ラブライブ!~忘れられた月の彼方~ (ゆるポメラ)
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主人公プロフィール

みなさん初めまして、
ゆるポメラと言います。
初めてラブライブ!の小説を投稿して
いきたいとおもいます。
下手くそですが読んでもらえると嬉しいです。

主人公のプロフィールです


水無月悠里(みなづきゆうり)

 

誕生日:12月12日、いて座

 

血液型:A型

 

身長:160cm

 

体重:33kg

 

趣味:裁縫、料理

 

好きな食べ物:クッキー、フルーツケーキ、

シナモンロール

 

得意科目:国語

 

苦手科目:英語、数学(ただし簡単な暗算くらいならできる。)

 

容姿イメージ:『らき☆すた』の岩崎みなみ

 

一人称:僕

 

性格:

 

普段は落ち着いた感じ。

人の長所や短所を見るのがうまい

自分が一度決めたことは、最後までやる。

また、かなりの落ち込み症であり

一度落ち込んだら、立ち直るまで普通の人より時間がかかる。

   

時々、無茶をすることも頻繁にある。

 

※テスト期間になると、中学時代からの癖で平気で3日続けて徹夜をする。高校1年時代(つまり本編前)のときに、この行動をしていた時にクラスメイトの2人にばれてしまい、それ以来止められる。悠里本人は、今でも納得してない。

 

 

 

過去:

 

中学1年生から中学3年生まで

悲惨な学生時代を送っており、本来の人格(本当は明朗快活)が失ってしまった。

今の性格になってしまったのは、

これが原因。

   

 

 

友人関係:

 

 

小さい頃は、穂乃果、海未、ことりの4人で遊んでいたが中学に入ってからは、3人とはクラスが違ってしまったため、3人は悠里が何をしていたか知らない。

知らないというより、悠里自身が意図的に避けたから。真相は本編にて記載予定。

転入前の高校では、悠里の過去を知っている小学生からの友人、明美瑠菜(あけみルナ)、

中学時代の悠里を知るフランスからの留学生、如月ティア(きさらぎティア)の3人で行動していた。

試験生として転入したあとも、連絡を取ったり時間さえあえば会ったりしている。

     

 

家族関係:

 

両親は、悠里が12歳の誕生日のときに、

ある事件に巻き込まれ他界。

その日以来、ずっと一人で生きており、現在は知り合いから実質もらった家に一人で住んでいる。

 

 

その他オリキャラ紹介

 

明美瑠菜(あけみルナ)

 

誕生日:11月11日、さそり座

 

血液型:O型

 

身長:159cm

 

スリーサイズ:B80W55H80cm

 

趣味:お昼寝、裁縫

 

好きな食べ物:プリン、悠里が作ったお菓子

 

得意科目:数学

 

苦手科目:国語(本人曰く眠くなるから)

 

容姿イメージ:『テイルズオブエクシリア』のエリーゼ・ルタス

 

一人称:わたし

 

性格:

 

一言で言うならマイペース。見た目とは裏腹に思いやりが人一倍強い。

マイペース過ぎるため、会話のやりとりが緩く感じる。

その為、周囲の人(一部例外アリ)は会話するだけで体力を持ってかれるとの事。

 

ちなみに母親は理事長をしており、

その繋がりで、ことりとは知り合い。

 

 

如月ティア(きさらぎティア)

 

 

誕生日:10月10日、てんびん座

 

血液型:A型

 

身長:159cm

 

スリーサイズ:B77W55H80cm

 

趣味:読書、怖い話

 

好きな食べ物:悠里が作ったお菓子

 

得意科目:数学、英語

 

苦手科目:社会(本人曰く地図を覚えるのが嫌だから)

 

容姿イメージ:『蒼の彼方のフォーリズム』の倉科明日香

 

一人称:私

 

性格:

 

一言で言うなら冷静沈着。

フランスから来た留学生で、悠里と瑠菜とは中学時代からの付き合い。

いつも片手に何かしらの本を持ち歩いている。

中学時代の悠里を知っているので、何かしら無茶をする

悠里を表情にはあまり出さないが心配している。

 

ちなみに怖い話が好きという、お茶目な一面がある。

 

 

 

   

 

 

 

 

 




とりあえず、こんな感じです。
簡単なプロフィールで申し訳ありませんが、
こんな感じで頑張って進めたいと思います。

本編はできしだい投稿したいと思います。


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第0話 始まりは唐突に

みなさん、こんばんは。
ゆるポメラです
自分にとって記念すべき第0話です。
初めてで緊張していますが、
楽しんでもらえれば幸いです。

では、どうぞ。


みなさんは春についてどう思うだろうか?

僕は、春夏秋冬の中で春が好きだ。

なぜなら、時間の流れが早く感じるのが好きだからだ。

 

この時、僕は知らなかった・・・

 

今日という日がいつもと違う1日になるなんて・・・

 

時刻は、7時30分。平日はこの時間に起きている

なんでかって?・・・だって僕高校2年生だし

 

「・・・小さい頃の夢見るとか何かの前兆かなぁ。」

 

どうも。僕の名前は水無月悠里(みなづきゆうり)です。

今年で高校2年になって間もない16歳です。

って、誰に挨拶してるんだろ・・・

今日は何かが、起こりそうな予感がするんです。

 

「あ、朝ご飯作らないと学校間に合わないかも」

 

こんな感じで朝は余裕をもって準備してます。

ちなみに今日の朝ご飯はフレンチトーストとブラックコーヒー

なんでこのメニューにしたかというと、気分的に食べたくなったからだ。

 

「・・・やっぱりフレンチトーストおいしい。」

 

食べ終わり片づけも終え、そろそろ登校しようかなぁと思った時・・・

 

ーーピンポーンーー

 

玄関のチャイムが鳴った。

「・・・え?、こんな朝早く誰だろ?」

 

疑問に思ったが、開けないわけにはいかないのでドアを開けると・・・

 

「おはよ~、ゆうくん。」

「あれ?、ルーちゃん?」

 

同級生でクラスメイトの明美瑠菜(あけみルナ)ちゃんだった。

ルーちゃんとは小学校から中学校までの仲で、僕が本音を言える

友人の1人だ。

 

「ルーちゃん、どうしたの?早起きなんて珍しいね。」

「むぅ~、その言い方だとわたしがいつも寝坊してるって聞こえるよ~。」

「ごめん、ごめん。・・・純粋に気になっただけから」

 

僕が苦笑いしながら謝るとルーちゃんは、とりあえず納得したらしく

「あまり反論できないからいいけど、わたしもなんで早起きできたのか

不思議なんだよね~。」

 

ルーちゃん自身も疑問に思っていたらしい。ここで僕はある事に気づく

「あ、鞄まだ持ってきてなかった!?、ルーちゃん悪いんだけど取りに行って

くるから待ってて」

 

僕としたことが・・・これじゃ何の為に早く起きたんだろ?

するとルーちゃんが

「慌てなくていいから大丈夫だよ~」と言ってくれた。

 

無事に鞄を持ってこれ、さて学校行こうかとルーちゃんに声をかけようとした時

 

ーーピンポーンーー

 

本日2度目のチャイムが鳴った。

今度は誰なんだと、若干の恐怖を感じながらドアを開けると・・・

 

「おはよ。ユーリ、ルナ」

「「ティアちゃん!?」」

「どうしたの?、2人共そんなに驚いて・・・」

 

僕が本音を言える、

もう1人のクラスメイト如月ティア(きさらぎティア)ちゃんだった。

ティアちゃんとは小学3年生からの付き合いでもあり、僕にとって嫌な中学時代の

真相を知ってるのはティアちゃんだったりする。

 

「ティアちゃん~どうしたの?」とルーちゃんが聞くと

 

「・・・えっと少し急がないと学校遅刻するから迎えに来たんだけど」

 

「「えっ!?」」

 

「あと20分したら私達3人、遅刻確定よ?」

「ティアちゃん、それ本当?」

 

と僕が恐る恐る聞くと

「ユーリ、時計見てみて」

「・・・」

 

そして僕は言った。

「ルーちゃん、ティアちゃん急ごう!!」

「ユーリ、切り替えはやっ!?」

「あはは~」

 

こうして3人で走り、なんとか学校に着いた・・・

 

そして午前の授業を受け、昼休みに、午後の授業が終わり

・・・あっという間に放課後になった。

 

「なんかいつも通りだったね」

「そうだね~」

「強いて言うなら、危うく遅刻になりかけたくらいかしら?」

 

そんなこんなで2人に帰ろうかと言おうとしたとき・・・

 

『2年1組の水無月悠里くん、明美瑠菜さん、如月ティアさん、

理事長室に来てくださ~い♪』

 

「「「えっ!?」」」

 

という訳で理事長室に呼び出された僕達3人

正直なんで呼び出されたのか、全く心当たりがない。

とりあえず入ることにする。

 

「・・・失礼しまーす」

「もぅ~、一体なぁにお母さん」

「ルナ、拗ねないの。失礼します理事長」

「はぁい~、急に呼び出してごめんね~」

 

お気づきかもしれないが、のほほんとした感じの人が僕達の高校の

理事長である。

そしてルーちゃんの母親の明美瑠花(あけみルカ)さんである。

僕は、早速気になった事を聞いてみる。

 

「あの理事長、なんで僕達が呼ばれたんですか?」

「うーん、厳密には悠里くんにお願いがあるんだけどね~」

「ほぇ?、ゆうくんに~?」

「・・・ユーリにお願いですか?」

「そうなのよ~」

 

何だろうと思っていると、いつもの感じから一変、

真剣な表情で言った。

 

「水無月悠里くん、あなたに音ノ木坂学院に転入してほしいの」

 

・・・え

 

「「「えええぇぇぇ!?」」」

 

この時、僕は思った。

・・・本当に、唐突だなぁと。

 

 

 

 

 




な、なんとかできた。
初めて、プロローグができました。
次回は、なぜ転入することになったのかの話です。
本編までの始まりが長くなりそうで申し訳ありません。

こんな感じですが、よろしくおねがいします。


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第1話 転入する理由と決断

こんばんは、ゆるポメラです。
今回の話は何故、転入になったかの話です。
それでは、どうぞ。


「て、転入!?」

 

え?、理事長さん何て言った?

 

「えっと、悠里くんは私が音ノ木坂学院出身なのは知ってる?」

「そういえば・・・昔そんな事言ってましたよね。」

 

確か僕達3人が中学に入ったばかりの時に言ってたなぁ

当時、まだ先生だった瑠花さんが僕がもう一人慕っていた

先生と『私達、同級生なのよ~♪』って言っていたのは

今でも鮮明に覚えてる。

・・・そういえば先生、今頃どこで何してるんだろう。

 

「それでね~。私、音ノ木坂の理事長と知り合いなんだけど

そこで一昨日くらいかしら?電話で相談されたの。

『音ノ木坂を共学させる事になったから男子生徒を1人試験生として入学

させたいの』ってね。」

 

なるほどなー。

と、僕が少し疑問に思いながら考えてると

ルーちゃんが、

 

「あれ~、でも確か音ノ木坂学院って()()()じゃなかったけ~?」

「・・・え?。そうなの?」

「私もルナに昔、音ノ木坂学院のパンフレット見せてもらった事あるけど

昔からの伝統高校みたいよ。」

 

と、ティアちゃんが簡単な補足説明をしてくれた。

 

「話の内容はだいたい分かりました。でもなんで()なんです?」

 

そう、これが疑問だった。

僕達が通っている高校は僕以外にも男子はいる。

最悪ルーちゃんやティアちゃんでもいいのでは?

・・・でもそれだと瑠花さんと音ノ木坂の理事長が言っていた『共学』という

内容が噛み合わない。

そうなると、僕達の高校から1人だけ男子が選ばれたという事になる。

 

「悠里くんの言いたいことは分かるわ。でもね私があなたを選んだのは

私だけじゃないの。」

「・・・え?」

 

瑠花さんだけじゃない?。

「音ノ木坂の理事長が『どうしても悠里くんにお願いしたいの』って言ってたわ。

だから私達2人からのお願いなの。

私としては悠里くんの意見に尊重したいんだけどねぇ・・・。」

 

・・・でも()()()()()()()()()()僕なんて

 

「ゆうくん」

「・・・え?」

「そんな事ないからね!!」

「・・・まだ何も言ってないんだけど」

「ユーリ、隠しているつもりかもしれないけど私達には隠せないわよ。

表情をみれば分かるわよ。・・・ユーリが何を言いたいのかもね」

「・・・ティアちゃんまで」

 

ほんと、()()3()()には隠せても

ルーちゃんとティアちゃんには敵わないよ・・・

 

改めて瑠花さんの表情をみると()()()()いた。

・・・お見通しか。

 

「理事長・・・、いや瑠花さん!!」

「何かしら?」

「・・・こんな僕なんかでいいなら『音ノ木坂学院の共学の転入』の件、

受けさせてください。」

「・・・悠里くん本当にいいの?。」

「もう決めましたから。・・・それに」

「それに?」

「たしかに辛い時もあったけど、この言葉で頑張れます。

あの子の言葉を借りて言うなら

僕は一度決めたら()()()()()()()()!()!()()()()()()()()()です。」

 

・・・この言葉に何度助けられたか。僕にとって、おまじないだから

 

「ゆうくんらしいねぇ~」

「そうね。辛くてもめげないところがユーリらしいわ。」

 

人前で、このセリフ言うの久しぶりだったから恥ずかしいなぁ・・・

 

「じゃあ転入の件、よろしくね。悠里くん」

「はい!!」

 

・・・こうして今日は音ノ木坂学院の転入が決まった日だった。

 




なんとか無事に終えました。
最後、悠里が言ったセリフに
あの子のセリフを言わせてみました。
次回は、いよいよ本編に入る予定です。

本日は、ありがとうございました。


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1st Season
第2話 音ノ木坂学院へ


ゆるポメラです。
ようやく?、本編に入ります。
内容が少し長いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


・・・転入の件から3日後。

今日から僕は『音ノ木坂学院』へ初登校することになる。

この日は、いつもより早めに起きた。

時刻は6時30分。

何故この時間に起きたかというと理事長に会いに早めに

登校しなければならないからだ。

 

「・・・というか制服とか生徒手帳を揃えるの

早すぎだよ。瑠花さん・・・」

 

それは3日前に遡る。

 

『それで瑠花さん、転入はいつからなんですか?』

『明日から3日後よ~♪』

『『『早っ!?』』』

 

この時は、かなり驚いた。

僕が思うに転入手続きやら、色々かかるんじぁ・・・

 

『あ、ちなみに制服とかは今日には届くわ。

生徒手帳とかは明日には届くから、うちの娘に届けさせる

わね。瑠菜、頼んだわよ?』

『ふぇ?。うん~、任せて~。』

 

・・・とまぁこんな感じのやり取りがあったんだ。

そして瑠花さんの言った通り、帰ってきたときに

音ノ木坂学院の男子用の制服が届き、

その次の日、つまり2日目。

ルーちゃんとティアちゃんが来て

 

『ゆうくん~、生徒手帳を届けに来たよ~。』

『・・・本当に届いちゃったよ。』

『相変わらずルナのお母さん凄いわね・・・』

『・・・まぁ、瑠花さんだしねぇ』

 

とまぁ、こんな感じで今日に至ります。

準備を終えた僕は自宅を出た。

 

そんなこんなで無事に音ノ木坂学院に着いた。

ここに着くまでに、ルーちゃんとティアちゃんから

メールがあった。

・・・ちなみに内容は

 

『ゆうくん、初めての女子高で大変かも知れないけど頑張ってね。

追伸、今日の学校の感想を連絡してくれると嬉しいです。

ルナより。』

 

『ユーリ、辛いこともあるかも知れないけど頑張ってね。

私とルナは、ずっとユーリの味方だから。

追伸、特にクラスでの自己紹介とかあると思うから頑張って。

ティアより。』

 

「2人とも急がしいのにありがたいなぁ・・・」

 

こんな感じで感傷に浸っていると、僕は高校を見た。

「うわぁ・・・伝統って言うだけあって、なんか凄いや」

 

来る途中も思ったのだが、桜並木の道を歩いたら目の前には学校。

例えるなら、桜に囲まれた学校だ。

正直、なんでこんなに綺麗な学校が共学になったんだろ・・・

 

「考えても仕方ないし、理事長に会いに行こう。」

 

こうして僕は、門をくぐった・・・

 

「えっと理事長室は、3階にあるって瑠花さん言ってたな・・・」

 

現在、僕は女子高の校舎内を歩いて理事長室を目指しています。

この時間帯は、どうやらまだ生徒が来てないらしいので誰とも遭遇せず

無事に目的地の理事長室に着いた。

 

「・・・何だろう、ドアの前からオーラが凄いんだけど」

 

そうも言ってられないので、深呼吸をしドアをノックする。

 

ーーコンコンーー

 

「どうぞ。」

 

と声がしたので中に入ることにする。

・・・さっきの人の声どこかで聞いたことあるような。

 

「この度、転入することになりました水無月悠里です・・・って

えっ?」

 

僕は理事長をみて驚愕した。

・・・何故なら

 

「3年ぶりね♪、悠里くん。」

「えええっ!?、南先生!?」

 

中学時代にお世話になった、南先生だった。

 

「瑠花さんが言ってた音ノ木坂学院の理事長って・・・」

「私よ♪」

「そういうオチかぁ・・・。」

「ルカから私の事聞いてないの?」

「音ノ木坂の理事長と知り合いなのって聞いてたので・・・」

「・・・説明が少し足りないわよ。ルカったら。」

 

南先生、もとい南理事長は頭を抱えこみながら小さく溜息をついていた。

 

「・・・あの、どうして僕を試験生に選んだんですか?」

「ルカから共学にする事になったのは聞いてる?」

「一応は。でもなんで共学に?」

「年々入学者数が減って現在に至るわけなの。

そこでね理事会が提案したことが・・・」

「・・・今回の『共学化』なんですね。」

 

とりあえず納得した。

いわゆる『応急処置』みたいなものだろう。

 

「一応、今日の始業式に悠里くんもみんなと一緒に聞いてもらう

ことにもなるけど・・・」

「分かりました。

あの、僕のクラスはどこになるんですか?」

 

僕が心配しながら聞くと・・・

「大丈夫よ。これから職員室まで案内するから。」

 

と南先生が笑顔で言った。

・・・やっぱり瑠花さんと同じで話やすいや。

 

「それから悠里くん、個人的に聞きたい事があるんだけど・・・」

「・・・答えられる範囲なら。」

 

南先生が、不安そうな表情で聞いてきた。

 

「ルカから聞いたのだけど()()()()()()()()って本当なの?」

「・・・本当です。」

 

まさか、その事を聞かれるなんてなぁ・・・

 

「・・・全部は話せませんけど、忘れられても()()3()()のために

やったのは本当です。話せる時が来たら南先生にも

ちゃんと話します。」

 

こう言うしかなかった。

僕の気持ちが伝わったのか、

 

「・・・そう、分かったわ。」

 

とそれ以上は聞かなかった。

 

「さて!!。

じゃあ一緒に職員室に行って悠里くんのクラスを聞きにいきましょうか。」

「はい。よろしくお願いします。」

 

これから残り2年間、どんな高校生活になるんだろう?

 

 




原作キャラとの会話が難しい・・・
今回は、ことりママとの会話を頑張ってみました。
次回は、この小説のメインの2年生組の3人が
出せると思います。
自分なりに頑張って書きますので、
よろしくお願いします。



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第3話 忘れられた再会

ゆるポメラです。
今回、ようやく2年生組の3人が
出せるようになりました。
至らない所もあるかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


僕は現在、これから残り2年間を過ごす

教室を担任の先生と歩いていた。

 

(・・・正直、不安しかない)

 

あの後、南先生と一緒に職員室に案内され、

今に至る。

分かれ際に、南先生が

 

『そんなに不安な顔しなくても大丈夫よ。

うちの娘と同じクラスにしといたから。』

 

と言ってくれた。

・・・でも

 

「・・・覚えてないよ。僕の事なんて。」

「ん?。水無月なんか言ったか?」

「いえ。なんでもないです。・・・なんでも。」

 

危ない、危うく先生に聞かれそうになるところ

だったよ。・・・気をつけなきゃ。

 

そうしてる間に、教室についた。

えっと・・・、2年2組か。

僕は2組の教室なんだなぁ~。

すると先生が

 

「水無月、少しそこで待機してて。合図したら入ってこいよ?」

「分かりました。」

 

先生が教室に入っていった。

ここで僕は思った。

 

「・・・自己紹介、どうしよう。」

 

そう、今朝のティアちゃんのメールを見て思い出したのだが

僕は自己紹介が苦手だ。

というか全く考えてなかった。

すると、教室のほうから・・・

 

「えー、今日はみんなにお知らせがある。

・・・とそれを言う前に。南、隣で寝ている高坂を

起こせ。」

 

・・・あぁ、朝のホームルームって眠いよね。

気持ちは分からなくもないけど。すると教室から

 

「え!?。あ、はい。穂乃果ちゃん~、起きて~」

「ぐぅ~。・・・もう食べられない」

「穂乃果ちゃん~。」

 

・・・えっ。

今、『穂乃果ちゃん』って・・・

僕が混乱してると更に

 

「仕方ない。園田、叩き起こせ。」

「はぁ。分かりました。」

 

た、叩き起こせ!?

今の声も聞いたことある。でも確信が持てない。

・・・だって今の声が、()()()とは限らないから

正直、僕は焦ってた。すると・・・

 

「ことり、どいてください。私が起こしますので」

「う、うん。」

 

・・・やっぱり。

そして教室から盛大な音が聞こえた。

 

ーースッパーン!!ーー

 

「痛ったーい。酷いよ!?、海未ちゃん。」

「あなたが寝てるのが悪いのでしょう!!」

「まぁまぁ、海未ちゃん。その辺で・・・」

「ことりは穂乃果に甘すぎです!!」

 

やっぱり()()()()()()()()()()()()()()()

の3人だった・・・。

 

「・・・どうしよう。まさか3人と同じクラスになるなんて」

まさか忘れられた、幼馴染みと一緒なんて予想してなかった。

そんなこと考える暇もなく・・・

 

「高坂も起きたことだし、みんなに嬉しいお知らせがある。

共学化の試験生として男子生徒を転入させることになりました~

ちなみに『イケメン』だぞー。」

 

・・・はぁぁ!?

あの担任、何言ってんの!?。

 

「「「「キャーーーーっ!!」」」」

 

いやいや!?。僕カッコよくないし、

ハードル上げないでー!?

 

「それでは転入生、入ってこーい。」

 

この時、僕は思った。

『あきらめるしかない』と・・・

 

「えっと・・・、水無月悠里(みなづきゆうり)です。」

 

あぁ、終わった。

だがしかし・・・

 

「本当にイケメンー!!」

「趣味は、何ですかー?」

「彼女はいるんですかー?」

 

・・・何これ?

正直僕は戸惑った。

だって引かれるんじゃないかと思ったから。

すると先生が、

 

「はいはい、質問は休み時間にしてくれー。

あ、水無月の席は南の隣なー。」

「分かり・・・ました。」

 

ことちゃんの隣かー・・・

正確には、左から順に

ほのちゃん、ことちゃん、僕、みーちゃんの順だ。

・・・まさか、この席順も南先生が考えたんじゃ?

と一瞬思ってしまった。

自分の席に着いたときに先生が

 

「じゃあ、この後の休み時間のが終わったら体育館に

集合な。遅れるなよー。」

 

とりあえず一言、心の中で言いたい。

 

(自己紹介なんて2度とやりたくない)

 

そう思った。

 

 

 

 




なんとかできました。
転入した時の自己紹介って
こんな感じかなぁと思い書いてみました。

次回は、廃校のお知らせの話を
書こうと思います。
早ければ、今日に投稿できると思います。

これからもよろしくお願いします。


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第4話 変わらない呼び名と廃校の知らせ

こんばんは。
ゆるポメラです。
今回は、アニメ1期の第1話のお話です。
少しオリジナル要素も入っているかも
しれませんが、よろしくお願いします。

ではどうぞ。


とりあえず無事に?

自己紹介を終え、僕は席で休んでいた。

なぜなら数分前、

質問攻めにあったばかりなのだ。

 

(今ならティアちゃんが質問攻めの身になった気持ちが

分かる気がする。)

 

そんなことを僕が考えてると・・・

 

「ねぇねぇ!!」

「え?」

 

声をかけられたので振り返ると

ほのちゃん達3人組だった。

 

「えっと・・・何か?」

「さっき挨拶しそびれちゃって・・・

私、高坂穂乃果!!。よろしくね!!」

「う、うん・・・」

 

(知ってます・・・)

 

「こら穂乃果、水無月君が困ってますよ。

初めまして、園田海未です。よろしくお願いします。」

「よ、よろしくです。」

 

(すみません、知ってます・・・)

 

「まぁまぁ、海未ちゃん。

あ、南ことりです。よろしくね~。」

「うん・・・よろしくね。」

 

(ごめんね。知ってます・・・)

 

どうしよう、どうしよう!?

いきなり、ほのちゃん達から喋りかけられたから

この後なんて言えばいいんだ~!?

 

「よ、よろしくね・・・。

高坂さん、園田さん、南さん・・・」

 

こう言うしかなかった・・・

いい加減、自分の人見知りする性格なんとか

したいな・・・

 

「穂乃果でいいよ!!。()()()()()!!。」

「私の事もことりでいいよ~。()()()()。」

「私も海未で構いませんよ?。()()()。」

「・・・えっ」

 

正直、驚いた。

まさか昔の呼び名で、また呼んでくれるとは思わなかった。

・・・だったら僕は。

 

「よろしくね。

ほのかちゃん、うみちゃん、ことりちゃん。」

 

・・・ごめんね。

今は、こう呼ぶ事しかできないけれど

いつか時が来たら話すから・・・

最悪、忘れられても僕は3人を責めないよ。

 

「そういえば、ゆうちゃんって転入前はどこの

高校だったのー?」

「あ、ことりも聞きた~い。」

「私も気になります。」

「えっとね・・・」

 

ーーキーンコーンカーンコーンーー

 

質問に答える前にチャイムが鳴ってしまった。

 

「そういえば、この後って何するの?

先生は体育館に来いって言ってたけど・・・」

「多分、始業式だと思います。」

 

みーちゃんが教えてくれた。

というか、大和撫子感が凄いよ・・・

昔とは、全然違う。

 

「あれ?。そうだっけー?

穂乃果、覚えてないやー。」

 

そう言って、舌をだしながら笑う

ほのちゃん。

明るいところは変わってないや・・・

 

「もう~、穂乃果ちゃん。先生の話聞かないで

居眠りしてるからだよ~。」

 

そう言いながら、ほのちゃんを優しく注意する

ことちゃん。

・・・というか、とろけそうな声バージョンアップ

してるのは、僕の気のせい?

 

「全く穂乃果は・・・」

「・・・うみちゃんも大変だね。」

「そうですね・・・。」

 

みーちゃんの苦労が、大変なのは僕も知ってる。

大抵の原因は、ほのちゃんだったからなぁ。

 

「それで僕、体育館の場所分からないんだけど・・・」

「だったら、穂乃果達と行こっ。」

「・・・あ、じゃあお願いします。」

 

こうして僕達4人は、体育館に向かった。

 

「うぅ。じょ、女子しか本当にいない・・・」

「ゆーくん、大丈夫?」

「だ、大丈夫・・・。」

 

体育館に着いたのはいいが、周りの視線が・・・

多分、女子高で初めての男子をみるから

どんな人なのか、興味があるんだろう・・・

 

「あ、そろそろ始まるみたいだよ。」

 

ことちゃんが、教えてくれた。

すると、壇上に南先生がきて挨拶を始めた。

 

『みなさん。今日から新学期になりました・・・』

 

やっぱり南先生、理事長感が凄いなぁと思いながら

聞いてると・・・

 

次の瞬間

 

『学院は・・・廃校となります。』

 

・・・・えっ!?。




上手く、キャラの表現ができてるか
不安なところもありますが
次の話も頑張ります。

それではまた。


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第5話 始業式の後・・・

こんばんは。
ゆるポメラです。
とりあえずできたので投稿します。

ではどうぞ。


現在、僕達は教室に戻っている・・・

しかし誰も喋ろうとはしない。

なぜなら・・・

 

(廃校かぁ・・・)

 

始業式での出来事が衝撃的すぎて

何て声をかければ分からなかったから・・・

すると、

 

「・・・あれ?。」

「悠里君、どうかしましたか?」

「あの人だかり、何かなと思って・・・」

「本当だ!!。見てみようよ!!」

「あ、穂乃果ちゃん」

 

ことちゃんの制止を聞かず、ほのちゃんは

人だかりの掲示板の所に行ってしまった。

僕達3人も慌てて追いかけた。

 

「・・・・。」

「ほのかちゃん、どうしたの?」

 

しかし声をかけても、ほのちゃんは掲示板を

見たままだった。

気になったので、僕も見てみた。

 

するとそこには・・・

 

『音ノ木坂学院、廃校のお知らせ』

 

と書いてあった。

正直、冗談だと思ってしまった。

だがしかし、これが現実だと伝えるように

詳細も書かれていた。

 

(南先生が言いづらそうにしていたのは、

これが原因かぁ・・・)

 

隣では、みーちゃんと

ことちゃんも驚いていた。

 

でも何とかならないかなぁ・・・

そんな事を考えてた次の瞬間。

 

「穂、穂乃果の高校生活がぁぁぁ・・・」

 

ほのちゃんが後ろにフラフラと倒れた。

すかさず僕は支える。

 

「穂乃果!?」

「穂乃果ちゃん、大丈夫!?」

「2人共、落ち着いて。

・・・大丈夫、気絶しただけみたいだから。」

 

ことちゃんとみーちゃんを落ち着かせ、

ほのちゃんを見る。

 

(・・・相当、ショックだったんだろうなぁ。)

 

ほのちゃんの事だ。

いきなり通ってる高校が『廃校』なんて

言われて、耐えられなかったんだと思う。

 

「とにかく、ほのかちゃんを保健室に運ばないと。

でも保健室ってどこなんだろ・・・」

 

と、悩んでると・・・

 

「あ、ことり保健委員だから案内するから

ゆーくん、一緒に行こ?」

 

ことちゃんが助け舟をだしてくれた。

 

「あ、お願い。

うみちゃん、悪いんだけど次の授業に遅れます

って先生に伝えてもらいたいんだけど・・・」

「分かりました。穂乃果をお願いしますね?」

「・・・うん。分かった。」

 

そして、ことちゃんに案内され保健室についた。

 

ーーガラッーー

 

「失礼します・・・っていない。」

「あれぇ、いつも先生いるのに・・・」

「・・・仕方ない。

とりあえず、ほのかちゃんを休ませないと・・・」

 

 

sideことり

 

穂乃果ちゃんを介抱した後、

ゆーくんは何やらメモを書いていました。

少し気になったので聞いてみようかな・・・

 

「ゆーくん、何書いてるの?」

「え?。先生がいないから、

いつ、何時に保健室のベットを借りてますっていう

連絡みたいなものかな・・・」

「へぇ~。そうなんだ。」

 

ゆーくんって、すごくマメなんだなぁ・・・

 

「・・・まぁ、僕も保健室の常連だったから。」

「・・・そうなの?」

「まぁ昔・・・色々あって気づいたら常連になっちゃったーって

感じだよ。」

 

その時のゆーくんは一瞬だけですが、悲しそうな表情をして

いました。

 

「あ、ほのかちゃんにも伝えておかなきゃ。」

 

そう言って、ゆーくんはもう1枚の紙にメモを書き

穂乃果ちゃんの隣に置きました。

 

「・・・これでよし。

ことりちゃん、教室に戻ろうか。」

「あ、うん。」

 

・・・何だろう。

ゆーくんと話すのは初めてじゃない気がします。

気のせいかな?

 

「ことりちゃん、どうかしたの?」

「え?、うぅん。何でもないよ!!

戻ろうか。ゆーくん!!」

 

教室に戻る際も考えていました。

ことりは何か、大切な事を忘れてるんじゃないかと。

 

 




えぇと、初めて今回
ことりちゃん視点を書いてみました。
・・・原作キャラ視点で書くの
すごく難しいです。
これからもこんな感じで、時々
キャラ視点で書いてみたいと思いますので
よろしくお願いします。

次回は絵里と希を出せたらいいなと思ってます。


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第6話 学校のいいところを探そう!! その1

ゆるポメラです。
今回は、学校のいいところを
見つける回です。
実際、学校のいいところを
見つけるのって難しいですよね・・・

自分も高校の時は、今年で最後の入学生って形でした。
先輩が卒業した後、後輩もいない
2クラスしかないクラスで残りの高校生活を楽しみました。
今では、いい思い出です。

それではどうぞ。


ほのちゃんを保健室に

運び終えた後、僕とことちゃんは

教室に戻り授業を受けた。

 

・・・と言っても途中参加だけどね。

 

授業が終わり、みーちゃんが来て

「穂乃果は大丈夫でしょうか・・・」

「大丈夫だよ。一応ほのかちゃんが起きた時に

分かるように、書き置きも残しておいたから」

「そうですか。ありがとうございます。」

「うぅん。うみちゃんも先生に伝えてくれて

ありがとね。」

「い、いぇ。そんな・・・///」

 

顔・・・赤いけど、

みーちゃん大丈夫かな?

 

「ことりちゃんも案内してくれて

ありがとね?」

「え?。うぅん!!

気にしないで。もし怪我とかしたら、

ことりに言ってね?」

「あはは・・・。その時はお願いね?」

 

僕が苦笑い気味に言うと・・・

 

『あああぁぁぁー』

 

叫び声が聞こえた。

・・・な、何事?

 

悠里達が叫び声を聞く数分前・・・

 

 

side穂乃果

 

「ここは・・・保健室?」

 

穂乃果が目を覚ますと、そこは保健室だった。

なんで保健室にいるんだろうと辺りを見回してると

穂乃果の隣にメモ用紙が置いてありました。

それを取ると、そこには。

 

『ほのかちゃんへ。

この手紙を読んでるということは起きたのかな?

気絶してしまったので、僕とことりちゃんで

保健室に運びました。戻ってくる時は気をつけてね。

追伸、授業は遅れるって伝えてあるからね。

悠里より。』

 

と書いてあった。

ゆうちゃん、穂乃果の為に書き置きしてくれたんだ///

ゆうちゃんのさりげない優しさが嬉しかった・・・

 

「それにしてもさっきのは夢かー!!」

 

とりあえず穂乃果は教室に戻る。

 

「あ、ヒデコ、フミコ、ミカ!。おっはよー♪」

「穂乃果・・・」

「とうとう、おかしくなっちゃったのかな?」

「絶対なんか勘違いしてるよね・・・」

 

3人がなんて言ったか聞こえなかったけど

まぁいいや♪

そうだよ。急に廃校になるなんて・・・

 

「あああぁぁぁー」

 

 

sideout

 

 

僕は一瞬、何事かと思いドアを見ると・・・

 

ーーガラガラーー

 

「あ、穂乃果・・・ちゃん?」

「・・・・・・。」

 

ことちゃんが声をかけても返事が無い。

それどころか、自分の机に座るなり・・・

 

「学校が無くなる・・・、学校が無くなる・・・」

 

と、落ち込みながら呟き始めた。

でも、なんか違う理由で落ち込んでる気がする・・・

すると、ことちゃんが

 

「穂乃果ちゃん・・・そんなに学校が好きなんだね。」

「でも僕は違う理由で落ち込んでるように見えるけど・・・」

「えぇ。悠里君の言う通り、どちらかと言うより穂乃果は

勘違いしていると思います。」

 

みーちゃんがそう言うと・・・

 

「どぉーしよー!。

穂乃果、全然勉強してないよー!」

「・・・え?」

 

・・・そう言う事ね。

みーちゃんが言ってた『勘違い』って。

隣で、みーちゃんがやっぱりと言うばかり

溜息をついていた。

 

「学校が無くなるなら勉強しなきゃいけないじゃん!!。

編入試験とか~!」

「穂乃果、一回落ち・・・」

「海未ちゃんとことりちゃんはいいよー!!勉強できるしぃ・・・」

「ほのかちゃん、落ち着いて・・・」

 

とりあえず話を聞かせるため、僕も声をかけるが

なかなか落ち着かない、ほのちゃん。

 

「でも穂乃果は~」

「落ち着きなさい!。穂乃果!!」

 

みーちゃんの声でなんとか落ち着いた

ほのちゃんだった・・・

 

ーー昼休みーー

 

「なぁんだ。そういうこと。」

 

そう言いながらランチパックなる物を頬張る

ほのちゃん。

現在、僕達は中庭のベンチの木の下で昼食を食べてます。

 

「・・・中庭でお昼ご飯って風情があっていいよね。」

 

と食べながら呟くと、みーちゃんが・・・

 

「ふふ♪。そうですね♪」

 

笑いながら僕に言った。

 

「ゆーくんってロマンチストだね♪」

「・・・いや、そんな事ないけど。」

 

しまいには、ことちゃんにも言われる始末。

なんか恥ずかしい・・・

 

「ちょっといいかしら?」

 

声がしたので振り返るとそこには。

金髪の人がいた。見た感じハーフかクォーターかな?

更にその隣には、紫髪の人がいた。

一言で言うなら『神秘的で謎が多い』って感じだった。

・・・説明下手でごめんなさい。

 

「・・・うみちゃん、あの人達って?」

「金髪の人が生徒会長で、その隣の人が副会長ですよ。」

 

と小声で聞くと、みーちゃんはそう教えてくれた。

すると生徒会長は、ことちゃんのほうを向き・・・

 

「あなた、理事長の娘さんよね?」

「は、はい!!」

 

ことちゃんはびっくりしていた。

 

「理事長、なにか言ってなかった?」

「いえ、私も今日知ったので・・・」

「そう、ならいいわ。」

「ほな~」

 

なんか厳しい人だなぁ・・・

そう思っていると、ほのちゃんが、

 

「あ、あの!」

「その、本当に学校無くなっちゃうんですか?」

「・・・あなた達には関係ないわ」

 

そう言って去ってしまった。

 

「「「・・・。」」」

 

ほのちゃん達は落ち込んでいた。

そりゃそうだ。『あなた達には関係ない』って

言われたら普通の人はショックを受けるだろう。

でも・・・

 

(・・・普通の人なら・・・ね。)

 

僕は生徒会長の言った事が違う意味に

聞こえたので黙っていた。

 

春なのに、少し寒いなと思ってしまう

そんな転入初日の昼休みだった・・・。




すみません。
上手く纏められなかったので
その2に続きます。

絵里と希の表現が難しい・・・


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第7話 学校のいいところを探そう!! その2

ゆるポメラです。
おまたせしました。
前回の続きです。

それではどうぞ。


昼休みの出来事から

現在、午後の授業を受けている。

昼休みの一件のせいか、

ほのちゃんはずっと考えこんでいた・・・

 

そして授業が終わり休み時間。

 

「うぅ。まさか漢字の読み書きとか予想してなかった」

 

僕は腕を伸ばしながら疲れをとる・・・

 

「でも悠里君、私でも分からなかった漢字を

先生に指名されても難なく解いてましたよ?」

 

みーちゃんが不思議そうに聞いてきたので

 

「実はね、僕好きな漫画とか小説があるんだけど

その中に結構難しい漢字もあったから、それで覚えてたんだよ。」

「え?。そうなんですか?」

「・・・結構、馬鹿にできないよ。」

「悠里君が言うと、なんか説得力ありますね・・・」

 

こんな感じで、みーちゃんと会話していた。

 

「・・・あれ?。ことりちゃんは?」

「ことりなら、『お母さんに聞きたい事がある』って

出て行きましたよ?」

「あ、そうなんだ・・・。」

 

多分、南先生に廃校のことを聞きにいったんだろうなぁ。

 

「ねぇ!。海未ちゃん、ゆうちゃん!。」

 

「学校のいいところ?」

「うん!!」

 

ほのちゃんが言うには廃校にならないためには、生徒が増えればいい

というシンプルだが難易度が高い結論だった。

・・・というか

 

「もしかして授業中ずっと考えてたの?」

 

・・・と冗談まじりに聞いてみると

 

「ゆうちゃん凄い!!。何で分かったの!?」

 

あ、本当だったんだ・・・

みーちゃんが僕の隣で顔引きつらしてるよ・・・

ほのちゃん気づいてないし。

 

「穂乃果ちゃ~ん。」

「あ、ことりちゃーん。」

「お待たせ~。持ってきたよ~」

 

なにやら、ことちゃんが資料?

みたいなものを持ってきた。

 

「じゃーみんなで学校のいいところを出し合おう!!」

 

ほのちゃんの率先さは相変わらずだなぁ・・・

 

「じゃあ、ゆうちゃんから!!」

「僕?。・・・えっと桜の景色が綺麗とか。」

「おー、いいね!!。じゃあ今度は穂乃果ね!。

うーんと、歴史がある!。」

「・・・それもいいね。他には?」

 

あ、これならいけるんじゃないかな?

そう思っていた時期が僕にもありました・・・

 

「他?。伝統がある!!」

「それは、最初と同じです。」

「えー!?。じゃあ、ことりちゃんー。」

「う~ん。強いていうなら、古くからあるって事かな~?」

「ことりちゃん。うみちゃんの話、聞いてた?」

 

ことちゃんの天然スキル、ランクアップしてるし・・・

 

「あ、でも調べてみたら部活動でもいいところ見つけたよ~。」

「え?。そうなの?」

 

僕が聞くと、ことちゃんは苦笑いしながら

 

「といっても、あまり目立つ内容じゃないんだけど~。」

 

そう言って資料を取り出す。

 

「珠算関東大会6位」

「失礼かもしれないけど・・・微妙過ぎない?」

「合唱部地区予選奨励賞」

「もう一言欲しいですね・・・」

「ロボット部、書類審査で失格」

「・・・最後ダメじゃん。」

 

やっぱり簡単に見つからないもんだなぁ・・・

 

「・・・目立つ部活があったら、生徒も集まってたかもね」

「そうですね・・・」

 

僕と、みーちゃんは溜息をついた。

 

「私・・・。この学校好きなんだけどな・・・」

「ことりも・・・」

「私もです・・・」

 

正直、落ち込んでる3人を見てるのは辛かった・・・

 

「・・・わかった。」

「「「え?」」」

 

僕が今言えるのは、これしかない・・・

 

「・・・僕のほうでも調べてみるよ。

・・・だからそんなに気落ちしないで」

 

「「「・・・あっ///」」」

 

なんか、ほのちゃん達。

顔赤いけど?

 

・・・さて、廃校にならないためには

どうすればいいか、()()2()()

聞いてみよう。

 




とりあえず終えました・・・
学校のいいとこって、なかなか浮かびませんね。
自分も考えましたが、10個も出ませんでした・・・

次回は、真姫ちゃんを出せればいいなと
思ってます。


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第8話 転入初日の放課後

こんばんは。
ゆるポメラです。
真姫ちゃんとの会話が難しいです。
少しおかしいかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。



午後16時30分

放課後。

現在、僕は帰り支度をしていた。

ちなみに、ほのちゃん達は先に帰った。

 

(まさか書類に時間がかかるなんて・・・)

 

そう、転入初日のため

必要事項とか色々書いていたのだ。

話は変わるけど、ほのちゃん達が先に帰る前・・・

 

『ねぇ!!。ゆうちゃん!』

『?』

『ゆうちゃんって携帯持ってる?』

『・・・持ってるけど、どうしたの?』

『電話番号とアドレス交換しよっ!!』

『穂乃果ちゃんずるい~。ことりも。』

『あ、私もいいですか?』

 

こんな感じで、3人のアドレスを交換した・・・

まさか貰えるなんて思ってなかった。

 

「さて、帰ろうかな。」

 

そんなこんなで廊下で歩いていると

 

「あいしてるばんざ~い♪ここでよかった~♪」

 

歌が聴こえた・・・

 

(綺麗な歌声だなぁ・・・)

 

そう思ってると、歌声が止まり

音楽室から、赤髪の女の子が出てきた。

 

「「・・・・・」」

 

どうしよう。すごく気まずい・・・

 

「・・・あの」

 

気まずい空気を察してか赤髪の女の子は

声をかけてくれた。

 

「あ、えぇとごめんね?

帰ろうかなと思ったら歌声が聴こえて・・・」

 

「いえ。好きでやっているので・・・」

「あ、自己紹介遅れてごめんね?

共学試験生の水無月悠里です。」

「1年の西木野・・・真姫です。」

 

こ、後輩ちゃんだったの!?

あ、よく見たらリボンの色が違う・・・

1年生は水色かぁ・・・

 

(そういえば、3年生はリボンの色、緑色だったけ)

 

そんな事考えていると・・・

 

「あの、()()()()()はどうしてここに?」

 

は、初めて先輩って呼ばれた・・・

 

「えっと、書類を書くのに遅くなっちゃって」

「・・・そうなんですか」

 

どうしよう・・・

会話が続かない・・・・

 

「じゃあ、僕は帰るから真姫ちゃんも帰る時は

気をつけてね?」

「あ、はい・・・」

 

こんな感じで後輩ちゃんと別れた・・・

 

ーー帰り道ーー

 

僕は、ある子へ電話をかけた・・・

 

『もしもし~。』

「あ、ルーちゃん。今大丈夫?」

『ゆうくん?。どうしたの~?』

「ちょっと相談があるから、今から

ルーちゃんの家に行ってもいいかな?」

『いいよ~♪。ティアちゃんと一緒に待ってるね~♪』

 

ティアちゃんも一緒なんだ。

なら丁度いいや。

 

「とりあえずルーちゃんの家に行こう・・・」

 

ーーピンポーンーー

 

「はぁ~い。」

「ルーちゃん、こんばんは。」

「ゆうくん、いらっしゃ~い。

上がって、上がって~」

「お邪魔します。」

 

ーーガラッーー

 

「あら、ユーリこんばんは。」

「ティアちゃん、お疲れ様。」

 

ルーちゃんの部屋に入ると、ティアちゃんが

座っていた。僕は隣に座る。

 

「音ノ木坂、どうだった?」

「女の子ばっかりで肩身が狭かったよ・・・

後、自己紹介が苦労したよ。」

 

するとティアちゃんは「やっぱりね」と

苦笑いしていた。

 

「それで、ゆうくん~。相談ってなぁに~?」

「うん。実は・・・」

 

僕は、初日の音ノ木坂での出来事全てを

ルーちゃんとティアちゃんに話した。

 

「・・・廃校ねぇ。」

「なんか、大変な事になってるんだねぇ~」

「どうすれば、いいかなぁ・・・」

 

するとティアちゃんが

 

「ねぇ?。ユーリ」

「・・・どうしたの?」

「私思ったんだけど、ユーリ自身が決めればいいんじゃない?」

「え?」

 

・・・僕自身?

 

「うん~。ゆうくんは廃校の事もなんとかしたいけど

何より、穂乃果ちゃん達を助けたいんでしょ~?」

「・・・うん。」

「だったら今はまだ焦らなくても良いと思うな~。」

 

ルーちゃんがいつもの笑顔で言う。

 

「・・・そうね。

ルナの言う通り、今は焦っても仕方ないと思うわ。」

 

ティアちゃんも微笑み返す。

 

「それにぃ~。穂乃果ちゃんの事だから案外、

明日には解決策を出してくるかもよぉ~。」

 

「「・・・なんとなく分かる気がする。」」

 

僕とティアちゃんが声を揃えた。

 

「・・・うん。

そうだね。とりあえず明日を待つよ。」

 

僕が、そう言うと2人は微笑んだ・・・。

 




真姫ちゃんの表現が
難しかったです。
この次も頑張っていこうと思います。

次回は、スクールアイドルを始める回です。


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第9話 解決策・・・。それはスクールアイドル!?

ゆるポメラです。
今回はスクールアイドルの回です
至らない点もあると思いますが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


ルーちゃんとティアちゃんに

相談をした次の日・・・

 

僕は2人に言われた事を思い返していた。

 

「今は焦らなくてもいい・・・

それに僕自身がやりたい事かぁ・・・」

 

前者はまだ分かるとして

後者は意外と難しいんだよね・・・

そんな事を考えてる内に教室に着いた。

 

「・・・おはよー。」

「おはようございます。悠里君」

「おはよ~。ゆーくん」

 

みーちゃん、ことちゃんが挨拶をする。

・・・あれ?

 

「ほのかちゃんは?」

「穂乃果は『先に行ってて』と言ってたので

たぶん寝坊かと」

 

みーちゃんが頭を抱えこんでいた・・・

もしかして。

 

「いつもの事だもんね~」

 

ことちゃんが微笑みながら言った。

ほのちゃん、朝弱いのかな?

 

「みんなおっはよー!!」

 

噂をすればなんとやら・・・

 

「ほのかちゃん、おはよ。

・・・その手に持ってる大量の雑誌は?」

 

ほのちゃんはよくぞ聞いてくれましたとばかり

 

「うん!!。まずはみんなにこれを見てほしい」

 

そう言い、ほのちゃんは自分の机に雑誌を広げた。

僕が、ざっと目を通したところ

ほのちゃんが持ってきた雑誌全てに気になる言葉が。

それは・・・

 

「スクールアイドルだよ!!。最近有名じゃん?」

 

そう、『スクールアイドル』。

昨日、僕が読んでた雑誌にも載っていたのだ。

もしかして、ほのちゃん・・・

 

「ほのかちゃんが思いついた解決策って・・・。」

 

僕が聞くと笑顔で

 

「うん!!。ゆうちゃん、スクールアイドルをやろう!」

 

(ルーちゃん、ほのちゃん本当に解決策だしてきたよ・・・)

 

僕が苦笑い気味に考えていると・・・

 

「こっちは大阪のスクールアイドルで、こっちは福岡の

スクールアイドルなんだって!!」

 

なんだっけこの喋りかた?

・・・マシンガントークだったかな?

ことちゃんは話を聞きながら苦笑いしてるしね・・・

 

「・・・あれ?」

「ゆうちゃん、どうしたの?」

「うみちゃんは?」

 

さっきから、みーちゃんの声がしないなぁと

思ったら廊下へ出ようとしていた。

・・・みーちゃん、いつの間に?

 

「海未ちゃん!」

「ひっ!」

「まだ話は終わってないよー!」

 

みーちゃん、嫌な顔してるけどどうしたんだろ?

もしかして・・・

 

「はぁ、『私達でスクールアイドルをやる』とか

言い出すつもりでしょう?」

「うわ!?。海未ちゃんエスパー!?」

「誰でも想像つきます!!」

 

・・・そう思うのは、ほのちゃんだけだと思う。

 

「だったら話は早いね。今から生徒会に行ってアイドル部をー」

「お断りします。」

 

・・・そうなるよねぇ。

 

「なんで!?」

「思いつきで始めたところで状況が変わるわけが無いでしょう!」

 

ほのちゃんも・・・

 

「だってこんなに可愛くてキラキラしてて楽しそうなんだよ!

こんな可愛い服着て、みんなの前で歌うとか普通はできないんだよ!」

 

みーちゃん、ほのちゃんは喧嘩を始めた・・・

僕とことちゃんは苦笑いしながら見てるしかなかった。

 

「・・・ねぇ、ことりちゃん」

「なぁに~?」

「・・・止めなくて、いいんだよね?」

「いつもの事だし大丈夫なんじゃないかな?」

「そ、そうなんだ・・・(昔からそうだもんねぇ)」

 

すると、みーちゃんが

 

「私はそんなことを言ってるんじゃありません!

こんな事で本当に生徒が集まると本気で思いますか!」

 

(確かに普通は、みーちゃんの言ってる事が正しい・・・)

 

「そ、それは・・・。人気が出ればだけど・・・」

 

(確証はない。でも、ほのちゃんの解決策も正しい・・・)

 

「その雑誌にあるスクールアイドル達もプロと同じ努力をし、真剣にやってきた人たちですよ。穂乃果のように好奇心だけで始めても上手くいくはずがありません!」

 

・・・なら僕が出す答えは。

 

「どっちも正しいんじゃないかな・・・」

「「え?」」

「ゆーくん?」

 

3人は不思議そうに僕のほうを見た。

 

「悠里君それはどういう・・・」

「うみちゃんは、常識的に考えて言ったんだよね?」

「は、はい。」

「ほのかちゃんは、『これならなんとかなるかも!!』

って思って提案したんでしょ?」

「う、うん。」

 

やっぱりね・・・。

僕は、ことちゃんのほうを向き

 

「・・・ことりちゃんは、どう思う?」

「え、えと。・・・まだ分からない。」

「その答えも正解だよ。

・・・結局ハイリスクハイリターンでしか

ないから。だけど考えてみる価値はあると思う」

 

・・・それに

 

「3人共、可愛いんだしさ。

似合うと思うよ。アイドル」

 

「「「っ!!!///」」」

 

ーーキーンコーンカーンコーンーー

 

・・・あ、授業始まる。

 

「ねぇ」

「「「は、はい!!///」」」

 

どうしたんだろ?。ほのちゃん達・・・

 

「スクールアイドルの件、放課後までに考えてみたら?。

今はさ、焦っても仕方ないと思うから・・・」

 

僕は、3人にそう言った。




話を上手く纏めるの難しいですね・・・
次回は、キャラ視点を多く書いてみようと思ってます。
頑張っていこうと思いますので
これからもよろしくお願いします。


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第10話 それぞれの想い

ゆるポメラです。
今回は、キャラ視点を
多くしてみました。

それではどうぞ。


あの後、変わった事はなかった。

強いて言うなら、授業中や昼休みに

ほのちゃん達がチラチラと僕を見てきたくらいかな?

 

ーー放課後ーー

 

「僕、ちょっと日誌を職員室に置いてくるね?」

 

実は今日、日直だったのだ・・・・

転入2日目で日直になるってどういう事なの?

そんな事を考えながら職員室に向かった。

 

 

 

side穂乃果

 

 

「やっぱりアイドルはダメなのかな~。」

 

放課後、私は屋上で肩を落とす。

海未ちゃんとことりちゃんに一緒にアイドルを

やろうって言ってみたけど・・・

でも何より・・・

 

『3人共、可愛いんだしさ。

似合うと思うよ。アイドル』

 

ゆうちゃんが言ってくれたのが頭から

離れなかった・・・///

 

「なんか嬉しかったな///。」

 

そんな事を考えていたら

 

「~~♪~~~♪」

「ん?」

 

音楽室からピアノの音が聴こえる。

穂乃果は気になったので階段を下りて音楽室に

向かった。

 

sideout

 

一方、その頃・・・

 

 

sideことり

 

 

こんにちは、南ことりです。

私は今、先生に頼まれた物を職員室に運んでいます。

途中、ことりは今朝の事を考えていました。

 

『スクールアイドルの件、考えてみてもいいんじゃ

ないかな?。今はさ焦っても仕方ないと思うから・・・』

 

ゆーくんが私達の事を考えて『今日の放課後まで』という

考える時間をくれました。

 

「私は、どうしたいのかな?」

 

そんなことを考えていたら職員室に着いてしまいました。

 

ーーガラッーー

 

「失礼します。2年2組の南です。」

「おー。南、丁度良かった。

ちょっと来てくれ!!」

 

先生の隣には、ゆーくんもいました。

 

「今、水無月にも話たんだが、この荷物を

弓道部に運んでもらいたいんだ。」

「でも僕、場所分からなくて・・・」

 

ゆーくんはまだ転入して来て、まだ2日目だから

部活動をやる場所が分からないんだなと

ことりは思いました。

 

「じゃあ、一緒に行こっ♪」

「・・・え?。いいの?」

「よし、じゃあお前ら二人で行ってこい。」

 

私と、ゆーくんは弓道部へ向かいました。

 

「なんかゴメンね。ことりちゃんも急がしかった

のに・・・」

「うぅん。ことりも海未ちゃんに用があったから

大丈夫だよ♪」

 

すると、ゆーくんが

 

「うみちゃんって弓道部なの?」

「そうだよ~」

 

そう言うと、ゆーくんは「確かに似合いそうだね」と

笑っていました。

 

「ねぇ。ゆーくん」

「・・・何?」

「ゆーくんは、その、えぇと・・・///」

 

『3人共可愛いんだしさ』と言ってくれた

意味を聞こうとしましたが、上手く言えません・・・。

すると、私が言いたい事が分かったのか

 

「ん。本当だよ。正直に思った事だし・・・」

「っ///。」

「ことりちゃん?」

 

うぅ~///。余計タチが悪いよ・・・

こうしてる間に弓道部に着きました。

 

sideout

 

 

side海未

 

 

 

私は弓道場に来ているのですが集中できません・・・

原因は穂乃果がスクールアイドルを一緒にしようと

言ってきた事。

・・・それともう一つ。

 

『3人共、可愛いんだしさ。

似合うと思うよ。アイドル』

 

悠里君に言われた事が頭から離れません///。

 

「い、いけません。集中しなくては・・・」

 

『みんなのハート打ち抜くぞぉ~♡ばぁ~ん♡』

 

「わ、私は今何を・・・///。」

 

集中です。園田海未!!

 

『ラブアロ~シュ~ト♡』

 

結局、一度もできなかった・・・

すると・・・

 

「海未ちゃ~ん、海未ちゃ~ん!。」

 

誰かが呼んでます。

 

「ことり?。それに悠里君?」

 

すると悠里君が・・・

 

「部活中なのに邪魔してゴメンね?

これ、先生に頼まれて持ってきたんだ・・・」

 

そう言うと悠里君は箱のような物を渡してきました。

 

「・・・これは?」

「分からないけど・・・多分、箱の大きさからして

弓道で使う『矢』が入ってるんだと思う・・・。」

 

悠里君は『確証はないけどね?』と微笑んでいました。

 

「とりあえず開けてみましょうか?」

 

箱を開けてみると、そこには・・・

 

「わ~。ゆーくんの言ってた通り本当に

矢が入ってるよ~。」

「しかし何故こんなに・・・?」

 

私が疑問に思っていると

 

「多分、ここの弓道部の矢のストックが無くなりそう

だから、その補充なんじゃないかな・・・」

 

そういえば、矢のストックが少なくなってるという

話を聞きました。

 

「わざわざ届けてくれて、ありがとうございます。」

「気にしないで。・・・ところでうみちゃん?」

「なんですか?」

「その、ダメなら構わないんだけど一回だけ弓・・・

貸してもらってもいいかな?」

 

びっくりしましたが興味があるのかなと思い

悠里君に弓を渡しました。

 

「・・・・。」

「あ、あの悠里君?」

「ゆーくん?」

 

私とことりが声をかけても返事がないので

どうしたのかと思った。

すると悠里君は的前に立ち・・・

 

「・・・一回だけやらせてもらうね。」

 

私に、そう言い弓を構え始めました。

他の部員も気になり始めたのか、

悠里君を見ていました・・・。

 

「・・・・。」

 

悠里君は目を閉じながら弓を構えていました。

そして目を開いた瞬間・・・

 

「・・・シュート。」

 

ーードシュッ!!ーー

 

「「・・・えっ。」」

 

私とことりだけではありません。

周りの部員達も驚いていました・・・。

それもそのはず、悠里君が放った矢は

完全に的の()()()()()()

的中させていたのだから・・・。

 

「あ、うみちゃん。」

「・・・」

「うみちゃん!。」

「は、はい///。」

「・・・気分でも悪いの?」

「い、いえ大丈夫です///。」

 

悠里君が心配してくれますが言えません・・・

 

(悠里君が弓を構えてる姿に見惚れてたなんて///)

 

「あ、そうだ。ほのかちゃんの様子を見に行かないと。」

 

そう言って悠里君は私に弓を返し、部室から出て行きました。

 

「海未ちゃん、私・・・スクールアイドルやってみようかな」

「ことり?」

「海未ちゃん、あれ見て。」

 

ことりの視線の先には穂乃果がダンスの練習をしていました。

穂乃果が転ぶと悠里君が『初めてなんだから最初はそんなものだよ』

と穂乃果をフォローしていました。

 

(・・・悠里君。私も決めました。)

 

 

sideout

 

 

ほのちゃんがダンスの練習をしていると

みーちゃんとことちゃんがやって来た。

 

「全く。1人で練習しても意味ありませんよ?

やるなら・・・、3人でやらないと」

「海未ちゃん・・・。うん!!」

 

「うみちゃん。本当によかったの?」

「はい。悠里君に言われて考えてだした

私自身の答えですから。」

 

みーちゃんは微笑みながら言った。

 

「ことりも、やってみたいなぁと思って・・・。

ゆーくん、ありがとね。」

 

・・・そっか。じゃあ

 

「4人で申請書を提出しに、生徒会室に行こっか。」

 

僕が言うと、ほのちゃん達は笑顔で頷いた。

 

 

ーー生徒会室ーー

 

 

「これは?」

「アイドル部設立の申請書です。」

 

生徒会長の第一声。

 

「それは見れば分かります。」

「では認めていただけますね?」

「いいえ。部活は最低でも5人以上の部員が必要です」

「えぇ!そうなんですか?」

「待ってください。部活動は5人以下でも活動しているところ

もあります。」

 

みーちゃんが疑問の意見を言う。

すかさず僕は、みーちゃんに・・・

 

「うみちゃんの言ってる事は、部活を立ち上げた後のほうだよ。」

「悠里君、そうなんですか?。」

「うん。だから今回は生徒会長の言ってる事が正しいよ。」

「ゆーくん物知り~♪」

 

・・・いや、ことちゃん。そう言う事じゃなくてね?

 

「後1人・・・。分かりました。みんな行こ?」

 

ほのちゃんがそう言って退出しようとすると・・・

 

「待ちなさい。どうしてこの時期にアイドル部を始めるの?

あなた達2年生でしょ?」

「廃校をなんとか阻止したくて!スクールアイドルって今すごく人気があるんですよ?だからーー」

「だったら尚の事、部員が5人以上集まって認める訳にはいかないわね。」

「「「えぇっ!!!。」」」

 

(・・・やっぱりこの人)

 

「・・・どうしてですか?」

 

今の言葉、自分の感情で言ってる気がしたので

確認の意味も込めて僕が問う。

 

「部活は生徒を集めるためにやるものじゃないの。思いつきで行動したところで状況が変わるとは思わないわ」

 

そして申請書を、ほのちゃんに突き返す。

 

「こんな事を考えてないで残りの2年、自分の為に何をするべきかちゃんと

考えるべきよ。」

 

「失礼します。」

 

そう言って、ほのちゃん達は退出する・・・。

 

「・・・悠里君?」

「・・・先に行ってて。」

「・・・分かりました。穂乃果、ことり」

 

みーちゃんに任せ、僕は生徒会長と向き合う。

 

「あなたは確か共学化する為の試験生で来た生徒よね?」

「・・・昨日は挨拶に行けず申し訳ありませんでした。

2年2組の水無月悠里です。」

 

僕は一礼して挨拶をする。

 

「生徒会長の絢瀬絵里です。」

「ウチは副会長の東條希。」

 

・・・やっぱり生徒会の人苦手だなぁ。

 

「・・・あの質問いいですか?」

「何かしら?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

「さっき自分の感情でアイドル部設立の事

否定しませんでした?」

「っ!!」

 

・・・やっぱりね。

 

「それで?」

 

ルーちゃん、ティアちゃん決めたよ。

僕自身がやりたい事・・・

 

「あなた自身の身勝手な判断で、ほのかちゃん達を

否定するなら、僕はあなたを認めません。

・・・失礼しました。」

 

そう言い残して僕は生徒会室を後にした・・・。

 

しばらくして、ほのちゃん達が・・・

 

「ゆうちゃん・・・」

「悠里君・・・」

「ゆーくん・・・」

 

僕のやりたい事それは・・・

 

「「「ありがとう!!」」」

 

3()()()()()()()()()()()()()()()()かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やり取りがやっぱり難しいですね。
まだまだ至らない点もありますが
頑張って執筆しますので
よろしくお願いします。

それではまた次回。


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第11話 ファーストライブに向けての準備

ゆるポメラです。
今回は、ファーストライブの向けての話です。
至らない点もあるかと思いますが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


転入初日から3日目・・・

ここで、ちょっとした問題が発生した。

それは・・・

 

「ちゃんと言ったじゃないですか!アイドルの事は伏せて、借りるだけ

借りておこうと!」

「ふぁんふぇ?」

 

ほのちゃんがパンをかぶりつきながら、

みーちゃんの方に振り向いた。

 

「・・・またパンですか」

「ほら、うち和菓子屋だからパンが珍しいの知ってるでしょ?」

「へぇ~。和菓子屋なんだ~(知ってるけどねぇ・・・)」

 

なんでも登校してすぐ生徒会室に行って講堂の使用許可を貰いに

行ったみたい。

それで絢瀬会長に色々言われるかもしれないので、アイドルの事

は伏せて許可を求めに行ったところ・・・

ほのちゃんが、あっさり暴露しちゃったらしい。

って、みーちゃんに聞いた。

 

「でもなんで講堂の許可を貰いに行ったの?」

 

使用目的の理由が分からなかったので

ほのちゃんに聞いてみると・・・

 

「ライブだよ!。新入生歓迎会の放課後にライブをするの!!」

 

・・・随分と急な話だね。

 

「いい提案だと思うよ。あ、でも・・・」

「悠里君どうかしました?」

 

みーちゃんが聞いてくる。

 

()()()()()()()()・・・」

 

僕が言うと、ほのちゃんは・・・

 

「・・・・。」

 

黙ってしまった。

あ、現実逃避気味にパン食べてる・・・

 

「でも衣装はことりちゃんがやってくれるし、作曲は当てがある

から大丈夫だよ!!」

 

まぁ、ことちゃんが衣装担当なのは分かる。

現に昔、僕も作って貰った事があるから・・・

 

「衣装のは分かったけど、作曲に当てがあるって・・・

誰かできる子いるの?」

 

すると、みーちゃんが

 

「はい。穂乃果曰く1年生にピアノが上手で、もしかすると

作曲できるのではないかということです。」

「なるほどね。今は、その子に頼んでみるしかないか・・・」

 

ーー教室ーー

 

「う~ん・・・こう・・・かな?」

 

ことちゃんが自分の席で何やら描いていた。

僕は気になったので・・・

 

「ことりちゃん、それ何?」

「これ?。ふふん、じゃ~ん!。ファーストライブの衣装を考えてみた

んだけど・・・。ど、どうかな?」

「す、凄い・・・」

 

ことちゃんは昔から、こういう衣装関連がかなり凄い。

僕なんて破れた服の直しくらいしかできないからなぁ・・・。

ほのちゃんは、ことちゃんが描いた衣装の絵を見て

食いついていた。

 

「ことりちゃん凄い!!。これ可愛いよ!!」

「ありがとう!。頑張って作るね!」

 

2人のやり取りを見ていると、僕の隣にいた

みーちゃんが浮かない顔をしていた。

・・・どうしたんだろ?

 

「こ、ことり?」

「なぁに~?」

 

みーちゃん、歯切れ悪いよ?

 

「こ、このスーッと伸びているものは?」

「足よ♪」

 

あ、この後の展開読めてきたかも・・・

 

「す、素足にこの短さですか?」

「だってアイドルだもん♪」

 

みーちゃんの疑問の声に当然と言わんばかりの

ことちゃん・・・

みーちゃんは自分の足を見てモジモジしていた。

・・・足の太さとか気にしてるのかな?

 

「3人共、足細いから似合うと思うんだけどなぁ・・・」

 

僕が呟くと

 

「「「っ!!!///。」」」

 

黙りこくってしまった・・・

と、とりあえず空気を変えなくちゃ。

 

「あ、そうだ。グループ名とか決めたの?」

「そ、それなら大丈夫!。募集してあるから」

「「募集?」」

 

僕と、みーちゃんが疑問の声をあげると

ほのちゃんは「こっち、こっち!」と

廊下の掲示板を指差す。

そこには・・・

 

『初ライブ!新歓迎会の後!講堂にて!』

 

と書かれていた。

その下に・・・

 

『そして!グループ名募集!』

と投票箱みたいなのが設置してあった。

 

「結局、丸投げなんだと思うのは僕だけ?」

「悠里君、私も同じ事思ってるので大丈夫ですよ」

「あはは・・・」

 

僕と、みーちゃんは溜息をつき

ことちゃんは苦笑いをしていた・・・。

 

 

ーー16時55分ーー

 

「そんな訳でライブをやる事になったんだ・・・」

 

現在僕は自宅で、ルーちゃんとティアちゃんと

連絡をしていた。

 

『ほえ~。』

『・・・なんか凄く急な流れね。ユーリ?』

「正直、僕も驚いてるよ・・・」

『ゆうくん、その割には落ち着いてるけど~?』

『ルナ、私も人の事言えないけどルナも落ち着いて

るじゃない・・・』

 

そう、僕達が急な展開にも関わらず落ち着いて

いられるのは、ほのちゃん以外にも同じ行動を

する人を知っているからだ・・・

 

『穂乃果ちゃんと同じような行動を考えそうな人って~』

『ルナ、私達が知ってる中では、あの子だけじゃない・・・』

花怜(カレン)ちゃんぐらいだもんねぇ・・・」

 

そう、僕達3人にはもう一人大切な友人がいる・・・

だけど、その子はもう・・・

 

「とにかく成功するか分からないけど頑張ってみるよ」

『うん~。頑張ってね~』

『応援してるわ。』

 

ーーピッ!!ーー

 

電話を終え、さて何しようか考えてると

また電話が来た・・・

 

「・・・ほのちゃんから?」

 

とちあえず電話でなきゃ・・・

 

「はい。もしもし」

『あ!。ゆうちゃん。やっとでたんだよ~』

「ごめん。それでどうしたの?」

 

僕がそう聞くと・・・

 

『えっとね。これから作戦会議をするから

穂乃果の家に来て!!』

 

・・・マジですか?

平静を装って僕は聞く。

 

「ほのかちゃんの家って?(本当は知っているけど・・・)」

「えっとね?。『穂むら』っていう和菓子屋さんなんだけど・・・」

「えっと・・・。あ、この辺か

分かった。今からすぐ行くよ。」

 

僕がそう言うと・・・

 

『分かった。お母さんには伝えておくから、3人で待ってるね!!』

「・・・ん。了解です。」

 

電話を切り、ほのちゃんの家に向かう事にした。

・・・何年ぶりになるかな?

 

「どうしよう・・・。入りにくい」

 

現在、ほのちゃんの家に立ちすくんでいます。

ここに来るのが初めてだからという訳ではない。

 

(どんな顔して入ればいいんだろう・・・)

 

考えても仕方ないので、店ののれんをくぐる・・・

 

「いらっしゃいませ~」

 

入ってすぐに出迎えてくれたのは、ほのちゃんママだった。

昔と全然変わってないよ・・・

それを言ったら、南先生もだけど・・・。

 

「あら!?。もしかして悠里くん!?」

「・・・どうもです。(覚えててくれたんだ)」

「まぁ、しばらく見ない内にカッコよくなって!!」

 

ほのちゃんママは嬉しそうに僕を歓迎してくれた。

 

「さ、上がって。穂乃果の部屋は昔と変わってないから」

「お、お邪魔します・・・」

 

上がる途中、厨房を見たら

ほのちゃんパパがいたので手を振ってみたら

笑いながら振り返してくれた・・・

 

(僕の事、覚えてくれたみたい)

 

「・・・お邪魔します」

「ゆうちゃん、いらっしゃい~。」

「こんばんは。悠里君」

「こんばんは~。ゆーくん」

 

部屋に入ったら、3人共揃っていた・・・

 

「それでは悠里君も来た事ですし、作戦会議を始めます。」

 

こうして作戦会議が始まった・・・

 

「と、いう感じでいいんじゃないかな?」

「そうだね。・・・後は歌詞、作曲かぁ。こんなんで大丈夫!?」

「あはは・・・」

 

僕が不安をよせながら聞くと、

ことちゃんは苦笑い・・・

 

「大丈夫だよ!。明日ゆうちゃんと一緒に作曲の件頼みに行くから!」

「あ、僕もなの?」

「ダメ・・・かな?」

 

え?。なんで涙目になってるの?

・・・まぁ答えは決まってるけど。

 

「僕なんかで良ければ・・・」

「本当!?。ゆうちゃん、ありがとう!!」

 

ほのちゃんは嬉しそうに声を上げた。

 

「悠里君いいのですか?」

「手伝うって決めてたから大丈夫だよ・・・」

 

とりあえず作曲の件は何とかするとして・・・

 

「後は作詞なんだけど・・・」

 

すると、ことちゃんが

 

「ゆーくん、それについては解決済みだよ?

ね~穂乃果ちゃん♪」

「ねー♪」

「「?」」

 

僕と、みーちゃんが首を傾げると

ほのちゃんとことちゃんは、みーちゃんに近づき・・・

 

「な、なんですか・・・?」

「海未ちゃんさ~、中学の時ポエム書いてた時あったよね~?」

「見せて貰った事もあったよねぇ~」

「えっ!?」

 

そういえば中学の時、ティアちゃんから聞いたのだが

みーちゃんがポエムを書いてたって言ってたっけ・・・

ティアちゃん曰く『素敵な詞だったわよ?』と絶賛していた

くらいだし・・・

 

「・・・っ!!///。」

「あ!。海未ちゃん逃げたよ!?」

「いや、逃げるでしょ・・・。普通は」

 

みーちゃんが逃走してから数分後・・・

 

「お断りします。」

「えぇ!?。なんでなんで!」

「えぇ~。海未ちゃ~ん」

 

普通は拒否るのが当たり前だと思うけど

まぁ理由は・・・

 

「絶対嫌です!。中学の時のだって思い出したくない

くらい恥ずかしいのですよ!」

「まぁまぁ。アイドルの恥はかき捨てっていうじゃない」

 

ほのちゃん。それ言わないよ?

 

「言いません!」

「でも・・・私衣装を作るので精一杯だし・・・」

「ほのかちゃんが作詞するとかは?」

 

僕がそう言うと3人は苦笑いをした。

 

「いや穂乃果は・・・」

「穂乃果ちゃんの小学生の時のポエムとかないの?」

「あるよ!!。確かこの辺に・・・」

 

ことちゃんの質問に、ほのちゃんは押し入れから段ボールを

取り出し1枚のプリントを出してきた。

そこには・・・

 

『おまんじゅう うぐいすだんご もうあきた!』

 

と書かれていた・・・

 

忘れてた。ほのちゃんはポエムとか

凄くダメだったの思いだした・・・

それにこれを聞いた時、僕とルーちゃんが

ボーゼンとしてたっけ・・・

・・・花怜ちゃんだけは絶賛してたっけ。

 

「無理だと・・・思わない?」

「た、確かに・・・」

 

みーちゃんとことちゃんは肩をがっくりと落とし

ほのちゃんは「ははは・・・」と笑っていた。

 

「・・・えっと結局どうする?」

 

僕が聞くと、ついに痺れをきらしたのか

ことちゃんが・・・

 

「海未ちゃん・・・。おねがぁい♡」

 

・・・久しぶりに見るなぁ。

となると、みーちゃんは当然・・・

 

「もぅ・・・。ズルイですよことり・・・」

 

・・・あちゃー。

みーちゃん折れちゃったよ

ことちゃんのお願いは大抵の人は陥落するしなぁ。

僕の場合は別だけどね・・・

 

「よかったぁ!」

「海未ちゃんならそう言ってくれると思ってたよ!」

 

みーちゃんが作詞をしてくれる事を喜ぶ2人。

だがしかし・・・

 

「ただし!!。ライブまでの練習メニューは私が作ります!!」

「練習メニュー?」

 

ほのちゃんが問う。

あぁ、みーちゃんが言いたい事が分かった・・・

僕は、ほのちゃんとことちゃんに分かりやすく説明する。

 

「うみちゃんが、言いたいのはダンスに欠かせない体力作りの事だよ。

基本、アイドルは笑顔のまま踊ってるからね・・・」

「ゆーくん、それと何の関係があるの?」

 

ことちゃんが分からないようなので・・・

 

「ほのかちゃん」

「なあに?。ゆうちゃん」

「ちょっと腕立て伏せしてみて?」

「う、うん・・・」

 

そう言い、ほのちゃんは腕立て伏せを始めた。

 

「それをやりながら笑ってみて?」

「え、うん・・・」

 

しかし、ほのちゃんの表情は・・・

 

「む、難しい・・・」

「・・・まぁ。こう言う事だよ。」

「アイドルって・・・大変なんだね。」

 

ことちゃんが納得したように頷く。

僕は、みーちゃんに・・・

 

「うみちゃん、朝練のメニューって作れる?

・・・急で申し訳ないんだけど。」

 

すると、みーちゃんは笑顔で

 

「はい!!。任せてください!!」

「お願いね。

2人共、明日から朝練やるからね?」

「「えええぇぇぇ!?」」

 

・・・驚く必要性ある?

 

「ゆうちゃんは!?」

「・・・ん?。何が?」

「ゆーくんは朝練やらないの!?」

「・・・いや、僕もやるけど。」

 

普通に考えて言い出した僕もやるよ?

 

「あ、でも場所どこでやるかなぁ・・・?」

 

悩んでいると、みーちゃんが

 

「悠里君、それなら神田明神がありますよ?」

「あぁ、確かに練習場所にいいかもね。」

 

・・・それに、その場所は

 

「・・・じゃあ明日の朝、神田明神に集合ね。」

「分かりました。穂乃果、寝坊しないでくださいね?」

「なんで穂乃果だけー!?」

「まぁまぁ穂乃果ちゃん・・・」

 

 

 

 

・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 




えぇと何とか纏められました・・・
最後に悠里が呟いた人物は、
過去の真相編で明らかにするつもりです。
これからもよろしくお願いします。

それではまた次回。


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第12話 朝練開始!!。そして・・・

ゆるポメラです。
今回は朝練を開始する回です。
運動部の朝練って早いですよね・・・
自分は中学はテニス部で、高校の時は
バトミントン部でした・・・。

それではどうぞ。


現在、神田明神・・・

僕達は朝の練習メニューを確認していた。

 

(ほのちゃんが寝坊しないのが意外だった・・・)

 

そう。朝早く起きるのが苦手な、ほのちゃんが

時間通りに起きて来た事には、みーちゃんですら

驚いてた。

余談はさておき・・・

 

「ほ、本格的だね・・・」

「えー!?。こんなにやるの!?」

 

ほのちゃん、ことちゃんが驚くのも無理はない

みーちゃんの考えてくれたメニューが本格的だからだ

・・・流石みーちゃん。

 

「これに、もう1個追加するよ。」

「悠里君それは?」

「・・・階段ダッシュしようかなと。」

 

僕がそう言うと、みーちゃん以外驚いてた・・・

 

「うみちゃんと僕はともかく、ほのかちゃん達2人は体力が足りないから。

最初は自分のペースでいいから、朝と夕方を使って練習するから。

・・・時間もないしね?」

 

そう説明すると、ことちゃんが

 

「ゆーくんって何か部活でもやってたの?」

「・・・まぁ、昔ね。」

 

流石にこれ以上は言えないしなぁ・・・

 

「さて、とにかく練習始めるよ。」

 

こうして初めての朝練が始まった・・・

 

「も、もうだめ~・・・。」

「海未ちゃん~、もう足が動かないよ~。」

 

まぁ、この神社の階段はとにかくキツイ。

どのくらいキツイのかと言うと、ルーちゃんが

『疲れたよ~。ゆうくん、おんぶ~』って駄々をこねるくらいかな。

 

「はい!2人共、もう1セットです。」

「は、はひ!。行こうことりちゃん!」

「うん!」

 

2人は、みーちゃんに任せてある。

すると・・・

 

「君たち」

 

振り向くと、巫女がいた。

おっと間違い・・・。東條副会長がいた。

 

「・・・えっと、何か用ですか?」

 

僕が聞くと副会長は・・・

 

「神社はいろんな気が集まるスピリチュアルな場所やからね。

ここの階段を使わせてもらってるんやから、お参りくらいしとき?」

 

あぁ・・・。一理あるかも

すると、みーちゃんが

 

「そうですね。みんなでお参りして行きましょう」

「うんっ!」

 

3人は神殿のほうに向かう。僕も行こうかなと思ったが

 

「ちょっとええかな?」

「・・・何でしょう?」

「あの子達、順調?」

 

副会長が聞いてきたので

 

「・・・順調なんじゃないですかね?」

「がんばりや~。ウチは応援しとるで?。

あの子達にも、君にも・・・」

 

この先輩、一体何を企んで・・・

 

「「「初ライブが成功しますようにっ!!」」」

 

そんな事を考えていると、ほのちゃん達の声が

聞こえた・・・

 

「じゃあ、練習がんばりや~」

「し、失礼します・・・」

 

ほのちゃん達のところに向かうと・・・

 

「ゆうちゃん遅いよ!。穂乃果達はもうお参り終わったからね!」

 

そう言いながら、腰に手を当てプンプンと怒る

ほのちゃん・・・

 

「ごめん、今から僕もするよ。」

 

僕は、10円を取り出し賽銭箱に入れる

 

(はにゅ~ん♪。・・・なんてね。)

 

最近、漫画や小説の影響受けすぎかなと考えながら

お願いをする・・・

 

「・・・・よし。」

「ゆーくん、何をお願いしたの?」

 

ことちゃんが気になったのか僕に聞いてくる

 

「3人の初ライブ成功と・・・、後はヒミツ」

「えぇー!?。ゆうちゃん教えてよー」

「・・・だぁめ。」

 

・・・3人の前では言えないしね。

 

「そろそろ登校時間が近いから、3人共着替えてきなよ」

 

僕が言うと・・・

 

「そうですね。学校に遅れてしまっては元も子もありません

穂乃果、ことり行きますよ?」

 

みーちゃん引率のもと、3人は裏に行った・・・

 

「ふぅ・・・」

 

誰もいない事を確認し、僕は問う・・・

 

「・・・そこに居るんでしょ。花怜ちゃん」

『いつから気づいていたの?』

「ここに着いた時からかな」

 

現れたのは、身長159cmの少女・・・

この子が僕、ルーちゃん、ティアちゃんの大切な

もう1人の友人。

 

 

三日月花怜(みかづきカレン)ちゃんだった。

 

『あの3人、変わってないね』

「やっぱりそう思う?」

『・・・うん』

 

花怜ちゃんは微笑みながら言った。

 

「当分は、ここの神社にお世話になるかも。」

『じゃあ、ゆうり君と会える時間も増えるんだ♪』

「そうだね。」

 

こんなやりとりをしていると足音が聞こえたので・・・

 

『じゃあまた後でね。ゆうり君♪』

「・・・ん。後でね。」

 

そう言い残し、花怜ちゃんは消えた。

 

(・・・元気そうで良かった。)

 

そう考えてると、ほのちゃん達が来たので

 

「・・・じゃあ、学校に行こうか」

 

 

ーー昼休みーー

 

「作曲・・・。してくれないかな?」

「オコトワリシマス!!」

 

・・・えぇ。今僕達は屋上にいるのですが、結果はご覧の通り。

 

(ほのちゃんが言ってた作曲の当てって、真姫ちゃんだったの!?)

 

いやいや、びっくりだよ。

確かにピアノの音が綺麗だったのは分かるけど・・・

そんな事を考えてると・・・

 

「興味ないんです!。失礼します!。」

 

そう言って屋上を後にした・・・

 

「お断りしますって・・・、海未ちゃんみたい」

「それが普通の人の反応だと僕は思うけど・・・」

 

・・・さて、どうしようかな?

僕は、みーちゃんから預かった物を広げる。

 

「ゆうちゃん、それなに?」

「うみちゃんから預かった歌詞だよ。」

 

ほのちゃんに説明しながら歌詞を見つめる・・・

 

『START:DASH!!』

 

・・・彼女達、3人の始まりの曲である。

 

 

ーー教室ーー

 

「あったよ!!。1枚!!」

「「「嘘っ!?」」」

 

休み時間、ほのちゃんがグループ名の投票箱を見たら

1枚だけ入ってたみたい。

信じられず僕と、みーちゃんことちゃんの3人で驚いてしまった。

 

「どんな名前でしょう?」

 

みーちゃんが不安になりながら聞いてくる。

 

「・・・とりあえず開けるよ?」

 

代表して僕が紙を開ける。そこに書かれていたのは・・・

 

 

 

 

"μ's"

 

 

 

 

 

 

「・・・・石鹸?」

「ほのかちゃん、違う。」

 

ほのちゃんの天然に僕がつっこむと・・・

 

「多分、神話に出てくる女神だったかと・・・」

「確か・・・、芸術の9人の女神だったような気が・・・」

 

僕と、みーちゃんが話していると

ことちゃんが。

 

「いい名前なんじゃないかな?」

「私も思います。穂乃果は?」

「穂乃果も賛成!!。今日から穂乃果達は・・・μ'sだ!!」

 

こんな感じで音ノ木坂にスクールアイドルが誕生しました。

・・・でも後6人って誰なんだろう?

 

ーー放課後ーー

 

「音楽室ってどこだっけ?」

 

ただ今絶賛迷子中・・・

 

(ほのちゃん達に場所、聞いておけばよかった・・・)

 

「あ、あの・・・」

「は、はい?」

 

振り返ったら眼鏡をかけた女の子がいた。

リボンの色からして1年生かな?

 

「あの、西木野真姫ちゃんって子はどこにいるか分かる?」

「彼女なら音楽室に行ったにゃー!!」

「にゃー?」

 

眼鏡をかけた女の子の隣に現れた猫語の後輩ちゃんが教えてくれた。

 

「西木野さん、クラスであまり話さないんです。いつも昼休みは図書室で、放課後は音楽室によくいます。」

 

なるほどね・・・

 

「あ。じゃあ音楽室の行き方って分かる?。僕まだここに来て日が浅くて・・・」

「それならここを真っ直ぐ行ったところにあるにゃー。」

 

あれー?。意外と場所近いんだな・・・

 

「教えてくれてありがとね。あ、水無月悠里です・・・。」

「こ、小泉花陽です。」

「凛は星空凛だにゃ!よろしくにゃ!」

 

えっと、眼鏡をかけた女の子が花陽ちゃんで、語尾にニャーって

言ってるのが凛ちゃんか・・・

 

 

 

ーー音楽室ーー

 

「・・・あれ?。誰もいない」

 

そう、音楽室に誰もいないのだ。

入れ違いになっちゃったかな・・・

 

「せっかく来たんだしピアノ触らせて貰おうかな・・・」

 

僕は、何を引くか悩んだ・・・

 

「あ、あのアニメソングでも弾こう・・・。」

 

 

 

side真姫

 

 

全く、日直になったせいで遅くなってしまったじゃない・・・

今日も少しだけ弾いて帰ろうかしら・・・

私はいつも通り、音楽室に向かう。

 

「誰かいるのかしら?」

 

そう思い近くまで行って聴いてみると・・・

 

「聞こえた~気がした~♪、感じた気がしたんだ~♪」

 

聴いたことが無い曲なので、興味本位で一体誰が引いて

るのかなと覗いてみると・・・

 

「・・・水無月先輩?」

 

そこには、共学化の試験生として転入してきた

水無月悠里先輩がいた・・・

 

(・・・楽しそう)

 

曲が終わったみたいなので私は音楽室に入る事にした・・・

 

 

sideout

 

 

 

「・・・なんか久しぶりに弾いたかも」

 

僕がそんな事を思っていると・・・

 

 

ーーガラッーー

 

「あの・・・」

「・・・えっ!?」

 

入って来たのは真姫ちゃんだった

も、もしかして・・・

 

「え、えと。さっきの曲聴いてた?」

「・・・はい。素敵な曲でした。」

 

どうしよう、僕泣きそうです・・・

 

「あの、さっきの曲って?」

「あぁ、僕が好きなアニメの曲なんだ。」

「そうなんですか?」

「・・・うん。たまに引きたくなる曲なんだ。」

 

僕がそう言うと真姫ちゃんは・・・

 

「あの。水無月先輩は、高坂先輩達のお手伝いなんですか?」

「一応そうなるね。3人共かなり本気だったし」

「・・・・。」

 

僕が答えると黙ってしまった。

 

「これ。」

「?」

「よかったら曲作りの参考にして欲しいな?」

 

僕はμ'sと書かれた紙、みーちゃんが作った歌詞を

真姫ちゃんに渡した。

 

「心が変わるとは思えませんけど?」

「最終的には真姫ちゃんが決める事だし、僕は何も言わないよ?」

 

そう言い残して僕は音楽室を後にした・・・

 

 

ーー次の日ーー

 

 

 

僕達は神田明神で練習をしていた・・・

すると、ほのちゃんが遅れてやってきた。

 

「みんなー。」

「おはよう。ほのかちゃん。」

「ゆうちゃん、これ見て!!」

「・・・封筒?」

 

ほのちゃんが持ってきた封筒には『高坂穂乃果とμ's』って

書いてあった・・・

早速、中を開けてみると・・・

 

「もしかして・・・」

「CDですか?」

「もしかして、ライブの!!」

 

ことちゃんが嬉しそうに言う。

ミュージックプレーヤーを使い再生させる。

そこには・・・

 

ピアノの前奏から始まり、真姫ちゃんの歌声が奏でる。

 

「すごい!!。曲になってる」

 

ほのちゃん達が歓喜の声を上げた・・・

 

 

 

 

『穂乃果ちゃん達、嬉しそうだね♪』

「そう言う、花怜ちゃんも嬉しそうだけど?」

『ゆうり君だって♪』

 

僕の隣で花怜ちゃんが笑っていた・・・




真姫ちゃん視点を
初めて入れてみましたが
主人公の性格も考えてやり取りが
難しかったです・・・。

それではまた次回。


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第13話 ファーストライブ当日 『START:DASH!!』

ゆるポメラです。
サブタイが長くて申し訳ありません。

それではどうぞ。


ファーストライブ前日の日・・・

あれから僕達は練習を重ね続け、

気がつけばライブ前日まで来ていた・・・

 

(もう本番前日か・・・)

 

僕がそう思っていると・・・

 

「ゆうちゃん、ゆうちゃん!!」

「ほのかちゃん、どうしたの?」

「チラシ配りやるよ!!」

「あ、もう放課後なんだ・・・」

 

・・・そう。

明日は初ライブ当日なので

できるだけ宣伝しておこうと、

チラシを配っているんだ。

 

「μ's!。初ライブやりまーす。是非来てくださーい!」

「お、お願いしまーす・・・」

「ゆうちゃん声が小さいよ?」

「・・・察して。」

 

分かってるよ。自分が人見知りな性格もあって

頭では分かっているけど、いざやるとなると

なかなかできないんだよ・・・

 

(・・・でも僕なんかより)

 

隣では、みーちゃんが一生懸命チラシを配っていた・・・

 

「うみちゃん大丈夫?」

「は、はい大丈夫です」

 

手が震えてるし大丈夫ではないかも・・・

僕は、ほのちゃん達2人を見ながら

 

「・・・うみちゃん」

「悠里君?」

「・・・どうやったら、ほのかちゃんみたいにチラシ配りできるかな?」

「そう・・・ですね。」

 

ことちゃんなんかもう配り終わるみたいだし・・・

ほのちゃんも持ち前の明るさで配っていた。

正直、僕とみーちゃんの分もやって欲しい。

 

「「・・・はぁ。」」

「ちょっと海未ちゃん!!。ゆうちゃん!!。2人共配ってよ!!」

「「・・・はい。」」

「あ、あの・・・」

 

振り返ると花陽ちゃんが声をかけて来た。

 

「あ、あの。そのチラシ頂けませんか?」

「「よければ全部どうぞ!!」」

「海未ちゃん、ゆーくんダメだよ。そんな事しちゃ」

 

適材適所って、この場合使えないかな?

 

「ありがとうございます。ライブ見に行きます」

「あ、ありがと・・・」

 

そんなチラシ配りをした放課後だった・・・。

 

 

ーー神田明神ーー

 

 

「・・・じゃあ今日は、この辺で終わりにしようか」

「えぇー!?。穂乃果まだできるよ!!」

 

ほのちゃんは、そう言うが・・・

 

「・・・当日に体壊したら意味ないでしょ?」

「でもぉ・・・」

「穂乃果、悠里君の言っているのは最もなのですから。」

「そうだよ。穂乃果ちゃん。」

 

2人の説得により、ほのちゃんは納得した。

「制服に着替えてくるね?」と言い裏に行ってしまった。

 

 

「明日、大丈夫かなぁ・・・」

『不安?』

 

僕が呟くと花怜ちゃんが現れ

心配そうに尋ねてきた。

 

「ライブの事も心配だけど何より・・・」

『お客さんが来てくれるか・・・。でしょ?』

「・・・うん。」

 

そう、僕はこれが一番気がかりだった。

3人の努力は、僕や花怜ちゃんが知っているし・・・

でもやっぱり最悪の考えがよぎってしまう。

 

 

()()()()()()()()()()()()と・・・・

 

 

 

そんな思考はすぐ消した。

もしかしたらの可能性もあるし・・・

 

「とりあえず明日次第かな。」

『大丈夫だよ♪。穂乃果ちゃん達なら♪』

「そうだね。」

 

花怜ちゃんと話してたら、ほのちゃん達が

やって来た。

 

「ゆうちゃんお待たせー。何してたの?」

「願掛けだよ。明日の初ライブの」

 

そして僕達は神田明神を後にした。

帰り際に花怜ちゃんが僕に・・・

 

『頑張ってね。』

 

と言ってくれた。

・・・ありがとね。

 

 

 

 

ーーライブ当日ーー

 

 

「以上で新入生歓迎会を終わります。各部活とも体験入部を行っているので興味が

あったらどんどん覗いてみてください。」

 

 

そしてこの日が来ました・・・

僕達はすぐにチラシ配りを始めた。

しかし・・・

 

「どうしよう・・・」

 

ことちゃんが言うのも無理はない。

チラシの量が昨日と比べて圧倒的に減らない

3人が不安な顔を見せる・・・

そこで僕は。

 

「・・・3人共、ここは僕がやっておくからライブの準備してきて」

「ゆうちゃん・・・。でも」

「主役は、ほのかちゃん達なんだから早く。」

 

そう言うと3人は準備をしに行った。

僕もできる事はやらないと・・・

 

 

講堂に入るとクラスメイトの3人が機材の移動や

ライトの準備をしていた。

 

「あ、水無月君!」

「ヒデコさん、フミコさん、ミカさん?

何してるんですか?」

「μ'sのライブの準備だよ!」

「わたし達もμ'sの応援してるから。」

 

ひょっとしたら・・・

 

 

ーーファーストライブ開始まであと僅かーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「開演10分前なのに・・・。人が来ない」

 

そう、現在、講堂には僕とヒデコさん達含めて4人

しかいない。

 

(なんで・・・)

 

最悪の考えが現実になってしまう

どうか外れて欲しいとそう願った・・・

 

 

そして開始の合図が鳴った・・・

 

 

 

 

ゆっくりと幕が上がる。

 

 

静けさだけが辺りを支配していた・・・

3人の顔は凍りついていた・・・

まるで嘘であって欲しいと・・・

 

「あはは・・・」

 

静かさを破ったのは、ほのちゃんの空虚な笑いだけ

 

「穂乃果・・・」

「穂乃果ちゃん・・・」

 

みーちゃんとことちゃんが呟くように言う

だけど2人も泣き出しそうだった・・・

 

「そりゃそうだよ、世の中そんなに甘くない!」

 

無理に笑顔を作る、ほのちゃん・・・

でも僕は分かってた。今にも泣きそうだった。

 

(なんで3人がいつも辛い目にあわないといけないんだよ!!)

 

もう3人の辛い顔を見たくなかった

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(今、僕が言えるのは・・・)

 

「・・・歌って。」

「「「・・・え?」」」

「例え誰も来なくても僕がちゃんと3人のライブ見るから!!

だから歌ってよ。」

 

僕は一体どんな表情をしてるんだろう・・・・

だけど、そう言わずにはいられなかったから。

 

 

すると・・・

 

 

 

 

 

ーーバタンッ!!ーー

 

 

 

「はぁ、はぁ・・・。あれ、ライブは?」

 

 

僅かな希望はある・・・

 

 

「やろう!!」

「「えっ?」」

「やろう。全力で!!」

「穂乃果・・・」

「穂乃果ちゃん・・・。うん!」

 

そしてライブが始まった。

 

最初は失敗もあったけど、何より3人共

楽しそうだった。

僕は周りを見て見ると、花陽ちゃん、

凛ちゃん、少し遠い場所にいるが真姫ちゃんもいた。

更に出入り口の近くには3年生らしき人もいた・・・

 

 

 

 

そしてライブが終わり・・・

一つの足音が聞こえる。

 

 

「生徒会長・・・」

「これからどうするつもり?」

 

絢瀬会長が、ほのちゃん達に問う

 

「続けます!」

「何故?これ以上続けても意味があるとは思えないけど。」

 

絢瀬会長の問いに・・・

 

「やりたいからです!。私もっともっと歌いたい、踊りたいって思ってます!。きっとことりちゃんも海未ちゃんも。」

 

そして、ほのちゃんは・・・

 

「こんな気持ち始めてなんです。やってよかったって、本気で思えたんです!今はこの気持ちを信じたい。このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない、全然応援なんてもらえないかもしれない。でも、とにかく頑張って、私達が頑張って、届けたい!今ここにいる私達の思いを!」

 

そして・・・

 

「いつか、いつか必ず、ここを満員にして見せます!!」

 

これは、ほのちゃんの嘘偽りない気持ちだ・・・

一度決めたらやるって、僕は知っているから。

 

「そう。ならそのまま続けてればいいわ」

 

そう言い残し、絢瀬会長は講堂を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

最初は失敗が多くても、いつか実るのを

僕は知っている。

だって、そう教えてくれたのは・・・

ほのちゃん達だから。

 

 

 

 




ひとまずできました。
ライブを表現するの難しいです。
頑張っていこうと思います。
次回は、1期第4話『まきりんぱな』の回を
執筆したいと思います。
これからもよろしくお願いします。
それではまた次回。


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第14話 まきりんぱな

ゆるポメラです
今回は、1期第4話の『まきりんぱな』の回です
至らないところもありますが
よろしくお願いします。


ファーストライブから数日後・・・

僕達は今、校舎の裏側に来ています。

なぜかと言うと・・・

 

「うわぁ~。ふぇぇぇ~♪」

「・・・アルパカだよね。」

 

そうなんです。

どうやら音ノ木坂では、2頭のアルパカさん

を飼っているみたいです。

ことちゃんはメロメロだった。

ほのちゃんとみーちゃんは微妙な顔してるけどね・・・

 

「白いアルパカがオスで、茶色のアルパカがメスだね。」

「え!?。ゆうちゃん性別分かるの!?」

「・・・見た感じだけどね。」

「普通、逆じゃないんですか?」

 

まぁ、みーちゃんが言いたいのは分かる。

白いアルパカは、つぶらな瞳が特徴で普通こっちが

メスでしょと思う人が多いと思うが、実際は逆。

その証拠に・・・

 

「・・・茶色のアルパカが僕に懐いているでしょ?」

「「あ、確かに!!」」

 

ところで思ったのだが・・・

 

「ことりちゃんはなんでアルパカに?」

「急にハマったみたいですよ?」

「あ、そうなんだ・・・」

 

みーちゃんと話していると

 

「ことりちゃん~。チラシ配りに行くよ~」

 

ほのちゃんが言うが、ことちゃんは・・・

 

「うぅ~ん♡。あとちょっと~」

「あはは・・・」

 

・・・絶対あとちょっとじゃ済まない気がする。

似たパターン何度も見てるしね。

 

「部員を5人にしないと部活動として活動できないのですよ!!」

 

みーちゃんがジェスチャーしながら言うが・・・

 

「う~ん。そうだよねぇ~。」

「うみちゃん。聞いてないパターンだよこれ・・・」

 

僕と、みーちゃんが溜息をついていると

ほのちゃんが・・・

 

「可愛い・・・かな?「えぇ!。可愛いよ!」」

 

即答するの早いね。ことちゃん・・・

モフモフ系が好きなのかな?

 

「ふぇぇぇ!!」

「ことりちゃん?。どうしたの?」

「ゆーくん、舐められちゃった~」

「・・・大丈夫?」

 

多分、嬉しかったからだと思うけど・・・

 

「うん。嫌われちゃったかな~」

「あ、大丈夫ですよ。楽しくて遊んでただけだと思いますから」

 

そう言ってきたのは花陽ちゃんだった・・・

 

「お~、よしよし、お水変えなきゃね~。」

「・・・あ、花陽ちゃん手伝うよ。」

 

そう言って僕は、茶色のアルパカに水をやる。

 

「あ、毛並みも少し悪いから手入れもしてあげないと」

「「「「・・・・・。」」」」

「・・・これで良し。4人共どうしたの?」

 

手入れなどが終わると、4人が不思議そうに見ていたので

聞いてみる。

すると花陽ちゃんが・・・

 

「い、いえ。水無月先輩、手慣れてるなぁと思いまして」

「あぁ、その事ね。転入する前の高校で動物の世話してたから」

「どんな動物なんですか?」

 

みーちゃんが気になったのか僕に聞いてきた。

 

「羊、兎、イルカの3種類だけど・・・」

「「「「えええぇぇぇ!?」」」」

 

そんなに驚かなくても・・・

 

「と、言っても僕が担当したのは兎で、羊とイルカは

他の子が担当してたんだけどね。」

「そ、そうなんだ・・・」

 

ことちゃんが驚いて言った。

ちなみに羊の飼育担当がルーちゃん、イルカの担当は

ティアちゃんだったりする。

 

「ねぇ!」

「は、はい!」

「アイドルやりませんか?」

「ほのかちゃん直球だね・・・」

 

・・・あぁ。花陽ちゃんが怯えてるよ。

 

「君は光ってる、悪いようにはしないから!」

「穂乃果、無理に勧誘するのはよくありません」

 

とりあえず、ほのちゃんを放す。

 

「いやぁ。これくらい強引に誘わないと・・・」

「あ、あの西木野さんが・・・」

 

すると花陽ちゃんが口を開く。一番近くにいた

ほのちゃんですら聞こえなかったみたい。

 

「ごめんね。もう一回いい?」

「に、西木野さんが、いいと思います。歌、上手なんです。」

「そうなんだよね!穂乃果も大好きなんだ!彼女の歌声!。」

 

ここで僕は思った・・・

 

「スカウトしに行ったら?」

「行ったよ~。そしたら『オコトワリシマスッ』って言われたんだよ!」

 

あ、行ったんだ・・・

 

「ご、ごめんなさい・・・。私余計な事を・・・」

「だ、大丈夫だよ!気にしないで。」

「かーよちーん!。早くしないと授業遅れちゃうよー!」

 

声がしたほうを見ると、凛ちゃんだった・・・

 

「今行くね。し、失礼します。」

 

そう言うと花陽ちゃんは凛ちゃんの元に行った。

 

「僕達も教室に戻ろうか?」

「そうですね。」

 

こうして僕達も午後の授業に向かった・・・

 

 

 

 

ーー放課後ーー

 

 

 

「・・・あれ?」

 

廊下を歩いていたら、花陽ちゃんが困った顔していた

とりあえず声かけてみようかな。

 

「あの、花陽ちゃん?」

「あ、先輩・・・」

「・・・何か困り事?」

 

すると花陽ちゃんは生徒手帳を見せてきた。

 

「・・・これって真姫ちゃんの?」

「はい。これどうしようかなと思ってて」

「・・・届ければいいんじゃないかな」

「そうですよね・・・。」

 

もしかして真姫ちゃんが怖いとか?

僕は見えないけど・・・

 

「あの、水無月先輩?」

「どしたの?」

「よかったら、一緒に、来てくれませんか?一人だと、なんだか不安で」

「僕でよければ・・・」

「あ、ありがとうございます。」

 

そんなこんなで落とし物を届けに行くことになりました。

 

 

ーー少年少女移動中ーー

 

 

 

 

 

「・・・この辺りかな?」

「水無月先輩、あれじゃないですか?」

「え?。・・・あれ本当に真姫ちゃんの家?」

 

そこには、ティアちゃんの家ぐらいの豪邸だった・・・

は、入りづらいな・・・

そう言う訳にもいかないのでインターホンを押す。

するとすぐに若い女の人の声がした。

 

「あの、真姫さんと同じ学校の2年の水無月悠里と」

「同じクラスの小泉花陽です・・・。」

『はーい、ちょっと待っててね。』

 

インターホンが切れると門が開いた・・・

 

「は、入ろうか・・・」

「は、はい。」

 

僕と花陽ちゃんは家に入った。

 

「「お、お邪魔します」」

「いらっしゃい」

 

出迎えてくれたのは、真姫ちゃんのお母さん?

らしき人だった・・・。

真姫ちゃんママ?は「さ、入って入って」と上がらせてくれた。

 

(トロフィーとかがたくさんある・・・)

 

すると真姫ちゃんママ?は

 

「あなた、もしかして藍里(あいり)ちゃんの息子さんよね?」

「え、母さんを知ってるんですか?」

「やっぱり。外見がそっくりだったから・・・」

「あの。母さんってもしかして」

「えぇ。私と同じ音ノ木坂学院の同期なのよ~♪」

 

・・・母さんの交友関係、広すぎでしょ。

そう思っていると

 

「ただいま~」

「あら。真姫おかえり。」

「ママ、誰か来てるの・・・って」

 

真姫ちゃんは驚いてた顔していた。

 

「「こ、こんにちは・・・」」

「真姫の紅茶淹れてくるわね?」

 

真姫ちゃんママは、そう言ってキッチンの奥に消えた。

 

・・・で。

 

 

「何の用?」

「これ、落ちてたから、西木野さんの、だよね?」

 

花陽ちゃんは生徒手帳を渡すと、真姫ちゃんは驚いてた。

 

「な、なんであなたが持ってるの?」

「ご、ごめんなさい・・・」

「なんで謝るのよ。あ、ありがとう・・・」

 

僕もこの空気、苦手なんだよな・・・

 

「μ’sのポスター見てた、よね?」

「・・・そうなの?」

「ひ、人違いなんじゃないの?」

「でも、手帳もそこに落ちてたし」

 

花陽ちゃんは更に追い打ちをかけるように・・・

 

「それμ’sのチラシだよね?」

「ち、違っ、これは!」

 

不意をつかれたのか、真姫ちゃんは

バランスを崩し、後ろへソファごと、倒れこんだ。

 

「・・・真姫ちゃん、大丈夫?」

「だ、大丈夫です。もぅ・・・」

 

そんなこんなで・・・

 

 

「私がスクールアイドルに?」

「うん、私、いつも放課後、音楽室に行ってたんだ。西木野さんの歌、聞きたくて。」

「私の?」

「うん、ずっと聞いていたいくらい、好きで、だから・・・」

「私ね、大学は医学部って決まってるの」

「・・・後を継ぐため?」

「私の音楽はもう終わってるってわけ・・・」

 

・・・なるほどね。

 

「真姫ちゃん。」

「なんですか?」

「もしかして本当はやりたい事・・・。あるんじゃないの?」

「・・・え?」

「今の真姫ちゃん、昔の僕と同じ顔してたから。」

「・・・昔の、水無月先輩?」

「うん。僕はやりたくても世間が認めてくれなかったから・・・」

「「え?」」

 

真姫ちゃんだけでなく花陽ちゃんも驚いてた。

 

「これは花陽ちゃんにも言える事だけど、やりたいと思ったら

やればいいと思う。何もない僕が言うのも説得力ないかも

しれないけれど、2人は選べるんだから素直になっても

いいと思うよ・・・」

 

僕が言ってあげれるのはこれぐらいだけだから・・・

 

「じゃあお邪魔しました。」

「わ、私も。お邪魔しました。」

 

僕と花陽ちゃんは家を後にした・・・

 

 

 

 

 

「あ、花陽ちゃん。僕これから和菓子屋に行くんだけど

一緒に来る?」

「は、はい!。お餅ってありますかね?」

「種類豊富だから、あると思うよ?」

 

そう言ってる間に、『穂むら』に着いた。

 

「・・・こんばんは。」

「いらっしゃいませ~。あ、ゆうちゃん、花陽ちゃん。」

「ほのかちゃん、今日店番なの?」

 

割烹着姿のほのちゃんは、看板娘って感じが出ていた。

・・・似合ってるなぁ。

 

「うん。もう少しで終わるから穂乃果の部屋で待ってて?」

「分かった。お邪魔します。」

「お、お邪魔します。」

 

という訳で、ほのちゃんの部屋に2人で向かう事にした。

 

「穂乃果先輩の部屋ってどこなんですか?」

「奥の部屋だよ。ちなみに手前の部屋が妹さんの部屋だよ。」

「詳しいんですね?」

「・・・まぁ、ね。」

 

そうそう、手前の部屋は、ほのちゃんの妹の雪穂ちゃんの部屋なんだ。

中学3年生で、とてもしっかりしている。

・・・雪穂ちゃんが実は姉なんじゃないかと昔、噂になってたけ。

 

「着いた・・・」

「なんか声がしますね。」

「・・・とりあえず入ろうか。」

 

ーーガラッーー

 

 

 

 

 

「ちゃーんちゃーんちゃらららら~ん。じゃーん!みんな~ありがとう♡」

 

 

みーちゃんが練習していたっぽいので、とりあえず花陽ちゃんに

小声で・・・

 

「・・・座ろうか?」

「え!?。は、はい・・・」

 

・・・花陽ちゃん何驚いてるんだろ?

 

 

 

 

side花陽

 

 

水無月先輩は、どうして普通にしてられるのでしょう。

私だったら、見なかったことにしてしまいそうです・・・

海未先輩、気づいてないよ・・・

 

(なんか水無月先輩、宿題始めちゃったよ~!?)

 

「・・・え!?」

 

あ、う、海未先輩が気づいた!!

 

「み、水無月先輩・・・」

「花陽ちゃん、どうしたの?」

「あ、あれ・・・」

 

花陽が、海未先輩のほうを指差しますが

海未先輩の顔が、真っ赤でした・・・

 

「ゆ、悠里君・・・」

「あ、うみちゃん。こんばんは。」

「あの///、さっきの・・・///」

 

多分、『見ました?』って聞こうとしたんだと

思います。なんて答えるんだろう・・・

 

「可愛かったよ?」

「っ!?///」

 

キョトンとした表情で海未先輩に言い切りました・・・

水無月先輩って一体・・・

 

 

 

sideout

 

 

 

あの後、ほのちゃんが来て、

 

「海未ちゃん顔赤いけどどうしたの?」

「穂乃果が店番でいなくなるからです!!」

「えぇー。なんで!?」

 

僕が、なんとか落ち着かせました。

 

「あ、あの~・・・」

「おじゃましま~す。」

 

ことちゃんが入ってきた。

すると花陽ちゃんを見て・・・

 

「え!?。もしかして本当にアイドルに!?」

「ゆうちゃんと来たからご馳走しようと思って。穂むら名物、穂むら饅頭、略してほむまん!おいしいよ~。」

「・・・絶品だよ。」

 

ほのちゃんが花陽ちゃんに勧める・・・

 

「あ、穂乃果ちゃん。パソコン持ってきたよ~」

「ありがとー。ことりちゃん、いつも肝心な時に限って壊れちゃうんだ~」

 

そう言ってパソコンを広げることちゃん。

 

「それで、ありましたか?」

「まだ、確認してないけど、ここに~」

「・・・これかな?」

「ほんとだー!」

 

そこには、ほのちゃん達のファーストライブの

映像だった・・・

花陽ちゃんは特に真剣に観ていた。

 

「小泉さん!」

「は、はい。」

「スクールアイドル、本気でやってみない?」

 

みーちゃんの呼びかけに、ほのちゃんが誘う。

 

「でも私、向いてないですから・・・」

「・・・そんなの関係ないよ」

「え?」

 

僕が言うと、ほのちゃん達は

 

「私も人前に出るのは苦手です。向いているとは思えません」

「私も、時々歌詞を忘れちゃったりするし、運動も苦手なんだ~」

「私は凄いおっちょこちょいだよ。」

 

それぞれの欠点をあげる。

 

「でも・・・」

「やりたいと思ったらやればいいと思うよ。完璧な人なんて

いないんだから。」

 

僕がそう言うと・・・

 

「それがスクールアイドルだと思います」

「だからやりたいと思っているのなら、やってみようよ。」

「最も、練習は厳しいですが・・・」

「うみちゃん。いい台詞が台無しだよ?」

「あ、すみません。」

「ゆっくり考えて、答え聞かせて?」

「私達はいつでも、待ってるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー次の日の放課後ーー

 

 

綺麗な夕日が差しかかってきた頃、僕達は屋上で練習していた。

・・・と言っても復習だけどね。

すると、屋上のドアが開き、花陽ちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃんの

1年生組がやって来た。

 

「つまり、メンバーになるってこと?」

「はい!かよちんはずっとずっと、アイドルになりたいって思っていたんです!」

「そんなことはどうでもいいわ!彼女は結構歌唱力あるんです!」

「どうでもいいってどういうこと!?」

「言葉通りの意味よ」

「・・・凛ちゃん、真姫ちゃん少し落ち着きなさい。」

 

僕が言うと、とりあえず2人は落ち着いた。

 

「わ、私はまだなんていうか・・・」

「頑張って!凛がずっっとついててあげるから!」

「言ったでしょ?私も少しくらいは応援してあげるって。」

「え、えっと、わ、私、小泉・・・」

 

そして・・・

 

「私!小泉花陽と言います!一年生で、背も小さくて、声も小さくて、人見知りで、得意なものもなにもないです。でも!アイドルへの気持ちは誰にも負けないつもりです!だから・・・、だから!μ’sのメンバーにしてください!!」

 

すると、ほのちゃん達も

 

「こちらこそ!よろしく!花陽ちゃん!」

 

良かったね。花陽ちゃん。

僕は凛ちゃん、真姫ちゃんに近づき・・・

 

「・・・2人はどうするの?」

「「えっ!?」」

 

そして、みーちゃんが

 

「まだまだ、メンバーは募集中ですよ!」

「・・・じゃあ、凛もやる」

「わ、私は・・・」

 

・・・フォローするかな。

 

「真姫ちゃん、顔にやりたいって書いてあるよ。」

「・・・え?」

「真姫ちゃんの気持ちは?」

 

すると決心したのか、みーちゃんの手を取った・・・

こうしてメンバーが6人になりました。

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、僕が準備運動をしていると

 

「朝練って毎日こんな時間から始めなきゃいけないの~?凛まだ眠いよ~」

「当然じゃない。しっかりしなさいよ」

「まぁまぁ凛ちゃん・・・」

 

1年生3人が来た・・・

 

「おはよ。凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん。」

「「「悠里先輩おはようございます」」」

 

なんか、()()()()って呼ばれたんだけど・・・

 

「あ、花陽ちゃん。眼鏡、外したの?」

「はい。コンタクトにしてみました。」

「へぇ~。似合ってるわよ。」

 

この後、ほのちゃん達も合流しメンバー6人での

練習が開始した。

 

 

 

 

 

 

 

「あと3人のメンバーって誰だろうね?」

『近いうちに分かるかもよ?』

「それもそうだね。」

 

僕と花怜ちゃんでこんな話をしていた。

 

 

 




すみません。
2話で纏めるつもりが最終的に
1話分になってしまいました。
あと、先ほど完成してないのに間違えて
送ってしまいました。申し訳ありません。

それではまた次回。


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第15話 アイドル研究部って何?

ゆるポメラです。
今回は、にこ先輩の回です。
うまく表現できているか不安ですが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


メンバーが6人になった次の日。

僕達は現在・・・

 

「それでは!新しくメンバーを加えた新生スクールアイドル。μ’sの練習を

始めたいと思います!」

「・・・それ。ここ最近言ってない?」

「だって嬉しいんだもん!」

 

このように、メンバーが増えた事が嬉しいのか

最近ほのちゃんはこんな感じだ。

ちなみにこの後の流れは・・・

 

「なので恒例の!。1」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」

「6!」

 

ってなるんだよね・・・

僕は言わないけど・・・

 

「もう!。ゆうちゃんも言ってよー」

「・・・僕も?」

「当たり前だよ!」

 

てっきり仲間外れかなと思ってた。

・・・ハブられるのは慣れてるからいいけどね。

 

「7・・・。」

 

僕が言うと、ほのちゃんは体をくねらせながら・・・

 

「くぅぅ!。7人だよ、7人!いつもより喜べるよ!!」

「ほのかちゃん。嬉しいのは分かるけど・・・」

「そうですよ!。でないと今朝みたいに・・・」

 

僕と、みーちゃんが言うのには理由がある。

実は朝練をしていたところ、黒髪のツインテールさんに

いきなり『解散しなさい!』って言われた。

 

「でもそれだけ人気になったって事だよね!」

 

凛ちゃんが言う。まぁそれもあるかもね・・・

 

「それより練習でしょ?どんどん時間なくなるわよ。」

「真姫ちゃん、やる気満々にゃー」

「べ、別に!私は、早くやって、早く帰りたいの!」

 

真姫ちゃんはそう言うが・・・

 

「またまた~、凛見たよ?真姫ちゃんが、お昼休みに1人でこっそり練習してたの」

「あ、あれはただ!この前のステップがかっこ悪いから変えようとしてたのよ!あまりにも酷すぎるから」

 

あ、みーちゃんが・・・

 

「そうですか、あのステップ、私が考えたのですが・・・」

 

半泣きになりながら真姫ちゃんに問いかけてた。

僕は真姫ちゃんに

 

「・・・真姫ちゃん?。あまりそんな事言っちゃダメだよ?」

「は、はい・・・」

「うみちゃん泣かないで。よしよし・・・」

 

みーちゃんの頭を撫で撫でしながら慰めてた。

すると、ほのちゃんとことちゃんが・・・

 

「「・・・むぅー。」」

 

頬を膨らませながら、こっちを見ていた。

どうしたんだろ・・・

 

「あ、雨だ・・・」

 

僕が呟くと外は雨がかなり降っていた・・・

 

「梅雨入りしたって言ってたもんね」

「それにしても降りすぎだよ、降水確率60%って言ってたのに~」

「・・・その確率だったら降ってもおかしくない?」

「でも、昨日も一昨日も、降水確率60%だったけど、雨降らなかったよ~?」

「あ、すこし雨、弱くなったかも。」

 

ことちゃんの呟きに、ほのちゃんは屋上のドアを開けながら・・・

 

「やっぱり確立だよ~、よかったー」

「このくらいなら練習できるよ~」

「ですが、床が濡れていて滑りやすいですし、それに、またいつ降り出すか・・・」

 

みーちゃんの説得も聞かず、ほのちゃんと凛ちゃんは「大丈夫、大丈夫!」と

言いながら、外に飛び出して行った。

 

「うー、テンション上がるにゃ~!」

 

え!?。凛ちゃん、アクロバットしてるよ・・・

そして凛ちゃんがポーズを決めた瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

ーーザザーッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

・・・また降ってきたよ。

とりあえず・・・

 

「・・・今日は帰ろうかな。」

「私も悠里先輩に賛成」

「わ、わたしも・・・」

「そうだね♪。明日にしようか。」

 

僕、真姫ちゃん、花陽ちゃん、ことちゃんが帰ろうとすると・・・

 

「えぇー!!。帰っちゃうのー!?」

「それじゃ凛達バカみたいじゃん!!」

「バカなんです!」

 

・・・練習場所どうしよう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーハンバーガー店ーー

 

 

 

 

「穂乃果ちゃんー。明日も雨だって」

「えー!。はぁ~」

 

残念そうにポテトを食べるほのちゃん。

・・・というか隣の人取ったよね?

 

「あれ?。無くなった・・・。海未ちゃん食べたでしょ!!」

「自分で食べた分も覚えてないんですか!?。って穂乃果こそ!」

「ほ、穂乃果は食べてないよ!」

 

・・・また取ったんだ。

 

「ほのかちゃん、うみちゃん、僕のあげるから食べて。」

「ありがとう!。ゆうちゃん!」

「ありがとうございます。悠里君」

「気にしないで。」

 

さて・・・。

 

「僕なんか大事な事忘れてる気が・・・」

「教室とか借りれないの?」

 

真姫ちゃんが疑問の声をあげる

すると、ほのちゃんが・・・

 

「うん、前に先生に頼んだんだけど、ちゃんとした部活じゃないと、許可できないって」

「・・・真姫ちゃん。」

「なんですか?」

「今、ここに僕を入れて人数何人?」

「・・・7人ですよねって、あ。」

 

するとみんなも気づいたのか・・・

 

「あ!忘れてた!部活申請すればいいんじゃん!」

「忘れてたんかーい!」

 

・・・なんか違う人の声が聞こえた。

すると真姫ちゃんが

 

「それより忘れてたって、どういう意味?」

「いや~。メンバー集まったら安心しちゃって」

「・・・ほのかちゃん」

「悠里先輩以外ダメかも・・・」

 

真姫ちゃんは、そう言いながらも嬉しそうだった。

するとほのちゃんは安心したのか

 

「よぉし!早速明日に部活申請しよう!そうしたら部室が貰えるよ~、はぁ、ホットしたらお腹空いてきちゃった~、さぁて・・・?」

 

ほのちゃんのハンバーガーを取ろうとした隣の人が、みんなに

目撃される。はい、確定だね・・・。

そして何事もなかったように去ろうとする。

 

「追いかけるよ!!」

「・・・ほのかちゃん待って」

「ゆうちゃん?」

「・・・僕が捕まえる。」

 

そう言い僕は、護身用として使ってるバトミントンラケットを

ケースから取り出す。

隣にいた、ことちゃんに・・・

 

「ことりちゃん、シャトル取ってくれない?」

「う、うん。ゆーくん何するの?」

「・・・こうするの。」

 

ことちゃんからシャトルを受け取り、僕はラケットを

逆手に持ち、逃げた人の足元に狙いを定め・・・

 

「・・・シュート」

 

ーースコンッ!!ーー

 

見事命中・・・

 

「す、すごいにゃ・・・」

「ゆーくんカッコイイ・・・///」

 

とりあえず行こうか・・・

 

 

 

 

・・・で捕まえたはいいが

 

「アンタ達、歌もダンスも全然なってない!プロ意識が足りないのよ!いい?アンタ達がやっていることはアイドルへの冒涜!恥よ!とっとと解散することね」

 

そう言い残し去ってしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、生徒会に部活申請書を出しに行ったところ

拒否されてしまった。理由を聞くと・・・

 

「アイドル研究部?」

「そう、すでにこの学校には『アイドル研究部』という、アイドルに関する部が存在します」

「まぁ、今は1人なんやけどね。」

 

じゃあなんで最初に言わなかったんだろう・・・

 

結果、アイドル研究部と話をつけてくれば?

と東條副会長に言われた・・・

 

 

 

ーーアイドル研究部部室前ーー

 

 

「・・・えっ!?」

 

僕達は今すごく驚いてる・・・

何故なら、昨日ハンバーガー店で遭遇した

人だったのだから・・・

 

「じゃあ、あなたが・・・、あなたが、アイドル研究部の部長!?」

 

ほのちゃんがそう言わずにはいられなかったのも無理はないと

思った・・・

 

 

「・・・で、何の用?」

 

あの後、部長さんに中に入れてもらった。

というか部室の中がアイドルグッズやら

DVDとかポスターとかたくさんあった。

・・・この人が解散しろって言う理由が分かったかも。

 

「・・・あのサインは?」

 

僕が気になったので棚の方を指さすと・・・

 

「あぁ~気ずいた?秋葉のカリスマメイド、ミナリンスキーさんのサインよ」

「・・・へぇ~。」

「ネットで買った物だから本人の姿は見たことないんだけどね。」

 

・・・ことちゃんが挙動不審になってるけど、どうしたんだろ?

すると、ほのちゃんが

 

「アイドル研究部さん」

「にこよ」

「にこ先輩!実は私達、スクールアイドルをやっておりまして・・・」

「知ってる、どうせ希に部にしたいなら話つけてこいとか言われたんでしょ?」

「ま、いずれこうなるんじゃないかって思ってたからね」

「なら・・・」

「お断りよ」

 

だと思った・・・

するとにこ先輩は

 

「あんた達、ちゃんとキャラ作りしてるの?」

 

・・・ほぇ?。キャラ?

 

「いい?例えば・・・」

 

すると先輩は後ろを向いた

そして・・・

 

「にっこにっこにー♪あなたのハートににこにこに~♪笑顔届ける矢澤にこにこ~♪にこに~って覚えてらぶにこっ♪♪」

 

 

・・・・・・・・・・・・・えっと。

 

「これは・・・」

「私無理」

「ちょっと寒くないかにゃ?」

「ふむふむ・・・」

 

反応は様々。花陽ちゃんなんかメモしてるし・・・

この後、にこ先輩に出て行ってと言われました。

帰ろうとした時、東條副会長が理由を教えてくれた。

 

「・・・うーん」

「ゆうちゃん、どうしたの?」

「どうすればいいのかなって・・・」

 

今考えてた事を、ほのちゃん達に伝えてみた。

すると、いい案を思いついたのか

ほのちゃんが・・・

 

「海未ちゃんと知り合った時の作戦を使えばいいんだ!」

「どうゆうこと?(本当は知っているけど・・・)」

 

まぁ後に話すが、みーちゃんと初めて友達になった時と

同じ作戦を使えばいいと、ほのちゃんは言った・・・

 

(まぁ、それなら上手くいきそうな気がする。)

 

 

 

 

 

 

 

ーー次の日『作戦当日』ーー

 

 

 

 

ーーガチャッーー

 

 

 

 

「「「「「「「お疲れ様でーす。」」」」」」」

 

急な展開に落ち着いてない、にこ先輩。

 

「お茶です。部長!」

「部長!?」

「今年の予算表になります、部長」

「部長ー、ここに置いてあったグッズ棚に移動しておきましたー」

「あ、こら!勝手に・・・」

 

とりあえず今の状況を理解したのか

 

「こんなことで押し切れると思ってるの?」

 

すると、ほのちゃんは・・・

 

「押し切る?私はただ相談しているだけです。音ノ木坂アイドル研究部、μ’sの8人で歌う、次の曲を!」

「・・・厳しいわよ」

「わかってます!アイドルへの道が厳しいことぐらい!」

「わかってない!あんたも、あんたも、あんた達も!いい?アイドルっていうのは、笑顔を見せる仕事じゃない、笑顔にさせる仕事なの!それをよーく自覚しなさい」

 

こうしてメンバーが7人になりました。

僕は入ってないけどね・・・。

 

「あんたもよ!。水無月!!」

「・・・えっ!?」

 

この後、にこ先輩の厳しい練習が始まった・・・

なんで僕まで・・・。




上手く表現できたかは
不安ですが、なんとかできました。
次回は、1期第6話の『センターは誰だ?』の回を
執筆しようと思ってます。
場合によっては、2話分に分けようかなと思ってます。
それではまた次回。


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第16話 リーダー、どうするの?

ゆるポメラです。
今回は『センターは誰だ』の回です。
至らない点もありますが、よろしくお願いします。

それではどうぞ。


「リーダーには誰が相応しいか。だいたい、私が部長についた時点で考え直すべきだったのよ」

 

にこ先輩が言う。

なんでこんな事になったんだっけ?

確か・・・

あ、思い出した。学校紹介の取材で希先輩が

 

『ところでリーダーって誰なん?』

 

って言ってたのが切っ掛けで今の状況に

なったんだっけ・・・

そんな事を考えていると、ことちゃんが

 

「私は穂乃果ちゃんでいいと思うけど~」

「だめよ!今回の取材ではっきりしたでしょ?この子はリーダーにまるで向いてない」

 

・・・僕は正直、今のままでも問題ないんじゃ?

 

「この際、はっきり決めましょ、PVの撮影だってあるし」

「あぁ・・・」

 

なんか、カメラを貸してくれるみたいなので撮影しておこう

って話になったんだっけ?

 

「リーダーが変われば、必然的にセンターも変わるでしょ?次のPVは新リーダーがセンター」

 

するとホワイトボードに手をかけ『リーダーとは?』について

にこ先輩は語り出した。

 

「リーダーとは!まず第一に、誰よりも熱い情熱をもってみんなを引っ張っていけること!。次に!。精神的支柱になるだけの懐の大きさをもった人間であること!そしてなにより!メンバーに尊敬される存在であること!この全ての条件を兼ね備えたメンバーとなると!。」

 

なんか私しかいない風に聞こえるけど・・・

さて、みんなの反応は・・・

 

「海未先輩かにゃ?」

「なんでやねーん!」

 

凛ちゃんが自信満々に、みーちゃんを推す。

それにつっこむ、にこ先輩。

 

「私ですか?」

「そうだよ海未ちゃん!向いてるかも、リーダー。」

「それでいいのですか?」

「なんで?」

「リーダーの座を奪われようとしているのですよ?」

「ふぇ?。それが?」

 

ほのちゃん分かってない・・・

僕は、みーちゃんに

 

「・・・うみちゃん。ほのかちゃんの事だから、みんなで歌えれば

いいって思ってるんじゃない?」

「ゆうちゃんエスパー!?」

 

思った事を言っただけなんだけど・・・

 

「でも!センターじゃなくなるかもですよ!?」

 

花陽ちゃんは言うが、ほのちゃんは・・・

 

「あ、そうか。ま、いっか!」

「「「「「「えええぇぇぇ!!」」」」」」

「・・・ほのかちゃんらしいねぇ」

「だってみんなで歌うことには変わりないでしょ?だから、リーダーは海未ちゃんということで」

「ま、待ってください!」

 

みーちゃん、どうしたんだろ?

 

「私は、無理です・・・///」

 

・・・あらら。

 

「面倒な人」

「じゃあ、ことり先輩?」

「ん?。私~?」

「なんか、緩くなるイメージが・・・」

 

いや、ことちゃんがリーダーになったら力が抜けそうなイメージ

がある。僕の推測だけど・・・

 

「でも~、1年生がリーダーってわけにもいかないし」

「仕方ないわね~」

「・・・やっぱり、ほのかちゃんがいいんじゃない?」

「仕方ないわね~」

「私は海未先輩を説得した方がいいと思いますけど?」

「仕方ないわね~」

「と、投票がいいんじゃないかな?」

「し~か~た~な~い~わ~ね~!」

 

・・・みんなわざとかな?

 

「で、どうするにゃ?」

「どうしよう?」

 

放課後に秋葉でリーダーを決めようって事になりました。

 

 

ーー放課後ーー

 

 

 

 

 

「・・・なんでカラオケ?」

 

えー。今僕達は、秋葉のカラオケ店に来ております。

何故かと言うと・・・

 

「歌とダンスで決着をつけようじゃない!」

「決着・・・?」

「みんなで点数を競うってことかにゃ?」

 

僕と凛ちゃんの疑問に、にこ先輩は・・・

 

「そうよ!歌とダンスがうまい者がセンター。どう?これなら文句ないでしょ?」

 

・・・にこ先輩はマイクを手にし、歌う気満々である。

一方、僕、みーちゃん、真姫ちゃんは

 

「でも私、カラオケは・・・」

「私も歌う気しないわ。」

「僕もあまり・・・」

 

すると、にこ先輩は・・・

「こんなこともあろうかと、高得点が出やすい曲は既にピックアップ済み。これでリーダーの座は確実に・・・」

「・・・聞こえてますよ?」

「さ、始めるわよ」

「・・・はぁ」

 

みんなは、カラオケに来るのは久しぶりだよね~とか、なに歌おうかな~とか話していた。

 

「あんたら緊張感無さ過ぎ!!」

 

にこ先輩は歌う曲を決めて予約する。程なくイントロが流れ始めた。

みんなは次々に歌う曲を予約し始めた。

結局、みーちゃんと真姫ちゃんも説得され歌う事になりました。

 

・・・みんな、なんで90点ラインいくんだろう。

正直、僕いらなくない?

 

「ねぇー。ゆうちゃんは何歌うの?」

「・・・僕はいいよ」

「え~。ことり聴きたい~」

「凛も聴きたいにゃー。」

「は、花陽も・・・」

 

・・・どうしよう?

逃げ場を無くすように、真姫ちゃんが

「悠里先輩の曲・・・聴きたいです。」

 

と言われ、みーちゃんにも・・・

 

「私も悠里君の歌、聴きたいです///。」

「・・・うぅ。分かったよ。」

 

最後に歌ったのって、ルーちゃんとティアちゃんで

行った時以来かな・・・

とりあえず曲、予約しよう。

 

「ゆうちゃん何歌うんだろう?」

「悠里君の歌、楽しみです。」

「ゆーくんが歌うの初めて見るかも♪」

 

・・・ハードル上げないで。

まぁ今日はこの曲歌いたい気分だし・・・

 

そして曲が始まる。

 

『そしてこの空~、赤く染~めて♪』

 

こんな感じで僕も歌う事になりました。

・・・引かれなきゃいいけど

 

「・・・ゆうちゃん凄い///」

「・・・素敵です///」

「・・・カッコイイ///」

 

なんか、ほのちゃん達が言ってた気がするんだけど。

曲が終わり点数を見てみると・・・

 

100点・・・

 

「・・・あれ?」

「す、すごいです。」

「悠里先輩、凄すぎ・・・」

「この中で1位だにゃー。」

「こいつらバケモノか!?」

 

・・・で

 

 

 

 

 

ゲームセンターに来ました。

 

「次はダンスよ!歌の時みたいに甘くはないわ!使用するのはこのマシーン!」

 

(よりによってこのマシーンか・・・)

 

「・・・僕もやらなきゃダメ?」

「悠里君?」

「どうかしたんですか?」

 

みーちゃんと花陽ちゃんが終わったらしいので

聞いてきた。

 

「実は・・・」

「水無月!!。あんたで最後よ!」

「あ、はい・・・」

 

結局やる羽目になるんだね・・・

 

「ゆうちゃん、どうしたんだろ?」

「・・・分かんない。」

 

ほのちゃんとことちゃんが心配するが

実は、このマシーン昔やった事あるんだ・・・

しかも・・・

 

「水無月なんなの?。その難しさは・・・」

「にこ先輩、知らないんですか?」

「見た事ないわ・・・」

 

・・・にこ先輩ですら見た事ないのか。

この『裏の難易度ランク』

()()()()()()()()()を。

 

「「「「「「・・・・えっ!?」」」」」」

 

僕は難なくフルコンボ出す・・・

実は、このマシーン中学1年の時、花怜ちゃんと

2人でやりまくった経験があるからだ。

 

「終わった・・・」

 

・・・まぁ結果はご想像にお任せします。

 

 

 

この後、チラシ配りで勝負したりなど

結局、勝負がつかなかったので今日は解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日ーー

 

 

「で、どうするの?このままじゃいつまで経っても決まらわないわよ?」

「そ、そうだよね。で、でもやっぱりリーダーは上級生の方が・・・」

「仕方ないわね~」

 

・・・このままだと無限ループになりそう

すると、ほのちゃんが衝撃的な事を言った。

 

「いいんじゃないかな?なくても。」

「「「「「ええっ?」」」」」

「・・・。」

 

ほのちゃん、もしかして・・・

 

「家で、アイドルの動画とかみて、思ったの。なんかね、みんなで順番に歌えたら、素敵だなって思ったんだ!そんな曲、作れないかなって。無理かな?」

「・・・つまり、みんながセンターって事?」

「うん!!。ゆうちゃんそうだよ!!」

 

ほのちゃんらしいよ・・・

 

こうして屋上への階段を勢いよく駆け上って行く、ほのちゃんの

後ろをついて行きながら・・・

 

「やっぱりリーダーは・・・」

「不本意だけど」

「何事にも囚われないで、1番やりたいこと、1番面白そうなものに、怯まず真っ直ぐに突き進んでいく。それは、穂乃果にしかないものなのかもしれませんね!」

「そうだね・・・」

 

 

 

こうして新曲が完成した・・・

その曲名は

 

『これからのSomeday』

 

 

 

 

 

 

 

その後。部室で、ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん

と喋っていたら・・・

 

「た、たすけて・・・」

「ど、どうしたの?」

「じゃなくて!。大変です!」

 

そこには真剣な表情をした花陽ちゃんだった。

 

 

 

・・・どうしたんだろ?

 




区切りがつかなかったので
結局、1話で纏めてしまいました。
次回からは、7話ですね・・・。
難しいですが自分なりに
頑張りますのでよろしくお願いします。


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第17話 エントリーの条件、それは赤点回避!?

ゆるポメラです。
今回から、1期第7話に入ります。
絵里の表現、上手くできるかなぁ・・・?

それではどうぞ。


「大変です!!。ラブライブが開催されることになりました!!」

「・・・ほぇー。」

「ラブライブって何?」

 

ほのちゃんが疑問の声を上げると・・・

 

「簡単に言えば、スクールアイドルの甲子園。それがラブライブです!エントリーしたグループを、このランキング上位20組までがライブに出場。ナンバーワンを決める大会ですっ。噂には聞いてましたけど、ついに始まるなんて・・・」

 

花陽ちゃんの懇切丁寧な説明により、ほのちゃんは理解したみたい。

・・・僕でも分かりやすくて助かったよ。

それより部室にいるメンバーでパソコン1台見るのきついな。

左に、ことちゃん。右に、みーちゃん。

背中には、ほのちゃんだし・・・。

 

「スクールアイドルは全国的にも人気ですし」

「盛り上がること間違いなしにゃ~!」

「・・・全国的って言うのが凄いね。」

 

すると花陽ちゃんは・・・

 

「1位のA-RISEは当然出場として2位、3位は・・・。まさに夢のイベントチケット発売日はいつでしょうか♪初日特典はなんなのでしょう♪」

「花陽ちゃん観に行くつもり?」

 

ほのちゃんが言った瞬間・・・

 

「当たり前です!これはアイドル史に残る一大イベントですよ!?逃せません!!」

「花陽ってアイドルの事になるとキャラ変わるわよね~」

「凛はこっちのかよちんも好きだよ~。」

 

凛ちゃん曰く、いつもの事らしい。

人は見かけによらないって、この事かな?

 

「なんだ~、穂乃果はてっきりラブライブ出場に向けて頑張ろうって言うのかと思っちゃったー」

「そ、そん、そんな私達が出場なんて恐れ多いです・・・」

「「キャラ変わりすぎ」」

「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

 

僕と真姫ちゃんでつっこんだ。

・・・凛ちゃんブレないね。

 

「でも!スクールアイドルやってるんだし、目指してみるのもいいかも!」

「っていうか、目指さなきゃだめでしょ!」

「・・・でも難しいと思うよ?」

 

だって、上位20組だけ出場できるって言ったら、相当な競争率に

なると思うし、それにμ’sは結成してからまだ知名度が低いし・・・

そんな事を思いながら、僕は再びパソコンを覗いてみると・・・

 

「・・・あれ?」

「悠里君どうかしましたか?」

「順位上がってるよ・・・。」

「「「「「えっ!?」」」」」

 

みーちゃんの疑問に僕が答えたら、ほのちゃん達がパソコンを

一斉に見だした・・・

 

「急上昇ピックアップスクールアイドルにも選ばれているよ!」

 

そこには7人になったμ'sの動画のコメントがあったので僕は

読みあげた・・・。

 

「『新しい曲かっこよかったです!7人に増えたんですね。』他にも

好評なコメントたくさんあるねって・・・。ん・・・?」

「ゆーくん、どうしたの?」

 

ことちゃんが気になったのか僕に聞いてきた。

僕はつい、そのコメントを読み上げてしまった・・・

 

「『これ、ゆうくんが撮影したんだ~♪』って、ルーちゃんじゃん。

『流石ユーリね』って、ティアちゃん・・・。

『ゆうり君とμ’sファイトー♪』って。

・・・花怜ちゃん!?」

 

なんで3人がコメントしてるの!?

嬉しいけど。ルーちゃんとティアちゃんは分かるけど・・・

花怜ちゃん、どうやってコメントしてくれたの!?

・・・()()()のはずだよね!?。

 

「ゆーくん、今のって・・・?」

「・・・さて。それはさて置き。」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんが疑問の視線を

向けてたので、なんとか話題を変えようとしたところ

真姫ちゃんが・・・

 

「そのせいね。」

「・・・何が?」

「実は最近・・・」

 

真姫ちゃん曰く、出待ちにあったみたいだ。校門からでたときに、中学生に呼び止められ、写真を一緒に撮ってほしいと言われたらしい。最初は反射的に断ったようだが、あまりにも落ち込んだ中学生が可哀想で、ツーショットを撮ったんだって。

 

「花陽ちゃん、この格差社会ってアイドルでは当たり前なの?」

 

疑問に思った僕が聞いてみると・・・

 

「はい。そういう事もあります!アイドルというのは残酷な格差社会でもありますから」

「・・・怖いね。」

 

 

ーーバンッ!!ーー

 

ドアが思い切り開いたので、振り返ると走って来たであろう

にこ先輩だった・・・。

 

「みんな!聞きなさい!重大ニュースよ!」

 

・・・にこ先輩もしかして

 

「ふっふっふ、聞いて驚くんじゃないわよ。今年の夏、ついに開かれることになったのよ!スクールアイドルの祭典!」

「・・・ラブライブとか言いませんよね?」

「あ、みんな知ってたのね・・・」

 

なんか、すみません・・・

 

「・・・学校の許可貰わないとダメだよね?」

 

僕の疑問の声に、みーちゃんが・・・

 

「はい、エントリーの条件にちゃんと学校の許可をとることって書いてあります。」

「・・・うみちゃん。部の要望とかは生徒会に通すの?。」

「原則としては・・・。」

 

みーちゃんが苦笑い気味に教えてくれた。

・・・念のため、みんなに確認してみる。

 

「・・・絢瀬会長。何て言うと思う?」

「学校の許可ぁ?認められないわぁ」

「凛ちゃん。そんな事やったら生徒会長に怒られちゃうよ~」

「・・・だよね。真姫ちゃんは?」

 

真姫ちゃんも僕と同じ考えだったらしく・・・

 

「悠里先輩と同じ考えですね・・・。」

「仕方ない・・・」

「ゆうちゃん?」

「・・・南先生に直接、話をつけよう。」

 

僕が言うとみんなは・・・

 

「「「「「「「南先生?」」」」」」」

 

あ、言っちゃった・・・

 

「悠里君、南先生というのは?」

「・・・とりあえず理事長室に行こう。」

 

てな訳で・・・

 

 

 

「後で説明してね?。ゆーくん?」

 

今、理事長室前にいるんだけど、ここに着くまでの間、

ことちゃんから、説明してオーラが凄かった。

 

「・・・気が向いたらね。じゃあ、開けるよ。」

 

すると先にドアが開いた・・・

そこには希先輩と絢瀬会長だった・・・

 

「あれ?。お揃いでどうしたん?」

「南先生・・・。じゃなくて理事長にお話しがあって。」

「タイミング悪っ」

 

後ろで、にこ先輩が呟くと・・・

 

「何の用ですか?」

「理事長に話があってきました」

 

真姫ちゃんが前に出て、絢瀬会長に

強気な発言をした・・・

 

「各部の申請は、生徒会を通す決まりよ」

「し、申請とは言ってないわ!」

 

真姫ちゃんが焦っていたので・・・

 

「・・・真姫ちゃん。気持ちは分かるけど、上級生だよ」

「うぅ。」

 

・・・この状況どうしようと考えていると

 

 

ーーコンコンーー

 

 

 

「どうしたの?」

 

南先生が微笑みながら立っていた。

・・・とりあえず助かったかな?

理事長室には、僕達2年生組と絢瀬会長と希先輩

が入った。1年生組は、にこ先輩に任せてもらった。

 

 

「へぇ~。ラブライブね~。」

 

南先生は、映像を観て驚いた表情だった。

 

「はい、ネットで全国的に中継されることになっています。」

「もし、出場できたらみんなに学校の名前を知ってもらえると思うの!」

 

みーちゃん、ことちゃんが南先生にアピールする。

すると・・・

 

「私は反対です」

 

やっぱり絢瀬会長、反対してくると思ったよ・・・

 

「理事長は学校のために、学校生活を犠牲にするようなことはすべきではないとおっしゃいました。であれば」

 

南先生は、遮るように・・・

 

「そうねぇ~、でもいいんじゃないかしら?エントリーするくらいなら。」

 

・・・あれ。あっさりですね?。南先生?

 

「ちょっと待って下さい!どうして彼女達の肩を持つんです!?」

「別に、そんなつもりはないけど?」

「なら、生徒会も学校を存続させるために活動させてください」

「それはダメ。」

「い、意味が分かりません!!」

「そう?。簡単な事よ?」

 

・・・なるほどね。

南先生が絢瀬会長に言った意味が分かった。

 

「・・・失礼します。」

「あ、えりち」

 

絢瀬会長は理事長室から去って行った。

 

「あの、理事ちょ・・・」

「呼びにくいなら、呼び直してもいいわよ♪」

「あ、はい。南先生も意地悪な質問しますね?」

「ふふ♪。その質問の仕方も、藍里(あいり)にそっくりね♪」

「・・・そんなに似てますか?。」

 

南先生と話してると、ことちゃんが・・・

 

「えっと。お母さんと、ゆーくんって・・・」

「ことり。それは今度話すわね?。ただしエントリーには条件があります!」

 

・・・もしかして

 

「勉強が疎かになってはいけません。次の期末試験で1人でも赤点をとるような

事があれば、ラブライブのエントリーは許可しませんよ?。いいですね?」

「ま、まぁ!流石に赤点はないから、大丈夫かと~・・・。あれ?」

 

ことちゃんが呟いた瞬間・・・

 

 

 

ーーズーンーー

 

 

ほのちゃん、凛ちゃん、にこ先輩が床に突っ伏していた。

 

 

「そうそう、悠里くん。」

「なんですか?。南先生?」

「ルカから聞いたのだけれど、試験勉強期間中は相当な

無茶な事したって聞いてるわよ?」

 

・・・なんで知ってるの?

 

「・・・瑠花さんに教えた覚えないんですけど?」

「あら。じゃあルカの娘は誰?」

 

・・・あ。その事知ってるのは、あの2()()()()

更に瑠花さんの娘って言ったら・・・

 

「ルーちゃん!?」

 

すると南先生は

 

「さすがに私も、その事を聞いて黙っている訳にもいかないから、

ことり達に見張らせるわね♪。ことり、お願いね?」

「う、うん。」

 

 

 

 

 

 

 

・・・期末試験どうしよう?




今回は赤点回避を宣告された回でした。
・・・自分もテストは嫌いです。
特に英語と数学が。
次回もよろしくお願いします。


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第18話 いつもやっている試験勉強法が封殺された

ゆるポメラです。
前回の続きです。
少し短いです。

それではどうぞ。


「申し訳ありません!」

「ません!」

 

実は、ラブライブにエントリーするには期末試験で赤点を

回避しなければならない。

・・・しかも、1人でも赤点なら即アウト。

 

「小学校の頃から知ってはいましたが・・・」

「数学だけだよ!ほら、小学校の頃、算数苦手だったでしょ?」

 

確かに。ほのちゃんと花怜ちゃん酷かったからなぁ・・・

 

「穂乃果ちゃん、4×7?」

「・・・23?」

 

・・・掛け算も難しいのか。ほのちゃんにとっては。

 

「・・・えっと、凛ちゃんは?」

「英語!凛はどうしても英語だけは肌に合わなくて~」

「・・・分かるよ。その気持ち。」

 

凛ちゃんは英語が苦手みたい。

実は僕も英語と数学が苦手なんだ。

・・・数学の方は簡単な暗算くらいならできるけど。

 

「だいたい凛達は日本人なのにどうして外国の言葉を学ばなくちゃいけないの!」

 

・・・凛ちゃんが訴えている。

すると真姫ちゃんがイライラしながら

 

「屁理屈はいいの!」

「にゃ~。真姫ちゃん怖いにゃ~・・・」

「これで、テストの点が悪くてエントリー出来ないなんて恥ずかしすぎるわよ」

 

はい。おっしゃる通りです・・・

 

「ま、全くその通りよ~、あ、赤点なんてとるんじゃないわよ」

「・・・にこ先輩。教科書、逆ですよ?」

 

にこ先輩は古典などの系統が苦手らしい・・・

 

「穂乃果には私とことり。凛には花陽と真姫がついて、弱点の底上げをしていきます。」

 

みーちゃんが指示する。

頼りになるよ・・・

 

「うみちゃん。にこ先輩の方は誰が教えるの?」

「にこっちの方はウチが担当するわ」

「・・・希先輩?」

 

いつの間に・・・。

 

「言ってるでしょ!にこは赤点の心配なんか・・・」

 

すると希先輩は両手をあげ謎の構えをとり

にこ先輩に・・・

 

「嘘つくと、ワシワシするよ?」

「ひっ!。お、教えてください・・・」

「よろしい♪」

 

希先輩。お、おそるべし・・・

 

「よし!これで準備できたね!明日から頑張ろー!」

「おー!!」

「今日からです!」

 

みーちゃんナイス・・・

 

 

早速、試験勉強開始!!

と思ったら、ほのちゃんが・・・

 

「ところで、ゆうちゃん?」

「・・・何?」

「あの時、理事長が言ってた意味って?」

 

ほのちゃんが聞いてる事って・・・

 

「・・・南先生が言ってた試験期間中に無茶したこと?」

「私も気になります。何したんですか?」

 

みーちゃんが心配そうな声で聞いてきたので

僕は観念して白状する・・・。

 

「・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

僕がそう告げると・・・

 

「「「「「「「「えっ・・・」」」」」」」」

 

希先輩を含めた、みんなが唖然としてた。

すると、ことちゃんが・・・

 

「・・・ゆーくん、ご飯は?」

「試験期間中は、クッキーで補ってます・・・」

「・・・悠里君、睡眠時間とかは?」

「睡眠時間と言うより、仮眠20分かな・・・」

「・・・ゆうちゃん、それ本当?」

「大マジです・・・」

 

そう言うと、3人は黙ってしまった。

・・・なんか変な事言ったかな?

すると真姫ちゃんが

 

「悠里先輩、もし理事長が言わなかったら・・・」

「今年もやってたね。確実に。流石に南先生に知られていたのは

予想外だったけどね・・・」

 

すると僕の携帯が鳴った・・・

 

「・・・もしもし」

『ゆうくん~。今大丈夫~?』

 

・・・ルーちゃんだった。

 

「大丈夫だけど、ルーちゃん達。期末試験期間中だよね?」

『うん~。今休憩中なの~。』

「・・・ていうか、ルーちゃん。瑠花さんに言ったの?」

『うん。言ったよ』

 

・・・のんびりした感じの喋りじゃない。

こういう時のルーちゃんは怒ってる時だ。

 

『案の定、南先生に言われたでしょ?』

「・・・言われたよ。」

『どうせ、ゆうくんの事だから、また無茶するんじゃないかって

ティアちゃんの意見を取り入れてみたの。』

 

・・・ティアちゃんもか。

 

「近くにティアちゃんいる?」

「いるよ~。変わるね~。」

 

あ、いつものルーちゃんに戻った。

言いたい事は、それだけみたい。

 

 

『もしもし?』

「あ、ティアちゃん。お疲れ様。」

『ユーリが聞きたいのは、南先生に言われた事でしょ?』

「・・・察しがいいね。」

 

後ろで、ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんが

不安そうに見てくるが今は気にしてられない・・・

 

「なんで僕が無茶する事、予測できたの?」

『ユーリが試験期間中にやりそうな事を思いついただけよ』

「・・・それだけ?」

『それだけよ。』

「今回は3徹だけにしとくよ・・・」

『本当はダメって言いたいけど、7徹するよりは妥当ね』

「・・・今回は、南先生の『娘』という見張りがいるから」

『あぁ。ウミ、ホノカ、コトリの3人ね。』

「そう言う事。じゃあ試験頑張って。」

『ユーリも無茶しないようにね。』

 

こうして電話を切った。

 

「・・・あの悠里君。」

「何?。うみちゃん?」

「私も手伝いますから、無茶しないでください。」

「ことりも!!」

「穂乃果も!!。」

「・・・善処するよ。」

 

 

こうして期末試験に向けての試験勉強が開始した。

 




・・・テスト勉強苦手ですね。
次回は、絵里との会話を取り入れようと
思います。
あと、海未ちゃん視点も入れてみようと
思っているので頑張って執筆したいと
思います。

それではまた次回。


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第19話 青の少女の断片の記憶

ゆるポメラです。
サブタイを書くのに1時間くらい悩みました。
今回は、絵里との会話が少しと
後半は海未ちゃん視点を多くしてみました。
原作キャラ1人だけの視点を多く執筆するのは
この話が初めてかもしれません。
・・・多分。

それではどうぞ。



「うぅ~これが毎日続くのかにゃ~」

「当たり前でしょ!」

 

凛ちゃんの愚痴に真姫ちゃんが言う。

すると、窓を指さして・・・

 

「あ~!白いご飯にゃ!!」

「ええっ!。どこ、どこ!?」

 

・・・花陽ちゃん。

 

「私が、そんな手引っ掛かると思う?」

 

真姫ちゃんは凛ちゃんに軽く

チョップを入れてた。

花陽ちゃんは、まだ探しているし・・・

一方、ほのちゃんの方を見てみると、数学の教科書と

睨めっこしていた。

 

「ことりちゃん・・・」

「なあに?。あと1問だよ。頑張って!」

「おやすみ・・・」

 

寝たふりだね。ほのちゃん・・・

 

「えぇ!?。穂乃果ちゃん!穂乃果ちゃ~ん!!」

 

ことちゃんが起こそうとするが起きる気配はない・・・

すると、みーちゃんが・・・

 

「・・・全く。ことり、私は弓道部の方に行かなければいけないので

後はお願いします。」

「うん!分かった!。穂乃果ちゃん起きて~」

 

にこ先輩はというと・・・

 

「じゃあ、この問題の答えは?」

「えっとぉ~、に、にっこにっこに~?」

「・・・覚悟っ!!」

「や、やめて希・・・。それはだめ~」

 

この状況に僕は、みーちゃんに

 

「・・・うみちゃん、これで身につくかな?」

「そうですね・・・」

 

みーちゃんも同意見らしい・・・

 

 

 

 

 

みーちゃんが弓道部に行った後、

僕は、黙々と試験勉強をする。

そして、ある程度したところで今日は

帰ろうと思った・・・

 

「僕帰るね・・・」

「ゆーくん帰るの?」

「うん。クールダウンがてら今日は先に帰るね。」

 

そう言い残し、僕は部室を後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

弓道部の部活も終わり、

私も帰ろうかなと昇降口に向かうと

そこには・・・

 

「悠里君?」

「あ、うみちゃん。」

「今から帰りですか?」

「うん。後は家でやるつもり・・・」

 

ど、どうしましょう。この後何て会話すれば

いいか分かりません・・・

すると悠里君は

 

「・・・あの、うみちゃん?」

「ひゃ///、ひゃい///。」

「一緒に帰らない?」

 

ゆ、悠里君に一緒に帰らないかと誘われました///。

いつもは穂乃果達と帰ってるので、私はすぐに・・・

 

「は、はい///」

「じゃあ、行こっ。」

 

悠里君と校門前を出た時に、よく耳にする曲が聞こえた。

これはμ'sの『START:DASH!!』でしょうか?

 

「うみちゃん。あの子見て・・・」

 

悠里君が指差した方を見ると、金髪の中学生が門に寄りかかって音楽プレイヤーを片手にリズムを取りながらくちずさんでいました。しかも音楽プレイヤーに映っている動画はネットにアップされていないシーンが殆どだった・・・。

すると、私と悠里君に気づいたのか・・・

 

「あ!貴方達はμ'sの園田海未さんと水無月悠里さんですか!?」

 

いきなりの事でしたので、私はつい・・・

 

「ち、違います!」

 

と答えてしまった。

すると悠里君が「落ち着いて?」と言ってくれました。

落ち着いたあと、先程の中学生に

 

「は、はい。私が園田海未です・・・」

「やっぱり!私μ'sの大ファンなんです!!握手してもらっていいですか?」

「は、はい。いいですよ」

 

うぅ。まだ恥ずかしいです・・・

 

「水無月さんもいいですか?」

「ぼ、僕も!?。い、いいですよ・・・」

 

悠里君も人見知りなのでしょうか・・・

 

「あの。君はどうしてここに?。誰か待ってるの?」

「はい!お姉ちゃんを待ってたんです!。」

「お姉ちゃんってもしかして・・・」

 

悠里君はこの子のお姉ちゃんが誰だかを予想していました

・・・そういえば、誰かに似てますね。

すると・・・

 

「亜里沙~!」

「あ!。お姉ちゃん!」

「・・・うみちゃん、あの人みたい。予想が当たったよ」

 

悠里君が言う方を見てみると、その姉の正体は

 

「あなた達・・・」

「生徒会長・・・」

 

 

 

 

 

 

 

話がしたいということで生徒会長に連れられ、私と悠里君は近くの公園にやってきた。ベンチに座ると生徒会長は亜里沙ちゃんにお金を渡して自販機に向かわせた。

 

「お待たせしました!」

 

4人分の缶を抱えながら走ってくる。亜里沙ちゃんから缶を受け取り礼を言う。

 

「ありがとう・・・」

「ありがとうございます」

 

そして缶を見てみると私と悠里君は驚いた

 

「「おでん?」」

 

何故これを選んだんでしょう・・・?

悠里君も苦笑いしていました。

 

「ごめんなさい、向こうの暮らしが長かったから、まだ日本に慣れてない部分があって」

「向こう?」

「えぇ、祖母がロシア人なの。亜里沙、それは飲み物じゃないの」

「ハラショー」

 

これまで見せた事のないような顔つきで、自分の妹を諭していた。それは、普段の生徒会長ではなく、1人の姉としての優しさに溢れた顔だった。

しばらくしてから生徒会長から口を開いた。

 

「それにしても、あなた達に見つかってしまうなんてね」

 

私も疑問に思ったことがあったので尋ねる。

 

「前から穂乃果達と話していたんです。誰が撮影して、ネットにアップしてくれたんだろうって。でも、生徒会長だったなんて・・・

あれがなければ、今こうしていなかったと思います。あの動画があったから、見てくれた人も増えたし、だから・・・」

 

感謝しようと思った瞬間・・・

 

「やめて」

「・・・え?」

「別にあなた達の為にやった訳じゃないから。むしろ逆。あなた達のダンスや歌が、いかに人を惹きつけられないか、活動を続けても意味がないか、知ってもらおうと思って。だから、今のこの状況は想定外。なくなるどころか、人数が増えるなんて」

 

生徒会長の容赦のない言葉に、私は胸が削り取られるような感覚に陥った・・・。

それでも、生徒会長は話を続けた。

 

「とても人に見せられるようなものになっているとは思えない。そんな状態で学校の名前を背負って欲しくないの。だからこれ以上邪魔しないで。話はそれだけ」

 

私は何も言う事ができなかった。

何故そこまで言われなきゃならないのだと・・・

そんな事も気にせず、鞄を手にかけ、ベンチから立ち上がり、生徒会長が去ろうとした次の瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ふざけんなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・えっ。

 

 

 

 

「さっきから、好き放題言ってるけどさ、何も行動を起こしてない人に言われる筋合いはないんですけど。」

「・・・ゆ、悠里君?」

 

 

悠里君の表情は、いつもの落ち着いた感じではなく、目の色も変わっており

更に目のハイライトも無く、相手を呼び止めるには十分の声で生徒会長の背に

向けて声を発していました。

 

「・・・なんですって?」

 

悠里君の言葉に苛ついたのか生徒会長は悠里君を睨みつけていた

 

「事実でしょ。最初は僕だってハイリスクな考えだと思ったよ。

ダンスとかも完全に初心者だったし、何も無い状況だったよ。それでも僅かな可能性を賭けて今までやってきたんだよ。それなのにあなたは実際何をしたの?」

「・・・っ!」

 

冷たい口調で生徒会長に反論する悠里君。

図星なのか何も言い返さないでいる生徒会長

そして続けるように・・・

 

 

()()()()()()の努力も知らないくせに上から目線やめろよ!!」

 

悠里君、い、今。なんて・・・。

私がそんな事を考えてる間にも

 

「だから何?。努力?努力したからって結果が伴わなければ意味が無いの。だからそれを認めろって無理な話よ」

「ふざけんなよ!。結局は自分の意見ばっか言ってるだけじゃない。挙句の果てには生徒会の権限を使って、みーちゃん達の行動を制限してさ!。見てて胸糞悪いんだよ!。生徒会長って立場なら応援してあげるのが普通なんじゃないの!?」

「っ!」

「悠里君!。それ以上はやめてください」

 

悠里君を止めますが、私の声が届いてない・・・

それくらい怒っていると私は理解した。

 

「しかも聞いていれば『挫折した事ない癖に』みたいな言い方してさ、

たかが1回挫折したあなたなんかよりーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッッッ!!!

 

 

 

 

 

 

公園で破裂音が鳴り響いた・・・

 

 

 

 

「あなたにそんなことを言われたくない!私がどんな気持ちでやってきたのか何も知らないくせに!!」

 

 

 

 

 

 

それだけ言うと生徒会長は立ち去って行った。

すると亜里沙ちゃんは私と悠里君の元へ来て

『おしるこ』を渡してきた。

 

「水無月さん大丈夫ですか?」

「・・・平気だよ。気にしないで」

 

・・・嘘です。

 

「あの、亜里沙、μ’s、海未さん達のこと、応援してます!」

 

そう言い残し生徒会長を追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

こうして私と悠里君だけが残った・・・

 

「あの、悠里君・・・」

 

私は悠里君になんて声をかけていいか分からなかった。

 

「・・・大丈夫だよ」

「でも・・・」

「それより、神田明神に行こう・・・」

 

どうして今から?

 

「・・・希先輩に絢瀬会長がなんであそこまで拒絶するのかを聞く」

「悠里君が言うなら私も一緒に行きます・・・」

 

私達は公園を出た。

すると・・・

 

「あ、ティアちゃん」

「・・・え!?。ティア!?」

 

そこには、私のかつての友人のティアがいました。

 

「・・・ユーリ。頬、大丈夫?」

()()()に比べれば平気だよ・・・」

「・・・そう。」

 

ティアは悠里君が言いたい事が分かったみたいです・・・

2人は一体・・・

 

「ティアちゃん、これから帰り?」

「神田明神に寄ってからね」

「僕達も神田明神に行くんだけど一緒に行く?」

「ウミがいいのなら」

 

私も断る理由がないので

 

「私は大丈夫ですよ?」

 

悠里君に言った。

 

「・・・じゃあ3人で行こうか」

 

 

そして私はティアに小声で・・・

 

「ティア。」

「なにかしら?」

「後で聞きたい事があります。」

「・・・分かったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神ーー

 

 

 

 

 

 

 

「そんなことがあったんやね。」

 

私達は希先輩に公園での出来事を話した。

 

「それに答える前に、そちらの子は?」

「如月ティアです。ユーリの転入前の高校の同級生です。」

「ウチは東條希。よろしゅうな~」

 

どうやらティアは悠里君が音ノ木坂に転入する前の同級生

みたいです。それなら前に聞いた電話でのやり取りも納得です。

 

「それでさっきの質問やけど、えりちにはなーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とティアは今本殿にいます。

悠里君は「ちょっと飲み物買ってくるから2人で待ってて」と

言っていたので、今はここにいません。

 

「・・・ティア」

「なにかしら?」

 

私はティアに公園での生徒会長との出来事を話しました

ティアは昔から私の相談に親身になってくれます。

話し終えると、ティアは溜息をつき・・・

 

「ユーリの逆鱗に触れたからそうなったのね。」

「・・・悠里君の?」

「今は話せないけどね・・・」

 

そう言ったティアの表情は私でもあまり見た事ない

悲しそうな顔でした。

 

「そういえばティアはどうして神田明神に?」

「私とユーリと、あと1人の友達にとって大切な子に

会いに来たのよ」

 

悠里君とティアにとって?

するとティアは・・・

 

「ちなみにウミも知ってる子よ」

「その子は一体・・・」

 

すると私とティアの目の前に光が出てきました。

 

「久しぶりね。カレン」

『ティアちゃん、久しぶりー♪』

「・・・花、怜なのですか?」

 

私は今、目の前の状況に驚きを隠せませんでした。

それを理解させるかのように・・・

 

『海未ちゃんー♪、改めて久しぶりー♪』

「カレン、ウミが困ってるわよ・・・」

 

とりあえず私は落ち着き・・・

 

「本当に花怜なのですか?」

『うん♪。ゆうり君と一緒にファーストライブの時からの朝練を見てたよ♪』

「え!?。あの時からですか!?」

『そうだよー♪』

 

この穂乃果みたいな明るさ、間違いなく私達が知っている

花怜だと確信しました・・・

 

「あの。悠里君について聞きたいのですが・・・」

 

私が2人に問うと予想にしなかった答えが返ってきました。

 

「『今は話す時期じゃない』」

「ど、どうしてですか!?」

 

するとティアが・・・

 

「ウミ。それは、()()()()3()()が思い出してあげる事よ」

「・・・私達3人って?」

『海未ちゃん、穂乃果ちゃん、ことりちゃんの事だよ』

 

花怜が真面目な表情で告げました。

 

「あなた達3人がユーリの事を思い出した時に教えてあげる」

『だから今は、ゆうり君の傍にいてあげて?』

 

分からない。2人が何を言ってるのか・・・

でも私は大切な何かを忘れてる気がしてならない。

私は花怜に・・・

 

「どうして花怜は、その姿なのですか?」

 

・・・そう。私が花怜の姿を見て一番疑問に思ったこと

それは()()がない事だった。

 

『これは思念体なんだけど、今日は海未ちゃんがティアちゃん、

ゆうり君の3人で来たから、私の意思で海未ちゃんにも視えるようにしたの』

 

「簡単に言えば幽霊みたいなものって言えば分かるかしら?」

 

花怜の説明にティアが補足してくれました。

でもそれって・・・

 

「じゃあ、花怜は・・・」

「ウミ、それも時がきたら話すわ」

『真相を知ってる私と、ゆうり君に聞いても無駄だと思うよ』

 

確かに神田明神で朝練をしている時の悠里君は、誰かと話している感じは

あった。その正体が花怜だとしたら辻褄が合う。

 

『ライブ凄かったよ♪』

「・・・え?」

「そうね。ユーリが言ってた通り、周りを魅了する素敵なダンスだったわよ」

「あ、ありがとうございます///」

『海未ちゃんはどうしたいの?』

 

花怜が言ってるのは、生徒会長の件でしょう・・・

私は・・・

 

「・・・明日まで考えてみればいいんじゃない?」

「え?」

 

そこには悠里君がいました。

いつの間に・・・

 

「・・・僕は絢瀬会長に思った事を言っただけだよ」

「全く。ユーリらしいわ。正論だけど」

『くすくす♪』

「花怜ちゃん、何笑ってるの・・・」

『なんでもなーい♪』

 

私は、この光景をどこかで・・・

 

「・・・そろそろ遅いし帰ろうか。」

「そうね。」

「うみちゃん、帰ろう?」

「あ、はい・・・」

 

確かにもう遅い時間なので私達は帰ることにしました。

 

『ゆうり君、ティアちゃん、海未ちゃん期末試験頑張ってねー♪。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅に着いてからも悠里君が生徒会長に言った

あの言葉が離れませんでした。

 

 

 

 

 

『みーちゃん達の努力も知らないくせに上から目線やめろよ!!』

 

 

「あっ・・・。」

 

 

 

私は気づけば、涙を流していました・・・

 

 




海未ちゃん視点だけで
終わらせるの難しいです・・・
こんな感じですが次回も頑張りたいと
思います。
最後のオリキャラの花怜は、悠里の過去の
穂乃果編での重要キャラです。
次回は、1期8話の『やりたいことは』の回です。


隠しオリキャラの三日月花怜(みかづきカレン)プロフィール

誕生日:9月9日、おとめ座

血液型:O型

身長:159cm

スリーサイズ:B78W55H80cm

容姿イメージ:『無彩限のファントム・ワールド』の和泉玲奈

一人称:私、花怜

こんな感じですがよろしくお願いします。


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第20話 そして9人の女神が集う

ゆるポメラです。
今回は、『やりたいことは』の回です。
少し短いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


期末試験が無事に終わり結果は

全員無事に赤点回避だった。

 

(まさか、ほのちゃんの家で勉強合宿するとは)

 

実は期末試験前の日、みーちゃんが神田明神の件

の翌日、「穂乃果の家で勉強合宿です!」と宣言したのだ。

もちろん僕も連行された。

 

(ことちゃんの監視がきつかったけどね・・・)

 

そんなこんなで僕らは今、理事長室前にいます。

何故かと言うと赤点回避した報告をしなきゃ

いけないからだ。

 

「そんな!説明してください!」

 

絢瀬会長の声?

気になった僕は室内を覗いた・・・

 

「音乃木坂学院は来年度より生徒募集をやめ、廃校とします」

 

・・・え?

南先生、今なんて

 

「今の話、本当ですか!?」

 

ほのちゃんが声をあげながら理事長室に入っていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

「本当よ」

 

 

お母さんの一言に正直驚きを隠せませんでした

嘘であって欲しいと思い、

 

「お母さん、そんな話全然聞いてないよ!?」

「お願いします!もう少しだけ待ってください!あと一週間、いやあと2日でなんとかしますから!」

 

穂乃果ちゃんが、廃校が決まった事に対して抗議の声をあげた・・・

 

「ほのかちゃん!、ことりちゃん!」

 

すると、ゆーくんが私と穂乃果ちゃんを呼んだ。

ゆーくんは、お母さんの前に立ち・・・

 

「南先生、気になる点が1個あるんですが・・・」

「どうぞ」

「廃校にするのは、すぐなんですか?」

「いいえ。廃校にするのはオープンキャンパスの結果が悪かったらの話よ」

 

一般の人に見てもらうってことかな?

 

「それで、見学に来た中学生にアンケートをとって、結果が悪かったら廃校にする。そう絢瀬さんに言っていたの」

 

ゆーくんはそれを聞いて

 

「とりあえず猶予はあるんですね・・・」

「安心するのはまだ早いわよ。オープンキャンパスは2週間後の日曜日。そこで結果が悪かったら本決まりって事よ」

 

生徒会長が言う通り、安心できないのは確かでした・・・

 

「南先生、オープンキャンパスの時にライブをしたいのですが大丈夫ですか?」

「ふふ♪。いいわよ」

 

ゆーくんの言葉に、お母さんは笑顔で許可をくれました。

 

「理事長、オープンキャンパスの時のイベント内容は、生徒会で決めさせてもらいます」

 

お母さんは苦笑いしながら「止めても無駄のようね」と言い許可を出しました。

 

「あの絢瀬会長、いえ()()()()。」

「な、なにかしら?」

「あと、南先生もいいですか?」

 

お母さんも話を聞かれるとは思わなかったのか驚いてました。

 

「生徒手帳に書いてあったんですけど、僕が生徒会の手伝いをする事はできますか?」

 

ゆーくん、何言って・・・

周りのみんなも驚いていました。

すると、お母さんは

 

「悠里くんが何をしようとしてるかは想像つくけど、1人でやるつもり?」

「その件なんですけど知り合いに手伝ってもらおうかなと」

「個人的な知り合いなら許可するわよ」

「・・・個人的な知り合いならいいんですね?」

「ええ♪」

 

すると携帯電話を取り出した、ゆーくんは誰かにかけ始めました。

・・・一体誰なんだろう?

 

『はあ~い。もしもし~』

「ルーちゃん、今どこにいる?」

『今~?。ティアちゃんと音ノ木坂の校舎内にいるよ~』

「・・・言いたい事は色々あるけど、3階にある理事長室に来て貰ってもいい?」

『はあ~い。』

 

ゆーくんが電話を切ると、ドアのノック音がなり・・・

 

「どうぞ」

 

お母さんが言いました。

 

「失礼しま~す。」

「今日も平常運転ね。ルナ・・・」

「「「えええぇぇぇ!?」」」

 

そこには、私、海未ちゃん、穂乃果ちゃんの友達の瑠菜ちゃん、ティアちゃんでした。

すると瑠菜ちゃんは・・・

 

「あ、南先生~。お久しぶりです~」

「・・・南先生、お久しぶりです。」

「2人共、変わってないわねー♪」

 

え、お母さん?

 

「ルーちゃん、なんでここに?」

 

ゆーくんが代表して瑠菜ちゃんに聞きました・・・

 

「お母さんが南先生に~、これを届けてって頼まれたの~」

「私はルナの付き添いよ」

「・・・瑠花さん、暇なのか?」

「ルカったら。仕事しなさいよ・・・」

 

お母さんと、ゆーくんは頭を抱えていました。

 

「話がズレてすみません。絵里先輩、μ'sのダンスの指導をお願いします」

 

海未ちゃん以外は驚いた。

一体どういう事なんだろ?

 

「悠里君、もしかして・・・」

「ウミ、言った通りでしょ?」

 

海未ちゃんとティアちゃんが何か話していました。

 

「生徒会の方はどうするつもりなの?」

「僕とルーちゃん、ティアちゃんの3人でやります」

「あ、あなた達3人で!?。でも2人は他校の生徒のはずよね?。」

「絢瀬さん。悠里くん達3人は、私の教え子だから。その辺は安心して?」

 

お母さんの教え子だったんだ・・・

でも、お母さん。なんで今まで言わなかったんだろ?

 

「・・・わかったわ。あなた達の活動は理解できないけど、人気があるのは間違いないようだし、引き受けましょう」

 

そう言って生徒会長は引きうけてくれました。

 

「でも、やるからには私が許せる水準まで頑張ってもらうわよ」

「はい!。ありがとうございます。」

 

穂乃果ちゃんが頭を下げたので、私達も頭を下げた。

 

「星が動きだしたみたいや・・・」

 

今、希先輩が何か言ってた気が・・・

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして僕、ルーちゃん、ティアちゃんの3人で

生徒会の仕事をこなした。

そして数日たった、ある日・・・

 

「結構、音ノ木坂の生徒会の仕事。大変だね~」

「・・・正直、思ってた以上だったよ。」

「私もユーリに同意見ね。」

 

ほのちゃん達大丈夫かなと考えてた時、廊下から

声が聞こえたので、3人で聞いてみると・・・

声の主は希先輩と絵里先輩だった

 

 

 

 

 

 

「学校を存続させようって言うのも、生徒会長としての義務感やろ!?だから、理事長もえりちの事、認めなかったんと違う!?」

 

希先輩、もしかして・・・

 

「えりちの、えりちの本当にやりたいことは?」

「なによ・・・。なんとかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!!」

 

これ。絵里先輩の本音?

思考を巡らせていると・・・

 

「私だって!好きなことだけやって、それだけでなんとかなるならそうしたいわよ

自分が不器用なのはわかってる。でも!私が今更アイドルを始めようなんて、言えると思う?」

 

・・・確信した。

やっぱり絵里先輩は・・・

 

「ルーちゃん、ティアちゃんちょっと行ってくる。」

 

2人は頷き、「いってらっしゃい」だけ言ってくれた。

案の定、絵里先輩は誰もいない廊下で泣いていた。

 

「・・・絵里先輩」

「な、なに?」

「やりたい事、見つかったんですから素直になったらどうですか?」

「みんな、私のこと許してくれると思う?」

「・・・あれを見れば明白だと思いますよ」

「え?」

 

そこには絵里先輩の後ろにいた8人の少女達を僕は指差した。

絵里先輩は振り向くと、数秒たってから言葉を発した。

 

「あの・・・。今までごめんなさい!私も・・・、私もμ'sの仲間にしてください!!」

「絵里先輩、これから宜しくお願いします!」

「これで8人!」

 

ことちゃんが嬉しそうに言うが実は違う。

 

「いや、9人や。ウチを入れて」

「・・・やっぱりね」

「水無月君は気づいてたん?」

「・・・ここまで、お膳立てされると気付きますよ。」

「じ、じゃあ、あの名前付けてくれたのって希先輩だったんですか!?」

「全く、希らしいわね」

 

絵里先輩が横を通りすぎると・・・

笑顔で・・・

 

「さ、練習よ!!」

 

 

 

こうしてμ'sが完成した・・・

オープンキャンパス当日に歌った曲は

 

 

 

『僕らのLIVE君とのLIFE』

 

 

 

 

 

 

 

「大成功だね~。ゆうくん」

「とりあえず揃ったわね。ユーリ?」

「・・・そうだね。」

 

 

僕達3人は、そう思った・・・




やっと9人揃いました・・・
次回は『ワンダーゾーン』の回です。
長くなりそうですが、ことりちゃん視点を
多く取り入れたいと思ってます。
これからもよろしくお願いします。


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第21話 伝説のメイドさんって実在してたんだ~

ゆるポメラです。
今回から、1期9話の『ワンダーゾーン』の回です。
長くなりそうですが、よろしくお願いします。
ことりちゃん視点も取り入れる予定です。

それではどうぞ。(・8・)


オープンキャンパスも無事に終わり

翌日、掲示板に『廃校延期のお知らせ』と書かれていた。

 

(そりゃ、嬉しいよね・・・)

 

授業を受けていた時も、オーラが凄かった。

 

「みんなみんな!!ビッグニュースだよ!!」

 

放課後、部室で嬉しそうに言う

ほのちゃん。どうしたのかな?。かな?。

 

「ほら!隣部室なんだよ!広くなったんだよ~!」

「・・・隠し部屋みたいだね。」

 

しかし部屋広くなったね。

雨の日とかの練習には、いいんじゃないかな?

僕がそんな事考えていると・・・

 

「安心するのは早いわよ」

「あ、絵里先輩・・・」

「生徒がたくさん入ってこない限り、廃校の可能性はまだあるんだから頑張らないと」

 

絵里先輩が、そう言った瞬間・・・

 

「・・・ひっく。ぐすっ」

「え?。うみちゃん?」

 

みーちゃんが泣いていた。どうしたの!?

 

「嬉しいです!。悠里君以外まともな事を言ってくれる人がやっと入ってくれました」

「えぇ!?」

 

あー、絵里先輩どうしていいか分からないのか戸惑ってるよ・・・

すると凛ちゃんが、

 

「それじゃ凛達まともじゃないみたいだけどー」

 

僕は苦笑いする。みーちゃんも大変だったんだよ・・・

 

「ほな、練習始めよか」

 

希先輩がそう言った時・・・

 

「あ、ごめんなさい。私ちょっとこれから用事が・・・。今日はこれで!」

 

ことちゃんはそれだけ言うと帰ってしまった・・・

 

「どうしたんだろ?ことりちゃん、最近早く帰るよねー?」

「ええ、オープンキャンパスも終わって、今までずっと練習ばかりしていましたから、何か用事が溜まっていたりしてたのかもしれませんね」

 

ほのちゃん、みーちゃんが言う。

すると花陽ちゃんが・・・

 

「・・・ことり先輩。彼氏でもできたのかな?」

「・・・ありうるかもね。」

 

僕が花陽ちゃんの言葉に同意すると・・・

 

「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」

 

そんなに驚く?。普通の事じゃない?

 

「悠里くん冷静やね?」

「・・・そうですか?」

「悠里先輩、普通の男子だったら、騒ぎますよ?」

 

希先輩と真姫ちゃんの疑問に僕が理由を答える

 

「ここにいるμ'sメンバーに言い切れる事だけど、みんな魅力的なんだから彼氏いても普通だと僕は思うんだけど・・・」

 

すると花陽ちゃんが・・・

 

「あの、悠里先輩は彼女とかいるんですか?」

「「!?」」

 

ほのちゃん、みーちゃんが反応した気が・・・

多分、気のせい。

 

()()()()()()()()()()僕にできる訳ないと思う。」

「「・・・えっ!?」」

「それに僕なんて・・・」

 

あ、いけない。危うく、ほのちゃん、みーちゃんの前で

言わなくていい事、言おうとしちゃったよ・・・

ふと携帯の時間を見ると・・・

 

「あ、僕も今日は早めに帰りますね。友人と約束があるので」

 

そう言って部室を後にした・・・

ほのちゃん、みーちゃんが何か言おうとしてたが僕は気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「えっと・・・」

 

僕は今、秋葉に来て人を待ってます・・・

その人とは・・・

 

「ゆうくん~」

「・・・あ、ルーちゃん」

 

・・・ルーちゃんです。

 

「今日はごめんね~」

「大丈夫だよ。生徒会の仕事手伝ってもらったし」

 

そう。ルーちゃんが行きたいところがあるって言うから

生徒会の手伝いをしてくれた、お礼として今に至ります。

本当はティアちゃんも一緒に行きたかったけど、今日は予定が

あってここにはいない。

 

「・・・それでどこにいくの?」

「ここだよ~♪」

 

そこはメイド喫茶だった・・・

 

「なんでここにしたの?」

「えへへ~♪。ここ結構人気だから一度来てみたかったの~♪」

「ルーちゃんがいいなら僕はいいけどさ・・・」

「わ~い♪。ゆうくん早く入ろ~♪」

「・・・分かったから。手引っ張らないで。」

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ♪ご主人さ・・・・ま?」

「「あれ?」」

 

出迎えてくれたのはメイド服姿の、ことちゃんだった・・・

 

「あ~。ことりちゃんだ~♪」

「ぴ、ぴよ!?」

 

ルーちゃんの声に驚いた声をあげる

ことちゃん。焦ってるね・・・

 

「こ、ことり?WHAT!?ダレノコトデスカー?そ、それでは2名様ですね。席へ御案内致します。こここちらへ・・・、どうぞ」

 

一番奥の席に案内されました・・・

 

「ことりちゃん、バイトしてたのかな~?」

「・・・多分、そうじゃない?」

 

席に座りメニューを見ながら

さっきの事について話す、ルーちゃんと僕。

 

「・・・何食べようかな?」

「わたしは~、特大パフェと紅茶にする~。」

「僕はフルーツケーキと紅茶にしようかな・・・」

「すみませ~ん。注文お願いしま~す♪」

 

・・・ルーちゃん早く食べたいのかな?

 

 

 

「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」

「ほぇ~♪」

「・・・でかいね。そのパフェ」

 

ルーちゃんが頼んだパフェが特大とはいえ

でかすぎる・・・

僕はてっきり、普通のパフェの少し大きい感じかなぁと思ってたら

普通のパフェの10倍の大きさだった・・・

しかもルーちゃんは平気で残さず完食してしまうから僕は

そこまで驚かない。

 

「ねぇ~。ゆうくん~」

「・・・?」

「あ~ん♪」

「・・・食べていいの?」

「うん~。あ~ん♪」

 

パフェを一口貰った・・・

あ、甘さ控えめでおいしい・・・

 

「・・・このパフェおいしいね」

「だよね~♪」

 

すると後ろから

誰かに見られている感じがしたので

目線だけ向けてみると・・・

 

 

 

「じー・・・」

 

ことちゃんにカウンター越しだが睨まれた・・・

いや、睨まれたと言うより頬を膨らませながら

こっちを見ていた。

・・・パフェ欲しかったのかな?

 

「ゆうくん~、どうしたの~?」

「・・・何でもないよ」

「ふぅ~ん。」

 

ルーちゃんは何も追求せず、特大パフェをまた食べ始めた。

 

 

 

・・・このフルーツケーキおいしいな。

 




次回は、ことりちゃん視点を
多く書こうと思います。
それではまた次回。


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第22話 白の少女の断片の記憶

ゆるポメラです。
今回は、ことりちゃん視点を
多くしてみました。
以前の海未ちゃん視点みたいに
上手くできるか不安ですが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


あの後、特大パフェを食べ終わった

ルーちゃんは凄かった・・・

何故なら・・・

 

「すみませ~ん。特大パフェ追加お願いしま~す」

「・・・まだ食べるの?」

「たまにはいいかな~って♪」

 

それはルーちゃんにとってでしょ

本当は『たまに』って言うレベルじゃないんだ

けどね・・・

 

「ゆうくんは~?」

 

・・・え?。僕も追加しろと?

 

「じゃあフルーツケーキ追加しようかな・・・」

 

こうして僕も追加した。

・・・味?。おいしかったZE☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆーくんと瑠菜ちゃんが帰ろうとした時、

私もバイトが終わったので声をかけた。

 

「ゆーくん、瑠菜ちゃん。」

「・・・あれ?。ことりちゃん?」

「どうしたの~?」

「一緒に帰ってもいいかな・・・?」

 

ことりが聞くと2人は声を揃えて・・・

 

「「うん。いいよ」」

 

こうして3人で帰る事になりました・・・

帰る途中、私は2人に、

 

「バイトの事みんなには内緒にしてくれない?」

「・・・それは構わないけど」

「わたしも構わないけど~・・・」

 

すると、ゆーくんが

 

「・・・でもいずれバレるよ?」

「実際、わたしと、ゆうくんに見つかった訳だし~」

「今はこのままで・・・」

 

私が言うと、2人はそこまで聞かなかった・・・

 

「ゆうくん~、アイス買って~」

「瑠菜ちゃんまだ食べるの!?」

「むぅ~。ことりちゃん、アイスは別なんだよ~」

「・・・ルーちゃん、知らないよ?」

 

ゆーくんが溜息をつきながら、結局ことりの家の近くの

コンビニに寄る事になりました。

 

「ほぇ~♪」

「・・・相変わらず種類多いね。ここのコンビニ。」

「そうなの?」

 

ことりが聞くと、ゆーくんは「意外と有名なんだよ」と

言いました。

それにしても瑠菜ちゃん、昔からアイスは好きだもんね・・・

 

「ゆうくん~。わたしコレにする~♪」

「・・・ティアちゃんに怒られても知らないよ?」

「そこは、ゆうくんが上手くフォローして~?」

「コンビニに入った時点で僕も共犯だけどさ・・・」

 

ゆーくんは苦笑いしながら、自分の買うアイスを選びました。

すると、ゆーくんは・・・

 

「ことりちゃんは何にする?」

「え?。いいの?」

「・・・僕の奢りという事で」

「わ~い。ゆうくん、太っ腹~♪」

「ルーちゃん、今回だけだからね?」

 

この光景、ことり何処かで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば~、ことりちゃんは何でバイトしてたの~?」

 

瑠菜ちゃんの疑問に私は、ゆーくんと瑠菜ちゃんなら

話してもいいかなと思い、2人に話しました・・・

 

「私は穂乃果ちゃんや海未ちゃんと違って、何もないから・・・」

 

2人は黙って聞いてくれました・・・

 

「私は穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張っていけないし、海未ちゃんみたいにしっかりしてない」

「・・・それで?」

「自分を変えられると思ったの。でも、どれだけ頑張っても穂乃果ちゃんや海未ちゃんみたいになれなくて・・・」

 

ことりが言い終わった瞬間・・・

 

「そんな事絶対ない」

 

・・・え?

 

「ことりちゃんは、おっとりしてて、積極性に欠けてるけど、衣装作りっていう、μ'sの根本を支える人の1人。それでいいと思う。ことりちゃんの長所であり短所なんだから。」

 

ゆーくんは真剣な表情で私に言ってくれた。

 

「それに、何も無いって言ったけど、本当に『何も無い』っていうのは

()()()()・・・。」

「・・・ゆー、くん?」

 

ことりには、その意味が分からなかった・・・

瑠菜ちゃんを見てみると、悲しそうな表情でした。

 

「じゃあ、僕は帰るから・・・。ことりちゃん。」

「え?」

 

夕日を背景に、ゆーくんは私の目を見て・・・

 

()()()()()は誰にもない物を持っている事・・・

僕は知ってるから。そんな事言わないで。」

 

ゆーくん、今ことりの事・・・

そんな事考えていると、ゆーくんは帰ってしまった。

 

 

ゆーくんが帰ってしまった後、

隣にいた、瑠菜ちゃんに・・・

 

「ねぇ。瑠菜ちゃん」

「ゆうくんの事~?」

「・・・うん」

 

とりあえず場所が場所なので、ことりの家で聞く事にした。

 

 

「ただいまー」

「こんばんは~」

「あら。瑠菜ちゃん。いらっしゃい。」

「南先生~。お邪魔しま~す。」

 

リビングで、お母さんに、さっきの出来事を話した。

あ、もちろんバイトの事は言ってないよ?

瑠菜ちゃんも上手く合わせてくれたし。

 

「そう。悠里くんが・・・」

 

お母さんは瑠菜ちゃんに気になった事があるのか

真剣な表情で尋ねてきた。

 

「瑠菜ちゃん、藍里(あいり)・・・。いいえ悠里くんの家族は今どこ?」

「ゆーくんの家族?」

 

そう言えば、あまり聞かないな・・・

 

「全部は今は言えませんけどいいですか?」

「・・・構わないわ」

 

瑠菜ちゃんはいつもの口調から一変して

真剣な表情でした。

まるで『生半可な覚悟で聞くな』とばかりの表情。

お母さんは、それを分かった上で問いました。

 

瑠菜ちゃんは深呼吸をし、そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・えっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・藍里はいつ?」

 

お母さんは顔を片手で塞ぎながら瑠菜ちゃんに聞きました。

・・・声も低くなってました。

瑠菜ちゃんは俯きながら・・・

 

「・・・()()()()()1()2()()()()()()の時です。」

「その次の日からなのね。悠里くんが変わってしまったのは・・・」

「はい・・・」

 

ことりは正直、言葉がでませんでした・・・

 

「それから瑠菜ちゃん。もうひとつ気になる事があるのだけれど・・・」

「なんでしょう?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

私もずっと気になってました。

ことりは小さい頃、病院に入院していた事があって膝の治療を

受けた事があります。

手術が終わった後、すでに治療費が払われていて、

お母さんが先生に一体誰がと聞いたことを耳にした事があります。

 

 

「それは言えません。でもヒントならあげます。」

「それは何かしら?」

「ことりちゃんの病室にあった『手紙』がヒントです。」

 

・・・手紙。

そう。手術当日に置いてあった謎の手紙。

中身は励ましの言葉と、ことりが今使っているリボンがあった。

今も大切に保管してある。

何故か捨ててはいけない気がしたから・・・

 

「瑠菜ちゃんは、それが誰だかは知っているのね?」

「はい。知ってます。」

「瑠菜ちゃん・・・。それは誰なの?」

 

ことりが聞くと、瑠菜ちゃんは私の目を見て・・・

 

「それは、ことりちゃん自身が思い出すべきだよ。」

「どうして!?」

「わたしも言えるのはここまでだから。」

 

ことりが落ち込むと瑠菜ちゃんは・・・

 

「ゆうくんの事、思い出したら教えてあげる。」

「・・・え?」

 

ゆーくんの事?

