おっぱいが好きだ (ゆきひな)
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おっぱいが好きだ

人生初の短編小説がおっぱいとか泣きたくなる


 突然だが言わせてもらいたい。

 男なら分かると思うが、僕はおっぱいが好きだ。男の胸のことではなく、女性の胸部にある乳腺と脂肪分からなる部位、つまりはおっぱいが好きだ。暇があれば四六時中、いや、夢に出て来るくらいおっぱいが好きだ。なんなら愛していると言っても良いくらいだ。おっぱいの宗教が存在するなら例え怪しかろうと迷わず入信してしまうだろう。

 

 おっぱいには爆乳、巨乳と呼ばれる大きなものから、並乳の普通サイズ、貧乳、無乳と呼ばれる小さなものまで様々だか僕はどのおっぱいも好きだ。

 

 学生時代はよく女子のおっぱいの大きさでからかう男子生徒がいたが、今の僕がその場にいたらそいつら全員死刑だね。崇高なるおっぱいをからかうだなんて所業ありえない。訳がわからない。馬鹿なの、死ぬの。唯一、そういったおっぱいとかの身体的なことで女子をからかわなかった当時の僕を褒めてあげたい。

 

 僕は大きなおっぱいが好きだ。おっぱいを揉めば指と指の間からはみ出してしまったり、手のひらから零れ落ちようとする光景は、僕の心を踊らせる。更に大きな二つのおっぱいの間に出来た谷間が好きだ。夏なんかはそこに溜まった汗を舐めたくなる。汗の匂いと女性の甘いミルクのような匂いが混ざったそれが僕の鼻腔を刺激する瞬間は幸福だ。

 

 特にお気に入りは大きなおっぱいを持った女性が走る度に、それがプルンプルンと揺れる姿はヤバイ。健全な男性なら目線が下へと下がるのはごく自然なことだろう。学生時代、体操服でグラウンドを走る女子の姿など当時の僕は気にしていなかったが、いま思えば何故見ようとしなかったか、と後悔の念に駆られる。あれほどおっぱいと言う存在を意識させられるものは無いのにだ。

 

 世の男性諸君なら分かると思うが、僕の部屋に隠してあるエロ本は大きなおっぱいの女性達が撮影されたものが大部分を占めている。最近ではネットの環境が整っているため、インターネットなどでエロ動画なんかを見れる時代になり、わざわざ店でエロ本を買う人間は少なくなっていると思う。だがしかし、僕は声を大にして、いや多少は周りを気にして小さくするが、エロ本をレジに持っていく僕と店員との駆け引きが楽しいものでは無いのだろうか。相手が若い兄ちゃんならなんの問題もないが、おっさんだと妙に親近感の湧いた目で見られる。

 

 ただ、店員が若い女性だと、レジへ行くのを躊躇ってしまう。率直に言おう。おっぱい、おっぱい言っているが、僕は人並みの羞恥心を持っている。堂々とエロ本をうら若い女性の前に持っていける度胸は持っていない。精々、別の真面目ぶった雑誌と雑誌の間にエロ本、それも裏面を上に向けて表紙が見えないように小細工をして、レジへと出すのが精一杯だ。見栄だ、ちっぽけな僕のプライドを保つ細やかな抵抗だ。そんなものをぶち壊すかのように大抵の女性店員はエロ本の裏面をわざわざ裏返し、エッチな女性の姿が撮影されている表紙を見て、レジ袋に入れる。しかもエロ本を袋の中の外側、真面目ぶった雑誌の間に挟まずに入れるためエロ本の表紙が透けて外から丸見えなのだ。どんな羞恥プレイだよ、と思いながらも同じことを繰り返されるのを分かっていて止められない僕は変態なのだろう。それでもおっぱいが好きだから今日も買いに行く。

 

 話は戻すが小さいおっぱいも好きだ。世の男性は大きなおっぱい、あるいは普通のおっぱいが好きだと思われがちだ。揉み応えはないし、谷間だって出来ない。それを悩みにしている女性も多いだろう。だが、考えて欲しい。大きなおっぱいがあるのは小さいおっぱいがあるからこそなのだ。みんなが大きなおっぱいなら、大きなおっぱいは普通になり普通のおっぱいは小さいと言うことになる。

 

 誰だかが言っていたが、大きなおっぱいは夢が詰まっている。確かにそうだ。だが小さなおっぱいは皆に夢を配っているとも思えるし、僕は大きなおっぱいより夢が詰まっていると考えていた。濃縮されたから小型化したのだ。想像してみなよ。あのなだらかな曲線は均整のとれた芸術品のようなラインじゃないか。それに小さなおっぱいにこそ、桜色の乳頭が良く映えるだろ。しかも触ればそこには女性らしい柔らかさが確かに存在する。鑑賞するなら大きなおっぱいだが、実際に触れるとなると、僕は小さなおっぱいが好きだ。具体的にはAカップが良い。

 

 ただ、ここで勘違いしないで欲しいのは僕はロリコンではない。おっぱいが小さいければ良いのではなく、背の高さも必要だ。背が高いけどおっぱいは小さいというある種ギャップを含んだ黄金比は最高である。

 

 僕の彼女は世間一般から言えば所謂貧乳と呼ばれる部類に入る。彼女は自分のおっぱいに自信なさげだが、僕としてはそんな彼女の自信なさげな表情が可愛らしく思える。ただ、彼女としてはおっぱいを大きくしたいらしく胸を揉ませたり入浴後のマッサージを度々している。僕としてはそのままでも良いのだが、彼女としては並乳にして、何とか谷間を手に入れたいようだ。どんなおっぱいでも、僕は好きだし、彼女のおっぱいなら尚更好きだから彼女の納得するまで付き合ってあげるつもりだ。

 

 普通サイズのおっぱいと言えば、高校時代に友達のYと議論したことを思い出す。ある冬の日に学校帰りに買い食いしようとコンビニで中華まんをYと自分の分の二つを買い、コンビニの前で食べようとした時だ。どちらから言ったのかは忘れたが、中華まんはおっぱいでいうと何カップ何だろうな、という至極どうでもいい疑問を真剣に話し合った。結論はCカップぐらいじゃね、となったが、何とも馬鹿らしい会話をしてたもんだと僕は苦笑した。

