長したんだ」

 

はっきり言って異常だ。俺もたった50年足らずで剣術が神と同等だ、と言われているが、黒歌は数年しか経っていない。何が黒歌をそこまで動かすんだ・・・

 

 

 

【黒歌side】

 

黒「ああ、かっこいいにゃ~」

 

分身を切り裂く姿。雪崩のように迫る術を長い髪をたなびかせながら避けていく姿。そのすべてがかっこいいにゃ。できるならばすぐにでも抱き着いて彼の胸元にスリスリし、甘えたい。だけど今は修行に付き合ってもらっている。本気で、全力でいかなくてはならない。蒼枒に向かって四方から炎の壁を進ませる。下には横倒れ状態の竜巻。上からは隕石を降らせ逃げ道をふさぐ。だけどこれでは足りない。もし過重符を剥がされたらもう目には映らない速度で動き回るためだ

 

黒「にゃ!?」

 

予想では壁の一つを破壊して出てくると思ったにゃ。そのほうが効率的だし私もそうする。そのために分身を配置したのにも関わらず壁も隕石も粉々に粉砕するなんて・・・。しかも符を剥がしているらしく気配を負うが全く目に移らない

 

黒「くっ」

 

どんどん分身が減らされる。分身は破壊されると爆発や拘束用の罠を仕掛けてはいるが発動する前に移動されているため当たることはない。すぐに追加の分身を出すが本体である私に元に来るのも時間の問題だろう。ならば

 

黒「これでどうにゃ!」

 

敷地に張っている結界ぎりぎりまで展開した球状の炎の膜。その膜がどんどんと縮まり、蒼枒の動ける範囲を制限していく。

 

黒「これで!」

 

気はまだ球体の中にある。瞬間移動で球の外に脱出した私は炎ごと蒼枒を結界に閉じ込めようと取り囲む。だが結界が張る瞬間に蒼枒が炎を突き破って出てきた。だが結界の展開が間に合い、片足だけ閉じ込める音に成功。動けなくなったところに出せるだけの術を向け、放つ。今日はもらったと思った瞬間

 

バァァァァアアアアアアアアアアンンン

 

黒「にゃ!?」

蒼「!?」

 

巨大な音が響き渡り攻撃を中断。音のした方向を見ると葉月がドラをたたいていた

 

葉「お兄様、お義姉様。修行の途中で申し訳ありません。白竜皇が会いたいとお兄様を訪ねてきました」

 

蒼「白龍皇?なんのようだ?」

 

葉「わかりません。ただアザゼルから聞いたと申してました」

 

白龍皇・・・神滅具である白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の持ち主。堕天使のところにいたのかにゃ

 

蒼「堕天使の総督からか・・・わかった、会ってみよう。悪いけど黒歌。修行は中断だ」

 

邪魔されたにゃ。まあでも白龍皇がどんな人物か気になるしついていくにゃ

 

 

 

【ヴァーリside】

 

猫又の巫女に部屋に通されてから10分ほどたった。出されたお茶を飲みながら待っていたが、あの猫又もなかなかの強さを感じる。それ以外にもここには強者がちらほらといる様だ。これの様子だと青龍には期待できそうだな。

 

蒼「お待たせした。俺は東雲蒼枒、次期青龍だ。隣にいるのがが」

 

黒「蒼枒の妻の黒歌ですにゃ」

 

戸が開かれて腰に二本の刀を差した和服の男と、黒い着物の猫又が入ってきた。こいつが青龍とその妻か

 

ヴ「俺はヴァーリ。白龍皇だ」

 

挨拶もそこそこに青龍は俺の正面に座り、猫又も青龍の右に座った

 

ヴ「アザゼルから聞いた。なんでも君は歴代最強の青龍と言われていると」

 

蒼「確かにそう言われているが・・・何の用だ?」

 

ヴ「俺も現在・過去・未来において史上最強の白龍皇と言われていてね。単刀直入に言おう。俺と戦って欲しい」

 

蒼「断る。俺には何の得もないだろ。それに神域内では騒ぐなと書いてあったはずだ」

 

やはり受けてはもらえないか。ここに入るときに見た紙にも騒ぎを起こすな、はもちろん戦闘行為も入っているだろう。だがそんな些細なことは関係ない

 

ヴ「ならば無理矢理にでも戦わってもらおうか」

 

俺は猫又に向けて巨大な魔力弾を放った。魔力は猫又どころか青龍をも巻き込み、2人の背後の壁を消滅させた。

 

蒼「黒歌、大丈夫か?」

 

黒「蒼枒こそ。平気?」

 

右手で猫又を抱きしめ、左手からは木製の盾を出している。そして猫又も左手をこちらに向けていた。驚いたことに2人が座っていたソファは無傷のままだ。おそらく結界を張ったのだろうがなかなかの強度だ

 

蒼「お前・・・何をやったかわかっているんだろうな?」

 

青龍の目が龍のようになり、強烈な殺気を叩き付けられる。

 

ヴ「もちろんだ。これで戦う理由ができたはずだろ」

 

蒼「そうだな。望み通り」

 

殺してやる。そう聞こえると俺は空中に投げ出された

 

 

 

【蒼枒side】

 

俺は腕から木を生やし、俺の右腕を掴むと穴の開いた壁から地面に叩きつけ、白龍皇を部屋からたたき出した。ドタドタと廊下を走る音が聞こえ、騒動を聞きつけた楓たちが部屋に飛び込んできた

 

楓「何があったのですか!?」

 

蒼「ああ、ちょうどいい。ここの修理を頼む。そして周りに被害が出ないよう黒歌と一緒に結界を張れ」

 

楓「・・・わかりましたが。何があったのですか?」

 

流石楓、状況の把握が速いな

 

黒「白龍皇が蒼枒に喧嘩売ったにゃ」

 

俺は腰に刀が差さっているのを確認すると穴の開いた壁から外に出る

 

蒼「後は頼んだぞ」

 

黒「蒼枒。気をつけてね」

 

楓「お任せください。ご武運を」

 

 

 

【ヴァーリside】

 

青龍によって空に投げ出された俺は白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を広げ、空中にとどまった

 

ア『大丈夫かヴァーリ」

 

ヴ「このぐらい平気だ。流石は最強と言われるだけのことはあるな。油断していたとはいえ先手を取られるとはな。これなら始めから本気でもよさそうだ」

 

俺は禁手である白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)を発動させ、全身が白い鎧に包まれる

 

ア『・・・来たぞ!」

 

視線を下に向けると建物から出てくる青龍の姿が見えた。先ほどのお返しを放つため、右手に魔力を集める。

 

ヴ「ガァァァァァア」

 

ア『ヴァーリ!?』

 

魔力を放とうとした瞬間右腕から激痛が走った。何かが腕の中を這いずり回っている感覚だ

 

ア『お前の腕から木が生えているぞ!早くハーフ ディメンションを使え』

 

ヴ「わかっている」

 

『Half Dimension』

 

光翼から声が発せられると腕の這いずり回っていた木の大きさを半分にした

 

ヴ「ぐ、あの時にすでに仕込んでいたとはな」

 

ア『油断するな。奴は本気で殺しに来てるぞ』

 

アルビオンの忠告した瞬間、目の前に青龍刀で逆袈裟斬りしてくる青龍の姿があった。その動きはスローモーションのように遅く自由に動く左腕で迎撃したが

 

ア『なん・・・だと・・・』

 

俺の腕が鎧ごと切り裂かれ、腕からは大量の血が流れ出てきた。

 

ヴ「これ・・・」

 

言葉を発する間もなく正面から何十もの斬撃を浴びせられる。まだ動く右腕で殴りかかろうとするも当たらず、逆に切り裂かれ、鎧の破片が飛び散った

 

ア『ヴァーリ!10秒経ったぞ!!』

 

待っていた!たった10秒の間に鎧はほぼ吹き飛び、身体中を切り裂かれ、後退しながら急所を何とか防いでいたが

 

『Half Dimension』

 

ハーフ ディメンションならば、範囲内にいるすべてを半分にするこの技ならば目の前にいる青龍も逃げることはできないはずだ。そう思ったが

 

ヴ「くっ・・・何だと!?」

 

激しい閃光と轟音と共に目の前にいた青龍の姿が一瞬で消えた。ハーフ ディメンションは当たった感じがない。どこだ!どこにいった!?

 

ア『がぁぁぁぁぁ!!?』

 

ヴ「なっ!?」

 

白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の片翼が斬り裂かれ、大きな傷ができ、青い翼が無くなっていた。無事なもう片方で何とかバランスを取ろうとするが

 

ア『ぐぅぅぅぅぅぅ』

 

ヴ「アルビオン!」

 

残る片方も斬り裂かれで飛ぶことができなくなった。落ちていく先を見ると地面から巨大な植物が口を開けて待ち構えていた。青龍の攻撃を防ぐために後退していたためかなりの高さまで昇っていたが猶予はない。俺は何とか持ち直そうと力を込めると空中に留まることができた

 

蒼「・・・気配もあったし魔力も使っていたが・・・本当に悪魔だったとはな」

 

俺の前には2本の刀を持った青龍が宙に立っていた

 

ヴ「俺は悪魔ではない!」

 

蒼「その8枚の羽を広げながら何を言っている?」

 

ヴ「何だと・・・!!」

 

背中を確認すると、本当に悪魔の8枚の翼が、俺の背中から生えていた

 

蒼「なるほど。約束事すら守れないのは悪魔故、か」

 

ヴ「俺を悪魔というな!!」

 

あいつと同じにするな!あいつのせいで俺は・・・母さんは・・・

 

蒼「所詮、最強と言われていてもそれは悪魔の恩恵があるからなんだろが・・・まぁ俺にはおまえが何であろうと関係ない話だ」

 

青龍の腕が一瞬ぶれると俺の背にある翼がすべて切り裂かれていた。飛ぶ力を失った俺は再び地面に向かって落ちていく。先には植物はその牙から涎を垂らしながら俺を喰らおうとする口を開けていた。

 

ヴ「がっ・・・」

 

蒼「お前は黒歌に手を出した。殺す理由はそれだけで十分だ」

 

背を刀で貫かれ、抜くと同時に蹴り飛ばされた俺はすでに抗うことすらできなくなっていた

 

ア「ヴァーリ!」

 

植物が口を閉じようとする。俺は飛んできたアザゼルに助けられ、気を失った

 

 

 

【アザゼルside】

 

ア「間一髪か」

 

神の子を見張る者(グリゴリ)から全力で飛んできた俺の目に入ったのは蹴り飛ばされたヴァーリが巨大な植物に喰われそうになっているところだった。俺は限界まで速度を上げ、ヴァーリを抱えると、閉まってくる口から脱出した。抱えたヴァーリを見るとひどいありさまだった。背から胸にかけて風穴があき、全身を切り刻まれ、左腕からは血が流れ、右腕には木が生えている。そして神滅具である白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)は大きな傷があり、光翼を失っていた。何とか助けることができたとはいえ早く治療しなければ死んでしまう

 

蒼「その翼、堕天使か?なぜ堕天使が悪魔を助ける?」

 

尋常じゃない殺気に気づき顔を向けると、俺たちを見下ろす青龍が宙に立っていた

 

ア「俺は神の子を見張る者(グリゴリ)の総督をやってるアザゼルってもんだ。会うのは初めてだな。バラキエルの奴が世話になっている」

 

蒼「アザゼル・・・確か天照様が堕天使と条約を結んだとかおっしゃていたな」

 

もう情報が回っているのか。いや、こいつの所属は日本神話だったな。知っていても当然か

 

蒼「その堕天使の総督がなぜ悪魔を助ける?」

 

ア「こいつは俺の息子のようなものだ。頼む、ヴァーリを許してやってくれ」

 

途端に青龍の殺気が大きくなり、その眼に睨まれる。・・・どれぐらい経っただろうか、たった数秒が長く感じた。青龍は手にしていた刀を鞘に戻した

 

蒼「次はないぞ」

 

ア「助かる」

 

俺はヴァーリを抱えて急いで帰った

 

 

【蒼枒side】

 

白龍皇を抱えて飛び去っていくアザゼルを見ながら俺はあることを考えていた

 

蒼「・・・悪魔は約束ごとを守らない・・・か。なら」

 

今回のことから俺は結界を張り替えた。これにより悪魔という悪魔の神域への立ち入れないようになる。もし入りたいのならば

 

蒼「悪魔を辞めるしかないな」

 

母さんのように

 

 

 

【ヴァーリside】

 

ヴ「う・・ここは・・・?」

 

目が覚めるとベットに寝かされていた。起きて周りを見ると、白一色で統一されており、ここが病室だというのがわかった

 

ア「ようヴァーリ。派手にやられたな」

 

ベットの隣にはアザゼルが椅子に座っていた

 

ヴ「アザゼル・・・ここは」

 

ア「神の子を見張る者(グリゴリ)の病室だ。お前は1週間も眠っていたんだぞ」

 

ヴ「そんなにか」

 

何故そんなに眠っていたかと記憶をたどると青龍との戦いを思い出す。何もできず、斬られ続けられ、アザゼルが助けてくれなければ今頃死んでいた。そして青龍が言っていたあることを思い出した

 

蒼『最強と言われていてもそれは悪魔の恩恵があるからなんだろ』

 

その通りだ。俺はいつの間にかあいつと同じこの力を使っていた。アザゼルは俺ことを現在・過去・未来において史上最強の白龍皇と言われたが、それはあいつの、悪魔の膨大な魔力を使えるに過ぎない。そんな膨大な魔力をもってしても青龍には一撃も与えられなかった。史上最強が聞いて呆れる

 

ヴ「・・・なぁアザゼル。頼みがある」

 

 

 

後日

 

ア「本当にいいんだな」

 

ヴ「ああ」

 

身体の傷が癒えたころ、頼んでおいたことをやってもらうためにアザゼルの元に来ていた

 

ア「もう元には戻せないぞ」

 

ヴ「わかっている。だが俺は最強でも何でもなかった!最強と思っていたのは膨大な魔力の!あいつのおかげだった!だが俺の親は母さんだけだ!たとえ俺のことを忘れてしまっても!俺はあの人の!人間の子だ!!」

 

この日、俺は羽と共に魔力を失った

 




ちょっと無理矢理感がありますがなんとか形になりました。
ヴァーリが悪魔の力を失いましたが、ちゃんと強化も考えています。
しかしその登場は・・・いつになるんでしょうか


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クリスマス編

今回はクリスマス編。原作開始前なのでゼットとゼノヴィアは一緒にいません


【ユーガside】

 

ユ「止めをさせ《ディノインフィニティ》!インフィニティ・ファング!!」

 

角の生えた巨大な恐竜が巨大な牛型の魔獣の首元にかぶりつき、引きちぎった。魔獣は力なく倒れるとピクリとも動かなくなった

 

ユ「はぁ。クリスマスだってのに依頼が来るなんてな」

 

今日はクリスマス当日。午後からロセとデートの約束だったのに俺に指名の依頼が入った。個人を指名するなんてのは珍しいことだし、報酬もよかったから断りずらかったんだよなぁ。思いのほか時間かかったけど

 

ユ「時間はギリギリだな。飛ばせば間に合うか?」

 

召喚していた《ディノインフィニティ》をディスクから外し、デッキをしまう。破壊効果が使えないため純粋な攻撃力重視のデッキで討伐するんだが・・・クリスマスってことでどのモンスターも召喚できなかった・・・。天使とかは分かるぞ。だけどドラゴンとか機械、果ては悪魔族までクリスマス休暇ってどういうことだ!?ようやく召喚で来たのが恐竜族だったし・・・みんなパーティとかしてるんだろうか?

 

 

ロ「ユーガ!遅刻です!」

 

ユ「悪い悪い。急遽依頼が入ってさ、俺に指名されてたし断れなかったんだ」

 

待ち合わせ場所には怒っているロセがいた。Dホイールをとばし、諸々の手続きをしてから向かったが、待ち合わせの時間には間に合わなかったようだ

 

ロ「せっかくのクリスマスですのに・・・」

 

?「メリィィィィィクリスマァァァァァァァス!!!!!!!!」

 

その叫び声とともに大小の赤と緑の羽を持ち、白い袋を背負った赤い悪魔が俺たちの前に現れた。

 

ロ「悪魔!?」

 

ユ「いや違う!悪魔は悪魔だけどお前はサタンクロース!」

 

サタクロ「Exactly(その通り)!聖夜に喧嘩してる2人に悪魔なサンタからのプレゼントだ!」

 

サタンクロースは背負っていた袋を漁るり、中から小さな箱を渡してきた

 

ロ「これを私たちにですか?」

 

サタクロ「そうだ!開けて見な」

 

ロセが箱を開けると中には二つのネックレスが入っていた。ってこれって!?

 

ユ「《賢者の宝石》じゃねぇか!?」

 

サタクロ「Oh!Yes!その通りだ」

 

ロ「えっ!?これって賢者の石何ですか!?」

 

ロセはネックレスを手に取り、宝石を眺めていたが、賢者の石と聞き、箱に戻していた

 

サタクロ「違う違う。賢者の石とは別物だ」

 

ユ「なぜこれを俺たちに?安いものでもないだろ」

 

サタクロ「いや、結構ありふれたもんだぜ。何たってブラックマジシャンガールしか使えないからな。他の者にとっては無用の長物だ」

 

ユ「あー。納得」

 

 

《賢者の宝石》

通常魔法

(1):自分フィールドに「ブラック・マジシャン・ガール」が存在する場合に発動できる。手札・デッキから「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。

 

 

・・・うん。他のモンスターは使えないな

 

サタクロ「さて、渡すものは私たし、俺は帰るぜ!まだ配り終えてないからな」

 

ユ「配るってどこに?」

 

サタクロ「それはいろんなところだ。なんたって1年で唯一仕事をする日だからな」

 

2人で楽しめよー。そう言ってサタンクロースは消えていった

 

ユ「ろせ。本当に悪かった。許してくれ」

 

ロ「・・・もう、仕方ないですね」

 

ロセは仕方ない、って顔をしながらも許してくれた。俺は冷たくなったロセの手握ると、コートのポケットに一緒に入れた

 

ロ「ユーガ・・・」

 

ユ「このほうが温かいだろ」

 

そう言うと、ロセは赤くなりながらも俺に寄りかかってくる。俺たちはそのまま夜の街の中に入っていった。

 

 

 

【三人称side】

 

一方。日本では

 

ユ「お待たせしました。こちらクリスマスコースのメインになります」

 

叔父の営むレストランでバイトをする絶斗

 

 

碧「悪い。俺はもう無理だ・・・」

 

フ「碧守!」

 

蒼「倒れるのはやすぎるぞ父さん!」

 

葉「情けないです」

 

白「すみません。私ももう限界です・・・」

 

黒「白音ぇ!!」

 

元旦に向けてお守りの核を作る東雲家だった。彼らの前にはオーラが発する木の札と朱色の透明な石が山積みにされている



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クリスマス編 その2

今回はクリスマス回と言うこともあり少し短いです

皆さんはクリスマスどう過ごしましたか?私は小説の内容を考えたり、1人身クリスマスの曲を聞いたりしてました


【絶斗side】

 

冬休みに入ってクリスマス当日。俺とゼノヴィアは親戚のところにバイトに来ていた

 

「悪いな絶斗。折角のクリスマスだってのに」

 

絶「気にすることないって。夏休みは全く手伝えなかったしそれに叔父さんには色々世話になってるから」

 

親戚である叔父が経営するレストランは大きくないが小さくもない。普段は店の中がいっぱいいっぱいになるまで客が来ることはないが今日はクリスマスということもあり、ホールも厨房も休む暇なくまわっていた

 

「だが部活に入ってたんだろ?高校生だしみんなでパーティとかあったんじゃないか?」

 

絶「確かに呼ばれてたけど・・・すぐに戻ってこれないからな。家の大掃除とかもあるし」

 

「それもそうか。だがいつの間にあんな美人をゲットにしたんだよ」

 

叔父がニヤニヤしながら肘をぶつけてくる

 

絶「ゲットしただなんて言わないでくれ。・・・再会したのは春の終わり辺りかな。幼い頃出会って手紙だけやり取りしてたんだ」

 

話の中心であるゼノヴィアはホールで料理を配っていた。服装は他のウェイトレス同様サンタ服なのだが、ゼノヴィアだけミニスカサンタだった。スカートの下にスパッツをはているらしく時折スパッツの黒い生地が見えていた

 

「うらやましいなぁ。なぁ絶斗、俺にも紹介してくれよ」

 

コックの1人がいくつかの料理を手にしながら会話に交じってきた。彼はそれをウェイトレスに渡すとからの皿を手に戻ってきた

 

絶「そうはいっても部員の女性はみんな思いの人がいるからなぁ」

 

「はぁ。あそこの女生徒はレベル高いのになぁ」

 

残念そうにしながら調理場に戻っていった。力になれずすみません

 

「ともあれ彼女を大切にしろよ」

 

絶「勿論です。ゼノヴィアを手放したりなんかしません」

 

神様の前で誓ったことだ。破れるわけがない。叔父と話ながらも次々に増える皿を洗っては拭き、置いていく。

そうしていると叔父の後ろから何かの気配が

 

「あんた!何サボってるんだい!」

 

「ゲッ!?見つかった!!」

 

叔父の後ろから怒鳴ったのは叔父の奥さん。遂にサボってるのが見つかったか。俺は手を動かしているから被害はない

 

「料理長のあんたがそんなんでどうするのよ!」

 

「分かった。悪かったって。すぐに戻るから」

 

まったくと言って厨房の奥に戻っていく奥さん。叔父さんは頭をかきながら

 

「お前は俺みたいに尻を敷かれるような関係になるなよ?」

 

絶「はい」

 

まあ理想の夫婦は知っているからな。できるならば俺達も彼らのようになりたい

 

 

 

 

 

 

 

 

最後お客も帰り片付けを手伝ったら本当に閉店までいるはめになっちまった。俺たちは店の外にいるが辺りには雪が降り積ている。寒いなぁ

 

「折角のクリスマスだってのに来てくれて助かった。ありがとな」

 

絶「こちらこそ。お疲れさまでした」

 

ゼ「あの、よかったんですか?今日来た服をもらってしまって・・・」

 

「いいって。どうせ来年は受験とかで来れないだろう?叔父さんからのクリスマスプレゼントとでも思ってくれ」

 

ゼノヴィアが抱える袋には今日来たサンタの服が入っている

 

「2人っきりの時にでもそれ着てやってくれ。絶斗も喜ぶから」

 

絶「叔父さん!」

 

「ハハハハハ。また頼むぞ」

 

そう言っておじさんは鍵を閉めると帰っていった。全く油断ならないな

 

絶「俺たちも帰るか。ゼノヴィアも慣れない仕事で大変だったろう」

 

ゼ「確かにな。だがいい経験になったよ」

 

確かにゼノヴィアはバランスよく運んでいたし動きに無駄もなかった。・・・無駄のある動きができる環境にいるわけじゃないしな

 

 

 

 

 

雪が降る中手を繋ぎながら家に帰ってきた。風呂を上がったころには日付も変わってしまっていた。バイトで終わってしまったクリスマスだったが今日からは大掃除したりと年末年始に向けてすることがある。寝ようかと思い布団に入ろうとするとドアが叩かれた

 

ゼ「絶斗。入るぞ・・・」

 

絶「ゼノヴィアか。どうし・・・た」

 

いつもと違い声が抑え気味だったのが少し不思議に思った。だがそれも当然だろう。ゼノヴィアが着ているのはバイトできていたミニスカサンタ。それよりも上の丈が短くへそや腰回りが丸見えになっている。流石のゼノヴィアも恥ずかしいのか顔を赤くしていた

 

絶「ゼ、ゼノヴィア。一体、どうしたんだ?」

 

ゼ「一日遅れだがクリスマスプレゼントを渡そうと思ってな」

 

そういうとゼノヴィアは俺をベットに押し倒しキスをした。俺の目には目をつぶっているゼノヴィアの顔が映っていた

 

ゼ「わ、私がクリスマスプレゼントだ!受け取ってくれ!!」

 

絶「ゼノヴィア」

 

ゼ「なんだキャア」

 

ゼノヴィアの小さな悲鳴と共に上下が逆転する。つまり俺がゼノヴィアを押し倒している形だ

 

絶「いいのか?」

 

ゼ「ああ。来てくれ。絶斗」

 

ゼノヴィアは俺の首に腕を絡ませ、俺たちは再びキスをした。一日遅れのクリスマスだが俺たちは()なる夜を過ごした

 

 

 

 

 

 

 

【三人称side】

 

 

一方、青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)の一室で毎年恒例のお守り・お札・神具などの作成が行われていた。いつもと違うのは現朱雀の弟である朱明が東雲家に混ざってお守りなどの素材を作っていた

 

朱「・・・蒼枒たちは毎年これをやってるのか?」

 

蒼「当然だろう。効力も考えてギリギリまで作れないからな。この1週間は休みがないと思え」

 

朱「マジかよ・・・」

 

黒「しょうがないですにゃ。それでも朱明さんがいるだけあって白音の負担がかなり減ってるにゃ」

 

葉「そうですね。去年までは一日持たずに倒れてましたから」

 

白「師匠のおかげです」

 

朱「いや、話には来ていたがここまで辛いとは思わなかったからなぁ」

 

そう言って朱明は広げている翼から小さな羽根や朱色に光る半透明の石を生み落としていく。それは極々わずかな力のかけら。蒼枒、そして蒼枒の父親である碧守も体から生やした木から小さな木の札を落としてく。それらは一か所に集められ黒歌やフィーリス、そして龍神宮で働くのものたちによってお守りの袋に入れられたり、加工されていた



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正月編

あけましておめでとうございます。読んで下さってる皆様、今年もよろしくお願いいたします

というわけで、今回の正月編、前回と同様、原作前の話です
そしてゼットとユーガの出番はありません

ゼ・ユ「!!?」

だって、北欧の年明けなんてわからないし、駒王町に神様が祀られている神社はないからな


【蒼枒side】

 

蒼「終わった・・・」

 

葉「やっと終わりました」

 

白「もう・・・動けないです」

 

俺と葉月、そして白音は家の広間で倒れこんでいた。12月25日から大晦日である今日までずっとお守り・その他諸々を作っていたためだ。特に青龍である俺と父、葉月、そしての朱雀の力を宿す白音はお守りの核になる札や石を作り出していたためもう限界だった。今家にいるのは倒れている俺たちを除いて茶を持ってきてくれた黒歌だけだ。

 

黒「お疲れ様にゃ」

 

蒼「ありがとう黒歌。父さんはも行ったのか?」

 

黒「そうにゃ。例年通りかなり集まってるにゃ」

 

俺は起き上がり黒歌からお茶を受け取った。今の黒歌はいつもの黒い着物ではなく白い小袖に緋袴を着ている。所謂巫女装束だ。いつも結っている髪も檀紙で束ねられていて、普段は見られない姿だけに一層綺麗に見える。隣では葉月と白音がゆっくりと起き上がり、お茶を受け取っていた。今年も残りわずか。現青龍である父は先に切り上げており、今は本殿の方にいるみたいだ。

 

白「私たちも行かないと」

 

葉「これから忙しくなりますし」

 

確かにこれから最低2日は寝る間もなく忙しくなる。何せ全国から人が集まるからな。それに加え妖怪もやって来るし・・・

 

蒼「確かにな。リクオ達も来るだろうし」

 

年明けてすぐに初詣、帰って朝から宴会するのが例年のぬら組の正月だ。だから会うとしたらすぐにでも本殿に行かなくてはならない

 

蒼「そろそろ俺達も行くぞ。葉月も白音も大丈夫か?」

 

葉「動ける程度には回復してます」

 

白「私も同じく」

 

少しふらついたが大丈夫だろう。葉月たちは先に着替えていたため服装に問題はない。

 

蒼「黒歌」

 

黒「任せるにゃ」

 

俺は黒歌の手に取り、葉月たちが触れると視界が暗転した。本殿に着くとそこには長蛇の列が。いつものことだが多いな

 

 

年が明けた。朝方になっても列はなくならず、むしろ多くなっているようにも見える。だがその中にリクオ達の姿はなかった

 

 

 

 

 

蒼「・・・で、姫始めしてて遅れたと」

 

リ「う、その・・・ごめん」

 

今は正月の17時頃。一日中交代なしで働いていた俺たちは休憩を取ろうと思っていたところにこいつらはやってきやがった。俺の前で茶色い髪の頭を下げているのは三代目総大将、奴良 リクオ。その後ろには幹部である氷麗・青田坊・黒田坊がばつの悪い表情でたたずんでいた。

 

黒田「まあまあ蒼枒殿。そういきり立たづに」

 

青田「そうだぜ。出来ればこのまま子を身ごもって欲しいところだけどな」

 

青田坊の言葉に赤くなって頭から蒸気が出ている氷麗。言葉もかみかみで何言っているかわからないがそんな初々しい反応でどうする。大勢の人の前でいうことではないかもしれないが

 

蒼「・・・はぁ。確かにいつ来るもの自由だけどさ。今まで深夜に来てたんだから1報ぐらい欲しかった」

 

リ「悪かった。来年は気をつけるから許してくれ」

 

一瞬で昼の姿から夜の姿になりやがった。今回の原因は主にこいつだろ

 

 

 

 

その後、リクオ達を見送り俺たちは休憩することになった

 

蒼「はぁ~。流石に眠いな」

 

普段はそれほど眠くなったりしないが年末に休みなしで力を使い続けたため強い眠気が襲ってきた。葉月たちは先に休憩に入るとすぐに仮眠をとったようで、隣の部屋はかなり静かだ。俺もすぐに布団に入り、眠りに着こうとすると隣の布団から俺の布団に黒歌が潜り込んできた

 

黒「蒼枒

 

蒼「黒歌、どうした?ん・・・」

 

唇が触れるだけの軽いキス。顔を離すと黒歌はぴったりと抱き着き、俺は黒歌の体を抱きしめた

 

黒「今年もよろしくね」

 

蒼「ん・・・よろしくな。黒歌」



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正月編 その2

あけましておめでとうございます!
「ハイスクールD・D・D」を読んで下さっる皆さま!!今年もよろしくお願いします!!!



今回の話はサブタイトル通り正月編
時間的には本編前です
クロスオーバー先のキャラが多く出てきます。そして、セリフが9割を超えてます
短いですがそれでもよろしければご覧ください


【3人称side】

 

時は新年から5度目の朝を迎えた1月5日。大晦日元旦関係なく休みなく働く地獄で3匹の獄卒が鬼灯を訪ねてきた

 

シロ「鬼灯様!」

 

シロ・柿助・ルリオ「新年、明けましておめでとうございます!」

 

鬼「おや、シロさんたちですか。明けましておめでとうございます」

 

閻魔庁にやってきた3匹の獄卒、シロ・柿助・ルリオは元々は桃太郎のお供であった動物たち。鬼灯の斡旋で不喜処地獄に就職している

 

シロ「おいらたち今日休みなんだ!」

 

柿助「鬼灯様は休みどこかにお出かけなんですか?帽子を被ってますけど」

 

鬼「ええ、これから新年の挨拶をしに現世のほうに」

 

シロ「現世に!?おいら達もついてっていいかな?」

 

ルリ「やめとけって。これって挨拶回りの一つだろ。邪魔したらまず言って」

 

鬼「いえ構いませんよ。今頃なれば人も少ないでしょうし」

 

シロ「ヤッターー!」

 

 

 

 

 

場所は変わって青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)。1人の鬼と3匹の獄卒は長い石の階段を登り切った鳥居の前にやってきていた

 

シロ「すっごい!人がいっぱい!」

 

ルリ「もう5日だってのに。現世ではまだ正月休みなんですかい?」

 

鬼「一般的には4日、5日から平常営業に戻るでしょう。会社によっては休みもなく働いてるところもあるでしょうし」

 

シロ「ならなんでこんなに人が多いの?」

 

鬼「それはお守りや札等の効果があるからでしょう。何せここのお守り等は毎年神自らが手作りしていますし」

 

シロ「へぇ~~」

 

鬼「さて、挨拶の前に先にお参りを済ませておきましょう。そうすればあちらから来ると思いますし」

 

 

こうして1人と3匹は参拝の列に並んだ。5日ともなれば元旦に比べ参拝客は減ったがそれでも長い列ができている。時間はかかったが順調に進み参拝を済ませた鬼灯一行は境内の人が少ない所に移動していた

 

鬼「ここならば人もいませんしシロさんたちが話しても問題ないでしょう」

 

ルリ「こんな外れにいて大丈夫なんですかい?」

 

鬼「ええ。すでにこちらに歩いてきてますし」

 

鬼灯が向ける視線の先には蒼い着物を着た髪の長い青年がまっすぐ歩いてきていた。彼の左の懐は不自然に膨らんでおり鬼灯たちの前に来ると懐から一匹の黒猫を出した。黒猫は青年の腕からゆっくりと地面へと降りると煙を纏って黒い華やかな着物の美女へと姿を変えた

 

シロ「わっ!猫が人になった!?」

 

蒼・黒「鬼灯様。あけましておめでとうございます」

 

鬼「あけましておめでとうございます。今年も変わらないようですね」

 

蒼「はい。ありがたいことです」

 

シロ「ねえ鬼灯様。この人達はなんて人なの?」

 

鬼「シロさんたちとは初めてでしたね。こちらは日本神話より日本を任されている青龍の蒼枒さん。その隣がその奥さんの黒歌さんです」

 

蒼「正確には次期ですが・・・初めまして。東雲蒼枒と言います」

 

黒「妻の黒歌です」

 

シロ「おいらシロっていうんだ」

 

柿「猿の柿助です」

 

ルリ「キジのルリオです」

 

蒼「ああ。君たちが桃太郎のお供だったという」

 

シロ「そうだよ!でもなんで知ってるの?地獄にいないのに」

 

鬼「蒼枒さんはたまに地獄に来てますよ。義妹の白音さんと一緒に」

 

蒼「そうでなくても本家の朱雀を通じて、初代朱雀様から白澤様のところに桃太郎がいることも聞いています」

 

シロ「へぇー」

 

鬼「そうだ。ついでと言っては何ですが地獄温泉の足場が腐り始めたので張替をお願いします」

 

蒼「もうそんな時期ですか。わかりました、落ち着き次第向かわせてもらいます」

 

鬼「お願いします。この間も閻魔大王が足を取られ温泉に浸かる、なんてこともありましたし」

 

鬼灯以外「(それ、もう足場が腐ってるんじゃあ・・・)」

 

鬼「さて、挨拶も済んだことですし私たちは帰りますか」

 

黒「もうお帰りですか?白音たちが御屠蘇(おとそ)用意してますのに」

 

シロ「ホント!?飲みたい!」

 

ルリ「お前、鬼灯様が帰るって言ってるのに」

 

鬼「まあ少し時間に余裕がありますし、いってもいいでしょう」

 

シロ「わーい、ヤッター!」

 

 

 

蒼枒たちに連れられ建物内へと移動した鬼灯一行。部屋に案内されるとそこには葉月が先客に御屠蘇(おとそ)を出していた

 

鬼「おや、リクオさんたちもいらしてたんですね」

 

リ「鬼灯様!あけましておめでとうございます」

 

氷麗(つらら)「あけましておめでとうございます」

 

鬼「あけましておめでとうございます」

 

シロ「ねぇねぇ黒歌さん。この人たちは?」

 

リ「奴良組三代目総大将、奴良リクオといいます」

 

氷麗(つらら)「その妻、奴良氷麗です」

 

ルリ「奴良組って一体なんの組織なのですかい?」

 

鬼「戦国時代から続くぬらりひょんが作った妖怪集団ですよ。リクオさんはその孫にあたる方です」

 

シロ「ええー!?妖怪なの!!?」

 

リ「妖怪と人間のクォーターで妖怪としては4分の1ですけど」

 

鬼「ですが彼は日本の妖怪をまとめ上げ、安倍 晴明を殺してますからね。正直助かりました。晴明は地獄から逃げ出した挙句、勝手に鬼を連れだし現世で暴れてましたからね。今では厳重な監視の下、刑に服してます」

 

シロ「へぇ~。ってことはここにいるのって偉い人ばかりじゃん!」

 

柿「俺たちってここにいていいのかなぁ」

 

ルリ「明らかに場違いだよな」

 

白「気にすることないですよ。はい、屠蘇(とそ)です」

 

鬼「ありがとうございます、白音さん」

 

受け取った御屠蘇(おとそ)を飲む鬼灯一行とぬら夫婦。日本の裏の者たちの初詣はこうして過ぎていった

その帰り。飲みすぎでふらつく白い犬の姿があったとか



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堕天使巫女の日常 その1

お気に入りが195件を超えました!あと少しで200になりますね!

さて、今回はレイナーレが主役の話になります。そしてオリキャラも出てきますが、本編には関係ありません・・・たぶん


【レイナーレside】

 

い「今日の夜の巡回はレイナーレさんとミッテルトさんですね。お願いします」

 

レ「了解しました」

 

ミ「行ってくるっす」

 

働き出して1か月が経つかしら。今日は上司の銀杏(いちょう)さんに夜の巡回を任された。巡回と言っても範囲は神社の周りとこの町程度。青龍の住む町で騒ぎを起こそうとするような妖怪はいないというのは知っているし、堕天使や悪魔も入ってくることはほぼないという。

今の私は青山龍神宮で巫女として働いている。元は神の子を見張る者(グリゴリ)に所属する堕天使だったが雇った神父の暴走で計画は失敗。神の子を見張る者(グリゴリ)にも戻れなくなった私達は楓さんの計らいで巫女として働き始めた。堕天使の私たちにも分け隔てなく仕事を教えてくれたり、弱い私たちに戦いの指導をしてくれたりとあっさり受け入れてもらえた。ここは種族の違いはなく、妖怪も人間も共にいるのが普通のようだった。中でも私が驚いたのはここにいる人間たちは神器も持たないに最低でも中級堕天使程度の実力は持っているということだ。一応私は中級堕天使にいたが、修行の中で人間と試合したときにあっさりと負けてしまった。他の堕天使達と違い私は人間を見下したりしてはいなかったが、この結果に少々落ち込んだりもした

 

ミ「何もないし、暇ですね~」

 

レ「巡回というのはそういうものよ」

 

隣を飛ぶミッテルトがだらりと腕を下げながら飛んでいる。確かに退屈と言われれば退屈だが何もないほうがいい

 

ミ「そういえばレイナーレ様ー」

 

レ「何かしら?」

 

ミ「楓や銀杏(いちょう)さんはまだ翼があるからわかるんですけど、他の妖怪が宙に浮かんでいるのはなんでですかね」

 

レ「ああ、それは・・・」

 

私も前に疑問に思ったことだ。何故翼も羽もないのに宙を飛べるのか。聞いてみたら妖力を使って浮かぶことができるらしい。全部の妖怪が浮かべるわけではないがこの神社に仕えている妖怪のほとんどは可能だそうだ

 

ミ「へ~、そんなんですか。私たちの光力でも同じことができますかね?」

 

レ「どうかしら?私たちは翼を持っているしそんなこと考えたこともなかったわね」

 

今までは飛ぶには翼が必要だったけど、この方法を使えばもっと速く飛べるようになるかもしれない。実際楓さんたちは併用して飛ぶこともできるらしい。最もそのスピードをもってしても青龍である蒼枒様には届かないらしいけど

 

レ「神社の周りは1周したわね。次は町の方に行きましょうか」

 

ミ「了解です。・・・レイナーレ様、あれは何ですか?」

 

レ「何かしら」

 

鳥居の前に結界によって阻まれて入れないでいる者たちがいた。女の方は結界を叩き、何かを叫び、男はぐったりと背を鳥居の柱に預けている

 

ミ「なんで入らないんですかね?あの2人」

 

レ「あなたねぇ。蒼枒様が悪魔が入れないように結界張っているのを忘れたの?」

 

ミ「そうでした」

 

神社に入れないとうことは悪魔なのは確定として何故あんなにも叫んでいるのか。それにあの焦りよう、何かあるのかもしれない。とりあえず私は事情を聴くために近づくことにした

 

レ「とりあえず事情を聴くわ。行くわよミッテルト!」

 

ミ「了解です!」

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

人の気配のない静かな町の中を何かから逃げるように走っていく男を背負った女性があった

 

ク「はぁ、はぁ、もう少し」

 

彼女の名はクラリーナ・フェレティ。長い金髪に青い目の燃えるのような美女である

 

ウ「ぐ、クラン・・・」

 

ク「無理しないで!必ず助けるから」

 

男はウィリック・オーティス。この2人は悪魔であり、主と眷属の主従関係にあるが恋人でもある。

 

ク「はやくしないと追手が・・・」

 

背負われている彼の背は赤くはれ、焼けただれていた。そんな彼らがなぜ追われているのか。

クラリーナ・フェレティは純血悪魔の家に生まれた。彼女の父であるフェレティ家の当主は数が少なくなっている純血悪魔を残すため自分の望んだ相手と娘を結婚させようとした。フェレティ家は純血ではあるがそれ以外に特徴のない家だった。そのため娘を地位の高い家へと嫁がせようとしたがクラリーナが断固拒否を示した。そればかりかクラリーナは転生悪魔のウィリックと結婚したいと言い出した。もちろん現フェレティ家当主は認めることはなかったが、いつまでたっても考えを改めない娘に対し彼女の恋人のウィリックを殺す計画立てた。計画に気付いたクラリーナはウィリックを連れて逃走。クラリーナがウィリック共々いないことに気付いた当主は部下にウィリックの殺害と娘を連れ戻すよう指示を出した。襲撃を受けながら逃走する中、クラリーナは日本に住む友人から聞いたある噂を思い出した

 

ク「ここが・・・青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)

 

やっとの思いでたどり着いた目的の場所に少し安堵を覚える。ここに転生悪魔を保護した人物がいるって噂だった。早速中に入ろうと鳥居をくぐろうとするが

 

ク「なんで!?なんで入れないの!」

 

何か壁のようなものに阻まれて鳥居を潜ることができなかった

 

ク「そんな・・・ここまで来て」

 

結界を必死に叩く女性は次第に力を無くし崩れ落ちた

 

レ「ちょっといいかしら?」

 

ク「そんな・・・なんで堕天使がここに」

 

絶望に堕ちる彼女にさらなる絶望が襲おうとしていた。彼らの前に巫女服の堕天使が下りてきたのだ。体力も限界

の彼女にはウィリックを庇いながら堕天使2人を相手にするのは不可能だった

 

レ「あー、そんな警戒しなくていいわよ。何も取って食おうなんて思ってないし」

 

ミ「私らはなんでここにいるか聞きたいだけっす」

 

ク「あ、あの「探しましたよお嬢様」!?」

 

クラリーナの声を遮り現れたのは3体の悪魔。そのうちの1体は執事のような恰好をしていた

 

執「さぁお嬢様、帰りましょう。お父上が御待ちです」

 

ク「嫌よ!私を無理矢理結婚させようとするだけでしょ!あんな奴と結婚なんて死んでもごめんだわ!」

 

執「そうおっしゃらずに。お前たちはそいつを始末しろ。私はお嬢様を連れていく」

 

A・B「「はっ!」」

 

執事のような悪魔がクラリーナの腕を持ち、控えていた悪魔がウィリックを引きはがそうとする。だがそれを阻むかのように光が悪魔の前を遮った

 

レ「待ちなさい。彼女たちを連れて行かせるわけにはいかないわ」

 

執「これはこれは愚かな鴉風情じゃないですか。私たちの邪魔をしないでいただきたい」

 

レ「そうはいかないわ。彼女はこの神宮に用があるみたいだし。それに、目の前で嫌がっている人を助けないわけにはいかないわ」

 

クラリーナには分からなかった。なぜ堕天使である彼女たちが悪魔である私たちを助けようとするのか

 

執「邪魔をするというのならばまずは貴方達から始末することにしましょう。お前たち、相手をしてやれ!」

 

A・B「「かしこまりました」」

 

部下である2体の悪魔がレイナーレたちの前へと移動した

 

ミ「ただただ暇なだけと思ったすけど、楽しくなってきたっす!」

 

ミッテルトは光で槍を作り出す。だがその形はぼんやりとしたものではなく、両端が3つ又に分かれた槍だった

 

レ「楽しいって面倒なだけじゃない!・・・なんで私、物語の主人公なことやってるのかしら」

 

急に冷静になったレイナーレだったが、空中に光の長剣をいくつも作り出し、そのまま待機させた

 

A・B「「なっなんだそれは!?」」

 

ク「すごい・・・」

 

その光景に悪魔たちは驚きを示した。その隙にミッテルトは槍を構えたまま悪魔に向かって突撃した

 

ミ「いくっすよ!」

 

執「何をしてるのです!迎え撃ちなさい!」

 

A「はっ!これでもくらえ!」

 

B「所詮子供だましだ!鴉如きが我らにかなうはずもない」

 

2体の悪魔はそれぞれ魔力弾を放つ。しかしそれは高速で飛来するレイナーレの剣によって貫かれ、霧散した

 

A「なっ!我々の弾を正確に射貫くだと!?」

 

B「おい!前!」

 

A「!?くそっ」

 

目の前には槍を突き出してくるミッテルトの姿があった。とっさに巨大な魔力弾を放ち、煙が広がった

 

A「所詮この程度・・・」

 

B「貴様ぁ!」

 

ミ「油断してる方が悪いっす」

 

悪魔Aが頭上に現れたミッテルトに貫かれ塵となって消えた。それにキレた悪魔Bは散弾のように魔力を散らせるが

 

B「何だと!?」

 

ミッテルトは槍を拘束で回転させ弾を防ぐ、その隙にレイナーレが光剣を飛来させ

 

B「がっ・・・」

 

10本の剣が悪魔Bに襲い掛かる。避けきれず、次々と貫かれた悪魔は塵となって消えた

 

執「やりますね。ここまでとは予想外です」

 

レ「残るはあなた1人よ。このまま帰るのならばこちらも何もしないわ」

 

執「それはできません。旦那様の命を受けていますので」

 

レ「そう、なら仕方ないわね」

 

再び光剣をセットするレイナーレに対し、悪魔は不敵な微笑を浮かべていた

 

執「ふふふ。私を先ほどの悪魔たちと一緒にしないでもらいたいですね」

 

ミ「隙ありっす!」

 

ミッテルトが槍を突き出すが、向かってくるミッテルトに対し悪魔は振り返り

 

ミ「なっ!?見破られた!?」

 

執「幻影を使って背後から襲うとは。考えたものです」

 

ガキィィィィンと響き渡りミッテルトの槍と悪魔が出した剣が交わる。ミッテルトは驚いていた。まさか初見で自分の攻撃を防がれるとは思わなかったからだ

 

レ「ミッテルト!」

 

レイナーレはセットしていた光剣を射出するが

 

執「甘い!」

 

全て躱され、叩き落とされる

 

レ「・・・これは厄介ね」

 

ミッテルトと打ち合っている相手を分析した結果レイナーレが呟いた。ミッテルトとレイナーレの攻撃は執事の悪魔に躱され、撃ち落とされる。だが執事の悪魔も2人の連携に攻勢に出ることができずにいた

 

執「これはなかなかのものですな」

 

ミ「余裕っすねぇ。悪魔に対して私らの光は致命傷じゃないんすか?」

 

槍を振り回すミッテルトに対し、剣で防ぎながら火を放つ執事は余裕そうに答えた

 

執「確かに私たちに貴方達の光は致命傷です。しかし貴方達程度では上級悪魔である私を傷つけることはできない」

 

ミ「世迷言を」

 

執「ならば私も、そろそろ本気でいかせてもらいます」

 

そう言うと執事の姿が消えた。ミッテルトは槍を正面に構えると衝撃が走った

 

ミ「くっ」

 

執「ほう、これ防ぎますか」

 

ミ「生憎様。その程度のスピードは見え見えっす」

 

背後にいる悪魔に振り返りながら答えるミッテルト。彼女は蒼枒や楓たちから指導を受けていた。そのため、ある程度のスピードまでは身体がついていけるようになっていた

 

ミ「それに本気を隠していたのはあんただけじゃないっす!」

 

執「何?・・・これは!?」

 

執事を囲むように広がる無数の光剣。360度すべての方向からその刃が向けられており、すでに逃げ場はなかった

 

執「うおおおおお!!!」

 

避けることは不可能。執事がとった行動は迎撃、ただそれだけであった。全方位から向かてくる光剣を切り裂き、叩き落とす。そして執事は

 

執「はぁ、はぁ。どうだ」

 

息を切らせながらもすべてを防ぎ切った。だが彼の目の前にいたのは

 

ミ「そう、ごくろうさまっす!」

 

レイナーレに支えられ、巨大な3つ又の槍を構えているミッテルトの姿だった。ミッテルトはレイナーレが手を離すと同時に投擲

 

執「ぐはっ」

 

超高速で飛来する槍に対し剣を盾にしたが耐えられるはずもなく、バキンと剣が折れた音と同時に悪魔は貫かれ、塵となった

 

ク「・・・すごい」

 

クラリーナは驚いた表情で堕天使達を見ていた。それもそのはず、執事の悪魔は油断こそしていたが、その実力は最上級悪魔に届く持ち主だったからだ

 

ミ「やったっすよ!レイナーレ様!成功したっす!」

 

レ「ええ、失敗しなくてよかったわ。少し前では考えられないわね」

 

何故巨大な槍が高速で飛び、2人が喜んでいるのか。それは2人のタイミングが合わなければ先ほどの攻撃は失敗していたからだ。レイナーレは槍を支えていただけでなく打ち出すために力を溜めていた。そしてミッテルトが投げる瞬間、絶妙なタイミングで槍を加速。もしタイミングを間違えていれば槍はあらぬ方へと飛んでいただろう

 

レ「さて、邪魔はいなくなったわ。貴方たちのこと、教えてくれるかしら?」

 

ク「は、はい。わかりました」

 

 

 

 

【クラリーナside】

 

建物の中に案内された私たちは応接室?に通されました。堕天使の2人はレイナーレさんとミッテルトさんといい、レイナーレさんは上司の報告を、ミッテルトさんはウィリックの手当てをしてくれてました。それから10分程度たったころ、私の目の前にはレイナーレさんとその上司の銀杏さん。そして東雲蒼枒さんという方がいらっしゃいました。ただ、さきほどから凄く空気が重いです。私たち、何かしたんでしょうか・・・?

 

蒼「事情は2人から聞いた。その男を助けてほしいと」

 

ク「はい、その通りです」

 

私の隣にいるウィルを見つめる蒼枒さん。よく見ると彼の眼がドラゴンのようになっています

 

蒼「ダメだ」

 

ク「な、何でですか!?」

 

蒼「なぜ悪魔を助けなければならない?そいつは転生悪魔だろ?」

 

ク「そ、それは・・・」

 

考えてみればそうだ。なぜ私たちは助けてもらえると思っていたのだろうか

 

蒼「なぜ俺が悪魔の頼みを聞かなければならない?大っ嫌いな悪魔の頼みを。お前たちはこの町に入って苦しくなったりしてないのか?悪魔を追い出すための結界の中に入って」

 

確かに町に入った直後から身体が怠く感じた。疲れのせいだと思ったがどうやら蒼枒さんが何かしていたようだ

 

ウ「・・・どうしてもダメですか?」

 

蒼「ああ、ダメだ。俺の中で線引きしてるからな。悪魔(・・)からの頼みは受け付けない

 

やはり無理なのか・・・いや、悪魔からの頼みは受けつけない?なら

 

ク「悪魔を辞めれば、助けてくれますか?」

 

蒼「そうだな。悪魔じゃなければな」

 

ク「なら、私は悪魔をやめます」

 

ウ「クラン。何を・・・」

 

ク「心配しないで。羽を抜くだけだから。ぐ、ああああああああああ!!」

 

私は自分の羽を無理矢理引きちぎりました。痛みに耐えながら正面を見るとウィルの除いた全員が目を見開いていました

 

ク「もう、1つ・・・」

 

ウ「やめてクラン!僕のために君がそこまでする必要なんて」

 

ク「止めないで!私は貴方と一緒にいたいの!そのためならこの程度の痛み・・・ああああああああああ!!」

 

もう1つの翼も引きちぎりました。悪魔にとって羽は重要な役割を果たし、飛ぶだけでなく自分の力を示したり、魔力の生成にも関わっています。その羽を引きちぎったことで私は・・・

 

ク「これで、もう悪魔としての力は、持ち合わせていません。どうか、彼を助けてください」

 

頭を下げてお願いする私に視線が集中します。私の背には引きちぎられ左右非対称になった羽の残りがかすかに動いてました

 

蒼「・・・お前の覚悟は分かった。確かに一般人程度まで落ちたようだな」

 

ク「!なら」

 

蒼「ああ。だが、俺は助けるというより人間に戻すってのが正しいがな」

 

そう言って蒼枒さんは手から蔦をだし、ウィルの中へと侵入。引き抜くと彼の手には悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が握られていました。

 

 

 

あれから1週間、帰る場所のない私たちは蒼枒様のご厚意でこの町に住むことになり和菓子屋で働くことになりました。昔から菓子作りは得意でしたし、彼も装飾など細かい作業は得意で今は見習いですがいつか彼とお店を持てたらなと思います。ただ、蒼枒様が青龍で神様と知ったときは驚きました

 

レ「クラン。元気そうね」

 

ク「レイナーレさん!」

 

そしてレイナーレさんとミッテルトさん。2人には感謝しきれません。もしあの時彼女達が現れなければ、私は家へと連れ戻され、ウィルは殺されていたことでしょう

 

レ「ミッテルト見なかったかしら?買い出しの途中で逃げられてしまって」

 

ク「いいえ、ここには来てませんけど」

 

レ「そう、邪魔したわね。また来るわ」

 

そう言って不機嫌そうに立ち去るレイナーレさん。ミッテルトさんが言うには彼女は上司である楓さんという方を好きになっているみたいです

 

ク「ふふ」

 

私たちがこうして無事に過ごせるのも彼女のおかげ。幸せになってもらいたいな。

 

 

 

【レイナーレside】

 

「ああ、もう!どこに行ったのよ!」

 

ただでさえ多い荷物を1人で持つはめになった私はイラつきながら先ほど会ったクランのことを考える。あの時、悪魔を辞めるなんて思いもしなかった。しかも彼女は純血。数が少なく、力だってあったのにそれを捨ててまで彼といることを選んだ。もし私に同じことをやれと言われてもできない気がする

 

レ「ほんと、羨ましいわね」

 

クランのみならず私の周りには愛に深い者たちが多い。特に青龍の方々はとんでもなく深い。以前対峙したグレモリーも何とか愛があったけど、青龍と比べたら天と地ほども差がある

 

朱「貴方はレイナーレ!なぜここに!?」

 

グレモリーのことを考えていたからかしら。まさかそれが女王と再会するフラグになるなんてね・・・



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堕天使巫女の日常 その2

その1の続き
そしてすごく難しかった。メインキャラが一人も出ないからしかたないけど
あ、時系列的にはコカビエル戦後、会談前です

・・・本当に難しかった


【レイナーレside】

 

朱「貴方はあの時の堕天使!なぜここに!?」

 

会いたくないのに会ってしまったわ。これがフラグ回収というやつなのかしらね。・・・それにしても困ったわ。今の私は買い物の帰り。神宮まではまだ少し距離があるし両手は荷物でふさがっている。飛んでいこうにも荷物を落としたら大変だし・・・

 

朱「答えなさい!あなたはここで何を企んでいるのですか!?」

 

グレモリーの眷属は手に魔力を籠めこちらに向けている。言葉を聞いてくれるような雰囲気でもないし、だからといって逃げられそうにもない。本当にどうしようかしら。せめてミッテルトがいてくれたらこんなことにはならなかったのに

 

レ「・・・何も企んでなんていないわよ。今だってお使いの帰りだし」

 

朱「お使い・・・堕天使のあなたが誰かの下につくなんて」

 

レ「そういうあなただってグレモリーの眷属じゃない!バラキエル様の娘にも関わらず」

 

あ、顔が険しくなったわね。今言ったのは失敗だったかしら?・・・あれ?バラキエル様の娘?自分で言って気づいたけど、この娘ってバラキエル様と朱璃さんの子供!?なんで悪魔にいなっているの!?

 

朱「リアスは関係ありませんわ!」

 

レ「まあ、別にいいけど。それよりも私がここにいる理由だったわね。それは行き場の失った私たちを拾ってくださったからよ」

 

朱「拾われた?一体誰が!」

 

?「おや?こんなところでどうしました?」

 

漆黒の翼を翻し私たちの間に降りてきたのは上司である烏天狗の楓様。いつみてもカッコいいわぁ

 

朱「・・・あなたは?」

 

楓「あなたは朱璃さんの娘さんの朱乃さんですね。私は楓と言います。蒼枒様の直属の部下で普段は神宮の運営を行っています」

 

以後お見知りおきを。と滑らかな動きで礼をする楓様。だけど相手はまだ警戒を解いていないみたい。・・・堕天使と勘違いしているのかしら?

 

朱璃「朱乃!」

 

慌ててこっちに走ってくるのは朱璃さん。たまにS気が入るけど私に仕事お教えてくれた人。確か今日は休みのはずだったけれど、娘と会うためだったのか

 

朱「お母さん!来ちゃダメ!」

 

朱璃「すみません!娘がご迷惑を!」

 

朱「なんで頭を下げてるの!?この堕天使はイッセーさんとアーシアさんの命を奪った元凶なのに!!」

 

いや、アーシアは確かに私のせいだけど、あの少年は私じゃないわよ!

 

楓「・・・皆さん一度落ち着きましょう。ここでは何ですから話せる場所に案内します。レイナーレさんは使いを果たしてからいらしてください」

 

レ「わかりました」

 

 

 

 

任されていた荷物をしまい、報告を終えた私はクランが来た時に案内された建物に向かった。部屋に入ると既に楓様が説明なさっていて、先ほどまでの睨むような視線は受けなかったが警戒はまだしているようだった

 

楓「ご苦労様です。貴女がここにいる訳は先に話しておきました」

 

レ「ありがとうございます。それで、何故貴女はそんなに警戒しているの?」

 

朱「堕天使を警戒しない理由がありませんわ!」

 

まあそれは当然のことよね。はぐれになった私たちでも堕天使であることには変わりないし。でもそれだけが理由でここまで警戒するなんてことはないはず

 

朱「訳だって納得したわけじゃありません!拾ってくれたというのは嘘で本当は貴方が操ってるんじゃないんですの?ここには私の母もいますし後ろ盾を得るのは簡単だはなくて?」

 

レ「ちょっと!!それはないわよ!そんなこと私ができるわけないじゃない!」

 

そんな術も能力も持ってないわよ。それに他者を操るのはかなりの精神力がいるって聞いたことがあるし、私よりも上ばかりのこの場所で私が操ることができる者なんていないわよ

 

楓「少し落ち着きましょうか」

 

朱璃「そうよ朱乃。何が気に入らないかわからないけどあなたはレイナーレさんに何をしてほしいの?」

 

朱「・・・私は、2人に謝ってほしいですわ。自分の身勝手で傷つけたことを」

 

謝ってほしいですって!そんなの

 

レ「私だってできるなら謝りたいわよ!私のアーシアを殺してしまったんだもの!でも、私一人で外を出歩くことなんてできるわけないじゃない!ましてグレモリーが近くにいるんだったら尚更よ!」

 

今の私たちは黒歌と同じくはぐれ認定されている身。私たちが何事もなく暮らせてるのは、この町が悪魔嫌いの青龍によって大体の悪魔が排除されるためであり、協会がないこの町には天使も来ない。堕天使も自由に動けるのはわずかな者のみで私がここにいることを知っているのはバラキエル様のみ。だが、この町を出れば私たちを守るものがなくなり見つかり次第殺されてしまう。そんな状態で会いに行くことなんてできるわけない

 

楓「・・・なら機会を設ければよろしいのではないですか?そのアーシアさんと私たちが同伴で会うならば問題ないんでしょう?」

 

朱「そんなことできませんわ!貴方のことをまだ信用しているわけではないんです。レイナーレがまた神器(セイグリッド・ギア)を狙う可能性もありますわ」

 

失礼ね。もう狙ってないわよ。あの時だってアーシアは神の子を見張る者(グリゴリ)に連れていこうとしていたし。そのせいで殺されてしまったけれど

 

楓「そうですね・・・では私はレイナーレが襲わぬよう結界に閉じ込めます。その中から互いに話せるようにしましょうか。レイナーレさんの全力でも私の張る結界を破ることはできませんので。貴女はアーシアさん一人を連れてくること。あまり大事にはしたくないですから。そして連れてきた後はいつでも動けるように貴方が見張る、というのはどうですか?」

 

レ「ええ!?でも、この町の外に出るのは危険だしそこまでしてもらうのはご迷惑では」

 

楓「流石に1日は無理ですが1時間程度なら私一人でもついていくことは可能です。それでどうですか?予定はそちらで決めてもらって構いませんが」

 

朱「・・・わかりましたわ。予定は後日」

 

 

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

レイナーレが朱乃と出会ってから何日か経ったある日。駒王町のある小さな公園に人払いの結界が張られていた

 

ア「朱乃先輩、ここに連れてきたのはどうしてですか?」

 

朱「貴女に会いたいという方が来ますわ。・・・私としては会ってほしくはないのですが」

 

そこへ朱乃がアーシアを連れていていた。公園の中に入ると黒髪の男女が待っていた。男のほうは神主の服装を、女性は巫女服を着ていた

 

ア「!?レイナーレ・・・様?」

 

レ「アーシア・・・」

 

アーシアはレイナーレの姿を見ると小走りで向かった。だが、手を伸ばせば届くというところで何か壁のようなものにぶつかった

 

ア「痛い。一体何が・・・?」

 

楓「大丈夫ですか?結界が張られているのでそれ以上は近づけませんよ」

 

アーシアを阻んだのは楓が張った結界だった。その範囲はレイナーレを囲うように展開されており、それを見た朱乃は少し心が落ち着いた

 

朱「約束通りにしてくれたますわね」

 

楓「当然です。ですが、あなた方は約束を破ったみたいですね」

 

朱「え?」

 

イ「レイナァァレェェエエ!!」

 

朱乃が楓の向ける視線を先を見るとそこにはイッセーとリアスがいた。二人は襲い掛かろうとこちらに向かってきており、イッセーの左腕赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)がすでに倍加を始めていた

 

リ「アーシア!朱乃!大丈夫!?」

 

朱「リアス!それにイッセー君も!なんでここに!?」

 

リ「二人が出ていくのを心配してついてきたのよ。それにしてもまたアーシアの神器(セイグリッド・ギア)を狙うなんて」

 

リアスが朱乃と話す中、イッセーはレイナーレとアーシアの間に割って入るように飛び込み、アーシアを後ろに隠した

 

イ「レイナーレ!!お前、まだアーシアを狙っているのか!?」

 

レ「違うわよ!私はただあの時に殺してしまったアーシアに謝りたいだけ。ただそれだけよ」

 

イ「嘘をつくなぁ!!そんなこと言って油断させるのが目的だろ!」

 

相手の話を一切聞かず、自分の考えを押し通すイッセーはレイナーレに殴り掛かろうとしたが、アーシアと同様に結界に阻まれた

 

イ「これは結界か!こんなもの」

 

イッセーは倍加した力で結界を殴り壊した。結界を壊したことでレイナーレが守るものが無くなったと思ったイッセーは余裕の表情を見せた

 

イ「これでお前の張った結界はなくなった!覚悟しろ!」

 

楓「ふむ。破られてしまいましたか。まあ強度を内外逆にしていましたし当然でしょう」

 

自身が張った結界を分析していた楓。レイナーレしか目に入っていなかったイッセーは楓がいきなり現れたように感じた

 

イ「うお!いつの間に!?」

 

楓「始めからいました。ですが厄介なことになりましたね」

 

楓は来る予定のない二人を見ていた。イッセーはこちらを完全に敵視してアーシアを自身の後ろに隠したまま。リアスも朱乃の傍を離れないが変わらずレイナーレたちを警戒していた

 

イ「お前は一体何者だ!なんで一緒にいる?レイナーレの仲間か!?」

 

楓「申し遅れました。私、レイナーレさんの上司をしています楓と申すものです。・・・さて、レイナーレさん。予定が大幅に変わりました。私が部外者は私が抑えて置くので手短にお願いします」

 

レ「はい。って、え?抑えるって」

 

レイナーレの返事を確認した楓は懐から一枚の扇を取り出し、イッセーに向かって横に一薙ぎした。ただそれだけでイッセーの身体は空へと舞い飛ばされた

 

イ「ウワアアァァァァ」

 

リ「イッセー!」

 

楓「貴女もですよ」

 

そういうと下から掬い上げるように扇を仰ぐとリアスも風にさらわれ天へと飛ばされた

 

朱「リアス!」

 

楓「悪魔ですから羽は持っているでしょう。あとはこちらに来ないようにするだけですから怪我は極力させないようにします。朱乃さんは巻き込まれないようにアーシアさんと一緒にいてください」

 

そう言い残すと楓は背中から翼を出して悪魔たちを追いかけた

 

レ「アーシア・・・」

 

ア「レイナーレ様。イッセーさんとリアス部長が!」

 

レ「大丈夫よ。余程のことがない限り楓様なら2人に怪我をさせないようにしてくださるわ。それよりも・・・」

 

2人なら心配ないと言うレイナーレはアーシアに対し、深々と頭を下げた

 

レ「アーシア・・・ごめんなさい!私のせいで殺してしまって。あの時ちゃんとフリードを抑えていれば死ぬことも、悪魔に転生することもなかったのに」

 

ア「レイナーレ様・・・

 

レ「許してくれなくても構わないわ。私は貴女にそれだけのことをしたのだから。でも、謝らせて。本当にごめんなさい」

 

ア「・・・頭を上げてくださいレイナーレ様。私は、悪魔になってよかったと思っています。神に祈ることができなくなったのは確かに残念ですが、大切な人と、たくさんのお友達もできました。だから・・・貴女のことを許します」

 

レ「アーシア・・・」

 

頭を上げるレイナーレ。2人は互いに手を伸ばそうとするが再び結界によって阻まれた

 

朱「・・・約束は守ってくださってますけど、雰囲気が台無しですわね」

 

朱乃がそう思うのも無理はない。楓は誰にも悟られずレイナーレを結界の中に入れておいたからだ

 

ア「レイナーレ様」

 

レ「しょうがないわ。あなたの安全のためだもの。それよりも大切な人ってもしかしてあの子のことかしら」

 

そういってレイナーレが空を見上げるとドラゴンショットを放つイッセーの姿があった。だがそのドラゴンショットも楓に届く前にエネルギーを散らされ、霧散してしまっていた

 

ア「はい。イッセーさんのことです」

 

レ「そう。騙しとは言えデートした私からアドバイスよ。あれは目移りが激しいわ。デート中も楽しませようとしていたけど少し際どい服を着た女性が通り過ぎればそちらに目が移っていわ。だからアーシア、手綱はしっかり握っていなさい。できるならば尻に敷くぐらいまで」

 

ア「イッセーさんを尻に敷くなんて」

 

レ「そういう意味じゃないわよ!」

 

何か勘違いしているアーシアにレイナーレが助言をしていると、上空から楓が降り立った

 

楓「謝罪は済みましたか?こちらも無力化し終わりました」

 

楓の後に続くようにイッセーとリアスが現れた。静かに地面へと降ろされた2人だが身体が動かなくないようで無理矢理動かそうとするもうめき声をあげるだけだった

 

朱「リアス!」

ア「イッセーさん!」

 

楓「心配せずとも体を麻痺させただけです。10分もすれば動けるようになりますよ」

 

リ「堕天使が私たちにこんなことして・・・どうなるかわかっているの!?」

 

楓「知りませんね。それに、何を勘違いされてるかわかりませんが私は烏天狗。堕天使ではありません」

 

自分が天狗と言う楓にリアスはそんなこと認められないというように反論した

 

リ「嘘よ!だって堕天使と同じような黒い翼が生えてたじゃない」

 

楓「烏だから羽根が黒いのは当然じゃないですか。・・・さて用事は終えましたし私たちは帰ります」

 

レ「わかりました」

 

何を言ってるんだという風に首を振る楓。用事を終えた彼はこの場所にいる理由もなくレイナーレを連れて帰ろうとしていた

 

イ「くっそおおぉぉぉ!待ちやがれ」

 

リ「そうよ!なぜアーシアには謝っておいて同じように殺したイッセーには何も無いの!」

 

レ「アーシアを殺した原因は私にあるわ。だけどその少年に謝る理由はないわ」

 

リ「イッセーも殺したじゃない!」

 

レ「ちゃんと急所を外したわよ。救急車も手配していたしあの公園に来るまでの時間も考えて行動していたわ。貴女が何もしなくても病院に運ばれ問題なく回復したはずだったのよ。そうでなければ私が蒼枒様に消されてしまうもの。それに、彼にはあの時に謝ったしね。勝手に悪魔にしたのは貴女じゃない」

 

レイナーレの言う通り、リアスは意識のないイッセーを本人の了承もなく勝手に悪魔へと転生させた。そんなことしなくても助かっていたにも関わらず

 

レ「だから改めて貴方には謝るようなことはしないわ」

 

楓「もういいですか?あまり長いようならば置いていきますよ」

 

レ「すみません。・・・私のことは忘れなさい。近くにいい子がいるのだから気持ちにこたえてあげないとかわいそうよ」

 

そういってレイナーレは楓と共に翼を広げると飛んで行った。それから10分後、楓の言う通りしてリアスとイッセーは体を動かせるようになると朱乃へと問い詰めていた

 

リ「今回は無事だったからよかったけど次も同じようになるかはわからないわ。こんな危険なことをするなら一言私に話を通してからにしてちょうだい」

 

朱「そうですわね。今回のことはすみませんでした」

 

リ「わかってくれたならいいの。それよりも青龍の件ね。黒歌のことといい私たちに対して邪魔ばかりするわね」

 

朱乃から今回のことの経緯を聞いたリアスは本来ならば討伐しなければならないはぐれの存在を匿う青龍に対し頭を悩ませることになった

 




アーシアとは和解できてもイッセーとは無理でした。
一応、ここのイッセーはレイナーレのことを原作よりは憎んではいません。しかしレイナーレの姿を見ると、がまたアーシアを狙っていると勘違いをし、アーシアを守る為に突っかかっていきました。誤解を解く機会も楓に処理された後では話をすることができませんでしたし、そもそもイッセーは敵の言葉は聞こうとしなませんけどね


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原作前
プロローグ


駄文も駄文です。それでもよかったらどうぞ見てやってください


ヒューーーーー   カン!

 

 

「いってぇぇぇぇぇぇ」

 

 

?「眼は覚めましたか?」

 

 

「ん?」

 

 

目を覚ますと真っ白な空間に金色の髪の長い女の人がいた

そして自分の隣には金タライが落ちていた

 

 

?「初めまして!神様です」

 

 

「こちらこそ初めまして・・・って神様!!?」

 

 

神「はい!実はあなたは死んでしまったのですが覚えていますか?」

 

 

「う・・・ん・・・・・・あーーー!想い出した!公園からとび出てきた女の子が車にひかれそうになってたから入れ替わるように投げたんだっけ」

 

 

神「その通りです。本当だったらあの子が死ぬはずだったのですが」

 

 

「俺が助けたせいで死ぬ順番が狂ってしまったと・・・」

 

 

神「はい、その通りです。よくわかりましたね?」

 

 

「まぁな(転生ものではよくあるよな。自分がなるとは思ってもみなかったが)」

 

 

神「そこであなたには別の世界に転生してもらいます!」

 

 

「わかった。どこの世界だ?」

 

 

神「(普通は驚いたりするものですが・・・)えっと、【ハイスクールD×D】ってところです。ご存知ありませんか?」

 

 

「いや、知らないな」

 

 

神「そうですか。パワーインフレが激しい世界なんですけど」

 

 

「そんな世界なら主人公達とはあまり関わりたくはないな。特典とやらはあるのか?」

 

 

神「限度はありますが3つまでなら好きなものをつけることができます」

 

 

「そちらで好きなようにしてくれ」

 

 

神「・・・いいんですか?」

 

 

「のんびり暮せて、結婚して、幸せな生活ができればそれでいいし」

 

 

神「わかりました。では送りますね」

 

 

「ああ、頼むわ。・・・それと起こすときは金ダライはやめたほうがいいぞ。結構痛いし」

 

 

そう言い残し、彼は消えていった

 

 

神「優しい心を持っている割に欲がかなりありませんでしたね」

 

 

そう言って神様は特典を付けていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(別神「おぬしはわしのミスで)(死んでしまったんじゃ」)

 

(?「ナッナンダッテー!?」)

 

(別神「しかも転生してもらう。)(場所も選択できん!」)

 

(?「ひでぇ!!!」)

 

(別神「【ハイスクールD×D】ってじゃ。)(さっさと特典を言え、)(何でもは無理じゃが3つまでな」)

 

(?「選択の余地がねぇ!・・・う~~ん。)(じゃあ好きだった遊戯王関連で大丈夫か?」)

 

(別神「願いによるがの」)

 

(?「1つ目はデュエルディスク)(とDホイール。デュエルディスク)(は召喚したモンスター及び魔法・罠の)(実体化でDホイールは遊星号でZ-ONE戦)(使用と同じ性能のものを頼む」)

 

(別神「問題ないな」)

 

(?「2つ目はデュエリストと同じように)(丈夫すぎる体と運動神経や諸々」)

 

(別神「これも問題ないな。)(だが大丈夫か?これから行く世界は)(このままではかなりきついぞ。)(幸い遊戯王カードはあるが」)

 

(?「それこそ問題ないな。)(3つ目をかなえてくれるならな」)

 

(別神「ほう」)

 

(?「3つ目。それは、)(所持カード無制限でOCG・TCG・原作効果)(のカードさらに一部のオリジナルで)(制限なく好きなだけデッキを)(作れるいわゆるADSの能力」)

 

(別神「ハッハッハ、なるほど)(のう。面白い、それもかなえてやろう」)

 

(?「いいのか?はっき)(り言ってチートだぞ。」)

 

(別神「構わぬ。おまけに)(デュエルディスクとDホイール)(の修理や改造ができるように)(必要な知識なども与よう」)

 

(?「mjdk」)

 

(別神「どうせ作者に使い)(こなせるわけがないからな」)

 

(おい(#^ω^))

 

(別神「では頑張ってこい!)(・・・また会おうユーガ」)

 

 

(?「・・・もう会うこと)(もないでしょう。って最後に)(コマンドーネタぶっこんでくるな!」)

 

 




後半のほうが楽だった


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黒猫との出会い

一週間に一話のペースで投稿できたらいいな


【???side】

 

 

山の中腹に構えている大きな屋敷

一人の少年が縁側で風に当たっていた

 

?「今年でもう50歳・・・か」

 

この俺、東雲蒼枒がこの世界に生まれて・・・いや転生してからから50年が経った。

生まれた家は特殊で先祖代々龍脈を中心に気の集まるところの管理を行っている。

今俺は、家の縁側で風呂でほてった体を冷ましていた

 

蒼「与えてくれた知識が確かならこのぐらいの時代から始まるんだったな・・・」

 

?「お兄様?どうかなさいました?」

 

蒼「いや。なんでもない」

 

星を見ながら思いにふけっていたら髪が蒼銀の美しい少女が出てきた。

妹である葉月だ。

髪が濡れているあたり、風呂からあがってそのままこちらに来たのだろう

 

葉「浴衣のまま風に当たっていると風邪を引きますよ。いかに私たちの身体が丈夫でも」

 

蒼「わかってる。・・・葉月こちらにおいで?髪を拭いてあげるから」

 

葉「ありがとうございます。お願いしますね」

 

そういうと葉月は俺の前に座るとによしかかってきた

 

蒼「おいおい。よしかかられたら髪が拭けないだろ」

 

葉「ふふ、すみません」

 

葉月が姿勢を正したのを見てタオルで髪を拭いてやる

腰まである綺麗な髪を、乱すことなく丁寧に・・・

 

葉「今日はきれいな夜空ですね」

 

蒼「そうだな。雲一つないいい夜空d・・・ッチ」

 

日本に張り巡らせてる結界から信号を受けた

 

葉「お兄様?どうしました!?」

 

蒼「結界に反応があった。・・・2年前だったか?気が集まるところ、所謂パワースポットの1つの管理を任せていた妖怪が殺されていた事件が」

 

葉「ええ。確か2人の猫又の死体が発見された」

 

蒼「もともとは家族4人で住んでいてな。親である2人の死体しか見つかってなくて、2人の娘たちは探しても見つからなかったんだよ」

 

葉「お兄様はその一家には印をつけていたんですよね?」

 

蒼「そうだ。その残り2つが突然現れた。片方は反応が消えたが、もう片方はかなり早く移動してる。普通じゃないな」

 

葉「・・・行くのですか?」

 

蒼「当たり前だろ?葉月は父さんにこのことを伝えておいてくれ」

 

タオルを葉月に渡し、動いている印の先に空間を繋げた

 

葉「了解しました。お気をつけて」

 

蒼「じゃ、行ってくる」

 

俺は繋げた空間に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森の中を一人の女とそれを追いかける者たちが走り抜けていく。女は黒髪に着崩した黒い着物頭には耳が生えており2又に分かれた尻尾があった

 

 

【黒歌side】

 

契約を破った元主を殺し、はぐれ悪魔になった私は白音と一緒に冥界を出た。

あのまま冥界に白音を残しておくと悪魔に何されるかわからなかったから。

追手が近くまで来ていることに気づいた私は寝ている白音を洞窟の中に隠し逃げた。

一緒にいると危険なうえ、2人だと無事に逃げ切れるかわからないから。

 

A「見つけたぞ」

 

B「お前には多額の賞金がかかっているんだ!おとなしく捕まりやがれ!」

 

追手の放つ魔力弾を交わしながらこちらも負けじと放ちながら逃げていた

こんなところで捕まるわけにはいかない。白音とまた一緒に暮すためにも・・・

 

C「ふっ・・・動きが直線過ぎだ!」

 

黒「がっっ!・・・」

 

足を狙い打たれた。また逃げようとするけど足が動かない。

仙術が使えればまだ何とかなるけど、白音を隠すために使ったばかりでまだ回復していない

 

C「ようやくおとなしくなったか」

 

A「これで賞金は俺たちのものだな」

 

B「その前に遊んでいこうぜ。こんないい身体。なかなかいないぞ」

 

悪魔たちは私を取り囲み、着物を剥ごうと着物に手をかけた。

 

?「お前ら!何やっている!!!」

 

このしたほうを向くと、緑の浴衣を着た一人の少年が月の光に照らされていた

 

 

 

 

【蒼枒side】

 

間に合った。もう少しで手遅れになるところだった。・・・にしてもこの感じ。悪魔か?

・・・まぁどうでもいいか。女性にひどいことすることする奴らなんて

 

蒼「おまえら、聞こえなかったのか?女性に対してこんな森の中で何をやっていると聞いてるんだが?」

 

C「お前には関係ねぇよ!邪魔するなら殺すぞ」

 

A「なんでこんなところに下賤な人間がいるんだよ!」

 

蒼「質問に答えないか・・・」

 

B「うるせぇ!これからいいとこなんだ!邪魔するな!」

 

悪魔Bは両腕から魔力弾を撃ってきた。

 

蒼「はぁ。相手を下賤呼ばわりするわ、女性を傷つけるわ」

 

俺は空間にしまっていた刀を取り出し、一瞬で近づき腕を切り落とした。

 

B「ぎゃぁぁぁああああ!俺の腕がああああああ」

 

蒼「殺してもいいよな?」

 

A「てめぇ!よくも」

 

C「殺してやる」

 

残った悪魔も魔力を放ってきた。

 

蒼「おら!」

 

悪魔Bで魔力弾を防ぎつつ悪魔Cに蹴り飛ばし、

 

蒼「てめぇもだ!」

 

残る一人も魔力弾の間を縫うように避け投げ飛ばした

 

B「ぐほっ!」

C「ぐわっ!」

A「いて!」

 

蒼「これで終わりだ」

 

3人が固まったところで地面から生やし木で貫き、雷を放って燃やした

 

 

 

 

 

【黒歌side】

 

一瞬だった。一瞬のうちに3人をまとめて殺してしまった

 

蒼「さて、大丈夫ですか?」

 

彼は剣を空間に仕舞いながら近づいてきた

 

黒「あなたは・・・いったい・・・」

 

木を操ったり雷を扱うなんて・・・人間じゃないにゃ

 

蒼「俺は龍脈を管理する4神の内、青龍の分家。日本担当の東雲家時期当主。東雲蒼枒だ!」

 

これがのちに夫になる蒼枒との出会いだった。



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東雲家

なんかUAがすごい増えてる・・・
あまりうまく書けてるとは思えないんだけどなぁ


【黒歌side】

 

あの後、足を治療してもらい、白音を迎えに行き、そのまま彼の家に行くことになった

空間術まで普通に使っていることにかなり驚いたけれども

 

蒼「今日はこちらで休んでください。詳しいことは明日でもよろしいんで」

 

客間に通された後、彼はそう言って出て行った

 

黒「これからどうなるのかにゃ」

 

追われていた私を助けてくれた。それは感謝してるし、こうして暖かい布団で白音を寝かせてもらえている。けど・・・

 

黒「この家からかすかにだけど2つ、悪魔の気配がする」

 

私や追手の悪魔に比べたら小さな気配だけど、確かに感じる。もしかして騙されてるんじゃないかと考えたが、ここまでする必要がない。横取りしたいのであればあの時に自分も殺せばよかったのだから

 

黒「もう考えても仕方ないにゃ!」

 

考えてもわからないためもう寝ることにした

 

黒「白音、おやすみにゃ」

 

久しぶりの布団にすぐ寝てしまった

 

 

 

 

 

 

 

次の日、白音に起こされた昨日の出来事を簡単に説明していた時、従者?に襖をたたかれ食堂に案内するといわれついていった。そこには蒼枒を含め4人が朝食をとっていた

今時には珍しく全員が着物を着ている。まぁ私たちもなんだけれども

 

蒼「おはようございます。よく寝れましたか?」

 

黒「おかげさまで。ありがとうございます」

 

蒼「それは良かった。座ってください一緒に食べましょう」

 

母親?らしき人がご飯をよそっており、私も白音もおなかが減っていたこともあり彼らと一緒に食べ始めた

 

 

 

 

【蒼枒side】

 

朝食を食べ終えた俺たちは居間に集まっていた

昨日は着崩していた黒歌さんもちゃんと着ていた

 

蒼「さて、改めて自己紹介から始めましょうか」

 

碧「そうだな。・・・私は龍脈を管理する4神、青龍が分家。日本担当の東雲家現当主。東雲碧守だ」

 

フィ「妻のフィーリスです」

 

蒼「時期当主の蒼枒です」

 

葉「妹の葉月です。葉月と呼んでください」

 

黒「猫魈の黒歌です。昨晩は危ないところを助けていただきありがとうございます」

 

白「妹の白音です。昨晩は姉を助けていただきありがとうございます」

 

蒼「いえいえ、当然のことをしたまでです」

 

今回助けることができたのはたまたまだ。少しでも駆けつけるのが遅れていたら黒歌さんは無事では済まなかっただろう

 

碧「さて、昨日のことは蒼枒から聞いているが、なぜ悪魔に追われているか教えてくれないか?」

 

黒「そっ、それは・・・」

 

黒歌さんから感じる猫又とは違う感じ、母さんや葉月と同じだとすると

 

黒「私は転生悪魔で、主である悪魔を殺したことではぐれ悪魔になったため追われていました」

 

やはり、悪魔だったか。・・・ん?転生悪魔?

 

 

 

 

【黒歌side】

 

それから私はすべてを話した。白音にも話していないことまで全部。

白音を守るため、白音に手を出さないことを条件に悪魔と契約して転生悪魔になったこと。

冥界での思い出したくもない暮らしのこと。

主が契約を破ったため、白音を守るために殺したこと。

白音を連れて冥界を出たはいいが、追手に見つかり殺されそうになり、蒼枒に助けてもらったこと。

 

白「そんな・・・じゃあお姉ちゃんが悪魔になったのも、主を殺したのも全部・・・私のせい」

 

黒「そんなことないにゃ!すべては私がやったこと!白音は何も悪くないにゃ!」

 

白「でも・・・でも・・・」

 

涙を零す白音を抱きしめる

 

黒「白音がいたから頑張ってこれたんだにゃ。白音がいなきゃ私は死んでいてもおかしくなかったにゃ」

 

白「お姉ちゃん・・・」

 

私たちが抱きしめあってると蒼枒たちから殺気を感じた。

 

碧「悪魔とは契約に忠実と聞いていたんだがな」

 

フィ「フフフ、まだそんな輩が残っていたなんて」

 

蒼「悪魔なんてろくなやつがいないな。母さんを除いて」

 

葉「簡単に死んでしまったのが残念ですね。もっと苦しんで死ねばよかったのに」

 

振り向くと全員怒っているようだった。気が見えるほど膨れ上がり、蒼枒、葉月は眼が変わっていた

 

黒「眼が・・・ドラゴンのようになってるにゃ・・・」

 

白「お・・・お姉ちゃん」

 

白音が腕の中でガクガク震えている

 

黒「やめるにゃ!白音が震えてるにゃ!」

 

碧「おっと。すまない」

 

全員の殺気がおさまり、蒼枒たちの眼も元に戻った

 

蒼「すみません。悪魔にあまりいい感情を抱いていないので」

 

黒「それはなんでかにゃ?・・・それに母さんを除いてって」

 

葉「ああ、それは」

 

フィーリスさんと葉月は羽を広げた。

 

フィ「私は純血の悪魔だけれども、見てのとおりもう飛ぶことはできないわ」

 

葉「私は悪魔の血が入っている半龍半悪魔ですけど、龍の血が強いせいか羽も悪魔のものとは変わっています。あ、ちなみに私は十字架も聖水も全然平気ですよ」

 

フィーリスさんの翼は途中からなくなっていて、葉月の翼は色も形も変わっていた

 

【フィーリスside】

 

私は語った。

1000年前にあった天使・悪魔・堕天使による戦争があったこと。

戦争末期に二天竜が暴れているとき、私が負傷していたことをいいことに死んだ扱いにして他の悪魔に連れ去られたこと。

そこで奴隷のように扱われたこと。

何とか逃げ出し、日本でお義父様である先代青龍に出会い保護してもらったこと。

東雲家に従者として仕え、碧守にプロポーズされ結婚したこと。

 

フィ「そして今は愛する2人のを育てる母になりました。翼を見てもらった通り飛ぶことなんてできず、悪魔としての力なんてほとんど残ってません。残ったのは人間より多少丈夫な体と寿命ぐらいですね。フフ、なんだか私と黒歌さんの境遇は少し似ていますね。」

 

黒「そう・・・ですね。」

 

フィ「それに悪魔の駒(イービル・ピース)ですか・・・。アジェカ様もまたすごいものをお作りになられました」

 

蒼「そのことなんですけど黒歌さん。妖怪に戻りたいと思いませんか?」

 

黒・白「「え?」」



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姫島家

UA1000超えてる!?お気に入り登録者5名!?登録してくださった方ありがとうございます。

・・・でもこれって猫姉妹効果ですよね?



【朱明side】

 

俺は朱明(フゥメイ)。数年前から白音ちゃんの中国武術の師匠をやっている。蒼枒が太祖山にまだ悪魔だった黒歌ちゃんを連れて来た。麒麟に『悪魔の駒イービル・ピースを抜き取るから少し場所を貸してほしいと』頭を下げていたらしい。らしいというのは姉であり現朱雀から聞いたからで、姉が何やら手伝ったみたいだ。で、その後の経過報告や必要な治療を任されて俺が日本に派遣された。俺としては可愛い弟子ができるわ、この報告が終われば世界を旅できる許可をもらえるわ、いいことづくめだ。

そして今、白音ちゃんの組手を行っている。

 

朱「まだまだネ。そんなんじゃ当たらないヨ」

 

白「はい!」

 

週に一度、組手を行ってる。今はまだ基礎・基本しか教えていないにもかかわらず、手加減しているとはいえ、俺に肉薄するほどだ。

 

朱「フェイントは当てる気持ちでやらないとフェイントってバレバレネ」

朱「ホラ!気が乱れてきてるヨ。」

 

白「くっ」

 

さらに気を纏いながら組み手を行っている。確かに数年という短い中で武術だけでなく気の使い方も教えたが・・・覚えるのは早過ぎるだろ。

 

朱「・・・いったん休憩ネ!」

 

白「はぁ・・・はぁ・・・。ありがとうございました」

 

本来なら気を一定にとどめながらこんな激しく動くにはもっと時間がかかるはずなんだが・・・どんだけ才能があるんだよ。

 

 

 

 

 

白「朱明さん。お姉ちゃんと比べ私はどうなんでしょうか・・・」

 

白音ちゃんが黒歌ちゃんのいるほうを見ながら聞いてきた

 

黒「にゃ~。蒼枒~」

 

青龍の姿になって寝ている蒼枒とその上で日向ぼっこしている黒歌ちゃんの姿があった。

 

朱「問題ないネ。今は黒歌ちゃんのほうが強いけどすぐに白音ちゃんのほうが上になるヨ」

 

確かに今は黒歌ちゃんのほうが上だ。近接戦闘に関しては。でもそれは悪魔になって戦ってた時の経験があるからそう見えるだけでこれからも修行を続ければすぐに抜くことができるわずかな差だ。黒歌ちゃんにも教えてはいるが白音ちゃんほど伸びしろが見えない。

 

朱「才能は白音ちゃんほうがあるヨ。今黒歌ちゃんのほうが強いのは戦闘経験の差であって、それはこれから埋められるネ。それに、黒歌ちゃんは完全に術師型ネ。悪魔の駒(イービル・ピース)の僧侶の駒が魔力の底上げってのはあってたヨ。・・・前衛型の蒼枒には後衛型の黒歌ちゃんが必要ネ」

 

白「・・・そうですね」

 

蒼枒も黒歌ちゃんからの好意に気づいてるんだろうけど、まだ若いから抑えてるんだろうなぁ。東雲家は生涯一人の女性しか愛さないし。子供ができるのは最低でも100年後かな?

 

 

 

 

 

 

 

【蒼枒side】

 

今日は修行も休みで昼からは龍の姿で昼寝していた。たまに変化しておかないといざというとき困るからな。夢の中で修行してたら朱明に蹴り起こされた。

 

朱「さっさと起きるネ!」

 

蒼「ん?なんだよ朱明。邪魔なんかしてないだろ?」

 

朱「蒼枒にお客さんネ」

 

神「助けてください」

 

蒼「ん?あなたはたしか・・・」

 

神「はい。五大宗家の一つ、姫島家に祭られている神です。」

 

五大宗家っていえば古くから異形を狩り続けてきた一族だったな。まあ古くって言っても東雲家に比べたら歴史は浅いし、4神の力の一部を借りてるのにもかかわらずまだ一度も会ったことないし。

 

蒼「それで助けてとは?」

 

神「それが・・・」

 

人間体に戻りながら話聞いたら何馬鹿やってるんだって思った。なんでも姫島家の巫女と堕天使との間にできた子供を殺そうとして家に乗り込んでくるみたいだ。子供に罪はないだろ。

 

蒼「わかった。急ぐぞ」

 

朱「ちょっと待つネ!私も行くヨ!怪我してたら蒼枒だけじゃ治せないネ!」

 

神「わかりました。一人なら追加しても問題ないです」

 

蒼「そういうことだから。黒歌、白音、留守番頼む」

 

黒「わかったわ。いってらっしゃいにゃ」

 

白「気をつけてくださいね」

 

俺と朱明は神様とともに転移陣をくぐった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【朱璃side】

 

家事を一通り終え一息ついているときでした。突如家の周りに結界が張られ、外から大きな声がかすかに聞こえました。私は娘の朱乃を抱きしめると同時に男たちが戸を蹴破って家に入り、抜き身の刀を私たちに向けました。

 

刺客「そいつが堕天使との間に生まれた忌まわしき娘か」

 

朱璃「なんですかいきなり!あなたたちは!?」

 

刺客「どけ!俺たちの用があるのはその娘だけだ!」

 

まずい。今、愛しい彼はいない。朱乃を守れるのは私だけ。

 

刺客「娘を渡せばお前の命だけは助けてやる」

 

朱璃「娘は渡せません」

 

刺客「なら娘ともども死ぬがいい!」

 

男が振りかざした刀が背中を切り裂く。激しい痛みを抑え込み私は男たちに向かって雷を放ち、その隙に朱乃を抱えて奥に逃げた

 

刺客「ちぃ小癪な真似を!追え!絶対に逃がすな!」

 

 

 

 

 

【朱乃side】

 

私はお母さんに抱えられ家の一番奥に連れてこられた。お母さんは戸を閉めると私にある術をかけた

 

朱璃「朱乃。逃げなさい。できるだけ遠くに」

 

朱乃「いや。お母さんも一緒じゃないといや」

 

朱璃「ダメよ!私が時間を稼ぐからできるだけ遠くに」

 

刺客「どうやらここにいるようです」

|《刺客「しかし中から結界を張ってるようで開けられません」》

 

閉まっている戸から刺客たちの声が聴こえた。そのすぐ後に戸を壊そうと大きな音と振動が部屋に響いた。

朱璃「朱乃!」

朱璃「あなたは死んでほしくないの!お願いだから言うこと聞いて!」

 

私は必至に結界を維持している母から目を離せなかった

 

刺客「何をしている。ろくに力も残|《っていない女の結界にいつまでかかっている」》

 

朱璃「逃げなさい朱乃。そして、幸せになりなさい」

 

私は窓から見える森に向かって逃げた。走って走って、振り向いた時に見たものは刀がお母さんの体を貫いている姿だった。

 

朱乃「お母さん!!!」

 

戻りたかったけど戻れなかった。お母さんに言われたことを胸に森の中を駆けていった

 

 

 

 

 

 

 

【蒼枒side】

 

転移陣を抜け、母子がいる神社についた俺たちは音のする方に急いで向かった。家に戸は無く、血の跡が続いている。俺たちが血の跡を追った先ではで見たものは、刀を持った男たちが一人の女性を取り囲み、リーダーと思われる男が女性を貫いていた。

 

蒼「くそっ!一歩遅かったか!!」

 

俺は大きな木刀を瞬時に作り出し、貫いている男以外を薙ぎ払った。

 

刺客「お前たちなn」

朱明「黙っとくネ」

 

俺が薙ぎ払った直後、朱明がリーダー格の男を殴り、気絶させた

 

朱明「まずいネ!背中も切られてる!このままじゃ出血死するヨ!」

 

蒼枒「俺が血を止める。朱明は回復に専念しろ!」

 

朱明「任せるネ!」

 

俺は斬られている背中や貫かれた部分をでんぷん質の膜で覆い無理矢理血を止めた

 

蒼「よし。これで血は一応止まった。応急処置にもなってないがな」

 

朱明「ならこっちを手伝うネ!血を流し過ぎてなかなか進まないネ!」

 

2人が気と仙術による治療を行っていると黒い羽を持つ一人の男が飛び込んできた

 

「朱璃ー!朱乃ー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは家に戻ってきた。あの後、飛び込んできた男はバラキエルといい堕天使と言っていた。朱璃さんは神の子を見張る者グリゴリで治療するらしく、連れて行った。

 

蒼「すみません。娘さんのほうを助けることができませんでした」

 

神「謝っていただく必要はありません。あなた方はできる限りのことをしてくださいました。間に合わなかったのは私が呼びに行くのが遅かったためです」

 

しかし娘さんの朱乃さんは見つけ出すことができなかった。堕天使の気配を探ってみたが朱璃さんがかけた隠蔽術によって探知されないようになっていてわからなかった。今はバラキエルさんの部下が探しているらしい。

 

神「しかし良かったのですか?朱璃を誘うようなことして」

 

蒼「身内から襲われた以上またあの場所にいるのは危険です。夫のバラキエルさんも四六時中一緒に一緒にいることはできないようですし。それにちょっとやりたいことがありまして」

 

朱璃さんの応急処置が済んだ後、刺客たちを問い詰めたら姫島家から朱乃さんを殺すように依頼されたと言っていた。バラキエルさんは刺客たちを殺そうとしていたのを助けたおかげか、またはバラキエルさんの殺気のおかげかはわからないがあっさりと吐いてくれた。朱璃さんをうちの神社に誘ったのはいい加減五大宗家が五月蠅くなってきたからだ。内の従者を殺そうとしたり、青龍の力を借りているいるにも関わらず偽物呼ばわりしたりとやりたい放題だ。そこで家の神社に来ないかと朱璃さん宛の伝言をバラキエルさんに頼んだ。実際来てくれるかどうかは朱璃さんとバラキエルさん次第だろう。悪魔ならともかく堕天使なら神社も大丈夫だったみたいだし。朱璃さんを利用するようで悪いがもしこちらの土地にまで入ってくるなら朱璃さんを潰す口実にもなる。

 

蒼「まぁ来てくれるのであれば分社でも建てますから」

 

神「そうですか・・・。今回はありがとうございました」

 

蒼「何かあったらまた頼ってください」

 

神様は出てきた転移陣をくぐり、消えていった

 

蒼「今回は助かった、ありがとう。朱明がいなかったら朱璃さんは助けられなかっただろう」

 

朱明「気にすることないネ。」

 

俺たちは軽く言葉を交わすと家に入っていった

 

蒼・朱明「ただいま」

 

葉・黒・白「おかりなさい」




後半全然思いつかなかった
アドバイスを受けて色々加筆してみたけど・・・ダメだろうな(あの方凄過ぎるってorz)


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決闘者遍その1

E-5やっと抜けた


【ユーガside】

 

俺はユーガ・キリュウ(遊牙 輝柳)。2次創作によくある転生者ってやつだ。あの神に《ハイスクールD×D》に転生されて7年が過ぎた。俺は今、賞金稼ぎとして悪魔や魔獣や犯罪者などを捕獲・討伐して生活している。今もDホイールに乗り魔獣の討伐に向かているところだ。今でこそ結構安定して生活できているが、7年前の転生してきたばかりのころは金なんてほとんどなく大変だった・・・。

 

~~~~~~~~~回想~~~~~~~~~

 

ユ「ちゃんと転生できたか・・・。で、ここはどこだ?」

 

俺は目を覚ますとあたりを見渡した。辺りは木ばかりだが木々の間からに道と看板を見つけることができた。自分の近くには大きめのバックとディエルディスクが置かれていた。つけてみようと思い歩き出したとたんに転んだ。

 

ユ「うおっ!なんだ?・・・手が小さい?っまさか!?」

 

自分の身体を見ると明らかに子供の姿だった。転生したはいいが子供の姿ってどういうことだ!?なぜ普通の姿にしてくれなかった!?しかもここは日本じゃあない!!?(看板に日本語以外で何か書かれているのが見えた)

 

ユ「はぁ。しょうがないか」

 

愚痴っても仕方ないのでバックの中身を確認した。Dホイールが書かれているカードが一枚にノートパソコン・着替え・食料等・お金が入っていた。

お金は・・・ほとんどない。お金に関しての願いを特典で言ってなかったししょうがないか。俺はデュエルディスクにDホイールが描かれているカードをセットした。すると思った通り目の前にDホイールが出現した。早速町に行こうと思ったが念のためデッキを作ってからにしようと思いパソコンを起動し、適当にデッキを作っておいた。

Dホイールに乗り込み町の近くまで行くことにした(正直足がギリギリだった)。Dホイールをしまい、手っ取り早くお金を稼げる仕事を探した。近くの人に聞いてみたらギルドなるのもがあるらしくそこに向かった。言葉は通じなかったがデュエルディスクの翻訳機能で会話ができた。訳アリの人とかもいるようで、特に身分証明とか必要なく賞金稼ぎになれた。文字はわからなかったが書類は代筆を頼んだ

 

 

~~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~~

 

 

ちなみに休みの日には町のカードショップでデュエルしたり、Dホイールを改造したり、魔法カード≪次元の裂け目≫を使って他の次元にいけないか試してみたり楽しんでいる。今のところ冥界に行った程度で失敗が続いている。

そういえば最近冥界に行ってないな。・・・レッド・デーモン・ドラゴンを見せた俺と同じぐらいの悪魔の子供は今何やってるんだろうか。テンション上がってていろいろやらかした感があるんだけど・・・。

 

拠点のある町からDホイールを走らせること数十分、依頼のあった森に到着した。ここからどうするか。モンスターに探してもらうこともできるけどフィールドが埋まるし破壊されたら嫌だしな。緊急の依頼みたいに時間が短いわけじゃないし、ゆっくり探すか

 

森の中を歩き回ること数時間。まだ見つからねえ。この森であってるはずなんだが・・・ん?遠くで木が倒れるような音がしたな。ターゲットか?

 

音のする方に向かうと長い銀髪の美少女がターゲットの魔獣と戦っていた。美少女はボロボロで頭から血を流しているがそれでも魔獣に向けて魔術を放とうとしている。俺は助けるために急いでデュエルディスクをセットし5枚ドローする。

 

ユ「デュエル!」

 

デュエル開始の宣言は相手に聞こえるようにしなければならない。何とも面倒な設定だ。奇襲も何もできやしない。魔獣は俺の声を無視してすでに動いているため後攻は俺だ!1枚ドローするがすぐに召喚できるがあいつに太刀打ちできそうなモンスターがいない

 

手札

≪太古の白石≫

≪トレード・イン≫

≪銀龍の轟咆≫

≪|青眼の亜白龍《ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン》≫

≪ガード・ブロック≫

≪滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)

 

ユ「俺は≪トレード・イン≫を発動。手札の≪|青眼の亜白龍《ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン》≫を墓地に送り2枚ドロー。さらにコストとして≪太古の白石≫を手札から捨て今ドローした≪ドラゴン・目覚めの旋律≫を発動。≪青眼の白龍≫と≪青眼の亜白龍≫を手札に加える」

 

手札

≪銀龍の号砲≫

≪滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)

≪|青眼の亜白龍《ブルーアイズ・オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン》≫

≪ガード・ブロック≫

青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)

≪正義の味方 カイバーマン≫

 

ユ「俺は≪青眼の亜白龍≫の効果を発動。手札の≪青眼の白龍≫を公開することにより≪青眼の亜白龍≫を特殊召喚する。さらに≪正義の味方 カイバーマン≫を召喚し効果発動。手札の≪青眼の白龍≫を特殊召喚する。カードを一枚伏せバトル。2体の青眼の白龍(ブルーアイズ)で攻撃!滅びのバースト・ストリーム!」

 

2体の青眼の白龍(ブルーアイズ)から放たれるブレスが魔獣を包み込み消滅させた。流石にオーバーキルだったみたいだが少女を助けられたしよかったとするか。少女は気が抜けたのか倒れそうになっていた。

 

ユ「おっと、大丈夫か?」

 

 

 

 

 

【???side】

 

私達は学校の課題で森の魔物の討伐に来ていました。目的の魔物を討伐し、帰還しているとき熊のような魔獣と遭遇しました。私たちは剣や魔法で攻撃しましたが大きな身体と覆われている毛によって剣も魔法もはじかれてしまいます。私は撤退の指示をグループにだし、魔獣の注意を引き付けるため魔法を魔獣の顔を狙って攻撃をし時間を稼いでます。しかし魔獣は見た目に反して素早く、避けきれない攻撃が私に傷を作っていきます。ついに魔獣の前足が私をとらえ、大きく吹き飛ばされた私は木にたたきつけられました。魔獣はよだれをたらしながらゆっくりとこちらに歩いてきてます。私はせめて一矢報いようとふらつきながらも構えました。

 

ユ「2体の青眼の白龍(ブルーアイズ)で攻撃!滅びのバースト・ストリーム!」

 

突如目の前が白く染まりました。数秒して白が去った後は魔獣の姿がなく、脚だけが残ってました。気が抜けた私は腰を抜かしてへたりこんでしまいます。

 

ユ「大丈夫か?ってその状態じゃ大丈夫じゃないか」

 

私の前に現れたのは2体の美しいドラゴンを従えていた私と同じぐらいの男の子でした。

 

?「あの、あなたは?」

 

ユ「俺はユーガ。賞金稼ぎをやってる決闘者(デュエリスト)だ」

 

ロ「私はロスヴァイセと言います。助けてくれて・・・ありがとう・・ござい・・・ま・・・す」

 

すでに限界だった私はそこで気を失ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますとたき火をいじっているユーガがいました。私が起き上がると彼は私に気が付きました。

 

ユ「もう起きたのか。応急処置はしておいたぞ」

 

確かに腕や頭には包帯が丁寧に巻かさってます。

 

ロ「危ないところを助けていただき、ありがとうございます。それに手当てまでしていただいて」

 

ユ「手当てするのは怪我してるんだったら当たり前だろ。それに、あれは今回の俺のターゲットで助けれたのは運が良かったかだけ。少し遅れてたら死んでたかもしれなかったし」

 

ロ「それでも、助けてもらったことには変わりません。重ね重ねありがとうございます。・・・助けてもらって何ですが一つお願いがあるんですけど」

 

ユ「ん?」

 

ロ「私の・・・勇者になってくれませんか?」

 

ユ「・・・・・・はい?」



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設定
世界設定


読む必要ないかもしれませんが一応

停止教室のヴァンパイア後に大幅に更新しました

体育館裏のホーリー後、更新。登場人物の設定も順次更新していきます(そのため今週は新話はないです)


ハイスクールD×Dの世界をベースに日本及び妖怪関連としてぬらりひょんの孫。死後の世界として鬼灯の冷徹の世界が混ざっています。一部同一の登場人物がいるためキャラは改変を受けています(例としてEU地獄のサタン。ぬらりひょん。孫悟空など)

 

 

 

各神話設定

 

 

 

日本神話

 

 

主神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)を筆頭に弟である月読命(つくよみ)須佐之男命(すさのを)等多くの神が在する勢力。高天原(たかあまはら)におり、日本の管理を東雲家に任せている現世に現れることはほとんどないが、たまに東雲家の庭に現れ宴会と言う名の酒飲みが行われることもある(神域であり霊力の溜まり場のため現界しやすいため)

特徴としては他神話に寛容、悪く言えば無関心

 

日本各地に妖怪の「シマ」(縄張り)が存在し、現在はぬらりひょんの孫である奴良リクオが一応の日本妖怪の頭とされている。人を襲い、喰う妖怪もいるが人間社会への過度の影響は東雲家によって規制されている。最近では百物語組や復活した安倍晴明が討伐されかけていた

 

 

 

北欧勢力

 

 

オーディンが主神を務める神話勢力。なのだがその主神が遊び惚けるため悪神であるロキを中心に多数の実質運営している。

ユーガの属する勢力。ロキに勝つ力を持つユーガだが、ロキの情報統制でユーガ存在は他の勢力に知られていない

 

 

 

聖書陣営

 

悪魔勢力

 

 

冥界(魔界)に領土を持ち新旧問わず他種族を見下すものが多く存在する種族。ゼファードルやソーナのように自身と対等以上に扱う者はかなり少ない。正式な手続きを踏まずに一方的に他勢力の領土を自分のものにしたり、数多くの人間・珍しい生き物を悪魔へと転生させたりと好き勝手している。そのため、各神話や死後の管理するものたちからは嫌われている

 

現魔王の妹であるグレモリーが日本に領土を持っているため管理していた(と言っていた)。しかし、余りにも雑な管理の上、コカビエルの襲来では一般人にも被害が出ようとしたため日本の管理を任されている蒼枒が介入。聖書陣営の会議では(一方的に)日本からの立ち退きを言い渡された。このことに不満を持つものは多く取り戻そうと画策するものも少なくない

日本に領土を持っているため管理していたと言う割には日本神話・妖怪について一般人と変わらないぐらいかなり疎い。そのため、3(大)勢力共通認識として妖怪は数が少なく仙術を使えるものは希少という認識があり、希少と判断された妖怪を下僕にしようと考える悪魔が多くいる。黒歌・白音が狙われたのもその中の一つ。妖怪がみな筋肉質のマッチョと三大勢力に広まったのは冥界に修行しに行く妖怪がマッチョなのが多いため。

 

 

堕天使勢力

 

東雲家を通して日本神話と繋がりがある唯一の陣営。アザゼルがバラキエルの奥さんを助けた蒼枒のことが気になり結婚式に見に来た。それ原因で日本神話の神々に見つかり、無理矢理条約を結ばされた。現在日本に来れるのは総督・幹部、以上の責任のもと下級堕天使のみである。後に蒼枒を通じて四神、各神話勢力に伝わり、次々に条約を結ばされたため現世での堕天使の行動がかなり制限されている。下級堕天使は人を見下すほど力を持っておらず、あまり無茶な行動はとれないため、各神話との摩擦がかなり少ない

 

 

天使

 

悪魔、堕天使と違い聖書陣営で唯一天界に住まう天使の集団。会談後悪魔からもたらされた「悪魔の駒(イーヴィル・ピース)」の技術を用い、元々あった「御使い(ブレイブ・セレント)」の技術を確立、人間から天使に転生させ勢力の増加を図ろうとしている。しかし悪魔同様、転生天使というものを生み出したため各神話や死後の管理するものたちから警戒されている。

死を司る天使であるサリエルは「御使い(ブレイブ・セレント)」に反対していたがミカエルに強行されストレスで堕天使となった

 

 

 

時系列

 

ハイスクールD×D原作開始時=ぬらりひょんの孫原作終了数年後を基準にしてます

 

原作開始約60年前 蒼枒が転生及び誕生する

原作開始約17年前 絶斗が生まれる

原作開始約14年前 ユーガがハイスクールD×Dの世界に転生を果たす。その後、ギルドに入りヨーロッパで自由に過ごし始める

原作開始約13年前 蒼枒が黒歌と白音を保護する。絶斗がヨーロッパを旅行中に悪魔に襲われ、ゼノヴィアと初めて出会う。

原作開始約10年前 蒼枒と朱明が朱乃の母親である朱璃を救助、後に青龍の保護下に入り五大宗家から完全に敵視される。ユーガがゼファードルと出会ったことにより、ゼファードルの道が決まる

原作開始約4年前  魔獣に襲われていたロスヴァイセをユーガが助けたことにより、互いの交流が始まる

原作開始約3年前  絶斗の両親が事故で他界。一軒家で一人暮らし

原作開始約2年前  ユーガがロスヴァイセに連れられアースガルズへ。ロキと戦い、勝利。この時期からアースガルズを拠点にする

原作開始約1年前  絶斗が駒王学園に入学

原作開始

 

 

 

強さの順位

総合能力で判定。能力によっては格下でも格上に勝てるます。グレートレッドやオーフィス等の越えられない壁よりも下の者のみです

 

 

越えられない壁>>>>>>>二天龍>>>武神・軍神・戦神等の戦いに関する神>主神>東雲 蒼枒>>>非戦闘系神≧一部の大妖怪>>『超越者(クラス)』 サーゼクス・ルシファー≧東雲 黒歌>>東雲 葉月≧東雲 白音>『魔王・大妖怪(クラス)』 アザゼル、セラフォルー・レヴィアタン、ミカエル>最上級悪魔 グレイフィア・ルキフグス、ゼファードル・グシャラボラス、シェリアグネス・グシャラボラス≧ヴァーリ>>>>ロスヴァイセ>上級悪魔>>朧月 絶斗≧兵藤 一誠>ゼノヴィア・クァルタ、木場 祐斗>リアス・グレモリー、姫島 朱乃、レイナーレ、ミッテルト>>>中級悪魔>>ギャスパー・ヴラディ、アーシア・アルジェント>>下級悪魔

 

ロスヴァイセは素の状態。ロスヴァイセのデュエリストモードはユーガと同じくと論外枠。ヴァーリは覇龍が使えないため弱体化しています。

単体での総合的な強さであるため、戦い方や相性、複数対1となれば勝敗は変わります。あくまでイメージなので全くこの通りになるとは限りません



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東雲家の登場人物設定(元主人公1)

何とか今週中に上げることができました。
作中に使用した技も書いていきたいと思います。

下のほうに簡単に原作との違う点があるので、読むのが面倒な方はそちらだけでもご覧になってください








東雲(シノノメ)

 

龍脈を管理する四神のうち 青龍の分家であり日本担当。正確には日本の下を通る一本の龍脈全てを管理する

古くから存在し、立場上日本神話に属する

基本的に人間同士の争いにも妖怪同士の争いにも関渉しない。しかし片方が過度に足を踏み入れようとするとそれを止める役割を担っている

従者を除き、東雲家が龍脈を管理していることを知っている人間は天皇家のみ

五代宗家とは初代は仲が良かったが近年東雲家の従者を傷つけたり見下す態度をとっているため関係が悪化。遂に殲滅対象に認定された

 

 

 

霊峰青山(せいざん)

 

東雲家が暮らしている山であり日本有数の霊峰。一帯がの土地であり、この下に龍脈が走っているため神が実体化できるほど力が集まる

山の麓には青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)があり、青龍が祀られている。

霊峰の中腹には家があり、常に結界が張っているため家族・神・許可を得たもの以外は入ることができない。

頂には小さな社と小屋が建てられ小屋ではオーフィスが寝ていることもある

普段から皆和服で過ごしており、和服専用の洗い場もある程

家の一角に特別な場所があり、妊娠した青龍、または青龍の妻が出産までここで過ごすことにより次の青龍が生まれる

庭は広く、試合や神様たち集まったりできる。

一族の特徴として生涯ただ一人を愛する。そのため、最愛の人は何が何でも守り大切にする

 

 

 

青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)

 

霊峰青山(せいざん)の麓にある神社。全国に散らばる従者の内一部はここで働いておる。従者とは先祖代々東雲家に仕えている者のこと。人間・半妖・妖怪・霊など種族とわず働いている。

 

 

 

蒼歳(そうせい)

 

霊峰青山がある町にして青龍の足元。従者を含め基本妖怪は寿命が人より長いため、人の寿命から外れたものはこの町に住むことが多い。この町には結界が張られており入ってくるのものはすべて感知される

 

 

 

 

 

 

東雲 蒼枒(シノノメ ソウヤ) 年齢 62歳

 

種族:青龍

身長:178cm

髪型:青銀で長く後ろでまとめている(まとめ方は黒歌・葉月次第)

服装:普段は青か緑色の和服に一本下駄。戦闘時は靴を履着かえるが、壊れたら裸足のままで靴は修復しない

容姿イメージ:月華の剣士の刹那

 

本作の主人公の1人

死後、女神に出会い転生させられるものんびり暮らせれば良いと考え特典を望まなかった。その結果青龍に転生を果たした。そして望み通り結婚し、幸せな生活を送ることができている

転生者であるが原作は全く知識がない。しかし原作の開始時期だけは教えられていた。

 

東雲家次期当主にして日本の歴代最強の青龍

他人とはあまり関わりいたくないと思っているが身内は大切。家族、特に黒歌に害をなす者には一切容赦がない。感情が高ぶると龍眼になり、気を抑えなくなる

 

伴侶である黒歌とははぐれ悪魔をなった黒歌が悪魔たちに襲われていらところを助けたのが出会い。一目惚れだったが自分がまだ成長しきっていないため子をなすことができず、黒歌のことも考えて気持ちを偽った。しかし何度も告白してくる黒歌と朱明の後押しもあってめでたく結婚。黒歌のことを何よりも愛している。

 

普段は龍脈の管理、暴走した妖怪等の討伐、日本各地に赴き、力のたまり場、所謂パワースポットの管理を行っている。

師匠は建御雷神(タケミカヅチノカミ)建速須佐之男命(タケハヤスサノヲノミコト)の二神。スサノヲから入浴・就寝時以外重符をつけ、生活するように言われている(重力15倍だったが第3章の時に20倍に増やした)

特にスワノヲには暇つぶしに呼び出されることがある。、一度黒歌と愛し合っているときに呼ばれ、スサノヲに勝利したことがある

※過重符とは身体にかかる重力を増やす符のこと。白音も普段からつけており、黒歌によって複製が可能である

 

天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)の担い手になったことにより、魂まで汚染する非常に強力な毒、高い再生能力、伝承の如く雲を呼ぶ力を得た。現在は毒の加減を見極め、薬への利用を考えている。

元々は天照大神に返上する予定だったのだが、天照大神と須佐之男命から天叢雲剣を持つことを許され、閻魔大王の第一補佐官である鬼灯からも八岐大蛇が勝手をしないのならば問題ないと言われた

 

戦闘方法

武器は日本刀・青龍刀・自ら作り出す木刀

元々剣の才能があったが師匠に鍛えられていることにより異常に成長。全く同時に斬撃を二つ飛ばすができる(劣化燕返し)。斬ることは得意だが突くことはやや苦手。

また、機動力も優れており、いくつかの段階がある。最終形態は真空を作り、自らを雷に変化させる(最高速度は光速の300分の1で秒速1000km/s)だったのだが、コカビエルの光剣を喰ったことにより電子から光子への変換が可能となり最高速度が光速になった。

術は青龍らしく木(植物)を扱い、また伝承から嵐(風・水・雷)も扱う

使用可能な力:神力・気・霊力

 

天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)

三種の神器の一つ。スサノヲが八岐大蛇の尾を斬り、中から出てきた剣で人代の時代に紛失しており、代々東雲家が捜索を行っていたが蒼枒に見つけられた。

叫喚(きょうかん)地獄で雑用係をしている八岐大蛇と繋がっており、八岐大蛇が有給で現世に来るときはこの剣を通して擬人化する。

 

 

縮地:蒼枒がよく使う歩法。目に見える範囲は移動範囲でほぼ一瞬で移動する

 

障壁:本来は攻撃を防ぐ結界の一種。しかし、空中での足場確保のために使う。人間態では飛ぶ速度が遅いためこれを使い空中を移動する。耐久力は全くない

 

雷牢:最大戦闘時の移動とともに発生する技。雷の軌跡で相手を覆い尽くす

 

青龍化:青竜に変化する。大きくなり防御能力もアップする。攻撃方法が牙と爪が主なる。

 

生命の樹:蒼枒が召喚する巨大な樹木。味方に力を与える。遊戯王だと攻撃力と守備力を500ポイントアップする

 

邪悪の樹:蒼枒が召喚する巨大な樹木。敵の生命力を奪う。遊戯王だと攻撃力と守備力を500ポイントダウンする

 

捕植龍:見た目はスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン。しかし植物。スピードと攻撃力が高く、溶解液や毒を持つが耐久力はない。天叢雲剣の担い手になったことで毒が大幅に強化された

 

植壊龍:見た目はビオランテ。捕植龍と同じく植物でできている。スピードは遅いが圧倒的な攻撃力と耐久力を持つ。高濃度の溶解液を吐き出すことができる。コカビエルの光の剣を喰ったことにより光線も吐くことが可能となった

 

照華:コカビエルを倒した光線を放つ巨大な花。花びらを広げた状態と蕾の状態で威力と範囲が変わる。今は発射速度を上げるため錯誤中

 

 

 

東雲 黒歌(シノノメ クロカ)

 

種族:猫魈→転生悪魔→猫魈

身長:165cm

服装:和服の色は黒で普段は着崩している(原作と同じ)。髪に蒼の鱗の簪をつけ、履き物は漆塗の下駄

水着:黒のビキニ

 

パワースポットの近くに両親と暮らしていたが両親を殺され、白音を守るため契約のもと悪魔によって無理矢理悪魔にされた。その2年後、主だった悪魔を殺し白音とともに日本へ逃亡。白音の身を隠し、悪魔から逃げている最中、蒼枒に助けられ保護された

その後、蒼枒と共に太祖山にある四神の本家に行くことになり、蒼枒によって悪魔の駒を摘出され、妖怪に戻った。

妖怪に戻ってからは東雲家でお世話になっていたが暮らしてるうちに助けてくれた蒼枒を好きになる。何度も告白しては断られたが、最後には周りの後押しもあり受け入れられる。今は暇さえあれば常にくっ付いているほどラブラブ

 

普段は家事と修行、札などの製作や暴走した妖怪の討伐を行っている。

悪魔ではなくなったがそのことを悪魔側が知ったのはコカビエルが騒ぎを起こした後。今もはぐれ悪魔は解除されていない。会談後、一部を除き多くの悪魔が排除され、安全圏が広がったが蒼枒と離れたくないため行動範囲は蒼歳町内と変わっていない

 

戦闘方法

仙術・妖術による中・遠距離からの攻撃。空間術による転移・結界で移動・防御を行う純後衛型。仙術による回復も行えるが仙術を使えるものも多いうえ自己再生するものがほとんどのため目立たない

使用可能な力:神力・気・妖力・霊力

 

 

瞬間移動:範囲は蒼枒と同じで目に見える範囲移動可能。ただしタイムラグはない。修行のおかげで連続使用が可能になり分身してるように見せることもできる

 

分身:黒歌が最も使用する術。自立行動と本体から命令を出す2つがある

 

水晶牢:相手を結界に閉じ込め空間ごと破壊する

 

青龍化:身体に蓄えている神力を使い青龍の力を扱えるようになる。鱗に覆われた尻尾が1本増え猫魈本来の3本になり、腕・脚・胸など身体の一部が鱗で覆われる。

 

 

 

東雲 葉月(シノノメ ハツキ)

 

種族:青龍と悪魔のハーフ

身長:156cm

髪型:薄い青銀を腰まで伸ばしている

服装:和服の色は薄い青か緑が多い

水着:フリル付の緑の水着

 

蒼枒の妹で龍と悪魔のハーフ。だが青龍の要素が大きく、十字架も聖水も平気で触れる

東雲家で唯一翼を持ち、空を飛ぶことができる。しかし、蒼枒達は障壁や結界の上に乗り宙にいられるうえ、天狗たちは翼を持ち、翼がなくても宙に浮かぶ術はあるので特に珍しいものではない

 

礼儀正しく、常に敬語で話すが、蒼枒と同じで感情が高ぶると龍眼になり、気を抑えなくなる

 

レーティングゲームを経てレイヴェルと仲良くなり、白音と一緒にお茶回する中になったが、同時に葉月を手に入れようとする悪魔に襲われ始める。襲ってくる悪魔は練習台扱いしていたがあまりの多さに頭を悩ませていた。悪魔追放後は襲われなくなったためうれしい半分残念半分。

 

戦闘方法

術による水属性攻撃が一番得意。また五行思想による物の変化を自由に行える。

薙刀も扱うが護身用程度(一般の護身の域を超えている)

使用可能な力:神力・気

 

 

五行思想:木・火・土・金・水の5種類の元素を自由に変化さえられる(例・水ならば純粋な水や薬品。土ならば粘土や岩等)

 

水竜:水で作られた竜でモデルはクシャルダオラ

 

水龍:上と同じく水で作られているがこちらは青龍を元にした身体の長い龍。戦闘時は水竜同様、葉月の指示に従い、火・木・土・金に身体を変える

 

 

 

東雲 白音(シノノメ シロネ)

 

種族:猫魈

身長:159cm

服装:白の和服。姉と違い普段も着崩したりしていない。セミロングの白銀の髪に朱色の羽の髪留めをつけている

水着:白のビキニ。パレオを腰に巻いている

 

姉とともに東雲家に連れてこられ、保護された

本家朱雀の弟である朱明に弟子入りし、中国武術を学び、天賦の才能を開花させる

原作と違い黒歌の主殺しを見ておらず、一緒に日本に逃げてきたため仙術を学ぶことに抵抗は全くなかった。そのため、身体も成長。姉ほどではないが胸もありスタイルは抜群

蒼枒と同じく過重符をつけている。かかる重力は8倍だったが蒼枒が変更したのを受け、自分も12倍に変えた

レーティングゲーム後から眷属にしようとする悪魔に襲われているが、容赦なくすべて灰も残さずに燃やし尽くしている。悪魔追放後はレイヴェルといつでも会えなくなって少し残念に思っている。他の悪魔はどうでもいいと考えているため何にも思うところはない

 

 

戦闘方法:中国武術・古武術

戦闘時は袴に袖のない羽織を着る(気づいたら鰤のソイ○ォンと同じだった)

使用可能な力:神力・気・妖力・霊力

 

 

 

障壁:蒼枒と同じ

 

羅生門:相手を空中に飛ばし落ちてきたところに掌底を当てる。内部破壊系の古武術

 

神獄炎纏(しんごくえんてん):背中から炎でできた翼が出現し、尻尾の付け根からは尾が生え、手と足に炎を纏、白く輝く。この状態だと相手の魂に直に触れることができ、肉体を一切傷つけずに殺すことが可能(例えサーゼスクが滅びの概念になっても防御不可能)。あらかじめ申請しておけば直接地獄に送ることも可能となる。(申請しなくても送ることはできるが閻魔大王の第一補佐官に叱られる)

所謂妖怪の火車。しかし纏う炎は神獣朱雀の炎と火車本来の地獄の業火

 

天翔獄雀拳(てんしょうごくじゃけん):神獄炎纏時のみ使用可能。白音を中心に円陣が広がり、地獄の炎が噴き上がる。白音が跳び、相手は噴き上がった炎に飲み込まれ、直後に拳によって貫かれる。この炎は大焦熱地獄からお借りした米粒にも満たない極々小さな炎だが地上では火山の噴火の如く炎が噴き上がる。

弱点は自分の直上にしか使えないこと

 

 

 

東雲 碧守(シノノメ ソウマ)

 

種族:青龍

身長:182cm

服装:和服の色は濃い緑が多い。

 

蒼枒と葉月の父親にして現当主

青龍としてはあまり強くなく、青龍化もできない(それでも人間より遥かに上)

 

第二次世界大戦中、昭和天皇より力を貸すように言われていたが、断り続けていた。

戦争末期、碧守が好きだった従者のフィーリスが日本帝国軍に連れ去られ、『力を貸さなければフィーリスを殺す』と言われた。このことが碧守の逆鱗に触れ、帝国軍本部及び天皇家を襲いフィーリスを取り戻した。(これが戦争敗戦決定の後押しをした)

その後、助けたフィーリスに告白をし、結婚した

 

 

 

東雲 フィーリス(シノノメ フィーリス)

旧姓 フィーリス・ルキフグス

 

種族:悪魔

身長:172cm

服装:和服の色は薄い桃色

 

蒼枒と葉月の母親でルキフグス家の末子

容姿は髪の色が白金になっている以外は姉と変わらない

堕天使・天使との戦争時に翼を失い、他の悪魔に秘密裏に連れ去られ奴隷のような扱いを受けていた。隙を見て冥界から逃げ出し、人間界をさまよっていた時に碧守の父親に出会い東雲家に仕えることになった

この頃からすでに悪魔としての力が失われており、寿命が長いだけの悪魔となっている

帝国軍から助けられ、碧守からのプロポーズを受け、結婚。2児の母になる

 

 

 

(かえで)

種族:烏天狗

身長:186cm

服装:神主の服装

容姿イメージ:黒執事のセバスチャン

 

蒼枒直属の部下。妹の銀杏共々青龍の住む家へ入ることができる。普段は神主の仕事をしているが多くの従者を束ねる長。たまに蒼枒と修行を行っている

 

戦闘方法

近接は直剣、中距離は扇による風と隙が無い。風を纏いながら音速を優に超える速さを持ち実力もかなりあるが、蒼枒は勿論八天狗等に及ばない

 

 

 

銀杏(いちょう)

種族:烏天狗

身長:170cm

服装:巫女服と忍び装束を合わせたような服装

容姿イメージ:戦国コレクションの望月千代女

 

葉月直属の部下であり楓の妹。あまり表には出ず情報収集や監視、結界張など裏回りを担当している

 

 

 

原作と違う点

 

黒歌

・悪魔から妖怪に戻っている

・結婚している

・「禍の団(カオス・ブリゲード)」には入るどころかスカウトすらなかった

・愛する者がいるためシスコン度が軽減

 

白音

・リアスに会ってないため悪魔になっていない

・仙術に対する恐怖がなく、使用可能

・身体が原作に比べ成長。普通の女子高校生ぐらい。小学生体系ではない

子猫(原作)はパワータイプだったが、白音(D・D・D)はテクニックタイプ

・学園ではマスコットではなくアイドル

・グレモリー眷属よりも年上

 

共通

・原作よりも実力は上

・イッセーのことは変態と認識している




設定を見直していたらまさか白音がリアスたちよりも年上になっていたことにびっくりしました


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主人公2

ヒロインが出たので追記しました
停止教室のヴァンパイア後に少し追加しましたがあまり変わっていません



朧月絶斗 (オボロヅキ ゼツト) 年齢 17歳

 

種族:人間→転生半悪魔半精霊

身長:172cm

服装:牙(アニメ)の主人公のもの

容姿イメージ:肌の色が普通以外は牙(アニメ)の主人公そのもの

 

本作の二人目の主人公

祖父がロシア人のクォーターなため髪が白い。入学当初、髪が白く目つきも鋭いため、不良と噂されていたが、1年間の生活態度、変態3人組に制裁・更生させようとする様子が多くの生徒に見られたことによりマイナスイメージが払拭された。しかし、それと同時に変態3人組の対処担当になってしまった。クラスメイトからはゼットと呼ばれている

 

子供の頃、家族とヨーロッパに旅行した際、化物に餌として連れ去られ食べられそうになった。この時、《アミル・ガウル》は絶斗を守るために勝手に発現した。子供では振うことはおろか持つこともできないため《アミル・ガウル》自身が宙を舞い、化物を殺した。(この化物は悪魔ではぐれとなり、力にのまれていった結果完全に化物となってしまった。そのためゼットは悪魔とはわからなかった)

中学の時、両親を事故で無くしてしまい現在は家で1人暮らし。このことを知っているのは数人のみ。親が残してくれたお金もあるが、あまり使いたくないため隣町の親戚のお店でバイトをしている。このため、どの部活にも入っていなかったがオカルト研究部は毎日出なくても良かったため入部した。

毎日夜10時に寝るようにしている。このため、イッセーが悪魔の仕事中にフリードに出会ったことを知らなかった。

 

《精霊剣アミル・ガウル》をもっと扱えるようになるためにレーティングゲームに参加。その修行で蒼枒に出会い剣の指導を受ける。毎日ボロボロになりながらも《精霊剣アミル・ガウル》に宿る《精霊 アミル・ガウル》に認められる強さを得た

 

コカビエルとの決戦時に神の不在を知り、崩れ落ちたゼノヴィアを庇い心臓を貫かれ死亡。リアスが生き返らすために悪魔へ転生させようとするも悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を受け付けなかった。《精霊剣アミル・ガウル》を通してようやく転生したが半分精霊、半分悪魔という存在になった。半分悪魔なのだが、他の悪魔のように光や十字架のダメージを受けないがその代わりに『戦車』(ルーク)の特有の圧倒的な防御力と攻撃力は得られなかった。さらに悪魔のような羽のかわりに《精霊 アミル・ガウル》のような2対の翼が生えた。風を操る能力が大幅に強化され、『騎士』(ナイト)と同等のスピードを出すことが可能となった

 

イッセー達とは違い悪魔っぽくないことを疑問に思いたまたま出会った蒼枒に勝手に診られた。その後で意味深な言葉を残したことが気がかりになっている

 

神器《精霊剣アミル・ガウル》

ゼットが持つ青緑色の剣。

非常に強い力を秘めているが持ち主が未熟だと振わせてもらえない。そのため毎日精神世界で前任者と戦い修行している。

前任者と合わせて《アミル・ガウル》を手にしたものは絶斗を合わせても2人のみ。

中に《精霊 アミル・ガウル》が宿っており、絶斗以外が触れると絶斗以外が持つとそのものを殺そうと動く

 

第1段階

《アミル・ガウル》本体を使えない状態。

出現させることはできるが持ち主が未熟なため振うことができない。

このとき使用できる武器は2つ。1つは《アミル・ガウル》についてる羽。これを取り外すと羽が大きくなり剣代わりとなる。代用品とは思えないほど切れ味が良く、軽い。

2つ目は2本の羽の付け根を合わせたことで変化する風を纏い白銀に輝く細身の長槍。貫通力が高く、軽い。さらに、力をためることで纏う風の量が増える。投擲の際、纏わせる量によっては周囲を大きく巻き込むことが可能。

どちらも武器として強力だが持ち主の能力が足りないためその能力を扱いきることができない。

 

第2段階

《精霊 アミル・ガウル》に認められ本体を扱うことができるようになった。少しだけ風を操ることができ、一瞬だが風の壁を作れるようになる。

 

 

ゼノヴィア・クァルタ

 

種族:人間→転生悪魔

 

絶斗との出会いはヨーロッパ。はぐれ悪魔に襲われていた彼を助けたことがきっかけ。年が近かったこともありすぐ仲良くなった。

それからはお互いに会うこともなく手紙のみやり取りしていたがコカビエルを追って駒王町に来たが絶斗と再会を果たす。

無意識のうちに絶斗のことを好きになっていたが、空港でイリナに指摘され自身の気持ちに気付いた。

絶斗が人間を辞めてしまったことに責任を感じ、絶斗を支えるため自身も悪魔へと転生を果たす。しかし絶斗同様完全な悪魔というわけではないらしく羽根が白く変色していっている

転生後は絶斗の家に住んでいる。今までしてこなかったので家事は苦手



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主人公3

最後の主人公の設定です

神召喚や死者蘇生をデメリットなしで行える一番のチート

停止教室のヴァンパイア後に少し追加しましたがこちらもあまり変わっていません


名前:ユーガ・キリュウ(日本名:輝柳 遊牙) 年齢 20歳

 

種族:人間(デュエリスト)

身長:173cm

髪型:黒髪の二十代

服装:遊星

 

本作の3人目の主人公にして唯一の原作知識所有者

蒼枒とは別の神様によってハイスールD×Dに転生させらも神様の悪戯によってヨーロッパに6歳くらいの姿で森の中に転生させられた。元々遊戯王が好きだったため特典はすべて遊戯王関係のもの。

 

生活費を稼ぐのため転生後すぐにギルドに入る。(実力があれば年齢とわず誰でも稼ぐことができる)

趣味は異世界探し。《次元のはざま》と《異次元の偵察機》を使って別世界にいけないか試しているがほとんど失敗している。1度別の場所に繋がったことがあり、1人の悪魔の子供、ゼファードルに出会う。この出会いがゼファードルの運命を変えることになる。後に調べたら冥界で普通にいけるところで落ち込んだ。

 

18歳の時にロスヴァイセがヴァルハラに連れていき、ロキと戦い認められる。ヴァルハラへの出入りが自由になったがロキの仕事を手伝う羽目になり、日々逃走を図っている。

ロスヴァイセとは恋人同士。ただし同棲はしていない

 

転生特典

1.デュエルディスク・Dホイール

デュエルディスク:モンスター・魔法・罠が実体化する。モンスターは呼び出すだけなら召喚条件を無視できる。Dホイール:最終決戦(Z-ONE戦)時の遊星号。タイヤから赤い翼を出し空も走ることができる。

2.デュエリストの体

超視力・ダイナマイトで吹き飛ばされようが怪我ひとつしない身体・バイクと並走できる脚・メ蟹ックな頭脳

3.OCG・TCG・原作効果・一部のオリカの無制限使用

パソコンでデッキを作成、実体化。あらゆるカードを制限なしでデッキに投入できる。

 

 

戦闘方法

デュエルディスクまたはDホイールを用いて相手と決闘(デュエル)

 

決闘(デュエル)のルール

・相手はモンスターでありプレイヤー

・バウンス・除外は一部を除き無効

・破壊はダメージを与えるのみ

・手札破壊・デッキ破壊効果は無効

・相手のライフポイントは表示されない

・《手札断札》等の相手に依存するカードは発動できない

・バーン効果は必ずダメージを与えることができる

・相手が攻撃を終えたらターンが回る

・ユーガが先攻の場合、攻撃できない

 

 

この世界での強さ

《光の創造神 ホルアクティ》>真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)(グレートレッド)≧黙示録の皇獣(トライヘキサ)>>>《合神竜ティマイオス》>>>無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)(オーフィス)≧特殊勝利モンスター>∞攻撃力モンスター>>>>>>>>>>>>その他

 

時系列

6歳:ハイスールD×Dに転生

10歳:悪魔の子供と出会う

16歳:ロスヴァイセを助ける

18歳:ロキと戦い、勝利

20歳:原作開始

 

 

 

ロスヴァイセ

 

種族:ヴァルキリー

身長:173cm

 

ユーガのヒロイン

オーディンのお供を務めている銀髪長身の美少女。学校へ帰還中に森に潜んでいた魔獣に襲われていたところを2体の美しい白龍を従えたユーガに助けられた。このときに将来ヴァルキリーになったとき勇者になってもらう約束を結んだ。

学校にいた時から時々出会っていたが、ヴァルキリーになったことでユーガをヴァルハラに招いた。

その後、ユーガからの告白により恋人となる。恋人となって初めての誕生日、プレゼントにデュエルディスクが贈られた。ただしこのデュエルディスクは電動であり、モンスターの実体化はできるがユーガの様な連続して使用すると電池切れを起こす

使用デッキは『スターダスト』。《スターダスト・ドラゴン》等のレベル8シンクロモンスター主軸やレベル12シンクロモンスター主軸などいくつかの種類を持っている

 

スィルヴフ・ヴィンド

ユーガがロスヴァイセのためだけに作った専用のDホイール。《スターダスト・ドラゴン》をイメージして作られており、前輪はなく前部は宙に浮いている。リミットオーバーアクセルシンクロはもちろんできる。持てる技術を詰め込んで作ってはいるが空は飛べない

 

 

 

アーサー・ペンドラゴン

種族:人間

 

紳士的な風体でスーツにメガネという格好の美青年。妹のルフェイがアースガルズに行くというので心配になり一緒に付いてきた

所有する武器の威力や技量から最強の人間候補の1人に挙げられているが、必中に近い攻撃を放ち、完全防御を行うユーガやデュエリストモードでのロセとは相性が悪い(というより相性が良いものがいない)

ユーガとの決闘(デュエル)に勝利後、ユーガの作った装置でデュエルモンスターズの精霊と日々戦っている。そのため本来は戦闘狂だったが今はかなり薄れている

デッキは【聖騎士】

 

 

使用武具

 

聖王剣コールブランド:別名カリバーン。神々しいまでの聖なるオーラを放つ宝剣で、アーサー王が選定の岩より引き抜いたとされる伝説の剣。代々ペンドラゴン家に国宝として伝えられてきた物の一つである。エクスカリバーは湖の貴婦人に返還された。そのため天界、現ゼノヴィアが所有する7本に別れたエクスカリバーは錬金術で創られた贋作

 

マルミアドワーズ:若きアーサー王が巨人・リオン王を下し手に入れたとされる剣。エクスカリバーより優れていたとされ国宝扱いわされてはないが代々保管されてきた

 

ロンゴミニアド:アーサー王最期の戦いに使用された名槍。代々ペンドラゴン家に国宝として伝えられてきた物の一つ。聖王剣コールブランドにも引けを取らない威力を持つ。普段は計13の拘束により力を封じている

 

ウィネブ・グルスヴッヘル:あらゆる魔術が掛けられている盾。 槍や剣などの刃を通さず、不可視の覆いが掛けられている。この覆いを外すと月光の様な輝きを発する

 

 

 

ルフェイ・ペンドラゴン

種族:人間

 

アーサーの妹で、魔法使いの衣装に身を包んだ小柄な少女。元々は魔術師の組織の1つである黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)に所属しており、近代魔術や他の組織では禁止扱いされるような術を習っていた。ロセとシェリアの決闘(デュエル)でモンスターが次々と召喚されるのを見てその召喚魔法に興味を持ち、その元であるユーガに接触した。

若いが非常に優秀な魔法使いであり黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)では黒魔術・白魔術・北欧式・精霊魔術の他、近代魔術や禁術を習っていたため使うことが出来る。

ユーガとの決闘(デュエル)に勝利後、アースガルズに住みユーガの作った装置でデュエルモンスターズの精霊を召喚しては様々な魔法・魔術を学んでいる

デッキは【魔導書】

 

エクスカリバー・ビーム

杖の先端に埋め込まれている青い宝石に込められた魔力を解放、極太ビームを放つルフェイの切り札。威力は込められた魔力に比例して威力も強くなる

 

エクスカリバーの鞘

アーサー王の異父姉モーガン・ル・フェイの策謀によって奪われたはずの魔法の鞘。本来であればこの鞘には『傷を癒す力と持つ者を不死にする』とされているが傷を癒す力は本来に比べ弱く、不死にもなっていない。普段はルフェイの身体の中にあるが、致命傷になるような攻撃を受ける場合突如として現れ攻撃を防ぐ

 



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大改変キャラ

人数が多くなったので独立しました。ここでは誰が何の駒なのか説明するため眷属と表記します
正直言うとこいつらの設定、思った以上に濃くなりました。書こうと思えばスピンオフ書けるぐらいに


ゼファードル・グシャラボラス

 

種族:悪魔

身長:191cm

容姿イメージ:5D'sのジャック・アトラス

 

若手最強の純潔悪魔。ソーナの婚約者でもある

幼いころ庭、突如現れた空間の裂け目から出てきた少年、ユーガと出会う。ユーガがソリットビジョンで様々なモンスターを出す中で《レッド・デーモンズ・ドラゴン》に強い憧れを持った。騒ぎを聞きつけた護衛の兵士から慌てて逃げる時にユーガが落としていった《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のカードを返すために大事に持っていた。憧れの《レッド・デーモンズ・ドラゴン》に近づくためすぐに鍛錬を開始。自分1人で腕のみをドラゴン化、ティアマットの師事を受け《ブルー・デーモンズ・ドラゴン》、仲間たちとの絆で未完だが《グシャラボラス・デモン・ドラゴン》を修得した。

 

ユーガを探し出しと再会。成長したことを見せるため戦うも仲間や師匠であるティアマット共々敗北。未完ではあったが《グシャラボラス・デモン・ドラゴン》でも勝てなかったことでどうすれば安定して戦えるようになるか悩むことに。ユーガから渡された《レッド・デーモンズ・ドラゴン》にも複数の進化があるように自身も何かに特化した3種類の形態への進化することで力を安定して扱えるようになった。しかし《グシャラボラス・デモン・ドラゴン》のことは諦めていない

月に一度の割合でユーガのところに顔を出している。会いに行くついでに飲むブルーアイズマウンテンがお気に入り

 

眷属のことは仲間と呼び、絆を何よりも大事にしている。

異名は蒼獄の魔竜王。ただ本人としては王を名乗るのはまだふさわしくないため蒼獄の魔竜で通している

 

戦闘方法

魔力を肉体に纏わせての近距離が得意だがティアマットのおかげで中距離・遠距離も対応可能になっている。《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のように炎を纏う掌底が必殺技。《ブルー・デーモンズ・ドラゴン》に変身することにより能力が大幅に強化される

 

 

シェリアグネス・グシャラボラス

 

種族:キメラ

身長:165cm

容姿イメージ:チェイクロの運命流転ノ天魔ゼファル

 

ゼファードルの女王

ゼファードルの妹、という立場だがその実態はカオスブリゲートの生物兵器。天使・悪魔・堕天使・ドラゴン・人工神滅具そして神滅具を扱うため人間の遺伝子を組み合わせて生み出されたキメラ。実験の途中、暴走を起こし研究所内を蹂躙しまわった後、研究所を更地にした。彼女以外の生存者が存在せず、彼女も暴走したまま何処かに行ってしまう。ゼファードルが仲間たちと修行をしていたところを襲撃。ゼファードルとティアマットに倒された後、家に連れていかれ治療を受ける。目を覚ますも繰り返し行われる実験により他者を拒絶するようになっていた。数年かけて家族・家によく来る人たちは受け入れられるが一度敵として認定されると排除思考になる

 

ゼファードルがユーガに負けてから自分も役に立ちたいと思うようになり、ドラゴンの像に変異した悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使用し、女王となる。

日常生活では光輪や水晶などは邪魔になるため強大な力を封印して槍だけを残して生活している。元々はティアマットが力の制御するために施した封印だった

 

ゼファードルや家族は様付け。眷属たちや友人は・・・さん。キルイースなど歳が近いものは呼び捨て。自分のことは私と呼ぶが、戦闘時は我と呼び、上から目線で話すようになる

呼び名はシェリア、またはシェリスと呼ばれている

 

 

戦闘方法

 

本人の機動力はあまり高くないため相棒であるフォルクスに乗ったまま槍で戦う。様々な術や技を扱うことができ前衛・後衛をこなすことができる

 

人工神滅具 真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)

 

触れたものをそのものの初期状態まで戻す。神器で出したものなら出す前に。強化なら強化前に。ドーピングなども無効果できるが、怪我を回復させたり回復したものを怪我の状態に戻すことはできない

 

 

 

フォルクス

 

種族:馬→転生悪魔

 

ゼファードルの騎士

元はゼファードルのペットだった漆黒の馬。騎士(ナイト)の駒を誤飲した結果悪魔に転生し、デビルホースになった。馬の中でも目に見えて大きさが違う。巨体故にパワーもあり、『騎士(ナイト)』の特性で速さを損なわずに天地を駆けることができる。さらに人の思考を理解し、相棒であるシェリアグネスが本来の姿に戻るとしゃべることもできるようになる

 

 

エルファランス・タンザナイト

 

種族:悪魔

身長:174cm

容姿イメージ:FTのエルザ。髪色は青

 

ゼファードルの騎士:悪魔のハーフで母はグシャラボラス家の遠縁

鎧を生み出す神器鎧布創造(アーマード・クリエイター)を持つ。

ウラディールとは幼いころからの付き合い。生まれながら体の弱い彼を支え続けてきたが病気が悪化。藁にも縋る思いで遠縁っであるグシャラボラス家に助けを求めた。ウラディールの治療が済んだ後彼と共にゼファードルの眷属となった。

 

鎧布創造(アーマード・クリエイター)

魔剣創造(ソード・バース)聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)の鎧版ともいえる神器・・・なのだが鎧と共に得物や盾までもが一緒に出現する。鎧に限らず身に着けるものなら布でも判定に入っているためさらしの身とかでも換装可能。

 

 

ウラディール・タンザナイト

 

種族:人間→転生悪魔

身長:169cm

容姿イメージ:FTのジェラール

 

ゼファードルの僧侶:元人間の魔術師

協会に所属しないはぐれ魔法使いだが魔法使いとしては優秀。しかし病弱だった。エルファランスと結婚の約束までしたところで急激に病気が悪化。エルファランスがゼファードルに頼み眷属になることで病気を治す契約を結んだ。悪魔に転生後、彼女と結婚し幸せな生活を送っている。

 

 

サラーシャ・イムヴァシー

 

種族:人→転生悪魔

容姿イメージ:この素晴らしい世界に祝福を!のウィズ

(設定を考えた後、何かに似ているなと思ったらこのすばのウィズだった)

 

ゼファードルの僧侶

元はぐれ悪魔という変わった経歴の持ち主。元の主が死に誰にも引き取られなかったためはぐれ悪魔になった。その際指名手配などは受けていない。薬学・医学の知識が豊富で、その知識を生かして人間に紛れ薬屋を経営、生活していた。ゼファードルがユーガを探しているときに偶然カルティナが発見。今の生活に満足していたが交渉の末ゼファードルの眷属となる。基本的に経営している薬屋にいる。レーティングゲーム時は持ち込んだ薬による回復や相手に状態異常を引き起こすチーム全体のサポートを行う。単体での戦闘能力は眷属で一番低い

ちなみにユーガとは顔見知り

 

 

グラマーク・テンプラス

 

種族:悪魔

身長:205cm

容姿イメージ:ログホラの直継

 

ゼファードルの戦車

元々はグシャラボラス家に仕える騎士の1人。模擬戦中、ゼファードルのアブソリュート・パワーフォースを防いだことにより眷属に抜擢された。装備は巨大な盾と盾にしまっている大剣、メイス。ゲーム時はラフティス、グレイオスとパーティを組んで動いていることが多く防御担当

 

 

ガラム・イグトュース

 

種族:悪魔

身長:198cm

容姿イメージ:TOD2のバルバトス・ゲーティア

(狂戦士だとこれしか思い浮かばなかった)

 

ゼファードルの戦車

大剣・ハルバート・大槍など重量の重いものを好む。無手での戦闘もこなせる戦闘狂

グシャラボラス領に生まれた一般的な悪魔。強さを追い求め冥界中を武者修行しており。時折その強さに目を付けた悪魔に眷属になれと言われるが、自身よりも弱い悪魔に使える気はないと追い返していた

久しぶりに故郷に戻るとゼファードルの噂を聞き勝負を挑む。敗北した後に「貴様になら仕えても良い」と言って眷属入りを果たす(その時のゼファードル達は何言ってるんだと思っていた)

ちなみに妻子持ちである

 

グレイオス・ゾルダーク

 

種族:人間→転生悪魔

身長:189cm

容姿イメージ:チェイクロのザエル

 

ゼファードルの兵士(2個使用)

あらゆる銃を使うことができる天才。銃ならばおもちゃだろうが本物だろうが別の銃に換える神器移りゆく銃手(コンヴァージョン・ガン・シュート)を持つ。元々は傭兵稼業を営んでいたが大きな怪我で続けることが困難になってしまっていた。ゼファードルとは偶然出会い、悪魔に転生すれば怪我が治る可能性があると言われ了承。ゼファードルの初の眷属に転生した。ゼファードルとは主従というより相棒に近く、敬語は一切使わない。ゲーム時はラフティスとグレイオスとパーティを組んで動くことが多く狙撃担当

 

移りゆく銃手(コンヴァージョン・ガン・シューター)

素材が必要なだけあって純粋な創造系よりも融通が利く。悪魔に有効な光力を撃つ銃やトリガーがあれば銃とみなされるため大砲だろうがミサイルだろうが作りだすことが可能。ただし打ち切りリロードなしのため、一度別の銃に換装し、もう一度換装しなければ同じ銃を撃つことができない

 

 

エクシース・シェルムーン

 

種族:人間→転生悪魔

身長:162cm

 

ゼファードルの兵士

キルイースの姉。機械いじりが大好きな金髪の美少女。1人で巨大ロボットを作りたいと思ったが寿命が足りないため寿命を延ばす、または不老不死になる方法を探していた時に悪魔になれば寿命が伸びることを知り自力で冥界に行く。出たところがグシャラボラス領でゼファードルと出会い妹と共に転生した。残念ながらユーガ戦には不参加であり、ユーガと会わせてはいけない人物である

 

 

キルイース・シェルムーン

 

種族:人間→転生悪魔

身長:154cm

 

ゼファードルの兵士

エクシースの妹。姉と一緒に転生悪魔になった。神器は芸術は爆発だ(エクスプロージョン・デザイナー)

自爆が趣味でゲームやアニメから勉強している。全悪魔中犠牲(サクリファイス)が最も多くあらかじめ指示しておかないと勝手に動く問題児。レーティングゲームに初めて参加したとき、至る所に地雷やセンサー爆弾を設置したのち、勝手に相手の(キング)に自爆特攻し勝利した伝説を持つ。語尾は・・・っす

 

芸術は爆発だ(エクスプロージョン・デザイナー)

爆薬及び爆発物なら何でも出せる。薬・煙・光と何でもござれ。グレイオスと協力してミサイルの威力を上げたり、姉のロボットに詰め込んで全自動追尾爆弾を作成したり応用が利く。最も威力があるのは自身が爆弾となる爆発(ウル○ラダイ○マイト)。余程の格上でない限り相手を殺すことができる(劇場版青眼の光龍(ブルーアイズ・シャイニングドラゴン)の破壊効果に類似)。しかし、みがわりやダメージを他に移されると本当の意味で自爆することになる

 

 

ラフティス・ウラベルク

 

種族:悪魔

身長:162cm

容姿イメージ:TOBのライフィセット

 

ゼファードルの兵士

グシャラボラス家に仕えている悪魔の息子。ゼファードルの兄の暗殺にいち早く気が付き報告、暗殺を防ぐことに貢献した。父からの勧めでゼファードルの眷属になり、グレイオスに次いで2番目

眷属の中では探知担当。ゲーム時はラフティスとグレイオスとパーティを組んで動くことが多く探知担当

 

 

カルティナ・ベアトリス

 

種族:悪魔

身長:158cm

容姿イメージ:ログホラのアカツキ

 

ゼファードルの兵士

幼いころから日本の忍者に憧れていた女悪魔。町に遊びに出かけていたキルイースと出会い、仲良くなったことがきっかけでゼファードルの目に留まった。鍛えてみると才能を開花させ、眷属になってからは忍者らしく諜報、ゲームでは暗殺を担当する。

 

 

ガルナヴァート・ゼルナミス

 

種族:巨人族→転生悪魔

身長:210cm

 

ゼファードルの兵士(2個使用)

臆病な性格で同じ巨人族からいじめを受けていたのもあり引きこもっていた。ユーガとゼファードルとの戦いを魔法を通して見てからゼファードルに憧れを持ち、自ら悪魔へと転生を果たす。基本的に2mぐらいに縮んで過ごしているが、戦いになると本来の大きさに戻る。兵士でありながら戦車の相手を吹き飛ばすパワーと打たれ強い防御力、さらには魔法をも使いこなすことができるが性格が性格なだけにすぐ弱気になる

 

 

ティアマット

 

種族:ドラゴン

人間態容姿イメージ:Fateのスカハサ

 

ゼファードルの師匠

ゼファードルが使い魔の森に行き、師匠になってくれと頼みこんだ。その際、戦闘になり、未熟ながらもドラゴンの力を扱ったため興味を持たれる。最終的にその力を認め弟子に迎え入れた。基本的にゼファードルの屋敷にいる。



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その他の登場人物

今回、どうしても続きを書く時間をとることができませんでした。
続きを楽しみにしてくださっていた方々、本当に申し訳ありません。

それと、UAが50,000超えました。ありがとうございます。次週は何とか書きたいと思います


朱明(シュメイ) 年齢 52歳

 

種族:朱雀

身長:182cm

容姿イメージ:封神演義の燃燈道人

 

本家朱雀の実の弟にあたり、白音の師匠でもある。

中国拳法の達人であり、今なお世界を回って武術を高めている

 

蒼枒とは歳も近いため仲が良くたびたび日本に遊びに行っている。蒼枒が黒歌を連れてきたときは姉が首を突っ込んだため数年間日本に派遣され、そのときに白音の師匠になる。

修行中に白音に大怪我をさせてしまい自分の血を飲ませたことを少し後悔している。

性格は明るく大概の人とは仲良くなれる。が姉の後始末をする苦労人。日本語も普通にしゃべれるが姉に派遣されていた時はわざと~ネなどと胡散臭い中国語をしゃべっていた

 

武器は中国武術

流派関係なく全ての流派を扱う

 

朱雀(スザク) 

 

種族:朱雀

身長:168cm

容姿イメージ:封神演義の竜吉公主の髪色が朱に変わったもの

 

現朱雀にして中国一の美女。

性格は自由奔放。何事にも首を突っ込みたがり、かき回し、結果解決させる傍迷惑な御方

黒歌のこともおもしろそうと思い駒を抜く作業や準備を手伝った

 

武器は鉄扇

両手に持ち舞うように戦う。近、遠距離での戦闘を得意とし薙ぎ払いによる熱風は岩山をもたやすく消し飛ばす

 

 

レイナーレ

 

神の子を見張る者(グリゴリ)所属の堕天使。イッセーを悪魔にした原因だが原作と違い誰一人殺していない。至高の堕天使を目指したのもアザゼルやシェムハザから愛されるための手段だった。今まで誰からも愛されるず生きてきたため優しくされたり褒められたりするのに慣れておらず、綺麗と言われたのは部下であるミッテルトを除いて楓が初めてだった。

現在は青山龍神宮で巫女として働いており、上司の楓のことが好きだがなかなか進めないでいる。このことを知っているのはミッテルトと朱璃のみ

使いの帰りに朱璃に会いに来ていた朱乃遭遇。一悶着あったがアーシアと会談前に会うことに。アーシアに謝罪するもそこにイッセーとリアスが襲撃。上司である楓のおかげで何とか謝ることはできたがイッセーとリアスからはさらに警戒されることになった

 

戦闘方法

無数の光の剣を操る後衛型。黒歌から師事を受けており操れる数を少しずつではあるが増やしている。ただし、他の従者に比べるとまだまだ弱い

 

 

ミッテルト

 

レイナーレが原作よりも弱いため唯一の正式な部下。レイナーレが殺されそうになってたところを無理矢理助けた。その後はレイナーレと共に巫女として働いている。

 

戦闘方法

両端が三又に分かれた槍を使う前衛型。この槍を二つに割り(さい)としても扱うことができる。たまに蒼枒が修行の相手をしてくれるがまだまだ弱い

 

 

カ-ラワーナ

 

レイナーレが金で雇った堕天使。その正体はアザゼルの命により神器(セイクリッド・ギア)持ちを探す調査員

人間に扮しており、趣味(ショタコン)実益(調査)を兼ねるため複数の先生の資格を持っている。現在は幼稚園の先生

 

 

ドーナシーク

 

カ-ラワーナと同じく金で雇われた堕天使で神器(セイクリッド・ギア)持ちを探す調査員。全国規模の商社に勤めており全国を転々としている。こちらもカ-ラワーナと同じく趣味(熟女好き)実益(調査)を兼ねているセールスマンに扮いている。

 

 

マザーケルベロス

所属:ギリシャ神話

コカビエルの依頼を請け駒王学園に来た。本体ではなく分身体なため、全力の3割程度しか持っない。白音に倒された後、息子が協力していた日本地獄に挨拶をしに行った



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旧校舎のディアボロス(原作突入)
新たな主人公


お気に入りが9件に増えてる!
マジで!?

今回から原作突入です。あと、今週中に設定も投稿しようかなと思います。


【白音side】

 

お義兄様が朱璃さんを助けてから10年ほど経ちました。この10年でいろいろなことがありました。一番大きなことはお姉ちゃんとお義兄様が結婚したことです。長くアプローチをかけた甲斐あってお義兄様が折れたようです。それからというものいつもイチャイチャしています。・・・お義父様とお義母さまも大差ないですが。

結婚式には様々な方が来てました。本家青龍はもちろん本家朱雀、朱明さん。奴良組三代目総大将、平成天皇。さらに天照大御神様までいらしてました。朱璃さんの夫であるバラキエルさんと神の子を見張る者グリゴリの総督であるアザゼルさんも来ていたみたいですが、途中で日本神話の方に連れていかれてました。

治療が済んだ朱璃さんは東雲家の神社で働いています。やはり元の家には戻れなかったみたいです。娘さんは見つかってないそうです。

 

葉「白音。遅刻しますよ」

 

白「今行きます」

 

私たちは今駒王学園に通っています。進学校なだけあってかなり難関でしたが2人とも無事合格することができました。

 

黒「白音、葉月。お弁当にゃ」

 

蒼「今日も気をつけていってらっしゃい」

 

お兄様とお姉さまは毎日見送りをしてくれます。弁当を受け取った後葉月が開けてくれている転移陣に入って学園に向かいます。

 

葉・白「いってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???】

 

俺は朧月絶斗。周りからはゼットと呼ばれている私立駒王学園の二年生だ。眼つきが鋭いとか髪が白いとかで入学当初から不良と言われていたが1年かけてなんとか払拭した。

 

女子A「待ちなさい!変態ども!」

女子B「のぞきをすれば気が済むのよ!」

女子C「おとなしくつかまりなさい!」

 

変態たち「捕まってたまるかーーーー!!!」

 

三人の男変態が女子に追われてこちらに走ってくる。この学校では有名な三人組だ。丸刈り頭の「セクハラパパラッチ」の別名を持つ松田。眼鏡を掛けた「スリーサイズスカウター」の別名を持つ元浜。そしておっぱいに並々ならぬ思いをかけている超重度のおっぱいフェチ兵藤 一誠。

 

ゼ「またあいつらか・・・」

 

足をひっかけやり、変態どもを転ばせる

 

変態「うわっ!何しやが「捕まえたわよ!!!」え!?」

 

女子A「ようやく捕まえたわ」

女子B「カメラは没収よ!」

女子C「ありがとうゼット君。おかげで助かったわ」

 

ゼ「気にするな」

 

・・・払拭したんだがその代償として変態三人組を抑える役割にされてしまった。

 

変態「ぎゃぁぁぁあああああああ」

「きゃぁぁぁぁぁあああ!!!!」

 

変態の悲鳴が上がると同時に外から歓喜の悲鳴が聞こえた

 

「二大お姉様のリアスお姉様と朱乃お姉様よ!」

「今日もお二人そろった姿を見れるなんて!」

「この学校に入ってよかった」

 

有名人の2人が登校してきたみたいだ。2人は3年生だがこの学校には各学年に有名人がいる。2年はイケメンの木場祐人とさっき捕まってた変態三人組。1年は1週間足らずで学園のアイドルになった東雲葉月と東雲白音。まあ変態三人組とほかの人をひとくくりにするのはかわいそうだが

 

 

 

 

翌日 放課後

 

松・元「大変だ!ゼット!聞いてくれ!」

 

ゼ「なんだ?自首でもしにに来たのか?自分から非を認めるとは少しはまともになったか?」

 

松・元「違う!イッセーに彼女ができたんだ!」

 

ゼ「・・・・・・はぁ?嘘だろ?」

 

松「マジだ!!!」

 

元「日曜日にデートすると言っていた!!」

 

ゼ「・・・まあイッセーは顔はいいし、性格も悪くない。あんな変態行動しなきゃもっとモテてもおかしくはないし」

 

松「くっそ~」

 

元「あの裏切者が!」

 

ゼ「そういうお前らだってモテる要素は持ってるだろが。松田はスポーツ万能だし、元浜は成績学年トップクラスで頭いいだろ。そんなオープンにエロいことやってるから女子もよりつかないんだ。そういうものは胸の中に閉まっとおけ」

 

松・元「俺は自分の気持ちに素直なだけだ!」

 

ゼ「それを周りに見せびらかすようにするなってことだ!そういうのはプライベートの中でやるべきだ!いいか、お前らのその言動を抑えて生活してみろ。すぐにモテることはないが1年も経てば今のイメージもかなり薄れる。俺がそうだったようにな」

 

松・元「それで俺たちはモテる様になるのか!?」

 

ゼ「少なくとも今よりもマシになるだろう。今はマイナス面の評価が大きすぎだ。」

 

こいつら本当に仲がいいな。それにしてもイッセーがデートか・・・

 

 

 

 

 

 

 

日曜日

 

【イッセーside】

 

俺は今までの人生の中で最高の日を送っていた。新しく出来た彼女、天野夕麻との初めてのデート。楽しかった時間も終わり夕暮れの公園で向かい合う

 

夕「今日は楽しかった!本当にありがとう」

 

イ「いや、楽しんでもらえたなら良かったよ」

 

彼女の笑顔を見たらとても嬉しくなった。また今度デートに誘おう

 

夕「でも・・・ごめんなさい!」

 

そう言って手から光の槍を出して俺を貫いた。彼女は姿を変え、背中から黒い翼が生えていた。

 

夕「騙してごめんなさい。でも私の計画のためにあなたを遠ざける必要があったの。」

 

彼女はそう言いながら倒れる俺を寝かせた

 

夕「救急車は呼んでるからしばらく入院してね。腹に風穴開けた本人が言うのもなんだけど」

 

イ「夕麻・・・ちゃん」

 

夕「今度はちゃんとした彼女とデートしてあげなさい」

 

それだけを言い残し、彼女は飛び去った

 

イ「う・・・あ・・・。俺は死ぬのか」

 

貫かれた穴から血が流れ、意識が薄れてきた

 

イ「死にたく・・・ねぇよ」

 

俺はそこで意識を失った。懐にしまった紙から光ができいることに気づかずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、東雲家

 

【楓side】

 

私の名は楓。蒼枒様専属の従者をしております。今日は学園が休みでしたので葉月様と白音様が蒼枒様と一緒に修行をしておりました。私も試合に参加しておりましたが翼をもつ葉月様ならともかく、蒼枒様と白音様は障壁を足場に縦横無尽に空中を駆けてきますからなかなか厄介です。最後の試合の相手は再び蒼枒様。一度でも剣をはじかれればその瞬間負けてしまいます。いかに蒼枒様を地面にぬいつけておけるかが勝負の分かれ目でしょう。

 

蒼「楓。準備はいいか?」

 

楓「もちろんです。いつでもどうぞ」

 

葉「合図は私がやらせていただきます。それでは」

 

カーーン!!!

 

葉月様が鐘を鳴らすと同時に蒼枒様の周囲に空気弾を打ち出し、私自身も蒼枒様に向かって最速で近づき竹刀を振り下ろす。当然のように空気弾は避けられ振り下ろした竹刀も蒼枒様の持つ竹刀で受け止められる。

 

蒼「ふむ。動きを制限する策で来たか」

 

楓「ええ。先ほどのように動かれては堪りませんから」

 

そう言いながらも蒼枒様は足を動かそうとします。すかさず空気弾を足元に放ち制限させる。私自身は上から連撃を仕掛ける。蒼枒様は私の攻撃を防ぎながら反撃を試みてきますがそれを躱し、横や後ろから竹刀を振り下ろす。

 

蒼「埒が明かないな」

 

打ち合いを始めて十数分が経ちました。蒼枒様は防御に徹しており最初の位置から動いておりません。このまま押し切れれば私の勝ちですが・・・。

 

蒼「どうした?息が上がり始めてるぞ」

 

流石に蒼枒様相手に一歩も動かせないように立ち回ると体力的にも精神的にもきついですね。

 

楓「いえ。そんなことはありませんよ」

 

蒼「ふ~んそうか。そら!」

 

楓「しまった!」

 

振り下ろそうとした竹刀がはじかれてしまいました。急いで空気弾を放つも遅く、目の前には竹刀を振りかぶる蒼枒様がいました。

 

蒼「はあ!」

 

私を斬りとばすと蒼枒様は地面を蹴る。私に追いつくと再び斬りとばす。繰り返し行われ防ぐすべもなく私は気絶してしまった。

 

 

 

 

【蒼枒side】

 

楓が気絶したので試合は終了した。最後は楽に勝てたが始めから動きを止められるとは思わなかった。その後も何度か抜け出そうとしたが結局はうまくいかなかった。術なしの手加減だと少々きつかったか。葉月と白音に楓を運んでもらい、俺は試合でガタガタになった庭を元に戻していた。

 

黒「蒼枒~♪」

 

庭に転移陣が現れ中から黒歌が飛び出し、抱き着いてきた

 

蒼「おかえり、黒歌」

 

黒「ただいまにゃ。蒼枒」

 

抱き着きキスをねだる黒歌を抱きしめ、おかえりのキスをする。

 

蒼「ん・・。かわいいなぁ。黒歌は」

 

黒「にゃん・・・♪」

 

キスの後は頭を撫でてやる。艶やかで綺麗な髪は手触りが良く、撫でられてる黒歌も気持ちよさそうに目を細めている。そんな仕草もかわいいと思いつつ少し抱きしめる力を強くする

 

蒼「それで、頼まれた悪魔は討伐で来た?」

 

黒「問題ないにゃ。力にのまれて暴走してたから楽に倒せたにゃ」

 

今回、黒歌には四国に行ってもらった。流石に悪魔が管理している駒王学園付近には近づけられないが、それ以外だったら問題ないため悪魔や暴走した妖怪の退治に向かってもらっている。

 

葉「あら?お姉さま帰ってらしたんですか?」

 

白「おかえりなさいです」

 

黒「ただいまにゃ。白音、葉月」

 

蒼「楓は大丈夫だったか?」

 

家の中から葉月と白音が出てきた。すぐ出てきたってことは特に怪我とかもなかったのだろう

 

葉「怪我とかはありませんし、すぐに目を覚ますと思います」

 

白「いつものことです。それよりお姉さま、おなかがすきました」

 

黒「わかったにゃ!すぐに作るから待ってるにゃ」

 

黒歌は俺から離れると家の中に入っていった。さて、今日の夕飯は何かな?




最後の東雲家はつけたしました。

だって次話に蒼枒も黒歌も出番がないだもん(ノД`)・゜・。


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堕天使と悪魔

蒼枒と黒歌の出番がないよーーーーーーーーー( ;∀;)

そしてセリフばかりですorz
それでもよろしかったらどうぞ



【イッセーside】

 

ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!

 

イ「うおっ!??」

 

俺は上半身を勢い良く起こした。

 

イ「ここは・・・俺の部屋か」

 

周囲は見慣れた自分の部屋。音を響き渡らせているのは目覚ましデジタル時計。目覚ましデジタル時計を手元に引き寄せ、その音を止めがら時間を確認する。

 

イ「7時・・・」

 

いつも目覚ましをセットしている時間帯。カーテンを開けると朝日がいつも以上に眩しく感じられた。

 

イ「俺はいつ、帰ってきたんだ?」

 

昨日は夕麻ちゃんとデートして、そして・・・

 

イ「俺、刺されたんだった」

 

刺されたところを見ても傷どころか何もなかった

 

 

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

朝からイッセーが騒がしい。何でも彼女だった夕麻のことを誰も覚えていないみたいだ。今は放課後、俺のところにもイッセーが聞きに来た。

 

イ「ゼット。お前は夕麻ちゃんのこと覚えているか?」

 

ゼ「・・・ああ。覚えている」

 

イ「本t「うるさい」すまん」

 

ゼ「皆が覚えていなくて俺だけが覚えているってことは何かおかしい。調べたいからデートで言った場所に連れて行ってくれ」

 

イ「あぁ」

 

 

 

 

 

学校を出た俺たちはイッセーが昨日最後にいたという公園に案内された。腹を貫かれたとイッセーは言っていたが血の跡が一切見つけることができなかった

 

イ「ここで夕麻ちゃんに刺されてからの記憶が全くないんだ。血が流れて意識がなくなるのは覚えてるのに」

 

ゼ「・・・・・・。血の跡とかも見つからないな。公園で人間が血だまり作ってるなんて騒ぎになって当然だが。それと記憶がないのは気絶したからだと思うぞ」

 

イ「そうだよな。わけがわからね「なんでここにいるっすか」

 

声のほうを向くと金色のツインテールに黒のゴスロリを着ている黒い羽が生えた女の子が空中に浮かんでいた。なにやらイッセーがいるのに驚いているみたいだが何か知っているかもしれない

 

?「どうして元気な姿でいるっすか!?わき腹に風穴開けられて、今は入院しているはずっす!」

 

ゼ「お前。何か知っているな。」

 

?「っ!?」

 

ゼ「当たりか」

 

?「うるさいっす!二人とも病院送りにしてやるっす!」

 

こいつ隠し事とかできないだろう。表情で丸わかりだ。そんな少女が手に光の槍を持ちこっちに何度も投げてきやがった。

 

ゼ「チッ!イッセー!逃げろ!こいつは俺が相手をする」

 

イ「何言ってんだよ!一緒に逃げるぞ!」

 

ゼ「背を向けて逃げるなんて狙ってくださいって言っているようなもんじゃねぇか!守りながら逃げるな余裕はねえからさっさと逃げろ!来い《アミルガウル》!」

 

俺が叫ぶと薄い緑色の剣が現れた。だけどこの剣はまだ使えない。俺は剣を地面に突き刺し、アミルガウルについている一対の羽のような装飾を手にした。

 

イ「その剣は使わないのかよ!?」

 

ゼ「まだこの剣は使えないんだよ!どうやら実力が足りないから振らせてもらえないんだよ!」

 

?「笑えるっす!そんな使えない神器(セイグリッド・ギア)で戦おうなんて無謀もいいところっす!」

 

ゼ「無謀かどうかはやってみればわかるだろ!」

 

俺は向かって来た光の槍をはじいた

 

?「なっ!?」

 

ゼ「この程度か?」

 

?「なめるなっす!」

 

少女は再び槍を出して自分ごと突っ込んできた。それと同時に公園に赤い紋章とともに赤い髪の女性が現れ、少女は空中で停止した

 

?「・・・紅い髪。グレモリー家の者っすか?」

 

リ「そのとおり。リアス・グレモリーよ、堕ちた天使さん」

 

堕天使「まさか出てくるなんて・・・時間をかけ過ぎたっすか。流石に2人相手じゃ分が悪いっす。退散させてもらうっす」

 

そう言い残し堕天使は飛び去った。命の危機は去ったがグレモリー先輩がこちらに向かってきている。イッセーが関わってる時点で少なからず面倒くさいことには変わらないがこれは大きなことになりそうだ

 

リ「さて、大丈夫かしら?」

 

イ「おおおおおおおお!2大お姉さまのグレモリー先輩が目の前に」

 

ゼ「イッセーうるさい。黙ってろ。大丈夫です。俺もイッセーも特に怪我とかしてないです」

 

リ「そう、それは良かったわ。事情とか聞きたいのだけれども今から部室に来てもいいかしら」

 

イ「グレモリー先輩の部活!?もちろ「黙ってろって言っただろ!」」

 

ゼ「もう日が暮れますし明日の放課後とかでいいですか?」

 

リ「わかったわ。明日使いを出すから部室に来てちょうだい」

 

ゼ「了解しました。イッセー!行くぞ」

 

イ「そんな!目の前にあのグレモリー先輩がいるんだぞ!」

 

俺はギャーギャーわめくイッセーを引きずりながら送り、家に帰った

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後

 

「やぁ。兵藤くんと朧月くんはいるかな?」

 

教室に入って来たのは木場祐斗だ。こいつが昨日グレモリー先輩が言ってた使いか?

 

イ「イケメンが何のグハァ「俺たちがそうだけど」」

 

(イ「何すんだよゼット」)

 

(ゼ「昨日グレモリー先輩が)(言ってたの覚えてないのかよ?」)

 

祐「昨日のことで話があって。着いてきてくれるかな?」

 

イ「わかった」

 

俺たちは木場の後ろに着いていった。途中で女子が木場×朧月とか兵藤×木場とか言っていたが聞き間違いだ。聞き間違いだと思いたい。

 

祐「ここだよ」

 

着いたのは駒王学園の旧校舎だった。

 

イ「ここって、旧校舎だよな」

 

祐「部室が旧校舎にあるからね」

 

ゼ「何の部活に入ってるんだ?」

 

祐「オカルト研究部だよ」

 

オカルト研究部か。そんな考えをしているうちに旧校舎に入っていき扉の前で止まった

 

祐「部長、連れてきました」

 

???「入ってきてちょうだい」

 

なかに入ると壁や棚にオカルト系のものが沢山置かれていて、部屋のソファにはグレモリー先輩が座って居た

 

リ「お疲れさま祐斗。そしてこんにちは、兵藤一誠君、朧月絶斗君。私達オカルト研究部はあなたたちの来訪を歓迎するわ・・・悪魔としてね」

 

グレモリー先輩が黒い翼が広げると同時に、姫島先輩と木場の背中からも黒い翼が広った




イッセーsideってめっちゃくちゃ書きにくいorz

UAが2500突破
お気に入りに登録してくださった方が14人も
ありがとうございます


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入部と討伐

今回はいつもに比べて長いです

そのため、ストックがなくなりました

次週は間に合うでしょうか・・・


【絶斗side】

 

リ「まずは自己紹介から。私の名前はリアス=グレモリー。このオカルト研究部の部長をやらせてもらっているわ」

 

朱「はじめまして。私、副部長を勤めさせて頂いてます姫島朱乃と申します。どうぞ、以後、お見知りおきを」

 

祐「僕は木場祐斗。オカルト研究部の部員をさせてもらっているよ」

 

イ「ど、どうも。俺は兵藤一誠、2年生です。昨日のことについて話しがあるようなので着いてきました」

 

ゼ「同じく2年の朧月絶斗」

 

自己紹介から始まった悪魔との話し合い。悪魔、堕天使、天使の三竦(さんすく)みの勢力やイッセーが堕天使に襲われ原因。悪魔に転生させられて、グレモリー先輩の下僕になったとか。イッセーはハーレム築くとか喜んでたけど

 

リ「じゃあ次はイッセーが襲われた原因でもある神器(セイクリッド・ギア)についてね。神器(セイクリッド・ギア)は、神が人に与えた力。歴史上に残る人物の多くがその神器(セイクリッド・ギア)所持者だと言われてるわ」

 

朱「現在でも身体に神器(セイクリッド・ギア)を宿す人々はいるのですよ。その代わり人にしか宿らないから悪魔も堕天使もそれを狙うことがあるんです」

 

へぇ~。数年前、彼女が空間から出してた剣も神器(セイクリッド・ギア)だったのか?少し考えている間にイッセーが神器(セイクリッド・ギア)を出すことに成功したようだ。格好からするにドラグ・ソボールのドラゴン波の真似でもしたのか?近くにいる祐斗が剣を持っている。いつの間に出した?

 

リ「イッセーのは龍の手(トゥワイス・クリティカル)ね。能力は使い手の力を2倍にするありふれた物ね」

 

ゼ「それがイッセーの神器(セイクリッド・ギア)か。次は俺か、来い《アミルガウル》!」

 

俺が叫ぶと手にアミルガウルが現れた。今は地面に刺すことができないのでテーブルの上に置いた

 

リ「それがあなたの神器(セイクリッド・ギア)なのね。アミルガウルなんて聞いたことがないけれど」

 

ゼ「触るな!」

 

グレモリー先輩が置いた剣を手に取ろうとしていた。

 

ゼ「この剣は俺以外が持とうとすると容赦なく殺しにかかる。以前出したとき、この剣を持った人は自分を斬る前に剣を手放すことができたが今度も同じようになるとは限らない。そもそも俺でさえ振らせてもらえないからな」

 

リ「どういうことかしら?」

 

ゼ「振ろうとすると勝手に手から離れて地面に突き刺さるんだ。だからアミルガウルに認めてもらえるまで付いているこの羽でしか戦えない。この羽は持つと大きくなって剣のようになるからな」

 

リ「なるほどね。勝手に触ろうとしてごめんなさい。ところで絶斗君」

 

ゼ「ゼットでいいですよ」

 

リ「ゼット君。悪魔になる気はないかしら?」

 

やはりきたか。堕天使の攻撃をはじいたことや珍しい神器(セイクリッド・ギア)から欲しくなったのだろう。けれど

 

ゼ「保留で」

 

リ「そうよね。いきなり言われて悪魔になるほうが珍しいものね。」

 

グレモリー先輩は目線をイッセーに移した。さっきからいやに静かだと思ったらこいつグレモリー先輩の胸とかスカートからのびる脚を見ていやがった。おかしいだろ!すでに悪魔になっているとはいえイッセーは何の抵抗もなく悪魔であることを受け入れやがったこいつは。普通はあるだろう。家族とか、友人とか。

 

リ「ならオカルト研究部に入ってもらえないかしら?」

 

ゼ「それぐらいならいいですよ」

 

俺とイッセーはこの日オカルト研究部に入部した。

 

 

 

 

 

 

数日後

 

今日は掃除当番だったからイッセーには先に部活に行ってもらった。入部してからの俺は、他の学生と同じようにある程度の時間になったら帰っているがイッセーたちは悪魔の仕事を行っているみたいだ。俺は十時には寝ないといけないから夜のことはわからないが。部長は悪魔の仕事も手伝って欲しかったみたいだが修行を犠牲にできないため断った。

 

掃除も終わって部室に入ったらイッセーが部長に怒られていた。

 

ゼ「掃除で遅れましたー」

 

リ「二度と教会に近づいちゃダメよ。今回はよかったけどもしかしたら光の槍が飛んでくるかもしれなかったのよ。悪魔にとって光は掠っただけでも致命傷になるほど危険なの」

 

ゼ「・・・佑斗、何があったんだ?」

 

祐「ああ、実はね」

 

祐斗から何があったか聞くと、昨日イッセーは迷子になってたシスターを教会まで送り届けたらしい。しかし、協会は神・天使側であり、悪魔になったイッセーはそのまま祓われてもおかしくなかったらしい。話を聞いた限りでは生きて帰ってこれたのは運が良かったからか。

 

リ「とにかく気をつけてちょうだい」

 

イ「はい」

 

朱「あらあら、お説教は済みました」

 

リ「朱乃、どうかしたの?」

 

朱「大公から討伐の依頼がきました」

 

 

 

 

 

 

 

時刻は0時ぐらいか。俺たちは町の廃墟に来ていた。本来なら寝て、夢の中で修行をしている時間だが実戦で鍛ええてこいと言われたため参加で来た。受けた依頼ははぐれ悪魔討伐。はぐれ悪魔は爵位持ちの悪魔の下僕となった者が主を裏切ったり、主を殺したりした者達のことを言うらしい。基本害しかならないため、見つけしだいに主か他の悪魔が消滅させることになっている。これは他の種族の天使や堕天使でも同じで見つけしだい討伐するらしい。賞金がかかっていることが多いらしく、これを生業にしている人もいるらしい。

今回討伐する対象のはぐれ悪魔はこの廃屋に人を誘き寄せて食らっているとのことだ。

 

ゼ「血の臭いがするな」

 

廃墟の中から漂ってくるにおい。俺の声が聞こえたのか中から討伐対象が現れた。上半身は綺麗な女性のままだが下半身は完全に異形の姿をしていた。

 

バ「美味しそうな臭いがするぞ。不味そうな臭いもするぞ。甘いのかな、苦いのかな」

 

イ「美人の生おっぱい!? ・・・いや、でもあれは残念だ」

 

ゼ「こんな時までおっぱいのこと考えてんじゃねえよ!」

 

リ「はぐれ悪魔のバイサー。貴方を討伐するわ」

 

バ「小賢しい小娘が!その髪の色と同じ血の色で染めてやるわ!」

 

バイサーがそう叫ぶと同時に胸からレーザーみたいなのを出してきた。俺はイッセーを突き飛ばし、反動でレーザーを回避した。レーザーが当たった場所を見ると溶けてやがる

 

リ「イッセー。そしてゼット。私達、悪魔の戦闘のをよく見ておきなさい。そうね、ついでに下僕の特性を説明してあげるわ。祐斗!」

 

祐「はい!」

 

部長の指示を受けた祐斗が一気に加速してバイザーに近づく

 

リ「祐人の役割は『騎士』、スピードに特化した駒よ。そして祐斗の最大の武器は剣」

 

祐斗はいつ取り出したかわからないが握っている剣を振るった。バイザーの前足を切り飛ばし、全身を切り刻んでいく。バイザーもさっき放ったレーザーや魔力の弾を放っているが祐斗のスピードに追い付いけていない。俺はかろうじて見えるがイッセーは祐斗の姿を見失っているようだった。俺も鍛えていなければイッセーと同じようになっていただろう

 

バ「ぎゃあああああああああああ!!!??」

 

リ「捉えきれない速力と達人級の剣さばき。二つが合わさることで、あの子は最速の騎士になれるの。ありがとう祐斗。残念ながら『戦車』と『僧侶』は今はいないわ。だから駒の特徴だけ教えるわね。『戦車』は圧倒的な防御力と攻撃力、『僧侶』は魔力の底上げが特徴よ。そして朱乃!」

 

朱「あらあら、どうしましょうか?」

 

朱乃さんが手に雷を帯電させ、上に手を翳した瞬間バイサーに雷が落ちた

 

バ「ぎゃあああああああああ!?」

 

リ「朱乃は『騎士』『戦車』『僧侶』三つの駒の特性を持つ最強の『女王』の駒。主に魔力を使った攻撃が得意なの。今使っている雷、炎や氷など自然現象を魔力で起こすわ。そして・・・」

 

朱「あらあら、まだ元気そうですね。じゃあこれは、どうですか?」

 

リ「・・・究極のSよ」

 

バイサーに何度も何度も雷を放つ朱乃さんの表情はなんというか、恍惚としているように見えた

 

朱「うふふふふ♪どこまで耐えられるかしら?」

 

バ「ぎゃあああああああああ!!!!??」

 

リ「だけど仲間には優しいから。朱乃、もうその辺にしときなさい」

 

朱「あらあら、まだ物足りないのですが。残念です」

 

こんな状況で言われても説得力なんてないぞ。してあれだけやっててまだ足りないのか・・・。敵にまわしたくないな

 

リ「さて、バイサー。言い残したい事は?」

 

バ「ふふふ」

 

リ「何がおかしいの?」

 

バ「なめるなこの小娘風情がぁぁぁぁぁ!!!」

 

バイザーが満身創痍にもかかわらず部長に襲い掛かった。全身を切り刻まれて、前足を失って、雷で黒焦げのくせにまだ動けるのか!?部長は完全に油断しきっていて回避できそうもない。イッセーが腕に神器(セイクリッド・ギア)を出現させバイザーに向かっていたそのとき、白い閃光が現れ、バイザーはいつの間にか吹き飛ばされていた。

 

白「戦いの中で油断するなんて何考えてるんですか?」

 

部長を助けてくれたのは白い少女だった。白い着物に白い袴を着た白銀の髪の少女。だが人間ではないとすぐにわかった。耳と二又に分かれている尻尾が生えていた。彼女は一体何者なんだ・・・?

 

 

 

 

 

 

オカルト研究部がバイザーと接触する少し前

 

【白音side】

 

私と葉月、お姉ちゃんとお義兄様は居間でまったりとくつろいでいます。私と葉月はゲームを、お義兄様はソファでお姉ちゃんを後ろから抱きしめて頭を撫でています。お姉ちゃんもお義兄様に身体を完全に預けて幸せそうです

 

黒「蒼枒の手気持ちいいにゃ~」

 

蒼「かわいいよ黒歌~」

 

お義兄様はスサノヲ様の暇潰しの相手をさせられたと言ってました。いつも以上にべったりしてる気もしますが気のせいでしょう。

ゲームもきりがいいですしそろそろ寝ましょうか。片づけをしていたら居間に設置されているポストに神様からの依頼が届きました。お義兄様は手から蔦を出して手紙を手元に持ってくるとお姉ちゃんと一緒に読んでます

 

葉「お兄様横着しすぎですよ」

 

蒼「疲れてるから動きたくない。それよりも依頼だがはぐれ悪魔の討伐だ。もうすでに何人も悪魔に殺されているらしい」

 

他の場所なら殺される前に討伐できるんだけどなとお義兄様は言いました。駒王町は悪魔が多くいるためにその地域の神様の信仰が低くなってきてると聞いたことがあります。そのため発見するまで時間がかかったのでしょう。

 

蒼「場所は駒王町の廃墟。黒歌は行けないな」

 

お姉ちゃんは妖怪ですが悪魔たちにとっては討伐対象になっているので悪魔が多くいる駒王町の近くはなるべく行かないようにしてます。

 

蒼「誰が行くかくじ引きで決めるか。はずれを引いたら討伐に行くこと。黒歌に木の棒渡すから引いてくれ」

 

お義兄様は先端が赤い木の棒と色のついていない木の棒をお姉ちゃんに渡しました。

 

黒「どれを選ぶにゃ?」

 

葉「私は右です!」

 

白「なら私は左を選びます」

 

引いたくじを確認したら先端が赤く染まってました。今回は私が行く番のようです。

 

蒼「これが今回の依頼書。いつもどうり討伐する悪魔の特徴とか場所とか書いてるから」

 

黒「白音、気をつけてね」

 

葉「危険だと思ったらすぐに帰ってきてください」

 

白「わかってます。行ってきます」

 

蒼・黒・葉「いってらっしゃい」

 

自分の部屋に戻り、戦闘用の服に着替えると転移陣に入りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回討伐する悪魔がいる廃墟に着きました。どうやら先に悪魔と戦っている人たちがいるみたいで下から音が聞こえます。屋根に大きな穴が空いてますからここから様子を見てみましょう

 

バ「ぎゃあああああああああああ!!!??」

 

リ「捉えきれない速力と達人級の剣さばき。二つが合わさることで、あの子は最速の騎士になれるの・・・」

 

着てる服を見ると駒王学園の生徒みたいですが・・・一人を除いて悪魔みたいです。しかしあの程度で最速ですか?遅すぎます。手を抜いているように見えますが、それを含めてもお義兄様の足元にも及びませんね

 

朱「うふふふふ♪どこまで耐えられるかしら?」

 

バ「ぎゃあああああああああ!!!!??」

 

次は黒髪をポニテールにしてる悪魔が今回の討伐対象であろう悪魔に雷を落としてます

 

リ「朱乃、もうその辺にしときなさい」

 

朱「あらあら、まだ物足りないのですが。残念です」

 

赤い髪の悪魔が朱乃と呼ばれたポニテールの少女を下げさせると悪魔の前に立ってます。この悪魔リーダーでしょうか?

 

リ「さて、バイサー。言い残したい事は?」

 

バ「ふふふ」

 

リ「何がおかしいの?」

 

バ「なめるなこの小娘風情がぁぁぁぁぁ!!!」

 

馬鹿ですね。さっさと仕留めないからこんなことになるんです。手負いの獣ほど危険なことを知らないんでしょうか?まあ、相手は悪魔ですが。このまま目の前で殺されるのを見てるのも目覚めが悪くなるので助けることにしました。穴から廃墟の中に入り、悪魔を踏みつぶし、蹴り飛ばします

 

白「戦いの中で油断するなんて何考えてるんですか?」

 

リ「・・・あなたは一体誰かしら?」

 

言いたいことは言えたのでさっさと終わらせて帰ります。と行きたいですが少年の一人が何やら騒がしいです

 

イ「君は学園のアイドル東雲白音ちゃん!?なんでこんなところに!!?」

 

ゼ「いやなんでわかるんだよ!?普通わからないだろ」

 

イ「俺が女の子!それも学園のアイドルのことをわからないわけないだろ?」

 

ゼ「そ・・・そうか」

 

イ「それに服越しおっぱいでも間違eゴハ!?」

 

白「変態は嫌いです」

 

着替えてる視線を感じたことがありましたがこんなところで犯人が見つかるとは・・・

 

白「さて、さっさと片付けてしまいますか」

 

蹴り飛ばした悪魔はもう動けないのか襲ってきません。牽制に火を放って一気に近づきます

 

バ「あああああああああ!!!」

 

白「今、楽にしてあげます。クリティカル・ブレード!」

 

悪魔は火をまともにくらい燃えてます。もう躱すこともできないのでしょう。足に炎を纏い悪魔めがけて振り下ろしとどめを刺しました。私の出す炎は師匠の血を取り込んだことで朱雀の炎に近くなっています。これで悪魔も燃え尽きるでしょう

 

白「討伐完了です」

 

さっさと帰って寝ましょう。私は転移用の札を取り出しました

 

リ「待って!」

 

呼び止められましたが無視します。私は転移陣を作り出し家に転移しました

 

白「ただいまです」

 

黒「おかえり白音。怪我とかしてない?」

 

居間にはお姉ちゃんとお義兄様が待ってくれていました。葉月は先に寝てしまったみたいです

 

白「はい、大丈夫です。ただ先に戦っていた悪魔に姿を見られました。駒王学園の生徒みたいです」

 

蒼「同じ学校だし近いうちに接触してくるか・・・もしかしたら眷属にされるかもしれないな」

 

黒「そんなのだめにゃ!転移の札は持ってる?近づいてきたら迷うことなく使うにゃ!」

 

お姉ちゃんが騒ぎ出してしまいました。悪魔になるつもりはさらさらないのに。

 

蒼「まだ眷属にされると決まったわけじゃないから落ち着け。白音、もう寝たほうがいい。今日も学校だろ」

 

白「そうですね。おやすみなさい」

 

シャワーに入ってすぐに寝ます。早かったら今日にでも誰かが来ることでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ゼットside】

 

白い少女・・・イッセーが言うに東雲白音が消えた後、部長はイッセーに問い詰めていた。

 

リ「それでイッセー。彼女は東雲白音なのね!」

 

イ「たぶんですけど。俺の言葉に反応もしてましたし」

 

リ「そう。なら明日部室に来てもらわなければならないわね。祐斗、お願いできるかしら」

 

祐「わかりました」

 

イ「そういえば部長!俺の駒は何ですか?」

 

リ「言ってなかったわね。イッセー、あなたの駒は『兵士』よ」

 

『兵士』か。チェスと同じならば条件次第で『女王』になれるな。イッセーは不満なのかわからないがショックを受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

【葉月side】

 

朝に白音から討伐の時に姿を見られたことを伝えられました。それも厄介なことに私たちの通っている学校の制服を着ていたそうです。

 

祐「えっと東雲白音ちゃんはいるかい?」

 

放課後になってすぐに来ました。確か2年の木場さんだったはずです。

 

白「何の用ですか?」

 

祐「部長が昨日のことで話をしたいって言ってたから迎えに来たんだ」

 

白「わかりました。葉月先に帰っ「私も行きますよ」そうですか。じゃあ木場先輩案内お願いします」

 

木場さんについていくと旧校舎の部屋に案内されました。部屋に入ると怪しいものが棚や壁にありました。・・・あまり長居したくないですね。部屋にあるソファには赤い髪の少女が座っています。私たちは向かいのソファに座らされました。

 

リ「ありがとう祐斗。あなたが東雲白音ちゃんと隣が葉月ちゃんね。苗字だとどちらかわからないから白音ちゃんと葉月ちゃんって呼んでいいかしら?」

 

白「構いません」

葉「いいですよ」

 

リ「ありがとう。私はオカルト研究部の部長を務めているリアス・グレモリーよ」

 

オカルト研究部の方が自己紹介していき、翼を広げて悪魔ってことをバラしてきました。そんなことより、朱里さんの娘さんがこんなところで見つかるとは思いませんでした。苗字も同じですし、顔や雰囲気も似ています。まさか悪魔になっているとは思いませんでした。これではお兄様が感知できなくなっても当然です。

 

リ「白音ちゃんは昨日、なぜあの場所にいたのかしら?」

 

白「依頼です。はぐれ悪魔を狩る依頼を受けたので」

 

リ「ここは私が管理していると土地よ。私の許可なく勝手に討伐するなんて」

 

葉「そんなこと私たちは知りませんよ。それに私たちはこの土地のみで活動しているわけじゃありませんし」

 

リ「・・・貴方達は一体何者なの?」

 

白「そうですね。先に私の正体から明かしましょうか。私は妖怪、猫魈です」

 

朱「猫魈・・・確か猫又の上位に当たる妖怪ですわ」

 

流石朱乃さん。子供の時だけとはいえ神社に住んでいましたしわかりますか。

 

リ「ありがとう朱乃。次は葉月ちゃんだけど・・・あなたからは悪魔の気配が感じられるわ」

 

葉「これだけ近いと流石にわかりますか。私は青龍と悪魔のハーフです」

 

言いませんが私は悪魔の弱点である十字架や聖水も私には効きません。聖水は普通に飲むこともできます。青龍としての力が多いからでしょう

 

リ「青龍とのハーフ・・・そう、貴方達のことはわかったわ」

 

グレモリーさんは悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を取り出すと私たちの前にを置きました。

 

リ「貴方たち、私の眷属になりなさい」

 

白・葉「・・・なぜですか」

 

リ「どちらも希少ですもの。保護しなければ危険だわ。他の悪魔や勢力に狙われる可能性もある。私の眷属になれれば守ってあげられるわ。それに葉月ちゃんはまだわからないけれど白音ちゃんは戦闘能力も高いみたいだし」

 

・・・結構好き勝手言ってくれますね。そんなこと言われて悪魔になるわけないでしょう。それに、私たちは悪魔に対してあまりいい感情を持ってません

 

白「お断りですね」

 

葉「同じく断らせてもらいますね」

 

リ「なぜ!?悪魔になれば永遠に近い命を得られるのよ!それに保護しないと貴方達が危ない目に合うわ」

 

白「自分の身は自分で守れます。保護は必要ありません」

 

葉「これで話は終わりですか?そろそろ帰りたいのですが」

 

早く帰って朱璃さんに見つかったことを伝えなければなりません。

 

リ「待って!眷属にならなくてもいいからせめてオカルト研究部に入ってくれないかしら」

 

白「私たちは帰ってから仕事や修行があります。なので毎日来ることは出来ません。それでもよかったら入りますよ」

 

ここにはあまり居たくありませんが入部すれば朱乃さんと繋がりを持つことができます。そうなれば朱里さんと会わせる機会を増やすことができます

 

リ「それで構わないわ。私のことは部長と呼ぶように」

 

白「わかりました。今日はもう帰ります。家族に入部したことを伝えなければならないので」

 

葉「失礼します」

 

普通の部活なら無理な条件をあっさりと受け入れられました。入部したはいいですがお姉さまがまた騒ぎそうです




最後のところ、無理矢理感がありますね


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救出と誤算

E‐5沼り中
リコリス○ね


【ゼットside】 駒旺学園・オカ研部室

 

オカ研に東雲の2人が入ったことを聞いた。俺はというと2人が入部した日はバイトが入っていた。この二人も悪魔かと思ったが妖怪と青龍って聞いた。オカルト研究部って何だったのか。

数日がたった今日、イッセーが学校を休んでいた。部長から話を聞くと、イッセーは昨日の夜、契約を取りに依頼者のところへ向かったが、はぐれ悪魔祓いが依頼主を殺していたらしい。イッセーはそのはぐれ悪魔祓いに襲われたが命に別状もなく怪我も部長さんのおかげでなんとかなったとのことだ。しかし、悪魔の弱点である光のダメージが残っていて安静するようにと言われている。・・・はずのイッセーが何でいるんだ。

 

イ「部長」

 

リ「どうしたの、イッセー。今日は休むように言ったはずだけど」

 

イ「お願いです。アーシアを助けに行かせてください。」

 

・・・アーシアって誰だ?

 

リ「何言ってるのイッセー? あの子は教会の子よ」

 

イ「教会でも、アーシアは大事な友達です。俺は、友達を見捨てれません!どうしてもダメっていうなら俺を眷属から外してください。俺個人であの教会へ乗り込みます」

 

リ「イッセー。冗談でもそんな事言わないで」

 

イ「・・・行かせて下さい」

 

祐斗から聞いた話と合わせると、アーシアって娘はイッセーの友達で、昨日堕天使に連れ去られたらしい。イッセーはアーシアを助けたい。しかし部長としては堕天使と問題を起こしたくないから認められないってことか。

 

リ「イッセー!!!・・・そう、わかったわ」

 

朱乃さんが部長に何か耳打ちした。

 

リ「イッセー!私は用事が出来たから朱乃と一緒に出掛けるわ」

 

イ「部長!」

 

リ「あとイッセー。『兵士』は弱い駒って思ってるかもしれないけど、敵陣に入れば女王にも慣れるわ。例えば教会、とかね」

 

そう言い残し、部長と朱乃さんは部室から出て行った

 

祐「ほんとに行くのかい?教会に」

 

イ「当たり前だろ」

 

祐「なら僕もついていくよ。それに教会は個人的に好きじゃないしね」

 

ゼ「意外だな。祐斗なら止めると思った」

 

祐「君たちの仲間だ。仲間なら助けるのは当たり前だろう?」

 

ゼ「それもそうだな。イッセー!さっさと行くぞ」

 

イ「ゼットお前も行くのかよ!人間のおまえじゃ死ぬかもしれないんだぞ」

 

ゼ「・・・この中で一番弱いお前に言われたくないんだがな」

 

イ「すまん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【レイナーレside】 教会・地下

 

ふっふっふ。ついに至高の堕天使になれるわ。磔になっているアーシアの神器、聖母の抱擁(トワイライトマザー・ヒーリング)を手に入れればアザゼル様やシュハザム様の愛を受けることができる・・・はずなんだけど。

 

レ「はぁ」

 

ミ「こんな時にため息なんてついてどうしたんすか」

 

レ「ミッテルト。何でもないわ」

 

ミ「また楓さんのことを考えてたんすか?」

 

レ「なっ!彼のことなんて考えてないわよ!」

 

ミ「顔を真っ赤にして陣羽織を抱きしめながら否定しても説得力ないっす」

 

確かに楓さんはイケメンでかっこよかったけど違うわよ

 

レ「違うわよ!青龍に言われたことを考えてたの」

 

ミ「アーシアを殺すより保護したほうがアザゼル様に喜ばれるってことすか?」

 

レ「ええ。彼は私の知らなかった堕天使の事情も知っていたし、無視することができなくて」

 

 

~~~回想~~~

 

私は至高の堕天使になるため神器を手に入れる計画を立てた。アーシアってシスターが悪魔も治すことができる聖母の抱擁(トワイライトマザー・ヒーリング)を持っていると聞いた。都合よく教会は悪魔を治したアーシアを追放した。グレモリーが管理する土地だったが廃教会があったのでここを拠点にしてアーシアを誘い出すことにした。他に神器も以外ないかを知るため近くの町にいたカラワーナとドーナシークという堕天使を雇うことにした。

 

レ「早速だけどこの駒王町に神器を覚醒しそう(・・・・・・・・)なやつはいるか調査してくれるかしら」

 

カ「それならもう済んでます。神器を覚醒しそう(・・・・・・・・)な人は兵藤という駒旺学園に通う学生がいます」

 

レ「そう、調査が速いわね。何でそんなことを知っているのかしら」

 

ド「もしかして知らないんですか?いま日本に来れるのは上級以上の堕天使か、幹部の責任のもと。調査の任を受けている下級の堕天使のみですよ。あなたも調査を任されたんじゃないんですか?」

 

レ「そんな話聞いてないわ!?どういうこと!」

 

カ「なら青龍にも挨拶に行ってないか」

 

ド「まず挨拶に行かなきゃならないな」

 

ミ「二人だけで分かってないで私たちにも話してほしいっす」

 

カ「とりあえず青龍のところに行って挨拶してきなさい。そこで説明とかも聞けるはずだから」

 

私とミッテルトは教会を追い出されたため、青龍がいるという神社に行くことにした。

 

 

 

 

 

カラワーナからもらった地図を頼りに神社についたが、明らかに人外なものも人と一緒に交じって参拝をしていた。普通の人なら逃げだしてるはずなのにおかしい。周りを警戒しながら巫女の一人を訪ねた

 

レ「えっと。堕天使は最初ここに来るように言われたのだけれど」

 

朱里「堕天使の方ですね。今呼んできますので中にどうぞ」

 

私達は建物の中に案内され、広い部屋に通された。巫女さんが出ていくと入れ違いに着物を着たイケメンの男性がお茶を持って入ってきた

 

楓「私は楓と言います。次期当主は今向かってきてますので、もう少しお待ちください」

 

レ「わかりました。・・・あの、何ですか?」

 

あまりじろじろと見ないでほしい。なんだか恥ずかしくなる

 

楓「いえ。あまり女性が外で肌を露出するのは良くないなと思いまして」

 

彼が言うのは今着ている露出の多いこのボンテージのことだろう。今までこれが普通だったから何とも思わなかった。

 

楓「外だと誰が見てるかわかりませんし、こんな綺麗な方がそんな恰好をしてたら襲われてしまいますよ」

 

そう言って彼は着ていた陣羽織を私にかけた。そして顔が近い!私は綺麗と言われ顔が近いこともありドキドキしていた。。生まれてきてずっとから馬鹿にされ、蔑まされてきた私にとって初めて褒められた。

 

蒼「お待たせしました。・・・楓。何やってるんだ?」

 

部屋に入ってきたのは青い髪を一つにまとめている20歳ぐらいの男だった。この男が青龍なの?