すると、お母さんも・・・

 

「・・・そうね。

ことり、あなたと穂乃果ちゃん、海未ちゃんは()()()()を忘れて

いるわ。瑠菜ちゃんが言いたいのは、そう言う事でしょ?」

「そうですね。」

「・・・悠里くんは、どうしてそこまで」

 

お母さんがそう言うと、瑠菜ちゃんは・・・

 

「ゆうくん曰く、お母さんの受け売りみたいです。」

「藍里の?」

「はい。『どんなに辛くても一度決めたら最後までやる。例え自分だけが報われなくても』って今でも、ゆうくんは言ってます。」

「確かに藍里も昔そんな事言って私とルカ達を励ましてくれたわね・・・」

 

お母さんは懐かしむように笑っていました・・・

私は一体何を忘れてしまったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠菜ちゃんが帰ったその日の夜・・・

 

 

 

 

 

 

「私は一体誰を・・・」

 

 

 

思い出すのは、ゆーくんの私への言葉・・・

 

 

 

 

『ことちゃんは誰にもない物を持っている事・・・

僕は知ってるから。そんな事言わないで。』

 

 

 

 

 

「あれ?。なんで涙が・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりは何故か涙を流していました・・・。

 




ことりちゃん視点、難しいです。
次回も続きます。
こんな感じですが
よろしくお願いします。


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第23話 君自身が紡いだ曲・・・

ゆるポメラです。
今回で『ワンダーゾーン』の回
最後となります。
少し短いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


朝、神田明神に着いたら

すでに全員揃ってた・・・

もしかして僕、遅刻?

 

『ゆうり君おはよー♪』

「あ、花怜ちゃんおはよ。」

 

みんな気づいていないみたいなので

花怜ちゃんに挨拶する。

すると、ことちゃんが・・・

 

「・・・あのね。みんなに聞いて欲しいことがあるの。」

「ことりちゃんどうしたの?」

「今まで黙ってたけど・・・」

 

そして、ことちゃんは今までの事を話した。

ほのちゃん、みーちゃん。どう思うんだろ?

 

「ごめんね?今までこの事を隠してて・・・」

 

このくらいで2人は気にしないと思うけど・・・

すると、ことちゃんが僕の方を見て

 

「そういえば、ゆーくん。」

「・・・何?」

「瑠菜ちゃんと何してたの・・・?」

 

・・・あれ?

 

『ゆうり君、ことりちゃん怒ってるよ・・・』

 

花怜ちゃんが言うのも分かる。

ことちゃん、黒いオーラを出しながら怒ってる・・・

 

「しかも瑠菜ちゃんにアーンしてもらってたよね?」

「「ふーん・・・」」

 

何だろう。ほのちゃん、みーちゃんからも黒いオーラが

出てるのは気のせい?

 

『気のせいじゃないと思う』

 

花怜ちゃんが言うなら、そうなんだろうね。

 

「ゆうちゃん」

「悠里君」

「ゆーくん」

 

3人が僕に近づき声を揃えて・・・

 

「「「説明して・・・?」」」

「うん。いいよ?」

 

懇切丁寧に3人に説明しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー昼休みーー

 

 

 

 

「秋葉でライブよ!」

 

・・・絵里先輩、何故急に?

 

「秋葉って言ったらA-RISEの膝下よ!大丈夫なの?」

 

にこ先輩は言うが

でもメリットもあると思う・・・

 

「秋葉は言わば、アイドルの聖地よ。あそこで納得のいくパフォーマンスをすれば、大きなアピール材料になるわ。」

「・・・僕はいいと思いますけど?」

「それで、秋葉での路上ライブに当たって、作詞を秋葉に精通してることりさんに任せようと思うのだけれど、どうかしら?」

「私ですか?」

「あそこでバイトしてたんでしょ?。なら秋葉でやるに相応しい歌詞を考えてくれると思うの。」

「凛もことり先輩の甘々な歌詞で歌いたいにゃ~!」

「・・・分かりました。やってみます。」

 

・・・ことちゃん大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー放課後ーー

 

 

 

 

「ねぇ。ことりちゃんのポエムとか2人は見た事ないの?」

「いや、ことりは・・・」

「・・・うみちゃん。『ある意味』ですごいの?」

「悠里君の言う通り、『ある意味』すごいです・・・。」

 

みーちゃんが、ここまで言うって事は相当なんだね

 

「よし!」

 

ことちゃんがペンを走らせた・・・

 

「チョコレートパフェ。・・・おいしい。」

 

・・・ん?

 

「生地がパリパリのクレープ。・・・食べたい。・・・ハチワレの猫。・・・可愛い。・・・五本指ソックス。・・・気持ちいい。」

 

・・・あるぇ~(・3・)

 

「ふえぇぇん~」

 

あ、壊れた・・・

 

「ほのかちゃん。どうする?」

「・・・そうだね。ことりちゃん!」

「ちゅん?」

 

まだ壊れてる・・・

大丈夫かな?。ことちゃん・・・

 

「こうなったら一緒に考えよう!」

「うんっ!!」

 

 

 

 

・・・てな訳で。

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りなさいませ♡ご主人様♡」

「お帰りなさいませ♪ご主人様♪」

「お、お帰りなさいませ///。・・・ご主人様///。」

 

3人のメイド姿。可愛いな・・・

それに僕なんて・・・

 

「・・・ねぇ。ことりちゃん。」

「なあに?」

「・・・なんで執事服もあるの?」

「店長さんが持ってたの。」

「・・・はぁ。」

 

・・・まぁ。触れたら負けみたいなやつなパターンだね。

でも自分の執事姿を見て思った事がある。

 

「・・・僕みたいなゴミクズ以下なんて似合わないし。」

「「「そんなことない!!」」」

 

なんか怒鳴られた・・・

 

「にゃ~!遊びに来たよ」

「あれ?。ことり先輩、穂乃果先輩、海未先輩。顔赤いですけど

大丈夫ですか?」

「悠里先輩、何かあったんですか?」

 

真姫ちゃんが言うので、

3人を見たら顔が赤くなってた。

・・・大丈夫かな?

 

(うぅ~///。ゆーくんの執事服姿カッコよくて顔見れないよ~///。)

(いつもと違う姿の、ゆうちゃんカッコイイ///。)

(悠里君の顔、恥ずかしくて見れません・・・///。)

 

 

・・・あ、凛ちゃん達を接客しないと

・・・とりあえず

 

「お帰りなさいませ。お嬢様。席にご案内しますのでこちらにどうぞ。」

「にゃ、にゃあ~///。」

「は、はい~///。」

「・・・はい///。」

 

こんな感じであってるよね?

・・・多分。

 

 

 

 

そんな感じで、ことちゃんは生き生きしていた。

こうして、ことちゃんが作曲した曲の名前は・・・

 

 

 

『Wonder zone』

 

 

 

僕は、この曲を聞いて

ことちゃんらしさが出ていた・・・

 

 

 

 

・・・ことちゃん、良かったね。

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

夕暮れの神田明神に私達4人はいた。

 

「ライブ上手くいって良かったねー」

「こうしてるとファーストライブを思いだします」

 

あの日は両手で数えられるくらいしか見てくれる人はいなかった・・・

 

「・・・私達って、いつまで一緒に居られるのかな?」

「決まってるよ!ず~っと!一緒だよ!!」

 

穂乃果ちゃんは迷わず答えた

 

「この先、みんなと一緒にいたい!ことりちゃんとも、海未ちゃんとも、ゆうちゃんも!」

 

すると、ゆーくんは・・・

 

「・・・。」

 

何も答えず、ことり達の事を見た後

 

「・・・()()()()()()()()()。」

 

これまで見た事ないくらい悲しそうな顔をしていました。

海未ちゃんも思うところがあるのか、ゆーくんの事を

見ていました・・・

 

 

 

そしてふとよぎったのは瑠菜ちゃんが言ってた事・・・

 

 

『ゆうくんの事、思い出したら教えてあげる』

 

 

 

ことりは、ずっと考えていました。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっと一緒!!」

 

 

ほのちゃんが言ってくれた言葉・・・

そう言ってくれただけで僕は嬉しかった・・・

 

『ゆうり君?』

 

花怜ちゃんが隣に現れ、僕の心情を察したのか

こう言ってくれた・・・

 

『ゆうり君が、どんな決断しても私と瑠菜ちゃんとティアちゃんは

周りがなんて言おうと、ずっと味方だから・・・。ね?』

 

(・・・ありがと、花怜ちゃん。)

 

たとえ、高校を卒業できても僕は

ほのちゃん達と一緒にいられない・・・

 

()()()からずっと決めてたから・・・

 

 

だから・・・

 

 

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめんね・・・。




今回で、1期9話の終了です。
やっぱり9話は難しいです・・・
次回は、1期10話の『先輩禁止!』の回です。
上手く書けるかかなり不安ですが
自分なりに頑張りますので
これからもよろしくお願いします。


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第24話 総勢13人の合宿 その1

ゆるポメラです。
今回から1期10話の『先輩禁止!』の回です。
少しオリジナル要素を入れてみようかなと
思っていますので、
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


夏休みに入り、

僕は今ルーちゃん、ティアちゃんの

3人で夏休みの宿題を片付けていた。

いくら夏休みが長いとはいえ、その分

宿題も多い。

 

「ふえ~ん。まだあるの~?」

 

ルーちゃんが嘆き始めた・・・

 

「・・・僕は今やってるのが終われば、宿題全部終わりだけど。」

「私はもう終わったわよ。」

「ティアちゃん早いね・・・」

 

そう。ティアちゃんの宿題の進行速度は

かなり速い。その為、僕とルーちゃんに分からないところ

を教えてくれるのだ。

 

「ルナも、それが終われば宿題終わりじゃない」

「多すぎるよ~」

「・・・ルーちゃん頑張って?」

「むぅ~・・・」

 

拗ねながらも続けるルーちゃん。

そしてやっと・・・

 

「「終わった~・・・」」

「2人共、お疲れ様」

「そういえばさ・・・」

「ユーリどうしたの?」

 

宿題で思い出したが・・・

 

「・・・花怜ちゃんがいたら凄いことになってたね」

「確かにカレンはルナより問題ね・・・」

「2人共ひど~い!」

 

そんなこんなで3人で談笑していると

僕の携帯が鳴った・・・

 

「・・・みーちゃんから?」

「ゆうくん~、練習さぼったの~?」

「ルナ、そんな訳ないでしょ・・・」

「・・・今日は練習休むって言ったよ?」

 

そうも言ってられないので電話に出る・・・

 

「はい。もしもし。」

『あ、悠里君。今大丈夫ですか?』

「・・・3人でたった今夏休みの宿題終わったばかりだから大丈夫」

『えっ!?。もう終わらせたのですか!?』

「・・・だってだらけちゃうじゃない?。」

『穂乃果にも見習って欲しいです・・・。』

「・・・あはは。」

 

確かに、ほのちゃんならありえる。

ルーちゃんとティアちゃんを見ると苦笑いしていた。

 

「それで今日はどうしたの?」

『その事なんですが、瑠菜とティアもいます?』

「・・・え?。いるけど?」

『今から3人で神田明神に来てくれませんか?』

「・・・とりあえず分かった。今から行くね?」

『はい。それでは。』

 

ーーピッ!!ーー

 

 

「海未ちゃん何て~?」

「・・・今から3人で神田明神に来て欲しいってさ」

「ユーリ、今日μ'sは練習よね?」

「そのはずだけど・・・」

「とりあえず神田明神に行ってみよ~よ。」

 

 

・・・で。

 

 

 

ーー神田明神入口ーー

 

 

 

 

「・・・あれ?。花怜ちゃん?」

『あ♪。ゆうり君、瑠菜ちゃん、ティアちゃん♪』

「あ~。花怜ちゃん~♪」

「こんにちは。カレン」

 

・・・珍しい。

いつもは本殿の辺りを散策している花怜ちゃんが

入口にいるのは、かなりのレアケースだ。

 

「みーちゃん達、今日練習してるはずだよね?」

『うん。今も練習してるよ』

「じゃあなんで僕達3人に来るように電話したんだろ?」

『あー・・・。実は発端は穂乃果ちゃんなんだよねー。』

「ホノカが?」

「ふぇ?。何言ったの~?。花怜ちゃん~。」

『とりあえず行こっか』

 

こうして花怜ちゃんに案内されると

予想通り、みーちゃん達が練習していた。

 

「うみちゃん」

「あ。悠里君、瑠菜、ティア。」

『海未ちゃん。穂乃果ちゃん達呼んで来たら?』

「そうですね。」

 

花怜ちゃんの問いかけに、

みーちゃんはメンバーのみんなを呼びに行った。

しばらくして、みんなが来た。

 

「ゆうちゃん!。なんで練習来ないの!」

「・・・夏休みの宿題終わらせてたんだけど」

「え!?。穂乃果まだやってないよ!?」

「「『やっぱり・・・』」」

 

僕とティアちゃん、更には花怜ちゃんも溜息をついた。

 

「それより~。なんで、わたし達を呼んだの~?」

 

ルーちゃんが首を傾げながら尋ねると

ほのちゃんは・・・

 

「みんなで合宿に行くの!!」

「ウミ?。まさか私達も?」

「・・・はい。悠里君達を呼んだのはこの事なんです。」

「若干2名ほど、行きたいっていう人が・・・」

「ゆーくん?」

 

ことちゃんが疑問にあげる理由は

花怜ちゃんとルーちゃんが目をキラキラさせながら

僕を見ていたからだ。

・・・でもそれ以前に

 

「どこで合宿する気なの?」

「真姫ちゃんの別荘でだよ!!」

 

僕の疑問に、ほのちゃんが答えた。

・・・真姫ちゃん別荘あるんだ。

 

「・・・まさか僕も一緒に行けと?」

「当たり前だよ!!」

 

ほのちゃんが当然とばかり答えた・・・

なんでー・・・?

 

「でもユーリならまだ分かるけど、どうして私とルナまで?」

 

すると絵里先輩が・・・

 

「あなた達3人には以前、生徒会の仕事を任せてもらったから

そのお礼として、どうしても来てもらいたいの。」

 

「でも~。他のみんなは大丈夫なの~?」

「瑠菜ちゃん、その事は、ことり達も大丈夫だよ♪」

「ゆうくん~。どうする~?」

 

ルーちゃんが僕に聞くが、僕はもう1人連れて行きたい子がいる。

 

「・・・もう1人連れて行きたい子がいるんだけどいいかな?」

 

みーちゃん以外が疑問の声をあげたので説明する。

 

「その子は僕達にとって今でも大切な子だから、その子抜きは嫌なんだ。」

「私もユーリと同意見ね」

「わたしも、わたしも~。」

 

すると、ほのちゃんが

 

「ゆうちゃん、その子って・・・?」

「花怜ちゃん、出てこれる?」

「「・・・えっ!?」」

 

ほのちゃん、ことちゃんが驚きの声をあげた。

 

『もう。気を遣わなくてもいいのにー・・・』

「カレン、さっきまで目をキラキラさせてたじゃない・・・」

「・・・顔に出やすいよ。意外と」

『ゆうり君、ティアちゃんひどーい!(><)』

 

すると、ほのちゃん、ことちゃんが・・・

 

「う、嘘・・・」

「花怜ちゃん・・・。なんだよね?」

『うん?。そうだよー♪』

 

すると周りのみんなも・・・

 

「ゆ、幽霊と喋ってるにゃ・・・」

「す、すごいです。」

「悠里先輩達って・・・」

「・・・これ現実かしら」

「ハ、ハラショー・・・」

「ス、スピリチュアルやね・・・」

 

普通の人は、こんな反応なのかな?。かな?

 

『でも私も一緒に行っていいの?』

「・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

『そ、それはそうだけど・・・』

「カレン、ユーリが一度言い出したら聞かないの知ってるでしょ?」

「そうだよ~。ゆうくんだもん~。」

『・・・もぅ。』

 

僕は、ほのちゃん達に・・・

 

「・・・だから花怜ちゃんも一緒に連れてっていいかな?」

『お、お願いします!』

 

すると、ほのちゃん達は笑顔で

 

「うん!!。穂乃果も花怜ちゃんと一緒に行きたい!!」

「ことりも!!」

「私も花怜と一緒に行きたいです。」

「・・・だってさ。」

 

すると花怜ちゃんは満面の笑顔で・・・

 

『うん!』

 

 

 

 

 

こうして総勢13人。μ'sメンバー9人と

僕達4人での夏の合宿に行く事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ところで穂乃果ちゃん。合宿は、いつ行くの?』

「明日だよ!。花怜ちゃん!」

『わー♪。楽しみー♪』

 

 

・・・え?。明日?

 

 

 

 

「・・・何だろう不安だ。」

「・・・ユーリ、私も」

「奇遇ですね。私も悠里君とティアと同じです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ことりちゃん~。楽しみだね~♪」

「そうだね。瑠菜ちゃん♪」

 

 

 

 

 

 

・・・本当に大丈夫かな?

 

 

 

 




合宿の回が難しいですね・・・
次回に続きます。
こんな感じですが
よろしくお願いします。


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特別編 赤の少女の誕生日

ゆるポメラです。
真姫ちゃん誕生日おめでとう!。
初めて書く誕生日の話ですが
自分なりに頑張りますので
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


「・・・真姫ちゃんの誕生日?」

「そうにゃ!」

 

今の状況を説明しよう。

凛ちゃんと花陽ちゃんに呼ばれ

明日は真姫ちゃんの誕生日なので

本人に内緒でびっくりさせたいとの

相談を受けました。

 

「ほのかちゃん達は知ってるの?」

「はい。後は悠里先輩だけ言ってなかったので」

 

ほのちゃん達は知ってるんだね。

・・・さて、どうやってびっくりさせようかな?

 

「・・・あ。」

「悠里先輩どうしたのにゃ?」

「凛ちゃん、花陽ちゃん。耳貸して?」

「は、はい。」

 

僕は2人にある事を伝えた・・・

 

「・・・じゃあ、僕は明日の準備するからよろしくね?」

「わかったにゃ!」

「真姫ちゃん以外にも伝えておきます。」

 

さてまずは・・・

 

「もしもし、ティアちゃん?」

『どうしたの?。ユーリ?』

「明日、真姫ちゃんの誕生日なんだけど・・・」

『・・・あぁ、()()()()?』

「うん。真姫ちゃんの祝い場所にぴったりだと思うんだけど・・・」

『分かったわ。私とルナで準備しとくわ。』

「・・・一応、花怜ちゃんも連れてくるね?」

『はしゃぐわね。カレンなら・・・』

「ほのちゃんと同じだしね。」

 

こんな感じでティアちゃんに頼んだ。

さて。僕も可愛い後輩ちゃんに誕生日プレゼント

準備しなきゃ・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーー4月19日誕生日当日ーー

 

 

 

 

 

放課後、神田明神での練習も終わったので

僕は、真姫ちゃんに・・・

 

「真姫ちゃん、これからみんなで行くところがあるって聞いてる?」

「あ、はい。凛と花陽に・・・」

「そっか。・・・みんな!。移動するよ」

 

すると、ほのちゃん達が・・・

 

「ゆうちゃん、どこに移動するの?」

「そういえば私も聞いてませんね?」

「ゆーくん、どこに行くの?」

「その前に・・・。花怜ちゃん!」

 

すると僕の隣に花怜ちゃんが現れた。

 

『もしかして()()()()?』

「・・・ピンポーン♪」

『確かに真姫ちゃんにピッタリだね♪』

 

ちなみに()()()()とは

僕と花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃん

しか知らない・・・

 

「「「「「「「「「???。」」」」」」」」」

 

真姫ちゃんを含めた9人は首を傾げていた。

 

「・・・じゃあ、みんな僕についてきて」

『はぁーい♪』

「・・・花怜ちゃんは知ってるでしょ?」

『ノリも大事かなと思って♪』

「なるほどね。」

 

 

 

 

 

ーー少年少女達、移動中ーー

 

 

 

 

「はい。着いたよ・・・」

『わーい♪。ここ久しぶりー♪』

 

ちなみにみんなの反応は・・・

 

 

「「「「「「「「「・・・綺麗。」」」」」」」」」

 

 

真姫ちゃんの誕生日の場所に選んだのは、ティアちゃんが所有する

街が見渡せる星に囲まれた平地・・・

 

「お~い、ゆうくん、花怜ちゃん、みんな~。」

「え!?。瑠菜先輩!?」

「ルーちゃんだけじゃなく、ティアちゃんもいるよ。」

 

とりあえずルーちゃんがいる場所に向かう・・・

 

「マキ、こんばんは。」

「こ、こんばんはティア先輩・・・」

『ゆうり君、みんな、例のアレやるよ。』

「花怜先輩、アレって・・・?」

 

そして僕は、ほのちゃんに合図を送り

真姫ちゃんに向かい・・・

 

「・・・せーの、真姫ちゃん!」

 

 

 

 

 

『お誕生日・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「『おめでとー!』」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

「・・・え?」

 

 

 

案の定、真姫ちゃんは口を開けてポカンとしていた・・・

すると真姫ちゃんは・・・

 

「あの。悠里先輩これって・・・」

「凛ちゃん達がね、真姫ちゃんに内緒でびっくりさせたいって言ってたから」

「ちなみに、この場所をユーリが選んだのはマキが星を観るのが好きって聞いたからなの。」

 

ティアちゃんの補足説明に・・・

 

「あ、ありがとうございます///」

 

・・・嬉しそうで良かった。

 

『今日の主役の真姫ちゃんはここに座ってね♪』

「は、はい。」

 

そして僕は他のみんなに・・・

 

「・・・誕生日の恒例。プレゼントターイム。」

『いぇーい♪』

「いえ~い♪」

「カレン何処からクラッカー持ってきたのよ・・・」

 

そしてみんなで、それぞれ真姫ちゃんに

誕生日プレゼントを渡した・・・

 

「あれ?。ゆうちゃんは何渡すの?」

「そう言えば悠里君達は、まだ渡してませんね?」

「ことりも気になる・・・」

 

他のみんながこの反応なので、

僕は花怜ちゃんに・・・

 

「・・・それじゃ、僕達4人からの真姫ちゃんへの」

『誕生日プレゼントは・・・♪』

「真姫ちゃんをイメージして作った~・・・♪」

「オリジナルの曲を演奏させてもらうわ。」

「「「「「「「「「えええぇぇぇ!?。」」」」」」」」」

 

真姫ちゃんを含めたみんなが驚いてた・・・

 

「・・・花怜ちゃん、準備は?」

『いつでも♪』

「ルーちゃんは?」

「いつでもいいよ~。」

「・・・ティアちゃんは?」

「いつでも大丈夫よ。」

 

僕がピアノで。

花怜ちゃんがフルート。

ルーちゃんがホルン。

ティアちゃんがバイオリン。

 

「・・・ミュージックスタート。」

 

 

 

そして・・・

今夜限りの・・・

4人での演奏が・・・

3年振りに開催された・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曲が終わり、みんなの拍手が鳴った・・・

 

 

 

「真姫ちゃん、どうだった?」

「・・・すごく素敵な曲でした///。」

『良かったー♪。3年振りに4人で演奏したから緊張したよー♪』

「わたしも~」

「意外と鈍らないものなのね・・・。」

 

そして僕は真姫ちゃんに1枚のCDを渡した。

 

「悠里先輩、これは?」

「さっき僕達が演奏した曲が入ったCDだよ。」

『今の曲と合わせて、5曲入っているからね♪』

「聴きたい時に聴いてくれると嬉しいな~。」

「そうね。何せ、マキだけの曲だもの」

 

その言葉を聞いた真姫ちゃんは笑顔で・・・

 

 

 

 

「ありがとうございます///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は、みんなで騒いだりした。

真姫ちゃんを見てみると楽しそうな顔だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誕生日おめでとう。真姫ちゃん。

 




初めて誕生日の話を書きましたが
なんとか間に合ってよかったです。
次回は本編を執筆する予定です。
こんな感じですが、これからも
よろしくお願いします。


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第25話 総勢13人の合宿 その2

ゆるポメラです。
今回はサブタイ通り
本編の続きです。

それではどうぞ。


ーー合宿当日ーー

 

 

「集合場所の駅に向かう前に花怜ちゃんを迎えに行かないと・・・」

 

・・・そう。

神田明神に向かい、花怜ちゃんを迎えに行かなくちゃ

ならないんだ。理由は気が向いたら話すけど、思念体である

花怜ちゃんは行動範囲が制限されているんだ・・・

 

「・・・花怜ちゃん、いるかな?」

 

だが僕の心配はいらなかったみたい。

 

『ゆうり君おはよー♪』

「おはよ。準備早いね・・・」

『久しぶりの遠出だもん♪』

「・・・確かにね。そろそろ行こうか?」

『うん♪』

 

駅に向かう途中、花怜ちゃんが・・・

 

『瑠菜ちゃんとティアちゃんは?』

「2人なら先に行かせたよ。一応、連絡はしといたしね。」

『瑠菜ちゃん、寝坊したりして?』

「ティアちゃんもいるし大丈夫だと思うよ?。・・・多分。」

『・・・あはは。断言はしないんだね。』

 

そんな感じで集合場所の駅に着いた。

案の定、みんな揃ってた・・・

 

「・・・もしかして僕達2人遅刻?」

「ユーリ、私とルナも今着いたばかりだから大丈夫よ」

『あ、そうなの?』

「うん~。そうだよ~。」

 

そんなやりとりをしていると絵里先輩が・・・

 

「みんな揃ったみたいだから、これからみんなにやってもらいたい事があるの」

「・・・それは一体?」

「それはね、『先輩禁止』よ!」

 

これを聞いた僕も含めた3年生以外は驚いていた。

反応は様々だけど・・・

理由を説明するように絵里先輩が。

 

「前からちょっと気になってたの。先輩後輩はもちろん大事だけど、踊っている時にそういう事気にしちゃダメだと思ったの。」

 

確かに学校生活とかでは上下関係は大事だけど、踊っている時だと

『上級生とかに合わせてしまう』という気遣いが自然と出てしまうからかな?。

 

「そうですね、私も3年生に合わせてしまうことがありますし・・・」

 

・・・みーちゃんも思ってたみたい。

すると、にこ先輩が。

 

「そんな気遣い全く感じないんだけど」

「それは、にこ先輩は上級生って感じがしないからにゃ!」

 

凛ちゃんバッサリ言うね・・・

 

「上級生じゃないなら何よ!」

「後輩?」

「というか子供?」

「マスコットかと思った」

「どういう扱いよ!」

 

凛ちゃん、ほのちゃん、希先輩が言っていく

そしてそれに突っ込む、にこ先輩・・・

でもなんで絵里先輩、この提案出したんだろう?

さっきの理由だけじゃない気がする・・・

 

(もしかして花陽ちゃんと真姫ちゃんの為じゃないかな?)

 

僕が考えてる事が分かったのか花怜ちゃんが小声で

 

『多分そうだと思うよ』

「・・・やっぱり?」

 

そんなやりとりをしていると・・・

 

「じゃ早速始めるわよ穂乃果?」

「は、はい。・・・いいと思います。」

 

ほのちゃんも一応、上下関係気にするんだっけ・・・

 

「え、絵里ちゃん!」

「うん!」

 

笑顔で返されて安心したのか、ほのちゃんは。

 

「なんか緊張するね~。」

「じゃあ凛も!。えっと、ことりちゃん?」

「よろしくね!凛ちゃん!真姫ちゃんも!」

「えっ?うぅ・・・///」

 

まぁいきなりは難しいよね・・・

 

「べ、別にわざわざ呼んだりするもんじゃないでしょ?」

「それで悠里くん達4人なんだけど・・・」

 

・・・そうだなぁ

 

「じゃあ、僕は絵里さんで。」

『よろしくねー♪。絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃん♪』

「わたしも花怜ちゃんと同じ呼び方にする~」

「私は先輩禁止に則って普通に呼ぶ事にするわ」

 

こんな感じになりました・・・

あ、そうだ・・・

 

「凛ちゃん達も僕達の事、呼びやすいほうでいいからね?」

「わかったにゃ!」

「は、はい。」

「分かりました・・・」

 

そして絵里先輩が・・・

 

「それでは今から合宿に行きます。部長の矢澤さんから一言」

「しゅ、しゅっぱーつ!!」

「・・・それだけですか?」

「思いつかなかったのよ!」

 

ですよねー・・・

こんな感じで電車に乗り込んだ・・・

 

 

 

ーー電車内ーー

 

 

 

 

 

「あの、席順はどうするのですか?」

 

みーちゃんが言ったので花怜ちゃんが・・・

 

『私にいい案があるよー♪』

「カレンまさかと思うけど・・・」

『・・・ふっふふー♪、じゃーん♪』

「くじ引きだね・・・」

 

花怜ちゃんが何処から出したのか結局くじ引きで

決める事になった・・・

結果、席順はこうなった・・・

 

 

 

穂乃果 悠里   瑠菜 花陽

 

海未 ことり   にこ 希

 

ティア 真姫 

 

絵里  凛

 

 

こんな感じになった。

花怜ちゃんがいない?

・・・花怜ちゃんはね。

 

『ゆうり君、景色が綺麗だよー』

 

僕の頭上で浮遊しながら楽しそうにしていた。

 

「・・・落ちないように気をつけてね?」

「花怜ちゃん!。あそこ海が見えるよ!」

『え!?。どこどこ!?』

「穂乃果、花怜。あまりはしゃがないでください!」

「まあまあ海未ちゃん・・・」

 

この光景も久しぶりに見たな・・・

いまだに外の景色に夢中な花怜ちゃん、ほのちゃん。

僕は、みーちゃん、ことちゃんに・・・

 

「うみちゃん、ことりちゃん。クッキー焼いてきたんだけど食べる?」

「え!?。ゆーくんが作ったの!?」

「・・・昨日、一睡もできなかったから暇だったから作ってた。」

「え!?。悠里君、寝てないのですか?」

「まあね。食べて、食べて。」

「「い、いただきます・・・」」

 

2人は僕の作ったクッキーを食べると・・・

 

「「お、おいしい///。」」

「・・・それは良かったよ。」

 

(ゆーくん、お菓子作るの上手だなぁ///。)

(私も悠里君に作ってあげたいです///。)

 

すると匂いに誘われたのか

ほのちゃん達も・・・

 

「ゆうちゃん!。穂乃果も食べていい?」

「どうぞ。花怜ちゃんも食べて。」

『わーい♪』

 

ちなみに反応は・・・

 

「ゆうちゃん、おいしい///」

『クッキー作るの相変わらず上手だねー♪』

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

他のみんなにもクッキーを渡しに行き自分の席に戻った。

ちなみに味の方は好評だったよ。

 

「思い出・・・。作れるといいな・・・」

「ゆうちゃん?」

「・・・何でもないよ。」

 

 

 

電車の音が一瞬だけ短く感じた

そんな感じが僕には寂しく聴こえた。




まだまだ続きます。
・・・合宿の回は難しいですね。
次回もよろしくお願いします。


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第26話 総勢13人の合宿 その3

ゆるポメラです。
前回の続きです。
上手くできているか不安ですが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


あの後、無事に真姫ちゃんの

別荘に着いた・・・

しかし、別荘の中も広かった。

 

(迷子にならないようにしなきゃ・・・)

 

しばらくした後、玄関前に集合し

みーちゃんが合宿の練習メニューを説明する。

 

「それでは、練習のメニューを発表します。」

 

張り出された練習メニューを見た瞬間、僕は驚愕した・・・

だって練習内容が・・・

 

・ランニング10km

・筋力トレーニングetc・・・

 

ほのちゃんを見てみたら、いつの間にか水着に着替えてた

しかも凛ちゃん、にこさんまでである・・・

 

(遊ぶ気満々だね・・・)

 

僕は隣にいたティアちゃんに・・・

 

「・・・凄いメニュー内容だね」

「これ絶対、ウミの主観よね・・・」

『うわー・・・』

 

あのティアちゃんですら絶句している。

花怜ちゃんも唖然としていた・・・

 

「って海は!?」

「私ですが?」

「ほのかちゃんが言ってるのは海水浴の事だと思う・・・」

「あぁ!それならここに!」

 

みーちゃんが笑顔でメニューのある部分を指差す。

 

「・・・遠泳10km!?」

「最近、基礎体力をつける練習が減っています。せっかくの合宿ですしここでみっちりやっといた方がいいかと」

「ウミ。みんな持つと思う?」

「大丈夫です!熱いハートがあれば!」

『それは何か違うような気が・・・』

 

すると何かを思いついたのか、ほのちゃんと凛ちゃんが・・・

 

「「あ~!。海未ちゃん!。あれはなに~!」」

 

いや、みーちゃんが引っ掛かる訳・・・

 

「え?。どこです?」

「『えー!?』」

 

僕と花怜ちゃんは驚いた・・・

そしてなんだかんだで初日くらいは

大目に見ようという事になりこの日は遊ぶ事にした・・・

 

 

 

ーー夕方ーー

 

 

「・・・買い出し?」

「材料があまりないから買い出しに行こうってなったの~」

 

ルーちゃん曰く、夕飯を作ろうと思い冷蔵庫の中があまりないから

材料を買いに行こうという話になったらしい・・・。

 

「でもスーパーが結構遠いらしくて」

 

ことちゃんが言う。

すると真姫ちゃんが・・・

 

「・・・私が行くわ」

「ならウチも行くわ。たまにはええやろ?。こんな組み合わせも。」

 

希さんが申し出た。

何か考えがあるのかな?

 

「マキとノゾミだけじゃ大変だから私も行ってくるわ」

『ティアちゃんも?』

「ユーリ、後はお願いね」

 

ティアちゃんの意図が読めたので僕は・・・

 

「ん。行ってらっしゃい・・・」

 

そう言って3人を見送った。

 

 

 

 

sideティア

 

 

 

私達は今、スーパーに向かって海沿いを歩いている。

ノゾミにマキの事を任せても良かったけど

念には念かしら?

 

(それにしても夕日が綺麗ね・・・)

 

「・・・あの。」

「なにかしら?」

「どうして私に構うんですか?」

「私よりノゾミに聞いた方が早いわよ?」

 

私がノゾミに目線を向けると・・・

 

「真姫ちゃんは面倒なタイプやなぁって」

 

・・・それ、ノゾミが言える事かしら?

 

「本当はみんなと仲良くしたいのになかなか素直になれない」

「私は・・・」

 

昔のユーリに似てるわね。今のマキ・・・。

 

「マキ。」

「何ですか?」

「今のマキは昔のユーリに似てるわ」

「・・・昔の悠里先輩に?」

「え、そうなん?。今とは全然想像つかんわ」

「でもユーリは、それでもいいって言ってたわ。」

 

だからこそユーリは悲惨な中学時代を乗り越えられた。

例え世間から認められなくても

・・・私とルナ、カレンはユーリの本当の優しさを知っている。

 

「だから始めは、ゆっくりでもいいから素直になっても良いと思うわ」

「はい・・・」

「じゃあ、みんな待ってると思うし早く買いに行こか。」

「そうね。ルナとカレンが駄々をこねそうだわ」

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

ティアちゃん達3人が帰ってきたので

僕は夕飯を作る事にした。

ちなみに今晩はカレーライス。

ほのちゃん達も手伝うって言ってくれたけど

食器などの用意をしてもらった・・・

 

「みんなカレーできたよ。」

『わーい♪』

「ゆうくん~。運んでいいの~?」

「・・・あ、お願い。」

「手伝うわよ。ユーリ」

 

ちなみに花陽ちゃんのは、ご飯とカレーを

別々に用意した。

作っている時、お願いされたからである。

カレーの味は大好評だった。

これで美味しくないなんて言われた暁には

僕は隅っこで体育座りをしながら泣く自信がある。

 

(さて、後片付けやろうかな・・・)

 

そう思い、みんなの食器などを片付け始めようとすると・・・

 

「・・・あの。悠里君」

「どしたの?。うみちゃん」

「洗い物手伝います。」

「え、でも疲れてるでしょ?」

 

僕が聞くと、みーちゃんは・・・

 

「私がやりたいんです///。」

「あ、じゃあお願いします・・・」

 

みーちゃんの謎の気迫にやられて

2人でやる事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

悠里君と一緒に食器を洗うことになり

私は気になったことがあったので・・・

 

「悠里君・・・。」

「・・・何?」

「悠里君はどうして無茶をしてまで頑張るんですか?」

 

穂乃果の家での期末試験の勉強の時も悠里君は

日付変更線の時間を過ぎても勉強していたので体を壊してないか

不安でした。

 

「・・・落ちこぼれだったからかな。今でもだけど」

「・・・えっ。」

「僕の場合どんなに頑張っても世間が認めてくれなかったから」

 

正直、なんて言ってあげればいいか私も分からなかった・・・

私の表情を察したのか悠里君は・・・

 

「そういえば、この後の予定はどうなったの?」

「私は練習がいいと言ったんですが、希が今日は寝て明日練習する事になりました」

「あれ?。明日になったの?」

「はい。明日の夜に花火もやるみたいですよ?」

「・・・花火?。なんで?」

「凛がやりたいと言って・・・」

「・・・だからさっき『花火』って単語が聞こえたんだ。」

 

悠里君は納得した感じで洗い物の作業に戻りました。

やっぱり私、悠里君とは何処かで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・・・真姫ちゃんの喋り方、難しいです。
なんとも言えない感じに
終わってしまいました。
次回は合宿編、最後になります。
主に穂乃果ちゃん視点を執筆しようと
思ってます。
サブタイも変わりますが
よろしくお願いします。


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第27話 太陽の少女の断片の記憶

ゆるポメラです。
今回で合宿編は最後になります。
もう1つは穂乃果ちゃん視点を
多く書いてみました。
最後まで頑張ります。

それではどうぞ。



現在、僕達は昨日の事もあって

午前中は新曲の練習

午後は遊ぶ

夜は凛ちゃん提案の花火。

 

(・・・午後の予定いつ決めたんだろう?)

 

そして完成した曲の名前は・・・

 

 

 

 

『夏色えがおで1,2,jump!』

 

 

 

 

ちなみに、この曲を聴いた時

ティアちゃんが曲に合わせて鼻歌を

歌っていたのは僕しか知らない余談である・・・。

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

無事に新曲も完成して午後はみんなで遊ぶ事に。

何して遊ぼうかなー?

 

「・・・あれ?。ほのかちゃん?」

「あ、ゆうちゃん。何してるの?」

「お昼寝してたら、みんないなくて・・・」

「他のみんなは外で遊んでるよ?」

「だから気配が無かったんだ・・・」

 

少し考えた後、ゆうちゃんが

 

「ほのかちゃん暇ですか?」

「え?。う、うん・・・」

「ほのかちゃんが良ければ今から僕と遊ばない?」

 

ど、どうしよう///

まさか、ゆうちゃんから誘われちゃった///

本当は穂乃果が誘おうとしたのに・・・

私は迷う事なく・・・

 

「うん///。」

「・・・じゃあ行こっか。()()()()()

 

えっ・・・。ゆうちゃん今、穂乃果の事・・・

 

「どしたの?。ほのかちゃん」

「え?、何でもないよ!。ゆうちゃん行こっ!」

 

・・・気のせいかな?

 

 

 

 

「外に出てみたは良いけど・・・」

「ゆうちゃん考えてないとか?」

「考えてない訳じゃないけど・・・」

 

一体どうしたんだろう?

 

「・・・2人で少し近くまでお出かけする?」

「みんなには?」

「夕方までには戻るって花怜ちゃんに伝えて貰う。」

「どうやって?」

 

穂乃果が花怜ちゃんを見た時、携帯電話とか持ってなかった

と思うけど・・・

そんな事を考えていたら

 

「・・・じゃあ行こう?」

「え!?。もう連絡終わったの?」

「うん。」

 

は、早すぎないかな・・・

私の顔に出てたのか

 

「ちゃんと連絡したよー」

 

こうして穂乃果と、ゆうちゃんで

お出かけする事になりました・・・

 

 

 

 

ーー海沿いの近くの街ーー

 

 

 

 

「わあー。凄ーい!」

「・・・ティアちゃんに聞いたけど実際に見ると凄いや」

 

ゆうちゃんと2人で来たのは昨日、真姫ちゃん達が買い出しに行った

スーパーの近くにある少し大きな街。

 

「・・・せっかくだから何処か寄る?」

「じゃあ穂乃果、あそこのクレープ屋に行きたい!」

「・・・はいよー。行こっか」

 

そう言うと、ゆうちゃんは穂乃果の手を握ってきました。

突然の事だったので慌てちゃった。

 

「ゆ、ゆうちゃん!?///。」

「・・・何?」

「あ、あの。手・・・///」

「・・・たまにはいいじゃない。」

 

ゆうちゃんは何で平然としてられるの?///

穂乃果、恥ずかしいよ///

でも嫌じゃない・・・///。

 

「ほのかちゃん何食べる?」

「イチゴのクレープ食べたい!」

「じゃあ僕はチョコミントで・・・」

 

ゆうちゃんが注文すると店員のお姉さんが・・・

 

「あら~♪。可愛い彼女さんですね~♪」

 

か、彼女!?///

 

「・・・そう見えます?」

「あら。からかってごめんなさい?。はい注文の品よ。」

「・・・あ、どうも。ほのかちゃん?」

 

じゃ、じゃあ///。ゆうちゃんが彼氏!?///

 

「おーい。ほのかちゃーん?」

「え!?。ゆうちゃん?」

「・・・向こうで食べよ?」

「う、うん///」

 

この後。2人で色々な所を回り、

時間も夕方近くになってたので別荘に戻りました。

ことりちゃんと海未ちゃんの視線が怖かったけど

ゆうちゃんと2人で楽しめたからいいや///

 

 

 

ーー別荘の浜辺ーー

 

 

 

「・・・花火やる前に今日の夕飯は何にする?」

『せっかくだからバーベキューとかどうかな?』

 

花怜ちゃんの提案でバーベキューをする事に

なりました。楽しみだなー♪

 

「・・・じゃあ僕、材料の準備してくる」

「ゆうくん~。手伝う~?」

『瑠菜ちゃん、私が行くよ。穂乃果ちゃんも一緒に来る?』

「うん!。穂乃果も行く!」

 

花怜ちゃんに誘われて一緒に

ゆうちゃんの手伝いをする事になりました。

えへへ♪。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

・・・あれ?。

穂乃果、今なんて言ったんだろう・・・

 

 

『穂乃果ちゃん?』

「何でもないよ!。花怜ちゃん行こう!」

『・・・うん。』

 

 

 

晩ご飯も食べ終わって

凛ちゃんが昨日提案した花火をやることになりました。

穂乃果は小さい頃に海未ちゃん達と

夏にやったことがあります。

 

「どれにしようかなー?。海未ちゃんは?」

「私は閃光花火が好きなのでそれにします。」

「あ、ことりも~」

「じゃあ穂乃果も閃光花火にするー。」

 

私達3人は花火をする事になりました。

花火をしていると、花怜ちゃんがやって来た。

 

『3人共ー♪。楽しんでるー?』

「うん!。ゆうちゃんは?」

『・・・1人にして欲しいって』

「「「えっ・・・」」」

 

どうして?

海未ちゃん、ことりちゃんも

言葉が出なかった・・・

 

『・・・ゆうり君にも色々あるの。』

「ねぇ。花怜ちゃんは知ってるの?」

『知ってるよ。瑠菜ちゃんもティアちゃんも』

「・・・花怜ちゃん。1つだけ聞いてもいい?」

『質問の内容によるけど何?。ことりちゃん?』

 

ことりちゃんの表情は穂乃果でも見た事ないくらい

暗かった・・・

ことりちゃんは花怜ちゃんに向かって・・・

 

「ゆーくんの家族が『この世にいない』って本当なの?」

「「えっ・・・」」

 

私と海未ちゃんは、

まるで何かに殴られた感覚に陥った・・・

 

『それ。誰から聞いたの?』

「お母さんが瑠菜ちゃんに聞かれて、それで知ったの・・・」

『・・・さすがに南先生も気づくか。』

「花怜。嘘ですよね・・・?」

 

海未ちゃんが花怜ちゃんに聞くが返ってきた答えは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

『本当だよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残酷な答えだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

『真相を知ってるのは当事者である

ゆうり君と私と瑠菜ちゃん、ティアちゃんだよ』

 

花怜ちゃんは真剣な表情で言い切った。

 

「・・・ゆうちゃんはどうして言わないの?」

『それは穂乃果ちゃん達が、ゆうり君の事を思い出してあげて?』

 

ゆうちゃんの事?

穂乃果は何を・・・

 

『・・・3人が思い出したら全部教えてあげるから』

 

寂しそうな表情をしながら

そう言って花怜ちゃんは瑠菜ちゃんの所へ行ってしまった。

 

「穂乃果?」

「え?。なに?」

「穂乃果ちゃん泣いてるよ・・・」

 

ことりちゃんに言われて気づきました。

 

「あれ?。私なんで涙が・・・」

 

 

 

 

 

 

 

合宿が終わっても

この涙の意味が分からなかった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は穂乃果ちゃん視点を書いてみました。
やっぱり合宿の回は難しいです・・・
次回は1期11話の『最高のライブ』の回です。
頑張って執筆しますのでよろしくお願いします。


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第28話 嫌な雨・・・

ゆるポメラです。
今回から1期11話の『最高のライブ』の回です。
上手くできるか不安ですが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


夏休みも終わり

学校に向かう途中、

偶然ことちゃんと遭遇した・・・

 

「あ、おはよ。ことりちゃん」

「ゆーくん、おはよ。」

「今日は1人で?」

「・・・うん。たまにはいいかなって」

 

・・・嘘だね。

珍しいにも程がある。

証拠に表情が分かりにくいが暗い。

 

「何か悩みごと?」

「どうしてそう思うの?」

「・・・いつもより元気がないから」

「それは・・・。」

「・・・言いたい時に言えばいいよ」

「うん。」

 

そう言うと、いつもの表情に戻った

でも僕は気になってた。

ことちゃんのあの表情は・・・

 

(絶対、相当な悩みだと思うな・・・)

 

昔、同じ表情をしていたので

僕には分かる・・・

 

(・・・なんか嫌な予感がする)

 

そう思った朝の登校日だった・・・。

 

 

 

 

 

 

ーー放課後ーー

 

 

 

「くじ引き?」

「何故か伝統らしくて・・・」

 

学園祭でライブをしようという事になり

講堂を使用しようとなったのだが、絵里さん曰く

使用権がくじ引きで決めるそうだ。

 

(・・・音ノ木坂って変わった伝統があるなぁ)

 

「それで誰が引くんですか?」

 

μ'sのランキングが19位になってたので

僕が聞くと希さんが・・・

 

「部の代表が引くっていうことになってるんよ」

「でも、にこさんなら大丈夫なんじゃ?」

「「・・・。」」

 

・・・あれー?

絵里さん、希さん。

なんで黙っちゃうの?

 

 

 

 

 

・・・で結果は。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・講堂使えなくなっちゃったね」

「どうしよー!!」

「だってしょうがないじゃない!くじ引きで決めるなんて知らなかったんだから!」

「あー開き直ったにゃ!」

「うるさい!」

「ひぃ~。」

「・・・こればかりは仕方ないから他の場所でやろう」

「でも悠里君どこで?」

「・・・それなんだよね。」

 

みーちゃんの言う通り何処でやるか。

すると、ほのちゃんが・・・

 

「ならここでやろうよ!」

「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」

「ここに簡易ステージを作ればいいんじゃない?お客さんがいっぱい来るし!」

 

・・・屋上でライブか。いいかも。

 

「僕は賛成かな」

「確かにそれが一番μ'sらしいライブやね」

「よーし!凛も大声で歌うにゃ~!」

 

こうして学園祭のライブの場所は屋上でやる事になった。

ことちゃんの方を見たが、やっぱり元気がなかった。

 

(・・・みーちゃんに今日電話してみようかな)

 

 

 

ーー夜ーー

 

 

 

僕は、ことちゃんの事が気になり、

みーちゃんに電話する事にした・・・

 

『はい。もしもし。』

「うみちゃん夜分遅くにごめんね?」

『いえ大丈夫ですよ。どうかしましたか?』

「今朝、ことりちゃんがね・・・」

 

今朝の出来事を、みーちゃんに話した。

 

『そうですか・・・。』

「ことりちゃんに、うみちゃんから聞いてくれないかな?」

『分かりました。私も気になっていたので明日聞いてみます。』

「・・・うん。お願いね。」

 

そう言い僕は携帯電話を切った。

外をみると雨が少しだが降っていた・・・

 

「何だろうこの嫌な事の前触れの雨は・・・」

 

そう思わずにはいられなかった




今回は少し短すぎました・・・
次回も続きます。


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第29話 学園祭で起こった悲劇

ゆるポメラです。
前回の続きです。

それではどうぞ。


学園祭前日。

ことちゃんの事も気がかりだけど

ほのちゃんの様子もおかしい。

理由は・・・

 

「・・・みんな。休憩取るよ。」

「ダメだよ!。もう1回やろう。」

「いや、ほのかちゃんも休みなよ・・・」

 

ほのちゃんがいつも以上に張り切っているのだ。

恐らく、ラブライブの出場が数日しかないからだと思う。

 

「大丈夫!私燃えてるから!」

「そう言う問題じゃないんだけど・・・」

 

周りを見ると、みーちゃん達も肩が上下していた。

1年生の中で体力がある凛ちゃんですら

座り込んでしまった・・・

なら僕が言う事は。

 

「お願いだから、少し休んで。他のみんなを見て・・・」

 

自分の言った事が分かったのか・・・

 

「・・・うん。ごめんね。」

「じゃあ20分休憩取るよ。絵里さん、それで大丈夫ですか?」

「えぇ。そうしましょ。」

 

ひと悶着あったけど何とか練習を終えた・・・

僕は気になった事があったので、

 

「ほのかちゃん」

「ゆうちゃん、どうしたの?」

「ことりちゃんの様子が最近おかしくない?」

 

ほのちゃんなら気づくはずだけど・・・

 

「そうかな?。いつも通りだよ?」

「・・・えっ」

 

嘘でしょ・・・。

もしかして目の前の目標とかに集中しすぎて

周りが見えなくなっているの?

 

「ゆうちゃん?」

「何でもないよ。じゃあ僕帰るね。」

「うん!。また明日ねー!」

 

帰る時も嫌な予感が続いていた・・・

 

 

 

 

 

 

ーー午後20時ーー

 

 

「学園祭当日も雨なんだ・・・」

 

自宅で明日の天気予報を観ていたら

やはり雨だった。

現に今も土砂降りまではいかないが

かなり降っていた・・・。

 

(明日、大丈夫かな・・・)

 

すると家の電話が鳴った。

一体誰からだろ?

 

「・・・はい。もしもし。水無月です。」

『あ、ゆうり(にい)?』

「雪穂ちゃん?。どうしたの?」

 

電話の相手は雪穂ちゃんだった。

 

『私も止めたんだけど、お姉ちゃんトレーニングに行っちゃって・・・』

「・・・この雨の中?」

『うん。』

「・・・分かった。ありがとね。」

 

電話を切り、すぐさま支度した。

雪穂ちゃんの言ってた通りなら今頃

神田明神のところで練習してるはず!

 

「ほのかちゃん!」

「え!?。ゆうちゃん?」

 

予想通り、ほのちゃんはいた。

 

「何やってるの!?。風邪でもひいたらどうする気!!」

「ゆうちゃんには関係ないでしょ!!。穂乃果達の事なんて!!」

「えっ・・・」

 

僕が放心状態になっていると

ほのちゃんは構わず・・・

 

「よし!。もう1セット!」

 

そう言って、トレーニングを始めてしまった。

ほのちゃんの姿が見えなくなり僕だけが残ってしまった。

 

「・・・。」

『・・・ゆうり君』

 

雨に打たれながら立っていると花怜ちゃんが現れた。

多分、今のやり取りも聞いてたんだと思う。

 

「・・・ほのちゃんの言ってる事は正論だと思う」

『でも!!。ゆうり君はいいの!?』

「僕が何も言えない時点で、そうだよ・・・」

『・・・っ!!。』

「僕、帰るね・・・。」

 

念の為、傘を置いていき

僕は神田明神をあとにした・・・

 

 

 

 

side花怜

 

 

 

 

 

 

私が穂乃果ちゃん、ゆうり君を見かけたのは

ちょうど2人が口論をしているところだった。

原因は、明日の学園祭のライブ当日に風邪をひいたら

どうするつもりという内容だった。

でも、ゆうり君があんなに怒っているのは穂乃果ちゃんが

心配だからだと思った。

穂乃果ちゃんの次の言葉を聞くまでは・・・

 

「ゆうちゃんには関係ないでしょ!!。穂乃果達の事なんて!!」

 

その言葉を聞いた時の、ゆうり君の顔は、

()()()()()()()()()()だった。

穂乃果ちゃんがトレーニングを再び始めて本殿に向かった後

私は姿を現す事にした。

 

「・・・ほのちゃんの言っている事は正論だと思う」

 

ゆうり君が呟いた、その意味は

実際に踊るのは穂乃果ちゃん達9人で

僕はただ手伝っているだけという意味だと思う。

だから私は・・・

 

『でも!!。ゆうり君はいいの!?』

 

しかし帰ってきた言葉は

 

「僕が何も言えない時点で、そうだよ・・・」

 

私は何も言えなかった。

ゆうり君は傘だけ置いていくと帰ってしまった。

雨に濡れて気づきにくいが私は見てしまった。

 

ゆうり君が泣いていた事を・・・

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

ーー学園祭当日ーー

 

 

 

 

天気はあまり良くなかった・・・

だけど昨日に比べればマシな方だった。

 

「・・・昨日、言われた事が響くな」

 

とりあえず学校に行く支度をしなきゃ

今日はライブがあるんだから。

 

「・・・ほのちゃんと顔合わせられるかな」

 

昨日の事もあり不安もあるが普通にしてれば

大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

ーー屋上ライブ会場ステージ裏ーー

 

 

「すごい雨にゃー」

「お客さん、いないよ」

「この雨よ仕方ないわ」

 

ライブが始まる前でも雨は降っていた・・・

すると絵里さんが

 

「あれ?。穂乃果は?」

 

ほのちゃんがいない・・・

僕は、みーちゃんに

 

「うみちゃん。ほのかちゃん知らない?」

「いえ。私も今朝から見てません。」

 

昨日の出来事がよぎった・・・

 

「・・・ゆーくん?」

「何でもない・・・。」

「みんな~・・・。おっはよ~・・・」

 

噂の本人がやって来たが

ほのちゃんの声は少しおかしく

顔も赤いし、ぼーっとした感じがある。

 

(もしかして、ほのちゃん・・・)

 

僕はすかさず

 

「ほのかちゃん以外の人は先に行って待機してて」

 

と言い先に行かせた。

僕は、ほのちゃんに・・・

 

「止めても出るんでしょ?」

「・・・。」

 

何も言わないという事は肯定と取っていいんだね。

 

「・・・無理だけはしないでね。」

「え?。うん・・・。」

 

僕が予想外な事を言ったのか

ほのちゃんは唖然としてた。

 

「僕、一番前で見てるから頑張ってね。」

「うん!」

 

 

会場を見渡してみると

雨なのにも関わらず人が来てくれていた。

中には見知った顔がいたので僕が近づくと

 

「あ。悠里さん!」

「ゆうり(にい)。」

「亜里沙ちゃん、雪穂ちゃん。ライブ観に来てくれたんだ。」

 

2人と話しているとライブが開始した。

この日の為に練習してきた新曲は・・・

 

 

『No brand girls』

 

 

 

アップテンポなのが特徴の曲で

雨なのに、それに負けないような光り輝く笑顔で歌って踊っている・・・。

亜里沙ちゃんと雪穂ちゃんも楽しそうに観ていた。

そして1曲目が終わり、2曲目に入ろうとした次の瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーバタンッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのちゃんが倒れた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ほ、ほのちゃん?」

 

気づけば僕はステージに駆け出してた。

 

「穂乃果!!」

「穂乃果ちゃん!!」

「ほのちゃん!。しっかりして!!」

 

酷い熱だ。まさか今朝から悪化してたんじゃ!?。

・・・いや、まずはやる事がある。

僕が出した決断は

 

「・・・絵里さん。今の状況を伝えてください。」

「すいません!!メンバーにアクシデントがありました!!少々お待ち下さい!!」

「絵里!ライブ続けるわよね!」

 

にこさんが言うが

 

「・・・にこっち。穂乃果ちゃんはもう無理や・・・。それに見てみ?」

 

希さんが、ほのちゃんに視線を向けた後、観客の方へ視線を変えた。

状況を察したのか観客は少しずつ離れて行った・・・

 

 

 

 

 

・・・僕のせいだ。

 

 

 

 

 

 

 

・・・僕が、あの時止めていれば

 

 

 

 

・・・ほのちゃんは。

 

 

 

「ゴメンね、ほのちゃん・・・。」

 

 

僕は雨に打たれながらも謝るしかできなかった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

穂乃果を保健室に運んだあと、穂乃果の事を絵里達に任せ

私とことりは部室で待機してました。

すると、ことりが

 

「あれ?。ゆーくんは?」

「さっきまで一緒にいたのですが・・・」

 

悠里君がいないので周りを見渡した瞬間・・・

 

 

 

 

ーーガンッ!!、ガンッ!!ーー

 

 

 

「「!?」」

 

壁を叩くような音が聞こえたので

部室のドアを開け廊下に出て見ると

そこには・・・

 

 

「・・・僕のせいで、僕のせいで!」

 

悠里君が手から血が流れているのにも関わらず

壁を何度も殴りつけていました。

 

「!?。悠里君落ち着いてください!!」

「ゆーくん、やめてっ!!」

 

私とことりが抑えますが

悠里君は壊れたテープレコーダーのように

呟き始めた。

 

「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・」

「「っ!?」」

 

正直、私とことりは今の悠里君は見てられませんでした。

だから私達2人が取った行動は・・・

 

「・・・え」

 

気づけば私とことりは悠里君を抱きしめてました。

こんな傷ついた悠里君を見たくなかったから・・・

 

「・・・うみちゃん?。ことりちゃん?」

 

落ち着いたのか悠里君は大人しくなりました。

 

「ゆーくん。手、大丈夫?」

「・・・うん。」

 

ことりに怪我の手当てをして貰いましたが

悠里君は相槌をするだけでした。

すると悠里君は・・・

 

「・・・ほのかちゃんが倒れた原因は僕のせいなんだ」

「どうしてそう思うのですか?」

 

悠里君はポツポツと理由を語りました。

学園祭前日。つまり昨日。雨の中トレーニングを

していた穂乃果を止めようとしたところ

「関係ない!」と言われ、そのまま帰ってきてしまったようです。

 

「だから僕のせい・・・」

「それは悠里君のせいではありませんよ」

「・・・え?」

「ことり達だって穂乃果ちゃんの体調に気づかなかったもの・・・」

「そうですね。無茶した穂乃果もですが・・・」

「・・・ライブ中止にしちゃってごめんね」

「そんな事ないですよ・・・」

「・・・でも」

「ゆーくんは状況を見て判断したんだよね?」

 

ことりの問いかけに悠里君は小さく頷きました。

だから私は・・・

 

「穂乃果の体調が落ち着いたら全員でお見舞いに行きましょう。」

「ことり達も一緒に行くから1人で抱え込まないで・・・」

「・・・うん。」

 

そう言うと悠里君は小さく泣きだしました・・・

以前、花怜が傍にいて欲しいの意味が少しだけ分かった気がします。

私とことりは悠里君が泣きやむまで手を握っていました・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で1期11話は終わりです。
少しだけ悠里の本音を出してみました。
正直どうゆう風に終わらせるか悩みました。
次回は1期12話の『ともだち』の回です。
頑張って執筆しますのでよろしくお願いします。


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第30話 更なる悲劇

ゆるポメラです。
今回は1期12話の『ともだち』の回です。
上手くできるか不安ですが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


「申しわけありませんでした!」

 

僕が頭を下げると、みーちゃん達も頭を下げる。

 

「あなた達何言ってるの・・・?」

 

ほのちゃんママが笑っていた。

笑う要素あるかな・・・

 

「どうせ、あの子ができるできるって言って背負い込んだんでしょ?昔からそうなのよね。」

 

確かにそうだけど今回は僕が悪い・・・

 

「で、でも・・・」

「大丈夫よ。それより退屈してるみたいだから上がってって?」

 

ほのちゃん病人だよね?

 

「・・・分かりました。じゃあ僕達2年生と3年生で行ってくるから

凛ちゃん達1年生は外で待ってて?」

 

大人数で行くわけにもいかないので6人で向かう事になった・・・

 

「穂乃果!」

「穂乃果ちゃん!」

「あ、海未ちゃん。ことりちゃん。やっほー!」

 

部屋に入ってみるとプリンを食べてる

ほのちゃんがいた。

マスクを顎まで下げ、額には冷えピタを貼っていた。

 

「風邪だからプリン3個食べていいって!」

 

テーブルを見ると空の容器が2つある。

 

「まったく心配して損したわ」

「お母さんの言う通りやね。」

 

にこさん、希さんが安心したのか

ほのちゃんの近くに座る。

 

「・・・足の怪我、大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。軽く挫いただけだって」

 

足には包帯が巻かれていた。

ほのちゃん曰く日常生活には支障はなく

数日すれば治るらしい。

 

「ほのかちゃん本当にごめんなさい!」

「ゆ、ゆうちゃん!?」

 

僕は、ほのちゃんに土下座をした。

急な行動に、ほのちゃんだけでなく

周りのみんなも驚いてた・・・

 

「穂乃果のほうこそごめんなさい!」

「・・・何で?。僕が悪いのに」

「私、ゆうちゃんに酷い事言っちゃったから・・・」

「違うよ。ほのかちゃんは事実を言っただけだから悪くないよ。」

「それは違います。」

「「え?」」

 

・・・みーちゃん?

 

「穂乃果は頑張りすぎたんです。オーバーワークしている穂乃果に気がつかなかった私達の責任があります。だから悠里君も自分ばかり責めないでください・・・」

 

・・・でも。

 

「それで学校にはいつ来れそうなの?」

「明日には行けると思うよ。心配させてごめんね絵里ちゃん。」

「そう。なら良かったわ・・・」

 

すると、ほのちゃんは・・・

 

「うん。それでね短いのでもいいから、もう1回ライブできないかな?」

 

ほのちゃんの言葉に全員の顔が難しくなった・・・

 

「・・・えっと、埋め合わせって言うのかな?。出場グループ決定まで、まだ少しあるでしょ?」

「ほのかちゃん・・・」

「ゆうちゃん?」

 

これから僕が言う事は、まだ知らない

ほのちゃんには辛い一言になる。

だから僕は・・・

 

 

 

 

 

「・・・μ'sはラブライブ出場を辞退する事になったから」

 

 

 

 

 

 

「・・・辞退って」

 

ほのちゃんが驚愕の表情で口にした言葉だった・・・

絵里さんが理由を説明する。

 

「昨日、理事長に無理しすぎたんじゃないかって。こういう結果を招くために、アイドル活動をやってたのかって。」

 

南先生の言いたい事は僕にも分かる。

僕も一緒に聞いてたから・・・

 

「・・・もうランキングにμ'sの名前は無いわ」

 

ほのちゃんはカタカタと震えてた。

そして・・・

 

「穂乃果のせいだね・・・。こんな事って・・・」

「誰が悪いなんて言い合ってる暇は無いわよ」

「えりちの言う通りやね」

 

これからどうなってしまうのか

僕は不安で仕方なかった・・・

 

 

 

 

 

 

ーー翌日ーー

 

 

 

 

 

 

ほのちゃんは無事に登校して来た。

だけど明るく振る舞っても落ち込む時があった。

・・・まるで、()()()()()()()()()と同じだった。

少しでも元気になって欲しいと思い、

僕は、みーちゃん、ことちゃんを連れて購買に行く事にした。

途中、掲示板前で人だかりができていたので

気になって見てみると、

そこに書かれていたのは・・・

 

 

 

 

 

『来年度入学者受付のお知らせ』

 

 

 

 

 

 

 

 

と書かれていた・・・

 

「「「「ええええ!?」」」」

 

これが掲示板にあると言う事はつまり・・・

 

「嘘・・・」

「穂乃果、やりましたね!。」

「穂乃果ちゃん!」

 

3人共、泣きながら喜んでた・・・

 

「僕、理事長室に行って来るね。」

「ゆうちゃん、これからパーティーするのに?」

「・・・え?。いつの間に、そんな話になったの?」

「ちょうど悠里君が考えごとをしてた時です・・・」

「・・・全然気づかなかった。」

「あはは・・・」

 

まあ南先生に聞くだけだし・・・

 

「じゃあ先に部室で待ってて?」

「うん!。分かった!」

 

 

 

 

ほのちゃん達と一旦別れ、僕は理事長室に来ていた。

 

 

 

 

 

ーーコンコンーー

 

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

 

南先生の声がしたので中に入る。

 

「・・・失礼します。」

「悠里くん、どうしたの?」

「個人的に聞きたい事があって・・・」

 

すると南先生は「せっかくだから座ったら?」と

ソファに促した。

とりあえず座る事にした。

 

「それでどうしたの?」

「・・・廃校にならなくて良かったですね。」

「そうね。悠里くんのおかげよ。」

「僕、何もしてないんですけど。それで転校っていつなんですか?」

「あら?。どうして?」

「だって廃校が無くなったと言う事は、共学する意味が無くなったって意味なんじゃ・・・。」

 

すると南先生は僕が言いたい事を理解したのか

笑いながら・・・

 

「大丈夫よ♪、悠里くんは転校しなくても♪」

「・・・え?。なんでですか?」

「大人の事情よ♪」

 

(絶対、瑠花さんと2人で職権乱用か何か使ったな・・・)

 

すると南先生は真面目な顔になり・・・

 

「瑠菜ちゃんから藍里の事、聞いたわ・・・」

「・・・そうですか。」

「どうして黙ってたの?」

「下手したら瑠花さんや南先生にも被害が及ぶかもしれないと思って」

「ルカも知らないの?」

「・・・全部は知らないと思います。僕自身が話すと約束したんで」

 

南先生は溜息をつき

 

「もう。まるで藍里と話してるみたいだわ・・・」

「・・・母さんと?。瑠花さんにも同じ事言われました。」

「あら。ルカにも言われたの?」

「はい。あの、昔の母さんって・・・」

「藍里はね。昔から自分より他人を優先する子で、一度決めたらやるって感じだったわ。悠里くんが生まれてからは、自分を大事にするようになってたけど・・・」

 

確かに母さんは自分の事より僕の事を優先してた・・・

僕も人の事言えないけど・・・

この後も南先生と話して、僕は理事長室をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー部室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にっこにっこにー!みんな、グラスは持ったかな?」

 

・・・持ってますよ。紙コップという名のグラス。

 

「思えば、μ'sが結成されて私が部長になってどれほどの月日が流れたのであろうか」

 

うん。長くなりそうなので

僕は近くにいた凛ちゃんに合図を送り・・・

 

「「「「「かんぱーい!」」」」」

「ちょっと待ちなさいよ!」

 

にこさん。すみません挨拶が長いです・・・

そしてパーティーを楽しんだ・・・

 

「ごめんなさい。みなさんに少しお話があります。」

 

みーちゃんの声にみんな静まった。

みーちゃんの表情は真剣で、隣に座っている

ことちゃんを見ると落ち込んだ様子だった・・・

今から話す内容は良い話ではないと僕は確信した・・・

 

「突然ですが、ことりが留学します。2週間後に日本を発ちます。」

 

 

 

 

・・・え。

 

 

 

「前から服飾の勉強がしたくて、そしたらお母さんの知り合いの学校の人が、来てみないかって・・・」

 

僕が、みーちゃんを見ると

「本当です。」と言うように頷いてた。

・・・あれ?

ことちゃんが元気がなかった理由って・・・

 

「・・・どうして言ってくれなかったの?」

「だから、学園祭があったから・・・」

「・・・海未ちゃんは知ってたんだ」

「そ、それは・・・」

「・・・ことりだって言おうとしたよ、何度も、何度も!!」

 

ことちゃんは涙を流しながら・・・

 

「でも穂乃果ちゃんは・・・。ラブライブに夢中でライブに夢中で、話そうとしたけど話せなかったんだよ?。何度も言おうとしたよ、相談に乗って欲しかった。だから、ライブが終わった時に言おうとしたけど、あんな事になっちゃって・・・。聞いて欲しかったよ。1番に相談したかったのに!ずっとそばにいた友達だよ!?そんなの、そんなの当たり前だよ!」

 

そう言って、

ことちゃんは部室から飛び出して行った・・・。

 

「ずっと・・・。行くかどうか迷っていたみたいです。いえむしろ行きたがってはいるようには見えませんでした。ずっと穂乃果を気にしてて・・・。穂乃果に相談したら、なんて言うかって・・・。黙っているつもりはなかったんです」

 

みーちゃんは、ほのちゃんに説明し

頭を抱えながら椅子に座った。

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()()())

 

僕は、みーちゃんに・・・

 

「・・・()()()()()

「え?」

()()()()()は行きたがっているようには見えなかったんだよね?」

「は、はい・・・」

「・・・それが聞ければ十分だよ」

 

僕は確信した事がある為、部室をあとにする前に

呆然としていた、ほのちゃんに・・・

 

「・・・()()()()()、自分を責めないで。」

 

伝わったかは分からないけど

僕は部室をあとにし、行動を移す事にした。

・・・僕の事がバレるかもしれないけど。

 

(残り2週間がタイムリミット。問題は、ほのちゃんが・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼休み。ことり以外のみんなで屋上に集まりどうするか

話合う事になりました・・・

 

(あの時、悠里君が私達を呼んだ時・・・)

 

ことりが留学する事を打ち明けた時、

悠里君は私の事を『みーちゃん』、ことりを『ことちゃん』。

そして穂乃果の事を『ほのちゃん』と呼んでいました。

この呼び名は何処かで聞いた事があります・・・

それも、かなり大事な・・・。

 

「・・・ライブですか?」

 

悠里君の一言で我に返りました。

考えごとをしてしまったみたいです・・・

 

「そうよ、ことりがいなくなる前に全員でライブやろうって」

「あとでことりちゃんにも言うつもりよ?」

「思いっきり賑やかなライブにして、ことりちゃんの門出を祝うにゃ!!」

「はしゃぎ過ぎないの!」

 

みんな、ことりの為にライブをしようと考えてくれました。

・・・私だって本当は、ことりに行って欲しくないです。

悠里君を見てみると、穂乃果の事を心配そうに見ていました。

しかし表情は、あまり良くないです。

まるで「嫌な予感しかしない」という表情・・・。

すかさず私は穂乃果に・・・

 

「まだ落ち込んでいるのですか?」

「私が周りを見ていれば、こんな事にはならなかった。」

「・・・ほのかちゃんはそれでどうしたいの?」

 

悠里君は穂乃果が今から何を言うか分かるかのように

確認するかのように問うと・・・

 

「・・・辞めます。」

 

ほ、穂乃果・・・!?

 

「私、スクールアイドル辞めます。」

 

悠里君以外は驚きを隠せませんでした。

 

「・・・ほのかちゃん本気で言ってるの?」

「・・・。」

 

悠里君の質問にも答えず

穂乃果は屋上を出る。

 

ドアノブに手を掛けようとした瞬間

私は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果の頬を叩きました。

 

 

 

 

 

「・・・あなたがそんな人だとは思いませんでした。」

 

 

今の穂乃果は最低です。

 

 

 

「最低です・・・。あなたは最低です!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




1期12話は今回で終わりです。
次回は1期最終回に向けて
オリジナルの回を執筆しようと
思います。
最初は、ことりちゃんメインでやろうと
思います。
ことりちゃん視点を多く書こうと
思いますので、よろしくお願いします。


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第31話 『ことちゃん』

ゆるポメラです。
今回は1期13話の『μ'sミュージックスタート!』の回です。
サブタイ通り、ことりちゃん視点です。

それではどうぞ。



僕は今日、ある事を

する為に準備をしています。

 

「・・・よし!」

 

準備ができたので

僕は、ある場所へと向かった・・・

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

「穂乃果ちゃんと海未ちゃん。どうしてるかな・・・」

 

みんなに留学する事を打ち明けて以来、

私は学校に行ってない。

今日も1人で留学の準備をしていた・・・。

 

(でも本当は・・・)

 

私は、ずっと迷っていた・・・

 

 

 

 

ーーピンポーンーー

 

 

 

 

突然、玄関のチャイムが鳴った。

お母さんはいないし、ことりが出るしかなかった。

時計を見ると、時刻は午前10時だった・・・

 

(こんな時間に誰なんだろう・・・)

 

疑問に思いながらもドアを開けると・・・

 

「・・・おはよう?」

「え!?」

「・・・ことりちゃーん?」

 

そこには私服姿の

ゆーくんがいました。

 

「ゆ、ゆーくん!?。が、学校は!?」

 

この時間は、ゆーくん達は学校で授業中のはずなのに。

 

「その質問には、ちゃんと答えるから。今から2人で出かけよ?」

「で、でも・・・」

「ちなみに、()()()()()に拒否権はありません♪」

「えええぇぇぇ!?」

 

ゆーくんが今日は強引な気がします。

それに私の事を()()()()()って・・・

聞きたい事もあるので私は・・・

 

「準備してくるから待ってて?」

「・・・分かったー。」

 

準備が終わり玄関に戻ると・・・

 

「お、お待たせ///」

「わー。私服似合っているよ。」

「!?///。あ、ありがと///」

 

すると、ゆーくんは

ことりの手を繋ぎ・・・

 

「じゃあ行こっか。()()()()()!」

「ふえぇぇ~!?///」

 

 

 

 

 

歩いている途中

私は、ゆーくんに・・・

 

「ゆーくん、さっきの事なんだけど・・・」

「・・・学校の事?」

「うん。」

「サボった。」

「・・・えっ!?」

 

・・・今、ゆーくんサボったって言ったよね!?

ことりの聞き間違いじゃないよね!?

 

「・・・ちなみに南先生の公認だよー。」

「お、お母さんの!?」

「ことちゃんが留学の事をみんなに言った日、覚えてる?」

「うん・・・」

「実は、あの後許可を貰いに行ったんだ。」

 

でもどうして?

 

「・・・ことちゃんが迷ってたから。」

「え?」

「しんみり空気終わり。今日は楽しもう!」

 

何だろう・・・

いつもと違う・・・

 

「ところで何処に行くの?」

「・・・僕のお気に入りの場所かな?」

 

ゆーくんは嬉しそうに微笑んでいました。

でもこれって・・・

 

(よく考えたらデ、デートだよね・・・///)

 

「ことちゃん?」

「な、何でもないよ///」

「・・・ならいいけど。」

 

目的地に着くまで

ゆーくんの顔が見れませんでした・・・///。

 

「着いたー、着いたー♪。」

「遊園地・・・?」

 

着いた場所は遊園地だった。

でも平日な為、あまり人がいない・・・。

 

「思い出の場所なんだよー。」

「そうなの?」

「うん♪。ことちゃん行こっ♪」

「う、うん。」

 

ゆーくんの口調が変わった・・・

今まで見たことないくらいの明るさだった。

 

 

 

 

 

ーー遊園地、園内ーー

 

 

 

 

 

 

 

「最初、どこに行きたい?」

「えっと・・・」

 

入って思った事があるのですが

ここの遊園地は普通の遊園地と違う所がありました。

遊園地なのにデパートがあったり、お花畑があったり

よく見ると、リスがいました・・・

もう1つ思った事が・・・

 

(ことり、この遊園地に来るの初めてじゃない・・・)

 

「じゃ、じゃあ。あそこの洋服屋さん行きたい・・・」

「じゃあ、ことちゃん行こっ!」

「ゆ、ゆーくん!?///」

 

本当に、ゆーくん。どうしたんだろ・・・

 

『ことちゃんー。』

『ゆーくん~。まってよ~』

 

(・・・今の光景は何?)

 

突然、幼いころの私が出てきて

ことりは戸惑ってしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ~・・・」

 

店内に入ってみると、たくさんの洋服がありました。

しかも普通の店とは違い季節ごとの服が並んでいました。

 

「と言う訳で・・・」

「ゆーくん?」

「ことちゃんの服を選ぼう♪」

「えええぇぇぇ~!?」

「・・・どうしたの?」

「ゆーくん、どうしたの!?。なんか今日変だよ!?」

「・・・そう?」

 

いくら何でも今日の

ゆーくんは変と言うより積極的というか・・・

 

「うーん。ことちゃんに似合いそうな服は・・・」

 

ことりが考えている間にも

ゆーくんは服を選んでいました。

 

 

 

ーー数時間後ーー

 

 

 

 

 

「ゆーくん洋服ありがと///」

「気にしないで♪。ことちゃんが喜んでくれたならそれで良いよ♪」

 

あの後、ゆーくんに何着か洋服を買ってもらいました。

選ぶ時、すごく楽しそうだったのが印象的だった。

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()())

 

・・・あれ?

ことり今何て・・・

 

「ことちゃん。お腹すいてない?」

 

時計を見ると、12時30分だった。

 

「でも、どこで食べるの?」

「・・・えへへ♪。こっちこっち♪。」

 

ゆーくんに連れられて来た場所は

お花畑の近くにあったレストランだった・・・

 

「ことちゃんの大好きなチーズケーキもあるよー♪」

「えっ///。何で知ってるの!?///」

「・・・昔自分で言ってたじゃない。」

「えっ・・・」

 

 

『ことちゃん。チーズケーキ好きだよねー。』

『うん♪。ことり、ここの遊園地来るときの楽しみだもん♪』

 

(ま、また・・・)

 

「じゃあ入ろう。僕もお腹すいたし」

「う、うん・・・」

 

メニューを見てみると

洋食、ケーキ、デザート、季節限定メニューなど

種類が豊富でした。

 

「どれにしようかなー♪」

 

ゆーくんは目をキラキラさせながらメニューを

見てました。

ことりも迷うな・・・

 

「ことちゃん決まった?」

「え、えっと。じゃあ季節限定メニューで」

「ちなみにデザートのチーズケーキ1ホールに変更も可能なんだよー」

「そ、そうなの?」

「ことちゃんがやりたかった事ができるけど、どうする?」

「や、やる・・・///。」

「あ、南先生には内緒ね?」

「え、なんで?」

「昔から南先生に「ことり、それはダメよ!」って言ってたし・・・」

 

ゆーくんは苦笑いしながら

「まあ僕も母さんに言われてたけどね?」と言いました。

やっぱり私・・・

 

 

『ふええん~。チーズケーキ1ホール~。』

『ことちゃん泣かないで?。僕達が大きくなったら2人で来よう?』

『・・・ぐすん。ゆーくんと2人で?』

『うん!。あれ?。・・・嫌だった?』

『ううん///。ゆーくんと一緒に行きたい!///』

『じゃあ。約束だね。』

『うん!///。』

 

 

 

 

(・・・あ。)

 

 

 

 

 

 

その後、ゆーくんと色々な所に回りました。

夕方になり最後に観覧車でも乗って帰ろうと

言い、今は2人で観覧車に乗っています。

 

「やっぱりここの観覧車は景色がいいなー♪」

「・・・どうして」

「ことちゃん?」

「どうして学校をサボってまで、ことりを誘ってくれたの?」

 

すると、ゆーくんは真面目な顔になり・・・

 

「ことちゃん本当は留学行きたくないんでしょ?」

「そ、それは・・・」

「昨日さ。みーちゃんが、ほのちゃんを平手打ちしたんだ。」

「ど、どうして・・・」

「ほのちゃんがスクールアイドル辞めるなんて言ったから。」

「う、嘘・・・」

「僕は多分、自分の気持ちに嘘をついてたから、みーちゃんも叩いたんだと思う」

 

(やっぱり、ゆーくんは・・・)

 

「3人共、頑固な所あるしね・・・」

「あ、あの・・・」

「迷ってるんでしょ?。僕だって留学なんか行って欲しくないよ・・・」

「えっ・・・」

「ことちゃんの性格だから心配かけたくないと思ったんでしょ?」

 

ゆーくんは優しく問いかけるように聞いてきました。

 

「こ、ことりは・・・」

「辛いなら、僕が何とかするよ。」

「・・・えっ?」

「僕は、ことちゃんの味方だし何より・・・」

 

ゆーくんは笑顔で・・・

 

3()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

その言葉を聞いた私は嬉しくて泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は僕のワガママに付き合ってくれてありがと。」

「ううん。ことりも楽しかった///」

「それなら良かった。」

 

ことりの家まで送ってくれた

ゆーくんは嬉しそうだった。

まるで「帰るまでが遠足だよ」みたいな

そんな笑顔だった・・・。

 

「じゃあ僕は、帰るね。」

「あ、あの・・・!」

 

言わなきゃ、ゆーくんに・・・

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「えっ///」

「じゃあバイバイ。ことちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆーくんが帰ったあと

ことりは自分の部屋で今日の事を思い返してた・・・

 

 

 

 

 

 

 

「思い・・・。出した・・・。」

 

 

 

 

 

ことりは以前、瑠菜ちゃんが

『ゆうくんの事を思い出してあげて?』

の意味が分かりました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ひっく!!。ゆーくん今までゴメンね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日。ことりは、ゆーくんの事を思い出し

ずっと泣いていた・・・

 

 

 

 




ことりちゃん回、終了です。
次もオリジナルです。
次回は海未ちゃん視点です。
頑張って執筆しますので、
よろしくお願いします。


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第32話 『みーちゃん』

ゆるポメラです。
前回の予告通り
今回は海未ちゃん視点です。

それではどうぞ。


初の学校をサボってからの翌日。

 

(やっぱり、ほのちゃん避けてるな・・・)

 

スクールアイドルを辞めると宣言した

その日から、ほのちゃんは

みーちゃんを避けるようになった。

現在、μ'sは活動を休止しています。

 

「初めて、本気で怒鳴ってたしなぁ・・・」

 

みーちゃんの性格上、手をあげる事までは

絶対にしないからなぁ。

・・・余程の事がない限り。

 

(ことちゃんが仲裁してたから・・・)

 

・・・そう。

毎回、ほのちゃん、みーちゃんが

喧嘩みたいな事すると決まって、

ことちゃんが仲裁役をやっていた。

 

(放課後、弓道部に寄ろう・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は、これからどうすれば・・・」

 

あの時、穂乃果を叩いてしまった事を

謝りたい・・・

でもどうやって・・・

 

(ことりが留学・・・)

 

ことりが元気がないと悠里君に言われて、

理由を聞かされた時はショックでした。

悩みに気づかないなんて親友失格です。

 

「・・・また外してしまいました。」

 

μ'sの活動を休止してから

私は弓道部の方にも出てみましたが

調子がでません。

 

「・・・うみちゃん?」

 

私を呼ぶ声がしたので

振り返ると・・・

 

「・・・悠里君?」

「顔色悪いよ。大丈夫?」

 

どうやら顔に出てしまったみたいですね・・・

 

()()()()()の事、気にしてるんでしょ?」

「・・・え?」

「やっぱり」

 

すると悠里君は・・・

 

「・・・自主練?」

「はい。今日は部活ないですから・・・」

()()()()()

 

・・・え?

 

「今から2人で出かけよ?」

「は、はい!?///」

「ちなみに拒否権ないから♪」

 

ゆ、悠里君、

私の事、()()()()()って・・・

せっかくの誘いなので

 

「帰り支度するので待っててください」

「・・・じゃあ外で待ってるね?」

「わ、分かりました。」

 

 

 

 

悠里君、一体どうしたんでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました」

 

すると悠里君は私の手を繋ぎはじめ・・・

 

「ゆ、悠里君!?///」

()()()()()行こっ!」

 

・・・うぅ///。

は、恥ずかしいです///

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで今から何処に向かうのですか?」

「・・・僕が落ち込んだ時、毎回行ってる場所かな。」

 

(悠里君、楽しそう・・・)

 

「あ、着いた着いた♪」

「水族館・・・?」

 

悠里君に案内されて来たのは

水族館でした。

それにしては人が、あまりいない気が・・・

 

「みーちゃん♪。早く行こう♪」

「は、はい///」

 

悠里君の口調が・・・

それに雰囲気が明るくなった?

 

 

 

 

 

ーー水族館、館内ーー

 

 

 

 

 

 

 

「・・・綺麗。」

 

入ってみて思った事が

普通の水族館と違う所がありました。

天井はプラネタリウムになっており

ペンギンの子供が私達をお出迎えしてくれました。

もう1つ思った事が・・・

 

(私、ここに来た事あるような気が・・・)

 

「やっほー♪、遊びに来たよ♪」

「悠里君、ペンギンの言葉が分かるんですか!?」

「長い事ここに来てるから、なんとなくだけどね?」

 

「みんなには内緒ね?」と笑いながら

私に言いました。

 

「えっと。みーちゃんと来たら、まずあそこだな♪」

「あ、あの悠里君?」

「どしたの?」

「あ、あの・・・///」

 

すると悠里君は私の言いたい事が分かったのか・・・

 

「・・・えっと、嫌だった?」

「い、嫌じゃないです///。」

「みーちゃん♪、早く行こっ♪」

 

 

 

 

『みーちゃんー。こっちこっちー!』

『悠里君~。まってくださ~い。』

 

 

(どうして小さい頃の私が・・・)

 

突然、小さい頃の私が出てきて

戸惑ってしまった・・・

 

 

 

 

「あ、熱帯魚の種類が増えてる!」

「そうなんですか?」

「うん。前は3種類しかいなかったから。」

「ここにはいつも1人で?」

「1人での時もあるけど何より・・・」

 

悠里君が何か言いづらそうな・・・

 

()()()()()()2()()()()()()()()()()♪」

「・・・えっ///」

 

ど、どうしましょう・・・///

私また・・・。

 

「みーちゃん、この近くにカフェがあるんだけど行かない?」

「ここ水族館ですよね?」

「実はあるんだなー♪。これが♪」

 

悠里君に手を引かれ

やって来たのは広いカフェだった。

 

「みーちゃんは座って待ってて?」

「はい。あの・・・」

「炭酸飲料以外でしょ?」

「ど、どうしてそれを!?///」

「あの時の、みーちゃん凄かったから・・・」

 

 

 

『みーちゃん、コーラとか苦手なのー?』

『シュワシュワ感がキライです・・・』

『お顔、すごいことになってるよー?』

『そ、そんなことないです///』

 

 

(ま、またです・・・)

 

「さっきの光景は一体・・・」

 

すると悠里君が帰ってきました。

 

「はい♪。みーちゃん♪」

「この飲み物は何ですか?」

「オレンジジュースだよ。」

「その割には色が赤いですね?」

「あぁ。それは、カシスオレンジっていうんだよ」

「カシスオレンジですか?」

「うん♪。みーちゃんが好きなやつだったから♪」

 

飲んでみると、変わった味でした。

柑橘系の味もちゃんとしてます。

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()())

 

・・・え?

私、今・・・。

 

「ねぇ。みーちゃん!」

「何ですか?。悠里君?」

「この後、おもしろい物見れるよ?」

「おもしろい物?」

「ちょっと移動するけど大丈夫?」

「は、はい。」

 

移動したのは水族館の屋上でした。

 

「着いたー♪」

「風が気持ちいいです・・・」

「・・・あ、そろそろかな?」

「何がですか?」

 

悠里君は私に時計を見せてきました。

時刻は、午後16時45分でした。

 

「みーちゃん。あれ見てみて!」

 

悠里君が指をさした方を見てみるとそこには・・・

 

「・・・すごく綺麗です///」

 

壮大な夕日が辺りの海を照らしていました。

幻想的な光景でした。

 

「この景色を、みーちゃんに見せたかったんだー♪」

「・・・私にですか?」

「うん!。昔みーちゃん、門限とかあったからさ。この時間帯でないと見れないんだ」

 

(この景色を見せる為に、わざわざ・・・)

 

すると悠里君が真面目な顔になり

 

「本当は、みーちゃんが一番辛いんでしょ?」

「え?」

「ほのちゃん、ことちゃんと離れ離れになるのが怖い?」

「・・・怖いです。だって2人は」

「初めて誘ってくれた友達だからでしょ?」

 

悠里君は優しく聞いてきました。

 

「ほんとにもう。世話のかかる()()()()・・・。」

 

悠里君、今私達の事・・・

 

「・・・安心して。」

「悠里君・・・?」

 

悠里君は、これまでにない笑顔で・・・

 

 

3()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

私は、その言葉が嬉しくて泣いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの///。家まで送ってくれてありがとうございます///」

「僕が誘ったんだし気にしないで?」

「あ、あの///。悠里君・・・///」

 

言わなきゃいけません・・・

 

 

()()2()()()()()()()。」

「あっ///」

「また明日ね。みーちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君が帰ったあと

私は自分の部屋で水族館での出来事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、私・・・。」

 

 

 

 

 

 

急激に思い出した幼い頃の記憶・・・

そしてティアが以前、私に言った事。

 

『ユーリの事思い出してあげて?』

 

その意味を完全に理解した・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・っ!!。悠里君、い、今まで・・・、ゴメンなさい・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日。私は悠里君の事を完全に思い出し

ずっと泣き崩れていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




海未ちゃん回、終了です。
次もオリジナルです。
最後は穂乃果ちゃん視点です。
上手くできるか不安ですが
次回も、よろしくお願いします。


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第33話 『ほのちゃん』

ゆるポメラです。
前回の予告通り
最後は穂乃果ちゃん視点です。

それではどうぞ。


ことちゃんが留学する日まで

今日を入れて残り2日・・・

 

(あとは、ほのちゃんだけ・・・)

 

僕は今日の放課後、

ほのちゃんに声をかけようと思った。

 

(・・・上手くいけばいいけど。)

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰ろうかな・・・」

 

あの日以来、海未ちゃんとも

話さなくなってしまった。

穂乃果、何がしたいんだろ・・・。

 

「・・・ほのかちゃん」

「え?」

 

席を立とうとしたら

ゆうちゃんに声をかけられた。

 

「今から2人で遊ぼ?」

「う、うん・・・。」

「わーい♪」

 

ゆうちゃん嬉しそう・・・

すると穂乃果の手を繋ぎ

 

()()()()()早く行こっ!」

「え?、えっ!?///。ゆうちゃん!?///」

 

今、穂乃果の事、()()()()()って・・・

ゆうちゃんに連れられるまま学校をあとにした。

 

 

(・・・ゆうちゃん一体どうしたんだろう?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今から何処に行くの?」

「・・・うーん。思い切り遊べる場所かな」

 

そう話してる内に目的地に着いたみたい。

 

「はい。着いたよー♪」

「アミューズメントパーク・・・?」

 

ゆうちゃんが連れてきてくれたのは

アミューズメントパークだった。

人が、あまりいないな・・・・

 

「ほのちゃん♪。今日は遊ぶよ♪」

「え?。う、うん。」

 

ゆうちゃんの口調が変わってる・・・

しかも明るくなった?

 

 

 

 

 

 

ーーアミューズメントパーク、内部ーー

 

 

 

 

 

 

 

「わあー。凄い!」

 

 

入ってみて思ったのが

普通のアミューズメントパークと違い

レーシングカートがあったり、スーパーもあったり

カプセルホテルみたいな物がありました。

もう1つ思った事が・・・

 

(穂乃果、この場所初めてじゃない気がする・・・)

 

「最初はどれで遊ぶ?」

「じゃあ穂乃果、あそこのボウリングやりたい!」

「オッケー♪。ほのちゃん行こっ!」

 

 

 

『ほのちゃんー。おいてくよー?』

『ゆうちゃん~。まって~。』

 

 

(い、今のは・・・)

 

 

突然、ちっちゃい頃の穂乃果が出てきて

戸惑ってしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 

「やったー!。またストライクー!」

「4回連続ストライクって平気で出せるもんなの!?」

「次!。ゆうちゃんね?」

「・・・何だろう、ほのちゃんに勝てる気がしない」

「ファイトだよ!」

「・・・よし!。頑張る!」

 

ちなみに穂乃果と、ゆうちゃんの結果は・・・

 

「結局。ほのちゃんの勝ちだったねー」

「でも、ゆうちゃんだって連続でスペア出してたじゃん!」

「あははー。次どこに行く?」

「えっと・・・」

 

 

・・・ぐぅ~。

 

 

 

「・・・おやつ食べに行こうか?」

「う、うん・・・///」

 

 

ゆうちゃんの前で恥ずかしいよ///

 

 

 

 

 

 

 

「穂乃果、どれ食べようかな?」

「ほのちゃんが食べたいやつでいいんじゃない?」

「あーん!。迷うよー!」

「・・・どれと迷ってるの?」

 

ゆうちゃんが穂乃果の近くにきました。

ど、どうしよう///

ゆうちゃんと肩が密着してるよ・・・///

 

「・・・両方頼む?」

「えっ?///」

「注文してくるから待っててー。」

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()())

 

 

・・・あ、あれ?。

穂乃果、今何て言ったの・・・

 

「ほのちゃんー。お待たせー♪」

「あ、ありがと///。ゆうちゃん・・・///」

「気にしないでー♪」

 

ゆうちゃんが買ってきてくれたのは

イチゴのクレープとイチゴパフェだった。

 

「穂乃果が頼んどいてなんだけど、イチゴの量多いね・・・」

「それ言っちゃう?」

「だって両方食べたかったんだもん・・・。」

「ほのちゃんらしいねー。」

「もぅー///。笑わないでよー///」

「ごめんごめん。」

 

 

 

 

 

 

 

『ほのちゃんのデザート、イチゴがいっぱいあるー』

『えへへー♪。両方食べたかったんだー♪』

『あはは。ほのちゃんらしいなー』

『ゆうちゃん、笑わないでよー///』

『えへへ。ごめんごめん。』

 

 

 

(な、何でまた・・・)

 

 

 

「ほのちゃん、食べたらゲームコーナーに行こうよ!」

「うん!」

 

穂乃果達2人はゲームコーナーにやって来た。

急に、ゆうちゃんが・・・

 

「僕、ほのちゃんとダンスゲームで勝負したい!」

「え?。な、何で?」

「特に理由はないよー♪」

「わ、分かった・・・」

 

今は、あまりやりたくないけど

ゆうちゃんの頼みで勝負する事になった・・・。

 

 

 

 

 

「ま、負けちゃった・・・。流石アイドル・・・。」

「やったー!。穂乃果の勝ちー!」

 

(やっぱり穂乃果は・・・)

 

 

「・・・ねぇ。ほのちゃん。」

 

ゆうちゃんが真面目な顔になりながら・・・

 

「本当はスクールアイドル続けたいんでしょ?」

「ち、違っ・・・」

「今回のは、ほのちゃんは悪くないよ。」

「・・・え?」

 

どうして?

だって穂乃果のせいで

ことりちゃん、海未ちゃんが・・・

 

「みーちゃん、ほのちゃんに謝りたいって言ってたよ。」

 

・・・海未ちゃんが?

 

「ことちゃん、本当は留学したくないって。」

「・・・ことりちゃんが?」

 

ゆうちゃんは更に続けるように・・・

 

「僕が気づかないと思った?。3人共、分かりやすいよ。」

「で、でも穂乃果は・・・」

 

「謝るのが怖い」って言おうとした次の瞬間、

ゆうちゃんに抱きしめられた・・・

 

「ゆ、ゆうちゃん?」

「ほのちゃんの本当の気持ちはどっち?」

「・・・辞めたくない。」

 

知らず知らずの内に泣いていた。

 

「・・・大丈夫」

 

ゆうちゃんを見ると穂乃果を安心させるような笑顔で・・・

 

 

3()()()()()()()()()()()()()()()()()

「う、うわぁあああん!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、穂乃果は嬉しくて

ゆうちゃんの胸の中で泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほのちゃん楽しかった?」

「うん!///」

「明日、大丈夫そう?」

 

ゆうちゃんが言っている意味は、

海未ちゃん、ことりちゃんの事だと思う。

だから穂乃果は・・・

 

「うん!。やるったらやる!」

「そっか。明日、頑張ってね。」

 

あ、ゆうちゃんが帰っちゃう・・・

 

「ゆ、ゆうちゃん!」

 

 

伝えなきゃ・・・

 

 

 

()()()()()()()。」

「えっ・・・///」

「ありがとね。ほのちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんが帰ったあと

穂乃果は自分の部屋で海未ちゃんにメールを

送ったあと、明日の事、そして今日の事を考えていた

次の瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あぁ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

花怜ちゃんが以前、

穂乃果に言った事・・・

 

 

『ゆうり君の事。思い出してあげて?』

 

 

フラッシュバックした穂乃果の小さい頃の記憶。

・・・何で?

・・・どうして?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今頃になって思い出すの・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ううっ、うぅ!!。」

 

 

 

 

 

 

・・・穂乃果。最低だっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ゆ、ゆうちゃん、今まで本当にゴメンね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日。穂乃果は、ゆうちゃんの事を

完全に思い出すと同時に

酷い後悔に襲われた・・・

穂乃果の涙は、ずっと止まらなかった・・・

 




穂乃果ちゃん回、終了です。
次回は1期13話、最終回です。
最後まで頑張りますので
よろしくお願いします。


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第34話 9人の女神は再び歩き出す・・・

ゆるポメラです。
今回で1期は最終回です。
少し短いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


ことちゃんが留学する当日。

僕は、ほのちゃん、みーちゃん以外の6人

・・・つまり1年生組と3年生組に

ある事を伝えてある。

その内容は・・・

 

 

『講堂でμ'sの復活ライブを行う事』

 

 

 

絵里さんと希さんにステージの場所を任せ、

にこさんには、凛ちゃん達1年生にダンスの

復習を任せてある。

みんな、9人でまた一緒にライブをしたいと

いう気持ちが伝わってた。

後は・・・

 

「・・・ほのちゃん次第だよ。」

 

屋上で座りながら呟く

僕がやれる事はやった。

きっと3人で笑える日が来るのは近いと思う。

・・・何故かって?

 

(ほのちゃんの目に迷いが無かった・・・)

 

『やるって言ったらやる!』・・・。

この言葉を口にしたら、とことん最後まで

やるっていう・・・

ある意味、ほのちゃんにしかできない事だ。

そんな事を考えていたら、ほのちゃんとみーちゃんから

メールが届いた・・・

 

「仲直りできたんだ・・・」

 

みーちゃんからのメールの内容は・・・

 

 

 

 

 

 

 

件名:ありがとう・・・

 

悠里君のおかげで穂乃果に謝る事ができました。

今、穂乃果は空港に向かっています。

先程、絵里と希から復活ライブをすると聞きました。

衣装は、どうすればいいと思いますか?

 

 

(復活ライブと言えば・・・)

 

僕はすぐに

みーちゃんにメールを返信した。

 

 

 

 

 

 

件名:僕は何もしてないよ

 

制服でいいんじゃないかな?

みんな音ノ木坂の生徒なんだし、

復活ライブにはピッタリの衣装だと

僕は思うよ?

 

 

するとメールが来て

採用されました・・・

他のみんなも賛成みたい。

 

(ほのちゃんからは・・・)

 

メール内容を確認してみると・・・

 

 

 

 

 

 

 

件名:ゆうちゃんのおかげ!

 

海未ちゃんに自分の気持ちを伝えられたよ。

ことりちゃんも連れて一緒に帰るから

待っててね!

 

 

 

「・・・2人共。過大評価しすぎだよ。」

 

本当に僕は何もしていない。

こんな事は他のメンバーでも

できる事だ。

 

 

 

 

件名:僕は何もしてないよ

 

今は素直に受け取っとくよ

2人が帰ってきたら、すぐに

講堂でライブやるからね。

みんなで待ってるから・・・

 

 

 

 

 

 

「時間あるし、少しだけ学校抜け出そう・・・」

 

 

 

 

・・・抜け出しても、だ、大丈夫だよね?

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神ーー

 

 

 

 

 

「なんとなくここに来ちゃうんだよね・・・。」

 

自分でも分からないが何故か

神田明神に来ていた。

それは恐らく・・・

 

『あれ?。ゆうり君?』

「・・・()()()()()なのかなぁ。」

『え!?。なにが!?』

 

僕の急な自問自答にオロオロする花怜ちゃん。

 

「・・・僕の独り言だから気にしないで」

『そう言ってはぐらかす・・・』

「あれ~?。ゆうくん?、花怜ちゃん~?」

 

声がしたので振り向くと

ルーちゃんがいた。

 

「・・・ルーちゃん?。どうしたの?」

「ルナだけじゃないわよ?」

『あれ?。ティアちゃん?』

 

隣にはティアちゃんもいた。

どうして2人共ここに・・・?

 

「簡単に言うと、ユーリと同じ理由よ。」

「そうなの~」

「瑠花さん、よく許可したね?」

「お母さんなら、音ノ木坂に行ったよ~♪」

「「『・・・ん?』」」

 

今、ルーちゃんは何て言った?

 

「3人共、どうしたの~?」

 

僕は首を傾げながら聞く

ルーちゃんに・・・

 

「・・・瑠花さん不在なの?」

「そうだよ~?」

「・・・ルナ。私、初耳なんだけど?」

「そうだっけ~?」

『・・・何しに行ったの?』

「遊びに行くって言ってたよ~?」

 

・・・じ、自由すぎる。

 

「じゃあ僕ら4人も音ノ木坂に行こうか・・・」

「結局そうなるのね。ユーリ?」

「・・・そろそろμ'sの復活ライブ始まるみたいだし」

『え!?。そうなの!?』

「じゃあ早く行こうよ~」

 

実は、みーちゃんから

たった今メールが来たのだ。

その内容が・・・

 

 

 

 

 

 

 

件名:今どこですか!?

 

悠里君どこですか!?

先程、穂乃果とことりが帰ってきて

今からライブが始まるのですが

悠里君が何処にもいなくて心配です・・・

 

 

 

 

 

「・・・どうしよう」

「とりあえず行きましょ?」

 

ティアちゃんの指示で

僕達4人は音ノ木坂に向かって走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー音ノ木坂学院、講堂ーー

 

 

 

 

 

「悠里くん?。ど、どうしたの?」

「瑠菜までどうしたの?」

「あらあら、大丈夫?」

 

・・・講堂まで走った結果、

南先生、瑠花さん、真姫ちゃんママに

心配された。

 

「こ、こういう時の、花怜ちゃん・・・」

「き、奇遇ね。私も思ってたわ・・・」

「ほ、本当だよ~・・・」

 

すると花怜ちゃんが姿を現し・・・

 

『ズルくないからね♪』

 

そして花怜ちゃんは南先生の方を向き・・・

 

『南先生♪、瑠花さん♪。お久しぶりです♪』

「「か、花怜ちゃん!?」」

「あら~♪。もしかして未花(みか)ちゃんの娘さん?」

『わぁ♪。ママの事知ってるんですか?』

「もちろん知ってるわよ~♪」

 

・・・真姫ちゃんママ。花怜ちゃんを見ても平然としてる。

 

「カレンを見ても動じないわね。」

「僕も驚きだよ・・・」

「ほえ~。」

 

すると後ろから・・・

 

「ゆうり(にい)!」

「悠里さん!」

「あら。悠里くん!」

「・・・(スッ)」

 

雪穂ちゃん。亜里沙ちゃん、

ほのちゃんママ、ほのちゃんパパだった。

 

『わぁ♪。雪穂ちゃんに穂乃果ちゃんママ♪』

「えっ!?。花怜(ねえ)!?」

「まぁ♪。花怜ちゃんじゃない♪」

「お母さん何で動じないの!?」

 

ほのちゃんママもかー・・・

 

「・・・僕はもう驚かないぞ。」

「・・・(ポン)」

「あ、ありがとです。」

 

ほのちゃんパパが肩を置きながら

同情してくれた。

 

「ゆうくん~。始まるみたいだよ~」

「あ、本当だ・・・」

 

ステージの幕が上がりライブが始まった。

しかも、この曲は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

『START:DASH!!』

 

 

 

 

 

「確かに復活ライブにピッタリの曲だ・・・」

『ゆうり君?』

 

・・・あの時。

ファーストライブの時はメンバーは

まだ3人だったけど、9人に揃ってからは

ほのちゃん達の今までの頑張りもあって

講堂にいる観客は満席だ。

 

(ほのちゃん、ファーストライブに言った事。覚えてるかな?)

 

 

その時、宣言した言葉は・・・

 

 

 

 

 

『いつか、いつか必ず、ここを満員にして見せます!!』

 

 

 

 

そして何より・・・

 

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん楽しそう。」

『そうだね♪』

「ゆうくんも嬉しそうな顔してるよ~?」

「ふふ♪。ユーリ気づいているかしら?」

 

・・・なんか花怜ちゃん達が言ってる気がする。

しかも南先生や瑠花さん達もニヤニヤしてる気がするよ。

近くにいた雪穂ちゃんに聞いてみると・・・

 

「教えなーい♪」

「・・・えー。」

 

(・・・ま、いっか。)

 

 

 

 

 

 

ほのちゃん達9人なら何でも乗り越えてしまう気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・これが新しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

μ'sミュージックスタート!!

 

 




今回で
1期13話、終了です。
どのように13話を終わらせるか
悩みました・・・。
次回は、新章『悠里の過去の真相編』
に入ろうと思います。
頑張って執筆しますので
これからもよろしくお願いします。


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第35話 月の少年の真実

ゆるポメラです。
今回から主人公の『過去の真相編』になります。
暗い話が続くかもしれませんが
よろしくお願いします。
最初は悠里の家族がどうなったのかの話です。

それではどうぞ。


こんにちは。園田海未です。

私達μ'sは無事に講堂での復活ライブを終えました。

すると・・・

 

『おーい。海未ちゃんー♪』

「花怜?。ティア、それに瑠菜まで。」

「ナチュラルに手を振るのね。カレンは・・・」

 

ティアが呆れ気味に言いますが

私としては、ティア達3人がいるのに

驚きました。

私が言いたい事が顔に出ていたのか・・・

 

 

「ユーリとライブ観ていたのよ。」

「わたしは、お母さんと一緒に来たの~」

『私は3人と一緒についてきました♪』

 

すると穂乃果が

ある事に気がついたのか・・・

 

「あれ?。ゆうちゃんは一緒じゃないの?」

「瑠菜ちゃん。ゆーくんは?」

 

ティア達が一緒に来ていたと言う

肝心の悠里君が見当たりません・・・

ことりが瑠菜に理由を聞くと。

 

「ゆうくんなら先に帰ったよ~」

「明日から3日休みだから、()()()()じゃないかしら?」

『穂乃果ちゃん達の復活ライブが成功したから恐らくね。』

 

()()()()とは一体・・・

 

「ティア・・・」

「なにかしら?」

 

恐らくティアは私が今から言う事は

お見通しのはずです。

ですが聞かなければなりません!

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

私の問いに、穂乃果だけではなく

ことりも反応しました。

2人も何か心当たりがあるようです。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それは私も思ってました。

だって本当の悠里君は・・・

 

「その様子だと3人共、思い出したようね。」

『確認するけど、知りたいの?』

「わたしも場合によっては一切教えないよ。」

 

ティア達の表情が変わりました。

しかも瑠菜にいたっては口調が変わっていました。

私達を試しているんだと思います。

 

「知りたい!。穂乃果はどうしても!!」

『・・・分かった。』

「「「えっ」」」

 

花怜が溜息をつきながらも

私達の目を真っ直ぐ見て言いました。

 

『合格だよ。知る権利はあるみたいだね』

「カレン、()()()()()の間違いでしょ?」

「まあまあ。ティアちゃん。」

 

すると瑠菜が・・・

 

「じゃあ南先生のところに今から行こう」

「「「どうして?」」」

「ま、行けば分かるわ。」

 

ティアに言われ私達9人は

理事長室に向かいました・・・

 

 

 

 

 

 

ーー理事長室ーー

 

 

 

 

 

 

「・・・そう。3人共、思い出したのね。」

「なんか嬉しそうな顔してるわよ」

「あら。ルカも人の事言えるのかしら?」

「否定できないわね~♪」

 

理事長と瑠菜のお母様は

笑いながら、私と穂乃果、ことり

を見て言いました。

 

『じゃあ何処で話す?』

「南先生や瑠花さんもいるし・・・」

 

花怜とティアが何処で話すか相談して

いると・・・

 

「ことりちゃんの家は~?」

 

瑠菜が爆弾発言をしました。

い、いきなり9人で押し掛けるのは

理事長に、ご迷惑なのでは・・・?

 

「それの方が早いわね♪」

「「「えええ!?」」」

 

そして急遽、ことりの家に

行く事になりました。

 

 

 

 

 

 

ーーことりの家ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、まずは・・・」

 

ティアが私達9人を見ながら

ある事を聞いてきました・・・

 

「まずはμ'sのみんなに聞くけど、覚悟はあるのかしら?」

 

一体、何の覚悟でしょう・・・

 

『この話を聞いた後、ゆうり君を見る目が変わるから』

 

花怜が声を低いトーンで言いました。

すると真姫が・・・

 

「それって合宿の時に言っていた事と関係あるんですか?」

「そうね。察しの通り関係あるわよ。マキ。」

 

ティアが真姫に言いました。

次に瑠菜が・・・

 

「ことりちゃん達に質問ね。」

 

瑠菜の目つきが変わりました。

まるで「真実を聞いても逃げるな」という目でした。

 

「わたし達が今から話す事は全部。真実だから」

「内容はウミ達3人にとっては残酷な話よ。」

『それでも聞く覚悟はある?』

 

すれ違っていた私達3人を

仲直りさせてくれた大切な人・・・。

大好きな彼・・・。

そして思い出した幼い頃の記憶。

覚悟は決まっています・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「はい。あります。」」」

 

 

 

 

 

 

私達3人は声を揃えて言った。

思いが伝わったのかティアは・・・

 

 

 

 

 

「まずはユーリの家族について話すわ」

藍里(あいり)の?」

「はい。南先生は何処まで知ってます?」

 

ティアは理事長に聞きました。

 

「瑠菜ちゃんから聞いたのは、悠里くんが12歳の誕生日に

亡くなったくらいね。原因は一体何なの?」

 

すると花怜が・・・

 

『ゆうり君を前からよくないと思ってた人達に家ごと焼かれました』

 

そ、そんな・・・

どうして・・・

 

『「あいつ生意気だ。気に入らない」という理由だけです・・・』

 

その時の花怜達3人の表情は沈んでいました。

同時に「思い出だすだけでも腹が立つ」という感じも

出ていました・・・

 

「・・・どうして悠里くんは言わなかったのかしら」

「そうゆう意味だったのね・・・」

 

理事長と瑠花さんが顔を片手で塞いで呟きました。

「話す内容が残酷」とティアが言ってましたが

あまりにも酷過ぎます。

 

「・・・瑠菜。」

「なに?。お母さん」

「藍里ちゃんの事だから、悠里くんに何か言い残したと思うんだけど?」

「次の日に、ゆうくんに聞いたら言ってたよ」

「・・・何て言ってたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『悠里。あなた自身が一度決めた事は最後まで貫き通しなさい。自分の命をどう使うかは悠里が決めて?。母さん達は、あなたが決めたのなら責めはしないわ・・・。だって悠里は、私と父さんの自慢の子だもの』って聞いたよ。わたしは・・・。」

 

それを聞いた理事長と瑠花さんは・・・

 

「藍里のバカ・・・。自分の子供の気持ちくらい考えなさいよ・・・」

「藍里ちゃんに言いたい事はあるけど・・・」

 

じゃあ悠里君は、その次の日・・・

私達が中学1年生の時から、ずっと1人で・・・

でもどうして・・・

 

「・・・私達に言ってくれなかったんですか」

「ユーリの性格考えて言うと思う?」

『言わないよね』

「ゆうくん絶対言わないもの・・・」

 

穂乃果に至っては呆然としており

ことりは今にも泣きそうでした・・・

 

「じゃあここから本題ね。ことりちゃん」

「・・・え?」

「前に聞いた、治療費についての答え教えてあげるね?」

「う、うん・・・」

 

瑠菜は、ことりの目を見て

衝撃の事実を言いました・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ことりちゃんの治療費。()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

「・・・えっ」

「瑠菜ちゃん、それどういう事なの!?」

 

私と穂乃果も驚くしかなかった・・・

ことりは衝撃の事実に呆然としていた。

理事長が瑠菜に理由を問い詰める。

 

「今から話します。わたしが一番知ってるので・・・」

「・・・ルナ。その話って確か中学1年生の時よね?」

「音ノ木坂中学に入学して、8月くらいの出来事かな。」

『私とティアちゃんは、関与してなかったけど?』

「ゆうくんが関わらせないようにしてたんだよ・・・」

「・・・ユーリがウミをお願いって言ってた理由はそれね」

『穂乃果ちゃんをお願いって言ってた理由も分かったよ』

 

・・・8月

確かにティアと花怜と穂乃果の4人で

過ごした日が多かったのは覚えてる・・・

ことりは瑠菜と一緒にいたのは聞いた事がある。

 

 

「じゃあ話すね。中学1年生の時、ゆうくんが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

瑠菜は深呼吸をして話始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ことりちゃんの為に自分を犠牲にした惨劇の話・・・」

 

 

 

 

 

 




新章のプロローグ終了です。
海未ちゃん視点で書いてみました。
海未ちゃんを視点にした理由は
何となくですが執筆しやすかったからです。
次回は連載開始から順番的に決めてたのですが
『南ことり編』を本格的に開始します。
サブタイと話数も変わりますので
よろしくお願いします。

・・・過去編をやりながら章管理もしないと(遠い目)


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過去の真相編 南ことり
第36話 白の少女との出会いと日々 


ゆるポメラです。
最初の真相編は前回の
予告通り、ことり編です。
暗い内容が続きますが
よろしくお願いします。
ことり編での主な登場人物は、悠里、ことり、瑠菜の
3人です。

それではどうぞ。



小さい頃。僕は遊ぶ時は一人だった。

だけど寂しいとかは一切なかった。

ある日、僕の母さんが・・・

 

「悠里。これから、お母さんの友達の家に行くんだけど

一緒に行かない?」

「・・・僕が一緒に行っても邪魔じゃないの?」

「そんな事ないわよ!。悠里と同い年の子がいるから行きましょ♪」

 

着いた家は、僕が住んでいる家から

歩いて約20分くらいの場所だった。

着いてすぐに母さんがインターホンを押した。

 

ーーピンポーン♪ーー

 

「はぁーい」

 

玄関から出て来たのは綺麗な女の人だった。

 

「みなみん♪。遊びに来たわよ♪」

「いらっしゃい♪。藍里♪」

 

すると僕に気づいたのか・・・

 

「あら♪。その子もしかして・・・」

「そうよ♪、私の子供の悠里よ♪」

「本当に外見が藍里に、そっくりね。」

 

僕は挨拶しなきゃいけないと思い・・・

 

「は、はじめまして。みなづきゆうりです!」

「まぁ♪。小さいのに偉いわね♪」

「悠里、偉い偉い♪」

「本当。藍里とは大違い♪」

「ちょっと!?」

「さ、上がって♪」

「お邪魔しまーす♪」

「お、おじゃまします・・・」

 

リビングで、母さん達が喋っていると

後ろから視線を感じたので振り向くと・・・

 

「じー・・・」

 

僕と同い年くらいの女の子が

こっちを見ていた。

 

「悠里どうしたの?」

「えっと、あの子。ずっとこっちを見てるから・・・」

「・・・あら。ことり!こっちにいらっしゃい!」

 

すると『ことり』と呼ばれた女の子が

こっちに来た。

 

「紹介するわね。私の娘の、ことりよ♪」

「み、みなみ、ことりです・・・」

「あら♪。昔のみなみんにそっくり♪」

「藍里、それどうゆう意味?」

「ほら。悠里、ことりちゃんに挨拶は?」

 

・・・うぅ。女の子相手に恥ずかしいよ。

 

「は、初めまして。みなづきゆうりです・・・」

「み、みなみことりです・・・///」

「よろしくね。ことちゃん!」

「うん///。ゆーくん///。」

 

すると、母さんが・・・

 

「悠里、せっかくだから2人で遊んでらっしゃい」

「そうね♪。ことり、悠里くんとデートして来たら?」

「・・・あうっ///」

「ことちゃん、どうしたのー?」

「あらあら♪。悠里モテモテね~♪」

 

その後は2人で近くの遊園地に行ったりした。

その帰りに公園で・・・

 

「あ、ゆうくんだ~♪」

「ルーちゃんだー。」

「ゆーくん、この子誰?」

「はじめまして~。あけみルナです。ゆうくんとは、おともだちなの~」

「は、はじめまして。みなみことりです。」

 

はじめは緊張していた、ことちゃんだけど

ルーちゃんの優しさもあってか

打ち解けてきた。

その後は3人で遊びました。

 

 

 

 

 

 

これが僕と

ことちゃんの出会いでした・・・

 




とりあえず
最初が終わりました。
予定としては、ことり編は
あと3話くらいを予定しています。
これからもよろしくお願いします。


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第37話 壊れていく彼の日常

ゆるポメラです。
前回は短くなってしまい
もうしわけありません。
今回は少しずつですが悠里が壊れます。

それではどうぞ。


母さんと父さんが消えた・・・

『消えた』というよりは

こう言った方が正しいのかもしれない

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

そして僕が12歳になった次の日から

学校で周りの人から酷い事を言われた。

 

「やあい。親なし!」

「落ちこぼれにはお似合いだ」

「お前も消えればいいんだ」

「生きてる価値ねえよ」

 

以前から気づいていた事だけど

中学1年でも僕は成績が良くなく

頑張ってテストで70点取っても

カンニングしたなどで

疑われた・・・

別に言われてもまだ平気な方だ。

中でも辛かったのは・・・

 

「南さん達に近づくなよ!クズ!」

 

()()()()()()と言うのは

ほのちゃん、みーちゃん、

それから花怜ちゃん達も含まれているんだと

僕は思う・・・

 

「学校、行きたくないよ・・・」

 

ある意味7月半ばまで耐えられただけ

自分でも驚いてる。

母さん達が亡くなった時は世間には公表されなかった。

多分、権力か何かで揉み消したのだろう。

 

「いいのかな?。本当に家を貰っちゃって・・・」

 

僕が今住んでいる家は、ティアちゃんの両親から

貰ったものだ。家賃とかは最初、僕が遺産のお金で払おうと

したら・・・

 

「ユーリ君、その件は気にしないで大丈夫だ。」

「そうよ。あなたはまだ子供なんだから、安心して?」

「で、でも・・・」

「いくら何でもユート達の件は理不尽すぎる!」

「全くよ!アイリ達を消すなんて酷いの度を越してるわ!」

「・・・ご迷惑かけてすみません」

 

するとティアちゃんの両親は微笑みながら・・・

 

「君は本当に2人に似ているな・・・」

「・・・えっ?」

「ええ。ユートさんの責任感の強さ、昔のアイリの外見と他人を優先する純粋な優しさ。まるで2人と話してるみたい♪」

「・・・そうでしょうか?」

「ああ。2人の親友である俺達が証明だ!」

 

その時以来、家賃とかは払ってもらってしまっている。

家事などは小さい頃、母さんに教わっているので問題はない。

 

「中学卒業できるのかな・・・」

 

現在、僕の不安はこれだ。

全生徒だけじゃなく、教師達からも

理不尽な扱いを受けている・・・

 

「・・・これがあと2年も続くのか」

 

正直、生きてるのに疲れてきた。

そう考えながらも学校に着き

教室に向かう・・・

 

「あ、ゆーくん♪」

「・・・おはよ」

 

ことちゃんと校門前であった。

僕は表情がバレないようにした。

すると僕の手を見て・・・

 

「手のケガどうしたの・・・?」

「・・・昨日帰りに転んじゃって」

 

・・・嘘。

本当は暴力で受けた傷だ。

お腹を蹴られたり、殴られたり

カッターなどでも切られたりした。

今じゃ痛覚も無くなってる・・・

 

「保健室には行かなかったの?」

「家で手当てしたから大丈夫。」

 

これも嘘。

本当は南先生がいたから行かなかっただけ。

だから今まで一度も行ってない。

この事はルーちゃんしか知らない。

 

「あ、あのコレ///」

「・・・これ何?」

「クッキー焼いたからあげる///」

「どうして僕に?」

「最近、ゆーくんの姿を見てなかったから・・・」

 

ことちゃん、ほのちゃん、みーちゃんの3人とは

クラスが違う為、僕が何をしてたかを知らない。

僕個人としては助かるのだが・・・

 

「・・・最近忙しくて。クッキーありがと」

「あ、あの・・・!」

 

 

ーーキーンコーンカーンコーンーー

 

 

 

「・・・じゃあ、またね。ことちゃん」

「う、うん・・・」

 

きっと、ことちゃんと会うのは

これが最後な予感がした。

大抵、僕の嫌な予想は当たる・・・

 

「・・・今日もか」

 

教室に入ると僕の机に落書きやら

画鋲などがあった。

ヒマな奴だよね。毎回こんな事してさ。

 

(・・・くだらない)

 

ここで僕が暴力沙汰でも起こしたら

どうなるんだろうね?

まぁ。知らぬふりされるのが目に見えるけどね。

そして今日も地獄の一日が始まる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、アイツまだ学校来てやがる」

「うわ!、気づかなかったわ!」

「やだ!。気持ち悪い!」

「そういやアイツ今朝、南さんと一緒にいたの見たぞ」

「マジ!?。生意気だわ!落ちこぼれのクセに!」

「今日アイツ絞める?」

「いいね!。今から絞めるか?全員がいる前でさ!」

「それいいわ!賛成!」

「いい見世物になるわね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・うるさい雑音だな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、何が起こるかは

容易に想像できた。

恐らく・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()())

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの事を振り返れば簡単な事だ。

消極的で成績が悪くクラスでも『落ちこぼれ』の烙印を押され

更に噂などでも「アイツ無抵抗だから」という言われ

僕は下級生にもやられた事がある。

女子の場合はあまりイジメなどの被害があまりないらしいが

だが男子の場合。男女、教師に関係なく拡大するばかり。

仮に学校側に問題が起きても証拠が隠蔽される。

・・・あくまで僕の考えだけどね。

 

「オイ!」

 

僕も腹を決めないとな・・・

 

「オイ!」

「・・・。」

「てめえ聞いてんのか!」

「・・・。」

「無視しやがって!。死ねクズ!!」

 

 

 

 

 

雑音が僕に振りかぶった・・・

手に持ってたのはバットだった。

教室のロッカーから出したのだろう。

周りの連中は「ああ~。アイツ終わったな」という顔をしていた。

満場一致って言うんだっけコレ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・僕の存在意義なんて何も無いし、もう人間をやめよう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーパリンッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時。僕の何かがガラスのように割れた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・るさい。」

「!?」

「・・・なんか言ったら?」

「だ、黙れ!!」

 

そう言ってバットを振り下ろす雑音。

次の瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーーバキッ!!ーー

 

 

 

 

僕の頭から血が流れてた。

しかし痛覚が無いため痛みがない。

 

「・・・なっ!?」

「言いたい事はそれだけ・・・?」

「ヒッ!!」

「正当防衛だよ・・・。」

「や、やめっ・・・」

 

僕は雑音の首根っこを持ち床に叩きつけ

後ろで見ていた雑音共を見る・・・

 

「「「「「ヒッ・・・!?」」」」」

 

・・・確信した。

こいつらは痛みとか一切知らないから

そんな目でいるんだ。

いわゆる環境によって性格が変わるみたいな例えと一緒だ。

・・・流石にその例えは分かりずらいか。

 

「おい!そこで何している!!」

 

教室のラスボス来たよ。

ラスボスって言っても先生だけどね?

僕のクラスの。

 

「水無月、お前。血が出てるじゃないか!?」

「・・・たいした傷じゃないです。」

「バカ言うな!。頭から血が出てるんだぞ!?」

「・・・気休めですよね?。その言い方。」

「なっ!?」

 

すると後ろから・・・

 

「調子にのんなよっ!!。落ちこぼれがあぁぁっ!!」

「や、やめなさい!」

「・・・だと思った。」

 

隣にいた先生を僕は突き飛ばし、怪我をさせないようにした。

案の定、空気を切るような音がしたので僕を殴ろうとしてた

雑音はバットではなくカッターを手に持っていた。

図工などで使う大きさだった。

 

「・・・そんなに僕が嫌い?」

 

どうせ言う事は分かり切っている。

 

「はっ!!。当たり前だろ。テメェみたいなゴミクズ以下なんて死ねばいい!!」

「・・・まぁ分かってたけど。」

「だったら死ねぇ!!」

 

こっちに向かってくる雑音・・・

何もしなかったら僕は切られて死ぬんだろうなぁ・・・

でもやり残した事があるんだよなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

それは、()()()()()()()()()・・・

 

 

 

 

 

 

(それが終わるまで僕は。・・・まだ死ねない!)

 

 

 

 

 

 

僕は母さんが子供の頃に剣道をやっていた事があるのを思い出し

母さんが「悠里に私が簡単な護身術を教えるわね?」と言ってたのを

実行する事にした・・・。

 

 

 

(恐らく左手の神経がおかしくなるけど、どうでもいい・・・)

 

 

 

 

 

どうせ誰も僕の事なんて・・・

 

 

 

 

 

現に誰も止めようとしない。

所詮、みんな自分の安全が大事って事なんだよ・・・

 

 

 

 

 

 

『ゆーくん♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと頭を過ったのは、ことちゃんの笑顔・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

(未練がましいね。僕も・・・)

 

 

 

 

 

 

 

そう思いながらも護身術の構えをとる・・・

左腕に負担がかからないように右手で左肩を支える。

そして相手の死角を構えながら確認する。

 

(・・・左胸の中央付近。)

 

そして雑音がカッターを振りかぶろうとした瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

ーードシュッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・かはっ!?。」

 

雑音は、その場で膝をついた。

 

「急所は外したから安心して・・・」

 

そう言っても僕も安全じゃないけどね。

刃物を持っていた相手に素手で対応したんだ。

左腕からは切り傷ができ血も流れている・・・

 

「・・・。」

 

静まりかえる教室。

すると・・・

 

「ゆうくん。今から病院行くよ!!」

「・・・別にいいよ。」

「ユーリ、ふざけた事言わないで行くわよ!!」

「・・・だから行かないって。」

「少し黙ってて!!。ゆうり君いいから行くよ!!」

 

 

 

 

ルーちゃん、ティアちゃん、花怜ちゃんに

怒鳴られながらも病院に連れてかれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

今日、僕が自分を捨てると決めた

惨劇の放課後の出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は悠里が情緒不安定になり
自分の存在意義を捨てた回でした。
次回も暗い感じになりそうですが
よろしくお願いします。


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第38話 悠里の揺るぎない決意

ゆるポメラです。
今回の内容は
前回の話で悠里が情緒不安定に
なった理由と、第23話の最後で悠里が発言した
意味が判明します。
暗い内容ですがよろしくお願いします。

それではどうぞ。



「これは派手にやられたな・・・」

 

現在、僕は病院で治療を受けている。

ここの病院は昔、ことちゃんが小さい頃に

入院していた所で今でも通院してるらしい。

理由は、今月の8月の上旬ちょっと過ぎに

手術をするって、今、僕の治療をしてくれている

先生に聞いた。

 

「・・・治療代、近い内に払います。」

「いや。治療代は要らないよ。」

「・・・え?」

「君の両親には昔お世話になってね。これぐらいはさせてくれ」

「あ、ありがとうございます。」

「それと君の精神状態の結果なんだが・・・」

 

 

 

 

 

ーーバンッ!!ーー

 

 

 

 

 

「ゆうくん!!」

「ユーリ!!」

「ゆうり君!!」

「・・・えっ?」

 

診査室のドアが開いた瞬間

ルーちゃん、ティアちゃん、花怜ちゃんに

抱きつかれた。

3人が泣いてたのは気のせい?

すると先生が・・・

 

「3人共、昨日から交代制で君に付きっきりだったんだよ。」

「・・・昨日からって。僕倒れたんですか?」

「ああ。治療をしようとしたら突然倒れたんだよ・・・」

「・・・末期だな。感覚ですら危なくなってるのか。」

 

先生が突然、重い口を開いた・・・

 

「悠里くん。さっきの話の続きなのだが・・・」

「・・・僕の精神状態ですか?」

「ゆうり君、どこか悪いんですか!?」

「ああ。悪いと言えば悪いが・・・」

「それどうゆう意味ですか!?」

「カレン!!。ルナ!!」

 

ティアちゃんが2人を落ち着かせ

先生に向かい・・・

 

「ユーリは()()()()()()?」

「「・・・っ!?」」

「・・・流れ的にそうなるよね。で。僕は何の精神病なんですか?」

「『サイコパス症候群』に陥っている。」

 

・・・やっぱりね。

あの時、周りの生徒が雑音にしか聞こえなかったのは

これが原因か。

じゃあ僕は、その状態になるまで気づいてなかったって事?

 

「それでだ。今から入院して・・・」

「いや結構です。」

「「「!?」」」

 

僕がバッサリと言い切ると

ルーちゃん達は驚愕の表情をしていた。

先生も驚いていたが冷静な顔になり・・・

 

「理由を聞いてもいいかい?」

「先生。ことちゃんの手術の日は今月の8月の上旬ちょっと過ぎですよね?」

「ああ。そうだが・・・」

「治療費って高額のはずですよね?」

「彼女も中学生だから、それなりにはするぞ?」

「・・・治療費って前払いとかできます?」

「できない事はないが・・・」

「ゆうくん、まさか・・・」

 

ルーちゃんは僕が今から言う事が分かったみたい・・・

僕は先生に向かって伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side瑠菜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうくんは今何て言った?

ことりちゃんの治療費を全額払う?

冗談だと思いたい・・・

でも、わたし達は冗談を言うような事をしない

ゆうくんを知ってるから、正気なんだと思った。

現にティアちゃん、花怜ちゃんも同じ表情をしていた。

 

「悠里くん!。正気なのかい!?」

「僕は冗談が嫌いですよ」

「だが!!」

「遺産のお金と小さい頃に貰ったお年玉で払うので」

「何故そこまでして・・・」

()()()()()()()()()。それに・・・」

 

そして、ゆうくんは更に

この場にいる人達を絶句させる発言をした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

()()()()?。

まるで自分の存在意義について考える時間が欲しいって聞こえる

すると、ティアちゃんが・・・

 

「高校を卒業すると18歳よね?」

 

まだ、わたしも分からない。

すると花怜ちゃんが何かに気づいたみたいに

ゆうくんに聞き始めた。

 

「・・・ゆうり君。()()が見つからなかったら?」

 

花怜ちゃんの表情は、自分の予想と外れて欲しいと願う

ばかりの顔だった・・・

 

 

 

そして・・・

 

 

 

 

 

ゆうくんの口から・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無情な言葉が放たれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終止符・・・

これを悪い意味に捉えると・・・

ゆうくんは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死』を選ぶって事!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆうくん!!。冗談やめてよ!!」

「・・・。」

「ゆうり君・・・。本気なんだね」

「・・・もう決めた事だから」

「ユーリ・・・。」

 

もう、生きるのに疲れたんだ。

だから、せめて高校を卒業するまで

という制限を付けたんだ。

 

「・・・悠里くん」

「何でしょう?」

「治療費の件、引き受けよう・・・」

「ありがとうございます。」

「それでいつ、渡しに来るんだい?」

 

 

 

 

 

治療費のお金を渡しに行く日は

もう前々から決めていた・・・

それは・・・

 

 

 

 

 




悠里が自分のこれからを考えた回でした。
次回で、ことり編は最終回です。
頑張って執筆しますので
よろしくお願いします。


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第39話 白の少女との別れ

ゆるポメラです。
今回で、ことり編は最終回です。
第22話で出てきた、謎の手紙を
書いた正体も判明します。

それではどうぞ。


とうとう8月になり、

僕はティアちゃんと花怜ちゃんに

頼みごとをした。

 

「みーちゃん、ほのちゃんにバレないようにして欲しい」

「それってつまり・・・」

「ウミ達にも言わないつもり?」

「・・・うん。だから何とかごまかして?」

「わかったわ・・・。」

「ティアちゃん・・・」

「カレン。私達3人で決めたでしょ?」

「そうだけど。瑠菜ちゃんは・・・」

「大丈夫よ。ルナなら・・・」

 

僕が、あの時、決めた事で

最後まで反対してたのがルーちゃんだった。

あそこまで怒ったルーちゃんは初めて見た気がする。

最終的に「一晩考えさせて?」と言い帰ってしまった。

 

「じゃあ僕は行くから・・・」

 

準備がある為、急いで帰る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー自宅ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し早い誕生日プレゼント何がいいかな・・・」

 

悩んだ結果、ことちゃんに渡すプレゼントは

日常でも使えるよう、リボンにする事にした。

 

「夜になるまで待とう・・・」

 

治療費のお金は

手術前日の夜に渡す予定だ・・・

 

「・・・手紙でも書こう。」

 

どうせ、ことちゃんと会えるのは

今日で最後なのだから・・・

僕は、すらすらとペンを走らせた。

 

「・・・手紙書いてるだけで、もう夜?」

 

時間が過ぎるのは早く感じる・・・

僕は準備が出来た為、玄関に出ると

そこには・・・

 

「ルーちゃん?」

「わたしも一緒に行く」

「・・・瑠花さんには?」

「お母さんには、ゆうくんと出かけて来るって伝えてあるから」

「・・・いいの?」

「わたしも決めたから・・・」

 

そう言ったルーちゃんの表情は

僕に「1人じゃないからね?」と

微笑んでいた・・・

 

「・・・分かった。行こっか」

「うん♪」

 

(こんな僕でも友達できるんだな・・・)

 

そして目的地の病院に着いた。

案の定、先生が出迎えてくれた。

 

「・・・先生。ことちゃんの治療費、持ってきました。」

「ああ。本当に良かったのかい?」

「はい。悔いとかは別にないですから。」

「そうか・・・」

「ことちゃんは病室ですか?」

「ぐっすりと寝ているよ。」

「そうですか。それから治療費を僕が出した事、言わないでください」

「し、しかし・・・」

「南先生に怪しまれると思うので・・・」

「・・・ゆうくん。本当にいいの?」

「うん。だから『名前を名乗らなかった人』って事にすれば大丈夫」

 

すると先生も納得してくれたのか・・・

 

「分かった。君の意思を尊重しよう・・・」

「・・・ご迷惑おかけします。」

「せめて、ことりちゃんに会ってきたらどうだ?」

「・・・でも寝てるんじゃ」

「ゆうくん。わたしも一緒に行ってあげるから大丈夫だよ~」

「・・・はい。じゃあそうさせてもらいます。」

 

先生から、ことちゃんの病室の番号を教えてもらい

3階にルーちゃんと向かう事にした。

 

「・・・373。ここだ。」

 

よく見ると

どうやら個室のようだ。

 

「わたしは、ここで待っているから行ってきなよ~」

「ルーちゃんはいいの?」

「わたしが気づかないと思った?。ゆうくん、もう会わない予定なんでしょ?」

「・・・ばれちゃったか。」

「えへへ~♪。早く行ってきなよ~」

「・・・うん。分かった。」

 

 

僕は音を立てないように病室の中に入った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぅー。すぅー。」

「本当に安心した顔で寝てる・・・」

 

ことちゃんは完全に熟睡していた。

僕は、テーブルの上に手紙を置いた。

そして熟睡している、ことちゃんに

今日来た理由を伝えた・・・

 

「ことちゃん。僕、ことちゃんにお別れを言いに来たんだ・・・」

 

本人は寝ているため気づかない・・・

 

「あと一カ月したらさ、ことちゃんの誕生日でしょ?。だから何がいいかなって悩んだんだ。結局、リボンしか思いつかなかったんだ・・・」

 

 

 

そして僕は最後に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから。バイバイ、ことちゃん・・・」

 

 

 

 

 

そして僕は病室をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで全部だよ」

 

瑠菜ちゃんが話してくれた内容は

余りにも酷過ぎる内容だった・・・

 

「じゃ、じゃあ。ゆーくんは・・・」

「手紙を書いたのも。治療代を全額払ったのも。ゆうくんだよ」

「・・・うぅ!!。うぅ!!」

 

瑠菜ちゃんから聞いた真実を聞いて

私は泣いていた・・・

なんで、あの時気づかなかったんだろう・・・

なんで、なんで・・・

 

「・・・次。ティアちゃん、お願い。」

「はぁ。わかったわよ・・・。」

 

まだ話は終わってないみたい・・・。

今の話だけでも辛いのに。

 

「私が今から話すのはウミについてよ」

「・・・わ、私ですか?」

 

海未ちゃんは泣きながらも

ティアちゃんの話を聞いていました。

 

「中学2年の時、ユーリが・・・」

 

 

 

 

 

 

ティアちゃんは深呼吸しながら

話始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ウミを守る為に人を殺めた話を」

 

 




今回で、『南ことり編』終了です。
最後あたりを、ことりちゃん視点で
終わらせました。
次回から『園田海未編』を開始します。
こちらもサブタイが変わりますので
よろしくお願いします。


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過去の真相編 園田海未
第40話 青の少女との出会いと日々


ゆるポメラです。
次の真相編は前回の予告通り
海未編になります。
この海未編でのコンセプトは
『思い出の場所と大切な人の為に罪を背負う覚悟があるか?』
を設定して執筆してみました。
矛盾点が色々と生じるかもしれませんが、主人公と同じ立場に
なって読んでいただけると嬉しいです。
主な登場人物は、悠里、海未、ティアの3人です。

それではどうぞ。




小学2年の頃。

今日も僕は、水族館に来ていた。

ちなみに1人ではない。

 

「ユーリ、つぎは?」

「えっとー・・・」

 

フランスという海外から来た女の子、

ティアちゃんと一緒に僕がよく行く

水族館の案内をしていた。

 

「じゃあイルカのショー見に行こ?」

「興味あるわ・・・」

 

あ、ティアちゃんが笑った気がする・・・

初めて会ってから3日だけど何となく分かって気がする。

 

「あ・・・」

「どうしたの、ユーリ?」

「あの子泣いてる・・・」

 

ちょうど僕達と同い年くらいの

女の子が泣いていたので、声をかける事にした。

 

「どうしたのー?」

「ひっく!!。お母様とはぐれて・・・」

「広いもんねー。」

 

ここの水族館は普通の水族館よりも何倍も広く

迷子になっても不思議じゃない・・・

 

「僕達も一緒に探してあげるよー。」

「私もそれでいいわよ。ユーリ?」

「あ、あの・・・」

 

あ。名前言ってなかった・・・

 

「みなづきゆうりです。」

「きさらぎティアです。」

「そ、そのだ、う、うみです///」

「よろしくね。みーちゃん!」

「よろしくね。ウミ。」

「はい///。悠里君、ティア///」

 

この後、僕は

みーちゃんがはぐれた場所を

探していた。

僕が考えている間にティアちゃんが

みーちゃんの話し相手をしている。

 

「ティアはフランスという所から来たんですか?」

「そうよ。ユーリと会って3日目だけど。」

 

みーちゃんの人見知りも慣れてきたみたい。

最初に見た時から、初対面の人と話すのが苦手な感じが

出ていた。

実は僕も人見知りなんだよね・・・

 

「この辺りであっているはずだけど・・・」

 

着いた場所は、なんとイルカショーの近くだった。

ちょうど僕とティアちゃんで観に行こうとしていた

場所だった。

 

(みーちゃんの話だと、この辺ではぐれたらしいけど・・・)

 

すると・・・

 

「海未!」

「お母様!」

 

どうやら見つかったみたい。

 

「心配したんですよ!」

「ごめんなさい・・・」

 

でも見つかって本当に良かったと思う。

みーちゃんと会わなかったら、探すのも

困難だったと思う。

 

「娘を見つけてくれてありがとう」

「いえ。見つかって良かったです・・・」

「ユーリに同意です。」

 

すると後ろから・・・

 

「悠里~」

「ティア~」

 

母さんとティアちゃんママがこっちに来た。

 

「母さん。ティアちゃんママと出かけてたんじゃないの?」

「そうよママ。私も聞いてた話と違うわ。」

 

母さん達は理由を説明し始めた・・・

 

「実はね。海未ちゃんのお母さんにね、水族館の案内を頼まれてたの♪」

「ママもね、日本の水族館は初めてだからアイリにお願いしたの♪」

「まあ♪。この子、藍里ちゃんの息子さん?」

「は、はじめまして。みなづきゆうりです・・・」

「あら♪。小さいのに、しっかりしているわね♪」

「えっへん♪」

「アイリが褒められてるんじゃないのよ?」

 

すると、みーちゃんとティアちゃんが

僕の手を繋いできた。

 

「ユーリ。私、早くイルカのショーを観たいわ。」

「わ、私も悠里君と一緒に観たいです///。」

「2人とも引っ張らないで~!?」

 

母さん達を見てみると

何故かニヤニヤしていた。

 

「悠里。頑張りなさい♪」

「ユーリ君、案内よろしくね♪」

「あらあら♪。海未が、あんなに積極的になるなんて♪。」

 

何の事か僕には分からなかった・・・

すると、みーちゃんが小声で・・・

 

 

 

「ありがとう・・・///」

 

 

 

 

 

これが僕と

みーちゃんの出会いでした・・・

 

 

 

 

 

 

 




短い文章でしたが
最初が終わりました。
予定としては、海未編は
あと5話くらいを予定しています。
次回からは暗い内容が続くと思います。
これからもよろしくお願いします。


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第41話 夕焼けの雨

ゆるポメラです。
突然ですが、例えばの話ですが
みなさんは放課後、外の景色は綺麗な
夕焼けなのに土砂降りの雨が降っていたら
どう捉えますか?
今回は、そんな異常な天気での中での話です。
暗い内容になるかもです。

それではどうぞ。



中学2年生になってから

僕は1人でいる事が多くなった。

・・・いや違う。

 

(僕が望んで選んだんだから・・・)

 

中学1年生の時に放課後で

僕が自分を捨てた『あの日』から

ここに来るようになった。

 

 

 

『多目的室』

 

 

 

ここはあまり人も来なく

鍵もかかっておらず、余程の物好きではない限り

人が来ない事で有名だった。

更に、ここにはピアノが置いてあり完全下校の時間になるまで

ピアノを弾いたり、宿題をやったりして、放課後を過ごしていた。

 

 

 

「・・・今日の天気は異常だよ。」

 

現在、午後の16時20分なのだが外を見ると

綺麗な夕焼けの筈なのに土砂降りの雨が降っていた。

ある意味、異常な天気だった・・・

 

(・・・不吉な感じ。何かの前触れなのかな)

 

僕は、そう解釈する事しかできなかった。

普通の中学生だったら「変わった天気だ!凄い!」と思う人が

多いかもしれないが、どうしても僕はマイナスな考えになって

しまう。

そんな事を考えていると・・・

 

 

 

 

ーーガチャ!!ーー

 

 

 

 

多目的室のドアが開いた。

この場所は教師でも使わない所なので

僕は警戒しながらドアを見つめた。

そこに入って来たのは・・・

 

「ここにいたのね。ユーリ。」

「ティアちゃん、何で・・・」

 

入って来たのはティアちゃんだった。

何で僕が多目的室にいる事が分かったんだろう・・・

 

「ユーリがピアノを弾いてたのが聴こえたからよ」

「・・・それ、理由になってなくない?」

「そう?。じゃあ誰も行かない場所を探したら、この場所に辿り着いたじゃダメ?」

「はいはい。僕の降参だよ・・・」

 

本当にティアちゃんの洞察力には背筋が凍る。

謎解きゲームとか推理ゲームとか絶対やっているに違いない。

 

「今でも休日にやっているわよ」

「・・・さりげに僕の心読まないでよ」

「ユーリ程ではないわ」

 

それに何しに来たんだろう?

みーちゃんと今日は一緒に帰ったんじゃないの?

 

「ウミに頼まれたのよ」

「・・・みーちゃんに?」

「もしユーリに会ったら元気だったかどうか教えて欲しいって」

「・・・僕は、いつも通りだけど?」

「嘘ね。」

「・・・理由。聞いていい?」

 

するとティアちゃんは・・・

 

「中学1年の時、弓道部をアイツの権力で辞めさせられた事でしょ?」

「・・・。」

「別にユーリが悪いわけじゃないでしょ」

「そうなのかな・・・」

「ユーリが止めなかったらウミだって助からなかったのよ?」

 

実は中学1年の頃。

僕は弓道部に所属していたのだが、みーちゃんを執拗に狙う奴がいて

僕が止めたのだが、その腹いせに自分の親が偉いから何かの理由をつけて

学校側に文句を言って僕を弓道部から辞めさせた。

 

「実際、僕がいなくなって良かったんじゃないの?」

「ユーリ、本当に思ってる?」

「僕が辞めた時の周りの反応を見れば分かるよ・・・」

「・・・そう。」

 

僕が言うとティアちゃんは何も言わなくなった。

気になった事があるので聞いてみる事にした。

 

「今の弓道部。どうしてる?」

「カレンから聞いたんだけど好き放題やっているそうよ」

「それって・・・」

「気に入らない後輩がいれば退部させては、その繰り返し」

「・・・みーちゃんは?」

「ウミだけは退部させられてないわ」

「・・・何で?」

「さっきも言ったけど、後輩を退部させたって言ったでしょ?」

「・・・男子だけ?」

()()()()よ」

 

いくら何でも無茶苦茶だ・・・。

後輩達は悪くないでしょ。

何で誰も止めないの?

 

「・・・学校側は?」

「ユーリの考えの通り知らんぷりよ」

「・・・それって」

「私の方でも調べてもらったら口止め料を貰っているみたい」

「・・・嫌な予感しかしない。」

「奇遇ね。私も同じ考えよ。」

 

 

この天気に加え、ティアちゃんに見つかった事。

更に弓道部の崩壊の危機・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ひょっとしたら

今朝見た夢が現実になってしまうかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夢を見た内容は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みーちゃんを守る為に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()・・・

 

 

 

 

 




第10話と第12話で
悠里が弓道とピアノができるのは
これが理由です。
次回も暗い内容になりそうですが
よろしくお願いします。


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第42話 惨劇は刻々と近づく・・・

ゆるポメラです。
執筆しようと思ったら
お気に入りが100になってて
最初、どう反応していいか分かりませんでした。
こんな作品を読んでいただき
ありがとうございます。
前回の予告通り、今回は暗い内容になりそうです。

それではどうぞ。




異常な天気の中でティアちゃんから聞いた

現在の弓道部の状況・・・

少し状況を考える為に

僕は水族館に来ていた。

 

「こんにちは・・・」

「やぁ。悠里くん!今日も来てくれたんだね」

「僕にとっては思い出の場所ですから」

「そう言ってくれると運営側としても嬉しいよ!」

 

今、僕と会話している人は

ここの水族館を運営している館長さん。

母さん達が亡くなってしまってからは

館長さんの計らいで僕は無料で入れる。

 

「・・・最近、種類が減っていませんか?」

「流石に悠里くんは気づくか。」

「ティアちゃんと気になってて・・・」

「実はな・・・」

 

館長さん曰く

ある日、珍しい熱帯魚などを買い取りたいと言う

金持ちの客が来たらしい。

それで館長さんが断ったら「いつか潰してやる」と

言い残し去って行ったそうだ。

 

「・・・その話と何の関係があるんですか?」

 

確かに、ここの水族館は珍しい魚やマイナーな生き物まで

管理している事で有名なのだが、今の話とまったく結びつかない

 

「その次の日の事なんだが・・・」

 

次の日、館長さんが来てみると

謎の怪死事件があったそうだ。

 

「まさか、その死体って・・・」

「ああ・・・」

 

生き物達が急激に減った理由。

その真実は僕でも理解できた・・・

 

「その例の客って家族連れですか?」

「いや、男子中学生だったぞ。」

「・・・他に特徴は?」

「音ノ木坂中学の制服を着ていたな。」

 

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

該当するのはアイツしかいない・・・

 

「このままだと水族館を潰されるかもしれんな・・・」

「被害届とかは出さなかったんですか?」

 

館長さんの事だから被害届を出して

対策とかをしてんじゃないかなと

僕は期待してたのだが予想もしなかった答えが

返ってきた・・・

 

「拒否されたよ・・・」

「な、なんで・・・」

「推測なんだが圧力をかけられたんだと思う」

「だからって・・・」

「私は無力だ、黙って潰されるのを待つしかできない」

「そんな・・・」

 

いくら何でも横暴だ・・・

その日、僕は聞きたくもなかった事実を

知ってしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーーその日の夜ーー

 

 

 

 

 

 

「いくら何でもそれは酷過ぎよ!」

「・・・全くだよ。」

 

現在、ティアちゃんに水族館での出来事を話した。

そしたら案の定、ティアちゃんは激怒していた。

そうだよね、思い出の場所が勝手な理由だけで

潰されてしまうのだから・・・

 

「しかも今は7月だから、余計に悪意を感じるよ」

()()()という期間を利用してるわね」

「確か弓道部は、この時期は大会練習の筈だけど・・・」

「ユーリ、それがね・・・」

 

ティアちゃんが言いにくそうに口を開いた。

 

「今の弓道部。アイツが牛耳ってるのよ・・・」

「顧問の先生は?」

「解雇されたわ・・・」

「じゃあ今の部員は?」

「アイツとウミだけよ・・・」

「その情報。誰から聞いたの?」

「昨日、退部させられた後輩の女子から」

 

なんだ?。この計算されたような展開は・・・

 

「ティアちゃん。それって・・・」

 

すると家の電話が鳴ったので出ることにした。

 

「はい。水無月です・・・」

『夜分遅くにごめんなさい。園田です』

「え?。みーちゃんママ?」

 

誰かなと思いきや

みーちゃんママだった。

何でこんな時間に・・・

 

『今から来てもらってもよろしいですか?』

「僕は構いませんが、ティアちゃんも一緒ですけどいいですか?」

『ええ。むしろ2人に聞いてもらいたいのです。』

「分かりました。今から行きます。」

『ではお待ちしていますね?』

 

電話を切るとティアちゃんが・・・

 

「ウミのママから?」

「うん。今から家に来てほしいって」

「こんな夜遅くに・・・?」

「なんか不自然だよね。」

 

現在は、夜の21時。

みーちゃんが寝ている時間だ。

この時間に僕達を呼んだのは

娘には聞かせられないような内容なのだろう・・・

 

「とりあえず行こうか」

「そうね」

 

 

 

 

 

ーー園田家ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠里くん、夜遅くにすまないな」

「いいえ。気にしないでください」

「ティアちゃんもごめんなさいね?」

「気にしてませんよ」

 

園田家の大広間で

みーちゃんパパとみーちゃんママに

申し訳なさそうに言われた。

 

「内容は、みーちゃんには言えない内容なんですか?」

「どうして分かったんだい?」

「だって、みーちゃんが寝ている時間に電話がきたので」

「それだけで?」

「決定的なのは、みーちゃんママが深刻そうな声をしてたので」

 

僕の答えに2人は驚いていた。

 

「ああ。海未には聞かせられない内容なんだ」

「それは何ですか?」

「実はな・・・」

 

みーちゃんパパは重い口を開いた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()と言われたんだ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「えっ・・・」」

 

 

 

 

僕とティアちゃんは何を言ってるのか分からなかった。

一体どういう・・・

 

「そんな事。誰が・・・」

「弓道部に所属している男子だ。」

「ユーリ、もしかして・・・」

「なんて返答したんですか?」

 

僕が聞くと、

みーちゃんパパは悔しそうに・・・

 

「断れば社会的に潰すと・・・」

「なによそれ・・・」

「しかも明日から3日間の猶予を言われた・・・」

「そんなの一方的じゃない!」

「・・・初めから拒否権なんてやらない算段だね」

 

悪質にも程がある。

この話を、みーちゃんにしなかった判断は正しいと思う。

 

「みーちゃん責任感が強いから話さなかったんですね」

「ああ。娘の自由を奪うなど・・・」

「・・・話は分かりました」

 

僕は自分の手を見る。

今からする行動は後戻りができない行為だ・・・

 

「明日。今日と同じ時間に来てもいいですか?」

「それは構わないが・・・」

「アイツが言っていた猶予は明日から3日なんですよね?」

「ああ。そうだが・・・」

「それが聞ければ十分です」

「ユーリ。まさか・・・」

「・・・ティアちゃん。それは明日に話すよ」

 

 

ティアちゃんは恐らく気づきかけていると思う。

そんな事を考えながら僕達2人は園田家をあとにした。

 

 

 

 

 




今回は人の理不尽さを執筆してみました。
次回の内容は悠里が人として
やってはいけない事をします。
次回も暗い内容ですが
よろしくお願いします。


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第43話 断罪

ゆるポメラです。
今回はサブタイ通り
悠里が覚悟を決めた事をします。
暗い内容ですが、よろしくお願いします。

それではどうぞ。


惨劇の日まで

あと2日・・・

僕は多目的室で考えていた。

今は夏休み中なので学校に

自由登校しているのは僕だけかもしれない。

 

「・・・本当やりすぎだよ」

 

アイツの行った事は

自分が邪魔だと思った物は権力を使い

消し去る。

アイツの行動は今回が初めてじゃない。

中学1年の時から起こっていた。

「金と権力さえあれば何でもできる!」とか

ふざけた事を今でも言っている・・・

 

「・・・完全に仕組まれているな」

 

僕が今回の件でアイツが犯人だと決定的に

なったのは水族館での出来事だ。

恐らく自分の家のネットワークでも使って、

みーちゃんが小さい頃に行った事を調べたのだろう。

そして、水族館が潰れた事を脅迫材料にする算段だろう。

下手したら館長さん達も無事では済まないかもしれない・・・

 

「・・・後輩達も口止めとして抹消されて可能性もある」

 

アイツの事だ。

本当に実行しそうだから時間がない・・・

あと2日と言っても実際は

明日を入れて2日という事かもしれない。

 

「ユーリ・・・」

 

するとティアちゃんが入ってきた。

 

「何で来たの?」

「ユーリと同じ理由で自由登校だから来たの」

「なるほどね」

「ユーリ、昨日ウミの家で言った事って・・・」

 

そう聞いてきたので僕はティアちゃんに

逆に尋ねるように質問した・・・

 

「・・・ねぇ。ティアちゃん」

「ユーリ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideティア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーリは今何て言った?

私の考えが間違ってなければ

今からユーリが起こす行動は法を犯す行為。

中学1年の時に起きた放課後の惨劇・・・

あの時からユーリは変わってしまった。

昔の彼は、もういない・・・

だから私とルナ、カレンの3人で決めた。

 

 

 

 

(ユーリが世間から嫌われても、ずっと味方でいるって)

 

 

 

 

この言葉に嘘はない。

私達3人はユーリの本当の優しさを知っている。

彼が罪を背負うと言うのなら私も背負う。

以前、ユーリが言っていた事。

それは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『高校を卒業して答えが1年間、見つからなかったら命を絶つから』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最悪の結末になってしまっても

ユーリが考えて出した答えなら受け入れる・・・

だから私の答えは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日ウミの家に行く理由は決めた事を実行する報告?」

「・・・そうだよ」

「なら私も行くわ」

「・・・何で?」

「私はユーリの味方だから」

 

僕が決めた事を知っても言ってくれた・・・

だから僕はティアちゃんに・・・

 

「・・・ありがと」

「どういたしまして♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー園田家ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません。夜遅くに・・・」

「気にしないでくれ」

 

僕とティアちゃんは

昨日と同じ時間に園田家に来ていた。

理由は・・・

 

「お願いがあって来ました」

「それはなんだい?」

「これから僕が行う事を、みーちゃんには言わないでください」

「一体何を・・・」

「私が説明します」

 

 

・・・やっぱり気づいてたか。

そしてティアちゃんが説明を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくら何でも賛成できん!」

「悠里くん、考え直してくれない?」

 

考え直してほしいと

みーちゃんの両親から言われた。

だけど僕は・・・

 

「みーちゃんが、この先ずっと笑っていられるのなら僕は迷いません」

「・・・法を犯してもか?」

「どうせ僕は学校でも嫌われているんですから気にしてませんよ」

「・・・だが!!」

「じゃあ行ってきます。それから今までお世話になりました・・・」

 

そう言い残し立ち去ろうとすると・・・

 

「ユーリ」

 

ティアちゃんに呼び止められた。

 

「私とルナとカレンはユーリの味方だから忘れないでね・・・」

「・・・ありがと。」

 

そして僕は目的地に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideティア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ティアちゃん!!。どうして止めなかったの!?」

 

ウミのママが私に涙目になりながら聞いてきた。

 

「ユーリだって本当はやりたくなかったと思いますよ」

「だが何故、選んだんだい?」

 

ウミのパパが疑問に思いながら尋ねてきた。

 

「法を犯してもウミを守りたかったんだと思いますよ」

「だからと言って・・・」

「正確にはウミと思い出の場所を守りたかったんでしょうね」

「思い出の場所ってもしかして・・・」

 

ウミのママは気づいたようだ

 

「・・・ウミと出会った水族館ですよ」

「何て事・・・」

「それだけじゃなく園田家も守りたかったと思います」

 

ユーリの事だから

多分、それも含まれているんだと私は推測する・・・

 

「悠里くんに何て言えば・・・」

「たった1人の子供に罪を背負わせるなんて・・・」

 

ウミの両親は顔を俯かせながら呟いた。

私は今にも雨が降りそうな満月を見ながら・・・

 

 

 

(ユーリ、無事に帰って来てね・・・)

 

 

 

そう願うしかなかった・・・

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・着いた」

 

辿り着いた目的地は

アイツが夜中に現れるという鉄橋だった。

この場所は滝が見える事で有名な場所だ。

 

「・・・この橋の下って暗いから水の深さが分からないよね」

 

すると足音が聴こえたので近くの木に隠れる。

覗いて見るとアイツと2人くらいの武装をしていた人がいた。

 

「じゃあ水族館を潰すのは任せるよ」

「はっ!!。お任せください!!」

 

(なるほどね。ゲームで例えるなら『傭兵』ってところか)

 

現に、報酬金を渡していた。

しかも多額だ。それ相応の働きをしろって事ね・・・

 

(となると、もう1人の方は・・・)

 

予想通りの会話が聴こえた・・・

 

「弓道部の連中と()()()()()()()()

「生死は問わなくてもいいですかい?」

「もちろん構わないよ。後始末とかはこっちでやっとくから」

 

(みーちゃんの両親も殺すだって・・・)

 

アイツが言った事は邪魔者を完全に排除し

みーちゃんの弱みを握る事だった・・・

 

(なら僕に迷いはない・・・)

 

僕は姿をアイツの前に現した。

 

「・・・ねえ。」

「!?。き、貴様は水無月!!」

「・・・さっきの話。聞かせてもらったから」

「はっ!。なら見逃すわけにはいかないな!!」

「・・・だったらどうする気?」

「おい。お前ら、こいつ殺せ」

 

すると傭兵2人が僕の前に立った。

 

「坊主、悪く思うなよ」

「・・・お仕事は傭兵ですか?」

「ハズレだ。()()()さ!!」

「・・・現実で初めて見ましたよ」

 

どうやらアイツが雇った2人は殺し屋だった。

武装を確認してみると、手にはサーベルのような物を

持っていた。

 

「あばよ水無月。せいぜい、あの世で仲良くな!」

「そういう訳だ坊主。」

「恨むなら、この場に来た事を恨むんだな!」

 

そして殺し屋は僕に向かってきた・・・

 

(これから法を犯してしまうのに、落ち着いていられるのに驚きだよ)

 

僕は持ってきた模造刀を鞘から引き抜いた。

 

「「死ねえ!!」」

 

殺し屋が振りかぶった瞬間・・・

 

 

 

 

 

ーーザシュ!!ーー

 

 

 

 

「「カハッ!?」」

 

首の頸動脈を躊躇いもなく切り裂いた・・・

 

「・・・。」

 

そして殺し屋の2人は橋の下へと落ちていった

僕はアイツを睨みつけた・・・

 

「ひっ!?」

「あとは君だけ・・・」

「や、やめろ!?」

 

土砂降りの雨が降る中、言い逃れを始めた・・・

 

「これは弓道部の為にやった事なんだよ、仕方なく!」

「・・・だったら罪もない後輩達を殺すとか言わないでしょ」

「ま、待て!!。こうしよう!!」

 

僕が近づくと、こう言い始めた。

 

「君の望みを叶えてあげよう!!」

「・・・僕の望み?」

「そうさ!!。金と権力さえあれば何でもできるんだ!!」

「・・・じゃあ。お願いしようかな」

「そ、それは何だい?。言ってごらん?」

 

僕は模造刀を持ちながら無言で近づいた・・・

 

「ち、近寄るな!?。落ちこぼれが!!」

「・・・やっと本音が出たね」

 

初めから分かっていた。

この場を上手く丸めて逃げようとしたんだろう・・・

そして僕が追いつめると橋の下に落ちかける。

 

「た、助けてくれ!?」

「・・・そうやって弱い奴を消したりしたのは誰?」

「ひっ!?」

「・・・別に僕が嫌いならいいよ。けどね・・・」

 

僕は模造刀を持った手を振り上げ・・・

 

 

 

 

 

 

「・・・みーちゃんを傷つけるのは許さないから」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーザシュ!!ーー

 

 

 

 

「う、うわあああぁぁぁぁ!?」

 

アイツの腕を切り落とし

橋の下へ落下させた・・・

 

 

 

 

「・・・戻ってティアちゃんに話そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずぶ濡れになりながらも

人を殺してしまった感触は抜けなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




悠里が断罪をした回でした。
次回で海未編は最終回です。
頑張って執筆しますので
よろしくお願いします。


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第44話 青の少女との別れ

ゆるポメラです。
今回で海未編は最終回です。
悠里とティアのやり取りを
執筆してみました。

それではどうぞ。


今日も僕は多目的室に来ていた。

 

「・・・これで良かったのかな」

 

今朝の報道で流れたのは

アイツの死体が発見された。

遺族側はアイツの身勝手な行動には

気づいていたみたいで「もっと早く止めていれば」と

コメントをしていた。

口止め料を受け取っていた教師は解雇され

後輩達も無事に弓道部に復帰できたらしい。

 

「水族館も無事で良かった・・・」

 

水族館の方は被害が無かった。

あと少し遅ければ潰されていた。

結果的には良かったのかもしれない・・・

 

「ユーリ、入るわね?」

 

ティアちゃんが入ってきた。

 

「・・・おはよう?」

「もう昼よ?」

「・・・じゃあ、こんにちは」

 

何だろう、この会話。

ティアちゃんは僕の隣に座りはじめた。

しばらくして・・・。

 

「ユーリの事。謝ってたわよ」

「・・・誰が?」

「弓道部の後輩達」

「・・・謝られる理由が分からないんだけど?」

「『今まで酷い事言って、すみませんでした!!』って」

「・・・邪魔な先輩が消えて良かったって事?」

「違うわ。土下座して謝ってたわよ」

「・・・それで?」

「私が本当に悪いと思っているならユーリの分まで優勝しなさいって言ったの」

 

・・・なるほど。

最近、弓道部が忙しくなっているって花怜ちゃんから

聞いたけど本当みたいだね。

 

「・・・ねぇ。ティアちゃん」

「アイツを殺した事?」

「・・・うん」

「確かにユーリがやった事は間違っているわ」

「・・・。」

「だけどユーリがやった事で助けられた人だっている」

「・・・え?」

「弓道部の後輩達、思い出の水族館、そして何より・・・」

 

ティアちゃんは僕の目を見てハッキリ言った。

 

「ウミを守ったじゃない」

「・・・そうだといいね」

「私が保証するわ」

「・・・ありがと」

 

7月の夏だというのに涼しく感じる。

時刻は午後14時30分。

僕はティアちゃんに・・・

 

「・・・今から水族館に行かない?」

「ユーリ、急にどうしたの?」

「・・・何となくだよ」

「じゃあ、お言葉に甘えようかしら?」

「・・・パフェぐらいは奢るよ」

 

ティアちゃんと会話をしながら昇降口に向かった。

途中、弓道部が見えたので遠目からだが

みーちゃんが練習をしていた。

その表情は、楽しそうな笑顔だった・・・

 

(もう会えないし・・・)

 

僕は届かない声で・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バイバイ、みーちゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして僕が中学2年の13歳。

7月の夏休みに起きた惨劇は回避され幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで全部よ」

 

ティアが聞かせてくれた内容は

私にとっては残酷過ぎだった・・・

 

「そ、そんな・・・」

 

今の真実が本当なら疑問に思っていた事も

納得できる。

 

「お父様とお母様は知ってたんですか・・・?」

「ユーリが、あいつを殺した後にウミの両親に報告に行ったわよ」

「ゆ、悠里君は・・・」

「ずぶ濡れになりながら帰って来たわよ」

 

もうこれ以上は聞きたくない・・・

それぐらい私の心は悲鳴を上げていた・・・

 

「・・・ウミ。」

「えっ・・・?」

 

私は恐らく顔がグシャグシャになるくらい

泣いていると思う・・・

私だけじゃない。

 

「もぅ、こんなの聞きたくないよぉ・・・」

 

ことりは泣きながら耳を塞ぎ・・・

 

「嫌だ、もぅ聞きたくない・・・」

 

穂乃果は頭を両手で押さえ震えながら泣いていた・・・

 

「ユーリは人を殺してまでもウミの事を助けたかったのよ」

「ど、どうしてそこまで・・・」

 

そしてティアは私の目を見て言い切った。

 

()()()()3()()()()()()()()()()()()()()だからよ」

「・・・っ!!」

 

私は最低な人です。

なんで今まで忘れてたんだろう・・・

どんな真実でも聞くって覚悟していたのに

辛すぎてどうにもならなかった・・・

 

「ゆ、悠里君、ご、ゴメンなさい・・・」

 

私は泣き崩れる事しかできなかった。

 

「・・・最後の話ね。カレン、お願いね。」

『この状況で話すのは気が引けるけど・・・』

「私とルナも話したんだから、()()()を言わないと」

『そうだね・・・』

 

最後の話?

正直、瑠菜とティアの真実を聞いただけでも

辛いです・・・

 

『最後に私が話すのは穂乃果ちゃんに関係する事だよ』

「・・・えっ?」

 

穂乃果は泣きながらも

花怜の話を聞いていた。

 

『内容は私が今の姿になった理由も関係する話だよ』

「・・・花怜ちゃんが今の姿になった事?」

『そうだよ』

 

花怜が思念体になった理由?

 

「ウミ。中学3年の時の2月に謎の怪死事件があったの覚えてる?」

 

中学3年の時の2月・・・

確か穂乃果が高校受験で忙しかったのは覚えてる。

花怜も一緒にいた筈です。

 

『中学3年生の時、ゆうり君に・・・』

 

 

 

 

花怜は悲しい表情をしながら

話始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『穂乃果ちゃんと私を守る為に『友達殺し』の罪を着せてしまった話。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、『園田海未編』終了です。
海未ちゃん視点で終わらせてみました。
次回は最後の真相編『高坂穂乃果編』を開始します。
こちらも同様にサブタイが変わりますので
よろしくお願いします。


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過去の真相編 高坂穂乃果
第45話 太陽の少女との出会いと日々


ゆるポメラです。
最後の真相編は前回の予告通り
穂乃果編です。
コンセプトは『自分と他人。どちらを優先するか?』を
イメージして執筆しました。
更に海未編のラストで花怜が発言した
『友達殺し』の事も穂乃果編で明らかにします。
主な登場人物は、悠里、穂乃果、花怜の3人です。

それではどうぞ。


僕がまだ小学2年生の終わり頃・・・

 

「母さんが言っていた和菓子屋ってこっちかな?」

 

僕が母さんに渡された地図を見ると

 

「ゆうり君、あっちみたいだよ!」

「ありがと。花怜ちゃん。」

 

三日月花怜(みかづきカレン)ちゃん。

彼女の家は有名な武術の家系、

『三日月流』の後継者なんだって。

 

「花怜ちゃんも同じ場所に、おつかいだったんだ?」

「うん♪。ママに頼まれたのー♪」

 

花怜ちゃんとは幼稚園からの付き合いで

母さんと父さんも花怜ちゃんの両親とは

幼馴染みって聞いた。

 

「ここかな?」

「なんて読むんだろう?」

 

着いた和菓子屋の場所は

こう書かれていた。

 

 

 

 

 

『穂むら』

 

 

 

 

 

 

 

「入ろうか?」

「そうだね・・・」

 

僕達は初めてのおつかいなので

正直、緊張していた・・・

だって入りにくいんだもん!

 

「こんにちはー♪」

「え!?。花怜ちゃん!?」

 

あっさりと入っていくので

僕も入ると・・・

 

「いらっしゃいませー」

 

僕と花怜ちゃんと同い年くらいの

女の子が出迎えてくれた。

 

「「こ、こんにちは・・・」」

 

い、今時の小学生の女の子って

店番もやっているの?

それくらい僕達はビックリしていた・・・

 

「ほのかはね、こうさかほのかっていうんだよ!!」

 

・・・えっと、自己紹介しなきゃいけないのかな?

 

「み、みなづきゆうりです。」

「みかづきカレンです♪。よろしくね♪」

「うん!。ゆうちゃん、カレンちゃん!」

「よろしくね、ほのちゃん。」

 

すると奥から・・・

 

「穂乃果?。どうしたの?」

「あ、お母さん!お客さんがきたの!」

「お客さんって・・・。あら!」

「「こ、こんにちは・・・」」

「まあ~。もしかして2人共おつかい?」

「「は、はい。」」

 

僕は、ほのちゃんママに

母さんに頼まれた物を注文しようと

したら後ろから聞き覚えのある声がした。

 

「悠里、お金渡すの忘れてしまったわ!?」

「花怜、財布。忘れてるわよ!?」

 

母さんと花怜ちゃんの母親の未花(みか)さんが

慌てた様子で、お店に入ってきた・・・

 

「藍里ちゃんに未花ちゃん?。慌ててどうしたの?」

「はぁ、はぁ。悠里に空の財布だけを渡しちゃって・・・」

「ぜぇ、ぜぇ。花怜が家に財布を置いたまま・・・」

「え!?。この子達、藍里ちゃんと未花ちゃんの子供なの!?」

「そ、そうよ。私の息子の悠里・・・」

「と、隣にいるのが私の娘の花怜・・・」

「・・・どうりで2人の面影があると思ったわ」

 

ほのちゃんママは納得した様子で僕達を見て頷いていた。

 

「・・・本当だ。財布はあるのに、お金がない」

「あれ!?。私もないよ!?。あれ?、あれれ!?」

 

すると母さんは・・・

 

「ゆ、悠里。穂乃果ちゃんと3人で遊んでらっしゃい」

「そ、そうね。花怜、一緒に行ってらっしゃい」

 

・・・母さん達、大丈夫かなぁ

僕と花怜ちゃんが心配していたら

 

「「大丈夫よ!!」」

 

声を揃えて言い切った・・・

 

「2人共?、息を切らしながら言っても説得力ないわよ?」

 

ほのちゃんママに論破された。

 

「お母さん、ゆうちゃん達と遊びに行っていいの?」

「ええ♪。悠里くん、花怜ちゃん。穂乃果をお願いね?」

「「はあーい」」

 

すると、ほのちゃんと花怜ちゃんが

僕の腕を組んできた。

 

「ゆうり君♪。早く行こう♪」

「えへへ///。ゆうちゃん、早く行こっ♪」

「ふえー!?」

 

母さん達を見ると・・・

 

「「「あらあら♪」」」

 

・・・やっぱりニヤニヤしていた。

助けてはくれないみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが僕と

ほのちゃんの出会いでした・・・

 

 

 

 

 

 

 




短いですが最初が終わりました。
穂乃果編ですが、あと何話続くかは
まだ未定です。ごめんなさい・・・
ただ、ストーリーの構成は考えてあるので
安心してください。
次回からは暗い内容が少しずつ続くと思います。
これからもよろしくお願いします。



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第46話 沈む太陽の少女と三日月の少女

ゆるポメラです。
ここ最近、穂乃果編でのサブタイに悩んでいます。
ストーリー構成は浮かんでいるのに肝心のサブタイが
浮かばない始末・・・(涙目)
息抜きにスクフェスを起動し、ストーリーを見ていたら
落ち込んだ穂乃果の表情エフェクトがあったので
「こ、これだ!」とサブタイが浮かんできました。
ちなみに前のスマホ(高校を卒業してから6年間)のスクフェスのデータは
ラブアローシュートされました(バックアップしなかった自分が悪い。)
今回は、そんな感じでサブタイが思いついた回です。
内容が短いかもしれません・・・

それではどうぞ。


中学3年生・・・

この時期は受験やら何やらで忙しい時期

僕も一応、進学したいので勉強していた。

 

「・・・合格させてくれないよなぁ」

 

落ちこぼれの自分が頑張っても

権力か何かを使われてしまうのが目に見えた。

というか今日まで頑張ってこれたのが

逆に凄いと思う。

 

「・・・この先やっていけるかな?」

 

中学1年の時は、ことちゃんの治療費を払い、

更に中学2年の時は、みーちゃんを守る為に人殺しの実行・・・。

ここまでくると、散々な中学生活だった。

 

「修学旅行も楽しくなかったし・・・」

 

・・・そうそう。

京都に修学旅行に行ったのだが

僕だけハブられた。

何が「団体行動は乱すな!」だよ。

・・・バカバカしい。

帰りのバスには置き去りにされるし、

旅館での夕食は僕の分だけが無かった。

結局、何も食べれずに部屋で僕は1人で過ごした。

 

「無事に卒業できるか不安なんだけど・・・」

 

溜息をつきながら考えていると

家の電話が鳴ったので出る・・・

 

「・・・はい。水無月です。」

『ゆうり君ー、勉強教えてー(><)』

「・・・。」

 

受話器を出た瞬間に

泣いているような声を出すのは1人だけしかいない・・・

 

「・・・どうしたの花怜ちゃん?」

『私と穂乃果ちゃんに数学を教えて~』

 

・・・忘れてた。

ほのちゃんと花怜ちゃんは数学が壊滅的なくらい苦手だった。

僕は簡単な暗算くらいなら出来るけど、2人は違う。

分かりやすく例えると中学3年生になっても九九が言えないと

言えば分かりやすいかな?

 

「今どこで勉強してるの?」

『花怜の家ー・・・』

「・・・今から行くね?」

 

一人称が変わった花怜ちゃんは

凄く弱気になる。

・・・数学限定だけどね。

 

「・・・持ち物は、大丈夫だね」

 

僕は、必要な物だけを持って

家を出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー三日月家ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・2人共。大丈夫?」

「「・・・無理」」

 

花怜ちゃんの家に着き部屋に

お邪魔すると数学の教科書を睨みつけながら

百面相をしていた2人がいた。

なんともシュールな光景である。

 

「なんで僕を呼んだの?」

「最後の頼みが、ゆうり君だけなんだよ!」

「ゆうちゃん、お願い!」

 

2人は涙目になりながら

僕の手を握りはじめた。

・・・というか

 

「ティアちゃん達に教われば良かったんじゃないの?」

 

正直、僕なんかより

ティアちゃんとルーちゃんの方が数学に関しては適任な気が・・・

すると花怜ちゃんは・・・

 

「ティアちゃんに『自分でやりなさい!』って言われたんだよ!?」

「あれ?、ルーちゃんは?」

「『花怜ちゃん頑張って?』って言われた・・・」

 

多分、ティアちゃん達に頼らずに自分の力でやりなさいって意味

だと思う。ルーちゃんに関しては『ルナもカレンを甘やかさないの!!』

って言ったのが想像できる。

 

「・・・ほのちゃんは?」

「聞いてよ!、ゆうちゃん!」

 

頬をプクッと、ふくらませながら

ほのちゃんは・・・

 

「海未ちゃんに『自分でやってください!』って言われたんだよ!?」

「一応聞くけど、ことちゃんは?」

「『穂乃果ちゃん頑張って?』って言われちゃった・・・」

 

・・・あるぇ~(・3・)

同じ理由なのは気のせいかな?。かな?

あ、もしかして・・・

 

「それで?」

「花怜ちゃんと2人で海未ちゃん達に抗議したんだよ」

 

・・・え?。みーちゃん達?

 

「私と穂乃果ちゃんが『自分でやらないとダメなの!?』って聞いたの」

「そしたら?」

 

ほのちゃんと花怜ちゃんは声を揃えて・・・

 

「「海未ちゃんとティアちゃんに『当たり前です!!』って・・・」」

「・・・そりゃ言うよ」

 

それで今に至る訳なんだね・・・

このままじゃラチがあかないので

 

「・・・僕なんかでいいなら教えるよ。」

「「本当!?」」

「・・・うん」

 

そう言うと2人は僕に抱きついてきた。

 

「ゆうり君、ありがとう♪」

「ゆうちゃん///。穂乃果うれしい///。」

「・・・分かったから、早くやろうね?」

「「はあいー♪」」

 

こうして2人に数学の勉強を

僕なりに教えた・・・

 

 

(・・・こんな僕でも頼られると、やっぱり嬉しいな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど僕は気づかなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのちゃん、花怜ちゃんと過ごす時間が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日で最後だとは知らずに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惨劇の歯車は回り始めていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は悠里が中学3年生なので
穂乃果と花怜の3人での受験勉強を執筆してみました。
次回は暗くなる要素が増えていく予定です。
余談ですがスクフェスで『ゆるポメラ』という名前が
あったら、それは自分です(Rankは8ですが・・・)
もし見かけたらよろしくです。
次回も応援よろしくお願いします。



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第47話 血塗られる運命の2月

ゆるポメラです。
最近、自分の所の気温が暑くてヤバいです。
みなさんの所はどうですか?
前回の予告通り今回から
暗くなっていきます。

それではどうぞ。


ほのちゃんと花怜ちゃんに数学の勉強を

教えてから3日後・・・

 

「・・・これは一体?」

 

現在、僕が疑問に思っている事は

教室の空気がピリピリしていた事だった。

僕は自分の席に座った。

 

「・・・何、この視線?」

 

ただの変な物を見る視線じゃない。

殺意のような・・・

それに近い感じだった。

 

(とりあえず今日は静かにしていよう・・・)

 

僕は放課後になるまで待った・・・

 

 

 

 

 

ーー放課後ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・静かすぎにも程がある」

 

今日は違和感が、いくつかあった。

昼休みは教室がガラ空きになってたり

帰る時は、周りは誰とも一緒になって帰ろうとは

誰1人共いなかった・・・

 

「ゆうくん・・・」

「ユーリ・・・」

 

考えていると

ルーちゃん、ティアちゃんがやって来た。

 

「・・・2人共、どう思う?」

「気味が悪かったよ」

「周りが疑心暗鬼の目をしていたわ」

 

ティアちゃんの言う通り

クラス全員が疑心暗鬼になっていた・・・

それだけじゃない・・・

 

「花怜ちゃん。どうしたんだろう・・・」

「そうね・・・」

 

・・・そう。

花怜ちゃんが来ていないのだ。

朝の出席でも先生が花怜ちゃんの名前を言った途端、

周りが完全に怯えていた。

 

「・・・花怜ちゃんの名前を出した途端が気になるね」

「何があったのかしら・・・」

「今まで無かったよね」

 

ルーちゃんが言う通り

今日まで全く無かったのは紛れもない事実だ。

つまり、3日前に花怜ちゃんに何かあったという事になる。

 

「ユーリ、最後にカレンに会ったのは?」

「・・・3日前。ほのちゃんと3人で数学の勉強してたよ」

「ゆうくん、花怜ちゃんの様子は?」

「・・・いつも通り。悩みがあったとしても僕でも気づくよ」

 

花怜ちゃんは昔から喜怒哀楽がハッキリしているから

僕達3人でも分かる。

だから異変に気付いた・・・

 

「・・・今から花怜ちゃんの家に行こう」

「うん・・・」

「そうね・・・」

 

嫌な胸騒ぎがしながらも

僕達は花怜ちゃんの家に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「・・・え?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

僕達は今、衝撃的な光景に口が塞がらなかった・・・

 

「ど、どうして・・・」

「カレンの家が・・・」

「無くなっているの・・・?」

 

・・・そう。

跡形もなく消失していた。

一体何で・・・?

 

「とにかく探そう!!」

 

僕達は必死に捜した・・・

だが人だけではなく物すらも無い・・・

僕は2人に・・・

 

「ルーちゃん何か見つかった!?」

「ううん!!、見つからない!!」

「ティアちゃんは!?」

「カレンの家の破片すら見つからないわ!!」

「・・・くそっ!!」

 

花怜ちゃんの家の周辺を捜したが

結局、何も見つからなかった・・・

 

「ユーリ・・・」

「人為的だよね・・・」

「ゆうくん、絶対そうだよ・・・」

 

花怜ちゃんの家系は

かなり有名だから、僕の両親と同じ目に

遭ってしまったのかもしれない・・・

 

「・・・ん?」

 

何か光る物が見えたので

近くに行くと・・・

 

「・・・空き瓶?」

 

インテリアでも使える

蓋がコルク栓で閉じてある物だった。

 

「!?。ユーリ、これ見て!?」

「ゆうくん、手紙みたいのが入っているよ!?」

「えっ!?」

 

2人に言われ空き瓶の中を見てみると

空き瓶と同じ色をした手紙が入っていた・・・

急いで開けて手紙を読む。

そこに書かれていたのは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゆうり君、瑠菜ちゃん、ティアちゃんへ。

 

この手紙を読んでいるという事は花怜の家の惨状を見たんだよね?

 

ゆうり君と穂乃果ちゃんが帰った後の夜に、黒い服を着た人達が来て

 

花怜のママとパパを殺したの・・・。

 

多分、ゆうり君の両親と同じ世間には公表されないと思う・・・

 

ここからが本題ね?

 

次は花怜が関わった人達が殺されると思う。

 

ターゲットは恐らく高確率で穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん

 

の3人になるって()()()()()()()()()()()()()に聞いたよ。

 

その人達の特徴は、黒い服に何の変哲もない腕章を装備していたよ。

 

花怜はもう助からないかもしれない・・・

 

もし次に会うとしたら知らない花怜になってるかもしれない。

 

瑠菜ちゃん、いつも花怜を庇ってくれてありがとね。

 

ティアちゃん、いつも花怜のワガママに付き合わせてゴメンね?

 

それから、ゆうり君・・・

どんな決断をしても花怜は、ゆうり君の味方だからね?

 

 

 

 

大好きだよ・・・

 

                  三日月花怜(みかづきカレン)より』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「・・・。」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・よく分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユーリ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に一人称が変わって綴られた

花怜ちゃんの気持ちは心が追いつめられた証拠・・・

僕もティアちゃんと同じ感情をしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆうくん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーちゃんも低い声をしていた・・・

花怜ちゃんの手紙の内容が正しいなら今度は

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんを殺すだと・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ふざけんなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・これが世間のやり方か。

花怜ちゃんの家族を殺した挙句、

これから僕達3人の友達を殺すだと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルーちゃん、ティアちゃん・・・」

「上等だよ・・・」

「私達への宣戦布告ね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校進学?

そんなのどうでもいい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「跡形も無く殺してやる!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕達の感情が爆発し

殺意が芽生えた瞬間だった。

 

 

 




上手く表現できたかは分かりませんが
今回は悠里、瑠菜、ティアの3人の黒い感情を
爆発させてみました。
次回も暗い内容になりますが
よろしくお願いします。


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第48話 真夜中の決闘

ゆるポメラです。
今回は悠里、瑠菜、ティアの3人の
オリキャラの視点を中心にしてみました。
サブタイとあまり合ってないかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


花怜ちゃんからの手紙を読んだ

その日の夜の午前0時・・・

僕達3人は神田明神にいた。

 

「・・・2人共いいの?」

「今更でしょ、ユーリ?」

「そうだよ~」

 

本当は僕が1人でやろうとしたが

2人が「1人じゃ無理でしょ」と

理由をつけられ今に至る。

 

「・・・終わったら神田明神に集合ね」

「わかったわ」

「わたしも異論はないよ」

 

花怜ちゃんの手紙の言い方だと

相手は恐らく夜中に狙ってくるという事になる。

だったら今日に叩く。

 

「・・・じゃあ僕は行ってくるね」

「私も行動するわ」

「わたしも・・・」

 

僕達は、それぞれ目的地に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side瑠菜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは今、ことりちゃんの家に向かっている。

理由は花怜ちゃんの手紙の内容を3人で読んでしまったから。

大切な、お友達の親を殺されて黙ってられない・・・

 

「ことりちゃん達まで殺すなんて、わたしを怒らせたいのかな?」

 

それ以前に怒っているのは

高校受験が終わった2月に『安息』という空気を壊された事かな。

ゆうくんだけじゃなく、花怜ちゃんにまで理不尽な人生を

味わえとか・・・

 

「わたしは容赦しないから・・・」

 

一番気がかりなのは、ゆうくんだ。

ただでさえ中学1年生から酷い目に遭っていたのに

わたしとティアちゃん、花怜ちゃんの前では笑っていた事。

多分、精神的にも限界が近いのかもしれない・・・

 

「ゆうくん、高校どうするつもりなんだろ・・・」

 

わたしとティアちゃんと花怜ちゃんは

お母さんが理事長をしている高校に入学するつもり。

一応お母さんには、ゆうくんが同じ高校に入学できるように

お願いはしてある。

お母さん、ゆうくんの事すごく気にかけてたし・・・

 

「あの人達かな・・・」

 

ことりちゃんの家の周辺にある公園に

花怜ちゃんが言っていた黒い服を着た人が2人いた。

わたしは近くの茂みに隠れて話の内容を聞く。

 

「裏口から侵入し、対象を抹殺するぞ」

「それで三日月家の娘を誘き出すんですかい?」

「あの娘に逃げ場などないからな」

「流石!。先輩抜かりない作戦ですね。」

「権力を使い『自分の親を殺した』というデマを流せば造作もない」

「これで逃げ場はなしという事ですね!」

「中学3年の小娘如き殺す事も容易いしな!」

 

聞いてた内容は、わたしを怒らせる理由としては充分だった。

クラスのみんなが疑心暗鬼になってた原因が分かった。

 

「ねえねえ~・・・」

「「誰だ貴様!!」」

「誰でもいいでしょ~・・・」

「今の話、聞いたのか!?」

「それはもうバッチリと~・・・」

「先輩、この娘どうします?」

「知られたからには殺すしかないな」

「嬢ちゃん!、悪く思うなよ!」

 

そう言いながら突進してくる。

わたしが見たところ武装は、バタフライナイフだった。

もう1人の武装は釘バットだった。

 

(もうこれ以上、ゆうくんに辛い事はさせない!)

 

相手の攻撃を後ろに回り込んで回避し

わたしは懐から手作りチャクラムを素早く取り出し

相手の首を・・・

 

 

 

 

 

 

ーーボキッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ゴフッ!?」」

 

ありえない方向に粉々に圧し折った・・・

 

「わたしの大切な物に手をかけた事を恨むんだね・・・」

 

わたしは、その場をあとにし

神田明神に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideティア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は今、ウミの家に向かっている。

理由はカレンの手紙を読んだから・・・

 

「反吐が出るわね・・・」

 

私自身がこんなに怒ったのはいつ以来だろう?

