誰が為に我が道を行く (春うらら)
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主人公設定(随時更新)
これみて無理だなーって思ったらブラウザバック推薦。
これらをヒロインとしてやってこうかなと思ってます。
増えるかは未定。
美城常務は不動のメインヒロイン。
周り女の子だらけだし良いよね!
※16/04/05 21:40 話の一番上へ位置を変更
※2016/04/15 21:15 サブタイトル変更
ヒロイン追加時に随時更新予定
■
父、母、桜の三人家族だったが、幼少期に父が航空機による事故死、母は桜の十七回目の誕生日を目前に病死。
広島生まれで、父の仕事の関係上幼少期は国内に留まらず海外に住んだ経験あり。母同様に体があまり強くなく、父のみが単身赴任として家を出ることもあった。その際に、父は事故死。
父の死後は母の実家のある広島の町外れの小さな村へと移り住む。
始めは村の人達に「都会から来た」という理由で腫れ物のように扱われていたが、小さいながらも体の弱い母のために頑張る健気な姿に心をうたれた村人達に溺愛されることに。
歳をとるにつれて美少女へと変身していき、大人の女性へと体つきが変わり始めた十二を過ぎたあたりで、たまたま村に来ていた外の人間に襲われた経験がある。事が始まる前に村人に見つかり未遂で終わったが、それによって一時期は男嫌いに。だが、村の男達を始め、今まであまり関わってこなかった同年代の子どもたちの献身的な態度により徐々に緩和されていく。その時の名残もありバイ・セクシャルとなった。
また、それがきっかけで同年代の子どもたちと仲良くなり、村外からは“不良”と呼ばれる存在へと変わり始める。
片親ということもあり、根っからグレた訳では無いが少々危ないことへも興味が湧き、良く思われない行為もしちゃってたりする。手始めに日本人らしい黒髪を金へと染めた。
同時期に、母の影響で始めていた和楽器の演奏が村だけにとどまらず広島全域でも名が響くこととなり、髪を染めなおそうにもなかなか染めづらくなる。尚、本人は全く気にしていなかった様子。
桜の名を聞いた広島市内の公民館館長が興味を持ち、その公民館にて演奏会を開くことになる。これがきっかけで、桜は商売として和楽器を弾き始める。メインは最も得意である三味線。
幾度目かの演奏会の際に、たまたま広島へと足を運んでいた海外メディアの目に留まり海外進出を果たすことになったが、国内ではその容姿もあり和楽器界では批判的な声も少なくはなく取り上げられることがなかった。よって、所属しているグループ等も無く仕事のお呼びがかかる際には桜へと直接声がかかることとなる。ネット社会バンザイ。
だが個人でやるにはやはり体力的に厳しいものがあり、マネージャー役としての母と共々寝込むこともあった。その度々に村の人々に助けてもらい、今までの恩義もあり得た収入の四割を村へと寄付、残り六割は貯金と家計へと当てた。収入についてはそこそこ額がある模様。
そんな生活を数年続け、桜の名は日本を除いた世界的に有名となり、体力的に頻繁に
そこから更に数年後、桜と桜の母は村の中心的な人物となるが母が急死。
村に恩を感じていたため尽くしていた桜一家であったが、逆に村人たちが桜一家に恩を感じており、村全体で桜を育て上げていこうと満場一致となる。葬式は村を起こして行われた。
しかし、桜の噂を聞きつけて来た父方の親戚、美城グループが村へとやって来て
始めは渋る村人達であったが、桜の将来的にも大企業の家へと迎え入れられることは良しと判断し承諾。桜本人も嫌がりはしたが、村人達による説得により一人暮らしと月一での帰郷を条件に渋々了承。
これらの経緯があり美城の一員となることになるが、大企業の子孫でありながら片田舎の娘と婚約し家を出た父の娘である桜に対して良い思いを抱いているものは居らず、引き取り手が見つからない。
その時にアメリカから帰国した美城常務に半ば強制的に押し付ける形となり、桜は美城常務と義理の親子関係となった。
生粋のマザコンであり、かなりの年上好き。美城常務もそのターゲットとなる。
■美城常務
桜の義理の母。
元々は美城の人間では無く、母の再婚相手が美城グループのトップであったために美城の一員となる。
そのため、本来であれば他企業の御子孫へと政略結婚として嫁入りする予定であったが、
大学を卒業後婚姻を結び結婚するが、当人の気の強さに対して夫となった人物はかなりの気弱であり、実質益を得ていたのは美城のみで相手方がすぐさま婚姻関係を解消。
独り身となりはしたが、婚姻関係を結んだ際に僅かながら母性が目覚めた彼氏いたことないけど夫ならいたことがある系女子(笑)。
その母性が桜を引き取った際に覚醒し、桜を溺愛することになる。
たが、箱入り娘として生きてきた美城常務とは違い、桜は歳の割に短い生で様々な経験をしており、経験豊富な桜に振り回されることとなる。
それによって様々な初体験(意味深)を経験することになった美城常務は、やがて母としての気持ちではなく別の気持ちを桜に対して抱いていることに気づき始めて…?