 

 あの後、Yは真相を確かめるべく中華まんを二つ買い、家で自分の乳首に中華まんを当て、バストを測ったらしい。次の日学校に来たYが熱々の中華まんを胸に当てたため火傷したことを聞かされた時は笑いが止まらなかった。不貞腐れていたYも今では中華まんサイズのおっぱいの女性と家庭を築いている。

 

 そんな友人の近況はおいて置くとしてだ、僕はやはり、おっぱいが好きだ。おっぱいが好きでたまらない。今の彼女は僕におっぱいを触られることを許しているが、もし彼女から拒絶されれば、僕は道行く女性に頭を下げておっぱいを触らせてください、と懇願するだろう。人間のクズのように地面に頭を擦り付け、土下座もやってのける。そんなことをすれば変質者扱いされ、警察に捕まってしまうのは目に見えているのだがあの甘美な誘惑には抗えない。

 

 僕はおっぱいが好きだ。だから今日も彼女のバストアップトレーニングの為に、僕はおっぱいを揉む。

 

 僕はやっぱりおっぱいが好きだ。

 




タグはR15でいいですかね?R18にした方が良いのかな。


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彼女のおっぱいが好きだ

 僕はおっぱいが好きだ。大きなおっぱいも小さなおっぱいも好きだ。だが勘違いしないで欲しい。僕は誰のおっぱいでも良いのではなく、今は僕の彼女のおっぱいが好きだ。あの可愛らしいおっぱいが好きだ。あのおっぱいに触れて、揉めるのなら僕は何だってするだろう。少なくとも彼女が僕の彼女でいてくれる限り、他の女に手を出すような不埒な輩にはならないと誓ってもいい。

 

 そんな僕は今、正座している。自分の部屋の絨毯の上に縮こまって正座している。僕の前には愛しの年下の彼女が仁王立ちで僕に何かを言っている。間髪言わずに捲し立てて来る彼女はどうやら怒っているようだった。いつもはハの字の可愛い眉毛が逆ハの字になっているのを見ると相当頭に来ているらしい。だが、僕はそんな彼女の言い分なんて耳に入れずに、ただ、彼女のおっぱいを一心不乱に見ていた。今日の彼女はTシャツの上に薄いカーディガンという服装のため、女性のおっぱいは強調されるはずだが、残念なことに彼女の小ぶりなおっぱいはその姿を現してはいない。それでも僕は彼女のおっぱいが好きだから彼女がわずかに動くたびに変化する服の皺がぴったりとおっぱいの形を現すまでそこから目を離さない。

 

 熱心に見ていると頭に衝撃が走った。折角可愛いおっぱいを眺めていたのにそれを邪魔されたことに不快感を抱きながら、顔を上げる。そこにはジト目で僕を睨む彼女がいて、その手には僕のお宝本、表紙に巨乳のグラマスなお姉さんのビキニ姿が描かれたエロ本が丸められて棒状にされ握られていた。そう、そうなのだ。僕が部屋の押し入れの底、それも二重底の下に隠していた秘蔵のエロ本集が彼女に見つかってしまったのだ。

 

 何十冊とあるエロ本を全て部屋に晒され、その内容に目を通していく彼女。数冊読んだ彼女は涙目になっており、僕に正座を促した。僕はもちろん反抗する気はなく、寧ろいつもは背の高い僕が彼女を上から見つめるという図が多いが、今回は僕の方が低い位置なので下から彼女のおっぱいが眺められると内心大喜びで正座した。人間のクズのような考えだが、僕は彼女のおっぱいが好きだから仕方がない。好きすぎていろんな角度から見てみたいと年がら年中思っている。

 

 そんな僕のくだらない男の欲望はこの際、隅に置いて置くとしてだ。彼女はエロ本に載っている女性が皆、巨乳と呼ばれる大きなおっぱいの女性ばかりということに腹を立てているらしい。はっきりと言おう。僕はどんなおっぱいも好きだが鑑賞するなら大きなおっぱいが好きだ。おっぱいを両腕で抑えて強調している姿が好きだ。おっぱいを下から持ち上げる姿も好きだ。だが、僕はエロ本は巨乳の女性が多いという熱い思いを彼女に伝えるなんて暴挙に出るつもりはない。ましてや、彼女は小さなおっぱい、貧乳だ。そんなことを言えば絶対に傷つき、下手したらさようなら、なんて展開が訪れるのも無いとは言い切れないだろう。

 

 そんな僕が中々、弁解をしないことに苛立つ彼女は、エロ本の山から一冊、『おっぱいがいっぱい~魅惑のエデンへようこそ~』とデカデカとしたタイトルに、巨乳の女性が扇情的な黒の下着を身に付け、女豹のポーズをした表紙の書物を取り出した。馬鹿丸出しのタイトルだが、それが僕の部屋に有り、その所有者が僕ということは僕もまたおっぱいに取り憑かれた馬鹿なのだろう。そして彼女は表情を一切消し、その本を捲っていく。そこには淡々とおっぱいのことが書かれており、男性側から見たらおっぱいというものは性的興奮を煽るものという流れになってきていた。

 

 さらに彼女はページをめくり、それを声に出す。はっきりと僕に聞こえるようにだ。

 

 『私はおっぱいが好きだ。しかし、Bカップより下の胸はあまり好きではない。なぜなら揉みごたえもないし、私の体も反応しない、つまらない。興奮を覚えないのだ。そもそもおっぱいというのは谷間ができてこそであり、谷間がないなら出直してこい、と言いたい』

 

 彼女の可愛らしい口から繰り出されるその言葉に、僕は最高にパニックに陥っていた。よりによってそこを音読するか、と。この本を書いた筆者の気持ちなのに、それがまるで僕の気持ちを代弁してんでしょ、みたいな彼女の圧力が純粋に怖い。違う。僕は真の意味でおっぱいが好きなのだ。この筆者のように選り好みなどせず、分け隔てなく等しくどんなサイズのおっぱいも好きなのだ。

 