 

「ユーリが大怪我した時以来ね・・・」

 

中学1年の時に頭から夥しい血を流していた時を

私とルナ、カレンの3人で見てしまった時は

言葉を失った・・・

特にカレンが怒ったのを見たのも、あの時が初めてだった。

 

「ユーリ、大丈夫かしら・・・」

 

いや、大丈夫じゃないと思う・・・

何せ一番辛いのはユーリだと思うから。

私だって辛い。

でもユーリの場合は、その比じゃない・・・

自分の親を失い、全校生徒から理不尽な事を受け、

それでも私達3人の前では笑っていた・・・

正直、見ているこっちが痛々しいくらい・・・

 

「カレンも辛いのかしらね・・・」

 

実はユーリが大怪我した時、

泣き叫んでいたのがカレンだった。

あの時は落ち着かせるのが大変だった・・・

今回の手紙だってそう・・・

あの手紙は私達3人へという事もあるかもしれないが

どちらかと言うとユーリへの気持ちが強かった。

 

「あれね・・・」

 

ウミの家の近くに例の黒い服を着た人がいた。

 

(人数は2人ね・・・)

 

私は話の内容が聞けるように

気配を消して近くに隠れた。

 

「ちっ!。不味い事になったな・・・」

「アニキ、どうかしましたか?」

「南家の方を任せた奴らが何者かにやられた」

「はあっ!?。そんなバカな!?」

「俺も冗談だと思いたいが事実だ・・・」

 

(ルナね・・・)

 

とりあえずコトリの方は大丈夫みたい。

私の方も終わらせないと・・・

 

「だ、だれだ!?」

「あら。見つかってしまったわ・・・」

「おい。俺らの話、聞いたのか?」

「えぇ。バッチリとね・・・」

「アニキどうします?」

「女だろうが関係ねえ!。殺す!」

「てな訳だ!!。死ねや!!」

 

私が見たところ所持していた武装は

サーベル二刀流だった。

もう1人も同じ武装だった・・・

 

(これ以上、ユーリに辛い事はさせないわ!)

 

私は仕込み傘を取り出し

相手が振りかぶった瞬間、肺の部分に狙い・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーードシュ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

風穴をあけた・・・

 

「女だからって甘く見すぎよ・・・」

 

私は合流する為

神田明神に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は今、ほのちゃんの家に向かっている。

 

「・・・あれかな」

 

すると、ほのちゃんの家の近くに黒い服を着た人がいたので

僕は電柱に隠れて話の内容を聞いた・・・

 

「どういう事だ!?」

「さっきからイレギュラーな事が続くなんて!!」

「計画は完璧だった筈だ!!」

「リーダーに任せるしか・・・」

 

(首謀者はアイツらじゃない・・・?)

 

イレギュラーな事とは恐らく

ルーちゃんとティアちゃんの事だろう・・・

だけど気になる言葉があった。

 

「・・・そういう事ね」

「だ、誰だ貴様!?」

「・・・。」

「こ、答えろ!」

「落ち着け。このガキを殺せば済む話だ!」

「そうだな!。とっとと死ね!!」

 

・・・どの口がそれを言う訳?

僕が溜息をつきながら思っていると

相手が鉄パイプを振り上げた瞬間を狙い・・・

 

 

 

 

ーーザシュ!!ーー

 

 

 

「「グフッ!?」」

 

模造刀で首の頸動脈を切り裂いた・・・

 

「花怜ちゃんだけでなく、ほのちゃん達まで殺すとか・・・」

 

僕は倒れた相手に向かって・・・

 

「僕は絶対に許さないから・・・」

 

模造刀を鞘にしまい

合流場所である神田明神に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆうくん大丈夫?」

「・・・なんとかね」

「ユーリ、顔色が悪いわよ?」

「実は・・・」

 

ほのちゃんの家で黒い服を着た人が

会話していた内容を2人に話した・・・

 

「ユーリ。どういう事・・・?」

「全員じゃなかったの?」

「・・・うん。あと1人残っているみたい」

 

これからどうするか考えていると

突如、後ろから殺気がしたので

僕達は反射的に構えた・・・

 

「この殺気に気づくとは君ら本当に中学3年生かい?」

「・・・誰ですか?」

「今回の首謀者と言えば分かるかな?」

 

相手は僕達3人が殺した黒い服を着た人達と

同じ格好だが少し違うところがあった。

それは蝶の刺繍が入った腕章をしていた事だった。

 

「私達に何か用かしら・・・?」

 

ティアちゃんが警戒しながらも尋ねると・・・

 

「何!、君達に絶望するようなプレゼントを持ってきただけさ」

 

何言ってんだ。この人は・・・

するとローブを纏った女の子が現れ

刀を取り出し僕に襲いかかってきた・・・

 

「・・・ぐっ!?」

 

一瞬何が起きたか分からなかった・・・

瞬きしたら刀を振り下ろされる直前だった為

ギリギリで受け止めた・・・

 

「い、一体、お前は誰なんだ!!」

「・・・。」

 

刀を受け流し僅かな隙ができたので

僕が切りかかると纏っていたローブだけが切れた。

 

「・・・えっ」

 

その女の子の正体は・・・

 

「う、うそ・・・」

「じょ、冗談でしょ・・・」

 

ルーちゃん、ティアちゃんも

かなり動揺しながら驚いている・・・

だって・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「か、花怜ちゃん・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紛れもない、花怜ちゃん本人だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕達は最悪の形で

再会してしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 




行方不明になっていた
花怜と最悪な形で再会させました。
穂乃果編もいよいよクライマックスです。
次回は暗い感じを大幅に出そうと思います。
これからもよろしくお願いします。


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第49話 散りゆく三日月の少女

ゆるポメラです。
穂乃果編もクライマックスです。
今回は前回の予告通り
かなり暗い展開です。

それではどうぞ。




嘘だと思いたかった・・・

僕は今の状況に追いつけなかった。

だが、それを否定するかのように

花怜ちゃんは切りかかってきた・・・

 

 

ーーガキンッ!!ーー

 

刀同士での火花が鳴る・・・

 

(・・・真剣だから重すぎる!!)

 

花怜ちゃんと剣戟して

分かった事があるのだが

僕が使っているのは、あくまで模造刀であり

剣圧が軽い。

だけど花怜ちゃんのは純粋な刀であり

本物である為、一撃が重い・・・

 

「フハハ!、良い気分だ!!」

 

黒い服を着たリーダーが高笑いをしていた・・・

 

「カレンに一体何をしたのよ!!」

 

ティアちゃんの問いに男は・・・

 

「ちょっとした洗脳をしただけさ。」

「何ですって・・・!?」

「しかも一度かかった者は2度と解除できない代物さ!」

「ふざけないでよ!!」

 

ルーちゃんが怒りながら男に飛び掛かるが

神田明神の鳥居の上に逃げられた・・・

 

「君達3人に敬意を表して、2度と会う事もないだろう」

「「「!?」」」

 

男が言った事に耳を疑った・・・

 

「これでも国家の一員なのでね。」

 

つまり国の上層部のエージェントみたいな人って事?

 

「そんな話、私達が信じられると思う?」

「お嬢さん、部下の失態はリーダーが取るものでね」

「失態なんかしたかしら?」

「『デマ情報を流せ』なんて指示した覚えはないね」

 

するとルーちゃんが・・・

 

「つまり独断での行動って事・・・?」

 

男は正解と言うかのように・・・

 

「そういう事だ。ではサラバだ!」

 

煙玉のような物を出して男は消えた・・・

 

「・・・そんな事より!!」

 

どうやって花怜ちゃんを助ければ・・・

 

「・・・。」

「ユーリ、後ろ!!」

 

ティアちゃんの叫びに気づくと

花怜ちゃんが僕の背後に回り込んでいた・・・

 

「・・・くっ!?」

 

危なかった・・・

ティアちゃんが教えてくれなかったら

確実に首を切られていた・・・

 

「・・・っ!?」

 

すると僕の頬から血が流れた。

一体なんで・・・

 

(・・・まさか今のが三日月流?)

 

対象に攻撃が当たらなかったら

何かしらの自然現象によるダメージが襲うって

小さい頃に花怜ちゃんが言ってたのを思い出した・・・

 

「・・・。」

 

すると花怜ちゃんが消え始めた。

気配を探ると上から殺気がした・・・

 

 

ーーガキンッ!!ーー

 

 

「カレン・・・。目を覚ましなさいっ!!」

「ティアちゃん!?」

 

花怜ちゃんの攻撃を受け止めた

ティアちゃんだったが・・・

 

「・・・。」

 

花怜ちゃんが空いた左手を使い・・・

 

 

 

 

ーーヒュッ!!ーー

 

 

「っ!?」

 

拳圧でティアちゃんを吹き飛ばした・・・

 

「も、もう・・・!!。やめてえー!!」

 

泣き叫びながら花怜ちゃんに飛び掛かる

ルーちゃんだが・・・

 

「・・・。」

 

花怜ちゃんは刀の()()()()()()()()()を使い・・・

 

 

 

 

 

ーーガドッ!!ーー

 

 

 

「あっ・・・!?」

 

鳩尾に当て行動不能にした・・・

 

「・・・嘘でしょ?」

 

今の花怜ちゃんは完全に自我がない。

その証拠に目のハイライトが消え、表情も

いつもの明るさでは無く冷徹さが漂っていた・・・

 

「・・・。」

 

そして再び僕に切りかかる花怜ちゃん。

だがしかし・・・

 

「・・・!?」

 

花怜ちゃんの動きが急に止まった・・・

しかも表情も苦痛に満ちた表情になっている。

 

「カレン、まさか自力で洗脳を解こうとしてるんじゃ・・・?」

「それって・・・」

「わたしもティアちゃんと同意見・・・」

「ルーちゃん、大丈夫!?」

「ルナもなの?」

 

ふらふらになりながらも

ルーちゃんは根拠を説明し始めた・・・

 

「わたしに攻撃した時、()()()()()()()で攻撃したんだよ」

「そういえば・・・」

 

確かにルーちゃんをカウンターする時、

若干だが花怜ちゃんの手が震えてた気がする・・・

 

(体が花怜ちゃんの意思で拒否反応したって事?)

 

なら僕達の声が届けば・・・

僕が思いついた瞬間・・・

 

 

ーーヒュッ!!ーー

 

もの凄いスピードで

花怜ちゃんが近づいて来た。

あの移動方法は、対象の懐に入り込む

ゼロ距離での攻撃・・・

 

「ルーちゃん、ティアちゃん離れて!」

 

2人が離れると

僕は模造刀を逆手に持ち

花怜ちゃんの攻撃を受け止める準備をする。

失敗したら確実に僕は死ぬ!!

 

(タイミングは一瞬だけ!)

 

そして花怜ちゃんが僕の懐に入り込み

刀を構え、振り上げた瞬間・・・

 

 

 

 

ーーガキンッ!!ーー

 

 

「捕まえた・・・」

「・・・!?」

 

花怜ちゃんの表情が変わった!

伝えるなら今しかない!

 

「花怜ちゃん!、帰ってきて!」

「・・・っ!?」

「カレン!!」

「花怜ちゃん!!」

 

ルーちゃんとティアちゃんも叫ぶ。

すると花怜ちゃんは・・・

 

「・・・ゆ、ゆう、り君。」

「花怜ちゃん!」

 

一瞬、元に戻りかけたが

次の瞬間・・・

 

「うぁ、あああああっ!!!」

 

発狂したかのように

僕に刀を振りかぶった・・・

 

 

 

 

ーーガキンッ!!ーー

 

 

 

「・・・くっ!」

 

さっきと違い剣圧が重くなっている・・・

花怜ちゃんの腕力が圧力をかけていた。

 

「これ以上・・・」

「花怜ちゃん・・・?」

 

花怜ちゃんが小声で

何かを伝えようとしていた・・・

 

「ゆうり君達を傷つける前に・・・」

「・・・えっ」

 

花怜ちゃんは泣いていた・・・

そして僕に懇願するかのように・・・

 

「ゆうり君、花怜を・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「か、花怜、ちゃん・・・?」

 

今、何て言った・・・?

 

「カレン!!、何バカな事言ってるのよ!!」

「花怜ちゃん!!、冗談やめてよ!!」

 

ルーちゃんとティアちゃんが

花怜ちゃんに怒鳴りながら叫んだ・・・

 

「もぅ。花怜の意思じゃ、どうにも出来ない・・・」

 

花怜ちゃんが泣きながら

ポツポツと呟いた・・・

現に刀を持っている右手も震えていた。

 

「このままじゃ花怜は穂乃果ちゃん達まで・・・」

 

・・・じゃあ

どの道、花怜ちゃんは助からないって事?

なんで、なんで!!

 

「花怜がこうやって正気のまま喋れるのも・・・」

 

恐らく『あと僅か』って言いたいんだろう。

花怜ちゃんの言葉が僕には分かった・・・

 

(だったら僕は・・・)

 

僕が花怜ちゃんに伝える事は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユーリ!?」

「ゆうくん!?」

 

分かってるよ・・・

だけど、このままじゃ花怜ちゃんは・・・

 

「ゆうり君、ありがとう・・・」

 

花怜ちゃんは笑っていた。

泣きながらも優しい笑顔で・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side花怜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最低だな花怜は・・・

だけど知らない誰かに殺されるくらいなら・・・

 

(・・・ゆうり君に殺されたい)

 

こうやって喋れるのも

今日で最後・・・

頭が乗っ取られる感覚が近くなってきていた・・・

 

(ゆうり君、本当にゴメンね・・・)

 

本当だったら一緒に高校に行きたかった・・・

穂乃果ちゃん達とまた遊びたかった・・・

瑠菜ちゃんに裁縫のやり方を教わりたかった・・・

ティアちゃんの怖い話を聞きたかった・・・

 

(何より・・・)

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()・・・

 

 

 

 

 

そして花怜は意識を失った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は覚悟を決めた・・・

一番辛いのは花怜ちゃんなんだから・・・

 

「うっ、うあああああっ!!!」

 

そして泣きながら僕に突撃する花怜ちゃん・・・

 

「・・・サヨナラ」

 

僕は花怜ちゃんに

別れの言葉を呟き・・・

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーズバッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花怜ちゃんは糸が切れた人形のように

静かに倒れた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あ、れ?」

 

僕が泣きながら花怜ちゃんを

抱えると正気に戻ったのか

目を覚ました・・・

 

「か、花怜ちゃん、ぼ、僕・・・」

 

正直ショックが強すぎて

なんて声をかけていいか分からなかった・・・

 

「ううん、ゆうり君は、悪くないから泣かないで?」

「カレン!、傷が深いんだから喋らないで!!」

「今、傷の手当てするから!!」

 

ルーちゃんの言葉に花怜ちゃんは

首を横に振り・・・

 

「・・・も、う。いいよ、どの道、助からないし」

「い、嫌だ!!。花怜ちゃん死なないでよ!!」

「・・・ゆ、うり、君。」

「な、なに・・・」

 

花怜ちゃんは僕の目を見ながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・だ、い好き。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を最後に

花怜ちゃんは僕の腕の中で息を引き取った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皮肉にも日付変更線になった今日は

音ノ木坂中学の卒業式だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




花怜が死んでしまった回です。
悠里が『友達殺し』という罪を
背負い込んでいた理由は、これが原因です。
次回で穂乃果編は最終回です。
頑張って執筆しますので
よろしくお願いします。


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第50話 太陽の少女との別れ

ゆるポメラです。
今回で穂乃果編は最終回です。
悠里が第24話で『寄り代』の意味も判明します。
中学時代の惨劇を乗り越えた代償は・・・

それではどうぞ。


今日は中学の卒業式。

だけど僕は正直行きたくなかった・・・

 

(最後に花怜ちゃんを失うなんて・・・)

 

神田明神で起きた出来事。

最終的に僕は花怜ちゃんを殺してしまった・・・

僕にとって初めて出来た友達を・・・

 

(・・・もう死のうかな?)

 

卒業式の日に死ぬのも我ながら悪くない・・・

それくらい思考が不安定だった・・

 

(朝ご飯作らなきゃ・・・)

 

そう思いながらも声に出そうとした瞬間・・・

 

「・・・っ!?」

 

あ、あれ・・・?

 

「・・・あ、あぅ」

 

僕は信じたくもない状況になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(()()()()()()()・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とうとう喋れなくなってしまった・・・

 

(ア、アハハ・・・)

 

僕は笑うしかなかった・・・

卒業式の日にコレか。

 

(もう、嫌だよ・・・)

 

自分で決めた筈なのに

これは流石に予想はしてなかった・・・

誰も助けてくれない・・・

 

(卒業式、サボろう・・・)

 

僕は朝ご飯も食べずに

外に出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side瑠菜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は中学の卒業式。

だけど、わたしとティアちゃんは

卒業式の最中だというのに居心地が悪い・・・

 

(みんな完全に忘れた顔している・・・)

 

朝、学校に来た時に

こんな会話を聞いた・・・

 

「邪魔者がいないのは気分がいいよな」

「それ言えてるわ!」

「アイツ死んだんじゃね?」

「それだともっといいよな」

 

聞いてて良い気分じゃなかった。

あの男子2人が言っているアイツとは

予想通り、ゆうくんの事だった。

わたしが殴ろうとした瞬間・・・

 

「ルナ、今はやめなさい・・・」

 

ティアちゃんに腕を止められた。

なんで止めるのかとティアちゃんを見ると・・・

 

「・・・。」

 

完全に男子2人に敵意の視線を向けていた。

 

「行くわよ、ルナ・・・」

「うん・・・」

 

卒業式が無事に終わり

わたしとティアちゃんは昇降口に向かっていた。

 

「ユーリ、どうしたのかしら・・・?」

「結局、来なかったよね・・・」

 

ゆうくんが卒業式にも関わらず来なかった。

休んだのは今日が初めてだ・・・

昨夜の花怜ちゃんの件が原因だけとは思えない・・・

 

「なんか胸騒ぎがする・・・」

「奇遇ね。私も・・・」

 

正直、わたし達は浮かれている気分じゃない。

気づけば走っていた・・・

 

「ゆうくんが行きそうな場所って!?」

「ルナ!!。神田明神に行くわよ!!」

 

ティアちゃんに言われて気づく。

確かに行きそうな場所だ!!

だって神田明神は・・・

 

(ゆうくんが花怜ちゃんと初めて出会った場所だから・・・)

 

わたしとティアちゃんは

神田明神に走りながら向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づけば僕は神田明神に来ていた。

 

(死に場所には、ちょうどいいや・・・)

 

実は花怜ちゃんと初めて出会った場所が

神田明神だったりする・・・

 

(高校。行きたかったけど・・・)

 

声も出せなくなってしまったんじゃ

意味が無い・・・

生きる価値もゼロに等しかった・・・

 

(結局、何も無い僕なんて・・・)

 

僕はポケットから

バタフライナイフを取り出し

自分の首の頸動脈をメッタ刺しをして

死のうと思い、ナイフを掲げた瞬間・・・

 

 

「「やめてー!!!」」

 

誰かに抑えられた気がした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideティア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とルナは神田明神に着いた。

何度来ても、ここの石段はキツイわね・・・

 

「ティアちゃん、あれ!」

 

ルナが指差した方を見ると

私が予想した通り、ユーリはいた。

 

「なんか様子が変ね・・・」

 

遠くからで見えにくいが

ユーリは生気の無い目をしていた。

しかも何かを取り出す仕草をしている・・・

 

「ゆうくん何を出す気なんだろ?」

「・・・鉛、筆かしら?」

 

鉛筆の割には小さすぎる。

まるで折りたたみ式的な何か・・・

 

「ティアちゃん、あれ刃物っぽくない?」

 

ルナが言った()()という単語に

該当する物が浮かんだ・・・

 

「・・・まさかバタフライナイフ?」

 

私の予想は当たっていた。

ユーリはナイフを自分の首に向け始めた・・・

 

「「えっ・・・!?」」

 

私とルナの考えは同じだった。

今すぐユーリを止めないと

取り返しのつかない事になると・・・

 

「ルナ!!」

「う、うん!!」

 

私達がユーリの元に走りだすと

ユーリはナイフを掲げた・・・

 

「「やめてー!!!」」

 

私とルナは叫びながら

ユーリを抑えた・・・

間一髪のところだった・・・

 

「ユーリ!!。何やってるのよ!?」

 

私は泣きながらユーリの肩を揺らし

怒鳴りつけていた。

 

「・・・ゆうくん」

 

ルナは怒りに震えながら

ユーリが落としたナイフを拾い上げ

握力で粉々に砕いた・・・

 

「ねえ!!、答えてよ!!」

 

ルナが問い詰めるが

しかしユーリは俯いたままだった。

私も限界だった・・・

 

「ユーリ黙ってないで何か言いなさいよ!!」

 

するとユーリは泣きながら

私とルナに・・・

 

「あ、ぁぅぅ。あぅ・・・」

「ユ、ユーリ・・・?」

「ゆ、ゆうくん・・・?」

 

じょ、冗談、でしょ・・・?

 

「ぁぅぅ。あぅ・・・」

 

ま、まさかユーリが

卒業式に来なかったのと

自分の首にナイフを刺そうとした

理由って・・・

 

「ユ、ユーリ。声が出ないの・・・?」

「・・・。」

「ゆ、ゆうくん。う、嘘だよね!?」

 

ルナの答えを否定するかのように

ユーリは泣きながら首を横に振った・・・

 

「そ、そんな・・・。」

 

ルナが絶望したかのように

その場に座り込んでしまった・・・

 

(声が出せなくなってしまった原因・・・)

 

「カ、カレンの事が原因で・・・!?」

「ティ、ティアちゃん。それってもしかして・・・」

「精神的ショックが強すぎて声が出なくなったのよ・・・!!」

「な、治らないの・・・?」

「私も分からない・・・」

 

どうしてユーリだけなのよ!?

これ以上、ユーリから何を奪いたいのよ!!

 

「ど、う、して・・・」

 

私は泣く事しかできなかった・・・

 

「・・・あーぅう、あぅう」

「え?、ユーリ?」

「ゆ、ゆうくん?」

 

声が出せない筈なのに

ユーリが「ルーちゃん、ティアちゃん」って

言っているように聞こえた・・・

するとユーリは私の手を取り、

人差し指で何かを書き始めた・・・

私は読み上げた。

 

「ルーちゃん、ティアちゃん。本当にゴメンね・・・」

 

私とルナがユーリの顔を見ると

ユーリは泣きながらも笑っていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゆうり君・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

するとカレンの声が何処からか聞こえた気がした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゆうり君、瑠菜ちゃん、ティアちゃん・・・』

 

声がする方を見ると

突然、光が輝きだした。

そこに現れたのは・・・

 

『また、会えた・・・』

 

死んだはずの花怜ちゃんだった・・・

 

「カ、カレン!?」

「お、お化け!?」

 

・・・いや、お化けじゃない。

 

『瑠菜ちゃんヒドイ!?』

「あ、あれ?」

「いつものカレンと喋っているみたい・・・」

『ティアちゃんまでー!?』

 

すると花怜ちゃんは僕の方を見て・・・

 

『ゆうり君ゴメンね、花怜のせいで・・・』

「カレン、ユーリは・・・」

『ティアちゃん?』

「声が出せなくなっちゃったのよ・・・」

『う、嘘・・・』

「わたし達の言葉は分かるみたいなの・・・」

『ゆ、ゆうり君?』

 

僕は花怜ちゃんに話しかけようと

喋ろうとしたが・・・

 

「あぅぅ。ぅぅぁ・・・」

 

必死に喋ろうと頑張ったが

声は出なかった・・・

 

『そ、そんな。な、んで・・・』

 

花怜ちゃんは泣きながら

僕に近寄ってきた。

 

『穂乃果ちゃんに何て言えば・・・』

「ウミにも言えないじゃない・・・」

「ことりちゃんにも言えるわけないよ・・・」

 

・・・そうだよね。

だから僕は近くにいたルーちゃんの

肩をトントンと叩いた。

 

「ゆうくん?」

 

僕はルーちゃんの手を取り

ティアちゃんと花怜ちゃんにも伝えるように

2人を手招きした。

 

「ユーリ?」

『ゆうり君?』

 

ルーちゃんに目線で

読んでね?と頼んだ。

 

「・・・うん。分かったよ、ゆうくん」

 

そして僕は綴った・・・

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんは

 

これから先、僕の事を忘れると思う・・・

 

だけど僕はそれでも良いよ。

 

こんな僕の事を心配してくれる友達が3人もいるんだから・・・

 

僕、高校を卒業するまで頑張ってみるね?

 

ルーちゃん、ティアちゃん、花怜ちゃん。

 

これからも友達でいてくれませんか?」

 

今の自分の答えを3人に伝えると

ルーちゃん、ティアちゃん、花怜ちゃんは

泣きながら・・・

 

「そ、そんなの当たり前だよ・・・」

「わ、私はユーリの味方だから・・・」

『う、うん。ずっと一緒だよ・・・』

 

僕は精一杯の声で・・・

 

「・・・あぃ、うぁ、おぅ」

 

ありがとうと伝えた瞬間

花怜ちゃん達が泣きながら抱きついてきた・・・

 

「「『う、うわぁあああん!!!』」」

 

僕は心の中で謝った・・・

 

(・・・ゴメンね)

 

ほのちゃん。

僕の事を忘れても

太陽のような笑顔と諦めない心

忘れないでね・・・

 

 

みーちゃん。

高校と部活の両立、大変かもしれないけど

頑張ってね・・・

みーちゃんなら出来るから。

 

 

ことちゃん。

落ちこぼれの僕に手作りクッキー

作ってくれてありがとね・・・

また2人で遊園地、行きたかったな。

 

 

 

 

 

(ほのちゃん達と出会えて嬉しかったよ・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして僕の中学時代は終わりを告げた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これで全部だよ・・・』

 

 

花怜ちゃんが穂乃果達に

話してくれた内容は聞きたくないくらい

悲惨なものだった・・・

 

「ゆ、ゆうちゃんは・・・」

『そうだよ。今も声が出ないの・・・』

「で、ですが悠里君は・・・」

 

そうだよ・・・

ゆうちゃんは今まで穂乃果達と

喋っていた筈なのに・・・

 

『合宿の時に、ゆうり君が()()()って言ってたの覚えてる?』

 

花怜ちゃんと一緒に行く時に

ゆうちゃんが言っていたのを思い出した・・・

 

「そ、それってなんなの・・・?」

 

ことりちゃんが泣きながらも

花怜ちゃんに聞いた・・・

 

『ゆうり君の首に付けてあるチョーカー型のペンダントだよ』

 

確かに学校でも

ゆうちゃんは付けていた気がする・・・

 

「そ、それを外すと悠里君は?」

 

海未ちゃんが泣き崩れながらも

聞くと花怜ちゃん達3人は声を揃えて・・・

 

 

 

 

 

 

 

「「『喋れなくなるよ・・・』」」

 

 

 

 

・・・信じたくない。嘘だと思いたい。

だけど花怜ちゃんの目が全て本当だと物語っていた。

 

「もぅイヤッ!!!、ことり聞きたくないっ!!!」

 

ことりちゃんは悲鳴を上げなから

外に飛び出してしまった・・・

 

「わたし、ことりちゃんを追いかけてくるね・・・」

『うん。分かった・・・』

 

瑠菜ちゃんは花怜ちゃんに伝え

外に出てった・・・

 

「・・・ウミ。散歩に行きましょう」

「はい・・・」

 

海未ちゃんの状態を察したのか

ティアちゃんも外に出て行った・・・

 

 

 

『穂乃果ちゃん・・・』

「う、うぅ・・・」

 

花怜ちゃんが穂乃果の傍にきてくれたが

私も限界が近かった・・・

 

 

 

 

 

「うぅ、ゆ、うちゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それくらい辛くて

穂乃果達3人の心はズタズタだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、『高坂穂乃果編』終了です。
穂乃果ちゃん視点で終わらせてみました。
次回で真相編は完結となります。
穂乃果、海未、ことりの3人の視点を
主に取り入れようと思っています。
頑張って執筆しますので
よろしくお願いします。


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悠里への想い
第51話 大切な人だから・・・


ゆるポメラです。
今回で『悠里の過去の真相編』は完結です。
上手く纏められたかは不安ですが
自分なりに頑張ってみました。

それではどうぞ。


僕は1人で歩いていた・・・

今は、そんな気分だったから。

何故なら・・・

 

(・・・()()()()()()()()()()()()())

 

高校1年生の時は、

首に付けているチョーカー型のペンダントを

媒介にして今日までやってこれたけど

そろそろ限界が近いみたい・・・

 

「あぅぅ。ぅぁぁ・・・」

 

試しに喋ってみたが

予想通り声は出せなかった・・・

 

(・・・どうしようかな?)

 

今のところ分かってるのは

余り喋り過ぎなければ会話はできる。

だけど声が出せなくなっている事は

中学の卒業式以来、変わって無い・・・

 

(とりあえずルーちゃん達にメールしよう・・・)

 

僕は携帯を取り出し

ルーちゃん、ティアちゃんにメールを送り

花怜ちゃんには()()で伝えた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりは気づいたら近くの公園に来ていた・・・

 

「もぅ、イヤ・・・」

 

泣いている理由は、

ゆーくんの中学時代の過去を知ってしまったから。

花怜ちゃんの話を聞き終わって堪えられなくなり

家から飛び出してしまった・・・

 

「どうして今まで・・・」

 

ゆーくんに会った時に気づかなかったんだろう・・・

怪我の事だってそう・・・

何より・・・

 

「声が出ないなんて信じたくないっ・・・」

 

嘘だと思いたい・・・

だって・・・

 

「ことりちゃん・・・」

「る、瑠、菜ちゃん・・・?」

 

どうしてここに・・・?

 

「心配だから追いかけてきたの」

「ご、ごめんね・・・」

「・・・やっぱり信じたくない?」

「うん・・・」

 

瑠菜ちゃんは隣に来て

溜息をつきながら・・・

 

「ゆうくんの怪我、どの程度か分かる?」

「分からない・・・」

「痛覚が無くなるくらいの怪我って言えば分かる?」

「そんな、なんで・・・」

「ゆうくんの事だから言いたくなかったんだと思う」

 

そんな事も気づいてあげれなかったなんて・・・

 

「・・・うぅ!!、ひっく!!」

 

ことりは泣きじゃくっていた・・・

 

「ゆうくんからメール・・・?」

「え・・・?」

「なんかあったのかな?」

「瑠菜ちゃん、どういう意味?」

「ゆうくんがメールをする時って大抵は辛い内容なの」

「そ、それって・・・」

 

瑠菜ちゃんは、ゆーくんからのメールの内容を

何も言わず真剣な表情で読みあげ、

辛い表情をしながらメールを返していた・・・

 

「なんで、ゆうくんばっかり・・・」

「る、瑠菜ちゃん・・・?」

 

瑠菜ちゃんが泣いていた。

ことりが理由を聞こうとすると・・・

 

「ことりちゃん。ゆうくんと話す覚悟ある?」

「な、なんで・・・」

「いいから答えて」

 

目が涙目になりながらも真剣な表情で

ことりに問う瑠菜ちゃん・・・

 

「今から、こっちに来るって言ってたよ」

「ゆ、ゆーくんが?」

「うん・・・」

 

ことりは向き合えるかな・・・

それでも・・・

 

「うん。ゆーくんと話したい」

「わたしも一緒だから大丈夫だよ?」

「瑠菜ちゃん、ありがとう・・・」

 

なんとか泣きやみ

ゆーくんが来るまで待った・・・

ことりは瑠菜ちゃんに聞いた。

 

「ゆーくん、なんて?」

「症状が悪化したらしいの・・・」

「えっ。そ、それって一体・・・」

「ゆうくんが来た時に説明するね?」

 

10分くらいした後

ゆーくんが来た・・・

 

「・・・。」

「ゆうくん大丈夫?」

 

瑠菜ちゃんが問いかけると

ゆーくんは首を横に振るだけだった・・・

 

「中学の事、ことりちゃん達に話したから」

 

ゆーくんは溜息をついたあと

寂しそうな目で、ことりを見た・・・

 

「あ、あのね。ゆーくん・・・」

 

ことりが近づき話しかけると

ゆーくんは・・・

 

「あぅぁ。ぅぁぅ・・・」

「えっ・・・?」

 

・・・ゆー、くん?

 

「うぅぁ。ぁあぅ・・・」

「そ、そんな・・・」

 

ゆーくんは本当に喋れなくなっていた・・・

瑠菜ちゃんが目を瞑りながら・・・

 

「ことりちゃん、これが現実なんだよ・・・」

「イ、イヤッ・・・」

 

信じたくない事を直視してしまい

ことりは口を押さえながら泣いていた・・・

 

(こ、こんなこと・・・)

 

すると、ゆーくんが

ことりの手を取った・・・

瑠菜ちゃんが、ことりに・・・

 

「ことりちゃん。ゆうくんの書いた事、読み上げてみて?」

「う、うん・・・」

 

泣きながらも読み上げると・・・

 

「ことちゃんが気にしなくても僕は平気だからね?」

「で、でも!!」

「それに、これは僕が選んだ事だから・・・」

「ゆ、ゆーくん・・・」

「だから。ことちゃん泣かないで?」

 

ゆーくんは責めるどころか

ことりを慰めてくれた・・・

本当は、ことりが悪い筈なのに

なんで責めないの?

 

「・・・あーぅう」

「ゆうくん、どうしたの?」

 

ゆーくんは瑠菜ちゃんに

何かを伝え始めた・・・

 

「今からティアちゃんがいる場所に行くけど行く?、だって。」

「え、どうして?」

「海未ちゃんも一緒だからだって・・・」

 

海未ちゃん、今のゆーくんの事どう思うのかな・・・

正直ことりも心の整理がつかないよ・・・

 

「あぅぅ?」

「ゆーくん?」

 

なんとなくだけど

「一緒に行く?」って言ってる気がする・・・

だから・・・

 

「うん。ことりも一緒に行く・・・」

「あーぅうぁ?」

「わたしも一緒に行くから大丈夫だよ~」

 

瑠菜ちゃんは笑顔で

ゆーくんに答えてた・・・

 

(ことりは・・・)

 

3人で海未ちゃんとティアちゃんが待っている場所に

向かいながらも、これからどうすればいいか

考えていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とティアは散歩をしていた。

理由は・・・

 

「ねぇ、ウミ」

「は、はい・・・」

「ユーリの事、嫌いになったの?」

「そ、それは・・・」

「正確には違うわね。どう向き合えばいいか分からないんでしょ?」

 

ティアの言う通り、私は悠里君に知らなかったとはいえ

『人殺し』という罪を着せてしまった・・・

 

「ティアは何で平気なんですか?」

「・・・なんの事で?」

「悠里君が、その・・・」

「人殺しをした事?」

「はい・・・」

 

ティアは考えることなく・・・

 

「それは多分、ユーリが一番辛い事よ?」

「え・・・?」

「ユーリは、ウミが大切だからこそ敢えて選んだのよ」

「ど、どうして・・・」

「それはユーリのみぞ知るってところね」

 

それからもう1つ・・・

 

「悠里君が喋れないというのが信じられないです・・・」

「それが普通の人の反応ね」

「だって悠里君は・・・」

「・・・全く。ユーリどう説明する気よ」

 

ティアは溜息をつきながら

頭を抱えていた・・・

 

「あら?、ユーリからメール・・・?」

「悠里君から・・・?」

「・・・嫌な予感しかしないわ」

「それってどういう・・・」

 

ティアは悠里君からのメールを

目線で読み終わった後、

暗い表情をしながら返していました・・・

 

「・・・ウミ」

「は、はい」

「今からユーリと話せそう?」

 

ティアは悲しい表情をしながらも

私に聞いてきた・・・

 

「あの、それって・・・」

「結果的にはウミに追い打ちをかけちゃうけど・・・」

「ゆ、悠里君は何て・・・」

「それはウミ次第よ」

 

正直、今でも辛いです。

悠里君に何て言えばいいか分かりません・・・

でも・・・

 

「会います、悠里君に・・・」

「・・・辛かったら言いなさいよ?」

「ありがとうティア・・・」

 

するとティアは・・・

 

「ユーリ今からこっちに来るみたいよ」

「そうなんですか?」

「コトリとルナも一緒みたい」

 

そういえば

ことりは花怜の話を聞いたあとに

堪えられなくなって家から飛び出して・・・

 

「海未ちゃん、ティアちゃん・・・」

 

声がする方を見ると

ことりと瑠菜が来ました・・・

 

「ことり、大丈夫ですか?」

「そういう海未ちゃんこそ・・・」

 

ことりは辛そうな顔をしながらも

私に聞いてきました・・・

 

「ゆーくんと話せそう?」

「ことりは話せたんですか・・・?」

 

ですが返ってきた答えは・・・

 

「・・・なんて言えばいいか分からない」

 

すると瑠菜と話していたティアが

戻って来た・・・

 

「コトリ、その反応だと()()()()()?」

「うん・・・」

「ティア、それって・・・」

「今、ルナがユーリを呼びに行ってるわ」

「は、はい・・・」

 

5分くらいしてから

瑠菜が悠里君を連れて来た。

ティアは悠里君に・・・

 

「大丈夫よ、私とルナがついてるから・・・」

「・・・。」

 

悠里君は頷いて

私に近づいて来た・・・

 

「あ、あの。悠里君・・・」

 

悠里君に話しかけようと

私は声をかけると・・・

 

「ぅあぅ。あぅぁぅ・・・」

「ゆ、悠、里君?」

 

う、嘘ですよね?

しかし私の考えを否定するかのように

悠里君は・・・

 

「ぁぁう。ぁあぁぅ・・・」

 

必死に私に話しかけようと

届かない声を出していた・・・

 

「い、ぃゃぁ・・・」

「ウミ、これが今のユーリよ・・・」

 

ティアは片手で顔を塞ぎながら

沈んだ声で私に伝えた・・・

 

「し、信じたくないです、こ、こんな・・・」

「ひっく!!。海未ちゃん!!」

 

私が泣きながら呆然としていると

ことりも泣きだした・・・。

 

「・・・これを受け入れろって言うのが酷だよね」

「ウミ達にはキツ過ぎよ。いくらなんでも・・・」

 

私が泣いていると

悠里君は私の手を取り・・・

 

「ウミ。ユーリが書いた事、読み上げて?」

 

ティアに言われながらも

悠里君が私に伝えたい事を読み上げた・・・

 

「みーちゃん。今までゴメンね?」

「ち、違います!!。私が・・・」

「・・・うぅん。言わなかった僕が悪いから」

「悠、里君・・・」

「みーちゃん、泣かないで・・・」

 

私は最低です!

いっその事、怨んでくれた方が・・・

そんな事を考えていたら・・・

 

「ぁーぅう・・・」

「ゆ、悠里君・・・?」

 

悠里君が私の頭を撫でてくれた・・・

まるで私に・・・

 

「僕は、そんな事気にしてないから・・・」

 

と言っているように

優しい笑顔で微笑んでいました。

 

「あーぅう、あぅう・・・」

「ゆうくん、どうしたの?」

「ユーリ?」

 

すると悠里君は瑠菜とティアに

何かを伝えていました。

私とことりを見て・・・

 

「・・・あぅうぅ?」

「ホノカならコトリの家にいるわよ?」

「・・・あうう?」

「ゆうくん、μ'sのみんなもいたよ~」

「・・・あぅ」

「カレンが説明してくれるわよ・・・」

 

3人の話の内容を聞くと

どうやら悠里君は穂乃果の事が心配みたいです。

花怜がついているみたいですが・・・

 

「・・・ぁうぅ?」

「ゆーくん?」

 

悠里君は、ことりに何かを伝えていました。

 

「ゆーくんは良いの・・・?」

「コトリ、ユーリは一度決めたら聞かないわよ?」

「ぁうぅ。あぅ?」

 

な、何でしょう・・・

悠里君が捨てられた子犬のような目をしてます。

 

「久しぶりに見るわね『ユーリのお願い』・・・」

「そうだね~・・・」

 

ティアと瑠菜が苦笑い気味に言いますが

ことりは・・・

 

「う///、うん・・・///」

 

顔を赤らめながら頷きました。

何でしょう、ことりにお願いされる位の

破壊力でした・・・///

 

「じゃあコトリの家に戻りましょ?」

「お母さんも心配してるしね~」

「・・・(コクコク)。」

 

私は、ことりに近づき・・・

 

「ことり、私・・・」

「うん。ことりもかな・・・」

 

穂乃果は、今の悠里君をどう思うのでしょう・・・

私達は、ことりの家に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「穂乃果ちゃん大丈夫かにゃ?」

「うん・・・」

 

凛ちゃんが気を遣ってくれるが

正直なところ大丈夫じゃない・・・

 

『うん。分かった・・・』

 

すると花怜ちゃんは

穂乃果に・・・

 

『ゆうり君がこっちに来るって』

「ゆうちゃんが・・・?」

『ことりちゃん達も一緒だよ』

「穂乃果、どんな顔すれば・・・」

 

ゆうちゃんが今まで辛い目に遭ったのを

聞いた後なんて・・・

 

『本当に辛いのは、ゆうり君なんだよ?』

「・・・花怜ちゃん?」

『普通の人は、ここまでの事しないもの・・・』

「それってどういう・・・」

 

花怜ちゃんに理由を聞こうとした時・・・

 

「ただいま・・・」

「お帰りなさい、ことり。」

「「「お邪魔します・・・」」」

「いらっしゃい、あら?。悠里くんは?」

『南先生、あそこにいますよ?』

 

花怜ちゃんが指差す方を見ると

ゆうちゃんは海未ちゃんの後ろに隠れていた。

 

「悠里くん、いらっしゃい♪」

「・・・(ペコッ)」

 

ゆうちゃんは理事長に「お邪魔します」という

動作をしていた。

それを見た花怜ちゃんは・・・

 

『ゆうり君、やっぱり・・・』

「・・・(コクコク)」

 

花怜ちゃんの問いかけに

ゆうちゃんは首を縦に振るだけだった。

穂乃果は、ゆうちゃんに話しかけてみた・・・

 

「あ、あの・・・」

 

ゆうちゃんは穂乃果の顔を

見ながら言葉を待っていた・・・

 

「ゆ、ゆうちゃん。あのね、穂乃果・・・」

「・・・あぅぅ。ぁぅ」

「ゆ、ゆ、うちゃん・・・?」

 

う、嘘っ、だよ、ね・・・?

 

『穂乃果ちゃん、ゆうり君の今の状態がコレなの・・・』

「い、いやだよっ・・・。こ、こんなっ!!」

 

目の前の状況が夢であって欲しかった。

だけど海未ちゃんが・・・

 

「穂乃果、本当なんです・・・」

「こ、ことりちゃん・・・?」

 

穂乃果の問いかけに、

ことりちゃんは泣きながら首を横に振っていた。

 

「穂乃果ちゃん、信じたくないけど本当なの・・・」

「ゆ、ゆうちゃん、な、何か言ってよ・・・」

 

泣きながら懇願するも

返って来た言葉は・・・

 

「あぅぅ、ぅうぁぁぅ・・・」

「「「「「「「そ、そんな・・・」」」」」」」

 

穂乃果だけじゃなく

凛ちゃん達1年生や絵里ちゃん達3年生も

何も言えなかった・・・

 

「な、治らないんですか!?」

『真姫ちゃん、治る確率は0.0001%くらいの低さなの・・・』

「い、医者に診せへんの!?」

 

希ちゃんの問いかけに花怜ちゃんは・・・

 

『ゆうり君が、それを望んでないから・・・』

「な、なんで・・・!?」

 

絵里ちゃんが言うと

ティアちゃんが理由を述べた・・・

 

「治る確率が低いなら、むしろこのままでいいってユーリがね・・・」

「ゆーくん!!。なんで!?」

 

ことりちゃんが、ゆうちゃんに怒鳴った。

すると瑠菜ちゃんが・・・

 

「治療代が無駄に高いんだよ・・・」

「えっ・・・?」

「しかも治るかも分からないという確証付き・・・」

『・・・ふざけてるよね』

 

瑠菜ちゃんの言い分に同意する花怜ちゃん。

すると、ゆうちゃんが穂乃果の手を

取りながら・・・

 

『穂乃果ちゃん、ゆうり君のメッセージ読み上げて?』

 

花怜ちゃんに言われて

穂乃果は読み上げた・・・

 

「ほのちゃん、ゴメン・・・」

「な、何で、ゆうちゃんが謝るの?」

「花怜ちゃんを殺してしまったから・・・」

『ゆ、ゆうり君、それは・・・』

「僕のせいで、ほのちゃん達に迷惑・・・」

 

ゆうちゃんの想いが痛々しくて

穂乃果は泣いていた・・・

 

『これが、ゆうり君の気持ちだよ・・・』

「ゆうくんの残酷な真実を聞いても・・・」

「ユーリの事、友達だって言える覚悟あるの?」

 

花怜ちゃん達の目は真剣そのものだった・・・

生半可な答えじゃ容赦しないと言う目。

 

「穂乃果ちゃん・・・」

「穂乃果・・・」

 

ことりちゃんと海未ちゃんは

穂乃果と同じ目をしていた。

だから・・・

 

「ゆうちゃん・・・」

「悠里君・・・」

「ゆーくん・・・」

 

 

 

穂乃果達にとって・・・

 

 

 

 

 

 

大切な幼馴染みで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

大好きな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「これからも一緒に居てね!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あぃ、うぁ、おぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間

ゆうちゃんに泣きながら抱きついた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆ、うちゃん・・・!!」

「悠、里君・・・!!」

「ゆー、くん・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達は、もう失いたくない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大好きな、ゆうちゃん・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんを支えてあげようと

決めた瞬間だった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、『悠里の過去の真相編』は完結です。
ここまで長かったです・・・
次回はまだ未定です。
番外編みたいなのを執筆してから
2期を執筆するか悩んでいます。
今回の事を活動報告を書こうと
思いますので、見ていただければ嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。



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第52話 ことりと悠里

ゆるポメラです。
悩んだ末に番外編を執筆してから
2期に入ろうと思います。
『過去の真相編』が終わった後日の話になってます。
今回は、サブタイ通り
ことりちゃん視点が多いです。
可愛く書けているか不安なところですが
楽しんでください。

それではどうぞ。

・・・あれ?
外から鳥の鳴き声が聞こえた気が・・・



こんにちは、南ことりです。

私は今、悩んでいる事があります。

それは・・・

 

「うぅ~///。ど、どうやって誘えば・・・」

 

悩んでいる原因は

ゆーくんの中学時代の

真相を聞いた翌日。

朝起きると・・・

 

「あら。ことり起きたの?」

「おはよう、お母さん。」

「もう少しで朝ご飯できるから待っててね?」

 

そして何気なく朝ご飯を食べていると

お母さんが・・・

 

「ことり、顔色悪いわよ?」

「え?、そ、そんな事・・・」

「・・・悠里くんの事、考えてたんでしょ?」

「うん・・・」

 

ダメだな・・・

ことり、昨日決めたのに・・・

 

「ねぇ。お母さん・・・」

「なあに?」

「ゆーくんはどうして・・・」

「無茶するのかって?」

「うん・・・」

 

お母さんは真面目な顔で

ことりの目を見て言いました。

 

「あなたが大切だからよ・・・」

「えっ・・・」

「あそこまで他人の為にそこまでする子っていないのよ?」

「それって・・・?」

「それは、あなたが見つけなきゃダメよ」

 

お母さんは何を伝えたいんだろう?

そんな事を考えていると・・・

 

「ことり、悠里くんをデートに誘ってみたら?」

「ちゅ、ちゅん!?///」

「あらあら♪」

 

ゆ、ゆーくんとデート!?///

 

「で、でもどうやって!?///」

「そこは頑張ってね?♪」

「お、お母さんー!?」

 

お母さんは笑顔で

リビングから出て行ってしまいました・・・

 

「ふぇ~ん、どうすればいいの~!?」

 

そして今に至る訳です・・・

 

「でも、ゆーくん大丈夫かな・・・?」

 

声が出せないんじゃ

電話も出来ないんじゃ・・・

で、でも・・・

 

「かけてみようかな・・・」

 

試しに電話をかけてみると・・・

 

『・・・もしもし?』

「ゆ、ゆーくん!?」

 

う、嘘・・・。

だって喋れない筈じゃ・・・

 

『・・・どしたの?』

「え、えっとね?///、今日空いているかな?///」

『・・・予定はないけど?』

 

や、やったぁー///

 

「ゆ、ゆーくんが良ければ、その、今から一緒に・・・」

『・・・お出かけ?』

「な、なんで分かったの!?///」

『・・・話の流れでかな?』

 

うぅ・・・///

ことりって分かりやすいのかな?

すると・・・

 

『・・・ことちゃんの家に今から行けばいいの?』

「う、うん///」

『・・・分かった。準備してから行くね?』

「うん///。待ってるね?」

 

はっ・・・!

こうしちゃいられないよ!

着ていく服、選ばなきゃ・・・

ことりは慌てて準備をした・・・

 

 

 

 

 

ーー1時間後ーー

 

 

 

 

 

 

「へ、変じゃないよね・・・」

 

慌てて選んだ服だけど

正直、自信がなかった・・・

すると・・・

 

 

 

 

 

 

ーーピンポーンーー

 

 

 

 

 

「はーい」

 

 

 

玄関のチャイムが鳴り

お母さんが出ると・・・

 

「あら♪、悠里くん。いらしゃい♪」

「・・・こんにちは」

「ことり~?、悠里くん来たわよ~」

 

慌てて玄関に向かうと

ゆーくんが待っていた・・・

 

「お、お待たせ///」

「・・・慌てなくてもよかったのに」

「あらあら♪。悠里くん、ことりをお願いね?」

「・・・はい。」

「い、行ってきます・・・///」

 

きっと帰ってきたら

お母さんにからかわれるんだろうな・・・

そう思いながらも2人で家を出た。

 

 

 

 

 

ーー少年少女移動中ーー

 

 

 

 

 

 

 

「「・・・・。」」

 

 

 

き、気まずいよ・・・

ゆーくん何も喋らないし・・・

 

「・・・服」

「えっ?」

「・・・可愛い。似合ってる。」

「っ!?///」

 

ふ、不意打ちはズルいんじゃないかな///

 

「あ、ありがと///」

「・・・んっ」

 

ことりは気になった事が

あったのを思い出し・・・

 

「ゆーくん、喋れるの?」

「・・・喋り過ぎたり、大声を出さなければ大丈夫」

「そ、うなんだ・・・」

「・・・今日は何処に行くの?」

 

ことりが暗い雰囲気を

出していたのかを気遣い

話題を変えてくれた・・・

 

「スイーツバイキングのお店だよ♪」

「・・・食べ放題なの?」

「うん♪」

「・・・楽しみ」

 

あっ、ゆーくんが

若干だけど笑った・・・

そんな感じで目的地に向かいました。

 

「あ、着いた♪」

「・・・ここ?」

「うん♪、最近出来たばっかりのお店なんだよ」

「・・・すご」

「ゆーくん。早く、早く♪」

 

ことりは、ゆーくんの手を引っぱり

お店の中に入った・・・

 

 

 

 

ーー店内にてーー

 

 

 

 

 

 

「いらしゃいませー。2名様ですか?」

「あ、はい。」

「では、こちらの席にどうぞー。」

 

店員さんに案内された席は

窓際の席だった。

私と、ゆーくんは座るとメニューを見ました。

 

「・・・バイキングなのにメニュー見るの?」

「最初はそれで注文して、後は自分で取るんだって」

「・・・変わってるね」

「あ、あはは。そうだね~」

 

ゆーくんは何を頼むんだろ?

あ、ことりはもちろんチーズケーキだよ?

決まったので店員さんを呼び・・・

 

「お決まりでしょうか?」

「チーズケーキ1つと・・・」

 

ゆーくんを見ると

キラキラした目で・・・

 

「・・・フルーツケーキ1つ」

「かしこまいりました!」

 

い、意外。

ゆーくんってフルーツケーキが

好きなんだ・・・

 

「ゆーくんってフルーツケーキが好きなの?」

「・・・ケーキの中では一番好き」

「じゃ、じゃあ今度、ことりが作ってあげる///」

 

何気なく言ってみると

ゆーくんは笑顔で・・・

 

「楽しみにしてるね・・・」

「う、うん///」

 

ど、どうしよう・・・

まともに顔が見れないよぅ///

顔が赤くなっているのが分かる・・・

 

「・・・ことちゃん?」

「な、なんでもないよ!?///」

「・・・?」

「お待たせしました。ご注文の品です。」

 

た、助かった・・・

 

「ごゆっくりどうぞ!」

「・・・これ美味しい」

「こっちのチーズケーキも美味しい~♪」

 

はぁ~♪

なんか幸せだな~///

まるで・・・

 

(恋人みたい///)

 

顔がニヤついているのが

自分でも分かった・・・

 

「・・・ことちゃん」

「なあに~?」

「・・・ほっぺにクリームついてる」

「へっ?///」

 

ど、どうしよう!?

ことりが慌てると、ゆーくんは・・・

 

 

ーーヒョイーー

 

 

ことりの頬についていたクリームを

指で取り・・・

 

「・・・甘さ控えめで美味しいね」

「は、はぅ///」

「・・・だ、大丈夫?」

「う、うん///」

 

正直、恥ずかしすぎて死にそうだよぅ///

この後、ゆーくんと2人で好きなケーキを

食べ比べなどをした・・・

 

 

 

 

 

 

 

た、食べさせてくれたりと

ことりにとって嬉しいハプニングもあった///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー帰り道にてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は、ありがとね///」

「僕も楽しめたから・・・」

「えへへ・・・///」

 

そして家に着いた・・・

 

「・・・じゃあまたね?」

「あ、あの。ゆーくん・・・///」

「・・・ことちゃん?」

 

ことりは思い切って伝えた・・・

 

「また2人で行こうね///」

 

すると・・・

 

 

「こんな僕でいいなら、いつでも」

 

 

 

ことりが大好きだった笑顔で言ってくれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(大好きだよ///。ゆーくん・・・///)

 

 

 

 

 

 

余談だけど、案の定

お母さんに今日の事を話したら

イジられた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんとか出来ました・・・
やっぱり原作キャラの視点は
難しいです(遠い目)
次回もこんな感じですが
よろしくお願いします。


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第53話 海未と悠里

ゆるポメラです。
前回の続きで翌日の話です。
今回は、サブタイ通り
海未ちゃん視点が多いです。
可愛く書けているか不安ですが
楽しんでください。

それではどうぞ。

・・・ん?
矢文があるぞ?
内容は何だろうか・・・




こんにちは、園田海未です。

私は今、1人で出かけています。

本来だったら穂乃果とことりも

一緒に行く筈だったのですが・・・

 

「急用があっては仕方ないですよね・・・」

 

穂乃果は店の手伝い。

ことりは理事長に頼まれた買い物。

2人は謝りながら連絡してきた。

結果、私1人で出かける事になりました。

 

(1人で何処に行けばいいのでしょうか・・・)

 

憂鬱になりながら考えて歩いていると

誰かにぶつかってしまった・・・

 

「す、すみません!」

 

私が謝りながら顔を上げると

その相手は・・・

 

「・・・みーちゃん大丈夫?」

「ゆ、悠里君!?」

「・・・そんなに驚かなくても」

 

ぶつかった相手は悠里君でした。

悠里君は心配そうに声をかけてくれました。

で、でも何で喋れるのでしょう・・・・

私が疑問に思っていると・・・

 

「・・・喋り過ぎない程度なら大丈夫」

「そうなんですか?」

「・・・うん」

 

不安そうに聞くと

悠里君は安心させるような笑顔で

答えてくれた・・・

 

「・・・みーちゃん1人?」

「はい・・・」

「・・・ほのちゃん、ことちゃんは?」

「実は・・・」

 

私が今日1人で出かけていた理由を

悠里君に話しました。

 

「・・・これからどうする気だったの?」

「ま、まだ決めてません・・・///」

「・・・みーちゃん」

「悠里君?」

 

すると悠里君は私の顔を

見ながら・・・

 

「・・・今から一緒に出かけない?」

「えっ!?///」

「・・・みーちゃんが良ければだけど」

「い、行きたいです///」

 

う、嬉しいです・・・///

悠里君と2人で出かけられるなんて・・///

 

「・・・じゃあ行こっか?」

「はい!///」

 

急遽2人で出かける事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーその辺を移動中にてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠里君。その袋の中身って何ですか?」

「・・・ラムネ♪」

 

悠里君と歩いていて気になったので

聞いてみたら楽しそうな声で答えてた。

 

「飲み物ですか?」

「・・・食べる方のラムネだよ」

 

すると悠里君は袋から1つ取り出し

私に渡してきました。

 

「私が想像していたのと違いますね・・・」

「・・・値段は1個30円」

「安いですね・・・」

 

見たところ、プラスチックで出来ており

小さい缶ジュースのような見た目をしていた・・・

 

「・・・それ1個あげる」

「で、ですが・・・」

「・・・たくさん買ったから大丈夫」

 

悠里君がドヤ顔で袋の中身を見せてくれました。

そこには何と・・・

 

「ず、ずいぶん買いましたね・・・」

「・・・自分でも反省してる」

 

私が見たところ、30個近くのラムネがありました。

しかも様々なフレーバーの味が・・・

 

「・・・ところで今から何処に行く?」

「そ、そうですね・・・」

 

正直なところ、私は悠里君と一緒なら

どこでもいいんですが・・・///

 

「・・・僕の行きつけの喫茶店でも行く?」

「悠里君の行きつけですか?」

「・・・うん」

「お、お願いします・・・///」

「・・・ん。任された。」

 

少々、気まずい空気になりながらも

目的地に向かいました・・・

 

「・・・着いた」

「ここがそうなんですか?」

「・・・そうだよ」

「全然気づきませんでした・・・」

「・・・隠れた場所にあるからね」

 

悠里君の行きつけの喫茶店に着いたのですが

ゲームセンターの路地裏に、お店がある事に

驚きです・・・。

しかも穂乃果達と行くゲームセンターの近くだった

なんて・・・

 

「・・・みーちゃん、初めて?」

「それ以前に喫茶店があった事に驚きです・・・」

「・・・まぁ入ろうか」

「は、はい・・・」

 

悠里君は苦笑いしながらも

とりあえず入る事にした・・・

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

「いらっしゃいませ。あれ?、悠里お兄様?」

「・・・こんにちは」

「お、お兄様!?」

 

出迎えてくれたのは

中学2年生くらいの女の子でした。

それ以前に・・・

 

「悠里君って妹がいたんですか!?」

「・・・妹のような子だよ」

「あ、初めまして。神無月未柚(かんなづきみゆ)です」

「あ、どうもご丁寧に。園田海未です・・・」

「では、お席にご案内します。」

 

未柚ちゃんに案内された席は

カウンター近くのテーブル席でした。

 

「ご注文が決まりましたら、お呼びください。」

「・・・分かった。」

「悠里お兄様、新メニューが入りましたので良ければご覧になって下さい」

「・・・うん。ありがと」

「では・・・」

 

そう言い残しカウンターに戻って

行った未柚ちゃん・・・

 

「凄くしっかりしてますね。」

「・・・普段は1人で経営してるの」

「じゃあ学校とかは?」

「・・・休日以外だと学校が終わってからの営業なんだ」

「す、凄いですね・・・」

 

悠里君に未柚ちゃんの事を聞くと

中学2年生とは思えない内容でした。

 

「・・・みーちゃんは何にする?」

「そ、うですね・・・」

 

メニューを見てみると

コーヒーだけでなく様々な軽食が書いてありました。

 

 

 

・抹茶ラテ      ¥333(税込)

・カプチーノ     ¥320(税込)

・オレンジジュース  ¥130(税込)

・ブレンドコーヒー  ¥350(税込)

・日替わりケーキ   ¥380(税込)

・ゆーふぉー     ¥680(税込)

・日替わりクレープ  ¥250(税込)

・紅茶        ¥150(税込)

・日替わりランチ   ¥560(税込)

・オムライス     ¥560(税込)

・プリンアラモード  ¥380(税込) New

・個人的な高級セット ¥15000(税込)

・あんみつ      ¥250(税込)

・クリームあんみつ  ¥350(税込) New

・ただのメニューには興味ありません ¥15000(税込)

・シナモンロール   ¥380(税込)

・はっう~、クッキーお持ちかぇりぃ~ ¥300(税込)

・『ベルンカステル』っていう名前のワイン ¥1200(税込)

・『超パー!』な魔女が作るお菓子   ¥つまり超パー!(税込)

・ 川´_ゝ`)         ¥なに、気にする事はない(税込)

・手作りシュークリームなのです☆   ¥はにゅ~ん(税込)

・Zなんとかさん         ¥監視してます(税込)

・梅干し紅茶     ¥350(税込) New

 

 

変わったメニューもありますが

普通の喫茶店にありそうな物ばかりですね。

 

「抹茶ラテと日替わりケーキで・・・///」

「・・・未柚ちゃーん」

 

悠里君が呼ぶと

未柚ちゃんがやって来た・・・

 

「お決まりですか?」

「私は抹茶ラテ1つと日替わりケーキ1つで・・・」

「悠里お兄様は何にしますか?」

「・・・梅干し紅茶とシナモンロールで」

「かしこまいりました」

「あ、未柚ちゃんは何がいい?」

「へっ?」

 

悠里君が未柚ちゃんに聞くと

未柚ちゃんはキョトンとした顔をしていました。

 

「・・・今日は僕が作るよ」

「で、でも・・・」

「・・・ここ最近、大変だったんでしょ?」

「うっ!?。何故それを・・・」

「・・・ティアちゃんから聞いた」

「未柚の負けです・・・」

「・・・素直でよろしい♪」

「じゃあ未柚は日替わりケーキと紅茶で・・・」

「・・・じゃあ厨房、借りるね?」

「あ、調味料とかの場所は変わってませんからね?」

「・・・りょーかい」

 

そう言うと悠里君は

厨房に行ってしまいました・・・

 

「あの、未柚ちゃん?」

「何でしょう?」

「未柚ちゃんは悠里君が声が出せない事って・・・」

「知ってますよ」

「えっ・・・」

 

どうして平然としていられるのでしょう・・・

 

「花怜お姉さまが思念体の事も知ってます」

「花怜の事も?」

「はい。ティアお姉さまと瑠菜お姉さまから聞いてます」

「辛くないんですか?」

「悠里お兄様が無茶をする事は今に始まった事ではありません」

 

確かにそうですが・・・

 

「ところで海未先輩?」

「は、はい。」

「悠里お兄様の事、好きなんですか?」

「そ、それは・・・///」

「頑張ってください」

「うぅ・・・///」

 

事実なので返す言葉もないです・・・///

 

「・・・お待たせしました」

「あ、悠里お兄様」

「・・・ご注文の品です」

「これ全部、悠里君が作ったんですか?」

「・・・そうだよ?」

「悠里お兄様のはクオリティが高過ぎです」

「・・・そう?」

「私、女として負けた気が・・・」

「・・・みーちゃん!?」

「未柚もです・・・」

「・・・未柚ちゃんまで!?」

 

そんな感じで悠里君が作ってくれた物を

3人で食べました・・・

味は凄く美味しかったです・・・///

 

「・・・未柚ちゃん。お会計いくらかな?」

「えっと全部で1973円になります」

「・・・2000円でお願いします」

「27円のお釣りです」

「・・・はあい」

「悠里お兄様。未柚の分まで、すみません」

「・・・こら。気にしちゃダメだぞ?」

「むぅ///」

 

悠里君は笑いながら

未柚ちゃんの頭を撫でていました。

なんか微笑ましいです♪

 

「また来てくださいね?」

「・・・うん。また来るねー」

「未柚ちゃん、また来ますね?」

「またのお越しを・・・」

 

私と悠里君は喫茶店を

あとにしました・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーー帰り道にてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君は私の家まで

送ってくれました・・・

 

「すみません、わざわざ送っていただいて・・・」

「・・・みーちゃんとお出かけできて楽しかったよ」

「わ、私もです・・・///」

「・・・じゃあ僕帰るね?」

「あ、あの。悠里君///」

「・・・みーちゃん?」

「そ、その・・・///」

 

私は思い切って悠里君に・・・

 

「ま、また誘ってもいいですか?///」

 

すると悠里君は・・・

 

「うん。また2人で行こうね」

 

笑顔で私に言ってくれました・・・

 

 

 

 

 

 

 

(悠里君の事・・・///。大好きですよ///。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は私にとって最高の

休日でした・・・///

 

 

 

 

 

 




ちゃっかり新キャラ出してしまいました。
このオリキャラは2期でも出そうかなぁって
思ってます。

新オリキャラの神無月未柚(かんなづきみゆ)プロフィール

誕生日:8月8日、しし座

血液型:A型

身長:142cm

容姿イメージ:『のんのんびより』の宮内れんげ

一人称:私、未柚


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第54話 穂乃果と悠里

ゆるポメラです。
前回の続きの流れで
お分かりの方もいるかもしれませんが
今回は、サブタイ通り
穂乃果ちゃん視点が多いです。

それではどうぞ。

可愛く書けてるといいな・・・

「ファイトだよ!」

・・・あれ?
誰かに応援された気が・・・


やっほー、高坂穂乃果だよ。

昨日は海未ちゃん達と出かける筈

だったのに急にお店の手伝いをする事に

なっちゃったよー・・・

今日は休みだからいいけどね?

 

「ゆうちゃん、どうしてるかな・・・」

 

不意に浮かんだのは、

今まで穂乃果達の事を支えてくれた

ゆうちゃんの笑顔だった・・・

 

「ま、まただ・・・///」

 

ここ最近の穂乃果は

ゆうちゃんの事しか考えてない気がする。

ボーっとしながらも考えていると・・・

 

「お姉ちゃ~ん」

「雪穂?」

 

妹の雪穂が受話器を持ちながら

部屋に入って来た・・・

 

「お姉ちゃんに電話だよ~」

「え?、誰から?」

 

海未ちゃん達かな?

だとしたら携帯でかけてくる筈だし・・・

すると雪穂は・・・

 

「ゆうり兄から電話だよ」

「ゆうちゃんから?」

 

少し驚きながらも雪穂から

受話器を受け取った・・・

 

「もしもし、ゆうちゃん?」

『・・・こんにちは』

 

えっ・・・!?

ゆうちゃん喋れないんじゃ・・・!?

穂乃果が驚いていると・・・

 

『・・・今日は暇かな?』

「う、うん・・・///」

『・・・今から出かけない?』

「行くっ!!」

『・・・即答だね』

「じゃあ穂乃果、待ってるね?」

『・・・ん。それじゃね』

 

えへへ~///

ゆうちゃんと2人で・・・///

 

「お姉ちゃん・・・」

「な、なに?。雪穂?」

「顔。ゆうり兄が来る前に直した方がいいよ・・・」

 

そう言い残すと

雪穂は部屋から出て行った・・・

疑問に思い、鏡を見てみると

雪穂が言っていた意味が分かった・・・

 

「穂乃果、すごいニヤけてる・・・///」

 

これは流石に直さないといけないと思い

ゆうちゃんが来る前に準備を済ませてた・・・

余談だけど服を選ぶのに30分くらい時間が

かかった・・・

 

「ま、まだかな・・・」

 

ゆうちゃんを待っていると

お母さんが・・・

 

「穂乃果どうしたの?」

「ゆうり兄とデートなんだって~♪」

「ゆ、雪穂!?///」

「あら♪、今夜は赤飯かしら?」

「お母さんまで~!?///」

 

穂乃果が抗議をしていると・・・

 

「・・・こんにちは」

「悠里くん、いらしゃい♪」

「ゆうり兄、久しぶりー」

「あ、ゆうちゃん・・・///」

 

ゆうちゃんの私服姿

カッコイイなぁ・・・///

穂乃果が見惚れていると・・・

 

「・・・ほのちゃん?」

「・・・///」

「お姉ちゃん、ショートしちゃったよ」

「あらあら♪」

「・・・ほーのーちゃん?」

「な、何かな。ゆうちゃん?」

「・・・大丈夫?」

 

ゆうちゃんが心配そうに聞くけど

そ、その。顔が近いよぅ・・・///

 

「だ、大丈夫だよ。ゆうちゃん行こっ!///」

「・・・うん」

「いってらっしゃーい」

「楽しんできてね♪」

 

お母さんと雪穂がニヤニヤしていたような気が

したのは穂乃果の気のせい・・・、だよね?

 

 

 

 

 

ーー2人で移動中にてーー

 

 

 

 

 

 

「ねぇ。ゆうちゃん・・・」

「・・・どしたの?」

「声、大丈夫なの・・・?」

「・・・喋り過ぎない程度なら大丈夫だよ」

「えっ、じゃあ・・・」

「・・・声が出せないのは変わりないけどね」

「そ、そんな・・・」

 

要するに過度な喋り過ぎは

ゆうちゃんにとって危ないって事・・・?

そんなのって・・・

 

「・・・こればかりはしょうがないよ」

「ゆうちゃんはいいの・・・?」

「・・・どういう意味で?」

「だって喋れないんだよ・・・?」

 

穂乃果だったら

そんなの耐えられない・・・

なのに、どうして笑ってられるの?

 

「・・・辛くないって言えば嘘になるけど」

「なら何で・・・」

「・・・自分で決めたからかな?」

「それって・・・?」

「・・・それは秘密」

 

えっ!?

あれだけ、もったいぶって秘密なの!?

なんか、ゆうちゃんに話をはぐらかされた気が・・・

 

「・・・ほのちゃんは何処か行きたい場所ある?」

「じゃ、じゃあ・・・」

 

ゆうちゃんと2人で行きたい場所は

たくさんあるけど最初は・・・

 

「穂乃果、ゲームセンター行きたい!」

「・・・じゃあ行こうか」

「うんっ!///」

 

あ、そうだ・・・

 

「ねぇ。ゆうちゃん・・・///」

「・・・?」

「そ、その・・・///」

「・・・手でも繋ぐ?」

「うん!!///」

 

な、なんで穂乃果の言いたい事が

分かったんだろ・・・///

ゆうちゃんってエスパー!?

 

「・・・これでいい?」

「えへへ///」

「・・・ほのちゃん?」

「えへへ///、なんでもないよ!///」

 

穂乃果達は手を繋ぎながら

ゲームセンターに向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーゲームセンター、内部ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ここのゲーセン広いね」

「よく海未ちゃんとことりちゃんと来るんだよ♪」

「・・・常連なんだ?」

 

ここのゲームセンターは様々なゲーム機があり

新しいのが入荷するのが早くて有名なんだ。

穂乃果もよく海未ちゃん、ことりちゃんと

3人で来るけど久しぶりに来たから新しいゲーム機が

あった。

 

「・・・これUFOキャッチャーだよね?」

「たぶん。でもこの景品のぬいぐるみ何だろうね?」

 

穂乃果とゆうちゃんが気になったのは

ツチノコ?なのかヘビ?みたいな形をした

変なぬいぐるみだった・・・

 

「ゆうちゃん、何ていう生き物なんだろうね?」

「・・・『のこっち』って書いてある」

「ゆうちゃん、こっちは?」

「・・・『ぬけにん』だね。」

「この緑の恐竜みたいのは?」

「・・・『でっていう』だね。」

「ゆうちゃん、あれ見て!」

 

穂乃果がゲーム機を指差すと

このUFOキャッチャーの隠し景品が

書いてあった・・・

 

「・・・3種類あるみたいだね」

「変わった景品だよね」

「・・・でも結構レア物だよ?」

「穂乃果、あの2種類は分かるんだけど・・・」

 

穂乃果が知ってるのは、

その3種類の内の2種類の特徴を説明すると

1つは肌色1頭身に大きい鼻と頭のリボンが特徴で

鳴き声が確か『ぷー。ぽえーん。ぐんまけん!』だったかな。

もう1種類の特徴は空に浮かぶ王国の王子様で、

よく星に間違えられるけど実はヒトデ。

身長は確か、標準体型で36cm。

年齢は、7歳だっけ?

趣味がサングラス集めで・・・

口癖が『~フィ』だったのが印象的だったのは今でも覚えてる。

でも・・・

 

「あの黒い人?みたいなのが穂乃果、知らない・・・」

 

だって見た感じ平面で真っ黒なんだよ?

幸い人の形はしてるけど・・・

すると、ゆうちゃんが・・・

 

「・・・『げむを先輩』だね。」

「それって?」

「・・・通称『黒い人』、『ありんこ人間』だったかな」

「なんか、そのまんまだね・・・」

「・・・僕は愛着あるんだけどな」

「そうなの?」

「・・・うん。何せ『ゲームの立役者』だもの」

「じゃあ偉いの?」

「・・・うん。ある意味、偉い。」

「知っている人っているのかな?」

「・・・『マイコン内蔵』って言えば分かる人はいると思う」

 

うーん、とりあえず凄いっていうのは

穂乃果でも分かった。

 

「・・・どれか欲しいの?」

「えっ///」

「・・・欲しそうな目してたから」

「い、いいよ!。たぶん取れないし・・・」

 

ゆうちゃんは何も言わずに

お金を入れた・・・

 

「・・・ほのちゃん、どれがいいの?」

「じゃ、じゃあ『でっていう』が欲しい・・・///」

「・・・ん。分かった」

 

ゆうちゃんはアームの距離を計算し

景品の近くにアームを移動させ

ギリギリの場所を狙ってボタンを押した・・・

 

 

ーーウィーンーー

 

 

 

「・・・なんかダブルゲットしちゃった」

「ゆうちゃん凄い!」

「・・・しかも僕が欲しかったのも取れた」

「なんかラッキーだね!」

「・・・そだね」

 

ゆうちゃんは景品を取り出し

穂乃果に・・・

 

「・・・はい。ほのちゃん」

「ゆうちゃん、ありがとう!」

「・・・どういたしまして」

「えへへ///」

 

ゆうちゃんが穂乃果の為に取ってくれた

『でっていう』のぬいぐるみ♪

穂乃果にとっては宝物だよ・・・///

 

「ゆうちゃんが欲しかったのってそれ?」

「・・・うん。」

「あれ?、でも景品に書いてないよ?」

「・・・あれ。」

「ゆうちゃん?」

「・・・隠し景品の下に小さく書いてある」

「あ、ホントだ!」

 

そこに書かれていたのは

隠し景品は3種類では無く、4種類だった。

何ていう名前なんだろう・・・

穂乃果がゆうちゃんが欲しかったという

ぬいぐるみのタグを見てみると、

こう書かれていた・・・

 

 

 

『じゅぺった』

 

 

 

 

 

「・・・可愛い」

「ある意味、隠し景品だね・・・」

 

穂乃果達はUFOキャッチャーをあとにした。

 

「あ!」

「・・・ほのちゃん?」

「プリクラ撮ろうよ!、ゆうちゃん!」

 

ゲームセンターを散策していると

プリクラ機を発見したので

ゆうちゃんと撮りたいなぁと思い

提案してみた。

 

「・・・僕、プリクラ初めて」

「そうなの?」

「・・・うん」

「じゃあ穂乃果が最初って事?///」

「・・・嫌だった?」

「そんな事ない!///」

「・・・じゃあ一緒に撮ろう?」

「うん!///」

 

えへへ・・・///

ゆうちゃんと一緒に・・・///

 

「・・・中って、こんな風になってるんだ」

「あ、ゆうちゃん。このカメラを見てね?」

「・・・うん。分かった」

 

 

モニターの声が鳴り『はい!!。ポーズ!!』と言う

声がなった・・・

せ、せっかくだから、もうちょっと近づいちゃおうかな///

 

 

ーーカシャッ!!ーー

 

 

 

フラッシュが鳴り終わると

写真が出てきた・・・

 

「・・・この写真をどうするの?」

「デコったりする事が出来るんだ!」

「・・・デコる?」

「ちょっと待っててね?」

 

えっと、どうしようかな・・・?

あ、そうだ!

 

『ゆうちゃんと初プリ♡』

 

じ、自分でデコってなんだけど

なんか恥ずかしいよ・・・///

 

「はい。ゆうちゃん///」

「・・・ありがと」

 

出来た物を

ゆうちゃんに渡した。

すると・・・

 

「・・・ほのちゃん。もう1回撮ってもらってもいい?」

「えっ!?///。う、うん・・・///」

「・・・じゃあ撮ろう」

 

 

ーーカシャッーー

 

 

 

「・・・今度は僕がデコってくるね?」

「う、うん・・・」

 

5分くらいした後に

ゆうちゃんが戻ってきた・・・

 

「・・・はい。」

「あ、ありがとう・・・///」

「・・・家に着いてから見てね?」

「う、うん・・・///」

 

何だろう・・・

き、気になるよ・・・

この後も、ゆうちゃんと一緒に

楽しんだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「家まで送ってくれてありがとう///」

「・・・僕から誘ったんだし気にしないで?」

「えへへ・・・///」

 

ゆうちゃんに言わなきゃ・・・

 

「また穂乃果と遊んでくれる?」

 

ゆうちゃんは笑顔で・・・

 

「・・・ほのちゃんが誘ってくれるなら」

 

すごく嬉しかった・・・///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへ///、今日は楽しかったなー///」

 

ゆうちゃんが帰った後、

穂乃果は部屋に戻り

ぬいぐるみを抱きしめながら

今日の事を思い返していた。

 

「あ、そういえば・・・」

 

穂乃果が思い出したのは

ゆうちゃんがデコってくれた

プリクラだった。

中身は一体・・・・

 

「あっ・・・///」

 

 

そこに書かれていたのは・・・

 

 

 

 

 

 

『ほのちゃん、大好きだよ』

 

 

 

 

 

 

 

「ゆ、ゆうちゃん。ズルイよ・・・///」

 

 

 

穂乃果も、ゆうちゃんの事が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

(大好きだよ・・・///。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんの事が好きだという事を

自覚した1日だった・・・///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回で番外編は最後の予定です。
誰の視点になるのかは、次回のお楽しみです。
これからもよろしくお願いします。


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第55話 3人の少女の想い

ゆるポメラです。
今回で番外編は最後です。
解説してくれるのは、
この子です。

それではどうぞ。



こんにちは、神無月未柚(かんなづきみゆ)です。

未柚は喫茶店を営業しています。

普段は学校が終わってからなんですが

今日は休日なので、朝の10時からの

営業です。

 

「まぁ。暇になりますね・・・」

 

暇になってしまう理由は、

この喫茶店がある場所が

ゲームセンターの路地裏にあるからです。

まあ。隠れ家的な感じですね。

 

「新メニューでも考えましょうか・・・」

 

さて、どんなのにしましょうかね?

そろそろ季節も秋になりますし・・・

未柚が考えていると、お客が来店する

ベルが鳴った・・・

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

「いらっしゃいませ。」

「未柚ちゃん、こんにちは。」

 

いらしたのは海未先輩と

2人のご友人でした。

 

「そちらの2人は初めてですね。神無月未柚です」

「こ、高坂穂乃果です・・・」

「み、南ことりです・・・」

「どうしたんですか?」

「「い、いえ・・・」」

「未柚ちゃん、気にしないでください」

「そうですか・・・」

 

まぁ。気にはしてませんが・・・

 

「海未先輩、カウンターでよろしいですか?」

「あ、お願いします。」

「では、こちらにどうぞ。」

 

未柚は海未先輩達3人を

カウンター席に案内した。

 

「あの・・・」

「何でしょう?」

「み、未柚ちゃんは何歳なの・・・?」

 

ことり先輩が遠慮がちに聞いてきた。

別に隠す事でもないので・・・

 

「未柚は13歳ですが・・・」

「「「ええっ!?」」」

「海未先輩まで驚く必要あります?」

「い、いえ。その・・・」

「ほ、穂乃果より年下・・・」

「こ、ことり自信ないよ・・・」

 

一体3人は何に落ち込んでいるのでしょう・・・

まぁ、詮索しない方がいいみたいですね。

 

「ご注文が決まりましたら、お呼びください。」

「分かりました」

「「は、はい・・・」」

 

さて海未先輩達がメニューを決めている間に、

未柚は『ヒグラシのナク頃に解。第9章』でも

読んでましょうかね。

ちょうど、真の最終章なんですよね・・・

おぉ!!。こ、これは・・・!!

 

「未柚ちゃん、注文いいですか?」

「お決まりですか?」

 

注文が決まったようなので

未柚はメモを持ちながら向かう・・・

 

「では、ご注文をどうぞ」

「私はクリームあんみつ1つで・・・」

 

海未先輩は、クリームあんみつ・・・

 

「穂乃果はZなんとかさん1つとカプチーノで!」

 

穂乃果先輩は、Zなんとかさんとカプチーノ・・・

 

「ことりは紅茶とプリンアラモード1つで♪」

 

ことり先輩は、紅茶とプリンアラモード・・・

 

「かしこまいりました。少々お待ちください」

 

未柚は厨房に向かい

頼まれた品を作る事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり未柚ちゃんは凄いですね・・・

本当に中学2年生なんでしょうか?

 

「ねぇ、海未ちゃん。」

「はい?」

「ここの喫茶店って誰から聞いたの?」

「あ、ことりも気になる」

 

穂乃果とことりには言ってませんでしたね・・・

 

「そ、その。悠里君と2人で・・・///」

「「へっ・・・?」」

「あっ・・・」

 

ど、どうしましょう・・・

自分から墓穴を掘ってしまった気が・・・

 

「海未ちゃんズルイよ!!」

「こ、ことり!?」

「ことりなんて、アーンしかやって貰ってないんだよ!?」

「「はっ・・・?」」

 

ことり。あなた今、何て言いました?

悠里君にアーンして貰ったですって・・・?

 

「ことりちゃんだってズルイじゃん!!」

「そうですよ!!」

 

私と穂乃果で抗議すると

当の本人は・・・

 

「こ、ことりの役得だもん!!///」

 

頬を赤くしながら反論してきた。

わ、私だって悠里君に・・・///

 

「海未ちゃんとことりちゃんもズルイよ!!」

 

穂乃果は頬を膨らませながら

私とことりに・・・

 

「穂乃果なんて、穂乃果なんて・・・」

 

半分涙目になってますね・・・

な、なんて言えば・・・

私がことりに目線を配ろうとした時・・・

 

「昨日、ゆうちゃんと2人でプリクラしか撮った事ないんだよ!?」

「「はっ・・・?」」

 

今、穂乃果から聞き捨てならない内容を

聞きました・・・

悠里君と2人でプリクラ・・・?

ふふふ・・・

 

「・・・穂乃果?」

「どういう事か説明してくれないかな~・・・?」

 

これは穂乃果に問い詰める必要がありますね。

ことりと2人で尋mo・・・。コホン!、話を聞かなくては

いけませんね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか盛り上がってますね・・・」

 

話を内容を聞く限り

悠里お兄様の事ですね。

 

「あとは穂乃果先輩が頼んだメニューだけですね」

 

海未先輩、ことり先輩の頼んだ品は

ちゃちゃっと完成しました。

手慣れてるものなので・・・

 

「まさか花怜お姉さまと同じ品を頼むなんて・・・」

 

未柚が今作っている最中のメニューは

あまり注文されない品なんです。

頼んだ事があるのは、未柚が知ってる限り

悠里お兄様と花怜お姉さまだけ・・・

 

「穂乃果先輩、花怜お姉さまに似てるとこありますし・・・」

 

『類は友を呼ぶ』という言葉を聞きますが

この場合は、当てはまるのでしょうか?

さてと次の工程は・・・

 

「無駄なリアル感を出す事っと・・・」

 

Zなんとかさんを作る際に気をつけないと

いけない事は決められた順でパーツを作らないと

最後に組み上げた時に形が歪な物になってしまうんです。

料理は味はもちろん、見た目も大事だと未柚は思うんです。

 

「Zなんとかさんのバリエーション増やすべきですかね?」

 

未柚は今のままでもいいのですが

インパクトに欠けますね・・・

 

「注文する人がいるだけでも幸運ですね・・・」

 

Zなんとかさんの今後を考えながら

作っていたら無事に完成しました。

 

「さて運びますか・・・」

 

未柚は注文の品を

海未先輩達が待つカウンターに

運びました・・・

 

「お待たせしました。」

 

海未先輩の注文の品っと・・・

 

「こちらクリームあんみつです・・・」

「ありがとうございます、未柚ちゃん」

 

次の品はっと・・・

 

「紅茶とプリンアラモードになります・・・」

「わあ~♪、ありがとう♪」

 

そして最後に・・・

 

「まず、カプチーノをどうぞ・・・」

「このカプチーノ凄いよ!、絵が描いてある!」

 

未柚が好きな漫画のキャラクターを

ラテアートしただけなんですけどね?

そしてメインの・・・

 

「こちらがZなんとかさんです・・・」

「凄く大きいねー!、おいしそー!」

「では、ごゆっくり・・・」

 

ふぅ。一仕事を終えました。

未柚も梅干し紅茶でも飲みましょうか・・・

えーと、未柚のマグカップはっと・・・

 

「あの、未柚ちゃん・・・」

「何でしょう?」

「この喫茶店に悠里君が初めて来たのって・・・」

 

海未先輩が疑問に思いながら

未柚に聞いてきた。

ことり先輩と穂乃果先輩も気になったのか・・・

 

「あ、穂乃果も気になる」

「ことりも~」

 

確か未柚が悠里お兄様と

初めて会ったのは・・・

 

「悠里お兄様が12歳の時ですね・・・」

「あれ?、じゃあ未柚ちゃんは?」

「未柚は9歳ですね・・・」

「「「ええっ!?」」」

 

今日はよく驚かれますね・・・

 

「でも、ゆうちゃんが12歳の時って・・・」

 

穂乃果先輩は心当たりがあるみたいです。

 

「悠里お兄様が病んでいた時期ですね・・・」

「ゆーくんが・・・?」

「ですが未柚の前では笑顔でいました・・・」

 

最初は違和感を感じなかったのですが

悠里お兄様が未柚に会いに来てくれるたびに

中学で自分のクラスでの暴力で受けた傷が目立って

いました・・・

 

「そんなに酷かったの・・・?」

「未柚が見た感じ、転んだというレベルではないですね」

「ことり何で気づかなかったんだろう・・・」

 

・・・なるほど。

悠里お兄様が黙っていた理由はコレですか。

今なら当時の瑠菜お姉さまの気持ちも分かります。

 

「そんな顔してると悠里お兄様が心配しますよ?」

「で、でも・・・」

「誰だって言いたくない事の1つや2つはあります」

 

3人の様子を見る限り、悠里お兄様の

中学時代の真実を聞いて間もないみたいです。

ティアお姉さまが昨日言ってましたね・・・

 

(未柚も聞いた時は泣いてましたし・・・)

 

ふと、未柚は気になる事が

あったので・・・

 

「未柚も先輩達3人に質問していいですか?」

「「「えっ?」」」

「悠里お兄様の事、好きなんですか?」

「「「ブフッ・・・///!?」」」

 

あ、聞くタイミング間違えました。

何で飲み物を飲もうとする瞬間を

未柚は狙ったんでしょうね?

 

「海未先輩は聞きましたし・・・」

「は、はい・・・///」

 

さて、まずは・・・

 

「ことり先輩。どうなんですか・・・?」

「こ、ことりは・・・///」

 

まぁ、未柚は分かってますけどね?

 

「ゆ、ゆーくんの事、す、好きです・・・///」

 

純粋な答えですね。

さて残りは・・・

 

「穂乃果先輩。どうなんですか・・・?」

「そ、その、穂乃果は・・・///」

 

この流れだと・・・

 

「ほ、穂乃果も、ゆうちゃんの事好き・・・///」

 

大丈夫ですよ。

未柚は初めから見抜いてましたから。

ドヤァ・・・!!

 

「想いを伝えたいなら、それなりの覚悟をしなきゃダメですよ?」

「「「えっ・・・」」」

「悠里お兄様の場合は少し変わってるんです」

「それってどういう・・・」

「海未先輩は学校での悠里お兄様、どう思います?」

「優しくて、頑張り屋で、私達の事を考えてくれる事・・・」

「じゃあ悠里お兄様の欠点は?」

「分かりません・・・」

 

まぁ、そうですよね。

悠里お兄様の欠点を強いて上げるなら・・・

 

「自分嫌い、落ち込み症、自己犠牲ですかね。今のところ」

「未柚ちゃん、ゆーくんが自分嫌いって・・・?」

 

ことり先輩達は知らないですよね・・・

 

「悠里お兄様が鏡を見る時って見た事あります?」

「そういえば見た事ない・・・」

「身だしなみをする程度なら平気なんです・・・」

「それ以外で鏡を見たら・・・?」

「・・・精神不安定になって発狂します」

「そ、そんな・・」

 

あの時は大変でした。

悠里お兄様が鏡を見た瞬間、精神不安定になり

花怜お姉さま、瑠菜お姉さま、ティアお姉さまと

未柚の4人で暴れてしまった悠里お兄様を

止めたのも覚えてます。

 

「花怜お姉さまが文化祭の時になったって聞きましたね」

「文化祭って・・・」

「穂乃果先輩が倒れた当日らしいです」

「じゃあ、ゆーくんが壁を殴りつけていたのって・・・」

 

まだマシな方ですね・・・

その状態だとLv3くらいでしょうか・・・

 

「あの時は私とことりで止めたのですが・・・」

「悠里お兄様、その後は何しました?」

「ゆーくん、壊れたテープレコーダーみたいに謝ってた・・・」

 

Lv4の前兆ですね・・・

この状態だと恐らく・・・

 

「・・・Lv5になるのも近いですね。」

「それって・・・」

「テープレコーダーみたいになったら危険な状態です」

「ゆうちゃん、どうなっちゃうの・・・?」

 

穂乃果先輩が不安な声をしながら

聞いてきた・・・

海未先輩、ことり先輩も未柚を見る・・・

 

()()()()()()()()()

「「「そ、そんな・・・」」」

「海未先輩、ことり先輩が未然に止めたからいいですが」

 

もう未柚は不安でしかないです。

高校を卒業するまで頑張ると言ってましたが

時間がない事に変わりないですね・・・

 

「12月になったら悠里お兄様を見てあげて下さいね?」

「「「えっ・・・?」」」

「悠里お兄様の気持ちが見えますから・・・」

 

未柚が言えることは・・・

 

「本当に好きなら自分が傷つく覚悟でないとダメですよ」

 

最悪の結末になっても

悠里お兄様が決めたなら

未柚は受け入れます。

 

「だから頑張ってくださいね?」

 

未柚が穂乃果先輩達に伝えると

言いたい事が伝わったのか・・・

 

 

 

 

 

 

「「「・・・はい!!///」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふふ・・・♪

悠里お兄様。

近いうち、覚悟した方が

いいですよ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんな感じですが番外編は終了です。
次回から2期に入ります。
不安なところもありますが
頑張って執筆いたしますので
これからもよろしくお願いします。


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2nd Season
第56話 新生徒会長・穂乃果


ゆるポメラです。
今回から2期になります。
では2期第1話の『もう一度ラブライブ!』
の回が始まります。

それではどうぞ。


季節は秋・・・

それにしても秋になるのが早い。

夏服から冬服になり

僕は自分のこれからについて

考えてた・・・

 

「音ノ木坂学院は入学希望者が予想を上回る結果となった為、来年度も生徒を募集する事になりました。」

 

講堂で南先生が告げる。

そうそう、新学期に入ったから

始業式をやっている最中なんだ。

次は新生徒会長の挨拶なんだよ。

・・・え?

一体誰がなったのかって?

それはね・・・

 

「皆さん、こんにちは!」

 

そして自己紹介を始めた・・・

 

「この度、新生徒会長になりました!スクールアイドルでおなじみ・・・」

 

マイクを持ったと思ったら上に投げカッコよくキャッチした。

 

「高坂穂乃果と申します!」

 

新生徒会長は、

ほのちゃんなんだよ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー生徒会室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐわぁ・・・、疲れたー」

「穂乃果ちゃん、お疲れ様♪」

 

戻って机にぐてーっとなる

ほのちゃん・・・

それを労う、ことちゃん・・・

 

「生徒会長挨拶ってライブとは全然違うね・・・」

「・・・人前に立つという点は一緒だけどね」

「でも穂乃果ちゃんらしくて良かったと思うよ?」

 

僕が書類を整理していると・・・

 

「どこが良かったんですか!」

 

僕の隣で、みーちゃんが呆れ気味に言った。

 

「せっかく4人で挨拶文を考えたのに!。最終的に悠里君に任せてしまったでは

ないですか!」

 

実は挨拶の後の台詞を忘れてしまい

ほのちゃんが固まってしまい急遽、

僕が代わりにやったという訳。

 

「ゆうちゃん、ゴメンね・・・」

「・・・次に気をつければいいでしょ?」

「とにかく・・・!」

 

みーちゃんは大量の書類を

ほのちゃんの前に置いた・・・

 

「今日はこれを全て処理して帰ってください!」

「えぇー!、こんなにー!?」

「それにこれも!」

 

みーちゃんは一枚の紙を取り出し

ほのちゃんに突きつける。

 

「・・・?」

 

紙を受け取り、

ほのちゃんは内容を読み上げた・・・

 

「学食のカレーが不味い・・・」

 

この学校って学食あったの?

 

「アルパカが私に懐かない・・・」

 

愛情を持って接すれば大丈夫じゃない?

 

「文化祭に有名人を・・・」

 

僕もうお手上げだよ。

 

「って、これ何?」

「一般生徒からの要望です。」

 

ほのちゃんの疑問の問いに

みーちゃんが答える。

 

「もう!。少しくらい手伝ってくれたっていいんじゃない!?

海未ちゃん副会長なんだしぃー!。」

 

ぶぅーぶぅーと抗議しながら

みーちゃんに訴える。

 

「もちろん私は、もう目を通してあります!」

「じゃあやってよー!」

「・・・ほのちゃん。落ち着いて」

 

僕が宥めるが手をじたばたさせ

半泣きになりながら

駄々っ子になる、ほのちゃん・・・

 

「それに仕事はそれだけじゃないんです!」

「・・・って言うと?」

「あっちには校内で溜まりに溜まった忘れ傘が放置!各クラブの活動記録のまとめもほったらかし!そこのロッカーにも、3年生からの引き継ぎのファイルが丸ごと残っています!」

 

・・・みーちゃん。

まだ少ない方だよ・・・

僕が苦笑いしてると・・・

 

「ぐふ・・・」

 

あ、ほのちゃんがダウンした。

 

「生徒会長である以上、学校の事は誰よりも詳しくないといけません」

「でも手分けしてやればー・・・」

「・・・ことちゃん。流石にそれはダメだよ?」

「そうですよ!。ことりは穂乃果に甘過ぎます!」

「えへへ・・・」

 

ことちゃんは昔から

ほのちゃんに甘いところがあるからねぇ・・・

僕も人の事あまり言えないけどさ。

 

「生徒会長って大変なんだね・・・」

「「何を今更」」

 

ほのちゃんの呟きに

僕とみーちゃんの2人で言い切った。

 

「分かってくれた?」

「頑張ってるかね?、君達?」

 

絵里さんと希さんが入って来た。

 

「大丈夫?。挨拶、かなり拙い感じだったわよ?」

「ゴ、ゴメンなさい・・・」

「カードによれば、穂乃果ちゃん。生徒会長として大変だって出とるよ?」

「えぇー!?」

「だから3人共、フォローしたってね?」

 

そう言い残し、絵里さんと希さんは

生徒会室から出てってた・・・

 

「・・・さてと」

 

僕は、ほのちゃんの隣に座り

書類が入ったファイルを取る・・・

 

「・・・みーちゃん、今日の分はこれだけ?」

「はい。とりあえずは・・・」

「・・・じゃあ明日の分の書類、纏めてもらってもいい?」

「あ、はい。分かりました」

「・・・ことちゃん、みーちゃんの手伝いしてあげて?」

「う、うん。分かった」

 

流石にこの量を、ほのちゃんがこなすには厳しいと

思ったので・・・

 

「みーちゃん、ことちゃん。それが終わったら、あとは僕と

ほのちゃんの2人でやっておくから先に戻っていいよ」

「え!?、ゆうちゃん!?」

 

ほのちゃんだけでなく、みーちゃん、

ことちゃんの2人も驚いていた。

 

「で、ですが・・・」

「でも・・・」

「役割分担。キリがいいところまでやるだけだから」

 

僕がそう言うと2人は渋々だが納得してくれた。

こうして分担作業?が始まった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未ちゃんとことりちゃんが

先に戻った後、穂乃果は

ゆうちゃんと2人で作業をしていた。

 

「これは、ここで・・・」

 

穂乃果の隣では

ゆうちゃんが真剣な表情で書類を

纏めていた。

 

「ねぇ、ゆうちゃん・・・」

「・・・なに?」

「どうして手伝ってくれたの?」

 

本当だったら穂乃果1人でやらないと

いけないのに・・・

始業式の挨拶だってそう。

せっかく海未ちゃん達が考えてくれた

挨拶文を代わりにやってくれた。

 

「ほのちゃん1人じゃ大変かなって思って・・・」

「じゃあ初めから・・・」

「手伝う気だったけど?」

「あ、ありがとう・・・///」

 

それからは無言になって作業を続けた・・・

 

「あとは、この書類だけだね・・・」

「でも穂乃果、もう集中できないよー!」

 

いくら何でも多過ぎだよ!

ぶうぅー・・・

 

「・・・教室に戻って作業する?」

「えっ?」

「その方が捗ると思うけど・・・」

「それならやる!」

「・・・じゃあ行こ?」

「うん!///」

 

ゆうちゃん、穂乃果に気を利かせて

くれたのかな・・・///

穂乃果達は教室に移動する事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー教室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・場所が変わると作業が捗るね」

「そ、そうだね・・・///」

 

確かに作業は捗るけど

周りからの視線が・・・

 

「・・・ほのちゃん?」

「な、何でもないよ!。早く終わらせようよ!」

「それもそうだね・・・」

 

なんとか無事に今日の分は終わった。

 

「疲れたよー・・・」

「ん。お疲れ様。」

 

なんだか急に体を動かしたく

なってきたなぁー・・・

あ、そうだ!

 

「ゆうちゃん、屋上に行こうよ!」

「はいよー・・・」

 

2人で屋上に向かう事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー屋上ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり体を動かすのはいいよね!」

「・・・ずっと座って作業だったしね」

「でも明日もあるんだよね・・・」

 

生徒会の仕事は

あくまで今日の分が終わっただけで

明日もやらなきゃいけない・・・

 

「みーちゃん達が明日の分を纏めてくれたから大丈夫だよ・・・」

「うっ!、それはそうだけど・・・」

「僕も手伝うから・・・、ね?」

 

ゆうちゃん、その笑顔は反則だよ・・・///

えへへ///、でも穂乃果なんか嬉しいな・・・///

 

「・・・それにしてもお腹空いたね」

「穂乃果も・・・」

「ほのちゃんの場合、体を動かしたからのもあるでしょ?」

「あはは。そうかも・・・」

「・・・今から購買でも行く?」

「うん!」

 

穂乃果達は購買に向かい

いつもの中庭の木陰で食べる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー音ノ木坂学院・中庭ーー

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、今日もパンがうまい!」

「ほのちゃんってパン食だっけ・・・?」

 

購買で穂乃果が買ったのは

新作のランチパック。

ゆうちゃんが買ったのはシナモンロールだった。

 

「ゆうちゃんってシナモンロール好きなの?」

「・・・購買に売ってたら真っ先に買うくらい好き」

 

確かに購買でシナモンロールが売ってたのを見た

ゆうちゃんの目は凄かったなぁ・・・

例えるなら海未ちゃんが怒った時の目かな?

 

「・・・食べてみる?」

「いいの?」

「うん。はい、あーん・・・」

 

う、嘘!?///

ゆうちゃんが穂乃果に・・・///

 

「あ、あーん///」

「・・・美味しい?」

「う、うん・・・///」

 

正直、味なんて分かんない・・・///

だ、だって。そ、その・・・///

 

(ゆうちゃんと間接キスしちゃったよぉ・・・///)

 

「・・・ほのちゃん?」

「え!?///、あ、なに?///」

「・・・顔、赤いけど大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ!///」

「・・・なら良かった」

 

穂乃果の事を心配してくれた

ゆうちゃん・・・

穂乃果が大丈夫って言ったら

安心したのか微笑んでた。

 

「えへへ・・・///」

「ほのちゃん、どうしたの?」

「うぅん!、何でもないよ///」

「・・・そっか」

 

えへへ・・・///

これなら穂乃果、明日の生徒会の仕事も頑張れるよ///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は凛ちゃん達1年生組、にこが穂乃果に
第2回ラブライブが開催される事を
伝えに穂乃果を探してる間に
穂乃果と悠里は何していたかを
執筆してみました。
中途半端な終わり方になってしまい
申し訳ないです・・・
次回は2期第1話の後半のラブライブ出場を
決意する回です。
次回もよろしくお願いします。


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第57話 もう一度

ゆるポメラです。
前回の続きです。

それではどうぞ。


僕は今部室にいます。

さっきまで、ほのちゃんと2人で

中庭にいたら、息切れした真姫ちゃん、

花陽ちゃん、にこさん、凛ちゃんはピンピンして

いたけどね?の4人が来て僕達を探していたらしい。

 

(入れ違いになっちゃったのかな・・・)

 

僕が、さっきの事を振りかえっていると・・・

 

「もう一度?」

「もう一度!?」

「もう一度!?」

「ラブライブ!?」

 

みーちゃん、ことちゃん、希さん、絵里さんが

驚いている理由は、花陽ちゃん曰く第2回ラブライブの

開催が決定したみたい・・・

 

「今回は参加する人数が予想より多くなってしまった為

前回とは違う方式になりました!」

 

違う方式ってなると

前回がランキング形式だったから・・・

 

「・・・花陽ちゃん。もしかして各地で予選をやって、

各地の代表が本戦に進む形式?」

「はい、そうなんです。」

「悠里君、それってもしかして・・・」

「・・・人気投票とかによるランキングとかは関係ないって事」

 

ある意味チャンスかも。

それはつまり・・・

 

「それって私達でも大会に出場できるチャンスがあるって事よね!?」

「そうなんです!」

 

にこさんの問いに花陽ちゃんが嬉しそうに答える。

これを聞いた他のみんなも・・・

 

「すごいにゃ~!」

「またとないチャンスです!」

「やらない手はないわね」

「そうこなっくちゃ!」

 

みんなやる気満々だなぁ・・・

 

「よ~し、じゃあラブライブ出場を目指して・・・」

「待って!」

 

絵里さんが何かに気づいたようだ。

 

「地区予選があるって事は私達、A-RISEとぶつかるって事じゃない?」

「「「「「「「あっ・・・」」」」」」」

 

絵里さんの一言に気づいた花陽ちゃんは・・・

 

「お、終わりました・・・」

「・・・あきらめるの早いね」

 

他のみんなもついには・・・

 

「A-RISEに勝たなきゃならないなんて・・・」

「それは、いくらなんでも・・・」

「無理よ!」

「は、はは・・・」

 

というか花陽ちゃん大丈夫かな・・・?

泣きながら笑ってるから、ちょっと心配・・・

 

「いっそのこと、全員で抵抗しよう!」

「出来る訳ないでしょう・・・」

 

・・・凛ちゃん!?

抵抗するって一体何に!?

みーちゃんも言ってる意味が分かったの!?

僕は訳が分からないよ・・・

とりあえず僕は・・・

 

「・・・エントリーなら自由なんだしやってみるのもいいんじゃ?」

「そ、そうだよね。大変だけどやってみようよ!」

「決まりね!」

 

とりあえず決まったらしい。

はぁ・・・

 

「ゆうちゃん、お茶飲む?」

「・・・ん。飲む」

 

ほのちゃんから、お茶を貰い

飲んでいると・・・

 

「穂乃果・・・?」

 

絵里さんが、さっきから会話に入ってない

ほのちゃんに気づいたのか声をかける。

 

「出なくてもいいんじゃない?」

「・・・ほのちゃんなら言うと思った」

 

ほのちゃんの一言に僕が隣で

お茶を飲みながら言うと・・・

 

「「「「「「「「えぇー!?」」」」」」」」

 

一体何に驚いてるんだろ?

 

「ほ、穂乃果ちゃん・・・?」

「今、なんと・・・?」

 

・・・あれ?

ことちゃん、みーちゃん。どうしたんだろ?

みんな聞こえなかったのか

ほのちゃんは笑顔でリテイクした・・・

 

「ラブライブ、出なくていいと思う!」

 

すると、にこさんが・・・

 

「穂乃果~!」

 

部室の隣の部屋に連行し

ほのちゃんを座らせ、目の前に全身が写る鏡を

持ってきた・・・

 

(さて僕は鏡を直視しないようにしないと・・・)

 

実は鏡が大嫌いなんだよね。

理由は教えないけど・・・

 

「穂乃果、自分の顔が見えますか?」

「見え、ます・・・」

「では鏡のなかの自分は何と言ってますか?」

「何それ・・・」

 

みーちゃんが今やってるのって

心理現象の1つだっけ・・・?

僕も詳しくは知らないけど・・・

 

「だって穂乃果・・・」

「ラブライブに出ないって・・・」

 

流石に絵里さん、希さんも

ほのちゃんの疑問に思ったみたい

 

「ありえないんだけど!スクールアイドルの憧れよ!あんた真っ先に出ようって言いそうなもんじゃない!」

 

にこさんが詰め寄るが・・・

 

「そ、そう?」

「何故、出なくていいと思うんです?」

「私は歌って踊って、みんなが幸せならそれで・・・」

 

みーちゃんの問いかけに

ほのちゃんは、ぎこちなく答える。

 

(・・・やっぱりまだ気にしてるのかな)

 

「今までラブライブを目標にしてきたじゃない!」

「い、いや~・・・」

 

にこさんの問いかけにも目を逸らすだけだし・・・

 

「穂乃果ちゃんらしくないよ!」

「挑戦してみてもいいんじゃないかな?」

「あははは・・・」

 

凛ちゃん、花陽ちゃんの問いかけにも

答えず苦笑いするだけ・・・

・・・全く、しょうがないな。

 

「・・・今日は寄り道して帰らない?」

「え?、ゆうちゃん・・・?」

 

僕の意外な提案に

ほのちゃん以外も驚いていた・・・

 

「たまには息抜きという事で・・・」

 

納得してない人が数人ほどいたが

僕が「明日も練習でしょ?」と言ったら

渋々だが納得してくれた。

 

「ゆうちゃん、ありがと・・・」

 

ほのちゃんに小声で言われたので

僕は・・・

 

「・・・ちゃんと()()()()()()()?」

 

と小声で伝えた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり

私達は悠里君の提案で秋葉に来ています。

最初は疑問に思いましたが

珍しく悠里君が、みんなで寄り道しようと

言ったので納得してました。

ですが・・・

 

(穂乃果と悠里君、一体どうしたのでしょう?)

 

ラブライブに出場しないと言った時の

穂乃果の理由が分かりません・・・

悠里君は分かってるみたいですが・・・

 

「海未ちゃん」

「ことり?」

 

考えていると

クレープを持ったことりが声をかけてきた。

 

「そのクレープは?」

「これ?、ゆーくんに買ってもらったの♪」

「当の悠里君は?」

「あそこのクレープ屋台にいるよ」

 

ことりが指差した方を見てみると

悠里君が殺気立った目でクレープを見ていました。

どうしたんでしょう?

 

「どれにするか迷ってるのかな~?」

「そうなのですか?」

 

すると悠里君が戻ってきた・・・

 

「ゆーくん、何を頼んだの?」

「・・・アップルシナモン」

「そんなクレープあったんだ~」

「・・・うん。はい、みーちゃん。」

 

悠里君が私にクレープを渡してきました。

 

「いいんですか?」

「元々、みーちゃんのも買う予定だったし・・・」

「あ、ありがとうございます・・・///」

 

こういうところがズルイです・・・///

 

「・・・他のみんなは?」

「遠くには行ってないと思うけど・・・」

「捜しましょうか・・・」

 

私とことり、悠里君の3人で

穂乃果達を捜す事にしました。

 

 

 

 

 

ーーゲームセンター付近ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「意外にほのちゃん、この辺にいそうな気が・・・」

「そんなまさか・・・」

「あ!、ゆうちゃん達だ!。おーい!」

 

本当にいました・・・

穂乃果だけでなく凛と絵里も一緒でした。

 

「・・・プリクラ撮ってたの?」

「うん!。絵里ちゃんが知らなかったみたいで記念に!」

「凛もびっくりしたにゃ~」

 

このプリクラ写真、絵里ですよね?

表情が有名なケーキ屋にいる看板キャラに

似ているのですが・・・

 

「穂乃果達、真姫ちゃん達のところに行ってるね?」

「・・・わかった」

「じゃあ先に行ってるねー」

 

全く穂乃果は・・・

 

「・・・みーちゃん、ことちゃん」

「ゆーくん?」

 

悠里君は穂乃果達が撮ってた

プリクラ機を見ながら・・・

 

「・・・2人が良ければ一緒にプリクラ撮る?」

「「えっ!?///」」

 

ゆ、悠里君とプリクラ・・・///

 

「と、撮りたいです!///」

「海未ちゃんズルイ!。ことりも撮りたい!///」

「・・・じゃあ撮ろう?」

 

悠里君からの嬉しい誘いに

私とことりは悠里君とプリクラを撮る事になった。

 

 

 

 

 

ーープリクラ機内ーー

 

 

 

 

 

 

 

「・・・3回撮れるみたいだね」

「じゃあ最初は3人で撮ろっ♪」

「・・・それがいいね」

「海未ちゃんもそれでいい?」

「は、はい・・・///」

 

ことりの提案により

最初は私達3人で撮って

その後は悠里君と2人で撮る事になりました。

 

「えへへ~///」

 

ことり。悠里君に

密着しすぎじゃないですか!?

な、なら私も・・・///

 

「・・・みーちゃん?」

「こ、このままで///」

「・・・ん。」

 

 

ーーカシャッ!!ーー

 

 

 

 

「・・・みーちゃん、デコるのお願いしてもいい?」

「私こうゆうの上手くないですよ?」

「・・・そんな事ないと思うけどなぁ」

 

うぅ・・・///

悠里君がそこまで言うなら・・・

 

「あまり期待しないでくださいね?」

「海未ちゃん頑張ってね?」

「ことりまで・・・」

 

私なりに頑張ってみましょうか・・・

 

 

 

 

 

ーー数分後ーー

 

 

 

 

 

 

「で、できました・・・」

「・・・みーちゃん凄い」

 

悠里君と初めてのプリクラなので

考えるの苦労したんですよ?

 

「・・・みーちゃん、一緒に撮ろ?」

「えっ!?///」

「ことちゃんとは先に撮ったから・・・」

「海未ちゃん行っておいでよ!」

 

あの、いつの間にか撮る事前提になって

ませんか・・・?

 

 

 

 

 

 

ーー再びプリクラ機内ーー

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの///。悠里君・・・///」

「・・・どしたの?」

「もう少し近くに行ってもいいですか?///」

「・・・うん。いいよ」

 

や、やりましたぁ///

私は悠里君の肩に密着しました。

少し恥ずかしいですけど・・・///

 

 

 

 

ーーカシャッ!!ーー

 

 

 

 

「・・・2人の写真、僕がデコってくるね」

「うん♪///」

「は、はい///」

 

数分後に悠里君が戻ってきました。

 

「・・・はい。ことちゃん」

「ゆーくん、ありがとう///」

「・・・これが、みーちゃん」

「あ、ありがとうございます///」

 

悠里君は私とことりに

先程、撮った写真を渡してくれた。

 

「・・・みんなのところに行こっか」

「そうですね」

 

穂乃果達が待っている場所に

向かう最中、ことりが顔を真っ赤にし

俯いていました。

どうしたのでしょうか・・・?

 

「ことり?」

「海未ちゃん、これ・・・」

「ことりと悠里君の写真ですよね?」

「左下に書いてある文字、見て・・・///」

 

ことりに言われ写真の左下を

見てみると・・・

 

 

 

『ことちゃん、大好きだよ』

 

 

 

 

 

「こ、これは・・・///」

「ねぇ。海未ちゃんのは?」

 

ことりに言われたので

私も悠里君と撮った写真を見ると

そこには・・・

 

 

 

 

『みーちゃん、大好きだよ』

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・///」

「ゆーくん、ズルイよね・・・///」

「そうですね・・・///」

 

 

 

 

悠里君は本当にズルイです///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日の放課後・神田明神ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、

僕達は神田明神に来ていた。

ほのちゃんは生徒会の仕事がある為

遅れて来るって言ってた。

心配になったのか、花怜ちゃんが・・・

 

『穂乃果ちゃん来るかな?』

「・・・来るよ。」

『ゆうり君、穂乃果ちゃんが出場しない理由って・・・』

「・・・前回の事、引きづっているんだと思う」

「じゃあ悠里君が昨日、寄り道しようと言いだしたのは・・・」

「・・・ほのちゃんに心の整理をつけさせたかったから」

 

すると丁度いいタイミングで

ほのちゃんが来た・・・

 

「遅れてゴメンね、みんなどうしたの?」

 

さて、聞いてみるかな・・・

 

「・・・ほのちゃん。本当にラブライブに出場しなくていいの?」

「そ、それは・・・」

「・・・その様子だと雪穂ちゃんにも言われたっぽいね」

「う、うん」

 

すると絵里さんが・・・

 

「私と希とにこは3月になったら卒業する。だから皆と一緒にいられるのは後、半年なの。それに私たちがスクールアイドルでいられるのは在学中だけ・・・」

『穂乃果ちゃん、絵里ちゃん達にとってはラストチャンスなんだよ?』

 

花怜ちゃんが理由を付け足した・・・

そう。絵里さん達3年生にとってはラブライブに出場できるのは

本当に最後だから・・・

 

「ことりちゃんは・・・?」

「私は穂乃果ちゃんが選んだ道ならどこへでも」

 

ことちゃんが笑顔で答えると

続いて、みーちゃんが・・・

 

「自分のせいで迷惑を掛けてしまうのではと心配しているのでしょう?。ラブライブに夢中になって周りが見えなくなって、生徒会長として迷惑を掛けるような事があってはいけないって・・・」

 

みーちゃん、お見通しみたい・・・

 

「ゆうちゃんは・・・?」

「・・・僕?」

「うん・・・」

『ゆうり君、ワガママくらい言ってもいいんじゃないの?』

「・・・僕は別にそんなんじゃ」

『顔に出てるよ?』

「・・・花怜ちゃん、僕の負けだよ」

 

僕も人の事、言えないな・・・

 

「ほのちゃん・・・」

「えっ・・・?」

「僕ね、見てみたいんだ・・・」

「何を・・・?」

「ラブライブで、ほのちゃん達が優勝するところ・・・」

 

そう。これは僕のワガママ・・・

無理難題な事を言ってるかも

しれないけれど、ほのちゃん達なら

できそうな気がするから・・・

 

「これが僕の気持ちかな・・・」

「ゆうちゃん・・・」

 

すると、ほのちゃんは・・・

 

「うん!。やっぱり穂乃果、ラブライブに出たい!」

「・・・それって」

「うん!。この際だから優勝を目指して頑張ろう!」

 

ほのちゃんの宣言に

みーちゃん達は驚いているが

やる気が満ち溢れていた・・・

気づけば曇りだった天気は

いつの間にか晴れていた・・・

 

「・・・花怜ちゃん」

『なあに?』

「・・・ありがとね」

『どういたしまして♪』

 

僕と花怜ちゃんは笑っていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2期1話、終了です。
海未ちゃん、ことりちゃんの
会話を少し出してみました。
次回は、2期第2話『優勝をめざして』の回
を執筆したいと思います。
不安なところもありますが
完結目指して頑張りますので
次回もよろしくお願いします。


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第58話 2度目の合宿先は山!? その1

ゆるポメラです。
今日から6月ですね・・・
気温も少しずつですが暑いです。
さて、今回から2期第2話『優勝をめざして』の回です。
1期の合宿回と同じ、オリジナル要素も入れてみようかなと
思ってますので、よろしくお願いします。

それではどうぞ。




放課後の練習中・・・

 

「た、大変です!」

「・・・花陽ちゃん?」

 

花陽ちゃんがノートパソコンを

両手に持ちながら

慌てた様子でこっちに来た・・・

 

「ラブライブの予選で発表できる曲は、未発表の物に限られるそうです!」

「「「「「「「「ええー!?」」」」」」」」

「・・・あらら」

 

まさかの未発表・・・

 

「・・・花陽ちゃん、何で未発表の曲になったの?」

「実は参加希望チームが予想以上に多く、中にはプロのアイドルのコピーをしてきた人達もエントリーを希望してるらしくて・・・」

「・・・なるほどね」

「この段階でふるいにかけようという訳やね」

「そんな~!」

 

花陽ちゃんの説明に僕と希さんが

納得すると、凛ちゃんが困ったように声を上げた。

 

「絵里さん、これって・・・」

「えぇ。あと1ヶ月で何とかしないとラブライブには出られないって事ね」

「・・・そうなりますよね」

 

僕が絵里さんに聞くと

予想通りの答えが返ってきた・・・

 

「何とかしなきゃ!、でも一体どうしよう・・・」

 

意気込む、ほのちゃんだが

早々に良い案が見つからない・・・

僕も考えるが、なかなか浮かばない・・・

 

「作るしかないわね・・・」

「絵里さん、どうやって・・・?」

 

僕の問いかけに

絵里さんは真姫ちゃんの方を向き・・・

 

「真姫!」

「えっ?、もしかして・・・」

 

あ、この後の展開、僕もう分かった・・・

もしかして絵里さん・・・

 

「えぇ!、合宿よ!!」

「「「「「「「合宿!?」」」」」」」

 

僕、真姫ちゃん以外の

みんなは絵里さんの発言に驚いていた。

 

「・・・どの道、新曲が必要になっちゃた訳だし」

「確かに、言われたらそうですよね・・・」

 

僕が苦笑いしながら言うと

みーちゃんも苦笑いしながら答えた。

 

(・・・2度目の合宿か)

 

こうして予選に向けて急遽、合宿する事が決まり

今日は練習に戻った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー合宿当日、電車内ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・今度は山なんだね」

 

今回の合宿先は真姫ちゃんが山で所有している

別荘だそうだ・・・

現在、僕達は電車の中にいます・・・

ちなみに席順は・・・

 

 

 

 

 

穂乃果 悠里   凛 花陽

 

海未 ことり   にこ 希

 

絵里 真姫 

 

 

 

 

てな感じです。

それにしても・・・

 

(少し眠いな・・・)

 

昨日はちゃんと寝たよ?

何時間くらい寝たんだっけ?

覚えてないや・・・

くだらない事を考えていたら

隣の席から凛ちゃんが・・・

 

「真姫ちゃん、まだ着かないのかにゃ?」

「次の駅で最後なんだけど・・・」

 

あ、もしかして・・・

 

「・・・発車時刻が長いとか?」

 

僕が答えると真姫ちゃんは

当たりと言わんばかり頷いた・・・

 

「え~!?、待ってる間、退屈だにゃ~・・・」

「しょうがないよ、凛ちゃん」

 

落ち込む凛ちゃんに花陽ちゃんが

宥めるが、落ち込む人がもう1人いた・・・

 

「えー!?、穂乃果、退屈だよー・・・」

「全く、穂乃果は・・・」

「「あはは・・・」」

 

ほのちゃんの答えに

みーちゃんは呆れて溜息を吐き、

ことちゃんと僕は苦笑いするしかなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーー最後の駅、電車内にてーー

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あれ、ほのちゃんは?」

「まだ戻ってませんが・・・」

 

僕が売店で飲み物を買ってきて

電車内に戻ると、ほのちゃんが

戻ってないみたい。

 

「・・・みーちゃん。他のみんなは?」

「穂乃果以外は揃ってます」

「・・・どうしたんだろ?」

「穂乃果ちゃん、携帯も置いて行っちゃったみたいで」

「・・・あらら」

 

連絡手段がないのかぁ・・・

お手洗いかな・・・?

それかまだ売店にいるとか?

僕が考えていると・・・

 

「ことり、捜してくるね?」

「・・・え?、うん。」

 

ことちゃんが、そう言いだしたので

任せる事にした・・・

時間、間に合うかな・・・

ちょっと不安になり考えていると・・・

 

「見て見て!、珍しいお菓子見つけたから買ってきたよ!」

「「「「「「「えっ・・・?」」」」」」」

「?。みんな、どうしたの?」

 

ほのちゃんが戻ってきた。

・・・ん?

 

「あれ?、ことりちゃんは?」

「・・・ほのちゃんを捜しに行ったけど」

「悠里君、入れ違いになっちゃいましたね・・・」

「・・・どうしよう」

 

駅のホームを見ると

ことちゃんを発見したので

みーちゃんが・・・

 

「ことりー、穂乃果が戻ってきましたよー!」

「良かったぁ、今行くねー!」

 

ことちゃんが走った瞬間・・・

 

 

 

 

 

ーー間もなく発車します、ご注意くださーい!ーー

 

 

 

 

 

「あ、あれ・・・?」

 

電車のドアが閉まり発車してしまった・・・

 

「ことりちゃん!?」

「ことり!?」

 

ほのちゃん、みーちゃんが叫ぶが

ことちゃんは唖然としてるだけだった・・・

すぐさま僕は真姫ちゃんに・・・

 

「真姫ちゃん!、降りる駅は次の駅でいいんだよね!?」

「は、はい・・・」

「絵里さん、引率よろしくです!」

「悠里くん何する気!?」

 

ていうか僕が最近読んでいる四コマ漫画と同じ現象に

なるって、どういう事!?

そっちの方に僕は驚きだよ!?

 

(・・・しかも窓があいているし)

 

ここまで漫画と同じ現象になると

逆に怖くなってきたので・・・

 

「ちょ!?、ゆうちゃん!?」

「ゆ!?、悠里君!?」

「・・・後で合流ね」

 

さぁ、猫のように高らかに飛ぶぞ?

怪我したら自己責任でいいや☆

 

「・・・にゃんぱすー」

 

このセリフは田舎をテーマにした漫画で

僕の好きなキャラが発言する名言・・・

ちなみに未柚ちゃんに、この漫画を勧めたら

大いにハマりだしたのは懐かしい思い出である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どうしよう・・・」

 

穂乃果ちゃんが見つかったのはいいけど

ことりだけ電車に乗り遅れちゃった・・・

 

「ちょ!?、ゆうちゃん!?」

「ゆ!?、悠里君!?」

 

穂乃果ちゃんと海未ちゃんが

慌ててるけど、どうしたんだろ?

その理由はすぐ分かった。

 

「・・・にゃんぱすー」

「「「「「「「「ええー!?」」」」」」」」

「ゆ!?、ゆーくん!?」

 

ゆーくんが謎の掛け声を出しながら

走行中の電車の窓から飛び降りてきた。

 

「・・・着地成功なのん」

 

ゆーくんは、ちょっとだけドヤ顔をしながら

ことりの前に着地しました・・・

 

「・・・電車行っちゃった」

 

遠くに走り去った電車を見ながら

呟きました・・・

って、そうじゃなくて!

 

「ゆーくん!!、怪我したらどうするの!?」

「・・・自己責任だね」

「そうじゃなくて!!」

 

ことりが怒鳴ると

ゆーくんは無表情で怪我したら自己責任だと

言い切ったのです。

だって、さっきの行動は下手したら大怪我じゃ済まないと

思ったから。

 

「・・・ことちゃん、落ち着いて」

「うるさいちゅん!!、落ち着いてられる問題じゃないちゅん!!」

「・・・てい!」

「ちゅん!?」

「・・・語尾がおかしくなってるよ」

 

うぅ・・・

おでこ痛いよぅ・・・

はっ!?、ことりは一体何を・・・

 

「・・・次の電車が来るまで待とう?」

「うん・・・」

 

ゆーくんと2人で次の電車が来るまで

駅のホームで待つ事になった。

 

 

 

 

 

ーーその頃、悠里が飛び降りた後の電車内ではーー

 

 

 

 

「どど、どうしよう海未ちゃん!?」

「悠里君が、悠里君があぁぁ・・・」

「海未ちゃんが壊れ始めたにゃ!?」

「ダ、ダレカタスケテー!?」

「アイツ何考えてんのよ!?、大人でもやらないわよ!!」

「にこっち、普通はやらんて!?」

「絵里、どうする?」

「目的地の駅で悠里くん達を待ちましょう・・・」

「私、死にます!!」

「海未ちゃん!?、落ち着いて!」

「穂乃果、離してください!!」

「とりあえず全員で海未を止めるわよ!」

「ふえぇぇん!!、悠里君~!!・・・」

 

大泣きしながら電車の窓から飛び降りようとする

海未を止めるのに必死な穂乃果達8人だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー駅のホームーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・はい。飲み物」

「あ、ありがと///」

 

ゆーくんから缶ジュースを貰い

ことり達は電車を待っていた・・・

 

「・・・さてと」

「ゆーくん?」

 

ゆーくんが腰に着けているポーチから

何かを取り出した。

その正体は簡易型救急箱だった・・・

 

「・・・流石に無傷じゃないか」

 

そう呟くと、怪我した両手を手当てし始めた。

ことりは、見てられなかったので・・・

 

「・・・ちょ!?、ことちゃん!?」

 

ゆーくんから強引に救急箱を取り

手当てをしようと思ったのですが

とんでもないものを見てしまいました・・・

 

「ゆ、ゆーくん、こ、この怪我・・・」

「・・・。」

 

ゆーくんは黙っているだけでした。

さっきの擦り傷だけなら、まだ分かる。

だけど私が気になったのは

無数の切り傷の痕が生々しく残っていた事でした・・・

 

「答えて・・・」

 

こればかりは聞かなきゃならない

ことりは、ゆーくんに問い詰めた。

 

「・・・ただの怪我だけど?」

「そんなの嘘・・・」

 

こんな酷い傷、ただの怪我じゃない。

ゆーくんは何か隠してる・・・

そういえば前に瑠菜ちゃんが・・・

 

『ゆうくん、痛覚がなくなるくらいの怪我を負ってるの』

 

ことりは、ゆーくんに・・・

 

「中学の時の傷・・・?」

「・・・そうだけど」

 

観念したのか、ゆーくんは

白状しました。

 

「両手の傷だけなの・・・?」

「・・・いや、全身かな。殴られた痕も含めると」

「そ、そんな。どうして・・・」

「・・・別に僕、自分の事どうでもいいと思ってるし」

「バカッ!!!」

 

気づいたら、ことりは泣きながら

ゆーくんに怒鳴っていた・・・

 

「も、う少し自分の事、大事にしてよぅ・・・!」

「・・・なるべく気をつけるよ」

「ゆー、くんのバカァ・・・!」

 

電車が来るまで

ことりは、ゆーくんの胸の中で

泣いていた・・・

 

 

 

 

 

 

 




少し長くなってしまいました・・・
合宿の回は、やっぱり難しいですね・・・
次回は別荘に着いた後の話です。
こんな感じですが
次回もよろしくお願いします。。


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第59話 2度目の合宿先は山!? その2

ゆるポメラです。
前回の続きです。
少し短いかもしれません。

それではどうぞ。


あの後、無事に

電車に乗り目的地の駅まで辿り着いた。

僕と、ことちゃんが駅に着くと

みんな待っていてくれた。

 

「・・・待たせてゴメン」

「みんな~、ごめんね~」

 

僕達2人が謝ると・・・

 

「ゆうちゃん~!!」

「悠里君~!!」

 

ほのちゃん、みーちゃんが

泣きながら僕に抱きついてきた。

 

「・・・ど、どしたの?」

「だ、だって、ゆうちゃんが~・・・」

「し、死んじゃったのかと思いました~・・・」

「・・・えと、ゴメンね?」

「「ふえぇぇん!!」」

 

凛ちゃん達1年生からも心配され

絵里さん達3年生からは、お説教を受けました・・・

 

 

 

 

ーー別荘前ーー

 

 

 

 

 

 

「・・・真姫ちゃんの別荘、やっぱり凄いね」

「私は普通かと・・・」

 

そうだよね・・・

真姫ちゃんにとっては普通だよね・・・

現に、にこさんが・・・

 

「ぐぬぬ・・・」

 

悔しそうに唸っていた・・・

 

 

 

 

 

ーー別荘の中ーー

 

 

 

 

中に入ると凄く広かった。

ソファだけじゃなく暖炉もあった。

・・・暖炉、いいなぁ。

しかも僕が見た感じ、今僕達がいる

この部屋はリビングみたい・・・

 

「本物の暖炉にゃ~!」

「すごーい!」

 

凛ちゃん、ほのちゃんが

はしゃいでいた。

すると真姫ちゃんが・・・

 

「でも点けないわよ」

「「えー!?」」

 

不満そうに声を上げる2人をよそに

真姫ちゃんは理由を説明する。

 

「冬になる前に煙突を汚すとサンタさんが入りづらくなるって

パパが言ってたの」

「・・・僕も昔、似たような事言われたなぁ」

「え?、ゆうちゃんもなの?」

「・・・母さんが悪い事ばかりすると黒いサンタさんが来るって

言ってたのを思い出して」

 

懐かしいなぁと僕が思っていると

にこさんが・・・

 

「悠里と真姫が、サンタ・・・」

「にこ!、それ以上はダメよ!」

「そうだよ!、それを言うのは重罪だよ!」

 

ほのちゃんと絵里さんが

にこさんを慌てた様子で止めてるけど

どうしたんだろ・・・?

 

「だって悠里と真姫よ?、あの2人が・・・」

 

ーービシッ!!ーー

 

「にこ、それ以上は言わせませんよ・・・」

「・・・みーちゃん?」

「ゆーくん、気にしないで?」

「そうですよ悠里君、気にしないでください♪」

「・・・うん」

 

それより、にこさん大丈夫かな?

気絶しているけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とことりは真姫に作業する部屋に

案内されてます。

理由は新曲を作る為、絵里に練習する班と

別れて行動した方がいいという事になったからです。

 

「ゆーくん大丈夫かなぁ・・・」

「悠里君がどうかしたのですか?」

「うん、駅で待っている時なんだけどね・・・」

「私も、あの行動は驚いたわ・・・」

 

ことりが電車に乗り遅れた時に

悠里君が走行中の電車の窓から飛び降りた時は

心臓が飛び出るかと思いました・・・

 

「海未なんて大泣きしてたしね・・・」

「い、言わないでくださいよぅ・・・///」

 

だって悠里君が大怪我なんてしたら

私は不安で、不安で・・・

 

「それで2人で待ってた時にね、ゆーくんが怪我の

手当てをした時に、その・・・」

「ことり、一体何を見たのですか?」

 

ことりが言いづらそうにしていたので

私が問い詰めると・・・

 

「ゆーくんが中学の時に受けた傷・・・」

「どんな傷なの?」

 

真姫が聞くと

ことりは沈んだ顔をしながら・・・

 

「両手に無数の切り傷。生々しくて・・・」

「「えっ・・・?」」

 

私と真姫は驚くしかなかった・・・

 

「そ、そんな悠里君が・・・」

「・・・僕がどうかした?」

「「「ひゃあ!?」」」

 

突然、目の前に悠里君が現れたので

私達3人は驚いてしまいました・・・

 

「・・・ゴメン、驚かす気はなかった」

「あ、あの。悠里君・・・」

「・・・なに?」

「ことりから聞いたのですが両手の怪我・・・」

「・・・あぁ、これの事?」

 

すると悠里君は無表情のまま服の袖を捲った。

私と真姫が見たのは・・・

 

「な、何よ。これ・・・」

「ひ、酷い・・・」

 

悠里君の両手には無数の切り傷の痕が

生々しく残っていた・・・

とても人に説明できる程の傷ではない。

そのくらい酷かった・・・

 

「・・・ことちゃんには説明したんだけど、正確には全身なの」

「ゆーくん、痛覚もないみたいで・・・」

「いつからなんですか・・・」

「・・・僕の両親が亡くなった次の日から」

 

じゃあ悠里君は治療もしないで

ずっと・・・?

 

「・・・まぁ、そうなるかな」

 

私の表情を見て言いたい事が分かったのか

即答する悠里君・・・

 

「・・・邪魔しちゃ悪いから僕は戻るね」

「あっ・・・」

 

そう言うと

悠里君はリビングの方へ戻って

しまいました・・・

 

(声、かけられませんでした・・・)

 

それ以前に私は何て言ってあげたらいいか

分からなかった。

 

 

 

 

 

 

ーー作詞用の部屋ーー

 

 

 

 

 

「じゃあ何かあったら呼んでちょうだい」

「ありがとうございます。真姫。」

 

それにしても

作詞の参考書等がたくさん置いてありますね。

私は早速、作業に入ろうとした時・・・

 

「どうして・・・」

 

悠里君が戻った後に

ことりが言っていたのですが

悠里君は自分の事をどうでもいいと

言ってたみたいです。

 

「本当に無茶ばっかり・・・」

 

悠里君は自分の事を大事にしなさすぎです・・・

心配する私の身にもなってほしい・・・

本当に・・・

 

「悠里君のバカ・・・」

 

誰もいない部屋で

私は泣きながら

そう呟いた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか中途半端なところで
終わらせてしまいました・・・
次回も続きます。
これからもよろしくお願いします。


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第60話 2度目の合宿先は山!? その3

ゆるポメラです。
今回で『優勝をめざして』の回は
最後になります。
少し色々と短いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。



あの後、ちょっとした珍事件があった。

凛ちゃん、にこさんが川に落ちたらしい。

ほのちゃんに聞いたら、野生のリスから

リストバンドを取り返そうと思って追いかけたら

川に落ちてしまったって聞いた・・・

 

「・・・これ飲んで温まってください」

「悠里、これ何?」

「・・・僕特製のコンソメ生姜スープです」

「す、凄いわね、あんたって・・・」

「・・・はい、凛ちゃん」

「ありがとにゃ~」

 

そういえば上が静かだな・・・

更に言うなら、さっきまでそこにいた

真姫ちゃんもいない・・・

どこに行ったんだろ・・・

上かな・・・?

 

「・・・僕、みーちゃん達のところに行ってくるね?」

「あ、穂乃果も一緒に行くよ!」

 

ほのちゃんと2人で上で作業している

みーちゃん達の様子を見に行く事に・・・

 

 

 

 

 

 

ーー2階の部屋ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・みーちゃん?、入るよ?」

 

部屋に入ってみると

みーちゃんがいなかった・・・

 

「ゆうちゃん、これ何だろ?」

「・・・書き置き?」

 

テーブルの上に書き置きらしき物が

あったので、読んでみると

そこに書かれていたのは・・・

 

 

『探さないでください』

 

 

 

 

 

「「えぇ!?」」

 

みーちゃん、どうしたの!?

僕達2人は驚くしかなかった。

とりあえず・・・

 

「ことちゃん!」

 

隣の部屋で衣装の作業をしているであろう

ことちゃんがいる部屋に入ってみたが

ことちゃんもいなかった・・・

 

「ゆうちゃん、これ見てよ!?」

「・・・え?、って何これ!?」

 

何と額縁に、ことちゃんらしき文字で

『タスケテ』と書かれていた。

 

「・・・あれ?、窓が開いてる」

 

よく見ると結ばれた布が室内から窓の外へ伸びていた。

僕が外を見て見ると・・・

 

「「「はぁ・・・」」」

 

溜息を吐きながら体育座りをしている

みーちゃん、ことちゃん、真姫ちゃんの3人がいた。

 

「海未ちゃん達どうしたんだろ・・・」

「・・・とりあえず3人を迎えに行こ?」

「そうだね」

 

ほのちゃんと2人で

みーちゃん達のところに向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー1階のリビングーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・スランプ?」

「はい、気にしないようにはしているのですが・・・」

「・・・ことちゃん、真姫ちゃんも?」

 

僕が言うと2人は頷いた。

こりゃ相当だね・・・

 

「しかも譜面が真っ白にゃ!」

「ちょっと凛!、勝手に見ないで!?」

「確かに3人に任せきりは良くないかも・・・」

「そうね。責任も大きくなるから負担も掛るだろうし」

 

花陽ちゃんと絵里さんの意見には

僕も同意見かな。

僕も似たような経験をした事が何度かあったし・・・

 

「あ、そうだ!」

「絵里さん・・・?」

 

絵里さんが何かを思いついたらしく

僕らを外に誘導する・・・

 

「3班に分かれましょ!」

「・・・つまり衣装担当の班、作詞担当の班、作曲担当の班に

分かれるって事ですか?」

「ええ。」

 

絵里さんの提案に僕は納得する。

確かにそれなら、いい案が浮かぶかもしれない。

 

「えりち、どうやって分けるん?」

「そうね・・・」

 

絵里さん、希さんがどう分けるか相談する。

ようは的確な3班に分ければいいから・・・

 

「・・・僕が班を決めてもいいですか?」

「悠里くん、良い案でもあるの?」

「・・・ありますよ」

 

僕は近くの木にある葉っぱを取った。

 

(しばらく呼んでないから不安だけど・・・)

 

まぁ説明すれば大丈夫か・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里ちゃんの提案で3班に分かれる事になったけど

どうやって分けるかは決めてない。

すると、ゆうちゃんが・・・

 

「・・・僕が班を決めてもいいですか?」

 

ゆうちゃん、どうやって分けるんだろ?

すると、近くの木にある葉っぱを取り

何かを作り始めた。

 

「ゆうちゃん、それ何?」

「・・・草笛」

 

えっ・・・?

草笛を作って何するの?

他のみんなも同じ反応だった・・・

 

「・・・ふぅ」

 

深呼吸をし、作った草笛で・・・

 

 

 

 

ーーピィ~♪、ピィピ~♪、ピィ~♪ーー

 

 

 

綺麗な音色を響かせていた・・・

穂乃果達も惹きこまれる

うっとりするような感じ・・・

 

 

ーーガサガサッ!ーー

 

 

 

 

「・・・本当に来てくれるとは」

「「「「「「「「「えぇ!?」」」」」」」」」

 

茂みから出て来たのは

1匹の猫、狐、兎の3種類でした・・・

 

「ニャ~」

「・・・うん、お願いがあって呼んだの」

「ゆうちゃん言葉が分かるの!?」

「・・・なんとなくだけどね」

 

でも実際、猫との会話が成り立ってるし

兎の方は、ゆうちゃんの頭の上に乗ってるし

狐の方も肩にチョコンと乗ってる・・・

見ていて不思議な光景だった・・・

 

「・・・みーちゃん、こっち来て?」

「は、はい・・・」

「・・・じゃあ作詞する班、決めて?」

 

ゆうちゃんは肩に乗っている狐に向かって

そう言いました・・・

 

ーーツンツンーー

 

「え、ウチ?」

「・・・まず1人目は希さん」

 

すると次は・・・

 

ーーツンツンーー

 

「り、凛?」

「2人目は凛ちゃん。作詞班は、これで決まり・・・」

 

すると、ゆうちゃんは足元にいる猫に向かって

 

「・・・真姫ちゃんの担当する作曲する班、決めて?」

「ニャ~♪」

「・・・真姫ちゃん、こっちに来て?」

「あ、はい・・・」

 

すると・・・

 

「ニャア~」

「に、にこ?」

「1人目は、にこさん・・・」

 

続いて絵里ちゃんの方に向かい・・・

 

「ニャウ~」

「2人目は絵里さん。作曲班は、これで良し・・・」

 

ゆうちゃんは穂乃果と花陽ちゃんを

見ると・・・

 

「ほのちゃん、花陽ちゃんは、ことちゃんの担当の

衣装班に決まりね・・・」

「ねぇ、ゆうちゃん。その・・・」

「・・・この子も一緒だから」

「そ、そうなの?」

 

ゆうちゃんの頭に乗っていた兎が

穂乃果の方にやって来た。

か、可愛い~///

 

「面倒よろしくね?、その子、おてんば娘だから・・・」

「え?、メスなの?」

「・・・そこの猫と狐もメスだよ」

 

むぅ~・・・

何だろう、ゆうちゃんを取られた気分・・・

 

「・・・じゃあ頑張ってね?」

「あれ?、ゆうちゃんは・・・?」

「・・・僕は1人で考えるよ」

 

それだけ言い残し

1人で別荘に戻ってしまった・・・

 

(穂乃果、何かしてあげれないかな・・・)

 

別荘に戻って行く時の

ゆうちゃんの背中からは寂しさが伝わってた・・・

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・1人は慣れてる筈なんだけどな」

 

別荘に戻り、誰もいないリビングで

そう呟いた・・・

 

「僕も何か手伝おうかな・・・」

 

自分のバックから

ノートを取り出し思い出す単語を

書き綴る・・・

 

「・・・『夢』と『扉』しか浮かばない」

 

そう簡単に浮かぶ物じゃないので

脳を落ち着かせる為、スケッチブックを取り出し

何か絵を描く事にした・・・

 

「山の自然が良かったから・・・」

 

僕が描いているのは、川沿いとかに

咲いていそうな花畑の絵・・・

意外と、こうゆう山に咲いてそうな花って

白や黄色をモチーフにした花が多いんだよね・・・

僕は昔から自分がイメージした絵を描くのが

好きだったりする。

 

「・・・ってもう夜じゃん」

 

あれから2時間以上、絵を描いてたみたい。

時間が過ぎるのは早いな・・・

 

「・・・なんか飲もうかな」

 

リビングの奥にあるキッチンに行き

真姫ちゃんには悪いなと思いながらも

冷蔵庫の中身を確認する・・・

 

「・・・軽いランチセットでも作ろうかな」

 

僕は冷蔵庫から材料を取り出し

レシピを作る事にする・・・

 

「自分で自分の物を作っても気持ち悪いだけだしなぁ・・・」

 

思考した結果、みーちゃん達の分を作る事にした。

戻って来た時に、お腹空いてないかと思ったから・・・

 

 

 

 

 

ーー30分後ーー

 

 

 

 

「・・・こんなもんかな」

 

完成した品をリビングに運ぶ。

僕はお腹空いてないので食べる気分じゃない。

 

「やっぱり梅干し紅茶は美味しい・・・」

 

僕が読んでいるサウンドノベルで

某、奇跡の魔女も言ってたな・・・

 

「『梅干しは1パック200円のやつ』じゃないと思った味が

出せないんだよね・・・」

 

自虐的に僕は笑う・・・

ここ最近、僕は時間の流れを早く感じる事が多くなった。

楽しい時間は僕にとって砂時計みたいに早い・・・

 

「ピアノでも弾こうかな・・・」

 

梅干し紅茶を飲み終わり

僕はリビングに置いてあるピアノに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

「一番大切なのは本人の気持ち・・・」

 

私は希から言われた事を考えていました。

もう少しで何かが浮かびそうなので

私は今、別荘に戻っています。

 

「あ、海未ちゃん」

「ことり」

 

戻る途中、ことりと遭遇しました。

もしかして・・・

 

「ことりも同じ理由かな」

「そうなんですか?」

「うん、発想から少し離れてみるのもいいんじゃないかなって

穂乃果ちゃんに言われたの・・・」

 

なんか穂乃果らしいですね。

そう考えていると・・・

 

「海未、ことり・・・」

「あ!、真姫ちゃん」

「真姫もなのですか?」

「まぁ、そうね・・・」

 

聞けば曲は、『いつも全員の為にあるもの』と

にこが言っていたらしい。

 

「あれ・・・?」

「ことり、どうしました?」

「ピアノの音色が聴こえる・・・」

「私も聴こえるわ・・・」

 

耳を澄ますと別荘の方から聴こえます。

でも一体誰が・・・

 

「ニャー♪」

「あ、ちょっと!」

 

真姫の腕の中にいた猫が

別荘へ走っていきました。

更に、ことりが抱えていた兎、

私の肩に乗っていた狐も一斉に

別荘へ走っていきました・・・

 

「まるでピアノの音色に惹かれていってるみたい・・・」

「真姫ちゃんも・・・?」

「私は少なくともそう感じるわ」

 

私達も気になったので

別荘に向かいました・・・

 

 

 

 

 

ーー別荘、リビングーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達3人がピアノが置いてあるリビングに

着くと、そこで弾いていたのは・・・

 

「・・・悠里君?」

 

悠里君が凄く寂しそうな表情をしながら

ピアノを弾いていました・・・

しかも聴いている私達まで悲しくなりそうな

そんな曲だった・・・

 

「ニャー・・・」

「この子達、泣いてる・・・」

「「えっ・・・」」

 

真姫の一言に私とことりが

見てみると、猫の方は完全に涙を

流しており、兎と狐の方も悲しみを共有するかの

ように声を上げ鳴いていた・・・

まるで悠里君の気持ちが分かるかのように・・・

 

「海未ちゃん、真姫ちゃん。あれ・・・」

 

ことりが指差した方を

見てみると窓の外から野生の鹿が

こっちを覗いていた・・・

正確にはピアノを弾いている悠里君を

見ていた・・・

 

「この曲って一体・・・」

 

私が呟くと曲が終わったようです。

 

「・・・あれ?、戻ってたの?」

「ゆーくん、さっきの曲って・・・?」

 

ことりが悠里君に聞くと・・・

 

「・・・特に名前はない曲だよ」

「そうなの?」

「・・・僕がその時の気分で弾いてる曲だし」

 

続けるように悠里君が・・・

 

「・・・新曲でも浮かんだの?」

「はい、そうなんです。」

「・・・お茶淹れてくるから作業でもしてて」

 

そう言うと悠里君はキッチンに向かいました。

そういえば前にティアが・・・

 

『ユーリがピアノを弾く時は、自分の辛い思いを忘れたい時なの』

 

私は悠里君の口から

素直な思いを聞いた事がない。

正確には辛い思いを・・・

 

「ゆーくん、この絵は?」

「・・・あぁ、僕が描いたやつ」

「綺麗・・・」

「・・・イメージから少し離れてるでしょ」

 

悠里君が描いたという絵を

ことりから見せてもらうと花畑の絵が

描かれていました。

すると悠里君は・・・

 

「・・・作詞って難しいね」

「悠里君?」

「・・・ノートに思いつく単語を書いてみたら2個しか浮かばなかった」

 

あ、これですね・・・

 

「読んでもいいですか?」

「・・・あまり参考にならないかもだけど」

 

悠里君に許可を貰って読ませてもらうと

そこに書かれていた単語は・・・

 

 

 

 

 

 

『夢』、『扉』

 

 

 

 

 

「・・・。」

「みーちゃん・・・?」

 

私の中で最後のパズルのピースが

浮かび上がった・・・

 

「真姫、曲をつけてください!」

「わ、分かったわ・・・」

 

すると悠里君が描いた絵を見ていた

ことりも・・・

 

「これだ・・・!」

 

そう呟きながら

衣装案を描き始めた・・・

私は悠里君の顔を見ながら・・・

 

「悠里君のおかげです」

「ことりも!」

 

すると悠里君は・・・

 

「・・・どういたしまして?」

 

首を傾げながら私達に言った。

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳥の鳴き声がする。

 

「・・・もう朝かぁ」

 

ピアノの方を見てみると

真姫ちゃんが突っ伏して寝ており

隣のソファーでは、みーちゃん、ことちゃんが

安心しきった顔で眠っていた・・・

 

「あれ?、ゆうちゃん?」

 

リビングのドアが開いたので

声がする方を見ると、ほのちゃん達が

入ってきた・・・

 

「・・・もう少し寝かせてあげよ?」

「うん、そうだね♪」

「でも、起きたらすぐ練習よ」

 

僕は絵里さんに完成した

衣装案と譜面を渡した。

 

「・・・3人共お疲れ様」

 

こうしてラブライブの予選の

曲が完成した・・・

 

 

ちなみに曲の名前は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ユメノトビラ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか僕が何となく思い浮かんで書いた

単語が曲の名前に、更に気分で描いた絵が衣装案に

使われるとは思わなかった・・・

 

 

(ありがと・・・)

 

僕は、みーちゃん達に心の中でお礼を言った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で2期第2話は終了です。
次回は連載を始めて2期に入ったら執筆したかった
オリジナルの話を考えています。
2期第3話に入る前の話ですので
よろしくお願いします。


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第61話 未来から来た3人の少女達

ゆるポメラです。
・・・えっと、とても言いづらいのですが
今回の内容は色々とぶっ飛んでいます。
作者の妄想が爆発した結果がこれです・・・
生温かい目で読んでいただけると嬉しいです。
悠里、穂乃果、海未、ことりの2年生組しか登場しません。
それから今回の内容の時系列ですが、
2期第2話と第3話の間の話(つまり2.5話)だと
思っていただければ幸いです。

それではどうぞ。



今日は休日。

だった筈なんだけど・・・

 

「なんで生徒会の仕事なのー!?」

「穂乃果、手を動かしてください!」

 

ほのちゃんが嘆いて

みーちゃんが注意する。

このやりとりは今ので3回目だ・・・

 

「・・・まさか南先生から直接お願いされるなんて」

「ことりもびっくりだよ・・・」

 

実は南先生から生徒会関連の書類を

お願いされたんだ。

しかもただの書類じゃない。

これを最後に南先生がいる理事長室に

持って行って確認のサインを貰わなければ

ならない重要書類なんだ。

 

「・・・校内に僕達しかいないっていうのが」

「なんとも言えないですね・・・」

 

僕の言葉に、みーちゃんが苦笑いしながら同意する。

そう。今日は休日な為、僕達4人と

理事長である南先生しかいないんだ。

 

「しかもまだこんなにあるよ!」

「・・・ほのちゃん、あと2時間さえあれば終わるから」

「それは悠里君がやった場合では・・・」

「あはは・・・」

 

しょうがないじゃん・・・

幸い明日は休みだし・・・

早く終わらせて羽を伸ばそうっと☆

 

「・・・もう、早く終わらせよう」

「うん、穂乃果頑張る・・・」

「嘆いても仕方ないですよね・・・」

「そうだね・・・」

 

早く終わらせたいので

僕達は作業を続けた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー2時間後ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「・・・終わったぁ~」」」」

 

書類という名の死闘を制し

休まずぶっ通しで終わらせた。

さてと・・・

 

「・・・これを理事長室に持って行って終了かな」

「穂乃果もう疲れたよー・・・」

「私だって同じです・・・」

「ことりも・・・」

 

僕達は疲れながらも

書類を理事長室に運ぶ為

移動する事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーコンコンーー

 

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

南先生の声がしたので

僕達4人は中に入る。

 

「「「「失礼します」」」」

「ごめんなさいね?、急にこんな事頼んで・・・」

 

南先生は申し訳なさそうに謝るが・・・

 

「・・・そんなに気にしてませんよ?」

「悠里くんは優しいわね・・・」

「・・・さぁ。どうでしょうね?」

 

とりあえず頼まれた書類を

南先生に渡す・・・

 

「・・・これで全部です」

「あら、ありがと♪。4人共そこで座って待ってて?」

「「「「あ、はい・・・」」」」

 

というか普通に座っていいのだろうか?

ここ、理事長室であっているよね?

ことちゃんですらオドオドしてるし・・・

 

「・・・僕、飲み物買ってくるね」

「ゆうちゃん、穂乃果のも!」

「・・・とりあえず多めに買ってくるかから」

「悠里君、持つの手伝いますか?」

「・・・あぁ、大丈夫だよ」

「ゆーくん本当に大丈夫?」

「・・・心配性だなぁ、大丈夫だよ」

 

音ノ木坂の自販機は種類が多いので

何種類か選んで買うか・・・

僕は一旦、理事長室をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんが飲み物を買いに行っている間、

穂乃果達は待っている事にした。

 

「そう言えば、ゆうちゃんって誰似なんだろ?」

「急にどうしたのですか?」

「えへへ、何となく気になって・・・」

「それ、ことりも気になってた。」

 

すると理事長が・・・

 

「悠里くんは、どちらかっていうと母親似ね」

「お母さん、そうなの?」

「えぇ。藍里は昔から自分より他人を優先する子だったから、悠里くんも

似たんでしょうね。」

「あの、悠里君のお母様って・・・」

「音ノ木坂を卒業した後でも結構有名よ?、特に海外の人からは」

「え?、そうなんですか?」

「花怜ちゃんの母親の未花ちゃんと藍里が揃うとね」

 

花怜ちゃんのお母さん?

 

「確か『表裏の月姫』って呼ばれてたかしら・・・」

「なんか凄そうな名前ですね・・・」

「ことりも・・・」

 

穂乃果達が談笑していると

突然・・・

 

 

 

 

 

 

ーーカッ!!ーー

 

 

 

 

 

室内の筈なのに眩い光が襲った・・・

 

「「「「な、なに!?」」」」

 

光が収まり、

そこに現れたのは・・・

 

「ここどこ~?」

 

9歳くらいの女の子でした・・・

 

「この子、誰・・・?」

「でも誰かに似てません?」

 

ことりちゃん、海未ちゃんが

女の子を観察する・・・

でも穂乃果は違った・・・

 

(この子と会うの初めてじゃない・・・)

 

すると女の子は

穂乃果を見るなり・・・

 

「あ!。お母さん~!」

 

そう言って抱きついてきた。

え?、お母さん?

 

「「「えええー!?」」」

 

待って待って!?

穂乃果、こんな子知らないよ!?

とりあえず・・・

 

「ねぇ。お名前言える?」

 

すると女の子は笑いながら・・・

 

水無月悠乃果(みなづきゆのか)!!」

 

あれ?、ゆうちゃんと同じ名字?

穂乃果は理事長に・・・

 

「理事長、ゆうちゃんって妹いるんですか?」

「いえ、悠里くんは1人っ子よ・・・」

「いたとしても未柚ちゃんぐらいですよね・・・」

 

海未ちゃんが言うと

悠乃果ちゃんは・・・

 

「悠乃果のお家はね、()()()っていうんだよ!」

「「「はっ・・・?」」」

「成程、そういう事・・・」

 

それって穂乃果の家だよね!?

も、もしかして・・・

 

「ね、ねぇ。悠乃果ちゃん・・・?」

「なあに、お母さん~?」

「お、お父さんの名前って分かる・・・?」

 

するとなんの躊躇いもなく・・・

 

「お父さんの名前はね、()()()()()!!」

「もしかして穂乃果と、ゆうちゃんの・・・///」

 

こ、子供!?///

それくらい動揺していた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は正直、目の前の光景に驚きを隠せませんでした・・・

すると次の瞬間、さっきと同じ光が襲った・・・

 

「ここ、どこですか~?」

 

そこに現れたのは、悠乃果ちゃんと同じ

9歳くらいの女の子でした・・・

 

「ふえぇぇん~!!」

 

その女の子は不安になったのか

泣き出してしまいました。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

私が駆け寄ると、

私の顔を見るなり・・・

 

「お母様~!」

「えぇ!?」

 

私に抱きついてきました。

お、お母様?

わ、私が・・・?

 

「「「えええー!?」」」

 

ま、待ってください!?

状況が追いつけません!?

ま、まず、この子の名前を聞かなくては・・・

 

「あなたの名前は?」

 

私は出来るだけ不安がらないように

優しく聞いた・・・

 

水無月里海(みなづきりう)ですぅ・・・」

 

また悠里君と同じ名字です・・・

すると、ことりが・・・

 

「なんか海未ちゃんに似てない?」

「あ、確かに似てる!。恥ずかしがり屋なところとか!」

 

里海ちゃんは私の足にくっついたままです。

な、なんか可愛いです・・・///

はっ!?、とりあえず大事な事を聞かなくては・・・

 

「里海ちゃんの家は何をしているんですか?」

「うぅ、()()()で弓道や日舞をやってますぅ・・・」

 

どうして私の家の名前が・・・

私の事を『お母様』と呼び、

更には悠里君と同じ名字・・・

 

「・・・はっ!」

「お母様・・・?」

「り、里海ちゃん?、あなたのお父様の名前は?」

 

すると笑顔で・・・

 

「お父様の名前は()()()()()です!」

「は、はぅ・・・///」

「海未ちゃん大丈夫!?」

「お母様!?」

 

わ、私と悠里君の子供という事実に

衝撃を受け私は倒れてしまいました・・・

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未ちゃん気絶しちゃったけど

大丈夫かなぁ・・・

すると、またさっきの光が・・・

 

「ここどこ・・・?」

 

現れたのは、悠乃果ちゃん、

里海ちゃんと同じ9歳くらいの女の子・・・

 

「あ、ママ!」

「えっ!?」

 

ことりを見るなり

トテトテとやって来て・・・

 

「ママー!」

「ふえぇぇ~!?」

 

ことりに抱きついてきたのです。

急な事なので驚いちゃった・・・

 

「えへへ~♪」

「か、可愛い・・・///」

 

ことりの頬をスリスリとしてくるので

自然と、ことりも癒されてました。

この子、なんて名前なんだろう・・・?

 

「えっと、お名前は?」

 

ことりの腕の中にいる子に

名前を聞くと、その子は・・・

 

水無月ゆとり(みなづきゆとり)~♪」

 

この子も、ゆーくんと同じ名字だ・・・

ゆとりちゃんは、お母さんの方を

見ると・・・

 

「あ、おばあちゃん~♪」

「あらあら♪」

 

お母さんのところに行き

抱っこをしてもらってました・・・

 

「お母さん、満更でもない顔してるよ?」

「だって初の孫よ?、それに可愛いじゃない♪」

「あはは・・・」

 

あれ?、あのリボンもしかして・・・

 

「ねえ。ゆとりちゃん?」

「なあに~?、ママ~?」

「パパのお名前分かる?」

 

すると目をキラキラさせながら

 

「ゆとりのパパは、()()()()()っていうんだよ~♪」

「ちゅ、ちゅん!?///」

「だから藍里の面影もあったのね~♪、納得だわ♪」

 

お、お母さん!?///

今の言葉で理解した・・・

もしかして、こ、ことりとゆーくんの・・・///

 

(こ、子供・・・///)

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、8種類くらい買っちゃったよ・・・」

 

どういう訳か紅茶の種類だけでも

軽く10種類はあった。

みーちゃんの苦手な炭酸飲料はなかったから

いいけど・・・

 

「・・・今日の夕飯、何にしようかな?」

 

そろそろ材料が少なくなってきたので

今日の帰りにスーパーに寄って帰ろうかなと

考えながら理事長室に戻ってきた。

 

「・・・遅くなってゴメンね」

 

と僕が中に入った瞬間・・・

 

「お父さん~♪」

「お父様~♪」

「パパ~♪」

 

3人の9歳くらいの女の子達に

抱きつかれた・・・

 

「・・・何これ?」

 

僕はそう呟くしかなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・迷子?」

「うん、そうみたいなの・・・」

 

僕が、ほのちゃんに聞いたところ

僕が飲み物を買っている間に

校内に、この子達が迷子になっていたらしい・・・

それにしても・・・

 

「ほのちゃん、顔赤いけど・・・?」

「そ、そんな事ないよ!?///」

 

ほのちゃんだけじゃない・・・

 

「・・・みーちゃん?」

「にゃ、にゃんでもにゃいですよ!?///」

 

更に言うなら・・・

 

「・・・ことちゃん?」

「ぴぃ!?///」

 

僕がいない間に何があったの・・・?

 

「・・・で、この子達どうするの?」

 

いまだに僕から離れようとしない

ほのちゃん似の子、悠乃果ちゃん。

みーちゃん似の子、里海ちゃん。

ことちゃん似の子、ゆとりちゃん。

 

「「「そ、その・・・///」」」

 

3人が顔を赤らめながら

モジモジしはじめた・・・

すると南先生が・・・

 

「悠里くんの家で預かる事はできない?」

「1人暮らしだからいいですけど・・・」

「じゃあ、ことり達3人も泊めてあげてもいいかしら?」

「お、お母さん!?///」

「・・・ことちゃん達が良ければ」

「「「いいの!?///」」」

 

まぁ、驚くよね。

当たり前だけど・・・

年頃の男女がって言うのも・・・

 

「・・・どうする?」

 

正直な話、この子達の面倒を

僕1人で見るのは、ちょっと辛い・・・

だって女の子だしね・・・

 

「「「行きたい!!///」」」

「・・・即答!?」

「ふふ♪、決まりね♪」

 

こうして南先生の許可?

がおりて3人の子供を預かる事になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達はスーパーに向かっている。

理由は、ゆうちゃんが材料が少ないから

買わなきゃいけないって言ってた・・・

それにしても・・・

 

「「「お買いもの、お買いもの~♪」」」

 

悠乃果ちゃん達3人は楽しそうだった。

正直、今ゆうちゃんの顔がまともに見れない・・・///

 

「ねぇ。海未ちゃん、ことりちゃん・・・」

「なんですか?」

「どうしたの?」

「2人は平気・・・?」

「私、悠里君の顔見れません・・・///」

「ことりも・・・///」

「だよね・・・///」

 

考えている間にスーパーに着いた。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

スーパーに着いたのはいいのですが・・・

 

「・・・何食べたい?」

 

悠里君が私達に聞いてきました。

そうですね・・・

 

「穂乃果はハンバーグ食べたい!」

「悠乃果も!」

「・・・ほのちゃん、悠乃果ちゃんはハンバーグっと」

 

悠乃果ちゃんのこういう自由なところって

穂乃果に似たんでしょうか・・・

 

「ことりはオムライスがいいな~」

「ゆとりもママと同じがいい~!」

「・・・ことちゃん、ゆとりちゃんがオムライスっと」

 

ゆとりちゃん、ことりのふわふわな感じが

似てますね・・・

 

「あのぅ・・・」

「・・・どうしたの?」

 

里海ちゃんが何か言いたそうだったので

悠里君が目線に合わせてしゃがみ聞くと・・・

 

「私は何でもいいですぅ・・・」

「はうっ!!///」

「・・・みーちゃん大丈夫?」

 

い、いけません・・・///

里海ちゃんの仕草が可愛すぎます・・・///

私、平常心を保ってられるか不安です・・・。

すると悠里君は・・・

 

「そっか。何か食べたいのがあったら遠慮しないで言ってね?」

「は、はい///。お父様・・・///」

 

悠里君は里海ちゃんの頭を撫でていました。

なんか癒されます・・・///

 

「・・・じゃあメモを渡すから終わったらここに集合ね?」

「悠里君、お会計のお金とかは・・・」

「・・・僕が纏めて払うから気にしないで?」

「で、ですが・・・」

「・・・じゃあ里海ちゃんの面倒、よろしくね?」

「わ、分かりました・・・」

 

こうして各自で食材を買う事になりました。

私は里海ちゃんに・・・

 

「はぐれると危ないですから手を繋ぎましょうね?」

「はい、お母様・・・///」

 

未来から来た自分と悠里君の子供と分かっていても

やっぱり可愛いですね///

母性本能が出てしまいます・・・///

 

(いつか悠里君に・・・)

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりは今、ゆとりちゃんと一緒に

ゆーくんから頼まれた食材を探しています♪

 

「ママー、卵あったよ~」

「じゃあカゴに入れてね?」

「は~い」

 

えへへ~///

なんか嬉しいなぁ~///

あ、そういえば・・・

 

「ねぇ?、ゆとりちゃん?」

「なあに~?」

 

小首を傾げた!///

か、可愛い~///

 

「パパって、どんな人?」

「パパはね、優しくて強くてカッコいいってママが言ってた~」

 

未来の私って

なにを言ってるんだろ・・・///

聞いてて凄く恥ずかしいよぉ///

ゆーくんが優しいのは知ってるけど///

 

「ママ~?」

「な、なあに~?///」

「ママはパパの事嫌い?」

「な、なんでそう思ったの?」

「ここに来るまでパパから距離を置いてるように見えたの~」

 

子供は鋭いところがあるって

お母さんが言ってたけど

本当みたい・・・

 

「うぅん、ことりは大好きだよ?」

「じゃあなんで~?」

「は、恥ずかしいから、かな・・・///」

「ふぅ~ん♪」

 

あれ・・・?

ことり、もしかしてからかわれてる?

こういう小悪魔的なところ

自分に似たのかな・・・

ことりが言うのもなんだけど・・・

 

「次は何買うの~?」

「えっとね・・・」

 

いつか、ゆーくんに言えると

いいな・・・///

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから無事に買い物が終わり

自宅に着いた。

 

「・・・ただいま」

「「「お、お邪魔します・・・」」」

「・・・誰もいないけどね?」

「「「ただいま~♪」」」

 

子供は元気だね・・・

僕は苦笑いしながらも

ほのちゃん達6人をリビングに案内した。

 

「・・・適当なところに座ってて?」

「あ、うん・・・」

 

ほのちゃん、ぎこちないけど

大丈夫かな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて、ゆうちゃんの家に来たけど

なんだか落ち着かないなー・・・

 

「穂乃果、落ち着きがないですよ?」

「海未ちゃんもじゃん・・・」

「そ、それはそうですが・・・」

 

ことりちゃんはというと・・・

 

「ゆ、ゆーくんの家・・・///」

 

ダメだ、落ち着いてないみたい・・・

だって好きな人の家に上がるのって

緊張するんだよ?

ゆうちゃんの方を見てみると・・・

 

「・・・どしたの?」

「な、何でもないよ!///」

「・・・あ、何飲む?」

 

ゆうちゃんが聞くと

悠乃果ちゃん達が・・・

 

「悠乃果、梅干し紅茶がいい!」

「り、里海も梅干し紅茶がいいですぅ・・・」

「ゆとりもパパの梅干し紅茶がいい~♪」

 

あれ・・・?

梅干し紅茶って確か、

ゆうちゃんが好きな飲み物だよね?

 

「・・・すぐ作るから座ってて待ってて?」

「「「はあ~い」」」

 

この後、穂乃果達7人で遊んだりした。

トランプをやってる時に海未ちゃんと里海ちゃんが

負け続いたけど・・・

 

「そろそろ夕飯でも作るかな・・・」

「ゆうちゃん、手伝うよ!」

「悠乃果も!」

「・・・じゃあお願い」

 

3人で夕飯の準備をする事になりました。

海未ちゃん達には食器などを出す手伝い

をしてもらった・・・

 

「お父さん、ピーマン入れるのー?」

「・・・あれ嫌いだった?」

「苦いの嫌ー!」

「・・・ほのちゃんみたい」

「うっ!?」

 

だってピーマン苦いんだもん・・・

 

「・・・細かく切れば大丈夫だよ」

「そうなのー?」

「・・・味、実際消えるしね」

「お父さん、すごーい!」

 

ほ、穂乃果も料理、頑張って

みようかな・・・///

それにしても何だか新婚さんみたい・・・///

 

(いつか穂乃果の想いを伝えたいな・・・)

 

ゆうちゃんと悠乃果ちゃんを

見て、そう思った・・・

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー次の日の朝ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆうちゃん大変だよー!」

「・・・どしたの?」

 

ほのちゃん達が慌てて

2階から降りて来た・・・

 

「里海ちゃん達が起きたらいないんです!」

「昨日までいたのに!」

 

みーちゃん、ことちゃんも

かなり動揺していた・・・

 

「・・・ちょっと2階に行ってみよう」

 

僕達は2階に行く事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしよう・・・

朝起きたら悠乃果ちゃん、

里海ちゃん、ゆとりちゃんの3人がいなくなっていた。

昨日の寝る時間まで一緒だったのに・・・

 

「・・・手紙がある」

 

ゆうちゃんは、テーブルの上に

置いてあった手紙を取った・・・

 

「私達が起きた時はなかったのに・・・」

「何もなかったよね?」

 

周りを探しても見つからなかった。

穂乃果達が見落としてたのかな・・・

 

「・・・はい」

 

すると、ゆうちゃんは

穂乃果達3人に手紙を渡してきた・・・

 

「・・・ほのちゃん達3人宛てみたいだよ」

「「「えっ・・・?」」」

「・・・僕は下で待ってるね?」

 

そういうと、

ゆうちゃんはリビングに戻って行った・・・

 

「穂乃果、手紙の中身は何でしょう?」

「開けてみてよ」

「うん・・・」

 

手紙を開けると

私達3人をイメージした3色の手紙が

3枚、入っていた・・・

 

「悠乃果ちゃんからだ・・・」

「里海ちゃんのもあります・・・」

「ゆとりちゃんのもある・・・」

 

穂乃果達は、

無言でそれぞれの手紙を読みました・・・

 

「「「・・・ひっく!!」」」

 

手紙を読み終えたあと

穂乃果達は、その場で泣き崩れた・・・

その理由は・・・

 

「ゆ、うちゃん・・・」

「悠、里君・・・」

「ゆー、くん・・・」

 

たった1日の出会いだったけど

悠乃果ちゃん、里海ちゃん、

ゆとりちゃんが綴った手紙の内容は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達3人だけしか

理解できない内容でした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
自分は何を書いているのでしょう(苦笑い)
だけど後悔はしてません!
次回は、2期第3話の『ユメノトビラ』の回
を執筆したいと思います。
頑張りたいと思いますので
次回もよろしくお願いします。

・・・A-RISEとの対面どうしよう?(遠い目)


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第62話 地区予選と目新しさ

ゆるポメラです。
今回から、2期第3話『ユメノトビラ』の回です。
話の構成に悩みましたが、
なんとか執筆できました・・・

それではどうぞ。


練習の休憩中、

僕と花陽ちゃん、ほのちゃん、絵里さんで

ラブライブのサイトを見ていた。

僕は気になった項目を見つけた。

それは・・・

 

「・・・花陽ちゃん、このステージの画面は?」

「予選が行われるステージです。今回は参加人数が多いので会場以外での

場所で歌う事も認められているんです。」

「・・・運営側も予想してなかったのかな?」

「はい。恐らく・・・」

 

すると、ほのちゃんが・・・

 

「へぇ~・・・」

「ルールブックに載ってる事よ?、何で穂乃果が知らないの?」

「いやぁ、文字を読むのは苦手で・・・」

 

ほのちゃんの答えに絵里さんは

若干だが呆れ気味だった・・・

 

「もし自分達で場所を決めた場合、ネット配信でライブを生中継。

全国の人にライブを見てもらうんです」

「・・・豪華だね」

 

花陽ちゃんの説明に

僕は素直に凄いと思った。

・・・だって全国だよ?

 

「全国・・・、すごいや!」

 

ほのちゃんの目はキラキラしていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー部室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「各グループの持ち時間は5分。エントリーしたチームは時間が来たら

パフォーマンスを披露。」

「・・・しかも4組だけなんでしょ?」

「はい、そうなんです・・・」

 

みーちゃん曰く、最終予選に進めるのは

上位4組までだけらしい。

しかもA-RISEとぶつかるときたものだ。

 

「特に、この東京地区は激戦区・・・」

「・・・にこさん、A-RISEは確定みたいなものですか?」

「そうね、間違いなく入るわよ。」

 

そうなると・・・

 

「・・・3組に入れるだけマシだと考えた方がいいかな」

「ゆうちゃん、それって?」

「・・・極端な話、頂点と言われてるA-RISEっていう考えは、この際

置いて今は残りの3枠に入ればいいって事」

「ゆうちゃん凄い!」

「悠里、本当に極端ね・・・」

「・・・自分でも分かってますよ」

 

すると、ほのちゃんが

みーちゃんに・・・

 

「今回って会場の外でも歌う事が認められているんでしょ?」

「えぇ。」

「だったら、この学校でライブをしない?。緊張もしないし自分達らしい

ライブができると思うの」

 

ほのちゃんが言うのは分かるけど

それだとなぁ・・・

僕が考えていると・・・

 

「甘いわ!」

「へっ・・・?」

「にこちゃんの言う通り!」

 

にこさんと花陽ちゃんが

ほのちゃんに待ったをかけた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は中庭に来ていますが、

花陽曰く、ライブ中継は失敗したら

そのまま配信されてしまうという

一回勝負だと言うのです。

 

「それに目新しさも必要になってくるのよ?」

 

にこ曰く、画面の中で目立たないと

いけないというので目新しさも必要になってくる

との事・・・

 

「・・・目新しさって言うと」

 

悠里君が考えながら呟くと

凛が・・・

 

「奇抜な歌とか?」

 

続けて、ことりも・・・

 

「衣装とか?」

「・・・例えば、どんな衣装?」

 

悠里君の疑問に答えたのは

希でした。

 

「例えばセクシーな衣装とか?」

 

それを聞いた私は・・・

 

「む、無理です・・・」

 

体育座りで落ち込むしかなかった・・・

せ、セクシードレスなんて・・・

 

「セクシー、ドレス・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『みんなのハート打ち抜くぞぉ~♡ばぁ~ん♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャイナ服を着た自分を

想像していた・・・

 

「う、うぅ・・・///」

 

私が恥ずかしがっていると

悠里君が近づいて来て・・・

 

 

 

 

 

ーーヒョイーー

 

 

 

 

 

膝枕をしてくれました・・・

えっ?、えっ・・・?

 

「・・・みーちゃん大丈夫?」

「は、はいぃ・・・///」

 

悠里君が心配そうな顔で

聞きますが、そ、その・・・///

 

(ゆ、悠里君の顔が近いですぅ///)

 

「・・・にこさんは希さんの提案どう思います?」

 

悠里君が私の頭を撫でながら

にこに聞いています。

私が膝枕をされた状態のまま・・・

 

「私もやんないわよ!」

「・・・ですよねー」

「それ以前に部長にはお願いしてないにゃ」

「つねるわよ?」

「もうつねってまひゅ・・・」

「・・・何かないかな?」

 

にこと凛のやり取りを

無視しながらも何かないかと考える

仕草をする悠里君は凛々しく見えました・・・

 

「「海未ちゃん、いいなぁ・・・」」

 

穂乃果とことりが羨ましそうに

こっちを見ていました・・・

わ、私だって悠里君に膝枕される

されるなんて思ってなかったんですよ!?///

 

(嬉しくて死にそうですぅ・・・///)

 

流石に恥ずかしくなってきたので

私は悠里君に・・・

 

「あ、あの。悠里君・・・///」

「・・・どしたの?」

「私は大丈夫ですから、その・・・」

 

自分で起きようと体を起こそうした

その時・・・

 

「・・・ダメ」

「へっ!?///」

「みーちゃんは、そう言って無理するところがあるから

そのまま休んでて・・・」

「で、でも・・・///」

「・・・もぅ、頑固なんだから」

 

悠里君が私の体を起こしてくれました。

そこまではいいんです。

いいんですが・・・

 

「・・・これなら大丈夫でしょ?」

「あ、あうぅ・・・///」

 

悠里君に抱き寄せられる感じになって

しまいました・・・

 

「・・・それにしても目新しさって見つけるの大変」

 

ど、どど、どうしましょう!?///

悠里君との距離が近すぎます///

肩は密着してるし、あとほんの数センチで

悠里君の顔に触れられる距離・・・

 

(なんか幸せですぅ・・・///)

 

私にとって悠里君は

今でも初恋の人なんです///

私と穂乃果、ことりが悠里君の事を

思い出せなかった時から、私は彼の事が好きでした。

いえ、違いますね・・・

正確には私が幼い時に悠里君と初めて出会った時から

好きだったのかもしれません・・・///

 

「「じー・・・」」

 

はっ・・・!

穂乃果とことりから視線を感じます・・・

2人も悠里君の事が好きなのは分かってました。

だって・・・

 

(小さい頃に悠里君の、()()()()になるって3人で言ってたくらいですし)

 

だけど私達は悠里君の知らないところがある・・・

気になったのは、以前3人で未柚ちゃんから聞いた事・・・

 

『12月になったら、悠里お兄様を見てあげて下さいね?』

 

あれは一体どういう意味なんでしょう・・・?

私が考えていると真姫が・・・

 

「というか、こんなところで話し合うよりもする事があるでしょ?」

 

正直、真姫が言っている意味は

この際、私は敢えて無視します♪

穂乃果とことりには何か言われそうですが

今は悠里君に甘えちゃいます♡

 

(えへへ~♡、悠里君~♡)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕達は真姫ちゃんの提案で

放送室に来ている・・・

 

「はい。お昼の放送でよろしければ構いませんよ」

「・・・納得。中継の練習も出来て一石二鳥だね。」

 

じゃあ、さっそく・・・

 

「・・・ほのちゃん、やってみて?」

「うん!、分かった!」

 

ちょっと不安はあるけど・・・

 

「あー、あー、みなさん、こんにちは。・・・うが!」

「・・・うわ、痛そう」

 

お辞儀をする動作を癖でやってしまったせいか

頭を強打してしまった、ほのちゃん・・・

 

「いったーい!」

「何やってんのよ!」

 

すると慌ててマイクに向かい・・・

 

「みなさんこんにちは。私、生徒会長の・・・じゃなかった、μ'sのリーダーをやってます。高坂穂乃果です。って、それはもうみんな知ってますよね」

 

ほのちゃん、頑張れ・・・

 

「実は私達、またライブをやるんです。今度こそラブライブに出場して、優勝を目指します!みんなの力が、私達には必要なんです!ライブ、みなさんぜひ、見てください。一生懸命頑張りますので!応援よろしくお願いします!高坂穂乃果でした!そして、他のメンバーも紹介!あれ?」

 

僕、思ったんだけど・・・

 

「あ、あ・・・」

「ダレカタスケテダレカタスケテ・・・」

 

なんで、この2人にしたんだろ・・・

 

「そ、園田海未役をやってます、園田海未と申します・・・」

 

あ、みーちゃん。何とか落ち着いてる・・・

僕は絵里さんに・・・

 

「・・・なんで、この2人にしたんですか?」

「1番緊張しそうで練習が必要な2人」

 

なるほど・・・

あ、次は花陽ちゃんか・・・

大丈夫かな・・・?

 

「あの、μ'sのメンバーの小泉花陽です。えっと、好きな食べ物はご飯です・・・」

 

真姫ちゃんが見かねたのか・・・

 

「ボリューム上げて」

 

これなら何とか大丈夫かな。

 

「ラ、ライブ頑張りますので、ぜひ見に来てください」

 

すると、凛ちゃんが・・・

 

「声、もっと出して、こーえー」

 

小声で花陽ちゃんに合図を送る。

と思ったら、ほのちゃんが前に出てきた・・・

 

「イエーイ!そんなわけで、みなさんμ'sをヨロシク!」

 

マイクから変な音が鳴ったよ・・・

ほのちゃんは悪気がないみたいだけどさ・・・

他のみんなは耳を押さえてた・・・

 

「・・・あはは」

 

僕は苦笑いするしかなかった・・・

 

 

 

 

 

 




次回はA-RISEとの対面です。
不安ですが頑張りたいと思いますので
よろしくお願いします。
『サンシャイン!!』の方も放送したら
執筆してみたいなぁ・・・(割と本気(マジ)で)
この作品が完結してからですが・・・(苦笑い)

ところで皆さんは『サンシャイン!!』では誰が好きですか?
放送楽しみですね。

自分は、高海千歌(たかみちか)ちゃんが好きです。(キリッ!!)

作者の本音の後書きに
なってしまいましたが
次回もよろしくお願いします。



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第63話 A-RISEと宣戦布告

ゆるポメラです。
前回の続きです。
少し不安なところがありますが
何とか執筆できました・・・

それではどうぞ。


えー・・・

僕達は今、屋上にいるのですが・・・

 

「・・・鼓膜が破れるかと思った」

 

さっきの放送室での件で

マイクのボリュームを上げた状態で

ほのちゃんが放送した為、爆発的な騒音が

鳴ったんだ・・・

 

「まぁ、少しは練習になったんじゃない?」

「うん、もうむやみに大声は出さない!」

「・・・こんなんで大丈夫かなぁ?」

「前途多難や・・・」

 

希さんのおっしゃる通り

前途多難だよ・・・

 

「あとは場所ね」

「カメラで中継できるところなら場所は自由だから・・・」

 

場所、ねぇ・・・

 

「・・・屋上は使えないよね」

「前にネットで配信しちゃってるもんね・・・」

 

僕の呟きに

ほのちゃんが答えた。

しかも学校内で使ってない場所はなかった・・・

 

「・・・同じ場所だとやっぱり」

「どうしても目新しさがないよね・・・」

 

僕の意見に

ことちゃんが言う。

どうしたものか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・で、学校を出て

秋葉に来たのはいいけど

 

「でも・・・」

「人がたくさん・・・」

 

夕方なのに賑わいをみせる

流石、都会・・・

 

「秋葉はA-RISEのお膝元やん」

「下手に使うと喧嘩を売ってるように思われるわよ」

 

じゃあ何処でやれと・・・

ここまでくると、お手上げに近い・・・

僕が考えていたら、気づけば

僕達は、UTX高校に来ていた・・・

 

「・・・僕、初めて見たかも」

「ゆうちゃん、そうなの?」

「・・・休日は、あまり出かけないし」

「そ、うなんだ・・・」

 

僕と、ほのちゃんが何気なく

モニターを見ていると・・・

 

「高坂さん、水無月さん。」

「「えっ・・・?」」

 

名前を呼ばれたと思ったら

A-RISEご本人の綺羅ツバサさんらしき人だった。

あれ?、もしかして本人・・・?

ほのちゃんが気づいたらしく声を上げようと

した時・・・

 

「シッ!、来て・・・!」

「「ちょ、えっ!?」」

 

僕と、ほのちゃんの手を引き

UTXの建物の中に連れられた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果とゆうちゃんが連れてこられたのは

UTXの校舎内と思われる場所だった・・・

 

「初めまして」

「は、初めまして」

「・・・ど、どうも」

 

さらに奥からA-RISEの2人

優木あんじゅさん、統堂英怜奈さんが現れた。

 

「・・・3人揃うとオーラが凄いね」

 

ゆうちゃんが言うと

追いついた、にこちゃんと花陽ちゃんが・・・

 

「A-RISE!」

「あ、あの。よ、よろしければサイン下さい!」

「あ、ズルイわよ!」

 

なんかいつも通りだね・・・

 

「いいわよ」

「本当ですか!?」

「ありがとうございます!」

「・・・でも何で?」

 

ゆうちゃんの疑問は

穂乃果も思った・・・

 

「それは前から知ってるからよ、μ'sの皆さん」

 

他のみんなが揃うと

穂乃果達は、別の場所へ案内されました。

ひ、広いよ・・・

 

「ここは、ここの学校のカフェスペースになってるから、ゆっくりくつろいで?」

「は、はぁ・・・」

 

みんな落ち着かないみたい。

穂乃果だって落ち着かないよ・・・

 

「・・・騒がしくてすみません」

「良いのよ、気にしないで」

「・・・ありがと」

 

ゆうちゃんだけは落ち着いていた。

でもなんだろう・・・

ゆうちゃんがA-RISEと

対等に喋っている気が

するのは穂乃果の気のせい?

 

「あなた達もスクールアイドルでしょ?、しかも同じ地区」

「一度、挨拶したいと思ってたの。高坂穂乃果さん!」

「は、はい」

 

ツバサさんに急に呼ばれたので驚いた。

 

「映像で見るより遥かに魅力的ね」

「人を惹き付ける魅力。カリスマ性とでも言えばいいのだろうか。9人でいてもなお輝いている」

「ど、どうも・・・」

「私達ね、あなた達の事ずっと注目してたの」

 

まさかA-RISEから私達を注目されていた事に

びっくり・・・

他のみんなも同じ反応だった・・・

 

「実は前回のラブライブでも1番のライバルになるんじゃないかって」

「そ、そんな」

 

絵里ちゃんが否定しようとしたら話を遮られた。

 

「あなたもよ」

「絢瀬絵里。ロシアでは常にバレエコンクールの上位だったと聞いている」

「そして西木野真姫は作曲の才能が素晴らしく、園田海未の素直な詞ととてもマッチしている。」

「星空凛のバネと運動神経は、スクールアイドルとしては全国レベルだし、小泉花陽の歌声は、個性が強いメンバーの中に見事な調和を与えてる・・・」

「牽引する穂乃果の対となる存在として9人を包み込む包容力を持った東條希・・・」

「それに秋葉の"元"カリスマメイドさんもいるしね?」

 

どこで穂乃果達の事を調べたんだろう・・・

ことりちゃんの事まで・・・

 

「そして矢澤にこ・・・」

 

あれ?。にこちゃんの事まで?

 

「いつもお花ありがとう。昔から応援してくれてるよね。凄く嬉しいよ」

「「「「「「「「はあ・・・!?」」」」」」」」

「・・・やっぱり」

 

・・・あれ?

何で、ゆうちゃんは驚かないんだろ?

 

「ゆうちゃんは知ってたの?」

「・・・いや、にこさんがアイドル好きなら予想つくけど」

「そ、そうなのよ!、μ'sを始める前からファンで・・・、って私の良いところは!?」

「グループにはなくてはならない小悪魔ってところかしら?」

「はわわ、小悪魔~」

「・・・現金な人だなぁ」

「悠里、アンタ今何か言った?」

「・・・いえ、何も」

 

穂乃果も、ゆうちゃんの意見に賛成かな~

アハハ・・・

 

「水無月悠里さん・・・」

「・・・はい?」

 

ツバサさんが

ゆうちゃんを見ながら・・・

 

「『ソプラノ二重奏(ソプラノデュオ)』と呼ばれた、あなたに会えるとは思いませんでした・・・」

「嘘っ!?、悠里が!?」

「ま、幻のアイドルだったんですかあぁ!?」

 

にこちゃんと花陽ちゃんの一言に・・・

 

「「「「「「「えええー!?」」」」」」」

 

穂乃果達7人は驚いた・・・

ゆ、ゆうちゃんが!?

 

「悠里君、本当なんですか!?」

「ゆーくん、そうなの!?」

 

海未ちゃんとことりちゃんの問いかけに

ゆうちゃんは・・・

 

「・・・花陽ちゃん、にこさん説明お願いしても?」

「わ、わかりました」

 

花陽ちゃんが説明を始めた。

 

「花陽も噂程度しか知らなかったんですが、その昔

綺麗なソプラノボイスで人々を魅了するアイドルがいたんです」

「しかもピアノを使うアイドルだったのよ!」

 

それならどこにでもいるんじゃ・・・

あれ?、でも・・・

 

二重奏(デュオ)って呼ばれてる意味って?」

 

真姫ちゃんの疑問に

花陽ちゃんが答える・・・

 

「1人で演奏しながら歌ってる筈なのに本人とは別に綺麗な

ソプラノボイスが聴こえてくる事から、ソプラノ二重奏(ソプラノデュオ)って

呼ばれてるの・・・」

「ですが幻って言われてる理由は・・・?」

 

海未ちゃんの疑問に答えたのは

意外にも、あんじゅさんだった・・・

 

「あぁ。それはね、アイドル活動期間が1週間だけだったの」

「そ、そうなのですか?」

「何で辞めたのかは分からないけどね」

 

すると、ゆうちゃんが・・・

 

「・・・何で僕だって分かったんです?」

「ライブをする時の演奏開始時間が真夜中だって事かしら」

「・・・他には?」

 

今度はツバサさんが・・・

 

「確証を得たのは、あなたがライブをする時は綺麗な三日月と満月、

更に言うなら曲のほとんどが悲しい曲や切ない曲ばかり・・」

「しかも曲の名前や歌詞には必ず『月』という単語・・・」

「・・・凄いですね、そこまで調べるなんて」

 

ゆうちゃんは苦笑いしていた・・・

でもなんで・・・

 

(あんなに寂しそうな顔するんだろう・・・)

 

「これだけのメンバーが揃っているチームはそうはいない。だから注目もしていたし、応援もしていた。そして何より負けたくないと思っている!」

 

スクールアイドルのトップから宣戦布告をされた。

和やかな空気が緊迫した空気に変わった。

だけど、ゆうちゃんは違った・・・

 

「・・・お客さんを楽しませてあげたいからでしょ?」

「流石は幻のアイドル、あなたが言うと説得力があるわね」

「・・・そんな事ないです」

 

ゆうちゃんは、ツバサさんに

向かい・・・

 

「・・・ほのちゃん達μ'sが使うステージを借りたいんですけど」

「え、ゆうちゃん・・・?」

「・・・まぁ、会ったばかりで申し訳ないですけど」

「ええ。いいわよ。そちらが良ければ是非。」

「・・・ありがとうございます」

 

UTX高校を出たあと、

穂乃果は、気になった事があったので・・・

 

「ゆうちゃんってアイドルだったの?」

「・・・小さい頃ね。」

「でもどうして辞めたんですか?」

 

海未ちゃんの疑問に

ゆうちゃんは・・・

 

「・・・世間が認めてくれなかったかな。恥ずかしい話だけど

小さい頃、ピアニストにも憧れてたから。」

「「えっ・・・」」

 

ゆうちゃんの一言に反応したのは

真姫ちゃんと花陽ちゃんだった・・・

 

「私達をμ'sに誘ってくれた理由って・・・」

「・・・真姫ちゃんの考えてる通りだよ」

 

一体どういう事なんだろう・・・

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地区予選当日。

僕と、ほのちゃんはUTX高校の屋上にいる。

 

「うわぁー、人が凄いねー!」

「・・・それだけ人気があるって事だと思うよ」

 

みーちゃん達は控室で準備をしている。

僕は、ほのちゃんに・・・

 

「・・・ほのちゃん、そろそろ控室に行こ?」

「あ、ゆうちゃん・・・」

「・・・どしたの?」

「手、繋いで欲しいな・・・///」

「・・・しょうがないな、はい。」

 

ほのちゃんは嬉しそうに

僕の手を繋いできた・・・

 

「えへへ・・・///」

「・・・じゃあ行こうか?」

「うん!///」

 

控室に着くと、

みんな衣装に着替えており

最終チェックなどを各自していた・・・

 

「穂乃果、どうして悠里君と手を繋いでいるんですか!?」

「穂乃果ちゃんズルイよ!!」

「いいじゃん!!」

「・・・3人共、喧嘩しないで」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん3人の

喧嘩もどき?が始まった・・・

これからライブなのに・・・

 

「こんにちは」

 

するとA-RISEの人達が控室に入ってきた。

 

「今日は同じ場所でライブが出来て嬉しいわ。お互いに高め合っていけるライブにしましょう。」

 

ほのちゃんに手を差し出す・・・

 

「はい!」

 

そして互いに握手を交わした・・・

 

 

 

 

 

 

最初はA-RISEからの

パフォーマンスだった。

やっぱり優勝候補だけあって凄いの一言に尽きる・・・

 

「直に見るライブ・・・」

「全然違う、やっぱり私達じゃA-RISEには・・・」

「敵わない・・・」

「認めざるを得ません・・・」

 

自信を無くし落ち込む

みーちゃん達・・・

他のみんなも言葉には出さないが空気で分かった・・・

 

「・・・そんな顔してどうするの?」

「悠里君・・・?」

「ゆーくん・・・?」

 

僕から言える事は・・・

 

「・・・A-RISEのライブが凄いのは当たり前、だけど

今日まで頑張ってきたでしょ。それに今日までの成果を

結果とか関係なしに楽しんでやればいいと思う」

「ゆうちゃん・・・」

「・・・僕だったら、そうする」

「うん!、穂乃果達頑張るよ!。ねっ?」

 

ほのちゃんの士気に自信がついたのか

みんなやる気満々だった・・・

 

「・・・僕、近くで見てるから頑張ってね?」

 

僕が観客席に向かおうとした瞬間・・・

 

「ゆうちゃん!」

「悠里君!」

「ゆーくん!」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんに

呼び止められ僕が振りかえると笑顔で・・・

 

「「「ありがとう!」」」

「・・・ライブ、楽しんでね?」

 

こうしてμ'sの地区予選のライブが始まった・・・

 

(・・・いつか、ほのちゃん達に歌を聴かせたいな)

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんを

見ながら僕は思った・・・

 

 

 

 

 

 

 




今回で、2期3話は終了です。
上手くA-RISEの3人を表現できたか
不安は残ってます・・・
次回は、2期第4話『宇宙No.1アイドル』の回
を執筆したいと思います。
頑張っていきますので、
よろしくお願いします。


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特別編 紫の少女の誕生日

ゆるポメラです。
希ちゃん誕生日おめでとう!
まだ慣れないところがありますが
自分なりに頑張ります。

それではどうぞ。


今日は、希さんの誕生日なんだって。

なので今日は、みんなである場所に向かってます。

その場所とは・・・

 

「いらっしゃいませー、何名様ですか?」

「10人です!」

 

ほのちゃん、ドヤ顔で何言ってるの・・・

そう、実は焼き肉店に来てるんです。

 

「10名様ですね、こちらへどうぞ!」

 

案内された席は

お座敷テーブルだった。

あ、宴会とかで使う感じの・・・

 

「・・・焼き肉店で、この席あるの珍しいな」

「そんなんよ~、ここの店凄く有名なんよ」

「・・・希さん、常連なんですか?」

「ウチ、1人でよく来るんよ」

 

ここに来る途中、絵里さんから

聞いたのだが希さんは、焼き肉が

大好きらしい・・・

 

「・・・肉の種類多い」

『そりゃ、焼き肉店だもの・・・』

 

説明し忘れたけど

実は花怜ちゃんも一緒なんだ。

ほのちゃんが店員さんに10名ですって言ったけど

正確には、1()1()()なんだよ・・・

あはは・・・

 

「私、初めてです・・・」

「ことりも・・・」

 

なんか意外。

みーちゃん、ことちゃんは

焼き肉店に来るの初めてなんだ・・・

 

「それならウチが食べ方を教えてあげる」

「・・・希さん、食べ放題でも頼むんですか?」

「当たり前やん(キリッ!!)」

「『言い切ったよ・・・』」

 

僕と花怜ちゃんは驚くしかなかった・・・

真姫ちゃんも顔を引き攣らしてるし。

希さんって意外と肉の焼き方に

こだわりを持ってたりして・・・?