原作とは少々別人となった美城常務。
■
元モデルのギャル(笑)系人気アイドル。桜の転校先のクラスメイト。
モノホンのギャルに出会ってしまったと内心焦っている様子だがただの勘違い。
どこかのうさぎのようなエセ永遠の十七歳ではなく、某幼稚園児よろしくガチな永遠の十七歳。
■
背伸びしたがりなエセキス魔。
原作では明確な学年が明かされていないが、この物語では高校三年生として暮らしている。
美嘉同様に、どこかのうさぎのようなエセ永遠の十七歳ではなく、某幼(ry
■
自由人な京娘。
原作では明確な学年が明かされていないが、この物語では高校三年生として暮らしている。
日の本の国の古都である京都出身であるために、和楽器奏者の桜に興味を持たれる。
始めは軽い気持ちだった桜だが、周子の人柄に惹かれ何かと絡むようになった。
上記二名同様、どこかのうさぎのようなエセ永遠の十七歳ではな(ry
■
広島出身の大学生。
高校時代に桜の演奏を目にし憧れを抱き、上京した際にアイドルのスカウトを受けた。
始めから桜に対して高感度MAXなエロい人。
尚、歳はとらない模様。
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before an opening
Prologue
一応色んな人と絡ませてく予定。
主人公がアイドルになるかどうかは不明。
────桜舞う季節、春。
卒業や退社など今までの生活から一線引く季節であり、慣れ親しんだ友人との別れに涙を流す季節。
入学や入社など新しい生活が始まる季節であり、全く縁の無かった人達との出会いに歓喜する季節。
それは日本全国共通で、地方から都市へ、都市から地方へといったふうに人々は移り住む。特に都市近辺へと移り住む人は多い。
進学するから、会社で配属されたのがそこだから、それぞれに理由があり目的がある。
中でもやはり目立つのは学生ではないだろうか。東京は日本の首都であり、海外からの情報や各学会の重鎮も多数いるのではないかと思う。勉学を励みたい者がそれぞれの分野においての最先端を学びたいと思うのは当然であり、
東京ではなくとも首都圏には一流、二流の国立大学が数多くあるため、都市部へと移る若者は多い。
勉強面以外でも、親の転勤による転校、スポーツによる推薦入学
その
最近では東北での震災の影響もあり、そういった理由の移住者が多いのではないかと思う。
地元の広島でも自然災害があった為に、そちらの方を優先して考えてしまうが、ボランティア活動を無償でしてくれる人は本当にいい人たちだと思う。
だからこそだろうか、見た目が厳ついからとか、髪を染めていているから、と言った
髪を染めているからどうしたのだろうか?
耳に穴を開けているから何だって言うのだろうか?