 彼女は後数ページ同じように音読していたが、遂に我慢できなくなりそのエロ本を床に叩きつけた。そのエロ本を親の敵を見るように見つめ、次いで僕に視線を移した。その目がもうこの部屋から出ていきたい。谷間のない私はこの部屋にいる資格がないのだから、谷間を作ってくる、と暗に訴えているようだった。ここで僕が無言のままだったら彼女は本当に谷間を作りに出ていくだろう。ただ、彼女の胸のサイズ、Aカップから谷間を作るとなるとほぼ不可能に近い。つまりはここで別れましょうなのだ。そんなことをされれば僕は我慢できなくなり、道行く他人の女性たちにおっぱいを揉ませてくれと頼み込み、警察に捕まるだろう。彼女との関係も終わり、人生も終わる。おっぱい好きの紳士からただの性犯罪者へと成り下がるのだ。それは避けなければならない。僕にはまだ僕を産んでくれた母親が生きている。次に母と会うのが警察官に見守られ面会などとんだ恥さらし、親不孝ものだ。

 

 ちょっと待て、僕は縋るような気持ちで彼女に声をかけた。緊迫した空気がより一層濃くなった気がしたが、今はなりふり構ってられない。

 

 さっきの本の三十四ページを開いてくれ、僕の言葉に彼女は困惑した表情を見せるが、おずおずと床に落としたその本を拾い、言われた通りにそのページを開いた。

 

 そこにはこう書かれているはずだ。大きいが全てじゃない、小さくたっておっぱいだ!! 馬鹿みたいな見出しだが、ページ数を覚えるほど読み込んだ僕は度を超えた大馬鹿野郎なのだろう。唖然とした表情で僕と本を交互に見つめる彼女に間髪入れずに言う。

 

「僕はおっぱいが好きだ。大きいのも小さいのも好きだ。僕が君のことを好きになったのは君のおっぱいを気に入ったからだ。おっぱいから恋が始まったといっても間違っていない。僕は君のおっぱいが気に入って、この子のおっぱいを揉みたいと思って告白した。はっきり言って、体目当てだ。でも、今は君のおっぱいじゃないとダメなんだ。君がどんなにそのおっぱいに自信が無かろうと僕にとっては最高のおっぱいなんだ」

 僕は熱く語る。彼女は顔を引きつらせているが知ったことか。僕は彼女の両肩に手を置き、真剣な眼差しで彼女に言う。

 

「君のおっぱいが好きだ。愛してる」

 彼女の顔がみるみる赤くなりプルプルと彼女の体が震えだした。そして、一閃、パシンと甲高い音が鳴り、僕の頬に衝撃が走った。呆然とする僕を置いて、彼女は部屋から飛び出していく。頬が熱い。ビンタされたのだ。そう気付いた時、僕の体から力が抜け膝から崩れ落ちた。

 

 終わった、僕の人生が終わったのだ。さようなら、おっぱい。さようなら、僕の人生。

 

 僕はそのあと何もする気が起きず、ベットで不貞寝した。次の日、職場に行くため玄関を開けた僕の目の前には、やけに気まづそうにしている彼女がいた。

 

 あぁ、やっぱり僕は彼女のおっぱいが好きだ。




何か勢いで書いたらこんなになった。反省はしていない


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おっぱいが恋しい

 仕事の休憩時間、同僚や上司がタバコを吸いに敷地外へ行く中、僕は自分の席から動こうとしなかった。僕の勤め先である男女共学の高校では、敷地内での喫煙はご法度なのだ。学校と言っても僕は教師と言うわけでは無い。勿論、校長みたいな偉い職業でも無く、経験の浅いスクールカウンセラーだ。思春期の少年・少女達の悩みに親身に対応するあれだ。

 

 席から立ち上がろうとしない僕に、普通サイズのおっぱいの事務のお姉さんがコーヒーを入れてくれた。先日まではロングヘアーだったのだが、ショートヘアーに髪を切ってきた事務のお姉さんは、ニコリと笑うと自分の席に戻って行く。どうやら、彼氏さんと別れたらしい。この事務のお姉さんは失恋するたびに髪を切ってくるのでわかりやすい。今回の彼氏さんは彼女の髪がロングヘアーになるまで持ったのだから、よくやったということだろう。

 

 白のティーカップからコーヒーの香りと湯気が出ていた。僕はそれを口に含みながら、おっぱいについて考える。おっぱいは素晴らしい。あの手に吸い付く感じはたまらない。早く、仕事を終わらせて彼女のおっぱいを揉みたい。何なら今すぐ彼女の元へ行き、そのおっぱいを拝むことも可能だが、ここは学校だ。あくまで先生と生徒の関係だ。

 

 そんなことを思いながらコーヒーを飲んでいると、何やら事務の方でお姉さん方がこちらを見て笑っていた。中には頬を染めた人もいるが何かあったのだろうか。僕は再びおっぱいを脳内に思い描きながらチャイムがなるのを待つ。僕は職場であろうと休憩時間はおっぱいについて考える。暇さえあればおっぱい、これに限る。

 

 チャイムがなった。四時間目の授業の終了を告げるそれが鳴り終わる前に、僕はティーカップを洗い、部屋を出た。廊下には食堂へと移動する学生や教室への出入りなどで騒がしくなっているが、僕は特に気にもせずに学生相談室へと歩みを進める。すれ違う女子生徒と挨拶を交わしながら、おっぱいをさりげなく見る。学校というのは素晴らしい場所なんだと社会人になって気づいた。多種多様なおっぱいがこの学校という一つの箱庭に集まっていると考えると学校という制度を考えた人物は天才では無いだろうか。いや、そもそも学校とは男が行く場所という考えだったから、女性も行けるようにした人物が天才なのか。学生時代は学校に行くのが億劫だったが、こうしていろんなおっぱいを無料で鑑賞出来るなら世の男子学生は嬉々として登校するべきである。

 

 窓からグラウンドを見れば、体育を終えた女子高生の体操服姿が拝める。昼休みの時間を確保したいのか忙しなく、走り出す女子高生のおっぱいが揺れるのを見れるなんて幸せだ。女子高生のおっぱい最高だぜ。でも、僕の彼女のおっぱいが一番良いけどね。