 

楓「いえ。彼女の服装があまりよろしくないので私の陣羽織を差し上げただけですよ」

 

蒼「ふ~ん、まあいいか。俺は蒼枒。青龍にして東雲家の時期当主だ。現当主の父は今家にいないから俺が用件を聞こう」

 

私は彼に目的を話した結果、許可を得られた。しかし、本来は下級か幹部以上しか行動の許可を与えていないが、私が下級と遜色変わりないから問題ないと言われたときは計画を進めれるうれしさと中級なのに下級と改めて言われた怒り半分と内心複雑だ。自覚してたことだが私の力は下級堕天使とほぼ変わらない。ただアーシアがどうなろうと構わないが他の人を殺すのは色々面倒になるから認められないと条件が付けられた。

 

蒼「あと一つ言っておく。アザゼルなら保護したほうが喜ぶだろう。まあ、俺の言葉を信じるかはお前次第だ」

 

~~~回想終了~~~

 

帰り際に青龍からアドバイスされたが彼の言ったことが本当なら私の至高の堕天使になる計画は無駄どころかアザゼル様に見放されてしまうかもしれない。私が悩んでいるとき、探知用の結界が侵入者を知らせた。

 

ミ「もう時間もない見たいっすよ。あたしはカラワーナとドシナークを連れて追い返してくるっす」

 

レ「任せるわ。くれぐれも殺さないように」

 

ミ「わかってるっすよ。・・・レイナーレ様」

 

レ「なに?」

 

ミ「どんな選択をしようともあたしはレイナーレ様についていくっす」

 

レ「っ!」

 

ミッテルトは地下から飛び出した。彼女は私についてきてくれるといった。もし、青龍の言ったことが本当ならアザゼル様から見放され、最悪追放されるかもしれないのに。追放されはぐれとなったら余程のことがない限り殺されてしまう。儀式を行う私だけならともかく彼女をそんな目に会わせたくない。私はアーシアを神の子が見張る者(グリゴリ)に連れていくことを決めた。私はアーシアを磔から解放しようと拘束を解いているとき、地下に誰かが入ってきた。

 

???「おやおや。まだ儀式とやらは始まってないんですかぁ?」

 

レ「儀式はやめよ、フリード。アーシアは神の子が見張る者(グリゴリ)で保護してもらうわ」

 

フ「えぇ~。それじゃあ死なないじゃないですか。しょうがないな~」

 

フリードは懐から銃を取り出し、アーシアに向かって数発の光弾を放った。

 

レ「フリード!あなた何やって!?」

 

フ「だってアーシアちゃんは悪魔を治しちゃうんでしょ?それに悪魔と契約してたゴミを殺した時も悪魔を助けてとか言ってるしもう殺すしかないっしょ。あんたが殺してくれるってことだったから黙ってたけどそうじゃなかったらから代わりにやっただけ」

 

レ「フリード!!!」

 

フ「うわっこわwwwでもこれで至高の堕天使ってのになれるんだからよかったじゃないですかぁ。俺っちは上で侵入者の相手をしてくるよ~。たぶんあの悪魔だと思うんで」

 

フリードは逃げるように出て行った。追いたかったが今はアーシアが先。急いで拘束を解いて止血を始める

 

レ「だめ!止まらない」

 

光弾はアーシアの胸と腹部を貫いていた。光弾の一発は左胸を貫いており、貫いた所からは血があふれて、アーシアの服を赤く汚していた。

 

ア「レイ・・ナーレ・・・・・様」

 

レ「しゃべらないで」

 

ア「私は・・・もう・・・・助かり・・・ません」

 

レ「あきらめないで!・・・そうよ聖母の抱擁(トワイライトマザー・ヒーリング)!で自分を治しなさい」

 

ア「自分・・には・・・使え・・・・ない・・・んです」

 

レ「そんな」

 

ア「せ・・めて・・・レイナー・・レ・様の・・・力に・・・・」

 

レ「ダメよ。そんな、アーシア」

 

ア「あり・・がとう・・・ござ・・・い・・・ま・・し・・・・た」

 

彼女は微笑んだまま逝ってしまった。何がありがとうよ。私はあなたを騙して、殺そうとしてたのに。

 

イ「アーシアァァァァ!!」

 

地下に悪魔になった神器持ちが殴り込んできた。彼が来たってことはミッテルトは・・・

 

イ「アーシア!・・・夕麻ちゃんがやったのか」

 

レ「ええ、そうよ。儀式に必要だったから。それと私は夕麻ちゃんじゃないわ。レイナーレよ」

 

イ「レイナーレェェェェッェェェェッッ!!」

 

これでいい。後始末は全部私がつけなきゃね




UA4000超えました。見てくださった方ありがとうございます。

今週中に最後の主人公の話も外伝的な感じで投稿したいなと思っています(投稿できるとは言ってない)

あと、誤字・脱字があったら報告していただけるとありがたいです。


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VSフリード

すみません、今回は少し短いです。

もう少しで第1章も終わりですね。

そしたら設定とか外伝みたいなのも書かなきゃ


【ゼットside】 廃教会

 

俺とイッセーと祐斗は廃教会の前に着いた。廃教会は壁や屋根がボロボロと崩れており、雑草が好き放題に伸びて人が入らないようになってからの年月を感じる。俺たちは教会の扉を開くき中に入ると古ぼけていた椅子が置かれていた。そこに一人白髪の神父が俺たちを拍手して迎えた。

 

フ「やぁやぁやぁ!再開だねぇ。感動的だねぇ。糞悪魔くん?」

 

イ「フリード!」

 

フ「俺としては二度会う悪魔はいないってだけどなぁ~。って、おやおやぁ。悪魔に交じって人間もいるみたいですねぇ。悪魔に加担する人間も、一緒に殺してあげますよぉぉおおお!」

 

イ「フリード!アーシアはどこだ?」

 

フ「ああん?あの聖女様なら奥の祭壇の下に地下への階段が隠されてございま~す。そこから儀式が執り行われている祭儀場へと行けるんでどうぞ」

 

ゼ「敵にそんな情報を与えていいのか?」

 

フ「これから死ぬ奴に行っても問題なし!ここの言葉で冥途の土産ってやつぅ?・・・でもさ~。めちゃ強い俺も殺し損ねちゃったんだよね~。そこの糞悪魔くんに邪魔されちゃったせいで。わかる?今までノーミスクリアしてたゲームを他人に邪魔されたせいでミスっちゃったらさぁ。ちょーむかつくだろ?そいつ殺したくなるだろ?つーわけで。死ねや!クソカスがぁぁぁあああ!!」

 

フリードは懐から武器を取り出し俺たちに襲い掛かってきた。ブォン、という音とともに剣身の無い柄から光で出来た剣身が姿を現し、片手には装飾を施された銃。教会に向かう途中に祐斗から聞いていたがあれが光力というものだろう。悪魔に対してはこの上ない弱点を突く武器だ。

俺たちは戦闘態勢に入り、イッセーは龍の手(トゥワイス・クリティカル)を、俺は《アミル・ガウル》を出現させいつものように羽を構えた。

 

フ「ふはっ。その剣は使えないんですかぁ?」

 

ゼ「あいにく修行不足でな!」

 

フリードが銃から数発の光弾を放つ。俺はそれを斬りおとし、フリードに斬りかかるが光剣で防がれる。だが

 

ゼ「行けイッセー!ここは俺が押さえる」

 

イ「でもゼット。お前一人じゃあ」

 

祐「僕も残るよ。イッセー君はアーシアって子を助けてあげて」

 

イ「・・・わかった。でも、死ぬなよ!!」

 

俺達はイッセー達に怒声をあげ、イッセー達を行かせた。

 

ゼ「行かせて良かったのか」

 

フ「あんな雑魚後でどうとでもなりますからねぇ。それより先に君を殺っちゃいますよぉぉおおお!」

 

俺は蹴り飛ばされ床を転がる。アイツなんて力してやがる。片方は剣で止めてるからわかるがもう片方を銃で受け止めてさらに俺を蹴り飛ばす力があるなんてな

 

フ「このまま死んじゃってくださぁぁぁぁぁぁぁい」

 

祐「僕を忘れてもらっちゃ困るな」

 

フリードが勢いよく近づき剣を振り下ろしてくる。祐斗が俺とフリードの間に入り、剣で受け止めた。すると、光剣が揺らぎ始めた。フリードは舌打ちすると後ろに飛び退きながら祐斗に向けて光弾を放つが、祐斗は剣身でもって受け止め、吸収した。

 

フ「それがてめぇの神器(セイクリッド・ギア)の能力か?」

 

祐「ああ。《光喰剣(ホーリーイレイザー)》。光を喰らう闇の剣さ」

 

フ「チッ厄介な剣だな」

 

フリードは銃を乱射しながら祐斗に近づく。祐斗は一瞬でそこからいなくなりフリードの背後にまわり剣を振り下ろす。フリードは振り返りざまに剣を薙ぎはらい祐斗から距離をとった。

 

フ「なっ!てめえぇ。いつの間に」

 

祐「君は僕のスピードについてこれるかな」

 

祐斗が『騎士』である祐斗がその特性を生かして高速で斬りかかる。がフリードはその速度に対応して光弾を放つ。互いに斬り、受け止め、避ける高速の戦闘。互いに殺傷圏内に入りながらも、決して刃は触れさせない。

 

ゼ「これはチャンスだな」

 

祐斗ほどじゃあないがフリードも速く動き、祐斗に集中していて俺から意識が離れている。俺は2人の動きを見ることができるがあそこまで早く動けるわけじゃない。だから一撃でフリードをぶっ飛ばすことにした。手にしている羽の付け根を合わせる。すると羽は細身の長槍に姿を変え風を纏う。俺は長槍を構え、投げるための力をためる。槍を纏う風は大きくなりそれに伴い音も大きくなりその音にフリードが気づいた

 

フ「何やってるかわかりませんが潰してもらいますぉぉぉ」

 

祐「よそ見なんかしていいのかな」

 

フ「しまった!」

 

ゼ「ナイスだ祐斗!」

 

フリードがこちらに気を向けた隙をつき祐斗が斬りつけた。フリードは何とか防ぐもバランスを大きく崩し、俺は槍を投げた。ゴウっと音と伴に放たれた槍は砂埃を巻き込みながらフリードにヒットする。

 

祐「・・・すごい威力だね」

 

祐斗は剣を構えながら俺の前に立つ。俺は得物を失っちまったし祐斗しか戦えないからしょうがないんだが。砂埃が張れるとボロボロになった銃と剣の柄を持っているフリードと地面に刺さっている槍が姿を現した。

 

フ「あ~あ。俺っちの武器をこんなにしちゃってくれて」

 

フリードが持つ武器がバラバラになり、床に音を立てて散らばった。フリードは手を懐に入れると丸い物体を取り出た。

 

フ「この借りはお前の命で返してもらうから!んじゃ、ばいちゃ」

 

フリードは、丸い物体を床に叩きつけた。その瞬間閃光が俺の目を襲った。

 

祐「目眩まし!?」

 

光が収まるとそこにはフリードの姿はなくなっていた。

 

ゼ「クソっ!あいつ、逃げやがった!」

 

祐「今はいない奴のことよりも僕達の本来の目的を果たすよ、ゼット君!」

 

俺は《アミル・ガウル》を消して祐斗と共にイッセーの後を追いかけた

 




UA5,800!お気に入りしてくださった方が29人も!

ありがとうございます


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逃げる者・生まれ変わるもの

今回で旧校舎のディアボロス編決着です。
カラワーナとドーナシークについては某小説の設定をお借りしました。許可を下さりありがとうございます。

次回は後日談的なものが入ります。あと設定とか・・・

そのあと次の章に入ります。



【ミッテルトside】 教会・外

 

感知用の結界に反応があったからカラワーナとドーナシークを連れて侵入者の排除に向かったっす。空中から侵入者を探すと3人をすぐに発見出来たっす。空中から槍を放ってもよかったけど青龍から人は殺すなと言われてるから3人の前に降りることにしたっす。だけど3人以上に大きな反応があったから急いでそっちに向かうことにしたっす。あの3人ならフリードでもなんとかなると思うし。前に悪魔は殺し損ねたことがないとか豪語しときながら先日殺し損ねたとか言って暴れてたからストレスの吐け口になってもらうっす。あたしたちは反応が大きかったほうに向かうとグレモリーがいたっす。

 

ミ「悪魔が教会に何の用っす」

 

リ「あなたはイッセーとゼットを襲っていた堕天使!後ろの二人は仲間ってわけね。堕天使が何をやっているかわからないけどここは私の管理する土地よ!」

 

ミ「私が管理する土地って本気で言ってるっすか?」

 

リ「そうよ!大公からこの土地の管理を任されているわ。だから堕天使が許可なくここにいるのはおかしいのよ」

 

カ「・・・馬鹿じゃないのかしら。ここは日本。日本神話と妖怪の国よ?」

 

ド「仮に君がこの町を管理しているとして、そのずさんな管理は何だ?10日ほどこの町に滞在しているが、その間にはぐれ悪魔を何匹か狩ったんだが」

 

リ「え?そんな話聞いてないわよ!」

 

そりゃあいきなり他人の土地に入ってきて勝手に自分の土地だって言ってる奴に報告するような奴はいないっす。まあ学園だけは悪魔が土地を買ったみたいっすけど。

 

ミ「それに兵藤とかいう男を勝手に悪魔にしちゃって。レイナーレ様はちゃんと内臓を傷つけないように刺して、救急車まで手配しておいたのに。・・・そういえばさっき見た中にいたっすね。まああの程度の力しかないなら今頃フリードに殺されてるかもしれないっすけど」

 

リ「なんですって!」

 

カ「とりあえず。貴方達は帰ってくれないかしら?」

 

ド「私たちも数日もしないうちに出ていく。教会に向かった悪魔は悪いがあきらめてくれないか?そもそも悪魔が教会に近づくことが死ぬことと同じのは知っているだろう?」

 

リ「私に眷属を見捨てろっていうの」

 

ド「まぁ、そうなるな」

 

リ「ふざけないで!貴方達を倒してイッセーたちを助けに行くわ」

 

グレモリーが魔力を放ってきたっす。しょうがないんであたしたちも光の槍を構えるっす。っていうかグレモリーの隣の悪魔はずっとニコニコしるんすけどなんなんすか!

 

Prrrrrrrrrrr

 

ド「む?少し待て。電話だ」

 

リ「あなた。ふざけてるの?携帯の電源ぐらい切っときなさいよ!」

 

ド「緊急の連絡とかもあるのでな。それは無理だ。・・・もしもしマダム。いかがなさいました?」

 

電話の相手は人間みたいっすね。調査員として人間社会に潜入しているからありえなくはないっすね。

 

ド「・・・・・・ふむ今からですか?・・・・いいですよ。場所はいつもの喫茶店で・・・・・お待ちしています」

 

・・・なんだか嫌な予感がするっす

 

ド「ミッテルト。カーラワーナ。すまない。マダムから今から会えないかと聞かれOKしてしまった。悪いが私はここで抜ける。報酬は前金のみで構わないとレイナーレ様に言っておいてくれ」

 

ではって言ってドーナシークは飛んで行ったっす。ふざけんな!この熟女好きが!2人で相手しろってことっすか!?

 

♪~♪~♪~

 

カ「もしもし・・・はい。・・・はい」

 

マジっすか!カーラワーナも電話っすか!グレモリー達も空気よんで攻撃してこないっすけどなんか呆れてるっすよ!

 

カ「ええ、わかりました。すぐに向かいます。ごめんなさいミッテルト。園児が事故にあったみたい。私も行かなきゃならなくなったわ」

 

ミ「え!?ちょ!!?」

 

カ「頑張ってね。ドーナシークと同じで報酬は前金のみでいいわ」

 

カーラワーナも飛んで行っちゃったっす。なんなんすかこのタイミングで!そりゃ先生としては当然の判断すけど2人相手になんて無理っすよあのショタコンがー!

 

リ「さて。一人になったけど。容赦はしないわよ」

 

朱「あらあら、困りましたわね」

 

2人は手をこちらに向けて魔力をためてるっす。こんなの

 

ミ「無理っす!レイナーレ様~!」

 

逃げるしかないっす。あたしだけじゃ抑えることもできないっす

 

リ「逃がさないわ!追うわよ朱乃」

 

朱「もちろんですわ」

 

 

 

 

 

 

【ゼットside】

 

俺たちはイッセーの後を追いかけて祭壇の下に向かった。そこでは既にイッセーが堕天使と戦っていた。イッセーの神器(セイクリッド・ギア)が色が変わっているように見えるが先に目的を果たそう。目的のアーシアって娘はすぐに見つけることができたが、激しい戦闘が近くで行われているにもかかわらず、身動き一つしなかった。祐斗が近づき、脈をとる、が首を横に振った

 

祐「ゼット君。この娘はもう」

 

ゼ「そうか・・・」

 

死んじまっているか。こんなドンパチやってるなかで起きないってことはそうだよな。けどこんなところに放置しておくわけにもいかない。

 

ゼ「悪いが祐斗。この娘を外に連れ出すの手伝ってくれ」

 

祐「わかったよ。イッセー君も心配だけど、見た感じ大丈夫そうだし」

 

確かに堕天使は防戦一方だ。イッセーの威迫に押されているのかあの神器(セイクリッド・ギア)のおかげかはわからないが心配ないだろう。俺たちがアーシアを教会の外に運び出すとステンドガラスをぶち破り、中から堕天使とイッセーが外にぶっ飛んできた。どうやらイッセーが左手の篭手で思いきりぶん殴って堕天使を外に飛ばしたみたいだ。

 

イ「・・・やった・・・勝ったぞ!」

 

レ「あくまになった・・・ばかりの・・・ぶんざいで!!」

 

まだ息があるみたいだ。だがろくに動けはしないだろう。イッセーも限界なようで倒れそうなところを祐斗に支えてもらっている。

 

リ「よくやったわねイッセー!」

 

朱「あらあら。一人で倒してしまったんですか?」

 

2人とも来るの遅い・・・。本当なら来れないみたいだししょうがないが。

 

リ「イッセーのそれって」

 

イ「ああこれ。戦っているときに変わってしまったんです」

 

リ「凄いじゃない!イッセーの神器(セイクリッド・ギア)神滅具(ロンギヌス)のひとつ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)よ!10秒ごとに持ち主の力を倍にしてくれる。レア中のレアよ」

 

すごいなそれは。時間をかければ最強にもなれるのか、イッセーは。部長はイッセーを称賛した後、倒れている堕天使の前に立った。

 

リ「初めまして、堕天使レイナーレ。私はグレモリー家の次期当主のリアス・グレモリーよ」

 

レ「グレモリーの娘か」

 

リ「短い間だけど、以後お見知りおきを」

 

あの堕天使はレイナーレっていうのか。おそらく部長は殺すと思うがあの堕天使は何を笑っているんだ

 

リ「あなた・・・何がおかしいの?」

 

レ「フフフ・・・なにも。ただ、前に出会った別の次期当主に比べたら何も感じられないと思ってね」

 

レイナーレは殺されるってのに部長を挑発している。何が目的だ?

 

リ「そんなに早く死にたいみたいね。あなたの仲間もみんな逃げたみたいだし。どんな気持ちかしら。仲間に裏切られた気分は」

 

レ「そう。みんな逃げたの・・・」

 

よかった。そうつぶやいたように見えた。

 

リ「さて、消えてもらうわよ?」

 

部長が魔力を放とうとしたとき教会の中から複数の光の槍が飛んできた。

 

ミ「レイナーレ様ー!!」

 

リ「皆下がって」

 

俺たちはみんな後ろに下がって避けたが立っていた場所には槍が突き刺さっていた。

 

レ「ミッテルト!無事で」

 

ミ「レイナーレ様逃げるっすよ!」

 

リ「逃がすと思っているの!?」

 

部長が慌てて魔力を放つもレイナーレたちは姿が消えた後だった。

 

イ「ごめん、アーシア。仇・・・取れなかった」

 

イッセーはアーシアの遺体の前に膝まづくとアーシアの手を握りながら言った。

 

ゼ「部長。どうにかならないんですか?」

 

リ「・・・あるにはあるわ。でもできるかわからないし仮にできたとしてもこんなことは前代未聞よ?シスターを悪魔に転生させるなんて」

 

それもそうか。元々は敵対している者同士だからな。

 

イ「お願いします。アーシアを助けてください」

 

リ「わかったわ。だから頭を上げてちょうだい」

 

部長が取り出した駒はアーシアの体に入り込んでいった。駒の形はビショップ。シスターだし僧侶がピッタリだな

 

ア「あれ?イッセーさん?」

 

リ「イッセー。あなたは先輩悪魔だから彼女を守ってあげなさい」

 

ア「・・・?」

 

イ「はい!アーシアは俺が守ります!」

 

状況が把握できないアーシアと彼女を守ると決意したイッセー。何はともあれ、これで終わりだな

 

イ「帰ろう、アーシア」

 

イッセーはアーシアを抱きしめてた

 

ア「あの・・・レイナーレ様は?」

 

イ「あいつは、どっかに行ったよ」

 

ア「そう、ですか。お礼言いたかったのですが」

 

イ「アーシアを殺してたやつにお礼なんか言う必要はない!」

 

ア「ですけど!あの方は死ぬときに・・・私のために涙を流してくださった。だから!」

 

・・・おかしい。イッセーとアーシアの言っていることがかみ合ってないぞ。普通、自分で殺した奴に対して流すなんてことはないからな。それにアーシアの身体に残ってた撃たれた跡。堕天使が銃器なんて使うか?ここから導き出される答えは・・・

 

ゼ「イッセー落ち着け。たぶんアーシアを殺したのはレイナーレじゃない」

 

イ「じゃあ誰が!」

 

ゼ「アーシアの服みてみろよ。銃で撃たれたみたいに小さな穴が何か所かあるだろ。そして、教会内で銃を使っていた奴は一人しかいない」

 

祐「フリ-ド!」

 

イ「あの神父か!?」

 

流石祐斗!戦ってただけあってすぐ名前が出てきたな。・・・ってことは堕天使は誰1人として殺していないじゃないか

 

イ「あいつは今どこに!?」

 

ゼ「逃げたよ。閃光爆弾を使ってな」

 

イ「くそっ!今度会ったらただじゃ置かない!」

 

真犯人がわかったところで完全に終了だな。アーシアも悪魔になったけど助けられたし、イッセーも本当の神器(セイクリッド・ギア)わかった。後は帰るだけだが問題が起きた。イッセーたちは学校に転移するみたいだけど俺は悪魔じゃないから一緒には無理だと言われた。・・・徒歩で帰るか




先週から1000もUAが増えてる!?マジで…!?
見てくださった方、ありがとうございます。

お気に入りも新たに9名の方が登録してくださり感謝です!



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後日談その1

今回はレイナーレ編です。

逃げたその後、彼女はどうなるんでしょうか?






【レイナーレside】

 

ミッテルトによって転移された私は一緒に転移したミッテルトを抱きしめていた。

 

レ「ミッテルト!無事でよかった」

 

ミ「レイナーレ様は・・・あまり無事じゃないっすね」

 

ミッテルトを離して自分の身体を見てみる。確かに私の身体はボロボロで着ていたボンテージもいたるところが破れて大きな胸も隠せそうにない。

 

レ「しょうがないじゃない。貴方が死んだと思って、私もあそこで死ぬと思ってたんだから」

 

ミ「とりあえずこれを着たほうがいいっす」

 

レ「これって・・・」

 

ミッテルトから渡されたのは教会の地下に置いてきた陣羽織だった

 

ミ「教会の地下からとってきたっす。まずはレイナーレ様の手当てをするためにここから出るっすよ」

 

レ「待って!ここはどこなの?」

 

ミ「さぁ?あたしにもわからないっす」

 

このときようやく辺りの様子を知った。どうやらどこかの小屋の中らしく、窓が2ヶ所あるだけ。足元には何かの魔法陣が書かれているが他は何も見当たらない。

 

ミ「とりあえず出てみるっすよ!楓さんからもらった札で転移したから変な所じゃないと思うっす」

 

ミッテルトはドアを開けて外に出ていた。

 

レ「ちょっと待ちなさい!楓さんからもらったってどういうこと!?」

 

ミッテルトを追いかけて私も小屋を出た。ドアを抜けた先は周りが木々で生い茂り、目の前にある一本道の先にはいくつかの小さな柱とその上に建つ何かの建物の壁だった。

 

ミ「とりあえずあの壁の建物に行ってみるっすよ」

 

レ「その前にその札について教えなさい!」

 

ミ「あたしも詳しくは知らないっす。楓さんに危なくなったら使えって言われてもらっただけっすから」

 

なんでそういう重要なことを言ってくれなかったの!でも、もし渡されていたことを方臆してもらったとしても、あの時にこの札は使わなかったと思うからこれでよかったのかしら?

 

黒「あんたたち、大丈夫かにゃ!?」

 

10メートル程の一本道を抜けた先に待っていたのは、黒い着物をはだけさせ、猫耳と2本の尻尾を生やしたはぐれ悪魔で指名手配されているはずの黒歌がいた

 

レ「あなたはSSはぐれ悪魔の黒歌!なんでこんなところに!?」

 

黒「悪魔じゃないにゃ!」

 

フシャーー!と猫の威嚇の真似事をしてきた

 

黒「なんでここにいるって金髪の子が持ってる札は私が作ったものよ。札を使った反応があるから見に来ただけにゃ」

 

なるほど。作った本人なら使われたことを知ることも可能か。だけど・・・

 

レ「悪魔に助けられるなんて・・・」

 

ミ「まずいっすよレイナーレ様。悪魔ってことはグレモリーとつながっている可能性が・・・」

 

黒「だから悪魔じゃないにゃ!ちゃんと聞いてた!?」

 

今度はまじめに返してきた。悪魔じゃないってどういうこと?ミッテルトも私と同じく疑問に思ったのかすぐに聞き返した。

 

ミ「悪魔じゃないってどういうことっすか?」

 

黒「私の旦那様がが妖怪に戻してくれたのよん。そもそもここに悪魔は入れないにゃ」

 

堕天した身ではあまり感じることができないが、神聖な空気が感じ辺り一帯に広がっているのがなんとなくだが感じる

 

黒「ここは霊峰青山(せいざん)の麓に位置する青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)にゃ!」

 

 

 

 

黒歌に案内され部屋に入る。私たちは椅子に座らされ、黒歌が救急箱とを持ってきた

 

黒「とりあえず傷の手当と着るものね。いつまでもそんな裸同然なのはよくないにゃ」

 

黒歌が薬や包帯を巻き、仙術を用いて治療を行っている。小さな傷はなくなり、骨折している箇所のはれも引いていくのがわかる

 

レ「仙術の効果がここまでなんて・・・」

 

黒「ここは力が満ち溢れているのよ。それに薬もいいものだし欠損とかじゃない限り治せるにゃ」

 

治療を一通り終え手渡された女性用の着物に着替える。袖を通すと大きさはぴったりだった。

 

ミ「レイナーレ様、綺麗です」

 

レ「あ、ありがとう・・・」

 

袖にいくつのも赤や桃色の花をちりばめた白い着物は確かに綺麗だが、まさか自分が言われるとは思わなかった

 

黒「大きさもちょうどよくてよかったにゃん」

 

黒歌はそう言ってお茶を用意したお茶を飲んでいた。いつの間に入れたのか私たちの前にもお茶が用意されていた。

 

黒「蒼枒には会っていくんでしょ?それまで休んでるといいにゃ」

 

私たちも淹れられたお茶を飲むと外の扉が開く音が聞こえた。黒歌を見ると耳がピンと立ってて部屋の扉の前に移動していた

 

黒「噂をすれば影が差すとやらね」

 

足音がだんだんと大きくなりこちらに向かってくるのがわかる。一瞬静かになりドアが開かれると部屋委に入ってきた人物に黒歌が飛びついた

 

黒「蒼枒!」

 

蒼「ただいま黒歌・・・んっ」

 

黒「ん・・・おかえり。今日はどこに行って来たにゃ?」

 

蒼「ちょっと九州の土蜘蛛のところまで・・・」

 

黒歌が青龍に抱き着くとそのまま2人はキスをしお互いを抱きしめていたが、甘い空気が険悪な空気に変わり始めた

 

黒「何やってるにゃ!?よりにもよって土蜘蛛のところに行くなんて!」

 

蒼「この前の戦いからまだ血が冷め切ってないみたいだからな。土蜘蛛が暴れられるよりマシだし、スサノオ師匠のほうがもっとやばいからな」

 

黒「どっちも変わらないにゃ!それで!怪我とかは!?」

 

蒼「治してきたし何ともないよ。まぁ腕と脚一本ずつ吹っ飛ばされたけどな」

 

黒「ほんとに何やってるにゃこのバカぁ!」

 

黒歌が青龍の胸をポカポカとたたき、青龍は何とか機嫌を直そうとしている。ずいぶん仲がいいように見えるが二人の関係は?それに青龍の腕や脚を吹き飛ばす土蜘蛛っていったい・・・

 

楓「お二人とも、お久しぶりです。レイナーレ様、その着物よく似合ってますよ」

 

レ「あ、ありがとうございます。」

 

ミ「お久しぶりっす。お札ありがとうございました。おかげで助かったっす」

 

楓「それは良かったです。お渡して正解でしたね」

 

自分でも顔に熱が集まっているのがわかる。嬉しいけど少し恥ずかしい。私がこんな状態の中ミッテルトは楓さんに余った札を返していた

 

ミ「ところで土蜘蛛って何者っすか?青龍の腕や脚の2本を吹き飛ばすなんて」

 

楓「絶対に遭遇してはならない妖と言われている大妖怪です。空腹時には人・妖怪はおろか神や仏ですら喰らい尽すと言われる程の力を持っています」

 

ミ「そんなものが存在しているんすか!?」

 

青龍でさえ大怪我を負うような存在がいるなんて。その青龍は私たちの向かいに座り、二又の黒猫を膝の上に乗せ、撫でていた

 

レ「あなたたち。何やってるの?」

 

蒼「ひとまず機嫌を治してくれました。ひとまず・・・ですが」

 

ミ「そういえば青龍と黒歌の関係ってどうなんすか?ずいぶんと仲が良かったように見えるっすけど」

 

楓「そういえば言ってませんでしたね。この町に住む者は皆知っているので忘れていました。黒歌様は蒼枒様の奥方になります」

 

レ・ミ「・・・・・・ええええええええええええ!!?」

 

 

 

 

楓さんがお茶を入れなおし、青龍の後ろに立った。私は今までのことと結末を正直に伝えた。一人の少年、一誠を間接的とはいえ悪魔にしてしまったこと。フリードがアーシアを殺したこと。計画が失敗し、死のうとしたところをミッテルトに助けられたこと。

 

蒼「まぁ、残念だったな。こちらとしてはちゃんと約束は守ってくれてたみたいだし、その一誠って子については自分から悪魔になったみたいだからこちらから言うことはとくにありません。・・・おっ、来たな」

 

そう言って青龍は黒歌を抱きかかえながら窓に向かった。彼を追って窓の外を見ると人型の紙が中に浮いていた。彼は窓を開けを手に持つとその紙はペラりと倒れてしまった。

 

蒼「悪いが式神で監視させてもらっていた。簡単に、ですが」

 

レ「それじゃ今までのことは・・・」

 

蒼「流石に全部ってわけじゃないが見てました。で、これからどうしますか?恐らくですが神の子を見張る者(グリゴリ)にはもう戻れないと思いますよ?」

 

え・・・。どういうこと?

 

蒼「アザゼルから聞いた話ですが天詩・悪魔・堕天使の3大勢力はお互いに干渉しないことになっているらしいじゃないですか。あなた方は自称悪魔が管理している土地で問題を起こした。お話から察するにそこ管理者に顔や名前も知られ、さらに目の前で逃げている。悪魔側が堕天使側に何か言っていてもおかしくはないでしょう。もしかしたらあなた方を差し出せと言われている可能性だってあります。そんな中で神の子を見張る者(グリゴリ)に戻っても貴方にいいことはないでしょう。いくら先の戦いで人手不足になっているとしてもあまり力を持っていないあなた方ではかばってもらえる可能性は低いと思いますし」

 

青龍の言う通りだった。でも一体どうすればいいのよ。帰る場所もない。力もない私たちにどうやって生きていけばいいというの

 

楓「もしよかったら私たちのところに来ませんか?」

 

レ「あの、どういうことでしょうか?」

 

楓「青山龍神宮で働きませんか、ということですよ。レイナーレ様たちはちゃんと約束事を守ってくださる信用できる方です。そんな方たちを見殺しにするようなことはできません。仕事をしてくださるなら生活も保障いたします。それにあなたの求めていたものとは違いますが力を伸ばすこともできますよ。現にバラキエルの奥様も自衛のためにいくつかの術を得てますし」

 

蒼「私も反対する理由はないです」

 

青龍も問題ないみたいだ。確かによく考えてみればこのまま神の子を見張る者(グリゴリ)に戻ったら勝手に悪魔の土地で問題を起こしたってことで処刑。よくてはぐれになる可能性もある。なら・・・

 

レ「私をここで働かせてください!」

 

ミ「あたしも!一緒にお願いします」

 

 

 

次の日

 

レ「堕天使のレイナーレと言います」

 

ミ「同じく堕天使のミッテルトです」

 

レ・ミ「これからよろしくお願いします」

 

私たちは巫女として働くことになった




やばい。最後で頭が全く働かなかった。

書き直すかもしれません。申し訳ない


6/16
加筆修正しました


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後日談その2

今回は原作主人公組とおまけ回です


UA10,000超えた!
先週のUA2,000超えてる!?
お気に入り登録してくださった方が50人超えた!!?

皆さまありがとうございます。


【ゼットside】

 

アーシアさんを救出した翌日。いつもどうりに登校し、授業が始まるのをまっていた。が、松田と元浜が俺のもとに突撃してきやがった。

 

松・元「イッセーがリアスお姉さまと金髪の美少女と一緒に登校しているのを見かけたぞ!どういうことだ!」

 

ああ。あの後、部長とアーシアはイッセーの家に泊まったのか。オカ研に入ってからイッセーの変態行動は鳴りを潜めてるがわざわざ危険なところに泊まる必要は普通ないだろ。

 

ゼ「いや、俺は何も知らないぞ。・・・イッセーにモテ期でも来てるんじゃないか?」

 

松「くそっ。イッセーだけ」

 

元「俺らだって・・・」

 

ゼ「前にも言ったようにお前たちもモテる要素は持ってるんだ。まずはマイナスイメージ払拭出来るように頑張れ」

 

松田と元浜を適当にあしらい、放課後どうやって東雲の二人をどうやってオカ研に連れていくか考える。なぜ俺がこんなことを考えなくてはならないかというと朝に俺の家にやってきた蝙蝠が原因だ。そのスカイキャリアは部長の使い魔らしく手紙を運んできた。その手紙の内容はアーシアが駒王学園に転入及びオカ研に入部したこと。それを祝いたいから放課後に東雲の2人を連れてきてほしいと書かれていた。そもそもなんで俺なんだ。前も祐斗だったから今回も祐斗でいいじゃないか。

 

担任「よーし、席につけー。出席をとるぞー」

 

いつの間にか担任が来ていた。クラスメイトもしゃべるのをやめ自分の席に戻っていく。

 

担任「よーし、全員いるな。突然だが、転校生を紹介する。入ってきてくれ」

 

ア「アーシア・アルジェントと申します!日本に来て日が浅いですが、皆さんと仲良くしたいです!よろしくお願いします!」

 

やっぱりイッセーがいるこのクラスに来るよな。

 

ア「それから、私はイッセーさんのお家にホームステイさせてもらうことになりました。」

 

「「「「「「「・・・・・・ええええええええええええええええええええええええ!!!!!」」」」」」」

 

予想してたがこれはうるさい。耳をふさいでいてもこれとは。

 

 

 

 

 

俺は放課後になってすぐ1年の教室に向かった。昼休みのうちに祐斗から2人のいる教室を聞いていて良かった。2人とも授業が終わるとすぐ帰ってしまうみたいで教室をのぞいた時も鞄に道具をしまっているところだった。

 

ゼ「失礼する。東雲の2人に用がある。部長が呼んでるから今日は部活に出てほしい」

 

葉「いきなりですね」

 

ゼ「まあそう言うな。転入生が来たことはもう知っていると思うがその娘がオカ研に入ったから入部祝いをしたいらしい」

 

白「そうなんですか。その人も気になりますし、わかりました。部活に出ます。葉月もいいですか?」

 

葉「はい。どんな人か楽しみです」

 

ゼ「よかった。連れてこないと何言われるかわからないからな」

 

2人はすでに帰る準備を済ませていたので一緒に部室に向かった。アーシアは・・・イッセーが連れてくるし大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

【葉月side】

 

授業が終わり帰る準備をしているところにゼット先輩がやってきました。何でも噂の転入生がオカルト研究部に入ったのでお祝いをしたいそうで、私たちも参加してほしいようです。私もどんな人か気になっていますし今日は部活に出ましょう。あと、朱乃先輩に週末の休みの日に青山龍神宮に来てもらえるか聞いてみましょう。できるだけ早く朱璃さんに合わせてあげたいです。

 

 

約1週間ぶりの旧校舎です。いつ見ても外装はボロボロに見えますが中はきれいに掃除されてます。部室に入ると朱乃先輩と祐斗先輩がお皿やティーセットを準備してました。

 

ゼ「2人を連れてきたぞ」

 

朱「あらあら、久しぶりですわね。セット君もありがとうございます。」

 

白「久しぶりと言っても1週間ぐらいですけどね」

 

祐「ゼット君もよく連れてこれたね。2人はすぐ帰ってしまうのに」

 

ゼ「昼休みに教室聞いといて助かった。じゃなかったら会えなかったかもしれない」

 

私たちはすぐに帰ってしまいますからね。っと、忘れないうちに朱乃先輩に伝えておきましょう。ほぼ部活に来ませんからあまり会う回数は多くはないですし。

 

葉「朱乃先輩。少しよろしいですか?」

 

朱「あら、何でしょう?」

 

白音にお祝いの準備の手伝いを代わってもらい、先輩を部室の外に連れだしました。

 

朱「外に連れ出してどうしました?」

 

葉「先輩。週末は何か用事はありますか?」

 

朱「いえ。特にはありませんわ」

 

葉「母親に・・・朱璃さんに会いたくないですか?」

 

私が朱璃さんと言った瞬間。ニコニコと笑っていた顔が崩れ、私の両肩をつかむと前後にグラグラと揺らしてきました。

 

朱「母が生きているのですか!?」

 

葉「ちょっと落ち着いてください。目が回ってしまいます」

 

私が手をつかみながらそういうと、肩を離してくれました

 

朱「私としたことが・・・ごめんなさい」

 

葉「はい、私は大丈夫です。それと、朱璃さんですが私たちの神社で働いています。青山龍神宮って知ってますか?」

 

朱「確か青龍が祀られているという・・・そこに行けば会えるのですか?」

 

葉「そうです。近くまで来たら連絡をください。」

 

朱「わかりましたわ。よろしく願いしますね」

 

イ「部長。本当に助かりました。おかげでアーシアを部室に連れてこれました」

 

リ「あれは仕方ないわ。私のクラスからも男子や一部の女子がチャイムが鳴った瞬間アーシアのところに行ってたもの。あんなに囲まれてたら動けないもの」

 

部長さんとイッセー先輩が来たようです。話から察するに今日話題になってる転入生を連れてこようとしたところ質問攻めされて動けなくなったところを部長さんが助けたってところだと思います。イッセー先輩の隣にいる金髪の娘が新しく入部した転入生でしょう。

 

リ「あら?2人とも何やってるの?」

 

朱「いえ、何も。週末の予定を立ててただけですわ」

 

リ「そうなの。少し気になるけど今はいいわ。早く部室に入りましょ」

 

部長さんが部屋に入り指を鳴らす。すると、テーブルの上に大きなケーキが出現した。

 

リ「私の手作りよ。味にも自信があるわ。さぁ、パーティを始めま・・・そういえばアーシアと葉月と白音は初対面だったわね。先に自己紹介をしちゃいましょうか」

 

葉「そうですね。初めまして、私は1年の東雲葉月と言います。」

 

白「同じく1年の東雲白音です。よろしくお願いします」

 

私たちがお辞儀をするとアーシアも慌てながら

 

ア「は、初めまして。2年に転入してきましたアーシア・アルジェントと申します。こちらこそよろしくお願いします」

 

アーシア先輩も慌てながらもお辞儀をしました。慌てるほどのことでもないのに。そのせいかアーシア先輩が何かを落とし金属音が部室内に広がりました。落とした拍子にカバーから出かかっているものは十字架でした。私は十字架を拾い上げるとカバーにしまいアーシア先輩に返してあげましたが、白音以外がみんな頭をおさえてました。

 

葉「あの。どうしました?」

 

リ「アーシア、早くそれをしまって。葉月はなんで十字架に触れても平気なの!?半分悪魔じゃなかったの?」

 

葉「言ってませんでした?私、悪魔の弱点となるものが何一つ効かないんです。十字架はもちろん聖水も触れますよ」

 

リ「そう言う重要なことは先に言って欲しかったわ」

 

皆さんようやく治まったのか苦しそうな表情から元に戻ってます。

 

リ「ちょっとハプニングがあったけど、みんな、パーティを始めるわよ」

 

その後、私達は部長さんのケーキを均等に分け、パーティを始めました。途中でアーシア先輩に私たちの苗字が同じなのかを聞かれ、私のお兄様と白音のお姉様が結婚したからと伝えたところ、アーシア先輩が神に祈ってました。先輩は元シスターと聞きましたから祈ってるのでしょうけど、その神様に祈っても意味ないです。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

【朱乃side】

 

朱乃「ここに・・・母が」

 

今私は隣県にある青山龍神宮に来ています。駒王町から電車で1時間。駅についたらバスに乗り換え、さらに20分で着きました。大きな神社らしく、参拝客もちらほらと鳥居を潜っていきます。私も潜ろうとしますが何か壁なようなものがあり、入ることができません。よく見ると結界が張ってあり、神社どころか山一つ覆っているいました。しょうがないので葉月ちゃんに連絡を入れることにしました。

 

葉「はい、葉月です。近くまで来ましたか?」

 

朱乃「そのことなんですけれど。結界があって神社に入れませんわ」

 

葉「もう来てたんですか!?だから先に連絡してくださいって言いましたのに。とりあえず鳥居の前で待っていてください」

 

そういうと切られてしまったので言われた通り鳥居の前で待つことにしました。

 

 

 

【葉月side】

 

朱乃先輩から連絡を受けました。もうすでに到着しているそうなので朱璃さんを連れて急いで向かいます。

 

朱璃「朱乃!」

 

朱乃「おかあ・・・さん」

 

鳥居の前には私服姿の朱乃先輩がいました。朱璃さんは朱乃先輩の姿を見ると階段を駆け下りて抱きしめました。親子感動の再会ですね。そんな感動の中を邪魔するものがいるみたいです。

 

「ぐおっ」

「ぎゃぁ」

 

朱璃さん達を挟むように木の上から2人の男が落ちてきました。

 

バ「これで全部か?」

 

白「そうですね。今のところ他に反応はありません。この2人は後で五代宗家に送り返しておきます。」

 

男に続いて降りてきたのはバラキエルさんと白い着物と袴を着ている白音でした。やはり殺し損ねた朱璃さんを狙ってましたか。いい加減あきらめたほうがいいと思います。

 

バ「久しぶりだな。朱乃・・・」

 

朱乃「何故あなたがここに!?それに気絶している男たちは一体?」

 

葉「それは私のほうから説明させてもらいます。ですから親に向かってそんな顔をなさらないでください」

 

バラキエルさんの出現に驚き、何やら険悪な雰囲気を出し始めた朱乃先輩を一度落ち着かせ、あの時のことを話しました。と言ってもお兄様から聞いたことしか話せませんが。あの日、朱璃さんと朱乃先輩を襲ったのは五代宗家ものだったこと。お兄様達が朱璃さんを助けたこと。助けた後も命を狙われ、ここで働きながら守っていること。

 

朱乃「そうでしたの。母を助けていただきありがとうございます」

 

バ「すまなかった。私が間に合ってさえいれば」

 

葉「邪魔が入ってましたし、無理とアザゼルさんも言ってたじゃないですか。」

 

バ「しかし・・・」

 

朱璃「いいじゃないですか。こうして家族が会えたのですから」

 

白「そういえば朱乃先輩はバラキエルさんからの手紙を読んでなかったのですか?」

 

朱乃「・・・全部捨ててましたわ」

 

道理で。だからあの時あんなに驚いていたんですね

 

白「ちゃんと読んだほうがいいですよ。そうであればもっと早くに会えましたし。最も原因を作ったのはこの五代宗家みたいですけど。何逃げようとしてるんですか」

 

「!?」

 

白音が逃げようとしている五代宗家の者の顎を蹴り上げました。腕を縛られてる状態で逃げられると思っていたのでしょうか。再び気絶したのか動かなくなりました。

 

白「今もこうやって殺しきれなかった朱璃を狙っています」

 

葉「結界の外に出る時は護衛をつけなくては外も歩くことができません。もう何年も経つのにしつこいです」

 

朱乃「じゃあ、私と一緒に帰ることは・・・」

 

葉「残念ながら無理です。一日中ずっと守っていられるわけでもないでしょう」

 

これがなかったら朱璃さんたちは一緒に住むことができるのですが。朱乃先輩は悪魔なのでこの中に入れないんですよね

 

朱乃「なら私がここに住むことは・・・そういえばなぜ私は結界の中に入れなかったのですか?母やほかの方は入っていけますのに」

 

葉「それはお兄様が悪魔を入れないように設定したからです」

 

白「少し前までは一応神社までは入ることができたのですが、銀髪の悪魔が暴れたせいでお義兄様が悪魔の出入りを禁止してしまいました」

 

朱乃「その方は今どこに」

 

白「お姉ちゃんとデートに行ってます。今日は戻らないじゃないですかね?」

 

 

~~~~~~~その頃~~~~~~~

 

黒「早くいくにゃ!」

 

蒼「そんな慌てなくても今日はずっといられるだろ」

 

黒歌が俺の手を引いて先を歩く。この間の土蜘蛛の件の約束に1日中一緒にいることを約束し、今デート中だ。と言っても服装は変わらない。黒歌がはだけさせてないぐらいだ。黒歌の肌を他の奴に見せたくないし。

 

黒「だって、こうやって外で何の用事もなくいられるのは最近なかったから」

 

蒼「そうだな。っ!危ない」

 

黒「にゃ!?」

 

黒歌が人に当たりそうになったので手を引いて抱き寄せる

 

蒼「前を見て歩かないと危ないぞ」

 

黒「ありがとにゃ、蒼枒。にゃ!?」

 

腕の中にいる黒歌が可愛くておもわずキスをしてしまった。

 

蒼「ほんとに綺麗で可愛いな、黒歌は。大好き」

 

黒「私もにゃ、蒼枒」

 

頬を染めながらもキスを返してくる黒歌に抱きしめる力を強くした。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

 

せっかく会えたのに一緒に暮らすことができないことを知った朱乃先輩は少し落ち込んでました。

 

白「そう落ち込まないでください。これからは来ればいつでも会えるんですから」

 

葉「せっかくですから今日は家族で過ごしてください。バラキエルさん、頑張ってくださいね」

 

バ「ああ、助かる」

 

朱乃「ありがとうございます」

 

朱璃「お言葉に甘えさせてもらいます」

 

朱璃さんたちは家族そろって去っていきました。朱乃先輩が朱璃さんに寄り添いながらバラキエルさんと距離を離しています。そんな様子を朱璃さんは笑ってました。これからのことはバラキエルさん次第でしょう。

 

白「じゃあ私はこの2人を送り届けてきますね」

 

白音はそう言うと、気絶した2人を連れて転移陣の中に入っていきました。

 

白「ただいまです」

 

ものの数秒で帰ってきました。届けてくるだけなのでそんな時間はかかりません

 

葉「おかえりなさい。それじゃあ、修行の相手をお願いしますね」

 

白「こちらこそ。手加減はしませんよ」

 

私たちは家の前に転移しお互いに拳と薙刀を構えました。それからお昼になるまでの間ずっとぶつかり合ってました。




次回はもう一人の転生者がメインの回です。


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決闘者遍その2

お気に入り登録者が60人も。ありがとうございます。

今回はタイトル通りもう一人の転生者編です。
そしていつもより長いです。


【ユーガside】

 

久しぶりの出番だ!

 

ロセを助けたあの後、「勇者?まあいいか」って感じで了承しちゃったからだ。あのときは何にも考えてなかったからな~。少ししてからロセがハイスクールD×Dの主人公、イッセーのヒロインのうちの一人だったことを思い出した。原作のことなんて賞金稼ぎの楽しい生活の中ですっかり忘れてた。よくある転生者みたいに原作介入しないのかって?転生したとき駒王町で学生だったならともかく、転生させられた場所がヨーロッパで、今が原作のいつか分からない状態で変に動きたくなかったし、金もなかった。だから「ハイスクールD×D?知らね」って感じで楽しく生活してたらまさかの主要キャラの一人と出会うなんてな。ロセはまだ学生らしく、将来一流のヴァルキリーになったら勇者になるって約束を交わした。

その後、仕事の途中にたまに会い、俺の仕事や召喚してるモンスターのこと、ロセの学校でのできごとなどを話したりした。そんなある時

 

ロ「ユーガさんはすごいですね。様々なモンスターを召喚できて」

 

ユ「決闘者(デュエリスト)だからな、当然だ。特に俺は拘ってるものもないし」

 

ロ「うらやましいですね。私もこんな風にできたら・・・」

 

ユ「?学校で召喚系の授業なんて今まで聞いたことがなかったけど、何かあった?」

 

ロ「・・・恥ずかしながら実は」

 

ロセが何やら悩んでいるみたいだったから聞いてみた。学校を首席で卒業したロセだが、ヴァルキリーになるための継承式に失敗しているという。その継承式は降霊術を用いているらしいのだが、ロセは降霊術が苦手らみたいだ。家系的には得意らしいが。そこで様々なモンスターを難なく召喚している俺に何かアドバイスをもらえないか聞いてきた。

 

ロ「なので、何かアドバイスになるようなことを教えておらえないでしょうか?」

 

ユ「う~ん。俺もカードを使って召喚してるから俺からのアドバイスはできないかな」

 

ロ「そう・・・ですか」

 

このまま失敗が続けば別の者が継承式を行ってしまうため、落ち込んでしまうロセ。しかし、俺には考えがあった。

 

ユ「落ち込むなよロセ。俺からはできなくてもアドバイスできる人達なら知ってるから」

 

ロ「本当ですか!?」

 

まだ希望が残っていることに喜ぶロセを落ち着かせつつ、俺は6枚のカードを取り出した。それを腕のデュエルディスクとDホイールにセットする。決闘(デュエル)ではないので最大10枚まで召喚が可能だ。

 

ユ「俺が知ってるのはこいつらのことだ。出でよ、《火霊使いヒータ》!《光霊使いライナ》!《水霊使いエリア》!《地霊使いアウス》!《風霊使いウィン》!《闇霊使いダルク》!」

 

俺たちの目の前に1人の少年と5人の少女が現れた。

 

ロ「あの・・・この方達は?」

 

ユ「赤い髪のがヒータ。白い髪のがライナ。青がエリア。茶色の髪がアウス。緑の髪がウィン。黒髪がダルクって言って霊使いと呼ばれるカテゴリの魔法使いたちだ。こいつらなら何かアドバイスをもらえるかなと思ってな」

 

ダ「マスター。アドバイスって何のことだ?」

 

ユ「ああ、それは・・・」

 

 

ユーガ説明中・・・・・・・・・

 

 

ラ「・・・なるほど、事情はわかったよ。」

 

エ「だけど私たちもまだ学生の身だし・・・」

 

ダ「誰かに教えれるほど完全に扱えてるわけではないぞ。」

 

ヒ「え~。いいじゃんか、おもしろそうだし」

 

ア「私も降霊術ってものに興味がある。是非とも手伝わせてもらいたい」

 

ロ「では!」

 

ウ「うん。僕たちでよければ力になるよ」

 

よかった。どうやら力を貸してくれるようだ

 

ウ「じゃあダル君」

 

エ「一緒にやろう?」

 

ヒ「あっ!?お前たちずるいぞ!」

 

ア「抜け駆けは許さないよ!」

 

ラ「あたしも一緒がいい!」

 

・・・・失敗した。霊使いは男1人、女5人のカテゴリだ。そんな中で何もないわけがない。ウィンとエリアがダルクの腕に抱き着き、他の3人がそれを剥がそうとしている。流石ダルク、ハーレム築いてるだけあるな。是非ともこれを見たイッセーの反応が見てみたいものだ。ロセは霊使い達のいきなりの行動ににぽかんとしてるし、ダルクは俺に「助けてくれ」と目でとうったえてる気がする。しょうがないからデュエルディスクからダルク以外のカードを外すとダルク以外霊使いが消えた。

 

ダ「マスター。ありがとう、助かった」

 

ユ「こっちこそ悪かった。あんな状態になるとは思わくてな。めちゃくちゃにされた後で悪いがロセのこと頼む」

 

ダ「了解した。・・・おい、大丈夫か?」

 

ロ「はっはい!よろしくお願いします」

 

それから1人ずつ呼び出してロセにいろいろアドバイスしてもらった。感覚でやってるヒータやライナなんかは擬音ばかりであまり役立ってるように見えなかったがな。後日、ロセは継承式を行い、成功。無事にヴァルキリーになることができた。

 

 

それから1年が経ち、とある街で偶然ロセに出会った。

 

ロ「お久しぶりです。ユーガさん」

 

ユ「久しぶりだなロセ。会うのは1年ぶりか?」

 

ロ「それぐらい経ちますね。結局あの子たちにも直接お礼を言えてませんし」

 

ユ「それはしょうがないだろ。忙しいみたいだし」

 

ロ「そうなのですが・・・。そうだ!昔、勇者になってくれる約束したの覚えてますか?」

 

ユ「そう言われれば・・・そんなこともあったっけ」

 

ロ「忘れてたんですか・・・。いえ、今はそんなことより。ユーガさん!一緒にヴァルハラに来てもらえませんか?」

 

ロセにアースガルズに来てほしいと言われた。詳しく聞くと、様々なモンスターを召喚する俺に興味があるらしい。俺もヴァルハラに入ったことはなかったし、中を見て回るのも悪くない。互いにこの町での仕事が終わったらロセに連れてってもらうことにした。

 

 

 

 

オ「お主がロスヴァイセが言う勇者か?」

 

ユ「はい。ユーガ・キリュウと言います」

 

ロキ「特に力も感じられないな。あやしいのはその腕に着けられている機械だが」

 

俺は今オーディンとロキの前にいる。オーディンは何か興味深そうに見ているがロキはなんだかあやしむような眼で見ている

 

ロキ「貴様、本当に魔獣や悪魔の討伐を行ってきたのか?」

 

オ「ロキよ、何が言いたいんじゃ?」

 

ロキ「我が言いたいのはこいつは他人の手柄を横取りしているのではないか。こんな力も感じぬものが討伐などできるはずがなかろう」

 

ロ「そんなはことありません!私を助けてくれたときも魔獣を一撃で跡形もなく消し飛ばしてました」

 

ロキ「どうだかな。いずれにせよ勇者になるのだから力をみなければなるまい」

 

そう言ってロキは俺のほうに手をかざすと俺の真下の地面が消え、落とされてしまった。

 

ロ「ユーガさん!」

 

オ「ロキ!おぬし何を・・・」

 

ロキ「我直々に相手をしてやる。最も、あまりにも無様なら殺してしまうかもしれんがな」

 

 

 

 

 

落とされた俺は真っ黒な空間に立っていた。身体やディスクは見て確認できるため視界は確保できるみたいだ。さて、どうやってここから出ようか

 

ロ「ここから出たくば我を倒す以外に方法はない」

 

空間が裂けると、ロキが現れた

 

ロ「貴様の力を見せてみろ。あまりに弱ければ殺してしまうかもしれないがな」

 

悪そうな顔をしてやがる。そんなに見たければ見せてやるよ!俺の(ファンデッキ)を!

 

ユ「いいだろう。決闘(デュエル)だ!」

 

俺はデッキをデュエルディスクにセットする。デッキがシャッフルされてから5枚のカードを引く

 

 

【ロスヴァイセside】

 

オ「ロキめ。勝手なことをしおって」

 

ロ「ユーガ・・・」

 

ロキ様によってユーガが異空間に閉じ込められてしまいました。私の力では助けてあげられませんし、ユーガもロキ様に勝てるとは思えません。一体どうすれば

 

オ「ふむ。ユーガとやらはお主のこれか?」

 

オーディン様が小指を立てて聞いてきます

 

ロ「今はそんなこと話してる場合じゃないでしょう。早くユーガを助けないと・・・」

 

オ「顔を赤くしても説得力ないぞ。それにいざとなったら儂が助ける。今はロキとの戦いを見ようではないか。儂もユーガの力を見てみたいしの」

 

オーディン様が腕をかざすと空間に薄い膜が現れ、デュエルディスクを構えるユーガとロキ様を映し出しました。

 

 

【ユーガside】

 

ロキ「先手はくれてやる。存分に攻撃してくるがいい」

 

そう言われても先攻は攻撃できないんだよな。手札は・・・

 

《極星獣タングリスニ》

《一時休戦》

《チキンレース》

《極星天ミーミル》

《手札抹殺》

 

ユ「俺は《極星獣タングリスニ》を攻撃表示で召喚」

 

ロキ「ほう、早速モンスターを召喚したか。タングリスニとはトールの所にいるヤギと似た名だな」

 

ユ「さらに《一時休戦》を発動。この効果により1枚ドロー」

 

ロキが何か言ってるが無視だ。いちいち反応していたらきりがない。そもそもこのデッキは極神だからな。北欧神話を元にしたカテゴリだ。そして引いたカードは《神の桎梏グレイプニル》。さらに1枚引いておくか

 

ユ「フィールド魔法《チキンレース》を発動。この効果によりライフポイントを1000払い、1枚ドローする」

 

ユーガのライフ:8000→7000

 

《チキンレース》が発動したのに特に変化が見られない。この空間の影響か?しかし、ドローは可能なようだ。今の手札は

 

《極星天ミーミル》

《手札抹殺》

《神の桎梏グレイプニル》

《オーディンの(まなこ)

 

ユ「俺はカードを1枚伏せターンエンドだ」

 

ロキ「なんだ、攻撃しないのか?」

 

ユ「先行は攻撃できないんだよ!」

 

ロキ「ふむ。それなら我から行かせてもらおう。まずは小手調べだ」

 

ロキが指を向けるとそこからレーザーを出してきた。

 

ユ「この瞬間伏せカードオープン、《神の桎梏グレイプニル》。この効果によりデッキから極星と名のついたモンスター1体を手札に加える。俺が加えるのは《極星獣タングニョースト》」

 

レーザーが《極星獣タングリスニ》を貫き、爆散した。だがこれでいい

 

ユ「《一時休戦》の効果で俺はダメージを受けない。さらに、《極星獣タングニョースト》の効果発動。自分フィールド上に存在するモンスターが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、このカードを手札から特殊召喚することができる。さらに《タングリスニ》の効果。このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のフィールド上に極星獣トークンを2体を特殊召喚する。」

 

煙が晴れた後に現れたのは白い山羊の代わり、黒い山羊と白い山羊が骨と皮だけになったようなモンスターが座った状態で現れた。もちろんすべて守備表示だ。

 

ロキ「モンスターを増やしたか。さて、これからどうする?もう攻撃はできるのだろう」

 

ユ「ああ!これからするから待っていろ!俺のターンドロー!」

 

引いたカードは《極星宝グングニル》

 

ユ「手札から《手札抹殺》を発動。手札をすべて捨て、その枚数分ドローする」

 

引いたカードは

 

《極星霊デックアールヴ》

《補給部隊》

《極星霊リョースアールヴ》

 

もうすでにトールを召喚することができる。さらにあと1枚あればロキも召喚可能だ

 

ユ「俺は《チキンレース》を発動。この効果によりライフポイントを1000払い、1枚ドローする」

 

ユーガのライフ:7000→8000

 

よっしゃ!運がいいぞ。引いたカードは《極星霊ドヴェルグ》これでロキまでいける

 

まずは《タングニョースト》を攻撃表示に変えての効果発動。デッキから《極星獣タングニョースト》以外の極星獣と名のついたモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。来い、《極星獣グルファクシ》!」

 

《タングニョースト》が立つと、金色の鬣と逞しい身体を持つ大きな馬が隣に現れた。

 

ロキ「今度はフルングニルが所有していた馬か。グレイプニルと言いその馬と言いもしやそのデッキは」

 

ユ「察しが言いな。その通り、このデッキは北欧神話を元にした極神デッキだ。今からその神の一人を出してやる。2体の極星獣トークンに《極星獣グルファクシ》をチュ-ニング!」

 

《グルファクシ》が雄たけびを上げると4つの緑のリングに姿を変え、その中に2体の山羊が入り漆黒の空間に巨大な光の柱を作り上げる。

 

ユ「星界の扉が開くとき、古いにしえの戦神(いくさがみ)がその魔鎚を振り上げん。大地を揺るがし轟く雷鳴とともに現れよ!シンクロ召喚!光臨せよ、《極神皇トール》!」

 

雷を散らし光の中から現れたのは、巨大な魔槌を持つ雷と農耕を司る戦神、トール。

 

《極神皇トール》 アニメ効果

シンクロモンスター・効果

星10/神属性/幻神獣族/攻3500/守2800

チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上

フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、

エンドフェイズ時に墓地から自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の効果を無効にし、

その効果をこのカードの効果として使用する事ができる。

「自己再生効果」で特殊召喚に成功した時、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

ロキ「それが我が友トールを模したモンスターか。その力とくと見せて見よ」

 

ユ「おっと、焦んな。まだこれからだ。俺は《極星霊ドヴェルグ》を召喚。《ドヴェルグ》の効果発動。このカードが召喚に成功したターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ極星と名のついたモンスター1体を召喚する事ができる。俺は《極星霊リョースアールヴ》を召喚。さらに《リョースアールヴ》の効果発動!このカードが召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。選択したモンスターのレベル以下の極星と名のついたモンスター1体を手札から特殊召喚する。俺は《トール》を選択。《トール》のレベル10。よってレベル5の《極星霊デックアールヴ》を特殊召喚」

 

俺のフィールドに現れたのは人の子供ぐらいの大きさを持つ、橙・水色・桃色の精霊たち。

 

ユ「俺は《極星霊ドヴェルグ》と《極星霊リョースアールヴ》に《極星霊デックアールヴ》をチューニング」

 

3体の精霊が1つに重なり星に姿を変え、この空間にはないはずの暗い雲へと登っていく。

 

ユ「星界より生まれし気まぐれなる神よ、絶対の力を我らに示し世界を笑え!シンクロ召喚!光臨せよ、《極神皇ロキ》!」

 

雲から現れたのは、アースガルドの神々の敵である巨人族出身であり、北欧神話最大のトリックスター、ロキ。その大きさはトールと同等。目の前にいるロキの何倍もある。

 

《極神皇ロキ》 アニメ効果

シンクロモンスター・効果

星10/神属性/幻神獣族/攻3300/守3000

チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上

フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、

エンドフェイズ時に墓地から自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

このカードが攻撃を行う時、相手の魔法&罠カードゾーンに存在するカード1枚の発動と効果を無効にし破壊する事ができる。

「自己再生効果」で特殊召喚に成功した時、自分の墓地に存在する罠カード1枚を選択して手札に加える事ができる。

 

ロキ「それが・・・我か」

 

ユ「ああそうだ。これで三極神の内2体がそろったな]

 

片やこの世界における北欧神の1人、悪神ロキ。片やデュエルモンスターズ界の神の2体。位階の神たちが今対峙した。

 

ユ「《極星霊ドヴェルグ》の効果発動。フィールド上に表側表示で存在するこのカードが墓地へ送られた時、

自分の墓地から「極星宝」と名のついたカードを1枚選択して手札に加える。俺は《極星宝グングニル》を手札に加える。さらに魔法カード《補給部隊》を発動し、バトルだ!《極神皇トール》でロキにダイレクトアタック!サンダーパイル!」

 

魔鎚に雷がほとばしり、《トール》がロキに向かって振り下ろす。ロキはそれを躱すも、横薙ぎに払われた魔鎚によって吹き飛ばされた。

 

ロキ「これほどとは。張っていた多重防御障壁を破られてしまうとは思わなかった」

 

ユ「まだバトルは終了してないぜ。《ロキ》でダイレクトアタック!ヴァニティバレット」

 

《ロキ》が手で銃の形を作り、人差し指と中指から黒の弾が放たれる。ロキも魔法を放ち相殺させるも、後に来た2発目と3発目に被弾し、爆風に包まれる

ユ「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

ロキ「おのれ。もう手加減せんぞ」

 

爆風の中から現れたロキは服がボロボロになってはいるが怪我等は見られなかった。

 

ロキ「貴様らすべて吹き飛ばしてやる」

 

巨大な魔法陣を展開し、そこから巨大な槍が射出され《トール》を貫いた。

 

ユ「ダメージは・・・500か。《ロキ》はともかく《タングニョースト》はまずいな」

 

デュエルディスクを見ると5500と表示されている。つまりあの槍は4000の攻撃力を持っているということだ。《タングニョースト》を破壊されるのは少々痛い

 

ユーガのライフ:6000→5500

 

ロキ「このまま残りも破壊してやる」

 

巨槍を《ロキ》と《タングニョースト》目がけて連続で射出してくる。

 

ユ「伏せカードオープン、《極星宝グングニル》」

 

ロキ「何!グングニルだと!?」

 

ユ「そんな物騒な効果じゃないから心配するな。《極星宝グングニル》の効果、自分フィールド上に表側表示で存在する「極神」または「極星」と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、フィールド上に存在するカード1枚を選択して発動する。選択したカードを破壊する。俺は《タングニョースト》を除外し《ロキ》を破壊する。」

 

《タングニョースト》が消え去り、金色に光る槍が現れ《ロキ》を貫く。《ロキ》は破壊され、巨槍が空を貫いていった。

 

ユ「発動後2回目の自分のエンドフェイズ時に、この効果を発動するためにゲームから除外したモンスターを表側攻撃表示でフィールド上に戻す。さらに《補給部隊》の効果で1枚ドローする」

 

ロキ「おのれ!我をグングニルで貫くとは!ふざけてるのか」

 

ユ「ふざけてなんていませんよ。これでいいんです」

 

ロキ「ふっ。そうはいっても貴様の場には何も無いではないか」

 

ユ「さぁ?どうでしょう」

 

次の瞬間、足元よりさらに下の空間が割れ、《トール》が現れる。さらに頭上の空間が裂け、2本の腕が現れると空間を押し広げ《ロキ》が現れた

 

ユ「フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、 エンドフェイズ時に墓地から自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。さらに《トール》は相手に800ポイントのダメージを与え、《ロキ》は罠カードを1枚手札に加えることができる。俺は《オーディンの(まなこ)》を手札に加える」

 

《トール》の角からロキに向かって雷撃が放たれる

 

ロキ「くっ。2体とも復活したか」

 

ユ「そうだ!やられても何度でも復活する不死身の神だ。俺のターン!」

 

ドロー。手札は

 

《オーディンの(まなこ)

《ワンダー・ワイド》

《極星霊スヴァルトアールヴ》

 

まあ、いいか

 

ユ「俺は《極星霊スヴァルトアールヴ》を召喚」

 

目の前に暗い紫色の精霊が出現する。

 

ユ「さらに《ワンダー・ワイド》を装備し攻撃力を500ポイントアップ。さらに《ワンダー・ワイド》の効果発動。装備モンスターとこのカードを自分フィールドから墓地へ送り、デッキから2枚ドローする。

 

《デストラクト・ポーション》

《極星邪龍ヨルムンガンド》

 

・・・事故ってる。

 

ユ「俺は再び《チキンレース》の効果を発動。ライフポイントを1000払い、1枚ドローする」

 

ユーガのライフ:5500→4500

 

ユ「俺は今引いた《闇の誘惑》を発動。デッキから2枚ドローし、手札の闇属性モンスター《極星邪龍ヨルムンガンド》を除外する」

 

ロキ「何!?ヨルムンガンドだと!?」

 

ユ「そういえばロキの息子だっけ?ちなみにフェンリルも入ってるぞ。まだ出せないけどな」

 

引いたカードは《ガード・ブロック》と《極星宝メギンギョルズ》か。《極星宝》全種入れてるとはいえ罠率高いな

 

ユ「バトルフェイズ!《トール》と《ロキ》で攻撃。サンダーパイル!ヴァニティバレット!」

 

《トール》と《ロキ》が攻撃するもサンダーパイルは受け流し、ヴァニティバレットは転移で回避される。

 

ロキ「我に同じ手が通用すると思ったか!」

 

ユ「対応してくるよな。俺は3枚伏せてターンエンド。この瞬間《極星宝グングニル》で除外されていた《タングニョースト》がフィールドに戻ってくる。」

 

当然守備表示だ

 

ロキ「我が子も見て見たかったがそろそろ終わりにしてやる」

 

そういうと、巨大な魔方陣に魔力を送り込む。すると魔方陣が輝きだした

 

ロキ「これで終わりだ!」

 

魔方陣から巨大なレーザーが放たれ俺ごと焼き払おうとする

 

ユ「俺は《ガード・ブロック》と《極星宝メギンギョルズ》を発動。《ガード・ブロック》の効果で戦闘によるダメージは0にする。さらにデッキからカードを1枚ドローする。そして《極星宝メギンギョルズ》の効果「極神」または「極星」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力・守備力は元々の数値の倍になる。俺はトールを選択する。これによりトールの攻撃力は7000となる」

 

《トール》の腰に《極星宝メギンギョルズ》が巻かれる。力の増した《トール》はレーザーを打ち返し、ロキの魔方陣を破壊した。しかし、その余波で《タングニョースト》と《ロキ》が破壊せれてしまうが守備表示と《ガード・ブロック》のおかげでダメージはゼロだ

 

ロキ「まさか魔方陣が破壊されるとは」

 

ユ「まだまだこれからだぜ。まだ最後の神を見せてないんだからな!《補給部隊》の効果で1枚ドロー。さらに最後の伏せカードを発動。《デストラクト・ポーション》の効果で《トール》を破壊し、その攻撃力分7000ポイント、ライフを回復する」

 

《トール》が力なく倒れライフを回復する。《ガード・ブロック》で引いたカードが《エンシェント・リーフ》だからな。これで発動できる

 

ユーガのライフ:4500→11500

 

ユ「そして《トール》と《ロキ》の効果が発動し、復活!そして800ポイントのダメージを与え、《グレイプニル》を手札に加える。俺のターン」

 

ロキが雷撃を受ける。そして今引いたカードは《エンシェント・リーフ》だ。これで手札は

 

《オーディンの(まなこ)

《エンシェント・リーフ》

《極星天ヴァナディース》

《神の桎梏グレイプニル》

《エンシェント・リーフ》

 

ユ「俺は《エンシェント・リーフ》を2枚発動、1枚につき2000ポイント、計4000ポイントのライフを払い4枚ドローする。さらに1000ポイント払って1枚ドローする」

 

ユーガのライフ:11500→5500

 

手札は

 

《オーディンの(まなこ)

《極星天ヴァナディース》

《神の桎梏グレイプニル》

《ミョンニルの魔槌》

《極星邪狼フェンリル》

《迎撃の盾》

《極星將テュール》

《極星宝ドラウプニル》

《極星宝レーヴァテイン》

 

見事に罠だらけ

 

ユ「俺は《極星將テュール》を召喚し、さらに《極星邪狼フェンリル》を相手の場に特殊召喚。カードを4枚セットしてターンエンド」

 

ロキの隣に大型犬くらいの首の回りの毛が青い銀狼が現れる

 

ロキ「貴様、何を考えている。なぜ攻撃してこなかった」

 

ユ「どうせ対策されているだろうからな。そちらのターンだ」

 

ロキ「ふん、分ってるじゃないか。そして、このフェンリルには使うことで我に大きなデメリットでもあるのだろうがそんなことは読めている。我は《テュール》に攻撃」

 

ロキが天に向かって手をかざすと光の柱が《テュール》を包み込む。

 

ユーガのライフ:5500→2500

 

光が収まると《テュール》が消えライフが3000も減っていた。だが

 

ユ「この瞬間伏せカードを発動、《極星宝レーヴァテイン》。このターン戦闘によってモンスターを破壊した、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。選択したモンスターを破壊する。このカードの発動に対して、防御など無意味!」

 

ロキに金色に輝く剣が射出される。張っていただろう防御障壁など突き破り、ロキに突きささる。

 

ロキ「ぐほっ。我が・・・こんな」

 

ユ「破壊は出来なくても大分堪えるだろう。このターンはもう攻撃できそうもないな」

 

ロキは《レーヴァテイン》を抜こうとするが抜けずに悶えている

 

ユ「《テュール》が破壊されたことにより《補給部隊》の効果で1枚ドロー。そして俺のターン、スタンバイフェイズに《極星宝ドラウプニル》を捨て《極星天ミーミル》を特殊召喚する」

 

俺の場に年を取った天使が現れる。そして俺のターンになったためロキに刺さっていた《レーヴァテイン》が消えるが、ダメージは残っているみたいだ

 

ユ「ドローフェイズでドロー。さらに1000ポイント払って1枚ドロー」

 

ユーガのライフ:2500→1500

 

これで手札は

 

《極星天ヴァナディース》

《神の桎梏グレイプニル》

《死者蘇生》

《エネミー・コントローラー》

《極星霊リョースアールヴ》

 

これなら勝てる

 

ユ「俺は《極星霊リョースアールヴ》を召喚。効果で《極星天ヴァナディース》を特殊召喚する」

 

俺の場に水色の精霊と黒髪赤目の天使が現れる。

 

ユ「俺は《極星霊リョースアールヴ》と《極星天ミーミル》に《極星天ヴァナディース》をチューニング!」

 

ヴァナディースが杖を振い4つのリングに姿を変え、球状に回転する。天使と精霊がその中に入ると光の玉になり、だんだんとその光が大きくなる。

 

ユ「北辰の空にありて、全知全能を司る王よ!今こそ、星界の神々を束ね、その威光を示せ!!シンクロ召喚!天地神明を統べよ、最高神、《極神聖帝オーディン》!」

 

光が爆発しその中から長い白髭を蓄え、つばの広い帽子を被った、槍を持つ隻眼の神《オーディン》が現れる。

 

ロキ「これが・・・《オーディン》だと」

 

《トール》や《ロキ》も大きかったが《オーディン》の大きさは別格だった。

 

極神聖帝オーディン アニメ効果

シンクロモンスター・効果

星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守3500

チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上

フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、

エンドフェイズ時に墓地から自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

攻4000/守3500

このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、幻神獣族モンスターへの魔法・罠カードの効果を無効にする事ができる。

「自己再生効果」で特殊召喚に成功した時、自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。

 

ユ「このターンで終わらせてやる。俺は《死者蘇生》を発動し《極星將テュール》を特殊召喚」

 

俺のフィールドに隻腕の軍神が現れる

 

ユ「バトルだ!《トール》で攻撃!サンダーパイル!」

 

《トール》が魔鎚を振り下ろし、防御障壁をすべて壊す

 

ユ「《ロキ》で攻撃!ヴァニティバレット!」

 

《ロキ》が黒の弾が放たれるがロキは転移でこれを避ける。

 

ロキ「無駄だ。どこに出現するかもわからぬ相手にそんな攻撃当たるものか」

 

ユ「それはどうかな」

 

ロキ「何?」

 

ユ「俺は《ロキ》攻撃した瞬間このカードを発動していたのさ。速攻魔法《エネミー・コントローラー》!《テュール》をリリースし、《フェンリル》のコントロールを得る」

 

ロキ「それに何の意味がある」

 

ユ「こういうことさ。伏せカード全てオープン!《迎撃の盾》・《ミョンニルの魔槌》・《オーディンの(まなこ)》を発動!」

 

《オーディン》の閉じられている左目に眼がはめられ、さらに左手にミョンニルが握られる。

 

ユ「《ミョンニルの魔槌》は2回攻撃を可能とさせる。そして《迎撃の盾》は自分フィールド上のモンスター1体をリリースし、リリースしたモンスターの守備力分、攻撃力をアップさせる!」

 

《フェンリル》が光の玉となり、《オーディン》に吸収されオーラが2倍に膨れ上がる。

 

極神聖帝オーディンの攻撃力:4000→8000

 

ユ「《オーディン》で攻撃!」

 

《オーディン》がミョンニルを振り下ろすがロキは転移で避ける。が、それでいい

 

ロキ「無駄だ!いくら攻撃力を上げたところで当たらなければどうという・・・何!?」

 

ユ「《オーディン》の(まなこ)は未来を見通す。転移する場所さえわかればなんて言うことはない。これ終わりだ!ヘブンズ・ジャッジメント!」

 

《オーディン》はミョンニルを捨て、自身の持つ槍でロキを突き刺した。

 

ユ「この勝負。俺の勝ちだな」

 

ロキ「ああ・・・貴様の勝ちだ。その力を認めよう」

 

ロキが指を鳴らすと空間が壊れていき、元いた場所に戻って来たみたいだ

 

ロ「ユーガさん。ご無事で」

 

ユ「あー。何とか勝てたよ」

 

オ「何とかと言いつつほとんどダメージなかったじゃろうに。それでロキ、どうじゃった?」

 

ロキ「こいつの力は我々にも届きうるぞ。勇者の域を超えている」

 

神のカード使ったしな。それに最初っから全力で来られたらまず勝てないし、今回は運もよかったのもあるからな

 

オ「ふむ、ならば。ユーガよ、見事じゃったな。危なければ助けよう思っていたがいらなかったようじゃな」

 

ユ「ああ。たまたまです」

 

オ「そなたほどの力の持ち主を手放すのは惜しい。そこでここに残ってはくれぬか?」

 

・・・何か神様からスカウトされた。

 




北欧神の口調って合ってますかね?


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戦闘校舎のフェネクス
不死鳥()現る


新たに5名の方がお気に入り登録してくれました。ありがとうございます。

そして、ようやく2章目です。この章で主人公同氏がようやく出会います。



【ゼットside】

 

最近、イッセーが部長と公園でトレーニングしているのを見かけた。教会での一件があってからイッセーは体を鍛え始めたみたいだ。イッセーの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は使用者の力を10秒ごとに倍にするが、イッセーがその負荷に耐えれないみたいで1回しか倍加できないらしい。1回しか倍加できないって使えないと一瞬思ったが、それが当たり前なんだよな。ついこの前までただの高校生で運動する機会はそんななかったはずだし。けれども体を鍛えれば倍加できる回数を増やすことが可能と部長が言っていた。

その部長はこの頃様子がおかしい。溜息を吐くことが多いし笑顔もなんだか無理してる気がする。どうしたかと訊いてみても何でもないの一点張り。これは聞き出せそうになかったので副部長の朱乃さんに聞いてみた。親友だし女王部長のなら何か知っているはず。その朱乃さんは部長と反対にとても機嫌がいいみたいだ。

 

ゼ「朱乃さん。最近部長の様子がおかしいですけど何があったかわかりませんか?」

 

朱「ええ。実は・・・」

 

なるほど。親から結婚しろと催促を受けていて、部長はそれに乗る気ではないと。その部長の結婚相手・・・婚約者になるのか、は女性関係であまりいい噂を聞かないらしい。けれど親同士は乗る気満々とのことだ。それは部長も嫌になるな。貴族だとそういうのもあるのか。今の日本じゃ考えられない。話を聞けたついでになんでそんな機嫌がいいか聞いてみた。

 

ゼ「ああ、あと何かいいことあったんですか?」

 

朱「あらあら、そう見えました?」

 

ゼ「笑顔が輝いてるようにみたいに見えますよ。何があったか聞いても」

 

朱「それは・・・」

 

この前の休日に幼いころに殺されたと思っていた母親が生きていたらしく会ってきたと。なんでも葉月ちゃんたちのお兄さんと白音ちゃんの師匠が瀕死のところを助けてくれたみたいで、今は2人のいる神社で働いているという。いまだに命を狙われいるらしく、護衛なしでは町も安心して歩けないらしい。

 

朱「それと、父のことも少しは受け入れようと思ってますの」

 

ゼ「?父親とは何かあったのですか?」

 

朱「今まで憎んでいたんです。父のせいで母が死にかけました。けど、父も駆けつけようにも妨害を受けていたことを知りました。今まで父の言葉など全く耳に入りませんでしたし、手紙もきましたが1つも読むことはありませんでした。今思えばあの手紙を読んでいればもっと早く母に会えましたのに」

 

そうか。たとえ憎んでたとしても、父親からの手紙を読んでいればもっと早くに母に会えたんだからな。でも、よかったな母が生きていて。・・・・・・俺はもう父親も母親も会うことができないから。

 

 

 

次の日、イッセーたちと部室に行くと銀髪のメイドさんがいた。

 

ゼ「部長。そのメイドさんは誰ですか?」

 

グ「初めまして。グレモリー家に仕えているメイドのグレイフィアと申します」

 

ゼ「これはご丁寧に。オカルト研究部、部員の朧月絶斗といいます。ゼットと呼んでください」

 

凄い美人な方だな。それに、どことなく葉月ちゃんに似てる気がする。

 

リ「全員はいないけれど、いいわ。始めましょう」

 

グ「お嬢様、よろしいんですか?」

 

リ「残る2人は基本的に来ないわ。部活動に参加しないことを条件に部員になってもらったから。みんな、実はね・・・」

 

部長が口を開いたと同時に部室の床の魔方陣が光りだした。

 

祐「・・・フェニックス」

 

祐斗がぼそりとつぶやいた。フェニックスといえば不死鳥と呼ばれる鳥で、いろいろな作品に出てくる有名なモンスターだ。・・・悪魔にフェニックスっていたか?魔方陣から炎が噴き上がり、熱気が俺たちを襲う。炎の中から人影が現れ、中のシルエットが腕を横に薙ぐと、炎が振り払われた。

 

?「ふぅ、人間界は久しぶりだ」

 

俺達の目の前に現れたのは金髪に胸を見せるように赤いスーツを着たのホストみたいな奴だった。

 

?「愛しのリアス。会いに来たぜ。さっそくだが、式の会場を見に行こう。日取りも決まっているんだ、早め早めがいい」

 

口振からするに、このホストみたいなのが部長の結婚相手みたいだな。

 

リ「・・・放してちょうだい、ライザー」

 

ライザーが現れてから部長の顔が険しくなってる。掴まれていた腕もすぐに振りほどいていたし。

 

イ「部長に対してその態度はなんだ?腕を無理矢理掴んでどうするつもりだ。つーか、おまえ誰だよ?」

 

イッセーがライザーに噛みついてるが、少し前まで人のことに言えない行動してただろ。最近鳴りを潜めたからと言っても除きをして追いかけられてたお前もライザーも五十歩百歩だぞ。

 

ラ「お前誰?」

 

イ「リアス・グレモリー様の眷属。兵士(ポーン)の兵藤一誠だ!」

 

ラ「ふーん。あっそ」

 

ライザーは興味無いようだ

 

グ「兵藤一誠様。この方はライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、古い家柄のフェニックス家のご三男で、リアスお嬢様の婚約者です。」

 

イ「・・・ええええええええええええええええええええええええええええ!!!?」

 

グレイフィアさんがライザーを紹介するとイッセーが驚き声を上げた。ああそっか、イッセーは知らなかったのか。




お気に入り登録してたハイスク小説が3作品同時に逝ったー!( ノД`)
しばらく前にも2作品がなくなってるし!なんで(´;ω;`)


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今明かされる衝撃の真実ゥ!

そろそろあらすじも変えないといけませんね。次はなんのデッキでソリティアをやりましょうか(´・ω・)?



【ゼットside】

 

ラ「いやー。リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味しいものだな」

 

朱「痛み入りますわ」

 

・・・朱乃さんの言葉に「あらあら」や「うふふ」と言ったいつも使ってるものがない。笑顔も作られたものだ。それほどまでに、この男を嫌悪しているみたいだ。ライザーは部長の隣に座って、その肩を抱いたり、肩や手や髪、太股とお構いなしに部長の体に触る。部長は不機嫌な表情で腕を組んでいる。

 

リ「いい加減にしてちょうだい!」

 

ついに部長の我慢の限界が来たみたいだ。部長は立ち上がって怒声が室内に響き渡らせるが、ライザーは変わらずにニヤニヤしているだけ。かなり余裕がありそうだ

 

リ「以前にも言ったはずよ!私はあなたと結婚なんてしないわ!」

 

ラ「ああ、以前にも聞いたよ。だけどリアス、君の家はそういうわけにはいかないだろう?君のところの御家事情は意外に切羽詰まっていると思うんだが?」

 

リ「余計なお世話よ!私が次期当主である以上、私の結婚相手は私が決めるつもりよ!父も兄も一族の者も急ぎすぎるわ!当初の話では、私が人間界の大学を出るまでは自由にさせてくれる約束だった!」

 

ラ「約束どうり、基本的に自由だよ。大学に行ってもいいし、下僕も好きにしたらいい。・・・だけどリアス、君のお父様もサーゼクス様も御家断絶しないか心配なんだよ。先の戦争で純粋な悪魔の72柱の大半が亡くなった。いくら悪魔の駒(イービル・ピース)で悪魔の数が増えるといっても、純血悪魔は貴重だ。ならば上級悪魔の御家同士がくっつくのはこれからの悪魔情勢を思えば当然だろう。この縁談には悪魔の未来がかかっているんだ!」

 

リ「家は潰さないし、婿養子は迎え入れるわ」

 

ラ「おお!じゃあ、さっそく俺と」

 

リ「でもそれは私が本気で好きになった人とよ。だからもう一度言うわ。ライザー、私は貴方とは絶対に結婚しない!!」

 

要約すると、部長は大学出るまでは自由に過ごしていい約束をしていたが、親たちは約束を破って縁談を進めてきたと。その理由が部長が亡くなった場合家が断絶するから。結婚以外の自由は約束通りだから問題ないと思ったのだろうか、それでいいのか悪魔たち。ライザーは部長の言葉を聞いて見るからに機嫌が悪くなり、舌打ちもしている

 

ラ「俺もな、フェニックス家の看板を背負って来てるんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてボロい人間の建物なんかにも来たくなかったし人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐えがたいんだよ!」

 

ライザーは背中から炎を出し、その影響で火の粉が部屋の中を舞った。あつっと思ったが熱くはないし部屋の中で燃えてるものもない。・・・見せかけか?

 

ラ「そもそもここに下等な人間風情がいること自体気に入らない。なぜここにいる?」

 

リ「彼はオカルト研究部の部員よ」

 

ラ「ならその部員全員燃やし尽くしてしまえば後残りはないな。君を冥界に連れ帰るぞ」

 

俺たちに向けて殺気を飛ばしてくるライザー。今度は本気か!?祐斗と俺は剣を出し、朱乃さんも手からバチバチと音がしている。イッセーはアーシアを庇っている

 

グ「双方、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私も黙って見ている訳にもいかなくなります。」

 

グレイフィアさんから放たれる魔力。俺達は体を上から押さえつけられるような感じがした。魔力を放つだけでこの重圧、ライザーとは比べものにならない

 

ラ「・・・最強の女王と称されるあなたにそんなことを言われたら、さすがに止めざる負えないな」

 

ライザーもグレイフィアさんには勝てないのか炎と殺気を収めた

 

グ「こうなることは、旦那さまもサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。ですので最終手段を取り入れることにしました」

 

リ「最終手段?」

 

グ「お嬢様がご自分の意志を通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』で決着をつけるのはいかがでしょうか?」

 

レーティングゲーム?なんだそれは

 

グ「本来なら公式のレーティングゲームは成熟した悪魔しかできません。しかし、非公式の純血悪魔同士のゲームならば、半人前の悪魔でも参加できます。この場合の多くは・・・」

 

リ「身内同士、御家同士のいがみ合い・・・よね」

 

部長が溜息をついた

 

 

グ「お嬢様はゲームも拒否なさるのですか?」

 

リ「まさか、こんな好機はないわ。・・・ゲームで決着をつけましょう、ライザー。」

 

部長はやる気のようだ。後はルールしだいだが・・・

 

グ「わかりました。ご両家の皆さんには私からお伝えします」

 

ライザーが口を歪めている

 

ラ「なあリアス。もしかしてここにいるのが君の眷属なのか?」

 

リ「1人を除いてそうよ。それがどうかしたの?」

 

ラ「この勝負は買ったも同然だな!何せ俺の眷属とまともに相手できるのは雷の巫女である君の女王しかいないじゃないか。それに公式のゲームも何度かやっている。さらに勝ち星のほうが多い。余裕だな」

 

ライザーがパチンと指を鳴らすと、魔方陣が現れる。その中から合計十五人の女の子が出てきた

 

ラ「どうだ!これが俺の可愛い眷属たちだ。君と違い15人のフルメンバーだ」

 

誰もが美女・美少女、全員が女だ。・・・あれ?これってイッセーの夢じゃないか?

 

ラ「お、おい、リアス・・・この下僕くん、俺を見て大号泣しているんだが・・・」

 

うん、まあわかってた。わかってたよイッセー

 

リ「その子の夢がハーレムなの。ライザーの下僕を見て感動したんだと思うわ」

 

「きもーい」

 

「ライザーさまー、この人、気持ち悪ーい」

 

ライザーの眷属たちから罵倒が飛んできた。当たり前だけどな

 

ラ「そう言うな、俺のかわいいおまえたち。あいつらに俺とおまえたちが熱々なところを見せつけてやろう」

 

そう言ってライザーは眷属の1人と熱いキスをしだした。婚約者の前ですべきことではないだろう・・・

 

ラ「お前じゃ、こんなこと一生できまい。下級悪魔くん」

 

イ「お前みたいな女ったらしと部長は不釣合いだ!」

 

イッセーは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出しながら叫んだ

 

ラ「「何言ってるんだ?おまえはその女ったらしの俺に憧れているんだろう?」

 

イ「うっ、うるせぇ!それと部長のことは別だ!」

 

ラ「英雄、色を好む。確か、人間界のことわざだよな?いい言葉だ」

 

イ「何が英雄だ!お前なんか、ただの種まき鳥野郎じゃねえか!火の鳥フェニックス?ハハハ!まさに焼き鳥だぜ!」

 

・・・同じ穴の狢だろ、おまえら。なんか見てるのも疲れてくる。それにフェイックスに対して焼き鳥と来たか、うまいな。でもここで笑うと目つけられそうだし無表情でいよう。部長とか朱乃さんも笑うの堪えてるけどバレバレだぞ

 

ラ「焼き鳥!?こ、この下僕悪魔ぁぁぁ!リアス、下僕の教育はどうなってんだ!?」

 

部長は笑いをこらえるのに必死で聞こえてないぞ

 

イ「ゲームなんざ必要ねぇさ!俺がこの場で全員倒してやらぁ!」

『Boost!』

 

イッセーがライザーに飛びかかるが

 

ラ「ミラ。やれ」

 

ミ「はい、ライザー様」

 

棍を持った少女がイッセーに突きを放つ。イッセーは避けることもできずに腹部に突き刺さった。そのまま天井に打ち上げられ、床に落下した。

 

「ガハッ!」

 

「イッセーさん!」

 

イッセーにアーシアが近寄り聖母の抱擁(トワイライトマザー・ヒーリング)を使って治療し始める。嫌な流れだ。さっき部員を燃やすとか言ってたし、人間嫌いみたいだし次は俺が狙われそうだな

 

ラ「ついでだ、そこの「アーシア先輩はいますか?」

 

ライザーの言葉を遮って部室のドアが開かれる。入って来たのは白音ちゃんと紙の束を持った葉月ちゃんだった

 

葉「今日は悪魔が多いですね。何かあったのですか?」

 

葉月ちゃんがかわいらしく首をかしげる。流石学園のアイドル、イッセーが飛び起きたぞ

 

グ「フィーリス!?なぜここに・・・いえ、彼女は1000年も前に死んでるはず。ここにいるはずが・・・」

 

 

 

 

【葉月side】

 

鐘が授業終了を知らせました。今週の掃除当番は私たちなので道具をかばんにしまって掃除を始めました

 

先生「お~い。東雲姉妹はいるか?」

 

葉「はい。何の用でしょうか?」

 

掃除の途中に先生が来ました

 

先生「よかった、いたか。確かお前たちはオカルト研究部に入っていたよな」

 

葉「はい。ほとんど出てはいませんが」

 

先生「アルジェントにこの課題を渡してくれないか?」

 

先生から手渡せれたのは古文の問題集でした。中を見ると赤で解説が書かれているものもありました

 

先生「やはり古文は苦手みたいでな。授業についていけてないみたいなんだ。それを解けば少しは授業についていけるだろう」

 

葉「わかりました。アーシア先輩にお渡ししますね」

 

先生「悪いが頼んだ」

 

先生が教室を去っていきました。私も掃除の続きを行おうとしましたがもう終わってしまったようです。私も掃除用具を片付け、白音と一緒に部室に向かいます

 

白「断ってもよかったじゃないですか」

 

葉「そうですねぇ。でもたまには行ってみましょう。アーシア先輩の歓迎会以来行ってませんから」

 

話しているうちに部室の前につきました。なぜか結界が張られてます

 

白「・・・この程度なら破るまでもなく入れますね」

 

葉「そうですね。お義姉さまに比べたらかなり雑ですね」

 

白音が結界に穴を作り、ドアを開けます。こんな簡単に結界内に入れるなんて、お義姉さまの結界ではありえませんね

 

白「アーシア先輩はいますか?」

 

白音の後に続いて部室に入ります。

 

葉「今日は悪魔が多いですね。何かあったのですか?」

 

部長たちを含め20人の悪魔が部室内にいました。流石に多過ぎです。イッセー先輩は飛び起きてました。何かあったのでしょうか?

 

グ「フィーリス!?なぜここに・・・いえ、彼女は1000年も前に死んでるはず。ここにいるはずが・・・」

 

メイド服を着た銀髪の悪魔が私を見てそう呟いてるのが聞こえました。なぜかお母様の名前を言ってます。それにお顔もお母様に似てます

 

葉「なぜ母のn「ほう。今来た2人、妖怪と悪魔か?なかなかの力を持っているな」

 

私の言葉を遮ったのは金髪で赤いスーツを着崩した悪魔でした。お義姉様も基本着崩してますが色気が段違いですね。お義姉様が羨ましいです

 

ラ「どうだ?眷属にはできないが俺の愛人にならないか」

 

白・葉「お断りします」

 

白音も同時に同じことを言いました。悪魔のそばにいていいことありませんし、愛人とか論外です。

 

ラ「貴様らぁ、俺を誰と・・・」

 

白「貴方が誰かなんてどうでもいいです」

 

葉「そうですね。アーシア先輩。これ先生からです」

 

ア「あ、ありがとうございます」

 

さて、これで先生からの頼み事も終わりました

 

葉「私たちはこれで失礼しますね」

 

私たちが部室を出ようとした時でした

 

ラ「この俺が下手に出ればいい気になりやがって。ミラ、カーラマイン、行け」

 

棍を持った少女と剣を持った女性が私たちに向かってきました。白音はすでに構えており、私も水を放とうとしましたが私たちの間にメイド服を着た方が入りました。

 

グ「そこまでです。それ以上の戦闘はレーティング・ゲームで決着をつけてください。」

 

ラ「っく、引けミラ、カーラマイン」

 

2人が引いたので私たちも構えを解きました。それにしてもこのメイドさんなかなかに早かったですね。

 

ラ「リアス!この2人も部員なのか?」

 

リ「ええ、そうよ」

 

ラ「ならそこの人間も含めてレーティングゲームに参加させろ。これは非公式だから悪魔以外も参加可能なはずだ。眷属も少なくゲーム初経験のリアスへのいいハンデにもなる」

 

グ「今回は非公式ということもありますので、助っ人という形で参加させることができる思われます」

 

ラ「なら準備期間として10日。その後、ゲームを始めよう。この準備期間の間に修行でも連携でも何でもするがいい。それでいいかな」

 

リ「わかったわ、必ずあなたを消し飛ばしてあげる!」

 

ラ「楽しみにしているよ、愛しのリアス。次はゲームで会おう!」

 

金髪の方が魔方陣を展開しその中に次々と悪魔が入り光になって消えていきます。これが眷属ってものなのでしょうか?

 

ラ「そうだ!俺が勝ったらそこの2人ももらうことにしよう」

 

魔方陣に入り私と白音を指さしてきました。私たちが了承するわけもないのですが

 

リ「ごめんなさい2人とも」

 

葉「いえ、とりあえず状況説明を求めます。そしてこちら方がつぶやいたことについても」

 

私はメイドさんに顔を向けました。彼女はにこりと笑うだけで何も言いませんでした

 

 

 

 

 

 

葉「なるほど。ライザーという方はフェニックスもといフェネクスの悪魔であり、部長の婚約者。私たちは結婚騒動に巻き込まれ、勝手に私たちもらうと言ったと」

 

リ「重ね重ねごめんなさい。貴方達を巻き込むつもりはなかったのだけれど」

 

私たちは今、部室のソファに座って説明を聞いてます。部長さんの隣には朱乃さんが座り、隣にメイドさんが控えています。後ろには眷属の3人が、ゼットさんは近くの椅子をもってきて座ってますね

 

葉「しょうがないですね。悪魔の言うことをわざわざ聞くことはありませんが、ストーカーなどされても困りますしお兄様たちの負担も変に増やしたくありません。参加するからには勝ちますが、勝てる要素はあるのですか?」

 

リ「はっきりって大博打だわ。勝負の鍵は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を持つイッセーだと思っているわ。」

 

白「あの、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)って何ですか?」

 

リ「知らないの?・・・そういえばあの時貴方達はいなかったものね。ちょうどいいわ祐斗やアーシアの神器(セイクリッド・ギア)についても教えてあげるわね」

 

リアス先輩からそれぞれが持っている神器(セイクリッド・ギア)について説明を受けました。イッセー先輩の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は10秒ごとに自身の能力が2倍に、祐斗先輩の魔剣創造(ソード・バース)は魔剣を創造できる。最近眷属になったアーシア先輩は聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)対象がどんな種族でも回復させることが可能というものらしいです。ゼット先輩はいまだ扱うことができないみたいで、羽を剣代わりにするか、風を纏う槍で戦うしかないみたいです。

 

リ「私と朱乃は神器(セイクリッド・ギア)を持っていないけれど、私は滅びの力、朱乃は雷を操って攻撃するのが得意よ」

 

白「以前見ましたが、あれが全力ってわけではないですよね?」

 

白音ははぐれ悪魔討伐の時に一度、先輩たちの攻撃を見ているんでした

 

リ「ええ、そうよ」

 

白「でも、貴方達だけではあの人数に勝てる気がしません。だからと言ってあのフェネクスには朱雀の炎を扱うものとして負けたくはありませんし」

 

リ「ちょっと待って。猫魈のあなたがなぜ朱雀の炎を使えるの!?」

 

葉「白音の師匠は現朱雀の弟にあたる方で」

 

白「修行の時大怪我を負ったのですが、そのとき仙術だけでは助からないため、師匠が自らの血を私に飲ませたようです。記憶はないですけど」

 

リ「なるほど、理由はわかったわ。なんとなくだけどライザーをフェネクスと呼ぶ理由もね」

 

葉「それで、受けてもらえるかわかりませんが先輩達を強くしていただくために貴方達の指導役をお兄様にお願いしたいと思います。受けてもらえるかは私たちの頑張り次第ですが」

 

私がお兄様と言った瞬間に朱乃先輩の目が一瞬大きく開いた。お兄様の許可さえ通れば神社に入れますからね。今回の件でますます入れなくなりそうですが

 

白「まさか10日何もしないつもりではないですよね?」

 

リ「当たり前じゃない!別荘がある山で修行を行うつもりよ」

 

白「貴方達は結婚がかかっているので学校は休むみたいですが私たちは普通に登校しますから合流できるのは放課後からですね、ゼット先輩はどうします?」

 

ゼ「俺はできれば修行を優先したいかな。学校は出来れば休みたくないがアミル・ガウルがいつまでも使えるないのは良くないし」

 

リ「ちょっと!貴方達は自分がどうなってもいいの!?」

 

白「先ほども言いましたが、あの悪魔が勝手に言ったことで私たちには関係ありませんから」

 

本当に関係ないんですよね。いや、悪魔とはいえ不死鳥ならかなりの生命力を持っているはずです。もし無理矢理私たちを奪おうとするならば、お兄様が喜んで捕獲に動くでしょう。

 

葉「次は私たちの番です。部長の隣に控えているメイドの方。私の母の名を口にしました。彼女は一体・・・」

 

グ「ご挨拶がまだでした。初めまして、私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。フィーリスとは1000年前に死んだ妹の名です」

 

白「・・・姓の方、ファミリーネーム?・・・は何といいますか?」

 

グ「ルキフグスといいます」

 

白「葉月。確か・・・」

 

葉「ええ。母の旧姓ですね。ということはグレイフィアさんは私の伯母(おば)になりますね」

 

リ・朱・祐・イ「「「「・・・えええええええええええええええええええええええええええ」」」」

 

ゼ「っ」

 

ア「?」

 

グ「フィーリスが・・・生きている」

 

先輩方が驚愕の叫びをあげました。ゼット先輩は耳をふさぎ、アーシア先輩は伯母の意味が分からなかったみたいです。グレイフィアさんは驚きの余り声が出ないようです。

 

グ「フィーリスは・・・妹は今どこに」

 

葉「現在お父様とともに日本を巡っていますので家にはしばらくの間いませんね。私たちもあまり会ってませんし」

 

グ「そうですか・・・」

 

明らかに落胆してますね

 

葉「お母様たちが帰ってきたら部長を通してお伝えしますか?お母様もおそらく会いたいと思っているでしょうし」

 

グ「お願い致します。それでは皆さま、私はこれで失礼いたします」

 

そう言ってグレイフィアさんが魔法陣の中へと消えていきました。

 

リ「悪魔とのハーフとは聞いてたけどまさかグレイフィアの妹だったなんて。・・・そういえば葉月ちゃんの私たちの指導役って葉月ちゃんのお兄さんみたいだけど、どういう人なの?彼も悪魔とのハーフだったりするの?」

 

葉「いいえ、お兄様は私と違い完全な青龍です。歴代最強と言われています。私たちが2人本気で戦っても勝てません」

 

白「そして、お義母様やお姉ちゃんのこともあって悪魔嫌いな傾向があります。特に部長は純潔なので注意してください」




次回!修行編

主人公の2人がついに作品内で出会います。

最後の主人公?まだまだ本編登場はないですね。外伝編で頑張ってもらいます


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修行 主人公遭遇編

今回は短いしストーリーは進まないし恐らくつまらない内容だと思います

それでも読んでくださる方はどうぞ


【蒼枒side】

 

黒「蒼枒。起きるにゃ」

 

体が揺され、愛しい者の声が聞こえる。目を開けると俺の隣に妻である黒歌が微笑んで座っていた

 

黒「おはようにゃ、蒼枒」

 

蒼「おはよう、黒歌」

 

まだ寝ている俺に黒歌が覆いかぶさりキスをする。5秒くらいで唇を離すと黒歌はほんの少しだが頰を赤く染めていた

 

黒「今日は白音たちの先輩たちに修行をつけに行くんでしょ。はやく起きるにゃ」

 

蒼「あ~そうだった。行きたくはないな」

 

何で悪魔のためにとぼやきつつ布団を片付ける。その間に黒歌は座布団を2つと櫛を用意していた。

 

黒「はやく。はやく」

 

座布団をポンポンと叩いて俺を急がせる。黒歌を背に座布団に座ると黒歌はすぐに髪を梳かし始めた

 

黒「にゃ、にゃ、にゃん♪」

 

機嫌よく髪を梳かす黒歌。俺の髪のまとめ方はその日の黒歌が決めている。昨日は特に何もしないでストレート、一昨日は毛先だけまとめていた。

 

黒「できたにゃ!」

 

どうやらできたみたいだ。今日はうなじと毛先のところを紐で束ねている。

 

蒼「ありがとな」

 

黒「どういたしまして。白音たちが朝食を待ってるにゃ、はやくいこ?」

 

黒歌に連れられて部屋を出る。本当にかわいいなぁ

 

 

 

 

【白音side】

 

お姉ちゃんがお義兄様を起こしに行きました。その間に葉月と朝食の準備をしておきましょう。準備と言ってもお姉ちゃんが用意してくれているのでご飯とみそ汁をよそうぐらいですが。

 

白「はぁ、やっぱりやめたほうがよかったでしょうか」

 

葉「そうですね。何しろリアス部長はお兄様が嫌いな純潔悪魔ですから。何もなければいいのですが」

 

今頃になって少し後悔しています。それは昨日、先輩たちの指導をお義兄様にお願いした時でした

 

~~~~~回想~~~~~

 

ジュージューと肉が焼ける音と香ばしいにおいが七輪から庭に広がっていきます。

 

蒼「ねぎまとレバーが焼けたぞ。次は何がいい?」

 

白「おいしいですね。あ、次はつくねをお願いします」

 

葉「私は豚バラで」

 

蒼「わかった。少し待ってろ」

 

庭にシートを広げ、すぐ横でお義兄様が七輪で焼き鳥を焼いてくれています。鶏だけでなく豚や野菜など様々な種類の串がさらに盛らさっています

 

葉「よくこんなに用意できましたね?」

 

黒「鶏肉に関したはお義父さまたちが比内地鶏を送ってくれたにゃ。あとは冷蔵庫にあったのを串に刺しただけ」

 

蒼「それよりも珍しいな、夕飯をリクエストするなんて。学校で何かあったか?」

 

白「・・・そのことなんですが、お義兄様にお願いがあります」

 

私たちは学校であったことをすべて話しました。フェネクスのこと、グレイフィアさんのこと、修行のこと。わかっていたことですが話している間にお義兄様の機嫌がだんだん悪くなっていきました。目も眼に変わってしまっています。

 

蒼「糞悪魔が!約束すら守らないとはふざけやがって!・・・事情は分かった。母様の姉についても伝えておくしなんで焼き鳥をリクエストしたかもわかった。それで頼みというのは」

 

白「先輩たちの指導をお願いします。今のままでは戦いにすらなりませんので」

 

はっきり言って今の先輩たちの実力では全員で中妖怪を相手しても倒すことすらできないでしょう。

 

蒼「なぜ俺が悪魔なんかに。よし焼けたな」

 

白「主に私たちの負担軽減のためですね。レーティングゲームでの。ありがとうございます」

 

葉「あのフェネクスの言葉を無視してもいいのですが、それ以前に負けたくはないですから」

 

あんな男が師匠と同じ朱雀(フェニックス)なんて認めたくないです。あの男にはどんな形であれ引導を渡してやります。そのためには先輩たちに頑張って周りの眷属を片づけてもらわないと

 

蒼「出るのは確定してるんだな」

 

白「はい、出なかった場合、何されるかわかりませんから」

 

先輩から聞いたあの男なら無理矢理でも私たちを連れて行こうとするでしょう。ここを襲ってくれれば問答無用で捕獲できますが学校だと面倒ですから。

 

黒「やってあげれば?白音たちなら負けるとは思えないけれども、万が一ということもあり得るにゃ」

 

蒼「そうだな、変にリスクを負う必要はないか」

 

よかった。どうやら引き受けてくれるようです

 

蒼「気乗りはしないが引き受けよう。その先輩たちの特徴や戦闘方法を教えてくれ」

 

~~~~~回想終了~~~~~~

 

一応話せることはすべて話しましたが大丈夫ですかね。準備が終ったので先に座ります。ちょうどお姉ちゃんたちも来たみたいです

 

蒼「葉月、白音、おはよう」

 

葉・白「おはようございます、お(義)兄様」

 

黒「今日は少し早く行くんでしょ?早く食べるにゃ」

 

お姉ちゃんたちが座るとみんな手を合わせます

 

全「いただきます」

 

 

 

【ゼットside】

 

俺達は、10日後のレーティングゲームの為に部長が所有する山に修行しに来た。

 

イ「ひーひー」

 

ゼ「イッセー、頑張れよ」

 

イ「そ、そんなこと言われてもよぉ」

 

イッセーは既に疲労困憊だ。俺もきついがイッセーほどじゃあない。こんな状態で登りきった後に待っているであろう修行に耐えられるのか?

 

リ「ほら、イッセー。早くなさい」

 

部長が遥か前方から檄を飛ばしてくるが、今のイッセーの耳には届いていない。というより

 

ゼ「イッセーお前、部長や朱乃先輩に負けるのはどうかと思うぞ」

 

イ「それは・・・悪魔だから・・・」

 

ゼ「お前も悪魔だろう」

 

イッセーや俺と同じく部長たちも自分の荷物の他に食材等生活に必要なものをもっているからな。女性に負けてられないぞ。アーシアは除いてだが

 

祐「部長、山菜を摘んできました。夜の食材にしましょう」

 

祐斗は俺やイッセー以上の荷物を背負いながら山菜まで摘んできていた。

 

朱「あらあら、今日は何にしましょうか?」

 

リ「無難にてんぷらでもいいんじゃないしら」

 

朱「うふふ、私は和え物も良いと思いますわ」

 

部長たちの楽しそうな声が聞こえてくる。

 

イ「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

すると、何を思ったかイッセーがいきなりスピードを上げて、部長たちを追い抜いて山をかけ登っていった。

あいつ、この後大丈夫か?

 

 

登頂

 

案の定、先に別荘に着いたイッセーは死んでいた

 

ゼ「まあ、そうなるな」

 

とりあえずイッセーを日陰に寄せて荷物を部屋に置きに行く。てっきりコテージなんかと思っていたがあったのは日本の山には似合わない屋敷だった。これがヨーロッパ辺りならまだわかるが日本だぞここ。・・・気にしてもしょうがないしジャージに着替えるか。

 

ガチャ

 

ちょうど着替え終わった時に復活したイッセーが入ってきた。

 

ゼ「もう大丈夫なのか?」

 

イ「ああ、なんとかな」

 

ゼ「早く着替えろよ。もう部長たちも着替え終わってるはずだから」

 

イ「わかってる。その部長に起こされたからな」

 

屋敷の外に出るとイッセーが言ってたように着替え終わった部長たちがいた。しかし・・・

 

ゼ「部長。葉月ちゃんと白音ちゃんは?」

 

リ「学校に行く前に兄を連れてくるって話だったのだけれど・・・迷ったのかしら?」

 

イ「すみません。お待たせしました」

 

イッセーも着替え終わったようで屋敷から出てきた。さてこれからどうしようかと思ったところで何か音が聞こえてきた

 

リ「なに!?この音!」

 

祐「わかりません。だんだん近づいてきます!」

 

同じリズムで音がだんだん大きくなり何かが近づいてきているがわかる。音のする方を見ると高速で登ってくる人影があった

 

リ「一体何者!?あんな速さで登ってくるなんて!」

 

?「ここだな」

 

まだかなり距離があるように見えたがその人影はわずか数秒で登り切ってきた。青い銀色の髪に和服。腰には2本の鞘を差し下駄をはいているこの人は一体・・・

 



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修行 開始編

すみません。前話を少しカットしました。

今回、主人公がオカ研と戦います。うまく書けたでしょうか?


【蒼枒side】

 

俺は今葉月達に連れられてとある山の麓にいる。どうやらここが葉月たちの先輩が所有する山らしい。一応土地の所有権を調べたがある日を境にグレモリーに所有権が移っている。大方契約の対価として手に入れたのだろう。税金も払っているみたいだから文句は言えない。

 

葉「お兄様。先輩たちはどうやら山にある屋敷に向かっているみたいです」

 

蒼「わかっている。俺も感知しているからな」

 

仙術を使い山にいる生物の気配を感知する。山の中に悪魔なんていないからすぐにわかる。数は5、他に人間が1人が登っている

 

蒼「俺は山を見て回りながら登るが葉月たちはどうする」

 

葉「私たちはお兄様が到着してから転移しますよ」

 

蒼「そうか、じゃあ後でな」

 

そう言って俺は山の中に入っていく。たかが山一つ5分あれば十分だ。

 

 

蒼「特に異常はない・・・か」

 

もしこの山に冥界のものが植えられ、さらに危険なものだったのなら、それを理由にこの山を奪い取れたんだが、そううまくはいかないか。一通り見まわったので山頂に向かうとしよう。山頂までは道があるため屋敷まで10秒あれば行けるだろう

 

?「なに!?この音!」

 

?「わかりません。だんだん近づいてきます!」

 

何やら声が聞こえたが誰かわからないので無視して登り切る

 

蒼「ここだな」

 

屋敷の前に着くとずつジャージ姿の男女がいた。

 

リ「あなた!一体何者!?」

 

赤い髪の女が叫んできた。こいつがグレモリーとかいう純血悪魔だな。

 

蒼「叫ぶな。俺は「相変わらず、速いですね」」

 

葉月たちが転移陣から現れた。ほんとに下で待ってたのか

 

リ「葉月に白音!この人は誰?」

 

葉「今回部長たちを指導を引き受けてくれました蒼枒お兄様です」

 

 

 

【ゼットside】

 

蒼「紹介にあずかった東雲蒼枒だ。今回お前たちの指導に当たる」

 

リ「私がオカルト研究部部長のリアス・グレモリーよ。 今回はわざわざありがとう。さっき登ってくるのを見たけどかなり速かったわね」

 

蒼「あの程度で速いとはな」

 

嘘だろ!ここまで来るのに結構な距離があったんだぞ。あの口ぶりからからするにあれは遅いって言ってるようなものだぞ。部長も軽くショックを受けたみたいだがすぐにみんなの紹介に移っていた。俺はその間に蒼枒さんをよく見てみよう。青い銀色の長い髪は後ろで1本にまとめられている。緑の和服に1本下駄で下駄は金属っぽいな。・・・ん?1本下駄の鉄下駄!?それで山登ってくるとかふざけてるのか!?

 

イ「あーーーっ!思い出した。巨乳の和服美女と一緒にいた人だ!」

 

俺が驚愕しているとイッセーが何かを思い出したらしい。

 

リ「イッセー。彼を知っているの」

 

イ「去年元浜達と街で遊んでいるときに見かけたんです。2人とも和服で目立ってました」

 

ほう、あの変態3人組で街にね。盗撮とかしてなかっただろうな

 

リ「そうだったの。普段から和服を来てるの?」

 

蒼「そうだな。家にあるのはほとんど和服だ」

 

リ「今時珍しいわね。じゃあ次で最後よ。彼は朧月絶斗。悪魔じゃないけれど今回の合宿に参加するわ」

 

ゼ「初めまして朧月絶斗です」

 

蒼「剣が使えないんだったな。今回で使えるようになればいいな」

 

他の人同様、あらかじめ葉月ちゃんたちから聞いてたみたいだ。言われた通り今回の合宿で何とかあの剣を振えるようになりたい

 

葉「自己紹介も終わったみたいなので私たちはもう行きますね」

 

リ「ちょっと!本当に学校に行くの!?」

 

白「もちろんです。何のために制服着てると思ってるんですか」

 

確かに制服姿で修行なんて普通しないよな。

 

葉「行くまえに一つ忠告しておきます。この後お兄様と戦うことになるでしょう。そのとき上段から剣が振り下ろされた場合は必ず避けてください。さもないと」

 

死にますよ。そういって魔方陣に入っていった

 

蒼「葉月の言った通りこれからお前たちの実力を見せてもらうため俺と戦ってもらう。全員まとめてかかって来い。本気でな」

 

リ「ち、ちょっと待って。本当に私達全員の相手を一度にするっていうの?」

 

蒼「もちろんだ。お前たちでは手も足も出ないと思うがな」

 

蒼枒さんがあからさまに挑発してくる。その言葉に部長はイラついたようだ

 

リ「日本の青龍だから何だってのよ。私たちを甘く見ないで!行くわよ皆」

 

「「「「はい!」」」」

 

部長の一声で俺とイッセーと祐斗は神器(セイクリッド・ギア)を出し、部長と朱乃先輩は腕を向ける。祐斗とイッセーが一歩踏み出した瞬間

 

蒼「・・・遅い」

?「キャア」

 

腕を組んでいたはずの蒼枒さんが長い竹を手に腕を振り下ろしていた。そして後ろから倒れる音とアーシアの声が聞こえた。

 

イ「アーシア!」

 

リ「嘘・・・全く見えなかったわ」

 

誰も反応するどころか振り下ろす腕も見ることができなかった。純血悪魔の部長や騎士(ナイト)である祐斗さえも・・・。アーシアは上から竹をたたきつけられ地面に押さえつけられている

 

イ「アーシアは戦えないんだぞ!なんでアーシアを狙った!」

 

蒼「何を言ってる?俺は全員でかかってこいと言ったはずだ。ならば俺の標的もおまえら全員となる。それに回復役から狙うのは当たり前だろう?本人が戦えないのならばなおさらだ。誰も守ろうとしなかったお前らが悪い」

 

確かにそうだ。回復役から攻めるのは戦いの基本。なのに蒼枒さんの挑発に乗せられ俺たちは攻めることばかり考えてた。

 

蒼「所詮は竹だ。切れたりしないから安心しろ」

 

イ「よくもアーシアを!」

 

《Boost》

 

イッセーが倍加を使って殴りかかる。蒼枒さんは竹を捨て、角材を作り出す

 

蒼「動きが直線過ぎる。大振りすぎる。カウンターしてくださいって言っているのか?」

 

イ「がはっ」

 

イッセーは角材で腹を突かれそのまま木まで吹き飛ばされた

 

蒼「これで早くも2人脱落か」

 

リ「よくもイッセーとアーシアを・・・行くわよ朱乃」

 

朱「うふふ。これはどうですか」

 

部長が滅びの魔力を、朱乃さんが雷を放つ。が俺の予想ではその程度の攻撃

 

蒼「その程度か」

 

蒼枒さんは角材で地面を軽く突くと地面から人も飲み込めそうな大きな植物を出現させた。2枚の葉の縁に牙のようなトゲがあり、2枚貝のように重なるように生えている。その植物は向かってくる魔力と雷をかみ砕き部長に向かって突進する

 

リ「うそ・・・」

 

蒼「防がれたくらいで一々ショックを受けるな」

 

植物の突進を正面から受けた部長はそのままふき飛ばされた

 

イ「部長!」

 

手加減されていたのだろうか地面に倒れていたアーシアはいつの間にか起き上がりイッセーを回復していた。回復したイッセーは先ほどと同じく蒼枒さんに殴りかかるが

 

蒼「さっきと何ひとつ変わっていない。それに脱落したんだから大人しくしていろ」

 

まるでリプレイを見ているかのようにイッセーが突かれ木に飛ばされた。

 

蒼「さて残ったのは速さが自慢の騎士(ナイト)と朱璃さんとバラキエルさんの娘とまだ動きを見せず俺を観察していた人間か」

 

蒼枒さんはもう一度地面をつくと植物が枯れるように消えた。祐斗は剣を構え、朱乃さんは手に魔力を溜める。俺も羽を槍に変えると力を溜める

 

ゼ「朱乃さん、祐斗、時間を稼いでください。残った中で一番強い威力が出せるのはおそらく俺です」

 

祐「わかった。任せてよ」

 

朱「一矢報いて見せますわ」

 

祐斗が高速で移動する。俺にはかすかに祐斗が見える程度だ。縦横無尽に駆け回り正面・横・後から斬りかかる。だが・・・

 

イ「いいぞ祐斗」

 

リ「そのまま押し切っちゃいなさい」

 

ゼ「まずいな」

 

リ「え?なんで」

 

イ「祐斗に防戦一方だろ」

 

ゼ「蒼枒さんの足元よく見てください」

 

安全な場所から応援していた部長たちの視線を蒼枒さんの足元に向けさせる

 

イ「嘘だろ!」

 

リ「一本下駄なんて」

 

ゼ「そうじゃないでしょう!」

 

リ「わかってるわよ!彼は今まで一歩も動いてないんでしょう?」

 

ゼ「はい。その通りです」

 

部長を吹き飛ばした植物を召喚するときはともかく、イッセーを突き飛ばした時も、高速で動いている祐斗の攻撃さえも一歩も動かずに右手に持った角材で防いでいる

 

朱乃「祐斗君。避けてください」

 

朱乃さんの手から雷が放たれる。溜めていた分その威力は先ほどの比じゃないだろう

 

蒼「待ってやったのにその程度か。朱璃さんのほうがまだ上だぞ」

 

蒼枒さんの左手から雷が放たれると向かってきた雷を飲み込みそのまま朱乃さんを襲った

 

朱「きゃあああ」

 

朱乃さんは黒い煙を出しながら膝をつく

 

祐「今なら」

 

祐斗が蒼枒さんの背後に回り剣を振り下ろすが

 

祐「なっ!?」

 

蒼「速いと言われてもこの程度か。速さを誇るなら音速くらい速くなってから言え!」

 

蒼枒さんは背後からの剣を掴み、そのまま前に投げ飛ばす。驚いたのはその剣の止め方だ。振り下ろされる剣を下から掴んで止めるのではなく、上から掴んで止めたのだ。投げ飛ばされた祐斗の前に折れた剣と角材が突き刺さった。

 

蒼「残ったのはお前ひとりだ。その大きな風を纏った槍をどうする?」

 

ゼ「どうするもこうするも、俺は投げるだけだ!」

 

俺が持てる最大まで風を纏わせた槍を蒼枒さんに向かって投げる。これが今俺の出せる最大だ。その威力はフリードに向けて放った時よりも何倍も大きいだろう。周りの木々が引っ張られ葉っぱと砂が巻き込まれる。これならば

 

蒼「なかなかの威力だ。だが」

 

腰から刀を抜き、上段に構えた。巨大な竜巻を纏った槍に対し蒼枒さんは一歩踏み込んだ状態で刀を振り下ろしていた。その斬撃は槍と竜巻を切り裂いた

 

イ「はあ!?」

 

リ「嘘でしょ・・・」

 

朱「あらあら・・・」

 

祐「ははは・・・」

 

ア「すごいです・・・」

 

ゼ「もう無理だ。降参です」

 

斬られ飛ばされた槍は傷ひとつなく地面に突き刺さっている。が、それを回収する暇は与えてくれないだろう。山を登ってくるのもあれだけ速いのだ。この程度の距離などあってないようなものだろう。

 

蒼「さて、おまえらの実力はだいたいわかった。これから指導することになるが・・・俺が指導できるのは基本的に近距離戦闘だ。術は参考程度しかならないだろう」

 

リ「待って。あなたも朱乃と同じく雷を使っていたじゃない」

 

蒼「あれは妖術だ。まあ同じ雷だから朱璃さんの娘さんは参考にはなるんじゃないか?」

 

蒼枒さんは刀を鞘に収めながら言った。

 

蒼「すぐにでも始めるぞ。時間がないからな」



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修行 前編

毎週UAが安定して1,000超えるようになりました。
そしてUA合計が20,000を超えました。
こんな表現が安定しない作品を読んでくださるたくさんの方々、ありがとうございます。


【ゼットside】

 

蒼「修行を始める前にお前たちに渡しておくものがある」

 

これから始めるって時に蒼枒さんは6枚の札を取り出し俺たちに1枚ずつ渡した。この札は一体

 

リ「この札は何?」

 

蒼「その符は過重符と言って身体にかかる重力を増やす符だ。これからレーティングゲームだったか?が始まる直前まで風呂と寝るとき以外着けてもらう。着ける場所はどこでもいいぞ。掛かる重力は男は3倍、女は2倍だ」

 

それぞれ腕や肩に張っていく。俺は腕に張ったが急に身体が重くなるのを感じがした。女性陣はそれほど苦にしてないみたいだがイッセーも祐斗も少し顔を歪め身体が前のめりになっている

 

祐「これは・・・」

 

ゼ「きついな・・・」

 

イ「これを常につけるとか・・・」

 

蒼「その状態で修行を行うんだぞ。何も動いてないのに苦しがってどうする」

 

溜息を吐きながらそう言うが、この状態で体を動かすとかマジできついぞ

 

リ「何もつけてないあなたと違って私たちは重力が増えてるのよ。そんな言い方はないんじゃないかしら」

 

蒼「お前たちに渡したものを俺がつけてないと思ったのか?とんだお花畑思考だな」

 

イ「そこまで言うおまえはどんなのをつけているんだ!」

 

蒼「俺は重力が15倍になる符を着けている。これで満足か?」

 

嘘だろ!15倍ともなるとよほど体が軽くない限り1トンの重りをつけてるようなものだぞ。その状態でさらに鉄下駄を履いてあのスピード出すとか化物か。・・・青龍だったな、この人

 

蒼「驚いている暇はないぞ。まずは変態とアーシアという女からだ。2人には一日中山を走ってもらい体力をつけてもらう」

 

オカ研「は?」

 

蒼「この2人は特に体力がないからな。戦うにせよ逃げるにせよのに体力がないのは論外だ。幸いにもここは山で起伏の激しい場所もある。走って全身を鍛えるのにはもってこいだ」

 

イ・ア「・・・は、はぁ。」

 

蒼「そうだ、ただ走るだけじゃもったいないな」

 

蒼枒さんは袖から人型の札を2枚取り出し中に浮かべた

 

蒼「この式神から逃げてもらう。式神はお前たち2人を狙って雷を放つ。当てられないように気配の察知し攻撃を躱せ」

 

式神がそれぞれイッセーとアーシアに向かって雷を放つ。

 

イ「アーシア!アバババババ」

 

ア「イッセーさん!」

 

蒼「庇ってどうする。修行になんないだろう」

 

アーシアを庇ってイッセーが2つとも受けたが悲鳴の割にはピンピンしている。

 

蒼「今のは弱くしたが本番はそんな余裕はないぞ。それと2人は別々の方向に逃げてもらう。今みたいに庇ってたら意味ないからな。もちろん助けるのもなしだ。10秒後式神が動くからそれまでに距離を稼ぐがいい」

 

イッセーとアーシアが逃げ出し、10秒後式神が飛んで行った。少しするとイッセーの叫び声が聞こえた

 

蒼「次はグレモリーと朱璃さんの娘さんだ」

 

朱「その前に。私のことは朱乃とお呼びください。葉月ちゃんたちから聞きました。母を助けていただきありがとうございます」

 

蒼「そのことか、こちらこそ済まない。もう少し早ければ・・・朱乃も一緒に助けれたんだが」

 

朱「いえ、生きて母と会うことができましたから。・・・一つお願いがあります。私も神社の中に入ることができるようにしていただけませんか?」

 

蒼「それは無理だ」

 

朱「!?それは何故!」

 

蒼「おまえが悪魔だからだ!」

 

途端に蒼枒さんから殺気があふれ、俺たちは一歩後ずさる。よく見ると瞳が細くなりドラゴンの眼みたいになっていた。

 

リ「なんで悪魔が入ることができないのよ!」

 

蒼「それは悪魔は契約を何よりも遵守する種族とうたっておきながら、悪魔は平気で裏切るからだ!俺の妻は悪魔と交わした契約を破られ、見つけた時はボロボロの状態だった」

 

何だって!悪魔は契約に忠実と部長は言っていた。それを悪魔側から破っただと

 

リ「そんなの嘘よ!」

 

蒼「事実だ。それに今回の件ついてもお前は大学まで自由にしていい約束を親と結んでいたと聞いた。だが現実はどうだ?約束を破り、無理矢理結婚させようととしているじゃないか。契約も、約束も、平気で破る奴らを自分の土地に入れたくなんてないだろ」

 

そう言われれば反論できない。誰だって自分を裏切る奴を自分の家に上げたりはしない。それが赤の他人ならなおさらだ。

 

蒼「悪いが入れることはできない。どうしても入りたいなら悪魔をやめるんだな」

 

悪魔をやめる。それは部長の眷属を辞めるということだ。朱乃先輩は仲間(悪魔)をとるか家族(人間)をとるか非情な選択を迫られている

 

蒼「別に今すぐ決めなくてもいいし特に期限を設けるつもりもない」

 

蒼枒さんから発せられていた殺気もいつの間にかおさまっており、眼も目に戻っていた

 

蒼「この話はここまでにして2人の修行内容だが・・・俺が2人に教えることはあまりない。術に関しては妻や葉月のほうが得意だからな」

 

部長たちの攻撃を砕き、朱乃先輩の雷を正面から打ち破ったにも拘らず得意でないとは。蒼枒さんは2人の前に2本の木を生やした

 

蒼「これからお前たちにはこの木を破壊してもらう。この木は相手の力を吸収し、傷を治すようにした。魔力がどんなものかは分からないが限界まで使えば魔力の総量は増えるだろう。後はどれだけ無駄を省くか。2人とも溜めてから放っていたがあの程度の威力、すぐに撃てるようにならなくてはならない。さて、次は近接の2人だがもう少し広いところでやるか」

 

蒼枒さんに連れられて部長たちから離れたところに移動する。

 

蒼「俺が主に指導するは剣を使うお前たち2人だ。これから毎日俺が帰るまで戦ってもらう。強くなるには戦うのが一番早いからな」

 

木刀を出現させこちら向けながら言った

 

蒼「さあ来い。!速さしか取り柄がない騎士と剣の振るえない槍に頼った剣士。今度はお前らに合わせて戦ってやる!」

 

俺たちは剣を出し、気合を入れて挑んだ




今回から蒼枒が指導を行ってますがですが・・・実際魔力とか術ってどうやって鍛えればいいんでしょうかね?作者は脳筋なので難しいことわからりません(´・ω・`)ショボーン


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修行 中編

最近黒歌がヒロインの作品が増えてきてうれしいです

しかし眼に特殊能力がある主人公が多いですが原作の方で何かあったんですかね(´・ω・)?



蒼枒side】

 

祐「まずは僕から行きます」

 

グレモリーの騎士が地を蹴り、ジグザグに移動しながら向かってくる。木場といったか?これで高速だからな。速さが自慢の天狗たちに言ったら確実に笑われる

 

蒼「はぁ」

 

とりあえず騎士の速さに合わせてみるか。常に正面にいれば斬りやすいだろう

 

祐「ぴったりついて来る!!?」

 

驚くことか?合わせるぐらい簡単なことだろ。驚いた騎士が剣を振り下ろしてきたので切り結ぶようにそれに合わせて木刀を振う。3回剣と木刀が触れたところで騎士の作り出した剣が折れた

 

祐「なっ!?」

 

蒼「3回打ち合っただけで折れるか。脆すぎるだろう。もっと頑丈に作り直して来い!」

 

祐「うわっ!」

 

そう言って優しく蹴り飛ばす。騎士は地面を転がるがすぐに体勢を立て直し新たな剣を出した。・・・確か魔剣創造(ソード・バース)は剣を作り出す神器と葉月たちに聞いたが、いくら魔剣を作れるといってもこんな脆いんじゃ意味がない。

 

ゼ「次は俺だ!」

 

騎士と入れ替わるように飛び込んできたのは剣の代わりに羽と槍で戦う剣士。ゼットとか言ったか?模擬戦での風を纏った槍はなかなかの威力だったが、地面にさしている剣で戦いたいのであればと今握られている羽の双剣ではなく羽の剣1つで戦わなければならないと思うのだが

 

ゼ「っく。手数はこちらが多いはずなのに」

 

蒼「軽すぎる!両手を使え」

 

ゼ「ぐはっ」

 

7回切り結んだところで両の手が上がり、スキだらけなので騎士と同様に蹴り飛ばした。

 

祐「ゼット君!」

 

またも入れ替わりで騎士が入ってきたがその手に握られてたのは頑丈そうな大きな剣だった。その見た目にどうり重量もあるのだろう、さっきよりも速度が遅い

 

祐「これで!」

 

騎士がその大剣を振り下ろすが身体を半分ずらし回避する。振り下ろされた剣は地面にめり込み騎士は動けなくなる

 

蒼「確かに頑丈そうだがスピードが落ちてるぞ!それとこんなものは」

 

剣を踏み抜き破壊する

 

蒼「何の意味もない。動かず防御に徹する状況ならともかく自身の速さを潰すような剣を作るな!」

 

さてヒントは出してやった。今日中に気づけばいいが・・・

 

 

 

 

 

 

蒼「夕方か・・・そろそろ終わりにするか」

 

俺の目の前には倒れている騎士とゼットがいる。今まで戦いとは無縁だったゼットはともかく騎士の方は悪魔と戦ってきたはずだが・・・今まで良く生き残れたな

 

蒼「今日はここまでだ。俺は他を見回って帰る。明日は今日よりもましになってると良いな」

 

ゼットは途中から羽1本で戦い始めた。騎士もばらつきはあるが最高で10回耐えられるようになった。後は切れ味と剣の種類を増やせば多くの相手と戦うことができるが、そこまで求めた場合、間に合うかと聞かれたら微妙なところだ。次はアーシアと変態をみてみるか。2人に着けた式神にこちらに来るように誘導させる。5分ぐらい経ったところでボロボロになった2人が俺の前に倒れた。

 

蒼「できれば明日の夜までずっと走ってもらいたかったが、明日は白音の指導が入るからこれまでだ。・・・なににやけた顔をしてるんだ変態が!」

 

変態が急に元気になり顔をへらへらさせやがった。大方白音と一緒にいられるのが楽しみなのだろうがこんな余裕があるならば夜まで走らせとけばよかった。とりあえず蹴り上げといて後のことは他の奴に任せることにした。残るは朱乃とグレモリーだ。魔力の総量を増やすため術の一部を吸収し自己回復できる的を用意したんだが・・・

 

蒼「・・・何故こうなった?」

 

リ「知らないわよ。こうなるようにしたんじゃないの?」

 

俺の目の前には何故か育った2本の木があった。確かに修復機能は持たせたがそれで成長するとは。予想よりも威力が低かったみたいだ。グレモリーは言葉こそ普通そうだが、体がフラフラと辛そうだ。

 

蒼「明日は葉月が教えてくれるはずだ。俺よりも術の扱いが得意だから何か得るものはあるだろう。俺はそろそろ帰らせてもらう。」

 

朱「あら?夕飯はご一緒になりませんの?」

 

蒼「妻が夕飯を作って待っているからな」

 

朱「あらあら。それは残念です」

 

朱乃からしたら朱璃さんのことで何か言いたいことがあったかもしれない。だが悪魔と一緒に飯は食べたくない。

 

蒼「明日は学校が休みだから妹達も来る。楽しみにしてるんだな」

 

俺は転移陣を出し、黒歌が待つ家に転移した

 

 

 

 

 

 

蒼「ただいま」

 

玄関に転移した俺はそのまま下駄を脱いで居間に入った。

 

黒「蒼枒!大丈夫?何もされてない!?」

 

蒼「大丈夫だって。何もされてないから」

 

入った瞬間目の前に瞬間移動してきたエプロン姿の黒歌が現れ抱き着いてきた。

 

黒「そう、よかったにゃ。・・・おかえり、蒼枒」

 

蒼「ただいま、黒歌」

 

ただいまのキスをする。余程心配だったのだろうかなり慌てていた。でもそんな黒歌もかわいい

 

白「いつまでも何やってるんですか」

 

黒「にゃ、白音」

 

蒼「白音ただいま」

 

白「お帰りです。お姉ちゃん料理の途中なのでは?」

 

黒「そうだったにゃ!」

 

黒歌は瞬間移動したのだろう、すぐに消えた。

 

白「お姉ちゃんはいつもお義兄様にべったりですね」

 

蒼「うらやましいだろ?」

 

白「・・・まあ、そうですね」

 

私もいつか師匠と・・・と小声で言ったのが聞こえた。朱明は今世界中を旅していてなかなか来ないからな。白音の気持ちも大きくなっていくばかりだ

 

 

 

【白音side】

 

お姉ちゃんとお義兄様はいつ見ても羨ましいです。今は家にいないお義父様とお義母さまもラブラブですし私もいつか師匠と・・・

 

蒼「ところで葉月はどうした?」

 

白「お風呂です」

 

蒼「そうか」

 

葉月がどこにいるかを聞かれ我にかえります。すぐに答えることができましたがお義兄様には私が師匠を思っていたことがバレてるでしょう。お義兄様は刀は異空間にしまうとソファに座り、テーブルにあった煎餅を一枚口に放り込みました。私もソファに座り今日のことを聞いてみます

 

白「お義兄様。部長達はどうでした?」

 

蒼「弱い」

 

白「知ってます」

 

そんなことはわかってます。戦闘経験がほとんどない彼らがいくら神器や悪魔だからいって強いわけがありません。

 

蒼「とりあえず変態とアーシアって子は体力と筋力を鍛えるために走らせて、朱乃とグレモリーは魔力の総量を増やす特訓をさせといた。この4人は明日と明後日で白音と葉月が指導するんだろ?」

 

白「そうですね。あのイッセー先輩は基本的に殴のが攻撃手段でしょうし、アーシア先輩もせめて自衛の仕方ぐらいは覚えてもらわないと」

 

指導できる時間が多くとれるのは明日と明後日、そして来週のゲーム前日のみ。学校から帰ってきてから指導してもいいんですが走り疲れて体力がないでしょう。

 

蒼「騎士とゼットはそれぞれ直すところに気づいたみたいだ。あとできるとしたら騎士の方に緩急をつけるようにアドバイスをすることだが・・・」

 

あまりに実力が離れている場合通用しないけどな、とお義兄様は言った。確かにその通りです。私もお義兄様相手にやったことがありましたが、タイミングがずれて剣が空振りしているにもかかわらず、そのまま斬りかえしてきた刀が迎撃に間に合うんですから

 

 

 

 

 

 

【ゼットside】

 

蒼枒さんが帰ったあと、打ち上げられたイッセーをアーシアが治療し、その間にみんなで夕飯を作った。とりあえず簡単に大量に作れるカレーを作ったが・・・

 

イ「おかわり!」

 

朱「あらあら。すごい食欲ですわね」

 

イッセーの食欲がヤバい!俺も祐斗も結構食べてるがイッセーはどこに入ってるんだってぐらい食べてる。厨房に会った寸胴いっぱいに作って3日分はあると思ったが明日でなくなりそうだ

 

リ「さて、食事の後はお風呂に入りましょ」

 

イッセーがスプーンを口に入れながら顔を上げた。あの顔だらしない顔は何か考えてるな。それとさっさと食い終われ。

 

ゼ「部長達は先に入ってください。俺たちは洗い物とかやって休憩してから入ります。あんな量に食べたイッセーが休まないで入ると吐く可能性もありますから」

 

リ「あらそう。ならお願いね」

 

朱「殿方のお背中をながしてみたかったのですが残念ですわ」

 

ア「皆さんお願いしますね」

 

女性陣が部屋から出て行った。俺と祐斗が食器を下げてるとイッセーが急いで食べ終えて俺に詰め寄ってきた

 

イ「ゼット!お前!部長たちの生おっぱい見れるチャンスを・・・」

 

ああ。やっぱりそんな考えだったか

 

祐「さっきゼット君が言った通りあれだけの量を食べたんだ。休まないと吐ちゃうよ」

 

ゼ「どうせ一緒に入ろう。なんてことを言おうとしてたんだろう」

 

ギクッって聞こえた気がする。

 

ゼ「はあ、お前ここに何しに来てるんだ?遊びに来てるわけじゃないんだぞ。それに前衛で戦う俺たちの中でお前が一番弱いんだ。少しでも体を休ませておけ」

 

イッセーとアーシアを指導するのは白音ちゃんと聞いた。普通に格闘の指導も行うだろうが模擬戦も行うだろう。その場合アーシアよりもイッセーのほうが多く行われるはずだ。今日の俺達みたいにボロボロになるまでやるのは間違いないだろう。

 

 

 

食器を洗い、ついでに明日の朝飯の準備もしておいたら30分ぐらい経っていた。これぐらい経てば大丈夫と思い俺たちも風呂に入った。俺と祐斗は湯船に浸かっていたがイッセーは女湯の仕切りの壁に引っ付いて唸っていた。覗こうとしてるんだろうが覗けるわけないだろう

 

祐「蒼枒さんすごかったね」

 

隣にいる祐斗がそう呟いた

 

ゼ「そうだな」

 

祐「速さには自信があったんだけど・・・自信無くすなぁ」

 

ゼ「俺たちよりも重力がかかっている状態でさらに不安定な一本歯の鉄下駄で祐斗に追いついてなお余裕があるからな」

 

騎士はスピードに特化した駒と教えてもらったがそのスピードを蒼枒さんは軽々と越えていった。魔剣創造(ソード・バース)で出した剣も散々折られてるしかなりショックを受けているみたいだ。だけど・・・

 

ゼ「しょうがないって。たぶん蒼枒さんは神様だからな」

 

祐「え?」

 

イ「嘘・・・だろ?」

 

覗こうとしていたイッセーも反応してこちらを向いている

 

ゼ「ここすごいな。山の中なのに携帯の電波が通じるなんて」

 

風呂に入る前に少し気になって調べてみた。白音ちゃんたち2人が部に入ったときに調べればよかったんだろうが特に気にしてなかったからな。検索結果は青山龍神宮がヒットした。この神社は古くからあり、青龍を祀っているらしい。となると青龍である葉月ちゃんもそのお兄さんである蒼枒さんも神様であると考えられる

 

イ「神・・・俺、よく死ななかったな」

 

祐「僕も、何度蹴られたり斬られたりしたことか」

 

悪魔だから神聖なものは命にかかわるか。そこら辺は手加減してくれたんだろう、たぶん。イッセーも話に興味を持ったのか湯船に入ってきた

 

イ「蒼枒さんって青龍だろ。どうやって木を出してるんだ?青龍って水とか風とかのイメージがあるけど」

 

ゼ「確かにゲームとかの設定で青龍は風や水のイメージがあるが本来は木だぞ。五行思想で青龍は木を司ってるから木を出すのは当たり前だ。そもそも青龍の青はブルーではなく青々とした緑がもとだ」

 

祐「へえ、よく知ってるね」

 

イ「知ってるというよりもさっき調べたって言ってたじゃねえか」

 

ゼ「あ、ばれたか」

 

 

 

風呂から上がった俺は疲れからかすぐに寝てしまったが俺の修行は寝た後も続く。精神世界に入ると前任者が待っていた

 

前「来たな!始めるか」

 

ゼ「はい」

 

前任者はアミル・ガウルを構える。俺も羽の剣を構える。しかしいつもの双剣のように2本ではなく1本だけで構えた

 

前「(ようやく気付いたか)1本にしたからといって手加減はしないぞ」

 

ゼ「もちろんです」

 

たぶん1本で戦うので合っているだろう。今まで羽の双剣で戦ってきたがアミル・ガウルは1本の剣だ。双剣でも戦えるってだけで本来の形を忘れていた

 

前「よく反応できてるな」

 

ゼ「今日はもっと速い方と戦ってましたから」

 

蒼枒さんに比べればまだ剣が見える。この合宿中にアミル・ガウル認められればいいが

 




そういえばこの小説にドライグが出てないΣ(゚д゚lll)

まあここのイッセーは主人公じゃないししょうがないか



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修行 後編

1日1日やってたらきりがないので要所だけです

それでも長くなったな~


【ゼットside】

 

次の日、朝食の準備をしようと厨房をに入ったら朱乃さんがすでに調理を始めていた

 

朱「あらあら。一番乗りはゼット君ですか。おはようございます」

 

ゼ「おはようございます朱乃さん。手伝いますよ」

 

朱「では鮭の切り身を見てください。そろそろかと思うんですが」

 

ゼ「わかりました」

 

俺と朱乃さんが用意していると続々と入ってきた。悪魔は朝が苦手とイッセーから聞いたが朱乃さんや部長は平気そうに見える。イッセーとアーシアは辛そうだが慣れの違いか?

今日のメニューはご飯とみそ汁、焼き鮭、半熟卵にほうれん草と山菜の御浸しだ。祐斗が採ってくれた山菜は結局食べれなかったからな。今日の朝に使わせてもらった。それにしてもイッセーとアーシアは凄い眠そうだがあまり寝れなかったのか?

 

ぜ「なあイッセー。凄い眠そうだがあまり寝れなかったのか?」

 

イ「あまり寝てないのは確かだが部長たちに魔王様や天使・堕天使について教えられてたんだ」

 

ゼ「お前・・・大丈夫か?蒼枒さんのことだからきっと模擬戦やるぞ。そんな体で大丈夫か?」

 

イ「大丈夫だ、問題ない」

 

あ、これ、ダメなやつだ

 

 

朝食をとった俺たちは屋敷の前に集まっていた。数分後、魔方陣が現れると中から蒼枒さんたちが出てきた。蒼枒さんは変わらないが、白音ちゃんははぐれ悪魔戦と同じ真っ白の羽織と袴。葉月ちゃんは薄い緑の着物を着ていた。

 

蒼「もう集まっていたか。ならすぐにでも修行は始められるな」

 

俺たちはその言葉にうなずいた。蒼枒さんたちが来るまでの間に簡単にだが体を動かしていた。

 

蒼「昨日言った通りアーシア達には白音が、朱乃達には葉月が付く。俺たちはもう行くが葉月、白音頑張れよ」

 

葉・白「はい、お(義)兄様」

 

俺と祐斗は蒼枒さんについていった。イッセーたちは大丈夫だろうか

 

 

 

【白音side】

 

白「葉月たちはあそこでやるんですよね?」

 

そう言って2本の木が生えている場所を指さした

 

葉「そうですね。目標があったほうがいいですし」

 

白「なら私たちは離れたところでやりますか。イッセー先輩とアーシア先輩はついてきてください」

 

イ「わかった」

ア「はい。わかりました」

 

歩きながら仙術を使い探知する。するとここからそれほど離れてない森の中にあまり大きくはないですが空間があったのでそこで指導することにします。

 

白「さて、あまりに期間が短すぎるのであれこれと教えることができません。なので御二人にはカウンターを覚えてもらいます」

 

イ「カウンターなんて、難しいんじゃないか?」

 

そうですね。本来ならば初心者に教えるべきことではないでしょう。しかし

 

白「確かに難しいですがアーシア先輩が相手を倒せるとしたらこれぐらいしかないです。イッセー先輩は籠手のおかげでまだ何とかなりそうですから。それとイッセー先輩はそれと殴り方も覚えてもらいます」

 

前衛になるんでしたら防御だけでなく攻撃もできなくてはなりません。

 

白「今日は指導を主に行い最後に模擬戦。明日は昼から模擬戦を行います」

 

とりあえず型ができれば後は実戦の中で磨いていくのみです

 

 

 

 

【葉月side】

 

今、私はリアス部長たちに魔力と雷を木に向けて放出してもらいました。私は魔力は使えませんが見ることはできるので2人の観察したところなぜこんなにも威力が弱いかわかりました

 

葉「何故威力が低いかわかりました。2人とも魔力の扱いが雑です」

 

リ「どういうことかしら?」

 

葉「そうですね。魔力を水に例えるならば器に水を入れて満杯になったときに魔力を放ちます。部長たちはその器に高いところから水を注ぐように魔力を込めるため不純物が多く入っています。ですから魔力を込めてる割に威力が低いんです」

 

私は木に向かって氷の槍を放ちます。放たれた槍は木を貫通し、地面に半分ほど埋まりました

 

葉「慣れればこれぐらいは雑作もありません。魔力の込め方を丁寧にやってみましょう。今日は短い時間ですが模擬戦もやりたいと思うので頑張ってください」

 

部長たちは先ほどよりも時間をかけて魔力を放ちました。木に当たったところが大きくえぐれてました

 

リ「やったわ」

 

葉「その調子です。その感覚でやっていきましょう。」

 

木はえぐられる前の状態に戻っていました。流石に早いですね

 

 

 

 

数時間後

 

【白音side】

 

イ「ギャアアアアアアア」

 

ア「イッセーさん!」

 

白「このように基本的に相手の急所を狙ってください。急所は体の中心に縦に並んでいます。相手が男なら今のように金的を狙うのもアリです」

 

始めはアーシア先輩にカウンターとはどういうものか体験してもらったところ、鳩尾に入ってしまい数時間気絶してしまいました。そこで、かわりにイッセー先輩をサンドバック代わりに急所の場所を教えていきます。先輩の神器のおかげですぐに怪我が治るのでいい感じですね。今は金的を入れられ悶えてますがすぐに復活するでしょう

 

白「アーシア先輩のおかげでもう痛みはないでしょう。早く起きてください。イッセー先輩は先ほど教えたこともある程度できなくてはなりませんから」

 

アーシア先輩が気絶している間に正拳突きの型を教えました。戦いの中でこれができるとは思えませんが基本となる型を覚えておくことは悪くないでしょう。後はどれだけ体に染み込ませることができるかです

 

 

 

【ゼットside】

 

何かイッセーの悲鳴が聞こえたが・・・やっぱりダメだったか。アーシアがついてるし死ぬことはないだろう

 

祐「うわっ」

 

今日も蹴り飛ばされ地面を転がる祐斗と俺。祐斗の剣は昨日よりも頑丈になったみたいで最高15回の打ち合いに耐えられるようになっていた。

 

ゼ「生きます」

 

蒼「今はいいが戦場で対峙している以外で声を上げるな!居場所をばらすことになるぞ」

 

ゼ「はい」

 

数回切り結ばされた後木刀で飛ばされる。俺は剣こそ折れないが打ち合いの最高回数は5回だ。手数こそ減ったが1本にしたことでぶれることなく振れるようになっていた

 

 

 

 

 

 

修行を始めて5日目。いや4日目の夜か。いつのもの様に精神世界で前任者との修行を行っていた。

 

ゼ「はあっ!」

 

前「この短い間でここまで反応できるようになるとはな」

 

連日の蒼枒さんとの修行で相手の剣筋を見れるようになってきた。だが蒼枒さんも前任者も俺に合わせてくれているから見えるだけだ。本気でやられたら反応すらできないだろう。しかし

 

ゼ「そこだ!」

 

前「しまった!」

 

俺の剣が前任者の剣を弾き飛ばした。はじかれた剣は空中を回転しながら地面に突き刺さる。俺はようやく前任者に1勝できた

 

前「ようやく1勝か。長かったな」

 

ゼ「そう・・・だな」

 

息切れしながら答える。戦っている間は集中してたから気が抜けた瞬間どっと疲れが出てきた

 

前「これで最低限アミル・ガウルを振る資格は出来たわけだ」

 

ゼ「はっ!?」

 

俺の目の前にはアミル・ガウルが浮かんでいた。

 

前「さぁとれ!」

 

言われた通りアミル・ガウルを手に取る。今まで使っていた羽の剣に比べると重く、地面に剣先が付いてしまった

 

前「お前は今アミル・ガウルに認められたがその場所は最低ラインだ。そこから本当に認められるかはこれからのお前次第だ」

 

前任者はそう言ってアミル・ガウルを向ける。俺もアミル・ガウルを構えた。

 

前「ここからが本番だ。気合を入れなおせよ!」

 

 

 

 

 

8日目の夜

 

前任者が本気で一撃を放ったために精神世界から放り出された。今まで手加減してくれてたとはいえ人の身で蒼枒さんみたいなことできるのかよ。もう一度精神世界に入る前にトイレに行きたくなった俺は部屋から出た。帰りに開けっ放しだった窓の外から人の話し声が聞こえ、気になった俺はそのほうに静かに歩いていった。途中途中で窓を開けながらどんどん近づくとテラスにイッセーとリアス部長がいた

 

リ「・・・ライザ―は死なないのよ。攻撃してもすぐ再生する。彼のレーティングゲームの戦績は12戦4敗・・・その4敗の内2敗は懇意にしている家への配慮してのもの。既に公式でタイトルを取る候補として挙げられているわ」

 

イ「そんな・・・まさに無敵ですね」

 

盗み聞きして悪いと思う。しかしここで少しでもアイツの情報を聞けるのはいいかもしれない。最も悪魔達には知れ渡っているものだと思うが。

 

リ「ええ、正にその通りよ。フェニックス家はレーティングゲームが始まって一番、悪魔の中で台頭してきた一族・・・」

 

イ「死なないから、負けない。単純だからこその強さですね」

 

確かにどれほど致命傷を負っても再生してしまう。しかし奴は2回負けている。それほどの再生力を持つ相手に勝つ相手とは一体・・・

 

イ「だけど2敗してるんですよね。一体誰に」

 

リ「それはどちらもソーナの婚約者よ。ライザーは1回負けた後リベンジに失敗しているの。彼は純潔の悪魔でありながらドラゴンの力を身に宿した聞いたわ。ライザー相手に真正面からぶつかって文字通り叩き潰したともね」

 

イ「ドラゴンの力・・・」

 

リ「そうよ、だからイッセー。あなたが一番ライザーを倒せる可能性があるの。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を持つあなたが」

 

確かにイッセーの倍加の能力で力を高めればライザーも倒せるだろう。だがそれには時間がかかる。それまで待ってくれるはずがない。・・・あまりこうしてると前任者を待たせてしまう。明日にでも資料を見せてもらおう。俺はその場を離れ部屋に戻った

 

 

 

 

9日目

 

今日は午前で修行を終えて残りは明日のために休みにするみたいだ。短くも厳しい指導を終えた俺たちは最後に模擬戦をすることになった

 

リ「イッセーは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を使って倍加を始めなさい。相手は・・・祐斗、お願いできるかしら」

 

イ・祐「はい」

 

どうやらイッセーの相手は祐斗みたいだ

 

リ「今のイッセーは何回倍加ができるのかしら?」

 

白「そうですね。平常時で10回。戦闘時で5~8回ってところじゃないですかね」

 

リ「そう、なら今から2分後に戦闘開始よ」

 

それから2分経過した。イッセーの籠手からは10回『Boost!』と聞こえたあと、『Explosion!!』と音声が響いた。これでイッセーは一定時間安定した力のまま戦うことができるらしい。その間倍加は出来ないらしいが

 

祐「いくよ。イッセー君」

 

イ「こい!祐斗」

 

蒼枒さんたちが見守るなか祐斗が一直線に向かい突きを放った。イッセーはそれが見えてるらしく円を描くように籠手を振るい祐斗の木刀をはじくとそのまま拳を放った。祐斗はそれをバックステップで勢いを殺し、ダメージを最小限にしたみたいだ

 

祐「すごいね。まさか反撃されるとは思わなかったよ」

 

イ「来ることはわかってたからな」

 

祐「そうかい。なら次はこうだ」

 

祐斗がイッセーの周りを高速で移動する。イッセーは見失っているのか祐斗の姿を目で追いきれてないみたいだ。祐斗が一気に近づく。イッセーは祐斗に向かって拳を放つが、そこにまだ(・・)祐斗はいなかった

 

イ「痛・・・」

 

振り下ろされた木刀が頭に当たるが、すぐに反撃する。しかしそこには祐斗はいなかった

 

祐「初めてうまくいった」

 

ゼ「まあ蒼枒さん相手に効くはずがないからな。緩急を使った攻撃は」

 

祐斗はイッセーの周りを動き回っていた速度よりも遅くイッセーに近づいた。イッセーからしたらそれまで目に見えなかった速度のまま祐斗が攻撃を仕掛けたと思ったのだろう。だからイッセーの拳が空を切った

 

リ「イッセー!次は魔力の一撃を撃ってみなさい」

 

イッセーは掌に魔力の塊を作り出す。大きさは米粒みたいだけど。

 

イ「ドラゴンショット!!!」

 

イッセーは殴り付けるように米粒のような魔力の塊を祐斗に放った。すると、魔力の塊はその大きさを米粒から巨大なものへと変えて飛んでいく。祐斗はドラゴンショットをどうにか避けると、魔力の塊はそのまま後ろの山へと飛んでいった。

 

『Reset』

 

リ「お疲れさま、二人とも。さて、感想を聞こうかしら。ゼット、どうだった?」

 

ゼ「部長、それよりもあれ」

 

俺が指をさす先には長い体に青い鱗を持った龍。青龍がいた

 

リ「そんな・・・イッセーのあれほどの一撃をかき消したというの!?」

 

部長の言う通りイッセーの放った一撃は山を吹き飛ばすほどの威力を持っていただろう。みんなが驚くのも無理はない。・・・山を吹き飛ばす?

 

白「葉月・・・」

 

葉「わかってます。準備は出来てます」

 

葉月ちゃんは薙刀を構え、白音ちゃんは手足に目に見えるほどのオーラを纏わせている。その姿が消えた瞬間。イッセーの方から爆風を受けた。その先には青龍刀を振り下ろす蒼枒さんと青龍刀を薙刀で受け止めている葉月ちゃんと懐に潜りこんで腕を抑えている白音ちゃんがいた。2人の足元にはクレーター大きなクレーターができていた

 

 

 

【白音side】

 

イ「ドラゴンショット!!!」

 

イッセー先輩が放っち祐斗先輩が避けた瞬間、お義兄さまは鉄下駄と重力符を外し、イッセー先輩が放った魔力の塊目がけて駆け出してました。お義兄さまはドラゴンショットを追い抜き青龍の姿になると一瞬で締め上げて霧散させてしまいました。

 

白「葉月・・・」

 

葉「わかってます。準備は出来てます」

 

お義兄さまの眼を見たときイッセー先輩は殺されると思いました。私は手と足に気・妖力・仙術を集め、葉月は結界を多重にかけてイッセー先輩の足元に転移陣を敷きました。

 

白「・・・」

葉「・・・」

 

私たちが構え、いつ動くと警戒しているとお義兄さまの姿が消えました。私たちはイッセー先輩の前に立つと青龍刀を振り下ろしてくるお義兄さまの姿がありました。私が懐に入り腕を抑えると、葉月は薙刀を振い、青龍刀を受け止めてます。

 

白・葉「くっ・・・」

 

流石お義兄さま、結界を破って威力を殺しているはずなのに抑えるのがやっとです。

 

蒼「葉月!白音!そこをどけぇ!!!」

 

こちらは食いしばって抑えるので精いっぱいなのに・・・早く早くと願っていると葉月の転移陣が私たちの足元に展開され、私たちは転移陣の中に落ちていきました

 

 

 

【黒歌side】

 

黒「今日で最後かにゃ~」

 

私は今1人で修行をしている。この9日間は修行したり蒼枒に頼まれて重力符を作ったけどあれの妖力版を作ってみたりしてたにゃ。結果として妖術による分身できる数が4体増え158体に増えたり、試作品の重力符(妖力版)ができたりしたけど

 

黒「やっぱり寂しいにゃ」

 

一枚の結界を挟んでできるだけの分身を両側に展開する。分身から火・水・風・土・雷など様々な属性の攻撃が放たれる。どれも威力・測度が違い、形もただの塊や剣や槍の形をしていたり、結界に当たる角度も様々だ。

 

黒「攻撃は良くなったけど防御が・・・」

 

自分で放っているから結界のどこに当たるなんてこともわかってしまう。こんなんじゃだめにゃ。蒼枒ならこんな一枚の結界なんて軽く破壊してしまう。・・・分身と結界を消すと転移陣が空中に現れそこから3人が落ちてきた

 

黒「蒼枒!白音!葉月!」

 

白・葉「お姉ちゃん(お義姉さま)!」

 

白音は勢いよく蒼枒を私に投げてきたにゃ。

 

白「お姉ちゃん!お義兄さまを捕まえて!」

 

蒼枒は体制を整えるとちょうど私と向き合う状態で止まった。蒼枒はキレているみたいで龍の眼になっていた。私は白音に言われたとおり蒼枒の頭を抱きしめた

 

葉「先輩たちには私たちから言っておきます」

 

白「お義兄さまはそのままお姉ちゃんといちゃついてください」

 

そう言って白音と葉月は転移陣をくぐっていったにゃ。

 

蒼「黒歌、離せ。あのクソ悪魔を殺さないと」

 

黒「ダメにゃ。白音からも言われてるし。・・・何より寂しかったのにゃ」

 

そう言うと暴れていた蒼枒がおとなしくなる。どんなに不機嫌でも私たちを一切傷つけることはしない。蒼枒の顔を上げると眼が目に戻っていた

 

蒼「黒歌・・・ごめん」

 

黒「ううん。別にいいにゃ」

 

私からキスをすると蒼枒はすぐに抱きしめてくれた。ああ、やっと2人でいられるにゃ。愛しい愛しい私の旦那様・・・大好き



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レーティングゲーム 開始直前

UAが25,000突破!
お気に入りに登録してくださった方が100人突破!
たくさんの方々ありがとうございます。

しかし今回はストーリーが全く進みません
楽しみにしてくださっている方々、申し訳ありませんm(_ _)m


【ゼットside】

 

あの後イッセーと部長は戻ってきた白音ちゃんと葉月ちゃんにガッツリ叱られてた。地面の上に正座で。どれ位かは分からないが山を下りた時には日が暮れていた。まあ当然だよな、人の山を消そうとしたわけだし、もし人がいたら取り返しのつかないとになっていた。

 

 

 

レーティングゲーム当日。部室には部長、朱乃先輩、祐斗、イッセー、アーシアがそろっているが・・・

 

リ「白音と葉月はまだ来ないの?」

 

白音ちゃんと葉月ちゃんがまだ来ていない。レーティングゲーム開始時刻は午前0時。まだ2時間もある。流石に遅刻はしないだろう。

 

葉「こんばんは」

 

白「私たちが最後みたいですね」

 

30分程経ったころ部室のドアが開き、葉月ちゃんと白音ちゃんが入ってきた。2人の服装は修行の時と同じく和服だ。ちなみにアーシアと俺以外はみんな制服。俺は私服、アーシアはシスター服だ。俺は服を復元させる魔法なんて使えないからな。2人の姿を見た部長とイッセーは一瞬びくついていた。

 

 

各々がリラックスできる方法で待機している。俺は部長からライザーの資料を読んでいた。部長と朱乃さんは飲み、祐斗は壁にもたれかかって瞑想をしている。イッセーとアーシアは緊張しているのかソファーに座ったまま動かない。白音ちゃんと葉月ちゃんは携帯ゲームで遊んでいた。

 

グ「皆さん、準備はお済になりましたか?開始十分前です。皆さま、魔方陣のほうへ移動をお願いします。

 

魔法陣が現われるとそこからグレイフィアさんが現われた。グレイフィアさんの指示に従って俺達は魔方陣のある場所へと移動する。

 

葉「一つ、質問をよろしいでしょうか?」

 

部屋を出る前に葉月ちゃんがグレイフィアさんに質問をしていた。

 

グ「なんでしょう?」

 

葉「このゲームで死ぬことはありますか?」

 

グ「ありません。場合戦闘不能となった駒は強制的に除外されリタイアとなります。それとこれをお渡ししておきます」

 

俺と白音ちゃんと葉月ちゃんは透明な駒を渡された。俺は騎士(ナイト)、葉月ちゃんは僧侶(ビショップ)、白音ちゃんは戦車(ルーク)の駒だった

 

葉「これは?」

 

グ「今回のゲームだけ使える特別な駒です。お嬢様の眷属ではありませんので。ゲームでリタイアした時に転移させる際の目印になります」

 

葉「そうですか。わざわざ用意していただき、ありがとうございます」

 

俺は先ほどルールも読んだが葉月ちゃんたちは知らなかったみたいだ。それと駒をもらえたのは良かった。死ぬ気はないがライザーは人間が気に入らないみたいだから容赦なく殺そうとしてくるだろう。やっぱり死ぬの嫌だからな。2人もそうだと思ったんだが

 

葉「どうやら死なないみたいですね」

 

白「それは良かったです。変に手加減しなくて済みますね」

 

・・・前言撤回。この2人は自分よりも相手の心配をしていた。そもそも俺たちよりもはるかに強い2人の心配なんて必要なかった。なんか開始時に巨大植物で校舎ごと破壊するとか聞こえるし・・・

 

グ「1度あちらへ移動しますと終了するまで魔方陣での転移は不可能になります。なお、今回のレーティングゲームは両家の皆様も他の場所から中継でフィールドでの戦闘をご覧になります。さらに魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されております。それをお忘れなきよう」

 

リ「そう・・・お兄さまが見られるのね」

 

俺たちは用意されていた魔法陣の前につき説明を受けた。それにしても部長の兄って魔王なのか、すごいな。でも名前が違うな?

 

イ「えぇぇえええ!部長のお兄さんって魔王なんですか!!?」

 

祐「そうだよ。先代の魔王様が亡くなって、今の魔王様は名を受け継いだんだ。だから名前が違うんだ」

 

なるほど。ルシファーは役職名ってことか。

 

グ「皆様よろしいですか?魔法陣の中にお入りください」

 

魔法陣の中に全員が入る。次の瞬間、魔法陣が光を出し始めた。

 

グ「これにより皆様を戦闘フィールドにご案内します。それでは、ご武運を・・・」

 

 

 

【白音side】

 

 

転移が終わった瞬間私と葉月は部屋を飛び出しました。できるなら彼らだけで勝ってほしいものです。

 

白「こんなものですかね」

 

フィールドのいたるところに式神を設置しました。これで離れていても状況がわかります。集合場所の校庭には葉月が木のイスに座り待っていました。葉月の隣には薙刀が立て掛けられてます。

 

白「そちらはどうでしたか?」

 

葉「問題ないと思います」

 

そういうと葉月は私たちの周りにも結界を張り、岩のテーブルの上にお茶と茶菓子を出しました。

 

葉「一応結界は張っておきましたが、あそこに近づくことはないと思います。私たちは予定通り先輩たちがどれだけ成長できたか、彼らだけで勝つことができるかここで見てましょう」

 

白「そうですね」

 

私もイスに座るとテーブルの上に水晶を置き、葉月と一緒にお茶を飲みました。水晶にはイッセー先輩とゼット先輩のほかに4人が映っています。場所は体育館みたいですね。数は不利ですがこの程度は勝ってもらわないと困ります。




というわけで東雲の2人は動きません。
・・・そろそろ葉月と白音は姉妹ってまとめてもいいですかね?姉妹じゃないですけど・・・

ちなみに『開始時に巨大植物で校舎ごと破壊する』ってのは蒼枒が2人に提案したものです。


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レーティングゲーム 前編

夏イベ収穫なかった(´;ω;`)
運がないから運要素が高いと難易度跳ね上がるからなぁ・・・


【???side】

 

グ「皆さま。この度グレモリー家、フェニックス家の「レーティングゲーム」の審判役を担うこととなりました、グレモリー家の使用人グレイフィアでございます」

 

妻であるグレイフィアがルールの説明を行っている。私の前にはいくつものモニター浮かんでおり今回のレーティングゲームのステージである駒王学園が映し出されていた。モニターのうち2つには個室にて説明を受けている愛する妹のリアスたちとライザー君の陣営が映っていた

 

グ「転移後と同時にゲーム開始となります。制限時間は人間界の夜明けまでとなります」

 

ルール説明を終えたグレイフィアが私の隣に戻ってきた。

 

?「白い猫又の隣にいる薄い青色の髪の娘がそうなのかい?」

 

グ「はい。彼女は私の妹であるフィーリス・ルキフグスが自分の母であると申しておりました」

 

報告にあったフィーリス・ルキフグスの娘と名乗る少女。東雲葉月というらしい。彼女は猫又の少女と共に学校に通っているらしく、青山龍神宮という神社のある青山に住んでいるという。フィーリスもそこに住んでいるのだろうか。彼女は約1000年前にあった大戦時に死亡したと報告されており、そんな彼女が生きていて、あまつさえ2児の母になっていた。葉月を見るにからミリキャスが生まれるよりも先に産んでいたと考えられる

 

?「その信憑性は?」

 

グ「彼女たちと私は初対面であり、彼女たちが嘘をつくメリットが見つかりません。また、自ら悪魔とのハーフであること。それと魔力とわずかながら悪魔の気配を感じました。」

 

確かに初めて出会った者に嘘をつく理由はない。何かを隠しているならともかくそういうそぶりは学校内でもなかったという。それとわずかばかりの悪魔の気配。神社に住んでいるため悪魔の力が弱まったのか?それとも受け継がれなかったのか

 

グ「ただ、お嬢様から葉月様は十字架を素手で触っていたとおっしゃってました」

 

報告に合った興味深いことの一つだ。本来ならば聖水や十字架は悪魔の弱点であり、触れることさえできない。それは魔王だろうと転生悪魔だろうと関係ない。それに素手で触れることができる彼女は本当に悪魔なのだろうか。ゲームが開始されると同時に彼女と猫又の少女、白音は部屋を飛び出し別々の方向に移動を始めた

 

?「速い!」

 

騎士(ナイト)に匹敵する速さとは。旧校舎を出てプールに到着した彼女は水が溜まっているのを確認するとプールの周りに結界を張ったみたいだ。その後校庭に移動した彼女は地面から岩でできたテーブルと木のイスを作り出し、白音が合流すると2人の姿が見えなくなった

 

?「これは・・・認識疎外の結界か?」

 

グ「どうやらそのようです。どのモニターも2人の姿を見つけることができません」

 

ゲーム開始から彼女たちが見えなくなるまで30秒もかかっていない。2人はあの結界の中で何をしているか。

 

 

 

【ゼットside】

 

転移した場所はオカルト研究部の部室だった。部屋を見渡すと物の配置まで一緒だ。・・・失敗したのか?

 

祐「ゼット君、外を見てごらん」

 

言われた通り窓の外見てみる。そこには校舎と何とも言えなく色で覆われた空があった。

 

イ「すげぇ!学校のまんまじゃねぇか!」

 

ゼ「なあ祐斗。俺ってそんな顔に出やすいか?」

 

祐「いや、顔には出てないよ。キョロキョロしてたから転移に失敗した、と思ったんじゃないかな」

 

ゼ「まさしくその通りだ」

 

リ「あら?葉月と白音はどこにいるのかしら?」

 

確かに見渡した時には姿が見えなかった。まさか転移できなかったのか!?

 

?「2人なら転移されたと同時に部屋から出て行ったぞ」

 

イッセーのほうから声が聞こえたがあんな声聞いたことがないぞ

 

ド「ゼットとか言ったな。お前とは初めてだな。俺はア・ドライグ・ゴッホ、赤龍帝と呼ばれている」

 

ゼ「こちらこそ初めまして。俺は朧月絶斗だ」

 

どうやらイッセーの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に封じられたドラゴンがしゃべっているようだ。修行のおかげで外と会話ができるようになったらしい。

 

リ「それよりも2人が出て行ったって本当なの!?」

 

ド「こんなくだらない嘘をつく必要はないからな。」

 

リ「・・・しょうがないわね。全員、これを耳に通信機をつけなさい」

 

部長からイヤホンマイクタイプの通信機を渡された。

 

リ「白音と葉月の分は私と朱乃が持ってるから見つけたら教えてちょうだい。それと作戦を言うわ。イッセーとゼットで体育館に行って敵を引き付けてちょうだい。タイミングを見て離脱、朱乃が体育館ごと吹き飛ばすわ」

 

なるほど。体育館はやや旧校舎よりだがチェスで言うところのセンター。ここを取られればこちらの陣地に侵入しやすくなる。兵士(ポーン)がみんなプロモーションされるのはごめんだ

 

リ「祐斗は遊撃よ。至る所に罠なども仕掛けて、隙があれば撃破も頼むわ」

 

なるほど、祐斗ならば素早く罠を仕掛けることができるな

 

リ「以上よ。皆、絶対に勝つわよ!!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

ゼ「イッセー、もう倍加はすんだよな」

 

イ「おう!限界まで高めたぜ」

 

転移してからすぐに倍加を始めていたらしい。どうりでうるさいわけだ。俺たちは今作戦に従って体育館に来ている。とりあえず舞台裏に潜んでみたが

 

「そこにいるのはわかっているわよ、グレモリーの下僕さん達!あなた達がここへ入り込むのは監視していたんだから」

 

どうやら向こうにはバレていたようだ。体育館内にはライザーの眷属が4人いた。4人か・・・できれば奇襲して1人を逃がす。増援がきたところを体育館ごと吹き飛ばせれば作戦が大成功したんだがそんな理想どうりにはいかないな。相手はチャイナドレスを着てる女の子と体操服を着てる双子の女の子、一誠をぶっ飛ばした棍を持った武道の女の子がいた

 

イ「リベンジだ!あの棍を持った子は俺がやる」

 

ゼ「わかった。頑張れよ」

 

イッセーが棍使いに向かっていくなか俺の前に体操服を着てる双子の子が来ていた。2人の両手にはチェーンソーが握られていた

 

イル「私はイル」

 

ネル「私はネル」

 

イル「解体しまーす♪」

ネル「バラバラにしまーす♪」

 

振り下ろされる4つの刃。触れればたちまち引き裂かれてしまうだろう。だが・・・

 

ゼ「おらぁ!」

 

イル「きゃあ!」

ネル「そんな!」

 

蒼枒さんに比べてたら止まって見える。それに部室で待機していた時に札も剥がしたから体が軽い。俺は《アミル・ガウル》を出しチェーンソーを横一線に切り裂き、破壊した。得物を失った2人は俺から距離をとった

 

リ「イッセー!ゼット!そこを離れて」

 

はやいな、できれば兵士はここで全員片付けておきたかったが2対4でこちらが不利。総人数でも負けてるからこちらは落とされるわけにはいかないか。イッセーの方もどうだ?