彼らは確かに今までに悪い事をしてきたのかも知れない。
だからと言って良い行いが出来ない訳では無い。
自分を加護する訳では無いが、不良のようになってしまった人間よりも、そうでない人間の方がえげつないことをしていると思う。
それらの違いは
尤も、私が子供だからこそ思っているのかもしれない。
でも、経験上では、常に周りのゴキゲンを伺い汚いことをする奴らよりも、仲間意識の強い不良達の方がよっぽど好きになれる。
────まあ、自分も不良と呼ばれてるからなのかもしれないけど
話は逸れてしまったが、この春に私も東京へと移り住む事になった。
父を早くに亡くしていた我家は母が長年の間、私を一人で育て上げてくれていたのだが、その母がこの春に病で倒れ、この世を去ってしまった。
その影響で東京に住む大して仲が良いわけでもない親戚に親権が移り、急遽私も東京で住むことになったのだ。親のいない子どもなんてのは煙たがられるのも無理はないのかもしれないのだから文句は無い。
ただ、東京には住むことになったのだがその親戚とは別々に住んでいる。何かあった時のために近くに、という理由で産まれて十六年間寄り添ってきた友や、仲良くなった友人と別れることになってしまった。
幸いにも母の影響で音楽関連に長けていた私は、今までの功績もあり高校にも資金的にもあまり困ることは無かった。
それでもやはり悲しいものは悲しいので、ここ最近は布団にもぐる度に涙が止まらない。
大好きだった母との死別に友との別れ。母とは違い友達とは永遠の別れという訳では無いのだが、広島と東京では少々距離がある。
まあそれでも母の墓参りの為に月一回は必ず地元に帰るつもりなのだが。
そんな訳で、少なからずも新しい生活に期待を抱いていたのだが、現状困った状況に陥っていた────
◆ ◆ ◆
「で?何だって?」
「いえ、アイドルに興味はありませんか、と」
今どきの若者らしく髪を染めていた小麦色の肌をした少女は、ガタイの良い男に話しかけられていた。
ただ、少女の方は染めている色が金であり、目立つピアスなんかも付けていたりするため
「私がアイドルに?無いよ。これっぽっちも」
そんな少女は手にしていた地図らしきものを折りたたみ、面ではなく薄っぺらい厚みを見せながら言い放った。
そんな言の葉に、ガタイの良い男は首に手を当てながら顔をしかめた、ような気がする。
「そう、ですか。ではうちの事務所に見学だけでも来ませんか」
興味が無いものに見学をしないか、とはなかなか酷なことを言う。
今度は少女が面倒くさそうに顔を歪めた。そんな気がするだけではなくて確実に。
「いや、遠慮しとくよ。悪いけどアイドルとかそんな気分じゃないんだ。そっちもやる気がないやついても迷惑なだけでしょ?」
それに、と口を開きかけた時だった。
ガタイが良く顔が厳つい男がまだ若い女性にからんでいたからか、ドラマでよく見るような格好をした男から声をかけられた────君達何している?────と。
別にやましいことをしているわけでもないし訳が分からなかったのだが、ガタイの良い男の方を見ると、何やら焦っているようだった。その時に初めて顔を良く見たのだが少女はそれで察した。
「別に、ただこの人に道を聞いてただけだよ。文句ある?」
後から来た男に手にしていた地図を掲げて少々強めに言うと、たじろぎながらも小声で「ガキが」と呟き去って行った。
「まったく迷惑な話だよ。何かあったらこっちから声あげるっつーの」
「すいません、ありがとうございます」
「あんたも気を付けなよ。良い身体してんだし顔だって彫りが深いんだから、私みたいなガキに声かけてちゃいつか捕まるよ」
いつか捕まる、というのに再度首に手を当て、今度は確かに顔をしかめた。
「え?何?もしかしてもう捕まったことあんの?」
「…お恥ずかしながら」
その身体の大きさに似合わず、小声で話す男に少女は思わず吹き出してしまった。
「あはは!あんた面白いね。いいよ、うん。アイドルに、ってのは無理だろうけど見学ぐらいだったら行ってあげる」
それに、と先程言いそびれた続きに付け足しを加えながら最初に貰った名刺に目を落とし口にした。
「私も346プロってとこに用があったんだ。どうせ同じとこに行くんだからその時にでも顔を出させてもらうよ」
「346プロに用、ですか?」
「そうそう。私、東京出てきたばっかでさ、こっちに親戚がいるんだけどお呼びがかかってたわけ。その人が346プロにいるんだ」
「はぁ」
男の方は良くわかっていない様子だったが、荷物をまとめ、立ち上がりながらも気にせず少女は続けた。
「まあ、そういうわけだからその時は宜しくね、えーっと、武内さん」
最後に目に掛けていたサングラスを外し、正面から男──武内を見上げて口を開いた。