 

 とまぁ、生徒の悩みを緩和する仕事についたスクールカウンセラーの僕が真昼間からおっぱい、おっぱいと脳内を満たしているというのは些かどうかと思いながらも、おっぱいが好きだから仕方が無い。いきなり女子高生に襲いかかることをしないだけありがたいと思って欲しい。理性を抑えるのに僕も一苦労しているのだから鑑賞ぐらい許して欲しいよ。勿論、ジロジロ見るのでは無く、さりげなく自然におっぱいを見ているので、気づかれる心配はない。

 

 僕は大学生時代、医学部として過ごした時間を全て、おっぱいをいかにして愛でるかということだけを心の支えにして生きてきたので、他人に気付かれることなくおっぱいを視界に入れることなど造作もないのだ。そもそもスクールカウンセラーになること自体、女子高生の制服越しのおっぱいを見たいという純粋な欲望を叶えるためだけに選んだようなものだ。医学部ならそのまま医者になれば患者のおっぱいぐらい見れるだろ、と思うかもしれないがそれじゃ駄目なのだ。日常に垣間見えるエロス、何気ない仕草の中に感じられるおっぱいほど素晴らしいものはない。

 

 廊下を歩く女子高生のおっぱいを見ながら廊下を歩けば、僕の本当の仕事場、学生相談室がもうすぐそこだ。各学年の教室がある新校舎とは違う、理科室や美術室、音楽室などの移動教室を中心に集められ、昼休みには人気のない静かな場所になる旧校舎の一角に学生相談室はあった。教室の三分の一ほどの大きさのそこは、テーブルに椅子が二脚、壁には花が描かれたカレンダーがぶら下がっている落ち着いた部屋となっている。それと奥にお茶などを出すための小さな給湯室があるぐらいでこじんまりとしていた。

 

 僕はまず奥へ行き、自分の分のお茶を注いで席に着いた。窓から差す暖かな陽光が、部屋を照らし出している。外からは昼休みは始まったばかりというのにもうグラウンドへ出て、遊んでいる男子生徒の騒がしい声が聞こえてくる。外で遊ぶ暇があれば、今のこの時間を同級生のおっぱいを鑑賞することに費やせばどれほど幸せかを彼らに教えてあげたいが、この学校で僕は生徒思いの頼れるスクールカウンセラーということになっているらしいので、迂闊なことを口に出せない。だから僕は渋々、言葉を飲み込み、騒がしい声をBGMに朝、彼女に渡された手作り弁当を開ける。色鮮やかなお弁当に僕は目を輝かせ、とりあえず唐揚げを口に入れる。そういえば今朝、お弁当と一緒にマシュマロも貰っていた。

 

 マシュマロといえばおっぱいと似ているなんて言うが、おっぱいを愛している僕はそれは間違いだと声を大にして言いたいね。マシュマロはやわらかすぎで、おっぱいはもう少し弾力がある。こう、おっぱいを押すと弾き返してくるような感じがあるのに、マシュマロにはない。あんなことを言うやつは童貞だ。そういえば、先月、旅行に行った熊本県でおっぱいのようなマシュマロというものがあると聞いて、その商品を買ったが、時代の流れというのは凄まじいらしい。あれはおっぱいだった。驚愕した。一個三百円代と手頃な価格で片乳が手に入るのだ。六百円でおっぱいになるのだ。学生時代、中華まんを胸に当てた友人Yか僕がこのおっぱいのようなマシュマロの存在をもう少し早く知っていれば、Yが胸を火傷せずに済んだのかもしれない。

 

 そんなことを思い出しながら、お弁当を食べていたら、コンコンと控えめにドアがノックされた。どうやら誰かが相談に来たようだ。僕はお弁当を一旦片付け、ドアを開ける。そこには一人の男子生徒。僕はとりあえず彼を部屋に招き入れ、給湯室へと行く途中、部屋の窓を開け換気する。弁当の匂いが充満した部屋というのは居心地の悪いものなのだ。給湯室から彼の分のお茶を注いだコップを持ってきて彼の前に置く。彼はそれに一口、口をつけると意を決したように話しだした。

 

 どうやら彼は自分の将来が不安らしい。今まで真面目に勉強し、順位もトップを維持していたがふと将来、自分が何をしたいのか分からなくなった、というものだった。先程までおっぱい、おっぱい考えていた僕からしたらとても立派な考えすぎて感服する。僕なんて高校の今頃は、おっぱいの魅力に取り憑かれ始めていた頃だ。そんな僕のおっぱいエピソードを絡めて話すわけにも行かず、そういったことへの対応にはテンプレート通りのことを言う他ないだろう。それを心理学を専攻していた僕は、相手の心に深く訴えるような演技をしながら彼の心に染み込ませていく。

 

 どうやら彼は僕のその対応に納得したらしく、やけにすっきりとした顔でありがとうございます、と礼の言葉を述べて、部屋から出ていく。おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい。真面目な相談に、至極真面目に対応したからだろうか、無性におっぱいが恋しくなった。高校2年生の僕の彼女は新校舎の二階の二年二組の教室にいるはずだ。今すぐ彼女に会いたい衝動に駆られるが、まだ勤務中であることを思い出し、遣る瀬無い気持ちを抱きながら食べかけの弁当を開く。

 

 やけに甘ったるい卵焼きを食べながら僕は思う。

 

 僕はおっぱいが恋しい。




書き上げた後に、自分のことが心配になってきた今日この頃。


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彼女のおっぱいが恋しい

 今日は僕の彼女について話そうと思う。

 彼女は、僕がスクールカウンセラーとして働いている男女共学の公立高校に通うごく普通の高校二年生だ。理事長の娘なんて言う華やかな経歴の持ち主ではなく、彼女の母親は専業主婦、父親は役所勤めの公務員という、ありふれた家庭だ。ごくごく普通の家庭に生まれ、ローンがまだ残っている二階建ての一軒家に住み、一人妹がいる。妹は有名な私立の小中高一貫の女子校に通う中学二年生だ。妹とは僕はよく会うのだが、この話は別の機会にしよう。今は彼女の話だ。

 