 

イ「一撃では無理だったか。倍加してるんだけどな」

 

ド「あいつは殴られる瞬間にバックステップで殴られるダメージを軽くしていた。でなければ倒していただろう」

 

イッセーの方もリベンジできたみたいで棍使いが壁にぶつかっていた。

 

イッセーは俺のほうを向くと互いに頷き体育館の外に向かって走り出した

「逃げる気!ここは重要拠点なのに!」

 

チャイナドレスの子が何か言ってるような気がしたが無視した。俺たちが外に出たところで

 

ドオオオオンッ!!

 

轟音と共に巨大な雷が落ち体育館を粉々に吹き飛ばした。

 

イ「よし!」

 

ゼ「すごい威力だな」

 

グ「ライザー・フェ二ックスさまの「兵士」三名、「戦車」一名、戦闘不能」

 

俺は立ち止まってその威力に驚いていた。アナウンスからライザーの眷属はちゃんとリタイアできたみたいだ。これで相手は12人か。こちらは8人だが白音ちゃんと葉月ちゃんはどこにいるかわからないから実質6人だ。まだ2倍の差があるな

 

リ「皆、聞こえる? 最初の作戦は上手くいったわ!」

 

部長からの通信が入った。

 

リ「朱乃は魔力が回復次第、私達と合流してもらうわ。そしたら私たちも前へ出るから、それまで各自にお願いするわね」

 

通信が切れた。部長たちが3人で動くならこちらも合流したほうがいいか?

 

イ「なら俺たちは祐斗の方に行ってみるか」

 

ゼ「そうだな。こっちに4人で来てたんだ。祐斗の方にも4人の編成で向かってるかもしれない」

 

もし予想どうり4対1だったのなら、1人倒すのは厳しいだろう。俺達が動こうとした瞬間、俺は爆発に巻き込まれた。

 



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レーティングゲーム 中編

評価してくださった方。ありがとうございます。
そしてお気に入り登録してくださった方が125人を超えました
皆様ありがとうございます。


【白音side】

 

白「転移してから3分経ちましたが動き出すのが遅いですね。作戦とかならば事前に伝えておけばいいものを」

 

葉「リアス先輩たちはこれが初めてですし仕方ありませんよ」

 

私たちはお茶を飲みながら水晶に移るゼット先輩たち観戦しています。どうやら体育館に移動しているみたいです。

 

白「体育館ですか。場所的にフェネクスのいる校舎と先輩たちのいる旧校舎の間にありますが、そこで迎え撃つつもりですかね?」

 

葉「確かに戦うのに十分な広さはありますけど、中に入ったところを一網打尽にされたらどうするんでしょうか」

 

舞台裏に隠れた先輩たちはそのまま待機してました。少し経ってからフェネクス陣営の4人が体育館に侵入、何か叫んでいるようです。それに応えるかのように先輩たちも姿を現し戦闘が始まりました。

 

葉「ゼット先輩はいい感じですね。一振りで4つのチェ-ンソーを破壊しました」

 

白「イッセー先輩は踏み込みが甘かったですね。突いてきた棍を右手でいなして神器のある左手で殴ったのはいいカウンターですけど相手も戦い慣れてるせいかバックステップで避けようとしてました」

 

葉「問題は体育館の上にいる朱乃先輩です。威力を上げるためでしょう、魔力を過剰に溜めてますがあれではただ疲れるだけです」

 

葉月が水晶を操作し体育館の上空を映し出す。黒い翼を広げ空中で魔力をためてますから敵からも丸見えです。

 

?「何か違和感があると思ったら結界か。それも認識阻害系の」

 

?「誰がこんなものを・・・貴様ら何をやってるんだ!?」

 

顔の半分にだけ仮面をつけた女性に騎士のような女性、ドレス姿のお姫様みたいな女の子が結界をすり抜けて来ました。

 

葉「何をしてるって見てのとおりお茶してます」

 

白「一緒にどうですか?このカステラおいしいですよ」

 

葉月が新しくテーブルとイスを作り出し私もカステラを取り出し、3人の前に置きました

 

?「今はそんなことしてる時ではないだろう!私はライザーさまに仕える騎士(ナイト)カーラマイン!正々堂「あ、そういうのいらないです」」

 

相手が名乗ってるのを遮って悪いですがそういうのは先輩たちにやってほしいです。私たちは関係ないので

 

?「あら、本当。おいしいですわね。イザベラ、紅茶の用意を。カーラマインも土煙が立つので座りなさい。」

 

ドレス姿の子がかすてらを食べてました。気に入ってもらえたようでよかったです。

 

レ「紹介がまだでしたわね。私はレイヴェル・フェ二ックス。一応お兄様の僧侶(ビショップ)をやっています」

 

イ「私はイザベラ。ライザー様の戦車(ルーク)です」

 

葉「ではこちらも。私は東雲葉月。今回は巻き込まれる形で参加しました」

 

白「私は東雲白音。見てのとおり猫又です。同じく巻き込まれました」

 

レ「おふたりは姉妹ですか?」

 

葉「違いますよ。私のお兄様と白音のお義姉様が結婚して、苗字が変わったのです」

 

イ「なるほど。ところで2人は戦いに参加しなくていいのか?ただでさえグレモリー陣営は私たちより数が少なく不利だろう」

 

白「私たちは先輩たちの手助けはしませんよ。先輩が勝とうが負けようがどちらでもいいです」

 

カ「何!?お前たちはグレモリーが負けたらライザー様のものになれって言われてたではないか!」

 

レ「カーラマイン!紅茶を飲んで少し落ち着きなさい」

 

いつの間にか紅茶を飲んでいたレイヴェルは立ち上がろうとするカーラマインを落ち着かせました。イザベラさんはカステラをほおばっています。気に入ったようでよかったですがあまり数はありませんよ

 

白「あれはフェネクスが勝手に言ったことで私たちは了承してません。まぁこのままでは面倒なことになるので代替案を提示しますが」

 

ドオオオオンッ!!

 

レ「なっ何ですの今の音は!?」

 

葉「朱乃先輩が体育館を吹き飛ばしたんですよ」

 

 

グ「ライザー・フェ二ックスさまの「兵士」三名、「戦車」一名、戦闘不能」

 

 

白「こちらは被害なし。それで4人撃破ですか。まあまあの滑り出しですね」

 

レ「ですがこちらのほうが人数が多いです。グレモリーの不利にかわりはありません」

 

そうなんですけどね。でも先輩たちでも相手は倒せるようですし油断しなければ大丈夫でしょう。ただ今のように動かないのは良くないです

 

レ「あら、その水晶この学園を映していますの?」

 

葉「その通りです。至る所に設置した式神を通して戦いの様子を見ることができます」

 

カ「いつの間にそんなものを・・・」

 

校舎の中にも入ったのですが気づかなったみたいですね。水晶にはゼット先輩が爆破されてるのが映ってました。とっさに剣を抱えたようです

 

 

 

 

 

【ゼットside】

 

イ・朱「ゼット(君)!」

 

?「ふふふ。まずは一人」

 

イ「てめえ!よくもゼットを!」

 

おい、俺はまだやられてないぞ!しかし危なかった。とっさに風を俺に纏わせて爆発の威力を下げることでリタイアすることはなかったが、全身傷だらけ。はっきりいってまずい状況だ。

 

?「獲物を狩るとき、獲物が何かをやり遂げた瞬間が一番隙となっていて、狩りやすい」

 

ゼ「そうか、だが残念だったな。俺はまだリタイアしてない」

 

煙が晴れ周りが見えるようになる。見上げるとフードを被り、魔導師の格好をした女性が浮かんでいた。確かライザーの女王(クイーン)のユーベルーナだったはずだ

 

イ「ゼット!無事だったか」

 

ゼ「何言ってるんだ!こんな状態を無事と呼べないだろ!」

 

ユ「まさか私の爆発に耐えるなんて・・・」

 

朱「!イッセーさんはゼット君を連れてアーシアさんのもとに行ってください。この方は私がお相手しますわ」

 

朱乃先輩が俺たちを庇うようにユーベルーナの間に移動した。

 

ユ「いいわ、相手になってあげる。私も『雷の巫女』と呼ばれるあなたとは戦ってみたかった」

 

朱「あらあら。なら私も『爆弾王妃』とお呼びすればいいのかしら?」

 

ユ「その二つ名はセンスがなくて好きではないわ」

 

数瞬置いた後にお互いに魔法を放った。空中で雷と爆発が飛び交う中俺はイッセーに肩を借りていた

 

イ「大丈夫か?今アーシアのところまで連れて行ってやるから」

 

ゼ「その前に連絡入れとけ。俺のは爆発で壊れて使えないからな」

 

スイッチを押しても何も反応がない。体は守れても通信機までは無理だったか

 

イ「部長!ゼットが負傷しました」

 

リ「何ですって!?わかったわ。アーシアを連れて入り口で待ってるわ」

 

イ「わかりました。そこまで連れていきます」

 

通信が終わると移動を始めたが遅すぎる。このままでは敵に見つかってしまうな。

 

ゼ「イッセー。このままだとアーシアのところに行く前に敵に見つかってしまう」

 

イ「ならどうすればいいんだよ。アーシア達は入り口で待ってるって言ってたけど」

 

ゼ「俺を担いで行け!そのほうがまだはやい」

 

イッセーはすぐに了承し俺を担いだ。さっきより断然速くなったがこれは腹が痛い。呼吸がしづらい・・・

 

 

 

 

【白音side】

 

レ「まさかユーベルーナの爆発に耐えるなんて・・・」

 

葉「ゼット先輩は少しだけ風を操ることができます。これが何を意味するか分かりますよね?」

 

レイヴェルたちは少し考えた後答えを出したようで驚いた顔をしてました

 

レ「まさか・・・風を纏って爆発を防いだとでもいうのですの」

 

白「おそらくその通りかと」

 

イザ「まさか人間の身でそんなことができるとは」

 

カ「いいなぁ。彼は剣を使うのだろう?戦ってみたい」

 

何か期待するような表情で水晶に映るゼット先輩を見つめるカーラマインさん。もしかして・・・

 

白「カーラマインさんって戦闘狂ですか?」

 

レ「いえ。そんなことはないはずですわ。ただ頭の中は剣剣剣でいっぱいですけど・・・」

 

ゼット先輩はイッセー先輩によって運ばれて行きます。きっとアーシア先輩に治療してもらうのでしょう。

 

 

グ「ライザー・フェ二ックスさまの「兵士」三名、「騎士」一名、戦闘不能」

 

 

レ「そんな!」

 

白「どうやら木場先輩がやってくれたようです」

 

水晶を操って場面を映していくと森の中を走っている姿が見えました。傷も負ってないようです。お義兄様に鍛えられただけはありますね。どうやらこちらに向かってきてるようです。イッセー先輩もここに向かってきてますし

合流するようです

 

祐「イッセー君!無事だったみたいだね」

 

イ「ああ!だけどゼットがやられちまった。今アーシアに治してもらっている」

 

祐「そうか。だけど相手もあと半分だよ。できればフェニックスには全員で当たりたいからやられないようにしないとね」

 

・・・目の前で話されているとシュールですね。

 

カ「もう我慢できん!私はライザー様に仕える騎士(ナイト)カーラマイン!ただ見ているだけというのももう飽きた!リアス・グレモリーの騎士(ナイト)よ、いざ尋常に剣を交えようではないか!」

 

カーラマインさんが結界から飛び出していきました。

 

イ「なんで白音ちゃんたちがフェニックスの野郎の眷属と一緒にいるんだぁ!!!」

 

イザ「まあ、そうなるな」

 

それに気づいた先輩たちがこちらを見て驚いています。敵と味方が一緒にお茶してたら普通驚きますよね。

 

レ「お茶回もこれまでですわね」

 

レイヴェルは手にバスケットボールくらいの炎の塊を作り出すとそれを空へと打ち上げ、炎は花火のように空中で弾けました。

 

レ「これで残りの眷属もここに来るでしょう」

 

白「ですって。頑張って倒してくださいね」

 

イザ「グレモリーの兵士(ポーン)よ!よそ見してていいのか!」

 

イ「なんで俺の方に!?」

 

レ「それは茶菓子をいただいた恩がありますから。あ、このカステラはどこで買うことができるのでしょう?」

 

白「このカステラは私たちの町の和菓子屋で売ってますよ」

 

葉「ただ私たちの町は悪魔が来にくいので学園を通して連絡を取りましょう」

 

イ「この戦っているときに何やってるんだあ!!!」

 

イッセー先輩が叫びながら戦ってます。意外と器用ですね。ふと水晶を見てみるとなぜかフェネクスの前に部長とゼット先輩、アーシア先輩がいます。屋上で何をしてるんでしょう?

 

カ「くっ。これほどとは」

 

 

グ「ライザー・フェ二ックスさまの「騎士」一名、戦闘不能」

グ「リアス・グレモリーさまの「女王」一名、戦闘不能」

 

 

祐「朱乃先輩が・・・。イッセー君は部長の援護に行ってくれ。ここは僕が引き受ける。途中で女王に見つからないように気をつけて」

 

イ「わかった。オラァ!だけど行く前にこれを受け取れ!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)第二の力!赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!」

 

『Transfer!!』

 

木場先輩がカーラマインさんをすぐに倒してしまいました。イッセー先輩はイザベラさんを殴り飛ばすと木場先輩に触れてからこの場を離れました。ちょうどレイヴェルが呼んだ援軍も到着したみたいです。しかし朱乃先輩がやられてしまいましたか。

 

レ「相手は1人ですわ。しかし赤龍帝が何かしていったようです。用心しながらとどめを刺しなさい」

 

「「「「はい!」」」」

 

レイヴェルってあのフェネクスより王の素質があるんじゃないですかね?フェネクスの眷属が木場先輩を取り囲みました

 

祐「どれだけいようと僕は負けない!魔剣創造(ソード・バース)!」

 

木場先輩が地面に剣を突き刺すとグラウンドが光り輝き、いくつもの魔剣が地面から姿を現していきました。それはさながら刃の海のようです。フェネクスの眷属はその刃で体を貫かれてました

 

 

グ「ライザー・フェ二ックスさまの「兵士」二名「戦車」一名、「僧侶」一名、戦闘不能」

 

 

レ「そんな・・・バカなことって」

 

葉「すごい威力ですね」

 

白「しかし周りの見てやってください。この広範囲では私たちも貫かれてましたよ」

 

葉月が新たに結界を張らなかったら私たちも被害が出てたでしょう。その証拠に結界を取り囲むように魔剣が地面から出ています。祐斗先輩が魔剣創造(ソード・バース)を解いたのでしょう、辺りの剣が霧散していきました。しかしそれを狙ってたかのように木場先輩が爆発しました。

 

 

グ「リアス・グレモリーさまの「騎士」一名、戦闘不能」

 

 

これをやったのはフェエクスの女王ですね。ゼット先輩の時の反省を踏まえて神器を消した時を狙ったのでしょう。彼女はこちらに気づくことなく屋上に飛んでいきました。・・・そろそろ出番ですね

 

レ「ユ-ベルーナはなぜこちらに気づかなかったのでしょう」

 

葉「それはこの認識阻害結界が遠くからは何もないように見えるからです。近づいたら違和感を感じることができますが、飛んでいたから距離があったのでしょう」

 

白「私は彼女が無傷だったのが気になります。朱乃先輩と戦って無傷で勝てるとは考えられません」

 

レ「それはきっとフェニックスの涙を使ったのですわ。あれは如何なる傷を癒すんですの」

 

 

グ「リアス・グレモリーさまの「騎士」一名、戦闘不能」

 

 

おや、ゼット先輩も落とされてしまいましたか。

 

白「そろそろ私たちも行きましょう」

 

葉「そうですね。ではレイヴェルさん。またお会いしましょう」

 

レ「・・・あなたたちはお兄様に勝てますの?」

 

白・葉「もちろんです」

 

私たちは校舎の屋上に向かって駆け出しました。私は障壁を足場に、葉月は翼を出して飛びながら屋上に上がるとボロボロのイッセー先輩とリアス先輩、そして怪我が見られないアーシア先輩がいました。フェネクスと女王は先輩たちに向けて手を伸ばしてました。これはまずいですね。一時中断してもらわないと。私は蹴りで炎の、葉月は薙刀を振り下ろして水の衝撃波を先輩たちとフェネクスの間に放ち、先輩たちの前に立ちました。

 

白・葉「この戦い、ちょっと待てください!」

 

 




さて、次回のライザー戦レーティングゲームは終了です
この章もあと少しですね。



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レーティングゲーム 後編

UAが30,000を超えました!
皆さんありがとうございます


時間は少しさかのぼる

 

【ゼットside】

 

俺はイッセーに送り届けられた後、アーシアの聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)で傷を治してもらっていたらライザーが一騎打ちを提案してきた。まさか了承するわけないだろうと思っていたが、何を思ったかその提案を受けるという。

 

リ「ゼットは傷がいえた後アーシアと一緒に朱乃と合流しなさい。私はライザーを倒しに行くわ」

 

ア「部長さん、危険すぎます!」

 

ゼ「王自らが一騎打ちするなんて何馬鹿なこと考えてるんだ!お前がやられたらすべてが終わりなんだぞ!」

 

リ「そんなことわかってるわよ!でも私の力でライザーを倒さなければならないの。皆をグレモリー家のゴタゴタに巻き込んでしまった責任は私自信がケリを付けなければならないの!」

 

リアス先輩の意志は固いみたいだがここで引き下がるわけにはいかない。

 

ゼ「俺が先にやる。一騎打ちは他がやられたときの最終手段だ。それともイッセーたちの頑張りを無駄にしたいのか?」

 

リ「そんなわけないじゃない。私はみんなを信じてるわ」

 

ゼ「ならはじめから一騎打ちをするな。なに、イッセーたちが来るまでの時間稼ぎぐらいはしてやるから」

 

俺の全身の傷が治るのを待ってもらってからライザーのもとに向かった。ライザーは校舎の屋上で1人で待っていたようだ

 

リ「来たわよ、ライザー!」

 

ラ「まさか本当に来るとは思わなかったよ。君はフェニックスを倒せる自信があるのか?」

 

ゼ「まあ待て。ここに来たからと言って一騎打ちすることを了承したわけではないぞ。部長の相手をする前に俺が相手をしてやる。来いよ、焼き鳥」

 

ラ「おのれ・・・そんなに死にたければ俺が殺してやる!死ね!」

 

ライザーが巨大な火の玉を放つが速度が遅い、避けることは簡単だった。前任者や蒼枒さんだったら切ってたんだろうな

 

ラ「避けた!?ならこれならどうだ!」

 

今度は無数の火の玉を散弾のように放ってきた。避けるだけでは無理だと判断した俺は防いだり斬り払いながら近づいた

 

ラ「この弾幕をかいくぐってきただと!」

 

ゼ「はぁぁぁああああ!!!」

 

何とか近づくことができた俺はライザーを袈裟切りに切断した。普通ならこれで終わりだが相手はフェニックス。炎を揺らめかせ斬られた服ごと再生した

 

ラ「おのれ!下等な人間の分際でよくも俺に傷をつけてくれたな!」

 

復活したライザーが殴ってくるがそれを避ける。伸びた腕をそのまま切り落とし胴を切り裂いた。だが相手の精神をすり減らすほどのダメージは与えていない

 

ラ「燃え尽きろぉ!」

 

すぐに傷がふさがり背から炎の翼を広げた。翼からも放たれる弾幕先ほどの何倍もあり、あまりの多さに避けるよりも《アミル・ガウル》を盾に防ぐ回数が多くなっていく。だが完全には防ぎきれず身体の至る所にやけどが出来ていく

 

ゼ「くそっ。これならどうだ!」

 

上段から《アミル・ガウル》を思いっきり振り下ろす。だがこれだけでは蒼枒さんのように斬撃は飛んでいかないだろうから風を纏わせ、放った。風の斬撃はライザーの弾幕を切り裂き、その奥にいたライザーごと切り裂いた

 

ラ「いくら攻撃しようが無駄だ!確かにその神器は俺を殺せるが、そんなもの脅威にならない」

 

ゼ「くそっ。これでもダメか」

 

ラ「ほらほらどうした?威勢がよかったのは最初だけか?」

 

再び放たれる火の弾幕を防ぎながら考えを巡らせるが1人では勝つ方法が見つからない。ライザーを一撃で倒せる可能性がある攻撃はイッセーのドラゴンショットか部長に力の譲渡してからの滅びの魔力、そして俺の槍の一撃だろうが、イッセーはまだ来ないし俺の溜めている間に王である部長を前に立たせるなんて論外だ。ここは耐えるしかない

 

ラ「ここまで近づいてやったんだ。さっきみたいにその剣で斬って見ろよ」

 

俺が動けないことに翼から弾幕を放ちながらライザーが近づいて来る。器用なことしやがって・・・。だが本格的にまずいぞ。ダメージ覚悟であの翼を切り落とすか?

 

イ「うぉぉぉぉおおおらぁぁぁぁあああ!」

 

ゼ・リ・ア「イッセー!」

 

ラ「ぐあっ!お前はリアスの兵士!」

 

イ「ゼット!大丈夫か!?」

 

ゼ「助かった。あのままではじり貧だったからな」

 

屋上に現れたイッセーがライザーを殴り飛ばし、俺はその間に距離を調整すると態勢を整えた。イッセーが来てくれたおかげで勝てる可能性が出てきた。

 

 

グ「リアス・グレモリーさまの「騎士」一名、戦闘不能」

 

 

何だと!?祐斗がやられたのか。まずいぞ、ライザーの女王が来る前に早くけりをつけなければ

 

ゼ「イッセー!ここに来るまでに倍加は溜めているな?」

 

イ「当たり前だ」

 

ゼ「よし、ならここで決めるぞ」

 

イ「おう!わかった」

 

俺とイッセーがライザーに突っ込む。

 

ラ「兵士が一人増えた程度で何ができる。それに、人間の方はもう限界だろう?」

 

くっ、ばれていたか。

 

ラ「これで兵士ともども死ぬがいい」

 

リ「させないわ!」

 

ライザーは先ほど放った火の玉よりもさらに大きい巨大な火球を放ってきたが、部長が滅びの魔力で火球を消し去った

 

リ「イッセー!ゼット!いきなさい!!!」

 

イ・ゼ「うおおおおおお!!!」

 

ラ「こんな奴らに!!!」

 

ライザーは近づかれないように炎の壁を俺たちの前に出した

 

ゼ「はぁぁぁああああ!」

 

今出せる全力で風の斬撃を放ち、炎の壁を斬り裂いた

 

ゼ「いまだイッセー!」

 

イ「くらえライザー!ドラゴンショットぉぉおおお!!

 

ラ「ばかなぁぁぁぁあああ!!!」

 

巨大なレーザーがライザーを飲み込んだ。蒼枒さんは簡単に消し去ったいたが部長が言うには最上級クラスはあるという。俺の斬撃を受けて再生途中だったのだ、フェニックスといえどこれなら倒せただろう

 

ラ「・・・・・・まさかこれほどの力を持っていたとはな」

 

声のする方に顔を向ける。そこには完全に回復したライザーが上を組んで立っていた

 

ゼ「なっ!?」

 

ア「そんな・・・」

 

イ・リ「嘘だろ(でしょ)!?」

 

驚きと絶望が俺たちを襲った。まさかあれほどの攻撃を受けてなお再生するとは・・・。そして俺たちの切り札はすでに切ってしまった。俺はもう体力が残っていない。イッセーも倍加がリセットされてしまった

 

ラ「他の奴ならばこの一撃で終わっていただろう。なぁ、ユーベルーナ」

 

ユ「はい。最上級悪魔が放つ威力はあったかと」

 

ライザーの女王がライザーの隣に降り立った

 

ラ「これでチェックだ、リアス。もう戦力は残っていないのだろう」

 

イ「待て!俺はまだ戦える」

 

ラ「ほう、まだそんなことを言える元気があるとはな。・・・ユーベルーナ、お前はその人間を相手しろ。こいつは俺がやる」

 

ユ「了解しました」

 

ライザーの女王が俺に向けて杖を向けた。

 

ユ「人間にしてはよく頑張ったわね。でもここで退場よ」

 

俺は避けようとしたが体が動かず、爆発に飲み込まれた

 

 

 

【三人称視点】

 

ライザーはイッセーに接近し、2人は殴り合いをしていた

 

ラ「ほらほらどうした?その程度では俺を倒すことなんてできないぞ」

 

イ「くっ、この。おらぁ!」

 

ラ「ふっ、いいカウンターだ。だが効かねぇな」

 

リ「イッセー・・・」

 

ア「イッセーさん・・・」

 

ライザーにカウンターを決めるイッセー。しかしライザーはダメージを受けた傍から再生していく

 

ラ「そこで見てるんだな。お前の眷属がボロボロになっていくのを」

 

イ「俺は・・・負けない」

 

ラ「ほざけぇ!そんな攻撃意味ないんだよ!」

 

イ「ぐはっ」

 

イッセーは防ぎきれなかった拳を受けて

 

ラ「威勢がいいのは最初だけかぁ?さっきのドラゴンショットとかいうのを出してみろよ」

 

イ「ぐぁあああ」

 

ライザーのラッシュを受けたイッセーはボロボロになり体中から血を流していた

 

ラ「拍子抜けだな。所詮その程度か」

 

イ「がはっ」

 

リ・ア「イッセー(さん)!」

 

ライザーはボロボロになったイッセーをリアスたちの前まで蹴り飛ばした

 

ラ「リアス、よく見ていろ。上級悪魔にたてついた転生悪魔がどうなるかをな!」

 

リ「やめて!これ以上イッセーを傷つけないで」

 

ライザーと隣に立つユーベルーナがイッセーに向けて手を向ける。イッセーを消し去ろうと魔力を放とうとした時、目の前に巨大な2つの斬撃が通っていった

 

白・葉「この戦い、ちょっと待てください!」

 

リアスたちの前に白音と葉月が降り立った

 

 

 

【葉月side】

 

リ「白音、それに葉月も・・・いったい今までどこに」

 

ラ「ほう。片方は猫又、もう片方は悪魔だったか。これはいい拾いものだな」

 

なにやらすでに勝った気分のようですが・・・

 

白「このまま先輩たちに勝っても私たちはあなたのものになりませんよ」

 

ラ「なに?」

 

フェネクスの機嫌が急降下しました

 

葉「そもそもあなたが勝手に言い始めたわけで私たちは一切了承してないじゃないですか」

 

ラ「お前たちの了承など関係がないな。上級悪魔である俺が言ったんだ。お前らは黙って従っていればいいんだ」

 

大変失礼な方ですね

 

白「悪魔でも部長の眷属でもない私たちがあなたの命令に従う必要はありません。だからと言ってこのままでは埒があきません。そこで私たちから提案があります」

 

ラ「・・・なんだ?」

 

葉「私たち2人と貴方達たちが戦い、私たち2人を倒せたらあなたのものになりましょう。私たちが勝ったら金輪際関わらないでください」

 

フェネクスが不敵に笑いを浮かべました。私たちに勝つ自信がるのでしょうか?

 

ラ「お前たち2人で上級悪魔である俺たちを倒せるとでも?」

 

白「もちろんです」

 

葉「あ、でもその前に一つ。私たちの戦いと部長たちの戦いは関係がありません。なのであなたと部長の戦いは部長の負けでいいですよ」

 

その言葉に部長が驚きの声を上げました

 

リ「ちょっと!貴方達は何言ってるの!?」

 

葉「何って、そのまんまの意味ですよ。冷静に考えてください。私たちはたまたま巻き込まれただけですよ」

 

白「私たちは部長の眷属でも助っ人でもありません。私たちは私たちの身を守るために参加しました。・・・それとも、この状態から私たち抜きでフェエクスを倒せる方法があるんですか?」

 

そういうと部長は何も言えなくなり、悔しそうに歯を食いしばっています

 

葉「と言うわけでどうでしょう、この提案は。現時点をもって部長対フェネクスは部長の負け。そしてそのまま私たち自身を賭けた戦いになりますが」

 

ラ「いいだろう、その提案に乗ってやる。リアスのついでにお前たちも俺のものだ!」

 

どうやら提案に乗ってくれたみたいです。部長には少し悪い気もしますが・・・

 

ラ「リアス!早く棄権しろ。その兵士をこれ以上傷つけたくはないのだろう?」

 

リ「わかってるわよ!・・・私たちの・・・負けよ」

 

グ「リアス・グレモリー様の棄権を確認しました。よってこの試合の勝利者はライザー・フェニックス様なります。そしてこれより延長戦を開始します」

 

アナウンスもしっかりと開始の合図をされましたね

 

葉「では行きます。私は女王をやりますので」

 

白「私はあのフェネクスですね。任せてください」

 

ボコボコにしてやりますと聞こえました。白音なら大丈夫でしょう。私は薙刀を向け数本の水の槍をフェネクスの女王に向けて放つと女王は飛び上がり、空に逃げました。私も翼を出して追いかけます

 

ユ「ふふふ、まさか悪魔だったなんて。でもライザー様の女王である私に勝てるとでも?」

 

葉「もちろんです。ですがその前にあなた方は間違っていることがあります」

 

杖を向けながら頭を傾けました。

 

葉「私は悪魔の血も入っていますがどちらかと言えば青龍です。悪魔的な要素はほとんどありません」

 

ユ「それがなんだっていうのよ」

 

葉「わかりませんか?つまり・・・」

 

突如私たちに軽く雨が降り始めました。私は平気ですが女王は苦しそうにしています

 

ユ「何よこれ。濡れたところが痛い。・・・まさか!?」

 

葉「お気づきのようですね。予想どうりこれは聖水です」

 

雨の成分を変化させ聖水にしました。雨雲は校庭ぐらいにしか広がっていませんが彼女を相手するには十分でしょう

 

ユ「なぜあなたは悪魔なのに大丈夫なの!?」

 

葉「私は言いましたよ。悪魔的な要素はほとんどありませんって。つまり、聖水も十字架も私には効かないってことです」

 

ユ「痛ぅぅぅ!ここはまずいわね」

 

身体から煙を出しながら彼女は逃げ出しました。この雨のから出るためでしょう。降る範囲はそれほど大きくありませんから。しかし

 

葉「逃がしませんよ」

 

風の竜巻放ちました。竜巻の周りには5本の水の槍が回っていて、聖水の雨も巻き込んで彼女に襲い掛かります

 

ユ「きゃあああああ」

 

竜巻に襲われ墜落していきました。落ちた場所は校舎の玄関付近です。グレイフィアさんからのアナウンスが聞こえないため自分に結界を張り注意しながら待っていましたが、校舎の中からレイヴェルが出てきて女王に何かを振りかけた後校舎に戻っていきました。復活した女王はこちらに杖を向けました

 

ユ「くらいなさい!」

 

私の周りで爆発が起こりました。張っていた結界のおかげで私はむ無傷ですけど

 

ユ「はぁぁぁぁああああ!」

 

上空で大きな爆破が起きました。どうやら雨雲を消し飛ばしたみたいです。息を切らせながら女王が飛んできました

 

ユ「はぁ、はぁ。これで忌々しい雨はなくなったわね」

 

葉「息を切らしていますが大丈夫ですか?」

 

ユ「大丈夫じゃないわよ!だけどライザー様のためにも負けられないのよ!」

 

すごい忠誠心ですね。素晴らしいです。ですが

 

葉「そんな爆発では私には当たりませんよ」

 

結界を抜け出し、縦横無尽に空を駆けて爆発を避けます。だんだんと爆発が私に追いつけなくなってきました。

 

ユ「くっ、ちょこまかと」

 

葉「相手を追いかけるような爆発では私には当たりませんよ」

 

ユ「しまった」

 

私の接近に気づいた彼女は杖を盾に私の薙刀の刃を防ごうとしましたが、杖を切断されてしまいました

 

ユ「離れなさい」

 

至近距離で爆発を起こしましたが

 

ユ「これでも当たらないなんて・・・」

 

上空に回避して爆発を避けました。せめてお義姉さまみたいに設置型も使ていればまだよかったのですが

 

葉「そろそろ終わりにしましょう」

 

先ほど爆発から身を守った結界の中から何かが飛び出してきます

 

ユ「ウソ・・・水のドラゴン・・・」

 

葉「そうです。そしてこれで終わりです!」

 

水でできた翼を持つ龍が私の隣に控えると、命令に従い女王に突撃していきました

 

ユ「きゃああああああああ」

 

水の龍は女王を巻き込んで地面に衝突。龍は水にかえりました

 

 

グ「ライザー・フェ二ックスさまの「女王」戦闘不能」

 

 

アナウンスが聞こえたってことはこれで終わりですね。なら私はあそこで待機していましょう

 

 

【白音side】

 

白「戦う前に一つ言うことがあります。怪我をしたくなかったらこのままリタイアしてください」

 

ラ「この俺がリタイアだと?たったひとりで俺様の相手をするのに?笑わせる」

 

相手を前にして笑うなんて余裕ですね。なら

 

白「破山咆哮拳!」

 

フェネクスの懐に潜りこみ拳から放たれた熱線が上半身を吹き飛ばしてやりました。しかしフェネクスは全く反応できていなかったですね。

 

リ「嘘でしょ。イッセーのドラゴンショットと同じぐらいあるわよ」

 

ア「すごいです!それに近づく姿も見えませんでした」

 

ラ「くそが。妖怪風情が」

 

再生してきましたね。これで終わりとかなったら拍子抜けです。かといってこの技を連発するのもおもしろくないですね

 

ラ「あの程度の攻撃で俺がやられるわけないだろ!」

 

白「そうですね。あの程度でやられたら私が困ります」

 

炎の弾を放ってきましたが体をそらして避けながら近づきます。ぎりぎりで避けているため温度を感じることができますが、ぬるいですね

 

ラ「この!調子に乗りやがって」

 

フェネクスが殴りかかって来たのでその拳に合わせてこちらも拳を合わせました。拳同士がぶつかりますがフェネクスの拳がつぶれ、そのまま顔まで殴りぬきます

 

ラ「ぐはっ」

 

白「・・・はぁ」

 

困りました。まさかこんなに弱いとは思ってもみませんでした。手加減してもこれですからどうしますかね

 

リ「すごい。ライザーをここまで圧倒できるなんて」

 

ラ「この俺をここまでコケにしやがって!もう許さねぇぞ!」

 

炎の翼を出して全身を燃え上がらせて突っ込んできます。さて、どうしますか

 

ラ「くらいやがれ!」

 

拳に炎を纏わせて殴ってきますが、頭に血が上っているためかなり大振りです。

 

白「は!」

 

ラ「がっ」

 

フェネクスの顎を蹴り上げました。仰け反りながら空中に投げ出されるフェネクス。・・・そうだ!あの技の練習をしましょう。拳に気を集め落ちてくるフェネクスに合わせて双掌打を放つ

 

白「羅生門!」

 

ラ「がぁああああ」

 

大きく吹き飛んだフェネクスは屋上のフェンスにぶつかりました。しかしこの技はまだまだ改良しなくてはなりませんね。空中では相手に体勢を立て直されてしまいますし、ゲームのようにはいきません・・・

 

白「ほら早く立ってください。まだまだ練習しなくてはなりませんので」

 

ラ「この俺をサンドバック代わりにしようというのか」

 

白「そうですがなにか?」

 

ラ「ふざけるな!」

 

先ほどよりも多くの炎を放ってきますが全て避けれますね。上半身のみを動かし炎を躱しながら歩いて近づいいていきます

 

ラ「これならどうだぁ!」

 

自信の真上に作り出した巨大な火球を私目がけて落としてきました。避けてもいいですがここは

 

白「お返しします」

 

ラ「なっ!?」

 

フェネクスに蹴り返してあげました。この間にさらに近づき、再生しているフェネクスの目の前まで来ました

 

白「ここまで来ました。練習に付き合ってくださいね」

 

ラ「く、来るなあ」

 

逃げ出そうとするフェネクスの頭をつかみ屋上の床にたたきつけた後、空中に放り投げ再び双掌打を叩き込みます

 

白「羅生門!」

 

ラ「あああああぁぁぁぁぁぁ」

 

反対側へと吹き飛ばしました。しかし、投げる前に叩き付けましたがまだ駄目ですね

 

白「ほら何やってるんですか立ってください。再生は終わっていますよ」

 

 

それから何十回と羅生門を叩き込みました。それにしてもすごい精神力ですね。途中で棄権すると思っていました。

 

白「羅生門!」

 

よし、これならばいいでしょう。相手を急速に横方向に回転させ強いGでブラックアウト状態にし、あいての回転とは逆方向にひねりを加えながら双掌打を放つ。相手に体勢を整えさせることなく素早く叩き込めるように改良しました

 

白「おつきあいいただきありがとうございました。おかげで完成しました」

 

ラ「そうか・・・なら、こちらの番だ!」

 

まさかこれほどやられても向かってくるとは・・・やり過ぎて馬鹿になってしまいましたか

 

白「あなたが私に勝てないのは嫌というほどわかったはずです。いい加減負けを認めてください」

 

ラ「それはないな!なぜならお前に俺を倒し切る決定打はないからな!」

 

手加減しているのに何言ってるんですかね。しょうがないです

 

白「葉月!準備はいいですか?」

 

葉「はい!いつでもどうぞ」

 

フェネクスの首を持ち上げながら最終通告を言い渡します

 

白「これが最後です。どうしても負けを認めませんか」

 

ラ「当たり前だ」

 

・・・しょうがないですね

 

白「なら、これで」

 

フェネクスをプールの方へと勢いよく投げ、私も同じ方向に跳びます

 

白「終わりです!」

 

プールの直上で障壁を使って体制を整えると、フェエクスの頭にに踵落としを決め、プールへと叩き落としました。プールに張った水が勢いよく跳ね上がってます

 

ラ「ぎゃぁぁぁぁぁああああ!」

 

葉「どうですか?早く負けを認めたほうがいいですよ。なにせこのプールの水すべてが聖水何ですから」

 

フェネクスの身体から煙が上がっています。聖水が悪魔を浄化しようとしているのでしょう

 

ラ「お、おれの・・負け・・・負け、だ」

 

 

グ「ライザー・フェニックス様の棄権を確認。よってこの試合の勝利者東雲葉月様、東雲白音様となります」

 

 

無事勝てました。これでフェネクスが来ることはないでしょうけど・・・他の悪魔は眷属にしようと来そうです。

 

葉「お疲れさまです。どうでした?」

 

白「葉月もお疲れ様です。手加減しても大したことなかったですね」

 

葉「こちらもです。お義姉さまに作ってもらった重力符の妖力版を張りながら戦いましたが何一つ問題ありませんでした」

 

私も葉月も符を剥がす必要はなかったですね。もう少し頑張ってもらいたいものです。

 

葉「あ、転移しますよ」

 

白「早く帰って寝たいです。今日も学校がありますし」

 

葉「そうですね。私もはやくお風呂に入りたいです」

 




今回で不死鳥()編は終了です。次回は後日談ですね。
ちなみにイッセーがライザーと戦うところは書きません

イ・ラ「えっ!?」

だってゼットも東雲姉妹も誰も行かないんだからしょうがないじゃないか

イ「俺の見せ場が・・・」

諦めろ

ちなみにいけない理由
共通→非眷属
ゼット→人間。そもそも招待されてないため冥界に行く手段がない
白音・葉月→冥界には行けることは行けるがそもそも行く理由がない。もし招待せれていたとしても蒼枒と黒歌に止められる



今回、文字数が8,000字を超えました
だんだん字数が増えていくなぁ


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後日談

今回は特にストーリーが進んだりはしません


【ゼットside】

 

レーティングゲームから数日が経った。ライザーの女王に爆発によって気を失っていた俺が意識を問い戻したころにはゲームはすでに終わっていた。結果は俺たちの負け。部長はライザーと結婚するために冥界に帰った・・・はずだったんだが、イッセーとアーシアと一緒に学校に来ていた。いったい何があった!?

 

ゼ「・・・そういえば部長、今朝イッセーとアーシアと一緒に来てましたが、どうしたんですか?」

 

リ「それはね、イッセーの家に住んでるからよ」

 

ゼ「へぇ、そうなんですか。イッセーの家に・・・ってええええええええ」

 

放課後、部活に出るとイッセー以外が揃っていた。荷物をおろしてから紅茶を飲んでいた部長にイッセーたち一緒に登校してきたかを聞いた。すると部長がイッセーの家に引っ越したという。詳しくと一昨日の夜にライザーが部長との婚約発表会を行った。そこにイッセーが部長を取り返すために突撃し、魔王の提案でイッセーとライザーの一騎打ちを行った。結果はイッセーが勝ち部長はライザーとの婚約を破棄することができた。イッセーはアーシアからもらった聖水をライザーをぶっかけたという。白音ちゃんたちのせいで聖水恐怖症になったライザーはうまく再生できなくなり、そこに聖なる力を倍加によって限界まで施した十字架でライザーを殴り、ライザーを倒した。部長はイッセーが自分のために戦う姿に惚れたらしくイッセーの家に引っ越したということだ・・・ところで覗きとかされてないのか?でも家には親とかいるから、いくらイッセーでも自宅では覗いたりしないか。

 

そんなことを考えていると後ろでコンコンとノックの音が響いた

 

リ「どうぞ」

 

?「失礼します」

 

部長が返事をするとドアが開く。入って来たのは生徒会長と・・・誰だ?

 

リ「いらっしゃいソーナ。少し待ってて、イッセーがまだ来てない「すみません!遅れました!」

 

リ「ちょうど来たみたいね」

 

ドアを勢いよく開けてイッセーが部室に入ってきた。掃除当番だったのにずいぶん早いな

 

ゼ「はやいなイッセー。今週は掃除当番だろ?」

 

イ「ああ、だから急いでやってきた。それよりもなんで生徒会長がここにいるんだ?」

 

俺もそれは思っていた。今日は部活に参加してほしいって祐斗から言われていたがいつもはいない白音ちゃんたちも参加しているあたり何かあるのだろう。

 

?「リアス先輩。もしかして俺たちのことを兵藤に話してないんですか?同じ悪魔なのに気づかないほうもおかしいけどさ」

 

てっきり部長か会長が答えてくれるものだと思っていたが、会長と一緒に入ってきた男が答えた。疑問には答えてないが口ぶりからするに会長達も悪魔なのか?

 

ソ「サジ、基本的に私たちは『表』の生活以外ではお互いに干渉しない事になっているのだから仕方ないのよ。彼は悪魔になって日が浅いわ。兵藤くんは当然の反応をしているだけ」

 

付いてきたやつはサジっていうのか。なんか偉そうだな。

 

祐「イッセー君。この学園の生徒会長、支取蒼那さまの本当の名前はソーナ・シトリー。上級悪魔シトリー家の次期当主だよ」

 

サ「そして俺は匙 元士郎。2年で会長の兵士(ポーン)だ」

 

イ「おおっ!俺と同じ兵士(ポーン)か!」

 

サ「俺としては変態のおまえと同じなんてのが酷くプライド傷つくんだけどな・・・」

 

イ「なんだと!」

 

おや、3人組と言われなかったな。元浜も松田も頑張って挽回しているみたいだな。あの二人、最近エロ関係の物を学校に持ってきてなかいからなぁ

 

サ「おっ、やるか?こう見えて俺は兵士(ポーン)の駒4つ消費して転生したんだぜ? 最近悪魔になったばかりだが、兵藤なんかに負けるかよ」

 

イッセーとサジの間の空気が不穏になって来たな。ここで喧嘩するなよ、やるなら外でやれ外で。葉月ちゃんがいつの間にか自分たちにだけ結界張ってるし

 

ソ「サジ!やめなさい」

 

サ「しかし!」

 

ソ「ここに来たのは喧嘩するためじゃないでしょう。それにあなたでは兵藤くんに勝てません。彼は兵士(ポーン)の駒を8つ全て消費して転生した事は知っているでしょう。加えて、フェニックス家の三男を倒したのは兵藤くんです」

 

サ「なっ!フェニックスをこいつが!?てっきり木場か姫島先輩がリアス先輩を助けたものだと・・・」

 

ソ「あと人を見下すような態度は改めなさい。はっきり言います。アーシアさんを除き、今この中で最も弱いのはサジ、あなたです」

 

サ「嘘ですよね!?兵藤は兵士(ポーン)の駒を8つ使って転生したから、納得できませんがまだわかります。しかし、誰だかわからないこいつや何故かいる学園のアイドルより弱いって言うんですか!?」

 

・・・随分と人を見下しているな。そして人に指を向けるな

 

リ「ゼットはイッセーが来るまでの間、1人でライザーの相手をしてたわ。再生されてしまっていたけれどもライザーを何回か倒せるほどの実力を持っているわ。ちなみに彼は人間よ」

 

サ「嘘ですよね!?悪魔でもないただの人間が上級悪魔を倒すなんて」

 

ソ「加えてレーティンゲームでフェニックス家の三男を倒したのは彼女たちです。その戦いは圧勝どころか完勝と言えるものでした」

 

サジがショックを受けていると生徒会長が頭を下げてきた

 

ソ「兵藤一誠くん、朧月絶斗くん、東雲 葉月さん、東雲 白音。ごめんなさい、うちの眷属はあなたたちより実績はないので、失礼な部分が多いのです。兵藤一誠くん、アーシア・アルジェントさん、よろしければ同じ新人悪魔同士、仲良くしてあげてください」

 

会長に言われてサジは挨拶をしてきたが、イッセーとは互いに不満そうだった。アーシアさんは嬉しそうに挨拶をしていた。

 

サ「お前すごいな。人間なのに悪魔と戦えるのか」

 

ゼ「師匠がすごい人だからな。そう簡単に負けられなかった」

 

イッセーよりは雰囲気が柔らかかった。ライザーと戦えたことから自分より強いと思ったのかはたまた別の理由なのかはわからない。互いに握手を交わすと白音ちゃんたちのところに行った。結界はすでに解いているみたいだった

 

サ「2年の匙 元士郎だ。よろしく」

 

葉「よろしくお願いします。と言いたいところですが残念ながら私たちはあまり部活に出ません」

 

白「今日も部長が呼んだから来てるだけです。ところで部長、なんで私たちは呼ばれたのですか?」

 

リ「そういえば言ってなかったわね。これからソーナたちと一緒に使い魔の森に行って使い魔を手に入れわるのよ」

 

なんでも使い魔を探す為には1ヶ月に1度しか仕事を受けない人に頼むしかないらしい。使い魔の森には転移で行くようで眷属しか連れていけないとのこと。俺たちは帰ってくるまで留守番を頼まれた

 

ゼ「俺は構いません。ちょうど白音ちゃんたちに聞きたいこともありましたし」

 

白「私たちはあまり遅くならないうちに帰ります」

 

リ「そう、わかったわ。それじゃあ皆、早速行きましょうか」

 

ソ「匙、行きますよ」

 

朱・祐・イ・ア・サ「了解!」

 

部長たちは部室から転移した

 

 

 

白「で、聞きたいこととは何ですか?」

 

ゼ「ゲームの時、なぜ姿を見せなかったか。どうやってライザーに勝ったかを聞きたい。ライザーが聖水恐怖症になるほどだ、気になるだろう?」

 

白「そうですね。部長たちにも説明しましたが・・・まずは姿を見せなかった理由から話しましょう」

 

その後白音ちゃんたちから理由を聞いた。前提として2人は部長がだれと結婚しようが関係なかったらしい。自分たちも巻きこまれ、参加しなかった場合、後々面倒になるから参加したとのこと。開始時に姿を消したのは眷属でもない自分たちが戦い勝っても納得いかない奴が出てくる・・・というのは建前で自分たちの負担を軽減するためだったらしい。そのために蒼枒さんに俺たちを鍛えてもらうように頼んだとか。

 

ゼ「つまり、俺たちは利用されていたというのか?」

 

葉「そうですね。・・・怒りますか?私たちを」

 

ゼ「いや、蒼枒さんのおかげで《アミル・ガウル》を使えるようになったんだ。例え利用さていたとしても鍛えてもらったことには変わりない」

 

このことを聞いたとき俺たちは捨て駒か!と思ったが結果的に鍛えてもらい、《アミル・ガウル》も扱えるようになったため怒るに怒れなかった。

次に俺が気絶している間に何があったか。どうやって2人はライザーに勝ったかだが、葉月ちゃんは女王を、白音ちゃんがライザーの相手をしたという。葉月ちゃんは悪魔の弱点である聖水を雨のように降らし、槍を伴う竜巻、水のドラゴンを突撃させ勝った。

 

ゼ「聖水の雨とかなかなかひどいな」

 

葉「そうですか?白音とあまり変わりませんよ」

 

ゼ「・・・一体何をやったんだ?」

 

白「とりあえず懐に潜りこんで破山咆哮拳というの放ちました。部長が言うにはイッセー先輩のドラゴンショット並の威力があったそうです」

 

ゼ「・・・は?」

 

白「その後、羅生門という技の練習台になってもらいました。あの技、内部破壊系なのであまり練習相手がいないんですよ」

 

葉月ちゃんはひどい、と思ったがライザーのほうがもっとひどかった。初撃であの威力を受けるのか。・・・いやまて

 

ゼ「まさかとは思うが、レーティングゲームの時過重符は付けて・・・」

 

白「?普段通り付けてましたが」

 

マジかぁ。とんだ舐めプだ。それにほぼため無しで全力の状態でないにもかかわらずあの威力が出せるのか。その後は羅生門完成したのでリザインすることを促すも拒否されたらしく、ライザーを聖水のプールに沈めたらしい。

 

ゼ「聖水のプールって、悪魔に対してひどいな」

 

白「遠慮する必要はありませんので。それに、個人的に不愉快でしたから」

 

 

 

それから色々しているうちに時間が過ぎて行った。日も落ちたため白音ちゃんたちも帰ってしまい部室には俺一人だ。

もう少しで7時だな~とぼんやりしていたところ部長たちが帰ってきた

 

ゼ「おかえりなさい。どうでした?」

 

リ「アーシアが使い魔を蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)を使い魔にしたわ。他イッセーたちは残念ながら使い魔を得られなかったわ」

 

ゼ「そうですか。あ、葉月ちゃんたちは帰りましたよ」

 

リ「そう、しょうがないわね」

 

イ「なあ聞いてくれよゼット!ウンディーネに会ったんだけどさ、おまえウンディーネってどんなのをイメージする?」

 

ゼ「どんなのって、イメージカラーは青で、水を操る美女とかだろ?」

 

イ「普通そうだよな!間違っても筋肉モリモリとかじゃないよな!」

 

ゼ「ちょっと落ち着けよ」

 

イ「これが落ち着いてられるか!部長に聞いたら雪女も筋肉モリモリっていうじゃねえかよ。そんなのありか~!」

 

後日白音ちゃんたちに聞いたところ、冥界ではボディビルの大会が開かれるため、各種族から肉体自慢が集まっているらしい。事実、蒼枒さんの友人であるぬらりひょんの奥さんは雪女で可愛らしい美少女だとか

 

 

リ「そういえば、ソーナも婚約していたわよね?」

 

サ「え!会長に婚約者がいたんですか!?」

 

いきなり部長が会長に尋ねた。

 

ソ「そうですね。今まで続いているしきたりでもありますから」

 

サ「リアス先輩みたいに婚約破棄とかしないんですか!?」

 

何やらサジの奴が必至見見えるな。もしかして会長のことが好きなのか?

 

ソ「そんな簡単に婚約破棄なんてできませんよ。それにする必要もありませんから」

 

お、サジの雲行きが怪しくなってきたぞ

 

ソ「リアスの婚約を受けて私たちの親も結婚を早めようとしました。しかし私も相手もそれに反対しましした。『俺は結婚などに足を止めていれない。ソーナも叶えたい夢があるだろう。今はそれぞれの夢に向かって歩んでいくべきだ。結婚はそれぞれの夢がかなった後でもいいだろう』と」

 

リ「羨ましいわね。そんな彼が婚約者だなんて」

 

サ「その・・・婚約者というのは一体、誰なんですか?」

 

イ「俺も気になります。部長からドラゴンの力を身に宿したと聞きました」

 

サジ、声が震えてるぞ。だが俺も気になるな。ドラゴンの力を手に入れた悪魔か

 

ソ「婚約者の名はゼファードル・グラシャラボラス。元72柱のグラシャラボラス家の次男として生まれ五大龍王最強のティアマットを師に持ち、その強さはレーティングゲームにおいて中の上、もしくは上の下にいると言われています。その実力から、周りからは(キング)と呼ばれている若手最強の悪魔です」

 




今回いろいろやっちゃった感がありますが気にしないで行きます


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決闘者遍その3 前編

UAが35,000超えました!皆様ありがとうございます

今回は決闘者編です
あまりにも長くなってしまったので前後編に分けました。


【三人称視点】

 

冥界にある大きな屋敷の一室。そこには引き締まった肉体を持つ背の高いコートを着た男とスタイルの良い、綺麗な青の長髪を持つ美女がいた。

 

?「行くのか?ゼファードル」

 

ゼ「ああ。ラフティスとカルティナが見つけてくれたからな」

 

ゼファードルは自分の兵士である探知と諜報に優れた2人にある人物を探させていた。その人物に出会ったのはゼファードルが幼いころ。あれから幾年もたっており生きてるか死んでるかもわからない人物を探し出すのに時間がかかった。

 

ゼ「ちょうど今日は休日だとカルティナが調べてくれた。この時を逃すわけにはいかないだろう」

 

?「そうか。しかしお前が多大な影響を受けた人物か。私も興味があるな」

 

ゼ「ティアマット、もしかしてついて来るのか?」

 

テ「師匠と呼べ!師匠と」

 

青い長髪を持つ美女、ティアマットがゼファードルに拳骨をかます。頭に受けたゼファードルは受けたところを抑えながら地面にうずくまる

 

ゼ「ぐぉぉぉぉ」

 

テ「全く。いつも言ってるだろうが、いつまでたっても治らんな。まいい、私は勝手についていく」

 

ゼ「ああ、そうしてくれ」

 

痛みを堪えながら立ち上がったゼファードルは自分の眷属を呼びに部屋を出ていった。

 

ゼ「ようやく見つけた。待っていろユーガ・キリュウ」

 

屋敷の廊下を歩く彼の手には一枚の白いカードが光っていた。

 

 

 

 

【ユーガside】

 

ロキとの戦いから数か月がたった。ロキに何故か気に入られ俺はヴァルハラに自由に出入りが認められ、その代わりに仕事の手伝いをしてほしいと頼まれた。始めは本来部外者の俺が自由に入ることができるんだししょうがない、と思ったが。だんだんとその頻度が多くなってきた。

 

ロキ「逃げるなユーガ!お前に頼みたい仕事は山ほどあるんだぞ!」

 

ユ「知るか!俺は自由に生きたいんだ!本来その仕事はお前たちで処理するものだろうが!」

 

ロキ「そのお前が原因で仕事が増えてるんだぞ!」

 

ロキとの壮絶な鬼ごっこが繰り広げられる。捕まればヴァルハラで山積みの仕事が待っているため捕まるわけにはいかない

 

ロキ「お前が勝手に作った家電製品を売るから市場が混乱してるんだぞ」鎖の魔法

 

ユ「いいじゃないか。暮らしが便利になるんだぞ」《サイクロン》発動

 

ロキ「いいわけあるか!あんな高性能なものを格安で売ったせいでみんなお前の製品を買いに行ってるだろうが!企業もマネできないって苦情が来てるんだぞ!」炎魔法ブッパ

 

ユ「知らん。そんなものは俺の管轄外だ」《シールド・ウィング》召喚

 

ロキ「せめて設計図寄越せぇ!」連続で魔法発動

 

ユ「余り物の部品で作ってるからそんなものはない!」《シールド・ウィング》破壊されるも《エンジェル・リフト》で蘇生

 

ロキ「余り物であんなもの作れるかぁ!」

 

 

 

 

ロキが拘束魔法を放ち、俺がモンスターや魔法・(トラップ)を使って回避していく。それが俺の今の日常だ。そんな休日

 

ユ「悪い。遅くなったか?」

 

ロセ「いいえ、時間通りですがもう少し早めに着てください。女の子を待たせるものじゃないですよ」

 

ユ「悪かったって。じゃあ買い物に行こうか」

 

集合場所にはすでにロセがいた。時間通りなんだがなぁ、まぁいいや。今日はロセと買い物に行く約束をしている。前から何回か買い物に行っていた。ヴァルハラから街に出ようと歩いていると前から白く髪の長い男が2匹の犬を連れてきた。

 

?「ユーガにロスヴァイセ。ちょうどよかった」

 

ユ「フェンリルじゃないか。どうしたんだ?」

 

男の名はフェンリル。背の高いイケメンでロキの息子の一人だ。

 

ユ「こんなところでどうしたんだ?」

 

フェ「実は急に仕事が入ってしまってね。スコルとハティを町に散歩に連れて行ってくれる人を探していたんだ」

 

ロ「この2匹がスコルとハティなのですか?」

 

ロセがしゃがんで2匹を撫でると2匹は嬉しそうに尻尾を振っていた

 

フェ「ああ。体を小さくすることはできるがまだ人間にも変化できないし人の言葉をしゃべることもできないいんだ。・・・もしかしてデートの邪魔だったかな?」

 

ユ「デート!?」

ロ「違います!私とユーガは(そんな関係じゃあ)・・・」

 

フェ「そうか?休日は一緒にいるのをよく見かけるし二人が付き合っていると噂も耳にしたんだが」

 

男と女が+休日に+一緒に街で買い物=デート・・・うぉおおおおおお!!?マジかぁ!俺とロセがデート!?それも前から!?ロセも手で顔を隠してるし、俺も顔が熱くなってるのを感じた

 

フェ「デートの邪魔をしては悪いから他の人をあたるよ」

 

ロ「いえ!私たちにまかせてください」

 

フェ「いいのか?」

 

ロ「はい!」

 

ロセはフェンリルからリードを受け取ると街に向かって歩を進めた

 

ロ「は、早くいきましょうユーガ」

 

ユ「あ、ああ。わかった」

 

俺とロセはヴァルハラから街に出た

 

 

 

ユ「ロセ、ちょっとストップ!」

 

町の中心部についたのにもかかわらずいまだに早歩きでどこかに向かおうとするロセを止めた

 

ロ「な、何ですかユーガ」

 

ユ「少し落ち着けって。ほら吸ってー吐いてー」

 

まだ顔の赤いロセを止めて深呼吸させる。すると、少しは落ち着いたみたいで

 

ユ「どうだ?落ち着いたか?」

 

ロ「はい、すみませんでした。勝手に暴走してしまい」

 

ユ「いいって。ほら、街に着いたんだしいつもどうり買い物しよう」

 

ロ「そうですね。じゃああのお店に行きましょう!」

 

ロセが指さしたのは安さが売りの雑貨屋。俺もたまには買い物に着たりしているなかなかいいお店だ。スコルとハティは外に繋げて店に入る。ロセは初めて入るみたいで文具やキッチン用品を中心に見て回っていた。

 

ロ「こんなにシャープペンも種類があるなんて。これなんて多色ボールペンもついてる」

ロ「この値段でこれが買えるんですか!?」

 

・・・やっぱり長いなー。もともと安さに目がないし・・・しょうじき前世であったダ○ソーの方が安いと思うがこの街にはないからなー。

 

ロ「ユーガ!ここよりも安い店があるんですか!?」

 

やっべ。口に出てたか

 

ユ「えーと。ギルドでたまたま聞いたんだけど日本には高品質ながら硬貨1枚で買い物ができる店があるとかなんとか」

 

ロ「そうなんですか!?行ってみたいです日本に」

 

ユ「ほんとかどうかわからないけどな」

 

・・・あれ?俺ってまずいことをしちゃったか?

一時間ほど経ち、買い物を済ませた俺たちはそろそろ昼だったこともあり飲食店に入った。ペット同伴可なお店でスコルとハティも一緒にテラスの席に案内された(ぺットじゃないが)

 

ロ「何にします?」

 

ユ「俺はハンバーグセットで」

 

ロ「私はカルボナーラにします」

 

店員を呼び、注文をする。メニューが来るまでに少し時間がかかるだろう

 

ユ「ちょっと買い忘れたものがあるから行ってくる」

 

ロ「あ、それなら私も」

 

ユ「数分もあれば戻ってくるから待ってて」

 

ロセたちを置いて俺はある場所に向かう。

 

 

そんな離れていないため宣言どうり数分で戻ってくることができた。

 

ロ「どこに行ってたんですか?」

 

ユ「ちょっと部品を買いにな」

 

ロ「後で一緒に行ってもよかったじゃないですか」

 

ユ「ロセが行っても面白くないと思うけど・・・機械の部品しかないし」

 

店「お待たせしましたー!」

 

タイミングよく定員さんがメニューを持ってきてくれた

 

ユ「ちょうど来たし、食べようか」

 

ロ「そうですね」

 

ユ・ロ「いただきまーす」

 

2人で声を合わせて合掌し、フォークを手に取って食べ始める。スコルとハティも焼いた肉を持ってきてくれた

 

ユ「うめぇ。このお店のハンバーグ気に入った」

 

ロ「本当ですね。来てよかったです」

 

お互いに食べすすめていく。ロセの食べてるカルボナーラもおいしそうだな

 

ユ「少しもらうぞ」

 

ロ「あ、こら!」

 

フォークで掬って口に運ぶ。ロセの言う通りうまい

 

ユ「そう怒んなって。ほら俺のもあげるから」

 

ハンバーグの一切れをフォークに刺しロセに差し出す

 

ロ「えっ!?」

 

ユ「ほら、あーん」

 

ロ「あーん」

 

ユ「おいしい?」

 

ロ「おいしいです。(だけどこれって間接キス・・・)

 

何故かロセが赤くなった。なぜだ?

 

?「久しぶりだな。ユーガ・キリュウ」

 

疑問に思っていると声をかけられた。振り向くと背の高いコートを着た男と青い髪の美女、忍者の姿した美少女がいた

 

ユ「・・・誰だ?」

 

ロ「悪魔!?なぜここに!」

 

ロセが立ち上がり、スコルとハティも警戒を強める

 

?「幼いころに出会っているのだがな。まああの時はお互いに名乗らなかったし仕方ないか。だがこのカードを見れば思い出すだろう」

 

渡されたカードは《レッド・デーモンズ・ドラゴン》だった。なんで持ってるんだ?

 

?「お前が帰るとき落としていったのだ」

 

ロ「・・・あなたは一体誰なんですか!?」

 

ぜ「俺の名はゼファードル・グシャラボラス。かつてその男に魅せられた男だ!」

 

えぇぇぇぇぇええええええええ!!ゼファードル!??あの噛ませキャラだったあいつ!?変わりすぎだろ!髪の色って青だっけ!?それに5D'sのジャックそっくり・・・・というよりジャックじゃん!ってあれ?俺ってめちゃくちゃ原作改変してる!?・・・今更か!

 

ゼ「そのカードおかげで俺は道を間違ええずに進むことができた。もしユーガに出会っていなければ畜生に成り下がっていたかもしれん」

 

全くその通りだよ!サイラオーグにボコボコにされて再起不能(リタイア)にされてたよ!マジで何が起こるかわからねえな

 

?「その男がお前の言っていた奴なのか?」

 

青い髪の美女が前に出てきた

 

ゼ「そうだ」

 

?「大して力を感じないが・・・」

 

ユ「えっと、あなたは」

 

テ「私はこいつの師匠をやってるティアマットだ」

 

ロ「ティアマット!?あの天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)の!?」

 

テ「いかにも、私がそのティアマットだが」

 

えええええええええティアマット!!?使い魔の森にいるんじゃないの!?

 

テ「一般人と変わらないが・・・本当にこいつか?」

 

ゼ「ああ。数多のモンスターを召喚して戦うのだ。最近はロキと戦って勝ったらしいな」

 

ロ「なぜそのことを。私たちでも一部しか知らないはずなのに」

 

ゼ「カティは優秀だからな。大抵のことは調べてくれる」

 

そう言って忍者の姿した美少女の頭を撫でる。忍びの姿は見掛け倒しじゃないのか

 

カ「忍びとして当然のことをしたまでです」

 

テ「ほう、神であるロキを下すか。その力見てみたいものだな」

 

ティアマットの眼が光ったのがわかった。これは拒否すると暴れるとかまたは無茶な要求をされるな

 

ユ「ロセ、悪いけど」

 

ロ「龍王がそう言いうのであればしょうがないですね。」

 

ロセもしぶしぶ承諾してくれた

 

ゼ「ならさっそ「だが!」

 

食べかけの昼食に目をやる

 

ユ「食べ終わってからな」

 

ゼ「・・・わかった」




次回、デュエル開始ィィィ!


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決闘者遍その3 後編

前後編分けるといったな、あれは嘘だ。

総文字数25000越え!前編だけでも5000字超えたのに後編も20000超えるとか明らかに前編と後編の割合おかしい
そして数はあるけど中身は伴っていないような・・・
あまり期待せずご覧になってください


お気に入り登録してくださった方が150人を超えました。
皆様ありがとうございます




Dホイールにロセたちを乗せてやってきたのは街はずれの広場。ここなら人への被害もないだろう

 

ゼ「さて、戦う前に俺の仲間たちを紹介しよう」

 

ゼファードルがそういうと背後に魔方陣が現れそこから悪魔たちが出てきた。

 

ゼ「まずは俺だ。名はゼファードル・グシャラボラス。(キング)を務めている。俺の隣にいるのが」

 

グレ「グレイオス・ゾルダーク。兵士(ポーン)だ。」

 

キ「キルイース・シェルムーンっす。同じく兵士(ポーン)っす」

 

カ「カルティナ・ベアトリス。ゼファードル様の兵士(ポーン)であり忍だ」

 

白髪の長身の男に、語尾が特徴的な少女。ゼファードルと一緒にいた忍びの少女

 

グラ「俺はグラマーク・テンプラス。戦車(ルーク)を務めてるぜ」

 

エ「私の名はエルファランス・タンザナイト。ゼファードル様の騎士(ナイト)を務めている」

 

ウ「僕はウラディール・タンザナイト。僧侶(ピジョップ)だよ」

 

フルプレートに身を包み巨大な盾を持つ大男にティアマットとは違う青い髪の長身の美女、ローブを纏う男が挨拶した

 

ユ「これで全員か?ロセから聞いた話では悪魔の駒(イーヴィル・ピース)ってチェスと同じ数なんだろ?」

 

ロ「そう言われてます。ですがここにはその半分もいませんし・・・」

 

チェスはキングとクィーンが1つずつ。ナイト・ビショップ・ルークが2つずつ。ポーンが8つの駒を使って戦うボードゲームだ。レーティングゲームはチェスを元にしてるからイッセーみたいに1人で駒を何個も使わない限り16人になるはずなんだが・・・

 

テ「こいつはまだ全部埋まっていないからな。女王(クィーン)兵士(ポーン)が2個残っている」

 

ゼ「そしてここにいない者たちは皆休みだ。カルティナも休みにしたかったが案内する者がいなくなるからな」

 

随分優しいな。それに眷属とも部下ともいわず仲間か・・・

 

ユ「じゃあこちらも・・・ユーガ・キリュウ。デュエリストだ。今まではギルドで働いていたが今はロキのせいで大体ヴァルハラにいる。で、この戦いには参加しないが」

 

ロ「戦乙女(ヴァルキリー)のロスヴァイセです。オーディン様の付人をしています」

 

ゼ「その犬らしからぬ力を持つものは?」

 

ユ「フェンリルの子のスコルとハティだ。フェンリルに頼まれて散歩してた」

 

これでここにいる全員の名前がわかったな。さてと

 

ユ「早速始めるか!そちらはここにいる全員で来るんだろ?」

 

ゼ「ああ、そのために呼んだのだからな」

 

その言葉にゼファードルの眷・・・仲間たちも戦闘態勢に入った

 

キ「やるっすよー!」

 

グレ「いつも通りやるだけだ」

 

カ「ゼファードル様に勝利を」

 

グラ「おっしゃあ!どんな攻撃も防いでやるぜぇ!」

 

エ「どんなものだろうとウラディールと共に撃ち倒すのみ」

 

ウ「ああ。・・・行くぞ!エルファランス」

 

ユ「あれティアマットは参加しないのか?」

 

テ「私は見てたいからパスだ」

 

ユ「そうか。なら少し離れていてくれ。何故ならこのデッキはキングの力!キングの魂のカードが詰まっているからな!!」

 

俺はデュエルディスクを展開しゼファードル達に向かって構える

 

『『『デュエル』』』

 

ゼ「先攻は譲ってやる」

 

ユ「それはどうも。ドロー!」

 

初手5枚をドロー!・・・なぁにこれぇ。

《シャッフル・リボーン》

《スカーレッド・カーペット》

《ガード・ブロック》

《バリア・リゾネーター》

《ヘルウェイ・パトロール》

 

ロキの時といい初期手札悪いなぁ。《シャッフル・リボーン》はともかく《スカーレッド・カーペット》は初手で来てもなぁ。・・・とりあえず《ヘルウェイ・パトロール》伏せるか

 

ユ「俺はカードを1枚伏せる。そして1枚セットしターンエンド」

 

グラ「・・・攻撃してこない?」

 

巨大な盾を構えていたグラマークは俺が何もしなかったため構えを解いた

 

ゼ「何を考えている・・・慎重に行くぞ」

 

グレ「なら俺からいこう」

 

グレイオスは懐から何かを取り出した。

 

ロ「おもちゃの銃?」

 

グレ「今はな」

 

小さなおもちゃだったものが光を放ち銃身の長いスナイパーライフルへと姿を変えた

 

グレ「これが俺の神器(セイグリッド・ギア)移りゆく銃手(コンヴァージョン・ガン・シュート)》だ」

 

スコープをのぞき込み伏せているカードに狙いを定める。引き金が引かれ弾丸がカードを貫くと伏せていた《ヘルウェイ・パトロール》が破壊された

 

ウ「なら僕も」

カ「はぁ!」

 

ウラディールが魔法を放ちカルティナが数枚の手裏剣を投げてくる

 

ユ「どちらかは防がせてもらう!伏せカードオープン《ガード・ブロック》。戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。」

 

魔法は《ガード・ブロック》で防いだが・・・

 

ユ「っく」

 

カルティナの放った手裏剣はディエルディスクで何とか防いだ。

 

ユーガのライフ:8000→7000

 

ユ「俺のターン、ドロー!」

 

先の攻撃で1000ポイントのダメージを受けた。手裏剣でこれだけの威力だ、原作では不明だったが、改変させてしまったゼファードルの仲間たちはかなり鍛えられているみたいだ

 

手札

《シャッフル・リボーン》

《スカーレッド・カーペット》

《バリア・リゾネーター》

《レッド・ガードナー》

《手札抹殺》

 

よし、《手札抹殺》を引けた。《シャッフル・リボーン》は使ってもいいけど・・・

 

ユ「俺は《手札抹殺》を発動。効果により手札をすべて捨てて、同じ枚数ドローする。俺の手札は4枚。よって4枚ドロー!」

 

引いたカードは

《ジャンク・シンクロン》

《バイス・ドラゴン》

簡易融合(インスタントフージョン)

《アドバンスドロー》

 

ユ「俺は《バイス・ドラゴン》を特殊召喚。このカードは相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。この方法で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる」

 

ゼ「モンスターだと?俺たちの場にそんなものはいないが」

 

ユ「俺のデュエル相手はプレイヤー兼モンスター扱いとなる。よって《バイス・ドラゴン》の効果が適用される。続けるぞ。俺は《ジャンク・シンクロン》を通常召喚。《ジャンク・シンクロン》が召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する。俺は《バリア・リゾネーター》を特殊召喚」

 

俺の場に紫色のドラゴン、オレンジ色のアーマーを身に着けた機械の戦士、何かの装置を背負った悪魔が現れる。

 

ユ「俺は手札から《簡易融合(インスタントフージョン)》を発動。ライフを1000支払いエクストラデッキから《暗黒火炎龍》を特殊召喚。俺はレベル4の《暗黒火炎龍》にレベル1の《バリア・リゾネーター》をチューニング!リミッター解放、レベル5!レギュレーターオープン!スラスターウォームアップ、OK!アップリンク、オールクリアー!GO、シンクロ召喚!《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》!」

 

ユーガのライフ:7000→6000

 

さらに1000の値札が付けられているFUSIONと書かれたカップラーメンの容器が現れお湯が注がれる。すると容器の中から炎の身体の龍が現れた。何かの装置を背負った悪魔がその手に持つ音叉を鳴らすとその身を緑のリングに姿を変え、炎の龍がその中に入る。光がリングを貫くと中から片手に本を持ち司書のような魔法使いが現れた。

 

ユ「まだだ、俺は《バイス・ドラゴン》に《ジャンク・シンクロン》をチュ-ニング」

 

キ「ゼファードル様!まさか」

 

ゼ「ああ、あの時見せてくれた時とレベルが一緒だ」

 

《ジャンク・シンクロン》が背中に付いているリコイルスターターを引っ張り、バックパックのエンジンが始動する。体を3つの緑のリングに変化させると《バイス・ドラゴン》がその中に入り、光がリングを貫いた

 

ユ「王者の咆哮、今天地を揺るがす。唯一無二なる覇者の力をその身に刻むがいい!シンクロ召喚!荒ぶる魂、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》!」

 

片方の角は折れ、全身の傷に傷を負っているが右手に籠手をはめた破壊の竜《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》が現れた。《スカーライト》はゼファードル達を威圧するように咆哮が響き渡る

 

カ「うぅぅぅぅこの威圧感、姿は違うが」

 

グラ「ああ、これがゼファードル様が憧れたドラゴン」

 

ゼ「いや違う。確かに似ているが角は折れていなかったし、体に傷もなかった」

 

ほう。カードを持っていただけあってよく見ているな

 

ユ「その通りだ!《スカーライト》の傷は《レッド・デーモンズ・ドラゴン》があるデュエルで受けた際にできたもの。カードは別だがフィールド・墓地では《レッド・デーモンズ・ドラゴン》として扱う。続けるぞ。シンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した時、《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》の効果発動、デッキから1枚ドローする」

 

ドローしたカードは《リビングデッドの呼び声》か

 

ユ「そしてバトル!行け《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》!アブソリュート・パワー・フレイム!」

 

『ちぃいいい』

 

《スカーライト》の篭手から炎が噴き上がり地面に叩き付ける。炎波がゼファードルたちを襲うがプレイヤーでもあるため破壊は出来ない。

 

ユ「今だ《スカーライト》!忍者のカルティアに攻撃!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング」

 

だが破壊は出来なくても動きを止めさせることはできる。スカーライトの口から渦巻く炎が吐き出されカルティナを襲うも他の仲間はアブソリュート・パワー・フレイムの炎波で動くことができない。

 

ユ「よし、これで1人・・・何だと!?」

 

炎が晴れると炭になっている上着と丸太があった

 

カ「はぁはぁはぁ。危なかった」

 

・・・上半身が鎖の帷子(かたびら)姿のカルティナがゼファ-ドルの隣に現れる。どうやってあの攻撃を・・・みがわりか!忍者らしいといえばらしいが

 

ゼ「カティ、大丈夫か?」

 

カ「はぁ、はぁ、すみません。攻撃を避けるのに魔力をほぼ使い切ってしまいました」

 

ゼ「なら無理はするな。後ろに下がって休んでいろ」

 

カ「わかりました」

 

カルティナが下がる直前にゼファードルに向けて光っている何かを投げ渡した。あれは一体?

 

ユ「俺はリバースカードを1枚伏せてターンエンド」

 

ゼ「・・・まさか他にも《レッド・デーモン》がいたとはな」

 

ユ「ああ。レッド・デーモンは全部で3体いる」

 

進化する前の姿のみで、だがな

 

ゼ「そうか。それはぜひ見てみたいものだ」

 

ユ「なら《スカーライト》を倒してみろ」

 

ゼ「言われなくともそのつもりだ!行くぞ」

 

『おう(はい)!』

 

エ「換装!白魔の鎧」

 

エルファランスが鎧を身に纏う。白一色の重厚な鎧に同じ色の巨大なハルバードを手に持っている

 

エ「っはああああああああ!」

 

エルファランスは天高く飛び上がり、その手に持つハルバードを《スカーライト》目がけて振り下ろしてくる

 

ユ「迎え撃て《スカーライト》!」

 

ウ「させない!バインドプラント」

 

ウラディールが呪文を唱えると地面からいくつもの荊が《スカーライト》に絡みつき動きを封じる

 

グレ「俺達もやるぞ。力を貸せキル!」

 

キ「はいっす!」

 

グレイオスが再び銃を変化させる。それは光りながら姿と大きさを変えて・・・

 

ユ「それって銃かぁ!?」

 

グレ「俺の神器(セイグレッド・ギア)はトリガーがついていれば銃と認識される」

 

はぁ!?それってありか!?変化させたものはまるで怪獣映画に使用されるミサイルの発射装置みたいだ。

 

キ「いくっす!」

 

グレ「発射」

 

動きを封じられた《スカーライト》がエルファランスによって斬られた後にミサイルが衝突。爆発が襲うとスカーライトが破壊されていた。

 

ユーガのライフ:6000→5000

 

くそっ。複数人の攻撃だからそれぞれの攻撃力がわからん。爆風が晴れると引いた腕に炎を纏わせて構えているゼファードルがいた

 

ゼ「くらえ!アブソリュート・パワーフォース!」

 

腕が《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のようになっており、そこから放たれる巨大な炎の掌底。このままでは《ライブラリアン》が俺を庇ってしまう。破壊されないとは思うが念のためだ

 

ユ「させるか!リバースカード、《リビングデッドの呼び声》。自分の墓地のモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。甦れ、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》!」

 

《スカーライト》が翼を広げ咆哮を上げる。そこにゼファードルが放ったアブソリュート・パワーフォースが迫ってきた

 

ユ「迎え撃て《スカーライト》、アブソリュート・パワー・フレイム」

 

《スカーライト》が炎が渦巻く熱線を放つ。それはアブソリュート・パワーフォースと衝突する。一瞬均衡するもアブソリュート・パワーフォースを突き破り、威力を下げながらゼファードルに迫った。

 

ゼ「ふっ・・・この程度で終わってはおもしろくないからな」

 

・・・ゼファードルはここまで強いのか。いくらゼファードルの攻撃で威力が下がっていたからと言って《スカーライト》の攻撃を片腕で防ぐか。とはいえ《ライブラリアン》は守れた

 

ユ「俺のターン、ドロー。俺は手札から《アドバンスドロー》を発動。レベル8以上のモンスター1体をリリースして発動できる。俺は《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》をリリースし、デッキからカードを2枚ドローする」

 

《スカーライト》が光の粒になりフィールドから消えた。だがそのおかげで俺は2枚ドローすることができる

 

ロ「何故復活させた強力なドラゴンをわざわざ手放したのですか?」

 

ユ「このままやってもまた破壊される可能性があるし、次につながらないからな」

 

手札

《コール・リゾネーター》

《レッド・スプリンター》

《クリエイト・リゾネーター》

 

ユ「俺は墓地の《ヘルウェイ・パトロール》の効果発動。墓地のこのカードを除外して手札から攻撃力2000以下の悪魔族モンスター1体を特殊召喚する。《レッド・スプリンター》を特殊召喚する」

 

俺のフィールドに炎の(たてがみ)と尾を持つ馬のようなモンスターが現れた

 

ユ「俺は魔法カード《コール・リゾネーター》を発動。デッキから《リゾネーター》モンスター1体を手札に加える。俺は《チェーン・リゾネーター》を手札に加えそのまま召喚。このモンスターはフィールドにシンクロモンスターが存在し、このカードが召喚に成功した時デッキから《チェーン・リゾネーター》以外の《リゾネーター》モンスター1体を特殊召喚する。俺の場には《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》がいるためデッキから《レッド・リゾネーター》を特殊召喚」

 

俺の目の前に背後に鎖を浮かべた悪魔と身体が炎でできた悪魔が音叉を持って現れた。

 

ユ「《レッド・リゾネーター》が特殊召喚に成功した時、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力分だけ自分はLPを回復する。俺は《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》を選択し、その攻撃力分、2400ポイント回復する」

 

ユーガのライフ:5000→7400

 

ユ「《レッド・スプリンター》に《レッド・リゾネーター》をチューニング!」

 

《レッド・リゾネーター》が音叉を鳴らすと緑のリングになり、《レッド・スプリンター》がその中で空を駆ける

 

ユ「天地に轟く王者の魂!今ここにその力の一端を示せ!シンクロ召喚!《レッド・ライジング・ドラゴン》!」

 

その姿は《レッド・デーモンズ・ドラゴン》そのもの。ただし、その身体のすべてが炎でできていた

 

ゼ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》・・・」

 

ユ「残念ながら違う。《レッド・ライジング・ドラゴン》の効果発動。シンクロ召喚に成功した時、自分の墓地の「リゾネーター」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。さらにチェーン(2)して俺は《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》の効果を発動する。チェーン処理でまずは《ライブラリアン》の効果、デッキから1枚ドローする。そして《レッド・ライジング・ドラゴン》の効果で《レッド・リゾネーター》を特殊召喚し、再び効果発動。《ライブラリアン》の攻撃力分、2400ポイント回復する」

 

ユーガのライフ:7400→9800

 

ロ「ユーガのライフポイントが9000を上回った!ということはロキ様にも使ったあのカードが」

 

ユ「残念ながら今手札にはない。だが2枚ドローするカードなら他にいくらでもある!今引いた《マジック・プランター》を発動。俺は場に残っている《リビングデッドの呼び声》を墓地に送り、デッキからカードを2枚ドローする。」

 

手札

《クリエイト・リゾネーター》

《禁じられた聖杯》

《ダーク・バグ》

 

フィールド

《チェーン・リゾネーター》

《レッド・リゾネーター》

《レッド・ライジング・ドラゴン》

TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》

 

ユ「俺は《レッド・ライジング・ドラゴン》に《レッド・リゾネーター》をチューニング。漆黒の闇を裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対なる王者よ!!万物を睥睨(へいげい)しその猛威を振るえ!!シンクロ召喚!!《琰魔竜 レッド・デーモン》!」

 

炎の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が2つのリングにはさまれ光にのまれると、肉体を得てもう1つの破壊の竜が現れた

 

ゼ「これがもう一体の《レッド・デーモン》!」

 

キ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》にそっくりっすね」

 

グラ「でもこちらのほうが筋肉質だぜ」

 

ユ「続けるぞ。《ライブラリアン》の効果で1枚ドロー。そして《琰魔竜 レッド・デーモン》に《チェーン・リゾネーター》をチューニング!深淵の闇より解き放たれし魔王よ!!その憤怒を爆散させよ!!シンクロ召喚!《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》!」

 

《チェーン・リゾネーター》が緑のリングに姿を変えて《琰魔竜 レッド・デーモン》を包み込む。現れたの体に鎧を、腕に大きな刃をつけた《レッド・デーモン》だった。

 

エ「進化しただと!?」

 

ウ「さっきの《レッド・デーモン》でも抑え込むのにかなり力が必要だったのに」

 

ユ「まだだ!《ライブラリアン》の効果でさらに1枚ドロー。そして手札から《クリエイト・リゾネーター》を特殊召喚する。このモンスターは自分フィールド上にレベル8以上のシンクロモンスターが表側表示で存在する場合、手札から特殊召喚する事ができる。俺の場にはレベル9の《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》がいるため召喚可能。そして《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》に《クリエイト・リゾネーター》をチューニング!王者の鼓動、今ここに列をなす。天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!(キング)の魂、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

背中に風車をつけた悪魔が音叉を鳴らす。《ライブラリアン》が3つのリングになった悪魔の中に入る。光が貫き現れたのは始まりの破壊竜、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》

 

ゼ「おお!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

グレ「これがゼファードル様の持っていたカードのドラゴン」

 

言われてみると確かに琰魔竜のほうが筋肉ついてるな。今はどうでもいいけど

 

ゼ「わかっているな。このドラゴンに対して防御はするな」

 

『了解です』

 

ユ「《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》で攻撃!」

 

《アビス》がその拳でウラディールに殴りかかる

 

グラ「おっと!そいつの攻撃は防がせてもらうぜ」

 

グラマークがみんなを庇うように前に出て盾を構える

 

ゼ「待て!グラマーク!」

 

グラ「大丈夫です。1発ぐらいは防いで見せます」

 

確かに《アビス》には守備表示モンスターに対しては効果を持っていない・・・だが!

 

ユ「この瞬間を待っていたんだ!」

 

グラ「何!?」

 

《アビス》が宙返りをするとそのすぐ後ろから炎を纏った掌底を繰り出し突進している《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がいた

 

ユ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の攻撃!アブソリュート・パワーフォース!」

 

グラ「ぐ、おおおおおらぁぁあああ」

 

盾を構えて攻撃を受けきる。だが無駄だ!

 

ユ「防いだな?なら《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の効果が発動される。守備表示モンスターをすべて破壊する。デモン・メテオ!」

 

グラ「な!ぐあああああ」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が咆哮すると炎の波動が広がる。本来ならば守備表示モンスターを全滅させる効果だがプレイヤーを破壊することはできない。しかし動きを止め、不確定だがダメージを負わせることはできる。衝撃波を受けたゼファードル達はひるみ、最も近くで受けたグラマークが吹き飛ばされた。

 

ユ「《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》で止めだ!深淵の怒却拳(アビス・レイジ・バスター)!」

 

ウ「させない!」

 

ウラディールが瞬間移動でグラマークの前に移動し《アビス》の攻撃を防ぐ魔方陣を展開する。

 

ウ「そんな!?」

 

キ「こんなのうそっす!」

 

テ「ほう。最上級悪魔の攻撃を防ぐウラディールの防御陣をたやすく破るとはな」

 

《アビス》の拳が防御陣を殴るとバラバラに崩れ、2人が吹き飛ばされていった

 

グラ「くっそおおおおおおお!!」

 

ウ「ぐぁぁぁああああ」

 

エ「ウラディール!」

 

ユ「この瞬間《アビス》の効果が発動。このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、自分の墓地のチューナー1体を対象として発動できる。《チェーン・リゾネーター》を守備表示で特殊召喚」

 

《アビス》の掌に炎がともるとその中から《チェーン・リゾネーター》が出てきた

 

ユ「メインフェイズ2に移行。《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》に《チェーン・リゾネーター》をチューニング!泰山鳴動!!山を裂き地の炎と共にその身を曝せ!!シンクロ召喚!《琰魔竜 レッド・デーモン・ベリアル》!!」

 

《チェーン・リゾネーター》が再び緑のリングに姿を変え、《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》がその中を通る。リングを抜けた現れた《レッド・デーモン》は角が伸び体を紫色に変え、鎧をさらに身に纏い、腕の刃もさらに大きさを増していた

 

エ「ベリアル!?レーティングゲーム1位に君臨する、魔王に匹敵する悪魔の名を冠するドラゴンだと!?」

 

そういえばベリアルって名前の悪魔だったけ。

 

ユ「この姿はただの通過点に過ぎない」

 

キ「一体どれだけ進化するんすか!」

 

ユ「まだあと1回残している!《ベリアル》の効果発動!自分フィールドのモンスター1体をリリースし、自分の墓地の《レッド・デーモン》モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。俺は《レッド・デーモンズ・ドラゴン》をリリースし、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》を特殊召喚。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

吹き飛ばされたウラディールとグラマークに駆け寄るゼファードルとエルファランス。さてこれからどう動く

 

グラ「すみません。防ぐと言っておきながらこのざまで」

 

ゼ「全く、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がいるのに迂闊なことをするからだ。まぁ分からないでもないがな。ウラディールもよく守ってくれた」

 

エ「大丈夫か?ウラディール」

 

ウ「お役に立てず、すみません」

 

ゼ「そんなことはない。後は下がって休んでいろ」

 

再びゼファードルに何かが渡された。

 

ゼ「ここからは本気で行くぞ!はああああああああ!」

 

ゼファードルに角と尻尾が生え、翼が大きく広がり、一回り身体が大きくなった。その姿はまるで・・・

 

ゼ「ブルー・デーモンズ・ドラゴン!」

 

青い《レッド・デーモンズ・ドラゴン》だった。

 

グレ「なら俺も本気を出すか」

 

グレイオスが懐からもう一丁の銃を取り出すと、ミサイルの発射装置が姿を変える。

 

ロ「巨大な大砲と・・・何ですか?」

 

ユ「あれはもしかして・・・レールガンか!?」

 

グレ「その通りだ!」

 

グレイオスを挟むようにして現れたのは、戦艦に積むような巨大な3連装砲と砲身が長く巨大なレールガン。そして

 

ロ「何ですか!?その巨大な剣は!!!」

 

エルファランスがさらしと袴、そして手首に何の文字か読めないが布を巻き付けて《レッド・デーモン》達よりも巨大な剣を上段に構えていた。

 

ゼ「これが俺たちの本気だ!受けて見ろ!」

 

受けて見ろって受けたくないな。俺は攻撃される前に《ライブラリアン》で引いたカードを発動させた。

 

ユ「リバースカードオープン、《スクリーン・オブ・レッド》!この効果により相手モンスターは攻撃宣言できない」

 

ゼファードル達を取り囲むように5つの破片が突き刺さり、動きを止めた

 

エ「なっ!?」

 

キ「動けないっす」

 

間に合った。攻撃宣言されてからでは発動できないからな

 

ゼ「このようなもので俺の攻撃を防げると思っているのか!」

 

このとき俺は嫌な予感がした。このままでは《スクリーン・オブ・レッド》が破壊されてしまう。だからゼファードルに対してもう1枚、伏せたカードを発動させた

 

ユ「もう1枚のカードも発動させる!《禁じられた聖杯》!この効果はモンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にし、攻撃力を400ポイントアップさせる。俺はゼファードルを選択し、効果を無効にする」

 

空中に聖杯が現れ、ゼファードルに中身がかけられる。元々は《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のデメリットを無効化するために入れたものだ。今回はベリアルのおかげで使うことはなかったが

 

ゼ「くそっ!何故そのカードを破壊できない」

 

破片に向かって何かを発動させようと手を出している。やはりゼファードルも何らかの方法で破壊できるようだ。ロキも効果をやわらげたりできるし《レッド・デーモンズ・ドラゴン》には《クリムゾン・ヘル・セキュア》という魔法・罠を破壊する専用魔法カードがある。《聖杯》を発動させておいてよかった

 

ユ「行くぞ!俺のターン!」

 

手札

《ダーク・バグ》

《おろかな埋葬》

《エンシェント・リーフ》

 

手札は前のターンからある《ダーク・バグ》と《ライブラリアン》で引いた《おろかな埋葬》、そしてドローカードの《エンシェント・リーフ》。まずは・・・

 

ユ「手札から魔法カード発動。《おろかな埋葬》!デッキからモンスター1体を墓地へ送る。俺は《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を墓地に送る。そして《スクリーン・オブ・レッド》の第2の効果発動。フィールドに《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が存在するとき、このカードを破壊し自分の墓地のレベル1のチューナーモンスター1体を特殊召喚する」

 

ロ「なるほど。だから《スカーライト》を選らんだんですね」

 

ユ「そうだ。《スカーライト》はフィールド・墓地に存在する限りカード名を、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》として扱い、デメリット効果がない。そして《スクリーン・オブ・レッド》の発動条件を満たしている。俺は《スクリーン・オブ・レッド》を破壊し、《おろかな埋葬》で墓地に送った《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を特殊召喚!」

 

ゼファードル達を抑え込んでいた破片がバラバラに崩れると2体のドラゴンの隣に小さなピンクのドラゴンが現れた

 

ロ「随分と小さなドラゴンですね」

 

テ「だが何か不思議な力を感じる」

 

ロセはいつの間にか寝ているスコルとハティを撫で、ティアマットは参加したそうにうずうずしていた

 

ユ「さらに《ダーク・バグ》を召喚。このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル3のチューナー1体を効果を無効にして特殊召喚する。《クリエイト・リゾネーター》を特殊召喚。そして《ベリアル》の効果により《クリエイト・リゾネーター》リリースし《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を特殊召喚」

 

《ベリアル》によって悪魔が龍へと姿を変える

 

ユ「俺は《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》と《ダーク・バグ》に《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング!」

 

《スカーライト》と《ダーク・バグ》が並ぶと《セイヴァー・ドラゴン》が飛んでくる。《セイヴァー・ドラゴン》が大きくなり《スカーライト》と《ダーク・バグ》を飲み込むと《セイヴァー・ドラゴン》が光を放った

 

ユ「研磨されし孤高の光、真の覇者となりて大地を照らす!光輝け!シンクロ召喚!大いなる魂、《セイヴァー・デモン・ドラゴン》!

 

体は細く長くなり腕が羽に変わり計4つに、その姿は東洋風でどこか《セイヴァー・ドラゴン》を思わせる姿をしていた。

 

ユ「さらに俺は《エンシェント・リーフ》を発動。自分のライフポイントが9000以上の場合発動可能。2000ポイントのライフ払いデッキから2枚ドローする」

 

ユーガのライフ:9800→7800

 

ドローしたカードは《エンシェント・リーフ》と《紅蓮魔竜の壺》だ。どちらも3枚積みしてるとはいえ運がいいな

 

ユ「《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の効果発動!1ターンに1度、エンドフェイズ時まで、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択してその効果を無効にし、そのモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力をアップする。俺はゼファードルを選択する。パワー・ゲイン!」

 

ゼ「ぐおおおお」

 

『ゼファードル様!』

 

《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の口から光が放たれゼファードルから力を吸収する。攻撃力は・・・6600だと!?ゼファードルのやつ2600も攻撃力があるのか

 

ユ「バトルだ!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》でグレイオスに攻撃!」

 

2つの巨大な砲から放たれる砲弾を避けながらグレイオスに近づく

 

グレ「くそ!あたりゃあしねぇ」

 

ユ「そのほうを破壊しろ!アブソリュート・パワーフォース!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がその炎を纏った掌底で大砲を破壊する。

 

グレ「がぁあああああああああ!」

 

グレイオスは直撃は避けたものの、風圧と爆風で大きく吹き飛ばされた

 

ユ「次だ!《ベリアル》でエルファランスに攻撃!割山激怒撃(グレート・サミット・ブレイカー)!!」

 

エ「負けるものか!魔人山断剣!」

 

《ベリアル》がその拳を振い、エルファランスが巨大な剣を持ちながらも一歩踏み込み《ベリアル》に振り下ろされる。拳と剣がぶつかり衝撃波が広がる。

 

エ「がぁぁぁああああああ」

 

剣が砕かれエルファランスは衝撃に耐えきれず吹き飛ばされた

 

ユ「この瞬間《ベリアル》の効果発動!このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。自分のデッキ及び墓地からレベルが同じチューナーをそれぞれ1体ずつ選んで守備表示で特殊召喚する。俺はデッキと墓地から《レッド・リゾネーター》を特殊召喚」

 

《ベリアル》が両手の掌に炎をともすと、炎の身体の悪魔が2体飛び出してきた

 

ユ「《レッド・リゾネーター》が特殊召喚されたことにより再び効果発動。《ベリアル》の攻撃力分、3500ポイント回復する。《レッド・リゾネーター》は2体いるため7000回復する」

 

ユーガのライフ:9800→16800

 

ユ「これで最後だ!《セイヴァー・デモン・ドラゴン》でゼファードルに攻撃!アルティメット・パワーフォース!!!」

 

《セイヴァー・デモン》は炎を纏い、高速で突進する。力を吸収されたゼファードルはその突進を避ける力はない

 

キ「まだっす!まだ終わらないっす」

 

これで終わりかと思ったとき、キルイースがゼファードルを庇うように立ちふさがる

 

ゼ「何をするつもりだキルイース!」

 

キ「ゼファードル様の代わりにあいつを倒すっす」

 

そう言って大量の爆弾を《セイヴァー・デモン》の目の前に投げる。その手には何かのスイッチが握られていた

 

ユ「何をするつもりだ!」

 

ロ「死ぬつもりですか!?やめてください!」

 

俺とロセが自爆するのを止めようとするも

 

キ「いいや!限界だ押すね!」

 

大量の爆弾が《セイヴァー・デモン》とキルイースを巻き込み、一斉に爆発した。爆風や衝撃などが飛んできたが俺は《レッド・デーモン》に守ってもらい、ロセたちは《ベリアル》に守ってもらった

 

ユ「・・・まさか《セイヴァー・デモン》が破壊されるとはな」

 

煙が晴れると《セイヴァー・デモン》の姿がなく、キルイースが体を焦がし倒れていた。ライフに変動はない。効果破壊はされないから純粋な攻撃力で破壊したのだろうか?まぁいい、だがこれでゼファードルの仲間は全員リタイアだ

 

ユ「俺は《紅蓮魔竜の壺》を発動。自分フィールドに《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が存在する場合に発動できる。デッキから2枚ドロー。さらに《エンシェント・リーフ》も発動しライフを払って2枚ドロー」

 

ユーガのライフ:16800→14800

 

《紅蓮魔竜の壺》 (アニメ効果)

通常魔法

自分フィールドに「レッド・デーモンズ・ドラゴン」が存在する場合に発動できる。

自分はデッキから2枚ドローする

 

引いたカードは《レッド・ウルフ》と《死者蘇生》・《ガード・ブロック》・《貪欲な瓶》か

 

ユ「そして《レッド・デーモンズ・ドラゴン》に2体の《レッド・リゾネーター》をダブルチューニング!」

 

《レッド・リゾネーター》達が音叉を鳴らすと今までの緑色の輪ではなく、炎の輪となって《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を包み込む

 

ユ「王者と悪魔、今ここに交わる。荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよ」

 

星が誕生するがの如く炎がはじけとんだ

 

ユ「シンクロ召喚!出でよ、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がその身に紅蓮の悪魔の力を取り込み、進化した姿で現れる

 

ロ「なんて禍々しい龍なんでしょう」

 

テ「だが今までの《レッド・デーモン》にはない圧倒的な力を感じる。これがあいつの切り札か」

 

ユ「俺は2枚カードを伏せてターンエンド」

 

俺が《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》を召喚してもゼファードルは何の反応もなかった。そのゼファードルは先ほどの攻撃で横たわっている仲間たちのもとにいた

 

ゼ「大丈夫か?」

 

グレ「悪い、体が動かねぇ」

 

エ「すみません」

 

キ「・・・・・」

 

ゼ「はぁ、キルイースはいつも通りか。だが助かった、後は俺にまかせろ」

 

3人から何かを受け取ったゼファードルは俺に向き合った。

 

ゼ「・・・この力はまだ未完成なのだがな」

 

青いオーラが立ち上り、6つの光の玉がゼファードルの周りを高速で回転する。それはまるでシンクロ召喚するリングの様だ

 

ゼ「行くぞ!魔と龍、今ここに一つとなり、我らが絆の力ここに示す!シンクロ召喚!グシャラボラス・デモン・ドラゴン」

 

光がリングを貫く。マジか!?シンクロ召喚しちゃうのか!?光の中から現れた姿はゼファードルの面影が見られない完全な《レッド・デーモンズ・ドラゴン》・・・いや青いから《ブルー・デーモンズ・ドラゴン》と言うべきか。体には《アビス》や《ベリアル》のように鎧を腕に刃を着けられていた

 

ゼ「この姿は不安定でな。短い間でいられない」

 

テ「それはまだお前が未熟だからだ」

 

人の姿から蒼穹の巨龍へと姿を変えたティアマットが俺の目の前へと飛んできた

 

ユ「見てるんじゃなかったのか?」

 

テ「ここからは私も参加させてもらおう。これほどのドラゴンが目のいるのだ、戦いたくてしょうがない」

 

あーあ、ティアマット来ちゃったか。だけど・・・

 

テ「くらえ!蒼龍の豪炎!」

 

ユ「この瞬間《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》の効果発動!相手モンスターの攻撃宣言時にその攻撃モンスター1体を対象として発動できる。フィールドのこのカードを除外し、その攻撃を無効にする」

 

残念だがその攻撃は届かない。《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》が燃えるように消えるとティアマットの青い炎が消滅、赤いオーラがティアマットの動きを封じた。

 

テ「何!?体の自由が利かない・・・」

 

ゼ「ティアマット!手を出すな」

 

巨大な剣を出現させ《ベリアル》へと突進してくる

 

ユ「返り討ちにしろ!割山激怒撃(グレート・サミット・ブレイカー)!」

 

拳と剣がぶつかり合う。互いに避け、相殺し合う。そのたびに衝撃波が広がり大地が震える。

 

ユ「やるな。まさか姿を変えた結果、ベリアルと渡り合うことができるようになるなんてな」

 

ゼ「この姿は俺の仲間の力を借りることではじめてなることができる。故に!俺は勝たねばならない!俺が負けるということは、力を残し、さがった仲間たちの期待を裏切ることになるからだ!」

 

ゼファードルが再び接近し拳と剣が交わるもピキッと金属が割れるような音がした。すると《ベリアル》の拳をバックステップで避けたゼファードルは《ベリアル》に手を向け

 

ゼ「炎荊呪縛!」

 

地面から炎でできた荊が《ベリアル》の動きを止めた。それはまるでウラディールのバインドプラントが炎で強化されているみたいだった

 

ゼ「はぁああああ!」

 

ユ「腕は封じても首はまだ動けるぞ!薙ぎ払え!」

 

《ベリアル》がその口から熱線を放つ。ゼファードルは剣を盾に防ぐもついに耐え切れずバキンという音と共に折れてしまった

 

ゼ「まだ終わっていないぞ!」

 

熱線の下を潜り込んで来たゼファードルが折れた剣で《ベリアル》を貫くと剣が爆発。《ベリアル》は巻き込まれて破壊された

 

ゼ「これで止めだ!インヴァイツ・ヘル・インパクト!」

 

ユ「終わらせない!トラップ発動、《ガード・ブロック》。ダメージを無効にしてカードを1枚ドローする」

 

ゼファードルが空気を殴りつけると青い巨大な拳が俺に襲い掛かってくる。だが《ガード・ブロック》の効果により拳が目の前で霧散した

 

ゼ「はぁはぁ。くそっ、これでも届かないのか」

 

ユ「そう簡単にやられるわけにはいかないからな」

 

《ベリアル》と戦いかなり消耗したゼファードルに余裕ぶってはいるが、《ガード・ブロック》がなかったらどうなっていたかわからない。攻撃力が表記されていない以上ダメージを受けないことに越したことはないからな。けど《ベリアル》が破壊されてもライフが減らなかったな。《デモン》の時と同じ効果破壊扱いなのか?

 

ユ「エンドフェイズ、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》は自身の効果によりフィールドに戻ってくる。・・・フィールドは《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》だけか。まさか《ベリアル》が破壊されるとは思わなかった。」

 

空中で炎が燃え上がると《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》が姿を現す。正直ティアマットは途中でうずうずしていたから参加してくるだろうな、とは思ったけどゼファードルがここまで強くなっているとは思わなかった。だから・・・

 

ユ「だから俺も本気で行く!《レッド・デーモン》たちの真の姿、その目に焼き付けるがいい!ドロー!」

 

手札

《レッド・ウルフ》

《死者蘇生》

二重召喚(デュアルサモン)

《コール・リゾネーター》

 

ユ「よし、俺は再び《コール・リゾネーター》を発動。同じようにデッキから《チェーン・リゾネーター》を手札に加え召喚。《チェーン・リゾネーター》の効果にチェーン2して《レッド・ウルフ》の効果発動。《リゾネーター》モンスターの召喚に成功した時に《レッド・ウルフ》は手札から特殊召喚できる。さらにチェーン3でリバースカード、《貪欲な瓶》を発動」

 

テ「何をしようというのだ」

 

ユ「・・・チェーン処理に移る。《貪欲な瓶》の効果で《紅蓮魔竜の壺》・《エンシェント・リーフ》・《紅蓮魔竜の壺》・《簡易融合(インスタントフージョン)》・《手札抹殺》の5枚をデッキに戻し1枚ドロー。チェーン2で《レッド・ウルフ》を手札から特殊召喚。この効果で特殊召喚したこのカードの攻撃力は半分になる。最後に《チェーン・リゾネーター》の効果でデッキから《シンクローン・リゾネーター》を特殊召喚」

 

俺のフィールドに炎を纏った名の通りの赤い狼に、鎖を背に浮かべた悪魔、緑と黄色で組み合わさった何かを背に浮かべた悪魔が出現した

 

ユ「今引いたカードは《エンシェントリーフ》。2000ポイントのライフ払いデッキから2枚ドロー!」

 

ユーガのライフ:16800→14800

 

手札

 

二重召喚(デュアルサモン)

《死者蘇生》

《闇の誘惑》

《紅蓮魔竜の壺》

 

よし、また《紅蓮魔竜の壺》が来た。《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がいるだけで《強欲な壺》と同じ効果だからな。《エンシェントリーフ》も《レッド・リゾネーター》のおかげでライフに余裕ができるしどちらも3枚積みしているおかげで手札に来やすい

 

ユ「《死者蘇生》で《琰魔竜 レッド・デーモン・ベリアル》を蘇生!そして《ベリアル》の効果で《レッド・ウルフ》をリリースし、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》を特殊召喚する」

 

ゼ「なっ!?ようやく倒したのにすぐに復活!さらに《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》だと!?」

 

ユ「悪いな。《死者蘇生》は文字通り墓地から特殊召喚・・・蘇生させるカードだ。さらに《ベリアル》で《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》も復活だ。そして《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がいる時《紅蓮魔竜の壺》を発動。デッキから2枚ドロー」

 

ドローしたカードは《ヘルウェイ・パトロール》と《レッド・ノヴァ》か。なら

 

ユ「さらに《闇の誘惑》を発動しデッキから2枚ドローする。!そして手札の闇属性モンスター《ヘルウェイ・パトロール》を除外する」

 

ドローカード

《サルベージェント》

《星屑のきらめき》

 

ユ「俺は《チェーン・リゾネーター》と《シンクローン・リゾネーター》に《琰魔竜 レッド・デーモン・ベリアル》をダブルチューニング!」

 

2つの悪魔がその身を炎の輪に変え、《ベリアル》を包み激しく回転する。その炎は《スカーレッド》の時とは違い黒く染まっていた

 

ユ「孤高の絶対破壊神よ!!神域より舞い降り終焉をもたらせ!!シンクロ召喚!《琰魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》!!!」

 

屈強な身体に炎の棘が生えたアーマー、腕の生えた巨大な翼を広げ《琰魔竜 レッド・デーモン》の最終形態、《琰魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》が現れた

 

ユ「まだだ!《シンクローン・リゾネーター》の効果で《チェーン・リゾネーター》を手札に加える。そして《二重召喚(デュアルサモン)》を発動。このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。2回目の通常召喚を行い。《チェーン・リゾネーター》を召喚。効果で《バリア・リゾネーター》を特殊召喚。そしてダブルチューニング!」

 

《カラミティ》の時と同じく炎の輪になる悪魔たち。《スカーライト》が2つ並んだ輪の中に入る

 

ユ「王者と悪魔、今ここに交わる。赤き竜の魂に触れ、天地創造の雄たけびをあげよ!シンクロ召喚!現れろ!《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》!」

 

輪の中を赤き竜が通るとそのあと追うように地面から炎が柱の如く天へと昇る。地が裂け、炎が噴き上がると、角が再生し、翼を増やした《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》が地面から出現した

 

ユ「そしてこれで最後だ!魔法カード《星屑のきらめき》。自分の墓地からモンスターを除外し、除外したレベルの合計と同じレベルの自分の墓地のドラゴン族のシンクロモンスター1体を特殊召喚する。《レッド・スプリンター》と《レッド・ウルフ》を除外し、《セイヴァー・デモン・ドラゴン》を墓地より特殊召喚する」

 

そして再び現れる《セイヴァー・デモン・ドラゴン》。これにより俺のフィールドには4体の《レッド・デーモン》の進化した姿が。この光景はまさに圧巻!破壊の力を持つ竜がゼファードルとティアマットの前に並んだ

 

ゼ「これが・・・《レッド・デーモン》たちの真の姿」

 

テ「まさかこれほどとは。その身に宿る力。二天竜にも匹敵するぞ」

 

ロ「すごいです。これほどのドラゴンを従えるなんて」

 

ユ「感動や驚いているところ悪いがこのターンで終わらせる!」

 

《セイヴァー・デモン》の口から光が放たれる。その方向は先ほどとは違い・・・

 

ユ「《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の効果発動!対象はティアマットだ!パワー・ゲイン!」

 

テ「くっ。それがどうした!」

 

光に飲まれ力を奪われるティアマット。力を奪われたにもかかわらず、咆哮を放ちドラゴンたちを睨み付ける・・・面白い

 

ユ「行くぞ!《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》でティアマットに攻撃!獄炎のクリムゾンヘルタイド」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》が炎をその身に纏い口に集まると、口から特大の火炎が放たれた

 

テ「五大龍王最強の力を甘く見るな!蒼竜王の咆哮!!」

 

ティアマットが奮い立つと巨大な蒼い炎を吐き出す。それは《タイラント》の放った炎を包みこみ、《タイラント》をも巻き込みんだ

 

ユ「くそっ。まさか力が元に戻るとは」

 

プレイヤー扱いだから《セイヴァー・デモン》の効果が十分に発揮されなかったのか?攻撃力は上がっているから0になっているはずだが・・・効果は無効されていないのか?

 

ユ「後々検証してみればいいか。次だ!《琰魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》でゼファードルに攻撃!真紅の絶対破壊(クリムゾン・アブソリュート・ブレイク)!」

 

《カラミティ》の拳に炎が集まり、白く光り輝く。《カラミティ》はその拳をゼファードルに殴りかかった。

 

ゼ「ぐぅ・・・はぁあああ!」

 

いくら《レッド・デーモン》の姿と言えど《カラミティ》の攻撃は防げまい、と思った俺の予想を裏切りゼファードルは《カラミティ》の拳を受けきった。まさかゼファードルが・・・いやグシャラボラス・デモン・ドラゴンがここまでとは。いや待てよ

 

ユ「その能力・・・まさか、仲間の能力を使っているのか?」

 

ゼ「・・・ばれたか。ああ、その通りだ。剣はエルファランスの、爆発はキルイースの、荊はウラディールの、そして今耐えたのはグラマークの能力だ」

 

なるほど。だから《ベリアル》が破壊さてもダメージがなかったのは効果によって破壊されたからか。そしてこの能力は再使用ができない。または時間がかかるとみていい。でなければ今の《カラミティ》からの攻撃も動きを封じるでも爆破するでもして防ぐことができたはずだ

 

ユ「そうか、だが残る2体の攻撃も防ぐことができるか?はっきり言ってさっきの2体の比ではないぞ」

 

攻撃力をみても《タイラント》は3500、《カラミティ》は4000と高い。だが残る2体は別格だ。《カラミティ》と《タイラント》は《レッド・デーモン》が純粋に自身の力で進化した姿だが《スカーレッド・ノヴァ》と《セイヴァー・デモン》は違う。《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》は最強の地縛神《スカーレッド・ノヴァ》の力を取り込み、《セイヴァー・デモン・ドラゴン》はその地縛神と対する赤き竜の化身。それぞれの攻撃力は、《スカーレッド》は墓地にいるチューナー数×500攻撃力をアップする効果により墓地にいるチューナーの数は10のため5000アップし、攻撃力は8500となり、そして《セイヴァー・デモン》はティアマットの攻撃力が加わって攻撃力は8000。先に攻撃した《レッド・デーモン》たちのの倍以上だ。

 

ユ「これで止めだ!《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》と《セイヴァー・デモン・ドラゴン》で攻撃!バーニング・ソウル!アルティメット・パワーフォース!」

 

《スカーレッド・ノヴァ》が手足を折りたたみ弾丸のような形態に変形させ、《セイヴァー・デモン》も大きく翼を広げる。《スカーレッド・ノヴァ》が旋回し、《セイヴァー・デモン》が自身の背後を爆発させ羽ばたいた。

 

ゼ「負けはしない!残る力すべてをこいつに込める!」

 

ゼファードルが4つのレールが付いた巨大なレールガンを作り上げた。

 

テ「まだだ!アイラ・カルマ・ブラスター!」

 

ゼファードルが《スカーレッド・ノヴァ》にレールガンを発射し、ティアマットが《セイヴァー・デモン》に向けて紫電を伴う青い熱線を放った。

 

ユ「その程度の攻撃で《スカーレッド》と《セイヴァー・デモン》を止められるものか!」

 

ゼファードルが放つ砲撃も、ティアマットが放つ熱線も炎を纏ったドラゴン達がその圧倒的な力で突き破った。

 

ゼ・テ「ぐ、がぁぁぁぁあああ」

 

ゼファードルとティアマットを中心に交差する《スカーレッド》と《セイヴァー・デモン》。レールガンは破壊され2人は大きく吹き飛ばされた。ゼファードルは元の姿に、ティアマットも立ち上がることができず気を失った

 

 

 

 

1時間後

 

ゼ「・・・ここは?」

 

お、ようやく起きたか

 

テ「いつまで寝てるんだ馬鹿弟子が!」

 

ゼ「ぐぉおおおお」

 

人型のティアマットが寝起きのゼファードルを殴る。あんたもついさっきまで寝ていただろ!

 

ゼ「・・・どれぐらいの間俺は気を失っていたんだ?」

 

ユ「1時間ってところか」

 

ゼ「そうか・・・」

 

テ「負けてしまうとは情けない奴だ。帰ったら修行のし直しだな。(私も含めてな)

 

ゼ「だが、俺の目指す姿は知ることができた」

 

ふむ。渡すとしたらこのタイミングだろう

 

ユ「これを前にやる」

 

ゼ「なっ!これは」

 

ロ「いいんですか!?あげてしまっても」

 

俺が渡したのは《ライブラリアン》を抜いたエクストラデッキ

 

ゼ「いいのか?」

 

ゼファードルは困惑気味だ。だが何処か期待してるようにも見える

 

ユ「ああ。カード自体はいくらでも作れるからな」

 

実際無限に作れる。カードはデータだし、何もないところからデッキが出てくるからな

 

ゼ「そうか。ならありがたくもらっておく」

 

ゼファードルは立ち上がると集まっていた仲間たちに向けて言った

 

ゼ「お前たち帰るぞ」

 

『はい!』

 

魔方陣を展開し1人また1人と中に入っていく。ゼファードルが魔方陣に入る前に俺に向けて拳を突き付けてきた

 

ゼ「次は負けんぞ」

 

ユ「いつでも来いとは言えないが暇なときは相手してやる」

 

俺とゼファードルは拳を交わし合い、帰っていった。だけど・・・

 

ユ「ごめんな。せっかく買い物の約束をしていたのに」

 

ロ「いえ、ユーガのかっこいい姿が見れましたから」

 

そう言ってもロセの表情は少し暗い

 

ユ「・・・俺たちも帰ろっか」

 

ロ「そうですね。あら、何か落としましたよ」

 

Dホイールに乗ろうとまたいだ時に小さな箱がポケットから落ちた。デュエルに集中しててすっかり忘れていた

 

ユ「ああ、それはロセにあげるために買ったやつだ」

 

ロ「私に!?開けてもいいですか?」

 

ユ「どうぞ」

 

驚きの表情を見せロセが箱を開ける

 

ロ「綺麗・・・」

 

箱の中には風をイメージしたシルバーのイヤリングが入っていた。

 

ユ「・・・雰囲気も何もないし、フェンリルに言われて気付いたけど。ロセ、いやロスヴァイセ、俺と付き合ってください」

 

俺は頭を下げ、ロセに告白した。顔が熱い、鏡を見なくても顔が赤くなっているのがわかる

 

ロ「・・・私で、いいんですか?」

 

ユ「ああ、俺はロセがいい」

 

気付いてしまったらもうこの気持ちを無視なんかできない

 

ロ「・・・はい。こちらこそお願いします」

 

やった!・・・・・・・俺は嬉しさのあまりロセにキスをしていた

 

ロ「/////」

 

ユ「あ、ごめん///」

 

ロ「いえ、突然でしたので。(それにファーストキス///)・・・」

 

ユ「ん?何か言ったか?」

 

あまりに小さかったため何を言った分からなかった

 

ロ「いえ・・・。あの、これをつけてもいいですか?」

 

ユ「ああ、もちろん」

 

鏡を見なくてもつけるなんて器用だなとロセがイヤリングを着ける様子を見ていた

 

ロ「・・・どうですか?」

 

ユ「ああ、すごく似合ってる」

 

耳から下げられるイヤリングが揺れる。思った通りだ、ロセに似合っている

 

ユ「じゃあ帰ろっか」

 

俺はロセに手を差し出す。ロセは俺の手を握り

 

ロ「はい!」

 

綺麗な笑顔で返してきた。この日、俺はロセと恋人になった

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

フェ「スコル、ハティ、おかえり」

 

ス・ハ「ガゥ(わん)<ただいま!>」

 

フェ「何か面白いことでもあったかい?」

 

ス「ガゥ<ユーガを訪ねて悪魔が来てたよ>

 

ハ「ワン<勝負を挑んでたけど負けて帰っちゃった>」

 

フェ「そうか」

 

ス「ガゥ、ガゥ!<あと、ユーガとロスヴァイセが付き合い始めたよ!>」

 

ハ「ワゥ、ワンワン<ユーガがイヤリングプレゼントしてた!早速つけてたよ>」

 

ス・ハ「ガゥ(ワン)<ねー>」

 

フェ「ほう、ようやく付き合うようになったか」

 

ス「ガゥガゥ<買い物してる間も僕たち空気だったし>」

 

ハ「ワンワン<常に隣にいる状態だったし>」

 

ス・ハ「ガゥ(ワン)<ねー>」

 

フェ「それは良かった。これでオーディンもからかう相手が一人減ったな」




第3章突入!そして各陣営に動きが


「そろそろ時期が近づいてきたなぁ」

「そうね~。荷物の準備はしとくにゃ」

探し物のため土地を離れるもの


「やっかいなやつがいなくなるらしい」

「ほう。ならその間に仕掛けようではないか」

影で何かをたくらむもの


「なんだかうれしそうね」

「ああ!手紙でしかやり取りできなかったがようやく会えるからな」

盗まれたものを取り返すため異国を訪れるもの


次回 月光校庭のエクスカリバー


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月光校庭のエクスカリバー
球技大会とアルバム


今回から第3章に入ります。といっても今回は別に何も起きませんけどね


【ゼットside】

 

今日は駒王学園で球技大会が行われていた。現在、部活対抗戦で野球部とドッジボールをしている。

 

「兵藤を狙え!」

 

「死ね!兵藤!」

 

イ「ふざけんなてめらぁぁぁ!!」

 

案の定イッセーばかり狙われている。外野は俺とアーシアと朱乃さん。で、内野は部長、祐斗、東雲姉妹、そしてイッセーだ。このメンバーでなぜイッセーが集中狙いされるかというと・・・

 

部長→学園の2大お姉さまの1人。よって当てられない

祐斗→イケメン故に男子の敵。だが当てたら女子に何されるかわからない。よって当てられない

東雲姉妹→学園のアイドル。よって当てられない。・・・というよりこの2人のスペックが半端なく当たらないというのが正しい

イッセー→女の敵。当てても喜ぶ奴しかいない。よって狙われる

 

と、こんな感じだ。イッセーも鍛えられたから時折受け止め返してはいるが集中砲火はきついだろうなぁ。だがそれよりも祐斗の様子がおかしい。今もどこかボーっとしてる。いつからだったか、確かイッセーの家に行ってからだったか・・・

 

 

 

~~~~~~回想~~~~~~~~~~~

 

リ「今日は旧校舎の旧校舎が全体清掃があるわ。だから誰かの家で部活を行いたいのだけれども・・・」

 

へぇ、学校の方で旧校舎の掃除をやるんだ。確かにお前らだけしか使ってないけど、だからって全部を掃除しろってのはきついものがあるしな。

 

ゼ「俺はイッセーの家を勧める」

 

ア「私もイッセーさんの家がいいです」

 

リ「決まりね。じゃあイッセーの家に行くわよ」

 

イ「ちょっと待ってください!なんで俺の家なんですか!?朱乃先輩や祐斗は!?」

 

朱「私はイッセー君の家でも構いません」

 

祐「僕はどこでも構わないよ」

 

イ「嘘だろ!せめて誰かはゼットの家を推すと思ったのにーーー!!」

 

イッセーの叫びが空しく響く。ちなみに東雲姉妹はいつも通り不参加だ。彼女たちがいて結果が変わるとも思えないが、正直俺の家にならなくてよかった。・・・俺の家は誰もいないからな

 

 

リ「小さいイッセー。小さいイッセー」

 

ア「小さいイッセーさん。小さいイッセーさん」

 

というわけでイッセーの家に来たんだが、何故かイッセーのアルバム鑑賞になっていた

 

「皆、どんどん見てね!これが小学生位の頃のイッセーよ!」

 

朱「あらあら。かわいらしいですわ」

 

さらにイッセーの母親がアルバムを持ってきて朱乃さんも一緒に見だした。この状況にイッセーは頭を抱え、祐斗は笑顔のまま固まっている。部活はどうした!と叫びたいが、言っても聞きそうにない危険人物が2人いる。なので・・・

 

ゼ「イッセー、祐斗。ハリセン持ってないか?」

 

ハリセンでぶっ叩くことにした。部長だとか学園の癒しだとか関係ない!

 

イ「持ってない」

 

今だ頭を抱えるイッセーは持ってないか。なら祐斗は

 

祐「流石に魔剣創造(ソード・バース)でもハリセンは作れないな」

 

断る祐斗。だよな流石に作れないよな

 

ゼ「なら仕方ない。作るか」

 

厚紙なんてないから新聞紙で。薄いし即席だがまあいいだろう

 

ゼ「この馬鹿ども!真面目に部活しろ!」

 

スパ、スパァンと部長とアーシアの頭にハリセンが振り下ろされた

 

リ「いったーい。ゼット!何するのよ」

 

ア「うううぅぅ。酷いです」

 

ゼ「対して痛くもないのに痛い振りするのはやめろ!それと部活しろ!」

 

こんなペランペランなハリセンで叩かれていたいはずがないだろう。

 

リ「わかったわよ。片づけるから少し待って」

 

そう言ってアルバムを閉じて元の場所に戻していく。途中でアルバムから1枚の写真が俺たちの足元に落ちてきた

 

祐「・・・イッセー君、この写真」

 

イ「ああ、こいつは俺の幼馴染の紫藤イリナだ。・・・もう10年か。アイツ、今頃どうしているんだろうな」

 

写真には幼稚園児のころだろうか?イッセーとイリナっていう男の子が写っていた

 

祐「いやそうじゃなくて。この写真の写っている2人の後ろにあるものなんだけれども。これが何かわかるかい?」

 

イッセーは首を横に振る。俺も何かわからないが・・・

 

祐「これはね、聖剣だよ!」

 

その時の木場は今までとは明らかに違っていた。何が違うかまでは俺にはわからないが、普段冷静な祐斗が激しい感情を見せるなんてことは今までなかったからだ。

 

 

 

~~~~~回想終了~~~~~~~

 

写真に写っていた聖剣を見た後からだったか。あの後から祐斗は口数が少なくなっていたっけ。・・・聖剣か。確か彼女も聖剣を持っていたっけな

 

「恨まれても構わん!!喰らえイケメン!!」

 

なかなかアウトにならないイッセーにしびれを切らした野球部は動かない祐斗に向けてボールを投げた

 

イ「祐斗!何ボーっとしてんだ!!」

 

一誠が祐斗の前に出て庇ったが

 

イ「はうっ!!?」

 

一誠の股間にボールが当たった。俺も野球部も当たった瞬間股間を抑えた。女子はわからないと思うがあれはかなり痛い。あ、イッセーが倒れた

 

リ「イッセー!しっかりして!!」

 

イ「部長・・・玉が・・・」

 

リ「ボールはここよ!イッセー!」

 

・・・コントか何かか?じゃなくて、玉だよ部長。その球じゃない!

 

白「・・・はぁ何やってるんですか。先輩は早く外野に行ってついでに治してもらってください」

 

白音ちゃんは冷ややかな眼でイッセーを見ながら部長が持っているボールを奪うと葉月ちゃんに渡した

 

白「では、行きます!」

 

葉「どうぞ!」

 

葉月ちゃんが両手で挟んでいるボールに向かって白音ちゃんが掌底を繰り出す

 

「ヒッ!?グハッ!!」

 

掌底で飛んだボールは野球部に向かい、顔面に当たった

 

白「・・・少し上過ぎましたか」

 

確かに顔面セーフだが当たった野球部は気絶してるぞ

 

「くそう。こうなったら弔い合戦じゃあ!」

 

「野郎・オブ・クラッシャー」

 

野球部が躍起になって白音ちゃんに向けて投げるも

 

白「私には通じませんよ」

 

投げられたボールを1周撫でるように手を回すとボールは勢いを失い手の上に収まった。それはまるで

 

ゼ「少林○ッカー!?」

 

白「違います!」

 

違うといってもそっくりだよな。・・・という間に野球部はあと1人だ

 

「たとえ1人になっても俺は諦めへぶっ」

 

白「そういうの要らないんで」

 

白音ちゃん容赦ないな~。最後の1人を倒して俺たちの勝利となった

 

 



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聖剣を持つ者

今回タイトル詐欺のような気がします(聖剣に触れない方が長い)
ストーリーに関係ない話が8割、9割と思うので今回は飛ばしても問題ないかもしれません


【葉月side】

 

今日から1週間お兄様とお義姉様は家にいません。毎年のことですがこの時期になるとあるものを探しに行きます。

 

~~~~~回想~~~~~

 

蒼「じゃあ1週間家を空けるけど、その間の子と頼む」

 

葉「はい!お任せください」

 

黒「気をつけてね。ご飯は冷蔵庫に入れてるから、あとは・・・」

 

白「そんな心配しなくても大丈夫ですから行ってください」

 

黒「そう?じゃあ行ってくるにゃ」

 

蒼「いってきます」

 

葉・白「いってらっしゃ」

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

お兄様たちが家を発たれた初日からはぐれ悪魔討伐の任がありました。どちらが行くかの勝負に負けてしまったので来ましたが、報告にあった場所はこのあたりですかね?あとは気を頼りに探知します。・・・そういえば今日は球技大会がありました。先輩2人が使い物にならなくなっていましたが、白音が無双し始めたのもあり無事に優勝出来ました。途中から何故か相手チームの男子が自分からボールに当たりにいってました。

 

 

~~~~~再び回想~~~~~

 

A「うぉぉぉぉ!白音ちゃんのボールは俺のものだ!ぐはぁ」

 

白「その程度で止められると思わないでください」

 

「「「白音ちゃんクール!」」」

 

葉「あの・・・大丈夫ですか?」

 

A「葉月ちゃん!もちろん。これぐらい平気さ」

 

「「「A!お前後で校舎裏な」」」

 

A「なんで!?」

 

B[よし。次は俺だ!ぎゃ」

 

葉「ああ、また・・・」

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

一体何だったのでしょうか?それにしても木場先輩は全く動きませんでしたし、大会の後に部長に呼び出されていましたが何かあったのでしょうか?

 

「ギャハハハハ。おまえ、うまそうだな」

 

探知したほうに行くと廃墟の中に悪魔がいましたが・・・もう完全に化物になってしまっていますね。もし転生悪魔で人型でしたら何とか元に戻してあげられてのですが

 

葉「助けてあげられなくて、ごめんなさい」

 

薙刀を振い、悪魔を切り裂いていきます。もう腕とも脚とも呼べない長い何かを切断し、無防備になったところを本体ごと灰すら残さないように燃やしつくします

 

「ギ・・・」

 

葉「安らかにお眠りください」

 

手を合わせて冥福を祈る。悪魔になってしまった魂はどこに行くかわかっていません。今のところ日本の地獄には行っていないとお兄様と白音が言ってました

 

葉「・・・帰りましょう」

 

パチパチパチ

?「素晴らしい!」

 

帰ろうとしたときに拍手をしながら数名が近づいてきました。気配からするとまた悪魔のようです

 

?「そのはぐれ悪魔はなかなかの強さだったはずだ。それを何の苦も無くあっさりと殺すとは。いやはや、噂にたがわない強さだな」

 

葉「・・・貴方達は一体誰ですか?」

 

ジ「私はジェラエナ・サラタート。君を私の眷属にしたいと思ってね」

 

このところ多いですね。あのレーティングゲームが終わってから私と白音に悪魔が近づいてくるようになりました。

 

ジ「君は美しく、そして可憐だ。その美貌、スタイル、振る舞い。どれをとっても素晴らしい。そしてあのフェニックス家の三男の女王を無傷で倒す強さもある。噂ではかのルキフグスの血を引いているとも聞く。私の女王にぴったりだ」

 

A「ジェラエナ様が直々に誘っておられるんだ。ありがたく思え」

 

葉「お断りさせていただきます」

 

B「おまえの意志など関係ない」

 

・・・本当に悪魔は勝手な方が多いです。少しは人の話を聞こうとは思わないんですかね

 

ジ「どのみちお前はもう動くことすらかなわん。あとはこの駒を入れればお前は私のものとなる」

 

葉「くっこの」

 

まずいですね。言われた通り()()()()が動きません

 

ジ「さあ。悪魔に生まれ変われ」

 

女王の駒が押し付けられ身体の中に入ってきます。

 

ジ「これでお前は私のものだ」

 

A[やりましたね。ジェラエナ様」

 

ジ「助かったぞ2人とも。あとで褒美をやろう」

 

A「ありがとうございます。おい!お前もお礼をしろ」

 

B「お、おい。なんか様子が変だぞ」

 

悪魔たちが驚くのも無理はありません。なぜなら私の身体が膨らんでるんですから

 

B「一体何が・・・」

 

ジ「分からん。こんなことは聞いたこともない」

 

悪魔たちが混乱している間にも身体が膨らみ、そして・・・

 

「「「ぎぃぁぁぁああああ」」」

 

身体が爆発するとともに激しい爆発音が鳴り響き、悪魔たちは爆発に飲み込まれました

 

葉「はぁ。まだまだ慣れませんね」

 

廃墟の外から中をのぞくと悪魔たちが倒れていました。水蒸気爆発を近距離で受けたのですから当然でしょう。それにしてもお義姉さまはすごいですね。私は1人動かすのがやっとなのにお義姉さまは多くの分身をいとも簡単に操ることができるんですから。正直羨ましいです

 

葉「さて、後処理しますか」

 

ジ「よくもやってくれt「あ、失敗しちゃいました」

 

死んだと思っていた悪魔が動き出し、襲い掛かってきました。一振りで殺しましたが返り血を浴びてしまいました。血って落ちづらいですよ。

 

葉「はぁ・・・」

 

溜息をつきながら死体を燃やし尽くしてから廃墟を出ます。とりあえず流水にしばらくつけときましょう。それから・・・あら?不思議な気配がしますね。幸いあまり遠くないようなので行ってみましょう

 

 

 

?「ギャハハ。その程度ですか~悪魔の騎士君?前戦った時のほうが強かったよ~」

 

祐「なめるな!」

 

そこでは木場先輩と神父の格好をした男が戦ってました。

 

?「よっと。そこの糞悪魔ぁ!こっちにこいよ。お前もこの聖剣の餌食にしてあげるからさぁ」

 

あれ?ひょっとしてばれてます?木場先輩を飛ばした剣を私の方に向けてますし他に悪魔の気配がありません

 

葉「はぁ。しょうがないですね」

 

嫌々ながらですが彼らの前に姿を現します。血さえ浴びなければばれなかったでしょうが・・・

 

祐「葉月ちゃん!?なんでここにってその血!大丈夫かい!?」

 

葉「全て返り血なので大丈夫です。近くで不思議な気配があったので来てみたんです。どうやらあの剣みたいですが「おやぁ?騎士君の知り合いで?ということは悪魔けっってい!お前もこのエクスカリバーの試し切りに付き合ってもらうよん」へぇ、エクスカリバーですか」

 

祐「そうだ!僕はあれを破壊しなければならない」

 

どうやら木場先輩は聖剣を恨んでいるようです

 

葉「そうですか。なら頑張ってくださいね」

 

背後に転移陣を作ります。たしか聖剣は教会関係のものなはずです。なら悪魔と教会の戦いに私が入り込むのは良くありません。さっさと帰りましょう

 

?「この俺がぁ。逃がすと思っているんですかぁ?」

 

陣に入ろうとしたところに神父の男が結構な速さで斬りかかってきました。でも

 

葉「その程度は止まって見えます。出直してきてください」

 

?「うおっと」

 

お兄さまに比べたら止まっていると同じです。私は薙ぎ払ってから陣の中に入りました。はやく着物を洗わなければなりません。あ、忘れてました

 

葉「木場先輩、また学校で、さようなら」

 

祐「あ、ああ。またね」

 

よし、挨拶もしましたし帰って洗いましょう。まずは水につけて、洗剤を用意して・・・

 

 

【三人称視点】

 

?「ありゃ?帰えちゃったんですか~?あの悪魔。しょうがないから君で我慢しようかとおもっけどぉ俺も呼び出しくらっちゃってさぁ~」

 

祐「逃がすと思っているのかい?」

 

?「逃げるんじゃなくて逃がしてやるんだよ~だ。お前なんて俺っちの敵じゃないもんね~。バイナ~ラ」

 

閃光が木場の視界をふさぐ。光がやむとすでに神父の男の姿はなかった

 

祐「くそっ!」

 

その場には拳を地面に叩き付けて悔しがる1人の少年の姿しか残らなかった

 

 

【葉月side】

 

次の日

 

葉「なんで昨日と同じエクスカリバーの気配が2つもあるんでしょうか?」

 

白いフードを被った2人組が部に来ました。エクスカリバーって1本しかないと思ったのですが違うんでしょうか?



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旧友との再会

よし!最後のヒロインがついに登場!そしてタグ変更しました。
でも今回なんかめちゃくちゃ感があります。無駄に長くなった気がしますし・・・

UAが40,000を超えました。皆様ありがとうございます


【葉月side】

 

葉「はぁ~」

 

レ「あら、どうしました?」

 

思わず御茶会の席でため息をついてしまいました。レイヴェルと会うのはレーティングゲームの時以来ですね

 

葉「この頃悪魔に襲われることが多くて・・・昨日も返り血で着物が汚れてしまいましたし」

 

白「葉月もですか?私もなんです」

 

そう言いながら羊羹をひとかけほおばる。甘さがちょうどよくておいしいですね

 

レ「御二人のことは噂になってますよ。お兄様とその女王を無傷で倒したものがいると。非公式とはいえ親族はもちろんその眷属も見ることができたので、きっとそこから広まったのでしょう」

 

白「何とかなりませんか?このままだとものすごく面倒なんですが」

 

確かに相手にならない雑魚とはいえ、毎回仕事の邪魔されるのは厄介極まりないです。

 

レ「すみません、いくらフェニックス家とはいえ成人もしていない私が呼びかけたところでさほど影響はないと思われます。力になれずすみません」

 

そう言って頭を下げるレイヴェル。襲ってくる悪魔たちもレイヴェルを見習ってほしかったものです。

 

白「頭を上げてください!あなたの責任じゃないんですから」

 

葉「そうです。襲ってくる悪魔たちが悪いんですから」

 

リ「大丈夫2人とも?私の眷属になればもう襲われる心配はないわよ?」

 

白・葉「「家に帰れなくなるのでお断りします」」

 

リ「そ、そう。まあいいわ。それよりも・・・」

 

 

リ「なんで部室でライザーの妹とお茶しているのかしら?」

 

 

私たちは部室の一角でお茶会を開いています。周りにはゼット先輩を除いたオカ研全員が集まっていました

 

葉「私たちの町には悪魔は来れませんので一番来やすい学校に誘いました」

 

白「皆さんもどうですか?老舗の和菓子屋ですからおいしいですよ」

 

白音が切り分けられている要寒を差し出しました

 

リ「せっかくだからいただくわ」

 

皆さんひとかけずつ手に取り、皿が空になってしまいました。斬らないといけませんね

 

朱「おいしいですわ~」

 

イ「うめぇ!」

 

ア「羊羹っていうんですか?初めて食べますがおいしいです」

 

祐「・・・・・」

 

木場先輩だけ一瞬表情を変えましたがすぐに元の暗い表情に戻りました。そういえば昨晩も何かあったみたいですしどうしたんでしょうか?

 

葉「木場先輩、どうしたんで「失礼する」」

 

私の声を遮るようにドアが開かれ、白いフードを被った2人組が部室に入って来ました。

 

?「私達は教会から派遣された。この土地の管理を任されているグレモリー家の次期当主さんと話しがしたい」

 

2人が被っていたフードをとりました。布に巻かれた大きい物を背負っている方は青い髪に緑のメッシュが入った眼つきの鋭い女性。もう1人は長い栗色の髪をツインテールにしている女性が現れました。それよりも・・・

 

葉「なんで昨日と同じエクスカリバーの気配が2つもあるんでしょうか?」

 

エクスカリバーって1本しかないと思ったのですが違うんでしょうか?

 

 

 

 

 

【白音side】

 

青い髪の方はゼノヴィア、ツインテールの方は紫藤 イリナと言い兵藤先輩の幼馴染だそうです。2人はソファに座り部長と向かい合っています。私たちは葉月にテーブルと椅子を作り出して気にせずにお茶会の続きをしています

 

レ「聖剣ですか。悪魔にとって天敵ですわ。近くにいるだけで気分が悪くなってしまいます」

 

葉「そうなんですか?確かに不思議な感じはしますが」

 

葉月の言う通り特殊な気が感じられます。布にまかれた大きな剣と紫藤って人の腕から感じかれますが、なぜ腕から?

 

レ「聖剣で斬られると悪魔は死んでしまうんです。かすり傷程度でも動けなくなるくらい悪魔にとって危険なものですわ」

 

白「へぇ~そうなんですか」

 

葉月が私たちを覆うように結界を張りました。聖剣の気を感じられなくなりましたしレイヴェルもこれで大丈夫でしょう

 

レ「日本には聖剣のようなものはないんですか?」

 

妖怪が聖剣が弱点なんて聞いたことはないですね。剣の方も聖剣・魔剣見たことがありません。代わりに

 

白「神剣や妖刀、霊剣というものはありますよ。ただ悪魔に対して特効、なんてことはないですね」

 

葉「確か何本か奉納されているはずですよ。管理はすべてお兄様ですが」

 

レ「お兄様がですか・・・」

 

葉「はい。今は仕事で家にいませんが日々強くなるための努力を絶やさず、仕事にも手を抜かない自慢のお兄様です」

 

確かにお義兄様も凄いですが私のお姉ちゃんも負けてません。黒の猫又は最強というのは伊達ではありません。現に神宮内でお義兄様に次ぐ強さを持っています

 

レ「そのような兄を持てて葉月たちが羨ましいですわ。それに比べ・・・」

 

レイヴェルが何か疲れたように息を吐きました。

 

白「どうしたんですか?」

 

レ「あのゲームの後、そこにいる赤龍帝と戦って負けたんですわ。そのせいもあって今では聖水とドラゴン恐怖症になってしまい部屋から出てきませんの」

 

葉「すみません。やり過ぎてしまいましたか」

 

レイヴェルの兄をそんな状態にした責任の一端は私たちにあります。もし私たちも同じことになったら相手を恨むでしょう

 

レ「謝らないでください。こうなったのも遊んでいたお兄様が悪いんですから」

 

白「しかし・・・」

 

レ「そもそもお兄様の自業自得なのですわ。今までのレーティングゲームの勝利についてもほとんど不死鳥の再生力によるゴリ押しによるものです。そしてその再生を超える攻撃を持つ相手と出会い、レーティングゲームでわざとでわない2度の敗北をしました。にも関わらず、修行などせずに自分の眷属とイチャついてばかり。私も何度も言いましたが私の言葉は流されるばかりで・・・お兄様にはいい薬ですわ」

 

そう言って紅茶を飲んでますが・・・罪悪感はぬぐえません

 

レ「そんな暗い顔しないでください。そうですわね・・・後々私も悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が渡されることでしょう。そのとき私たちにグレモリーにしたように指導をお願いしますわ。それで今回のことはおしまいにしましょう」

 

葉「先輩や他の悪魔みたいに眷属にしようとは思わないのですか?」

 

レ「そんなこと貴方達の兄である悪魔嫌いの青龍が許すはずがないでしょう?私、相手のことはちゃんと調べますの。慢心しきったお兄様やそこのグレモリーと違って」

 

そう言ってレイヴェルは微笑みました。やはりレイヴェルは今まで出会ってきた悪魔の中で一番良識を持っていますね。知らない相手を他種族だからと見下すこともありませんし何より礼儀正しいです。お義兄様もレイヴェルに会えば少しは悪魔を見直してくれるかもしれません

 

イ「ふざけんじゃねぇ!!!」

 

葉月が防音も施していたのでしょう、結界の外から声が聞こえました。怒声のようにも聞こえましたが

 

白「一体なんでしょうか?」

 

レ「さぁ?赤龍帝が怒っているようですが」

 

葉「こちらに外の聞こえるようにします」

 

そう言って葉月が手を振ると外の声がはっきりと聞こえるようになりました

 

イ「家族だ! 友達だ! 仲間だ!お前らがアーシアに手を出すのならお前らを全員敵に回してでも俺は戦う!!」

 

・・・途中から聞いたのであまりわかりません

 

白「先輩の言葉から、教会から来た2人がアーシア先輩を殺そうとしたんですかね?」

 

レ「そういえばグレモリーの僧侶は悪魔に転生する前はシスターでしたわ」

 

葉「ということはあの2人は悪魔になった同胞を天に返すために殺そうとしてるわけですか」

 

悪魔は死後どこに行くかわかりませんが、日本の場合地獄にしか行きません。そこから天国か地獄に分けられるんですが・・・海外の方はわかりません

 

祐「ならその戦い、僕も混ぜてもらえるかな?」

 

ゼ「誰だキミは?」

 

祐「君たちの先輩だよ。・・・失敗だったそうだけどね」

 

危ないですね。神器を発動させるのはいいですが他の人のことを考えてください。結界がなかったら足を貫かれていました。

 

イリ「ねぇゼノヴィア。あそこでこっちを見てる3人はどうするの?」

 

あら?結構冷静ですね。てっきりこのままバトルに入ると思ったのですが

 

ゼ「そうだな。外に出る前に聞きたい。彼女たちはいったい何者だ?なぜこの部屋にいるんだ?」

 

リ「金髪の娘はフェニックスでこの学校の制服を着てる2人は私の協力者よ。今日はお茶会なんですって」

 

ゼ「そうなのか?ここは悪魔が管理する土地だ。協力者がいてもおかしくはないな」

 

そう言ってこちらを振り向きもせずに外に出ていきました。先輩たちもそれに続いて部屋から出ていきます

 

白「違います!私たちは協力者ではないです!」

 

葉「この土地も日本のものです!管理しているなんて悪魔が勝手に言っていることです!」

 

レ「落ち着いてください。こちらの声が向こうに聞こえないようにしているの忘れましたか?」

 

白・葉「あ・・・」

 

忘れてました。解除してませんでした

 

葉「はぁ、自分で張った結界を忘れるなんて初歩的なミスをするなんて・・・」

 

手を振いながら結界を解除する葉月。私も結界で木場先輩の剣を防いでいたのを見ていたのに・・・

 

レ「そんな落ち込まないでください。それよりも聖剣使いとグレモリーの眷属の勝負を見ません?」

 

葉「そうですね。そうしましょう」

 

 

 

校舎の中から先輩たちの戦いを見まています。おそらく朱乃先輩でしょう、結界を張っていましたがお姉ちゃんに比べたらお粗末すぎて私たちにとって意味ないです・・・先ほど失敗した私たちが言うのもなんですけど

 

レ「グレモリーの騎士は何やってるんですか。あんな重そうな剣を作り出して、騎士(ナイト)の特性を殺してるじゃないですか」

 

葉「確かに、昨日もそうでしたがスピードがないですね」

 

白「木場先輩はまだいいです。問題はあの変態です。なんですかあの技は!」

 

相手を全裸にする洋服崩壊(ドレス・ブレイク)。なんてふざけた技を作ったんでしょう。確かに相手の防御を下げる有効性は認めますが女性に向けて使っていいものではないです。

 

レ「最低ですあ。確かにあの技ならば相手の能䁩を無効化できそうですが・・・」

 

白「きっとあの変態はそんなこと考えてないでしょう。それにあの喜びよう、女性を裸にするために作ったんだと思います」

 

葉「本当に女性の敵ですね。はやく捕まればいいのに・・・あら?」

 

葉月が何かに気づきました。そのほうを見ると変態の方に走って行ってるゼット先輩の姿が・・・ゼット先輩は自分の剣を出現させ

 

ゼ「何やっているんだこの変態がぁ!!!」

 

剣の腹で変態を吹き飛ばしました。変態は2回ほどバウンドすると倒れたまま動かなくなりました。

 

レ「どうやらグレモリーの負けのようですわね。そろそろ私も帰らせてもらいますわ」

 

葉「そうですか・・・またお会いしましょう」

 

白「今日は楽しかったです。次も楽しみにしています」

 

レ「私もですわ。ではまた」

 

レイヴェルは陣を出現させるとその中に入っていきました

 

葉「私たちも帰りますか?」

 

白「そうですね。これ以上いても意味がありませんし帰りましょう」

 

私たちも転移陣を出現させ帰りました。はっきり言って聖剣使いと悪魔がどうなろうが私たちには関係ありません。しかし無関係の人を巻き込むならばそのときは・・・

 

 

 

 

 

【ゼットside】

 

くっそー。ジャンケンで負けたせいでゴミ捨て当番になってしまった。大体あの特別教室、ごみ収集所から遠すぎるんだよ。他の奴はみんな部活に行っちまったし

 

ゼツ「まぁ始まってるといっても特に何もやってないんだけどなぁ」

 

実際オカルト研究部は部活らしいことは何もやっていない。球技大会も昨日で終わってしまったし悪魔の仕事も夜に行うみたいだからな。

 

ゼツ「なんだこれ、結界か?」

 

旧校舎に向かっていたところ何か結界らしきものが張っているのを感じた。幸い入ることは可能みたいだし結界の中に入った。そこで俺が見たものは

 

イ「くらえ!洋服崩壊(ドレス・ブレイク)!」

 

イリ「そんなの痛くもないよ・・・ってきゃぁぁぁあああああ!!!」

 

イッセーが女性を裸にしている姿だった。何やってるんだあのバカは!最近まともになって来たと思ったらすぐこれだ!少しは松田と元浜を見習え!!俺は駆け出し、喜んでいる馬鹿(イッセー)に向かって《アミル・ガウル》をバットを振る要領で振りぬいた

 

ゼ「何やっているんだこの変態がぁ!!!」

 

イ「ぐあっ!?」

 

吹き飛んだイッセーは2回バウンドして動かなくなった。あの程度では死なないことは知っているがアーシアが近寄って治療を行っている。後でお仕置きだな。それよりも

 

ゼ「大丈・・・ばないよな」

 

イリ「あ、ありがとう」

 

とりあえずブレザーをかけてやる。着替えはあるんだろうか?

 

ゼノ「その青緑色の剣は・・・絶斗か?」

 

ゼツ「ん?青い髪に緑のメッシュ・・・久しぶりだな、ゼノヴィア」

 

俺は長い間手紙だけでやり取りをしていたゼノヴィアと再会した。ところでゼノヴィア近くで祐斗が倒れているし結界は張っているし一体何があった!?




レイヴェルの話し方がよくわかりません


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絶斗 旧友を家へと招く

お気に入りしてくださった方が160人超えました!皆様ありがとうございます

とりあえず今回は進展なし!そして次回は白龍皇の話になります・・・戦闘がはいるのでまたお気に入りしてくださった方が減りそうでこわいです・・・


ゼツ「日本に来ることは聞いていたけどこんなすぐに会えるとは思わなかった」

 

ゼノ「それは私もだ」

 

写真で見たときよりも綺麗になったな。その写真も数年前のだけど。今ゼノヴィアが持っているのが聖剣か?写真が送られてきたときに聖剣に選ばれたと喜んでいたな

 

ゼノ「だが、なぜ悪魔たちと一緒にいる?君もあの2人と同じく協力者なのか?」

 

何故って言われてもな

 

ゼツ「まぁ・・・ちょっとしたなりゆきでな。ああでも、協力者ってわけではないぞ。夜に何かやってるみたいだけどさっぱり分からない。そもそも俺は5時に家に帰るからな。それよりもあの2人って?」

 

ゼ「部室に悪魔と一緒にいた白髪と水色の髪の2人のことだ。グレモリーが言っていたぞ」

 

珍しいな、部活に出るなんて。しかし・・・

 

ゼツ「部長」

 

リ「な、なにかしら」

 

ゼツ「嘘はやめましょう。蒼枒さんに怒られますよ。もしかしなくても殺されるかもしれません」

 

あの時は東雲姉妹が止めてくれたからよかったものの、止めてくれなければ今頃イッセーは死んでいただろう

 

リ「そ、そうね。気をつけるわ」

 

イ「ゼノヴィア~。決着がついたのならもう行きましょう。あ、これ。誰だか知らないけどありがとう」

 

ツインテールの子がブレザーを返してきた

 

ゼツ「どういたしまして。はぁー、イッセーのやつ人前で女の子が裸にするなんて」

 

イリ「ほんと!これも悪魔になって影響だね」

 

ゼツ「いや、悪魔になる前から全く変わってないぞ」

 

学園に入ってから見ているが全く変わっていない。

 

ゼノ「さてイリナ。そろそろいくぞ」

 

ゼツ「・・・もう行くのか?」

 

ゼノ「ああ。教会の依頼で来ているからな」

 

彼女はすでにエクソシストとして働いている。俺の勝手で邪魔しちゃいけないよな

 

ゼツ「私としてもまだ話をしたいがこればかりはな。だが時間が空けばまた会えるさ。ああそれとそこの赤竜帝に言っておいてくれ」

 

白龍皇はすでに目覚めているぞ。そう言い残して2人は学園から去っていった。・・・あれイリナって男じゃなかったか?まぁいいや、俺もやるべきことをしなければ

 

ゼツ「ようイッセー。もう起きているよな?」

 

イ「ゼット!ひどすぎるだろ!剣で「人前で女性を裸にしたやつの言うことかああああ!!!」

 

反省がないな。松田と元浜が頑張ってちょっとずつ評価上がてるのに、こいつのせいでを下げるわけにはいかない。O・SI・O・KIだな

 

ゼツ「アーシアはちょっと離れてて」

 

イ「!?待って!許してくれ」

 

ゼツ「ダ・メ・だ!」

 

イ「アーシア!部長!朱乃先輩!助けて」

 

アーシアは素直に離れ、部長たちも助ける様子はなk、祐斗はいつの間にかいなくなっていた

 

ア「イッセーさん。流石にあれはかわいそうです」

 

リ「そうね。素直に罰を受けなさいイッセー」

 

朱「あらあら。頑張ってくださいね」

 

イ「そ、そんな~」

 

ゼツ「さぁイッセー。覚悟はよいか?」

 

イ「ま、待て。落ち付け・・・」

 

イ「ぎゃあああああああああああああああああああああ」

 

 

 

 

 

ゼノヴィア達が来てから2日後。バイトから帰る途中でなんか不思議な光景を見た

 

ゼノ「えー、迷える子羊にお恵みを~」

 

イリ「どうか、天の父に代わって哀れな私達にお慈悲を!!」

 

・・・町の真ん中。それもこんな時間(午後10時)にローブ姿をした2人がいた。後ろに巨大ななにかととんでもない絵があるのだが・・・一体なんの絵だあれは。イリナは必死にやっているがゼノヴィアは無理矢理付き合わされている感があるな

 

ゼノ「なぁイリナ。これで本当に大丈夫なのか?素直に教会に謝るべきだと思うぞ」

 

イリ「大丈夫よ!きっと優しい方が私たちに恵んでくれるわ」

 

今の日本、それも町中でそれはかなりきついと思うぞ。しょうがないけど助けるか。女の子2人を夜中の外にいさせるわけにもいかないし

 

ゼツ「そんなことしてもなんにもならないぞ」

 

ゼノ「絶斗!なぜこんなところに」

 

ゼツ「それは俺のセリフだ。とりあえず2人とも家にこい」

 

2人を連れて家に向かう。着いたら昨日から何も食ってないというのでバイト先のおじさんからもらったまかないと朝の残りのご飯とみそ汁を出したが

 

ゼツ「うまい!まかない料理がこんなに美味いとは!」

 

イリ「あぁ、久し振りのお米! お味噌汁! なんて美味しいのかしら!!」

 

気に入ってくれたようで何よりだが所詮残りだから量はないんだよな・・・

 

ゼツ「冷凍したのでよかったらまだあるが、いるか?」

 

ゼノ・イリ「くださいっ!!」

 

この勢い・・・足りるかなぁ

 

 

 

結局冷凍していた分も半分ほど食い尽くされた。まぁいいけどさ。冷凍焼けしていたのもあったし

 

イリ「あ〜、美味しかった。ああ主よ、この慈悲深き人間に祝福を」

 

ゼノ「ありがとう。本当に助かった」

 

ゼツ「どういたしまして。俺はただ知り合いが困ってたから助けただけだ」

 

流石に見ず知らずの人を助けるほど俺は聖人じゃあないしな

 

ゼツ「せっかくだ。なんで日本に来たか教えてくれないか?確か教会からの依頼だと言っていたが・・・」

 

ゼノヴィアの目が泳いでいる。人に話しちゃいけないことなのか?だが部長たちには話してみたいだったが

 

イリ「ゼノヴィア。どうするのよ」

 

ゼツ「どうするって。・・・すまない。一般人である君は巻き込みたくはないんだ。だから話せない」

 

やっぱりそうか。だがイッセーに聞けば答えてくれるだろう

 

ゼツ「わかった。なら無理には聞かないさ」

 

イリ「ねぇねぇ。あなたも剣を持っていたけどあれって聖剣?」

 

ゼツ「ああ、《アミル・ガウル》のことか?」

 

そう言って《アミル・ガウル》をテーブルの上に置く。照明の光に照らされて光り輝いている

 

ゼノ「改めて見ると綺麗な剣だな」

 

イリ「本当。よく見ると薄っすらと光っているし、この羽も素敵ね」

 

そう言ってイリナは《アミル・ガウル》を手に取ろうとする。俺はその手を叩き、手を引っ込めさせた

イリ「いったーい。何するのよ」

 

ゼツ「《アミル・ガウル》に触れるな!殺されるぞ」

 

ゼノ「そういえば初めて会った時もその剣は勝手に動いて怪物を殺していたな。あれはそういうことか」

 

ゼノ「ああ。前触った人はすぐに手を離したから無事だったが」

 

同じように助かるとは限らないからな。それを聞いたイリナは顔を青くしていた

 

イリ「そ、そんな危ないものだったなんて」

 

ゼノ「だがいつの間に使えるようになったんだ?前まで斬ることもできなかったのだろう?」

 

やはり聞いてきたか。キリスト教の2人には日本の神様からってことは伏せておくか

 

ゼツ「イッセーたちと修行を行った時に剣を指導してくれた人のおかげだ。まぁ指導と言っても実戦経験を積むことぐらいだったけどな」

 

ゼノヴィアたちと話しているとすでに0時を回っていた。急いでシャワーだけ浴びて寝るか

 

ゼツ「もうこんな時間か。明日も学校があるからそろそろ寝よう。空部屋に布団を敷いておくからそこを使ってくれ」

 

ゼノ「何から何まで悪いな。依頼が終わったら改めてお礼に来るよ」

 

イリ「本当にありがとう。・・・ところで親はいないみたいだけど大丈夫なの?」

 

ゼノ「ばっ!イリナ!?」

 

ああ、やっぱり聞かれるよな。ゼノヴィアもイリナの口を押さえているけど遅かった

 

ゼツ「・・・死んだよ。交通事故で、数年前にな」

 

部屋の空気が一気に重くなるを感じた。

 

イリ「ごめんなさい。貴方のことを考えてなかったわ」

 

ゼツ「気にしなくていい。じゃあおやすみ」

 

俺は2人を残し、部屋に布団を引いた。

 

ゼツ「はぁ」

 

大丈夫だったんだけどな。改めて言われると来るものがある。布団を引き終わるとシャワーを浴びて自分のベットに入った

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

「にゃ、にゃああああああああああ!!!」

 

暗い部屋の中。2人の姿を窓から降り注ぐ月の光だけがを照らしていた。夫婦の時間はまだ始まったばかり

 




やっちまったあああああああああ!!!
反省はしていない!でも後悔はしている!!
・・・最後いらなかったですか?


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一時の結託

お気に入りが減っていないどころか増えただとΣ(・□・;)
バトル回だったのにいったいどういうことなんだ(。´・ω・)?

あとすみません、今回短くなっております。申し訳ない<(_ _)>


 

【ゼノヴィアside】

 

ゼツ「よしと。じゃあ放課後になったら連絡するから」

 

ゼノ「ああ。私たちもできる限り探してみるが、よろしく頼む」

 

絶斗が鍵を閉めたのを確認し、家の前で私たちは分かれた。学校に行く姿を見送りながらイリナが

 

イリ「本当によかったの?彼を巻き込んで」

 

ゼノ「私としてもあまり関わってほしくはないが・・・私たちはこの土地のことをあまりにも知らない。案内してくれる人は必要だろう」

 

イリ「だから私が・・・」

 

ゼノ「イリナがここに住んでいたのは幼いころの話だろう。本当に大丈夫なのか?」

 

イリ「・・・」

 

そう言うとイリナは言いよどんでしまう。そもそも現在と過去の記憶とのずれや、そもそもあいまいにしか覚えていないなどそんな幼いころの記憶は使いものにならない。さらにこの土地は管理する悪魔が数年前に代わっている。

 

ゼノ「今日一日案内してもらうだけだ。一般人の彼にエクスカリバーの破壊を手伝ってもらおうとは思ってないさ」

 

イリ「一晩泊めてもらったのに何で来たかは話さなかったものね」

 

ゼノ「正直悪いと思ている。だが泊めてもらっているのに起こされるまで寝ていたイリナが言う言葉ではないな」

 

イリ「そう言うゼノヴィアだって朝食たくさん食べてたじゃない!」

 

ゼノ「あれは・・・日本では食べ物を残すのは失礼と教わっていたからで・・・」

 

絶斗の手紙には日本の文化や食事など書いていたからな。かわりに私も欧州の国々の文化を教えたりしてたしな

 

イリ「・・・そういえば手紙でやり取りしていたのは彼だったのよね?いつ知り合ったの?」

 

ゼノ「あれは10年ぐらい前か。そのとき教会に入ったばかりでエクソシスト見習いだった私は師と共に悪魔の討伐に出かけ、その先で出会ったんだ。悪魔の気配を頼りに向かったんだが、そこにいたのは泣いている絶斗と無残に切断された悪魔の死体と彼のそばに突き刺さっていた《アミル・ガウル》だった。私は目を奪われたよ。あんな美しい剣は見たことがなかったからな。その後、他のエクソシストたちが来て絶斗を保護、親の元に返した。年が近かったこともあって返すまでの間一緒にいたんだが、今思えばよく会話で来たなと思うよ。互いに言葉など分からなかったはずだからな。それからはずっと手紙でしかやり取りしていない」

 

イリ「ふ~ん、そうなんだ。10年も手紙だけでね・・・」

 

そう言うとイリナは何か考えているようだった

 

イリ「もしかしてゼノヴィア。彼のこと好きなの?」

 

ゼノ「なぜそういう結論になった!?」

 

イリ「だって今時手紙なんて、しかも10年も続けるなんて普通考えられないでしょう!?」

 

ゼノ「確かに絶斗はかっこよくなっていたし!彼のそばにいるのも悪い気はしないが・・・この気持ちが好きなのかは分からない。・・・って何を言わせるんだ!」

 

イリ「勝手にしゃべったのゼノヴィアじゃない!」

 

 

 

 

それから8時間ほど経った。聖剣の気配をたどったりしたが成果は得られず、絶斗から電話が来た。

 

ゼノ「絶斗からの電話だ。近くのファミレスで待ち合わせだそうだ」

 

イリ「わかった。急ごうゼノヴィア」

 

イリナと共にファミレスに入ったが・・・

 

ゼノ「なんでここに悪魔がいるんだ?」

 

その言葉に絶斗は店内を見回した。するとあるテーブルに座るグループを見て

 

ゼツ「・・・ごめん。後をつけられてたみたいだ」

 

絶斗の視線の先には赤龍帝とグレモリーの騎士と知らない悪魔が座っていた

 

 

 

【絶斗side】

 

ゼツ「で、お前たちはなんで俺の後をついてきたんだ?」

 

隠れているイッセー、祐斗、匙だったか?を呼び寄せ俺達の前に座らせた。

 

イ「イリナたちがなぜ日本に来たかを俺から聞いただろ。その後学校が終わった後イリナたちに会うって聞こえたからな」

 

ゼツ「確かにそう呟いた・・・まさか聞こえてるなんてな」

 

サ「悪魔になれば身体能力が強化されるんだ。聴力も上がっていてもおかしくはないだろ?」

 

ゼツ「言われてみれば確かに」

 

ということは俺のミスか。ゼノヴィア達に悪いことしたな

 

ゼノ「ということは絶斗も事情は知っているか。ならもう隠す必要はないな。それで、絶斗をつけてまで私たちに会いに来た理由は何だ?」

 

祐「僕たちにエクスカリバーの破壊の協力させてほしい」

 

俺とイリナは驚いた。悪魔に聖剣は弱点でかすり傷でも動けなくなるって聞いた。そんな危険を伴うことを自らの望んで来るなんて

 

祐「ただで、とは言わない。だが僕は盗まれたエクスカリバーを持っている奴を知っている」

 

ゼノ「(悪魔の言うことだ。嘘ってこともあり得るが、例え嘘でも今は情報が欲しい)・・・そうだな。一本ぐらい任せてもいいだろう」

 

1人驚かなかったゼノヴィアが許可を出した

 

ゼノ「正直言って私達だけではエクスカリバー3本の回収とコカビエルとの戦闘は厳しいからな」

 

イリ「ちょっとゼノヴィア!?いいの?絶斗君はともかくイッセーくんは悪魔なのよ?」

 

ゼノ「悪魔の力は借りない。代わりにドラゴンの力を借りる」

 

イリ「確かにドラゴンの力を借りるなとは言ってないけど・・・」

 

ゼツ「ドラゴンの力を借りるなとは言われてないんだろ?明確に禁止と言われていないなら、問題ないんじゃないのか?」

 

禁止事項なら明確に伝えておくべきだ。それを曖昧に当人まかせにしている奴が悪い

 

祐「ひとまず許可を出してくれたことには礼を言おう」

 

ゼノ「かまわない。こちらとしても手掛かりが欲しかったところだ」

 

祐「その情報だが・・・先日、エクスカリバーを持った者に襲撃された、神父を一人殺害していたよ。殺られたのはそちらの者だろうね」

 

「「「「「!?」」」」」

 

祐斗を除く全員が驚いた。

 

祐「襲撃者はフリード・セルゼン。エクスカイバーのおかげなのか以前よりも速くなっていたよ」

 

ゼノ「驚いたな。まさかこんなはやく見つかるとは。しかし速くなるか。ならフリードが持っていたエクスカリバーは天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)に違いない。使い手の素早さを急激に向上させる能力を有しているからな」

 

サ「なんか、聖剣版の騎士(ナイト)の駒みたいだな」

 

イ「よく無事だったな。いや祐斗のスピードなら問題ないか」

 

祐「悔しいことに防戦一方だった。途中で葉月ちゃんが出てきて有耶無耶になっちゃったんだ。彼女はフリードの動きを止まって見えると言っていたし、エクスカリバーで斬り掛かってきたフリードを苦もなく受け止めていた。あの時ばかりは彼女の力が羨ましかった」

 

そう言う祐斗は拳を強く握りしめていた。着ていた時から険しかった表情もさらに険しくなっている

 

ゼノ「天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)は決して遅くはないはずだ!それを止まって見えるというその葉月というのは誰のことだ!?」

 

ゼツ「水色の髪っていうか青銀っていうか・・・髪を腰あたりまで伸ばしている女の子だ。部室にいただろ?」

 

イリ「あの悪魔と一緒にいた娘!?彼女はいったい何者なの?」

 

言っていいものだろうか?キリスト教である2人には言っても信じてもらえなさそうだけど

 

ゼツ「彼女は東雲葉月。神社に祀られている青龍の妹だ」

 

イリ「日本の神の1人ねぇ。なんかたいしたことなさそう」

 

ゼツ「キリストの神とどちらが強いとかはわからないが、ここにいる全員で相手しても1分もかからずに倒されるのは目に見えているぞ」

 

蒼枒さんたちに手伝ってもらえたら良かったんだけど無理か。今回はあちらに何のメリットもないからなぁ




UAが45,000超えてました!
皆さま読んでくださりありがとうございます

それにしても今回あまり進んでないなぁ
コカビエル戦突入は次々回かな。次回じゃちょっと厳しそうだし・・・


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下種神父 再び

UA45,000超えました
いつも読んでくださりありがとうございます


【ゼットside】

 

イ「なぁ、こんなので本当に大丈夫なのか?」

 

ゼツ「他に方法もないだろ」

 

イ「だからってこれはなぁ」

 

俺たちは神父の恰好をしている。神父を殺したという情報からフリードをおびき寄せるためだ。流石に6人が固まっていては襲ってこない可能性が高いため、3人ずつに分かれた。できれば2人ずつにしたかったんだが

 

ゼツ「互い連絡できるようにアドレスは知っているな?」

 

祐「僕もイッセー君もゼット君のアドレスは知っているけど、そこの2人のは知らないよ」

 

そう言う祐斗の視線はゼノヴィアとイリナに向けられた

 

ゼツ「あー、まぁそこはしょうがないんじゃないか?一時結託しているが本来敵なんだし互いの連絡先知ってたらまずいだろ」

 

祐「・・・言われてみればそうだね」

 

一応納得してもらったところで、互いに分かれて行動を始めた。

 

 

 

 

 

町中を歩き回ってそろそろ2時間が経つ。日も落ち、空が夜に染まっていくなかそいつは突然上から降ってきた

 

フ「神父の皆さま!ご加護ですよっと!」

 

ゼツ「ちっ!」

 

イリ「下がって!」

 

俺がバックステップで奇襲を避けると、イリナが俺と入れ違うように擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)で斬りかかる。服の下に隠していたゼノヴィアが剣を抜くよりも擬態を解いたほうが当たり前のようだがはやい。ギンッと音とともにエクスカリバー同士がぶつかり合うと互いに身を引いた

 

ゼノ「フリード!」

 

フ「おんやぁ?神父かと思ったらエクスカリバー持ちの教会の犬にあの時の槍投げ野郎じゃないですかぁ。なに?この前は悪魔とつるんでいたくせに今度は教会の奴といっしょにいるんですかぁ?」

 

ゼツ「・・・・・・(電話中)」

 

フ「って無視してんじゃねえよ!」

 

神父服を脱いでイッセーたちに電話をかけるが、いつでも動けるようにフリードからは目をはなさい。だが、あのうるさい言葉だけはスルーだ。あれにかまっていたらきりがない。

 

ゼノ「お前の相手は私たちだ」

 

イリ「エクスカリバーは返してもらうよ」

 

フ「うっっっぜぇ!邪魔すんじゃねえよ糞女ぁ!」

 

無視したことに怒ったフリードは俺に向かって突進してきたが、ゼノヴィアとイリナに阻まれる。邪魔されたフリードは怒り狂ってエクスカリバーを振り回すが、そのスピードがだんだん速くなっていた

 

ゼノ「くっ、やはり速い」

 

イリ「押さえ、きれない」

 

フ「ほらほらどうしたんですか?この天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)には追いつけないですかか?」

 

2人は剣の速さに追いつけず防戦一方だ。くそっ。イッセーは何故でない

 

フ「おんじゃ先にあいつから片づけますか。前の借りもあることですし」

 

ゼノ「っ!絶斗!」

 

フリードのやつ無理矢理突破してきやがった。片手だけで防ぎきれるか?

 

祐「悪いけど君の相手は僕だよ」

 

フリードが迫りくる中、俺の前に祐斗が上から落ちてきて手に持った剣でフリードを受け止めていた。

 

ゼツ「祐斗!」

 

イ「ゼット!待たせたな」

 

匙「伸びろライン!」

 

祐斗に続いてイッセーと匙も上から現れた。匙の手の甲にはデフォルト化されたトカゲの顔らしきものが現れ、そいつの口からベロが伸びフリード目掛けて飛んでいく

 

フ「うぜぇっス!」

 

エクスカリバーで薙ぎ払おうとするがトカゲのベロは実体がないかのようにすり抜け、。フリードの腕に巻きついた。

 

匙「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ!これでおまえは逃げらねぇ!木場!やっちまえ!」

 

祐「ありがたい!」

 

祐斗はさらに魔剣を作りだし、二本の剣でフリードを攻める

 

ゼツ「なぁイッセー。なんで電話に出なかった?」

 

イ「いや、俺たちもゼット達の近くにいたみたいで何かがぶつかる金属音が聞こえたんだ。家の向こう側だったから飛んでいこうとしたんだが」

 

匙「イッセーが飛ぶの下手過ぎて時間がかかった。全く、飛ぶ練習をしておけよ」

 

なるほど。だいたいイッセーのせいと。まあどうでもいいが今は祐斗の方だ。フリードはエクスカリバーを振い、祐斗の攻撃を防いでいるが、さっき程の速さが出ていなかった

 

フ「ああもう。うざってぇなこのベロ!さっきからなんか吸われてる感じがするし気持ち悪いし最悪なんですけどぉ!!」

 

匙「どうだ!これが俺の神器!黒い龍脈(アブソーブション・ライン)だ!こいつに繋がれた以上、おまえの力は俺の神器に吸収され続ける!だが吸い取るだけじゃないぜ!おら!」

 

フ「クッソ!そっちだけ実態があるとかずるいっしょ」

 

匙が引っ張ることによってフリードの体制が崩れた。こえで決まりだな

 

祐「まずは1本目・・・」

 

?「ほう魔剣創造(ソード・バース)か。使い手の技量しだいで無類の力を発揮する神器を持っているのか」

 

祐斗の振り下ろす剣が止まった。声をしたほうに視線を向けると神父の格好をした初老の男が立っていた

 

ゼノ・イリ・祐「「バルパー・ガリレイ!!」」

 

バ「いかにも」

 

ゼノヴィアとイリナは驚き、木場は視線だけで殺せそうなほどバルパーを睨んでいる。

 

フ「じいさん・・・」

 

バ「フリード。なにをしている」

 

フ「このわけのわからねぇ黒いベロが邪魔で逃げられねぇんだよ!」

 

バ「おまえに渡した因子を使え。体に流れる聖なる因子をできるだけ聖剣の刀身に込めれば切れ味が増すはずだ」

 

フ「なるほど!ほいーっと!」

 

先ほどは触れもしなかった匙の神器のラインが何の障害もなくスパッと切られた。

 

匙「何だと!!?」

 

フ「邪魔もなくなったことだし、ここは逃げさせてもらいますぜ!!」

 

バ「そうだな」

 

フリードは閃光弾を投げてきた。咄嗟に目をふさいだが閃光がおさまった頃にはフリード達はいなかった。

 

祐「逃げられたか」

 

ゼノ「追うぞイリナ!!」

 

イリ「うん!!」

 

2人は逃げていったフリード達を追いかけようとする

 

ゼツ「ちょっと待て!居場所はわかっているのか?」

 

ゼノ「気配はある。まだそう遠くに行ってないはずだ」

 

イリ「協力ありがとう。感謝するわ」

 

そう言ってフリード達を追いかけて行った。いつの間にか祐斗もいなくなっていた

 

ゼツ「・・・どうやらここまでの様だな。俺は帰るがイッセーと匙はどうする?」

 

イ「決まっている!祐斗を追いかける」

 

匙「俺もだ!放っておけないからな」

 

ゼツ「そうか。じゃあ頑張れよ」

 

俺は家に向かって歩き出そうとしたところイッセーに呼び止められた

 

イ「ゼットは協力しないのかよ!」

 

ゼツ「俺はそこまで人間辞めてないんだが!?確かにアミル・ガウルを使えば速く走ったりはできるがこんな街中で剣を振り回すなんてできないだろ?」

 

匙「言われてみれば確かにそうだな」

 

ゼツ「わかってくれたか。それじゃあな」

 

今度こそ家に向かう。途中でなんか叫び声が聞こえたが何だったのだろうか?




次回、コカビエル戦開幕!(`・ω・´)
・・・無理ゲー枠だけどどうするべきか(´・ω・`)


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コカビエル戦 直前

お気に入りしてくださった方が170人を超えました!
皆さまありがとうございます。

今回はセリフが多いので注意してください・・・・・・いつも多いか


【三人称side】

 

?「教会から2本のエクスカリバーが来たか。予想通りだな」

 

バ「はい。これでより完全なものに近づくでしょう」

 

廃れた教会。その中でアジトであるここに戻ってきたバルパーとフリードは上司と言葉を交わしていた。その上司の背からは5対の黒い翼をを持つ堕天使、コカビエル

 

コ「ならばすぐにでも悪魔どもに宣戦布告するぞ」

 

バ「なぜです?完全に集めてからでも遅くはないんじゃないですか?」

 

バルパーにはコカビエルがなぜ焦っているかわからなかった。自分としては完全なエクスカリバーにしたいという思いもあったため、素直に従うことができずにいた

 

コ「青龍に気づかれないうちにすべて終わらせたいからだ。今は近くにいない様だからな」

 

フ「はっ!こんな端っこの青い蜥蜴なんて俺っちがこのエクスカリバーで斬り刻んでやるって。心配し過ぎじゃないんですかねぇ?」

 

コ「・・・はっきり言おう。青龍が本気を出したら我々が束になっても勝つことは不可能だ」

 

コカビエルの言葉に部下である2人は驚いた。5対の翼を持つ、神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部であるコカビエルが勝てないといったからだ

 

フ「嘘っしょ。こんな極東に住む分際で・・・」

 

コ「ならばお前は白龍皇に無傷で勝てるのか?我には無理だ」

 

2人はコカビエルの言う言葉を信じられなかった。かつて、神と4人の魔王がその命をかけて封印した2天龍の片割れ。神滅具である白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の持ち主に勝ったということを

 

コ「ここも奴の、奴らの土地だ。気づかれたら一瞬で飛んでくるぞ」

 

コカビエルの言葉が切れると同時に扉が開かれる音が聞こえた。足音からして3人。フリードとバルパーには自分たちを追いかけてきた奴らだとすぐにわかった

 

フ「お客さんが来たようですぜぇ?」

 

バ「ふっ、ちょうどいい。奴らの土産を受け取ろうではないか」

 

 

 

 

【ゼットside】

 

玄関からドンドンとドアを叩く音がしチャイムが鳴り響く。急いで玄関のドアを開けるとそこには傷だらけのイリナさんと彼女を背負っているゼノヴィアがいた

 

ゼツ「一体どうしたんだ!?」

 

ゼノ「イリナを頼む。擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)も奪われてしまった今はもう時間がない!」

 

ゼツ「お前も入れ!そんな傷もふさがないでどうするつもりだ!」

 

イリナ程ではないがゼノヴィアも戦闘でできたであろう傷を負っていた。このまま送り出せばすぐに動けなくなるのは目に見えている。俺は無理矢理家の中に入れ、ソファに座らせると傷の手当てを始めた

 

ゼツ「それで、何があったんだ?」

 

ゼノ「バイパーを追ってアジトまで行ったんだが返り討ちにあってな」

 

 

~~~~~回想~~~~~

 

【ゼノヴィアside】

 

ゼノ「クッ!」

 

祐「これほどとは!」

 

コ「つまらんな。所詮はこの程度か」

 

フリードとバルパーを追った先は廃れた教会だった。イリナと勝ってについて来たグレモリーの騎士とともに奴らのアジトに踏み込んだが、コカビエルの圧倒的な力の前に私たちはボロボロになっていた

 

コ「まずは貴様のエクスカリバーからいただこうか」

 

イリ「コカ・・・ビエ・・・ル」

 

ゼノ「イリナ!!」

 

コカビエルの攻撃でイリナは吹き飛ばされ、そのまま力尽きてしまった。イリナが手放してした擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)を拾い上げたコカビエルはそれをバルパーに投げ渡した

 

バ「クックックッ・・・手にいれたぞ擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)!」

 

コ「残りのもう一本ももらうとしよう。故に、ここまで運んでくれた貴様らに用はない!」

 

コカビエルが巨大な光の槍を出現させ投擲の構えを取った。あれを避けるほどの力は今の私たちには残っていない

 

祐「っく」

 

いつの間に拾っていたのだろうか。グレモリーの騎士はは教会内に転がっていた手りゅう弾を投げた。おそらくフリードのものだったであろうそれは眩い閃光を発した。その間に私ははイリナを背負い、教会から脱出した

 

~~~~~回想~~~~~

 

ゼノ「・・・というわけだ。手当てしてくれて助かった」

 

俺はゼノヴィアに包帯を巻き終えると治療箱のふたを閉めた

 

ゼツ「それで、これからどうするんだ?」

 

ゼノ「もちろん、コカビエルを倒しに行く

 

ゼツ「・・・3人がかりでも手も足も出なかった相手にか?」

 

ゼノ「ああ。最悪刺し違えてでも倒すつもりだ」

 

・・・教会っていうのはここまでさせるのか。死んだら元も子もないんだぞ。それにゼノヴィアの持つエクスカリバーも奪われるってことを考えていない

 

ゼツ「そんな体で無茶だ!勝てるわけないだろう!」

 

ゼノ「エクスカリバーを奪われたなどどう報告すればいいんだ!無茶でもやるしかないんだ!」

 

ゼノヴィアの腕をつかみ出ていくのを何とか止める。振り払おうと腕を振ったが離すわけにはいかなかった

 

ゼツ「なら俺も連れていけ。戦力は一人でも多いほうがいいだろ?」

 

ゼノ「・・・・・・わかった。本来ならば一般人の君には来てほしくはないが、今は一人でも戦力が欲しい。だが、無茶はしないでくれ」

 

ゼツ「わかってる」

 

しばらく悩んだが、どうにか許可してくれたみたいだ。家を出た俺はゼノヴィアの先導のもとある場所に着いた。その場所は

 

ゼツ「学校・・・だと・・・」

 

駒王学園だった。校門の前には部長、朱乃先輩、イッセー、アーシアのオカ研のみんなと生徒会長や匙たちの生徒会メンバーがいた。

 

ソ「リアス。学園は大きな結界で覆ってます。これでよほどのことがない限り外に被害は出ません」

 

合流した俺たちは部長たちから事情を聴くとコカビエルが宣戦布告したらしい。生徒会長は生徒会が結界を張り続け被害を最小限にし、オカ研がコカビエル達と戦うとのことだ。確かにこれが正解だと思う。匙以外の実力や能力はさっぱりわからないが、10秒ごとに力を倍加するイッセーに消滅の魔力を持つ部長という攻撃的な能力がいるんだ、これらを防御に回すのはもったいない

 

朱「リアス」

 

リ「何かしら?」

 

朱「魔王様には連絡を入れましたか?」

 

朱「いいえ、ここは私の管轄で起こった事よ。入れてないわ」

 

朱乃さんが部長に進言するが、部長は首を横には振った

 

リ「お兄様の手を煩わせたくは「リアス!」っ!」

 

朱「あなたがサーゼクスさまにご迷惑をおかけしたくないのはわかります。けれど、相手の実力を見誤ってはなりません。コカビエルは私の父と同じ堕天使の幹部。はっきり言って私たちで解決できるレベルを超えています」

 

朱乃さんの説得により、部長は折れた。

 

リ「できる限りはやく来るよう言っていたけど・・・どれくらいで来るかは分からないわ」

 

対処できる人物(?)がいつ来るかわからない状態で時間稼ぎをしなければならないのか。かなりキツイな・・・ちょっと待て。俺たちはこの事態に対応できる人物を知っているじゃないか!

 

ゼツ「誰か東雲姉妹の連絡先知ってないか?」

 

みんな首を横に振った。ダメか・・・

 

イ「どうしたんだ急に?」

 

ゼツ「蒼枒さんに頼めないかと思ったんだが・・・」

 

その言葉にイッセーはちょっと顔を引きつらせてた。まぁ殺されかけてたしな

 

リ「ゼット。無関係な人を巻き込むのは良くないわ」

 

ゼツ「だけどコカビエルは俺たちの手には負えない相手ですよね。なら、相手をできる人を呼ぶのは間違いじゃないと思いますが」

 

祐「確かに蒼枒さんなら可能かもしれないね」

 

どこからともなく祐斗が現れた

 

ゼノ「グレモリーの騎士か。今までどこに!?」

 

祐「傷の手当てをしてただけさ。それよりも蒼枒さんを呼ぶのかい?」

 

朱「いいえ。確かに彼ならばコカビエルを抑え込むことは十分可能ですわ。父も試合をして負けたといってましたし。しかし誰も連絡を・・・!」

 

朱乃さんが何かに気づいたようだ。

 

朱「そうですわ!母が青山龍神宮にいます!」

 

そう言うと朱乃さんはスマフォを取り出し、電話をかけた

 

リ「ちょっと待って。朱乃、いつの間にあなたの父と仲良くなったの!?あんなに嫌っていたのに」

ゼノ「その蒼枒という堕天使の幹部を下すほどの人物とは一体何者だ!?」

 

ああそっか。部長はあの婚約騒動で知らなかったのか。

 

ゼツ「ゼノヴィアも部長も。後でいいだろう?今はそれどころじゃない」

 

俺の言葉に渋々ながらうなずいてくれた

 

朱「終わりました」

 

ゼツ「どうでした?」

 

朱「母には伝えましたわ。あとは母の上司から蒼枒さんまで伝えられるはずです」

 

だがいつ来るかはわからない。できれば早く来てほしいところだが

 

リ「いい皆。私たちは魔王様が来るまでの時間稼ぎ。無茶はしないこと」

 

イ・ア・朱「「はい!」」」

 

眷属の中で唯一、である祐斗は部長の言葉に反応しなかった。そして俺たちは正面から堂々と入り込んだ。

 

 

 

 

【葉月side】

 

神様からの依頼が届いたのは、白音と修行をしてる時でした。その内容は

 

葉「町の崩壊・・・」

 

依頼書の中身は駒王町に術式が敷かれ、発動すると町が崩壊するというものでした。もしそうなれば地脈の流れにも影響がでてしまいます

 

白「葉月、どうしました?」

 

葉「白音はこれを読んでください。私はお兄様に連絡を取ります」

 

依頼書を白音に押し付けると急いでお兄様に電話をかけました。

 

葉「お兄様!今どこですか?」

 

蒼「今は新幹線の中だが、どうした?」

 

新幹線・・・こんな時に

 

葉「町に術式が敷かれているようです。起動すれば町は崩壊すると」

 

蒼「ああ、俺も楓から聞いた。あと十分ぐらいで新幹線から降りれるが・・・葉月たちには先に行って術式の破壊、出来なければ俺が来るまでの時間稼ぎをしてもらいたい」

 

葉「わかりました。白音と一緒に向かいます」

 

蒼「頼んだぞ」

 

電話を切り、白音に向き直ると依頼書を読み終えた白音が待っていました

 

葉「白音。わかってますね」

 

白「もちろんです。急ぎましょう」

 

私たちは転移陣を作り出しました。いつも通りこれでいきます。それにしてもお兄様の直属の部下である楓さんも知っていたようですが、一体誰が楓さんに伝えたのでしょうか。




というわけでコカビエルに時間制限が付きました。
少しは戦いに入りたかったのですがキリがいいので今回はここまで

それにしてももう少しで正月かー。神社だから書かなきゃならないよな。ネタないけど(´・ω・`)


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コカビエル戦 前編

また評価してくださった方がいました。ありがとうございます
・・・・・・欲を言えば評価は上がってほしいけど無理かなぁ(´・ω・`)



【ゼットside】

 

俺たちは学園全体張られている結界を通り校庭に足を踏み入れた。そこでは校庭全体に魔方陣が描かれその中心に四本のエクスカリバーとバルパーとフリードがいた

 

コ「バルパー、後どれくらいかかる?」

 

声をしたほうに視線を向けると、空中に浮かんでいる堕天使がいた

 

バ「5分も掛からんよ」

 

コ「そうか・・・さて、よく来たな。サーゼクスは来るのか?それともセラフォルーか?」

 

リ」「お兄様の変わりに私たちが相手よ!」

 

ドォォォオオオオオオオオンッ!

 

部長が問いに対して返した瞬間爆音が辺り一帯に爆風とともに広がった。爆風の先には体育館があったはずだがなくなっていた。

 

コ「つまらん。がまあいい。貴様らを殺せば奴らもやってくるだろう」

 

そう言ってコカビエルが指を鳴らすと闇夜の奥から三つ首の犬が現れた。

 

ゼツ「ケルベロス!?」

 

イ「ゼット!知っているのか!?」

 

ゼ「いろんな作品に出てきてるし、地獄の番犬として有名だろ!」

 

イ「そう言われればそうだな」

 

疑問に思うほどのことじゃないだろイッセー・・・お前の持ってるゲームにも登場しているはずだし

 

リ「ケルベロスは地獄の番犬の異名を持つ生物なの本来なら地獄・・・冥界へ続く門の周辺に住んでいるんだけどまさか人間界に連れてくるなんて・・・」

 

イ「ヤバいんですか?」

 

リ「やるしかないわ。イッセーはサポートよ。私たちが相手するから」

 

イ「了解です!!」

 

イッセーはブーステッド・ギアを出し倍加を始めた。・・・先にやっておけよ。気付かなかった俺が言うのもなんだけどさ

 

ケ「そんな余裕があるのかねぇ。コカビエル・・・この程度の相手をするのに私に依頼したのかい?」

 

コ「いいや本命は別だ。ウォーミングアップとでも思ってもらえばいい」

 

しゃべった!?ケルベロスって話せるのか!?