 

「他に頼みたいのある~?」

『希ちゃん、私はワカメスープとタン塩とハラミが食べたい!』

「花怜あなた食べれるの!?」

『甘いよ絵里ちゃん!、ゆうり君と味覚共有してるから(キリッ!!)』

「ハ、ハラショー・・・」

「花怜ちゃんは王道なの頼むなあ~。悠里くんは、それでええ?」

「・・・いいですよー」

 

ついでにドリンクバーも

10人分頼んだ・・・

 

(ドリンクバーって何杯飲んだら元値とれるんだろう・・・?)

 

僕はウーロン茶とアイスコーヒーを

混ぜた飲み物を調合中・・・

ほろ苦くて、おいしいんだよ。

あくまで僕の個人的意見だけどね・・・

 

「・・・え?、何これ?」

「あ、ゆうちゃん」

「ほのちゃん、どういう状況なのこれ・・・」

「えっとね・・・」

 

僕が席に戻った時には

頼んだ肉が来ていた。

そこまではいいよ?

問題は希さんが凄い形相をしながら肉を焼いていたのだ。

ほのちゃんに理由を聞いたら、頼んだ肉が来てから

ずっとこうなんだって・・・

 

(や、焼き肉奉行だ・・・)

 

漫画とかアニメでは見た事あるけど

まさか身近にいるとは思わなかったよ・・・

しかも迂闊に声をかけれない・・・

 

「あ、あの希・・・」

「まだやで!」

「は、はい・・・」

 

みーちゃんですら引き下がった!?

誰か何とかしてよ・・・

無理っぽいけど・・・

 

『希ちゃん、ハラミの焼き加減はこれで大丈夫?』

「あ、それくらいでええよ~」

『は~い♪。さあ、どんどん焼くよ♪』

 

・・・訂正。

この状況を打破している幼馴染みがいたよ。

僕も焼くの手伝おうかな・・・

 

「・・・じゃあ焼こうかな」

『いぇーい♪』

 

たまには、こういう誕生日会もいいな。

余談だが希さんが焼いてくれた肉は

メチャクチャ美味しかった・・・

 

 

 

 

 

 




なんとか間に合いました。
ちょっと短くなってしまい申し訳ありません・・・
執筆していたら何だか焼き肉が食べたくなりました(苦笑い)
実は自分、レバーが苦手なんです・・・
独特な食感と後味が・・・
皆さんは好きな肉の部位はありますか?
次回は本編を執筆します。
よろしくお願いします。


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第64話 宇宙No.1アイドル

ゆるポメラです。
今回は、2期第4話『宇宙No.1アイドル』の回です。
至らないところもありますが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


「い、いよいよです・・・」

「緊張するね」

「心臓が飛び出しそうだよ~・・・」

 

なんでみんな緊張してるかと

いうとラブライブの地区予選の発表日だからなんだ。

 

「終わりましたか?、終わりましたか?」

「・・・みーちゃん、まだだよ」

「誰か答えてください!」

「・・・落ち着いて」

 

何とか、みーちゃんを宥めるが

結果が気になって仕方ないんだろうなぁ・・・

 

「そそ、そうよ!。予選で何緊張し、してんのよ・・・」

 

にこさん、手が震えて

ますけど・・・?

 

「そうやね、カードによると・・・」

「よると?」

「・・・・」

 

ほのちゃんの問いかけに

希さんは黙ってしまった。

何か嫌な予感が・・・

 

「来ました!」

 

花陽ちゃんの言葉に、みんな一斉に

パソコンの画面に顔を向けた・・・

 

「1チーム目はA-RISE、2チーム目はイーストハート・・・」

「・・・花陽ちゃん3チーム目は?」

「さ、3チーム目は、み・・・」

「「「「み?」」」」

「ミッドナイトキャッツ!」

「あ、あと1つは?」

「4チーム目は、みゅー・・・」

 

あぁ、151番目の?

 

「「「「「「「「みゅー・・・」」」」」」」」

「ミュー・・・、タントガールズ!」

「そ、そんなぁ~!」

 

ほのちゃんの叫びを最後に・・・

 

 

 

 

「「っていう生々しい夢を今朝見たんだ・・・。ってあれ?」」

 

なんか他のみんなの反応が・・・

 

「「「「「「「「夢なんかーい!」」」」」」」」

 

・・・あるぇ~(・3・)

 

「そ、それにしても生々しい夢だよね」

「ホントに・・・」

 

花陽ちゃん、ことちゃん。

とても言いにくいんだけど・・・

その・・・

 

「今、夢と同じ状況だしー!」

 

ほのちゃんが僕の言いたい事を

代弁してくれた。

そう。冗談抜きで今の状況は

夢と同じだった・・・

 

「・・・正夢とかシャレにならないよ」

「来ました!」

「「「「「「「「ええっ!?」」」」」」

 

花陽ちゃんが読み上げたが

案の定、1位から3位までは僕と

ほのちゃんが見た夢と同じだった・・・

 

「もうダメだ、同じだよ・・・」

 

ほのちゃんは完全に弱気になり諦めかけてた。

 

「4チーム目は、みゅー・・・」

「「「「「「「「みゅー・・・」」」」」」」」

「ズ・・・」

 

あ、この画面・・・

 

「・・・音ノ木坂学院高校、スクールアイドルμ'sって表示されてる」

「ゆうちゃん、μ'sって私達だよね、石鹸じゃないよね・・・?」

「・・・それはないから。」

「じゃ、じゃあ・・・!」

「・・・予選突破だよ」

 

僕が言うと・・・

 

「「「「「「「やった~!」」」」」」」

 

ほのちゃん達は喜びながら

部室から飛び出して行った・・・

あれ?、みーちゃんは・・・?

 

「ど、どうなったのですか?」

「・・・みーちゃん」

「えっ?」

 

すると丁度いいタイミングで

校内放送が流れた・・・

 

『お知らせします。たった今、我が校のスクールアイドルμ'sがラブライブの予選に

合格したという連絡がありました。繰り返します・・・』

 

みーちゃんは僕の顔を見て・・・

 

「悠里君・・・」

「みーちゃん。良かったね」

 

僕が笑顔で答えると・・・

 

「や、やりましたあ~!」

「ちょ、みーちゃん!?」

 

みーちゃんが笑顔で僕に

抱きついて来た。

急な事だったのでビックリした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり達は屋上にいます。

部室に戻ってみたら、

海未ちゃんが、ゆーくんに抱きついているのを

見た時は驚きました。

 

(むぅ~、海未ちゃんだけズルイよぉ・・・)

 

あの後、ことりも抵抗して

ゆーくんに抱きつきました。

 

「最終予選は1()2()()。そこでラブライブに出場できる1チームが決定するわ」

「12月、か。はぁ・・・」

 

12月という単語に、ゆーくんが

異常な反応をしていました。

ことりは心配になり・・・

 

「ゆーくん・・・?」

「・・・何でもない」

 

ことりだけじゃない。

穂乃果ちゃんと海未ちゃんも

ゆーくんがいつもと違う表情をしていたのが

分かった・・・

 

「・・・はぁ」

 

ゆーくんの表情が更に暗くなっていました。

まるで自分だけが取り残された・・・

そんな表情・・・

 

「・・・あれ、にこさんは?」

「「「「「「「「あれ、そういえば・・・」」」」」」」」

 

ゆーくんの言った通り

にこちゃんだけがいなかった。

どこ行ったんだろう・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、僕達は、にこさんを尾行している。

校門前で見つけたのはいいんだけど

本人曰く「今日は用事があるから」と言って帰ってしまった。

それで、ほのちゃんが尾行しようという考えになり

今に至ります・・・

 

「・・・スーパー?」

「もしかして、ここでバイトしているとか?」

 

試しに想像してみる・・・

 

 

 

 

 

『にっこにっこにー!今日のお肉は、にこでにこにこ!2525円!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・違和感無いね」

「嵌り過ぎにゃ~」

 

僕の言葉に凛ちゃんが同意する。

すると真姫ちゃんが・・・

 

「待って!。なんか違うみたい・・・」

「普通に買い物をしてるみたいですね」

「・・・夕飯の買い物かな?」

 

みーちゃんは疑問に思った事が

あるらしい・・・

 

「それだけで練習を休むのでしょうか?」

「ラブライブ出場に向けて張り切っている筈なのに・・・」

 

ことちゃんの意見には

僕も思った事がある。

ずっと夢まで見ていたラブライブ出場に

一番張り切っているのは、にこさんだと思う・・・

 

「よほど大事な人が来ているとか?」

「・・・まあ、あるんじゃない?」

「どうしても手料理を食べさせたい人がいる、とか?」

 

ここで僕は、ある結論が・・・

 

「・・・彼氏だったりしてね」

「ダメです!それはアイドルとして、一番ダメなパターンです!」

「・・・花陽ちゃん、声・・・」

「・・・・。」

「「「「「「「あっ・・・」」」」」」」

 

僕達の声に気づいたのか

にこさんが、こっちをジト目で見ていた。

 

(どうしよう・・・)

 

「あ、逃げた!?」

「追いかけるよ!」

「・・・これ何ていう鬼ごっこ?」

 

僕は苦笑いしながら

にこさんを追いかけた・・・

先に先回りをしていた希さんが

にこさんを追いつめたかなと思ったら・・・

 

「・・・車の間を通ってたよ」

「・・・。」

 

すると希さんは

凛ちゃんを凝視していた。

 

「なんか不本意だにゃー!」

「ふふっ」

「・・・希さんが凄い顔してる」

 

凛ちゃんが追いかけたらしいが

完全に見失ってしまったようだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー近くの公園ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あんなに必死なのなんでだろうね?」

「にこちゃん、意地っ張りで相談とかほとんどしないから」

「真姫ちゃんには言われたくないにゃ」

「うるさい!///」

 

真姫ちゃんの一言に

凛ちゃんが笑いながら言い返す。

 

「・・・あれ?」

「悠里君どうしたんですか?」

「あの子供、にこさんに似てない?」

 

橋の向こうから歩いてくる子供が

にこさんに似ているのだ。

目の色とか雰囲気が・・・

 

「にこちゃんは3年生の割に小さ、小さいにゃー!」

「あの、何か?」

 

凛ちゃんの大声に

気づいたのか女の子は、こっちを見た。

 

「あの、もしかしてμ'sのみなさんではありませんか?」

「えっ?、知ってるの?」

「はい!。お姉さまがいつもお世話になっています・・・」

 

あ、この子もしかして・・・

 

「妹の矢澤こころです。」

「「「「「「「「「ええ~!?」」」」」」」

 

ほのちゃん達は驚いていた・・・

 

 

 

 

 

 

「にこっちに妹がいたなんて・・・」

「しかも礼儀正しい」

「正反対にゃ・・・」

 

僕も驚いてるよ。

もしかして面倒見の良さは

この子からきてるのかなぁ・・・

 

「誰もいませんね、そっちはどうですか?」

「人はいませんが・・・」

 

なんでこんなスパイ染みた事

やってるんだろう・・・?

段ボール持ってきた方がいいんじゃ?

あ、伝説の傭兵の話ね?

 

「ちゃんと見てください、相手はプロですよ!」

「・・・プロ?」

「大丈夫ですね。合図したら走ってください!」

 

そんなこんなで

走るはめになりました・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーーとあるマンション入り口ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしてる内にマンションの

入り口に着いた。

多分、ここは・・・

 

「上手くまいたみたいですね・・・」

「もしかして、にこちゃん殺し屋に狙われてるとか?」

「何言っているんですか、マスコミに決まってるじゃないですか!」

「・・・花陽ちゃん、殺し屋だと僕が逆に狙われるけど?」

 

すると、ほのちゃんが・・・

 

「ゆうちゃんもサラッと怖い事言わないでよ・・・」

「・・・だってありえそうな事だし」

「それでも言わないでください・・・」

「次言ったら、ことりのおやつにしちゃうぞ?」

 

みーちゃん、ことちゃんの2人にも言われた・・・

だってなぁ・・・

 

「パパラッチですよ!特にバックダンサーのみなさんは、顔がバレているので危険なんです!来られる時は、先に連絡を下さい・・・」

「・・・は?」

 

今、こころちゃんは何とおっしゃった?

僕の聞き間違いじゃなければ、バックダンサーって

聞こえた気が・・・

 

「バック」

「ダンサー?」

 

やっぱり聞き間違いじゃないみたい・・・

 

「誰がよ?」

 

真姫ちゃんが、こころちゃんに聞くと・・・

 

「スーパーアイドル矢澤にこのバックダンサーμ's!」

「「「「「「「「はあぁ!?」」」」」」」」

「お姉さまから指導を受けてアイドルを目指しているんですよね?」

 

ああ、そういう事ね・・・

 

「・・・僕、根本的な事忘れてたよ」

「なるほど・・・」

「悠里君、私も状況が読めてきました」

「忘れてたわ。相手は、にこちゃんだもんね」

 

僕、絵里さん、みーちゃん、真姫ちゃん

が半分呆れ気味に述べた。

 

「頑張ってくださいね!ダメはダメなりに8人集まれば、何とかデビューくらいはできるんじゃないかってお姉様が言ってましたから」

「何がダメはダメなりよ!」

「・・・真姫ちゃん少し落ち着こうか」

 

僕も人の事言えないけど・・・

 

「そんな顔しないでください!スーパーアイドルのお姉様を見習って、いつもにっこにっこにーですよ?」

 

それは、にこさんにしかできない

芸当だと僕は思う・・・

 

「・・・絵里さん。もう電話しましょう」

「そうね」

 

電話をかけてみたら

案の定やっぱり留守電だった・・・

 

「・・・本人が帰ってくるまで待つしかないですね」

「あ、それでしたら家でお待ちになってください」

 

こころちゃんのご厚意により

家で待たせてもらう事になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

にこさんの家、というか

部屋に入って思った事があるんだけど・・・

 

「・・・合成の写真、多くない?」

 

そう。例えば、ほのちゃんがセンターの写真が

にこさんになってたり、絵里さんの顔を変えて

あったりと涙ぐましいと感じた・・・

すると玄関が開く音が・・・

 

「あ、あんた達・・・」

「お帰りなさい、お姉さま。バックダンサーの方々が直々にお話しが・・・」

「そ、そう・・・」

 

僕、みーちゃんは声を揃えて・・・

 

「「申し訳ありません、すぐに済みますのでよろしければ・・・」」

「ゆうちゃんまで怒ってる・・・」

「こ、怖いにゃ~・・・」

「あの2人は絶対に怒らせてはならないわね・・・」

 

ほのちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃんが

何か言ってる気がするが、気にしない。気にしない♪

 

「こころ、悪いけど・・・わ、私今日、仕事で向こうのマンションに行かなきゃいけないから、・・・じゃ!」

「「あ、逃げた!」」

 

とりあえず追いかけて

にこさんに訳を聞きました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー少年少女帰宅中ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・そういう事か」

 

あの後、にこさんに聞いたら

練習を休んでた理由は、

両親が出張で妹や弟の面倒を見なきゃいけなかった

からみたい・・・

肝心のバックダンサーの件は聞けなかったけど・・・

 

「ゆうちゃん?」

「・・・多分、元からって意味だと思う」

「それって?」

「・・・にこさんは1年の時にアイドルになったんですよね?、希さん?」

「そうやけど・・」

「・・・丁度その時に、こころちゃん達に言ったんでしょ」

 

希さんが僕の言いたい事に

気づいたようだ・・

 

「それで辞めた時に言うタイミングを逃したって事?」

「・・・そういう事です。純粋な子供なら尚更です」

「もう、にこちゃんどんだけプライドが高いのよ・・・」

 

真姫ちゃんが言いたい事も

分かるけどさ・・・

 

「・・・プライドが高いだけじゃないと思う」

「「「「「「「えっ?」」」」」」」

 

全員が僕の方を見た・・・

 

「・・・本当にアイドルでいたかったんだと思う。

たとえ周りから理想が高いとか思われようが、諦めていた夢

だろうが、自分だけは最後までアイドルでいる事を今日まで

やるのって難しい事なんだよ?」

 

僕が言うと、みんな下に俯いてしまった。

 

「・・・とりあえず僕らができる事は1つ」

 

僕は、みんなに

にこさんに出来る事を話した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日の放課後ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのちゃんと僕が待っていると

案の定、にこさんが来た・・・

 

「・・・ヘイ!、にこさん」

「に~こちゃん!」

「だから今日も練習は出られない・・・、って!?」

 

にこさんが驚くのは

僕達の後ろから・・・

 

「お姉さま」

「お姉ちゃん」

「学校・・・」

「ちょ!?、何で連れてきてんのよ!?」

 

ほのちゃんが理由を説明する・・・

 

「だって、こころちゃんたち見たことがないって言うから」

「何をよ?」

「・・・まぁ早い話、今から、にこさんのステージです」

「何でそうなるのよ!?」

「・・・異論は認めません。ほのちゃん後はよろしく」

「任せてー!」

 

さて、こころちゃん達3人を

屋上に案内しなきゃ・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーー屋上ーー

 

 

 

 

 

 

 

「ここがお姉さまのステージ?」

「何も無い~・・・」

「屋上・・・」

 

こころちゃん達には

今から何をするかはまだ伝えてない・・・

さて僕の出番かな・・・

ステージに立ち・・・

 

「本日はスーパアイドルにこさんのライブに来ていただきありがとうございます」

 

さてと・・・

 

「それでは本日の主役の登場です!」

 

カーテンが開くと、

衣装に身を包んだ、にこさんと

制服姿のμ'sの姿が出てくる・・・

 

「こころ、ここあ、虎太郎。歌う前に話があるの」

「「「えっ?」」」

「実はね・・・スーパーアイドルにこは、今日でおしまいなの」

「「「えぇ!?」」」

「アイドル、辞めちゃうの?」

 

衝撃的発言に

思わず、こころちゃんも標準語に戻る。

 

「ううん、辞めないよ。これからは、ここにいるμ'sのメンバーとアイドルをやっていくの」

「でも、みなさんは、アイドルを目指している・・・」

「バックダンサー・・・」

「そう思ってた・・・けど違ったの。これからは、新しい自分に変わっていきたい。この9人でいる時が一番輝けるの。一人でいる時よりも、ずっと、ずっと・・・」

 

3人は黙って話を聞いていた・・・

 

「今の私の夢は、宇宙No. 1アイドルにこちゃんとして、宇宙No. 1ユニット、μ'sと一緒に、より輝いていくこと!。それが一番大切な夢、私のやりたいことなの!」

 

このタイミングで、ほのちゃん達

他のメンバーは場外に捌ける。

 

「だから、これは私が一人で歌う、最後の曲・・・」

 

ステージにあった

風船が晴天の空へ登っていく・・・

 

「にっこにっこ・・・にー!!!」

 

その表情は、アイドル顔負けの笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2期第4話、終了です。
なんとか執筆できました。
次回は、2期第5話の話の前に
オリジナルの話を執筆しようと考えています。
内容は、悠里が沖縄の修学旅行での
準備をする話です。
話の構成は、ほぼ決まっているので
完成しだい投稿しますので
よろしくお願いします。

・・・思わぬキャラを出す予定です(意味深)

次回もよろしくお願いします。


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第65話 悠里の1日

ゆるポメラです。
前回の予告通り、
今回の話は沖縄への修学旅行の準備を
する悠里の話です。
今回の内容の時系列なんですが
2期第4話と第5話の間の話(つまり4.5話)だと
思っていただければ幸いです。

それではどうぞ。



僕は今、準備をしている。

何の準備かって?

実は・・・

 

「・・・明日から修学旅行かぁ」

 

そう・・・。

僕達2年生は明日から

沖縄に修学旅行に行くのだ。

最初は僕なんかが行って良いのかな?

と思い、南先生に直談判をしに行った程だ・・・

で結局、ことちゃん達の意見にも

押し切られてしまい今に至ります・・・

 

「・・・正直楽しい思い出がないよ」

 

中学の時の京都に行った修学旅行なんて

僕にとっては精神的な拷問に近かった・・・

だから修学旅行なんて嫌いなんだ・・・

例外はあるけど・・・

 

「・・・中学を卒業した後の旅行は楽しかったな」

 

提案したのはティアちゃんで

僕も最初は渋ったのだが、花怜ちゃん、ルーちゃん、

未柚ちゃん達に押されて、5人で静岡に行った事が、

僕にとっていい思い出・・・

あれは僕にとって修学旅行に行ってるように感じた・・・

詳しく旅行先を言うと、

静岡の沼津市の海辺の町の内浦ってところ

に旅行してきたんだ・・・。

知り合いも増えたしね。

 

「あと足りない物は・・・」

 

朝から準備してるけど

早い事に越したことはないよね。

水着は・・・

 

「・・・一応持ってこう」

 

まぁ、泳がないけどね?

着替え、歯ブラシ、目薬、筆記用具・・・

財布は当たり前、トランプ、

あと必要な物は・・・

 

「・・・暇つぶしになる物くらいかな?」

 

だとしたらスケッチブックと

色鉛筆を・・・

 

「あれ?、予備のストックがない・・・」

 

そこで僕は急遽、

秋葉でスケッチブックと色鉛筆を

買おうと思い、出かける支度をし

家を出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー秋葉ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1人で秋葉に来るのは久しぶりかも・・・」

 

最後に1人で秋葉に来るのは

いつだっけと思いながら散策していると・・・

 

「いいじゃねぇか、俺と遊ぼうぜ」

「や、やめてください!」

 

ガラの悪い不良の男が女の子をナンパしていた。

ナンパされていた女の子は、

よく見ると知り合いの女の子だった。

しかも周りの人は見て見ぬふりか・・・

僕は助けようと思い・・・

 

「・・・ねぇ、その子、嫌がってんじゃん」

「なんだテメエ?」

 

相手の間に入り

僕は男を睨みつけた。

 

「あ、悠里お兄ちゃん・・・」

「ちょっと待っててね?」

「う、うん」

 

すると男は

邪魔されたのが気に食わなかったのか・・・

 

「おいガキ!」

「・・・あ、まだいたんですか?」

「っ!、ぶっ殺す!」

 

完全に今のは僕の煽りだよね。

男はキレたのか僕に殴りかかってきた。

振りかぶった瞬間を狙い、

僕は相手の鳩尾に・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーードゴッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

「かはっ・・・!?」

 

勢いをつけ膝蹴りをかました。

ちなみに、加速力をつけた膝蹴りなので

やられた側からすれば胃が逆流しそうな

感覚になるだろうね。

実際に僕も中学の頃、頻繁にやられたし・・・

男は僕を化け物でも見るような目で見てきた。

 

「・・・まだやります?」

「ヒッ!?」

「・・・僕の機嫌が変わらない内に逃げた方が賢明かと」

「ス、スイマセンでしたあぁー!?」

 

僕が声を低くしながら言うと

男は涙目になりながら逃げて行った・・・

僕は女の子の方を振り向き・・・

 

「・・・大丈夫、梨子ちゃん?」

「うん。助けてくれてありがとう、悠里お兄ちゃん」

「・・・怪我とかがなくて良かったよ」

 

この子の名前は、桜内梨子(さくらうちりこ)ちゃん。

最初に会ったのは、僕が高校の入学式まで

休みだった時に絵の画材とかを買いに秋葉で

会った事が切っ掛けで、その後に色々あって

それ以来、僕の事を何故か『悠里お兄ちゃん』と呼んでいる。

何で、そう呼ぶのかは梨子ちゃんしか分からないけど・・・

 

「・・・今日はどうしたの?」

「スケッチブックを買いにきたんだけど・・・」

「・・・さっきの不良の人に絡まれたと?」

「うん・・・」

 

で、たまたま僕が

通りかかったって今の状況になるって事ね・・・

 

「悠里お兄ちゃんは?」

「明日から沖縄に修学旅行で、暇つぶしになる物ないかなぁって

スケッチブックの予備と色鉛筆が無かったからそれを買いに」

「あ、そうなんだ・・・」

「・・・梨子ちゃんが良ければ一緒に買いに行く?」

 

すると梨子ちゃんは・・・

 

「うん!、行く!」

「・・・じゃあ行こうか」

 

こうして成り行きで

僕は梨子ちゃんとスケッチブックを

買いに行く事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー秋葉のデパートにてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ちょうど残り2つだったね」

「悠里お兄ちゃんの色鉛筆も最後の1つだったね?」

「・・・あはは」

 

まさか売れ行きが良すぎて

品切れ寸前になってたなんてビックリだよ・・・

店長さんに聞いたところ・・・

 

『正直、驚いてるとしか言えんな・・・』

 

と苦笑い気味に言ってたなぁ・・・

あ、もしかして芸術の秋だからかな?、かな?

 

「・・・あ、楽器売り場に寄ってもいいかな?」

「うん、私も寄りたいと思ってたし・・・」

 

梨子ちゃんもなんだ・・・

あ。言い忘れてたけど、梨子ちゃんは

ピアノが得意なんだ。

あとビオラ・・・、だったかな?

 

「悠里お兄ちゃん、早く行こうよ!」

「・・・そんなに慌てなくても楽器は逃げないよ?」

 

梨子ちゃんって

落ち着いているように見えるけど

実は慌て者だったりするんだよね。

僕も最初は驚いたなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー楽器売り場ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここの楽器売り場は

様々な楽器がある事で有名なんだ。

民族楽器があったり、各楽器の原点の物

があったりと品揃えが豊富なんだ。

 

「いらっしゃいませー、あら♪。悠里くんと梨子ちゃんじゃない♪」

「・・・ご無沙汰してます」

「こんにちは」

 

僕達2人を出迎えてくれたのは

ここの店長さん。

僕の母さんの知り合いでもある・・・

 

「悠里くん、藍里ちゃんに段々似てるわね♪」

「・・・外見がですか?」

「うーん、それもあるけどやっぱり雰囲気かしら」

「あはは・・・」

 

まぁ、悪い気はしないけど・・・

 

「それで今日はどうしたの?」

「ピアノの種類、増えてるのかなと思って・・・」

「それなら・・・」

 

そう言って店長さんに

案内された場所はピアノコーナー。

文字通り、ピアノが置いてある場所・・・

そこには・・・

 

「・・・青いピアノ?」

「私も見た事ない」

 

僕と梨子ちゃんが気になったのは

見た目の色が澄んだ青をしたピアノだった。

何故か惹かれる・・・

 

「実は今日入荷したばかりなのよ」

「・・・そうなんですか?」

「しかも、どの種類のピアノなのかも分からないのよ」

 

これには僕も驚いた。

店長さんは楽器という分野では、かなり知識があり

特にピアノとかは、種類はもちろん、

音の違いや細かい音のズレなどを見抜く事ができ

この楽器店では有名な人なんだ。

その店長さんですら分からないピアノって・・・

 

「・・・販売はするんですか?」

 

僕が聞くと・・・

 

「うーん、それが出来ればねえ・・・」

 

種類が分からないんじゃ

どうしようもないのか・・・

 

「・・・試しに弾いてもいいですか?」

「悠里くんならOKよ!」

「私も悠里お兄ちゃんが弾くの久しぶりに聴きたいな」

 

梨子ちゃんにも

言われちゃったらなぁ・・・

 

「じゃあ何か適当に・・・」

 

さて何を弾こうかな?

このピアノの色は澄んだ青色だし、

青っていうと『青空』、『深海』、『雲海』

というイメージがあるので

それに関した曲を弾く事にした・・・

 

「やっぱり悠里くんが弾く曲は凄いわね・・・」

「悠里お兄ちゃん凄い・・・」

 

弾いてて思った事が

このピアノは、どうやら弾いた本人の

イメージに合わせて音が変わるという

不思議なタイプのピアノだった。

まるでピアノ自身が意思を持っているかのよう・・・

演奏が終わり僕は店長さんに・・・

 

「・・・これ弾きたい人に弾かせる展示品か何かにした方がいいと」

「あら、どうして?」

「僕、弾いてて分かったんですけど、このピアノは弾いた人のイメージ

に合わせて音が変わるみたいなんです・・・」

 

すると梨子ちゃんが・・・

 

「じゃあ値段がつけられない珍しいピアノなの?」

「・・・たぶん値段がつけれない以上かな。冗談抜きで」

「う、うわぁ・・・」

 

正直、弾いた後で申し訳ないけど

そのくらいのレベルのピアノだった・・・

実際に弾いてみないと価値が分からない・・・

そういう代物だって事がよく分かった。

 

「分かったわ。じゃあ展示品にしておくわね?」

「・・・僕の独断ですみません」

「『幻のアイドル』が言うんだもの、充分に説得力があるわよ♪」

「私も悠里お兄ちゃんが言うと納得できるよ」

「梨子ちゃんまで・・・」

 

その後、色んな楽器を

見て回り、僕達2人は楽器売り場を

あとにした・・・

 

(気が向いたら、また弾きに来ようかな・・・)

 

そう思った僕だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー帰り道ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は夕方になり

僕は梨子ちゃんを

家まで送ってあげた・・・

 

 

 

 

 

 

 

「悠里お兄ちゃん、家まで送ってくれてありがとう・・・」

「・・・ううん、気にしないで」

 

僕がそう言うと

梨子ちゃんが何か寂しそうな

表情をしていた。

どうしたんだろ・・・?

 

「明日から当分、悠里お兄ちゃんと会えないの?」

「・・・まぁ、そうなるかな」

「やだ」

 

そう言うと梨子ちゃんは

僕の服の袖の部分を掴んできた。

 

「・・・どうして?」

「だって悠里お兄ちゃん、いつか私の前から消えちゃう・・・」

 

そうだった・・・

梨子ちゃんは僕が声を出せない事や

僕が高校を卒業した後の事も

知ってるから、早とちりしちゃう事が

あるんだった・・・

だったら僕が言ってあげる事は・・・

 

「・・・大丈夫だよ」

「え?」

 

僕は梨子ちゃんの頭を

撫でながら・・・

 

「修学旅行が終わったら、また会いに来るから・・・」

「本当・・・?」

「・・・うん、約束するよ」

 

すると梨子ちゃんは

僕の一言に安心したのか・・・

 

 

 

 

 

 

 

「絶対来てね。悠里お兄ちゃん!///」

 

 

 

 

 

 

笑顔で言った。

さて明日から修学旅行だけど

お土産、()()()()()()にも

買ってあげないと・・・

 

 

 

 

「じゃあまた来るからね?」

 

僕が背を向けて

帰ろうとした時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠里お兄ちゃん、いってらっしゃい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だったら僕が言ってあげる事は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・うん、行ってきます!」

 

 

 

 

 

 

明日からの修学旅行、

楽しい思い出をたくさん作ろう。

そう思った僕だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちゃっかり『サンシャイン!』のキャラを
出してしまいました。
自分は千歌ちゃんが好きなのですが
梨子ちゃんも好きなんです(コイツ言いやがった!)

梨子ちゃんを上手く表現できたかは
分かりませんが・・・(未だに残る不安感)
だけど後悔はしてません。
元々、どこかで出す予定だったので(苦笑い)
次回は、2期第5話『新しいわたし』の回
を執筆したいと思います。

次回もよろしくお願いします。


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第66話 修学旅行 1日目

ゆるポメラです。
今回から、2期第5話『新しいわたし』の回です。
内容は暗い感じの要素も取り入れようと
思っています。
なので長くなるかもしれません。
あと、凛ちゃんがメインの回の話なのに
あまり出てこないかもしれません(割とマジです)
凛ちゃんゴメンよ・・・(涙目)

それではどうぞ。


僕達2年生は空港にいます。

どこの空港かと言うと・・・

 

「わーい!、沖縄だー!」

 

はい。ほのちゃんが説明してくれた通り、

たった今、沖縄に着いたばかりなんだ・・・

 

「・・・暑い」

「実際に来てみると気温が全然違いますね」

「そうだね~」

 

いや、本当に暑い。

僕らは今、夏服を着ているんだけど

それでも暑い。

今の季節は秋であってるよね?

 

「・・・ほのちゃん、元気だねー」

「穂乃果ちゃん、楽しみにしてたみたいだしね♪」

 

ここに着くまでの間、

ほのちゃんは、かなり機嫌が良かった。

きっと遊びまくるんだろうなぁ・・・

 

「悠里君の荷物多くないですか?」

「・・・なんで?」

「いえ、バックが膨らんでいたので・・・」

「ことりも気になってた、何が入ってるの?」

「・・・そんな大したものは、入れてない筈だけど」

 

とはいえ

僕もバックを持っている間、

少し重いなと思っていたので

その場で開けて確認する事にした。

すると・・・

 

「・・・」

『あっ・・・』

「・・・何してるの?」

『テヘッ☆』

「・・・舌を可愛く出してもダメだよ?」

 

開けてみたらビックリ。

なんと花怜ちゃんが僕のバックの中に

隠れていたんだ。

 

「か、花怜!?」

「花怜ちゃん!?」

『いえーい♪、ついてきちゃった♪』

「あ、花怜ちゃんだー」

『やほー♪、穂乃果ちゃん♪』

 

みーちゃん、ことちゃんが

驚いてるのにも関わらず、

いつものペースを崩さずに、

ほのちゃんに手を振る花怜ちゃん。

 

「・・・それで花怜ちゃん、どうしたの?」

『えっとね、かくかくしかじか・・・』

「・・・まるまるうまうまね」

 

あー、要約すると

僕の事が心配でバレないように

ついてきたってところかぁ・・・

 

「・・・まぁ、そういう事にしとくね?」

『流石、ゆうり君♪』

「・・・で、本音は?」

『えっと、花怜も行きたいなぁって・・・』

「・・・あはは」

 

僕はいいけどさ。

正直ビックリしたんだよ?

 

「ゆうちゃんと花怜ちゃんのやり取りが・・・」

「意思疎通みたいで・・・」

「なんか凄い・・・」

 

ほのちゃん達が何か言ってるような気が

したんだけど気のせいかな?

そんなこんなで花怜ちゃんも加わり

僕達が宿泊する宿に移動する事になった。

 

(あれ、僕って部屋割どうなってるんだろう?)

 

まあ、着いてからでいいか

と思っていた僕が甘かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー宿ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着いた宿は凄く豪華な場所だった。

例えるなら、まさに沖縄!って感じかな。

 

「それじゃ各自、部屋に着いたら自由時間な~」

 

そういえば、夕飯の時間まで

自由時間なんだっけ・・・

僕は、修学旅行の予定表を取り出し

確認すると・・・

 

「・・・え?」

『ゆうり君、どうしたの?』

「・・・ほのちゃん達と部屋が一緒って」

『ゆうり君は嬉しくないの?』

「・・・それ以前の問題だよ」

 

部屋割には、こう書かれていた。

 

 

 

 

 

25号室・部屋割

 

 

高坂穂乃果、園田海未

 

南ことり、水無月悠里

 

 

 

 

 

 

 

 

何コレってしか言いようがない・・・

 

「わあ、ゆうちゃんと一緒だ!」

「ゆ、悠里君と・・・///」

「ゆーくんと一緒だ~///」

 

もう諦めよう・・・

そう悟った僕だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー25号室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋は広かった。

しかも四段ベットがある。

僕達は荷物を置くと

これからどうするか話した・・・

 

「・・・これからどうするの?」

「『海に泳ぎに行こうよ!』」

「・・・息ピッタリだね」

 

流石、花怜ちゃん、ほのちゃん。

早押しクイズでも出れる早さだった・・・

 

「私は構いませんが・・・」

「ことりも~」

 

みーちゃん、ことちゃんも

ほのちゃん達の意見に賛成みたい。

という訳で今から海に行く事になった。

 

「ゆうちゃん早くー!」

「・・・ロビーで待っててくれる?」

『ちょっと準備してから行くから』

「うん、分かった!」

「花怜、悠里君、先に行ってますね?」

「ゆーくん達も早めに来てね?」

「・・・なるべく早く行くよ」

『ゆうり君と2人ですぐ行くからー』

 

ほのちゃん達3人は部屋を

あとにした・・・

残ったのは僕と花怜ちゃんだけだった。

 

「・・・まさか本当に泳ぐ事になるなんて」

『傷、大丈夫なの?』

「・・・正直言うと大丈夫じゃない」

『そ、うだよね・・・』

 

あの夢の話を花怜ちゃんに言おうかな。

何でか分からないけど、

今言わないとダメな気がしたから・・・

 

「・・・ねぇ、花怜ちゃん」

『どうしたの?』

「・・・僕ね、ここ最近同じ夢を見るんだ」

『どんな夢?』

「僕が高校3年生になってる夢なんだけど・・・」

『けど・・・?』

「夏休みに入った数日後に倒れるんだ・・・」

『それで・・・?』

 

そう、僕が不安に

なっている事は今から言う一言・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこから先、()()()()()()()()・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それって・・・』

「夢の割にはリアル過ぎてさ・・・」

 

未来予知とまではいかないけど

そういう錯覚に陥る夢だった・・・

 

「・・・まぁ、そういう事かな」

『ただの夢だといいね・・・』

「・・・うん」

 

暗い雰囲気を察したのか

花怜ちゃんが・・・

 

『そういえば、お土産は誰に買うの?』

「・・・ルーちゃん、ティアちゃんと」

 

あと梨子ちゃんと・・・

 

『千歌ちゃん達にも買ってあげるんでしょ?』

「・・・そうだね。柑橘系の物があったら、それにしようかな」

『みかん大好きだもんねー♪』

「確かに・・・」

 

あ、そういえば

ダイヤちゃんとルビィちゃんには

何がいいかな・・・?

 

(2人共、好きな食べ物が違うしなぁ・・・)

 

僕の考えてる事が

分かったのか

花怜ちゃんは・・・

 

『ゆうり君が選んだ物なら何でも喜ぶと思うけど?』

「・・・何で言い切れるのさ?」

『あれだけ、ゆうり君の事を慕ってるんだもの♪』

「・・・それ、理由になるかなぁ?」

『だって男の人と話すのが苦手なルビィちゃんが懐いてる程だもん』

「・・・なるべく2人が好きそうなの買うよ」

 

さてと、

必要な物は持ったし・・・

 

「・・・そろそろ行こっか?」

『そうだね。穂乃果ちゃん達も待ってるだろうし』

 

準備を終えた僕は

花怜ちゃんと一緒に

ほのちゃん達が待つロビーに向かった。

 

 

 

(この修学旅行、何事もないといいけど・・・)

 

 

ロビーに向かう途中、

僕は不安になりながらも

そう思った・・・

 

『大丈夫だよ・・・』

「・・・え?」

 

花怜ちゃんを見ると

微笑みながら・・・

 

 

 

 

『私が守ってあげるから・・・』

「・・・いつも励ましてくれて、ありがと」

『うん♪』

 

 

僕の隣では

上機嫌に微笑む幼馴染みが

寄り添っていた・・・

 

 

 

 




今回は宿に着くまでの話でした。
次回は少し暗い内容になるかも
しれません。
頑張りますので
よろしくお願いします。


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第67話 不穏な影・・・

ゆるポメラです。
今回は前半は明るめですが
後半は少し暗いです。
上手く表現できていると
いいのですが・・・
余談ですが自分も高校の時
沖縄に修学旅行に行った時は
楽しかったです。
本場のゴーヤーチャンプルーは
ゴーヤーが分厚かったです。

それではどうぞ。


「『海だ!、海だ!、海だ~!』」

 

着いて途端、

ほのちゃんと花怜ちゃんが

叫ぶ・・・

 

「もう!、人の名前を何度も呼ばないでください!」

 

まぁ、みーちゃんからしたら

そうなるよね・・・

 

「違うよ!、海未ちゃんじゃなくて、海!」

 

ほのちゃんの説明に

みーちゃんは自分の勘違いだという事が

分かったみたい・・・

 

「・・・じゃあ僕は寝てるから」

「ゆうちゃん、泳がないのー?」

「・・・気が向いたら」

「でも、せっかく来たんだし・・・」

『2人共、ゆうり君は今は眠いみたいだから休ませて?』

「そうですよ、悠里君だって疲れてるんですから」

 

みーちゃん、花怜ちゃんが何とか

話を合わせてくれた・・・

僕は近くの砂浜で寝る事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり達4人は

海で泳いでいるんですが

正直に言うと、あまり楽しくない・・・

 

「はぁ・・・」

『どうしたの?、溜息なんて吐いて・・・』

「何で、ゆうちゃんは泳がないんだろうって・・・」

 

穂乃果ちゃんが溜息を吐く理由は

ことりも同じなんです・・・

 

「ことり、ゆーくんと遊びたいな・・・」

「私もです・・・」

 

海未ちゃんも本当は

ゆーくんと一緒に遊びたかったんだと思う。

 

『ゆうり君が泳がない理由は2つかな・・・』

「「「えっ?」」」

 

花怜ちゃんが砂浜で寝ている

ゆーくんを見ながら呟いた。

 

「花怜、それってなんですか?」

 

海未ちゃんが聞くと・・・

 

『ゆうり君、私服のままでしょ?』

「そういえば・・・」

 

ゆーくんを見ると

確かに私服のままでした。

しかも薄い長袖の服・・・

気温も暑いのに、なんで長袖なんだろう?

半袖でもいいのに・・・

 

『1つは単純に眠いから』

「え、そうなの・・・?」

『体を休める為だと思うけどね』

「じゃあ、あと1つは・・・?」

 

穂乃果ちゃんが聞くと

花怜ちゃんは少し言いにくそう

な表情をしていました・・・

 

『あまり人がいないからいいけど・・・』

「人が多かったらダメなの?」

『周りが絶対、ゆうり君を変な目で見るから・・・』

 

一体、どういう事なんだろう・・・

幸い、海に来た人は、ことり達5人くらいで

他の人はさっきまでいたんですが

帰ってしまいました・・・

 

「聞いてもいい・・・?」

 

ことりが聞くと

花怜ちゃんは暗い表情をしながら・・・

 

『中学で受けた傷が人前で見せれる程じゃないからかな・・・』

「「「えっ・・・?」」」

 

じゃあ、ゆーくんが長袖を

着てる理由って・・・

 

『ことりちゃんの考えてる通りだよ』

「ゆうちゃんの怪我、そんなに酷いの・・・?」

「私も腕の傷しか見てないんです・・・」

『口では説明できないけどね』

 

花怜ちゃんの言う通り

あの時ことりが見た傷は口では説明できない・・・

 

『あっ!?、そろそろ戻らないと夕飯の時間に遅れるよ!?』

「嘘っ!?」

『この時間見てよ!?』

 

花怜ちゃんが何処から取り出したのか

懐中時計を見せてきました・・・

さすがに着替えて戻らないと、

まずいなと思ったのですが・・・

 

「・・・おはよ」

 

・・・えっ!?

ゆーくん、今起きたの!?

確かにぐっすり寝てたみたいだけど・・・

 

「・・・自分のバックを枕にしたら、ぐっすり寝れた」

『それ何となく分かる♪』

 

ゆーくんと花怜ちゃんが

話してると・・・

 

「あー!?」

「・・・ほのちゃん?」

「穂乃果?」

『穂乃果ちゃん?』

 

穂乃果ちゃんが自分のバックを

慌てながら探してました。

ど、どうしたんだろう・・・?

 

「着替え、部屋に置いてきちゃった・・・」

「何してるんですか!!、あなたは!?」

「怒る事ないでしょー!?」

『穂乃果ちゃん、海未ちゃん落ち着いて!?』

 

ほ、穂乃果ちゃん!?

着替え置いてきちゃったの!?

こ、こればかりは・・・

 

「どうしよー!?、海未ちゃん貸して!?」

「貸せるわけないでしょう!?。私も自分のしか持ってきてないんですよ!?」

 

貸してあげたいけど

ことりも自分のしか

持ってきてないし・・・

 

『穂乃果ちゃん、全部置いてきちゃったの?』

「ううん、上に着るTシャツだけ置いてきちゃったの・・・」

『ある意味、幸いだね。海未ちゃん・・・』

「そ、うですね・・・」

 

でもどうしよう・・・

 

「・・・僕の服、貸そうか?」

「「「へっ・・・?」」」

 

ゆ、ゆーくん?

 

「ほのちゃんが着れそうなの、僕が今着てるのしかないし・・・」

「でも、ゆうちゃんのが・・・」

「・・・予備にあるから大丈夫」

 

そう言うと

ゆーくん着ていた長袖の服を

脱ぎ始めました。

ゆ、ゆーくんの・・・///

 

「・・・はい、ほのちゃん」

「あ、ありがと、ゆうちゃ・・・!?」

「ゆ、悠里君・・・!?」

「・・・なに?」

「そ、その傷・・・」

 

ことりだけじゃない・・・

穂乃果ちゃんと海未ちゃんも

ついさっきまで花怜ちゃんから聞いた

ゆーくんの全身の傷を直視してしまった・・・

 

「ただの掠り傷だから・・・」

『ゆうり君、流石に無理があると思う・・・』

 

花怜ちゃんの言う通り、

ゆーくんの全身の傷は掠り傷じゃ

済まないレベルだった。

切られた痕や殴られた痕が

生々しく残ってた・・・

 

「・・・まぁ、気にしなくていいよ」

 

ゆーくんは何事も無かったかのように

自分のバックから予備の服を

取り出し着替え始めた・・・

 

「・・・早く戻ろう」

 

そう言って戻り始めた。

もう、見てられない・・・

ことりだけじゃなく

穂乃果ちゃんと海未ちゃんも

同じ思いだった・・・

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、宿に戻ろうかなと思った時

後ろから誰かに抱きつかれた・・・

 

「「「バカッ!!!」」」

 

今の声で

誰かは、すぐ分かった・・・

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんに

怒鳴られながら抱きつかれた・・・

 

「バカッ!!!、ゆ、うちゃんのバカァ・・・」

「どう、して自分を大事にしないんですかぁ・・・」

「心、配する身にもなってよぉ・・・」

 

3人が泣いてるように

聞こえた・・・

 

「僕の事なんて、どうでもいいと思われても・・・」

「「「そんな事ない!!!」」」

 

すると花怜ちゃんが・・・

 

『少しくらいは自分の事、大事にしてもいいんじゃないの?』

 

そうは言われても

こればかりは・・・

 

「僕が決めた事だから・・・」

『もぅ・・・』

 

次の瞬間・・・

 

 

 

「『っ!?』」

 

何かに狙われるような

気配がしたので

僕と花怜ちゃんは殺気を出しながら

反射的に構えた・・・

 

「・・・ねぇ、花怜ちゃん」

『うん、何かいたよね・・・』

 

僕と花怜ちゃんは

まだ泣いていた

ほのちゃん達3人を慰めながら

離れる事にした・・・

 

(・・・嫌な予感がする)

 

宿に戻る最中も、

そう思わずにはいられなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 




今回は悠里の怪我と
最後に悠里と花怜が何かの気配に
気づいた回でした。
次回も暗い内容になりそうですが
よろしくお願いします。


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第68話 その日の夜・・・

ゆるポメラです。
執筆する前に何気なく
『サンシャイン!』の公式サイトで
番宣CMがあったので見てみたら
梨子ちゃんの転校する前の高校の名前に
ビックリして唖然としていた作者です・・・
今後のストーリーの展開も考えなきゃと
改めて思いました。
まぁ、今後の展開は考えてあるんですけどね?
それにしても、
梨子ちゃんの転校前の高校が、
・・・まさか、ねぇ?

それではどうぞ。



宿に戻った後、

ちょうど夕飯の時刻だった為

大広間で夕飯を食べた。

 

(は、初めて食べれた・・・)

 

そして今は部屋にいます。

何してるのかっていうと・・・

 

「・・・はい。花怜ちゃんのターンね?」

『むむむ・・・』

 

僕が持ってきたトランプを使って

花怜ちゃんと2人で

オリジナルゲームをやっています。

ほのちゃん達は、お風呂に入ってるので

今はいません・・・

 

『スペードの5・1枚とジョーカー1枚で勝負!!』

「・・・ちょっ!?。このターンでスペード10倍攻撃!?」

『更に、ここでA(エース)を1枚出すよ!』

「・・・しかも貫通攻撃!?」

『さあ、ゆうり君どうする♪』

 

手札は結構、消費するけど・・・

花怜ちゃんの残り手札は2枚だから・・・

 

「クローバーの5・1枚とハートの5・1枚で防御(ガード)・・・!」

『足りないよ!、防御(ガード)するには10倍相殺と付与効果(エンチャントスキル)が無いと・・・』

「更に、ここで、もう1枚・・・」

『えっ!?、貫通効果を付けてるのに!?』

「・・・ダイヤのQ(クイーン)を1枚、付与効果(エンチャントスキル)にして反射防御(リフレクションガード)!」

『あ、この場合って花怜が受けるダメージって・・・』

「・・・500倍のダメージだよ?。カウンター無しで通すと」

『手札2枚じゃ無理じゃん!?』

 

とまあ、逆転して

僕が勝ちました・・・

 

「・・・あの時の気配、何だったんだろうね?」

 

僕がトランプのカードをシャッフルしながら

花怜ちゃんに聞くと・・・

 

『少なくとも動物とかの気配じゃなかったよ・・・』

「ってなると、やっぱり・・・」

『殺意を持った人だね・・・』

「今も実際、監視されてるみたいだし・・・」

『向こうは気づいてないみたいだね』

 

なら・・・

 

『穂乃果ちゃん達が戻ってきたら2人で見に行く?』

「・・・相手は花怜ちゃんの気配は分からないんだっけ?」

『ゆうり君に憑依してるんだから分かる訳ないでしょ』

「それもそうだね・・・」

『油断してる訳じゃないけどね・・・』

「・・・僕も同じかな」

 

さっきより気配が近いな・・・

この宿の近くにいるな・・・

 

「・・・近いね」

『そうだね』

 

僕と花怜ちゃんが

相手の行動を窺っていると

ほのちゃん達が戻ってきた・・・

 

「いや~。いいお湯だった~」

「全く穂乃果は・・・」

「まあまあ、海未ちゃん・・」

 

・・・さて、

3人が戻ってきた事だし。

 

「僕、外の空気吸ってくるね・・・?」

『あ、私も私もー♪』

 

それだけ言い残し

僕と花怜ちゃんは

部屋をあとにした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきから

悠里君と花怜の様子が変です・・・

いえ正確には、自由時間から帰って

きてからでした・・・

 

「ゆうちゃんと花怜ちゃん、どうしたんだろう・・・?」

「ことり、何か嫌な感じがする・・・」

 

実は私も、さっきから

嫌な胸騒ぎがしてならないんです・・・

気になって仕方ないので・・・

 

「・・・私、悠里君達を見てきます」

「穂乃果も行く!」

「ことりも!」

「3人で行くと逆に怪しまれますから2人は待っててください」

 

穂乃果とことりは

渋々でしたが何とか納得してくれました・・・

 

「もし先生が来たら散歩に行ったと伝えてください」

「うん、分かった・・・」

「海未ちゃん、気をつけてね?」

 

なるべく早めに戻ろうと思い

私は部屋をあとにした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が外に出てみると

悠里君が海岸の森の近くに行くのが

見えたので、見つからないように

追いかけました・・・

 

(こんな人が来ない場所で悠里君は一体・・・)

 

何をする気なのかと

考えていると・・・

 

「・・・出てきなよ」

 

悠里君が誰もいない筈の森に向かって

低い声を出しながら問いかけていました・・・

 

「・・・隠れているのは分かってるんだよ」

 

わ、私の事でしょうか・・・?

焦りながら考えた、その時・・・

 

「チッ!、ばれちまったか・・・」

 

暗い森の奥から出てきたのは

ライフルのような物を持った男でした。

 

「参考に聞くが何故、俺の気配に気づいた?」

「・・・強いて言うなら銃のリロード音と僅かな殺気かな」

「テメェ、何モンだ・・・」

「・・・ただの高校2年生ですけど?」

 

そして悠里君は・・・

冷たい目をしながら・・・

 

「・・・何が目的?」

「依頼主に頼まれてな、テメェの抹殺をよ」

「・・・僕、怨まれる事しました?」

「依頼主曰く『斬られた片腕の分』を返すとよ」

 

い、一体、何の事を・・・

 

「・・・僕が殺した筈だけど?」

「お喋りは終わりだ、とっとと死ね!」

 

男は悠里君に向かって

銃を突きつけ引き金を引こうと

していました。

私は目の前の光景に見てられず・・・

 

「悠里君!!」

「みーちゃん!?」

「チッ!?、邪魔が入ったか。まずテメエから死ね!!」

 

銃口を私に向けてきました。

 

「あ、あ・・・」

 

恐怖のあまり

体が動かなかった・・・

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーズガンッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・?」

 

おかしい。痛みが来ない・・・

私が、ゆっくり目を開けると

そこには・・・

 

「みーちゃん、大丈夫?」

「悠、里君・・・?」

 

私の事を抱えながら

守ってくれた悠里君がいた・・・

 

「・・・少しだけ待ってて?」

「は、はい・・・///」

 

私を降ろすと

男に向かって・・・

 

「・・・五体満足で帰れると思うなよ」

「テ、テメェ!、今何をした!?」

「・・・銃弾を鉛筆で弾いただけだけど?」

 

悠里君の右手には3本の鉛筆が握られていた・・・

 

「・・・遺言があるなら聞くけど?」

「ま、待て!?」

 

男は完全に悠里君に怯えていました。

悠里君の目はハイライトが無く、

表情も無表情でした・・・

そして男に近づき・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーードシュ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がっ・・・!?」

「みーちゃんに銃を向けた時点で、殺す理由は充分だよ・・・」

 

男が絶命したのを確認すると

悠里君は私のところに来て・・・

 

「・・・怖い思いさせてゴメンね」

 

その言葉を聞いた私は

悠里君に抱きつきました。

 

「こ、怖かった、怖かったですぅ・・・」

「ゴメンね・・・」

 

自分が死ぬんじゃないかって思った。

でも何より怖かったのは・・・

 

「ゆ、悠、里君が死んじゃうのが怖かったんですぅ・・・」

「僕は・・・」

『ゆうり君、海未ちゃんに怪我がない事に喜んだら?』

「うん、そうだね・・・」

 

悠里君の隣に花怜が現れ

悠里君が今思ってる事を弁解していた。

 

「みーちゃん、戻ろうか・・・」

「はい・・・」

 

私達3人は、穂乃果とことりが待つ

宿へ戻りました・・・

 

 

 

(悠里君、もう1人で抱え込まないで・・・)

 

 

 

 

 

悠里君の手を繋ぎながら

私は彼を見つめながら、

そう思った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は前回の話の最後で
出てきた気配の正体と
悠里が海未の目の前で
断罪した回でした。
次回も暗い感じに
なりそうですが、
よろしくお願いします。


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第69話 悠里と花怜の家系

ゆるポメラです。
今回の内容は今まで謎だった
悠里と花怜の家系
についての話です。
前回の話で悠里が鉛筆を使った理由と
海未の目の前で断罪してしまった事も
触れます。

それではどうぞ。


僕を監視していた

殺し屋を退治したあと

僕達3人は宿に向かってた。

 

(みーちゃんの目の前で殺す事になるなんて)

 

正直、安全な場所に避難させてから

でもよかったんじゃないかと思ったが

実際は、そうはいかなかった。

 

『海未ちゃんと弾の距離が15㎝しか離れてなかったから危なかったね』

「銃を使ってる人と相手にするのは大変なんだよ・・・」

 

銃のメリットは種類にもよるけど

離れた場所から攻撃しやすいのが特徴だ。

今回、僕を襲ってきた男は、

スナイパーライフル系の物を所持していた為、

みーちゃんを安全な場所に避難させる事が

できなかった。

 

『離れれば離れる程、スナイパー系の銃は真価を発揮するからねぇ・・・』

「かと言ってショットガン系も嫌だし・・・」

『あっちは逆に、近ければ近い程だもんね・・・』

 

みーちゃんが隣にいるのに

僕達2人は物騒極まりない話をしていた・・・

僕と花怜ちゃんにとっては前々から狙われた事が

あったから

軽い冗談にしか聞こえないんだよね・・・

 

「部屋に着いたけど・・・」

『なんか入りにくいね』

「・・・あの事、話そうかな?」

『ゆうり君は平気なの?』

「・・・多分、言いにくい」

『そっか・・・』

 

部屋の入り口で立ち止まってる訳にも

いかないので・・・

 

「・・・みーちゃん、入ろうか?」

「はい・・・」

 

僕のせいだよね・・・

こんなふうに落ち込ませたのって・・・

 

(やっぱり僕なんて・・・)

 

そう思いつつも僕達は

部屋に入った・・・

 

「「3人共、大丈夫!?」」

 

部屋に入ると

ほのちゃん、ことちゃんが

心配した顔で出迎えてくれた。

 

「・・・みーちゃんをお願い」

「「「あっ・・・」」」

 

ほのちゃん達が何か言おうとしたけど

僕は聞かない事にし、部屋から出ようとすると・・・

 

『ゆうり君、無理だけはしないでね・・・』

「・・・。」

 

花怜ちゃんは

僕が考える事は、お見通しか。

僕は何も言わずに部屋から出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君が部屋から出て行ってしまいました・・・

 

「私のせいです・・・」

「海未ちゃん!?」

「私のせいで、悠里君にまたっ・・・‼」

『・・・』

 

 

あの時、私が叫ばなかったら

悠里君は・・・

そんな事を考えた瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・?」

『・・・』

「「花怜ちゃん!?」」

 

気づいたら左の頬が腫れていた・・・

何が起きたかは分かった。

花怜に平手打ちされたのだ・・・

私が花怜を見てみると、これまでにもない

冷たい目で私を見ていた・・・

 

『海未ちゃんさ、自分が代わりに死ねばいいって思ったでしょ・・・』

 

でも実際そうだった・・・

 

「私が、あの時代わりに死ねば・・・」

『誰が一番悲しむと思ってるの』

「海未ちゃん‼、冗談でも言わないでよ!!!」

「そうだよ!!!」

 

穂乃果とことりが私に怒鳴りますが

正直、聞き流してました・・・

それだけ精神が弱くなってた・・・

 

『何よりも、ゆうり君が一番悲しむんだよ・・・』

 

悠里君が・・・?

 

『ただでさえ精神が弱くなってるのに、海未ちゃんの

その一言は、ゆうり君に「死んで?」って言ってるようなものだからね・・・』

「わ、私は、そんなつもりじゃ・・・‼」

『ゆうり君が聞いた場合は、そう聞こえるの。

たとえ海未ちゃんが、そんなつもりじゃなくてもね』

 

今の花怜の表情は

氷のように冷たかった・・・

すると花怜は溜息を吐くと・・・

 

『3人は、ゆうり君と私の家系って知ってる?』

「分かりません・・・」

『今まで黙ってたけどね・・・』

「それって何なの・・・?」

 

ことりが聞くと

花怜は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゆうり君と私の家の家系は()()の家系なの』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「えっ・・・」」」

 

衝撃的な事実を聞いて

私達は言葉を失った・・・

花怜と悠里君が・・・?

 

『花怜の家系は三日月流ってのは知ってるよね?』

「名前だけは聞いた事はあります・・・」

 

私も、お父様から聞いた事だけですが

花怜の家系は、古流武術の家系だと・・・

そして花怜は、その後継者という事・・・

 

「じゃあ、ゆーくんは・・・」

 

ことりが何かに気づいたように

呟いた・・・

 

『そう。ゆうり君は、()()()()の後継者なの・・・』

 

でも何で・・・

 

「悠里君と花怜が殺しの家系なんですか・・・」

『花怜の場合は古流武術なのは分かったよね?』

「はい・・・」

『でも、ゆうり君の場合は違うの・・・』

「違うって・・・?」

 

花怜は真面目な顔をしながら・・・

 

()()()()を凶器に変える流派なの』

 

身近な物を凶器に変える・・・?

 

『海未ちゃんを助けた時、ゆうり君。鉛筆を使ったの覚えてる?』

「はい。銃弾を鉛筆で弾いたって悠里君が・・・」

『海未ちゃんは、鉛筆に見えたんだね?』

「は、はい・・・」

 

正直、冷静になって考えると

悠里君は、普通じゃ有り得ない事をしていたと

実感しました。

 

『でもね、殺し屋の人は鉛筆がクナイかナイフに見えた筈だよ』

「「「えっ!?」」」

 

花怜の一言に私達は唖然とするしかなかった。

 

「ですが悠里君は・・・」

『そう。対象となった相手に錯覚を起こすって

言えばいいのかな・・・?』

 

でも気になる事が、もうひとつ・・・

 

「他の物だった場合は?」

 

穂乃果が花怜に聞くと・・・

 

『花怜が知ってるのは、定規だったら鉈とか刀に見えて、消しゴムが銃弾に見えたりとかかな・・・』

「花怜は見たことがあるんですか?」

『小さい頃に、ゆうり君と模擬戦した事があるの』

 

でも何で・・・

 

「何で黙ってたんですか・・・」

 

私の言いたい事が分かったのか

花怜は・・・

 

()()()扱いにされるのが怖かったからだよ』

 

えっ・・・?

 

『噂なんて大抵、悪いのが大半でしょ?』

「それってどういう・・・」

『海未ちゃん達3人は噂とかを信じやすい傾向が強いからね・・・』

 

否定したいですが

実際、私達は噂とかを信じやすい方です・・・

悪い噂なら尚の事・・・

 

『ゆうり君が中学時代で、それを受けてたとしたら?』

「「「あっ・・・」」」

 

私達は花怜が言いたい事が分かりました。

悠里君の中学時代の真実を聞いた時と同じだと・・・

 

『海未ちゃん、ゆうり君は2階のフロアにいるよ』

「えっ・・・?」

『私が何を言いたいか分かるでしょ?』

 

気づけば私は、

部屋から出ていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――2階フロア――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ・・・」

 

気づいたら走っていたみたいです。

 

「あっ・・・」

 

2階のテラスで悠里君は寂しそうな表情を

しながら夜空を見上げていました。

 

「・・・あ、みーちゃん」

 

私の気配に気づいたのか

悠里君は声をかけてくれました。

私は悠里君の隣に行き・・・

 

「あ、あの・・・」

 

何か言わなきゃと思った時・・・

 

「僕の事、怖いよね・・・」

「えっ・・・?」

 

悠里君が自虐的に笑ってました。

そして続けるように・・・

 

「だって中学時代に人を合計6人も殺した人間だよ?」

「違います・・・」

 

それは私や穂乃果、ことり、花怜を

守る為だって・・・

 

「・・・みーちゃんの目の前でも人を殺した、

僕はもう生きる価値すらもないよ。

それ以前に既にないけどさ・・・」

 

悠里君を横目で見ると

生気のない目をしていました・・・

 

(違う‼。悠里君の辛い表情が見たいんじゃない‼)

 

私達が今まで悠里君の事を

思い出さなかったせいで彼を

こんなにしてしまった・・・

だから私は・・・

 

「笑ってください・・・!」

 

悠里君に声をかけてあげれる言葉がこれだけかと思うと

正直、情けないと思う・・・

 

「・・・僕に笑う権利なんてないよ」

「なら、私が悠里君を笑顔にしてみせます」

「えっ・・・?」

 

私と穂乃果、ことりの3人で決めたんです。

悠里君が昔みたいに笑ってもらえるように

3人で支えるって・・・

 

「だから寂しい事、言わないで・・・!」

 

身勝手な事かもしれない。

ワガママかもしれない。

それでも・・・

 

「私の側に居てくださいっ‼」

 

泣きながら伝えると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつまで居られるか分からないけど、高校を卒業するまでは、みーちゃん達の側にいるから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が大好きな優しい笑顔で言ってくれました。

 

「本当に悠里君はズルイです・・・///」

「え、と・・・、何が?」

 

私は悠里君に寄り添いながら・・・

 

「何でもないです♪」

 

 

 

 

だから今は・・・

 

 

 

 

 

 

 

(私、ずっと悠里君の味方ですからね・・・)

 

 

 

 

 

 

 

大好きな彼と

夜空を見上げていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修学旅行の1日目の夜空は

星が綺麗でした・・・

 

 

 

 

 

 

 




今回は悠里と花怜の家系について
ちょっとだけ触れさせました。
次回も暗い内容になりそうですが
よろしくお願いします。


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第70話 修学旅行 2日目の朝

ゆるポメラです。
最近暑いですね・・・
今回は少し短いかもしれません。
早起きした悠里と花怜達オリキャラの
話になっています。

それではどうぞ。


修学旅行2日目。

朝、起きてみたら・・・

 

「うわー・・・」

 

ほのちゃん達を起こさないように

外を見てみると、天気は見事なくらいの

雨だった・・・

 

「朝方の5時近くなのに雨か・・・」

 

それ以前に何で僕が

こんなに早起きかっていうと・・・

 

(自分でも分かんないんだよねぇ・・・)

 

どういう訳なのかも

分かんないんだよねぇ・・・

何でだろ?

昼間に寝すぎたのが原因なのかな・・・

 

『ゆうり君、おはよ~・・・』

 

そんな事を考えていると

花怜ちゃんが起きたようだ。

 

「おはよ。やっぱり朝は弱いの?」

『うん。まだ眠いよ・・・』

 

花怜ちゃんは昔から朝が弱い。

何せ小学校の頃、寝ながら登校するという

衝撃的な行動を僕は何度も目撃しているからだ。

 

「僕、その辺を歩いてくるけど一緒に行く?」

『うん』

 

僕と花怜ちゃんは

ほのちゃん達を起こさないように

部屋から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――2階のフロア内――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな時間に起きてるのって僕だけ?」

『普通は寝てる人が多いからねぇ』

 

フロア内を歩いていると

広い休憩スペースがあったので

そこで過ごす事にした。

 

「そういえば天気見た?」

『うん。風も強かったよね』

「ほのちゃん、起きたらガッカリするだろうね」

『確かに・・・』

 

まぁ、そうならないように

みーちゃん達が宥めるんだと思うけど・・・

 

『ねぇ、ゆうり君・・・』

「・・・どうしたの?」

 

花怜ちゃんが深刻な顔をしながら

何か言いたそうに僕を見た。

 

『昨日、襲ってきた殺し屋に依頼した人って・・・』

 

花怜ちゃんも気づいたみたい。

何せ、昨日の夜に僕を抹殺しに来た殺し屋・・・

その依頼主について僕は心当たりがあった。

 

()()()しか、いないと思う・・・」

『でも中学2年の時に死んだ筈でしょ?』

「あの時の死体はフェイクだったんだよ・・・」

『つまり情報操作されたって事?』

「だとしたら辻褄が合うよ・・・」

 

まさか、

アイツが生きてるとは

思わなかった・・・

 

僕は携帯電話を取り出した。

電話をかける相手はティアちゃんだ。

 

『ユーリ、どうしたの?』

「朝早くにゴメンね、めんどくさい事になった」

『何があったの?』

 

ティアちゃんは僕の深刻な声に気づいたのか

用件を言って欲しいという声を出してた。

 

「実は昨日の夜・・・」

 

僕は昨日の夜に起きた事を

ティアちゃんに全部話した・・・

 

『話は分かったわ、ウミの両親の事は私に任せて』

「ありがと、ティアちゃん」

『ユーリ、そこにカレンがいるのよね?』

「え?。隣にいるけど・・・」

『ちょっと代わってくれないかしら?』

「う、うん。」

 

ティ、ティアちゃんが怒ってる。

電話の向こうで、きっと表情が、

みーちゃんと同じ笑顔なんだろうなぁ・・・

なので僕は・・・

 

「ティアちゃんが代わってだってさ・・・」

『えっ・・・!?』

 

あ、花怜ちゃんが冷や汗をかいてる・・・

花怜ちゃんは僕の隣に来たので

僕は携帯電話を花怜ちゃんの耳に当てた。

 

『も、もしもし・・・』

『おはよう、カレン。早速だけど聞きたい事があるのだけれど?』

 

あのさ、一緒に聞いてる僕も

怖くなってきたんだけど・・・

 

『ゆ、ゆうり君~・・・』

 

花怜ちゃんが半泣きになりながら

僕を見てきた。

すると電話の向こうから・・・

 

『ユーリに助けを求めないの‼』

 

ティアちゃんの怒号が聞こえた。

そりゃ、誰だって朝から説教は聞きたくないよね。

 

『はぁ。今日はこのくらいにしてあげる』

『よ、良かった~・・・』

『カレン?、何か言ったかしら?』

『な、何でもないよ!?』

 

流石にフォローしようかな・・・

 

「ティアちゃんは、お土産何がいい?」

『ユーリが選んでくれた物なら何でもいいわよ』

「そんな無責任な・・・」

『ふふ♪、期待してるわ♪』

「あはは、じゃあまたね?」

『ええ。』

 

携帯電話の通話終了のボタンを押すと

隣で花怜ちゃんが・・・

 

『帰ったら、お説教かなぁ・・・(´Д`|||)』

「その時は僕も一緒だから。ね?」

『うぅ、ありがとう・・・』

 

花怜ちゃんを宥めてると

時間が7時近くになっていた・・・

 

「・・・そろそろ部屋に戻ろうか?」

『そ、そうだね。戻ろう♪』

 

修学旅行の2日目が始まる

朝方での出来事だった・・・

 

 

 




今回は悠里の事を恨んだ人間が
復讐を企んでいる事が発覚した回でした。
『過去の真相編』を読んでいただければ
その人物が誰なのかは明らかになります。
次回もよろしくお願いします。


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第71話 中学時代の元凶、再来・・・

ゆるポメラです。
今回の内容はサブタイ通り
前回の話での正体が発覚します。

それではどうぞ。


僕と花怜ちゃんが

部屋に戻ると・・・

 

「って、なんで雨なのおぉぉ‼」

 

予想通り、ほのちゃんが

外の天気を見て嘆いていた・・・

 

『まぁまぁ穂乃果ちゃん・・・』

「うぅ~・・・」

 

花怜ちゃんが宥めてるが

ほのちゃんは頬を膨らませていた。

 

「台風直撃だって・・・」

「えぇ~!?」

『海は!?、真夏の太陽は!?』

 

ことちゃんの呟きに

ほのちゃん、花怜ちゃんは携帯の画面を見た。

 

「諦めるしかないですね・・・」

 

・・・みーちゃん。

ほのちゃんと花怜ちゃんに

そんな事を言っても2人が言う事は・・・

 

「『やだよ‼』」

 

・・・ほらね?

 

「高校の修学旅行だよ!?、1度しかないんだよ!?」

『そうだよ、そうだよ( ・`д・´)』

 

ほのちゃん、花怜ちゃんは

みーちゃんに抗議し始めた・・・。

というか、花怜ちゃん?

表情が凄い事になってるよ?

 

「こうなったら・・・」

『穂乃果ちゃん?』

 

ほのちゃんは、何かを思いついたのか

ことちゃんの携帯の画面に向かって・・・

 

「逸れろ~、逸れろ~・・・」

 

逸れろ~、という謎の呪文を発していた。

 

「そんな事しても無駄だと思いますが・・・」

「僕も、みーちゃんと同意見・・・」

 

すると花怜ちゃんが・・・

 

『はっ‼( ゚д゚)ハッ!』

 

花怜、閃いちゃった♪みたいに背を向けて外を見た。

まさかと思うけど・・・

 

『逸れろ~!、逸れろ~!(・ω・`人)』

 

やっぱし・・・

 

「「はぁ・・・」」

 

僕、みーちゃんは呆れるしかなかった・・・

すると、誰かの携帯の着信音が鳴った。

 

「絵里ちゃんだ・・・」

 

ほのちゃんの携帯からだったみたい。

絵里さん、どうしたんだろ?

 

「もしもし?」

『あ、穂乃果?。どう楽しんでる?』

「嫌味?」

 

あぁ、確か『シェー‼』って言ってる人だっけ?

そっちじゃないよね。

当たり前だけど・・・

 

『えっ、何が?』

「もぅ、いいよ!」

 

電話越しの声で絵里さんが、

困った表情しているのが想像できる。

 

「それでどうしたの?」

『今週末にあるイベントの件でね・・・』

 

話の内容を聞く限り、

僕達2年生組が修学旅行でいない間、

つまり代理のリーダーは誰がいいか提案して欲しい

との事・・・

 

「う~ん、誰がいいだろう?」

 

すると、ほのちゃんは

僕の方を見て・・・

 

「ゆうちゃんは誰が代理リーダーが適任だと思う?」

「僕が提案しちゃっていいの?」

「うん。」

 

いいのかな・・・?

代理リーダーで適任なのは・・・

 

(あっ・・・)

 

・・・いる。

今後の為にも適任な代理リーダーが・・・

 

「僕は凛ちゃんが適任だと思う・・・」

『花怜も凛ちゃんがリーダーに適任だと思う♪』

 

僕は念のため

ほのちゃんから携帯を借りて

絵里さんに、凛ちゃんがリーダーに適任な理由を

説明した。

すると絵里さんは・・・

 

『悠里くんは周りの事よく見てるわね』

「凛ちゃんが不安そうだったら花陽ちゃんと真姫ちゃんがフォローしてくれると思いますし・・・」

『じゃあ本人に伝えておくわね?』

「お願いします。」

 

僕は電話を切って、

携帯をほのちゃんに返した。

 

「・・・お腹、空いた」

『花怜も~・・・』

 

部屋にある時計を見ると

まだ7時30分にもなってなかった。

朝食の時間が8時なので、

あと30分も時間がある・・・

 

(さて何しようかな・・・?)

 

そんな事を考えた、

その時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

ほんの僅かだが

2階のフロアから殺気がしたので

僕は、すぐに部屋から飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんが血相を変えて

部屋から飛び出して行ったけど

どうしちゃったんだろ・・・?

追いかけなきゃと思い、ドアに向かおうと

すると・・・

 

『どこに行くつもり?』

 

花怜ちゃんの一言で止められた。

 

「ゆうちゃんが心配で・・・、その・・・」

 

なんとか言い訳しようと

思ったが花怜ちゃんの前では無駄だった。

 

『私が今の状況を観せてあげるから・・・』

 

そう言うと花怜ちゃんは

テーブルに向かい・・・

 

『穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん。

3人共、このテーブルに来て?』

 

花怜ちゃんの言う通りに

穂乃果達はテーブルに向かうと・・・

 

『今から、ゆうり君の視点を映像化するから

動かないでね?』

 

すると花怜ちゃんは

何処から取り出したのか懐中時計を

上に投げ・・・

 

立体映像化(ホログラムビジョン)、開始・・・』

 

と呟くと周りの背景が変わった。

そこには・・・

 

「ゆうちゃん?」

「私達、浮いてませんか?」

「ここって2階のフロアだよね?」

 

不思議な感覚だった。

下には、ゆうちゃんが居て

穂乃果達3人は空中に浮いていた。

 

『正確には穂乃果ちゃん達は部屋から動いてないの』

 

目の前に花怜ちゃんが現れ、

今の状況を説明してくれた。

 

「でも花怜、私達は浮いてますよ?」

『あー、分かりやすく言えば簡易的な思念体になってるって言えば分かる?』

 

海未ちゃんの疑問に花怜ちゃんは

答えたが、穂乃果もイマイチ分かんない・・・

 

『う~ん、穂乃果ちゃん達は今、映画鑑賞をしている

状況だって言えば分かりやすいかな?』

「ことりも、それなら分かるかも・・・」

 

そ、そうなんだ・・・

 

『あれ?、ゆうり君が今いる場所って・・・』

 

花怜ちゃんが疑問に思っていると

ゆうちゃんが・・・

 

「この辺で殺気が・・・」

「ここだぜ!、ここ!」

 

ゆうちゃんの目の前に現れたのは

左腕が無い、高校2年生くらいの男の人だった・・・

 

「・・・本当に生きてたんだ。」

「貴様を殺す為だけにな。今日は挨拶だ。」

 

今あの人。ゆ、ゆうちゃんを殺すって・・・

 

『海未ちゃんは誰だか覚えてるでしょ?』

「は、はい・・・」

「海未ちゃん大丈夫!?」

 

花怜ちゃんが海未ちゃんに聞いた時は

海未ちゃんは震えていた・・・

あの男の人を見た瞬間からだった・・・

 

「・・・あの時の死体はフェイクだったんだね」

「あれはマジで死ぬと思ったな」

「・・・どの口が言うか」

「貴様のお陰で俺は、片腕での生活をしなきゃならなくなった。」

「・・・で、用件は何?、そして帰れ」

 

ゆうちゃんの表情は

機械のように無表情で、目のハイライトは

無かった・・・

更に相手に対して口調も氷のように冷たかった。

 

「ちっ‼、落ちこぼれの分際で生意気な。まぁいい」

 

すると、ゆうちゃんに向かって・・・

 

「今夜の夜中の0時に海岸に来い!。来ない場合・・・」

「・・・行けばいいんでしょ」

 

ゆうちゃんの答えに満足したのか・・・

背を向け・・・

 

「せいぜい、最後の時間を楽しむ事だな!。貴様を殺すのは、この俺・・・」

 

そして高らかに・・・

 

九毛流一(くもうりゅういち)様だ‼、ハハハ‼」

 

それだけを言い残し、窓から飛び降り去って行った。

 

「・・・()()2()()()()()()()か。」

 

ゆうちゃんは、自分の右手を見ながら

そう呟いてた・・・

 

『ログアウト・・・』

 

花怜ちゃんが呟くと、周りの背景が変わり

穂乃果達は、部屋に戻ってた・・・

 

『海未ちゃん、大丈夫?』

 

花怜ちゃんが聞くと、海未ちゃんは何も言わず

黙ってるだけだった・・・

 

『重症みたいだね・・・』

「ねぇ、花怜ちゃん。あの男の人って・・・」

 

ことりちゃんが聞くと、花怜ちゃんは衝撃的な事を

言った・・・

 

『中学2年の時に権力を使って好き放題やって、

海未ちゃんを陥れて、更に弓道部の後輩達に酷い事した張本人だよ・・・』

 

そ、それって・・・

 

「ティアちゃんが言ってた・・・」

『ゆうり君に殺された筈の人。もう分かるでしょ?』

 

ゆうちゃんが中学2年生の時に

海未ちゃんを守る為に殺したって言ってた人!?

 

『ゆうり君、あの様子だと・・・』

 

花怜ちゃんは深刻そうな顔をしながら

考えていた・・・

 

(ゆうちゃん・・・)

 

穂乃果達は、ただ黙っているしか

できなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




『過去の真相編・海未編』で悠里に断罪された筈の
人間が実は生きていたという回でした。
次回も暗い内容になりそうですが
よろしくお願いします。


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第72話 約束・・・

ゆるポメラです。
サブタイに悩んだ結果、
こんな感じになってしまいました。
今回は、かなり暗い内容です。

それではどうぞ。



部屋に戻ると

ほのちゃん達の様子がおかしかった・・・

 

(今は声をかけない方がいいかな・・・)

 

何となくだが

そう思った・・・

 

『ゆうり君・・・』

「・・・後で話すよ」

『うん・・・』

 

花怜ちゃんに

話しかけられたので

僕は、後で説明すると言った。

 

(・・・あの時と同じ雨か)

 

僕は外の天気を見ながら

憂鬱な気分になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side花怜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうり君の事も心配だけど

穂乃果ちゃん達も心配だなぁ・・・

 

(朝食の時も元気なかったし・・・)

 

特に海未ちゃんは顔色が悪かった。

だって当事者の一人なんだもの・・・

 

私は今、2階のテラスで外を眺めてるけど

相変わらずの雨。

 

「どうしたの?、そんな顔して・・・」

 

いつの間にか隣に、ゆうり君がいた。

 

『ゆうり君が一番辛いんじゃないの?』

「・・・泣き言なんて言ってられないし」

『バカ・・・』

 

強がり的な事を言ってるけど

実際に本当は辛い筈。

ゆうり君の表情は目が虚ろになっていた。

周りの人は気づかないけど、

この表情をしている時は、

泣きたいくらい辛いって意味だという事は

花怜しか知らない・・・

 

『どうする気なの?』

「・・・花怜ちゃんは分かってるでしょ?」

 

決着をつける為に

ゆうり君が1人で行く事は分かってる。

それはつまり・・・

 

『私は行かない方がいいんだよね・・・』

「・・・ほのちゃん達をお願い」

 

ゆうり君は穂乃果ちゃん達を

巻き込みたくないから・・・

 

『あと3時間だね・・・』

「・・・うん」

 

私が、そう言うと

ゆうり君は背を向け・・・

 

「・・・行ってくるね。生きて帰れるか分かんないけど・・・」

『私は、ゆうり君の味方だからね?』

 

花怜が言うと、ゆうり君は・・・

 

「うん、ありがと・・・」

 

そう言い残し去って行った・・・

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、少し早いけど

行こうかなと思ったら・・・

 

「・・・ことちゃん?」

 

ことちゃんが部屋の前にいた。

僕が近くにいるのも気づいてない

みたいなので・・・

 

「ことちゃん・・・」

「あ、ゆーくん・・・」

 

声をかけてみたけど

やっぱり元気がなかった・・・

 

「ゆーくん、行っちゃうの・・・?」

「うん・・・」

「イヤッ‼、行かないでっ‼」

 

ことちゃんは泣きながら

僕に抱きついてきた・・・

 

「ゆーくん、死んじゃイヤだよぉ・・・」

「まぁ、生きて帰れるかは・・・」

「じゃあ、約束して・・・?」

 

そう言うと

ことちゃんは自分の付けてるリボンを

取り・・・

 

「ことりのリボン、ゆーくんに預けるから帰ってきたら、ちゃんと返してね?」

 

渡されたのは緑色のリボン・・・

ことちゃんを見ると、涙目になりながらも

天使のような笑顔で笑ってた・・・

 

「・・・ん。分かった、約束する」

「ことり、待ってるから・・・」

 

それだけ言うと、

ことちゃんは部屋に入って行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー2階フロア・エントランスーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このフロアを出て行くと

1階に向かうエスカレーターがある。

僕がフロアを出ようとした時・・・

 

「悠里君・・・」

 

みーちゃんに声をかけられた。

 

「・・・どうしたの?」

「本当に行ってしまうんですか・・・?」

 

みーちゃんの表情が暗い。

多分、自分のせいって考えてるな・・・

 

「みーちゃんは悪くないよ、悪いのは・・・」

 

『僕だ』って言おうとした瞬間、

みーちゃんが抱きついてきた・・・

 

「わ、私が悪いんです。だって悠里君が・・・」

「みーちゃんのせいじゃないよ・・・」

 

僕の胸の中で泣いてる

みーちゃんを慰めると・・・

 

「じゃあ約束してください・・・」

 

みーちゃんは泣き止むと、ポケットから

何かを取り出した・・・

それは、作詞用の万年筆だった・・・

 

「悠里君に預けますから、帰ってきたら返して

くださいね・・・?」

 

みーちゃんは少し涙目になりながらも

僕の事を信じて渡してくれた・・・

だったら僕は・・・

 

「・・・必ず返すよ」

「無茶だけはしないでくださいね・・・?」

 

笑顔で言うと、

みーちゃんは部屋に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー1階・エントランスーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外は小雨だけど

何とか大丈夫そうだ・・・

僕が外に出ると・・・

 

「ゆうちゃん‼」

 

ほのちゃんが息切れをしながら

僕のところに来た・・・

もしかして走ってきたのかな・・・?

 

「行っちゃ、いやだ・・・」

「ほのちゃ・・・」

 

振り向こうとしたら

ほのちゃんが後ろから抱きついてきた・・・

背中越しから、啜り泣く声が聞こえた。

 

「ゆ、うちゃん、行っちゃ、いやだよぉ‼」

「ほのちゃん達を巻き込みたくないから・・・」

「じゃ、じゃあ約束して・・・?」

 

ほのちゃんは僕に

キーホルダーみたいな物を渡してきた。

しかもこれ・・・

 

「ほのちゃんが昔、作ったやつだよね・・・?」

 

そのキーホルダーは、小さい頃に花怜ちゃんと

2人で作った手作りのキーホルダーだった。

オレンジ色のガラス玉を削って太陽の形をした、

不思議なキーホルダー・・・

 

「穂乃果の大事な物だから、帰ってきたら

ちゃんと返してよ・・・?」

 

ほのちゃんは太陽のような笑顔で

僕に言った・・・

 

「うん、分かった・・・」

「・・・絶対、だよ?。穂乃果、待ってるから」

 

そう言うと、ほのちゃんは

みーちゃん達がいる部屋に向かって行った。

 

「・・・最初で最後の『思い出の武器』か」

 

僕は、みーちゃんの万年筆に

ほのちゃんのキーホルダーを付け、

更に右手首に、ことちゃんのリボンを付けた。

 

「約束だから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー海岸ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海岸に着くと九毛が既にいた。

 

「やっと来たな、落ちこぼれ!」

「・・・」

「だんまりか。まあいい!、この時を待っていた‼」

 

夜中なのに叫ぶとか

あり得ないんだけど・・・

 

(雨が降ってるから関係ないのか・・・)

 

僕が考えていると

九毛はサーベルを取り出した。

 

「こいつは、ただの武器じゃねえぜ?」

 

自分から仕込み型の武器って暴露するとか

バカじゃないの?

あぁ、元からか・・・

 

「死ねっ‼」

 

九毛がサーベルを振るうと

砂浜にあった貝殻が溶けた・・・

 

(刀身に毒が塗ってあるタイプか・・・)

 

避けながら僕は

九毛の武器を分析した・・・

 

「貴様は丸腰、いい気味だぜぇ‼」

 

高笑いしながら僕を追い詰める九毛・・・

気づけば僕は海岸の崖まで追いつめられてた。

 

「水無月、遺言くらいは聞いてやるぜ?」

「・・・誰がするか」

「オイオイ、死ねのはテメェなんだぜ?」

 

なんで僕がわざわざ

海岸の崖まで()()()()()()()()()()をしたと

も気づかないなんて・・・

調子に乗りすぎなんだよ・・・

 

「な、何だよ!?。その()()()は!?」

 

九毛は、みーちゃんの万年筆が()に見えるみたいだね。

更に、ほのちゃんのキーホルダーの音が鳴ると・・・

 

「く、()()だと・・・!?」

「さっきまでの威勢は、どうしたのさ?」

「き、貴様‼。な、何をした!?」

 

そして僕は、ことちゃんのリボンを九毛に

見えるようにすると・・・

 

「ひっ!?、へ、蛇だと!?」

「どうしたの?、僕を殺すんじゃなかったの?」

「く、来るな!?」

 

立場が逆転し、僕が九毛を崖に追い詰めた・・・

九毛からすれば、鉈と鎖鎌を持ち、更に毒蛇を

引き連れたように見えるだろう・・・

 

「た、助けてくれ!?」

「前にも言ったよね?、それ・・・」

「わ、分かった‼、もう関わらないから許してくれ」

 

こいつは、今なんて言った・・・?

殺し屋を雇っておいて、許せだと・・・?

 

「なっ?、悪い話じゃないだろ!?」

 

僕は九毛に無言で近づき・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーザシュ‼ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かはっ・・・!?」

 

九毛の首の頸動脈を切り裂き

海の底へ落下させた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕を殺したいんなら、中途半端な覚悟で来るなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして僕は

宿に戻り、花怜ちゃんと合流し

部屋に戻ると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「お帰り!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん

は泣きながらも笑顔で僕の事を待っててくれた。

だから僕は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約束、守れたかな・・・?

 

『もぅ、当たり前でしょ?』

 

隣で花怜ちゃんが

微笑みながら僕に言った・・・

 

 

 

 

 




今回は、九毛との決着をつけさせました。
なんか短くて申し訳ありません・・・
次回も、よろしくお願いします。


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第73話 修学旅行 3日目

ゆるポメラです。
今回は少し短いかもしれません。
内容は、穂乃果ちゃんが嫉妬する
描写を執筆してみました。
なので上手く表現できているか不安です・・・

誰に嫉妬するんでしょうね?
今回は、そんな内容です。

それではどうぞ。





修学旅行も、今日を入れて

あと3日になった。

本当だったら、明日が最終日だったんだけど

台風の影響で飛行機が欠航になってしまった為

帰るのは、明後日になった。

 

「今日も雨だしなぁ・・・」

 

僕は今、2階のテラスにいるんだけど

外を見ても相変わらずの雨・・・

 

(みんな、元気かなぁ・・・)

 

ふと思い出したのは、

僕が中学を卒業し、

花怜ちゃん達5人で旅行に行った時・・・

静岡県の沼津市、内浦で出会った

僕にとっては妹のような子達・・・

 

「・・・まぁ、元気だと思うけどさ」

 

特に、()()()

ほのちゃん並に明るい・・・

僕が、そんな事を考えていると・・・

 

「ゆーうちゃん♪」

「あ。ほのちゃん・・・」

 

上機嫌な声で僕の隣に

ほのちゃんが来た・・・

 

「・・・機嫌がいいね?、どうしたの?」

「えへへ///。何でもないよ///」

 

ほのちゃん、本当にどうしたんだろ?

今日も雨だから不機嫌なのかなぁと思ってたけど・・・

 

「えへへ~♪」

「・・・なんで僕の腕を組むの?」

「ゆうちゃんは嫌・・・?」

 

僕が素朴な疑問を言ったら

ほのちゃんは上目づかいになりながら

聞き返してきた・・・

 

「・・・嫌じゃないよ。ただ疑問に思っただけ」

 

僕が答えると

ほのちゃんは目を輝かせながら

コアラみたいにくっ付いてきた。

やれやれ・・・

 

(ほのちゃんは嫌じゃないのかな・・・)

 

未だに雨が降っている空を

見上げていると

僕の携帯の着信音が鳴った・・・

 

「ゆうちゃん、携帯鳴ってるよ?」

「・・・うん。誰だろ?」

 

携帯の画面を見ると珍しい

あの子からの着信だった・・・

とりあえず・・・

 

「ほのちゃん、電話に出ても大丈夫・・・?」

「穂乃果は大丈夫だよ!」

 

ほのちゃんに一言断りを入れ

電話に出る事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんの隣で

穂乃果は電話が終わるのを待つ事にした。

 

「・・・もしもし?」

『あ!。悠里おにーちゃん、電話かけて大丈夫だった?』

 

誰なんだろう・・・?

声を聞いた感じ、女の子みたいだけど・・・

 

「・・・大丈夫だよ。どうしたの()()ちゃん?」

『だって最近、連絡くれなかったから・・・』

「・・・ゴメンね、そんなに拗ねないで?」

『す、拗ねてないもん!!』

 

ゆうちゃんの表情を

見ると凄く楽しそうだった・・・

むぅ・・・

 

「今日は旅館のお手伝いだったの?」

『うん!。悠里おにーちゃんは?』

「修学旅行で沖縄に来てるんだ・・・」

『沖縄!?、いいなぁ・・・』

「・・・でも現在、台風の中の雨なんだよ」

『こっちは風が強い程度で、雨は降ってないよ?』

「・・・うわぁ。羨ましい」

『あ、お土産お願いしてもいいかな・・・?』

「・・・元々買う予定だったしね。何がいい?」

 

ゆうちゃん、優しいなぁ・・・

でも・・・

 

(ゆうちゃんが穂乃果の知らない女の子と話してるとこなんて・・・)

 

うぅ~・・・

隣で聞いてるだけでモヤモヤするよぉー!

 

『悠里おにーちゃんが選んでくれる物なら何でもいいよ!』

「・・・花怜ちゃんにも同じ事言われたんだけど?」

『だって、いつも私が喜ぶ物を選んでくれるんだもん♪』

「・・・過度な期待はしないでね?」

『はあい♪。また連絡するね?』

「・・・うん、またね。」

 

そう言うと、

ゆうちゃんは電話を切った。

 

「・・・長電話になってゴメンね?」

「むぅ・・・」

「ほのちゃん・・・?」

 

いいもん!

だったら穂乃果だって・・・!

 

「・・・本当にどうしたの?」

 

ゆうちゃんに抱きつきながら

さっきの女の子について聞いてみる・・・

 

「さっきの女の子、誰なの?」

「・・・静岡にいる知り合いだよ?」

「だって、ゆうちゃんの事『おにーちゃん』って・・・」

「・・・妹のような子だよ?」

「本当?」

「・・・うん。僕、嘘は苦手だしね」

 

不安になりながら聞くと

ゆうちゃんは安心させるような笑顔で

穂乃果に言ってくれた・・・

 

「じゃあ頭、撫で撫でして?」

「・・・えっ、なんで?」

「してくれなきゃ許さないもん・・・」

「・・・僕、何かした?」

「したもん・・・」

 

知らない女の子と電話で話してるのを

聞くだけで嫉妬しちゃうなんて・・・

 

(それだけ、ゆうちゃんの事が好きなんだろうなぁ・・・)

 

「・・・ほのちゃん、これでいいの?」

「えへへ・・・///」

 

ゆうちゃんに撫でてもらうと

安心するなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ゆうちゃんはもう、1人じゃないんだよ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(いつも穂乃果は、ゆうちゃんと一緒にいるからね・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心の声で、

そう伝えた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




穂乃果が嫉妬する描写を
上手く表現できたかは不安で一杯ですが
自分なりに頑張ってみました。
今後も感情表現の描写が上手くできるよう
努力していきたいと思います。
お気づきの方もいるかも知れませんが
悠里と電話で会話をしていた相手は・・・

はい。あの子です・・・

次回もよろしくお願いします。




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第74話 修学旅行 最終日

ゆるポメラです。
今回で『新しいわたし』の回は
最後になります。
少し短いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。




太陽の光が部屋に差し込み

自然と目が覚める・・・

 

「もう朝なのか・・・」

 

未だに頭がボーっとするので

眠気が覚めるまで思考を落ち着かせてると・・・

 

『ゆうり君、おっはよー♪』

「・・・うん。おはよ」

 

あれ・・・?

花怜ちゃん、朝は苦手なんじゃなかったっけ?

僕の言いたい事が顔に出ていたのか・・・

 

『今日は最終日だから、昨日は早めに寝てたの』

「だからなんだ・・・」

 

昨日の夜・・・

時間は確か、21時だったかな・・・

その時間になった途端、珍しく花怜ちゃんが

寝ちゃったんだよね・・・

みーちゃんですら驚いてた・・・

 

「・・・今日は晴れて良かったね」

『穂乃果ちゃんと2人で、てるてる坊主を作って正解だったよ♪』

「・・・作ってたんだね」

『ちなみに、あそこに吊るしてあるよ?』

 

花怜ちゃんが指差す方を見てみると

そこには、てるてる坊主が5体くらい

吊るしてあった・・・

 

「・・・今、何時?」

『そうだねー、だいたいねー・・・』

「・・・あ、7時30分みたいだね?」

『朝食の時間は、8時30分みたいだね』

「・・・そうだっけ?」

『修学旅行の最終日、"あるある"ってやつだよ』

「・・・それなら分かる」

 

ちなみに今日は、

修学旅行最終日だから

せめて今日くらいは

楽しもうかなぁと考えている・・・

 

『穂乃果ちゃん達まだ寝てるね・・・』

「・・・起こす?」

『海未ちゃんですら起きる気配がないしね・・・』

「・・・どんな夢見てるんだろうね?」

『表情を見る限り、幸せそうな夢なのは確かだね』

「・・・確かに」

 

花怜ちゃんの言う通り、

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんの表情は

凄く幸せそうだった・・・

3人共、「えへへ~」とか言ってるしね・・・

 

「とりあえず起こそうか・・・」

『誰から起こすの?』

「位置的な問題で、ことちゃんからかな・・・」

 

2つ設置してある2段ベットの内の片方・・・

つまり僕が寝ていた上の段では

ことちゃんが寝ているので起こす事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりは今凄く幸せな夢を見てます。

それは・・・

 

『ただいまー・・・』

 

声が聞こえたので

ことりは玄関に向かってました。

ドアが開き帰ってきたのは

大人になった、ゆーくんでした。

こ、これってもしかして・・・

 

(ゆ、ゆーくんの、お、お嫁さんになってる!?)

 

夢とはいえ、

ことりのドキドキは止まりません・・・

 

『ことちゃん、どうしたの?』

『な、なんでもないよぉ・・・///』

 

大人になってる

ゆーくんは、前髪が少し伸びていて

より大人っぽくて凄くカッコイイ・・・///

 

『パパー♪、お帰りー♪』

『ただいま、ゆとり』

 

今度は、あの日に出会った

ゆとりちゃんが、駆け寄ってきた。

 

『ママね?、パパが早く帰って来ないか待ってたんだよ?』

『・・・そうなの?』

『う~///、だって寂しかったんだもん・・・』

 

ことり、何を言ってるんだろ・・・///

見てて恥ずかしいよぉ・・・///

 

『ことちゃん、目を閉じて?』

『う、うん///』

 

ちょ、ちょっと待って!?

こ、このパターンってもしかして・・・///

 

(あれ?、なんか急に眠く・・・)

 

夢の時間が終わりを告げ、

再び目を開けると・・・

 

「・・・あ、起きた?」

「ちゅん!?///」

 

ゆーくんが目の前にいました。

急だったのでビックリしちゃった・・・

 

「・・・起きたみたいだし、みーちゃんを起こしてくるね?」

「う、うん・・・///」

 

そう言うと

ゆーくんは海未ちゃんが寝てるベットに

向かいました・・・

 

(ま、また同じ夢が見れるといいな・・・///)

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は今幸せな夢を見てます。

それは・・・

 

『この服でいいのでしょうか・・・』

 

どうやら鏡に映っていたのは、

大人になった自分でした・・・

これから何処かに出かけるのでしょうか?

 

『でも似合わないって言われたら・・・』

 

自分を褒めるのもどうかと思うのですけど

大人の私が今着ている服は

私らしさが凄く輝いてるように見えた・・・

 

(卑屈になってますね。大人の私・・・)

 

『お母様、入ってもいいですか?』

 

え?、この声って・・・

 

『は、はい。入っていいですよ、里海』

 

部屋に入ってきたのは

あの時に出会った里海ちゃんでした・・・

 

『お母様、綺麗・・・』

『あ、ありがとう///。里海も似合ってますよ?』

『そ、そんなことないですぅ・・・///』

 

やっぱり里海ちゃんの仕草は

可愛いです・・・

 

『2人共、似合ってるよ?』

『ゆ、悠里君!?///』

『お父様!』

 

里海ちゃんに続いて部屋に入ってきたのは

大人になった悠里君でした。

あ、あの。この夢はも、もしかして・・・

 

(ゆ、悠里君の、お嫁さんになってます!?)

 

『里海は玄関で待ってますね?』

『転ばないように気をつけるんだよ?』

『はい!』

 

里海ちゃんは笑顔で

部屋から出て行きました・・・

 

『あ、あの悠里君・・・///』

『みーちゃん、どうしたの?』

 

大人になった悠里君は

凄く凛々しくて素敵でした・・・///

 

『ちょっとだけ目を閉じててください・・・///』

『これでいい?』

『はい///。そのまま・・・///』

 

ま、待ってください!?

わ、私は一体、悠里君に何をする気なんですか!?///

 

(なんでしょう?。急に眠く・・・)

 

夢の時間が終わりを告げ、

私は再び目を開けると・・・

 

「・・・おはよ。みーちゃん」

「えっ!?///」

 

悠里君が目の前にいました。

いきなりだったので驚いてしまいました・・・

 

「・・・あ。ほのちゃんを起こしてくるから」

「は、はい・・・///」

 

そう言うと悠里君は

穂乃果が寝ているベットに向かいました・・・

 

(また同じ夢を見てみたいです・・・///)

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果は今凄く幸せな夢を見ている。

それは・・・

 

『あ。ゆうちゃん・・・』

『ほのちゃん、起きたんだ?』

 

夢の中だけど

まず最初に目が合ったのは

大人になった、ゆうちゃんだった。

 

『昨日まで、お店の手伝いをした疲労がきたんだよ』

『そっか、穂乃果それで・・・』

『全く、ほのちゃんは無理するんだから・・・』

『それは、ゆうちゃんもでしょ・・・』

 

穂乃果は、ゆうちゃんに

膝枕をされてたみたい・・・

あれ?。てことは・・・

 

『お母さんー!』

 

穂乃果の部屋に入ってきたのは、

あの日に出会った悠乃果ちゃんだった。

 

『もう!!。悠乃果、心配したんだよ!?』

『ほのちゃんが起きるまで一緒にいるって言ってたんだよ?』

『ご、ごめんなさい・・・』

 

でも穂乃果が見てる夢って

もしかして・・・

 

(ゆ、ゆうちゃんの、お、お嫁さんに!?///)

 

『お父さん、お母さん顔が真っ赤だよ?』

『ほのちゃん熱があるんじゃ・・・』

 

ゆうちゃんが心配そうな顔になりながら

穂乃果の額に手を当ててきた・・・

ち、近い・・・///

 

『悠乃果、体温計を下から持ってきてもらってもいい?』

『うん、分かったー』

 

悠乃果ちゃんは

トテトテと部屋から出て

下に降りて行った・・・

 

『ほのちゃん、何かして欲しい事ある?』

 

ど、どうしよう・・・///

夢とはいえ、大人になった

ゆうちゃんは凄くカッコイイ・・・///

 

『あ、あのね・・・///』

 

穂乃果は一体、な、何を・・・!?

 

『ゆうちゃん、目を閉じて?』

 

ちょっ!?、ちょっと待ってよ!?///

ほ、穂乃果、心の準備が・・・!?///

 

(あ、あれ?。また眠くなって・・・)

 

夢の時間が終わりを告げて、

再び目を開けると・・・

 

「・・・お目覚め?」

「ゆ、ゆうちゃん!?///」

 

ゆうちゃんが穂乃果の

目の前にいたから驚いちゃった・・・

 

「・・・みんな起きたみたいだし朝ご飯食べに行こ?」

「う、うん・・・///」

 

そう言うと、

ゆうちゃんは部屋から

出て行った・・・

 

(えへへ///、また同じ夢が見れると嬉しいな・・・///)

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして僕達は、

海に行ってバナナボートみたいのに

乗ったり、

沖縄の水族館に行ったりした。

 

「ゆうちゃん、早く早く!」

『置いてくよー?』

 

ほのちゃん、花怜ちゃんは

僕達3人に早く来るように

はしゃいでいた・・・

 

(楽しいって思えたの何年ぶりだろう・・・)

 

僕にとって修学旅行は

嫌な思い出しかなかったけど・・・

今は・・・

 

 

「悠里君、早く行きましょう♪」

「ゆーくん、時間は有限なんだから♪」

 

 

凄く・・・

 

 

 

「うん。行こうか・・・」

 

 

 

 

 

 

楽しい一生の思い出・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で2期第5話は終了です。
ちょっと強引な終わり方になって
しまいました・・・
次回は、2期第6話『ハッピーハロウィーン』の回
を執筆したいと思います。

次回もよろしくお願いします。


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第75話 ハロウィン

ゆるポメラです。
今回から、2期第6話『ハッピーハロウィーン』の回です。
"ハロウィン"という事なので、オリジナル要素も入れて
みようかなと思ってますので
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


「・・・はぁ」

 

11月になると、

僕は複雑な気分になる。

理由は後で説明するけど・・・

 

「ハロウィンかぁ・・・」

 

放課後に用事を済ませ僕は、

ほのちゃん達が待っている場所に

向かってるんだけど、

秋葉は今、ハロウィン一色だ。

僕も忘れてたんだけどね・・・

 

「梨子ちゃんに言われるまで忘れてたとは・・・」

 

あの時は確か・・・

修学旅行から帰って来た後に、

お土産を渡しに梨子ちゃんの家に行った時である・・・

 

 

 

 

 

ーー回想ーー

 

 

 

 

 

『悠里お兄ちゃん、そろそろハロウィンの時期だね』

『・・・そうだっけ?』

『もう11月だよ?』

『・・・時の流れが早く感じるよ』

『そ、そういえば今年も例のイベントやるの?』

『まだ分からないけど、僕はやりたいなぁって・・・』

『決まったら教えてね。私、絶対に観に行くから!』

『うん。分かった・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、こんな感じのやりとりがあったんだ。

あ、千歌ちゃん達の分は郵便局に行って

届けてもらうように手続きはしたよ?

でもどうしよう・・・

梨子ちゃん、凄く楽しみにしてるみたいだし・・・

 

「・・・南先生に相談してみようかな」

 

僕が考えていると・・・

 

「悠里君?」

 

誰かに呼ばれた気がしたので

声がした方を見ると、

みーちゃん、ことちゃんだった。

 

「・・・ほのちゃんと一緒じゃないの?」

「それがね・・・」

 

ことちゃん曰く、

今日も生徒会の仕事があったんだけど、

ほのちゃんが来なくて

結局2人だけで今日の分を終わらせて

今に至るとの事・・・

ほのちゃん、忘れてたの?

 

「あの、悠里君は何してたんですか?」

「・・・ハロウィンだから色々ね」

「ゆーくん、色々って?」

「・・・着いたら話すよ。」

 

で僕達3人は、

ほのちゃん達がいるハンバーガー店に着き

中に入ると、ほのちゃん達を見つけた。

すると・・・

 

「真姫ちゃん、これからはインパクトだよ!」

「ところで穂乃果、こんなとこにいていいの?」

「生徒会長の仕事は?」

「・・・あっ!?」

 

真姫ちゃんと花陽ちゃんの言葉に、

ほのちゃんは「ど、どうしよう!?」という

表情をしていた・・・

 

「ごきげんよう」

「さ、捜したんだよ・・・」

 

すると、みーちゃんは

笑顔になった・・・

あ、これは怒ってるよ・・・

 

「へぇ~・・・。これからは"インパクト"なんですね?」

「あ、あはは・・・。こ、こんなインパクトいらない・・・」

 

この後、ほのちゃんは

みーちゃんから、お説教をされた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未ちゃんが穂乃果ちゃんを

お説教している間、

私は、ゆーくんと2人で

絵里ちゃんからハロウィンイベントの

内容を聞いてました。

なんでも、私達μ'sに出演依頼がきたとの事・・・

すると、ゆーくんが・・・

 

「・・・絵里さん、そのチラシ見てもいいですか?」

「ええ。いいわよ、はい。」

「・・・どうもです」

 

絵里ちゃんからチラシを受け取ると

ゆーくんは真剣な表情で見ていました。

 

「・・・これって、最終日に歌うって事?」

「そ、うみたいだね・・・」

 

ことりも隣で見ていたのですが

イベントの最終日にμ'sだけじゃなく

A-RISEも歌うとの事・・・

 

「ま、最終日の前日にすればいいか・・・」

「ゆーくん?」

「練習は昼休みと、放課後にすれば・・・」

 

ゆーくんがイベントのチラシを見ながら

何かを呟き始めました・・・

穂乃果ちゃんと海未ちゃんも気になったのか・・・

 

「ゆうちゃん?」

「悠里君どうしたんですか?」

「・・・えっ、何が?」

「ゆーくん、何か呟いてたから・・・」

「えっとね・・・」

 

ゆーくんは自分の鞄の中から

1枚のチラシを取り出し、

ことり達に見えるように広げました。

そこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月ノ丘高等学院(つきのおかこうとうがくいん)ハロウィン祭』

 

 

 

 

 

 

 

 

と書かれてました。

 

「・・・僕が音ノ木坂に転入する前の高校だよ」

 

えっ!?、そうなの!?

じゃあこの学校が瑠菜ちゃんとティアちゃんが

通ってる高校なんだね・・・

 

「これと何の関係があるんですか?」

 

海未ちゃんの疑問に

ゆーくんは・・・

 

「毎年、色んな人が来るんだけど各クラス何か催しをするんだ・・・」

「ゆうちゃん、催しって?」

「・・・簡単に言えば、屋台を出したりする事だよ」

「ほぇ~。なんか凄いね・・・」

「話を戻すと、去年もなんだけど瑠花さんに頼まれたんだ・・・」

 

瑠菜ちゃんのお母さんって理事長だよね・・・

でも一体・・・

 

「ゆーくん、何を頼まれたの?」

「その、ね・・・」

 

ゆーくんは言いづらそうに

渋っていました。

どうしたんだろう・・・?

ゆーくんは深呼吸をしたあと・・・

 

()()()をして欲しいって頼まれたんだ・・・」

 

・・・えっ?

 

「「「「「「「「「ええええっっっ!?」」」」」」」」」

 

ゆーくんの衝撃的な一言に

ことり達は大声を上げてしまいました・・・

 

「ゆうちゃんが歌うの!?」

「歌ったり踊ったりもするけど・・・」

「悠里君が1人でやるんですか!?」

「・・・僕1人だけじゃないよ?」

「じゃあ誰と?」

 

ことりが聞くと・・・

 

「花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃん、未柚ちゃんの5人でだよ?」

「未柚ちゃんも!?」

 

み、未柚ちゃんって中学2年生の筈だよね・・・

 

「そろそろ4人共、ここに来る筈だけど・・・」

 

ゆーくんが言った瞬間・・・

 

「ゆうくん~、来たよ~」

「ユーリ、お疲れ様」

「悠里お兄様、遅れてすみません・・・」

 

瑠菜ちゃん、ティアちゃん、未柚ちゃんが

やって来ました。

 

「そちらの皆さんは初めてですね。神無月未柚です」

 

未柚ちゃんが絵里ちゃん達3年生と

凛ちゃん達1年生に挨拶をすると・・・

 

「「「「「「は、初めまして・・・」」」」」」

 

未柚ちゃんの特有のオーラにやられたのか

畏まって挨拶をしてました・・・

 

「な、なんか大人っぽいにゃ・・・」

「う、うん・・・」

「何故か敬語を使ってしまうわ・・・」

「ウチ、この子からスピリチュアルなオーラを感じるわ・・・」

「ハ、ハラショー・・・」

「なんでかしらね・・・」

 

あはは・・・

初めて未柚ちゃんに会う人は

そうなるよね・・・

実際、私と穂乃果ちゃんも

同じ反応してたし・・・

 

「ルーちゃん、花怜ちゃんは?」

「花怜ちゃんならジュース頼んでるよ~」

 

あれ?

花怜ちゃんって思念体の筈じゃあ・・・

穂乃果ちゃんと海未ちゃんも疑問に

思いながら考えてると・・・

 

「ゆうり君、お待たせー♪」

 

花怜ちゃんが()()のまま

こっちにやって来た。

・・・えっ!?

 

「か、花怜ちゃん!?」

「穂乃果ちゃん、どうしたの?」

「花怜あなた、思念体じゃなかったんですか!?」

 

穂乃果ちゃん、海未ちゃんは困惑しながら

花怜ちゃんに問いかけていた。

正直、ことりもビックリしてます・・・

 

「私が実体でいられる理由は、ハロウィンだからね♪」

「花怜お姉さま、説明がアバウト過ぎます・・・」

「カレン、そこに座りなさい」

「なんでー!?」

「まあまあ、ティアちゃん・・・」

「ルナはカレンに甘すぎよ!!」

「えへへ・・・」

「ゆうり君、助けてー・・・」

「ユーリに助けを求めないの!!」

 

すると未柚ちゃんが・・・

 

「すみません。未柚から説明しますので・・・」

「えっと、花怜ちゃんの事は・・・」

「穂乃果先輩、スルーしていいですよ」

「しかも放置かにゃ!?」

「凛先輩、いつもの事なので気にしないでください」

 

未柚ちゃんが言うと

何か説得力がある・・・

 

「では花怜お姉さまが実体を保ってる事についてですが・・・」

 

そう言うと未柚ちゃんは説明を始めた・・・

簡単に言うと、ハロウィンとは亡くなった人と

再び出会えるものらしい・・・

 

「未柚が知ってるのは、これくらいですね」

「カレンの家族もハロウィンの期間だけ思念体として生きてるわよ」

 

未柚ちゃんの説明にティアちゃんが

補足説明をしてくれた。

でもある事に気づいた・・・

 

「瑠菜ちゃん。もしかして、ゆーくんの家族も・・・」

「うん~。ハロウィン限定だけど思念体として生きてるよ~」

「母さん、明日あたりに南先生に会いに行くって言ってた・・・」

「お母さんに?」

「うん・・・」

 

ゆーくんのお母さんを見たのは

小さい頃以来だからなぁ・・・

明日、もしかしたら会えるかな?

 

「あ、ライブの件なんだけど・・・」

「私は、ゆうり君に合わせるよ?」

「わたしも~、ゆうくんに合わせるよ~」

「私もユーリに合わせるわよ」

「未柚も悠里お兄様に合わせます」

「じゃあ、秋葉のハロウィンイベント最終日の前日に

ライブをする形にしようか・・・」

 

話が終わると、

ゆーくんは、ことり達を見て・・・

 

「・・・良ければ、ライブ観に来る?」

 

ことりは、穂乃果ちゃんと海未ちゃんの

顔を見ると2人も同じだった。

 

「「「観に行きたい!!」」」

 

他のみんなも

同じく観に行きたいという反応だった。

するとティアちゃんが・・・

 

「ユーリ、衣装はどうするの?」

「早めに考えるよ・・・」

「悠里お兄様。練習する場所はどうしますか?」

「神田明神か、南先生の許可を貰って音ノ木坂の屋上かな・・・」

 

ゆーくんの表情は、

楽しそうな顔だった。

だけど・・・

 

(作り笑顔に見えるのは、なんでだろう・・・)

 

寂しさだけが

ことりの中では残っていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は悠里達オリキャラ5人が
ライブを計画するという内容でした。
次回は悠里の母親を出そうと考えてます。
頑張って執筆しますので、
よろしくお願いします。


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第76話 水無月藍里

ゆるポメラです。
今日、録画した『サンシャイン!』
を見てました。
みんな可愛いですね!
第2話が楽しみです。
さて、今回の話は前回の予告通り
悠里の母親が出てきます。

それではどうぞ。



ハロウィンイベントの件で

僕が転入前の高校でライブをする

とμ'sのみんなに教えた数日後・・・

 

「うーん。インパクト、インパクト・・・」

「いきなり路線変更するのは無理がある気が・・・」

「でもそれって新しさって事だよね」

「・・・まぁ。難しいと思うよ?」

 

僕達4人は中庭で

昼食を食べている時の事。

なんかA-RISEよりも印象に残らないと

いけないとの事・・・

 

「・・・こんな時、母さんなら解決策を出してそうだし」

「「「えっ?」」」

 

僕がポツリと言った瞬間、

ほのちゃん達は僕の方を見てきた。

 

「母さん、昔から発想力が凄くてさ・・・」

「ことり、何となく分かるかも・・・」

「確かに悠里君のお母様だったら納得です・・・」

「ゆうちゃんのお母さん、色々凄いもんね・・・」

 

そう言えば小さい頃に、

ほのちゃん達は、母さんの発想力を

間近で見てたよね・・・

 

「結局、昨日も来なかったし・・・」

「家にも戻ってないんですか?」

「来るとは言ってたんだけどね・・・」

「ゆうちゃんの事が心配で学校まで来たりして」

 

ほのちゃんが、そう言った瞬間・・・

 

『悠里ぃ~!!』

 

聞き覚えがある声だなぁと思った時、

僕は何かに抱きつかれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、ことり達3人は

ゆーくんが誰かに抱きつかれてる

光景を見て唖然としてました・・・

 

『すっかり大きくなって♪、()()()嬉しいわ♪』

「・・・苦しいから離れてよ」

『む、息子に拒否られた・・・』

 

その人は、ゆーくんの一言に

体育座りをしながら落ち込み始めました。

よく見ると特徴的なのが、腰まで伸びた

綺麗なロングヘアー、

そして髪の先端にリボンを

付けていました・・・

え!?。ちょ、ちょっと待って!?

こ、この人もしかして・・・

 

「「「あ、藍里さん!?」」」

『誰か私の事、呼んだ・・・?』

 

私と穂乃果ちゃん、海未ちゃんは

驚きを隠せなかった・・・

ゆーくんがハロウィンだから来るって

言ってたけど、まさか本当に会えるなんて

思わなかったから・・・

すると半泣きになってた藍里さんは、

ことり達を見るなり・・・

 

『ことりちゃんに穂乃果ちゃんに海未ちゃんじゃない♪』

 

笑顔になりながら、

ことり達3人を抱きしめてきた。

 

『あんなに小さかった3人が、こんなに可愛くなって♪』

「「「そ、そんな事ないです・・・///」」」

「・・・母さん、ことちゃん達が困ってるよ?」

『ええ~♪、いいじゃない~♪』

 

ゆーくんが藍里さんに言いますが

疑問に思った事があります。

藍里さんは思念体の筈なのに抱きしめられてる感覚が

あるんです・・・

 

『それは母親の愛ってやつよ?』

 

ことり達の考えてる事が分かったのか

藍里さんはニコニコしながら答えた。

 

「・・・母さん、南先生には会ったの?」

『みなみんには、まだ会ってないわよ~?』

「・・・僕、てっきり会ったのかと思った」

『さっきまで未花ちゃんと一緒だったのよ♪』

「・・・あれ?。じゃあ未花さんは?」

『花怜ちゃんと『穂むら』に行くって言ってたわよ』

「ほえ?。穂乃果の家に?」

『私も後で行くつもりよ♪』

 

今思い出したけど、

昔から藍里さんって、お母さんの事を『みなみん』って

呼ぶんだよね・・・

 

「・・・理事長室の場所、分かるの?」

『あ。忘れた』

「・・・もぅ。仮にも音ノ木坂の卒業生なんでしょ?」

『いやぁ、悠里に早く会いたかったから・・・』

「「「あっ・・・」」」

 

ことり達は藍里さんが言ってる意味を

理解してしまった。

ゆーくんと4年間も離れ離れに近い状況に

なってたから・・・

 

「・・・そう///」

『はう♪、悠里がデレた!!。もぅ可愛いんだから♪』

 

そう言うと

藍里さんは、ゆーくんを頬ずりしながら

抱きしめてた。

 

「ゆうちゃんの照れた顔・・・///」

「ふ、不意打ち過ぎます・・・///」

 

穂乃果ちゃんと海未ちゃんも

ゆーくんの照れた顔にやられてました。

こ、ことりもなんだけどね・・・///

 

「ゆうちゃん、今から理事長室に行こうよ!」

「そうしたいけど、時間大丈夫かな・・・?」

「悠里君、まだあと40分ありますから大丈夫かと」

「・・・この時間って、南先生は何してるだろ?」

「お母さんは多分・・・」

 

正直に言うと、

ことりも昼休みの時間に、お母さんが何をしているのか

イマイチ分かんない・・・

すると藍里さんが・・・

 

『みなみんなら多分、紅茶でも飲みながら休憩してると思うわよ?』

「母さん、そうなの・・・?」

『長年の付き合いだから分かるものよ?』

「「「「へ~・・・・」」」」

 

藍里さんの言葉には説得力が

かなりあって、何故か納得してしまうんです。

こうゆうの貫禄って言うのかな・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕達4人は、理事長室に向かってるんだけど

ほのちゃん達と母さんが・・・

 

『じゃあ穂乃果ちゃん達はスクールアイドルをやってるの?』

「はい。そうなんです!」

『もしかして作詞は、海未ちゃんかしら?』

「ど、どうして、それを!?」

『私は、海未ちゃんなら素敵な詞を書けると思ったのよ?』

「あ、ありがとうございます・・・///」

『じゃあ衣装は、ことりちゃんが作ってるの?』

「は、はい・・・」

 

会話に入りにくいな・・・

だけど僕は敢えて喋らない・・・

空気を読むのも大事なんだよ?、だよ?

 

『みなみんを、どうやってビックリさせようかしら?』

「・・・あまり南先生を困らせないでね?」

『悠里達が入った後に普通に入るから♪』

 

結論。やっぱり母さんは、

母さんだった・・・

そう考えてる内に理事長室に着いた・・・

僕はドアをノックをする。

 

 

 

 

ーーコンコンーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

南先生の声がしたので

入ってみると・・・

 

「お母さん、何を飲んでるの?」

「あぁ。紅茶よ♪」

 

ことちゃんが聞くと

南先生は微笑みながら答えた。

 

「ゆうちゃん・・・」

「悠里君・・・」

 

ほのちゃん、みーちゃんが

苦笑いしながら僕を見てきた・・・

うん。言いたい事は分かるよ?

 

「どうしたの?。4人揃って・・・」

 

あ、用件っていうか

南先生に母さんの事を言わないと・・・

 

「南先生に会わせたい人を連れて来ました・・・」

「あら。私に?」

「はい・・・」

「その人は私を知ってる人なの?」

「南先生の知り合いです・・・」

「もしかしてルカが来たの?」

「瑠花さんじゃないんです・・・」

「じゃあ一体・・・」

 

誰なの?って

南先生が言おうとした瞬間・・・

 

『やっほー♪、みなみんー♪。』

 

母さんが平然とした表情を

しながら入って来た・・・

 

「あ、藍、里・・・?」

 

南先生が信じられない物でも

見たような表情をしていた。

その表情は、花怜ちゃんを見た時以上・・・

 

『そう♪。悠里の母親、水無月藍里(みなづきあいり)です♪』

 

母さんは某ラノベで出てくる、

『あなたの隣に這いよる混沌なんとかホテプです!』が

やってそうなポーズをしながら南先生に自己紹介的な事を

やり始めた・・・

 

『悠里、ちょっと2人にさせてくれないかしら?』

「・・・うん。分かった」

 

母さんは真面目な声で

僕に言ってきたので、

ほのちゃん達を連れて理事長室をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side藍里

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里も大きくなったのね・・・

母さんは嬉しいわよ♪

 

「本当に藍里なの?」

『みなみん。私の事忘れたの?』

「忘れる訳ないでしょ・・・」

 

・・・あら?

溜息なんて吐いて、どうしたのかしら?

 

「藍里に聞きたい事があるわ・・・」

『何かしら?』

「悠里くんの中学時代の事、知ってたの?」

 

やっぱり

その質問ね・・・

予想はしてたけど・・・

 

『・・・ええ。知ってたわ』

「声が出せない事も・・・?」

『それは花怜ちゃんに聞いたわ。悠里が殺した事もね・・・』

 

と言っても悠里が声を

出せなくなってしまった事は花怜ちゃんが

一度、()()()()に来た時に聞いた。

あの子が辛い中学時代を過ごした事も全部・・・

 

『悠里は感情すらも出さなかったわ・・・』

「藍里から見ても?」

『あの子を1人にさせた私達が悪いんだけどね・・・』

「それ、悠里くんの前で言うんじゃないわよ」

『・・・分かってるわよ』

「悠里くんがライブをするらしいわよ?」

『・・・あら珍しい。ちなみに何処で?』

「ルカが理事長をしてる高校よ」

『そう・・・』

 

瑠花ちゃんの事だから

何か考えがあっての事だと思うけど・・・

私は悠里のライブは観に行くけどね♪

 

『みなみん、悠里が迷惑かけてないかしら?』

「そんな事ないわ♪、むしろ人気者よ?」

『ことりちゃん、穂乃果ちゃん、海未ちゃんはどうかしら?』

「その事については藍里はどうなの?」

『いっその事、3人で悠里の事を貰って欲しいくらいだわ♪』

「奇遇ね♪、私も悠里くんなら許しちゃうわ♪」

 

ことりちゃん達3人の悠里に対する反応を見れば

一目瞭然よねぇ・・・♪

 

『悠里が幸せなら私は文句ないわ』

「相変わらず親バカね♪」

 

当たり前じゃない♪

悠里は私にとって・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『自慢の子供なんだから♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後は悠里の母親視点で終わらせました。
次回も頑張りますので
よろしくお願いします。


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第77話 悠里の練習光景

ゆるポメラです。
今回は悠里達オリキャラが
ライブに向けての練習をしている
内容です。
視点は、海未ちゃんになります。

それではどうぞ。




こんにちは。園田海未です。

私達4人は今、午後の授業を受けて

いるのですが・・・

 

「じゃあこの問題を高坂・・・」

 

先生が穂乃果を指名したのですが

案の定、居眠りをしていました・・・

しかも・・・

 

「ゆうちゃ~ん、えへへ~・・・」

 

悠里君の名前を呟きながら

幸せそうな表情をしていました。

一体どんな夢を見てるんでしょう?

 

(うぅ~///、き、気になります・・・)

 

居眠りをするのは

私は良くないと分かってるのですが

悠里君の事になると、不謹慎な考えを

してしまうんです・・・

さて、どうやって穂乃果を起こしましょうか?

 

「水無月、高坂を起こせ。叩き起こしてもいいぞ」

「あの、叩き起こすのはちょっと・・・」

 

先生の言葉に苦笑いをしながらも

悠里君は穂乃果の席に向かい・・・

 

「・・・ことちゃん、どうやって起こせばいいかな?」

「甘い言葉をかけてあげればいいんじゃないかな~?」

「甘い言葉、か・・・」

 

ことりの言葉に考える仕草をしていた

悠里君は溜息を吐きながらも

意を決したのか・・・

 

「ほのちゃん、起きないと()()しちゃうぞ?」

「「っ!?」」

 

悠里君が穂乃果に対する起こし方の言葉に

私とことりは驚愕しました・・・

い、今、悠里君は何て言いました!?

すると・・・

 

「お、起きるから不意打ちはダメー!?///」

 

穂乃果が顔を真っ赤にし叫びながら

飛び起きました・・・

 

「あ、あれ?」

「穂乃果ちゃん~?。居眠りはダメだよ~?」

「こ、ことりちゃん?。何で怒ってるの?」

「怒ってないよ~♪」

 

ことりは黒い笑顔をしていました・・・

あれは怒ってますね・・・

理由は嫉妬でしょうか・・・

 

「何で僕、あんな事言ったんだろ・・・」

 

悠里君が自己嫌悪しながら

自分の席に戻ってきました。

 

「悠里君、だ、大丈夫ですか・・・?」

「・・・無理」

 

この後も悠里君は落ち込んだままでした。

正直、私は自分が居眠りをしてしまったら

ゆ、悠里君にああいう起こされ方をされたいなぁと

考えてました・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーー放課後ーー

 

 

 

 

 

放課後になりハロウィンイベントに

向けての練習も含めて部室に行こうと

思ったのですが・・・

 

「あれ?。ゆうちゃんは?」

「さっきまでいたのに・・・」

 

悠里君の姿が見えないので

先に部室に行ったのかなと私は思い・・・

 

「先に部室に行ったのかもしれませんよ?」

「それもそうだね」

「穂乃果達も行こうよ!」

 

私達3人が部室に着くと

悠里君以外の全員が揃っていました。

あれ・・・?

 

「あら、悠里くんは一緒じゃないの?」

「先に来てたんじゃないんですか?」

 

絵里が私に聞きますが

てっきり私達は悠里君が先に来てるのかと

思ってました・・・

 

「ゆーくん、何処に行っちゃったんだろう・・・」

 

ことりが心配そうな顔をすると・・・

 

『悠里なら屋上で練習してるわよ~』

「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」

 

そこには何時からいたのか、

ことりの隣に藍里さんがいました。

 

「藍里さん!?、いつからここに!?」

『迷子になっちゃって、何となく散策してたら

アイドル研究部っていう部室を見つけて、海未ちゃん達が

いるんじゃないかな~ってところかしら』

 

という事は、

少ない情報だけを頼りに来たって事ですか!?

しかも迷子って・・・

 

「お姉さん誰にゃ?」

 

凛が聞くと藍里さんは・・・

 

『水無月藍里です♪。息子の悠里がお世話になってます』

「「「「「「えええぇぇぇ!?」」」」」」

 

悠里君の両親を初めて見たのか

1年生と3年生は驚いていました・・・

 

「言われてみれば、悠里さんの面影が・・・」

『あら?、あなたもしかして真李ちゃんの娘さん?』

「ママの事、知ってるんですか!?」

『知ってるわよ~♪、だって同期だもの♪』

 

真姫が驚いてますが

藍里さんはニコニコと笑っていました。

すると今度は絵里を見るなり・・・

 

『賢い可愛い・・・?』

「エリーチカ!!って何で知ってるんですか!?」

『その反応、リリーにそっくりね・・・』

「母を知ってるんですか!?」

『ええ♪、もちろん♪』

 

藍里さんの交友関係が広いですね・・・

私のお母様とも仲が良いですし・・・

 

「ゆうちゃんは屋上で何してるんですか?」

『来れば分かるわ♪』

 

私達9人は、藍里さんの引率のもと

屋上に向かう事になりました・・・

 

 

 

 

 

 

ーー屋上ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上に着くと声が聞こえてきました。

 

「1、2、3、4、5、6、7、8・・・」

 

この声は未柚ちゃんでしょうか?

 

『あれを見て?』

 

藍里さんが指差す方を見ると

そこには・・・

 

「「「わぁ・・・」」」

 

私と穂乃果、ことりが

目にしたのは

花怜、瑠菜、ティア、

そして悠里君の4人がダンスの練習を

していた光景でした・・・

一通り終わったのを見計らったのか

藍里さんがドアを開け・・・

 

『悠里~♪、頑張ってる~?』

「母さん。それに、みーちゃん達も・・・」

 

すると藍里さんが・・・

 

『まさか私が昔やってた曲を練習してたなんてビックリよ』

「今の曲って藍里さんのなんですか!?」

『元々この曲は未花ちゃんが提案したんだけどね?』

 

花怜のお母様が?

 

『作詞をしたのはティナちゃんで、衣装は瑠花ちゃん、ダンスの振り付け

は美柚樹ちゃん、作曲は私って感じよ~♪』

「あの、ティナちゃんと美柚樹ちゃんって・・・?」

「ウミ、私のママの名前よ」

「美柚樹というのは未柚の母の名前です」

 

私の疑問にティアと未柚ちゃんが

補足説明をしてくれました・・・

 

『それじゃあ今からμ'sのみんなも一緒に練習するわよー!』

「・・・母さんの変なスイッチが入った」

「ゆうり君、諦めるしかないよ?」

「わ~い♪。お面白そ~♪」

「瑠菜お姉さまは、いつも通りですね・・・」

「ミユ、私も同意見よ・・・」

 

藍里さんは私を見ると・・・

 

『じゃあ悠里は海未ちゃんと柔軟運動やってね?』

「・・・ん。分かった」

「あ、あう///」

「・・・みーちゃん?」

 

藍里さんの表情を見てみると

「頑張ってね?」って言ってるように

見えました・・・

 

(悠里君の顔、見れるでしょうか・・・///)

 

そして案の定、

恥ずかしすぎて悠里君の顔が

見れなくなりました。

余談ですが、穂乃果とことりも

別の練習で悠里君とペアになった時に

悠里君と目が合った時に顔を赤らめていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか短くなってしまい
申し訳ありません・・・
次回もよろしくお願いします。


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第78話 で、何歌う?

ゆるポメラです。
今回は悠里達オリキャラが、
ライブに向けて何を歌うか話し合う内容です。
色々とメタな発言をするので
生温かい目で読んでいただけると嬉しいです。
余談ですが、今日の天気は午前中、雨で酷いよ!

それではどうぞ。






僕達は屋上で月ノ丘高等学院の

ハロウィン祭で歌うライブに向けて

話し合いをしています。

ほのちゃん達は今、グラウンドで

様々な部活の服を着て自己紹介的な事を

やってるように見える・・・

僕が聞こえたのは・・・

 

「あなたの想いをリターンエース!」

 

とか、

 

「恋愛未満の化学式・・・」

 

とか、

 

「私のシュートでハートのマーク付けちゃうぞ♡」

 

とか色々聞こえた。

もう1つ個人的に印象に

残ってたのは・・・

 

「キュートスプラーッシュ!、星空凛!」

 

凛ちゃんが水泳部?の格好を

しながら名言を残していた。

『キュートスプラーッシュ』か・・・

ありかも・・・

 

「ゆうり君、今年は何を歌うの?」

 

花怜ちゃんが小首を傾げながら

聞いてきたので・・・

 

「去年みたいにアニメ関連にする・・・?」

「ユーリ、疑問形になってる理由は『とりあえず』って

意味なのよね?」

「うん・・・」

 

流石ティアちゃん。

察しがいい・・・

 

「とりあえず、色々意見を出してみようよ~」

「ルーちゃん、何かある?」

「去年みんなでやったアレがいいな~」

「アレってもしかして・・・」

 

僕は何となくだが該当するアニメが

予想がついた・・・

 

「うん~♪、『晴れ何とかユカイ』がいいな~♪」

「僕達5人いるしね・・・」

「最後の決めポーズが難しいのよね・・・」

「瑠菜お姉さまらしいというか・・・」

「あはは・・・」

 

ルーちゃんが言ってる曲の

アニメの内容は・・・

ヒロインの有名な台詞がある・・・

 

『ただの人間には興味ありません、団長命令よ!』

 

が印象に残るアニメだよ?

 

「・・・未柚ちゃんは?」

「そ、うですね・・・」

 

すると未柚ちゃんはドヤ顔で・・・

 

「未柚は『こだまコトだま』がいいですね・・・」

「「「「ってオイ!!」」」」

「あれ?、ダメでしたか・・・?」

 

いや、ダメって言うか・・・

 

「その、未柚ちゃんの見た目が・・・」

「悠里お兄様?」

 

未柚ちゃんの外見が

『にゃんぱすー』とか『すこー』、

更に『そすんさー』とか言ってる

女の子にそっくりなんだもん・・・

 

「・・・ティアちゃんは?」

「そうね、私は・・・」

 

流石にティアちゃんなら・・・・

まともなアニメの曲を・・・

 

「『クーレスト』はどうかしら?」

「「「待て待て待てぃ!!」」」

「ティアお姉さま、難易度が高すぎです・・・」

「そう?、面白いのに・・・」

 

ティアちゃんは何故そのアニメをチョイスした!?

そのアニメの特徴って確か座右の銘みたいのが

『クール、クーラー、クーレスト』の高校生が

主人公のやつだよね!?

 

「楽器なしで歌うとか花怜、難しいよ!?」

「代わりにデッキブラシをマイクにすればいいじゃない?」

「わたしはイヤだよ~・・・」

「未柚もイヤです。そんな度胸はありません」

「ごめんティアちゃん。僕も無理・・・」

「あら残念・・・」

 

本気で落ち込むティアちゃん・・・

そんなに歌いたかったの?

 

「・・・じゃあ花怜ちゃんは?」

「3つくらいあるけど・・・」

「カレン、歯切れが悪いわよ?」

「えっとね・・・」

 

花怜ちゃん、何を歌いたいんだろ?

歯切れが悪いって事は、曲は良いけど

人前で歌うのは恥ずかしい曲なのかな?

 

「1つめが『何とかで溶ける狂気のうどんげいん』・・・」

「「「「・・・正気か!?」」」」

「やっぱり、その反応だよね・・・」

 

花怜ちゃんの気持ちは分からなくもない。

僕もあの曲は好きだもん。

でも、その曲を歌うとなると・・・

 

「・・・誰が『イナバウアー!!』って言うの?」

「ユーリ、私は嫌よ?」

「ゆうくん~、『うどんげいーん』は~?」

「あ、その台詞もあったね・・・」

「花怜お姉さま、2つめの曲は何ですか?」

 

未柚ちゃんが花怜ちゃんに

聞くと・・・

 

「2つめが『インサイドアイデンティティ』・・・」

「「「「良いんじゃない?」」」」

「えっ!?、いいの!?」

 

良い曲だと思うけどな

何だろう・・・?

善子ちゃん。じゃなかった

ヨハネちゃんが好きそうな曲だしね・・・

 

「・・・邪王真眼の使い手」

「ユーリ?」

「何でもない・・・」

「花怜ちゃん~、3つめは~?」

 

すると花怜ちゃんは・・・

 

「3つめが『持ってけセーラー服』・・・」

「「「「よし、やるか!」」」」

「ゆうり君まで!?」

 

だって去年もやったしね。

僕、今でも踊れるよ?

 

「ユーリは何を歌いたいの?」

「・・・僕?」

 

そうだなぁ・・・

 

「僕も3つ候補があるんだけど・・・」

「ゆうり君も?」

「うん・・・」

「ゆうくん~、なになに~?」

 

ルーちゃんが急かすので・・・

 

「1つめが『透明りぼん』かな・・・」

「「「「違和感がない・・・」」」」

「・・・そう?」

 

すると未柚ちゃんが・・・

 

「その曲ってどちらかと言うとキャラソンですよね」

「それに歌ってるキャラの外見が・・・」

「ゆうり君にそっくりだもんね・・・」

「声も似てるしね~」

 

そんなに似てる・・・?

 

「2つめが『ドントセイ"レイジー"』・・・」

「「「「どこの放課後ティータイム!?」」」」

「・・・ダメだった?」

 

今度はティアちゃんが・・・

 

「ユーリ、5人いるからいいけど・・・」

「ゆうくん~、ダメってわけじゃないけど・・・」

「ゆうり君、何て言うか・・・」

「悠里お兄様、未柚も謎の抵抗感が・・・」

「・・・あくまで僕個人の意見だからね?」

 

さて、あと1つは・・・

 

「・・・3つめが『START:DASH!!』かな」

「穂乃果ちゃん達のファーストライブの曲だよね?」

「ユーリ、もしかして・・・」

「わたし、ゆうくんが言いたい事が分かった~」

「未柚も何となくですが理解できました」

 

4人共、僕が何で、

ほのちゃん達のファーストライブの曲を

選んだのか分かったみたい・・・

 

「じゃあ歌う曲は・・・」

 

話合った結果、当日に

歌う曲は・・・

 

『晴れ何とかユカイ』、

『インサイドアイデンティティ』、

『持ってけセーラー服』、

5人verの『透明りぼん』、

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『START:DASH!!』の5曲に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ふぁいと、おーなのですよ☆)

 

 

某奇跡の魔女も言ってた

頑張れる、まじないをかけてみた。

 

「・・・じゃあ練習しようか」

 

僕が花怜ちゃん達に言った瞬間

校内放送が流れ、ほのちゃん達9人は

至急、理事長室に来てくださいという

放送が流れた・・・

 

 

「「「「何事・・・?」」」」

 

 

僕達5人は、

そう呟くしかなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も内容が短くなってしまい
申し訳ありません・・・
次回に続きます。

が、頑張らなきゃ・・・(使命感)


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第79話 月ノ丘高等学院ハロウィン祭

ゆるポメラです。
今回はサブタイ通り
悠里が転入前の高校で
ライブする準備をします。
余談ですが『サンシャイン!』第2話、
面白かったです。
個人的に飴で釣られるルビィちゃんが
印象に残ってます。
第3話が楽しみです。

それではどうぞ。


あの後、僕達5人は

何気なく理事長室に行ってみたら

衝撃的な光景を目撃してしまった。

何と、ほのちゃん達9人が何を血迷ったのか

ヘビィメタルでパンクな衣装を着ていた・・・

普段から落ち着いてるティアちゃんと

未柚ちゃんですら顔が引き攣っていた。

 

「じゃあ最終予選はそれで出るという事ね?」

「うえ・・・?」

 

南先生、正気ですか?

 

「それなら今後、その格好での活動を許可するわ」

「「「「「「「「「すみませんでした!!」」」」」」」」」

 

だよねー・・・

すると南先生は僕達5人の方を向き・・・

 

「あら、悠里くん。どうしたの?」

「・・・練習が終わったので帰ろうかなと」

「そう言えば明日がハロウィン祭よね?」

「はい。あの、母さんは・・・?」

「藍里なら、さっきまでそこに・・・、あら?」

 

南先生が周りを見渡すが、

母さんの姿は見当たらなかった・・・

すると未柚ちゃんが・・・

 

「悠里お兄様、藍里さんから手紙を預かってます」

「いつの間に・・・」

「悠里くん、その子は?」

 

南先生が未柚ちゃんを見ると

そう尋ねてきたので・・・

 

「初めまして。神無月未柚です」

「もしかして美柚樹ちゃんの娘さん?」

「母をご存じなんですか?」

「ええ♪、それにしても・・・」

 

南先生が僕達5人を見渡すと・・・

 

「ふふ♪、昔の()()()5()()()を見てるみたいだわ」

「「「「「「「「「仲良し5人組?」」」」」」」」」

 

ほのちゃん達が声を揃えながら

疑問の声を上げた。

 

「音ノ木坂でも有名でね?、その5人組が

藍里、未花ちゃん、ルカ、ティナ、美柚樹ちゃんの

5人。早い話、悠里くん達のお母さんの事なの♪」

 

南先生が、ほのちゃん達に

分かりやすく説明した。

この後、僕達は先に帰る事にした。

ほのちゃん達に学校の場所は、未柚ちゃんと

花怜ちゃんに案内させるので、

明日、神田明神で待ち合わせになった・・・

 

(まず帰ったら・・・)

 

家に帰る中、僕は

明日の準備について

考えてた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー自宅ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま・・・」

 

あ、そうだった・・・

誰もいないんだよね・・・

そんな事を考えていたら・・・

 

『悠里、お帰りなさい♪』

「・・・は?」

 

母さんがいた。

・・・何故に?。Why?

 

『今、夕飯を作ってるから待っててね?』

「う、うん・・・」

『あ。悠人(ゆうと)さんは、飲みに行ったわ♪』

 

母さんが言ってる『悠人』とは、

僕の父さんの名前なんだ・・・

 

「父さん、誰と飲みに行ったの?」

『怜くん達仲良し父親4人組とよ』

「あ。察し・・・」

 

『怜くん』というのは、

花怜ちゃんのお父さんの事だ。

更に言うなら、仲良し父親4人組というのは

花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃん、

未柚ちゃんのお父さん達の事だ・・・

 

「・・・部屋に荷物置いてくるね」

『ご飯が出来たら呼ぶわね?』

「はあい・・・」

 

そう言って僕は

自分の部屋に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に着き僕は、

明日に向けての身支度の用意をした。

早いに越した事はないしね・・・

 

「梨子ちゃんには、連絡したし・・・」

 

帰り際に梨子ちゃんに明日の事を

連絡したら、すごく喜んでいた。

 

「千歌ちゃんと曜ちゃんも来てくれるとは・・・」

 

実は、梨子ちゃんとの電話が終わった後に

千歌ちゃんから電話がきて、明日のハロウィン祭に

曜ちゃんと2人で行くって連絡がきた。

 

「声、持つといいけど・・・」

 

何せ、明日は歌ったりするので

ちょっと不安がある・・・

でも自分で決めた事だし、

最後まで歌うつもりでいる。

 

『悠里~、ご飯出来たわよ~?』

 

母さんの声が聞こえたので

僕は下に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side藍里

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやあ、今日は奮発して

作り過ぎちゃったわね。

反省、反省♪

 

「・・・食べきれるかな?」

『明日はライブをやるんでしょ?、

ちゃんと食べないと倒れちゃうわよ?』

 

()()()()を見る限り、最低限の食事しか

してないみたいね・・・

前に花怜ちゃんに聞いてみたら

酷い時だと何も食べないって言ってたしね。

 

『さ。早く食べましょ。冷めちゃうわよ?』

「い、いただきます・・・」

 

いやー。我ながらうまい!

死んでからとはいえ、

料理の腕は落ちてないみたいね♪

流石ね、私♪

 

「もきゅもきゅ・・・」

 

はっ!?

悠里がハムスターみたいに

頬張って私の作った料理を食べてるわ!?

今の表情を脳内に永久保存をしなきゃ!!

 

『悠里、今の高校生活は楽しい?』

「うん。ただ・・・」

『ただ?』

「女の子が多くて居心地がちょっと・・・」

 

そりゃ、音ノ木坂は女子高だもの。

ようやく今の環境に慣れたってところかしら?

あ♪。これ聞いておこうかしら♪

 

『ねぇ悠里。彼女とか出来たの?』

「・・・」

 

ガッデッーム!?

わ、私とした事が直球過ぎたかしら!?

ど、どうしよう!?

悠里が黙っちゃったよぅ・・・

 

「・・・落ちこぼれの僕に出来るわけないじゃん」

『でも好きな子くらい・・・』

 

次の言葉を聞くまでは・・・

 

「・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()

『悠里・・・?』

 

悠里の表情は、

母親である私から見ても分かった。

なにせ生気のない目をしていたのだから・・・

 

(相当、病んでしまったのね・・・)

 

私と悠人さんが死んで、

悠里を1人にさせてしまったのが原因よね。

この子だけは生きて欲しいという

親である私達の身勝手な理由で・・・

 

「別に母さん達のせいじゃないから・・・」

 

食べ終わったのか、食器を片づけながら

悠里は答えてた・・・

 

「卒業した後の事だって自分で決めた事だし・・・」

 

花怜ちゃんが言ってた

中学1年の時に悠里が大怪我した日に、

これからの事を決めた日の事ね・・・

 

「じゃあ僕は寝るから・・・」

『夜更かしはしちゃダメよ?』

「それは流石に・・・」

 

そう言うと悠里は自分の部屋に戻って行った。

私も自分の部屋にって・・・?

 

『ここって、ティナちゃんから貰った家よね?』

 

悠里から話は聞いたのだが

以前、私達3人が住んでいた家は消失しているので

如月家から貰った家だって言ってたわね・・・

 

『家の中の背景は完全に以前の家と同じだし・・・』

 

まさか悠里が家の中をリフォームしたのかしら?

ティナちゃんも一枚噛んだ可能性もあるわね。

ま、とりあえず・・・

 

『明日のハロウィン祭、楽しみだわ♪』

 

ひょっとすると、

瑠花ちゃんやティナちゃんにも

会えるかもしれないわね♪

反応が楽しみだわ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー月ノ丘高等学院ハロウィン祭当日ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・若干、眠いよ」

 

時間通りに起きれたのはいいけど

昨夜は緊張しすぎて眠れなかったのが

本音だ・・・

 

「制服に着替えなきゃ・・・」

 

僕は音ノ木坂の制服ではなく、

月ノ丘の制服に着替えてる。

理由としては平日だし前の高校の制服

がいいんじゃないかなと思ったからだ。

 

「久しぶりに着たかも・・・」

 

ちなみに月ノ丘の制服の外見は、

どうゆう訳か『うんたん♪、うんたん♪』

とか、自分のギターに名前を付ける事で

有名な、あの音楽マンガにそっくり

なんだよね。

あはは・・・

 

『悠里~?、入ってもいい?』

「うん、いいよ・・・」

 

ドアが開くと母さんが

僕の制服姿を見て・・・

 

『はう~♪、お持ち帰りぃ~♪』

 

某鉈を持ち歩いてる

お持ち帰り少女のような声を

出して頬ずりをしてきた・・・

 

「ち、遅刻しちゃう・・・」

 

何とか母さんを

落ち着かせ目的地である

月ノ丘高等学院に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー月ノ丘高等学院ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・去年より人が多いような気が」

『あら、そうなの?』

「・・・うん」

 

母さんと話していると・・・

 

「ゆうくん~」

「・・・あ。ルーちゃん」

 

ルーちゃんが僕と母さんのところに

やって来た・・・

 

「藍里さん、こんにちは~」

『こんにちは♪、瑠菜ちゃん♪』

「ルーちゃん、ティアちゃんは・・・?」

「ティアちゃんなら~・・・」

「呼んだかしら?」

 

ティアちゃんが、ルーちゃんの

背後から現れた・・・

人混みに紛れて気づかなかった・・・

 

『こんにちは。ティアちゃん♪』

「アイリさん、こんにちは」

『ティナちゃんは一緒じゃないの?』

「ママなら理事長室に行きましたよ?」

『あら♪、それなら好都合ね♪』

「母さん、もしかして・・・」

『理事長室に行きましょ♪、挨拶は大事よ?』

 

まぁ、母さんが言ってる事も

一理あるし・・・

そんなこんなで僕は、

ルーちゃん、ティアちゃんも一緒に

瑠花さんがいる理事長室に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に理事長室に着くと

ルーちゃんがノックもせずに

普通に入った・・・

 

「ルーちゃん、ノックしようよ・・・」

「ユーリ、私も何度言ってもダメだったわ」

「・・・やっぱり?」

 

僕が音ノ木坂に転入した後も

ルーちゃんの癖は相変わらずなんだね・・・

 

「ゆうくん~、入っていいって~」

「「えぇ・・・」」

 

と、まぁティアちゃんと2人で

このリアクションをする感じ・・・

僕とティアちゃんは中に入る事にした。

 

「「失礼します・・・」」

「悠里くん、久しぶりね~」

「瑠花さん。お久しぶりです・・・」

 

更に僕は瑠花さんの隣にいた

ティアちゃんのお母さん・・・

 

「ティナさん、こんにちは・・・」

「しばらくぶりね♪、ユーリ君♪」

 

ティナさんは微笑みながら

僕を見ていた・・・

 

「本当にいいんですか?、ライブやっても・・・」

「いいのよ♪、ここの生徒はみんな、悠里くん達のライブを

楽しみにしてるのよ~♪」

「ユーリ君達の歌は素敵だもの♪」

 

瑠花さんとティナさんが

僕にそう言った・・・

 

「瑠花さんとティナさんに会わせたい人が来てるんです・・・」

「「え?。誰なの・・・?」」

 

するとドアから・・・

 

『やっほー♪、瑠花ちゃーん♪、ティナちゃーん♪』

 

やっぱり南先生と同じパターンで

母さんは平然と入ってきた・・・

 

「藍、里ちゃん・・・?」

「アイ、リ・・・?」

 

瑠花さんとティナさんが

驚いてるなか、母さんは・・・

 

『更に、更にー・・・』

 

母さんの一言に入ってきた

人物は・・・

 

三日月未花(みかづきみか)でーす♪』

「「「えええー!?」」」

 

僕達3人は驚いた・・・

ナチュラルに花怜ちゃんのお母さんで

ある未花さんまで普通に入ってきたのだ。

 

「未、花ちゃん・・・?」

「ミ、カ・・・?」

 

すると母さんが・・・

 

『悠里、ライブの準備とかあるんでしょ?』

「う、うん・・・」

 

すると今度は未花さんが・・・

 

『花怜達なら、あと30分くらいで着くからね?』

「は、はい・・・」

 

確かに準備の他に屋台とかも

回りたいけど・・・

 

『悠里、私を誰だと思ってるの?。藍里さんよ?』

『藍里ちゃん、流石にそのネタは・・・』

 

よく分かんないけど、

僕達3人は理事長室をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side藍里

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ~、まさか丁度良いタイミングで

未花ちゃんと合流できたから、

みなみん以上に大成功ね♪

 

「アイリぃ~!」

『ティナちゃん!?、どうしたの!?』

 

ティナちゃんが泣きながら

抱きついてきたからビックリしたわ・・・

すると今度は・・・

 

「未花ちゃん~!」

『ちょ!?、瑠花ちゃん!?』

 

瑠花ちゃんが未花ちゃんに泣きながら

抱きついていた。

ん?、気のせいかしら・・・

未花ちゃんの周りからボキボキという音が・・・

そういえば、瑠花ちゃんは昔から握力が異常に

凄いのを忘れてたわ・・・

 

「本当にアイリとミカよね?、ゾンビじゃないわよね!?」

『『そんなわけないでしょ!?』』

「ティナちゃん?。幽霊なのよきっと・・・」

『『一応、意味は合ってる!?』』

 

思念体よ!!

失礼しちゃうわね・・・

意味?、辞書でも引きなさい!

 

「アイリ、もしかしてハロウィンだからなの?」

『簡単に言うとそうよ。』

「藍里ちゃん~、本音はどうなの~?」

『悠里に会いたかっただけ』

『ふふ♪、藍里ちゃんらしいわね~♪』

 

そういえばライブの開始時間は、

あと1時間30分よね・・・?

 

『悠里達のライブ、早く観たいわ♪』

『花怜が歌うところも観れるのね~♪』

「美柚樹ちゃんは、あと10分くらいで着くみたいよ~♪」

「ミユキも楽しみにしてたみたいだしね♪」

 

早く始まらないかしら?

悠里、頑張るのよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーちゃんとティアちゃんは先に

校門前に行って、花怜ちゃん達を

待ってるとの事なので、

僕は1人で校内を回る事にした。

 

「あの子、迷子かな・・・」

 

その子は人混みに慣れてないのか

オロオロとしていた・・・

ちょ、ちょっと待って?

あの女の子もしかして・・・

 

「・・・ル、ルビィちゃん?」

「ぴぎぃ!?、ゆ、ゆうりお兄ちゃん・・・?」

「え、と。大丈夫・・・?」

「ひっく!、ゆうりお兄ちゃーん!」

 

ルビィちゃんは泣きながら

抱きついてきた・・・

極度の人見知りだから

この人混みに慣れてないから

不安になっちゃったんだろうな・・・

 

「落ち着いた・・・?」

「うん・・・」

 

休憩所までルビィちゃんを連れて行き

本人が落ち着くまで待った。

でも何でルビィちゃんが・・・?

 

「1人で来たの・・・?」

「ダイヤお姉ちゃんと来たの・・・」

「・・・ダイヤちゃんと2人で来たの?」

「うん、でもはぐれちゃった・・・」

 

実はルビィちゃんには姉の

ダイヤちゃんがいる。

凄くしっかりした子で地元の女子校では

生徒会長をやってるって前に聞いた。

そういえば去年、ダイヤちゃんは僕達の

ライブを観に来てくれたんだっけ・・・

 

「・・・ダイヤちゃんと何処ではぐれたか覚えてる?」

 

僕はルビィちゃんに、どの辺りで

はぐれたのか聞くと・・・

 

「お、お花畑と大きな木があるところ・・・」

 

『花畑』、『大きな木』で該当する場所は・・・

 

「・・・場所が分かったから行こうか?」

「ほ、ほんと・・・?」

「うん。ルビィちゃんが教えてくれたから・・・」

 

ルビィちゃんは安心したのか

僕の手を繋いできた。

 

「えへへ・・・」

「・・・じゃあ行こうか?」

「うん!」

 

着いた場所は、

僕とルーちゃん、ティアちゃんの3人で

いつも昼食を食べている場所だった。

 

「この辺かな・・・」

 

すると、誰かを捜している

黒髪の女の子がいた・・・

 

「ダイヤお姉ちゃん!」

 

ルビィちゃんが叫ぶと

声に気付いたのか

こっちに駆け寄って来た・・・

 

「ルビィ、捜しましたわよ!」

「ご、ごめんなさい・・・」

「あの、妹を見つけていただいて・・・」

 

ダイヤちゃんが僕の顔を見た瞬間、

顔を赤くしながら・・・

 

「ゆ、悠里兄様!?///」

「まあ、見つかって良かったよ・・・」

「ゆうりお兄ちゃんがルビィを見つけてくれたの」

「そ、そうなんですの?」

「でも迷子なんて珍しいね。どうしたの・・・?」

「じ、実は・・・」

 

ダイヤちゃん曰く、

去年、来た事もあるし

校内の場所も覚えてたのだが

去年とは違う地形になっていた為、

案内図を貰いに行こうとルビィちゃんと

2人で行ったのだが、人混みに巻き込まれて

しまい、ルビィちゃんとはぐれてしまったとの事。

 

「さ、災難だったね・・・」

「は、はい・・・」

 

あ、ダイヤちゃんに渡しておこうかな。

 

「はい、これ・・・」

「悠里兄様、これは?」

「今日、僕がライブをやる場所と案内図・・・」

 

するとダイヤちゃんとルビィちゃんは、

目を輝かせながら・・・

 

「「絶対行く!」」

「あはは。じゃあまたね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして2人と別れた・・・

 

 

 

 

 

 

ライブ開始時間まで、あと1時間30分・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回に続きます。
今回はダイヤちゃんとルビィちゃんを
出してみました。
上手くできているか不安ですが、
これからもよろしくお願いします。


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特別編 堕天使少女の誕生日

ゆるポメラです。
善子ちゃん誕生日おめでとう!
ヨハネちゃんの登場の仕方や
独特のチョキは凄かったですね・・・
友人から聞いたんですが、
「ヨハネちゃんのチョキを真似して
骨折した人がいるんだって」と聞きました。

「・・・まじか」としか言えませんでした。

それではどうぞ。



ダイヤちゃん、ルビィちゃんと

別れた後、僕は再び校内を回ってた。

 

「そういえば今日は確か・・・」

 

そう。今日はハロウィン祭だけじゃなく、

()()()の誕生日でもある。

今頃何してるのかなぁ・・・

 

「じー・・・」

 

気のせいかな?

さっきから視線が・・・

 

「じー・・・」

 

まただよ・・・

気配から察するに

僕の後ろにいるのかな・・・

 

(声かけてみようかな・・・)

 

僕は立ち止り

苦笑いしながらも・・・

 

「何してるの?、()()ちゃん?」

「善子いうな!」

「あ、やっぱり・・・」

 

案の定、振り返ってみたら

僕が予想した通りの女の子

津島善子(つしまよしこ)ちゃんだった。

 

「・・・何で僕だって分かったの?」

「マスターの気配を探るのは私にとっては朝飯前!」

「それやめて。恥ずかしい・・・」

 

善子ちゃんは一体、

何て言うサーヴァント?

自分の事を『堕天使ヨハネ』って言う

くらいだし・・・

 

「あ。誕生日おめでと・・・」

「うえっ!?、あ、ありが、とう・・・///」

 

あ。素に戻ったかな・・・?

 

「今日は1人で地上に来たの・・・?」

「ふふふ、私が楽しみにしてる催し物だもの・・・」

「そう言ってくれると僕も嬉しいよ・・・」

 

善子ちゃんの言いたい事を

僕なりに訳すと、ハロウィン祭で行われる

僕達がやるライブが楽しみで、

1人で月ノ丘に来たらしい・・・

去年、初めて来た時は迷子になってたけどね?

 

「・・・時間あるし、どこか行きたいとこある?」

「ヨハネ個人としてはあれがやりたい・・・」

 

善子ちゃんが指差した方を

見てみると・・・

 

「・・・射的?」

「ダメ・・・?」

「いいよ。じゃあやろうか・・・」

「うん!」

 

僕の答えに表情が

明るくなった善子ちゃんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

射的をやっている屋台に着くと、

去年もいた、おじさんが・・・

 

「おう、悠里じゃねえかい!。」

「・・・どうもです」

「今年は景品を多めに仕入れてきたぜ?」

「『悪魔系』の種類が多い。私の家に・・・」

「お?、嬢ちゃん分かってるねー」

 

前々から思ったんだけど

おじさんと善子ちゃんから同じオーラを

感じるよ・・・

おじさん、善子ちゃんの言ってる事を

ちゃんと理解してるみたいだしね。

 

「悠里、今年は、どの獲物を使うんだ?」

「えっと・・・」

 

去年は3種類だったのに、今年は5種類に

増えてるよ・・・

ちなみに全部を説明すると・・・

 

 

 

悪魔の弓(デビルズアロー)(見た目通り弓)

 

魔深弾(マシンガン)(見た目通りハンドガン)

 

闇の閃光(ダークフラッシュ)(見た目通りライフル)

 

邪眼(イービルアイ)(見た目通りスリングショット)

 

暗黒の輪(ダークチャクラム)(そのまんまじゃん)

 

とまあ、個性的な物ばかり。

ちなみに僕が選んだのは弓の方・・・

 

「さてと・・・」

 

さっきから善子ちゃんが

小悪魔のぬいぐるみを

欲しそうな目で見ていたので

それを狙う事にした・・・

 

「・・・」

 

意識を集中させ

ここだと思った瞬間に放つ・・・

 

「・・・シュート」

 

見事、景品に的中

させる事ができた・・・

 

「かあー!、今年もやられたか。持ってきな!」

「どうも・・・」

 

おじさんから景品を受け取り

僕は善子ちゃんに渡す・・・

 

「はい・・・」

「く、くれるの・・・?」

「僕からの誕生日プレゼント・・・」

 

善子ちゃんは、

小悪魔のぬいぐるみを

受け取ると・・・

 

「ありがとう!()()()()()!///」

「どういたしまして・・・」

 

笑顔で喜んでくれた。

まあ、僕も楽しめたしね・・・

 

 

 

 

 

 

 

ライブ開始まで、あと1時間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




短くなってしまい申し訳ありません・・・
今回は、誕生日記念なので
善子ちゃんを本編に登場させてみました。
口調が難しかったです・・・
上手く表現できたか不安です・・・
次回もよろしくお願いします。


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第80話 ライブ開始、そして母との別れ・・・

ゆるポメラです。
今回で『ハッピーハロウィーン』の回
は最後になります。
自分なりに纏めてみました。

それではどうぞ。


善子ちゃんと別れて、

ライブ開始の時間は

あと1時間になった・・・

 

「えぇ!?、もう売り切れなんですか!?」

 

近くのクレープ屋台から

聞き覚えのある声がしたので

僕は行ってみる事にした。

すると・・・

 

「あ!、悠里にいちゃん‼」

「やっぱり曜ちゃんだ・・・」

 

この子は渡辺曜(わたなべよう)ちゃん。

高飛び込みが得意な女の子。

お父さんがフェリーの船長をやってるんだ。

僕達5人も船に乗せてもらった事がある。

それにしても今日は、知り合いに会うなぁ・・・

ダイヤちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃん、

更に曜ちゃんにも会うとは・・・

この流れだと・・・

 

「・・・千歌ちゃんは一緒じゃないの?」

「あ、千歌ちゃんなら・・・」

 

曜ちゃんが指差した方を

見てみると、確かに千歌ちゃんがいた。

リンゴ飴を買ってるみたいだね・・・

 

「曜ちゃんー!、お待たせー・・・、あっ‼」

「千歌ちゃん、久しぶり・・・」

「悠里おにーちゃん!」

 

この子が高海千歌(たかみちか)ちゃん。

3姉妹の末っ子で実家は、

旅館を経営しているんだ。

僕達5人が滞在した場所が

千歌ちゃんの旅館だったりする。

ほのちゃんみたいに明るくて、

人懐っこいところがある。

 

「悠里おにーちゃんは何してるの?」

「ライブまで、1時間あるから校内を回ってる・・・」

「じゃあ悠里にいちゃんの歌が観れるの!?」

「今年は5曲しかやらないけどね・・・」

「わぁ!、私楽しみ!」

「私も!」

 

千歌ちゃんと曜ちゃんは、

目を輝かせながら僕に詰め寄ってきた。

 

「・・・2人共、ライブやる場所は分かる?」

「「あっ・・・」」

 

ダイヤちゃんと同じパターンだね・・・

僕は、2人が迷わないように

校内案内図を千歌ちゃん達に渡した。

 

「・・・今年は、このエリアでやるからね?」

「目印みたいなのってあるの?」

 

千歌ちゃんが首を傾げながら聞いてきたので・・・

 

「・・・未柚ちゃんの描いたイラストが目印だよ」

「確かに未柚ねえちゃんの絵は・・・」

「独特のオーラがあるっていうか・・・」

 

僕の一言に曜ちゃんが苦笑いした。

それに同情する千歌ちゃん・・・

何故か千歌ちゃん、曜ちゃん。というか、

ダイヤちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃんも

そうなんだけど、未柚ちゃんの事を年上扱いする

傾向があるんだよね・・・

前に僕がダイヤちゃんに理由を聞いたら、

『何故か、姉様と呼んでしまうんですの・・・』

との事・・・。

未柚ちゃんは僕達の中でも年下だけど、

中学2年生とは思えない、

大人っぽい雰囲気があるからなぁ・・・

 

「・・・じゃあ僕は、そろそろ行くね?」

「悠里にいちゃん、頑張ってね?」

「私と曜ちゃんも楽しみにしてるから!」

「来るときは気をつけるんだよ・・・?」

「「はあーい♪」」

 

さて、校内を回れる場所は

時間的に、あと1ヶ所くらいかな・・・

僕はライブ会場の付近を回る事にした。

 

 

 

 

 

――ライブ会場付近――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気のせいか去年より、屋台が増えてる・・・」

 

去年は、初めてやった場所より

屋台が軽く10ヶ所は越えていた・・・

 

「悠里お兄ちゃん・・・?」

「えっ・・・?」

 

誰かに呼ばれたので

声がした方を振り返ってみると

梨子ちゃんだった。

 

「やっぱり悠里お兄ちゃんだ♪」

「よく僕だって分かったね・・・?」

「えへへ///、なんとなくかな?」

 

なんとなく、っていう理由だけで

分かっちゃうなんて

梨子ちゃん凄いな・・・

 

「あのね、瑠菜お姉ちゃんが

悠里お兄ちゃんを捜してたよ?」

「・・・ルーちゃんが?」

「うん。

それから、未柚お姉ちゃんが『ライブの準備ができました』って言ってたよ・・・」

 

未柚ちゃんの言い方から察するに、

ほのちゃん達、無事に着いたみたいだね・・・

 

「悠里お兄ちゃん。私、楽しみにしてるから・・・」

「・・・うん。じゃあ行ってくるね?」

「私、近くで観てるからね♪」

「こりゃ、いつも以上に頑張らないと・・・」

「えへへ・・・///」

 

いつも以上に楽しそうな

表情をしてる梨子ちゃんを見たのは

去年以来かな・・・

 

「・・・じゃあ行ってきます!」

「頑張ってね!、悠里お兄ちゃん!」

 

僕は、4人が待ってる

ステージ裏に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達9人は、

瑠菜ちゃん、ティアちゃんに校内を案内され

ライブ会場に着いた。

 

「ティア、人が凄いですね・・・」

「私個人も驚いてるわ。去年より多くなってるわ」

「去年は、どのくらいだったんですか?」

 

海未ちゃんの疑問の声に

ティアちゃんは・・・

 

「ざっと3万人くらいかしらね・・・」

「「「「「「「「「さ、3万人!?」」」」」」」」」

「あくまで、ざっとよ?」

 

でも3万人って・・・

 

「お、多いのかにゃ?」

「リン、それは私も分からないわ」

「未柚的には、多いかなと・・・」

「か、かよちん。どうなの?」

「悠里さん達のライブで3万人は凄く多いよ!」

 

アイドル好きの花陽ちゃんが

そこまで言うとなると相当なんだなぁ・・・

 

「あそこが穂乃果ちゃん達の席だよ~」

 

瑠菜ちゃんが指差した席を見ると

ライブ会場の一番前・・・

つまり最前列だった。

 

「ゆーくん達のライブが間近で観れるの!?」

「うん~。たまたま空いてたんだよ~」

「まあ♪、みんな楽しんでくれると嬉しいな♪」

 

ことりちゃんの問いかけに、

瑠菜ちゃんと花怜ちゃんは楽しそうに

答えてた・・・

 

「じゃあ私達はステージ裏に行くわね?」

「ほえ~!?、もう行くの~!?」

「瑠菜お姉様、打ち合わせとかもあるんですよ?」

「時間は有効に使おうね?」

「珍しいわね、カレンがそんな事言うなんて・・・」

「ティアちゃん!?、酷いよ!?」

「ふふ♪、冗談よ♪」

「もう・・・、じゃあ今日は楽しんでね?」

 

そう言うと、

花怜ちゃん、瑠菜ちゃん、

ティアちゃん、未柚ちゃんの4人は

ステージ裏に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――開演、10分前――

 

 

 

 

 

 

 

 

開演が10分前になった途端

ライブステージの幕が開くと

そこには・・・

 

「「「「「みなさん、こんにちは!」」」」」

 

花怜ちゃん、瑠菜ちゃん、

ティアちゃん、未柚ちゃん、

ゆうちゃんの5人が私達や他の観客に

挨拶をした。

 

「ゆーくん達の衣装、凄い・・・」

「格好いいです・・・」

 

ゆうちゃん達の衣装は

ハロウィンの時期に合うような衣装だった。

 

「まずは今日、一緒に歌うメンバーを紹介します」

 

ゆうちゃんの説明に

最初に出てきたのは・・・

 

「明美瑠菜で~す♪、ぴんきす~と♪」

「・・・ルーちゃん。大丈夫?」

「大丈夫だよ~!。問題な~い!」

 

瑠菜ちゃんの自己紹介に

観客のみんなは笑っていた・・・

 

「次は、この人だよ~♪」

 

瑠菜ちゃんの呼びかけに

出てきたのは・・・

 

「如月ティアよ。う~、う~、ばっきゅん♪」

「今年は、『原初の魔女』のネタなんだね・・・」

「あら。ユーリは分かっちゃう?」

「コミック版でやってたよね。確か・・・」

「『マジカル♪ごうだーシェフ♪』よね。」

「次は、この子です・・・」

 

ゆうちゃんが苦笑いしながらも

出てきたのは・・・

 

「神無月未柚です。にゃんぱすー」

 

すると、観客の人達も『にゃんぱすー』と

声を出し始めた・・・

穂乃果達もやった方がいいのかな・・・?

 

「どんどんやるのん。次の人の紹介なん」

「未柚ちゃん、完全になりきってるね・・・」

「ミユの次は、ご存知の方もいると思うけど・・・」

 

そして花怜ちゃんが

前に出てきた。

 

「三日月花怜です♪、みんな乗ってるかーい?」

 

花怜ちゃんが叫んだ瞬間、

周りの歓声が大きくなった・・・

す、凄い・・・

 

「花怜の挨拶も終わったところで・・・」

「最後は~・・・」

「未柚達にとっては・・・」

「優しくて頼れる・・・」

 

ティアちゃん達4人の一言で

最後に出てきたのは・・・

 

「水無月悠里です。今日は楽しんでくださいね?」

 

ゆうちゃんが私達に自己紹介をした。

だけど、いつもと違うところがあった。

控えめだけど、思わず見惚れてしまいそうな

とても澄んだ綺麗な声をしていた・・・

 

「「「綺麗・・・///」」」

 

穂乃果だけじゃなく

海未ちゃん、ことりちゃんも

ゆうちゃんの姿に釘付けになっていた。

 

「「「「「それではミュージックスタート‼」」」」」

 

ゆうちゃん達5人の合図と共に

ライブが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃん達のダンスや歌は

凄く綺麗だった・・・

うぅん、本当は一言じゃ表せないくらい

輝いているように私達は見えた。

そして4曲目が終わり・・・

 

「・・・実は、もう1曲あります」

 

ゆうちゃん・・・?

 

「この曲は、僕が転入した高校で

活動しているアイドルグループの曲です・・・」

 

それって穂乃果達、μ′sの事だよね?

 

「初めは、3人だけで歌ってた彼女達ですが

その努力で今では9人になり人気のスクールアイドルになりました・・・」

 

急な事だったので、ゆうちゃんが

何を言ってるのか分からない。

 

「僕は、ファーストライブで歌った

()()3()()に、1つ目のお礼がしたいので

ここの4人と事前に相談をして練習をしました」

 

ゆうちゃんが言ってる

ファーストライブで歌った3人って

穂乃果と海未ちゃん、ことりちゃんの事だよね?

 

「本物とは、程遠いと思う方もいると思います。

だけど、僕のワガママかもしれなけれど

歌いたいと思います。」

 

すると聞き覚えのある

曲が流れ始めた。

それは・・・

 

「「「「「『START:DASH‼』、歌います・・・」」」」」

 

 

ファーストライブの時に

歌った曲だった・・・

あの時は、観客は誰もいなかったけど、

ゆうちゃんが穂乃果達3人の傍で観てくれた。

気づいたら穂乃果は涙を流していた・・・

 

「ゆ、うちゃんズルイよ・・・」

「本当に悠、里君は・・・」

「ゆー、くんったら・・・」

 

きっと私達3人は嬉しくて

泣いてるんだと思う・・・

曲が終わると、ゆうちゃんは・・・

 

「彼女達9人はイベント最後に秋葉でライブを

するので是非、観に来てください!」

「ちなみに、そのスクールアイドルは・・・」

 

花怜ちゃんが、

ゆうちゃん達4人に合図を送り・・・

声を揃えて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「音ノ木坂学院、『μ’s』の応援を

よろしくお願いします‼」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

本当に、ゆうちゃんは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロウィンイベント最後の日、

ほのちゃん達のライブは無事に成功。

僕はライブを観終えたあと、

神田明神に来ている。

その理由は・・・

 

『じゃあ、母さんは行くわね?』

「・・・本当に行っちゃうの?」

 

ハロウィンが終わってしまうので

母さんは天国に帰ってしまう・・・

 

『ほら♪、泣かないの。悠里は1人じゃないでしょ?』

「で、でも、僕は、本当は生きてる価値なんて・・・」

『そんなことないわ。卒業した後に()()()()()()()を見つけたいんでしょ?』

 

なんでそれを知ってるの・・・?

 

『私は悠里の母親よ?、悠里が考えそうな事

くらい分かるわよ・・・。』

 

だって、僕は・・・

 

『悠里、あなたは大切な人の為だったら自分がどうなろうと構わないと思ってるでしょ?。

あなたが中学の時に法を犯した行為をしても、

私は責めたりはしないわ。私だって同じ立場だったら

悠里と同じ事してたもの・・・』

 

僕の場合は違う・・・

どんなに頑張っても

結局は、『生きる価値すら無い』人間以下・・・

 

『最後に、1つだけ言っておくわね・・・』

「え・・・?」

 

母さんは、優しい笑顔で・・・

 

()()()()()()でいるのよ・・・』

 

辛くても・・・

 

「うん‼」

 

精一杯の笑顔で母さんに向けた・・・

 

『またね。悠里・・・。私は・・・』

 

そして母さんは、

涙を浮かべながらも

笑顔で・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ずっと、悠里の事を見守ってるわ・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を最後に

母さんは光の粒子となって

天へと旅立って行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぅ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・母さん、今はもう泣いていいよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう僕、辛くても、な、泣かないか、ら。

や、約束するからぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、2期第6話は終了です。
千歌ちゃん、曜ちゃんの2人を
上手く表現できたか不安ですが頑張って
みました・・・
次回は、2期第7話『なんとかしなきゃ』の回です。
頑張って執筆しますので、よろしくお願いします。


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第81話 ダイエット・・・?

ゆるポメラです。
今回から、2期第7話『なんとかしなきゃ』の回
になります。
花陽ちゃんのおにぎり、一体お米何合
炊いたら、あの大きさになるんでしょうね・・・?

それではどうぞ。



母さんが還るべき場所に

行ってしまってから3日が過ぎた・・・

 

「今日は身体測定だっけ・・・」

 

音ノ木坂で男子は

僕だけなので、身体測定を

やる場所は転入前の月ノ丘高で

測るんだ・・・

 

「ことちゃんにメールしておこう・・・」

 

南先生の娘でもある

ことちゃんに学校に着く時間が昼休み近くに

なりそうなので遅れるとメールを

送る事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっほー。

穂乃果だよ!

私は今、生徒会室の片隅で

ランニングマシンを使ってるんだ。

なんでかって言うとね・・・

 

「たるみすぎです‼」

「雪穂にも言われたよー、『そんなアイドル見た事ない』って・・・」

 

海未ちゃんに怒られてる理由は

身体測定の結果で体重が増えちゃって・・・

 

「全く。普段から怠けてるからですよ!」

「でもさ、あんなに体とか動かしてるんだよ?」

「身長は変わらないの?」

「うん。ゆうちゃんって今日は来てないの?」

「ゆーくんなら、月ノ丘高で身体測定があるから

遅れて来るって今朝メールがきたよ?」

 

もしかして、

音ノ木坂が女子高だから

転入前の高校で測るって意味なのかな?

でも私は、心配な事がある・・・

 

「ゆうちゃん、泣いてたよね・・・」

「悠里君、私達の前では笑ってましたし・・・」

「あの時、見ちゃったもんね・・・」

 

ゆうちゃん本人は、

気づいてないと思うけど、

私達3人はハロウィンイベントが終わった時に

神田明神に向かう、ゆうちゃんが気になったので

追いかけてみたら、藍里さんと別れるところを

目撃してしまった・・・

藍里さんは涙を浮かべながらも笑顔で、

ゆうちゃんに別れを告げて消えてしまった。

そして誰もいない境内で、

ゆうちゃんは、ずっと泣いていた・・・

 

「藍里さんが悠里君に言ってた事って

私達3人も含まれてた言い方に

聞こえたんですが・・・」

「藍里さん、ことり達が居たの気づいてたよね」

 

ゆうちゃんに別れを告げる際に、

藍里さんは穂乃果達が隠れてた方を一瞬だけ

見てきたのは今でも覚えてる。

だから藍里さんが言った意味は、穂乃果達3人に

向けてのメッセージなんだと思う・・・

 

「今のゆーくん、見てて痛々しいよ・・・」

「私達がしてあげれる事って何でしょうね・・・」

 

海未ちゃん、ことりちゃんが沈んだ声を

しながら呟いた・・・

ゆうちゃんを今の性格にしてしまったのは

他でもない、穂乃果達3人のせい

なのだから・・・

 

 

 

――ガチャ‼――

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、生徒会室の扉が開き

誰が入ってきたのかと思い

振り返ると・・・

 

「おはよう・・・」

「「「あっ・・・」」」

 

入ってきたのは、

ゆうちゃんだった。

 

「・・・ほのちゃん。何でジャージ着てるの?」

「えっ?、えぇと・・・」

 

どうしよう・・・

体重が増えちゃったから

なんて言えないし・・・

 

「やっぱりいいよ。言わなくても・・・」

「う、うん・・・///」

 

ゆうちゃんは、それ以上の事を

聞くのは禁句と察したのか、

言わなくていいよと穂乃果に言ってくれた。

 

「とりあえず穂乃果、これを着てください!」

 

海未ちゃんが溜息を吐きながらも

渡してきたのは、ファーストライブの衣装だった。

 

「なんで、この衣装を?」

「いいから。黙って着てください!」

「えぇー!?」

 

海未ちゃんが言ってる意味が

分からないけど、とりあえず着る事に・・・

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果が着替えるので

私達3人は、生徒会室から一旦出る事に

しました。

 

「みーちゃん、今の行動の意味が分かったよ・・・」

「悠里君は分かりました?」

「・・・流れで分かったよ。」

 

悠里君、穂乃果を傷つけないように

ずっと黙ってたんですね・・・

そう言えば・・・

 

「悠里君は身体測定は、どうだったんですか?」

「・・・身長、体重変化なし。そして心配された」

「ゆーくん、誰に?」

「ティアちゃん達・・・」

 

ティア達というと、

瑠菜や花怜、未柚ちゃんもですよね・・・

でも一体・・・?

 

「・・・水とクッキーがあれば生きてけるのに」

「ゆ、悠里君?」

 

今呟いた意味を

聞こうとした瞬間・・・

 

「きゃわぁぁぁー!?」

 

穂乃果の悲痛な叫び声が聞こえました。

どうやら現実を知ったみたいですね。

 

「う、ううぅ・・・」

「穂乃果ちゃん大丈夫?」

「ごめん、今日は1人にさせて・・・」

 

中に入ると、穂乃果は完全に

鬱になってました。

すると、ことりが・・・

 

「き、気にしないで?。体重は増えたかもしれない

けど見た目はそんなに・・・」

「本当!?」

「へっ!?、えっと・・・」

「みーちゃん、今のは流石に、ね・・・?」

 

悠里君が言いたいのは、

気休めは本人の為にならないと

言いたいんだと思います・・・

なので私は・・・

 

「さっき鏡で見たんでしょう?」

「ひぃ・・・!?」

 

私は手鏡を出して

穂乃果に自分の顔を突き付けました。

 

「見たんでしょう!」

「やーめーて‼」

「穂乃果はリーダーなのですから、ラブライブに

向けてダイエットをしてもらいます‼」

「うぅ・・・」

 

穂乃果自身も自覚して

いるのか、渋々ですが納得しました。

すると穂乃果は・・・

 

「ゆうちゃん、身体測定どうだったの?」

「・・・ん。」

 

悠里君は穂乃果に

身体測定の結果と思われる紙を

渡しました。

ですが・・・

 

「悠里君、見てもいいんですか?」

「身体測定の結果くらい、

別に誰かに見られても気にしないし・・・」

 

悠里君だって

他人に見られたら嫌なんじゃ・・・

私は穂乃果の右側に行くと、

ことりは左側に行き、私達3人は

悠里君の身体測定の結果を見て驚愕しました。

身長は、まだいいんです。

だけど問題は体重の方でした。

身体測定の結果に書かれてた悠里君の体重は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『体重:33㎏』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、普通の一般の男子高校生

とは思えない数値でした。

 

「中学1年の時から変化ないんだよね・・・」

「ゆーくん、本当に食べてるの!?」

「気分が悪くて食べない時もあるよ・・・」

 

ティア達が悠里君を心配する理由が

私達でも分かりました・・・

悠里君は本当に食生活とかを

してるのか不安になってきました・・・

 

「部室行こ?、僕、軽食作ってきたから・・・」

 

そう言うと悠里君は

部室に向かって行ったので

私達も慌てて追いかけました。

 

(悠里君に、お弁当を作ってあげた方が

いいでしょうか・・・?)

 

部室に向かう途中、

私は悠里君を見ながら、

そんな事を考えていました・・・

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――部室――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「収穫の秋!、秋といえば新米の季節です♪」

 

花陽ちゃんが巨大な

おにぎりを持ちながら言った。

お米、何合炊いたんだろ・・・?

 

「いつにも増して大きいにゃー」

「まさかそれ、全部食べる気?」

 

真姫ちゃんが言いたいのは分かるよ。

僕も、あの大きさは食べきれるか

不安だ・・・

 

「あ~・・・、ん?」

「うう~・・・」

 

ほのちゃんが唸り声を

上げながら、花陽ちゃんを見ていた。

 

「美味しそう・・・」

「食べる?」

「わぁ、いいの!?」

「いけません‼、あれだけの炭水化物を取ると

燃焼にどれだけかかると思ってるんですか!?」

 

みーちゃんが止めた。

ほのちゃん、ダイエット中だもんね・・・

 

「どうしたの?」

 

凛ちゃんが、

ほのちゃんに聞くと

真姫ちゃんは察したのか・・・

 

「もしかしてダイエット?」

「うん。最終予選までに減らさなきゃ

いけなくて・・・」

 

ダイエットって苦行なんだなぁ・・・

 

「さっ、ダイエットに戻りますよ」

「酷いよ、海未ちゃん‼」

「仕方ないでしょう・・・」

 

みーちゃんが厳しく見えるのは、

ほのちゃんの為だからだと思う・・・

 

「・・・僕も食べない方がいいんじゃ?」

 

ほのちゃんが可哀想に思えてきたので

僕が、呟いた瞬間・・・

 

「悠里君は食べてください!?。倒れちゃいますよ!?」

「海未。それどういう意味なの?」

「真姫、悠里君の身体測定の結果を見てください」

「悠里さんの・・・?」

 

みーちゃんが僕の身体測定の結果の紙を

真姫ちゃんに渡す。

それにつられて凛ちゃんも隣で見た。

最初は2人共、表情は普通だったのだが

『体重』の部分を見た瞬間、目を見開きながら

僕の方を見ると・・・

 

「「お願いですから食べてください‼」」

 

声を揃えて

言われた・・・

すると、凛ちゃんと真姫ちゃんは

花陽ちゃんの方を見て・・・

 

「かよちん・・・?」

「あなた、最近・・・」

「ん・・・?」

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぴやあああぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

お分かりの方もいるかも知れないが

花陽ちゃんの叫び声が部室内に響いた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回に続きます。
頑張って執筆しますので
よろしくお願いします。


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第82話 問題は山積みです。

ゆるポメラです。
2日続けての早番のバイトが終わった・・・
開店前の準備は、やっぱり大変です。
今回は、前回の続きです。

それではどうぞ。


僕達は屋上に

来てるんだけど・・・

 

「「う、うぅ・・・」」

 

ほのちゃん、花陽ちゃんの

2人は落ちこんでいた・・・

 

「まさか、こんな事になってたなんて・・・」

「まぁ2人共、育ち盛りやし・・・」

「でも、ほっとけないレベルなんでしょ?」

 

絵里さん達3年生も

みーちゃんから内容を聞いた時は驚いてた。

 

「これが今日のメニューです!」

 

ズビシ‼っていう効果音が

似合うくらい、みーちゃん特製の

『ダイエットプラン』があった。

 

「えぇ!?、夕飯これだけ!?」

「お、お米がぁ・・・」

 

本当に夕飯のメニューが

気になるよ・・・

花陽ちゃんの反応を見る限りだと

お米は少ないか、最悪ないんだろうなぁ・・・

 

「その代わり、朝ご飯はしっかり食べても

大丈夫ですので、ご心配なく♪」

 

みーちゃんが笑顔で、

ほのちゃんと花陽ちゃんの2人に言った。

 

「うぅ・・・」

「やるしかないよ、穂乃果ちゃん・・・」

「うん・・・。でも良かった!」

「ん・・・?」

 

ほのちゃんは花陽ちゃんの

手を握りながら・・・

 

「私と同じ境遇の仲間がいてくれて!」

「仲、間・・・?」

「目、逸らした・・・?」

 

女の子って色々あるんだね・・・

 

「あの~、すみません・・・」

 

屋上のドアが開き、

入ってきたのは3人の1年生だった。

あ、色紙を持ってる・・・

 

「あなた達は?」

 

ほのちゃんが聞くと・・・

 

「あ、すみません。

私達この前のライブに感動して・・・」

「サインいいですか・・・?」

 

あぁ~。ハロウィンイベントでやった

ライブを、この子達は観に来てくれて

それでか・・・

 

「ありがとう嬉しいわ。穂乃果いいわよね?」

「うん!、もちろん!」

 

絵里さんの問いかけに

ほのちゃんは笑顔で答えた。

 

サインを書き終えると

1年生の子達は嬉しそうだった。

すると1人の子が・・・

 

「私、園田先輩のスタイルに憧れてて・・・」

「そ、そんなスタイルだなんて・・・///」

 

みーちゃんは

自分のスタイルの事を

言われて頬を赤らめてた。

 

「私は、ことり先輩のスラッとしたところが!」

「全然スラッとしてないよ・・・///」

 

ことちゃんも、

そんな事ないよと言う・・・

 

「私は穂乃果先輩の・・・」

「の!?」

「・・・元気なとこが大好きです」

「あ、ありがと・・・」

 

僕、思うんだ・・・

どうして女の子は、

観察力に長けてるんだろうね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、みんな思ってたんだね・・・」

「今のは、たまたまそう見えただけだよ?」

「これで、よりやらねばと思ったでしょう?」

 

僕達4人は、生徒会に向かってます。

ほのちゃん、大丈夫かな・・・?