 彼女の容姿は、今時の高校生としては珍しく、髪を染めていない黒髪をポニーテールに纏めた髪型だ。少し垂れ目な瞳に、ハの字の眉毛、可愛らしい小ぶりな口、そして小さなおっぱい。そう、僕のお気に入りのAカップのおっぱいだ。僕が彼女に告白する理由ともなったそのおっぱいは、毎日彼女が自分でやるマッサージや時々、僕の家に来た時に揉んでいるのだが、出会った当初から一向に大きくならない。僕は別に大きくならなくても、そのままのおっぱいでも好きで、愛しているのだが彼女からしてみたら納得いかないらしい。特に最近では、周囲の同級生の女の子たちの発育が凄まじいらしく、度々嘆いている。

 

 彼女の性格は豪快、大胆、男気があるといえば聞こえが悪いが、要は肝が座っている、度胸があるということだ。僕より度胸があるんじゃないだろうか。遊園地のお化け屋敷に入っても度胸のある彼女は決して怖がるなんて真似はしないので、怖がった彼女が腕にしがみついてきておっぱいが当たるなんて嬉しい展開は僕らの間では絶対に起きない。あまりに怖がらないから僕が代わりに怖がるふりをしてそのまま彼女のおっぱいに顔を埋めようとしたが、カウンター気味の拳を顔面に叩き込まれるはめになった。ただ、そんな彼女でも心は乙女の様子で、何気ない仕草は女の子らしいし、デートをする度に初々しい反応をしてくれるので男冥利に尽きる。

 

 部活は茶道部に入っており、火曜日と木曜日は部活があるので、その日は会うことはできない。彼女には僕の家の鍵を渡しているが、彼女の家にも門限が有り、部活帰りに僕の家によってもろくに話す時間もない。かと言って他の日は僕は別の学校にカウンセラーとして仕事に出たりしているので休日の日曜日ぐらいしか時間の都合が合わない。

 

 あぁ、彼女のおっぱいが恋しい。この僕が柄にもなく彼女のおっぱい以外のことを考えてしまうほど、僕は彼女が恋しくなっていた。今日は土曜日、彼女と最後に会ったのは一週間前だ。某大学で心理学の研究職として、ある教授の手伝いをしている僕は机に向き合い期限の迫っているレポートを作成していた。僕らの研究室では、男性は何故おっぱいに性的興奮を覚えるのか、ということについて研究している。いつもなら筆が進むのに、今日は全くはかどらない。大学を卒業して、社会人になった今でも学生時代からのこの研究が好きでボランティアとして教授の研究を手伝うほど、僕はその真理を日々探求しているというのに、今日はまったくもってやる気が沸かない。

 

 気分転換に隣の席を覗いてみれば、ノートパソコンのエロ動画を見ながらにやけてるイケメンがいた。画面上の女性のおっぱいがぶるんぶるん揺れているが、それをなんとも思わない僕はこれは本当にマズイな、と思い彼女のおっぱいに会いたいと考えつつ、そのイケメンを見た。彼はその整った顔立ちをしていながら口元をにやけさせているのに、その美貌は衰えていないのだから不思議としか思えない。金髪の長い髪に上下黒のジャージを着た彼はだらしなく椅子の背もたれに体を預けて、耳から伸びたイヤホンから若干喘ぎ声が漏れているのを気付くことなく動画を視聴している。引っぱたいてやろうか、とこの女に僕はそんなことを思った。そう、女。僕はこの女を彼として扱っている。

 

 僕の視線に気づいた彼はバツの悪そうな顔を一瞬したが、直ぐにポケットからタバコを取り出すとライターで火をつけようとした。僕はタバコを吸わないから分からないがショートホープというものらしい。ただ、この研究室内は禁煙だ。僕としてもタバコの煙を吸いたくなどないので、外の喫煙所で吸って来いと部屋から追い出した。未だに揺れ続けるおっぱいの動画を止め、再びレポートに取り掛かろうとするがやはりやる気が出ない。

 

 一向に働かない頭にうんざりしながら作業の手を止め、僕は時計を見た。時刻は昼過ぎ。まだ昼食をとっていなかったことを思い出し、進まない作業に時間をかけるぐらいなら食堂へ向かうことにする。喫煙所は食堂の近くだからついでに彼を誘い、昼食にしよう。そう思い、鞄の中からメールをするため携帯電話を取り出した。折りたたみ式の携帯を開くと、新着メールが届いていることに気づいた。

 

 メールの送り主は彼。内容は僕に貸した五つの貸りのうち二つを払えというものだった。具体的には、大学の目の前にあるハンバーガーショップからポテトのMサイズを二つ買って食堂に来い、というものだ。正直、大学の前のハンバーガーショップはこの時間帯、ここの大学の生徒で大混雑しているのであまり近寄りたくないのだが、彼から貸しを返せと言われればそうするしかないだろう。タバコの仕返しかと思ったが、今更そんなことで腹を立てるような関係ではなかったなと苦笑した。

 

 僕と彼は大学の先輩、後輩という関係だ。といっても実際の年齢は同い年で、いわゆる彼が浪人していた、ということだ。同じ研究室に入った彼はやけにイケメンすぎて外国の女優でも見ているような美人という印象の中性的な顔立ちの美形だった。大学に入った当初から、告白され、モテまくりだった彼は不思議なことに誰とも付き合うことはなかった。僕がそんな彼と仲良くなったのは、彼の秘密を知ったからだ。

 

 彼は女だった。性同一性障害、体は女、心は男、それが彼だった。新しく入ってきた彼達を歓迎すべく毎年恒例行事となっている歓迎会という名の新入生酔い潰しの飲み会で、べろんべろんによった彼がトイレで下半身を出したまま寝ていたところを僕が発見して彼が女だということを知った。僕としては下半身が露出していただけで、おっぱいが見れなかったのでどうでもいいことだったが、彼からしてみれば一生の不覚だったらしく口止めされている。まぁ、興味なかったから喋るつもりなんてないが。

 