 

ケ「まあいいさ。金は払われてるんだ。その分の仕事はするさ」

 

コ「こいつはマザーケルベロス。全てのケルベロスの母だ。貴様らごときが勝てる相手ではないぞ」

 

そういってコカビエルは二本の剣を手に持った。光剣ではないのか?

 

コ「貴様らの首は見せしめに必要だ。光剣が使えないのは面倒だが貴様らごときはこれでも十分だ」

 

こちらに突撃してくるコカビエルだが視界の端に地面に踏ん張っているケルベロスが映った。3つの口からはチラチラと炎が漏れていた

 

ゼツ「避けろぁ!!!」

 

叫んだ瞬間ケルベロスから巨大な炎が放たれた。俺たちはそれぞれ左右に避けたが吐き出された炎は学園を覆っている結界をゆがませた

 

リ「なんて威力なの」

 

コ「余所見とは余裕だな。グレモリー」

 

ゼツ「それはお前だ!コカビエル」

 

コ「チッ!」

 

コカビエルの狙いは予想通り部長か。俺は部長の前を遮るように斬撃を放った。狙いがわかっているならまだ対処はできる

 

リ「ゼット!」

 

ゼツ「部長たちはケルベロスの方を頼みます!」

 

朱「無謀です!私たち全員でも相手になるか「だからと言ってケルベロスも放置もできないだろ!悪魔は光の攻撃で掠っただけでも動けなくなる!俺ならば光の攻撃で当たり所が悪くなければ死にはしない!ゼノヴィア!手伝ってくれ!」

 

ゼノ「待ってくれ!エクスカリバーは「祐斗が行った!聖剣も悪魔にとって致命的だが流石に堕天使幹部を一人で相手できるなんて甘い考えは持ってない!!」

 

斬撃を防いだコカビエルに対して上段から斬りかかる。当然のごとく防がれ残ったもう片方の剣が迫るがゼノヴィアの破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)がその力で破壊した

 

ゼノ「全く。堕天使相手に1人で向かうなんて。もしかしなくても今ので死んでいたかもしれないぞ」

 

ゼツ「信頼していたからな。そもそもが無謀な戦いだろ?」

 

ゼノ「違いない」

 

俺とゼノヴィアが剣を構える中、コカビエルは折れた剣を見ていた

 

コ「グレモリーでなければこんなものを使う必要はないな」

 

と無事な剣を投げ捨て、光剣を出した

 

コ「あまり時間はかけてはいられないからな。手加減はしないぞ」

 

そう言ってコカビエルは俺たちに向かって突撃してきた。さて、どれほど粘れるか

 

 

 

【三人称視点】

 

ゼットとゼノヴィアがコカビエルの相手をしている間、イッセー、リアス、朱乃、アーシアはマザーケルベロスと戦っていた

 

リ「くっ。なんて力なの」

 

朱「流石はすべてのケルベロスの母なだけありますわ」

 

リアスは消滅の魔力、朱乃は雷を放つもすべて避けられ、接近される。ケルベロスはその爪を振りかぶりリアスを引き裂こうとするが

 

イ「させるか!」

 

イッセーは迫る爪を赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)で防ぐが相手は高さだけでも人の2・3倍はあろう巨大な3つ首の犬。その力の前にイッセーは飛ばされてしまう

 

イ「ぐっ、この」

 

ア「イッセーさん!」

 

籠手で防ぎきれなかったのであろうイッセーの身体からは爪が刺さったような跡がありそこから血が流れ出ていた。アーシアはすぐさま駆け寄り聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)による回復を行う。その間、ケルベロスに牽制を行っていたリアスと朱乃だが、ケルベロスは的確に避け朱乃へと突進した

 

朱「きゃぁああああ」

 

リ・イ・ア「朱乃(先輩)!」

 

ケ「よそ見してる暇はないよ!」

 

ケルベロスは蛇となっている尻尾で辺りを薙ぎ払った。それはリアスのみならず回復していたイッセーとアーシアをも巻き込んだ

 

リ・ア「きゃああああああ」

 

イ「うぉあああああああああ」

 

ケ「情けない。この程度ウォーミングアップにもなりゃしない」

 

そう言ってケルベロスは首を上げた。狙うは倒れている悪魔たち。3方向にバラバラ分かれているが3つ首を持つケルベロスからしたら何の問題もない。首を下げると口からそれぞれ別のものを吐き出した。左の頭は雷を朱乃に向かって、真ん中は炎をイッセーとアーシアに、右は雪や氷が混じる冷気をリアスに向かって吐き出した

 

リ「まずいわ!」

 

先ほどと違い広く放たれた攻撃は横に避けるだけでは回避できない

 

朱「まだ完全ではないですがこれしかありません」

 

イ「くそっ。まだ倍加が終わってないのに」

 

体勢を立て直したそれぞれは向かってくるものに対し全力をぶつけた。朱乃は堕天使としての力を開放。雷に光力を上乗せして放ち、イッセーは今ある倍加をすべて使いドラゴンショットを放った。リアスも巨大な消滅の魔力を放ったが

 

リ「そんな・・・」

 

イ「嘘・・・だろ・・・」

 

相殺するだけで精いっぱいだった。技を放った3人の消耗は大きく、すぐにうごけるものはいない。この中で一番ダメージの軽いのはアーシアだが、アーシアではケルベロスを倒すすべを持っておらず、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)では体力を元に戻すことはできない。まさに絶体絶命。

 

バ「完成だ!4本のエクスカリバーが一本になる」

 

4人がそう感じたときバルパーの声が響いた。バルパーのほうを向くと4本のエクスカリバーがあり得ないほどに光を発していた。その光にコカビエルは下がり、ケルベロスも命じられ下がった。4本のエクスカリバーが重なり光が収まると、青白いオーラを放つ一本の聖剣になっていた。

 

バ「エクスカリバーが1本になった光で、下の術式も完成した。あと20分もしないうちにこの町が崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしかない」

 

コ「(何余計なことをしてくれている!あいつ俺の話を聞いていなかったのか!?俺は日本神話に喧嘩を売ろうなんて考えてないぞ!)」

 

バ「フリード!」

 

フ「ハイよ!」

 

それまで光剣で祐斗の相手をしていたフリードがバルパーの隣まで下がった

 

バ「エクスカリバーを使って戦ってみろ余興だ」

 

フ「了解!人使いが荒いな全く」

 

フリードはエクスカリバーを手にし、それを自分の手になじませるように振るった

 

フ「フン、フン、フン。いいかんじだねぇ」

 

祐「・・・バルパー・ガリレイ。僕は聖剣計画の生き残りだ」

 

バ「ほう、数奇なものだな。お前達のお陰で私の研究は完成したよ」

 

祐「完成だと?僕達は処分された筈だ!」

 

バ「聖剣を使うのに因子が必要でな、被験者たちはそれぞれ微量な因子を持っていた。私は因子だけを取り出せないかと思ってね」

 

祐「ッ!!同志たちを殺して因子を抜いたのか!!」

 

祐斗が殺気を込めた目でバルパーを睨む、が

 

バ「そうだ。そしてこれがその時の因子だ。貴様にくれてやろう。こんなものはもはや無用の長物だ」

 

バルパーは因子を祐斗に投げた

 

祐「・・・・皆」

 

祐斗は屈みそれを手に取り哀しそうに、愛しそうに、懐かしそうに、その結晶を撫でていた。

祐斗の目からは涙がこぼれ結晶に落ちると、結晶が淡い光を発し始めた。そしてその光は各所からポツポツと浮いてきて人の形となった。

 

祐「・・・皆ッ!!僕は!」

 

少年少女たちは何者か誰でも分かる・・・処分された者達だ。

 

祐「ずっと思ってたんだ!!僕だけが幸せになっていいか!僕より生きたかった子がいるんじゃなかったか!だから!」

 

霊魂の少年が祐斗に何かを伝え、祐斗は涙を流した。

 

ア「聖歌」

 

アーシアはそうつぶやいた。彼らは歌ってる・・・。木場も涙を流しながら、聖歌を口ずさみだした。本来は悪魔にとって害にしかならないはずの聖歌が今この時だけは祐斗を優しく包み込んでいた。彼らの魂が青白い輝きを放ち、その光が木場を中心に眩しくなっていく。

 

『僕らは、一人ではダメだった」

 

『私たちは聖剣を扱える因子が足りなかった。けど』

 

『皆が集まれば、きっとだいじょうぶ』

 

『聖剣を受け入れるんだ』

 

『怖くなんてない』

 

『たとえ、神がいなくても』

 

『神が見てなくても』

 

『僕たちの心はいつだって』

 

祐「ひとつだ」

 

彼らの魂は大きな光となってやさしく神々しい光が木場を包み込んだ。

 

コ「ほう」

 

ケ「あの坊やは至ったんだねぇ」

 

祐斗の手元に神々しいオーラと禍々しいオーラの纏った剣が出てきた。

 

祐「禁手!『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー))』受けてみろ!!」

 

フ「禁手したからってエクスカリバーのほうが上なんだぜぇ!クソ悪魔ァァァ!!」

 

フリードがエクスカリバーを振るうが、祐斗は受け止めて弾き返した。

 

フ「ッ!!本家を凌駕するのかよ!その駄剣!!」

 

祐斗とフリードは互角だった。だがそこにフリード目がけて細身の槍が暴風を纏って迫った

 

フ「ちぃ。この槍は!」

 

フリードが向ける視線の先には槍を投げたであろう姿のゼットがいた

 

フ「邪魔してんじゃねぇぞクソガキャァァアア!!!」

 

フリードは無防備なゼットに向かおうとするもゼットの表情は変わらなかった。

 

ゼノ「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシオス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」

 

かろうじて聞こえた女の声

 

ゼノ「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。デュランダル!」

 

今度ははっきり聞こえた声にフリードはエクスカリバーを縦に構えた。その瞬間強い衝撃がエクスカリバーを襲い、フリードは体制を保ちながらも数メートル吹き飛んだ

 

バ「貴様!エクスカリバーの使い手じゃなかったのか!?」

 

ゼノ「残念。私はもともと聖剣デュランダルの使い手だ。エクスカリバーの使い手も兼任していたにすぎない」

 

エクスカリバーとの二刀流。フリードを襲った衝撃は片方ずつに聖剣を持った状態で横薙ぎに斬ったためだ

 

バ「バカな!私の研究ではデュランダルを扱える領域まで達していないぞ!?」

 

ゼノ「それはそうだろう。私は人工聖剣使いと違って数少ない天然ものだ」

 

フ「そんなのアリですかぁぁぁ!?」

 

祐「隙だらけだよ」

 

フリードは双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)をエクスカリバーで受け止めようとするが

 

バキィィィン

 

儚い金属音が鳴り響く。聖剣エクスカリバーが砕け散った。

 

祐「見ててくれたかい?僕らの力は、エクスカリバーを越えたよ」

 

祐斗は天を仰いだ。

 

バ「あ、ありえん。聖魔剣だと?聖と魔が反発し合う力が1つになるなんて。ありえん」

 

祐「バルパー・ガリレイ覚悟を決めてもらおう!」

 

祐斗はバルパーに言うが、バルパーはブツブツ独り言を言うだけで祐斗に気づかない。

 

バ「・・・そうか!分かったぞ!!聖と魔。それらを司るバランスが大きく崩れているなら説明がつく!!つまり魔王だけでもなく神も・・・ゴハッ!?」

 

「「「「「「え?」」」」」」

 

ケルベロスを含め何が起きたか分からなかった。唯一理解しているのはバルパーの胸に光の槍が突き刺さしたコカビエルただ一人

 

コ「バルパーお前は優秀だったよ。そこに思考が至ったのも優れているがゆえだろうな。だが、俺はお前がいなくても別にいいんだ。最初から一人でやれる。」

 

コカビエルは死んだバルパーの遺体を蹴り飛ばした

 

バ「全く余計なことをしてくれたな・・・それにしてもお前らもよくやるな?仕えるべき主をなくしてまで」

 

ゼノ「「何だと!? いったいどういう事だ!」

 

コ「何・・・先の大戦で神はすでに死んでいるというのに・・・お前はいったい何を信仰しているのだと言っているんだ!」

 

ゼノ「う、嘘だ・・・」

 

バ「知らなくても当然だ。神が死んだなどと、誰が言える?この真相を知っているのはトップと一部の者たちだけだ。だが証拠ならあるぞ。そこにいる聖魔剣使いがその証拠だ。本来聖と魔が混じり合う事はあり得ない・・・神がいればそんな事は起きないんだよ。」

 

ア「そんな・・・なら神の愛はいったいどこに・・・」

ゼノ「私は・・・私は・・いったい何を信じていたんだ・・・」

 

イ「アーシア!アーシア!」

ゼツ「ゼノヴィア!しっかりしろ!」

 

コカビエルの言葉にアーシアとゼノヴィアが崩れ落ちた。悪魔になってからも信仰を忘れなかったアーシアと教会出身のゼノヴィア。神の不在は彼女達の心に大きく傷つけた。

 

コ「もう生きる意味もないだろう。せめてもの情けだ。死んだ神の下に送ってやろう」

 

コカビエルは2本の槍を作り出し、それぞれをアーシアとゼノヴィアに向かって投げた。心に傷を負った彼女たちは動くことができなかった

 

イ「させるか!!!」

 

イッセーは崩れ落ちるアーシアの楯になるように前に出た。もう一度溜めた倍加を使い、迫りくる槍を篭手ではじいた。だが

 

ゼツ「・・・・ぐふっ」

 

ゼノ「・・・え?」

 

膝をついているゼノヴィアに生暖かい何かが降りかかった。彼女は顔を上げると左胸を貫かれているゼットの姿があった

 

ゼノ「絶斗・・・絶斗ぉぉーーー!!!」

 

ゼットの手からはアミル・ガウルが零れ落ち、身体はゼノヴィアを巻き込むように倒れた




予定通り主人公が死にました。問題ないですけどね
それとコカビエルは天使・悪魔とは戦争したいと思ていますが日本神話とは戦おうとは思っていません。勝てないことわかってますし


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コカビエル戦 中編

久し振りの本編投稿!

ここに登場するケルベロスは原作と違いコカビエルのペットではありません。

マザーケルベロス
所属:ギリシャ神話
コカビエルの依頼によって参加。本体ではなく分身体なため、全力の3割程度しか持っない


【葉月side】

 

白「見えました!駒王学園です」

 

葉「やっと着きました。結構掛かりましたね」

 

お兄様に連絡を入れてから5分が経ったでしょうか?直接駒王町に転移できなかったため隣町から走ることになりました。まさか転移が封じられていたとは思いませんでした。レイナーレさんの知り合いが近くに住んでいなければ町二つ分を走ることになったことでしょう。

 

白「結界が張られてますね。破壊しますか?」

 

葉「いえ、それはやめましょう。せっかく戦闘の余波が周りに出ないようにしているのですから私たちも利用しましょう」

 

気配から生徒会長とその眷属って所でしょう。学園を取り囲むように配置されてます。今見つかるのは面倒なので気配を消しつつ結界に穴をあけてそこから入ります

 

葉「戦闘は校庭で起きているようです。回り込むのは面倒なので校舎を飛び越えていきます」

 

白「了解です」

 

私たちは地面を蹴り屋上に上がり、見えたのは黒一色の堕天使が何かを何かを投げている姿でした。校庭の方に近づき見下ろすと、光の槍に貫かれているゼット先輩の姿がありました

 

葉「ゼット先輩が」

 

白「あれはもう助かりませんね」

 

左胸を貫かれているので助かる見込みはないでしょう。ここに来たってことは死ぬ覚悟もあると思いますし

 

葉「先輩のことは後回しです。今は町の術式を何とかしなくては」

 

白「きっとあの堕天使が原因ですね。町を崩壊させるわけにはいきません」

 

葉「では私はあの堕天使をやりますので白音は」

 

白「私はケルベロスをやります。負けることはないと思いますが気をつけてくださいね」

 

葉「白音こそ」

 

白音は屋上からケルベロスに向かって飛び降りるました。私は薙刀を取り出し、2体の水竜を呼び出します。ですが同じ形だと芸がないですね。片方はお兄様みたいな龍にしてみましょうか。後はできるだけ近づいて

 

コ「人間如きが俺の槍を防げると思っていたか。フハハハハハぬおっ!!?」

 

予想よりも反応が速かったですね。片翼は持っていきたかったのですが3枚しか斬りませんでした

 

コ「うおっ!くっ!貴様ぁ!何者だ!!」

 

葉「まだです」

 

巨大な水の槍は避けられてしまいましたがまだ水の竜と龍が残っています。2体は大量の水を堕天使に向かって交わるように勢いよく吐き出しましたが光の盾を作り出して防ぎました。なので防いでいる背後から斬りかかりますが堕天使はこちらを向きながら右手に出した光の槍で薙刀を受け止めました。左手は2枚の盾を支えながらなかなか器用ですね

 

コ「なめるな!!!」

 

力まかせに弾かれましたが、私も翼を出して宙にとどまります。

 

コ「貴様ぁ!よくも俺の羽を。下等な悪魔風情が!!!」

 

葉「違いますよ」

 

悪魔みたいな翼は持ってますがあんな奴らと同じにしないでください。・・・お母様とレイヴェルは違いますけど

 

祐「葉月ちゃん!なんでここに!?」

 

木場先輩が翼を広げて私の横に来ました

 

葉「この町が崩壊するのを防ぐために来ました」

 

後、誰からかはわかりませんが駒王学園に来てほしいと依頼があったみたいですが誰なんでしょうか?

 

祐「なら一緒に戦「庇いながら戦うのはきついので下がってください」っ」

 

私も本気ではないですが相手もまだ全力ではないみたいです。そんな中で力のない先輩たちを庇いながら戦うのは少々無理があります

 

葉「先輩はあそこに固まっている部長たちを守ってあげてください」

 

祐「・・・わかった」

 

木場先輩は言われた通り部長たちのもとに行きました。すると目の前の堕天使が

 

コ「良かったのか?1人で。悪魔であるお前が俺の光に当たったら致命傷だぞ?」

 

葉「何言ってるんですか?」

 

たかが光で効くわけないじゃないですか。もちろん貫かれたりしたら普通にまずいですが、それは何であろうと変わりません

 

コ「まあいい。貴様は俺の翼を切り裂いてくれたからな。その礼はたっぷりさせてももらわんとな」

 

てっきり激情すると思いましたが意外と冷静ですね。やはり油断なりません。横目で白音を見ると左腕から血がしたたり落ち、対峙するケルベロスは左の頭が潰れてました。あのケルベロスもただものではないですね

 

 

【白音side】

 

ケ「まさか頭の一つを潰されるなんて思わなかったよ」

 

白「そちらこそ。もう少しで片腕を持ってかれるところでした」

 

ズキズキと痛む左腕からは血が流れ落ち、ほとんど動きません。おそらく骨も折れているでしょう。腕の中ほどから変な方向に曲がっています。

 

イ「白音ちゃん!アーシアに治療をしてもらわないと!」

 

白「必要ありません」

 

妖力を集中させ腕を再生させていきます。パキパキと音を立てながら骨が治っていき、傷ひとつない腕に戻りました

 

朱「傷が・・・治りましたわ」

 

イ「なんでだ!あれだけボロボロだったのに!?」

 

白「妖怪を甘く見ないでください」

 

たかが腕の1本や2本、すぐに再生できます。3代目総大将は半身を失っても再生してましたし妖怪の再生力侮ってもらっては困ります

 

ケ「やっぱりいいわね、その再生力。悪魔や堕天使じゃ考えられないからね」

 

白「あなたもすればいいじゃないですか。その程度の力は残っているでしょう?」

 

ケ「力は3割程度しか持ってきてないし使いきりさ。あんた程の相手に無駄遣いは出来ないからね」

 

流石はマザーケルベロスですね。挑発には乗ってくれませんか

 

ケ「あっちにいる青龍の娘の助けに行かなくていいのかい?何やら苦戦しているようだけど」

 

白「心配ないです」

 

確かに堕天使相手に攻めきれてないですがそれは学園の被害を考えてのことです。お姉様や銀杏(いちょう)さんがいたならばもっと広範囲の術を大々的に使っていたことでしょう。それに辺りが濡れているところを見ると水しか使っていないようです。本来ならば水を中心に火や金に変えて戦うはずですし、本来は後衛なはずの葉月が接近戦ばかり仕掛けています。

 

白「あなたを倒してからでも遅くはないです」

 

ケ「ならやって見なさい。私も報酬分は働かないといけないからね!」

 

私が構えをとるとマザーケルベロスも姿勢を低くし牙を向けてきました。空から光の槍が落ち、地面に刺さると同時に地面を蹴りました。ケルベロスの振りかざした爪と拳が交わり、弾かれるとすぐに足元に障壁を展開。障壁を足場に噛みついてきたケルベロスを避け、懐に入ると掌底で仰け反らせ、鉄山靠、回し蹴りを放ちケルベロスが大きく仰け反ります

 

ケ「まだだよ!」

 

追撃をかけようと踏み込んだところに尻尾の蛇が待ち受け、私を飲み込もうと口を開けて迫ってきます。

 

白「ッ・・・」

 

両手で顎を抑え、閉じないように抵抗しますが

 

ケ「動きが止まってるよ!」

 

立ち直った本体が動けない私に向かって牙を向けてきました。ならば

 

ケル「何!?」

 

私は蛇を本体向けて流し、開けられた口の中に尻尾を放り込み

 

ケル「ぎゃぅぅぅぅ」

 

下あごを蹴り上げて顎を無理矢理閉じせます。かまれた尻尾はのたうち回ってますが、尻尾の蛇動かなくなってました。これで振り回す程度しか使えなくなりましたが、まだあの範囲は面倒ですね。何とか引きちぎりたいものです

 

 

 

【三人称side】

 

時は少し遡る・・・

 

ゼノ「絶斗・・・絶斗ぉぉーーー!!!」

 

カランと音を立てアミル・ガウルが地面に落ちると絶斗の身体は崩れ落ちていたゼノヴィアを巻き込む形で倒れた

 

イ・リ「ゼット!!!」

祐・ア「ゼット君(さん)!」

 

ゼノ「何故・・・どうして・・・」

 

ゼノヴィアは何とか上半身を起こした。槍は消えていたが、穴の開いた胸からは大量の血が流れゼノヴィアと地面を赤く染めていた。アーシアが急いでゼットに聖母の抱擁(トワイライトマザー・ヒーリング)を使うが

 

ア「駄目です。傷がふさがりません」

 

リ「そんな・・・」

 

生きていればどんな重傷でも完治させるが聖母の抱擁(トワイライトマザー・ヒーリング)では死んだものを生き返らせることはできない

 

イ「くっそぉぉぉ!よくもゼットを!!!」

 

コ「人間如きが俺の槍を防げると思っていたか。フハハハハハぬおっ!!?」

 

コカビエルが高笑いをする背後から水色の着物を着た少女が薙刀を振い、コアビエルの片翼が3枚切り裂いた。少女の攻撃はそれで終わらず、水の渦巻く大きな槍を2本出現させると、コカビエル目がけて発射させた。

 

イ「葉月ちゃん!?何故ここに?」

 

コ「うおっ!くっ!貴様ぁ!何者だ!!」

 

葉「まだです」

 

オカ研の全員が葉月の登場に驚く中、葉月の呼び出した2体の水竜から大量の水が吐き出されコカビエルの動きを封じこめる。それを見た朱乃は

 

朱「リアス!今の内ですわ!」

 

リ「え?な、何?」

 

リアスを含めたオカ研のほとんどが悲しむ中、1人だけ冷静に対処を考えていたものがいた。朱乃はゼットを中心に結界を張るとリアスに指示を出した

 

朱「悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使って転生させるのですわ!助ける方法はそれ以外ありません!」

 

リ「だけどまだケルベロスが・・・」

 

イ「部長!白音ちゃんが!」

 

どこからか飛び降りてきたであろう白音がマザーケルベロスの背中に蹴りを浴びせると、マザーケルベロスはくの字に曲がり、倒れた、だが、すぐに立ち上がると白音と戦闘を始めた

 

朱「コカビエルとケルベロスの意識が私たちに向いてない今しかありません!」

 

リ「わかったわ!ゼノヴィアだったわね。貴方もいいかしら?」

 

ゼノ「だが・・・」

 

教会の人間であるゼノヴィアにとって悪魔に転生させるということは反対だ。だが

 

ゼノ「(絶斗は私が殺したようなものだ・・・)

 

死んだゼットは自分庇って死んだ。その殺してしまったという罪の意識がゼノヴィアに重くのしかかっていた。だから

 

ゼノ「・・・頼む。絶斗を生き返らせてくれ」

 

ゼノヴィアは絶斗を悪魔に転生させることを望んだ

 

リ「わかったわ。イッセーと祐斗は私たちを守ってちょうだい。場合によっては2人の援護をして」

 

イ・祐「「わかりました」」

 

リアスは懐から『騎士(ナイト)』の駒を取り出し、ゼットの身体に当てるが

 

リ「やっぱり駄目ね」

 

リアスの予想通りゼットは潜在能力値の高い者だった。剣を扱うため『騎士(ナイト)』を当てたが転生させることができなかった。残っている駒は『戦車(ルーク)』のみ。それも当てたが

 

リ「これもダメなの!?」

 

身体の中に入って行かなかった。駒価値は『騎士(ナイト)』が3、『戦車(ルーク)』が5と2も上だがそれでも転生しない。リアスは残っているもう一つの『戦車(ルーク)』も使うが

 

リ「何故!?なんで転生しないの!?」

 

駒価値を考えれば10。神滅具(ロンギヌス)である赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を持つイッセーの駒価値8を上回っているのだ。それでも転生させることができなかった

 

ゼノ「おい!絶斗は!絶斗は転生したのか!?」

 

リ「私では・・・転生させることができない」

 

ゼノ「なん・・・だと・・・」

 

悪魔に転生させる、教会を裏切ってまで決断したことが無意味に終わったからだ。ゼットを助ける方法はもうない。ゼノヴィアに絶望に陥ろうとしていたその時

 

『・・・えるか!返事をしろ!』

 

ゼノ「・・・何だ?どこから声がするんだ?」

 

どこからか声が聴こえる。声は男のもののように聞こえたがこの結界の中には男は今いない。いるのは女性だけと3本の剣のみ

 

ゼノ「・・・まさか・・・アミル・ガウルなのか?」

 

辺りを見渡すとゼットが心臓を貫かれてからも淡く光り続けているアミル・ガウルがあった

 

『そうだ!はやくこの剣を絶斗の上に置くんだ!アミル・ガウルは俺が押さえているがあまり持たない。はやくしろ!』

 

ゼノ「わ、わかった」

 

言われた通りゼノヴィアはアミル・ガウルを手に取ったゼノヴィアは横たわるゼットの上に置いた

 

『後はその2つの駒をアミル・ガウルの上に置け!』

 

ゼノ「分かった。グレモリー!」

 

リ「何?さっきから誰と話して・・・」

 

ゼノ「そんなことは後だ!そのルークを剣の上に置いてくれ」

 

リアスは真剣なゼノヴィアを見てもう一度やってみようと思った。

 

リ「分かったわ」

 

リアスは『戦車(ルーク)』の駒を2つアミル・ガウルの上に置いた。すると駒の色が抜け、透明になると身体の中に入っていった

 

 

 

 

 

 

イ「すっげぇ!」

 

宙では2体の水のドラゴンと共に葉月が、地上では白音がコカビエルとマザーケルベロス相手に戦っていた。以前に師事を受けた2人が、自分たちが手も足も出なかった相手と互角以上に渡り合っている姿を見てイッセーはそう呟いた

 

祐「確かにこれじゃ僕らは足手まといだね」

 

イ「白音ちゃんたちがこんなに強かったなんて思わなかったぜ。俺なんてギリギリ目で追えるぐらいだしな」

 

イッセーには今繰り広げられている戦いのすべてが見えているわけではない。体勢が崩れたり、衝撃を受けたりしてスピードが落ちた時のみ見えている。祐斗は見えてはいるがこれには身体の方がついていかないと感じていた。そんな2人は後ろで転生させているリアスたちを時折来る衝撃や流れ弾をから守っていた

 

イ「危なっ!?祐斗、光剣って折れるものなのか?」

 

祐「大戦のころから生きている堕天使の幹部の作り出したものだから軟なものじゃないはずだけど・・・」

 

イッセーたちは前に落ちてきた光剣の先を見て驚く。葉月とコカビエルがいる宙を見ると2体のドラゴンがコカビエルを追いかけて、薙刀と光の槍がぶつかり合っていた。

 

イ「ぐっ。なんだ?」

 

突然の衝撃と土煙が襲い掛かった。腕で顔を守り、衝撃の来た方に目を向けると地面に投げ飛ばされているケルベロスと追撃に踵落としをかけている白音の姿があった

 

朱「ちゃんと防いでください!私の結界はそこまで強いものではありませんわ」

 

イ「すみません」

 

一言謝ったイッセーは再び2つの戦いに目を向けた。宙ではいつの間にか水が炎に変わっている龍に締め付けられもがいているコカビエルがいた。

 

コ「この俺をなめるなぁ!!!」

 

コアビエルは無理矢理脱出し、葉月に向かって光の槍をいくつも投げつけた。葉月は回避するも槍たちは反転して背後から葉月に迫った

 

葉「追尾ですか。やっかいですね」

 

追尾する光の槍を近くに呼び戻した水竜を岩に変え槍を防いでいた。

地上では白音に尻尾の蛇に巻き付かれ、地面に叩き付けられていた

 

白「この程度!」

 

白音を中心に8方向に炎の刃が放出されると、絡まっていた尻尾が切り落とされた。

 

ケ「やってくれるわね」

 

ケルベロスは自身の死角へ攻撃できる手段を発たれたことに少しの焦りを感じた。残る攻撃方法は爪と頭が2つのみ。それに比べ相手は再生することにより怪我をなかったことにできる

 

ケ「(これだけ動いていても息の乱れもない。体力もまだ残っているのだろう)」

 

もう報酬分の働きはしただろうと考えたケルベロスは次で決めるようと決意したその時、空間に陣が現れた

 

ケ「!?」

コ「馬鹿な!?転移は出来なかったはずだ!」

 

コカビエルは驚いていた。バルパーが勝手に行った町を崩壊させる術式とは別に転移防止の術式を町に仕込んでいたからだ。これはグレモリー達悪魔が逃げないようにするためと、余計な援軍を呼ばれないようにするためでもあった。だが、コカビエルに作った術式を無視して陣の中から転移して来たのは

 

蒼「やれやれ。やっと着いたな」

 

長い青銀の髪をうなじでまとめ、緑色の和服を着た男と

 

黒「予定になかったことだし仕方ないにゃん」

 

結い上げられた黒髪を緑に輝く櫛で留め、黒い着物を着た美女だった

 




UAが50,000を超えました!皆様ありがとうございます

次回からはまた月曜日更新に戻りますので楽しみにしている方、待っていてください(期待にお応えできるかは不明ですが)



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コカビエル戦 後編

本編進んだのにコメントくださる方がいなかったな(´・ω・`)


【蒼枒side】

 

葉・白「お(義)兄様!お(義)姉様」

オカ研「「「「「蒼枒さん」」」」」

 

コ「青龍・・・なぜここにいる!なぜ転移してこれた!!」

 

蒼「俺たちが管理する土地で転移が使えなくなるわけないだろ?」

 

何驚いたような顔をしているんだ。地脈を管理するものとして当然のことだろう。

 

葉「すみませんお兄様。わざわざ手を借りるようなことになってしまって」

 

蒼「気にするな。それにしても葉月が攻めきれないなんて相当な腕なのか?」

 

俺たちの元に降り立った葉月はすまなそうな顔をしながら謝った。特に傷が見当たらないところを見ると無事なようだが

 

葉「いえ、私も被害が出ないようにしていたので」

 

なるほど。葉月の得意とする術は広範囲を巻き込む物が多い。黒歌のように結界を得意としているわけでもないし自身の張ったものだけでは不確定だったのだろう

 

蒼「ならここからは俺に任せてもらってもいいか?」

 

葉「はい、お願いします」

 

蒼「なら黒歌。頼んだ」

 

黒「任せるにゃん」

 

黒歌が指を数度振ると学園を覆うように結界が張られた

 

リ「まさかここまでなんて」

 

張られた結界を見て悪魔は驚いていた。元々張っていた結界の内側にも外側にも幾重にも重なり結界が張られ、校舎にも同じように張られていたからだ

 

蒼「さて、なぜこんなことをするかは知らないが、この日本で好き勝手するのは見過ごすことはできないな。この町に敷いている術式を解除してくれるのならばこちらも手を出さないが」

 

コ「ふん。術式を解除したかったら俺を気絶でもさせるか殺すことだな(まずい。解除の仕方なんて考えてなかったぞ。しかも結界まで張られている。逃げられない)

 

蒼「そうか。なら覚悟を決めるんだな」

 

コカビエル「・・・(しかも結界を張っているのは青龍の伴侶だ。もし傷つけでもしたら俺はヴァーリの二の舞に・・・/(^o^)\)」

 

過重符を張り、空間にしまっていた刀を両手に持ち、俺は無言になったコカビエルに斬りかかる。今の俺は鉄下駄こそ履いてないが過重符は20倍。さぁ、お前の力はどれほどなのか見せてもらおう

 

コ「貴様ぁ!そんな錆びだらけの刀で俺に挑むのか!?(舐めているのか!?だがこれはチャンスだ)」

 

蒼「生憎これしかなくてな。なに、心配するな。錆びる前より元からこの刀は鍛冶屋に入ったばかりの素人が作ったなまくらだ」

 

コカビエルが受け止めたこの刀は反りが無く刀身は波打って刃も厚い。さらに海水に浸っていたせいで錆びだらけ。こんなもので斬れるわけがない

 

蒼「そら、まだ片手が残っているぞ」

 

コ「貴っ様ぁ!俺は聖書にも記された堕天使!!コカビエルなんだぞぉぉ!!!(出し惜しみはなしだ!俺の全力で倒しきる)」

 

ほう、これが本気か。殺気だけなら十分だが果たして・・・

 

イ「なんだよ・・・これ?」

 

祐「体が・・・動かない」

 

リ「格が・・・違う」

 

朱「もう・・・持ちませんわ」

 

悪魔たちはコカビエルの殺気にやられた様だ。まあ、当然だな

 

黒「もう、しょうがないにゃあ」

 

黒歌がつぶやくと悪魔たちを守るように結界が張られた

 

リ「やっぱり・・・あなたはSS級はぐれ悪魔の黒歌。なんでここに?」

 

黒「悪魔じゃないにゃ!」

 

フシャー!と猫の威嚇の真似ごとをする黒歌。いつの間にか隠していた耳と尻尾も出してるしかわいいなぁ

 

葉「ああもう!すぐに着崩して。ここにはあれがいるんですよ!」

 

黒「にゃ?」

 

葉月が指さす先は変態に向けられていた

 

イ「やっぱり!あの時見た巨乳の和服美女!?」

 

リ「そうなの!?なら、蒼枒さんは黒歌を匿っていたってことになるわね」

 

朱「お母様もお父様もこのことを知っているはず。はぐれ悪魔の存在は知っているはずですのに何故・・・」

 

イ「やはり、着物の上から見ても分かる大きなおっぱい!しかも!今はその和服を着崩しているせいで見えガッ」

 

リ「イッセー!?」

 

蒼・葉「そんな目で黒歌(お義姉様)を見るな(見ないでください)!!」

 

変態が黒歌を見ていたから結界内の空気を使って剣を作って突き刺しておいた。葉月も同じことをしていたらしい

 

コ「貴様ぁ!俺を相手に余所見とはいい度胸だ(だが、おかげで準備は整った)」

 

蒼「お前の全力を見てみたいからな。はやくしたらどうだ?」

 

コ「その言葉。後悔するなよ!」

 

言い切ると同時に身体に重力がのしかかった。足場にしていた障壁が割れ、再び障壁を出すも全く支えにならない。なすすべもなく地面に墜落。グラウンドに人型の穴を空けた

 

コ「これで止めだ!」

 

コカビエルは光の剣を作り出し投げると、俺の目の前にいくつもの光の剣が迫った

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

圧倒的な余裕を見せていた蒼枒が一瞬で落とされ地面に穴を空けた。動けない状況のなか光の槍が穴に突き刺さる。その光景を見ていたオカ研のメンバーは

 

リ「嘘・・・負けた」

 

祐「蒼枒さんが・・・」

 

リアスたちが絶望に染まる中、黒歌と葉月は蒼枒にかけられている術の解析を行っていた

 

黒「対象にかかる重力を5倍にする術ねー。これはぜひ使いたいにゃ」

 

葉「ですね。効果範囲も広げられそうですし、過重符と併用すれば隕石が当てられやすくなります」

 

全く蒼枒の心配をしていない2人、それを見たリアスは思わず叫んだ

 

リ「ちょっとあなたたち!蒼枒さんが殺されたのよ!なんでそうも平気なの!?」

 

リアスには分からなかった。あの身動きが取れない状況で光の剣が投げ入れられたのだ。普通に考えて死んだと思うだろう。だが2人は

 

黒・葉「蒼枒(お兄様)があの程度で死ぬわけないにゃ(です)」

 

その信頼はどこから来るのだろうか、と思ったリアスだったが穴から人影が飛び出した。

 

蒼「中々のものだったぞ。何せ過重符を剥がすことになったからな」

 

何食わぬ顔で出てきた蒼枒。彼の身体は木で覆われ、木からは食虫植物が生えており、その口には光剣が(くわ)えられていた

 

コ「貴様!なぜそうも平気で動ける!?貴様には普段の5倍の重力が掛かっているのだぞ!」

 

蒼「たかが5倍だろ?過重符を剥がすはめになったがその程度で俺の動きを止められるとでも思っていたのか?それとも何か?動きを止めて俺を貫けばそれで終わりとでも思っていたのか?生憎と剣で貫かれたぐらいでは・・・」

 

食虫植物が剣を粉々にかみ砕いた

 

蒼「死ぬわけないけどな」

 

コカビエルはもう手の打ちようがなかった。切り札の重力操作も相手は意に返さず、光の剣も易々と止められ、傷ひとつない

 

蒼「刀は折れてしまったがな。だが代わりなど、いくらでも作り出せ・・・ん?」

 

蒼枒の目の前の空間が歪み中から1本の剣が現れた

 

コ「貴様。その剣は何だ?」

 

蒼「これか?長年探していた天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)だが?」

 

「「「「!!?」」」」

 

日本神話に登場する有名な神器がこの場にあ現れたことに、その場にいた者たちが驚きを見せた

 

葉「ようやく見つかったのですね」

 

黒「にゃ。来年からは暇になるにゃ」

 

ただ、東雲家以外を除いて

 

 

 

【白音side】

 

ケ「長い間紛失していたって聞いていたけどついに本物が見つかったのかい。今あるのは人が作ったものだからね」

 

白「そのようですね」

 

マザーケルベロスとの戦闘は長く続いてます。私は身体を再生しながら戦ってますが傷を治さないマザーケルベロスは残る2つの頭を使いながら、巧みに攻撃を避け、反撃してきます。これが長く生きているものの経験の差ですか

 

ケ「さて、あちらも終わりそうだし・・・最後にあんたの本気!見せて見な!!!」

 

マザーケルベロスは残った力をすべて使い切るようです。なら私も手加減なんてしていられません。過重符を剥がし、気も妖力もすべて解放します。そして

 

白「我が内に秘めしは朱雀の神炎。我が呼び出すは地獄の業火。炎よ、我に纏え!神獄炎纏!!!」

 

神力も開放し羽織を投げ捨てます。炎が私を包み込み、弾けると私の背には炎の羽が煌々と広がり、尻尾の付け根からは尾が生え、手と足には炎が白く輝く纏わさりました

 

ケ「それが全力かい?こちらも全力はわずかな時間しか存在できないからね・・・行くよ!」

 

マザーケルベロスはこれまでとは比べ物にならないほど早く向かってきました。しかしまだ目で見える速度です

 

ケ「ぐ、が、ご、ぎ、がぁぁぁぁぁぁ」

 

マザーケルベロスよりもさらに速く正拳を鼻先に喰らわせ、さらに全方位から連撃を与えます。反撃の隙など与えません。足を上げようとも地面に縫い付け、背に追撃を与えます

 

白「これで止めです」

 

ケ「くっ。まだだ!」

 

ケルベロスを打ち上げ地面に円陣を広げます。陣から噴き上がったのは大焦熱地獄からお借りした極々小さな炎。炎を纏う私も長時間この炎に当たっていることはできません。火山の噴火のごとく噴き上がる炎と共に跳躍した私は口から炎を出し抵抗するケルベロスを拳で貫きました。

 

ケ「・・・・・・」

 

悲鳴もなく焼き尽くされるマザーケルベロスを見届けたあと、陣を消すと同時に炎を消すと何かが駆けてくる気配を感じました

 

白「この感じ・・・マザーケルベロス」

 

ケ「正解だよ」

 

振り向くと子犬程度になったマザーケルベロス?がいました

 

白「・・・えっとマザーケルベロス・・・ですよね?」

 

ケ「そうだよ。あとこれ、投げ捨てた羽織」

 

白「あ、ありがとうございます」

 

背には私の羽織がありました。受け取り、袖を通しますが

 

白「なぜこんな姿になっているんですか?」

 

ケ「ああこの姿かい?戦闘前に作っておいた分身体さ。せっかく日本に来たんだ。日本地獄に行きたいからね」

 

白「そ、そうですか」

 

地獄・・・ですか。手続きとか必要なんですぐには行けませんよ

 

ケ「コカビエルは逃げ回っているようだし、少し待ってようか」

 

白「そうですね。では結界の上にでもいますか」

 

ケルベロスを抱きかかえ結界の上に移動しました。結界の中ではゼット先輩が転生してみたいでした。ですが不思議と悪魔の気配が感じられません。他の先輩たちは色々と驚いているようでしたが、私たちはここでお義兄様たちを待ってましょうか

 

 

 

 

時は少し戻り・・・

 

【蒼枒side】

 

蒼「なんで出てきたんだ?」

 

蒼枒が天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を握ると蒼枒に衝撃が走った。倒れそうになるも何とか耐えた蒼枒は頭を押さえた

 

蒼「い、一体何が」

 

『これは・・・なんだ・・・?』

『ん?現世とつながったか?』

『マジか!?ついに見つかったのか!?』

『ヒャッハー!久し振りの現世だ!』

 

天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)の中から直接声が発っせられ、蒼枒を襲っていた

 

蒼「まさか・・・叫喚地獄にいる八岐大蛇(やまたのおろち)様!?」

 

『おお!貴様は青龍か!』

『なるほど。それなら納得だ』

『しかもあの須佐之男命(すさのを)の弟子だろう?この剣を使うのにふさわしいのではないか?』

『確かに。力も伸びしろも十分すぎるほどあるな』

 

蒼「一体何の話だ・・・」

 

外からは蒼枒が天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を握ってから止まっているだけにしか見えないだろう。だが頭を押さえ、微動だにしていない蒼枒を見たコカビエルが動かないはずがなかった

 

コ「何が起きているかは知らないがチャンスには変わりない」

 

コカビエルは両手に剣を作り出すと蒼枒目がけて突進した。しかし、蒼枒の前に黒歌が現れると結界を張ると、コカビエルの剣は結界に弾かれた

 

黒「蒼枒!何やってるにゃ!?」

 

黒歌が呼びかけるも蒼枒に反応はなかった

 

『・・・貴様はこれで天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)の担い手になったぞ』

『ヨッシャー!!有給取ろうぜ!これで現世の漫画が読める!』

『アニメも忘れるな!』

『おまえたち仕事しろぉ!!!』

 

蒼「(何か勝手に決められたが・・・天照大神様や須佐之男命(すさのを)様にどうやって説明しようか・・・)」

 

困惑している蒼枒をよそに八岐大蛇(やまたのおろち)の声が小さくなっていく

 

蒼「ちょっと待ってください。俺の得物は刀何ですけど!?」

 

『それならば形を変えればよかろう。それぐらい容易いことだ』

 

それを最後に八岐大蛇(やまたのおろち)の声が消えた。蒼枒の手元に残っているのは両刃の直剣から刀へと姿を変えた天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)だけだった

 

蒼「・・・はぁ。大変なことになった」

 

黒「蒼枒!どうしたにゃ!?」

 

意識が戻った蒼枒は振り向いた黒歌の頭に手をき、安心させるように撫でた

 

蒼「八岐大蛇(やまたのおろち)様に天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)の担い手にされてしまった。それよりもありがとな黒歌。守ってくれて」

 

黒「私は蒼枒の妻にゃ。夫を守るのは当然のことにゃ」

 

気持ちよさそうに目を細める黒歌をよそに、結界を破れずにいたコカビエルは黒歌の分身が放っている100を超える炎の塊や風の剣に追われていた

 

黒「ほらほら。しっかり逃げないと追いつかれるにゃ」

黒「後ろばかりじゃなく前にも気をつけるにゃ」

 

コ「くっ!しつこいぞ!」

 

槍や剣で相殺しても前から上からと次から次へと迫りくる物量にコカビエルは悲鳴を上げていた。グラウンドを高速で飛び回り追尾してくる術の数々に意識を向けていたコカビエルは校庭に巨大な華が現れ、その花冠を自分に向けているに気付くのが遅れた

 

コ「何だこれは!?」

 

蒼「これはお前がくれた光の剣を喰らい、その力を増幅させたものだ。もっとも、撃つまでに時間がかかるのだが・・・お前が逃げ回っている間にすでに準備はできた」

 

コ「こんなもの射線から逃れてしまえば・・・何故だ!?体が動かん!?」

 

黒「私が結界で押さえているもの、逃げられるわけないにゃん」

 

コカビエルの腕や翼、脚を結界に閉じ込め空間に固定させた黒歌は蒼枒に抱きしめられご満悦のようだ

 

蒼「発射」

 

コ「くっそぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

華から光線が照射されコカビエルを飲み込んだ。その光は暗かった学園を煌々と照らし

 

ゼツ「・・・何だ?眩しい・・・」

 

ゼノ「絶斗!!!」

 

ゼットの意識を呼び起こした

 

蒼「気絶したか。術式も解除されているし・・・これで仕上げだな」

 

光が収まり宙から落ちてきたコカビエルは完全に意識を失い、身体は光に焼かれた。蒼枒は地面を足で小突くとコカビエルの周りに植物が生え、身動きが取れないように縛り上げた

 

蒼「これでよし。あとは一応連れて帰るか」

 

白「あ、そっちも終わりましたか」

 

鞘を作り出し、天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を収めると悪魔たちを覆っている結界の上に座る白音がいた。白い羽織の袖がなかったり、焦げたりしているが無事なようだ。隣には小さな3つ首の犬がいるが、こちらに気付くと一緒に降りてきた

 

黒「そのケルベロスはどうしたにゃ?」

 

ケ「挨拶はまだでした。初めまして次期青龍とその伴侶、そして青龍の娘。ギリシャで地獄の番犬をしているすべてのケルベロスの母、マザーケルベロスです」

 

蒼「こちらこそ、お会いするのは初めてですね。日本の龍脈を管理している東雲家、次期青龍の蒼枒です」

 

黒「蒼枒の妻、黒歌です」

 

葉「妹の葉月です。随分と小さくなりましたね?」

 

葉月も見ていたが白音と戦っていた時は高さが4mから5mはあったはず。それが今は白音に抱き上げられるほどに小さくなっていた

 

ケ「仕事はしたしね。後は日本地獄に挨拶して消えるさ。この体は分身体だしね」

 

蒼「そうですか。私も地獄に用がありますし、後日ともに参りましょう」

 

黒「蒼枒。準備で来たにゃん」

 

黒歌が結界を解き、転移陣を用意してくれる。蔦を伸ばしてコカビエルを回収し、陣の中に入ろうとするが

 

リ「ちょっと待って!」

 

悪魔に呼び止められた



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戦いの終わり 青龍と魔王の会遇

評価をしていただき、本当にありがとうございます。
これからも頑張って書いていきたいと思いますので楽しみにしてください(本当に楽しんでいただけていたら幸いです)


【三人称side】

 

リ「まさかこれほどの力の差があったなんて・・・」

 

リアスは恐怖を感じていた。ライザーとのレーティングゲームへの修行の指導をしてくれたし、今の自分たちではかなう相手ではないことも理解していた。しかし、どこか心の中で所詮は極東にいるドラゴンと妖怪。魔王様たちの敵ではない。そう思っていた。だが現実は甘く見ても最低で魔王クラスであることを知った。しかも青龍は新たに悪魔の弱点の光を得て・・・。そんな彼らは黒歌が転移陣を出現させ帰ろうとしているところだった。蒼枒の腕から伸びる(つた)の先にはコカビエルが縛り上げられている。このままではコカビエルを連れ去られてしまう。そう思ったリアスは蒼枒達に声をかけた

 

リ「ちょっと待って!」

 

蒼「・・・なんだ?」

 

リ「コカビエルを引き渡してもらえないかしら?」

 

帰ろうとしている所を呼び止められた蒼枒は不機嫌そうに答えた

 

蒼「なんでだ?」

 

リ「何故?コカビエルは私の管理するこの町を崩壊させようとしたのよ。その責任を取らせなきゃならないわ」

 

さぁ、とでもいうような態度のリアスに蒼枒は鼻で笑った

 

蒼「自分が管理する町だと?誰がそんなこと決めた。人間も、妖怪も神も誰一人としてお前が管理していることを認めている者などいないぞ。それとも何か?悪魔が決めたことは従わなきゃならないとでもいうのか?」

 

完全に馬鹿にしたような蒼枒の態度に、リアスとイッセーは怒りを感じた。

 

イ「俺たちはこの町を守っているんだ!コカビエルもお前が来なくても俺た「私たちが来なかったら全滅させられていたのによくそんなこと言えますね」っ」

 

白音の言葉に言葉を詰まらせるイッセー。本当のことだけに反論することができない

 

蒼「コカビエルは俺たちからアザゼルに引き渡す。その他諸々のことは天照大神様たちに任せるが「大丈夫ですか皆さん!」・・・」

 

蒼枒の言葉を遮り飛んで来たのはソーナ・シトリーを先頭に駒王学園生徒会の面々。黒歌の結界が解除されたことにより学園内に入ってきた

 

リ「ソーナ!皆無事よ」

 

(「1人死んでますけどね」)

 

(「転生させてましたし」)

 

ソ「それは良かったです。まさかこの短時間でコカビエルを倒すことができるとは思ってませんでした」

 

リ「いいえ、私たちは何もしてないわ。倒してのは彼らよ」

 

そう言ってリアスは蒼枒達に目を向けた

 

匙「なんでここに白音ちゃんと葉月ちゃんがいるんだ!?」

 

ソ「それに彼女はSSはぐれ悪魔の黒歌!?リアスこれはどういうこ「リーアたーーーん!!!」」

 

ソーナ声を遮り現れる1つの人影。その人影はリアスに抱き着くと怪我がないかなど確認していた

 

リ「お、お兄様。落ち着いてください。それにしても、どうしてこんなに早くここへ来られたのですか?」

 

?「リーアたんからの連絡だったしね。それにコカビエルともなるとリーアたんたちだけでは対処できないと思ていたけどね」

 

リ「それは・・・」

 

?「怪我もないようだし無事に解決できたようでよかったよ。それより・・・」

 

少しばかりの殺気と共に問いが掛けられた

 

?「君たちは一体誰だい?SSはぐれ悪魔の黒歌が一緒にいるのはどうしてかな?」

 

黒「悪魔じゃないにゃ!」

 

白「・・・もうネタの域ですよね。それ」

 

黒「ひ、ひどいにゃ白音」

 

が、東雲家は殺気等受けていないような軽い雰囲気の中にいた

 

葉「まぁ悪魔の目の前に出ること自体ありませんでしたし」

 

蒼「それは置いといて。そう言う貴様は誰だ?」

 

サ「そうだね。人に名を尋ねるときは先ずは自分から言うものだ。私は元四大魔王の一人、サーゼクス・ルシファーだ。君は?」

 

蒼「俺は東雲蒼枒。それで、黒歌は俺の妻だが何の用だ?」

 

サ「君は黒歌がはぐれ悪魔であることを知っているのかい?」

 

蒼「もちろんだ(元だがな)。それで?」

 

サ「黒歌を引き渡してほしい」

 

その言葉を聞いた蒼枒は眼を細め、黒歌達3人は蒼枒の後ろに下がっていた

 

蒼「引き渡してどうなる?」

 

サ「彼女は主を殺しているからね。主殺しは重罪だ。他にも悪魔を殺しているみたいだし、死刑になるだろね」

 

蒼「そうか・・・それは渡すことはできないな」

 

少し怒気が籠った返事をする蒼枒。魔王の言葉に従わないことに蒼枒のことを知らないソーナとその眷属たちはイラ立ち始めた

 

匙「お前!魔王様が言っているのになんで従わないんだ!」

 

ソ「そうです!はぐれ悪魔は危険な存在なんですよ。いつあなたに襲い掛かるかわから「黙っていろ!!」」

 

先ほどとは違い抑えられてない怒りを感じたソーナ達は口を閉ざした

 

サ「・・・場合によっては無理矢理ってこともあるんだよ?」

 

サーゼクスは見せびらかすように手を上げると魔力の塊を手に宿した

 

蒼「それは俺たちと敵対する宣言と受け取っても・・・いいんだよなぁ!!!」

 

蒼枒が叫んだ瞬間。とてつもない殺気と重圧が悪魔たちに圧し掛かり、地面へと押し付けた

 

リ「な・・・あ・・・!?」

 

祐「なんて・・・殺気」

 

朱「コカ・・・ビエルの・・・比ではない・・・ですわ」

 

アシ「かっ・・・はっ・・・」

 

イ「アー・・・シア!」

 

コカビエルが放った殺気とは何だったのか。動くどころか立ち上がることすら不可能でサーゼクスを除いた悪魔たちは皆、地面に倒れ伏せた。中にはアーシアのように呼吸困難になっているものまでいる。そんな中

 

ゼツ「皆!痛っ!?」

 

ゼノ「絶斗!これは・・・結界か」

 

ゼツ「このおかげで俺たちは無事なのか。だがこれじゃあ助けることができない!」

 

ゼノ「コカビエルの時も彼女が張ってくれていたが・・・こんな人思いの彼女は本当にはぐれ悪魔なのか?」

 

黒歌の張った結界のおかげでゼットとゼノヴィアは無事だった

 

黒「怒ってる蒼枒もかっこいいにゃあ」

 

葉「本当に馬鹿ですね。実力の差が分からないんでしょうか?」

 

白「ご愁傷様です」

 

蒼枒の後ろに下がっていた3人はそれぞれ違う反応をしていた。黒歌は蒼枒の姿にメロメロになり、葉月はやれやれという風に首を振り、白音はこれから起きるであろう惨劇に手を合わせていた。蒼枒が腰を下ろし居合の構えをとると、いつでも居合ができるよう蒼枒は刀を少しだけ出し、いつでも天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を抜ける状態にして、目の前の悪魔を龍の眼で見ていた。サーゼクスも鈍い身体を動かし、戦闘態勢に入った

 

サ「この殺気・・・手加減する相手ではないか」

 

?「やめておけ。殺されるだけだぞ」

 

蒼枒を除いた動けるものは声をした方を向き、倒れ伏せるものは何とかして目を向けた

 

ゼノ「バニシングドラゴン」

 

白い鎧を纏って悠然と降りて来る者を見て、ゼノヴィアが呟いた

 

ヴ「久しぶりだな、蒼枒」

 

蒼「ヴァーリか。一体何の用だ?」

 

ヴ「相変わらず妻のことになると沸点が異常に低いな、蒼枒は。俺はアザゼルにコカビエルを回収する用に言われたが・・・」

 

蒼「持っていくなら持っていけ。後々天照大神様から何か言われると思うがな」

 

ヴ「だろうな」

 

軽い口調で話す2人を見る悪魔たち。その様子を興味深げにサーゼクスは見ていた

 

サ「君がアザゼルの言っていた白龍皇かい?」

 

ヴ「そうだ。それよりも蒼枒。いい加減解放してあげないか?話しすらまともにできないじゃないか」

 

蒼「チッ」

 

ヴァーリの言葉に嫌々ながら殺気を収める蒼枒だが、居合の構えを解こうとはしなかった。重圧から解放された悪魔たちは

 

イ「アーシア!」

 

アシ「イッセー、さん」

 

匙「会長!無事ですか!?」

 

ソ「私は、平気です。それよりも他の方を」

 

殺気に耐えることができなかった者達の介抱をしていた

 

蒼「俺たちはもう帰ってもいいか?黒歌の姿をこいつらに見せたくない」

 

ヴ「分かった。悪魔たちは俺が手を出させないようにしておく」

 

蒼「そうか。じゃあ帰ろうか黒歌」

 

黒「にゃ。帰ろう、蒼枒」

 

それまでの声色が嘘のような優しい声で黒歌に問いかける蒼枒。黒歌は蒼枒に抱き着くと腕を絡めて転移陣の中に入っていった

 

サ「待て!まだ話は終わってな「邪魔をさせないといったはずだ」っく」

 

追いかけようとするサーゼクスを遮るようにヴァーリが立ちはだかる

 

葉「それでは先輩方。また学園で」

 

白「これからは無謀なことはしないでください。処理をするのは私たちなんですから」

 

それだけを言い残し2人が転移陣に入ると陣は消滅した。犯罪者である黒歌を、それを匿う蒼枒達を庇ったヴァーリにサーゼクスは

 

サ「はぐれになった悪魔は危険なことを君も知っているだろう?彼らとは知り合いの様だが何故逃がしたりしたんだ」

 

ヴ「そのことだが忠告しておく。命が惜しかったら黒歌には手を出すな」

 

それだけ言い、ヴァーリはコカビエルとバイパーの遺体を持っていこうとする。フリードも回収するように言われていたヴァーリだが、いつの間に逃げたのか姿かたちもなかった

 

ド「・・・久しぶりだな、白いの」

 

イ「ドライグ?」

 

声を発した主である赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に宿るドライグへイッセーが疑問の声を上げた

 

アル「何だ起きていたのか、赤いの」

 

それに答えたのはヴァーリ君の神器である白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)に宿るアルビオン。お互いに声が発するたびに神器にはめられた宝形が輝きを放つ

 

ド「・・・あまり此方への敵意が感じられないな」

 

アル「そうだろう。ヴァーリは他の事に興味があるようだからな」

 

ド「それはあの蒼枒とかいう男のことか?」

 

アル「そうだ」

 

勝手に話を進めるドラゴンたちだが、その間にイッセーは考えていた。白い鎧の方はドライグ、つまりは赤龍帝と因縁があるらしい。つまり、この人物が

 

イ「ええっと、ヴァーリだっけ?」

 

ヴ「ああ、そうだが・・・これが俺の宿敵か。・・・期待できないな」

 

急に落胆の声を上げるヴァーリにイッセーは食って掛かった

 

イ「何だと!?」

 

ヴ「コカビエルを倒せないようでは話にならない、さっさと代替わりしてくれ」

 

アル「じゃあな、ドライグ」』

 

ド「ああ、また会おう、ドライグ」

 

それだけを言い、コカビエルとバルパーを抱え呼び止めを無視して飛び去って行った

 

 

 

【蒼枒side】

 

家の庭へと転移した俺たちはそれぞれ体を伸ばしたりしながら玄関へと歩いていた

 

蒼「は~。なんだか不完全燃焼だな」

 

葉「そうですね。私も被害が出ないように手加減するの大変でした」

 

白「私は最後に全力が出せたので満足です」

 

そう言う白音は着てる物の損傷が一番激しいだがな。羽織は片袖がないし、着物や袴は焦げてるし

 

黒「白音は家に入ったらすぐに風呂に入って着替えてね。それは修復に出すにゃ」

 

白「お願いします。お姉ちゃん」

 

先頭を歩く黒歌は玄関を開け、一番に入ると振り返り腕を広げた

 

黒「蒼枒。おかえりにゃ」

 

蒼「ただいま、黒歌」

 

俺は黒歌を抱きしると、互いに顔を近づけキスをした

 




これでメインストーリーは終了です。次回からその後や番外編、決闘者編やって第4章に入る予定です

蒼枒がキレたりしましたが黒歌に危害を加えなければ怒ったりしません。今回は相手が悪魔だったこと、黒歌を殺そうとしていたため本気でキレました。ただ、悪魔に対しては色々と溜まっているので近いうちに我慢の限界を超えます

とりあえずこの章でやりたいことはできました
・黒歌本編登場
・蒼枒強化
・ゼット強化

次章はしばらくお待ちください


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後日談

お気に入りが190件超えてました!
皆様ありがとうございます。

そして今回、気付いてる人にはわかると思いますが他作品のキャラが登場します


【ゼットside】

 

あの後、少々問題は残ったが、俺たちがすぐにできることもなく解散になった。翌日、当然といえば当然だが学校が休みになった。表向きは違う理由だが主にコカビエルが体育館を崩壊させたせいでその修復・・・というより新しく作るため。蒼枒さん達も派手にやり合っていたはずだが被害は全くなくそれどころか戦った痕跡を残さないとは流石だ。それよりも・・・

 

ゼツ「俺も悪魔に転生したんだよなぁ」

 

心臓を貫かれ、死んだ俺は部長が悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使い生き返らせてくれた。『戦車』(ルーク)の駒を2個も使い、なんとか転生させたと言っていたが・・・

 

ゼツ「なんで悪魔の羽じゃないんだ?」

 

俺の背から生えているのは部長達みたいな羽ではなく、夢に出てきた前任者と共に現れた《精霊 アミル・ガウル》と同じ翼だった。前任者が言うには悪魔に転生させることを拒んだ《精霊 アミル・ガウル》がら悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の力を使い自身に近づけたとのこと。そのため悪魔というよりは天使に近い。そして

 

ゼツ「十字架に触っても火傷したみたいになるだけでそこまで怠くなったりしない」

 

家に何故かあった十字架っぽいものに触れても部長たちが言うような症状はない。確かに痛いものは痛いが体を貫かれた痛みに比べると全然平気だ。本物じゃないからだろうか?

 

ゼツ「俺って本当に悪魔に転生したのか?」

 

一応悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は残っているらしいが悪魔っぽくない。一体俺は何なんだろうか

 

ピンポーン

 

ゼツ「今でまーす」

 

チャイムが鳴ったのでドアを開けると

 

ゼノ「やあ、絶斗」

 

外には荷物を持ったゼノヴィアがいた

 

ゼツ「ゼノヴィア!なんでここに!?イリナさんと一緒に帰ったんじゃないのか!?」

 

ゼノ「そのことなんだが・・・他の人に聞かれたくない。詳しいことは中で話したいんだが家に入れてくれないか?」

 

ゼツ「あ、ああ。いいぞ」

 

確かイリナさんと一緒に帰るはずだったがなぜまだ日本にいるんだ?

 

ゼツ「はいお茶。それで、なんで教会に帰らなかったんだ?」

 

ゼノ「ありがとう。実は神の不在を教会に伝えたら異端視されてしまったんだ」

 

ゼツ「まぁ当然だろうな。神様を信仰しているのにその神様はいないって否定したら異端視されてもおかしくはないな。だけどエクスカリバーはどうしたんだ?元々、あれを回収しに来たんだろ?」

 