「私の名前は桜。美城桜」
そういった少女──桜は悪戯な笑みを浮かべると、再度サングラスをかけその場から去り、後に残された武内は聞きなれた苗字と芸能界でプロデューサーなんてものをしていると必ずと言っていいほど耳にした事があるであろう
────とんでもない人に声をかけてしまった、と。
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Before an opening
ただ、名前は個人の好みもあるため決めるつもりは無いです。
アイドル達も同様で、学年等明らかになっていない部分は独自設定となります。
「美嘉ちゃーん!おはよー!この間のライブ最高だったよー!」
「うん、ありがとー☆」
年度が変わり、新学期新学年が始まる日である今日は普段アイドルの仕事によってなかなか通えない学校に初日ぐらいは、という理由で事務所に許可を貰い、春の訪れを祝うかのように満開に咲いた桜並木の先にある学校へと足を運んでいた。
久しぶりの校舎に、辺りを見回しながらクラスを確認しに行き、自分の名前を見つけるとそのクラスへと足を向ける。
ふと頬を撫でた風が暖かく、良いことが起きる気がして、城ヶ崎美嘉は心を躍らせながら高校生活三年目の第一歩を歩み進めた。
◆ ◆ ◆
「やっべ、寝過ごした」
現在、時刻は8時55分。
都内某所にあるマンションの一室、そこに桜は住んでいた。そのマンションから転入先の高校まで歩いて約20分。走れば大体10分ぐらいはかかる。急いで支度してプラスの10分。いや、もうちょっとかかるかもしれないから盛って計25分。現時刻と足せば9時20分。完全に遅刻である。
────そもそも既に遅刻しているというのはご愛敬だ。
「あー、怒られるかなー」
取り敢えず布団から飛び出して諸々の支度に取り掛かった。
元の原因と言えば環境の変化に慣れていないのである。
桜は母の血を強く受け継いでおり、容姿や性格、趣味までもそっくりさんになっていたのだが、体が弱いという点も引き継いでいた。
それに加え地方のド田舎で不良紛いの事をしていた少女が、人、人、人、とにかく人で溢れかえっている地に投げ出されれば────
「うぇっ。ま゙だぎも゙ぢわ゙り゙ぃ゙」
こうなるわけである。
普段陸にいる人間が船に乗り海に出れば船酔いとなり、逆に普段船に乗っている人が陸に上がれば陸酔いとなる。
ならば今回の場合は差し詰め“人酔い”と言ったところだろうか。
その後も桜は何度か奇声を上げ、ようやく支度がすむと等身大の鏡の前に立ち上から下まで確認し、両手で頬を叩いて自身に活を入れた。
「よし、程よく頑張ろう」
────鏡の上にある時計を見れば9時30分を回っていた。
家を出て人の波に呑まれつつ、学校に着く頃には二限目が終わる時刻となっていた。今日は初日のため午前だけで終わるので、もういっそ行かなくてもいいんじゃないかとか考えながら門をくぐると、そこには教師であろう人と、上京して一度挨拶に行った人物がいた。
「げっ」
桜は思わず体を反転させて来た道を引き返す。
「おい」
だが、あちらにも見つかってしまったようで声をかけられた。
このまま逃げ出すことは出来るだろうが、そんなことをしてしまえば余計に面倒な事になってしまう。
「な、何でしょうか?」
「初日から遅刻とはいいご身分ではないか桜。おかけで私はここに呼び出されてしまった」
「え、えっと、何のことかさっぱ────いでっ」
とぼけようとした桜の前まで来た彼女──
それを見たもう一人の女性が後ろで目を丸くしている。
「私は時間にルーズな奴が嫌いだ」
「うっ。…ごめん」
一度しか顔を合わせたことのない人だが、その一度で彼女の人柄は大体に理解出来ているつもりである。
故に、言葉とは裏腹に桜の事を心配していたのだということも理解出来てしまっていた。
彼女はこれまでニューヨークへと渡っていたのだが、桜の父──彼女の
「────だが無事で良かった」
桜が感じていたことは確かのものであったようで、叔母に抱きしめられた。
普段の
「お、叔母さん?」
「あまり心配をかけないでくれないか。私にも仕事というものがある」
「…うん」
こうして美城常務は桜によってアラフォー目前にして立派なツンデレへと育て上げられるのだが、それはまた別の話────では無くこれが本筋の話だったりする。
◆ ◆ ◆
「寝坊してしまって遅れちゃいました。すいません」
桜が来たことで、美城常務は抜けてきた仕事へと戻っていった。
その場に残ったのは桜と、桜のクラスの担任となる女性教師だけである。
「いえ、お体のこともありますし、あまり無理はしないで下さいね」