 彼から借りた借りは僕の元カノを紹介してもらったことで一つ、元カノとのデートのセッティングで三つ、別れたあとの元カノへのアフターケアで一つの合計五つだ。最後の一つは、元カノに払ってもらえと言いたいが、彼にはいろいろと迷惑をかけたので仕方ないといえば仕方がないが納得していない。というわけで、混雑する大学生たちの波に嫌気を覚えながら、ポテトを購入し、せめてもの抵抗だとばかりにポテトをつまみ食いしながら僕は言われた通りに食堂へとやってきた。

 

 食堂の一席に座っていた彼は僕を見つけると手を挙げ、自分の居場所を知らせて来た。そして、そのテーブルにはもう一人、見間違えることなんてない僕の彼女がいた。何故彼女がここに、というより、彼と一緒にいることに疑問を覚えたが、彼女のおっぱいが恋しかった僕は内心ラッキーと思ってしまった。彼女には僕の携帯のアドレスも教えており、彼女がそれを使わなかったのは意外だったが、彼女を見つけたのが彼であったのは不幸中の幸いだろう。大学には様々な人間がいるため、女子高生が大学に来ていると知れば悪さをする輩も出てくるかもしれないのだ。

 

 彼は僕が席に着く前に、僕からポテトの入った袋ごとひったくるとテーブルにポテトを出し、僕の彼女に食べていいよと勧めつつ、ポテトを数本、口へと運ぶ。どうやら、彼女が大学まで来たのは最近、僕に会っていなかったので、会いたくなって来たという可愛らしい答えだった。隣で彼がヒューヒューとポテトを頬張りながら茶化してくるが、彼の存在には助かった。もし、彼がここにいなければ、僕は彼女を押し倒してその愛しのおっぱいを揉みたくるところだった。危ない危ない。その証拠に僕は彼女のおっぱいに右手の人差し指を正面から一本押し当てる程度で済んでいる。ペシンと彼女に僕の手が払われ、指がおっぱいから離れる。その様子をゲラゲラと周囲の視線を気にせず豪快に笑う彼。

 

 あぁ、彼女のおっぱいが恋しい。




男は皆おっぱいが好き、でしょ?


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おっぱいが膨らむ

 携帯というものは便利だ。電話にメールに、スケジュール帳に電卓機能、最近ではアプリというものを入れることでゲームなんかもできるようになるらしい。ソーシャルゲームなんて言う物が社会問題にまでなってニュースで流れていたりするが生憎、僕はそういったものには興味がない。そんな暇があるならネットでおっぱいの画像でも閲覧しているだろう。僕の検索履歴は『おっぱい 美しい』、『おっぱい 貧乳』、『おっぱい 巨乳』、『おっぱい、水着』みたいなので埋まっている。時代の流れとともに、多種多様な機能が生み出されていくその小型機械は僕のおっぱいライフにとっては手放すことのできない素晴らしいものなのに、なぜ僕の折りたたみ式携帯電話には防水機能がついていなかったのか後悔するばかりだ。

 

 洋式トイレの水たまりの中に水没した僕の携帯を見て、僕は他人事のようにそう思えるほど、ひどく落ち着いていた。あ、落ちてる程度のように感じたのだ。携帯にぶら下がっていた、まりおっぱいという頭にブラジャーをつけた坊主(目がパッチリ)のストラップが水中でゆらゆら動くのを眺めていた。あまりにショックな出来事に放心状態になっていたようだった。我に返り、携帯を引き上げた時にはもうすでにお亡くなりになっていた。電源がつかない、全く反応していないのだ。

 

 絶望だった。中身のデータまで壊れていたら終わりだ。僕の集めた画像フォルダ、おっぱいコレクションがもう二度と拝めなくなるかもしれない、そう思うと涙が出てくる。ついでにまず最初に思い浮かべるのが彼女との思い出の写真とかそんなんじゃないあたり、僕は駄目人間だと確信する羽目になった。そもそも、自分の意識がなくなるほどお酒を飲んだのが良くなかった。職場の動機と飲み屋をハシゴした後、家の玄関まで帰ってきたのは記憶にあるのだが、そこからいつの間にかトイレに入り、携帯を便器の中に落としてしまっていたようだ。不覚だ、僕に秘密がバレた同じ研究室の彼の気持ちが少しばかり分かったような気がした。

 

 ただ、いつまでもこうして便器の前で項垂れていても時間の無駄だ。おっぱいコレクションという尊い犠牲が生まれた可能性があるが、幸いにして僕の連絡帳には僕の彼女とその妹、僕の母親と兄貴、研究室の彼と教授、高校時代の友人Y、そして各種仕事場への電話番号ぐらいしか度々連絡を取る相手は登録されてない。さっさと携帯ショップに行って、新しい携帯に解約してしまおう。最近ではスマートフォンというタッチパネルの奴が出て、僕の周りの人間も続々そっちへ移行しているのでちょうどいい機会だと思うことにしよう。

 

 そうと決まれば善は急げだ。僕はまだ痛む頭を我慢して携帯ショップへと行く。僕の町の携帯ショップは大型ショッピングモールの一角にあり、今日は平日の昼前ということもあって、大して混むこともなく携帯の機種替えを終えた。予想通り、携帯は連絡帳のデータ以外すべて破損しており、僕のお宝画像集はもう二度と戻ってこなくなったが、戻ってきたら戻ってきたらで携帯ショップで僕の対応をしてくれた若いお姉さんにそのセクハラ画像という名のおっぱい画像を見られるという恥をかく羽目になったので、今回は首の皮一枚つながったということにしておこう。

 

 僕はショッピングモール内を新しく買い換えた白のスマートフォンを弄りながら、歩いていた。果物のロゴが裏側に入ったそれは噂通り様々な機能がついていて、どうにも扱いが分からない。僕の彼女はスマートフォンなので、今度彼女に色々と教えてもらおう。そうと決まれば、何か彼女にお土産の一つでも買っておいたほうがいいだろう。要は僕の気持ちの問題で決して僕の彼女が無償で教えてくれないわけではない。

 