 

「人間、そんな簡単に出来てないよ・・・」

「・・・ほのちゃん、本当に大丈夫?」

 

生徒会室に着き、

扉を開けると大量の書類があった。

 

「何これ!?」

「そろそろ予算会議の時期ですからね・・・」

 

ほのちゃんの驚きの声に、

みーちゃんが説明した。

 

「・・・僕は、この書類から片づけるね?」

「お願いします。私とことりは、そっちを

やりますので、穂乃果はこの書類をお願いします」

「うぅ・・・」

 

ほのちゃんの場合、ダイエットだけじゃなく

生徒会の仕事もあるからなぁ・・・

 

「あのー・・・」

 

すると違うクラスの2年生の子が

一枚の紙を持って来た。

 

「美術部なんですけど、予算案の紙を

直接持って来ました・・・」

「あ、ありがとう」

 

みーちゃんが予算案の確認をすると・・・

 

「はい。確かに受け取りました。」

「じゃあ、お願いします」

 

その子は生徒会室をあとにした。

 

「はい。ことり」

「うん。」

 

みーちゃんが予算案の紙を

ことちゃんに渡した。

 

(問題は山積みだなぁ・・・)

 

そう思いながらも

作業に取りかかる僕だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は神田明神で

ハロウィンイベントのライブの映像を

見ています。

 

『再生数が凄いね!』

 

花怜の一言に

私も喜んでいます。

やはり今までの自分達の姿で

ライブをして良かったです。

 

「この調子で最終予選も突破してやるにゃー」

「そうね。その為に穂乃果と花陽には頑張って

もらわないとね!」

 

凛の言葉に絵里が答えました。

ダイエットという単語を聞いて

思い出したのですが、私は花怜に

聞きたかった事があったので・・・

 

「あの、花怜?」

『どうしたの?』

「今日、悠里君に身体測定の結果を見せて

もらったんですが・・・」

『・・・ゆうり君の体重の事?』

「正直、心配です・・・」

『こればっかりはねぇ・・・』

 

学校での悠里君の

お昼ご飯は、日によって変わってました。

ある時は穂乃果と同じパンを食べたり、

自分で作った、お弁当を食べたりしてました。

身体測定の結果を見せてもらうまでは・・・

すると希が・・・

 

「え?、そんなに深刻なん?」

『ゆうり君自身は気にしてないけどね・・・』

「悠里が体重が増えてるようには見えないけど?」

『にこちゃん。その逆なんだよ・・・』

「悠里くんって何㎏あるの?」

 

絵里達3年生は知りませんよね・・・

私が悠里君の身体測定の結果の紙を

絵里に渡しました。

にこと希も見ると・・・

 

「「「さ、33㎏!?」」」

『絵里ちゃん達から見て、どう?』

 

驚いている絵里達に

花怜が聞きました。

 

「か、軽すぎや・・・」

「全然見えない・・・」

「悠里くん、食べても太らないのかしら・・・」

 

絵里達の反応は

私達と同じでした・・・

 

『酷い時だと、何も食べないから・・・』

「悠里君、大丈夫なんでしょうか・・・」

「花怜ちゃん。ゆーくんって、いつから・・・」

『ゆうり君が中学1年の時からかな』

 

それって・・・

 

『多分、藍里さんが亡くなって、精神的ショック

で食べる気が失せちゃたんだと思うよ・・・』

「じゃあ、その次の日からずっと・・・」

『もっと危ないのは、

12月に入ってからなんだよねぇ・・・』

 

花怜も未柚ちゃんと同じ事を

言ってました・・・

 

『ゆうり君、12月になると()()()()に近い

行動をするから目が離せないんだよ・・・』

 

か、花怜・・・?

今なんて言いました・・・?

ゆ、悠里君が・・・

 

「ゆ、ゆーくんが・・・?」

『12月に入ったら教えてあげるから、

今は気づかれないようにして?。ゆうり君、

表情には凄く敏感だから・・・』

 

花怜から衝撃的な事実を聞いたあと

私は穂乃果達2人と走ってる悠里君を見た。

 

(私、どうすれば・・・)

 

自分が悠里君にできる事が

段々分からなくなってきた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




短くなってしまい申し訳ありません。
今回は悠里の体重が軽い理由と
12月になったら、悠里が危ない事を
する事実を明らかにしました。
次回もよろしくお願いします。


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コラボ回 夢の中での出会い

ゆるポメラです。
今回は、同じハーメルンで
ラブライブの小説を執筆している
アズトモさんとコラボする事になりました。
何とか予定より早めに投稿できました。
上手く表現できてるか不安ですが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。



ほのちゃん、花陽ちゃん2人が、

ダイエットを開始した

その日の夜・・・

 

「眠いから少し寝ようかな・・・」

 

いつもだったら

夕飯を食べるんだけど

今は、ものすごく眠い。

 

「少し、だけ・・・」

 

人間、やっぱり

眠気には勝てないよ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

――夢の中――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も無い空間・・・

あぁ、夢の中の世界か・・・

 

「・・・人?」

 

少し遠いが人がいた。

背中越しだが、

その人は周りをキョロキョロを

見渡していた。

 

「おっ!」

 

その人は振り向くと

僕が後ろにいた事に気づき

こっちに来た。

 

「そうか。俺の事・・・」

 

その人の表情は

まるで『そうだった、初対面だよな』と

言ってるかのように

苦笑いしていた・・・

そこで僕は・・・

 

「・・・()()()、さんですよね?」

「お、お前・・・!?」

「そんなに驚かなくても・・・」

 

翼さんの表情は、

覚えてる筈がないのに

なんで覚えてるんだという顔をしていた。

 

「いや、そんな筈は・・・」

「あの別に百面相しなくても・・・」

「俺が間違えて?、いやそんな筈は・・・」

 

とりあえず僕は、

翼さんが落ちつくまで

待つことにした。

 

「なあ。本当に悠里だよな?」

「・・・そうですよ?」

「なんか能力でも使ったのか?」

「・・・あの、ここ夢の中ですよ?」

「はあ!?」

 

話が噛み合わないので

僕は、いくつか質問する事にした。

 

「あなたは星空翼さんですよね?」

「あ、あぁ・・・」

「さっきまで何をしてました?」

「人と話してたな」

 

翼さんが言った()とは

恐らく僕の事・・・

厳密には中学を卒業したばかりの

僕の事・・・

 

「・・・で、時間移動してたら迷ったと?」

「お前、エスパーか?」

「ただの高校2年生ですよ?」

「洞察力が凄すぎだろ・・・」

 

僕なんかより

翼さんが凄いと思うよ・・・

 

「なぁ悠里、どうやったら俺は帰れるんだ?」

「現実の僕は寝てるんで、夢の中の僕・・・、

この空間にいる僕が眠くならない限りですね」

「分かりやすい説明だな・・・」

 

分かりやすい、かな・・・?

 

「最近はどうなんだ?」

 

翼さんが聞いた意味は

あの後の生活はどうなんだ?

という事なのだろう・・・

 

「楽しいですね?、多分・・・」

「なんで疑問系?」

「まだ実感わかなくて・・・」

「意外だな。俺はてっきり楽しいって

言うかと思ってたよ」

「少なくとも中学時代の時よりはマシですね」

「そうか・・・」

 

あ、そうだ・・・

 

「翼さんは以前、()()()()()()()()()()()()()みたいな事を僕に言ったの覚えてます?」

「あぁ俺、そんな事言ってたな・・・」

「・・・今でもそうなんですか?」

「まぁ少しは。ただ今でも

その答えが分かんないんだ・・・」

 

()()()()()()()()、か・・・

普通の人だったら『なに言ってだコイツ?』と

思う人が多いかもしれないけど、

僕は翼さんが言ってた答えが分かる。

なので僕は・・・

 

「それは多分、翼さんが生きたいと

思ってるからですよ・・・」

「俺が・・・?」

「僕が言っても説得力ないですけど、

口ではそう言っても、心は嘘をつけないんです」

「悠里はどうなんだ?」

「僕は普通に死ねます。あの時決めたんで・・・」

「そ、うか・・・」

「残りの時間が少なくても、探すだけ探すのも

悪くないと僕は思いますよ?」

 

僕が翼さんに、

そう伝えた瞬間、

急に眠気が襲ってきた。

・・・そろそろ時間みたい。

 

「悠里!?。お前、体が消えてるぞ!?」

「多分、現実に戻るみたいですね。

これで翼さんは帰れますよ?」

「また会えるよな!?」

 

翼さんが言ってきたので

僕は某奇跡の魔女みたいに・・・

 

「可能性がゼロではない限り、また会えますよ」

 

そう言い残し、

そして僕は瞼を閉じた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――現実世界――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると

時刻は、あれから

1時間経過していた・・・

 

()()、か・・・」

 

それだけを呟くと

僕は夕飯を作る為、

台所に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

(奇跡的な夢もあるんだな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

心の中で僕は、

そう思った・・・




今回は夢の中で起きた話を
執筆執筆してみました。
アズトモさんの星空翼くんを
上手く表現できたか
かなり不安ですが・・・
アズトモさん。この度は、
コラボして頂きありがとうございます。
次回は本編に続きます。


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特別編 アイドル研究部長の誕生日

ゆるポメラです。
にこちゃん。誕生日おめでとう。
誕生日編を執筆するのも
4回目になりました。

それではどうぞ。


今日は、にこさんの誕生日です。

放課後に部室でパーティーをやろう

という話を前々から、

みんなで計画していたので

本日の主役を連れてくる役目は、

絵里さんと希さんに任せてある。

で現在・・・

 

「飾りはこの辺でいいかにゃ?」

「凛ちゃん、もうちょい右で・・・」

「分かったにゃー」

 

僕と凛ちゃんで

部室の飾り付けをし・・・

 

「みんな!、お米炊けたよ‼」

「誕生日にいるの?」

「当たり前だよ‼」

 

花陽ちゃんと真姫ちゃんの

こんな会話があったり・・・

 

「ケーキの準備もできたよ~♪」

「わーい」

「穂乃果?、つまみ食いは駄目ですよ?」

「そんな事しないもん!」

 

ことちゃんが作ったケーキを

ほのちゃんがつまみ食いをするのでは

ないか?と、みーちゃんが注意したり・・・

 

「・・・みんな準備できた?」

「「「「「「はーい!」」」」」」

 

ちょうどいいタイミングで

足音が聞こえたので僕達7人は

クラッカーを持ち配置についた。

すると部室のドアが開き・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「誕生日おめでとう!」」」」」」」

「・・・へっ?」

 

当のにこさんは、

口を開けながら唖然としていた。

 

「にこっちがフリーズしてるわ」

「にこー?、大丈夫?」

 

希さんと絵里さんに

肩を叩かれ、落ちついたようだ。

 

「あ、ありがと・・・///」

 

なんか嬉しそうだったので

早速みんなでパーティーを始める事に

した・・・

 

「この料理誰が作ったのよ?」

 

にこさんがテーブルに

置かれた大量の料理を見て

聞いてきたので・・・

 

「・・・僕が作りました。」

「あ、あんた1人で!?」

「そうですね。ケーキは、ことちゃんが・・・」

「私より、ゆーくんの料理が・・・」

 

・・・え?

なんで・・・?

ことちゃんが作ったケーキだって

凄いのに・・・

 

「まあ、食べてください・・・」

「い、頂きます・・・」

 

にこさんが

料理を食べると・・・

 

「お、美味しい・・・」

「それは良かったです・・・」

 

あ、そうだ・・・

 

「これは僕からの誕生日プレゼントです」

「何これ?」

「箱ですかね?」

「まぁ、開けてみてください・・・」

 

にこさんが疑問に思いながらも

僕が渡したプレゼントを開けると

入ってた中身を見て・・・

 

「ちょ!?、あんたコレどこで手に入れたの!?」

「はわわわ!?、こ、これは・・・!?」

 

にこさんだけじゃなく

花陽ちゃんも驚いてたので

なんで驚いてるのか聞くと・・・

 

「・・・そんなに珍しいですか?」

「珍しいってもんじゃないです‼、世界で3つしか

ない物なんですよ!?」

「・・・あ、そうなの?」

「花陽、これは何なのですか?」

 

みーちゃんの疑問に

花陽ちゃんが答える。

 

「これは始まりのアイドルのCDで、ネットで売ると

値段がつけれない程の代物なんです‼」

 

じゃあ()()()のなんだ。

良かったね。有名になってるよ・・・

 

「悠里さん‼、どこで手に入れたんですか!?」

「・・・小さい頃に貰った。」

「「「「「「「「「えええぇぇぇ!?」」」」」」」」」

「・・・みんなは何に驚いてるの?」

 

訳が分からないよ

 

「貰ったて、あんた・・・」

「まぁ、幼馴染みでしたから・・・」

「「「「「「「「「お、幼馴染み!?」」」」」」」」」

「・・・あれ?」

 

さっきから驚かれてばっかりだな。

 

「まぁ、せっかくだから部室に飾るなり聴くなり

好きにしてください・・・」

「あ、ありがたく貰うわ・・・」

「にこちゃん‼、早く聴きましょう‼」

「かよちん!?、少し落ちつくにゃ‼」

 

まぁ、なんやかんやで

盛り上がりました。

 

(あの時の約束、守ってるからね・・・)

 

僕は、()()()の事を

思い出しながら笑っていた・・・

 




なんか短くなってしまい申し訳ありません。
もう少し頑張らないと・・・
次回は本編に入ります。


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第83話 ダイエット期間中での出来事

ゆるポメラです。
録画して見た『サンシャイン!』の
第3話で思ったのですが、鞠莉の学校での
立場に驚きました・・・
だってねぇ・・・

それではどうぞ。


おはよー・・・

悠里だよー・・・

って何言ってるんだろうね?

 

「・・・また、()()()の夢か」

 

毎年、12月が近づいてくると

同じ夢ばっかり見るんだよね・・・

 

「・・・学校、行こう」

 

今は考えても仕方ないしね・・・

僕は憂鬱な気分になりながらも

学校に行く事にした・・・

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも通り、学校が終わり

私達は神田明神で穂乃果と花陽の

ダイエットを手伝っていました。

今2人は神田明神の階段を登ってきて

いるところです。

 

「あれ?、この階段・・・」

「こ、こんなに、きつかったけ・・・?」

 

それは当たり前でしょう?

何故なら・・・

 

「ほのちゃん達2人は体に重りを付けながら

走ってるようなものだから・・・」

 

悠里君が、分かりやすい例えを

穂乃果と花陽に説明していました。

 

「はい。このままランニング5㎞スタート!」

「「えぇ~!?」」

 

全く、これも2人の為なんですよ!

なので私は・・・

 

「何してるんです!、ほら早く!」

「もぅ。海未ちゃんの鬼~!」

 

だ、誰が鬼なんですか!?

穂乃果と花陽はランニング5㎞を

するため階段を降りて行きました・・・

 

『大丈夫かな・・・?』

 

花怜は階段を降りて行く

穂乃果達を見ながら言いますが・・・

 

「・・・大丈夫だよ」

 

悠里君は、そう言いますが

何か違和感を感じます。

私の勘違いでしょうか・・・?

 

「ゆーくん、今朝から元気ないけど何かあった?」

「何もないよ。何も・・・」

『・・・』

 

ことりもやっぱり

そう思ってたんですね・・・

今日の悠里君は今朝から元気がありません・・・

私や穂乃果、ことりが悠里君に声をかけても

返事はしてくれるんですが、

悠里君は今も上の空でした・・・

すると花怜が悠里君の表情を見るなり・・・

 

『ゆうり君、昨日()()()飲んでたでしょ』

「「「「「「「えっ!?」」」」」」」

 

花怜の一言に私達7人は驚いていた・・・

え、でも悠里君って未成年ですよね・・・?

 

「僕の勝手でしょ・・・」

『まぁ、私は敢えて聞かないけど』

「・・・そうしてもらえると助かる」

『飲むのもいいけど程々にね?』

「・・・ん。」

 

悠里君のやり取りを見る限りだと

花怜は理由を知ってるみたいです・・・

 

「僕、その辺を散歩してくる・・・」

()()()だけ起こすのはやめてね?

私、すぐに分かるし力ずくでも止めるから』

「・・・そうなった時は、お願い」

 

悠里君は花怜にそれだけ言うと、

境内を散策しに向かいました・・・

 

「花怜ちゃん。ゆーくん、どうしちゃったの?」

『ことりちゃん、今は何月?』

「えっと、11月の後半・・・」

 

花怜の問いかけに

ことりが答える。

そろそろ12月が近い日付です・・・

え?、12月・・・?

私は嫌な予感しかしませんでした。

 

『あの様子だと今年は今日からか・・・

ゆうり君、何するか分からないし・・・』

 

花怜が心配そうな表情をしながら

呟いていました。

 

「花怜、そ、それって前に言ってた・・・」

『うん。ゆうり君が自殺未遂に近い行動ね』

「ゆーくん、何する気なの・・・?」

『それが読めないんだよ・・・』

 

更に花怜は捕捉説明を

するかのように・・・

 

『ゆうり君の()()とか()()に、ちょっとでも

違和感を感じたら危険信号だって思った方がいいよ』

 

じゃあ私が感じた違和感は・・・

花怜の言葉を聞いて、

いてもたってもいられず・・・

 

「私、悠里君を見てきます‼」

「ことりも‼」

『私も心配だから、一緒に行くね・・・』

 

私とことりは、

花怜と一緒に悠里君の

様子を見に行く事にしました・・・

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私と海未ちゃん、

花怜ちゃんは、

ゆーくんを捜していました。

数分前に離れた筈なのに

見つからない・・・

 

「花怜、聞いてもいいですか?」

『なに?』

「悠里君がワインを飲んだって本当なんですか?」

『あちゃ~、その事は説明してなかったよね・・・』

 

花怜ちゃんは、

説明し忘れたという表情を

しながら、海未ちゃんと

私に説明をし始めた・・・

 

『元々、ワイン自体は藍里さんのなの・・・』

 

藍里さんの・・・?

 

『ちょうど、ことりちゃんの治療費を払い終えた

年の12月に入るくらいだったかな・・・

ゆうり君がワインを飲んでたって聞いたの・・・』

「聞いたって、誰から聞いたんですか?」

『私とティアちゃんは瑠菜ちゃんから聞いたの』

 

瑠菜ちゃんが・・・?

でも、ゆーくんがワインを飲んだって

どうやって知ったんだろう?

 

『偶然、ゆうり君が飲んでるところを

目撃しちゃったみたい。』

「でも何で、ゆーくんはワインを飲んでたの?」

 

すると花怜ちゃんの

表情が暗くなり・・・

 

『ゆうり君、それくらい追いつめられて

たんだと思う・・・。

だって、あんな辛い目にあったんだから・・・』

「「あっ・・・」」

 

前に花怜ちゃん、瑠菜ちゃん、ティアちゃん

から聞いた話を思い返せば当たり前だった。

ゆーくんが辛くない筈がない。

 

『今でも思うの。()()()()()って

何なんだろうって・・・』

 

本当の友達・・・?

 

『あとで穂乃果ちゃんにも聞くつもりだけど、

ことりちゃん、海未ちゃんは・・・』

 

花怜ちゃんは、

私と海未ちゃんの目を

真っ直ぐに見ながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()ってある・・・?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「花、怜・・・?」

「花、怜ちゃん・・・?」

 

今、花怜ちゃんは何て言ったの?

ゆーくんを・・・

()()・・・?

こ、ことり達が・・・?

 

「な、何でそんな事・・・」

 

海未ちゃんの言葉に

花怜ちゃんは・・・

 

『今はまだ分からなくていいよ。

だけど、ことりちゃん達3人で考えて?

例え夢でも、本当に現実になってしまった事

も含めてね・・・』

 

花怜ちゃんの言ってる事は、

まるで・・・

 

(嘘だとは思えない・・・)

 

ことりが迷いながらも考えると・・・

 

『あ!。ゆうり君いた!』

 

見てみると、

ゆーくんは木に寄りかかり

虚ろな表情をしながら黄昏ていた・・・

私と海未ちゃんが近くにいる

事にも気づいていない・・・

だから私達2人は・・・

 

「ゆーくん!」

「悠里君!」

「えっ・・・」

 

ゆーくんに抱きついていた。

何でか分からないけど

だって、ゆーくんが・・・

ことり達から離れてしまうのが怖い・・・

 

『捜したんだよ?』

「・・・ごめん。」

『まぁまぁ♪。早く戻ろう♪』

「・・・分かった。」

 

私と海未ちゃんは

花怜ちゃんが言ってた意味を

戻る最中も、ずっと考えていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




内容が短くなってしまい
申し訳ありません・・・
後半が暗くなってしまいました。
ちなみに花怜が言った言葉は
まだ先になりますが今後の重要な事です。
次回も、よろしくお願いします。



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第84話 ダイエット中の誘惑には勝てない

ゆるポメラです。
今回も少し短いです。
サブタイに少し悩みました。

それではどうぞ。


あれから、1週間がたった。

え?。何がかって・・・?

ほのちゃん、花陽ちゃんの

ダイエットがだよ・・・

 

「行くよ!、花陽ちゃん!」

「はい!」

 

ほのちゃん、

いつも以上に張りきってるな・・・

 

「頑張ってるにゃ~」

「順調そうね、ダイエットも」

 

凛ちゃん、絵里さんが

ランニングに行く2人を見ながら

言うけど・・・

 

「そうでしょうか・・・」

「え?」

 

みーちゃんだけは、

不可解なところがあるみたい。

 

「この1週間、このランニングだけは

妙に積極的な気がするのですが・・・」

「気のせいじゃないかなあ・・・?」

 

ことちゃんは、

気のせいじゃないかと言うけど

僕も気になる事が・・・

 

「・・・走るコースってどうなってるの?」

「悠里君、これです」

『どれどれ?』

 

みーちゃんから、走るコースが

書いてあるマップを借り、花怜ちゃんと

見ると・・・

 

『ランニングに積極的な理由が分かった』

「・・・やっぱり?」

 

花怜ちゃんは分かったようだ。

実は僕も気になる場所があった。

だってランニングコースに、ある店がある。

それは・・・

 

「まさか『ごはん屋』に行ってるんじゃ・・・」

『この時期って確か、スタンプ全部溜めると

次回から、大盛り無料だったような・・・』

「花怜ちゃん、それ合ってる・・・」

 

やっぱりダイエットで食事制限とか

してると、間食とか食べたいっていう

衝動が出てくるのかな・・・

 

「ちょっと見てきます・・・」

「みーちゃん、僕も行くよ・・・」

 

今の話を聞いて

みーちゃんが様子を見に行くって

言ったので、僕も一緒に行く事にした。

 

『ゆうり君、怒ってる?』

「いや、怒ってないけど・・・」

 

ほのちゃん達の様子を見に行く際に

花怜ちゃんに言われました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私と悠里君は、

穂乃果と花陽の様子を

見に街を歩いています。

 

「・・・ダイエットって大変なんだね」

「まぁ。そ、うですね・・・」

 

私はダイエットとか

あまりした事がないので

強くは言えませんが・・・

 

「悠里君は平気なんですか?」

「・・・食べないのには慣れてるから」

「そうじゃなくて、ちゃんと食べてください・・・」

「ティアちゃんにも言われた・・・」

 

それ以前にティアじゃなくても

言うと思います・・・

本当に悠里君の食生活が気になってしまいます。

なので私は・・・

 

「昨日は何を食べたんですか?」

「・・・」

 

私が何気なく聞くと

悠里君は黙ってしまいました。

まさかとは思いますが・・・

 

「悠・里・君?」

「・・・正直に言うと昨日の夜は食べてない」

「もう‼、ちゃんと食べてくださいって

昨日も言ったじゃないですか‼」

「う、うん・・・」

 

花怜の言った通り

目が離せません・・・

私だって心配なんですよ・・・

 

「流石に3()()続けて食べないのはキツイしね・・・」

「え?」

「あっ・・・」

 

私の聞き間違いじゃなければ

悠里君は今、昨日を含めて3日食べてないって

言いましたよね・・・

その証拠に悠里君は、余計な事を言ってしまった

という表情をしていたのを私は見逃さなかった。

 

「悠~里~君~‼」

「み、みーちゃん・・・?」

「穂乃果達のダイエットが終わったら、

6人でお説教です‼」

「ろ、6人って誰?。まさか・・・」

 

悠里君は誰だか検討がついてるみたいです。

 

「私達3人と花怜、瑠菜、ティアの3人です!」

「・・・はい」

「話の内容によっては、未柚ちゃんにも来て

もらいます!」

「・・・未柚ちゃんにまで!?」

 

流石に強引すぎますが

こうでもしないと悠里君は

聞かない気がします・・・

 

「あ。ほのちゃんと花陽ちゃんだ・・・」

 

悠里君の声がした方を見ると

穂乃果と花陽が、『ごはん屋』から

出てきました。

 

「いや~、今日も美味しかったね~」

「見て見て!、今日でスタンプ全部溜まったよ!

これで次回は大盛り無料!」

「大盛り無料!?。それって天国!?」

「だよね!、だよね!」

 

悠里君と花怜の言った通りに

なりましたね・・・

ふふふ・・・

 

「あなた達・・・?」

「「・・・ヒッ!?」」

 

穂乃果と花陽は、

私と悠里君がいる事に驚いていました。

 

「ゆうちゃん?、海未ちゃん・・・?」

「・・・ほのちゃん?、花陽ちゃん?

これはどういう事かな?、かな?」

 

そして私と悠里君は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「・・・さあ♪。説明してもらえますか?」」

 

 

 

 

 

 




前回に引き続き、
内容が短くなってしまい申し訳ありません。
次回で2期第7話は最後の予定です。
頑張って執筆しますので
よろしくお願いします。


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第85話 なんとかなるよ。

ゆるポメラです。
今回で『なんとかしなきゃ』の回は
最後になります。
ここ最近、サブタイが浮かばず
悩んでます・・・
話の構成とかは浮かぶのに・・・(遠い目)

それではどうぞ。



こんにちは。

南ことりです。

私達は今、部室にいるんだけど・・・

 

「それではダイエットの結果を発表します」

「「はい・・・」」

 

ゆーくんから聞いたんだけど、

穂乃果ちゃんと花陽ちゃんが落ち込んでる

理由は、ダイエット中にも関わらず

ランニングの時に『ごはん屋』に行って

たんだって・・・

 

「まずは花陽。運動の成果もあってか

何とか元に戻りました。」

「本当!?」

 

海未ちゃんの言葉に、

花陽ちゃんは嬉しそうだった。

もしかして穂乃果ちゃんも!?

 

「次に穂乃果・・・」

「はい!」

「あなたは変化なしです。」

「えぇ~!?。そんなぁー・・・」

 

・・・あれ?

 

「こっちの台詞です!、本当にメニュー通りに

やっているんですか?」

「してるよ!、ランニングだって腕立てだって!」

 

穂乃果ちゃんの言う事も

分かるけどなぁ・・・

 

「昨日ことりから、お菓子を貰ったという目撃情報

がありましたが・・・?」

「あ、あれは一口だけ・・・」

 

こ、ことりも同罪なのかな・・・?

この場合・・・

 

「雪穂の話だと昨日、お団子を食べていたとか?」

「あれは、お父さんが試作品だからって・・・」

「では、その後のケーキは・・・?」

「あれは、ほら!。早く食べないと

腐っちゃうじゃない?」

 

穂乃果ちゃん。

ケーキは、そう簡単には・・・

 

「『腐らないよ!?、そんなケーキ見た事ないよ!?』」

 

ゆーくんと花怜ちゃんの声が

同時にシンクロしていた・・・

あ、花怜ちゃんが部室にいるのは

穂乃果ちゃんが心配だったからなの。

 

「何やってるんですか!?、あなたは

μ’sのリーダーなんですよ!?」

「そ、それは分かってるけど・・・」

「本当にラブライブに出たいと思ってるんですか!?」

「当たり前だよ!」

「とてもそうは見えません!」

 

穂乃果ちゃんと海未ちゃんが

いつもの言い争いを始めちゃった。

海未ちゃんが、あんなに厳しいのは

穂乃果ちゃんの為なんだよね~

 

「・・・花怜ちゃんとティアちゃんみたい」

『ゆうり君、それどういう意味?』

「いや、何となく同じ光景を・・・」

『ひ、否定できない・・・』

 

花怜ちゃん、ごめんね?

私も同じ事思ってた・・・

 

「穂乃果ちゃん、かわいそう・・・」

「海未は穂乃果の事になると人が変わるわよね」

「穂乃果ちゃんの事、嫌いなのかな?」

 

凛ちゃんと真姫ちゃんが

遠目から見て言ってたので・・・

私は、すかさず2人に・・・

 

「ううん。大好きだよ」

「・・・みーちゃんの優しさなんだよ?」

『厳しさと優しさってやつだよ?』

 

ゆーくんと花怜ちゃんも

私と同じ事を言ってくれた。

 

「穂乃果!、私だってこんなにガミガミ言いたくは

ないんですよ!?。これじゃ私が鬼軍曹みたい

じゃないですか!」

 

その様子を見た真姫ちゃんが・・・

 

「そうは見えないけど・・・」

「「『・・・あはは』」」

 

すると部室のドアが開くと

ヒデコちゃんが入ってきた。

 

「あの~」

「どうしたの?」

「ちょっとまずい事になってるよ・・・」

 

まずい事って一体

何なんだろう・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ!?、承認された!?」

「うん。美術部の人達、喜んでたよ?」

「予算会議前なのに予算が通ったって・・・」

 

ヒデコさん達3人曰く、予算会議の前なのにも

関わらず、美術部の予算の申請が通ってしまった

らしい・・・

 

「そんな筈ありません!、会議前なのに予算が

通るなんて・・・」

 

みーちゃんの意見は、もっともだった。

余程の見落としがない限り、あり得ない筈・・・

 

「あぁ・・・!?」

「ことちゃん・・・?」

 

ことちゃんの様子が変だったので

近くに行くと予算案の申請の紙を持っていた。

そこに僕が目にしたのは、『承認』の判子が

押されていた・・・

 

「どうして承認されてるんですか!?」

「私、多分あの時・・・」

 

どうやら予算案の整理をしていた日。

つまり、美術部の人が予算案の申請の紙を

持ってきた時に、ことちゃんが間違って承認の

箱に置いてしまったらしい・・・

 

「とにかく美術部の人に話をつけに行こう!」

「ほのちゃん、一応お願いね・・・」

 

ほのちゃん達3人は、

生徒会室から出て行った。

 

「・・・どうしようかな?」

『承認されたって事は、あの流れだと美術部の人は

他の部員にも話ちゃったって事だよね・・・』

「高確率でね・・・」

『ゆうり君、どうするの・・・?』

「・・・とりあえず、ほのちゃん達を待つよ」

 

僕と花怜ちゃんは、

ほのちゃん達が戻ってくるのを待つ事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後に生徒会室に戻って、

絵里ちゃんと希ちゃんに話した。

 

「面倒な事になったね・・・」

「すみません、注意はしていたんですが・・・」

「海未ちゃんのせいじゃないよ。私が・・・」

 

違うよ。

本当は・・・

 

「ううん、私が悪いよ。海未ちゃんと

ことりちゃんに任せきりにしちゃったから・・・」

「その話は後や。今は予算の事どうにかせんと」

「3年生に美術部の知りあいがいるから、私から

掛け合ってみるわ・・・」

「そうやね。元生徒会長の言う事なら聞いてくれる

かもしれへんし・・・」

 

そう言うと、絵里ちゃんと希ちゃんは

生徒会室から出ようとした。

でも・・・

 

「私達でなんとかしなきゃダメなんじゃないかな」

『穂乃果ちゃんは、そう思うの?』

「うん。だって今の生徒会は私達なんだよ?

自分達のミスは自分達でやらなきゃダメなんじゃ

ないかな・・・」

『って言ってるけど、ゆうり君?』

 

花怜ちゃんの言葉に

ゆうちゃんは・・・

 

「・・・じゃ作業しようか」

「「「「「えっ?」」」」」

 

穂乃果達3人だけじゃなく

絵里ちゃんと希ちゃんも驚いていた。

すると花怜ちゃんが・・・

 

『絵里ちゃん、希ちゃん。練習のほうとかは

予算会議までの間、お願いしてもいいかな?』

「それはいいけど・・・」

「一体何する気なん?」

『まぁ、なんとかするから。ね?』

 

そう言うと、

渋々だが絵里ちゃんと希ちゃんは

生徒会室をあとにした・・・

 

「さてと、去年の予算案のデータっと・・・」

「ゆうちゃん、今から何するの?」

 

すると、ゆうちゃんは

穂乃果達3人を見て・・・

 

「・・・()()()を僕らで作るんだよ?」

「悠里君、それってできるんですか?」

「去年の予算案のデータを分析すれば、

一応可能だよ?。予算案会議までに間に合わせなきゃいけないけどね・・・」

『ゆうり君、万が一の時に考えてたんだよ?』

 

じゃあ・・・

 

「・・・頑張れば、なんとかなるよ」

「「「うん!」」」

 

ゆうちゃんは、

いつも穂乃果達の事を考えくれて・・・

 

(ありがと・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆーくんの提案で私達5人で作った

予算案で無事に予算会議も

終わった・・・

その事をみんなに話すと・・・

 

「それで予算通しちゃったの!?」

 

花陽ちゃんが驚きの声を

上げていた。

他のみんなも同じ反応だった。

 

「いや~、ゆうちゃんが提案してくれなかったら

危なかったよ・・・」

「私も正直、心臓が止まるかと・・・」

『まあまあ♪、無事に終わったんだから♪』

「・・・そうそう」

 

穂乃果ちゃんと海未ちゃんは

終わったのにも関わらず不安そう・・・

正直、ことりも・・・

 

「それより穂乃果、ダイエットです!」

「それがね?、さっき測ったら戻ってたの!」

「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」

 

穂乃果ちゃんそうなの?

 

「作業とかしてたら、食べるの忘れちゃって・・・」

「分かりやすいにゃ~」

 

すると真姫ちゃんが

こっちに来て・・・

 

「ことりの言う通りね。」

『真姫ちゃんも何となく分かった?』

「はい・・・」

 

私と花怜ちゃんは

穂乃果ちゃんの方を見ると・・・

 

「いや~、今日もパンがうまい!」

「っ!?、またそんな物!。こら~!」

「食べてもいいでしょ?、元に戻ったんだし」

「いけません!」

 

あはは・・・

いつも通りだね・・・

私は、ゆーくんの方を見ると・・・

 

「・・・」

 

ことりが見た、

ゆーくんの表情はこれまでにないくらい

暗かった・・・

すると穂乃果ちゃんと

海未ちゃんも私の表情を見て・・・

 

「ことりちゃん?」

「ことり?」

『穂乃果ちゃん、海未ちゃん。あれ見て・・・』

 

花怜ちゃんが2人に

ゆーくんの方を見るように促すと・・・

 

「「えっ・・・?」」

『3人共。明日から1()2()()に入るから、

ゆうり君を見ててあげてね?。

そろそろ情緒不安定になるから・・・』

 

花怜ちゃんが小声で

私達3人に言ってきた。

 

「・・・っ」

 

今、ゆーくんが何か言ってた気が・・・

 

『ゆうり君。去年よりかなり病んでる・・・』

「花怜ちゃん、ゆーくん今何て言ってたの?」

「私も聞き取れなかったです・・・」

「穂乃果も・・・」

『・・・聞きたい?』

 

花怜ちゃんの表情は

一度聞いたら逃げれないよと

言ってるように見えた・・・

だけど私達の気持ちが伝わったのか

溜息を吐きながら・・・

 

『本当にいいんだね?』

「「「うん・・・」」」

 

すると花怜ちゃんは

左手を、ゆーくんに向け、

右手で指を鳴らす動作をし・・・

 

『聴覚強化、付加(エンチャント)・・・』

 

すると、

ゆーくんが何か言ってるのが

聞こえてきた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・何が楽しい12月だ。

僕なんて死ねばいい、クズ以下で

ゲロカス以下、僕の存在意義って何?

あぁメンドクサイ、生きてれば楽しい事がある?

ゲロカスな事言うよね、人間ってさ?

明日からどうしようかな?、かな?

あぁそうだ、手っ取り早い方法があるじゃないか。

自分の首の頸動脈をメッタ刺しすればいいか・・・

アハハハハハハハハハハ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「えっ・・・」」」

 

私達3人が聞いたのは

恐怖でしかなかった・・・

だ、だって、ゆーくんが・・・

 

『私も明日、ゆうり君と一緒に来るけど

3人は何があっても、ゆうり君の傍にいて

あげてね?。』

 

花怜ちゃんが言ってくれるけど

私達3人は、戸惑いを隠せなかった。

 

「未柚ちゃんが言ってた事って・・・」

『海未ちゃんの考えてる通りだよ』

「ゆうちゃんは、聞こえてないの・・・?」

『あの状態だと、私が声をかけない限りは・・・』

 

私は、前に3人で

未柚ちゃんが言ってた事を思いだす・・・

 

『12月になったら、悠里お兄様を見てあげて

ください。悠里お兄様の本音が聞けますから』

 

ゆーくんの本音が聞けると言っていたけど

いくら何でも酷すぎるよ・・・

 

(ゆーくん・・・)

 

私達3人は、

今にも壊れていきそうな

ゆーくんを呆然と見てる事しか

できなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 




今回で、2期第7話は終了です。
ダイエットの回は難しかったです・・・
次回は、2期第8話『私の望み』の回です。
頑張って執筆しますので、
よろしくお願いします


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第86話 月の少年の異変

ゆるポメラです。
今回から、2期第8話『私の望み』の回です。
悠里の心情をメインにした回ですので
アニメとは違う感じになってしまう回に
なってしまうかもしれません・・・
この回は穂乃果達2年生組の視点を
多く執筆しようと思ってますので、
悠里の視点は無いに近いです。
希ファンの皆様、本当に申し訳ありません・・・

それではどうぞ。



「なんで堂々と優勝宣言しちゃってるのよ!?」

「いや~、勢いで・・・」

 

穂乃果が、にこちゃんに

怒られてる理由はね?

最終予選のグループ紹介で

意気込みを聞かれたから、

思いきって優勝宣言みたいな事を

言っちゃったからなんだ・・・

 

「でも実際に優勝を目指してるだし問題

ないんじゃない?」

『実際に目指してるしね?』

 

真姫ちゃんと花怜ちゃんが

言ってくれたのでホッとした・・・

 

「じゃあ最終予選で歌う曲を決めましょう」

 

そう。

最終予選で歌える曲は

1曲だけだから、慎重に選ばなきゃ!

そう思った時、にこちゃんが・・・

 

「私は新曲がいいと思うわ」

「面白そうにゃ~!」

 

新曲かぁ~。

なんか良いかも!

 

「だからって新曲がいいとは限らないじゃない・・・」

「仮にどんな曲にするんですか?」

 

真姫ちゃんと海未ちゃんの

疑問の声に希ちゃんが・・・

 

「例えばやけど、ラブソングなんてどうやろうか?」

 

えっ・・・?

 

「「「「「「「ラブソング!?」」」」」」」

 

すると今度は

花陽ちゃんが・・・

 

「なるほど‼、アイドルに欠かせない恋の歌!

すなわちラブソング!。μ’sには、それが存在

していなかった!?」

 

花陽ちゃんの説明は分かりやすいなぁ。

あれ?、でも・・・

 

「なんで今までラブソングなんてなかったんだろ?」

「穂乃果ちゃん、それは・・・」

『μ’sの作詞担当がねぇ・・・?』

 

穂乃果の疑問に、

ことりちゃんと花怜ちゃんが

海未ちゃんの方を見ながら言った。

 

「なんで私を見るんですか!?」

「海未ちゃん恋愛経験とかあるん?」

「な、なんでそうなるんですか!?///」

 

すると凛ちゃん、花陽ちゃん、

にこちゃんの3人も海未ちゃんに詰め寄り・・・

 

「あるの!?」

「あるの!?」

「あるにゃ!?」

「なんで、あなた達まで食いついてくるんです!?」

 

だって海未ちゃん・・・

正確には穂乃果とことりちゃんの3人は

好きな人がいる・・・

 

「そ、それは・・・///」

『まあまあ、そんなに海未ちゃんに詰め寄らないの

海未ちゃんが困ってるよ?』

「何よ!、そう言う花怜はあるの?」

『え?、私?』

 

今度は花怜ちゃんに飛び火が・・・

にこちゃんの問いかけに・・・

 

『あるけど絶対教えない♪』

 

え?、あるの!?

 

「き、気になるにゃ!」

『ごめんね?、これだけは私の秘密なの♪』

「そこをなんとか‼、花陽も気になります!」

『ダーメ♪』

 

うーん、花怜ちゃんの初恋の人って

誰なんだろ・・・?

穂乃果が考えてると・・・

 

「そういえば悠里くんは好きな子とかおるん?」

「・・・そもそも何で僕に聞くんです?」

 

ゆうちゃんの様子が変・・・

なんて言うか言葉に棘があるっていうか・・・

 

「そうよ!、アンタ恋愛経験とかあるの?」

 

すると、ゆうちゃんは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・僕に恋愛する権利なんてあるわけないし。

そもそもさ?、こんな何も無い僕にできるわけが

ないしさ。所詮、僕なんて消えればいいんだ・・・

あぁそうだよ!、ゲロカス以下の僕なんてさ?

アハハハハハ・・・」

『やばっ!?』

 

花怜ちゃんが表情を変えると

ゆうちゃんはポケットから

カッターを取り出し自分の首に突きつけ

始めた・・・

穂乃果はすかさず・・・

 

「ゆうちゃんダメ‼」

「離せ!、離せ‼」

「ゆーくん暴れないで‼」

『海未ちゃん!、ゆうり君からカッター取り上げて』

「わ、分かりました」

 

穂乃果とことりちゃんの2人で

ゆうちゃんを押さえ、花怜ちゃんの指示で

海未ちゃんが、ゆうちゃんが持っていた

カッターを取り上げた・・・

ゆうちゃんの突然の行動に

私達3人以外のみんなは驚いていた・・・

 

(ゆうちゃん本当にどうしちゃったの・・・?)

 

昨日の放課後に

花怜ちゃんから聞いた、

12月に入ったら、ゆうちゃんが情緒不安定に

なって自殺未遂に近い行動をするって言ってた

けど、本当に実行してきた。

穂乃果と海未ちゃん、ことりちゃんも

あの場で聞いた、ゆうちゃんの本音・・・

 

『ことりちゃん、ゆうり君を保健室に

連れてってあげて?。』

「う、うん。ゆーくん大丈夫・・・?」

「・・・」

「私、ゆーくんを保健室に連れて行ってくるね?」

『お願いね。なんかあったら呼んでね?』

 

ことりちゃんは、

ゆうちゃんを保健室に連れて行った・・・

 

「悠里君、なんで・・・」

「そうだよ、ゆうちゃんが・・・」

 

私と海未ちゃんが言うと

花怜ちゃんは、部室のドアを

見ながら・・・

 

『去年まではね?、自分の手首とかをリストカット

する程度だったの・・・

だけど今年は穂乃果ちゃん達がいる前で

あんな行動をしたって事は、ゆうり君にとって

禁句となるワードが出たからだと思う・・・』

 

嘘だよね・・・!?

去年までの話だけでも酷いのに

どうして・・・

 

()()っていう単語に

ゆうり君、過剰に反応したでしょ?』

 

そういえば、ゆうちゃんは

希ちゃんが最終予選はラブソングではどうか?

という辺りから表情が変だった・・・

 

「悠里君が言ってた恋愛する権利なんてないって

意味はなんなんですか・・・?」

 

それは穂乃果も気になってた。

以前、ことりちゃんのバイトがバレた日に

花陽ちゃんが何気なく、ゆうちゃんに聞いたら

似たような事を言っていた気する・・・

 

『詳しい理由は、私でも分からないの・・・

でも強いてあるとしたら・・・』

 

花怜ちゃんは、

確信はないけど

思い当たるような表情をしながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゆうり君の()()()()が関係してると

私は思う・・・』

 

ゆうちゃんの初恋の子?

一体誰なんだろう・・・

 

「それって誰なんですか?」

『ゆうり君本人しか知らないと思う・・・

でも、その事を聞くと、ゆうり君また情緒不安定に

なるから・・・』

 

(どうすればいいの・・・?)




今回は穂乃果ちゃん視点に
してみました。
内容が少し短くて申し訳ありません・・・
次回も、こんな感じで2年生組の視点を
執筆しようと思ってますので、
よろしくお願いします。


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第87話 白の少女の幻聴

ゆるポメラです。
もうすぐ8月になりますね・・・
早いものです。

それではどうぞ。


ことりは今、

保健室にいます。

何故かというと・・・

 

「ゆーくん、大丈夫・・・?」

「・・・」

 

部室で最終予選で歌う曲を

決めている時にラブソングは

どうかってなった時に

ゆーくんに恋愛経験とかあるのか

と聞いたら、ゆーくんが情緒不安定に

なっちゃったの・・・

それで私が保健室に連れて行って

ゆーくんの傍についてるの・・・

 

「僕なんて、この場で・・・」

「・・・えっ!?」

 

ゆーくんは、制服の内ポケットから

小型のハサミを取り出し・・・

 

「アハハハハハ・・・、自分のハラワタを

引きずり出すにはコレがいいんだっけ?

あれ?、これじゃ一撃じゃ死ねないな・・・?

ドウシヨウドウシヨウドウシヨウ・・・?

そもそもどうして冬なんてあるの?

バカじゃないの?、イミガワカンナイ・・・

僕にとっては苦痛でしかないんだよ?

アレ・・・?、なんか喉が痒いな?

カユイカユイカユイカユイ・・・」

 

ハサミを持ちながら自分の喉を

かきはじめた・・・

 

「ゆーくん危ないからやめて‼」

 

私が止めると

ゆーくんは、

私の方を向きながら・・・

 

「どうして止めるの?、

・・・ねぇナンデ?ナンデ?」

「そんなの、ゆーくんが怪我したら心配するから

に決まってるでしょ‼」

「僕が心配・・・?」

 

ことりの言葉が

伝わったのか、ゆーくんは

大人しくなった・・・

 

「ことり、替えの包帯を取ってくるから

ゆーくんは大人しく待っててね?

すぐに戻ってくるから・・・」

 

この言葉の意味は嘘じゃない。

いつもなら救急箱に入ってる筈の

替えの包帯が最悪のタイミングで

切らしていた・・・

さっき、ゆーくんの手当てした分で

最後だったなんて・・・

 

「・・・僕、待ってる」

 

ことりは急いで

保健室から出た・・・

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 

自分の手を見ると

震えていた・・・

ど、どうして・・・?

すると何処からか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたが、ゆーくんを見捨てたんでしょ?

・・・そんな事も分からないの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは紛れもなく、

()()()()()()()をした何かだった・・・

隣に鏡があったので横目で見てみると、

そこに映っていたのは・・・

 

「自分の顔を見て何を驚いてるの?

・・・あなたバカじゃないの?」

 

鏡の向こうで()()()が、

私を睨みつけながら、こっちを見ていた。

 

「だ、誰なの!?」

「それくらい自分でも分かるでしょ?」

「じゃあ、あなたは私?」

 

鏡の向こうに映っていた私は

外見は一緒だけど決定的な違いがあった。

それは目の色だった・・・

鏡の向こうの私の目は、

()()()()()()()()の目だった・・・

 

「あなたは無意識に、

ゆーくんの事を恐いと思ってる・・・」

「ち、違う‼。私そんな事思ってない‼」

 

そんな事、思って・・・

 

「ゆーくんの行動を目の当たりにして

怯えてた人がよく言うわ。

なら何で逃げたのよ‼。

本当は、ゆーくんの事をこれっぽっち考えも

しないで、自分の事しか考えもしてない癖に

よく、そんな事が言えるわね?

それでも私なわけ?。見ててイライラするわ!」

 

反論したいのに、

言葉が出なかった・・・

違う。私は・・・

更に追い討ちをかけるかのように

もう一人の私は・・・

 

「これで、ゆーくんが死んだら

私は絶対に、あなたを許さないから・・・

先に言っておくけど、

私は、あなた自身だから。

常に近くに居るし、()()()()()()()

だから負の感情すら感知できるの。

あなたが、どんなに綺麗事を言っても

心の底では何を言ってるかすらも

分かるから・・・!」

 

それだけ言い残すと

もう一人の私は消えると

鏡には、いつもの私が映っていた・・・

 

「違う!、ことりは・・・」

 

そんな事、絶対に認めたくないっ‼

なのに、なのに・・・

 

「なんで、涙が止まらないのぉ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は、ことりちゃん視点を
執筆してみました。
黒い性格のことりちゃんを
登場させてみました。
通称、黒ことりです。
この子の出番は2期が終わってからに
なりますが・・・
次回もよろしくお願いします。


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特別編 千歌の誕生日

ゆるポメラです。
千歌ちゃん、誕生日おめでとう。
上手く表現できているか不安ですが、
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


「暇です・・・」

 

あ、皆さん、にゃんぱs・・・

コホン!、こんにちは。

神無月未柚です。

実は、お客が1人も来なくて

暇なんです・・・

 

「そういえば今日は確か・・・」

 

未柚が考え事をしていた

その時・・・

 

ーーカランカランーー

 

お客様が来店するベルが

鳴りました・・・

さて誰なんでしょうね・・・

 

「あれー?。曜ちゃん、店員さんがいないよー?」

「あちゃー・・・、定休日だったのかな・・・?」

 

そんなわけないでしょう?

今日が定休日だったら、

鍵は開きませんよ。

仕方ないので未柚は・・・

 

「いらっしゃいませ・・・」

 

ん?、よく見たら知りあいでした・・・

 

「未柚おねーちゃん!?」

「未柚ねえちゃん!?」

 

千歌と曜でした。

私服を着ているという事は

2人は、休日って事ですかね?

 

「2人共、カウンターでいいですか?」

「「う、うん・・・」」

 

千歌と曜をカウンターに案内し、

2人にメニュー表を渡した・・・

すると千歌が不思議な顔を

しながら未柚に・・・

 

「未柚おねーちゃんってバイトしてるの?」

「してませんよ?」

「店員さんがいないのは、なんでなの?」

「未柚が、この喫茶店の店長だからです」

「「ええー!?」」

 

未柚の答えに

千歌と曜は、驚いていました。

前に言ったような気がするのですが・・・

 

「言ってませんでしたっけ?」

「いやいや!?、私も千歌ちゃんも初めて、

その事を未柚ねえちゃんから聞いたよ!?」

「じゃあ、今言いました!」

「未柚ねえちゃん!?、ドヤ顔で言って無かった

事にしようとしてるよ!?」

「・・・いいですか曜?、気にしたら負けです。」

 

世の中、気にしたら負けみたいな事

なんてザラとありますしね?

そういえば2人に聞きたい事がありました。

 

「2人は、どうしてここに?」

「今日、千歌ちゃんの誕生日だから、内浦でも

噂になってた隠れ家みたいな喫茶店に行きたいって

千歌ちゃんが言ってたの」

 

そうなんです。

今日は千歌の誕生日なんです。

千歌の誕生日は悠里お兄様達も知ってるので

未柚は千歌に・・・

 

「そうでしたね。千歌、誕生日おめでとうございます」

「ありがとう!、未柚おねーちゃん!」

 

千歌と曜は、未柚の事を

『未柚おねーちゃん』、『未柚ねえちゃん』と

歳上扱いするんです・・・

年齢では未柚が一番年下なので

本当は未柚が千歌達を敬わなきゃいけない

のですが・・・

千歌と曜の2人だけではありません。

ダイヤとルビィの2人も未柚を歳上扱い

するので・・・

ダイヤに至っては、黒澤家の長女だからなのか

誰かに甘えたい部分があるのか、

未柚や悠里お兄様に甘えてくるところがあるので

可愛いところもあるんです。

 

「千歌、曜。食べたい物は決まりましたか?」

「私、日替わりケーキが食べたい!」

 

千歌が日替わりケーキ・・・

 

「私も千歌ちゃんと同じがいい!」

 

曜も千歌と同じ日替わりケーキ・・・

 

「では作ってくるので待っててください・・・」

「「はあーい!」」

 

今日は千歌の誕生日ですから

日替わりケーキを少し豪華にしましょうか・・・

未柚は、そう決めながら厨房に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side千歌

 

 

 

 

 

 

 

 

未柚おねーちゃん、凄いな~・・・

ハロウィン祭のライブも凄かったし・・・

私が、そんな事を考えていたら

曜ちゃんが・・・

 

「千歌ちゃん、あそこで未柚ねえちゃんが

作ってる姿が見えるよ?」

「わぁ、本当だ・・・」

 

私の家にも、

お姉ちゃんが2人いるんだけど

未柚おねーちゃんは、また違った感じなの。

悠里おにーちゃん達が内浦に初めて来て

私の家の旅館で滞在中だった時に、

たまたま1人だった私の面倒を見てくれたのが、

未柚おねーちゃん。

接客の仕方とか、他にも色々な事を

教えてくれたの。

だから私と曜ちゃん、それから果南ちゃんに

とっては年下だけど、私達3人にとっては

凄く頼れる、もう一人のお姉ちゃん・・・

 

「お待たせしました。日替わりケーキです」

「「すごーい‼」」

 

未柚おねーちゃんが

運んできたケーキは、私が好きな

みかんをふんだんに使ったケーキだった!

 

「千歌の誕生日ですから、少し豪華にして

みました。1個、1500円する、みかんを使って

みたんですが・・・」

 

あぁ、だから

みかんから凄いオーラが・・・

正確にはケーキ自体から・・・

 

「誕生日の主役は、そんな事を

気にしちゃいけません」

 

えっ!?

未柚おねーちゃん、なんで私の考えてる事

が分かったの!?

 

「では千歌の誕生日会を始めます。

曜、バースデーソングをやりますよ?」

「はあーい!」

 

曜ちゃんと未柚おねーちゃんが

私の為にバースデーソングを歌って

くれた・・・

 

(未柚おねーちゃん、ありがとう・・・)

 

 

 




今回は、未柚の視点で
執筆してみました。
千歌ちゃんの誕生日に間に合って
よかった・・・
あと今回初めて、千歌ちゃん視点を
執筆をしてみました・・・
『サンシャイン!』のキャラの視点を
書くのは初めてでしたが、今後の為に
執筆してみました。
上手く表現出来ているか不安ですが・・・
今日から8月で暑い日が続くので
皆さんも夏バテには気をつけてくださいね?
次回は、本編になります。
これからもよろしくお願いします。


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特別編 太陽の少女の誕生日

ゆるポメラです。
穂乃果ちゃん、誕生日おめでとう。
今回の内容ですが、穂乃果の回想に
なっています。
時系列は、1期の第9話と第10話の間、
つまり、1期の9.5話だと思っていただけば
幸いです。
内容が少し短いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


ゆうちゃんが、

情緒不安定になって

ことりちゃんに保健室に

連れられたあと、

穂乃果達は唖然とするしかなかった。

 

「ゆうちゃん、なんで・・・」

『ことりちゃんがいるから大丈夫だと

思うけど、ゆうり君まだ隠し武器とか

持ってそう・・・』

「悠里君、まだ何か持ってるんですか!?」

『小型の刃物2個くらいはあり得そう・・・』

 

海未ちゃんの問いかけに

花怜ちゃんは言うけど、

冗談には聞こえなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーカツンカツンーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ・・・」

「穂乃果、何か落としましたよ?」

「ありがと海未ちゃん・・・」

 

海未ちゃんが拾ってくれたのは

穂乃果にとっては大事な宝物だった・・・

 

「キーホルダーかにゃ?」

「でも普通のキーホルダーと何か違うわね・・・」

 

凛ちゃんと真姫ちゃんが疑問に

思うのも無理ないよ・・・

だって、このキーホルダーは・・・

 

「ゆうちゃんが穂乃果の誕生日にくれたの」

 

あれは確か、

夏にμ'sのみんなで合宿が

終わって、1週間くらいあとの

出来事・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー合宿が終わってから1週間後ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~ん!、夏休みの宿題が終わらないよ~!」

 

この時の穂乃果は、

夏休みの宿題が半分も終わってなくて

困っていた・・・

うぅ、これでやらなかったら海未ちゃんに

怒られるよ~・・・

すると穂乃果の携帯が鳴った・・・

 

「誰だろう・・・?」

 

画面を見ると、

ゆうちゃんからの着信だった。

穂乃果はすぐに通話ボタンを押した。

 

「もしもし?」

『ほのかちゃん、こんにちは・・・』

「ゆうちゃん、どうしたの?」

『今日は暇かな・・・?』

「うん!、暇だ、よ・・・」

 

ゆうちゃんが誘ってくれたから

予定はないよと伝えようとしたら

海未ちゃんの怒った顔が頭によぎったので

ほんの一瞬、渋っちゃった・・・

 

『もしかして宿題終わってないの・・・?』

「う、うん・・・」

『僕でよければ教えようか・・・?』

「いいの!?」

『うん。ほのかちゃんがよければ・・・』

「じゃあ穂乃果、待ってるね!」

『分かった。用意できたら行くよ』

 

穂乃果は通話ボタンを切ると

少し浮かれた気分になってた。

 

「えへへ///、ゆうちゃんが穂乃果の家に・・・」

 

って、こうしちゃいられないよ‼

ゆうちゃんが来る前に少しでも宿題を

進めとかなきゃ!

 

「穂乃果~?、悠里くんが来たわよ~」

 

って早っ!?

だって、電話してから10分しか

経ってないよ!?

穂乃果は、お母さんに・・・

 

「そのまま穂乃果の部屋に通して~!」

 

すると、

ゆうちゃんが穂乃果の部屋に

入って来た・・・

 

「ほのかちゃん、お邪魔します・・・」

「ゆうちゃん、いらっしゃいー」

「・・・宿題どう?」

「数学の宿題だけ、全然やってない・・・」

「真っ白に近いね。ノートを見る限り・・・」

「うぅ・・・」

 

ゆうちゃんの言葉に

返す言葉も出なかった・・・

 

「早く終わらせて、2人で出かける・・・?」

 

ゆうちゃんは何気なく言ったつもり

だったんだと思うけど、

穂乃果からしたら、やる気が出るには

充分の一言だった・・・

 

「ゆうちゃん、早く宿題教えて!」

「ほのかちゃんのやる気がボルテージ・・・」

「ボル、テー・・・?」

「なんでもないよ。じゃあやろうか・・・」

「うん!」

 

ゆうちゃんの教え方は

凄く分かりやすかった・・・

ゆうちゃん本人は、下手な方だって

言ってたけど、そんな事ない・・・

 

「や、やっと半分終わった~・・・」

「ほのかちゃん、お疲れ様。」

「あ、ありがと・・・///」

 

ゆうちゃんが労いの言葉を

かけてくれた。

それだけなのに穂乃果は凄く

嬉しかった・・・

多分、顔も赤くなってると思う・・・

あ、暑さのせいだよ!

 

「じゃあ今から何処か行く・・・?」

「でも穂乃果、全部終わってないよ?」

「半分終わっただけでも、ほのかちゃんは

頑張ってたんだよ?。僕が保証します・・・」

 

ゆうちゃんは微笑みながら

穂乃果が頑張っているのを認めてくれた。

 

「ほのかちゃん、何処か行きたい場所ある?」

「本当にいいの?」

「うん。近場でもいいし、少し遠くでも・・・」

 

じゃ、じゃあ・・・

 

「ゆうちゃんと、お祭りに行きたい・・・///」

「昼間しかやってない場所の・・・?」

「ダ、ダメ・・・?」

「行きたいんでしょ?、行こうか・・・」

「うん///」

 

穂乃果達2人は

出かける事にした。

行くときに、お母さんに

からかわれたけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー少年少女移動中ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんと2人で来た場所は、

神田明神の近くの路地にある出店。

穂乃果は初めて来たから

あまり詳しくないけど・・・

 

「ほのかちゃん初めてなの?」

「うん。お母さんに聞いただけなんだ・・・」

「そうなんだ・・・」

「ゆうちゃんは?」

「僕は、毎年来てるよ・・・」

 

えっ!?

そうだったの!?

ゆうちゃん。道理で迷いそうな地形とかを

慣れてそうな感じで穂乃果を

誘導してくれたなぁと思ったよ・・・

 

「ほのかちゃん。最初は、どこに行きたい?」

「じゃあ穂乃果、あそこ行きたい!」

 

こうして私達2人は

時間の許す限り遊んだ・・・

そして夕方になり、

ゆうちゃんが穂乃果の家まで送ってくれた。

 

「ほのかちゃん。今日は楽しめた?」

「うん!。ゆうちゃんと一緒で楽しかった!」

「宿題も頑張りなよ・・・?」

「もぅ!、穂乃果だってちゃんとやるもん!」

 

とは言ってみたものの

ちゃんと出来るかな・・・?

 

「あ、そうだ・・・」

 

すると、ゆうちゃんは

腰に付けていたポーチから

何かを取り出した。

そして穂乃果に・・・

 

「ほのかちゃん、誕生日おめでとう!」

「えっ・・・?」

 

あ、そうだ・・・。

今日は穂乃果の誕生日だった・・・

でもなんで・・・

 

「あ、開けてもいい?」

「うん、いいよー」

 

ゆうちゃんから

貰った箱を開けてみると、

入っていたのは・・・

 

「キー、ホルダー・・・?」

「ほのかちゃんをイメージして

作ってみたんだけど・・・」

 

えっ!?

こ、これ、ゆうちゃんが作ったの!?

そのキーホルダー特徴は、太陽に輝くような

オレンジ色。そして装飾の形状は、

太陽の形をしていた・・・

 

「こんな物でゴメンね・・・?」

 

うぅん。そんな事ない・・・

嬉しくて泣きそうだった・・・

 

「ゆうちゃん、ありがとう!」

 

その時見た、

ゆうちゃんの表情は

嬉しそうな笑顔だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、これは穂乃果にとって宝物なの・・・」

 

穂乃果がみんなに話すと

花怜ちゃんが・・・

 

『ゆうり君、穂乃果ちゃん達の誕生日は

ずっと覚えてるから・・・』

 

今なら分かる。

あの時、ゆうちゃんが

穂乃果の誕生日を覚えてくれた理由は・・・

 

(小さい頃にも、ゆうちゃんが祝ってくれたから)

 

穂乃果は、

ゆうちゃんに貰ったキーホルダーを

見ながら・・・

 

(これは穂乃果だけの大切な思い出・・・)

 

 

 

 

 

 

 




このような形にしてしまい、
申し訳ありません・・・
自分なりに穂乃果ちゃんを可愛く表現した
つもりなんですが・・・
悠里が穂乃果に渡したキーホルダーは
今後、大事な役目をします。
次回は本編に戻ります。


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第88話 その日の放課後 その1

ゆるポメラです。
執筆できる時間ができたので
投稿したいと思います。
内容に合うサブタイが浮かばないです・・・
暑さでやられたんでしょうか・・・
今回も内容が少し短いかもしれません。

それではどうぞ。



園田海未です。

あの後、ことりと悠里君が

戻ってきたのですが・・・

 

「ことりちゃん、どうしたの?」

「ちょっとね・・・」

 

穂乃果が聞くと、

ことりは今は何も聞かないでほしいと

いう雰囲気を出していたので

私も穂乃果も聞かない事にしました。

 

『ゆうり君、大丈夫・・・?』

「・・・っ」

 

花怜が悠里君に聞きますが

悠里君は私達が聞き取れないくらいの

声で何かを呟いたまま・・・

花怜の表情を見てみると、

辛い顔をしたままでした。

 

『で、希ちゃん?、ラブソングって具体的にどんな?』

「そうやね・・・」

 

花怜の問いかけに

希は・・・

 

 

 

 

 

 

ーー廊下にてーー

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの。受け取ってください!」

「おお。ええ感じやん」

 

希がビデオカメラを片手に持ちながら

花陽を撮影していました。

見てて思ったのですが・・・

 

「これでイメージが浮かぶのですか?」

「まぁ、大事なのは想像力とかイメージなんよ?」

「でもなんでカメラが必要なの?」

 

穂乃果の疑問には

私も同意見です。

カメラ、必要なんですかね・・・?

 

「そっちの方が緊張感でるやろ?

それに、後で楽しんで見れるし・・・」

「明らかに後者ね・・・」

 

希なら、ありえますね・・・

 

「まあまあ。じゃ今度は真姫ちゃん、いってみよー」

「な、なんで私が!?」

『真姫ちゃん頑張って・・・』

 

油断してると

私もやるはめになるのでは?

と思ってしまいました・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーー中庭ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、コレ!。いいから受け取んなさいよ!」

 

なんか真姫らしさが出てますね・・・

 

「べ、別にアンタのためじゃないんだからね!」

「おお~!」

「パーフェクトです!」

「漫画で見た事あるにゃ!」

「どう?。これで満足?」

『充分だと思うよ。私は・・・』

 

花怜の言う通り、

私も凄いなと思いました。

私もあれくらい言えたら・・・

 

「ふん!。なに調子に乗ってんだか!」

「別にのってなんかないわよ!」

「じゃあ、にこっちもやってみる?」

 

希の問いかけに

にこは・・・

 

「全く、しょうがないわね~」

 

なんか私、オチが

見えてきました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、なんにも浮かばなかったねえ・・・」

「難しいものですね」

 

あれから、みんなで色々考えて

みたのですがラブソングに沿った案が

なかなか浮かびませんでした。

 

「やっぱり無理しない方がいいんじゃない?」

 

真姫の言う事にも

一理あります。

何せ私達が挑むのは最終予選。

今までの集大成なのですから・・・

結局、絵里の提案で次の日曜日に

みんなで考えようと持ち越しになりました。

 

「・・・僕、帰る」

 

校門前を出た瞬間、

悠里君は私達から避けるかのように

帰ってしまいました・・・

 

『それで?。3人はどうするの?』

「「「えっ・・・?」」」

 

花怜が真剣な目で

私と穂乃果、ことりの3人に

問いかけてきました。

 

『この時期になると、

ゆうり君は、私が声をかけない限りは

聞く耳も持たないし、何をやらかすか分からない。

私や瑠菜ちゃん。それにティアちゃん、

未柚ちゃんだって予想も出来ない。

・・・ゆうり君にとって12月は地獄のような

辛さなのは私でも分かるよ。

いや一番辛いのは、ゆうり君か・・・』

 

花怜の言葉には重みがあった・・・

現に私達3人は見てしまったのだから。

悠里君が自殺未遂をする光景を

私達の目の前で・・・

信じたくなかった。

嘘だと思いたかった。

だけど現実は甘くなかった・・・

 

「・・・ことりは行く」

「「えっ?」」

『ことりちゃん。理由、聞いてもいい?』

「今は言えないけど、これだけは信じて。

これは()()()()()()だから・・・」

 

ことり・・・?

私は、ことりが何を言ってるかが分からなかった。

だけど花怜は・・・

 

『深くは聞かないよ。だけど辛いよ?』

「えっ・・・?」

『瑠菜ちゃんも中学1年の時に同じ経験をしたから・・・』

 

瑠菜が?

一体なにを・・・

 

『ことりちゃんが()()3()()になったら、ね・・・』

「夢にも出てくるのかな・・・」

『それは、ことりちゃん自身が解決しなきゃダメ』

「そうだよね・・・」

 

今度は穂乃果が・・・

 

「穂乃果も行く」

『私は何となく理由が分かるから聞かないよ』

「えっ、でも穂乃果まだ何も言ってないよ?」

『昔の私と同じ理由だと思うから・・・』

 

確かに花怜は

穂乃果と考える事が一緒の時が

あります・・・

 

『海未ちゃんは?』

「私は・・・」

 

ここ最近、変わった夢を

見る事があります。

それも1日だけじゃない・・・

()()()()()()()()()()()()()

同じ夢を見るんです。

ティアに相談したら、ティアも中学2年の時に

同じ経験をしたと言ってました。

私は今日まで悩んでた。

だから私は・・・

 

「私も行きます」

『・・・分かった。海未ちゃんも決めたんだね』

 

私の意思が伝わったのか

花怜は深くは聞かなかった。

 

『ゆうり君を捜そうか。まだ遠くは行ってないと思うけど・・・』

 

穂乃果、ことり。

あなた達2人にも言えない理由があるように

私もティアに相談した夢の事は、

2人には言わない事にします。

だってこれは・・・

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()())

 

私は近いうちに

この夢に関係する何かを

見つけなければいけないと思う。

それはきっと簡単じゃない・・・

その夢に関係する何かを見つける時期は

きっと・・・

 

(12月の終わりまでの気がします)

 

だから少しでも

悠里君には楽しい12月を、思い出を

プレゼントできればいいなと

私は考えていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




前回が穂乃果の誕生日記念の
回想でしたので、
今回は海未ちゃん視点にしました。
次回は、オリジナルにしてみようと
思ってます。

次回は誰の視点に
しようかな・・・(謎の使命感)
こんな感じの作者ですが、
よろしくお願いします。



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第89話 その日の放課後 その2

ゆるポメラです。
前回の続きです。
悩んだ結果、今回も
海未ちゃん視点になります。
後半あたりが少しだけ暗いかもしれません。

それではどうぞ。


えっと、こんばんはに

なるのでしょうか・・・?

園田海未です。

私達4人は先に帰ってしまった

悠里君を捜しています。

 

「ゆうちゃん、なんで恋愛する権利なんてないって

言ったんだろう・・・」

 

穂乃果の一言に

私とことりも反応しました。

未柚ちゃんが以前、悠里君が自分嫌いと

言ってたのを思い出しましたが、

その事と関係あるんでしょうか・・・

 

『ゆうり君を追い詰めた一言が関係しちゃったのかもね』

 

花怜が私達の上空を浮遊しながら

呟いてた。

 

「ゆーくん、なんて言われたの・・・?」

 

ことりの問いかけに

花怜は寂しそうな表情をしながら・・・

 

『・・・中学1年の時、つまり藍里さんが亡くなった

次の日にね、「ことりちゃん達に近づくな、このクズ」って

言われたみたい。』

「「「えっ・・・」」」

 

どうしてそんな・・・

 

『ここで私も見落としちゃったけど、

ゆうり君は私と瑠菜ちゃん、ティアちゃんの事も

距離を置くようになったの・・・』

 

一番仲がいい、花怜達の事まで?

一体どうして・・・

 

『どうも腑に落ちなかったから、ゆうり君に

直接聞いたら・・・』

 

すると花怜は顔を片手で押さえながら

沈んだ声で・・・

 

『・・・「()って事は、花怜ちゃん達も含まれて

いるから。だってそうでしょ?」ってね。

あの時は私達3人で、ゆうり君に酷い事言ったやつを

殺したいって何度思ったことか。

あ、話が逸れちゃったね。

これが理由で、ことりちゃん達を意図的に避けてたの。

ゆうり君が放課後に大怪我した、あの日までね・・・』

 

そこから先は、

瑠菜から聞いた話に繋がっているんだと

私達は理解してしまった・・・

 

『でもこれだけが理由じゃない気が

するんだよね。やっぱり、ゆうり君の初恋の子が

関係してるとしか思えないんだよね・・・』

「ゆうちゃんの初恋の子って花怜ちゃんでも

知らないの・・・?」

『うん。だって、ゆうり君と出会う前の事だし・・・』

 

花怜と出会う前・・・?

花怜の言い方から察すると、

小さい頃に悠里君に何気なく聞いたら、

結局、教えてもらえなかったという意味に

聞こえます・・・

今度は、ことりが・・・

 

「花怜ちゃんの初恋の人って、ゆーくん?」

『そうだけど?』

「「そんなアッサリ!?」」

 

花怜は隠す気どころか

アッサリと白状してきました。

私と穂乃果は驚くしかなかった。

ことりも驚いてますね・・・

 

『まぁ、今はそんな資格ないけどね。

私のワガママで、ゆうり君に殺した罪を

着せちゃったわけだし・・・

ゆうり君の声が出せない原因を作ってしまったのは

元を辿れば、私が死んだのが原因だしね・・・

バカだよね?、知らない人に殺されるくらいなら

好きな人に殺される方がいいって・・・』

 

私達が見た花怜の顔は

笑ってはいるが辛い表情に見えた。

 

『ゆうり君の気配が消えた・・・?

ちょっとめんどくさい事になったかも・・・』

 

すると花怜は私達の方を

見ながら・・・

 

『今から手分けして、ゆうり君を捜すから

この辺の地形に詳しい人いる?』

 

花怜が何処から取り出したのか

地図を取り出した・・・

 

「私この辺は知ってます・・・」

 

どうして私が知ってるかと言うと

小さい頃、悠里君とティアの3人で

遊んでいた場所なんです。

なので今でも何処に何があるかは

覚えています。

 

『じゃあ海未ちゃんに任せるとして・・・

あ、これじゃあ捜す人数に偏りが・・・

どうしよう?。こんな時に都合よく

瑠菜ちゃんとティアちゃんが来てくれれば・・・』

 

花怜が唸るのも無理はありません。

悠里君を捜すのに、人数に偏りが出てるんです。

ですが、そんな都合よく瑠菜とティアが

来てくれるわけ・・・

 

「花怜ちゃん~。呼んだ~?」

「カレンが呼んだ気がしたから案の定みたいね」

 

聞いた事がある声がしたので

振り向いてみたら、本当に瑠菜とティアが来て

くれました・・・

 

『2人共、来るの早いね?』

「ゆうくんの事なんだから、当たり前だよ」

「毎年12月になるとユーリは何をやらかすか・・・」

『その事なんだけど、今日ね・・・』

 

花怜は瑠菜とティアに部室で

起こった事を話しました。

話を聞き終えると2人は・・・

 

「去年よりも悪化してるね・・・」

「まさかいきなりLv4の状態なんてね・・・」

『うん。だから2人には・・・』

 

悠里君を捜す場所と

人数が決まり、

手分けして捜すことになりました。

 

「ルナ、カレン。何かあったら

すぐに連絡するわ」

 

私はティアと、

穂乃果は花怜と、

ことりは瑠菜と3組に分かれて

捜す事になりました・・・

 

「さてユーリが行きそうな場所となると・・・」

「景色がよく見えるところでしょうか?」

「そうね。でもLv4の状態だと話は変わってくるわね・・・」

 

そういえば未柚ちゃんも言ってました。

ティア達が言ってたLv4とは何なんでしょうか・・・

 

「ティア、そのLv4って何なんですか?」

「ユーリの精神病の状態の危険度よ」

「じゃあ・・・」

「ウミとコトリが前に見た、壁を殴りつける行動がLv3。

テープレコーダーみたいに謝るのがLv4になる前兆。

常に自殺未遂する行動をするのがLv4の状態よ。」

 

私達がこうして捜している間にも

悠里君は・・・

 

「ウミ。あれユーリよね・・・」

 

ティアが指さしたほうを見てみると

私達が小さい頃に行っていたコンビニから

悠里君が出てきました。

 

「ウミ。とりあえず店の人に聞きましょう」

「え、でも悠里君が・・・」

「じゃあウミはユーリの後を追いかけて?」

「わ、分かりました・・・」

「何かあったらすぐに連絡しなさいよ?」

 

そう言うとティアは

コンビニに入り店の人に

悠里君が何を買ったのかを聞きはじめました。

 

「私も悠里君を・・・」

 

こうしてはいられないと思い

私は悠里君に気づかれないように

後を追いかけました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー展望台ーー

 

 

 

 

「ここは・・・」

 

悠里君の後を追いかけて

着いた場所は、展望台がある公園でした。

私は小さい頃に1度だけ悠里君とティアの3人で

遊んだ事があります。

ここの公園は、遊具は少なく

その代わり展望台から見える夕焼けの海が

見える事で有名な場所でした・・・

 

「・・・なんでアイスが温かいのかな?」

 

えっ・・・?

悠里君が食べているのって中華まんじゃ・・・?

見間違いじゃなく、今の悠里君は完全に情緒不安定だった・・・

 

「・・・そこにいるの誰なの?」

 

完全にバレてしまっているので

私は姿を現す事にしました。

 

「あの、悠里君・・・」

「・・・っ」

 

すると悠里君は何かを

呟き始めた・・・

おそるおそる近づくと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうせ僕には隅っこがお似合いなんだ。

帰っても誰もいない。ああそうさ!

ボクナンテシネバイインダ・・・

アハハハハハハハ・・・

そうだ、そうしよう。

でもどうやって死ねばいいのかな?

ああ、いい考えがあるじゃないか・・・」

 

すると悠里君は

展望台の柵の上に立ち

 

「ソウダヨ。飛び降りればいいじゃないか

別に死んだって問題ナイヨネ・・・」

 

う、嘘ですよね・・・

 

「悠里君!危ないからやめて!!」

「ナンデナンデ?、別にアブナクナイヨ・・・?

落ちたら落ちたでモンダイナイヨ。

真っ赤なインクが付くダケダカラ・・・

アハハハハハハハハハ・・・・!!!」

 

今の悠里君には

私の声が届いてない・・・

 

「お願いだからやめて!!」

 

私が泣きながら叫んだ瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーバキッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・?」

 

今、何が起きた?

そこには悠里君の姿が無かった・・・

代わりにあったのは展望台の柵が

割れていた光景だった・・・

 

「ゆ、悠、里君・・・?」

 

私がいくら呼びかけても

返事がない・・・

嘘です。こんなの冗談だと思いたい・・・

私は、こんな光景は嘘だと思い・・・

 

「ゆ、悠、里君。隠れてるだけですよね?

・・・ねぇ、そうなんですよね?

お、お願いだから返事してくださいよぉ・・・」

 

私の声も虚しく

割れた柵に近づき

あったのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君の

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、いやっ!!。いやあああああああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は少しだけ暗い要素を
出してみました。
次回は穂乃果ちゃん視点に
なります。
念のために言っておきますが
ハッピーエンドを目指しておりますので・・・
みなさんは、この後どうなったと思いますか?
次回もよろしくお願いします。


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第90話 その日の放課後 その3

ゆるポメラです。
今回は穂乃果ちゃん視点に
なります。
内容が少し短いかもしれません。

それではどうぞ。


穂乃果は今、

花怜ちゃんと2人で

先に帰ってしまった

ゆうちゃんを捜してる。

 

「ゆうちゃん、ここにもいないね・・・」

『うーん、ハズレみたいだね』

「じゃあ無駄足だったのかな?」

『そんな事ないよ、逆に考えれば海未ちゃんと

ことりちゃんが捜してる場所にいるかもしれないでしょ?』

 

確かに花怜ちゃんの言う通り、

ゆうちゃんが行きそうな場所を捜して

みたけど、いないという事は海未ちゃんと

ことりちゃんが捜してる場所を頼りにするしか

ないんだね・・・

 

「昔は、ゆうちゃん笑ってたよね・・・」

『そうだね。あの頃みたいに笑ってほしいけど・・・』

「中学1年の時の12月って、ゆうちゃんは何してたの?」

『・・・大雪が降る中、墓場で過ごしてたよ』

 

花怜ちゃんの口から

衝撃の言葉を穂乃果は聞いてしまった。

 

「寒い中1人で・・・?」

『・・・うん。

防寒具もなしで雪まみれだったのは、

今でも覚えてるよ。』

「今でもそうなの・・・?」

『今は流石にないね。去年までの12月が軽く思えるよ』

 

やっぱり穂乃果達のせいだよね・・・

中学の時に覚えているのは、

高校受験の時に、ゆうちゃんから勉強を教わった事だけは

おぼろげだけど覚えてる・・・

 

「花怜ちゃん、ゆうちゃんって誕生日は?」

『今年は何するか分からないけど、ただ・・・』

 

もし12月に自殺未遂をするなら

ゆうちゃんは誕生日とかは一体何をしてるのか

逆に気になった・・・

しかし花怜ちゃんから放たれた言葉は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『誕生日どころかクリスマスでさえも

ずっと1人で過ごしてたから・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・?」

 

じゃあ、ゆうちゃんは

ずっと1人で・・・?

 

『クリスマスの時なんか、私達3人の事を

気遣って「僕の事はいいから家族と過ごしなよ」

の一点張り。ゆうり君の言いたい事は多分、

自分がいても邪魔だからって意味だと思う・・・』

「それで花怜ちゃん達は、どうしたの?」

『何とか誘えたけど、本当の意味で

ゆうり君は笑わなかったよ・・・』

 

思えば練習が終わった後も、

ゆうちゃんが自分から話しかける事なんて

数える程しかなかった気がする。

 

『きっと今でも考えてるよ。

自分なんかがμ'sのような眩しい場所で

手伝いをしてもいいのかって。

本当は嫌われてるんじゃないかってね・・・』

 

そんな事ない。

ゆうちゃんはどうして・・・

 

『穂乃果ちゃん達3人の事だってそう。

高校入学した時にゆうり君ね?

「何の価値も無い僕でも思い出くらいは作っていいよね?」

って言ってたの。

私なりに考えたんだけど、あの意味は多分、ゆうり君に

とっての大切な人への言葉だったと思うよ』

 

穂乃果バカだなぁ・・・

せっかく、ゆうちゃんの事を

思い出せて昔みたいに笑えるかなって

思ってたのに、これっぽっちも・・・

 

「ゆうちゃんの事、これっぽっち考えてない・・・」

『穂乃果ちゃん、とりあえず別の場所を捜そう?

ってあれ?。ティアちゃんから念話・・・?』

 

えっ・・・?

ティアちゃんから?

花怜ちゃんの表情を見ると

真っ青になっていた・・・

 

『わ、私は異変はないけど・・・

とりあえずティアちゃんは瑠菜ちゃんに連絡して!

私達もすぐに行くから!

念のために治療できる場所とかも押さえといて!』

 

ティアちゃんと話してる花怜ちゃんは

穂乃果でも聞かない怒鳴り声をしていた。

 

「花怜ちゃん、ゆうちゃんが見つかったの?」

『海未ちゃんが見つけたみたいだけど・・・』

「本当!?。見つかったなら何で慌ててるの・・・?」

『穂乃果ちゃん、落ち着いて聞いてね・・・』

「えっ?。う、うん・・・」

 

何だろう・・・

凄く嫌な予感がする・・・

そして花怜ちゃんの口から・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゆうり君が()()()()()()したみたいなの・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




久しぶりに連続投稿したので
内容が短くなってしまい
申し訳ありません・・・
次回は、ことりちゃん視点になります。


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第91話 その日の放課後 その4

ゆるポメラです。
前回の予告通り
今回は、ことりちゃん視点になります。
少し暗いかもしれません。

それではどうぞ。


ことりは、

瑠菜ちゃんと2人で

先に帰ってしまった

ゆーくんを捜しています。

だけど・・・

 

「ここにもいないね・・・」

「他の場所にいるのかな~?」

 

一見、瑠菜ちゃんは

ペースを崩してないように

見えるけど、目つきが鋭かった。

ゆーくんの事が心配だからだと思う・・・

 

「ねぇ。瑠菜ちゃん・・・」

「なあに~?」

「ゆーくんがワインを飲んでたって本当なの?」

 

ことりが聞いた瞬間、

瑠菜ちゃんは溜息を吐きながら・・・

 

「うん。飲んでたよ・・・

ゆうくん、目が真っ赤になるくらい

飲んでたからね・・・」

「でもなんで・・・?」

 

すると瑠菜ちゃんは・・・

 

「気を紛らわしたかったんじゃないかと思うよ。

ゆうくんだって人間だもん。

それに普通の人だったら精神崩壊を起こしても

おかしくないしね・・・

ゆうくん。あの日以来、

喜怒哀楽の『哀』しか見せなくなったから・・・」

 

言われてみれば、

ゆーくんの笑った顔なんて見てない。

学校でも常に寂しそうな表情ばかりだった。

 

「転入初日の時、ゆうくん笑ってた?」

「えっ・・・?」

「ことりちゃんの表情を見る限りだと、

ゆうくん笑ってないみたいだね・・・」

「ど、どうして?」

「あのさ。ことりちゃんさ・・・」

 

瑠菜ちゃんは

真剣な顔で、

ことりの目を見ながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんで瑠菜ちゃんまで

同じ事を言うの・・・?

 

「今日さ変わった事なかった?」

「そ、それは・・・」

 

瑠菜ちゃんは多分、

ことりが()()()()に会ったのを

知っている・・・

何故かは分からないけど、

そう感じたから・・・

だから私は・・・

 

「実は今日ね・・・」

 

瑠菜ちゃんに、

ゆーくんを保健室に連れて行ったあとの

出来事を全て話した。

 

「わたしと同じだね」

「えっ?」

 

瑠菜ちゃんと同じ・・・?

 

「わたしも中学1年の時に、ことりちゃんと

()()()()をして悩んでた。

もう1人のわたしは、ゆうくんの事を常に考えてて

逆に凄いなあ~って思ったの~。

ゆうくんが大怪我した日に、どうすればいいか

1人で考えた。わたし自身がどうしたいか・・・」

 

どうしたいか・・・?

 

「でも結局は、()()()()()()()()()()()()()

答えなんだよね~。わたしは見つけたけど~♪」

 

すると、ほんの一瞬だけ

もう1人の瑠菜ちゃんが視えた気がする。

なんで視えたんだろう・・・

 

「あ、ティアちゃんから電話だ~」

「ゆーくんが見つかったのかな?」

 

この時の私達は、

ゆーくんが見つかって良かったと

思っていました。

ティアちゃんの声を聞くまでは・・・

 

『ルナ!?、聞こえる!?』

「ティアちゃん?」

『ユーリが、ユーリが・・・!!』

 

ティアちゃんの声は

私達でも聞いた事ないくらい

慌てた声だった・・・

 

「落ち着いて。ゆうくんに何があったの?」

『さっきウミがユーリを展望台がある公園で見つけたのよ』

「それで?」

『ユーリが展望台の柵に乗って、そ、その後・・・』

()()()なんて言ったら、わたし怒るよ・・・?」

『・・・ええ。』

「近くに海未ちゃんはいるの?」

『ルナ、あなたまさか・・・』

「ちょっと海未ちゃんに代わって?。力ずくでも!!」

 

瑠菜ちゃんの目からはハイライトが消え

緑色の目が急に()()()()()()()()()()

に変わった・・・

 

「海未ちゃん、ゆうくんはどうしたの?」

『わ、私が止めようとしたら柵が割れて・・・』

 

電話越しに聞こえてきたのは

泣いている海未ちゃんの声だった・・・

 

「・・・展望台がある公園なんだね?」

『る、瑠菜。わ、私・・・』

「そこで待ってて。すぐ行くから・・・」

 

電話を切った瑠菜ちゃんは

近くにあった電柱に向かい・・・

 

「うあああああああああああああああああ!!!」

 

ことりでも聞いた事がないくらいの

叫び声で殴りつけていた。

地面には小さなクレーターができていた・・・

 

「る、瑠菜ちゃん。ゆ、ゆーくんは・・・」

 

そして瑠菜ちゃんは

顔も上げず俯きながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()って・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う、嘘・・・

ゆー、くん・・・?

 

「とりあえず展望台がある公園に行くよ・・・」

 

ことりには瑠菜ちゃんの言葉が

聞こえなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー展望台ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展望台に着くと

海未ちゃんとティアちゃんだけじゃなく

穂乃果ちゃん、花怜ちゃんもいた。

 

「・・・何があったの?」

 

瑠菜ちゃんが聞くと

花怜ちゃんが答えた。

 

『私と穂乃果ちゃんも今着いたばかりなんだけど

海未ちゃんが、ゆうり君が飛び降りたのを

見たらしいの・・・』

 

花怜ちゃんが目線を

海未ちゃんに向けると

海未ちゃんは泣いていた。

隣では穂乃果ちゃんも泣いていた。

大粒の涙を流しながら・・・

 

「うっ、うぅぅ・・・、ゆ、悠、里君・・・」

「ゆ、ゆう、ちゃん・・・」

 

私はここで、

信じたくない光景を

見る事になってしまった。

展望台の柵を見ると割れていて

近くに行くと血痕が付いていた・・・

 

「い、いやぁ・・・!!」

 

どうして今日まで

ゆーくんの傍にいてあげれなかった?

ち、違う!!。こ、ことりは・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう見てられないわ。あなた少し邪魔だから、

ゆーくんを助ける間、眠っててくれないかしら・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

 

 

 

 

 

 

「こ、ことり・・・?」

「こ、とりちゃん・・・?」

 

海未ちゃんと穂乃果ちゃんが

私を見てくるけど、

正直どうでもよかった。

どうせ、あの2人が言ってるのは

()()()の事だと思うしね・・・

 

「あら意外ね。ルナ以外にも()()なんて」

 

ティアちゃんは

私と瑠菜ちゃんを見ながら

納得したように頷いていた。

 

『瑠菜ちゃん。ゆうり君の感情どんな感じか分かる?』

 

すると瑠菜ちゃんは

()が知ってる嫌な表情に

なってた・・・

 

「早く助けないとL()v()5()に移行しそうだよ・・・」

 

なら時間がないのも同じじゃない!

 

「まぁ、わたしは止めても行くけど・・・

()()()()()()も行くんでしょ?」

 

本当、瑠菜ちゃんには

敵わないわね・・・

ゆーくんと同じで・・・

 

『ことりちゃん、体に負担はないの?』

 

花怜ちゃんが

心配そうに私の事を見てくる。

 

「平気よ。むしろ花怜ちゃんは大丈夫なの?

ゆーくんの憑依体でしょ?」

『ううん。私より、ゆうり君をお願いね?』

 

やっぱり、花怜ちゃんは

()()()と同じで

自分の事より、ゆーくんの事を

考えてるわ・・・

私も見習いたいくらい眩しくて・・・

 

「じゃあ行こう~。ことりちゃん~」

「え、ええ・・・」

 

ていうか、

瑠菜ちゃん・・・

全然見分けがつかないわ・・・

目の色で判断するしかないじゃないの。

私は行く前に、

海未ちゃんと穂乃果ちゃんの方を向いた。

 

「ゆーくんを助けたら、2人が知ってる

()に戻るから、少しの間だけ

借りていくわね・・・」

 

そして私と瑠菜ちゃんは、

ゆーくんが落ちた辺りに向かって

柵が割れた展望台から飛び降りた・・・

 

(もう絶対に・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

あんな思いだけは・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バイバイ、ことちゃん・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆーくんに、

これ以上辛い思いなんて・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対にさせない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は、悠里が飛び降りた現場に
着くまでの流れ執筆してみました。
最後が、まぁアレですが・・・
どうかお許しください。
実は連載当初からやる予定だったんです・・・
次回は、ことりちゃんのターンになります。
一体どっちの
ことりちゃんかな?。かな?



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第92話 もう1人の白き少女の想い

ゆるポメラです。
前回の予告通り、
ことりちゃん視点になります。
サブタイで、お気づきの方も
いると思いますが・・・
今回は誰に対して何を伝えているかという
感じになっています。

それではどうぞ。



私と瑠菜ちゃんは、

ゆーくんが落下した場所と

思われる場所に着いた。

と言っても展望台の柵から飛び降りて

ショートカットしただけなのよね。

 

「ゆーくん、大丈夫かしら・・・」

「そう思いたいけど・・・」

 

瑠菜ちゃんが思うのも無理はない。

なにせ私達2人がいる場所には、

ゆーくんの血と思われるものが

夥しく残っていたから・・・

 

「ゆうくん、まさか・・・」

「瑠菜ちゃん?」

「ことりちゃん、あれ見て・・・」

 

瑠菜ちゃんが指さした方に

目線を向けると、

気づきにくいが奥に続く道があった。

しかも誰かが通った跡がある。

私は瑠菜ちゃんの言いたい事を

すぐに理解した。

 

「・・・行きましょ」

「そうだね」

 

ゆーくん、無事でいて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー少女2人移動中にてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だいぶ奥まで歩いてきたけど

ゆーくんの姿どころか、

気配も感じ取れない・・・

 

「ねぇ。ことりちゃん」

 

不意に瑠菜ちゃんが

私に話しかけてきた。

 

「なに?」

「ゆうくんに最後に会ったのはいつ?」

「それは・・・」

 

いつだったかしら・・・

私が最後に会ったのは

中学1年の時、ゆーくんが

表の私と話したのが最後ね・・・

 

「中学1年の時が最後になるわね」

「ゆうくん、作り笑いしてたでしょ・・・」

「・・・ええ」

 

表の私は完全に気づいてなかったが

ゆーくんは表の私・・・

違うわね。私達2人の前では心配かけまいと

笑っていたのは今でも覚えてる。

あの時の私は無力だった。

理由は言いたくないわ・・・

 

「瑠菜ちゃんは、いつ()()()したの?」

「ことりちゃんの治療費を渡しに行く日だよ」

「そう・・・」

 

()()()、瑠菜ちゃんが

私に別れの言葉を告げに来た意味が分かった。

それ以来、私は・・・

 

「ことりちゃんの場合は大変だね」

「なんでよ・・・」

「だって2()()()、正反対だし~」

「あんなのと一緒にしないで」

「ゆうくんが好きなのは変わってないよ~?」

「そ、そんなの当たり前じゃない・・・///」

「ことりちゃん赤くなってる~♪」

「も、もう///。瑠菜ちゃん!」

 

ゆーくんの話題を出されると

私は冷静でいられない事が多い。

これでも落ち着いてる方なのよ?

 

「当分の間は出てこれないんでしょ~?」

「そうね。次に出てこれるのは・・・」

 

そう・・・

私がこうやって憑依できたのは、

今までの行動を見てきたから。

ゆーくんが転入してきた時は、

凄く嬉しかった。

ゆーくんは私の存在にも気づいてた。

けど、表の私は3年以上も経過したと

いうのにも関わらず、ゆーくんの事を

覚えてるどころか忘れていた・・・。

私は、それが許せなかった・・・

 

「ゆーくんは何で私を責めないのよ・・・」

「ことりちゃんもそう思う~?」

()って、瑠菜ちゃんも・・・?」

「わたしだって何度も思った事あるよ~」

「で、でも瑠菜ちゃんは・・・」

 

それどころか瑠菜ちゃんは、

地獄のような中学生活を送ってきた

ゆーくんの側に居てあげたのに、

どうしてそう思うのか私には

分からなかった・・・

 

「わたし達は、ゆうくんの近くにいたのに

結局、何もできなかった・・・

学校に来るたびに、ゆうくんは暴力で怪我を

負わされて、授業中でも落ちこぼれって

周りから言われる毎日・・・

それどころか下級生にも嫌がらせを受けた

ゆうくんは、わたし達から距離を置くように

なっちゃった・・・

だけど、わたし達の前では笑っててくれた。

ゆうくんに、これ以上関わるなって言われた方が

どれだけ楽だった事か・・・

何が幼馴染みだって何度も思ったよ・・・」

 

瑠菜ちゃんは、

そう言うけど私の場合は違う。

たまにしか会えない

ゆーくんに会えるのが嬉しくて

辛い思いをしていた事に気づけなかった・・・

それどころか私達はのうのうと高校生活を

送っていた・・・

私は自分の、又は他人の奥底に眠ってる感情を

読み取る事が出来る。

ゆーくんが転入してきた日、私が読み取れた感情は

『何も無い自分の事なんか忘れてもいい』という

周りが暗く見えてしまいそうな酷過ぎるものだった。

私は、ゆーくんが普段何を思っているのか

気になり悪いとは思いつつも、

ゆーくんの更に奥底に眠る感情を読み取る事にした。

だけど、そこから読み取れた感情は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死にたい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は認めたくないと思い、

次の日も、その次の日も、

何度も読み取ってみたが結果は

同じだった・・・

そしてμ'sの復活ライブが終わった

その日に私が知らなかった

ゆーくんの中学時代の3つの真実を

瑠菜ちゃん、ティアちゃん、花怜ちゃん

から聞いた・・・

それを聞いた表の私は耐えきれず

ずっと泣きっぱなしだった。

そして、ゆーくんは声も出せないながらも

私達を責めるどころか慰めてくれた。

 

「それで私は今の状況に耐えられなくなって

強引に憑依したのよ・・・」

 

私の呟きに納得したのか

瑠菜ちゃんは・・・

 

「ことりちゃんの選択は間違ってないと思うよ。

だってこうでもしないと危ないって思ったんでしょ?」

 

何も言い返せなかった。

12月に入った途端、ゆーくんの感情は

自己犠牲が激しい狂気的なものに変わってた・・・

 

「そうね・・・

基本的に私、ゆーくんの為にしか

動かない性分だし・・・」

 

こうして2人で

歩いていると誰かが倒れている姿が

見えた・・・

 

「瑠菜ちゃん、あれ・・・」

「ゆうくん!」

 

私と瑠菜ちゃんは

血だらけになりながらも倒れている、

ゆーくんの元に駆け寄った・・・

 

「酷い・・・」

「ゆうくん、まさか1人で・・・」

 

いくら痛覚がないからって言っても

ゆーくんだって人間だ。

体が悲鳴を上げてもおかしくないくらい

ボロボロだった。

しかも・・・

 

「ア、アハハ・・・」

「ゆーくん?」

「あれ?、走馬燈か、な?。ルーちゃん、

こと、ちゃんが見え・・・」

「ゆうくん!!、今は喋らないで!!」

「そうよ!!、お願いだから喋らないで!!」

 

まずい!

早く病院で治療しないと

このままじゃ本当に、

ゆーくんは死んでしまう!

 

()()で運ぶわ・・・」

「ことりちゃん、いいの・・・?」

「躊躇う理由はないわ。」

「なら早く、ゆうくんを運ぼう!」

「ええ!」

 

私と瑠菜ちゃんは、

意識が朦朧としている

ゆーくんを抱え空を見上げ

背中に意識を集中させた・・・

 

「ゆーくん、すぐに病院に連れて行ってあげるから!」

「ゆうくん、少しだけ耐えてて!」

 

私は背中に黒い光の翼を

具現化させた・・・

瑠菜ちゃんも自分の背中に

緑の光の翼を具現化し

私達は、ゆーくんを抱え

花怜ちゃん達が待つ

展望台に向かって飛び立った・・・

 

「ゴ、メンナ、サイ・・・」

「「っ・・・!!」」

 

私達2人が聞いたのは、

ゆーくんの啜り泣いた声だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回も暗い感じに
なりそうですが
よろしくお願いします。


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第93話 眠りにつく悠里・・・

ゆるポメラです。
前回の続きになります。
今回は2年生組の視点が多くなります。
かなり暗い雰囲気になります。

それではどうぞ。


私と瑠菜ちゃんが

展望台に着くと、

ティアちゃんが所有していると

思われるヘリコプターが待機していた。

 

「早くユーリを乗せて!」

 

そこから先の行動は

覚えていない・・・

ただ、無我夢中だった。

そして気づけば私達6人は

病院の集中治療室にいた・・・

 

「「・・・・」」

 

穂乃果ちゃん、海未ちゃんは

ただ下を向き俯きながら

黙ってるだけだった・・・

 

『他のみんなには黙ってた方がいいよね』

「とりあえず南先生だけに連絡しておきましょ」

 

花怜ちゃんとティアちゃんは

他のμ'sメンバーには話さず

お母さんだけに連絡しておこうと判断していた。

 

(ゆーくん・・・)

 

ゆーくんが集中治療室に運ばれてから

既に4時間が経過した・・・

私は最悪の考えをしてしまう・・・

ゆーくんが死ぬんじゃないかって・・・

そんなのはイヤよ!!

だけど表の私は、まだこの事を知らない・・・

元に戻るタイミングは今かしらね。

 

「瑠菜ちゃん、後の説明は任せたわ・・・」

「うん。分かった・・・」

 

そして私は

穂乃果ちゃん、海未ちゃんの元に行き・・・

 

「2人共、泣いてる暇があるなら

少しでも、ゆーくんが助かる事を祈りなさいよ!」

 

私が言っても反応がない。

それだけショックが強すぎたとしか

言いようがないわね・・・

よく分かったわ・・・

所詮3人共・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく分かったわ!!

結局3人共、ゆーくんの事なんて

これっぽっちも考えてないって事がね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は怒鳴りつけながらも

それだけを言い残し消える事にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私と穂乃果は

ことりに怒鳴られた後、

ただ黙るしかなかった・・・

 

「あ、あれ?。ことり、何で・・・」

 

すると、

さっきまでの雰囲気とは

うって変わり、私達の知っている

ことりが辺りを見回していました・・・

 

「ことりちゃん、実はね・・・」

 

瑠菜が、ことりに

さっきまでの出来事

そして何故、私達6人が病院の

集中治療室前にいるのかを話していました。

 

「じゃ、じゃあ・・・」

 

ことりは自分の両手を見ながら

震えていました・・・

 

 

 

 

ーーポーン!ーー

 

 

 

 

手術室のドアが開き

先生が出てきた・・・

 

「先生、ユーリは・・・」

「治療自体は成功しました、ですが・・・」

 

私達は嫌な予感しか

しなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「そ、そんな・・・」」」

 

私達は愕然とするしかなかった・・・

 

「今は病室で眠ってます。これが彼の病室番号です」

「分かりました・・・」

 

ティアは病室番号が書かれている紙を

受け取ると私達に・・・

 

「とりあえずユーリに会いに行きましょう・・・」

「ティアちゃん大丈夫・・・?」

『瑠菜ちゃんも顔色悪いよ・・・?』

「正確には、ここにいる全員でしょ・・・」

 

私達は重い足取りを

辿りながらも悠里君がいる

病室に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー13号室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病室のドアを開けると

痛々しい姿の悠里君が

眠っていた・・・

 

「ゆ、うちゃん・・・」

「ゆー、くん・・・」

 

穂乃果とことりは

泣きながら悠里君を何度も

呼びかけていた。

 

「私のせ、いです・・・」

 

あの場にいたのは

紛れもない私なのだから・・・

私が、悠里君を止めていれば

こんな大怪我なんて・・・

 

「違うよ。ことりが悪いんだよ・・・」

 

どうして、

ことりは自分が悪いなんて思うんですか?

だって止めれなかった私が悪いんですよ・・・

 

「ゆーくんを保健室に連れて行った時に

私は、ゆーくんが恐くて逃げだした!

だから私が悪いんだよ!!」

 

それだけ言うと

ことりは病室から飛び出して行った・・・

私は眠っている悠里君に・・・

 

「悠、里君ご、ごめんなさい・・・」

 

泣きながら

謝る事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、どう、して・・・」

 

ことりが気がついた時には

病院の集中治療室前にいた事・・・

さっきまで展望台にいたのになぜ

病院にいるのか状況が読めなかった・・・

そして瑠菜ちゃんから説明された事。

それは、()()1()()の私が

瑠菜ちゃんと2人で血まみれになっていた、

ゆーくんを助けて病院まで運んできた事だった・・・

 

「ゆー、くん・・・」

 

今でも生々しい感覚が残っている。

それは、ゆーくんを運んだ感覚だった・・・

恐らく()()1()()()()が血まみれの

状態だった、ゆーくんを運んだ感覚・・・

つまり私達は感覚などを共有してしまっている。

 

「ゆー、くん死んじゃイヤだよぉ・・・」

 

ことりは

ただ泣きながら

その場で座り込むしか

できなかった・・・

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

穂乃果は病院の廊下を

歩いていた・・・

ただ何処へ向かっているかも分からない・・・

 

「こんなの、嘘だよ・・・」

 

ことりちゃんと瑠菜ちゃんが

天使のような翼を羽ばたかせながら

戻ってきた時は言葉が出なかったけど、

何より、ゆうちゃんが血まみれの姿に

なってるのを見た時は夢だと思いたかった・・・

そして穂乃果と海未ちゃんが知らない、

ことりちゃんに言われた言葉・・・

 

『結局3人共、ゆーくんの事なんて

これっぽっちも考えてないって事がね!!』

 

反論したかったけど

何も言えなかった・・・

実際に穂乃果達は、ゆうちゃんの事を

分かっていたつもりだった。

だけど・・・

 

「ゴ、メンね・・・

本、当にゴメンね、ゆ、うちゃん・・・」

 

穂乃果は、

自分が本当にどうしたいのか

分からなくなってきた・・・

 

 

 

 

 

 

 




今回は穂乃果達3人の視点を
主に表現してみました。
次回で2期第8話は最後の予定です。
もう少しだけお付き合いください。

それから近いうちに、
個人的に重要な事を活動報告に
書こうと思ってますので
よろしくお願いします。


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第94話 目覚めと毒々しい本音・・・

ゆるポメラです。
先程、個人的に重要な事を
活動報告に投稿しました。
そちらの方も読んでいただければ幸いです。
さて今回で『私の望み』の回は
最後になります。
視点は海未ちゃんになります。

それではどうぞ。


私は一体どうすれば・・・

 

「悠里君・・・」

 

悠里君は未だに目を覚まさない。

私はティアに少し頭を冷やしてきたらと

言われ病室の外で佇んでいた・・・

 

「どうしてこんな・・・」

 

よくよく考えれば、

12月に入った時点で

悠里君の事を気にかけて

あげれば、こんな事にはならなかった

かもしれない・・・

でも結局、私達は・・・

 

 

 

 

 

ーーガラッ!ーー

 

 

 

 

 

 

 

「ウミ・・・」

 

するとティアが病室から

出てきた・・・

 

「ティア、悠里君は・・・」

「起きたわ」

「本当ですか!?」

 

私はティアに詰め寄ると、

ティアは深刻そうな顔をしながら・・・

 

「とりあえず、ホノカとコトリが来てから

説明するから、落ち着きなさい・・・」

 

すると花怜が穂乃果を連れて、

瑠菜が、ことりを連れてきた。

ティアが2人に連絡したのでしょうか・・・?

 

「ティアちゃん!。ゆーくんは!?」

「たった今、起きたわ・・・」

「本当!?。じゃあ穂乃果、ゆうちゃんに・・・」

 

穂乃果が病室のドアに手をかけようと

した瞬間、ティアが穂乃果の肩を抑えた。

 

「待ちなさい、私はユーリが()()()しか言ってないわ」

『ティアちゃん、まさかとは思うけど・・・』

「ええ。カレンの思ってる通りの状態よ」

「ティアちゃんから見て、ゆうくん、去年より酷い?」

「私が見た感じ、今までないケースね・・・」

 

ティア、花怜、瑠菜の3人の

話してる内容が分かりません・・・

するとティアは・・・

 

「ウミ、ホノカ、コトリ。

今から病室に入るけど、今のユーリは

廃人に近いくらい精神が弱ってるから。

マイナス思考にもなってるし、3人が聞く事に

対しても夢を壊すような毒々しい発言をすると

思うから、その辺は覚悟しなさいよ・・・」

 

ティアの言ってる事が分からなかった。

そんな悠里君を想像した事すらない・・・

 

「見るのが嫌なら帰った方がいいよ~」

『私達は見慣れてるから平気だけど、どうする?』

「ウミ達、最終予選が近いんでしょ?」

 

瑠菜は私達の顔を見ず、

見るのが嫌なら帰れと冷たく言い放ち、

花怜は心配そうな表情をしながら問いかけ、

ティアは最終予選が近いのだから

無理するなと言っているかの表情をしながら

私達3人に言ってきた・・・

 

「ティアちゃん~、もう実際に見てもらった方が早いと思う」

 

瑠菜が痺れを切らしたのか

イライラしながらティアに言った。

瑠菜の目は、()()()()()()()と同じく

血に染まったような赤い目に変色していた・・・

ティアは溜息を吐きながら・・・

 

「・・・そうね。これじゃ埒が明かないわ」

『結局、こうなるんだね』

「ああなったルナは私でも止められないわよ・・・」

 

そしてティアは

病室のドアを軽く叩くと・・・

 

「ユーリ、入るわよ?」

 

すると返ってきた言葉は・・・

 

「・・・()()()()()()()()?」

 

まるで他人を寄せ付けさせないような

冷たい答えでした・・・

私達は背筋が凍るような感覚になった・・・

 

「じゃ勝手に入るわね」

「お邪魔しま~す」

『ゆうり君、入るよー♪』

 

ティアに続き、瑠菜と花怜は

いつものペースで病室に入った・・・

私達3人は困惑しながらも

悠里君がいる病室に入った。

 

「ゆうくん~、痛いところな~い?」

「・・・強いて言えば、死に損なったくらい?」

「もう~、死ぬなら遺言くらい書いてよ~?」

「遺言?、何それ?、僕シラナイ」

 

ゆ、悠里君・・・?

 

「ゆう、ちゃん・・・?」

「ゆー、くん・・・?」

 

悠里君と瑠菜が

話している内容は聞いてて

いいものじゃなかった・・・

悠里君は笑ってはいますが、

目のハイライトは消え、生気のない瞳に

なっていた・・・

私達3人は、ただ呆然とするしかなかった。

 

「ユーリ、ルナとコトリが助けてくれたのよ?」

「ルーちゃん、面倒かけてゴメンねー・・・」

「大丈夫だよ~、気にしないで~?」

 

ティアが悠里君を

助けてあげたのは瑠菜と

ことりだと伝えると、悠里君は

瑠菜に、お礼を言っていた。

すると悠里君は、ことりの方を向き・・・

 

「ことちゃんもゴメンねー・・・」

「えっ、ううん。ゆーくんが無事で・・・」

 

良かったと

ことりが言おうとした

瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「別に放置したままでもよかったのに・・・

僕が死んだところで誰も悲しんでくれる人なんていないし?

・・・ところでさ?

最終予選で歌う曲どうなったの?

まぁ、僕には関係ないよね?

ソウダヨネ、所詮、僕なんかの意見はキイテナイヨネ・・・

他のみんなだって、そう思ってるにチガイナイヨ・・・

アハ、アハハハハハハ・・・・

今、何月だっけ・・・?

ああ。12月か・・・

リア充が爆発する季節だったけ?

リア充って言っても、2種類あるよね?

周りがよく言う、恋人関連のリア充と

現実と書いてリアルって読む方の生活が充実してる方の

リア充があるよね・・・

僕の場合・・・?

ないよ?。

あるわけないだろゲロカスが!!

って思うのが僕の主観なんだよね・・・

ああ、落ちこぼれの意見なんか聞いてねえって?

で、なに話してたんだっけ?

自殺なんて馬鹿な考えはやめろだっけ・・・?

僕さ、思うんだけど生きていれば楽しい事もあるって

綺麗事を言うヤツいるけどさ?

そんなの自分が決める事だと思うんだよね。

他人の意見を押し付けられるのは迷惑ナンダヨネ・・・

そういう人って大抵、死にたいくらい辛い目にあって

ない人なんだよね・・・

つーかさ、死のうが別に僕の勝手じゃん?

ソウダヨ、ゼッタイニソウダヨ・・・

アハハ、アハハハハハハハ・・・・!!!」

 

い、いやです・・・

こんな悠里君を見るなんて

わ、私こんなの・・・

 

「じゃユーリ、明日また来るわね?」

「・・・ウン、ワカッタ」

「わたしも時間が空いたら来るからね~?」

「・・・ワカッタヨ、死体ごっこしてマッテルネ?」

『こーら、ゆうり君?』

「オトナシクマッテル、ホントウダヨ・・・?」

 

私達6人は病室を出た。

突如、足に力が入らなくなり

私だけじゃなく、穂乃果とことりも

その場で座り込んでしまった・・・

 

「3人共、よく耐えられたわね」

 

ティアが冷静に言いますが、

私達にとっては認めたくない現実だった。

そんな私達をよそに・・

 

「そういえば最終予選の曲って~?」

『希ちゃんの提案でラブソングに・・・』

「ノゾミが?、まぁ何でそれにしたのかは予想つくけど?」

『真姫ちゃんは疑問に思ってたみたいだけどね?』

「マキなら気づくわよ。それならエリも一枚噛んでそうね・・・」

「ほえ?。なんで~?」

「ノゾミの事を一番理解してそうだから」

『納得。それでね・・・』

 

花怜は、次の日曜日に

みんなで集まって意見を出し合う予定の事を

ティアと瑠菜に話してました。

すると2人は・・・

 

「ゆうくんに内緒でか~・・・」

「ユーリの禁句でもある恋愛をテーマで、か・・・」

『何かないかな?』

「カレン、あるにはあるけど・・・」

『あ、もしかして・・・』

 

花怜の一言にティアは頷くと

自分の鞄の中から3色の本らしき物を

私達に渡してきた・・・

 

「それをヒントに最終予選の曲でも作りなさい」

「ティア、これは・・・?」

 

ティアは私に『青い本』を、

ことりに『白い本』を、

穂乃果には『オレンジの本』を渡した。

 

()()()()()()()()()()()()・・・」

 

悠里君が・・・?

 

「でも何で、ゆうちゃんは・・・」

「ユーリは、こんな恋愛がしたいと思う事を書いている筈よ」

『それに多分、ゆうり君の初恋の人物が描かれていると思うよ』

「ゆーくんの・・・?」

「ことりちゃん達をイメージカラーにしたのも意味があると思うよ~」

 

そしてティアは私達3人に・・・

 

「とりあえず今は最終予選の事だけ考えなさい。」

 

ティアが言いたいのは

万が一、最終予選を突破できなかったら

悠里君が自分のせいだと責めるからだという事。

穂乃果が倒れた時の文化祭で

壁を殴りつけてた前例もあるので

否定できなかった。

 

「穂乃果、ことり。行きましょう・・・」

「海未ちゃん!?」

「酷いよ!!、ゆうちゃんが心配じゃないの!?」

 

ふざけないでください・・・

そんなの・・・

 

「心配に決まってるじゃないですか!!!」

 

ここが病院だというのにも

関わらず私は大声を出してしまった。

 

「穂乃果とことりだって見たでしょう!?

私だって本当だったら悠里君の傍にいたいですよ!!

もし私達が最終予選を突破できなかったら、

悠里君が自分のせいだって責めるくらい分かるでしょう!?」

 

気づけば私は、

穂乃果とことりを怒鳴っていた。

すると2人は・・・

 

「そうだよね・・・」

「一番辛いのは、ゆうちゃんだもんね・・・」

「私の方こそすみません、怒鳴るような言い方して・・・」

 

すると穂乃果は・・・

 

「うん!、とりあえず今は最終予選に向けて頑張ろう!」

「ことりも頑張る!」

 

まず帰ったら、

次の日曜日までに悠里君が書いたと言われる

恋愛小説を読んでみましょう・・・

何かヒントが分かるかもしれません。

それに・・・

 

(どうして悠里君が、ああなってしまったのかも)

 

『青い本』を

見つめながら私は

そう考えていた。

ひょっとすると私が見た夢と

関係があるのかもしれないと思いながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、2期第8話は終了です。
暗い感じで終わってしまいましたが・・・
次回は、2期第9話『心のメロディ』の回です。
内容は最終予選を終えたばかりの話になってますので
よろしくお願いします。


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第95話 ことり、お見舞いに行く

ゆるポメラです。
今回から、2期第9話『心のメロディ』の回です。
穂乃果達が最終予選を歌い終わった
次の日の話になります。
サブタイ通り今回は、
ことりちゃん視点になります。

それではどうぞ。


南ことりです。

最終予選が終わった

次の日、ことりは

お見舞いに病院に来ています。

 

「ゆーくん、大丈夫かな・・・」

 

今日は、ことり1人で

ゆーくんのお見舞いに来ています。

最初は、3人で行こうって穂乃果ちゃんが

提案したんだけど海未ちゃんが・・・

 

『私達3人で行くと、他のみんなが怪しいと

疑問に思われるので今日は、ことり1人で

悠里君に会ってきてあげてください』

 

言われた時は驚いたけど

海未ちゃんの言う事は尤もだった・・・

μ'sのみんなは、ゆーくんが来なくなった時は

疑問に感じていたけど、花怜ちゃんが上手く

フォローしてくれた。

だから今日は用事があると偽って

1人で来ていた。

 

「13号室だったよね。ゆーくんがいる病室・・・」

 

思えば、ことり自身が

病院に来るのは何年振りになるのだろう・・・

あの時は眠っていたから

覚えてなかったけど、

ゆーくんは別れの言葉を伝えに

ことりの病室に来てくれたくらい・・・

 

「どんな顔して入ればいいんだろう・・・」

 

正直、ゆーくんに

どんな顔をして病室に入ればいいか

分からなかった。

そんな事を考えていたら

病室に着いてしまった・・・

 

「いつも通りでいいよね・・・」

 

不安な顔をすると

ゆーくんが落ち込むと考えたので

いつも通りに入ることに決めた。

ことりは病室のドアを軽く叩く・・・

 

「どうぞ・・・」

 

聞こえてきたのは

ゆーくんの弱々しい声だった。

ことりが入ると・・・

 

「ぁ、ことちゃん・・・」

「ゆーくん大丈夫・・・?」

「一応・・・」

 

ゆーくんは、

ことりの事を気遣って

言ってるのか無理していた・・・

その証拠に口数が異常に少ない。

すると・・・

 

「ライブ凄かった・・・」

「えっ?」

「あの曲なら最終予選を突破できると思うよ」

「突破できるかな・・・」

 

ど、どうしよう・・・

ゆーくんに不安にさせちゃうような事を

言っちゃった気が・・・

 

()()()()()()()()()()()・・・」

 

えっ・・・?

確かに歌っている時に

ゆーくんらしき人が見えた気がするけど

も、もしかして・・・

 

「ゆーくん、病院を抜け出して観に来てくれたの?」

「・・・痛覚がないのも便利だね。こういう時は」

「バカッ!!!、どうしてそんな無茶するの!?」

 

つまり、

ゆーくんは怪我が完治してないにも

関わらず私達のライブを観に来てくれたという

事になる。

ライブが終わった後も

穂乃果ちゃんと海未ちゃんの3人で話してた。

もしかしたら、ゆーくんなんじゃないのかって・・・

でも病院にいるから考えすぎなんじゃないかって

今日まで思ってたけど・・・

 

「まぁ、いいじゃん・・・」

「よくないよ!!、倒れたらどうするの!?」

「病室に戻った時に吐血したくらいだから平気だよ」

「と、吐血!?。なんで!?」

 

ことりが驚きながら聞くと

ゆーくんは何事もなかったような表情を

しながら・・・

 

「ちょうどね?、ことちゃん達のライブが終わった時間が

病院の消灯時間が残り2時間だったから、これは流石に戻らなきゃ

ヤバイかなーって思って走ったの。

そしたら偶然、南先生がお見舞いに来てくれて

手痛いお説教をもらってたの。吐血しながら・・・」

 

だから、お母さん

ゆーくんのお見舞いから帰ってきた時に

頭を抱えながら溜息を吐いてたんだ・・・

 

「・・・今日は外出禁止って酷いと思わない?」

「ゆーくんが心配させるのが悪いんです!」

「えぇー・・・」

 

でも何より、

ゆーくんがライブに観に来てくれた事が

嬉しかった・・・

あんな大怪我をしてまで・・・

本当、ことりもワガママだよね・・・

 

「じゃあ、ことり帰るね?」

「もうそんな時間・・・。時の流れが早い」

 

本当は、ゆーくんと

もう少し話したかったけど

面会時間が限られているので

今日は帰らなきゃいけない・・・

 

「ゆーくん、また来るね?」

 

ことりが

名残惜しそうな表情をしていたのが

分かったのか、

ゆーくんは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、今日はありがとね、ことちゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優しい笑顔で

言ってくれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ことりちゃんが
悠里のお見舞いに行く話でした。
次回は海未ちゃん視点に
なります。
こんな感じですが
次回もよろしくお願いします。


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第96話 海未、お見舞いに行く

ゆるポメラです。
前回の予告通り、
今回は海未ちゃん視点になります。

それではどうぞ。


園田海未です。

私は悠里君の

お見舞いに病院に来ています。

 

「悠里君、無理してないでしょうか・・・」

 

昨日、ことりが

お見舞いに行った後に

電話で穂乃果と一緒に聞いたのですが

悠里君は怪我が完治してないのにも

関わらず、最終予選のライブを

観に来てくれた事を聞かされた時は

二重の意味で驚いてしまいました・・・

 

「13号室、ここですね・・・」

 

私は入る前に、

どんな顔をして入ればいいか

一瞬、躊躇ってしまいましたが

いつも通りに入ろうと決め、

病室のドアを軽く叩いた・・・

 

「あ。ど、どうぞ・・・」

 

聞こえてきたのは

ほんの少しだけ慌てた声をした

悠里君の声でした。

私が中に入ると・・・

 

「ぁ、みーちゃん・・・」

「悠里君、体調はどうですか・・・?」

「あまり無理しない程度なら大丈夫・・・」

 

私が隣に座ると

悠里君は何かを作っていました。

形状から見て、アクセサリーでしょうか・・・?

 

「悠里君、何を作っているんです?」

「誕生日プレゼントかな・・・」

「誰かの誕生日なんですか?」

 

私が疑問に思いながらも

聞くと、悠里君は苦笑いをしながら・・・

 

「その子の誕生日が1()()1()()なんだけど、

その日ってもう元日でしょ?

だから毎年、この時期にプレゼントは何がいいか

考えてるの・・・」

 

その時の悠里君の目は、

喜んでくれたらいいなという

優しい目でした・・・

 

「僕ね?、女の子が喜びそうな物とか

分かんないから、結局その子のイメージに

合いそうな物をあげてるんだよね・・・

花怜ちゃん達に聞いても、僕があげた物なら

喜んでくれるよしか言ってくれないし・・・」

 

悠里君は落ち込みながら

自分には女の子が喜びそうな

物が分からないと言います。

ですが、私から見たら

花怜と同じ事を言うと思います。

実際、穂乃果は悠里君から貰った

キーホルダーを片時も離さず持っていましたし。

 

「ちなみにコレなんだけど・・・」

 

そう言うと悠里君は、

私に作っている物を見せてくれました。

 

「これは、『髪留め』ですか・・・?」

「うん、安っぽくて笑っちゃうでしょ・・・」

「そんな事はないですけど、コレ光ってませんか?」

 

外見は何の変哲もない髪留めですが、

何故か宝石のように光っていました。

疑問に思っていると悠里君は・・・

 

()()()()()するの難しいね・・・」

 

・・・えっ?

今、悠里君は何て言いました?

私の聞き間違いでなければ、

この髪留めは、元は()()であり

更に悠里君が加工したという意味に聞こえます。

私は冷や汗をかきながら悠里君に・・・

 

「こ、これって、ほ、宝石なんですか・・・?」

「・・・そうだよ?」

「ち、ちなみになんていう・・・」

 

すると悠里君は

キョトンとした表情をしながら・・・

 

()()()()()()だけど・・・」

 

・・・悠里君は、

どうして平然としてられるのでしょうか?

私、聞かなかった方が良かった気が・・・

 

「・・・みーちゃん、大丈夫?」

「ゆ、悠里君。それって本物なんですよね・・・」

「うん、ティアちゃんと真姫ちゃんに調べてもらった。

2人共、顔が引き攣っていたけどね・・・

なんでだろうね?」

 

ティアと真姫が、そんな顔を

していたという事は本物みたいですね・・・

ま、まさかとは思いますが・・・

 

「ゆ、悠里君。もしかして穂乃果のも・・・」

「・・・あぁ、あれも宝石だよ?」

「ちなみになんていう・・・」

()()()()系だったかな・・・」

 

・・・穂乃果。

悠里君から貰った誕生日プレゼント

大事にした方がいいですよ・・・

 

「・・・ほのちゃんには内緒ね?」

「言えるわけないじゃないですか・・・」

 

そういえば悠里君は、

私が小さい頃に、手作りのブレスレットを

私の誕生日に渡してくれたのを思い出しました。

それだけじゃなく、私の誕生日に合わせて

お父様やお母様にもプレゼントを渡していましたね。

予想外のサプライズに、お父様とお母様も

感極まって泣いていましたし・・・

 

「あ、お見舞いの品。ありがとね・・・」

「えっ?」

「昨日の夜に、みーちゃんママ達が来てくれて・・・」

「お母様とお父様も悠里君の事を心配してましたから・・・」

 

私が悠里君が大怪我して入院してる事を

話したら、血相を変えていました。

特に、お母様が大慌てしたのは今でも驚いてます。

普段は落ち着いてますが、悠里君の事になると

人が変わったように心配性になります。

 

「・・・退院したら、みーちゃんの家に行っても大丈夫かな?」

「は、はい///、でも無理だけはしないでくださいね?」

「あー、うん・・・」

 

悠里君が退院したら

穂乃果とことりの3人で迎えに行こうと

決めてたんです・・・

また無茶するんじゃないか不安だったから・・・

そんな事を考えていたら面会時間の終わりが

近づいていた・・・

 

「では私は帰りますね?」

 

本当は悠里君と

もう少しだけ・・・

私の考えてる事が分かったのか

悠里君は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとね、みーちゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑顔で私に

言ってくれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お気づきの方もいるかもしれませんが
悠里が誰に誕生日プレゼントを作って
あげているかというと・・・
次回は穂乃果ちゃん視点になります。


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第97話 穂乃果、お見舞いに行く

ゆるポメラです。
前回の予告通り、
今回は穂乃果ちゃん視点になります。

それではどうぞ。


高坂穂乃果だよー。

今日は、ゆうちゃんの

お見舞いに病院に来てるの。

 

「ゆうちゃん元気かな・・・」

 

昨日、海未ちゃんから

電話があった。

海未ちゃん曰く、

ゆうちゃんは体調は変わりなく、

落ち着いていたとの事。

 

「あ、ここかな・・・」

 

病室に着いたので

どうやって入るか考える。

それ以前に、どんな顔をして

ゆうちゃんに会えばいいか・・・

 

(よし・・・!)

 

いつも通りに入ろうと

決めた私はドアの取っ手を掴み・・・

 

「ゆうちゃーん!、お見舞いに来たよー!」

 

ノックもせずに入ってしまった。

 

「あ、あれ・・・?」

 

病室に入ると、

ゆうちゃんがいなかった。

何処に行っちゃったんだろ・・・

穂乃果が考えてた矢先・・・

 

「あれ?、ほのちゃん・・・?」

「ひゃあ!?」

 

突然、後ろから

ゆうちゃんが現れた。

び、びっくりした・・・

 

「もう!、ゆうちゃん驚かさないでよ!」

「病室が空いてたから気になって・・・」

「うっ!?、そ、それは・・・」

 

い、言えない。

驚かせようと思って

ノックもせずに入った事なんて

言えないよ・・・

 

「入る?、ここで立ってるもなんだし・・・」

「う、うん・・・」

 

病室に入ると、

ゆうちゃんは備え付けの

冷蔵庫からジュースを取り出し

穂乃果に渡してきた。

 

「はい、ほのちゃん。」

「あ、ありがと・・・」

 

静かな空気が

続いたので穂乃果は

ゆうちゃんに・・・

 

「ねぇ。退院できそうなの・・・?」

「・・・」

 

ゆうちゃんは一瞬だけ

黙ってしまったが、すぐに

口を開き・・・

 

「あと2日経ったら退院していいって・・・」

「本当!?」

「えっ、うん・・・」

「よ、良かった・・・」

「・・・ほのちゃん?」

 

ゆうちゃんが学校を休んでいた日も

穂乃果達3人は心配だった・・・

お昼ご飯を食べる時も私達は、

誰1人喋らなかった・・・

練習が終わってからもそうだった・・・

ゆうちゃんが無茶してるんじゃないのかって・・・

 

「今年も終わりに近いんだね・・・」

「えっ?」

「いや、何でもないよ・・・」

 

穂乃果には、

ちゃんと聞こえた。

今は12月の中旬ちょっとで

もう少しすれば1月になる・・・

 

(ゆうちゃんと過ごせるのは・・・)

 

花怜ちゃんが言っていた。

ゆうちゃんは音ノ木坂を卒業したら

自分の存在意義を知りたいって・・・

 

「・・・冬休み、もうすぐなんだっけ?」

「あっ、そういえば・・・」

 

ゆうちゃんの一言で

思い出したけど音ノ木坂は

もうすぐ冬休みに入る・・・

ちょうど、ゆうちゃんが退院する日から

冬休みだった・・・

 

「ね、ねぇ。ゆうちゃん・・・」

「・・・?」

「た、退院したらさ。4人で出かけない・・・?」

 

穂乃果、何言ってるんだろう・・・

ゆうちゃんが退院する日に

海未ちゃん、ことりちゃんと4人で

出かけたいなんて・・・

 

「ほのちゃんが良いなら、僕は構わないけど・・・」

「本当!?、じゃあ約束ね!」

「わ、分かったから、落ち着いて・・・」

「あっ///、ごめんね・・・///」

 

この後も、

ゆうちゃんと他愛もない話を

したあと面会時間の終わりが近づいてしまった。

 

「じゃあ穂乃果、今日は帰るね?」

 

穂乃果が病室のドアに

手をかけた時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほのちゃん、励ましてくれてありがと・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんは、

優しい声で穂乃果に

言ってくれた・・・

 

 

 

 




穂乃果が悠里の
お見舞いに来た回でした。
あと2話くらい続きます。
次回もよろしくお願いします。


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第98話 退院前日の出来事

ゆるポメラです。
今回は久しぶりに
悠里の視点になります。

それではどうぞ。


今日は退院前日。

先生から安静にしてなさいと

言われたけど・・・

 

「暇だなぁ・・・」

 

そうなんです。

やる事が無くて暇なんです。

学校の課題、もとい宿題とかは

頑張って終わらせました。

入院してたのに何で知ってるのか

っていうとね?

みーちゃんが、お見舞いに来てくれた時に

学校での出来事とかを教えてくれたからなんだ。

 

「・・・はぁ」

 

僕が溜息を吐くのは、

ちょっとした悩みがあるから。

それは・・・

 

 

 

 

 

 

ーーコンコン・・・ーー

 

 

 

 

 

 

 

すると、

病室のドアを軽く叩く音が

聞こえた・・・

 

「ユーリ、入って大丈夫?」

 

声の主はティアちゃんだった。

あぁ、月ノ丘は今日から冬休みだったのを

思い出した・・・

 

「あ、どうぞ・・・」

 

ティアちゃんが1人で

お見舞いに来てくれるのは

珍しいなぁと思いながらも

病室のドアが開いた。

そして入って来たのは・・・

 

「ゆうりお兄ちゃん!!」

「ル、ルビィちゃん!?」

 

入ってきたのは

ルビィちゃんだった。

・・・えっ?

待って待って!?

 

「ユーリ驚いた?」

 

そう言いながら入ってきた

ティアちゃん。

僕が何を言おうとしたのか

分かったのか・・・

 

「実はルビィだけじゃないのよ?」

「って言うと・・・」

 

そして僕の予想が当たり・・・

 

「悠里兄様!!」

「ダ、ダイヤちゃん!?」

 

ダイヤちゃんが泣きながら

僕に抱きついてきた。

僕はティアちゃんに、これは一体

どういう事なのという視線を送ると・・・

 

「一昨日の夕方に、

ダイヤから電話があったの。

ユーリが元気にしてるかってね?

それで色々あって、この状況って

ところよ。簡単に説明すると」

 

つまりティアちゃんが、

言いたいのは僕が入院している事を

最初は2人に心配かけまいと黙っていよう

と考えていたらしいが、

ダイヤちゃんとルビィちゃんが

近い内に遊びに来ると言ってたらしい。

だったらこの際、話してしまおうと決断して

今に至るとの事・・・

 

「ちなみに()()7()()にも話したから」

「なんでそうなるの!?」

「立て続けに連絡がきたんだもの」

「・・・そんな偶然ある?」

()()()、近い内ヘリで来るそうよ?」

「えっ?。海外から・・・?」

「そういう事になるわ」

 

参ったなぁ・・・

ティアちゃんの言い方から察するに

千歌ちゃん達、内浦に住んでいる5人や

更には梨子ちゃんにも話したんだ・・・

って事は、()()ちゃんにも・・・

 

「ダイヤなんか、ここに着くまで慌ててたのよ?」

「ティ、ティア姉様!?、それは・・・///」

 

ダイヤちゃんが慌てながら

ティアちゃんに弁解していた。

この光景を見るのも何年振りだか・・・

って、そうだ・・・

 

「ダイヤちゃん」

「は、はい?」

「はい。これ・・・」

 

僕がダイヤちゃんに

小さい箱を渡すと・・・

 

「ゆ、悠里兄様。これは・・・?」

 

ダイヤちゃんがキョトンとした表情を

しながら僕に聞いてきた。

そりゃいきなり渡されたら

そうなるよね・・・

 

「少し早いけどダイヤちゃんへの誕生日プレゼント」

「わ、私に・・・?」

 

するとティアちゃんが・・・

 

「ダイヤ。あなた誕生日が1月1日でしょう?

私達もなかなか時間が取れないから

ユーリが早い内に用意してたの。

本当だったら当日に祝ってあげたかったけど・・・」

 

そう。

ダイヤちゃんの誕生日は

元日である1月1日なんだ。

普通の人は、お正月の準備やら何やらで

色々と忙しいから

僕達5人が12月の後半あたりに毎年

ダイヤちゃんの誕生日を祝ってたりする。

 

「開けてもいいですか?」

「どうぞー・・・」

 

喜んでくれるといいけど・・・

 

「髪、留め・・・?」

「ユーリ相変わらず器用ね・・・」

「悩んだ末がこれだけどね・・・」

「手作りでここまでは中々できないわよ・・・」

「悠里兄様が作ったのですか!?」

「・・・安っぽくてゴメンね?」

 

僕が苦笑いしながら言うと

ダイヤちゃんは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠里兄様、ありがとう///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喜んでくれて

良かった・・・

僕はダイヤちゃんの笑顔を

見て、そう思った・・・

 

 




えっと・・・
しばらくぶりの投稿で
内容が短くなってしまい
申し訳ありません。
次回もよろしくお願いします。


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第99話 退院、そして4人でお出かけ

ゆるポメラです。
もう9月になりましたね・・・
さて今回で『心のメロディ』の回は
最後になります。
視点は海未ちゃんになります。

それではどうぞ。


おはようございます。

園田海未です。

今日は悠里君が退院する日

なので私は穂乃果、ことりの

3人で悠里君を迎えに病院に

向かっています。

 

「~♪」

「穂乃果ちゃん機嫌がいいね?」

「だって、今日から冬休みなんだよ」

 

そうなんです。

実は私達は今日から

冬休みなんです。

穂乃果が浮かれてる理由の1つでも

あります。

あ、もう1つはですね・・・

 

「穂乃果が寝坊をしないのが意外でした。」

「海未ちゃん酷いよ!?」

「まぁまぁ・・・」

 

いつも通りの

やり取りをしていたら

病院に着いてしまいました。

するとドアが開き・・・

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん」

 

悠里君が出てきました。

 

「ゆうちゃん!」

「ゆーくん!」

 

穂乃果とことりが

悠里君に抱きつきました。

で、出遅れました・・・

私も悠里君に抱きつきたかったです・・・

 

「「海未ちゃん?」」

 

2人はいいですよね・・・

ふふふ・・・

私なんて私なんて・・・

 

「みーちゃん、あのさ・・・」

 

はっ!?

これはまさか・・・

 

「その、心配かけてゴメン・・・」

「もう危ない事はしないでくださいね?」

「・・・うん」

 

悠里君の表情は、

私が大好きな優しい表情

でした。

私が見惚れていると・・・

 

「・・・それで今から何処に行く?」

「ゆーくん、出かけるの?」

「・・・ことちゃん何か聞いてない?」

「えっ?」

 

悠里君が何かを言ってるようですが

話の内容が噛みあいません・・・

ことりに聞いてみても何の事かが

分からないといった表情です。

 

「ほのちゃん、2人に言ってないの?」

「悠里君、何をですか?」

「ほのちゃんが、お見舞いに来てくれた時にね?

退院したら4人で出かけようって・・・」

「穂~乃~果~!!」

「ちゃんと出かけるってメールしたじゃん!?」

 

確かに穂乃果が

悠里君のお見舞いに行った日の

夕方にメールが送られてきて、

悠里君が退院したら4人で出かけようって

言ってましたが、

まさか悠里君が退院する日に出かけるとは

思いませんでした・・・

 

「まぁ歩きながら考えようよ・・・」

「ことりも、ゆーくんと同じかな・・・」

「「は、はい・・・」」

 

なんか悠里君に

凄く気を遣ってもらってる気が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー少年少女移動中ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達4人は、

これからどうしようか

話しながら移動してます。

 

「・・・3人は何処か行きたい所はないの?」

「穂乃果は映画館に行きたい!」

「ことりは、お洋服を見たいなぁ~」

 

バ、バラバラです・・・

 

「みーちゃんは?」

「私は何処でも・・・」

 

正直に言うとですね?

私は悠里君と一緒なら何処でもいいんです。

あ、あとは思い出の水族館とか・・・

 

「・・・じゃあショッピングモールでも行く?」

「ゆーくん、この辺にあるの?」

「・・・うん。あるよ」

「「「?」」」

「じゃあ行こうか・・・」

 

一瞬、ほんの僅かの一瞬なんですが

悠里君の歯切れが悪いなと私達は感じました。

その証拠に表情が暗かった気がしたからです。

 

(どうしたんでしょう・・・?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーショッピングモールーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・悠里君。こ、ここですか?」

「うん」

「「ほえ~・・・」」

 

私達は悠里君が言っていた

ショッピングモールに着いたのですが

とにかく敷地が広いんです・・・

駐車場だけでも何倍の広さもあったので

言葉が・・・

 

「じゃあ最初は映画館に行こうか・・・」

「「「は、はい・・・」」」

 

楽しめばいいですよね?

そうです!

ポジティブに、ポジティブに・・・

 

「ところで何の映画を観るの・・・?」

 

・・・あっ。

映画を観たいと言ったのは

穂乃果ですが一体何の映画を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、面白かった~」

「ことりも~」

 

結果、何の映画を観たかと

言うと・・・

 

「この年で恋愛映画を観るとは思ってなかったよ」

「うぅ・・・///」

 

悠里君が説明してくれた通り

私達は恋愛映画を観ました。

ただ・・・

 

「は、破廉恥です。あ、あんな・・・」

「みーちゃんは苦手?」

「に、苦手じゃないんです。ただ・・・」

「言わなくていいよ。分かったから」

「は、はぃ・・・」

 

恋愛映画の最後にある

キ、キスシーンで、その・・・///

 

「次は、ことちゃんが行きたい場所に行こうか」

 

悠里君が言うと

私達は、ことりが行きたいと

言っていた洋服屋に向かう事に

しました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー洋服店ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この洋服可愛い~♡」

「ゆうちゃん、どっちがいいかな?」

「個人的には左の方が・・・」

「ゆーくん、ことりも~」

「ことちゃんのは右の方が・・・」

 

穂乃果とことりは

悠里君に、どっちの服がいいか

選んでもらっていました。

私はと言うと・・・

 

(私も悠里君に・・・)

 

洋服を見ながら

考えていました。

すると・・・

 

「みーちゃん、みーちゃん」

「えっ?」

「この洋服、試着してみて?」

 

悠里君が一着の

青を基調とした洋服を持ち

私に試着してみたらと言ってきました。

突然の事だったので驚きましたが

気になる洋服がなかったので

私は試着室に入り

試着してみる事にしました・・・

 

「あ、あの。どうでしょうか・・・?」

 

試着した服に、

着替え終わり悠里君に聞いてみると・・・

 

「可愛いし、凄く似合ってるよ」

「ふぇっ!?///」

「なんて言うか、みーちゃんらしさが

より引き立ってるっていうか・・・」

 

そ、そんな事言われてしまったら

わ、私・・・

 

「き、着替えてきます///」

 

この後、

私は穂乃果とことりに

からかわれましたが

反論ができませんでした・・・

 

「これ3人に・・・」

 

会計を終えた悠里君が

私達に袋を渡してきました。

中身が気になったので見てみると

そこには・・・

 

「あ、あの悠里君。これ・・・」

「・・・うん。見ての通り」

 

中身は悠里君が

選んでくれた洋服でした。

これには穂乃果とことりも

驚いて悠里君を見ていました。

 

「僕からのプレゼント。

着たい時に着てくれると嬉しいかな。

個人的には・・・」

 

悠里君はズルイです。

でも私は、そんな悠里君が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大好き・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で、2期第9話は終了です。
なんとも言えない終わり方になって
しまいましたが・・・
次回はオリジナルの話を
執筆しようかなと思ってます。
題して『冬休み編』です。
執筆したかった理由としては、
2期第10話の開始が年明けの話
だったので、冬休み中の話を
執筆したいと思ったからですね。
頑張りますのでよろしくお願いします。


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第100話 海未が見た夢・・・

ゆるポメラです。
今回から『冬休み編』になります。
この章は、2期が終わった後の
話の重要な内容にしております。
今回の視点は海未ちゃんになります。

それではどうぞ。




こんばんは。

園田海未です。

私は悠里君と歩いています。

 

「…今日は楽しかった?」

「はい。4人で遊べて楽しかったです」

「ほのちゃんが迷子になったのは驚いた……」

 

余談なんですが、

実は私と悠里君、ことりが

ちょっと目を離した隙に

穂乃果が迷子になってしまった珍事件が

起きました……

結果的に穂乃果はフードコーナーの方で

見つかったので良かったのですが……

 

「クレープの匂いに誘われたってのがまた……」

「みーちゃん、呆れてたよね…」

「中学の時も同じ事が何回かあったんです」

「…納得」

 

そんな事を

話していると家に着きました。

もうちょっとだけ悠里君と

話したかったです……

 

「家まで送ってくれて、ありがとうございます」

「…ううん、気にしないで?」

「悠里君、明日は何するんですか?」

「明日は特に予定は……」

 

冬休み中に悠里君が何をするか

気になったので私が何気なく

明日の予定を聞いてみた。

最初は考えてた悠里君ですが

私を見て…

 

「みーちゃんは明日、何か予定ある?」

「特に予定はありませんが……?」

「えっと、あのね……?」

 

悠里君は言いにくそうな

表情をしていました。

どうしたんでしょう……?

 

「みーちゃんが良ければだけど、

明日、みーちゃんの家に遊びに行っても

いいかな……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の家に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日、遊びに来る……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ダメならいいんだけど……」

「そんな事ありません!!」

「え、でも……」

「お母様とお父様には私から説明します!」

 

悠里君は消極的なところが

あるので、私から説得しなければ……!!

 

「じゃ、じゃあ明日お邪魔させてもらいます…」

「はい♪」

「じゃあ僕は帰るね…?」

「あ、あの///。悠里君……」

 

帰ろうとする

悠里君に私は声をかけ……

 

「明日、待ってますね?」

「うん……、僕も明日楽しみにしてるから……」

 

微笑みながら

そう言うと悠里君は

帰って行きました…

 

(私も家に入りましょうか……)

 

綺麗な冬の夜空を

見上げながら私は玄関に向かった。

 

「ただいま帰りました」

「お帰りなさい。海未」

 

出迎えてくれたのは

お母様でした。

 

「あら?、海未。今朝着てた洋服と違うけど…」

「へっ?、あっ……///」

 

わ、忘れてました!?

お母様に言われるまで全然気づきませんでしたが

悠里君に選んでもらった服を着たままでした……

多分、穂乃果とことりも……

 

「そ、その。悠里君に選んでもらったんです……///」

「まぁ♪、私から見ても凄く似合ってるわよ♪」

「は、はいぃ……///」

 

この後も

お母様に散々からかわれました。

夕食の時に明日、悠里君が遊びに来る事を

お母様とお父様に話したら

凄く喜んでました。

特に、お母様がですが……

その様子を見た私とお父様は

苦笑いをするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー海未の部屋ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は、21時30分。

私はティアから渡された『青い本』を

手に取り読んでいました……

 

「やっぱり…」

 

悠里君が書いたと言われる

恋愛小説の本を読んでみて、

いくつか分かった事があるんですが

この本の内容は、()()に近いんです。

更に言うなら悠里君の今までの体験談その物が

記されていた……

私は一通り読み終わり、

読んで思った事をメモに書く……

 

「読み解くのが難しいです……」

 

まるで推理小説でも

やってる感覚に近かった…

 

「悠里君の誕生日も近いですね……」

 

そう言えば12月12日は

悠里君の誕生日です。

私が何を送ろうか考えていると

不意に、さっきまで読んでいた

本の目次に目がいく……

 

「…えっ」

 

私は、ある部分に注目した。

さっきまでは気にしてませんでしたが

何故か気にしてしまう理由……

それは最終話のタイトルだった……

そのタイトルは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『12月12日。12歳の誕生日』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私には、ある出来事を思い出す。

それは悠里君の家族…

つまり藍里さんの事だった…

前に花怜から聞いたのは悠里君の事

をよく思ってないという理由だけで

家ごと燃やされたという事……

 

「確か、このページに…!」

 

私は急いで最終回の気になった

文章を探す。

そして、もう一度読み直す……

 

「ど、どうして……」

 

言葉が見つからなかった……

何故なら、この本の主人公の家も

()()()()()()だったからだ……

更にヒロインは幼馴染みで

アイドルをしており

主人公の事を想う余りの

極度のヤンデレであり、

最終的に主人公を守って目の前で

死んでしまうという悲しい結末を迎える…

 

「ページの続き…?」

 

バッドエンドに近い終わり方だと

いうのに、まだあるのでしょうか…?

私は最後のページをめくる……

書かれていたのは、たった一行……

それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そして僕は恋愛をやめました……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は鈍器で殴られた感覚に陥った。

真実を確かめたい為、

携帯電話を取りティアに電話を

かけた……

 

『どうしたのウミ?』

「ティ、ティア。あの本って真実なんですか…?」

『ユーリが書いた物だしね。読む人によるけど…』

 

ティアは読む人によると言った。

ですが私には生々しく感じた……

何故なら……

 

「悠里君の過去の真実を聞いてるみたいでした…」

『ウミは、そう感じたの?』

「は、はい。前に花怜に聞いた内容と全く同じで…」

『分かったわ。ウミ、今日はもう寝なさい』

 

ティアは恐らく

これ以上この本を読むと

私自身がどうかしてしまうから

止めなさいと警告してるのが分かったので

私は従う事にした……

 

『ウミ。あなたが読んだ本の内容を理解したなら

恐らく夢で映像化で見る筈よ。

鮮明に残るから……』

「それもティアが経験した事なんですか…?」

『そうよ』

 

ティアの声は低かった。

 

『じゃあ私は寝るわね?』

「すみません、夜分遅くに……」

『親友が困ってるのを聞くのは当たり前じゃない…』

「ティア、ありがとう」

『どういたしまして♪、おやすみウミ』

「はい、おやすみなさい……」

 

携帯電話を通話ボタンを切り、

私も寝る事にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは何処なんでしょう……?

空中に浮いているので、

これは夢なんだなと理解出来た。

 

「…えっ?」

 

私の目に映ったのは

激しく燃え盛った家だった……

そして燃えている家から出てきたのは…

 

「はぁ、はぁ……」

 

息を切らした

藍里さんでした…

しかも体中が血まみれだった……

 

「あんた、悠里に何したのよ…」

 

藍里さんが

睨み付けた先にいたのは、

フードで顔を隠した男だった…

 

「あのガキが目障りだからな。

それより、自分の心配したらどうだ?

一応、即効性の毒なんだが……」

 

その言葉を聞いた

藍里さんは不敵な笑みをしながら…

 

「こんなんで死ぬもんですか……

それに、その言葉そっくり返させてもらうわ……」

「なんだと?」

「…(ぜつ)

 

藍里さんが、

そう呟いた途端、

男は見えない刃で切り裂かれた……

 

「がぁ……!?」

「言いなさい。悠里が狙い?、それとも()()()?」

「あんな落ちこぼれ、死んで当然だ……」

「残念ね。()()()は悠里の事しか見てないから、

あんた達には眼中にないわよ……」

 

藍里さんが言う()()()とは

恐らく悠里君の……

 

「仮に私が死んでも、

()()()は悠里の事を見捨てないし

ずっと傍にいるって私に約束したわ……

バカにするなら容赦しないわよ…」

「ざまぁ…み…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーザシュ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行か、なくちゃ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして急に

視界が暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後半を少し暗くして
みました。
今回は悠里の初恋の人物らしき
人を海未が見つけた形で終わらせました。
この人物は重要キャラですので
よろしくお願いします。
次回も海未ちゃん視点になります。


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第101話 明かされる悠里の初恋の女の子

ゆるポメラです。
今回はサブタイ通りの
内容になっています。
前回の予告通り、
視点は海未ちゃんです。

それではどうぞ。


お、おはようございます…

そ、園田、う、海未です。

今日はですね?

ゆ、悠里君が遊びに来るんです……

 

「今は何時でしょうか…?」

 

昨夜は、

今日の事で中々寝付けず

何とか眠れたのですが……

 

「は、8時30分!?」

 

目覚まし時計を手に取り、

時間を見ると1時間も寝過ごして

しまいました……

すると部屋の向こうから……

 

「海未~?、まだ寝てるのですか~?」

 

お母様の声が聞こえたので

私はすかさず……

 

「い、今行きます!」

 

私は慌ててリビングに向かいました。

 

「お、おはようございます……」

「おはよう海未。あなたが寝坊なんて珍しいわね?」

「うぅ……///」

 

リビングに着くと

お母様が朝食を作っていました。

私は席に座る。

 

「あの、お父様は……?」

「道場にいるわ。もう少しで戻って来ますよ」

「珍しいですね、お父様が……」

 

お父様は武道をやっています。

私も小さい頃からやっているのですが

未だに勝てません……

私も越えられるように精進しなければ!

あ。話が逸れてしまいましたが、

いつも、この時間には

お父様は先にリビングにいるのですが

今日は戻ってません。

疑問に思っていると、お母様が……

 

「悠里くんが来るからかもしれませんよ?」

「悠里君が……?」

「あの人、悠里くんに負けた事を根に持ってるのかしらねぇ…」

「えっ!?、お父様が!?」

「あら?、海未は知らないの…?」

「初耳ですよ!?」

 

お母様は平然とした顔で

知らなかったの?と

言いたげな表情をしていました。

 

「まずどうしてそんな経緯になったのですか!?」

「それはねぇ…」

「戻ったぞ」

 

お母様が説明しようとした時、

丁度お父様が道場から

戻ってきました。

むぅ……

 

「海未。どうした?」

「むぅ…」

「あなたがタイミング悪いからですよ…」

「俺が悪いのか?」

「ほら、海未も拗ねないの」

「……はい」

 

拗ねてたつもりはないんですが…

私は、お母様が作ってくれた

朝食を食べる事にしました。

 

「そう言えば、何の話だったんだ?」

「あなたが昔、悠里くんに負けた事ですよ…」

「あぁ、その話か。懐かしいな…」

 

お父様が理由を聞いた途端、

お母様が説明をすると、

納得したかのように懐かしんでいました。

 

「海未、今日まで知らなかったみたいで……」

「なるほどな……」

 

お父様は苦笑いしていました。

 

「どうしてそんな事になったのですか?」

「海未。小さい頃に稽古の時間が多かったのは覚えてるか?」

「あ。はい……」

 

小さい頃、

私は家の跡を継ぐ為に

稽古の時間が多く穂乃果やことりと

遊ぶ時間が、あまりありませんでした。

それと何の関係が…?

 

「それを見かねた悠里くんが、

海未がいない時を狙って訪ねて来てな……」

「私がいない時ですか…?」

「小さい子供が竹刀を片手に、

道場破りよろしくという感じだったな……」

 

そんな悠里君、想像ができません…

 

「それって、いつ頃なんですか?」

「お前が悠里くんと会って2週間くらいだぞ?」

「藍里ちゃんと悠人さんも一緒だったわね。」

「全員で驚いたな。悠里くんの強さに……」

「あなた、開始5分で負けたわよね」

「か、開始5分ですか!?」

 

正直、信じられません……

いくら何でも

お父様が手加減するとは思えませんし……

 

「あれは確か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー回想ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時は忘れもしないな。

ちょうど悠人と藍里が家に遊びに来た時だな。

 

「こんにちはー♪」

「どうも…」

「藍里ちゃん、悠人さん。いらっしゃい」

「2人共、変わらずで何よりだ」

 

確か、この時は

道場で悠人と勝負する約束だったな。

あいつとは武道を鍛えあう仲だったからな…

 

「しかし悠人。どうした?」

「……何がだ?」

「お前が自分から本気の勝負をして

ほしいと言うとは珍しいと思ってな……」

 

悠人は自分から勝負しようと

言う奴じゃないのは昔からの事だ。

過去の大会でも目立った戦績はないが

特に玄人の選手に注目される。

俺も悠人の実力は認めている。

 

「……完膚泣きに負けてしまって自信無くした」

「は?」

 

今こいつは何て言った?

 

「言っておくが、藍里じゃないぞ……」

「じゃあ誰だ?。該当するのが藍里しか思い浮かばん」

「悠里に負けた」

「お前と藍里の息子だよな。うちにも娘がいるが……」

「そうだ。本気でやって負けた。ちなみに藍里もだぞ?」

「信じられん……」

 

ふむ。

そう言えば海未が

男の子の友達が出来たと言っていたが……

 

「悠人さーん」

「…藍里?」

 

道場の入り口を見ると

藍里がニヤニヤした表情で俺達2人を見てきた。

すると……

 

「可愛い道場破りが来たわよー♪」

「「おい待て。今なんて言った!?」」

 

あいつ、サラッと道場破りが来たと

言ってなかったか!?

すると道場に入って来たのは、

海未と同い年くらいの子供だった。

 

「…悠里?」

「どーじょーやぶりにきましたー」

「悠人。まさかこの子が……」

「…ああ。さっき話した俺と藍里の子供の悠里だよ」

「藍里に似すぎないか?」

「…それは同意だ」

 

するとトコトコと

俺と悠人のところに

来た悠里くんは……

 

「しょーぶしてください!」

「それは構わないが……」

「僕が勝ったら、おねがいがあります!」

「分かった。受けてたとう」

 

すると悠人は……

 

「…いいのか?」

「お前の子供の実力が知りたくてな」

「…悠里が勝った後の事もか?」

「俺もやすやすとは負けんよ」

 

そんな感じで

悠里くんと勝負する事になった。

いつの間にか妻や藍里が来ていた。

 

「悠里ー。怪我しないようにねー?」

「はあーい」

「はう♪、カメラ持って来ればよかったわ…」

「藍里ちゃん、このカメラ良ければ使う?」

「っ!?。使う!、いや使わせて!」

「はい。どうぞ」

「これでアルバム40冊目がコンプリートできる♪」

「…はぁ」

 

というか藍里の奴、

親バカになってないか……?

アルバム40冊目って……

あ。悠人も慣れたという表情してるな…

 

「悠里くん。準備はいいかい?」

「だいじょーぶです!」

 

しかし変わった持ち方を

するな……

竹刀を逆手に持つとは…

悠人や藍里も順手持ちだというのに……

 

「それでは、始め!」

 

掛け声が始まった瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーバシュ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい1本。悠里の勝ち」

「わーい!」

 

俺は正直、何が起こったのか

分からなかった。

すると悠人が……

 

「…この写真見てみろ」

 

恐らく藍里が撮った物だろう。

写真を見てみると、悠里くんが

小手先の部分を的確に打っている所だった。

あんな一瞬で……

 

「俺の負けだ。お願いとは何かな?」

「みーちゃんのお稽古の時間を減らしてください!」

「海未の?」

「みーちゃん、友達と遊ぶ時間が少なくて

さみしいって前にいってたんですー」

 

……なるほどな。

娘の自由時間を増やしてほしいと

いう願いか。

 

「分かった。約束しよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とまぁ。こんな感じだ……」

 

お父様が話し終わると

私の中で疑問が解決しました。

確かに、その次の日から

稽古の時間がかなり減り

穂乃果達と過ごす時間も増えました。

 

「そう言えば海未?。悠里くんは何時頃来るの?」

「…あ。聞いてませんでした……」

 

お母様に言われて

思い出しましたが悠里君が

何時頃に来るか聞くのを忘れてました。

 

「ごちそうさまです。今から聞いてみます」

「あらあら♪、よっぽど楽しみなのね?」

「そ、それは…」

「俺は悠里くんなら任せてもいいぞ?」

「お父様まで///」

 

そ、そういうのは

まだ早いです……///

告白すらしてないというのに……///

 

「へ、部屋に戻ります!」

 

私は逃げるように

部屋に向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー海未の部屋ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どうやって電話しましょう?」

 

今更ですが、

悠里君は、この時間は

起きているのでしょうか……?

時刻は、間もなく10時になる時間帯…

そんな事を考えていたら玄関のチャイムが

鳴った……

 

「海未ー?、悠里くんが来ましたよー?」

「ふぇ!?、は、はい!」

 

ちょ、ちょっと待ってください!?

私まだ着替えてませんよ!?

私は急いで着替え、玄関に向かう事に……

 

「み、みーちゃん大丈夫……?」

「大丈夫、です……」

 

玄関に着くと

悠里君が心配そうな表情を

していました。

原因は走ってきた私なんですけどね……

 

「悠里くん、よく来たな」

「みーちゃんパパ。お久しぶりです…」

 

すると、

お父様がやって来ました。

 

「今から道場に来てくれないか?」

「あ、はい……」

「あなた。いきなり過ぎますよ?」

「僕は大丈夫です…」

 

お父様と悠里君は

道場に向かって行きました。

すると、お母様が……

 

「気になるなら見てきたらどうです?」

「は、はい……」

 

私も気になるのは

事実なので道場に

行くことに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー園田家、道場ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、勝敗は……?」

「その事なんだが、昔と同じでいいぞ?」

「分かりました」

 

ここで私は疑問に

思った事があるので、

お父様に聞いてみました。

 

「…あの、防具は着けないんですか?」

「ああ。彼の覚悟を直で見たくてな…」

 

お父様は素振りをしている

悠里君を見ながら言いました。

 

「悠里くんのところに行ってあげたらどうだ?」

「は、はい」

 

お父様に言われ

私は悠里君のところに

行った…

 

「ゆ、悠里君!」

「……?」

「そ、その…///」

 

すると悠里君は

私の頭を撫でながら…

 

「…僕、頑張るよ」

「は、はい///」

 

そして悠里君は

お父様と正面から向かい合う。

 

「悠里くん、準備はいいかい?」

「…はい」

「海未。開始の合図を頼む」

「わ、分かりました」

 

私なんかが務まるのでしょうか……

ふと、悠里君を見ると

お父様が話してた通り竹刀を

逆手に持ちながら構えていた…

 

「始め!」

 

開始の合図を告げると、

悠里君は目にも止まらない速さで

接近していた。

お父様が竹刀を振りかぶると

いつの間にか悠里君は背後に移動していました。

 

(あ、あの構えは……!!)

 

ほんの一瞬だけ溜める構え……

あの構えは藍里さんが得意としていた

相手に休む隙を与えない連撃の構えだった。

 

「……絶連牙(ぜつれんが)

 

あの技の特徴は、

受けきれば、お父様が勝ち

もしできなければ悠里君が勝ち

という分かりやすい極めてシンプルな

結果を要求する技だった……

 

 

 

 

 

 

ーーバシンッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お父様の竹刀が完全に弾かれ

悠里君が竹刀を突き付け……

 

「……僕の勝ちです」

「悠里くん、強くなったな…」

「…そんな事ないです」

 

勝敗は悠里君の勝ちになった。

私は悠里君の元に行き……

 

「悠里君かっこよかったです///」

「……あ、ありがと」

 

すると、お父様が……

 

「いやー。若いってのはいいな。

俺もそんな時期に戻ってみたいな……」

 

この後も

散々からかわれました……

うぅ。悠里君の前で恥ずかしいです…///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー海未の部屋ーー

 

 

 

 

 

 

夜になり悠里君が帰った後、

私は今日の事をノートに書いていました。

何故かは分かりませんが、

そんな気分だったんです…///

 

「そろそろ寝ましょうか……」

 

時刻は、22時45分。

時間が過ぎるのは早いですね…

ふと、傍に置いてあった

『青い本』に目がいく……

 

(何でしょう、この嫌な感じは…)

 

昨夜に見た夢は、

藍里さんが血まみれになりながら

誰かを捜して…

その誰かは恐らく悠里君の事……

この夢も、本に書いてあったのと

全く同じだった…

私は不安になりながらも目を閉じた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、神田明神の近くにある

墓場でしょうか……?

私が夢の中で目覚めた場所は

神田明神の近くにある、

墓場だった…

ここは綺麗な湖や亡くなった人へと

花畑がある場所だった…

今はどうなってるかは分からないですが……

 

 

 

 

ーーキンッ!!、キンッ!!ーー

 

 

 

 

 

後ろで刃物のような金属音がしたので

音を頼りに近寄ってみると

そこにいたのは……

 

(悠、里君……?)

 

悠里君がプラスチック型の刀を逆手に

持ちながらフードで顔を隠した男と戦っていた…

次の瞬間……

 

「目障りだ!、とっととくたばれ!!」

「っ!?」

 

男の掌底を直撃してしまい

悠里君は地面に叩きつけられた……

 

「キサマアアアァァァ!!!!!!」

 

すると、

何処からか怒号が聴こえた

その声の主は男の背後を捕らえていた…

 

「っ!?、ちぃ!!」

 

背後の殺気に気づいた男は

寸前のところまで回避した……

 

「あの女!、ここまで来やがったか!」

 

その少女は男の言葉を無視し、

倒れている悠里君の傍に駆け寄った。

 

「悠里君っ!!、悠里君っ!!」

「…璃夢(リム)、ちゃん…?。なん、で…」

「…私、言ったでしょ?。ずっと傍にいるって……」

 

()()と呼ばれた少女は、

自分が血まみれになってるにも関わらず

悠里君の事を心配していた……

 

「おい女、俺を無視するとはいい度胸だな!」

「………」

「…るさいわね」

「ああ?」

 

私は、その少女の目を見て

恐怖を感じた。

何故なら……

 

()()()()()に何の恨みがあるの……?」

 

その目は最近、

見たばかりの目……

悠里君が自殺未遂を起こす時の

狂気的な目だった……

 

「そんな落ちこぼれ死んで当然だ!

それとも夜月(よづき)の人間がおかしいのか?」

 

その言葉を聞いた瞬間、

少女の目が更に変色した……

以前、ことりや瑠菜のような

()()()()()()()()()ではなく、

更にドス黒い()()に変わる……

 

「……コロス!!、コロス!!、コロス!!!」

「な、なんだこいつは……」

 

そして再び倒れていた

悠里君を傍に行き…

 

「悠里君は私が守るから……」

 

自分の武器と思われる

パン切り包丁を2本を持ち……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()にこれだけの怪我をさせた事

……アンタ、死ぬ覚悟はできてるんでしょうね!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を最後に

視界が暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




悠里が海未の家に
遊びに来た回を執筆してみました。
そして最後に悠里の初恋の子を
ちょっとだけ出してみました。
このオリキャラは2期が終わった後の
ストーリーでの海未編で関わらせる予定です。

最後のオリキャラ、夜月璃夢(よづきリム)プロフィール

誕生日:悠里と同じく12月12日、いて座

享年:12月12日、12歳

血液型:A型

容姿イメージ:『怪談彼女』の黒川夢乃

性格:出番が来たら解禁(お分かりの方もいると思いますが…)

彼女の脳内思考:9割は悠里の事、残り1割も悠里の事

一人称:私

この子が最後のオリキャラです。
出番が来たら、「あ。璃夢(リム)だ!」という
感じでお願いします。
次回もよろしくお願いします。


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第102話 ことりの悩み

ゆるポメラです。
前回が海未ちゃん回
でしたので今回は、
ことりちゃん視点に
なります。

それではどうぞ。


あなたは誰なの?

 

「ねぇ、本気なの!?」

 

目の前の子に叫んでいるのは

ことり自身だというのは

すぐに分かった……

 

「これ以上は、もう見てられないから……」

 

その子の表情は、

大切な人が傷つくのを

見るのは嫌だ……

そんな顔だった……

 

「そんな事したら、()()()()

この先どうなるか分かってるでしょ!!」

「……」

 

どうして、ゆーくんの事を

言ったのか分からなかった……

その言葉を聞いた瞬間、

その子は……

 

「……じゃあ悠里君が、

このまま死ぬのを黙って見てろって言うの!?

ふざけないで!!!」

 

ことりを睨みつけながら

怒鳴ってきた……

 

「今日まで見てきたけど何よ…

悠里君の事を散々バカにして、

挙げ句の果てには嬲り殺し……?

……冗談じゃないわ!!」

 

そう言い

立ち去ろうとした…

だけど……

 

「……何のつもり?」

「行かせないわよ……」

 

何故か、ことりは

その子の前に立ちはだかり

道を塞いでいた。

一体どうして……?

 

璃夢(リム)ちゃん、1つ聞いていいかしら?」

「何よ……」

 

ことりが問いかけている女の子の

名前は璃夢というらしい。

 

「……()()しないの?」

 

どうして

その言葉を言ったのか

理解出来なかった……

そして返ってきた言葉は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠里君の傍にずっといるって約束したのよ。

出会った頃から、ずっとね……

私が昔、アイドルをしてた辛い時だって

悠里君は私の傍にいてくれたから……

後悔も何も、()()()が決めた事なのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉に嘘は

全く無いように聞こえた……

 

「なら敢えて試させてもらうわ。

私だって、みすみす行かせないわよ……」

 

すると璃夢ちゃんは

不敵に笑いながら……

 

「私、悠里君の事になると加減が効かないわよ?」

「奇遇ね?、私もよ。」

「今日はやけに素直ね、()()()?」

「目が笑ってないわよ?」

 

そして璃夢ちゃんは、

懐からパン切り包丁を2本取り出し

構え始めた……

 

「私の邪魔をするなら、

ことりでも容赦しないわよ……」

 

その言葉を最後に

ことりの視界は暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーピピピッ!、ピピピッ!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆ、夢……?」

 

気づけば朝になってた。

隣で未だに鳴っている

目覚まし時計を止める。

 

(でも、なんで……)

 

あんな夢を見たんだろう……

 

「ことり~?、朝ご飯出来たわよ~?」

「あっ、はーい!」

 

お母さんに呼ばれたので

私は着替えて下に降りました。

 

「お、おはよう。お母さん……」

「おはよう。珍しいわね、寝坊するなんて……」

「そ、そうかな……?」

 

いつもだったら

もう少し早めに起きてるんだけど、

今日は何でか寝過ごしてたみたい。

 

「ことり、何かあったの……?」

「えっ?」

「ここ最近、顔色が悪いわよ?」

「そ、それは……」

 

お母さんは心配した表情で、

聞いてくるけど、これは話していい内容なのかな……

実際、今日見た夢だって……

 

「……ううん、何でもないよ」

「そう……」

 

多分、お母さんは

ことりが何か隠してるのは分かってるから

敢えて追及しないんだろうな……

ことりも頑固だよね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーことりの部屋ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻って、

今日は何をするか考えたけど

ティアちゃんから渡された

『白い本』を読む事にした……

 

「これって私の事、だよね……」

 

この『白い本』の内容は、

中学1年生の時に起きた出来事だった。

1人の女の子の治療費を払う為に

頑張る男の子の1年間の物語。

その女の子は、ことり自身だという事は

分かった。

更にその男の子は、

ゆーくんだという事も……

 

「なんで、なんで……」

 

読み続けて段々分かったのが

最初は明るかった内容が、

徐々に暗くなっていく。

ゆーくんの視点で書かれているので

読むのが辛くなってきた。

不意に、もう1人の私が出てきた事を

思い出した……

私はゆーくんの事を

本当に考えているのかって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分からないよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

考えても、

答えは見つからなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少し暗い感じに
なってしまいましたが、
これからもよろしくお願いします。
次回の視点は未定になってます。
近い内、穂乃果ちゃん視点も
執筆します。


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特別編 白の少女の誕生日

ゆるポメラです。
ことりちゃん、誕生日おめでとう。
今回の内容ですが、前回の続きの
話になっています。
内容が少し短いかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


気づけば時刻は、

18時過ぎになっていた。

 

「読んでいる内に寝ちゃったのかな……」

 

ことりは下に

降りる事にした…

 

「お母さん……?」

 

声をかけても返事がない。

テーブルを見ると手紙が置いてあった。

 

「今日は私、1人か……」

 

手紙の内容は、

お母さんは今日は

帰りが遅くなるから

私1人という内容だった。

 

「部屋に戻ろうかな……」

 

私は自分の部屋に

戻る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーことりの部屋ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻って

何をしようかなと悩んで

いたら机に置いてある

ネックレスに目がいく……

 

「そういえば、あの時もだよね……」

 

私はネックレスを

持ちながら思い出す。

実は、このネックレスは

ゆーくんが私の誕生日にくれた大切な物。

この日も私1人だったなぁ……

でも穂乃果ちゃん達が一緒だったから

寂しくはなかった……

 

「急に電話したら迷惑だよね……」

 

携帯電話の電話帳の欄を開き

電話を掛けようか悩む。

 

 

 

 

 

ーーピンポーンーー

 

 

 

 

 

 

玄関のチャイムが鳴った。

こんな時間に誰なんだろう?

宅配便か何かかな……?

疑問に思いながらも

ことりは玄関に向かい

ドアを開けると……

 

「…こんばんは?」

「ゆ、ゆーくん……?」

 

どうして、ゆーくんが

私の家に来たんだろう?

遊ぶ約束とかしてなかったよね……?

 

「あれ?。南先生から聞いてない?」

「お母さんから?」

「南先生曰く、ことちゃんに手紙を書いて

伝えてあるって僕は聞いたんだけど……」

「ちょ、ちょっと待ってて?」

 

慌てながらリビングに戻り

お母さんが置いて行った手紙の

内容を読み返す。

すると、こんな事が書いてあった……

 

 

 

 

 

『追伸、あなたが元気なさそうだったから

 

私が悠里くんに連絡して家に来てくれるように

 

お願いしてあるからね?。

 

今夜は、悠里くんと2人きりだから

 

存分にイチャイチャしてもいいわよ?

 

頑張ってね?』

 

 

 

 

(お、お母さん~!?)

 

急に、こんな事

言われても困るよ!?

いや、ことりが最後まで

読まなかったのが悪いんだけど……

あっ、ゆーくんを待たせちゃダメだよね……

 

「ゆ、ゆーくん。入っていいよ?」

「お邪魔します……」

 

ことりが声をかけると、

ゆーくんがリビングに入ってきた。

 

「あ。荷物ここに置いてもいいかな…?」

「う、うん……」

 

ゆーくんは少し大きめのバックを

テーブルの近くに置いた。

あのバック、何が入ってるんだろう……?

聞いてみようかな……

 

「ゆーくん、バックの中って何が入ってるの?」

「非常に言いにくいんだけどさ……」

 

ゆーくんは困った表情を

していました。

どうしたんだろう……?

 

「簡単に言うと、()()()()()()だよ」

「ご、ゴメンね?。も、もう1回言ってくれる?」

()()()()()()

「そ、それってもしかして……///」

「多分、ことちゃんが考えてる事で合ってるよ」

「もしかして、お母さんが?」

「なんか南先生に頼まれたの……」

 

う、嬉しいけど心の準備が……///

あれ?

ちょっと待って?

今の状況は……

 

Q.お母さんは? 

A.いない。というか主犯格。

 

Q.ゆーくんが持ってきたバックの中身は?

A.お泊りセット。つまるところ泊まる。

 

Q.これは夢かな?

A.いいえ。紛れもない現実です。

 

 

「ちゅ、ちゅーん……///」

「こ、ことちゃん!?」

 

ゆーくんが声をかけて

くれるのを最後に視界が暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?

何だろう……

この感じ……

 

「ことちゃん、大丈夫?」

「ゆーくん……?」

「頭痛いとかはない……?」

「大丈夫……」

 

あ、そうか……

ことり、ゆーくんに

膝枕されてるんだ。

えへへ……///

 

「ゆーくん、今何時?」

「19時だよ」

「えっ。もうそんな時間!?」

 

ど、どうしよう……

晩ご飯とか……

材料あったかな……?

 

「僕が何か作る?」

「あ、あのね……」

 

い、言わなきゃ……

 

「ゆ、ゆーくんと2人で作りたい……」

「…僕と?」

「ダメ、かな……?」

 

なんでか分からないけど

ゆーくんと一緒に作りたかった。

 

「じゃあ2人で作ろうか」

「うん///」

 

 

 

ーーキッチンにてーー

 

 

 

 

 

「……そういえば2人で作るのは、

小さい時以来だね。」

 

ゆーくんが不意に

そう呟いてきた。

あれは確か、ゆーくんと出会って

2週間くらいした後に

穂乃果ちゃん、海未ちゃん、

花怜ちゃん、瑠菜ちゃん、ティアちゃん、

ゆーくんの6人が私の家に遊びに来た時だったなぁ。

 

「夏休みの宿題だったよね。確か……」

「ふふ♪、そうだったね♪」

 

あの時は賑やかだったなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー回想ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時は確か

小学校の夏休みの宿題で

グループ課題で何かを作るって

なって、穂乃果ちゃんと花怜ちゃんが

何か美味しい物を作って、それを提出しようって

なったのが発端だったなぁ……

 

「みんなまだかなぁ~」

 

この時の私は

楽しみで仕方なく

いつもより早めに起きたり

玄関の周りをウロウロしてたっけ……

 

 

ーーピンポーンーー

 

 

玄関のチャイムが鳴り

ドアを開けると……

 

「「「「「こんにちは~」」」」」

「みんな、いらっしゃい~」

 

ここで私は

ある事に気づいた。

それは……

 

「ゆーくんは?」

「ゆうくんなら5分くらい遅れてくるって言ってたよ~?」

 

ゆーくんだけいなかったので

聞いてみたら瑠菜ちゃんが遅れて来るって言ってたなぁ。

そんな事を考えていたら……

 

「お、おくれてゴメン~」

「あ。ゆーくん!」

 

ゆーくんが息を切らしながら

走ってきた。

 

「ゆうちゃん遅いよ!!」

「穂乃果、悠里君は急いできてくれたんですよ。

そんな事言ったらダメですよ」

「まあまあ……」

 

そんなこんなで

家に上がってもらいました。

 

「「「「「「お邪魔しま~す」」」」」」

「あら。いらっしゃい♪」

 

リビングに着くと

お母さんが出迎えてくれました。

 

「これ、母さんからです」

「あら。藍里から?」

 

ゆーくんが、

お母さんに何か渡してたけど

何だったんだろう?

 

「それで何を作るの~?」

「カレン、ホノカ。決めてあるの?」

「「えっ?」」

 

瑠菜ちゃんとティアちゃんの一言に

キョトンとする穂乃果ちゃんと花怜ちゃん。

 

「決めてないのですか?」

「「うん」」

 

で結局、みんなで

意見を出し合って作る事に

なったのがホットケーキだった。

ゆーくんは手慣れた手つきで黙々と

作っていたのは今でも覚えてる。

また、穂乃果ちゃんがホットケーキを

作るのに何故かパン粉を使ってたり、

海未ちゃんが包丁を使う時が

危なっかしくてティアちゃんが止めてたりと

気づけば私は笑っていた。

 

「えへへ……///」

「ことちゃん、どうしたのー?」

「ううん。なんでもない♪」

 

他のみんなもキョトンとした顔で

私を見てたけどね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで学校に提出したら金賞を貰ったよね。」

「……あれは僕も驚いたよ」

 

ゆーくんが苦笑いするのは

理由があるの。

実は、その完成したホットケーキの色が

何故か青かったの……

味は美味しかったから良かったけどね。

 

「ことちゃん、味付けこんなんでいい?」

 

ゆーくんが作っているのは、

ポトフだった。

最初はシチューか何か作ろうと

思ったんだけど、シチューに必要な

牛乳が無かったから、

じゃあ代わりの物を作ろうってなったの。

 

「お、美味しい……」

「じゃあ、後は煮込むだけでいいか……」

 

味見をさせてもらったけど

正直、自信が無くなるくらい

美味しかった。

その内、料理の腕を上げて

ゆーくんを驚かせるんだから!!

 

「そういえばさ……」

「えっ?」

「ことちゃん達は高校卒業したらどうするの?」

 

ゆーくんが意外な事を

聞いてきたから驚いた。

なので私は……

 

「急にどうしたの?」

 

と言うしかなかった。

すると、ゆーくんは……

 

「別に深い意味はないよ。

……単純に気になっただけだから。

3()()で大学でも行くのか、

それとも別々なのかさ……」

 

なんでだろう……

その言葉の内容には、

何故か、ゆーくんが含まれてない。

 

「……ゆーくんは?」

 

質問を質問で返すとか

意地悪な事をするなぁ……

ことりも……

 

「……()()()になったら、かな」

 

()()()というのは

多分、私達が卒業する日が近くなったら

という意味だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

ーーピピピッーー

 

 

 

 

 

タイマーが鳴ると

ゆーくんはタイマーを止める。

料理が完成した合図だ。

 

「ゆーくん、いなくなったりしないよね……?」

 

ことりが言うと

ゆーくんは微笑みながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「高校を卒業するまでは一緒にいるよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言った。

ゆーくんと過ごせるのは、

あと1年……

だから私は、

その時までに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(私自身の答えを出せたらいいな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんとか間に合いました。
自分なりに
ことりちゃんを可愛く表現して
みました。
次回もよろしくお願いします。


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第103話 喫茶店にて

ゆるポメラです。
台風が続いて大変です。
自分の地元でも風が強かったりです。
今回は、ティア視点になります。

それではどうぞ。


こんにちはになるのかしら?

如月ティアよ。

私は喫茶店に向かってるの。

ちなみに今日は1人じゃないわよ?

 

「ティア姉様、この辺にあるのですか?」

「お店、全然見当たらないよ…?」

「あるのよ。これがね……」

 

実はダイヤとルビィも一緒なの。

それにしても冬だからなのか、

他の喫茶店は混んでるわね……

私は2人を連れてゲームセンターの

路地裏に入る。

 

「着いたわよ」

「確かに気づきませんわね……」

「ルビィも……」

 

2人共、驚いてるわね。

私もユーリに初めて

連れてこられた時は驚いたわ。

 

「2人共、中に入ると更に驚くかもしれないわよ?」

「「???」」

「まぁ入りましょうか」

 

少し意味深な言葉を言いつつ

私はドアを開け中に入る……

 

 

 

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ。あ、ティアお姉様」

「こんにちは、ミユ」

「「えええぇぇぇ!?」」

「あれ?、ダイヤとルビィも一緒でしたか」

「私が連れて来たの」

「なるほど。納得です……」

「2人共、驚いてないで座りましょ?」

「「は、はい……」」

「では、お席にご案内します」

 

ミユに案内された席は

私やユーリがいつも座るカウンター。

やっぱりこの席は落ち着くわね…

 

「こちらがメニュー表です」

「ありがとミユ。」

 

ミユから私達3人分のメニュー表を

受け取るとダイヤが……

 

「未柚姉様はバイトか何かですの?」

「違いますよ?」

「じゃ、じゃあお手伝い?」

「ルビィも外れです」

「答えを言うとね?、ミユはここの喫茶店の店長なのよ」

「て、店長……?」

「み、みゆお姉ちゃんが……?」

「そういう事です。ご注文が決まりましたら呼んでくださいね?」

 

そう言い残すとミユは

本を読み始めた。

あら、『ウミネコのナク頃に散。第5章』みたいね。

私は読み終わって『第6章』を読んでる途中なのよね。

確かミユが読んでる『第5章』の推理って柔軟に考えないと

解けないのよね……

 

「あの、ティア姉様?」

「なあに?」

「この喫茶店ってお客来るんですの?」

「みゆお姉ちゃん1人で大変じゃないの…?」

「これが意外と来るのよ、昨日も結構来たみたいだし」

 

ダイヤとルビィの疑問に私は答える。

何せミユは効率よく接客する為、

常連さんからも好評なの。

更に中学2年生とは思えない容姿や

大人びた事を淡々と言ったりするから周りの大人達も

実はミユの本当の年齢は20代なんじゃないかと

疑う程なのよね……

 

「基本、暇ですけどね?」

 

さっきまでの話を聞いてたのか

ミユが本を読みながら答えた……

ふと私は思い出す……

 

「そういえばミユ?」

「何でしょう?」

「ユーリから聞いたけど内浦に2号店を出すって本当なの?」

「え、未柚姉様そうなんですの?」

 

ダイヤも驚くのも無理はない。

私もユーリから聞いた程度だけど、

チカの実家の旅館の近くに2号店を出すって聞いた。

 

「その事ですか?、本当ですよ」

「……ミユには驚かされるわね、ダイヤ?」

「そうですわね、未柚姉様には勝てません……」

「みゆお姉ちゃん、内浦に引っ越すの?」

 

落ち込んでいる私とダイヤを

そっちのけでルビィがミユに聞く。

すると予想外の答えが返ってきた……

 

「引っ越しませんよ。未柚の()()()に任せるつもりです」

「「愛弟子?」」

「ミユの愛弟子っていうと……」

 

該当するのが()()()しかいない。

私やユーリにとっては弟のような存在。

だけど、あの子もユーリと同じ悲惨な時代を過ごしてきた。

そういえばリコやチカ、ヨウと同い年なのよね……

元気にしてるかしら?

 

「ティアお姉様が考えてる通りですよ」

 

ミユはユーリと同じ冗談とかは

言わない性格だ。

まぁ、とりあえず……

 

「ミユ、期間限定のクリスマスセットにするわ」

「私もティア姉様と同じで……」

「ルビィも!」

「かしこまいりました。少々お待ちください」

 

ミユは厨房に向かった。

せっかくだし私も……

 

「ダイヤ、ルビィ。私、ミユの手伝いをしてくるから待ってて?」

 

私は2人に言い残し

厨房に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー厨房ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

厨房に着くと

ミユは果物を切っていた。

ケーキに使うやつかしら?

 

「手伝うわよ」

「あ。すみません……」

「この果物は切っていいの?」

「はい。輪切りでお願いします」

「分かったわ」

 

そういえば昔、ミユが疲労で倒れた時に

私とユーリが厨房を担当して、

ルナとカレンが接客だったわね……

あの時もちょうど冬だった。

 

「どうして2号店を出そうなんて思ったの?」

「……気づきましたか?」

「ミユの言動に違和感があったから」

 

ミユは余程の理由がない限り

新しい店を出すとは言わない。

だからユーリから聞いた時から違和感があった。

 

()()()の夢を叶えたいからですよ」

「それが理由だったのね……」

「悠里お兄様もこの事は知ってます」

「…それでユーリは何て?」

 

まぁ予想はつくけど……

 

「『僕より辛い目に遭ってるんだからやらせてあげようよ』と……」

「正確にはユーリと同じじゃない……」

「似てるんですよ。きっと……」

「あの2人、共通点がありすぎだものね…」

 

()()()もユーリと同じで

自己犠牲が酷いところがある。

あとは落ち込むところとか……

 

「ミユ、その話が本当だと保護者は誰になるの?」

「鞠莉ですよ」

「マリーが?」

「昨日、それはまぁ嬉しそうに喋ってましたしね」

「どんな感じだったの?、想像はつくけど……」

 

するとミユは私の予想していた通り……

 

「『弟♪、弟デ~スヨ♪、マリーお姉ちゃんデビュー♪』と

体をくねらせながら喜んでましたよ?」

 

マリー、あなた自覚してるか分からないけど

完全にブラコン状態よ……

 

「ティアお姉様、冷蔵庫からバターを取ってもらえませんか?」

「分かったわ。えーと……」

 

私は厨房に備えてある

冷蔵庫を開けバターを探す。

あ、結構分かりやすいところに置いてあるわね……

 

「じゃあ、()()()の名字変わるの?」

「いえ、形式上は小原家の養子で名字は変えないって話でした」

「……珍しい名字だものね」

「それ、ティアお姉様が言えますか?」

「ミユもでしょ?」

「それを言い出したら花怜お姉様や瑠菜お姉様だけじゃなく

悠里お兄様も同じですよ?」

 

それもそうね……

私達5人は変わった名字をしている。

まぁ私は気に入ってるけどね?

 

「マリーは知ってるの?」

「あの子の()()ですか?」

「その事を知ってるのは私達5人だけでしょ?」

「……梨子と千歌、曜の3人は気づきかけてます」

「あの3人って、あの子と接点あったかしら?」

「……あの子曰く小さい頃に3人と会ったみたいですよ」

「皮肉なものね。ユーリと同じじゃない……」

 

ミユの話が本当なら

()()()もユーリと同じで

チカ達3人に忘れられてるのね……

どうして私の知り合いは全員こんな目に

遭わなきゃいけないのよ……

 

「鞠莉には時が来たら未柚から話す予定です」

「……あの子の()()が悪化した場合も?」

「未柚はこれでも()()()の姉ですから……」

 

全く、ミユは……

私も決めなきゃね。

 

()()()が来たら私も同席させて」

「……ありがとうございます。」

「早く作りましょ、私早く食べたいわ」

「そうですね♪、可愛い妹達も待ってる事ですし」

 

ひょっとしたら……

チカ、リコ、ヨウの3人なら

()()()の笑顔を取り戻してくれるかも

しれない……

 

「ミユ、運びましょうか?」

「ティアお姉様、子ども扱いしないでください……」

「はいはい♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の冬は何か変わりそう……

そう思う私だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はティアの視点で
執筆してみました。
次回もオリキャラ視点になると
思いますのでよろしくお願いします。


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第104話 わたしの大事な妹だよ~

ゆるポメラです。
今日、録画しておいた『サンシャイン!!』
を観ていたのですが大詰めに
なりましたね……
2期、放送してくれないかなぁ…(期待の目)
とまぁ今回の話はサブタイに合わせて
瑠菜の視点になります。

それではどうぞ。


やっほ~

明美瑠菜だよ~

今日はね~?

暇だから1人で出かけてるの~

 

「アイスケーキ予約できるかな~?」

 

わたしが何で1人で出かけてるのかって

言うとね~?

ケーキ屋に行って期間限定のアイスケーキを

予約したいからなの~♪

その後の予定は考えてないよ~

 

「ふえ~!?」

 

わたし行きつけのケーキ屋に着いたのは

いいけど、お客さんが多いよ~……

よく見たら女の子とかが多いなぁ~

 

「むぅ~……」

 

この様子だと

2時間以上待つのは確実だね~

別の場所で予約しようかな~?

 

「どうしよう~?」

 

これから何処で目的の物を

予約しようか悩んでいたら

近くにいた女の子が

わたしを観察するように見ていた。

すると……

 

「やっぱり瑠菜お姉ちゃんずら!」

 

あれ~?

この子は何で、わたしの名前知ってるんだろう?

語尾に『ずら』っていう知り合いは……

あっ……!

 

「もしかして花丸ちゃん~?」

「良かった、間違えてたらどうしようかと思ったずら…」

 

この子は国木田花丸(くにきだはなまる)ちゃん。

わたし達が中学を卒業して、ゆうくん達5人で内浦に旅行に

行った時に会ったの~。

ちなみに実家がお寺なんだよ~。

 

「花丸ちゃんは~、今日は1人なの~?」

「この時期にしか発売してない本を買いに来たずら」

「そうなんだ~」

 

そういえば花丸ちゃんは、

本が好きで図書委員をやってるって

前に聞いたなぁ~

 

「でもマル、場所が分からなくて……」

「ふえ?、どこどこ~?」

 

花丸ちゃんに地図を見せてもらうと

その場所は最近できたばかりのデパートだった。

あ。そういえばティアちゃんが新しい本屋ができるって

言ってたのを思い出した。

 

「花丸ちゃんが良ければ、わたしと行かない~?」

「でも瑠菜お姉ちゃんに迷惑じゃ……」

「気にしないで~、わたしも行こうと思ってたし~」

「じゃあお願いするずら」

 

可愛い妹が困ってるんだもの~

ほっとけないよね~♪

わたしと花丸ちゃんはデパートに向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーデパート内ーー

 

 

 

 

 

 

「最近できたばかりなのに混んでるね~」

「る、瑠菜お姉ちゃん、あの機械はなんずら!?」

「最新の掃除機だよ~」

「か、勝手に動いてるずら!?」

 

わたし達はデパートの4階にいるの~

エスカレーターかエレベーターでもいいんじゃないかなって

思ったんだけど敢えて階段で行ったの~

それで今4階の電化製品コーナーを歩いてるんだけど

電化製品を見た花丸ちゃんの反応……

これには理由があって花丸ちゃんの家には電化製品が

ほとんどなくて、本で名前くらいは知ってても実物を見た事が

ないのが理由かな~。

現に今も……

 

「未来ずら~!」

 

と大はしゃぎ。

この反応には内浦で滞在していた時に慣れちゃった。

最初はびっくりしたけどね~

 

「ほ~ら、置いてくよ~?」

「あ、瑠菜お姉ちゃん待ってずら~」

 

そういえば

本屋は5階だったよね。

念の為、案内板を確認したら

案の定当たっていたよ~

 

 

 

 

 

 

 

ーー5階ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふあ~、本がいっぱいあるずら~♪」

「広~い」

 

5階に着いた途端

わたしは驚いた。

見渡す限り、本、本、本……

本屋なんだから当たり前かもしれないけど

問題はその広さとスペースだったの~

何せ5階のフロア全てが本だらけなんだもん。

ティアちゃんが行きたいと思うのも分かるなぁ~

 

「花丸ちゃん、これ渡しておくね~」

「これ、なんずら?」

「防犯ベルみたいな物だよ~。一応大丈夫だと思うけど、

もし不審者に襲われそうになったらボタンを押してね~?」

「分かったずら!、マルあそこにいるずら」

「転ばないようにね~」

 

花丸ちゃんは早速お目当ての本を探しに向かった。

わたしも何か探そうかな~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー1時間30分経過……ーー

 

 

 

 

 

 

 

「どれにしようかな~?」

 

わたしが悩んでいるのは、

1冊の漫画だった。

と言ってもただの漫画じゃないよ~?