ゼノ「ああ。エクスカリバーはイリナが持って帰った。空港で少し騒いでしまったがな」

 

~~~~~回想~~~~~

 

とある空港にて二人の少女が

 

イ「なんで一緒に戻れないの!?」

 

ゼ「何度も言っているだろう。私は教会から追放された身だと」

 

イ「おかしいわよ!コカビエルと戦ったゼノヴィアを追放するだなんて!何か理由があるんでしょ!?」

 

イリナが責め立てるがゼノヴィアは追放された理由をイリナに告げることができなかった

 

ゼ「すまない。イリナに言うことはできないんだ」

 

 

イ「・・・そろそろ時間だし理由はもう聞かない。でもこれからどうするの?行く宛なんてあるの?」

 

ゼ「ああ。グレモリーに頼んで眷属にしてもらおうと考えている」

 

イリナは驚いた。協会から追放を言い渡されたとはいえ悪魔に転生しようだなんて教会にいたころでは考えられないことだったからだ

 

イ「な、なんで!?どうして!!?」

 

ゼ「・・・私のせいで悪魔に転生させてしまったものがいるからだ」

 

その言葉にイリナは思い出した。一度泊めてもらったあの絶斗とかいう少年。再び会った時には悪魔の気配があったことを

 

ゼ「あの時、私が動けていれば!絶斗は死ぬことも!悪魔になることもなかった!その原因を作ったのは、私だ!彼が望んで悪魔になったのではない!彼の意志とは関係なく転生させられた!・・・彼は周りの人から置いていかれるだろう。悪魔の寿命は人間と違うからな。だが一人になっていく彼を、そんな風にしてしまった原因であるにも拘らず、彼を1人残していくなんて私には耐えられないんだ!」

 

イ「・・・なんか長々と言っているようだけどさ。絶斗君の傍にいたい。ただそれだけなんじゃない?」

 

ゼ「!!?」

 

ゼノヴィアはそう言われるまで気付かなかった。確かに今の発言をまとめると、絶斗の傍にいたい。と言っているようにも聞こえる

 

ゼ「いや、ちが・・・」

イ「やっぱり絶斗君のこと好きだったんだぁ」

 

あの「斬り姫」とか言われてたゼノヴィアがねぇと言うイリナの声は赤くなっているゼノヴィアに届いてなかった

 

イ「正直悪魔に転生することは反対。だけど、恋のことなら応援してるわ」

 

空港のアナウンスが聞こえる。もう、時間の様だ

 

イ「じゃあね、ゼノヴィア。今度会うときは敵同士だけど頑張ってね」

 

ゼ「ああ。・・・ありがとうイリナ」

 

ゼノヴィアはイリナの姿が見えなくなるまで見送っていた

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

ゼノ「空港を出た後、リアス・グレモリーから『騎士(ナイト)』の駒をいただいた。デュランダルがすごいだけで私はそこまですごくなかったようだから、1つで済んだみたいだ」

 

そう言って羽を広げるゼノヴィア。部長たちと同じ黒い羽だ。よく見ると羽の先だけ白く(・・・・・)見えるが気のせいか?

 

ゼツ「1つで済んだみたいだ、じゃないぞ!本当にいいのか!?」

 

ゼノ「君が気にすることだはない。これは私が決めたことだからな」

 

確かにゼノヴィアが自分で決めたことに俺が言うことはない

 

ゼノ「それと、学園にも編入させてもらった。絶斗や赤龍帝と同級生でオカルト研究部に所属だそうだ」

 

ゼツ「まぁ、そうだろうな」

 

これだけ学園に固まってるんだ。歳の近いゼノヴィアが学園に来ないわけないよな

 

ゼノ「そこで君に頼みがあるんだが・・・・・・」

 

ゼツ「・・・・・・はぁ!?俺の家に住みたい!!?」

 

ゼノ「グレモリーも調べていたみたいでな。よく今まで1人で暮らしていたわね。とか言っていた。ちなみにグレモリーからの命令だそうだ」

 

ゼツ「ゼノヴィアは嫌じゃないのか?男と一緒に住むなんて」

 

ゼノ「嫌なわけないだろ。(好きな人と一緒にいられるのに)

 

何か言ったようだが聞き取れなかった。まあいい

 

ゼツ「・・・はぁ、しかたないか」

 

ゼノ「これから世話になる。よろしくな、絶斗」

 

こうして俺とゼノヴィアの同棲が始まった。はっきり言って意識しないでいるのは無理だ。何故なら

 

ゼツ「(俺はゼノヴィアのことが好きだからな)」

 

ゼノ「(私は君を悪魔になる原因になってしまった。ならば私は君と共に歩み、君を支えよう。願わくばこの思いが君に届きますように)」

 

 

 

 

 

 

・・・一方その頃、蒼枒と白音が地獄に向かおうとしていた

 

【白音side】

 

堕天使の起こした騒動のその日のうちに地獄に連絡を取りました。いつもは待つことも多いのですが、翌日に来てくださいと言われるとは思いませんでした。少なくとも1週間は待たなければと思っていたんですけどね

 

蒼「じゃあ行ってくるよ、黒歌」

 

黒「いってらっしゃいにゃ」

 

地獄に行く当日。お姉ちゃんとお兄様が玄関でいってらっしゃいのキスをしてます。私たちには見慣れた光景ですが

 

ケ「あの2人はいつもこうなのかい?」

 

白「そうですね。お姉ちゃん達だけでなくお義父様とお義母様も似たようなものですよ」

 

抱き上げているマザーケルベロスさんから見たらやはり特異な光景何ですかね?止めるつもりはないですけど

 

 

 

というわけで来ました地獄。正確には地獄の門の前ですがここには2人の獄卒が門番をしています

 

牛頭「あら~、蒼枒ちゃんに白音ちゃん久しぶりね」

 

馬頭「今日はどうしたのかしら?」

 

牛頭人身のメス獄卒、牛頭(ごず)さんと馬頭人身のメス獄卒、馬頭(めず)さんです。2人はぬら組にいる牛頭丸(ごずまる)さんと馬頭丸(めずまる)さんの祖先にあたる方たちです

 

蒼「今日は鬼灯様に会いに来ました。白音はマザーケルベロスの付き添いです」

 

白「ここまででいいですか?」

 

ケ「ああ、助かったよ。ありがとう。ギリシャに来ることがあったら家を訪ねなさい。歓迎するよ」

 

白「ありがとうございます。そのときは是非!」

 

そう返事をするとお義兄様とマザーケルベロスは共に門の中へと入っていきました

 

 

 

その日の夕方。帰ってきたお兄様はちょっとやつれてるように見えました

 

白「あの、どうしたのですか?」

 

蒼「大蛇(おろち)様の2本の頭がかなり自由な方でちょっと疲れた・・・」

 

あと帰るときに非番の獄卒の方に捕まり愚痴を聞かされたお兄様は言っていました。今晩はお姉ちゃんに甘えることでしょう

 

蒼「黒歌、ただいま」

 

黒「蒼枒!おかえりにゃ!?いきなり抱き着いてどうしたにゃ?」

 

蒼「疲れたから黒歌に癒してもらおうと思って。嫌だったか?」

 

黒「そんなことないにゃ。蒼枒は心地いいにゃ」

 

・・・夜も待たずにイチャつき始めましたか




よし。これで全主人公イチャイチャ解禁!あとはいつ告白させるかだけだ!(全くの未定)



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決闘者編 その4

遂に!お気に入りが200件超えました!皆さまありがとうございます。これからも週一ながら更新していきますので楽しんでいってください


とか言いつつ、今回は普通の決闘(デュエル)(ソリティア)回なんだよなぁ


ユ「ロセの誕生日プレゼントか。何がいいだろうか」

 

家の倉庫でDホイールをいじりながらロセへのプレゼントを考えていた。俺の家は1階が倉庫、2階が居住区となっている一軒家、建物が古いため安く買うことができた

 

ゼ「邪魔するぞ」

 

俺の家に入って来たのは俺と戦ったゼファードル・グシャラボラス。あのゼファードルとの戦いの後、月に1回の頻度で俺の家に来るようになった。まぁいつも対応できるわけもなく、帰ってもらうこともあるが、だいたいコーヒーを片手にやってくる

 

ユ「邪魔するなら帰ってくれ。今構ってられないんだ」

 

ゼ「分かった・・・と帰るわけがないだろ!・・・ユーガほどの男が何を悩んでいる?」

 

俺が悩んでいることに気付くとは。なんでこうも勘が鋭いのか。原作じゃあり得ないがジャックと考えれば違和感はないか

 

ユ「・・・ロセの誕生日が近いんだがプレゼントは何を送ろうか悩んでいた」

 

ゼ「アクセサリーでも送ればいいのではないか?」

 

ユ「それなんだが・・・」

 

ロセはあまり着飾らない・・・というよりロセはめちゃくちゃな倹約家で、服装もジャージを好む。着飾ればそこら辺の令嬢なんか目ではないほど綺麗なのに・・・。まぁそういう俺もいつもライダースーツなわけだが

 

ユ「欲しいものがわかれば大体のもの買うことができるが・・・」

 

ゼ「本人に聞くのはありえないな。友人辺りに聞くというのも彼氏の立場からしたらまずいか」

 

ゼファードルがコーヒーを啜りながら倉庫中を見渡し1ヶ所に止まった。その視線の先にある物、それは俺のデュエルディスクだった

 

ゼ「ユーガ。彼女は何か言ってなかったのか?」

 

ユ「そういえば・・・」

 

前に「私もユーガとデュエルしたい」と言っていたのを思い出した。デッキこそ作り、最初はテーブルデュエルで満足していたが、モンスター実際に現れるのを見たのならば自分も召喚したいと思うか。ならば

 

ユ「よし!決めた!」

 

ゼ「ほう。何に決めたんだ?」

 

ユ「俺はデュエルディスクをプレゼントする」

 

俺ならばリアルソリッドビジョンシステムまで作れるが、これは危険も伴うためソリッドビジョンシステムまでにしよう。俺は早速作業に取り掛かった

 

ゼ「ふっ、悩みは解決したようだな。俺はそろそろ帰らせてもらう」

 

ユ「おう!またな」

 

 

 

 

 

 

ロセの誕生時当日

 

「「「ロセ!誕生日おめでとう!」」」

 

ロ「皆、ありがとうございます」

 

ロセの友人の家で行われている誕生パーティ。到着と同時にロセは友人に家の奥へと連れ去られ青いドレスに着替えさせられていた。学生のころのクラスメイトや同じヴァルキリーに囲まれて祝われるたくさんの花束やプレゼントをもらい嬉しそうだ

 

「ロセ。将来の旦那様からプレゼントをもらったの?」

 

ロ「旦那様なんて・・・」

 

「クリスマスにデートしてたの知ってるんだからね」

 

ロ「み、見てたのですか///」

 

「もちろん♪あの堅いロセに彼氏ができるなんてね~」

 

会話は聞こえないがロセが赤くなってる。何か知らないがからかわれてるな

 

ロ「もう!からかわないでください!」

 

「あはは、ごめんって。ほら、愛しの彼氏様のところに行ってプレゼントをもらってきなさい」

 

輪の中から背中を押され出てきたロセはチョットした文句を言いながら俺の元まで来た

 

ロ「あ、ユーガ///」

 

ユ「何名前呼んだだけで赤くなってるんだ?」

 

ロ「それは貴方のせいです///!」

 

俺の名前言っただけで赤くなるロセ。何故だろうと先ほどまでロセがいたほうを見るとある女性がニヤニヤしながら俺たちを見ていた

 

ユ「あー。あれのせいか・・・」

 

ロ「それよりもユーガ。プレゼントは・・・」

 

ユ「ああ。はいこれ」

 

ロ「これは・・・?」

 

赤くなっているのを隠すように俺にプレゼントをねだってくるロセに俺は手に持っていたアタッシュケースを渡した。アタッシュケースを受け取ったロセは赤くなっていた表情から一変。キョトンとした顔になっていた

 

ユ「いいから開けてみなって」

 

ロ「は、はぁ。・・・これは!?」

 

ロセがアタッシュケースを開けて取り出したもの。それは俺のとそっくりデュエルディスクだった

 

ロ「これはデュエルディスクですか!」

 

ユ「そうだ。俺とおそろいの、だがな」

 

早速腕にはめてみるロセ。よほどうれしいのか腕を上げたり、至る所を触ったりしている

 

ロ「うれしいです!ありがとうございます。ユーガ!」

 

ユ「喜んでもらえたようで俺も作った甲斐があったぜ。・・・そうだ!この場でひとデュエルと行こうぜ!」

 

ロ「え、この場でですか?」

 

ユ「ああ。ロセのデッキも持ってきてるぜ」

 

そう言ってデッキをロセに渡す。ロセはしょうがないな~みたいな顔をしていた

 

ロ「しょうがないですね。せっかくユーガが私のために作ってくれましたし引き受けます」

 

ユ「そう来なくっちゃ!」

 

 

 

 

俺とロセは屋外に移動した

 

「ただいまより今日の主役ロスヴァイセと彼氏ユーガのディエルが始まります!皆様!安全なところまでお下がりください」

 

ロ「ちょっと!!?」

 

乗りのいいロセのクラスメイトが実況を始めた。誕生会に来てくれた方々を俺たちを囲うよう集まったが、実況者め、その情報はわざわざ言わなくてもいいと思うんだが

 

ユ「いくぜ、ロセ」

 

ロ「は、はい!」

 

『デュエル開始ぃぃぃ!!!』

 

先攻後攻はデュエルディスクが決めてくれる。先攻は俺だ

 

ユ「俺の先攻! 俺は《チョコ・マジシャン・ガール》を召喚!」

 

《チョコ・マジシャン・ガール》

 

水色の流れるような髪に、足を覆う黒いタイツ。小悪魔を思わせる美少女の姿が、男性陣の目を釘付けにする

 

「「かわいい!」」

 

『おっと!ユーガが彼女の前で美少女を召喚した!お前はそれでいいのか?』

 

ロ「あの、ユーガはどうしてそのモンスターを・・・」

 

ユ「効果が優秀だからだが?」

 

ロ「そうですか・・・」

 

ユ「?」

 

よくわからないが続けよう。手札には展開するカードもヴァーラーもないからな

 

ユーガの手札

《マジシャンズ・ローブ》

《光と闇の洗礼》

《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》

《ブラック・イリュージョン》

 

ユ「俺は《チョコ・マジシャン・ガール》の効果を発動。手札の《マジシャンズ・ローブ》を捨てて、デッキから1枚ドローする」

 

『ユーガが手札交換を行った!見た目に反していい効果だ!』

 

ユ「今引いたカード《強欲で謙虚な壺》を発動。自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から1枚を選んで手札に加え、残りのカードをデッキに戻す。・・・(ヴェーラーも棺もないが)俺は永続魔法《黒の魔導陣》を手札に加えてそのまま発動!デッキの上からカードを3枚確認し、その中に《ブラック・マジシャン》のカード名が記された魔法・罠カードまたは《ブラック・マジシャン》があった場合、その1枚を相手に見せて手札に加える残りのカードは好きな順番でデッキの上に戻す。(くっ、魂もナビゲートもない)俺は《イリュージョン・マジック》を手札に加える。2枚伏せてターンエンド!」

 

『ユーガまずまずといった滑り出し、これに対してロセはどう動く?』

 

ユーガ

手札:2枚

フィールド:《黒の魔導陣》・伏せカード2枚

 

ロ「私のターンです。ドロー!まずは《調律》を発動。デッキから《シンクロン》とついたチュナーを手札に加えます。・・・・・・あのユーガ」

 

ユ「どうした?」

 

ロ「これ、《スターダスト》デッキじゃないです」

 

ユ「・・・マジで?」

 

だとしたらまずいな。ロセは《スターダスト・ドラゴン》をエースとしたデッキをメインに使っているが、それ別のモンスターを切り札にしたデッキを持っている

 

ロ「ディエルは始まってますし変えることはできません。私は《調律》の効果で《ジェット・シンクロン》を手札に加え自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送ります」

 

墓地に落ちたカードは《ドッペル・ウォリアー》か。普通は手札に来てほしいものだがロセは微笑みを浮かべていた

 

ロ「さらに《増援》を発動し《ジャンク・シンクロン》を手札に加えます。そして《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《ジェット・シンクロン》を墓地に送りデッキから《チューニング・サポーター》を特殊召喚。《ジャンク・シンクロン》を召喚し効果で《ジェット・シンクロン》を蘇生。墓地の《ドッペル・ウォリアー》を除外し《輝白竜 ワイバースター》を特殊召喚します」

 

『おお!ロセのフィールドにもモンスターが現れた!これがユーガから送られたプレゼントかぁ!羨ましい!!』

 

実況者が言うようにデュエルディスクは俺しか持っていない。遊戯王のカード自体はデッキごと配ったりしているため持っている人は少なからずいるが、すべてテーブルデュエルで行われている。まぁロセに渡したことで俺も欲しい、とかいう輩が出てくると思うが作る気はないな。ロセのフィールドにはフライパンを被ったようなロボットと飛行機のタービンみたいな姿をしたロボット。オレンジ色の機会の身体を持つ戦士と青いドラゴンが現れた

 

ロ「私はレベル4《輝白竜 ワイバースター》にレベル1《ジェット・シンクロン》をチューニング!シンクロ召喚《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》!」

 

《ジェット・シンクロン》が緑の光の輪となり《輝白竜 ワイバースター》を包む。光が輪を貫くと白い服装の司書が現れた

 

『現れたのは《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》!シンクロ召喚を多用する方ならデッキに入れておきたいモンスターだ!』

 

ロ「シンクロ素材となった《輝白竜 ワイバースター》の効果発動!デッキから《暗黒竜 コラプサーペント》を手札に加えます。そして手札から《機械複製術》を発動。デッキから《チューニング・サポーター》を2体特殊召喚します!」

 

『ロセのフィールドが完全に埋まった!だがチューナーとそれ以外のモンスターが3体。大型のシンクロモンスターを召喚するつもりか!?』

 

・・・これはやばいな。このシンクロ召喚を許せば4枚もドローさせてしまう。ここが止めどころか

 

ユ「《機械複製術》の発動にチェーンして伏せカードを発動する。速攻魔法《イリュージョン・マジック》!《チョコ・マジシャン・ガール》をリリースしデッキ・墓地から《ブラック・マジシャン》を2枚まで選んで手札に加える」

 

《チョコ・マジシャン・ガール》が光の粒となり俺のフィールドから消える。周りの男たちはちょっとがっかりしたように見えた

 

ユ「そして墓地の《マジシャンズ・ローブ》の効果を発動。このカードが墓地に存在する状態で、相手ターンに自分が魔法・罠カードの効果を発動した場合カードを墓地から特殊召喚する。さらにチェーンして手札の《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》を守備表示で特殊召喚。このカードは自分が相手ターンに魔法・罠カードの効果を発動した場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。これにより《黒の魔導陣》の効果が発動する自分フィールドに「ブラック・マジシャン」が召喚・特殊召喚された場合、相手フィールドのカード1枚を除外する。」

 

ロ「させません!さらにチェーンして速攻魔法《サイクロン》を発動!《黒の魔導陣》を破壊します!」

 

ユ「くそっ」

 

黒い魔術師の幻影と魔術師のローブが現れ、ロセのフィールドにはロボットが3体に増えた

 

『ロセが《サイクロン》で危機を回避した!《黒の魔導陣》の効果で《ジャンク・シンクロン》を除外されていればシンクロ召喚できず、ここで終わっていた!』

 

ロセの展開を妨害できなかったか。もうこれ以上妨害は出来そうにないか。

 

ロ「私は《チューニング・サポーター》はシンクロ素材とするときレベル2と扱うことができる。私は3体のレベル2の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

3体のロボットが6つの星に変わり3枚の輪が星を囲む

 

『なんだか気温が下がり始めたぞ。一体なぜだ?』

 

光が貫くと空気が冷え始めた。ロセを中心に周りに氷が浸食をはじめ観客の一部は寒そうに腕を摩ったりしている

 

ロ「シンクロ召喚!現れよ《氷結界の龍 トリシューラ》!」

 

4体のモンスターが光の中に消え去り、中から出てきたのはシンクロモンスターの最強の一角。三つ首のドラゴン、《トリシューラ》

 

『ロセが《トリシューラ》を召喚した!《トリシューラ》は効果が1つしかないかわりに非常に強力な効果を持っているぞ!』

 

ロ「《トリシューラ》の効果発動。相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚まで選んで除外します。私は伏せカードと墓地の《チョコ・マジシャン・ガール》、手札のカードを除外します」

 

ユ「《トリシューラ》の効果にチェーンしてトラップ発動!《ブラック・イリュージョン》!さらにチェーンして《マジシャンズ・ローブ》の効果を発動する。これにチェーンするカードはあるか?」

 

ロ「いえ、ないです」

 

ユ「ならチェーンの処理を行う。《マジシャンズ・ローブ》の効果。手札から魔法・罠カード1枚を捨ててデッキから《ブラック・マジシャン》を1体を特殊召喚する」

 

俺のフィールドに黒のローブに身を包む魔術師、《ブラック・マジシャン》が現れる

 

ユ「そして《ブラック・イリュージョン》の効果で《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》はターン終了時まで、戦闘では破壊されず、効果は無効化され、相手の効果を受けない!」

 

『ユーガのフィールドに《ブラック・マジシャン》が現れた!そしてトラップの効果により幻影は強固な壁とかした。これを破るの面倒くさいぞ!』

 

ロ「モンスターを増やし、耐性を付けましたか。ですが私のやることは変わりません!そのカードは除外させてもらいます」

 

これで手札は《ブラック・マジシャン》1枚だけか。フィールドには《ブラック・マジシャン》と《マジシャンズ・ローブ》、戦闘では破壊せれない《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》がいるが・・・

 

ロ「シンクロ召喚に成功したので《ライブラリアン》の効果、デッキから1枚カードをドローします。さらにシンクロ素材として墓地に送られた《チューニング・サポーター》の効果によりカードを3枚ドローします」

 

『ここでロセが大幅な手札補充を行った!補充した手札でさらにシンクロが続くのか?』

 

・・・うわぁ、手札が減ってねぇ。手札5枚か。1枚は《暗黒竜 コラプサーペント》だけど何も安心できねぇ

 

ロ「そして《シンクロキャンセル》を発動します。《トリシューラ》をデッキに戻し、シンクロ素材となった《チューニング・サポーター》と《ジャンク・シンクロン》を特殊召喚します」

 

ドラゴンが消える代わりに戦士とロボットたちが再び現れた

 

『なんとここで《シンクロキャンセル》を引いていた!これでロセはさらにドローが可能だ!」

 

ロ「レベル2扱いの《チューニング・サポーター》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング!シンクロ召喚!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」

 

再び緑のリングが《チューニング・サポーター》を囲う。光がリングを貫ぬくと、水のような色の鎧を身に纏った戦士が現れた

 

ロ「《ライブラリアン》の効果で1枚、《チューニング・サポーター》の効果により2枚ドローします《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の効果。さらに《スターダスト・チャージ・ウォリアー》がシンクロ召喚に成功した時にデッキから1枚ドローします。」

 

『氷の龍が消えて代わりに現れたのは水色の鎧を身に纏った戦士!そしてその効果もドロー効果!ロセは再び4枚ドロー』

 

ロ「《おろかな埋葬》を発動し《レベル・スティーラー》を墓地に送ります。手札の《グローアップ・バブル》を捨てて《クイック・シンクロン》を特殊召喚。《クイック・シンクロン》のレベルを1下げ《レベル・スティーラー》を墓地から特殊召喚します」

 

『ロセのフィールドが再びモンスターで埋まった!ここからさらにシンクロ召喚かぁ!?」

 

次から次へと入れ替わるモンスターに観客は盛り上がっているがやっぱり長いよな~。《クェーサー》出すまでまだかかるし妨害もできないし座ってるかな

 

ロ「レベル1《レベル・スティーラー》にレベル4《クイック・シンクロン》をチューニング!シンクロ召喚!《ジェット・ウォリアー》。《ライブラリアン》の効果で1枚ドロー。《ラッシュ・ウォリアー》を墓地へ送り《ジェット・シンクロン》を墓地から特殊召喚!《チューニング・サポーター》に《ジェット・シンクロン》をチューニング!希望の力、シンクロチューナー、《フォーミュラ・シンクロン》!《フォーミュラ・シンクロン》と《ライブラリアン》、《チューニング・サポーター》の効果でそれぞれ1枚ずつ、計3枚ドロー。《ジェット・シンクロン》は自身の効果により除外されます」

 

『ロセのフィールドでモンスターが激しく入れ替わる。そして連続でシンクロ召喚を行っているのでこれだけやって手札が8枚!?』

 

ロ「《スターダスト・チャージ・ウォリアー》のレベルを1下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚。そしてレベル5となった《スターダスト・チャージ・ウォリアー》とレベル5の《ジェット・シンクロン》にレベル2、《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング!!」

 

それまでの緑のリングと異なり黄金のリングが水色の鎧を身に纏った戦士とジェット機のような黒の鎧の戦士を囲う

 

ロ「集いし星が1つになるとき、新たな絆が未来を照らす!光さす道となれ!リミットオーバー・アクセルシンクロ!進化の光、《シューティング・クェーサー・ドラゴン》!!」

 

巨大な光が天地を貫き、空か現れたのは神々しい輝きを放つ白く巨大なドラゴン

 

「・・・綺麗」

 

誰かがつぶやいたが俺もそう思う。《シューティング・クェーサー・ドラゴン》はカッコイイ!いやふつくしい、よりも綺麗というのが合う

 

『なんて美しく、綺麗なドラゴンでしょうか。今までカードでしか見れなかったその姿を実際に見れて私、感動しています!!』

 

ロ「ユーガに薦められるままに《スターダスト》デッキを使ってますが、モンスターたちは皆綺麗なモンスターばかりです。私もカード以外の姿を見るのは初めてです」

 

ユ「感動するのもいいけどデュエルは続いてるぞー」

 

ロ「そうですね・・・。《ライブラリアン》の効果で1枚ドロー。手札から《二重召喚》を発動します。これによりもう1度通常召喚を行うことができます。《シンクロン・エクスプローラー》を召喚し効果で墓地の《クイック・シンクロン》を特殊召喚。レベル1《チューニング・サポーター》とレベル2《シンクロン・エクスプローラー》にレベル5《クイック・シンクロン》をチューニング!シンクロ召喚!《ロード・ウォリアー》!《チューニング・サポーター》と《ライブラリアン》の効果で2枚ドロー」

 

『ドラゴンの次に現れたのは3体のモンスターでシンクロ召喚された《ロード・ウォリアー》!金の鎧にマントをつけたまさに君主ような戦士です』

 

ロ「《ロード・ウォリアー》の効果によりデッキから《ジェット・シンクロン》を特殊召喚します」

 

『《ロード・ウォリアー》がマントを広げると中から《ジェット・シンクロン》が現れた!まさかまだシンクロ召喚するつもりか!?』

 

ロ「そして墓地の《輝白竜 ワイバースター》を除外し《暗黒竜 コラプサーペント》を手札から特殊召喚します。レベル4《暗黒竜 コラプサーペント》にレベル1《ジェット・シンクロン》をチューニング!シンクロ召喚!《アクセル・シンクロン》!《ライブラリアン》の効果で1枚ドロー、そして《暗黒竜 コラプサーペント》が墓地に送られたことにより《輝白竜 ワイバースター》をデッキから手札に加えます」

 

『なんとロセの手札は10枚に達した!しかもフィールドにはチューナーがいるためシンクロ召喚が可能!いったいどこまで行くんだ!?』

 

ロ「《ロード・ウォリアー》のレベルを1下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚し、速攻魔法《リミットオーバー・ドライブ》を発動します。レベル7となった《ロード・ウォリアー》にレベル5の《アクセル・シンクロン》をエクストラデッキに戻し《聖珖神竜 スターダスト・シフル》を召喚条件を無視してエクストラデッキから特殊召喚します」

 

『またも現れた白く美しいドラゴン!《クェーサー・ドラゴン》が純白の白ならば《スターダスト・シルフ》は青を含んだ白でしょうか?どちらも美しい!!」

 

ロ「そして墓地の《ジェット・ウォリアー》の効果発動。自分フィールドのレベル2以下のモンスター1体をリリースして墓地から守備表示で特殊召喚します。・・・あれ?なんで召喚できないんですか?」

 

ユ「《レベル・スティーラー》の効果だ。《レベル・スティーラー》はモンスターゾーンに存在する限り、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。よって《ジェット・ウォリアー》は蘇生できない」

 

『なんとここで痛恨のミス。手札はある。しかし予定が狂ったが大丈夫か?』

 

ロ「なら別の方法で召喚するまでです。フィールド魔法《スターライト・ジャンクション》を発動。そして《レベル・スティーラー》を手札に戻し《A(アーリー)・ジェネクス・バードマン》を手札から特殊召喚します」

 

『ここでフィールド魔法が発動された!景色が変わり、光り輝くクローバー型のジャンクションが形成される!』

 

ロ「《スターライト・ジャンクション》の効果発動。自分フィールドのチューナー1体をリリースしてリリースしたモンスターとレベルが異なる《シンクロン》モンスター1体をデッキから特殊召喚します。《A(アーリー)・ジェネクス・バードマン》をリリースし《アンノウン・シンクロン》を特殊召喚します。手札から魔法カード《アイアンコール》を発動。墓地の《フォーミュラ・シンクロン》を特殊召喚。《アンノウン・シンクロン》を手札に戻して墓地の《ジェット・ウォリアー》を特殊召喚します」

 

『ここでロセがモンスターを揃えてきた!そのレベルの合計は12。再び《クェーサー・ドラゴン》を召喚するつもりか!?』

 

ロ「いいえ、違います。レベル5《TG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアン》とレベル5の《ジェット・シンクロン》にレベル2、《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング!シンクロ召喚!《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》!!」

 

『チューナーのリングは緑だったが現れたのは白いドラゴン。これで3体目が現れた!《クェーサー・ドラゴン》と《スターダスト・シルフ》と比べてロセのエースモンスター《スターダスト・ドラゴン》に近く、その白さも《スターダスト・シルフ》と違い緑を含んだ白ってところでしょう』

 

ロ「手札から《ネクロイド・シンクロ》を発動。墓地の《クイック・シンクロン》と《暗黒竜 コラプサーペント》、《チューニング・サポーター》を除外し、《スターダスト・ウォリアー》をシンクロ召喚扱いで特殊召喚します。そして魔法カード《アドバンスドロー》で《スターダスト・ウォリアー》をリリースして2枚ドロー。《死者蘇生》で《スターダスト・ウォリアー》を蘇生します」

 

『ロセのフィールドには3体の白いドラゴンと1体の水色に輝く鎧の戦士!この状況に対しユーガのフィールドはモンスターが3体』

 

ロ「バトル。《シューティング・クェーサー・ドラゴン》で《ブラック・マジシャン》を攻撃!天地創造撃 ザ・クリエーションバースト」

 

『《クェーサー・ドラゴン》の掌から放たれる光が《ブラック・マジシャン》を飲み込む!もちろん攻撃に耐えきれず《ブラック・マジシャン》は破壊せれた!』

 

ロ「《シューティング・クェーサー・ドラゴン》はこのカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。《マジシャンズ・ローブ》も破壊です」

 

ユ「《マジシャンズ・ローブ》はその効果により除外される」

 

『《クェーサー・ドラゴン》の2回目の攻撃で《マジシャンズ・ローブ》も失った!』

 

ロ「破壊できない以上これ以上の攻撃は無意味ですね。私はカードを3枚伏せてターンエンド」

 

『ロセのターンがようやく終了。ユーガの場には耐性を失った《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》1体と手札の《ブラック・マジシャン》のみ。ここから逆転なるか!?』

 

いや、無理だろ。というか俺終わった

 

ユ「俺のターン。ドロー。黒・魔・導(ブラック・マジック)を発動。相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する」

 

ロ「トラップ発動《スターライト・ロード》。自分フィールドのカードを2枚以上破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動。その効果を無効にし破壊して《スターダスト・ドラゴン》1体をエクストラデッキから特殊召喚します」

 

『ここにきてロセのエースモンスターが登場だ』

 

ユ「・・・ターンエンド」

 

『おっと。ユーガは何もせずにターンエンドだ。これは決着ついたか』

 

ロ「私のターンです。ドロー!伏せていたカードを発動《シューティング・ソニック》。自分フィールドの《スターダスト》シンクロモンスター1体を対象として発動できる。このターン、その自分のシンクロモンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、ダメージステップ開始時にその相手モンスターを持ち主のデッキに戻します。私は《スターダスト・ドラゴン》を効果の対象にしてバトル!《スターダスト・ドラゴン》で《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》を攻撃!《シューティング・ソニック》」

 

『《スターダスト・ドラゴン》から光の咆哮が放たれた!攻撃力と防御力がともに2500だが《シューティング・ソニック》の効果で《マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン》はデッキに戻る!』

 

ロ「これで止めです!《シューティング・クェーサー・ドラゴン》、《聖珖神竜 スターダスト・シフル》、《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》、《スターダスト・ウォリアー》でダイレクトアタック!天地創造撃 ザ・クリエーションバースト!超新星撃(シューティング・ノヴァ・ブラスト)!コズミック・ブラスター・ソニック!シューティング・ストライク!」

 

掌・口・拳から光線が放たれる。それらは混ざり合い、そして

 

ユ「うわあああぁぁぁ・・・」

 

俺を飲み込んだ

 

ユーガLP 8000→4000→0→-4000→-8000→-10500

 

『けっっちゃぁぁく!!勝者は圧倒的な展開とドラゴンたちを見せてくれたロセだぁ!!!』

 

「「「ワアアアァァァァァァ!!!」」」

 

ユ「はぁ、負けちゃったか。やっぱり妨害札が足りないよな」

 

ロ「そんなことないですよ。手札に《サイクロン》がなければシンクロ召喚できず、後に召喚された《ブラック・マジシャン》にやられていたと思います」

 

確かにモンスターはすべて攻撃表示だったな。《チューニング・サポーター》の攻撃力は低いからライフを0にすることもできたかもしれなかったな

 

ユ「何はともあれデュエルディスクは問題ないみたいだな。改めて誕生日おめでとう』

 

ロ「ありがとうございます」

 

『デュエルは以上となります!皆さま。室内にお戻りください!』

 

この後、俺たちは室内に戻りパーティの続きを楽しんだ

 

 

 

 

おまけ

 

オ「のうロセ。ユーガからデュエルディスクをプレゼントされたみたいじゃの」

 

ロ「はい。ユーガの手作りです」

 

オ「ワシも見てみたいから召喚してくれないか?できれば女性のモンスターを」

 

ロ「分かりました」

 

《女邪神ヌヴィア》

《インセクト女王》

《スフィラスレディ》

《ワーム・クィーン》

 

オ「のう・・・ロセ?」

 

ロ「どうかしました?お望みの女性のモンスターですよ。ほら、皆さんオーディン様を歓迎してくださってますよ」

 

オ「こんなモンスター!儂は嫌じゃああ!!」

 

ロ「オーディン様!そちらには・・・」

 

オ「うぷっ。なんじゃ・・・?」

 

《治療の神 ディアン・ケト》

 

オ「・・・わしは若い娘がいいんじゃあああああああ」

 

 

 

 

 

ユ「なんか悲鳴が聞こえた気がするけど・・・」

 

ダルク「マスター。全員準備はできているぞ」

 

ユ「わかってるって。《光霊使いライナ》召喚!」

 

ラ「・・・・・・あれ?マスターにみんなどうしたの?」

 

「「「「「ライナ!憑依装着の登場、おめでとう!」」」」」

 

ラ「あ、ありがとう!皆!マスター!」

 



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停止教室のヴァンパイア
デートする2組の人外


4章に突入しました!
今章から絶斗(ゼット)のセリフをゼ「」から絶「」表記にしていきます

そして前回のお気に入りが200件超えに続き、UAが60,000を超えました!いつも読んでくださる皆さま。これからもよろしくお願いします


【アザゼルsite】

 

俺は今、青龍のいる神宮に来ている。コカビエルの暴走を止めた青龍にことの結末を伝えるためだ

 

ア「ちょっといいか?今青龍に会えるか?」

 

銀「蒼枒様ですか?少々お待ちください」

 

境内にいた巫女の1人に声をかけたが・・・やはり巫女はいいな。しかも美女・美少女が多い。全く青龍が羨ましいぜ

 

蒼「堕天使の総督か。何の用だ?」

 

ア「おっ珍しいな!すぐに会えるとは思わなかったぜ」

 

いつの間にか青龍が近くに来ていた

 

ア「ちょっと伝えたいことがあってな。今大丈夫か?」

 

蒼「・・・これから黒歌と出かける。部屋に案内するから手短に話せ」

 

運が良かった。青龍会えない時は本当に会えないからな。部屋へと案内された俺は目の前に座る青竜へ頭を下げた

 

ア「コカビエルのことだが・・・すまなかった。あいつを止められなかった俺の責任だ」

 

蒼「別にアザゼルが謝る必要はない。俺は俺の役割を果たしただけだ。まぁコカビエルのおかげで雲剣(むらくものつるぎ)を扱うことになったがな」

 

青龍の隣には鞘に収められている2本の刀がある。あの片方が天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)か?龍の気配とも神に近い力を感じた

 

ア「興味はあるが・・・手に取「蒼枒ぁ!」」

 

俺の言葉を遮り勢い良く戸が開かれると黒歌が青龍に抱き着いた

 

黒「蒼枒!はやく行くにゃ!」

 

蒼「黒歌。少し待ってくれ」

 

黒「・・・わかったにゃ」

 

黒歌は俺を一目見ると青龍の胡坐の中に収まり、身体を預けた

 

ア「・・・おい、なんでそこに座った?」

 

蒼・黒「「何か問題か(にゃ)?」」

 

ア「問題だろ!青龍も何普通に頭撫でてやがる」

 

蒼「黒歌がかわいいから仕方がない」

 

ア「かわいいから。じゃねえよ!」

 

人の前でイチャイチャしやがって!独り身の俺のことも考えろ

 

黒「ふ~ん。顔も悪くないし総督って立場なら相手は困らなかったと思うんだけどにゃあ」

 

蒼「どうせ他のことに熱中し過ぎか、遊んでたんだろ?何百年も生きて相手もいないんだ。そんなところだろう」

 

当たらずも遠からずってところだが、バラキエルの奴から聞いていたのか?確かに神器(セイグリッド・ギア)の研究したり遊んでたりしてたけどよ

 

蒼「そんなことはどうでもいい。・・・それで?コカビエルはどうなった?」

 

ア「ああ。コカビエルはコキュートスに封印した。もう、出てこれないだろうがな」

 

出来れば封印なんてしたくはなかったが、これから重要なことがある。あいつを軽い処分で済ませることはできなかった

 

ア「コキュートス、か・・・ハデス様に使用許可は取ってるんだろうな?」

 

ア「いや、取ってないが・・・」

 

何か身体が重く感じるな。というか青龍から不穏なオーラが発せられてるんだが

 

蒼「コキュートスはハデス様が管理されてる場所だろうが!さっさと謝りに行ってこい!」

 

青龍によって文字通りたたき出された俺はハデスのもとに向かった。あいつ苦手なんだよなぁ

 

 

 

【蒼枒side】

 

アザゼルをたたき出し、俺と黒歌は隣県の大きな街に来ていた

 

黒「デート♪デート♪蒼枒とデート♪」

 

ピョンピョン跳ねながら俺の腕を引っ張る黒歌。黒の和服に大きな牡丹があしらわれているものを着ている。俺も和服なわけだが・・・そもそも家には洋服がない。例外は葉月と白音の制服のみでそれ以外はすべて和服だ

 

黒「蒼枒、どうかしたにゃ?」

 

蒼「何でもないよ」

 

反応がない俺を心配してか立ち止まるもすぐ引っ張られ、複合商業施設の中へと入った

 

蒼「ああ、もう。本当にかわいいな」

 

店の商品には目もくれず俺は黒歌だけを見ていた。今は猫耳と尻尾は隠しているが跳ねるたびに艶やかなで綺麗な髪が左右に揺れる。綺麗で美人でかわいくて、スタイルも良くて甘えん坊で。最高の妻だよ、黒歌は」

 

黒「にゃあん。うれしいにゃ」

 

おっと口に出てたか。言おうが言うまいが黒歌を愛してることには変わりない。引っ張っていた腕に腕を絡め、俺へと寄り添いながら

 

黒「私も、かっこよくて、温かくて心地よくて、私のことをこんなに思ってくれている蒼枒が大好きにゃ」

 

周りの目など関係ない。俺と黒歌は互いに顔を向け会うと目をつむり唇を合わせた

 

 

 

 

【絶斗side】

 

絶「ゼノヴィア。忘れ物はないか?」

 

ゼ「大丈夫だ。心配性だな、君も」

 

学校の休みも今日で最後だ。だから今日のうちにゼノヴィアに必要なものを買いに行く必要がある。何せ本当に必要最低限しか持ってなかったからな。外出用の服もなかったからネットで急遽頼む必要があった

 

ゼ「それで、今日はどこに行くんだ?」

 

絶「少し遠出して大きな街に行こうと思う。店も多いし色々必要なものがあるだろう」

 

生活消耗品等は買い置きの予備があるが布団はいつまでも客人用のを使わせるわけにもいかないし何より服がない。元々コカビエルのことが片付けば帰る予定だったためこれは問題だ

 

 

 

電車に乗り1時間も掛からずについた街で早速買い物を始めた。服はまだいい、ゼノヴィアはスタイルもいいし綺麗だからな。店のいろんな服を着て見せてくれたがどれも似合っていた

 

ゼ「絶斗!これはどうだ!」

 

絶「ああ!似合っているぞ」

 

ゼ「これは?」

 

絶「綺麗だ」

 

ゼ「この服はどうだ?」

 

絶「・・・」

 

ゼ「絶斗?」

 

絶「・・・ごめん見とれていた」

 

ゼ「そ、そうか・・・ならこれにしよう」

 

正直他の男に見せたくないと思ったりしていた。服を買い終え、次の店に入ったんだが・・・

 

絶「ダメだ」

 

ゼ「何故だ?今のままでは一緒に寝れないじゃないか」

 

絶「いいか?俺たちは学生なんだぞ。一緒に寝るのはまずい。俺がいつゼノヴィアを襲うかもわからないし・・・」

 

(「私は襲ってくれてもかまわないが・・・」)

 

絶「何か言ったか?」

 

ゼ「いや、何でもない!」

 

ダブルベットを最初に選んだときは驚いたがベットは1人用のをしぶしぶ選んでもらった。だが憧れるよな。朝起きたらゼノヴィアの寝顔が・・・って何考えてるんだ俺は!!!

 

ゼ「どうかしたか?」

 

絶「いや、なんでもない」

 

手を繋ぎ、隣を歩くゼノヴィアが急に頭を振り出した俺を心配して顔を覗き込む。ゼノヴィアの端正な顔が目の前に写る。何でもないように装うが心臓はバクバクと煩い。ゼノヴィアに音がばれないか心配だ

 

「おいさっきの見たか?すげえ美人だったな」

 

「もちろんだ。黒の和服を来た美女だろ」

 

「くそ~。隣に男がいなきゃ声かけたってのによ」

 

すれ違いざまに気になることを聞いた。今の時代に和服を着る人なんてそうはいない。それに黒の和服の美女っていうと1人しか思いつかない

 

絶「まさか・・・」

 

ゼ「絶斗、どうしたんだ?」

 

思った通り。店の前には見知った二人の姿があった。青く銀色に輝く髪をうなじと毛先でまとめ、着物に下駄を履き歩く人の姿。隣には髪から下駄まで黒一色の同じ髪型をした女性、蒼枒さんと黒歌さんがいた。距離は結構あったはずだが唐突にこちらを向いた蒼枒さんと視線が合った

 

絶「・・・はぁ、見つかったか」

 

ゼ「絶斗。一体どうしたんだ?誰に見つかったんだ?」

 

絶「知り合いっていうか一応剣の師匠に当たる人っていうか・・・コカビエルを倒した人に見つかった」

 

ゼ「何!?」

 

絶「あまり会いたくなかったんだけどなぁ。悪魔のこと嫌いみたいだから」

 

だが見つかった以上無視するわけにもいかず、ゼノヴィアを連れて蒼枒さんのところまで行った

 

蒼「奇遇だな。こんなところで会うなんて」

 

絶「そうですね。御2人はデートですか?」

 

蒼「そうだ。黒歌の水着を買いにな」

 

黒「今年はみんなで海に行くにゃん」

 

ゼ「へぇ、海か」

 

絶「ゼノヴィアは海に行ったことはないのか?」

 

ゼ「遊びではないな。訓練か討伐でしか行ったことがない」

 

そうか、そうだよな。今まで戦いの中で生きてきたんだ。あまり遊ぶなんてことはしてこれなかったんだろう

 

絶「なら、夏休みに海に行くか?」

 

ゼ「本当か!?だが水着が・・・」

 

黒「私が選んであげるにゃ!」

 

ゼ「え!ちょっと!!?」

 

黒歌さんがゼノヴィアの手を取り店の中へと入っていった

 

蒼「・・・彼女は?コカビエルのときも一緒にいただろう」

 

絶「彼女はゼノヴィア。幼いころからの知り合いです」

 

蒼「そうか・・・なら」

 

蒼枒さんが細く、睨みつける。これは・・・まずい

 

蒼「なんでお前とあのゼノヴィアという娘から悪魔の気配がする?」

 

 

 

【ゼノヴィアside】

 

私は黒歌さんに連れてこられ水着売り場に来ていた

 

黒「う~ん、これじゃないにゃ」

 

こういうところに来るのは初めてだ。水着と言ってもこれほど種類がある物なのか

 

黒「これもいまいちにゃ」

 

ゼ「あの、黒歌・・・さん?」

 

黒「どうしたにゃ?」

 

水着を出してはしまうを繰り返す彼女にある質問をぶつけてみた

 

ゼ「あなたははぐれ悪魔として指名手配されていたはずだ」

 

黒「それはそうにゃ。蒼枒に出会ってからは悪魔に関わらないように生きてきたもの。それで、私を捕らえるのかにゃ?悪魔さん?」

 

やはり彼女は私が悪魔だってことに気付いている。しかし・・・

 

ゼ「助けてもらったのにそんなことしませんよ。それにあなたに勝てるとは思えませんし」

 

コカビエルに対し分身してから誘導を持った炎や雷等を多数放ち圧倒していた彼女は今の私では相手にもならないだろう。それに恩人を売るなんてことはしたくない。それよりも

 

ゼ「あなたは悪魔だったころ何をしていたかを聞きたい」

 

何故そんなにも強いのか。何故主人を殺しはぐれ悪魔になったのか。私は他人を気遣える彼女がどうしても犯罪者には見えなかった

 

黒「・・・そうねぇ。悪魔だったころはあの悪魔の命もあってひたすらに戦っていたにゃ」

 

それから彼女から悪魔になった経緯、そして蒼枒さんに出会うまでのことを聞いた

 

ゼ「そんな!ならあなたは何も悪くないじゃないか!」

 

黒「そうはいってもね。悪魔からしたら転生悪魔なんてのはその程度なものよ。所詮は他の種族、自分の種族が大事なのはどこも同じにゃ」

 

ゼ「そんな・・・」

 

黒「それに、知っての通り悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は他の種族を悪魔にするけど、あれは本人の意思とは関係なく転生させることが可能にゃ。だから無理矢理転生させようとする悪魔も多いのよ。現に今も、白音と葉月が襲われてるにゃ」

 

悪魔がそんなひどいとは思わなかった。私はまだいい。私は私自身が望んで悪魔になった。しかし絶斗は違う。あの剣は助けるために手を貸してくれたが、もしかしたら悪魔に等なりたくなかったのかもしれない

 

黒「貴方はグレモリーの眷属だと思うけど気をつけたほうがいいにゃ。情愛が深い、とか聞いたことがあったけど、それが家族としての親愛なのか、ペットをかわいがるような愛なのかは私にはわからないにゃ」

 

言われて不安になってくる。果たして私はこれから生きてやっていけるのだろうか・・・

 

黒「悪魔を辞めたかったらいつでも家にくるにゃ。蒼枒なら何とでもしてくれるにゃ。それよりも・・・」

 

彼女が1つの水着を見せてくる。それは黒と白の生地に緑のラインが入ったスポーツタイプの水着だった

 

黒「これが似合いそうにゃ。早速着てみるにゃ」

 

ゼ「ああ、だがあなたのは」

 

黒「私はもう選んでいるにゃ」

 

そう言って見せたのは黒のビキニ。ああ、確かに似合いそうだが、私は絶斗の意見も聞きたい

 

黒「着てみて気に入ったなら買うといいにゃ。彼氏に見せるのは海に行ったときにするにゃ」

 

ゼ「絶斗は彼氏ではない」

 

黒「誰も絶斗だなんて言ってないにゃ」

 

ゼ「っ・・・」

 

嵌められた

 

黒「誰も嵌めてないにゃ。顔に出てただけにゃ」

 

私はそんなにもわかりやすかったのか

 

黒「あの隣にいた子ねぇ。ならお姉さんからアドバイスにゃ。好きならばはっきり伝えたほうがいいにゃ。知り合ってからの期間なんて関係ない。相手を待っていてもダメ。誰かに取られて後悔してからじゃ遅いにゃ」

 

そう言う彼女の表情は一瞬暗くなったように見えた

 

黒「あとで下着も見に行くにゃ。迫るなら下着の選択も大切にゃ」

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

ゼノヴィアが黒歌さんに連れていかれた後、俺と蒼枒さんはベンチで2人を待っていた

 

絶「あの、蒼枒さん。俺って悪魔なんでしょうか?」

 

蒼「いきなりなんだ?」

 

やっぱり悪魔のこと嫌いなのか。目を細めて睨み付けてくるけがかなり怖いぞ

 

絶「リアス部長に悪魔に転生させてもらって生き返ったんですけど、どうも悪魔らしくないんです。十字架も軽いやけど程度、さらに羽は天使のような翼になってますし・・・」

 

一瞬翼を出してまたしまう。それだけでも蒼枒さんなら俺の背に2対、計4枚の白の翼が見えただろう

 

蒼「・・・確かに天使に近い形状をしていたな。・・・少し見てみるか」

 

絶「え?」

 

蒼枒さんが俺の胸に手をかざし半透明になるとそのまま俺の胸の中へと入ってきた!?

 

絶「なっ!?」

 

蒼「静かにしてろ」

 

そう言った蒼枒さんは何か集中しているようだった

 

蒼「・・・・・・なるほどな。お前の中はなかなか面白いことになっているな」

 

時間にして数秒だろうか。腕を抜いた蒼枒さんは閉じていた瞳を開けながらそう言った

 

絶「それはどういう?」

 

蒼「いずれ分かるさ。いずれな」

 

何を知ったのか聞こうとしたがはぐらかされてしまった

 

蒼「(・・・罅の入ったの駒にそれを排除しようとする精霊か。お前はこれからどうなるんだろうな?絶斗)」

 

 

その後、買い物を終えたゼノヴィアと黒歌さんが戻ってきたらそろそろ帰る時間だったので祖王屋さんたちに挨拶をして別れた。女子の買い物は長いというけどここまで長いとは。初めて経験した

 

 

その日の夜。いつもどうり夢の中で前任者に会うとひどく驚いていた

 

前「今日ここに入ってきたやつは何だ!?《アミル・ガウル》の攻撃をことごとく防ぐ奴初めて見たぞ!」

 

どうやら昼間のあの時にここに入り込んでいたらしい・・・って!何やってたんですか蒼枒さん!?

 

 

 

おまけ

 

次の日の放課後、ゼノヴィアを連れてオカルト研究部に向かった

 

イ「な!?なんでお前がここに!?」

 

イッセーだけが動揺してるとゼノヴィアが背中から先の白い黒い羽を生やした

 

イ「あ、悪魔に転生したのか?」

 

絶「部長。イッセーに伝えてなかったんですか?」

 

リ「ええ、そうよ。イッセーの反応が見たくてね」

 

絶「際ですか・・・」

 

その後、ゼノヴィアがアーシアに謝ったり、俺の家に住んでいることを伝えた。イッセーが羨ましいとか言って態々赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出して殴ってきたが

 

イ「がっ!?」

 

剣の腹で殴り返しておいた。羨ましいと言っているがイッセーだって部長とアーシアと一緒に住んでいるだろうに

 



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魔王の来訪

遊戯王のルールがまた変わってしまいました。マスタールール4は・・・まるで意味がわからんぞ!リミットオーバーアクセルシンクロとかどうやって出せばいいんだ
・・・まあ決闘者編は今まで通りで行くと思います。リンク召喚とかどう説明したらいいかわかりませんし


リ「冗談じゃないわ!!」

 

ゼノヴィアとの買い物(デート)の数日後。オカルト研究部の部室ではリアス部長が怒鳴っていた

 

絶「何があったんだ?」

 

祐「実はイッセーくんの常連の契約者が堕天使の総督・・・アザゼルだったんだ」

 

祐斗に聞いたらあっさり教えてくれた

 

絶「どんな堕天使なんだ?アザゼルってのは」

 

ゼ「神器に強い興味を持っていて、有能な神器所有者を集めていると聞いている」

 

リ「そうよ!きっと、私のイッセーの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を狙って接触してきたのね。大丈夫よ、私が絶対に守ってあげるわ」

 

祐「僕も禁手になれたんだ。双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)ならきっと守れるよ」

 

いや、無理だろ。総督って言われてるからには幹部のコカビエルよりも強いだろうし、そんな奴が本気で来たら守れるわけないだろ。アーシアは応援しているけど隣にいる朱乃さんは苦笑いしている。勝てないことをわかっているのは彼女だけか

 

リ「しかし、どうしたものかしら・・・相手は堕天使の総督。あちらの動きがわからない以上、こちらから下手に接することもできないわね」

 

サ「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」

 

声のした方向へ視線を移すと紅髪の男性が微笑えんでいた。確かサーゼクスさん、だっけ?その後ろにはグレイフィアさんが控えていた。

 

リ「お、お、お兄さま!なぜここに!?」

 

部長が驚愕の声を出し、膝まづく。オカ研の部員で膝待づいていないのは俺とゼノヴィアだけだった

 

サ「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」

 

手をあげて、俺たちにかしこまらなくていいと促した

 

リ「お兄さまはどうしてここへ?」

 

サ「授業参観があるからね、私も参加しようかと思ったんだ」

 

サーゼクスさんはそう言いながら1枚のプリントを見せた

 

リ「っ!グレイフィアね?お兄さまに伝えたのは」

 

グ「はい」

 

絶「授業参観・・・か」

 

ゼ「絶斗・・・」

 

俺にはもう、来る人がいない。1人っ子なうえ両親は事故で無くなっている。ゼノヴィアが心配そうに小さく名を呼んだ。俺は気持ちを切りかえ、一応初対面となる魔王であるサーゼクスさんに挨拶をした

 

絶「初めまして。新しくリアス様の眷属となった朧月(オボロヅキ) 絶斗(ゼツト)と言います」

 

ゼ「私はゼノヴィアという者だ」

 

俺に続きゼノヴィアも挨拶をした。それからサーゼクスさんも魔王として挨拶をしてくださった

 

サ「実は授業参観だけが目的じゃないんだ。近々、3大勢力の会談が此処で行う予定でね。その下見も兼ねてるんだよ」

 

リ「先日のコカビエルの1件が関係ある。という事ですか?」

 

サ「流石はリアスだ。堕天使の最高幹部が、天使陣営から聖剣を盗み取り、悪魔が管理している土地に不法侵入した。この学園なのか土地なのかは分からないが、何かしらの縁があるようだ。私の妹に、伝説の赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来してきた。さらには今まで表に出てこなかった青龍までもが姿を現した。これは偶然で片付けれない事象だ。様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。そのうねりを加速度的に増しているのが兵藤一誠くん、赤龍帝だとは思うのだが」

 

サーゼクスさんがイッセーに視線を送る。何が言いたいかなんとなく察した

 

絶「イッセー。お前は疫病神だったのか?というよりいつ変態を卒業したんだ?」

 

イ「やめろぉぉぉぉぉ!俺も思ったから言うんじゃねぇええええ!それに俺は変態じゃねぇえええ!!!」

 

疫病神の自覚はあるが変態の自覚はないと。困った奴だ。皆がイッセーを笑っていると

 

サ「さて、これ以上難しい話しはここでしても仕方ない。詳しい内容は会談の時にしよう。少し遅い時間だが宿泊施設は空いているだろうか?」

 

グ「近くの施設に空き部屋はないそうです」

 

サ「そうなのかい。それは困ったな」

 

イ「そう「ならイッセーの家はどうですか?確か部長はイッセーの家に住んでいたはずですし、兄妹で積もる話もあるでしょう」っておい!」

 

リ「ゼット!?」

 

サ「そうだね!イッセー君。頼めるかい?」

 

イ「あ、は、はい!わかりました」

 

宿泊施設の代わりにイッセーの家への宿泊を提案したら、サーゼクスさんはそれを快諾した。部長がなんか恨めしそうに俺を睨んでいるけどなんでだ?

 




絶斗とゼノヴィアの翼のことをバラすかバラさないか悩みましたが、バラさないことにしました。特に気配や魂の在り方に敏感な方はいないと思うので


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プールで遊ぶ者 鍛える者

先週感想なかった!作者の心にダイレクトアタック!作者のライフポイントが減少した
・・・先週はやっぱり感想なかったか。予想してたけど心に響くな


【絶斗side】

 

俺達は学園のプールにいる。生徒会から掃除を任されたわけだが、普通は水泳部とかがする事じゃないのか?と思ったが、掃除をし終わったら貸し切ってもいいという話なのでリアス部長は快諾したみたいだ

 

リ「さて、後は水を溜めれば終わりね」

 

葉「そうですか。では」

 

掃除を手早く終わらせ、後は水を入れるだけになった時だった。葉月ちゃんが呼び出したであろう水がプールへと放たれ、あっという間に水を溜めてしまった

 

葉「これで掃除は終わりですね。私たちは帰りますので、お疲れ様でした」

 

リ「ちょっと!?帰っちゃうの?」

 

葉「元々この後の予定は入ってましたし、後はみなさんでお楽しみください」

 

そう言って宙に魔方陣を展開した

 

白「貴方達は修行しようと少しも思わないんですか?まあ、どうでもいいですけど」

 

白音ちゃんが魔方陣の中に入り

 

葉「白音の言うことももっともですが・・・ああそうだ、グレイフィア伯母様にお伝えください。母が授業参観に来る、と」

 

それだけを言い残し、葉月ちゃんも入ると魔方陣が閉じた

 

リ「ま、まぁ2人が帰ってしまったのは残念だけど私たちでプールを楽しみましょう」

 

部長の言葉に皆従い水着に着替えるために更衣室へ移動した

 

イ「いやぁ部長達の水着姿早く見たいぜ!葉月ちゃんたちが帰っちゃったのは残念だけどな」

 

祐「しょうがないよ。予定があるって言ってたんだから」

 

イ「それはそうなんだけどよ~」

 

俺とイッセー、祐斗はすでに着替え終わり部長たちを待っていた

 

イ「あーやっぱり見たかったな。葉月ちゃんと白音ちゃんのおっぱい」

 

絶「・・・2人と、ついでに蒼枒さんに伝えていいか?」

 

イ「やめてください!本気(マジ)で死んでしまいます」

 

「「「「お待たせ~」」」」

 

土下座しながらいう姿に、なら言うなよと思っていると女性陣の準備もできたようだ

 

リ「どう?イッセー。私の水着は」

 

イ「ブッ!」

 

部長は一番にイッセーに自分の水着姿を見せに行った。するとイッセーの鼻から勢いよく鼻血が飛び出た。普段からおっぱいおっぱい言ってるくせにこういうのはダメなのか

 

ゼ「赤龍帝は何故体まで赤くしてるんだ?」

 

絶「気にするな。気にするだけ無駄だ」

 

アーシアに治癒されて、朱乃さんを見て再び鼻血出して・・・なんだかな~

 

ゼ「そうか・・・絶斗、私の水着はどうだ?」

 

そう言って感想を求めてきたゼノヴィアの水着は黒と白の生地に髪のメッシュと同じ緑のラインが入った、体のラインがハッキリわかるスポーツタイプの水着だった

 

ゼ「顔が赤いぞ、大丈夫か?」

 

絶「だ、大丈夫だ。似合ってるぞ(肌の面積は部長とかの方が多いのになんでだ、直視できない)」

 

ゼ「そうか!私はこういうのは初めてだったからな。黒歌さんに手伝ってもらってよかった」

 

やべぇ。黒歌さんって言葉に反応して部長たちがこちらを見ている

 

リ「ちょっと!?黒歌に手伝ってもらったってどういうこと!?詳しく聞かせてもらえないかしら?」

 

この後、俺とゼノヴィアはプールサイドで正座させられ、部長から説教を受けた

 

リ「いい!相手は主を殺した凶悪犯。危険だから近づいたらだめよ!」

 

そう絞めに言われようやく説教は終わった。正座に慣れていないゼノヴィアにはきついだろうと思い目を向けると、部長に疑いの目を向けている姿があった

 

 

 

【葉月side】

 

神宮内に転移した私たちは予定通り、習練場に向かうことにしました。しかし、途中でヴァーリさんに声をかけられてしまいました

 

ヴ「すまない。蒼枒は今いるか?」

 

また戦いに来たんですね。ただ残念ながら

 

葉「いるとは思いますが下りてはこないかと思います。朝方までお兄様はとお義姉様は本気で戦っていたようですし、寝たのが私たちが出かける前なので起きないと思います」

 

ヴ「そうか・・・それは残念だ」

 

せっかく来ていただいたのにこのまま返すのもなんだか悪い気がします

 

葉「そうだ!これから修行をするのですがご一緒にどうですか?」

 

ヴ「そうだな。せっかくだし手合わせ願おうか」

 

ということでヴァーリさんを連れて修練上に向かいます。道中・・・

 

葉「そういえば今日はお兄様と戦うために来たのですか?」

 

ヴ「いや、アザゼルの付き添いだな。何でも天照に呼ばれたらしい」

 

葉「ああ、なるほど」

 

先日のコカビエルの件ですね。まあ被害はそれほどありませんでしたし、深刻なことにはならないでしょう

 

 

【3人称side】

 

修練場というには似つかわしくない、ただの広場に、白に身を染めた一人の少女が眼を閉じながら腕を組んでいた

 

白「・・・ヴァーリさんも一緒ですか」

 

葉「折角なので誘いました」

 

白「そうですか。よろしくお願いします」

 

ヴ「こちらこそよろしくたのむ。だがこれは・・・」

 

ヴァーリの目の先には地面が抉られた跡、倒木そして薄く紫に変色した地面や木だった

 

ヴ「これは・・・蒼枒がやったのか?」

 

葉「正確にはお兄様とお義姉さま様、ですが。現状を見るに本気でやり合ったみたいですね。帰って来たお義姉様は目・鼻・口から血を流してましたし」

 

分かっていたことだが少なからずショックを受けたヴァーリは落ち込んだ。自分では本気の蒼枒と戦うことすらできないことを分かっているから

 

白「それじゃあ始めますね!」

 

ヴ「ぐっ!!」

 

ヴァーリが気落ちしている所を狙って正拳を放つ。それよりも速く葉月がヴァーリを蹴り仰け反らせると、ヴァーリの目の前を拳が通り過ぎるのを認知すると体勢の立て直した

 

葉「いきなり無拍子とは、やりますね」

 

白「この場に来た時から修行は始まっています。油断している方が悪いです」

 

葉「ふふ、そうですね」

 

そう言いながら目に映らない速さで拳が、薙刀が振るわれる。葉月が距離を空けようと後退、時に薙ぎ払うが白音も回避、弾きながら突進する

 

ヴ「先ほどは油断したが次はそうはいかないぞ!」

 

ヴァーリは手に刀身の赤い2本の剣を出し、2人に突撃した。白音が剣を防ぎその隙に葉月は距離をとった

 

白「次があるほど戦いは甘くないです。先ほどの拳に反応できなかった時点でまだ私たちの強さには届いてない証拠です」

 

ヴ「なら、その強さを手に入れるためにお前たちには糧になってもらう!」

 

剣を振おうとするヴァーリだったが、白音は振るわれる前に腕を押さえ、そのままを彼を葉月の方へと投げ飛ばした

 

ヴ「うおっ!くっ」

 

葉月とぶつかる前に体勢を整えたヴァーリだったが

 

葉「水に押しつぶされてください」

 

笑顔で言う葉月を含めた3人の頭上から大量の水が落とされ、押しつぶそうとしていた

 

ヴ「!?ならば」

 

ヴァーリは水に対し突撃し、空へと突き抜けようとし

 

白「邪魔はなくなりましたね」

 

白音は炎を身に纏い、水を蒸発させながら葉月へと掌底を放った

 

 

 

 

ヴ「くそっ。やはり厳しいか」

 

修行が始まって1時間。結界が敷かれていたために結界内に水が溜めり、中では葉月と白音が水の跡を残しながら戦っていた。時折白音が呼吸するために上がってきたり、斬撃が飛んで来る空にいたヴァーリだったが、周りを数多の龍が包囲しており、その中の向かってくる1匹の水竜をすれ違いざまに白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)で切り裂いた。姿を保てずただの水に還り落ちるが、次から次へと生み出される水竜に苦しそうに呟いた

 

ア「ヴァーリ!何故半減も白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)を使わない!?半減させてしまえばこの程度、お前の相手ではないだろう!」

 

アルビオンの言う白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)を使い、辺りの水を半減させることができる。しかしヴァーリはそれをしなかった

 

ヴ「確かにアルビオンの言う通り水を半減させることができれば周りの竜も貯まっている水も無くすことができるだろう。だがそれではダメだ。お前に頼ってしまっていてはいつまでたっても俺自身が成長しない!」

 

実際ヴァーリが貯まった水に触れた時、アルビオンが半減させた時があった。結果は成功し、貯まっていた水は半分になったがすぐに水が補充され、水面に近いせいもあり、生まれたばかりの水竜の突撃を受けるという手痛い仕返しを受けていた

 

ヴ「俺は強くなる。だが俺自身が強くならければならない!お前に頼るのは俺自身が強くなった後だ!」

 

そう言ったヴァーリは剣を握りしめ

 

ヴ「はぁあああああああ!」

 

自身に襲い掛かるかってくる数多の竜へと向かっていった

 

 

 

 

 

 

日が落ちかけ、西の空が赤く染まるころ。霊峰青山(せいざん)の中腹に位置する家の庭には龍が寝ており、その頭には黒一色の美女が身を丸めながら寝ていた。

 

黒「く、ぅん~~と。・・・夕方かにゃ」

 

その豊満な胸を前に出し縮まった身体を伸ばす。周りに人がいれば着崩した着物から覗く胸に目が行ったが、彼女の周りには誰もいない。居るのは自身が寝ていた龍、夫である蒼枒のみ。体を伸ばすとともに上を見ると彼女の目には赤と黒に染まった空が映った

 

黒「蒼枒、蒼枒。起きてにゃ」

 

ペシペシと黒歌が蒼枒の頭を叩くと、閉じていた眼が開きその長い身体を持ち上げた

 

蒼「はぁーーー。夕方か、結構寝てたな。身体はもう大丈夫か?」

 

黒「ん、大丈夫にゃ。完全じゃないけどほぼ元通りにゃ」

 

蒼枒は身体を震わせ、ほぐすと空へと続く結界の方へ

 

黒「まだやってるにゃ。時間にして半日ほどかにゃ?」

 

蒼「どうだろうか。学校に用事があるとか言ってたがいつ戻って来たかまではな」

 

蒼枒は顔を庭へと頭を下すと黒歌がぴょんと地面へと降りた

 

黒「私は夕飯を作るからにゃ。蒼枒は白音たちを迎えに行ってほしいにゃ」

 

蒼「ん、わかった」

 

黒歌がキスをすると、蒼枒は飛び上がり修練場へと向かった

 

 

 

 

 

蒼枒が葉月たちのもとへ行くと、結界の外にある木にもたれかかっているヴァーリを見つけた。蒼枒は人の姿に戻り、妹達の前にヴァーリへと近づいた

 

蒼「ヴァーリか。先日はありがとう」

 

ヴ「蒼枒か。俺の実力じゃあまだまだお前の妹達には及ばないようだ。修行に俺も混ざったがアルビオンの力なしじゃあ本人と戦うことすらできない」

 

蒼「それはそうだろ。一体誰があの2人の相手をしていると思っている」

 

ヴ「おまえだろ」

 

蒼「なんだ。わかってるじゃないか」

 

そう言って細く笑う蒼枒は妹達を回収すべく結界に近づき

 

蒼「・・・ハッ!」

 

腕を木に変え、2人を捕らえると釣竿を引き上げる要領で結界の中から引き出した

 

白「っ!?あ、お義兄様。起きたのですね」

 

葉「っと。おはようございます?いいとこでしたのに結構強引に止められましたね」

 

蒼「今日はそれまでにしておけ。全く、水に毒が染み出していたらどうする」

 

白「一応隔離はしていたんですけどね」

 

戦っていた2人はすでにボロボロであり、どれだけ激しい戦いだったかが見て取れた。蒼枒と葉月が結界内の貯まった水を散らしていると、真っ黒に焦げたアザゼルが現れた

 

ア「やられたやられた。見ろヴァーリ、翼まで真っ黒だ!」

 

ヴ「翼が黒いのは元からだろう」

 

ア「何を言う。これでも天使だったころは白だったんだぞ」

 

ヴ「何当然なこと言っている」

 

ギャーギャー騒ぎ出すアザゼルとヴァーリに対し、蒼枒は2人の頭上に金ダライを落とした

 

ア・ヴ「「イタっ!」」

 

蒼「2人して煩い。それで、天照様は何か言っていたか?」

 

ア「いや、特には言われなかったな。だが騒ぎを起こした以上、何のお咎めもなしとはいかなかったがな」

 

葉・白「「当然ですね」」

 

アザゼルの姿から天照大神に焼かれたというのが誰の目からも見て取れた。本人が元気そうなことから深刻なダメージは追っていないということも

 

ア「さて、俺たちも帰るぞ」

 

ヴ「ああ、わかった。・・・蒼枒、次回はお前と戦いたいな」

 

蒼「時間が空いてればな」

 

ヴ「ふ、楽しみにしておく」

 

そう言ってアザゼルとヴァーリは飛び去っていった

 

 

 

蒼「終わった」

 

葉月と白音は先に帰らせ1人で作業を行っていた。結界内の水と地面や倒木を汚染していた毒をようやく処理し終え、一息ついた蒼枒は家に帰ろうとすると後ろから声をかけられた

 

碧守「蒼枒!ここにいたのか」

 

振り返った先には緑の着物に身を包んだ男と

 

フ「ふふ。ただいま、蒼枒」

 

桜色の着物の女性が仲良く並んで歩いてきていた

 

蒼「おかえり、父様、母様」



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最後の眷属は男の娘

評価をくださりありがとうございます!おかげでライフが回復しました!
そしてUAが65,000超え!皆さま、読んでくださりありがとうございます


【絶斗side】

 

イ「ここにいるんですか?ドラマの警察が封鎖に使うテープが張っているこの部屋に」

 

プールで遊んだ次の日。俺たちは旧校舎のある部屋の前にいた。その部屋は『KEEP OUT!』や『立入禁止!』と書かれた黄色いテープが幾重にも貼られていた

 

リ「そうよ。もう一人の僧侶の使用許可と認められたの。ようやく私の眷属が全員そろうわ!」

 

喜ぶ部長に対し、俺はこれから出てくるものに対し警戒し始めた。転生させた部長にも扱えないため厳重に封印された悪魔。一体どんなものなのだろうか

 

ゼ「大丈夫だ。襲い掛かってくるならばデュランダルで成敗してくれる」

 

絶「そうだな。俺も不測の事態に備えて《アミル・ガウル》を出しておくか」

 

リ「ちょっと2人とも!?そこまで危険じゃないわ!この封印だって深夜には解けて旧校舎内なら探索して良いものだし・・・」

 

封印されてるのに出てこれるって意味ないだろ!何のために施してるんだ!

 

リ「所謂引き籠りで、一日中、此処に住んでいるのよ」

 

イ「そんな状態でどうやって契約してるんだ?」

 

一応夜には動けるから契約取りを行っていてもおかしくはないな。封印させてる奴を自由にさせるとか普通は考えられないけど

 

朱「パソコンを介して、特殊な契約を人間と執り行っているのです。直接私たちに会いたくない人間というものもいるのですよ。眷属のなかでも一番の稼ぎ頭だったりしますし」

 

朱乃先輩が答えてくれた。なるほど、そういう手もあるのか。俺もできるかな?最近修行がきついから早く寝ていたいんだけど

 

リ「さて、扉を開けるわ」

 

と、部長さんが扉を開けると

 

?「イヤァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアッッ!」

 

とんでもないほどの少女みたいな叫び声が強烈に響き渡った。とっさに耳を塞いだが頭の中でキィィィンと鳴っている

 

リ「ごきげんよう。元気そうで良かったわ」

 

?「な、な、何事なんですかぁぁぁぁぁ?」

 

中に入ると金髪で赤い双眸をした少女が震えていた。彼女が封印されていた眷属か。美少女と言われてもおかしくない容姿をして言るな。となれば当然

 

イ「うおぉぉぉ!!金髪の女の子!!」

 

イッセーは反応するよな

 

リ「この子は紛れもない男の子よ。こんな見た目だけれども」

 

イ「何言ってるんですか?部長。この見た目で男なんて。服も女物じゃないですか!」

 

現実を受け入れないイッセーに部長さんが首を横に振る

 

朱「女装趣味があるのですよ」

 

絶「なるほど。所謂男の娘ということか」

 

イ「・・・・・・うわぁぁああああああああああああああああッッ!」

 

ようやく理解したイッセーがその場に頭を抱えしゃがみ込んだ

 

イ「う、嘘だろ。こ、こんな残酷な話があっていいものか・・・。完全美少女な姿で・・・男だなんて。しかも似合ってる分、余計に真実を知ったショックもでかいし。それに・・・」

 

絶「いい加減現実を受け入れようか」

 

アーシアや部長と一緒に住んでいるくせにこいつはまだ物足りないのか

 

?「だ、だって、女の子の服の方がかわいいもん」

 

イ「かわいいもん、とか言うなよ!クソッ!アーシアとお前のダブル金髪美少女『僧侶(ビショップ)』を瞬間的とはいえ、夢見たんだぞ!」

 

ゼ「大丈夫なのか?赤龍帝の奴」

 

絶「いつものことだ。気にしてたらキリがないぞ」

 

ゼ「そっか。絶斗が言うならそうなのだろうな」

 

イ「お前らは何いい雰囲気出してんだコラァ!」

 

?「と、と、ところで。この方達は誰ですか?」

 

矛先が自分から外れたことで少し余裕が出てきたか?とりあえず煩いイッセーは殴っておいた。変に避けようとしたせいで顎に当たり気絶しちまったがアーシアさんに膝枕されてるし、まあいいか

 

リ「貴方がここに居る間に出来た眷属よ。気絶しているのが『兵士(ポーン)』のイッセーで彼を介抱しているのがあなたと同じ『僧侶(ビショップ)』のアーシア。イッセーを殴ったのが『戦車(ルーク)』のゼットで隣にいるのが『騎士(ナイト)』のゼノヴィアよ」

 

おい、その紹介の仕方はないだろう

 

ギ「自分はぎゃ、ギャスパー・ヴラディですぅぅぅ。お願いですから殴らないでくださいぃぃぃ」

 

絶「いや。訳もなく殴ったりしないからな!?」

 

何もしないアピールのために手を上げようとすると

 

ギ「ひ、ひぃぃぃ!?」

 

何故か怯えられた。解せぬ

 

絶「・・・どうしたらいいんでしょうかねぇ部長?」

 

リ「・・・」

 

問いかけに反応がなかった。不思議に思い顔を向けるとピクリとも動かないみんなの姿が

 

絶「これは一体・・・」

 

ギ「な、何で動けるんですかぁ!?」

 

ゼノヴィアも部長もみんな止まっている中俺とギャスパーだけが動いている。そして「動けるんですかぁ!?」という言葉から

 

絶「お前が原因かぁ!」

 

ギ「ヒィィィィ!!剣を向けないでくださいぃぃぃ!!!」

 

ギャスパーの周囲の物体が、空間が色を無くしていく。俺は《アミル・ガウル》を構え、ギャスパーに剣先を向けたが、向けられた本人は部屋の隅まで退き、ガタガタと震えだした。・・・なんだこれ

 

 

 

体感でだが皆が止まってから5分ぐらい経ったか?俺は変わらず《アミル・ガウル》を構えギャスパーが震えていた。話しかけても震えるだけで聞いてくれないし、だからと言って《アミル・ガウル》を消すわけにもいかないし。一体どうしたらいいかと考えていたら

 

白「ここですか!?ここ一帯を止めている原因は!」

 

ギ「ひぃぃぃぃ!!だ、だだだ誰ですか!!?」

 

絶「し、白音ちゃん?」

 

瞬きもしない間に部屋の中に白音ちゃんが現れた。俺とギャスパーを一目見るとガタガタと震えるギャスパーの前へと移動した

 

白「あなたですね、この現象の原因は。はやく元に戻してください!」

 

ギ「じ、自分でも制御できなんですぅ」

 

白「なんてもの使ってるんですか・・・」

 

怒り半分呆れ半分な溜息を吐くと白音ちゃんはギャスパーを部屋の隅から引きずり出し、首に手刀を放った

 

ぎ「うっ・・・」

 

気絶しバタッと倒れるギャスパーを慌てて支えると、無色になっていた空間に色が戻り止まっていたみんなが動き出した

 

ゼ「何かされたような・・・」

 

朱「あら、白音ちゃんじゃないですか。いつの間にここにいらしたのですか?」

 

リ「ちょっと!?ゼットはなんで神器(セイグリッド・ギア)だしてるの!?なんで白音がいるの!?なんでギャスパーが倒れているの!?」

 

部長が慌てるのも無理はない。あの止まった中では意識もないみたいだからな

 

白「時間を止めるなんて。制御もできないのに使わせないでください。迷惑です(せっかくお義父様とお義母様が帰ってきてるに)」

 

それだけを言い残し白音ちゃんは消えた。俺も《アミル・ガウル》を消すと部長に詰め寄られた

 

リ「なんでギャスパーに神器(セイグリッド・ギア)を向けてたの!?白音がいたのも、ギャスパーが倒れているのも一体なぜ!?」

 

絶「いや、ちょっと待ってください。そんな一度に言われても答えれませんって」

 

朱「そうですよ。まずはギャスパー君を寝かせましょう。いつまでもそのままにしておくわけにはいきませんわ」

 

床へと降ろし仰向けに倒れているギャスパー。朱乃さんの言う通り、冷たい床に放置しておくのはかわいそうだ。部長の指示に従い、部屋に何故かあった棺桶へとギャスパーを入れた。真っ暗な部屋といい、棺桶といい、口から隠しきれていない犬歯といい、もしかして

 

リ「ゼット。鋭いあなたならもう分かったかもしれないけれどとりあえず部室に行くわよ」

 

ゼ「わかりました」



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吸血鬼の特訓(巻き添えあり)

感想が書かれなくなって1ヶ月か・・・。質問でも誤字報告でも、もろちん感想でもいいんで書いてもらいたいです(先の展開に関する質問はネタバレもあるので答えをはぐらかすこともありますけど・・・)


【絶斗side】

 

気絶中のイッセーを起こし、ギャスパー棺桶を一緒に部室へと運んだ。あの部屋には自由に入れるようになったし、何かあったらまずいからな。とりあえず部屋の隅へと棺桶を降ろした

 

絶・イ「「停止世界の邪眼(フオービトウン・バロール・ビュー)?」」

 

リ「そう。それがギャスパーの持っている神器(セイグリッド・ギア)の名前。効果はとても強力で視界に捉えたあらゆる物の時を止めることができるわ」

 

イ「スッゲー!時を止めるなんてすごい神器(セイグリッド・ギア)じゃないですか!」

 

白音ちゃんの言う通り時を止めていたのか。おそらくその範囲はあの無色になっている空間がそうなのだろう

 

リ「だけど弱点もあるわ。停止世界の邪眼(フオービトウン・バロール・ビュー)は、使い手よりも明らかに上位の実力者は停止させる事が出来ないの」

 

なるほど。だから白音ちゃんは普通に入ってこれたのか。俺たちとじゃ明らかに力の差があるからな

 

絶「よくそんな強力な神器(セイグリッド・ギア)を持った奴をよく駒ひとつ消費だけで眷属にできましたね」

 

部長は1冊の本を手元に出現させ、いくつかのページをめくり俺たちに見せた

 

リ「『変異の駒(ミューテーション・ピース)』のおかげよ」

 

ゼ「ふむ。通常の『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』とは違うのか。この駒を使えば複数使わなければ転生させることができない者でも、これ1つで転生が可能になるのか」

 

朱「だいたい上級悪魔の10人に1人は持っているものですわ。場合によっては『女王(クィーン)』でも転生できない者でも転生させることができます」

 

そうなのか。ん?駒価値は『兵士(ポーン)』が1で『僧侶(ビショップ)』と『騎士(ナイト)』が3。『戦車(ルーク)』が5で『女王(クィーン)』が9か。ってことはもしかして、俺が1番駒価値が高いのか!?

 

リ「ギャスパーは類希な才能の持ち主で、無意識のうちに神器の力が高まっていくみたいなの。そのせいもあって、日に日に力が増していってるわ。上の話では将来的に『禁手(バランス・ブレイカー)』へ至る可能性があるという話よ」

 

それはすごいな。祐斗みたいにいつかは『禁手化(バランス・ブレイク)』するのか

 

リ「ギャスパーの神器(セイグリッド・ギア)については以上ね。さて絶斗、あなたには聞きたいことがいくつかあるわ」

 

まあ聞きたいことはギャスパーがいる部屋で言っていたからだいたいわかるけど

 

絶「俺に答えれることでしたら」

 

リ「まずはギャスパーに剣を向けていた件ね。一体何故かしら?」

 

どうやら質問はあの時言っていた順でするみたいだな

 

絶「あの時は不測の事態に備えて警戒をしていたためです。みんなは動かなくなるし、だんだん無色は広がる。そしてその広がる中心にいたのがギャスパーだった。あの時はギャスパーが時を止めることができるなんて知らなかったから警戒して当然でしょう?」

 

リ「そうね。ってちょっと待って!あなたもしかして動くことができたの!?」

 

絶「まあ。なぜかは分からないですけど」

 

たぶんだけど《アミル・ガウル》が守ってくれたとしか考えられないな。白音ちゃんみたいに他のみんなと力の差があるわけでもないし

 

リ「ということは何故白音があの場所にいたのかを知っているのね。何の理由で来たかは知らないけど、ケルベロスを倒すほどの実力を持つ白音ならギャスパーに止められることはないと思うわ」

 

絶「そうですね。何故来たのかは俺にもわかりませんが、最後の質問はお答えできます。あの時、ギャスパーが倒れていたのは白音ちゃんが停止世界の邪眼(フオービトウン・バロール・ビュー)を止めるためにギャスパーを気絶させたからです。正直に言うと助かりました」

 

ギ「・・・・うぅ。ま、また、僕の話なんてして・・・放っておいてほしいのに・・・」

 

いつのまにか起きていたらしく、俺たちの話を聞いていたようだ。棺桶の蓋を少しだけずらしこちらを見ていた

 

ギ「だ、だからお、お外は僕の天敵なんですぅ!さ、さっきだって放っておいてくれれば、神器(セイグリッド・ギア)が暴走することも、あ、あの白い女の人に気絶されることもなかったのにぃぃ!!」

 

確かにギャスパーがいていることも合ってはいる。だが・・・

 

絶「お前はそれでいいのか?ずっと引きこもっていて。誰かに会うたびに神器(セイグリッド・ギア)を暴走させて」

 

ギ「で、できるならば制御したいでですぅ。でも、また暴走しちゃうし・・・」

 

ゼ「いつまでもくずくずしてお前はそれでも男か!外に出ろ!自分の神器(セイグリッド・ギア)に怯えて、引きこもってばかりではいつまでたっても制御できないままだ!」

 

先ほどからイライラしていたゼノヴィアがついに抑えきれなくなったようだ。だがゼノヴィアが言ったことは俺も賛成だ。いかに強力な能力を持っていようとその器である身体が能力に耐えることができなければ簡単に暴走してしまう。今でさえ制御できないのにいつかは『禁手化(バランス・ブレイク)』してさらに強力になったら危険ってレベルじゃない

 

絶「そうだな。健全なる精神は健全なる身体に宿るというし・・・部長。ギャスパーは吸血鬼みたいですけど外に出ても大丈夫なんですか?」

 

イ「え?ギャスパーって吸血鬼何ですか」

 

今頃か。部屋が暗かったり棺桶の時点である程度は察しろ。いや、気絶してたから無理か

 

リ「デイウォーカーという特殊な吸血鬼の血を引くから太陽光も平気なはずよ。自分からは出て行かないけど」

 

絶「なら無理矢理でも連れていくしかないか。ゼノヴィア」

 

ゼ「ああ。わかった」

 

ギ「ひぃぃぃぃ!な、何するんですか!?」

 

俺とゼノヴィアが棺桶を持ちあげると、中にいるギャスパーが騒ぎ出した

 

絶「今からお前を鍛える。まずは体力づくりだ」

 

ゼ「そうだな。まずは走ることから始めようか」

 

ギ「そ、そんなの無理ですぅぅぅ」

 

ゼ「何、走らなければならない状況にすれば否応でも走るようになるさ」

 

棺桶の中で怯えるギャスパーを無視して俺たちは校庭へと運んだ。その様子をアーシアは心配そうにしていたが、それとは対照的になんかいい表情の朱乃先輩が俺たちを見ていた

 

 

 

絶「さあ、走れ!部長が言うには日中でも走れるんだろ?」

 

ギ「いやぁああああああ!」

 

ゼ「校舎に逃げ込もうとしているようだがそうはいかないぞ!ほら、十字架に聖水だ!」

 

ギ「ひぃぃぃぃ!浄化されちゃうぅぅぅ!!」

 

ギャスパーを追いかけながら《アミル・ガウル》を当たる寸前に振る俺と、ギャスパーが逃げ込もうする先に立ちふさがり、聖剣・悪魔祓いの道具を展開するゼノヴィア。少しかわいそうだがこれもギャスパーのためだ

 

リ「ちょっと!?いくらなんでもギャスパーがかわいそうよ」

 

絶「かわいそう、とか何を言ってるんですか!優しさと甘さは違うんですよ!」

 

リ「っ・・・」

 

何か言いたそうな表情をしている部長にゼノヴィアがさらに追撃を加えた

 

ゼ「絶斗の言う通りだ。このままではギャスパーは討伐されるぞ」

 

リ「なっ、なんで!?」

 

ゼ「視界に捉えたあらゆる物の時を止めることができると言っていたな。先程は部屋のみだったがこれが力を増し『禁手(バランス・ブレイカー)』に至ったら街1つを停止させることも可能となるだろう。しかも自身は制御できない。となると討伐対象になってもおかしくはないだろ」

 

リ「させないわ!私がそんなこと絶対にさせない!」

 

絶「そう言って部長は何かをしました?夜には封印が解けていたと言ってましたが制御できるよう何かしてたんですか?ギャスパー!部長がお前に何かしていたか?」

 

ギ「な、何もしてないですぅぅぅぅぅ!こ、答えたからやめてくださいぃぃ!」

 

やっぱりか。大体予想はしていたけど

 

絶「主としてどうなんですか?先が思いやられます」

 

ゼ「(本当にそうだな)」

 

追いかけるギャスパーの速度がだんだん落ちてきた。そろそろ休ませるか

 

リ「分かったわ!これからは私もちゃんと指導するから!もうやめて!」

 

絶「そうですね。ギャスパーは一旦休ませます」

 

体力が尽きたのか倒れたギャスパーを日陰へと移し、次の目標へと狙いを定めた

 

絶「さあ、次は部長の番です」

 

リ「え!?ちょっと待って!何を言っているの?」

 

顔を引きつらせながら言う部長の背後にゼノヴィアが迫る

 

ゼ「指導するものとして同じ苦難は経験しておいた方がいい」

 

絶「というわけで部長。次は貴方が走る番です」

 

リ「・・・・・・撤退!」

 

絶「逃がすかぁ!」

 

 

 

【3人称side】

 

匙「おー、やってるなオカ研」

 

イ「おっ、匙じゃん」

 

旧校舎入り口にいるイッセー達のところに軍手にシャベルを装備した匙がやってきた

 

匙「よー、兵藤。解禁された引きこもりの眷属を見に来たぜ」

 

朱「ずいぶんと来るのがはやいですわね」

 

匙「会長に聞いてましたから。それで、その眷属っていうのはどこです?」

 

イ「絶斗とゼノヴィアに追いかけられてるのがそうだぜ」

 

イッセーが指さす方にはギャスパーを追いかけまわす絶斗とゼノヴィアの姿があった

 

匙「おお!女の子か!しかも金髪!」

 

イ「匙。残念、あれは女装野郎だ」

 

匙「なん・・・だと・・・」

 

イ「分かるぞ。その気持ちは十分に分かるぞ、匙!」

 

イッセーが真実を教えると匙はガッカリとうなだれた。その匙を同じショックを受けたものとしてイッセーは慰めていた

 

ア「そういえば匙さんは何をなさっていたのですか?」

 

朱「見た感じ花壇の手入れしているような格好ですけど、お仕事しなくてもよろしいので?」

 

匙「ちょっと見に来ただけですぐに戻ります。近々授業参観もありますし、それに魔王さまもここにいらっしゃるようです。学園をキレイに見せるのも生徒会の仕事だ」

 

イ「確かに授業参観に来ると言っていたな」

 

イッセーはリアスの兄であるサーゼクスが止まりに来ていた日のことを思いだしていた

 

匙「それよりもイッセー。お前のとこの部長が大変なことになっているぞ」

 

イ「何だって!?」

 

いつの間に追いかける対象が変わっていたのか。それまで逃げ回っていたギャスパーは日の光が当たらないところに横たわっており、代わりにリアスが絶斗とゼノヴィアに追いかけられていた

 

イ「部長おおおおお!」

 

絶「邪魔するな!」

 

イ「ぶへらっ!」

 

ア「イッセーさん!」

 

イッセーは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出すと、倍加もしないでリアスを追う絶斗へと飛び掛かった。絶斗は向かってくる拳を避けると《アミル・ガウル》をイッセーの顔面へと叩き付けた。剣で殴られたイッセーは空中でバランスを崩し地面へと落ちた

 

リ「イッセー!」

 

絶「他人の心配をしている余裕はありませんよ!」

 

イッセーが絶斗に殴りかかったが時間稼ぎにもならず、すぐに絶斗はリアスの背後へと追いついた。空中へと逃れようとするリアスだったが、飛ぼうとするたびに頭上を十字架や聖剣が通過していくため空に逃れることもできなかった

 

リ「ちょっと祐斗!助けて!」

 

祐「・・・すみませんが僕はゼット君たちに味方します。先のコカビエルとの戦いのときは全くと言っていいほど手も足も出なかった。僕たちは強くなるためにも鍛えなければなりません」

 

リ「そんな・・・」

 

リアスの最後の希望が消えた。新しく眷属になった2人は自分を追いかけ、イッセーはまだ起き上がらず、アーシアは助けるだけの力を持っていない。祐斗は鍛えるためと言って助けず、朱乃は助けるどころかこの状況を見て楽しんでいた

 

匙「・・・カオス、だな」

 

そのオカ研の状況を見て、匙はそう呟いた

 

 

 

【絶斗side】

 

リ「はぁ・・・はぁ・・・。貴方達、覚えてなさい」

 

そう言って旧校舎の中へと戻っていく部長。ギャスパーのために始めた体力づくりだったが途中から部長、ついでにイッセーが加わり、3人は交代しながらずっと走り回っていた

 

絶「・・・意外と体力ないんだな」

 

イ「ぜぇ、ぜぇ。なんでお前らは・・・平気そうなんだよ」

 

絶「いや、体力作りは基本だろ?」

 

ゼ「そうだな。戦いの中で体力がなくなった待つのは死だからな」

 

3人以上に走っていたはずの俺とゼノヴィアは少し息が乱れる程度でまだ体力には余裕がある。今はギャスパーを部屋へと届けている祐斗も、追いかける方に加わったが途中ではあったがまだまだ余裕はあった。昼から西の空が薄っすらと赤くなり始めるまでずっと走っていたが、ギャスパーはともかく2人の体力のなさに驚きを感じていた

 

?「へぇ。魔王眷属の悪魔さん方はここに集まってお遊戯しているわけか」

 

絶「誰だ!?」

 

声のする方を向くと前髪が金髪で顎鬚を生やした浴衣を着た男性がそこにいた!

 

イ「アザゼルッ!!」

 

アザ「よー、赤龍帝。あの夜以来だな」

 

堕天使の総督、アザゼルか。何故ここに?いやそれを考えるのは後だな。俺は《アミル・ガウル》を出し、ゼノヴィア、イッセー、アーシアも警戒し、武器を構えたが

 

アザ「やる気はねえから構えを解けって。神の子を見張る者(グリゴリ)帰るついでにちょっとよってみただけだからよ。聖魔剣使いはいるか?」

 

絶「祐斗なら今はいませんよ」

 

アザ「そうか、聖魔剣使いはいねえのか。つまんねぇな。まあいいか、代わりに面白そうなもの見つけることができたし」

 

そう言って俺の持つ《アミル・ガウル》に視線が向けられる

 

アザ「お前のその剣、神器(セイグリッド・ギア)か?名は何ていう?」

 

絶「・・・《精霊剣 アミル・ガウル》」

 

アザ「《精霊剣 アミル・ガウル》か。聞いたことないな」

 

まずいな、完全に興味を持たれてしまったか

 

ゼ「絶斗、大丈夫なのか?前にも言ったが堕天使の総督は神器(セイグリッド・ギア)に強い興味を持っているんだぞ」

 

絶「分からない。だが、先ほどの言葉が嘘じゃなければ襲ってくることはないはずだ」

 

ヒソヒソと小声で話すゼノヴィアだが、その様子も目の前の総督にはお見通しのようだった

 

アザ「別に奪おうってわけじゃねぇんだけど。まあ、しかたねえか。それよりお前の神器(セイグリッド・ギア)をちょっと見せてくれねえか?」

 

イ「ゼット!見せる必要はねぇ!そいつは敵なんだぞ!」

 

イッセーの言う通り敵に自分の武器を見せるのは馬鹿のすることだ。だが今は

 

絶「1つ条件があります。半吸血鬼が持つ神器(セイグリッド・ギア)停止世界の邪眼(フオービトウン・バロール・ビュー)の制御方法。これを教えてくれるのならば見せましょう」

 

神器(セイグリッド・ギア)に詳しい者が目の前にいる。ギャスパーの対処法を聞けるチャンスだ。これを逃すわけにはいかない

 

アザ「見るだけか?」

 

絶「死んでも構わないのならば持ってみてもいいですよ?」

 

アザ「・・・」

 

死ぬという言葉に悩んだ様子をみせる総督。少しして

 

アザ「分かった。その条件を飲もう」

 

良かった。これでギャスパーも何とかなりそうだな。鍛えるといってもすぐに成果が出るわけじゃないしその間に『禁手化(バランス・ブレイク)』して暴走。なんてことになったら目も当てられないからな。総督は神器(セイグリッド・ギア)に興味を持ってるらしいから俺たちよりも詳しいはずだからな

 

アザ「俺も遠目から見ていただけだから知識でしか答えられないぞ。五感から発動する神器(セイグリッド・ギア)は持ち主のキャパシティが足りないと自然に動き出して危険だ。神器(セイグリッド・ギア)の上達で一番てっとり早いのは、ドラゴンであり神滅具(ロンギヌス)である赤龍帝か白龍皇を宿した者の血を飲ませることだ。血にはそれだけ力が詰まっているからな。ヴァンパイアだから血でも飲むこともそこまで嫌悪しないだろうしな」

 

なるほど。イッセーの血を飲ませればいいのか。・・・イッセーの変態が移らなければいいけど

 

イ「ゼット!なんで俺の方を見ているんだ!」

 

絶「別に何でもないから気にするな」

 

アザ「さてそっちの条件は満たしたんだ。はやくその神器(セイグリッド・ギア)を見せてくれ」

 

絶「いいですよ」

 

俺が持つ《アミル・ガウル》をなめるようにみる総督。目の輝きがおもちゃを前にしている子供のようだな

 

アザ「・・・持ってみるのはだめか?」

 

絶「死んでもいいのならどうぞ」

 

総督の前へと《アミル・ガウル》差し出す。拒絶も何の条件も無くあっさりと渡そうとする俺と《アミル・ガウル》を交互に見た後

 

アザ「いや、やめとくぜ。嘘は言っていないようだしな」

 

総督は身を引いた

 

アザ「俺の知らない神器(セイグリッド・ギア)も知ることができたし、あまり長居するのもなんだから俺は帰るわ。じゃあな」

 

そう言うとアザゼルさんはこの場を去っていった

 



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授業参観

無駄なバレーボール回。自分でも何故かいたかわかりません

最近神社を擬人化したゲームが批判されてますけど・・・今更かぁ。様々な神様を散々使っておいて神社がダメって・・・建物だからか



【黒歌side】

 

今日は白音と葉月が通う学校の授業参観日。学校に着くのは時間がかからなたが私たちはそれぞれ身支度に時間をかけていた

 

蒼「今日は髪を結らないのか?」

 

黒「うん。蒼枒とお揃いにするにゃ」

 

今日の蒼枒の髪型は毛先で止めるだけの簡単なもの。まあ、いつも難しい髪型はしていないけれども

 

蒼「いつ見ても綺麗な髪だな。いや髪だけじゃない。顔も肌も綺麗でいてかわいい」

 

黒「蒼枒・・・」

 

蒼枒にそう言ってもらえてうれしいにゃ。それに今は髪を梳いてもらっている。たまにしかやってくれないけど蒼枒にやってもらうのは心地いい

 

蒼「だから心配だ。こんなに綺麗でかわいい黒歌を他の男が狙われないわけがないからな」

 

それは私も同じにゃ。こんなにもかっこいい蒼枒を他の女が近づかないわけがない。でも・・・

 

黒「蒼枒が愛して守ってくれるのは私だけでしょ?」

 

蒼「当然だろ。俺の、俺だけの愛しい黒歌」

 

黒「にゃあ」

 

髪を結い終わると蒼枒へと向き直りその胸の中に飛び込んだ。頭を撫でられとさっき言った言葉もあってとろけそうになる

 

蒼「大好きだよ。黒歌」

 

黒「私も。愛してるにゃ」

 

顔をあげるとどちらかもなく顔を近づける。私は目を閉じ唇に熱が来るのを待った・・・

 

銀「いつまで準備にかかってるんですか!!」

 

黒「にゃあ!!?」

蒼「うおっ!!」

 

(ふすま)が勢いよく開けられ葉月の部下である銀杏(いちょう)が飛び込んできた。驚いた私達はとっさに離れ、準備しているふりをした

 

銀「碧守(ソウマ)様もフィーリス様も準備はすでに終え玄関へいらしております。後は蒼枒様と黒歌様だけです」

 

蒼「分かった。こちらもそれほどかからないだろう。すぐ向かうと伝えてくれ」

 

銀「分かりました」

 

襖を静かに閉めて出て行った。完全にばれてたにゃ

 

蒼「・・・行こうか」

 

黒「そうね。あまり待たせるのも悪いにゃ」

 

 

 

【3人称side】

 

黒「お待たせしましたにゃ」

 

碧「いや、まだ時間はあるし大丈夫だ」

 

蒼枒と黒歌が玄関へと向かうと2人の父と母で碧守とフィーリスが待っていた。碧守は緑の着物を、フィーリスは桃色の着物に身を包み、蒼枒達とは違い長い髪を結い上げていた

 

フ「早速行きましょうか」

 

蒼「そうですね。少しの間、家を頼んだぞ。楓、銀杏」

 

4人を見送る楓と銀杏。彼らは何かあったときのために不在の家を任された

 

楓・銀杏「「お任せください。行ってらっしゃいませ」」

 

「「「「いってきます」」」」

 

黒歌が転移陣を開くと1人、また1人と中に入っていき最後に黒歌が入ると転移陣が消えてなくなった

 

 

 

【白音side】

 

今日は授業参観日です。内容はクラス混合のバレーボール。私たちは新築された体育館で観客席から多くの保護者に見守られながら行っていました

 

葉「白音。負けませんよ」

 

白「こちらこそ」

 

チーム分けの結果、葉月とはチーム別になってしまいました。そればかりか、まさか葉月のチームと対戦するとは

。1セットマッチで10点先取。延長の場合先に15点目を取ったほうが勝ちとなるこの試合。始めから速攻で行きます

 

 

【葉月side】

 

葉「中々厳しいですね」

 

現在9対8で白音のチームがリード。この1点を獲られればこちらの負け。ですが

 

白「ここで、葉月のサーブですか・・・」

 

白音のチームはバレー部のエースと自身が中心となり強烈なスパイクを武器に点を稼ぎます。対して私たちは私のサーブと相手の動きを予測して何とか食いついている状態。ここで一気に勝負を決めます

 

 

【3人称side】

 

バシッ

止められたことによりスパイクした側にボールが落ちた

 

白「(くっ、止められましたか)」

 

ボールが床に落ちたことにより葉月のチームへと点数が入り14対14。このスパイクが決まっていれば勝利だっただけあり白音はブロックした相手を見ていた

 

白「(まさか止められるとは思いませんでした。葉月のサーブが強烈でそちらに意識を向けていたせいもあり曲者を見逃していました)」

 

「うう、痛いよ葉月ちゃん」

 

葉「ちゃんと指を伸ばしきらないと突き指しますよ。診せてください・・・幸い何ともないみたいです」

 

白音のスパイクを止めたのは葉月のチームにいるバスケ部の女性。彼女はブロックや2アタックを決めてきたりとバスケ部にもかかわらず器用に動き回っていた。しかし、葉月の指示もありチーム全体が動いていたため葉月以外には特に目立つことがなかった。転がっていたボールを渡しゲームが再開された。この1点を取った方が勝利となるためどちらのチームにも気合が入る。特に

 

白・葉「「(お父様やお母様の見ているこの試合。負けるわけにはいきません!!)」」

 

白音と葉月の気合の入れ方は周りとは違っていた

 

「取りました!あげて!」

「決めて!」

「任せな!はぁ!」

 

サーブを受け、ボールを上げた先にはバレー部のエースが準備をしていた。助走をつけて飛んだジャンプから放たれたスパイクはブロックをすり抜けて葉月のコートに迫った

 

葉「取りました!」

 

スパイクが落ちる先へと飛び出しボールを上げた葉月。しかし、上げたボールは高く上がり、相手のコートとは逆方向に飛んで行った

 

葉「!?フォロー!」

「大丈夫。まだいける!」

「ほいっと!」

 

バスケ部により2アタックの要領で落とされたボールは白音チームのブロックしようと飛んだ人の手に当たりあさっての方向へと飛んで行ってしまった

 

白「しまった!(これは届かない)」

「まだあきらめるのは早い!」

 

白音のチームの1人が落ちてくるボールを足で蹴り上げた

 

「よくやったサッカー部!決めな白音!!」

 

ネット際へとあげられたボール。白音は葉月チームを一瞬だけ目を向けブロックの数、葉月の位置を確認し飛び上がり

 

バシン

 

スパイクが葉月のチームの床をはねた

 

「礼して!」

「「「「「ありがとうございました」」」」」

「はい、じゃあ次のチーム入って!」

 

試合が終わり喜ぶ暇もなくお互いに礼をする。授業時間は決まっているためどちらのチームもコートから出ていくと審判をしていた次のチームとその対戦相手がコートに入った

 

「やっぱり白音はすごいな。あれだけのスパイクが打てるならすぐにレギュラーになれるぞ」

 

休憩及び待機中のスペースにつくと白音のチームだったバレー部がそう言いだした

 

「葉月の指示もすごかったし2人とも是非とも内の部に入ってもらいたいぐらいだ」

「ずるいよー。バスケ部も欲しいな」

「それならうちも!」

 

白音の身体能力、葉月の的確な指示を実感した両チームか所属している部へと勧誘される東雲姉妹

 

白「すみません。私はもう他の部に入っていますし家のこともあるので入ることはできません」

 

葉「私も同じです。嬉しいのですが申し訳ありません」

 

やんわりと勧誘を断る2人。中にはあきらめきれない人もいたが話題は別の物に移っていた

 

「おい、あそこ見てみろよ」

「うわっ!あの着物の人すげー綺麗だな!!」

「男の方もイケメンでカッコイイ!」

「みんな若い・・・誰かのお兄さんお姉さんかなぁ」

 

一部の生徒が騒いでいた。彼らの先には色の違う着物を着た4人の男女の姿があった

 

「カッコイイ!」

「美人だ。しかもスタイルもいい」

「一体誰の保護者なのかな。白音も葉月も心当たりある?」

 

チームメンバーから聞かれたことに対し、特に隠す必要もない2人は

 

葉「あそこにいるのは私たちのお兄様とお義姉様」

 

白「そしてお義父様とお義母様です」

 

「「「・・・・・・えええええええええ!!!?」」」

 

答えた。しかし数瞬置いてから聞いていた人からは驚きの声が上がった

 



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姉妹の再会

今回はグレイフィアとフィーリスが1000年ぶりの再会を果たします。そしてフィーリスの過去が明らかに

長くなったので分けることにしました(だって書いていたら1万近いんだもの。感想と評価でテンション上がってましたし)
次回を含め途中からセリフばかりになりますのでご注意ください


【3人称side】

 

蒼「なかなかに騒がしかったな」

 

周りから浮くほどの美男美女の東雲一家。授業中に注目を集めたこともあり、授業が終わると同時にお近づきになろうとする者が多く現れた。先生や一部の生徒が治めようとするもなかなか静まらない状態にシビレを切らせた蒼枒がにらみを効かせ、強制的に静かにさせるなど一騒動があった。今は放課後となっているため、家族と合流した葉月たちは廊下を玄関の方へと歩いていた

 

葉・白「「すみません。クラスメイトが迷惑をかけてしまって」」

 

黒「仕方ないわ。私たちは服装から違うし目立つもの」

 

フ「ふふ、そうね。・・・あら?いったい何かしら?」

 

廊下を歩く先には人だかりができており廊下を塞いでいる。先に来ていた保護者達も困った顔をして立ち止まっていた。そして、人だかりの中心からは何故かカシャカシャとカメラの音が聞こえていた

 

蒼「これは・・・通れないな」

 

白「回り道をしては時間がかかりそうですね。その間にこの人だかりはなくなってそうだですし。困りましたね」

 

多くの人が動けずに困っていた。すると

 

匙「おらおらぁ!神聖なる学び舎で!しかも天下の往来で撮影会とは良い身分だな!ほら、解散だ、解散!」

 

生徒会の一団が現れ先頭にいる男子生徒が注意を行った。生徒会の言葉に撮影していた男子は渋々去っていき、立ち止まっていた人も動き出した。東雲家も流れに乗り生徒会の隣を横切ろうとすると

 

匙「待ってくれ。あんたたちには話がある」

 

生徒会に呼び止められた

 

蒼「俺たちは家を空けてきている。悪いが従う必要はない」

 

匙の言葉を拒否し、通り過ぎようとする蒼枒。その中でフィーリスは魔法少女のコスプレをしている少女がある女生徒に抱き着いているのを見て悩んでいた

 

フ「う~ん。何処かで見た気がするのだけれども」

 

?「ソーナちゃ~ん!あれ?なんでグレイフィアちゃんが着物なんか着てるの?」

 

ソ「いい加減離れてください!」

 

生徒会長ソーナ・シトリーに抱き着いているコスプレ魔法少女がフィーリスを見るとグレイフィアと口にした。その名に彼女が何者かを知ったフィーリスは名を聞くことにした

 

フ「貴女は一体、誰ですか?」

 

レ「うん。名前がわからないと不便だよね。私の名前はセラフォルー・レヴィアタン。ソーナちゃんの姉で4大魔「ストップです!お姉さま」ええ~」

 

ポーズを決めながら自己紹介を行うセラフォルー。その後ろでは彼女の妹であり生徒会長でもあるソーナが手を頭に当てていたが、魔王とまで名乗ろうとした姉を押さえた。レヴィアタンという言葉に東雲家は魔王の名ということに警戒を強めた

 

フ「私は東雲・フィーリスと言います。グレイフィアは私の姉ですが」

 

セ「えっ!グレイフィアちゃんの妹!?私聞いてない!!」

 

ソ「貴女が・・・」

 

驚きの余り騒ぎ出すセラフォルー。それに対しソーナは冷静を装いながらきりだした

 

ソ「オカルト研究部にお連れするようサーゼクス様から言われております。ご案内したいのですが・・・」

 

蒼「俺は帰るぞ」

 

黒「蒼枒が帰るなら私も帰るわ」

 

ソ「そう、ですか」

 

コカビエルを倒した張本人と指名手配されている黒歌。この2人には聞きたいことがたくさんあるため是非とも連れていきたかった

 

セ「ふ~ん。君がコカビエルをね~」

 

蒼「何だ?邪魔する気か?(悪魔共がいい加減にしろ!)」

 

セ「っ・・・ううん、ちょっと興味があっただけだから」

 

セラフォルーは興味が沸いた蒼枒たちを引き留めようと前へと立ちふさがったが、龍の眼に睨まれ恐怖を感じたため道を譲った。通り過ぎていく2人を見送った匙は何故見逃したかソーナに質問をぶつけていた

 

匙「何故見逃したんです!」

 

ソ「今日連れてくるように言われていたのはフィーリスさんです。確かにあの2人にも話を聞きたかったですが無理矢理連れていくと周りから不審に思われてしまいます」

 

そう言われて匙はようやく気付くいた。会長が姉の自己紹介を遮ったか理由を。自分たちの周りにはまだ多くの生徒・保護者が残っていることに

 

ソ「それにこれから予定がある方もいるのです。普通に考えてこちらからの一方的な都合を相手に押しつけてはいけません」

 

セ「うんうん。ソーナたんは周りが見えて偉いね」

 

ソ「『たん』付けで呼ばないでください!!」

 

セラフォルーに頭を撫でられるソーナ。顔が赤くなるソーナはゼラフォルーを何とか払いのけた

 

ソ「とにかくオカルト研究部に案内します。こちらへ」

 

 

【絶斗side】

 

授業参観は英語の授業のはずだったが何故か紙粘土を使っての授業になった。そこでイッセーは精巧な部長の紙粘土フィギュアを作り出し、誰かが「5000円出す!」と叫んでからオークションが開催されていた。本来止めるはずの先生すら参加するものだから手に負えない。俺はゼノヴィアとアーシアを連れて教室の隅へと非難していたため巻き込まれることはなかったが・・・みんな授業参観だってこと忘れてるんじゃないのか?保護者の方々が引いてたぞ。

授業が終わり廊下へと出ると保護者と生徒で溢れかえっていた。俺とゼノヴィア、イッセーとアーシアは部長からある人を部室に連れてくるように指示を受けていたが、この中から見つけるのは難しいかもしれない

 

イ「うへぇ。ここから見つけるとか無理だろ」

 

絶「そう言うな。今日来てることは確かなはずだから」

 

俺たちが探しているのは魔王の女王であり、葉月ちゃんたちの母親であるフィーリス・ルキフグスさん。葉月ちゃんが言うには今日来ているはずだが、葉月ちゃんたちの授業ってなんだ?

 

ゼ「玄関で待っていればいいんじゃないか?来ているならば必ずここを通るはずだろう?」

 

絶「確かにそうだな。ゼノヴィアの案に乗るか」

 

ゼノヴィアの案に乗り、俺たちは玄関で待ち伏せをしていた。多くの保護者・生徒が出ていく中ひと際目立つ2人組が現れた

 

イ「あれは」

 

ゼ「蒼枒さんと黒歌さんだな」

 

着物姿をした2人。さらに一本下駄に履き替えるのもだからさらに目立っていた

 

ア「どうします?あの2人も来てもらいますか?」

 

絶「そうだな。来てもらいたいが・・・は?」

 

出入の邪魔にならないように玄関から離れた場所で見張っていた俺達だったが、校門へと歩いていくなか蒼枒さんが急に振り向くと目が合った

 

 

 

黒「どうしたの?」

 

蒼「何でもない。こちらを見ている4人組がいただけだ」

 

 

蒼枒さんは一瞬だけこちらを見たが、何事もなかったのように歩いていった

 

イ「どうしたんだ?」

 

絶「目が合った。完全にこっちに気付いている」

 

ゼ「私もだ。これがコカビエルを軽々と倒した実力者か」

 

イ「嘘だろ!この人混みで距離もあるのに!?」

 

イッセーが驚くのも無理はないが、彼らと俺たちとでは天と地ほども実力に差がある。この距離の気配の感知など出来て当然なのかもしれない

 

ア「あの、お二人が行ってしまいましてけど」

 

絶「しょうがない。今から追いかけても追いつくことはできないし待ってるしかないか」

 

その後、生徒会に連れられたフィーリスさんや葉月ちゃんが出てきた。その中に4大魔王の一人である、セラフォルー・レヴィアタン様がいたが・・・何故魔法少女の格好をしているんだ?疑問に思うも尋ねるわけにもいかず生徒会と魔王と一緒にオカ研の部室に向かった。

 

 

【3人称side】

 

ソ「こちらになります」

 

オカルト研究部の部室に案内された東雲家とセラフォルー。部室に入るとそこには、4大魔王の一人サーゼクス・ルシファーと絶斗達を除いたグレモリーの眷属が彼らを待っていた。そして

 

グ「フィーリス・・・」

 

フ「久し振りね、姉さん」

 

グレイフィアとフィーリス。血のつながった姉妹が1000年の時を超え再会を果たした

 

 

案内された東雲家は自己紹介を終え部室内にあるソファへ掛けるよう勧められた。ソファにはフィーリスと碧守が座り、白音と葉月は両親の後ろに控えた。彼らの目の前には4大魔王のサーゼクス・ルシファーとセラフォルー・レヴィアタンが座り、サーゼクスの隣には女王であるグレイフィアが、魔王の後ろにはリアスとソーナの眷属が並んでいた

 

リ「葉月に白音。いつの間に着替えたの?」

 

白「部室に入る直前ですね。変化させただけですが」

 

白音と葉月はいつもの服装、和服姿へと変えていた

 

ソ「いつの間に・・・」

 

セ「なんで着替えたの?私としてはグレイフィアちゃんの妹の娘のいろんな姿が見れてうれしけどね」

 

葉「何かあったときすぐ動けるようにするためですよ。学校の制服では動きにくくて」

 

サ「その何かあったときというのは?」

 

白「そうですね・・・現状を見る限り、最悪なのは貴方たち悪魔が総出で襲ってくる可能性、ですかね。お義父様達は戦えないので」

 

「「「「「・・・え?」」」」」

 

悪魔たちは皆驚いていた。まさかそれほどにまで警戒されているとは誰も考えていなかったからだ

 

グ「え?戦えないって?フィーリス、貴女はあれほど魔力があったのに?」

 

フ「そうですね。まずはそこから話しましょうか。何があったか。そして今までどう過ごしてきたかを」

 

 

フ「1000年前の悪魔・天使・堕天使間で起きた大戦。その末期に二天竜が暴れているときでした。天使の攻撃を受け負傷していた私は動けないことを良いことに他の悪魔に連れ去られました。あの時私は光力を羽に受け、自力で飛ぶこともできず、魔力も使えませんでした。連れ去られた私は戦死扱いにされ、どこかの屋敷に連れ込まれました。奴隷のように扱われ、時には犯され・・・それが時がわからなくなるほど続きました。いくら悪魔が子ができにくいと言っても何年も犯されては出来てしまいます。誰ともわからない、ましてや望まない子を生むつもりは私にはありませんでした」

 

セ「じゃあお腹にいた子供は・・・」

 

フ「・・・全て流しました」

 

フィーリスから告げられた衝撃の過去に悪魔たちはショックを受けていた。特に姉であるグレイフィアは妹の過去に涙を流していた

 

フ「心も身体も壊れていくなか、屋敷にいる悪魔が極端に少なくなった日がありました。私は隙をついて屋敷から脱出を図りました。逃げる中冥界にいても捕まる可能性が高いと考えた私は、今まで溜め込んでいた魔力を振り絞り冥界から脱出しました。逃げた先がどこかも分からぬまま逃げていた私は魔力のみならず体力も限界が来て倒れた動けなくなりました。あの悪魔たちから逃げれたのにここで私は死ぬのか、と思った矢先、私の前に1人の男性が現れました。彼は私を保護してくださり、身体を治す代わりに家で働かないかと言われました。行くあてのない私はその申し出を受けることにしました」

 

グ「もしかしてその男性って・・・」

 

悪魔たちはフィーリスの隣に座る碧守に視線が集中させた。それをみたフィーリスは首を振り

 

フ「違いますよ。私を保護してくださったのは先代青龍。私のお義父様です。保護された私は東雲家に従者として仕えることになりました。ボロボロの身体と何度も流したことによる内臓へのダメージは長い年月をかけて治療をすることになり、今ではその跡もありません。しかし、悪魔としての力は何も残りませんでした。あるのは人間に比べ多少頑丈な身体と長い寿命だけです」

 



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姉妹の別れ

後編です
それでは続きをどうぞ

UAが70,000を越えました!読んでくださっている皆様!ありがとうございます


リ「そんな・・・」

 

ソ「そんなことって」

 

悪魔たち、それも女性の悪魔は悲しみを感じていた。力を失い、奴隷のように扱われ、壊れていく日々を送る。もし自分が同じ立場なったら耐えきれないだろうと感じていた

 

フ「そんな悲惨なことばかりではないんですよ。冥界から逃げ出せたおかげで碧守に出会えたもの」

 

碧「そうだな。ただ大変だった。求婚しても断れ続けていたからな」

 

ゼ「できればその話もお聞きしたいのだが!!」

 

絶「待てって!今はそんな話を聞いく雰囲気じゃないだろ」

 

絶斗が動く止めようとするも

 

セ「何何?私もちょっと気になるな~」

 

リ「私も、是非聞きたいです」

 

フィーリスの恋路にこの場の多くの女性が気になっていた

 

碧「フィーリスが家に来たのは私がまだ幼いころだった。だが彼女を一目見た時、幼かった私でも本能的に思ったよ。彼女が運命の女性だとね」

 

フ「あの時は困りました。従者となって間もないのに年端もいかぬ子どもからいきなり告白されましたから。しかし私は悪魔であり、拾われた身。大切なご子息と結ばれるなどそんな恐れ多いことできませんでした」

 

碧「それから何百年の月日が流れた。大人になった私は変わらず求婚を迫っていたある日、帝国軍から戦争への参加を言い渡された。時は第二次世界大戦末期。徴兵令の対象外となっていた私たちでしたが、軍は直接私たちの元へと来ましたが逆に追い返しました。人間同士の戦争に私たちが介入するわけにはいきませんから」

 

フ「しかし彼らは碧守を無理矢理動かすために私を誘拐しました。碧守が私に求婚していたことは街で有名でしたし、人質に取れば碧守が動くと考えたのでしょう。捕らえられた私は帝国軍の本部に閉じ込められました。移動中も私の身体をなめるように見ていた士官は閉じ込めるや否や私を無理矢理押し倒し、着物を破かれました。いくら求婚されているとしても私は従者の一人に過ぎず、ましてや悪魔。見捨てられると思っていた私は軍人に勝てるわけもなく、助かるのを諦めてました。しかし、碧守は諦めていた私を助けに来てくれました」

 

碧「連れ去られた報告を聞き、すぐに犯人が予想できた。あの頃の日本の上層部はすでに正常な判断を下すことができなくなっていたからな。フィーリスを助けるため帝国軍本部へと乗り込んだ私は障害となるのものを皆殺しにし、フィーリスを助けることに成功した」

 

フ「ここまでしてくれる碧守に私はプロポーズを受け入れ、結婚しました。すぐに長男の蒼枒、長女の葉月が生まれ、今は幸せに暮らしています。長くなりましたがこれが私に起きた全てです。ちなみに計画に加担した帝国軍の者はすべて殺したせいもあり、第二次世界大戦の終戦の終止符を打ったのは碧守です」

 

フィーリスのつらい過去、そして今は幸せになっていると聞いたグレイフィアは泣きながらフィーリスの手を握った

 

グ「フィーリス・・・辛かったのね。貴方が苦しんでいるのに気づいてあげられなくて、ごめんなさい」

 

フ「姉さん。謝らないで。そもそも生きていること自体知らなかったんだもの、無理もないわ」

 

途中で明るくなったと思えば過去の再来かと思われる仕打ちを受けそうになる。悲惨な過去を生きてきたフィーリスに悪魔たちは皆、フィーリスの受けていたこと想像し泣いてしまうものや泣きはしないが表情を暗くしていた

 

絶「(あれ?第二次世界大戦後すぐに生まれたってことは蒼枒さんたちって60歳前後!?マジで!?)」

 

その中で絶斗だけは衝撃の真実に気付いていた

 

グ「私たちもかわいい息子がいるの。ミリキャスと言うんだけど・・・」

 

フ「姉さんの子供・・・是非見てみたいわ!蒼枒も来ていたけれど黒歌と一緒に帰ってしまったから」

 

サ「その黒歌のことだけど、ちょっといいかな?」

 

サーゼクスが姉妹の間に入る。その表情は先ほどまで泣いていたものではなく、凛とした魔王としての表情を向けていた

 

サ「君たちは黒歌がはぐれ悪魔・・・主を殺したと言うこと知っているのかい?」

 

フ「ええ。もちろん」

 

碧「黒歌本人から聞いた」

 

サ「なら悪いことは言わない。息子さんには悪いが今すぐ別れさせて黒歌の身柄を渡すよう言ってくれないか?」

 

仙術の力にのまれ、主を殺した重罪人黒歌。どうやってフィーリスの息子に取り入ったかは知らないが、またいつ彼女がその力を暴走させるかわからない。グレイフィアの夫としてフィーリスは助けてあげたいという優しさから出た提案だった

 

サ「このままでは君たちの身が危ない」

 

碧「そのことだが・・・なぜ黒歌が犯罪者などと言われている?」

 

サ「彼女は自分の主である悪魔を殺しているんだ。眷属が主である悪魔を殺すことは重z「しかし契約を破ったのはそちらだろう?」・・・何を言っているんだ?」

 

碧「黒歌と白音を保護したときに彼女から全て聞いた。黒歌から聞いた話だと主が契約を破り白音に手を出そうとしたため殺したと聞いている」

 

それは悪魔が知らなかった情報。それを聞いた悪魔たちは驚くもすぐに冷静となり

 

サ「それは黒歌の証言だろう?その証拠もないし彼女が嘘を言っている可能性もある」

 

フ「まあそうなるわよね。だけど指名手配をするときはちゃんと調査をしたのよね?ただ主を殺したという事実だけで犯罪者になるのなら愚かにもほどがあるわ」

 

グ「フィーリス!サーゼクス様達になんてことを言うの!」

 

魔王に対して不敬な発言にグレイフィアが注意する

 

フ「どうしたの姉さん?私は別に馬鹿にしたつもりはないのだけれども。それとも何かしら?まさか私が言った通り何の調査もしないで一方的に決めつけたの?」

 

事実を言われ何も言い返せない魔王達。その様子にフィーリスは溜息を吐いた

 

フ「はぁ、とりあえず証拠を見せましょうか。白音!」

 

白「はい、お義母様」

 

しかしフィーリスは気にする様子もなく白音から受け取った水晶をテーブルの上へと置いた

 

サ「・・・これは?」

 

フ「斉天大聖、孫悟空様に作っていただいた黒歌の記憶の写しです。これには黒歌が無実であることを示す真実が映されています」

 

水晶には黒歌が殺害した悪魔と契約を結ぶシーンから始まった。その内容も彼が契約を確認できるほど鮮明に映されていた。シーンが移り変わり薄暗い部屋で悪魔と黒歌が言い争っていた。黒歌が契約書を見せながら悪魔に対して怒鳴っていたが悪魔が契約を破り、白音を眷属すると言った。そして黒歌は白音を守るために主を殺した。フィーリスは水晶を回収し、見ていた悪魔たちに告げた

 

碧「どうでしょうか?これでも黒歌に罪があると」

 

サ「・・・ダメだ。証拠があっても私たちが宣言したからと言って罪を無くすことは難しいだろう」

 

白「まあ、そうでしょうね。始めから期待なんてしてませんでした」

 

葉「悪魔の駒(イーヴィル・ピース)なんてものを作ってますし、しょうがないです」

 

リ「ちょっと!悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の何が悪いのよ!」

 

白「いいですか。あれは眷属にするために悪魔へと転生させますが、他種族のことを全く考えられていません。そして悪魔が知らないのも無理ないですがあれは魂を強制的に変化させているため、死を管理する方々からかなりの苦情が来ています」

 

葉「それに相手の意思とは関係なく眷属にできます。拒否されても無理矢理自分のものにできるとは考えられたものですね」

 

東雲姉妹が皮肉交じりに説明すると、そんなことはしないとリアスが叫んだ

 

リ「嘘よ!そんなことするはずがないわ!」

 

白「信じられないのも無理はありません。しかし私はあのレーティングゲームの後から悪魔に襲われ、今ではその数が40を超えています。理由は聞かなくてもわかりますよね」

 

葉「私も同じくらいですね。断ったら帰ってましたけどそれは最初だけです。今では容赦なく殺しに来てます。ご存知の通り死んでからでも転生させることができるのでこちらの意志は関係ありません」

 

サ「近頃、人間界に言った悪魔が戻ってこないという報告を聞いていたがそれは君たちのせいか!」

 

リ「どうして私に言ってくれなかったの?私に言ってくれれば貴女達を「守ってあげる、ですか?眷属になる代わりに」っ!!」

 

言おうとした言葉を言われリアスは言葉を詰まらせる

 

白「やはりそんなことでしたか」

 

イ「なんで、なんで悪魔になりたくないんだ!悪魔になれば寿命も延びるし力も得られるんだぞ!」

 

匙「そうだ!しかも上級悪魔になれば自分の領地も得られ、自分だけの眷属を持てるんだ!好きな人を眷属にすればずっと一緒にいられるし悪いことなんてないだろ!」

 

イッセーと匙が白音に叫んだ。彼らは何故東雲姉妹が悪魔になることを受け入れないか分からなかった。その様子に葉月は溜息を吐きながら

 

葉「はぁ、いいですか。そもそも妖怪が悪魔に転生する利点はほぼありません。確かに悪魔になれば寿命は伸びますが、光や聖剣など明確な弱点が出てきます」

 

白「わざわざ弱点を増やしてどうするんですか?寿命が延びる?どうでもいいことですね」

 

葉「さらに言うと何故家族と離れ離れにならなければならないんですか?」

 

イ「別に離れ離れになったりしないだろ。俺も悪魔になったけど一緒に暮らしてるし」

 

白「それは貴方の場合ですよね。私たちの家は結界が張られ今では悪魔が入れないようになってます。例外はお義母様ぐらいですね」

 

イッセーは腑に落ちないようだったが、妖怪から悪魔になることはメリットがないことだ、と言われ、さらに家族とも別れなければならないと言われたリアスたちは何も言えなくなった

 

サ「・・・君たちが悪魔にどう思っているのかは分かった。だが殺すのはやめてもらえないかな?ただでさえ悪魔の数が少ないのに減らしてほしくはないんだが」

 

白「お断りします。私たちが貴方の言うことを聞く必要はありません」

 

フ「そもそも襲ってくる方が悪いじゃない。葉月たちは自分の身を守っているだけよ」

 

?「そうだな。身に降りかかる火の粉を払わなければならないからな」

 

どこからか怒気を含んだ低い声が部屋に響き渡る。悪魔は部屋を見渡すがどこから聞こえたか分からず、東雲姉妹と発生源の近くにいた東雲夫婦はある一点を見ていた

 

セ「いったいどこから!?」

 

イ「どこだ!どこから聞こえた!?」

 

声の主を見つけられずに軽いパニックになる悪魔をよそに、フィーリスの袖から一枚の札が飛び出した。札は龍の形へと姿を変えるとテーブルの上へと降り立った

 

グ「ドラゴン?」

 

サ「その声はあの時の・・・」

 

髪で作られたとはいえ目の前に龍が現れ、しゃべっていることに驚きを見せるなか、絶斗はその声の主を言い当てた

 

絶「その声・・・蒼枒さん?」

 

蒼「正解だ。悪魔の気配がかなりあったから母様に式神を付けさせておいたが・・・まさか妹を悪魔にしようと考えていたとはな」

 

セ「紙で作られたるなんてすごい!蒼枒っていうからもしかして君はフィーリスの息子かな?」

 

蒼「そうだ。俺は東雲蒼枒、次期青龍だ。家族が悪魔が集まる中に行くから式神を忍ばせておいた。何せ悪魔は信用ならないからな。お前たちが襲い掛からないとも限らない。が、まさか妹達が本当に悪魔に襲われてるとはな」

 

サ「・・・信用ならないとはどういうことだい?」

 

蒼「分からないのか?契約を守らなければ約束も守らない!人の土地を勝手に我がものとし、その管理を自称する!しかもそれは全く管理できていない!!さらには気に入ったものは殺してでも転生させ自分のものしようとする!!!これでどうやって信用するっていうんだ?」

 

魔王も心当たりがあり言い返すことができなかった。黒歌の記憶を見た後では契約を破っていたことが発覚し、東雲姉妹の言う通りならば無理矢理転生させていたということになる

 

蒼「悪魔も数が減ってきているのは知っている。故に多少は目を瞑っていたが・・・もう限界だ!!次、害を与えたら俺は悪魔に容赦しない!覚悟しておけ!!!」

 

そう言い残し、龍は札へと姿を戻すとフィーリスの手へと戻った

 

サ「困ったな。親である君たちから何か言ってはくれないか?」

 

フ「私たちが?何故?」

 

セ「何故って・・・同じ悪魔でしょ!?助けてくれないの!?」

 

フ「私はすでに日本神話に身を置いています。悪魔だからと言って庇いだてるつもりはありません」

 

碧「管理はすでに蒼枒に任せている。私があれこれ言うつもりはない。それに悪魔に非があるからな」

 

リ「そんな・・・」

 

同じ悪魔であるフィーリス、そしてその夫ならば自分たちの味方になってくれると思った悪魔たちだが、返されたのは拒否の言葉

 

フ「そろそろ私たちも帰ります。グレイフィア姉さん、会えてうれしかったわ」

 

グ「待って!もう帰るの!?折角会えたのに」

 

フ「きっとまた会えるわよ。次合うときは姉さんの子供も見てみたいわね。じゃあまたね」

 

フィーリスは袖から木の札を取り出すとその場から消えた。それに続くように碧守、葉月、白音も消え

 

グ「フィーリス・・・」

 

部室には悪魔だけが残った

 

 

 

 

 

霊峰青山の中腹。そこに建つ家の縁側で蒼枒刀の手入れをしながら、式神を通して悪魔との会話を聞いてた

 

蒼「(姿を現すつもりはなかったんだがな)」

 

始めは隠れたまま悪魔たちの前へ姿を現すつもりはなかったが、妹達が悪魔に無理矢理転生させられそうになっていると聞いて思わず声を出してしまった

 

蒼「(確かに葉月たちがいい練習台が見つかったと言っていたが・・・まさか悪魔どもに襲われていたとはな。まあいい、次に問題を起こした時が最後だ)」

 

蒼枒はリアスたちがレーティングゲームを終えた頃から分身の精密操作の訓練をするちょうどいい相手が見つかったと葉月と白音が言っていたのを思い出していた。そのときは特に気にも留めていなかったがその相手が蒼枒の嫌いな悪魔ならば蒼枒も動かないわけにはいかない。家族を、そして何よりも黒歌を守るため蒼枒は日本からの悪魔の排除を決めた

 

黒「終わったにゃー!!」

 

蒼枒の隣で札を作っていた黒歌は筆を放り投げると蒼枒へもたれかかった。黒歌の周りには完成した札が大量に散らばり、置かれていた

 

蒼「お疲れ様」

 

黒「んんっと。疲れたにゃあ」

 

余程疲れたのか黒歌は身体を伸ばし、すーっと滑って蒼枒の膝の上に頭を乗せた

 

蒼「おっと。危ないぞ黒歌」

 

黒「ふふふ、蒼枒ぁ」

 

甘えるように腕を伸ばし蒼枒を求める。甘えてくる黒歌に蒼枒は手入れをしていた刀を置き、頭を撫で始めた。撫でられる黒歌は心地よさそうに目を閉じようとしていた

 

蒼「少し寝るか?」

 

黒「・・・うん。眠たいにゃ」

 

これから夏になるとはいえ何も掛けないで寝るのは体に悪いと思った蒼枒は腕から綿の布を作り出すと横になっている黒歌にふわりとかけた

 

蒼「おやすみ、黒歌」

 

黒「おやすみにゃ」

 

すぅすぅと眠りにつく黒歌の頭を優しくなでる。時折寝言で蒼枒の名前を言う愛しい妻をかわいいと思いながら蒼枒は刀の手入れを再開した



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三勢力の会談

見直してたら結構誤字とかあるなぁと感じてます。見つけたら報告してくれたらありがたいです


【絶斗side】

 

リ「さて、行くわよ」

 

ついに三大勢力の会談の日がやってきた。時刻は深夜、部室にはオカルト研究部のメンバーが揃っているが、当然ながら東雲姉妹はこの場に来ていない。・・・正直言うと俺も今すぐ帰って寝たい

 

ギ「ぶ、部長!み、皆さぁぁぁん!頑張ってくださぁあああい!!」

 

部屋の中央、段ボール箱の中から、ギャスパーの声が響いてきた

 

絶「・・・やっぱり連れていけないんですか?」

 

リ「今日の会談は大事なものだから、時間停止の神器(セイグリッド・ギア)を使いこなしていないギャスパーは参加できないのよ」

 

今回の会談に招かれた俺達オカルト研究部だが、目の制御ができないギャスパーは参加ができない。万が一にも指導者クラスを停止させた場合、会談決裂の恐れもあうからだ。だが

 

絶「何かあったときのために残っておたいんだが・・・」

 

イ「何かって何だ?」

 

絶「例えば・・・神器(セイグリッド・ギア)が暴走して会議室まで範囲が及んだ場合、とか?」

 

リ「流石にそこまで範囲が広がることはないわよ。私としては誰かがいたほうが暴走すると思うのだけど」

 

絶「う~ん。部長の言うことも一理ありますけど」

 

対人恐怖症であるギャスパーには誰もいない方がストレスがかからないでいいのか?

 

イ「ギャスパー、俺の持ってきたゲーム機や漫画でも読んでお菓子でも食べながら待っていてくれ」

 

ギ「は、はいぃぃ!行ってらっしゃいです~」

 

俺たちは部室を出た。がイッセー、遊んでる暇があるなら鍛えろよ

 

 

 

リ「失礼します」

 

グ「どうぞ、お入りください」

 

部長はコンコンと扉をノックするとグレイフィアさんに勧められ会議室へと通された。そこには特別に用意したであろう豪華絢爛なテーブルを囲むように各陣営、悪魔・天使・堕天使のトップが真剣な表情で座っていた

 

悪魔側:サーゼクス様、レヴィアタン様、給仕係としてグレイフィアさん

 

天使側:金色の羽を持つ美男の天使、白い羽根をもった美しい女性の天使、そしてイリナ

 

堕天使側:総督のアザゼル、ダークカラーの強い銀髪で透き通った蒼い碧眼をした美少年

 

サ「私の妹と、その眷属だ」

 

サーゼクスさんが他の陣営のお偉いさんに部長さんと俺たちを紹介し、それぞれの陣営も改めて名乗った。アザゼルの隣にいるのが白龍皇か

 

サ「そこの席に座りなさい」

 

サーゼクス様の指示を受け、壁際の椅子へと座る。そこには既に会長を含む生徒会の面々も座っていた

 

サ「全員がそろったところで、会談の前提条件をひとつ。この場にいる者たちは皆、我々にとっての最重要禁則事項、神の不在を認知している」

 

この場にいる全員が肯定する様な反応を示した

 

サ「では、認知している物として話を始めよう」

 

 

 

会談は順調に進んでいる。

 

ミ「というように我々天使は」

 

サ「そうだな、その方が良いかもしれない。このままでは確実にどの勢力も滅びの道を・・・」

 

アザ「ま、俺らには特に拘る理由もないけどな」

 

サーゼクス様、アザゼル、そして金色の羽天使ミカエル。悪魔、天使、堕天使のトップたちが貴重な話をしている。だが正直言って・・・暇だ!そして寝たい。この世界の事情をあまり知らない俺にとってはさっぱりわからないし、戦争がしたくないならさっさと和平しろと、思う。戦争していた相手とそう簡単にいかないのは分かるけどな

 

サ「それじゃあリアス、この前のコカビエルの件について説明を」

 

リ「はい、ルシファー様」

 

その後、サーゼクス様の勧めに応じて部長がコカビエルの件の説明を始めた。途中、コカビエルの事件に大きく関わった俺とゼノヴィア、木場も補足として説明した

 

リ「以上が、私、リアス・グレモリーと、その眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

そして報告が終わった。お疲れ様です、部長。だが問題はここからだろう

 

ミ「青龍・・・日本にもいたのですか」

 

サ「私も会ったが、どうやら彼は悪魔を忌嫌っているみたいだ。出来ればこの会談にも参加してほしかったが・・・今は置いておこう。さて、アザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

サーゼクス様の言葉に、アザゼルは不敵な笑みを浮かべ

 

アザ「先日の事件は『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが、総督の俺や他の幹部に黙って、完全に単独で起こしたものだ。コカビエルは地獄の最下層(コキュートス)で永久凍結だ。もう出てこられねぇよ。(ハデスに結構取られちまった。ああ、俺の研究資金が・・・)」

 

ていたが何かを思い出したのか微笑が無くなっていた。何があったんだ?

 

ミ「説明としては最低の部類ですがあなた個人が我々と大きな事を起こしたくないという話は知っています。それに関しては本当なのでしょう?」

 

アザ「ああ、俺は戦争に興味なんてない。そんなことしてる暇があったら神器(セイグリッド・ギア)の研究に時間も金も使いたいね」

 

アザゼルの言葉に悪魔と天使のトップの2人は嘆息しながら

 

サ「・・・君はそういう男だったね」

 

ミ「そうですね。白い龍(バニシング・ドラゴン)を手に入れたと聞いたときには、強い警戒心を抱いたものですが」

 

アザ「おいおい、俺の信用は三竦みのなかでも最低かよ」

 

サ「それはそうだ」

 

ミ「そうですね」

 

セ「その通りね」

 

アザ「チクショー!わかってたが改めて言われると腹立つな!」

 

どうやら堕天使のトップは他の事寧から信用されてないみたいだ。確かに他の2人に比べて、何というかオーラがない

 

アザ「もう回りくどいのは無しだ、さっさと和平を結んじまおうぜ?」

 

ミ「ええ、私も悪魔側とグリゴリに和平を持ちかける予定でした。これ以上三竦みの関係を続けていても、今の世界の害となるだけです。天使の長である私が言うのも何ですが、戦争の大本である神と魔王は消滅したのですから」

 

ミカエルさんの言葉を聞いたアザゼルは噴出して笑った

 

アザ「はっ!あの堅物のミカエルが言うようになったな!あれほど神、神、神さまだったってのに」

 

ミ「そうですね。失ったものは大きい。けれど、いないものをいつまでも求めても仕方がありません。人間たちを導くのが、我らの使命。神の子らをこれからも見守り、先導していくのが一番大事なことだと私たちセラフのメンバーの意見も一致しています」

 

サ「我らも同じだ。魔王がなくとも種を存続するため、悪魔も先に進まねばならない。戦争は我らも望むべきものではない。・・・次の戦争をすれば、悪魔は滅ぶ」

 

アザ「そう、次に戦争をすれば、三竦みは今度こそ共倒れだ。そして人間界に影響を大きく及ぼし、世界は終る。お前らは戦争をもう起こせない。神がいない世界は間違いだと思うか? 神がいない世界は衰退すると思うか?残念ながらそうじゃなかった。俺もおまえたちもいまこうやって元気に生きている。神がいなくても世界は回るのさ」

 

どうやら天使も悪魔も和平に賛成のようだ。俺も戦争するのはごめんだな。それよりも・・・別に聖書の神がいなくても世界が終わるわけないと思う。確かに今いる生物の絶滅は世界のバランスを崩すだろうが、極端な話、一宗教の神様が死んでいただけ。他にも神様はいるだろう。身近なところだと蒼枒さんとか

 

イ「・・・シアはどうして追放したんですか?」

 

思考に集中しすぎてイッセーがミカエルさんに何か言ったようだ。追放されたというとアーシアとゼノヴィアだが

 

ミ「・・・神が消滅した後、システムだけが残りました。これは悪魔祓いや十字架などの聖具へもたらす効果加護、奇跡を(もたら)すことのできるものです。本来であればシステムは神の死後、その機能を停止させてしまう筈でしたが、私を中心に熾天使(セラフ)で辛うじて起動させている状況です。ですが神がご健在だったころに比べると、救済できるものが限られてしまうのです。そのため、システムに影響を及ぼす可能性があるモノを教会に関するところから遠ざける必要があったのです」

 

なるほど。つまりシステムを守るためアーシアを追放したのか。悪魔も癒せる聖女の微笑(トワイライト・ヒーリング)は本来敵対しているはずの悪魔も癒してしまうために。そして

 

絶「ゼノヴィアが異端扱いされたのも」

 

ミ「はい。主の死を知ってしまったからです」

 

ミカエルさんは立ち上がりゼノヴィアとアーシアに向き合って、頭を下げた

 

ミ「あなたたちが悪魔に転生したこと、それはこちらの罪でもあります。本当に、申し訳ありません」

 

ゼ「いえ、謝らないでくださいミカエル様。私は教会で育てられた身です。多少の後悔もありましたが悪魔に転生する事を選んだのは私自身です」

 

ア「ミカエル様、私も今、幸せだと感じております。大切な人たちがたくさんできましたから。それに憧れのミカエル様に蒼いしてお話しできたのですから、光栄です!」

 

アーシアとゼノヴィアの話に、ミカエルさんは安堵の表情を見せ

 

ミ「あなた達の寛大な心に感謝します」

 

礼を言った。それから一拍開けて、アザゼルが口を開いた

 

アザ「さて、そろそろ俺たち以外に、世界に影響を及ぼしそうな二天龍に2人に意見を訊こうか。まずは赤龍帝、お前は世界をどうしたい?」

 

イ「お、オレ? 正直、世界がどうこう言われてもよくわからないです・・・」

 

アザ「赤龍帝。ちょっといいか?」

 

アザゼルがイッセーに何やら耳打ちをしている。折れには声が小さすぎて何を言っているか聞き取れないが、を吹き込まれているイッセーの顔が見る見るかわり

 

イ「和平がいいです!!」

 

一体何があった!?

 

アザ「次はヴァーリか」

 

ヴ「俺か。俺の望みは強くなりたい!ただそれだけだ。いくら歴代最強の白龍皇と言われていても所詮は井の中の蛙だったと思い知らされたからな。当分の目標は東雲家に勝つことだ」

 

・・・・・・はあ!!?蒼枒さんたちこの人に勝ってるの!?だって史上最強の白龍皇って言われてるんだろ!?

 

サ「・・・勝つことって。君は彼らと戦って一度も勝てないのかい!?」

 

ヴ「ああ。俺が弱体化したせいもあるが全力で戦っても勝てたためしがないな」

 

アザ「はっきり言うぞ。あいつらには手を出すな。ヴァーリは全力でない青龍に本当に殺されかけている。コカビエルでさえもほとんど相手をされていなかったんだ。おそらく、俺たちが束になってようやく勝てるかどうかってレベルだ」

 

どんだけ規格外なんだあの人達は!堕天使陣営以外の全員が驚いたその瞬間

 

 

時が止まった



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三(大)勢力の会談 襲撃

この章はここからメインで動くキャラが代わります!つまりオリジナル展開?に突入!
原作組の活躍?そんなものはない!


【蒼枒side】

 

時刻は深夜0時を回ったころ。俺は1人で修練場で修行を行っていた。今日は堕天使・天使・悪魔が会談を行うらしく俺も出席してほしいと言っていたが、俺が出る必要があるはずもなく断った。誰が好き好んで悪魔がいるところに行くか!だが先日に会談が行うといっていた駒王学園で時間の停止があった。幸いにも範囲はそこまで大きくなかったが、動き出した後、停止させられていた空間が世界からの修正力を受けていた。はっきり言って迷惑だ

 

蒼「ちぃ!あいつらまたやりやがった!」

 

駒王学園、あそこで気の流れがピタリと止まっているのを感じた。しかもその規模は先日の小さなものではなく地下は地脈から上は気流まですべてを止めるほどの大規模なものだ。何かあると警戒していて正解だったが一刻も早く対処しなければならない。俺は楓に部下たちを集めさせた

 

楓「蒼枒様、皆が集まりました」

 

命を出してわずか十数秒。俺の目の前には部下が集まっていた。楓と同じ鴉天狗をはじめ、人、鬼、幽霊、河童、妖狐等様々な妖怪。そして・・・

 

蒼「速くて良いことだ。だが黒歌たちはなぜ集まった?」

 

なぜか黒歌、葉月、白音の姿もあった

 

黒「蒼枒がいないのに私一人で寝れるわけないにゃ」

 

白「私と葉月はお義兄様と同じ考えでした。私の忠告を聞かずにまたやらかしたのでしょう?」

 

蒼「ああ、悪魔の馬鹿どもがまた時を止めた」

 

白「(やはりそうですか)」

 

白音はそれを聞き、忠告をしたにも関わらず何も対策をしていない部の先輩たちに呆れているようだった

 

蒼「駒王学園で時間が停止させられた。先日も止められたが今回は時間停止の範囲が天地に広がっている。上空は気流の流れを止め、地は地脈までだ!幸いというべきか範囲は横には広がってはないが即刻対処しなければならない。各自、命じる役割を果たせ!」

 

部下たちが時間停止と聞きざわつくが命を受けるためすぐに静まった

 

蒼「俺と葉月は止まった流れを元の流れへと戻す!世界からの修正力を受けるはめになるが大丈夫か?」

 

葉「お任せください!」

 

蒼「黒歌は銀杏(いちょう)たちと結界を張ってくれ。近隣の住民への被害防止と認知されないにな」

 

黒「わかったにゃ」

 

蒼「白音は原因の排除だ。先日の対処もしたし、原因はわかっているのだろう?」

 

白「もちろんです」

 

蒼「楓はこれが陽動の可能性を考慮してここの守りを頼む。一部の部下は黒歌達結界班と俺と葉月の護衛をしてもらう」

 

楓「了解しました」

 

黒「蒼枒、転移陣も準備完了にゃ」

 

命令を下している間に黒歌が転移陣の準備をしていてくれたみたいだ。本当に優秀だな

 

蒼「各自、おのれの役割を果たせ!」

 

俺達は黒歌が作った転移陣へと飛び込んだ

 

 

 

【白音side】

 

転移陣をくぐり、それぞれの役目を果たすために動きます。私の役目は原因であるあの悪魔を気絶、場合によっては殺すのが役目ですね。気配は部室からしますが念のため先日いた部屋も見ておきましょうか

 

葉「こちら葉月、上空に到着。これより乱れた気流を元に戻します」

 

蒼「了解。地脈も元に戻すぞ」

 

銀「こちら銀杏(いちょう)。結界を張り終えました」

 

黒「ついでに学園を囲うように張っていた結界を破壊、張っていた術師も無力化しておいたにゃ」

 

念話で各自の状況が伝えられました。流石お姉ちゃんたち、仕事が早いですね。私も空の部屋を後にし、部室へと向かいます。部室の前に着くとローブ姿にフードを被った見張りが2人います。中には悪魔が1人と他に6人の人間。さっさと片づけてしまいましょう

 

「うっ」

「ぐっ」

ガラッ

「「「「「「!なにもガッ」」」」」」

 

ギ「ひっ!?い、い、一体・・・なにが・・・?」

 

全員首に手刀、または腹を殴り気絶させましたが、所詮はこの程度。抵抗どころか何も反応もしませんでした。後は椅子に縛られているこの悪魔に時間を動かしてもらうだけですね

 

白「何が起因して時間を止めているかわかりませんが、早く時間を動かしてください」

 

ギ「だ、だ、誰だかわかりませんが、む、無理です。ぼ、暴走して・・・神器(セイグリッド・ギア)を止められないです」

 

でしょうね。制御できたなら暴走するわけありませんし。仕方がないのでまた気絶してもらいましょう

 

白「(お義兄様、葉月、解除しますよ)」

 

蒼・葉「了解(です)」

 

ギ「お、お願いします。ぼ、僕をこ、こ、殺してください。僕は・・・・死んだほうがいいんです。この眼のせいで、僕はゔっ」

 

悪魔が気絶したのを確認しました。これで神器(セイグリッド・ギア)が解除されればいいのですが

 

蒼「(ぎ、がぁ!)」

葉「(ゔゔゔぅぅぅ)」

 

黒・銀「(蒼枒(葉月様)!)」

 

どうやら時が動き出したようですね。念話から唸るような声が聞こえました。お義兄様たちが止まっていた時間分の修正力を受けたのでしょう。どれほどの力がその身に受けるかわわかりませんが・・・私も受け止めることができるでしょうか?

 

「!おい!大丈夫か!?」

 

このローブたちの仲間でしょうか?この悪魔を利用していたようですしこのまま置いておくわけにもいきません。殺すわけにもいきませんし、とりあえず会談が開かれている場所に持って行きますか

 

 

【絶斗side】

 

空気が変わり、周りの空間が色を無くなっていた。つまり時間の停止、ギャスパーの停止世界の邪眼(フオービトウン・バロール・ビュー)の暴走!だが一体何故だ?部室には誰もいなかったはず・・・

 

アザ「おっ、赤龍帝の復活だ」

 

アザゼルがイッセーを見て言う。見渡すと朱乃さんにアーシア、イリナ、そして生徒会の全員が固まっていた

 

リ「眷属で動けるのは私とイッセーと、祐斗、ゼノヴィア、絶斗。ソーナたちは全員ダメなようね」

 

イ「なんで俺たちだけ?」

 

アザ「赤龍帝は言わずともだがグレモリーは赤龍帝の近くにいたから。そして剣士組は持っている剣が特殊だからだろう。イレギュラーな聖魔剣に聖剣デュランダル。正体不明の主を守る神器(セイグリッド・ギア)の剣。今も守られているだろう」

 

アザゼルのいう通り、目の前に《アミル・ガウル》が浮かんでいた

 

ゼ「私は時間停止の感覚はなんとなく、体が覚えていた。停止させられる寸前にデュランダルの力を盾に使えれば防げると思ったのだが、正解だった」

 

祐「僕も同じようなものかな?嫌な予感を感じてとっさに聖魔剣を出したんだ」

 

そういうのって覚えられるものなのか?俺はなにも感じ取れなかった

 

イ「えっと部長、何があったんですか?」

 

アザ「テロリストだ!俺達の和平をよく思わねぇ奴らのな」

 

イッセーの問いに答えたアザゼルは鋭い視線を窓の外に向けた。つられて見るとそこには巨大な魔方陣が展開されており、そこから多くのフードを被った人達が次々に現れていた

 

ミ「これがあなたの危惧していた状況ですか!?」

 

アザ「あぁその通りだ! 奴らの組織の名は禍の団(カオス・ブリゲード)。チッ、もう始めやがったか!」

 

サ「状況から見てギャスパー君の暴走も彼らの手によって引き起こされたと考えていいだろうね」

 

フードを被ったやつらは魔術師みたいなものだろうか?こちらに攻撃を放ってきた。今は各陣営のトップで強力な結界を展開しているようで安全ではあるがおかげでここから出られない。一体どうすれば・・・

 

リ「私の可愛い下僕の利用するなんて・・・許せないわ!」

 

イ「部長!今すぐギャスパーを助けに行きましょう!」

 

イッセーと部長はギャスパーを助けにいくようだ。確かにこの時が止まった状態では下手に動けないからな。あれ?一瞬結界が消えたように見えたが気のせいか?

 

リ「わかっているわ。お兄さま、ギャスパーは私の下僕です。私が責任を持って奪い返してきます」

 

アザ「落ち着け、グレモリー。まだ神器(セイグリッド・ギア)の力は影響し続けているぞ。しかもこの校舎の外は見ての通り禍の団(カオス・ブリゲード)の魔術師だらけだ。おそらく通常の転移も魔法に阻まれるだろう。どうやって助けに行くつもりだ?」

 

リ「・・・キャスリング。これを使えば敵に気付かれる事なく一瞬で旧校舎のギャスパーのところに移動できるわ」

 

キャスリング・・・確かチェスのルールの一つで、確か『(キング)』の駒と『戦車(ルーク)』の駒を一手で同時に動かす特殊な手はず。・・・あれ?それってギャスパーが『戦車(ルーク)』を持ってないとできないんじゃないか?だが案は許可されたし、もしかして本来のチェスとは少し違うのか?俺が行くことになるのか!?

 

リ「キャスリングは『戦車(ルーク)』じゃないとできない。だけど1人でいかせるのは・・・」

 

グ「1人ぐらいならば私が送ることができます」

 

リ「ならイッセー!お願いできるかしら?」

 

イ「任せてください。ギャスパーは大事な後輩です。必ず助けて見せます!」

 

グレイフィアさんの力で一人送ることができるようだがイッセーか・・・できればゼノヴィアがよかったんだけどな

 

サ「なら外にいる連中は・・・」

 

アザ「ヴァーリ、外に行ってあいつ等片付けて来い。白龍皇のお前が相手ならあいつ等も動揺するだろう」

 

ヴ「・・・いや、その必要はないみたいだぞ」

 

アザ「何?」

 

アザゼルが聞き直したそのとき、周りの空間が色を取り戻していった!それはギャスパーの神器(セイグリッド・ギア)の暴走が治まったということ。だが一体何故?時間を止められていた全員が動き出し、騒ぎ始めたのもつかの間

 

ガラッ

 

結界が張っていたにもかかわらず会議室の扉が開かれた。禍の団(カオス・ブリゲード)かと警戒し視線を向けると

 

リ・イ「ギャスパー!!?」

 

絶・祐「それに白音ちゃん!?」

 

ギャスパーを俵抱きにした白音ちゃんがそこにいた。彼女は部長の前までいき、抱えていたギャスパーを片手で持つと

 

白「この危険なものに護衛もつけずに一人にするなんて頭おかしんじゃないですか?それに使わせないようにと言いましたよね?本当に迷惑なんですよ。誰が対処してると思っているんですか?」

 

部長に突き出し落とした。部長は落とされたギャスパーを慌てながら支え、白音ちゃんに反論した

 

リ「仕方ないじゃない!ギャスパーはまだ制御できないもの」

 

白「なら誰にも迷惑のかからないところでやってください。少なくとも日本以外のところで。そうじゃないと・・・」

 

本当に殺しますよ、と鋭い眼光とともに言われた。その目を見たであろう部長はビクッと肩を震わせた。あの言葉は嘘じゃない。白音ちゃんは本当に殺すつもりだ

 

ヴ「グレモリーの眷属はもういいだろ。白音、お前がここに来ているということは」

 

白「ヴァーリさん。ええ、察しの通りお義兄様もお姉ちゃんも皆来ています」

 

ヴ「やはり来ていたか。俺の出番はなさそうだな」

 

結界が一瞬消えたように見えたのは見間違いではなかったか。再び外へ視線を移した時だった。突然室内の空中に人一分が通れる位の魔方陣が展開された

 

セ「・・・これはレヴィアタンの魔方陣!」

 

それを見たセラフォルーさんの表情が驚愕の物へと変わり

 

ゼ「書物で見たことがある。あれは旧魔王のものだ」

 

隣にいたゼノヴィアが呟いた。旧魔王、言葉通りならば先代の魔王たちのことを指すのだろうがいったいどういう悪魔なのだろうか

 

?「ごきげんよう、偽りの魔王達、そして各陣営のトップの皆様!」

 

魔法陣から現れたのは眼鏡を掛け胸元が大きく開いていて、深いスリットの入ったドレスを着た金髪の女性。この悪魔がレヴィアタンか

 

イ「おっぱ「黙ってろ!」」

 

まったく隙もあったもんじゃない。流石にそんな空気じゃないだろ。イッセーには困ったものだ

 

サ「先代の魔王レヴィアタンの血を引く者、カテレア・レヴィアタン。これはどういうつもりだ?」

 

カ「我々旧魔王派のほぼ全ては禍の団(カオス・ブリゲード)への参加を決めました」

 

アザ「・・・旧魔王派と新魔王派の確執はここに来て完全な溝になってしまったって訳か。で、お前が今回の首謀者か」

 

カ「ええ、我々は今回の会談とは逆の結論に至りました。・・・魔王と神がいないのなら、この世界を変革するべきだとね」

 

旧魔王も神は世界で唯一の存在だと考えてるのか。魔王様達も同じ考えだしこれは三大勢力共通の認識と捉えていいのか?

 

?「たかが一宗教の神が消えた程度で、世界を変えるとかぬかしてるんじゃねぇよ!!」

 

旧魔王のレヴィアタンが現れたことにより警戒が強まる部屋に突如怒号が響き渡った。この声は確か

 

カ「一体誰だ!?どこにいる!?」

 

一部を除き、部屋にいる全員が部屋を見渡し声の主を探が声の主は見つけられない。だがヴァーリがどこか一点を見つめているのに気づいた俺は視線の先に目を向けた。白音ちゃんの隣に突如魔法陣が展開され、探していた全員が動きを止める。魔法陣の中からは見知った人であり、先ほどの声の主、青龍が現れた

 

蒼「俺は東雲蒼枒。おまえがこの騒動を引き起こしたのか?」

 




今回、念話での会話がありましたが、今のままだと内心思っていることと表記が被ってしまっています。何か別の表記にしたほうがいいですかね?


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旧魔王vs青龍 前編

お気に入りが250を突破!?いきなり増えて驚きました。嬉しい限りです
今回はすべて3人称視点から書いています(無双する側からの視点って難しい)

サブタイトル良いの思いつかなかったなぁ


【3人称side】

 

蒼「俺は東雲蒼枒。おまえがこの騒動を引き起こしたのか?」

 

転移陣から現れたのは、蒼く輝く髪を無造作に流し、淡い青の着物に腰には2本の刀を差し、絶斗と祐斗に修行をつけ、コカビエルを無傷で倒した歴代最強青龍、東雲蒼枒。突如現れた彼には部屋にいたものから視線が集まった

 

カ「東雲?蒼枒?知らない名ですね」

 

蒼「だろうな」

 

カテレアは魔法陣が現れそこから出てきたことには驚いたものの、名も聞いたこともなく魔力も感じなかったため、蒼枒のことを雑魚と決めつけた。それに対し蒼枒は当然だろうと思いながら流した

 

グ「彼が、フィーリスの子・・・」

 

多くのものが驚きを見せる中グレイフィアはようやく会うことができた甥の姿を目に焼き付けていた。フィーリスと会った時は声しか聴くことができず、さらに悪魔を嫌っていると感じられたため会うことも難しい。そんな彼が目の前にいる。セラフォルーも初めて見る蒼枒の姿を興味深そうに見ていた

 

ミ「(我が主をたかが一宗教の神呼ばわりとは)」

 

だが蒼枒に向けられているのは優しい視線だけではなかった。仕える神に対し冒涜ともとれる発言をした蒼枒に天使は怒りを感じながらもにらみをきかせていた

 

カ「先ほどの言葉から私を止めに来たのでしょうが邪魔しないでもらえますか?これから私は大事なことをしなければならないので」

 

蒼「邪魔はお前たちだ。先の時間停止、あれを引き起こしたのは貴様らか?」

 

カ「ええ、そうですよ。グレモリーの眷属に面白いものがいたので利用させてもらいました。使えると思ったんですけどねぇ。まさかこんなすぐに解除されるとは思ってもなかったですが・・・所詮は転生悪魔。使えもしない神器(セイグリッド・ギア)を使ってあげたんだから感謝してほしいぐらいです」

 

カテレアはグレモリーの眷属の中に時を止めれる神器(セイグリッド・ギア)を持っているのを情報として知っていた。これを使えば比較的楽に各陣営のトップを殺すことができると考えていたためだ

 

イ「お前!ギャスパーをなんだと思ってるんだ!」

 

リ「そうよ!ギャスパーは道具なんかじゃないわ!」

 

リアスたちからたまったものでない。大事な眷属を、後輩を道具のように扱われ激怒する。彼らの怒りは当然のものだろう。だが

 

蒼「黙れ!!俺がこいつに聞いている!邪魔するな!」

 

蒼枒にとっては話の邪魔でしかなかった。怒りに燃えるリアスたちに殺気をぶつけ、身動きをとれなくした

 

絶「(蒼枒さん。眼があの時みたいになっている・・・)」

 

同じ方向にいた絶斗は蒼枒の目の違いに気付いた。期間は10日と短かったが修行の時みっちり相手をしてもらっていたためだ。だからその時の眼と今の眼が違っていることに気付いた。だがそれもそのはず。ここには蒼枒の嫌いな悪魔が大勢存在し、そのうえ悪魔によって時間が止められ、その処理を行わなければならなかっただ。蒼枒の悪魔に対する許容はすでに超えていた

 

蒼「邪魔が入ったな。貴様が時間を止めたおかげで俺たちはその対処に追われることになったんだが?」

 

カ「それはそれは、ご愁傷さま。ですが、私どもには関係ないことです」

 

蒼枒が問いを投げ、カテレアはそれを自分は関係ないと流す中、蛇に睨まれた蛙のように動けない二人をどうにかしようとリアスの眷属が動いていた

 

蒼「はぁ。修正力はかなりきつかったんだがな」

 

アザ「修正力ってお前何したんだ・・・?」

 

蒼「時止めの代償を受けただけだ。全く、迷惑極まりない」

 

アザ「(確かにギャスパーの停止世界の邪眼(フオービトウン・バロール・ビュー)は時を止めるが、そこに修正力を働いていたという報告は今までなかったぞ)」

 

アザゼルは修正力と聞き不思議に思った。これまで同じような効果を持つ神器(セイグリッド・ギア)を研究したことがあったアザゼルだったが修正力が働いたという結果はなかった。だが実際は観測されなかっただけで時を止めた空間には世界が元に戻そうとする力が働いていた

 

カ「どうでもいいので貴方はそろそろ消えてもらえません?魔法陣を使って現れたのは少々驚きましたが所詮は無名の雑魚。私はここにいる三大勢力のトップを殺し、世界をこの手で変革しなければなりませんので」

 

カテレアは蒼枒にそう言い放った。これから世界を変えるための大事な一歩を踏み出すこの時に、突然現れた雑魚に邪魔されるわけにはいかないからだ。だがそんなことは蒼枒には関係ない。日本に害した存在を放って置くわけもなく白音に念話をつなげた

 

蒼「(白音)」

 

白「(わかってます。お義兄様)」

 

蒼「それこそどうでもいいな。お前は殺す。。日本に害を与え、反省の色もないし謝りないのだからな!」

 

カ「私を殺す?あなたが?無理に決まってるでしょう」

 

カテレアがあざ笑う中、蒼枒は左手に大きな木製の杭を作り出し、構える間もなく姿を消した

 

カ「ぐっがっ!あああああぁぁぁぁ!!」

 

蒼枒に杭を突き刺さされたカテレアは窓へと吹き飛んだ。白音が窓を開けたため結界にぶつかるが間髪入れずに再び杭を突き刺される。蒼枒の追撃により各陣営のトップが張っていた結界はカテレアごと無理矢理破壊された。バリンと音を立てて崩壊する結界の中を蒼枒はカテレアを杭に突き刺したまま外に出る。くぐもった声を吐き、体をくの字に折られ空へと投げ捨てられたカテレアは魔術師から放たれた魔術を受けながら上空へと飛んで行った

 

白「(お姉ちゃん!)」

 

黒「(わかってるにゃ!)」

 

白音は再び念話を繋いだ。校舎の結界が壊されたことを感知した黒歌は結界を張り治し、さらに敷地内にある建物・植物までも個別に結界を張った

 

セ「カテレアちゃん!?」

 

外に飛ばされたカテレアを心配し追いかけようとするセラフォルー。その前に白音が現れ行く手を塞いだ

 

白「あなた方にはここにいてもらいます」

 

セ「邪魔しないでよ!」

 

白「ずいぶんと甘いんですね?殺そうとした相手に対して」

 

アザ「そうだぜセラフォルー。あいつはもう敵だ。旧魔王派は禍の団(カオス・ブリゲード)に入ったと言っていただろう」

 

白音に続きアザゼルもセラフォルーを引き止めた。白音の言うことももっともだろう。見知った相手だろうと自分を殺そう宣言している相手に気遣っている時点でかなり甘いことだ

 

白「あなた方にはにここにいてもらいます。お義兄様たちの邪魔をしないために」

 

白音がそういうとタイミングを計ったかのように大量の水が窓の外に落ちてくる。それは外にいた魔術師を押しつぶし、流していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉「はぁ、はぁ」

 

咲「お嬢、もう少し休みませんか?」

 

葉「お兄様はもう動いているのでしょう?なら私だけ休んでいるわけにはいきません」

 

葉月は現在、校舎の屋上に護衛の河童の咲流と共にいた。世界の修正力を受けたため身体に激痛が走り、うまく動かせなくなっていたが、巨大な魔方陣からフードを被った怪しいものたちが次々に現れ校舎に魔術を放ち始めたため、対処しなければならなかった

 

葉「フードを被った者たちに告ぐ!今すぐ攻撃をやめ、帰りなさい!こちらは無意味な戦闘は行いたくありません!」

 

無意味な殺生をしたくない葉月は通告を発したが返ってきたのは魔術の大群。なんとかよけようとする2人だが葉月の身体に激痛が走り、動きが止まってしまった

 

葉「うぐっ」

 

咲「お嬢!」

 

咲流が身を挺して葉月の盾になろうとする。しかし雨のように降り注ぐ魔術は葉月たちどころか校舎にすら当たらなかった

 

黒「無理しちゃだめにゃ!」

 

彼らのそばに瞬間移動してきた黒歌が現れた。白音からの念話により屋上にいた葉月たちを含め、校舎ごと結界を張り、放たれたすべての魔術を防いだ

 

咲「若奥様・・・ありがとうございます」

 

黒「まったくもう。無理なら休んでいればよかったのに」

 

葉「いえ、皆が動いているのに私だけ休んでいるわけにはまいりませんので」

 

休むよう勧める黒歌だったが、一人休むことを嫌がる葉月。今も痛いであろう身体を無理に動かそうとする

 

葉「それに、まとめて葬るのに私もいたほうが楽ですしね」

 

黒「それは、そうだけれど・・・?痛いって痛覚無効とか神経切断してないのかにゃ?」

 

葉「・・・あ!」

 

蒼枒や葉月を含め力の持つ妖怪たちは変化や身体の再生のみならず神経の感度まで自由に設定できる。痛覚を完全に無効にし、戦闘での隙をなくしたり、物の肌触りを確認するために逆に上げることもできる

 

黒「葉月ったら。たまにどこか抜けてるところあるんだから」

 

葉「申し訳ありません、お義姉さま」

 

そう言っている間に身体の切り替えを終えたのか、葉月はいつも通りの動きに戻る。だが、黒歌の存在に気づいたテロリストたちは目の前に賞金首がいることに驚いていた

 

「おい!あそこにいるのってSS級はぐれ悪魔の黒歌じゃないのか!?」

 

「あれを捕まえて悪魔に差し出せば多額の金が手に入るぞ!」

 

「マジか!?こんなところにいるなんてラッキーだぜ」

 

「悪魔に渡すのもったいなくねえか?俺たちで飼っちまおうぜ?」

 

「賛成!あの身体だ。十分楽しめそうだ」

 

話を聞かれているとは思っておらず、黒歌に対して好き勝手言うテロリスト。その言葉を聞いた葉月の顔がだんだんと険しくなり最後の言葉で完全にキレた

 

葉「お義姉さまに向かってなんてことを言っているですか!!」

 

黒「にゃ!葉月。私は気にしてないから、ね?」

 

黒歌の声は届かず、葉月は手を天に向かって上げ、水を召還した。その量は学園を覆い尽くし、点を見上げたテロリストたちの顔は驚きと恐怖に染まった

 

「「「「はあ!!?」」」」

 

葉「お義姉さまはお兄様のものです!!!」

 

腕を振り下ろすと同時に大量の水が学園内に降り落ちる。水は結界のせいで外に出ていくことなく溜まっていく。水の中は水流が激しく縦横無尽に流れており、水の重量に押しつぶされた者たちは悲鳴を上げることもできず流されていくった

 

黒「(ここはもう大丈夫そうね)私は蒼枒のところに行ってくるにゃ」

 

咲「はい、お気をつけて」

 

黒歌は一言残して瞬間移動で姿を消した。それと同時に若い天狗が空から現れ、結界の上に降り立った

 

風「一歩遅かったか」

 

咲「若奥様の護衛か?風羽」

 

結界の上に降り立つ天狗、風羽は黒歌の護衛を担当していた。しかし、天狗の彼をもってしても瞬間移動で移動する黒歌に追いつくことは至難の業だった

 

風「その通りだ。瞬間移動するからなかなかお傍についておられんのだ」

 

咲「ならここで待ってたらどうだ?すぐに戻ってくるだろうし」

 

風「そうだな。そうさせてもらうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

カテレアを刺し飛ばし、放たれていた術に(わざ)とぶつけるという効率的かつ非情な攻撃を選択した蒼枒。だがそんな彼の真上には膨大な量の水が今か今かと降り落ちそうに浮かんでいた

 

蒼「(あいつは悪魔だ。まさかこの程度ではくたばらないだろ)」

 

蒼枒が軽く思考していると葉月が呼び出した水が落ちてきた。下でテロリストが慌てふためる中、蒼枒は刀で斬り散らしながら上昇し、突破した。カテレアの姿を確認し向かおうとしたが

 

蒼「(さて、どうやって殺そうか)」

 

黒「蒼枒ー!」

 

瞬間移動して現れた黒歌が後ろから蒼枒に抱き着いた。抱き着かれた蒼枒はフラっと揺れるも体勢を崩すことはなく、手にしていた刀を収め黒歌の腕に触れた

 

蒼「お疲れさま黒歌。もう結界は大丈夫なのか?」

 

黒「うん。後は維持だけだから銀杏(いちょう)だけでも十分にゃ」

 

蒼「そっか、よっ」

 

黒「ふにゃ!?」

 

蒼枒は身体を素早く反転させると後ろから抱き着いていた黒歌を自分の前に来させた。そして肩と膝裏に手をやると黒歌をお姫様抱っこした。いきなりのことに驚く黒歌だったが蒼枒に抱っこされると嬉しそうにその首へ手を回した

 

蒼「(・・・水かー。あの水を使うか)黒歌、大量の雷を用意できる?」

 

黒「う~ん。一人だとできないこともないけどやっぱり大変にゃ。厚い雲があればかなり楽になるけども」

 

蒼「そうか。じゃあ頼む」

 

蒼枒は一瞬だけ黒歌から手を放し、腰の鞘から天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を引き抜いた。すると急速に学園上空に雲が集まりだし空を覆い尽くした

 

蒼「これだけあれば足りるか?」

 

黒「まだにゃ。まだもう少し欲しいにゃ・・・」

 

蒼「そっか。なら少しの間だけこのままでいようか」

 

引き抜かれた天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を逆手で持ちながら、器用に黒歌を支える蒼枒。そんな黒歌は蒼枒の首に回していた腕の力を強めさらに密着し甘えるように顔を擦り付けた

 

黒「にゃ~、蒼枒ぁ」

 

自分の腕の中で甘える黒歌にかわいいと感じつつ、蒼枒はこのままの姿でカトレアのいるほうへと歩みを進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

カ「う、がはっ!はぁ、はぁ、よくも・・・」

 

空へと放り出されたカテレアは血を吐きながら翼を広げなんとか体制を整えた。蒼枒によって貫かれた腹は穴が空き、内臓をいくつも潰しているのが分かった。さらには中級・上級悪魔クラスの魔術をその身に受けたため、カテレアは戦う前からすでにボロボロだった

 

カ「だがこれを使えば・・・」

 

蒼「なんだ、結構無事そうだな」

 

懐を探っているカテレアの前に追いかけてきたであろう蒼枒が現れた。カテレアは自分をボロボロにした相手をにらみつけようと目を向けたが

 

黒「蒼枒、そろそろいいにゃ」

 

蒼「ん、わかった」

 

現れた蒼枒は黒歌をお姫様抱っこしていた。この場にはふさわしくない雰囲気を出す2人にカテレアが驚きと怒りを感じるなか、蒼枒は黒歌を降ろすと手にしていた天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)も鞘に収めた

 

黒「油断しないでね」

 

蒼「黒歌もな」

 

黒歌は蒼枒に抱き着くと軽くキスをし、消えていった。だがカテレアも自分に意識を向けられていない隙を見逃さず、懐から出した蛇を素早く飲み込むんだ。すると、ボロボロだった身体はたちまち再生し、身体から力があふれだした

 

カ「先ほどは油断しましたが、こうなっては貴方に勝ち目はないです。先ほどの痛み、存分に返してあげましょう」

 

身体は全快、さらにパワーアップを果たしたカテレア。それに対し蒼枒は先ほど収めた鞘とは反対のほうから刀を引き抜き

 

蒼「御託はいい、掛かって来い」

 

カテレアに向けて刀を向けた。蒼枒はカテレアが何かするのをわかっていたが、それをわざとを見逃した

 

カ「はぁぁぁぁああああ!!」

 

蒼「・・・・・・」

 

魔王の血筋と日本の青龍が学園の空で()()()()()()()速さ中ぶつかり合った

 



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旧魔王vs青龍 後編

前編に引き続き、後編もすべて3人称視点でいきます
あと少し(1か月)でこの章も終わりか・・・


【3人称side】

 

 

カ「フフフ。手も足もでないようですね」

 

学園の上空。そこではパワーアップを果たしたカテレアと蒼枒がぶつかり合っていた。杖から放たれる強力な魔法と空を高速で自由に動き回る機動力。圧倒的優位に攻めるカテレアに対し、蒼枒は足元に障壁を作り、避け続けるもなかなか攻めないでいた

 

カ「先ほどは油断しましたがやはりこの程度。私の敵ではなかったようですね」

 

そういって散弾の如く魔力弾を放ちさらに自分も接近する。蒼枒は魔力弾を2刀をもって切り伏せ、向かってくるカテレアの右肩から逆袈裟に切り裂こうとする

 

カ「はあ!」

 

カテレアは刀を回避すると蒼枒の後ろに回り込み、手に杖から黒い刃が出現させる。蒼枒は向かって来る刃を受け流しながら一太刀浴びせるが

 

カ「無駄です!その程度で私には傷ひとつつけることはできません!」

 

切り裂かれた身体が再生し、無傷の状態へと戻る。余裕を見せるカテレアに対し蒼枒は静かに刀を構えた

 

 

 

 

 

 

白「長いですね。いい加減あきらめればいいのに・・・」

 

会議室で三(大)勢力の監視を行っていた白音は外を見ながらつぶやいた。どれほど経っただろうか。葉月が呼び出した水は校舎の2階まで達し、魔法陣から現れるテロリストを次々と飲み込んでいった。飲み込まれたテロリストたちは必死に浮き上がろうとするも、激流に飲まれ水上に上がれずに死んでいった。溺死するものや激流に身体を折られるもの。中には魔術を試みた者がいたが、葉月が作り出した鮫に食われて死んだ

 

ア「まさか、学園ごと水の中に沈めるとはな」

 

ミ「一体誰がこれほどの規模の魔法を?」

 

サ「わからない。だが消去法からして黒歌か青龍の妹だろう・・・」

 

部屋から出ることを許されなかった三(大)勢力は外を見ていることしかできなかった。悪魔に転生したばかりのイッセーやアーシア達は流れてくる死体に気分を悪くしていた

 

ヴ「いつも通り自分のフィールドに持っていくな。」

 

白「まあ、これがはやいですから。葉月は広範囲への攻撃が得意ですし」

 

ヴ「そこでだ、魔法陣から現れた魔術師があれほどいたのに、流れている死体の数が少ないのはどうしてだ?」

 

白「おそらくは・・・」

 

疑問に思ったヴァーリはそっと白音に近づき、誰にも聞こえないように小声で聞いた。その内容を聞いたヴァーリは納得したが、暇していたアザゼルに見つかってしまった

 

アザ「おいヴァーリ。。何してんだ?」

 

ヴ「ちょっと気になったことを聞いただけだ。気にしなくていい」

 

アザ「そう言われると気になるじゃねえか。ここから動けない以上暇なんだしよ」

 

渋るヴァーリに対しよほど暇なのかアザゼルが催促する。ヴァーリはちらりと白音を見ると特に問題ないという風にうなずき返されたため先ほど聞いたことを話したが・・・

 

リ「人間を食べるなんて・・・」

 

白「そうですか?はぐれ悪魔たちも食べてますよね?」

 

セ「確かにそうだけど・・・だからって食料として売るなんて」

 

ヴァーリから告げられた衝撃の事実に各勢力はショックを受けていた。特に天使はその扱いに対し怒りをあらわにしていた

 

白「(あ、あそこにいたものもこの中に放り投げときますか)」

 

白音は時間停止を止める際に気絶させたローブのものたちを思い出した。ここの監視もあるため動けない自分の代わりに分身を作り出すと、旧校舎に向かわせ水の中へとテロリストを放り投げた

 

ミ「貴方達は、人をなんだと思っているのですか!?」

 

白「人は人。それ以外の何物でもありません。ですが今相手しているのは敵ですよ?人でしょうが人外でしょうがそこに関係はありません・・・」

 

 

 

 

 

黒「暇にゃ」

 

葉「暇ですね」

 

咲「暇です」

 

風「暇だ」

 

学園の屋上に張った結界内で黒歌たちは退屈なのかお茶や菓子を出しくつろいでいた。戦いの最中、彼らが気を抜くのも無理はない。テロリストは皆魔法陣から出た瞬間激流に飲まれていくのだから。黒歌たちが何もしなくてもテロリストたちは何もできずに皆溺れていく。そして死体となったものは転移陣を通して倉庫へと送られていった

 

風「咲流は泳いで来ないのか?」

 

河童である咲流に風羽が茶化す。特にやることもないため暇なのだ

 

咲「馬鹿いってるんじゃねぇ。あんな中で泳いだ日にゃあ身体がボロボロになっちまう」

 

風「あ、泳げないことはないんだ」

 

咲「当たり前だ。あたしたちは一体誰の下にいると思ってるんだ!」

 

 

黒「いい加減にしてほしいにゃ~」

 

こちらも進展がなく、蒼枒に言われた準備も終えている黒歌は結界内で寝転がっていた

 

葉「しかたないですよ。もうしばらく待ちましょう」

 

隣に座る葉月がお茶を飲みながら黒歌をなだめた

 

 

 

 

 

互いに決定打を与えることができずしばらくが経った。パワーアップをしたにもかかわらず攻めきれないカテレアは次第にイラつきを見せていた

 

カ「なぜです!なぜ私の攻撃が当たらないのです」

 

イラつきにより技が大降りになり攻撃が読みやすくなる。蒼枒は回避しながらカテレアに近づき腕と胴を両手に持った刀で切り裂く

 

カ「なぜ!私のほうが強いのに!私のほうが速いのに!」

 

カテレアは引き離すように無茶苦茶に杖を振るった。魔力の込められた杖から三日月状の巨大な衝撃波が放たれる

 

蒼「(そろそろ飽きてきたなぁ)」

 

蒼枒は向かってくる衝撃波をできるだけ破壊しながらそんなことを考えていた

 

蒼「(もう少し何か持っていると思ったんだが・・・何も得られなかったな)」

 

そもそも蒼枒はカテレアと戦っていたわけではない。黒歌が作った試作品である符の試運転と相手の持つ技術を盗むため。符をつけていることにより自身に掛かる重力は増え、身動きがとりにくくなっていた。そんな状態にもかかわらずすべての攻撃を回避・相殺した蒼枒は落胆しながら決着をつけようと動き始めた

 

カ「なぜです!なぜ私より遅いお前の攻撃があたるんだ!!?」

 

蒼「それだけ大きな力。いきなり手にしたとして扱えるわけないだろ。振り回されるのがオチだ」

 

突進してくる蒼枒にカテレアは杖から放たれるいくつものレ-ザーを放つ。しかし斬りはじきながら向かってくる蒼枒の勢いを殺すことはできず

 

蒼「だから攻撃が読みやすいんだよ」

 

接近を許したカテレアは自身の腕を斬り落とされた

 

カ「よくも、よくも私の腕を・・・ガッ!?何が!?」

 

蒼枒の腕がカテレアの胸に突き刺さっていた。カテレアが殴りかかるもそれよりも速く蒼枒は手を引き抜き距離をとった。勢いよく抜き取られた手の中には先ほどカテレアが飲み込んだ蛇が捕まっていた

 

カ「返しなさい!それは・・・私のものです!」

 

蒼「何を言っている。これは無限龍のものだろう?そもそも力に飲み込まれたものが何を言っている」

 

プランプランと揺れ動く蛇を取り返そうと突進してくるカテレア。蒼枒は反転しながら避けると箱を作り出し、蛇を入れてふたをした

 

蒼「(黒歌、そろそろ雷を頼む)」

 

黒「(任せてにゃ!)」

 

カ「返しなさい!」

 

蒼「黙れ」

 

蛇を取り返そうと向かってくるカテレアを蒼枒はけり落とす。落ちる先はは葉月によって作られた激流の水。水の中に落ちたカテレアは急いで浮き上がろうとするも、空に浮かぶ厚い雲からカテレアを追うようにして巨大な雷が落とされた

 

カ「━━━━━━━━━!!!???」

 

声にならない悲鳴を上げるカテレア。全身に雷が流れ、身を焦がし、神経が焼かれる。わずかな時間の間に膨大な水が水素と酸素に電気分解され、空気に溶け込む。魔力を放出しいくらかのダメージ軽減に成功したカテレアは地面に着地すると、なんとか立ち上がり蒼枒をにらみつける。しかし・・・

 

蒼「これで終わりだ」

 

蒼枒が火を放つ。すると先ほど分解された水素が反応し、激しい閃光、そして熱風と共に大爆発を起こした

 

 

 

 

突如、外から眩い閃光と轟音が響き渡る。部屋にいたものはとっさに目を背けたり隠したりと光から逃れた。何があったか彼らが確認するために外を見ると、それまで覆い尽くしていた水が学園からきれいさっぱり消え去っていた

 

絶「あれほどあったはずの水がない!?」

 

ゼ「馬鹿な!?一瞬であの量が消えるはずが!」

 

一瞬の出来事に窓に近寄る絶斗たち。すると白音が

 

白「(あ、わかりました)目を塞いでいたほうがいいですよ」

 

そういって白音は目を閉じた。絶斗はそれに従い、腕や服で目を隠した。その直後、先ほどよりも強い閃光が衝撃と共に校舎を襲った

 

 

カ「ぐ・・・がはっ」

 

蒼「やれやれ。まだ生き残っていたとは」

 

地面に降り立った蒼枒の目の前には血を吐き出すカテレアの姿があった。爆発の威力はすさまじく、カテレアは持てる限りの魔力をすべて使い、なんとか防いだが完全には防ぎきれず身体はボロボロだった

 

黒「蒼枒ー!」

 

蒼「ん」

 

瞬間移動してきた黒歌が蒼枒に抱き着く。首に腕を回され、ギューと身体を密着する黒歌に蒼枒はかわいいと感じながらその頭を撫でた

 

黒「にゃふふ」

 

カ「隙を・・・見せましたね!」

 

カテレアが自分の腕を触手に変え蒼枒と黒歌には放つ。決死の覚悟で放った触手は黒歌に向かう触手を防ごうとした蒼枒の腕に触れた。蒼枒はそれを引きはがそうとするが一向に剥がれる気配がしなかった

 

カ「はぁ・・・ただではやられません!この状態になった私を殺そうとしても無駄です!私と繋がれている以上、私が死ねばあなたも死ぬように強力な呪術も発動しています」

 

蒼「ふーん」

 

葉「お兄様」

 

わずかばかり遅れてきた葉月と部下の妖怪たち。蒼枒が触手でつながっていることに驚きを示すも心配している雰囲気は全くなかった

 

黒「蒼枒。その触手斬ったほうがいいと思うにゃ」

 

カ「その触手は私の命を吸った特別製。切れませんよ」

 

既に瀕死と言っていいほどのダメージを受けているカトレアが不敵に笑う

 

カ「私はここで死ぬでしょう。しかしこの先の計画の壁になるほどの力を持つあなたを私の命一つで葬ることができるのならば安いものです!」

 

触手は斬ることができない。自身の道連れに蒼枒を殺そうとするカテレア。だが

 

バシュッ!

 

カ「なっ!?」

 

蒼枒は何のためらいもなく自分の腕を斬った

 

蒼「そんなに腕がほしいならくれてやる「だが少なくとも片腕はもらった!」もっとも・・・」

 

触手のついた腕がカテレアに回収される。一方で蒼枒は自身で斬った腕を一瞬で再生させた

 

蒼「そんな木でよかったらな」

 

カ「くっそぉぉおお!」

 

カテレアの持つ腕は茶色に変わり、ただの手の形をした木材へと変わった。カテレアが自身の命を犠牲にしてでも殺そうとした相手は片腕どころか傷一つ与えることができなかった

 

蒼「死ね」

 

カテレアの悔しみの叫びが響く中、数多の斬撃が放たれる。それは白く輝き、カテレアを斬り裂き身体を消滅させた

 

蒼「黒歌、学校に張った結界は解いてもいいぞ」

 

黒「うん。わかったにゃ」

 

そういって校舎に張られていた結界が解除される。それと同時に校舎に閉じ込められていたものたちも解放された

 

白「終わりましたか。ずいぶん時間かけてましたね」

 

蒼「まあな。何か新しい技や術が見れればよかったが、何もなかったな。戦いもできる限り手加減してようやく不利になる程度だ」

 

白「それはまた・・・」

 

セ「カテレアちゃんは!カテレアちゃんはどうしたの!?」

 

白音に遅れて蒼枒たちのもとにきた三勢力。その中で蒼枒とカテレアとの戦いを追いかけようとしたセラフォルーは蒼枒へと詰め寄った

 

蒼「殺した。得るものもなかったからな」

 

セ「そんな・・・カテレアちゃん」

 

アザ「できれば生かしておいて欲しかったがな」

 

蒼「自爆しようとしていたからな。爆発がどれほどの規模になるかわからなかったからな」

 

アザ「水素を爆発させたお前が言うなよ」

 

蒼「そんなことはどうでもいいだろ。被害は黒歌たちのおかげ全くない」

 

蒼枒の言う通りあれだけの戦闘や爆発があったにもかかわらず学園にはその影響が全くなかった

 

蒼「ああ、ちょうどいい。悪魔たちに言うことがある」

 

サ「・・・なんだい?」

 

蒼「これは宣告だ。これより、悪魔は許可なく日本に在することを禁じる!」

 

蒼枒から発せられた宣告。それは悪魔が日本に踏み入れることができなくなるものだった

 



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青龍vs赤龍帝

2人も感想を書いてくださってテンションが上がりました!
しかし、そんなテンションでも今回はなかなか難しかったです。戦闘(?)自体は簡単でしたがそこまで行くのが・・・。キャラもあまり動かせませんでしたし


【絶斗side】

 

蒼「これは宣告だ。これより、悪魔は許可なく日本に在することを禁じる!」

 

蒼枒さんから発せられた宣告。それは悪魔が日本に踏み入れることができなくなるものだった。・・・でも奥さんを抱えながら言うことではないでしょう!

 

イ「いきなり何言ってやがる!」

 

サ「待ちなさいイッセー君!・・・理由を聞いてもいいかな?」

 

蒼「理由だと?つい先日言ったばかりだろう。害を与えたら容赦しない、と」

 

サ「害?テロリストの目的は私たちだった。君たちに被害が出たわけではないだろう?」

 

魔王様、それは違う。蒼枒さんの言っていることは時間停止についてだ!

 

蒼「被害が出なかっただと?時間停止の影響がどれ程のものか知らないからそんなことが言えるんだろうな」

 

リ「影響?何があったっていうの?」

 

蒼「時間停止は気流も地脈もすべての流れを止めるものだ。その影響内は何の問題もないだろう。だが影響範囲外ではそうはいかない。片や流れが堰き止められ、片や全く流れのない状態が出来上がりだ!そして時が動き出すと堰き止められていた流れが解放される。それはまるでダムが決壊するがごとく。俺たちはその決壊を防ぐため自らを受け皿にし、流れ元に戻すよう調整しなければならなかった。自らを受け皿にするため世界からの修正力もすべて受けるはめになる。これが害以外の何になるんだ?」

 

強大な力にはリスクが伴う。時を止めるほどの力を使っているのにギャスパーには何の影響もない。それは単にギャスパーの潜在能力が高いからだと思ったがそんなことはなかった。代わりに受けていた方がいたから平気なだけだったのか

 

イ「時間を止めたのは旧魔王とかいうテロリストのせいだろ!なんで俺たちが出ていかなきゃならないんだ!!」

 

蒼「旧魔王だろうが魔王だろうが関係ない。同じ悪魔だろ?そこに違いはない」

 

それは俺もわかる。俺も悪魔になってから日は浅いのもあるが旧魔王派なんてものは知らなかった。だから他勢力・他神話である蒼枒さんたちからしたら旧魔王派も悪魔には変わりないのだろう

 

白「ちょっと待ってください。いきなり追い出すのはよくないのでは?」

 

イ「白音ちゃん・・・」

 

イッセーがうれしそうな声を出す。だけどな・・・

 

白「いきなり消えるの学園の方にも怪しまれてしまいます。卒業と同時に消すのが不自然に思われないのでは?」

 

彼女たちが悪魔の味方なわけないだろう。って何落胆の表情しているんだ!

 

蒼「そうだな・・・確か悪魔は皆2学年以上だったな。ならば今の2学年が卒業するまで、正確には再来年の3月31日の午後11時59分59秒までだな。今俺の目の前にいる悪魔のみ、日本に在することを認めよう。だが次の日である4月1日になった瞬間、お前たちを含め許可のなき悪魔は日本に在することを禁ずる。反するものはすべて殺す」

 

・・・決められたか。当然とは言え苦しいな。俺たちが日本にいられるのもあとわずかか。神様の言うことだ、よほどのことがない限り反故することはないだろう

 

リ「そんなの聞き入れるわけないじゃない!」

 

匙「そうだ!なんで俺たちがお前なんかの言うことを聞かなきゃならないんだ!」

 

なんであんなにプライドが高いんだあの2人は!馬鹿だろ!

 

蒼「別に聞かなくてもいいぞ。だがその時は・・・」

 

リ「ヒッ!!」

 

蒼「今ここで殺すだけだ」

 

やはりというべきか、蒼枒さんの動きは目に見えない。姿がぶれたかと思うと刀の切先を部長に向けていた。そして、目の前に剣を突き付けられ悲鳴を上げる部長。これは部長を人質に取られたか?そんな無駄な事をするとは思えないけど

 

黒「一応人質?がとれたにゃ。さて、黙っている魔王たちはどうするかにゃ?」

 

葉「できれば聞き入れてくれたほうが私たちとしても助かりますけど(後処理という意味で)・・・どうでしょうか?」

 

白「どちらでもいいと思いますよ。どうせ何一つ守らない種族ですし。聞き入れても結局は無断で来ると思います」

 

信用ないな。いや、被害にあっている側からしたら当然なのかもしれないな。何せ東雲姉妹の2人は悪魔にされるために殺されかけてるんだし

 

サ「わかった。その「部長から離れやがれぇぇぇえええ!」」

 

魔王の言葉を遮り、左腕に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出したイッセーが部長を助けるために飛び出した。殴り掛かるイッセーだったが蒼枒さんはバックステップで躱し距離をとり、イッセーは部長をかばうように間に入った

 

リ「イッセー・・・」

 

イ「部長!大丈夫ですか!?」

 

リ「ええ、私は大丈夫よ」

 

俺とゼノヴィアを除いた眷属が部長を心配し、集まる。部長からしたらイッセーは自分を助けてくれたヒーローに見えるかもな。・・・変態のヒーローか、俺は嫌だな

 

蒼「邪魔だ、変態」

 

イ「うるせえ!三大勢力が和平を結んで、世界が平和になる1歩を踏み出そうとしているところを邪魔しようとしてるのはお前たちだろ!」

 

蒼「三大勢力?どこがだ?」

 

イ「俺達悪魔と堕天使、そして天使に決まっているだろ!」

 

蒼「ハッ!たかが一宗教内で分かれたものが三大勢力だと?笑わせる!」

 

言われてみれば確かにそうだ。世界には多くの神話・宗教が存在しているのにキリスト教に属する悪魔・天使・堕天使それぞれが一大勢力と言われているのはおかしい。だがそれをそれぞれのトップがいるこの場で言うのはなんだかな・・・。イッセーは馬鹿にされたことを怒ってまた殴り掛かってるし

 

絶「イッセーは大丈夫なんですかね?勝てる要素などかけらもないと思うんですけど」

 

ミ「大丈夫でしょう。彼にはである聖剣アスカロンを授けています。いくら青龍といえども龍殺し(ドラゴンスレイヤー)を受ければ一溜りもないでしょう」

 

絶「いつの間に・・・」

 

なんでも会談が行われる直前にミカエルさんがイッセーに授けたらしい

 

朱「ついでにアーシアさんとゼノヴィアさんが祈っても頭が痛くならないようにお願いしてましたわ」

 

ゼ「ああ、だからか。いきなり痛みがなくなったのは」

 

リ「ゼノヴィアはイッセーにお礼を言わないとならないわね」

 

ゼ「特に頼んだわけでもないのだが・・・そもそも痛みも慣れてきていたせいか痛みも我慢できないほどではなかったのだし」

 

絶「それは後でもいいだろ。イッセーにアスカロン?を渡したみたいですが、剣を使えないと思うのですが・・・」

 

サ「それなら大丈夫だよ。アスカロンは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に融合しているからね、龍殺しの属性を問題なく使えるはずだよ」

 

嫌それでも無理だろ。そもそもイッセーの攻撃が当たるとも思えないし

 

イ「ふざけんなぁぁぁぁ!!!」

 

『Welsh Dragon over boost!!』

 

サ「!!イッセー君が『禁手化(バランス・ブレイク)』を果たしたようだね。これで青龍もおしまいだろう」

 

イッセーが叫びをあげると赤い鎧に全身が包まれる。確かに『禁手化(バランス・ブレイク)』を果たしたことでイッセーの力が跳ね上がっただろうが、それは楽観しすぎじゃないのか?俺はイッセーが何倍に力を増やしても蒼枒さんに勝てるイメージが浮かばないんだが

 

 

 

(ヴ「赤龍帝も至ったか。)

(黒「だから何だって話だけどにゃあ)

(白「そうですね。戦いも神器頼りですし)

(葉「何より速さが足りません)(あんなのが当たるわけないでしょう」)

 

 

 

【3人称side】

 

イ「オラァ!!!」

戦いは一方的だった。イッセーは幾度となく拳を突き出し、殴り掛かかり攻め続ける。だが10秒ごとに倍加しているとはいえ次第に息が乱れ疲れを見せ始めた。それに対し向かってくる攻撃をすべて避けたにも関わらず、涼しい顔をして立つ蒼枒は汗一つかいていなかった

 

イ「はぁ、はぁ、くそ!なんで当たらねえ」

 

蒼「お前程度の攻撃が当たると思っていたのか?」

 

イ「くっ(だが倍加は行っている。今はだめでも時間が経てば・・・)」

 

蒼「お前は邪魔だから邪魔で大人しくしていろ」

 

蒼枒はそう言って手から蔦を出した。イッセーは避け様とするが、広範囲に広がっていため逃げ切ることができず、俵巻きに抑え込こまれ地面へと転がった

 

イ「ぐっ。・・・くそっ」

 

イッセーは芋虫状になりながらもなんとか立ち上がろうとする。その様子を見ていた蒼枒はもう動けないだろうと背を向けた

 

イ「部長たちのもとには、行かせねえぇ!!!」

 

蒼「(人のことは言えないが何故悪魔をそこまで守ろうとするのか・・・)なあ変態。このことは知っているか?お前の家の改装計画」

 

イ「なんだよ突然!・・・部長がなんか行ってた気がするが」

 

蒼「なんだ聞いていないのか?まあ、それを行おうとしていた悪魔はもちろん殺したんだが・・・その悪魔たちは何をしようとしていたと思う?」

 

イ「何って、家の増築するだけじゃないのか?人も増えたし」

 

蒼「そうだな。確かに増築には変わりなかったさ。お前の家の両隣を巻き込んでな」

 

イ「・・・え?」

 

何を言っているかわからないイッセーに対し、蒼枒は続けて説明した

 

蒼「悪魔が言うにはお前の家をマンションみたいにしたかったらしい。だがそれには敷地が足りなかった。そこでお前の家の両隣を潰して土地を確保し、そこに建てるらしかった。さて、悪魔は計画に巻き込まれた人はどうなると言っていたと思う?」

 

イ「・・・どこかに引っ越しさせる。とか?」

 

蒼「確かに引越といえば引越だな。中にいる人を家ごとまとめて魔法陣でどこかに飛ばすという方法だがな」

 

イ「!?」

 

驚きを見せるイッセーは蒼枒を見ているが、その後姿だけでその表情は見えなかった

 

蒼「その様子から見るに、悪魔がどんなことをしているか知らなかったようだな。だがこれで分かっただろ。俺が悪魔を日本から追い出そうとしている理由が」

 

蒼枒は悪魔たちのところに行こうと歩を進めた

 

イ「ま、待ちやがれ!」

 

蒼「そこで大人しくしていろ。先ほどの宣告を受け入れればそれでよし、受けなければ跡形もなく消す」

 

イ「なら部長は・・・」

 

蒼「純血悪魔は消すと言ったはずだ。転生悪魔は人間に戻す必要があるがな」

 

消す。その言葉がイッセーの頭の中に響いていた

 

イ「(消える・・・跡形もなく・・・あのおっぱいも・・・)ふ、ふざけんなぁぁぁぁ!!!」

 

『Welsh Dragon over boost!!』

 

身体を縛っていた蔦を引きちぎり、立ち上がるイッセー。彼の全身が赤い鎧に包まれ、力が膨れ上がる

 

イ「うおおおおおおおお!」

 

『boostboostboostboostboostboostboostboost!!』

 

それは赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)と呼ばれるもので赤龍帝の力を具現化させた赤い全身鎧。何度も掛け声が掛かると一瞬で限界まで倍加をした。『禁手化(バランス・ブレイク)』したことで一気にパワーが増大し、さらに倍加もしたことでその速さも発せられる圧も先ほどまでとは段違いに強くなっていた

 

イ「くらいやがれぇぇぇ!!!」

 

イッセーが主人公の世界だったのならば、蒼枒は殴られ、その勢いのまま反撃することもできず再起不能になる。そして妹達はイッセーのハーレムに加わり、主人公の踏み台として終わっていただろう。だがそれはこことは別の世界。イッセーの目の前にいるのは日本歴代で最強の青龍。わずか50年で主神級の力を持ち、白龍皇を無傷で破った者。そして何より悪魔を忌み嫌う蒼枒が転生したといえ悪魔であるイッセーに油断するはずもなく・・・

 

 

チン・・・

 

 

刀が鞘に収まる音が響いた。音が聞こえなかったイッセーは自身の利き腕である左で拳を突き出したが、背後から襲い掛かったにもかかわらず蒼枒は首を傾げられるだけで避けた。さらに腕が伸びきったところを蒼枒に掴まれたため、イッセーは慌てて腕を引いたが

 

イ「・・・ぎゃあああああああ!!!」

 

ド『相棒!!!』

 

掴まれているはずが簡単に引き抜くことができた。それもそのはず。イッセーの左腕は上腕から切断されていた。

 

イ「ぐ、う、うう。うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

切断された腕から血を流しながらも残っている右手に力を籠め、背部のブースターを噴射して再び襲い掛かる。動かない蒼枒に対し当たる、とイッセーが思った時だった

 

イ「ガッ!ぐはっ!!?」

 

殴ったと思ったものは蒼枒の残像でそこに本人はいなかった。外した、と一瞬そう思ったイッセーは目の前に1本の鋭く大きな棘が地面から飛び出ているのに気付いた。その棘先はイッセーを貫こうとしているため、イッセーは避けるため身体をひねろうとする。だがそれを拒むかのようにイッセーの背中に強い衝撃が襲った。突然のことで体勢を整えることができず、背骨が折れたのではと思うほどの痛みを感じながら吹き飛ばされたイッセー。当然吹き飛ばされる先には棘が待ち構えており、イッセーは赤い鎧ごと身体を貫かれた

 

「「「イッセー!!」」」

 

ド『相棒!相棒!!』

 

蒼「うるさいな。少し黙っていろ」

 

悪魔たちのみならず、手に持つ腕からもイッセーの心配をする声がした。蒼枒は声の主であるドライグを黙らせながら蒼枒は魔王のところに向かう。すると目の前に赤黒い魔力が迫った

 

蒼「邪魔」

 

それに対し表情を変えることもなく持っていた腕を一瞬放すと、落ちる間に魔力を切り刻ざみ、霧散させ放した腕を再び手に取った

 

リ「よくもイッセーを!」

 

蒼「まあ待て、まだ死んじゃいない。それよりも取引といこうか」

 

リ「取引ですって!?あなた何を「待ちなさいリアス。・・・それで、取引というのは?」」

 

大事な眷属であるイッセーがやられたことで激怒するリアスを遮るように前に立つサーゼクス。冷静にしようと努めているその表情は険しいものだった

 

蒼「先程の宣告を聞き入れろ。代価はあそこにいる変態とこの腕、そしてお前らの命だ」

 

リ「私のイッセーにあんなことしておいてよくそんなこと!」

 

蒼「断るか?俺としては後処理が面倒なだけで今すぐ悪魔共を排除してもいいんだが?」

 

そう言って蒼枒は手をあげる。それを合図に三大勢力の周りには多くの妖怪たちが囲うように現れた

 

ミ「いつの間に!?」

 

セ「気配も感じなかったのにどうして!??」

 

蒼「さてどうする?聞き入れるか。それとも他神話の言うことは関係ないとばかりに突っ張り返すか。どちらにせよ早くしないとあれが死ぬぞ」

 

指さすほうには血を流すイッセーの姿が。地面には血が溜まりあまり時間が残されていないことを示していた

 

サ「・・・・・・・・・わかった。宣告を聞き入れよう」

 

リ「お兄様!」

 

蒼「そうか。ならこれは返してやる」

 

そういってイッセーの腕を放り投げる。リアスはそれを受け止めるとアーシアを連れて急いでイッセーの元に向かった

 

蒼「(一応悪魔の音質もとれたし帰るぞ。黒歌)」

 

黒「(了解にゃ)」

 

黒歌が巨大な転移陣を作り出し、続々と妖怪たちが入っていく。学園を覆っていた結界も解かれ、担当していた妖怪、白音、葉月も神宮へと帰って行った。そして蒼枒と黒歌も陣の前に行くと

 

蒼「ここにいない悪魔どもにもしっかりと言い聞かせておけ。別に死ぬつもりなら来ても構わないがな。行こうか、黒歌」

 

黒「にゃ!」

 

腕を絡ませ寄り添いながら転移陣の中へと入っていく。二人の姿が完全に消えると陣も跡形もなく消えた



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後日談その1

UA80,000突破!お気に入りしてくださった方が270人越え!!そして感想が3件も!!!(感想の一つは誤字報告だったんですけどね)
皆さま本当にありがとうございます!
・・・ですが、今回を含めこれからの3話はあまり面白くないと思います。申し訳ありません(だってその後の話とかメインストーリーに関わらないですし、進展もないので)


今回と次回はあまり面白くないだろうと思います(だってその後とかメインストーリに関わることじゃないですし)

しかも今回はセリフが多くなっています(動きがないんだもの)

___________

 

【絶斗side】

 

 

会談から数日が経った。蒼枒さんたちが去った後、皆がイッセーの治療を行った。ミカエルさんたちの癒しの魔法やアーシアさんの頑張りもあり、無事に治った。身体を貫かれていても生きているなんてすげえなと思ったが倍加した力を生命力に回していたらしい。腕もぴったりとくっ付き問題なく動くと言っていた。アザゼルさんが言うには断面の細胞が一つもつぶれていなかったとか。そんなアザゼルさんが今オカ研の部室に来ていた。ちなみに東雲姉妹はいつもの如くいないがギャスパーはダンボールを被って部室に来ていた

 

アザ「てなわけで、今日からこのオカルト研究部の顧問になることになった。アザゼル先生、もしくは総督でもいいぜ?」

 

リ「・・・どうして、あなたがここに?」

 

額に手を当て、困惑する部長。気持ちはわかる。和平を結んだとは言え敵対していた組織のトップがここにいるんだからな

 

アザ「セラフォルーに頼まれたからな。俺としても近くで神器(セイグリッド・ギア)が見れるしデータもとれるからてことで引き受けて来たんだが、セラフォルーの妹からこの役職と言われたわけだ。まあ、俺の知的でチョーイケメンだからな。女子生徒でも食いまくってやるさ!」

 

・・・・・・?

 

絶「・・・もしかしてそれで堕天使になったんですか?」

 

アザ「おう!正解だ!」

 

イ「マジですか!?アザゼル先生!」

 

ろくでもねえ。そう思っているとイッセーがアザゼルさんの言葉に食いついていた

 

アザ「マジだ!きくが兵藤一誠・・・イッセーでいいか?お前は童貞か?」

 

イ「は、はい!」

 

ちょっと待て!聞くほうも聞くほうだが、答えるほうも答えるほうだぞ!

 

アザ「よし、ついでだ女も教えてやる。適当な美女でもひっかけて男になったほうがいいな。・・・そうだな。お前等も来い!童貞卒業ツアーと行こうぜ!」

 

総督は俺や祐斗にも言ってきた!だが俺にそんな気はない

 

絶「俺は遠慮しますよ。好きな人がいるますし」

 

アザ「ほう。で、そいつは誰だ?」

 

・・・ここは正直に言ったほうがいいか。この手の話題は女性も好きだし目も俺に向けられてる。ここを流しても後であれこれ詮索されるだろう

 

絶「・・・ゼノヴィアだ」

 

ゼ「絶斗・・・」

 

あ、しまった。まだ告白してなかった。ゼノヴィアを見ると顔が赤くなっていく。ええい、ままよ!

 

絶「順番が逆になってしまったが、ゼノヴィア。俺と結婚を前提に付き合ってくれ!」

 

オカ研に暴露してしまったんだ、もう後には引けない。俺は頭を下げ改めてゼノヴィアに告白した

 

ゼ「頭を上げてくれ絶斗。不束者だがこちらこそよろしく頼む」

 

やったぁぁぁあああああ!!ゼノヴィアも同じ気持ちでよかった!!

 

リ「キャーーー。おめでとう2人とも!」

 

朱「おめでとうございます」

 

ア「末永くお幸せに」

 

祐「いやまだ2人は結婚してないよ。とにかくおめでとう」

 

部室が黄色い声に包まれた。俺たちをお祝いしてくれる中、二人の男はというと

 

イ「くっそぉ絶斗の奴・・・一人抜け駆けしやがって!」

 

アザ「・・・ここはいくような空気じゃないな。だが機会があったら連れてってやる」

 

イ「はい!」

 

なんか不審な約束をしていた

 

 

 

アザ「じゃあ改めて、オカ研の顧問になったアザゼルだ。俺の神器(セイグリッド・ギア)の指導をする事になっている。イッセーに木馬、それにアーシアに朧月もか?」

 

絶「絶斗って呼んでください。苗字ではあまり呼ばれないんで」

 

アザ「そうか?まあとにかくおまえらのパワーアップが目的だ。特にイッセーは完全に禁手化が使えるようになること。これが当面の目標だな。ちょうど夏休みに入るんだ。修行する時間はあるだろう」

 

ふむ。《アミル・ガウル》が使えるようになって初めて大きな時間が取れたな。ダメもとで蒼枒さんのところに行ってみるか?祐斗も言っていたけど蒼枒さんは俺たちが目指すべきスピードタイプの剣士の極地にいるのだろう。刃だけでなくその動きすら全く見えずに刀を鞘に収める音だけが残る。両刃剣だから抜刀術はできないが俺もあの速さで動けるようになるのだろうか

 

イ「そうだ!もっと強くなってあいつを今度こそ倒してやる!今度は負けねぇ!!」

 

リ「そうよ!イッセーならできるわ!」

 

おいちょっと待て。実力差が分からないのか?俺達じゃあ束になっても勝てないって。それに強さだってそんな一朝一夕でつくものではないし

 

アザ「やめとけやめとけ。命がいくつあっても足りないぞ。それよりもお前はハーレムを作るのが夢みたいだな」

 

イ「え!?そうですけど?」

 

アザ「ドラゴンや英雄は自然と一夫多妻を形成するんだが」

 

イ「マジッスか!?」

 

そうなのか?英雄色を好むとは言うしドラゴンもそうなのか?確かにイッセーはその通りだけど青龍である蒼枒さんは全く見えなかったけどな

 

イ「はっ!まさか・・・ドラゴンだしあれだけ美女・美少女が周りにいる。あいつもハーレムを築いてるんじゃあ!羨ましい!!」

 

アザ「・・・いや。お前が戦った蒼枒、青龍たちは完全に別だ。特にイッセー、お前と正反対と言っていいぞ。あいつ等はハーレムや一夫多妻なんてものとは完全に無縁な奴らだ。俺もバラキエルから聞いた話だが、あの一族は生涯で愛するのは伴侶ただ一人らしい。そしてその愛は何よりも深く、愛する者を守る為にはあいつ等は何でだってするとのことだ。実際にヴァーリは蒼枒の逆鱗に触れて殺されかけたからな」

 

確か会談でもそのようなことを言っていたな。イッセーよりも神器(セイグリッド・ギア)を扱えてそうで史上最強の白龍皇って言われてるのに勝てないんだよな。そりゃイッセーが勝てないのも無理はない

 

アザ「ま、お前らはあいつらにはかかわらないのが一番だ。あいつは悪魔が嫌いだし触らぬ神に祟りなしと言うだろ?」

 

そうは言っても剣が扱える人で目標となる人は蒼枒さんただ一人なんだよな。ゼノヴィアとデートした時も気になることしていたし夏休みの間に神宮に行ってみるか



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後日談その2

申し訳ないですが今回セリフが過多になっております!そして短いです!ご注意ください



【絶斗side】

 

イ「ヤッホー、ゼノヴィア。会談以来ね!」

 

ゼ「そうだな。はやく中に入るといい」

 

イ「そうだね。お邪魔しまーす」

 

会談が行われてから最初の休日にイリナが俺の家を訪ねてきた。イリナは会談後にゼノヴィアと話をしたかったらしいが禍の団(カオス・ブリゲード)への対策や和平のなどの仕事で今まで会うことができなかった

 

イ「ここが二人の愛の巣か~」

 

俺とゼノヴィアの向かいに座るイリナはお茶を飲みながら部屋を見渡していた

 

ゼ「なぜイリナがそれを・・・!」

 

イ「ん~結構噂になってるからかな?グレモリーの眷属っていろいろ有名だから情報も巡って来るのよ。元々教会に所属していて聖剣を持ってるゼノヴィアは特にね」

 

そりゃあそうだよな。神の知らない人たちからしたらゼノヴィアは悪魔に魂を売ったと考えられてもおかしくない。実際はシステムを守る為の仕方がない措置だったが

 

ゼ「そうか・・・」

 

イ「あの斬り姫に男が!とかすごいわよ。まあそれは置いといて、・・・おめでとうゼノヴィア。よかったわね、思いが通じて」

 

絶「ん?ちょっと待て!なんでイリナはノヴィアが俺のことを好きだってことを知っているんだ!?」

 

俺はお菓子を食べながら笑っているイリナに問い詰めた

 

イ「特別なことがあるわけじゃないわ。ただ空港で別れるときに聞いただけよ。私もちょっとだけど後押しもしたしね。それよりも・・・」

 

な、なんだ?薄笑いしながら何を聞きたいんだ・・・

 

イ「2人はもう同じベットで寝たりしてるの?というよりももうヤったりした?」

 

何てこと聞くんだ!この人は

 

絶「いや、それはまだ・・・」

 

イ「えー、なんで?折角同棲してるんだし寝るのもいっしょにすればいいのに」

 

絶「我慢が出来そうにないからな。それに告白したのも会談の後だったし」

 

これ以上根掘り葉掘りされたくはない。俺は話題を変えることにした

 

絶「俺たちのことは置いといて「え~」・・・イリナはいつキリスト教の神の不在を知ったんだ?ゼノヴィアもそうだけどかなりの信仰家だろ?」

 

イ「ああ、それはね。実は・・・」

 

イリナはそう言って一対の白い羽を背からはやした

 

イ「実は私、ミカエル様から使徒に選ばれて転生天使、御使い(ブレイブ・セイント)になったんだ。お使い・・・悪魔が持ってるチェスの駒の役割的に言うと私は(エース)だよ」

 

ゼノヴィアは天使となったイリナを見て何とも言えない顔をしていた

 

絶「ゼノヴィア、大丈夫か?」

 

ゼ「ああ、自分で決めて悪魔になったとは言え、長年信仰してきたんだ。こう目の前で人が天使になったのを見ると、まだ心のどこかで神に対する思いが残っているなと感じただけだ」

 

絶「それはしょうがないだろ、人間だからな。・・・イリナはよく平気だったな。ゼノヴィアもアーシアもかなりのショックを受けたのに」

 

イ「平気なわけないでしょ!神の不在を知らされたときはショックで7日7晩寝込んじゃったんだから。今は信仰をミカエル様に変えて立ち直ったわ」

 

それでいいのかと思ったが、本人は気にしていないようだしいいか

 

 

 

 

 

 

イ「じゃあ私はそろそろ帰るね」

 

外を見ると空が赤く染まっていた。昼過ぎにイリナが来いたことを考えるとずいぶんと話していたみたいだ

 

ゼ「泊まっていかないのか?絶斗の料理はおいしいのに」

 

イ「うぅ・・・私としてもまだ話したいこともあるしあの料理も食べたいけど、二人の邪魔をしたら悪いでしょ」

 

悩むような苦しいような表情をして荷物を持つイリナ。俺たちも家の前まで出ていってイリナを見送くろうか

 

イ「じゃあねゼノヴィア、絶斗」

 

ゼ「ああ、またな」

 

絶「次来るときはご飯を作ってやるから」

 

イ「本当!?楽しみにしてるわ!」

 

手を振って分かれるイリナを俺たちは姿が見えなくなるまで見送った

 

 

 

 

 

 

 

【三人称side】

 

蒼枒は現在、霊峰青山の山頂に来ていた。ここは青龍または主神しか入れない場所であり、そこには小さな社と小屋が建てられていた

 

蒼「久しぶりだな。無限龍?」

 

オ「ん、青龍。久しい・・・」

 

小屋の中へと入っていく蒼枒。そこには長い黒髪の少女が布団に包まっていた。彼女の名はオーフィス。無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)と呼ばれる無限の体現者である

 

蒼「ここにいてよかった。悪魔がなんか飲み込んでいたから抜き取っておいたぞ」

 

そういって箱から蛇を取り出した蒼枒はオーフィスへと投げ渡す。それはカテレアから抜き取ったものであり、今まで箱の中に厳重に封をされていた

 

オ「ん、これは要らない。好きに使うといい」

 

蒼「そうか。なら」

 

蛇を握りつぶすと蛇から膨大な力が溢れ出す。蒼枒はそれを青山(せいざん)に行き渡るように流れを作った

 

蒼「これであとは龍脈へと流れていくだろ。だがなんで悪魔なんかに蛇を渡したんだ?」

 

オ「我、今は禍の団(カオス・ブリゲード)のトップやってる」

 

蒼「なんでまたトップなんて面倒で迷惑なことを」

 

オ「我は飾に過ぎない。青龍が育つまでの暇潰し」

 

蒼「それはまた迷惑なことで」

 

オーフィスの目的は真の静寂を得ることである。そのためには次元の狭間にいる邪魔な存在を排除しなければならない。真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)、グレートレッド。「夢幻」を司るこの龍が次元の狭間にいるためオーフィスはグレートレッドをどかすための戦力を探していた。その中で目を付けたのが蒼枒である。オーフィスはすぐにでも蛇を食わせようとしたが、龍脈を管理するものがいなくなれば世界に影響を与え、次元の狭間までもその余波が行く可能性がある、と碧守《ソウマ》に説得させられて止まった。それからオーフィスは蒼枒の様子をたまに見に来るようになり、いつでも来れるように山頂に小屋が建てられた

 

オ「それに、また面白い者を見つけた」

 

蒼「ほう、それはいったい何者だ?」

 

オ「人間、今はヴァルハラにいる。様々なものを召喚していた」

 

蒼「ああ、確かに北欧神話にそんなのがいるって聞いたな。だが俺が動けるようになるまで持たないだろう」

 

オ「問題ない。我が延命させる」

 

蒼「あまり変なことはしないでくれよ?」

 

蒼枒が心配しているのは魂の変質。自然にまたは突然変異などによる変質ならばまだ許されるが、故意に行われる変質は死後を管理するものたちに多大なる影響を与えるため好ましくない

 

オ「わかっている」

 

蒼「ならいい。・・・じゃあ俺はもう行く。またな」

 

オ「ん、また」

 

そう言ってオーフィスは布団の中に潜った。蒼枒は扉を静かに閉め、小屋を後にした

 

蒼「(禍の団(カオス・ブリゲード)のトップ、か)」

 

蒼枒はオーフィスの言っていたことについて考えて。破壊と混乱を起こそうとするテロリスト集団、それが禍の団(カオス・ブリゲード)。学園で殺した悪魔、カトレアもこの組織に属していたらしい。最も、学園にいたのは三(大)勢力の和平をよく思わない悪魔派のものたちらしいが

 

蒼「まあいい。害になるならば排除するだけだ」

 

蒼枒には関係ない。オーフィスがトップをやっているといっても自分から飾、そして暇潰しとまで言ったいたのだ。滅ぼしたとしても何も言われることはないだろうと考え、山を下りて行った



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決闘者編 その5 前編

減ると覚悟していた後日談系3話。まさか堕天使巫女編で登録してくださる方がいるとは・・・ありがとうございます
今回は決闘者編です。近頃忙しくて前後編に分けてしまいました。すみませんが本格的なデュエルは次回に持ち越しです


【ユーガside】

 

ギュオオオン!ギュオオオン!

 

ユ「あれだけの衝撃を与えたにもかかわらず出力も安定しているな」

 

家の一階にある倉庫。そこで俺はある物の最終調整を行っていた。パソコンにケーブルが繋がれているそれはアクセルを踏み込むと唸るような音を上げ、画面には様々なメーターが増減していた

 

ユ「各メーターも異常なし。テスト走行も問題なかったし耐久も問題はなかった」

 

これの耐久力を調べるため、高ステータスでありながら手頃に召喚出来る《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を召還し《滅びのバーストストリーム》を放ってもらった。いきなりこれに攻撃してくれと言われた《ブルーアイズ》はちょっと困惑していたけど、攻撃を受けたこれは装甲が破損しただけで内部にはダメージがあまりなかった

 

ユ「後はフレームをはめ込んで・・・・・・ヨッシャーーー!!ついにできたぞ!!!」

 

遂に完成!俺は歓喜の声をあげた。なんてったってすべてを一から作ったからな。かなりの時間が掛かってしまった

 

ゼ「ほう、何ができたんだ?」

 

ユ「ああそれは・・・って、ん?」

 

ここには俺以外には誰もいないはず。時折手伝ってくれたモンスターも今は召還していないのに一体誰だ?

 

ゼ「それはなんだ?タイヤが一つしかないみたいだが」

 

ユ「ゼファードルか!いつから来ていたんだ!?」

 

ゼ「だいたい30分ほど前からだ。何やら集中しすぎて周りの音が聞こえなくなっていたようだな」

 

入口にもたれかかりながらコーヒーをすするゼファードル。あのコーヒーが入っている紙コップって確か・・・

 

ユ「その手に持っているそれって・・・」

 

ゼ「ああ、このコーヒーのことか。試作のようだがいい味をしていてうまいぞ」

 

ユ「それは良かった。《カイバーマン》監修のもと、ロキと俺で作ったブルーアイズマウンテンなんだぜ」

 

ゼ「ほう。・・・また何か始めているのだな」

 

ユ「まあな」

 

俺はただ提案しただけでまさかロキも乗るとは思わなかったがな。手伝ってくれるモンスターたちもノリノリでやってるし

 

ゼ「それで話は戻るがこれは一体なんだ?座席やハンドルの位置的にバイクだとは思うが」

 

ユ「当たらずも遠からずってやつだな」

 

色は白銀を中心に水色で染められ、どこかスターダストを思わせるデザインにした。自分でもなかなかの出来だと思うぜ

 

ユ「これはな、ロセ専用のD・ホイールだ!」

 

ゼ「何だと!?」

 

驚くのも無理はない。今まで俺しか持っていないし俺のも転生特典で神様がくれたものだ。流石の俺もモーメントは作れなかったからな。後々作れるようになればいいんだが今はまだ俺のD・ホイールと連動させるので精いっぱいだ。ちなみに以前に渡したロセのデュエルディスクは電動で作った

 

ユ「前輪部分は重力制御装置によって浮き上がる仕組みだ。翼は大きくはできなかったが《スターダスト・ドラゴン》をイメージして作ったんだ。ロセのエースモンスターは《スターダスト》だからな」

 

ゼ「そうか。つまりお前たちはライディングデュエルができるようになったってわけだな?」

 

ユ「流石にデッキはまだできてないけどな」

 

今までスタンディングがメインだったし、D・ホイールも俺だけだったからな。パソコンを使えばCPU相手にできないこともないけど、実際に乗るわけじゃないしつまらなかった

 

ユ「で、今日は何の用事だ?ただ暇潰しに来たわけではないだろ?」

 

ゼ「そうだったな。先日、仲間がすべて揃った」

 

ユ「仲間?」

 

ゼ「ああ。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を全て使い切った、というべきだったか」

 

ユ「ティアマットの話では確か・・・女王(クィーン)兵士(ポーン)が2個残っている。って言ってたか」

 

ゼ「そうだ。そして今日は女王(クィーン)を連れてきたんだが・・・」

 

ん?なぜ言い淀んだんだ?

 

ゼ「今まで家から出たこともない箱入り娘だったせいもあってか一人で買い物をしたいそうだ。迷子になってなければいいが」

 

ユ「そんな心配しなくても大丈夫じゃないのか?」

 

ゼ「そんなわけないだろ!大事な妹だぞ!」

 

・・・はぁ!?ゼファードルに妹!!?速攻で退場したせいもあって家族構成はあまり知らないけど妹って

 

ユ「ゼファードルって妹っていたのか!?」

 

ゼ「血はつながっていない。所謂、拾い子だ。まあ、事情は複雑で話も長くなるから今は話すのをやめるがな」

 

気になるが、まあまた今度でもいいか

 

ゼ「まあ、地図も渡しているし迷うことはないはずだと思うが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【シェリアグネスside】

 

シ「ううう、見つからないのです」

 

お兄様に連れられて相棒のフォルクスと共にアースガルズに来ました。冥界の外は初めてで、お兄様と別れた後買い物も一人で好きなように楽しむことができまいた。・・・フォルクスは一緒でしたが。買い物を楽しんだ後はお昼になる前にお兄様と合流する予定でした

 

シ「ここは・・・どこですか?」

 

私は迷子になってしまいました。買い物は楽しかったですよ!初めて一人でお店に入って色々買うことができましたし。ですがお兄様の友人であるユーガという方の家に向かおうとしたのですがどこにあるかわかりません。カルティナからもらった地図を見ても自分が今どこにいるかがわからないのでどうしようもないです。目印になるようなものを探しても同じような外見です

 

フ「ブルゥゥン」

 

シ「フォルクス・・・そうですね!あきらめたはダメですよね」

 

フォルクスはお兄様のペットの馬にして騎士(ナイト)です。そして私の一番の相棒でもあります。普段はとても大きい姿ですが、今は二回りほど小さくなった姿で私の荷物をもってっくれてました。フォルクスに励まされた私はとりあえず大きな道に出ようと考えました。そこまでいけば何か目印になるものがあると思いますし人もいるはずです

 

シ「フォルクス。とりあえず大通りに出ましょう。疲れているかもしれませんが頑張ってください」

 

フ「ブオォォォン」

 

?「あの、すみません。大丈夫ですか?」

 

いきなり声をかけられてしまいました!一体誰が、と思い声のするほうを向くと銀色の髪の綺麗な女性が心配そうにこちらを見ていました

 

?「何か地図のようなものを見て唸っていたので心配になって声をかけたんですが」

 

シ「実は迷子でして。えっと・・・貴女は?」

 

ロ「私はロスヴァイセと言います。ヴァルキリーで今はオーディン様のお供を務めています」

 

ロスヴァイセさんですか!確かお兄様の友人の恋人と同じ名前だったはずです!この人に案内してもらえばお兄様のもとに行けますね!

 

ロ「それでどこに行こうとしているのですか?」

 

シ「はい!ユーガという方の家に行きたいのです!そこにお兄様がいるはずです」

 

ロ「ユーガの家に・・・貴女は一体」

 

少し警戒されてしまいました。確かに荷物を背負った馬を連れてる女なんて怪しいと思うのも当然ですね

 

シ「申し遅れました。私はシェリアグネス・グシャラボラス。ゼファードルお兄様の妹であると同時に女王(クィーン)でもあります!」

 

 

 

 

 

【ユーガside】

 

ユ「できたぞ!これが試作のカップ麺!ピリ辛レッドデーモンズヌードルだ!」

 

ゼ「おお!これがそうか!!」

 

ユ「さっき飲んでいたブルーアイズマウンテンを始めとして他にもいろいろ考えてるぞ。ロキにも手伝ってもらっているがな」

 

そろそろ昼過ぎ。ロセが家に来るのもそろそろなはずだが来ないな。昼はどこかで一緒に食べようと考えていたんだけど・・・腹が減った。遊星同様、作業に夢中になっているときは空腹も感じることがないが、今は特にしてないからな。何かないかキッチンのあたりを探していたところ小さなカップ容器を発見した

 

ゼ「うまいぞ!少し辛いがそれもまたうまさを引き出している。気に入ったぞ」

 

ユ「それはよかった」

 

それは《ダーク・リゾネーター》監修の下、作成し試食として家に持ってきておいたカップ麺、レッドデーモンズヌードル。幸いいくつかあったためゼファードルにも一つやったが、余程気に入ったのか勢いよくすするゼファードル。キングと同じか?と思っているうちにゼファードルは食べ終わってしまった。少ししか入ってないからなぁ

 

ゼ「ユーガ!おかわりはないのか?」

 

ユ「試食用だといったろ!もう少し味わって食えよ!後はロセとかにあげる用だ」

 

あっという間に食べやがって!もうあげる気はないぞ。試作なので食べてくれる人は多いほうがいい。外でやってもいいがアンケートに全員が答えてくれるわけじゃないからな。身内ならばちゃんと感想を答えてくれるし

 

ロ「ここがユーガの家ですよ」

 

シ「ありがとうございます。お陰で無事にたどり着くことができました」

 

お!外からロセの声が聞こえたな。ようやく来たみたいだ。だけどあと一人は誰だ?

 

ロ「お邪魔します、ユーガ」

 

シ「お邪魔するのですよ」

 

ユ「いらっしゃいロセ。予定の時間より少し遅れたみたいだがどうした?ロセにしては珍しいから少し心配したぞ」

 

ロ「すみません。引継ぎに少し時間がかかってしまいまして・・・」

 

ユ「ああ、オーディンのせいか。なら仕方ない」

 

また何か起こしたのか無茶な要求をしたんだろう。全く少しはおとなしくしろよ。ロキから俺に仕事が巡ってくるんだからな

 

ゼ「妹が世話になったようだな。礼を言う」

 

シ「重ね重ねありがとうございます」

 

ロ「どういたしまして」

 

ロセにお礼を言う彼女がゼファードルの妹。原作には登場しなかったがこれも俺がいる影響か?確かに髪の色も目の色もゼファードルと全く違うな

 

ロ「それでユーガ。私に渡したいものって・・・」

 

ユ「フッフッフ、それはな。これだ!」

 

そういって被せてあった布を勢いよくはぎ取る。中から出てきたのはもちろん

 

ユ「ロセ専用のD・ホイール!」

 

ロ「え、嘘・・・」

 

ロセの視線が釘付けになる。それはそうだろう、いつも俺の後ろに座っていて、いつか自身も運転したいと言っていたからな。まさかそのD・ホイールをもらえるとは考えていなかっただろう。ましてその形が自身のエースモンスターに似た形をしているのだからなおさらか

 

ロ「ほんとによろしいんですか?これほどのものをいただいても?」

 

ユ「気にするなって。ロセのために作ったんだ。ほかの人は俺以外には乗れないように作ってある」

 

盗難防止のためロセ以外が乗れないようにしたかったが、問題が起きたときは俺が点検とかテスト走行とかしなければならないからな。その時にロセしか乗れないとなると色々都合が悪いから例外で俺も乗れるように設定しておいた

 

ロ「これで私もユーガと一緒に走れるんですね!」

 

ユ「それだけじゃない。もちろんだがライディングデュエルもできるぞ。・・・まあ運転が慣れるまで時間はかかるだろうが」

 

安全のためにオートパイロットはもちろん組み込んである。だがそれでも、普通のバイクとは勝手が違うし何よりロセは初心者だ。転ぶことはないと思うが運転慣れなくてはならない

 

ロ「そうですね・・・。運転になれるところからですよね」

 

ユ「そうだな。だがまあまずは飯にしようぜ!流石にミニカップ一個じゃあ足りるわけないしロセと食べに行く予定だったからな」

 

少し遠出してD・ホイールに慣れるのも兼ねるはずだったが、うまくいかないものだな

 

ロ「すみません」

 

ユ「いいってロセが悪いわけじゃないし。それよりも早く飯にしようぜ!」

 

ゼ「俺たちもついていくぞ。そのD・ホイールが走る姿に興味があるからな」

 

ユ「・・・まあいいか」

 

折角のデートだったのに。だがゼファードルたちの気持ちもわかるから攻めるに攻められない。結局俺達4人で食べに行くことになってしまった。・・・デートのつもりだったんだけどな

 



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決闘者編 その5 中編

すみません!時間が足りずに中編を作ってしまいました。本来ならば後編だけにする予定だったのですがどうしても時間が足りませんでした


【ユーガside】

 

昼飯を済ませた俺達はアースガルズの郊外にある草原に来ていた。そこで俺はフィールド魔法《スターライト・ジャンクション》を発動。草原をこのカ-ドのイラストになっているネオ童実野シティのサーキットに変化させた。そこで俺はロセにD・ホイール乗り方を教え始めていたんだが・・・

 

ゼ「・・・乗り始めて1時間か。素人目だがあれは安定して乗りこなしているのではないか?」

 

シ「私もそう思うのです。私の場合は馬ですしたが、それでも初めて乗ったときは落ちてばかりでしたし」

 

ゼファードル達の言う通りロセは初心者とは言えないほどD・ホイールを乗りこなしている。時折、急な変化にも対応できるようになるためにルートを変えたりあらかじめ設置しておいた障害物を出現させたりと色々な妨害を起動したが、すべてクリアしてしまった

 

ロ「・・・ふう。どうですかユーガ?」

 

コースを巡ってきたロセは俺たちの前に止まった。ロセの姿はヴァルキリーの姿をしている。ヘルメットはしてくれていたが正直必要ないんじゃないかって俺は思う。鎧にそういう加護ついてそうだし

 

ユ「ホントに初心者かってくらいうまかった。後はバック走とか細かいテクニックを覚えれば十分だな」

 

ロ「本当ですか!?フフッ」

 

うれしそうに笑うロセ。それに見とれながらも

 

ユ「どうしようか?」

 

次のことを考える。ライディングデュエルしようにも流石にSp(スピードスペル)の入ったデッキをロセは持ってないだろう。かくいう俺も作ってはいなかったわけだけど。ここは普通のデュエルをD・ホイールに乗りながらやってみるのがいいか?

 

シ「お兄様、そしてユーガさん。私もロスヴァイセさんと戦ってみたのですが・・・許可を頂けないですか?」

 

ロ「あの、ユーガ。シェリアさんとライディングデュエルするって話になったのですがよろしいですか?」

 

・・・あれ?なんでそんな話になってるんだ?悩んでいる間に話が進んでいた。それもありかもしれないがゼファードルの妹がどれほどの強さかわからないから不安だな

 

ゼ「やってみてもいいのではないか?ロスヴァイセはデュエルの腕ならばお前にも勝つほどなのだろう?」

 

ユ「確かにスタンディングでは負けることもあるが・・・ライディングデュエルはスタンディングに比べて危険が跳ね上がっている。オートパイロットも緊急停止装置もついているが不安は残る。ちなみにシェリアってどれぐらい強いんだ?ゼファードルの女王をやってるぐらいだ、相当強いんだろう?」

 

ゼ「ああ、シェリアは俺に次ぐ強さだ。出会いはシェリアが暴走していたときだったが、そのときは俺とティアマットの二人で抑え込まなければならなかったほどだからな」

 

それってヤバいだろ!そんな相手とロセを戦わせるわけにはいかない!

 

ゼ「だがティアマットに修行つけられ力の制御もできるようになった。そこまで心配することもないだろう。それにいざとなったらお前が神すら動けなくする鎖を使えばよかろう」

 

確かに《デモンズ・チェ-ン》ならば対処可能か。あれの拘束力は半端じゃない。ロキも縛れるからな。・・・《サイクロン》で簡単に割れるけど

 

ユ「わかった。ただし、俺が危険と思ったらすぐに辞めさせるからな」

 

ロ・シ「はい!ありがとうございます」

 

 

 

 

というわけで《スターライト・ジャンクション》を改めて発動し巨大なサーキットを出現させた。今度は障害物はない普通のサーキットだ。だけど

 

ユ「馬のままで決闘疾走だと!?ふざけやがって!!」

 

ゼ「・・・いきなりどうしたんだ?」

 

ユ「いや。デュエリストとしてこれは言っておかなくてはならないからな」

 

スタートラインに並ぶロセとゼファードルの妹のシェリア。ロセはもちろんD・ホイールに乗っているが、シェリアはなんと連れ添っていた黒馬に乗るというだ。しかもその馬は今まで体を小さくしていたのか二回り程大きくなり、王者の風格を醸し出していた

 

ユ「だが大丈夫なのか?D・ホイールはかなりスピードが出るぞ」

 

ゼ「それならば問題ない。フォルクスは騎士(ナイト)だからな。速さなら俺達の中でもトップクラスだ」

 

ゼファードルがそう判断するならば問題ないだろう。ロセの走っている姿も見ているしそのスピードも知っているはずだからな

 

シ「頼みますね、フォルクス」

 

フ「ブオオゥゥン」

 

シェリアはフォルクスを撫で終えるとその背中に乗り一本の槍をどこからともなく取り出した。その槍は持ちては細く、武器として振るうには耐久力の面で大丈夫かと思える形をしていた。だがその槍を手にした瞬間、シェリアの雰囲気が変わった

 

シ「汝の力、我が試してやろう」

 

ユ「おい!なんか雰囲気がかなり変わったぞ!」

 

ゼ「戦闘モードに入っただけだ。この時のシェリアはかなり高圧的になるぞ」

 

見た目はほとんど変わっていないのにな。流石のロセもその変わりように驚いているようだった

 

ロ「あの、シェリアさん?大丈夫ですか?」

 

シ「我の心配なぞしている余裕はないぞ。確かにこのままの状態では我は勝てぬだろうがな」

 

不敵に笑うシェリアに対しロセは警戒を強めた。おそらくだがシェリアもゼファードル同様、何か切り札的なものを隠しているに違いない。だがそれはデュエルすればわかることだろう

 

ユ「2人とも、準備はいいか?」

 

ロ「もちろんです」

 

シ「問題ない」

 

ユ「よし!なら先攻の決め方だが・・・スタートしてから最初のコーナーを先に杉田ほうが先攻だ!」

 

2人がうなずくのを確認すると俺は自分のDホイールにまたがりスイッチを押す。すると2人の前にある3つのランプが赤く点灯する。それは一つずつ音と共に消えていき、すべて消えた瞬間、ランプがすべて青に変わった

 

ユ「ライディングデュエル!アクセラレーション!」

 

スタートの合図とともに勢いよく走り出す2人。それに続き、俺とゼファードルも空へと飛んで後を追いかけた。上空から見ると驚くことに先頭走っているのは馬に乗っているシェリアだった

 

ユ「なっ!馬のほうが速いだと!?」

 

ゼ「それはそうだろう。カタパルトや電磁石などで撃ち出すわけじゃなのだからな。初速は生物のほうがはやいに決まっているだろう」

 

ユ「・・・確かにな。だがこのままでは先攻をとられちまうか」

 

基本的に先攻のほうが有利だ。普通のデュエルと違い、妨害されることもなく場を整えることができる。贔屓(ひいき)して悪いが先攻は譲れない

 

ユ「ロセ!右ハンドルにある青いスイッチを押せ!」

 

ロ「これですね。ッ」

 

D・ホイールを通じてロセに通信を入れた。ロセは指示通りにスイッチを押すとD・ホイールが急激に加速し、シェリアよりも前へと出た。5D'sにもあったとあるシステムだがもちろん搭載しておいた

 

ゼ「急に加速しただと?あれはなんだ?」

 

ユ「あれはオーバーブーストシステム。一度だけ圧倒的な加速を得られることができる装置だ」

 

その後の最高速に制限がかかる、なんてデメリットはもちろんない。一度使ったら再使用に時間がかかるからデュエル中に一回しか使えないという点では変わりないが。D・ホイール一台分の差をつけてカーブを曲がったのはロセだ!

 

ロ「私の先攻!カードをセットし、ターンエンド」

 

シ「ずいぶんと消極的だな。いや、これで良いのか」

 

フィールドを制圧し、相手の行動を封じるという手はデュエリスト相手でなければ使えない。基本的に破壊・除外・バウンスはプレイヤー扱いの相手には通用しないからな。破壊こそ使えないこともないがそれでもダメージを与えれるかは不確定だし、それならば防御カードを入れたほうがいい判断だ。ロセのデュエルディスクも実体化できるから、デッキもデュエリスト用とリアル用の2種類を持っている

 

シ「我のターン。まずはこれからだ。・・・宴を始めよう。究極の宴よ、我を存分に楽しませるがいい!ハルバーム」

 

シェリアが詠唱を唱えると、辺りから小さな音が聞こえてきた。それは次第に大きくなり、太鼓や笛の音が響き渡る。それに伴いシェリアにも赤いオーラが揺らぎ始めた

 

シ「準備は整った。いくぞフォルクス!」

 

フォルクスは了解したとばかりに一鳴きするとロセ目がけて突撃した

 

ロ「フィールドにモンスターがいる限りプレイヤーに攻撃はできません!」

 

シ「そんなことは知っている。だがそのカードは貫かせてもらう!」

 

ロセを守るように伏せられたカードがシェリアの前へと立ちふさがる。シェリアは関係なく槍を突き出すとカードが反転しモンスターが現れた。4枚の羽根を持つ金髪の天使。《シャイン・エンジェル》が防御体勢をとって現われたが、シェリアの槍に貫かれ、破壊された

 

ロ「くっ。ですが《シャイン・エンジェル》が戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できます」

 

ロセはデッキからモンスターを引き抜こうとしたが、何かに驚くような声が聞こえた

 

ロ「なぜ私のライフが減っているのですか!?」

 

ロスヴァイセのライフ:8000→6200

 

どういうことだ?守備表示だからライフは減らないはずだが・・・

 

シ「我を誰の妹と思っている。兄上のように防御した相手を問答無用で潰すことはできなくても防御を貫通することはできるぞ」

 

なんということだ。遊戯王の効果的に考えると、このモンスターは守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。という効果を持っているということになる。これは守備表示で凌ぐということができないな

 

ロ「私は《オネスト》を召喚します」

 

《シャイン・エンジェル》の効果で新たなモンスターがロセのフィールドに召喚された。現れたのはウェーブの金髪に青い服の天使《オネスト》

 

シ「モンスターは残ったか。我はターンエンドだ」

 

ロ「私のターンです。ドロー!メインフェイズに《オネスト》は手札に戻すことができます」

 

ロセのフィールドからモンスターがいなくなった。残っているのは伏せカード2枚のみ

 

ロ「(ライフが1800ポイント減ったということはシェリアさんの攻撃力は2600。ギリギリ《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を超えてますか。なら)魔法カード《予想GUY》を発動します。このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚します。私は《エンジェル・トランペッター》を召喚」

 

魔法カードにより召喚されたのは花弁をトランペットのように吹く植物の妖精。通常モンスターだがチューナーだ。一体何を召喚するつもりだ?

 

ロ「さらに《聖鳥クレイン》を通常召喚。そして《聖鳥クレイン》に《エンジェル・トランペッター》をチューニング!」

 

ロセが召喚したのは長く赤い尾を持つ鶴。鶴は緑の4つのリングへと変化した《エンジェル・トランペッター》の中へと飛び込み、太い光がリングを貫いた

 

ロ「シンクロ召喚。現れよ《ゼラの天使》!」

 

ロセがシンクロ召喚したのは戦士ゼラが《天空の聖域》で天使の力を得た姿。スタンバイフェイズに除外されていたら帰還する能力を持つ上、攻撃力も2800と高い

 

ロ「バトル。《ゼラの天使》で攻撃!」

 

ロセの指示に従い《ゼラの天使》がシェリアに攻撃を仕掛ける

 

シ「なっ!?パワー負けしているのか」

 

《ゼラの天使》の攻撃を槍で防ぐが攻撃力が足りずに段々と押され始める。わずか200の差故に粘っていたシェリアだったが《ゼラの天使》の蹴りにより遂に槍が弾かれ、シェリアは斬撃を食らった

 

シ「くっ。だがこの程度」

 

ロ「魔法カード《二重召喚(デュアルサモン)》を発動。私はこのターン通常召喚を2回まで行う事ができます。モンスターをセットしターンエンドです」

 

2ターン目にしてロセの手札が尽きたか。レベル4軸は手札消費が激しいから仕方ない。だが伏せたあのカードはきっと《メタモルポット》だろう。でなければ《オネスト》を残して手札を減らす意味はないからな

 

シ「我のターン。いくぞ!あらゆるものを切り刻む刃よ、現れよ!ティロスチョッパー!」

 

ロセと並走するシェリアが先ほどとは違う詠唱を唱えた。すると彼女たちの上に巨大な鋏が出現した

 

シ「行け!その天使を切断しろ!」

 

シェリアの命令が下ると鋏は自分から動き出し《ゼラの天使》を切断しようと刃を広げる。だがロセの手札には

 

ロ「手札から《オネスト》を墓地に送り効果発動!私のモンスターはターン終わりまで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップします。よって《ゼラの天使》の攻撃力は貴女の攻撃力分アップします」

 

《オネスト》がある。これにより純粋な戦闘では相手がどんなに攻撃力を上げようとも無意味になる。シェリアは反撃を受けると思ったが

 

シ「甘い!我が槍は触れたものをそのものの初期状態まで戻すことができる!」

 

《オネスト》の力を受け、翼を4枚に増やした《ゼラの天使》だったが鋏と共に突撃してきたシェリアの槍を受けた瞬間、《オネスト》の翼が消え去った。力を失った《ゼラの天使》は鋏に挟まれ、破壊されると鋏も消滅した

 

ロスヴァイセのライフ:6200→5900

 

ロセ「《ゼラの天使》が・・・」

 

シ「我はターンエンドだ」

 

まさか相手限定の《禁じられた聖典》の効果を持っているとは厄介だな。これは純粋な攻撃力で勝るモンスターしかダメージを与えられないな

 

ロ「私のターン。ドロー。!今引いたカードを伏せてリバースカードをオープン。《メタモルポット》を反転召喚。カードがリバースした場合、お互いの手札を全て捨て、お互いはデッキから5枚ドローします」

 

捨てると言ってもシェリアは手札どころかデッキも持ってないしロセも手札は0枚だ。ただ単に手札補充しか機能しない

 

ロ「(《レベル・スティーラー》に《ゴブリンのやりくり上手》、《スターダスト・ドラゴン/バスター》は墓地に行ってもいいですね。しかし《バトルフェーダー》と《召喚僧サモンプリースト》は残して置きたかったですが、このままでは何もできません)私はこのターンに伏せたカード《守護神の宝札》を発動。このカードは手札を5枚捨ててこのカードを発動でき、デッキから2枚ドローします。さらにこのカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分ドローフェイズの通常のドローは2枚になります」

 

《守護神の宝札》か。コストは重い上すぐに破壊されるため、普通のデュエルならば使われることはないが、デュエリストが相手ではない場合、基本的に破壊されることがないから有効なカードだな

 

ロ「ドロー。!私は墓地の《バトルフェーダー》を除外し《輝白竜 ワイバースター》を手札から特殊召喚」

 

ロセが出したのは青い身体に白く輝くアーマーをつけたドラゴン。以前ロセに何もできずに負けたあのデュエルにも使われていたあのカードだ

 

ロ「さらに《レスキュー・ラビット》通常召喚。このカードを除外し、デッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体を特殊召喚します。私は《エンジェル・トランペッター》を選択」

 

青いドラゴンの隣に現れたのは黄色のヘルメットを被ったかわいい兎。《レスキュー・ラビット》はヘルメットから2枚のカードを取り出した。そのカードが光ると2体の《エンジェル・トランペッター》が現れ、役目を終えた《レスキュー・ラビット》はどこかに走っていった

 

ロ「私はレベル4の《エンジェル・トランペッター》2体でオーバーレイ!」

 

《エンジェル・トランペッター》が茶色のオーラに包まれると空中に出現した暗い穴に吸い込まれ、光が爆発した

 

ロ「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ《ダイガスタ・エメラル》」

 

現れたのはガスタとの融合を果たしたエメラルドの戦士、《ダイガスタ・エメラル》

 

ゼ「なんだ!あの召喚方法は!?」

 

今まで静観していたゼファードルが驚きの声を上げた。まあ今まで見たこともないし当然か

 

ユ「あれはエクシーズ召喚。エクシーズモンスターの素材となる同じレベルのモンスター2体以上を重ねてその上にエクシーズモンスターを置くことで召喚されるモンスターだ。シンクロ召喚よりも召喚しやすいが、素材にトークンは使えない。そしてエクシーズモンスターはオーバーレイユニットを使用しなければ効果を発動できないものが多い」

 

ゼ「なるほど。あのモンスターの周りをとんでいるあの光、あれがオーバーレイユニットなのだな」

 

飲み込みが早くて助かるな。詳しいことはまた後でもいいだろう

 

ロ「《ダイガスタ・エメラル》の効果発動。オーバーレイユニットを1つ使い、自分の墓地の効果モンスター以外のモンスター1体を選択して特殊召喚します。《エンジェル・トランペッター》を特殊召喚」

 

光が《ダイガスタ・エメラル》の胸のエメラルドに取り込まれると《エメラル》は盾で魔法陣を作り出し、そこから《エンジェル・トランペッター》が現れる

 

ロ「《輝白竜 ワイバースター》に《エンジェル・トランペッター》をチューニング。シンクロ召喚!《ライト・エンド・ドラゴン》!」

 

そして《エンジェル・トランペッター》がその体を4つのリングへ変えると《ワイバースター》がリングに包まれる。光が貫くと純白の長い身体と同じ色の4枚の羽根を持つ、金色の装飾を身に着けたドラゴンが現れた

 

ロ「シンクロ素材となった《輝白竜 ワイバースター》の効果。デッキから《暗黒竜 コラプサーペント》を手札に加えます。バトル!《ライト・エンド・ドラゴン》で攻撃。シャイニングサプリメイション」

 

《ライト・エンド・ドラゴン》が攻撃準備を始め、胸の宝玉に光が集まる。だがこのままでは攻撃力の足りない《ライト・エンド・ドラゴン》は破壊されてしまうだろう

 

ロ「この瞬間《ライト・エンド・ドラゴン》の効果発動。攻撃力・守備力を500ポイント下げ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力・守備力はエンドフェイズ時まで1500ポイントダウンさせます。ライト・イクスパンション!」

 

しかし《ライト・エンド・ドラゴン》にはこの強力なダウン効果がある。この効果により相手の攻撃力が3600までならこのカードで戦闘破壊できるのだ。まあこのカードを使わなくても普通のデュエルなら対処法はいくらでもあるのだが、破壊も除外も意味をなさないプレイヤー扱いの相手との戦いでは他のカードよりも採用すべきカードだ

 

シ「なんだ。急に、力が・・・」

 

《ライト・エンド・ドラゴン》の全身から放たれた光によってシェリアの力が抜ける。これで攻撃力が1100になっているシェリアは反撃はできないはずだ。例えあの槍で《ライト・エンド・ドラゴン》攻撃力を戻してもただ攻撃力を上げるだけだ

 

ロ「続けて《ダイガスタ・エメラル》で攻撃!」

 

《ライト・エンド・ドラゴン》の胸から放たれた光が放たれシェリアを包み込んだ。さらに《エメラル》も手に持つ二つの盾から2つの竜巻を放ち追撃をかけた

 

ロ「私はこれでターンエンドです」

 

ロセの場には攻撃力2100の《ライト・エンド・ドラゴン》と1800の《ダイガスタ・エメラル》。守備力600の《メタモルポット》がいる。せめて《メタモルポット》は処理しておきたかったがまだライフには余裕があるし大丈夫だろう

 

シ「・・・やはりこのままでは勝つことはできないか」

 

光と突風を受けたシェリアとフォルクスだったが、少し服や皮膚が焦げていたり切り裂かれていたが、その表情には余裕があった

 

シ「まずは力をとり戻せばならないな」

 

そういってシェリアは自身の持つ槍を掲げる。すると周りの太鼓や笛の音が消え、纏っていた赤いオーラもなくなった。自分に使えば下げられた力を元に戻すことができるのか

 

シ「ここからが本当の勝負。覚悟はよいか!」

 

シェリアに続きフォルクスも声を上げる。フォルクスがスピードを上げロセを抜くと彼らが光に包まれた

 

ユ・ロ「一体何をするつもりだ(ですか)?」

 

ロセを抜き前を走っていた彼女たちの光がはじけ飛んだ。そこにいたシェリアは白と黒、紫から赤へグラデーションのかかった煌びやかな衣装に身を包み、腰まであった亜麻色の髪は自身の身長をも超える長さになり毛先のほうは銀色へと変わっていく。そして背後にはブッタのような光輪を浮かべ、左手には先ほどまで持っていた槍を、右手には中から光を放つ青い巨大な水晶を持っていた。そしてシェリアのまたがるフォルクスもドラゴンを思わせるアーマーを身に着けており、まるで竜翼のような鱗と翼膜を広げ空を駆けていた

 

ユ「・・・禁手化(バランス・ブレイク)か?」

 

原作知識から俺はそう考えた。あの槍が神器(セイグリッド・ギア)だとしたらこれほどの変化を及ぼすのは禁手化(バランス・ブレイク)しか思いつかなかった。だがそれはゼファードルによって否定された

 

ゼ「違うな。シェリアのあれは自身の封印を解いただけだ」

 

ユ「封印だと?」

 

ゼ「ああ。そもそも本来は今の姿なのだ。元々は力を抑えるためにティアマットが施したものだ。今は力を制御できるため封印する必要もないのだが、あの状態では日常生活は色々と不便だからな。自分で開封を行い、普段は封印した状態で生活しているのだ。それでもかなりの戦闘能力には変わりないがな」

 

マジか。流石女王っていうだけあってその強さも伊達じゃないってことか。これはマズいかもしれないな

 

シ「まずはこれだ。ソウルズ・フラスティ」

 

今までと違い詠唱もなしに技名だけ。それだけで4体の小さなドラゴンが召喚された。封印の開放はここまで違うのか

 

シ「フォルクス。まずは雑魚を蹴散らせ」

 

フ「了解だ」

 

ユ「キァァァァアシャァベッタァァァァ!!!」

 

ゼ「何をそんなに驚いているのだ」

 

嫌だって今まで鳴き声だけだったろ。それがいきなりしゃべりだすから驚かないほうが無理だって

 

ゼ「まあ確かに初めてなら仕方がないのかもしれんな。俺も意思疎通はできていたがフォルクスが言葉を発した時は驚いたものだ」

 

そうだよな、それが普通だ。そのフォルクスは反転しロセへと向きを変えると、広げた翼の中に風を圧し纏めてロセのモンスターへと放った

 

ロ「《メタモルポット》が破壊されましたか」

 

《ダイガスタ・エメラル》とは違い突風のような風を起こしたフォルクスの攻撃は風の刃を伴いロセのモンスターへと襲い掛かった。《ライト・エンド・ドラゴン》と《ダイガスタ・エメラル》は無事だったが守備力が800しかないの低い《メタモルポット》は破壊されてしまった。ライフは減らなかったが全体攻撃とは厄介な

 

シ「行けソウルズ。目標はあの緑の戦士だ」

 

4体のチビドラゴンが纏めて《エメラル》に襲い掛かる。《エメラル》も盾を使い身を守り、時に殴って反撃するも数に押されて破壊された

 

ロスヴァイセのライフ:5900→5700

 

ロ「《エメラル》が・・・」

 

シ「まだ終わらぬ。フォククスよ、白いドラゴンに突撃しろ」

 

初速から爆発的な加速によって突進するフォルクス。しかしマズいな。今の《ライト・エンド・ドラゴン》は攻撃力が下がっている。もし効果を使ってシェリアの攻撃力を下げても、槍の効果で元に戻されてしまうか可能性が高い

 

ロ「く、キャァァァアアア」

 

ロスヴァイセのライフ:5700→5000

 

《ライト・エンド・ドラゴン》は再び胸の宝玉から光を放ち迎撃するもフォルクスは軽々と避けながら突っ込んでいく。そしてシェリアの槍が。ロセも俺と同じ考えなのか《ライト・エンド・ドラゴン》の効果は使わなかった

 

シ「我はこれでターンエンドだ」

 

シェリアは4体のチビドラゴンを連れてフォルクスと共に戻ってくるとロセと並走する。パワーアップ、いや本来の力を解放した彼女に対し、ロセは勝てるのか



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決闘者編 その5 後編

お待たせしてるかわかりませんが後編です!やはり決闘者編は文字数が増えますね。最近書く時間があまりなく、間に合うか不安でした


【ユーガside】

 

サーキットは半分を過ぎたってところか。状況はロセにだいぶ不利だ。先を走るシェリアは封じていた力を解き本来の姿になり、強化されたフォルクスはスピードが増した。そしてシェリアと並走するように召喚した4体のドラゴンが浮かんでいた。対してロセのフィールドはモンスターはなく永続魔法の《守護神の宝札》だけ。そして手札は《暗黒竜 コラプサーペント》1枚のみ。《暗黒竜 コラプサーペント》の効果で《ゼラの天使》を除外すれば次のターンのスタンバイフェイズにフィールドに帰還できるが1ターン無防備になってしまうことには変わりない。《守護神の宝札》の効果で2枚ドローできるが果たして

 

ロ「私のターン。《守護神の宝札》の効果により2枚ドロー。魔法カードを発動、《一時休戦》。このカードによりお互いに自分のデッキからカードを1枚ドローし、次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になります」

 

いいカードは引けなかったようだ。だがこれで1ターンの猶予はできたか

 

ロ「そして私は手札の《バスター・ビースト》を捨てて効果発動。デッキから《バスター・モード》を手札に加えます。私は一枚伏せてターンエンドです」

 

今伏せたのは《バスター・モード》だろう。ということは次のターンにシンクロ召喚から/バスターにつなげる気だな

 

シ「我のターン。このターンで終わらせるのは無理のようだな。しかしできることもある。アーク・タリチュ-レ!」

 

そういうとシェリアの持つ水晶が浮き上がり彼女の周りを回り始める。そしてシェリアも槍を振るい、まるで舞いを踊っているかのように見えた。何のためにと思ったが、彼女の召喚したチビドラゴンと跨るフォルクスはバフをかけられたように力を漲らせていた

 

ロ「再び強化されましたか」

 

ロセの言う通りまたしてもパワーアップを果たしたのだろう。さらに厳しくなったがこれに対する手はあるのか?

 

ロ「!私のターンです」

 

ターンエンドの宣言はなかったが自動でロセにターンが巡った。ドロー次第では状況に変化は起こせないが果たして

 

ロ「2枚ドロー。私は魔法カード《光の援軍》を発動。デッキの上からカードを3枚墓地へ送り、デッキからレベル4以下の「ライトロード」モンスター1体を手札に加えます(《エフェクト・ヴェーラー》、2枚目の《ゴブリンのやりくり上手》、《ガード・ブロック》ですか)」

 

これでチュ-ナーは揃ったか。だが《スターダスト》では状況を打開するのは難しいぞ

 

ロ「《ライトロード・アサシン ライデン》を召喚。さらに墓地の《ゼラの天使》を除外し手札の《暗黒竜 コラプサーペント》を特殊召喚!」

 

これで次のターン《ゼラの天使》がロセのフィールドに戻ることが確定したな

 

ロ「《暗黒竜 コラプサーペント》に《ライトロード・アサシン ライデン》をチューニング。王者の鼓動、今ここに列をなす。具現せよ天地鳴動の力!シンクロ召喚!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

ゼ「何だと!!?」

 

シ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》・・・」

 

ロセのフィールドに紅蓮の悪魔竜が召喚された。まさかロセが《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を入れているとは。てっきり《スターダスト》三枚積みかと思ったが

 

ロ「シンクロ素材となった《暗黒竜 コラプサーペント》の効果でデッキから《輝白竜 ワイバースター》を手札に加えます。さらにトラップカードを発動。《バスターモード》!このカードは自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして効果が発動。リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる「/バスター」と名のついたモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚します。灼熱の鎧を身にまとい、王者ここに降臨!出でよ!《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の身体が炎に包まれた。炎を振り払うかのように右腕を横に薙ぎ払った《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の身体には悪魔の顔を模した鎧が身に着けられ、腕と脚にも身体と同色の赤紫の鎧を着けて現れた

 

ロ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》でシェリアに攻撃!エクストリーム・クリムゾン・フォース!」

 

フ「これは、マズい!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》時よりも黒く大きくなった炎を右腕に炎を纏いシェリアに向かって突き進む。フォルクスは危険を察知し逃げようとするも攻撃宣下が下されたモンスターからは逃げきることはできなかったようでシャリアに直撃してしまう

 

シ「・・・・・・」

 

攻撃を受けたにもかかわらず舞を踊るシェリア。召喚したドラゴンを使えばある程度は防げたはずだがそれをしなかったってことは指示を出せない状態なのか?

 

ロ「さらに《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》の効果発動します。このカードが攻撃した場合、ダメージ計算後にこのカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊します。クリムゾン・ジ・エンド」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》は身体を丸め込み力を溜めると一気に解き放ち炎の衝撃波を放った。それはフィールドすべてに襲い掛かりシェリアのドラゴンはすべて破壊された

 

ロ「私はこれでターンエンドです」

 

これで状況は一気にロセに有利になったな。攻撃力3500の《/バスター》がいる上に、もし破壊されても《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が召喚される。さらにスタンバイフェイズには除外された《ゼラの天使》も戻ってくる。舞を踊り終えたシェリアはどうするつもりだ?

 

シ「・・・流石に耐えきれなかったか。だがこれは読めていたこと。この技は自身に効果が発動するまで舞を踊らねばならず、何もできないという欠点を持っているからな」

 

やられることを織り込み済みか

 

シ「だが、舞を踊り終えた我にも効果が発動される」

 

シェリアが言葉を終えると金色のオーラが溢れ出した。それは先ほどまで味方に掛けていた効果よりも強いということ

 

シ「流石は《レッド・デーモンズ・ドラゴン》だ。先ほどの攻撃もその効果も厄介。ゆえに退場してもらおう。エーレグブリッツ!!」

 

シェリアは槍を掲げると突如暗い雲が集まって来た。ゴロゴロと雷が雲を走るとシェリアの持つ槍先に落ちた。《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》へ槍を向けたシェリアだが、空気を割るような音が聞こえうと同時に稲妻が《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》を貫いていた。その直後筒状の雷の塊が槍から放たれ《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》を包み込んだ

 

ロ「くっ。ですが《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》が破壊された時、自分の墓地の「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を特殊召喚できます。現れよ、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

ロスヴァイセのライフ:5000→4200

 

雷に包まれ、姿が見えなくなっていた《レッド・デーモンズ・ドラゴン》は鎧を犠牲にして攻撃を防ぎきっていた

 

シ「攻撃力を上げただけでは破壊しきれぬか。まあいい。ソウルズ・フラスティ!これで我はターンエンドだ」

 

ロ「(再びドラゴンを召喚されましたか。この状況では破壊しきるのは厳しいかもしれませんね)私のターン。スタンバイフェイズに除外されている《ゼラの天使》は私のフィールドに戻ってきます」

 

ロセの隣の空間が縦に裂ける。中には《ゼラの天使》が剣を振り下ろしている姿でおり、ロセのフィールドに舞い戻ると裂けた空間は何事もなかったのように元に戻った

 

ロ「ドロー。墓地の《暗黒竜 コラプサーペント》を除外し、手札の《輝白竜 ワイバースター》を特殊召喚。さらに私は《シャイン・エンジェル》を通常召喚」

 

このデュエル中で2回目の登場となる2体のモンスターが現れた。ここからエクシーズ召喚に繋げるだろう。だが《輝白竜 ワイバースター》のサーチ効果は使えなくなってしまうな

 

ロ「私はレベル4の《輝白竜 ワイバースター》と《シャイン・エンジェル》のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

《輝白竜 ワイバースター》と《シャイン・エンジェル》が黄色のオーラに包まれ、空中に出現した暗い渦の中に吸い込まれる

 

ロ「現れよNo.(ナンバーズ)39。白き翼に望みを託せ。エクシーズ召喚!光の使者、《希望皇ホープ》!」

 

渦が爆発した直後に現れたのは白と金の2色の塔のような形状をしたモンスター。その塔は変形をするとホ~プ!と、咆哮を轟かせ2本の剣を持つ戦士の姿へと変えた

 

ロ「さらに《希望皇ホープ》1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築。ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!現れよ、CNo.(カオスナンバーズ)39!混沌を光に変える使者!《希望皇ホープレイ》!」

 

現れた《希望皇ホープ》は塔の姿に戻ると地面に浮かぶ暗い渦の中に入っていく。光が爆発し現れたのは黒と金に染まる1本の剣。その剣は変形を始めると、背中に大きな剣を背負い腰の両側に1本ずつ剣を差し、鈍く光る銀色のアーマーを着た戦士へと姿を変えた

 

ロ「そしてこれが最後!《希望皇ホープレイ》1体でモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築。ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!!現れろ、《SNo.(シャイニングナンバーズ)39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》

 

《希望皇ホープレイ》も剣へと戻り渦の中に入っていった。再び爆発が起こり現れたのは肩のアーマーに2本の剣を差した白銀の戦士、 《希望皇ホープ・ザ・ライトニング》

 

ロ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と《ゼラの天使》で攻撃!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のアブソリュート・パワー・フォースと《ゼラの天使》の剣撃が先を走るシェリアに迫るが、2体のモンスターが迫っているにも関わらず慌てるそぶりを見せない。直撃するかと思われた攻撃はドラゴンが割り込んで防がれてしまった

 

ロ「!?まだです!《ホープ・ザ・ライトニング》で攻撃!ホープ剣ライトニング・スラッシュ!」

 

《ホープ・ザ・ライトニング》が方のアーマーから剣を抜き取ると空を駆けてシェリアへと迫る

 

ロ「この瞬間《ホープ・ザ・ライトニング》の効果を発動します。このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、このカードのX素材を2つ取り除いき、このカードの攻撃力をそのダメージ計算時のみ5000にします」

 

自身の周りに浮かぶ4つの光の玉のうち2つが胸の宝石へと吸い込まれる。すると両手に持つ剣に雷がほとばしる。シェリアに追いつき剣を振り下ろす《ホープ》だったがどちらの剣も2体のドラゴンがその身を犠牲にして攻撃を防いでいた

 

ロ「なぜ!?《ホープ・ザ・ライトニング》の効果で相手は効果を発動できないはずなのに!?」

 

シ「我は何も発動しておらん。ただ我を守れと指示を出しただけだ。指示は効果には含まれぬのだろう」

 

ロ「私はカードを3枚セットし、ターンエンドです」

 

さて厳しい状況になったな。まさか《ホープ・ザ・ライトニング》まで防がれるとは俺も思わなかった。確かに指示は効果の発動とは違うが、無傷でこれだけのモンスターの攻撃を切り抜けられるとはな

 

シ「我のターンだ。ソウルズ・フラスティ!」

 

これで3度目となるドラゴンの召喚。あれには制限がないのか?

 

ロ「またドラゴンが」

 

シ「この術は特に優秀でな。わずかな魔力で何度でも召喚出来る」

 

なんといううことだ。召喚制限がほぼなくその上強化によって攻撃力が上がっていく。さらにほぼ自動の防衛機能

までついているだと!さらに破壊されても召喚主であるシェリアには何も影響がない。なんて強力な術だ

 

シ「合わせろフォルクス!セイグリッド・ファキストレイ!」

 

サーキットを駆けていたファルクスが宙へと浮かびロセへと向き直ると、シェリアは天に槍を掲げる。すると槍先から光が溢れだし盾を形成、そこから数多の光線が天へと放たれた。光線は途中で曲がり雨のように降りそそぐ。

 

ロ「この瞬間《ホープ・ザ・ライトニング》の効果を発動!攻撃力を5000にします。キャアアアア」

 

サーキットごと壊すかの如く降り注ぐ光線に《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と《ゼラの天使》は破壊される。ロセも破壊された爆風と降り注ぐ光線、荒れる路面に悲鳴を上げていた

 

ロスヴァイセのライフ:4200→1800

 

2体のモンスターが破壊されてしまった。しかし《ホープ・ザ・ライトニング》は残っていたオーバーレイユニットをすべて使い、雷を伴った剣で光線を防ぎきっていた

 

フォ「まだ私の攻撃が残っているぞ!」

 

フォルクスの着けている兜の角から光でできた剣が現れ、それが振り抜かれる。さらには4体のドラゴンが一斉に《ホープ・ザ・ライトニング》へと襲い掛かった。シェリアの放つ光線を防ぎ動くことのできない《ホープ・ザ・ライトニング》は襲い掛かる攻撃に対処できず、4体のドラゴンの突撃によってバランスを崩され、光剣が胴を切り裂き破壊されてしまった

 

ロスヴァイセのライフ:1800→500

 

ロ「《ホープ・ザ・ライトニング》までも・・・」

 

ロセのライフは後僅か。それにリバースカードこそあるが手札もない。それに対しシェリアは技や術を発動してもいまだに疲れを見せることはなく、さらには守る4体のドラゴンまでいる。攻撃力も《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を破壊したということはシェリアは3000を超える攻撃力を持っており、全体攻撃持ちのフォルクスもドラゴン混じりとはいえ《ホープ・ザ・ライトニング》を破壊し、1300のダメージを与えている。これは負けたか?

 

シ「これで貴様のライフはわずか500。次のターンで我の勝利となろう」

 

ロ「(シェリアの言う通り私のライフは残り500。このターンで決めなければ私の負け。しかしシェリアを攻撃するにはあのドラゴンたちを何とかしなければなりません。そしてそれができるのはあのモンスターだけ・・・)私のターン、ドロー」

 

これで手札は2枚。さて、どうなる?

 

ロ「(引いたカードは《スターダスト・ドラゴン/バスター》と《ワン・フォー・ワン》。ダメ、これでは勝つどころか呼び出すこともできない。残こる手は伏せたカード。これにすべてがかかっている)リバースカードオープン、《ゴブリンのやりくり上手》。このカードは自分の墓地に存在する《ゴブリンのやりくり上手》の枚数+1枚を自分のデッキからドローし、自分の手札を1枚選択してデッキの一番下に戻します。墓地にはある枚数は2枚。よって3枚ドローし1枚をデッキの下に戻します。ドロー!」

 

これで手札は4枚。これだけあれば何とかできるはずだ。・・・ん?おかしいな。何故か処刑用BGMが聞こえ始めたぞ

 

ロ「(これのカードは!)《リビングデットの呼び声》を発動!墓地の《ゼラの天使》を攻撃表示で特殊召喚」

 

カードから墓が現れ紫色の煙が立ち上り始め、その煙の中から《ゼラの天使》が現れた。《ゼラの天使》は左手を天に向けてあげるとそこにレベルと同じ形をした星を1つ出す。そこにテントウムシ型のロボットが現れ星を奪うと、自身の背中へと星を掲げた

 

ロ「そして《ゼラの天使》を一つ下げ《レベル・スティーラー》を墓地から特殊召喚。手札から魔法カード《七星の宝刀》を発動。レベルが7になった《ゼラの天使》を除外して2枚ドロー。さらに《マジック・プランター》で《リビングデットの呼び声》を墓地に送り2枚ドローします」

 

《ゼラの天使》が手に持つ剣で天を突くと空間が割れた。中からは2枚のカードが現れロセの手札へと飛んで行く。それを見届けた《ゼラの天使》は自身が開けた空間の中へと入っていき、裂け目を修復した。残された墓は巨大な窯の中に投げ入れられ溶かされる。墓は2枚のカードになるとロセの下に送られていった。しかしこれで4まいのドローか。怒涛のドローだな

 

ロ「《デブリ・ドラゴン》を通常召喚。このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を効果は無効にして特殊召喚します。私は《エフェクト・ヴァーラー》を特殊召喚。レベル1《レベル・スティーラー》にレベル1《エフェクト・ヴァーラー》をチューニング。希望の力、シンクロチューナー、《フォーミュラ・シンクロン》」

 

現れたのは俺とのデュエルでも召喚されたF1マシンの姿をしたシンクロチューナーモンスター、《フォーミュラ・シンクロン》。その効果は・・・

 

ロ「《フォーミュラ・シンクロン》の効果で1枚ドロー。そして最後の伏せカードを発動。《強化蘇生》。自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体をレベルを1つ上げ、攻撃力・守備力が100アップして特殊召喚するします。《聖鳥クレイン》を特殊召喚。《聖鳥クレイン》の効果で1枚ドロー。《クレイン》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を墓地から特殊召喚。そしてレベル4となった《聖鳥クレイン》にレベル4の《デブリ・ドラゴン》をチューニング」

 

緑の4つのリングへと変化した《デブリ・ドラゴン》に墓地から蘇った白い鶴、《聖鳥クレイン》がリングの中へと飛び込み、太い光がリングを貫いた

 

ロ「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》!」

 

光の中から1体のドラゴンが飛び出した。そのドラゴンは《スターダスト・ドラゴン》。白く輝く星屑を散りばめながら現れた。遂にロセのエースモンスターの登場したが、このままではシェリアに勝つことはできない

 

ロ「《ネクロイド・シンクロ》を発動。《暗黒竜 コラプサーペント》と《ライトロード・アサシン ライデン》をゲームから除外し、《スターダスト・ドラゴン》をシンクロ召喚扱いで特殊召喚します」

 

ロセはさらに《スターダスト》を召喚した。2体出したところで変わりない。片方はアクセルシンクロするというのは分かるが・・・何を狙っている?

 

ロ「《ワン・フォー・ワン》を発動。手札をカードを1枚捨ててデッキから《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を特殊召喚します」

 

現れたのは小さなピンク色のドラゴン。その見覚えのあるドラゴンに今まで静かに見ていたゼファードルが反応した

 

ゼ「まさか《スターダスト・ドラゴン》にもあの形態があるのか!?」

 

ユ「ああ。そしてロセのフィールドにはそのモンスターを召喚する条件がそろっている」

 

ロ「レベル1の《レベル・スティーラー》とレベル8の《スターダスト・ドラゴン》にレベル1の《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング!」

 

ロセのマシンが加速を始める。まさかシンクロ召喚中にアクセルシンクロをやるのか!?

 

ロ「レベル8、シンクロモンスター《スターダスト・ドラゴン》にレベル2、シンクロチューナー《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング」

 

加速を始めたロセのマシンは空気を、光を切り裂いていく

 

ロ「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す・・・」

 

《レベル・スティーラー》と《スターダスト・ドラゴン》が巨大化した《セイヴァー・ドラゴン》に包まれる。その横では《フォーミュラ・シンクロン》が姿をリングへと変えロセをモンスターごと包み込んだ

 

ロ「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!アクセルシンクロ!!」

 

シェリアを抜き去りさらに加速したロセは光に包まれ、いくつかの緑のリングを通ると《スターダスト・ドラゴン》達ごと姿を消した

 

シ・ゼ「消えた・・・!?」

 

ゼファードル、そしてシェリアが驚く中、シェリアの後ろに複数の緑のリングが現れ、その中から2体のモンスターと共に消えたはずのロセが飛びだしてきた

 

ロ「光来せよ、《セイヴァー・スター・ドラゴン》!《シューティング・スター・ドラゴン》!」

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》と《シューティング・スター・ドラゴン》は空へと飛び上がっていく。2体のドラゴンは激しく回転しながら雲の中を上昇すると、翼を広げ停止した。その衝撃で空を覆っていた暗い雲は消え去り残るのは光り輝く白いと青のドラゴン。まさか俺も初心者であるロセが成功させるなんて思ってもみなかった。実際消えるし、しかも遊星と同じような召喚するなんて・・・《セイヴァー・スター・ドラゴン》もアクセルシンクロについていったし

 

ロ「私は《貪欲な壺》を発動。墓地の《エフェクト・ヴァーラー》、《デブリ・ドラゴン》、3枚の《エンジェル・トランペッター》をデッキに戻しシャッフル、そしてデッキから2枚ドローします!」

 

チュ-ナーもデッキに戻した。完全に狙っているな

 

ロ「これで最後です!魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》を発動!自分のフィールド・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚します。墓地の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と《ホープ・ザ・ライトニング》を除外し、融合召喚!《波動竜騎士(はどうりゅうきし) ドラゴエクィテス》!!」

 

・・・まさか《ドラゴエクィテス》まで召喚されるなんて。すご過ぎる

 

ロ「私は《ドラゴエクィテス》の効果。1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから除外し、エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る事ができる。《ライト・エンド・ドラゴン》を除外しその効果を得ます」

 

これで強力なダウン効果が発動可能になった。ロセの場には《セイヴァー・スター・ドラゴン》もいる。後は《シューティング・スター・ドラゴン》の効果次第だ

 

ロ「さらに《シューティング・スター・ドラゴン》の効果を発動。デッキの上からカードを5枚めくり、このターンこのカードはその中のチューナーの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる」

 

ゼ「複数回攻撃能力を持つモンスターだと!」

 

ロ「1枚目、チューナーモンスター《デブリ・ドラゴン》!2枚目、チューナーモンスター《エンジェル・トランペッター》!3枚目、チューナーモンスター《ライトロード・アサシン ライデン》!4枚目、《星屑の残光》!5枚目、チューナーモンスター《エフェクト・ヴァーラー》!」

 

シ「馬鹿な。合計4回の攻撃だと!?」

 

・・・成功させやがった。これは本当に凄い。本来ならば《ダーク・ドリアード》等で確定させるものを、チューナーをデッキに戻しただけでに4枚もチューナーを引き当てるなんて

 

ロ「バトル!《シューティング・スター・ドラゴン》で攻撃!スターダスト・ミラージュ!」

 

《シューティング・スター・ドラゴン》が手足を折りたたみ突撃モードへと変形する。そして3体の分身を生み出すとシェリアに向かって突撃した

 

シ「くっ。だがソウルズ・フラスティによってすべて無効だ!」

 

先を走るシェリアはフォルクスと共に向かってくる《シューティング・スター・ドラゴン》へと向き直る。召喚した4体のドラゴンに指示を出すとドラゴンはその身を犠牲にして《シューティング・スター・ドラゴン》の突撃を受け止めた。《シューティング・スター・ドラゴン》の攻撃は防がれたがこれでシェリアを守るものは何一つなくなった

 

ロ「これで止めです!《セイヴァー・スター・ドラゴン》と《ドラゴエクィテス》でシェリアにダイレクトアタック!」

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》がシェリアに向かって突撃を開始する。大きく旋回し速度を上げる《セイヴァー・スター・ドラゴン》だが、その上にはなぜか槍を構える《ドラゴエクィテス》の姿が

 

ロ「《ライト・エンド・ドラゴン》の効果を得た《ドラゴエクィテス》の効果発動。攻撃力・守備力を500ポイント下げ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力・守備力はエンドフェイズ時まで1500ポイントダウンさせます。ライト・イクスパンション!」

 

シ「ま、また・・・」

 

《ドラゴエクィテス》から青い波動が放たれるとシェリアは苦しそうな表情を見せる

 

シ「だが、これで終わるわけにはいかない!我は・・・」

 

ロ「使わせません!《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果発動!1ターンに1度、モンスター1体の効果をエンドフェイズ時まで無効にします!サブリメーション・ドレイン」

 

槍を両手で掲げて何かを発動しようとしたシェリアだったが《セイヴァー・スター・ドラゴン》の口から放たれた光の放流に飲まれ効果を吸収されてしまう

 

シ「まさか・・・この我が・・・」

 

ロ「これで正真正銘止めです!スパイラル・ブラスター・ソニック!!!」

 

《ドラゴエクィテス》を背に乗せ、青い光を纏いながら回転しながら突撃する《セイヴァー・スター・ドラゴン》。その姿はまさに1本の槍のようだった。光の槍と化した2体のドラゴンはシェリアの突き出した槍を諸共せず、フォルクスごと吹き飛ばした

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

シ「・・・ここは?」

 

ユ「お!ようやく起きたか」

 

シェリアが目を覚ました。デュエルを終えた俺達は気絶したシェリアを連れて俺の家に帰ってきた。運ぶとき光輪とかが大変だったけどなんとか頑張った。身体に怪我などは見られなかったが、なかなか目を覚まさないから心配したが大丈夫そうだな

 

シ「我は・・・そうか。負けたのか」

 

ゼ「そうだ。《セイヴァー・スター・ドラゴン》と《ドラゴエクィテス》の突撃を食らって気を失っていたお前をユーガの家に運んだ」

 

シ「フォルクスは・・・」

 

ユ「それならロセが面倒を見ている。あちらも特に異常はない」

 

シ「そうか・・・」

 

そういってベットから降りると光に包まれる。背後に浮かんでいた光輪も水晶も消えていき、シェリアは初めに会った姿へと変わった

 

シ「あの時は勝つ姿が見えたのですが」

 

ゼ「ユーガの持つ1部のカードは特別な力を持っているからな。お前の力が通じないのも無理はない。帰ったらまた修行だな」

 

2階の住居スペースから1階に降りていく俺達。そこにはフォルクスをなだめているロセがいた」

 

シ「フォルクス!ロスヴァイセさん!」

 

ロ「シェリアさん!目が覚めたのですね」

 

シ「はい!フォルクスも無事でよかったです」

 

シェリアは相棒の姿を見ると走って抱き着いた。その姿を見て本当に身体はなんともなさそうだなと感じた

 

ロ「すみませんでした。今回は無事でしたが下手すればシェリアさんが死んでいてもおかしくはなかったはずです」

 

シ「そんな謝らないでください。そもそも私から提案したことなんですからロスヴァイセさんに非はないですよ」

 

頭を下げるロセをシェリアは慌てて止めていた。ロセが心配するようなことはないように調整しているから大丈夫なんだが。ちなみに俺のは無制限でやれる

 

ロ「ですが・・・」

 

シ「それよりも。またいつか、私とデュエルしてください。次は負けません」

 

ゼ「そうだな。また戦えばいい。ユーガがいれば余程でない限り何とかなるからな」

 

全力で戦って悔しかったのだろうか再戦をお願いするシェリア。それはいいとしてゼファードル!

 

ロ「そうですね・・・。またいつかやりましょう」

 

暗かったロセの表情が何か吹っ切れたように明るくなった。しょうがない。ゼファードルの言う通り、死んでしまっても俺ならばできる。何かあったときは俺がなんとかしよう。・・・起きることはないと思うけど

 

ゼ「シェリアも起きたことだし俺たちは帰るぞ。仲間が待っている」

 

シ「ですね。ユーガさん、ロスヴァイセさんまた会いましょう!」

 

ユ「おう!またな」

 

ロ「また会いましょう」

 

ゼファードル達はフォルクスを連れて帰っていった。残るっているのはロセ1人。

 

ユ「ロセはどうする?」

 

ロ「そうですね・・・。明日も予定は決まっていますよね?」

 

ユ「まあな」

 

1日で乗りこなすとは予想できなかった。休みの2日でいいところまで教えるつもりだったから実際予定はないと言ってもいい

 

ユ「だが時間も遅いし・・・泊まっていくか?」

 

ロ「えっ!?」

 

ユ「ロセが嫌なら無理にとは言わないけど」

 

ロ「と、泊まります!泊めさせてください」

 

 

 

その夜、俺とロセは長い夜を過ごした。だが、この日のデュエルを見られているとはこのときの俺は思いもしなかった



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冥界・合宿とルーキーゲーム
それぞれの夏休み前


今話から新章に突入します。そしてついに決闘者編のキャラが本編に登場!(主人公が出るとは言っていない)

そしてUAが90,000突破!お気に入りも290名突破!!どちらももう少しで10万、300に届きそうです


【蒼枒side】

 

ガラガラと激しい音と粉塵を巻き上げながら目の前のコンクリートの壁や天井が崩れ落ちていく。巻きあがる粉塵は結界によって妨げられ、崩れた跡からは太い茎の植物が見えており、その成長に合わせて線路を破壊していった。俺たちは今悪魔が日本に来るために掘った地下鉄に来ていた。駒王町を含め全国に6か所もあるが、あの場にいた悪魔以外の侵入を禁止したためこれ以上許可なき悪魔が来ることはない。そのため転移以外でも来れる手段であるこの線路と冥界に通じる門を破壊して回っていた。会談直後にアザゼルを通して魔王に手紙を送っておいた。内容は冥界から日本へ通じるルートの封鎖、および破壊であり、1か月以内に何も起こさなければこちらから破壊すると記しておいた。その期日が今日。結局何もしなかったので駒王町以外はすべて破壊する

 

蒼「これで最後か。あと少しだから頑張ってくれ」

 

葉「もちろんです。お兄様」

 

壊れたコンクリートやレールはすでに回収している。後はこの空いた空間を埋めなければならないが土の制御は妹である葉月のほうが得意だ。俺もできなくはないが木に特化しすぎて操ることはできるが土の質までは制御できない。人が地質調査した時に違和感がないよう周りの土と合わせて埋めなくては

 

葉「・・・ふう。これで終わりですね」

 

蒼「そうだな。お疲れ葉月、助かった」

 

葉「当然のことをしたまでです」

 

勝手に繋いだであろう分岐をなくし、そこにつながる壁もすべて綺麗に埋めた。これで点検が入っても問題ないだろう。作業を終えたその場を後にした

 

 

 

蒼「ただいま」

 

葉「ただいまです」

 

黒「蒼枒、葉月。おかえりにゃ」

 

家に帰ると寝巻姿の黒歌が出迎えてくれた。いつも結い上げている髪も今は下げており、綺麗で艶やかな髪が尻尾に触れて揺れている。まさか起きているなんてな

 

蒼「・・・先に寝ていてもよかったのに」

 

黒「妻は夫の帰りを待っているものにゃ。それに蒼枒がいないと寝れないもの・・・」

 

そう言うと黒歌が抱き着き、頭を摺り寄せる。

 

蒼「黒歌・・・」

 

黒「!にゃあ」

 

甘えてくる彼女を抱きしめると蕩けるような声を出しながら体を預けるように力が抜けていく。そんな黒歌をかわいいなぁと思いながら胸元にある頭を撫でてあげる

 

葉「白音はどうしてますか?」

 

黒「ん、白音はもう寝てるにゃ。昨日はずっと起きてたしね」

 

昨日は白音が悪魔の排除に向かっていたからしかたない。これから休みに入って存分に修行を行えるんだ。身体を万全にするためにも休まないわけにもいかない。付き合わせてしまった葉月は学校もあるし俺たちも急いで風呂に入るか

 

蒼「風呂に入るから部屋で待っててくれ」

 

黒「うん、わかったにゃ」

 

時間短縮のため葉月と一緒に風呂に入る。何かあるはずもなく、烏の行水の如く体を洗い風呂から出た。寝室に入ると布団の上に座って待つ黒化の姿があった

 

蒼「お待たせ、じゃあ寝ようか」

 

布団に入るとすぐに黒歌も潜り込んで抱き着いてくる

 

黒「お休み、蒼枒」

 

蒼「お休み、黒歌」

 

そんな黒歌を抱きしめながら、俺も瞳を閉じた

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

会談から約一か月が経った。俺も悪魔の仕事をやり始めたが・・・正直気が進まない。バイトはいけなくなるし修行はできなくなるし、身体が拒否反応を起こしている。ゼノヴィアも同じようで顔には出さないが体の動きが鈍くなっていた。原因は《アミル・ガウル》しか思い浮かばないが俺にはどうしようもない。幸いもうすぐ夏休みに入るから蒼枒さんを訪ねようか。だがその前に・・・

 

蒼「テストの結果、どうだった?」

 

元浜、松田と集っていた。その内容は夏休み前にある期末テスト。元浜は問題ないが松田はかなりやばいからな。イッセーもヤバいらしいが、部長たちに教わってたし俺は知らん

 

元「俺は問題ないぞ」

 

絶「それはわかってる。お前が赤点とったら逆に問題だからな。不安要素は松田だが、どうだった?」

 

松「フフフ。これを見ろ!」

 

不敵に笑う松田が勢いよくテストをばらまいた。広げられたテストの点数は

 

絶「46、68、55・・・赤点なしか。すごいじゃないか!」

 

松「平均して52点。赤点回避成功だ!これで夏休みは自由だ!」

 

ウォーーー!とテンションが上がってる松田はさておき、元浜が嫌に静かだ

 

絶「元浜。お前、何を企んでいる?」

 

元「実はな・・・女の子から話かけられたんだ!」

 

松「な、なんだって!?」

 

テンションが上がり1人で騒いでいた松田が元浜に詰め寄った。その表情は驚きと嫉妬に塗られている

 

絶「おぉ!それはよかったな。俺の言った通りだろ?」

 

元「ああ。絶斗の言う通りだったぜ。言われてからずっとエロのことは封印していたからな」

 

松「くそっ!ずるいぞお前だけ!」

 

絶「まあ落ち着けって。それで、元浜はなんて話しかけられたんだ?」

 

元「・・・俺が頭はいいのは知ってるだろ?期末テストだって学年3位になったわけだしな」

 

その通りだ。元浜はエロさえなければ優秀な生徒として皆から見られているはずだからな

 

元「そんな俺に赤点をとってしまった子が俺に勉強を教えてくれって来たんだ。遂に俺にも春がキタ━(゚∀゚)━!と思わず叫びになったが何とか抑えた。ここで今までの努力(エロ)を捨てるわけにはいかなかったからな」

 

ここまで理解力が高いとは。流石だな

 

元「俺のところに来るのも嫌だったらしいがここ最近変態行動していないと言う理由で声をかけてくれたらしい。そして明日から勉強会だぜ!」

 

絶「ここで気を緩めるなよ?ここで緩めたら高校ではもう2度と信用されなくなるぞ」

 

元「ああ!わかってるって」

 

本当に大丈夫か?まあ元浜は頭もいから心配ないか。それよりも

 

松「くそこの裏切り者どもめなんで俺だけ・・・」

 

ハンカチを噛み締めながら悔し涙を流す松田の姿があった。まずいな。このままでは松田が明日の勉強会に突撃してしまう。何とか話をそらさなくては

 

絶「そうだ。夏休みはどうする予定だ?」

 

元「俺は勉強会を続行だ。追試の一部は2学期に持ち越しだからな。図書館にでも通うことになるんじゃないか?」

 

絶「そうか。松田は」

 

松「クソオレダッテガンバッテルノニナンデモトハマダケ・・・」

 

絶「おい松田!大丈夫か!?」

 

松「はっ!俺は一体何を」

 

目が死んでいたぞ。俺たちの声も聞こえていなかったみたいだし本当に大丈夫か?

 

絶「夏休みは何する予定だって話だが・・・」

 

松「俺は部活の助っ人だな。野球にサッカーにバスケと結構忙しいな」

 

それは忙しいな。だが松田の運動神経・体力・ゼンスを考えれば当然かもしれない。下手な部員よりも松田のほうが上手いからな

 

絶「けどそれだけ予定が詰まってたら自由ではないだろ?」

 

松「勉強に縛られないって意味で自由だろ?」

 

絶「いや、まあ。それはそうだが・・・」

 

本人が気にしてないならいいか

 

絶「宿題はやっておけよ?」

 

松「これから天国な夏休み前に嫌なこと言うなって」

 

だがやっておかないと最後に地獄を見るのはお前だからな

 

元「そういう絶斗はどうなんだ?」

 

絶「俺か?俺はバイトだな。1人増えたから色々と出費が増えてな」

 

元「羨ましいぞ!あんな美少女に料理作ってもらってるんだろ!」

 

松「そうだ!昼の弁当だって俺たちにも少しは分けてくれてもいいだろう」

 

絶「あれは俺が作ってるんだぞ?あと何を勘違いしているかわからないが料理を含め家事はほとんど俺がやってるからな」

 

元・松「「な、なんだって!?」」

 

絶「はっきり言うぞ。ゼノヴィア家事全般が苦手だ」

 

今までの環境を考えればわからなくもない。だが覚えてもらわねば困る。料理にするのにデュランダルを使おうとしたときは本当に焦った

 

松「あんな美少女なのにな・・・」

 

絶「まあゼノヴィアは育ちが少し特殊だからな」

 

テストでは俺よりも上なのにどうして・・・

 

 

 

その後、2人と別れてオカ研に向かった俺だが

 

リ「夏休みだけど冥界にいくわよ!」

 

部長が唐突にそう告げた。何それ聞いてない!




今回は会話ばかりでいつにもましてセリフが多くすみませんでした


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冥界へ

UAが95,000超えてて驚きました(はや!)
今回時間経過を表すため行を空けているのが多いでご注意ください


【絶斗side】

 

夏休みが始まってから数日後・・・何故か駒王学園の夏服を着て集合場所である駒王町の駅に来ていた。一番初めに来ていたのは朱乃さんのようで、彼女の服装も夏の制服だ。何でも冥界に行くならこの服装が一番らしい

 

絶「はぁ。蒼枒さんのところに行こうと思ってたのに。それにバイトの予定が・・・稼ぎ時がー」

 

ゼ「仕方ないだろ。私たちは眷属なのだから余程のことでない限り命令には従わなければならない」

 

朱「申し訳ありませんわ。私たちが気づかぬばかりに・・・」

 

部長が言うには冥界は一度正式に入国しなければならず、誰かの魔法陣などで冥界に行ったとしても違法入国扱いになってしまう、とのことだ。だから長期の連休であるこの機を逃したくないみたいだった。それは俺もわかるし、コカビエルや会談で色々立て込んでいたから言うのを忘れていたってのも理解できる。だけど・・・

 

絶「頭で理解できても気持ちはそうはいかないんだよ」

 

ゼ「しょうがないが今回は諦めよう。だが夏休みの間ずっと冥界にいる、というわけでもないだろう。時間があれば一緒に訪ねに行こう」

 

絶「・・・そうだな」

 

決まっていることを悩んだって仕方がない。さりげなくデートの予定を決めながら冥界に行ってもできることを考えることにする

 

朱「あら?ならその時は私も誘ってください。私の母も青龍の神宮で働いていますの」

 

絶「そういえばそうでしたね」

 

ライザーが部室に来た時にその話を聞いていた。それからもちょくちょく会いに行っているらしく、この駅から電車で1時間ほどで青龍の住む町、蒼歳町に着くらしい

 

朱「もちろん神宮についてからは別行動しますわ。私もデートの邪魔をしたくはないですもの」

 

絶・ゼ「あ、ありがとうございます」

 

そんな気を使ってもらわなくても・・・だけどありがたいです

 

 

 

俺とゼノヴィア、そして朱乃さんが待っていると祐斗がギャスパーを連れてきた。相変わらず女装しているため知らない人から見ればカップルに見えなくもない。次にアザエル先生が到着し、残すはイッセーと部長、そしてアーシアだけとなった

 

リ「あら、もうみんな来ていたのね。なら行きましょうか」

 

誰一人遅刻することなく集合した俺たちは軽く挨拶を交わすと部長を先頭に駅の中に入っていった。少し歩いたところで駅に設置してあるエレベーターの前で部長が止まった

 

リ「まずはイッセーとアーシア、祐斗とギャスパーが乗ってちょうだい。私と先に降りるわ」

 

絶「降りる?ここから?」

 

部長の言葉を不思議に思う俺。なぜなこのエレベーター、というよりはこの駅は上の階しかないのだから降りるということができないはずだ。もしかしたら地下があるかもしれないが一般人は行けない

 

リ「朱乃、後のメンバーについては任せたわよ」

 

朱「了解ですわ」

 

俺と同じく不思議そうな表情を浮かべるイッセー達がエレベーターに乗り込むと扉が閉まる。エレベーターが動く音がするがもちろん上のランプは動かないままだ。待つこと1分、戻ってきたエレベーターのドアが開かれたがそこにイッセー達の姿はなかった

 

朱「私たちも参りましょう」

 

朱乃さんに従い俺たちもエレベーターア内に入る。扉が閉まるのを確認すると朱乃さんがスカートのポケットからカードらしきものを取り出し、電子パネルに当てると、ピッと電子音がなりエレベーターが下がり始めた

 

絶「・・・本当に降りるのか」

 

30秒ほど経っただろうか。浮遊感を感じていたがエレベーターが停止すると同時に重力が元に戻る。ドアが開かれると大きく掘られた空間に出た。そこには赤に染められ豪華な装飾を施された汽車が座していた。それだけでも目立つのにさらに『グレモリー家専用車両』とでかでかと書かれていたものだからさらに目立つ。・・・これに乗るのか

 

 

 

 

汽車に乗ること数時間、無事に冥界についたようだ。汽車の旅は快適な物だった。シートはふかふかで揺れもなかった。途中でこの列車の車掌が出てきて新人悪魔かを確認するための機械に通されたりしたが俺もゼノヴィアも無事に通過した。・・・本当に判断できているんだろうか?俺もゼノヴィアも純粋な悪魔ではないと思うのだが

 

絶「グレモリー本邸前ってなんだよ!」

 

空が紫に覆われていたのにも驚いたけど自分家の前に駅を作るか普通

 

リ「何やっているの?早く降りるわよ」

 

絶「あ、はい」

 

確かに田舎とかでは個人の家や店の名前がバス停名になってたりするところがあるのもテレビで知ったけど、駅は流石にないだろ。金持ちだからか!それとも権力か!

 

絶「「アザゼル先生は降りないのか?」

 

皆が降りていく中アザゼル先生だけ座ったままだった

 

アザ「俺は今からサーゼクスとの会合でな。このまま魔王領まで行く」

 

絶「そうですか。しばらくは離れそうですね」

 

アザ「まあ後かですぐに合流するんだけどな」

 

あっけらかんと言う先生を残し俺たちは降りる駅のホームに降りると、待っていましたと言わんばかりにグレモリー家から出迎えに来たであろう執事やメイドの大群からの挨拶の轟音が鳴り響いた。

 

「「「リアスお嬢様!!お帰りなさいませ!!」」」

 

さらにはあちこちで花火も打ち上がり、楽隊らしき人達が一斉に音楽を奏で始める。・・・これは両方か。帰るだけでここまでやるのか

 

グ「お帰りなさいませ、お嬢さま。道中、ご無事で何よりです」

 

リ「ただいま、グレイフィア」

 

グ「さあ、眷属の皆さまも馬車へお乗りください。本邸までこれで移動しますので」

 

多くの執事やメイドの大群の中から見知った銀髪の女性、グレイフィアさんが一歩出てきた。彼女は部長を迎えると俺たちをこれまた豪華絢爛そうな馬車に誘導した

 

 

 

 

馬車に乗ること1時間。道が舗装されているためか、乗り心地は思っていたよりも良かった。流れる景色を見ていると、俺の視界に巨大な建造物が映った

 

絶「なぁゼノヴィア」

 

ゼ「なんだ?」

 

絶「あれが・・・家か?」

 

ゼ「道であそこにつながっているのだからあれが家なのだろう」

 

馬車が進む道の先、そこにあるのは巨大な城がそびえ立っていた。

 

 

 

馬車が停まり、ドアが開かれ降りると先に出ていた部長たちと合流した。目の前には巨大な城門が。ゆっくりと開かれていくのを見ているとグレイフィアさんが会釈をして、俺達に進むよう促した

 

グ「お嬢様、そして眷属の皆様。どうぞ、お進み下さい」

 

グレイフィアさんに言われ歩き出そうとしたとき、小さな影が部長さんのほうへ駆け込んでいき抱き着いた

 

?「リアスお姉さま!おかえりなさい!」

 

リ「ミリキャス!ただいま。大きくなったわね」

 

イ「部長・・・その子は?」

 

部長も愛しそうに抱きしめ返しているなか、イッセーが聞くと

 

リ「この子はミリキャス・グレモリー。お兄さま、サーゼクス・ルシファー様の子供なの。私の甥ということになるわね」

 

と部長は紹介してくれた

 

リ「ほら、ミリキャス。挨拶をして。この子たちが私の新しい眷属よ」

 

ミ「はい。ミリキャス・グレモリーです。初めまして」

 

イ「俺は兵藤一誠。部ちょ、リアス様の『兵士(ポーン)』をやってる。よろしくなミリキャス」

 

イッセーに続きそれぞれが自己紹介と挨拶を済ませた。そこで俺は気になっていたことを聞いてみた

 

絶「ちなみに母親は?」

 

ミ「お母様は・・・」

 

そう言って一瞬どこかに視線を向けたがすぐに反らした。流石に現魔王の弱点になるようなことは口外しないか。それでもと思い向けられた先を見るとグレイフィアさんがいた。彼女で間違いないか。フィーリスさんと会った時も確かミリキャスって言ってたし。・・・そう言えば蒼枒さんの母親ってグレイフィアさんの妹さんだったよな

 

絶「ところでミリキャスの年齢は」

 

ミ「12歳です」

 

絶「12歳かー。・・・ずいぶんと歳の差があるなぁ」

 

?「どういうことかしら?」

 

声のする方を見ると髪の色が亜麻色の、ドレスを着た部長さんに似ている女性がいた。誰だ?若いし部長さんのお姉さんか?

 

リ「お母さま。ただいま帰りましたわ」

 

イ「お、お、お母さまぁぁぁぁああああっ!?だって、どう見ても部長とあまり歳の変わらない女の子じゃあないですか!」

 

リ「悪魔は魔力で見た目を自由に出来るのよ。お母様はいつも今の私ぐらいの年格好なお姿で過ごされてるの」

 

ヴ「初めまして、ヴェネラナ・グレモリーですわ。よろしくね、新しい眷属悪魔さんたち」

 

悪魔ってすげぇ。イッセーほどじゃないが俺も驚きを隠せない・・・冷静になれば蒼枒さんたちも同じようなものじゃないか

 

ヴ「ところでずいぶんと歳の差がある、とはどういうことかしら?」

 

絶「そのことですが・・・ここで歴史の問題だ。第二次世界大戦、終結した年は一体何年だ?イッセー!」

 

イ「えっ、俺!?えっと・・・」

 

いきなり始まめたクイズ。回答者をイッセーを指示したがいきなりことに戸惑っているようだった。だけどな

 

絶「おいイッセー。テストで範囲だっただろう。1945年だ」

 

リ「それがどうしたというの?」

 

この時点で察しがついているのはグレイフィアさんだけか

 

絶「蒼枒さん達が生まれたのは終戦後すぐと言ってました。今年から逆算すると60歳は超えている可能性が高いです」

 

ア「そうですね」

 

絶「そして蒼枒さんたちの母親は誰でしたっけ?」

 

この時にようやく気付いたのかハッとする部長達。気付くのが遅すぎだ

 

絶「気付きましたか?部長たちグレモリー家と蒼枒さん達、東雲家は親戚関係であるということ。そして甥であるのほうが圧倒的な年上であるということに」

 

ヴ「まさか・・・蒼枒って」

 

絶「あれだけのことをしたのならば流石に聞いたことはありますよね。蒼枒さんは青龍であり神。そして悪魔い対して日本の出入りを禁止した方です」

 

そう告げた瞬間メイドさんや執事さんも騒ぎ出し、ちょっとした騒動になってしまった。まあ当然と言えば当然か。魔王と親戚関係にある者が直接悪魔の出入りを禁止してるのだからな。悪魔からしたら信じられないだろう

 




ミリキャスの年齢は適当です。wikiにも載ってませんでしたので仕方なかったのです


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冥界での初日

すみません。今回全く進みません。そして短いです。

追記しました。やはりここまでは持っていきたかったのとあまりにも短すぎて自分でも許せなかったので。・・・でも正直辛い。視点は絶斗だけど原作未改変キャラオンリーは思考が読めないです


【絶斗side】

 

(俺が起こした)騒ぎの後、各自割り当てられた部屋へと通された。荷物の整理やら着替えやらをしたり、部長の父親も同席しての晩餐会が開かれたりと冥界初日から色々あった。晩餐は豪華だったが食べきれないほどの量を出されて内心もったいないと感じていた。これが貴族と庶民の考えの違いなのだろうか?

 

ゼ「はあ!」

 

絶「・・・」

 

そんな俺は今ゼノヴィアと共に屋敷外に来ていた。修行するにあたって周りに被害が出ないようなところを聞いたところ、何も無いところまで少し距離がある言われた。馬車を用意すると言ってくれたが、ウォーミングアップしながら行くにはちょうど良いと思ったので許可をもらい早速ゼノヴィアと向かった。周りを気にすることなく剣を振れるだけあって互いに全快で剣を振る。そのたびにゼノヴィアのデュランダルからオーラが飛び出し、俺の《アミル・ガウル》も風の斬撃が飛んでいく

 

ゼ「やはりいいな!全力で剣を振れるというのは!」

 

絶「そうだな!俺の家では剣なんて振るスペースはなんてないし、毎回毎回部長達に結界張ってもらうわけにはいかないからな」

 

ゼ「一度結界を破ってしまったこともあったし無理さするわけにもいかないからな」

 

互いの剣を交わし、僅かな会話を挟むと高速で移動しながら斬り合う。周りの至る所が抉れ、足場が安定しなくなるが、そんなことを気にする余裕もなく風を操ってさらに自身の速度を上げる

 

ゼ「まだ疾くなるのか!?全く『戦車(ルーク)』らしからない速さだな」

 

絶「その代わり力も硬さもないけどな!」

 

なぜかは知らないが『戦車(ルーク)』特有の圧倒的なパワーと防御力は身に受けていない。悪魔に転生しているはずなのだがやはりおかしい。列車内でも転生悪魔と判断されているが、デパートであったたまたま会った蒼枒さん曰く色々と面白いことになっているらしいが詳しく聞きたいところだが

 

絶・ゼ「ッ!?」

 

再び鍔迫り合う中危険を察知した俺とゼノヴィアは互いに押し合いその場から飛びのく。その直後先ほどまでいた場所に黒と白の光が通り過ぎていった

 

祐「僕も入れてくれるかな?」

 

絶「祐斗、なぜここに?」

 

祐「あれだけ派手にやり合っていたら遠目からでもわかるよ」

 

どうやら屋敷から見えていたらしい。この場所は屋敷からかなり離れているはずだが、久々に現実で振れるだけあって喜々として振るっていたせいで思いのほか被害が大きかったようだ

 

絶「そういえばイッセーはどうした?」

 

祐「イッセー君は早速勉強させられているよ。覚えることは多いからね」

 

イッセーは貴族として、悪魔としての知識が不足しているそうだ。当然と言えば当然なのだが部長の婿候補としてそれではいけないのですぐにでも勉強が開始された。俺には関係がないことだけど頑張れイッセー。俺は適当に応援しておく

 

絶「そうか。まあそれはいいとしてゼノヴィアはどうする?」

 

ゼ「いいんじゃないか?剣を使う者同士互いに実力を高めるというのは」

 

祐「そうかい。なら、行くよ!」

 

ソウイウト祐斗がその場から姿を消した。それを追うように俺達も祐斗を追いかける。2人が斬り結ぶと残る1人がどちらかに狙いを定める。それを避けては、迎撃。攻めては守りを繰り返す。ゼノヴィアの聖剣が、祐斗の聖魔剣が、俺の精霊剣がぶつかり合いその余波で大地を抉っていく。だがそんなことを気にすることもなく俺たちは迎えが来るまで斬り合っていた。後に部長に怒られたのは言うまでもない

 

 

 

翌日、再び列車に乗った俺達はサーゼクス様達魔王様が統治する領地にある若手悪魔の会合の会場に来ていた

 

リ「皆、もう一度確認するわ。何が起こっても平常心でいること。何も言われても手を出さないこと。ここにいるのは将来の私たちのライバルよ。無様な姿は見せられない」

 

エレベーターに全員が乗り扉が閉まると部長がそう告げた。いつも以上に気合いを入っているなと思っているとエレベーターが停まり扉が開く。出るとそこは広いホールだった。すぐそばには使用人らしき人がいて、俺達に会釈してきた

 

「ようこそ、グレモリー様。こちらへどうぞ」

 

使用人の後に続き通路を進んでいく俺達。すると、通路の先の一角に複数の人影が見えた

 

リ「サイラオーグ!」

 

部長がその内の一人に声をかけた。知り合いなのか?

 

サ「久しぶりだな、リアス」

 

あちらも部長を確認すると近づいてくる。

 

黒髪で短髪、武闘家のような体格。歳は・・・そう変わらないと思う。見た目と実年齢が合わないのは人外の常識らしいし

 

リ「ええ、懐かしいわ。変わりないようで何よりよ。初めての者もいるわね。彼はサイラオーグ。私の母方のでもあるわ」

 

サ「俺はサイラオーグ・バアル。バアル家の次期当主だ」

 

サイラオーグさんは挨拶してくる。大王バアル家の次期当主か。どおりでオーラがすごいわけだ。だが部長の従兄弟となるとこの悪魔もまたあの家に繋がるわけか

 

リ「それで、サイラオーグはこんな通路で何をしてたの?」

 

サ「ああ、お前たちが最後のようだからな。待っていたんだ。アガレスにアスタロト、シトリーの次期当主も既に来ているぞ」

 

リ「あら私たちが最後なの?まだ時間はあるはずだけど」

 

サ「開始前に若手同士の会合の時間だそうだ。そんなものは要らないと思うがな」

 

サイラオーグさんの眷属であろう1人が扉を開ける。中は大きな広間になっていてソーナ会長と生徒会。眼鏡を掛け、青いローブを着た女性と何故かこちらに笑顔を向ける深い緑の髪をした男。そしてそれぞれの眷属が主の周りでくつろいでいたり、緊張していたりと様々に過ごしていた。部長とサイラオーグさんはテーブルを挟んで向かい合わせに座った

 

サ「リアスとこうしてゆっくり茶が飲めるのならばそれもいいか。色々あったのだろう?」

 

リ「そうね。最近は特に」

 

用意された紅茶を飲みながら話し出した2人は従兄同士だからか楽しそうに話していた。イッセーが何か悔しそうな表情を浮かべていたが何も心配することはないと思うぞ

 




今回短かったにも関わらず次回も悩みどころです。改変キャラの影響が大きいですし原作から新キャラが出ますし


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若手悪魔の夢

時間が足りない!すみません。今回もあまり長くないです


【絶斗side】

 

「皆さま、大変長らくお待ちいただきました。皆さまがお待ちでございます」

 

俺たちが案内されたのは異様な雰囲気が漂う場所だった。俺達の周囲を囲む様な壁。その壁の高い位置には階段状に悪魔が座り、上に行くほど座る場所も大きくなり座っている悪魔も偉そうにしている。最上段にはサーゼクス様やセラフォルー様の魔王様が座っており、その隣には2人男の人がいた。あの人達が残る魔王様か

 

「よく集まってくれた。次世代を担う貴殿らの顔を改めて確認するため、集まってもらった。これは一定周期ごとにおこなう、若き悪魔を見定める会合でもある」

 

魔王様の座る一つ下の段にいる初老の男性悪魔が立ち上がった。手を組みながら、威厳の声で会合の開始を告げる挨拶を行う

 

サ「キミたち5名は家柄、実力共に申し分のない次世代の悪魔だ。だからこそ、デビュー前にお互い競い合い、力を高めてもらおうと思う」

 

デビュー前にお互い競い合う、ということはここにいるメンバーでレーティングゲームをするということだろうか?

 

サイ「我々もいずれ『禍の団(カオス・ブリゲード)』との戦に投入されるのですね?」

 

サイラオーグさんが直球でサーゼクス様に直球で尋ねる

 

サ「それはまだわからない。だが、できるだけ若い悪魔たちには投入したくないと思っている」

 

サーゼクスさんはそう答えるとサイラオーグさんは納得ができないように眉をつり上げた。

 

サイ「なぜです?若いとはいえ、我らとて悪魔の一端を担います。ここにはいませんが我らの同世代にはすでに舞台に上がっている者もいるではないですか。我らとてこの歳になるまで先人の方々からご厚意を受けております。なお何もできないとなれば」

 

サ「サイラオーグ、その勇気は認めよう。しかし、無謀だ。何よりも成長途中のキミたちを戦場に送るのは避けたい。それに次世代の悪魔を失うのはあまりにも大きいのだよ。理解してほしい。キミたちはキミたちの思う以上に我々にとって、宝なのだよ。だからこそ、大事に、段階を踏んで成長して欲しいと思っている」

 

サーゼクスさんの言葉にサイラオーグさんは納得はできていなさそうだ。「わかりました」とその場では一応納めたが不満そうな表情だった

 

サ「さて、長い話に付き合わせてしまって申し訳なかった。なに、私たちは若いキミたちに私たちなりの夢や希望を見ているのだよ。それだけは理解して欲しい。キミたちは冥界の宝なのだ」

 

 

それからお偉いさんの難しい話や魔王様からの今後のゲームについての話を聞いたが、あまりに長いためほぼ聞き流していた。ゲームについては後ででも資料をもらうとしよう

 

サ「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」

 

ようやく最後か。そう思っているとサイラオーグさんが一番に問いに答えた

 

サイ「俺は魔王になるのが夢です」

 

『ほう・・・』

 

サイラオーグさんの迷いもなく言い切った。その目標にお偉いさんたちは感嘆の息を漏らしていた

 

「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

 

サイ「俺が魔王になるしかないと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう」

 

並び的に次は部長か

 

リ「私はグレモリーの次期当主として生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝することが近い将来の目標ですわ」

 

それが部長さんの目標か。まだまだ力不足だがこれから鍛え方次第か。アガレス次期当主、アスタロト次期当主も目標を言い終え、最後は生徒会長の番だった

 

ソ「私の目標は冥界にレーティングゲームの学校を建てることです。上級悪魔や特例の悪魔のみが行くことのできない学校ではなく。平民、下級悪魔、転生悪魔。そんな悪魔が平等に学ぶことのできる、そんな学校を作ることが私の目標です」

 

差別のない学校か。これは現状、差別が行われているということだ。貴族があるぐらいだ、差別は俺が持っているよりも酷いものなのだろう

 

『ハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!』

 

上段にいるほとんどの悪魔が会長の夢を馬鹿にするように笑いだす

 

「それは無理だ!」

 

「これは傑作だ!」

 

「なるほど!夢見る乙女というわけですな!」

 

ソ「私は本気です!」

 

「若いというのはいい!しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がそのような夢を語るとは。ここがデビュー前の顔合わせの場でよかったというものだ」

 

『ハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!』

 

再び笑い声が会場内を支配する。何故馬鹿にできるんだ!夢を持ちそれを叶えようとするのはいいことではないのか!怒りがこみあげるのを抑え込むなかそれは突然起こった

 

ドガーーーン!!!

 

『!!!!???』

 

音共に壁が蒼い巨大な何かが会場に飛び込んで来た。笑い声は途切れ、壁は完全に破壊されていた。俺たちの正面に座っていた魔王様やその下にいた悪魔は比較的無事だったが、破壊された壁に座っていた悪魔たちは皆反対側に吹き飛ばされ、中心にいた俺達にも壁の破片等が降りかかる。俺も風を起こして落ちてくる破片を吹き飛ばし、他の者もそれぞれの手段で身を守っていた

 

?「すまぬな。若手の集まりがあることをすっかり忘れていた」

 

土煙の中から女性の声が聞こえた。煙が晴れていくとそこには綺麗な青い髪を流し、青の瞳持つドレス姿の美女がいた。その後ろには悪魔であろう13人と1匹の馬が倒れていた

 

サ「ティアマット。来てくれたのは嬉しいが普通に扉から来て欲しかったのだが」

 

テ「急いでたものでな。だがこの程度のこと、避けれぬ悪魔など若手を除いておらぬだろう?」

 

ティアマットと呼ばれた女性は悪びれる様子もなくそう答えた

 

?「いくらなんでも無理があるだろう。ティ、師匠のように常に警戒しているものでもないだろう」

 

テ「そうか?お前たちでもできることだったが・・・どうやらゼファードルの言う通り私の見通しは甘かったようだな」

 

コートを着た青い髪の悪魔が頭を朝得ながら立ち上がる。それに続き、倒れていた悪魔も起きだし、起こされていく

 

ソ「ゼファードル!」

 

そんな中、会長がゼファードルと呼ばれる青い髪の悪魔の名を呼んだ。それに気づいた彼も会長の所に歩いて行った

 

ゼ「ソーナか、久しいな」

 

ソ「そちらこそ、評判は常々聞いていますよ」

 

親しげに会話を交わす2人。それを見て会長に惚れている匙が黙っているはずもなく・・・

 

匙「いきなり出てきやがって!お前は一体何者だ!」

 

ソ「匙!失礼ですよ!こちらは「構わん。それに自己紹介ぐらい自分でする」」

 

会長が匙を抑えようとするがゼファードルと呼ばれた悪魔に止められた。彼は並ぶ俺たちを流し見て

 

ゼ「ほう、数は揃えた様だな。しかしグレモリーを含め学生ばかりとは。偏りが酷いと思うのだが」

 

匙「だからなんだ!一体お前は何者だ!?」

 

ゼ「俺の名はゼファードル・グシャラボラス。ソーナと親しいのは俺がソーナの婚約者だからだ」

 

ソ「異名は蒼獄の魔竜王。私たちと同世代でありながら特例でレーティングゲームに参加する実力を持つ最上級悪魔です」

 

ゼ「まだ魔竜王などと名乗るのはふさわしくないのだがな」

 

紹介を終えたゼファードルさん。それを聞いた匙は固まっていた

 

匙「婚・・・約、者。会長の・・・・・・」

 

だが次第に頭が追いついていったのか

 

匙「そ、そんな。そんな馬鹿なーーーー!!!!!!」

 

匙の叫び声を上げた




遂に決闘者編のキャラが本編に初登場!ヒロインも今章で登場予定だが主人公だけは出番なし!


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蒼魔竜の夢と苛立ち

本当に困った。時間もないし何より筆が乗らない!悪魔の思考なんてさっぱりわからん!
本来ならばもっと進むべきなのに今回も全く進展せず。本当に申し訳ない<(_ _)>


【絶斗】

 

何とか会場の修繕を終えたらしく、元の席に戻る悪魔たち。一部の席は空いており、無事ではなかったようだ。戻っていく悪魔も何かを呟いているのが見えた。ちなみに会長の婚約者の出現にショックを受けた匙の声は俺の風のおかげか近くにいた俺達以外にはあまり聞こえていなかったようだ。

 

サ「さて、ティアマットの突然の来訪により中断していたが続きといこうか。幸いにも欠席と思っていたグシャラボラス家も来てくれた。折角だ、君の目標を聞かせてほしい」

 

魔王様がそう告げた。視線が集中する中、ゼファードルさんは天を指さしながら

 

ゼ「(キング)になることだ!レーティングゲームという舞台でな」

 

宣言する姿が様になっている。これ最上級悪魔の姿か。だがこれは部長と被ったな。今のままでは彼らに勝つことはまず無理だろう。部長達と同じ若手にもかかわらず先にレーティングゲームに参加。その力はフェニックスの再生能力を持つライザーを真正面から潰せるほどだ。聖剣などの悪魔特効を持っているというアドバンテージを抜いたら勝てる相手じゃない

 

「これはこれは。被ってしまったな」

 

「しかし将来が楽しみではないか。グレモリーは眷属に面白い者が多い。今はまだ未熟だが数年もすれば活躍しているだろう」

 

「だがシトリー家は何を考えているのやら。下級悪魔や転生悪魔は主に仕えて才能を見出されるのが常。その様な物をつくっては伝統と誇りある旧家の顔を潰すことになる。我らを笑わせるために考えてきくれたのか?」

 

『ハハハハハハハハ!!』

 

上段に座る悪魔たちから再び笑い声が響き渡る。どうやら悪魔にとって会長の夢は余程おかしいことらしい。魔王様達は怒っているセラフォルー様を除いて何を考えているのか表情を変えていないが、あちらから聞いておいてこれはないだろう。あの悪魔が言うのが本当ならばを下級悪魔や転生悪魔は旧家、純血悪魔のために仕えることが喜びということになる。蒼枒さんの話を思い出すと悪魔は才能のあるものを無理矢理にでも悪魔にしようとするらしいが・・・ああ、そうか。こんなことばかりしているから蒼枒さんは悪魔を見限って日本への立ち入りを禁止したのか。そしてその判断はこの場を見る限り間違っていなかった

 

匙「なんで、なんでそんなに会長の!ソーナさまの夢をバカにするんすか!?こんなのおかしいっすよ!叶えられないなんて決まったことじゃないじゃないですか!」

 

お偉いさんの言葉に匙は黙っていられなかったようだ

 

「口を慎め、転生悪魔の若者よ。ソーナ殿、下僕の躾がなってませんな」

 

ソ「・・・申し訳ございません。後で言い聞かせます」

 

匙「会長!どうしてですか!この人たち、会長の、俺たちの夢を馬鹿にしたんすよ!どうして黙っているんですか!?」

 

ソ「サジ、お黙りなさい。この場は「いや、黙らなくていい」え・・・」

 

誰かの声が会長の声を遮った

 

ゼ「お前のような奴がソーナの眷属にいるとはな。俺も少しは安心できるというものだ」

 

匙「え?あの」

 

声を遮った主、ゼファードルさんは匙の前まで来ると頭に手を置いた

 

ゼ「後は俺に任せろ。お前が相手をするにはまだ力が足りん」

 

匙の頭を数回撫でると並び立つ部長達のさらに前へと躍り出た

 

「何故庇いだてする?」

 

「貴様も旧家の者ならばシトリー家の娘が言ったことが夢物語のことなど知っているだろう?」

 

ゼ「黙れぇ!」

 

怒号が、響き渡った

 

ゼ「そんな頭で何故生きていられるのだ貴様らは」

 

「若いの。立場を弁えろ」

 

「そうだ!無礼にもほどがあるぞ!」

 

ゼ「フッ。権力しか振るうことのできない、自身の地位にしがみつくことしかできない脳無し共が。ソーナの夢も、自身の地位が脅かされるのを恐れてのことだろう?」

 

「・・・・・・」

 

怒りで言葉が出ないのか、それとも図星か。どちらにせよゼファードルさんの言葉に悪魔たちは口を閉じていた

 

ゼ「貴様らが馬鹿にする学校制度。あれは素晴らしいものだ。俺も親友(ライバル)に無理言って見学させてもらったが、何故冥界に未だ制度ができていないのかがわからない」

 

テ「確かにな。私も何度か見てきたがあれはいいものだ」

 

会場の端のほうで静かに佇んでいたティアマットと呼ばれる女性が声を上げた

 

テ「多くの者に知識や技術を教え、次代へと繋ぐ。教える者の技量や受ける側のやる気などの差もあるだろうが、優れた者も出ることになるだろう」

 

ゼ「もしそうなれば下級悪魔と上級悪魔との差がなくなってしまう。そうなっては自分の地位も脅かされる。貴様らは権力が無くなれば何もできないからな」

 

「貴様ぁ。我らが黙っておれば」

 

ゼ「俺が気に入らないのだろう?何やら周りでこそこそと動き回っているようだが目障りだ。気に入らぬのならば自身の力を直接ぶつけるがいい!俺は逃げも隠れもしないぞ」

 

サ「そこまでだ。これ以上は見逃せない」

 

まさに一触即発。いつ戦いが始まってもおかしくない状態だったが、間に割って入って止めたのはサーゼクスさんだった

 

サ「ゼファードル君。少し落ち着きたまえ。皆さま方も若者の夢を潰さないでいただきたい。どんな夢であれ、それは彼らのこれからの動力源になるのですから」

 

ゼ「・・・魔王サーゼクス。貴様にも言いたいことはあるが、ここは引いておこう」

 

そう言い残しゼファードルさんは元の位置へと戻っていく

 

サ「ティアマット。君の指導のせいかな?」

 

テ「当然だ。誰であろうとどんな状況であろうと自分を見失わず、貫くことができなければ王になぞなれぬからな」

 

サーゼクスさんはティアマットさんへと視線を向けたが、返ってきた言葉にため息をついていた

 

セ「そうだ!ソーナちゃんがレーティングゲームに勝てばいいのよ!ゲームで好成績を残せば叶えられることも多いもん!!」

 

サ「ふむ、それはいい考えだ」

 

セラフォルーさんの提案にサーゼクスさんは感心したような表情を浮かべ、俺達に提案してきた

 

サ「リアス、ソーナ。二人でゲームをしてみないか?」

 

サーゼクスさんの言葉に部長も会長も顔を見合せ、目をパチクリさせている

 

サ「もともと、近日中に君達、若手悪魔のゲームをする予定だったのだよ。アザゼルが各勢力のゲームファンを集めてデビュー前の若手の試合を観戦させる名目もあったからね」

 

部長さんも会長さんもサーゼクスさんの言葉を聞きやる気全開になっている

 

ソ「公式ではないとはいえ、私にとって初のレーティングゲーム。その相手があなただなんて運命を感じてしまうわね、リアス」

 

リ「競う以上負けないわ、ソーナ」

 

冷笑を浮かべる会長とその言葉で更にやる気を出した部長。このまま終わると思いきやゼファードルさんと言い争っていた悪魔がその場に立ち、サーゼクス様に提案した

 

「私はサイラオーグ殿とゼファードル殿との試合を提案いたします!」

 

サ「・・・それはなぜかな?」

 

「サイラオーグ殿は若手最強と言われており、ゼファードル殿は既にレーティングゲームに参加するほどの持ち主。私は純粋に真の若手最強はどちらかを知りたいのです」

 

あの悪魔!すぐに他人を頼りやがった!ゼファードルさんが言ったこと何一つ聞いちゃいねぇ

 

サ「ふむ、私としてもそれは興味があるな。わかった受理しよう」

 

「ありがとうございます」

 

頭を上げて再び座る。その顔はうまくいったって顔をしていた。それに対しゼファードルさんは後ろから出見えないが苛立っている様だった

 

サ「対戦の日取りは詳細は後日送信する。それまで各自好きに時間を割り振ってくれてもかまわない」

 

サーゼクスさんの決定により、俺たちオカルト研究部と生徒会のレーティングゲームの対戦が決まった





ここから下は作品と関係ないので読まなくても問題ありません










近頃猫姉妹が悪魔にならない作品が少し増えてなんだかほっこりしています。昨年も時期はずれてましたが同じような設定の作品がありましたが、消えたり更新されなかったりと楽しみにしていた私としては残念な気持ちになってました。頑張って続いていただけたらなーと思います・・・察している方も多いと思いますが私は悪魔アンチです(完全にってわけではないのでタグは付けれないです)


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会合後と温泉

遂にUAが10万を超え増した!お気に入りしてくれた方も300人を超えたようで大変うれしいです!
最近書く時間が取れず、ただでさえ低いクオリティが益々下がっていく中、読んでくださる方、お気に入り登録してくださる方、本当にありがとうございます!!
これからもハイスクールD・D・Dをよろしくお願いします!!!


【絶斗side】

 

会合が終了した後、俺達を含む若手悪魔はそれぞれの屋敷へと帰ることになった。ゼファードルさんがティアマットさんと何か言い合ってたけどなんだったのだろう?『無茶だ』とか『それぐらいできなくてどうする』とか聞こえていたが・・・

 

アザ「だいたいわかった。それでソーナとその眷属達とやりあうってわけか」

 

グレモリ―家の屋敷へと戻った俺たちは待っていたアザゼル先生に会合での出来事を話した。

 

リ「ええ。やるからには負けられないわ。早速明日から修業を始めるつもりよ」

 

アザ「当然だ。今回のゲームのこともあるが、『禍の団(カオス・ブリゲード)』のこともある。サーゼクスは若手を巻き込みたくないと言ったそうだな。これには俺も賛同だ。・・・だが、敵さんからしたら女だろうが子供だろうが関係ないからな」

 

アザゼル先生の言うことはもっともだ。戦場ならば誰であろうと殺す殺される覚悟が必要だ。だが相手はテロ組織。戦場を用意してそこで戦いましょう、なんてことはないだろう。こちらの弱いところ・・・有力な者の子供や伴侶、または親しい者を人質に取って自身の駒にする。または殺す、なんてことも考えられるだろう。それは部長が完全に当てはまる。部長の兄は魔王様だ。グレモリーは深い情愛を持っているみたいだが、それは相手に附けこまれる隙にもなる。もし部長が『禍の団(カオス・ブリゲード)』の人質になったら怒りのあまり無策で突撃するか、心配のあまり動けなくなるのどちらかだろう

 

アザ「まぁお前たちのトレーニングメニューは既に俺の頭で出来上がっている。・・・一部を除いてだが」

 

そう言って俺のほうを見る。確かアザゼル先生も俺の神器(セイグリッド・ギア)は知らなかったんだっけ。だが・・・

 

絶「僕達だけがアザゼル先生・・・堕天使総督から直接アドバイスを受けるのは不公平では?」

 

アザ「それくらい別にいいだろ。俺は悪魔サイドに随分と神器関連の研究成果を献上してんだぜ?天使側もバックアップ体制をしているって話だ。あとは若手悪魔連中がどれだけ自分を高めるか、その心しだいだ。それに・・・」

 

アザゼル先生は一呼吸おいて

 

アザ「俺がお前たちに師事をしなくても、グシャラボラスのところなんかは随分と前から龍王を師として鍛えている。その成果は知っての通りだ。まぁ、師事してもらえる相手に会えるかはその者の縁や運次第だがな」

 

確かに。俺たちは部の顧問がアザゼル先生だからここにいるが、もしかしたら会長のほうに行っていたことも考えられる。そう考えれば俺たちは運がよかったのかもしれないな

 

アザ「とにかく修業は明日からにする。今日は全員のんびりしてろ」

 

先生のこの言葉で今日のミーティングはお開きとなった。俺の修業はどうするか。できるならば蒼枒さんの下で鍛えたいが・・・悪魔のこと嫌いだし無理だろうなぁ。となると前任者しか相手がいないが、寝てると気しか会えないからな。どうしたものか

 

グ「皆様。温泉のご用意が出来ました」

 

悩んでいるとグレイフィアさんが現れた。・・・温泉?

 

 

 

 

 

アザ「旅ゆけば~」

 

今俺達はグレモリー家の和風の温泉に浸かり総督は翼を広げ鼻歌を歌っている。グレモリーの家、というか城の中は意外と和の要素が多い。部長はちょっと勘違いしている系とはいえど日本のことが好きのようだし、その両親であるグレモリー夫妻も影響を受けてもおかしくはない。担当の領地も日本だったし。・・・であるならばもっと気を使っておけよって話だ。部長だけの責任ではないが悪魔が杜撰(ずさん)な対応をしてきたために日本から追い出されることになったわけだからな。そう思った俺は間違っていない

 

アザ「いやぁ、極楽だぜ。流石は冥界屈指の名家グレモリー家の温泉だ」

 

ところでこの温泉はどこから引っ張ってきてるんだ?冥界なら問題ないが日本から持ってきてるのならば止められてそうだが

 

祐「あれ?ギャスパー君は?」

 

祐斗がギャスパーがいないことに気づいた。俺も思考を止め、周りを見てみると入り口のところでウロウロしているギャスパーがいた

 

イ「ギャスパー。折角の温泉なんだから入れよ」

 

イッセーは一旦上がりギャスパーを捕まえるた

 

ギ「キャッ!」

 

ギャスパーは女みたいな悲鳴を上げる。見た目は女の子だもんな。見た目は。だからってジロジロ見るなよ、イッセー

 

アザ「ギャスパー、気をつけろ。イッセーはお前を狙っているぞ。さっきからお前の体をジロジロ見ているからな」

 

ギ「そ、そんな、イッセー先輩は僕のことをそんな目で見てたんですか・・・?身の危険を感じちゃいますぅ!」

 

イ「な、何言って!?お、俺は別にギャスパーを狙ってねぇぞ!」

 

焦ったイッセーはギャスパーを抱えると俺たちが入っている温泉へ放り投げた

 

ギ「きゃぁぁぁん!熱いよぉぉ!!溶けちゃうぅぅぅ!!イッセー先輩のエッチィィィ!!」

 

絶「うっさい!静かにしろ!!」

 

アザ「暴れんな!酒がこぼれるだろうが!!」

 

暴れるギャスパーをアザゼル先生と抑え込み静かにさせた。だがギャスパーの絶叫は女湯のほうまで聞こえたようで

 

リ「イッセー、ギャスパーにセクハラしちゃダメよ?」

 

部長のからかうような声と小さいが笑い声も聞こえた。イッセーは恥ずかしくなったのか温泉へ飛び込んだ。

 

絶・アザ「だから飛び込むんじゃねぇ!!」

 

イッセーは俺とアザゼル先生の拳骨を受けるはめになった

 

 

 

 

 

アザ「ところで、イッセー、絶斗」

 

温泉につかりしばらく。いやらしい顔で俺たちのと隣にアザゼル先生が来た。ギャスパーはのぼせたのか祐斗の介護を受けている。・・・早すぎだろう!まだ10分も浸かってないぞ

 

アザ「お前らは女の胸揉んだことあるか?」

 

総督は手を動かしながら訊いてくる

 

イ「はい!部長のお胸をこの右手でもみっと!」

 

絶「ないですね」

 

アザ「なんだよ、イッセーは胸揉んだのにお前はないのかよ。つまんねぇな」

 

そう言われてもな。ゼノヴィアと再会したのは最近だし、それからとんとん拍子に同棲して恋人になっているけどそれ以上はまだしていない

 

イ「絶斗ぉぉぉ!なんでだ!?あのおっぱいを独り占めしてるのにか!?」

 

絶「落ち着け。普通に考えてセクハラだからな。恋人だろうと時と場所を考えろ」

 

そこらへんが分かってないんだろうなぁ。松田と元浜は変わりつつあるがこいつは変わらずに突き進んでるからなぁ

 

アザ「ならこの場所でのお約束も知ってるよな?」

 

にたらぁと嫌な笑顔をして聞いてくる。わかってはいるが賛同はしない

 

絶「知っているが俺はやらないぞ」

 

アザ「別にいいじゃねぇか。男同士なんだしよ」

 

イ「なんだ?何をするんだ!?」

 

何かはわからないがその何かを期待するように答えを待つイッセー。何故こいつはわからない!?いつもやってることだろうが

 

アザ「温泉で女湯覗く!けれど、それじゃスケベとしては二流以下だぜ」

 

イ「覗きが二流!?じゃ、じゃあ、どうすれば一流に!?」

 

スケベに二流も一流もあるか!だがアザゼル先生はイッセーの腕を掴み、そして

 

アザ「男なら混浴だ!イッセー!」

 

イッセーを女湯へ放り投げた

 

イ「どわああああああっっっっ!!!」

 

女よとの仕切りの向こうへと消えていくイッセー。アザゼル先生はいい表情をしながら俺の隣へ来た。次は俺の番か!?

 

アザ「さてと、これで邪魔者はいなくなった。さぁ、お前の神器(セイグリッド・ギア)についてすべてを話してもらおうか」

 

そうは言われてもなぁ。《アミル・ガウル》については俺自身もあまり分ってない。そもそも使えるようになったのだって春からだからな

 

アザ「お前以外の修行内容は概ねできている。だがお前の神器(セイグリッド・ギア)は知らねぇからまだできてねぇんだ」

 

絶「そのことですが・・・一つ提案というか相談が」

 

アザ「なんだ?」

 

そこで俺は神器(セイグリッド・ギア)の中に精霊がいること、毎日夢の中で前任者と戦っていること。そしてその空間に蒼枒さんが入れることを話した

 

絶「だから蒼枒さんのところに行かせて欲しいです。自身をもっと知るために。強くなるために」

 

アザ「・・・だがあいつは悪魔嫌いだぞ?引き受けてくれるかわからねぇ。しかも鍛えるときたらもっと可能性が低いじゃねぇか」

 

絶「承知の上です。だけど蒼枒さん以上の剣の腕を持つ者なんて俺は知りません」

 

イッセーの腕を切り落とした動き。あの場にいた誰一人としていつ動いたかわからなかった。もしかしたら東雲家や魔王様なら見えていたかもしれない。少なくとも俺は動いたようには見えなかった。そんな剣を腕を持つ彼に今度はちゃんとした修行をつけてもらいたい

 

アザ「わかった。一応俺からも伝えてはみるが・・・望みは薄いと思っていたほうがいいだろう」

 

絶「ありがとうございます」

 

アザ「お礼を言われる筋はねぇよ」

 

そう言いながら俺の腕を掴んだアザゼル先生。これって・・・

 

アザ「折角だ!おまえも行って来い!!」

 

次の瞬間俺は宙にふっ飛ばされた。飛んでいく先はもちろん女湯。だがイッセ-の二の舞を演じるようなことはしない

 

絶「《アミル・ガウル》!」

 

俺は《アミル・ガウル》を呼び出し逆風を起こして勢いを殺す。だがそれだけではこの状況を変えることはできない。俺の身体はすでに仕切りを超えてしまっている。この状況を打破するには足場が必要だ。イメージはある。後は俺ができるかだ!

 

絶「固まれぇぇぇ!!!」

 

風が操れるのならば空気も操れるはずだ。そう考えていた俺は空気を圧し固めて足場にし、男湯へと跳んだ。初めての試みだったが成功して何よりだ。俺は無事男湯の湯舟へと落ちた

 

アザ「チッ。戻ってきやがったか」

 

アザゼル先生は舌打ちして悔しそうな顔をして酒を(あお)った。・・・一瞬だが女湯の湯舟が赤く染まっているのが見えた。イッセーの仕業か?こりゃ掃除が大変だな



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それぞれの方針

今回はそれなりに量が書けました。悪魔至上主義な思考をしなくて済む分楽でした(だからと言って展開が進んでいるとは言っていない)


【絶斗side】

 

翌日。部長とその眷属である俺たちはグレモリー家の庭に集まっていた

 

アザ「先に言っておくぞ。今から俺が渡すものは将来的なものを見据えてのトレーニングメニューだ。すぐに効果が出る者もいれば、長期的に見なければ出ない者もいる。まずはそれを理解してから聞くことだ」

 

成長には個人差があるしまあ当然か。今が弱ければ成長は早いし才能があれば伸びしろも大きい

 

アザ「ただ、おまえらは成長中の若手だ。方向性を見誤らなければ良い成長をするだろう。さて、まずはリアス。おまえからだ」

 

リ「はい」

 

まず最初にアザゼル先生に呼ばれたのは部長だ

 

アザ「お前は才能・魔力・身体能力はどれをとっても一級品だ。このまま普通に暮らしていても成人になる頃には最上級悪魔の候補にも挙げられてもおかしくはないだろう。が、お前の望みは今すぐにでも強くなりたい。だな?」

 

先生の問いに部長は力強く頷く

 

アザ「ええ、その通りよ。私は皆の『(キング)』として相応しい者になりたい」

 

アザ「なら、この紙に記してあるメニューをこなしていけ」

 

アザゼル先生が手元にある紙を一枚部長に渡す。手渡された紙を見た部長は不思議そうな顔をしていた

 

リ「・・・これって基本的なメニューよね?」

 

アザ「お前はそれでいいんだ。おまえは全てが総合的にまとまっているからな。だからこそ基本的な修行で力が高められる。問題は『(キング)』としての資質だ。参考までにフェニックスとのゲームを見させてもらったが・・・なんだありゃ。考えもなしに突っ込むなんて『(キング)』のすることじゃないぞ]

 

それは俺も思ったことだ。あの時の部長は普通に説得しても止められそうもなかった。今思えば卑怯な方法と思えるが部長の眷属への信頼を盾にすることで無理矢理『(キング)』同士の一騎打ちに横入りしすることが出来、イッセーが来るまでの時間稼ぎをすることができた

 

アザ「主に『(キング)』は力よりもその頭の良さ、機転の良さが求められる。要するに眷属が最大限に力を発揮できるようにしてやるのが王の役割なんだよ(一部を除いてだがな)」

 

少し気になったので部長の修行メニューの紙を覗いてみた。本当に基本的なことばかりだな

アザ「次に朱乃」

 

朱「はい」

 

次に呼ばれた朱乃さんは俺たちの一歩前に出てアザゼルの前に立つ

 

アザ「おまえは自分に流れる堕天使の血を受け入れろ」

 

朱「もうすでに受け入れてますわ」

 

アザ「だよなぁ」

 

はぁ、と溜息を吐くアザゼル先生は頭を掻きながら

 

アザ「まぁおまえを指導するのは俺じゃないからいいか。一応考えては来てたんだがな」

 

朱「無用な心配ですわ。私は父、そして母に教わってきます」

 

アザ「そうだ。お前を指導するのはバラキエルの奴・・・ん?母?」

 

朱「悔しいことに私よりも母のほうが強いですから。母の攻撃は一日に一度限りしか放つことが出来ませんが私の最大の攻撃を軽く凌駕します。一撃での決着の模擬戦を何度か行いましたが母は必中と言うほど当ててきます。親は子のことをわかると言っても5戦全敗はあり得ませんわ」

 

朱乃さんが母親に会いに行ってるのは知ってるけどそんなことまでしてたのかよ!いや、本人たちがそれでいいなら他人である俺が言うことではないが、なんだかな

 

アザ「(一般の奴まで今のリアスたちのレベルを超えるのかよ。全く化物揃いだな、あそこは)今は『雷の巫女』だったな。修行を経て『雷光の巫女』になってみせろ」

 

朱「もちろんですわ」

 

アザ「なら次は木場だ」

 

祐「はい」

 

次に呼ばれたのは祐斗。これって部長の眷属になった古いほうから呼ばれてるのか?

 

アザ「まずは『禁手化(バランス・ブレイク)』している状態で一日保たせろ。それが出来れば次は実戦の中で一日保たせる。レーティングゲームが始まるまでに最低でも一週間は持続出来るようにしなければ実際の戦闘ですぐにガス欠で使えなくなっちまうぞ」

 

それは祐斗だけじゃなく全員に言えることだ。すぐ力を使い切って動けません、じゃ話にならない。力をセーブしながら戦える相手に毎回出会えるわけもないからな

 

アザ「神器(セイグリッド・ギア)については俺がマンツーマンで教えてやる。剣術のほうは・・・確か師匠に習うんだったな?」

 

祐「はい。一から鍛え直してもらう予定です」

 

へぇ、木場にも師匠がいたのか。俺も師匠代わりはいるけど、一体どんな人だ?

 

アザ「次、ギャスパー」

 

ギ「は、はいぃぃぃぃぃ!!」

 

すげービビってる。まあでもすぐにダンボールに引き込まらないあたり進歩はしているか

 

ギ「おまえはまず、引きこもりをなんとかしろ。そうじゃないと話にならん。おまえはスペックだけなら相当のものだからな」

 

それは意外だな。いくら『変異の駒(ミューテーション・ピース)』が使われてるとは言え、神器(セイグリッド・ギア)の能力だけでなくスペックも高いのか

 

アザ「それを克服出来ればゲームでも実戦でも活躍出来るはずだ。とりあえず、『引きこもり脱出作戦!』なるプログラムを組んだから、それをこなしていけ」

 

ギ「は、はいぃぃぃ!が、頑張りますぅぅぅぅ!!」

 

そう言って修行内容の書かれた紙を受け取るギャスパー。受け取るときもガタガタ振るえているが頑張るのは嘘ではないようだ

 

アザ「ところでギャスパー。イッセーの血を飲んだことはあるんだよな?」

 

ギ「は、はいぃぃ。さ、三度程・・・」

 

アザ「ならいい。赤龍帝の血は神器(セイグリッド・ギア)の成長には都合がいいからな。修行前に一度吸わせてもらえ」

 

アザゼルがそういうとギャスパーはイッセーの方をじっと見つめる

 

イ「な、なんだ?」

 

ギ「ぼ、僕は先輩の首筋から直接飲みたいなぁと思って」

 

それに伴って部長とアーシアが何故か視線をギャスパーに向けていた。朱乃さんはなぜか笑顔だった

 

リ「(ギャスパーはかわいい私の眷属。ギャスパーはかわいい眷属)」

アシ「(イッセーさんにかみつくなんて・・・)

朱「(あらあら。イッセーくんはどんな顔をするのでしょう)」」

 

アザ「じゃあ次はアーシア」

 

アシ「は、はい!」

 

ギャスパーに意識を向けていたアーシアは呼ばれたことで慌てて返事をした。かわいらしいが話は聞いておこうな

 

アザ「おまえもリアスと同様だ。基本トレーニングで身体と魔力の向上を目指せ」

 

アシ「わかりました!」

 

アザ「それとだ。回復範囲を大きくすること。これも目標に入れろ。今のままでは範囲が狭すぎる」

 

アザゼル先生の言う通りだな。今のアーシアは相手に触れなければ回復させることが出来ない。これが自分を中心にサークル状に展開できればその中に入るだけで回復できるようにもなる

 

アザ「さて、イッセーは後回しだ。修行相手がまだ来ないからな。だから先に絶斗とゼノヴィア」

 

絶・ゼ「はい」

 

アザ「おまえらはそれぞれの得物を今以上に使いこなせるようにしろ。絶斗は神器(セイグリッド・ギア)を使いこなせていないようだし、ゼノヴィアはデュランダルに振り回されている所がある。2人とも出来るだけ制御できるようにしろ。そのためのメニューはこれなんだが・・・この後すぐに行くんだろ?」

 

絶「はい。時間もありませんし、あの方ならば制御の仕方も分かるでしょうから」

 

ゼ「絶斗が行くなら私も行こう。別にここで修行しなければならないというわけではないのだろう?」

 

アザ「そうだな。ダメもとで行ってこい。無理ならばすぐにでも戻って来いよ」

 

絶・ゼ「わかりました」

 

一応アザゼル先生からの許可は出た。だが蒼枒さんが話を聞いてくれるかは言ってみなければまだわからない

 

リ「あら?どこに行こうとしているの?それにあの方って?」

 

アザ「ああ、リアスにはまだ言っていなかったか。2人が行こうとしているところは日本の青龍のところだ」

 

日本の青龍と聞いたとたん、行くことに反対を示したのは予想通り部長とイッセーだった

 

イ「!あんな奴のところに行く必要なんてない!」

 

リ「そうよ!危険だわ!!イッセーみたいに殺されてしまうかもしれないのよ」

 

絶「だが蒼枒さん以上の件お使い手を俺は知らない。実際に受けたイッセーならわかるはずだ。腕を斬られたあの時、斬られたことに全く気付かなかっただろ?」

 

イ「確かにそうだが・・・」

 

絶「あの後、祐斗とも話したが蒼枒さんは剣の極地にいると考えていいと思う。そんな人に教えてもらえるかもしれないんだ。行かないわけにはいかないだろう」

 

2人が反対することは何となくわかっていたし、行くことは既に決定事項だけどな

 

アザ「2人とも落ち着け。一応あの場にいた悪魔たちは日本にいることが許可されているんだ。いきなり斬られるってことはないと思うぜ」

 

朱「そうですわ。私も母に会うために何度も蒼歳(そうせい)町を訪れてはいますし、大丈夫と思いますわ」

 

アザゼル先生と朱乃さんの援護により一先ずは落ち着いたようだが、部長達からしたら信用はないのだろう

 

アザ「(思えば青龍とリアスたちは妙につながりがあるな。血筋を辿(たど)ればグレモリー家と東雲家は親戚(しんせき)だし、朱乃の母親もまたそこにいるからな。まあ偶然が重なっただけだろうがな)レーティングゲームの日程はまだわからないとはいえ冥界から行くには時間がかかるだろう。その時間を無駄にするわけにもいかないからな。2人とも早く行ってこい」

 

絶「はい!」

 

俺とゼノヴィアは用意していた荷物をもって駅に向かう馬車に乗った。これで次冥界に来るときは転移で来れるようになるそうだ。途中でドラゴンが部長の家に降りていくのが見えたが、俺はゼノヴィアと二人っきりの旅を少し間楽しみながら日本へと帰った

 



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青龍の住まう町

久々の3人称視点で書きました。蒼枒たち東雲家の場合、本人たちの視点よりも他の人の視点や3人称視点のほうが書きやすい感じがします。特に戦闘が絡んだりすると本人たち全くしゃべりませんし


【3人称side】

 

絶斗とゼノヴィアが冥界から日本へ戻っていく頃、彼らの目指す町、蒼歳(そうせい)町を2人の男が歩いていた

 

?「朝っぱらからこってり系豚骨ラーメンなんて、ヴァーリも好きだねぇ~」

 

ヴ「そういうお前も2杯もおかわりしてだろ。美猴」

 

美「俺っちは麺類全般好きだからな。朝昼晩、3食すべてラーメンでも問題ないぜぃ」

 

朝から胃が持たれそうな会話をしている2人。1人は白龍皇であるヴァーリ。もう1人は闘戦勝仏である孫悟空のの末裔である美猴。彼らも絶斗たち同様、蒼枒に会いに来ていた

 

ヴ「お前がいいならそれでいい。それよりも今回は大丈夫なのか?また孫悟空に捕まったりしないだろうな?」

 

美「そこは大丈夫だぜ。今日は修行が休みの日だ」

 

ヴ「そうか。無用な心配だったな」

 

美「まあ俺っちもまさか蒼枒が爺さんと繋がってるとは思わなかったからなぁ」

 

ハハハと笑う美猴を見ながらヴァーリは2人で蒼枒に会いに行った時のことを思い出していた

 

 