 そうと決まれば寄る場所は決まっているだろう。僕は何食わぬ顔で、女性用下着売り場へと入っていく。世の男性は、女性用下着売り場に入ることに抵抗を覚えるらしいが、何を臆することがあるのだろうか。女性の魅力的なおっぱいを彩るブラジャーを選びにそこに入る事、それすなわち彼女への愛ゆえの行動なのだ。僕のような紳士は何もブラジャーやパンティーを見て、ぐへへ、と顔をにやけさせるためにそこへ行くわけではないのだ。そんな変態と僕を一緒にしないで欲しい。おっぱいを崇め奉るからこそ、そんな神聖なおっぱいが輝けるように衣装選びに行くただそれだけだ。

 

 先程からブラジャーを真剣な眼差しで選ぶ僕の方を、怪しいものを見るような目で見てくる店員のおばさんがいるがそれはきっと僕ではないだろう。だって僕は紳士だ。今日はおっぱいに悩む僕の彼女のために可愛らしい下着を買いに来ただけだ。全くもって邪な考えなどない。だから僕は彼女に似合いそうな白のレースが付いた下着を手に取る。

 

 そういえば、僕と同じ研究室の彼はブラジャーをつけていないらしい。今時珍しいサラシでおっぱいを平らに潰していると言っていた。それは彼なりの女の体に対する男でありたいというせめてもの抵抗なのだろう。きっと彼が今後、女として振舞うというようなことはないと思うし、仮にあったとしても全く想像できない。それぐらい彼は男より男らしかった。

 

 おっと、ジロジロと手にとったブラジャーを見ている場合ではない。先ほどの店員のおばさんがこちらに向かってきているのだ。断じて、僕の方に来ているわけではないだろうがさっさとレジで支払いをしてしまわないと人生が終わりそうなので、渋々レジへと行く。決して逃げたわけではない、戦略的撤退だ。警察とかが怖いわけじゃないぞ。

 

 会計している最中も変な視線を浴びせられていたがきっと何かの間違いだろう。プレゼント用にラッピングされたそれが入った袋を片手に再びショッピングモール内を歩く。もうじき七月ということもあり、店のあちこちでは水着売り場が設けられていた。マネキンに着せられたビキニを見て夏の訪れを感じるなど風情も何もないが、地球温暖化の影響で変な天気が続いているので仕方のないことだろう。

 

 ともかくだ。夏が近づくっていうのは僕にとっても嬉しい。学生である僕の彼女は補習があるものの夏休みで今まで以上に時間は空くし、僕もまたスクールカウンセラーとしての仕事は休みに入る。大学での研究は忙しくなるが、時間を作ろうと思えばどうとでもなるだろう。

 

 そうと決まれば予定を立てておくべきだろう。夏と言ったら海かプールに行きたい。おっぱいがいっぱいだ。右を見て左を見て、正面を見れば全方位おっぱいが見えるというのはとんでもない天国だ。さらに僕の愛しのおっぱいを持つ彼女の水着姿も拝めるのだ。ただ、彼女のおっぱいを不特定多数の男どもに晒すのは、物凄く嫌で片っ端からそいつらの目を潰して視界を奪ってやりたくなるが、海やプールでも行かない限り僕の前で彼女が水着に着替えることはないだろう。悩んでしまうが、とりあえず保留ということにしておこう。

 

 他には夏祭りや花火大会など、夏休みの行事はいっぱいだ。あえて、どこにも出かけずに家でダラダラと過ごすのもいいだろう。それに彼女のおっぱいを一日愛でても退屈することなどないはずだ。考えれば考えるほどいろいろと思いついてしまうがそれはそれで至極当然なのだ。彼女が高校二年生というのを考慮すると、こうして遊べるのもこの夏休みが最期、そりゃいろいろしたくなる。夏休み明けには来年の大学受験へ向けて勉強の日々を過ごすことになるのだから、僕と会う機会も減ってくるだろう。寂しい気がするが、学生としては避けては通れぬ道なので僕が我が儘を言うわけにはいかない。

 

 ショッピングモールから外へ出れば、カラッとした雲一つない晴天から陽射しを浴びせられ目を細める。もう夏はすぐ近くにまで来ているようだ。僕は期待に胸を膨らませ、一歩を踏み出す。

 

 いや違うか、僕は期待におっぱいを膨らませ、一歩を踏み出した。




 次回は彼女のおっぱいとのイチャイチャを書く予定。


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彼女のおっぱいが膨らまない

 僕の高校時代というとちょうどおっぱいの魅力に気づき始めた頃に当たる。きっかけは何だったのか。何かのテレビ番組だったかもしれないし、エロ本だったのかもしれない。あるいはクラスの成長している女子達を見ていたからかもしれない。今となっては思い出せないし、思い出そうともしないが高校時代の僕が医学部の大学を受験しようと思ったのは間違いなく女のおっぱいを見たいという男の欲望からだろう。

 

 しょうもない物を目標に高校時代を過ごしてきた僕とは違い、僕の彼女は将来、教師になるために勉学に励んでいるという。そんな彼女は学生たちの憎きテスト期間に入ると必ずと言っていいほど、僕の家に勉強を教えてくれとやって来る。彼女は学習塾に通っているため、僕なんかに教えを乞う必要はないはずなのだが彼女の談によると塾の先生に教えてもらうより、分かりやすいらしい。それに塾の方もテスト前に塾に来ないのを怒りそうだが、彼女の成績は上位グループに入っているようなので何のお咎めもないそうだ。

 

 というわけで、彼女は僕の自室の丸テーブルに勉強道具を広げて、黙々と問題を解いている。隣で僕はエロ本ではなく(エロ本は彼女に見つかってしまい、全て処分された)、推理小説を読んでいる。温泉旅館を舞台に繰り広げられる殺人事件を、偶々、女体を覗きに来ていたおっさんが解決に導くというもので、知人に勧められて読んでいるがなかなか面白い。僕は小説は推理小説や冒険小説、恋愛小説など様々なジャンルを読むが、特に好きなものは官能小説だ。やはりおっぱいの描写があるというのは嬉しい。

 

 時々、彼女は小説を読んでいる僕の肩をトントンと叩き、分からない問題を尋ねてくる。高校生の勉強は社会人になってほとんどしていなかったが、学生時代の記憶というのは染み付いてしまっているようで、分からないということはなくスラスラと教えられる。彼女の方も僕の説明で理解できたようで、時折相槌を打ちながら、問題を解いていく。