通常版を買うか初回限定版を買うか悩んでるの~

初回限定盤の方は付録がラバーストラップなんだけど

そこまで欲しくないな~。

だったら通常版を買えばいいんじゃないかって思うかも

しれないけど、わたしが悩む大きな理由は

()()()()()()なの~

本全般に言えるか分からないけど通常版と初回限定版だと

内容は同じだけど表紙イラストが違う場合があるの~

わたしは悩んだ場合は表紙イラストで決めて買ってるから

そこまでこだわってないんだよ~

 

「よ~し、2冊共買おう~♪」

 

結局わたしは通常版と初回限定版を買う事にした。

自分の家に初回限定版を置く事にした。

通常版はどうするのかって~?

実は未柚ちゃんの喫茶店に寄付してるの~

あ、ちゃんと開封してない新品のままだよ?

近い内に渡しに行こうかな~♪

ゆうくんの誕生日も近いし♪

 

「目的の物は手に入れたし……」

 

わたしは、

ある場所に目がいく……

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『18禁コーナー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何であるんだろ~?」

 

そういえば18歳未満は入れないって聞くけど

実際は1()8()()でも入れないらしいんだよね~

今度ことりちゃんを連れてこようかな?

 

 

 

 

ーーブー!、ブー!ーー

 

 

 

 

 

わたしの携帯電話が鳴った。

この音は花丸ちゃんに渡した防犯ベルの知らせ音。

つまり何かあったと推測する。

仮に間違えて押したとしたら画面に『誤報』と表示される。

すると今度は……

 

「おらぁ!、金を出せぇ!!」

 

まさか強盗?

わたしは気配を消しながら

レジの方に向かった。

 

 

 

 

 

ーーレジ付近ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらぁ早くしろ!、人質がどうなってもいいのか!!」

 

うるさい声を頼りにレジに着いた。

そこには2人の男が店員さんに銃を突き付けながら

お金を出せと要求していた……

わたしは人質にされた人達を見る。

人質にされた人はは10人……

その中には花丸ちゃんもいた……

 

(相手は2人、問題は銃の方……)

 

相手が2人だけなら何とかなる。

ただ問題は男が持ってる銃だった。

 

(ハンドガンが2丁、相手が2人だから合計4丁も想定して……)

 

耳を澄ますと下が騒がしかった。

多分、警察の人達が到着したけど人質がいるから

動けないのかな……

そもそも人質というのは2人以上で成立するもの。

この後の展開も読めるので早めに終わらせたい。

動けるのは、わたしだけ……

なら……

 

「だ~れだ~?」

 

わたしの声に1人の男が振り向く。

その僅かな隙を狙い気配を消しながら

男の背後に回り込み……

 

 

 

ーーバキッ!!ーー

 

 

 

「ごほっ!?」

 

背骨付近を思い切り蹴る。

男が痛さで悶えてる間に

わたしは護身用のチャクラムを取り出し

もう1人の男に向かって投げる……

 

「ぐはっ!?」

 

顎に直撃した為、

男は気絶した……

わたしは下にいた警察の人達に

取り押さえるように呼び掛けた……

 

「花丸ちゃん大丈夫!?」

「だ、大丈夫ずら。瑠菜お姉ちゃん、かっこよかったずら!」

「あ、あはは~……」

 

まあ怪我がないならいいか~

終わりよければ良しってね?

あれ?、意味違うの~?

 

 

 

 

 

 

 

ーー帰り道ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんかゴメンね~、怖い目に合わせて……」

「確かにマルも怖かったけど瑠菜お姉ちゃんが助けてくれたから平気ずら」

 

……花丸ちゃん、芯が強いな~

 

「あ、じゃあマルは帰るずら」

 

間もなく電車が来るので

わたしは花丸ちゃんに()()()を渡す。

 

「はい、花丸ちゃんにあげる~」

「これは?」

「帰ってからのお楽しみだよ~♪」

「じゃあ家に着いたら開けるずら!」

 

すると電車が到着した。

 

「花丸ちゃん、帰り気をつけてね~」

「瑠菜お姉ちゃん、ありがとうずら~」

 

電車が見えなくなったあと

わたしが花丸ちゃんに渡した物を思い出す。

実は、あの本は……

 

(スクールアイドルの本なんだよね~♪)

 

何であの本を渡したのかは

自分でも分からないけど昨日、

不思議な夢を見たからなの~♪

その夢は花丸ちゃんがスクールアイドルをしてる夢。

その中には内浦で会った他のみんなも一緒だった。

人数はμ'sと同じ9人だった……

更にその中には、()()()も……

ふふ♪、なんか不思議だよね~?

ひょっとしたら実現しちゃったりするのかも~♪

そんな事を考えてたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ。アイスケーキ予約するの忘れちゃった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肝心な事を忘れていた

わたしだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




花丸ちゃんを出してみました。
上手く表現できたか不安ですが…
次回もオリキャラ視点になりますので
よろしくお願いします。


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特別編 梨子の誕生日

ゆるポメラです。
梨子ちゃん、誕生日おめでとう。
今回の内容ですが、
梨子ちゃんの視点で執筆してみました。
至らない点もあるかもしれませんが
よろしくお願いします。

それではどうぞ。


こんにちは。桜内梨子(さくらうちりこ)です。

今日は私の1日をお話ししたいと思います…

って私、誰に向かって話してるんだろう……

 

「持ち物はこれで大丈夫かな……」

 

実は今日……

正確には去年からなんだけど

この時期になると私は、

悠里お兄ちゃんの家に遊びに行ってるの…

 

「お母さん、行ってきま~す」

「気をつけてね~」

「はあ~い」

 

玄関のドアを開け外に出ると

雪が降っていた。

 

(傘、持って行こうかな…)

 

そう思い私は家の中に置いてある

自分の傘を手に取り、傘を差しながら

悠里お兄ちゃんの家に向かう事にした……

 

「そういえばこの時期って…」

 

悠里お兄ちゃんの家に向かってる途中、

私は不意にある事を思い出した。

クリスマスや何やらで忙しいって

未柚お姉ちゃんが言ってたっけ…

そういえば悠里お兄ちゃんは今年も

未柚お姉ちゃんの喫茶店にお手伝いに行くのかな…?

そんな事を考えている内に目的地に着いてしまった。

 

「やっぱり緊張するなぁ…」

 

実は私は何回か悠里お兄ちゃんの家に

遊びに来た事がある。

と言っても宿題とか教えてもらったりする程度だけど…

私は玄関のチャイムのボタンを押す。

 

 

 

ーーピーンポーンーー

 

 

 

すると中から

ニャ~♪という鳴き声が……

悠里お兄ちゃんって猫なんて飼ってたっけ?

疑問に思ってるとドアが開き…

 

「…あ。いらっしゃい梨子ちゃん」

「こんにちは、悠里お兄ちゃん」

「寒かったでしょ?、中に入って」

「うん、お邪魔します」

 

リビングに着くと何処からか

鈴の音がしたので……

 

「ねぇ、悠里お兄ちゃん」

「…どしたの?」

「今、鈴の音がしたんだけど…」

「あぁ、それはね……」

 

悠里お兄ちゃんが私に理由を

説明しようとした途端……

 

「ニャ~♪」

「まぁ、さっきの質問の答えがこの子…」

 

キッチンの奥から

一匹の猫が出てきた。

よく見ると尻尾に鈴付きのリボンを付けている。

 

()()、梨子ちゃんが来たよー」

「み~♪」

 

()()と呼ばれた猫は

悠里お兄ちゃんと私を見た途端こっちに来た。

人見知りしないのかな?

 

「悠里お兄ちゃん、いつ猫を飼ったの?」

「飼ったっていうより()()()()()って言った方が正しいかな」

「誰から?」

「未柚ちゃんから」

 

えっ?

未柚お姉ちゃんから?

でも未柚お姉ちゃんって喫茶店が実家の筈だから

猫を飼ってるって話を私は聞いた事がない……

私の言いたい事が表情に出ていたのか、

悠里お兄ちゃんは……

 

「未柚ちゃんがいつもいるカウンターの後ろに猫の置物を覚えてる?」

「えっと、本物なのかって見間違うアレだよね?」

「…うん。実はあれ()()()()

「えええぇぇぇ!?」

 

じゃ、じゃあ未柚お姉ちゃんの後ろに置いてあった

猫の置物って、作り物じゃなくて本物だったの!?

そういえば前々から未柚お姉ちゃんの背後から

何かに見守られてる感覚があったけど……

悠里お兄ちゃんの話が本当なら納得かも……

 

「あれ?、でも何でスズちゃんがいるの……?」

「未柚ちゃん曰く、ストレス発散させる為だってさ」

「なんとなく分かるかも……」

「それでクリスマスまでの間、僕の家で預かってるって訳」

「へぇ~」

 

そんなこんなで

私と悠里お兄ちゃんは

これから何するか話した。

結果、2人で絵を描く事にした……

 

「う~ん……」

「梨子ちゃん、どうしたの?」

「どうやったら悠里お兄ちゃんみたいな絵を描けるの?」

「僕の……?」

「うん……」

 

悠里お兄ちゃんの描く絵は

人物とか物とかも多いけど

どちらかと言えば風景とかが多い。

 

「僕の場合は、頭に浮かんだイメージして描いてるだけだしなぁ…」

「それだけでも凄いと思うけど……」

「…あはは、これくらいしか楽しみが無いからねぇ」

 

悠里お兄ちゃんは

苦笑いしながら答えていた。

ピアノを弾く時も同じ事を言ってたけど…

 

「梨子ちゃんは高校どこに行くの?」

「えっ、えっと……」

 

急に聞かれたから驚いちゃった……

高校かぁ……

 

「私は音ノ木坂学院かな……」

「……そっか」

 

あれ……?

悠里お兄ちゃん、なんだか嬉しそう……

私にはそう見えた。

 

「悠里お兄ちゃん?」

「……なに?」

「何か嬉しそうだけど、どうしたの?」

「…内緒♪」

「ええ!?、そんな事言われたら余計気になるから教えてよ~」

「…だぁめ♪」

 

たまに悠里お兄ちゃんは

私が分からない事を敢えて

教えてくれない事があるけど私にとっては……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった1人の優しい

自慢のお兄ちゃんです♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




梨子ちゃんだけの視点を初めて
執筆しましたが難しいですね…
『サンシャイン!!』の小説を連載する時が
きた時に上手く表現できるか不安です…(まだ先の話)
次回の投稿ですが、ルビィちゃんの誕生日に
投稿する予定です。
次回もよろしくお願いします。


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特別編 ルビィの誕生日

ゆるポメラです。
ルビィちゃん、誕生日おめでとう。
今回の内容ですが、
ルビィちゃんの視点で執筆してみました。
話の内容は、第103話の『喫茶店にて』の続きに
なっています。

それではどうぞ。


こ、こんにちは。黒澤(くろさわ)ルビィです…

ルビィは今、お姉ちゃんと喫茶店に来て

注文した品を待ってます…

そ、それにしても……

 

「ルビィ、どうしたんですの?」

「えと。このお店、みゆお姉ちゃんが本当に1人でやってるのかなって…」

「正直、私も半信半疑ですわ……」

「失礼ですね。基本的に未柚1人ですよ?」

「「ぴぎぃ!?」」

 

びっ、びっくりした……

お姉ちゃんと話してたら

背後から声がしたので

振り返ったら両手にデザートが乗った皿を

持った、みゆお姉ちゃんがいました。

 

「ところでダイヤ?」

「な、なんですの未柚姉様?」

「未柚の頭に乗っているケーキを取ってもらえませんか?」

「……2皿ありますけど、どっちですの?」

「黄色のケーキがルビィ、緑のケーキがダイヤのです」

「わ、分かりました……」

「あ。ルビィも手伝うね?」

「お手数おかけします」

 

ルビィとお姉ちゃんは落とさないようにケーキを取る。

正直に言うと取る方が危なっかしいよぉ……

 

「こちらが期間限定のクリスマスセットです」

 

みゆお姉ちゃんがテーブルに置いた

ケーキはクリスマスをイメージして作られてた。

砂糖菓子で造られたサンタさんもあった……

あれ?。でも……

 

「それはミユから2人への誕生日ケーキよ」

 

ルビィの言いたい事が顔に出ていたのか

厨房からティアお姉ちゃんが出てきて

そう言った……

 

「ルビィにはスイートポテト、ダイヤには抹茶ケーキです」

「あの、未柚姉様?」

「そのケーキは未柚からのサービスなのでお代は要りませんよ」

「で、ですが…」

「未柚が好きでやってる事なので気にしなくてもいいですよ」

「そうよ。ミユなりの優しさなんだから」

「は、はい///。未柚姉様ありがとうございます」

「どういたしまして♪」

 

ティアお姉ちゃんのフォローもあってか

お姉ちゃんは笑っていました。

 

「あ、美味しい♪」

「甘さもちょうどいいですわ……」

「それは良かったです」

 

みゆお姉ちゃんが作るお菓子や

ケーキは美味しいなぁ~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

 

 

 

ルビィとお姉ちゃんが食べてると

お客が来店するベルが鳴った。

 

「あ、誰か来たみたいですね…」

「ミユ。この時間はあの子でしょ?」

「そうでしたね。忘れてました…」

「ティア姉様、未柚姉様。お知り合いですか?」

「2人もよく知ってるわよ」

 

ルビィ達も知ってる人……?

すると入って来たのは……

 

「こんにちは~」

「遅いわよルナ……」

「ごめんごめん~」

「る、瑠菜お姉ちゃん!?」

「る、瑠菜姉様!?」

「あ~。ダイヤちゃんとルビィちゃん~♪」

 

ルビィに裁縫のやり方を

教えてくれた瑠菜お姉ちゃんだった。

 

「瑠菜お姉様、今日は遅かったですね?」

「うん~。実はかくかくしかじか……」

「まるまるうまうまですね…、納得です」

「珍しい事もあるものね」

「ティア姉様!?、今の内容分かったのですか!?」

 

ル、ルビィ。全然分からないよ……

しかもティアお姉ちゃんも瑠菜お姉ちゃんの話に

ちゃんと相槌うってるし…

 

『うんうん、それでそれで?』

 

あれ?

なんか聞き覚えのある声が……

 

『あ。お邪魔してるよ~♪』

「「ぴぎぃ!?」」

「花怜お姉様、いい加減に窓から入るの控えてください……」

「…カレン。ダイヤとルビィが驚いてるじゃないの」

「…あはは~」

『あ、あわわわ!?。驚かせてゴメンね!?』

 

ルビィとお姉ちゃんの隣にきたのは

紛れもない花怜お姉ちゃんだった……

 

「花怜姉様、お久しぶりです」

『ダイヤちゃん久しぶり♪。背、伸びたね?』

「いえ。花怜姉様こそ、お変わりなく…」

「あ、あの…」

 

ルビィの事覚えててくれてるかな…?

 

『ルビィちゃんも久しぶり♪。大きくなったね♪』

「えへへ…///」

 

頭を撫でながら言ってくれた。

花怜お姉ちゃんは、ゆうりお兄ちゃん達が

遊びに来てくれた時にルビィと遊んでくれたの……

だからルビィには大好きなお姉ちゃんが

5人もいます。

 

『あ。未柚ちゃん。私、Zなんとかさんで!』

「わたしはプリンアラモード~♪」

「全く2人は…」

「ティアお姉様、紅茶のおかわりはいかがですか?」

「自分でやるから大丈夫よ。ダイヤは?」

「私も自分でやりますわ」

『未柚ちゃん、今回はパーフェクトフォルムで!』

「まさかの50%フォルムじゃないのですか!?」

「カレン、思い切って注文したわね……」

「それ以前にZなんとかさんってなんですの!?」

 

えへへ♪

こういう賑やかなの

ルビィ好きだな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談なんだけど、

花怜お姉ちゃんが頼んだ

『Zなんとかさん、パーフェクトフォルム』を

みゆお姉ちゃんが台車で運んできて

あまりの巨大さに驚いちゃった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルビィちゃんの口調が難しいですね…
『サンシャイン!!』のキャラ全員ですが…(苦笑い)
こんな感じではありますが、
次回もよろしくお願いします。

がんばルビィ!(一度言ってみたかった)


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第105話 穂乃果の疑問

ゆるポメラです。
もうすぐ9月も終わりですね…
今回の話は穂乃果ちゃん視点になります。

それではどうぞ。



う~、今日も寒いよ~……

あ、高坂穂乃果だよー。

最初は外に出ようかなって思ったんだ。

けど外は雪が降ってて……

だから今日は部屋で過ごそうと思って

自分の部屋にいるの。

 

「でも何しようかな…?」

 

あちゃー……

部屋で過ごすって決めたのは

いいけど何して過ごすか決めてなかったよ…

ふと自分の机に置いたままの『オレンジの本』に

目がいく……

 

「続き読んでみようかな……」

 

最後に読んだのは、

最終予選の曲を作るのに参考に読んだ程度…

その日以来は読んでいない…

穂乃果は本を手に取り読む事にした……

 

「なんでだろう、やっぱり凄く読みやすいな……」

 

私は小説とかはあまり読んだ事ない…

漫画なら本棚にたくさんある。

時々、雪穂に巻数がバラバラだよって

怒られる事もあるけどね?

 

(でも……)

 

ゆうちゃんが書いた恋愛小説を

読んでみて疑問に思った事がいくつかあった。

それは……

 

「『始まりのアイドル』って……」

 

そう。()()()()()()()()という単語…

にこちゃんの誕生日の時に、花陽ちゃんが言ってた言葉。

ゆうちゃんは、その()()()()()()()()の幼馴染みだって…

これが1つめ。

 

「『2人だけの夏休みの思い出』って何だろう…?」

 

これが2つめ。

その内容が幼馴染みが忙しくて

休みがもらえなくて嘆いてた時に

ライブが終わった後に2人だけでデートをした

という……

 

「やっぱり全然分かんないよぉ……」

 

気になる単語がいくつかあったけど

考えれば考えるほど分からなくなってきた。

海未ちゃん、ことりちゃんに聞けば何か分かるかなぁ…?

 

「少し休もう……」

 

普段あまり読まない本を読んでしまったのか

少し眠くなってきちゃった……

自分のベットに向かおうと足を運ぼうとしたが

瞼が閉じる感覚に襲われた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは公園、なのかな…?

穂乃果が目覚めた場所は、

花畑がたくさん咲いている公園だった……

夢の割には随分…

 

(綺麗……)

 

周り一面が花畑。

中央には噴水があった。

辺りを散策していると子供の声が聞こえた。

 

(誰かいるのかな…?)

 

私は声がする方に

向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(確かこの辺で……)

 

声を頼りに着いた場所は

小さな広場だった。

 

「あははは♪」

 

さっきの子供の声がしたので

振り向くと1人の女の子が楽しそうに

走っていた。

その女の子は首に()()()()()()()()()()()()

付けていた……

 

(あの子が付けてる物、穂乃果どこかで……)

 

穂乃果が考えてると

女の子は……

 

()()()~♪、早く早く~♪」

 

女の子が発した言葉に度肝を抜いた…

 

(嘘、今この子…)

 

「璃夢ちゃん~、早いよぉ~……」

 

更に聞き覚えのある男の子が

息を切らしながらやって来た。

その男の子を見て驚いた。

 

(ゆ、うちゃん……!?)

 

紛れもない、ゆうちゃん本人だった。

穂乃果が花怜ちゃん、ゆうちゃんに

初めて出会った時より小さかった……

 

「えへへ♪、だって悠里君と2人きりなんだもん♪」

「それは僕も嬉しいけど……///」

 

ゆうちゃんは照れた顔で

璃夢ちゃんと呼ばれた女の子に言った。

 

(ひょっとして……)

 

そう思った瞬間、

視界が暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」

 

目が覚めると雪穂が

穂乃果の肩を揺さぶっていた。

 

「あ、あれぇ…?」

「もうー、そんな態勢で寝たら風邪ひくよ?」

「あ、あはは…、ゴメンゴメン……」

「ご飯ができたから降りてきてってお母さんが言ってたよ?」

「えっ!?、う、うん。」

 

雪穂はそう言い残すと

下へ降りて行った……

穂乃果も行かなきゃ……

 

「…あ。そういえば明日は……」

 

カレンダーを見て思い出す。

明日は12月12日。

ゆうちゃんの誕生日だ。

 

(ゆうちゃん、明日どうする気なんだろう……)

 

花怜ちゃんが言っていた。

ゆうちゃんは去年、墓場で過ごしていたって……

 

「海未ちゃんとことりちゃんに聞いてみようかな……」

 

それから今日見た夢の事も

2人に話してみようかな……

 

(穂乃果にできる事は……)

 

そう考えながら

下に降りて行った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




内容が少し短くなってしまい
申し訳ありません……
次回は少し暗い展開になりそうですが
よろしくお願いします。


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第106話 12月12日 明朝

ゆるポメラです。
今回の話は『悠里の誕生日編』です。
前回の予告通り、とにかく暗いです。
最初は悠里の視点になります。

それではどうぞ。



懐かしい夢を見た……

 

「ねぇねぇ悠里君、これ見て♪」

 

女の子は嬉しそうに僕に言う。

 

「もう!、聞いてるの!」

 

僕が聞いてないと見えたのか

頬を膨らませながら言った…

なので僕は…

 

「聞いてるよ、どうしたの璃夢ちゃん?」

「私がライブで歌ったCDができたって♪」

「ほんと!?、凄いや!」

 

あぁ、そうだった……

最初はアイドルとして歌えるだけで充分だったのか

いつの間にかCDができて……

 

「そ、それでね、えぇぇと……///」

「璃夢ちゃんー、具合でも悪いのー?」

「あ、あのね?…、こ、これ!!」

 

顔を赤くしながら1枚のCDを僕に渡してきた。

 

「悠里君にあげる///」

「え、いいの……?」

「いいの!、私が悠里君にあげたいの///」

 

この時の僕は凄く嬉しかったけ……

 

「うん。僕、大事にするね!」

 

こう言うと決まって……

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへ♪、私は、そんな悠里君の笑顔が……」

 

 

 

 

 

そこで視界は暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーピピピッ!、ピピピッ!ーー

 

 

 

 

 

 

 

けたたましく鳴り響き渡る

目覚まし時計を止める……

 

「そっか。今日は……」

 

僕はカレンダーの日付を見る。

今日は12月12日。

僕の誕生日であると同時に、

母さん達の命日でもある……

そして……

 

「……()()()()()()()()()()()()()

 

正直、自分の誕生日なんて

どうでもよかった……

ハロウィンの時に母さんが言ってたけ……

 

『母さん達の事はいいから今年は璃夢ちゃんに会ってあげなさい?』

 

僕は去年、一日中ずっと墓場で過ごしてたけど

花怜ちゃん達に見つかって説教されたんだよね……

この話には続きがある。

実は夜中に璃夢ちゃんに会ってきた。

そこで残りの1日を過ごした……

 

「…行こうかな」

 

準備は昨日の内に済ませてある。

時刻は午前3時45分……

この時間は寝てる人が多い筈だから僕にとっては好都合。

だから敢えて目覚まし時計を、この時間にセットしておいた。

あとは……

 

「携帯電話は置いて行こう……」

 

これは去年もやった。

けど花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃんに

見つかってしまった。

……何故かって?

 

「……怒るよね、絶対」

 

今からやろうとしてるのは、

花怜ちゃんとの念話の拒否……

正確には()()()()()()()()()……

これを行うと花怜ちゃんでさえ僕が今どこに

いるのかでさえ完全に分からなくなる。

 

「……ゴメンね」

 

現在休眠状態の

花怜ちゃんに僕は謝り

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーバシュッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

繋がっていた何かが途切れる音が

僕の脳内に鳴り響いた……

遮断が成功したみたい。

 

「……いいんだ。自分の誕生日なんて」

 

玄関のドアを開け

外に出る……

やっぱり薄暗い……

今日は僕だけじゃなく()()()も来る。

僕にとっては弟のような子で

落ちこぼれの僕を悠里兄(ゆうりにぃ)と呼ぶ。

正直、そんな資格ないけどさ……

 

「早く行かなきゃ……」

 

まだ誰も起きてない時間…

僕は周りの人達を起こさないように

静かに目的地に向かう事にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




内容が少し短くなって
しまい申し訳ありません……
最後に悠里が呟いた『あの子』の
正体は『サンシャイン!!』の主人公です。
設定や容姿イメージも決まってますので
ひょっとしたら近々公開するかもです。
次回は穂乃果ちゃん視点になります。
暗い話が続きますが、
次回もよろしくお願いします。


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第107話 12月12日 朝

ゆるポメラです。
今回の内容も暗いです。
視点は前回の予告通り、
穂乃果ちゃんになります。

それではどうぞ。


『起きて!、起きて!、穂乃果ちゃん!』

 

もう誰なの~?

穂乃果まだ眠いよ~……

 

『こうなったら仕方ない…、雪穂ちゃん!』

「本当にこれで起きるの?、花怜姉…」

 

雪穂に花怜ちゃん?

何の話してるんだろう…

もぅ~、あと5分だけ……

 

 

 

 

 

 

 

ーーカーン!!、カーン!!、カーン!!ーー

 

 

 

 

「うわあっ!?」

 

耳元で騒音のような音が鳴ったので

慌てて起き上がるとフライパンとお玉を持った雪穂と

お皿にフォークを持った花怜ちゃんがいた。

 

「本当に起きたね、花怜姉…」

『私も半信半疑だったけどね…、フライパンとお玉、恐るべし』

「もうちょっとマシな起こし方なかったの!?」

 

雪穂と花怜ちゃんに訴えると……

 

「だってお姉ちゃん、私や花怜姉が言っても起きないんだもん」

『ゴメンね?、私も雪穂ちゃんと同意見…』

 

うぅ…、まだ耳がキーンってなってるよぅ……

 

「じゃあ私は下に行くから、お姉ちゃんも降りてきてね~

あ、花怜姉ごゆっくり~」

『うん♪、ありがとね~』

 

そう言い残すと雪穂は

穂乃果の部屋から出て行った……

 

「それで花怜ちゃん、急にどうしたの?」

 

こんな朝早くどうしたんだろう…?

現在の時刻は7時30分。

すると花怜ちゃんは……

 

『穂乃果ちゃん、昨日か今日ゆうり君から連絡なかった?』

「えっ、ゆうちゃんから?」

 

昨日は海未ちゃん、ことりちゃんに

穂乃果が見た不思議な夢を話したくらいだし……

ゆうちゃんから電話で連絡がきたのは

中学時代の真実を聞いた後の3日後が最後だった気がする……

 

「ううん、ないよ?」

『今から、ゆうり君の携帯電話にかけてもらってもいい?』

「花怜ちゃん、顔真っ青だけど大丈夫?」

 

まるで自分の予想と外れてほしいというくらい

花怜ちゃんの顔色は悪かった…

とにかく、ゆうちゃんに電話しなきゃ……

私は携帯電話を取り、電話帳に登録してある

ゆうちゃんの携帯電話の番号を押し、通話ボタンを押す。

 

「あれ…?」

 

おかしい、繋がらない……

 

『繋がらないの?』

「う、うん。かけた瞬間に……」

『去年と同じ手口に加えての二重って!!、あぁもうっ!!』

 

花怜ちゃんは穂乃果でも

あまり見た事ないくらいピリピリしていた。

それに気になる言葉があった……

 

「花怜ちゃん、去年と同じ手口って…?」

『ゆうり君が誕生日の日は墓場で過ごしたってのは前に話したよね?』

「…うん。でも電話が繋がらないのと何か関係あるの?」

 

そう。

今日は、ゆうちゃんの誕生日。

でもなんで……

 

『その手口はね、携帯電話を自宅に置いたまま連絡手段を無くす事なの』

「で、でも、ゆうちゃんは見つかったんでしょ?」

『うん。この時は私がいたから、捜すのは楽だったんだけど……』

「花怜ちゃんがいたから?」

『私は普段、ゆうり君に憑依してるから思念体(このすがた)を保って、

ゆうり君が何処で何をしてるか分かるんだけど……

私が寝てる間に連絡手段が切られちゃったの……』

「じゃ、じゃあ……」

 

今の話を聞いて冷や汗が流れた。

穂乃果でもすぐに理解した。

つまり花怜ちゃんが言いたい事は……

 

『今から、ゆうり君を捜そう。

今日に限って自殺未遂は流石にないと思うけど

不安すぎるよ!!』

 

その言葉を聞くと

私と花怜ちゃんは直ぐに

ゆうちゃんを捜しに行く事にした。

 

「ねぇ何処から捜せばいいの!?」

『とりあえず海未ちゃん、ことりちゃんに連絡して!!

私はティアちゃんと瑠菜ちゃんにも連絡するから!!』

「わ、分かった!」

 

携帯電話を取り出し

2人の電話番号を捜しながら……

 

 

(…ゆうちゃん、なんでなの!?)

 

焦りと不安が襲ってくるのを

この時、気づかなかったのかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回の視点は、
ことりちゃんになります。
暗い話が続きますが、
次回もよろしくお願いします。


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第108話 12月12日 昼

ゆるポメラです。
前回の続きになります。
予告通り視点は、
ことりちゃんになります。

それではどうぞ。


私は今、走っていた……

 

「はぁ…、はぁ…」

 

正直こんな休日に走ったのは

初めてかもしれない……

 

「ゆーくん、どこなの……?」

 

ゆーくんを捜してるのには

理由があったから…

きっかけは穂乃果ちゃんからの電話だった。

 

 

 

 

 

 

ーー2時間前ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は、

ゆーくんの誕生日♪

この日ことりは穂乃果ちゃん達に内緒で

1人で出かけていた。

実は瑠菜ちゃんも一緒に行く事に

なってたんだけど瑠菜ちゃんが寝坊して

遅れるから先に行っててっていう連絡があったの。

 

「時間まで喫茶店で瑠菜ちゃんを待とうかな」

 

私は携帯電話を取り出し

瑠菜ちゃんに、昔行ってた喫茶店で

待ってるね?とメールを送った。

しばらくすると返事がきた。

 

 

 

 

 

 

 

差出人:明美瑠菜

 

件名:今行くね~

 

日付:12/12 11:00

 

メールありがと~。

昔行ってた喫茶店でいいんだね?

ことりちゃん~、席取っておいて~

あ、もし相席しかなかった場合は、

ことりちゃんに任せるよ~

 

 

 

 

 

 

 

って内容だった。

う~ん、相席かぁ…

流石にならないと思うけどなぁ…

瑠菜ちゃんのメールに苦笑いしながら

私は喫茶店に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー喫茶店ーー

 

 

 

 

 

 

「あ、あれぇ…?」

 

えっと…

今、喫茶店に着いたんですが

予想以上に人が多いです。

すると店員さんが…

 

「いらっしゃいませ。1名様ですか?」

「えっと2人なんですけど、1人が遅れると…」

「2名様ですね?、少々お待ちください。」

 

空いてる席を確認しに行ったのかな?

でも結構、満席っぽいし……

そんな事を考えていたら店員さんが戻って来た。

 

「申し訳ありません…、相席で良ければご案内しますが…?」

 

よりによって相席だった。

でも相席の人に迷惑なんじゃ…?

すると私の表情が分かったのか…

 

「常連の子ですから、大丈夫ですよ?」

 

店員さんが笑いながら言った。

うーん、でも瑠菜ちゃんは私に任せるって

言ってたし……

よし…

 

「じゃあ相席でお願いします。」

「かしこまいりました。こちらへどうぞ」

 

案内された場所は外のテラスだった。

この辺りの席、初めてかも……

 

「あ、お客様。相席のご協力ありがとうございます。」

「…いえ。気にしないでください…」

 

店員さんと話してる子は、

右目に眼帯を付けていて

不思議な雰囲気を出している。

更に左側の髪をサイドテールに結んだ

ちょっと変わった男の子だった…

 

「では、お決まりになりましたらお呼びください」

「あ、はい……」

 

とりあえず席に座る。

それにしても、この子って年下だよね…?

すると私の視線に気がついたのか

メニュー表を渡してきた。

 

「…ごめんなさい、気が利かなくて…」

「あ、ううん全然気にしてないよ!?。」

「…そうですか。ならいいですけど…」

 

ど、どうしよう~!?

この子の表情が分からないよぉ~……

未柚ちゃんと同じオーラが放ってるから余計に…

うぅ~、瑠菜ちゃん早く来て~……

 

「お~い。ことりちゃん~」

 

来たー!!

 

「瑠菜ちゃん、遅いよ~」

「ごめん~ごめん~、…あれ?」

 

すると瑠菜ちゃんは、

相席の男の子をジッと見る。

すると視線に気がついたのか…

 

「…瑠菜姉(ルナねぇ)?」

 

と言った。

…えっ?

 

「あ~!、やっぱり心結(こころ)だ~♪」

「えっ!?、瑠菜ちゃん知り合いなの!?」

「うん~♪、わたしの弟だよ~♪」

「弟!?」

 

瑠菜ちゃん、弟いたんだ…

 

「…()()()()()()の間違いでしょ?、瑠菜姉…」

「え~?、似たようなもんでしょ~?」

「…あ。葉月心結(はづきこころ)です…」

「み、南ことりです…」

 

なんでだろう?

やっぱり雰囲気が未柚ちゃんに似ているから

畏まっちゃうのかな……?

 

「ところで瑠菜姉、今日はお出かけ?」

 

瑠菜ちゃんが席に座ると、

心結くんが瑠菜ちゃんに聞いてきた。

 

「うん~、ゆうくんの誕生日プレゼント買いに~」

「…あぁ。悠里兄のね…」

「心結は~?」

「今から1人でちょっとね…」

 

そう言うと

心結くんはテーブルに置いて

あった会計伝票を取り…

 

「じゃあ僕は行くから…」

 

あれ?

あれって私達の伝票だよね…

すると瑠菜ちゃんが…

 

「心結~、わたし達の分も?」

「…うん。気にしないで…」

「えっ、でも心結くんに悪いよ…」

「ことりさん、細かい事は気にしないでください…」

 

そう言い残すと

心結くんは帰ってしまいました。

なんか…

 

「不思議な子、だね…」

「まぁ心結にも色々あるから…」

 

突然、瑠菜ちゃんの口調が変わった。

 

「心結も、ゆうくんと同じだから……」

「えっ?」

「なんでもないよ~」

 

…あれ?

いつもの瑠菜ちゃんに戻った…

そして30分くらいして私達は

喫茶店を出た。

 

「じゃあどこで買う~?」

「えっと…」

 

そんな時だった……

 

「電話かな?」

 

携帯電話の着信音が鳴ったので

画面を確認すると穂乃果ちゃんからだった…

 

「もしもし?」

『あ、ことりちゃん!?、大変だよ!!』

 

電話の向こうでは穂乃果ちゃんが

かなり慌てた様子だった…

一体どうしたんだろうと思った。

 

『ゆうちゃんがいなくなちゃった!!』

「えっ…!?」

 

いなくなった?

ゆー、くんが…?

 

『今、花怜ちゃんと2人で捜してるの!!

ことりちゃん、ゆうちゃんが行きそうな場所を捜して!!』

 

それだけ言うと

穂乃果ちゃんは通話を切った…

 

「…どうしよう、瑠菜ちゃん」

「さっき花怜ちゃんから念話がきたんだけど、

説明は後でするから、ゆうくんを捜すよ!!」

 

瑠菜ちゃんの表情は真っ青だった…

たぶん花怜ちゃんから詳しい内容を聞いたんだ。

だけど…

 

(嫌な予感しかしない…)

 

私達2人は、

ゆーくんが行きそうな場所を

手分けして捜す事になった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回の視点は、
海未ちゃんになります。
暗い話が続きますが、
次回もよろしくお願いします。


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第109話 12月12日 夕方

ゆるポメラです。
前回の続きになります。
予告通り視点は、
海未ちゃんになります。

それではどうぞ。


えっと…

今の時間って

こんにちはでいいのでしょうか…?

園田海未です。

私は今デパートに来ています。

 

「はぁ…」

 

私が溜息を吐くのには

理由があるんです。

それは…

 

「悠里君が欲しい物が全く浮かびません…」

 

今日は12月12日。

つまり悠里君の誕生日なんですが

何を渡そうかと思いデパートに来たのは

いいんですが…

 

「何を渡せばいいんでしょうか……」

 

さっきから同じ事ばかり

言ってる気がします…

だって全然浮かばないんですよ!?

しかも幼馴染みで初恋の人にですよ!?

誰か助けてくださいよぉ!?

 

「あら。ウミ」

「うぅ…何を渡せば…」

「ウミー?」

「兎も好きって前に言ってましたし…」

「もしもーし?」

「…やっぱり、うさ耳を私が付けて悠里君に…」

「……はぁ」

「ダメですっ///、流石にそういうのは……」

 

すると私の肩をトントンと軽く叩かれたので

振り返ってみると見知った顔がありました。

 

「百面相しながら何ブツブツ言ってるの…」

「ティ、ティア……?」

「それにしても珍しい物が見れたわ♪」

 

つ、つまりティアは……

 

「最初から見てたわよ?」

「いたなら声をかけてくださいよ!?」

「何回も呼んだのに気づかなかったウミが悪い」

「うぅ…///」

 

この後ティアに誤解を解きました。

ついでに穂乃果達には内緒にしてほしいとも

お願いしました。

 

「ティアはどうしてここに?」

「ユーリの誕生日プレゼントを買いに来たのよ」

「ティアもですか?」

「ユーリに本でもあげようかなって思ってね」

 

私とティアはデパートの5階にある本屋に来ています。

それにしても……

 

「本が多いですね……」

「新しくできた場所でね?、私も来るのは初めてなの」

「そうなんですか?」

「まぁね。あら…?」

 

するとティアは立ち止まり

本を選んでいると思われる

年下の男の子とみられる子を

ジッと見ていました。

 

「あの子、もしかして……」

「ティアの知り合いなんですか?」

「確証はないけど、ちょっと近くに行ってみましょ?」

「えっ!?、ちょっとティア!?」

 

ティアってこんなに好奇心旺盛でしたっけ?

私はティアの後を追いかけると……

 

「…なんか視線がって、ティア(ねぇ)?」

「やっぱりココロだったのね」

「…声かけてくれればよかったのに…」

「人違いだったら嫌でしょう…?」

「…それもそだね」

 

えっと、会話に入りにくいです…

すると私に気づいたのか……

 

「…あ。どうも葉月心結(はづきこころ)です…」

「そ、園田海未です……」

「ウミなんで畏まってるのよ……」

 

いえ。この子から未柚ちゃんと同じ

雰囲気を出してたのでつい…

 

「そういえばココロ?」

 

ティアは心結君に気になった事が

あったのか……

 

「ここ、警備員が多いのは気のせい?」

「気のせいじゃないよ。

前に()()()()があったから

警備を強化してるみたいだよ。

ぽやぽやした女子高生が解決した

って警備員の人が言ってた。

…まぁ僕もさっき聞いたんだけどね」

「あら。そうだったの」

 

…心結君。今とても物騒な事を

淡々と言いませんでしたか?

ティアもティアで平静を装ってますけど……

 

「もしかして解決したのってルナだったり?」

「…ティア姉、当たり」

「やっぱし……」

「…瑠菜姉だし、そこは許容しようよ」

 

溜息を吐いているティアを

心結君が宥めていました……

 

「そういえばココロ、今年はミユの喫茶店の

お手伝いとかは行くの?」

 

えっ?、未柚ちゃんの?

 

「…未柚姉(みゆねぇ)から電話がきたら行くよ?」

「あら。じゃあ今年も忙しくなりそうね?」

「…どうせティア姉も行くんでしょ?」

「ユーリ次第ってところかしら」

「…悠里兄は多分、行くんじゃない?」

 

2人の会話から察するに

悠里君は去年も未柚ちゃんの喫茶店の

お手伝いに行ってたみたいです…

 

「…じゃあティア姉、僕は行くね?」

「あら、どこか行くの?」

「色々と。それでは海未さん、失礼します」

「あ、はい……」

 

そう言うと

心結君は下の階に行ってしまいました。

なんて言えばいいんでしょうか……

 

「不思議な子ですね…」

「あの子を一言で表現するとそんな感じかしらね」

「ティア、心結君って右目が悪いんですか?」

 

私が見た時、

心結君は右目に眼帯を付けていました。

更に左側の髪をサイドテールに結んでいた。

なんとなくですが未柚ちゃんだけでなく

悠里君にも雰囲気が似てた気がします……

 

「あの子も色々あるのよ…」

「そ、うですか…」

 

恐らくこれ以上は

聞いてはならないのであろう。

ティアの目を見て分かった。

すると携帯電話の着信音が鳴った…

 

「ことり?」

 

画面を確認すると

電話の相手は、

ことりだった……

 

「もしもし?」

『海未ちゃん大変なの!?、ゆーくんが!!』

 

電話の向こうで、

ことりが慌てていた。

 

「落ち着いてください、どうしたんですか?」

『ゆーくんが行方不明になっちゃったの!!』

「…えっ?」

 

行方不明?

悠里君、が……?

 

『ことり達も捜してるから、海未ちゃんも

ゆーくんが行きそうな場所を捜して!!』

 

それだけ言うと

ことりは通話を切った…

 

「ウミ、すぐ捜すわよ!!」

「でも悠里君が行きそうな場所って…」

「今カレンとルナから連絡がきたけど、

説明は後でするわ!!」

 

どうしてこうなってしまったのか…

私とティアは走りながら

そう考える事しかできなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回で『悠里の誕生日編』は
最後になります。
頑張りますのでよろしくお願いします。


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第110話 12月12日 夜

ゆるポメラです。
今回で『悠里の誕生日編』は
最後になります。
視点は海未ちゃんになります。
相変わらず暗い内容です…

それではどうぞ。



「どこに行っちゃったんですか…?」

 

時刻は18時。

ことりから悠里君が

行方不明になったという電話を聞いてから

2時間くらい経った…

そしてある事を思い出す…

 

「璃夢という子が関係してるのでしょうか?」

 

ちょうど昨日。

穂乃果から電話があって

悠里君が書いた恋愛小説を読んでいて

少し眠くなってしまい、その後に

不思議な夢を見たと言っていました。

その夢は幼い頃の悠里君と1人の女の子が

楽しそうに遊んでいたという夢…

その女の子の名前は璃夢という名前だったと…

 

「そういえば、ことりも同じ事を……」

 

ことりが見た夢は、

何処かは分からない場所で

もう1人の自分と璃夢という女の子が

口論していたという夢…

ただ具体的な内容が分からないと言う点だった…

 

「もしかして悠里君の初恋の相手って…」

 

私は『青い本』をバックから

取り出し登場人物の欄を開き読み返す。

どうゆう訳か悠里君は登場人物の性格や

プロフィール等の細かいところまで記していた…

読みやすくていいんですが…

 

「これって穂乃果の事ですね…」

 

登場人物の欄に6人の女の子が書かれていた。

1人は太陽のように明るくて考えるより

まず行動をする女の子…

これは穂乃果そのものだった…

 

「私の推測からだと…」

 

私が見た夢の中でも

璃夢という女の子は出てきました…

そこで登場人物のヒロインを璃夢に

当てはめて考えてみる。

そこで導き出した答えは……

 

「悠里君がいるのは神田明神の墓場でしょうか…」

 

直感なんて私らしくないですけど

ただ何となく分かるんです。

 

「…行ってみましょう」

 

現在の時刻は18時30分。

私は急いで神田明神に向かう事にした。

 

 

 

 

 

ーー神田明神ーー

 

 

 

 

 

「静か過ぎます…」

 

神田明神に着いたのは

いいんですが……

 

「隠し通路って何処なんでしょう?」

 

確か境内の何処かに、

墓場に続く隠し通路があるって

『青い本』にも書いてありました。

私が隠し通路を探そうとすると…

 

「…そこの人、誰?」

 

背後から低い声がしたので

立ち止まり振り返ると……

 

「心結君…?」

「…なんだ、海未さんですか」

 

今日デパートで出会った

不思議な雰囲気を出している男の子、

心結君だった…

 

「…何しに来たんですか?」

「わ、私は散歩に…」

 

淡々とした声で私に聞く心結君の左目は

何かを探るような感じだったので

私は嘘を言おうをしましたが…

 

「嘘ですね」

 

アッサリと見抜かれてしました。

でも……

 

「心結君は、どうしてここに?」

「…ここに用事があるからです」

 

心結君の言い方には何か含みのあるような

感じがします。もしかして悠里君の居場所も

知っているのでは……

そう思った私は心結君に聞く事にした。

 

「あの、悠里君はここに来てますよね?」

「…それを聞いてどうするんですか?」

 

途端、心結君は警戒心を出しながら

私に言ってきた……

そして…

 

「…確かに悠里兄は()()()()よ」

「教えてください!!、悠里君は何処にいるんです!?」

 

その言葉を聞いた瞬間、

私は心結君に詰め寄っていた……

 

「…なら証拠を見せてください」

「えっ……?」

 

証拠って一体何の事なんでしょう?

私は疑問に思いましたが、

心結君の次の言葉で理解する…

 

「知らない人に悠里兄の過去を安易に触れて欲しくないので」

 

その意味は直ぐに分かった。

今日出会った心結君からしてみれば見知らぬ人に

悠里君の過去に土足で踏み入れるような事はするな。

つまり要は私が悠里君の幼馴染みである事を証明すればいい…

でも何を見せればいいのでしょうか?

身分証明書は信用性が低いですし…

 

「あ、ちょっと待っててください?」

 

ふと思い出したのは、

『青い本』である。

私はバックから『青い本』を取り出し

心結君に見せる……

 

「これじゃダメですか…?」

「……」

 

心結君は『青い本』を取ると

ページをめくりながら私を見る。

 

「分かりました。悠里兄がいる場所まで案内します…」

「ほ、本当ですか!?」

「…はい。僕についてきてください」

 

そう言うと心結君は

歩き始めました。

私は置いて行かれないように

早歩きでついて行きました。

 

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神境内、森の奥ーー

 

 

 

 

 

 

「こんなところに道があったなんて…」

「…地元の人でも分かりませんから」

 

私と心結君は、

神田明神の境内の森を歩いているのですが

隠し通路の場所が本殿の近くにある

小さな社が入り口だったんです…

お地蔵様でカモフラージュしてあったので

全く気づきませんでした……

 

「悠里君は毎年来てるんですか…?」

「…そうですね、僕もですけど」

「心結君が会いに来てる人って……」

「…その本の最終章の前に答えがありますよ」

 

言われるままに『青い本』のページをめくる。

そこに書かれていたのは

『家族』、『ヒロインの妹』……

 

「…まぁ早い話、()()()()()()()()()()()()

「じゃ、じゃあ『ヒロインの妹って』……」

「……」

 

心結君は何も言わず黙ったまま。

つまり心結君の初恋の女の子…

更に『ヒロインの妹』というのは

璃夢の妹という結論が出る…

 

「…ちょっといいですか?」

 

少し小さい広場に着き

心結君は少し華やかな墓石の方に

向かった。

…誰かのお墓でしょうか?

 

「心結君、これは誰のお墓なんですか?」

「…()()()のお墓です」

「えっ……!?」

 

心結君は今なんて言った?

すると私の表情が分かったのか…

 

「…海未さん、これが証拠です」

 

手招きをしていたので

私は墓石の近くに行く…

 

「…動揺しないでくださいね?」

 

心結君は墓石に設置してある

スイッチのような物を押した。

すると墓石が動きだした…

代わりにカプセルのような形状に

変化した。

そこで私が見たのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安らかな表情で眠ってる花怜だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「か、花怜……?」

 

どう、してこんな……

 

「花怜姉の遺体は世間から揉み消される可能性が

あったので、それを回避する為に悠里兄が

この場所を選んだんです。」

 

悠里君は花怜を助けるために殺したと

花怜が言ってましたが、遺体がどうなったかは

私達は知らなかった……

 

「…ティア姉達も知ってますよ。この場所は」

 

スイッチを再び押し

墓石に戻しながら

心結君は呟いた……

 

「……こっちですよ」

 

穂乃果とことりに何て言えば……

私は心結君のあとをついて行きながら

悩んでいた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神、森の奥の大広場ーー

 

 

 

 

 

 

「ここが……」

 

着いた場所は

さっきよりも敷地が広い場所だった。

 

「…悠里兄を呼んで来るので待っててください」

「あ、はい……」

 

本当は私も行きたかったのですが

今は行ってはいけない気がしたので

心結君の言う事を素直に聞く事にしました。

そして心結君は森の奥に消えた…

 

「きっと聞いても……」

 

答えてはくれないと思う。

本当は何があったのかを聞きたい。

けど無理に聞いてしまったら

悠里君を傷つけてしまいそうだから…

 

「…みーちゃん?」

「えっ……」

 

ふと聞いた事がある声…

振り返ると悠里君がいた…

私は何も言わずに悠里君に近づく。

 

「…あの」

「心配、したんですよ…」

「…いなくなった理由、言わなきゃダメ?」

「悠里君が言いたくないなら無理に言わなくていいです」

 

私が悠里君に伝えてあげるべき言葉は

これが最善なんじゃないかと思う。

 

「…みーちゃん、ありがと」

 

そう言ってくれるだけでも

私は嬉しいんです…

だから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(もう悠里君の傍を離れませんからね……)

 

 

 

 

 

 

 

今日の出来事は忘れてはいけない。

ヒントは段々と分かってきました。

きっと答えは他の誰でもない

私自身にしか分からない事ですから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




敢えて何とも言えない
終わり方にしたのは
ちゃんと理由があります。
2期が終わった後のストーリー
『高校3年生編』で海未ちゃんが
主役の章で必要な事なので
このような話で終わらせました。
次回もよろしくお願いします。



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特別編 水色の少女の誕生日

ゆるポメラです。
絵里ちゃん、誕生日おめでとう。
誕生日編を執筆するのも
9回目になりました。

それではどうぞ。


「やっぱり暇です…」

 

皆さん、にゃんぱs…

コホン!、こんばんは。

神無月未柚です。

実は今日も暇なんです…

 

「クリスマスメニューでも考えますか…」

 

冬限定のメニューは

だいたいは毎年出しているのですが……

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

お客様が来店するベルが

鳴りました…

さて誰なんでしょうね…?

 

「おや、絵里先輩。いらっしゃいませ…」

「えっ!?、未柚ちゃん!?」

「お姉ちゃん?」

 

おや、隣にいるのは

絵里先輩の妹さんでしょうか?

雰囲気が似てますね。

 

「絵里先輩、カウンター席でいいですか?」

「え、えぇ…」

 

絵里先輩と妹さんを

カウンターに案内しメニュー表を渡す。

 

「そちらは妹さんですか?」

「初めまして、絢瀬亜里沙です」

「どうもご丁寧に。神無月未柚です」

「…あの、亜里沙でいいですよ?」

「いえ。未柚の方が年下なので…」

 

亜里沙先輩は未柚が同い年に見えたのか

呼び捨てでいいと言いました。

と言っても未柚の方が年下なので

そうゆう訳にもいきません。

すると絵里先輩が…

 

「未柚ちゃんって亜里沙より年下なの?」

「はい。未柚は13歳です」

「「じゅ、13歳!?」」

 

もう慣れましたよ?

今でも年齢の事を聞かれますが

未柚は別に気にしてません。

 

「「ハ、ハラショー……」」

 

今の言葉はロシア語でしょうか?

後でネットで調べてみましょうかね。

 

「ご注文が決まりましたら、お呼びください」

「「は、はい…」」

 

そういえばクリスマス限定メニューは

今年も『シャイ煮』にしましょうかね……

鞠莉が来てくれればの話ですが…

 

「ところでよくこの喫茶店を見つけましたね?」

「実は穂乃果から聞いたの」

 

なるほど。

ここ最近、音ノ木坂の生徒が

来るのが多いなと思いましたが

穂乃果先輩の口コミ情報で広まったんですね。

 

「…ねぇ、未柚ちゃん?」

「なんですか?」

「メニュー表に『特製ラーメン』があるのは…」

「凛先輩のご希望メニューです」

「じゃあ、この『特製おにぎり』って…」

「お察しの通り、花陽先輩のご希望メニューです」

「ハ、ハラショー……」

「経緯を話しますとね……」

 

まぁ絵里先輩が疑問に思うのも

無理ないですね…

実は以前、凛先輩と花陽先輩が2人で

いらした時に凛先輩が……

 

『未柚ちゃん、ラーメンってないのかにゃ?』

『作ろうと思えば作れますよ?』

『じゃあ凛はラーメン!!』

『かしこまいりました。700円ですがいいですか?』

『問題ないにゃ~♪』

『花陽先輩は何かご希望はありますか?』

『えっ、えっと何でもいいの…?』

『はい』

『じゃ、じゃあ、おにぎりを……』

『300円になりますがいいですか?』

『お、お願いします。』

 

とまぁ、こんな感じで

メニューが最近増えたって感じですかね。

その事を絵里先輩に話すと……

 

「1人で大変じゃないの?」

「小さい頃から手伝ってましたので苦じゃないです」

「そうなんだ……」

 

今では悠里お兄様達や心結も

時間さえあれば手伝いに来てもらってます。

未柚も色んな人に恵まれてますね……

 

「お姉ちゃん!、亜里沙、チョコレートケーキがいい」

「じゃあ私も。未柚ちゃん、チョコレートケーキ2つ」

「かしこまいりました。」

 

さて今日はチョコレートを

ふんだんに使いますかね……

厨房に向かう途中、外を見ると

雪景色に建物の街灯が幻想的な風景だった。

 

 




今回は、未柚の視点で
執筆してみました。
絵里と亜里沙の口調が未だに慣れない……
連載開始してから随分経ちますが…
次回は本編になります。
『冬休み編』はもう少し続きます。
これからもよろしくお願いします。


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短編1 日常会話

ゆるポメラです。
本編を執筆しようと思った
のですが、どうも納得のいく感じに
ならなかったので今回は、
作者の息抜き的な内容になります。
台本形式っぽくなっておりますので
読みにくいかもしれませんが……
今回のはあくまで息抜きな内容ですので
暇つぶし的な感じで読んで頂けると嬉しいです。

初短編?なのでかなり短いですが……

それではどうぞ。






1.得意料理

 

 

穂乃果「ねぇ、ゆうちゃん」

 

 

悠里「なに?」

 

 

穂乃果「得意料理って何かあるの?」

 

 

悠里「…急な質問だね、どうしたの?」

 

 

穂乃果「ゆうちゃん、料理上手だから何かあるかな~って」

 

 

悠里「……あるにはあるけど」

 

 

穂乃果「教えて教えて!」

 

 

悠里「……闇鍋」

 

 

穂乃果「や、やみなべ……ってなに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.彼女は疲れ知らず?

 

 

悠里「…ねぇ、みーちゃん」

 

 

海未「なんですか?」

 

 

悠里「みーちゃんってさ、疲れ知らずだよね。ちゃんと休んでるの?」

 

 

海未「休んでますよ?」

 

 

悠里「学業、スクールアイドル、弓道部、家の稽古とかで疲れない?」

 

 

海未「確かに大変だとは思いますが私は苦だとは思ってませんよ♪」

 

 

悠里「…やっぱり疲れ知らずだ」

 

 

海未「それより!、悠里君こそちゃんと休んでいるのですか?」

 

 

悠里「や、休んでるよ……?」

 

 

海未「じー……(頬を膨らませながら疑いの目)」

 

 

悠里「…え、と、週に2日くらいだけど……」

 

 

海未「悠里君♪、ちょっとあっちでお話しましょうか♪」

 

 

悠里「は、はい……(結論、みーちゃんは色んな意味で疲れ知らずだ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.触ってみたい

 

 

ことり「ゆーくん、ゆーくん」

 

 

悠里「どうしたの?、目キラキラさせて……」

 

 

ことり「ゆーくんの髪、触らせて。」

 

 

悠里「…ことちゃん、何か変な物でも食べた?」

 

 

ことり「えっ、いつも通りだよ?」

 

 

悠里「…そ、そうなの?(…全然いつも通りには見えない)」

 

 

ことり「ゆーくん、おねがぁい♡」

 

 

悠里「…別に構わないけど」

 

 

ことり「やった♪」

 

 

悠里の背後に回り込み髪を触り出す我らがことりちゃん

 

 

 

ことり「わぁ~♪、ゆーくんの髪サラサラだ~♪」

 

 

海未「ことり!?、あなた何やっているんですか!?」

 

 

ことり「ゆーくんの髪を触らせてもらってるの」

 

 

海未「こ~と~り~!!」

 

 

悠里「(そりゃその反応だよね、みーちゃんからしたら……)」

 

 

海未「ズルいです!!、私も触りたいです!!」

 

 

悠里「はいっ!?」

 

 

海未「ことりだけズルいです~!!、私だって触りたかったのに~!!」

 

 

悠里「みーちゃんが駄々っ子になっちゃった!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.今日のお弁当はなあに?

 

 

穂乃果「昼休みだよ、お昼ご飯にしよ♪」

 

 

悠里「ほのちゃん早いね……」

 

 

海未「いつもの事ですけどね……」

 

 

ことり「慣れちゃったもんね~……」

 

 

穂乃果「ねぇ見て、今日はお弁当なんだ~♪」

 

 

海未「っ!?、穂乃果の昼食がパンじゃないなんて……」

 

 

ことり「穂乃果ちゃん、具合でも悪いの!?」

 

 

悠里「…2人共なんでそうなるのさ?」

 

 

海未「だって穂乃果がパンではないんですよ、明日は雨ですよ!!」

 

 

穂乃果「海未ちゃん酷いよ!?」

 

 

ことり「ゆーくんは?」

 

 

悠里「……野菜炒めのライスバーガー」

 

 

穂乃果・海未・ことり「…は、初めてみた……」

 

 




皆様。読んでいただいてありがとうございます。
このように作者が執筆で行き詰まってしまった時は
今回のような短編モドキ?を投稿するかもしれません。
尚、サブタイに『短編○○』と書かれてるのは、
基本的に台本形式っぽくなってますのでご理解お願いします。


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特別編 凛の誕生日

ゆるポメラです。
凛ちゃん、誕生日おめでとう。
今回の内容ですが、
凛と花陽が未柚の喫茶店に行く話に
なっています。



にゃー、星空凛だよー。

今日は親友のかよちんと一緒に

お出かけするんだ。

って凛は一体誰に話してるんだにゃ?

 

「凛ちゃん、どうしたの?」

「うーん、何でもないにゃ!」

「そう?、あ、凛ちゃんこっちにあるみたい」

 

凛とかよちんが向かってる場所は

未柚ちゃんが営業している喫茶店なんだにゃ。

それで凛達も行ってみようってなったんだ。

 

「あ、ここみたいだね」

「確かに全然気づかないにゃ……」

 

ゲームセンターの路地裏にあるって

聞いたけど場所を聞かなきゃ分かんないにゃ…

 

「かよちん、本当にここで合ってるの?」

「えっと、月見屋って書いてあるから間違いないよ」

「じゃ早く入ろう。凛、お腹空いたにゃ!」

「あはは…、そうだね」

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

「いらっしゃいませ」

「こんにちはにゃ~!」

「こ、こんにちは…」

「おや、凛先輩と花陽先輩」

 

喫茶店の中に入ると未柚ちゃんが出迎えてくれた。

それにしても中が凄く広いにゃ~

 

「ご希望の席はありますか?」

「凛はどこでも。かよちんは?」

「あ、じゃあカウンターで」

「ではご案内します」

 

凛達は案内されたカウンター席に座る。

あっ、この椅子、座り心地が良くて

ふかふかだにゃ~♪

 

「こちらがメニュー表になります」

 

未柚ちゃんから受け取った

メニュー表の中身を見る。

なんか色々な品が書いてあるにゃ。

ところで『Zなんとかさん』ってどんなのだろ?

凛の思ってた事が顔に出ていたのか……

 

「あぁ、それは穂乃果先輩のお気に入りの品ですよ」

「穂乃果ちゃんの?」

「普段はあまり注文される事はないですけどね?」

「そ、そうなの?」

「はい」

 

うーん、穂乃果ちゃんが気に入った品なら

きっと凄いに違いないにゃ!

……多分。

 

「あ、あの未柚ちゃん……」

「なんですか、花陽先輩?」

「お、お米を使った品はあ、あるかな?」

「お米ですか?」

 

かよちんはアイドルと同じくらい

お米が好きなんだにゃ~。

お米とアイドルの話になると饒舌に

なるけどね?

…あ、そうだ!

 

「未柚ちゃん、ラーメンってないのかにゃ?」

「作ろうと思えば作れますよ?」

「じゃあ凛はラーメン!!」

「かしこまいりました。700円ですがいいですか?」

「問題ないにゃ~♪」

「花陽先輩は何かご希望はありますか?」

「えっ、えっと何でもいいの…?」

「はい」

「じゃ、じゃあ、おにぎりを……」

「300円になりますがいいですか?」

「お、お願いします。」

 

やったにゃー♪

ラメーンが食べれるにゃー♪

 

「かしこまいりました。他にはございますか?」

 

未柚ちゃんが他に注文する品はないかと

聞いてきた。

うーん、じゃあ凛は……

 

「Zなんとかさんを1つくださいにゃ!」

「凛先輩、どの形態にしますか?」

 

うーん、5種類近くあるみたいだけど

どれにしようかな?

あ、じゃあこれにするにゃ♪

 

「ぷにちゃんフォルムにするにゃ」

「花陽先輩はどうしますか?」

「じゃ、じゃあ凛ちゃんと同じで……」

「かしこまいりました。」

 

そう言うと未柚ちゃんは

厨房に向かって行った。

 

「それにしてもお客さん凛達だけみたいだね?」

「うん、他にどんな人が来てるんだろう…?」

 

凛とかよちんは

穂乃果ちゃんから聞いたくらいだし…

 

「色々な人ですかね、この店にご来店してくれるのは」

 

すると注文の品を持ちながら

未柚ちゃんがやってきた。

ラーメンの器を頭に乗っけてるにゃ…

 

「こちらが特製ラーメンになります」

「こ、神々しい感じがするにゃ……」

「そしてこちらが特製おにぎりになります」

「こ、これはまさか黄金米!?」

「あ、冷めない内にどうぞ」

「「い、いたただきます……」」

 

とりあえず一言聞いて欲しいにゃ!!

未柚ちゃんが作ってくれた特製ラーメンは

めちゃくちゃ美味しかったにゃ。

かよちんも特製おにぎりを食べた時は

目を見開いてたんだにゃ!!

ここ本当に喫茶店だよね!?

余談なんだけど食後のデザートに頼んだ

『Zなんとかさん、ぷにちゃんフォルム』は

見た目が凄く可愛かったにゃ~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は凛ちゃんの視点で
執筆しました。
上手く表現できたか不安でしたが
誕生日記念に間に合って良かったです。
次回もよろしくお願いします。


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第111話 夜の少女の独白

ゆるポメラです。
今回で『冬休み編』は最後になります。
内容は2期が終わった後の
オリジナルストーリーに
必要な前書き?のような感じです。
なので短いかもしれません(土下座)
少しだけ暗い雰囲気があるかもしれません。
視点は読者の皆様で誰だか当ててみてください。
…サブタイで誰だか分かっちゃうかも(苦笑い)

それではどうぞ。




大切な彼と会った後、

私は元の場所に戻って来た。

 

「……」

 

空を見上げると暗い。

この街は常に夜。

更に言うなら住んでる人も少ない…

 

「…そっちの方が楽なのよね」

 

私は騒がしいのは

あんまり好きじゃない。

だからこういう静かな街の方が落ち着く…

そう思いながらも慣れた足取りで

歩こうとした時……

 

「お姉様、お帰りなさい…」

 

妹が出迎えてくれた。

雨が降ってるのにも関わらず、

愛用の番傘を差しておらず

手に持ったままだった。

 

「…差さないの?」

「いえ、このくらいは平気です」

「変なところで几帳面ね、あなたは……」

「それは、お姉様も同じでしょう?」

 

2人で歩きながら会話をする。

今日は大降りでもないから私も傘は差さない。

 

「「……」」

 

会話する話題が途切れ

私達2人は黙ったまま……

妹を横目で見ると何処か虚ろな表情を

していた。

私は溜息を小さく吐きながらも

話を切り出す事にした……

 

「…()()の事、考えてたでしょ」

「…っ!!」

 

その名前を出した途端、

妹の表情が一瞬だけ変わった。

それを見逃さなかった私は追い打ちをかける。

 

「あの子、泣いてたわよ」

「…えっ!?」

「表情には出てなかったけどね」

「そう、ですか……」

 

そう言うと妹は

俯いてしまった。

 

「あの、お姉様……」

「なに?」

「私も行くべきだったのでしょうか……」

 

未だに私と一緒に行かなかった事を

後悔している妹に……

 

 

ーーピシッ!!ーー

 

 

 

「痛ッ!?、何するんですか!!」

「デコピンだけど?」

「そんな事を聞いてるんじゃありません!!」

 

頬を膨らませながら

涙目で私に訴えてきた。

もう何年も見慣れたので軽く流す。

私は懐から手のひらサイズの箱と

手紙を取り出す。

 

「はい、コレを渡しとくわね」

「これは一体なんですか?」

「心結から預かったのよ、あなたにプレゼントだって…」

「あっ……」

 

会わせる顔がないって言ってたけど

本当は、この子だって会いたいって思ってる事は

ずっと分かってた。

 

「先に帰って手紙でも読んでなさい」

「で、ですが……」

「い・い・わ・ね?」

「は、はぃ……」

 

こう言わないと妹は手紙を読まないだろう。

 

「…じゃ、私はもう少し散歩してくるわ」

「分かりました。お気をつけて……」

 

妹と別れた私は、

もう少し歩く事にした。

と言っても大した建物なんて無いけど……

 

「雨、強くなってきたわね……」

 

別に雨に打たれるのは嫌いじゃない。

何もかも忘れられるから……

 

 

 

ーーパシャ、パシャ……ーー

 

 

 

 

そう考えてた矢先、

微かにだけど足音が聴こえた。

この足音は恐らく……

 

「帰ってたの?」

「たった今ね」

 

グレー色の髪色、

そしてトサカのような独特の髪型が

特徴の()()()は私に尋ねてきた。

なので私はいつも通りに返答する。

 

「あなたも今帰り?」

「そんなところね」

 

だいたい私達は、

こんな感じだ。

別に仲が悪いって訳じゃない……

 

「時間あるなら、そこの店に寄らない?」

「いいけど急にどうしたの?」

 

私の急な誘いに若干の驚きの表情をした

その子は聞き返してきた。

確かに私から言うなんて事は滅多にないからね……

 

「さぁ、なんでかしらね?」

 

 

 

私がそう答えると、

その子は苦笑いしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
今回は独白みたいな感じを出してみました。
次回は、2期第10話『μ's』の回を
執筆したいと思います。
頑張りますのでよろしくお願いします。


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第112話 初詣に行こう

ゆるポメラです。
更新が遅れてしまい申し訳ございません。
今回から、2期第10話『μ's』の回になります。
視点は、ことりちゃんになります。

それではどうぞ。


えっと、こんばんはでいいのかな?

南ことりです。

私は今、海未ちゃんと2人で

ゆーくんの家に向かっています。

 

「…あの、ことり?」

「どうしたの?」

「悠里君、大丈夫でしょうか…」

 

海未ちゃんが言ってる意味は、

12月12日に、ゆーくんが行方不明になった時の事。

あの日、最終的に海未ちゃんが見つけてくれたけど、

ゆーくんは具体的な内容は話さないまま、

私達6人に心配かけてごめんと謝ってきた。

 

「そうだと思いたいかな…、ことりも……」

 

そう考えてる間に

ゆーくんの家に着きました。

 

「あれ?、インターホンってどれなのかな?」

「あ、確かにそれらしき物が見当たりませんね……」

「ゆーくんに聞いてみるね?」

 

私は携帯電話を取り出し

メールを打つ。

すると中から足音が聞こえ玄関が開いた。

 

「ことちゃん、みーちゃん。明けおめ……」

「悠里君、まだ明けてませんよ?」

「…癖でつい」

 

そういえば小さい頃も

ゆーくんは、お正月が近くなると

「お餅食べたい」って言い出してたっけ…

それで藍里さんに気が早いって言われていたのを

見た事があったなぁ~

 

「…準備できてるから、ほのちゃんの家に行こ?」

 

そうなんです。

実は今から穂乃果ちゃんの家に行って

みんなで初詣に行こうってなってるの♪

 

「ほのちゃん、こたつで寝てたりして…」

「「流石にそれは……」」

 

あれ?

なんかあり得そうな光景しか浮かばないのは

何でなんだろうね?

そんなこんなで私達3人は穂乃果ちゃんの家に

向かう事にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー移動中にてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば悠里君」

「…どしたの?」

「さっきインターホンが見当たらかったのですが…」

 

海未ちゃんが気になったのか

ゆーくんに聞いていた。

すると……

 

「…壊れたから修理してる」

「「えっ!?」」

「だから代わりにベルみたいな物で代用しようかなって……」

 

でもそれっぽい物が見当たらなかったけど……

私の言いたい事が分かったのか、

ゆーくんは何気ない表情をしながら……

 

「疲れて寝ちゃった。さっきまで」

「ゆーくん徹夜してたの…?」

「悠里君、何日くらい寝てないんですか…?」

「…2人共、目が怖いよ?」

 

うん♪

これは穂乃果ちゃんにも伝えないと♪

 

「あ、ほのちゃん家に着いたよ?」

 

…ゆーくん、さり気なく

話を逸らしたよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明けましておめでとう!」

 

えっと、穂乃果ちゃんの家に

着いたんだけど……

 

「穂乃果……」

「まだ明けてないよ?」

「じゃあ、良いお年を?」

 

いや、それは……

 

「ほのちゃん、それは別れの挨拶……」

「あれ?、そうだっけ?」

 

ここで私は気になった事が……

 

「ところで穂乃果ちゃん、その格好で初詣に行くの?」

「へっ?、ご、ごめんごめん。すぐ着替えてくるからー」

 

そう言うと穂乃果ちゃんは

出かける支度をしに慌てた様子で

階段を上がって2階に向かいました。

 

「全く、今年も最後まで穂乃果は穂乃果でしたね……」

「…きっと来年もだと思うよ」

 

海未ちゃん、ゆーくんが

溜息を吐きながら言いました。

あはは……

 

「…あっ」

「ゆーくん?」

 

ゆーくんが携帯電話の画面を見ながら

驚いた表情をしていたので

どうしたのかと思い

海未ちゃんと2人で

ゆーくんの携帯画面を見てみると……

 

 

 

 

 

 

 

 

1月1日 00:00

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「年が……」

「明けちゃった……」

「あはは……」

 

ゆーくんの苦笑いだけが

この場を支配していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回に続きます。
短くなってしまい申し訳ありません…
次は少しだけオリジナルにしようと思います。
内容は浮かんでますので、
早くても今週中には投稿できると思います。
余談ですがポケモンS(サン)楽しいです。
島巡り大変だなぁ…
主ポケモンが仲間を呼んだ時はビビりました。
アレ絶対、初見殺しの一つですよ!
とまぁ愚痴はさて置き、
次回も頑張りますのでよろしくお願いします。


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特別編 悠里の誕生日

ゆるポメラです。
お待たせしてしまって申し訳ありません……
今回は日付に合わせて
主人公である悠里の誕生日を執筆しました。
悠里のプロフィールの誕生日に合わせて投稿したかったもので…(苦笑)
時系列ですが、第95話『12月12日 夜』のラストからです。
これを機にもう1度『悠里の誕生日編』を読んでもらえたら
嬉しいです。
それから今回の視点ですが海未ちゃんになります。

それではどうぞ。



悠里君を無事に見つけた後、

私達は神田明神の広場に戻って来た。

 

「ねぇ、みーちゃん」

「はい?」

「…ちょっと待っててもらっていい?」

「は、はい……」

 

そう言うと悠里君は、

先程、私達が入った場所に向かって

魔法使いがよくやる杖を振るような動作を

3回くらいやっていた。

 

「…()()1()()()良し」

「悠里君、今の動作は何ですか?」

「…()()()()みたいな物だよ。全部で2()()あるんだ」

「あの、2つ目は……?」

 

さっきの言い方だと

暗証番号は全部で2()()あり、

その内の1つ目を悠里君がロックしたという事。

あと1つが気になったので聞いてみると……

 

「2つ目は心結が持ってるよ」

「そうなんですか?」

「…僕が言えるのはこれだけだから」

 

そう言うと悠里君は黙ってしまった。

つまり、これ以上の事は出来れば聞かないでほしい

と私は感じました。

 

「…これからどうする?。みーちゃんが帰るなら送ってくけど……」

「そうですね…、ってそうじゃありません!!」

「…あの、なにが?」

 

悠里君に言われたので

どうしよかなと考えていましたが肝心な事を

忘れていました!!

今日は悠里君の誕生日で穂乃果達と一緒に

悠里君の事を祝おうと思ってたのに…

色々ありすぎて危うく家に帰ろうとしちゃったじゃないですか!!

 

「今から穂乃果達と合流しますよ!」

「…ほのちゃん達と?」

 

敢えてその後の内容を言わなかったのは

私の勘です。

何故か穂乃果達と合流してから内容を言えと

頭の中で言ってるんです。

 

「悠里君、早く行きますよ!!」

「…それ以前に何処に行くの?」

「穂乃果達には公園で待てと連絡しておきましたので」

「…みーちゃん、そのメールいつ打ったの?」

「ここに来る前ですよ♪」

 

実は万が一の時は、

公園で待っているという連絡を

ティアに経由してもらったんです。

我ながら策士ですね♪

 

「さぁ悠里君♪。行きますよ♪」

「……はい」

 

悠里君の手を繋ぎながら私達は

穂乃果達が待つ公園に向かう事にしました。

 

 

 

 

 

 

ーー移動中にてーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ねぇ、みんな怒ってた?」

「少なくとも穂乃果と花怜は怒ってましたよ?」

「…て事は、ルーちゃんも怒ってるよなぁ」

「瑠菜がですか?」

「……うん」

 

そういえば電話で瑠菜が

いつもとは違った口調で喋ってたような……

そうじゃないような……

 

「ルーちゃんから腹パンされる事、覚悟しとこっと……」

「あの、瑠菜がそんな事をやるイメージがないんですが……」

「実は今日みたいな事を去年もやってさ……」

「それは悠里君が悪いです」

「…はい」

 

ここに来る途中にティアが言ってましたね。

中学時代の誕生日に悠里君は

毎回同じ事をしたと…

 

「…みーちゃん。僕、帰っちゃダメ?」

「ダメです」

 

この後も悠里君に見逃して?と

涙目でお願いされましたが

私は何度もダメと言いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー公園ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆーくん!。海未ちゃん!」

 

公園の広場に着くと

私達に気づいたのか

ことりが近づいて来ました。

 

「ゆーくんのバカッ!!!、心配したんだよ!?」

「…ご、ごめんなさ……」

 

悠里君がことりに

謝ろうとした次の瞬間……

 

 

ーードコッ!!!ーー

 

 

 

「「!?」」

 

悠里君が何かにふっ飛ばされ

砂場の方まで叩きつけられてしまいました。

一体誰がと思った私は後ろを振り向いた。

そこにいたのは……

 

「ティ、ティア……?」

 

ティアだった。

表情は普段と変わってませんでしたが

付き合いの長い私には分かる。

完全に怒っていた。

 

「…()()()()()()()()()って酷くない?」

「あら。私は加減したつもりだけど?」

「…わぁー、ティアちゃん優しいー……」

「全く…。次はないからねユーリ?」

 

そう言うとティアは悠里君の傍に行き

手を差し伸べて悠里君を起こす。

 

「あ、そうだ。ユーリ?」

「…なにさ?」

()()。気をつけた方がいいわよ」

「…は?」

 

ティアに意味深な言葉を言われた

悠里君が後ろを振り向こうとした時……

 

「ゆうくん~♪」

「…ル、ルーちゃん……?」

 

そこには笑いながら仁王立ちしている瑠菜がいました。

ちょ、ちょっと待ってください!?

あれは本当に瑠菜なんですか!?

凄く怖いんですけど!!

 

「ねぇ~、ゆうくん~?」

「…は、はい」

「わたし去年も言ったよね~?」

「…あの、その、これは……」

 

なんですかアレは!?

温厚な人間が怒った時が一番怖いと聞いた事が

ありますが瑠菜の場合が正にソレです。

気のせいか背後に般若の顔が視えるのは私の気のせいだと

思いたいです……

 

「てな訳で~、え~い♪」

 

 

ーードッコーン!!!ーー

 

 

 

瑠菜が拳を振り上げた瞬間、

悠里君は私とことりがいる位置まで

吹っ飛んできました。

 

「ゆーくん大丈夫!?」

「コトリ、放っておきなさい」

「ティア、もしかしてまだ怒ってます?」

 

心配することりに対して

辛辣な事を言うティア。

私が見る限りだとまだ怒ってますね。

 

「…はぁ。生きてるだけまだマシか」

 

すると悠里君が起き始めました。

だ、大丈夫なんでしょうか……?

 

「ゆうくん~、あと1()()()残ってるからね~?」

「…ルーちゃん?。な、何を言って……」

「花怜ちゃん~、穂乃果ちゃん~」

 

すると何処からか……

 

「ゆうちゃんの……」

『ゆうり君の……』

「…おかしいなぁ?。僕の背後から聞き覚えのある声が……」

「『ばかぁー!!!』」

 

穂乃果と花怜がロケットのように

悠里君に向かって体当たりをしました。

 

「…………」

 

あの、悠里君から声がしないんですが

死んでませんよね!?

 

「ゆうちゃんのバカバカ!!!、おたんこナス!!!」

『ゆうり君のバカ!!、本当に心配したんだからね!!!』

「…ご、ごめんなさい………」

「『許す!!』」

 

穂乃果、花怜。

今のやり取り軽く感じたのは

私だけでしょうか……?

 

『ゆうり君も反省した事だし、それじゃあ……』

 

花怜が私達に合図を送ってきたので

その場に座り込んでいる悠里君に向かって……

 

 

「ゆうちゃん!」

 

 

『ゆうり君!』

 

 

「ゆーくん♪」

 

 

「ゆうくん♪」

 

 

「ユーリ」

 

 

「悠里君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「『お誕生日おめでとう!』」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ありがとう///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして12月31日の夜……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっ♪」

「海未ちゃん、どうしたの?」

「いえ。悠里君の誕生日パーティーの事を思い出して」

 

あの後みんなで

悠里君の家で誕生日パーティーをやったんです。

穂乃果と花怜がはしゃいだり、

ことりと瑠菜が作った料理を落としそうになり

私とティア、悠里君の3人で止めたりと

小さい頃のように7人で楽しく過ごしたように感じた。

 

「ゆーくん、楽しんでくれたかな?」

「ことりも見たでしょう?」

「うん♪」

 

 

 

あの日。

私達3人は見た……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君の……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嬉しそうな笑顔を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(来年も7()()で過ごしたいです。この先もずっと……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思いながら

私とことりは悠里君の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




この度は読んでいただいてありがとうございます。
こんな作者ですが次回も頑張って執筆しますので
これからもよろしくお願いします。


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第113話 孤独な少女

ゆるポメラです。
今回はオリジナルが入ってます。
内容は2期が終わった後の今後の
ネタバレ要素があるので
詳しくは言えないのですが内容が少し暗いです。
視点も自分の口から言えませんね……(目を逸らす)
読んでいただいてる内に
口調で分かってしまうかもしれませんが……

そ、それではどうぞ。


12月31日……

今年も終わってしまった。

 

「寒いなぁ……」

 

思わず()の口調で喋ってしまった。

認めたくないけど事実なんだから仕方ない……

 

「初詣かぁ……」

 

前の自分だったら

はしゃいだりして、お願い事とかを

してたと思う……

でも今は、それはしない。

というより()()()()()が正しい。

 

(また、会いたいなぁ……)

 

ふと浮かんだのは私の意中の相手。

彼は優しくて自分の事よりも他人を優先する。

友達の為だったら平気で無茶をする……

最近分かったのは自己犠牲が酷い事。

だから私は毎回思う……

 

「どうして気づくのが遅いのかな……」

 

()()()だってそう……

少しでも違和感に気づいてあげれたら……

彼は助かったのかもしれないのに……

 

「嫌な子だよね、私……」

 

ダメだ。

どうしても()の口調になってしまう……

私はある時を境に自分を捨てた。

何もできない無力な自分に嫌気がしたから……

 

「…傘、持ってくるの忘れちゃった……」

 

雨が降っているのにも関わらず

今更な事を言う私。

でもレインコートを着てるから

気にする事でもないんだよね……

そう思っていたら目的地に着いていた。

 

(こんなところに来る人なんて私だけだもんね……)

 

私が足を運んだのは墓地。

雨が降っているせいもあってか

余計に暗さが漂わせてる。

 

(いつもそうだよ……)

 

ここに来る度、

毎回、土砂降りの雨になる。

何かの本で読んだ事がある。

きっと誰かが泣いてるんじゃないかって……

あながち間違ってないかもしれない。

時々そう聞こえる感じがするから……

 

(やっぱり辛いよ……)

 

目的の場所が近づくにつれ

そう思ってしまう。

私、やっぱり精神面が弱ってるのかな……

そして目的の墓前に辿り着く……

 

()()()()()()()()()()()……」

 

もう何年前になるんだろう……

私の大切な友達が()()()しまってから……

…それなのに私はのうのうと生きている。

 

「…あのね、()()()()に逢えたんだよ?

音ノ木坂の制服を着て転入して来て、私達3人と同じクラスになって……

そ、それでね?。そこでは廃校になるって、お母さんが言って…

そしたら穂乃果ちゃんがスクールアイドルをやろうって言いだして……」

 

雨が降り続く中、

気づけば私は今年あった事を2人に

語りかけていた……

 

「穂乃果ちゃんらしいよね?。海未ちゃんも誘ったんだけど

そんな事をしても生徒は集まらないって言うんだよ?

でね?。ゆーくん何て言ったと思う?

『3人共、可愛いんだし似合うと思うよ。アイドル』って言ってくれたの。

それで衣装は私は作ったんだよ?

作詞は海未ちゃんで……」

 

2人が今ここにいたら

どんな顔をするだろう……

…うぅん。2人だけじゃない……

 

「そ、それで…ね?。私達、ゆーくんの事すら忘れていたんだ……

酷いよね?。あれだけ遊んだのに……

わ、私なんてね?、知らない間に治療代とかを全部、ゆーくんが払ってくれて…

その事を今年知った……。

…ひっく!!。あ、あとね……、ゆーくん声が出ないんだって……

ゆーくん、高校を卒業したら自分の存在価値について考えたいって言いだして…

…このままじゃ、ゆーくんが死んじゃうよぉ……」

 

時間が無いのも事実だった。

今まで強がってたけど限界だった……

一番辛いのは彼の筈なのに涙が止まらない……

 

 

 

 

 

「もぅ…1人はイヤだよぉ……」

 

 

 

 

 

 

お母さんもいない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親友の瑠菜ちゃんも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果ちゃん、海未ちゃんも失い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして私が大好きだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆーくんでさえも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界で私は1人ぼっちだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
それと内容が短くて申し訳ありません……
次回は本編に入りたいと思います。
あ、こ、今回の話もそうですよ!?(焦り)
皆さん、体調には気をつけてください。
次回もよろしくお願いします。


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特別編 μ'sのクリスマス

ゆるポメラです。
皆さん、メリークリスマスです。
今回の内容はワイワイ騒ぐ内容になってます。
時系列は2期10話が始まる前の話ですね。…多分。
楽しんでいただければ幸いです。
ちなみに視点は海未ちゃんになります。
今回のスクフェスのイベントの海未ちゃんと
穂乃果ちゃんの衣装可愛いですよね。
…自分も頑張って1枚だけでも取れるように頑張ルビィ!!

それではどうぞ。



こんばんは。

園田海未です。

今日は12月24日、クリスマスです。

私達μ'sは未柚ちゃんが営む喫茶店『月見屋』に来ています。

それで今はみんなで店内の飾り付けをやっています。

 

「未柚ちゃん、急にすみません…」

「何がですか?」

「穂乃果が貸切にして欲しいと頼んでしまって…」

 

実はここに着いた瞬間、

穂乃果が未柚ちゃんに貸切にできないか?と

無理難題を言ったのが始まりでした。

私と絵里が注意したのですが穂乃果はどうしてもやりたいと

駄々をこね始めたので未柚ちゃんに何とかならないかと

お願いしたら、アッサリとOKしてくれたのです。

そして今に至ります。

 

「まぁ、毎年恒例なので大丈夫ですよ」

「そうなんですか?」

「あと30分くらいしたら原因が分かりますので」

「はぁ……」

 

一体どういう意味なんでしょうか……?

この後、私達2人も飾り付けの手伝いを

する事にしました。

 

 

 

 

 

ーー30分後ーー

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「終わった~…」」」」」」」」」

「皆さん、お疲れ様です。パーティー前ですが」

「穂乃果、疲れたよ~……」

「提案したアンタが何言ってんの!?」

 

店内の飾り付けが終わり

穂乃果が発言したのがコレです。

にこの言う通り提案したのはあなたでしょう?

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

誰かが来店したみたいです。

未柚ちゃんを見てみると私が言いたい事が

分かったのか……

 

「先程の話の方ですよ」

 

すると入ってきたのは……

 

『こんばんはー♪、ってあれ?』

「ふえ~、店内が凄いことになってる~」

「ミユ、これはどうゆう事?」

 

花怜、瑠菜、ティアの3人でした。

 

「穂乃果先輩が花怜お姉様と同じ事を言い出したので今に至るという訳です」

「ホノカ……、あなたもなのね。予想はしてたけど…」

 

未柚ちゃんが理由を説明すると

ティアは頭を抱えながら呆れていました。

あ、そうゆう事ですか…

つまり花怜が原因だったんですね……

 

『ほらー、穂乃果ちゃんだって私と同じ考えだって言ったでしょ(`・ω・´)』

「わーい!、花怜ちゃんが穂乃果の味方だー♪」

 

イエーイとハイタッチをしながら

喜ぶ花怜と穂乃果を見たティアは……

 

「この2人の相手をするのは疲れるわ……」

「ですね…、私とティアだけが苦労するだけです」

「『なんでー!?』」

 

なんでじゃありません!!

穂乃果と花怜は昔からそうです。

なんの突拍子もない事を突然言い出すじゃないですか!!

そのせいで私とティアの苦労が増えるんですよ!?

慣れたとはいえ何とかして欲しいものです……

 

「あれ?、ゆーくんは一緒じゃないの?」

「ゆうくん~?、遅れて来るって言ってたよ~?」

 

ことりが悠里君がいない事に気づきました。

すると瑠菜は遅れて来ると言いました。

 

「では悠里お兄様が来るまでの間、準備でもしましょうか」

 

未柚ちゃんが両手をパンと叩きながら言いました。

 

「ミユ、準備って料理の方?、それとも遊ぶ方?」

「愚問ですねティアお姉様?、遊ぶ方に決まってるじゃないですか」

 

未柚ちゃんはドヤ顔をしながら

ティアに言いました。

何して遊ぶのでしょうか……?

 

「っとその前にシャンパンの在庫の確認してきます」

「未柚ちゃん、それなら私が持って来たからコレ使って?」

「こんな高級な物をありがとうございます。真姫先輩」

 

真姫は持って来たクーラーボックスのような物を

未柚ちゃんに渡しました。

それを受け取った未柚ちゃんは中身を見ると目をキラキラしながら

真姫にお礼を言いました。

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

「…こんばんは…って店内がやけに豪華…」

 

そう言いながらやって来たのは悠里君でした。

店内の飾り付けが凄い事に驚いているようです。

 

「悠里さん来るの遅いにゃー!」

「ゆうちゃん遅い!」

『5分のロスタイムだよ、ゆうり君!』

 

凛、穂乃果、花怜が悠里君に来るのが遅いと

抗議の声を上げていました。

 

「悠里お兄様、今から()()()()()を皆さんでやるのですが…」

「…僕は良いけど、今からやるの?」

「はい。今回も未柚が仕切らせてもらってもいいですか?」

「…そうしてもらえると僕も助かる」

 

あの…()()()()()ってなんですか?

凄く気になったので私は悠里君の隣に行き……

 

「悠里君、()()()()()ってなんですか?」

「…すぐに分かるよ」

「皆さん、お待たせいたしました。」

 

すると未柚ちゃんが割り箸が13本入ったケースと

トランプの束のような物を持ってきました。

 

「では、第4回チキチキ『未柚ゲーム』を始めたいと思います」

『いえーい♪、パチパチパチパチ♪』

「いえ~い♪」

「今年もやるハメになるのね、ユーリ?」

「…何故か恒例行事になってるよね」

「「「「「「「「「未柚ゲーム?」」」」」」」」」

 

一体どうゆうゲームなのでしょう……

何故か未柚ちゃんの名前が入ってるのが気になりますが……

 

「ルールですが基本は王様ゲームと同じです」

「基本って事はもしかして指示する内容が違うん?」

 

未柚ちゃんのルール説明に気になった事があったのか希が聞く

 

「希先輩の仰る通り、通常は王様になった人が番号を指定して内容を言う物ですが、このゲームの特徴は王様になった人が番号を指定した後、その指定された人が未柚の書いた指令の束から1枚選んで書かれてある事を()()()以外の番号を指名して指名された人と一緒に行うという極めて公平なゲームです」

 

つまり言い方を変えると2()()が犠牲になるゲームですか……

確かに1人で恥ずかしい内容をやるよりは……

 

「未柚は指示書の内容が全て分かってますので今回はシャッフルする係をやらせて頂きます。なので今回のプレイヤーは13人ですね」

 

未柚ちゃんなら公平感がしますね……

 

「では皆さん、好きな割り箸を取ってください。♔マークが入ったのが王様です」

 

未柚ちゃんの掛け声に合わせて私達は一斉に

割り箸を引きました。

 

「1回目、王様はどなたですか?」

 

私が引いた番号は6番みたいですね。

 

「わ、私です……」

 

最初の王様は花陽みたいです。

すると未柚ちゃんは指令が書かれている束を

目にも止まらない速さでシャッフルし始めました。

は、速過ぎます……

 

「では花陽先輩、お好きなカードを引いてください」

「じゃ、じゃあ……これ!」

「では内容を……『チョコレートケーキを食べる』ですね」

 

あれ?

比較的に優しい内容ですね……

 

「花陽先輩、番号指定をお願いします。」

「えと……、9番の人」

「ハラショー!、私だわ」

「では絵里先輩は花陽先輩とチョコレートケーキを食べて一回休みです」

 

なるほど。

こうゆうゲームなんですね……

 

「2回目。王様はどなたですか?」

 

私のは……

あの、番号ではなく♔マークが書かれてるんですが……

も、もしかして私が王様ですか!?

 

「私です……」

「では海未先輩、お好きなカードを引いてください」

「は、はい……」

 

うぅ~……

一体どんな事が書かれたカードを引いてしまうか怖いです。

 

「このカードでお願いします!!」

「では内容を…………」

 

あの未柚ちゃんが黙ってしまったのですが……

はっ!?、まさか私良くないやつを引いてしまったのでは!?

 

「ティアお姉様と同じ内容ですね……」

「まさかミユ………」

「何ですか!?、早く教えてください!!」

「ウミ落ち着きなさい。()()()()ラッキーな指示よ」

 

ある意味ラッキーって何ですかティア!?

ティアも経験した事がある内容ぽいみたいですし……

 

「では発表を……、『悠里お兄様と1時間、手を繋ぐ』です」

 

ゆ、ゆゆゆ、悠里君と手を繋ぐ!?

しかも1時間もですか!?///

 

「ウミ、頑張りなさい。私も昔やったんだから」

「「海未ちゃんいいなぁ……」」

 

穂乃果、ことり。

確かに羨ましい気持ちも分かりますが

指名された側としては恥ずかしいのですよ!?

2人きりならまだしも、みんなの目の前でやるなんて……///

 

(ええい!、覚悟を決めるのです園田海未!!)

 

そう決めた私は

悠里君が座ってる場所まで行き

手を繋ぎました。

 

「では悠里お兄様と海未先輩は今から1時間、そのまま行動という事で」

「…ん。分かった。ルールだしね」

「それ以前にウミは大丈夫かしら?」

「うぅ……///」

『大丈夫なんじゃないかな?』

 

この後の1時間、

私は顔を赤くしながら無言だったと

穂乃果とことりから聞きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様でした。ではパーティーを始めましょうか」

 

あの後、ゲームを続けたのですが

けっこう疲れる物だと実感しました。

主に精神的にですけど…

 

「本日のメニューはコレになります」

 

未柚ちゃんが持ってきたのは

海の幸の素材が鍋に沢山入った謎の料理でした。

な、何ですかコレは……

 

「…未柚ちゃん、これ()()()()だよね?」

「ご名答です。悠里お兄様」

「ミユ、今年も作ったのね……」

「運が良かったんです」

 

よく見たらアワビやら金目鯛、しかも熊の爪?

みたいな物まで鍋に入ってます。

口に入れても平気なのでしょうか………

 

「沢山作りましたので、おかわり自由ですよ?」

「ゆうくん~、早く食べよ~♪」

「…じゃ、いただきます」

「「「「「「「「「い、いただきます…」」」」」」」」」

 

少し不安でしたが

食べてみたら凄く美味しかったです。

今年のクリスマスは楽しい1日になりました。




今回『サンシャイン!!』で
出てきた例の料理を出してみました。
個人的見解なんですが、あの料理って
冬向きの料理な気がするんですよねぇ…
次回は本編を執筆したいと思います。
それでは皆さん、楽しいクリスマスを!です。


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第114話 キャッチフレーズ

ゆるポメラです。
本編の内容になります。
少し短いかもしれません。

それではどうぞ。


初詣に行き終わった

その日の昼。

今日は午後から練習があるので

僕は玄関で靴を履いて準備をしていた。

ここで僕はある事を思い出す……

 

『あと3ヶ月もないんだよね3年生……』

 

初詣の時に花陽ちゃんが言ってた言葉だ。

絵里さん、希さん、にこさんの3年生は残り3ヶ月も

しない内に卒業してしまう事だった。

この話はラブライブが終わるまでしないと僕達2年生と

1年生で決めたのだ。

 

(ほのちゃん、どうするんだろ……)

 

ほのちゃんは3年生の分まで頑張ろうと

言ってたけど本当は……

そう考えた僕は学校に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

ーー屋上ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「…自由って事は選曲も?」

「はい。それに歌だけじゃありません。衣装も踊りも曲の長さも基本的には自由です」

 

僕達は準備運動していると

みーちゃんと花陽ちゃんが本戦のルール説明を

してくれた。

 

「全代表が1曲ずつ歌い、会場とネット投票で優勝者を決めるという、実にシンプルな方法です」

「…分かりやすいね。色々と」

「それで出場グループの間では、大会までにいかに印象づけておけるかが重要だと言われてて……」

 

花陽ちゃん曰く、

本戦までに各出場グループがどのような印象づけるかで

勝率が変わるとの事。

 

「それどころかネットの視聴者はお目当てのグループだけを見るってことも多いわ」

「確かに…全部見るのは辛いかも」

 

にこさんの言い分に、ことちゃんが答える。

まぁこのご時世ネットでも投票できるようになってるし……

すると今度は、みーちゃんが……

 

「私達μ'sはA-RISEに勝って、現時点では他のグループより目立ってはいますが…」

「それが3月の本大会の時には、どうなってるかってことやね…」

「でも事前に印象づけておく方法なんてあるの?」

 

ほのちゃんの問いかけに花陽ちゃんは……

 

「はい、それで一番大切だと言われているのが………」

 

この時点で僕は花陽ちゃんが

何を言おうとするのか理解した。

それは……

 

 

 

 

ーー部室ーー

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「キャッチフレーズ?」」」」」」」」

「はい!出場グループはこのチーム紹介のページに自分たちのキャッチフレーズを付けることが出来るんです」

「…花陽ちゃん、なんかお手本になるグループのキャッチフレーズってない?」

「あ、はい。ちょっと待っててください、ええと……」

 

なんで僕がこう言ったかというと

μ'sの場合は一言で表す言葉が見当たらないからだ。

 

「悠里さん、コレなんてどうでしょう?」

「…あ、これならいいかもね。」

「ゆうちゃん、どんなの?」

 

ほのちゃんが聞いてきたので

僕は近くにいた、みーちゃん、ことちゃんの

3人にパソコンに表示されているグループ名のキャッチフレーズ

を見せる。

 

「『恋の小悪魔』?」

「『はんなりアイドル』……」

「『with 優♡』…」

 

僕も見た時に思ったけど、

個性を体現したキャッチフレーズだなぁと思った。

よくこんなの思いつくよね……

 

「当然、うちらも付けておいた方がいいやね」

「はい。私達μ'sを一言で言い表すような……」

「μ'sを一言で表すかぁ~……」

 

まぁこの難題は、

ほのちゃん達が考えなきゃいけないから

僕は深く言えないんだよね……

 

 

 

 

 

 

 

 

「μ's、μ's……、う~ん…」

 

あの後、練習が終わり

僕、ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんの4人で

帰ろうとしているのだが……

 

「あっ!、石鹸じゃない!」

「当たり前です」

「9人?」

「それも当たり前です!」

 

ほのちゃんがμ'sのキャッチフレーズの案を

言えば、みーちゃんが当たり前過ぎる事に呆れる。

この繰り返しを何度見たか……

 

「もう!!、海未ちゃんも何か考えてよー!!」

「分かってます!、ですが……」

「なかなか難しいよね。みんな性格も違うし1度に集まった訳でもないし…」

 

ことちゃんの言う事も尤もだ。

μ'sの9人は性格も違うし、そもそも最初は

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんの3人でスクールアイドルを

始めたのだから……

 

「でも優勝したいって気持ちは一緒だよ!」

「となるとキャッチフレーズは……」

「みーちゃん、まさか『ラブライブ優勝』とか考えてないよね?」

「悠里君、ごめんない。少し考えてしまいました……」

「…何様だって思われるよね」

「そうですよね……」

 

というかμ'sのキャッチフレーズが

『ラブライブ優勝』ってなんなのさ……

絶対、他のスクールアイドルの人達に喧嘩を売ってるような

感じになっちゃうよ……

そんな事を考えてたら信号が赤から青に変わった時、

誰かがこっちに歩いて来た。

その人物は……

 

「ツバサさん?」

 

A-RISEのリーダーの綺羅ツバサさんだった。

実は初詣の時に会った以来だったりする。

ツバサさんは、ほのちゃんを見るなり……

 

「話があるの」

「えっ?」

 

ほのちゃんは心当たりがないようだ。

僕は何故ツバサさんが()()に来たかは

理由が分かったので……

 

「ほのちゃん、行ってきなよ」

「ゆうちゃん?」

()()()()()()で話してきたら?」

「う、うん……」

「流石は幻のアイドルね…、じゃあ少し高坂さんを借りていくわね?」

 

そう言うとツバサさんと

ほのちゃんは歩き出して行った。

 

「…みーちゃん、ことちゃん。僕らも帰ろ?」

「は、はい……」

「うん……」

 

μ'sのキャッチフレーズかぁ……

この時、みーちゃん、ことちゃんが何かを

話していた事に僕は気づかなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
次回は穂乃果とツバサが話してる間に
海未とことりは何していたのか気になったので
それについての内容を執筆したいと思います。
次回もよろしくお願いします。


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第115話 彼にとっての原動力

ゆるポメラです。
皆さん、明けましておめでとうございます。
今日は『劇場版ラブライブ!』の放送日ですね。
自分が映画館で観たのは公開日最終日に友人に
連れて行ってもらいました。
友人は3回以上も観たそうです。
さて今回は海未ちゃん視点になります。
短いかもしれませんがよろしくお願いします。

それではどうぞ。


園田海未です。

A-RISEのリーダーである綺羅ツバサさん

が穂乃果と話がしたいと言って私達と別れた後、

私とことり、悠里君の3人で帰る事になりました。

 

「ねぇ、海未ちゃん」

「ことり?」

 

ことりが悠里君がいるのにも関わらず

私にしか聞こえない声で話しかけてきました。

一体どうしたんでしょうか……

 

「私達の前に歩いてるのって、ゆーくんだよね?」

「当たり前じゃないですか……」

 

急に何を言い出すのかと思ったら

私達の前に歩いているのは悠里君じゃないような

言い方に聞こえたので私は……

 

「ことり、あなた疲れているんじゃないんですか?」

「そうなのかな……?」

 

今日はキャッチフレーズを考えたり練習をしたりと

大変だったので、そのせいじゃないかと思いました。

ふと悠里君を見てみると……

 

「「……えっ」」

 

私とことりが見たのは()()()()()()()の姿でした。

正確には歩いている後ろ姿は悠里君なのですが、

それと同時に背丈は私達と同じくらいで腰まで伸ばした

漆黒の長髪の女の子の後ろ姿が視えた……

 

「…2人共、どうしたの?」

 

私達が黙ったままな事に

気づいたのか悠里君は、こっちを振り向いて

声をかけてきた。

 

「い、いえ。何でもないですよ……」

「う、うん。ゆーくん、気にしないで?」

 

私達が言うと悠里君は何も言わなかった。

さっきのは一体……

 

「穂乃果ちゃんとツバサさん、何の話をしてるんだろう?」

「…気になる?」

 

それは私も気になってました。

確かリーダー同士で話したい事があると……

悠里君は分かってたみたいですが……

 

「まぁμ'sがA-RISEに勝てた原動力が知りたいってところだと思う」

「「原動力?」」

「…そ。原動力」

「何故、そう思うのですか?」

 

私が問いかけると悠里君は……

 

「最終予選の時、お互い条件は一緒だったでしょ?

努力、練習、それにチームワーク。A-RISEはμ'sより強くなろうと

していた。この場合、プライドって言えば分かるかな……?

だけど負けてしまった。

ここである疑問が浮かぶんだ。

『何故?、どうして?、同じ条件だった』のに……

今頃ほのちゃん、何て答えていいか迷ってる筈だと思うしね……」

 

凄い……

あれだけのやり取りだけで

ここまで推測ができるなんて……

 

「ねぇ、ゆーくん……」

「…なに?」

「えっと…その……」

 

ことりは言いにくそうな表情をしながら

悠里君に何かを聞こうとしていました。

 

「ゆーくんって小さい頃アイドルだったんだよね?」

「…うん。それがどうかしたの?」

「その頃のゆーくんの原動力ってなんなの?」

 

A-RISEに宣戦布告をされた日に判明した

悠里君が『幻のアイドル』だったという事……

そしてアイドル活動期間が1週間だけという事実も。

ことりが言いにくそうだったのは恐らく悠里君を傷つけたら

どうしようという恐怖感からなのかもしれません……

 

「…その話なんだけど長くなりそうだけど平気?」

「うん…」

「みーちゃんは?」

「私も聞きたいです…」

「…分かった。そこの公園でいい?」

 

私達3人は近くの公園に向かう事に

なりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー公園ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はい。ことちゃん、飲み物」

「あ、ありがとう」

「…はい。みーちゃん、お茶で良かった?」

「あ、ありがとうございます」

 

悠里君は私達2人に飲み物を買ってくれました。

ことりには紅茶、私には緑茶を渡してくれました。

 

「…えっと僕がアイドルしてた時の原動力だったけ?」

 

私とことりが頷くと

悠里君は一度深呼吸をしながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()があったからかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大切な子との……」

「約束ですか……?」

「…うん、それがあったから頑張れたんだ」

 

その時の悠里君はどこか

寂しそうに笑いながらも後悔はない。

そんな表情をしていました。

 

「…それとアイドル活動期間が1週間だったのは、

その子の夢を叶えてあげたかったのと個人的なお願いをされたからかな…」

 

つまり悠里君のアイドル活動期間が

1週間だけだったという理由は……

 

「ゆーくん、お願いって何を言われたの?」

「僕が歌ってる姿を見てみたいって……」

 

悠里君が歌ってる姿?

そういえば月ノ丘高のハロウィン祭で悠里君が

ライブをしていた姿を思い出す。

今の話と関係があるのでしょうか……?

 

「それで1週間だけ歌ったんだけど、その次の日に

世間から反感を買っちゃってさ。男が歌うな、アイドルの概念を壊すな、

消えろクズ、とか言い出したらキリがない事を言われちゃって……」

 

悠里君は乾いた笑い声をしていた。

 

「「ひ、酷い……」」

「…それを言ってきたのが、その子の一部の過激なファンと国家の上層部

だったんだ。まぁ大方『気に入らない』って理由が大半だったけど……

それで僕は辞めたんだ。」

 

じゃあその頃から悠里君は……

 

「それで、その子もアイドルだったんだけど私も辞めるなんて

言い出してさ。何でって聞いたら僕がいないアイドル活動期間を

するくらいなら辞めた方がマシだって……

それで最小限の被害で済んだんだ。

だから僕にとっての原動力は『大切な人との約束』かな……」

 

今の話……

何処かで聞いた事があるんですが……

それも最近……

 

「…そろそろ帰ろっか。暗くなってきたし」

 

そう言うと悠里君は帰る支度を始めました。

携帯の時間を確認してみると17時30分になっていました。

 

「ゆーくん、嫌な事を聞いてゴメンね?」

「気にしてないよ。話すタイミングがなかったから寧ろ助かった」

「で、でも……」

 

ことりは自分が聞いた事をまだ気にしていたらしく

その様子を見かねた悠里君は……

 

「ことちゃん、気にしすぎ。」

「ゆ、ゆーくん、髪をわしゃわしゃしないで~///」

「…マイナス思考になる、ことちゃんが悪い」

 

あの、悠里君?

マイナス思考になるって

悠里君も人の事を言えないのでは……?

 

「もぅ~!、海未ちゃんも笑ってないで止めてよ~///」

 

えっ?

私、笑ってました…?

 

「悠里君?、それくらいにしてあげてください。」

「…そうだね、これ以上やったら、ことちゃんが拗ねるし」

「ことりを子ども扱いしないで~!」

 

この後、私と悠里君で

拗ねてしまったことりを宥めるのに苦労しました。

この場合、自業自得ですよね?

 

「ことちゃん、ゴメンね?」

「むぅ~!」

「…みーちゃん、どうしよう?」

「えっと…、ことり?、機嫌を直してください。」

「ふんっ!」

「…ダメだ。時間がかかる流れだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
次回は2期第10話、最後の回になります。
こんな作者ですが完結目指して頑張りたいと思いますので
今年もよろしくお願いします。


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第116話 μ'sの原動力

ゆるポメラです。
数日振りの投稿になります。
今回で『μ's』の回は最後になります。

それではどうぞ。


悠里です。

僕は今、ほのちゃんの家で

ある事をしています。

それは……

 

「…ほのちゃんママ、餅米の準備ができました」

「ありがと~♪、ゴメンね?、手伝ってもらっちゃって」

「いえ……」

 

そう。餅つきに使う餅米の準備をしていたのだ。

何故こうなったか説明すると……

 

 

 

 

 

 

『昨夜、ほのちゃんから電話が来る』

       ↓

『ゆうちゃん。明日、穂乃果の家に来て!』と言われる。

       ↓

『『穂むら』に着く。μ'sのみんな、花怜ちゃん達がいた。』

       ↓

『何故か餅つきに使う臼が置いてあった』

       ↓

『理由を察した僕は餅米の準備のお手伝い』←今ココ。

 

 

 

 

 

 

…とまぁザックリ説明すると、こんな感じである。

 

「悠里お兄様、こちらも準備ができました」

 

僕の隣でピョコっと出てきたのは未柚ちゃん。

餅米の準備をする際に僕1人じゃ大変と思ったのか自ら率先して

手伝ってくれたのだ。

 

「未柚ちゃん、良ければうちのお店でバイトしない?。厨房担当で♪」

「お気持ちは嬉しいのですが、未柚も喫茶店の営業があるので……」

 

ほのちゃんママが未柚ちゃんをバイトの勧誘をしていた。

未柚ちゃんが手慣れた手つきで餅米を準備していたのを

ほのちゃんママが間近で見ていたからである。

因みに、ほのちゃんパパも自分のやっていた作業を止め、

驚きの表情で未柚ちゃんを見ていた程である。

 

(未柚ちゃんって本当に13歳だよね?……多分……)

 

今まで気にしてなかったけど

そろそろ本気で未柚ちゃんが13歳という年齢の域を超えてるのを

疑った方がいいかもしれない……

 

「悠里お兄様、何か言いましたか?」

「…いや、何でもないよ」

「じー……」

「…さて、餅米を外に持っていこー」

「じー……」

 

未柚ちゃんの視線を逸らしながら

お店の外に出る。

 

「…餅米、持ってきたよー」

「出来たてですよ?」

 

そして出来たての餅米を臼に入れる。

 

「ちゃんとできるの穂乃果?」

 

ほのちゃんママが心配しそうに言う。

正直なところ、僕もである。

 

「お父さんに教わったから大丈夫だよ!」

 

祭と字が書いてある赤の法被を着ながら言う

ほのちゃん。

あの法被、どこから持ってきたんだろ?

そして杵を持ち臼に入った餅米を杵で捏ねていく…

餅つきをやる際、1回1回、手でこねる役は、

みーちゃんがやるみたい。

 

「はぁ~!ご飯がキラキラしてきたね!お餅だね~」

「食べる気満々じゃない……」

 

花陽ちゃんは既にお皿と箸を準備していた。

それを呆れながら突っ込む、にこさん。

…あの花陽ちゃん、涎が出てるよ?。

 

「凛ちゃんと瑠菜ちゃんもやってみる?」

「やるにゃ~」

「わたしもやりたい~♪」

 

ほのちゃんが凛ちゃんとルーちゃんに餅つきを

やるかと聞く。2人はノリノリだった。

するとティアちゃんが……

 

「ルナは止めておきなさい。臼が壊れるわ」

「酷~い!?」

「そうですね。瑠菜お姉様の場合は加減が効きませんからね」

「しゅーん……」

 

あ、ルーちゃんが落ち込んじゃった……

 

『確かに瑠菜ちゃんがやると、臼の原型がなくなっちゃうからねぇ……』

「「「「「「「「「えええっ……!?」」」」」」」」」

 

花怜ちゃんの補足にみんなが驚く。

どんな力加減をしてるのかっていうとルーちゃんの場合、

普通の女子高生が握力測定をすると数値が出るのに対し

ルーちゃんがやると握力測定の機械ごと破壊してしまうのだ。

本人はいつも『えへへ~、力入り過ぎちゃった~』と言うので

月ノ丘高では名物になってしまっている。

 

「真姫ちゃんは?」

「私はいいわよ、それより何で餅つきなのよ?」

 

ほのちゃんが真姫ちゃんを誘うも遠慮する真姫ちゃん。

それよりも何故、餅つきをする事になったのかを聞く。

 

「在庫処分?」

 

希さんが在庫処分でもするのかと聞く。

すると、ほのちゃんは……

 

「違うよ。なんか考えてみたら学校のみんなに何のお礼もしてないなって」

「お礼?」

 

絵里さんが、どういう事かと首を傾げる。

 

「うん、最終予選を突破出来たのってみんなのおかげでしょ?でも、あのまま冬休みに入っちゃってお正月になって…」

 

ほのちゃんが一瞬…いや正確には、ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん

の3人が僕の方を見てきた気がした……

…気のせいかな?

 

『でも、お餅にする必要はなかったんじゃ…?』

「いや~、それ以外に思いつかなかったというか……」

 

花怜ちゃんの呟きに苦笑い気味に

答える、ほのちゃん。

 

「それに学校のみんなに会えば、キャッチフレーズが思いつきそうだなって」

「思いつく?」

 

ほのちゃんの言葉に反応する花陽ちゃん。

 

「お餅つきだけに!」

 

あれ?

いつの間にか、ほのちゃんとことちゃんが僕の背後にいる。

どうしたんだろ?

…あっ、もしかして、にこさんが今言った事?

 

「にこちゃん寒いにゃ……」

「悪かったわよ!ついよ!つい!!」

 

にこさん、自覚はあったんですね……

 

『き、気を取り直して餅つきの続きやろ?、凛ちゃん?』

「分かったにゃ~」

 

気を取り直して凛ちゃんが杵を振り上げた瞬間……

 

「危な~い」

 

すると後ろから亜里沙ちゃんが走ってきて

みーちゃんを庇うようにして倒れた。

突然の事にみんなも驚いている。

……一体どうしたというの?

 

「μ'sが怪我したら大変!!」

 

どうやら何か勘違いをしているので

凛ちゃんが……

 

「叩こうとしてたわけじゃないにゃ」

「???」

 

未だに首を傾げている亜里沙ちゃんを

説明する為、花陽ちゃんが先程のお餅をお皿に盛り付けて

亜里沙ちゃんに渡す。

 

「お餅?スライム?」

「食べてみて?頬っぺた落ちるから!」

 

花陽ちゃんがお餅の事を説明すると

不思議そうに見ていた亜里沙ちゃんは箸を使ってお餅を食べるとに笑顔になった。

 

「美味しい!」

「おおっ!本格的ね!」

 

すると音ノ木坂のみんながやって来た。

 

「へい!いらっしゃい!」

 

ほのちゃんが八百屋さんみたいなノリで

客寄せみたいな事をしていた。

 

「…さてと、お餅を配る準備をしなきゃ……」

「悠里お兄様、未柚も手伝います。」

「あ。わたしも~手伝う~♪」

「ユーリ、手伝うわ」

『あ、じゃあ私も……』

 

僕達5人はお餅を配る準備をする事にした。

あ、勿論お餅も食べたよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になり僕達は餅つきに使った臼や杵を片付けていた。

使った物は、ちゃんと片付けしないとね。

 

「みんな来てくれて良かったですね」

「…まさか完売になるとは」

 

結構、多めにお餅用意したのに

凄い売れ行きだった。

 

「そんなにみんなお餅好きだったのかにゃ?」

「好きだよ。美味しいもん」

 

凛ちゃんの一言に花陽ちゃんが言う。

そういえば花陽ちゃん、けっこう食べてたよね。

 

「きっと…みんな一緒だからだよ……」

 

ほのちゃんの一言に驚くμ'sのみんな。

 

「みんながいて私達がいて…だからだと思う!」

「なんか分かるような……」

「分からないような……」

 

ほのちゃんの言葉に首を傾げる凛ちゃんと花陽ちゃん。

他のみんなも首を傾げていた。

 

「それがキャッチフレーズ?」

 

ことちゃんの聞くと、ほのちゃんは右手の人差し指で自分の喉元を指差す。

 

「う~ん…ここまで出てる…」

『穂乃果ちゃん、あとちょっとってところ?』

「うん~……」

 

この様子だと気づくのは、

もうちょっとかなと僕は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神田明神で練習した後、

みんなが休憩してる間、

僕は絵馬が飾られてるところにいた。

 

(随分、たくさんあるなぁ……)

 

お正月明けなのか

去年よりも多かった……

そんな事を考えていたら、ほのちゃん達がやって来た。

 

「ゆうちゃん、どうしたの?」

「ん?、絵馬がたくさんあるなーって思って……」

『あれ?、これ音ノ木坂の生徒が書いたやつじゃないかな?』

 

花怜ちゃんが1つの絵馬を指差す。

そこに書かれていたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【μ'sが最高のパフォーマンスができますように】

 

 

 

 

 

 

 

 

と書いてあった。

隣には雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんが

書いてくれた絵馬もあった。

どんな内容かというと……

 

 

 

 

【μ'sが本大会で遅刻しませんように】、【大会の日、晴れますように】

 

 

 

 

 

と、ほのちゃん達μ'sを応援してくれてる事が

書いてあった。

なので僕は、ほのちゃんに向かって……

 

「…ほのちゃん、これを見て何か分からない?」

「あっ……」

 

すると何かに気づいた表情をした

ほのちゃん……

 

「そうだよ!、これだよ!!」

「ど、どうしたのですか!?」

 

突然の事に驚く

みーちゃん達……

 

「一生懸命頑張って、それをみんなが応援してくれて、一緒に成長していける。それが全てなんだよ!みんなが同じ気持ちで頑張って、前に進んで少しずつ夢を叶えていく…。それがスクールアイドル、μ'sなんだよ!」

 

ほのちゃんの言葉に

気づいたのか納得する、みーちゃん達……

 

 

(…気づいてくれて良かった)

 

そう思った僕だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日ーー

 

 

 

 

 

翌日、各チームの紹介に僕達はUTXに来ていた。

何故かというと、各出場チームのキャッチフレーズが

スクリーンに流れるからだ。

 

『まだかな……まだかな……』

「μ'sのキャッチフレーズまだ流れないの~?」

「カレン、ルナ少し落ち着きなさい……」

 

μ'sのキャッチフレーズがまだ流れない事に

落ち着かない様子の花怜ちゃんとルーちゃんを宥めるティアちゃん……

 

「あ、皆さん。流れたみたいです……」

 

未柚ちゃんの声にスクリーンを

一斉に見るみんな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

μ'sのキャッチフレーズ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『エントリーNo.11 μ's みんなで叶える物語』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
今回で、2期第10話は終了です。
次回は、2期第11話『私たちが決めたこと』の回です。
頑張って執筆しますので、よろしくお願いします。


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特別編 花陽の誕生日

ゆるポメラです。
花陽ちゃん、誕生日おめでとう。
今回の内容ですが、
家庭科の授業になっています。

それではどうぞ。



こ、こんにちは……

小泉花陽です。

今日は学校の午後の授業の話をしますね?

って私、誰に向かって話してるんだろう…?

 

「それでは皆さん。調理室に移動しますよ~」

 

先生の合図で調理室に向かう私達1年生。

実は今日の午後の授業は家庭科なんです。

 

「調理実習なんて、中学以来だにゃー」

「私は正直、どうでもいいんだけど……」

 

凛ちゃん、調理実習をするの楽しみにしてたもんね♪

真姫ちゃんはどうでもいいって言ってるけど、

その割には……

 

「よく言うにゃ!、真姫ちゃんが一番楽しみにしてた癖に」

「うるさい!///」

「あはは……」

 

凛ちゃんの言う通り実は真姫ちゃんが

楽しみにしてたりするの。

昨日の夜に私に色々と聞いてきたくらいだし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー調理室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

調理室に着くと

何故か穂乃果ちゃん達2年生がいた。

あれ?

 

「あ、凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん。」

 

私達3人に気づいた穂乃果ちゃんが

こっちに来た。

 

「穂乃果、これどういう事?」

「えっとね、穂乃果達のクラスも家庭科で調理実習をする事になったの」

「あれ、そうなのかにゃ?」

 

すると先生が……

 

「はーい、それでは昨日決めた班ごとに分かれてください~」

 

あ、ちなみに私は凛ちゃんと真姫ちゃんと同じ班なんだ。

周りを見てみると2年生と同じテーブルに移動するみたい……

そう思ったら穂乃果ちゃんが……

 

「ねぇねぇ穂乃果達の班で一緒にやらない?、海未ちゃん達も一緒なんだ!」

「いいの?」

「うん。その方が楽しいし!」

「面白そうにゃー」

「まぁ、良いけど……」

 

そんなこんなで私達3人は

穂乃果ちゃん達の班で一緒にやる事になりました。

テーブルに着くと、海未ちゃん、ことりちゃん、悠里さんがいた。

 

「それでは今から1年生と2年生との合同授業を始めますー」

 

全員テーブルに着いたのを確認した後、

先生がそう言った。

合同授業?

どうゆう事なんだろ…?

 

「1年生の皆さんには2年生と何か作ってもらいまーす。尚、作る物については

テーマは問いません。強いて言うなら『自分達が食べたい物』になります。

ちなみに先生は『辛い物』が食べたいなー♪。」

 

じゃあ今日の授業は1年生と2年生で先輩後輩の境界線を

抜きにしてやるって事なのかな?

何だか夏合宿の時みたい……

それにしても先生、さり気なく自分の分も作って欲しいなんて言ってたよね。

ちなみに先生はユーモアがあって私達のクラスでは

お姉さん的存在なんです。

 

「何か質問ある人はいますかー?」

「…はい。」

 

先生が質問はないかと言うと

悠里さんが手を挙げた。

 

「はい!、音ノ木坂の唯一の男子2年2組の水無月君、何か質問?」

「…先生って辛い物、平気なんですか?」

「ん?、平気ですよー、辛い物ならバッチコーイ!」

「…分かりました」

 

悠里さんは先生にそれだけ聞くと

何やらメモ帳のようなものを取り出しました。

そして何やら考えているようです。

 

「それでは時間も惜しいし、怪我だけはしないように気をつけてくださいね。

時間はたっぷりあるからねー♪、それでは各自開始ー♪」

 

先生が合図をすると、

みんな料理を始めました。

 

「よーし、じゃあ私達も作ろー♪」

「にゃー!」

 

穂乃果ちゃんと凛ちゃん、

張り切ってるなぁ……

 

「ところで穂乃果、一体何を作るんですか?」

 

海未ちゃんが何気なく聞く。

あっ、そうだよね。

具体的に何を作るか私も知らないし……

 

「え”っ……?」

 

表情が固まる穂乃果ちゃん。

それを見た真姫ちゃんは……

 

「まさか決めてないって言うんじゃないでしょうね……?」

「あ、あははは……、ことりちゃん?」

「えっ?。穂乃果ちゃんが決めてきたんじゃないの?」

 

首を傾げることりちゃん。

もしかして本当に決めてなかったのぉ!?

 

「どうするんですか!!、他の人達はもう始めてるんですよ!?」

「そうよ!、どうすんのよ!」

「海未ちゃんと真姫ちゃんも怒らないでよ!?」

 

海未ちゃんと真姫ちゃんに怒られる穂乃果ちゃん。

ほ、本当にどうしよう…?

 

「…この際、なんか適当な物でも作る?」

「「「「「「えっ?」」」」」」

 

そう言い出したのは悠里さん。

でも適当な物って一体…?

 

「…自分が食べたい物を作ればいいんだよ。玉子焼きでもいいし、野菜炒めでもいいし、ちょっと手間をかけてラーメンでもいいし、ハンバーグでもいいわけだし。」

 

適当な物って自分が食べたい物の事だったんだ……

確かに何を作るか決めてないよりは良いかもしれません。

 

「…という訳で、花陽ちゃん?」

「あ、はい?」

「ここに米があるんだけど、ご飯作るのを担当してもらってもいい?」

「是非やらせてください!!」

 

ご飯を炊いたりアレンジしたりするのは

花陽の専売特許なので悠里さんに頼まれた事をすぐに引き受けました。

 

「…さてと。僕も何か作るか」

 

そう言うと悠里さんは、

材料を見ながら考えていました。

何を作るんでしょう……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー調理中の光景ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽は今、ご飯が炊けるまでの間、

付け合わせの料理を作っています。

他のみんなは何を作っているのかな…?

 

「かよちん、かよちん!」

「どうしたの凛ちゃん?」

「凛、ラーメン作っちゃったにゃ」

 

そこには凛ちゃんが作ったであろう

ラーメンがあった。

た、食べきれるかな…?

 

「海未ちゃんとことりちゃんは?」

「私は玉子焼きを……」

「私は肉じゃがだよ~♪」

 

海未ちゃんは玉子焼き、

ことりちゃんは肉じゃがを作っていた。

 

「真姫ちゃんと穂乃果ちゃんは?」

「私はトマトスープ」

「穂乃果は揚げ饅頭だよ!」

 

真姫ちゃんってトマトが好きなんだよね……

なんか美味しそう……

穂乃果ちゃんは家が和菓子屋さんなのか揚げ饅頭を

作っていました。

そういえば悠里さんは何を作ってるのかな?

 

「…………」

 

そこには無心になりながらハンバーグの種を手でこねて

凄い速さで焼き崩れ防止をしている悠里さんの姿が……

 

「は、速過ぎだにゃ……」

「ゆうちゃん、それって何か意味あるの?」

「…焼き崩れとひび割れ防止」

 

あ、なるほど。

焼き崩れだけじゃなくハンバーグの型のひび割れを防ぐ事も

できるんですね……

 

「……後は20分くらい焼いて、その間に……」

 

すると悠里さんはフライパン等が入ってる棚から、

『たこ焼き器』を取り出しました。

なんで入ってるんだろ……

他の高校ではない筈だよね?

音ノ木坂の卒業生の中で誰か、たこ焼き好きな人でもいたのかな?

 

「ゆーくん。たこ焼きでも作るの?」

「…うん、先生の分ね。辛い物が好きって言ってたでしょ?」

「でもなんで、たこ焼きなんですか?。辛い物なら他にもあるんじゃ……」

 

真姫ちゃんの言う通り、

辛い物を使った料理なら他のでもいいんじゃないかと

私も思ってました。

例えば、キムチチャーハンとか、

おにぎりだと山葵を使ったもの等があります。

後者の食べ物は作った事がありますよ?

ピリッとして美味しいんですよ?

 

「…知り合いに作り方を教えてもらったんだ。コレに勝る辛い食べ物はないと思う

それに未柚ちゃんの喫茶店でも、夏と冬の限定メニューとして扱ってるんだ。

まぁ完成してからのお楽しみという事で……、っとその前にハンバーグをお皿に盛りつけないと……」

 

悠里さんの作ったハンバーグ美味しそう……

でもむしろ悠里さん曰くの辛い料理が気になるなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー料理開始から1時間30分後……ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に料理が完成しました。

あ、作った料理はですね……

 

花陽:拘りのご飯、付け合わせ

 

凛:ラーメン

 

真姫:トマトスープ

 

ことり:肉じゃが

 

海未:玉子焼き

 

穂乃果:揚げ饅頭

 

 

 

 

 

なんかこうして見ると

凄い数になってしまった気がします。

 

「…はい。豆腐ハンバーグ完成」

 

なんと悠里さんが作ってたのは

ハンバーグじゃなく()()()()()()()だったのです!

これには穂乃果ちゃん達も驚いていました。

花陽は、てっきり普通のハンバーグかなと思ったんですけど……

 

「それじゃあ料理が完成した班から食べてねー♪」

 

先生が言ったので

私達も食べようとしたら……

 

「…あ、先に食べてて?。僕、先生に作った料理を渡してくるから」

 

そう言うと悠里さんは先生のところへ……

 

「悠里君、結局何を作ったのでしょう?」

「辛い料理だけな事は確かね……」

 

海未ちゃんと真姫ちゃんが

そんな事を話していると……

 

「かっら~いっ!!?、けど美味しい!!」

 

声がした方を見てみると

先生が凄い汗をかきながら何やら()()()()()()

美味しそうに食べていました。

 

「…先生、これレシピなので良ければどうぞ」

「作り方も簡単なのね!、早速帰ったら試してみるわ♪」

 

レシピを先生に渡した後、

悠里さんが戻ってきました。

 

「ゆうちゃん、結局どんな辛い料理を渡してきたの?」

「…食べる?」

「食べたいにゃー」

「…その前にちょっと待っててね?」

 

すると悠里さんは氷が4つ程入った牛乳を私達6人に

渡してきました。

 

「…辛かったらそれを飲んでね?。水だと余計に辛く感じるから」

 

なんか聞いた事があります。

辛口のカレーを食べた時に辛くて水を飲むと

余計に辛く感じるって聞きます。

 

「…で、辛い料理がコレ」

 

テーブルに置かれたのは、

やはり黒いたこ焼きでした。

 

「ゆーくん、どうして生地が黒いの?」

「…イカ墨を使ってるから」

 

あぁ。だから生地の部分が黒いんですね……

納得です。

 

「…試しに食べてみて。残してもいいから」

「「「「「「い、いただきます……」」」」」」

 

悠里さんが作った黒いたこ焼きを私達6人は

口に入れた瞬間……

 

「「「「「「っ!!??」」」」」」

 

強烈な辛さが口の中を支配してきました。

あまりの辛さに悠里さんが渡してくれた牛乳を

すぐに飲みました。

 

「ゆうちゃん、コレ辛いよ!!」

「…だから言ったじゃん。辛いって」

 

穂乃果ちゃんが涙目になりながら

悠里さんに訴えていました。

 

「か、辛いにゃ~……」

「こ、これは嫌でも目が覚めます…か、辛いですけど……」

「海未。その意見には私も同じ……」

 

凛ちゃん、海未ちゃん、真姫ちゃんも

涙目になっていた。

すると今度は、ことりちゃんが……

 

「ゆーくん、たこ焼きなのに()()が入ってないよ~……」

 

あまりにも辛くて花陽も忘れてましたが

確かに肝心の()()が入っていませんでした……

 

「…まぁ、たこの代わりに大量のタバスコをこれでもかってくらい入れたからね」

「「「「「「それ最早、たこ焼きじゃない!?」」」」」」

「…ちなみに料理名は『堕天使の涙』と言うんだってさ」

 

だ、堕天使の涙……

これを考案した悠里さんの知り合いは凄いですね……

よっぽどの辛い物好きなんでしょうか?

うぅ、まだ口の中がヒリヒリします……

 

「…やっぱり本人が作ってくれたのが美味しいな。堕天使の涙」

「ゆうちゃん平気なの!?」

「…ちょっと辛いけどね?」

「ちょっとじゃないにゃ!?、凄く辛かったにゃ!!」

 

未だに平然と『堕天使の涙』を食べる悠里さん。

この後はみんなで作った料理の交換等をしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(みんなで料理を作るのって楽しいな♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし機会があれば今度は

μ'sのみんなで作りたいなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は花陽ちゃん視点で
執筆してみました。
誕生日記念に間に合って良かったです。
次回もよろしくお願いします。


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第117話 3人の娘達の想い

ゆるポメラです。
今回の内容ですが
第61話『未来から来た3人の少女達』のその後になっています。
更に言うと2期編が終えた後に執筆予定の
最終章、『高校3年生編』で重要な内容になっています。
尚、悠里、穂乃果、海未、ことり2年生組は今回は出てきません。
つまらない内容かもしれませんが、よろしくお願いします。

それではどうぞ。



「うっ……」

 

目を覚ますと見知らぬ天井……ではなかった。

 

()()()来たんだ私達……」

 

先に目が覚めたのは私だけなのかな?

そう思ってた矢先……

 

「「うぅ……」」

 

2()()も目を覚ましたようだ。

2人の元に行こうとしたら急に目まいが襲ってきた…

 

「大丈夫……?」

「あ、ティアお姉ちゃん…」

 

私の体を支えてくれたのは、

パパとママのお友達で私達3人にとっては、

お姉ちゃん的存在である、如月(きさらぎ)ティアさん……

 

「とりあえず座ってなさい。ミユに頼んで何か持ってきてもらうから」

「う、うん……」

 

そう言うとティアお姉ちゃんは、

私を座らせた後、一旦部屋から出ていった。

 

「ゆとり、大丈夫ですか……?」

「うん。里海(りう)ちゃんは?」

「わ、私は平気…です。少しだけふらつきますけど…」

 

あ、自己紹介が遅れました。

私の名前は水無月(みなづき)ゆとりって言います。

19歳です。

 

悠乃果(ゆのか)ちゃんは、まだ起きないの?」

「むにゃ…お饅頭…鶯団子は飽きたよぉ……」

「「…………」」

 

私と里海ちゃんは悠乃果ちゃんの寝言に

少し呆れてしまいました。

何でも悠乃果ちゃんは住んでる家が和菓子屋さんだそうです。

 

「…はれ?、里海ちゃん?、ゆとりちゃん……?」

 

目が覚めたばかりなのか悠乃果ちゃんは

少しボーっとしていました。

それを見た里海ちゃんは……

 

「悠乃果はだらしないです!」

「なんで悠乃果だけー!?」

 

里海ちゃんと悠乃果ちゃんが

言い争っているとティアお姉ちゃんが戻ってきた。

 

「……あなた達?」

「「「は、はい!?」」」

「喧嘩は止めなさいって言ったわよね?」

 

ど、どどうしよう……

ティアお姉ちゃん笑顔だけど目が笑ってないよぉ……

だ、誰か助けて~……

 

「ティアお姉様、それくらいにしておいた方が良いのでは?」

 

そう言いながら入って来たのは

もう1人のお姉ちゃんである神無月未柚(かんなづきみゆ)さんだった。

 

「そうね……、とりあえず3人に聞かなきゃいけない事とかもあるし」

 

そう言うとティアお姉ちゃんは、

映画館のスクリーン並みのコンピューターの前に

移動しキーボードの操作を始めた。

 

「悠乃果、里海、ゆとり。()()()()は渡せましたか?」

「悠乃果は渡したよー」

「正確には手紙を置いたら()()()()になったの間違いですよ悠乃果。」

「そうだよ悠乃果ちゃん……」

「ティアお姉様、第1段階は何とかなったみたいです」

 

未柚お姉ちゃんの言葉にティアお姉ちゃんは……

 

「ユトリ達3人の年齢を9()()に設定しないと()()に送れないってなった時はイチかバチかの賭けだったけど何とかなって安心してるわ……」

 

そう……

私達3人はティアお姉ちゃんが造った特殊な機械を使用して

ママが高校生だった時代に時間移動(タイムシフト)して来て

手紙を置いてきたんです。

でも過去に移動する際の条件として9()()()()()としてでないと

無理だった……

そこでティアお姉ちゃんが何とか目的だけでもと機械にプログラミングし、

こうして無事に元の時代に戻ってこれた。

 

「あ、あの。ティア姉様……」

「どうしたのリウ?」

「次の時間移動(タイムシフト)はいつ頃になるのですか?」

 

里海ちゃんが心配しそうな声でティアお姉ちゃんに聞いた。

 

「ウミ達が高校3年生になって少し経ったらよ、今度は()()()()でね」

「今の年齢で……?、何故なんですか?」

「悠乃果も分かんないよー……」

 

私も分からなかった。

次に過去に行く際は今の年齢…つまり19歳の姿でママに逢って来いと

ティアお姉ちゃんは言うのだ。

 

「あなた達3人が、この時代の事を話すのよ。ただし……」

 

ティアお姉ちゃんは真剣な表情になり私達に向かって……

 

「話したところで最悪の未来を変えられるかは、あなた達の母親自身よ。

特にコトリの場合は厄介な問題を抱えてるからユトリが何とかしてあげて」

「私が……?」

「娘であるユトリしかできない事よ」

 

私にしかできない事……?

一体なんだろう……

 

「次にリウ」

「は、はい…」

 

自分が呼ばれるとは思わなかったのか

里海ちゃんは少し緊張気味だった。

 

「次にウミに逢ったら剣の稽古をつけてあげなさい」

「わ、私がお母様にですか!?」

「大丈夫よ、ウミだって剣道とか古武術とかやってるんだから」

「そ、そういう問題じゃないですぅ…」

 

里海ちゃんが慌てる理由は私でも分かる。

自分の母親に剣の稽古をつけろと言われたからだ。

里海ちゃん自身が母親に剣術とかを習った為、

そんな恐れ多い事はできないからなの……

 

「最後にユノカ」

「はい!」

 

最後に呼ばれる事が分かっていたのか

悠乃果ちゃんは元気よく返事をした。

 

「あなたは自分が思った事をやればいいわ」

「ほえ?、それだけなの……?」

「ええ。それだけよ」

 

すると未柚お姉ちゃんが……

 

「ゆとり、里海、悠乃果。あなた達は次に備えて休んでなさい」

「「「は、はい……」」」

 

実際に今も疲れている為、

私達は素直に言う事を聞く事にした。

 

(パパ……私、また逢いたいよ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideティア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人がそれぞれの自室に戻ったのを確認した

私とミユはコンピューターの画面を見ていた……

 

「後はウミ達次第ね……」

「これを起動させるタイミングはいつなんですか?」

()()()()が決める事になってるわ」

「そうですか。ティアお姉様、個人的に聞きたい事があるんですが……」

 

いつになく真剣な顔をしてるわね……

 

「ことり先輩の場合は特に大変ってどういう事なんですか?」

「その質問ね……ミユ、ちょっとこの記録見てくれないかしら」

 

私は別の画面に切り替える。

それは別の世界の私が遺した秘蔵データ。

 

「これがどうかしたんですか?」

「昨日、解析したら()()1()()()()()()についてだったのよ」

()()1()()という事は瑠菜お姉様のような?」

 

ルナは特定の条件で怒ったりすると目の色が()()()()()()()()()

変色する事がある。それはコトリも例外じゃなかった……

いや、正確にはコトリの場合はラブライブに出場する際で最終予選で歌う曲を

μ'sのみんなで決めていた、その帰りにユーリが展望台から

飛び降り自殺をした際に発現したのが最初だった。

それ以降、私はルナと2人で秘密裏に調べた。

 

「ルナとコトリの人格は()()()()()に書かれた人物そのものだったの」

「つまり()()()()の2人だというのですか?」

「ええ。」

 

私の答えにミユは驚愕の表情をしていた。

最初は冗談だと思っていたがデータを解析してく内に

信じざるを得ない事まで記録していたからだ。

 

「その証拠に……これ」

「これは日記ですか?」

「そうね。別の世界の私がいた世界ではユーリは死んでるみたい」

「ちょっと待ってください!!、それはいつ頃なんですか!?」

「12歳の時みたい。しかも7月の半ばの時よ」

「そんな……」

 

7月の半ばというと

中学時代にユーリとコトリが最後に会った時という事が分かった。

しかも日付を確認してみたところ、ユーリが大怪我した日だ。

 

「ここである仮説が分かったの」

「仮説ですか…?」

「ユーリは護身術を使って怪我だけで済んだ。けどもしも……」

 

ミユは私が言ってる事が段々と分かってきたのか

顔が青ざめていた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()という事ですか……?」

「……そうよ」

「なんてこと……」

 

このデータによると私達3人だけじゃなく、

偶々、コトリ、ウミ、ホノカの3人もユーリが血塗れで

倒れてるのを目撃してしまったとの事。

しかもユーリは次の日に死んでしまったとの事……

その日以来コトリ達の人格が病んでしまったと記録されていた。

 

「悠里お兄様を助けるにはやはり……」

「それしか方法は無いわ……」

 

()()()()でのユーリは、

無事に音ノ木坂学院を卒業し1年間だけ自分の存在意義について

考えてた。そしてウミ達の支えもあって『生きたい』という結末になった。

そして結婚し、子供まで儲けた……

ところがある日を境にユーリは死んでしまった……

ユーリだけじゃない。ホノカとコトリそしてウミは行方不明になってしまった。

カレンはユーリが死んでしまった為、この世界には居ない……

ルナも音信不通の状態……

生き残っていたのは私とミユ、そして3()()()()だけだった……

 

(上手くいった筈なのに何処かで間違えたというの……?)

 

だから私はあらゆる手段を使って、

ユーリが生存しつつ幸せな未来を送れる事を模索している。

 

 

 

 

 

 

(ウミ、ホノカ、コトリ。後はあなた達次第よ。私もできるだけ頑張るから…)

 

 

 

 

 

 

 

昔、ユーリと約束した事……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんな時でも私はユーリの友達でいるって……

 

 

 

 

 

 

 




次回は今度こそ、2期第11話『私たちが決めたこと』の回を執筆します。
少し投稿が遅れるかもしれませんが
よろしくお願いします。
本日は読んでいただいてありがとうございます。


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第118話 これからについて・・・

ゆるポメラです。
今回から、2期第11話『私たちが決めたこと』の回になります。
この回なんですが少し違った感じにしようかなと思います。
なので『あれ?、なんか違くね?』と思う方もいらっしゃるかと
思いますが生温かい目で読んでいただけると嬉しいです。
…2期11話の話の構成、難しかった(遠い目)

それではどうぞ。



僕は現在、理事長室にいます。

何をしているのかって?

それは……

 

「南先生、この書類どこに置けばいいですか?」

「それは隣に置いてもらってもいいかしら」

「はーい……」

 

南先生に頼まれた書類整理を手伝ってるんです。

朝の7時頃に、ことちゃんから連絡があり何気なく電話に

出たら、ことちゃんじゃなく母親である南先生だったので

色んな意味で驚いてしまった。

それで南先生直々のお願いで手伝って欲しいと言われたので

今に至る……

 

「南先生、人が多いですけど何か行事でもあるんですか?」

 

実は作業を手伝っている時に窓から

見たのだが、校門前に人がズラリと集まっていたのだ。

 

「ああ…、音ノ木坂に入学受験した子達よ」

「…つまり合格発表なんですか?。あの掲示板……」

「そうよ~。悠里くんにも可愛い後輩が出来るわよ~♪」

「…むしろ、僕は浮いちゃいそうで不安です」

 

…だってさ、仮に3年生に進級したとする。

女子高である音ノ木坂に男子である僕1人だけが在籍している。

新入生の子達に疑問に思われる事、間違いナシ。

そして僕の居場所が無くなる。

 

「…南先生、僕は残り1年間の高校生活どう過ごせばいいんでしょうか?」

「普通に過ごしていいのよ?」

「…そう出来るように願いたいです」

 

幸先が不安になってきたよ。

ほんとに……

 

「そういえばラブライブの本大会まで残り1ヶ月を切りそうなんでしょ?」

「そうですね。ことちゃんの様子どうですか?」

「いつもと変わりはなかったけど、溜息を吐く事はあったわね…」

 

南先生の言い方から察するに、

3年生が卒業しちゃう事を気にしてるんだろうな…

ことちゃんだけじゃなく、ほのちゃん、みーちゃん、

1年生のみんなも……

 

(本大会が終わるまでは話さないってなってるけど……)

 

正直に言うと、

この難題はいずれはやって来るんじゃないかと

僕は考えていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日、放課後・部室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラブライブの本大会まで残り1ヶ月を切りました。ここからは負荷のかかる練習は避けようと思います。」

 

みーちゃんから渡されたのは、

本大会に向けての予定表だった。

いや、それにしても……

 

「練習が随分少ないにゃー」

「ほんとだ。完全にお休みの日もある……」

 

凛ちゃんと花陽ちゃんの言う通り、

練習時間が少なかった日もあれば完全に休日の

日も設定してあった。

 

「はい。A-RISEの方たちにも聞いて、そういう日も設定してみました」

「いつの間に……」

 

聞けばA-RISEにもどんな練習をした方がいいかを

参考に聞いてみたらしい。

隣に座ってる、ほのちゃんを横目で見ると元気がなかった。

表情もここにあらずという感じだ。

すると真姫ちゃんが……

 

「そういえば亜里沙ちゃんと雪穂ちゃん、音ノ木坂に合格したんでしょ?」

「…確か昨日が合格発表だって僕は南先生から聞いたけど……」

「うん、春から音ノ木坂の生徒だよ」

 

なんと亜里沙ちゃんと雪穂ちゃんは

音ノ木坂の入学受験に合格したとの事。

つまり春から高校1年生という事になる。

 

「亜里沙ちゃん、μ'sに入りたいって言ってたもんね」

 

ことちゃんの言葉にピクッと反応する、ほのちゃん。

すると凛ちゃんと花陽ちゃんが……

 

「もしかして…新メンバー!?」

「μ'sに10人目が誕生!?」

「ちょっと…凛、花陽!その話は…」

 

2人が言ってる意味が分かったのか真姫ちゃんは

それ以上はストップをかけた。

2人も自分が言った事に気づいたのか俯いてしまった……

 

「卒業…しちゃうんだよね……」

 

花陽ちゃんの言葉に周りの空気が静かになってしまった。

すると希さんがにこさんを見ながら……

 

「どうやろ?、にこっちは卒業出来るんかね~」

「するわよ!」

 

そんなやりとりがあったが

また元の雰囲気になってしまった。

そんな様子を見かねた絵里さんが椅子から立ち上がり、パンッパンッ!と手を叩く。

 

「ラブライブが終わるまでは、その話はしない約束でしょ。」

「…今は練習。ほら、グラウンドに移動するよ」

「「「「「「「「はい」」」」」」」」

 

この雰囲気を何とかしたかった為、

僕は今やるべき事を言った。

みんなが部室から出ていった後、

僕は少し考えていた……

 

(下手な事は言えないしなぁ……)

 

まさかこんな早くに決めなきゃいけない事に

なるとは思わなかった。

いや、その()()が早くきてしまっただけ……

 

(…僕にできる事ってなんだろ)

 

みんなが待つグラウンドに向かう際も

そんな事を考えていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




話の都合上、
なんか少し短くなってしまい
誠に申し訳ありません……
次回は本編を投稿するのが遅れるかもです(2月に記念日投稿とかがある為)
こんな作者ですがよろしくお願いします(土下座)


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特別編 果南の誕生日

ゆるポメラです。
果南ちゃん、誕生日おめでとう。
今回は2月14日に合わせた内容になります。
視点は未柚になります。

それではどうぞ。


皆さん、にゃんぱs…

コホン!、こんにちは。

神無月未柚です。

今日は喫茶店は定休日なので未柚は街に出かけています。

別に暇だからではありませんよ?

えぇ、決して暇だからではないのです!

 

「おっと。待ち合わせ時間に遅れてしまいますね……」

 

今日は妹分の誕生日なんです。

その子が駅まで迎えに来て欲しいと一昨日に電話があったので

現在、急いで待ち合わせ場所の駅のホームまで向かってるんです。

 

「ふぅ…やっと着きました」

 

駅に着いたのはいいのですが、

待ち合わせをお願いした子が見当たりませんね…

まだ着いてないんでしょうか……?

 

「未柚姉ちゃん~」

 

と思ってたら聞き覚えのある声と

姿が息を切らしながらこっちに来ました。

 

「果南、大丈夫ですか?」

「なんとか…平気……」

 

この子の名前は松浦果南(まつうらかなん)

年は未柚の1つ下なのですが何故か未柚の事を『未柚姉ちゃん』と

呼んでくるんです。慕われてるのは未柚としては嬉しいのですが……

 

(未柚はそんなに老けて見えるのでしょうかね……?)

 

まぁ、この悩みは今更なので忘却の彼方に捨ててしまいましょう!

それが良いと思います。

とりあえず私達2人は移動する事にしました。

 

 

 

 

 

ーー移動中にてーー

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても果南、今日は1人で?」

「偉いでしょ?」

「てっきり未柚はダイヤと鞠莉も一緒だと思ってたので」

「やっぱりそう思う?」

 

何せ果南の住んでいる場所は静岡の内浦なので

まさか1人で東京まで来るとは思ってませんでした……

来たとしても小学校から付き合いのあるダイヤと鞠莉の3人だと

思っていたので正直に言うと驚いています。

ちなみに果南の家はダイビングショップを経営しているんです。

今から2年前ですかね……悠里お兄様達と内浦に旅行に行った時に

滞在場所に困ってた未柚達に声をかけてくれたのが果南でした。

それで千歌の家である旅館『十千万』に案内までしてくれたんです。

 

「果南。それで今日はどこに行きたいんですか?」

「ダイヤと鞠莉に何かあげようかなと思って…ほら。1()4()()アレでしょ?」

「あぁ…理由は察しました。とりあえずデパートに行きましょうか」

 

果南が言った『14日』という単語を聞いた瞬間、

理由を察しました。つまりそうゆう事なんですね?

 

 

 

 

 

 

ーーデパート内ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっわ……東京のデパートって大きくて広いんだね?」

「平日だろうが休日でも関係なく混んでますからね……」

「その割には人が多くない?」

「まぁ、どこのデパートもイベント関連で混んでますよ。」

 

それにしても今日は特に混んでますね……

これはさっさと済ませた方がいいかもです。

 

「それじゃ果南。目的の物を買いに行きますよ?」

「まだ残ってるといいけどねぇ……」

 

今から未柚と果南が買う物は何かですか?

それはですね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーデパート内、地下1階ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「未柚姉ちゃん、チョコレートまだ残ってた!」

「果南、商品の棚に置いてあるチョコはどんどん確保してください」

「分かったー」

 

そう。チョコレートです。

2月10日の今日は果南の誕生日。そしてその4日後には『バレンタインデー』という

リア充記念日があるので現在どこのデパートでもチョコレートフェアという

イベントを開催しているんです。

果南が1人で東京に来た理由はダイヤと鞠莉に内緒でいわゆる『友チョコ』を作りたいからなんです。友達想いの良い子ですよね……

 

(さて、未柚も確保しなくては……)

 

実は未柚も喫茶店で『バレンタイン限定メニュー』を毎年出しているので

チョコレートを大量に購入しなくてはいけないんです。

そういえば穂乃果先輩、海未先輩、ことり先輩が13日の午前中に

喫茶店の厨房を貸して欲しいと果南から電話がきた直後に海未先輩がいらして

未柚に頼んで来たんですよね……

3人共、悠里お兄様に内緒で渡したいと思ってるみたいですし……

あっ…、ホワイトチョコが残り3つみたいですね。買わなくては……

 

(そういえば梨子も13日に来ると言ってましたね……)

 

ふと思い出したのですが梨子も13日……こっちは午後の夕方くらいに

バレンタインチョコの作り方を教えて欲しいと頼まれましたっけ……

梨子の事ですから渡す相手は100%…心結でしょうね……

というか最近…梨子の様子が変なんですよね。

心結が他の女性のお客様を接客する際に殺気がするくらいの視線を

向けてましたからね……

アレはもう嫉妬という言葉じゃ済まないと思います。

 

「未柚姉ちゃん、買い終わったよ」

 

色々と考えてる間に果南はチョコレートを買い終えたようです。

しかし果南。あなた随分と買いましたね?

ダイヤが好きな抹茶味の期間限定のチョコレートも買ったみたいです……

 

「では未柚もお会計をしてきますね?」

「じゃあ私、あそこで待ってるね?」

「分かりました。では後ほど……」

 

レジに向かうと店員さんが……

 

「お嬢ちゃん、お金は持ってるのかな?」

「持ってますが……?」

「その、値段なんだけどね……」

 

…あぁ。そういう事ですか……

店員さんは小さい子供がチョコレートを買うには

余りにも多過ぎるから、お金も高額なので保護者を連れて来いと……

未柚の背丈が小さいのは認めますよ?

身長だって138cmしかないですからね……

これでも未柚は13歳なんですよ?

だからと言って人を見た目で判断するのはどうかと思います。

しかも遠回しにdisられてる気がします。

未柚をナメてるんですか?、挽き肉にしますよ……?

 

「20000円でお願いします。これで足りる筈ですが?」

「いや、そうじゃなくてね…?」

「早くお会計してください。他のお客さんも待ってるんですよ?」

「そうだけどそうじゃなくて……!」

 

ええい!!!

まだ保護者を連れてこいと言いますか!!。この店員さんは!!

これ以上、果南を待たせるわけにはいかないというのに!

しょうがないですね。奥の手を使いましょうか……

 

「ここの偉い人を呼んできてくれませんか?」

「え?」

「ここの偉い人と未柚は言いましたが?」

「ちょ、ちょっと待っててね……」

 

そう言うと店員さんは一旦レジを空けました。

その間に未柚は後ろで待っていたお客さんと世間話をしていました。

10分後、先程の店員さんが店長さんを連れて戻って来ました。

 

「店長、この子なんですが……なんとか説得してくれませんか?」

 

どうせ大方、めんどくさい子供だと思ってるのでしょうね……

店員さんの表情はそんな感じだった。

 

「あの。未柚も喫茶店の営業もあるので急いでいるんですが……」

「喫茶店……営業……。お嬢ちゃん、お名前は?」

 

店長さんが未柚にそう聞いてきたので、

名刺をポーチから出し、店長さんに渡し自己紹介。

 

「神無月未柚です。喫茶店『月見屋』の店長をしています。」

「お嬢ちゃん…嘘はいけないよ?……店長、どうしました?」

「…………」

「店長?」

「も、申し訳ございませんでしたぁ!?」

 

未柚の名前を聞くなり店長さんは頭を下げてきた。

おや?。まさかここまで知名度が上がってるとは……

 

「いや店長!?、ただの子供ですよ!?」

「バカ!!、この子は世界大企業グループのお嬢様だぞ!!」

「いやでも子供が喫茶店の営業っていうのは胡散臭い気が……」

 

なんでもいいですけど早くしてくれませんか?

未柚だって暇じゃないんですよ……

 

「あの、お会計いいですか?。待たせてる人がいるので」

「すみませんでした!、直ぐに自分がやりますので」

「では、お願いします。」

 

結局、店長さん自らお会計をしてくれました。

ひと悶着があった後、果南が待ってる場所に急ぐ。

 

「待たせてすみません。少し遅れました」

「未柚姉ちゃん遅いよー!」

 

くっ……

あの店員さんのせいで20分も遅れてしまいました……

果南は待たされてご立腹のようです。

 

「果南を待たせてしまったので未柚が何か奢りましょう」

「何でも?」

「今日はあなたの誕生日ですからね。果南のリクエストでいいですよ」

「じゃあ……♪」

 

さて何を奢らされるのですかね?

未だに楽しそうに考えてる果南を見ながら

そう思いました……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
果南ちゃんの口調が難しい……
でも投稿に間に合って良かったです。
次回の投稿なんですが、2月13日か2月14日になります。
何故その日に投稿なのかは、お察しの皆様なら分かりますよね?
2月14日といえば…そうアレです。
『サンシャイン!!』の小説の方は14日に投稿します。
頑張って執筆しますのでよろしくお願いします。


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特別編 3人の少女のバレンタイン 前日

ゆるポメラです。
今回はバレンタインデー前日の話を
執筆しました。
視点は未柚になります。


皆さん、にゃんぱs…

コホン!、おはようございます。

神無月未柚です。

この挨拶も何度目になるんでしょうね?

まぁ…触れたら負けですが……

今日は喫茶店は貸切にしているんです。

なので実質、定休日扱いですね……

 

 

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

 

「「「こんにちはー」」」

「穂乃果先輩、海未先輩、ことり先輩。いらっしゃいませ」

 

貸切の理由を説明をしてませんでしたね?

今日は2月13日。

バレンタインデー前日なので穂乃果先輩達はバレンタインチョコを作りに

いらしたのです。乙女ですね……

…誰ですか?。お前何歳だよって思ったヤツは……

挽き肉になりたいんですか?

 

「未柚ちゃん、急にすみません。貸切にしてもらって……」

「いえ。海未先輩達にも色々あるのでしょう?」

「「「そ、それは……そのぅ……///」」」

 

未柚が含みを持たせた言い方をすると3人は

顔を赤くしながら俯いてしまいました。

 

「では早速、作業に取りかかりましょうか」

 

時間も惜しいですしね?

さて穂乃果先輩達は、どんなチョコを作るんでしょうか?

まずは穂乃果先輩から見ましょうかね……

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

穂乃果だよー。

今日は未柚ちゃんの喫茶店の厨房を借りてるんだー。

 

「穂乃果先輩は、どんなチョコを作るんですか?」

「えっと……チョコ饅頭かな」

「和と洋のコラボ系ですか。穂乃果先輩らしくて良いと思いますよ」

「えへへ……」

「悠里お兄様に渡すんですか?」

「えっ!?、あ…うん……///」

 

明日は2月14日バレンタインデー。

友達や好きな人にチョコレートを渡す日。

穂乃果が作ってるのは好きな人に渡す『本命チョコ』。

海未ちゃん、ことりちゃんも同じのを作ってる。

 

「和菓子に使う道具は下の棚に置いてありますから好きに使ってください」

「うん!、未柚ちゃん、ありがとう」

「では未柚は海未先輩を見てきますね?」

 

そう言うと未柚ちゃんは海未ちゃんの方に向かって行った。

未柚ちゃんって本当に13歳なのかな?

 

(えへへ……///、ゆうちゃんに喜んでもらえるかな……?)

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

園田海未です。

私は今チョコレートを作っているんですが……

 

「海未先輩、調子はどうですか?」

 

隣でピョコっと現れたのは未柚ちゃんでした。

い、いつの間に……

 

「こういうの作るの初めてで……」

「意外ですね……海未先輩って何か作った事ないんですか?」

「ない事はないんですけど……」

「異性の人には作った事がないと」

「はい……」

 

未柚ちゃんの言う通り穂乃果達やティア達には

お菓子を作ってあげた事があるんです。

ただ異性には作った事がないんです……

私の人見知りする性格が招いたのですが……

 

「悠里お兄様に渡すんですよね?」

「は、はい……///」

「海未先輩、初々しいですね……あの子みたいです」

「あの子って誰ですか?」

「いえ。未柚の知り合いです。頑張ってくださいね?」

 

そう言うと未柚ちゃんは、

ことりの方に向かいました。

 

(悠里君、喜んでくれるでしょうか……///)

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南ことりです♪

今日はバレンタインデー前日。

気合いを入れて作っています!

 

「ことり先輩はチョコクッキーですか?」

「うん♪、あとシナモンクッキーも作ろうかな~って」

 

チョコレートを使ったクッキーはもちろん、

ゆーくんが小さい頃から好きだったシナモンを使った

ことり特製のクッキーを作ってあげるんだ~♪

 

「ハート型とは思い切りましたね……」

「えへへ♪、本命だもん♡」

「あ、クッキーに使う調味料は右側に置いてありますからね?」

 

た、確かにちょっと思い切り過ぎたかな…?

でも……

 

(それで、ゆーくんに……やんやんされたりして♡。キャー///)

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

一通り穂乃果先輩達の作業を

見ましたが問題ないようですね……

今はチョコレート作りが終わり片付けをしています。

作業中、ことり先輩が体をくねくねしてたのが気になりましたが……

あの動作は未柚も見た事があります。梨子がやっていた動作でしたから……

 

「先輩達が作った物は明日の朝7時頃に取りに来ていただけますか?こちらで保管しておきますので」

「すみません未柚ちゃん、何から何まで……」

「それは気にしてませんがそれよりも……」

「「「えっ?」」」

 

その様子だとまだ分かってないんですね……

 

「悠里お兄様にどうやって渡すんですか?」

「「「あっ……」」」

「考えてなかったんですね……」

 

未柚の考えてた通りになってしまいました……

しかも常にマイナス思考の悠里お兄様にバレンタインチョコを

渡すのは至難の業なんですよね。

まして明日は2月14日。悠里お兄様が学校を休む事はない筈ですが……

 

「こうしちゃいられないよ!、海未ちゃん、ことりちゃん。穂乃果の家で会議だよ!」

「ちょっ!?、穂乃果!?」

「ふ、2人共待ってよ~!?。あ、未柚ちゃん明日取りにまた来るね?」

「またのお越しを……」

 

ことり先輩はそう言うと、

穂乃果先輩と海未先輩を追って帰ってしまいました。

 

「はぁ……2月14日は『乙女の日』と言いますが大変なものですね……」

「にゃあ~♪」

「おや。スズもそう思いますか?」

「み~♪」

 

愛猫のスズが未柚の肩に乗る。

この子も気配を消しながら穂乃果先輩達のチョコレート作りを

見守ってましたからね。

さてと時刻は13時30分になりますね……

 

 

 

 

 

 

ーーカランカランーー

 

 

 

 

 

 

おや。未柚が思っていた時間よりも

早く来たみたいですね?

 

「未柚お姉ちゃん、こ、こんにちは……」

「み~♪」

「スズちゃん!?、く、くすぐったいてば……///」

 

しかしスズも今日は機嫌が良いですね……

困ってるみたいですし止めに入りますかね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スズ。梨子が困ってますからそれくらいにしなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて。梨子はどんなチョコを作るんですかね……

全く、2月14日のバレンタインデー前日は面倒くさい日ですね……

未柚は退屈はしませんけど♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
次回はバレンタインデー当日の話になります。
14日には投稿できるように間に合わせますので
よろしくお願いします。


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特別編 3人の少女のバレンタイン 当日

ゆるポメラです。
さて今回は当日の話になります。
どんな風に書くか悩みましたが
このような形になりました。
短いかもしれませんが読んでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



水無月悠里です。

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんの様子が何だかおかしい。

朝、いつも通り学校に登校した時かな?

 

「…おはよー」

「「「お、おおおおはよ……///」」」

 

教室に入った瞬間、

ほのちゃん達が顔を真っ赤にしながら挨拶をしてきた。

しかも声が変だった……

 

「ねぇ、ゆ、ゆうちゃん……」

「…どしたの?」

 

自分の席に着いた時、ほのちゃんが話しかけてきた。

なんか言いたい事でもあるのかな?

 

「き、今日は2月14日だよね?」

「そうだね……それがどうかしたの?」

「だ、だからその……///」

 

ほのちゃん大丈夫かな?

みーちゃん、ことちゃんもなんか後ろで穂乃果、頑張って!とか言ってるけど……

2月14日ってなんかあったかな……?

考えていたら、ある事を思い出した。

 

(そっか。今日はバレンタインデーだった……)

 

…すっかり忘れてたよ。

そう思った僕は鞄から()()()を取り出す。

 

「…はい。ほのちゃん、チョコレートだよ。」

「ふえっ!?///、あ、ありがと……///」

 

さてと。この調子で……

 

「…はい。みーちゃん、ことちゃんにも」

「ひゃい!?///、あ、ありがとうございます……///」

「ちゅん!?///、あ、ありがとう……///」

 

 

ーーキーンコーンカーンコーンーー

 

 

 

あ、予鈴が鳴った……

1時限目は何だっけ?

時間割表を確認したら1時限目は体育だった。

朝から運動とかやる気が起きないんだけど……

よく見たら2時限目も体育だった……

 

「…あ、じゃあ僕は着替えてくるから。1時限目は体育だしね?」

 

ほのちゃん達にそう言うと

僕は教室を後にした。

朝のHR(ホームルーム)までには着替え終わらせないとね?

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

どうしよう……///

昨日、未柚ちゃんの喫茶店で作ったバレンタインチョコを

今日の朝に海未ちゃんとことりちゃんで、ゆうちゃんに渡そうと思ったら

逆にチョコレートを貰っちゃったよ……///

 

「わ、渡しそびれちゃった……」

「私もです……」

「ことりも……」

 

あれ?

でも、ゆうちゃんがくれたチョコレートって……

何チョコなのかな?

すると穂乃果が言いたい事が顔に出ていたのか海未ちゃんが……

 

「穂乃果、それを言ったら余計に渡しずらくなりますよ?」

 

あ、危ない危ない……

確かにそんな事を言っちゃったら渡しずらくなっちゃうよ!

この後、私達3人は自分達が渡したい時に渡す事にした。

ちゃんと渡せるかな……?

 

 

 

 

ーー昼休みーー

 

 

 

 

 

午前中の授業が終わり、

穂乃果は、ゆうちゃんを誘って

購買に行く事になりました。

 

「…シナモンロール、大量大量」

「ゆうちゃん本当に好きなんだね……」

「…100円セールだよ?、買わないと損するからね」

 

だからって10個は買いすぎなんじゃないかな……

穂乃果も人の事言えないけどね。

限定のパンが売ってたから3つも買っちゃったよ……

海未ちゃんに怒られちゃうかな……?

 

「ねぇ、ゆうちゃん」

「ん?」

 

ファイトだよ!、私!

 

「これ、ゆうちゃんにあげる。穂乃果が作ったの」

「…貰っていいの?」

「うん♪、ゆうちゃんの為に作ったんだよ?」

「ありがと……」

 

やったー♪

ゆうちゃんに上手く渡せたよー♪

この後、予想通り海未ちゃんに買い過ぎですって怒られた……

なんでか穂乃果だけ……

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

園田海未です。

悠里君にチョコレートを渡そうと

思ったのですが……

 

(まさか悠里君から貰えるなんて……///)

 

最初は穂乃果が渡した後に

私とことりが渡そうと思っていたのですが、

悠里君は今日がバレンタインデーという事を思い出したのか

手作りのチョコを私達3人にくれたんです///

いきなり渡されたので私達が作ったのは渡しそびれてしまいましたが……

 

「みーちゃん、どうしたの?」

「い、いえ///。何でもないですよ!?」

 

それで今は午後の授業が終わって、

ちょうど私が日直の当番だったので悠里君に

プリントを教室まで持って行くのを手伝ってもらっています。

最初は私1人でも大丈夫だと言ったのですが……

 

「あの、手伝ってもらってすみません……」

「…僕が勝手にやってるだけだから気にしなくていいよ」

 

わ、渡すなら今がチャンスな気がします……

これを逃したら……

 

「ゆ、悠里君!」

「ど、どしたの?」

 

いつまでも恥ずかしがっては渡せないです!

根性を見せるのです!、園田海未!

 

「悠里君にチョコを作ったので受け取ってください///」

「あ、ありがと……」

「はぃ……///」

 

ど、どうしましょう……///

無事に渡せましたが恥ずかしくて悠里君の顔が見れません……

私の顔、絶対に真っ赤です……///

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

南ことりです。

放課後になり練習に行こうと思ったんだけど

その前に、ゆーくんに渡そうかなと思い近づくと……

 

「…僕、ちょっと理事長室に行ってから部室に行くね?」

「あ、ことりも一緒に行ってもいい?」

「構わないけど……」

 

えへっ♪、作戦成功♪

2人きりとかにならないと渡せないよね?

穂乃果ちゃんと海未ちゃんは渡せたみたいだし、

あとは私だけだね。

 

「ゆーくん、お母さんに何か用でもあるの?」

「…急にどうしたの?」

 

だって放課後にわざわざ理事長である

お母さんに会いにいくんだよ?

しかも今日はバレンタインデーだから余計に気になっちゃう……

 

「…お世話になってるからチョコを渡そうかなと」

「むー……」

「ことちゃんどうしたの?。顔が凄い事になってるけど……」

「知りません!」

「えぇ……!?」

 

ゆーくんってバレンタインデーがどういう日なのか本当に分かってるのかな?

試しに聞いてみたいけど私が思ってたのと違ってたら嫌だなぁ……

あ♪、そうだ♪

 

「ゆーくん」

「…なに?」

「ことりが作ったチョコクッキー欲しい?」

 

ちょっと意地悪な質問をしてみる。

少し考え込む、ゆーくん。

なんて言ってくれるんだろ?

 

「…むしろ、ことちゃんが欲しいなんて言ってみたり」

「ちゅん!?」

「…こーとちゃーん?」

 

ゆ、ゆゆゆーくん!?

そそそ、それって……///

 

「…あちゃ、からかい過ぎたか……」

「ゆ、ゆゆゆーくん///、これあげるね!」

「えっ?、いや、でも……」

「いいの!!///。これはことりが、ゆーくんの為に作ったものだから!!///」

「あ、ありがと……?」

「じゃ、じゃあ私、部室に行って待ってるから~///」

「こ、ことちゃん!?」

 

ゆーくんに言われた言葉が頭が離れなくなった私は

その場から逃げるように部室に走りました……

 

 

 

 

 

 

 

(ちゅーん///、ことりが欲しいなんて~///、ゆーくんのバカ~!!///)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもちゃんと渡せたから結果オーライだよね?

ちゅんちゅん♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
なんとか間に合いました……
これからもよろしくお願いします。


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第119話 どうしたいの?

ゆるポメラです。
本編の続きになります。
本編の投稿、何日ぶりになるんだろ……?

それではどうぞ。


グラウンドに練習の準備をしていた後も

ほのちゃんは元気がなかった。

部室であんな空気になった後だからね……

 

「何かあったんですか?」

「えっ?」

「顔を見たら分かるよ」

 

みーちゃんとことちゃんが、

ほのちゃんに話しかけた。

2人も様子が変だと気がついたみたい。

すると観念したのか……

 

「雪穂に言われたんだ、3年生が卒業したら……」

「…μ'sはどうするのって言われたの?」

「うん…って、なんで分かったの!?」

 

ほのちゃん…そんなに驚く事?

話の流れで予想がつくよ?

って、みーちゃんとことちゃんは何で苦笑いしてるの?

僕、おかしい事言ったかな……?

 

「それじゃあみんな行くわよ~!」

 

絵里さんの合図で練習を開始する。

今からやる練習はグラウンドを走る事だ。

過度なトレーニングは避けようというやつだ。

当然ながら僕も走る。

 

 

 

 

 

 

 

走ってる途中で気になった事があったのか

みーちゃんが……

 

「穂乃果はどう思うんですか?」

「スクールアイドルは続けていくよ。歌は好きだし…でも……」

「μ'sのままでいいって事……?」

 

ことちゃんが代弁した。

図星だったのか、ほのちゃんは静かに頷いた。

 

「私も同じです。3年生が抜けたのをμ'sと言っていいのかと……」

「そうだよね……」

 

みーちゃん、ことちゃんが言った。

考えてる事は、ほのちゃんと一緒だった……

 

「なんで卒業なんてあるんだろう……」

「…いや、そんな事を言われてもねぇ……」

 

ほのちゃんの言う事にちょっと戸惑った。

確かに言い分は分からなくはないけどこればっかりはそれを作った人に

聞いてくれと言いたかったけど敢えて僕は言わなかった。

 

「続けなさいよ?」

 

僕達4人の前を走ってたにこさんが話し出した。

聞こえてたんですね……

 

「メンバーの卒業や脱退があっても名前は変えずに続けていく。それがアイドルよ!」

「アイドル……」

 

そう言われても割り切れないものがあるのは僕が一番知ってる……

同じ事が昔もあったから尚更だ。

 

「そうやって名前を残していってもらう方が卒業していく私達も嬉しいの。だから…」

 

そこから先を言おうとした、にこさんは希さんの胸の辺りにぶつかって尻餅をついてしまった。……というか希さんも今の話を聞いてたんですか?

 

「その話はラブライブが終わるまでは話さないって約束やろ?」

「分かってるわよ…」

 

目線を逸らしながら答えるにこさん。

 

「本当にそれでいいのかな…?」

 

花陽ちゃんが今のやり取りを聞いて思ったのか

そんな事を言った。その表情は疑問を抱いているような感じだった。

 

「だって亜里沙ちゃんと雪穂ちゃんもμ'sに入るつもりでいるんでしょ?ちゃんと…答えてあげなくてもいいのかな……もし私が同じ立場なら辛いと思う」

 

アイドルが好きな花陽ちゃんだからこそ、

思うところがあるのだろうと僕は思った。

 

「なに遠慮してるの?続けなさいよ。メンバー全員が入れ替わるならともかく、あなたたち6人は残るんだから……」

 

花陽ちゃんが遠慮しているように感じたのか、

にこさんが言う。すると花陽ちゃんは……

 

「遠慮してるわけじゃないよ。ただ私にとってのμ'sはこの9人で誰か1人でも欠けても違うんじゃないかって……」

「私も花陽と同じ。にこちゃんの言う事も分かる。μ'sの名前を消すのは辛い。だから続けていった方がいいんじゃないかって…」

 

花陽ちゃんが言った事に同意する真姫ちゃん。

 

「でしょ?それでいいのよ…」

「えりちはどう思うん……?」

 

希さんの問いかけに無言で立ち尽くしている絵里さん。

しばらく下に俯いてしばらく考えた後に、こう話す……

 

「私は決められない。それを決めるのは穂乃果達なんじゃないかって……」

 

その言葉に、ほのちゃん達2年生と凛ちゃん達1年生も驚いていた。

 

「私達は必ず卒業するの。スクールアイドルを続ける事はできない。だからその後の事も口にすることも出来ない。私はそう思ってる。決めるの穂乃果達。それが私の考え…」

 

絵里さんの言葉に希さんとにこさんも同意していた。

これが3年生の答えか……

 

「…今日の練習はここまでにしよ?。みんな考えたい事もあるだろうし」

 

僕の合図で今日の練習は終わりにする事にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

3年生が先に帰った後、

私達7人も帰る事になりました。

 

「結局、話し合う事になっちゃったね……」

「仕方ないと思います。曖昧な気持ちで大会に臨むのは良くないと思います」

「…遅かれ早かれ、この事は話さなきゃいけなかったと僕は思うけどさ」

 

悠里君の言う通り遅かれ早かれ

いずれは話さなければならない問題でした。

私の後ろにいた真姫は……

 

「どうするつもり?」

「私達で決めなきゃならないんだよね……」

「難しすぎるよ……」

 

続くように花陽と凛が話した。

すると悠里君が……

 

「…今回の件、僕は何も言わないし関わらないから」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

ここにいる全員が驚いた。

悠里君の言い方を変えれば自分には関係ないから

そっちで勝手にやってと言ってるように聞こえたからです。

私達が次に言う事が分かったのか小さく溜息を吐きながら……

 

「…勘違いしてるようだから念の為に言うけど、別に僕は見捨てるという意味で言ったんじゃないからね?」

「じゃあどういう意味なんですか?」

 

花陽の問いかけに悠里君は私達の目を真っ直ぐ見ながら……

 

「絵里さん達3年生が卒業したら来年いるのは、ほのちゃん達6人なんだから、その6人でどうしたいか決めなきゃダメだよ。それに歌うのはμ'sのメンバーである6人なんだから僕は関係ないよ。厳しい事を言うようだけどμ'sの今後の事も解決できないようで迷いがあるような…そんな状態じゃラブライブ優勝なんて絶対にできないよ」

 

その言葉は私達に重く深く突き刺さった……

どうしてそんな事を言うの?と彼に言いたがったが何故か言えない。

そして私達に向かって……

 

「…敢えて聞くね?、μ'sを()()()()()()()

 

悠里君の問いかけに

答える事ができなかった。

その理由を考えても答えが出なかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年生組3人と別れ、

ことりとも別れたあと私達は家に向かっていた……

 

「ほのちゃん」

「ゆうちゃん……?」

 

穂乃果の家に着き家に入ろうとした時、

悠里君が呼び止めた。

 

「自分に正直に本心で考えてみるといいよ。そうすれば答えが見つかるから…」

「うん、ありがと……」

「…答えが出たらμ'sのみんなで休日を利用してみるといいよ」

「「えっ?」」

 

それは一体どういう意味なんでしょうか……?

 

「僕から言える事はこれだけ。ほのちゃん、また明日ね」

「穂乃果、それではまた。」

「うん、また明日ね。ゆうちゃん、海未ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果と別れたあと私と悠里君だけになった。

うぅ…、なんだか少しだけ気まずいです……

 

「あの、聞いてもいいですか……?」

「…なにを?」

「悠里君があの時、私達6人に言った意味って経験則だからですか?」

 

すると悠里君は少しだけ驚いた表情をしながら……

 

「…みーちゃんってエスパー?」

 

どうやら本当のようです。

帰る道中ずっと考えていたんですが、どうにも腑に落ちない点がありました。

あの意味を深く考えると悠里君自身が体験した言い方になるんです。

そう考えていた時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………璃夢ちゃんも同じだったから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、悠里君が何かを

呟いていた事に私は気づかなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
次回で2期第11話、最後の回になります。
構成は浮かんでいますので早く投稿できると思います。
次回もよろしくお願いします。


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第120話 決めた事

ゆるポメラです。
今回で『私たちが決めたこと』の回は最後になります。
主に悠里の心情です。
尚、穂乃果達は、あまり出ません(土下座)
期待していた皆様、申し訳ございません……

それではどうぞ。



今日は日曜日。

この日、僕は1人で出かける事にしていた。

ほのちゃん達μ'sは一緒じゃないのかって……?

朝、μ'sのみんなで遊びに行こうと連絡があったんだけど丁寧に断った。

 

「こういう事に関しては僕は関わっちゃいけないし……」

 

別に僕が歌う訳じゃないからね……

そもそも僕は落ちこぼれなりにμ'sを手伝ってただけだし……

ここ最近、ずっと思ってた。

僕がいてもいなくてもμ'sはやってけたんじゃないかって……

 

「…だから1人で出かけてるんだけどね」

 

1人で出かけるなんて何年振りだろ……?

あぁ…思い出した。中学1年の頃以来だったなぁ……

 

「…気ままに歩こうかな」

 

適当に歩いていれば行きたい場所に着く。

1人の時はずっとそうだった……

そう思った僕は何も考えずにただ歩く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に足を止めた場所はアイドルショップだった。

暇だし寄ろうかな……?

何の目的もないけど……

少し苦笑いしながら中に入る事に……

 

「…μ'sのグッズが置いてある」

 

ポスターやら何やら色々置いてあるし。

みーちゃんが見たら恥ずかしがりそうだ。

ちょうどその時だった。

 

「『伝伝伝』ブルーレイの完全版の予約特典は……」

 

やっば……

今の声、完全に花陽ちゃんじゃん……

僕は見つからないようにアイドルショップを後にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかμ'sのみんなが来てるとは思わなかった……」

 

なんとか見つからずに済んだのはいいけど

これからどうしよう……?

携帯の画面を見ると時刻は12時30分だった。

 

「…そうだ。『月見屋』に行こう」

 

結果、未柚ちゃんが営む喫茶店に行く事になった。

この時間帯なら混んでない筈だし……

少し遠回りして行こうかな。

さっきみたいに遭遇したら気まずいからね。

という訳で移動する事に……

 

 

 

 

 

 

ーー月見屋ーー

 

 

 

 

「…という訳なんだよ」

「だから悠里お兄様1人だったんですね……」

 

予想通り喫茶店の中は空いていた。

お客は僕1人だけ。

で、今は何をしているかっていうと未柚ちゃんに最近の事を説明しています。

μ'sの今後。今日1日、僕が1人でお出かけしている理由も含めてね?

 

「本当に良かったんですか?、穂乃果先輩達と遊びに行かなくて……」

「…いいよ。僕はμ'sの関係者でもないから」

「お手伝いとかでも……ですか?」

()()()()()()()()()()でもないんじゃない?…僕がいる意味って」

「まだ気にしてるんですか?」

「割と……ね」

 

主役はあくまで、

ほのちゃん達μ'sだ。

だから僕は今回の件に関しては口出しをするつもりは無かった……。3年生が卒業した後に残るのは、ほのちゃん達2年生と凛ちゃん達1年生だからその6人で決めなきゃダメだと思ったからだ……

じゃあ僕は?

…僕は何かしてあげたか?答えは『NO』だ。

結局、僕は誰にも気づかれず隅っこがお似合いな人間だから……

 

「…未柚ちゃんコーヒーもう1杯」

「未柚はバーテンダーじゃありませんよ?」

「…違うの?」

「悠里お兄様は未柚の事を何だと思ってるんですか……」

「…最年少の喫茶店のマスター」

「合ってますけど……否定できないです」

 

そう言うと未柚ちゃんはコーヒーの準備をしてくれた。

暗い話が続いてしまったので話題を変えてみる事にする……

 

「そういえば、心結は学校だっけ……?」

「えぇ。確かティナさんに頼まれた事があると言ってましたね」

「…代休とかどうするんだろ?」

「その辺はティナさんが理事長権限でなんとかしちゃうのでは?」

「…やりそうだね、ティナさんなら」

 

心結と未柚ちゃんは同じ学校に通っている。

僕も花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃんと遊びに行った事がある。

ちなみに理事長はティアちゃんのお母さんのティナさんだったりする。

すると未柚ちゃんが……

 

「ところで悠里お兄様、穂乃果先輩達からチョコレートを貰いましたか?」

「…僕も渡したし、なんか分かんないけど貰ったよ?」

「悠里お兄様も心結と同じ事を言いますか……お、恐るべしです……」

「…あれ?、心結も誰かから貰ったの?」

 

誰かは予想はつくけど一応聞いてみる……

 

「梨子ですよ」

「だと思った。心結に対して梨子ちゃん純粋だもんね?」

「あの手作りチョコを純粋だと思っていいのか未柚は不安です……」

「未柚ちゃん、どうしたの?」

「いえ。何も……」

 

この後も最近の事とか未柚ちゃんの愚痴を聞いたりと

夕方まで喫茶店で僕は過ごしていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は16時30分。

帰る途中で携帯電話が鳴った。

画面を見ると1通のメールが来ていた……

 

「…そっか。」

 

送り主は、ほのちゃんからだった。

内容はμ'sの今後についてだった。

書かれていたのは、たったの一行……

それは……

 

 

 

 

 

 

『大会が終わったらμ'sは、おしまいにします』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった一行の言葉だけど僕にはその意味が分かった。

誰かが抜けて…誰かが入って、それが普通…けどμ'sの場合は違う。

1人でも欠けたらμ'sじゃない……かと言ってメンバーが増えてもμ'sじゃない。

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん、絵里さん、希さん、にこさんの9人がいてのμ'sなんだろう……

 

「……僕も大会が終わったら考えようかな」

 

そう思いながら

僕は自宅に向かって足を運んだ。

帰る時、夕日が綺麗だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日の放課後……ーー

 

 

 

 

 

 

部室に着くと、

ほのちゃんがホワイトボードに何かを書いていた。

 

「ほのちゃん、何を書いてるの?」

「あ、ゆうちゃん!、これだよ♪」

 

そこに書かれていたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

『ファイトだよっ!ラストライブまであと1週間!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

…とデカデカと書いてあった。

真ん中にはμ'sの9人で撮ったと思われる写真が貼ってあった。

写真というよりは証明写真を撮る機械で撮った写真のようだけど……

 

「…みんな凄い顔してるね?」

「あー!?、ゆうちゃんが笑ったー!!」

 

そう言うと、ほのちゃんは僕の腕に抱きつきながら頬を膨らませる。

 

「「あー!?」」

 

なんだと思い振り返ると、

みーちゃん、ことちゃんがいた。

あれ?、この状況って誤解とか招かないかな?

そう思った矢先……

 

「穂乃果!!、どうして悠里君に抱きついているんですか!!」

「穂乃果ちゃんズルイ!!、ことりも抱きつく!!」

「ことりも抜け駆けとかズルいじゃないですか!!、わ、私も……///」

 

そう言った後、

みーちゃんは左腕に、ことちゃんは背中に抱きついてきた。

何なのコレ……?

 

「…3人共さ、今から練習なんだよ?。離れてくれると嬉しいんだけど……」

「「「イヤだ!!」」」

 

この後、20分くらいこの状態が続き、

僕達4人は絵里さん達に手痛いお説教をもらいました……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
今回で、2期第11話は終了です。
連載開始の頃から2期第11話の後半は違った形で
執筆したかったので今回のような形にしました。
次回は、2期第12話『ラストライブ』の回です。
頑張って執筆しますので、よろしくお願いします。


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特別編 花丸の誕生日

ゆるポメラです。
花丸ちゃん、誕生日おめでとう。
今回は回想的な内容になっています。
なので少し短いかもしれません……
視点は未柚になります。

それではどうぞ。


皆さん、にゃんぱs…

コホン!、こんにちは。

神無月未柚です。

相変わらず暇で困っています……

 

「本でも読んでいましょうかね……」

 

お客さんが来ない理由は喫茶店の場所が分かりにくいところにあるからです。

昨日なんか不良のお客様が来て大変でした。

まぁ……正当防衛で撃退しましたけど♪

 

「ごめんくださーい。宅配便でーす」

 

おや?

宅配便ですか……

さてと判子は……ありました!

 

「どうも!、宅配便です。神無月未柚さん宛てにお荷物です」

「未柚にですか、ご苦労様です」

「では、こちらに受け取りのサインか判子をお願いします」

「分かりました。」

 

受け取り欄のところに判子を押す。

 

「これでいいですか?」

「大丈夫です、お届け物の荷物は段ボール2箱になりますが……」

 

段ボール2箱ですか……

まぁとりあえず……

 

「お手数をおかけしますが、こちらまで運んでもらってもいいですか?」

「了解です」

 

宅配便の人にカウンター席の近くまで、

段ボール2箱……もとい、荷物を運んでもらいました。

 

「よっこいしょ……では失礼いたします!」

「ありがとうございます。宅配の仕事、頑張ってください」

「これはどうも。では!」

 

宅配便の人が去った後、

未柚は段ボール箱に書いてある送り主を探す。

 

「おや。荷物の送り主は花丸からですか」

 

荷物の送り主は内浦に住んでいる未柚の妹分の国木田花丸(くにきだはなまる)からでした。

実家がお寺でかなりの本好き。

彼女も月見屋の常連様なんです。

 

「おや。手紙が入ってますね……」

 

封筒が段ボールに貼り付いていたので、

それを取り封筒を開封すると手紙が入っていました。

しかも2枚。

とりあえず手紙を読んでみましょうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『未柚お姉ちゃんへ

 

この手紙を読んでるという事は荷物が届いたよね?

 

もうすぐ春になるずらね。

 

誰かに手紙を書くなんて久しぶりだから昨日は徹夜をしちゃったよ~

 

あ、荷物の中身なんだけどマルが最近見つけた面白い本です。

 

未柚お姉ちゃんや瑠菜ちゃんが好きそうな本を選んでおきました。

 

ちょっと多いかもしれませんが読んでくれると嬉しいずら。

 

ハズレはないから安心してね?

 

そういえば前に未柚お姉ちゃんが貸してくれた本、面白かったよ~

 

今度そっちに遊びに行った時に借りてもいいずら?

 

どこの本屋に行っても続きの本が無かったよ……

 

心結お兄ちゃんとスズちゃんは元気ですか?

 

もし機会があったら、また内浦に遊びに来てね。

 

追伸、送った本の種類はもう1枚の紙に書いてあるから確認してね?

 

                     花丸より』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と書かれていました。

なるほど。わざわざ面白い本を選んで送ってくれたんですね……

お姉ちゃんは嬉しいですよ。

 

「料理系、昔話系、推理小説……随分ありますね」

 

他にも漫画や内浦のスポット集、未確認生命体特集等もありました。

 

「それにしても花丸は、この大量の本をどうやって運んだのでしょうか?」

 

嬉しい反面、

ちょっと疑問に思った未柚でした。

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
早くも3月になりましたが頑張って執筆しますので
これからもよろしくお願いします。


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第121話 最後の練習日

ゆるポメラです。
今回から、2期第12話『ラストライブ』の回になります。
早くも3月ですね……
サンシャイン2期放送決定やったー♪。
そんな事を考えながら執筆しました。
それまでには何とか各小説を完結させないと……

それではどうぞ。


本大会まで残すところ、あと1日。

ライブで歌う順番の抽選会でμ'sは一番最後に歌う事になった。

ちなみに抽選のくじを引いたのは、にこさんだ。

卒業するまではアイドル研究部部長という事でくじを引いてもらう事になった。

それで部室でなんやかんやあって現在、屋上で練習する事に……

 

「…今日は僕がリズムを取る役を担当するよ」

「「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」」

 

僕がそう言ったら驚かれた。

何故……?

 

「なんで、みんなして驚くの……僕、なんか変な事言った?」

「えっ…だって……、ゆうちゃんが自分からやるなんて初めてだったから……」

 

ほのちゃんが言う。

他のみんなも頷いていた……

確かに今まで、自発的にやるなんて言わなかった気がする。

()()()()なら今まであったけどね……

 

「あっ、もしかして嫌だった……?」

 

曲とかは一応、みーちゃんに見せてもらってるし、

音のテンポ等は真姫ちゃんから聴かせてもらってるから問題ない。

振り付け等は最近のみんなを見ているのでこっちの方も大丈夫。

…ただ、みんな意見が気になっただけ。1人でも嫌だと言う人がいれば僕は別な役割をすればいいだけだし。

 

「あの、お願いします!、花陽は悠里さんにやってもらいたいです」

 

そう思っていた矢先、花陽ちゃんにお願いされた……

よく見たら他のみんなも同じ目をしていた。

最初に自分で言った事だし応えなきゃダメだよね……?

 

「…ん、じゃ曲を流しながらやろっか。悪いところは指摘したりするから」

「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」

「…さて僕も頑張ルビィするか」

「ゆーくん、今何か言わなかった?」

「…さーて僕も頑張るよー」

 

ことちゃんに聞かれるところだったよ……

危ない、危ない……

と、まぁこんな感じで練習する事になった。

 

「1、2、3、4、1、2、3、4……」

 

いつも通りに手拍子でリズムを取りながら

みんなの動きを確認する……

 

「ほのちゃん、もうちょっとテンポよく!!」

「はい!」

「みーちゃん動きが若干早い!!、ちょうど凛ちゃんみたいに合わせて!!」

「はい!」

「ことちゃん肩に力が入ってる、慌てるのはよくないよ!!」

「うん!」

「そろそろ最後の決めポーズに入るよ!、全員最後まで気を抜かない!!」

「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」

 

そして最後のポーズを決める。

僕は音楽プレイヤーにセットしてあるスイッチを切る。

 

「お疲れ様、綺麗に出来てたよ。」

「つ、疲れたにゃー……」

 

凛ちゃんだけじゃなく周りを見ると

他のみんなも息切れをしていた……

絵里さん達3年生に至っては座り込んでしまってる。

 

「…それじゃ各自休憩。水分補給はこまめにとってね?」

「「「「「「「「「は、は~い……」」」」」」」」」

 

僕が言うのもなんだけど大丈夫かな?