でも以後は気を付けるように、と注意をした後に桜についてくるように言った。
かなりの遅生まれである桜は東京についてから歳を一つとり十七歳となったため、今年は高校三年生となる。
三年生のクラスは四階。一年生二階で二年生が三階、一階は主に食堂や職員室等、全学年が共通して使う部屋ばかりだ。
四階、辛いよ。
「もうすぐ休憩時間に入りますから、その時にクラスメイトの皆さんに挨拶しましょう」
そう言って通されたのは職員室に備え付けられている給湯室。
そこで桜の所属することとなる組、転校手続きの際に記入した個人情報の確認、一人暮らしをしている事も説明し自らの携帯電話の番号と叔母の携帯電話、固定電話の両方の番号を知らせておいた。
それと桜が
担任の先生は概ね理解してくれたようで、フォロー等も任せてくれとまで言ってくれた。どうやら担任には恵まれたようだ。
その後はプライベートな話に花を咲かせ、時間が来るまで会話をはずませた。
趣味だとか、桜が以前住んでいた広島について、この学校についてや学校近辺の店やレジャー施設、先生の地元のことに家族構成などなど。その間に堅苦しかった話し方も砕け、まるで昔からの知り合いのように仲良くなっていった。
ただ、女が複数人集まれば話は自然と
「先生は彼氏とかいないの?」
とな。
因みに桜は
「うーん。教師やってたらなかなかね」
「えー、勿体ないね。先生可愛いのに」
「可愛いって、ねぇ。本当にそうだったら苦労しないのよ」
「それは男の見る目が無いだけだよ。私だったらほっとかないなー」
詰まるところ周りにいる全員が恋愛対象になり得るために無意識に口説きにかかっていることもある、という事だ。
「そう?なら美城さんにお相手をお願いしちゃおうかな」
だからむやみやたらにこう言ったセリフを言ってしまえば桜は迷わず喰いにかかる。
「ほんと?私でいいなら立候補しちゃうよ」
────ね、先生?
「あ、あはは。冗談よ、冗談」
「あら残念」
テーブルを挟んで対面に座っていたにも関わらず、ずいっと顔を近づけ耳元で
その様子を見てからかわれたのだと思い更に顔を赤くするが、再度口を開かれ発せられた
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Girl Meets Girl
次か次の次あたりまでにはアイドルと本格的に絡ませていきたいです。
ギャグっぽくしたかったのにあまり気持ちのいい話になっていないのもたぶん気のせいです。はい。
それとG7凄かったですね。
ここ日本?って本当に思っちゃいました。
てなわけで(?)ちょくちょく広島弁入ります。
朝、クラスを確認した後に新しいクラスへと足を踏み入れると気分が高揚する。
学年が一つ上がり最高学年となった今年度は、進路について考え
だからこそ高校三年生の体育祭や学園祭などの行事に対するモチベーションは他学年とは全く別物となる。
“高校三年生”
それを聞けば
そんな今年度の初日、時間が来ると去年とは違う新しい担任──ではなく副担任に一日の流れを説明され、久しくあっていなかった友達と始業式のために体育館へと足を運ぶ。担任は用事があってあとから来るらしい。全学年全クラスが集まり、始業式が始まった。日本全国どこの学校でも共通であろう校長の長い話が終われば教室に戻り、今度は今年一年の行事についての説明を聞いた。進路相談だとか特別クラスを設けただとか。
そんなこんなで時間は過ぎていき気が付けば壁にかかっている時計の短針は十をこえており、時間が時間だし限りがいいということで休憩時間を貰い各々の時間を過ごすことになる。斯く言う私も席が近かった子と所謂女子トークを始めた。
担任となった女性が教室へと入ってきたのはそんなときだった。
なんでも転校生がいるらしく、その人を迎えに行っていたために遅れたのだとか。
初日なのにこの時間に来るとは如何なものだろう。遅刻したのか、将又元々この時間に来るよう言われていたのか。
担任が朝からいなかったのだから後者は無いのだと思うが、転校初日に遅刻したのだとしたらかなり肝が据わっている。高校三年生にして転校してくるのだから当人はあまり気にしていないだけなのかもしれないけど。
どちらにせよ登校日が少ない私にとっては余り関わらない人となるだろう。
自慢するわけでもないし自惚れているわけでもないが人気アイドルだという自覚はある。だからもしかしたら、もしかしたら向こうから近寄ってくるかもしれない。その時は優しく適度に接してあげよう。
「美城桜です。広島から来ました。今日は
────そう思っていた時期が私にもありました。
腰まで伸び綺麗に染められた金髪に少し褐色よりな小麦色の肌。背は私より少し低いぐらいだろうか、そこまで高いわけでは無い。が、存在感がある。明らかに