 

 彼女の白魚のような指がシャープペンシルを動かし、真っ白なノートに文字が書き込まれていく。静かな部屋に聞こえる本のページをめくる音と、筆音、そして時々聞こえる彼女の息遣い。自分の部屋だというのに普段は絶対にしない女性特有の甘い匂い。隣で女の子座りをした僕の彼女を横目で見れば、彼女の長い黒髪は後ろでまとめられたポニーテールで、そこから覗くうなじとうっすらとかいた汗。

 

 なんかエロくね。僕は自分でも分からない胸の奥底から湧き上がるこの感情に戸惑っていた。僕は女性のおっぱいにしか興味がないおっぱい大好き人間だ。そこにおっぱいがあればとりあえず目で追ってしまうそんな男だ。彼女に告白した理由も彼女のおっぱいに恋をしたからであり、一目惚れだ。そこには彼女の性格だとか人柄だとかは含まれていない。ただ、今日の彼女はおっぱい以外の部分でさえも僕を惹きつける。

 

 僕はその気持ちを彼女に気取られないように内心を隠しながら、推理小説を読み進めるが、内容が全く頭に入ってこない。彼女の息遣いが異様に耳に入ってきて、僕の脳内をかき回す。平常心を保て、僕。こういう時は冷静になるんだ。おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい、おっぱい。数学の3.14はπ。よし、冷静だ。

 

 確かめるように彼女に視線を向ければ、彼女と目があった。少し垂れ目な瞳には、僕の惚けた表情が写っている。少し驚いたような顔をした彼女の頬に赤みが差していき、慌てたように目をそらされ、ノートと問題集に目を向けた。彼女の息遣いが少し大きくなったような気がするが、気のせいだろうか。あれ、僕の彼女ってこんなに可愛かったっけ?

 

 おおよそ、自分の彼女に対して今更何言ってんだよ、と思うかもしれないが今日の彼女は何かおかしい。いや、おかしいのは僕なのか。ここ最近、彼女と会えていなかったから久しぶりに会った故に、僕の心は舞い上がってしまったのかもしれない。会えないことへの鬱憤、フラストレーションが解消されたことで、僕は彼女のおっぱい以外にも目が行くようになったということか。確かに僕の彼女は平均よりも可愛らしいと思う。目鼻立ちもそこそこ整っているし、スレンダーでカモシカのような美脚を持っている。成績優秀、運動神経抜群、料理や家事も人並みには出来て、度胸もある。こうして、改めて彼女を見てみれば、とんでもないステータスの持ち主だ。どうして高校生の彼女からしてみたらおっさんの僕なんかの告白をOKしたのか疑問に思ってしまう。高校生と言ったら自分のクラスメイトや先輩、後輩の中に、イケメンがいてもおかしくないし、そんなイケメン達に恋をしてしまう年頃だろうに。

 

 

 そんなことを考えていたら、再び肩を叩かれた。再びわからない部分ができたので説明をして欲しいらしい。僕は問題に目を通し、解き方を解説していく。ふと、僕はあることに気がついてしまった。彼女より身長の高い僕は彼女を上から見下ろすような形になるのだが、彼女の鎖骨、そして胸元に黒いリボンをあしらった薄いピンクの膝上くらいまでの長さのワンピースからわずかに覗く、僅かな膨らみがチラチラと見えることにだ。いわゆる胸チラだ。室内が暑いのか、それとも彼女の体温が上がっているのかわからないが鎖骨を伝った玉のような汗が二つの小さな膨らみ、おっぱいの間を伝って消えていく。

 

 それを必死に意識の外へ追い出しながら問題の解説に専念しようとするが、一度気づいてしまったその甘美なモノに自然と目が行ってしまうのは、悲しいが男の性だろう。結局男は皆、おっぱいなのだ。おっぱいが好きで好きで堪らないのだ。考えていることは問題の解説に二割、残りの八割はおっぱいなのだ。どうやったらあの少し汗ばんだ二つのおっぱいを手中に収めるか、ただそれだけのために策略を練る僕がいた。

 

 解説が終わり再び問題を解いている彼女に気づかれないように僕は彼女の背後に周り、そのおっぱいを僕の両の手がワンピース越しに掴んだ。柔らかな感触が手のひらから伝わってくる。ぷよぷよ、小さいながらも手のひらを押し返してくる弾力はまさしくおっぱいだった。ピクっと彼女の肩が跳ね上がり、首をロボットのように動かして背後を向き、ぎこちない表情をした彼女の顔が僕を見た。僕はそれにニコッと爽やかスマイルで返し、おっぱいを揉んでいく。

 

 服越しの柔らかな感触を味わいつつ、もう片方の手を服の中に入れようとしたその時、僕の腹部に激痛が走った。彼女が僕のみぞおちにエルボーをしてきたのだ。力を失い、おっぱいから手を離した僕は激痛で蹲っていた。彼女は着崩れた服を直しながら、真っ赤な顔をしてブツブツと文句を言っている。

 

「そんなんせんでも触りたいなら言ってくれれば...」

 何を言っているのか全く聞き取れないが僕は激痛の中、こう思った。やっぱりおっぱいは柔らかい。彼女の新鮮なおっぱいの感触に妄想を膨らませながら、僕は痛みが引くのを待つ。...ぐへへ。あ、今のは断じていやらしい妄想してたわけじゃないです。

 

 僕は今日もおっぱいを揉み、おっぱいを愛していることを実感する。僕は大きなおっぱいも小さなおっぱいも成長途中のおっぱいも好きだ。おっぱい好きと告白された彼女もそれを受け止めたようで、勉強の後、おっぱいを揉ませてくれた。彼女いわく、大きなおっぱいを手に入れるには好きな人におっぱいを揉んでもらうのが一番、とどこが情報源かも分からない信用に値できるか怪しげな情報を鵜呑みにしていた。まぁ、それで彼女のおっぱいを愛でることができるので、僕としては不満はない。

 

 ただ、彼女のおっぱいは一向に膨らまない。僕としては彼女のおっぱいならどんなものでも好きだけどね。




そう簡単に、膨らんでたまるか


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