こうして各自休憩に入る事になりました。

 

(昼寝したいなぁ……)

 

休憩中に思った事である。

こんなに気温が暖かいと昼寝とかしたいなぁって思う……

 

「ゆうちゃん、どうしたの?」

 

僕の隣に座っていた

ほのちゃんが不思議そうな表情で聞いてきた。

 

「こう気温が暖かいと昼寝したいと思って……」

「そうだね、穂乃果も同じ事思ってたよ」

「そういえば桜の開花が近いってお母さんが言ってたよ?」

 

ことちゃんが言う。

という事はそろそろ春が近いんだなぁ……

本当に時の流れというものは早い……

 

「悠里君どうかしたんですか?」

「…ん?、そろそろ僕の好きな季節の春が来るんだぁって思って」

「春が好きなんですか?」

「春夏秋冬の4つの季節の中では一番好きだよ」

「ゆーくんはどうして春が好きなの?」

「あ、穂乃果も聞きたい」

「私も聞きたいです」

 

ことちゃんが僕にそう聞くと、

ほのちゃん、みーちゃんも聞きたいと詰め寄って来た。

…てか3人共、顔が近いってば。

 

「…時間の流れが早く感じるのが好きだからかな、馬鹿らしい理由かもしれないけど」

「「「えっ?」」」

 

僕がそう言うと3人は不思議そうな表情をしていた。

まぁいきなり『時間の流れを早く感じるのが好き』と言えばそうだよね……

春が好きな主な理由とかだと桜が好きとかが多いけど……

 

「…"出会いと別れの季節"ってよく聞くけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()僕はそれでいいんだ。自分にとっての楽しい思い出は、あっという間に過ぎちゃうし気づけば春になってる、桜の花びらを見て毎回思うよ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()いくんだなぁって……」

 

なんでこんな事、ほのちゃん達に言ってるんだろ……?

そんな理由は自分でも分かってるさ……

()()1()()()()()()にそうなってしまった事くらい……

だから僕は……

 

「ゆうちゃん?」

 

ほのちゃんに……

 

「悠里君?」

 

みーちゃんに……

 

「ゆーくん?」

 

ことちゃんに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ()()()()()()()()()()()()()()()()……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん。あのさ……いや、やっぱ何でもない……」

「えー!?、ゆうちゃん、もったいぶらないで教えてよー!」

「穂乃果ちゃんズルイよ!、ことりも抱きつくー!」

「わ、私は悠里君の右側に……///」

 

…全く。

言わないからってコレはどういう状況なのさ?

ほのちゃんは僕の背中、みーちゃんは右腕、ことちゃんは左腕に抱きついてきた……

まるで絶対に離さないぞとみたいな雰囲気があった……

 

(もしかして休憩中、ずっとこの状態のまま……?)

 

さっき言いかけた事を言おうかな?

いや、止めておこうかな……

今は明日の……μ'sが歌う本大会を見届けないとね……

僕が出来る事ってそれくらいしかないから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし聞いてもいいならさ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心の中で聞いてもいいよね……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3()()()()()()()()()()……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか話が短くなってしまい申し訳ありません……
伏線の描写を執筆するのは難しいですけど楽しいです。
皆さんが読んでいただいてるだけで作者も頑張れます。
まだまだ未熟な作者ですが次回も頑張って執筆しますので、
よろしくお願いします。


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第122話 学校で過ごす夜

ゆるポメラです。
そろそろ海未ちゃんの誕生日が近いですね…
あとはホワイトデーとか……
今月は色々と執筆が多くなりそうです。
少し違った感じで学校での泊まりに入ります。

それではどうぞ。


練習が終わった後、

僕達は校門前を歩いていた。

 

「じゃあ明日、時間を間違えないようにね?」

 

絵里さんが明日遅刻をしないように

みんなに言った。

流石に大事なライブの日に遅刻とかはしないと思うけど……

 

「ほのちゃんには僕が連絡でもしようか?」

「遅刻なんてしないもん!、……でも、ゆうちゃんに起こされるなら……///」

 

後半、ほのちゃんが何か言ってたような気が……

 

「穂乃果?、ちゃんと自分で起きてくださいね♪」

「そうだよ穂乃果ちゃん♪、ゆーくんに甘えちゃダメだよ?」

「は、はい……」

 

みーちゃん、ことちゃんが何か黒い笑みを浮かべていた。

ちょっと2人共怖い……

目の前の信号機を見る。ちょうど青に変わっていた。

横断歩道を渡ろうとした時、花陽ちゃんが急に立ち止まった。

 

「みんなで練習するのって……これが最後なんじゃ」

 

その言葉に他の8人も足を止める。

 

(…分かっていても、みんな同じ気持ち……か……)

 

「ダメよ!ラブライブに集中!」

 

にこさんが言うが他のみんなは歩こうとしなかった。

 

「…どうするの、このままじゃいつまでも帰れないよ?」

「そうよ!」

 

僕とにこさんが言っても他の8人は俯いたままだった。

この状況なんとかできないかな?

 

(あっ……そうだ……)

 

多分みんなはこの後、明日のライブに向けて

神田明神に寄る筈だ。でもその後も今みたいに帰るのが

惜しむのが容易に想像ができる。

なら……

 

「あっ僕、教室に忘れ物をしちゃったから取りに行くから先に帰っててー」

「えっ!?、ゆうちゃん!?」

 

ほのちゃんに呼び止められそうだったが

気にせず僕はある人に会いに行く為、学校に戻った。

まだいるかな……?

 

 

 

 

 

 

 

着いた場所は理事長室。

とりあえずノックするか……

南先生いてくればいいけど……いやいて欲しい。

 

 

 

 

ーーコンコンーー

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

やったー!

まだいてくれたよー

そう思った僕は中に入る。

 

「失礼します……すみません急に……」

「珍しいわね?、ことり達と帰ったんじゃなかったの?」

「帰ろうとしたんですがちょっと色々とあって……」

「詳しくは聞かないけど……もしかしてお願い事かしら?」

 

南先生は何で僕の言いたい事が分かるんだろうか……

もしかして意外と僕って顔に出やすいのかな?

 

「はい、実は学校で泊まる許可が欲しくて……」

「急な話ね、でも合宿申請は2週間前に申請しなきゃダメよ?」

「それは重々承知してます、でも…ことちゃん達がほっとけなくて……」

「本当に優しいのね……分かったわ、申請書はある?」

「あっ…はい。実はここに予備の申請書があったり……」

 

鞄に入ってるファイルから1枚の申請書の紙を南先生に渡す。

この申請書の紙には、ほのちゃん達μ's9人の名前が既に書いてある。

ちゃんと本人直筆だよ?

 

「随分と用意がいいのね……偶然かしら?」

「母さんがこういう申請書は予備に2枚書いて持っていた方が役に立つからって……」

「藍里ったら……もう……」

 

前にみーちゃんから聞いたのだが、

母さんが部室に迷い込んだ時に申請書を2枚見つけたらしく、

その2枚に名前を書いてもらい、内1枚を家で僕に渡してきたのだ。

最初は何でかと思ったけどね……?

 

「ただし、条件があります。」

 

すると南先生が条件があると言ってきた。

条件か……一体なんだろ?

 

「悠里くんも泊まるのが条件よ」

「あっ僕もですか……まぁ言い出しっぺですからね」

「あら、珍しく素直ね?」

「…逆にいいんですか?、僕なんかが一緒に泊まっちゃて……」

「今更じゃない♪。つい最近まで学校で寝泊りしてた癖に」

 

ちょっと何で知ってるんですか南先生?

 

「悠里くんの行動なんてお見通しなのよ?」

「やっぱり南先生には勝てませんよ……あっ名前書き終わりました」

「はい。じゃあ承認しました。」

「ありがとうございます」

 

承認の判子を貰った僕は理事長室を後にした。

 

「さてと……ことちゃんに電話かけようかな」

 

この後、ことちゃんに事情を話したところ

ほのちゃん、みーちゃんに後で4人でお話しようね?

と低い声で宣告されたのは余談である。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー部室ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「できた~」

 

ほのちゃんが言ってるのは部室に9人分の布団が敷かれているからだ。

ちなみに僕以外、全員パジャマ姿である。

 

「はいお待たせ~!、調理室の火力弱いんじゃないの?」

 

隣の部屋からにこさんが中華鍋を片手に持ちながら

愚痴りながら入って来た。

 

「火力が弱いのは安全の為だと思いますよ。花陽ちゃーん、ご飯は?」

「炊けました~♪」

 

花陽ちゃんが持ってる炊飯器の中には、

炊き立てのご飯が見えた。

 

「そして凛はラーメンを持って来たにゃ!」

「いつの間に持ってきたのよ!?」

「…そのラーメンの器、オーダーメイド?」

「そうにゃ♪」

「ラーメンの器のオーダーメイドなんて初めて見たわ」

 

真姫ちゃんが苦笑い気味に言う。

 

「それじゃあ夕食にしましょう」

 

絵里さんの合図で夕飯にする事になりました。

食器とか出しとかなきゃ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

 

こんばんは、園田海未です。

明日のライブに向けて今日は学校で

お泊まりと悠里君から聞いた時は驚きました。

しかも帰る際に理事長に学校の許可を貰いに行っていたと

ことりから電話で聞かされたので3人で悠里君に問い詰めました。

 

「なんか合宿の時みたいやね」

 

希の言う通り、夏に真姫の別荘に行った時を思い出します。

 

「合宿もいいけど学校でお泊まりだよ!」

「最高にゃ~♪」

 

穂乃果と凛がはしゃぐのも分かります。

学校でお泊まりなんて初めての事なので私も楽しんでいたりします。

流石にはしゃいだりはできませんが……

 

「そういえば今って夜だよね?」

「…まぁ19時過ぎだしね。」

 

穂乃果の疑問に悠里君が答えると、

椅子から立ち上がって、部室の窓を盛大に開けた。

 

「ちょっと!寒いじゃない!」

「…ほのちゃん寒い。お願いだから窓を閉めて」

 

にこと悠里君が不満を言いますが当の本人は聞く耳を持たず。

 

「夜の学校ってさ、いつもと違う雰囲気で新鮮だよね!」

「…そういうもんなの?、僕は慣れてるからあまり思わないかも」

「後で肝試しするにゃ~」

「えぇ!?」

 

うぅ…肝試しですか……

私は正直に言うと乗り気じゃないんですよね……

理由は夜の学校は怖いからなんです。

 

「あっ、いいね~。えりちは特に大好きやもんね~♪」

「希!?」

「絵里ちゃん、そうなの?」

「…なんか意外です。絵里さん苦手そうなイメージがあるのに」

「いや~…それは…」

 

穂乃果と悠里君の質問に答えず、

真姫が部室の電気を消した途端……

 

「きゃあ!?」

「痛い、絵里ちゃん痛いよ~」

「離さないで離さないで!!」

 

もしかして絵里……

 

「…なるほど。暗所恐怖症ですか」

「新たな発見やろー?」

「そうですね、真姫ちゃん電気点けてあげて。絵里さんが荒れそうだから」

「あ、はい……」

 

確かに電気を点けないと絵里が怒り狂いそうです……

すると悠里君が席を立ちました。

 

「ゆうちゃん、どこ行くの?」

「…教室に行くだけだよ、みんなは先に寝てて?」

 

そう言うと悠里君は部室から出ていきました。

私は少しだけ気になったので……

 

「私お手洗いに行ってきます」

「「じー……」」

「な、なんですか穂乃果、ことり……」

 

穂乃果とことりだけじゃなく、

1年生と3年生も見てきました……

むぅ…なんか癪に障りますね……

もしかして私の考えてる事が分かってるんでしょうか?

疑問に思いつつ私は部室から出ていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……やっぱり夜の学校の廊下を歩くのは怖いです」

 

灯りも点いてないので余計に恐怖感が襲ってくる……

やっぱり1人で行くんじゃなかったです……

 

「…何してるの?」

「ひゃああああ!?」

 

背後から声がしたので恐る恐る振り返ると、

悠里君がいました。

 

「…………」

「みーちゃん?」

「…………」

「おーい、みーちゃーん?」

「ふぇ……ふえぇぇぇん~!、悠里君~!」

「ど、どうしたの!?」

「怖かった、怖かったんです~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もぅ1人で歩きたくないです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いた?」

「はい……」

「でもどうしたの?、こんな1人で歩いて……」

「そ、それは……そ、そういう悠里君こそ!」

「さっきも言ったでしょ?、教室に行くだけだって……」

「むぅ……」

「そんな拗ねた顔しないでよ……じゃあ一緒に行く?、1人じゃ怖いでしょ?」

 

正直に言うと悠里君の言う通り

1人で部室に戻るだけでも怖いので一緒に行く事にしました。

 

 

 

 

 

 

 

ーー2年2組教室、廊下付近ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いた着いたっと……」

「あの……悠里君、何を取りに来たんですか?」

「寝袋だよ、ことちゃんから聞いたでしょ?」

 

電話で聞いたんですが悠里君は最近まで

学校に寝泊まりをしていたと聞きました。

 

「もぅ、あんまり無茶しないでください……」

「寝心地はいいよ?」

「そういう問題じゃないです……」

「これからは気を付けるから大目に見てよ……」

 

机の脇に引っかかっていた寝袋を取りながら

悠里君は苦笑い気味に言ってます。

全く……自分の体調とか本当に考えているんですか?

 

「じゃ寝袋も取ったし部室に戻ろっか?」

「そうですね」

 

そして部室に戻る途中……

 

「ねぇ、みーちゃん」

「なんですか?」

「もう少ししたら、みーちゃんの誕生日だけど何が欲しい?」

「へっ……?」

 

悠里君が唐突な事を聞いてきたので

つい変な声を出してしまいました……///

 

「ど、どうして急に!?」

「だって誕生日が近いでしょ?、みーちゃんって自分から欲しい物とか言わなさそうだから、この際直接聞いた方がいいかなと思ったんだ」

 

確かに私の誕生日は3月15日ですけど……

そんな急に聞かれても困りますよぉ…///

 

「な、何でもいいんですか?」

「とりあえず言ってみて?」

「じゃ、じゃあ……///」

 

小さい頃に一度だけ憧れた事があります。

それを好きな人の前で言うのは恥ずかしいのですが……

 

「そ、その……ゆ、悠里君……///」

「ん?、誕生日プレゼント何がいいか決まった?」

「は、はい……///」

 

少しくらいワガママを言ってもいいですよね?

 

「悠里君と……し、新婚さんごっこがしたいです!!///」

 

い、言ってしまいましたあぁぁぁ!!??

穴があったら入りたいですぅ……///

 

「うん、分かった」

「い、いいんですか…?」

「みーちゃんの誕生日プレゼントだもん。今は明日のライブ頑張ろ?」

「はい///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なんだか明日のライブ頑張れそうです♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださってありがとうございます。
後半に海未ちゃんの視点を入れてみました。
もうすぐ海未ちゃんの誕生日ですからね……
次回で2期12話は最後の予定ですので
よろしくお願いします。


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第123話 最後のライブ

ゆるポメラです。
今回で『ラストライブ』の回は最後になります。
ちょっとだけオリジナルが入ってます。
割と重要だったりします。
上手く纏められたか不安なところもありますが
最後まで読んでいただければ嬉しいです。

それではどうぞ。


朝……外を見ると快晴だった。

今日は本大会当日。

 

「ほのちゃん達は……ってまだ寝てる」

 

早起きした僕が言うのもなんだけど、

みんな熟睡中である。

…さてどうやって起こそうかな?

普通に部室のカーテンを開けて起こすのも面白くないし……

 

(あ、そうだ♪)

 

みんなが確実に起きる方法を思いついた為、

僕は昨夜、夕飯を作る時に使った中華鍋とお玉を隣の部屋から

持って来た。

そして、その2つを使い……

 

 

 

 

ーーカンカンカンカン!!!ーー

 

 

 

 

 

「みんな起きてー。朝だよー♪」

 

そう言いながら中華鍋とお玉を使い盛大な騒音を鳴らす。

これを聴いたみんなは当然……

 

「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」

 

わー凄い……

みんな同時に起きたよ。

うんうん、この2つの調理器具を使った起こし方に勝るものなしだね。

そう感心していると……

 

「ちょっと悠里!!、アンタまともな起こし方とかないわけ!?」

 

にこさんに文句を言われた。

 

「普通の起こし方だと、みんな二度寝しそうで……つい♪」

「つい♪、じゃないわよ!!」

「…さて部長が目覚めたところで他のみんなも準備とかしてねー」

「「「「「「「「はーい」」」」」」」」

「聞きなさいよ!!」

 

他のみんなも、にこさんの扱いに慣れてきたなぁと思った朝だった。

余談だけど僕の様子がおかしかったのか、ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんに何か変な物でも食べた?って心配そうに聞いてきた。

……いつも通りなんだけどなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

ーー本大会・会場ーー

 

 

 

 

 

本大会が行われる会場に着いた僕達。

それにしても……

 

「これが会場……」

 

余りの大きさに驚く真姫ちゃん。

正直に言うと内心、僕も驚いてる……

 

「流石、本戦はスケールが違うわね」

「こんなところで歌えるなんて……」

 

絵里さん、凛ちゃん、他のみんなも驚いていた。

正直、夢でも見てるんじゃないか……そんな表情をしていた。

 

「ステージの近くにでも行ってみる?」

 

僕が何気なく提案してみたところ……

 

「うん!、ゆうちゃん早く行こっ!」

 

ほのちゃんに手を引っ張られた。

 

「そんな慌てなくてもステージは逃げないってば!、てか引っ張らないでー!?」

「みんなも早く早くー♪」

 

あぁ……みーちゃん達の姿が小さく見えるよ……

ほのちゃん、それだけ楽しみなんだなぁ……

そう思った僕だった。

 

 

 

 

 

 

 

ステージの近くに着くと、

照明がたくさん設置されており光ったり消えたりしていた。

調整か何かやってるのかな?

 

「凄い照明ですね…」

「眩しいくらいだね~」

 

みーちゃん、ことちゃんの意見には同感だ。

本番までの調整中とはいえ、ライトアップを見てる気分だ。

みんなの前では言わないけどね……?

 

「たくさんのチームが出場するわけやから設備とかも豪華やね~」

「本戦だから、これだけ豪華にすれば出場するチームとかもやる気が俄然おきますから……って、花陽ちゃんは?」

 

希さんと話してると花陽ちゃんの姿が見当たらなかった。

もしかして迷子になっちゃったのかな?

 

「あれぇ?、みんなは!?」

 

すると遠くの方から花陽ちゃんの声が聞こえた。

 

「かよちーん!、こっちにゃー!」

「迷子にならないでよ~!」

 

凛ちゃんが花陽ちゃんに声をかけ、

絵里さんが迷子にならないように注意した。

何気に広いからね、この会場……

 

「ここで歌うんだ…ここで歌えるんだ!私達!」

「そうね」

 

ほのちゃんの言葉に同意する絵里さん。

 

「みんな、あのスクリーンに凄いのが流れてるよ?」

 

僕が指をさしながら言うと、

みんなはスクリーンの方を見る。

そこに流れていたのは……

 

「「「「「「「「「わぁ~!」」」」」」」」」

 

『Love Live!』という文字が浮き上がり、そこから『ラブライブ!』という文字に切り変わり、更にラブライブ!の文字の下から小さく『School idol project』という文字が浮かび上がるという非常に凝った映像だった……

それを見た、みんなは感激していた。

ちょうどそんな時だった……

 

「ちょっと失礼」

 

声をかけてきたのは年配のお婆さんだった。

突然の事だったので、ほのちゃん達も驚いていた。

すると、お婆さんは僕を見て……

 

「坊や、ワシを覚えているかね?」

「えっ?、ゆうちゃんの知ってる人?」

「知ってるよ、()()お久しぶりですね?」

「「「「「「「「「えええぇぇぇ!!?」」」」」」」」」

 

僕が発した言葉に、

μ'sのみんなは驚いていた……

 

「ほっほ。会うのは12年振りじゃのう悠里?」

「…そうですね、というかよく僕だって分かりましたね?」

「忘れる訳がないじゃろう?、『スクールアイドル』という存在を作ってくれた、お前をの……」

「いや、僕は何もしてないですよ……」

「謙遜するでない。()()()2()()が築いてくれたから、こうして大規模な大会ができたんじゃ。」

 

全く……僕は本当に何もしてないっていうのに、

この人は相変わらずだ……

 

「時に悠里、後ろの子達が噂のμ'sじゃろ?」

「ほのちゃん達の事、知ってるんですか?」

「音ノ木坂学院にはワシも思い出深い場所でな?、そこのスクールアイドルの子達を資料で見たら何と、あの子達の娘だと一発で分かってのう」

 

そう言いながら会長は、

μ'sのみんなを懐かしむような目で見る。

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんの3人を特に見ながら……

 

「話は変わるが悠里、お前を探してる子達と会ったぞ?」

「…誰だかは検討がつきますが、何処にいました?」

「はて……入口付近だった気がするのう」

「ありがとうございます。後で迎えに行きます」

「ほっほ♪、ワシは今から仕事があるのでな。μ'sのみんなも楽しんでライブをするのじゃぞ?」

「「「「「「「「「は、はい。ありがとうございます」」」」」」」」」

「では、またのぅ悠里。12年振りに会えて嬉しかったぞ」

 

それだけを言い残すと会長は行ってしまった。

…やれやれ、まさかこんなところで会うとは思ってなかったよ。

 

「あ、あの悠里さん。あのお婆さんは……」

「凄い貫禄がありましたけど、どんな方なんですか?」

 

花陽ちゃん、みーちゃんが会長の事が気になったのか

僕に聞いてきた。他のみんなも同じだった。

 

「あの人は、ラブライブの大会を創設した人。終身名誉会長で詳しくは省くけど昔、僕がアイドルをしていた時に色々とお世話になった人。ここの運営とかの最高責任者でもあるから普段は見かけない事が多いけどね?」

「ハ、ハラショー……そんな凄い人だったなんて……」

「…僕もまさか会うとは思ってませんでしたけど」

 

すると、ことちゃんが……

 

「でもどうして私達がお母さんの娘だって分かったの?」

「その辺は南先生に聞くしかないんじゃない?」

 

正直に言うと、

μ'sのみんなを知っていたというのは驚いていた。

多分、何か縁みたいのがあったんだと思う。

機会があったら今度、南先生に聞いてみようかな?

 

「じゃあ僕はちょっと迎えに行ってくるから、ほのちゃん達は控え室に行ってて?」

「うん!、ゆうちゃんも穂乃果達のライブは観てよ?」

「分かった分かった。なるべく近くで観るから」

 

ライブが始まる前に戻らないと、

ほのちゃんが拗ねそうだし……

そう思った僕は一旦その場から別れる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会長が言っていた入口付近に着くと

そこには……

 

『あ!、ゆうり君ー♪』

「ゆうくん~、こっちだよ~」

「2人共あんまり大声出さないの」

「そうですよ、周りに迷惑をかけてしまいますよ?」

 

花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃん、未柚ちゃんがいた。

 

「4人共、どうしたの?」

『穂乃果ちゃん達のライブを観に来たんだけど場所が何処だか分からなくって』

「それでさっき、近くにいたお婆さんに聞いたの~」

「ルナが直球で聞いたんだけどね……」

 

なるほど。

花怜ちゃん曰く、ほのちゃん達のライブを観に来たのはいいが場所が分からず困っていたところ、ルーちゃんが近くにいたお婆さん(会長)に聞いたとの事……

ティアちゃんは直球で聞いたって言ってたけど、ルーちゃんは何て聞いたのさ?

 

「悠里お兄様、知らぬが仏です」

「未柚ちゃんがそう言うなら、ルーちゃんはとんでもない聞き方をしたんだね」

「え~?、ゆうくんを知りませんか~って聞いただけだよ~?」

 

確かに直球だ。

というか直球過ぎて苦笑いしかできない……

会長もよくルーちゃんの言葉が分かったなぁ……

 

「…ライブの開始時間まで、まだあるけどどうする?」

『お腹空いた!!』

「「「おい!」」」

 

花怜ちゃんの一言に、

僕とティアちゃん、未柚ちゃんの3人で突っ込んでしまった。

 

「ゆうくん~、わたしも何か食べたい~」

 

便乗するかのように、

ルーちゃんが言った。

あれ?、これって僕が奢る流れ?

 

「花怜お姉様、瑠菜お姉様。食べ過ぎると太りますよ?」

「そうよ、食べ過ぎはよくないわ」

『大丈夫、大丈夫♪、ねぇ~瑠菜ちゃん?』

「ね~♪」

「「はぁ……」」

 

ティアちゃんと未柚ちゃんが溜息を吐く。

あっそうだ……♪

 

「そっかー、2人共、みーちゃんが作るダイエットプランをやりたいと……」

「『やっぱ食べるの止める!!』」

 

2人共、息がピッタリだね……

まぁ花怜ちゃんは、みーちゃんが作ったダイエットプランは知ってるみたいだし。

こんな感じでライブ開始の夜まで5人で会場を周る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー夜、ライブ開始前30分前ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ開始30分前になったので、

僕達5人は、ほのちゃん達がいる控え室に向かう事にした。

関係者以外立ち入り禁止だけど僕は例外で入れるので

特権を利用して花怜ちゃん達4人も入れるようにした。

…まぁ花怜ちゃんだけは思念体だから許可とかも関係ないけどね?

それに多分、そろそろμ'sの出番が近いと思うし。

 

「あっ!、ゆうちゃん。花怜ちゃんに瑠菜ちゃん、ティアちゃん、未柚ちゃんも!」

 

そう思っていた矢先、

ほのちゃん達が控え室から出てきた。

時間的にもちょうどよかったのかな?

 

『わぁ~♪、みんな可愛い~♪』

「似合ってるよ~♪」

「素敵ね。」

「皆さん、とてもお似合いですよ」

 

花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃん、未柚ちゃんが

μ'sの衣装を見て言った。

 

「「「じー……」」」

「な、なに……?」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんが僕の顔を見てきた。

ちょっと3人共、あんまり詰め寄らないでよ。

顔が近いってば……

 

「えっ……と、凄く可愛いし似合ってるよ?」

 

なんで疑問形で答えてるんだろうか僕は……

詰め寄られた状態だからかな?

それ以前に、この答えでいいのかな……?

 

「「「ありがとう!///」」」

 

どうやら今の答えで合ってたらしい。

いつ振りだったかな……3人がこんな感じで

本当に楽しく笑ってるのを見たのは……

 

「それじゃ僕達はステージの近くで観てるから……頑張ってね」

『みんな頑張ってね!』

「わたし達も近くで応援してるから~」

「頑張りなさい、きっとできるわ」

「未柚も応援してますので頑張ってください」

 

ほのちゃん達に応援の言葉を残した僕達5人は、

ステージの近くに移動する事にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてμ'sの出番が来た。

この日の為に練習した曲……

その曲名は『KiRa-KiRa Sensation!』

 

(ここまで来るの長かった気がする……)

 

最初は、ほのちゃん達2年生の3人だけだった。

そして色々あって今ではメンバーも9人になって……

一度は辞退した事もあったけど、

それでもみんなで力を合わせながら頑張ってきた……

今日のこの日まで……

 

「ありがとうございました!」

 

ほのちゃんが観客にお礼の言葉を行った後、

μ'sのみんなは横一列に並び……

 

「東條希!」

「西木野真姫!」

「園田海未!」

「星空凛!」

「矢澤にこ!」

「小泉花陽!」

「絢瀬絵里!」

「南ことり!」

「高坂穂乃果!、音ノ木坂学院スクールアイドル…μ's」

 

ほのちゃんの合図で手を繋いで礼をしてそして手をあげ……

 

「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」

 

ほのちゃん達のライブ、これで終わりなんて少し寂しいなぁと

思ったそんな時だった……

 

「私達がここまで頑張れたのは、ある人のおかげです!!」

 

ほのちゃんがいきなりそんな事を言い出した。

突然の事なので僕達は驚いた……

 

『穂乃果ちゃん一体どうしたんだろ?』

「悠里お兄様、サプライズか何かですか?」

「僕も分かんない……」

「なるほどね。ホノカが今から何をするのか私、読めてきたわ」

「ティアちゃん、それってどういう……」

 

どういう事なの?と聞こうとした時、

ルーちゃんが……

 

「あれ~?、ことりちゃんと海未ちゃんがこっちに来るよ~?」

 

ルーちゃんの言葉に耳を疑った僕はステージを見る。

すると、みーちゃんとことちゃんが僕達5人がいる方に来た。

正確には僕の方に来た。

そして……

 

「ゆーくん、早く来て♪」

「ちょっと……どういう事?」

「いいから早く一緒に来てください、ちなみに悠里君に拒否権はありません♪」

「えっ……えっ……?」

 

ことちゃん、みーちゃんに、

手を繋がれるまま僕はステージに上がる事になってしまった。

状況整理が出来ず呆然とする僕。

 

「私が迷った時、彼はいつも励ましてくれました!!」

 

ことちゃん、いきなり何を言って……

 

「辛くて悩んだ時も助けてくれました!!」

 

みーちゃんまで……

 

「そして何より、私達の事を第一に考えてくれました!!」

 

ほのちゃんが言った。

3人が言った意味を考える……

それはスクールアイドルを始めたばかりの頃……

そして今まで事だった……

けど僕は、これといった事は何もしてない……

ただ3人が笑ってくれればいいと思ったから。

そして僕の考えてる事が分かったのか遮るように……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「私達μ'sが頑張れたのは、水無月悠里君がいてくれたからです!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言い切った……

同時に大きな歓声と盛大な拍手が沸き起こった。

後ろからも拍手がなっているのが聴こえた……

誰だろうと思い振り返ると、

凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん、絵里さん、希さん、にこさんだった……

 

「はい、ゆうちゃん♪」

 

ほのちゃんが僕にマイクを渡してきた。

 

「ゆうちゃんも何か言ってあげてよ」

「…僕、何て言えばいいの?」

「そこはまぁ……ファイトだよ!」

 

何て言う無茶振りを……

ライブでもあるが特別ゲストが来た際に

観客に何か言う状態である。

でも何か言わなくちゃいけないんだよね……

何を言えばいいのかな?

こういう事はスクールアイドル界の後世に残る事だし……

 

(そうだ……)

 

()()()を伝えよう。

そう決めた僕は一度深呼吸をしながら観客に思った事を話す……

 

「皆さん。初めまして水無月悠里です……」

 

ステージの最前列にいる花怜ちゃん達に目を向けると、

頑張ってという声が聞こえた。

それを聞いて落ち着いた僕は観客全体に向け話し始めた……

 

「信じられないかもしれませんが僕は1()2()()()にアイドルをしていました。」

 

この事を聞いた人の反応は様々だった。

初めて聞いた人もいれば僕の事を知ってる人もいた……

正直に言うと意外だった……

普通は知らない人が多い筈なのに……

周りを見渡すと見知った人達を何人か発見した。

亜里沙ちゃんと雪穂ちゃん、ほのちゃんママにほのちゃんパパ、南先生に真姫ちゃんママ、A-RISE、音ノ木坂の生徒のみんな、更に言うなら意外にも月ノ丘高の生徒も来ていた……

あぁこれは聞かれちゃったなと思いながらも話を続ける事に集中する。

 

「僕は当時、ある()()()と一緒にアイドル活動をしていました。その子は当時、家の家系に縛られて自分のやりたい事ができませんでした。けど条件付きでアイドル活動をする事を許されました。その条件が……僕です」

 

会場が静かになる……

そりゃそうなるよね、そう思った僕は……

 

「それにしても日常生活とアイドル活動の両立は大変だと実感しました。

けど、その子は難なくと両立していきました。それに引き換え僕は子供だったせいもあって器用な事はできませんでした。不思議ですよね?、同じ同年代の子なのに両立とかが出来るんですよ?、ここで僕は原動力……というか目標を失いました」

 

原動力という単語を聞いた途端、

みーちゃんとことちゃんが反応した。

2人には前に話したからね……

 

「けど彼女も完璧じゃなかった。周りが期待するせいで弱音を吐く事ができなかったんです……、そんな姿を見て僕は目標を見つけました。」

 

そう……

完璧と言われ続けられた彼女は、

徐々に壊れていった。外面ではなく内側から……

周囲が期待するせいで弱音を見せないと決めてた彼女は、

表面上は笑顔でも心の奥底は泣いていたから…

 

「その僕の原動力が()()()()()()です。理由は、その子の負担が僕の歌で和らげばいいと思ったからです。」

 

本当に些細な理由だった。

それがあったから僕は頑張れたのだから……

 

「だから皆さん……」

 

もう1度、観客席を見渡した僕は

深呼吸をしたあと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どんな些細な理由でも、それを信じ続ければ輝けると僕は思ってます!。僕が言いたい事は以上です。」

 

 

何様だよと思ってると盛大な拍手が沸き起こった。

流石にこの空気は耐えられなかったので……

 

「話は変わりますが、μ'sの歌をもう1度聴きたい人はアンコールをお願いします!」

「ちょっ!?、ゆうちゃん!?」

 

ほのちゃんが何か言ってるけど気にしない気にしない♪

そう言ってる間に観客席からアンコールが……

 

「ほら、こんなに言われたら応えなきゃダメでしょ?」

「えへへ……そうだよね!!」

 

そしてμ'sが観客のアンコールに応えた曲は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『僕らは今のなかで』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(本当に良かったね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕もμ'sに何か貢献できたかなと

思えた大切な日になった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
今回で、2期第12話は終了です。
つ、疲れた……(HP1)
次回は海未ちゃんの誕生日回になります。
気合い入れて執筆しますので、よろしくお願いします。


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特別編 青の少女の誕生日

ゆるポメラです。
海未ちゃん、誕生日おめでとう。
μ'sの誕生日回の最後が海未ちゃんなので
気合いを入れて執筆しました。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


園田海未です。

突然ですが私は今、混乱しています。

 

「みーちゃんー、早くしないと朝ご飯が冷めちゃうよー?」

「は、はい。今行きます」

 

朝。誰かに起こされる声がしたので、

目を開けると何故か私の部屋に悠里君がいて

『もう少しで朝ご飯が出来るから早く起きてね?』と言われ、

私服に着替えながら状況整理をしているのですが見当がつきません……

 

(そうですよ。きっと私は疲れているんですよ♪)

 

さっきの悠里君の声だって、

私の聞き間違いであって本当はお母様が起こしにきてくれたんですよ。

そう思った私はリビングに向かう。

するとそこには……

 

「みーちゃん、おはよー」

「ゆ、ゆゆゆ……悠里君!?」

 

悠里君がいました。

ど、どうして私の家にいるんですか!?

すると私の表情が分かったのか……

 

「説明はちゃんとするから、今は朝ご飯にしよ?」

「は、はい……」

 

とりあえず席に座りましょうか……

少しここで気になった事がありました。

それはテーブルに置かれてた料理です。

 

「あの…これ全部、悠里君が作ったんですか?」

「うん。最初は和食か洋食がいいか悩んだけど、思い切って和食にしてみたんだ。…まぁ、これを和食って呼んでいいのかは微妙だけどね?」

 

悠里君はそう言いますが、

テーブルに置かれていた料理は、焼き鮭、玉子焼き、佃煮、プリンがありました。

あっ…これはもしかして悠里君お手製のプリンでしょうか?

 

「少し遅い朝食だけど食べよ?」

 

時計を見ると時刻は9時。

確かに遅い朝食です。

いつもは遅くても8時なんですが……

 

「いただきまーす」

「い、いただきます」

 

悠里君が作ってくれた料理は凄く美味しかったです。

私もこんな料理を作れるでしょうか?

朝食を食べ終わり2人で後片付けを済ませた後……

 

「みーちゃんママとみーちゃんパパは、さっき2人でお出かけして行ったよ」

「そうなんですか?」

「うん、なんか明日の夜まで帰ってこないって言ってたよー」

「へっ?」

 

ちょっと待ってください。

悠里君は今、何て言いました?

お母様とお父様が明日の夜まで帰ってこない?

もしかして私、明日の夜まで1人なんですか?

 

「あー、僕も明日まで一緒にいるから大丈夫だよ?」

「そ、それってつまり……///」

「ここで問題です。何で僕が、みーちゃんの家にいるのでしょう?、ヒント。今日は何月何日でしょうか?」

 

そう言われた私は考える。

近くに置いてあった携帯電話の画面に表示されている日にちを確認すると、

3月15日だった。そして悠里君がどうして私の家にいるのかも分かってきた……

 

「わ、私の誕生日だから……ですか……?」

「うん。学校でお泊りした時にさ、誕生日プレゼント何がいいって聞いたの覚えてる?」

「そ、それは……そのぅ……」

 

覚えてない訳がない。

悠里君にとんでもないお願いをしたのは自分でも覚えてます。

何せ誕生日プレゼントは『悠里君と新婚さんごっこ』がしたいと言ってしまったんですから……

そこから導き出される答えは1つ。悠里君は私の誕生日を祝うために来てくれたという事を……

 

「夜には、ほのちゃん達も誕生日パーティーをやりに来るって言ってたよ?」

「穂乃果達がですか?」

「うん、たった今メールが送られてきたんだ。ほら」

 

そう言いながら携帯電話の画面を私に見せてきた。

よく見ると『海未ちゃんの家で誕生日パーティーだよ!』と書かれていました。

全く……穂乃果らしいですね……

 

「ところで()()()、今から何する?」

「へっ……///、あ、あの……母さんって私の事ですか!?」

「えっ、だって新婚さんごっこでしょ?、呼び名とかも変えた方がいいのかなぁと思ったんだけど……」

「う、嬉しいですけど……で、できればいつもと同じ呼び名がいいです……///」

「まぁそう言うなら……分かった。みーちゃん」

 

正直に言うと恥ずかしくて悠里君の顔が見れません……

でも『母さん』なんて呼ばれて嫌じゃありませんでした。

はっ……!!

…という事は悠里君の事を『あなた♪』なんて呼んだ方がいいのでしょうか?

それとも『旦那様♪』って呼んだ方が……

 

「えへへ……///」

「みーちゃん、大丈夫?」

「あっ、いえ何でもないですよ!?、それより今から道場に行きませんか?」

「僕はいいけど……みーちゃんは大丈夫なの?、昨日の本大会で疲れてるのに……」

 

言い忘れていましたが実は昨日の本大会で私達μ'sは優勝したんです。

本大会が終わった後、真っ先に私と穂乃果、ことりは悠里君の元に駆け寄りました。

 

「体力には自信がありますから!、悠里君、早く行きましょう♪」

「みーちゃんのそういうところ、本当に尊敬するよ……」

 

今、悠里君が何か言った気が……?

私達は道場に向かう事にしました……

 

 

 

 

 

ーー園田家、道場ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、ここで今から一体何をするの?」

「その……私と勝負してほしいんです」

「勝負って……弓道で?、まさか剣で勝負してとか言わないよね?」

「そのまさかです♪」

「みーちゃん、一応理由とか聞いてもいい?」

「純粋に勝負したいからじゃダメですか……?」

 

私が悠里君に剣で勝負してほしいとお願いした理由……

単純に勝負したいというのもありますが、前に悠里君とお父様が勝負をしてたのを見て

私自身が悠里君を守れるような強さを身につけたいと思ったからです。

 

「分かった。僕は防具無しでやるけど、みーちゃんは……」

「私は今回、防具は着けません。あと手加減無しでお願いします。」

「…うん、分かった。」

 

私達は道場に置いてある竹刀を手に取り、

お互いに距離を取り構える……

 

「勝敗はどうする?」

「無難に竹刀が使えなくなったら負けというのはどうですか?」

「それにしよっか……」

 

すると悠里君は懐から1枚のコインを取り出しました。

 

「みーちゃん、僕がこのコインをトスするから()()()()()()()()()を開始の合図にしようと思うんだけど、それでいいかな?」

「はい。それでお願いします。」

 

確かにその開始方法ならお互いフェアですしね……

 

「じゃあ……始めるよ、準備は?」

「いつでも大丈夫です」

 

そしてコインが空中に舞い、

床に落ちた瞬間……勝負が始まった。

 

(は、速い!?)

 

気づいた時には悠里君は既に私の懐に入ってきた……

咄嗟に竹刀を受け止める姿勢を取る。

 

「…よく止めたね、降参する?」

「私がすると思いますか?」

「だよね……みーちゃん負けず嫌いだしね!!」

 

お互いに距離を取りますが、

正直に言うとキツイの一言に尽きます……

たった一撃を受け止めただけなのに……

 

「…ボーっとしてると命取りになるよ?」

「っ!?」

「…遅い」

 

 

 

ーーバシンッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

気づいた時には私が持っていた竹刀は

弾かれていました。

つまり私の負け……

 

「…僕の勝ち。怪我とかない?」

「は、はい。大丈夫です……やっぱり悠里君は強いですね」

「みーちゃんだって強いじゃない。あそこで受け止めるなんて思ってなかったから」

「そうでしょうか?」

「普通は避けるか、やったとしても受け流すの2択だもん」

 

悠里君は凄い事なんだよ?と私に言いますが、

なんで私は最初にそれをやらず受け止めるを選んだのでしょう……

うぅ……まだまだ未熟ですね。

 

「また……勝負してくれますか?」

「こんな僕で良いなら、相手になるよ」

「はい♪」

 

次は絶対に負けません!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後リビングに戻った私達は、

何もする事なくただゆっくりとしていました。

 

「本当に何もしなくていいの?」

「はい、こうして悠里君と2人で過ごすだけでも私は楽しいですから♪」

「みーちゃんがそれで良いならいいけど。そういえばもう少しで3年生の卒業式だね」

「そうですね……1年って過ぎるのは早いんですね」

 

もう少しで絵里達3年生の卒業式……

悠里君が前に言ってました。楽しい時が過ぎるのはあっという間だと……

卒業式が近くなってくるにつれ、生徒会のやる事も増えてきました。

 

「ほのちゃん、送辞とかちゃんと出来るかな?」

「それは私も不安です。」

「「はぁ……」」

 

3年生の送辞をやる役は穂乃果になったんです。

ただ……私達は穂乃果がちゃんと出来るか心配でした。

まぁ、穂乃果ならやれるでしょう。

やれる筈ですよ……多分ですが。

 

「あ、そうだ。誕生日パーティーの時間まで早いけど……はい!」

 

そう言うと悠里君は箱のような物を私に渡してきました。

 

「あの……これは?」

「僕から、みーちゃんに誕生日プレゼントだよ、お誕生日おめでとう♪」

「あっ……///」

 

お誕生日おめでとうと笑顔で彼に言われた私は嬉しかった。

ただ嬉しいだけじゃない……

悠里君が見せた笑顔は紛れもない小さい頃に私達に向けてくれた

眩しい笑顔だったのだから……

 

「あ、開けてもいいですか?」

「うん、いいよー♪、喜んでもらえるか分からないけど……」

 

プレゼント箱を開けると、

入っていたのは青色のブレスレットでした。

 

「綺麗……」

「みーちゃんのイメージカラーに合わせて作ってみたんだ。緊張した時に見ると落ち着く石を素材にしてるんだよ?、それからここを押すとね……」

 

すると悠里君はブレスレットの中央付近の部分にある

脇の小さなスイッチを押した。

カチッと音が鳴る。

 

「こんな風に3枚くらい写真が入る仕組みになってるんだ♪」

「本当に貰ってもいいんですか?」

「みーちゃんの為に作ったプレゼントだもん」

 

最近、穂乃果とことりで気づいた事があります……

ほんの少し、ほんの少しずつですが、

悠里君が昔のように明るく変わっていくのが増えてきた気がします。

 

 

 

 

 

 

 

ーーピーンポーン!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お客様でしょうか?」

「あ。ほのちゃん、ことちゃんだ。」

「2人共、早いですね…」

「きっと、ほのちゃんが早めに行こうよって言ったんじゃないかな?」

「ふふ♪、そうですね……」

 

彼と一緒に過ごせるのは時間は、

あと1年……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(この先、何があっても私は悠里君の味方ですからね?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼に貰った青く光り輝くブレスレットを

左手首に身に付けながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから悠里君も……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辛い事があったら言ってくださいね?

どんな些細な事でもいいんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私や穂乃果、ことりも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君の事が大好きですから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
これでμ'sの誕生日回は全員分、執筆が終わりました。
まさか最後の誕生日回が海未ちゃんになるとは……
この小説を連載開始したのが去年の3月30日でしたからねぇ……
次回は、2期第13話『叶え!みんなの夢』の回です。
この調子で頑張りますので、みなさんよろしくお願いします。


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第124話 3年生の卒業式

ゆるポメラです。
今回は2期第13話『叶え!みんなの夢』の回です。
至らない点も色々とありますが、自分なりに纏めてみました。
最後まで読んでもらえると嬉しいです。

それではどうぞ。


みーちゃんの誕生日が終わって3日後……

今日は絵里さん達3年生の卒業式の日だ。

僕は今、生徒会室に向かっている……

理由は生徒会役員は卒業式の2時間前に生徒会室に集合しなきゃいけないからなんだ……

 

「ほのちゃん達、もう来てるのかなぁ……?」

 

早めに家を出たつもりなんだけどなぁ……

はぁ……夜遅くまで()()を作ってたせいかぁ?

一応、ことちゃんに誕生日に渡したネックレスを持って来てって昨日の夜にメールを送ったんだよね……

そう考えてる内に生徒会室に着いたのでドアを開ける。

 

「あ、ゆーくんおはよう♪」

「おはようございます。悠里君」

「おはよ……ゴメンちょっと遅れた……」

 

生徒会室には、ことちゃん、みーちゃんが既に来ていて卒業式で使う資料等を段ボールに纏めていた。

 

「あれ?みーちゃん、それ……」

 

僕が気になったのは、

みーちゃんの左手首に誕生日に僕が渡したブレスレットを身に付けていた事だった。

 

「せっかく悠里君から貰った物ですし学校でも身に付けたかったんです♪」

「海未ちゃん、さっきまでにやけてたもんね~?」

「こ、ことり!それはもういいでしょう!?///」

 

僕が生徒会室に着くまでに何があったんだろうか……?

女の子には色々あるんだよ……そうに違いない。

 

「ことちゃん、例のネックレス持って来てくれた?ちょっと今借りてもいい?」

「うん。でもどうしたの?急に……」

「まぁ、ちょっとね……」

 

ネックレスを僕に渡しながら尋ねることちゃん。

自分の鞄から超小型の工具箱を取り出す。

そしてネックレスのチェーンだけを外し、昨日作った()()()をネックレスの装飾品部分にパーツを合わせる……

パチッと音が鳴ったのを確認。これはお互いのパーツが上手くはまった証拠だ。

…やっと完成できたよ。

 

「はい。ことちゃん」

「えっ?」

 

当の渡された本人はキョトンとしていた。

まぁ、これだけじゃ分かんないよね……

 

「改めて僕からの誕生日プレゼント。ペンダントとリボンを合わせたやつだよ、日常生活とかでも付けても問題ないやつ。」

「あ、ありがとう……///、凄く嬉しい……」

「なんなら僕が付けてあげよっか?」

「ちゅん!?」

 

冗談をちょっとだけ言ってみる。

すると案の定、驚いていた……

自分で付けるからいいもん!って言うんじゃないかと期待した僕だったが……

 

「つ、付けて欲しい……な///」

 

…逆だった。

しかも上目づかいで。

結局、僕が付けてあげる事になった。

 

「に、似合うかな?」

「とっても似合ってますよ。ことり♪」

「ありがとう海未ちゃん♪」

 

良かった。渡すのに間に合って……

 

「そういえば、ほのちゃんはまだ来てないの?」

 

そういった瞬間、生徒会室の温度が下がった気がした……

その発信源は当然みーちゃんである。

表情は言わずもがな怒っていた。

ムスッとした感じで怒ってる。笑いながら怒ってないよりは多少マシかな?

 

「ごめ~ん!」

 

思ってた矢先、

我らが生徒会長ほのちゃんがやって来た。

 

「卒業式に遅刻ですか?」

「ほのちゃんおはよ。寝坊しちゃったの?」

「ち、違うよ!学校には来てたの!ちょっと色々あって……」

「「色々?」」

「海未ちゃん、ゆーくん。今日は卒業式なんだからあんまり怒っちゃダメだよ?」

 

みーちゃんはともかく、

僕は怒ってないよ?

 

「わあ~、ことりちゃんそのリボンどうしたの?」

「ゆーくんに今貰ったの♪」

「ええ~!?、いいなぁ~ゆうちゃんー穂乃果には~?」

 

ほのちゃんは頬を膨らませ駄々っ子状態になりながら、

背中に抱きつきながら僕に訴えてくる。

 

「ちゃんとあるから……誕生日にあげたキーホルダーある?」

「ここにあるよ!、穂乃果の宝物だもん!」

 

内ポケットに入ってたんだ……

そして先程ことちゃんのネックレスと同じ仕上げをやった。

 

「はい。ほのちゃん」

「これってブローチ?」

「そうだよ。今まで通りキーホルダーとしても使えるし、どこか出かける時とかにブローチとして使えるようにしてあるからね」

 

そう説明すると、

ほのちゃんが嬉しそうな表情をしながら

今度は正面から抱きついてきた。

 

「嬉しい///、ゆうちゃんありがとう♪、大事にするね♪」

 

この後すぐに、みーちゃんとことちゃんに引きはがされた。

ほのちゃんは何故か不服そうに頬を膨らませてたけどね……

 

「それで送辞の方は完成したのですか?」

 

生徒会室を出て校舎から体育館へ向かう通路を歩いていると、

みーちゃんがほのちゃんに送辞の事を聞いた。

 

「うん!ポケットに入ってるから、3人共見てみてよ!」

 

ことちゃんがほのちゃんの制服のブレザーのポケットに手を入れて1つの紙を取り出した。みーちゃんと僕も混じって、ほのちゃんが書いた送辞を見る。

 

「ほのちゃんらしいね」

「えへへ~」

 

送辞は一言で表すならば、

ほのちゃんらしさが伝わっていた……

みーちゃん、ことちゃんも僕と同じ反応だった。

そして体育館に着くと、音ノ木坂の生徒達が卒業式の準備を着々と進めていた。

紅白幕が体育館の壁に貼り付けられていて、桜の花びらをイメージした紙が体育館中に貼り付けられていた。

なんか凄いや……

 

「あっ、穂乃果。去年の卒業式の記録ってある?」

「照明がどうもうまくいかなくて……」

 

飾り付けの準備をしていたヒデコさん、ミカさんから声をかけられた。

なんでも照明の機械を合わせるのが上手くいかないとの事……

 

「あると思う……」

「生徒会室に行けばあると思いますよ」

「去年どうだったかいいか分かればいいんだよね?」

「照明関連は黄色いファイルに僕が前に徹夜で纏めてあるやつだよ。」

「分かった。ちょっと見てくるよ」

 

ほのちゃんはそう言うと生徒会室に向かって行った。

さてと僕もなんか手伝おうかな……

 

「ところで悠里君?、先ほど『徹夜』という単語が聞こえたのですが……?」

「ゆーくん、どういう事かな?」

 

ほのちゃんが戻ってくるまでの間、

みーちゃんとことちゃんにお説教をくらう事になった。

卒業式なんだから怒らないんじゃなかったの……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして迎えた卒業式が始まった……

上級生の卒業式自体に参加するのは数年振りである。

と言っても嫌がらせとかもないという意味でだけど……

僕達2年生は在校生席の一番前に座っています。

 

(絵里さん達……本当に卒業しちゃうんだな……)

 

卒業証書授与が行われてる間、

僕はずっと考えていた。

そして卒業証書授与が終わり今度は南先生の理事長挨拶。

 

「音ノ木坂学院は皆さんのおかげで、来年度も新入生を迎えることが出来ます。心よりお礼と感謝を述べるとともに、卒業生の皆さんが輝く未来へ羽ばたくことを祝福し、挨拶とさせていただきます。卒業生の皆さん…おめでとう!」

 

南先生が挨拶を終えると卒業生、在校生、保護者の方から大きな拍手が起こった。

そして次の項目に入る……

 

「理事長、ありがとうございました!続きまして…送辞!在校生代表、高坂穂乃果」

「はい!」

 

ほのちゃんの返事と同時にスポットライトが当てられ席を立ち上がりゆっくりとした足取りでステージに上がって行った……

 

「送辞!在校生代表、高坂穂乃果!」

 

そして一度深呼吸をしたあとに

落ち着いた表情で話し始めた。

 

「先輩方、ご卒業おめでとうございます!実は昨日までここで何を話そうかずっと悩んでいました。どうしても…今思っている気持ちや届けたい感謝の気持ちが言葉にならなくて、何度書き直しても…うまく書けなくて…それで気づきました!私は…そういうのが苦手だったんだって!」

 

一区切り終えると体育館から少しの笑い声や小声で話している声が聞こえた。

ほのちゃんは送辞の続きを話す……

 

「子供の頃から、言葉より先に行動しちゃう方で、時々周りに迷惑を掛けることもあって、自分の想いもうまく表現することが本当に苦手で、不器用で……」

 

考えるよりまず行動。

それがほのちゃんだった。

 

「そんな時、私は歌に出会いました!歌は気持ちを素直に伝えられます。歌うことでみんなと同じ気持ちになります。歌うことで心が通じ合えます。私は…そんな歌が好きです!歌うことが大好きです!!」

 

さて…そろそろかな……

ほのちゃんに目を合わせる。

そして合図が分かったかのように今度は1年生の席にいた真姫ちゃんに合図を送る。

ステージに置いてあるピアノの方に移動した真姫ちゃんは鍵盤に指を置き、ピアノを弾いた。そして奏でるピアノの旋律が体育館内に流れる。

ほのちゃんは演奏に合わせて歌い始めた。

歌ってる曲は真姫ちゃんと初めて会った時に歌ってた……

 

「愛してるばんざーい! ここでよかった 私たちの今がここにある♪愛してるばんざーい! 始まったばかり 明日もよろしくね まだゴールじゃない♪」

 

『愛してるばんざーい』だった。

それだけじゃなく真姫ちゃんの「さぁ!」を合図に……

 

「「「「「大好きだばんざーい!負けない勇気 私たちは今を楽しもう♪大好きだばんざーい!頑張れるから 昨日に手をふって ほら前向いて♪」」」」」

 

僕、みーちゃん、ことちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃんが続けて歌う。

絵里さん達3年生は驚きを隠せずにいた……

実はこれ、ほのちゃんからの提案で3年生に内緒でみんなで歌おうと卒業式前から計画していたんだ。最初に聞いた時はびっくりしたけどね……

 

「さぁ!みんなも一緒に歌おう!」

 

ほのちゃんの一声で会場にいる人達で

合唱になった……

歌っている途中、スクリーンには3年間での思い出の場所が映し出されていた。

歌を終えた後、閉会の挨拶になり卒業式は無事に成功した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業式を終え放課後になった僕達は

部室にいる。

 

「すごいにゃ……ほとんど空っぽだにゃ」

「ここにあるのもの全部、本当ににこちゃんの私物だったの?」

「違うわよ!私が特別に貸し出していたの!」

 

真姫ちゃんが尋ねると、

にこさんは部室にあったアイドルグッズを貸し出しと言い切った。

僕も転入してきて初めてここを訪れた時には凄いと思ったのが懐かしいレベル。

 

「貸し出しって……」

「物は言いようじゃないですか……」

「そうにゃ、そうにゃ……」

 

僕と真姫ちゃん、凛ちゃんが呆れてると

花陽ちゃんが……

 

「でも…ここにあった物がなくなっちゃうのは、なんかちょっと寂しくなるね……」

「アイドル研究部なんだから、次の部長が家にあるものを資料として持って来ればいいでしょ?」

 

ちょっと待って…今、大事な単語を聞いた気がする。

 

「にこさんが卒業した後って誰がアイドル研究部の部長なんですか?」

「「「そういえば……」」」

 

その質問を待っていたかのようなタイミングで

にこさんが立ち上がり……

 

「花陽!あとは頼んだわよ!」

「えっ…?えええええぇぇぇぇ!?」

 

花陽ちゃんは信じられないといった表情と、私が部長!?みたいな表情をして叫んでた。

しかも突然の部長指名である。

 

「無理無理無理~!ダレカタスケテェ~!!」

 

そしていつの間にか花陽ちゃんには王様の冠とマントが付けられ、黒板に部長と花の絵が描かれていた。

随分と用意がいいね……

 

「生徒会長を兼任させる訳にはいかないし、花陽以外でアイドルに詳しい人はいないんだから」

「で、でもだからって部長は……」

「凛だってμ'sのリーダーをやったんだにゃ!かよちんならできる!」

 

そういえば僕達2年生が修学旅行で不在だった時に

代わりに凛ちゃんがμ'sのリーダーをやってくれたもんね……

そしてみんなの後押しもあって次のアイドル研究部長は花陽ちゃんになった。

さてと……

 

「じゃあ僕は真姫ちゃんを副部長に指名しまーす」

「えぇ!?なんで私なんですか!?」

 

突然の僕の爆弾発言に驚く真姫ちゃん。

まさか自分が言われるとは思ってなかったのだろう……

 

「新部長の花陽ちゃん、新リーダーの凛ちゃんは何か異論ある?」

「異議なしだにゃ~!」

「うん!。私も悠里さんの提案がいいです!」

「待って!、私はまだ……」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん、絵里さん、希さん、にこさんを

見ると満場一致の拍手が鳴った。

これをやられたら真姫ちゃんは副部長をやるかやらないか決めなきゃならない。

 

「うぅ……分かりました。副部長、やりますよ……」

 

ちょっと可哀想な事をしちゃったかな……

でも実際に真姫ちゃんが副部長に適してると思ったんだよなぁ。

凛ちゃんと花陽ちゃんができない事があったらフォローしてくれると思ったから。

 

「これで必要なことも全部終わったね。それじゃあ、うちらもそろそろ行こっか?」

「もう行っちゃうんですか?」

「せっかくだから校舎を見て回ろうかと思ってるの」

 

希さんに尋ねると絵里さんが校舎を回ってから行くと説明してくれた。

 

「それだったらみんなで回りませんか?…だってこのメンバーでいるのは……最後なんですし……」

 

僕がそう言った瞬間、みんな黙っていた。

えっ……何この空気……?

するとこの沈黙を破ったのは凛ちゃんだった。

 

「あ!、悠里さんが言ったにゃ!」

「え?、凛ちゃん言ったって何を?」

「ゆーくん、『最後』って言ったらジュース1本奢るって約束だよ?」

「あっ……」

 

ことちゃんの説明で思い出した。

そういえば初詣の時にそんな話を確かにしてた……

そして僕達は近くの自販機に行き9人分のジュースを僕は奢るはめになった。

…別にジュースくらい構わないけどね?

 

「悠里くんの奢りのジュースは、美味しいな~♪」

「それは良かったです……はぁ……」

 

絵里さん随分と機嫌がいいですね?

しかし合計990円の出費は地味に堪えるよ……

そしてふと思い出したのだが……

 

「そういえば、ほのちゃん最近までパンとか食べてるのを見てないけど?」

「うん、ラブライブがあったし我慢してたんだ」

「それでも結局、ダイエットをしたんですよ悠里君!」

「ほのちゃん……?」

「あはは……」

 

笑いながら目を逸らさないでこっちを見なよ。

全然知らなかったよ……その情報。

この後みんなでどこに回るか話したところアルパカ小屋に行く事になった。

誰が行きたいと言ったかはまぁ……お察しください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルパカ小屋に着くと、

ことちゃんはオスの白アルパカに抱きついた。

 

「久しぶり~!もふもふ~♪」

「メェ~」

 

するとメスの茶色アルパカが僕に擦り寄ってきた。

懐かれたもんだよ…本当に……

ところで気になったのが絵里さんが茶色アルパカに怯えていた。

茶色アルパカも絵里さんに何故か威嚇している。

 

「どうかしたのですか?」

「い、いや……別に……」

 

みーちゃんが絵里さんに質問したが当の本人は何でもないと質問をはぐらかしていた。

一体、何があったんだか……

 

「それにしても随分と太ったにゃ~」

「言われてみれば……」

 

凛ちゃん、みーちゃんは茶色アルパカが前より太ってた事に疑問に思っていたようだ。

他のみんなも同様だった。

しかし真姫ちゃんだけは違ってたみたい。

 

「待って!!」

「あ、真姫ちゃんは気づいた?」

「てことは悠里さんも?」

 

流石は医者の娘さんである。

茶色アルパカが太ってた理由、それは……

 

「赤ちゃんだね。確実に……」

「「「「「「「「えええー!?」」」」」」」」

「更に言うと新学期のちょっとくらいしたら産まれるよ」

「「「「「「「「えええー!?」」」」」」」」

 

僕の説明に驚くみんな。

しかも白アルパカが「フッフーン!」とドヤ顔をしていた。

 

「やった~!これでまた賑やかになるね!」

「「メェ~!」」

 

嬉しそうな花陽ちゃんに反応する白アルパカと茶色アルパカ。

賑やかになるのは良い事だよ……

この後は講堂やグラウンド、他にも色んな場所を回った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に僕達は屋上に寄る事にした。

 

「考えてみれば…練習場所がなくて、ここに集まったんですよね……」

 

みーちゃんの言葉は尤もだった。

最初は本当に大変だった。どこの場所も他の部活動が使っていて

唯一練習場所に使えた場所が屋上だった。

 

「毎日ここで集まって…」

「毎日練習した…」

「できないことをみんなで克服して…」

「ふざけたり……笑ったり……」

「全部ここだった……」

 

ことちゃん、真姫ちゃん、ほのちゃん、絵里さん、にこさんが言う。

 

「あっ、そうだ!」

 

ほのちゃんが何かを思いついたのか、

モップと水が汲んであるバケツを持って来た。

これからやる事に全然予想がつかない……

 

「ほのちゃん、それどうする気?」

「まぁ見ててよ!」

 

すると、

ほのちゃんは何かを書き始めた。

見た感じ単語ぽいけど……

けど何を書いたのかはすぐに分かった。

みーちゃん、ことちゃんも気づいたようだ……

ほのちゃんが書いた字……それは水の文字で書いた『μ's』の文字だった……

 

「…ほのちゃん、この天気だとすぐに消えちゃうけどいいの?」

「うん……」

 

そう言うと全員、姿勢を正し『μ's』の文字に向かって……

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感謝の言葉を伝えた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やる事を終え部室に戻り鞄を持った僕達は校門前まで歩いていた。

歩いてる途中には両端に満開の桜が咲いていた……

卒業式という事もあってか一段と綺麗だった。

 

「じゃあ…行くわね?」

「ここを越えれば…本当に卒業やね……」

「えぇ……」

 

絵里さん、希さん、にこさんが言う。

 

「絵里ちゃん!」

「穂乃果?」

「また…会えるよね?」

 

きっとここに来るまで悩んでいたんだろう……

ほのちゃん送辞の時も少しだけ悩んでた表情をしてたから。

絵里さんは右手に顎をついてしばらく考える。そして僕達在校生に力強く答えた。

 

「えぇ!また会えるわ!」

 

それを聞いたほのちゃんは笑っていた。

そして絵里さん達が校門へ足を運んだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーピロリーン♪ー

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどその時、

誰かの携帯の着信音が鳴った。

その音に驚いた絵里さん達3年生も足を止めた……

まさにシリアスブレイカー着信音。

 

「あっ…私の携帯だ」

「何よこんな時に……」

「ご、ごめん……」

 

発信源は花陽ちゃんだった。

謝りながらも携帯をいじる花陽ちゃん。

すると徐々に驚きの表情になっていく……

 

「えっ!?嘘……えっ?ええええぇぇぇぇ!?た…たた…大変です~!!」

 

出ました。

花陽ちゃんの大変なお知らせ。

他のみんなも突然の事で驚いていた……

ま、とりあえず……

 

「花陽ちゃん。ここでは話せない事?」

「はい!悠里さん、この画面を見てください!」

「どれどれ……あーこれは確かにここでは話せないね」

「そういう事です!、今すぐ部室に戻りましょう!!」

 

花陽ちゃんがそう言うと近くにいた、

ほのちゃんの手を取って走って学校の方へ走って行ってしまった。

うわぁ、速ーい……

 

「なになに!うちにも教えて~!」

「大変です~!!」

「今度はなんですか!?」

「にゃ~!」

「まだ終わってないってこと!?」

「何それ!?意味わかんない!!」

「行って確認して見るしかなさそうね!」

「ちょっとー!、今日卒業式よー!?」

 

希さん、みーちゃん、凛ちゃん、ことちゃんも花陽ちゃんを後を追いかけて行った。更にその後を真姫ちゃん、にこさん、そして絵里さんが追いかけていく……

そして残ったのは僕だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(1年って……本当にあっという間だったなぁ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の1年……つまり高校2年生を終えた僕。

 

 

 

 

 

音ノ木坂(ここ)に転入して来て色々あったけど楽しかった……

 

 

 

 

 

 

そしてこうやって僕の楽しい時間はどんどん過ぎていく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の新学期はきっと僕にとって運命の分岐点になるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃん、未柚ちゃんには話してある……

4人には僕のワガママを聞いてもらってばかりだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんには何て言おうかな?

やっぱりゴメンナサイ……なのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう1人の()()()()()は気づいているかもしれない……

僕が転入してきた時点で考えが分かってたんだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心結。僕のせいで君の人生を台無しにしてゴメンね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父さん、母さん。

本当に最後まで親不孝でゴメンナサイ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから…………ちゃん。

約束……守れそうにないかもしれない。ゴメンね………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕に残された時間………残り………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年と3()()………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で2期編は完結です。
読んでいただいてありがとうございます。
ここまで頑張れたのも読者の皆様のおかげです。
次回からは最終章『高校3年生編』に入ります。
内容は明るい学生生活も入りますが話が進むごとに暗い話も入ります。
というか完全にオリジナルの話が主になりますが……
活動報告の方もでき次第、そちらの方もよろしくお願いします。
まだまだ未熟な駄作者ですが、完結を目指して頑張りますので
最後まで何卒よろしくお願いいたします。



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3rd Season
第125話 4月1日


ゆるポメラです。
今回から最終章『高校3年生編』になります。
この章は完全に作者のオリジナルになっていますので
そういうのが苦手な方はブラウザバックを。
それでも大丈夫!という方のみ読んでください。

それではどうぞ。



今日は4月1日、土曜日である。

本来ならば休日なんだけど今日だけは違う。

何故なら……

 

「ねぇ。ゆうちゃん、なんで今日は学校なの?」

「それ登校中も聞いてきたよね……入学式の準備があるからって先生が言ってたでしょ」

「ぶー……」

 

机にぐでーっとなりながら拗ねるほのちゃん。

今朝からこんな感じなんだよね……

 

「穂乃果いつまで拗ねてるんですか!」

「穂乃果ちゃん、今日は午前中で終わるらしいから元気出して?」

 

みーちゃんが叱って、ことちゃんが宥める。

この繰り返しである。

その様子を見て苦笑いしていると先生が教室に入ってきた。

そろそろ朝のHR(ホームルーム)が始まる時間だ。

 

「え~今日は来週の月曜にある新入生の入学式に向けて色々と準備がある。まずは自分の荷物を3階にある3年生の教室に移動させるぞー」

 

先生が今日やる事を説明する。

次の学年に進級するとよく聞く教室移動である。

クラス替えとかは3年生になってもあるのかな?と疑問に思っていたが、

凛ちゃん達のクラスが1クラスな為かそういうのは無いと先週の金曜日に先生が帰りのHR(ホームルーム)で話していた。

 

「それじゃ各自、荷物を持って移動なー。あとロッカーの中の荷物もだぞー終わったら3年生の教室で待機なー」

 

それだけを言うと先生は教室から出ていった……

クラスのみんなも自分の荷物を持ち移動を開始していた。

 

「僕達も移動しようか……」

「そうですね。ほら穂乃果いつまでも拗ねてないで行きますよ!」

「あはは……」

「ぶー……」

 

移動中でもほのちゃんは拗ねていた。

この様子じゃもしかすると帰りもなのかな……?

 

 

 

 

 

 

荷物を移動させ終わった僕達は先生の指示通り待機していた。

ちなみに席順は僕が転入した時と同じままである。

これも南先生の計らいなのかな?

 

「よーし今から帰りのHR(ホームルーム)を始めるぞ。まずは4月3日にある新入生の入学式についてだ。高坂、園田、南、水無月。お前ら生徒会役員は7時30分までに学校に登校しろよー?、他のみんなは通常通りの登校だ」

「え"っ……!?」

 

先生の言葉に絶句するほのちゃん。

そんな事をよそに先生は話を続ける……

 

「あとは特に連絡は……ないな。それじゃみんな気をつけて帰れるように。あと新入生の入学式は遅刻するなよー?」

 

HR(ホームルーム)が終わると、

みんなは帰りの支度を始めた。

途中、帰りにどこか行くー?等の会話が聞こえた。

 

「ほのちゃん。どしたの?」

「なんで……雪穂の入学式の日に穂乃果は早起きしなきゃいけないの?」

 

だから絶句した表情になってたんだね……

 

「それはあなたが生徒会長だからでしょう……」

 

ほのちゃんの問いかけに呆れながら答えるみーちゃん。

相変わらず早起き苦手だもんねぇ……

 

「早起きできそうにないなら僕がモーニングコールでもしようか?」

「ほんと!?」

「ダメです!、悠里君も穂乃果を甘やかさないでください!」

「海未ちゃんのケチ!!」

「なんですって~!」

 

気が付けば、

ほのちゃん、みーちゃんの喧嘩モドキが始まった。

どうしよう……?

 

「ゆーくん、私にもモーニングコールしてくれないかな……?」

「えっ、でもやらなくても起きれるでしょ?」

「ゆーくん……おねがぁい♡」

「はいはい………」

 

ことちゃんはちゃっかりしてる気がする。

で、結局は3人にモーニングコールをしてあげるという案で

収まった………

3人共、何故か嬉しそうだったけどそんなに嬉しいのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道。

僕は少し用事があるのでほのちゃん達とは

途中で別れた。

向かう先は月見屋である。

 

「…あ、悠里兄」

「あれ、心結?」

 

偶然にも心結と会った。

 

「今日は梨子ちゃんと一緒じゃないの?」

「…ん。今日は用事があるから一緒に帰れないって言ってた」

 

いつも……という程ではないが、

心結と梨子ちゃんはよく一緒に帰る仲だと前に未柚ちゃんから聞いた。

お互い通ってる学校は違うけどね。

 

「…悠里兄は今からどこかに出かけるの?」

「月見屋だよ、来週から新入生の入学式があるからルーちゃん達が集まろうって」

「瑠菜姉もって事はティア姉と花怜姉も?」

「うん。花怜ちゃんは先に来てると思うよ」

 

今頃、紅茶でも飲んでるんじゃないかな……

 

「そういえば心結。曜ちゃんに誕生日プレゼント何か送りたいのある?」

「…うん。決まったら悠里兄に連絡する」

 

4月17日は曜ちゃんの誕生日。

だから誕生日が来るときは花怜ちゃん達と相談したりして内浦に宅配便を頼んだりしている。心結の場合は小さい頃に内浦に行った時がある為、さりげなく曜ちゃんに誕生日プレゼントを送ってたりする。

最後に曜ちゃんに会ったのは小学生の時だと聞いた。

それだけじゃなく心結は千歌ちゃんとも交流がある。

けどそれは小さい頃の為、千歌ちゃん自身が心結の事を覚えてないのである……

 

「ティナさんは元気にしてる?」

「…うん、いつもと変わらずだよ。理事長も楽じゃないわって言ってた」

「そうなんだ……」

 

そんな話をしてる内に月見屋に着いた。

店内からは何故か花怜ちゃんとティアちゃんの言い争いが聞こえる……

 

「花怜ちゃんとティアちゃん、どうしたんだろ?」

「きっと花怜姉がティア姉を怒らせたんだよ、しょうもない理由とかで……」

 

何をやってんのさ2人共……

しかもルーちゃんの宥める声も聞こえてくるし……

これはエスカレートしない内に入って仲裁しないと……

 

「はぁ……心結、入ろうか……」

「そうだね、悠里兄……はぁ……」

 

溜息を吐きながらも僕と心結は、

店内に入る事にした………

 

 

 

 

 

 

 

 

(これから先、不安しかない……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思った僕だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
最後に注意事項がございます。
この最終章は明るい話もありますが、
話が進むごとに暗い話や『真相編』のように
暗い話や残虐な描写が入ります。
読んでて鬱になったりする読者の皆様もいるかもしれません。
その辺は、事前にご了承ください。
また以前のように内容が長かったり短くなったりと
色々とあるかと思いますが、
これからもよろしくお願いします。


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第126話 新入生の入学式

ゆるポメラです。
少し短いかもしれません。
新入生の入学式を表現するか悩みましたが
自分なりに頑張ってみました。

それではどうぞ。



4月3日。

今日は新入生の入学式。

僕は生徒会室に向かっている……

 

(今日から僕も3年生か……実感がない)

 

そう思いながら生徒会室のドアを開けると、

ほのちゃん、みーちゃんが喧嘩モドキをしていた。

何があったの……?

 

「あ。ゆーくんおはよう♪」

「おはよ…ねぇ、あの2人どうしたの?」

「実は……」

 

ことちゃんの話によると、

ほのちゃんが入学式で使う新入生への挨拶文を無くしてしまったとの事。

それを聞いた、みーちゃんがいつもの説教をしようとしたところ、

そこまで言う事ないじゃん!と、ほのちゃんが反論。

そして話の論点までもがズレて現在に至るとの事……

 

「だいたい穂乃果はいつもいつも……!」

「それは関係ないじゃん!……あ、ゆうちゃん」

 

僕がいた事に気がついたのか2人は一旦喧嘩モドキを中断した。

 

「…おはよ。ことちゃんから聞いたけど新入生の挨拶文、無くしちゃったの?」

「あ、あはは……うん……」

「笑い事じゃありません……全く……」

「まぁまぁ、みーちゃんも落ち着いて……」

 

困ったなぁ……

昨日、下書きに使った挨拶文は無いし……

そういえば……

 

「みーちゃん、入学式の開始時間ってあとどれくらい?」

「今から私達が体育館に移動して20分くらいですね。在校生も移動してる筈ですから」

 

完全に時間がなかった。

もし時間に少し余裕があれば何とかなったかもしれないがこればかりは仕方がない……

解決案はやっぱり……

 

「ほのちゃん、アドリブで頑張って……」

「えぇー!?、穂乃果できないよぉ……」

「無理そうだったら僕も手伝うから……ね?」

「うぅ……うん」

 

ほのちゃんには大変かもしれないがコレしかない。

最悪ダメそうだった場合の事も考えて……

 

「みーちゃん。悪いんだけど短い文でもいいから挨拶文を考えてもらうのをお願いしてもいい……?」

「でも悠里君、仮に出来たとしても時間が……」

「その時は書けたやつでやるしかないね……そこから先はアドリブでやるしかないから」

「分かりました。私も書けるだけ書いてみますね?」

「私も思いつくのを書いてみるね?」

 

急ごしらえの挨拶文は、

みーちゃん、ことちゃんに任せる事になった。

こういう時は助け合いだよね……

そう思いながらも僕達は入学式が始める体育館に移動する事に……

 

(正直、僕も色々と不安なんだけど……)

 

何が不安なのかって?

新入生の子達が僕を見てどう思うかだよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が過ぎるというのは、

あっという間なもので気づけば入学式が開始されていた。

ここでちょっとした疑問が……

 

「それにしても今年の新入生は多いの?」

「お母さんが言ってたけど、今年の新入生は2クラスくらいって言ってたよ?」

 

ことちゃんが言う。

そういえば3月の最後の日くらいだったかな……

偶然、廊下ですれ違った南先生に新入生の人数を聞いたら

嬉しそうにそんな事を言ってた気がする……

 

「新入生の皆さん。ご入学おめでとうございます……」

 

話が逸れたけど今は南先生による理事長挨拶。

確かこの後が生徒会長による挨拶だった気がする。

 

「理事長ありがとうございました!続きまして在校生からの挨拶。在校生を代表しまして生徒会長、お願いします。」

 

ほのちゃんの出番がきたようだ。

当の本人は緊張してるせいかガッチガチである……

 

「ほのちゃん、いつも通りでいいからね?」

「う、うん……」

「とりあえず急ごしらえですが私とことりで挨拶文を書いときましたのでこれを参考にしてください」

「穂乃果ちゃん、ファイト!」

「うん、穂乃果行ってくるね!」

 

笑顔でステージに向かう

ほのちゃん。

僕達は不安ながらも見守る……

 

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。音ノ木坂学院生徒会長……」

 

突然マイクを持ったと思ったら上に投げカッコよくキャッチした。

新入生のみんなや在校生のみんなも驚いてる……

この自己紹介って去年も見たような……?

 

「高坂穂乃果と申します!」

 

ちょっと不安に思ったので……

 

「みーちゃん、あの自己紹介…去年も見たような気がしない?」

「奇遇ですね。私も思ってました」

「確か穂乃果ちゃんが生徒会長になったばかりの時だよね……」

 

みーちゃん、ことちゃんも同じ事を思っていたみたい。

あの時は、ほのちゃんが挨拶の後の台詞を忘れちゃって

代わりに僕がやったんだっけ……

流石に今回は大丈夫だと思っていると……

 

「あれ?、穂乃果ちゃん、どうしたんだろ……?」

「「は?」」

 

ことちゃんの呟きに僕、みーちゃんは同時に声を上げてしまった。

ほのちゃんを見ると表情が硬いまま冷や汗をかいている。

 

「えっ……ほのちゃん。もしかして台詞忘れたんじゃ……」

「ゆ、悠里君そんな訳ないじゃないですか……穂乃果に限って……」

「だ、だよねー……ほのちゃんに限ってそんな事ある訳……」

 

…ないと思いたい。

まさか台詞をまた忘れてしまったなんてないと思いたい……

在校生の席を見ると凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃんの顔が引き攣っていた。

新入生の席を見ると雪穂ちゃん、亜里沙ちゃんが心配そうな表情をしていた……

そして再び、ほのちゃんに目を合わせると……

 

「うぅ~……ゆうちゃんー……」

「…………」

 

半分涙目になりながら助けを求める

ほのちゃんの姿がそこにはあった……

 

「みーちゃん、ことちゃん。ちょっと僕、行ってくるね……」

「すみません悠里君、穂乃果のフォローお願いします……」

「あはは……ゆーくん頑張ってね?」

「うん……行ってくるね……はぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拝啓。

絵里さん、希さん、にこさん。

新入生の入学式の挨拶、おっちょこちょいな生徒会長は

相変わらずのようです……

この先が若干不安なのでもし音ノ木坂に遊びに来た際には、

何かフォローを言ってあげてくれませんか?

僕達では限界があるみたいです……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
色々と至らない点もあると思いますが
これからもよろしくお願いします。
次回は校舎案内の話になります。



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第127話 新入生に校舎案内

ゆるポメラです。
最近、天気が安定したり不安定だったりと
不安な作者です。
今回は穂乃果ちゃん視点になります。
少し短いかもしれません……(土下座)

それではどうぞ。



「…ねぇ何で僕もやらなきゃダメなの?」

「だって穂乃果だけじゃできないんだもん!」

 

あ、穂乃果だよー。

新入生の入学式が終わった後、

私とゆうちゃんは新入生に校舎案内をする為に

1年生の教室に向かってるの。

 

「それで僕達はどのクラスの子達を担当するの?」

「えっと……雪穂と亜里沙ちゃんのクラスだよ」

「知り合いの子がいるだけマシか……はぁ……」

 

ゆうちゃんが溜息を吐く理由は、

入学式での挨拶で穂乃果がまた失敗しちゃって

一緒に読んでくれたからなんだ……

それで新入生の子達のゆうちゃんへの反応が気になって仕方がないからだと思う。

あの後、海未ちゃんに怒られちゃったけどね?

 

「みーちゃん、ことちゃんは他の1年生の担当かぁ……」

 

海未ちゃんとことりちゃんは、

今も1年生に校舎を案内中だから私達とは別行動なんだ。

そうこうしてる内に1年生の教室に着いた。

廊下では既に新入生達が並んでいた。

…うわぁ、緊張してきちゃったよぅ……

 

「あ、えーと……」

 

こ、この後ってなんて言えばいいのかな?

雪穂と亜里沙ちゃんが心配そうに見てるし……

 

「新入生の皆さんこんにちは。僕は生徒会の手伝いをしてる3年の水無月悠里です」

 

ゆうちゃんが新入生に自己紹介を始める。

そうだよ!、穂乃果も自己紹介をしなきゃ!

 

「えっと……知ってる方もいると思うけど生徒会長の高坂穂乃果です。今日は皆さんに音ノ木坂の校舎を案内したいと思います。じゃあ最初に……ゆうちゃん何処を案内すればいいかな?」

「…僕に振るの?、じゃあ1年生のみんなはついてきてー」

 

とりあえず穂乃果もゆうちゃんに任せきりにしないで

私も頑張らなきゃ。ファイトだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は2階付近を案内する事に。

 

「ここが2年生がいる教室で、少し先に行くと音楽室です。」

 

ゆうちゃん、あれだけ嫌そうだったのに

1年生に分かりやすく説明してる……

 

「お姉ちゃん、ゆうり兄に任せきりでいいの?」

 

私の近くにいた雪穂が小声で話しかけてきた。

 

「えっと……自分でも分かってるんだけど説明するタイミングが……」

「生徒会長なんだからしっかりしなよ……もぅ……」

 

うぅ……それは分かってるよ……

 

「ちなみに音楽室には特定の時間になると綺麗なピアノの音色が聴こえる時があるので興味がある子は寄ってみてね」

 

ゆうちゃん?

それってもしかして真姫ちゃんの事だよね……

特定の時間っていうと昼休みとか放課後かな?

むぅー……なんか面白くない……

 

「ほのちゃんー、次に案内する場所どこー?」

「あっ、ちょっと待っててー」

 

いけない、いけない!

次に1年生を案内してあげる場所は……

あれ?、これ何て読むんだろ?

海未ちゃんのバカー!、あんまり難しい漢字を書かないでって言ったのにー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も図書室や理科室等を案内し終えたので

最後に学食や購買部がある場所を案内する事になった。

 

「最後に、ここが学食や購買部がある食堂になります。時間も昼休み近くになるし校舎案内を終わりにしたいと思います。」

「「「ありがとうございました」」」

 

1年生が各自解散した後、

残ったのは穂乃果とゆうちゃんだけだった。

 

「つ、疲れた~」

「それは僕もだよ……ほのちゃんがフォローしてくれなかったら無理だったよ」

「でも穂乃果、殆ど何もしてないよ……?」

「そんな事ないよ、もう終わったんだしあんまり気にしないで?」

「うぅー……///」

 

頭を撫でながら、

そんな事を言うなんて

ゆうちゃんはズルイよ……

 

「さて。みーちゃん達が来たらお昼ご飯でも食べよっか?」

「うん!」

 

あっ!

海未ちゃん達はまだ来てないって事は、

ゆうちゃんと2人きりって事だよね?

この際だから思いきって甘えちゃおー♪

穂乃果の役得だもんって言えば海未ちゃん、ことりちゃんも何も言えないし♪

 

「ゆうちゃん、ゆうちゃん。先に2人で座る席を確保しとこ?」

「はいはい……」

 

ゆうちゃんに何お願いしちゃおうかな~?

また頭撫でてもらおうかな?

それとも膝枕にしよっかな~?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(えへ……えへへ……やっぱりさり気なく肩に寄り添っちゃおう♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうちゃんにバレないように実行しようと決めた私だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
話は変わりますが明日は真姫ちゃんの誕生日ですね……
次回もよろしくお願いします。


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第128話 食堂での出来事

ゆるポメラです。
前回が穂乃果ちゃん視点だったので
今回は海未ちゃん視点になります。

それではどうぞ。


「新入生の校舎案内、無事に終わって良かったね~」

「ええ。そうですね」

 

園田海未です。

私とことりはたった今、新入生の校舎案内を終えて

昼食を食べようと食堂に向かっています。

 

「穂乃果はちゃんと新入生に校舎を案内できたのでしょうか……?」

「ゆーくんも一緒なんだし大丈夫なんじゃないかな?」

 

ことりは言いますが、

正直に言うと不安です。

穂乃果の事ですから色々と空回りするんじゃないかと……

 

「あ、海未ちゃんとことりちゃんだにゃ!」

 

聞き覚えのある声がしたので、

振り向くと凛と花陽、真姫の3人でした。

 

「2人も食堂でお昼ご飯?」

「うん。ゆーくんに偶には食堂で食べようって。ね、海未ちゃん?」

「はい。それにしても真姫が食堂で食べるって珍しいですね?」

「なんか新しいメニューが追加されてるって花陽に聞いたから気になっただけよ」

 

新しいメニュー?

私も音ノ木坂の食堂はあんまり利用した事がないんですが、

その話は少し気になりますね……

そんなこんなで凛達も一緒に食堂に行く事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー食堂ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

私達6人が食堂に着くと、

人がたくさん来ていました。

やっぱりお昼時だからでしょうか……?

 

「凄い人だにゃー」

「座る席もあんまりないね……」

 

凛と花陽の言う通り座れそうな席は殆どないですね……

ちょうどその時……

 

「みーちゃんー、こっち、こっち……」

 

悠里君が手を振っていました。

もしかして私達が座る席を確保してくれたのでしょうか?

そういえば穂乃果の姿が見当たりませんが……

 

「悠里君、穂乃果は?」

「ほのちゃんなら……ここ」

 

テーブルの下を指さす悠里君。

疑問に思った私はよく見ると……

 

「むにゃむにゃ……」

「悠里さん、穂乃果寝てるんですか?」

「うん。疲れてたのかな?」

 

真姫の説明通り穂乃果は寝ていました。

しかも悠里君に膝枕をされてる状態で……

 

「みーちゃん、ことちゃん。悪いけど起こしてあげてくれないかな……今から僕、食券とか買わないといけないから……」

「分かった。穂乃果ちゃんは私と海未ちゃんが起こしておくね?」

「お願いね?」

「じゃあ凛達は食券を買ってくるにゃー♪」

 

そう言うと悠里君は凛達と一緒に食券を買いに向かいました。

さて…この穂乃果(アホ)を叩き起こさなければ……

 

「んぅ…?、あれ……ゆうちゃんは?」

 

そう思った矢先に起きましたね。

 

「穂乃果?、随分と悠里君とお楽しみのようでしたね……?」

「ひっ!?、海未ちゃん……い、いつの間に……」

「穂乃果ちゃん~?、なんで1人で抜け駆けなんてしてるのかな~……」

 

ことりも随分と怒ってますね。

まぁ私もですが……

この後、悠里君達が戻るまでの間2人で説教をしました。

1人だけ抜け駆けなんてズルイです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15分くらいした後、

凛達が戻ってきました。

 

「ただいまにゃ」

「私、並ぶのは今日限りがいいわ……」

「お昼時だし仕方ないよ真姫ちゃん」

 

凛はラーメン、真姫はサンドイッチ、花陽は日替わり定食(ご飯大盛り)でした。

 

「あれ?、ゆーくんは?」

「悠里さんなら新メニューを頼んでたよ?」

「花陽。アレは流石に新メニューとは言いにくいでしょ……」

「「「???」」」

 

私達3人が疑問に思っていると悠里君が戻ってきました。

何やら料理が随分とありますが……

 

「ゆうちゃん、何を頼んだの?」

「ん?、新メニューの『自分で作る』だけど?」

 

そう言うと悠里君は私と穂乃果、ことりの前に

この音ノ木坂には似つかわしくない豪華な料理を並べました。

 

「こ、これ…全部ゆーくんが作ったの……?」

「うん、一応ね……」

「な、なんか豪華過ぎて穂乃果、食べれないかも……」

 

穂乃果とことりが言うのも分かります。

私も正直抵抗があるんですが……

 

「悠里さん、これってフランス料理ですよね?」

「そうだよ。真姫ちゃんよく分かったね?」

「私も食べた事があったので……」

 

フ、フランス料理!?

なんで悠里君はそんな料理が作れるんですか!?

それ以前によくフランス料理を作れる材料を見つけましたね!?

 

「まぁ……冷めない内に食べて?」

「「「い、いただきます……」」」

 

せっかく悠里君が作ってくれたんですし

食べないと失礼ですもんね?

そう思いながらステーキのような物を口にした瞬間……

 

「「「お、美味しい……」」」

「それは良かった。元々この料理はティアちゃんから教わったやつだけど……」

 

あ、ティアから教わったんですか……

そういえばティアはフランス出身だから知ってても納得です。

ティアが日本になじみ過ぎて完全に忘れてましたけど……

 

「でもなんで新メニューが『自分で作る』なんですか?」

「前に学校で寝泊まりしていた時に食堂の人が新メニューを考えててさ、僕も何かないか考えてくれって頼まれてね?、それで2年前かな……静岡の内浦ってところに行った時に色々あってね、その時に何故かこのメニューを思いついたんだ」

 

2年前というと悠里君が中学を卒業したばかりの頃ですよね……

そういえば前にティアが内浦がどうとか言ってたような……?

 

「あ、あの……水無月先輩……」

 

すると3人の1年生が悠里君に声をかけてきました。

 

「えっと……僕に何か用かな?」

「私達、水無月先輩のファンです」

「一緒に写真撮ってください!」

 

えっ?、悠里君のファン?

これは一体どういう事なんですか?

私だけじゃなく穂乃果とことりも唖然としています。

 

「僕で良いなら……カメラとかで撮ればいいのかな?」

「あの…スマホで撮ってもらいたいんですけどいいですか?」

「うん、いいよ?。凛ちゃん悪いんだけど手伝ってもらっていい?」

「任せるにゃー♪」

 

正直、会話の内容が追いつかないのですが……

そんな私達をよそに……

 

「悠里さん表情がちょっと硬いにゃ。はい笑ってにゃ~、はいチーズ」

 

凛の合図でパシャ!とシャッター音が鳴り終わった後、

スマホを1年生の子に渡しました。

 

「「「ありがとうございましたー///」」」

「ど、どういたしまして……」

 

悠里君がそう言うと1年生の子達は嬉しそうに

食堂を後にしました。

 

「悠里さん大人気だにゃー」

「そういえば私達のクラスでも悠里さんのファンとかいたわよね……」

「あ……確かにいたね。ラストライブ前の時からだっけ?話題が出たのって……」

 

凛、真姫、花陽が話す。

2年生のクラスでも悠里君のファンはいるんですか……

当の悠里君はというと……

 

「…今朝も()()()()()()とか貰ったんだよ、普通僕の素性とか知らない人が多い筈なのに……」

「「「「「「ファ、ファンレター!!?」」」」」」

 

これには私達6人も驚きました。

だってファンレターですよ!?

ちなみに私達μ'sが活動している間の時は

そういった物は誰一人貰った事がありません……

 

「別に悪い気はしないけどさ……貰ったのなんて何年振りかだし……」

「ゆ、悠里さん!、貰ったファンレター見せてもらってもいいですか!?」

「凛も見たいにゃー!」

「えー……?」

 

凛と花陽が悠里君に詰め寄ってるのをよそに

真姫が小声で話しかけてきた。

 

「海未達って悠里さんに告白とかしないの?」

「「「あ…えっと……そ、それは……///」」」

「3人共ヘタレ過ぎ……そんなんだと他の子とかに取られちゃうわよ?」

 

と、取られる!?

一体誰にですか!?

私の思ってる事が分かったのか真姫は……

 

「そうね……私とか?」

「「「えっ!?」」」

 

ま、まさか真姫が悠里君を狙っているなんて……

 

「……………………冗談よ」

「真姫ちゃん、今の間は何なの?」

「……………………何でもないわよ」

「真姫ちゃん、ことり達の目を見て言って?怒らないから?」

「穂乃果とことりも考え過ぎよ、てゆーか海未もそんな目しないで」

 

凄く怪しいですね……

 

「べ、別に、お兄ちゃ……悠里さんは頼りになるなと思ってるだけよ!」

「穂乃果もそれは分かるよ。ね、ことりちゃん?」

「うん♪、ゆーくん優しいもん」

 

なんでしょう……

真姫の口から聞き捨てならないとても重要な事を聞いた気が……

私の気のせいでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので
よろしくお願いします。


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第129話 放課後の遭遇と問いかけと不安

ゆるポメラです。
今回は少し暗さが入っています。
後半の視点は、ことりちゃんになります。

それではどうぞ。


1日を終えた僕は自宅に向かって歩いていた。

ほのちゃんは生徒会の仕事、みーちゃんは部活、ことちゃんは南先生に用事があると言っていたので今日は僕1人での帰宅だ。

 

(明日は代休だし、ゆっくりできそう……)

 

入学式の準備が4月1日の土曜日だったので、

代わりに明日の火曜日が代休になったのである。

これを聞いたほのちゃんは、今日の内に生徒会の仕事を終わらせようと

やる気満々になったのは驚いた。

手伝おうかと僕が聞いたら1人で出来るから大丈夫との事。

みーちゃん、ことちゃんが驚いていたのは余談である。

 

(それにしても……)

 

今日1日の中で気になる事が1つだけあった。

ことちゃんの事だった。

お昼ご飯を食べ終え、教室に戻る最中に……

 

『ねぇ、ゆーくん』

『どしたの?』

『私に何か隠し事とか……してない?』

 

()()()と言われ別にないよと言いたかったのだが、

すぐに言えなかった。

何故なら、ことちゃんが心臓をわし掴みするような鋭い視線を

僕に向けていたからだ……

 

『……ないよ』

『ふーん…また()()聞くからいいけど……』

 

という会話があった。

その後も何気なく、ことちゃんに話しかけてみても

いつも通りの反応だったので僕の勘違いだったのかなと割り切っている。

 

(いや……まさかね……)

 

だって()()()がいつも通りだったし……

そんな事を考えていると帰りによく通る公園が見えた。

 

(そういえば小さい頃ここで遊んだよなぁ……ことちゃんとルーちゃんの3人で)

 

公園(ここ)に来ると、

ことちゃんが必ずおままごとをやろうと言い出したのは覚えてる。

それでルーちゃんも便乗して本格的なやつをやろうと言い出す。

昔の事を思い出しながらそろそろ帰ろうと思い、

自宅がある曲がり角に差し掛かろうとした時……

 

「ゆーくん♪」

 

ことちゃんと遭遇した。

今帰りなのかなと一瞬思ったがここで疑問が浮かぶ。

それは帰り道のルートだ。

ことちゃんの場合、僕と同じルートで帰ってる。

しかし目の前にいることちゃんは音ノ木坂から遠回りのルートを使って

ここにいる。

それともう1つ……

 

「なんでその制服をことちゃんが着てるの?」

「んー?、試しに作ってみたんだ♪」

 

嘘だ。

目の前にいることちゃんが着ている制服は、

未柚ちゃんと心結が通っている()()()()()()()だった。

元々、藍音学院は特殊な学校であり一部の生徒しか通えない……

それに存在自体が世間では知られてない。

 

「似合ってるね、でも作ったなんて……嘘でしょ?」

「ふーん……どうしてそう思うの?」

「その制服自体、人の手じゃ作れないから」

 

ことちゃんは制服を()()()()()()と言った。

μ'sの衣装担当だった彼女なら何の違和感もないだろう。

ほのちゃん、みーちゃんが仮にこの場にいたら凄いねと絶賛するだろう……

だけど藍音学院の制服を自分で作ったなら話はガラリと変わる。

何故なら藍音学院の制服には特殊な加工が施してあるからだ。

まず材料自体が高級な物であり一般の高校生が買える代物じゃない。

更に制服自体が機械で作られている。

だから藍音学院の制服は人の手じゃ作れない……いや絶対に作れない。

 

「くすくす……」

 

何にも答えず笑うだけの彼女。

 

「ことちゃんも早く帰りなよ?、夜になると危ないんだから……」

 

そう言いながら彼女を通り過ぎようとした瞬間……

 

「ねぇ…どうして私から逃げるの?」

 

刃物を僕の首に突きつけながら問いかけてきた。

ちょっとでも動いたら頸動脈が切れる距離。

しかも背中から抱きついてる状態なので両腕はホールドされてるので動けない……

よく落ち着いてるなぁ……僕。

 

「答えてくれないの?…じゃあ質問を変えるね、どうして()()()()()()()()……」

 

今の言葉で確信した。

この子は()()1()()()()()()()()だ……

 

「…嘘って僕が隠し事をしてる事?」

「そうだよ♪、ゆーくん私に何か隠してるよね?」

 

耳元で囁くことちゃん。

いや、この場合は()()()()()()か……

とりあえず僕の首筋にある物騒な刃物をしまってくれると嬉しいんだけどな……

別にこのままでもいいんだけどさ……

 

「ゆーくんが正直に話してくれるなら離してあげる♪」

「…嫌だと言ったら?」

「この場で殺しちゃうかも♡」

「隠し事って訳じゃないけど信じてくれる?」

「うん♪、他の人は信じないけど私はゆーくんの話なら信じるよ♪」

「分かった。ちゃんと話すよ……」

 

そう言うと僕から離れ、

右手に持っていた刃物をしまってくれた。

仕込みタイプの刃物だったんだねソレ……

 

「最初に聞くけど僕の口から直接聞きたいんでしょ?」

「その方が信憑性が高いなーと思ったからかな?」

「随分と信用されてるね?、それで隠してた事なんだけど………」

 

彼女には嘘は通じない。

なら僕が思った事をそのまま話せばいい……

この時に気づくべきだったのかもしれない。

まさか背後で()()が立ち聞きをしていた事に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

 

 

お母さんに頼まれて書類の手伝いが終わった私は、

穂乃果ちゃんと海未ちゃんに先に帰るねとメールを送った。

そして帰る途中にある公園の曲がり角で、ゆーくんの声がしたので

驚かせようかなと思った私は声がする方へ向かおうとした矢先……

 

(え…ど、どうして……)

 

ありえない……

自分が見ているのは幻なのかと思ってしまうくらい目を疑った。

何故なら、ゆーくんと話していた人物は……

 

(()()1()()()()があそこに居るの!?)

 

それは去年の12月…ラブライブの最終予選の時に、

ゆーくんが情緒不安定になり自殺未遂を起こした後、彼を保健室に連れて行った時に彼女は現れた。瑠菜ちゃんに聞いたら体を乗っ取られる事もあるから無理しない程度に気をつけてねと忠告された。

その日以来、私は無理だけはしない事にしている……

 

「僕さ、今高校3年生でしょ?」

「何か気になる事でもあったの?」

 

ゆーくんはもう1人の私と何かを話している。

バレないように電柱に隠れながら私は2人の話を聞く。

 

「去年の修学旅行で沖縄に行った時に花怜ちゃんには先に話したんだけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()を見たんだ……」

 

……えっ?

 

「ゆーくんの夢じゃないの?」

「…この夢には続きがあるんだよ。そこから先、()()()()()()()んだ」

「じょ、冗談でしょ……?」

 

もう1人の私は驚いていた。

そんな反応をよそに……

 

「だから万が一の事を考えてルーちゃん達にも話したんだ。最近ね……」

「ねぇ……もしその夢が現実になったらどうするの?」

「………………君なら分かるでしょ、僕の考えてる事くらい」

「嫌よ……そんなの絶対嫌よ!!!」

 

その声は泣き叫んでるようにも聞こえた。

何故だろう……聞いてて辛い。

それに胸の奥が痛い……

 

「ど、うして……ゆーくんはいつもそう、やって……っ!!」

「それは……」

「もぅ……1人は嫌……私を1()()()()()にしないでぇ……!!」

 

1()()()()()という単語を聞いた瞬間、

ある光景が頭を過ぎる……

それは大雨に打たれて()()に絶望しながら泣き叫ぶ自分の姿……

 

「僕からも聞いていい?、君はもう1人の自分の事はどう思ってるの?」

「大嫌いよ、ゆーくんの事も考えもしない自分なんか……」

 

私の事を言ってる事は明白だった。

最初に現れた時から憎しみの感情をもう1人の私は

私に向けていたんだから……

 

「……7月」

「えっ………?」

「それ以上は何も言わない。もし君が納得のいく形にならなかったらその時は……」

 

ゆーくんがもう1人の私に

何かを伝えていた。内容を聞こうとしたけど、

7月という単語しか聞き取れなかった……

 

「………いつまで隠れてるの。ことちゃん」

 

私が隠れてるのバレてたんだ……

電柱から出ると、もう1人の私は既にいなかった……

 

「どこまで聞いてたの?」

「そ、その……最初から……ゴメンね。盗み聞きするような事して……」

「別にいいよ。僕だって気づかなかった訳だし……」

 

敢えてもう1人の私については話さないのは、

さっきの話を殆ど聞いちゃったからだと思う……

 

「ことちゃん今日は1人?」

「え……う、うん。お母さん今日は帰りが遅いって言ってたから……」

 

学校から帰る時に、

お母さんが私に帰るのが夜中になりそうだから

戸締りをして先に寝てなさいって言っていた。

 

「そっか。明日は代休で休みだし僕の家に泊まりに来る?」

「で、でも迷惑じゃないの?」

「1人暮らしだし迷惑だなんて思ってないよ」

「あ……///」

 

ゆーくんはそう言うと私の手を繋いできた。

 

「ことちゃんの家に先に行こっか、荷物の準備とかもあると思うし……」

「ねぇ、ゆーくん……」

「どうしたの?」

 

この事を聞いてもいいのかと思い、

不安になりながらも私は迷ったが………

 

「やっぱり何でもないの……ゴメンね?」

「別にいいよ。ことちゃんが言いたい時になったら言えばいいから」

「うん……」

 

今はこの時間を大切にしたいと思った私だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は、ことりちゃんが悠里の家に泊まる話になります。
頑張りますのでよろしくお願いします。


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第130話 ことりが見た悠里の素顔

ゆるポメラです。
今回は前回の予告通り、
ことりちゃんが悠里の家に泊まる話です。
重要なキーワードが出たりするかも……
生暖かい目で読んでいただけると嬉しいです。
視点は、ことりちゃんになります。

それではどうぞ。



ゆーくんからのお誘いで、

私は自宅に戻って泊まる荷物を纏める為、

部屋で準備をしていた。

 

(これで大丈夫かな?)

 

必要な荷物を確認し終えた私は、

お母さんに書き置きを念の為に残す事にした。

一応、電話で事情を話したら凄く機嫌が良かったけど……

書き終わった後、玄関に向かう。

 

「準備終わったの?」

「うん、お母さんにもちゃんと連絡したから」

「なら大丈夫か。じゃあ行こっか」

 

ゆーくんと軽く話した後、

2人で彼の自宅に向かうことなった。

確か私の家から歩いて20分くらいだった気がする……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事を考えてる内に、

ゆーくんの家に着いてしまった。

 

「ただいまー……って相変わらず誰もいないけど」

「お、お邪魔します……」

 

うぅ~、やっぱり緊張しちゃうよぉ……///

ゆーくんの家に来るのは3回目だったりする。

初めて来たのは去年の秋にやった合宿後の休日にちょっとした事がきっかけで穂乃果ちゃんと海未ちゃんの3人で泊まりに行った事。

そして2回目は、ゆーくんの誕生日に行ったのが最後なの。

 

「お茶、紅茶、コーヒーどれが飲みたい?」

「こ、紅茶で……」

「分かった。作ってくるから適当にくつろいでて」

「う、うん……」

 

私にそう言った彼は台所に向かう。

持ってきた荷物をその辺に置きソファーに座る。

 

「はい紅茶。砂糖とミルクは好みで入れてね?」

「あ、ありがとう」

「どういたしまして。お嬢様……」

「ちゅん!?///」

 

お、お嬢様!?

そこはせめてお姫様って言って欲しかったなぁ……じゃなくて!!

 

「ん?、お姫様って言って欲しかった?」

「そ、それは……えっと、はぅ……///」

 

なんで私が思ってた事が分かるの!?

もしかして顔に出ちゃってたとか……

 

「顔に出てた。ことちゃんって意外と分かりやすいところあるから……」

 

やっぱり顔に出てたみたい……

なんだろ、なんか悔しい……

 

「ことちゃんが泊まりに来るのって初めてじゃない?」

「え、そうかなぁ?」

「ほのちゃん、みーちゃんと3人で僕の家に泊まりに来た時はあったけど、ことちゃん1人でっていうのは初めてだなぁと思って……」

 

ゆーくんは呑気に話す。

でもよく考えてみたら……

 

(こ、これって、ゆーくんを私が独り占めしてる状況だよね!?)

 

成り行きとはいえ、

好きな人の家に上がっている……

しかも遊びに来たんじゃなくて泊まりに来ているという嬉しすぎる状態だった。

正直、私の理性が保ってられるか不安でいっぱいだよぅ……///

 

「ゆ、ゆーくんは家に帰ったら普段何してるの?」

 

平静を保つために彼に質問してみる。

 

「僕?、気分次第だけど絵を描くくらいかな……」

「そうなんだ~、どんな絵を描くの?」

「色々だよ……後で見せてあげるよ」

「うん♪」

 

この後も色んな話をした。

気づいた時には夜の19時近くになっていた。

 

「ってもうこんな時間か……夕飯何が食べたい?」

「あ、それなら私が作るよ」

「でも、ことちゃんお客さんだし……」

「私だけ何もしないのは嫌なの!」

「でも……」

「ゆーくん、おねがぁい♡」

「はぁ……分かった。お願いしてもいい?」

「うん♪、とびっきりの作ってあげるね♪」

 

ゆーくんの家に泊まりに来てるんだもの。

私だけ何もしないのは嫌だもん!

それにこうでもしないと、ゆーくんは聞いてくれないし……

 

「じゃあ、台所を借りるね?」

「やっぱり僕も何か手伝おうか?」

「ダメです。ゆーくんは疲れてるんだから休んでてください!」

「は、はい……」

 

さて♪、ゆーくんに何を作ってあげようかな~?

そう思い冷蔵庫の中を開ける。

するとここでちょっとした問題が起きました。

それは……

 

「ゆーくんー?」

「どうしたの?」

「どうしたのじゃないよー、なんで冷蔵庫にある食材がこんなに少ないのかな~?」

 

そうなんです。

冷蔵庫にある筈の食材が明らかに少ないんです。

2人分を作るには問題ないんだけど問題は()()()()()()

ことりが見る限り食材は明らかに1週間あるかないかの量しかなかったんです……

 

「だって僕1人暮らしなんだし、問題なくない?」

「ふーん……じゃあちゃんと食べてるの?」

「ここ最近だと3日は食べてないです。はい」

「ちゃんと毎日食べなきゃダメって私達いつも言ってるよね……?」

 

やっぱりそうだった。

この食材の量から考えて1週間の内3日は食べないで、

残りはちゃんと作って食べるという計算になった……

ゆーくんの食生活を瑠菜ちゃん達に聞かさせて以来、

私達は、ゆーくんの食生活を気を遣うようになった。

特に海未ちゃんは2日に1回、ゆーくんに昨日は何を食べたかを聞く徹底ぶり。

今の内容を海未ちゃんが聞いたら怒るんだろうなぁ……

 

「もぅ……今日は見逃してあげるけど次はないからね?」

「はい。気をつけます……」

 

ゆーくんはそう言うと、

お風呂を掃除してくるねと言いリビングを後にしました。

 

(う~ん、卵があるしオムライスでも作ろうかな?)

 

幸い冷蔵庫の中に冷凍したお米と卵があったので、

オムライスを作る事にしました。

せっかくだからケチャップでハートマーク描いちゃおうかな……///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした、美味しかったよ」

「はい♪、お粗末様」

 

夕飯を食べ終えた後、

私達は食器を片付けていた。

 

「それにしても、ことちゃんはいいお嫁さんになれるよ」

「ぴぃ!?、お、お嫁さ……///」

 

食器を洗ってる最中に、

ゆーくんがとんでもない事を発言した。

それを聞いた私は顔が真っ赤になっていく感覚になった。

この際だから、ゆーくんに聞いてみようかな……

 

「ゆーくん。あ、あのね?、相談があるんだけど……」

「…悩み事?」

「うん…。私ね?、好きな人がいるの」

「ほのちゃん、みーちゃんには言えない事?」

「2人には話したんだけど、やっぱり男の人の意見も聞きたくて……」

「僕じゃ参考にならないけど……とりあえず黙って聞くよ」

 

私の好きな人……それは隣にいる彼の事だった。

 

「その人はね?、自分の事より他人の事を優先するの」

「いい人じゃん、その人」

「体を壊してまで平気で無茶して損な役ばっかりする人なんだよ?」

「…それで?」

「私が分からないのはどうしてそこまでするのかなと思って……」

「…ことちゃんはその理由が知りたいって?」

「うん。だって人としてやってはいけない事をまでしてなんだよ……?」

「…要するに世間からは犯罪だって言われてるって事?」

「うん……」

 

私……ゆーくんになんて酷い事を聞いてるんだろ?

興味本位で自分から言ったとはいえ、これじゃ責めてるのと同じだよ……

やっぱり聞くんじゃなかった。

 

「これは僕の考えなんだけどさ」

「え?」

「多分その人はそれでもいいと思ってるんだと思うよ?」

 

それでもいいとは一体どういう意味なんだろう?

 

「周りから別に嫌われてもいい、犯罪者呼ばわりされても自分は間違った事はしてない。そんな感じかな……実際、国家の上層部だって都合の悪い事は権力で揉み消す。だから所詮、何が正しいなんて分かんないもんだよ?、まぁ僕だったら徹底的に相手を精神的に追い詰めるまで証拠を突きつけるけど……っと話が逸れた、僕が言いたいのは全てを失っても守りたかったからだと思うって事」

 

じゃあ、ゆーくんはそんな辛い思いをしてまで今までずっと私達を……

 

「こんな感じだけど参考になった?」

「うん、変な事聞いてゴメンね……?」

「気にしてないよ。あ、ことちゃんお風呂入ってきたら?」

「え、でもまだ片付けが……」

「残りは僕がやっておくから大丈夫だよ」

 

そんなこんなで私はお風呂に入る事にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……結局、肝心な事言えなかったなぁ……」

 

どうして私って、

ゆーくんの前だと言えないんだろう?

ただ『あなたの事が好きです』って言えれば……

 

(痛ッ!!、急に頭痛が……)

 

何故か急に鈍器で殴られたような頭痛が襲ってきた。

けどほんの一瞬だけであり、すぐに治まった……

 

「ゆーくん、お風呂上がったよ?」

 

お風呂から上がってリビングに戻ると、

ゆーくんが何かを作ってた。

なんだろう……?

 

「あ。上がったんだ?、2階にある僕の部屋で待ってて」

「え、いいの?」

「その間に僕はお風呂に入ってくるよ。本棚にある本は勝手に読んでもいいよ?」

 

それだけ言うと、

お風呂に行ってしまった……

 

(ゆーくんの部屋で待ってようかな……)

 

私は先に2階にある、

ゆーくんの部屋に行って待つ事にしました。

 

 

 

 

 

ーー悠里の部屋ーー

 

 

 

 

 

「ここが、ゆーくんの部屋……」

 

初めて入る彼の部屋は、

綺麗に整理されていた。

もしかして私がお風呂に入ってる間に部屋の掃除してたのかな?

少し慌ててた様子もあったし……

 

「これって写真かな?」

 

ゆーくんの机の上に置かれてたのは3つの写真立て。

1つめは、μ'sのみんなで撮った写真。

2つめは、ゆーくん、穂乃果ちゃん、海未ちゃん、瑠菜ちゃん、花怜ちゃん、ティアちゃん、そして私が写ってる小さい頃の集合写真。

そして3つめは……

 

(この子、誰なんだろう?)

 

写真に写っていたのは、

チョーカー型のペンダントを首に付けた女の子だった。

隣では、ゆーくんも一緒に写っていた。

写真を見る限りその子の表情は幸せそうなのが窺える……

 

(漆黒の長髪……私どこかで……)

 

どこかで見た事があった為、

思い出そうとしたが結局分からなかった私は

本棚に置いてある本を読んで待つ事にした……

 

「ゆーくんって、こんな本を読むんだ……」

 

私が読んでいる本は、

お金持ちの貴族達が絶海の孤島にある別荘で、

その貴族達が不可解な殺人事件に巻き込まれるという話。

しかも完全な密室で人間の仕業では不可能で本当は魔女の仕業なのでは?という内容になっている。テーマが『人間か魔女』ってのが面白い……

また『愛がなければ視えない』いう言葉も……

 

「戻ったよー」

 

本を読んでる間に、ゆーくんが部屋に戻ってきた。

なんだろう……お風呂上りのゆーくん、凄くイイかも///

 

「それ読んでたんだ。ことちゃん平気なの?」

「え、何が?」

「それ結構グロイ描写もあるからさ、大丈夫かなと思って……」

「うーん、平気かな?」

「なんで疑問形?」

「あはは……ことりも分かんない……」

 

ゆーくんはまぁいいやと言いながら、

私の隣に座る。

ち、近い、でも寧ろ嬉しい……///

 

「ことちゃん。僕、明日行かなきゃいけないところがあるんだけど一緒に行く?」

「ゆーくん、誰かに会いに行くの?」

 

純粋に気になった私が何気なく聞いてみると……

 

 

 

 

 

「うん、()に会いに。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉は私が驚く理由としては充分だった。

だって去年の秋、ゆーくんの家に初めて行った日……

学校で穂乃果ちゃんがお母さんに……

 

『ゆうちゃんって妹いるんですか?』

『いいえ、悠里くんは1人っ子よ』

 

って言ってた筈。

それに仮にいたとしても妹のような存在の未柚ちゃんぐらいだって、

海未ちゃんも言っていた……

 

「ゆーくんの義理の妹……とか?」

「いや。れっきとしたごく普通の()()()()だよ?」

「でも、お母さんがゆーくんは1人っ子だって……」

「あ……南先生に話すの忘れてた」

「…じゃ、じゃあ、お母さん、ゆーくんに妹がいるの知らないの?」

「話してないからね。だから近い内に話すよ」

 

未だに状況が追いつけない私。

ゆーくんに妹がいたという事実が余りにも衝撃過ぎたから……

当の本人は平然としている。

天然にも程があると思う……

 

「他に知ってる人はいるの?」

「4人かな……内2人は言えないけど、ルーちゃんと真姫ちゃんがこの事知ってるよ」

 

瑠菜ちゃんと真姫ちゃん?

でも2人に接点なんてあったかな……?

 

「詳しくは明日に話すよ」

「でも私なんかが一緒に行ってもいいの?」

「ことちゃんを1人にできる訳ないでしょ?」

「穂乃果ちゃんと海未ちゃんには今の事、話すの……?」

「ほのちゃん、みーちゃんの2人には落ち着いたら話すよ……」

 

それだけを皮切りに、

ゆーくんはそろそろ寝ようかと言った。

私はどこで寝ればいいの?と聞いたら……

 

「僕のベット使っていいよ。僕は床で寝るから」

「ダ、ダメだよ!、風邪ひいちゃうから一緒に寝よ?」

「ことちゃん、少し落ち着こうか?」

「ことりは落ち着いてるもん!」

「あのね、別に僕は倒れてもいいの。OK?」

「よくないよ!」

 

う~!!

ゆーくんの分からず屋!!

かくなる上は……

 

「ゆーくん、おねがぁい♡」

「一緒に寝ればいいんでしょ……寝れば……」

 

押し切ったよ!

ゆーくんは拗ねながらも私のお願いに応じてくれました♪

えへへ~♪

 

「電気消すよ?」

「うん♪」

 

部屋の電気が消され辺りは真っ暗になった。

しばらくすると彼の寝息が聴こえてた……

 

(寝てるよね……?)

 

気づかれないように背中に抱きつく。

今だけはこうしていたいと思ったから……

 

(ゆーくんって本当にバカだよね……私や穂乃果ちゃん、海未ちゃんに嫌われてもいいと思われてまであんな無茶までして、辛い事は誰にも話さないで1人で解決して……)

 

自分は落ちこぼれで恋愛する資格なんてないって言ってたけど、

そんな事ないよって言ってあげたい……

もし私が告白とかしても僕なんかじゃ釣り合わないって言うのが容易に想像ができた。まして犯罪者みたいな僕なんかより素敵な人が見つかるからと作り笑顔で言うのも……

 

(それでも私は……)

 

 

 

 

 

ゆーくんの事が好きだ。

 

 

 

誰よりも優しくて……

 

 

 

辛い時も私を支えてくれて……

 

 

 

 

私達に辛い思いをさせまいと全てを捨ててまで無茶をして……

 

 

 

 

 

挙げ句の果てに自分の事なんか忘れていいと言うくらいのバカな人……

 

 

 

 

 

本当に……

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆーくんのバカ……」

 

私には何ができるのだろう?

どうすれば彼の隣に立つ事ができるのだろうか……

分からない……

ただこれだけは言える……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(私、ゆーくんの事を嫌う事なんて絶対にないから……だって私の初恋の人だもん……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は悠里の妹を出したいと思います。
この作品の最後のオリキャラが、
()()()だけ……と思っていたのか?(伝説の超サ〇ヤ人風)
コホン!、失礼いたしました。今のは忘れてください……
次回も、ことりちゃん視点になりますのでよろしくお願いします。



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第131話 妹

ゆるポメラです。
今日から5月に入りましたね。
サブタイですが今回はシンプルにしてみました。
前回の予告通り、ことりちゃん視点になります。

それではどうぞ。


「んぅ……」

「あ、ことちゃん起きた?」

「ゆーくん……?」

 

未だに重い瞼を開くと、

ゆーくんがいた。

そっかもう朝なんだ……

 

「朝ご飯できてるから着替えたらリビングに来てね?」

「うん……」

 

そう言うと部屋から出て行った。

まだ頭がボーっとするなぁ……

 

(そういえば私、ゆーくんを抱き枕にしながら一緒に寝て…………っ!?)

 

昨夜の出来事を思い出す。

ゆーくんが寝静まったのを見て背中に抱きつきながら寝てしまった事……

自分からやった事とはいえ思い出したら余計に恥ずかしくなった。

 

(ど、どど、どうしよう……ゆーくんに変な女の子って思われてないかな///)

 

とりあえず着替えなきゃ!

私服に着替え終えリビングに向かうと……

 

「朝ご飯、ホットケーキだけど大丈夫?」

「う、うん。大丈夫……///」

「なら良かった」

 

朝ご飯を食べてる最中でも、

ゆーくんの顔を見る事ができなかった……

うぅ……///

 

 

 

 

 

 

朝ご飯を食べ終えた後、

すぐに出かけるとの事で私達2人は現在、

街中を歩いていた。

 

「ゆーくん、今から何処に行くの?」

「簡単に言うと知り合いの両親が経営してる()()()だよ」

 

孤児院ってテレビで見るけど、

私が住んでいる町にもあったんだ……

 

「でも世間では知られてない場所にあるからこの町に孤児院がある事を知ってる人は、ごく一部の人だけなんだ」

「どうして?」

「都合の悪い事は隠す。要はそういう事だよ」

 

それだけ言うと、

ゆーくんは何も言わなかった。

そして30分くらい歩いた後……

 

「着いたっと……」

「ここがそうなの?」

 

着いた場所は自然に囲まれた場所だった。

ログハウスが建てられており、孤児院というよりは

家族で来るキャンプ場に近かった……

ゆーくんは門に備えてあるインターホンを押す。

するとすぐに若い女の人の声がした。

 

「朝からすみません。悠里です」

『はーい、今開けるからちょっと待っててね』

 

インターホンが切れると門が開いた。

なんだろう……設備とか凄い気がする。

 

「美柚樹さん、お久しぶりです」

「1年振りね。悠里くん♪」

 

出迎えてくれたのは綺麗なお姉さんでした。

なんだろう……雰囲気が誰かに似ている気がする……

 

「もしかして隣の子が、南ことりちゃん?」

「あの、どうして私の事を……」

「娘から話は聞いてるわ、友達思いの優しい先輩だって」

「……娘?」

「ことちゃん、美柚樹さんは未柚ちゃんのお母さんなんだよ」

「えええぇぇぇ!!?」

「そういう事♪、改めまして神無月美柚樹(かんなづきみゆき)です。娘の未柚がお世話になっています。」

「こ、こちらこそ!」

 

未柚ちゃんのお母さんだったの!?

でも髪の色とか独特な雰囲気が未柚ちゃんに似てる気がする……

どうして私の周りのお母さんは美人な人が多いんだろう?

 

「それにしても珍しいわね。この時期に来るなんて」

「昨日が音ノ木坂の新入生の入学式で今日は代休なんです」

「あら入学式だったの!?、それにしても代休なんて羨ましいわ」

 

私の時も代休であって欲しかったわと呟く美柚樹さん。

そういえば美柚樹さんも音ノ木坂だって、お母さんが言ってた気がする。

 

「あの、妹は今……」

「さっきまでここにいたんだけど今は庭で遊んでるわ」

「迎えに行った方がいいですかね?」

「ちょうど私も迎えに行くところだったし3人で行きましょ?」

「ことちゃんもそれでいい?」

「うん、私は大丈夫だよ♪」

 

美柚樹さんの引率の元、

私達は、ゆーくんの妹が遊んでるといわれる

庭まで案内してもらう事になった。

 

「最近、妹の様子はどうですか?」

「ふふ♪、1日に1回は悠里くんは今度いつ会いに来てくれるのしか言わないわよ」

「平常運転なんですね」

「ゆーくん、好かれてるんですね♪」

「好かれてるっていうより完全にブラコンよ?、だから悠里くんがまさか今日来ている事を知ったら驚くんじゃないかしら♪」

 

そんな事を話してると、

庭に着いた。

ブランコや砂場、すべり台まである。

どっちかというと庭というよりも公園に近かった。

すると1人で砂場で黙々と遊んでいる女の子を見つけた。

 

「涼香ちゃん~、お客さんですよ~」

 

美柚樹さんの声に反応し、

こっちに振り向くと……

 

「…ぁっ、お兄…ちゃん…お兄ちゃーん!!」

 

ゆーくんの姿を見つけるなり、

泣きながら抱きついてきた。

 

「ほら涼香、泣かないの。」

「だって……だってぇ……」

「今日は涼香の知ってる人も連れてきたんだよ」

「知ってる人?、だぁれ……?」

 

ゆーくんの足元にくっつきながら

小首を傾げる妹ちゃん。

か、可愛い……///

 

「ほら涼香。ご挨拶は?」

「ぅにゅ……は、初めまして……水無月涼香(みなづきすずか)です……8歳です……」

「南ことりです♪、よろしくね涼香ちゃん♪」

「ぅにゅ……」

「ゴメンね、涼香って恥ずかしがり屋なとこもあるからさ……」

 

苦笑いしながら私に謝る。

でもなんでだろう……?

私、涼香ちゃんの事どこかで見た事があるような気が……

 

「ことちゃんはあんまり覚えてないかもしれないけど小さい頃にルーちゃん達と一緒に遊んだ時にいつも僕に引っ付いていた女の子、覚えてない?」

 

そう言われて思い出す。

ゆーくんと瑠菜ちゃんに初めて会って数日の頃に、

一度だけ、ゆーくんの傍から離れなかった女の子と遊んだ事があった。

もしかして……

 

「あの時の女の子って涼香ちゃん?」

「そういう事。1度しか遊んだ事がないから、ことちゃんも覚えてないから仕方ないけど……」

 

確かにその日以降、

涼香ちゃんを見かける事はなかった。

…でも、どうして……?

すると私の様子を見かねた美柚樹さんが……

 

「まぁ積もる話は中でしましょう。私も最近の悠里くんの事を聞きたいし♪」

「僕の話を聞いてもつまんないですよ……?」

「お兄ちゃんのお話聞きたい!」

「なんで涼香まで!?、ことちゃん助けて!」

「じゃあ私が、ゆーくんの話をしてあげるね?」

「わーい♪」

「…僕に味方はいないのかな?、かな?」

 

ゆーくんゴメンね♪

私も最初はフォローしてあげたかったんだけど、

涼香ちゃんの純粋な目を見たら話してあげたくなっちゃった♪

も、もし…ゆーくんとけ、結婚とかしたら義理の妹になるって事だよね?

キャー///、まだそういうのは早いのにー///

 

(でも……ゆーくんと結婚……えへへ~///)

 

移動してる間も、

自分の顔がにやけているのが止まりませんでした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
悠里の妹の涼香です。
こちらがプロフィールになります。

容姿イメージ:『D.C.Ⅲ』の瑠川さら

誕生日:12月(何日生まれなのかは本人も分からない)

血液型:A型、いて座

一人称:私




次回の投稿はシナリオが纏め終え次第になりますので
少し遅れたりするかもしれません。
次回もよろしくお願いします。


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第132話 水無月涼香

ゆるポメラです。
昨日シナリオを纏めた結果、
前回の続きになります。

それではどうぞ。


「涼香?、少し離れてくれると嬉しいんだけど……」

「やっ!!」

 

悠里です。

少し困った事になりました。

美柚樹さんに最近の様子を聞きたいと言われ、

孤児院の家に上がらせてもらった僕とことちゃん。

10時頃になったので、おやつを作ろうかかなと思った僕は、

キッチンに向かおうとしたら涼香が引っ付いてきた。

動こうにも足元を強くホールドされてるので動こうにも動けない……

 

「おやつ作りに行くだけだから……それとも要らないの?」

「いらない!!!」

 

こう言えば大抵の子供なら離してくれるんだけど……

まさかのおやつは要らない宣言か……

うちの妹は変なところで頑固だ。

それ以前に打開策を考えないと……

そんな時に携帯の着信音が鳴った。

メールかなと思い、携帯の画面を開くと、

みーちゃんからだった。

内容は……

 

 

件名:どこですか?

 

穂乃果と一緒に悠里君の家の前にいるんですが、

どこにいるんですか?

ことりにもメールを送ったんですが返事がないんです……

ねぇ……どこにいるんですか?

ねぇ……ねぇ……悠里君…ドコニイルンデスカ、ドコニイルンデスカ?

返信待ってます。ズットズットマッテマスカラ……

 

 

 

 

という心配している内容だった。

よく見たら同じ内容のメールが20件くらい来ていた。

全然気づかなかった……

それにしてもなんでカタカナで書いてあるんだろう?

少し悪い事しちゃかなと思ったので僕は、

みーちゃんに事情はちゃんと話すから家で待っててとメールで返信した。

 

「ことちゃん、僕ちょっと家に一旦戻るよ」

「えっ、どうして?」

「ほのちゃん、みーちゃんが家にいるらしいから迎えに行ってくるよ」

「私も一緒に行った方がいいかな?」

「あー……僕が戻るまでの間、涼香の面倒を見てもらってもいい?」

「うん。分かった」

 

ことちゃんの了承は貰えた。

後は未だに足元に引っ付いてる涼香を説得しなきゃなぁ……

 

「涼香、ちょっと僕30分くらい出かけちゃうけど……」

「…ちゃんと戻ってきてくれる?」

「すぐに戻るから。ことりお姉ちゃんと一緒にお留守番できる?」

「うん……いい子にして待ってる」

 

珍しい事に1発で説得できた。

ことちゃんが一緒だからかな?

 

 

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

 

ゆーくんが海未ちゃんと穂乃果ちゃんを迎えに行った後のを

見送った後、涼香ちゃんは絵本等がある本棚の方に行った。

 

「美柚樹さん、涼香ちゃんって本を読むのが好きなんですか?」

「それもあるけど……正確には気を紛らわしたいからなのよねぇ」

 

気を紛らわしたい理由……

ゆーくんの事だなと容易に想像がついた。

さっきまで涼香ちゃんは笑顔だったのに、

ゆーくんが出かけてしまった途端、寂しそうな表情になってしまった。

 

「私も最近気づいたけど、涼香ちゃんは読む本のジャンルが違うのよ」

「それってどういう……」

「ことりおねえちゃん~」

 

美柚樹さんに理由を聞こうとした時、

涼香ちゃんが1冊の本を持って私のところに駆け寄って来た。

 

「この本読んでー?」

「うん、いいよ♪」

「わーい♪」

 

そう言うと涼香ちゃんは、

私の膝に座ってきた。

わぁ~、お人形さんみたいで可愛いよぅ~///

 

()()()()()()()()()早く読んでー?」

 

しかも、ことりの事を()()()()()()って……

はっ!、まだそれは早いよ南ことり!!

色んな意味でまだ早いよ。ゆーくんと結婚とか結婚とか結婚とか……

 

「むぅー!」

「あ……ご、ゴメンね?、今から読んであげるからね?」

「はやくー!」

 

えっと……『ヤンデレに疎いあなたでもヤンデレ女になりきる方法!これで意中のあの人のハートもイチコロよ☆』

…って、これを涼香ちゃんに読んであげるの!?

とてもじゃないけど8歳の女の子が読むジャンルの本じゃない……

さっき美柚樹さんが言おうとしていた理由が分かった気がする。

 

(でも……ことりもちょっと気になるかな……)

 

不謹慎と内心思いながらも、

読んでみたいと思う私がいました。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戻りましたー」

「あら、悠里くん。お帰りなさい♪、そっちの2人もいらっしゃい」

「「お、お邪魔します……」」

 

ほのちゃん、みーちゃんを迎えに行った後、

すぐに孤児院に戻ると美柚樹さんが出迎えてくれた。

 

「ゆうちゃん、このお姉さん誰?」

「まぁ♪、お姉さんだなんて。初めまして神無月美柚樹です」

「神無月?、あの失礼かもしれませんがもしかして……」

「ええ♪、未柚の母です」

「「えええぇぇぇ!!?」」

 

ことちゃんと同じリアクションをする2人。

未柚ちゃんのお母さんと聞けば驚くよね……

 

「お兄ちゃーん」

「…っと。ただいま涼香」

 

今のやり取りが聞こえたのか涼香がこっちに来て抱きついてきた。

おっと……危ない、危ない。

 

「あのねー、ことりおねえちゃんが本を読んでくれたのー」

「そっか。良かったね涼香」

「うん♪」

 

ぎゅーと抱きつきながら答える涼香。

 

「悠里君、その女の子は……?」

「それに、ゆうちゃんの事をお兄ちゃんって……」

「ほら涼香、ご挨拶は?」

「ぅにゅ……は、初めまして……水無月涼香です……8歳です……」

「ど、どうもご丁寧に……そ、園田海未です」

「こ、高坂穂乃果です……」

 

涼香が恥ずかしがりながら挨拶をすると、

ちょっと驚きながらも涼香に自己紹介をする、

ほのちゃん、みーちゃん。

 

「お兄ちゃんお腹空いた!」

「はいはい……」

 

この子さっきまで、

おやつは要らないとか言ってなかったかな……

急にお腹が空いたのかな?

ちなみに僕もみーちゃん達を待たせないように自宅まで走ってたから

僕までお腹が空いてきたよ。

 

「作ってくるからここで待ってて?」

「やっ!!、お兄ちゃんと一緒がいい!!!」

「おやつを作りに行くだけだから……」

「やー!!!、お兄ちゃんと一緒がいいー!!!」

 

このお嬢様は僕に対して色々と注文が多い気がする。

涼香を抱っこしまま片手で料理をしろと……?

正直に言うと僕はそこまで器用な事はできません。

そんな事をやってのけるのはルーちゃんぐらいである。

 

「ふっ……ふぇぇ……」

 

あ、涼香が半泣き状態になってる……

これは流石にマズい。

 

「すみません美柚樹さん、キッチン借ります……」

「あらあら♪、結局折れちゃったのね?」

「…はい。涼香も一緒に連れて行きます」

「冷蔵庫の中にある食材とかは勝手に使っていいからね?」

「ゆうちゃん、穂乃果も何か手伝おうか?」

「…あ、大丈夫だよ。ほのちゃん達は、ことちゃんを何とかしてあげて?」

 

さっきから気になってたんだけど、

ことちゃんは何故か顔が真っ赤になり頭から蒸気を出していた……

しかも……

 

「ちゅ…ちゅちゅーん……///」

 

正座をしながらショート状態になっていた。

あのさ、僕がいない間に何があったの……?

そう思いながらも僕は涼香を連れてキッチンに向かった……

 

(ホットケーキ……でも朝ご飯の時と同じなのもなぁ……パンケーキでも作ろうかな?)

 

どうでもいい事だけど、

ホットケーキとパンケーキの違いが未だに分からないので、

その辺は適当に作ろうかなと思う僕だった……

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

園田海未です。

穂乃果と一緒に悠里君に連れてこられたのは、

未柚ちゃんのお母様である美柚樹さんが経営してる孤児院でした。

悠里君は涼香ちゃんを連れてキッチンにいます。

 

「それにしてもまさか音ノ木坂の同期の娘さん3人に会えるは思ってなかったわ♪」

 

美柚樹さんが私達3人を見回しながら言いました。

でも少し気になった事が……

 

「どうして私達が母の娘だと分かったんですか?」

「うーん……面影と雰囲気かしら?、3人共お母さんに似てるところがあるし……」

「そんなに似てましたか?」

「ええ。特に、ことりちゃんは一目見て分かったわ♪、髪型とか」

 

確かに理事長は、ことりと同じトサカのような髪型をしてますしね……

前々から気になってたんですが、あの髪型は南家の遺伝か何かなんでしょうか……?

口には絶対にしませんが……

 

「あの……涼香ちゃんって、ゆうちゃんとはどういう関係なんですか?」

 

気になってたのか穂乃果が美柚樹さんに聞いた。

私と穂乃果に自己紹介をしてくれた時に名字が悠里君と同じだったからです。

 

「涼香ちゃんは悠里くんの妹よ」

「妹という事は……義理の……でしょうか?」

「いいえ。正真正銘、れっきとした血縁関係の妹よ」

 

私が聞くと美柚樹さんが真剣な表情で返してきた。

それを聞いた私と穂乃果は驚いた……

ことりは悠里君から聞いてたのかそこまで驚いてはいませんでした。

 

「で、でも……ゆうちゃんは1人っ子じゃ……」

「表向きはそういう事になってるわ、家族構成とかもね……」

「ゆーくんの家の事情とかと何か関係があるんですか……?」

 

表向きという単語を聞いた私達は、

何か人には言えない事情があると確信しました。

実際、悠里君に血縁関係の妹がいるという事自体を初めて聞いた……

 

「ごめんなさい……それ以上の事は私でも詳しくは知らないの」

「あの……誰に聞けば分かるんですか?」

「そうねぇ……やっぱり悠里くんと涼香ちゃんの母親である藍里ちゃんくらいね……」

 

悠里君と涼香ちゃんの事情を知ってるのは藍里さんくらいだと美柚樹さんは言った。

確かに藍里さんだったら何か知ってるかもしれないと私達でも分かった。

 

「ですが藍里さんはもう……」

「それは私も知ってるわ。けど藍里ちゃんに聞けるチャンスならあるわよ?」

「「「えっ?………あっ!!」」」

「その様子だと3人は分かってるみたいね。そういう事よ」

 

藍里さんに聞くチャンス……確かにある。

それは去年のハロウィンイベントの時だった。

この時期に私達3人……というよりμ'sのメンバーは藍里さんに会った事があった。

 

「3人に良い事を教えてあげるわ。藍里ちゃん、今年は9()()に入ったらすぐに来るそうよ」

 

もし聞くならそこが狙い目ですね。

それにしても9月ですか……何か行事があったような気が……

 

「みんなーちょっと早いけどブランチが出来たよー」

「んしょ……んしょ……」

 

すると悠里君と涼香ちゃんが戻ってきました。

涼香ちゃんは慣れない手つきで料理が盛ってあるお皿を

こぼさないように一生懸命に運んでいました。

か、可愛いです……///

 

「…涼香、重いならやっぱり僕が持とうか?」

「重くないもん!!、おねえちゃん達のは私が運ぶの!!」

「「「お、お義姉ちゃん!!?」」」

 

お、お義姉ちゃん!?

それってもしかして私と穂乃果、ことりの事でしょうか!?

つまりそれって……

 

(ゆ、ゆゆゆ…悠里君のお嫁さ……///)

 

い、いけません!!

何を考えているんですか園田海未!!

そういうのはまだ早いです!!

で、でも……悠里君とそういう関係になれたら涼香ちゃんは義理の妹って事ですよね?

 

「ぅにゅ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、どうしたの……?」

「「「ぐはっ……!!!」」」

「みーちゃん達が倒れた!?、なんで!?」

「あらあら♪、若いっていいわね~♪」

 

お義姉ちゃんって響き……

イイかもしれません……///

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

side穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果だよー。

私達4人は涼香ちゃんと美柚樹さんも交えて、

少し早いお昼ご飯を食べる事になりました。

 

「はい♪、ほのかおねえちゃん」

「あ、ありがとう」

「ほのちゃん、鼻血が出ているけど大丈夫……?」

 

う、嘘ッ!?

さっき召されかけた時に拭いた筈なのに!?

 

「穂乃果……はしたないですよ?」

「そうだよ、穂乃果ちゃん~?」

「みーちゃん、ことちゃん。2人も鼻血が出てるよ?」

「「えっ!?///」」

 

ゆうちゃんの言う通り、

海未ちゃんとことりちゃんも鼻血が出ていた……

2人も穂乃果の事言えないじゃん……

 

「涼香、食べ終わったら何して遊びたい?」

「おねえちゃん達とお絵描きしたーい」

 

ど、どうしよう……

涼香ちゃんにお義姉ちゃんって呼ばれる度に、

また天に召されそうだよ……///

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん。涼香の面倒を見てもらってもいい?」

「「「はい、喜んで!!!」」」

「お願いします。涼香、お姉ちゃん達に迷惑かけないようにね?」

 

ゆうちゃん、穂乃果達は迷惑だなんて思ってないよ?

寧ろバッチ来いだよ!!

 

「は~い♪」

「「「か、可愛い……///」」」

 

笑顔で返事をした涼香ちゃん。

天使!、天使がここにいるよ!!

 

「ほのちゃん達……また鼻血が出てるよ?」

「「「あっ…………///」」」

 

貧血とか起こさないように気をつけなきゃ………

 

 

 

 

ーー13時30分ーー

 

 

 

 

 

お昼ご飯を食べ終えた後、

ゆうちゃんが食器を片付けている間に

私達は涼香ちゃんのリクエストで一緒にお絵描きをしていた。

お絵描きとかするのなんて小学生以来かも……

 

「ほのかおねえちゃん、うみおねえちゃん、ことりおねえちゃん描けたよ~」

 

涼香ちゃんが描いた絵を私達に見せにきた。

そこには3人の女の人が描かれていた。

この人達ってもしかして……

 

「これって穂乃果……?」

「もしかして私でしょうか……?」

「じゃあもう1人は私……?」

「うん♪、おねえちゃん達を描いたの~♪」

 

そう答える涼香ちゃん。

スケッチブックに描かれていたのは、

私達3人だった。

しかも私達の特徴もよく捉えていて凄くクオリティが高い綺麗な絵だった。

とても8歳の女の子が描いた絵には見えない……

 

「おねえちゃん達は、お兄ちゃんの事好きなのー?」

「「「ひゃい!!?」」」

「あーやっぱり好きなんだー♪」

 

突然の事を言われた私達は思わず変な声を上げてしまった……

そんな私達をよそにニコニコと笑っている涼香ちゃん。

 

「お兄ちゃんと結婚とかしないのー?」

「「「け、結婚!!?」」」

 

そ、それって穂乃果が奥さんで、

ゆうちゃんが旦那さんって意味だよね!?

イ、イヤじゃないよ!?、寧ろそういう関係に穂乃果はなりたいっていうか……///

 

「告白とかしないのー?」

「こ、ことりは告白……し、したいけど……///」

「なんでしないのー?」

「そ、それは悠里君が……その……///」

「お兄ちゃんの攻略が難しいからー?」

「た、確かに、ゆうちゃんは色んな意味で……だけど……///」

 

あれ?

穂乃果達はなんで8歳の女の子に対して、

こんな事を喋ってるんだろう……?

 

「僕がどうしたの?」

「あ。お兄ちゃん♪」

「ゆーくん!?」

「悠里君!?」

「ゆうちゃん!?」

 

いつの間にか、

ゆうちゃんが穂乃果達のところに来ていた。

片付けが終わったのかな……?

というかさっきの会話…き、聞かれてないよね……?

 

「あのねーお兄ちゃん、おねえちゃん達とお話してたの~♪」

「そうなんだ。どんな話をしてたの?」

「お兄ちゃんのお話~♪」

「僕の?」

 

ま、まさか……ね?

 

「おねえちゃん達がお兄ちゃんとけっko…………」

「「「涼香ちゃん本人の前でその話をするのはやめてー!!?」」」

「ぅにゅ……?」

 

 

 

私達3人は涼香ちゃんを止めようとしたところ、

ゆうちゃんをうっかり押し倒してしまった……

ど、どどどどうしよう……!?

 

「あらあら♪、お邪魔だったかしら?」

「ちちち違います!!、ゆーくんを押し倒してしまったんじゃなくて!?」

「ことり!!、自爆してどうするんです!?、まともな言い訳はないんですか!?」

「あら♪、という事は海未ちゃんもその気だったのかしら?」

「ち、違いまっ///、私のバカー!?」

 

その様子を美柚樹さんに見られてしまい、

私達は3人は恥ずかしい思いをしてしまったのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
そういえばゴールデンウイークに入りましたね?
自分の周りの友人は旅行に行くとか言ってましたね……(苦笑)
皆さんも出かける際は気をつけてくださいね。
次回もよろしくお願いします。


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第133話 園田海未の観察日記

ゆるポメラです。
今日は地元の天気が雨なので、
気分がよろしくないです……
作者の愚痴はさて置き今回は海未ちゃん視点になってます。
「おや?、海未ちゃんの様子が……」もあるかもしれませんが、
最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



園田海未です。

今日は私の1日を紹介したいと思います。

と言っても学校生活の事ですが……

 

「海未ちゃん、おっはよー」

「おはよう~、海未ちゃん」

 

いつも通り学校に着き教室に入ると、

穂乃果とことりが挨拶をしてくる。

それにしても……

 

「穂乃果が寝坊しないなんて珍しいですね」

「えー!?、酷いよー!」

 

だって穂乃果ですよ?

いつもは朝のHR(ホームルーム)が始まるギリギリに来る穂乃果がですよ?

これは明日は槍が降るかもしれません!!

 

「でも穂乃果ちゃん、()()()ゆーくんに起こしてもらったんでしょ?」

「いやー……ゆうちゃんの声だと普通に起きれるんだよね」

 

ことり?

貴女は今なんて言いました?

穂乃果が早起きできた原因は悠里君ですって………?

フ…フフフフフフフフ……

 

「おはよ……」

「ゆうちゃん、おはよー」

「ゆーくん、おはよう♪」

 

あっ♪、愛しの悠里君です♡

…ん?、私の目に狂いがなければ目元にクマができてますね……

むぅ、また夜更かしでもしたんでしょうか……

 

「…うわー午後から体育の授業とか嫌だ怠いよ」

「ゆーくん、でも今日が終われば明日からゴールデンウイークだよ?」

「嫌だー休みたいー……」

 

今日の悠里君はやけに機嫌が悪いですね。

こうなったら今日1日は悠里君の監s……コホン!、見守りましょう!!

 

「ほらーお前ら席につけー、園田お前は何そこで突っ立てんだー?」

 

…はっ!?

わ、私とした事が!?

とりあえず今日は悠里君の1日観察です!!

 

 

 

ーー1時限目・数学ーー

 

 

 

 

「じゃーこの問題を……水無月、解いてみろ」

「はい……」

 

先生が出したのは掛け算の復習問題でした。

でも悠里君、数学は簡単な暗算くらいしかできないって言ってましたけど……

よりによって7の段ですか……

たまに忘れるんですよねアレ。

 

「えっと……7×1?、確か1+1+1+1+1+1+1で7で……」

 

あの……悠里君それ何ですか?

その計算方法……普通に掛け算をすればいいんじゃ……

これにはクラスの皆や先生も唖然としていました。

 

「…7×9?、1+1+1+1+1+1+1で7だから……これを9回?……63っと。先生これで合ってますか?」

「合っているが……お前の計算方法どうなってんだ?」

 

先生が私達の疑問を代表して聞くと悠里君は……

 

「えっ…掛け算って足し算をしながら計算するんでしょう?」

 

色々とぶっ飛んだ答えが返ってきました。

ことりを見ると( ゚д゚)ポカーンとしており、

穂乃果に至っては居眠りをしていました……あのアホは後で説教ですね。

 

 

 

 

 

 

ーー2限目・保健体育ーー

 

 

 

 

 

な、何でよりによって2限目が保健体育なんですか!?

授業だから仕方ないですって?

そういう問題じゃないです!、破廉恥です!!

 

「水無月、25P(ページ)の部分を読んでみろ~」

 

先生はどうして(・∀・)ニヤニヤしているのでしょう?

えーと25Pは……………こ、子供の作り方!!?

は、破廉恥です!!、そもそも悠里君が朗読する訳が………

 

「…子供の作り方は一般的に男性と女性による……」

 

ゆ、悠里君!?

な、なんでそんな平然とした表情で読むんですか!!?

ちょっとことり!!、悠里君を見ながら発情したような顔するのはやめなさい!!

それと穂乃果はなんで制服を脱ごうとしてるんですか!?

貴女はそんなキャラじゃないでしょう!!

 

「…はぁ。僕には縁もない事を朗読させるとか拷問だよ」

 

すみません悠里君……

私達の方が拷問に等しいです……///

で、でも……悠里君と……フヘへェ♡

 

 

 

 

 

 

ーー3時限目、4時限目・美術ーー

 

 

 

 

 

「今日のテーマは自分の好きなものだ、時間はたっぷりあるからな~」

 

自分の好きなものですか……

そんなの悠里君に決まってるじゃないですか!!

自慢じゃないですが私の部屋は全て悠里君で埋め尽くしてるんです。

ことりには敵いませんが……

それにしてもどんな悠里君を描きましょうか……?

ボーっとしてる横顔もいいですけど、練習を手伝ってくれる姿も捨てがたいですね……

 

(私を見つめてくれる悠里君……これにしましょう!!)

 

我ながらナイスアイディアですね。

それで完成した絵は額縁に入れて自分の部屋に飾って……うふふふ♪

 

(それで……それで……それでぇ……♡)

 

 

 

 

 

 

ーー昼休みーー

 

 

 

 

 

昼休みになり私は悠里君を尾行しています。

穂乃果とことりに止められましたがそんなの関係ありません!!

これでも私、気配を消すのは得意なんですよ?

それはさて置き、どうやら購買に行くみたいですね……

 

「すみません、シナモンロール10個ください……」

 

またシナモンロールですか……

もぅ悠里君?、そんなのばかり食べてると偏食になってしまいますよ?

そんな事を思っていたら悠里君を見失ってしまいました。

あれ……悠里君~どこですかぁ!?

 

 

 

 

 

 

 

ーー5時限目、6時限目・体育ーー

 

 

 

 

 

「じゃあ各自、ペアで準備運動しろよー」

 

先生の合図で準備運動をする事になった私達。

でも悠里君は1人で準備運動をしていました……

うぅ…悠里君と一緒にやりたかったです……

今日は体育館でバレーボールをやるんです。

ちなみにチームは私と穂乃果とことり、そして悠里君です♪

 

「ひゃん!!」

 

試合中、ことりは相手のボールを直撃してしまった。

というか何ですか……『ひゃん』って。あざといですね……

 

「ことちゃん大丈夫?」

「ゆーくん、私ちょっと……動けないかも……」

 

何故でしょう?

私には、ことりのアレが演技にしか見えないのは気のせいでしょうか……

 

「先生、ことちゃんを保健室まで運んできます」

「おう~、お前らのチームは次の点数に勝敗に関わらずでもいいか?」

「みーちゃん達に任せます」

 

そう言うと悠里君は、

ことりをお姫様抱っこをしたまま保健室に向かいました。

いいなぁ、悠里君にお姫様抱っこ……

 

「ねぇ海未ちゃん……」

「どうしたんですか?」

「ことりちゃんがしてやったりの表情をしているように見えるのは穂乃果の気のせい?」

 

そう言われた私は、

悠里君に抱えられてることりに目を向ける……

私の視線に気づいたのか、ことりは舌をペロッと出していました。

……はっ?

 

(こ~と~りぃ~!!!)

 

あの淫乱トサカ頭!!!

初めから計算済みだったとはいい度胸ですね!!!

しかも保健室には先生が基本いないので悠里君と2人きりなのは確定……

タチが悪いのは、ことりが保健委員なので悠里君にあわよくば何かしらの事をするのは目に見えています。

 

「先生、私と穂乃果はこの試合辞退します!!」

「は?」

「ゆうちゃんの節操が危ないんです!!」

 

穂乃果もこういう時だけは行動が早いんですよね。

普段からもちゃんとしてくれれば文句はないんですが……

生徒会の仕事とか……

 

「待っててくださいね!!、悠里君ー!!」

「ゆうちゃーん!!、今行くからねー!!」

 

そして案の定、

私と穂乃果が保健室のドアを開けると、

ことりが悠里君に如何わしい行為をしようとしてました。

最近のことりは油断も隙もないです……

やっぱり2限目の授業が終わった時からおかしいと思ったんですよ……

目が発情していましたし……

それに悠里君を監禁していいのは私だけなんです!!

 

 

 

 

 

 

ーー放課後ーー

 

 

 

 

 

帰りのHR(ホームルーム)が終わり、

生徒会や部活も珍しくないのでどうするか穂乃果とことりと話していると、

私達の教室に凛と花陽が訪ねて来ました。

 

「あ、3人共いたにゃー」

「凛ちゃん達どうしたの?」

「えっと…実はね?」

 

花陽曰く、

ゴールデンウイークの休みに真姫の別荘で泊まりに来ないかとの事。

ちなみに発案をしたのは凛だそうです……

そういえばこの流れ去年の夏合宿の時も見たような気がします……

穂乃果が夏は暑いから合宿だーとかが発端でしたね……

 

「穂乃果行きたーい!、海未ちゃんとことりちゃんも行こーよ!」

「うん♪、せっかくだしことりも行きたいな♪。海未ちゃんも一緒に行くでしょ?」

「私は構いませんが……」

 

きっと断ってもことりにお願いされるのが目に見えますし……

 

「あ。ゆーくんはどうするんだろ?」

「そういえば……ゆうちゃん今、どこにいるんだろ?」

「悠里さんの事なら真姫ちゃんに任せたにゃー」

 

なんか怪しいですね……

真姫が自分から誘いに行くとか……

そういえば去年からずっと気になっていたんですけど、

真姫って普段は私達の前だと素直じゃないのに悠里君の前だとかなり素直なんですよね……

これを機にちょっと問い詰めてみましょうか……

凛と花陽が教室を後にすると穂乃果が……

 

「ねぇ今の話2人はどう思う?」

「それって真姫ちゃんの事?」

「うん、だって普段あまり素直じゃない真姫ちゃんだよ?」

「この際ですから、これを機に聞いてみましょう」

「「賛成!!」」

 

そういえば集合場所や時間等はどうするんでしょうか?

まぁいいです。今夜あたりに連絡が来るでしょう!

 

 

 

 

 

(悠里君とお泊まり……す、少しは大胆なアピールをした方がいいですよね///)

 

 

 

 

 

 

とまぁこれが私の1日になります!!

3年生になっても1日、1日を楽しく過ごしています♪

機会があればまたお話しますね?

 

さて家に帰ったら何をしましょう……

やっぱり……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日1日で私が密かにやってた悠里君の隠し撮り写真の整理からですよね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エヘヘ♡……コノシャシンハ…ワタシダケノモノ……ダレニモワタシマセンカラ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も投稿が遅れたりする事もありますが、
よろしくお願いします。


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5月編 ゴールデンウイーク?な日常
第134話 揺れる想い


ゆるポメラです。
今回はゴールデンウイーク編になります。
要は5月編です、はい。
今回は少し短いです……
それと、ちょっと後半が重たい内容になってますが、
最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


「ゆうくん~、旅行楽しみだね~♪」

「そうだね……」

 

5月3日。

世間ではゴールデンウイークと言われている……

昨日の放課後、真姫ちゃんからみんなで別荘に来ませんかと

誘いを受けました。

ちなみに発案者は凛ちゃんだと聞いた。

特に予定もなかったので僕はルーちゃんともう1人誘う事に。

それは……

 

「お兄ちゃん……まだ眠いよぉ……」

「駅に着いたら起こしてあげるから寝てていいよ?」

「ふぁぃ……ぅみゅ……」

 

妹の涼香です。

昨日の帰りに美柚樹さんから電話があり、

涼香が泣き止まないって慌てた様子で言われ会いに行ったところ……

 

『やだー!!、1人でお留守番はヤダー!!』

 

ざっくりと説明すると、

美柚樹さんが1日いないから1人でお留守番できると聞いた涼香が泣き出してしまったとの事……

しかも外せない用事だったそうなのでだったら涼香も旅行に一緒に連れていこうと僕が判断したんだ。その後すぐにルーちゃんと真姫ちゃんに事情を説明したら快くOKしてくれた……

で、当の涼香は早起きしたせいで僕に抱っこされながら寝てるけどね。

 

「ルーちゃん、昨日は急に誘ってゴメンね?」

「ん~?、わたしも暇だったから気にしてないよ~♪」

 

ここだけの話だが、

ルーちゃんはゴールデンウイーク中は大抵は昼寝三昧だったりする。

本人曰く確か2日くらいは寝てたって言ってたけ……

懐かしいやと思い出していると待ち合わせ場所の駅に着いた。

案の定、みんな揃っていた……

ちなみにメンバーは、ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん、僕、ルーちゃん、そして涼香の9人である。

 

「悠里さん、その子誰にゃ?」

 

凛ちゃんが涼香の事に気づいたのか僕に聞いてきた。

すると涼香が目を覚ました。

 

「ぅにゅ……?」

「ほら涼香、駅に着いたから降りて?」

「ぅん……」

 

少し寝ぼけながらも器用に降りる涼香。

すると初めて会う凛ちゃんと花陽ちゃんに向かい……

 

「ぅにゅ……初めまして……水無月涼香です……8歳です……」

「星空凛ですにゃ……」

「ど、どうも…こ、小泉花陽です……」

 

あのさ2人共……

畏まる必要ある?

 

「あ!、まきおねえちゃんー!」

 

真姫ちゃんの姿を見つけるなり飛びつく涼香。

まぁ会うのはしばらくぶりだもんね……

 

「ほら涼香。真姫ちゃんが困ってるでしょ?」

「ぅみゅ……はぁい」

「私は大丈夫ですよ?」

「あ、じゃあ面倒みてもらってもいい?」

「はい。じゃ涼香ちゃん、一緒に行きましょ?」

「はーい」

 

さて問題は……

 

「「「か、可愛い……///」」」

 

鼻血をダクダクと流しながら、

ぶっ倒れているほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんを

どうやって電車まで運ぼうかなと悩んだ……

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに電車の中で旅行に来てたカップルを見て涼香が、

「あの人達リア充だー!」と言っていたのは余談である……

 

 

 

 

 

 

 

ーー別荘の中ーー

 

 

 

 

 

無事に別荘に着いた僕達は各部屋に荷物を置きに行く事になった。

今回の真姫ちゃん家の別荘は去年、夏合宿をやった海が近い場所である……

部屋割は各自1人という事らしい。

みーちゃんが涼香の部屋はどうするのかと真姫ちゃんに聞いたところ……

 

「専用の部屋を元々作ってあるから大丈夫よ」

 

って言ってたなぁ。

というか真姫ちゃんママ…きっと母さんに頼まれたんだなというのが予想できた。

こうなってくると……

 

(()()()()()()……知られているって事だよね)

 

用意周到な母さんの事だ。

この旅行の事だって想像してたんだろう……

新入生の入学式の帰りに遭遇した()()1()()()()()()()()だってそうだ。

こうなる事を想定して僕に近づいてきたんだと思う……

 

(そんなの分かってるよ…けど、どうすればいいんだよ……)

 

これから自分に起きる非現実的な事を話しても助けてくれるヤツなんていない……

涼香の事だってそうだよ。

あの子には普通の女の子として生きて欲しい……

涼香を……巻き込みたくない。

 

「釣り合わないよ……落ちこぼれで犯罪者の僕なんか」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんが不意に浮かぶ。

考え過ぎかもしれないが3人はひょっとしたら僕の事……

仮にそうだったとしても、落ちこぼれの自分なんか釣り合う訳がない。

まして犯罪者の僕なんかと……

実際今だって3人に対して作り笑いをしているんだから……

だったら自分は卒業したら思い出の場所で死んだ方がマシだ。

こんな生きる価値もない人間なんか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし7月に倒れてしまったら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時の流れに任せよう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで例え僕が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んでしまうとしても……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっと誰も自分なんか助けてはくれないと思うから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は重たい話を抜きにして甘い話を執筆したいと思います。
それ以前に甘い話を上手く書けるかな?
あと誰とやらせるかな……(黒い笑み)
頑張って執筆しますので次回もよろしくお願いします。


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第135話 穂乃果がデレた?

ゆるポメラです。
今回は穂乃果ちゃん視点にしてみました。
サブタイについては気にしないでください……(逸らし顔)
少し短いかもしれません(土下座)
「あれ?、穂乃果ちゃん……?」もあるかもしれませんが、
最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



穂乃果だよー。

私達はゴールデンウイークを利用して真姫ちゃんの別荘に

旅行に来てるんだー♪

 

(うーん……ゆうちゃんにどうやってアピールすればいいのかな?)

 

実はこの旅行を機に、

ゆうちゃんに少しでも穂乃果の事を意識してもらおうと思ってるの。

そう簡単に上手くいかないのは分かってるんだけど……

とりあえずファイトだよ!

 

 

 

 

ーー別荘・リビングーー

 

 

 

 

 

「ゆうちゃんー♪」

 

別荘のリビングでテレビゲームをやってた

ゆうちゃんに抱きついてみる。

この際だからもっとくっついちゃおー♪

ちょっとは慌ててくれるかな?

 

「…どしたの?」

 

……あれ?

慌てるどころか全然動じてない……

 

「暇だから穂乃果と一緒に遊ぼー?」

「…他のみんなと遊べばいいでしょ」

 

多分ゆうちゃんは自分の事なんか気にしないで、

他のみんなと遊んできなよと言ってるんだと思う……

私は嫌だよ……そんなの……

 

「……嫌なの?」

「何が?」

「穂乃果と遊ぶの…………嫌なの?」

「嫌って訳じゃ……」

「ネェ……ナンデナンデ?、ネェ……コタエテヨ……ユウチャン……」

 

それとも穂乃果に隠し事でもしてるのカナ?

ユウチャンに限ってソンナコト……シナイよね……?

 

「じゃあ一緒にゲームでもやる?」

「うん、やる♪」

 

やったー♪、ゆうちゃんと一緒にゲームで遊べるよー♪

えへへ~///

 

「ねぇ、ほのちゃん?」

「なあにー、ゆうちゃん?」

「ほのちゃんは何で僕の膝に座ってるのかな?」

「んー?、秘密♪」

「ま、いいけどさ……」

 

ゆうちゃんには秘密って言ったけど、

今なら邪魔m……海未ちゃんとことりちゃんもいないし穂乃果が1人占めできるからだよ♪それにしても……

 

(ゆうちゃんの膝は座り心地は安心できて良いなぁー♡)

 

エヘヘ……ユウチャンハ……ホノカノモノ♡

 

「にへー♪」

「随分と機嫌がいいね……何かやりたいゲームでもある?」

「どんなのがあるのー?」

「えっと……」

 

私が聞くと、

ゆうちゃんは自分のリュックサックから様々なゲームソフトを取り出す。

格闘ゲームもあればシューティングゲーム、みんなで遊ぶパーティーゲームもあった……

すると私はあるゲームソフトに目がいった。

それは18歳にならないと買えないゲームだった……

 

「あ、ここに入ってたんだ。家の棚に戻すの忘れちゃったよ……」

「ユウチャン……?」

「な、何かな……」

 

まさか今まで私に黙ってたのカナ?

ユウチャンだって男の子だもん……シカタナイヨネ……シカタナイヨネ……

でもね……?

 

「コレ……どうしたの?、ユウチャン…ホノカと同じ……まだ17歳ダヨネ?」

「黙秘権とかは……」

「ナイヨ♪」

「即答……?、とりあえず説明するとね……」

 

聞けばネットで買ったみたい。

それで買った理由が、ゆうちゃんが趣味で描いてる絵の資料としてるからなんだって。

ふーん……それなら仕方ないよね?

 

「穂乃果、コレやりたい」

「待って!このゲームをやるの!?」

「うん♪」

 

だってコレをやれば、

ゆうちゃんの好みとかも分かるって事だよね?

ソウスレバ…ソウスレバ……♡

 

「確認の為に聞くけど……本当にやるの?」

「ユウチャンはワタシとイッショにアソブノ………………イヤナノ?」

「分かったよ。部屋でやろっか……」

 

流石にリビングでやるのはマズいのかと思ったのか、

ゆうちゃんが泊まってる部屋でやろうと提案してきた。

穂乃果もその方が好都合だもん♪

だって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(残念だったね海未ちゃん、海未ちゃんが仕掛けた小型カメラは私が破壊したから♪)

 

 

 

 

 

 

それにしても海未ちゃんも油断できないよー

別荘に来るまで電車の中で自分の荷物に超小型のカメラを設置してるんだもん♪

ことりちゃんと確認しておいて正解だったよ♪

まぁでも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウチャンハ………ワタサナイモン……ホノカダッテ……ヤレバデキルンダヨ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネェ……ユウチャンハ……ホノカノコト……ドウオモッテルノカナ、カナ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホノカハ……ユウチャンノコト……ダイスキダヨ♡、ダレニモワタシタクナイクライ……♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アハハ……アハハハハハハハハッ♪、イマダケハ……ワタシダケノモノダヨ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウチャン……♡

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は誰にしようかな?
今後ともよろしくお願いいたします。


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第136話 2人の様子がちょっとだけ変かな?

ゆるポメラです。
今回は悠里の視点になります。
前回が穂乃果ちゃん視点だったので……(苦笑い)
少し短いかもしれませんが、
読んでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



ほのちゃんとゲームをした僕は、

外に出る事にした。

それにしても……

 

(ほのちゃん、やけに甘えてたような気が……)

 

甘えてたというよりも、

独占欲が強くなってたような……そんな感じだった。

ほのちゃんが楽しんでくれてたら僕はそれでいいんだけどね?

 

(…涼香も楽しんでるみたいだし)

 

ちなみに涼香は凛ちゃんと花陽ちゃん、真姫ちゃんに遊んでもらってる。

僕を見つけると無邪気に笑いながら手を振ってきたので僕も軽く手を振る……

特にする事もなかったのでその辺に座る。

 

(お日様ポカポカだなぁ……)

 

なんか昼寝をしたくなるよ。

こんなに天気と気温が良いと余計にさ……

そういえば……

 

(みーちゃんとことちゃん……どこに行ったんだろ?)

 

別荘に着いた時はいたんだけど、

その後は見てない。

ほのちゃんと2人でゲームをしてた時もいなかったし……

もしかして部屋にいるのかな?

そんな事を思っていると……

 

「あ、あの…悠里君///」

 

後ろから声をかけられたので振り返ると、

みーちゃんがいた。

 

「あ、隣…座る?」

「は、はい///」

 

そう言うと彼女はパアッとした笑顔で僕の隣に座った。

今の表情を見たのも何年振りなんだろうね……

2人で海(みーちゃんじゃないよ!?)を眺めていると……

 

「……悠里君」

「どうしたの?、みーちゃ……」

 

みーちゃんに呼ばれたので、

どうしたのかなと思い返事をすると目にハイライトがない表情で僕を見ていた。

そして低い声で……

 

「さっき穂乃果と……ナニヲシテイタンデスカ?」

「何って……」

「ワタシにイエナイコトでもアルンデスカ?……ネェ…オシエテクダサイヨ……」

 

僕の左腕に腕を絡ませながら聞いてきた。

色々と当たってる点についてはこの際無視して質問に答えてあげないと……

 

「ほのちゃんとはテレビゲームをして遊んでたんだよ?」

 

うん。別に嘘は言ってない。

 

「そうですか♪、すみません疑ったりして♪」

「別に気にしてないけど……」

 

さっきの表情からコロリ。

いつもの優しい表情に戻った……

何だったんだろう?

 

「あ♪、ゆーくん~♪」

 

反対側から聞き覚えのある声がしたので振り向く。

ことちゃんがこっちにやって来た。

 

「チッ……」

 

僕の隣で、

みーちゃんが舌打ちをしたような気がするが気のせいだと思う。

あと心なしか僕の左腕に絡めてる腕に力がこもってるような……?

 

「ねぇ~ゆーくん、隣に座ってもいいかなぁ?」

「うん、いいよ」

 

別に断る理由もないからね……

ことちゃんは僕の右側に座った。

 

「ゆーくん……さっき穂乃果ちゃんとナニシテタノ?」

 

あれ?

その質問、みーちゃんにもされた気が……

ことちゃんを見ると、みーちゃんと同じ表情をしていた。

目にハイライトがない……

 

「みーちゃんにも言ったけど、ほのちゃんとはテレビゲームで遊んでたんだよ?」

「ホント?、コトリにウソトカツイテナイヨネ……?」

「ことちゃんに嘘を吐くわけないでしょ……」

「えへへ~♡」

 

最近ことちゃんが疑り深いような気がするなぁ……

しかもいつの間にか僕の右腕を絡めてるし。

 

「………………」

 

あの…みーちゃん?

無言になりながら僕の左腕を抓ってない……?

 

(2人共……どうしたんだろ?)

 

別に喧嘩してる雰囲気ではなさそうだし。

みーちゃん、ことちゃんは何故か互いに笑いながら睨みあっていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「フフフフフフフフフ………♪」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に……どうしたんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
最近、この作品のR-18小説を連載しましたので
まだちょっとしかできてませんが良ければ興味のある方はご覧になってください。
次回は誰の視点でイチャイチャさせようかな?(黒い笑み)
今後もよろしくお願いします。


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第137話 青の少女の悩み事

ゆるポメラです。
今日から6月ですね。
天気が悪くなったりと色々とありますが……
今回は少し短いかもしれませんが楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



みーちゃん、ことちゃんの甘えを受けた後、

特に変わった事もなく夜になり僕達は晩ご飯の支度をしていた。

 

「お兄ちゃん、味付けこれでいいー?」

「うん。大丈夫だよ」

 

訂正。

晩ご飯を担当してるのは僕と涼香である。

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんは現在お風呂に入っている。

凛ちゃん達はというと……

 

「なんでゴールデンウイークなのに宿題があるんだにゃー!?」

「凛ちゃん頑張って?」

「あと少しで終わるんだから頑張んなさいよ……」

 

ゴールデンウイークに出された宿題をやっていた……

花陽ちゃんと真姫ちゃんは終わったらしく残りは凛ちゃんだけみたい。

そういえば僕も転入したばかりの時にも宿題とか出されたっけ……

ほのちゃんが、終わんないよーって泣きついた時が懐かしい。

 

「いや~遊んだ後のお風呂はいいよね~♪」

「…穂乃果は悠里君と遊んでただけじゃないですか」

「そうだよ。ゆーくんと遊んでただけだよね」

 

そう思っていたら、

ほのちゃん達がお風呂から上がったようだ。

何の話をしてるんだろうかな?

気のせいか僕の名前が凄く強調された気がする……

 

「もうすぐご飯できるから、みんな座ってて」

「「「「「「はーい」」」」」」

 

ちなみに食器等は既に凛ちゃん達に頼んでテーブルに並んである。

 

「むー……」

「涼香、どうかしたの?」

「味に納得いかない……」

 

頬をぷくっと可愛らしく膨らませながら、

先程の料理に味付けに納得がいかない涼香。

今日のメニューは煮込みハンバーグとポトフである。

僕が煮込みハンバーグを担当し涼香がポトフを作る担当になった。

 

「材料を足す……」

 

そう言いながら涼香は冷蔵庫に向かう。

母さん譲りの性格なのか涼香は料理には凝るタイプだ。

 

「"ゲート・オブ・調味料"………あった♪」

 

…涼香?

それはどこの宝具なの……

というかなんでそのネタを知ってるの?

そんなこんなもあって無事に料理が完成しました。

さてとその前に……

 

「ルーちゃん起きて、ご飯だよ?」

「あ、おはよ~……」

「瑠菜……もう夜ですよ?」

 

本当だよ……

というかルーちゃん、1日中ずっと寝てたよね。

もう僕は慣れた光景なんだけど……

 

「お兄ちゃんお腹空いた!」

「はいはい……」

 

僕の膝にちょこんと座りながら訴える涼香。

…というかいつの間に座ってたの?

 

「…じゃ冷めない内に食べよっか」

「わ~い♪ ゆうくんと涼香ちゃんの手作りご飯~」

「いたぁきます!」

「「「「「「か、可愛い……///」」」」」」

 

 

 

ーー食事中にてーー

 

 

 

 

「「「「「「……………」」」」」」

 

…あれ?

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃん、凛ちゃん、

花陽ちゃん、真姫ちゃんどうしたんだろう?

何故か6人共、涼香が作ったポトフを口にした途端に黙っちゃったのである。

 

「あ、あの……悠里さん?」

「どしたの?」

 

すると先に口を開いたのは花陽ちゃんだった。

 

「このポトフを作ったのは悠里さんですか……?」

「いや? 涼香が1人で。僕は煮込みハンバーグだけだよ作ったの」

 

その言葉を聞いた花陽ちゃん達は目を見開きながら、

涼香とポトフを交互に見ていた……

そんなに驚くもん?

 

「「「涼香ちゃん!」」」

「んにゅぅ?」

「「「料理………教えてください!!」」」

「穂乃果ちゃん達が土下座をし始めたにゃ!?」

 

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんが涼香に向かって土下座をした。

ちょっと何でそんな事をするの!?

 

「8歳の女の子に土下座とか……意味分かんない」

「だって真姫ちゃんも食べたでしょ!?」

「食べたわよ……凄く美味しいし」

「美味しいという領域を越えてるんですよ!?」

「そうね」

「ことり達、女として色々と負けちゃってるんだよ!?」

「いやだからって……」

 

ほのちゃん達の言い分を軽くあしらう真姫ちゃん。

最終的には呆れてたけどね……

で、料理を教えてと頼まれた妹はというと……

 

「うん♪、いいよ~♪」

 

どこぞの奇跡の魔女やオヤシロ様がやってる

『にぱー☆』をしながら答えたのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後片付けをみんなで済ませた僕は、

少し夜風に当たりたかったので外の砂浜に行く事に……

 

(やっぱり夜の風は涼しいな……)

 

そう思いながら夜風に当たっていた時……

 

「悠里君」

 

背後から声がしたので振り返ると、

みーちゃんがいた。

 

「どうしたの?」

「ちょっと夜風に当たりたくて……」

 

みーちゃんはそう言うと、

僕の隣に座り夜の海辺を眺め始めた。

 

「…何か悩みでもあるの?」

「えっ……?」

 

図星なのか少し間の抜けた声を出す。

周りからは分かりやすいと言われてる彼女。

ほのちゃん、ことちゃんでさえも分かりやすいと言われるレベル。

けど自分の悩み事に関してはあんまり言わない………

なら僕はどうして分かったのか。

それは()だ。

みーちゃんの目はどこか寂しそうで言いたいのに言えない……

そんな感じだったから。

すると観念したのかポツポツと話し始めた……

 

「私……………()()するんです」

 

みーちゃんは結婚すると言った。

普通だったら友人としては喜ぶところだが何故か本人がそんな表情じゃなかった。

考えられる内容としては1つ……

 

「…お見合いかなんかしたの?」

「いえ……してません」

 

これは予想外だった。

話の流れ的にお見合いの話での上かと思ったから。

そうなると……みーちゃんの両親かな?

けどその考えはすぐに捨てた。

何故なら、みーちゃんの両親は彼女の合意なしで

強行したりする人ではないのは僕がよく知ってる。

 

「相手側になんか言われたの?」

 

そう聞くと彼女は黙って頷いた。

考えたくなかったけどそんな事だろうと思った。

 

「…披露宴はいつなの?」

「………()()です」

 

よりによって明日か……

ほのちゃん達がこの場にいたら何で言ってくれなかったのとか言いそうだ。

みーちゃんの事だから、せっかくのゴールデンウイークを最後に思い出作りにするつもりだったのだろう……

 

「…この事は穂乃果とことりには黙っててください」

「それはいいけど……みーちゃんはそれでいいの?」

「…………」

 

その質問には答えなかった。

心配させたくない、その思いが強いのだろう。

誰よりも責任感が強い彼女なら尚更だ……

 

「先に戻ってますね………」

 

みーちゃんは僕にそれだけ言うと、

その場を後にし別荘に戻って行った……

けど僕は見逃さなかった。

彼女がしてた表情を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(明日の朝……みーちゃんの家に行こう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで何があったか原因を聞けばいい。

もし荒事になっちゃったら……その時はその時だ。

そう決めた僕はその場を後にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますのでよろしくお願いします。


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第138話 青の少女を取り返せ

ゆるポメラです。
最近、気温が暑くなってきましたね……
水分補給はこまめに取りましょう。
今更ですが海未ちゃんの両親の名前……考えるの長かった気がする。
名前については大目に見てください……(土下座)

それではどうぞ。




翌日の早朝。

僕は1人で園田家に来ていた。

理由は昨夜のみーちゃんの様子を聞くためである……

 

「すいません。こんな朝早く……」

「気にしないでくれ。君が来た理由は分かる」

 

大広間でみーちゃんの両親と向かい合う。

連絡したとはいえ早朝に来たのはちょっと申し訳ないなと思った。

 

「みーちゃんから直接聞かされたんですけど……結婚するって本当なんですか?」

「……………」

「あなた……この際だから悠里くんに話しましょう」

 

言いにくい内容なのはすぐ分かった。

みーちゃんママ……園田凪(そのだなぎ)さんが僕の目を見ながら話し始める。

 

「事の発端は今年の4月1日だったの」

「随分と急ですね……」

「その日に来たのが主人の昔の知り合いだったの、私も初めて知ったんだけど……」

「そこで持ち掛けられた話が……」

「みーちゃんとの結婚だったんですね……」

 

僕がそう言うと、

凪さんは首を縦に頷いた。

だけど気になる事がいくつかあった。

それは……

 

「海斗さんは反対したんですよね……?」

 

みーちゃんパパ……園田海斗(そのだかいと)さんに聞く。

何せ娘の気持ちを誰よりも考えているのを僕は知っている……

そんな簡単に娘の結婚を認める人じゃないし。

 

「俺も反対したんだが海未が……」

「…本人が言ったんですか?」

「ああ……それで止む無く…だが俺はどうも納得いかなくてな」

「相手側の親はなんて?」

「俺が見た限りいい表情はしてなかった、向こうも何か思うところがあるのかとおもってな……」

「…いわゆる父親の勘ってやつですか?」

「多分な」

 

それだと話が変わってくる。

僕はてっきり相手側の親が絡んでいるのかと思っていたが違っていた。

ならもう1つの仮説が浮かぶ……

それを確認する質問をする事にした。

 

「1つ聞きたいんですけど……お見合い形式だったんですか?」

「ええ。途中からは2人だけにさせたけど……」

 

凪さんの言葉に僕は確信を持った。

そういう事か……

 

「何か心当たりでもあるのかい?」

「あります。今回の件の首謀者は相手側の親ではなく息子だと思います。多分みーちゃんを脅したか弱みを握ったか……もしくは両方だと僕は思います。もしこれが本当だったら、みーちゃんは相手に何か交換条件を出した筈です」

 

お見合いをする時によくある親が

席を外した後に2人だけになる時間……

もしこの僅かな時間に何か脅されたりしたら?

しかも相手側の親も納得してないときた。この仮説は今の話で充分にあり得る。

なら僕がやるべき事は1つ……

 

「みーちゃんの結婚披露宴の会場場所って何処だか分かりますか?」

「残念ながら俺と妻も何処でやるのか知らされてないんだ」

 

随分と徹底してるな……相手側の性格が自分勝手なヤツって感じが目に見える。

海斗さんと凪さんに場所は教えないときた。

相手側は絶対に見つけないようにしてるのだろう……

まぁ相手側の両親はそんな思惑は知らないと思うけど。

 

「海斗さん、相手の両親の名刺みたいなのってあります?」

「ちょっと待っててくれ……確かここに」

 

海斗さんが棚から持って来てくれたのは1枚の名刺だった。

何々……これって結構有名な武術大会だ。しかも経営者って……

 

「武術の大会経営者なんですか? この人?」

「ああ。俺と悠人の後輩なんだが……随分と偉くなってな」

 

ふーん……父さんと海斗さんの後輩の人か。

 

「この名刺ちょっとだけ借りてもいいですか?」

「それは構わないが何をする気だい?」

「…みーちゃんを奪い返しに……というか助けに行ってきます」

 

それを聞いた海斗さんと凪さんは驚いていた。

その表情は僕が中学2年の時に話した事を同じだった。

僕が今から何をするか想像もつかないんだろう……

 

「なるべく穏便に済ませます……じゃあ行ってきます」

「悠里くん」

 

そう言い残し立ち去ろうとした時、

海斗さんに呼び止められた。

 

「娘を…………海未を頼む」

「はい」

 

園田家をあとにした僕は、

すぐに行動を移す為に携帯電話を取り出し

ある人に電話をかける事にした。

その相手はティアちゃんだ。

 

『どうしたのユーリ……こんな朝早くから』

「朝早くにゴメン、ティアちゃんに緊急で調べて欲しい事があるんだけど」

『その声を聞く限りだと余程の事なのね、とりあえず聞かせて』

 

僕はティアちゃんに、

みーちゃんの事を全て話す。

昨日、様子がおかしかった事も全部……

 

『状況は理解したわ、式場の場所とウミを脅迫した証拠が欲しいのね?』

「うん。式場の場所が分かったら僕と心結に連絡して?」

『ん、了解……私も調べたらすぐに向かうわ』

「分かった」

 

携帯電話の通話終了のボタンを押す。

心結には昨日の内に連絡してある。

2人の家系は世間からしたら敵に回すと恐ろしい家系である。

この事は別の機会に話そう……

ちょうどその時ティアちゃんからの電話がきた。

 

「もしもし?」

『ユーリ、式場の場所が分かったわ。場所はウミの家から走って2時間程よ、ココロには私の車で迎えに行かせたから後の事は大丈夫よ』

「ありがと、それで披露宴の開始時間は?」

『ご丁寧に9時からよ』

 

そう言われた僕は時刻を確認する。

今の時刻は7時……開始時間までギリギリである。

 

「分かった、僕このまま式場に向かうよ!」

 

僕はすぐに走った……

彼女になんて言われるか分からないけど今はそんなのどうでもいい!

 

 

 

(みーちゃん……待ってて!)

 

 

 

 

 

 

side海未

 

 

 

 

 

 

 

私は式場で神父さんの話す事を聞いていた。

周りは厳重な警備になっていて黒づくめの人達が何人もいる……

 

(これで……良かったんです)

 

4月1日にお父様の知り合いの方と息子さんが訪ねて来たのが発端でした。

持ち掛けられたのは結婚の話……

そしてお父様とお母様が席を外し2人になった時にその人は言いました。

 

『結婚しろ、さもなければ……お前の大事な物を潰す』

 

最初に見た時は笑っているように見えたのですが、

両親が席を外した途端、その人は仮面を外した……

その表情は狙った獲物は逃がさない、獰猛な顔だった。

 

『言っておくが……お前に拒否権はない』

 

小型の刃物を私に突き付けながら脅してきた。

この人に逆らったら私の大切なものが壊される……

下手したら両親だけじゃなく穂乃果やことりにも被害がくるかもしれない。

そして私は大人しく従う事にした。

代わりに交換条件を出した、それはゴールデンウイークの期間中の5月4日まで式を待って欲しいという事と誰にも知られないようにしてほしいと頼んだ。

そして私は今、ここにいる……

 

(結局……悠里君に告白できませんでした)

 

自分の臆病さに呆れる。

でも良いんです、悩んでいた事を話せただけでも充分だから……

 

「新郎に問う、汝はこの新婦を愛すると誓いますか?」

「誓います」

 

寝ぼけた事を言わないでほしいです。

この仮面を被った人は私の事を道具のようにしか思ってない筈……

 

「新婦に問う、汝はこの新郎を愛すると近いますか?」

 

私の番がとうとう来てしまった……

こんな時に誰かが助けに来てくれれば良いんですけど、

そんな都合の良い事なんてないですよね……

 

 

お父様、お母様、自分勝手な私を許してください。

 

 

穂乃果、ことり……隠し事は無しっていう約束を破ってごめんなさい

 

 

 

「誓いま……」

 

 

 

ーードーン!!ーー

 

 

 

扉が強引に開く音がし後ろを振り返る。

そこにいたのはティアと心結君、そして……

 

「悠里……君」

 

昨日の夜に別れを告げた筈の彼が目の前にいた。

どうして悠里君達がここにいるんですか……?

だって私は……

そんな事を考えてる私をよそに悠里君は、

ゆっくりと近づいてくる。

 

「おい君!、ここは坊ちゃんの挙式中だぞ部外者は……」

「……うっさい黙れ」

 

忠告しながらも立ち塞がる黒づくめの人に左フックをかまし、

その場で気絶させた悠里君。

これを見ていた他の護衛の人達も警戒をし始めた……

 

「よいしょっと……みーちゃんって軽いね?」

「へっ?」

「悠里兄、大胆だね……しかも様になってる」

「そうね。ウミも満更じゃないみたいだし」

 

今の状況を確認する。

目の前には悠里君の顔、そして何かに抱きかかえられてるような浮遊感……

導かれる答えは1つ。

私は今、悠里君にお姫様抱っこをされているという事だった。

あ、あわわわわ……///

 

「じゃ帰ろうか、お姫様?」

「は、はいぃ……///」

 

白馬の王子様ってこんな感じなんでしょうか……///

 

「そこの君、待ちたまえ」

 

なんですか!?

私と悠里君の至福の時間を邪魔する輩は!!!

悠里君を呼び止めたのは結婚の話を持ち掛けてきた人のお父様でした。

 

「結婚式に乱入して新婦を攫うとは非常識過ぎないかね?」

「…非常識なのは、あなたの息子だと思いますが?」

 

辺りは静かになっていました。

なんか私もアウェー感がします……

もしかして悠里君にお姫様抱っこされたまま聞かなきゃいけないのでしょうか?

それはそれでなんか恥ずかしいです///

 

「言わせておけば好き放題言いやがって!!」

「お前は黙ってなさい!! どうしてそう思うのかね?」

 

ギャーギャーうるさいですね……

あれ? 私なんか落ち着いてますね……

 

「あなたの息子は、みーちゃんを脅迫して強引に結婚式を行ったからです」

「父親の前でよく堂々と言えるのだね……」

 

えっ、悠里君……どうしてその事を知ってるんですか?

そんな私をよそに……

 

「証拠ならあります。心結?」

「…ん、了解」

 

悠里君の呼びかけに心結君は、

ボイスレコーダーのようなものを取り出した。

そして再生ボタンを押す……

 

『計画通りだ! 俺に逆らえるヤツなんていないんだ!ハハハハハ……』

「ちなみにコレ、結婚式が始まる直後の声だよ悠里兄?」

「解説ありがと、心結」

「…えっへん♪」

 

なんか心結君がドヤ顔しているように見えます……

 

「これでも証拠が足りないっていうなら、あんたの息子がこれまでの資料がここにありますけど……どうします?」

「見せてもらってもいいかね?」

 

ティアはそう言うと、

資料を相手側の父親に渡しました。

その資料を見て……

 

「お前……私が知らない間に、こんな事をやっていたのか!?」

「な、何を言ってるんだい父さん……」

「なら直接見てみるといい!!」

「だいたいこんな出鱈目な……な、なんで俺の姿が写ってるんだよ!?」

 

資料を自分の目で確認したその人の表情は、

今まで完璧に隠していたものが親の前でバレてしまったかのような

焦りの表情だった。

そして悠里君達を睨みつけながら指差す……

 

「き、貴様ら…こんな事してただで済むと思ってんのか!!!」

「自分のせいでしょ? あんたが私の親友を脅迫したのが運の尽きじゃない」

「ティア姉に同意、自業自得……ついでに因果応報」

「みーちゃんを物扱いしてる奴に言われたくないよ!! そんなの僕が許すと思う?」

 

正論を思い切り言われその場に崩れ落ちた。

 

「お前には失望した……連れていけ」

「そ、そんな!?」

 

護衛の人達に連れていかれ、

その場に残ったのは私達4人と相手側の父親だけになりました。

 

「この度はすまない事をした……君のご両親にも後日に謝らせてくれ」

「あ、あの頭を上げてください!?」

 

目上の人に頭を下げられるとこっちも困ります。

そして頭を上げた後、今度は悠里君を見て……

 

「君の名前を聞いてもいいかね?」

「水無月悠里です」

「そうか、君が……道理で悠人さんの面影があると思ったよ。ああそうだ、バカ息子の処遇は私がしっかりとやっておくから安心してくれ」

 

それだけ言うと、

式場から立ち去って行きました……

 

「ユーリ、先にウミの事を両親に報告しましょ?」

「そうだね、心結は……?」

「ココロなら用事があるから先に帰ってるって言ってたわよ?」

「なら大丈夫か……」

 

 

 

 

ーー園田家ーー

 

 

 

 

自宅に着くと、

玄関前でお父様とお母様が出迎えてくれました。

 

「海未お帰りなさい!!」

 

お母様は涙を流しながら、

私を抱きしめました……

 

「悠里くん、娘を助けてくれてありがとう……」

「いえ……」

「そこで相談なんだが……ちょっといいかい?」

「は、はい……」

 

お父様は悠里君を連れて何やら話をしているのが見えます。

何の話をしているのでしょうか……?

 

「ウミにとっては嬉しい話かもよ?」

「あら♪ ティアちゃんも主人が悠里くんに話してる内容が分かったの?」

「そりゃもちろん♪」

 

お母様とティアは悠里君とお父様が話してる内容が

分かるみたいですが……私だけ知らないのは納得できません!!

凄く気になります!!

 

「お待たせ……」

「悠里君、お父様と何の話をしてたんですか?」

「色々かな……ちょっと僕、ほのちゃん達に電話してくるね?」

「え、あ…はい」

 

なんでしょう?

上手いこと逃げられた気がするんですが……

するとティアが私の肩を叩き……

 

「ウミ、これがさっきの答えよ」

 

1枚の紙を私に見せてきました。

えーと……許嫁許可書って書いてありますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………えっ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なななななッ……///」

 

な、何なんですかコレ!?

よく見たら私と悠里君の名前が書いてあります。

こ、こここ、これってつまり……///

 

「良かったわね、ウミ♪」

「ふむ、今日は祝い酒でも飲むとするかな」

「あらあら♪、あなた飲み過ぎはいけませんよ?」

 

ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤしながら、

ティア、お父様とお母様が私に言った……

 

 

 

 

 

 

私、園田海未は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠里君の……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

許嫁になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うみゅうううううううううう!?///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は久しぶりの短編を投稿したいと思います。
ちょっと執筆したいネタがあるもので……
次回もよろしくお願いします。


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短編2 南ことりたん

ゆるポメラです。
久しぶりの短編回になります。
尚、今回は本編とは全く関係ありません。
悠里達が高校3年生という点は変わってませんが……
あとサブタイでお気づきかもしれませんが某アレです。
気づいてくれると嬉しいです。
では暇つぶし短編第2弾をお楽しみください。

それではどうぞ。


水無月悠里です。

今日はちょっとした事をお話します。

 

「ねぇ、ことちゃん……」

「なあに~? ゆーくん?」

「いい加減、僕の頭の上でチーズケーキを食べるの止めてくれない?」

 

朝の登校中、

僕の頭の上でチーズケーキを食べてる女の子、

南ことりちゃんに言う。

 

「じゃあ今度からマフィンにする♪」

「そういう問題じゃないと思う……」

 

というかそんな事する以前に、

食べるのを止めてほしい……

 

「だって朝ご飯、食べてなかったんだもん!」

 

頬を膨らませながら理由を言うことちゃん。

それ……昨日も言ってたよね?

 

「うるさいちゅん!!、うるさいちゅん!!、うるさいちゅん!!」

 

頭の上で両手をじたばたさせながら、

ちゅんちゅんと駄々をこねる……

 

 

 

 

ーー教室ーー

 

 

 

 

学校に着き教室に入る。

 

「悠里君、おはようございます」

「みーちゃん、おはよ」

 

幼馴染みで同じクラスの園田海未ちゃんに挨拶をする。

 

「ことり……いい加減に悠里君の頭から降りたらどうなんですか?」

「嫌だよ♪ ことりの特等席だもん♡、ちゅんちゅん(・8・)」

 

ことちゃんはまたチーズケーキを食べ始めた。

それ食べるのいったい何個目なの?

 

「おっはよー」

「ほのちゃん、おはよ……」

 

そしてもう1人の幼馴染み、高坂穂乃果ちゃんが教室に入って来た。

 

「穂乃果……また寝坊ですか?」

「朝から酷いよ海未ちゃん!?」

「ほぅ……では何か弁明でもあるんですか?」

 

ほのちゃんが寝坊するのは、

みーちゃん曰くよくある事だそうだ……

あぁ……ことちゃん、まだチーズケーキ食べてるよぉ……

 

「今日はゆうちゃんにモーニングコールをしてもらったんだもん!」

 

それ……ドヤ顔をしながら言う事かな?