中身はそこらの女の子と何ら遜色ない乙女なハリボテギャルの自分とは違い、見る限り根っからのギャル。
その容姿も宛ら、担任の横でしかも転校初日に堂々と寝坊して遅刻したと宣言する辺り間違いない。
しかも心做しか担任との距離が近い気が、むしろ担任が彼女に近寄っている気がする。
軽く背筋に寒気が走った。
そんな中で私──城ヶ崎美嘉──は内心涙しながら思う。
(遂に本物が来ちゃったかぁ)
◆ ◆ ◆
「先生ってほんとに可愛いね」
あれから時間が来るまでかわいいだとか、うちに来ないかとか、ベッドは大きいの買ったんだとか言っていたらその状態がデフォルトなんじゃないのかと思う程に先生はずっと顔を赤くしたままだった。
桜が思っていたよりも初心であり、それがまた可愛らしく見えてしまったために、時間となり教室へと移動している最中もこうして口を閉じることはなかった。
「はいはい、ありがとうね。今度おじゃまさせてもらうから静かに。今は一応授業中なのよ」
対する先生の方も軽く遇おうとしつつも無意識のうちに桜の家へと行く約束をしていた。
確かに授業中であるのに“一応”なんてつけているあたり浮かれているのかもしれない。
ただ、その後本当に桜の家にあがったのかは当人達のみぞ知る。
目的地までつくと呼ぶまで待つようにと桜に言い残し、中から出て来た男の先生と入れ違いに入っていった。
表札には“3-B”とあり、自身の背中まで伸びた髪をイジリながら金繋がりだなとくだらないことを思いながら待っていると、中からお呼びがかかる。
教室内はやはりというか以前と通っていた高校とは全くの別物だった。
校則も関係しているだろう服装や、染髪の許可範囲にクラスの雰囲気、何よりも人数が多い。
自身の容姿の派手さを自覚しているために桜は一先ず安心する。
思っていたよりも堅い人たちの集まりではなさそうで、嬉しい誤算だった。
「美城桜です。広島から来ました。今日は
だからだろうか、中でも一際目立つ容姿をした
◆
「うへぇ、
新しい学校、新しいクラスに新しい学友。そんな中で見つけた一人のクラスメイトとお近づきになりたかった桜だったが、教室とは別室で唸っていた。
この学校では英語と数学のみ学力別でクラスが割り振られ、自身に見合ったレベルの授業を受けることとなる。そのための学力テストを受けているのだ。
ここまで聞けば何故桜だけ、となるが、進級した他の生徒は昨年の成績から割り振られるためにテストは受ける必要がなかった。
故にぼっちである。
先ほどの唸りも一室に響き渡るだけで虚しさと言う名の攻撃が精神に直接ダメージをあたえるだけとなってしまった。
桜は幼少期に強姦未遂にあい、それ以来本能的に一人になるのを嫌っていた。あの時の体験は当時の友人達により忘れることが出来はしたがその副作用により常に誰かのそばにいるようになったのだ。もちろん、気のしれない男と二人きりになるのは心の奥底にしまい込んだ
「終わったー!」
「あら、もう解けたのね」
「うひゃあ!?」
そうこうしているうちに桜は全問解き終え、伸びをするが静かに部屋へと入ってきた担任の先生に急に声をかけられたために恥ずかしい声を出してしまっていた。
「ちょ、びっくりさせないでよセンセ」
「ごめんごめん。終わったのならお昼行かない?ついでに学校の中も案内するから」
言われて携帯を取り出し時間を見ればお昼時でありいい時間となっている。
「んー、お願い。家帰っても今からご飯準備するのはちょっとね」
先ほど十分に出来なかった体の凝りをほぐしながら言う桜に担任は笑みを浮かべ、二人はそのまま部屋をあとにした。
午前授業のためこの時間ならば他の生徒は既に帰っており、結局初日に交流を交わしたのはこの担任の先生だけとなりそうだ。
余談ではあるが、昼食の際に答案用紙を置きっぱなしにして部屋を出たために桜は担任と一緒に怒られる羽目になったそうな。
ふらぐけんちくし☆
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Story with the Cinderella
Beginning of story
お久しぶりです。年度のはじめは毎年忙しいですね。
それはさておき常務をどうやっておとしましょうかねぇ(ゲス顔)とか考えてたら重要なことに気がつきました。
熊 本 弁 が 分 か ら な い
もうあれですよね。webli〇とかでも言語の欄に
英語
日本語
神崎蘭語
とかね、追加して欲しいですよね。ほんと。
もしくは
英語
日本語
▼熊本弁
みたいな
どうしましょうか(迫真)
突然だが皆に問いたいことがある。
────生の能面とか見たことある?