~~~~~回想~~~~~

 

美「ここか?ヴァーリが完敗した奴がいる所は」

 

ヴァーリは美猴を連れて青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)の鳥居の前に来ていた。ヴァーリが美猴と出会ったのは東京でラーメンを食べているとき、たまたま同じ店に美猴が入ってきたためだ。その頃ヴァーリは見真似で気を探ることをしていた。フィーリスを除く東雲家は勿論のことその部下たちも探知能力が高い者が多い。熟練者にもなれば相手の動きを読むことも造作もなくなるという。過去にヴァーリは白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)をしている状態にも拘わらず探知能力に秀でた蒼枒の部下に負けている。『Half Dimension(ハーフ ディメンション)』は使わなかったものの、パワーもスピードもヴァーリのほうが圧倒的に上のはずだったが、相手は動きどころか思考すらも読み、技だけでヴァーリを封殺してしまった。その敗北からというもの、ヴァーリは独学で気の使い方を覚えようとしていた。そんな時に大きな気を持つ美猴とヴァーリは出会った。青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)のものたちと違い、特に隠そうともしない美猴の気は素人ながらもヴァーリにも感じることが出来た。その後、ヴァーリと美猴は戦いを経て友となった

 

ヴ「ああ。あの負けがあったからこそ俺は自らを見つめなおすことが出来た」

 

美「だからって弱くなっちまったら意味ないだろうに」

 

ヴ「弱くなったところで俺は構わない。あの時の俺はアルビオンに頼りきりだった。『Half Dimension(ハーフ ディメンション)』が通じず、白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)も破壊された俺は文字通り何もできなかった。力を使うどころか依存していたのだから当然の結果だな。だからこそ俺は一から自分を鍛えることにしたんだ。何物にも頼らずに自分の中にある人としての力をすべて使えるようにするために」

 

美猴はヴァーリが『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を使えなくなっていることを聞いていた。『禁手化(バランス・ブレイク)』のさらに上にある強大な力、『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』。その力を捨ててるきっかけを作った人物に美猴は興味を持っていた

 

美「まあいいや。で、ヴァーリが手も足も出なかった相手がこの先にいるのか?」

 

ヴ「出かけていなればな」

 

美「ふーん(青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)か。どっかで聞いたことがあるなぁ)

 

美猴はどこかで聞いたことがある名を思い出そうとするが、ヴァーリが鳥居を潜るのに気づき、その後を追った。階段を登り切り、境内に入ったヴァーリ達は蒼枒が部下の楓と話していた。ヴァーリたちを一瞥(いちべつ)した蒼枒はどこかに連絡をつけていた。ヴァーリは知らなかったが美猴と蒼枒は知り合いらしく、美猴は手を振りながら揚々と蒼枒へと近づいて行った。だが美猴のすぐ後ろの空間が裂けると巨大な右手がいきなり美猴を捕えた

 

美「うおっ!?なんだ!」

 

蒼「久しぶりだな美猴。それにしてもあっけなく捕まったな」

 

美「何を言ってるんだ蒼枒!助けてくれ!」

 

何とか右手から抜け出そうとする美猴。だがどうやっても抜けられず得意とする変化もできなくなっていた

 

蒼「修行をサボってほっつき歩いているようだな」

 

美「なぜお前がそれを・・・・・・っ思い出したぁ!!!青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)って爺さんが言ってた日本の青龍がいる神社か!そしてお前は青龍!!つまりこの右手は・・・」

 

蒼「ああ。斉天大聖、孫悟空様の右手だ。首をひねれば後ろが見えるだろ?」

 

美「・・・・・・ッ」

 

ギギギと首を軋ませながらゆっくり振り返る美猴。右手の先にある裂けた空間の先には赤く染まった目をこちらに向け睨み付けている初代孫悟空の姿があった

 

孫「(ようやく捕まえたぞ。サボり小僧)」

 

目がそう言っているように感じた美猴は何とか抜け出そうともがく。だが、孫悟空に敵う筈もなく握られたままあっけなく連れ去られてしまった。残されたヴァーリは美猴について蒼枒に尋ねた。ヴァーリはその時知ったが美猴は遊びまわっており、蒼枒は孫悟空から近くに来たら捕まえて欲しいと言われていたそうだ。美猴は町中にいることが多く中々手が出せなかったが、自分の神域に入ってきたため孫悟空のいるところと空間をつなげたとのことだった

 

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

ヴ「(あの後、美猴とはしばらく会えなかったな)」

 

ヴァーリは美猴から気の使い方を教わったり、一緒にラーメン巡りをしていたため友として少し寂しいと感じていた。今はたまの休みの日しか会えなくなっている

 

美「歩みが遅くなっているぞヴァーリ。早くいこうぜ」

 

ヴ「ああ。すまない」

 

美猴にせかされたヴァーリは鳥居の前にいる美猴の隣に立つと、2人同時に勢いよく階段を上り始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

日本に着き、電車に乗って1時間。俺たちは蒼歳(そうせい)町に来ていた

 

ゼ「ここが青龍の住むと言われている町か。本当にここにいるのか?」

 

絶「朱乃さんも来ているし間違いはないと思う。地図で見たところ青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)があるみたいだし」

 

ゼ「なら早速向かおうか。ここまで来るのに時間もかかったからな」

 

荷物を持ち神宮へ向かおうとするゼノヴィア。だがそれを俺は引き止めた

 

絶「ちょっと待て。ここから神宮のある霊峰青山(せいざん)まではバスがあるようだ。道に迷うよりもこれに乗ったほうが確実だろ」

 

ゼ「道に迷ってもそれを飛んだり、屋根伝いにいけば・・・」

 

絶「一般人はそんなことできないし下手したらニュースにもなるから辞めような」

 

冥界に行って思いっきり身体を動かせたためかゼノヴィアは少し思考が緩んでいたようだ。飛ぶなんて論外だし、屋根伝いに行くだって俺たちの身体能力ならば可能だけど普通に考えて迷惑になるからな

 

 

 

バスに揺られること20分。遂に俺達は青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)の鳥居の前に着いた。だが

 

ゼ「何をやっているんだ。(くぐ)らないのか痛っ」

 

絶「あ~やっぱり」

 

ゼノヴィアが壁のようなものに頭をぶつけた。蒼枒さんは悪魔嫌いだし神域内に悪魔を入らせないようにしているよな。頭を軽く押さえるゼノヴィアを見ながらどうしたものかと考えていると後ろから声をかけられた

 

?「悪魔が神宮に何の用ですか?まあ今日本にいられるということは蒼枒様に許可されている悪魔ということのようですが」

 

絶「あなたは一体・・・」

 

楓「申し遅れました。私は蒼枒様の直属の楓と申します。ここにいる理由は結界に反応があったので身に来たのですよ」

 

絶「そうでしたか。お、私は朧月絶斗です。隣にいるのが・・・」

 

ゼ「私はゼノヴィア・クァルタ。恥ずかしい姿をお見せしました」

 

思わず素の一人称が出そうになったがなんとか押しとどめた。なんか楓さんは独特のオーラを発していて恐ろし感じがするな

 

楓「構いませんよ。以前来た悪魔は結界を叩いたこともありましたしね。それよりも今日はどういったご用件で?」

 

絶「蒼枒さんに会いに来ました。いくつか相談したいことがありまして」

 

楓「そうですか。少々お待ちください」

 

そういうと楓さんはどこかに視線を向けていた

 

楓「了解を得ました。こちらの式について行ってください。その先に蒼枒様がいらっしゃいます」

 

1分もしない内に楓さんはこちらに向き直った。懐から一枚の札を取り出すとその札は鳥の形へと姿を変え、俺たちよりも少し高いところに飛び上がった

 

ゼ「案内までくださるとは・・・ありがとうございます」

 

楓「私は仕事をしたまでですよ。式を見失わないうちに行ったほうがいいでしょう」

 

絶「そうですね。ありがとうございました」

 

 

 

 

【3人称side】

 

周りを木に囲まれた小さな家のような建物。その縁側には蒼い髪の男と黒の髪の女がいた。男の方、蒼枒は時代劇の中でしか見たことのない薬を作るのに使われる円盤状の車輪を片手で動かしていた。女の方、黒歌は蒼枒の膝の上に頭を乗せ目瞑っており、蒼枒は残る片手で黒歌の頭を撫でていた。そんな中、魔を宿すものが一匹の式に連れられて蒼枒たちのもとにやってきた

 

絶「(うわっ!黒歌さん胸が見えそう)」

 

ゼ「絶斗・・・」

 

絶「すまん。悲しい男の(サガ)だ」

 

バツの悪そうに顔をそむける絶斗。黒歌は普段から着物を着崩している。そのため寝転がるとその豊満な胸が着物からはだけそうになっていた。勿論黒歌は蒼枒以外の男に自身の身体を見せようとする気はさらさらない

 

蒼「楓からの報告通りだな。あの騒動以来か?ゼットにゼノヴィア」

 

絶「蒼枒さん・・・今日はいくつか相談がありここに来ました」

 

蒼枒はゆっくりと絶斗たちへと目を向けた。こちらの話を聞いてくれると感じた絶斗はここに来た目的を話した

 

蒼「思わせぶりな言葉を残したのは俺だからな。だがそれは本体出なければわからない。黒歌」

 

黒「ん・・・」

 

起きていた黒歌は頭を蒼枒の膝の上に乗せたままの状態で転移陣を出現させるとその中に手を突っ込んだ。だがそれよりも絶斗たちは本体という言葉が気になった

 

ゼ「本体ってどういうことだ・・・?」

 

蒼・黒「どういうことって・・・俺(私)たち分身体だし」

 

絶・ゼ「え?」

 

蒼枒さんが指を上へと向けどこかを指し示す。その先を追った上空では激しい戦闘が行われているようだったが絶斗たちの目には何が行われているかわからず、何かがぶつかり合う音や壊れる音しか聞くことが出来なかった。まだまだ続くと思われた音羽は急に静かになり、絶斗たちの前に6人の男女が降り立った

 

蒼「俺への客だ。少し休憩にするぞ」

 

ヴ「そうか。そうさせてもらう」

 

美「俺っちも休むぜぇ」

 

蒼枒は休憩の指示を出すとそれを聞いたヴァーリと美猴はフラフラとした足つきで家の中へと入っていった。2人は蒼枒たち東雲家の修行に交じって彼らと戦っていた。朝から続いた戦闘は昼食もとらずに続けて行われていたため、容赦なく襲い掛かってくる攻撃を迎撃し続けた2人の体力は限界に近かった。そんな彼らを見た東雲家の女性陣は

 

白「いつも通り体力がないですね」

 

葉「仕方ないですよ。人の身のヴァーリさんはともかく美猴さんは修行サボっていたんですから」

 

黒「だらしないにゃあ。まだ私のほうが上だと思うにゃ」

 

厳しい評価を下していた。そんな中、蒼枒は分身から生み出された果実を吸収し詳しい話を理解していた

 

蒼「なるほど。お前らの中がどうなっているか、それは調べよう。だが修行をつける、これに関しては一つ条件がある」

 

ゼ「条件・・・?」

 

このとき絶斗は何が条件か予想できた

 

蒼「悪魔をやめろ。それが俺が修行をつけてやる条件だ」



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運命の選択

最近忙しく、内容を考える時間も書く時間も全然取れないです(そのため書いていてイマイチな感じがします)

8/31 加筆修正しました


【絶斗side】

 

蒼枒さんからの条件は予想通り、悪魔をやめることだった

 

ゼ「な、何を言って・・・」

 

絶「ゼノヴィア、何も不思議なことじゃないだろ。今までのことを考えれば蒼枒さんの出す条件は当然だと思うぞ。悪魔が嫌いなんだからな」

 

蒼「いや、別に悪魔は嫌いではないぞ」

 

おや?おかしいな。あれほど悪魔を排他的にしてきた蒼枒さんが悪魔は嫌いではないと言った。何故だ?それはゼノヴィアも同じ考えの様で

 

ゼ「何故だ!?嫌いでもないなら何故悪魔をやめろというんだ!」

 

黒「・・・ねえ貴女。好きの反対って何かわかる?」

 

蒼枒さんの後ろから抱き着き、首に腕を回している黒歌さんが目を細めながら唐突に問いを投げた

 

ゼ「そんなの嫌いに決まっているだろ!」

 

絶「違うぞゼノヴィア。好きの反対は・・・無関心だ」

 

蒼「ほう。知っていたか」

 

絶「そりゃあ色々読んだりしてますから」

 

主に漫画やゲームだけど

 

蒼「ゼットの言う通りだ。好きの反対は嫌い。これも正しいと言えば正しいが、これはどちらも相手を意識していてのことだ。嫌いだから目に入り、気に入らないから相手の行動を否定する」

 

ゼ「なら無関心は?」

 

蒼「無関心は相手が誰であろうが何していようが関係ない。例えそれが自分の利になる事をしているかもしれないがな」

 

絶「つまり蒼枒さんは悪魔に対し何も感じないと」

 

蒼「そうだ。あの宣告の後、俺は悪魔を機械的に処理している」

 

黒「純血悪魔だけだけどね。転生悪魔は程度によっては助けてるにゃ(純血でも例外はあるけど)」

 

絶「程度・・・?」

 

程度という言葉が気になった。転生したらすべて悪魔になるのではないのか?それとも俺みたいな半端ものは意外と居るのか?

 

蒼「そのことも話してやる。だがまずはゼットのことからだ。少し時間がかかるが、その間にどうするか決めろ」

 

 

 

 

 

 

分身体の蒼枒さんたちが腰かけていた建物の中に案内された俺たちは足付きの座椅子に座らされた。目の前には蒼枒さんと黒歌さんがいるが、白音ちゃんと葉月ちゃんはどこかに行ったようだ

 

蒼「ここでなら人の目も気にせずに集中できる。入れるぞ」

 

絶「はい」

 

蒼枒さんが以前と同じように半透明になった手を胸の中に入れる。その光景を始めてみたゼノヴィアは悲鳴を上げた

 

ゼ「絶斗ーーー!!何をしているんだ!!?」

 

黒「そんな叫ばなくても大丈夫にゃ。ただ蒼枒が精神や魂に触れてるだけにゃん」

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

絶斗の精神世界へ侵入した蒼枒は何も無い白い空間に立っていた

 

蒼「(ここに来るのはこれで2回目か。となれば相手もすぐに気づくだろう)」

 

蒼枒の背後から振り下ろされる巨大な刃。蒼枒はそれを一歩ずれることで回避した

 

蒼「(当然、来るよな)」

 

蒼枒が振り向くとそこには青白い身体に白く長い髪、金色に光る籠手や脚あてを付けた精霊がいた。その大きさは蒼枒の10倍以上あり、その手には大きな2本の羽根が握られていた

 

蒼「(さて、こいつとは話は出来なさそうだ。こいつの全力を調べつつ、もう一つの反応のほうに分身を送るか)」

 

蒼枒は両手から2本の木刀を生み出し、手に取ると同時に足元からもいくつもの木を生やし精霊、《アミル・ガウル》へと襲いにかかった。当然《アミル・ガウル》は刃と化した羽根で切り裂くが、その間に蒼枒は分身体を生み出し、もう一つの反応のほうへと送り出してた

 

 

 

本体の蒼枒が《アミル・ガウル》と戦っている間、分身体の方の蒼枒は《アミル・ガウル》とは別の反応の方へと向かった。その背後では切り裂く音や雷が走る音が鳴り響いていた

 

分蒼「(大体この辺り・・・あれか)」

 

分身体が目を向けた先には褐色白髪の青年が本体と《アミル・ガウル》が戦っているのを見ていた。その隣には大きなひびが入った悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が1つ浮かんでいる。分身体は青年へと近づいた

 

分蒼「お前は何者だ?」

 

前「うおっ!いきなり誰だ!?」

 

本体と精霊との戦いに見入っていた青年の前に分身体は突如として現れる。その分身体に青年は驚きと警戒を露わにした。まさか《アミル・ガウル》と戦っている奴が目の前に現れるとは誰も思わないだろう

 

分蒼「俺は東雲蒼枒。あそこで戦っている本体の分身だ。依然来たときは気付かなかったが、ゼットの中にあの精霊とは違う反応があったから来てみたが、お前は何物だ?」

 

前「そうか、お前がゼットの言ってた奴か。俺は前任者とでも呼んでくれ」

 

蒼枒の名を聞いた前任者は警戒を解いた

 

分蒼「そうか。なら前任者とやら、いくつか聞きたいことがある」

 

 

 

分身体が前任者と話をしている一方、本体の蒼枒は青龍へと姿を変え2体の木龍、捕植龍と植壊龍を作り出し《アミル・ガウル》と戦っていた

 

蒼「(やはり決定打は与えられない。ここはあいつの領域だからしかたがないか)」

 

その巨体から繰り出されるパワーと数多くの触手による手数で相手を追い詰める植壊龍。超高速で飛び回り、角や尻尾の鎌で動きを封じる捕植龍。超高速をも超える雷速で迫り、牙・爪・尾で相手を鎮めようとする蒼枒。3体の龍を相手に傷つきながらも《アミル・ガウル》は致命傷を受けずに冷静に対応していた。このままではいずれ圧し負けると理解している《アミル・ガウル》は羽根に食らいついている捕植龍を蹴り飛ばした

 

蒼「(距離をとった。何をするつもりだ?)」

 

何をしでかすかわからない。だがそれに対処するために蒼枒は警戒領域をさらに広げた

 

蒼「(光に包まれ・・・そうか。それが本気か)」

 

 

 

 

 

蒼「・・・わかったぞ」

 

1時間後。閉じていた目を開けた蒼枒は手を抜きながらそう呟いた

 

黒「何か分かったのかにゃ?」

 

蒼「ああ。だがその前に確認したいことがある」

 

ゼ「な、なんだ?」

 

蒼「お前の中の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の状態を確認させてもらう。時間はかからないはずだ」

 

蒼枒は絶斗の前からゼノヴィアの前へと移動し、絶斗にした時と同じように手を伸ばした

 

絶「大丈夫だゼノヴィア。痛みとかはないから」

 

不安がるゼノヴィアを絶斗が慰める。蒼枒がゼノヴィアの中へと手を入れるが、1分もしないうちに手を抜いた

 

蒼「なるほどな。さて、以前にお前の中は面白いことになっていると言ったが、まずはそれから答えようか」

 

蒼枒は絶斗たちの対面の座椅子に座る。その隣の席でお茶を飲んでいた黒歌は蒼枒の腕へと抱き着いた

 

蒼「ゼット、お前の中にある悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は1つ分しか価値がない」

 

ゼ「な、どいうことだ!?・・・ですか」

 

ゼノヴィアが驚くのも無理はない。リアスが絶斗に使った悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は確かに2個で、それはゼノヴィアもその場で見ていた

 

蒼「それは絶斗、お前の中にいる精霊が封じ込めたからだ」

 

絶「なっ、《アミル・ガウル》が!?」

 

絶斗は驚きを隠せなかった。まさか自分を護ってくれている精霊が能力強化の恩恵を封じているからだ

 

蒼「そうだ。あいつは異分子がお前の中に入ることを嫌っているらしい。俺もいきなり斬りかかられたからな」

 

まあお陰で楽しめたがなという蒼枒。絶斗は驚きながらもどこか納得していた

 

蒼「その精霊は2つある内の1つを封印し、まずは片方の破壊を行っているようだ。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は以前見た時よりもさらにボロボロで、完全に白くなっていた。そしてゼノヴィアの中にも《アミル・ガウル》因子が入り込んでいると思われる。確認したがゼノヴィアの中の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)もすでに白く染まり、小さく細かな(ひび)が全体に走っていた。おそらくだが絶斗のそばにいため、その余波でゼノヴィアの中の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)にも影響がでているのだろう」

 

蒼枒からの説明によりゼノヴィアは疑問に思っていたことが解消できた。何故自分の羽根は白く染まっていくのか。それは絶斗の中の精霊《アミル・ガウル》が原因だった

 

蒼「これで聞きたいことは答えてやった。それでどうする?条件が飲めないならばお前らはこの先、何千年も悪魔に仕えなければならない。俺の修行を受けられず、さらに2年もたたないうちに日本から出なければならなくなる。条件を受け入れるのならば比較的すぐ力を手に入れられるが、悪魔をやあのオカ研の仲間を裏切ることにもなるだろう」

 

 

 

【絶斗side】

 

蒼「さぁ。どちらか決まったか?」

 

蒼枒さんがこちらを鋭い目で睨んでくる。当然か、この選択次第では敵対、いや狩られるものと判断されるからな

 

絶「ゼノヴィアは決まったか」

 

ゼ「ああ。決めている」

 

そうか、俺も既に答えは決まっている。ここが運命の分かれ道

 

絶「俺は・・・悪魔になることをやめます」

 

蒼「ほう。だがそれはこれからどういうことになるか、分かってるんだろうな」

 

絶「当然です。部長やイッセー達を裏切ることになるでしょうね。それに生き返らせてもらった恩もあります。ですが俺が一番大切なのはゼノヴィアだ!ゼノヴィアを守れる力が手に入るのならば俺は悪魔を裏切っても構わない!」

 

ゼ「絶斗・・・」

 

これが俺の答え。確かに部長には死んでしまった俺を生き返らせてくれた恩があるし、オカ研のみんなといるもの嫌いじゃない。だが悪魔になって部長の下にいても安全とは言えない。特殊で強力な能力が多い部長の眷属たち。自分のものにしたいと狙っている者もいることだろう。実際白音ちゃん達を狙うは悪魔は殺してから無理矢理眷属にする考えのようだし。同じ悪魔でも眷属にできるのならば、何らかの事故を装って殺してから悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使って蘇生、眷属化させようと考えている奴もいるはずだ。そんな奴らからゼノヴィアを守る為には早く強くならなければならない

 

蒼「その覚悟、本気だな。さてゼノヴィア、お前はどうする?」

 

ゼ「私は・・・私も悪魔をやめる!私はあの時決めたのだ!絶斗と共に歩ことを」

 

絶「・・・俺に付き合う必要はないんだぞ」

 

ゼ「分っている。だが私は決意は変わらない。例え(ののし)られようと、(さげす)まされようと私は絶斗と共にいる」

 

ゼノヴィアも同じ気持ちだった。このことに俺は嬉しさを感じるがこれから先、様々な困難が待ち受けているだろう

 

蒼「愛する者のために全てをを捨てる覚悟を決めたか。俺好みのいい答えだ」

 

俺たちを見る蒼枒さんは微笑みを受けべていたそしてその手には何かふわふわしたものが掴まれていた

 

蒼「言質はとったぞ。それに言霊(ことだま)もな。半神ではあるが神の前で宣言したんだ。神に対する裏切りは許されないぞ」

 

蒼枒さんは掴んでいた何かを袖から出した札へと封じ込めた

 

蒼「だがこれで修行をつけてやれる。流石に今からとはいかないがな」

 

絶「もし悪魔でいることを選んでいたらどうしてました?」

 

蒼「どうもしない。以前の宣告道理のことをするだけだ」

 

つまりは何の関与もしない。期限を超えれば狩られるということ

 

蒼「今ではどうでもいい事だが、悪魔でいたかったのならば《アミル・ガウル》を封じて、定期的に悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を入れ替えればいい」

 

そんなその場しのぎの様な対処法って、他にいい方法はなかったんですか

 

蒼「俺は悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を作ったわけでもない。ただ取り出せるだけだ。・・・どうせ今日はこれから修行をするわけでもないしついでだ、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)について俺の分かる限り教えてやる。だが最初に言っておく。これからいうのはすべて推測だ」

 

その言葉に俺たちはうなずいた

 

蒼「まず悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は肉体と魂を悪魔にするものだ。駒は転生させる者の身体に入ると魂に根付く。その根は魂と肉体の隅々まで伸ばしていき、やがて完全な悪魔へと変化させる」

 

そんなおぞましいものだったのか悪魔の駒(イーヴィル・ピース)って。身体の中に入ってしまえば後は見えないため、実際はかなり凶悪なものだな

 

蒼「だが転生させるにも相性というものがある。相性が悪いものは完全に悪魔になるのに時間がかかるし、逆に相性が良いものはすぐに悪魔になる。後は本人の意思も関係あるだろう。お前たちは《アミル・ガウル》が認めてないからな。根が伸びる先から潰されている上に駒自体も浄化されていっている。そしてこれは推測でしかないが・・・このまま放って置いても絶斗は後1年。ゼノヴィアも数年もしないうちに完全に悪魔をやめることになるだろう」

 

何もしなくても。何かあればそれは短くなるということか?それに悪魔をやめたあとは人間になるのか?

 

絶「その後はどうなるんですか?」

 

蒼「分らん。おそらくだが、精霊になる。これが一番近いだろう」

 

つまりは《アミル・ガウル》と同じ存在になるのか。ゼノヴィアも一緒に

 

蒼「今それを考えたところで何もならない。先ほども言ったが今日は修行をつけない。悪いがまだ俺達も先の続きがしたいのでな。明日から修行をやるが俺たちの戦いを見たいのならば勝手見ていくがいい」

 

そういうといつのまにか寝ていた黒歌さんを連れて外へと向かった。外には葉月ちゃんたちと復活したヴァーリさんたちが立っていた。彼ら各々御手段でその場から消えた。俺とゼノヴィアは立ち上がり急いで追いかけると彼らは上空で戦闘を再開していた



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青龍の下での修行

セリフばかりの説明回で申し訳ありません。次回はもう少し書けるといいなぁ(時間があればいいなぁ)


【三人称side】

 

蒼枒に修行を受けてもらうことになった次の日、絶斗とゼノヴィアは冥界の時からの制服からそれぞれ動きやすい服を着替え、昨日案内された場所に来ていた。そこにはすでに蒼枒たち4人がお茶を飲みながら待っていた

 

絶「(昨日最後まで戦闘を見ていたけどあれだけ激しい戦いを長時間やっていて次の日も平気だなんてとんでもない人たちだ。・・・人じゃないか)」

 

蒼「来たか。なら早速始めるとするか」

 

ゼ「と言っても一体何をするんだ?・・・ですか?」

 

蒼「無理して敬語を使わなくてもいい、面倒だ。修行は主に格上との戦闘を中心に行う。要するに俺たちの部下との戦いだな。何せ修行を行える時間は夏休み期間中と短い。さらにお前たちは足りないものがあまりにも多すぎる」

 

ゼ「なっ!足りないものが多すぎるだと!?私は教会で訓練を受け戦士となった!それなりだが戦闘経験もある。それであまりにも足りないだと!?」

 

教会時代、神の剣として悪魔・吸血鬼・魔物を容赦なく断罪してきたため破壊魔や神の許した暴挙とまで揶揄されてきた。それだけの場数をゼノヴィアは踏んできた。にもかかわらず蒼枒から全く足りないと言われたためゼノヴィアは憤りを見せた

 

絶「(俺とは違い教会の戦士として戦ってきたプライドか?俺は戦闘などオカ研に入るまで夢の中でしかやってなかったからな)」

 

蒼「ああ足りないな。体の動かし方・体術・肉体の制限の解除・気の運用・察知能力・戦闘経験。それらに加えそれぞれの得物の使い方などまだまだあるな」

 

ゼ「私の知らない気や察知能力は分る。戦闘経験も足りないのは認めよう。だが剣を使うのに何故体術が必要なのだ!?」

 

蒼「何故だと?ならお前は得物が手から離れたとき、どうやって戦うつもりだ?相手が剣の間合いの内側に入ったとき、どう距離を取るつもりだ?」

 

絶「なるほど。確かに俺たちの剣であれ蒼枒さんの使う刀であれ近接武器には違いないがそれぞれの適正な間合いというものがある。ゼノヴィアのデュランダルほどの大きさならばその取り回しも大変だからな。間合いの内側に入られたらこちらが剣を振るうよりも相手の手のほうが圧倒的に速い」

 

蒼「そういうことだ」

 

ゼ「だが私のデュランダルの破壊力ならば間合いに入らせることなく倒すことが出来る!」

 

蒼「そうか。ならやってみるといい」

 

そう言って蒼枒は手を広げた

 

ゼ「・・・何のつもりだ?」

 

蒼「余程腕に自信があるのだろう?お前の得物、デュランダルで斬りかかってみるといい。先手は譲ろう」

 

ゼ「馬鹿にしているのか!」

 

蒼「馬鹿になどしていない。これは余裕というものだ。それ以前にお前程度にやられるのなら神などやっていない」

 

蒼枒の挑発に乗せられたゼノヴィアは亜空間に格納してあるデュランダルを抜いた。そして一歩踏み込み、勢いよく蒼枒へと振り下ろした

 

蒼「(・・・遅いな。誰か止めてみたいのはいるか?)」

黒「(ほんとに遅いにゃー。でも私はできないからやめとくにゃ)」

白「(なら私がやってみます。お義兄様が祐斗先輩にやったようにはいかないでしょうけど)」

葉「(白音がやるのですね。まあ私も薙刀を使わなければ止められませんから、ショックを与えるにはいいかもしれませんね)」

 

デュランダルが振り下ろされる間の念話による一瞬の会話。念話が終わると同時に白音は蒼枒の前に移動した。そして自身に迫るデュランダルを白音は人差し指と中指で挟んで止めた

 

ゼ「な!?何だと!!?」

 

絶「いつの間に!?」

 

白「まあ、この程度でしょう」

 

ゼ「何故だ!すべてを斬れる能力を持つデュランダルが何故止められる!?」

 

白「その程度ですべてが切れるならば、お義兄様はいつもすべてを斬れる攻撃をしてますよ」

 

ゼ「なっ!?ガハッ」

 

白音は2本の指でゼノヴィアごとデュランダルを持ち上げ、地面へとたたきつけた。その衝撃でゼノヴィアはデュランダルを手放した

 

蒼「デュランダルが手からなはれてしまったな。さてどう戦うんだ?」

 

ゼ「ひ、卑怯だぞ。掛かって来いと言って他人に任せるとは」

 

黒「卑怯でも何でもないにゃ。誰が止めるか話せるほど遅いのが悪いにゃ」

 

絶「マジか!?ゼノヴィアの振り下ろすのだって決して遅くはないはず。なのに相談する時間があるなんて」

 

葉「それほど実力に差があるのですよ。さて、たった2本の指で受け止められ、さらにはいつ移動したかもわからない速さを持つ相手にどう間合いに入らせないつもりですか?さらに頼みのデュランダルも手から離してしまった。ここからあなたはどう戦うつもりですか?」

 

ゼ「ッ・・・」

 

葉月の言葉にゼノヴィアは言い返せなかった。確かに実力に差があるのは分っていた。それでもデュランダルならば負けない、という気持ちもゼノヴィアの中にあった

 

蒼「分っただろ、確かに剣術は重要だ。だがそれだけで生き残れるほど戦いは甘いものではない。時には自ら得物を放すことも必要だ。そうなった場合体術を使えるか使えないかでは大きく違う」

 

絶「確かにそうですね。・・・ということは蒼枒さんも?」

 

白「お義兄様は特殊ですね。無論体術は修めてますがどこからでも木を生やすことが出来るので・・・」

 

葉「普段使ってる長刀から密着されたときの短刀への持ち替えが一瞬でできるのです。ですから体術を使うことは滅多にありません」

 

絶「そうなんですか」

 

蒼「後は気だな。扱いは難しいがこれと体術が使えるようになれば今よりもすぐに強くはなれる。優先事項はこの2個と言ったところか」

 

絶「気、ですか?」

 

蒼「ああ、動物だろうと植物だろうと生き物すべてが持っているものだ。・・・そもそもだ、ヴァーリといいあの変態といいなぜあんなにも龍の気を、オーラを垂れ流しにしているんだ。あれでは厄に来てくださいと言っているようなものだぞ・・・ヴァーリは最近抑えれるようになってきてるが」

 

ゼ「気だと?イッセーからは何も感じないが」

 

蒼「それはお前たちが気を認識できていないからだ。いいか、龍というのは力の象徴でもあり、災いの象徴でもある。龍のオーラは様々なものを引き寄せ、魅了し、虜にする。良いものであれ悪いものであれ関係なくな」

 

ゼ「虜にするって・・・では、あなたもすでに」

 

黒「もう染まってるにゃ~。でもいいの、私は蒼枒と妹達がいれば」

 

黒歌は蒼枒へとくっ付き、甘えるようにすり寄せた

 

蒼「(かわいいなぁ)とまあこんな風に依存するわけだが。周りでおかしくなっている奴はいないか?」

 

絶「思い当たる者はいますけど・・・ちょっと待ってください!そばにいるだけでそれってかなりまずいんじゃないですか!?」

 

黒「蒼枒がそんな気を垂れ流したりするわけないにゃ。私がこうなったのは何年も蒼枒に注がれたからよ」

 

絶「それじゃあドライグの魔力を吸ってる部長達は・・・」

 

蒼「吸っているというのはどうなのかは知らないが、直接取り込んでいるとすればすでに魅了されてるだろうな」

 

絶斗は納得がいった。何故部長があれだけイッセーを押すのか。あれだけの実力差を見せつけられたにも拘わらず、イッセーならば次は勝てると思えるのか。そしてアーシアもそれをすぐに応援するのかが

 

蒼「まああれがどうなろうと何に巻き込まれようと俺には関係ない話だ。・・・さて、長話もそろそろいいだろう。今やるべきことは分っているはずだ」

 

絶「はい・・・体術に気の運用。そして・・・」

 

ゼ「戦闘経験。ですね」

 

蒼「そうだ。と言っても俺たちが直接指導するわけではないがな」

 

絶・ゼ「え・・・?」

 

てっきり蒼枒たちに指導してもらえると思っていた2人。それを否定され、不思議がる絶斗たちの後ろから2人の巫女が蒼枒たちの前に飛んできた。片方は黒く長い髪を一つにまとめ、もう片方は金色の髪を2つに分けてまとめていた

 

?「お待たせしたようですみません」

 

蒼「いや、時間通りだ。さて2人の最初の修行相手だ」

 

レ「レイナーレと言います」

 

ミ「あたしはミッテルトっす。今回蒼枒様から相手するように任されたっす」

 

蒼「この2人は内に入ってまだ浅い。総合的に見ればゼット達と強さは良い位だろう。まずはこの2人に勝ってみろ」



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修行編 ゼノヴィアvsミッテルト

今回もあまり長くないです

今回はミッテルトが久しぶりに出てきますが、レイナーレを含めだいぶ強化されています


【絶斗side】

 

絶「レイナーレ?ミッテルト?」

 

蒼枒さんが呼んできた2人の女性。どこかで聞いたことある名だな。一体どこだ?

 

ゼ「この2人が私たちの相手か?」

 

蒼「そうだ。ゼットはレイナーレと、ゼノヴィアはミッテルトとだ。避け切れよ?2人は堕天使だから光力が使える。完全な悪魔じゃないとはいえ傷を負えば一気に不利になるぞ」

 

ゼ「なっ、堕天使だと!?何故日本の青龍の下に堕天使がいるんだ!」

 

ゼノヴィアの言う通りおかしい。一体何故・・・あっ!

 

絶「思い出した!あの廃教会での戦いで部長達から逃げた堕天使か!」

 

レ「あら。そのことを知ってるなんて。あなたもあの場にいたのね」

 

絶「何故こんなところに・・・」

 

部長達が知ったらまた目をつけられるな。確かあの時はアーシアの神器(セイグリッド・ギア)を狙っていたというし。蒼枒さんたちは気にしてないが教えを乞う側としてはあまりいい気はしない

 

ミ「あの後、行く当てもなかった私たちをここで雇ってくれたっす」

 

絶「だがここには朱乃さんも来ているはず。見つかったりしなかったのか?」

 

レ「見つかったしまったわよ。まだアーシアを狙ってるんではないかとか疑われたけどね」

 

ゼ「アーシアを・・・まさか、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を狙っていたのか」

 

レ「そうよ。でももう私には必要ないものだし、アーシアにもキチンと謝罪も済ませたわ」

 

ゼ「それを証明するものはあるのか?」

 

ミ「それならレイナーレ様の愛しの楓様が立ち会っているっす」

 

レ「ミッテルト!!!」

 

顔を赤くして恥ずかしがっているレイナーレ。蒼枒さんたちが微笑んでいる様子からどうやらみんな知っているようだ

 

ゼ「そうか。なら私からは何も言うことはない。あなたたちは嘘は言わないようだからな」

 

ミ「それはそうっすよ。虚言はすぐにばれてしまうっす。だからレイナーレ様も早く告白してしまえばいいのに・・・」

 

レ「ダメよ!まだここにきて浅いし、能力だって低いもの。蒼枒様を支える黒歌様のように、楓様の支えれるようになるまで告白はしないわ」

 

絶「・・・これがあの時の堕天使か。アーシアほどじゃないけどイッセーと比べ物にならないほど純粋だな」

 

ゼ「確かにな」

 

アーシアを襲った堕天使でさえこうなのにイッセーと来たら全然改善する様子がないからなー。部長とかアーシアからはよく思われてるようだが学校全体での評価は最低のままだからな

 

黒「話は終わりにしてそろそろ始めるにゃー」

 

蒼「そうだな。ミッテルトはゼノヴィアを連れて第1修行場に行け。レイナーレとゼットは第2修行場だ」

 

ミ「了解っす」

 

レ「わかりました。指示通りに」

 

こうして俺とゼノヴィアはそれぞれ別の場所に分かれて修行することになった

 

 

 

 

【三人称side】

 

ミッテルトはゼノヴィアを連れて修行場に来ていた。その場所は岩や木が少し置かれている以外は何も無い場所だった。

 

ミ「あたしらはここでやるよ。黒歌様の結界が張られているから余程じゃない限り周りに被害はでないから」

 

ゼ「そうか。なら全力でやっても問題はないな」

 

ゼノヴィアは亜空間にしまっていたデュランダルを取り出す。対するミッテルトも両端が三つ股に分かれた自身の伸長ほどのある光の槍を作り出した

 

ゼ「所で、何故いきなり敬語が無くなったんだ?」

 

ミ「だってあなたに敬語使う理由はないから。そんなことはどうでもいいのよ。あたしが蒼枒様から命じられたのは貴女に戦闘経験を積むこと(それとその大剣1本のパワー思想を壊すこと)。立ち回りや剣から手を離しての攻撃も考えることね」

 

ゼ「確かに青龍たちにも言われた。だがやはりデュランダルの破壊力を生かすためにはパワーを伸ばす方が「そう言っていられればいいんだけどね」っ」

 

ゼノヴィアの言葉をかぶせて否定するミッテルト。彼女は槍を構えてゼノヴィアと向かい合う。それに伴いゼノヴィアもデュランダルを構えた

 

ミ「ならいくわよ。いつもなら合図なんて物はないからいきなり始まるけど、先手はあげる」

 

ゼ「ならいかせてもらう。デュランダルの力、見くびるな!」

 

ゼノヴィアはデュランダルを振るい斬撃を放った。絶斗と剣を使わずに手合わせをしているときに飛ぶ斬撃があれば多少離れている敵にも攻撃できるよな、というのを話していた。日本では振るうをことはできなかったが冥界に行ったとき、全力で振るっているときに習得したのだった。燃費は悪いがデュランダルの破壊力を持った斬撃は相手からしてみれば脅威となる。ミッテルトも慌てて横に回避した

 

ミ「うわっと。大した破壊力ね」

 

ゼ「そうだろう。当たればただでは済まないぞ」

 

ゼノヴィアの言う通りミッテルトが回避した斬撃はそのまま岩と木を切り裂き結界に当たって消滅した。それを横目で見ていたミッテルトはその威力こそ驚いたものの、大して脅威になるとは思えなかった

 

ミ「(まあ蒼枒様に比べれば見える時点でどうとでもなるけどね)じゃあこちらから!」

 

ゼ「来てみろ!」

 

横薙ぎに振られる斬撃。それをミッテルトは体制を低くして回避するとそのまま地面を蹴り、ゼノヴィアへと一気に近づいた

 

ゼ「っ!速い!」

 

低い体勢から起き上がるように斜めに突き出される槍。それをゼノヴィアはデュランダルを横にし盾のようにして防ごうとした。だが

 

ゼ「なっ!?」

 

ミッテルトの槍は縦に回転し、デュランダルをかち上げる。無防備となったゼノヴィアに回転して反対側の槍の刃が迫るが、ゼノヴィアはバックステップで回避。足を地につけると同時にミッテルトへと突撃しデュランダルを袈裟斬りに放った

 

ミ「(遅すぎるわねぇ)」

 

人間からしたらすでに目にも止まらぬ速さでデュランダルが振るわれている。だが相手はそのすべてを見て避けていた。雷速を超え光速に到達し、刀を振るう疾さは神速にまで達している青龍の下でミッテルトはたった数か月だが他の者に混ざって修行を受けていた。自身の反応できるかできないかの疾さで振るわれる刀に比べれば、ゼノヴィアのデュランダルなど遅すぎた

 

ミ「(とは言えこのままではこちらも決定打を与えられないし・・・蒼枒様の予想通りか)」

 

先ほどデュランダルをかち上げたときも光の槍はデュランダルの刃に触れた所は切断されていた。それでもかち上げれたのはミッテルトが槍を押し付けながら回転させたからだった。ゼノヴィアもそれを理解しているのか防ぐときは必ず刃を向けている。このままでは埒が明かないと悟ったミッテルトは槍を半分に折ると2本の(さい)へと得物を変えた

 

ゼ「自らの武器を折っただと!?」

 

ミ「ここからは力勝負から疾さ勝負よ。ついて来れる?」

 

ゼ「っ」

 

その槍の大きさからゼノヴィアはミッテルトとも自身と同じパワー型と考えていた。その証拠に幾度となくデュランダルと槍が打ち合い、その先を斬り飛ばしているからだ。だがその考えを壊すかのようにミッテルトの手には小さくなった三又の槍先が握られていた。そして身軽になったミッテルトから放たれる多くの突きにゼノヴィアはデュランダルの腹を盾にするしか防ぐことが出来ず、動くことが出来なかった

 

ゼ「くっ、この!」

 

ゼノヴァイは一瞬の隙を突き、横薙ぎにデュランダルを払った。だが何かを斬った感触をゼノヴィアは感じることが出来なかった

 

ゼ「どこだ!」

 

正面、右、左。どこを探してもいない。完全に見失ったと思ったその時、ゼノヴァイの背後から声が聞こえた

 

ミ「後ろよ!」

 

ゼ「ぐあッ」

 

その声とともに頭に蹴りを入れられ勢いよく倒れるゼノヴィア。デュランダルこそ放さなかったものの両腕を足で抑えられたゼノヴィアの顔の横に(さい)が突き刺さった

 

ミ「詰みね」

 

ゼ「・・・ああ。私の負けだな」

 

ゼノヴィアの上から除けたミッテルトは手の中で(さい)を弄んでいた。ゼノヴィアは蹴られた頭を擦りながら立ち上がった

 

ミ「どう?パワーのみで剣を振るって、あたしに攻撃を当てられると思った?」

 

ゼ「いや、全く当てられる気がしない。だが何故だ?速さは私の方が上に思えるが」

 

ミ「それは見切っているからよ。そもそもあたし程度が見える剣の速さなんて何の価値もないわ」

 

ゼ「なっ!?」

 

幼い頃から剣を振り続けてきたゼノヴィアにとって言葉はショックを受けるには十分すぎた

 

ミ「それに身に余るほどの大剣で、取り回しもできてないじゃない。そんなの格上相手に通用しないわよ。あとついでに、あたしが蒼枒様や白音様を見て思いついたことがあるわ

 

ゼ「それは一体・・・」

 

ミ「触れもしない疾さには、どんな力も通じない。それは貴方も感じているはずよ」

 

ゼ「確かに。だが・・・」

 

ミ「(・・・やっぱり長年の思想はすぐには変わりないか)」

 

中々認めないゼノヴィアにミッテルトはその考えを今日でその考えを壊せるかなと考えていた

 

ミ「とりあえず小休止は済んだわね。次、行くよ!」

 

ゼ「ああ。わかった」

 

互いにデュランダルと(さい)を構える。だが、触れもしない疾さにはどんな力も通じない。その言葉通り、ゼノヴィアはミッテルトに1日で一撃も入れることが出来なかった



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修行編 ゼットvsレイナーレ

今回はレイナーレ戦です。ミッテルト共々強化されてます。
2人とも付きっきりではないとはいえ師がいますからねぇ


【絶斗side】

 

ゼノヴィアと別れた俺はレイナーレさんに連れられ修行場に来ていた。その修行場は草が浅く生えている以外は何も無い広場だった。広場の周りは木に囲まれている

 

絶「・・・何故ゼノヴィアと別れて修行するのですか?初めて会った時は祐斗と一緒だったのに」

 

俺は疑問に思っていたことを蒼枒さんの分身体に聞いた。本体は昨日の続きをすると言ってた。どうやらまた戦うらしい

 

蒼「あいつは変態とは別の意味で力に頼りすぎている。というよりは技術なんて不要、力があればなドンナ相手だろうと倒せる、と考えているように見える。確かにその考えは正しいと言えば正しいものだ。神同士の戦いでは己の力を如何にして相手に押し付けるかが問題となる。だがそれは俺や師匠達での戦いの話だ。お前たちが力一辺倒で戦おうとするなんて無謀もいいところだ」

 

なるほど。確かに冥界でやり合った時もゼノヴィアは力ずくでデュランダルを振るってるようにも見えた。その破壊力は凄まじいが俺でも避け切れるほどだった。格上相手では全く通用しないだろう。その証拠に白音ちゃんはたった指2本で止めてしまった

 

蒼「そういう訳だ。ゼットにはそんな思想はないからレイナーレが相手だ。光力を使うが悪魔になっていないお前ならばすぐに死ぬこともない。たとえ怪我しても俺が治してやるから安心しろ。腕や足の1本2本、無くなっても治せる」

 

絶「マジですか!?アーシアの神器(セイクリッド・ギア)でもないのに!?」

 

レ「本当よ。私も何度も治してもらってるもの。正直私の見ていた世界って物凄く狭かったって思えたわ」

 

・・・神様ってほんとすげぇ。よく考えてみれば、そもそも神器(セイクリッド・ギア)は聖書の神が作ったもので、他の神様が似たようなことできないわけないんだよな

 

蒼「話はこれぐらいにして・・・始めろ」

 

レ「了解しました。全力でかかってきなさい!」

 

レイナーレさんは言い終わらないうちに両手に光の槍を作り出し、それを同時に投げてきた。イッセーや部長ならば不意打ちに文句を言うだろうが、蒼枒さんが本当に戦闘を行うであろうことを予想していた俺からすればこれぐらいはどうってことない。瞬時に出した《アミル・ガウル》で向かってくる槍を2つとも切り裂く。正直これぐらいならば余裕と思ったが

 

レ「・・・」

 

レイナーレさんを中心に8個の光の球体が円を描くように浮かんでいた。レイナーレさんが腕をこちらに向け伸ばすとその球体から槍が生成され、撃ち出された

 

絶「ッ!先ほどよりも数が多い!」

 

迎撃は無理だと判断した俺は横へと避けた。槍は俺のいた場所に次々と刺さるが、既に次の槍が発射され走る俺を追うように地面へと刺さっていく

 

絶「これじゃあ近づけない。はぁ!」

 

このままでは埒が明かない。そう判断した俺は《アミル・ガウル》から風の斬撃をレイナーレさん目がけて放つ。横薙ぎに放たれた斬撃は槍を消しながら進むが、レイナーレさんに当たる前に2つの球が盾のように並び、防がれてしまった。だが槍が無くなったことで一気に近づくことはできた

 

絶「なっ!」

 

縦切りに振り下ろした《アミル・ガウル》は再び球に防がれた。動きを止められた俺は一度離れようとするがそれよりも前にレイナーレさんが翼を広げ、俺を吹き飛ばした

 

絶「くっ・・・」

 

ダメージこそないがかなり距離を空けられてしまった。そして再び光の槍が発射される。俺はそれを避けながら次の手を考えていた

 

絶「(先ほど同じ手は使えない)なら、これでどうだ!」

 

レイナーレさんの手前に向かって斬撃を放ち巻き上げられた土や草で視界を遮る。これならば少しは隙ができるだろう。現に打ち出される槍の数が減っている。ここから回り込めば・・・

 

絶「(取った)」

 

相手はこちらが見えていない。『騎士(ナイト)』と同等の速度で回り込み、俺はそのまま《アミル・ガウル》を振り下ろした

 

絶「嘘だろ!!?」

 

完全に背後を取った。そう思っていたがレイナーレさんはこちらを見ることなく槍で《アミル・ガウル》を受け止めていた

 

絶「くそっ!」

 

払われ再び距離が空けられる。これでもダメか

 

絶「ならば最後の手だ」

 

成功するかはわからない。だが今はこれしかない。払わた俺は空中で体制を整え、自身の足元に空気で足場を作り、跳んだ。羽根で飛ぶには俺はまだ慣れていない。だからって今作り出している足場だって全て成功しているわけではない。3回に一回は失敗している。だが慣れない羽根でフラフラと飛ぶよりはずっとマシだ。失敗もある中、レイナーレさんの周りを高速で動き、側面から一気に仕掛ける

 

絶「・・・」

 

声は出さない。先ほどまでは止められ驚いたが仕掛けるときは自身の場所を知られないために静かに迫る。だが

 

絶「グッ・・・な、何故」

 

あと少しのところで目の前に槍が出現した。突如現れた槍に俺はなんとか避けようとするも、勢いをつけていため避け切れず左足を貫かれてしまった。バランスを崩し転がる俺に手を向けて槍を発射準備を終えるレイナーレさん。これまでか、と思われたとき俺たちの上空を何かが通り過ぎたかと思えば、目の前のレイナーレさんの姿が揺らぎ始め、消えた

 

絶「一体、何が」

 

バサリと音がした方を見るとレイナーレさんが黒い翼を出して着地していた

 

?「油断しすぎよ。動かないで空中にいるなんて的になるようなものにゃ」

 

絶「黒歌さん!」

 

木の間から現れたのは尻尾を揺らしながら歩いてくる黒歌さんだった

 

レ「すみません。制御のほうに集中してしまいました」

 

黒「相手が感知も何もできないからいいものの、貴女は気配を消すのも完全じゃないんだから姿を見えなくするだけじゃやられるにゃ」

 

レ「そうですね。分身で相手の意識を向けさせてましたが、まだまだ難しいです」

 

やはりというべきか。レイナーレさんの師は黒歌さんか

 

蒼「さて、こちらも治すか」

 

蒼枒さんが袖に手を入れながらこちらに向かてくる。俺のもとまで来ると袖から小さな瓶を取り出し、貫かれた足

に液体を振りかけた

 

絶「ッ・・・」

 

激痛に耐えながら自身の足を見る。穴の空いていた足はみるみるうちに傷が塞がっていき、完全元通りになった

 

絶「凄いな」

 

これじゃあアーシアの神器(セイクリッド・ギア)が要らないのも頷ける

 

蒼「さて、戦い方は良しとしよう。空気を固め足場にしたのも良い発想だ。だが相手が本体から入れ替わっているのに気づかないのはマズいな」

 

黒「そうね。まずは気の使い方からかにゃ?」

 

黒歌さんが蒼枒さんの隣に寄ると体を預けた。絵になるよなこの2人。それにしても上空か・・・気配も感じなかったがそれでも甘いのか

 

蒼「そうだな。剣からの力の使い方は少なからずわかっているようだし、別のことにするか」

 

絶「そんな一度に全てやるんですか?」

 

蒼「当然だろう。今は言うなれば種を撒いているときだ。すぐに強さを得るには1つの種を十分に成長させるよりも様々な種の芽を出させた方が早いからな」

 

絶「確かに。ですがそんな付け焼刃では使いものにならないのでは?」

 

広く、浅くは悪いことではないがそんな未熟な完成度では何か1つに秀でているものに覆されることも十分にありえる

 

蒼「確かにそうだ。だが1つだけを伸ばすのははっきり言って無理だ。お前たちは修めるべきものが多く、その上時間がない。本来ならば何年もかけて修行を行うべきだが、そんな時間をかけていたら身を護れず死ぬのが見えている」

 

そういうと黒歌さんを連れて木の傍まで下がった

 

蒼「さて、続きだ。今日は戦闘を重ねるだけ重ねろ」

 

黒「また身体に穴が開いても治すから安心して戦うにゃ」

 



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修行を終えて

今回で修行編は終わりです(長々とやっても面白くないと思いますし)
そしてついに・・・やっちまったぜ(2つの意味で)



【絶斗side】

 

初日の修行を終えた俺達は体力も尽き帰る気力もなかった。不完全とは言え悪魔である俺達は神域に入ることもできず、結局黒歌さんに送ってもらった。その時もらった符で次の日からの移動は楽になった。それから俺とゼノヴィアは2日戦闘、1日休息というサイクルで修行をつけてもらい夏休みも半分を過ぎた。宿題も休みの日に片づていき、修行は毎回違う相手と戦い、1日として楽な日はなかった

 

 

 

~~~~~回想~~~~~

 

【3人称side】

 

絶斗vs大蜘蛛

 

深い森の中を絶斗は木々をなぎ倒しながら迫る巨大な蜘蛛から逃げていた

 

絶「斬ったそばから足が再生するなんてどうやって倒したらいいんだ!」

 

大「キシャャャャアアアアア」

 

蜘蛛が叫び声をあげると振り上げたお尻から大量の糸を絶斗に向けて吐き出した。絶斗は足場にしたように空気を固めて壁にしたが

 

絶「糸が空気の壁を貫通するだと!!?」

 

糸は絶斗の作った壁を容易く破った。壁を失った絶斗は再び逃走を始めた

 

 

ゼノヴィアvs永郷(ながさと)(幽霊)

 

ゼ「ハアァァァ!」

 

ゼノヴィアが相手しているのは古くから東雲家に仕える幽霊、名を永郷(ながさと)と言う

 

永「ふむ、身体にも余分な力を入れてない。だが・・・」

 

永郷はデュランダルを振るうゼノヴィアをよく観察しながら、自身の得物である太刀で一閃した

 

ゼ「なっまた」

 

永郷は幽霊であるため直接的な損傷を与えることは誰かの力を借りなければ難しい。だが霊体であるがゆえに生物をその太刀で斬った部分はわずかな間動けなくすることが出来る

 

永「その剣の力が溢れ出しておる。まだまだじゃな」

 

 

絶斗・ゼノヴィアvs百葉(もものは)(野衾(のぶすま))

 

絶「倒しても倒してもきりがない!」

 

ゼ「一体どうなっているんだここは」

 

絶斗とゼノヴィアが放り込まれた場所は一本の獣道に周りが木で生茂っている森の中。時折2つに分かれる道があるがどちらに行っても変わらない。立ち止まっていると木々の間からから鎧を着た武者達が現れ際限なく襲い掛かってくる

 

ゼ「何か結界のようなものに閉じ込められているのか?あの傷は先ほど付けただろう」

 

ゼノヴィアが差す先の木の幹には横一線に傷がつけられていた

 

絶「確かに。だが怪しいところは見つからないぞ。道から外れてもすぐにこの獣道に戻される。やはりあの分かれ道が怪しいと思うが」

 

2人が歩みを止め悩む中、再び武者がどこからともなく表れ襲い掛かる。それに気付いた2人は武者を叩き伏せ、分かれ道まで駆け出した

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

色々な方と戦ったけど野衾(のぶすま)という妖怪はキツかった。気を使っての探知を覚えさせるとはいえ、何度も失敗したからな。初めて閉じ込められた時は結局出ることができなかった。何度も死にかけたし、野衾(のぶすま)の時だけでなく、腕が喰われたり、足が片方ない状態での戦闘を行うこともあった。・・・すべて治ったけどな。そんなこんなで教えてもらったことを実戦で何とかものにしていった。飽くまで蒼枒さん達の基準で雑なつくりであればの結界や分身は見分けることが出来るようになった。修行初日に来た黒歌さんも蒼枒さんと同じく分身体だったらしく、今ならば時間を掛ければ分身だと分かるようになった。・・・物凄く雑に作られた分身らしく、他の者たちは皆分かったそうだ。今日は修行は休みの日。なんでも半年に一回のイベントがあるらしくなぜか屋台が設置されていた

 

蒼「そういえば昨日朱乃が来ていたぞ。お前たちに渡してくれと朱璃から頼まれた」

 

絶「そうなんですか?ありがとうございます」

 

確かに来ると言ってたしそれが昨日だったのか。昨日は百葉(もものは)さんの世界にいたから会うことはできなかった

 

ゼ「絶斗、封筒の中身は一体なんだ?」

 

絶「んー・・・レーティングゲームの日程が書かれた手紙と、俺達が何のタイプかが書かれた表だ」

 

日程は部長から、表はアザゼル先生だろうか。レーティングゲーム初戦はバアルvsグシャラボラス、日を空けてアガレスvsアスタロト、そして最後に

 

絶「グレモリーvsシトリー・・・日は夏休み終わる直前か」

 

ゼ「修行に費やせる日が多くなるから嬉しいのだが・・・明日冥界に行かなくてはならないようだな」

 

絶「ああ、部長から呼び出しがかかっている。真の若手最強を決める戦い、見るだけでも得るものがあるかもしれないとのことだ」

 

ゼ「だからと言って明後日はないだろう」

 

ゼノヴィアの言う通りもっと早く伝えてほしかった。俺たちも修行があるのに。とりあえず許可を取ろうと蒼枒さんに話しかけようとしたが、蒼枒さんたちはタイプ分けされた表を見ていた

 

蒼「・・・なんだこれは。これで分けらされているのか?」

 

白「これで何が分かるというんですかね?もっと枝分かれすべきでしょうに」

 

黒「私が転生悪魔だったころから変わってないにゃあ。私はウィザードタイプだったにゃ」

 

葉「そもそも術を使う者がウィザード一択しかないのもどうかと・・・」

 

かなりの不評ようだ。まあ当然か。項目は4つでパワー・テクニック・ウィザード・サポートに分かれているが正直俺もこれだけ?と思ったからな

 

ゼ「・・・貴方達ならばどう分けると考えますか?」

 

蒼「そうだな・・・4つまでというのならばこうだな」

 

そういって何も無い手から木の札が投げられた。札は4枚あり、札にはそれぞれ攻撃・防御・回復・特殊と書かれ宙に浮いていた

 

蒼「攻撃手(アタッカー)防御手(ディフェンダー)回復役(ヒーラー)特殊系(トリッカー)。まあこんなところだろう。悪魔たちに合わせるのならば攻撃手(アタッカー)はパワーとテクニックとウィザード。防御手(ディフェンダー)はパワーとウィザード。回復役(ヒーラー)特殊系(トリッカー)はサポートになるだろうな」

 

ゼ「なるほど、確かにこれならばゲームの時も分りやすい。これに合わせるとアーシアはヒーラー。私や絶斗はアタッカーになるわけだな。だがギャスパーは」

 

白「トリッカーじゃないですか?2度ほど気絶させた時に探りましたけど直接相手に攻撃をできるような身体も能力も持ってませんでしたし」

 

蒼「仙術で探っていたか?」

 

白「もちろんです。彼の中にもう一つの人格があるようですが・・・その人格が出た場合まではわかりませんでした」

 

抜け目ないなぁ。それ俺もゼノヴィアも知らない情報だぞ。それはそれとして

 

絶「そう考えると俺たちって本当にアタッカーしかいない脳筋パーティだな。イッセーに祐斗、朱乃先輩、部長、俺にゼノヴィア。防御を全く考えれていない」

 

ゼ「そうだな。私たちも障壁の張り方は習ったがそもそも強度が足りない。黒歌さんレベルならば十分使えるが私たちの練度では防御を担当するのは無理だな」

 

だが集ってしまったのはしょうがない。数年経てば俺とゼノヴィアは離れるとは言え、これから若手悪魔同士の試合は出るからな。これだけの偏りは良くもあるが悪い面のほうが大きい

 

蒼「全くだな。はっきり言ってお前たちがとる戦略は全員で相手に速攻を仕掛け蹂躙すること、これだけだろう。下手に時間をかけて罠でも設置されてみろ。感知もできない、防ぎもできないとなればどうしようもないだろ」

 

言われる通り俺たちは結界も張れないし俺もゼノヴィアも十分な感知が使えるほど修行できたわけじゃない。あくまで戦いのとき相手の動きが明かる程度だ。時間を掛ければできなくもないがそのような時間は戦闘の中にないだろう

 

蒼「単純明快でいいじゃないか。特に注意すべきは相手からの状態異常と罠、そしてカウンターのみだ。カウンターも波状攻撃で飲み込むなり、速い3人と後からの5人で挟み撃ちにするなりすればいい。下手に他のことまで考えなくていい分、相手の分析や自身の力を磨くのに時間がさけるだろう」

 

 

 

話し終えたのを見計らってか1人の巫女が蒼枒さんたちを呼びに来て、別れた。蒼歳(そうせい)町の上空には結界が張られており、そこで何かが行われる様だ。多くの者は神宮内の境内から見るようだが俺とゼノヴィアは入ることが出来ないためいつもの修行場近くの建物から見ることになった。俺たちのほかにも何人かの人がここから見るらしくその中の1人に何が始まるかを聞いた

 

絶「これから何が始まるんですか?」

 

「知らないのか?今から半年の一度行われる蒼枒様達4人の戦闘が行われるんだ」

 

ゼ「何?いつもやっている修行ではないのか?」

 

「蒼枒様たちがいつも行っているものとは違う。いつもは何らかの枷をつけている状態で条件を付けてやり合っているのさ。だがこれから始まるのは枷も何もかもない、本気で全力をもって殺り合う戦闘さ」

 

絶・ゼ「な、なんだって!!?」

 

身内でそんなことするのか!しかもお互いに本気で殺すつもりで!

 

蒼歳(そうせい)町上空には10km立法の結界が張られていてな、角には結界班が点となり張っている。結界が切れたらそこで修行は終わりは時だ。周りの被害が出てはいけないからな」

 

確かに蒼枒さんたちのレベルでやり合ったら周りへの被害がどれ程出るかわからない。強くなるだけじゃあダメか

 

「そろそろ始まるぞ。見逃さないようにしろよ」

 

とは言われたものの10kmも距離があったら見えないぞと思っていると突如四方から木が、水が、炎が、形は分らないが何かの弾幕が中央に向かって放たれた。それらはせめぎ合い、互いに喰らいながら自身が優位に立とうしているように見えた。だがそれを放つ本人たちを見ることも察知することも俺たちはできなかった。周りの方はどうやら見ることが出来ているらしい。終始見ていた俺たちが唯一見れたのはいつもの尻尾の他に1本の太く長い尻尾を生やした何体もいる黒歌さんだけだった

 

 

 

あの後、俺たちは家に帰ってきた。最後までいたが蒼枒さんたちに会うことはできなかった。だが明日から冥界に行く許可は取ってあるから問題ない。それにしても

 

絶「蒼枒さんたち・・・すごかったな」

 

ゼ「ああ。あれが神の領域。正直なところなめていた。彼が神とはいえ全力のデュランダルが当たりさえすれば神でも勝てるだろうと。だがそれは無意味なことだったな」

 

絶「そうだな。肉体があまり意味を成していなかったからな」

 

俺たちは何が行われているかわからなかったが、親切な方が解説してくれた。なんでも蒼枒さんたちの攻撃は当てたらそこから肉体を侵食する効果を持っているらしく、当てられた部位を自ら捨てすぐさま再生を行ったりしているらしい。それからも今日の戦いのことを長い間話していた。何だか俺も周りの熱気や戦闘の激しさに興奮しているみたいだ。だが明日は冥界に行かなくてはならないため寝なければ

 

絶「そろそろ寝るか。明日は冥界に行かなければならないし」

 

ゼ「・・・そうだな、もう寝ようか。お休み、絶斗」

 

絶「お休み」

 

2階に上がりそれぞれの部屋に入る。布団に入ったはいいがいつもはすぐに睡魔が襲って来るのにそれが来ない。やはり体が興奮しているのか?なかなか寝付けない。無理にでも寝ようとしているとドアがノックされた

 

絶「急にどうしたんだ?」

 

ゼ「もう少し話をしていてもいいだろうか?」

 

ドアを開けるとゼノヴィアが立っていた。ゼノヴィアも俺と同様眠れないようだった

 

絶「いいぞ。とりあえず入って」

 

ゼ「ああ、すまない」

 

部屋へと招き入れベットに腰掛けるゼノヴィア。俺もその隣へ少し空けてベットに座った

 

ゼ「身体が興奮してどうしても眠れないんだ」

 

絶「ゼノヴィアもか。だがどうしたら]

 

いいんだ。そう言いかけた所を口が開かなくなった。ゼノヴィアが俺にキスをして、口を封じたからだ

 

絶「んっ・・・ゼノヴィア。何して・・・」

 

ゼ「すまない絶斗。抑えがきかない」

 

再びゼノヴィの顔が迫る。俺はそれを受け入れるが今度はキスしたままゼノヴィアに押し倒された

 

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

絶斗がゼノヴィアに襲われている頃、冥界に在するとある屋敷。その1室で青い神に青い瞳の美女と灰色の髪と瞳をした男暗がりの中ワインの飲みながら話していた

 

?「本当にいいのか?」

 

?「何がだ?」

 

?「明日も鍛えてやることを、だ。俺は別に構わねぇが師を名乗っているお前としちゃあ負けるのは面白くはないだろう?」

 

?「ふ、そんなことか。心配せずとも力量は分っている。それを踏まえてのことだ」

 

女性はワインを注ぎながら答えた

 

?「だがお前の弟子の対戦相手だが、神滅具(ロンギヌス)が眷属にいるだろ。王も若手の中では飛びぬけているし他にも面白い者が多い。もしかしなくても本当に負けるかもしれなねぇな」

 

?「心配するまでもない。この程度のことで戦えんと役に立たんことはお前も分かっているだろう?なぁ、ベリアル」

 

ベリアルと呼ばれた男は瓶に入ったワインを飲み干し、コンと音を立てながら瓶をテーブルに置いた

 

ベ「まあな。だがティアマット、それにしてはキツくねぇか?」

 

テ「この程度の障害、越えれなくては困る」

 

そういうと女性はグラスに入ったワインを飲み干した

 

ベ「余程気に入ってるようだな」

 

テ「当然だ。でなければ師などやらん」

 

ティアマットはグラスをテーブルに置くと大きなガラスの戸を開け、外にあるベランダへと出た

 

テ「ではな、ベリアル。頼んだぞ」

 

ベ「ああ、時間ギリギリまでしごいてやるから安心しろ」

 

ティアマットそれを聞くとベランダから飛び出し、ドラゴンに姿を変え、飛び去った

 

ベ「フッ、あいつを面白いと感じたのは何もお前だけではないぞ」

 

ベリアルもそれだけを言い残し、部屋を出て行った



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再び冥界へ 北欧の神の来訪

最後のヒロインが本編にやっと登場(長かった)。ですがこの場では深く関わり合わないですけどね
親友も次回登場するし残るは主人公だけ。・・・本編にはまだまだ出てこれません



【絶斗side】

 

ゼノヴィアと身体を重ねた次の日。俺は疲労を感じながらゼノヴィアと朝食を食べていた

 

絶「ふぁ・・・眠い」

 

ゼ「大丈夫か?観戦中に寝るようなことはしないでくれよ?」

 

絶「誰のせいだと」

 

俺とは対称に元気なゼノヴィア。何だか肌も艶々しているように見える

 

絶「大丈夫だろ。移動中に寝れば何とかなるさ」

 

ゼ「そうか。そのときは膝を貸すからよく寝ると良い」

 

昨晩と言いやけに積極的だな。今まで一緒に住んでてこんなことはなかったが

 

絶「・・・何かあったか?」

 

ゼ「あー、黒歌さんたちの姿を見てたら羨ましくなってな。それに・・・手遅れになる前に絶斗を私のものにしたかった」

 

納得。蒼?さんと黒歌さんはいつもくっ付いていてラブラブだからな。よく黒歌さんを抱きしめてるし。あれが互いに本気で殺し合うんだからなぁ。俺もゼノヴィアとあれぐらいの仲になれたらなと思っているとリビングに魔法陣浮かび上がり、いつものメイド服を来たグレイフィアさんが現れた

 

グ「絶斗様、ゼノヴィア様。お迎えに上がりました」

 

お辞儀をしながら迎えに来たというグレイフィアさん。その足元を見ると案の定靴を履いたままだった

 

絶「分りました。少し待っていてください」

 

俺とゼノヴィアは残っていた朝食を掻き込み、準備していた少ない荷物を取りに行った。準備は完了だがその前に・・・

 

絶「申し訳ないですが足元の掃除はしておいてくださいね?」

 

部長の家は洋風?の部屋まで土足で上がる家だった。あれだけ広いとその方が楽なのはわかるが日本ではその様な家は少ない。勿論俺の家も玄関で靴を脱ぐためそのまま来たグレイフィアさんはずっと土足のまま家に上がっていたことになる。そのことに今気付いたのか驚きの表情で足元を見たグレイフィアさんは急いで靴を脱ぐと魔法で綺麗にしていた

 

グ「失礼しました。ではこちらの魔法陣にお乗りください、会場の前に繋がっております」

 

展開された魔法陣に入るとどこかに飛ばされる感覚が襲い、一瞬で冥界に着いた。はぁ、移動中の睡眠計画が破綻か

 

 

 

 

 

 

 

会場に着きグレイフィアさんに案内されると装飾された扉の前へと案内された。VIPのみ入れるらしく警備の悪魔も配置され厳重だ。入るとVIP用だけあって中は広く豪華な部屋だった

 

リ「おかえりなさい、私の可愛い下僕たち」

 

入ると部長が出迎えていた。その後ろには部長の眷属が皆揃っていた。皆修行をしてたらしく腕に包帯がまかれたりしていた。特にイッセーはボロボロだった

 

絶「・・・ただいまです」

 

リ「何、今の間は?」

 

ゼ「絶斗はあまり寝てないから眠いみたいでな。申し訳ないが大目に見てやってくれないか?それよりもグレモリーが大貴族とは言え随分と豪華な部屋で観戦するのだな」

 

リ「それはそうよ。ここは魔王様や来賓の方の部屋だもの。お兄様と一緒に見ることを条件に入ることができたわ。ここなら普通の席よりも詳しく見ることができると思うわ」

 

ふーん。少しは考えるようになったのか?眠すぎて頭が回らないからよく分らん

 

絶「あー、その(シスコン)魔王様は・・・?」

 

リ「今来賓の方を迎えにいってるはずよ。確か北欧から来るみたいね」

 

北欧ね。有名どころだとオーディンやフェンリルか。どちらが来てもヤバイ方だろうな。そう考えてるとイッセーが話しかけて来た

 

イ「大丈夫だったかゼット」

 

絶「何がだ?」

 

イ「何がってあんな奴の下にいて連絡もなかったから心配だったんだよ。ゼノヴィアも一緒に行っちまったしもしかしたらあのおっぱいがなくなるかもしれなかっただろ?」

 

一瞬でも心配してくれたことにありがたみを感じたのが馬鹿だった。こいつはこういう奴だった

 

絶「何もなかったというのは語弊があるが許可を得て修行はしているぞ。周りが自分たちよりも強い方ばかりだしな」

 

祐「一体どういう修行をしていたんだい?傷らしい傷もないみたいだけど」

 

アザ「俺も気になるな。直接聞きに行っても青龍の奴は何も話さなかったからな」

 

祐斗とアザゼル先生が話に入ってきた。部長とアーシアと朱乃先輩はゼノヴィアと話しているみたいだ

 

絶「詳しいことは話せないがレーティングゲーム前の修行と変わりなくただひたすらに戦闘を行ってた。他は特にしていないな。傷が何のは治してもらってたからだ」

 

この程度は推測されるだろうし言っても問題ないだろう。どんなことをやったかは言えないからな

 

アザ「治してもらったと言っても傷跡ぐらい残るだろう?アーシアの神器(セイクリッド・ギア)じゃあるまいし」

 

絶「そう言われましても俺もよく知らないですし」

 

というのは嘘で薬は蒼枒さんが作っていると聞いた。喰われてなくなった腕とかも骨組みを作れば再生させることができるあたりアーシアの聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を超えていると思う。よくよく考えてみれば神器(セイクリッド・ギア)は聖書の神が不思議な能力を所持者へ与えるシステムなだけで、神である蒼枒さんのほうが力が強いのは当然か

 

イ「俺は最上級悪魔のドラゴンにずっと追い回されてたんだぜ」

 

最上級悪魔のドラゴンに追い回されるだけ?甘くないか?倒しきるところまでやって初めて完了だろう。・・・いやどんなドラゴン見てないし否定するのはマズいか

 

イ「そういやなんでパーティ来なかったんだよ?部長とかドレス着て凄く綺麗だったんだぜ。特におっぱい「手紙を渡されたのが昨日だったから来れるわけないだろ」・・・マジかよもったいねぇ」

 

俺的にはこの待ってる時間ももったいないと感じるんだけどな。眠いし

 

 

 

 

しばらくどんな修行をしたかやパーティでの話を聞いたり、イッセーのおっぱいの話を聞き流していると扉が開きサーゼクスさんが入ってきた

 

サ「こちらになります」

 

?「ほっほっほ。さてどれが今代の赤龍帝かの?」

 

サーゼクスさんに続いて入ってきたのは古ぼけた帽子に質素なローブ、杖を体を支えてるのに偉大な風格をしている隻眼の老人がきた。後ろには鎧を着た銀髪長身の女性がいる。その腕には何かの機械がはめられていた

 

イ「誰だあの爺さん?それに後ろのおっぱいの大きな人は!?」

 

アザ「・・・北の田舎クソジジイか」

 

オ「久しいの、堕天使の悪ガキ。敵対していた者と仲睦まじいようじゃがな」

 

アザ「ハッ!俺ら若輩者は思考が柔軟なんでね!」

 

アザゼル先生が喧嘩腰に声を上げる。ほかの神話と仲が悪いのか?

 

オ「まあ別に良い。それよりもどれが赤龍帝か教えてくれんか?」

 

イ「あ、それ、俺です」

 

イッセーが名乗り出た。対するオーディン様は残った片方の目でじっくりと観察をしているようだった

 

オ「(赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)以外に特に力は感じられんが・・・ユーガのような例もある)お主の戦い楽しみにしておるぞ。・・・それにしてもここは良い女がそろっているのぉ。」

 

オーディン様は部屋を見渡しグレイフィアさんに部長、朱乃先輩、アーシア、ゼノヴィアの体を見ていった

 

?「オーディンさま!卑猥なことはいけません!ヴァルハラの名が泣きます!」

 

その様子に後ろに控えていた銀髪の付人が少し怒った顔でオーディン様を叱った

 

オ「まったく、おまえは堅いのぉ」

 

絶「あの、その方は?」

 

オ「こやつはわしの現お付きのロスヴァイセじゃ。全く、そんなんだから未だに処女なんじゃ、このままではユーガに捨てられてしまうぞ」

 

紹介がてら何てこと言うんだこの神は!?ロスヴァイセさんは顔を赤くしながら小さな声で何かを言った

 

ロ「(・・・あります)

 

オ「ん?聞こえんのぅ」

 

ロ「だから!ユーガとしたことあります!!」

 

オ「な、なんじゃと!!??」

 

何故か膝をつくオーディン様。赤い顔を手で隠して左右に振っているロスヴァイセさん。・・・なんだこれ?

 

オ「まさか・・・堅物の戦乙女(ヴァルキリー)であるロスヴァイセが・・・」

 

イ「くっ、あのおっぱいを好きにできる。なんて羨ましいんだ!!」

 

絶「いや、人の彼女を見て何言ってんだお前」

 

話的にユーガって方がロスヴァイセさんの彼氏なんだろう。すでに彼氏がいる女性に対して本当何言ってるんだイッセーは

 

イ「はっ!まさかお前も」

 

マジか!なんでこっちに気付いた!?どうしてこいつはこういうことだけ鋭いんだよ!

 

ゼ「ああ、したぞ」

 

絶「あ、ば」

 

そしてゼノヴィアも素直に答えない!面倒になるから

 

イ「この裏切り者ぉ~!!!」

 

絶「うるさい!」

 

イッセーが悔しがりながら殴ってきたのでを顎にアッパーを入れておいた。オーディン様は意味不明なショックから立ち直らないし、ロスヴァイセさんは恥ずかしがってるし、先生も魔王も動かないし何このカオス

 

 

 

オーディン様は本当に見に来ただけだったようだ。どうやらロスヴァイセさんの彼氏と今日のレーティングゲームに参加するゼファードルさんは親友らしく、サーゼクスさんに案内されていった

 

絶「もう無理。もう限界。ゲームまで時間があるだろう?それまで寝る」

 

お客さんも魔王様もいない。睡魔に耐えるのも限界に来た俺はソファーに一緒に座っていたゼノヴィアの膝へと横になった

 

ゼ「!?ああ、時間になったら起こしてやる。お休み、絶斗」

 

イ「あっ!ズルいぞゼット!膝枕で寝るなんて!!!」

 

イッセーがやはりうるさいが無視だ無視。レーティングゲームはちゃんと見たいから今は寝かせてくれ

 



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王者のゲーム 開始直前

お気に入り登録したらその作品の作者から評価いただいてしまった(ヽ(゜∀。)/アヒャヒャ)
・・・・・・比べるのもおこがましいですが何がダメだったんでしょうか(lll-ω-)ズーン


【三人称side】

 

レーティングゲームが行われる会場の一室にソーナはいた。その一室はゲームを行う者たちの控室。時間はゲームが始まるまですでに30分を切っていた。それでも未だ姿を現さないゼファードル達をソーナは心配していた

 

ソ「何かあったんでしょうか?」

 

約束や時間をしっかり守るゼファードルにしては珍しいことだった。立って待つのも疲れ始めたため長椅子に座っていたソーナだったが、そこに扉が開かれオーディンとロスヴァイセがやってきた

 

ロ「・・・まだゼファードルは来ていないんですか?」

 

ソ「貴方達は?」

 

部屋を見渡しゼファードルがいないことを知ったロスヴァイセ。それに対しソーナは悪魔でもない2人が部屋に入ってきてゼファードルの名を言ったことに疑問に思った

 

ロ「こちらはアースガルズの主神を務めるオーディン様。私は現付人をしている戦乙女(ヴァルキリー)のロスヴァイセと言います」

 

アースガルズの主神と聞き、ソーナは瞬時に姉が様々な神話にレーティングゲーム観戦の招待状を送っていることを思いだした。そして目の前にいるのは北欧神話の主神・オーディン。招いた客が立っているのに自分は座っているのは無礼だとすぐに立ち上がった

 

ソ「失礼しました!私はシトリー家の次期当主、ソーナ・シトリーと言います。この度はご足労いただきありがとうございます」

 

謝罪と共に頭下げる。この光景を彼女の兵士が見ればまた失礼なことを言っていただろう

 

オ「ずいぶん堅いのぉ。姉とは大違いじゃ」

 

シ「・・・姉が無礼を働いたようで申し訳ありません」

 

ソーナは姉がまた魔法少女のコスプレをしたまま失礼なことをしたのではないかと内心思っていた

 

オ「なかなか悪くなかったがのぅ。聞けば最近の若い者にはこういうのが流行っておるらしいのぉ。そういうのは我が北欧でも取り入れていこうかと思っていたところじゃ」

 

ロ「オーディン様。ロキ様が許さないと思いますよ」

 

オ「そこはバレぬよう秘密裏にのぉ」

 

何やら思い出しながら話すオーディン。それに対しまた苦労が増えるなとロセはため息を吐いた

 

ソ「・・・貴女も大変ですね」

 

ロ「全くです」

 

お互い上の立場に悩みの種をに持つ者同士。真面目気質な2人は気が合う感じがした

 

ソ「ところでゼファードルとはいつであったのですか?」

 

ロ「ゼファードルとはユーガとの買い物中に彼が会いに来ました。ユーガと壮絶な決闘(デュエル)の後親友(ライバル)となり、私ともそれからの度々会っています」

 

ソ「そのユーガというのは?」

 

ロ「私の勇者です。と言っても誰も勇者なんて言わないんですけどね」

 

ソーナはなぜ悪魔であるゼファードルが主神の付人ほどの人物と交流があるか気になったが、まさかこんな深く交流があるとは思いもよらなかった。とりあえず立ったまま待たせるのもどうかと思い外にいる兵士にお茶の用意を伝えると2人を椅子へと案内した。程なくして扉がノックされると同時にガラスが割れる音がした。ソーナたちは音のした方を振り向き、扉から兵士が慌ただしく入ってくる。彼女たちが見たものは外がのぞける大きな窓ガラスを突き破り部屋へと転がる銅像と化したゼファードルたちだった

 

ソ・ロ「「ゼファードル!」」

 

?「ホホホホ、やっと着いたぜ」

 

ソーナとロスヴァイセがゼファードルに駆け寄る中、割れた窓から赤髪赤目の悪魔が入ってきた。その悪魔は赤い髪を3つに分け、左右をおさげに後ろ髪を三つ編みにしていた

 

「貴方様は!レーティングゲームのランキングは1位、ディハウザー・ベリアルの『兵士(ポーン)』スパジャール様!」

 

兵士が警戒しながらも突如入ってきた悪魔の名を告げる。スパジャールと言われた悪魔は指を鳴らすと銅像と化していたゼファードル達が元の姿へと戻っていった

 

ス「じゃお俺は役御免ってことで。ゼファードル、陛下が見てくださる前で無様な姿はさらすなよ」

 

それだけを言い残しスパジャールは円柱を半分にしたような物の上に乗りどこかに行ってしまった。それを合図のようにゼファードルがふらつきながらも何とか立ち上がり、部屋にいた兵士たちも出て行った

 

ゼ「ぬぅぅ、ティアマットめ。何もゲーム直前までやらなくてもいいだろう」

 

ソ「・・・何があったのですか?」

 

ゼ「ソーナか。つい先ほどまでベリアルの下にいたのだ。そこでティアマットとベリアルを同時に相手させられていてな」

 

ソ「なっ!!?」

 

普通ならば考えられないことにソーナは驚いた。ゼファードルのみならず他の仲間達を見ても皆ボロボロ。これでは全力なんて出せないのは明白であった。

 

ソ「(今日レーティングゲームがあるのはティアマット様も知っているはずなのになぜ・・・)」

 

ロ「相変わらずスパルタなんですね」

 

シ「ぁぅぅぅ。!ロスヴァイセさん!お久しぶりです」

 

次に立ち上がったのはゼファードルの『女王(クィーン)』であるシェリアグネス。ロセの姿に気付いた彼女はロセの下に向かおうとするも途中でバランスを崩しロセに支えられた

 

ロ「っと、大丈夫ですか?」

 

シ「ありがとうです。流石に万全とはいかないですね」

 

苦笑いをするシェリアにロセは何かできないだろうかと考える。だが持ってきたカードの中に今発動できるカードはなかった。

 

ロ「すみません。回復させようにも良いカードを持ってなくて」

 

グ「いや回復はしなくていい。ティアマットからの指示だからな。破ったら何をされるかわかったもんじゃねぇ」

 

グレイオスを皮切りに、倒れていたゼファードルの仲間たちが次々に立ち上がるが一部はまだ寝たままだった

 

オ「・・・このような状態で大丈夫かのぅ」

 

万全とは程遠いコンディションでこれからレーティングゲームを行わなければならない。ユーガの親友(ライバル)というゼファードルの力はユーガやロセを通して聞いて少し楽しみにしていたオーディンだったが、ゲームが無事始めることができるか心配になっていた



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王者のゲーム 前編

原作にもドラゴン化するキャラっていたんですね(血を引く者でも限られた者だけが成れるみたいですけど)
改変させたとはいえ血筋なんかなくとも、自身の力だけでドラゴンに変身するゼファードルってすげぇ



レーティングゲームの制限時間を12時間→3時間に変更しました


【絶斗side】

 

ゼ「絶斗、起きろ。そろそろ時間だぞ」

 

絶「・・・ん?あ、ゼノヴィア」

 

どれぐらい寝ていただろうか?あまり時間はたっていないはずだが。

 

ゼ「おはよう絶斗。よく寝むれたか?」

 

絶「相変わらず前任者との戦闘だったよ」

 

そう言ってゼノヴィアの膝から起き上がり隣に座る。睡眠の度に前任者と戦闘を行っているがこのわずかな間にも出てくるとは思わなかった

 

絶「ところで、イッセーはなぜ俺をにらんでいるんだ?」

 

ゼ「さあ?わからないな」

 

イ「お前がそんな羨ましいことをしているからだろ!!!」

 

そうか?蒼枒さんと黒歌は縁側で結構しているところ見るけどな

 

絶「ところで、部長はどちらが勝つと思います?」

 

壁を壊し登場したゼファードルさんは既にレーティングゲームに出ており、あのライザーを2度も倒している。その対戦相手であるサイラーグさんは若手悪魔最強と言われている。レーティングゲームはまだ参加してないがその評価はかなり高い

 

リ「そうね・・・確かにゼファードルの力はすごいわ。でもサイラオーグも若手№1と呼ばれている実力を持っているもの。きっと勝てるわ」

 

うーん、そうか。もしかしたら部長は俺たちが知らない間に調べているかもしれない。身内贔屓でなければいいけど

 

 

 

 

【3人称side】

 

ソーナやロスヴァイセから応援をもらったゼファードル達。ロセヴァイセの腕に着けている未知の機械、デュエルディスクにエクシースが突撃を仕掛けた以外は問題が起こらず、3人が出て行ってから今回のレーティングゲームについてのルールが書かれた紙を読んでいた。

 

グレ「制限時間は3時間か・・・」

 

ガル「僕たちは魔力も体力も僅かしかないよ。ティアマット様の狙い通りだけど・・・」

 

条件が書かれた紙をエクシースの持つ機械に通し、サラーシャが薬品を散布。ラフティスが魔力で探知し、カルティナが細工がないか調べた。その上で元傭兵のグレイオスが内容に不備がないかを確認した。腐った悪魔が何か仕組んでいるか分らないためだ

 

グレ「紙には何もなかったぞ。内容も問題ない。後は放送の説明だけだな」

 

ゼ「ああ、奴らは何をしてくるかわからん。ただでさえこちらが不利なのだ。何もしてこないならば予定通りにいくぞ」

 

ゼファードルの言葉に仲間全員がうなずいた

 

 

 

 

『開始のお時間となりました。なお、このゲームの制限時間は3時間です。それではゲーム開始です』

 

レーティングゲームの開始時刻となりアナウンスが聞こえると転移が始まった。転移先は街の中。ゼファードル達は大きな倉庫の中、サイラオーグたちはビルの中へと転移させられた

 

グレ「予定通り用意しておけ!」

 

エ「分ってるわよ!」

 

グレイオスはエクシースにそう叫ぶとラフティスを連れて倉庫から飛び出した。そしてエクシースも亜空間から2つのある物を取り出そうとしていた

 

ラ「10時方向!補正は任せます!」

 

グレ「ああ!ちょうど道路沿いで良い場所じゃねえか。僅かな魔力、全て持っていけ!」

 

グレイオスは道路の真ん中に降り立つと、『移りゆく銃手(コンヴァージョン・ガン・シューター)』で手に持つ短銃を巨大なレールガンへと変貌させた

 

ラ「障害が多くありますね。大丈夫ですか」

 

グレ「俺を誰と思ってやがる。外さねぇよ」

 

グレイオスがトリガーを引くとレールガンから1発目が発射される。発射された弾はサイラオーグの陣地向けて突き進むが数多の障害に阻まれ途中で失速してしまう

 

ラ「目標に届いてません!」

 

グレ「分っている!」

 

グレイオスが再びトリガーを引く。放った弾は1発目と同じ軌道で飛んでいった。その射線上にあるビルを、車を、家を、あらゆる障害を破壊し突き進み、その数秒後、最後の弾が発射され敵本陣へと到達した。これにより、エファードル達のいる場所から約20km離れるサイラオーグの陣地への1本道を作ったのだった

 

グ「(チッ、全員無事か)できたぞ!行きやがれ!」

 

エ「当然よ!」

 

真っ白な外装に金色の装飾がつけられいる人型のロボットからエクシースが聞こえた。彼女は自作したロボット、『EF(イーヴィル・フレーム)・ランス』を取り出し、それに搭乗していた。さらにそのランスが持っているのは強襲用のコンテナ。グレイオスがレールガンを放っている間に他の皆を乗せ、ブースターに火をつけていたのだ。その間にグレイオスが変化させたレールガンは既に短銃へと戻っていた

 

グ「後は頼んだぜ、相棒」

 

ゼ「ああ、任せろ。グレイオス、ラフティスは休んでおけ」

 

ラ「頼みます。ゼファードル様」

 

コンテナはゼファードル達を乗せたまま勢いよく突き進む。そしてその場に残ったグレイオスは持ち込んでいた超大型のスナイパーライフルを手に持ち

 

グ「ライフルで狙撃というよりは迫撃砲かなんかだな、こりゃあ」

 

ラ「しょうがないですよ。距離が遠すぎます」

 

トリガーを引いた

 

 

 

 

サ「くっ、手荒い真似をしてくれるな」

 

サイラオーグは舞う埃を払いながらそういった。誰が開始10秒少しで相手陣地に直接攻撃をしてくると思うか。

 

サ「全員無事か!?」

 

ク「はい、無事です」

 

サイラオーグの『女王(クィーン)』であるクイーシャが他の眷属の無事を確認する。壁を破壊され瓦礫が飛んできたりしたが、幸いにも誰にも当たらなかったようだ。だが・・・

 

ミ「あ・・・」

 

サ「ミスティータ!!」

 

『バアル家『僧侶(ビショップ)』、1名リタイア』

 

倒れるミスティータにサイラオーグが叫びをあげる。グレイオスの放ったたった一発の弾丸がミスティータの頭部を貫き、絶命させた

 

 

 

 

ラ「流石ですね。頭部に命中です」

 

グ「ビューティフォーって言えよ」

 

グレイオスはライフルを下ろし、とラフティスと共に倉庫の壁によりかかった。最短距離の道を作り、相手の駒を1つ潰した彼らは役目は終えたと言わんばかりに座り込んだ

 

 

 

 

サ「くそっ!よくもミスティータを」

 

レ「サイラオーグ様!奴らがこちらに突っ込んで来ます!」

 

サ「何!?」

 

早くも1名眷属を失い、悲しさと悔しさを滲ませるサイラオーグ。だがそんな暇を与えないとばかりに白い塊とロボットが向かってくるのを『兵士(ポーン)』のレグルスが報告した

 

サ「!!?全員ここを離れr」

 

サイラオーグがビルから脱出しようと体をひねると目の前をビームが走った

 

サ「ゼファードルめ、逃がさないつもりか」

 

壁には貫通した跡の穴が開き、その威力を物語っている。それが連射され迫ってくるのだから狙われている側からたまったものではない

 

レ「塊が突っ込んできます!」

 

サ「なんとしてもこの場を離れるぞ!脱出だ」

 

 

 

 

エ「降りて!コンテナを突撃させる!」

 

逃げようとするサイラオーグたちをエクシースが手に持つライフルからビームを乱射して足止めをしながら合図を送る。ゼファードル達がコンテナから飛び降りるのを確認するとあるスイッチを押した

 

エ「キルイース製の爆弾よ。存分にくらいなさい!」

 

スイッチに反応しコンテナに取り付けられたブースターがさらに火を噴き速度を上げる。ビルから脱出を図ろうとするサイラオーグたちだが無情にもコンテナはビルの中に入りそして・・・

 

エ「まあこんなものでしょ」

 

サラ「やり過ぎではないでしょうか・・・?」

 

大爆発を起こした。その威力でビルは跡形もなく吹き飛び、サラーシャはやり過ぎではないかと心配をしていた

 

 

 

 

サ「・・・全員、無事か?」

 

瓦礫の山と化したビルの跡。そこでサイラオーグは無傷でいた。突如スピードを上がり脱出が間に合わないと感じたサイラオーグはとっさに防御を取るように指示を出し、女王(クィーン)』のクイーシャは自身の能力である(ホール)を即座に作りサイラオーグの前に張り爆発から守った

 

ベ「はい。ラードラ達が防いでくれました」

 

サ「そうか。ガンドマとラードラも大丈夫か?」

 

サイラオーグの『騎士(ナイト)』のベルーガが無事を報告をする。『戦車(ルーク)』の2人、3メートルほどありそうな巨人のガンドマとドラゴンへ変身したラードラがその身を盾にし他の者を爆発から守っていたからだ

 

ガ「我らは大丈夫です。まだ行けます」

 

キ「へぇ。ならもう一発っす!」

 

サイラオーグたちは声のする方に視線を向ける。だがそこにあるのは小さな機械のみで他には瓦礫があるだけ。その視線が集中している僅かな間に声の主であるキルイースはサイラオーグ背後から忍びより、抱き着いた

 

キ「大将はもらうっす!」

 

サ「何だと!?」

 

身体が赤く点滅していくキルイース。彼女のことはその場にいる全員が知っていた。ほとんどのレーティングゲームで自爆という名の犠牲(サクリファイス)を行い、下手すれば『(キング)』すら取りかねない危険人物。そんな彼女を眷属がサイラオーグからなんとか引きはがそうとするもキルイースはがっちりと掴み離れなかった

 

キ「いくっすよ!」

 

ク「サイラオーグ様!」

 

キルイースの点滅が速くなり、赤一色になる。サイラオーグの『女王(クィーン)』であるクイーシャはそれでも助けようと手を伸ばす。だがその時、背後から静かに迫る脅威に気付くことはなかった

 

カ「・・・アサシネイト」

キ「ウルトラダイナマイト!!!」

 

気配もなく忍び寄るカルティナはクイーシャ背後からその首を斬り飛ばした。クイーシャはなぜ突如として上下逆に見えるか不思議に思ったが、殺されたことに気付くことはなかった。彼女が最後に見たのは爆発に飲まれる愛しい主の姿だった

そしてコンテナの比ではない爆発がサイラオーグを中心に起こった



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王者のゲーム 中編

レーティングゲームってあくまでもゲームなんですよね。殺さないように手加減しての・・・
私の中での基準が大体↓の方なので悪魔基準だとやり過ぎのようです

蒼「安全な戦いに何の価値があるのか?」
黒「しょうがないにゃ。所詮悪魔が楽しむためのゲームだもの」
白「私たちと違い強くなるためにやってるわけじゃないからね」
葉「というよりも普段から殺し合ってる私たちが特殊なだけですよ」

そして今回も内容がいまいちです。すみません

10月25日 加筆修正しました


【絶斗side】

 

ん?なんか蒼枒さん達の声が聞こえたが・・・気のせいか、今日は寝てると言ってたし。それにしてもゼファードルさんたちは全く容赦がない。爆発の寸前、一瞬しか見えなかったがサイラオーグさんの眷属の女悪魔が背後から襲われているようにみえた。おそらくだがあの女悪魔も背後の気配に気づいてないはずだ

 

ゼ「ふむ、これがレーティングゲームか。始めてみたがゲームとは言えやることは実戦と変わらないようだな」

 

絶「そうだな。一度出たことがあるけどその時も特に制限はなかった。あの時も安全面は考えられていたし相手を殺す、なんてこともないだろう」

 

部長の婚約を決めるために行ったレーティングゲーム。あの時も死ぬような攻撃を受けたが身体は無事だった。ゲームとはそういうものだと考えている俺とゼノヴィアは不思議に思ってないが他は違ったようだ

 

 

『バアル家『女王(クィーン)』リタイア。グシャラボラス家『兵士(ポーン)』1名リタイア』

 

 

イ「なんだよ、これ。こんな一方的に」

 

リ「・・・違うわ。こんなの、ゲームじゃない」

 

部長やイッセーが何やら違うと言っている。他のみんなも何かを否定するような表情だ

 

サ「やはりか。ファルビウムの助言を聞いといてよかった」

 

部屋の中央にある豪華な椅子に座る魔王、サーゼクスさんは小さくだがそうつぶやいた

 

リ「お兄様。その助言とは?」

 

サ「聞こえたか。・・・そうだね、これ戦うかもしれないリアスたちには酷かもしれないけど言っておこうか。知っての通りゼファードル君は若手悪魔ながら既にレーティングゲームに出ているし、多くの勝ち星を挙げている」

 

リ「ええ。私たちが戦ったライザーにも勝っているのは知っています」

 

サ「正直言うとゼファードル君達はリアスたちよりも圧倒的に強い。特には彼と彼の女王は既に魔王クラスと言ってもいいくらいにね」

 

リ「そんな!サイラオーグもゼファードルも私と同じ上級悪魔なのよ!!それが最上級を通り越して魔王クラスの実力なんて・・・」

 

サ「だからレーティングゲームの設定を一番軽いものにしたのさ。リアスたちがフェニックス家とレーティングゲームした時と同じ設定にね」

 

どうやら本当は通常のレーティングゲームと同じ設定でやるつもりだったらしい。それがどういうものか俺達は知らないが他のみんなの反応を見るに知っているのだろう。俺たちと違い冥界にいたのだから資料として他のゲームも見ているだろうし。そう考えると本来の設定は相当ヤバいものと考えられる。今ならば死ぬような攻撃を受けても転移後回復しているが、本来ならば回復せずに死んだままになる、とかか?そう思考しているうちにどうやら煙が晴れてきたようだ。さて、あの爆発の後どうなった?

 

 

 

【3人称side】

 

キルイースが起こした爆発の後、煙に覆われていた場所でサイラオーグ達は地に伏せていた

 

レ「くそっ。サイラオーグ様は・・・」

 

兵士(ポーン)』であるレグルスが初めに起き上がり、他の眷属も次々と起き上がる中、『(キング)』であるサイラーグは地に伏せたままであった

 

レ「!?サイラーグ様!!」

 

眷属がサイラーグを囲うように集まる。未だ倒れるサイラオーグの背中は密着状態で爆発したキルイースのせいで悲惨なことになっていた

 

ユ「何をしているの!はやくフェニックスの涙を!!」

 

生き残った『僧侶(ビショップ)』のユリアナが咄嗟に指示を出す。ガンドマが太い指で器用にサイラオーグを掴み持ち上げるとレグルスがサイラオーグの懐から瓶に入ったフェニックスの涙を取り出し、サイラーグへと掛けた

 

サ「ぐ、うぅ・・・助かった」

 

たちまちサイラオーグの身体が治っていく。短いうめき声をあげたサイラオーグはガンドマの手を離れると寄りかかることもなく立ち上がった

 

ユ「サイラオーグ様。お休みいただきたいですがゼファードル達がこちらに向かってきています」

 

レ「すでにリーバンとラードラ、ベルーガが向かっていますが・・・相手の数のほうが多く突破されると思われます」

 

サ「・・・開始直後からの攻撃に間を置かずしての総員での突撃・・・ゼファードルは短期決戦狙いか」

 

サイラオーグが見つめる先、グレイオスによって一本道となったそこでサイラオーグの眷属達とゼファードル達がぶつかっていた

 

サ「やはり、レグルスの言う通りになったか」

 

ユ「ですが相手も数が減っています。逃げて回復をはかるのも手かと・・・」

 

数の差を利用し何人かをぶつけることによりゼファードル達は突撃を続けた。『騎士(ナイト)』のリーバンは青い髪の男女2人と、ドラゴンへと変身しているラードラは大きな盾を持った騎士と、青ざめた馬(ペイル・ホース)に乗る甲冑騎士、ベルーガは白い装甲のロボットと交戦を始めていた

 

サ「こちらはレグルスにコリアナとガンドマ。それに・・・クイーシャはどうした?」

 

レ「それが・・・あの爆発の後から姿が見えなくなりまして」

 

サ「まさかとは思うが・・・クイーシャがやられたのか」

 

クイーシャは若手上級悪魔の眷属『女王(クィーン)』の中でもトップクラスと言われている。だがこの場にいないことからクイーシャがやられたことが現実がサイラオーグに突き付けられていた

 

ユ「サイラオーグ様!ゼファードル達が既に迫っています!」

 

サ「休むどころか悔やむ暇さえないか・・・仕方ない。俺たちも行くぞ!」

 

サイラオーグの声に眷属が頷くと共にゼファードルへと向かっていく。彼らがその場にか隠れ潜む存在に気付くことはなかった

 

 

 

 

・エクシースvsベルーガ、アルトブラウ

 

自身が作成した全高5m程の白い装甲に覆われたロボット『EF(イーヴィル・フレーム)・ランス』に搭乗するエクシースは青白い炎に包まれた馬、アルトブラウに乗る『騎士(ナイト)』のベルーガと空中で戦闘を行っていた

 

エ「ちぃぃ、センサーのおかげで反応できても機体が追いつかない」

 

ベ「あの巨体でここまで動けるとは・・・しかも装甲が固い!」

 

この2人の戦いは互いに有効打を与えられないでいた。ベルーガの愛馬、アルトブラウが宙を高速で駆けベルーガが円錐形のランスをエクシースの乗るランスを貫こうとするも、エクシースは機体を素早くひねりそれを回避。すぐさま剣で反撃するが機体が剣を振るう速度ではベルーガ、そしてアルトブラウに当てられないでいた

 

エ「いい加減当たりなさいよ!」

 

ベ「避けろ!アルトブラウ!」

 

離れるベルーガにエクシースは銃からビームを放つもすべて避けられる。予測射撃を行っても寸でのところでアルトブラウが的確に回避を行い、そしてまた突撃が行われる。ランスと馬が空中で激しく交差する中、余り燃料を消費したくないために敢えてカウンター狙いの作戦を行っていたエクシースはこのままでは埒が明かないと感じ、燃料の消費覚悟でベルーガを追いかける方へと作戦を変えた

 

ベ「アルトブラウの神速に追いつくなんてね!」

 

エ「生憎様!この機体も速さには自信があってね!そもそも、その程度の速さで神速だなんておこがましいわよ!」

 

今まで回避ぐらいにしか動かなかったランスが突如ベルーガを追いかける。その速度はアウトブラウと同等。追いつきもしないが離れもしなかった。何故ならアルトブラウの駆ける速度は神速ではない。音速よりも少し速い程度だ

 

エ「このままではこちらがいずれ燃料が切れて墜落するだけ・・・一発でも当たればいいのだけど後一手足りない」

 

エクシースはその速さに速度重視の機体でよかったと思う反面、ビームを避けられる現状をどうしようなければと悩んでいた

 

エ「どうする。何か使えるものは・・・空調システムに異常?まさか!?」

 

コックピットにアラームが鳴り響く。エクシースはセンサーの範囲を拡大し、ある場所から反応があった。エクシースはカメラをその場所に回すとそこにはエクシースに手を振るサラーシャの姿があった

 

ア「ぶるぅぅぅぅ」

 

ベ「何故だ・・・体の動きが鈍く・・・」

 

それと同時にみるみるスピードが落ちていくアルトブラウ。自身の身体がいきなり鈍くなったことを疑問に思うがその原因に気付かないベルーガ。追われている状態にも関われず背後への意識を外してしまった彼らにはエクシースが彼らの上へと移動しているのに気づかなかった

 

エ「・・・叩きつけてやれ!」

 

意識が外れた僅かな時間で十分だった。エクシースは出力を上げランスをベルーガ達の真上へと昇らせる。鼻歌を歌いながら亜空間から取り出した巨大なメイス。それをその重さに任せて振り下ろす。重さに負けランスが回転しながら落ちていく先にはベルーガとアルトブラウがいた。彼らは真上に大きな金属の塊に気付いたときには既に目の前に金属の塊が迫っていた

 

ベ「ぐああああああ!!!」

 

孫ね距離で避けることもできずに巨大なメイスによって地面へと叩き受けられたベルーガとアルトブラウ。今の一撃は痛かったが何とか立ち上がろうとするベルーガ。だがその目に映ったのはこちらへと落ちてくるメイスだった

 

ベ「うそだろ・・・」

 

避け様にもなぜか体が動かない。ベルーガは避けることも、防ぐこともできずに落ちてくるメイスに潰されてしまった

 

 

『バアル家『騎士(ナイト)』1名リタイア』

 

 

エ「流石はサラーシャね。私も空調システムがなかったらいつ撒かれたかなんてわからないわよ」

 

サ「そんな。私はこれぐらいしかできませんから」

 

エクシ-スが地面へと期待を着地させるとサラーシャが現れた。先ほどベルーガとアルトブラウが急に動きが遅くなったわけ、それは無味無臭の麻痺毒をサラーシャが一帯に撒いた為だ。薬学・医学に詳しいサラーシャは持ち込んだ麻痺毒を魔力で風を起こし、辺り一帯へと拡大させていた。その薬を吸い込んだベルーガとアルトブラウが麻痺に陥り体を動かせなくなり、エクシースからの重い一撃を食らい、リタイアとなった

 

エ「さて、『騎士(ナイト)』はリタイアにしたし誰かの援護に向かうわよ」

 

サ「そうですね。では行きましょうか」

 

 

 

 

 

・グラマークvsラードラ

 

手に巨大な盾とメイスを持つ重装歩兵の装備のグラマークと総体するのはドラゴンへと変身したラードラ。『戦車(ルーク)』同士の戦いが繰り広げられていた。ラードラが爪で引き裂こうとすればメイスで受け流され、牙を立てればその重さを感じさせずに回避する。口から炎が吐き出されればグラマークは手にもつ巨大な盾で防ぎきる

 

グ「へっ!これぐらい、どうってことないぜ!」

 

ラ「グャォォォォン!」

 

グ「そらよっと!」

 

己の炎を受けて無傷、それどころか余裕な態度にイラッと来たラードラは牙を立て突撃した。だがグラマークは盾で受け流すと片手に持つメイスをラードラの頭に叩きつけた

 

ラ「ギャァァォォォォン!!!」

 

ラードラが悲鳴を上げる。『戦車(ルーク)』で頑丈になっているとはいえ相手も同じ『戦車(ルーク)』。頑丈さだけでなくパワーも同じく上がっておりそのパワーを持って頭にメイスが叩きつけられたのだ。身体は無事でもその衝撃は脳を響かせるには十分だった

 

グ「おっと!そっちに行くんじゃねえよ」

 

ラードラは距離を取ろうとグラマークから離れようとする。だがグラマークはそれを良しとしない。ラードラの尻尾を掴み、力任せに持ち上げると地面へとたたきつけた

 

ラ「グオォォォン」

 

グ「お前の相手は俺だぜ。他のところに行かせはしねえよ」

 

そしてラードラの顔目がけて瓶を投げる。その中身は一種の興奮剤。効果は目の前のものが嫌でも目に入るようになるというもの。

 

グ「来いよ!ゼファードル様ならともかく、お前程度俺一人で十分だ」

 

ラ「ガャァァァァァ」

 

ラードラはグラマークへと突進を仕掛ける。だがその突進は受け止められ止まったところでメイスが頭に叩きつけられる。痛みに暴れるラードラの滅茶苦茶な攻撃をグラマークは盾で的確に防いでいた。グラマークが任されたのはラードラを一人で抑えること。撃破しなくてもいい、だが他のところに行かないように足止めすること。それがこのゲームでのグラマークの役割だった



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王者のゲーム 後編(ナイト・ルーク編)

先週は休んでしまいすみませんでした。今週からまた更新を再開します。
ですが・・・またも終わり切りませんでした。ゼファードル達全員を書いていたらだんだんと長くなってしまい、後編と言っておきながら間に合いませんでした。申し訳ないです


【3人称side】

 

オ「ホッホッホ。やりおるのぉ」

 

豪華な部屋に設置されたソファに座りながらオーディンはレーティングゲームを観戦していた

 

ロ「そうですね。ユーガと戦った時よりも強くなっていると思います」

 

オーディンの後ろに控えながら同じモニターで観戦していたロセはグレイオスとキルイースのそれぞれの神器(セイグリッド・ギア)移りゆく銃手(コンヴァージョン・ガン・シューター)で造り出したレールガンと芸術は爆発だ(エクスプロージョン・デザイナー)の自爆の威力を分析していた

 

ロ「ですが私もゼファードルの仲間全員と会ったことがないありません。あのロボットには流石に驚かされましたが」

 

オ「確かにのうぉ。どこかで見たことがあると思えばあれは白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(スケイルメイル)に似ておるのぉ。よくぞあそこまで似せたものじゃ」

 

ロ「そうなのですか?」

 

ロセは頭を傾げた。自身は現白龍皇と会ったこともなくまた白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(スケイルメイル)も見たことがない。だがロセはあのロボットをどこかで見たことがあるような気がしていた

 

オ「まあ機会があれば会うこともあろうて。それよりも今はゲームじゃ。どうやらバアル家の坊主も正面から迎え撃つ考えらしい。できればこのまま大将同士でぶつかてほしいものじゃ。・・・ユーガに出会い得たその力、一体どれ程のものかこれで知ることができればいいのう」

 

オーディンは自身の長いひげをすきながらモニターを見つめていた

 

 

 

 

 

ゼ「ほう。サイラオーグめ、臆せず向かてくるか」

 

シ「こちらとしては嬉しいことですね!」

 

グレイオスによって開かれた道を突き進むゼファードル達。途中サイラオーグの眷属が道を塞ぐも仲間が抑えてくれているおかげでゼファードルたちは止まることなく進んでいく。その先にはキルイースを含めた重なる爆発の影響で更地と化した場所から向かってくるのサイラオーグ達だった

 

ガラ「まずは俺たちから行くぞぉ!ガルナ!奴らに度肝を抜かせてやれぃ!!!」

 

ガル「うん・・・いっくぞー!」

 

ガラムの声に気弱そうに返事をするガルナヴァート。だがすぐに気合を入れなおすと縮めていた身体を10mぐらいまでの大きさへと戻した

 

サ「巨大化!?」

 

レ「いけませんサイラオーグ様!大きくなったせいで他の者たちよりも速く到達します。何よりあの質量で蹴られでもしたら危険です!」

 

レグルスの言う通り巨大化したことにより歩幅が大きくなり他の物よりも先に到達したガルナヴァート。彼はサイラオーグへと攻撃の目標を定め、走りながらサッカーボールを蹴るがごとく脚を振り抜いた

 

サ「!?ガンドマ!!?」

(カ「アサシネイト」)

 

避けずに受け止めようとするサイラオーグをガンドマが背後にいた突き飛ばす。突き飛ばされたサイラオーグの代わりに強烈な蹴りを受けたガンドマはサイラオーグの声を聴くことなく遠くへと飛ばされてしまった

 

ガラ「ここは任せたぞ。俺たちは飛ばされたあいつをやる」

 

地面がひび割れるほど強く地を蹴ったガラムはサイラオーグとレグルスを通り過ぎ、ガルナのところまで跳んだ

 

ガラ「ガルナ!俺を奴のところまで飛ばせぇい!!その後貴様もついてこい!」

 

ガル「うん!せーの!」

 

ガラムはガルナの手に乗り自身をガンドマのところまで投げ飛ばすように指示。それに頷いたガルナは長い腕を大きく振りかぶり、投げた

 

ガラ「待っていろ。今俺が殺しに行ってやる。ハーハッハッハッハ!」

 

ガル「・・・よし、行こう」

 

何やら笑いながら飛んでいくガラムを見なかったことにしたガルナは後ろ戦っているセファードル達を一目見るとガラムを追いかけた。飛ばされるガンドマとそれを追いかける2人のゼファードルの眷属たち。サイラオーグの眷属は次々に彼の周りから引き離されていった

 

サ「またしても・・・」

 

ゼ「随分と数が減ったようだな、サイラオーグ」

 

そう言ってサイラオーグの目の前に現れるゼファードル。その横にはフォルクスに乗り槍を携えるシェリアの姿があった。対するサイラオーグの周りには仮面をかぶったままのレグルス()()

 

サ「ゼファードル・・・」

 

ゼ「残るは貴様とその仮面をつけた2人のみ。数の上ではこちらが有利だぞ?」

 

サ「何を言っている。数は同じ・・・」

 

ゼ「本当にそうか?周りを見てみたらどうだ?」

 

 

『バアル家『僧侶(ビショップ)』、1名リタイア』

 

 

サ「なっ!?」

 

見渡すと同時に響き渡るリアイアのアナウンス。そのアナウンスの言う通りサイラオーグは周りにはどこにも『僧侶(ビショップ)』であるコリアナの姿がなかった

 

サ「いつの間にユリアナを・・・」

 

ゼ「前腕が太い大男がガルナに蹴り飛ばされた時だ。貴様たちの後ろから追てきていたカルティナの存在には気付かなかったようだな。奇襲や闇討ちの連続で悪いがこちらも事情があってな。制限時間いっぱいやるわけにはいかぬのだ」

 

ゼファードルは己の腕を、脚を変化させる。皮膚が黒く染まり硬なっていく。生えている爪は太く鋭くなり、足の指は3本になるも踵からは新たに爪が生えていた。隣に居るシェリアも軽く槍を回し、フォルクスは片方の前脚を地面に蹴りつけながら鼻を鳴らしていた

 

レ「サイラーグ様・・・」

 

サ「隠しておくのは流石に無理があるか。・・・許す」

 

レ「かしこまりました」

 

ゼファードルの変貌を受けサイラオーグはレグルスに戦う許可を出した。レグルスは被っていた仮面を静かに取り払った。そこから現れたのは高校生ぐらいであろう少年の顔。だがそれは、瞬く間に変貌を始めた。体中から音を鳴らし、少年の身体が盛り上がっていく。全身に金色の毛が生えて、腕や脚が太く、たくましくなっている。口が裂けて、鋭い牙を覗かせ、尻尾が生えて、首の周りにも金色の毛が揃えていった

 

レ「ガゴォォォォォン!!」

 

レグルスは少年の姿から5~6メートルはある巨大なライオンへと変化した!その額に宝玉をはめられている。誰もがその変化に驚くはずだが、ゼファードル達は顔色一つ変えることはなかった

 

シ「変身能力ですか?ですが予定を変えることはしなくていいですね」

 

ゼ「だな」

 

レグルスがそのたくましい脚で地を蹴るとゼファードル目がけて襲い掛かる。だが、フォルクスが横から突進しその巨体同士がぶつかった。フォルクスも速度が出ていなかったためあまり力は伝わらなかったが、シェリアが槍で追撃を追撃を行う。レグルスは素早く体勢を立て直すし、槍を回避すると距離を取った

 

シ「本来ならば『(キング)』同士を戦わせるなんてことはしませんが最速で仕留めるならばこれが最善です。お兄様の邪魔はさせません!」

 

フォルクスが威嚇するように前脚を大きく上げシェリアは槍を構えた。その様子にレグルスは警戒するように唸りを上げた

 

 

 

 

 

エルファランス、ウラディールvsリーバン・クロセル

 

ゼファードル達から離れた場所で『騎士(ナイト)』同士が剣で斬り結んでいた。

 

リ「何故だ!?何故魔眼の生む枷(グラヴィティ・ジェイル)が効かない!」

 

エ「効いてはいるさ。だが《疾風の鎧》とウラディールのかけてくれた魔法のおかげで貴様の神器は相殺しているに過ぎない!」

 

エルファランスの神器(セイクリッド・ギア)である鎧布創造(アーマード・クリエイター)が生み出した《疾風の鎧》。その効果は身体を軽くしまるで疾風のように駆けることができるようになる鎧だ

 

エ「(本来ならば《迅雷の鎧》と共に使うものなのだが、魔力が足りない)」

 

《疾風の鎧》は《迅雷の鎧》と合わせて初めて真価を発揮するもの。《疾風の鎧》でいくら移動速度を上げても剣を振るう腕が追いつかなければ意味はない。それを補うのが《迅雷の鎧》の手足甲なのだが同時に使うには魔力が足りなかった。今はリーバンの魔眼の生む枷(グラヴィティ・ジェイル)から発生させた重力を《疾風の鎧》と夫であるウラディールの魔法の後押し相殺しながら無理矢理戦っていた

 

リ「(まずい。例え2人相手でも魔眼の生む枷(グラヴィティ・ジェイル)で片方を押さえればまだ戦えた。がこれでは『僧侶(ビショップ)』が自由に動けてしまう)

 

ウラディールに対しリーバンが魔力弾を放つもエルファランスと戦いながらでは碌に狙いを定めることもできず簡単に避けられてしまう。接近を試みるもその前にエルファランスが立ちふさがり近づくこともできない

 

ウ「・・・設置完了。エル!」

 

エ「ああ!わかった!」

 

ウラディールがエルファランスの名を呼ぶ。たったそれだけで2人の意思が通じ合っていた。エルファランスが斬り結んでいたリーバンを弾き飛ばすと飛ばされた先で爆発が起こった

 

リ「がぁ!!?」

 

リーバンの身体が爆発によって飛ばされその先で再び爆発が起きる。またその爆発により吹き飛ばされその先で爆発が起こる。計算されたそれはリーバンを逃すことなく爆発の連鎖が続いていく・・・

 

ウ「ラストだエル!」

 

エ「任せろ!」

 

最後の爆発によりリーバンの身体が飛んでいく。その先には剣を構えたエルファランスがいた。リーバンはかすかに意識の中で剣を盾にするも、エルファランスの振るった剣によりリーバンの剣は折れ、リーバン自身にも大きな傷を負った。そして強制的に転移が行われるとアナウンスが響き渡った

 

 

『バアル家『騎士(ナイト)』1名リタイア』

 

 

ウ「ふう。成功してよかった。これで僕たちの役目は終わりかな」

 

エ「いや、援護に行くぞ」

 

その場に座り込むウラディールに鎧を解きながら近づくエルファランス。だが彼女も援護に行くと言いながらウラディールの隣に座る

 

エ「だが、少しだけ休んでからな」

 

ウ「ああ。そうだな」

 

レーティングゲーム中の僅かな時間。2人は寄り添い合いながら体を休めた

 

 

 

 

 

ガラム、ガルナヴァートvsガンドマ

 

ガラ「やるではないかぁ!」

 

ガラムとガンドマは互いに翼を出しながら空中で衝突していた。ガラムの振るう斧とガンドマの拳が激しくぶつかり合う

 

ガン「うぉぉぉおおお!」

 

パワーはガンドマが勝っているが、ガラムはそれをいなし、時にはそのパワーを利用して振るわれるガラムの斧。ガンドマは防ぐも少しづつダメージを受けていた。それに対しガラムは一撃たりとも受けてはいなかった

 

ガラ「喰らえぃ」

 

ガンドマの拳を躱し後ろに飛び退いたガラムは大降りで斧を振るうとそこから巨大な衝撃派が放たれる。それは進む先にいるガンドマを引き裂こうと迫るが、ガンドマはそれを回避。だがその先にはガラムが片手に持つ斧から放たれた数多の炎の弾丸が待っていたかのようにガンドマに突き刺さる

 

ガン「ぬぅぅぅぅ」

 

段々と不利になるが耐えきれないほどではない。そう考えていたガンドマに影が差した

 

ガル「ラ○ダーーーーキッッック!!」

 

右足を突き出し、左足を折り曲げた状態で叫びながら巨大隕石の如く降下するガルナヴァート。それはガンドマ目がけて墜ちていった。ガルナヴァートはガラム達を追いかける途中で雲の上まで飛び上がった。そして上がりきったところでバク転を決めると、そこからラ○ダーキックの体勢に入り魔法を使い自身の背後で爆発を起こした。爆発の勢いに加え重力によりさらに加速するラ○ダーキック。流石に受けてはまずいとガンドマも感じたが

 

ガラ「逃しはしねぇ!」

 

目の前でガラムの斧が振り上げられた。柄と刃を握り何とか受け止めたガンドマだったが既に背後には足先を炎に包んだガルナヴァートがすぐそこまで迫っていた。その場から逃れようとするガンドマをガルナは先ほどの炎の弾丸を至近距離で放った。ガンドマをその場に止めるとともに斧を掴む手を反すことに成功したガルナはその場を離れた直後、ガルナヴァートの蹴りがガンドマを捕えた

 

ガン「ぐぉぉおおおおおおお!」

 

蹴りを受けたガンドマは炎に包まれながらガルナヴァートと共に落ちていく。そして

 

ガル「うぉぉぉおおおりやああああ!」

 

地面へと激突。ガルナヴァートの巨体からなる質量と爆発と重力に引かれた勢いによってその場所は巨大なクレーターができた。それ程の威力を受けたガンドマはいかに防御に自信があるとはいえ無事で済むわけもなく

 

 

『バアル家『戦車(ルーク)』1名リタイア』

 

 

ガル「やったー!」

 

リタイアとなった。アナウンスを聞いたガルナヴァートはガッツポーズをしていた



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王者のゲーム 後編(クィーン・キング編)

月曜日の19:00頃
「あ、感想増えてる。・・・( ゚д゚)!! ・・・(つд⊂)ゴシゴシ(;゚ Д゚)!!!?評価ついてる!?」

自分では全く言っていいほど書けてる感じはしないんですけどね(マジで)

最近イチャイチャ成分が全くない!レーティングゲームだからしょうがないけど・・・
一番イチャつける蒼枒と黒歌は出てこないし、ロセは出てるけどユーガは論外だし、絶斗とゼノヴィアは付き合い始めたばかりだし、する場所にいないし
そもそも、決闘者編のレギュラー出演者がここまで引っ張ることになるとは思わなかった



【絶斗side】

 

奇襲の連続、そしてゼファードルさんの眷属たちが多彩な能力でサイラーグさんの眷属を破っていく中、サイラーグさんの眷属の1人がそれまでずっと被っていた仮面を取った。その中から現れたのは俺たちと同じぐらだろう少年の顔。彼は身体を隆起させると大きな獅子へと変化した。その獅子を見た瞬間、サーゼクスさんは目を開き、驚木の声を上げていた

 

サ「額にあるあの宝玉・・・まさかネメアの獅子か!?」

 

絶「ネメアの獅子?・・・ゼノヴィアは知っているか?」

 

聞いたことがない。少なくとも俺が知っている作品の中には出てきたことがない。ならばと隣にいるゼノヴィアに聞いてみた。最近まで海外にいたゼノヴィアなら何か知っているかもしれない

 

ゼ「知ってはいるが、飽くまで一般人が知ろうとして知れる程度だ。ギリシア神話に登場するライオンでネメアという谷に住み着き、人や家畜を襲ったとされている。皮は分厚く、皮膚の下に筋肉が変化して出来た甲羅があると言われている。またヘラクレスの最初の難行がこの獅子を殺すことだったと伝えられているな」

 

ギリシャのライオンか。そして皮膚の下に甲羅があるか。サイラオーグさんはよく眷属にできたな

 

サ「それだけではない。実は神がその獅子の1匹を神器(セイクリッド・ギア)として封じ込めているんだ。それは13ある神滅具(ロンギヌス)として数えられいる。それは敵の放った飛び道具から所有者を守る力も持ち、極めれば大地を割るほどの威力があり、巨大な獅子の姿にもなれる」

 

リ「まさか・・お兄様はあれがそうだというの?」

 

サ「ああ。その名は獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)!!確かここ数年、所有者が行方不明になっていると報告を受けていたが、まさか、サイラオーグ君の眷属の『兵士(ポーン)』になっていたとは・・・」

 

マジか。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)って神器(セイクリッド・ギア)神滅具(ロンギヌス)にも使えるのか。死者も生き返らせるし本当に何でもありだな。それにしてもイッセーの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)、ヴァーリさんの白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)に続き3つめの神滅具(ロンギヌス)か。神器(セイクリッド・ギア)自体が珍しいものなのに13個しかない神滅具(ロンギヌス)がすぐに見つかるってどうなんだ?

 

イ「なんだあの槍!?ライオンの身体が消えた!?」

 

イッセーが驚きの声を上げた。俺もモニターを見るが

 

絶「・・・消えてないぞ?」

 

俺は小さくつぶやいた。視線の先には巨大な馬に乗るゼファードルの眷属と獅子が互いに睨みを利かせていた。そのどちらもどこにも傷など見受けられない。イッセーの見間違いかと思ったが、獅子がその場から一瞬で加速しゼファードルの眷属へととびかかり、ゼファードルの眷属である女性は手に持つ槍で迎え撃つのを見ると

 

絶「マジか」

 

女性の槍が獅子に触れた瞬間、振れた部分の獅子の身体が何もなかったかのように消えていた。それはさらに獅子の身体を侵食していくが、獅子が槍から離れると消えていた部分が少しづつ元に戻っていった

 

リ「お兄様!ゼファードルの眷属のあの槍は何ですか!?相手の身体が消えるなど聞いたこともありません!」

 

サ「私が知っているのは相手の力を弱くすることができるということだけだ。あれは私も初めて見たよ」

 

サーゼクスさんも何故ああなるか分らないようだ。ゼファードルさんの眷属である女性も積極的に攻めているわけではないようだし、となれば勝敗は『(キング)』による決着か。サイラオーグさんとゼファードルさんは近距離で殴り合ってる。よく見るとサイラオーグさんはゼファードルさんの攻撃を逸らしたり避けたりはするが防ぐことはしていなかった

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

シェリアグネス、フォルクスvsレグルス

 

フォルクスに乗るシェリアとレグルスとの戦いは不思議なことが起きていた。何故ならばシェリアの槍、真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)がレグルスに触れるたびにその箇所が消えてしまう。切り裂こうとする爪はその手ごと。突き立てる牙は頭ごと何もなかったかのように消えてしまっていた

 

シ「・・・これは一体?」

 

消えていた箇所は時間が経てば元に戻っていた。だがこれでは相手にダメージを与えることができないことをシェリアは理解していた。対するレグルスも数度の攻撃で容易に近づくことができないのを理解していた。普段ならば手加減しなければ相手と戦うことができない。それ程の力を持つレグルスだが、シェリアは違った。全力をもって攻撃しても槍に触れた瞬間その触れた身体が消えてしまっては意味がない。レグルスはどうやって隙を作りそれを突こうかを考えながら様子を見るようにシェリアの周りを歩いていた

 

シ「・・・仕方がないのです。ソウルズ・フラスティ!」

 

シェリアはロセとの決闘でも使用したドラゴンを()()()()召喚した。だが呼び出した数は4匹ではなく1匹のみ

 

シ「フォルクス!」

 

シェリアがフォルクスの名を呼ぶのを合図にドラゴンとフォルクスはレグルスに突撃した。レグルスは挟みこむように突撃して来るドラゴンと馬に乗るシェリアをその場から跳んで回避した。迎撃も考えたレグルスだったが、槍から召喚されたドラゴンにも槍と同じ自身を消す能力があると考えたからだ

 

レ「(あのドラゴンは不安要素だが1体ならまだ余裕だ)」

 

槍に触れずに済む方法はまだ考えつかないがその余裕はある。そう思っていたレグルスだが・・・

 

シ「跳んで!」

 

シェリアはこの程度の突撃が回避されることを読めていた。召喚したドラゴンを足場にフォルクスが方向を変えレグルスを追う。だが如何に悪魔に転生しているとはいえ、馬であるフォルクスが突撃している状態で鋭角に曲がれるはずもなく、レグルスとは跳んだ方向が違っていた。だがそれすらもシェリアは予定通り

 

レ「がぁぅぅぅうう」

 

シェリアの真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)がレグルスに突き刺さった。シェリアはフォルクスの背を蹴ると真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)を構えたままレグルスに向かって跳んだ。レグルスは突撃を回避した直後でまだ空中におり、翼も出していない。まして余裕があると僅かばかり油断してしまっていた。真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)はレグルスの身体を貫きこそしなかったものの、それまでと同じように身体がうっすらと消えていき、そして・・・

 

シ「これは・・・斧、ですか?」

 

金色の戦斧が地面へと落ちた。真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)から離れたそれは再び獅子へと戻ろうとするも、シェリアが戦斧へと真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)をつけた瞬間、動かなくなった

 

シ「封じられる前であれば私の真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)は効かなかったのでしょう。ですが今のあなたはその斧が本来の姿。私の槍に触れている限りあなたは変身はおろか動くこともできません」

 

遊戯王的に考えれば魔法カードである装備カードがモンスターとして場に出てきたようなもの。真実を現す混沌の槍(トゥルーロンギヌス)に触れれば本来の姿である戦斧が現れ、偽りの姿である獅子は消えてしまう

 

シ「このまま大人しくしていることです」

 

フォルクスもシェリアの隣へと戻ってくる。レグルスは何もできないことを悔やみながら主であるサイラオーグが勝つことを願うことしかできなかった

 

 

 

 

 

ゼファードルvsサイラオーグ

 

ゼファードルとサイラオーグ、『(キング)』同士の戦いは近距離での殴り合いだった

 

サ「はああああ!!!」

 

ゼ「甘い!その程度で俺を倒せると思っているのか!」

 

互いの拳が蹴りが飛び交いそれを避けて、逸らしていく。だがサイラオーグだけが攻撃を受け止めることをしていなかった

 

サ「受け止めることができないことがこれほどキツイとはな」

 

ゼ「だからと言って手加減はせんぞ」

 

ゼファードルがサイラオーグの蹴りを受け止め、掴む。サイラオーグは引き離そうと脚に力を入れるが掴まれた脚が離れることはなく、逆に持ち上げられ地面へと叩きつけた

 

サ「が・・・」

 

間髪入れずにゼファードルの拳がサイラオーグに迫る。転がるように避けたサイラオーグだったが、腕に軽い痛みが走った

 

サ「ぐぅ・・・・」

 

だがそんなことは気にしている暇もなくサイラオーグは自身の拳をフックのようにゼファードルの目がけて放った。何故2人が魔力の弾を放つこともなく殴り合っているのか・・・。サイラオーグは名家バアルの跡継ぎでありながら、大王家の証である滅びの力を持たずに生まれ、さらにはまともな魔力すらなかった。そのため戦闘方法は鍛え上げた肉体に任せた無類のパワーとスピードで繰り出す近接打撃格闘戦のみ。対するゼファードルはティアマットの指導のおかげもあり近・中・遠すべてに対応できるが、最も得意なのはやはり近接戦だった。彼が憧れた《レッド・デーモンズ・ドラゴン》は攻撃の方法が炎を纏った掌底で相手を倒す方法だったのだからしょうがない。さらにユーガとの決闘(デュエル)で知った《琰魔竜 レッド・デーモン》とその進化系たちも拳で相手を叩き潰すためさらに近接戦に傾向してもおかしくはなかった

 

サ「はああああ!!!」

 

サイラオーグが踏み込みながら正拳を放つ。ゼファードルはそれを片手で逸らしながらもう片方でサイラオーグの腹に掌底を叩き込んだ

 

サ「ぐ・・・やはり防ぎきれてないか」

 

ゼ「フッ。闘気を使えるようだが、まさか自分だけが使えると思っていたわけではあるまいな」

 

サ「一撃目を受けたときに感じたが・・・ゼファードル、お前も」

 

ゼ「当然だ。まあ貴様のように身体から溢れるほどではないがな」

 

サイラオーグは驚きと少しの喜びを感じていた。まさか自分以外にも闘気を扱える悪魔がいるとは思わなかったからだ。しかもそれは自身と同年代でレーティングゲームで活躍しているゼファードルがである。喜びを感じないわけがなかった

 

ゼ「だからこそ俺は疑問に思う。何故貴様はあの腐った奴らの言いなりになっている?」

 

サ「腐った奴ら・・・だと?」

 

ゼ「そうだ。貴様のと繋がっている古い悪魔たちのことだ」

 

なぜそのことを。サイラオーグはそうつぶやいた。確かに秘密にはしていなかったが彼らと交友があることは公にもいていなかったからだ

 

サ「貴様には分らないだろう。俺とは違い、滅びの魔力を持っていた腹違いの弟を倒しバアル家次期当主の座を実力で得たにもかかわらず、俺が大王家の次期当主であることを気にいらない者は多いことを!」

 

ゼ「だからか。次期当主でありながら大王家からは応援されず、別の後ろ盾がいるのは」

 

サ「ああそうだ。俺に期待し、俺の思想に共感してくれた方たちだ。俺も頭が硬いとは少し思うがな」

 

ゼ「(何を馬鹿なこと・・・あの権力にしか興味がない悪魔どもはサイラオーグのことなど使い捨ての駒程度にしか考えていないだろう。だがこいつは本気で応援されていると思っているのか?)あいつらが何の目的でお前の後ろ盾となっているか知っているか?」

 

サ「いや、聞いていない。だがそれがどうした?」

 

ゼ「フッ、まさか調べるどころか疑いもしないとはな・・・よく聞くがいい!奴らの目的はお前に恩を与え逆らえないようすることだ」

 

サ「何だと!?どういう事だ!」

 

ゼ「簡単に言えば奴らは自身に忠実な傀儡の魔王を仕立てるためにお前に近づいたのだ。無論、俺のところにも来たことがあるぞ」

 

サイラオーグはショックを受けた。お前ならばきっと魔王になれる。そう言われていたがそれはサイラオーグを乗せるためだけに言われたことだったからだ

 

ゼ「そもそもだ、何故貴様はそこまでして己を鍛える?悪いことではないが魔王として求められるのはカリスマ性や政治力だ」

 

サ「・・・なるほど。後で自身を含め周りのことも見直すことにしよう。だがまずはこの戦いだ。ゼファードル!お前には感謝するがその例はお前を倒すことで返すとしよう」

 

ゼ「いいだろう。来い!サイラオーグ!」

 

再び始まる格闘の応酬。サイラオーグは本気でゼファードルに勝とうと先ほどの攻撃よりもさらに威力が上がっていた。その余波で周りの建物が崩れていくが、ゼファードルは冷静に対処していた。足を払い体勢の崩れたサイラオーグに追撃の掌底を撃った。バランスを崩されたサイラオーグは体をひねり回避しようとする。しかしそれよりも早く反射的に腕が動き、遂に始まりから警戒していたゼファードルの攻撃を防いでしまった

 

サ「しまった!」

 

ゼ「防いだな。受けるがいい、デモン・メテオ!」

 

ゼファードルのドラゴンの腕から炎の波動が発せられた。零距離で受けたサイラオーグは腕を弾かれ無防備な状態となっていた

 

ゼ「受けろ!アブソリュート・パワーフォース!!!」

 

炎を纏った掌底はサイラオーグの身体の中心を捕えていた。勢い良く吹き飛ぶサイラオーグ。その先には斧の状態になっているレグルスの姿があった

 

レ「サイラオーグ様!」

 

シ「え?その状態でもしゃべることができたのですか?」

 

抑えていた間は一言も発しなかったためしゃべれないと思っていたシェリアだったがどうやら違ったようだ

 

ゼ「シャリア。無事のようだな」

 

シ「はい。相性のせいもあり傷一つ付きませんでした」

 

ゼ「そうか」

 

妹も無事を確認し安心するゼファードル。それとは対称的にサイラオーグたちは口論になっていた

 

レ「私を身に纏ってください! あの禁手(バランス・ブレイカー)ならばあなたは!」

 

サ「黙れッ! あの力は冥界の危機に関してと時のみに使うと決めたものだ!この男の前であれを使って何になる!?俺はこの体のみで戦うのだ!!」

 

ゼ「貴様、これをたかがゲームだと思っていないか?そのような甘い考えでは戦いですぐに命を落とすことになるだろう。言っておくぞ、戦いに次はない!」

 

サ「・・・そうか。俺は心のどこかでこれはゲームなのだと、2度めがあるのだと、そんな甘い考えを頭に思い描いていたようだ』

 

一呼吸した後、サイラオーグの闘気が溢れ出した

 

サ「どのような相手だろうとその戦いはその一度きり!想像すらできなかった自分があまりに腹立たしいっ!来い!レグルスゥゥッ!!』

 

レ「ハッ!!」

 

シェリアに抑えられていた戦斧が黄金の奔流と化しサイラオーグに向かう

 

サ「我が獅子よ!ネメアの王よ!!獅子王と呼ばれた汝よ!!!我が猛に応じて、衣と化せぇぇぇ!!!」

 

サイラオーグが黄金の奔流を身に纏い眩い閃光に包まれていくと、周囲の風景を吹き飛ばしていく

 

サ・レ「「禁手化(バランス・ブレイク)!!!」」

 

閃光が弾けた。そこに現れたのは金色に輝く獅子の全身鎧。頭部の兜にはライオンのたてがみと思わせる金毛がなびく

 

サ・レ「「『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』の禁手化(バランス・ブレイク)獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』!殺す気でいかせてもらうぞ!!!」」

 

フィールド全体が震えだす。鎧に着け、さらに闘気をまとわせて歩む姿は圧倒的な存在感を生みだしていた。その中でゼファードルとシェリアは懐からオレンジ色の液体の入った小さな瓶を取り出した。それは僧侶(ビショップ)のサラーシャがレーティングゲーム開始直後に渡したもの。その効果は・・・

 

サラ『これは体力と魔力を完全に回復させることができる薬です。ですがその効果は5分しか続かず、また無理矢理回復させるので服用直後は身体に大きなダメージを与えることになります。使用の際はフェニックスの涙を直後に飲んでください』

 

ゼファードルは指示通り薬を飲んでからフェニックスの涙を半分飲んだ。残る半分をシェリアへと渡すとゼファードルと同じようにシェリアも薬と涙を服用した。そして・・・

 

ゼ「・・・ここからが本気の勝負だ」

 

シ「せいぜい死なぬよう耐えるのだな」

 

ゼファードルはそれまで腕と脚まで変身を再開。角がと尻尾が生え、翼が大きく広がり、一回り身体が大きくなり完全に《ブルー・デーモン・ドラゴン》へと変身した。そしてシェリアも自らに掛けている封印を解いた。片や龍王のような威圧を放つ蒼と黒のドラゴン、片や左手には先ほどまで持っていた槍を、右手には中から光を放つ青い巨大な水晶を持ち背後に光輪を浮かべ神々しい光を放つ女王(クィーン)。それらに向かうのは金色に輝く獅子の全身鎧のサイラオーグ。若手とは思えない力を持つたちの第2ラウンドが始まった




最後の方、まとまりが無くなってしまった!申し訳ないです・・・

次回からは一話挟んでシトリー戦を予定しています(これ以上のゼファードルとサイラオーグの描写はないです)


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ゲームを見終えて

特に必要はないですけど入れたくなりました。やはりゼファードル達に比べかなり書きやすかったです


【絶斗side】

 

グシャラボラス家とバアル家のレーティングゲームが行われた次の日。俺とゼノヴィアは変わらず蒼歳(そうせい)町で修行をつけられていた

 

絶「くっ、速い・・・」

 

迫り来る拳や脚、指や膝等を躱し、剣で相殺し防いでいる。以前よりもラッシュが速い。本人はそのつもりもないのだろうけど

 

白「一通り教えたので次の段階だそうです。何を使うようになるか、何を伸ばすかは貴方次第。だそうです」

 

そう言われても防ぐだけで手いっぱいのこの状況じゃあ何もできない。相手は白音さん。本当は蒼枒さんが相手だったらしいが朝からいないらしいため代わりに白音さんが相手してくれている。ちゃんづけはやめた。年上だし教えてもらう相手にちゃんづけは如何なものかと思ったからな

 

絶「(マズい、押し切られる)」

 

白「(まあ、持った方ですか)」

 

じわりじわりとこちらに近づいて来る。風の斬撃は隙が大きすぎて使えない。風を操ろうにも意識を割くこともできない。二刀流になり手数を増やそうと思うが《アミル・ガウル》の羽根に持ち変える瞬間にできる隙を突かれてしまう。このままではジリ貧と思った時には白音さんに手を掴まれていた

 

絶「(マズッ)」

 

抵抗する間もなく一瞬で投げ飛ばされる。意識が飛びそうになるのを何とか持ちこたえ、姿勢を整えると空気の足場を作る。足をつけ顔を上げると、目の前には既に白音さんが迫っていた

 

絶「(死ぬ!)」

 

拳が目の前に迫り死を感じる中で必死に顔を逸らした。辛うじて頰が切れる程度で済んだが

 

絶「がぁぁぁあああ!!?」

 

拳は止まることなく俺の右肩を砕いた。戦いの中で声を上げるなと言われているが痛みによる悲鳴は早々に抑えることができるようにものでもなかった。そして反撃する暇も余裕もなく、脚が腹に突き刺さり打ち上げられると次の瞬間には地面へと落とされた

 

 

 

 

絶「はっ!?」

 

白「やっと起きましたか」

 

どうやら俺は気絶していたらしい

 

白「まだ手加減しなければならないですかね?重りをつけ、技も使わず気も妖力その他も封印し、身体能力のみで相手をしているのですが」

 

絶「いや、そのままでいい。格上の相手と戦えるようにならないとこの先生き残ることも護ることもできないからな」

 

立ち上がりながら右肩を回す。砕かれていた肩も気絶している間に白音さんが治してくれたようだ

 

白「貴方がそういうならそれでいいです。ですがそれでは私に益がないですね・・・」

 

そういう白音さんは手を伸ばすと先から大量の炎を吹き出し始めた。それは人の形になると溢れていた炎が収まり

色が付き始めた。その姿は完全に白音さんと一致していた

 

絶「分身、ですか?」

 

白「そうです。お姉ちゃんのように数十と言う数を同時に操ることはできませんが、私もできることに越したことはないので。私よりも弱いですが甘く見たりしないことです」

 

絶「分かっています」

 

元より甘くなど見ていない。おそらくだが、この町の戦う者の中で一番弱いのは俺だろう。そんな中で相手を軽く見るようなことなどできるわけがない。向かってくる分身に俺は《アミル・ガウル》を構えた

 

 

 

 

 

 

 

【ゼノヴィアside】

 

葉「そういえばレーティングゲームはどうでした?」

 

私は今青龍の妹、葉月に張られた結界の中に閉じ込められていた。中から結界の弱い点を探し出し、それを突くことで脱出するのがこの修行の目的らしいが、力ばかりにかまけていた私に、こういう精密なのは辛い。張っている葉月は結界の上に腰掛けながら自ら生み出した水竜2体を自身の分身と戦わせていた

 

ゼ「バアル家が負けたな。グレモリーは残念がっていたよ」

 

互いに本気を出し始めてからはすごかった。あの戦いは魔王同士の戦いだと魔王サーゼクスは言っていた。確かに今の私たちでは誰一人としてあの3人に勝てないだろう。それほどまでに力の差を感じた

 

葉「そうですか。何か得るものはありましたか?」

 

ゼ「技術的なことは何も。相手の情報だけだな」

 

どちらの眷属も確かな強さを持っていた。戦闘に秀でてなくても他の者と組みサポートしたりと自身の力を発揮していた。いずれ戦うであろう彼らのことはもっと知るべきだが、特に情報が欲しいのは最後に戦っていた4人だ。凄まじい戦闘能力を持つ(キング)のサイラオーグに彼の兵士(ポーン)である『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』。彼らはさらに禁手化(バランス・ブレイク)を行うこともできる。『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』。それを纏ったサイラオーグはその凄まじい戦闘能力をさらに上げていた。だがそんな彼らでさえ勝つことのできなかったのがグシャラボラス家の(キング)女王(クィーン)だった。女王(クィーン)は獅子に変身した『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』を元の戦斧へと戻す槍を持ち、禁手化(バランス・ブレイク)でもしたのか槍の他に大きな水晶と背に輝く光輪を浮かべた時は『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』を纏ったサイラオーグに対し未来でも見えているような攻撃・防御を行っていた。移動はすべて乗っている馬が行っていたが・・・。(キング)であるゼファードルは単体でサイラオーグと同等の戦闘力を持ちながらさらにドラゴンへと変身もできる。その状態では僅かばかり『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』を纏ったサイラオーグに僅かばかり劣っていたが、さらに変化できるのか剣を持った細身の姿になったり、巨大になったりしていた。最後は元のドラゴンの姿に戻り炎の掌底を叩きこんでいた。それが決め手となりグシャラボラス家の勝利となった

 

葉「情報は大切ですよ。孫子にも彼を知り己を知れば百戦殆うからず、と書かれてますし。戦う相手のことだけではなく身内のこともよくしておいてくださいね。でなければ思わぬことが起きるかもしれませんよ。・・・ですが実力が離れすぎていればそれも意味をなさず潰されてしまうことなんですけどね」

 

ゼ「まあ、そうだろうな」

 

今座っている葉月や彼女の兄たちならばグシャラボラス家にも勝てるだろうか?彼女を含めた4人の本気の戦い。あれを見てからというもの彼女たちに対して勝てるイメージが全くつかない。サイラオーグとゼファードルも同じく勝てないと思ったが、葉月たち比べるとまだ勝てる見込みがあると思えた

 

葉「さて、話はこれぐらいにして。見つかりましたか?」

 

ゼ「いや、まだダメだ」

 

全く見つからない。いっそのことデュランダルで破壊してしまおうと思ったが、それでは修行の意味がないと思いなおした

 

葉「視覚ではなく、感じたほうが分かりやすいですよ」

 

そう言われて目を閉じる。教えてもらった気はまだ使えない。残るは魔力と聖剣の力だが、魔力は使えなくなることを考えると残るは聖剣の力。まだまだ使いこなすには程遠いがいまはやるしかない。聖剣が放つオーラを結界の面に伸ばしていき、弱いところを探る。すると自分の立っているの面の一部が怪しいと感じた

 

ゼ「これか!」

 

私はその場所をデュランダルで突き刺したが、結界は割れることなく健在だった

 

ゼ「何故だ?確かに弱点を突いたはず」

 

葉「それは偽物ですよ。まさか対策をしていないとでも思ったのですか?」

 

言われてみればそれは当然のことか。弱点がある事を知っているのにわざわざ放置するわけがない

 

葉「今のは一番わかりやすい偽物でしたがその調子です。はやく見つけれるように頑張ってくださいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【黒歌side】

 

今日は朝起きたときから蒼枒がいない。急にいなくなったことを考えるとスサノヲ様に連れていかれたのだと思う。蒼枒が予定していた修行は代わりに白音がつけていた。それも終わり夕方を過ぎても蒼枒は帰ってこない。夕飯も食べ終わり、お風呂に入ってもまだ帰ってこない。葉月達はすでに寝てしまった

 

黒「蒼枒ぁ・・・」

 

もう少しで丸一日が経つ。これほど長く離れるなんて片手で数えるほどしかない。クッションを抱えたままソファーに横になる。寂しさを紛らわすようにクッションを抱きしめた

 

黒「はやく、はやく帰ってきてにゃ・・・」

 

いつもなら抱きしめてもらいながら撫でてもらって、時折キスして、たくさん甘えさせてくれる。今日はそれがなかった。寂しさから涙が目に浮かび始めたころ、家の中に突如神の気配が2つ現れた。そしてその1つは

 

黒「蒼枒!」

 

私はすぐにその場所へと瞬間移動した。そこにはスサノヲ様とピクリとも動かない倒れたままの蒼枒の姿が

 

ス「流石は蒼枒だな。早くも天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を使いこなすか」

 

黒「蒼枒は!蒼枒は無事なんですかにゃ!!?」

 

ス「気絶しているだけだ。完全に力を使い果たした上でさらに力を使ったからな。よくあることだ」

 

確かに、力を限界以上に使って気絶するのは私も何度も同じ経験をしている。だけど蒼枒がそうなるのは見たことがなかった

 

ス「今日は興が乗ってな。存分にやり合えて楽しかったぞ。ではまたな」

 

スサノヲ様はどこからか瓢箪(ひょうたん)を取り出すと飲みながら帰っていった。瓢箪(ひょうたん)の中身、きっとあれはお酒だ。蒼枒はおそらく、軽く酔っているスサノヲ様が満足するまでずっと相手をさせられたのだろう

 

黒「・・・しょうがないにゃあ」

 

力を使い果たしたということはすぐに起きることはない。私は蒼枒に張られている重力符を剥すと分身と一緒に蒼枒を私たちの寝室まで運び、布団に寝かせた

 

黒「にゃふふ、蒼枒ぁ」

 

私も布団にもぐりこむ。ああ、やっと蒼枒を感じられる。この暖かい気に包まれる感覚は蒼枒だけ

 

黒「蒼枒・・・大好きにゃ」

 

私は蒼枒の頭を胸に抱きよせる。胸の中に愛しい旦那様を感じながら私も瞳を閉じた

 



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前夜のミーティング

今回もいつもの直前の話!そして薄っぺらな内容です!!


【絶斗side】

 

グシャラボラス家とバアル家のレーティングゲームからしばらく経ち夏休みも終わりが見えたころ、アザゼル先生が俺たちのレーティングゲームの日程について教えに来た

 

アザ「久しぶりだなゼット。ソーナ・シトリーとレーティングゲームをすることになったんで伝えに来たんだが・・・そんなボロボロで大丈夫か?」

 

蒼枒さんの分身にボロボロにされているところに来たのが2日前。前日にミーティングをしなければならないとかで夕方には家に迎えが来るらしい。それまでは変わらず修行なのだが・・・

 

絶「蒼枒さんと白音さんの2人がかりなんて無理ですって!!!」

 

蒼「最後の付け焼刃だ。動きを身体に染み込ませろ」

 

白「まだまだ未熟なうえに基礎もできてない貴方に仕上げなんて言えませんからね。持てる力すべて使ってしのぎ切ってください」

 

蒼「当然反撃してもいいぞ。できればの話だがな」

 

そんな余裕あるわけがない!横どころか後ろにも逃げ場がなく、気配の察知も数メートルが限度だし新たに考えた《アミル・ガウル》の運用も全方位から来る攻撃を捌くのが限界だった

 

 

 

 

 

絶「ゼノヴィア・・・無事、か?」

 

ゼ「ああ・・・何とか、な?」

 

黒歌さんと葉月さんに扱かれていたであろうゼノヴィアが合流した。互いの姿を見ると安心したかのように力が抜け2人して木の下に座り込んだ

 

絶「はぁ・・・そちらはどうだった?俺の方は2対1でボコボコにされたが」

 

ゼ「こちらは刃を交えたのは葉月さんだけだったが、後ろから黒歌さんが援護してきてな。今までやってきたことをすべて詰め込まれた」

 

何でもありだ、あの人は。と言ってゼノヴィアが寄りかかってきた。俺もそう思う。やはり神の妻になるぐらいだから才能も能力も他とは比べ物にならないのだろう。その神である蒼枒さんもアーシアの神器(セイクリッド・ギア)以上のこと普通にやってるし。寄りかかるゼノヴィアに俺も支える力を残しておらず互いに寄りかかるように支え合った

 

 

 

 

 

絶「・・・はっ!今何時だ!?」

 

いつの間にか寝てしまっていたらしい。目が覚めると日の光が赤くなり始めていた。

 

絶「ゼノヴィア!起きろ!!」

 

ゼ「んん・・・絶斗?」

 

絶「早く家に帰らなないと迎えが来るぞ」

 

黒「あら?起きてたのにゃ?」

 

寝かされていた俺の布団の隣で寝かされていたゼノヴィアを起こす。その時まるでタイミングを見計らったかのように黒歌さんが現れた

 

黒「夕方に冥界に行くんでしょ?そろそろ起こそうかなと思ってたにゃん」

 

絶「はい。わざわざ布団に寝かせていただいてありがとうございます」

 

黒「気にすることないにゃ。それよりもお昼も食べないで寝てたでしょ。これを持ってくにゃ」

 

そう言って黒歌さんは空間から葉っぱに包まれた何かと竹の筒を取り出し、俺たちに渡した

 

ゼ「これは?」

 

黒「おにぎりとお茶にゃ。行く前に食べるといいにゃ」

 

ゼ「葉っぱに包まれてるこれが!?」

 

黒「それは竹の皮にゃ。今はそれに包んでいるところは滅多にいないからにゃー。私たちは蒼枒が作るからいくらでもあるけど」

 

絶「俺も時代劇とかの中でしか見たことがない」

 

ゼノヴィアは驚くよな。まあ竹の葉に包まれたおにぎりはロマンあるし。・・・いくらでも作れるとかはもう驚かないぞ

 

黒「ほら、送ってあげるから送れないうちに早くいくにゃ」

 

黒歌さんは片手で布団を宙に浮かべ畳みながらもう片方で魔法陣、正しくは転移陣を浮かべていた

 

絶「何から何まで。ありがとうございます」

 

ゼ「私もありがとうございます。大事に食べさせてもらいます」

 

俺とゼノヴィアはお礼を言い転移陣を潜った。・・・おにぎりとお茶は今まで食べた中で一番おいしかった

 

 

 

 

 

 

 

朱「お迎えに参りましたわ」

 

家に帰ってきてから1時間後。リビングに魔法陣が現れ朱乃さんが現れた(ちゃんと靴は履いていなかった)。朱乃さんに連れられ冥界に転移し、明日のレーティングゲームについてミーティングを行うため部屋へと案内された

 

絶「なあゼノヴィア。朱乃さん、なんか変じゃないか?」

ゼ「確かに。悪魔の気配と堕天使の他に、僅かだが何か別なものが入っているような気がするな」

 

朱乃さんに聞こえないように小声で話す。すぐには分らなかったがじっくりみればゼノヴィアの言う通り大きな2つの気の他に異なる気が僅かだが感じられた。あれは一体なんだ?

 

朱「部長。2人を連れてきましたわ」

 

リ「お帰りなさい。早速だけど明日のソーナたちとのゲームに向けてミーティングを始めるわよ!」

 

案内された会議室にはアザゼル先生を含めオカルト研究部の全員がそろっていた。皆何かしら得るものがあったのだろうか?冥界にいなかったしそれぞれの情報が全く入ってこなかったからな

 

アザ「さて、まずはお前らの戦術の特徴に関して改めて整理しておくか。ゼットとゼノヴィアには手紙に入れておいたが、レーティングゲームではプレイヤーに細かなタイプをつけて分けている。自らの身体能力を前面に活かして一撃必殺を狙うパワータイプ。自らのスピードや技量を駆使するテクニックタイプ。魔力全般が秀でたウィザードタイプ。味方の補助を行ったり敵を妨害したりする能力を持つサポートタイプ。以上の4つだ」

 

以前から変わるはずもなく攻撃手(アタッカー)特殊系(トリッカー)しかない。だがしょうがないのかもしれない。回復はフェニックスの涙位しかなさそうだし、アーシアの、聖母の抱擁(トワイライト・ヒーリング)がかなり貴重がられてたからな

 

ゼ「何十年で効かないほどやっているのだろう。防御や回復に気付いてもいいだろうに」

絶「そう言うな。きっと見栄えのためだろう。派手で協力攻撃のほうが観客受けもいいだろうし」

 

隣に座るゼノヴィアと誰にも聞こえないように言葉を交わした

 

アザ「この出場メンバーの中でなら、リアスはウィザードタイプのパワー寄り。いわゆる魔力全般に秀でたタイプで火力が高い。朱乃も同様にウィザードタイプだ」

 

あ、寄りとかって使えるんだ

 

アザ「祐斗は主にスピードや技術で戦う生粋のテクニックタイプ。イッセーはパワータイプだが譲渡の力でサポートも可能な筈だ。アーシアとギャスパーはサポートタイプ。この二人を細かく分けるなら、アーシアはウィザードタイプ寄りで、ギャスパーはテクニックタイプ寄りだ。そして残る2人何だが・・・」

 

なぜそこで俺たちを見て言い淀む?

 

アザ「はっきり言って青龍がどんなことをしていたかさっぱりわかんねえ。修行前の判断からしたらゼノヴィアはパワータイプだがスピードがある。絶斗も同じだがゼノヴィアよりも少しパワーが落ちてスピードが上がっていると思うんだが」

 

絶「その考えで大丈夫だと思いますよ」

 

大体あっているし間違いではない。蒼枒さんから、自分からは情報を言わないようにと厳命されてるからな

 

アザ「そうか。じゃあ次だ。リアス。ソーナ・シトリーの眷属はどの位把握している?」

 

リ「ソーナの事、副会長である女王(クィーン)の事、後は数人の能力は知っているわ。一部判明していない能力の人もいるけどね。まずは・・・」

 

部長が知っている情報だと、ソーナ会長は氷や水流と言った魔法を用いたテクニックとウィザードの両方の特性を兼ねたタイプ。女王(クィーン)である真羅 椿姫副会長は敵の攻撃を受け止める鏡を生成してそれを破壊した衝撃を跳ね返す神器(セイクリッド・ギア)、『追憶の鏡(ミラー・アリス)』を使うテクニックタイプ。『兵士(ポーン)』の匙 元士郎は『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』という五大龍王の一角「黒邪の龍王」ヴリトラの力を宿した神器(セイクリッド・ギア)を使うテクニックタイプ。会長の眷属って部長と違いテクニックタイプが多いな。この3人が有力らしく他は詳細がわからない。残るは『戦車(ルーク)』1、『騎士(ナイト)』1、『僧侶(ビショップ)』2、『兵士(ポーン)』1。会長らを合わせ計8人か

 

絶「こういったほぼ初見の相手に対し、事前の情報ほど役に立つ物は無いからな。出来れば全員のが欲しかったがレーティングゲームが初となるとしょうがないか」

ゼ「だが(キング)女王(クィーン)の能力が知れたのはありがたい。どちらも経験済みだ」

 

変わらず聞こえないように2人でコソコソと。実際に見たことも経験もしてはないが似たような相手は既に経験済みだ

 

アザ「おまえたちが今回のゲームで勝利する確率は70%以上とも言われている。俺もおまえたちが勝つと思っているが、『絶対』勝てるとは思っていない。俺は長く生きてきた。そのなかで多種多様の、様々な戦闘を見てきた。だからこそ、言えるんだよ。勝てる見込みが1割以下でも勝利してきた連中がいたことを俺は覚えている。1%の可能性を甘くみるなよ。絶対に勝てるとは思うな。だが、絶対に勝ちたいとは思え。これがこの合宿で俺がお前達に伝える最後のアドバイスだ」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

ミーティングを終え解散となった後、それぞれの客室に案内された。ベットに座りながら持ってきた荷物を漁っているとドアがノックされた

 

ゼ「絶斗。私だ」

 

絶「ゼノヴィアか。開いているぞ」

 

部屋に入って来たのはゼノヴィアだった。彼女は俺の元まで来ると隣に座った

 

絶「どうした?」

 

ゼ「明日のレーティングゲームについてだが・・・勝てると思うか」

 

絶「正直分らん」

 

圧倒的に情報が足りない。相手の不明確な部分が多すぎる

 

絶「この目で見たわけでもないし実際に戦ったわけでもない。だがそれはいつものことだろう?」

 

ゼ「確かにな」

 

蒼枒さんのところで色々な方、主に妖怪と戦ったが、同じ相手でも戦い方がまるで違った。まるで遊んでいるか、試してるかのように得物や動きが変わっていた。そんな状態の相手に勝てるかどうかだったからな。経験は積めたのは確かだったが

 

絶「アザゼル先生の言う通り勝てるとは思うな、勝ちたいとは思え。その気持ちでいくしかない。後はいつものように戦うだけだ」

 

ゼ「そうだな。使える力を出し切って、な」

 

アザゼル先生のいうことも分かるが俺たちの修行相手は勝てる可能性が1%もない相手ばかりだったからな。彼らが本気を出せば俺たちなんて手も足も出ずに瞬殺されるだろう。

 

 

 

その後俺たちはしばらくの間、話をしたり寄りかかりながら互いの体温を感じたりしていた

 

ゼ「そろそろ私も寝るとするよ。お休み、絶斗」

 

絶「ん、お休み」

 

ゼノヴィアは俺にキスをすると自分の部屋に戻っていった



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ソーナ戦 前編

前編と言ってきながら本格的な戦闘は次回から。ゼファードル達に比べ動くのは2人だけだからそこまで長く(無駄に伸びたりし)ならない、と思いたいです


【絶斗side】

 

レーティングゲーム当日。会場の控室に待機している俺たちは各自好きなことをしている。身体を動かしたりシュミレーションしたりと様々だ。俺は精神を落ち着かせてリラックスしている。ちなみに俺とアーシアとゼノヴィア以外は駒王学園の夏の制服姿だ。アーシアはシスター服、ゼノヴィアはボンテージっぽい戦闘服だ。俺は黄色のシャツに赤いコート、黒のズボンと前のレーティングゲーム、ライザー戦と同じ服装だ

 

『皆様、この度はグレモリー家、シトリー家のレーティング・ゲームのご観戦にお越しいただき、ありがとうございます。私は今回のレーティング・ゲームの審判役(アービター)を担う事になりました、ルシファー眷属の『女王(クィーン)』、グレイフィア・ルキフグスで御座います』

 

そろそろ開始時間か。サイラオーグさんとゼファードルさんのレーティングゲームようにいきなりフィールドに飛ばされ始まるのかなと考えていたが、グレイフィアさんのアナウンスが聞こえ、控室に設置されたモニターにマップが映りだされた

 

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名の下、ご両家の戦いを見守らせて頂きます。どうぞ、よろしくお願いします。早速ですが、今回の戦場には、リアス様とソーナ様両名が通われる駒王学園の近隣に存在するデパートを模したフィールドを用意致しました』

 

ああ、あそこか。あそこって他に比べて妙に高いんだよな。一般市民からしたらすぐに手が出ない。それはともかくマップを見ると横面積が半端なく広い。しかも、屋上以外にも立体駐車場まである。移動が大変そうだ

 

『皆さまモニターをご覧ください。赤で記された2階東がリアス様の、青で記された1階西側がソーナ様の本陣でございます。『兵士(ポーン)』の方はプロモーションをする際、相手の本陣まで赴いて下さい』

 

と言うことは『兵士(ポーン)』であるイッセー。シトリー眷属の匙君と仁村さんがプロモーションするには互いにデパートの端までいかなければならないわけだ

 

『今回のレーティング・ゲームでは両チームに1つずつ、フェニックスの涙が供給されております。尚今回は、フィールドであるデパートを大規模な破壊行為は禁止と致します』

 

前のゼファードルさんたちが街を壊して一本道を作ったからか?まさかな

 

『今回の制限時間は1時間。超短期決戦となっております。尚、事前に30分の作戦タイムを設けます。それでは、作戦タイムのスタートです』

 

さて、部長達はどう作戦を立てるか少し聞いてみるか

 

ゼ「困ったな。私や副部長にとっては不利な戦場だな。範囲の広い攻撃ができない」

 

ゼノヴィアは制御できることを言わないようだ。蒼枒さんから最低限の制御はできていると言われてはいるんだがな

 

朱「困りましたわね、大質量による攻撃をほぼ封じられた様な物ですわ」

 

朱乃さんの広範囲に及ぶ雷は使えないか。蒼枒さんみたいに範囲を絞ることはできないのか

 

祐「ギャスパー君の眼も効果を望めませんね。店内では隠れる場所が多すぎる。商品もそのままの陳列状態を模しているでしょうし、視線を遮る物が溢れています。闇討ちにも有効ですし・・・困りましたね」

 

そうだな・・・って待て!?そのままの陳列状態だと!?確かにレーティング・ゲームの異世界は、モチーフとなった建物の構造を忠実に再現していたって言っていたが。まさかな

 

リ「いえ祐斗、ギャスパーの眼は最初から使えないわ。こちらに『ギャスパー・ヴラディの神器(セイクリッド・ギア)使用を禁ずる』という規制が入ったの。理由は勿論、まだ完全に使いこなせたとは言えないから。暴走させてゲームの全てが台無しになってしまったら困ると言う判断で、挙げ句にアザゼルが開発した神器(セイクリッド・ギア)の封印眼鏡を装着との事よ。・・・全く、用意が良いわね」

 

ギャスパーを見てみるとさっそくメガネをかけていた

 

リ「では早速作戦会議を始めましょう。まずは戦場の把握からね」

 

って、今のは作戦会議に含まれていなかったのか!?・・・まあ、いいか

 

リ「本当にそのまま再現しているみたいね。このデパートで相手の陣地へと移動するルートは大きく3つ。1つはショッピングモールをまっすぐ行くルート。2つ目は屋上を経由してのルート。そして立体駐車場からのルートの3つね。立体駐車場の車も再現されているわ。厄介ね」

 

部長がモニターに向かってリモコンのようなものをかざして操作している。モニターにはその場所の写真が映し出され、自分の本陣の写真もいくつも移されていた。流石に相手の本陣やその周辺は見れないようになっているみたいだ

 

朱「ですが台数はそうは多くありません。時間からして一番遠回りな屋上を経由するとは考えにくいです。あちらにはバアル家やグシャラボラス家のように高機動な乗り物がありませんから

 

確かにその通りだ。俺たちには2家のような馬はいない。勿論、ロボットなんてものはない

 

朱「ですので私とゼノヴィアちゃんが立体駐車場から攻めますわ」

 

リ「そうね。朱乃とゼノヴィアには立体駐車場から侵攻してもらうことにするわ。店内からは祐斗とゼット、そしてイッセーね。イッセーは実質禁手化(バランス・ブレイク)が封じられているど、それでも倍加は十分相手の脅威になるわ」

 

それは構わないができればゼノヴィアと一緒に行動したかったな。しかしイッセーの奴、いつの間に禁手化(バランス・ブレイク)できるようになったんだ?

 

リ「ギャスパー。あなたは魔力とヴァンパイアの能力だけで戦うことになるわ。だから序盤、コウモリに変化して、デパートの各所を飛んでちょうだい。デパート内の様子を逐一知らせてもらうわよ」

 

ギ「りょ、了解です!」

 

神器(セイクリッド・ギア)を封じられたギャスパーができることではこれが適任か。戦闘力もそこまで高いわけではないし

 

リ「アーシアは私と一緒に行動するわ。・・・ところでイッセー。何を悩んでいるの?」

 

先ほどから何か悩んでいる様子のイッセー。一体何を考えている?

 

イ「あ、部長。俺のアスカロンをゼノヴィアに渡せばゼノヴィアの行動範囲が広がるんじゃないかと思って・・・」

 

リ「それは盲点だったわ!よく思いついたわね!」

 

ア「流石イッセーさんです!」

 

ゼ「(いや、渡されても邪魔でしかないんだが・・・)」

 

部長とアーシアはそれに賛成か。当然と言えば当然か。だがゼノヴィアは苦笑いだぞ

 

朱「私も賛成ですわ。3人で固まって動くのは行動範囲が狭くなりますし、だからと言って2・1に分かれて行動するのは物陰の多い店内では危険ですわ。ゼノヴィアちゃんが店内に行けばツーマンセルが2組できますのも」

 

リ「そうね。ならアーシアは朱乃と組ませるわ。私も最初から戦場には出ないもの。その案でいきましょう!」

 

使うであろうゼノヴィアの意見も聞かずに決まったか。まあその方が不審がられないでいいか

 

イ「よっと。ゼノヴィア、アスカロンだ」

 

ゼ「ああ。預からせてもらうよ」

 

周りに押し切られ、しぶしぶ受け取るゼノヴィア。だが何故朱乃さんはイッセーの案に賛成したのか?アーシアよりもゼノヴィアのほうが戦力として数えられるのに

 

ゼ「朱乃さん。なんでゼノヴィアを外したんですか?いくら店内よりも見通しが利く駐車場とは言え1人で相手するには難しいでしょう」

 

朱「ええ、ですがイッセーくんのほうが心配ですもの。イッセーくんはゲームの要。チームの精神的支柱でもありますもの。リタイアするのはマズいと判断したまでですわ」

 

ゼ「・・・何かイッセーとありました?」

 

朱「少し前にイッセーくんの傷を舐めたことがありましたわ。顔を赤くするイッセーくん。かわいかったですわ」

 

どうやら血を舐めたことが原因らしい。それを聞いた俺とゼノヴィアは

 

絶・ゼ「(ああ。もうダメだな)」

 

と思った。蒼枒さんが言っていたが、血を取り込んだとなると朱乃さんも魅了、と言うよりは依存か。されている。だからと言って俺たちにはどうしようないのだが

 

 

 

 

開始時刻となり床に書かれた魔法陣が光り出す。それと同時にアナウンスが流れた

 

『開始の時刻となりました。両陣営、魔法陣へとお入りください』

 

アナウンスに従い魔法陣で転移して到着した先は、テーブルだらけの場所だった。周囲を見渡してみれば、控室で見た情報通り飲食フロアで、テーブル周辺にファストフードの店が連なっていた

 

『両陣営のフィールドへの転移を確認しました。それでは、ゲームスタートです』

 

さて、ゲーム開始だ

 

リ「指示はさっきの作戦通りよ。イッセーと祐斗、ゼットとゼノヴィアの二手に分かれるわ。イッセーと祐斗は最短ルートの店内からの進行。ゼットとゼノヴィアは立体駐車場を経由して進行よ。途中でソーナの眷属と出会ったら倒して」

 

部長が気合を入れた表情と声で指示をし、全員耳に通信用のイヤホンマイクを取り付けた。作戦を少しだけ変えたか。俺としてはゼノヴィアと動けるし構わないが。ギャスパーはすぐにこうもりに変化して店内へと散っていった

 

リ「ギャスパーは報告しだいでは私も朱乃とアーシアと合流して進むわ!かわいい私の下僕悪魔たち!私たちが勝つわよッ!」

 

『はいッ!』

 

全員気合が入った返事をする。俺とゼノヴィアはする振りなんだけどな。いずれ悪魔をやめ、ここから去る俺たちは、な



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ソーナ戦 中編

今回は少し短いです。でもちょうど区切りがよかった
次回でソーナ戦は終わらせる予定です


【絶斗side】

 

ゲーム開始が始まってから5分位経っただろうか。俺とゼノヴィアは立体駐車場を歩いていた。制限時間が1時間しかないためはやく進みたいが、進むと言うことはそれだけ相手の陣地奥深くに入るということ。特別探知に優れているわけでもない俺とゼノヴィアは気配を察知しながら駐車場1階から出ようとしていた

 

ゼ「いないな。向こうからも来ているならばそろそろ出会ってもおかしくはないんだが・・・まさかこのルートは潰したのか?」

 

絶「・・・・・・」

 

ゼ「?絶斗、どうした?」

 

ゼノヴィアが返事のない俺に話しかけてくる。だが少し待ってくれ。もう少しで掴めそうだ・・・いた!

 

絶「ゼノヴィア、その心配はなさそうだ」

 

俺は《アミル・ガウル》を抜くとある場所に剣先を向けた。そして

 

絶「発射」

 

剣先から大量の風を纏った槍が勢いよく射出された。着弾した場所はコンクリートが剥がれ煙が舞い上がるがその中から3つの人影が飛び出してきた

 

椿「ごきげんよう、朧月くん、ゼノヴィアさん。随分なご挨拶ですね」

 

煙を払いながら淡々と話すのは生徒会副会長の真羅椿姫先輩。その手には薙刀が握られていた。その横には長身の由良翼紗。日本刀を携えた巡巴柄が並んでいた

 

絶「どうも、副会長。中々来ないのでこのルートは封鎖したのかと思いましたよ」

 

椿「その案も出ましたが今回は見送りとなりました。ここには『騎士(ナイト)』の木場くんがくるかと思いましたが、当てが外れたようですね」

 

ゼ「彼なら今ショッピングモールをまっすぐ突き抜けてますよ。『女王(クィーン)』が『(キング)』の傍にいなくて大丈夫なんですか?」

 

椿「心配はいりません。会長達は心配されるほど軟ではありませんので」

 

そういうともう会話は終わりというように副会長は薙刀を構えた。その隣では由良と巡がそれぞれ構えていた。正直思うと遅い。俺はもう展開し終えている

 

由・巡「はぁぁぁああああ!!」

 

由良が俺に、巡がゼノヴィアに突っ込んでくる。副会長は・・・何もしない?

 

ゼ「予想よりも速い!?」

 

巡の速さに驚いたゼノヴィアが腰からイッセーに押し付けられたアスカロンを抜く。そして迫る巡の日本刀がぶつかり・・・合わずアスカロンは日本刀に流された

 

巡「アスカロン!?」

 

ゼ「そうだ。イッセーから借りた(押し付けられた)アスカロンだ」

 

相手に激震が走った。やはり悪魔にとって聖剣はかなり危険なもののようだ

 

椿「巴柄! 翼紗! 絶対にあの剣をその身で受けてはなりません!」

 

由「っと。分かってます!あんなのに斬られたら消滅しちゃいますよ!」

 

俺の展開した不可視の槍に風を纏わせて放つ。由良はそれを回避しながら、巡は頷いて副会長へと返答していた。レイナーレさんを真似てみたけど牽制には十分だなこれは

 

巡「・・・フッ」

 

あれは・・・縮地か?それにしては遅いような気もするが。一瞬で迫った巡はゼノヴィアと激しい剣戟戦が繰り広げられていた。日本刀の鋭く疾い斬りと突きにゼノヴィアは回避と防ぐだけの防戦一方だ。時折アスカロンで斬り返しているが巡の巧な技術で刀身を滑らせ、アスカロンを完全に防ぎきっていた

 

ゼ「(やはり、使いにくい!)」

 

ゼノヴィアの表情を見るとかなり辛そうだ。まあ夏休みの間デュランダルだけを使っていたからな。それ以外の剣をいきなり持たされたところで十分な実力を発揮できるわけもない

 

由「余所見とは!随分余裕ね!」

 

俺の方はと言うと由良の攻撃を躱しながら風の槍を時折撃っていた。はっきり言って結構余裕だった。体術に秀でているようだが、白音さんに比べたらなぁ

 

由「『戦車(ルーク)』のくせにすばしっこい・・・くらえぇぇぇえええ!!!!」

 

由良がラッシュを放って来るもすべて見えるし読める。すべて回避できるのだから防ぐ必要もない。円を描くように少しずつ後退しながら俺はある人物を警戒していた。

それよりも副会長が何もしてこないのが気になる。戦う2人に指示はするが本人が前に出てくることがない

 

椿「っと、と、はぁ!」

 

副会長に風の槍を3つ、タイミングをずらして放つが2つは回避され、残る1つは魔力を纏った薙刀で弾かれていた。何か企んでいそうだがそれが分からない。ここは一気に仕留めたほうがいいか?そう考えたとき目の前の由良が急に部長たちのいる本陣方面へ駆けだした。それはゼノヴィアが相手をしている巡もそのようでいきなりのことで俺たちは一瞬止まってしまった!

 

椿「いいタイミングです2人とも!」

 

俺たちはすぐに追いかけるが、遅かった。立体駐車場1階の1部が幾重もの光の壁で覆われ、俺たちはその中に隔離された

 

絶「しまった・・・」

 

見れば、四隅に魔法陣が仕掛けられていた。あれが結界の要だろう

 

ゼ「いつの間にか副会長もいない。完全にやられたな」

 

絶「ああ。作戦は部長と同じ速攻で『(キング)』狙うこと。とは言えまさか無視されるとは思わなかった」

 

ゼ「確かに。まだ副部長が控えてるとは言え2人相手は厳しいだろうな」

 

そうなればはやくここから出なくてはいけない。結界はおそらくゲーム開始直後すぐにここへ来てから準備していたのだろう

 

絶「さてと。ゼノヴィア、点は見つけたか?」

 

ゼ「もう少し待ってくれ。大体の場所は分っているんだが・・・」

 

時間をかけて用意したものならばともかく、ゲーム開始から数分程度しか経っていない状況で張れる障壁の強度など高が知れている。黒歌さんレベルならば無理だがこの程度ならばすぐに出られる

 

ゼ「・・・見つけたぞ絶斗!」

 

絶「そうか。ならせーのっ!」

 

3分が経ったか?俺はゼノヴィアの見つけた反対の面にある点をゼノヴィアと同時に突く。すると結界が崩れていき俺たちは解放された。だがゆっくりしている暇はない。ゼノヴィアが探している途中で俺たちの陣営の僧侶が1人リタイアしたとアナウンスが流れた。たぶんギャスパーがやられたんだろう

 

絶「よし、でれたな。だがこれからどうする?部長を守りに戻るか、このまま本陣へ攻め入るか」

 

ゼ「その前に。絶斗やはり・・・アスカロンは使いにくい!デュランダルに変えようと思う」

 

絶「使い辛そうにしてたしな。なら俺も本気でいこうか」

 

やはり使い慣れない。と言うよりはゼノヴィアはアスカロンを今初めて使っていた。命がかかっているような状況ならともかく相手を倒し勝利するのが目的ならば枷でしかない。部長達からしたらゼノヴィアはデュランダルを使いこなせていないと考えているからしょうがないんだが

 

絶「それよりもだ。これからどうする?」

 

ゼ「リアス部長に敵が行ったことを知らせて、迎撃してもらえばいいのではないか?いつ来るかわからないよりは対策ができるだろう」

 

絶「それがジャミングがかかっているようで通じない。ギャスパーもいないし敵が来るのを知ることは難しいだろう」

 

俺はイヤホンマイクを通して部長へと連絡をかける。だが通信機器から漏れ出てくるのはザーザーとノイズの音だけで部長へ繋がる感じがなかった。わずかな時間で用意周到だな

 

絶「もし駐車場にいる朱乃先輩を抜けて本陣に奇襲でもかけられたら、ゼファードルさんやサイラオーグさんみたいに特別戦闘に優れているわけでもない部長は負けるだろう。そしたらこちらの負けだ」

 

ゼ「となればどちらかは援護に戻らなければならないな」

 

さてどうするか。どちらが援護に行くか素早く決めたいところだが・・・

 

ゼ「なあ絶斗。副会長は本陣に戻ったと思うか?」

 

絶「どうだろう?少なくとも先に行った2人を追いかけたようには感じなかったが」

 

目を離したすきにいなくなっていた。気配も結界に阻まれ察知できなかったし正確なことは分からない

 

ゼ「私が攻めよう。絶斗は援護に向かってくれ」

 

絶「その理由は?」

 

ゼ「副会長の得物は薙刀だった。それを振るうにはそれ相応の広さが必要だからな。それだけの広さがあればデュランダルも問題ないだろう」

 

絶「分かった。なら俺は2人を追いかけることにする。正直薙刀を相手するより日本刀と体術のほうがやりやすい」

 

ゼ「私もだ。最後に相手したのが葉月さんだったからな。薙刀を相手にする方が体が覚えている」

 

絶「だよなぁ。それに正直言って」

 

絶・ゼ「蒼枒さん達の方が何倍も強い」

 

ただしこれは俺たちに合わせて手加減してくれている状態での比較だ。全力での本気の状態は比較できない

 

絶「じゃあゼノヴィア。そっちは頼んだぞ。俺も終えたら急いで向かうからな」

 

ゼ「ああ、とその前に・・・」

 

ゼノヴィアが俺の腕の引いて顔を向けさせると唇に柔らかい感触

 

ゼ「ん・・・おまじないだ」

 

絶「ありがとう、ゼノヴィア」

 

触れるだけキス。頬を少し染めるゼノヴィアはかわいかったが背を向けると会長の陣地へと駆けて行った。俺も踵を返すとその場を立ち去り、今来た道を戻っていった



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ソーナ戦 後編

無事に後編で終わりました(よかった)
次回からはまた後日談とかやって決闘者編ですね。
・・・デッキを考えなくては。あと登場人物の設定も更新しないと・・・


【3人称side】

 

絶斗と別れたゼノヴィアはシトリー本陣へと向かった。その道中、いくつかトラップが仕掛けられていたが

 

ゼ「(単発式のみか。時間もなかったから当然か)」

 

ゼノヴィアは『騎士(ナイト)』の特性と教えられた技を使いトラップが反応する間もなく置き去りにしていった。そしてついた場所には会長はおろか誰もいなかった

 

ゼ「(このデパートで長物を扱える場所はそう多くはない・・・まさかな)」

 

ゲーム前に印されていた場所は長物であっても戦うことが可能な広さが十分にあった。だがここ以上に広さがあり、尚且つ壊す物も少ない。戦うにはうってつけのところがあった。だがそこは下手すれば攻めてきた相手と鉢合わせする可能性があった場所だ

 

ゼ「(まだあまり得意ではないが、確かにこの奥から2人の気配を感じる)」

 

ゼノヴィアが階段を登り切りドアに手をかけた。ゼノヴィアはその奥から2人の悪魔の気配を感じていた

 

ゼ「ここにいるとは思わなかったな。可能性としては低いと思ったんだけどね」

 

ソ「見つけられましたか・・・ゼノヴィアさん。思ったより早かったですね」

 

ゼノヴィアがドアを開けたその先、そこはデパートの屋上だった。そしてドアから入った先には『(キング)』であるソーナ・シトリーとその『女王(クィーン)』である真羅椿姫が待ち構えていた

 

ソ「ここが決戦場です。ここならば邪魔するものもない。匙が一誠くんを倒そうと、それを助けようとする祐斗くんも桃と憐耶(れや)留流子(るるこ)が抑えてくれています。そして翼紗(つばさ)巴柄(ともえ)とがリアスを打ち取ってくれると信じています。皆が頑張ってくれている中、ここで私が負けるわけにはいきません」

 

ソーナの周囲に水が集まりだし、次第に何かを形成させていく。その水の量は尋常ではなく、デパートのあらゆるところから水が集まってきていた

 

ソ「ゼノヴィアさん。私の水芸、とくと披露(ひろう)しましょう」

 

ソーナは大量の水を魔力で変化させ、宙を飛ぶ鷹に地を這う大蛇、勇ましい獅子、群れをなす狼、そして巨大なドラゴンを幾重にも作り出していた。だがそれを見たゼノヴィアは・・・

 

ゼ「(なんだ、この程度か)」

 

少しも慌てる様子もなく冷静だった。だがそれもそうだろう。ゼノヴィアに師事をしていた一人の葉月も同じことをできるのだから。しかも葉月が本気で生み出した水の生物のほうが精巧で数も多い。それに加えそれらが完全に自立で動き、連携までしてくるのだから性質(たち)が悪い。さらに大量の水が常に己を飲み込もうと襲い掛かるだけでなく、様々な物質へと変化していく。それに比べソーナの魔法で出した生き物たちはただの水しかなく、ゼノヴィアは脅威を感じることができなかった

 

ソ「さぁ、いきなさっ!?」

 

ソーナが指示する瞬間、ソーナたち2人は立っていた場所から飛び退いた。その直後、二人のいた場所を三日月状の斬撃が通り過ぎ、その線上にいた水の魔力の生き物たちは斬り倒され、姿を保てなくなり水へと戻っていた

 

ソ「そんな・・・一撃で」

 

椿「なんて威力でしょう。流石は聖剣・・・」

 

2人が目を向ける先にはデュランダルを構えるゼノヴィアの姿があった

 

ゼ「(避けもしない、か)」

 

斬撃を放ったゼノヴィアはやはり性能が低いと、今の攻撃から確信した。葉月の生み出したものならば今の斬撃位は余裕で回避していたからだ

 

椿「私が前に出ます!会長は援護をお願いします」

 

ソ「わかりました。くれぐれも聖剣に触れないように気を付けてください」

 

ゼノヴィアの攻撃力を見た椿はゼノヴィアを遠距離から攻めるのは不利と判断し、危険を承知の上で接近戦を挑むことを決めた。そしてソーナは椿を援護するため再び水をかき集め、先ほどの斬撃で失った分を補充し始めた

 

ゼ「(1人1人では私でも余裕をもって倒せるだろう。だが相手が連携するのならばこの物量差を含め少し厳しいかな。だが、黒歌さんと葉月さんの2人に比べたらずっと楽だ)」

 

ゼノヴィアは思い返していた。このレーティングゲームに来る前の日、黒歌と葉月によってさんざん扱かれたことを。物量、速さ、威力。そのどれもがソーナたちとは違っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼノヴィアがソーナたちを対する少し前、立体駐車場の出入口でゼノヴィアと別れた絶斗は全力で来た道を戻っていた

 

絶「(結界の中に3分も閉じ込められ、足止めされていた。走って向かったならばすでに朱乃先輩と交戦しているはずだ)」

 

絶斗の考えは的中することになる。絶斗が本陣に戻るにつれて何かの音が大きくなっていく。そして絶斗が由良と巡、そして朱乃を視界に捕えると、朱乃が向かってくる巡へと腕を向け体中に閃光と雷をほとばしりながら

 

朱「雷光よっ!!」

 

巨大な雷を放った。朱乃の父であるバラキエルと同じ『雷光』は堕天使の光の力も含まれており、悪魔に対して非常に強力だ。巡の目の前には姿を追うほどの雷光が迫るが

 

由「『反転(リバース)』!」

 

巡は慌てずに手に持っていた日本刀を地面へと投げ刺した。そして由良が『反転(リバース)』と叫ぶと雷光からの光が弱まった。雷光は避雷針代わりに突き刺さっている日本刀に向かうと地面へと流れていき、巡に当たることはなかった

 

朱「くっ、何故!?」

 

突き刺さった日本刀を回収し、朱乃に迫る巡。そしてそのすぐ後には由良が追従していた。朱乃は苦手な接近戦に持ち込まれるのを防ぐため、後方へと下がりながら雷を放った。だが朱乃には不思議でならなかった。今と違い巡が持つ日本刀には光の力を乗せた雷まだ帯電していてもおかしくはなかったからだ

 

巡「やはり接近戦は苦手のようですね」

 

由「このまま押し切らせてもらいます!」

 

朱「(ダメですわ。光を扱うには少し集中が必要。この状況では雷光が放てません)」

 

巡と由良は左右に分かれて朱乃へと迫る。だがそこにいくつもの風の槍が飛んできた

 

由「この攻撃は!」

 

巡「・・・もう出てきたのですね」

 

巡と由良は槍を避け、飛んできた方を見た。そこには結界に閉じ込めたはずの絶斗の姿があった

 

絶「ああ、あの程度なら何回も破ってるからな」

 

朱「ゼットくん、助かりましたわ。ですが今日は本体を使わないのですね」

 

絶「2人には悪いですけど速攻で片づけなくてはなりませんから。速さ重視ですよ」

 

絶斗の両手には《アミル・ガウル》についていた羽根が握られていた。そして残った本体はと言うと絶斗の左肩付近で盾のように浮かんでいた

 

由「挟まれたね」

 

巡「・・・私がゼットくんの相手をします。由良は朱乃先輩の相手を・・・」

 

由「分かった」

 

絶斗の加勢で挟み撃ちにされた由良と巡は短い装弾で各々で戦うことに決めた。朱乃の雷光と絶斗の風の槍が撃ち込まれるのを回避すると巡は絶斗に、由良は朱乃に向かった

 

ガキンッ

 

絶斗の《アミル・ガウル》が巡の日本刀を受ける。その瞬間を狙い絶斗は右手の羽根を横薙ぎに払うが巡は軽く下がることでそれを回避。続いて迫る左の羽根を日本刀で受け流した

 

巡「(空中に浮かぶ剣が邪魔で攻めきれない・・・!)」

 

絶「(やっぱり蒼枒さんに比べたらなぁ)」

 

何十もの剣撃が躱される中、巡は攻めきれてない状況をいかに打破するか考えていた。日本刀で斬りかかるも右は《アミル・ガウル》が、左は不可視の壁が日本刀を遮り絶斗への攻撃を許さない。鍔迫り合いからの剣を流し、その隙を突こうにも絶斗も分かっているようで決定的な隙を見せない。だがそれは相手も同じ。巡のほうが技術も瞬間的な速さも上で、絶斗の攻撃はすべて回避と受け流すことができていた

 

巡「っがぁぁぁぁぁああああ!!?」

 

続いていた均衡はいきなり破れた。巡は突如、膝の後ろから何かによって脚を貫かれた。突然のことに悲鳴を上げながら崩れ落ちる巡。その隙を絶斗が逃すことはずもなく上段から羽根を振り下ろした

 

巡「くっ・・・ガッ」

 

巡はそれを受け止めようと日本刀を両手で持ち上げるが、それを読んでいた絶斗は巡の顎を蹴り上げた。巡はそれにより気絶。身体に光が集まり、その場から消えた

 

 

『ソーナ・シトリー様の『騎士(ナイト)』一名、リタイア』

 

 

審判役(アービター)であるグレイフィアのアナウンスがソーナの眷属のリタイアを告げた

 

由「巡!」

 

朱「よそ見ししている余裕はないですわ!」

 

巡がリタイアしたことに驚き、巡るが戦っていた絶斗の方へと顔を向ける由良だが視線を外したすきに朱乃が雷光を放つ。由良はそれを飛んで回避に成功するが

 

絶「っはぁ!!」

 

雷光はそのまま直線状にいた絶斗に向かっていった。絶斗は咄嗟に風を操り真空を作りだすと迫る雷光を誘導。来た方へと流し返した。そしてその先には回避したばかりの由良がいた

 

由「きゃぁぁぁあああああああああ!?!?」

 

回避したばかりのため返ってきた雷光を避けることもできず、由良は雷光を受け悲鳴を上げながら光に包まれた

 

 

『ソーナ・シトリー様の『戦車(ルーク)』一名、リタイア』

 

 

絶「はぁ。危なかった」

 

朱「申し訳ありませんわ。まさか直線状にいるとは思わなくて・・・」

 

絶「いいんですよ。倒せたのだから良しとしましょう。俺はこれからゼノヴィアの援護に行きますが朱乃先輩はどうします?」

 

朱「なら私はイッセーくんたちのほうに行きますわ。まだ何も進展がないようですし」

 

絶「分かりました。それでは行きますね」

 

朱「くれぐれもお気をつけて」

 

絶斗と朱乃はそれぞれの行き先を決めるとすぐにその場を後にした

 

 

 

 

 

ところ変わって再び屋上。そこでは薙刀を振るう椿、遠距離から魔力弾で援護するソーナ。そしてソーナが作り出した数多の水の生物がゼノヴィアに襲い掛かっていた

 

椿「くっ。長物相手に慣れている!?」

 

ゼ「生憎、薙刀相手は何度も経験している」

 

ゼノヴィアは周りの生物ごと椿を薙ぎ払う。デュランダルに切られた生物はまた水に戻り、椿は後退しながらゼノヴィアを見据えていた

 

椿「デュランダル。噂通りの斬れ味ですね。何とか受け流してますが私の薙刀も削られてきています」

 

戦いが始まって十数分。一撃どころかかすることすら許されない状況で椿は逆転の手を考えていた

 

椿「(やはり『追憶の鏡(ミラー・アリス)』に掛けるしかないようですね)」

 

ソーナの作り出した生物をゼノヴィアはデュランダルで切り裂き、淡々と水に戻していく。椿はゼノヴィアが背を向けた瞬間に薙刀を振るえるように構えた突貫。それに気づいたゼノヴィアは咄嗟にデュランダルを椿目がけて突き出した

 

椿「掛かりましたね?」

 

ゼノヴィアのデュランダルが当たる瞬間、椿の目の前に装飾が施された大きな何かが現れた。ゼノヴィアは驚くものデュランダルは止まらず、勢いそのままに鏡を砕いた。その瞬間、鏡から衝撃が発生した

 

椿「神器(セイクリッド・ギア)、【追憶の鏡】(ミラー・アリス)。この鏡が破壊された時、その衝撃を倍にし・・・て・・・・・・」

 

ゼ「その程度は既に経験済みだ」

 

椿は言葉を最後まで言うことができなかった。何故ならば身体を斜めに切り裂かれていたのだから

 

 

『ソーナ・シトリー様の『女王(クィーン)』一名、リタイア』

 

 

光に包まれ転移する椿。それを見たソーナは彼女の名を叫んだ

 

ソ「椿!」

 

ゼ「残るはあなた1人だ、ソーナ会長。私としては投了(リザイン)してくれても構わないが?」

 

ソ「そうはいきません。例え負けるとしても、私は諦めることは絶対にしません!」

 

ソーナは諦めていなかった。その目は強くゼノヴィアを睨みつける

 

ゼ「そうか。だが私も油断はしない。たとえこちらが有利だとしても」

 

そのとき、ゼノヴィアが開けっぱなしにしていたドアから勢いよく風が吹き1人の男が飛び出してきた

 

絶「はぁ、はぁ、はぁ。つ、疲れた」

 

ゼ「急いできたところ悪いが残るはソーナ会長1人だ。後少しだ、頑張れ」

 

全速力で来たであろう絶斗を励まし、ゼノヴィアはデュランダルを投擲する体勢をとった

 

ソ「・・・何のつもりですか?」

 

ゼ「見ればわかるだろう?・・・はあ!!!」

 

勢いよくデュランダルを投げるゼノヴィア。デュランダルはそのままソーナ目がけて一直線に進む。だがそんな単純な攻撃をソーナは受けるはずもなく、その射線上から大きく横に移動した

 

ゼ「(縮地)」

 

そこへゼノヴィアはまだ一歩しか使えない縮地を使い、デュランダルを追いしソーナに肉薄した。そして聖のオーラを右手に纏わせると、ソーナ目がけて貫手を放った

 

ソ「くっ」

 

横に体を捻り貫手を躱したソーナは続いてくる左の掌底を腕を弾きながら一歩下がって避けた。だがゼノヴィアの攻撃はそれで終わりではなかった。飛んできたデュランダルが急にその方向を変えた。ゼノヴィアへと飛んでいくデュランダルをゼノヴィアは掴み、そのまま一閃。後ろに下がろうとするソーナの身体を切り裂いた

 

ソ「まさか・・・デュランダルを投げるなんて思いませんでした」

 

ゼ「・・・そうだろうな」

 

ゼノヴィア自身も蒼枒たちから師事を受けるまでは自分から得物を手放すことなんて考えたこともなかった

 

絶「はぁ。うまくいってよかった」

 

ゼ「絶斗!角度も速さもばっちりだ」

 

ソ「・・・なるほど・・・そういうこと、でしたか」

 

何故デュランダルがいきなり方向を変えたのか。それは絶斗が風を使って方向を変えたからとソーナは光に包まれながら理解した

 

 

『ソーナ・シトリー様、リタイア。よって、リアス・グレモリー様の勝利です!!!』

 

 



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ゲームを終えて

すみません。休みの間に今までたまっていたものを消化していたら書くのを怠ってました


【三人称side】

 

アザ「リアスのやつ。こりゃあ後が大変だな」

 

空中に投影されたモニターを見ながら、アザゼルが呟いた。そのモニターは今までリアス対ソーナのレーティングゲームが映し出されていた。レーティングゲーム観戦会場のVIPルーム。そこにはアザゼルの他に魔王であるサーゼクスにセラフォルー、北欧からのオーディンが集っていた

 

サ「確かに。下馬評ではリーアたんたちの勝率は7割以上。結果だけを言えば下馬評では通りだが」

 

アザ「活躍したのはほとんどが新しく入った眷属の2人。眷属の手柄は主の手柄になるとはいえ、これは周りから何か言われるな」

 

先ほど繰り広げられたゲームでは絶斗とゼノヴィアの2人が他を圧倒していた。結界に囚われるもすぐに脱出。その後ゼノヴィアは『(キング)』と『女王(クィーン)』であるソーナと真羅椿姫と交戦。ソーナの操る数多の水の獣たちと洗練された技術で振るわれる椿姫の薙刀。並の上級悪魔でならばこの2人を同時に相手して勝つことはまず無理だろうがゼノヴィアは囲まれても冷静だった。空から襲い掛かる鷲達をデュランダルで横薙ぎにまとめて切払うと前から来る狼の群れを下から斬り上げ、ふり下ろす。そしてそのまま後ろを振り向くことなく背後から来る獅子の頭をデュランダルで突き殺しそのまま疾走。擦れ違いざまに大蛇を輪切りに切り刻むとその場から飛び上がりドラゴンを頭から体に掛けて一刀両断に沈めた。その着地を狙って椿姫の薙刀がゼノヴィアの背後から迫るも、ゼノヴィアは体を捻り、その勢いのまま回し蹴りを椿姫へと叩き込んでいた。絶斗の方もゼノヴィア程派手でな立ち回りはしていないが、自身と同程度の速さで迫る巡と『戦車(ルーク)』の性質を生かしたパワーと頑丈さで迫る由良。朱乃の援護があるとはいえ2人同時に相手をしていた。羽根の剣と細身の槍を瞬時に使い分け、見えない壁や宙に浮かぶ《アミル・ガウル》で攻撃を受け止め、流す。2人が離れ過ぎれば無数の風の槍と朱乃の雷光が相手を襲い、近くに来ると羽根の剣の餌食になる。2人を相手に自身の間合いを絶斗は常に作っていた

 

アザ「はっきり言って異常だぜ?どうしたらあんな的確に、冷静に対処し避けられるんだ。あの年でできるのはグシャラボラスとバアルのとこぐらいだと思ったのによ」

 

2人が評価をされているのは試合にただ勝っただけではない。戦闘がなかったリアスや守られていたアーシア・朱乃を除き、前線に出たものたちは重軽傷問わずダメージを受けた。しかし絶斗とゼノヴィアは一撃もダメージを受けていなかった。最前線で戦っていたにもかかわらず

 

サ「確かに。2人の戦闘能力は素晴らしいものだ。しかしアザゼル。リーアたん達を指導していたのは君なら何か知ってるんじゃないのかな?」

 

アザ「知らねぇよ。あの2人に関しては俺はノータッチだ。俺が知ってるのはあの2人が青龍の下にいたってことだけだ」

 

オ「ほぅ、あの悪魔嫌いで有名なところにのぉ」

 

アザ「じじぃ。青龍のこと知ってるのか?」

 

話に首を突っ込んだのはオーディンだった。北欧と日本とでは関わりがないようにも思えるが

 

オ「欧州にも四神の1人がいるからの。そのものは特に何をするわけではないが、そ奴を通じてどういうものかだけは知っておった」

 

アザ「なんだよ。知らねえのかよ」

 

オ「ほっほっほ。知ってるとは一言も言っとらんわ。後はあのドラゴンの小僧たちじゃのう?見る分には楽しめたからの」

 

ドラゴンの小僧たち・・・リアスの眷属である赤龍帝のイッセーとソーナの眷属である黒邪の龍王(ヴリトラ)の力を宿した神器(セイクリッド・ギア)黒い龍脈(アブソーブション・ライン)を持つ匙のことだ。この2人はソーナがゼノヴィアに倒されるまで殴り合っていた。ショッピングモールに突入したイッセーに奇襲を仕掛け、黒い龍脈(アブソーブション・ライン)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)へと繋げた。それまで倍加していた力を吸い取り、さらに血液までも奪い取っていた。ラインを切ることもかなわず、力と血を吸われ禁手化(バランス・ブレイク)もうまくいかないイッセーができることは匙を倒すことだけだった。何も持たない2人ができることはただ殴ることだけ。それも洗練された動きも技術もないただ拳を相手にぶつけるだけのもの。最終的には匙がイッセーを倒すことができたがその直前ソーナがリタイアしたことでゲームは終了していた。それはアナウンスまでのほんの数秒の差だった。観戦していたものたちからは面白かったと評判はいいが、一部からは幼稚な遊びと切り捨てられていた

 

オ「(青龍は日本に言った時にでも見ればよかろう。近々日本への用事もあることだしの)」

 

アザ「いずれにせよ、リアスにはトレードの要請が殺到するはずだ。まだ日も浅い眷属ならばトレードに応じるかも知れないと考える悪魔もいるだろうからな」

 

サ「そうだね。だがそれはリーアたんが決めることだ。手放さないと思うけどね。さて、ゲームは終わった。私は向こうに向かうよ」

 

サーゼクスは立ち上がり、オーディンに挨拶するとその場を後にした。そしてアザゼルも続くようにある場所に向かった

 

 

 

【絶斗side】

 

ゲーム終了後。俺達はとある医療施設に来ていた。オカ研も生徒会もレーティングゲームに出たものたちははここで体を休めている。と言っても怪我もしなかった俺とゼノヴィア、部長、朱乃さんにアーシアはお見舞いとするために来ていた

 

リ「入わよ?」

 

イッセーのいる病室の前に着いた部長は、ノックをして中に入った

 

イ「部長!」

 

リ「元気そうね。安心したわ」

 

イッセーの体には包帯を巻いており、殴られた跡がまだ消えずに残っている。確かレーティングゲームの設定は一番軽いもの。死ぬようなダメージを受けても死なないようになっていたはずだ。それでも傷が残るなんてどれだけ重傷を負ったんだ?ともあれアーシアが聖母の抱擁(トワイライト・ヒーリング)で傷を癒しているしイッセーも心配ないだろう

 

ア「終わりました。イッセーさん、どうですか?」

 

イ「ああ!どこも痛くない。ありがとな」

 

ア「いえ、結局私は何もできませんでしたから。あっ!他の方も癒してきますね」

 

朱「なら私もついていきますわ。特にギャスパー君は心配ですもの」

 

イッセーを治し終えたアーシアはお礼を言われたがどこか悔しそうだった。確かに朱乃さんの後ろにずっといたもんな

 

リ「イッセーはもう大丈夫ね。だけど勝手に動いちゃだめよ?まだお医者さんからの許可がないんだから」

 

イ「はい。・・・すみませんでした。俺、あまり活躍できなくて」

 

リ「いいのよイッセー。これから強くなれば。あなたはまだまだ強くなれるのだから」

 

部長がイッセーの頭を撫でる。イッセーの顔が赤くなるがその目はある一点に集中していた。まあ仕方がないと首を振ると隣にいるゼノヴィアが軽く頭を出してきた

 

ゼ「絶斗。私もしてほしい」

 

絶「ああ、まあいいか。頑張ったしな」

 

ゼノヴィアは一人で『(キング)』と『女王(クィーン)』を倒したからな。褒めたっていいだろう。思えば蒼枒さんってよく黒歌さんを撫でてるよなぁ

 

サ「すまないね。取り込み中だったかな?」

 

ゼノヴィアの頭を撫でていると。魔王のサーゼクスさんとアザゼル先生が病室に入ってきた

 

リ「お、お兄様!いえ、突然だったもので、驚いてしまって」

 

サ「それはすまなかったね。実はこれを渡しに来たんだ」

 

ゼ「これは・・・?」

 

サーゼクスさんは懐から小箱を取り出すと、ゼノヴィアへと差し出した。それを見た部長が驚いた表情をしていた

 

サ「これはレーティングゲームで活躍した者や印象的な戦いを演じた者に贈られるものだ」

 

リ「すごいじゃないゼノヴィア!その箱を貰えたのはすごい名誉なことなのよ!」

 

部長がすごい喜んでいる。それ程の物なのか?

 

絶「や、てことは複数に当たることもあるわけですか?」

 

サ「そうだね。今回は匙君にもあげたよ。結果は残らないとはいえイッセーくんを、あの赤龍帝を倒した。私たちは君の戦いを観戦室で興奮しながら見ていた。見ていた多くの者たちがあの戦いに賛辞を贈ったほどなんだよ」

 

イッセー達も激しい戦いがあったんだな

 

サ「これからもリアスの力になってくれ」

 

ゼ「あ、ありがとうございます(上がまだいるとはいえあの程度で表彰ものか。安いものだな)」

 

やっぱりぎこちなくなってる。内心複雑だろうなぁ。ゼノヴィア

 

アザ「ところで。お前たち2人はこのゲームで特に活躍したが何故急激にそこまでの力をつけられた?何を使った?」

 

今まで声すら出さなかった先生が俺とゼノヴィアにたずねた。その疑問は最もだろう

 

サ「私もそれは疑問に思った。シトリー達だって決して弱いわけではない。ましてソーナ君達は戦略も考えられてたし連携も見事だったからね」

 

絶「言えません。口止めされてます」

 

アザ「どうしてもか?」

 

少し声に力が込められていたな。さて、どうするか

 

絶「そうですね。慣れていた、とだけ言いましょう」

 

ゼ「これ以上は直接本人から聞いてください。アザゼル先生ならば可能でしょう?」

 

これが限界かな?ゼノヴィアも同じ考えなようでよかった

 

アザ「チッ、しかたねぇか」

 

サ「アザゼル。もしわかったら」

 

アザ「心配するな。教えてやる」

 

特別なことはしていないし無駄だと思うけどな。もしここれ同じやり方をするならばフェニックスの涙が必要なわけだし

 

絶「そろそろ俺達も他の人のお見舞いに来たいで失礼します。行こうか、ゼノヴィア」

 

ゼ「ああ」

 

これ以上聞かれたら堪らないな。そう判断した俺はゼノヴィアを連れて病室をあとにした



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四国の海で 前編

冬真っただ中なのに今回は海の話。書き辛いですねぇ
作中の時間では夏だから仕方ないですが・・・

今回はクロスオーバーしている『ぬらりひょんの孫』の人物が多く出てきます
短いですが(決闘者編の内容、今だ固まらないため)分けました。


【リクオside】

 

清継「清十字怪奇探偵団諸君!ここが今回の目的の場所だ!」

 

高校に入って1年目の夏休み。僕たちは清継の提案で高知県のとある砂浜に来ていた。メンバーは(清十字)清継君に(家長)カナちゃん、(鳥居)夏実さん、(巻)紗織さん。後は僕と氷麗(つらら)だ。(花開院)ゆらちゃんは花開院本家の方で用事があり、(島)二郎君はU-17日本代表に選ばれていて参加できなかった。みんな違う高校に行ってよく予定が合ったなぁ。護衛で黒田坊(くろたぼう)と河童は来ているけど。昨日東京を出発してから一泊して着いたわけだけど・・・人気がないほかは普通の砂浜とかわりない様子だ

 

紗織「ここに何があるっていうの~?」

 

清継「それはだね・・・」

 

昨日から教えてはくれなかった清継君が今回の目的の妖怪について説明を始めた。何でもここにある妖怪が現れるらしい。その妖怪は七人ミサキ。正確には妖怪ではなく肉体のない霊であり集団亡霊や死霊、怨霊とも言われているらしい

 

清継「この霊の主は様々な伝承を伴っているが七人ミサキの人数は常に7人組。七人ミサキに遭った人間は高熱に見舞われ、死んでしまう。そしてその名の通り七人から増減することはないといわれている。ここは様々な伝承に登場する浜であり、高熱で死んだ多くの人が最後に見たとされる浜なんだよ」

 

夏実「それって正確なの?」

 

清継「僕の調べた限りではね。だが妖怪の主であるリクオ君の方が知ってるんじゃないかな?」

 

リ「いや、僕も七人ミサキについては初耳だよ」

 

確か四国にいる玉章君の夜行に七人ミサキと言うのはもいなかったはずだ

 

カナ「そう言えばリクオ君の知り合いも来るんだよね?」

 

リ「うん、そのはずだけど・・・」

 

どうやって来るんだろう?あの人達は移動が特殊だからね。周りでは清継君の反対を押し切り、夏実さんと紗織さんが岩陰に隠れていった。清継君には悪いけどやっぱり海に来たら遊びたくなるよね。かく言う僕も服の下に海パンをはいている

 

リ「カナちゃんも着替えてきたら?」

 

カナ「そうだね。行ってくる」

 

そう言い残してカナちゃんも着替えに行った。全くしゃべっていない氷麗はと言うと暑さに負けて日影で休んでいた

 

氷麗「すみません、リクオ様・・・」

 

リ「辛そうだね。大丈夫?」

 

氷麗「はい・・・頂いた地獄の氷のおかげで何とか」

 

やはり、氷麗は置いてくるべきだったかな。夏の海は雪女の氷麗には辛いだろう。何とかしてあげたいが僕では冷やしてあげることはできない。せめて彼らが来てくれたらな

 

黒「蒼枒、日焼け止めを塗ってほしいにゃ」

 

蒼「それって必要なのか?」

 

黒「雰囲気にゃ」

 

砂浜にパラソルを差し、その下に引いたシートの上に寝転がる黒歌さんに丹念に塗り込んでいく蒼枒さん。なんだ、蒼枒さんたちか・・・蒼枒さん!?

 

蒼「終わったぞ」

 

黒「なら前もお願いするにゃ」

 

うつ伏せから仰向けに体制を変える黒歌さん。相変わらず、水着も黒なんですね・・・じゃなくて!

 

リ「いつ来たんですか!!?」

 

蒼「ついさっきだ。葉月も白音もすでに海に潜っているぞ」

 

リ「いつの間に・・・」

 

神出鬼没ってわけではないが気配を感じさせることなく来て既に海に潜ってるのか。流石というか何というか

 

リ「とりあえず隠れてしてください。ここにはお二人以外にもいるんですから」

 

蒼「・・・そうだな、なら隠れてしようか。よっと」

 

黒「にゃ」

 

蒼枒さんは黒歌さんを横抱き、いわゆるお姫様抱っこすると人がいない方へと歩いて行った。こういうところも相変わらずだな

 

清継「リクオ君。彼らは一体何ものだい?」

 

リ「彼らは東雲蒼枒さんとその奥さんの黒歌さんだよ。僕の幼い頃からの知り合いで、2人とも妖怪なんだ。あと妹の2人も来ているって言ってたよ」

 

本当は神だってことは伏せておこう。口外するようなことじゃないからね



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四国の海で 後編

クロス編の後編です。特に本編に影響はないんですけどね


【リクオside】

 

水着に着替えた女性陣も戻ってきたところで改めて蒼枒さんたちを紹介することに

 

夏実「へぇーこの人たちも妖怪なんだ」

 

リ「そうだよ。僕の幼い頃からの知り合いで、東雲蒼枒さんと黒歌さん。で、こっちが清十字怪奇探偵団会長の清継君、カナちゃん、夏実さん、紗織さん。高校は分れてしまったけど夏休みで集れたんだ」

 

清継「後2人いるんだけどどうしても予定がつかなかったからね。それよりも!リクオ君の他にも妖怪に出会えるだなんて!!!」

 

あー、やっぱり清嗣君が舞い踊ってる。高校に上がってからも全国の妖怪について資料を集めてるみたいだしその意欲は止まることがないなぁ

 

蒼「・・・ここにいるものたちは妖怪を認知しているのか?」

 

リ「大丈夫ですよ」

 

色々巻き込まれたりしてるから。(人間)(妖怪)の線引きをしている蒼枒さんからしたらあまり好ましくはないのだろうけど

 

清継「貴方達はどんな妖怪なんですか!?今回の僕たちの目的である七人ミサキは現れるんでしょうか!!?」

 

蒼「近い近い。少し落ち着け」

 

暴走する清嗣君がメモとペンを手に蒼枒さんへと迫まっていた。蒼枒さんは手から木を生やして無数の枝で清嗣君を取り押さえていた

 

清継「何と!貴方は木を操ることができるんですね!!!」

 

蒼「あー、まあそうだな。木というよりは植物全般だがな」

 

清継「すごい!こんなすごい妖怪がリクオ君の近くにいただなんて!それじゃあ奥方の方は」

 

黒「私は猫魈・・・猫又の上位種と言えば分かるかにゃ?」

 

そういうと黒歌さんは2本に分かれた尻尾と耳を現にした

 

清継「猫魈・・・確か集めた資料の中にあったはずだが、載ってるのはかなり少なかったな」

 

黒「それもそうにゃ。山奥に隠れ住んでしたもの。人の目に入ることなんてなかったにゃ」

 

紗織「そのにゃ、っていうのは」

 

黒「癖にゃ」

 

紗織「癖・・・」

 

猫又でも語尾に着けてるのは滅多にいないからね。黒歌さんの妹もつけてないし

 

清継「それで!七人ミサキは「それなんだが」えっと、何か・・・?」

 

蒼枒さんが何か困ったように、呆れたような顔をして答えた

 

蒼「七人ミサキはここ高知県を初めとする四国地方や中国地方を主に彷徨っているし確かにここにも現れたこともある。だが会うことはお勧めしないな」

 

清継「な、何故です?確かに遭った人間は高熱に見舞われ、死んでしまいますがリクオ君もいますし対策していれば・・・」

 

蒼「確かに妖怪は死なないし十分な対策をしていればその1度ならば大丈夫だろう。だがその準備が足りない。皆それぞれ強力なお守りを持ってるようだがそれ1つでは到底足りないからな」

 

清継「そんな・・・ゆら君からもらったお守りなのに」

 

それほど強力な妖怪なのか、七人ミサキというのは。僕も甘く見ていた。蒼枒さんがいなければ、もしかするとみんな死んでいたかもしれない

 

蒼「あれは会うべきものではない。諦めることを勧めるぞ」

 

清嗣「・・・仕方がない。今回は諦めよう」

 

蒼「ほう。聞き分けが良いな」

 

清嗣「それもそうさ。下手に突っ込んで行って死ぬのはゴメンですから。できるだけ慎重にいきますよ」

 

黒「その割には結構無謀だったけどね」

 

清嗣「う・・・耳が痛いです」

 

僕も少し調べてみようか。妖怪だけでなく幽霊や怨霊についても

 

蒼「ま、今日は遊ぶが良いさ。妹たちも魚を持って海から戻って来るようだしな」

 

蒼枒さんが言い終わると同時にタイミングよく水柱が海から吹きあがった。みんなが驚く中、水柱の中から2人の女性が飛び降りると砂を巻き上げることもなく浜へと着地した

 

蒼「お帰り葉月、白音。捕まえれたか?」

 

白「はい、クロサギに鯛を何種類か。」

 

葉「あとイカと蛸、貝類を少々」

 

蒼「十分だろ。なら・・・」

 

何やら報告していた葉月さんたちはいきなり砂浜へと手を向けると円状に砂が盛り上がり石へと変わるとそこに薪が投げ込まれ、どこからともなく火がつけられ一瞬で焚き火が出来上がった。さらにそれらを覆うように結界が張られ外からは見えないようにされていた

 

蒼「よし、調理は黒歌に任せた」

 

黒「任せるにゃ!」

 

「「「「え、ちょ、まっ、えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ」」」」

 

怪奇探偵団のみんなが驚きの声を上げた。まあ当然だよね。いきなり海から水柱が現れるは、そこから人が出てくるは、一瞬で焚き火が完成するし。本当に彼らは自由だな

 

 

 

 

 

 

 

その後、僕たちはごく普通に海を楽しんだ。ビーチバレーではペアがランダムになるようにくじ引きしたはずなのになぜか蒼枒さんと黒歌さんがペアになって抱き着いたり・・・

 

黒「蒼枒ー!」

 

蒼「黒歌!」

 

黒歌さんが調理した魚介類や持ってきた弁当に舌鼓を打ったり・・・

 

紗織「うまっ!これすごいうまい!」

 

カナ「本当!お店の料理みたい!!」

 

黒「にゃふふ。嬉しいにゃあ」

 

影に隠れていた黒田坊が白音さんに見つかったり・・・

 

白「そんなところに隠れてないで貴方も出てきて食べたらどうです?」

 

黒田「・・・やれやれ。しっかり気配は消していたのだが」

 

夏実「あ、笠のお坊さん!」

 

なかなか終わらないスイカ割りを見かねた蒼枒さんが目隠ししたままスイカを綺麗に16分割したり・・・

 

氷麗「目隠ししたままここまできれいに切れるなんて」

 

黒田「流石でござるな」

 

蒼枒さんたちにひっかき回されてた感もあるけど、みんな楽しめたようだしいいかな

 

 

 

【蒼枒side】

 

清継「く、もう時間か。名残惜しいが仕方がない。みんな帰る準備をしよう!」

 

もうそんな時間か。リクオ達は今日中に東京に帰るようだが大丈夫か?どのような方法で帰るかは知らないが

 

清継「だが僕は諦めないぞ!次こそは噂の妖怪を突き止めるんだ!」

 

その熱意は感心するがあまり土足で歩き回らないほうが良い。妖怪、霊にもそれぞれ縄張りもあるし礼儀、対処も違う。特に今回のような怨霊はいるだけで人に影響を与えるというのに

 

清継「次は冬だ!」

 

紗織「え~まだやるの~」

 

清継「当然!そのときまで期待して待っていてくれたまえ」

 

挨拶もそこそこ、慌ただしく着替え、荷物を持ってリクオたちは帰っていった。残るは俺と黒歌、葉月と白音だけだが

 

蒼「さて、俺は少しやることがあるから黒歌たちは先に帰っていてくれ」

 

黒「蒼枒が残るなら私も残るにゃ!」

 

いつもの黒い着物に着替え抱き着く黒歌にかわいいなぁ、と思いながらもそれは受け入れなかった

 

蒼「黒歌は先に帰って夕飯を作っていてほしいな」

 

黒「うぅ~~わかったにゃ」

 

むくれる黒歌もかわいいと思う。どんな表情も黒歌はかわいくて仕方がない。俺は慰めるように頭を撫でてあげる。葉月は何も言わずに転移陣を広げ白音もすでに入って行った。そして葉月と黒歌も転移陣をくぐり、浜には俺一人になった

 

蒼「いるんだろ?七人ミサキ」

 

俺はとある一点を見つめながらそうつぶやいた。すると視線の先の景色が揺らぎ、笠を被った7人の霊が現れた

 

七「初めまして、でしょうか?」

 

蒼「どちらでも構わない。お前たちは古いものから成仏、地獄に行くからな。俺が出会ったものも、もうすでにいないだろう」

 

七「おっしゃるとおりです」

 

当然だよな、こいつらと出会ったもの10年以上前のことだし・・・七人ミサキの役目は海で亡くなり、行き場のない霊を回収、成仏させることだ。だが始まりが怨霊だけに、こいつらの意思とは関係なく普通の人は見ただけで高熱を出し、呪い殺されてしまう。これはあのリクオの友人が言っていたこと通りだ。だがそれで七人ミサキの内の霊の1人が成仏し、替わって殺された者が七人ミサキの内の1人となる、と言うわけではない。もし替わるのであったならば、7人以上の集団の人間と出会った時に七人ミサキは全員が同時にいなくなるため1人も残らない。七人ミサキという存在が消滅してしまうためだ

 

蒼「・・・お前たちはたまに休んだりしているか?何も動くことだけ、何かをすることだけが成仏できるわけではないぞ」

 

七「霊に休みなど不要です」

 

蒼「そうか?俺のところにいる霊は普通に寝たり飲んだりしているぞ」

 

七「霊なのにですか?」

 

蒼「霊なのにだ」

 

まあ普通は考えられないよな。そもそもこいつらは役目だけ受け継ぐが、知識とかそういうのは受け継がないからなぁ

 

蒼「まぁたまに俺のところにでも来い。近年の霊ならば休みたいと思うものもいるだろうからな」

 

七「確かに・・・ではいつか、訪ねさせていただきます」

 

そう言い残し七人ミサキは去っていった。不思議に思ったのは現れた時は7人であったはずの七人ミサキが、なぜか6人になっていたことだった

 

蒼「まあ、いいか」

 

俺もその場から飛び去った。砂浜には一切人がいた跡など無く、静かに波の音だけが広がっていた



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決闘者編 その6 前編

何故かうまく纏まりません
デュエルにもいかないし、内容もまだ中だけ抜けてます。デュエルの構成の最初と最後はできてはいるんですけどね



【3人称side】

 

ヴァルハラのある一室。そこでは山のように積み上げられた書類に埋もれるユーガの姿があった

 

ユ「終~わ~ら~ね~え~~」

 

ユーガは机に頬をつけながら書類に目を通して判を押していく。辺りには判を押された書類が散らばっていた。何故ユーガがこんなことになっているかというと、主神であるオーディンが悪魔の招待を受けアースガルズを離れたためである。サボることが多いオーディンでもやるときはやっていたためその仕事の量は少なくない。その分の仕事が他の者に回されることは当然のことであった。そこに補充要員としてロキが捕まえてきたのがユーガであった

 

ユ「ロセ~~~~~」

 

?「あの時の方と一緒とは思えません」

 

?「そうですね。ロスヴァイセさんがしばらく離れるだけでここまで変わるなんて・・・あの時とのギャップがすごいよ」

 

部屋にいるのはユーガだけではなかった。1人は眼鏡をかけた金髪の背の高い男性。もう一人は三角の尖った帽子とローブの魔法使いの衣装に身を包んだ小柄な少女。2人は兄妹であり男性がアーサー、少女がルフェイという。2人は足場の踏み場もない位に散らかっていた書類を集めて1つにしていく。その2人に気付いたユーガは顔を上げてで手伝ってくれないかと声をかけた

 

ユ「見てるならお前たちも手伝えよ~」

 

ル・ア「「いや、私たちには無理です」」

 

ユ「そんな・・・」

 

ガクッと落ちるようにまた倒れるユーガ。そしてその体勢のまま書類に判子を押していく

 

ル「任されているのはユーガさんなんですから手伝えるわけないじゃないですか」

 

ア「そもそも知識もないですからね。任されているってことはそれだけ認められていることですから」

 

ユ「う~あ~~・・・」

 

ユーガがうめき声を出すなか、拾い纏め終えた書類を机に置きなおし、アーサーとルフェイは部屋を出ていく

 

ア「またしばらくしたら来ますよ」

 

ル「頑張ってくださいね」

 

扉を閉めると中からうめくような声と判子を押す音が2人の耳に聞こえてきた。それに安心した2人は依然にユーガが作った装置のある部屋へと向かった

 

ル「やはり初めてあったころとかなり違いますね。恋人の有無でここまで変わるものでしょうか?」

 

ア「こういうのは人によると思うよ。まだ恋をしたこともないルフェイには分らないと思うけどね」

 

他愛のない会話をする2人。目的の場所へ着くと2人はそれぞれの前のドアに手をかけた

 

ア「それじゃあルフェイ。また後で」

 

ル「はい、それでは」

 

アーサーとルフェイ。鍵を開け彼らが部屋に入るとそれぞれ懐から一枚のカードを取り出した。アーサーの手には《円卓の聖騎士》が、ルフェイの手には《王立魔法図書館》が握られていた。2人はカードを目の前にある装置へセットする。カードに反応し装置が動き出すと部屋の中の姿を変えた。

 

さて、何故この2人がアースガルズにいるのか。それは過去にさかのぼる・・・

 

 