 

「ダメだよ? 穂乃果ちゃん、ゆーくんに迷惑かけちゃメッ!だよ」

「ことりちゃんが言っても説得力ないと思うのは穂乃果だけ?」

「奇遇ですね、私もそう思います」

 

すると先生が教室に入って来た。

 

「お前ら席につけー朝のHR(ホームルーム)を始めるぞ……って南、水無月の頭の上に座るんじゃなくて自分の席につけ、あとチーズケーキを食うな」

 

先生……そう思うならどかしてあげてくださいよ。

 

「ちゅんちゅん!!、先生どうしてダメなんですか!!!」

「園田、南を席に座らせろ」

「分かりました」

「ちゅん!? 海未ちゃん裏切るの!?」

 

ことちゃんの言う事を無視しながら、

みーちゃんは、ことちゃんを片手でつまみ出し席に座らせる。

何とも珍妙な光景だ……

 

「ちゅーん……」

 

しかも僕に助けを求めるかのように瞳をウルウルさせている。

 

「こら!、そうやって悠里君に助けを求めてはいけません!!」

「ふえ~ん……ゆーくん~」

 

 

そして朝のHR(ホームルーム)が終わるまでの間、

ことちゃんはチーズケーキをやけ食いしていた。

さて……今日はどんな1日になるんだろう?

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
1度でいいから書いてみたかったんだよね←反省してない
気が向いたらまたやろうかなと思います。
本日は短編を読んでいただきありがとうございました。
次回も頑張りますのでよろしくお願いします。


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第139話 涼香の初めてのおつかい

ゆるポメラです。
7月になりましたね…(暑い)
今月初の話は悠里の妹の涼香の視点にしました。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


こんにちは!

水無月涼香です、8歳です。

将来の夢は魔女になる事です!

 

「涼香ちゃーん、ちょっと来てー?」

 

美柚樹先生に呼ばれた……

ぅにゅ…何かいけない事しちゃったかなぁ?

 

「なんですかー?」

「あのね? 涼香ちゃんにお使いを頼みたいんだけど……」

「ぅにゅ……?」

 

ぅにゅ…お使い?

 

「音ノ木坂学院って知ってる?」

「しらなーい」

「簡単に言うと悠里くんが通ってる学校なの。それでね? この書類を悠里くんに渡して欲しいの」

 

美柚樹先生から渡されたのは、

B4サイズの封筒だった。

これをお兄ちゃんに渡せばいいのかなぁ?

 

「本当は先生も一緒に行ってあげたいけど外せない用事ができちゃって……悪いけどお願いしてもいいかしら?」

「はーい♪ 帰りはお兄ちゃんと一緒でいいのー?」

「ええ♪ お使いが終わったら連絡はしてね?」

「はーい」

 

美柚樹先生から預かった封筒をバックに入れ準備を終えた私は、

すぐに出発する事にしました。

上手にお使いできるかなぁ……?

 

 

 

「ふえーん! 地図が読めないよぉ……」

 

歩く事30分。

美柚樹先生から貰った地図がポンコツ過ぎて読めません……

うぅ…お兄ちゃん……

 

(お腹…空いたなぁ……)

 

この前ラムダデルタお姉ちゃんと羅奈お姉ちゃんから教わった

特製ポップコーンを持ってくればよかったよぉ……

甘いものを食べないと頭がパンクしちゃう……

 

「あ! 和菓子屋さんだ!」

 

ちょうどそんな時、

和菓子屋さんを見つけました。

えっと……ほ、"穂むら"って読めばいいのかなぁ~?

とりあえず入ろうと思った私は、お店ののれんをくぐる……

 

「いらっしゃいませ~」

 

入ってすぐ出迎えてくれたのは、

ママと同じくらいの綺麗なお姉さんでした。

 

「あら可愛い♪ もしかしてお使い?」

「はい。オススメを1つください!」

 

そう伝えると、

お饅頭を持って来てくれました。

真ん中に"ほ"の焼き印がありました。

 

「ここの名物の穂むら饅頭よ♪」

「おいくらですか?」

「それはサービスよ♪」

 

ででででーん♪

お饅頭をただで貰っちゃいました♪

ついでに聞いておかなきゃ!

 

「あの…音ノ木坂学院に行きたいんですけど場所ご存知でしょうか?」

「知ってるわよ♪ 誰かに会いに行くの?」

「お兄ちゃんに会いに行くんでーす♪」

「あらそう♪」

 

お姉さんは音ノ木坂学院までの道のりを親切に教えてくれました。

聞けばお姉さんは卒業生みたいです!

 

「教えてくれてありがとうございました」

「気をつけてね~」

 

よ~し! もうちょっとだけ頑張るもん!

意気込んだ私は、和菓子屋さんを後にしました。

 

 

 

ーー涼香が穂むらを出た直後ーー

 

 

「あの子……誰かに似てたような……」

「…………」

「あら? あなたもそう思う?」

「………!」

「えっ!? そんなまさか……」

「………」

「でも…うーん……」

 

涼香の姿を見て何かを思い出そうと悩んでいる

穂乃果母と穂乃果父の姿があったそうな……

 

 

 

 

ーー音ノ木坂学院ーー

 

 

 

 

 

和菓子屋の綺麗なお姉さんに教えてもらい、

無事に目的地の音ノ木坂学院に着きました♪

でもどうやって中に入ろう……?

 

『神は言っている。ここで立ち止まるべきではないと……』

 

あれー?

何か聞こえた気がする……

うーん…気のせいかな?

でも立ち止まっても仕方ないよね!

分からなかったら校舎内にいる人達に聞けばいいんだもん!

 

「涼香は大丈夫です!」

 

自分に言い聞かせた私は校舎内を目指して中に入りました。

あ、今のセリフはね?

穹お兄ちゃんとベルンカステルお姉ちゃんが最近ハマってるゲームの

キャラクターのセリフなんだー♪

 

 

 

 

無事に校舎内に入った私は、

お兄ちゃんを捜しています!

でも人がいません……

みんな…お勉強中なのかなぁ?

 

(あ、食堂がある!)

 

食堂を見つけたので、

お昼ご飯を食べる事にしました。

時刻は13時30分。

うん! 遅いお昼ご飯だね♪

 

「いたぁきます!」

 

へっへーん♪

今日のお弁当はキャラ弁なんだよ?

んー? なんのキャラクターかって?

"そんな装備で大丈夫か?"の人と"大丈夫だ! 問題ない"の人だよー♪

あっ!! 勘違いしないでよ?

私は腐ってないんだから!!

このキャラ=腐ってる扱いするなんて片腹痛し傷つくんだよ!?

この養分共が!!!

 

「ごちとぉさま!」

 

食べ終わったお弁当箱をバックに入れ、

お兄ちゃんを捜しに校舎内を歩く事にしました。

 

(お兄ちゃんどこかなぁ~?)

 

そう思いながら廊下を歩いていると、

お兄ちゃんの声がしました!

んー? なんで分かったのかって?

だって私、魔女だもん!!

 

 

 

ーー体育館ーー

 

 

 

 

着いた場所はなんと体育館!!

体育館ってアレだよね?

みんなで購買の食べ物を誰が買いに行くかを決める"せんじょー"なんでしょ?

主に焼きそばパンとカツサンド!!

私は焼きそばパン派だよ~♪

 

(あっ♪ お兄ちゃんみっけ♪)

 

お兄ちゃんを見つけたであります!

ほのかおねえちゃん、うみおねえちゃん、ことりおねえちゃんも一緒みたいです。

なんのお話をしてるのかな~?

難しい話なのかな、かな?

お兄ちゃん達が今なにしているかというとバトミントンをやってたみたいです。

いいなぁー……

 

(うぅ~…私もお兄ちゃん達と遊びたいよぉ……)

 

ちょうどその時……

 

「こーら、1人で何してるの?」

「みぃ!?」

 

聞き覚えがあるなと思い後ろを振り返ると、

まきおねえちゃんがいました。

あ、あわわわ…見つかっちゃったよぉ……

 

「真姫ちゃんどうしたにゃ……って涼香ちゃん!?」

「凛ちゃんどうしたの……って涼香ちゃん!? なんでここにいるのぉ!?」

 

ど、どどど…どうしよう!?

りんおねえちゃん、はなよおねえちゃんにも見つかっちゃったよぉ!?

おかしい!! 絶対におかしいよ!!

私のステルス機能は53万級の筈なのに!?

 

「あ、あにょぉ…お兄ちゃんに会いに来たの……」

「もしかして1人で来たの?」

「うん…美柚樹先生にお使いを頼まれたの……」

「何やってるんですか美柚樹さん……」

 

まきおねえちゃんは美柚樹先生とは知り合いなの。

 

「ちょっと待ってて? お兄ちゃ……悠里さんを呼んでくるから」

「真姫ちゃん今何を言おうとしたにゃ?」

「何でもないわよ!!」

 

りんおねえちゃんにデコピンをした後、

まきおねえちゃんはお兄ちゃんを呼びに行きました。

ここだけの話なんだけどね?

まきおねえちゃんはお兄ちゃんの前では甘えんぼさんなの♪

私しか知らない秘密なんだよ?

 

「まさか涼香が来てる訳が……って涼香!?」

「あ♪ お兄ちゃーん♪」

「おっと……危ない、危ない」

 

にへ~♪

お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん♪

 

「…涼香? 急に抱きついたら危ないでしょ?」

「やっ!!、今はお兄ちゃんと一緒がいい!!!」

 

だって1人で怖かったんだもん!!

 

「ふっ……ふぇぇ……」

「分かった分かった…先生に何とか頼んでみるから泣かないの」

「ぅにゅ……? ほ、ほんと?」

「ほんとだよ。でも何で涼香がいるの? さっき真姫ちゃんから聞いたけど……」

「ぅにゅ……お兄ちゃんに渡してほしいってお使い頼まれた」

「そっか……偉いね涼香。1人で怖かったでしょ?」

「うん♪」

 

えへへ♪

お兄ちゃんに褒められた♪

もっと撫でて欲しいからくっついちゃおー♪

 

 

「全く…すぐに甘えんぼになるんだから」

「ぎゅー♪」

「ところで涼香? 降りてくれない?」

「やっ!! 今日はお兄ちゃんと一緒にいるの!! 異論は認めない!!」

 

 

この後すぐに美柚樹先生に、

お使いが終わりましたって連絡したよ?

それから連絡が終わった後なんだけどね?

ほのかおねえちゃん、うみおねえちゃん、ことりおねえちゃんが倒れちゃったの!!

お兄ちゃんに聞いたら……

 

「ほのちゃん達は強い子だから大丈夫だよ」

「この3人…貧血とか起こしてないといいけど……」

「穂乃果ちゃん達、鼻血を出しながら幸せそうに倒れてるにゃ……」

「海未ちゃん、ことりちゃんまで……」

 

 

ふぇ?

どういう事?

ねぇねぇ、誰か教えて教えて!? 教えてよぉ~!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
いくつか気になる単語がありましたが気になる方は、
自分が連載している作品『奇跡のなくパーティーに 』を読んでみてください。
次回は更新が遅れるかもしれませんが、
なるべく早めに投稿しますので、よろしくお願いします。



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特別編 奇跡の魔女との邂逅

ゆるポメラです。
今日は七夕ですね。
皆さんは短冊に何か願い事を書きましたか?
今回の内容ですが、とあるゲストさん視点にしてみました。
7月7日という記念日だし別にいいよね?
追伸:投稿時間が1日ズレてしまいました……(申し訳ありません)

「こんな奇跡、滅多にないんだから」

あれ?
なんか声がしたような……?
ってなんだ尻尾に青いリボンを付けた黒猫か。

それではどうぞ。





随分と賑やかそうな世界(カケラ)ね?

くすくす…退屈しのぎにはなりそうね。

さて…今から何しようかしら?

 

「わー!? 遅刻しちゃうよー!?」

 

慌ただしい声が聞こえたので、

視線を向けると1人の女子高生が走って行くのが視えた。

なんだか面白そうだし後をつけて行こうかしら……

気づかれないのかって?

…ああ。あなた達には言ってなかったわね?

 

 

 

その理由は私が()()だからよ……

 

 

 

 

 

 

先程の女子高生の後をつけて行くと、

同じ制服を着た2人の女子高生がいた。

この子の同級生かしら?

 

「穂乃果!! また寝坊ですか!!」

「寝坊じゃないもん!! ちゃんと起きたもん!!」

「怪しいですね……」

「海未ちゃん酷いよ!!」

 

どうやら私がつけて行った子は穂乃果というらしい。

海未と呼ばれた子は一言で表すなら大和撫子という言葉が合ってるわね。

 

「まぁまぁ海未ちゃん、穂乃果ちゃんも寝坊しないようにね?」

「ことりは甘過ぎです!!」

 

ことりと呼ばれた子が海未を宥める。

それにしてもあのトサカみたな髪型はどうなってんの?

最近の女子の流行りなのかしら?

 

「あれ? ゆうちゃんは一緒じゃないの?」

 

穂乃果がこの場に1人いない事に気づく。

てか誰よ、"ゆうちゃん"って……

 

「あ! ゆーくん来たよ」

 

ややこしいわね……

今度は"ゆーくん"って…まぁでも察したわ。

どうやらあだ名みたいね……

そして3人の元にやって来たのは首に黒のチョーカー型ペンダントを付けた男の子だった。

 

(雰囲気がなんとなく穹に似てるわね……)

 

どことなく私の好きな人に似ていた。

何故そう思ったのかは分からない……

 

「ゆ、悠里君…お、おはようございます///」

「おはよ……」

 

悠里と呼ばれた男の子は微笑みながら海未に挨拶を返す。

なんか海未の声が上ずってるわね……

心なしか顔も赤いし……

 

「「…むぅー」」

 

穂乃果とことりは頬を膨らませながら、

悠里と海未を見ていた。

もしかしてこの3人…悠里の事が好きなのかしら?

私の女の勘だけど……

そう思っていると何処からか視線を感じた。

 

「悠里君どうしたんですか? さっきから上を見てますけど……」

「おーい、ゆうちゃーん?」

「ゆーくん?」

 

その正体は悠里だった。

まさかと思うけど私の姿が視えてるのかしら……

普通ニンゲン如きが魔女の姿を視認できる訳がないと言いたいが、

現に悠里は私をジッと見つめていた……

少し興味がわいた私は姿を現す事にした。

 

「こんにちは……それともおはようと言った方が正しいかしら?」

「…後者の方が正しいかと」

「「「えっ……」」」

 

あら…私の姿を見ても驚かないのね。

後ろの3人は普通に驚いてるけど。

安心なさい? それが普通の反応だから。

 

「海未ちゃん…穂乃果、疲れてるのかな? 女の子が空中に浮いてるよ?」

「あ、あの…お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「穂乃果の意見ガン無視なの!? ゆうちゃーん、海未ちゃんが無視するー!!」

「よしよし……」

 

くすくす…見てて面白いわね。

海未と悠里の表情を見る限りだと

いつもの事だから話を進めて構わないようね……

 

「私の名はベルンカステル。奇跡の魔女よ」

「…空想上の存在かと思ってたけど、僕的には奇跡って解釈していいのかな?」

「そう思ってくれて構わないわ。貴方は姿が視えない筈の私を人の身でありながら見つけたんだもの……」

「大ベルンカステル卿に褒められるとは……」

「ベルンでいいわ。呼びにくいでしょ?」

「…僕より年上でしょう? 馴れ馴れしいとは思わないんですか?」

「私が許すわ。それにあんたみたいな男は嫌いじゃないもの」

「…それはどうも」

 

そういう謙虚なところも穹に似てるわね……

 

「あ! 思い出した!!」

 

さっきまで私を見ながら考え事をしていた

ことりが何かを思い出した表情になった。

 

()()()()()に本を読んであげた時に出てきた登場人物の魔女さん!」

 

涼香という単語には聞き覚えがあった。

彼女には兄がいて魔女になった理由が自分の兄に幸せになって欲しいと……

そしてある仮説が浮かぶ。

私は悠里に問いかける……

 

「貴方の名前を教えてもらってもいいかしら?」

()()()()()、17歳です」

 

点と点が繋がった。

 

「…そう。貴方が涼香の兄なのね」

「涼香ちゃんの事を知ってるんですか!?」

「知ってるも何も涼香は私達の間では大魔女よ」

 

なるほど……

この世界(カケラ)は涼香の故郷なのね。

…いや違うわね。

正しくは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……

涼香が死に物狂いで救ったという……

 

(とんでもない世界(カケラ)に来ちゃったわ……)

 

散歩がてら気紛れで来た世界(カケラ)が、

まさか"時空の魔女"の故郷とは思わなかった。

…偶然かしら?

でも前に涼香は私が1度だけ訪れた事があるって言ってたわね……

そこで私が切っ掛けを与えて自分は魔女になれたのもあるって。

さっぱり分かんないわ……

 

(涼香には借りというか……助けてもらった事もあるし)

 

私は基本的に借りは作らない。

けど大切な一部の友人達は別だ……

涼香もその1人であり私にとっては大切な友人だ。

なら私がすべき事は1つ……

その前に悠里に聞いておかなければ……

 

「…悠里。正直に答えて? 貴方にとって涼香はどういう存在なの?」

 

彼は一度考える仕草をした後、

私の目を真っ直ぐ見ながら……

 

 

「大切な家族かな。…かと言って涼香が僕の家系を知ったら嫌われるのも覚悟してるし、

それ以前に涼香は悪くない。この世の真実なんて殆どが残酷な事なのは僕が一番知ってる。涼香には幸せになって欲しいんだ…普通の女の子としてね?

自分勝手かもしれないけど僕自身が決めた事だから」

 

涼香から聞いた通りだった。

彼は辛い事に関しては身内はおろか他人にも言わず、

たった1人で解決してしまう……

落ちこぼれで自分が死んでも誰も悲しんではくれないと思ってるからって……

 

「そう……それとそこの3人を少し借りてもいいかしら?」

「「「えっ?」」」

「…ご自由に」

 

そう言うと悠里は少し離れ電柱に寄りかかった。

そして鞄から音楽プレーヤーを取り出し、

イヤホンを耳に付け音楽を聴き始めた。

自分は音楽を聴いてるから気にせずにどうぞって意味ね。

 

「貴女達3人は彼の過去を知ってるのかしら?」

「「ど、どうしてそれを……」」

「穂乃果、ことり。落ち着いてください。この人の事は悠里君から聞いてますので」

 

海未は随分と冷静ね……

さしずめ纏め役ってところかしら?

この冷静さをラムダにも見習って欲しいわ。

…いや無理ね。あの子、超パーだし……

 

「先程の質問の答えですが私達は悠里君の過去の事は中学時代までしか知らないんです。去年3人の親友に聞かされたんですが……」

 

これも涼香から聞いた通りね。

なら説明する手間が省けるわ……

 

 

「これから先……というより7月に入ったら貴女達3人は未来予知に近い悪夢を見る事になるわ。それも何日もね。別に信じる信じないは自由だけど注意はしておきなさい……

悠里が大切な人だと想うなら尚更ね。私から言えるのはそれくらいよ」

 

3人の表情は真剣だった。

かつての私みたいに……

 

「それって教えてもらえないんですか……?」

「仮に知ってても教えないわ。私…意地悪だから」

「そう…ですよね」

 

私は涼香から結末を見せてもらったから、

答えは知っている……

ほんとうに奇跡と宣言してもいい物語だった。

 

「…3人共、手を出しなさい」

「「「は、はい……」」」

 

指を鳴らし3つの花びらのカケラを構築させる。

それぞれオレンジ、青、白の3色……

3色の花びらはそれぞれの手に渡る。

 

 

「…私からのささやかなプレゼント。貴女達3人が迷った時に効果を発揮する観覧席の招待状……"観劇者権限"よ。()()()()()()()()()()()()()()()、自分だけの答えを見つけるといい」

 

"観劇者権限"まで渡すなんて私も甘くなったもんだわ。

アウアウに言われようが知った事じゃないわ……

私自身が決めた事だもの。

 

 

「…じゃ私は消えるとするわ。時間は巻き戻してあるから遅刻はしないと思うわよ」

「「「あ…あのっ」」」

 

この世界(カケラ)から立ち去ろうとした時、

穂乃果、海未、ことりに呼び止められた。

何か言いたそうだけど何かしらね。

 

 

「「「あ、ありがとうございます!!」」」

 

 

私の目を見ながらお礼を言われた……

未だに慣れないのよね…急に感謝されたり、

今みたいにお礼を言われたら何て返事をすればいいか戸惑うのよ。

だから私は去り際に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「涼香が紡いだ物語……私も最後まで貴女達を見届けるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……これを見てるあなた達とも少しの間お別れね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え合わせは最終回が終わってから別の物語とも検証してみるといいわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は意地悪だからこれ以上は詳しくは教えないわよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから奇跡の魔女として赤で宣言するわ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから先の物語は残虐だが最後まで読まないと結末は分からない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    じゃあね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
やっちゃったZE☆
偶には別作品のキャラも混ぜてみるのもいいかなと思い執筆してみました。
本編も頑張りますのでよろしくお願いします。


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第140話 長いと感じた放課後

ゆるポメラです。
最近は暑くてたまりませんね……(若干の死んだ目)
今回の内容は涼香が無事にお使いを終えたところからになります。

それではどうぞ。


「それじゃ帰りのHR(ホームルーム)は終わりだ。みんな気をつけて帰れよ? それから水無月、高坂達に連絡事項とかを伝えておいてくれ」

「分かりました」

 

帰りのHR(ホームルーム)を終えた直後、

先生が僕に連絡事項を、ほのちゃん達に伝えてくれと頼まれた。

ほのちゃん達は保健室にいる。

どうしてそうなったのかって?

それは……

 

「お兄ちゃん抱っこ!」

「はいはい……」

 

ほのちゃん達が倒れた元凶が僕に抱っこをせがんできました。

あの時は驚いたよ……

体育の授業の休憩時間に真姫ちゃんから涼香が来たと聞かされたので冗談かなと思ったら本当に涼香が音ノ木坂学院に来てたんだもの……

何でも1人でお使いに来たらしい。

それで美柚樹さんに無事にお使いが終わったと報告する電話を涼香がした直後、

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんが謎の反動で吹っ飛び倒れたって訳。

 

「お兄ちゃんー今からどこに行くの~?」

「…ん? 書類を理事長室まで運びに行くんだよ」

 

涼香が小首を傾げながら聞いてきたので答える僕。

それにしても妹を抱っこしながら校舎内を歩くとか周りはどう思ってるんだか……

ちなみに今は理事長室に向かっている。

ほのちゃん達へのお見舞いは後からである。

 

「あ、悠里さんと涼香ちゃんだにゃ」

 

理事長室に着くと凛ちゃんがいた。

凛ちゃんだけじゃなく花陽ちゃんと真姫ちゃんも一緒だった。

どうしたんだろ……?

 

「3人共どうしたの? 南先生に何か用があるとか?」

「あ、はい…理事長に許可を貰おうかなと思いまして……」

 

花陽ちゃん曰く、

学校外でのライブの許可を貰いに……というより聞きにきたとの事。

凛ちゃんがやっても大丈夫だと言ったのに対して真姫ちゃんが一応聞いておいた方がいいとなったらしい。

 

「…真姫ちゃん、副部長が様になってきたね?」

「や、やめてください/// そんな柄じゃないですから……」

「真姫ちゃん照れてるにゃー」

「うるさい!」

「ま、まぁまぁ…凛ちゃんも真姫ちゃんも落ち着いて……」

 

花陽ちゃんも部長が様になってる……

にこさんが見たら驚くんじゃないかな?

 

『流石にこが次期アイドル研究部部長に見込んだだけあるわ!』

 

なんかドヤ顔してるにこさんを幻視した。

そんな事はさて置き僕は理事長室のドアをノックする……

 

 

 

ーーコンコンーー

 

 

 

 

「どうぞ」

 

声がしたので僕達は中に入る事にした。

すると南先生は僕達を見るなり……

 

「あら珍しい組み合わせね? 今日はどうかしたの?」

「僕は後からでいいから先に花陽ちゃん済ませちゃいないよ」

「あ、はい……」

 

書類を南先生に渡すだけだしね……

花陽ちゃん達は自分達の用件を南先生に話す。

そういえば涼香がいないな?

 

「うぅ…お兄ちゃん……」

 

背中に引っ付きながら隠れていた。

というかいつ移動したの……

お兄ちゃんびっくりだよ?

 

「さて…悠里くんは何の用かしら?」

 

そんな事を考えてたら南先生に呼ばれた。

どうやら話が終わったみたいだ……

…っと、その前に……

 

「ほーら涼香? いつまで隠れてるの?」

 

未だに背中に引っ付きながら隠れてる涼香を南先生の前に移動させる。

初対面の人には恥ずかしがり屋なところがあるからなぁ……

 

「ぅにゅ……は、初めまして……水無月涼香です……8歳です……」

 

南先生は目を見開きながら僕と涼香を交互に見る。

そして溜息を吐きながら……

 

「…悠里くん、少し話があるけどいいかしら?」

「は、はい……」

 

どうしよう……南先生が怒ってるよ。

何故だかは分からないけどそういう雰囲気を出していたから。

 

「真姫ちゃん、涼香の面倒見てもらってもいい? 後で僕が迎えに行くから」

 

この場の様子を察してくれたのか、

真姫ちゃん達は涼香を連れて理事長室を後にした。

 

「早速だけど……あの子は義理の妹かしら?」

「いえ……涼香は正真正銘、れっきとした血縁関係の妹です」

「でもどうして1人っ子だって黙ってたの?」

 

僕は涼香から預かった封筒を南先生に渡す。

B4サイズくらいの大きさだ。

封筒を受け取った南先生は中を開け書類に目を通す。

そして一通り目を通し終わると……

 

「全く……藍里はどこまで自分勝手なんだか、今度会ったら引っ叩こうかしら……」

 

今ほんの一瞬だけ南先生の背後に般若が視えた気がする。

…母さん今度来た時……大丈夫なのだろうか?

 

「話は変わるけど悠里くんはこの後どうするの?」

「ことちゃん達が倒れたので保健室に……」

「あらあら♪ 娘の看病でもしてくれるの?」

「体調が悪化してたらですが……」

 

まぁそんなこんなで僕も

理事長室を後にする事にした。

 

 

 

 

 

ーー保健室ーー

 

 

 

 

 

そんなこんなで保健室に着きました。

時間を確認したら16時30分になっていた……

もう30分も経っていたとか早いもんだね。

そう思いながら保健室に入る。

 

(3人共、寝てるし……)

 

涼香の可愛さ反動でやられたのもあるけど、

日頃の疲れも溜まってたのかなと思いながらも近くで寝ている

ことちゃんの隣に椅子を置き座る事にした……

 

「ゆーくん……?」

「あ、起きた?」

 

ことちゃんが目を覚ましたようだ。

なんだか含み笑いをしているのは僕の考え過ぎかな?

 

 

 

sideことり

 

 

 

 

えへへ♪

ゆーくんが来るまで()()()()をしておいて正解正解♪

つまり今は2人きり……♡

 

「ほのちゃんとみーちゃんはまだ起きてないの?」

「う~ん…ついさっきまで起きてたけど疲れてまた寝ちゃったみたいなの♪」

 

起きないに決まってる。

何せ穂乃果ちゃんと海未ちゃんが起きる寸前に、

ことりが()()()()()で眠らせてあげたんだもの♪

あと30分は起きないよ♪

 

「これ先生から預かったプリントとかだから、ほのちゃんとみーちゃんが起きたら2人に渡してもらってもいいかな?」

 

ゆーくんが渡してきたのは、

帰りのHR(ホームルーム)で配られたと思われるプリントでした。

 

「うん♪ 2人が起きたら渡しておくね」

「ごめんね…なんか起きたばかりで……」

「そんな……逆に心配かけてごめんね?」

「今日の生徒会の仕事とかは僕が代わりにやっておくから、ことちゃん達は休んでて?」

 

やーん♡

そんな舐めまわすような目で見ないでぇ~♡

でも寧ろ……

 

(もっと…ことりを見て欲しい……ゆーくんのモノだけにして欲しいクライ見て欲しい)

 

 

ふへへェ…ゆーくん大好き……好き好き好き好き好き大好き♡

コロシチャイタイクライダイスキ♡ このままコトリとイイコトしてくれたりしてくれないかな?

そうなるとソコで寝てる2人が邪魔になっちゃうな~♪

でもそんな事したらユークンがカナシンジャウモンネ?

 

「…でも2人をこの場でコロシテも……ふふ♡」

「ことちゃんどうかしたの?」

「え? なんでもないよ♡」

 

 

穂乃果ちゃんと海未ちゃんでもユークンは……ゼッタイニワタサナイカラ……

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

ことちゃん達が起きた事を確認し保健室を後にした僕は、

涼香を迎えに部室に向かっていた。

それにしても今日は特別な1日になったなぁ……

今朝は空想上の存在だった奇跡の魔女ベルンカステルに逢うわ、涼香が1人で音ノ木坂学院にお使いで来るわ……

 

(それとも何? 明日の休日に何か起こる前兆なの?)

 

そんな事を思いながら、

部室のドアを開けると……

 

「えっ!? 嘘……えっ?ええええぇぇぇぇ!?」

 

パソコンの前で驚いてる花陽ちゃんの姿が。

絵里さん達の卒業式の帰りに聞いた時以来だよ……

 

「あ♪ お兄ちゃーん♪」

 

涼香が僕を見つけると抱きついてきた。

すると凛ちゃんと真姫ちゃんも気づいたようだ。

 

「あ、悠里さんいらっしゃいにゃー」

「いらっしゃいって凛あなたね……」

「悠里さんちょうどいい所に!!」

「花陽ちゃん落ち着いて……一体何に驚いてるの?」

 

そう言うと花陽ちゃんはパソコンの画面を僕に見せてきた。

そこに書かれていたのは……

 

「…"バンドの観覧席の抽選券に見事当選"って花陽ちゃん当たったの?」

「はい! しかも3人分も当たったんです。はぁ~楽しみだなぁ~♪」

「花陽ちゃん1人で行くの?」

「いえ。凛ちゃんと真姫ちゃんと行こうかなと思いまして……」

「凛も1度バンドを間近で観たいとおもってたんだにゃ♪」

「私も…生で観て見たいなと思ってて……」

 

確か花陽ちゃんが言ってた抽選券って好きな席を選べるんだよね。

当たる確率も相当低かった筈だけど……

あ、そうだ……

 

「花陽ちゃん、その抽選券ってどこの?」

「えっと……このライブハウスでやるんです。明日の19時からなんですが」

「どれどれ? あぁ…なるほどね……」

 

画面を確認すると、よく知ってる場所だった。

それは昔…僕と璃夢ちゃんがアイドルをしてた時に練習していた

ライブハウスだった。

実はここだけの話だが今でも僕は利用している。

 

「あのさ…涼香も連れてってもらってもいいかな?」

 

突然の僕の言葉にキョトンとする花陽ちゃん。

まぁそりゃそうだ。

 

「涼香ちゃんも連れて行ってもいいんですか? 抽選券3枚だけですけど……」

「その点は大丈夫だよ。10歳以下は抽選券の制限には含まれないから。裏に書かれてると思うよ?」

「本当だ……10歳以下は制限しませんって書いてありますね」

「じゃあ涼香ちゃんも一緒に行けるにゃー♪ あれでも何で悠里さんはそんなに詳しいんだにゃ?」

 

凛ちゃんがそう言うと、

花陽ちゃんも……

 

「そういえば……悠里さんって、このライブハウス知ってるんですか?」

「まぁ明日来れば分かるよ」

「なんかそれを言われると逆に気になります!」

 

詰め寄って来る花陽ちゃんを何とか宥めた僕は、

今日の分の生徒会の仕事を終わらせる為、部室を後にした。

ちなみに涼香は真姫ちゃんの家で泊まるそうだ。

 

 

(さて…帰ったら楽器の調整と練習しなきゃ。1分1秒も無駄にしたくないしね)

 

 

生徒会室に向かう途中、

曲のイメージトレーニングをしながら僕は考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は悠里の休日の話になります。
花陽ちゃんの視点も入れようかなと考えています。
頑張って執筆しますので今後もよろしくお願い致します。



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第141話 数年振りのライブと幼馴染み

ゆるポメラです。
今回の内容ですがコラボ回…といっていいのかな?
まぁ…なんというかそんな感じです。
花陽ちゃん視点も後半に入れてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


朝の9時30分。

この日は花陽ちゃんが言ってたライブハウスで

各バンドがライブをする日だ。

 

「えっと…忘れ物はない筈……」

 

ライブ衣装と音楽プレーヤー、

財布、後は僕が使っている楽器のショルダーキーボード。

必要な物を確認し終えた僕は荷物を持って自宅を出た……

 

 

 

 

目的地に向かって歩いてる途中、

休日にも関わらず女子高生が制服姿で歩いてるのが見えた。

補習か何かかな……?

ちなみに今僕が歩いてる地域は女子高が多い。

さっきの女子高生は羽丘女子学園(はねおかじょしがくえん)の生徒のようだ。

小さい頃に璃夢ちゃんと何度か見た事があるので今でも覚えてる……

 

(あれ? 今日はやけに人が多いな……)

 

ライブハウスに近づくにつれ、

人混みができていた……

 

(毎度の事ながら混んでるなぁ……)

 

これも見慣れた光景だったりする。

平日でも混んでる時があるけど休日の場合はその倍混む。

 

「何か飲み物買って行こうかな……」

 

ライブハウスの隣がカフェなので、

中に入る前に飲み物を買っておこうと思った僕はカフェに立ち寄る事に……

 

「いらっしゃいませー♪」

「カフェラテ1つ、トッピングで"シナモン激増し"で……」

「かしこまりましたー♪」

 

ここのカフェは種類が豊富。

その中でも僕が頼んだのはカフェラテのシナモン激増しである。

僕が最後に来た時よりも種類がまた10種類増えてるのは気のせいかな?

なんだかこのカフェに来る度に新しいのが増えてるんだけど……

 

「はい、ご注文のカフェラテのシナモン激増しになります♪」

「…どうも。おいくらになりますか?」

「550円になります」

 

…600円は何故かいかない。

店員さんに550円を渡す。

 

「550円ちょうどで」

「はい550円ちょうどお預かりします♪ ところで君ってライブに出るの?」

「…はい。数年振りにライブするんです」

「数年振り? あら…でもどこかで見た事があるような……?」

「し、失礼しました!」

 

流石にマズいと直感的に思った僕は、

その場から逃げるようにライブハウス『CiRCLE』に入って行った。

 

 

 

ーーライブハウスCiRCLE内ーー

 

 

 

「あ、危なかった……」

 

何が危なかったのかって?

さっきのカフェの店員さんに僕の素性がバレるところだったからだよ……

さっさと受付を済ませちゃおっと……

 

「いらっしゃいま……って悠里くん!?」

 

はい詰みましたー!!

ここで僕は肝心な事を忘れていた。

それは受付のお姉さんが知り合いだったという事である……

SA☆IA☆KUだよ……

 

「ど、どうも……ご無沙汰しています」

「びっくりしたわよもぅ……それで? 今日はどうしたの?」

「練習しに来たのと……後ライブしに来ました」

 

僕がそう言った途端、

お姉さんは鳩が豆鉄砲を食ったような表情になった。

 

「ちょっと待って? 練習しに来たのは分かるけどライブするの?」

「します。後輩と妹が来るのでサプライズみたいにしようかなと……」

「今日ライブを観に来たお客さん……びっくりするんじゃないかしら?」

 

そう言いながらも受付表に書いてくれる。

相変わらず仕事が早いですね?

 

「そういえば歌う順番は前半と後半どっちがいい?」

「僕が前半に歌うと思いますか?」

「冗談よ♪ 最後の方に予約しておいたわ。開始の合図は私の方でやっておくから」

「…毎度お手数をおかけします」

「いいのいいの♪ はいこれが練習場所のスタジオの番号ね? といっても悠里くん専用の場所だから他の人は入れないけどね」

「…人前に出る柄じゃないですから」

 

渡されたスタジオの番号札は『0番』と記されていた。

普通の出演者はこの番号の存在を知らない……

知ってるのは、ここのライブハウスの関係者くらいだ。

あとは……ルーちゃんくらいかな?

 

「それじゃ時間が来たらお願いします」

「は~い♪ 悠里くんも楽しみにしててね~♪」

 

僕も楽しみにしとけとはどういう意味だろ……?

少し疑問に思いながらも僕は昔から使わせてもらっているスタジオに足を運んだ。

 

 

 

ーー0番スタジオーー

 

 

 

特定の通路を使い慣れた足取りでスタジオに着いた。

中は昔と変わらず薄暗く防音壁が貼ってある……

ドラム等バンドが使う楽器は一通り揃っているが僕は使わない。

使うのは昔から使っているショルダーキーボードだけだ。

 

(最初は基本の練習から……)

 

ショルダーキーボードを構えた僕は、

精神を集中する為に目を瞑り練習に入る事にした……

 

 

 

 

 

side花陽

 

 

 

 

 

こ、こんばんはでいいんでしょうか……?

小泉花陽です。

今日は待ちに待ったバンドのライブなんです。

 

「凛バンドを観るの楽しみだにゃー」

「凛……はしゃぎすぎよ」

「わーい♪」

 

実は私1人だけじゃなく、

凛ちゃんと真姫ちゃん、悠里さんの妹の涼香ちゃんの4人で観るんです。

待ち合わせ時間は念の為に1時間前にしといたんです!

そしたら案の定、目的地のライブハウスが近づくにつれ多くのお客さんがいました。

…くっ!! 花陽とした事がもう少し早めにすれば良かったです!!

 

「ところで花陽、何かお目当てのバンドでもいるの?」

「あ、凛も聞きたいにゃー!」

「よくぞ聞いてくれました! 実はこのバンドだよ!」

「はなよおねえちゃん、早く見せて見せて~♪」

 

真姫ちゃんに聞かれたので、

お目当てのバンドのポスターを見せる。

 

「これ…何て読むにゃ? ろ、ろ……ローメリャ?」

「りんおねえちゃん、Roselia(ロゼリア)って読むんだよ?」

「凛……あなたいい加減に英語できるようになりなさいよ」

 

うんうん!

真姫ちゃんの言う通り凛ちゃんはもう少し英語ができるようにならなきゃね?

というか涼香ちゃんが読める事に驚きなんだけど……

本当に8歳なんだよね?

 

「コホン! 説明を戻すと今から行くライブハウスでRoseliaのライブを間近で観れるんだよ! この抽選券はその為の特権なんだよ!!」

 

最初はダメ元で応募してみたけどまさか当選できるなんて思ってなかったよ~♪

Roseliaといえば本格派バンドで、しかも私達と同じ高校生で構成されたと聞いた事

があります。

有名なライブハウスでの演奏経験もあって音楽業界からもかなりの注目を受けているんです!!

 

「あ、あそこが目的地のライブハウスCiRCLEだよ?」

「人が多いわね……」

「じゃあ早く受付を済ませちゃうにゃー」

「あ、凛ちゃん!」

 

よっぽど楽しみだったのか凛ちゃんは、

ライブハウスの中に1人で走って行きました。

私達も慌てて凛ちゃんを追いかけました……

あ、涼香ちゃんは真姫ちゃんが抱っこしてるから大丈夫だよ?

 

 

 

 

ライブハウスの中に入ると凛ちゃんが誰かとぶつかって倒れていました。

……ってナニガアッタノォォォ!!?

 

「りんおねえちゃん大丈夫?」

「ちょっと凛!! あなた何やってるの!! すみませんごめんなさい!!」

「ご、ごめんなさい!!」

 

私と真姫ちゃんはぶつかった相手に謝る。

すると相手の方は顔を上げ……

 

 

「い、いえ……こちらこそすみません……って真姫ちゃん?」

「へっ…? なんで私の名前……って燐子さん!?」

「やっぱり真姫ちゃんだ♪ 久しぶりー♪」

 

なんと凛ちゃんがぶつかってしまった相手は、

Roseliaのキーボード担当の白金燐子(しろかねりんこ)さんでした……

ほ、本物だよね!?

 

「りんりん、どうしたのー?」

「あこも走ると転ぶぞー」

 

すると紫髪の女の子と茶髪の女の人がやって来ました。

…ってえええ!?

あ、あの人達ってRoseliaのドラム担当の宇田川(うだがわ)あこさんとベース担当の今井(いまい)リサさんじゃないですかー!!?

 

「急いでたら知り合いの同級生の子とぶつかっちゃって……」

「燐子さん、ほんとうにすみません! ほら凛も!!」

「ご、ごめんなさいにゃ……」

「ううん…わたしもよそ見してたから……気にしないで?」

 

や、優しい……燐子さん優し過ぎです!

 

「そういえばりんりん、受付終わった?」

「あ……えと……ちょうど今からで……」

「ええ!? ど、どうしようリサ姉……」

「やばい……ただでさえアタシ達3人遅刻なのに友希那(ゆきな)紗夜(さよ)に怒られる……」

 

あこさんとリサさんが何やら慌てながら話していました。

燐子さんはオロオロしていますが……

 

「呼びました?」

「5分30秒の遅刻よ。3人共」

「「「ひぃぃ!?」」」

 

リサさん達の背後に現れたのは、

Roseliaのギター担当の氷川紗夜(ひかわさよ)さん、

そしてRoseliaを纏めているボーカルの湊友希那(みなとゆきな)さんでした!!

ど、どどど……どうしよう!?

まさかRoseliaのメンバー全員と会えるなんてぇ!!

 

「ゆ、友希那? それに紗夜もいつから来てたの……?」

「湊さんが先程言った通り、5分30秒前に私達は来てました。それから受付ですが念の為に私の方でしておきましたので」

「だいたいリサ? あなた自分で受付は任せとけって言ってたわよね?」

「い、いやぁ~……」

「まぁまぁ友希那ちゃんも紗夜ちゃんもそれくらいに…ね?」

 

遅刻云々のやり取りを止めたのは、

受付のお姉さんでした……

 

「今日はRoseliaのみんなにも観て欲しいスペシャルゲストが来てるから♪」

「「「「「スペシャルゲスト?」」」」」

 

スペシャルゲスト……?

お姉さんの表情を見る限りだとよっぽど凄い人だと伺えます……

いったいどんな方なんでしょう?

 

「あら♪ 噂をすれば何とやらね。友希那ちゃんは特に驚くんじゃないかしら?」

 

お姉さんがスペシャルゲストさんを見つけたようです。

という事は友希那さんの知り合いなんでしょうか?

するとショルダーキーボードを携えた人影がこっちにやってきました。

人影が近づくと涼香ちゃんが……

 

 

「あ♪ お兄ちゃーん♪」

 

…え? お兄ちゃん……?

涼香ちゃんがそんな風に呼ぶ人は私達が知ってる中では1人しかいない。

もしかしてスペシャルゲストって……

そして人影の正体は私の予想通り……

 

「もぅ……涼香? 急に抱きついたら危ないでしょ?」

「えへへ♪ お兄ちゃんー♪」

 

水無月悠里さんでした……

悠里さんは涼香ちゃんを抱きとめると、

いつものように頭を撫で始めました。

 

「「ゆ、悠里!?」」

 

次に真っ先に声を上げたのは、

友希那さんとリサさんでした。

紗夜さん、燐子さん、あこさんも驚愕の表情をしていました……

えっ!? ど、どういう事なんでしょうか!?

とりあえず私は悠里さんに近づき……

 

「あ、あの…悠里さん、友希那さんとリサさんと知り合いなんですか?」

 

少し小声で聞くと、

悠里さんの口から……

 

 

「うん。友希那ちゃんとリサちゃんとは幼馴染みだよ?」

 

 

とんでもない事を聞いてしまいました。

ナニガドウナッテルノォォォ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回に続きます。
バンドリの『Roselia』のキャラを出したのは、
この小説の話の内容を少し合わせるのと近いうちにバンドリの小説を連載しようと思ってたからです。
どうかこれからもよろしくお願いします。


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第142話 幻のアイドル再臨

ゆるポメラです。
あ、暑い……(気温的な意味で)
前回の続きになります。
演奏の描写とか上手く表現できてればいいんですが……
自分なりに頑張ってみました。
楽しんでいただけると嬉しいです。
視点は花陽ちゃんになります。

それではどうぞ。



こ、こんばんは……

小泉花陽です。

ライブハウスでバンドのライブを観に来たんですが、

そこでRoseliaの方々と会ったんです!!

その後に悠里さんが来てRoseliaの方々と知り合いという事が判明したんです!!

しかもボーカルの友希那さんとリサさんとは幼馴染みという事実!!

…って私は誰に向かって説明シテルノォォォ!!?

 

「ところで悠里くん。準備は終わったの?」

 

そう聞いてきたのは受付のお姉さんでした。

その言葉を聞いた悠里さんは涼香ちゃんを下ろすと……

 

「…はい♪」

 

あれ……?

悠里さんってこんなに明るかったかな……?

なんというか学校で見る時よりも明るいような……

 

「さてそろそろ開始時間だけど……ってその前にRoseliaのみんなを何とかしないと」

「「えっ?」」

 

私と悠里さんが疑問の声を上げると、

お姉さんはあれを見てみなさいと指をさしました。

そこには驚愕の表情をしたまま突っ立っているRoseliaの皆さんが……

 

「はいじゃあ悠里くん♪ お願いね?」

「なんで僕なんですか?」

「それはまぁ悠里くんがここにいるからじゃない?」

「…はいはい、分かりました……」

 

やれやれと溜息をしながらも

悠里さんが近くにいた友希那さんに近づき……

 

「友希那ちゃーん、そろそろ開始時間だってー」

「…………はっ!! そ、そうね…みんな。急ぐわよ」

 

友希那さんの掛け声で落ち着いたのか、

他の皆さんもステージに向かう通路に向かいました。

 

「頑張ってねー」

 

悠里さんがそう言った瞬間……

 

「って違うわよ!! 悠里も一緒に行くの!!」

「ぼ、僕も? いや…僕は後から行くから……」

「とりあえずアタシも友希那も悠里にいくつか聞きたい事があるから……ね?」

 

友希那さんとリサさんに両腕をガッチリ掴まれ、

一緒に連行されてしましました……

あ、あわわ……お二人の目が一瞬だけ怖かったです……

 

「かよちん、凛達も受付を済ませた方がいいんじゃないかにゃ?」

「あ、そ…そうだよね? すみません、この抽選券を使いたいんですが……」

 

凛ちゃんの一言で思い出しました!

そういえば私達も受付を済ませてませんでした……

元はと言えば凛ちゃんが燐子さんとぶつかったからなんじゃ……?

でもそのお陰でRoseliaのメンバーにも会えたんですけど。

 

 

 

 

ーーライブ開始15分前ーー

 

 

 

「わぁ~人がたくさんいるよぉ~」

 

受付を済ませライブ会場に入ると、

涼香ちゃんの言う通り人がたくさんいました。

しかも熱気が凄いです……

 

「それにしても人が随分と多いわね。ここにいる人達って燐子さん達のバンドのファンなの?」

「多分そうじゃないかな? 私も来るのは初めてだから詳しくは分からないけど……」

 

私達がいる場所はステージの1番前です。

先程の話になるんですが受付のお姉さんが確保してくれたようなんです。

なんでも悠里さんが私達の為に予約してくれたとか……

感謝感激です!!

 

『只今よりRoseliaのライブを開始したいと思います』

 

そう思った時アナウンスが鳴りました。

しかもこの声……受付のお姉さんみたいですね……

そのアナウンスを聴いた瞬間、会場の人達はまだかまだかという声が

聞こえてきました。

するとRoseliaの皆さんが入場してきました。

 

(うわぁ…近くで見るとやっぱり凄いなぁ……)

 

そう思ったのはここにいる会場の人達もでした。

現に盛り上がりが凄いです……

そして友希那さんがマイクを手に取り……

 

「それでは聴いてください『BLACK SHOUT』」

 

それを合図に演奏が始まりました。

聴いてて引き込まれる感覚になった……

凛ちゃんや真姫ちゃんも魅入ったように演奏を聴いてる。

そして気づけばあっという間に演奏は終わってしまいました……

 

「…ありがとうございました」

 

演奏が終わった後だというのにも関わらず、

観客の盛り上がりは凄かったです……

バンド初めて生で観たけどまた聴いてみたいなぁ……

 

「おい。Roseliaのメンバー全員がステージから降りたぞ?」

「退場口ってあっちの筈だよな?」

 

そう思ってた矢先、

Roseliaの皆さんが私達のいる場所まで降りてきたんです。

観客の人達も今の行動には疑問を抱いていました……

 

「…隣いいかしら?」

「は、はいぃぃ……」

 

な、なんという事でしょう!!?

友希那さんに隣いいですかと話しかけられてしまいましたぁ!?

つい反射的に返事をしてしまいましたけど……

 

『えーそれでは只今からミラクルライブを開始したいと思います♪』

 

アナウンスが鳴り会場はざわざわとなりました。

 

「ミラクルライブってなんだ?」

「Roseliaの演奏の後に誰かいたか?」

「いや…いない筈だぞ?」

 

後ろにいた観客の人が話していたのが気になった私は、

バンド出演者のパンフレットを取り出し確認しましたが、

確かにRoseliaの後には誰もいません……

 

『今日来た観客の皆さんは超ラッキー! 常連のお客さんやバンド出演者は存在を知っていても過言じゃないでしょう!! 何せ皆さんが今からお目にかかるのはアイドル界では幻のアイドル、そして音楽界では幻の歌姫(ファントムディーヴァ)、またの名を……ソプラノ二重奏(デュオ)の演奏が今から聴けるぞー!!!』

 

アナウンスの説明が終わると、

会場が驚きに包まれました。

 

「うぉおおお!! マジか!!?」

「12年振りに歌が聴けるぞー!!」

「奇跡、奇跡だー!!!」

「Roseliaの演奏だけでも最高なのにソプラノ二重奏(デュオ)の歌が聴けるなんて俺いつ死んでもいいー!!!」

 

す、凄いです……

噂には聞いていましたが悠里さんの人気ってここまで人気あるんですか?

そういえばμ'sがアメリカでライブをした時なんですが悠里さんのライブが密かに公演された事があったと真姫ちゃんから聞きました。

その時に悠里さんのライブを間近で観たのは真姫ちゃんだけのようです……

 

『それではー……どうぞ!!!』

 

ステージの足元から煙が一気に噴射され姿を現したのは、

黒い衣装に蒼い造花のヘッドドレスを付け、更に愛用の楽器と思われる

ショルダーキーボードを携えた悠里さんがそこにいました……

その姿を目の当たりにした観客の反応は……

 

「ほ、本物だー!!!」

「使い込んであるショルダーキーボードと一度見たら忘れない衣装!! 極めつけは左耳に着けてある三日月型のピアス!! やべぇ……本物のソプラノ二重奏(デュオ)だー!!!」

 

凄く興奮しています。

悠里さんが幻のアイドルだと判明した際に、

にこちゃんが……

 

『幻のアイドルの歌を間近で聴いた人は一生記憶に残るらしいわ』

 

って言ってたのを思い出しました。

しかもこれも噂なんですが純粋に音楽やアイドルが好きな人には、

悠里さんの秘密が分かるそうなんです……

 

「…では拙い歌ですが聴いてください『MOON ABYSS』」

 

一度深呼吸をしショルダーキーボードを構え、

悠里さんの演奏が始まりました。

 

(綺麗……)

 

その歌声は悠里さん本人の筈なのに()()()()が聴こえてくる……

キーボードの音も歌声に見事なくらいシンクロしていて何処かの世界に連れてかれるような感覚……

周りの反応も盛り上がるというよりは()()()()()()()()感じでした。

 

(あ、あれ……? 今…悠里さんの背後に何かが……)

 

一瞬、ほんの一瞬ですが悠里さんの背後に()()が視えました。

今のは気のせい…なんでしょうか?

 

「…ありがとうございました」

 

そう思ったのも束の間、

演奏が終わってしまいました……

 

「それではまた…いつの日か……ハバナイスデイ」

 

指を鳴らしながらその言葉を呟くと、

会場がこれほどかというほど暗くなり灯りが戻った時には、

ステージに悠里さんの姿はありませんでした……

 

 

『それでは本日のライブはこれにて終了になります』

 

 

受付のお姉さんのアナウンスだけが、

その場を支配していました……

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
すみません、あと1話だけ続きます……(土下座)
前回よりも文字数が短くなってしまったような……(お、おかしいなぁ?)
こんな調子ではありますが、
よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。




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第143話 ファミレスに行く事になった

ゆるポメラです。
前回の続きになります。
視点は今回も花陽ちゃんです。
少し短いかもしれませんが楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


こ、こんばんは……

小泉花陽です。

突然なんですが私達はファミレスに来ています。

実をいうとRoseliaの皆さんも一緒なんです……

 

「認められないわぁ‼」

「「あははははっ‼」」

 

凜ちゃんが絵里ちゃんの物真似をする。

それを見て大笑いするリサさんとあこさん。

隣では真姫ちゃんが溜息を吐き、燐子さんはニコニコと笑っています。

 

(どうしてこんな事になったんだっけ…?)

 

あ、思い出しました。

確かライブハウスを出る時に…

 

 

ーー遡る事1時間前…ーー

 

 

ライブハウスを出た私達は悠里さんを待ってました。

涼香ちゃんが悠里さんが来るまで待ってると言い出したからです。

 

「あ、悠里さんだにゃ!」

「燐子さん達も一緒ね…」

 

凜ちゃんと真姫ちゃんが見つけたようです。よく見ると悠里さんだけじゃなくRoseliaの皆さんも一緒でした。

なんか遠目から見ても雰囲気が凄いです……

 

「お兄ちゃーん♪」

 

涼香ちゃんは悠里さんを見つけるなり走っていきました。飛びついてくるのを予想してたのか悠里さんは既に抱きとめる態勢に入っていました。

 

「にへ~♪」

 

悠里さんに頭を撫でられてる涼香ちゃんはかなりご機嫌みたいです。なんか小動物みたいで可愛いです♪

 

「「「「「か、可愛い……///」」」」」

 

Roseliaの皆さんも涼香ちゃんの可愛さにやられていました。特に友希那さん、リサさん、紗夜さんの顔がこれでもかというくらい崩れてました……

例えるなら最近の穂乃果ちゃん達みたいでした。

お、恐るべしです……

 

「お兄ちゃん、お腹空いた‼」

「あれ? もしかして待っててくれたの?」

「えと…涼香ちゃんが悠里さんが来るまで待つと言いまして……」

 

私が簡単に説明すると、

悠里さんは苦笑いしながら……

 

「涼香? 花陽ちゃん達を困らせちゃダメでしょ?」

「違うもん‼ お兄ちゃんがちゃんと晩ご飯を食べるのか見張る為だもん‼」

 

頬をぷくっと膨らませながら涼香ちゃんは反論する。

あ、そういえば海未ちゃんが悠里さんの食生活に愚痴っていた気がします。

 

「「悠里…?」」

 

すると友希那さんとリサさんがドスの効いた声で悠里さんの肩に手を置きました。

あ…悠里さんの顔が青ざめてます。

 

「ねぇ悠里? 昨日は何を食べたの?」

「昨日は…た、食べ……」

「私とリサの目を見て白状しなさい」

「お兄ちゃん昨日は何も食べてないよ‼ 私知ってるもん‼」

「ちょっ…涼香!? あっ………」

 

まさかの身内に暴露された悠里さん。

それを聞いた友希那さん、リサさんは……

 

「友希那ー、これはね……」

「そうね。少し説教ね。紗夜、悪いけど先にファミレスに行っててもらえないかしら?」

「分かりました、私の分もお願いしますね?」

「えっ!? 紗夜ちゃん助けてくれないの!?」

「今回ばかりは湊さん側です」

「…燐子ちゃーん」

「えっと…ゆうりくん…ごめんね?」

「…あこちゃーん」

「友希那さんとリサ姉が怖いから無理」

 

紗夜さん、燐子さん、あこさんにも助けを求めた悠里さんでしたがバッサリと断られてしまいました。

そして観念したのか悠里さんは友希那さんとリサさんに連行されてしまいました……

 

 

 

ーーそして現在……ーー

 

 

 

 

…とまあこんな感じですね。

私達がファミレスに着いた10分くらいに悠里さん、友希那さん、リサさんが戻ってきました。

なんか悠里さん…凄く疲れた顔してましたが……

私達2年生はRoseliaの皆さんに自己紹介をした後、悠里さんとの関係を訊きました。

 

友希那さんとリサさんとは幼馴染み。

 

 

紗夜さんとは悠里さん行きつけの楽器店で知り合い、気の合う友人に。

 

 

燐子さんとは小さい頃にピアノコンクールで知り合った仲。真姫ちゃんも同じ理由で燐子さんと知り合ったそうです。

 

 

あこさんとはオンラインゲームでのオフ会で知り合ったそうです。しかも燐子さんも一緒だったとか……

 

 

以上の事をRoseliaの皆さんから聞いて私が思った事なんですが……

 

 

 

 

 

 

(悠里さんの知り合いが凄すぎです‼)

 

 

 

 

 

 

 

ひょっとしたら凄い人が他にもいたりするんじゃないかと思った花陽でした。

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
なんか終わらせ方が微妙な感じになってしまいましたが…(苦笑)
次回の更新は穂乃果ちゃんの誕生日の日になります。
その前にサンシャインの小説の千歌ちゃんの誕生日の話も執筆せねば…(焦り)
こんな調子ではありますが次回もよろしくお願いします。


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特別編 穂乃果の誕生日

ゆるポメラです。
穂乃果ちゃん、誕生日おめでとう。
もう8月になるのは早いもんです…
拙い内容ですが楽しんでいただけると嬉しいです。
穂乃果ちゃん視点になります。

それではどうぞ。



「ほのちゃん、そっちの書類終わった?」

「うん、今終わった」

 

穂乃果だよー。

今日は溜まっていた生徒会の仕事を片付けているんだー。

最初は1人でやろうと思ってたんだけど、

ゆうちゃんが手伝ってくれたんだー♪

 

「これで当分は生徒会の仕事はないの?」

「書類とかの類は当分ないよって、みーちゃんが言ってたけど……」

 

私がそう訊くと、

ゆうちゃんが紅茶を淹れながら答えた。

前から気になってたんだけど……

 

(何処から紅茶セットなんて持ってきたのかな?)

 

これは絵里ちゃん達が卒業して、

私達が3年生になったばかりの4月半ばの時かな?

放課後の生徒会の仕事が終わる度に、

ゆうちゃんがいつの間にか紅茶を淹れてるの。

初めてその光景を見た時に私の一言でちょっとした気まずい空気を作っちゃって……

あれは確か……

 

 

 

 

ーー回想・4月の半ばの放課後ーー

 

 

 

 

「あーん! 書類が多くて終わんないよー!!」

「それは私のセリフです!! どれだけ溜めてたんですか!!」

「うぅ……」

 

海未ちゃんに叱られながらも手を動かす私。

この時は1人じゃどうやっても今日の分は終わりそうにもなく、

ゆうちゃん、海未ちゃん、ことりちゃんに手伝ってとお願いした。

それでどのくらい溜めてたのかと海未ちゃんに訊かれ、

現物を見せたところ予想通りお叱りを受けました……

ゆうちゃんとことりちゃんも唖然としてたのは覚えてる。

 

「みーちゃん、残りの書類ってあとどれくらい?」

「今のが終わればやっと半分ってところです……」

「じゃあ残りは明日からコツコツやろ。こっちは何とか終わるから」

 

それから1時間くらいかな?

何とか半分までこぎつけた所で今日は終わりにしようってなった。

うぅ……溜め過ぎるとこうなるんだね……

 

「穂乃果ちゃん、お疲れ様♪ 今ゆーくんがお茶淹れてるからね?」

 

ことりちゃんが労いの言葉をかけてくれると同時に、

ゆうちゃんが紅茶セットを準備していた。

ことりちゃんは今日焼いてきたという新作のクッキーを用意していた……

 

「悠里君それ…何処から持って来たんですか?」

「…企業秘密」

 

海未ちゃんが疑問に思ったのか、

紅茶セットを何処から持って来たのかを

ゆうちゃんに訊いたところ秘密だと言われた。

 

「もしかして誰かからのプレゼントだったり?」

 

私が何気なく言ったら、

ゆうちゃんの手が一瞬だけ止まった。

そしてまた何事も無かったように作業を続けた。

 

「え? ゆーくん本当なの?」

「…企業秘密」

「悠里君、誰から貰ったんですか?」

「…プライバシー保護の為、黙秘権を行使させてもらいます」

 

ことりちゃんと海未ちゃんに訊かれても

頑なに言いたくない様子だった。

 

「えー!? ゆうちゃんのドケチ!!」

「…は? いや別にケチとかそんなんじゃないから……」

 

ここで私はやってはいけない事をやってしまった。

それは…ゆうちゃんを怒らせてしまった事。

この微妙に苛立ってる口調は怒る前兆だったりするんだ。

実は私……小さい頃に一度だけ、ゆうちゃんを怒らせてしまった事がある。

現に今も海未ちゃんとことりちゃんは震えていた。

そして私達3人はその場で緊急会議を始める。

 

「どうしよう!? ゆうちゃんを怒らせちゃったよ!?」

「あなたが悠里君にドケチとか言うからでしょう!?」

「それより…私達3人に原因があるような気が……」

 

ことりちゃんの言う通り、

どっちかと言うと私達3人に原因があるかもしれない。

そうと決まれば直ぐに謝らなきゃ!?

 

「…3人共そこでコソコソと何してるの? お茶淹れておいたよ」

「「「は、はい!!!」」」

 

後日3人で謝ったところ、

ゆうちゃんは別に怒ってなかったとの事。

逆に私達に気を悪くさせてゴメンねと謝ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……とまぁ、こんな感じかな?

それで私達3人の暗黙の了解として決めた事が

放課後の生徒会の仕事が終わった時に、

ゆうちゃんが紅茶を淹れてる間は何も訊かない事だった。

 

「すみません、遅れました」

「遅れてゴメンね~」

 

海未ちゃん、ことりちゃんが生徒会室に入って来た。

2人が遅れてきた理由が海未ちゃんが弓道部、ことりちゃんは日直の仕事を終わらせてきたからなんだ。

 

「みーちゃん、ことちゃん、お疲れ様。ちょうどお茶淹れたから座りなよ」

「は、はい……」

「急いで来たから、ことりも疲れちゃった……」

「…いや廊下は走っちゃダメでしょ?」

 

2人が座るのを確認すると、

ゆうちゃんは紅茶とチョココロネを私達の前に置いた。

この初めて見る組み合わせなんだろう?

 

「今日のお茶受けは大人気のパン屋さんで買ったチョココロネだよ」

「ゆーくん、目元にクマができてるけど……」

「…朝イチで買った。すぐに売り切れるから」

「もしかして悠里君……寝てないんですか?」

「今日合わせて5日は寝てな……コホン! ちゃんと寝たよ」

「「「ふーん……」」」

 

今の言葉を聞いた私達3人は、

ゆうちゃんを少しお説教する事に。

 

「あーそれと紅茶の方は、昨日知り合いが久しぶりに遊びに来て新しい紅茶の茶葉を貰ったから良ければどうぞって……ほのちゃん達どうしたの?」

 

私達の様子に気がついたのか、

ゆうちゃんは顔が真っ青になってる。

 

「ほのちゃん達? 目が怖いよ?…あれ? この空気ってもしかして説教される流れなのかな、かな? ただでさえ昨日も千聖ちゃんと花音ちゃんに同じ事で怒られちゃったのに……

 

後半あたりに小声で何か言ってた気がするけど今はいいや♪

 

「ゆーくん♪」

「悠里君♪」

「少し…穂乃果達3人と……オハナシしよっか♪」

 

 

ユウチャン……?

 

 

 

 

 

 

 

 

キョウトイウキョウハ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャントセツメイシテモラウカラネ♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
なんとかこちらも間に合って良かったです……(焦り)
次回も更新が早かったり遅かったりとあるかもしれませんが
よろしくお願いします。


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特別編 ことりの誕生日

ゆるポメラです。
ことりちゃん、誕生日おめでとう。
拙い内容ですが楽しんでいただけると嬉しいです。
ことりちゃん視点になります。

それではどうぞ。


「バイトの手伝いをして欲しい?」

「う、うん……」

 

南ことりです。

いつものお昼休み、屋上でゆーくんにお願いをしていました。

それは今日の放課後に私がバイトをしているメイド喫茶のお手伝いをお願いしていました。

 

「その…人手が少しでも欲しいって店長さんに頼まれて……」

「ふーん……」

 

本日7個めのシナモンロールを食べながら、

ゆーくんは考える仕草をしていました。

ほんとにシナモンロールが好きなんだね……

アハハ……

 

「ほのちゃん、みーちゃんには頼まなかったの?」

「2人にも訊いてみたんだけど、穂乃果ちゃんと海未ちゃんも空いてないんだって」

 

穂乃果ちゃんは生徒会の仕事。

海未ちゃんは弓道部に出なきゃいけないって言っていた。

その事を彼に話すと……

 

「そうなんだ? 分かった、僕でいいなら手伝うよ」

「ほんと!?」

「うん」

 

余りにも嬉しくて、

ゆーくんに抱きついちゃいました♪

せっかくだからお昼休みが終わるまで、

このままでいようかな~♪

 

「「あー!?」」

 

突然大きな声がしたので振り向くと、穂乃果ちゃんと海未ちゃんがいました。

…む~、もうちょっとだけこうしたかったのに~……

ちなみにゆーくんのお昼ご飯がまたシナモンロールだという事が分かった海未ちゃんは軽くお説教をし始めました。

 

 

 

 

 

ーーそして放課後、ことりのバイト先のメイド喫茶ーー

 

 

 

 

 

「…やっぱりこの執事服みたいなのを着るんだね?」

「ゆーくん似合ってるよ♪」

「…世辞でも受け取っておくよ」

 

お世辞じゃなくて本当に似合ってるんだけどなぁ……

実は私も執事服を着たゆーくんの顔を直視できません///

それだけじゃなく他の店員の女の子も……

 

「やだあの人凄くかっこいい///」

「ミナリンスキーさんの()()かしら?」

 

ゆーくんの執事服姿に見惚れてました。

それよりも…………か、かかか彼氏!?

ゆーくんがことりの彼氏…………

 

 

 

※ことりさんの妄想劇に暫しお付き合いください

 

 

『お帰りなさいませ♡ ご主人様……じゃなくて、あなた♡』

『ただいまー』

『お風呂にしますか? お食事にしますか? それとも…私にしますか?』

『じゃあ…ことちゃんで』

 

 

ふへへ~♡

それであわよくば、ゆーくんとあんな事やこんな事をされたり~……

や~ん♡ それで~それで~、壁ドンとかされながら『僕だけのメイドだけになってくれ』って言って欲しいなぁ~♡

 

「…ことちゃん?」

「ふへへ~♡ なあに~ご主人様ぁぁ……はっ!?」←我に返ることりちゃん

「大丈夫? 顔が凄く崩れてたけど……」

 

その言葉を聞いた私は、

厨房に一旦逃げ込みました……

さっきの事で恥ずかしくてたまったもんじゃないよぉ……///

 

 

(う~、いつも通り接客できるかなぁ? 恥ずかしいよぉ///)

 

 

いつもの感じでバイトが終わるか幸先が不安になった私でした。

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……(焦り)
えーと、次回の内容ですが今回の話の続きを執筆しようと
思っています。
俗に言う、誕生日回後編ですね。
あるキャラを出そうと思ってますのでお楽しみください。
次回も更新が遅かったりとあるかもしれませんが
よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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第144話 知り合いが来店してきたんだけど?

ゆるポメラです。
前回の予告通り、ことりちゃん誕生日回の続きになります。
あるキャラが出ます。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


どうも。

ことちゃんのバイト先で臨時バイトする事になった悠里です。

やー…去年も手伝ったけど大変だよ……主に精神的な意味で……

何故なら……

 

「すみませーん、注文いいですかー?」

「はい、ただいまー」

 

オーダーを受ける際にお客さんから何故か僕が指名されるからだ。

いや、別にイヤって訳じゃないよ? ただ1つだけ言わせてほしい……

ここってメイド喫茶の筈だよね!?

 

「確認させていただきます。カップルメニュー1つでお間違いないでしょうか?」

「あっ! 追加でコーラとアイスティーもお願いします」

「かしこまりました。 食前と食後どちらになさいますか?」

 

僕が今対応してるのは1組のカップルだ。

注文を受けたのは"カップルメニュー"だ…ていうかメイド喫茶ってこんなメニューもあるんだね……いや場所によってはあるのかもしれないが……

 

「ねぇ~、どっちにする~?」

「え~? 俺はどっちでもいいよ~♪」

 

そんな矢先イチャつき始めた目の前のカップル。

なんなの? この人達は見せつけたいの? リア充爆発しろ!!

あっ! ちなみに恋人的な意味でのリア充爆発しろって意味だからね?

 

「じゃあ食前でお願いします。」

「…かしこまりました。 少々お待ちください」

 

…さーて、とっとと厨房に行って頼まれた品を作ってもらわないと。

後ろでは再びイチャついてるカップルの声が聞こえた……

このゲロカスがっ!!

 

「注文入りました。"カップルメニュー"1つとコーラとアイスティーです」

「ゆーくん、怖い顔してるけどどうしたの?」

「なんでもないよ♪」

「え…で、でも……」

「なんでもないんだよ♪ なんでも♪」

 

ことちゃんに心配されたがそこはなんでもないと言い張った。

決して対応したカップルがウザかったからなんて口が裂けても言わない。

仮にもお客さんだからね?

 

(恋人かぁ……いいなぁ……)

 

ウザいと思いつつも反面は羨ましいと思ってたのも本音である。

でも僕は落ちこぼれだから彼女なんてできる訳ないし……どうせ高校を卒業したら死ぬ予定だから別に関係ないんだけどね?

あっ…違った……現在進行形で終活中だったわ僕。

 

「はぁ~……」

「ゆーくん? 疲れてるかもしれないけどあと少しがんばろ?」

「…ほんと、ことちゃんはいいお嫁さんになるよ」

「ぴぃ!? お、およ…お嫁さん!?」

 

ことちゃんの顔が突然真っ赤になった。

それはさておき、実際こうやって励ましてくれたりする女の子は将来いいお嫁さんになる……

ほのちゃん、みーちゃんだってそうだ。

彼女達が結婚するとしたら結婚祝いに何を送ろうかな?

 

「水無月君~、続けて悪いんだけど一番奥のテーブル席のお客様の注文に行ってもらってもいいかな?」

 

すると店長さんから頼まれた。

厨房にある各テーブル席の場所を確認する……随分と目立たない席だった……

 

「そこの席のオーダーが終わったら今日は上がって大丈夫だから」

「え…あ…はい……」

 

もしかして僕クビなの!?

いやそれ以前に僕は臨時バイトだから時間帯的にそんなんかな? かな?

まぁ店長さんが決める事なので僕はやるべき事をやる事にした……

 

 

 

 

指定された奥のテーブル席に向かうと話声が聞こえてきた。

 

「ここがメイド喫茶なんだ~…わ、私…こういう場所初めて…」

「思い切って入っちゃったけど……大丈夫かしら……?」

「儚い……」

 

声からして女子高生なんだろうか?

なんか儚いとか聞こえたんだけど……しかもなんか聞き覚えがのある声なんだけど……

まぁでも同じ声がする人間なんて数人くらいいるって話だし…僕も詳しく知らないけどさ?

そんな風に思ってました。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様。ご注文はうさgi……失礼。何になさいますか?」

 

その客の顔を見るまでは……

 

「おや? もしかして君…悠里じゃないか?」

 

某サーヴァント風に問わせていただきたい。

喫茶店の手伝いをしてる際に知り合いが来店したらどう対応するか?

『友達に頼まれて手伝ってる』と言えば問題ない……

だがもしメイド喫茶みたいな女の子が店員の店で尚且つそこに1人だけ場違いの執事服を着た男の子が手伝っていてそこに知り合いが来店したらどう対応するか?

僕が出した結論は……

 

「ゆ、ゆうり? WHAT!?ダレノコトデスカー?」

 

ことちゃんが以前やったように別キャラになって誤魔化す事だった。

だがしかし……

 

「えっと…悠里? 必死に誤魔化してるところ悪いけど……」

「バレバレ…だよ…?」

 

デスヨネー?

知り合いの前ではほぼ無意味だという事が分かった。

…自分でも分かってたけど。

じゃあなんで無意味なのにやったのかって? 察してください……

 

 

 

簡単に事情を説明中……

 

 

 

「なるほど。臨時バイトという事か」

「簡単に言うとね?」

 

知り合いの3人の女の子……瀬田薫(せたかおる)ちゃん、白鷺千聖(しらさぎちさと)ちゃん、松原花音(まつばらかのん)ちゃんに説明した。

 

「…まぁ3人の注文を受ければ僕は上がりっぽいから」

「そうなの?」

「あくまで僕は臨時バイトだから。ところで注文は何にする?」

 

3人は"日替わりケーキ"と"紅茶"にすると言った。

ちなみに千聖ちゃんがバイトが終わるなら一緒にどう?と提案してきた。

せっかくなので終わったらまた戻るねと言っておいた。

 

「注文入りました。"日替わりケーキ"と紅茶が3つです」

「はい了解。じゃあ水無月君は上がっていいよ? 今日は手伝ってくれてありがとね?」

 

厨房に戻り注文の品を伝えると店長さんに上がっていいと言われた。

 

「いえ。さっきのお客様なんですが僕の知り合いだったので、お会計は僕の方で払っておきたいんですけど……」

 

それを聞いた店長さんは、

今日手伝ってくれたお礼の1つとして好きな品を頼んでいいと言った。

流石にそれは悪いと思い断ったが遠慮しなくていいと言われた……

なので"フルーツケーキ"と"紅茶"をお願いしました。

 

 

 

 

執事服から学校の制服に着替え終えた僕は、

千聖ちゃん達が待つテーブル席に戻る事にした。

 

「あぁ…儚い……」

「…ねぇ、()()()()()?…()()()()()、どしたの?」

「その前に…その呼び名は恥ずかしいから…その……や、やめてくれない?」

「私も恥ずかしいから…そのやめてくれないか?」

「ごめん、つい癖で」

 

さっきの呼び名は千聖ちゃんと薫ちゃんの事である。

簡単に説明すると2人とは幼馴染みである。

 

「うわぁ~…可愛い呼び名だね~♪」

 

花音ちゃんは相変わらずおっとりしてるなぁ……

ちなみに花音ちゃんとは小学3年くらいの夏に僕の行きつけの水族館で出会って、そこから仲良くなった。好きな生き物はクラゲだそうです。

ちなみに水族館で花音ちゃんは七不思議の1つ扱いされてる……理由は夏になると毎回クラゲコーナーにいるので常連客が『海の妖精だ!!』と崇めてたらしい。

当然、当の本人は知らない……

この事を知ってるのは僕とティアちゃんだけである。

 

「それにしても珍しいね? 3人がこういうところに来るなんて……」

「最初は私と花音で喫茶店に行く予定だったんだけど……ほら私と花音ってアレじゃない?」

「あー…なんとなくその後の展開が読めたよ」

 

つまり纏めるとこうだ。

実は千聖ちゃんと花音ちゃんは遠出に向かないのである。

何故なら千聖ちゃんは電車の乗り継ぎが苦手で花音ちゃんは方向音痴だからだ……

困っていたところに薫ちゃんが手助けしたという感じだろう……

 

(ちーちゃん…相変わらず電車の乗り継ぎ慣れてないんだね……)

 

「…あれ? というか薫ちゃんは元々どこか行く予定だったの?」

「いや? 私は元からここに来る予定だったが?」

「「は?」」

 

キリッとした表情をしながら何事もなかったように答える薫ちゃんに、

僕と千聖ちゃんは声がハモってしまった……

 

「おっと、付け加えるなら知り合いに一度行ってみるといいよと勧められたんだ。しかしまさか千聖や花音だけじゃなく悠里にも会えるとは思わなかったよ」

 

何だろう……かおちゃんにメイド喫茶を勧める人物なんて該当する人物が1人しか浮かばないんだけど……

 

「…その知り合いって"特大パフェ"がどうとか言ってた?」

「ん? あぁ。少し大きかったけど美味しくて2つも食べたと聞いたよ」

「薫? 念の為に確認するけどマイペースな知り合いかしら?」

「聞くまででもないだろう? 悠里と千聖なら察しがついてるんじゃないかい?」

 

はい大当たり……

つまりその人物とは……

 

「「ルーちゃん……」」

 

そう。ルーちゃんである。

千聖ちゃんもルーちゃんの特大パフェ伝説は知ってるので大方の予想はついていたようだ……

 

「そういえば悠里…瑠菜から聞いたぞ? ここ最近何も食べてないそうじゃないか」

「え、えーと…それは…その……」

「「ふーん……」」

 

薫ちゃんの思わぬ発言によって千聖ちゃんと花音ちゃんの目つきが変わった気がする……おかしいなぁ? あと背中辺りから氷のような視線を感じるんだけど……

何も食べてなかったんじゃない…ホントは食べてたんだよ!?

…たまにだけど……

 

「ゆーくん? ちなみに最近は何を食べてたの~?」

 

更に聞き覚えのある声……

おかしい…今ここには僕以外だと薫ちゃん、千聖ちゃん、花音ちゃんの3人の筈だ……

待て待て!? 彼女は厨房にいる筈だ……

 

「ちゃんと答えないと…おやつにしちゃうぞ~?」

 

メイド姿の黒い天使がいつの間にやら降臨されていた……

普段はニコニコしているが怒らせるとたまったもんじゃない……

 

「ご注文の品をお持ちしました~♪ ゆーくん? もう1回訊くね? 最近は何を食べてたのかな?」

 

もう流石に正直に言わないと説教喰らう流れになりそうだよ……

それは勘弁願いたいので……

 

 

「キャットフードだけど(ドヤッ!!)」

 

よし! これで説教という惨劇から回避できru……

 

 

「「「「ばかぁー!!!」」」」」

 

 

メイド喫茶に4つの怒号が響きました。

えっ…? 僕…悪くないよね?

この後4人にめちゃくちゃ怒られました……

げ、解せぬ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も投稿が遅れる事があると思いますがよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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第145話 5月31日

ゆるポメラです。
今回は非現実要素がほんの少し入ります。
とあるゲストさん2人?が出てきます。
更に悠里の秘密がちょっとだけ出ます。
ちなみに今回の話は別にスルーしても構いません。

※タグにも書いておりますが、最終章は『非現実要素』がありますので、それが苦手な方はブラウザバックしてください。
ちゃんとそれを守れる方のみ、お読みください。

それではどうぞ。



「はぁ…」

 

ことちゃんと3人の知り合いからの手痛い説教から

解放された僕は自宅に向かっていた……

 

「今日の夕飯…何にしようかな? それ以前に材料の蓄えとかあったかな……」

 

最後に買い物したのはいつだったかなと考えながら

歩いていると、川沿いに何か黒い物体が視えた……

 

(アレ…なんだろ?)

 

気になった僕は川沿いに降りてみる事に。

だって気になって仕方ないんだもん……

 

「確か、この辺に……」

「に"ゃ~」

「…猫?」

 

目の前に黒い猫がいた。

もしかしてさっきの黒い物体は、この猫だったんじゃないだろうか?

遠目からで実際に分からなかった訳だし……

それにしてもこの猫… 尻尾に蒼いリボンを付けてるって事は誰かの飼い猫なのかな……

 

「にゃ~」

 

猫は僕を見つめた後、足元に擦り寄って来た。

 

(なんか食べ物…持ってたっけ?)

 

お腹が空いてるのかもと思った僕は、

その場にしゃがみ込み自分の鞄の中を漁る事に……

 

「…確か、この辺にキャットフードとめざしが……あった」

 

非常食用のキャットフードとめざしを見つけ、

食べやすいように細かく砕く……

餌を乗せる皿がないのでノートの1ページを破り折り紙の要領で簡易用の皿をその場で作り、餌を乗せる……

 

「…こんなものしかないけど」

「にゃあ~」

 

猫は尻尾を振りながら餌を食べ始めた。

今気づいたがどうやらこの猫は老描のようだ……

その証拠に食べる仕草がゆっくりな為である。

 

「…それにしても君って奇跡の魔女にそっくりだよね? 僕の気のせいかもしれないけどさ……」

 

撫でながら呟く僕。

何せ見た目がどこぞの奇跡の魔女と似てたからである……

実際のところ、あちらも正体が黒猫で尻尾に蒼いリボンを付けているという特徴がある…まぁ流石に、この猫は偶然かもしれないが……

 

「よっこいしょっと……」

 

しゃがみ続けるのも疲れるので、

その場に座りこむ事にした。

現在5月31日の18時……聴こえるのは部活帰りの学生の声と車の走る音だけ……

それ以外に聴こえるとしたら……

 

「にゃあ~」

 

餌を食べ終え僕におかわりを要求する猫くらいだ。

しかしこの猫はよく食べるなぁ……

相当お腹が空いていたんだろうか? それ以前になんか懐かれてる気がする。猫は基本的に気紛れな生き物の筈だけど……

 

(…ま、気にする程じゃないんだけどね)

 

家に帰ったら小説でも書こうかな……

小説を書いていると言っても二次創作だけどね?

自分が作ったキャラをどうやって原作に介入させるのかが難し過ぎるけど、楽しみの1つとして趣味で書いている。

ちなみに1話ごと完成させる度に妹の涼香に……

 

『お兄ちゃん、早く読んで』

 

と…せがんでくるので執筆する側としては少し恥ずかしかったりする。

何せ自分で書いたやつを妹に朗読するからだ……

 

「さてと……」

 

そろそろ帰ろうかなと思い、

その場を立った瞬間、ある違和感を感じた。

それは……

 

(時が止まってる?)

 

突如として何の音も聴こえなくなったのだ。

さっきまで目の前で流れていた川の流れが()()()()したかのように止まったのだ……

ここから視える人すらも動きが停止していた。

 

「にゃあ~」

 

ただ唯一、動いてるのがいた。

それは僕が餌をあげた猫だった……

 

 

「我が巫女よ、そこで何をしている」

 

 

声がしたのと同時に目の前の空間が割れた。

いや、そう説明するしかなかった……

そして割れた空間から不思議な巫女服を着た女性が現れた。

女性を見た僕は少し驚愕した。何故ならその人物は本来なら空想上の人物なのだから……

 

「私が何をしようが勝手でしょ?」

 

今度は猫が喋り出した。

すると猫は光だし徐々に人の姿を形成していく……

その正体は今月の半ば辺りに1度だけ逢った奇跡の魔女ベルンカステルだった。

 

「その割には随分と嬉しそうに見えたが?」

「…チッ!! あんたがこの世界(カケラ)を観測するなんてどういうつもり? フェザリーヌ・アウアウローラ」

「…アウグストゥス・アウローラと何度も言っておろう」

 

溜息を吐きながら自身の名前を訂正する女性…いや魔女なんだが……

 

「ほう…人の子よ……私を見ても驚かないのか?」

「…そこまでは驚かないですね。まぁ驚いたは驚きましたが……」

 

ぶっちゃけ言うとこれが僕の正直な感想だ。

終活中に空想上の人物に逢えるとは思ってもいなかったし……

しかも相手は"尊厳なる観劇と戯曲と傍観の魔女"と来たもんだ。

世の中何が起こるか分かったもんじゃないね……

 

「…その大アウローラ卿が僕に何か御用ですか? それとも彼女に御用で?」

 

流石に言葉には気をつけないと殺されるし……

フェザリーヌは"物語の書き手"でもあるから、その気になれば僕を殺す事だって簡単だろう……

もしも予想が合ってるならだけどね……

 

「そう身構えずともよい。私と同じ()()()()()()に少々いくつか訊きたいと思ってな……」

 

僕がフェザリーヌと同じ物語の書き手?

いきなり何を言い出すんだか……アレ? 意外とフェザリーヌって超パァな魔女なの?

…そうだったらなんかやだな。 ミステリアスな17歳魔女だと思ったのに……

 

「…僕の答えられる範囲でいいなら」

 

そう答えるとフェザリーヌは指を一振りした。

すると突如テーブルと椅子が目の前に現れた……

これが魔法かー……

 

「立ち話もなんだ。座るとよい」

「…では失礼して」

「猫よ、そなたも突っ立ってないで座るとよかろう」

「……チッ!!」

 

舌打ちしながら椅子に座るベルンカステル。

確かこの2人って仲が凄く悪いらしいけど……どうやら本当のようだ。

と言ってもベルンカステルがフェザリーヌの事を嫌ってるの間違いだが……

そんな事を考えていたら紅茶が現れた。

 

「…あ、この紅茶美味しい」

「気に入ってもらえたら何よりだ♪」

…ったく、相変わらず紅茶の趣味だけは認めざるをえないわね

 

それにしてもほんとに時が止まってるだなぁ……

実際にスマホの時計の秒数までが止まっちゃてる訳だし……

魔女ってやっぱり凄いなー

 

「…で? 悠里があんたと同じ物語の書き手ってどういう事かしら?」

「猫よ、そんなに急く事もなかろう」

 

それにしても奇跡の魔女と観劇の魔女のやり取りを生で見れるなんて、

人生の幸運をいくつ使ったんだろうね?

魔女のお茶会に誘われるのを含めてもだが……

 

「私だって暇じゃないんだけど?」

「…ほう? 何か楽しみでもあるというのか?」

「少なくともアウアウ、あんたには関係ない事よ」

「どうせ穹とイチャイチャするのであろう?」

「あ、あんた……それ何処から聞いたのよ!!」

「羅奈からだが?」

「あの風船女ァァァッ!!!」

 

なんか僕……凄く空気な気がするが気にしてはいない。

あっちにも色々と事情があるのだろう……

僕みたいなニンゲン如きが突っ込む事でもないし……

 

「っとすまぬな。そなたを放置してしまって」

「…いえ、気にしないでください。それで僕が物語の書き手というのは?」

 

僕が訊くとフェザリーヌは、

1冊の本を取り出し目の前に差し出してきた。

 

「あんたそれ…穹の物語の一部じゃない……無断で持ち出したんじゃないでしょうね?」

「心配するな。ちゃんと穹には許可をもらっている」

「…あの、読ませてもらっても?」

「うむ。ちゃんと借りた本人からも許可はもらってある」

「では失礼して……」

 

本の目次まで捲る……

どうやらこの本はクロスオーバー系の物語らしい。

簡単な説明をしとくとクロスオーバーとは異なるアニメを別のアニメの世界観にぶち込んだ、お祭り系で合ってたかな…? まぁ人によって好みがあるから何とも言えないけど……

 

(…あれ? この主人公とヒロイン…それにこの文章……まさか……)

 

少し気になった僕は、

鞄の中に入っている『二次創作小説設定』と書かれたノートを取り出す。

何故こんなものを持っているのかというと、物語の設定や主人公やヒロインの関係また、こんな恋愛がしてみたいという僕の妄想系が入った……簡単に言ってしまえば黒歴史ノートみたいなやつである。

そして先程フェザリーヌから渡された本の人物の中に聞き覚えのある名前を発見したのだ……

 

「…それでこの本が何か?」

 

敢えて問いかけてみる。

なんでそうしたかって? その方が面白いと思ったからだ……

 

「私はいくつもの物語を書いたり観劇したりしたのだが、その本の物語は中々に興味深い。推理小説でもないのに書き手は何を思って書いたのかが気になって何度も読んだものだ……」

 

確かフェザリーヌって退屈に1分1秒にも耐えられないんじゃなかった気がする。

その大魔女様が興味深いと言ってくれるというのは何ともね……

 

「あんた、悠里に対して何が言いたいわけ?」

「巫女よ… あの物語の書き手が誰だが分かるか?」

「逆に訊くけど、あんたは分かるわけ? アウアウローラ」

「そなたが初めてこの世界(カケラ)に散歩しに来た事を聞かされた時に私は確信に変わったがな……」

 

そこまで説明したフェザリーヌは、

とあるページを開く……それは『登場人物』だった。

そしてある2人の人物を指差し僕の目を見て……

 

柚深月穹(ゆみつきそら)緋未月羅奈(ひみつきラナ)の2人を生み出したのは……悠里、そなたなのであろう?」

 

そう言った。

はぁ…バレちゃったか……

 

「参考に何故分かったか訊いても?」

「1つめは穹と羅奈の過去に、そなたを示唆する文章を見つけた」

「他には?」

「2つ、名字か名前に"月"という字があった」

「…他には?」

「これが一番の極めつけだが、そなたの妹が登場している事だ」

 

なんかまるでクイズの答え合わせをしてるみたいだなぁ……

でもまぁ…悪くはないかな。

 

「悠里が……穹と羅奈の生みの親」

「猫よ、正確には創造して生み出された1人の登場人物だ。穹と羅奈も言ってたであろう? 創造主は一体どんな想いで自分達を生み出したのかと……」

 

魔女達の世界での2人はそんな想いをしてたのか……

僕が何を想って2人を生み出したのか…か……

 

「貴女方が僕に訊きたいのは穹と羅奈を生み出した事……ですか?」

「そうだ。こればかりは物語の書き手で創造主であるそなたに訊くしかないのでな。答えたくないなら別に無理に言わなくてもよい」

 

別に隠す事じゃないと思った僕は……

 

「多分…僕のワガママかもしれません」

「「ワガママ?」」

 

意外な答えだったのか2人の大魔女は綺麗にハモった。

その光景に苦笑いしつつも話の続きをする……

 

「…貴女達2人ならご存知でしょう? これから僕に起こり得る運命に。僕は世間からは落ちこぼれという存在です。今は友人のお陰で()()()()()()()いますが、死にかけ状態という事には変わりありません…… だから小さい頃からやりたかった事をやる事にしました。」

 

「それが物語を書こうと思ったきっかけ?」

 

「…うん。だけど物語を書くといっても()()()()という未来が確定してるから、長くは書けない。もし物語を書いてる途中で僕が死んだら、その物語はどうなると思う?」

 

「魔女の世界のルールで言うならば、物語の書き手が執筆中に死んだ場合、その物語は自動的に消滅……と言ったところか?」

 

赤き真実も生で拝めるものなんかラッキーだなぁ……

 

「仰る通りです。だから僕は穹と羅奈を生み出す際に特殊補正を与えました。それがそちらの世界で言う世界(カケラ)の旅です。穹と羅奈が誰にも縛られないように、書き手が死んでも行動を可能にさせた…という事です。それに2人には自由に生きて欲しいから……」

 

物語を初めて書く時に決めてた事……

それは自分が描いた登場人物を愛情を込めて生み出すこと。

バカバカしいと思われてもいい…自分がやりたかった事だから……

だから僕は2人を……穹と羅奈を生み出した。

 

「…これが僕が2人を生み出した理由ですね」

 

「なるほど……猫よ、帰るぞ? 早く帰って、この世界(カケラ)の結末を共に見ようぞ♪」

 

「全く…勝手過ぎる主ね……」

 

僕の答えが納得したのか、

2人の大魔女は割れた空間に入り込む……

 

「私達が去れば時間は再び動き出すから安心するがよい♪」

 

「は、はぁ……」

 

「もしそなたが魔女になった私は歓迎するぞ♪」

 

「アウアウ…あんた調子に乗るのもいい加減になさい。キムチを口にぶち込まれたくなかったら少し黙ってなさい」

 

僕が見たやり取りはこれが最後だった。

気がついた時には元に戻っていた……

スマホの時間を確認すると時刻は18時10分だった……

 

(さっきのは夢…だったのかな?)

 

そう思いつつ足元に目を向けて見ると、

何やら手紙らしきものが落ちていた。

封筒を開封して呼んでみると……

 

 

『キャットフードとめざしをくれてありがと。

 

 

 貴方は猫に好かれてるのね♪

 

 

それと食生活にキャットフードは程々になさい?

 

 

 貴方の幼馴染みに怒られるわよ

 

 

それから……穹と出逢う機会をくれてありがとね

 

 

 気が向いたらまた遊びに来るわ』

 

 

奇跡の魔女直筆の手紙だった。

…夢じゃなかったんだな、さっきの時間は……

手紙を鞄にしまい自宅に向かい歩き出す。

 

 

 

明日から6月……

 

 

 

 

 

 

最初の確定した未来が起こるまで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと1ヶ月……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
またやっちゃったZE☆
次回からタグに書いてある通り少しずつ非現実要素が
少しずつ入ります。
本日はありがとうございました。


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6月編 非日常、集う欠片達
第146話 6月1日


ゆるポメラです。
今回から6月編になります。
少し短いかもしれませんが楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


今日は6月1日……

個人的には雨が降る時期かなと決めつけている。

 

「…どうしよ?」

 

僕、水無月悠里は少し困っています。

一体何に困っているのかというと……

 

「早く起き過ぎた……ほんとにどうしよ?」

 

現在の時刻は5時30分。

いつもは7時30分に起きるのだが2時間も早く起きてしまったのだ……

二度寝しようと思ったけど完全に目が覚めてしまっているので、

こればかりはどうしようもない……

 

「…神田明神でも行こうかな、暇だし」

 

思い浮かんだら即行動みたいなノリで僕は、

黒を基調とした練習着に着替えてランニングがてら神田明神に向かって走った……

ちなみに家の戸締りはしたよ?

 

 

 

 

 

走って神田明神に着いたのはいいんだけど……

 

(…誰もいない)

 

そう…誰もいないのだ……

まぁ…いないならいないで別に構わないんだけどさ……

 

『あれ? ゆうり君?』

 

と思ってた矢先に花怜ちゃんが現れた。

 

「実は、かくかくしかじか……」

『まるまるうまうまね……私もたまにそういう事はあるよ』

 

幼馴染み同士しか分からないやり取りで事情を説明する。

慣れると便利だよね?

 

「今日から6月だね……」

『そうだけど……大丈夫なの?』

「…何が?」

 

すると花怜ちゃんは、

僕の首に付けてあるチョーカー型のペンダントを指さした。

…あぁ、そういう事ね……

 

「…1()2()()()だけなら流派を使って行動できるけど……」

『だよ…ね……』

 

実はこのチョーカー型ペンダントには、

起動スイッチが付いており、それをON状態にすると12分間だけ、本来の水無月流が使用可能になるのである……

どういう感じになるかというと"僕、人間ヤメマシター♪"みたいな状態になる。

ざっくりと説明するとだが……

 

『使う時が来ないといいね……』

「…それが一番なんだけどさ」

 

苦笑い気味に答える僕。

だいたい僕の嫌な予想は当たる事が多いから始末に負えないのである。

所詮、僕みたいな落ちこぼれには損な役割しか来ないのが現実なのだ……

 

『ねぇ、ゆうり君』

「…どしたの?」

『久しぶりに身体、動かさない?』

「…いいけど、花怜ちゃん動いて平気なの?」

『だいじょぶ♪ だいじょぶ♪』

 

そう言うと花怜ちゃんは地面に降り立ち準備運動を始めた。

彼女が言う、身体を動かさない?というのは俗に言う"模擬戦"である……

 

「…ルールはどうする?」

『うーん…… じゃあ、どっちかの攻撃が3回当たったら負けっていうのはどう?』

「…ま、僕も今日は学校だしそれでいいよ」

 

…というか、花怜ちゃんの三日月流もチートだからなぁ……

気を抜いたら即ゲームオーバーだもの。

 

『あー♪ それと……』

 

すると彼女の姿が消えたと同時に、

背中から鋭い殺気を感じた僕は咄嗟に避ける……

 

 

『本気で()らないと……怒るから』

 

 

不敵な笑みを浮かべながら花怜ちゃんは言った。

 

 

「…そんなの、お互い様でしょ?」

 

 

こうして久しぶりの少々過激な模擬戦を開始する僕達2人だった……

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますのでよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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第147話 プール掃除

ゆるポメラです。
今回はタイトル通りです……多分。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


「あ、暑い……」

「暑いにゃ~……」

「2人共、口じゃなく手を動かしてください! 終わらないですよ」

 

ほのちゃんと凛ちゃんが呟く。

手を止めては、みーちゃんが叱る…… この繰り返しである。

僕達は現在プール掃除をやっています。

しかも放課後にである……

どうしてこうなったかの経緯を説明すると……

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

花怜ちゃんとの殺伐した朝練を終え、

いつも通りに学校に着いて教室に入ると……

 

「あら、悠里くん♪ ちょうどよかった♪」

 

理事長である南先生がいらっしゃった。

 

「ちょっとお話があるから一緒に理事長室に来てくれないかしら?」

「は、はい……」

 

今じゃなきゃダメなんですか?と訊こうとしたができなかった。

何故なら南先生が怒っていたからだ……

これは経験則で分かる。僕の勘が従えと警告したからだ。

 

(えっ? 僕……何かした!?)

 

怒られるような事をした理由を必死に探しながら、

南先生に連れられ理事長室に連れて行かれた……

 

 

 

 

理事長室に入ると何故か

ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんもいた。

しかも3人……特に、みーちゃんが凄い眼で僕を睨んでるんだけど……

 

「さて。悠里くん? あなたが呼ばれた理由は分かるかしら?」

「…正直に言うと全くもって分かりません」

 

これは正直に答えた。

全くもって心当たりがないんだもの……

 

「あら♪ じゃあ…()()()()()()()って言えば分かるかしら?」

 

南先生が"キャットフード"という言葉を強調した瞬間、

ある考えがよぎった……

いやいやそんな筈はない!?

 

「その表情からすると図星のようね? 昨日ことりから聞かされた時は驚いたわよ? まさか最近の食生活がキャットフードだったなんて」

 

やっぱりことちゃんかぁ……

あれ? でも南先生にはバイトしてるの内緒だった筈だけど……

チクったと思われる張本人を横目で見るとそっぽを向かれた。

 

「最初は半信半疑だったけど、その後に知り合いから電話がきたのよ。そしたら昨日、()の友人はお元気ですか?って。その時にちょっと聞かされて確信に変わったのよ」

 

南先生の知り合いで尚且つ娘の友人?

少なくとも、ことちゃんではないのは確かである。

 

「まぁ…ぶっちゃけ言っちゃうと白鷺さんからだけどね♪」

 

少しドヤ顔気味に言う南先生。

っていうか、ちーちゃんの両親からかい!?

それよりなんで……

 

「私の友人の人脈を甘く見ちゃダメよ?」

「…絶対にバレないと思ったのに……」

 

アハハ……そうですよねー……僕、南先生の人脈とか甘く見てましたよ……

 

「それから本題だけどね? 今日の放課後にプール掃除をやってもらいたいの」

「…ちなみに理由を訊いても?」

「食生活をキチンとしなかった悠里くんにペナルティよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

────とまぁ…これがプール掃除をやる事になった理由である。

話が終わった後、ほのちゃん達に凄く怒られた……

それから凛ちゃん達2年生が手伝ってくれてる理由だが、率先して手伝ってくれたのだ。その後に生徒会の仕事を終えた、ほのちゃん達も手伝ってくれてるという状況です……

 

(…早く終わらせて、みんなにアイスでも買ってあげよう)

 

 

そう思いながら僕は、

デッキブラシを持ち再び掃除を再開した……

 

 

 

side海未

 

 

 

 

園田海未です。

私達は今プール掃除をやっています。

厳密には理事長が悠里君に出したペナルティのお手伝いという表現が正しいのですが……

 

「…やっぱり蛙とかヤゴがいるわね」

「それも何匹も……」

 

真姫と悠里君がプール床にいた蛙とヤゴを見て呟く。

それより真姫…さっきから思ったんですが悠里君にくっつき過ぎじゃないですか?

なにさり気に悠里君の体操着の裾を握って『私怖ーい』みたいなアピールしてんですか……?

 

「かよちん、用具室とかに水槽とかなかったかにゃ?」

「多分あった筈だと思うけど……」

「…じゃあ水槽に入れとこ? 後で僕が美味しく頂くから……」

「「食べちゃダメ!!」」

 

蛙とヤゴを食べると言い始めた悠里君を止める穂乃果とことり。

冗談で言ってるのかと思いましたが、最近までキャットフードを食べてた程らしいですし割と本気なんじゃないかと思いました……

 

「お兄ちゃ…じゃなかった……悠里さん、食生活はちゃんとしないと体壊しますよ?」

「…うん、まぁ…気を付けるよ……」

 

今また真姫の口から何か聞き捨てならないとても重要な事を聞いた気が……

穂乃果とことりも私と同じ事を思ってるみたいですね。

私達3人がそんな事を思ってると……

 

「なんか真姫ちゃん楽しそうだにゃー♪」

「うん。悠里さんと話してる時の真姫ちゃんってなんか楽しそうだよね♪」

「「「ふーん……」」」

 

凛と花陽の話を聞いてた私達は少し面白くないなと思いました。

 

「ねぇ…ことりちょっと気になる事があるんだけど……」

「なんですか? 急に……」

 

ことり曰く、

今から凛と花陽を含めた私達5人で用具室の道具を取りに行くという口実をつけて悠里君と真姫の様子をモニタリングすると言うのです……

 

「で、ですが…覗きなんて……」

「昼休みの時に、ゆーくんの事をストーキングしてる海未ちゃんが言っても説得力ないよ」

 

この淫乱トサカ頭を今この場で××して■■■でもしましょうかね?

それにストーキングなんて人聞きが悪いですね?

悠里君を見守っていたって言って欲しいですよ!! 全く……

 

「ゆーくん、ちょっと用具室に行って水槽とか取ってくるね?」

「あ…じゃあもし行くならバケツとかも持って来てもらってもいいかな?」

「うん♪ 分かった♪ みんな早く行こー?」

 

 

 

 

 

用具室に行き、

バケツと水槽を取った私達5人は

悠里君と真姫の様子をモニタリングしています。

 

「ゆうちゃんと真姫ちゃん、あんまり喋らないね?」

「黙々と作業をやってるにゃ……」

 

そりゃさっきまでデッキブラシでチャンバラごっこしてた貴女達とは違うに決まってるじゃないですか……

それにしても悠里君と真姫という組み合わせってなんか珍しいですね。

普段どんな事を話したりするんでしょうか?

 

「あ、あんまり長居すると真姫ちゃん達に怪しまれるんじゃ……」

 

花陽の言う通り、

あんまり長居すると2人が不審がってしまいます。

流石にもう2人のところに戻ろうとした時……

 

 

 

 

 

()()()()()……」

 

 

 

 

真姫が口にした言葉に私達(主に私と穂乃果とことり)は度肝を抜きました……

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
察しがいい方?もいるかもしれませんが、
まぁ…つまりはそういう事です。
次回は、この話の続きになります。
本日はありがとうございました。


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第148話 秘密な関係

ゆるポメラです。
久しぶりの投稿になります。
海未ちゃん視点になります。

それではどうぞ。



園田海未です。

私達はとんでもない光景を見てしまいました。

それは……

 

()()()()()……」

 

真姫が悠里君の事を"お兄ちゃん"と呼んだんです。

 

「ま、真姫ちゃんが……」

「ゆうちゃんの事を……」

「お、お兄ちゃんって言ったにゃ……!」

 

ことりと穂乃果、凛は開いた口が塞がらない状態になっていました。

正直に言うと私も同じでした……

 

「で、でも。も、もしかしたら私達の聞き間違いかもしれないよ?」

「そ、そうですよ。花陽が言ったように私達の聞き間違いですよ!」

「海未ちゃん……顔が怖いにゃ……」

 

そうです!!

今のは私の聞き間違いなんです!! 絶対そうなんです!!

私の聞き間違い!! 勘違い!! 空耳!!!

 

「ねぇ…お兄ちゃん……」

「…ん? どうしたの?」

 

……天は私を見放しました。

ことりと穂乃果を見ると血涙的なナニカを目から流していました。

おや? おかしいですね……私の涙はこんなに真っ赤だったでしょうか?

そんな事はどうでもいいんです!! 2人の会話を聞かなくては……

 

「どうして最近キャットフードばかり食べてたの?」

「…えっと、食材が底を尽きたってわけじゃないんだけど……いやでも、尽きたって言っていいのかな? まぁいいや。ざっくり言うと賞味期限が危なかったから食べてただけ」

「それ以前に美味しいの?」

「…僕は美味しいと思ってる」

 

なんでしょう……

聞いてて凄く悠里君が心配になってきました。

家に帰ったら、お母様とお父様に相談してみましょうか……

 

「あんまり無理だけはしないで? お兄ちゃんが倒れるなんて嫌だし……

「…心配してくれてありがと」

「な、撫でないで!! 私だって子供じゃないんだから///」

「ごめん。つい癖で」

「うう~///」

 

なんですか?

このクソ羨ましい光景は?

見ててあんまりいい気分じゃないですね……

 

「ゆうちゃんに……頭なでなで……羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい、ウラヤマシイ、ウラヤマシイ、ウラヤマシイ、ウラヤマシイ、ウラヤマシイ、ウラヤマシイ……

 

「…真姫ちゃん、ゆーくんに頭なでなでされて……ズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルい、コロシタイ、コロシタイ、コロシタイ、コロシタイ、コロシタイ、ことりのおやつ確定おやつ確定おやつ確定……

 

穂乃果、ことり?

気持ちは分からなくはないですが、少し自重してください。

凛と花陽が怯えてますよ?

ここはもう少し冷静に……

 

「ねぇ、お兄ちゃん……もう少しだけ隣に寄ってもいい?」

「うん、いい……」

「「「させるかぁぁー!!!」」」

「「えっ!?」」

 

前言撤回です。

私と穂乃果、ことりはモニタリングしてた事を忘れ、

すぐさま悠里君の元に走り出しました。

 

 

 

ーー数分後ーー

 

 

 

 

「「「「「ふ、2人だけの秘密!?」」」」」

「うん。一応そんな感じ?」

 

現在、私達は悠里君と真姫を尋mo……コホン!! 問い詰めています。

そして悠里君から返って来た返答が今の一言です。

 

「ていうか覗きなんて質が悪いわよ!! 凛と花陽まで!!」

「いや~……凛達なんて声をかけていいか分からなくて」

「ご、ごめんね真姫ちゃん……」

 

凛と花陽を説教している真姫を見て悠里君は苦笑い。

 

「それより!! ゆうちゃん!! "お兄ちゃん"って真姫ちゃんは何時から呼んでるの!?」

「そうだよ!! ちゃんと正直に答えないと、ことりがゆーくんをおやつにしちゃうよ!!」

 

ことり……どさくさに紛れて何言ってるんですか。

貴女の言ってる事は半分欲望ですよ。

 

「えっと…()()()()()()からだよ?」

「「「はぁ!?」」」

 

それって私達がスクールアイドルをしてた時期じゃないですか!!

 

「でもなんで真姫ちゃんは言わなかったんですか?」

「うーん……なんか2()()()()()()()にしたいって言ってたから、まぁ僕も別にいいかなと思って。よく昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたし……」

「「「ふーん……」」」

 

今の話を聞いた私と穂乃果とことりは真姫を見る。

なるほど、そういう事ですか……

昼休みの時に悠里君が時々いない日がありましたが真姫と食べてたんですね……

私とした事が迂闊でしたね。フフフフフフフフ……♪

 

「真姫?」

「な、何よ……」

「ちょっと2人でお話があります♪ あっ! 悠里君もですよ?」

「僕も? ちなみに真姫ちゃんと僕に拒否権は?」

「ありません♡」

 

 

まずは何から聞きましょうか♪

やっぱりどういう経緯でそうなったかですかね?

クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス♪

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
真姫ちゃんとの関係については、いつになるか分かりませんが、
別の作品で連載しようと思っています。
次回の投稿は海未ちゃんの誕生日になると思います。


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特別編 海未の誕生日

ゆるポメラです。
海未ちゃん、誕生日おめでとう。
今回の話は劇場版での出来事の内容になっています。
拙い内容かもしれませんが、楽しんでいただけると嬉しいです。

※これから先の本編でのちょっとしたネタバレ要素が入ります。

それではどうぞ。


「…暇だ」

 

どうも。水無月悠里です。

突然ですが、僕は海外のホテルにいます。

ちなみにアメリカ……あれ? ニューヨークだったかな……?

ま、そんな些細な事はどうでもいい。とにかく海外にいます。

簡単に説明すると、ほのちゃん達μ'sが海外でライブする事になったのです。

 

(自作ラノベも読み終わっちゃったし……何しようかな……?)

 

……で、今は各自、自由時間という訳だ。

ちなみに僕はロビーで自作ラノベを読んでいたところだった。

正確には、読み終わったが正しいけどね……

 

「隙アリです♪」

 

急にナニカによって視界が塞がれた。

てか、こんな事するのは大抵……

 

「……何してんのさ、みーちゃん」

 

みーちゃんである。

彼女は偶に……ほんとに偶にだが、お茶目な行動をする。

 

「ちょっとしたイタズラをしたくなっただけです♪」

「…そっか。ほのちゃん達と一緒じゃなかったの?」

「穂乃果達なら、お土産屋に行きましたよ」

「…みーちゃんは一緒に行かなかったの?」

「……行きたくないです。だったら悠里君と一緒にいた方が断然マシです」

「………………」

 

えーと……何故みーちゃんが拗ねてるのかと言うと、

実は着いて初日に迷子になってしまったのである。

簡単に説明すると、ほのちゃんが予め紙に書いておいたホテルとは違う場所に着いてしまった。原因は、ほのちゃんの英語のスペルミス。

なんとか無事にホテルに着いたが、みーちゃんが大泣きしてしまい、外には出たくないと言い出したのだ。

 

(…あ、そうだ……)

 

 

 

side海未

 

 

 

 

悠里君どうしたんでしょうか……?

なにか私を見ながら考え事をしてますけど…………

 

「みーちゃん、あのさ……」

「な、なんですか?」

 

はっ!!

ま、まさか……告白でしょうか!?

待ってください! まだ私……心の準備が……!?

 

「今から2人で……()()()しない?」

「へっ……?」

 

今なんと彼はなんと言ったのでしょう?

私の聞き間違えでなければ、デートしないか?って言ってた気が……

 

「あの、悠里君……今なんて……?」

「えっ? リテイク必要? 今から2人でデートしない?」

「是非お願いします!!」

 

聞き間違いではありませんでした。

断る理由はありませんでした。だって悠里君からのお誘いですよ!?

 

「…じゃあ、早速行こっか?」

「は、はいっ///」

 

差し出された手を握り、

私達2人は外に出ました。

 

 

(デート、デート♪ 悠里君とデート……ウへへへ~♪)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

着いた場所は、

ホテルから歩いて10分程にあった公園でした。

私にとっては、その10分が長く感じましたが……///

 

(誰もいない……という事はホントに悠里君と2人きり!! これは夢なんでしょうか!?)

 

ベンチに座って状況整理する私。

ちなみに悠里君は自動販売機で飲み物を選んでいます。

 

(落ちつくんです!! 園田海未!! クールになるんです!! まずは素数を……)

 

えーっと、素数はいくつからでしたっけ……?

それくらい焦っていました。

まず、それ以前に今の現状は夢かもしれないと思った私は自分の頬を軽く抓ってみましたが……

 

「い、痛いです……」

 

痛みがある=現実だという事が分かりました。

 

「…みーちゃん、なにしてんの?」

「ひゃい!?」

「……まぁ今のは見なかった事にするから」

 

そ、それって見たのと変わらないじゃないですか!!

 

「そんな怖い顔しないでよ。これでも飲むのです」

 

そう言いながら悠里君が私の隣に座りながら、

渡してきたのは、ココアでした……

 

「どうして……」

「…えっ?」

「どうして私を誘ってくれたんですか……?」

 

純粋に気になった事……

それはどうして私をデートに誘ってくれたのかです。

こういう時、悠里君は何かしらの理由がないと誘ってくれないから……

 

()()()()()()()()()()から……かな」

「えっ……」

 

思い……出?

 

「…みーちゃんと……ほんの少しでも()()()()()()()()を後悔しないように、思い出を作りたかったから。」

 

その場から立ち、

夜空を見上げながら彼は言った……

 

 

 

 

 

 

その瞬間────

 

 

 

 

 

 

 

ほんの一瞬だけ────

 

 

 

 

 

 

 

とある景色に変わった……

 

 

 

 

 

 

 

自分が立っていたのは夜明けの草原────

 

 

 

 

 

 

周りには、それぞれ赤と白の彼岸花が咲いており────

 

 

 

 

 

 

目の前に居る彼の足元には紫のアネモネが咲いていた────

 

 

 

 

 

「…こんな落ちこぼれで……何の価値も無い()でも……俺は……海未と過ごせた思い出が────」

 

 

 

 

 

そこから先は聞こえなかった。

そして気づいた時には元の景色に戻っていた────

 

「…だから……そんな深い意味じゃないよ? 僕だって思い出ぐらいは欲しいもの……

ううん。本当はそれを望む権利も無いんだけど……ゴメンね? なんか結局……ワガママみたいな事を言っちゃって……」

 

寂しそうな笑顔で私に謝る彼……

 

「あ、あの……ゆ、悠里く……」

「…そろそろ戻ろっか。みんな心配するかもだし……」

 

私が言おうとした事を遮りながらも、

それ以上は何も言わずに私の手を繋ぐ……

歩いてる途中……横にいる彼の表情を窺っても、その表情は……はっきりとは分からない。

けれど……

 

 

 

少しだけ……

 

 

 

 

 

ほんの少しだけ────

 

 

 

 

「また……いつか私の事……誘ってくださいね?」

「……うん。いつの日か……また……ね?」

 

 

 

悠里君は微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
なんとか間に合って良かったです……
次回は本編に戻ります。
本日はありがとうございました。


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第149話 みんなで悠里をストーキング

ゆるポメラです。
今回はタイトル通りです。はい。
視点はこの作品、初かな……? 真姫ちゃんになります。
拙い内容ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


「ゆうちゃんを尾行しよう!!」

 

放課後。

部室でみんなが揃った時、

穂乃果が意味の分からない事を発した……

 

「なんでそうなるのよ……」

「だって、ゆうちゃんが変だったんだよ!?」

 

私が言うと穂乃果は深刻な表情でテーブルを叩いた。

お兄ちゃんが変って……意味わかんないわよ……

 

「悠里さんが変ってどういう事にゃ?」

「朝のHR(ホームルーム)から放課後まで、ずーっと上機嫌だったんだよ!!」

「ええ。あれは悠里君に何かあったとしか思えません」

 

勘繰り過ぎでしょ……

 

「ことりがゆーくんに結婚しよ?って言ったら、うんいいよって言ってくれたんだよ!? それくらい上機嫌だったんだよ!?」

 

ことりの話を聞いた私は確かにおかしいと思った。

っていうか何さり気にプロポーズなんてしてんのよ……

穂乃果と海未が睨んでるし……

 

「と・に・か・く! ゆうちゃんを尾行するの~!!」

 

こう言い始めた穂乃果は、

何を言っても聞かないし、嫌々だけど付き合う事になった。

凛に至ってはノリノリだったけど……

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「あっ! 悠里さんを見つけたにゃ!」

「けっこう遠くまで来ちゃったけど……」

「ゆーくん……どこに行くんだろ?」

 

後をつけて行くと、

お兄ちゃんはファストフード店に入って行った。

 

「ファストフード店に入ってどうするんでしょうか?」

「お腹が減ってる……とか?」

「とにかく入ろうよ!」

「そうですね。悠里君の食事管理をするのも私の務めですし」

「海未ちゃん? 何言ってるのかな? それはことりの役目だよ?」

 

海未とことりは放っておきましょ……

そう思った私は穂乃果の後に続いて店内に入った。

あの2人は凛と花陽に任せておけば問題ないでしょ……多分。

 

 

 

 

店内に入ると、

放課後という事もあってか学生が多く賑わっていた。

ファストフード店に入ったの……去年の夏休みに、お兄ちゃんと一緒に行った時以来ね。その後はショッピングモールに行ったけど……

 

「まさかと思うけど、ここでもお兄ちゃんの事を観察するの?」

「当たり前だよ!」

「私達は悠里君にバレないように観察しつつ、席を確保しますので、真姫達は注文をお願いします!」

「ことりはアイスミルクティーがいいな~♪」

 

これって軽いパシリよね?

高校2年にもなってパシられるとは思わなかったわ……

それ以前にこれってパシリで合ってるわよね?

 

「と、とにかく真姫ちゃんも怒ってないで買いに行こ? ね?」

「花陽? 私は別に怒ってないわ。苛立ってるだけよ」

「どう見ても怒ってるにゃ……」

 

もうこの際だからヤケ食いでもしようかしら?

そう思いつつレジに向かうと……

 

「いらっしゃいませ~ あれ? 真姫ちゃん?」

「か、花音さん!? ど、どうも……」

 

松原花音(まつばらかのん)さんがいた。

花音さんとは、去年の夏休みにお兄ちゃんと水族館に行った時に会い、その時に仲良くなったのがきっかけ。

 

「もしかしてバイトですか?」

「あっ、言ってなかったよね? 私ここでバイトしてるの」

「そうなんですか…… あの……お兄ちゃんは何を頼んだんですか?」

「悠里くん? えっとね……期間限定の"デスソースポテト"を頼んでたよ?」

 

デスソースって辛いやつよね……

なんでそれを頼んだのよ……

いつぞやの家庭科の授業の時を思い出してしまった。

 

「じゃあハンバーガーセット2つ、お願いします……」

「は~い♪ かしこまりました♪」

 

自分の分と海未の分を頼んだ。

凛と花陽には、穂乃果とことりの分を頼んでもらってる。

べ、別に纏めて頼むのが嫌だった訳じゃないんだから!!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

フライドポテトを食べながら、

お兄ちゃんを見張っていると食べ終わった空箱をゴミ箱に入れ、

トレイを上に置くとファストフード店を後にした。

 

「あっ!! ゆうちゃんが外に出たよ!!」

「追いかけましょう!!」

 

ちょうど私達も食べ終わったので、

外に出て追いかける事にした……

 

 

 

 

side悠里

 

 

 

 

…いやー、久しぶりに食べるフライドポテトは美味しかったなぁ。

それにしても……

 

(やけに視線を感じるんだよなぁ……)

 

学校を出てから感じる視線。

それも1人ではなく複数の視線……

まぁでも殺気とかそういう系ではないので、今もこうやって放っておいているのである……

 

(ストーカー……そんな訳ないか……)

 

 

※いいえ。ストーキングされています。

 

 

 

…ま、仮にストーカーだとしたらどんな人か見てみたいね。

 

 

 

※穂乃果達です。

 

 

 

(あ。そろそろ待ち合わせ場所に着くってメールしとこうかな?)

 

携帯のメール画面を開き、

友人2人にメッセージを送った後、僕は目的地に向かう事にした……

 

 

sideout

 

 

 

 

「ゆうちゃん携帯いじってたけど……」

「誰かに連絡かにゃ?」

「見た感じ連絡というよりは……メッセージを送ってますね」

 

私は正直に言うと、もう帰りたいわ……

だって犯罪まがい的な事をしてんのよ!?

 

「あっ! ゆーくんが動いたよ!!」

「追いかけるよ!!」

 

ああもうっ!!

なんでこうなるのよっ!!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「「「「「「えっ……?」」」」」」

 

 

私達がなんで驚いているのかというと、

お兄ちゃんが入ったと思われる店に驚いていたから。

そのお店の名前は……

 

 

 

『ネットカフェ』

 

 

 

 

そう。ネットカフェだった。

 

「ゆうちゃんがネットカフェ?」

「どうして悠里君が?」

「全然イメージが浮かばない……いや、浮かばなくはないんだけど……」

「そもそも何しに来たのにゃ?」

「調べ物……とか?」

 

それだったら学校のパソコンを使ってもいいと思うけど……

すると、看板に貼られてるチラシに何か書かれていた。

気になったので近くに行くと……

 

 

 

『大人気のオンラインゲーム、Neo Fantasy Onlineで今、レア素材のドロップ率アップ!! 更に各ネットカフェにて"秘密のコード"交換を受付中です!!』

 

 

と書かれていた。

もしかして……

 

(ネットゲームをやりに来たって事!?)

 

 

お兄ちゃんの目的が分かったので、

私はみんなを説得(主に穂乃果と海未とことり)しながら近くにあったカフェで時間を過ごすことにした。

 

 

 

 

 

ーーカフェでのやり取り……ーー

 

 

 

「ねぇ真姫ちゃん!! なんで中に入らないの!?」

「ここで待っても別にいいでしょ!?」

「そうですよ!! こうしてる間にも悠里君が誰かとナニをしてるかもしれないんですよ!?」

「どんな妄想よ!? ネットカフェでできるわけないでしょ!?」

「ネットカフェだからこそだよ!! ゆーくんが○○○(ピー)したり、ことりに隠れて×××(ピー)したりしてるかもしれないんだよ!?」

「ことりが一番危ない発言してんじゃない!!」

 

 

必死に止めてる真姫の姿がそこにあったという……

その姿は悠里の趣味?を守る妹に視えたと凛と花陽は思ったそうだ。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
真姫ちゃんの視点難しかった……
次回もよろしくお願いします。


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第150話 悠里、バイトを探す

ゆるポメラです。
投稿が遅れてしまい申し訳ありません……(土下座)
少し短いですが楽しんでもらえると嬉しいです。

それではどうぞ。


「参ったなぁ……」

 

僕、水無月悠里は困っています。

それは、これからの資金源である。

資金源といっても生活費……主に食費とかそういう類のモノだけどね?

 

「……バイトしてみようかな」

 

そう意気込んでみたは良いけど、

果たして僕のような落ちこぼれを受け入れてくれるバイト先があるのだろうか?

予想だけど、限りなく無いに近い気がする……

 

(時間も遅いし、そろそろ寝ようかな……)

 

時刻は夜中の2時30分。

ほんとは別に起きてても平気なのだが、明日も学校なので諦めて寝ることにした。

 

 

 

 

ーー翌日……ーー

 

 

 

 

いつも通り、7時30分に起床する。

先に制服に着替え、ポストに何か手紙がないかを確認する。

これは昔から毎朝欠かさずにやっていた事だ……

中学時代以降は特に何も投函されていないので、どうせ何もないだろうと思っていたのだが……

 

「……チッ」

 

思わず舌打ちをしてしまう。

その理由はとある封筒だった。

その中身は……

 

"音ノ木坂中学・元弓道部員の同窓会"

 

と書かれていた。

要するにアレだ。昔の弓道部の人達が集まってワイワイするやつである……

つーかさ、なんで僕宛てに送られてる訳?

今ここで開封して読むのは時間の無駄なので、学校で読むことにした。

…いや、ほんと朝から胸糞悪いんだけど……

 

 

 

 

side海未

 

 

 

いつもの平日。

教室に入ると、悠里君がいました。

 

「悠里君、おはようございます」

「みーちゃん。おはよ…… あれ? ほのちゃんとことちゃんはどうしたの?」

「寝坊したみたいで、遅れて来るみたいです」

「そうなんだ? 2人共、夜更かしでもしたのかな?」

 

あの……それはちょっと、悠里君もあまり人の事言えないのでは?

 

(悠里君、不機嫌そうですが……どうしたんでしょう? 何か嫌な事でもあったんでしょうか……)

 

何故そう思ったのかというと、

私から見てなんですが、悠里君の表情が機械のように無表情だったからです。

こういう時は悠里君にとって、何か嫌な事があったんだと思います。

心配になった私は何かあったのか訊いてみる事に……

 

「何か嫌な事でもあったんですか?」

「……まぁ、あった……かな」

 

私の予想は当たったみたいです。

それにしても悠里君が素直に言うなんて珍しいですね……

いつもだったら私達には何も言わずに"何でもないよ"と言ってはぐらかすんですが……

 

「…今朝さ。家のポストに、こんな封筒が入ってたんだよ」

 

そう言いながら悠里君は私に封筒を見せてきた。

それを見た私は彼が不機嫌な理由を直ぐに理解する……

封筒には"音ノ木坂中学・元弓道部員の同窓会"と書かれていて、中身は恐らく同窓会の参加するか不参加かの内容だと分かりました……

何故なら私の家にも同じ封筒が届いてたので。

 

「もしかして、みーちゃんの家にも届いたの?」

「はい……私の家にもこれと同じ封筒が今朝届いたんです。内容は私も見てないので、多分ですが……これの参加か不参加の内容だと思います」

「そうなの? 僕、時間の無駄だから学校で見ようかなと思って持ってきたんだ。それにしてもさ、この封筒を僕に送ってきた人って、どういう神経してんだろうね?」

 

正直に言うと、

私自身もいい気がしなかった……

中学1年の時、悠里君は部員達から冷遇されてた。

そして、ある時を境に弓道部を退部させられてしまった……

その理由は去年、ティアから全て話された。

 

「…ま。これについては保留にしておこうかな。今はバイト探しだし」

「悠里君、バイトするんですか?」

「うん。これからの資金源とかを少しでも貯めておこうかなーと思って。別に今でも問題ないといえば問題ないんだけど、貯めておいても損はないかなと……」

 

こ、これからの資金源!?

それってもしかして私との結婚式とか新婚旅行とかの類ですか!?

どどどど……どうしましょう!? 嬉しいんですけど悠里君に無理をさせる訳には……

 

 

sideout

 

 

 

 

 

気づけば、あっという間に放課後。

これ以上1人で考えても埒が明かないと感じたので、

僕は南先生に相談しようかなと思い理事長室を訪れていた。

 

「……という感じで悩んでるんですよ、南先生」

「…もう、数年振りに悠里くんが悩みがあるって言うから何かと思ったら……」

「もしかして音ノ木坂学院ってバイト禁止なんですか?」

「そうじゃないけど、少しは自分の身体を労わりなさい?」

「体調管理とかは僕なりに気を付けてるんですが……」

 

そう言うと南先生は溜息を吐く。

あれ? 僕……余計な事とか言っちゃったかな……?

 

「それで? どういう所でバイトしたいの?」

「最長でも6月の終わりまで働ける短期バイトですね。まぁでも……そんな都合の良いバイト先なんてあるとは思ってませんけどね……」

 

南先生の質問に答えながら用意してもらった紅茶を飲む。

この紅茶……アールグレイかな?

 

「そうねぇ……あるにはあるけど」

「…えっ? あるんですか……?」

 

すると南先生は机の引き出しからA4サイズの紙を取り出し、

僕の前に持って来て見せてきた。

 

「高校教師のバイトって興味ある?」

「まさかの接客系とかじゃなく、生徒に教える方のバイトですか……」

「ええ。ちょうど学校側から、そちらの生徒さんで興味があったら体験バイトどうですか~って言われてね? 私の方もこの件に関して少し悩んでたの」

 

そんな事があったんだ……

南先生もやっぱり色々と大変だなぁ……

しかし、このバイトは簡単に引き受けていいのだろうか?

何せ、"生徒に教える"である……僕に出来るのだろうか……

 

「悠里くんの教え方って、凄く分かりやすいから意外と向いてるんじゃない?」

「……そうでしょうか?」

「大丈夫よ♪ 私の教え子なんだから♪」

 

まさかの南先生お墨付き。

でもバイトは結局やってみないと分からないからなぁ……

よし。いい機会だし……

 

「南先生。僕、このバイトやってみようかなと思います」

「あら♪ 嬉しいわ~♪ じゃあ先方には私から連絡しておくわね?」

 

ぶっちゃけ言うと、南先生への恩返しというのもあるのだが……

そういえばバイト先の高校って何処なんだろ?

 

「そうそう。バイト先の高校は2箇所だけど…大丈夫?」

「僕は構いませんが……そういえば何処の高校で教えればいいんですか?」

()()()()()()()()()()()()()()よ♪」

 

 

 

………………………………ん?




読んでいただきありがとうございます。
この度は投稿が遅れてしまい、ホントに申し訳ありません……
なるべく投稿ペースをあげていこうと努力しますので、
今後ともよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。


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第151話 初めてのバイトは挨拶でも緊張します

ゆるポメラです。
ここ最近、暑いですね……
楽しんでもらえると嬉しいです。

それではどうぞ。



「…うぅ、どこかおかしいとことかないかな……」

「もう悠里くんたら、何度も言ってるけど気にし過ぎよ?」

 

朝の6時30分。

僕は南先生の車でバイト先の花咲川女子学園に向かっている。

ちなみに何を気にしているのかというと、自分のスーツ姿である。

見苦しくない程度に何度も確認したがそれでも気にしてしまう……

…だって、似合わないし……

 

「確認しておくけど、今日は1日、花咲川女子学園でバイトしてもらって、明日は羽丘女子学園でバイトという形だけど大丈夫よね?」

「あ、はい。その辺は大丈夫です」

 

それについては昨日、確認してあるので問題ない。

それからバイトをしている間は、学校は登校してる扱いらしい……

その代わり、空き時間等を利用して、僕だけの宿題を南先生が用意してくれたそうだ。

 

「まさかこの年でスーツを着るとは思わなかったです……」

「良いじゃない♪ かなり似合ってるわよ? 藍里が見たら写真を撮りまくるんじゃないかしら」

「それは……まぁ…想像がつきます」

 

そんなこんな車内で会話をしている内に、目的地である花咲川女子学園に着いた。

車を専用の駐車場に停止させ、車から降りる。南先生が警備員の人にここに来た理由を話した後、入校許可証を渡された後、校内に入って行く……

 

(生徒がまだ来てないっていうのも意外なんだけど……)

 

校内に入って思った事。

警備員の人によると、生徒が来るのは7時過ぎくらいらしい。

そうなると部活の朝練とかかな……?

けっこう広いテニスコートがあったくらいだし……

そうこうと考えてる内に、理事長室に着いた。

南先生がドアを2回ノックをする……

 

「はい。どうぞ」

 

声を聞く限り女の人だろうか?

入るだけなのに凄く緊張するんだけど……

 

「あら♪ 南ちゃん、久しぶり~」

「ええ。六華(リッカ)も元気そうね?」

「元気も元気よー♪ 仕事サボれるくらい元気よー♪」

「もぅ……仕事はちゃんとしなさい? 理事長なんだから……」

 

中に入ると、南先生がここの理事長と思われる女性とのほほんと会話をする。

もしかして知り合い……なのかな?

 

「六華。この子が私の教え子の……」

「み、水無月悠里です。今日は…じゃなかった、本日はよろしくお願いします……」

「もしかして藍里ちゃんの息子さん?」

「ええ。そうよ? あの藍里が親バカになってるくらい可愛がってる息子よ。というか、悠里くんの方がしっかりしてるけど」

「あ~……確かにそうね~。なんとなく分かるわ~」

 

どうやら母さんと知り合いらしい。

 

「それじゃ六華。悠里くんをよろしくね?」

「はいはい~♪ 任せて~♪」

「じゃあ悠里くん。自信もって頑張ってね? 終わったら、音ノ木坂学院に一度戻って来てね?」

「分かりました。が、頑張ります……」

 

そう言うと南先生は理事長室を後にした。

 

「それじゃあ改めまして。花咲川女子学園の理事長をしている千野六華(せんのリッカ)です♪ 気軽に六華さんって呼んでもいいからね?」

「あ、はい……」

 

なんていうか……フレンドリーな理事長だ。

 

「それじゃあ今から全校集会が体育館であるから移動しましょうか♪」

「は、はい。あの……他の生徒とは遭遇したりはしないんですか?」

「その辺はノープロブレム♪ 職員室の先生方に頼んで、生徒の体育館の移動は迅速にって頼んであるから♪」

 

めっちゃ不安なんだけど……

 

 

 

 

ーー体育館ーー

 

 

 

 

六華さんが言った通り、

体育館に着くまでの道中、生徒には1人とも遭遇しなかった。

僕は今、体育館のステージの横の死角的位置にいます。

合図があるまでここで待っててね?と言われたからだ……

 

(怖い、怖い、怖いよぉ……)

 

何が怖いかって?

どんな反応をされるか+どんな挨拶をすればいいかの二重の意味でだ。

例えるなら、死刑宣告みたいな感じ……

 

「それでは最後に皆さんに重大なお知らせがあります。この6月の間だけですが、花咲川女子学園に新しい先生が就任しまーす♪」

 

六華さんが言うと、周囲がザワザワと騒ぎだした……

耳を澄まして聞いてみると、どんな人なんだろー?とかが聞こえた。

 

「ちなみに男の先生でーす!! 私から見ても凄くイケメンだったわよー♪」

『キャーッ!!!』

 

黄色い声が体育館全体に響く……

ちょっと、何ハードルが上がる事を言ってるんですか……

…あ。僕、もう詰んだかも……

 

「それではそれでは、新しい先生に登場していただきましょう♪ カモン~♪」

 

どこぞのノリが良い司会者みたいな感じで六華さんが僕を手招きした。

嗚呼……ほんとになんて言おうか……

頭の片隅で考えながらも僕はステージに立ち……

 

「えっと、先程……理事長のご紹介にありました……み、水無月悠里です。6月の間のみですが……よ、よろしくお願いします……」

 

なんとか言えたけど、この後どうすればと考えてると……

 

「「「「「ええええええーーー!?」」」」」

 

僕から見て右側から驚きの声がした方……どうやら3年生のようだ。

チラッと視線を向けると、僕の知ってる子が5人いらっしゃった……

絶対に後でなんか聞かれそう……

それもあるけど、その前に今は挨拶を考えないと……

 




読んでいただきありがとうございます。
クラスの組み分け……どうしようかな(失笑)
特に現3年生組。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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第152話 午前の授業

ゆるポメラです。
あ、暑い……(ポケモンで例えると黄色ゲージ)
サブタイ通りです。

※2019年8月26日、ほんのちょっとだけ内容を編集しました。

それではどうぞ。


全校集会を終えた後、

僕は先生方に職員室まで案内された。

 

「ここが水無月君の席です」

「はい。ありがとうございます……」

 

指定された席は、

職員室に入った視点から見て、右側。更にそこから2番目の席である。

分かりやすく説明すると、入ってすぐ右側……

 

ざっとそんな感じ。

説明がアレで申し訳ないけど、その辺は勘弁してもらいたい……

 

「水無月君が担当してもらう授業は国語だけど大丈夫?」

「あ、はい。自分なりに頑張ります」

「うんうん♪ 最初は戸惑うかもしれないけど頑張りなよ? じゃあこれが君が担当するクラスのシフト表と各学年の生徒名簿を渡しておくよ。もし分からなかったら、周りの先生に訊いてね?」

 

そう言うと先生は、職員室を後にした。

恐らくこれから1時限目の授業なのだろう……

 

(えっと、僕が今から担当するクラスは……)

 

先程渡された本日のシフト表を確認する。

2時限目に3年A組で国語の授業があったので、最初のクラスはここだろう……

次に生徒名簿の確認。3年生は全部で2クラスみたいなので、担当するA組の生徒を確認しなきゃいけない……

 

「…どうしよう」

 

困った程ではないが、A組に先程の全校集会での自己紹介の時に驚いてた知り合い5人の内、4人がこのクラスにいらっしゃった。

ちなみにB組も確認してみたら、残りの1人はそちらにいるようだ。

まぁ…なんとかなるでしょ……多分。

 

さてと。次にやる事は、授業で使うプリントの用意だ。

1クラスの人数を数えたところ、30人だったので30枚のプリントを用意しなきゃいけない。といっても、僕が事前に作った問題表をプリンターで印刷するだけどね……

早速、職員室に備えてあるプリンターを使わせてもらおう。

 

(試しに1枚、印刷してみるか……)

 

プリンターの電源ボタンを押し、起動させる。

 

『ヨ・ウ・コ・ソ・ゴ・キ・ボ・ウ・ノ・モノ・ヲ・セッ・テイ・シ・テ・ク・ダ・サ・イ』

 

なんで音声が193ベルトなんだろ?

ちょっと疑問に思ったが、設定をプリンターに入力して印刷ボタンを押す。

すると印刷口から紙が出てきた。

 

(このプリンター凄いな。印刷したとはいえ、文字も荒くないし……)

 

高性能な193プリンター(僕命名)に感謝しつつ、

授業で使うプリント、計30枚を印刷した。

 

印刷したプリントをファイルに纏め、時間になるまで国語の教科書を読んで過ごす事にした……

 

 

 

 25分後……

 

 

気がつくと1時限目の授業終了15分前になっていた。

そろそろ準備した方がいいなと思ったので、持って行く物を確認し、3年A組の教室に向かう事にした。

 

職員室を出て、

東か西、どっちの階段を使って行こうか迷ったが、人通りが少ない西側の階段を使って3年生の教室に行く事に。

 

 

ーー3年A組・教室前ーー

 

 

 

教室に着いたのは良いけど、

どうやって入ろうかな……?

仕方ない。気配を消しながら入ろう。ええ、そうしよう!

 

そう決めた僕は早速、教室のドアに手をかけ……

 

 

ガラッ!!!

 

開く寸前で気配を消して教室に入る。

 

「あれ? なんでドアが開いてるんだろ?」

 

1人の生徒がドアが何故か開いてる事に気づく。

ちなみに僕は教卓前にいます。もちろん、気配を消しながら。

 

「次の授業は国語か~。今日は何やるんだろ?」

「それにしてもさ。全校集会で紹介された新しい先生、なんかカッコよくなかった?」

「分かる分かる♪ 何歳なんだろ?」

 

すみません。17歳です……

女子校のクラスって実際、こんなに賑やかなのかな? かな?

もう少し観察しようと思ったので、辺りを見渡すと、知り合い3人を見つけた。そして3人が何か話してたので、少し聞いてみる事に……

 

「クラスのみんな、悠里くんの話で盛り上がってるね? 千聖ちゃん」

「そうね。思わず大声を出しちゃったけど……」

「私も。新しい先生って言うからてっきり……」

「わ、わたしも……びっくりしました……」

 

知り合いの内3人、千聖ちゃんと花音ちゃん、燐子ちゃんが話していた。

さてと。もう1人……紗夜ちゃんは一番前の席にいた。

腕時計を見て時間を確認する……そろそろ授業開始時間だった。

そう思った僕は気配をちょっとだけ緩め……

 

「…はろろ~ん☆ オハヨウゴジャイマース」

「「「「えっ!?」」」」

 

とあるキーワードを言ってみる。

すると千聖ちゃんと花音ちゃん、燐子ちゃんが突然、聞き覚えのある声に驚いたのか、教卓の方を見た。紗夜ちゃんに至っては、表情が驚きの余り固まっていた。

4人以外のクラスの子達も驚いた表情をしていた……

そりゃそっか。

 

まぁ…驚かせるのはこれくらいにしておこっか。

正直、そんな柄じゃないし……

 

「てな感じで、皆さん驚かせて申し訳ありません。全校集会でも挨拶したと思いますが、6月の間だけ教師をする事になりました。水無月悠里です。今日は国語を担当させていただきます」

 

自己紹介を終えた途端……

 

「キャー! 直接見ると凄くイケメンー♪」

「先生、年はいくつなんですかー?」

「趣味はなんですかー?」

「彼女はいるんですかー?」

 

質問の嵐だった。

ほんとに賑やかなクラスだな、ほんとにもう……

 

「あの……授業を始めてもいいかな?」

 

そう言うと"はーい♪"と言い静かになった。

その声の中には花音ちゃんと燐子ちゃんも混じっていた……

 

「今日の授業は、僕が作成したプリントを皆さんにやってもらいます。今から配りますので、一番前の席の人は貰ったら後ろの席の人に回してください」

 

ファイルから193プリンターで作成したプリントを取り出し、一番前の席に座ってる子に配る。なんか久しぶりにやるな……この作業。

紗夜ちゃんにプリントを渡すと、『後で説明してくださいね?』と目線で訴えられた。なので、時間が空いたらねと僕もアイコンタクトを送る。

そして何とか無事に全員分、配り終えた……

 

「それでは今から30分、プリント……というか小テストをやってもらいます。終わった人は、時間になるまで何しててもいいですよ? ただし騒がない程度に。それでは準備ができた人から始めてくださーい」

 

その合図で小テストが開始。

さて。僕はその間に、南先生が用意してくれた問題集をやっていよう……

担任の先生が使ってるテーブルを借り、問題集を解く事にした。

 

 

 

 30分後……

 

 

問題集を解いてると、

あっという間に30分が経過した……

…えっ? 早くない……?

 

「それでは、後ろの人から順にプリントを回収してくださいー」

 

一番後ろの子から前の子の順にプリントを回収してもらう。

他の学校はどうなのかは分からないけど、僕が知る限り、こっちの方が手っ取り早い。

全員分のプリントを回収し終えたのを確認した僕は教室に備え付けてある時計を見る……

 

時間的に10分前だし……

 

「それではちょっと早いですが、授業を終わりたいと思います。今日やってもらったプリントは採点が終わり次第、担任の先生に渡しておきます。多分、放課後のホームルームまでには返せると思うよ? それではお疲れ様でした。他のクラスはまだ授業中だと思うので、静かに残り時間を過ごしてください」

 

僕はそれだけを言い残して、

教室を後にした……

 

さてと。

職員室に戻ったら、採点をしないと。

軽くプリントをパラパラとめくって確認してみると……

 

『ゆうりくん、後でわたしと氷川さんに説明してね?』

『後でちゃんと説明して』

『なんて言えばいいか分からないけど、説明してくれると嬉しいな?』

 

燐子ちゃん、千聖ちゃん、花音ちゃんがプリントに小さい文字で僕宛てのメッセージが書かれていた……

…うん。分かってたけど、そうなるのね?




読んでいただきありがとうございます。
次回は昼休みの内容にしようと思ってます。
本日はありがとうございました。


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第153話 昼休み

ゆるポメラです。
前回の予告通り、昼休みの内容になります。

それではどうぞ。


職員室に戻った後、

僕はプリントの採点に取り掛かっていた。

 

(ここは○で、ここが×……)

 

採点を久しぶりにやってみて思ったけど、個人的にかなりの神経を使う。

こいつ何言ってんの?と思うかもしれないが、実際は脳をかなり酷使するからだ。単純な作業程、重労働な物はない……

 

「お、終わった……」

 

30人分のプリントの採点を終え、家から持って来たハチミツ飴を口に入れる。

本当はチョコレートかクッキーが良かったのだが、いかんせんバイト先。更に言うなら、学校……更に更に言うなら、女子校でそんなモノを食べる訳にはいかない。なので、万能糖分補給の飴にしました。

 

「次の授業クラスは……あれ? ないや……」

 

次の授業を担当するクラスを確認したところ、特になかった。

これには僕もちょっと意外……。まぁ…あくまでバイトでやらさせてもらってるので、その辺は気にしない事にした。

 

(宿題の続きでもやってようかな……)

 

このままボーっとして過ごすわけにもいかないので、先程の宿題の続きをやる事にした。えっと……次は数学か。

 

 

ーーー ーーー ーーー

 

 

そして、宿題を黙々とやっていると……

 

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

 

学校の予鈴が鳴った。

時刻を確認してみると、4時限目の終わりのお知らせだった。

もうそんな時間かと思ってると、授業を終えた先生方が続々と職員室に戻ってきた。

 

「水無月君、昼食はどうするんだい?」

「あの……昼食って事はいわゆるお昼休みなんですか?」

「そそ。今から1時間30分が、この学校のお昼休みだよ。購買で買う生徒もいれば、学食で食べる生徒もいるね」

 

購買かぁ……。シナモンロールあるかな?

あぁでも買い過ぎると、みーちゃんに注意されちゃうし……。

この学校の学食にも興味あるけど、バイト初日なので行く自信がない。というか、お弁当を持って来ているので、その心配はないんだけどね……

 

「水無月君~、君を呼んでる生徒が来てるよ~」

「えっ? あ、はい」

 

そう思ってると、数学担当の先生が僕を呼んだ。

誰なんだろうと思いながらも入口付近に向かうと……

 

「丸山さん?」

 

丸山彩(まるやまあや)ちゃんがいた。

何の用なんだろ……いや、だいたい予想はつくんだけど……

 

「悠里く、じゃなくて先生、今時間は空いてますか?」

「あ、はい。空いてますよ?」

「良かったら、一緒にお昼ご飯でもどうですか?」

 

予想通り、お昼ご飯のお誘いだった。

証拠に彩ちゃんは手にお弁当を持っている。

まぁ…後は、全校集会の時に僕が花咲川女子学園(ここ)に来た『説明』の意味も含まれてると思うけど……

 

「お弁当を持ってくるので、ちょっと待っててください」

 

それだけ言った後、急いで鞄から、お弁当を取り出す。

あんまり待たせるのも悪いからね……

 

 

ーーー ーーー ーーー

 

 

「ところで丸山さん? 今からどこに向かうんですか?」

「…その前に敬語禁止。後、ちゃんと名前で呼んでよ」

 

頬を膨らませながら訴えてくる彩ちゃん。

 

「はぁ……で? 彩ちゃん、今からどこに向かってるの?」

「中庭だよ♪ 千聖ちゃんと花音ちゃんも一緒なんだ」

 

呼び方を変えた途端、

さっきの表情から打って変わり、上機嫌で僕の質問に答えてくれた彩ちゃん。それにしても中庭かぁ……。ここに着いた時にちょっとだけ見たけど、音ノ木坂学院と同じくらいの広さだった。ただ違うのは、空気の美味しさかな。

 

そんなこんな考えていると、中庭に着いた。

てか、生徒がたくさんいるじゃん……。そりゃそうだ、生徒の憩いの場だし……

すると、レジャーシートに座っている千聖ちゃんと花音ちゃんを見つけた。

 

「千聖ちゃんー、連れてきたよー」

「彩ちゃん、お疲れ様。悠里、スーツ姿似合ってるわよ?」

「…からかわないでよ。まぁ…世辞でも受け取っておくよ」

 

靴を脱いでレジャーシートの上に座る。

 

「そ、そんな事ないよ? スーツ姿の悠里くん、凄く似合ってたよ」

 

花音ちゃんも千聖ちゃんと同じ事を言う始末。

いやいや、ほんとに似合わないんだけどなぁ……。はぁ……

 

「そうだ。悠里くんって、どうして花咲川女子学園(ここ)に来たの?」

「えっと…まぁ…一言で説明するならバイトだよ」

「「バイト?」」

 

彩ちゃんの質問に僕が答えると、千聖ちゃんと花音ちゃんは疑問の声を上げる。もちろん、質問をしてきた彩ちゃんもだ。

 

「これからの資金源を少しでも貯めようと思って、6月の終わりまで働ける短期バイトはないですかって、僕が通ってる学校の理事長に相談したら、教師のバイトはどう?って言われて今に至るって訳」

「それを引き受けた悠里もどうかと思うけど……」

「…ちーちゃん、その辺は僕も自覚してるよ。だけど、理事長もその案件には困ってたんだよ?」

 

だって南先生もその案件には、かなり困ってたんだもん……。基本的に僕は、南先生の頼み事は聞く質だ。ただし内容にもよるけどね……?

 

「なるほどね。あと悠里? ちーちゃんって呼ぶの止めて……。恥ずかしい……///

「…え? 別にいいじゃん、こっちのほうが僕は呼びやすいんだけど……」

悠里が良くても、私が気にするのよ!

 

しょうがない。ちーちゃんの為にも、話題を変えてみるか。

花音ちゃんは僕ら2人のやり取りに気づいたみたい。現に今もニコニコしている……

 

「そういえば彩ちゃん、僕の個人的な見解なんだけど……昨日か一昨日辺りに寝不足したでしょ?」

「えっ!? なんで分かるの!?」

「やっぱり……。全校集会の時にあくびを噛み殺してたのが見えたから。それで僕は思った。彩ちゃん、また寝不足したんだなって……」

 

そう言うと彩ちゃんは目を逸らした。

しかも分かりやすいくらいに。本人は隠してるつもりなんだろうが……

 

「彩ちゃん? 悠里が言ってる事は本当かしら?」

「うっ……。き、昨日はちゃんと寝たよ……?」

「彩ちゃん、正直に言いなよ。僕、怒らないから」

「は、はい。一昨日は寝不足しました……」

「全く……。肌荒れするから気をつけなよって、僕言ったじゃんか……」

「で、でもちょっとくらいならいいかなーって……」

 

すると、花音ちゃんが疑問に思ったのか……

 

「あれ? 悠里くんと彩ちゃんって知り合いなの?」

 

僕と彩ちゃんを交互に見ながら訊いてきた。

 

「うん! 悠里君は、私のマネージャーなんだ♪ 」

「「ええええええっ!?」」

 

彩ちゃんの答えに驚く、千聖ちゃんと花音ちゃん。

 

「彩ちゃん、説明が足りないよ。2人共、正確には元・マネージャーだから。と言っても、もう2年前の話だけどね……」

「2年前っていうと……悠里と彩ちゃんが高校1年の時って事?」

「うん。まぁ…そんな感じ。マネージャーらしい事なんてしてあげられなかった気がするんだけど……」

「そんな事ないよ! 私の体調管理とか気にかけてくれたり、危ない人から守ってくれたりとかしてくれたでしょ!」

「そりゃ……まぁ…うん」

 

個人的な見解なんだけど、

マネージャーっていうよりボディーガードの仕事が多かった気がする。

主に彩ちゃんを狙う不審者の撃退とか………

 

「でも悠里? どうして、その流れになったの?」

「会長に電話で呼び出されて、直々に頼まれたのがきっかけなんだ。ほら…一時期、事務所が慌ただしかった期間があったでしょ?」

「あぁ……あの時ね。確かにスタッフさんが慌ただしかったわね」

 

千聖ちゃんに簡単に説明すると納得したと言わんばかりに頷いた。

結局、慌ただしかった理由は教えてくれなかったが……

 

「まぁ…そんな感じで、数ヶ月の間だけ、彩ちゃんのマネージャーになったって訳。積もる話は、お昼ご飯を食べながらにしよっか」

 

そんな感じで、お昼ご飯を食べる事になった。

この後、昔の話とかをする羽目になってしまった……

それから、明日は羽丘女子学園のバイトに行くと僕が話したら、3人の驚く声が中庭に響いたのは余談である。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は午後の授業の内容になります。
本日はありがとうございました。


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第154話 午後の授業

ゆるポメラです。
久しぶりの投稿になります。

それではどうぞ。



「はぁ……」

 

空を見上げながら溜息を吐く悠里。

その表情はどうしてこうなったという感じが出ていた。

何故彼がこんな表情をしているのか?

 

先ずはそれを話さなければならない……

 

 

 

────遡る事、昼休み終了時。

 

 

彩と千聖と花音の3人で昼休みを過ごした悠里。

職員室に戻り、次の午後の授業を確認していた時だった。

 

(次に僕が担当するクラスは……彩ちゃんがいるB組か……)

 

授業用で使うプリントを纏め、B組の教室に向かおうとした時……

 

「あー水無月君、ちょっといいかな?」

 

1人の女性教職員に呼び止められた。

その表情は何処か申し訳なさそうだった。

 

「どうかしましたか?」

「水無月君が午後から担当するB組なんだけど、急遽A組と合同で体育の授業になったの」

「授業変更ですか。そうなると僕は職員室で待機ですか?」

 

授業変更なんて学校ではよくある事だと分かってる悠里は、なら自分は職員室で待機かと尋ねる。すると予想外の言葉が返ってきた。

 

「その事なんだけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()って体育の先生が仰ってて……」

「……は?」

 

思わず間の抜けた声をあげてしまう悠里。

それもその筈である。何故に自分も授業を受けなければならないのか。

 

「とりあえず向こうで着替えて校庭に集合してね? あ、場所とかは分かる?」

「……大丈夫です」

「なら良かった。それじゃあ遅れないようにね?」

「は、はい……」

 

 

────という事があり、今に至るという訳だ。

 

(音ノ木坂でも体育の授業で整列するのは慣れてるとはいえ、やっぱり別の学校だと慣れないなぁ……)

 

悠里が並んでいる位置は、A組とB組の最前列の間である。

何故そこになったのかというと、体育を担当している熱血系女性教員がそこに並べと言われたからである。

 

「さて! 新任バイトの水無月にも参加してもらう事になった。今日やる授業は()()()()をやろうと思う」

 

それを聞いた悠里は顔を顰めた。

実は悠里は超が付く程、サッカーが大っ嫌いなのである。

中学の頃、男子の殆どが授業にも関わらずガチ勢が多かった為、非道な扱いを受けた悠里はサッカーが大っ嫌いになってしまった。

自分なりに頑張って動いても『使えねぇなクズ!!』や『お前のせいで負けたんだぞ!! 分かってんのか落ちこぼれ!!』という罵声、挙句の果てには後片付けを1人でやらされるという記憶しかない。

 

「それじゃー、チーム分けをするぞー。呼ばれた順に並べよ~?」

 

嫌な記憶を掘り起こしてしまってる間に、チーム分けが開始されていた。

 

 

────そして、悠里はどのチームになったかと言うと……

 

「悠里くん、頑張ろうね!」

「わ、私も頑張るね」

「ほら悠里。いつまで拗ねてるの」

「いざという時は私が悠里さんのフォローをしますから」

「わ、わたしも頑張るから……一緒に頑張ろ?」

 

彩、花音、千聖、紗夜、燐子が悠里に言う。

当の本人はゴールポストの隅っこで体育座りをしてしまってるが……

 

「…まぁ拗ねるのはこれくらいにして……」

「切り替えが早いわね……」

「…だっていつまでも現実逃避みたいな事してもしょうがないじゃん?」

 

もう既に自分は諦めてると言わんばかりに千聖に言う悠里。と、同時に奇跡的に知り合いが同じチームにいるのでその辺は安心してる。

 

「それでポジション分けなんだけど……」

 

悠里は他のみんなも集めて作戦の説明を始めた。

 

「それじゃこれより、水無月も加えた授業もとい、サッカーの試合を始めるぞ~。3……2……1……」

 

 

ピィーー!!

 

 

教員が鳴らしたホイッスルを合図にキックオフが開始された。

 

 

 

余談だが。

 

 

 

 

「あんなポジションは初めて見た。正直に言うと氷川と水無月がいればどうにでもなるんじゃね? というか、あの2人しか動いてなかったんだが……」

 

生徒と一緒に試合をしていた熱血系女性教員はこう語った。




読んでいただきありがとうございます。
この度は投稿が遅れてしまい申し訳ありません……
本日はありがとうございました。


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第155話 異変

ゆるポメラです。
今回は少し……?暗めです。

それではどうぞ。


「ふぅ……」

 

無事に午後の授業を終え、掃除の時間になり、箒を持ちながら1人で掃き掃除に勤しむ悠里。

彼の持ち場は校舎裏だ。

職員室に戻った際に、女性教師から『この場所、最近あまり掃除してなかったから、お願いしてもいいかな?』と頼まれたのである。

 

中学時代。悠里は掃除を押し付けられる日々が毎日あったので、学校内の清掃範囲は、ほぼ把握している。別に嬉しいとは思わないが……

 

(ほのちゃん達、今何してるのかな……)

 

ふと、穂乃果、海未、ことりの顔が浮かぶ。

3人には、バイトに行くしかメールで連絡をしてないので、詳しい内容は教えていない。

 

「…あ、そういえば……」

 

メールで思い出したのか悠里は、内ポケットからスマホを取り出す。メール欄に入ってた、まだ見てない新着メールを確認する事にした。

掃除中にスマホを弄るのは良くないが、せめて確認だけでもしておこうと思ったのだ。

 

送り主を確認すると、相手はとある国の王女からだった。

しかも内容にはこう書かれていた……

 

『夜分遅くに失礼いたします。数年振りに日本にお忍びで来日する事になりました。明日、国を出発します。空港に着くのは2日後になります。着いたら花咲川女子学園で理事長をしているリッカさんにご挨拶に伺おうと思っています』

 

あまりにも突然な内容だった。

メールが来た時刻を確認すると、届いたのは2日前。もし悠里の予想通りなら、彼女が来るのは今日という事になる……

しかも花咲川の理事長である六華と知り合いという事に驚きである。

 

(とりあえず簡単で且つ詳しい返信をしないと……)

 

それよりも今は彼女への返事だ。

まさか彼女もバイトとはいえ悠里が女子校にいるとは思わないだろう。もし万が一の事も考えて悠里は慣れた手つきでスマホを操作し、文章を作成して送信ボタンを押す。

 

「…とりあえずはこれで大丈夫でしょ……」

 

そう言いながらスマホを内ポケットにしまう。

ちなみに悠里が送った文章は『6月の終わりまで、今日から花咲川で短期バイトをする事になったよ。もし学校で逢えたら詳しく説明するね?』という内容だ……

これなら彼女も納得してくれる……筈……

 

さて。掃除の続きをしようと思い、ゴミ袋を捨てに行こうと近くに置いておいたゴミ袋を持とうと手をかけようとした時────

 

「えっ……」

 

自分の体がぐらぐら揺れる感覚に陥った。

 

(な、なに……これ!? 急にめまいが……)

 

しかも周囲がぐるぐると感じるだけでなく、頭痛も襲ってきた。頭痛は偶に感じる程度で痛みも一瞬なのだが、今回はその比じゃなかった。鈍器で殴られ続けられる痛さだった……

 

(い、痛い……!! だ、誰か……)

 

助けを呼ぼうにも、あまりの痛さに声も上げれない。視界も上手く定まらない。めまいもさっきより酷くなってると自分でも嫌でも分かってきた……

 

「「────!?」」

 

視界が定まらない中、誰かが自分を呼んでる気がしながら悠里は倒れた……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「花音、大丈夫? 重くない?」

「うん。このぐらい大丈夫だよ」

 

割れ物注意と書かれた段ボール箱をお互いに1箱ずつ持ちながら廊下を歩く千聖と花音。

2人の掃除場所は化学室付近だったので、古くなった実験道具を校舎裏近くにあるゴミ捨て場に向かってる最中だった。

 

「それにしても……これちょっと重いわね……」

「そ、そうかな? 私はドラムをしてるから平気だけど……」

「私も少し力つけようかしら……」

 

軽々と段ボール箱を運ぶ花音を見て自分も少し力をつけた方がいいかと悩む千聖。

 

「そういえば悠里くん、先生に何か頼まれてたよね?」

「あぁ……確か校舎裏の掃除を頼まれたって言ってたわよ」

 

花音の問いに件の少年が言ってた事を思い出す千聖。

その際にどことなく寂しそうな表情をしてたのが気になったが……

 

(また私に隠し事かしら?)

 

そう思いながら校舎裏に着いた時だった。

竹箒が横に置いてあった。近くにはゴミ袋も置いてある。それを見た千聖は何故か違和感を感じた……

普通なら、その光景を見ておかしいとは思わないのだが、直感的に()()()()()()()と感じたのだ。

 

「なんだろう……? これ……」

 

花音も自分と同じ事を思ったのか、現場を見て呟く。

ふと、悠里の顔が浮かぶ。そういえば、彼は校舎裏の掃除を頼まれた筈だ。もしかしたら近くにいるのではないかと思った千聖は段ボール箱を置いて、もう少し奥に行ってみる事にした。

花音もそれに続き、千聖の後を追う。

 

歩いて直ぐに違和感の正体に気づいた。

悠里だった。しかし何やら様子がおかしい……

2人がそう思った次の瞬間、悠里の体がふらつき始め、しまいには倒れてしまった。

 

「「悠里(くん)!?」」

 

突然の事に千聖と花音が悠里の元に駆け寄る。

軽く悠里を揺さぶってみるがピクリとも動かない……

 

「ち、千聖ちゃん……ど、どうしよう!?」

「落ち着いて花音! この場は私がいるから花音は誰か呼んできて!」

「う、うん! 急いで誰か呼んでくるね!」

 

千聖に言われた花音は急いで誰かを呼びに走って行った。

残された千聖は、他にどこか異常はないか悠里の手首を握るが……

 

(悠里の手首が……透けてる……!?)

 

そう。()()()()()()()

握っている感触はあるが、千聖から見て、明らかに悠里の手首が透け始めているのだ。普通の人間なら絶対に有り得ない現象が今ここに起きてしまっている……

 

「悠里……もしかして……また……なの……?」

 

彼女の小さく震えた声だけが、この場を支配していた……

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も少し暗めです。
本日はありがとうございました。


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第156話 目覚めと再会と警告と

ゆるポメラです。
前回の予告通り、少し暗めです。

それではどうぞ。


「うっ……」

 

目が覚めると、知らない天井だというのは誰もが思う事だろう。

瞼をゆっくり開く。漂う薬品のような匂い……

 

「…もしかしなくても……ここって保健室?」

 

身体を起こし、辺りを見回す。

何故自分は保健室にいるのだろうかと疑問に思った悠里が考えようとした時、保健室の扉が開いた。

 

「「「あっ……」」」

「…あ、えっと……」

 

彩と千聖と花音だった。

起きるタイミングを間違えてしまったのか、固まってる3人を見て、なんと声をかけていいか分からなくなる悠里……

 

「お、おはよう……?」

「おはようじゃないわよ!! このバカッ!!」

 

悠里がそう言うと、真っ先に怒鳴ったのは千聖だった。

俯いている為、表情は分からない……が声が若干震えていたので長年の付き合いである悠里には分かってしまった。

 

"また彼女に不安な思いをさせてしまった"……と。

 

「悠里くん、校舎裏で倒れたんだよ?」

「私も花音ちゃんから聞いてびっくりしたよ。近くにいた理事長先生と一緒に校舎裏に行ったら、悠里くんが倒れてたんだもの……」

 

花音と彩の説明に納得する悠里。

聞けば、その後、理事長が他の生徒が騒がないように内密に悠里を保健室に運んでくれたらしい……

 

(後でお礼を言わないと……)

 

そう思った時、保健室の扉が再び開く。

 

「失礼します! 悠里さんはいますか!?」

「し、失礼……します……ゆ、ゆうりくんは……」

 

紗夜と燐子だった。2人共、走って来たのか肩で息をしていた……

 

「紗夜ちゃん、燐子ちゃん。悠里くんなら今起きたところだよ?」

「「えっ?」」

 

花音の言葉に紗夜と燐子が顔を上げると、心配かけてゴメンとジェスチャーをする悠里の姿がそこにはあった。

それを見た2人は、へなへな~と座り込んでしまった。

 

「悠里、 紗夜ちゃんと燐子ちゃんも貴方が倒れたって聞いて心配してたんだから反省してよね?」

「……はい」

 

千聖に言われ、なんも言い返せない悠里なのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「そういえば……2人共、生徒会は?」

「今日は来客が来るとかで特にありません。大事な書類等は、昨日の内に終わらせましたので」

 

悠里の質問に紗夜が答える。

紗夜は風紀委員、燐子は生徒会長をやっているのである。

最も彼が驚いたのが、燐子が生徒会長をやってるという事だ。彼女は人混みや人前で何かをするのが苦手な事を知っていたので、初めて聞かされた時は何があった!?と思った程である……

 

「そ、それで松原さんから、ゆうりくんが倒れたって聞いて……」

「……ごめんなさい」

「ううん。でも……なんともなくて良かった……」

 

こればかりは謝る事しか出来ない悠里。

 

「紗夜ちゃん、さっき来客が来るって言ってたけど誰なの?」

「いえ……私も理事長から聞かされたばかりなので、誰かまでとは……ただ……」

「ただ?」

「理事長だけじゃなく先生方も慌ててたので、凄い偉い方がいらっしゃるのかと……」

 

彩と紗夜のやり取りを聞いた悠里は、ある事を思い出す。

 

「悠里? 顔色が真っ青だけど……どうかしたの?」

「いやぁ……紗夜ちゃんが言ってた"来客"という言葉に凄い心当たりがあって……」

「もしかして、悠里さんのお知り合いですか?」

「…うん。多分そう────」

 

そうだと思うと悠里が言おうとした瞬間、スマホが鳴った。

まさかなと思いながらも、スマホを操作すると、予想通りの相手だった。

メッセージを確認した悠里は5人に向かいながら……

 

「…その"来客"からメールなんだけど、今理事長室にいるみたい。みんなも来る?」

 

溜息交じりに言った。

その表情は、来れば分かるといった感じであると5人は察したそうな……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…僕が誘った後に言うのもなんだけど、みんなこの後の予定とか大丈夫なの?」

「私と彩ちゃんは今日はオフだから。仕事も入ってないし」

「バイトのシフトも入ってないから、今日はゆっくりできるんだ♪」

「…花音ちゃんは?」

「今日は練習もないから、大丈夫だよ?」

「…紗夜ちゃん、燐子ちゃん。Roseliaの練習は?」

「私達の方も今日は練習はありません」

「友希那さんが……休息も大事だって……」

 

理事長室に向かう途中、悠里は5人に放課後の事を訊ねた。

5人共、色々と忙しい身の為、もしも予定が入ってたらどうしようと内心、不安であったのである……

しかし、そんな事は無かったようだ。

 

「…さてと。そろそろ理事長室に着くかな……って……」

 

理事長室が視えたと同時に違和感があった。

それは……

 

「あの黒服の人達……誰だろう?」

「こころちゃんのところの黒服さん……かな?」

「……と思うでしょ? 実は違うんだよ、これが……」

 

ドア前にいた2人の黒服の女性である。

彩と花音が疑問に思ってるところに悠里は違うと答える。

そして黒服の2人に近づき……

 

「…すみません。もしかして六華さんと────って中にいます?」

「少々お待ちくださいませ……」

 

何かを話した後、黒服の女性は一度中に入って行った。

 

「悠里、貴方何をしたの?」

「えっと……中に入る許可」

「普通にノックをすればいいんじゃないんですか?」

「ああ。それはね────……」

 

先程のやり取りを見た一同。

そして千聖と紗夜の質問に悠里が答えようとした時、黒服の女性が戻って来た。

 

()()()。是非中へ入ってほしいと仰っています」

「……どうもすみません」

(((((悠里様?)))))

 

黒服の女性が悠里への呼び方に疑問を抱いた5人だったが、『ご友人様』も中へどうぞと言われたので、悠里に続き、5人も中に入る事にした……

 

中に入ると、理事長である六華の他に後ろ姿でよく視えないが、金髪の少女が来客用のソファに座っていた。

2人共、楽しそうに話している。そして悠里が頃合いを見て……

 

「…えっと……ミスティ?」

 

遠慮がちに言った。

すると呼ばれた少女は声がした方に振り向く。そして悠里の顔を見ると……

 

「っ!! ユーリ♪」

 

嬉しそうな声を上げ、悠里に抱きついた。

これを見た他の5人はというと……

 

(後で悠里とオハナシしましょ♪)

(うわぁ~、なんか映画のワンシーンみたい……)

(ふ、ふえええ~~~!?)

(ゆ、ゆゆゆ……悠里さんになんで抱きついてるんですか!?)

(わ、わたしも……混ざりたいな……)

 

反応は様々だった。

ただ1人、六華だけは『あらあら♪』と言いながら、この状況を楽しんでいたそうな……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一同が落ち着いた後、六華は悠里達6人をソファに座るように促し、悠里達は促されるままにソファに座る。

それを確認した六華は、先程の金髪の少女を座らせ自分も対面のソファに腰掛けた。

 

「さて♪ 何か質問はあるかしら?」

「あ。えと……私いいですか?」

「はい♪ 丸山さん、どうぞ♪」

 

のほほんとした表情で言う六華に対し、恐る恐る手をあげる彩。

 

「えっと……その子がドレスを着てるのはなんでかな~って……」

 

彩の質問は、他の4人の代弁でもあった。

それは金髪の少女の容姿だった。女子校には場違いのフリル調のドレスを身に纏っているので場違い満載だった。場違いという意味なら、悠里もだが……

 

「ああ♪ それね? 悠里くん説明よろしく♪」

「…ちょっ!? 待てよ!! ……失礼しました。僕が説明ですか?」

「あら♪ そのネタ、藍里ちゃんも昔やってたわね~♪」

「…あぁ……そうですか……」

 

うちの母は何をやってるんだと思いつつも悠里が、金髪の少女に視線を向ける。彼の言いたい事が分かったのか、頷いた彼女はソファから立ち上がり……

 

「皆様、初めまして。私、ミスティリーナ・メル・フィアーティムと申します。先程は驚かせて申し訳ありません。どうぞよろしくお願い致します」

「「「「「ど、どうも……」」」」」

 

上流階級のような仕草で5人に挨拶をした。

 

「…えっと、ミスティがドレスを着ている理由だっけ? 燐子ちゃんに問題です」

「えっ!? わ、わたし!?」

「NFOで一時期、高アイテムドロップ率の上昇イベントの名前は? ちなみに12月1日から12月10までのイベント」

 

NFOとは、悠里と燐子が趣味でやっているオンラインゲームである。

ちなみに紗夜も偶にやっている。

 

「えっと……その期間のイベント名は……『プリンセスキャンペーン』だよね?」

「正解。じゃあ、その由来は?」

「えっと……イベント限定で登場する、お姫様のクエストを達成すると、高アイテムのドロップ率が上昇……」

「……じゃあ最後の問題。その"お姫様"の名前は?」

「えっと……」

 

悠里の課した問題を考える燐子。

そしてある答えに辿り着く。それは……

 

「お姫様の名前は確か……『ミスティリーナ・メル・フィアーティム』……え、えっと……ゆうりくん……もしかして……」

「白金さん? 手が震えてるけど……」

「ひ、氷川さん。わ、わたしは夢でも見ているのでしょうか……」

「夢? 何を言ってるの?」

「じ、実は……そのお姫様のキャラ、とある王女様がモデルになってるんです……」

 

燐子の一言に紗夜、千聖、彩、花音は考える。

今の説明だと、そのモデルとなった人物は実在しているという事になる。となると、ある説が浮上する。しかも子供でも浮かぶ説だった……

 

「えっと……悠里? もしかして……この人がドレスを着てる理由って……」

 

千聖が悠里に確認を取る。

すると彼はこう言った……

 

「…かおちゃんの言葉を借りるなら、つまりそういう事だよ」

 

 

その言葉に5人は理解した。

 

 

 

つまり……目の前にいる金髪の少女の正体は……

 

 

 

 

本物(ガチ)のお姫様だった……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「…それでミスティが来日したのって?」

「……反逆者がこの国に逃亡したんです」

「あら。反逆者? 姫様の国でそんな奴等いたかしら?」

 

悠里がミスティに来日した理由を尋ねる。

すると重々しい口調で彼女は答えた。その言葉に六華も真面目な表情で首を傾げる。

 

「……穏やかじゃないね? まぁこんな事で警察が……動くわけないか。毎度の事だけど」

「ですね。この事はティアにも手紙で前から伝えてあるのですが……」

「…あぁ、ティアちゃんが言ってた異変の1つって、この事か……」

 

突然の重い話についていけない5人……否。

 

(何かしら……なんかとても嫌な予感がする。さっきの事もそうだけど……)

 

千聖だけは、悠里達の会話になんとなくだが理解しつつあった。

彼女は校舎裏で悠里が倒れた時に彼の手首が透けてるのを目撃してしまってるので、それとはまた別な事を危惧していた……

 

「それから……ユーリ」

「……えっ?」

 

心配な表情をしながらも真剣な表情で悠里を見つめるミスティ。

 

「貴方の事ですから、私が言っても無駄かと思いますが……()()6()()()()()()()()()()()()

 

彼女のその言葉は心配というより、警告に近かった。

 

「……うん。分かってるさ。僕には…もう……時間がないんだから……

 

彼のその表情はどこか悲しげだった……

 




読んでいただきありがとうございます。
今回登場したオリキャラの紹介になります。
こちらがプロフィールになります。

本名:ミスティリーナ・メル・フィアーティム

年齢:悠里と同い年

容姿イメージ:『甘城ブリリアントパーク』のラティファ・フルーランザ

身長:155cm

誕生日:12月10日

血液型:A型、いて座

一人称:私

次回もシナリオが纏め終え次第になりますので、
少し遅れたりするかもしれません。
次回もよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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第157話 託されたもの

ゆるポメラです。
久しぶりの投稿になります。

それではどうぞ。


「そういえば、ミスティ? メールにお忍びで来日って書いてあったけど……」

 

ミスティから警告を受けた後、悠里はメールの意味について訊ねる。

すると彼女は悠里の言いたい事を理解したのか……

 

「滞在予定ですか? 決めてませんよ」

「へー……決めてないんだー……」

「はい」

 

キョトンとした表情(カオ)で言った。

そして悠里もふーんと言いながら理事長である六華から出された紅茶を飲もうとした時、ある違和感に気付き……

 

「は、はぁ!?」

「「「「「っ!?」」」」」

 

これまでにないくらい驚きの声を上げる。

あまり聞かない悠里の驚きの声に千聖、彩、花音、紗夜、燐子は思わずビクッとしてしまう。

 

「ちょっと待って!? ミスティ、公務は!?」

「この日の為に全て終わらせてきました」

「何ドヤ顔で言ってるのさ!? 君、王女でしょ!?」

「王女以前に私は1人の女の子って言ってくれたのはユーリでしょう?」

「確かに昔言ったけど理由になってないよ!?」

「「「「「…………」」」」」

 

2人のやり取りに5人は唖然とする。

理事長である六華でもさえだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……こんなサプライズ……僕、聞いてない

「ゆ、ゆうりくん、げ、元気出して……?」

「そ、それで姫様? この後はどうなさるつもりだったのですか?」

「えっと……ユーリがここで短期バイトをしてると聞いたので、特にこの後は……強いて言うならユーリ次第かと」

「だそうよ? 悠里くん?」

 

気を取り直し、六華がミスティにこの後の予定を聞くと彼女は苦笑い気味に答える。

ちなみに悠里は燐子に慰められていた。

彼の心情は、どうしてこうなった状態であるが……

 

「えと……僕の予定だっけ? 終わったら南先生……僕が通わせてもらってる学校の理事長なんだけど、一度報告に行かなきゃいけないんだ。明日は羽丘女子学園ってところでバイトなんだけど……」

「じゃあ私もついて行きます♪」

 

悠里の言葉にミスティは答える。

なんでそうなると思った悠里だが彼の表情を見て……

 

「音ノ木坂学院の理事長ですよね? でしたら私も御挨拶に伺わないといけないと思って」

「……ちょっと待ってミスティ? 南先生の事なんで知ってるの?」

「数年前にアイリさん達と私の国に遊びにいらした事がありまして……そのご縁ですよ」

「えっ? じゃあ何? もしかして南先生、ミスティが今日来る事を知ってるとか?」

「それはないと思うわ。流石に南ちゃんも知らないと思うけど……」

 

まさかの予想にそれはないと言い切る六華。

 

「あ! そうそう! 羽丘女子学園で思い出したわ! 悠里くん、明日の事なんだけど授業は余りないと思うわ」

「…えっ? どういう事ですか?」

 

六華の言葉に疑問を浮かべる悠里。

 

「実は文化祭の準備中なのよ」

 

その言葉に更に疑問が浮かぶ。

 

「……文化祭? でも花女の文化祭ってもう過ぎたんじゃないですか? 5月の半ばかそのくらいでしたよね? 確か……」

「ちょっと悠里? なんでその事を知ってるの?」

「……え? あぁ……2年前に彩ちゃんが中間テストで行き詰まってた時に文化祭云々って愚痴ってたからさ。文化祭いいなぁって僕が言ったら、じゃあテストが終わったらおいでよって」

「そういう事ね。彩ちゃん……」

「あ、あはは……」

 

千聖の質問に答える悠里。

溜息を吐きながら千聖は彩を視線を向ける。当の本人は苦笑いだが。

 

「悠里くんが言うのも尤もなんだけど、実は今年は()()()()()()()()()()()()()()()()()で文化祭を行うの」

「……なるほど」

 

六華の説明に驚きながらも納得する悠里。

 

「そういえば、校門前にいくつか角材が置いてあったっけ……なら納得です。でも合同文化祭なんて初なんじゃないですか?」

「そうなのよ♪ 羽丘の生徒会長が提案したみたいで」

「そうなんですか。きっと陽気な感じの生徒会長なんでしょうね?」

「あ、あの、悠里さん……」

 

すると紗夜が悠里に声をかけてきた。

 

「紗夜ちゃんどうしたの? 何か言いにくそうだけど……」

「羽丘の生徒会長なんですが……その…()()なんです」

「……マジ?」

「はい。マジです……」

 

羽丘女子学園の生徒会長が紗夜の双子の妹と聞いて悠里は合同文化祭になった理由を納得してしまう。

否、納得してしまった……

 

「ユーリ、ユーリ、文化祭ってなんですか?」

「簡単に言うと、学校の生徒が学校内で開くお祭りだよ。ミスティの国で例えるなら……城下町で行われるお祭りかな。もっと簡単に言うと、僕らみたいな同年代だけで開催するお祭り」

「素敵です♪ 私も行けるでしょうか……」

 

キラキラさせた瞳しながら文化祭について悠里に聞くミスティ。彼女にも分かりやすいように悠里は説明する。

 

「それで? その合同文化祭っていつやるの?」

「6月8日と9日の2日間に決まりました」

「あ、あれ? まさかの早い日程……しかも土曜日と日曜日か」

 

6月に入って、いきなり大掛かりなバイト日程に不安になる悠里。まぁ文化祭気分が味わえるからいっかと考える。

 

「さて。そういう訳で悠里くん! 今日のバイトは終了になります」

「……あ。はい」

 

そして六華に今日のバイトは終了と言われ、悠里は返事をする。

 

「……というかミスティ。まさかその格好で出歩く訳じゃないよね?」

「ソ、ソンナコトナイデスヨー…………?」

「歩く気だったんだね………僕、職員室に戻って荷物取って来るから、私服に着替えておきなよ?」

 

さて。ミスティが着替えてる間、自分は職員室に置いてある荷物を取りに行こうとした時……

 

「ユーリ待ってください」

 

理事長室のドアに手をかけるとミスティが声をかけ、悠里の傍に寄って来た。

そして……

 

「これを……」

 

1枚の()()()()()()()を手渡した。

 

「……これを僕に渡したって事は、そういう事って解釈してもいいんだね?」

「…………はい」

「君が気を落とす事じゃないよ。僕だって分かってた事だから………」

 

2人の表情は、明らかに寂しそうだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

職員室に戻った悠里は、荷物を自分の鞄に纏めていた。

 

「…………」

 

ミスティから渡された薄緑色のカードを見つめる。

中央に藍色のラインが描かれており、裏側は藍色ではなく紫色のラインが描かれていた。

使い込まれた感があるにも関わらず、新品のように悠里には視えた。

 

(あ、あれ? おかしいな………目頭が熱い……)

 

よく見れば、カードを握ってる手元が微かに震えていた。

あぁ……そうか、自分は泣いてるんだと理解した……

 

「…()()()()()()()()……」

 

少年の泣き声が微かに響いていた……




読んでいただきありがとうございます。
次回も遅くなるかもしれませんがよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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特別編 穂乃果の誕生日

ゆるポメラです。
穂乃果ちゃん、誕生日おめでとう。
楽しんでいただけると幸いです。

それではどうぞ。



────これは悠里が花咲川女子学園でバイト初日でいない時の放課後の話である。

 

「海未ちゃん、この書類終わったから確認お願い」

「わ、分かりました……」

「ことりちゃん、このファイルにこれと同じ案件がないか探してもらってもいい?」

「えっ!? う、うん……」

 

放課後の音ノ木坂学院。

生徒会室では、いつもと違う様子が繰り広げられていた。

穂乃果が1人でテキパキと作業を行っていたのである……

 

「あ、あの、穂乃果? 少し休憩したらどうですか?」

「そ、そうだよ~。穂乃果ちゃ~ん……」

「…………」

 

海未とことりが休憩したらどうかと言うが、穂乃果は聞こえてないのかそのまま作業を続ける。

こんな時、悠里がいれば穂乃果を休ませる事を可能かもしれないが、彼は今、理事長から依頼されたバイトで音ノ木坂学院(ここ)にはいない……

 

(少しでも穂乃果が頑張らないと……)

 

2人が心配してくれるのは嬉しいが、穂乃果がここまで頑張るのは理由があった。

それは自分が生徒会長の就任式での話になる────

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ねぇ、ゆうちゃん……穂乃果、どこもおかしくない? 変じゃないよね?」

「…………大丈夫だから」

 

今ので何度目のやり取りになるのか。

 

緊張が過ぎるのか、どうも今日の穂乃果は様子がおかしい。

就任式の開始までもうすぐというところになって、急にソワソワと態度が落ち着かなくなった穂乃果に付き添いという形で同席した悠里から何度目かの溜息が漏れる。

今日は新生徒会長の就任式の日だった。

 

前生徒会長の絵里から推薦で選んだと聞かされた時、悠里は何事かと一瞬思ったが、『穂乃果だから大丈夫じゃない?』って言われ、納得してしまったのだ。

 

で、当の本人はというと。

 

最初は『頑張るよ!』と意気込んでいたのだが、当日になって一変。冷や汗をかいたり、ついにはあーとか、どうしよーと涙目で唸りながら、壇上の端っこでウロウロと歩き出していた。

そんな穂乃果の様子を見た悠里は声をかける。

 

「ほのちゃん。もう少ししたら始まるから。落ち着いて?」

「う、うん。だ、だ、大丈夫!! ほにょかは大丈夫だよ?」

 

とてもじゃないが、全然、大丈夫そうには見えなかった。

こんな時、穂乃果を落ち着かせるのは海未かことりだが、彼女達2人は今、壇上の向こう側……全校生徒が座っている側にいる。

遠目から見ると、海未とことりが心配そうな表情をしながら悠里達がいる壇上を見ていた。

 

「ほのちゃん」

「ふにゃあ!?」

 

未だ懲りずにウロウロしている穂乃果にさりげなく、さりげなく後ろから近付いて、肩をやや強く叩いてみた。

突然の事にビックリした穂乃果が、猫のような鳴き声を上げつつ、飛び上がりそうに身体を震わせて悠里のほうを振り向いた。

 

「お、驚かさないでよ、ゆうちゃん……」

「…緊張は取れた?」

「…………うぅ~、ゆうちゃんのいぢわる」

 

急に驚かされたのか、穂乃果は頬を膨らませながら悠里を見る。

 

(……さて。ほのちゃんが呼ばれるまでもう少しかな?)

 

未だ穂乃果の視線を感じつつも、悠里は状況確認をする。

多分、あと少ししたら新生徒会長の入場ですというアナウンスが流れるらしい……

本日の主役である穂乃果を見る。

よく見ると制服の襟の部分がズレて、髪は少しぼさぼさになっていた。

 

「ほのちゃん、ちょっとジッとててね?」

「えっ? う、うん……」

 

穂乃果の許可を取り、悠里は彼女の身嗜みをし直す。直してくれる悠里を間近で眺めながら穂乃果はふと思った。

 

(……こうやって近くで見ると、ゆうちゃんって、穂乃果よりも背が高いし、それに……カッコいいなぁ……)

 

考えてみれば、悠里と本当の意味で再会してから今日で数日が経つ。

 

(その内、背とか離されちゃうのかな?)

 

今思ってる事を悠里に言っても『そんなに変わらないと思うけど』と答えるのが想像できた。穂乃果、海未、ことりの3人が知る悠里はいつも自分達の事を考え、身体を壊してまで自分達には悟られないように行動する……そんな想い人(ヒト)だった。

 

「はい。これで大丈夫」

「あ、ありがとう……」

 

ぼさぼさになった髪も整えてもらい、ほんの少し下がって悠里が確認をする。

見られているようで、恥ずかしい気もするけど、悠里に他意は無いし、何より穂乃果の為にやってるというから、その優しさが穂乃果は嬉しかった。

だからなのか…………

 

「ゆうちゃん」

「……何?」

「穂乃果も前みたいに無理はしないけど、ゆうちゃんも無理はしないでね?」

 

気付けばそう口にしていた。

 

「……まぁ善処はするよ」

 

穂乃果の言いたい事が分かったのか、悠里は苦笑いで答えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

────その出来事があり、今に至る。

生徒会長になったばかりの頃、慣れない書類整理で捗らない事が多かったが、今ではある程度の量は1人でこなせるようになった。

さて。次の書類をやろうかと思った時……

 

「わっ!?」

「穂乃果は少し作業し過ぎです! 少しそこで休んでてください」

 

海未に書類をひったくられてしまった。

 

「あんまり根詰めすぎると、ゆーくんが心配するよ?」

 

そう言いながら穂乃果の目の前に紅茶を置くことり。

 

「悠里君に負担をかけさせたくないから、1人でやってたんでしょう?」

「えと……分かってたの?」

「顔を見れば分かるよ。それに穂乃果ちゃんが倒れちゃったら、ゆーくんも悲しむし本末転倒だと思うよ?」

「そうですよ。少しは私達を頼ってください。頼られ過ぎるのは困りますが……」

「海未ちゃんそれどういう意味ー!?」

 

何だかんだで悠里の事を想う気持ちは強い3人なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
間に合って良かったです……(苦笑)
今年は誕生日回にしようか、色々と悩みましたが、こんな形にしてみました。
次回も頑張りますのでよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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第158話 知る記憶と知らない記憶

ゆるポメラです。
他の作品と並行して為、こちらの作品の投稿が遅れてしまい申し訳ありません。
早速ですが、今回は暗いです。

それではどうぞ。


「う~ん……やっと終わったー……」

「お疲れ様♪」

 

生徒会の仕事が一通り終わり、ん~っと背伸びする穂乃果。

それを労うことり。

 

「とりあえず今日の分は、これで終わりですね」

「うん。2人共、手伝ってくれてありがとう」

 

作業を手伝ってくれた海未とことりにお礼を言う穂乃果。

あとは明日の分の書類に付箋を付けるだけなのだが……

 

「えーっと……付箋はどこだっけ?」

「確かこの辺に悠里君が置いてくれた筈ですが……あっ、ありました」

 

見当たらない付箋を海未が見つけてくれたが、付箋の残り枚数が少なかった。

ストックが切れかかっている……と言えばいいだろうか。

 

「うーん……これだけじゃ足りないよね。予備の付箋ってないんだっけ?」

「そういえば、ゆーくんが前に生徒会で使いそうな物とか、足りない物は自分の机の脇に置いてあるって言ってたよ?」

 

ことりが穂乃果にそう言った。

なんでも、もしなくなったりしたら取ってて構わないと悠里は言ってたそうだ。

 

「ですが、勝手に持って行ってもいいのでしょうか……」

「大丈夫なんじゃないかな? 海未ちゃんが言いたい気持ちも分かるけど……」

 

海未は少し抵抗があるようだ。

いくら悠里がいいと言っても、本人が居ないのに借りるのは気が引けた……

穂乃果とことりもそうだよねー……と言いながら。

 

「じゃあ穂乃果が取ってくるよ! 海未ちゃんとことりちゃんは明日の書類を纏めておいて?」

「あ。穂乃果、もし取りに行くのであれば、透明ファイルも数枚くらいお願いしてもいいですか? 悠里君が別の書類を纏めるのに使うと言ってたので」

「うん、分かったー」

 

じゃあよろしくねーと言いながら、生徒会室を後にする穂乃果だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「えっと……これ、かな?」

 

教室に着いた穂乃果。

悠里の机の脇に引っかかってる袋を見つける。

 

袋を開けると、透明ファイルや各サイズのルーズリーフが入ってるプラスチック製の鞄。そして付箋やクリップ等の小物が入ってるケースの2つが入っていた。

 

探していた付箋と海未から頼まれた透明ファイルを取り出す穂乃果。

それにしてもどれも新品。

……もしかして悠里の自費なのだろうか?

 

彼が戻ってきたら聞いてみよう。

 

「(なんか……ゆうちゃんに助けてもらってばかりだな……)」

 

そう思いながら、2人が待ってる生徒会室に戻る為、階段を降りようとした時だった……

 

『ゆうちゃんには関係ないでしょ!! 穂乃果達の事なんて!!』

 

悠里に対して酷い事を言ってしまった時の記憶が走馬灯のように蘇ってきたのだ。

 

「えっ……?」

 

突然の事に戸惑う穂乃果。何故こんな事を今? 何故……?

 

『友達だって思ってたのに……っ! なんで……なんで花怜ちゃんを殺したのっ!?』

 

今度は自分も知らない記憶……悠里を問い詰めてる自分が居た……

 

「あ、う……(し、知らない……こ、こんなの……!)」

 

……知らない。知らない知らない知らない知らない……っ! こんな記憶、自分は知らないっ!!

 

『────』

『っ! その……名前で……わ、私を二度と呼ぶなァアア!!』

 

そしてナニカを悠里に振りかざす自分……

 

「い、痛い……!! 頭が痛いよ……!」

 

急に激しい頭痛に襲われ倒れてしまう穂乃果。

 

「「「────!?」」」

 

視界も定まらない中、誰かが自分を呼んでる気がしながら穂乃果の意識は途切れてしまうのだった……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「穂乃果ちゃん、遅いね……」

「そうですね……」

 

穂乃果に頼まれ、明日の分の書類を纏め終えた海未とことり。

しかし肝心の穂乃果が戻って来ないのだ。

 

「あ! 良かった! 2人共大変なんだにゃ!」

「「凛(ちゃん)?」」

 

生徒会室の扉が乱暴に開いた音がしたので、海未とことりが視線を向けると凛が入ってきた。

彼女は走って来たのか、肩で息をしており何やら慌てた様子だった……

 

「ほ、穂乃果ちゃんが……3年生の教室の近くの階段で倒れたにゃ!」

「「えっ……」」

 

その言葉は海未とことりを思考停止させるには充分なものだった……




読んでいただきありがとうございます。
え?何があった?と思う方が多いかもしれませんが、実は本編に間接的なヒントがあります。

実は他の作品にも妙なヒントがあったり……

次回の投稿は来年になると思います。
頑張りますので、来年もよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


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