◆ ◆ ◆
久しぶりの学校、半日授業を終えた美嘉は346プロの事務所へと足を運んでいた。
一学生といっても彼女はアイドルでありそれでお金をもらっていたりもする立派な“プロ”であるためこの日も午後に雑誌の撮影が入っていた。学校終わりに友人と外で昼食をとりそのまま事務所へと来たために制服のままである。
今回の撮影は“アイドル”として雑誌に載るため346プロ事務所の前での撮影となり、中で先方が用意した衣装に着替えてマネージャーに話を聞きながら外へ出ると何やら騒がしくなっていた。
自身もそれなりに人気があることは自覚しているために、また何処からか今回の撮影の情報が漏れたんだろうと思いはしたが皆一様に美嘉を見ていないため疑問を抱き眺めていると人波を分断するように一人の
「…なにあれ」
ここで最初の問に戻ろう。
皆は生で能面を見たことがあるか?
私はある。
というか今見ている。
生能面なうである。
「能面、ですかね」
美嘉のこぼした呟きにそばにいたマネージャーが答えたが、言われなくても分かっている。彼女が聞きたかったのはそういうことではないのだ。
もっと、こう、
「…誰なんですかね、あれ」
とか、何をしているのか何故あんな格好なのかとか。とかとか。
そういったことをさして言ったのだ。
「変人、ですかね」
またもやマネージャーから返事が来たのだがそれも違う。そんなことは見ればわかる。
団体で
そんなこんなで問答を続けていると美嘉はあることに気がついた。
「あれ、なんかあの人マネージャーさんのこと見てません?」
「いえ、きっと城ヶ崎さんのことを見てるんですよ」
能面がこちらを向いているのだ。もう一種のホラーである。
「あ、こっち来ますよマネージャーさん」
「おそらく城ヶ崎さんに用があるのでしょうし私は外しましょうか」
こちらを向いているのに気づき、見ていると目が合った気がした美嘉はとっさにマネージャーを巻きこもうとするがマネージャーも巻き込まれるのは御免であるためにすぐさまその場から立ち去ろうとする。
カリスマギャルとして世間に名を馳せている美嘉も中身は一人の少女なのだ。能面つけたヤツと一体一で向き合うというのは勘弁願いたいものであるために何とか引き止めようとするのだが、マネージャーは止まらない。
少女じゃなくても
「え、ちょっと待って。ねぇ待ってお願いだから待って置いていかないで」
「申し訳ありませんが私は次の仕事がありますのでこれで失礼します。あ、公衆の面前であるため“カリスマギャル城ヶ崎美嘉”でいて下さいね」
今にも泣き出してしまいたい美嘉にとってそれは死刑宣告も同じである。
後にも先にも彼女が心の底からアイドルを辞めたいと思ったのはこの時だけだ。
ついでに人を呪おうとしたのもこの時が初めてだった。
こちらへ向かってくる能面野郎に向かって手を合わせ目を瞑り、口には出さずにマネージャーが不幸になることを一心に祈ったのだ。
念のためマネージャーは何も悪くないことをここに記しておく。
そうしているうちに目の前にたどり着いていた人物に声をかけられた。
「やっ。私のことわかる?」
かけられた声に聞き覚えがあり目を開け前を向くと能面を少しだけずらした少女、数時間前に一度だけ見た顔があった。
「美城…さん…?」
「お、良かった。覚えててくれたんだね。えっと城ヶ崎、さんであってるよね?」
「う、うん」
美城桜。
今日広島から転校してきたモノホンのギャルで、美嘉からしたら関わりたくなかった人物である。尤もそう思っているのは美嘉だけで桜も美嘉同様に中身までギャルギャル(?)している訳では無いのだが。
「いやはや良かったよ。私こっちに知り合いとかいなくてさ。城ヶ崎さんと話したのも今が初めてだけど、見知った顔がいるだけで嬉しいもんだね。ありがとう」
そう言って笑う桜の笑顔に眩しさを感じ、美嘉は顔を赤く染める────ことはなく、ただただ怖かった。
苦手意識を持った相手に話しかけられているのだから無理もない話だ。おまけとして能面を装着しているのだからダブルパンチである。