~~~~~~~~~回想~~~~~~~~~

 

【ユーガside】

 

ゼファードルの妹であるシェリアとロセの激しいデュエルを終えてから一月程経ったある日。俺の家に方やスーツ、片やローブ姿の2人の男女が訪ねてきた。

 

ル「お願いします。貴方のその魔法を私に教えてください!」

 

ユ「ええ・・・」

 

少女が玄関先でいきなり頭を下げてきた。正直対応に困る

 

ユ「えっとどういうことだ?」

 

ア「少し長くなりそうだし失礼ですが中に入ってもいいですか?互いに立ち話ってのも疲れてしまいますし」

 

ユ「まあいいけど」

 

悪い人じゃないのは勘で何となくわかる。だがどこかで見たような・・・。とりあえずソファーに座らせ俺はコーヒーを用意する・・・ブルーアイズ・マウンテンでいいか

 

ユ「まずは名前を教えてはくれないか?」

 

ル「私はルフェイ・ペンドラゴンです。見ての通り魔法使いで、『黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)』に所属しています」

 

ア「僕はアーサー・ペンドラゴン。ルフェイの兄です」

 

ペンドラゴン?アーサー王伝説の?何か引っかかってるが思い出せない

 

ユ「で、話ってのはなんだ?先に言っておくが俺は魔法なんて使えないぞ」

 

ル「嘘です!私見てました!草原を一瞬でサーキットに変えるところを」

 

ユ「あー」

 

なるほど。彼女はデュエルディスクのことを言っているんだな。精霊を呼び出す点では魔法的な面もあるがあれは科学の面が強いんだけどな

 

ル「そして銀髪の女性が貴方からもらったもので巨大なドラゴンを召喚していたもの知っています!」

 

ユ「何!?」

 

ちょっと待て!あそこには俺とゼファードル。ロセとシェリアと馬のフォルクスしかいなかったはず。一体どこに隠れていたんだ

 

ル「さらにカードからカレーを取り出して食べていたことも知っています!」

 

本当に待て!確かに《モウヤンのカレー》はよく食べてるが誰も見ていないところでやっていることだぞ。何がどうなっている

 

ル「そして「もういい分かった!そうですかまだまだ知っているのですが・・・」

 

ユ「言わなくていい!・・・だがなぜお前がそれを知っている?いずれの時もお前たちの姿はなかったはずだ」

 

ル「それは・・・」

 

そういうとルフェイは懐から大きな水晶を取り出した

 

ル「これで銀髪の女性が召喚している姿を見ていました。それ以外『過去見の鏡』と呼ばれるもので見ました」

 

そんなものあるのかよ!凄いと思うけどプライベートも何もないな!だが過去を見れたってことは嘘は通じないはず。なら正直に言うしかないか。一言断ってからコーヒーを淹れ、ついでに外していたデュエルディスクをセットした

 

ユ「残念ながらこれは魔法ではない。どちらかというと科学や工学的なものだな」

 

ル「そんな・・・。で、ですが一緒にいる女性に魔法を教えていたではないですか!?」

 

ユ「あれは俺じゃない。召喚した精霊たちだ」

 

ル「精霊が・・・」

 

この世界の精霊とデュエルモンスター達は全く違みたいだけどな。この世界の精霊は知らないけど

 

ル「なら、私にも教えてもらえませんか!」

 

ユ「悪いが断らせてもらう。知り合いでも何でもない貴女に教えるはずないだろ」

 

ル「報酬は用意しますから」

 

ユ「お金には困ってない」

 

さて、どうするか。このまま返してもまた来そうだし、付きまとわれても困るんだが・・・ここはあれか。何か勝負でもしてきっぱり諦めてもらおう。魔法使いには契約書だか誓約書だかがあったような

 

ユ「・・・だがどうしてもというならこちらから提案があるぞ」

 

ル「!それは一体!?」

 

ユ「俺とデュエルして勝つことだ。もし負ければこのことはきっぱり諦めてもらう。魔法的な契約書とかがあればなおいいんだが」

 

ル「分かりました。今作りますので少しお待ちを」

 

そう言ってルフェイは羊皮紙を取り出し書き込んでいく・・・って羊皮紙!?今時それは使わないぞ。それよりもアーサーは何も言わないんだな。コーヒーを楽しんでいる程度か

 

ル「できました。確認の上よろしかったらサインをお願いします」

 

手渡された契約書には不備はない。デュエルについても勝敗は分るし、乱入や横やりもデュエルディスクを持っていないロセ以外はできないからな。ただ

 

ユ「アーサーと組んでやることになっているがいいのか?」

 

ア「構わない。ルフェイ1人では心配だからね」

 

ユ「そちらが構わないなら俺も構わないが」

 

自信のサインした羊皮紙をルフェイに渡す。2人で来ようが負ける気はしないがな

 

ル「はい、これで契約は完了しました。では早速」

 

ユ「待て待て。こんな狭いところでなんてできるわけないだろ。広いところに行くぞ」

 

家の中でなんてできるわけないだろ。俺はガレージに行きDホイールを取りにいった。・・・一応張り紙でもしておくか

 

ユ「待たせたな。少し郊外まで行くぞ」

 

ル・ア「「わかりました」」



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決闘者編 その6 中編

2ターンしか進まないのに文字だけは多い・・・という訳で中編です
派生が多くて召喚するモンスターに悩みますねぇ。最後にやりたいことは決まっているんですが


【3人称side】

 

ユーガ達が家を出た少し後、2匹の小さな狼を連れた長い銀髪の少女がユーガの家を訪ねていた。

 

ロ「留守・・・ですか?」

 

ハ「わぅ?<いないの~?>」

 

ス「ガウ<またガレージにいるよ>」

 

ロ「わわ、スコル!引っ張らないでください!」

 

リードをつけた小さな狼、スコルとハティはロセを引っ張りながらガレージの方へと回った。ロセは2匹に引っ張られながらもガレージの前までいくと扉に張り紙がしてあるのを見つけた

 

ロ「これは・・・」

 

ハ「わん!<何が書いてるの!>」

 

ロ「どうやらユーガは郊外にいるみたいです。私たちも行ってみましょうか」

 

ス「ガウ!<当然!>」

 

ロセはデュエルディスクを展開し、カードをセットすると自身のDホイール、スィルヴフ・ヴィンドを呼び出した。そして後ろにスコルとハティを乗せると自身も跨り、アクセルをふかした

 

ロ「しっかりつかまっててくださいね」

 

ス・ハ「ガゥ(ワン)<わかった>」

 

ロセがブレーキを離すとスィルヴフ・ヴィンドが発進する。大きな通りへと出るとロセはアクセルを廻し、アースガルズの門を勢いよく出た

 

 

 

 

【ユーガside】

 

ユ「ここらでいいだろう」

 

ロセがユーガの家を訪ねているころ、いつもの遊星号とは違う自作した大型のDホイールにアーサーとルフェイを乗せアースガルズを出たユーガは以前ロセとシェリアが戦った草原に来ていた

 

ル「バイクなんて初めて乗りました」

 

ア「かなり速いですね。これがDホイールですか」

 

ユ「おーい?大丈夫かー?」

 

ル「はっ!はい!すみません」

 

ユ「これから決闘(デュエル)するわけだが・・・そちらは2人同時に来い」

 

ア「・・・私たちをなめていますか?」

 

ユ「そんなつもりはない。だが並大抵の攻撃じゃあモンスターを倒すことはできないぜ?協力でもしなければな」

 

ル「その余裕が命とりになることを教えてあげます」

 

そう言うとアーサーとルフェイは俺から少し距離をとる。ありがたいことだ。だが2人はモンスターを倒す術べはあるのだろうか?最低でもゼファードル。ティアマットやロキクラスでもなければ俺に大したダメージを与えられない

 

ア「じゃあ、始めようか」

 

ユ「ああ」

 

ユ・ア・ル「「「決闘(デュエル)!」」」

 

ル「先攻はお譲りします。手札を増やされては困りますので」

 

やはりデュエルのルールを知っているか。どうせダメージを受けないし手札が増える後攻が良かったが仕方がない

 

ユ「俺のターン。俺は手札から《レッドアイズ・インサイト》を発動。手札、またはデッキから「レッドアイズ」モンスター1体を墓地に送り、デッキから《レッドアイズ・インサイト》以外の「レッドアイズ」魔法・罠カード1枚を手札に加える」

 

俺の背後に《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》が現れその眼を光らせた。するとデッキから2枚のカードが飛び出し、そのうちの一枚を墓地へと送った

 

ユ「俺はデッキから《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を墓地に送り、《真紅眼融合(レッドアイズ・フュージョン)》を手札に加えそのまま発動!このカードを発動するターン、自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できないという大きなデメリットがあるが自分の手札・デッキ・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、「真紅眼(レッドアイズ)」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエキストラデッキから融合召喚する!俺はデッキから《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》と《真紅眼(レッドアイズ)の《凶星竜-メテオ・ドラゴン》を墓地へ送り《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》を特殊召喚!」

 

デッキから2体のドラゴンを墓地に送る。頭上では墓地に送られたドラゴンが交わるように渦の中へと消えていった

 

ル「一体どこに・・・」

 

ア「!!ルフェイ、上だ!」

 

暗く、厚く空を覆っていた雲の一部をぶち破り俺らの下へと落ちてくる一体の黒龍。羽根や体のいたる所を燃やしながら落ちてくる《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》は融合元となったは《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》が《真紅眼(レッドアイズ)の凶星竜-メテオ・ドラゴン》の頭部や翼を鎧として纏っているような姿だ。・・・元のモンスターが分かる融合モンスターだが乗っただけ融合とか言われるものに比べたらまだ融合している

 

ユ「《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の効果発動!このモンスターが融合召喚に成功した場合、手札・デッキから「レッドアイズ」モンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える」

 

この世界には魔法やモンスター効果が防がれることはほぼない(ロキでも防がれなかった)。そのためバーンカードは必ずダメージを与えることができる。だが相手のライフが不明なためどれだけのバーンカードを打てばいいか見当もつかないし、倒しきる前にデッキが無くなってしまう可能性もある。そのため魔法やトラップ軸のバーンデッキはほとんど使えないがこの真紅眼(レッドアイズ)達ならば問題ない。素のパワーも十分ある上バーンダメージも大きいものが多い。300や500程度では動きを少し止めるだけで耐えてしまうからな

 

ユ「俺はデッキから 《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》を墓地に送る。その攻撃力の半分、1400ポイントのダメージをまずは受けてもらおう!メテオ・フレア!」

 

《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の口から大きな炎の塊が吐き出された。それは縦に並んでいた2人に向かい、辛うじて躱すもその爆風までは防ぐことができなかったようだ

 

ル「くぅぅぅぅ。ですが、先攻である以上攻撃はできません!」

 

ユ「そうだな。だがこのカードによりそれは覆される・・・魔法カード、《黒炎弾》を発動!」

 

《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》がエネルギーを溜め始める

 

ユ「このカードは《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》の元々の攻撃力分のダメージを相手に与えるカードだ。最も、このカードを発動するターン、《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》は攻撃できないが、もともと先攻は攻撃することができないから関係ないがな」

 

ル「ですが!あなたの場には《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》はいません。そのカードの発動条件を満たしていないじゃないですか!?」

 

そう、今俺の場にいるのは《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》1体のみ。《黒炎弾》の発動条件を見たしていないように見えるが

 

ユ「真紅眼融合(レッドアイズ・フュージョン)の効果だ。この効果で特殊召喚したモンスターのカード名は《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》として扱う。よって《黒炎弾》が発動できる」

 

《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の口端から黒い炎がチラチラと漏れ出し始めた。頃合いだな

 

ユ「今度はさっきの比じゃないぞ!黒炎弾!」

 

《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》から黒い大きな炎の塊が発射される。先ほどのメテオ・フレアよりも弾速も速いそれはアーサーに向かい、爆発した。3500のダメージだ。倒せてはいないが大きなダメージを受けているだろう。だgその期待は裏切られた。爆風が消えるとその中から無傷のアーサーの姿が。いつの間に出したのか両腰に1本ずつ剣を差し、背中には1本の槍。そして左腕には淡く光る盾がつけられていた

 

ユ「無傷だと・・・。それにその盾なんだ」

 

ア「これはウィネブ・グルスヴッヘル。アーサー王が使った盾の一つです。防げたのはこの盾のおかげという訳ではないですが、一度だけなら防げますよ」

 

厄介な。つまり1ターンに一度、ダメージを無効にする効果持ちってことか。2体以上で攻めなければならないがそれは次のターンからだな

 

ユ「俺は《強欲なカケラ》を発動し、カードを伏せてターンエンド」

 

これで手札は後1枚。さて、どうなるか。《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の攻撃力は3500だから破壊されることはないと思うが

 

ル「次はこちらの番です!行きますよお兄様!

 

ア「もちろんです」

 

ルフェイが杖を構え詠唱を始めると、アーサーも腰から一本の剣を抜いた

 

ル「・・・彼の物に嵐の刃を授けん、テンペスト・エッジ!」

 

ルフェイの詠唱が終わるとアーサーの持つ剣が風を纏い始める。それは目に見えるほど激しくまさに嵐の様だ

 

ル「大地よ、数多の刃となり我に抗う敵を貫け。サウザンド・グレイブ!」

 

先ほどよりも早い詠唱。地面が盛り上がり、鋭く尖った岩が《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》を貫いた。だがそれは動きを止めるだけで破壊されることはなかったが

 

ア「はあああああ!」

 

アーサーが《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》を貫く岩を素早く駆け上がり、その手に持つ剣が《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の首を切り落とした

 

ユ「ほう・・・」

 

破壊された《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》は爆発し、その爆風が襲う。が、ダメージは大したことはないな

 

ユーガのライフ:8000→7900

 

ル「モンスターを倒されたのに表情一つ変えない」

 

ユ「当然だ。何せ破壊され墓地に送られた《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の効果が発動するのだからな」

 

ア「なに?」

 

ユ「このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、自分の墓地の通常モンスター1体を特殊召喚することができる。《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を召喚!」

 

破壊された《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》と変わるように現れたのはこのデッキの中心ともいえる真紅の眼を持つ竜。勝利への可能性をもたらす黒い竜

 

ユ「俺のターン。ドロー!」

 

ここから一気に展開したいところだがまずは・・・

 

ユ「この瞬間《強欲なカケラ》に強欲カウンターを1つ乗る。俺は《闇の量産工場》を発動。墓地の通常モンスター2体を手札に加える。俺は《真紅眼(レッドアイズ)の凶星竜-メテオ・ドラゴン》と《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》を手札に加える」

 

デュエルディスクの墓地から俺の手札までコンベアが引かれ2枚のカードが流れ、俺の手札に収まった

 

ル「待ってください通常モンスターは黄白色のカード!《真紅眼(レッドアイズ)の凶星竜-メテオ・ドラゴン》も《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》もどちらも効果モンスターのはずです!」

 

ユ「この2体はデュアルモンスター。デュアルモンスターはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。よって墓地にいた《真紅眼(レッドアイズ)の凶星竜-メテオ・ドラゴン》も《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》も通常モンスターだから問題ない。そして《紅玉の宝札》を発動。コストとして手札からレベル7の《レッドアイズ》モンスター1体を墓地へ送りデッキから2枚ドローする。手札の《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》を墓地へ送りデッキから2枚ドロー」

 

ほう、この2枚がセットで来るか、ならば

 

ユ「その後、デッキから《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》を墓地へ送る。そして今引いたカード、《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《カーボネドン》を墓地に送り《伝説の黒石》をデッキから特殊召喚する」

 

《カーボネドン》を墓地へ送ると地面が隆起し、その中から赤く、丸いものが現れた

 

ル「卵?」

 

ユ「その通り!何が生まれるかなってな。《伝説の黒石》の効果発動。このカードをリリースしてデッキから《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を特殊召喚する」

 

その卵は罅割れ、中から光が漏れだす。卵が完全に割れ、勢いよく《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》が出てくるとすでに場にいる《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》の隣へと並んだ

 

ア「2体目・・・わかってはいるがキツイものがありますね」

 

ユ「まだまこれからだ!さっき墓地へ送った《カーボネドン》の効果。このカードを除外して発動できる。手札またはデッキからレベル7以下のドラゴン族の通常モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を特殊召喚!」

 

そしてもう1体の黒い竜が現れる。だがその姿は身を丸め翼をたたみ、身を護っていた

 

ユ「そして守備表示の《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》ともう1体の《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!鋼を纏いし猛火の黒竜!!《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》!!!」

 

2体の《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》が渦の中に飛び込み爆発を起こす。現れたのは黒い鎧に全身を包んだ《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》の姿。羽根や足の装甲には管が出ておりそこから炎が噴き出していた

 

ユ「《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》の効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を特殊召喚する。俺は《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》を特殊召喚!」

 

真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》が咆哮を上げるとそれに呼応するように墓地から《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》が現れた

 

ユ「そして特殊召喚した《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》を通常召喚としてもう1度召喚する。これにより《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》は効果モンスターとなった!」

 

俺の場にはデッキの中心である《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》。その隣には炎を吹き出す《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》。《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》が鋼の鎧を身に纏い、強化した姿である《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》。3体の黒竜が攻撃の命令を今か今かと待っていた

 

ユ「バトル!《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》で攻撃!ダーク・フレア!」

 

真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》が身体から炎を吹き出しながら炎弾を放つ。2人に迫るそれは盾を構えたアーサーによって防がれてしまった

 

ユ「っ!パリィか」

 

ア「そうです。これで先ほども防ぎました」

 

ユ「(お前はどこぞの緑の勇者か!)だが腕が振るえているぞ。タイミングが要のそれは次の攻撃を防げないだろう。《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》と《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》で攻撃。黒炎弾!オーバーダーク・メタル・フレア!」

 

真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》に負けじと《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》と《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》が勢いよく炎を吹き出す。首をのけぞらせ吐き出された赤黒い炎弾がアーサーとルフェイに迫る

 

ル「水よ、氷よ。我らを包み、この身を守りたまえ。ブルースクリーン!」

 

ルフェイの魔法により氷と水でできた壁がオーバーダーク・メタル・フレアを防ぐように現れる。だが、強度が足りない。壁を壊したオーバーダーク・メタル・フレアは威力を下げながらも2人に直撃した

 

ア「ぐぅぅぅぅ」

 

ル「キャアアアアア」

 

吹き飛ばされるルフェイと何とか耐えるアーサー。だがこれで終わりじゃないぞ!

 

ユ「《真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)》の効果は発動!バトルフェイズ終了時にカードの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。おかわりだ。リベンジ・ダーク・フレア!」

 

再びアーサーに迫る炎弾。当たる直前に避けられるもやはり爆風までは防げず、アーサーもルフェイのもとまで吹き飛ばされた

 

ユ「俺はこれでターンエンド。ボロボロだなぁ」

 

ア「ええ、そうですね」

 

ユ「ここらでやめてもいいんだぞ?」

 

ル「いいえ!あきらめません。それにまだ、やれます」

 

杖を支えに立ち上がるルフェイ。ローブや服が焦げながらもその目は死んでいなかった

 

ア「では私も本気でいきましょう」

 

そういうとアーサーは右の腰に剣を戻し、左の腰の鞘から金色のオーラを放つ剣を抜いた

 

ア「聖王剣コールブランド。カリバーンと言った方が分かるでしょうか?」

 

コールブランド・・・アーサー、ルフェイ・・・思い出した!この2人、禍の団(カオス・ブリゲード)のヴァーリチームじゃねえか!なんでこんなところにいるんだ!?俺のせいか!



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決闘者編 その6 後編

楽しみにしてくださっている皆さま。遅くなってしまう申し訳ありません。
書いてるとだんだん長くなり、こんな時間に投稿する羽目になってしまいました



【ユーガside】

 

何故かは分らないが禍の団(カオス・ブリゲード)にいるはずのアーサーとルフェイが俺と決闘(デュエル)している!まだ勧誘される前なのか?子孫ともなれば英雄派が黙っていないと思うんだが・・・ともあれなんで忘れてたし俺!魔女のような格好している人物なんてそうそういないだろう

 

ユ「コールブランドだと?なら今まで使っていたものはなんだ!?」

 

ル「これはマルミアドワーズ。若きアーサー王が巨人・リオン王を下し手に入れたとされる剣です。エクスカリバーより優れていたともいわれています」

 

マルミアドワーズ。聞いたことがない。だがエクスカリバーより優れているとはな

 

ル「兄さんがコールブランドを抜いたのなら私も取って置きを使います!」

 

そう言ってルフェイが懐からあるカードを取り出した。あれは・・・《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》!?

 

ル「このカードは売っていたパックを買って手に入れたものです。実物を見るまでどのようなものかはっきりとイメージできませんでしたが・・・今ならやれます」

 

ルフェイが詠唱を始めると先ほど《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》が破った雲の穴から眩い光が溢れてきた。暗い雲が白く光り、バリバリと雷が空気を切り裂く音がする。そして現れたのは全身から雷を迸らせる白く染まった《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》

 

ル「ライトニング・メテオ・ドラゴン!召喚!」

 

ルフェイの奴、デュエルディスクもないのにモンスターを召喚しやがった!!

 

ル「はぁはぁ・・・どうです?これが、私の取って置きです」

 

ユ「まさか自力でモンスターを召喚するとはな」

 

ア「ルフェイは既に黒魔術・白魔術・北欧式・精霊魔術、さらに禁術をも使うことが出来ます。天才と呼ばれてもおかしくはない自慢の妹です」

 

天才か。それはともかくアーサーの言った精霊魔術。おそらくこれがモンスターを呼び寄せた大きな要因だろう。遊戯王の古代エジプトでは石版に封印した魔物や自分に宿る精霊を呼び出してディアハ(決闘(デュエル))していた。おそらくだが精霊魔術に反応といったところか。デュエルディスク使わない代わり消耗は激しい様だが

 

ル「ですが、これは無理矢理形にしたものです。はぁ、だから1体召喚するだけで魔力のほとんどを持ていかれてしまいます」

 

なるほど。モンスター召喚しても俺とロセは一切疲れることがない。モンスターは違えど同じく召喚出来るのに自分だけ消耗するのならばその方法を知りたいと思うのは当然か

 

ル「いって、ライトニング・メテオ・ドラゴン。メテオ・レイ!」

 

ライトニング・メテオ・ドラゴンが咆哮を上げ、天へと雷を放った。すると雲を割き数多の雷と光が《レッドアイズ》へと降り注いだ

 

ユ「ぐぅぅぅ、《レッドアイズ》・・・」

 

ユーガのライフ:7900→5000

 

まさか全体攻撃持ちとは。ライフから計算するに攻撃力は元の《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》から変わっていないのだろう

 

ユ「アーサーはどこだ?」

 

《レッドアイズ》達が破壊され爆煙が晴れるとルフェイの近くにいたはずのアーサーの姿が消えていた。俺は咄嗟にトラップを発動し、勘に従いデュエルディスクをつけている方の腕を上げた

 

ア「防がれた!?」

 

腕を上げた直後ガキンと金属同士がぶつかる音とともに衝撃が走った。目を向けるとアーサーがコールブランドで俺に斬りかかっていた。危ない危ない

 

ユ「《ガード・ブロック》の効果だ。戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0にする」

 

俺はアーサーを蹴り飛ばす。言い方が妙だが手ごたえがないあたり自分から跳んでダメージを軽減したのだろう。俺自身が攻撃や反撃するなんて滅多にないことだ

 

ユ「そして自分のデッキからカードを1枚ドローする。そして俺のターン!」

 

手札は《凶星竜-メテオ・ドラゴン》のみ。どうにか処理したいところだが

 

ユ「ドロー!この瞬間《強欲なカケラ》に強欲カウンターが乗る。そして強欲カウンターが2つ以上置かれているこのカードを墓地へ送りデッキから2枚ドロー」

 

これで手札は5枚。まずは・・・

 

ユ「《闇の誘惑》を発動。デッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター1体を除外する。《真紅眼(レッドアイズ)の凶星竜-メテオ・ドラゴン》を除外」

 

これで厄介な《真紅眼(レッドアイズ)の凶星竜-メテオ・ドラゴン》を処理で来た。《ライトパルサー・ドラゴン》を入れてなかったせいで面倒なことになってしまっていたっと、またお前らか。防御カードが来てほしかったが・・・まあいい

 

ユ「そして《死者蘇生》を発動。墓地のモンスターを1体自分フィールドに特殊召喚する。さあ復活だ!《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》」

 

地面を割り、出てきたのは羽根を含め全身を黒い鋼に覆われた《レッドアイズ》。巨大な羽根の代わりに腕は退化したのか無くなっていた。それに続いて出てきたのは毛を逆立たせてる青黒い猫

 

ユ「墓地の《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》の効果発動。《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》をデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。そして手札から《ワン・フォー・ワン》を発動を召喚。今加えた《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》を墓地に送りデッキから《金華猫》を特殊召喚し、効果発動!」

 

《金華猫》が人鳴きすると地面から赤い卵が現れる。それは再び鼓動をならし、今か今かとモンスターの誕生を待っていた

 

ユ「このカードが召喚・リバースした時、自分の墓地のレベル1モンスター1体を特殊召喚する。墓地の《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》を蘇生!」

 

だが卵が割れることはなく後ろの渦に引っ張られ《金華猫》と共に飲み込まれていく

 

ユ「《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)と《金華猫》をリリースし、エクストラデッキからこのモンスターを特殊召喚する。現れろ《ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!」

 

現れたのは獣のような目を持った赤い竜。身体には骨のような鎧を身に纏っていた

 

ユ「さらに《龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)》を発動。墓地から《金華猫》と《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》を除外し、2体目の《ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》を融合召喚」

 

そして現れる2体目の《ビーストアイズ》。相手は驚いているようだがまだまだこれからだ

 

ル「またドラゴンが3体も・・・」

 

ア「こうも簡単に召喚されては精神的に来ますね」

 

ユ「まだまだぁ!2体の《ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!銀河究極龍No.62! 宇宙にさまよう光と闇。その狭間に眠りし哀しきドラゴンたちよ。その力を集わせ真実の扉を開け!《No.62 銀河眼の光子竜皇》」

 

2体の《ビーストアイズ》が光となり地面に空いた渦の中に飛び込んでいく。渦が爆発し現れたのは青白い身体に深い青の鱗を持つ竜。《銀河眼の光子竜皇》

 

ユ「さらに俺は《No.62 銀河眼の光子竜皇》1体でオーバーレイネットワークを再構築。銀河に漲る力。その全身全霊が尽きるとき、王者の魂が世界を呪う! 現れろ《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》

 

《銀河眼の光子竜皇》が光となり地面に空いた渦の中に飛び込んでいく。そして渦が爆発し現れたのは《銀河眼の光子竜皇》からがらりと変わり漆黒の身体に煙のような腕。周りには怨霊のような魂が浮かぶ(おぞ)ましい竜。《ダークマター・ドラゴン》を見たアーサーとルフェイは体を震わせていた

 

ル「なんですか。これは・・・」

 

ア「こんなものが存在するのですか・・・?」

 

ユ「これぐらいで怖がってたらキリがないぞ?《ダークマター・ドラゴン》の効果発動。このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分のデッキからドラゴン族モンスター3種類を1体ずつ墓地へ送って発動できる。相手はデッキからモンスター3体を除外する。と言っても2人はデッキを持っていないから俺がモンスターを墓地に送るだけなんだけどな。俺は《黒鋼竜(ブラックメタルドラゴン)》と《アークブレイブドラゴン》、《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》の3枚を墓地に送る」

 

これで次のターンに《アークブレイブドラゴン》、《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》の効果が発動できる

 

ユ「3枚目の《レッドアイズ・インサイト》を発動。デッキに戻した《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を墓地に送り《真紅眼の鎧旋》を手札に加える」

 

後は・・・

 

ユ「《ダークマター・ドラゴン》のカードのオーバーレイユニットを1つ取り除いて効果発動。このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。さらに《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》の効果を発動し、墓地から《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》を特殊召喚!」

 

これで俺の場には《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》、《ダークマター・ドラゴン》、《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の3体。前のターンよりも攻撃力が上だ

 

ユ「バトル!《ダークマター・ドラゴン》で「ユーガ!」ん?」

 

バトルフェイズに入ったところでスィルヴフ・ヴィンドに乗ったロセがやってきた。その後ろにはスコルとハティが乗っていた

 

ロ「ユーガ!どうしてこんなところで決闘(デュエル)してるんですか!」

 

ユ「ああそれは・・・」

 

俺は手短に決闘(デュエル)している理由を伝えた

 

ロ「それは・・・教えてもよかったのではないですか?」

 

ユ「見ず知らずの人に教えるほど俺は甘くはないよ。普通の決闘(デュエル)ならともかく現実に干渉するようなモンスターの召喚は」

 

そういうとロセは何も言えなくなってしまう。モンスターは人だけでなく容易く街すらも破壊できてしまう。攻撃力の高いモンスターならばなおさら。だから俺はロセにしかモンスターを実体化できるデュエルディスクを渡していない。他のデュエルディスクは全てソリットビジョンだ

 

ユ「さて、続けるぞ。《ダークマター・ドラゴン》でライトニング・メテオ・ドラゴンを攻撃!壊滅のフォトン・ストリーム!」

 

《ダークマター・ドラゴン》から放たれる光を飲み込む闇の波動がライトニング・メテオ・ドラゴンを飲み込む。それはライトニング・メテオ・ドラゴンの光を消し去り、無へと返した

 

ル「ライトニング・メテオ・ドラゴン!」

 

ユ「まだだ。《ダークマター・ドラゴン》の2回目の攻撃!」

 

2発目が《ダークマター・ドラゴン》から放たれるが、予定通りアーサーがパリィで弾く

 

ア「く・・・」

 

ユ「これで守るものはなくなった!《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》で攻撃!ドラゴニック・メテオ・ダイブ!」

 

《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》が空 高く飛び上がる。そして急降下すると隕石の如く自信を燃やしながら右足を突き出しながら落ちてくる

 

ア「く、ぐあああああああ」

 

竜一体が落ちてきて避け切れるはずもなくアーサーは吹き飛び地面を転がった

 

ユ「まだ残っているぞ!《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》で残っているルフェイに攻撃!ダークネスメタルフレア」

 

ルフェイも直撃は避けたが魔力も切れたのか何もしてこなかった。倒れたルフェイは起き上がろうとするも体に力が入らないようだ

 

ユ「俺はモンスターをセットしカードを伏せてターンエンドだが、もう終わりだろ」

 

立ち上がってきたがボロボロのアーサーと起きようとするも体に力が入らないルフェイ。勝負はついたように見える

 

ア「いいえ、まだです。出来れば使いたくなかったですが切り札を使わないといけないようですね」

 

そういうとアーサーはコールブランドを鞘に収め、背中から槍を取り出した

 

ア「これはロンゴミニアド。別名『ロンの槍』。カムランの戦いで叛逆の騎士モードレッドにトドメを刺した槍です」

 

黒いロンゴミニアドには13もの赤い棘が突き刺さっている。あのまま使うものなのか?不思議に思っていると槍が回転をはじめ赤く、黒く染まっていく

 

ア「突き穿つ!ロンゴミニアド!」

 

アーサーが槍を突き出すと黒い嵐が放たれた。それは俺たちを飲み込み・・・

 

ユ「グゥゥゥゥゥゥ」

 

地にへばりつき、傷を負いながらも何とか耐えた。だが

 

ユ「・・・嘘だろ」

 

モンスターが全滅していた

 

ユーガのライフ:5000→2600

 

ユ「っこの瞬間墓地に送られた《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の効果発動。墓地から《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を特殊召喚」

 

予定が狂ったがモンスターは途切れさせない。黒竜が再び俺の場に蘇る

 

ユ「そして伏せていた《メタモルポット》のリバース効果発動。デッキから5枚ドローする!」

 

これで手札は回復。ライフは減ったがアーサーの方も息も絶え絶えだ

 

ア「また・・・そのモンスターが」

 

ユ「そう簡単に全滅はしないぜ。だが《ダークマター・ドラゴン》までやられるとはな」

 

神と同等の攻撃力を持っているんだがなぁ

 

ユ「俺のターン。《アークブレイブドラゴン》の効果発動。墓地へ送られた次のターンのスタンバイフェイズに、

《アークブレイブドラゴン》以外の自分の墓地のレベル7・8のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する。蘇れ、《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》!」

 

そして再び現れる《流星竜》。だがこれだけでは終わらない

 

ユ「ドロー!」

 

と思いきやあまり手札がよろしくない。《真紅眼融合》は使えないし

 

ユ「トラップ発動《真紅眼の鎧旋(リターン・オブ・レッドアイズ)》。自分フィールドに「レッドアイズ」モンスターが存在する場合、自分の墓地の通常モンスター1体を特殊召喚する。《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を特殊召喚!」

 

だがやってみることはある。それにしてもさっきのターンで《レッドアイズ・スピリッツ》を手札に加えておけばよかったな

 

ユ「俺は《儀式の下準備》を発動」

 

ロ「儀式モンスター、ですか?」

 

ロセが不思議に思うのも無理はない。儀式モンスターが主軸デッキならともかく、普通はデッキに入れたりしないからな

 

ユ「デッキから儀式魔法カード1枚を選び、さらにその儀式魔法カードにカード名が記された儀式モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選び、そのカード2枚を手札に加える。《レッドアイズ・トランスマイグレーション》と《ロード・オブ・ザ・レッド》をデッキから手札に加える」

 

相手を見るとルフェイもまだ寝ている。ならアーサーを倒せばすべて終わる

 

ユ「墓地の《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》の効果発動。《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》をエクストラデッキに戻しこのカードを手札に加える」

 

さてと、準備は整った

 

ユ「儀式魔法《レッドアイズ・トランスマイグレーション》を発動。自分の手札・フィールドからレベルの合計が8以上になるようにモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地の「レッドアイズ」モンスターを除外し、手札から《ロード・オブ・ザ・レッド》を儀式召喚する。手札の《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》と(フィールド)の《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を墓地に送り、《ロード・オブ・ザ・レッド》を召喚!」

 

突如俺の足元から炎が吹きあがり俺を包み込む。だが不思議と熱くない

 

ロ「ユーガ!!!」

 

ロセが悲鳴を上げる。あまり心配をかけたくないな。俺は腕を振るい炎を払うと俺は《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》の摸した黒い鎧に身を包まれていた

 

ユ「・・・やっぱりか」

 

城之内も自信をモンスターにしてたしもしやと思ったら予想通りだ

 

ロ「ユーガが・・・モンスターに」

 

ユ「変わったいるがそういうモンスターだ。続いて《ヘルモスの爪》を発動。このカードのカード名はルール上《伝説の竜 ヘルモス》としても扱う」

 

一本角の赤い体躯の竜が《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を中心に飛び回る

 

ユ「この効果により《ヘルモスの爪》の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターカードに記された種族のモンスター1体を自分の手札・フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を墓地に送り《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》を特殊召喚!」

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》が《伝説の竜 ヘルモス》と混り、1つになる。渦の中から飛び出し地面へと突き刺さったのは、《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》の首から先が柄とり、その口には黒光りする剣が咥えられる形で飛び出している漆黒の剣。俺はそれを迷わず引き抜いた

 

ユ「《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》が特殊召喚に成功した場合、このカード以外のフィールドのモンスター1体を対象として発動する。このカードを攻撃力1000アップの装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。勿論、俺に装備」

 

ロ「これで《ロード・オブ・ザ・レッド》の攻撃力は3400。《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》に並びました」

 

ロセの言う通り俺の攻撃力は《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》と変わりない。だが《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》にはもう一つ効果がある

 

ユ「このカードの効果でこのカードを装備したモンスターの攻撃力・守備力は、お互いのフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×500アップする。俺の墓地には12体のドラゴンがいる」

 

ロ「さらにユーガのフィールドには《ロード・オブ・ザ・レッド》と《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の2体のドラゴンがいます。つまりユーガの攻撃力は・・・」

 

ユ「3400+14×500で計10400だ」

 

今まで実体化した中で一番の攻撃力だ

 

ユ「そして最後に《流星の弓-シール》を俺に装備。このカードは装備モンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする代わりに相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。10400から9400になったところでさほど変わらない」

 

俺は《シール》に《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》をつがえる。弓を使うのは初めてだが《ロード・オブ・ザ・レッド》のおかげか使い方は自然と分かってくる

 

ユ「バトル!《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》の攻撃!再び喰らえ!ドラゴニック・メテオ・ダイブ!」

 

先ほどもアーサーを襲った竜の隕石が再びアーサーを襲う。いくらパリィしようがこれは耐えられないだろう

 

ア「・・・・・・」

 

《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》が落ち、煙が晴れた先にはアーサーが煙をあげながら立っていた。こちらに目を向けながらも身体は動かないようだ

 

ユ「これで止めだ!ブラック・ギガ・ショット!」

 

《シール》から《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》が放たれる。ロキとてこれを喰らえばひとたまりもない威力。死ぬことはないだろうがアーサーはしばらくの間動けなくなるだろうなと思った時

 

ル「兄さん!」

 

ルフェイがアーサーを突き飛ばした

 

ア「!?ルフェイ!」

 

今まで意識が朦朧としていたのかアーサーがルフェイの名を呼ぶ。突き飛ばされながらも手を伸ばすが、その手はルフェイに届かない。突き飛ばされたアーサーの代わりに《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》がルフェイに当たる瞬間。ガキンと音とともに何かに弾かれた

 

ユ「何!?」

 

真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》を防いだのは装飾が施された鞘のようなもの。それは光となってルフェイの中に消えていった

 

ル「今のは・・・一体・・・?」

 

ア「もしかして・・・エクスカリバーの鞘、ですか?」

 

ロ「エクスカリバーの鞘!?身につけていると傷をうけないと言われる魔法の鞘!確かアーサーの異父姉モーガン・ル・フェイの策謀によって奪われてしまったとされていますが・・・」

 

ア「わかりません。ですが、ルフェイが無事でよかったです」

 

こちらはよくない。決まると思ったがまさか止められるとは。こちらには防御札もないし

 

ユ「俺はこれでターンエンド」

 

ア「ルフェイ。私ももう限界です。これで決まらなければ負けるでしょう」

 

ル「私もです。できれば使いたくなかったですがもうこれしかありません」

 

ルフェイは杖の先に埋め込まれた青い宝石を輝かせながら詠唱を始めた

 

ア「ハァッ!」

 

アーサーが右手にコールブランド、左手にロンゴミニアドを持ちながら突撃してきた。俺は《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》で何とか防いでいるが本来の技量からしたらはなしにならない。かなり消耗しているのと俺の攻撃力が高いのが理由だろう。その証拠にアーサーの太刀筋もブレブレだ

 

ユ「チィ」

 

こちらから攻撃できないとはいえルフェイの杖からは眩い光が放たれている。あれは・・・マズい

 

ア「今!」

 

よそ見したのがマズかった。《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》が俺の手から離れてしまった。モンスターならこんなことは起きないだろうが俺は生憎決闘者(デュエリスト)だ。前線で戦う訳じゃない。幸い破壊はされていないため手にすれば元に戻る。弾かれ宙に浮く《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》を手にしようと腕を伸ばしたところで俺は光に飲み込まれた

 

ル「エクスカリバー・ビィィィィム!!!」

 

ルフェイの杖から放たれた極太の光は俺と《流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン》を飲み込み、破壊した。《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》もなく《流星の弓-シール》の効果で攻撃力が下がっていた俺はライフを削られ、敗北した

 

ユーガのライフ:2600→-100

 

ロ「ユーガ!」

 

ル「はぁはぁ、やりました」

 

ア「ええ。疲れ・・・ました」

 

その場に倒れ込むアーサーとルフェイ。俺は起き上がり走ってくるロセを迎えた

 

ユ「はぁ。負けちまったか」

 

ロ「ユーガ!大丈夫ですか!?

 

ユ「ああ。どこも怪我していない」

 

ハ「ワン<まさか負けるなんてねー>」

 

ス「ガウ<珍しいこともあるもんだ>」

 

ユ「さて、まずは。《恵みの雨》を発動っと」

 

魔法カードを発動すると雲から雨が降り始めた。それの雨はアーサーとルフェイの傷を癒していく

 

ル「すごい・・・」

 

ユ「決闘(デュエル)はお前たちの勝ちだ。約束通り魔法を教われるようにしよう。ついでにアーサーも似たようなことができるようにな」

 

ア「本当ですか!?」

 

ル「ありがとうございます!」

 

声を張れるほどには回復したか。だがいくら回復するとは言えいつまでも雨に当たっているのは身体に悪い

 

ユ「はやくDホイールに乗れ。その体じゃあ帰ることもできないだろう。家で休んでいくといい」

 

ル「なら、お言葉に甘えて・・・」

 

ア「ところでなぜあなたはあれだけの攻撃を受けて平気なのですか?」

 

ユ「決闘者(デュエリスト)だからだ!」

 

ア「そ、そうですか」

 

何故か引かれたがまあいいか、そのうち慣れるだろう。俺はアーサーとルフェイを、ロセはスコルとハティを乗せ俺の家へとDホイールを発進させた

 

 

 

~~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~~

 

 

【3人称side】

 

しばらく経ち、部屋から出てきたアーサーとルフェイは仕事をしているユーガの下に行った

 

ル「ユーガさんは終わらせているでしょうか?」

 

ア「無理じゃないですかね。量が量ですし」

 

ルフェイがドアに手をかけると部屋の中からドッタンバッタンと音が響いてきた

 

ル「何でしょうか?」

 

ルフェイがドアを少し開け中をのぞき込むとユーガがゼファードルと部屋の中で騒いでいた

 

ユ「ロセの作ったお菓子寄越せ!!!」

 

ゼ「お前の上司のロキから仕事が終わってからと言われている!速く終わらせろ!」

 

ユ「次々増えていって終わらねえんだよ!俺なんてずっと決闘(デュエル)もしてないんだぞ!」

 

ゼ「そんなこと知らん!(屋敷で決闘(デュエル)大会をしたというのは言わないでおくか)」

 

床にも書類が散らばっているがお互い踏まないように隙間に足をつけていた。ルフェイは気付かれないようにそっとドアを閉めた

 

ル「また後で来ましょう」

 

ア「そうですね。ティータイムにでもしますか」

 

アーサーとルフェイは部屋の前から去っていった。後にロキがやってきて部屋から怒声が響き渡ったというのは言うまでもない

 



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体育館裏のホーリー
新学期の始まり


今回から遂に第6章に入りました。作者的には主人公たちが動かない(と思う)章なので早く終わらせれたらなと思います(主にイッセーとアーシアが中心みたいな章ですし)


【蒼枒side】

 

蒼「・・・朝、か」

 

太陽が昇り外が明るくなり部屋に日が差し始めた頃、寝ていた俺は目を覚ました

 

黒「ふにゅ・・・蒼枒ぁ」

 

蒼「夢の中に俺が出てきているのか?」

 

腕の中には妻である黒歌が寝ていた。寝言で自身の名を呼ぶ姿にかわいいと思った。それから十数分、黒歌の艶やかで美しい髪を梳いていると瞼が上がり、その中から金色の瞳が覗いた

 

黒「あ・・・蒼枒」

 

蒼「おはよう、黒歌」

 

まだ寝ぼけているのか黒歌は俺の首に腕を回し、キスをした

 

黒「ん・・・おはようにゃ」

 

満足したのか少しだけ顔を離す。笑顔で挨拶をする黒歌がかわいくて

 

蒼「かわいい黒歌」

 

黒「にゃん」

 

今度は俺からキスをする。このまま抱きしめてもう一度寝たい所だが、今日から葉月たちの学校が始まるため黒歌は弁当を作らなければならない。朝から濃厚なキスをした俺たちの間には銀色の糸が引いていた

 

蒼「それそろ起きなければ。今日から弁当もあることだし」

 

黒「うん。もう少し甘えてたかったけどしょうがないにゃ」

 

のそのそと起きだすと黒歌は腕を上げて身体を伸ばした。俺はその間に布団を片づけ押し入れにしまうと髪を梳かしていた黒歌の後ろに座った

 

蒼「今日は青なのか」

 

黒「うん。蒼枒の色にゃ」

 

いつも黒い着物を着ている黒歌だがその下に着ている襦袢(じゅばん)の色が違う。赤色を着ていることが多いが夏に近づくにつれ涼しい色に変えたようだ。櫛を借り黒歌の髪を梳かす。その間に黒歌は尻尾の毛の手入れをしていた

 

蒼「こんなものだろう」

 

黒「次は私が梳くにゃ」

 

綺麗に整えた髪を簪で止め、いつもの髪形を作る。黒歌を終えると次は俺の番。後ろを向き髪を梳かされる。・・・海で水着を着た時のツインテールも似合ってたな。黒歌は綺麗だから余程酷いものじゃない限り似合わないってことはなんだろうけど。そんなことを考えているうちに俺の髪も終わったようだ

 

蒼「さて、俺は山頂にいってくる」

 

黒「いってらっしゃにゃ」

 

黒歌は朝食と弁当を作りに台所へ、俺は霊峰青山(せいざん)の山頂に向かった。山頂に着いた俺は腰を下ろし目を閉じた。これから行うのは自身の管理する土地にある気の調査。龍脈の流れから気流の流れ。住むものすべての気を確かめる。特に感じ取るべきは悪魔がいるかどうか。つい先日も許可していない悪魔が十数名現れた。速やかに処分したが秘密裏に動いている可能性もある。結界などが張られてないか、生き物が不自然な動きをしていないか確認をしなければならない

 

蒼「・・・無し、か」

 

しばらく探っていたがどうやら何もない様だ。問題がないのならばそれに越したことはない。家に戻り黒歌のご飯を食べるか

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

修行に明け暮れた夏休みも遂に終わり、今日から二学期へと突入だ。二学期は体育祭や文化祭等イベントが多い学期と言える。楽しみもあるがそれ以上に・・・

 

絶「はぁ。今日から学校か・・・」

 

ゼ「どうした?特に心配するようなことはないと思うが」

 

絶「いや学校じゃなく修行の方だ」

 

ゼ「ああ・・・わかった」

 

蒼枒さんが夏休み最後の日である昨日、俺達に言ったこと。それは今までよりも修行を厳しくするとのことだ。時間が取れないならその分質を上げるのは分かるができれば死にたくないな。比喩無しで

 

絶「まあ。なるようになるしかない、か」

 

あまり考えないようにしよう。ゼノヴィアと腕を組み手を握る。自然とこういうのができるあたり俺たちも変わったなと思う。蒼歳(そうせい)町に住む人達の影響もあるんだろうけど

 

 

 

しばらく学校への道を歩いていると後ろから声を掛けられた

 

葉「絶斗さん、ゼノヴィアさん。おはようございます。今日も仲がよさそうで何よりです」

 

ゼ「おはようございます。いつの間に私たちの後ろに・・・」

 

白「細道から出てきただけですよ。他の人が見ていないところに転移しますので」

 

葉「その場所は毎回バラバラですが。会ったのは本当に偶然なんですよ」

 

確かに一学期中に見かけることはなかったからな

 

絶「毎回バラバラって大変じゃないんですか?」

 

葉「初めは同じ場所に転移してたんですよ。ですがまさか私たちが学園のアイドルになるなんて思いもよらなくて。追いかけてくる方も一時期いましたし」

 

人はずれた美しさを持っていたらそうなるよな。そもそも2人は妖怪だし。それ故アイドルにされ追っかけができたのか。それから4人で他愛もない話をしてながら学園まで歩いた。途中で2人のファンからの視線がだんだんと増えていったが・・・これはきつい

 

 

 

チャイムが鳴り先生が教室に入ってきた。それまでずっと東雲姉妹のファンと思われるクラスメイトからの視線を感じていた。2人の人気を身をもって体感した

 

「一部を除いて久しぶりだな。高校最後って言っても過言ではない夏休みは楽しめたか?宿題はやり終えたか?終えてなかったりあまりにもミスが多いものは追加があるから覚悟するように」

 

えーーーーと、クラス中からブーイングが起こる。そして一部のクラスメイトは顔を青くしていた。ああ、やらなかったんだな

 

「そしてこのな時期に珍しいかもしれんが転入生だ。入ってきてくれ」

 

先ほどのブーイングから一転喜びの声が上がる。先生の声に促され入室してきたのは

 

イリ「紫藤イリナです。皆さん、どうぞよろしくお願いします!」

 

会談の後、家に来たイリナだった。そして休み時間、質問攻めになる前になんとか教室を抜け出して人気のない場所に移動した。ちなみにイッセーは宿題が終わってなかったらしく教室を出る前まで青い顔をしていた

 

イリ「久しぶりゼノヴィア!イッセーくんにゼットくんも!」

 

ゼノヴィアに抱きついたイリナ。

 

ゼ「ああ、久しぶりだな、イリナ。元気そうで何よりだ。だがどうしてイリナが転入してきたんだ?」

 

イリ「それは放課後話すわ。今じゃ少し時間が足りないし」

 

イ「分かった。部長に伝えておく」

 

イリ「よろしくね」

 

イリナがどうしてここに来たのかは放課後、部室で話すことになった。まさかそこで一悶着起きるとはこの時の俺は思いもしなかった

 



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天使の入部と現れる悪魔

書いていると何故か長くなる。構想時はもう少し進んだところで区切っていたんですけどねー。変なところで区切るとサブタイトルも考えなくてはならなくなりますし・・・あとそろそろあらすじも変えないと


【絶斗side】

 

放課後。いつも通り白音さんと葉月さんを除いたオカ研全員とアザゼル先生、そして転入してきたイリナが部室に集っていた。2人はもう退部していいと思うのだが

 

リ「紫藤イリナさん、あなたの来校を歓迎するわ」

 

イリ「はい!皆さん!初めまして・・・の方もいらっしゃらないですね。会談の時に一度は会ってますし。新手馬手紫藤イリナと申します!教会いえ、天使さまの使者として駒王学園にはせ参じました!」

 

イリナは天界側の支援メンバーとして派遣されたらしいがもう少しいてもいいと思うんだが。堕天使はトップが来ているし悪魔は実力こそ劣るが数がいる。その悪魔と同程度の力しかないのに1人とは天界は人手不足なのかもしれない。パチパチパチと、部員の皆が拍手をするなかイリナが祈りを捧げて俺とゼノヴィア以外の悪魔が頭痛に襲われていた

 

アザ「なんでお前たちは平気なんだよ?」

 

イリ「そういえばゼノヴィアも抱き着いたときに十字架に触れていたのに平気だった・・・」

 

絶「さぁ?俺にもわかりません」

 

教えてもらって知ってるけど

 

アザ「まあいいか。おまえさん、『聖書の神』の死は知っているんだろう?」

 

イリ「もちろんです、堕天使の総督さま。私は主の消滅をすでに認識しています。会談の時に私もいましたし確認しましたよね?」

 

アザ「ふっ。それもそうか」

 

イ「だけどイリナってかなり信仰が厚かったはずだけどショックは受けなかったのか?」

 

そんなイッセーの言葉を受けたイリナは、一泊開けて両目から大量の涙を流しながら

 

イリ「ショックに決まっているじゃなぁぁぁぁい!!!心の支え!世界の中心!あらゆるものの父が死んでいたのよぉぉぉぉっ!!?全てを信じて今まで歩いてきた私なものだから、それはそれは大ショックでミカエル様から真実を知らされた時あまりの衝撃で七日七晩寝込んでしまったわぁぁぁっ!ああああああ、主よ!」

 

ゼ「イリナ!分かったから!あの時はそこまでひどくなかっただろう!!」

 

イリ「あの時は心の準備ができてたんだもんんんん!鎮静剤も飲んでいたしぃぃぃぃ!」

 

ア「イリナさん!落ち着いてください!」

 

テーブルに突っ伏しながら叫ぶイリナをゼノヴィアとアーシアがフォローする。それからしばらくしてイリナが落ちつくと

 

イリ「・・・すみませんでした。お恥ずかしいところをお見せして」

 

リ「いえ、気にしないでいいわ」

 

少し引いている部長。あれだけ人前で泣きわめいていたらそれは引くわな

 

アザ「ところでだ。3大勢力による会談の時から少し気になっていたんだが・・・イリナ。お前さんから天使の様な気配がする。だがお前は人間だった筈だ」

 

おお!流石は堕天使のトップ。この中でいち早く気付いたか

 

アザ「もうすでに人間を天使に転生させるシステムを完成させたのか?」

 

イリ「そうですね。折角ですからお見せしましょう」

 

そういうとイリナは立ち上がり祈りのポーズをとる。すると、彼女の体が輝き、背中からバッと白い翼が生え

頭には金色に輝く輪が浮かんでいた

 

イ「おお!イリナから羽が生えた」

 

ゼ「イリナが転生天使なのは知っていたが見るのは初めてだな」

 

イリ「そうだね。っと話の途中でした。ミカエル様からの話では、セラフの方々が研究されていて、一部はできていたそうですが、会談後、悪魔と堕天使が用いていた技術を転用して他の生命を天使に転生させるシステムを完成させたそうです。名を『御使い(ブレイブ・セイント)』。トランプのA(エース)からQ(クイーン)を模した12人の転生天使の配下を、ミカエル様を始めとした10名のセラフの方々は持つ事にしたそうです」

 

となるとセラフがK(キング)になるのか。K(キング)を支える、A(エース)からQ(クイーン)の12名。さしずめ『12使徒』という訳か。トランプという出自からしてJOKERもありそうだ。だがこれでまた他神話から反感を買うことになるな。少なくとも日本では無理だ。一応蒼枒さんに報告しとこうか

 

アザ「ほう。悪魔がチェスなら、天使はトランプか。あいつらも面白い事を考えるな」

 

イ「それで、イリナは何の札をもらったんだ?」

 

イリ「私はA(エース)。ずばり!ミカエル様の配下のエースという光栄な配置を頂いたのよ!これ程までのご期待、応えない訳には行かないわね!」

 

イリナは左手の甲にAの文字が浮かび上げながら強く意気込んだ

 

イリ「それはそれとしてゼノヴィア。先のレーティングゲームでMVPを取ったそうね!」

 

ゼ「ああ。私はまだまだ未熟だが、あの時は運が良かったからな」

 

そりゃ夏休みの間会長たちの上位互換の相手と戦っていたからな。余程慢心していない限り負けるはずもない

 

イリ「その活躍を賞してミカエル様からこの鞘を渡すよう言われているわ。『これからは仲良くですよ』とのお達しだし、それに信心深かったゼノヴィアを不本意な形で追い出さざるを得なかったお詫びだって言っていたわ

 

ゼ「そうか・・・既に縁が切れた筈の私に其処まで」

 

そう言って袋を受け取るゼノヴィア。取り出すとかなり大きな鞘だな。デュランダル自体が大剣だから鞘も必然的に大きくなるか

 

イリ「これで悪魔に有害な聖なるオーラがダダ漏れになることはないわ。今までは亜空間にしまっていたけど、それだといざと言う時に取り出す手間が掛かるものね」

 

いや、その問題は既にクリアしています

 

イリ「そこで天使陣営の錬金術師によってエクスカリバーを鞘に変えて被せる事で受け皿とし、制御を可能としたの。これでいつでもデュランダルが使えるわ!」

 

普段は持ち歩けないのにどうしろと。銃刀法違反で捕まるぞ

 

イリ「名はそうね・・・エクス・デュランダル!なんてどう?」

 

絶「安直なネーミングだなおい!」

 

イリナのネーミングセンスの無さはともかくエクスカリバーを鞘にしたのか。もったいない気もするが

 

ゼ「だけどいいのか?貴重な聖剣、7本あるとはいえその内の1本をエクスカリバーを鞘にするなんて」

 

イリ「ううん。この鞘は7本全てを使って作られているよ」

 

アザ「どういうことだ?たしか1振りは行方不明になっていた筈だろ?」

 

イリ「私もよくわからないですが、何の前触れもなくミカエル様のもとに奇妙な顔がついた緑の壺が送られてきて、その中に行方不明になっていた最後のエクスカリバー、『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』が入っていたそうです。エクスカリバーを取り出すとその壺は跡形もなく消えてしまったそうですが・・・」

 

アザ「なんだそりゃ?」

 

イリ「私もその場にいたわけではないので詳しいことは分かりません」

 

アザ「そうか。だが注意したほうが良いな。今回はエクスカリバーだったとは言えミカエルの奴に直接物を送れるような奴だ。これが爆弾とかミカエルの奴は死んでいたかも知れないな」

 

確かに先生の言う通りだ。感知することもできず一方的に送られてくるんだ。回避しようがない

 

アザ「このことは後で俺からサーゼクスに伝えておく。お前らも気をつけろよ。お前らも狙われないとは限らないんだからな」

 

リ「ええ、承知しているわ。だけど今は歓迎会の準備を始めましょう。生徒会の仕事が終わり次第ソーナたちも来るから準備をしないとね」

 

部長の指示に従い皆でイリナのための歓迎会を準備する。何故か歓迎される側のイリナもその手伝いをしていた。やらなくてもいいと思ったがジッとしてられなかったらしい。準備を進めていると部室の片隅で転移用魔方陣が展開され、深い緑の髪をした男の悪魔が現れた

 

デ「ごきげんよう、ディオドラ・アスタロトです。今日はあるお願いをしにきました」

 

確か若手の会合の時に笑顔を向けていた悪魔だったような・・・何にせよ馬鹿な奴だな~。悪魔が日本(ここ)に来るなんて死にに来てるようなものだ



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侵した悪魔への制裁

まずい、あらすじの内容が思いつかん。どうしよう・・・



【3人称side】

 

霊峰青山(せいざん)の修行場の傍に作られた小屋の縁側。そこには蒼枒が自身の膝に黒歌を乗せ、後ろから抱きしめていた。抱きしめられている黒歌も身体を預け、二股に分かれている尻尾を蒼枒の身体を挟むように背中で結んでいた

 

黒「あ、失敗したにゃ」

 

蒼「ダメじゃないか。ちゃんと集中しなきゃ」

 

黒「それは、蒼枒が耳を摘まんだりするから・・・」

 

2人は修行(死合)の後始末をしていた。修行場は大部分が毒々しい色で汚染されており、染められていないところも不自然に溶けて穴が空いていた。それを処理しているのは2人が呼び出し、作り出した分身や式達。それらは自ら動いているわけではなく、すべて2人が操作していた

 

黒「蒼枒、苦しいにゃ」

 

蒼「離してほしい?」

 

黒「それは・・・いやにゃ」

 

ギューーと黒歌を抱きしめる蒼枒。抱きしめられている黒歌は苦しいと言うも嫌がったりはせず、少し腕が緩まると身体を回し、蒼枒に正面から抱き着いた

 

黒「ずーとずーと、こうしていたいにゃん」

 

蒼「俺もだよ、黒歌」

 

ア「2人とも!イチャイチャしてないでヴァーリを助けてくれ!」

 

頰ずりして甘える黒歌の背中をポンポンと叩き甘やかす蒼枒。2人っきりの甘い空間が広がるが、それを邪魔するかのように1つの声が響いた。それは2人の傍で倒れ伏すヴァーリの神器である白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)に宿るアルビオンからだった

 

蒼「知らん。勝手に突っ込んできたヴァーリが悪い」

 

黒「そもそも、なんで無茶なことをしたの?いつもなら聞き分けが良いのに」

 

蒼枒と黒歌が戦っている最中、ヴァーリが結界を突っ切り戦いに交じった。だが碌に毒への対策をしていなかったヴァーリは蒼枒の放つ毒を受け、倒れてしまっていた

 

ア「しかたがないんだ。ここ最近神の子を見張る者(グリゴリ)も忙しくなり、今までは少しだが相手する者がいたんだが、それも遂にいなくなってしまってな。美猴もたまにしか来れず、だからと言ってここに入り浸るのもヴァーリは何か思うものがあるみたいでな」

 

蒼「そうか。だからと言って勝手に死にかけるのはなんだかと思うがな。回復させるのは俺たちなんだからな」

 

ア「申し訳ない」

 

既に解毒を済まされ後は目覚めるのを待つだけ。いつもは小屋の中に寝かされるヴァーリだったが今回は自業自得だと言わんばかりに地面にうつ伏せのままころがされていた

 

ア「(蒼枒の毒は余裕で魂まで侵していた。本来ならば持ち得ていない力なのにだ。・・・俺さえ受け入れればヴァーリも同じことができるようになるか?)」

 

かつては神すら怖れる猛毒をその身に宿し、『毒龍皇』として『アルビオン・グウィバー』として呼ばれていたが、その力を忌み嫌い、アルビオンは2000年以上も自身で封じてきた。だがその自身の毒とも勝るとも劣らない毒を使う蒼枒にアルビオンはヴァーリのためらならばと、封じた力を解くことも考え始めていた。そんな中、蒼枒は日本に悪魔が現れたのを察知していた

 

蒼「・・・また来たのか」

 

黒「蒼枒、どうしたのにゃ?」

 

蒼「駒王学園に集中してみな」

 

黒「学園に・・・あ」

 

急に機嫌が悪くなる蒼枒に黒歌が訪ねる。そして言われるがまま学園に気配を探索すると滞在を許可した以外の悪魔の気配があった

 

黒「馬鹿なやつらにゃ」

 

蒼「まったくだ。帰ってきたばかりで悪いが白音たちに行ってもらおうか」

 

黒「人に見られたら大変だもんね」

 

蒼「部外者は学園に入るのに許可が必要だからな。規則を守らなければ後処理が面倒だ」

 

蒼枒自身が直接行く場合、悪魔がいるのは学園内なので入るのに学園側の許可がいる。無許可で入ってもいいが人に見られた場合後処理が面倒になるため結果的に葉月たちが行く方が速いと判断した

 

黒「2人にはもう伝えたのかにゃ?」

 

蒼「ああ。すぐに来るよ」

 

そういうと蒼枒は転移陣を出現させた。その直後白い何かが転移陣の中へと入って行った

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

部室に突如現れた悪魔、ディオドラ・アスタロトは部長のところへ行くとある要求をしてきた

 

デ「このような形で申し訳ありません。何分時間がないものでして・・・今日はあるお願いをしに来ました」

 

リ「何かしら?」

 

デ「リアスさんの眷属であるアーシア・アルジェントをトレードしていただきたい」

 

ディオドラさんがお願いしてきたのはアーシアとのトレード。・・・眷属って交換できるものなのか?

 

デ「急に言われて今すぐ答えを頂こうとは思っていません。詳しい話は冥界に来た時にお話しします」

 

ディオドラさんはアーシアに微笑みながらも何やら焦っている様子だ。みんなもディオドラさんの様子に気になっているみたいだ

 

リ「どうしたの?何をそんなに焦っているの?」

 

デ「大丈夫ですよ。気にしなくていい」

 

どこか無理矢理笑顔を作っているディオドラさん。一体何があったんだ?

 

 

 

 

 

~~~~~~回想~~~~~~

 

【3人称side】

 

とる駅の地下にある冥界と日本を繋ぐの列車のホーム。そこには10名ほどの悪魔が冥界から日本に来る汽車を今か今かと待っていた

 

デ「アーシア。もうすぐ会えるよ」

 

悪魔の集団の先頭に立つのは深い緑の髪を持つ悪魔、ディオドラ・アスタロト。そのすぐ後ろにはアスタロト家に仕える騎士たちが並んでいた。その中の騎士長がディオドラに声をかけていた

 

「ディオドラ様、やはりここは危険と思われます。日本に行った悪魔が帰ってこないのはご存知でしょう」

 

デ「わかっているよ。だがここは冥界とも繋がっている。きっと大丈夫さ」

 

先ほどから聞くアーシアという者にしか頭にないディオドラにはどんなに説得しようとも今は効果がないと判断した騎士長はいざというとき守れるべく部下たちに気を抜くなと指示を出した。だがそんなものは無意味というように一番背後にいた悪魔が1人消えた。それと同時にホームを照らしていた明かりが不気味に点滅しだしそして、消えた

 

「!?ディオドラ様を守れ!」

 

騎士長の言葉に騎士たちはディオドラを囲うように剣と盾を構えた。悪魔である彼らは暗闇でもはっきりと視ることができる。だがそれは襲う相手も同じこと。気配を殺し、1人。また1人と悪魔たちの命を奪っていく

 

「ぐもぅんおうぅぅん」

 

「ギャ」グシャ

 

デ「何が・・・何が起きている!!?」

 

「助けて(くれー!!!)

 

「ディオドラ様!はやく転移用魔法陣へ」

 

くぐもった声にグシャリと潰される音。そして引きずられる音と共に「助けてくれ」と言う声がどんどん遠ざかりやがて聞こえなくなる。隣にいた悪魔がまた1人また1人と消えていき、死んでいく。騎士たちが恐怖におびえる中、騎士長はいち早く魔法陣を展開しディオドラを強制的に転移させた

 

デ「何をや・・・」

 

「よし後は・・・」

 

ディオドラを送りほんの一瞬の安心も束の間。自分たちを守っていた騎士達はほとんどおらず、その最後に騎士も目の前で首がはねられていた

 

「くそっ」

 

悪態つく騎士長だったがこれ以上ここにいては自分も死ぬであろうことは分かっていた。故に自身が展開した魔法陣に入ろうとするも、何かに縛られたように身体が動かなかった

 

「・・・はっ」

 

騎士長は乾いた声しかでなかった。体を粘着性の糸で捕えられ、目の前には白い大きな怪物がその巨大な拳を自身に向けて振り下ろしていた。こうして日本に侵入した悪魔は僅かな間で逃がされた1名を除きすべて殺された。そして虐殺があったにも拘らずリアスたちが日本へと帰ってくる時には地の染みやひび割れ一つなく、綺麗なホームが広がっていた

 

 

 

~~~~~~回想終了~~~~~~

 

 

【絶斗side】

 

デ「こちらが用意するのはこちらになります。ご覧になってください」

 

そういってディオドラさんはカタログのようなものを部長に手渡す。部長は受け取ろうとしなかったが部室に魔法陣が浮かび上がるとディオドラさんは無理矢理部長に押し付け自身が出てきた転移魔法陣へと入っていた

 

デ「それでは皆様、後日お会いしま」

 

しょうと言おうとしたのだろう。宙に浮かぶ魔法陣から白い閃光が一直線にディオドラさんに迫り、腕を掴むとそのまま握りつぶした

 

デ「ぎゃああああぁああ!!」

 

「「「白音さん(ちゃん)!!?」」」

 

突然現れた白音さんに驚く俺達。しかし白音さんは気にもせず掴んだ腕の肩口を蹴り上げた。するとまるで刃物で斬られたように腕が切り離され、ディオドラさんは叫びながら転移していった

 

白「逃げられましたか。まあ転移途中でしたし仕方ないでしょう」

 

そうつぶやくと白音さんは手に持っていた腕を燃やした。あまりの高温に灰も残らず、肉が焼ける匂もなかった

 

白「葉月。いいところに」

 

葉「ああ、分かりました」

 

熱と光から顔を守っていると魔法陣から葉月さんが上半身だけ出してきた。そして一言で把握するとディオドラさんの腕からしたたり落ちていた血をすべて消し去った

 

白「さよならです」

 

葉「お騒がせしました」

 

10秒にも満たない僅かな時間で2人は帰っていった。その余りのはやさにポカーンとしているしかなかった。部長がなぜディオドラを襲ったかを問いただすとか言っていたがアザゼル先生から論され渋々ながらも頷いていた

その後準備を終え、生徒会の仕事を終えた生徒会達も加わり、イリナの歓迎会が行われたが、部長達は心から楽しんでいる様ではなかった



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体育祭に向けて

短い。そしておまけは会話のみです
あと、あらすじを更新しました


【絶斗side】

 

ディオドラさんが襲撃された次の日。俺のクラスでは体育祭の種目決めを行っていた

 

「えっとあとは・・・男女混合リレーの女子枠と借り物競争、騎馬戦枠が一人ずつ。男女混合二人三脚一組だね」

 

体育委員が黒板に書かれた種目を見て何度か頷いた。駒王学園の体育祭は学年毎に4つ分かれ、計4チームで優勝を争う。同じ人が出れる競技は最大2種まで。俺もすでに障害物競走に出ている

 

イリ「はいはーい!私、借り物レースに出まーす!」 

 

元気いっぱいにイリナが手をあげた。その明るさのおかげで男女問わず人気が高く、転校してきた翌日だというのにクラスに溶け込んでいた。そんなイリナに反対する輩もいるはずもなく借り物競争は決まったが

 

「他に出たい人もいないようなのでイリナさんに決定。じゃあ次は男女混合二人三脚「(俺が出る)私が絶斗と共に出る!」」

 

予想通りイッセーが男女混合二人三脚に出ようと狙っていたのは知ってた。だがゼノヴィアも狙っているとは予想外だった。確かに俺もゼノヴィアと一緒に出るのは嬉しいし何の問題もないが

 

イ「ゼノヴィア!お前もか!?だがこれはこれで・・・」

 

ゼ「当然だろう。この競技は私たちのためにあるようなものだからな。言っておくが私は絶斗以外とは走らないぞ」

 

イ「なん・・・だと!?」

 

ゼ「当然だろう。むしろ君と走ろうとする女性の方がこの学校では希少だろう」

 

ゼノヴィア。それはちょっと言い過ぎ。だけど事実だから否定できない

 

ア「ちょっと待ってください!なら私がイッセーさんと出ます!」

 

イ「アーシア!?」

 

おっと。アーシアが立ち上がった。まあこのクラスでイッセーを援護するのはアーシアとイリナの2人しかいないからなぁ。女性では

 

ゼ「だがアーシア達では勝てないだろう?私たちに任せておけ」

 

イ「いや!この競技は譲れないぞ。なあアーシア」

 

ア「そうです!それにこの競技は速さよりもどれだけ息を合わせれるかがポイントになります」

 

ゼ「それなら問題ない。私は絶斗と共に生活しているからな」

 

イ「それは俺たちも同じだぜ」

 

「はいはい。ヒートアップするには構わないけど後ろで決めてね」

 

体育委員にさえいられ教室の端っこに追いやられる3人。その間に残りの競技を決めていく

 

「・・・じゃあ騎馬戦は松田で。最終競技のチーム対抗デッドリレーも兼任してるけどいいよね」

 

松「大丈夫だ。問題ない」

 

「んじゃ後は面倒だから男女混合二人三脚で溢れたほうを男女混合リレーの女子枠に突っ込むよ。時間もないしね」

 

この決めている間に3人はじゃんけんで決めていたようで声が聞こえていた。そして戻ってきたゼノヴィアは落ち込んでいた

 

「男女混合二人三脚は兵藤とアーシアで決定!」

 

ゼ「すまない絶斗。負けてしまった」

 

絶「じゃんけんで決めていたんだししょうがない。落ち込んでいるところで悪いがゼノヴィアは男女混合リレーに出場が決まったぞ」

 

ゼ「は?」

 

「残るゼノヴィアは男女混合リレーの女子枠で決まり。このメンバーで提出するから出場者は練習に出るように。もちろん、個人で練習してもいいけどね」

 

じゃあ、と体育委員が教室から出ていく。それに続きクラスメイトも部活に行くものや家に帰ろうと教室を後にする

 

イ「頑張ろうな、アーシア!」

 

ア「はい、よろしくお願いします!」

 

こうして、オカ研は名目上運動系の部活でもないのにクラスにいる全員が体育祭出場が決まった

 

ゼ「絶斗と出たかった・・・」

 

やれやれ、部活に行くのはゼノヴィアを慰めてからだな

 

 

 

 

 

――――――おまけ―――――

 

【絶斗side】

 

絶「それで、2人とも夏休みはどうだったんだ?」

 

教室から離れた人気の少ない場所で俺は松田と元浜から夏休みをどう過ごしたか聞いていた。少しでもまともになっていればいいんだが

 

松「聞いてくれ!実は、俺、他校の女士からファンレターもらったんだぜ!」

 

元「な、なんだってー!!!」

 

絶「そりゃよかったな。効果が出始めてるいい傾向だ」

 

元「何故そんなことが・・・」

 

松「夏休み中部活の助っ人で色々出てたからなぁ。ちなみにどれも全国には出れなかった」

 

絶「だが活躍すればそれだけ名前も知れ渡る。他校には余程でない限り悪評は知れ渡ってないからな」

 

元「なるほど。松田は他校の女子狙いか。考えたな」

 

松「・・・そうか!何も狙うのはこの学校だけでなくてもいいのか!」

 

絶「気付いてなかったのかよ。・・・わかってるとは思うが暴走はするなよ。未だ警戒は解かれてないんだからな(主にイッセーのせいで)」

 

松「それにしても元浜の雰囲気も変わったな」

 

元「これには気付いたか。俺はインテリを目指すことにしたんだ。そこでまずは雰囲気作りから始めたわけだ」

 

絶「元浜は頭がいいからな。エロへの暴走をなくし知的に振る舞えば好感度は上がるだろう。後少し体を引き締めればなおのこと良いだろう」

 

元「身体か~」

 

松「心配するな、俺が鍛えさせてやる」

 

元「いや、自分で調べる」

 

松田と元浜がギャーギャーと騒ぎ始めた。実践派の松田と理論派の元浜だもんな。ふと外を見ると校舎化からイッセーが飛び出していた。その後を10人ほどの女士が追いかけていた

 

絶「・・・またか」

 

松「馬鹿だな」

 

元「松田に言われたらそれこそおしまいだろう」

 

松「・・・なんだかあたり強くね?」

 

元「数秒前まで言い争っていたのにいきなり態度がいつもに戻るわけないだろ!」

 

絶「はぁ、とりあえず制裁しに行ってくる」

 

2人に別れを告げイッセーを追いかけることに。やはりというかイッセーは何も変わっていない。だからこそ謎。これだけ周りに迷惑をかけいるにも関わらずイッセーが部長達から慕われているかが。やはりもう手遅れで確定か。俺にはどうしようもないけど



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冥界のテレビ収録

ディオドラが交渉するまで行くと思ったらサイラオーグとの話が意外と長くなった。という訳でディオドラの腕が治るのも次回に持ち越しです


【絶斗side】

 

リ「そうだった。絶斗たちに言い忘れてたことがあったわ。明日は冥界に行くからそのつもりでいてちょうだい」

 

絶「冥界?もうレーティングゲームをやるんですか?」

 

リ「フフ、それはないわ。ゲームの開催日は対戦相手とともに通知がくるもの。今回行くのは若手悪魔特集で冥界のテレビ番組に出ることになっているからなの」

 

絶「・・・テレビ番組?」

 

と言うやり取りがあったのが昨日。もっと早く言ってほしいものだが・・・部長だし聞かないだろうなぁ。次の日の深夜。部室に集まったオカ研のみんなと共に転移用魔方陣で冥界へ向かった

 

「お待ちしておりました。リアス・グレモリー様。そして、眷属の皆様。さぁ、こちらへどうぞ」

 

転移した場所は窓1つない部屋だった。床には転移用魔法陣が設けられており、着くなり、待機していたスタッフの皆さんがお出迎えてしていた。スタッフに連れられエレベーターに乗り上層の階へ。転移した場所はどうやら地下だったようだ。

 

イ「ゼット!部長のポスターが貼ってあるぞ!」

 

廊下にでるとそこにはポーズを決めている部長のポスターがあった。こうして見るとまるでアイドルみたいだ。イッセーがはしゃぐのも分からないでもない。考えてみれば部長は上流貴族みたいなものだし家としては魔王も出している。それを踏まえれば部長はアイドルとして扱われてもおかしくはないか

 

リ「サイラオーグ。あなたも来ていたのね」

 

先に進むと廊下の先からサイラオーグさんが十人ぐらいを引き連れて歩いて来た。先のレーティングゲームでは全員映る前にリタイアされていたからな

 

サ「リアスか。そっちもインタビューの収録か?」

 

リ「ええ。サイラオーグはもう終わったの?」

 

サ「これからだ。リアスたちもこれからということは別のスタジオだろう。それよりも試合、見たぞ」

 

リ「そう。貴方から見てどうだったかしら?」

 

サ「良い眷属たちだな。だがまだ成長途中といったところか・・・2人を除いて」

 

そういうサイラオーグさんは俺とゼノヴィアに視線を向けた。何か感づかれたか?

 

絶「・・・何か?」

 

サ「いや、何でもない」

 

視線を部長に戻すサイラオーグさん。俺たちは色々秘密を持ってるから率先して表に出たくはないんだが

 

サ「如何に力が強くても、カタにハマれば負けし、相手は一瞬の隙を狙って全力でくるわけだからな。それを初めてのゲームで身をもって学んだよ」

 

リ「そうね。あんな展開はあまり褒められたものではないけれど」

 

そうなのか?奇襲や罠とか、戦いは正面からぶつかるわけじゃないからありだろう

 

サ「そう言うな。後から聞いた話だがあの時のゼファードル達は体力もほとんどなく、魔力も底をつきかけていたらしい。彼の師のティアマットからの命令でな。ゼファードル達からしたらあれが最善の選択だったのだろう」

 

最善の選択を選び全力を尽くす。何もおかしく所はないな。・・・相手に最善を選ばされてなければな

 

「サイラオーグ・バアル様と眷属の様方。そろそろスタジオの方に入ってください」

 

サ「じゃあな、リアス。スタッフに呼ばれているからそろそろ行くとするよ」

 

サイラオーグさんはスレ違いざまにイッセーの肩をたたき

 

サ「おまえとは大勢の前で理屈なしのパワー勝負をしてみたかった」

 

リ「どういう事?ゲームの相手はこれから決まるのだからまだわからないんじゃあ・・・」

 

サ「俺も詳しくは知らないがゼファードルがこの若手のゲームに参加できるのが後2回までらしい。次も勝つのは分かっているから他の最多勝利者が最後に戦うと噂で聞いた。となれば残るはリアスとディオドラになるわけだが・・・ゲームを見る限りリアスたちが負けるとは思えなくてな」

 

リ「ということは」

 

サ「まだリアスはまだ知らなかったか。リアスの次の相手はディオドラだ」

 

「サイラオーグ・バアル様ー」

 

サ「おっと流石にこれ以上待たせるのは悪い。またな」

 

それを言ってサイラオーグさんは去っていった。それよりも次はあのディオドラさんとか。片腕落とされてたけど戦えるのか?

 

 

 

 

その後、俺たちは楽屋で待機することに。

 

「リアス・グレモリー様」

 

「兵藤一誠様はどちらに」

 

「次は木場祐斗様と姫島朱乃様のお二方、スタジオまでお願いします」

 

一人二人とスタッフに呼ばれバラバラに楽屋から連れていかれた。どうやら個別に呼んでいるようだ。・・・未だにダンボールに隠れているギャスパーへの配慮か?

 

「えーと、朧月絶斗様とゼノヴィア・クァルタ様はいらっしゃいますか?」

 

絶「お!ゼノヴィア、ようやく来たみたいだぞ」

 

ゼ「ん、分かった」

 

ゼノヴィアの頼みで蒼枒さんと黒歌さんの真似をしてゼノヴィアを後ろから抱きしめ、頭を撫でながら待っていたが、4cmしか身長が変わらない俺じゃあ蒼枒さんみたいに包むことはできなかった。もう少し身長が欲しいなぁ

 

「これから収録の打ち合わせを始めます」

 

連れられた先にプロデューサーと思われる悪魔から打ち合わせ、というよりはどんな質問をするか説明を受けた

 

「お2人には質問がそこそこいくと思います。先のゲームでの活躍がすごかったですから」

 

何でも前回のシトリー戦は冥界全土に放送されていたらしい

 

ゼ「絶斗・・・」

 

絶「マジか・・・」

 

ゼノヴィアが困った表情を向けてくるが、俺も困っている。本音を言えばあまり目立ちたくない。だからと言って折角修行をつけてもらているのに、手を抜いたせいで悪魔相手に負けたと伝えるもの何だかなぁ

 

「ちなみに兵藤さんはこの後、別スタジオでこれとは別の収録もあります。何せ、『乳龍帝』としてヒーローになりますから」

 

絶「え?乳龍帝???」

 

なんだそれ?

 

「魔王サーゼクス・ルシファー様と堕天使総督アザゼル様が中心となり冥界の子供が夢を持てるものをと、赤龍帝である兵藤さんが主役を務めるヒーロー番組を作るのが決定しました」

 

俺もゼノヴィアも唖然とした。それでいいのか魔王に総督。それでいいのか冥界。まともな精神をしてないぞ

 

「収録まで僅かではありますが時間がありますので、それまでお待ちください」

 

そういうとプロデューサーの悪魔は離れていった。周りには誰もいないことを確認し

 

絶「ゼノヴィア・・・」

 

ゼ「絶斗。君も」

 

絶「ああ」

 

絶・ゼ「「悪魔でいることを選ばなくてよかった」」

 

静かにつぶやいた

 

絶「イッセーの奴もいくら好きだからと言ってそれはないだろう」

 

ゼ「同感だ。もし悪魔でいることを選んでいれば、あれに付き合わされ続けることになっていただろう。私はゴメンだ」

 

絶「全くだ。んん?」

 

どうやら悪魔が通路を歩いて来ているようだ。収録か?と思ったが何かバラバラと紙が揺れ動く音がする。その悪魔が通り過ぎる際持っていたポスターが見えたが、そのポスターには

 

『乳龍帝おっぱいドラゴン』

 

と大きく書いてあった。まだ文字だけで写真は載せていなかったが先ほどの話は本当だったようだ



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ディオドラからの告白

何とかできました。悪魔側の話だと一気に筆が重くなりますね


【絶斗side】

 

テレビ収録は眷属全員で集って収録した。終始ギャスパーが震えていたが、やはり個別での説明はギャスパーに配慮したものだったのだろう。質問も俺たちの口からは必要以上のことは言ってない。相手が勝手に勘違いしてくれたし。後はやることもないため日本に帰るだけだ

 

デ「ごきげんよう。リアスさんとその眷属方。ご時間はよろしいでしょうか?少々お伝えしたいこともありますので」

 

と思いきやディオドラさんが俺達の目の前に現れた。その片腕は白音さんに切られたため方から先がなかった

 

 

 

 

テレビ局?の一角にある施設。喫茶店のようなところに連れてこられた。テーブル席に座るディオドラさんの前には部長とイッセー、アーシアさんが座り、他は近くの開いている席に座っていた

 

デ「お時間をいただきありがとうございます」

 

リ「構わないわ。このタイミングで伝えたいことがあるってことはゲームのことでしょう」

 

デ「ええ。次の貴女の対戦相手。私に決まりました」

 

リ「そう(サイラオーグ言ってたとおりね)」

 

デ「ゲームは1週間後の予定です」

 

1週間後か。この間ゲームをしたばかりなのに・・・。来客の関係もあってゲームの間隔が短いのかもしれないな。まだそれほど強くもなっていないのに

 

デ「では次は本題に入りましょうか。アーシアのトレード、考えていただけたでしょうか?」

 

リ「そのことだけど、なぜアーシアなの?確かにアーシアの持つ聖母の抱擁(トワイライトマザー・ヒーリング)はすごいけれど」

 

デ「・・・そうですね。アーシアさん。この傷を覚えているかい?」

 

ア「・・・!それは!まさか、貴方があの時の・・・」

 

ディオドラさんが背中からわき腹に駆けて走る大きな傷跡を見せると、アーシアさんが何かを思い出したような反応見せた

 

デ「僕は貴方に助けられた悪魔だ。やっと会えた。ようやく僕は君にあの時のお礼が言える」

 

ディオドラさんがアーシアさんが境界から追放される原因となった悪魔だったのか。だが、お礼を言いに来ただけじゃあトレードなんて言わないよな

 

デ「アーシア・アルジェント。僕は君が好きだ。君には是非、僕の妻になって貰いたい」

 

ゼ「・・・これはまた随分と唐突な求婚だな」

 

絶「そうだな。だがわからないわけではないだろう」

 

ゼ「ああ。私も絶斗に助けられ、この気持ちに気付いたからな。(・・・絶斗の命と引き換えに)

 

絶「・・・・・・」

 

あの時、ゼノヴィアを庇い代わりに光の槍を受けて死んでしまったことに悔いはない。だからゼノヴィアにそんな暗い表情はしないでほしい。俺はそっとゼノヴィアを抱き寄せた

 

ゼ「絶斗・・・」

 

絶「気に病むな。今こうして2人共生きていられるんだ。それでいいだろ」

 

まだゼノヴィアの中で俺の死は色濃く残っているか。無理もない。時間もそれほど経ってないし、自分の目の前で自分を庇った人が死んだんだからな

 

ア「・・・これで腕は元通りのはずです」

 

デ「凄い!諦めなければと思っていた腕が元に・・・アーシア。これで助けられたのは2度目だね」

 

アーシアさんがディオドラの切断された腕を治療していた。肩からなかったはずのディオドラさん腕が完全に戻り、手を握り締めては広げていた。部長もイッセーも、見ていた全員が驚いていたが

 

絶「・・・普通だな」

 

ゼ「何がだ?」

 

絶「いや、なんでもない」

 

見ていなかったゼノヴィアと蒼枒さんのところで見慣れた俺には驚くほどのことではなかった

 

デ「改めてリアスさん。トレードを考えていただけたでしょうか?」

 

リ「ディオドラ。トレードは断るわ」

 

デ「・・・それは彼女の神器(セイクリッド・ギア)ですか?それとも彼女自身が魅力だから?」

 

リ「両方よ。私は彼女を妹のように思っているわ!」

 

ア「部長さんっ!」

 

アーシアさんは感動のあまり瞳を潤ませている。感動するほどか?

 

リ「私はアーシアを手放したくないの。もちろん私の大事な眷属悪魔というのもあるわ。けど、それ以上にアーシア・アルジェントという個人と離れたくないの。まだ短い間だけれど一緒に暮らして妹のように想っているあの子を物のような扱いもしたくない。少なくともこんな形で彼女を手に入れようとする貴方にはアーシアは任せられないわ」

 

はっきりとお断りを入れた部長。笑顔のまま口調には多大な棘が混ざっていることから内心では相当腹を据えかねているのかもしれない

 

デ「わかりました。今日はこれで帰ります。けれど、僕は諦めません」

 

ディオドラさんはそれでも笑みを浮かべたままだった。席を立つとアーシアさんの前へ立ち、その場で跪いて手を取ろうとした

 

デ「アーシア。僕はキミを愛しているよ。だいじょうぶ、運命は僕たちを裏切らない。この世のすべてが僕たちの間を否定しても僕はそれを乗り越えてみせるよ」

 

そう言って、アーシアの手の甲にキスをしようとする

 

ア「い、嫌・・・!」

 

だがそれは、アーシアさんが無理矢理手を引いたことにより叶うことはなかった

 

イ「お前!アーシアになんてことを」

 

デ「アーシア・・・では、こうしましょう。次のゲーム、僕は赤龍帝の兵藤一誠を倒そう。そうしたら、アーシアは僕の愛に答えて欲しい」

 

イ「おまえに負けるわけねぇだろ!」

 

デ「赤龍帝、兵藤一誠。次のゲームで僕はキミを倒すよ」

 

またね、と言い残しディオドラさんはカタログをもって帰っていった。残ったのは怒りに燃えるイッセーや部長達だった

 

イ「あの野郎。アーシアは絶対渡さねぇ!!」

 

リ「もちろんよイッセー!次のゲーム、負けるわけにはいかないわ!」

 

祐「僕もだよ。聖剣以外で怒りを抱いたのは久しぶりだ」

 

朱乃さんもフフフと不気味に笑っている。だが勝てるのか?前回の試合は見てないしディオドラさんとその眷属の実力が定かではない。だがそれよりも・・・

 

絶「えっと、騒ぐと店にも迷惑ですしそろそろ帰りません?」

 

ゼ「そうだぞ。その気持ちはゲームの時までしまっておけ」

 

店員に早く帰れよ、と言いたげな視線を向けられている。俺とゼノヴィアはみんなを何とか静め、日本へと帰った

 



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蜘蛛と骨との修行

安定の修行編。イッセー達みたいに何でもかんでも修正力で何とかするのは嫌いなので無理矢理ですが力をつけていかせます

登場する妖怪達も増えてきましたね。設定も書かないと


【ゼノヴィアside】

 

ゼ「ガッ!ぐふ・・・」

 

獄「クヒャヒャヒャヒャ。これで9回目死亡。後がないぞ~」

 

ゼ「・・・うっ。分かっている」

 

体に撒きつけられた糸を振り回し木へぶつけられた私は鋭い爪で胸を貫かれ死んだ。その数秒後、傷跡ひとつ残らず蘇る。これを繰り返すのは今で9回だった。冥界での取材が終わり、次のレーティングゲームの日程が決まった矢先、私と絶斗は青龍達によってある空間に放り込まれた

 

蒼「その空間に住む妖怪に協力してもらった。そこでならいくら死んでも生き返ることができる。はやい話俺が付きっきりでなくても大丈夫だってことだ。これから1週間1度、この中で戦ってもらう。相手は既に待っているからな。せいぜい死んでこい」

 

放り込まれた先には袖や裾がボロボロの黒い着物を着た背の高い黒い髪の女性と真っ白な長い髪に同じ白の着物の、幼い姿の少女がいた。少女は絶斗を連れていき私は黒い女性・・・獄楽さんと戦うことになった。彼女は夏休みに戦ったあの大蜘蛛とのこと。闘ってみたが全くと言っていいほど手も足もが出なかった。エクス・デュランダルになったことで7本のエクスカリバーの能力も使えるようになったが、それもあまり意味をなさなかった。破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)はデュランダルに劣る。擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)はデュランダルに使えない。天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)は振るう速さには使えたが、駆ける速度はやめたら細いワイヤーのような蜘蛛の巣に突っ込みバラバラになって死んだ。夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)の幻術も聞かないし、透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)で透明になって奇襲するもはっきりと見えているように反撃された。祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)は意味がない。唯一使えそうな支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)は未知過ぎて発動もできない。はっきり言って鞘がないほうが何倍もマシだった

 

獄「だらしねぇなぁ。そもそもあんたは剣を振り抜きすぎなんだよ。振るときに円や弧を描こうとしないのかい?」

 

ゼ「円に弧・・・?」

 

何か大切なことを言われた気がした。弧を描くか・・・今まではまっすぐ斬るのみだったな。思い返せば青龍も円の軌跡を描いてたな

 

獄「分かんねぇなら別にいいさ。ほれ、後1回だ。幸い体の動かし方と体術はなってきてるんだ。頑張ってあたしを殺して見せな」

 

正面からやるわけじゃないけどな。と言い獄楽さんは飛び上がり林の中に消えた。私は慣れない気配探知しながら

デュランダルのみを構えた

 

 

 

 

【絶斗side】

 

絶「(硬い。そして多様すぎる!全く歯が立たない・・・)」

 

髐「なかなか優秀・・・」

 

8回も殺されて優秀とか言われてもな。嬉しくない。その間にも巨大な骸骨が拳を振り下ろしてくる。その他にも鋭い骨の雨や地面から牙のように生える骨によって逃げ場をなくされる。骨の雨は風で流せば防げるが地面からのは読まれているのか足を貫かれたこともあった。だから逃げ場は空中しかない。今までは1回しか出せなかった空気の足場をこの戦いの中で3回までは出せるようになっていた

 

髐「でも、まだまだ」

 

絶「ぐっ!?」

 

拳を避け、空中に逃げたところ槍が脚を貫いた。槍が放たれた方向を見ると骸骨が何かを投げた姿勢でいた。

 

絶「(あれのせいか!)

 

足を踏み込んだ瞬間の狙われたためそのまま落下する。落下先にはこちらに向かって地面から生える鋭い骨が多数待ち構えていた。しかも上からは再び拳が振り下ろされている

 

絶「(マズいマズいマズい)」

 

無事な脚で空気を蹴り何とか回避。生えていた骨は拳によって粉々になっていた。転がるように地面へと着地したがその先には骸骨兵が剣を振り下ろしていた

 

髐「9回目死亡・・・失敗。感知能力が低下。次で最後・・・」

 

絶「・・・はぁ。キツイ・・・」

 

ゼノヴィアがいたらあの巨大な骸骨も倒すのが楽だったんだがな。俺にはまだ骨を斬れる技量もないし、デュランダルのようなすべてを斬れる能力もない。せめて察知しながら風を放つことができれば本体の髐骨(ぎょうこつ)さんに攻撃できるんだが・・・

 

 

結局一撃も与えることができず今日は終了となった。連れてこられたゼノヴィアも同じような結果みたいだ

 

獄「次やるときはもう少し成長してろよ!」

 

髐「一太刀でも入れれるようになってること」

 

空間から出た後、2人はそれだけを言い残し闇に消えていった



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若手悪魔の評価

前話出した新キャラ。出したはいいけど能力的にやれること多すぎて逆に迷いすぎてしまい困りますね


【絶斗side】

 

レーティングゲーム前の日曜日。オカルト研究部、というよりは部長の眷属はディオドラさんとの対決に向けて対策会議をやるため部室に集められた。アザゼル先生が部室に設置された巨大なモニター前に立って言った

 

アザ「これからおまえら以外にも若手たちゲームを見てもらう。ゲーム初戦の大王バアル家と魔王アスモデウスのグシャラボラス家。魔王ルシファーのグレモリー家と魔王レヴィアタンのシトリー家のお前たちの試合。おまえらの対決後に試合をした大公アガレス家と魔王ベルゼブブのアスタロト家。それらがこれに記録してある。ライバルの試合だから見たのを含めてよーく見ておくようにな」

 

『はい』

 

先生の言葉に皆は真剣に頷く

 

アザ「まずはゼファードル対サイラオーグ。バアル家とグシャラボラス家の試合からだ。生でも見てただろうが前回行われた試合の中で一番苛烈だった試合だ」

 

映し出されたのは編集されたであろう試合の風景だった。直接見たときは離れた場所で同時に戦闘が起こっていたが一つ一つにまとめられているから見やすい。特にサイラオーグさんの眷属が始まって間もなくリタイアしたのはサイラオーグさん側しか映っていなかったから疑問に思っていたからな。ゼファードルさんの眷属があの距離のヘッドショットを決めていたのか。それ以外でも見ていた通りゼファードルさんの眷属が圧倒。最後は『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』を身に着けたサイラオーグが炎の掌底を叩きこまれているところで終わっていた

 

祐「・・・若手最強と呼ばれるサイラオーグ・バアルを相手にここまで。それほどまで力をもつのか、ゼファードル・グシャラボラス」

 

木場は目を細め、厳しい表情でそう言った。映像のサイラオーグさんのスピードは相当なものだったがそれ以上に剣を持つ細身の龍のゼファードルさんのスピードはそれを超えていた。スピードが持ち味の木場にとって周りに自分以上の速さを持つものが多いのは思うところがあるのだろう

 

アザ「こいつらは特殊な例だ。基本、『王』ってのは動かなくても駒を進軍させて敵を撃破していきゃいいんだからな。リアスは参考にするなよ。ゲームでは『王』が取られたら終わりなんだからな」

 

リ「私はそんなことしてないわよ!」

 

アザ「サーゼクスに見せてもらったフェニックスとのゲームでお前、2人の制止を振り切ってただろうが。全く、バアル家の血筋は血気盛んなのかね」

 

先生が嘆息しながらそう言った。確かに部長は前に出ていく傾向が見られるよな

 

リ「ま、まずは目先の試合よ。今度戦うアスタロトの映像も研究のためにあるのだから。対戦相手の大公家の次期当主シーグヴァイラ・アガレスを倒したって話だもの」

 

部長は顔を赤くしながら話を変えようとしていた

 

イ「大公が負けた」

 

イッセーは驚きの声を上げていたが、次期当主なのだから部長達とおそらく変わらないだろう

 

続いてアスタロト家とアガレス家の試合を鑑賞する。グレモリー家とシトリー家のは飛ばされた。まあいいけどさ。

 

朱「どちらも負けず劣らず。いえ、アガレス家のほうが少しばかり優勢でしょうか?」

 

アザ「そうだな。だが状況が変わるのはこれからだ」

 

アザゼル先生の言う通り、ゲーム前半はほぼ互角だったが後半でディオドラさんが動いたことで状況が一変した。ディオドラさんが動くとほぼ単体でアガレス家の眷属たちと王を蹴散らしてゲームを終えてしまったのだ。彼の眷属たちはサポートをするくらいだった

 

リ「おかしいわね。確かにディオドラは優秀な悪魔だけれどここまでの力はなかった筈よ」

 

絶「力を隠していた、とは考えられませんか?」

 

アザ「考えられなくもないが・・・あれこれ話す前にこれを見てくれ」

 

アザゼル先生から配られたのは王と眷属たちの評価の総合値で出した悪魔側の評価表

 

アザ「これは各勢力に配られた若手悪魔の評価表だ。順位としては1位は当然ながらグシャラボラス。これはしょうがないがな」

 

リ「でしょうね。6家の中で唯一プロの中に入っているのだもの。よほどのことがない限り負けるとは考えられないわ」

 

ゼ「続いてバアル。グレモリー。アスタロトと続くか。5位がアガレスで最後がシトリーか」

 

アザ「アガレスとシトリーはそこまで力の差があるとは考えにくいがゲームの影響をもろに受けた結果だな。打ち取られたのが『(キング)』と『騎士(ナイト)』では流石に差が出ちまうからな」

 

紙をめくるとゲーム開始前の評価が載っていた。そこにはグシャラボラス家の名はなく、アスタロトがグレモリーの上にいた。さらにめくると各家の王としての評価が記されていた

 

アザ「紙で個別に見るより、他と比べたほうが見やすいだろう。今グラフを見せてやるよ」

 

先生が術を発動して、宙に立体映像的なグラフを展開させた。そこには部長に会長、ゼファードルさんにサイラオーグさんなど、六名の若手悪魔の顔が出現し、その下の5本のパラメータみたいなものが上へ伸びていく。グラフにはパワー、テクニック、ウィザード、サポートのゲームのタイプ別になっていて、最後の一か所に『(キング)』と表示されていた。たぶんこれが『(キング)』としての資質だろう

 

イ「嘘だろ!?サイラオーグさんとゼファードルのパワーのグラフが天井を超えたぞ!?」

 

イッセーの声につられて見ると確かに2人のパワーのグラフが天井を突き破っていた。サイオラーグさんはパワーと『(キング)』としてのグラフが抜きん出ているが、魔力とサポート関係は最低値と極端な評。ゼファードルさんはサイラオーグさんと違いテクニックとウィザードも軒並み高い。唯一サポートが他に比べ低いがそれでも平均であろう赤のラインを超えている。ソーナ会長はウィザードとサポートにグラフが伸びているがパワーがなく。部長はウィザードが一番伸びている上パワーもそこそこ伸びた。あとのテクニック、サポートは真ん中よりもちょい上の平均的な位置だ

 

ゼ「どういう事だ?このグラフを見る限りディオドラは器用貧乏と言った感じだ。映像のように蹂躙できるほど力の差がある様には見えないぞ」

 

ゼノヴィアの言う通りディオドラさんの5つの数値は均等に高い水準を誇るがどれも突出したものがない。よく言えば万能。悪く言えばゼノヴィアの言う通り器用貧乏だ。少なくともアガレス家の者たちをここまで一方的に蹂躙できるスペックはないように見える

 

絶「やはり力を隠していた?だがそれを加えても事前データと違い過ぎる」

 

祐「何か秘密がありそうだよ。もしかして神器(セイグリッド・ギア)を持っているのかも」

 

アザ「サイラオーグが眷属にしていた以上、否定はできないな」

 

結局情報不足でディオドラさんの秘密を暴くことはできなかった。その後、自分のことをどれだけ把握しているか知るということで薄めの機械の番を全員に渡された。これに打ち込んで自分でグラフを作れとのこと。提出は明日の放課後まで。家に帰ったあと、ゼノヴィアと並んで作っていたが

 

絶「なあゼノヴィア」

 

ゼ「なんだ?」

 

絶「もしこれで蒼枒さんたちのグラフを作ってみたらどうなるんだろうな」

 

隣に座るゼノヴィアに問いかけた

 

ゼ「ふむ、まず全員ウィザードは高いだろうな。テクニックも重要視されている以上高いだろうし。サポートもこなせるだろう。パワーだって最低でも私達より上だ。不明な黒歌さんを覗いて。少なくとも片手で腕を握りつぶすなんてことはできない」

 

絶「つまり・・・」

 

ゼ「グラフのほとんどが天井を突き破るのではないか?」

 

絶「だろうなぁ」

 

自分の分も終わり遊び程度に作ってみることにした。次の日の放課後、遊んだままの状態で提出したため2人し先生にて軽く怒られた



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奪われしシスター

最近書きづらくなってきました(何だか無気力な感じです)・・・書き始めればどうということはないんですけどね


【絶斗side】

 

ゲームの数日前。久しぶりに蒼枒さんが修行の相手をしてくれたのだが・・・

 

絶「はぁ・・・はぁ・・・」

 

ゼ「ぐ、かはっ・・・」

 

まるで相手にならない。蒼枒さんは完全装備(手加減の意味で)をしているのにも関わらずは半径1m以内から動いていない。俺は話す力もないほど消耗し、ゼノヴィアは首を持たれ、地面に叩きつけられていた

 

蒼「ゼノヴィアは身体の動かし方が。絶斗は空間把握、察知能力が長けてきているな」

 

全方位から放った槍を軽く避けた貴方が言いますか。格が違うと言えばそうなんだが

 

蒼「特に空中で一瞬だが足場作っただろ。重宝するからいつでも何回でも使えるようなっておけ」

 

そうは言っても安定して3回までしか作れないんだが。ゼノヴィアも1枚までだし。・・・そろそろ話せるようになってきたか?

 

絶「はぁ、ぅ・・・蒼枒さん。1つ、いいですか?」

 

蒼「何だ?」

 

絶「蒼枒さんに、尋ねるのもお門違いかもしれませんが、悪魔が急に力をつけるようなことって、何か考えられます?」

 

蒼「・・・それは一体どういうことだ?」

 

俺よりも長く生き、そして贔屓目などを使わない蒼枒さんなら何かわかるかもしれない。そう思い俺が知っている

情報をすべて話した

 

蒼「悪魔が急にか・・・そう言えば悪魔の出入りを禁止した日に戦った悪魔も急に力が強くなっていたな」

 

あの時襲ってきたのは禍の団(カオス・ブリゲード)に参加した旧魔王派と呼ばれる悪魔たち。ディオドラさんももしかしたら繋がっているかもしれない

 

蒼「・・・そうだな。これを持って行け」

 

絶「これは・・・?」

 

蒼枒さんは自身の腕から伸びてきた木を取ると仰向けに横たわる俺の横に投げ渡した。それは細く、少し長い木でできた箱。これは一体・・・

 

蒼「それを相手の胴体に突き刺せ。俺が考えているものであるならば、回収できるはずだ」

 

絶「・・・そのあとは?」

 

蒼「ここまで持って来い。そして、俺以外に誰にも渡さずな」

 

何か危ないものなのだろうか?だがあれだけ急に力がつくんだ。危険なものには違わないか

 

黒「蒼枒~ご飯できたにゃん」

 

突如、魔法陣が現れ中から黒歌さん飛び出てきた。そしてそのまま蒼枒さんの首に腕を回しながら抱き着いた

 

蒼「時間か。今日はこれまでだな」

 

絶・ゼ「ありがとうございました」

 

身体に負担がかかりすぎないよう。というよりは一般人にばれないために休息の時間が多い。そのかわり修行の時間は短いのだが濃密すぎる。ありがたいことではあるんだけどな

 

蒼「うまいな」

 

黒「にゃふふ。うれしいにゃ~」

 

蒼枒さんは何かを食べたのか口が動いていた。黒歌さんは嬉しそうにパタパタと宙に浮く足を動かしていた

 

黒「そうにゃ。ゼノヴィア達にも少しあげるにゃ」

 

黒歌さんは蒼枒さん支えられながら何か手を動かしていた。そして俺たちの前にポツンと落とされたのは何かが入った葉っぱでできた袋だった

 

黒「今日は唐揚げを作ったにゃ。夕飯に食べるといいにゃん」

 

ゼ「ありがとうございます!」

 

ゼノヴィアが嬉しそうに拾っていた。確かに、たまにもらう黒歌さんの料理はどれもおいしいからなぁ。ゼノヴィアも教えてほしいと言っていたし。だけどまあ、そんな余裕は今の俺たちにはないけどな

 

絶「ところで蒼枒さん。今日まで姿も見えなかったけど、どこに行ってたんですか?」

 

蒼「依頼を受けていた。まだ本格的ではないが準備やその他諸々、色々やってた」

 

絶「依頼・・・?」

 

神様が受ける依頼って一体なんだ?

 

絶「誰から、とは聞きません。依頼って誰からのでも受けるんですか?」

 

蒼「誰でもってわけではない。報酬にもよるが、最終的に受ける受けない決めるのは俺たちだ」

 

 

 

 

 

 

リ「そろそろ時間ね」

 

部長がそう言い、立ち上がった。ディオドラさんとのゲームの日。深夜の部室に俺達は集まっていた。アーシアさんがシスター服。俺とゼノヴィアはいつも通り私服と戦闘服。他のメンバーは駒王学園夏の制服姿だ。いつも思うが戦闘するのにスカートってどうかって思うんだ。本人たちが良いなら構わないけどさ

 

リ「それじゃ皆……行くわよ!」

 

『はい!部長!!』

 

俺たちは部室の中央に展開された転移用の魔法陣に入る。全員が入り終えると魔方陣が光だし、俺たちをゲームフィールドに転移させた

 

絶「・・・着いたのか?」

 

転移した先。そこは広い場所だった。一定間隔で並ぶ大きな石柱。床も石でできており、辺りを見渡すと、後方に巨大な神殿の入り口があった。これはまるで

 

ゼ「どうやらここはギリシャの神殿をモチーフに作られているようだな」

 

ゼノヴィアの言う通り。ギリシャに残るパルテノン神殿によく似ていた。ここが俺たちの陣営か。あまり長いのはゴメンだから短期決戦が好ましいが・・・

 

リ「・・・おかしいわね。ゲームが始まらない・・・どうなっているの?」

 

部長がそう言う。確かにゲームのアナウンスが流れてこない。何かトラブルでも起こったか?そんな風に首をかしげて思っていたら神殿とは逆方向に何かを感じた

 

ゼ「絶斗?」

 

絶「何か来る」

 

俺は《アミル・ガウル》を出現させ、それにならいゼノヴィアもデュランダルを抜くと俺たちを囲むように複数の魔方陣が出現した

 

イ「な、なんだぁっ!?」

 

祐「これは・・アスタロトの紋様じゃない!」

 

朱「魔法陣の紋様は全てバラバラ。ですがこの共通点は―――」

 

リ「記憶が確かなら、全て禍の団(カオス・ブリゲード)の旧魔王派に傾向した者たちだわっ!」

 

部長は紅いオーラを纏い、厳しい目線を辺りに配らせ即座に記憶から周りの魔法陣の家と共通点を割り出した。そして魔法陣から現れる大勢の悪魔たち。全員が敵意、殺意を漂わせながら激しく睨んでくる!その数は何百人か、千人ぐらいか、正確な数は判らないが、かなりの数に囲まれている!

 

「忌々しい偽りの魔王。その血縁者であるグレモリー。ここで散ってもらうわ!」

 

取り囲む悪魔の一人が部長に挑戦的な物言いに部長達は戦闘態勢に入る。しかし

 

ア「キャッ!」

 

アーシアさんの悲鳴。振り返るとそこにアーシアさんの姿がいない!

 

ア「イッセーさん!?」

 

イ「アーシア!?!テメェ、アーシアを放しやがれ!!」

 

空から声が聞こえた!上を見上げてみるとアーシアさんを捕えたディオドラの姿があった

 

デ「やあ、リアス・グレモリー。アーシア・アルジェントはいただくよ」

 

イ「このクソ野郎!アーシアを放せ、卑怯だぞ!つーか、どういうこった!ゲームをするんじゃないのかよ!?」

 

イッセーがそう叫ぶがアスタロトは醜悪な笑みを見せながら

 

デ「バカじゃないの!?ゲームなんてしないさ。キミたちはここで彼ら禍の団(カオス・ブリゲード)のエージェントたちに殺されるんだよ。いくら力のあるキミたちでもこの数の上級悪魔と中級悪魔を相手にできやしないだろう?ハハハハハ。速やかに散ってそして、死んでくれ」

 

部長が宙に浮かぶディオドラを激しく睨む。俺はその間に・・・

 

リ「あなた、禍の団(カオス・ブリゲード)と通じてたというの? 最低だわ。しかもゲームまで汚すなんて万死に値する!何よりも私のかわいいアーシアを奪い去ろうとするなんてっ!」

 

デ「彼らと行動したほうが、僕の好きなことを好きなだけできそうだと思ったものだからね。ま、最後のあがきをしていてくれ。僕はその間にアーシアと契る。意味は、君達でもわかるよね?ハハハハハッ。アーシアは僕のものになるんだよ。追ってきたかったら、神殿の奥まで来てごらん。そのときはきっと、素敵なものが見れるはずだからね」

 

皆が怒りに燃える中、ディオドラが展開された魔法陣に入って行こうとする・・・今だ!

 

デ「ハハハハぐぁああああああああああ!!?」

ア「キャアアアアアアアアアア!!!?」

絶「今だ!」

 

これだけ長々としゃべってくれたんだ。不可視の槍を用意する時間は十分すぎるほどあった。数多の槍に翼を貫かれ墜ちていくディオドラとアーシアさん。他のみんなが禍の団(カオス・ブリゲード)の悪魔たちとぶつかる中、まずは空気のクッションでアーシアさん受け止めよう。必然的にあれもついてくるが今はしょうがない

 

「ディオドラ様!!」

 

待ち構えていたが他の悪魔がディオドラを救ってしまった!余計なことを

 

デ「ぐううう!よくも僕の翼を・・・一体誰の仕業だ!!」

 

「ディオドラ様!まずは戻って治療を!」

 

ア「は、離してください!」

 

ディオドラの腕の中で暴れるアーシアさん。だが彼女の力ではディオドラの腕を振りほどくことができない

 

ゼ「ハァァァァァ!」

 

この中で一番の悪魔特攻・攻撃力を持つゼノヴィアのデュランダルでさえ群がる悪魔たちの群衆に穴をあけるだけ。部長の滅びの魔力も朱乃さんの雷光も効いているはずだが相手は数を武器に俺たちの進行を押しとどめる。戦いは数だとはよく言ったものだな!

 

デ「チッ!しょうがない。僕をあの魔法陣に」

 

「了解しました」

 

ア「嫌ぁぁぁぁぁ。イッセーさん、部長さ」

 

デュオドラとアーシアさんは悪魔に連れられて魔法陣で転移していった

 

イ「待てっ!!アーシアァァァ!アーシアァァァァアアアアアッ!」

 

イッセーが宙に消えたアーシアさんを呼ぶが返事は返ってこない。俺たちはまんまとアーシアさんを連れ去られてしまった

 



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北欧神と戦乙女の龍

本編にようやくデュエリストがモンスターと共に登場
ただ話はほとんど進んでいません


【3人称sdie】

 

絶斗たちがアーシアを連れ去られ、禍の団(カオス・ブリゲード)に加担する悪魔と戦闘を始めて30分が経とうとしていた

リ「キリがないわね。一体どれだけの悪魔が参加しているの!?」

 

倒しても倒しても一向に減らない悪魔たち。悪魔を自身の魔力で消滅させるリアスの表情は疲れを見せ始めていた

 

絶「(これだけいたら他の種族を悪魔にする必要なんてなかったんじゃないですかね)」

 

絶斗は内心愚痴りながらも周りの放つ大技を抜けてきた悪魔を正確に貫き、切断していく

 

イ「クッソッ!はやくアーシアを助けないとならねぇのに!ドラゴンショッットォォオオオ!!!」

 

朱「イッセー君!溜め切らないうちに使ってはいけませんわ!」

 

イッセーが一回しか溜まっていないにも拘らずドラゴンショットと放つ。本来ならばイッセーが1度倍加した程度では中級はともかく上級は浅い傷をつけるだけ

 

「ぐうう・・・体が、重い・・・」

 

「この程度、何てこと、ない、はず・・・」

 

だがイッセーの放つ攻撃には聖剣アスカロンの力が混じっていた。そのため聖剣の力に蝕まれ、悪魔たちは消滅していた。イッセーと同じく聖剣デュランダルで悪魔を消滅させていくゼノヴィアに聖剣の特性を兼ねる双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)で消滅させる木場。光の混じる雷で滅する朱乃と滅びの魔力で消し去るリアス。着実に数を減らしているはずだがその勢いが衰える様子はなかった

 

ゼ「こいつら・・・しつこいぞ!」

 

絶「ゼノヴィア!出すぎだ!囲まれるぞ!!」

 

大振り斬撃を飛ばし、空いた穴に突っ込み相手をかき回し離脱を繰り返していたゼノヴィアだったが、悪魔たちも対応し始め離脱が難しくなってきていた。絶斗は風の槍で進路を遮断するように宙から放つが、後続の悪魔はそれを気にもせず乗り越えてくる

 

絶「(・・・おかしい。いくらなんでも無尽蔵すぎる)」

 

ギャスパーが止めている悪魔を切り刻み、移動しながら絶斗は違和感を感じていた

 

絶「(サポートに回っているギャスパーはともかく、俺以外は皆、相手をその性質上消滅させている。だが俺の《アミル・ガウル》はいってしまえばただ切れ味が鋭い剣だ。悪魔を消滅させるような能力も特性も持ち合わせていない。なのに・・)」

 

絶斗は撃ちもらした悪魔を片づけると先ほど切り刻んだ悪魔の方を一瞥した

 

絶「(やはりいない!?まさかこれは俺たちが受けている奴と同種の・・・)」

 

朱「キャッ!?」

 

絶「しまった!?」

 

朱乃の悲鳴が上がる。絶斗は遂に突破されてしまったかと皆と同様振り向いたが、そこには長い白髭を生やした老人が朱乃のスカートを捲り、尻を擦っていた

 

オ「おぉ!やはり若いモンの肌の張りは堪らんわい!」

 

ご満悦なご老体に対して一誠が怒鳴ろうとするがその前にリアスが声を上げた

 

イ「なにし「オーディンさま!どうしてここへ!?」」

 

オ「うむ。話すと長くなるが「すみませんが簡潔に!」しかたないのぅ」

 

リアスやイッセーが空けた穴を埋めるため絶斗が奮闘するなかオーディンが白ひげをさすりながら説明した

 

オ「簡潔に言うと、禍の団(カオス・ブリゲード)にゲームを乗っ取られたんじゃよ。ディオドラ・アスタロトが裏で旧魔王派の手を引いていたのまでは判明しとる。先日の試合での急激なパワー向上もオーフィスの『蛇』でももらいうけていたのじゃろう。今このゲーム用に作られた空間は強力な結界によって封鎖されておって生半可な力の持ち主では中に入ることは不可能じゃて」

 

イ「なら、爺さんはどうやって入って来たんだよ?」

 

オーディンは左の隻眼の方をイッセー達に見せる。そこには水晶らしきものが埋め込まれ、眼の奧に輝く魔術文字を浮かび上がらせていた

 

オ「ミーミルの泉に片目を差し出したおかげであらゆる魔術、魔力、その他の術式に関して詳しくなったんじゃよ。結界に関しても同様」

 

「相手は北欧の主神だ!討ち取れば名が揚がるぞ!」

 

旧魔王派の連中が魔力の弾を撃ってくるがオーディンは杖を地面にトンと突くと魔力の弾が弾け消滅した

 

イ「スッゲーー!!あれだけの魔力の弾を消滅させた!!!」

 

オ「ほれ、ここはこのジジイに任せて神殿のほうまで走れ。ジジイが戦場に立ってお主らを援護すると言っておるのじゃ。めっけもんだと思え」

 

イ「な!?これだけの数だぞ!大丈夫なのかよ、爺さん!?」

 

絶「まだなのか!?そろそろキツイんだが!」

 

囲んでいた悪魔たちは魔力が聞かないと判断し襲いかかってくる。 しかし本人は余裕の笑みを崩さず 

 

オ「グングニル」

 

いつの間にかオーディーンの持っていた杖が一振りの槍へと変わり、一閃すると近づいて来た筈の悪魔たちが文字通り跡形もなく消し飛ばした

 

オ「ホッホッホ。せっかちじゃのう。じゃが来るなら決死の覚悟で挑むのじゃぞ?この老いぼれはお主らの想像より遥かに強いでな」

 

絶「だがそれでは意味がない。このカラクリを何とかしないと」

 

オ「それこそ問題ないわい。儂の連れが何とかしたのでな」

 

白い放流が悪魔を飲み込み、消滅させた。そして現れる白銀に輝く美しい龍。その背には銀色の長い髪のヴァルキリー、ロスヴァイセが乗っていた

 

ロ「オーディン様!本来の力の半分使えないのにあまり無理なさらないでください!勝手にいかないでください!」

 

オ「この程度、問題な「いわけないでしょう!何かあったらどうするんですか!?」全くうるさいのぅ」

 

オーディンが槍をイッセー達に向けると、体を薄く輝くオーラが覆った

 

オ「それが神殿までお主らを守ってくれる。ここは任せてほれほれ、走れ」

 

リ「わかりました、ここはお願いします。祐斗、絶斗、ゼノヴィア!行くわよ!」

 

悪魔たちを押さえていた3人がリアスの声を聞き離脱。オーディンの横を駆け抜け先に走り出したイッセー達に続いて神殿へ向かった

 

オ「さて、後は任せたぞ」

 

ロ「かっこつけたのに何もしないんですか!?・・・構いませんけど」

 

ロスヴァイセは龍から降りると手札から1枚カードをデュエルディスクにセットする。そして魔法カードを発動させた

 

ロ「《王家の神殿》を発動。いきますよ《スターダスト・ドラゴン》!」

 

ロスヴァイセの掛け声とともにスターダスト・ドラゴンが首を捻り、口にエネルギーを溜める。それに対しロスヴァイセは多数の魔法陣を展開していた

 

ロ「ディフュージョン・ソニック!」

 

白銀に輝く龍の口から放たれる白い咆流が魔法陣を通し5つに分かれる。さらに魔法陣を通り拡散したそれは迫りくる悪魔たちを飲み込み、消し去った

 

「おい・・・なんで復活しないんだ」

 

今までどんなに攻撃を受けても余裕だった悪魔たちの表情が曇りだした。だがロスヴァイセが攻撃の手を止める理由にはならない

 

ロ「《バスター・モード》を発動。効果で《スターダスト・ドラゴン/バスター》を特殊召喚!」

 

《スターダスト・ドラゴン》の背後に光の柱が現れ飲み込むと、《スターダスト・ドラゴン》の体に銀色の鎧が装着され、身体の線も太くなった

 

ロ「続いていきますよ《スターダスト・ドラゴン》。アサルト・バスター・ソニック!」

 

先ほどの世も強力な咆流が悪魔たちを飲み込む。魔法陣で拡散されながらも威力は衰えず、たった2回の攻撃で半分以上の悪魔を葬り去った

 

ロ「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

オ「随分と余裕じゃのぅ。ここは任せて追いかけて赤龍帝を追いかけてみようかのぅ」

 

ロ「いい加減勝手な行動は慎んでください!ユーガのおかげでどこにいるか知ることができますが追いかける身にもなってください!」

 

オ「あーあー、聞こえんのぅ」

 

オーディンは自身の耳を塞ぎ聞こえないふりをする。ロスヴァイセはそんなオーディンに溜息を吐きながらデッキに指をかけていた



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ディオドラからのゲーム

今回短い!ヤバいよヤバいよ。何故か次の章のこととかばかり考えてしまい、全然話がまとまらない!


