実験的な小説達 (H-R-ホライズン)
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セイバーが妖怪首置いてけになったようです
いつも見てる、という方はおはこんばちわ。H-Rです。
セイバーに関しては、台詞は
俺=おいお前=おまん
で読んで下さい。
誰か鹿児島弁教えて…!分けわからん
「これが、アーサー王…?」
切嗣は呆然とした面持ちで召喚された英雄を見る。
朱色に彩られた防具は騎士、というより武士だと警鐘を鳴らしているが信じたくもない。持っている剣が日本刀であるだなんてごまかしだ。
僕はエクスカリバーの鞘を依り代にしたんだ。日本の武士な訳が無い。
しかし、現状は非情である。
「おい、お前が俺を呼んだマスタァ、とやらか?」
日本語の、それも鹿児島訛りの言葉で呼びかけられた。
「う、嘘だ。日本の英雄が呼ばれるなど…あり得ない!」
「ところが生憎そうなっとる。俺も何故かは知らん。そこまで問うても無駄足無駄足」
その青年の台詞に観念したかのように切嗣は頷いた。
「分かったよ。君を僕のサーヴァントとして認めよう」
「俺は島津豊久。クラスはセイバァ」
「分かったセイバー。僕は衛宮切嗣だ」
-221:36:01
森のとば口で戯れる親子を、豊久は見つめていた。
「もしかして、珍しいの?あんな切嗣が」
アイリスフィールが問うが、豊久は首を振った。
「俺の親父(おやっど)もそうだった。人殺しじゃったが父親やった。誰もが当たり前のように子ば可愛がるんよ」
そう答えて視線を戻す。
イリヤスフィールは豊久の事を簡単に受け入れ、直ぐ懐いた。
お兄ちゃん、と呼んで一緒に遊んでいたっけ。
アイリスフィールは何となくそんな事を思い出し、笑う。
「ふふ、そうね。ホムンクルス(私)だってそうだもの。誰彼構わず子供は至上の宝物なのかもね」
「俺はそんな事ば言いよる詩を見た覚えがあんど」
「まぁ、本当!何時か教えてくれない?」
日本の事だからか、彼女は一層目を輝かせた。
「お、応…」
それがなかなかの迫力な上、豊久は誰のどんな詩だったか、忘れ掛かっていたため、曖昧な返事を返す事となる。
-162:27:03
F空港にて、アイリスフィールと豊久の二人は降り立った。
「俺は聖杯から幾らか知識ば貰っとったが、本当に行くと驚きしか感じん」
「…そうでしょうね。あなた、ずっとアイツベルンの城に居たんですもの。自分の国の変わりように、驚くのも当然よ」
切嗣は豊久にアイリスフィールの護衛を任せていた。何故かは知らないが、豊久は霊体化出来ていない。
それの原因は何なのか未だ不明だが、それ故にアイリスフィールの護衛に適任、と切嗣は考えたのだ。
豊久はそれを快諾した。のだが…
「これで本当に紛れる事が出来んのか?」
「ええ、私の趣味もちょっと入っちゃったけど」
真紅のネクタイにダークスーツ。似合わない訳ではないのだが、それがより一層、豊久の清々しく、どこか精錬とした雰囲気を引き上げてしまい、その現代人らしからぬ異質さをこれでもかと表している。
「本当か…?」
入国手続きを終えて、ロビーに入る。そこで自分に集まる視線に、豊久は再び呟いた。
つづく?
えらく噛み合った陣営ですねぇこれ。
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