「え、えっと、私これから撮影があるから…」
「撮影?城ヶ崎さんって何かやってんの?」
「えっ?」
マネージャーに続き、桜相手に
まさか同世代で自分を知らない人が話しかけてくるとは思わなかったからだ。
事実、その派手な容姿とは裏腹に明るく親しみやすい性格から好感が持てる美嘉は若者だけでなく老若男女、世代を選ばずに人気があり知名度もある。
今や“城ヶ崎美嘉”という名は知っているのが普通であり、知らない桜の方がおかしいのだ。
どう答えればいいのかあたふたとしていると、予定時間が近づいていたようでスタッフの人からお呼びがかかった。
「あ、ごめんね。もう行かなきゃ」
「そっか。なんだかよくわからないけど頑張ってね」
そう言うやいなや再度笑顔を見せ、面を付け直した桜は去っていった。
その後ろ姿をぼーっと眺めていると二度目の声がかかり、美嘉は急ぎ足で現場へと向かった。が、途中でふと足を止め既に姿が見えなくなった桜が去っていった方を振り向き美嘉は思う。
(あれ、なんで能面なんて付けてたんだろ)
その疑問も一瞬で、マネージャーとの会話を思い出しながら結論を出した。
(ああ、変人だからか)
そんなどうでもいいことを考えていたからだろうか、美嘉は桜が足を向けた先に何があるのか気付かなかった。
あまり学校へは行かないためにそこまで関わることは無いだろうし、関わりたくないと思っていた彼女の受難は続くこととなる。
◆ ◆ ◆
美嘉と別れた桜はその後も人々の視線を集めながら叔母である美城常務に呼ばれた346プロ内にある彼女の部屋へと向かっていた。
途中、警備員に止められたりしたが自身の名前を告げると叔母から連絡がしてあったのかすんなりと通してくれたり、片目が前髪で隠れた不思議な雰囲気の子に懐かれたり、長身の美人な人に「能面ですか?
「いやー、面白いねここ」
「面白がる場所じゃないぞ」
「それで私は何をするの?アイドルとか?」
「莫迦者。桜にアイドルなんてやらせられるか」
「じゃあなんでここに?アイドル事務所なんでしょ?」
「美城グループはアイドル部門があるだけでそれが全てではない。なぜここに来たのかは自身でも分かっているだろう?」
常務の言う通り、桜何故
両親を失った
むしろ他に何か理由があるのならば桜が教えて欲しいと思う程に
まあ、以前からそうなのだが。
「まあ、ね。それで
「そんなに難しいことは言わない。ただ、
桜としても、今までは母の側を極力離れたくがないために何処にも属さなかっただけなのだから特に問題は無い。だがそれを黙っている人がいない訳では無い。
「私はいいけど協会は?あの人達に言わないと何も出来ないよ」
全日本和楽器協会。
近年その存在を薄くしつつある和楽器の普及を目的とした協会で、和を重んじている人たちの集まりだ。そのため
桜はそれに当てはまらないどころか大きくかけ離れている容姿をしているため彼らに歓迎されず、国内で活動をしようとすると何かとちょっかいをかけてきていた。
だからこそ手の及びにくい海外での活動を中心としていたのだが、それが影響されて協会の目的である和楽器の普及が国内ではなく新聞に取り上げられるなどしていた海外ではかなりしていた。
“世界の美城桜”になったことと、協会の目的が桜によって達成されつつあることにより協会側も桜に対して大きく出ることは出来なくなったが、それでも彼らは桜を受け入れる気は無かった。
国内で活動をするのであれば彼らの
「気にすることは無い。それはこちらで何とかする」
「…まあ、何とか出来るんなら何も言わないけど」
桜は半信半疑であったが、美城も大企業である。何も考えずに彼女を迎え入れたわけではないため──その方法はかなりの暴挙であるため割愛するが──程なくして桜は問題なく
(続けば)少しずつ文字数増やしていこうと思います。
誤字等あれば報告にてお願いします。
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