【3人称side】

 

絶斗たちが神殿に入っていく頃、アザゼルと無理矢理連れてこられたヴァーリは旧魔王派に与していた悪魔の討伐、もしくは捕縛をしていた。無限に沸く仕組こそなかったが多くの悪魔に対処し、2人はようやく一息つけていた

 

ヴ「アザゼル、無理矢理連れて来られればこれか。始めから戦力として連れてきたな?」

 

ア「悪いと思ったけどよ、しかたねえじゃねぇか。そもそもお前が他の幹部連中にちょっかい出してんのが原因なんだぜ」

 

ヴ「そんなこと俺は知らん」

 

ア「全くよぉ。今忙しんだから青龍のところに入り浸ってればいいのに・・・」

 

2人がやった辺りに倒れ、散らばる悪魔を一箇所に集めているとアザゼルの持つ通信機から声が聞こえた

 

リ「アザゼル?聞こえる?」

 

ア「先生をつけろと言いたいがは今はいいか。そちらは無事か?オーディンの爺さんから渡されたみたいだな」

 

リ「ええ。全員大きな怪我もないわ。今ディオドラに連れ去られたアーシアを取り戻すため神殿深部に向かっているわ」

 

ア「・・・そうか。こちらも旧魔王派の襲撃を受けていてな。このレーティングゲーム自体が禍の団(カオス・ブリゲード)に乗っ取られているようだ。VIPルーム付近も旧魔王派の悪魔どもがうじゃうじゃしている。だが、これは事前にこちらも予想していたことだ。現在、各勢力が協力して旧魔王派の連中を撃退している所だ」

 

リ「じゃあ私達は・・・」

 

ア「すまねぇ、お前らは囮だ・・・。もしお前らに何かあったらそれ相応の責任を取るつもりだった。俺の首1つで足りるかわからねぇがな」

 

リ「・・・・・・」

 

ア「それで襲ってきた奴から聞き出したんだが禍の団(カオス・ブリゲード)の一部はオーフィスから『蛇』を受け取っているらしい。その『蛇』をもらったやつは三流のやつでも一流並みの力量を得ることが出来る」

 

リ「まさかディオドラが急にパワーアップしたのは―――」

 

ア「十中八九『蛇』を使ったんだろう」

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

部長が通信をしながら俺たちは神殿内を走っていた。神殿の中はただただ広い空間。柱となる巨大な石柱が並ぶ以外は他に目立ったものはない。だが神殿を通り抜けると前方に新たな神殿が現れる。新たな神殿の度に通り抜けるを何度か繰り返していくと、ある神殿の中に入ったとき前方にフードを深く被ったローブ姿の小柄な人影が十名ほど現れた

 

ア「―――だから無茶はするな。相手は魔王クラスになっていてもおかしくはないからな」

 

リ「ええ、わかったわ。敵が現れたようだから切るわね」

 

部長が通信を切るとそれを待っていたかのようにディオドラの声が神殿に響いた

 

デ「やー、リアス・グレモリーとその眷属の皆。ご機嫌いかがかな?」

 

イ「どこに居やがる!さっさと出てきてアーシアを返せ!」

 

この辺りには気配はない。これは魔法か何かで声を送っているのか

 

デ「それは聞けないな。だけどここで一つゲームをしようじゃないか』

 

イ「なに!?てめぇのせいでゲームは中止になったのに今更!!!」

 

デ「だからさ!ゲームをクリアできたアーシアを返してあげよう。もっとも、君たちが勝てるとは思えないけどね」

 

イ「クッ!」

 

全てが不利な状況だ。何一つ対抗する手立てがない今は従っておくしかない・・・。下手に刺激すると人質のアーシアになにするか分からないからな

 

デ「ルールは簡単。互いの駒を出し合って、試合をしていくんだ。1度使った駒は僕のところへ来るまで2度と使えないのがルール。あとは好きにしていいんじゃないかな。第一試合、僕は『兵士(ポーン)』8名と「戦車(ルーク)」2名を出す。ちなみにその『兵士(ポーン)』たちは皆すでに『女王(クィーン)』に昇格しているよ。ハハハ、いきなり『女王(クィーン)』8名だけれど・・・それでもいいよね? 何せ、リアス・グレモリーは強力な眷属を持っているって有名な若手悪魔なのだから』

 

リ「いいわ。あなたの戯言に付き合ってあげる。私の眷属がどれほどのものか、刻み込んであげるわ」

 

デ「期待せずに待っているよ。ハハハハハ」

 

ディオドラの声はブツリと何かが切れたように聞こえなくなった。

 

リ「相手は10名。しかも『女王(クィーン)』8名もいる。初戦からきつい戦いになるわね」

 

絶「それなんですけど。俺が出ていいですか?」

 

ゼ「絶斗、何か考えがあるのか?」

 

絶「ギャスパーを貸してくれればたぶん行けるかと」

 

リ「分かったわ。ギャスパーは念のためイッセーの血を飲んでちょうだい」

 

ギ「了解ですぅ!」

 

ギャスパーがどこからか取り出した輸血パックを飲む。その間に俺は最終調整を行っておく

 

ギ「・・・オッケーですぅ」

 

視線を外している間にギャスパーの体は異様なオーラが包んでいた。赤い相貌も怪しく輝きを発している。大丈夫か?

 

絶「ギャスパーにやってもらいたいことは一つだけ。できるだけ多くあいつらを止めていてほしい。時間は短くて構わない」

 

ギ「それだけ、ですかぁ?」

 

絶「それで十分だ」

 

作戦会議とも言えない言葉を交わし前に出る。それを確認したのか、ディオドラの声が聞こえてきた。

 

デ「じゃあ、始めようか」

 

ディオドラの声と共に奴の眷属が一斉に構えだすが、それよりも前にギャスパーの停止世界の邪眼(フオービトウン・バロール・ビュー)がディオドラの眷属に刺さる

 

「・・・ッ!・・・ッ!?」

 

俺は《アミル・ガウル》を勢いよく振り下ろす。それを皮切りに無風だった神殿内に風が吹き、そして・・・

 

ギ「キャアアアアア」

 

上空からディオドラの眷属に猛烈な風が降り注いだ。眷属、そして地面にぶつかった風は四方に広がり、数歩後ろにいたギャスパーを吹き飛ばした。風がやむとディオドラの眷属はその場から動かずに倒れているもの、吹き飛ばされ壁に叩きつけられたものとバラバラに散らばっていたが、動く様子はなかった

 

絶「まずは一勝か」

 

一応背後に警戒しながら部長たちのもとに戻ると部長から怒られた

 

リ「絶斗!一体何したの!?ギャスパーが目を回してるじゃない!」

 

絶「すみません。まさか、耐え切れないとは思わなくて」

 

イ「一体何したんだよ?床が凹んでいるぞ」

 

イッセーの視線の先には倒れ伏すディオドラの眷属と陥没している神殿の床があった

 

絶「上から風を振り下ろしただけだが?」

 

ゼ「・・・ダウンバースト、か?」

 

絶「ゼノヴィア正解。本当は神殿前で使おうとしてたんだがオーディン様が来たからな。もったいないから持ってきたんだ」

 

リ「・・・10名も倒してくれたし、ギャスパーも目を回している以外は外傷もないから今回はいいわ。でも、次回からは予め言ってちょうだい」

 

絶「分かりました」

 

怒りは抑えてくれたか。だが次に使う機会はあるのだろうか

 

イ「よし。絶斗が頑張ってくれたんだ!次に行くぞ!」

 

ギャスパーを背負い走り出すイッセー。それに続き俺たちも次の神殿へと向かった

 



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変貌のフリード

文字数のわりに話が進まないなぁ。フリードって意外としゃべりが書きやすいから長くなっちゃうし・・・まぁもう出てこないけど



【絶斗side】

 

次の神殿に入ると今度はローブを纏った3名が、俺達。を待っていた 

 

「待っていました、リアス・グレモリー様」

 

三名のうち真ん中の1人がローブを取り払う

 

イ「すげぇ美人!」

 

いつものようにイッセーが反応するが・・・確かに碧眼ブロンドの美人なお姉さんだな。アーシア攫われてんのにこんな時まで自分に素直でなくてもいいのに

 

祐「あれは、確かディオドラの『女王(クィーン)』!ゲーム前に見た映像では炎の魔力が凄まじかったはずだよ」

 

女王(クィーン)』に続いて残りの2名もローブを取り払った。片方が女性で、もう片方が男性だ

 

ゼ「あの2人は確か・・・『僧侶(ビショップ)』だったはず。魔力に優れたものを集めたか」

 

リ「そのようね。なら「私が出ましょうか」朱乃?」

 

一歩前に出たのは朱乃さん

 

朱「ここを抜ければ残るは『騎士(ナイト)』だけ。ディオドラ本人が混ざってくるとは思えませんし・・・正直言いますと近距離は苦手ですの」

 

リ「確かに。こちらも祐斗とゼノヴィアが残っているから『騎士(ナイト)』は問題ないわね。絶斗の頑張りでかなり余裕ができたわ」

 

それは何よりで。なら後はイッセーが出るのか?

 

リ「だから、私も出るわ」

 

と思っていたら、部長が前に出た。何故そうなる!?

 

朱「あら部長。私だけで十分ですわ」

 

リ「何言っているの。いくら雷光を覚えても、無茶は禁物よ?ここは堅実にいって最小限のことで抑えるべきだわ」

 

魔力に優れた学園二大お姉さまのタッグか。まあ魔力勝負になるわけだしいいかもしれないな

 

祐「雷光と滅びの力。どちらも強力な性質を持っていてその威力は絶大だ。更にはそれを扱う二人も強くなっているしこの勝負も勝てそうだね」

 

絶「油断しなければな」

 

表情はどちらも笑顔だが互いに纏う空気が反発、いがみ合っている。この状況はあまりよろしくない。下手に互いが邪魔して負けるようなことがあれば目も当てられないし・・・何か発破を掛けれればいいが

 

絶「良いこと思いついた。イッセー」

 

イ「何だ?これから部長達が戦うって時に」

 

絶「いいから耳貸せ」

 

蒼枒さんの話によると部長も朱乃さんもイッセーに依存している可能性が非常に高い

 

イ「部長!朱乃先輩!」

 

他人が言っても効果が薄いだろうが

 

リ・朱「「何かしら?(なんでしょう?)」」

 

2人に依存先、しかも褒美をもらえるように仕向ければ

 

イ「どちらか倒した方が多いほう今度の日曜にデートしましょう!」

 

カッ!バチッ!バチチチチッ!

シュゥゥゥゥゥ

 

いつも以上に力を発揮してくれる。その証拠に稲妻が辺り一面に散らばり絶大な雷光のオーラに包まれた朱乃さんと、足元の床を削る程あふれ出る赤い魔力で自身を覆う部長がいた。予想通り

 

リ・朱「「・・・・うふふ。うふふふふふふふふふふふ!イッセー(君)とデートができる!」」

 

イ「・・・なあゼット。俺的にはすごい嬉けどそれと同時に恐怖も感じてるんだが」

 

絶「まあなんだ。アーシアさんを助けるためと思って諦めろ。それに役得だろ?」

 

「あの・・・勝てる気しないので降参したいのですけど」

 

リ・朱「「ダメよ!」」

 

「・・・ですよね」

 

ディオドラの『僧侶(ビショップ)』の女性が涙目になっている。というか泣きそう。だがそれを部長と朱乃さんが許すはずもなく即座に却下された

 

朱「いきますよ」

リ「覚悟することね」

 

開始の合図もなく2人が同時に魔力を放った。雷の魔力は2人の『僧侶(ビショップ)』を貫き、滅びの魔力は『女王(クィーン)』を襲った。シュウゥゥゥゥと煙を上げ、『僧侶(ビショップ)』の2人は黒こげになり倒れ伏し、『女王(クィーン)』は息を荒くしながら何とか立っている様だった

 

「はぁ、はぁ、始まってもないのに、攻撃するなんて」

 

リ「手加減したつもりはないんだけど」

 

朱「残念ですがイッセー君とのデートはもらいましたわ!結果は私が2人を倒し、リアスは1人も倒していません。例え満身創痍になっている彼女を倒してとしても結果は1人だけ。勝負ありましたわ」

 

リ「朱乃ぉ」

 

恨めしそうな声の部長と余裕な表情の朱乃さん。まだディオドラとの決着ついてないんですが

 

「これでは、もう戦えない。次に進みなさい」

 

ディオドラの『女王(クィーン)』は『僧侶(ビショップ)』を引きづり道を開けた。とりあえず『女王(クィーン)』と『僧侶(ビショップ)』を撃破した俺たちはさらに神殿の奥へと進んでいく。なんか悪いことしたなぁ

 

 

 

【3人称side】

 

絶斗たちはディオドラの『騎士(ナイト)』が待っている神殿に足を踏入れた。だが彼らの視界に映ったのは見覚えのある者だった

 

「や、おひさ~」

 

現れたのはアーシアを殺し、コカビエルに雇われていた白髪の神父

 

イ「フリード!」

 

フリード・セルゼンだった

 

フ「おやおや?俺と会いたくなかった?残念。またまた出会っちゃいました~!」

 

ゼ「そのふざけた口調は教会にいたころから相変わらずだな」

 

ゼ「うわぉう!何で教会の犬が悪魔と一緒にいるんですかね~?僕チン不思議!」

 

大袈裟に悩むようなふりをするフリード。それを無視するように絶斗は口を開いた

 

絶「フリード。ディオドラの『騎士(ナイト)』はどうした?」

 

絶斗の問いに嫌な笑みを浮かべるフリード

 

フ「ああ、あれね~。あれは確か~」

 

フリードは口をモゴモゴさせると、ペッと何かを吐き出した

 

イ「いっ!?」

ギ「キャアアアアア」

 

フ「俺様が食ったよ」

 

それは人の指だった。イッセーとギャスパーが悲鳴を上げ、リアスや朱乃は悲鳴こそ上げなかったが顔をひきつらせた。そんな中、二人だけは何の反応もなかった

 

フ「あれれ?おかしいぞ~?何で何も搬送してくれないんですかねぇ?」

 

イ「そうだぞ。なんで2人は平気なんだよ!?喰われてるんだぞ!」

 

絶・ゼ「「いや、人が喰われてるとこなんて何度も見ているし(からな)」」

 

2人が平気な理由。それは修行を受けていた蒼枒の配下の妖怪達は当然ながら人を喰うものもいたためである。修行中におやつ代わりに人の腕や脚を喰らい、ある時は自身の身体が喰われてこともあった。破損した身体は蒼枒再生していたが、そんなこともあり2人にはもう見慣れたものであった

 

フ「なんかイマイチ盛り上がんないからぁ・・・こんなのはどうだ?ヒャハハハハハハハハハハッハハハハハッ!」

 

ゴキッ!ボコッ!!ぐにゃりっ!!と異様な音を立てながらフリードの体の各所が不気味に盛り上がる。神父服は破れ、その四肢は何倍にも膨れ上がっていた

 

フ「行き場無くした俺を拾ったのが『禍の団(カオス・ブリゲード)』の連中さ!奴らはなぁ!俺に力をくれるっていうからついていけば思えばよォォォォオオっ!ヒャハハッハハハハハ!合・成・獣。だとよっ!ふははははははっははははっ!」

 

フリードの背の片方コウモリの翼、もう片方は巨大な腕。そのほかにもいろんなものが全身に混ざり合っている。元の面影など一切残さない異形な存在となった

 

フ「ヒャハハハハハハハッ!ところで知ってたかい?」

 

狂ったような笑い声から突然、冷静になったフリードが話し出した

 

ゼ「何をだ?」

 

フ「ディオドラ・アスタロトの趣味さ。これを聞いたとき、素敵過ぎて胸がドキドキしたんだぜ!」

 

デレデレデレデレとフリードはドラムのような音を声で再現する

 

フ「ジャンジャジャーン!!今明かされる衝撃の真実ゥゥゥゥゥ!!ディオドラの女の趣味はー、大した好みでさー、教会に通じた女が好みなんだって!シスターとかそういうのっ!し・か・も、狙う相手は熱心な信者や教会の本部になじみが深い女ばかり!俺さまの言ってることわかるー?さっきイッセー君たちがぶっ倒してきた眷属悪魔の女たちは元信者ばかりなんだよ!少し親から言われで男が入れられてたんだけどね。でもぉ、自分の屋敷でかこっている女どもは全部ぜーんぶ、元は有名なシスターや各地の聖女さま方なんだぜ!ヒャハハハハハハハハハ!マジで良い趣味してるよなぁぁっっ!悪魔の坊ちゃんが教会の女を誘惑して手籠めにしてんだからよ!!熱心な聖女さまを言葉巧みに堕とすのが超絶うまいことなんのって!まさに悪魔のささやきだ!天界もまさか悪魔にそそのかされてるんなんて思わない無能っぷり!マジで腹がネジキレそうだったぜ!ヒャハハハハハハハハハハハハハハ!」

 

イ「ちょっと待て。じゃあ、アーシアは・・・」

 

フ「さて、ここで一つ昔話をしよう。ある日ある日。とある悪魔のお坊っちゃんはチョー好みの美少女聖女様を見つけました。聖女様は教会にとても大切にされていて、悪魔のお坊っちゃんは手を出すことができず見ていることしか出来ませんでした。ですがお坊っちゃんはどうしてもその聖女様が欲しくなりました。そこでおぼっちゃんはある作戦を考えました。『ケガした自分を治療するところを他の聖職者に見つかれば、聖女様は教会から追放されるかも』。作戦は大成功。聖女様は信じていた教会から追放されました」

 

イッセーの拳からは強く握あまり血が滲み出ていた。他の者も怒りに身を震わせ、今にもフリードにとびかかろうとしていた

 

フ「最底辺まで堕ちたところを救い上げ、心身共に犯す!それがお坊っちゃんの最高最大のお楽しみでありまぁぁぁす!!今までもそうして教会の女を犯して自分のものにしたのです!それはこれからも変わりません!悪魔のお坊ちゃん、ディオドラ・アスタロトくんは教会信者の女の子を抱くのが大好きな悪魔さんなのでした!ヒャハハハハハハハハハッ!」

 

イッセーがフリードを激しく睨み付け、一歩前へ出ようとしたとき祐斗がイッセーの肩を掴んだ

 

祐「イッセー君。気持ちはわかる。だが、キミのその想いをぶつけるのはディオドラまで取っておいたほうがいい」

 

イ「おまえはこれを黙っていろって言うか!!!」

 

イッセーはぶちギレて、祐斗の胸ぐらをつかもうとしたが、顔を見て手を止めた。祐斗の瞳には怒りと憎悪に満ち、今にも溢れそうだった

 

祐「イッセー君が出るまでもない。その怒りはディオドラまで取っておくんだ。だから、彼の相手は「私が出る」」

 

ゼノヴィアは誰にも言わず、1人で前に出ていた

 

祐「ゼノヴィアさん!?」

イ「ゼノヴィア!?何で!?」

 

ゼ「祐斗の足では万が一のこともある。・・・無理をするな」

 

祐「・・・何のことだい?」

 

ゼノヴィアは亜空間から鞘に収まったままの《デュランダル》を取り出した

 

ゼ「あの大軍の時、足にくらっていたんだろう。うまく隠していたようだが私にはバレバレだ」

 

祐「いつから気付いていたんだい?」

 

ゼ「神殿に向かって走り出してすぐだ。そういう訳だから休んでいろ」

 

そういうとゼノヴィアは鞘からぬかずに《デュランダル》を構えた

 

フ「やあやあやあ!てめぇが出てくるんだねぇ?あのときは俺に無様に負けたけど大丈夫なのかなぁ?」

 

ゼ「御託はそのくらいにしておけ」

 

フ「調子くれてんじゃねぇぇぇぞぉぉぉぉっ!このくそあまぁぁぁぁああああ!!あの時よりもだいぶ強くなったんだぜぇぇ?ディオドラの『騎士(ナイト)』二人をペロリと平らげるぐらいにはねぇ!そしてそいつらの特性も得ちゃったんですよぉぉぉっ!超絶無敵のモンスターのフリードくんにかなうとおもってるんですかねぇぇぇぇぇっ!」

 

憤怒の形相となったフリードは全身から生物的なフォルムの刃を幾重にも生やし、ゼノヴィアに向かってくる

 

イ「ゼノヴィア!」

 

イッセーが叫ぶ。だがそんな心配をよそにゼノヴィアはフリードを受け流していた

 

ゼ「先ほどまで大振りしかしてなかったからな。感覚を戻すのに付き合ってもらうぞ」

 

フ「ふざけんなぁ!どうしててめぇからは何の怒りも感じないんだよぉぉぉっ!!」

 

フリードの突進も、腕の切り裂きも、脚の踏みつぶしも全て避け、そして流す。そしてそのたびにゼノヴィアはフリードの体を鞘で撫でていた

 

フ「なめんのもいい加減にしろよ!ビチクソがぁぁあぁぁああああ!」

 

ゼ「もう、いいか」

 

フリードの全力の突進を避けるとゼノヴィアは鞘から《デュランダル》を抜き出した。そしてゼノヴィアの姿がその場から消えフリードの向こう側に現れると、次の瞬間にはモンスターと化したフリードの体が無数に斬り刻まれ四散していた

 

ゼ「まだまだ、か」

 

フ「・・・んだよ、それ・・・強すぎんだろ・・・」

 

イ「いったい何が起きたんだ?」

 

辺りにフリードの肉塊と血液が散らばる中、フリードの頭部が床に転がり、大きな目をひくつかせ。イッセー達は何が起きたか理解できていないかった

 

絶「イッセー達は無理か。祐斗は分かったか?」

 

祐「すれ違い様に高速の斬戟をフリードに繰り出した」

 

絶「正解」

 

リ「そんな。私も見るだけなら自信はあったのに・・・」

 

ゼノヴィアの斬戟を見切れたのは絶斗と祐斗の2人だけだった

 

フ「ひひひ。ま、おまえらじゃあ、この計画の裏にいる奴らは倒せねぇよ・・・」

 

ゼ「そうか」

 

ゼノヴィアは頭部だけで笑っていたフリードを切り刻み、絶命させた

 

ゼ「お前の地獄行は確定だ。殺してきたものたちの苦しみ、痛みを受けるがいい」

 

ゼノヴィアは鞘に《デュランダル》を収めると、再び亜空間に入れた

 

ゼ「行こうか、皆」

 

イッセー達は頷きあい、ディオドラの待つ最後の神殿へと走り出した。フリードの遺体の横を抜ける際、祐斗はフリードの頭部があったところを目で追っていた

 



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ディオドラへの制裁

イッセー暴走までいかないかったか~。次回は挟みたいこともあるので区切りが微妙だな~


【絶斗side】

 

ようやく俺たちは神殿の最深部にたどり着いた。そこには巨大な装置が壁に埋め込まれていた。その装置の中央にアーシアが貼り付けられ、その前には1つの椅子がこちらに背を向けて置かれていた

 

デ「やっと来たんだね」

 

ディオドラが高級感のある椅子を回転させ脚を組みながら出迎えた。その顔は何故かやさしげな笑みを浮かべていた

 

イ「アーシアァァァァアアッ!!!」

 

ア「・・・イッセーさん?」

 

イッセーがアーシアの姿を見て叫んだ。装置に捕らえられているアーシアの目元を見ると涙を流した跡があった。腫れ上がり方からして、かなりの量の涙を流したのだろう

 

イ「・・・ディオドラ、おまえ、アーシアに事の顛末を話したのか?」

 

イッセーの問いにアスタロトは口角を上げ、にんまりと微笑んだ

 

デ「うん。全部、アーシアに話したよ。ふふふ、キミたちにも見せたかったな。彼女が最高の表情になった瞬間を。全部、僕の手のひらで動いていたと知ったときのアーシアの顔は本当に最高だった。ほら、記憶映像にも残したんだ。再生しようか?本当に素敵な顔なんだ。教会の女が堕ちる瞬間の表情は、何度見てもたまらない」

 

ここまでゲス野郎だったとはな。これでも魔王を輩出している家の跡取りなんだよな。正確には跡取りだったが正しいか

 

デ「でも、まだ足りないと思うんだ。そう!アーシアにはまだ希望がある!それが君たちだ。特に君だよ、汚れた赤龍帝。君のせいで僕の計画は台無しになってしまったからね。あの堕天使が一度アーシアを殺したあと、僕が登場してアーシアを救い出し、その場で駒を与える予定だったんだ。途中までは順調だったのに君のせいで計画は大幅に遅れてしまった。けど、やっと僕の手元に帰ってきた。これでアーシアを楽しめるよ」

 

長い演説だったな。お陰でこちらも部長達の後ろで準備することができた。それに、イッセーの怒りも限界みたいだぞ

 

イ「黙れ」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker』

 

イ「てめえだけは!絶対に許さねぇぞ!!ディオドラァァァァアアアアアッ!!!」

 

イッセーが赤い鎧を全身に鎧を身にまとった。赤いオーラが立ち上り、神殿が震えだす。一歩踏み出す毎にとその床はヒビが入っていく

 

デ「アハハハハ!これが赤龍帝か!すごい力だね!でも、僕もパワーアップしているんだ!オーフィスからもらった蛇でね!キミなんて瞬殺さ」

 

ゴォォォォォォ!と、イッセーは背中の魔力噴出口から火を噴かし急加速する。その勢いのままディオドラに接近したイッセーはディオドラの顔に拳を叩き込んだ

 

デ「がっ・・・あっ・・・なに、が・・・」

 

椅子に座っていたため碌に避けることもできず転がるディオドラ。ざまぁないな。だがこのまま殺されては任されたこともできなくなってしまうし俺も行くか

 

イ「瞬殺がどうしたって?」

 

デ「ぼ、僕は!現ベルゼバブを輩出したアスタロト家の次期当主だぞ!!それが君のような下劣な下級悪魔にっ!!」

 

多数の魔法陣が展開されそこから放たれる魔力の弾による豪雨。これで威力も伴っていたらよかったんだろうけどイッセーはそれを気にも留めずに接近する

 

デ「な、なぜだ!!僕はオーフィスから蛇を貰って力を上げたんだぞ!!僕の方が魔力が上の筈だ!!なのになんで!?」

 

イ「オラァッ!」

 

イッセーのフルスイングがディオドラにめり込み、床に巨大なクレーターを作り出した。そしてイッセーは倒れているディオドラの髪を掴んで無理矢理立ち上がらせた

 

イ「まだだ。まだこんなもんじゃねぇぞ!アーシアが受けた痛みや苦しみは、こんなもんじゃないはずだ!!!」

 

絶「イッセー。ちょっと殴るの待ってくれ」

 

イッセーの左腕を何とか止める。引いているからこそ止めれるがこれが殴っている途中だと俺では止めれないからな

 

リ「ゼット!?いつの間にそこに!!?」

 

祐「姿が見えなかった!?一体どうやって?」

 

ゼ「(なるほど。風で覆い、光を通さなくしたのか。相変わらず器用だ)」

 

イ「ゼット、邪魔しないでくれ」

 

デ「い、いいぞ!僕を助けろ!そうすれば「別にディオドラを助けるとか、そういうことじゃないからな。どちらかというと追い打ちをかける方かも?」なに・・・?」

 

俺は蒼枒さんから渡された細い木の箱を取り出すと言われた通りぐったりするディオドラの胴体に突き刺した。すると

 

デ「ぐぅっ!ガハッ・・・」

 

ディオドラが苦しみ出した。血を吐き出したため回避するがそれと同時に押し付けていた木の箱もディオドラの体から離れてしまった。マズいと思ったが、龍の形へと変わっていた箱の先は何かを飲み込んでいるようだった

 

デ「あ・・・か、返せ!それは、僕のものだ!僕の蛇だ!」

 

絶「じゃあ後はイッセーよろしく」

 

後のことはイッセーに任せておけばいい。ディオドラにはそれ程怒りも覚えてないし。ゼノヴィアたちの所に戻る俺の後ろではディオドラが悲鳴を上げていた

 

デ「ひぃ!がはっ!・・・痛い。痛いよ!」 

 

イ「これが痛みだ!痛みを知らないから平気で他人を傷つける」

 

バキン、ゴキンと骨が折れる音や、カラッ、カラッ、コロコロと何かが床に転がる音が聞こえる。ディオドラはやめてと悲願するがイッセーはやめる気はない様だ

 

リ「絶斗!何をしてきたの?勝手に行動して」

 

絶「いや、ちょっと頼まれごとがありまして・・・」

 

ドゴンと音の方に振り返る。そこには壁に叩きつけられ、床へと崩れ伏すディオドラの姿があった。全ての腕や脚はあらぬ方へ折れ曲がり、少し前まできれいだった身体はボロ雑巾のように変わり果てていた

 

イ「2度と、アーシアに近づくなッ!次に俺たちのもとに姿を現したら!そのときこそ!本当に消し飛ばしてやるッ!!!」

 

ド「相棒。そいつの心はもう終わった。そいつの瞳はドラゴンに恐怖を刻み込まれた者のそれだ」

 

ドライグの言う通り、ディオドラの体はおびえるように震えていた

 

ゼ「?トドメは刺さないのか?」

 

イ「・・・こいつも一応現魔王の血筋だ。いくらテロに加担したからといって。殺したら部長や部長のお兄さんに迷惑をかけるかもしれない。もう十分殴り飛ばしたしさ」

 

ゼ「そうか」

 

リ「とりあえずアーシアを助けましょう。ディオドラのことは後でいいわ」

 

邪魔が無くなったところで装置のあるところへ皆移動した

 

イ「アーシア!」

 

ア「イッセーさん!」

 

イ「助けにきたぞ、アーシア。ハハハ、約束したもんな。必ず守るって」

 

イッセーはアーシアの頭をやさしく撫でている。安堵からか、アーシアは嬉し泣きをしていた。その間にアーシアを装置を外そうとイッセーを除く全員が手探りで作業をし始めたが 

 

祐「・・・手足の枷が外れない」

 

アーシアを助け出すことができずにいた 

 

リ「外れないわ!」

 

朱「こっちもです!」

 

ゼ「こちらもだ。全てダメか」

 

イ「俺に任せろ!」

 

イッセーの最大まで倍加したパワーでも枷はビクともしなかった。ならばと全員が別々の方法を試すが・・・

 

リ「ダメ!効かないわ」

 

朱「私も効果なしです」

 

祐「僕もだよ」

 

ゼ「くっ、デュランダルでもダメか。・・・いや、私の技量不足か」

 

滅びの魔力、雷光、聖魔剣に聖剣。全て効果なし。ならば

 

デ「・・・無駄だよ。その装置は神滅具所有者が作りだした固有結界のひとつ。機能上、一度しか使えないが、逆に一度使わないと停止できないようになっている。アーシアの能力が発動しない限り停止しない」

 

アスタロトは言葉少なくつぶやいた

 

ゼ「発動条件と、結界の能力は?」

 

デ「条件は僕か、他の関係者の起動合図、もしくは僕が倒されたら・・・結界の能力は枷を繋いだ者、つまりアーシアの神器能力を増幅させて反転すること」

 

絶「効果範囲は?」

 

デ「・・・・このフィールドと、観客席にいる者たちだよ」

 

効果的だな。回復の反転で相手を殺そうとするとは。ディオドラがやられても起動するとはイッセーの判断は正しかったな。さて、速いとこアーシアを助けようか。・・・成功するかわからないし褒められた方法じゃないけど

 

絶「イッセー。力がダメなら別の方法を試してみろ」

 

イ「ゼット!何か思いついたのか!?教えてくれ!!」

 

俺はイッセーに耳打ちする。そして俺たちが入ってきた方を向いた

 

イ「分かった!やってみるぜ」

 

後ろからBoost!Boost!と倍加の音が聞こえる。倍加が止まるとイッセーが叫んだ

 

イ「アーシア、ごめん。『洋服破壊(ドレス・ブレイク)』ゥゥゥッ!」

 

ア「キャアア・・・」

 

イ「やったぜ!」

 

どうやら成功したみたいだ。よかったよかった

 

デ「馬鹿な・・・!? あんな方法で破れるはずが・・・」

 

ディオドラの様子から俺たちでは解除できないものの様だった。何事も想定外はあるってことだ。そろそろ何か羽織ったりもしただろうと振り返ろうと思った矢先、まばゆい光が神殿内を照らした。急いで光のあった場所を振り返るとそこには何が起きたかわからず唖然とする女性陣とイッセーだけがおり

 

祐「・・・アーシアさんは?」

 

絶「どこに消えた?」

 

アーシアの姿がどこにもなかった



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目覚める覇龍

ようやく最後の主人公が本編に登場。・・・長かったなぁ


【3人称side】

 

アーシアを無事に助け出し、神殿から出ようとした絶斗たち。だが、突如として彼らを眩い光が襲った。目も空けてられないほどの光が収まると、助けたばかりのアーシアが消え去っていた。突然のことに唖然とする絶斗たち。消えたアーシアを探そうと辺りを見回す絶斗たちの前に1人の悪魔が降り立った

 

シ「お初にお目にかかる、私の名はシャルバ・ベルゼブブ。偉大なる真の魔王、ベルゼブブの血を引く正統なる後継者だ」

 

茶色の肩まである髪に黒い貴族風の服とマントをつけた男が鋭い目つきで絶斗たちを睨んでいた

 

絶「(彼が2人目の旧魔王に連なるの悪魔。蒼枒さんからしたら雑魚にも満たないレベルだが・・・)」

 

絶斗たちは旧魔王だと分かるとすぐに戦闘態勢に入った。そのなかで絶斗はシャルバと己との力の差を感じ取っていた。相手は自分よりも上であると

 

デ「シ、シャルバ!助けてくれ!僕はまだ負けていない!旧魔王と現魔王が手を組めば絶対に勝て

「目障りだ」ガッ・・・!?」

 

ディオドラが這いずりながらシャルバに縋りつく。助けを求めるディオドラに対しシャルバは手から光を放ち、ディオドラの胸を貫いた

 

シ「あれだけ手を貸し、オーフィスの『蛇』まで与えたというのに結果を残せぬとは。所詮は紛い物の一族よ、もはや生きる価値すらない。散れ、愚か者」

 

デ「いやだ。僕は、死にたくない・・・ああああああああああああっ!!!」

 

もはや動く元もできないディオドラにシャルバはにやりと笑いながら更に光を放つ。ディオドラは恐怖に震え、断末魔をあげながら塵も残さずに消滅した。そしてシャルバは次の目標へと視線を向けた

 

シ「さて、サーゼクスの妹君。突然だが貴公には死んでいただきたい。理由は・・・言わなくても分かるだろう?」

 

リ「現魔王への復讐でしょう? 分かりやすくて反吐がでるわ」

 

シ「そうだ。私たち真の血族が、貴公ら現魔王の血族に『旧』などと言われるのは不愉快極まりないのだ。貴様らはこの先にある私達が築き上げる悪魔の世界には不要な存在なのでね」

 

シャルバは嘆息した

 

シ「だが、今回の作戦はこれで終了。私たちの負けだ。まさか、神滅具のなかでも中堅クラスの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が上位クラスの絶霧(ディメンション・ロスト)に勝つとは。想定外としか言えない。まあ、今回は今後のテロの実験ケースとして有意義な成果が得られたと納得しよう。さて、去り際のついでだ。サーゼクスの妹よ、死んでくれたまえ」

 

絶「その前に。アーシアをどこへやったか知らないか?」

 

シ「まぁ、良いだろう。教えてやる。あの娘は次元の狭間に飛ばしておいた。やがて「無」の力に当てられて消滅するだろう」

 

オカ研が怒りをあらわにした。リアスは激昂し全身に紅いオーラを迸らせ、朱乃さんも顔を怒りに歪め、雷光を身にまとい始めた。祐斗は双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)を手に資、ギャスパーは暴走しかける目を押さえていた

 

絶「(やばいな。サポートしきれるか?これ)」

 

ゼ「(怒りに飲まれている。これでは勝てる相手も勝てなくなる。このままでは誰か欠けるかもしれないな)」

 

だがその中でも冷静な者がいた。仲間意識を持たない絶斗とゼノヴィアの2人は冷静に相手を見据え、それぞれの得物を構えていた。だが彼らをよそにイッセーがおぼつかない足取りでふらふらと絶斗たちの前に出て来た

 

イ「アーシア?どこに行ったんだよ?ほら、帰るぞ?家に帰るんだ。父さん母さんも待ってる。か、隠れていたら、帰れないじゃないか。ハハハ、アーシアはお茶目さんだなぁ」

 

イッセーは今にも倒れそうな足取りで歩き続けながらアーシアさんを探して辺りを見渡す。その光景は余りにも痛ましく、見ていられる様なものではなかった。朱乃が顔を背けて静かに涙を流し祐斗がこみあげてくるものを何とか抑えようとしていた。ギャスパーは嗚咽を漏らし、リアスはそんなイッセーを優しく抱きしめた。そんな中、三途の川まで行ったことのある2人はアーシアの行方を考えていた

 

絶「(次元の狭間に飛ばされたとして魂はどうなるんだろうか?死んだら各地方の地獄や冥界に行くと聞いたが・・・)」

ゼ「(日本には死者が現世に帰ってくるというお盆なるものがあると聞いたが・・・アーシアも帰ってくるんだろうか?)」

 

死を経験したものたちはやはりどこかズレていた

 

シ「惨めなものだな、下劣なる転生悪魔に汚物同然のドラゴン。あの娘は次元の彼方に消えていった、既にその身も消失しているだろう。改めて言おう。死んだんだよ、あの娘は」

 

シャルバの無慈悲なその一言に反応して、イッセーはシャルバを無表情でじっと見つめ続けた。その姿はどこか異様で、イッセーはリアスを振り払い、ゆっくりとシャルバに向かって歩を進める

 

ド「リアス・グレモリーとその眷属たち。死にたくなければ、今すぐここから離れろ」

 

突如としてイッセーの左腕、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)からドライグの声が響く。ドライグは絶斗たちに警告すると次にシャルバに声をかけた

 

ド「そこの悪魔よ。シャルバ?とか言ったか?お前は選択を間違えた」

 

イッセーは血のように赤いオーラを発し、神殿が大きく揺れる

 

『我、目覚めるは覇の理を神より奪いし二天龍なり。無限を嗤い、夢幻を憂う。我、赤き龍の覇王と成りて汝を紅蓮の煉獄に沈めよう』

 

イッセーの纏う鎧がさらに鋭角なフォルムが増してい変質いく。両手両足から爪のようなものが伸び、兜からは角のようなものがいくつも形作られ、巨大な翼まで生えていった。その姿はドラゴンそのものだった

 

『Juggernaut Drive』

 

イ「ぐがゃぁぁぁぁあああああああああああああっっっっ!!!!!!アーシアァァァァァアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!!!!」

 

イッセーの叫びと共に膨大なオーラが放出され、神殿にいた者を神殿ごと全て吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルバが絶斗たちの前に現れている頃。アースガルズの人気のないいつもの草原に、2人の男が何かをしていた

 

ユ「ロキもまだ帰って来ないし、久しぶりにできるぜ」

 

ゼ「来ている俺が言うのもなんだが、大丈夫なのか?」

 

ユ「大丈夫だって。そのために《極神》呼んでるんだからな」

 

腕にデュエルディスクをつけ、カードを取り出しているのは、デュエルモンスターであればどんなモンスターも召喚することができる実質世界最強の男、ユーガ・キリュウ。隣に居るのは青い髪の長身の男、ゼファードル・グシャラボラス。2人は、というよりはユーガは最近できなかった異世界探しを行うためヴァルハラから抜け出し、ゼファードルは遊びに来たところ、ユーガを見かけ追てきていた

 

ユ「俺がやるよりも正確だし、分かってるからな」

 

ゼ「だからと言ってな・・・」

 

ユ「このところ休みもまともになかったんだ。少しぐらいサボったって罰は当たらないって」

 

ユーガはデュエルディスクを展開すると1枚のカードを発動した

 

ユ「《次元の裂け目》、発動!」

 

ユーガ達の目の前の空間が裂ける。中は黒や紫、暗い青が渦巻き、何とも言えない光景が広がっていた

 

ユ「よし、次は・・・」

 

ゼ「ちょっと待てユーガ!何か来るぞ!」

 

ユーガが3枚のカードを手に取りデュエルディスクに置こうとすると、ゼファードルがそれを止めた。裂け目からバチバチを小さくだが雷が鳴る。そして、裂け目から出てきたのは金髪の少女。ただし・・・

 

ユ「なんで裸ーーー!!?」

 

ゼ「とりあえず何か着るものだせ!何かあるだろう!」

 

素っ裸の少女にゼファードルは着ていたコートを掛け、様子を見る。その間にユーガが装備カードを発動させた

 

ゼ「・・・生きてはいるな。だがこの顔、見覚えがある」

 

ユ「《レアゴールド・アーマー》!とりあえずこれでいいだろう」

 

ゼ「・・・他になかったのか」

 

ユ「しょうがないだろ?基本戦い関連で鎧とか剣とかばかりなんだから。《フォロー・ウィンド》とか《白のヴェール》とかのほうが良かったか?本当に布しかないけど」

 

ゼ「とりあえずそれも出しておけ。カルティナ」

 

カ「はい!」

 

ユ「いつの間にいたんだ!?」

 

ゼファードルの呼び声に『兵士(ポーン)』のカルティナが現れた

 

ゼ「その少女を着替えさせた後、その身元を探れ。おそらくだが若手悪魔のどこかの眷属だろう。最近見た覚えがある」

 

カ「お任せください」

 

カルティナはゼファードルの言う通り、手早く着替えさせるとその場から姿を消した

 

ユ「とりあえずこの家に入れよう。外よりはマシだろ?」

 

ゼ「ユーガ、お前何を使ったんだ?」

 

ゼファードルの目の前には暖かな日が差す里ができていた。大きな木が生え、彼の目からも見える範囲でも家が何件か見えた

 

ユ「《魔法族の里》だ。住んでる人はいないから安心しろ」

 

ゼ「他になかったのか?」

 

ユ「まともな中で一番小さいのはこれだった」

 

ゼ「そうか」

 

ゼファードルは少女を抱きかかえ、家に設置してあったベットへと寝かせた

 

ユ「《異次元の偵察機》を召喚」

 

ユーガは先ほど召喚する気だったモンスターを3体召喚した。そのモンスターは球体上のロボットで宙に浮いていた

 

ユ「・・・よし行ってこい」

 

そしてある指示を出すと《偵察機》達は次元の裂け目へと飛んでいった



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覇龍の影響

うまく書けない・・・筆が乗らないです。余計なものいれずにさっさとシャルバとの戦いに移ればよかったかなぁ


【3人称side】 

 

ユーガの発動した《魔法族の里》のある家。《次元の裂け目》から突然現れた少女をベットに寝かせたユーガとゼファードルは少女が目が覚めるのを待ちながらそれぞれ寛いでいた

 

ゼ「少々狭いが、まあまあ良い家だな」

 

ユ「ゼファードルにしたらそりゃあ狭いだろうな」

 

他愛ない話で時間を潰す2人。そうしているとゼファードルが調べに出していたカルティナが2人の下に現れた

 

カ「主様。ただいま戻りました」

 

ゼ「ご苦労だったな。それで、どこの悪魔か分かったか?」

 

椅子に座り報告を待つ2人にカルティナは片膝をつきながら報告をつづけた

 

カ「はい。彼女の名はアーシア・アルジェント。リアス・グレモリーの『僧侶(ビショップ)』です」

 

ゼ「何だと?確かグレモリーは今ゲーム中なはずだが」

 

今日行われたゲームの勝利者が最後にゼファードルとその眷属たちと戦える予定となっていた。だがディオドラ・アスタロトにしろリアス・グレモリーにしろ、戦いの内容から判断するに自身の敵ではないというのがゼファードルの判断だった。故にどちらが勝とうが興味はなく、ゲームだというのにゼファードルはユーガのところに遊びにきていた

 

カ「それが、ディオドラ・アスタロトが『禍の団(カオス・ブリゲード)』。旧魔王と繋がっていたようです。ゲームは乗っ取られ来賓の方々も襲撃に対処している状態です」

 

ユ「(あー、アーシアだったのか。気付かなかったな。アーサーがいないから誰も助けることができず、次元を彷徨っていたところ、俺の《次元の裂け目》から出て来たのか。結果的に助けられてよかったが、また失敗か)」

 

原作知識から今何が起こっているか予想するユーガ。ゼファードルは静かに聞く中カルティナの報告は続けた

 

ユ「(それにしても、もうディオドラのところまで進んでいたのか。なら今頃はイッセーが覇龍になって暴れている頃かな?)」

 

カ「そこで主様には至急冥界に戻っていただきたいとのことです」

 

ゼ「そうか・・・」

 

ゼファードルは少し残念そうにしながら立ち上がると、ドアに手を掛けた

 

ゼ「すまないがユーガ。今日はここまでの様だ」

 

ユ「・・・まあしょうがないか。また来いよ」

 

ゼファードルがドアを開けるとボール状の何かが勢いよく外から家の中に入ってきた

 

ゼ「何だいきなり!?」

 

ユ「はやいな。もう戻ってきたのか」

 

それはユーガが召喚した《異次元の偵察機》だった。《偵察機》は何かをユーガに渡たすとカードへと戻った

 

ユ「(・・・失敗かぁ。まあ分かってたことだが)ゼファードル。アーシアも連れていってくれ。どうやら次元を通してここに飛ばされて来ただけのようだからな」

 

ゼ「・・・つまり並行世界でも何でもないこの世界の冥界から来た、ということか?」

 

ユ「そうだ。なんてことはないただ遠回りしてきただけ。だから連れて行っても問題ない。それに、ここよりもまだ冥界のほうがいいだろ」

 

ゼ「確かにな。分かった連れて行こくとしよう。カルティナ」

 

ゼファードルはカルティナにアーシアを背負わせると今度こそ家を出た

 

ゼ「ではな」

 

ユ「ああ、またな」

 

ゼファードルを見送ったユーガは残りの《偵察機》を回収した後、ヴァルハラへと戻っていった。仕事を手伝ってもらっていた《極神》の方々に礼を言い、使っていたカードを全て戻した結果、アーシアが着ていた鎧などが解除され冥界で再び裸になったのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

イッセーが覇龍に目覚めるころ、アルビオンはその気配をいち早く察知していた

 

アル「!この気配はドライグのJuggernaut Drive!!?」

 

アザ「何だと!?あいつ何してやがんだ!」

 

襲撃者の生き残ったものを捕縛し、一箇所に閉じ込めていたアザゼルとヴァーリの2人は強烈な龍の気配を感じていた

 

ヴ「ほう、覇龍を使ったか。・・・アザゼル、俺は赤龍帝のところに行く」

 

アザ「ああ、イッセーの奴を助けてやってくれ」

 

ヴ「次代を速く望む俺としては助からないほうが嬉しいが。それに覇龍は発動すれば命を落とす可能性が高い。助けれるかどうかは分からないぞ」

 

アザ「それでもだ。ここで失うわけにはいかないからな」

 

ヴ「・・・貸1つだ。できる限り助けるが寿命はもうほとんど残らない。覚悟しておくことだな」

 

そういうとヴァーリは白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を広げ飛び立った

 

ヴ「・・・俺も甘くなったな」

 

アル「そうでもないだろ。結果的にお前には利しかないんだからな」

 

 

 

また、ディオドラのゲームが行われた神殿の近くではオーディンとロスヴァイセが最後の悪魔を殺しているところだった

 

「ギャァァァ・・・」

 

オ「これでラストかのぅ。流石に多かったのぅ。疲れたわい」

 

ロ「お疲れ様でした。オーディン様」

 

オ「さて、あの者達はどうしてるか見に行くとするか」

 

ロ「なんでわざわざ危険なところに行こうとするんですか!ットラップ発動!《安全地帯》」

 

勘のようにモノが働きロスヴァイセはセットしていたカードを発動した。光のオーラがオーディンを包み込み、破壊耐性を持たせる。直後、彼らの近くの神殿が内側から吹き飛び、瓦礫と衝撃が2人を襲った

 

オ「・・・なんともないのぅ」

 

ロ「それはそうでしょう。そういう効果ですので」

 

ロスヴァイセは召喚していた《スターダスト・ドラゴン》が防いでいたため無傷だった

 

ロ「ありがとうございます《スターダスト・ドラゴン》。ところで一体何が・・・」

 

《スターダスト・ドラゴン》が唸りをあげている。その視線の先には全身を赤い鎧のようなものに包まれた小さなドラゴンのようなものが咆哮を上げていた

 

ロ「ッッツ!凄まじいプレッシャー。あれは一体・・・」

 

オ「あれは覇龍じゃよ。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)ののぅ」

 

ロ「覇龍ですか・・・」

 

赤い小柄のドラゴンは咆哮を終えると、対峙している黒い貴族風の服とマントをつけた男と戦い始めた

 

オ「巻き込まれてはかなわんからのぅ。少し離れて様子を見るとするか」



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暴走する赤龍帝

あまり進まないなぁ・・・


【3人称side】

 

廃虚となった神殿。その中央には血のように赤い龍の鎧を身に纏ったイッセー・・・一匹の小型のドラゴンが咆哮を上げていた

 

シ「くっ。神殿を吹き飛ばすとはな。だが」

 

シャルバの言葉も聞かずにドラゴンが突進し、シャルバの左肩に食らいついた

 

シ「ちっ、邪魔だっ!」

 

シャルバが右腕で光を作り出しドラゴンに放とうとするが尻尾によって向きを変えられしまう。その間にもドラゴンの牙はシャルバの肩に深く食い込み、噛みついたまま地面へと叩きつけた

 

シ「ぐぅぅ、小癪な!!」

 

シャルバはドラゴンの頭を掴むと万力の如く握り潰していく。同時に光を放つと痛さからかドラゴンが肩から離れた

 

シ「・・・流石覇龍なだけはある」

 

シャルバが魔力を放つ。大波のような巨大なオーラがドラゴンへと襲い掛かる

 

イ「アアアアアァァァッ!!」

 

上げた左腕にオーラが溜まるとドラゴンはそのまま勢いよく振り下ろした。爪から放たれた4本の爪撃はシャルバのオーラを引き裂き、彼の後方まで地面を抉りながら突き進んだ

 

シ「やはり、力だけは一級品か」

 

シャルバは懐から出したフェニックスの涙で傷を完治させていた

 

シ「だが、それだけで勝てるほど甘くはないぞ!オーフィスの『蛇』によって前魔王クラスまで引き上げられているのだからな」

 

両腕を広げ力を溜めるシャルバ。同時に前へ突き出すと極太の光のレーザーがイッセーに向かって放たれた。ドラゴンはそれを跳んで回避し、左腕を突き出しながら突進するが

 

シ「甘い!」

 

シャルバはレーザーを出したままイッセーのいる上へと方向を変えた。レーザーに飲み込まれるイッセーは悲鳴をあげながら押し戻される

 

イ「ガアァァァァァァ!!!?」

 

落ちてきたドラゴンの鎧には大小のヒビが入っていた。だがヒビが光だすとそこには何もなかったかのような新品に輝く鎧が現れた

 

シ「再生の能力も持つか。ならばそれが尽きるまで何度でも破壊してやろう!」

 

腕を振るいいくつもの光の刃を飛ばすシャルバ。大きく回って回避し、組みつこうとするイッセー。戦いはシャルバのほうが有利だった

 

リ「イッセー・・・」

 

暴れる赤いドラゴンをリアスは壁となった瓦礫の間から見つめていた。だが暴れるドラゴンの前に自身では戦うことはおろか止めることすらできないことを自覚していた

 

朱「リアス!」

祐「部長!」

 

リ「朱乃!祐斗にギャスパーも!無事だったのね」

 

そんな彼女の周りに吹き飛ばされた眷属が集ってきた。ギャスパーは気絶しているのかぐったりして祐斗に背を割れていたが外傷はなかった

 

朱「ええ。ですがゼットくんとゼノヴィアさんの姿が見えません」

 

リ「まさか!・・・2人を探しましょう!そこまで遠くには飛ばされてないはずよ」

 

祐「ダメです部長!この状況で動くのは危険です!」

 

今もシャルバとイッセーの戦いの余波が彼らのすぐ近くと飛んでいき半場に崩れていた柱を完全に破壊した。祐斗の言う通り、下手に動くと自身の命が危ない。だがリアスは自身の眷属を見捨てるようなことはできなかった

 

リ「この状況じゃ動けない2人のほうが危険だわ!・・・でも祐斗の言うことも分かる。せめて場所が分かれば良いのだけれども」

 

辺りを見渡しても瓦礫となった神殿と抉れ、捲れ上がった地面しかリアスの視界には映らない

 

朱「!?部長!あれを」

 

朱乃が指さす先に2人はいた。片腕を失い飛ばされてきたシャルバを受けてめていた2人だが、シャルバの様子がおかしい

 

シ「がぁああああうぅぅ。貴、様・・!!『蛇』を抜いたなぁ!!!」

 

絶「たまたまだ。お前が飛ばされてきて、箱に突き刺さっただけだ」

 

リ「シャルバが苦しんで・・・あれはディオドラの時と同じ!!?」

 

リアスたちはつい先ほど、絶斗がディオドラに対して行った時の反応と同じことに気付いた。残った片腕で胸を押さえるシャルバ。だがそれも意味をなさず彼の中に会った『蛇』は全て抜き取られてしまった

 

ゼ「絶斗!そろそろマズいぞ!」

 

絶「分かった!」

 

ゼノヴィアに蹴り飛ばされるシャルバ。その背中はデュランダルと《アミル・ガウル》の刃で受け止められていたのか縦に2本の線が走っていた。その先には鎧の胸元と腹部の装甲が開いており、何かの発射口にオーラを溜めているイッセーの姿があった

 

シ「馬鹿なっ!真なる魔王の血筋である私が!おのれ!下等な転生悪魔どもぉぉぉ!!赤い龍めぇぇぇぇっ!」

 

リ「待ってイッセー!その方向にはまだゼットとゼノヴィアの2人が!!」

 

『Longinus Smasher!」

 

リアスの制止も空しく『神滅具(ロンギヌス)』の禁じられた奥の手、ロンギヌス・スマッシャーが放たれる。それはシャルバを、その後ろに会った神殿の一部を飲み込み、そして光の中へ消え去っていった

 

リ「ああ・・・ゼット、ゼノヴィア・・・」

 

光が収まった後、そこにはシャルバはもちろん何も残っていなかった

 

ヴ「無事か?」

 

空から降り立っち、膝をつくリアスに声をかけたのはヴァーリだった

 

リ「無事・・・ですって・・・?無事なわけないでしょう!アーシアに続いて絶斗とゼノヴィアまで死んでしまって」

 

リアスはヴァーリに掴みかかった。だが大事な、大切な眷属を失ったという現実が彼女を崩れさせた

 

絶「俺たちがどうしたんですか?」

 

声をする方を見るとそこには無傷の絶斗とゼノヴィアの姿があった

 

リ「ゼット。ゼノヴィア・・・なんで・・・」

 

絶「なんでって。避けたからに決まってるでしょう」

 

ゼ「幸いにも直線しか範囲がなかったからな。私たちを狙っていたわけでもないですし範囲外に出るのは容易だ」

 

リアスは2人が無事なことに安堵し、朱乃に支えられていた

 

祐「ところで白龍皇。貴方は何故ここに?」

 

ヴ「アザゼルの頼みだ。あいつを助けてくれ、とのことだ」

 

イ「おおおおおおおおおおおおおん・・・・・」

 

ヴァーリの視線の先には瓦礫と化した神殿の上に立ち、天に向かって悲哀に包まれた咆哮をしているイッセーの姿が。

 

イ「おおおおん・・・ぐるるるぅぅぅ」

 

イッセーは突然咆哮を止めるとリアス達を見て唸りを上げた

 

リ「なんで・・・」

 

ヴ「俺がいるからだろう。本能的に戦わなければならない相手が目の前にいるのだからな」

 

ヴァーリは両手に剣を出し、白い鎧を纏う

 

リ「イッセーを助けてくれるんじゃないの!?」

 

ヴ「・・・ドラゴンを鎮めるのはいつだって歌声だった。だが赤龍帝と白龍皇の歌なんてものはない「それじゃあ助けられないじゃないの!」黙っていろ!まあその辺りはアザゼルがやっていると思うがもう1つ方法がある」

 

絶「それは?」

 

ア「中身を極力傷つけずに、外側の鎧だけを粉々に破壊することだ。それで止まるはずだ」

 

ゼ「なるほど。発現している武具を、特に核となる宝珠などを砕けば停止するのは当然か」

 

ヴ「理解が速くて助かる」

 

リ「ちょっと待って。ゼットにゼノヴィアまで。なんで白龍皇の隣に立っているの?」

 

ヴァーリの隣には《アミル・ガウル》を構えた絶斗とデュランダル構えたゼノヴィアが並んでいた

 

ヴ「いいのか?一撃で死ぬぞ?」

 

絶「それはいつもやっていることだ。問題ない」

 

ゼ「そうだ。それに赤龍帝からはそれほど脅威を感じないからな」

 

ヴ「そうか。お前たちもあいつから教えてもらっていたか。なら、いくぞ!」

 

ヴァーリが飛び出し、そのすぐ後を絶斗とゼノヴィアが地を蹴った。ここに、赤龍帝と青龍の弟子ともいえる3人の戦いが幕を上げた



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覇竜vs3人の弟子

長かったけど次回で一応終わりますかね?もちろんその後が続きますのでこの章はまだ続きますが
ちなみに、近くにいるロスヴァイセも戦闘に参加させたかったですけど、変にカードを見せるのも何だかなーと思ったので結局やめました


【絶斗side】

 

ゼノヴィアと白龍皇と飛び出しイッセーに切り込む。大量の悪魔やディオドラの眷属と戦った後だが幸い体力は回復している。全力でやってもそれなりに持つだろう

 

イ「ギャォォオオオンンンンン!!」

 

どうやらイッセーは白龍皇を狙っているようだ。本能的なものだろうがこちらとしては有り難い。突進してくるイッセーを白龍皇は2本の剣でいなして避けた。決して遅くはないスピードだがああも簡単にやるなんて

 

ゼ「硬いな・・・いや、私の力不足か」

 

体勢の崩れたイッセーにゼノヴィアが斬るが硬い鎧に阻まれた。イッセーの右腕には深い傷ができているが修復しようとその傷跡が光り出していた

 

イ「ガャァァアアアア」

 

起き上がるのを予測しゼノヴィアと同じ個所を斬ってみたが痛がっているのを見るにどうやら有効なようだ

 

ゼ「2回斬ってようやくか。面倒な」

 

絶「まったく斬れないよりはマシだろ」

 

ゼ「だな」

 

旋回しての尻尾の薙ぎ払いを跳んで避ける。顔を白龍皇に向けているあたり意識はそれほどこちら兄は向いていないようだ

 

イ「ギヤャャァァアンン!!」

 

白龍皇は叩きつけられる左腕を避けながらその力を利用して腕に刃を走らせている。羽根の宝玉が光っているのを見ると能力を使っているようだ

 

絶「今!」

 

ゼ「ああ!」

 

外側の鎧だけを粉々に破壊することを目的としているのならば半減しているのは耐久力や鎧の厚さだろう。一度で痛がっている様子から斬り込むのは今しかない。ゼノヴィアが一歩踏み込むとその姿が消える。次の瞬間にはイッセーを挟んで向こう側に姿が現れそれと同時にイッセーの鎧に多くの深い傷が切り刻まれた

 

イ「ギャャャャヤヤヤヤヤ!」

 

さらに傷を広げるように同じ個所を《アミル・ガウル》で斬っていく。血が出てくるが無傷で救出できるなんてはなっから思っていない。気にせず攻撃を続けるがイッセーは痛みでのけ反っていた首を戻しブレスを吐き出してきた

 

絶「(遅い)」

 

正面を向いたのをいいことにその股下を潜り抜けた

 

絶「(白龍皇!)」

ヴ「(邪魔だ)」

 

振り下ろされる双剣。尻尾を切り落とすつもりなのだろうなら

 

イ「ギヤャアアアアアアアアアンン!!!!?」

 

それに合わせてこちらも跳び上がればいい。鋏のように刃が交差し斬り跳ぶ尻尾。ビタンビタンとはねるが少ししたらソレも動かんくなるだろう

 

イ「ガアアアアアァァァァァァァァアアアアアア!!!」

 

振り返ると同時に薙ぎ払われるブレスを飛び退き避ける。全身を切り刻まれ尻尾まで切断されたためかその視線は白龍皇のにならず俺たちにも向けられていた

 

イ「ギャルガァァアアアアアア」

 

ヴ「第2ラウンドと言ったところか」

 

ゼ「何と言うか、禍々しいな」

 

ゼノヴィアの言う通りイッセーの鎧の各所に埋め込まれている宝玉が光り出すとそこから腕やら牙やら飛び出して来る。さらに折角切り刻ざみ、イッセー本体まで見えていた鎧も再生。さらに一回り大きくなっていたが尻尾までは再生していなかった

 

ヴ「まだ行けるか?」

 

絶「当然だ。まだ5分と経っていないだろう」

 

ゼ「私もだ。まだまだいけるぞ!」

 

俺もゼノヴィアもまだ余裕だ。イッセーには悪いが攻撃が単調すぎるからな

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

絶斗たちが再び攻撃を開始して30分近くが経とうとしていた

 

ヴ「チィッ!」

 

ゼ「クッ!」

 

初めと違い高速で暴れ回り、さらに宝玉から出る腕やそこから延びる牙が絶斗たちを捕えようと襲い掛かってくる。宝玉から増えた腕や牙は耐久力こそ鎧ほどないものの限界まで倍加されたままのパワーはそのまま。無差別に伸びる牙と狙う腕に絶斗たちはなかなか攻めきれずにいた

 

絶「ッしつこい!」

 

絶斗は限界まで固めたか風の剣を回転させながら飛ばし宝形から出る腕や牙をそぎ落としていく。その隙にヴァーリとゼノヴィアが斬り込み鎧や宝玉にダメージを与えていくが

 

絶「また治りやがった!!!」

 

2人を払いのけると鎧の切り裂かれた箇所が光り出し修復される。普段買う上と戦っている3人も数少ない攻めを無に帰されては疲労を隠す余裕はなくなっていた

 

ゼ「何度目だ!?覇竜と言うのはここまで再生能力が高いのか!?」

 

ア「俺との死力の戦いでは互いに驚異的な回復能力を見せることもあった。だがそれは所有者の生命力を使って回復・再生させている。今までならばとっくにこと切れていてもおかしくはない。だが・・・」

 

ヴ「転生悪魔。寿命が長い故にここまで持つか」

 

ア「ソレもあるが大技を連発していないのもある。おそらくだがあの覇竜は中途半端なのだろう。ただ暴れるだけでもなく、俺とヴァーリだけを狙う訳でもない。深層部分にまだ意識が残っているのだろうな」

 

ヴ「飲まれて死んでくれた方が嬉しかったんだがな」

 

突進からの爪による連続の斬撃を避ける2人。イッセーが2人に構っている間、その背後では《アミル・ガウル》を地面に突き刺し、細身を槍を構える絶斗の姿があった

 

絶「・・・ッ」

 

溜める時間はわずか。だがその僅かな時間でも修行を受ける前の蒼枒に投げた投げた時と同等の威力を誇る槍がイッセーに向かって放たれる。暴風を纏わず白い槍が駆けるそれは、まるで流星の如く。脅威に気付いたイッセーは振り向くと同時に左腕で掴もうとするが威力を殺しきれずに均衡する

 

「DividDividDividDividDivid」

 

動きを止めたその隙をヴァーリとゼノヴィアは見逃すはずがなかった。鎧を半減させ脆くし自身は1度跳び双剣を左の翼の根本目がけて振り下ろす。その反対側の右側ではゼノヴィアが下から大きく円を描くようにデュランダルを振り回していた。翼の宝玉から腕が2人に向かって伸びる。それを身体をわずかにズラすことで避け次の瞬間、イッセーの翼を切り落とした

 

イ「ギャャャヤヤヤヤヤアアアアアアアアアンン!!!!」

 

尻尾を切り落とされた時以上の悲鳴を上げるイッセー。翼が切り落とされたことで力を加えていた左腕も緩み、宝玉ごと貫かれる。さらに槍を投げた直後に柱出していた絶斗が正面から横2線に《アミル・ガウル》を振るう。胸と脚に着けられた宝玉を的確に切り裂かれたイッセーは振り払うかのように魔力を爆発させ3人を吹き飛ばした

 

絶「・・・っと。まだダメか」

 

絶斗は空気のクッションで自身を包み衝撃を逃がし、ゼノヴィアは咄嗟にデュランダルを地面に突き刺し、勢いを殺しながら飛ばされ、背後にあった瓦礫に足をつけ1回転しながら地面へと着地。ヴァーリは空中で体制の立て直していた。確実にダメージを与え、宝玉の数も減らした3人だがイッセーの覇竜が解除される様子はなかった

 

ゼ「やはり鎧も壊さなければならないか」

 

ヴ「つくづく面倒だな!今代はっ!!!」

 

アザゼルの頼みがあるとはいえ本心としては殺してやりたいと思っているヴァーリはイライラが溜まってきていた。このまま続ければ本当に殺してしまうのは他の者から予想は容易かった



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気が抜ける戦いの終わり・・・

無駄に長くなってしまいましたが後少しでこの章もようやく終わりですね。後はアーシアを合流させて、この章の裏での出来事や後日談が・・・あれ、まだまだ終わらない



【絶斗side】

 

イ「ギャオオオオオォォォンンンン」

 

イッセーの咆哮と共に大きく傷ついた宝玉が光り出しみるみるうちに塞がっていく。流石に切り落とされた翼、そして尻尾は再生しないようだがこれではいつまでたっても助けられない

 

ヴ「アルビオン!今代はあとどれぐらいで死ぬ!」

 

イラついた声で白龍皇が神滅具(ロンギヌス)に宿るドラゴンに問いただしていた。元からイッセーに良い感情を持ってないししょうがないか

 

ア「人間の身であるならば数分持てばいいほうだがあいつは悪魔だ。生命力も人間の比ではないからな。あれほどの傷を負っても再生に回せるのだろう。だがそれも寿命を急速に減らしているのには変わりない。もってあと5分と言ったところか」

 

ヴ「そうか!」

 

なんか声はずんでないか?助ける気あるのか?

 

リ「そんな!?何か手はないの?」

 

ア「望みはほぼにないに等しいが赤龍帝の深層意識を呼び起こせば暴走が止まるだろうが・・・これは歴代所有者の残留思念に囚われたなかから呼び起こすものだ。余程執着しているものでなければ呼び起こすことなどできはしない」

 

絶「イッセーの執着するもの・・・おっぱいか」

 

俺の一言でこの場が静まり返った

 

ヴ「・・・アザゼルには悪いが助けるのは諦めてもらうしかないな」

 

ア「そうだな。傷も完全に塞がってしまった。ドライグの奴も必死に呼びかけているようだが効果はないようだしな」

 

白龍皇め、俺の発言をなかったことにしたな!俺も失言だったと思うが今のを聞いて躍起になっている奴らもいる

 

ゼ「なるほど!なら部長あたりを裸にして与えればいいのか!」

 

リ「嫌よ!こんな大勢の前でなんて!!」

 

朱「リアス!我儘言ってる場合ではありませんわ。できないのなら私が・・・」

 

祐「副部長も自ら脱ごうとしないでください!ギャスパー君!」

 

ギ「は、はぃぃぃぃ」

 

騒いでいるが余り刺激しないでほしい。先ほどの一方的にやられたからか警戒して動きを見せないけれど俺の体力ももう僅かだ。助けるにしろ終わらせるにしろ次で決めないと俺が死ぬ

 

イ「ガアアアアアアアアァァァァ」

 

再生を完全に終えたイッセーがシャルバに放ったあの光線を放とうと鎧の胸元と腹部の装甲が開いていた。あれは止めないとマズい。踏み込むため脚に力を込めたところ。空から光の槍が降り注ぎイッセーを地に縫い付けた

 

アザ「はー、間に合ったか」

 

イリ「あれが今のイッセーくん?すごいことになっているわね!」

 

ヴ「アザゼル!」

 

ゼ「イリナまで!何故ここに!!?」

 

上から降りてきたのはアザゼル先生とイリナさん。彼らは何かの機材をの手に持っていた

 

アザ「約束通り殺してはなかったかが、ヴァーリでも助けることはできなかったか」

 

ヴ「助けるのなら早くしたほうが良いだろう。もうどれほど持つかわからないからな」

 

アザ「わかってる。イリナ!設置は完了したか?」

 

イリ「いつでもいいわよ!」

 

ゼ「イリナ。それはなんだ?」

 

ゼノヴィアが訊くと、イリナがアザゼル先生の持つ機材とケーブルをつなげながら答えた。あれは・・・モニター?

 

イリ「イッセーくん用の秘密兵器よ」

 

アザ「ドラゴンを鎮めるのはいつも歌声だが二天龍そんなものはない。ないのなら作ってしまえばいいのさ」

 

アザゼル先生が機械を操作すると気の抜けるような音楽と共にイリナさんが設置したモニターに映像が流れていく。そこに映っていたのは、鎧姿のイッセーが冥界の子供達と一緒に歌に合わせて踊っている姿だった。

 

アザ「作詞は俺。作曲はサーゼクス。ダンスの振り付けはセラフォルーが考えた。タイトルは『おっぱいドラゴンの歌』!あいつにはこれが一番だろ?」

 

・・・なんだこれ。聞いていると頭が痛くなる。気持ち悪い・・・

 

ゼ「絶斗・・・なんだか急に気分が・・・」

 

ゼノヴィアも片手で頭を抱えていた。まるで体の中から拒否反応が出ているような感覚だ

 

絶「ッ・・・」

 

2つの風を俺たちの周りに起こし間に真空を作り出す。これで音は聞こえなくなった

 

ヴ「・・・・・・」

 

白龍皇は何も言わずに猛スピードで飛び去って行った。白龍皇も俺たちと同じく聞いていられなかったのだろう。こんなものでイッセーを助けられるのか?

 

イ「・・・・・(うぅ・・・)

 

リ「 ・・・・・(反応したわ)!?」

 

激しく動いていたイッセーの体が止まった。まるで曲を聞こうとしているかのように

 

イ「・・・・・・・・(ぐうううぅぅぅぅ)・・・・・・・・・(あああああああああ)

 

アザ「もう大丈夫か」

 

先生が指を鳴らすと縫い付けていた光の槍が消えた。イッセーは自由になった腕で頭を抱え、地面に叩きつけのたうち回っている

 

イ「・・・・(おっぱい)・・・・・・・(おっぱい)・・・」

 

少しするとイッセーが立ち上がり何かを求めるようにフラフラと歩きだした。そうか。お前はそこまでおっぱいが好きか

 

朱「・・・・・(今よリアス)・・・・・・・・・・・・・・(イッセー君はあなたのおっぱい)・・・・・・・(を求めているわ)!」

 

リ「()・・・・・・・・・・・・(でも私の乳首でイッセーの)・・・・・・・・・・・・・・・(『覇龍』が本当に解除出来るのか)・・(しら)?」

 

朱「・・・・・・・・・・・・・(イッセー君はあなたの乳首を)・・・・・・・・・(押して禁手に至った)・・(なら)・・・・・・・・・(その逆も可能なはず)・・・・・・・・・・・・・・・(あなたが信じなくて誰が信じるの)!」

 

リ「・・・(そうね)・・(朱乃)()・・・(やるわ)!」

 

イ「()・・・(おれの)・・・・・・・(おっぱい)・・・」

 

何故か部長が急に上着を脱いで上半身裸になった。そしてそれに向かって歩いていくイッセー。イッセーが部長のの乳首をつつくと、鎧が解除された。

 

絶「嘘だろ・・・」

 

それと同時に気を失ったようでイッセーは部長にもたれかかる様に崩れ落ちた

 

ゼ「イッセーの執着はすごいな。呆れを通り越して尊敬するよ」

 

絶「対象が対象でなければなぁ」

 

映像も切れたところで風を解除し、皆のところに移動した

 

アザ「急いで病院に運ぶぞ!」

 

リ「わかったわ!」

 

先生はイッセーを抱えると空に飛んでいった。部長達もそれに続き残された俺とゼノヴィアはその場に座り込んだ

 

絶「終わったぁー」

 

ゼ「・・・終わったな。よくもまああれだけの攻撃にされされながら無傷ですんだものだ。自分で自分を感心するよ」

 

絶「全くだ」

 

互いに背を預けながら戦いの余韻に浸る。いつもオワタ式の修行をしていたとはいえ、無傷で済んだのは運が良かった。暴れて攻撃が単調だったのも要因の一つだろう。それにしても・・・

 

絶「改めてみると、酷いな」

 

ゼ「・・・確かにな」

 

ディオドラとの眷属と戦ったいくつかの神殿はそのほとんどが崩壊。戦いの中心だったこの神殿は地面が瓦礫が囲うように点在、光線が放たれた1箇所は何もなくなっていた。これがレーティングゲームの会場、壊れても被害がない場所だったからよかったものの、これが日本で起きていたとなると考えただけでも恐ろしい

 

絶「ああ、そうか」

 

だから蒼枒さん達は戦う場所を結界で覆っていたのか。周りに被害が出ないようにするために。それはきっとこれから俺たちにも必要なことだ

 

絶「やれやれ。また覚えなければならないことが増えたな」

 

ゼ「頑張ってくれ。おそらく私は向いてないだろうからな」

 

そうだろうな。人には向き不向きがあるししょうがないか。幸い師になる方は結界のスペシャリストだし何とかなるか・・・




途中から絶斗とゼノヴィアには外の音が全く聞こえないためこういう表現にしてみましたがいかがでしたでしょうか?
読み辛くて申し訳にないですが私では他にいい表現が思い浮ばなかったです


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僧侶の再会 怪しまれる2人

最近、鬼灯の冷徹とハイスクD×Dのクロス作品が一気に増えましたね。どちらも放送中ですしブームかなんか何ですかね?


【絶斗side】

 

襲撃から一夜明けた次の日、俺たちはシトリー領にある病院の一室に集まっていた。幸いにも昨日の襲撃による死者は無かったが重軽傷を負った悪魔達もここで治療を受けていた。他の被害は戦闘による建物の損壊だったが一番被害が大きかったのは当然のことながら試合会場の神殿らしいが、元々ゲームのために作られていたものだったため壊れても問題ないそうで襲撃にあった割には全体の被害は小さかったようだ。本来ならば学校に行かなければならなかったが流石に疲れたため今日は休んだ。生徒会も迎撃に出ていたらしくオカ研を含めた全員ズル休みだ

 

リ「イッセー・・・」

 

部長は昨日からこの調子だ。ベットに横たわるイッセーの傍に座り手を握り締めている。部長のみならず朱乃さんも『女王(クィーン)』の立場からか一歩引いているが似たような様子だ。無理もない。アーシアを失い、イッセーは病院に担ぎ込まれてから一度も目を覚ましていないのだから。イッセーに目立った外傷はないが生命力、寿命をかなり減らしているとドライグが言っていた

 

アザ「・・・やっぱり、行くしかねぇか」

 

と壁によりかかっていたアザゼル先生がそう呟いて病室から出ようとした

 

絶「どこにいくんですか?」

 

アザ「青龍のところだ。アジェカが『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』の調整を行っていたが身体の内部的なことはあいつにもわからないからな。何せ診察結果は異常なしときたもんだ。ドライグが寿命が減っていると言っているにもかかわらずだ。こういうのに関しては青龍の方が詳しいからな」

 

なるほど。確かに蒼枒さんたちなら気の扱いを熟知しているし寿命もあとどれぐらいあるか分かるはずだ。だが了承するとは思えないな

 

ゼ「私たちも一緒に連れて行ってはくれないか?」

 

アザ「別に構わねえが・・・」

リ「ちょっと!?イッセーが心配じゃないの!!?」

 

部長が驚いたような声でゼノヴィアを呼び止めた

 

ゼ「私たちにできることはないからな。学校もこれから行っても半端だし一足先に戻るとするよ」

 

ゼノヴィアが病室の扉を開けようとするが突然飛び退いた。それと同時に勝手に扉が開き

 

ア「イッセーさん!」

 

アーシアが病室に飛び込んできた

 

「「「アーシア(さん)!?」」」

 

何故ここに!?次元の彼方に消えたはずじゃあ・・・

 

リ「アーシア!無事だったのね」

 

ア「はい!グシャラボラスの皆さんに助けてもらって・・・」

 

確かに若手に収まらない実力集団だが、前に見たゲームを見るに次元に関する術を持ってる者はいなかったような

 

ゼ「何故グシャラボラスが出てくるんだ?」

 

ア「はい、実は・・・」

 

 

 

~~~~~回想~~~~~

 

【アーシアside】

 

ア「・・・あれ?ここは?」

 

目が覚め体を起こすとそこは豪華な客室の様でした。それで私はベットに寝かされていたようです

 

?「目が覚めたか?」

 

声をする方を向くと天井に女性が逆さまに立っていました

 

ア「だ、誰ですか!?なんで天井に立っていられるんですか!!?」

 

?「落ち着け」

 

一言そういうと彼女はひらりと身をひるがえし床に着地しました。彼女の姿はどこか日本の忍者を思わせる服装をしていて長い髪も後ろにまとめています

 

カ「私はカルティナ。ゼファードル様に仕える忍だ。貴方は次元の裂け目から突然現れたと聞いたが何があったか覚えているか?」

 

ア「すみません。突然目の前が白くなった以外は何も・・・」

 

カ「そうか」

 

ア「あの、ここはどこなのでしょうか?」

 

カ「ここはグシャラボラス家の屋敷だ。今医師を連れてくる。楽にしていてくれ」

 

そういうとカルティアさんは部屋を出いきました。物音1つ立てないで出ていくあたり本当に忍者なのかもしれません。それはともかく

 

ア「ゼファードル・グシャラボラス・・・」

 

確か部長さんと同じ若手悪魔であり、その中でも1位の実力を持っていたはずです。先のゲームでも部長さんの従兄弟にあたるサイラオーグさんとの戦いは記憶に新しいですし。だが何故彼は私を助けたのでしょう?

 

「失礼します」

 

ノックがなり男の声が聞こえ部屋にカルティアさんと2人の男女が入ってきました

 

「目が覚めたようですね。どこかに痛みや違和感はありませんか?」

 

ア「いえ、どこにもないです」

 

「そうですか。では今日は簡単な診断だけしましょう。明日は病院で精密な検査をしてください」

 

その後各部を診察してもらい、お医者案と看護師さんは帰っていきました

 

カ「今日はここに泊まってもらう。テロの後始末で色々と忙しいからな。私もこの後いかなければならない。部屋から出てもいいが迷う可能性が高いからおすすめはしない」

 

ア「わかりました」

 

せめてイッセーさんたちに無事なことを伝えたかったのですけど

 

カ「ああ、そうだ。グレモリーの眷属の1人が病院に運び込まれたそうだ。何でも旧魔王派の1人を倒したとか」

 

~~~~回想終了~~~~~

 

【絶斗side】

 

ア「と言うことがありまして、イッセーさんが入院して目を覚まさないと聞いて飛んできたんです」

 

リ「そうだったの」

 

部長はアーシアさんをギュゥゥと抱きしめた

 

リ「良かったわ。無事で」

 

ア「はい。ご心配をおかけしました」

 

良かったな。アーシアさんが無事戻ってきて。後はイッセーだけか

 

アザ「いいのか?お前たちは残らなくて」

 

パタンとドアが閉まった後、アザゼル先生が聞いてきた

 

絶「俺たちがいても邪魔なだけですから」

 

ゼ「それよりも時間があるなら日本に戻りたい。目に見える課題があることだしな」

 

アザ「昨日『覇龍』とやり合っていたのにか。お前たちはどこに行こうとしているんだ?」

 

絶・ゼ「「無論、剣の道だ」」

 

同じ言葉に俺とゼノヴィアは互いに微笑み合うと互いに拳を合わせた。ただ俺は色々使うしゼノヴィアは本当に剣一本だし正確には同じ道ではないけどな

 

アザ「はぁ~、まあいいか。本当にお前たちがリアスの眷属か怪しくなってきたな」

 

絶「部長に転生してもらったんですから部長の眷属に違いはないですよ。心配していないわけではなく、イッセーならば起きると信頼しているからです」

 

アザ「そうか?」

 

ヤバいなー怪しまれてきたか。いずれ離れるとは言えまだはやい。もう少し仲間意識を持って行動しないとな。この後アザゼル先生と共に蒼枒さんのところに向かった。俺とゼノヴィアは場所を貸してくれたが蒼枒さんは忙しいらしくまた後日来いと先生は追い返されていた



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後日談

後日談とか決闘者遍とか、サブタイトルを考えなくて楽ですね
ただ楽なだけで、どんな内容かわからないですけど


【3人称side】

 

冥界でテロがあった日から幾日かが過ぎたある平日。霊峰青山の中腹にある家の夫婦の一室の前に烏天狗の楓はいた

 

楓「蒼枒様、黒歌様。失礼します」

 

楓が襖を開けると真黒な立方体が部屋の中心にあった

 

楓「・・・光を入れない結界ですか」

 

楓が黒の直方体に触れるとその手はすんなり通過した。そのまま身も入り妖気で主夫婦の姿を確認すると楓は腰に差していた剣を抜いた

 

蒼「・・・時間か?」

 

シャーーーチィン・・・と鞘を滑る音と収まる音で目が覚めた蒼枒は目覚めて早々楓に尋ねた

 

楓「はい。応接室に通しています」

 

蒼「わかった。すぐに向かう」

 

楓が部屋を出ていくと、それを待っていたのか黒歌が身体を伸ばし、眠そうに目を擦りながら結界を解いた

 

黒「蒼枒・・・おはよう・・・にゃ」

 

蒼「おはよう。と言ってももう昼だけどな」

 

寝ている間に帯が緩んだのか、黒歌の着ていた寝間着は大きくはだけ、その丸く大きな胸が露わになっていた。だが黒歌はそんなことも気にもせず蒼枒に抱き着くとその首に手を回した

 

黒「蒼枒・・・おはようのキスが欲しいにゃ。ん・・・」

 

起きて早々甘える黒歌に蒼枒は唇を合わせ応える。数分もしない内に黒歌は目をトロンとさせていた

 

黒「にゃあん・・・そうやぁ・・・」

 

蒼「続きは仕事が終わってからな」

 

崩れる黒歌を蒼枒支え優しく頭を撫でる。黒歌は心地よさそうにするも数回撫でるだけで終わり離れる手を名残惜しそうにしていたがどこからか出した櫛を手に座布団の上に待機していた。蒼枒はササッと着替えると、身だしなみを整え黒歌に髪を梳かされた

 

蒼「じゃ行ってくる」

 

黒「いってらっしゃにゃ。お昼を作って待ってるにゃ」

 

蒼枒が部屋を出ていき1人残された黒歌は黒い着物を着つけながら何を作るか考えていた

 

黒「何が良いかにゃ~」

 

髪を梳かし、結い上げ止める。最後に着物を着崩すと黒歌も部屋から消え去った

 

 

 

 

 

 

楓が蒼枒たちを迎えに行っている頃、アザゼルは通された部屋でお茶を飲んでいた

 

ア「やっと来たか」

 

蒼「時間通りだろ。何か問題でも?」

 

ア「いや、ないな」

 

蒼枒がアザゼルの対面に座るとその前に巫女がお茶を置いていった

 

ア「ここは飯も茶もうまいな。酒ななんて来るたびに買って帰ってるぜ」

 

蒼「今日は世間話をしに来たわけではないだろう。先日突然訪ねて来た件だろうが・・・一体何用だ?」

 

冷やされたお茶を啜り、要件を尋ねる蒼枒。アザゼルは口重そうに

 

ア「お前たちが気に入らないことは分かっている。だが頼む。赤龍帝・・・イッセーを診てやってくれ」

 

と言い頭を下げた

 

蒼「頭をあげろアザゼル。して、何があった?」

 

ア「実はな・・・」

 

アザゼルは冥界で起きたテロのことを語った

 

ア「それで首謀者を倒したはいいが『覇竜』が暴走しちまってな。ヴァーリ達のおかげで被害は最小限に抑えられイッセーも元に戻ったんだが・・・」

 

蒼「聞いているぞ。何でも最低な曲を作って流したようだな。らしいといえばらしいが」

 

ア「それは置いといてだ。病院に運ばれてもう退院もしてるんだが」

 

蒼「なら、何の問題もないじゃないだろ?」

 

ア「『覇竜』になって問題ないわけがないだろ!アルビオン曰く、完全な『覇竜』じゃないかったらしいがそれでも大きく寿命を減らしていると言っていた。だが俺たちにはそれを調べる奴がいない。お前を頼るしかないんだ」

 

原作ならば仙術を使える子猫や黒歌が悪魔側やイッセーを認めるヴァーリの傍にいたため、すぐに検査・治療を行うことができたが、この世界では仙術を使えるような妖怪が3勢力にいなかった

 

蒼「用件は分かった。だが受けるには2つ条件がある」

 

ア「なんだ?できることなら言ってくれ」

 

蒼「(嫌に必死だな。これもあれの影響か?それとも平和を願う総督としてか、はたまた研究材料を近くに置いておきたい研究者としての表れか・・・)1つは日はこちらが決めさせてもらう。俺達も色々予定があるからな」

 

ア「まあしょうがねぇはな。で、もう1つはなんだ?」

 

蒼「もう一つの条件。それは前たちの神に奪われた天之尾羽張(あめのおはばり)を返してもらうことだ」

 

ア「何だと!?」

 

アザゼルは驚き立ち上がる。蒼枒はそれを不思議そうに思った

 

蒼「何を驚く。盗られたものを返してもらうだけのことだろ?」

 

ア「だがあれは・・・」

 

蒼「分かっている。何も今すぐ返せとは言わない。そいつが死ぬときに抜き取って分離させてくれればいい。近くにいるから死に際など分かるだろう?寿命で100年もしないうちに死ぬだろうからな」

 

ア「(こいつ、既に居場所まで掴んでやがる)」

 

だがアザゼルは冷静になって考えてみる

 

ア「(日本にいる以上、管理を任されている青龍の目からは逃げられない。リアスのように怠けるような奴でもないしな)」

 

蒼「そう言えば五大宗家とも関わりがあったな、幾瀬 鳶雄は。いつも性懲りもなく襲撃して来るし自分たち以外を家を認めず喧嘩を売る・・・いい加減やめないなら完全に潰さなければならないな」

 

ア「(名や過去まで調べているか。・・・はぁ、しょうがねぇか)」

 

アザゼルは椅子に座りながら蒼枒の出した条件を受け入れた

 

ア「分かった。天之尾羽張(あめのおはばり)を返すことを約束する。っと、何だ?」

 

アザゼルの口から白い塊がふわふわと蒼枒の方に向かうと仰向けにした手に収まった

 

蒼「言質はとった。破ったらどうなるかわかってるよな?」

 

ア「ああ、分かってるつもりだ」

 

蒼枒が言霊を掴むとアザゼルの身体にゾワリとした感覚が襲った。だがそれも一瞬でアザゼルは身体の不調も感じられなかった

 

蒼「用はこれだけか?」

 

ア「ああ、他にはもうない。邪魔したな」

 

アザゼルは席を立ち、部屋を出ようと戸に手を掛けようとしたが、それよりも前に勝手に戸が開き部屋の中に長い黒髪の少女が入ってきた

 

オ「青龍。何かくれ」

 

蒼「無限龍。いくつか果実を置いていたでしょう」

 

オ「全て食べた。まだ満たされない」

 

ア「無限龍・・・だと?」

 

アザゼルは少女の姿を足先から頭まで見まわした。少女は薄い桃色の着物を細い帯でゆるく締めているだけで他には何も身に着けていなかった

 

ア「前は老人の姿だったが今は美少女かよ。何でこんなところ依いるんだ、オーフィス?」

 

アザゼルはそんな少女、オーフィスに何故ここにいるかを尋ねた。だが

 

オ「・・・誰?」

 

オーフィスは首を傾げながら誰だかわからないようだった

 

ア「俺だ!神の子を見張る者(グリゴリ)の総督のアザゼルだ!」

 

オ「ん~~~~~~~~~~~。あ、アザゼル、久しい」

 

頭を回転させ何とか思い出したオーフィス。アザゼルは自分のことを覚えてないことに一瞬身体の力が抜けていた

 

ア「忘れてやがったのか。まあいい。なんでお前がここにいる?禍の団(カオス・ブリゲート)のトップだろう」

 

オ「ここは我の、休みの場。それと「長くなるなら他所でやってくれないか?もう昼だ。黒歌の作った昼飯が食べたい」分かった」

 

ア「ちょっと待て!?」

 

アザゼルは部屋を出ようとする2人を呼び止めるが

 

蒼「気になるなら自分で接触しろ。今この場を使うな」

 

オ「ごはん・・・おいしいもの・・・」

 

止まることなく2人は出ていった。残されたアザゼルは1人、青山龍神宮を後にした

 

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

一方その頃、絶斗たちがいる駒王学園では体育祭が開かれていた

 

『昼を超えて残る競技は4つになりました!肌が触れ合う男女混合二人三脚。爆弾内容入り、借り物レース。仲良くできるのはこれが最後、男女混合リレー!そして全競技で最大のポイントが入る、チーム対抗デッドリレー!まずは男女混合二人三脚から。出る方は準備の方をお願いします』

 

ゼ「今のところ3位か。やはり木場や部長等のいるチームは強いな」

 

絶「カリスマ性があるからな。王としての素質低いわけじゃないし上手くチームの士気を上げている。こちらも上げれるようなのはいるが・・・やってくれないからな」

 

俺たちの向ける視線の先。そこには囲まれている白音と葉月の姿があった

 

絶「折角の学園のアイドルなのに」

 

ゼ「2人とも表だって動こうとはしないさ。私たちと同様、身体能力も人間並みに抑えているし」

 

絶「そこであまり抑えてないのが他のオカ研なんだよなぁ。一応文化部系なんだから陸上部と同等以上の記録を出したらダメだろ」

 

3人とも容赦なく悪魔の身体能力を使ってきたからな。抑えているようだが俺たちからしたらだいぶ軽い

 

絶「まあ、これは大丈夫だろう。お互いどれだけ合わせれるかが一番重要だからな」

 

ゼ「絶斗と一緒に出たかったのに・・・」

 

ゼノヴィアは足の紐を結び笑い合うイッセーとアーシアを羨ましそうに見ていた。もしあの時ゼノヴィアがじゃんけんで勝っていたらあそこにいるのは俺たちだったかも知れないな。そしてイッセーたちの走る番になり、みんなの応援を受けながら2人は見事一位になることができた。

 

イ「よっしゃあ!勝ってきたぜ。どうだ俺とアーシアの走りは」

 

絶「よかったじゃないか。ポイントの差が縮まったぞ」

 

電光掲示板には部長達のいるチームはあまりポイントが入らなかったようで俺らを含む3チームとの差が縮む結果となった。だが順位はまだ変わらない

 

『さあ次は借り物レース。指示書に書いているものを持ってゴールしてください。ただし、中には爆弾内容もあるので当たった方はご愁傷様です』

 

イリ「じゃあ行ってくるね」

 

ゼ「ああ、頑張って来い」

 

ゼノヴィアの声援を受け待機場所に移動するイリナさん。待機場所には白音さんの姿もあった

 

 

 

イ「やったみんな!1位よ!」

 

ゼ「やったなイリナ!」

 

イリナさんが見事1位でゴール。マイクと言う放送席に行けばあるような当たりの内容で1位をもぎ取ってきた。まあ1位よりも好きな人or恋人、と言う内容だった他のチームの女子は顔を真っ赤にして相手を連れて来てたっけ。酷い公開処刑だが盛り上がりはすごかった

 

イ「次は白音ちゃんか!頑張れー!」

 

ゼ「彼女ならば大丈夫だろう」

 

絶「そうだな」

 

心配する要素がない。スタートの合図と共に飛び出し2番手で指示書を取った白音さん。内容を確認するとこちらに向かってきた

 

白「へ、兵藤先輩。来てください」

 

イ「え?俺?」

 

白「はやくしてください。負けますよ」

 

声は普段の声で急がせているようだがイッセーを見る目は冷たかった。それに変態と言いそうになってたぞ。そのことに気付かないイッセーは言われるがままついていく。周りはさっきの内容のことを思い出しイッセーにブーイングを出していた

 

「イッセーてめぇ!学園のアイドルにまで手出しやがって」

「うらやまけしからん!覚えていろ!」

イ「おまえら味方じゃねぇのかよ!?」

 

他のチームだけでなく自分のチームにまで言われるとは思わなかっただろう。走行しているうちにゴールし指示書の確認に移る。そしてその内容は・・・

 

『指示書に書かれていたのは一発殴りたい奴。東雲さん。何故これを』

 

イ「俺をもの扱いするな!」

 

白「覗きやその他諸々。私のみならず他の方にも色々と迷惑を掛けてますからね。皆の前で制裁でもと」

 

イ「ひどくない白音ちゃん!?」

 

『はいオーケーです!1位はこれを連れてきた東雲さんです。2位はわずかに遅れた○○さん。3位、4位もゴールしました。』

 

よし、これで2位にはなったな。次のゼノヴィアのでる男女混合リレーで逆転も可能かもしれない

 

『見事1位に輝いた東雲さんには指示書通り一発殴ってもらいます』

 

イ「なんでだ!!?おかしいだろ!!」

 

白「・・・覚悟」

 

抵抗するイッセーに白音さんがアッパーを顎に叩き込んだ。打ち上げられるイッセーはまるで漫画の様だった。

その後行われた男女混合リレーではゼノヴィアの奮闘も空しく3位になってしまったが、最後のチーム対抗デッドリレーでは松田が陸上部よろしくの速さで1位となりチームを優勝に導いた。その日の夜、俺は頑張ったご褒美をくれとゼノヴィアに甘えられていた



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決闘者編 その7 前編

今回はこの章でのユーガたちの行動(本編の裏側)のためデュエルはありません
楽しみにしてくださっていた方々、次章で2回する予定なのでご了承ください


【3人称side】

 

駒王学園で新学期が始まる少し前。ヴァルハラの一室には高くそびえ立つ書類の山いくつもそびえ立ち、部屋の主であるロキはそれを高速で処理していっていた。そんな中、ドアをノックする音が部屋に響いた

 

ロ「・・・入れ」

 

フ「失礼します。オーディンより手紙が送られてきました」

 

部屋に入ってきたのはロキの息子のフェンリルだった。彼は手に持っていた手紙をロキに差し出すとロキは一旦書類から手を止めた

 

ロ「何だと?予定では一度帰ってくるはずだが」

 

手紙を受け取ったロキはその内容を確認するが、読み進めるとワナワナと身体を震わせ・・・

 

ロ「あの駄神がーーー!!!」

 

怒りの叫びをあげながら手紙を破り捨てた

 

フ「何が書いてたんですか?父様」

 

ロ「奴め。面白い者を見つけたからまだしばらく帰らないとぬかし、さらにその滞在費諸々を寄越せと言ってきやがった!帰ってくるというから我が奴の分までしてやってるというのに奴ときたらーーーー!!!!!」

 

ガーーーーと暴れるロキにフェンリルは書類が散らばらないよう抑えているだけだった

 

ロ「ハー、ハー。もう、我慢の限界だ。奴には報いを受けてもらわねばならん。あの計画を実行に移すとしよう。ユーガとミドガルズオルムを呼んで来い」

 

フ「ユーガは分かりますがミドガルズオルムはラグナロクまで起きないと宣言して深海で眠ってますよ?」

 

ロ「奴に直接仕事をさせようとは思ってない。欲しいのは素材だ。鱗や爪など回収できるだけ回収してきてくれ」

 

フ「ああ、なるほど。分かりました」

 

フェンリルは納得したのか了承すると部屋から出ていった。残されたロキはこれからの予定と策を練り始めていた

 

ロ「まずは生産からだな。それと同時にあれを他の者たちに回さねば」

 

ロキが見つめる先、棚の中には束ねられた紙が厳重に保管されていた

 

 

 

 

ロキがフェンリルから手紙を受け取っていた頃、ユーガは郊外の草原でアーサーと身体を動かしていた

 

ア「久しぶりと言う割にはかなり動けてますね」

 

ユ「これでも身体はガッチガチだったんだぜ。最近忙しかったからなー」

 

いつぞやのデュエルの時と同様、ユーガは《ロード・オブ・ザ・レッド》の鎧を身に纏い、《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》を装備してアーサーと軽く手合わせをしてもらっていた。剣の使い方など全く分からないはずのユーガだが、モンスターである《ロード・オブ・ザ・レッド》と一体になることにより武器の扱い方や体の動かし方が自然と分かっていた

 

ア「今まではどうしてたんですか?」

 

ユ「魔獣・魔物狩りをして生活してたからな。身体を動かすには困らなかったさ」

 

ユーガの《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》が弾かれ地面に突き刺さる。それを合図に《ロード・オブ・ザ・レッド》の鎧も消えていき、《真紅眼の黒竜剣(レッドアイズ・ブラックドラゴン・ソード)》も消えていった

 

ユ「やっぱり勝てねーか。手加減してもらってるとは言え負けるのは悔しいなー」

 

ア「ユーガはこれが本職じゃないでしょう。とは言え並の騎士よりも動けてるんですから十分と思いますよ」

 

アーサーはユーガの動きに素直に褒める。事実、手加減してもらっているとはいえ、人間の中でトップクラスの剣の使い手であるアーサーと一対一で打ち合える点でユーガももかなりヤバイが、本人はその自覚が全くなかった

 

?「2人の演舞。大変素晴らしいものでした。曹操はどう思いましたか」

 

腰を下ろし休んでいる2人に近づいていく謎の2人。その内の銀色の髪の男が先の手合わせを褒めていた

 

曹「ああ、英雄にふさわしい素晴らしい力だ」

 

黒髪の男が微笑みを浮かべながら答えた

 

ア「曹操にジークフリート!?何故ここに!!?」

 

ユ「(()()()()原作キャラか。大方スカウトしに来たってところか)」

 

曹「それはもちろん、ユーガ・キリュウとアーサー・ペンドラゴン。君たちをスカウトしに来た。その力、ただ持っているだけではもったいないとは思わないか?俺たちと来れば十二分に発揮できるぞ」

 

ユ「(まあ予想していた通りか)断る。お前たちが何者かも知らないしそもそもメリットがない」

 

ジ「そう思いましてこちらを用意しました」

 

ジークフリートが一本の剣を腰から抜いた

 

ジ「我々と来ていただければこの支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)をお渡ししましょう。伝説の魔物や上位神滅具の攻撃・魔法・物理法則といった様々な存在を意のままに操ることができるとされる。エクスカリバーの中で最強の剣です」

 

曹「アーサーは言わずともユーガの腕でも扱えるだろう。どうだ?俺たちと共に来てるれるか?」

 

ユ「(誰が負け確定の組織に加担するか!答えは決まっている)断る」

 

曹「そうか。なら、無理矢理でもついてきてもらおう!」

 

曹操が黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)を展開し、ジークフリートも持っていた支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)をそのまま構える。そして、その能力を使おうとするが

 

ユ「トラップ発動《裸の王様》!」

 

ユーガはあらかじめセットしておいたカードを発動させる。そのカードは《裸の王様》。その効果はフィールド上の全ての装備カードの効果は無効するというもの。当然装備扱いの支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)は使うことができず、何も知らないジークフリートは力が使えず悲鳴を上げた

 

ジ「何故!?何故支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)が使えない!!」

 

曹「落ち着け。おそらくユ-ガのせいだ。あれを押さえれば元に戻」

 

ジ「曹操!?」

 

突如赤白い光が曹操を飲み込み、吹き飛ばした。ジークフリートがその光が発射された方を向くとそこには紫色のカードが浮かんでいた

 

ユ「曹操には《魔神火炎砲(エグゾード・フレイム)》で退場させてもらった」

 

魔神火炎砲(エグゾード・フレイム)》の効果はコストとして手札・デッキから「封印されし」モンスター1体または「エクゾディア」カード1枚を墓地へ送ることでモンスター1体を対象のカードを持ち主の手札に戻す。というもの。そのため曹操は持ち主(英雄派の拠点)へと戻されてしまった

 

ユ「続けていくぞ、《強制退出装置》。チェーンして《強烈なはたき落とし》」

 

ジ「なっ・・・」

 

ジークフリートのてから支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)がはたき落とされる。ジークフリートが手を離した瞬間、足元に人一人分の穴が空きジークフリートはそこに落とされた。そして・・・

 

ユ「発射!」

 

ユーガの合図とともにジークフリートは自身の拠点へ脱出させられてしまった。その場に残ったのは地面に刺さる支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)ただ一本のみ。ユーガそれを引き抜くとアーサーに尋ねた

 

ユ「要るか?これ」

 

ア「要りません。そもそもが偽物ですから」

 

ユ「だよなぁ」

 

要らないものの処分に困った2人。そこでユーガはいいことを思いつき一枚のカードを発動させた

 

ユ「そうだ!作った奴に送れば良いんだ!アーサー、これを作ったのは誰だ?」

 

ア「詳しくは分からないが教会・天界が作っていたはずです」

 

ユ「そうか。なら天界の一番偉い人に行ってくれ」

 

ユーガが支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)を発動したカード、《強欲な贈り物》の壺の中に入れ、木の箱の中に戻すと壺は箱ごと消えてしまった

 

ユ「これで良し。無事届いているはずだ」

 

ア「やはりそれはすごいですね。警備を無視して確実に届けることができますから」

 

ユ「相手に利になるものだけだがな」

 

ユーガがたまに使っている《強欲な贈り物》発送。元の効果のせいか相手が喜ぶものしか受け付けない。だが何の干渉も受けずに安全に相手に送れるため、ユーガは地味に便利だなと思っていたりする

 

ユ「さて、戻ってこないとは思うが俺たちも帰るか」

 

ア「そうですね」

 

乗ってきたDホイールに乗りヴァルハラに戻るユーガ。途中でアーサーを下ろし入口に向かうとそこにはフェンリルがユーガを待っていた

 

フ「ユーガ。父様がお呼びです」

 

ユ「ロキが?」

 

不思議に思うユーガだったが、深くは考えずロキの部屋へと向かった



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決闘者編 その7 後編

短いし内容ないしこんな駄文で更新してしまいすみません
練っていた内容完全に忘れてしまっていつも以上にひどいな駄文になってしまいました


【ユーガside】

 

アーサーと別れた俺はフェンリルに連れられロキの執務室の前に来ていた

 

フ「父様、ユーガを連れてきました」

 

ロ「入れ」

 

フェンリルがノックし、入室の許可を得た俺は執務室へと入った。そこには机の上に大量の書類の乗せたロキの姿があった

 

ユ「なんだよロキー。もう書類仕事はこりごりだぜ?それともロセ達が帰ってきたのか?」

 

ロ「そのことを踏まえこれを読め」

 

ロキが投げ渡したのは一通の手紙。それを指2本で受け取り中を開いて読み進めるが・・・

 

ユ「・・・・・・はぁ!?まだ帰ってこないのか!!!ロセに会えるの楽しみにしてたのに」

 

マジかよ。しばらく会ってないぞ。ロセの手料理も食べたいのに

 

ロ「分かったか。あの駄神の周りにいる以上、振り回され尻拭いされるばかりだ。故に我の計画を手伝え、ユーガ」

 

ユ「・・・計画って?」

 

膝をつき落ち込む俺を机の上から眺めていたロキは何かの計画を話した

 

ユ「・・・・・・なるほど。で、もう始まってはいるんだろ?」

 

ロキの計画はかなり危ないものだ。だが成功すればこの忙しさからも解放される

 

ロ「ああ、今フェンリルにミドガルズオルムのところに向かわせている。戦力としてはミドガルズオルムの鱗等を触媒に作るドラゴンに我、フェンリルと孫2匹。それにユーガ、お前だ。ヘルにはわずかな間だが我の代行を務めてもらう」

 

ユ「確かにヘル嬢は忙しいからな。ん?俺もか?」

 

ロ「あちらにロスヴァイセがいる以上お前にも出てもらわなければならない。下手すればこちらが負けるからな」

 

ユ「確かに。ロセを抑えれるのは俺だけか」

 

ロ「話は以上だ。乗ってくれるか?」

 

ハイリスクハイリターンだがやるべきだろう

 

ユ「協力はする。ただし、終わったらロセと一緒に休みをくれ」

 

ロ「それぐらいならばいいだろう」

 

よし!これで終わった後もゆっくりできるな。と思ったらロキが紙の束を押し付けてくる

 

ロ「ついでだそれはお前の方で処理しろ」

 

ユ「ちょっと待って!何で俺が」

 

ロ「計画を進めるにも仕事は別だ!ただでさえサボっていた奴のせいであるんだ。手伝え」

 

ユ「んな理不尽なー」

 

結局は引き受けてしまった。・・・しょうがないか

 

 

 

 

 

それからやや経ち、戦力の充てもできたころロキが日本に飛んだ。間に合っていればいいが

 

ゼ「ユーガ、来たぞ」

 

ユ「ゼファードル!久しぶりだな」

 

折角だし鬼の居ぬ間に洗濯しようか。仕事は《極神》に頼めば問題ないし少しは休まないとな

 

 

 

 

 

 

【ロキside】

 

ロ「ここか」

 

我は極東の地、日本に来ている。この地を守護する龍神の手を借りねばならぬのは少々癪だが無断で行った結果、計画を邪魔され潰されるようなことになれば事だ。奴もこの地に来るならば護衛として雇う可能性もある。ならば初めからこちらに強力させておく方が賢明だ

 

ロ「北欧のロキだ」

 

楓「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」

 

中々に優秀だな。一報入れてたとは言えすぐに気づくとは。流石は禍の団(カオス・ブリゲード)とか言う輩からの被害0なだけある。この土地特有の衣装に身を包んだ男に連れられ通された一室、そこには青銀の長い髪の男が座っていた

 

蒼「お待ちしておりましたロキ様」

 

ロ「其方が日本の青龍か。噂は聞いているぞ」

 

二天龍を無傷で下したとか色々とな

 

ロ「此度はある計画に手を貸してもらいたい」

 

話していくがどうやら奴からは依頼は来ていなかったようだ。これは好都合

 

蒼「なるほど。おそらく依頼が重なると思われますが」

 

ロ「それはあちらが終わってからでいい。その方が都合がいいからな」

 

蒼「そうですか。では料金はこちらとなります」

 

ふむ、予想よりは多いが予算内か

 

ロ「それでよい」

 

蒼「では、契約成立と言うことで」

 

ロ「頼むぞ。裏切りも失敗も許されんからな」

 

蒼「おまかせください」

 

一番の懸念も取れたことだ、急ぎヴァルハラに戻るとしよう。しかし、極東の地の神も馬鹿にはできんな。内の神も少しは見習ってほしいものだ



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放課後のラグナロク
戻ってきた日常?


遂に3人の主人公が集う7章に入りました。いつも通り出だしは何もないですけどね~


【絶斗side】

 

体育祭というイベントが終わった。1年生と3年生は文化祭まで少し時間があるが俺たち2年生は高校最大と言っても過言ではないイベントが待っていた

 

担任「というわけで君たちが待ちに待った修学旅行だ。まずは班を決めてもらう」

 

「「お~~~~~」」

 

担任「ただし、時間を掛け過ぎるなよ。決められなかったら出席番号で分けるからな」

 

「「えぇ~~~~」」

 

早速仲のいい者同士で集り合いグループができていく。俺はもちろん

 

ゼ「絶斗!私たちの班に入らないか?」

 

絶「もちろんだ。入らせてもらう」

 

ゼノヴィアのいる班に入った。他はイリナをはじめ中の良い女子ばかりだが構うことはない

 

「あと一人・・・あっ!ダメよアーシア!そんなところに居たら」

 

残る1人を探していたらイッセーと一緒にいるアーシアを発見した。イッセーは元浜と松田と組もうとしていた

 

「あんなところに居たらアーシアが心配よ。変態が移ってしまうもの」

 

イ・元・松「誰が変態だ!」

 

ア「イッセーさんは変態じゃありません!」

 

絶「いや、変態だろう」

 

それからアーシアを引き抜こうとするもアーシアはイッセーと一緒じゃないとそれを拒否。ギャーギャー騒ぎ、先生に目をつけられた。仕方なくアーシアの勧誘を諦めたようだが・・・大丈夫だろうか。元浜と松田は更生しかけているがイッセーは変わらず己の道を行くだからな~

 

「そう言えば1年生に留学生が来たって話知ってる?」

 

「嘘それほんと?」

 

「ホントだって。妹のいるクラス来たみたいなんだけど金髪のお嬢様みたいな子なんだって」

 

留学生か、珍しいな。だが無くはないだろう。部長も似たような設定で通しているし

 

「それで、名前はなんていうの?」

 

「えっと、レイヴェル・フェルクスですって」

 

レイヴェルだって?それにフェルクスってフェニックスに似すぎている。偶然か?

 

絶「ダメだ。分からない」

 

ゼ「何がダメなんだ?」

 

絶「いや、何でもない」

 

気配を探ろうにもこうも空気を仕切られていては俺では分からないな。放課後、部長にでも聞いてみるか

 

 

 

 

 

【レイヴェルside】

 

ようやく日本に来ることができました。旧悪魔やグレモリー達のせいで日本にいるには許可がいるようになってしまいました。そのため葉月と白音と手紙のやり取りするためだけに冥界から出たりしてましたがそれももう必要ありません。苦労こそ冥界では両親の説得したり、塞ぎこむ兄を励まし起こしたり、日本でも滞在中多大な制限を掛けられるなど多くありましたが、そのかいあってどの悪魔よりも早く許可を得ることができました。そして今日から2人が通う学園に留学と言う形で通うことに・・・楽しみですね

 

「それじゃあ入ってきてくれ」

 

レ「はい」

 

担任である学園の人間に言われ教室に入ります。そして

 

レ「留学生としてやってきましたレイヴェル・フェルクスです。家の方で少しトラブルがあり少し遅れましたが今日から約1年お世話になります。みなさん、よろしくお願いします」

 

教室に入ると葉月と白音、2人の姿がありました。これから楽しくなりそうです



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オカ研を離れるものたち

ここ2週間、日曜日に書いていると頭痛と熱が出て酷い(ヤバーイ)
何とか平日に書き切るようにしないと


【3人称side】

 

レイヴェルが学園に留学生として入学し東雲姉妹と授業を受けている頃、青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)の敷地内にある倉庫の中で蒼枒と黒歌は黙々と作業をしていた

 

ツーーー、コツン、スゥーー・・・カラン

 

蒼枒から生える枝から木の札が作られ落ちる。青龍の力の籠った板が音を立て机に落ちると黒歌がその板を自身のもとまで引き寄せ、手に取り青龍の力を別の物へと変質させていく。そして結界の要へ変わったそれは2人の後ろへと投げられる。そこには同じように作られた札が山を築いていた

 

黒「ねぇ蒼枒ぁ」

 

蒼「どうした?」

 

黒「よく悪魔を入れる気になったね。何かあったの?」

 

蒼「俺は何もしていない。そもそも許可さえあれば日本にいることも可能にしていたからな。許可を出したのはイザナミ様だしその条件も十分にきついものだった」

 

黒「ふ~ん」

 

話をしながらも2人の手は止まらずまた1つ山に札が投げられた

 

蒼「俺たちの邪魔をせず、変なことをしなけれ1年間いられるんだ。本人は葉月たちに会いたかったとの報告もあるし問題ないだろう」

 

蒼枒は箱を取り出すとその中から1匹の蛇を取り出した。オーフィスが落としていったそれを蒼枒は押しつぶし固めると1つの宝玉を作り出した

 

蒼「監視も常に光らせているし蒼歳(そうせい)町に住むんだ。心配することはないだろう。それよりも今は結界の準備を進めないとな。どれだけ必要かわからないが頑張ろうな」

 

黒「うん!まかせるにゃ」

 

頭を撫でられた黒歌は嬉しそうに蒼枒に寄り添う。2人から放たれる甘い空気が倉庫の中を満たしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

リ「ようこそオカルト研究部へ、歓迎するわ」

 

レ「お久しぶりです皆さま。お久しぶりです」

 

授業が終わり部活に入っている学生はそれぞれの部活に向かう。幽霊部員となっていた東雲姉妹はレイヴェルを連れて久しぶりにオカルト研究部に出ていた。そこで待っていたのはオカ研の面々。その中には当然絶斗とゼノヴィアの姿もあった

 

レ「私が来ることをよくご存じでしたね。かなり内密に進めていたのですが」

 

グ「アザゼル先生から聞いたのよ。もっと早く教えてくれていればちゃんとした歓迎もできたのだけど」

 

アザ「しょうがねえだろ色々忙しんだからよ。俺も聞いたのが昨日だったからな」

 

葉「それはそうと。先輩、これを渡しに来ました」

 

葉月がリアスに渡したのは退部届、それを見た部長達は驚きの声を上げた

 

リ「ちょっとどういう事!?」

 

イ「いきなり!それになんで!?」

 

白「レイヴェルの監視の仕事がありますので。それに不都合があっては困りますし」

 

葉「今までもほとんどで出ていませんでしたから。これを機にやめてしまおうかと」

 

リ「ならレイヴェルもオカ研に入ればいいじゃない」

 

レ「すぐに住居に戻るように厳命されてますのでそれは叶いません。今日も挨拶を終えたらすぐに帰ります。では」

 

そう言ってレイヴェルはソファから立ち上がり東雲姉妹と一緒に部室から出ていった。一枚のディスクを残して

 

 

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

レイヴェルが去り際にテーブルに置いてった一枚のディスク。それは冥界で使われている記録媒体の様だった。アザゼル先生が持ってきた機械で早速読み込むとその内容はフェニックス家から部長、そしてイッセーに娘であるレイヴェルのことをよろしく頼むというものだった

 

リ「・・・やっぱり彼女を引き入れましょう。こうして頭を下げてまで頼まれたら無下には出来ないわ」

 

イ「俺が何とか説得します。見知らぬ土地で周りに知り合いもいなければ不安でしょうから」

 

リ「頼んだわよイッセー」

 

相手の意思も関係なしに勝手に決めてる。自分勝手と言うかなんというかな

 

ゼ「絶斗。私たちも」

 

絶「そうだな」

 

怪しまれ始めているからオカ研からあまり離れるような行動はとりたくないが、修行は続けなくてはならない

 

絶「先生。修行があるので俺たちは帰ります」

 

アザ「・・・あまり深入りするなよ。もしかするとヤバい奴と繋がっているかもしれないからな」

 

絶「一体どういうことですか?」

 

アザ「いや、何でもな。忘れてくれ」

 

部長達はどうやって入部させるか盛り上がっているためアザゼル先生に一言言って帰ることに。だがその際に不思議な一言をもらった。ヤバい奴とはいったいなんだ?日本を守る神様が壊すようなことを考えるとは思えないんだがな



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放課後の不死鳥娘

レイヴェルに武器を持たせてみました。どうですかね?


【3人称side】

 

西の空に薄らと日の光が見え夜が辺りを包み込むる頃、蒼枒と黒歌は青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)の倉庫の中で結界に使う札を山となった札に囲まれながら休みなく作っていた

 

蒼「・・・もう半日経ったか。少し体を動かすか」

 

黒「ふにゃ~~。疲れたにゃ~」

 

蒼枒が札を作り出していた枝をしまい立ち上がると、黒歌も腕を上げ身体を伸ばした

 

蒼「肉体的にはやろうと思えば依頼当日までずっとやってられるが気分はそうはいかないからな」

 

黒「そうねー。あ、分身がご飯作っているからいつでも食べれるにゃ」

 

蒼「ありがとな。葉月達が悪魔と戦ってるから少し混ざってみようか」

 

黒「にゃ~。うん、行こう!」

 

頭を撫でられご満悦の黒歌は蒼枒の腕を取り自身の腕と絡めるた。2人は倉庫の外に出ると転移陣を出し揃って潜った

 

 

 

 

【レイヴェルside】

 

学園を後にし蒼歳(そうせい)町に用意された家へと帰ってきた私は白音たちに端に小屋がある以外何もない広場に連れて来られました。そこで何かあったときのため自衛ぐらいはできるようになってほしいと言われ戦いを始めたのですが・・・

 

レ「ハウッ、グ・・・」

 

白「下の下、は言い過ぎですが弱いですね」

 

お腹を殴られ吹き飛ばされ、勢いよく木にぶつかり地面へとズレ落ちる私に厳しい評価が下されます。以前兄との戦いをゲーム後に見ましたがあれでも本気ではないそうで、悔しいことですが兄よりも弱い私に白音たちを倒せる力はありません

 

葉「もう少し手加減してもいいんではないでしょうか?」

 

レ「いえ、このまま続けてください。幸い私はフェニックスなので耐久力の心配はありませんので」

 

特に聖なる力を使われてもいないので回復に問題はありません。私の心が折れない限り何度でも戦うことができます

 

白「死なないので助かります。絶斗先輩とゼノヴィア先輩の時は死んだら迎えに行ってましたからね」

 

葉「肉体を再生させて、離れた魂を入れて。お兄様と白音が何度も行き来してましたのが懐かしいですね」

 

白「まだ1か月ぐらいしか経ってませんよ」

 

私が構えると同時白音も構えます。無手だったた私の両手には渡された鉄扇が開かれた状態で、白音は閉じた状態で握られています

 

白「私も使えたものではないですが、歴代の朱雀の方々は好んで使っていたそうです。私も血が混ざっているのでわずかながらお教えできます」

 

葉「現朱雀は本当に戦いで舞うと聞きます。それを目標に頑張りましょう!」

 

レ「はい、では、行きます」

 

炎を出しても白音にいいように扱われ、逆に相手の有利になってしまうので熱風を中心に受け止め、流し、反撃することを心がけます

 

レ「え、がぅ」

 

心がけてもそれを実行できるようになるのはいつになるでしょうか。高速足払いで体制が崩れたところに鉄扇で地面に叩きつけられました。魔力の扱い中心で近接訓練をあまりやってこなかったつけですわね。足払いの時しゃがんだようですがそれが全く見えませんもの

 

蒼「・・・修行か?」

 

葉「お兄様!はい!せめて自衛ぐらいはできるようにと」

 

蒼「確かにな。盗賊紛いも最近多いし自分の身ぐらいは守ってもらいたいからな」

 

空中に魔法陣が現れ出てきたのはこの地に住まう龍であり、神でもある青龍とその伴侶。一目見ただけで状況を理解するとは流石この地を納めていますね。それにここ蒼歳(そうせい)町は龍の顔前にあると言ってもおかしくはないですし当然と言えば当然でしょうか

 

黒「白音が武器を持つなんて珍しいにゃん」

 

白「レイヴェルに合いそうなのがこれぐらいなもので。お姉ちゃんの札づくりはどうなんですか?」

 

黒「小山がいくつもできたにゃ」

 

白「それはまた多いですね」

 

黒「でもまだまだ足りないのにゃ」

 

青龍の伴侶、ssはぐれ悪魔黒歌・・・いえもう悪魔ではないのでしたわね。も白音と話しています。今のうちに少しだけ動きを考えてみましょうか

 

絶「ん?留学してきたフェニックス家か。なんでこんなところに」

 

レ「それはこちらのセリフですわ。青龍は悪魔嫌いと聞いていましたのに」

 

ゼ「色々あってな。私たちはここで毎日修行をしているのさ。まさかこんなすぐ再会するとは思わなかったよ」

 

この方々はグレモリー眷属のはずですのによく居られますわ。一体どんな手を使ったのでしょう。気にはなりますが今は訓練に集中します

 

レ「白音、まだお願いします」

 

白「分かりました」

 

白音が一歩踏み込んだところで見失ってしまいました。こういう場合上か後ろが定跡、上へ意識を向けながらその場で回転しようと身体を捩じったとき空から声が聞こえました

 

?「青龍殿ー!助けてくれー!」

 

反射的に鉄扇を振るい火の玉をいくつも打ち出しますが簡単に避けられてしまいました

 

?「青龍殿、助けてくれ。朱乃が、あけのがー」

 

蒼「バラキエルさん。一体どうしたんですか?」

 

レ「バラキエルですって!!?」

 

神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部がどうしてここに!?

 

バ「ん?君は悪魔か。何故日本に悪魔が」

 

蒼「そいつは許可を得てきたから大丈夫だ。で、どうしたんだ」

 

バ「そうだ!朱乃が赤龍帝と日曜にデートするんだ!」

 

東雲家・絶・ゼ「それは、ご愁傷さまです」

 

バ「言うな!だから何かされないか心配で仕方がないんだ」

 

私以外が一斉に手を合わせ軽く頭を下げると堕天使が叫びました。確かに白音たちからの評価はよくない方ですもの。そんな殿方と娘がデートすると聞いたら親としては心配ですわね。・・・ですが少し気になります。こっそり見に行ってみましょうか



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デートと観る者

【レイヴェルside】

 

学園の休日、日曜日ですわ。そして赤龍帝がグレモリーの『女王(クィーン)』とデートする日でもあります。今私たちは烏に変化して駅の近くのビルの屋上に来ています

 

レ「待ち合わせ場所に時間前に到着。殿方として当然ではありますが、辺りをキョロキョロし過ぎですわね」

 

白「・・・レイヴェルも物好きですね。アレのデートを観るなんて」

 

葉「いいじゃないですか。終わった後修行をしてくれれば何の問題もないですし」

 

私はちょっとした興味で来ていますが葉月たちは私の監視で来ています。興味のないものを見るのは退屈でしょうし2人には罪悪感がありますわ

 

葉「それにしてもデートの日が今日とよくわかりましたね」

 

レ「学園でそわそわしているところを尋ねたらすぐにバラしてくださりましたわ」

 

何の苦労もなく知ることができてよかったですわ。そうしているうちグレモリーの『女王(クィーン)』が到着しました。いつものポニーテールと違い髪を下ろしてますのね。2人は2、3言葉を交わし、互いにどこか恥ずかしそうにしていますわ。まるで付き合いたての初々しいカップルのようですわね

 

葉「・・・私もいつかはああなるのでしょうか?」

 

白「どうですかね?血筋的に恋を飛ばして愛的な家系ですし・・・私は違いますけど」

 

葉「白音は朱明さんに恋してますものね」

 

レ「その朱明と言う方はどういった殿方ですの?」

 

葉「白音の師匠に当たる方ですよ。私たちよりも少し年上で、純粋な朱雀です」

 

青龍のですもの。残る3神とも知り合いなのは当然ですわ。それに白音の師匠と言うからには素敵な殿方なのでしょう

 

白「レイヴェル。動き始めましたよ」

 

そうでした。今は赤龍帝の追跡が先ですわ

 

レ「私たちも行きますわ」

 

葉「分かりました。あら?」

 

レ「どうしました?」

 

葉「コンビニから駅の方向にビル2つ。その陰に面白いのがいますよ」

 

葉月の言葉通りに視線を向けるとその先にはサングラスと帽子を被った紅髪の女性に同じくサングラスをかけた金髪の女性。ハンカチを噛みながら引っ張っているローブ姿と紙袋をかぶった怪しい奴

 

レ「それに変装無しですのね。グレモリーの『騎士《ナイト》』は。あそこまでいったら彼も変装すべきでしょう」

 

白「そもそもあれで変装出来てると思っているでしょうか?滑稽ですね」

 

確かに見る人が見ればすぐにばれますし、あとの2人に関しては不審者ですわね。ちなみに青龍の下に修行に来ている2人はいませんわ

 

レ「あれはあれで時折見る程度にしておいて私たちも行きますわ」

 

さて赤龍帝の、下品な番組の主役の日常はどういったものなのでしょうか。観させてもらいましょう

 

 

 

 

 

 

【絶斗side】

 

俺とゼノヴィアは修学旅行に必要な物を買いに来ていた。いつもなら朝から夜まで修行するため時間がないのだが、蒼枒さんたちの都合で平日同様の1時間しか出来ないと言われたため時間に余裕ができた。少し早いが時間があるときにやっておいたほうが良いだろう

 

ゼ「絶斗。残りはなんだ?」

 

絶「え~と、後は・・・」

 

買い物リストを見ながら必要なものを買っていく。前のデートみたいに遠出はしていない。駅の近くで十分にそろえることができるからな

 

?「ゼノヴィア!それに絶斗!?」

 

?「あらあら。こんなところで奇遇ですわね」

 

前からの声に首を上げるとイッセーとワンピースを着た黒髪の女性がいた

 

ゼ「(見慣れない女性だな?)・・・副部長?」

 

朱「フフフ。よく気付きましたわね」

 

髪を下ろしているせいで一見わからなかったが朱乃先輩か

 

イ「クッソー。おまえらもデートかよ」

 

絶「デートと言われるほどデートはしてないけどな。楽しむよりも買い物メインだ」

 

手に持っている袋を上げて見せる。中身は修学旅行に必要な物ばかりだ

 

イ「はぁ!?おまえらもう準備してるのかよ!?」

 

絶「近くになって慌てるよりも時間あるときにしといたほうが良いだろ」

 

イ「まあ、それはな・・・」

 

イッセーの視線が見せる荷物から外され

 

イ「痛っ!」

 

朱「イッセー君?」

絶「人の彼女にいやらしい視線で見つめやがって。目つぶしされないだけありがたく思え」

 

朱乃先輩がイッセーの背中に電気を流し、俺は額を殴ってやった

 

イ「しょうがないだろ。ゼノヴィアのおっぱいがこんな近くで見れるチャンスだからな!」

 

絶「威張るな。デート中なんだから他の女性に目を向けるなよ」

 

夏本場は過ぎたとはいえまだまだ暑いからな。ゼノヴィアの服装もTシャツにショートパンツとかなり薄い。視線を向けてくる男共もいるがデート中であるイッセーがししたらダメだろう

 

絶「俺たちはもう行くぞ。じゃあな」

 

ゼ「邪魔したな。2人で楽しむといい」

 

ゼノヴィアの手を引いて足早にその場を離れる。ゼノヴィアは美人だしスタイルもいいから視線が集まるのはしょうがないとはいえ俺としては気持ちのいいものじゃない。知り合いならばなおさらだ。蒼歳(そうせい)町ならばこうはならないのに

 

ゼ「さて、続きを始めようか」

 

絶「ああ。どこまでいったか」

 

ゼノヴィアは戦闘以外では色々無頓着だからな。俺が守らないと

 

?「久しいのぅ。グレモリーの眷属が昼間から楽しそうじゃのぅ」

 

急に話掛けられ声のした方に2人で振り向くと、そこにはラフな格好をして帽子を被ったお爺さん、オーディンさんがいた

 

絶「(今日はよく知り合いに会うな)お久しぶりですオーディン様。それと確か・・・」

 

ロ「ロスヴァイセです」

 

絶「ああ、ロスヴァイセさんか」

 

オーディンの名は有名だけどロスヴァイセさんは2度会っただけだからな

 

オ「ところでお主、何故その娘を庇うように立っているんじゃ?」

 

絶「ディオドラとのレーティングゲームの時オーディン様がやったことを思い出してください」

 

オ「はてさて、何があったかのぅ」

 

とぼけるようにひげを梳くオーディン様。ん?オーディン様がブレた?

 

ゼ「!」

 

オ「っと、危ないのぅ」

 

オーディン様がゼノヴィアの蹴りを杖で受け止めていた。オーディン様もビックリした顔している

 

ゼ「すまない。気配を感じたので咄嗟に蹴ってしまった」

 

オ「ホッホッホ。よく鍛錬しとる様じゃの」

 

ロ「すごい・・・じゃなくてオーディン様! またセクハラしようとしましたね!セクハラなんてしたらいけないと、何度も言っているではないですか!」

 

オ「そう騒ぐでない。お主は本当に堅いのぅ、ロスヴァイセ」

 

ロ「堅い以前の問題です!」

 

ロスヴァイセさんがオーディン様を叱っているが、全く悪びれる気配もなく髭を弄っている。・・・オーディン様、イッセーと同タイプか

 

ゼ「ところで、こんな街中で何故北欧の主神が歩いているんだ?冥界でゲームの観戦に来ているのでは・・・」

 

オ「ちょっとした寄り道じゃよ。赤龍帝にも会っておきたいしのぅ」

 

なんかまた厄介ごとが起こりそうな気が・・・

 

バ「オーディン殿、こちらにいらしたのですか。あまり勝手に動かれては困ります」

 

絶「あ、バラキエルさん。こんにちは」

 

蒼枒さんのところで会った朱乃さんの父親、バラキエルさんが現れた

 

バ「ああ、絶斗君にゼノヴィアさんだったな」

 

ゼ「見るからに護衛のようですね。副部長が心配でしょうに」

 

バ「そうだ!今も赤龍帝の魔の手が伸びないか心配で心配で仕方がないんだが・・・これも仕事だ」

 

もう手遅れかもしれないとは言わないでおこう。だがそれを聞いてオーディン様が目を輝かせた

 

オ「赤龍帝の魔の手とはどういうことじゃ?」

 

ゼ「ああ、2人はデート中なんだ」

 

オ「ほう!面白そうじゃの。早速行くとしよう。ではな、情報感謝するぞ」

 

ロ・バ「あ、ちょっと!オーディン様(殿)!!」

 

足早に去っていくオーディン様に1度俺達に頭を下げた後ついていくロスヴァイセさんとバラキエルさん。この後何か起こるだろうが俺は知らない。早いとこ買い物を終わらせてここから離れよう。それと

 

絶「デートの邪魔はしないようにな。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ、と言うし」

 

ゼ「そうか。次からは気を付けるとしよう」

 

大丈夫だろうか。ま、俺がフォローすればいいか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【レイヴェルside】

 

白「逃げますよ」

 

赤龍帝を観察していた私たちは白音の一声鳴きとビルの手すりから飛び立つのに続き私と葉月もそれを追いかけます。と言っても見ていたビルの反対側に移っただけですが

 

白「完全にこちらを見ていました。バレたと考えてよろしいと思います」

 

葉「まさか変化して認識阻害も軽くですがかけていたのにですか!?」

 

レ「・・・あれは北欧の主神、オーディンですわ」

 

赤龍帝に接触してきた老人。あれはきっと北欧の主神ですわ。かなりラフな格好をしてましたが杖に長く白いひげの人はそうはいませんもの。それに距離もあり色々施したにもかかわらず見破られたとなると間違いないです

 

葉「面倒なことは起こしたくありません。このまま帰ったほうがよろしいかと」

 

レ「そうですわね」

 

悔しいですがここまでですわね。葉月の作りだした魔法陣を通り蒼歳(そうせい)町へと帰ります。今日は楽しめましたし良しとしましょう



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護衛の依頼

【絶斗side】

 

ゼノヴィアと買い物に出かけたその日の夜。アザゼル先生からメールが届いた

 

『月曜日の夜時間を空けといてくれ。詳しくは明日、学校で伝える』

 

絶「と言うことらしい。オーディン様関連か?」

 

ゼ「だろうな。そもそも主神が護衛たった1人。昨日は堕天使幹部を含めて2人だったがそんな少人数で他の神話の領土にいること事態おかしい。冥界の時は招待され客としていたから悪魔側の警備も厳重だったはず。だがここ日本ではそうでもないだろう?」

 

絶「・・・もしかしたら蒼枒さんが修行を見れないのは護衛についてるからか?」

 

ゼ「もしそうならば改めて私たちを護衛につける意味はないだろう。護衛としては十分すぎるはずだ」

 

横から覗いていたゼノヴィアの言う通りならば俺たちは必要ない、が

 

絶「ここであれこれ言ってもしょうがない。明日になれば分かることだ」

 

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後、オカ研でアザゼル先生から伝えられたのは予想通り護衛の依頼だった。詳しいことは依頼主であるオーディン様から話すとのことだ。予定時刻まで余裕があったから一度家に戻りいつもの服に着替えて集合場所に向かった

 

絶「・・・ここであってるよな」

 

ゼ「住所はここで間違いない。何を戸惑っているんだ?」

 

絶「何ってそりゃ」

 

集合場所は住宅街から少し離れたところにあるラブホテルだった。いや、分かるぞ。防音はしっかりしてる(はず)だし客に対しあれこれ詮索されないし、秘密裏にするならうってつけではある。が、入りづらいにもほどがあるだろ。しょうがないから入り口近くでイッセー達を待ちながら中をホテルの中を覗いているとオーディン様が手招きしているのが見えた

 

絶「オーディン様が呼んでいる。仕方がないがいくぞ」

 

ゼ「ん、ああ、分かった」

 

ゼノヴィアも気付き一緒に入る。ロビーに入るとオーディン様がニヤニヤしながら近づいてきた

 

オ「お主等にはまだちとはやかったかのぅ」

 

ゼ「他のメンバーは?」

 

オ「お主等が最初じゃよ。ほれ、さっさとチェックインしてまいれ。カモフラージュにならんからのぅ(もう少し恥ずかしがっても良かろうに・・・つまらんの)」

 

絶「分かりました」

 

言われるがままチェックインを済ませる。全て機械でやるためカウンターに人はいない。確かにこれは都合がいいな

 

 

 

 

 

 

 

イッセー達が到着後、最上階の大部屋に通された。中ではロスヴァイセさんが椅子やテーブルを準備していたが明らかに数が足りていない。そもそも会議するような場所じゃないし仕方がない。先生や部長を優先して俺達は背後で立っているか。と思ったらイッセーが部長の横にちゃっかり座っていた。何してんだと注意しようと思ったが

 

オ「以前に会ってはいるが改めて。儂の名はオーディン、北欧神話の主神じゃ。今回は日本神話との会談のために来日したのじゃ」

 

オーディンは挨拶が始まってしまったのでできなくなってしまった。まあ、いいか。オーディン様も気にしてないどころか部屋の中にいる女性陣に対し何処と無くいやらしさを感じる目で見ているし

 

ロ「オーディン様!何度目ですか!いやらしい目で女の人を見ないで下さい!こちらの方は魔王ルシファー様の妹君なのですよ!」

 

ロスヴァイセさんが注意を促すが馬の耳に念仏だろうな~

 

ロ「相変わらず堅いやつじゃ。目の前にこれ程の美女がいれば反射的にそういう目で見てしまうものしかたあるまいて。と、こやつは現お付きのロスヴァイセじゃ」

 

ロ「改めましてロスヴァイセと申します。日本にいる間、お世話になります。以後お見知り置きを」

 

ロスヴァイセさんが深々とお辞儀をした

 

リ「えっと、今回は護衛の依頼と聞いてましたが」

 

オ「ちょいと我が国で厄介事というか厄介な奴に儂のやり方を批判されてのぉ。そ奴の邪魔が入る前に会談を終えたいと思っておる。じゃが会談まで日が空いておってのぅ」

 

ア「そこで、爺さんが日本にいる間、俺達三大勢力が護衛する事になっている。云わば会談のサポート担当だ。堕天使からは俺かバラキエルが担当する。悪魔からはお前らと生徒会で教会からはまだ返事が来ていない。青龍の宣告が効いていてな。悪魔は言わずとも天使も警戒しちまって堂々と動けないんだ。」

 

イ「なっ!?それじゃ肝心の会談相手の日本神話はどうなんだよ!あっちのせいで護衛がつけれないんじゃ、あっちからだって出さなきゃおかしいだろ」

 

ロ「先日依頼しに行ったのですが急な訪問と言うこともあり会えなかったのです」

 

俺たちは呼ばれてたということもありすぐ会えたけど蒼枒さんだって暇じゃないよな

 

ロ「ですので日を改め再び行く予定です」

 

イ「ふざけてるのか!主神が訪ねてきたっていうのに」

 

絶「落ち着けイッセー。普通こういうのはアポイントメントを取るのがマナーだ」

 

オ「そういうわけでの。お主等とは仲が良くないようじゃが護衛の時はよろしく頼むぞ」

 

俺もオーディン様と同じ意見だ。フレンドリーファイアなんて真似はしないでくれよ。折角譲歩してくれてたんだから

 

イ「分かりました」

 

オ「さて、少々お硬い話をして疲れたわい。アザゼルよ、近くに素晴らしいお触りパブがあると聞いたがそこに案内してくれぬか?」

 

ア「OKだ!俺のおすすめの店に招待してやろう」

 

解散後、オーディンさんはアザゼルさんと一緒に町に駆け出して行った。護衛云々はどうしたって話だ。そりゃあこんなのがトップなら批判されてもおかしくはないな



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もう一つの北欧神の護衛

【3人称side】

 

オーディンがアザゼルと共に夜の街に遊びに行った日から数日が経ったある日の午後。オーディンはロスヴァイセ、護衛のバラキエルと共に青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)を訪れていた

 

オ「長い階段は老体にはちとキツイがここの空気は気持ちがいいのぅ」

 

バ「そうですね。とても澄んでいて堕天使の私は慣れるまで居辛かったですが今では冥界よりも居心地がいいです。っと、迎えが来たようです」

 

バラキエルの視線の先、そこには長い黒髪を1つに纏めた巫女が頭を下げていた

 

レ「オーディン様、ロスヴァイセ様、バラキエル様。ようこそおいでくださいました」

 

オ「黒髪巨乳巫女とはいいのう!「オーディン様!」分かっておるわい。・・・しかし堕天使であるのお主が何故日本の神社にいるのかのう?」

 

オーディンはスタイルのいいレイナーレの姿に気を上げるもロスヴァイセに言われ渋々静めた。

 

レ「行くあてのない私達を拾ってくださった恩があります。・・・青龍様がお待ちです。どうぞこちらへ」

 

バ「ではオーディン様。私はこれで後ほど」

 

ロ「え!?どこに行くのですか!?」

 

護衛をしているにもかかわらず護衛対象から離れようとするバラキエルに驚くロスヴァイセ。バラキエルはここで襲われる心配ないと告げた

 

バ「神域であるここで襲撃があるとは思えませんし、もしあったとしても周りには蒼枒殿の部下が控えてますから安心ですよ。神域を侵されたとなれば蒼枒殿も出てきますし。それよりもオーディン様はご注意なさってください」

 

オ「・・・何をじゃ?」

 

バラキエルの言葉にオーディンは髭を梳きながらしぶしぶ納得するも注意を受けることに疑問を抱いた

 

バ「共に出てくるかはわかりませんが、蒼枒殿の伴侶に手を出しては絶対にしてはなりません」

 

オ「ふむ、聞いておこう」

 

バ「頼みます。もし守らなかった場合・・・」

 

ロ「場合、何ですか?」

 

バ「下手しなくても死ぬことになるので」

 

低い声で忠告するバラキエルに一瞬怯む2人。バラキエルはその場を去るとレイナーレが2人を引き連れ移動した

 

 

 

 

 

 

レ「どうぞこちらです」

 

2人が案内された部屋には足の低い座椅子とテーブルが置かれ、青龍である蒼枒が1人待っていた

 

蒼「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」

 

オ「ホッホッホ。失礼するの」

 

部屋へと入り座椅子に座る2人の前にはいれたてのお茶がすでに用意されていた。オーディンがそれを一口飲み、湯呑を置くのを確認すると蒼枒が話を切り出した

 

蒼「先日は申し訳ありません。私の方も予定がありましたので」

 

オ「こちらこそ、何もなしに突然訪ねたからの、しかたあるまいて」

 

蒼「して、本日はどのようなご用件で?」

 

オ「知っておるじゃろうが会談までの護衛を頼みたい。可能かの?」

 

蒼「そうですね・・・会談終了()()であればお受けしましょう。ただし、丸一日ずっと護衛し続けるわけではないのでそこはご了承ください」

 

オ「分かっておる」

 

 

 

 

 

 

蒼「ではお気をつけてお帰りください」

 

日が赤みを帯び始めた頃、オーディンとロスヴァイセは蒼枒に送られ施設を後にしていた。護衛を承諾後、オーディンの予定や護衛を行う時間、支払う金額を相談していたため長い時間が経っていた

 

ロ「一先ずは安心できます。オーディン様も勝手にフラフラと動かぬようお願いしますよ」

 

オ「分かっておる分かっておる」

 

ロ「(と言っても聞かないんでしょうね。はぁ・・・)」

 

何度言っても聞かないオーディンにロスヴァイセは今回もダメだなと内心思っていた

 

黒「ようやく終わったみたいにゃ」

 

バ「そのようですね。黒歌殿、ではまた」

 

そこに黒歌と別れたバラキエルが合流した。

 

バ「オーディン様、お疲れ様でした。どうでしたか護衛の方は」

 

ロ「時間は決まってます受けてくださいました」

 

バ「そうですか。・・・オーディン様?」

 

オーディンの視線の先には黒歌が尻尾を左右に揺らしながら山の方へと歩いていく姿があった

 

オ「スタイルもいいし、何よりエロいのぅ」

 

バ「オーディン様!ダメです!彼女に手を出しては!!」

 

バラキエルの制止の中黒歌は転移陣を目の前に出し潜り抜けていく。そして姿が完全に消えるとオーディンは落胆のため息をついた

 

オ「消えてしまったか。もっと見ておきたかったのに・・・残念じゃのぅ」

 

バ「だから彼女は危険ですって!彼女が青龍の伴侶なんですから」

 

ロ「あの綺麗な方がそうなんですか!?」

 

バ「そうです。そしてヴァーリが手を出して死にかけた原因でもあります」

 

オ「ほう。白龍皇がのう」

 

オーディンはどこか楽しそうに髭を撫でながら青山龍神宮(あおのやまりゅうじんぐう)を後にした。ロスヴァイセとバラキエルはそれを不思議に感じながら後をついていった

 



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ロキ 襲来

【絶斗side】

 

護衛開始から数日が経ったある日の夜。オカ研のみんなとバラキエルさんはオーディン様の護衛をしていた。ぞろぞろと全員が傍にいるわけにもいかないので数名を残し、他は少し離れたところから護衛を行っていた。予定ではオーディン様が連れてきた8本足の馬『スレイプニル』と牽引する馬車で空を移動するはずだったのだが・・・

 

 

 

 

~~~~~回想~~~~~

 

 

イ「すっげーでけーー!!!」

 

オ「ホッホッホ。これがわしの馬、『スレイプニル』じゃ」

 

俺たちの目の前には巨大な8本足の馬が馬車に繋がれていた。今から俺たちは空を移動するオーディン様が乗る馬車を護衛しなければならない

 

ゼ「なあ絶斗。私たちはどうすればいいのだろうか?」

 

絶「そうだなぁ」

 

リ「あら?どうしたの?」

 

ここで俺とゼノヴィアに問題が起きた。他のオカ研のみんなは天使化したイリナを含み全員飛べるのだ。それぞれ上手・下手はあれど飛ぶ経験はある。しかしずっと剣ばかりを磨いてきた俺とゼノヴィアにはそれがない。悩む俺たちのもとに部長がやってきた

 

絶「部長。いや、俺とゼノヴィアは飛んだ経験が全くないものでして」

 

リ「折角悪魔になって羽根もあるのに飛ぼうと思わなかったの?」

 

絶「飛ぶよりも剣のみをやってきてたので飛んだことがないんです」

 

リ「何をやっているの全く」

 

ゼ「ですから基本は馬車の屋根の上で待機。斬撃で攻撃するしかないと考えます」

 

リ「そうね。無理して落ちたらそれに人員も割かなきゃならないものね」

 

とりあえず基本方針も決まったが

 

ゼ「また大雑把か。変に癖をつけたくないのだがな」

 

ゼノヴィアはあまり乗る気じゃなかった

 

 

 

 

スレイプニルが宙を駆け夜の空へと上がったところで俺たちの前に蒼枒さんが待ち構えていた

 

絶・ゼ「蒼枒さん!?」

 

イ「お前!なんでこんなところにいるんだよ!護衛を頼まれたんだろ!!」

 

蒼「・・・オーディン様。これが用意していたものですか?」

 

イッセーの叫びを無視して蒼枒さんが尋ねる。その様子にイッセーを慕う者たちも機嫌を悪くしていった

 

オ「そうじゃが、何か問題あるかの?」

 

蒼「問題大ありです。今!すぐ!地上に降りてください!」

 

リ「地上に居たら護衛しづらいじゃない!それに戦闘が起きた場合周りを巻き込むことになるのよ!」

 

蒼「上空ならその心配もないってか?考えが足りないな。飛行機やヘリを存在を何故考えない?」

 

蒼枒さんに言われてから初めて気づいた。上空には何もないと思われていたがそんなことはない。数は少ないが空には確かに飛んでいるのだ

 

蒼「衝突した場合、間違いなく墜落するだろう。ならそのときどういう対応するのだろうな?もみ消すのは無理があるぞ」

 

オ「・・・・・・」

 

オーディン様も考えていなかったようで考え込んでいる様子。今日は降りるしかないだろう

 

蒼「今許可を取っている最中だ。早くても数日は地上を移動してもらう。従ってもらえなければ強制的に落とすことになる。早々に降りることを勧める」

 

それだけ言うと蒼枒さんはその場から姿を消してしまった

 

アザ「・・・ということらしいが、どうするんだ?俺としちゃ従った方が身のためだと思うぜ」

 

一緒に護衛をしていたアザゼルさんがオーディン様に指示を仰ぐ。俺もアザゼル先生と同じ意見だが果たして

 

オ「しょうがないのぅ。この国には郷に入っては郷に従えという言葉もあるしここは従っておこうかのぅ。少し待てば空の移動も可能になるようだからの」

 

そう言ってスレイプニルを操り地上に降りて行った。終始無視されていたイッセーはやはり憤っていたがまあ無駄だろう

 

 

~~~~~回想終了~~~~~

 

 

 

と言うのがあったのが数日前。まあ護衛と言っても結局は未成年が入れない店に行くのが目的なのだから地上で一般人に扮して行動したほうが目立たない

 

ゼ「ようやく帰路についたか。今日も無事に終わりそうだな」

 

絶「まだ油断はできないぞ。終わるまで何があるかわからないからな」

 

というものの時間も時間なので人も少なくなってきているし。・・・あれ?確かに人は少ないが少なすぎやしないか?途中で来た道を戻っている者や細い路地に入ろうとする者まで。そしてついに人が見当たらなくなった

 

絶「マズい!オーディン様の近くに行くぞ」

 

頷くゼノヴィアと一緒にオーディン様の傍に控える。俺たちに反応してかオカ研のみんなも集まってきた。それよりも先にオーディン様の前に一瞬で現れたのは

 

絶「蒼枒さんと黒歌さん!?」

 

ゼ「いつの間に現れたんだ!?」

 

突如現れた黒歌さんはオーディン様の歩みを止めさせ、蒼枒さんは刀に手を掛けていた。そして

 

ロ「オーディン、こんな大人数を引き連れ何をしている?諸君、お初にお目にかかる。我は北欧神話のトリックスター、ロキ!」

 

黒いローブを着込んだ、目つきの鋭いイケメンが現れた



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青龍の介入

プロットに肉付けしているとどんどん文字数が増えていく不思議(そして予定通りに進まない)。フェンリル戦はやりたかったんだけどなー

ちなみにここのフェンリルは原作のような雑魚ではなくガチにヤバいフェンリルです。イッセーの全力ならともかくリアスたちでは傷一つつけられません


【蒼枒side】

 

ロキがオーディンと護衛するオカ研らが出会う少し前。彼らの上空では結界が張られ、その中で俺は黒歌を横抱きにしながら監視していた

 

蒼「・・・よくもまあ遊んでいられるものだ」

 

欧州担当の白虎からオーディンのことを噂程度で聞いていた。その内容は自身からしたら考えられないものだった

 

蒼「自分の仕事は他人に押し付け、自分は遊んでいる。その上お金はすべて経費で払うか」

 

余りにも酷い。組織のトップがあれでは下の者たちの苦労は計り知れないあろう。正直あれが自身の上司だったら即刻切り伏せている所だ

 

黒「蒼枒、夜食の準備ができたにゃん」

 

小さな転移陣をいくつも展開し、結界の上におにぎりやお茶を取り出し置いていく。急須から湯気が立っていることから今入れたばかりなのだろう

 

蒼「ん、じゃあいただくか」

 

黒「蒼枒、あ~ん」

 

手を合わせ食材と作ってくれた黒歌に感謝すると黒歌がおにぎりをもって食べさせようとする。俺はそれを頬張った

 

蒼「うん、うまいな。いつも黒歌が作る料理はおいしいな」

 

黒「うれしいにゃ~」

 

照れるように片手を頬に当て目を細める。そんな黒歌が可愛くて自然と頭を撫でていた

 

黒「にゃ~。気持ちいけど今はご飯を食べてほしいにゃ~」

 

再び差し出されるおにぎりをいただき、逆に俺が黒歌に食べさせる。互いに食べさせ終え、お茶を飲みながらゆっくりしていると見ている一帯から人がいなくなり、逆に護衛対象のオーディン様に近づく者がいた

 

蒼「・・・いくぞ、黒歌」

 

黒「せっかく心地よかったのに・・・」

 

撫でられていた黒歌が残念そうに呟く。俺も撫でていたいが仕事は仕事だ

 

蒼「続きはまた後でな」

 

俺と黒歌はオーディン様たちの前に降り立った

 

絶「蒼枒さんと黒歌さん!?」

 

ゼ「いつの間に現れたんだ!?」

 

絶斗とゼノヴィアが驚き、悪魔たちも集まってくるが俺はそれを無視。刀の柄に手をかけ(つば)を鞘から押し出し、いつでも抜ける状態にする

 

ロ「オーディン、こんな大人数を引き連れ何をしている?諸君、お初にお目にかかる。我は北欧神話のトリックスター、ロキ!」

 

スサノヲ様と同様、トリックスターであるロキ様が姿を現した。アザゼルが冷静に問いをかける

 

アザ「これはこれはロキ殿。こんなところで奇遇ですな。何か用ですかな?ここには北欧の主神オーディン殿がおられている。それを周知の上での行動だろうか?」

 

ロキ「いやなに、我らの主神が、我らが神話系を抜け出して、我ら以外の神話体系に接触していくのが耐えがたい苦痛でね」

 

アザ「そのためにわざわざここまで来たってのか」

 

ロキ「その通りだ」

 

喧嘩腰のロキ様にアザゼルが舌打ちする

 

アザ「チッ、面倒な。・・・1つ聞く。この時期にこの行動。まさか禍の団(テロリスト)と繋がってるわけじゃねぇだろうな?律儀に答える義理もないだろうが」

 

アザゼルの質問にロキ様は不快そうに表情を歪めた。疑う気持ちは分かる。俺たちが怪しまれているだろうからな

。少々疑心暗鬼になっているのかも知れない

 

ロキ「あのような下賤な輩と同一視されるのは不快の極みだな。私のは自分の意志でここに居る。そこに彼奴らの意志はない」

 

その答えにアザゼルは肩の力を僅かに抜いた。これだから研究者は!

 

アザ「これが北欧の問題か?まったく面倒だぜ」

 

ロセ「ロキ様!これは越権行為です!主神に牙をむくなどと!許されることではありません!しかるべき公正な場で異を唱えるべきです!」

 

ロキ「一介の戦乙女が我の邪魔をしないでくれたまえ。オーディンはともかくお前とは争いたくないのでな」

 

ロキ様が警戒するほどの力を持っているのか。それも主神以上に

 

ロキ「さてオーディンよ、まだこのような北欧神話を超えたおこないを続けるおつもりなのか?」

 

オ「そうじゃよ。少なくともお主よりもサ-ゼクスやアザゼルと話していたほうが万倍も楽しいわい。日本の神道を知りたくての。あちらはこちらのユクドラシルに興味を持っていたようでな。和議を果たしたらお互い大使を招いて、異文化交流しようと思っただけじゃよ」

 

オーディン様は平然と答える。が、それを聞いたロキ様は苦笑した

 

ロキ「・・・認識した。なんと愚かなことか。これでは黄昏(ラグナロク)を行うのも吝かではないな」

 

アザ「それは、宣戦布告と受け取って良いんだな?」

 

ロキ「如何にも」

 

自らの宣言にロキ様から殺気と濃密なオーラが感じられる。流石は北欧の神。加減は不要だ。俺は過重符を剥すと同時にオーディン様の周りと黒歌以外の下に蔦を這わせた

 

蒼「ここで闘われてはマズいのでな」

 

ロキ「なにっ!?」

 

蔦が勢いよくしなり上がるとその上にいたものたちを全て上空へ打ち出された

 

「「「「うぉあああああああぁぁぁぁぁ!!?(きゃあああああぁぁぁぁぁ!!?)」」」」

 

悲鳴を上げながら飛ばされるオカ研たち。悲鳴を上げないのはロキ様やアザゼル、絶斗とゼノヴィアだけだ。次第に速度が弱まり空中に一時的に止まるとその瞬間、真下に1km四方の立方体の結界が張られ、彼らは結界内に閉じ込た

 

蒼「黒歌。きついかもしれないけど頑張って」

 

黒「うん。頑張るにゃ!」

 

この結界を張ったのは勿論黒歌だ。角の8点と各辺の中間に1人ずつ配置し、強固な結界を張っている。が、神同士の戦いだと強度が心もとない

 

ロキ「ふむ、結界に閉じ込められたか。まあいいだろう」

 

結界内に入るとロキ様が浮遊し、オカ研等と距離を取っていた

 

イ「部長!女王に昇格します!!」

 

リ「いいわ!いきなさい、イッセー!」

 

変態が紅い鎧を纏ってロキ様に突貫した。その背から生えているのはドラゴンの翼だ。悪魔の羽根はどうした?

 

ド『相棒、飛行をこちらに任せろ!全力で行け!』

 

イ「あぁっ!」

 

『JET!!』とドライグだったか?アザゼルからそんな名前を聞いたが、あの変態と一緒にいるらしい変なドラゴンの声がする。もしかして飛んでいるのは変ドラのおかげか?とりあえず空中戦を可能にしているがそれだけだ

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

ロキ「赤龍帝か!順調に力を上げていっているようだな。しかし・・・」

 

イ「喰らえ!!ドラゴンショッッッットォォォオオオオオ!!!」

 

変態の渾身の一撃がロキ様に放たれる。煙に包まれるロキ様。当たったことに浮かれる変態にその取り巻き達。本当に愚かだよな。この程度で主神級が死ぬならとっくに世界から神は消えている

 

ロキ「まだ神を相手にするほどではない!」

 

煙が晴れるとそこには魔法による防壁を張るロキ様の姿が。その身は着ているローブすら傷1つついてなかった

 

リ「そんな。イッセーの一撃を喰らって無傷なんて」

 

ロキ「こんなものだろう。とは言え流石に防御もなしに受けるのは我とてマズい。青龍に堕天使総督も出てくれば無傷では済まないな」

 

アザ「なら、降参でもするか?」

 

ロキ「まさか!だがこちらも増援を呼ばせてもらおう。来い!我が息子よ!」

 

ロキ様が指を鳴らすと空間が歪み、亀裂できる。中から現れたのは灰にも銀にも見える長い髪の男が現れた

 

イ「・・・またイケメンか」

 

何故か変態が恨めしそうにしていた

 

フェ「私の出番はないと思ってましたが?」

 

ロキ「有象無象なら問題ないが流石に青龍と堕天使総督相手では無傷ではすまないのでな」

 

フェ「なるほど」

 

ロキ様の息子と言うと有名なのはフェンリルだろうか?

 

フェ「皆さま初めまして。私はフェンリル。我が父、ロキから生まれた神を喰らう狼です。以後お見知りおきを」

 

礼をしながら圧をかけるフェンリルに対し、オカ研は蛇に睨まれた蛙の如く体が震えていた

 

ド『相棒、アレはヤバい!奴の攻撃は絶対に避けろ!』

 

イ「どういうことだよドライグ!アレがヤバいってのはなんとなくわかるけど」

 

アザ「イッセー!そいつは最悪最大の魔物の一匹だ!絶対には手を出すな!」

 

声を荒げるアザゼルに対し変態は訳が分からず困惑した声で問う

 

イ「な、なんで?」

 

アザ「アレは神喰狼だ!神を確実に殺せる牙を持っている!そいつに噛まれたら、いくらその鎧でも保たないぞ!」

 

脂汗を滲ませて警告するアザゼルに取り巻きが息を呑む

 

アザ「アレは、俺がやる」

 

イ「先生!いくら何でも無茶です」

 

リ「そうよ!私たち皆でやらないと」

 

蒼「いや、お前達では力不足だ」

 

流石に蹂躙するのは計画に支障が出る。俺が相手をするしかない。変態たちよりも前に達、俺はフェンリルと対峙する

 

イ「お前ッ!」

 

アザ「・・・勝てるのか?」

 

蒼「さあな。少なくともこの中では勝算が一番高いだろう」

 

フェンリルを見ると人の姿から人狼へと変化していた。そして片足をトントンと結界を突っついていると次の瞬間には姿が消え

 

ガキンッ!!

 

リ「っ!?」

 

フェンリルが赤い髪の悪魔に爪を振り下ろそうとしているのを青龍刀で受け止めた

 

蒼「反応出来た奴、どれぐらいいる?」

 

そう聞くが槍を構えていたのはアザゼルのみ。絶斗とゼノヴィアが次点で他は論外だ。音が鳴ってから気付いたな

 

蒼「そんなわけだ。俺が相手だ」

 

ギリギリと擦れる音が青龍刀から聞こえるが残る手から木を勢いよく生やしこの場から離れる。この程度で負傷などないはずだ。宙を駆け近づけばあちらも同様に近づいてくる。俺とフェンリルの見えない戦いが始まった



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計画通りの戦闘

すいません。書く時間が全くなくてかなり短いものになっています。追記しますのでご容赦ください

追記しましたが今週は更新できません。最近本当に書く時間がないんです


【3人称side】

 

極東の青き龍と北欧の魔狼の戦いは音を完全に置き去りにしていた。刀と爪がぶつかり合い金属音が響くが、その時にはもう2人はその場からいなくなっていた

 

フェ「(これが噂の青龍ですか。人狼の姿とは言えなかなかですね)」

 

互いに宙を駆け、並び、互いの得物をぶつけ合う。その中で内心フェンリルはそう思っていた。横薙ぎの刃を躱し、鋭い爪で蒼枒を貫こうとするも貫いたのは残像のみ。駆ける最中蹴りを放てば相殺される。神を殺す牙で噛みつこうとすれば青龍刀で受け止め返しに蒼枒が縦切りを放つ。フェンリルは離れることでそれを回避。互いに傷を負わせることなくぶつかる中、黒歌の張る結界の外から2人の戦いを見る3つの影があった

 

葉「どうですレイヴェル。お兄様の姿は見えてますか?」

 

レ「ええ、集中すればなんとか」

 

白「私の攻撃を数撃躱せるだけはありますね。その後は身体がついて行ってないようですが」

 

レ「うっ。それは・・・」

 

3つの影。その小隊は葉月に白音。そしてレイヴェルだった。普段であれば監視役を交代している時間であるが、今宵は()()()()にロキの襲撃があったため2人がレイヴェルを連れだしていた

 

葉「見えてるだけいいじゃないですか!まだ来てわずかしか経ってないにも拘らずあの速さを観れるのはいいことです」

 

レ「屋敷似た頃、レーティングゲームのトップランカーのゲームをよく見てましたから。トップの騎士(ナイト)達もあれに負けないぐらい速いですわ。ですが・・・」

 

白「お義兄様もフェンリルもあれが本気でも何でもないってのが恐ろしいところです」

 

葉「お兄様に追従できる白音が何言ってるんですか」

 

白「一応ですけどね」

 

レ「さて、フェンリルは葉月たちのお兄様が抑えていますが、グレモリーとその眷属は何を手間取っているのでしょう?」

 

レイヴェルの視線の先では4色の精霊がオーディンを護衛する者達を襲っていた。一つ一つは力がなさそうだがロキが次々と生み出していき、その数は時間が経つにつれ増えていく

 

白「生半可な攻撃では意味がないようですね。あの中で最も有効なのはグレモリーでしょうか?」

 

葉「そのようですね。あの魔力が当たった精霊から消えていきますし。次点ではアザゼルさんでしょう」

 

レ「グレモリーは滅びの魔力をもっていますわ。それが作用してのことでしょう」

 

レイヴェルの言う通り、リアスの放つ魔力に当たった精霊はひとつ残らず消えていく。他も攻撃するが物理攻撃が効きづらいようでイッセーと絶斗の攻撃はあまり効いていない。他も火力不足でダメージを与えてにくく効果的なのはアザゼル。ゼノヴィアでようやくといったところだった

 

 

 

 

また別の場所ではオーディンとロスヴァイセが戦闘を見上げていた

 

オ「あれはマズいのぅ。このままでは数に押されて負けてしまうわい」

 

ロ「そうですね。あれは《極星霊》モンスターの姿をしていますがデュエルディスクを使っている訳ではありません。それ故あれだけの数を召喚出来るのでしょう。そして《極星霊ドヴェルグ》・《極星霊リョースアールヴ》・《極星霊スヴァルトアールヴ》・《極星霊デックアールヴ》のそれぞれの効果も違っているようです。ですが本来の能力と類似した能力は持っているようですが」

 

ロスヴァイセの言う通り。ロキが召喚しているのはオレンジ色の逞しい髭の生えた《極星霊ドヴェルグ》と青とも黒とも似付かぬ暗い色の《極星霊スヴァルトアールヴ》のみ。そこから先は《極星霊》達が自分たちで増殖を始めていた。攻撃能力は細身で水色の《極星霊リョースアールヴ》と太めでピンク色の《極星霊デックアールヴ》があるがそれでも劇的に高いわけではない。だがこの2体も呼び出す能力を持っているため破壊されても次の後続がすでに待ち構えている状態に陥っている。いずれは《極星霊》の波に飲み込まれてしまうだろう

 

オ「ロスヴァイセよ。お主も援護にいけ。ここであやつらを失うのは惜しいからのぅ」

 

ロ「ですが、オーディン様の護衛が」

 

オ「またあれを張ればよかろうて。さらにそれを護れればなお良いがのう」

 

ロ「・・・・・・分かりました」

 

オーディンの言うことも分かる故、了承したロスヴァイセはデッキからカードをドローし、1枚をセット。そしてあるモンスターを召喚した

 

ロ「セットしていた《安全地帯》をオーディン様を対象に発動。さらに《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》の効果。オーバーレイユニットを1つ取り除き、《安全地帯》を選択します」

 

ロセが召喚したのは鍵状の角を持つ金色のカブトムシ。オーバーレイユニットが角に吸収されると《マスター・キー・ビートル》が表になっている《安全地帯》に角を突き刺し、ロックした。

 

ロ「これで《マスター・キー・ビートル》が破壊されない限り《安全地帯》は破壊されませんね。《マスター・キー・ビートル》もそこそこ力がありますしすぐにやられることはないでしょう」

 

《マスター・キー・ビートル》の攻撃力は2500。《極星霊》モンスターの最高攻撃力が1400のを見ると十分な数値である

 

ロセ「ではオーディン様。安全だからと言って動き回らないでください」

 

オ「わかっておるわい」

 

ロスヴァイセは《スターダスト・ドラゴン》を召喚しその背に乗る。向かうは上空に張られている結界内。青龍とフェンリルと精霊の大群が暴れる場所へと飛び立った

 

 

 

 

 

黒「当たらないにゃ~」

 

蒼枒の援護として黒歌は剣状にした炎やら雷やらを作り出し、打ち出すを繰り返す。予測先においても避けられ仕方なしに追尾させておく。その距離は1mしか離れておらず、変わらない

 

黒「でも、手加減の具合はこれぐらいがいいところかにゃ?」

 

追尾が増え続け、追尾の剣はさながらビームのように寸分たがわずフェンリルを追いかける。蒼枒が木の分身を蹴り飛ばしフェンリルが分身を上下に割る。蒼枒はそれを青龍刀と自身の作った木刀に突き刺し刃の長さをさらに伸ばしてフェンリルに振るう。フェンリルは結果の壁を駆けあがり、天井に到達すると結界にひびが入る度強く蹴り、跳んだ。

 

黒「にゃ!?」

 

その蹴りで結界を支えていた黒歌の分身の一体が消滅。すぐに新たな分身を作り出し、欠けた穴を埋めるもその間にフェンリルは駆けていた時以上の速度もって蒼枒に迫っていた。その強襲は交差する刀によって防がれるも刀の更に内側に潜り込んだフェンリルは蒼枒の二の腕に噛みつき、自身を追いかける剣の嵐へと投げ飛ばした

 

蒼「ッ」

 

まさかかみ砕かずに投げる選択をするとは思っていなかった蒼枒は反応できずに投げられる。フェンリルを追尾する剣群が迫る中、当たる数瞬前に蒼枒は自身を雷に変えそれを回避

 

フェ「厄介な」

 

これで追尾する邪魔をなくせると考えていたフェンリルは予想外の回避に思わずそう呟いた。仕方なしに自身の爪に魔力を籠め一薙ぎ。たったそれだけでビームと化していた剣の大群はバラバラに砕け散った。

 

蒼「(あれは、持たない)」

 

フェンリルの爪撃は剣を容易く砕き、さらには結界をも破壊しようと迫る。3つの爪状の魔力の前に立った蒼枒は居合の構えから刀を抜く。

 

フェ「(ほう・・・)」

 

そして刀を鞘に収めると爪撃は霧散してしまった。その時間、わずか1秒。それを見てたフェンリルは思わず感心してしまった

 

 

 

 

 

黒「(蒼枒のおかげで助かったにゃ)」

 

ロセ「黒歌さん!」

 

蒼枒が破壊してくれなければ悪実に結界が破壊されていたであろう爪撃に黒歌は感謝する。そこへ《スターダスト・ドラゴン》の背に乗るロスヴァイセが近づいていた

 

黒「そのドラゴンは何にゃ?」

 

ロセ「このドラゴンは私が召喚したドラゴンです。オーディン様からの命令で彼らを助けに来ました。《スターダスト・ドラゴン》を見た方は驚かれる方が多いですが黒歌さんは驚かれないんですね」

 

黒「蒼枒も作ったりするからにゃ~。それよりも護衛がいなくなったけどいいの?私たちも気にかけているけどすぐには動けないわよ」

 

ロセ「オーディン様はよほどのことがない限り安全なので心配ありません」

 

黒歌がオーディンの方を見ると何かに守られているオーディンと金色のカブトムシが守護するように佇んでいた

 

黒「まあいいけど。なら行ってくるにゃ」

 

そう言って黒歌が片手を振ると転移陣が現れる。その大きさは人一人は余裕で通れるが《スターダスト・ドラゴン》が通れるほどの大きさはなかった

 

黒「そのドラゴンも一緒に通るのは辞めとくにゃん。流石に大きすぎるにゃ」

 

ロセ「しょうがないですね」

 

ロスヴァイセは転移陣に飛び込むと同時に《アドバンスドロー》を発動。《スターダスト・ドラゴン》のカードをデュエルディスクから取り除いた。転移陣が消えるとその場には黒歌しか残らなかった

 



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襲撃を超えて

書く時間が足りなずまた中途半端です。
最近体が怠いし頭も痛いし、風邪ひいてるのかな


【絶斗side】

核となる星状の塊を破壊しても次々に現れる精霊に苦戦する俺たち。部長は余程相性がいいのか滅びの魔力で確実に消滅させていく。次点でアザゼル先生、ゼノヴィアや朱乃さん。木場が続いている

 

イ「ドラゴンショットさえ使えればこんな奴ら!」

 

そんな中、本来の火力ならばこの中でも随一のイッセーは全くとっていいほど役に立っていなかった。精霊ゆえか物理攻撃に強く殴ってもすぐに戻ってしまう。聖剣アスカロンも剣の使い方がなってないせいで全く当たらない。頼みのドラゴンショットも結界を破壊するという理由で先生から止められる始末

 

キ「イッセー先輩!僕が止めるのでその間に」

 

イ「分かった!」

 

ギャスパーの援護で何とかってところだ

 

ゼ「絶斗!」

 

絶「ッ!」

 

風の槍を10本まとめて放ち一面に迫る精霊をぶち抜く。その間に懐に迫る精霊を2本の羽根の剣と浮遊させている《アミル・ガウル》と風の剣で核を切り捨てる

 

絶「多過ぎる!いったいどれだけの数を出せるんだ」

 

ゼ「全くだ。これだけの数をしょうかんているのにロキは全く疲れを見せていない。流石神なだけある」

 

ゼノヴィアが投げたデュランダルを引きよせ掴む。すると精霊がワイヤーに斬られたかのように切断され消滅していく。だが数が減る様子はなくむしろ増える一方だ

 

イリ「なんでデュランダルを投げてるの?そんなことしたら無防備になっちゃうじゃない?」

 

その様子を見ていたイリナがゼノヴィアがデュランダルを投げていることに疑問に思ったようだ

 

ゼ「何もデュランダルのみで戦えなうわけではない。白音さんに比べればまだまだだがある程度は徒手空拳も修行してるさ。それにこんかいはデュランダルのみよりもこちらの方が効率が良いようだからな」

 

そう言ってゼノヴィアは再びデュランダルを投げる。その腕にはデュランダルと繋がるワイヤーがついていた。弧のワイヤーは擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)を擬態させたもの。さらに透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)で透明化し、破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)で切断能力を得ている。そして天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)でデュランダルの速度を落とさないようにしている。ワイヤーを操ることでデュランダルの方向を変えることも可能とのことだが

 

ゼ「操糸術を教えてもらっているがまだうまく扱えない。成功率はせいぜい20%と言ったところだ」

 

イリ「それでもすごいじゃない!エクスカリバーも使えるようになっているなんて!!私も負けてられないわ!」

 

イリナが意気込みオートクレールを構え白い羽根を羽ばたかせ飛んでいく。どうやら上にいる方の整理を相手するようだ

 

ロセ「!この量は流石に予想です!!」

 

突如、黒歌さんたちが使う転移陣が現れ、その中からロスヴァイセさんが出てきた。鎧を身に纏い、その腕には何かの機械がついている

 

ロセ「ドロー。まずは《調律》を発動。《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキの一番上のカードを墓地へ送ります。《ジャンク・シンクロン》を召喚。《ジャンク・シンクロン》が召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚します。《チューニング・サポーター》を蘇生」

 

ロスヴァイセさんが機械にセットされているカードの束からカードを引くとそこから2体のロボットが現れた。一体はオレンジ色の装甲にエンジンを背負っている。もう一体は鍋を頭に被っている

 

ロセ「速攻魔法《地獄の暴走召喚》を発動!手札・デッキ・墓地から《チューニング・サポーター》を可能な限り攻撃表示で特殊召喚します。墓地の《チューニング・サポーター》2体を蘇生します」

 

どこからともなく2体のロボットが現れる

 

アザ「なんだ!?いきなり増えたぞ!どうなってやがる」

 

朱「どうしましょう。このままでは・・・」

 

それと同時に相手している精霊の数が爆発的に増えた。まさか!

 

絶「ロスヴァイセさん!貴女が原因ですか!?」

 

ロセ「すみません。このカードは相手もモンスターを可能な限り特殊召喚できるんです」

 

どうすんだよこの数。隙間なく埋め尽くされてるじゃねえか

 

ロセ「ですが問題ありません。レベル1の《チューニング・サポーター》3体にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

 

オレンジ色のロボットがワイヤーを引っ張りエンジンをつける。そして緑の輪になるとそこに3体のロボットが入って行き、白い星になった

 

ロセ「星雨を束ねし聖翼よ!!魂を風に乗せ世界を巡れ!!シンクロ召喚!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」

 

光が輪を貫き現れたのは黒のスーツに光沢のある薄青緑色のアーマーをつけた戦士。その様子にイッセーは

 

イ「おお!カッケー!!」

 

興奮していた

 

ロセ「《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の効果。このカードがS召喚に成功した時にデッキからカードを1枚ドローします。さらに素材となった《チューニング・サポーター》の効果で《チューニング・サポーター》1体につきデッキから1枚ドローします」

 

カードを4枚引くロスヴァイセさん。そして精霊の大群を指さし

 

ロセ「バトルフェイズ。《スターダスト・チャージ・ウォリアー》は特殊召喚された相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できます。《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の攻撃。流星乱射(シューティング・クラッシャー)

 

《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の腰から延びる2枚の板に刺さる計8枚の刃のような板が浮かび上がる。そしてそれは複雑な軌道を描きながら飛び交い、その先からレーザーを放つ。その様はさながらファンネルの様だ

 

ロセ「この瞬間トラップ発動《シンクロ・ストライク》!シンクロ召喚したモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで、シンクロ素材にしたモンスターの数×500ポイントアップします。《チューニング・サポーター》3体とレベル3の《ジャンク・シンクロン》を素材とした《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の攻撃力は2000ポイントアップ!」

 

《スターダスト・チャージ・ウォリアー》とファンネルが青白いオーラを身に纏う

 

ロセ「さらに《ラッシュ・ウォリアー》を手札から墓地に送り効果発動。自分の《ウォリアー》Sモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、戦闘を行う自分のモンスターの攻撃力はそのダメージ計算時のみ倍になります。これで《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の攻撃力は8000です!」

 

《スターダスト・チャージ・ウォリアー》がさらに金色のオーラを纏う。ファンネルの動きも複雑、速くなり瞬く間に精霊の数が減っていく

 

アザ「なんて奴だ」

 

リ「これが北欧の戦乙女(ヴァルキリー)の力なの」

 

イ「スッゲー!俺も使いてぇ!!」

 

ロキ「フッ。そう来なくてはな」

 

あれだけいた数の精霊が消え去り。残りはロキの周りに僅かに残るのみ。だがそれでもロキは余裕そうだ

 

ロセ「次はロキ様。貴方です」

 

ロキ「だが既にバトルフェイズは終えるのみだろう?それにあれを見ろ」

 

ロキの指さす先。そこには蒼枒さんとフェンリルが空中で組み合っていた。フェンリルは口に溜めるような動作をしている

 

ロキ「あれが放たれて無事でいられるかな?」

 

ロセ「!?《二重召喚(デュアルサモン)》を発動。召喚権を1度増やします。《シンクロン・エクスプローラー》を召喚。その効果で《ジャンク・シンクロン》を効果は無効にして墓地から特殊召喚。レベル2の《シンクロン・エクスプローラー》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング。シンクロ召喚。《スカー・ウォリアー》。《死者蘇生》を発動墓地の《波動竜フォノン・ドラゴン》を特殊召喚。《波動竜フォノン・ドラゴン》の効果で自身のレベルを1にします。レベル6の《スターダスト・チャージ・ウォリアー》とレベル5の《スカー・ウォリアー》にレベル1となった《波動竜フォノン・ドラゴン》をチューニング。古の天空を彩る星々よ!神雨となりて世界を祓え!!シンクロ召喚!《聖珖神竜 スターダスト・シフル》!!」

 

2体のロボットが傷だらけの戦士に変わり、緑・赤・黄の装飾の突いた紫のドラゴンが現れる。巡るましく入れ替わる中、それらが光の柱に消えると数多の羽根をもつ神々しく青白いドラゴンへと姿を変えた。それを目にした次の瞬間、俺たちは放流に巻き込まれた

 

 

 

【3人称side】

 

ロセが結界内に突入した頃。蒼枒とフェンリルは互いに小さな傷を負いながらも息1つ乱れずに戦闘を繰り広げていた。互いに音速を優に超える速さで宙を駆けぶつかり、斬り合い、離れる。それを幾度と繰り返すも決着はつきそうもなかった。

 

フ「(ロスヴァイセが来ましたか。そろそろ終わりですね)」

 

視界の端にロスヴァイセの姿を捕えたフェンリルは次で終わらせることに決めた。蒼枒の振るう刀を爪で受け止め、青龍刀を牙で噛み止める互いの脚がぶつかり合い2人は宙に浮いた状態になった。空いた爪で切り裂こうとするも蒼枒自身から生えた木で手首を押さえられ動けなくなる。フェンリルは顎に力を入れ青龍刀をかみ砕く。そして自由になった口に魔力を溜める

 

蒼「(マズい!)」

 

フェンリルの口に魔力が溜まるのを見た蒼枒は自身の首から上を龍化。そして同じように神力を口に溜める

 

黒「それは無理にゃ!!」

 

結界を張っている黒歌は2人の力がぶつかったら結界が持たないこと理解していた。それでも持ちこたえるしかない。黒歌が結界をさらに強める中、力を溜め終えた魔狼と青龍の咆哮がぶつかり合った

 

 

 

黒「・・・にゃ!?」

 

黒歌の張る結界は内部に張り巡らされていた木が咆哮を受け止めてい結界は無事だった。その木を辿ると結界の中心付近にいる蒼枒の尻尾からずっと伸びていた

 

黒「蒼枒~」

 

黒歌は神殺しと呼ばれる狼との戦闘の中でも自信を守ってくれた蒼枒に嬉しくなり、その名前を呼んだ

 

 

 

【絶斗side】

 

ロキ「今宵はこれまでだ」

 

ロキの声に気付いた俺は辺りを見回す。結界は木に覆われ、倒れているオカ研のみんなも怪我もなく起き上がっているところだ。あれだけの威力を受けてよく無傷でいられたな。ロキの隣には人狼姿のフェンリルが所々毛を赤くしながら立っていた。俺たちの上にも蒼枒さんが宙に立っていた

 

ロキ「やはり貴様が邪魔だな。ほぼ無傷とは」

 

ロセ「《聖珖神竜 スターダスト・シフル》の効果ですから。自分フィールドのカードはそれぞれ1ターンに1度だけ戦闘・効果では破壊されない。どれ程効果があるかはわかりませんでしたが何とかなってよかったです」

 

ロキ「だがそれもどれ程もつかみものだな」

 

ロキは足元に魔法陣を展開すると姿を消していく

 

イ「逃げるのか!待ちやがれ!!」

 

ロキ「手も足も出なかった奴が良く言う。オーディンに伝えておけ、次はもう少しまともな護衛をつけることだ、とな。出なければ面白くない」

 

笑い声と共に消え去るロキとフェンリル。2人がいなくなると共に蒼枒さんが合図を出したようで結界が解除された

 

イ「うおああああああああああ」

 

飛べないイッセーや俺たちは蔦の滑り台で勢いよく地上へと滑り落ちていく。イッセーが叫ぶほど速度が出ているがそのまま落ちるよりかなりマシだ

 

イ「うおっ!ぶっ」

 

リ「ちょっとイッセー!大丈夫?」

 

勢いよく放り出されたイッセーは勢いよく電柱へとぶつかった。飛べる部長や先生はゆっくりと降りていきイッセーの心配をしていた

 

ロセ「オーディン様。戻りました」

 

ロスヴァイセさんに至っては神々しいドラゴンに掴まって降りてきていた。腕に着けていた機械からカードを取り除くとドラゴンもオーディン様の近くにいたカブトムシも消えた

 

オ「無事なによりじゃ。して、ロキの奴は何か言っておったか」

 

ロセ「はい。次はもう少しまともな護衛をつけることだ。と言ってました」

 

オ「そうか。これはまた問題じゃのう」

 

ロスヴァイセさんの報告に頭を悩ませるオーディン様。こうしてロキの襲撃は一先ず幕を閉じた



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襲撃を終えて

月曜更新と言っておきながら月曜日に更新できず、すみませんでした
とりあえずなんとか1話できました
次回も更新できるかなぁ


【3人称side】

 

オーディンへの襲撃を行ったロキとフェンリルは真っ暗な海の上を飛んでいた

 

ロ「様子見で十分だった。青龍さえ除けば後は取るに足らん奴らだ」

 

フェ「ですが油断はなりません。初見と言うこともあり奇襲をかけた私たちが有利なのは当然なのですから」

 

ロ「分かったいる。だから作ってもらっているのだろう。・・・着いたぞ」

 

ロキとフェンリルは一度立ち止まると目の前の空間に指を縦に走らせた。すると空間が広がり人が通れるほどの隙間ができた。中は白く外からはないもないように見えるが2人は迷わずその中に入って行った。隙間は2人がいなくなった後、1人でに閉じた

 

ロ「ユーガ。戻ったぞ」

 

 

 

【ユーガside】

 

ユ「魔法カード《増殖》を発動。ミドガルズオルムを増殖」

 

ロキがミドガルズオルムの鱗や爪、牙から作ったミドガルズオルムのクローンが《増殖》によって増えていく。本来であれば《クリボー》のサポートカードだが、初期登場時は攻撃力500以下のモンスターを増やす効果であるため《収縮》で攻撃力を下げれば問題なく使える

 

ユ「んでもって《亜空間物質転送装置》で転送と」

 

カード効果で大量に生み出したため処分も簡単だが使うまでスペースを取り邪魔になるだけ。そのため《亜空間物質転送装置》で亜空間に転送しておく

 

ユ「じゃあ次は《クローン複製》っと」

 

続いては続いて発動したのは《クローン複製》。こちらは一体しか作れないがロキ作のクローンと同等の物ができる。これだけやればいいと思うが戦いは数がものをいう場合が多い。まあどちらにしろ、ロセに《ブラックホール》とか使われたら全滅してしまうんだけどな

 

ロ「戻ったぞ」

 

どうやらロキが戻ってきたようだ

 

ロ「クローンの数はどうなっている?」

 

ユ「低レベは千は超えてるな。サポートつければ良い戦力になるだろう。同等のは10ってところか」

 

ロ「・・・少ないな」

 

ユ「俺も複製だけをやってたわけではないからな。そんなものだろ」

 

ロキの頼まれごと以外にもDホイールの作成もしなくてはならない。今回の戦場は空中になるから大型で飛べるとなると数が限られてくる。好き勝手に作ることもできるがせっかくだから5D'sに出てきたものを作りたい。変形機構も取り入れるし核は今のDホイールだからすっぽり入る大きさでなくてはならないとなるとイリアステル組ぐらいしかない

 

ユ「そちらはどうだった?」

 

ロ「心配ない。が、やはりロスヴァイセが厄介だ。たったモンスター1体で私の呼び出した《極精霊》が全滅だ」

 

1体ってことは全体攻撃か除去か。《スターダスト・チャージ・ウォリアー》か《ブラック・ローズ・ドラゴン》ってところだろう

 

ロ「だがそれはお前が抑えるから問題ない」

 

ユ「まあな」

 

大きな椅子にドカッと座るロキ。俺は作り終えたクローンのミドガルズオルムを転送装置で亜空間に送る。ロキと一緒にいたフェンリルは冷蔵庫の中を漁っていた

 

ユ「さてと」

 

これから俺は今まで以上に原作に関わることになる。これまでもロセを筆頭に親友(ライバル)のゼファードル。ロキを中心とした北欧神話。さらにペンドラゴン兄妹らが変わってきたが、原作の流れに直接あたるのはこれが初めてだ

 

ユ「なあロキ。宣戦布告か襲撃かどっちをやったかは分からないけど相手はどんな奴がいたんだ?俺はロセとオーディン以外はどんなのがいるかわからねぇからな」

 

原作知識からオカ研にペンドラゴン兄妹を除いたヴァーリチーム。アザゼルとバラキエル。イリナがいるはずだ

 

ロ「ああ。堕天使のトップと悪魔どもだな。天使もいたか?まあどれも《極精霊》に手古摺っていた雑魚だ」

 

フ「後は青龍とその奥方ですね。奥方の方は戦闘には出てきませんでしたが私が走っても壊れない結界を張ってましたし、青龍もなかなかでした」

 

フェンリルが大きめのカップとソーセージを手に戻ってきた。青龍?何故日本に?

 

ロ「フェンリルよ。あいつらは敵ではないぞ」

 

フ「分かってますよ。ですが互いに力をセーブしてましたが久々に楽しめました」

 

ユ「良かったな。だけどなんで日本に青龍がいるんだ?青龍といえば中国の4神だろう?」

 

ロ「龍脈の管理だとか言って世界中にいるぞ。知らなかったのか?」

 

フ「欧州では白虎が情報屋を開いてたりしてますよ。彼女の情報があったから青龍との協力が取り付けれたんです」

 

どうやら俺の知る原作のままという訳ではないらしい。姫島家等の五大宗家だったか?4神の力を受け継いでるとかっていうの。その本家がいるとはな

 

ユ「へー」

 

フ「堕天使は後で詳細な情報を渡しますよ。昔からいますからね。天使は分かりませんが悪魔に関してはユーガのご友人に聞けば詳しいことが分かるかと。何せ話題になってますから」

 

ロ「所詮は力に振り回される雑魚だ。我らの敵ではない」

 

うん、まあロキは気に入ったカードを魔法で再現しちまうぐらいだからな。能力は弱体化するとは言え使えるし。

 

ユ「ゼファードルと話すのは寝てからにする。流石に眠いぜ~」

 

アースガルズからここまで飛んできてさらにぶっ続けでミドガルズオルムの増殖を行っていたから流石に疲れた。起きたらDホイールの作成とゼファードルから情報を聞かないと。俺の知らないだけで原作からもっと大きくずれてるかもしれないからな



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