ウルトラマンアーザ (仁。)
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プロローグ

今回は怪獣は出ません。


文才とかそういうのはないですが、よろしくお願いします。


宇宙

 

故郷が滅亡し、弟とも生き別れとなり、ずっと、一人で、星の願いを聞き入れ、みずらの星にも訪れた脅威を退けながら旅を続けてきた。

そうやって旅をし続け、太陽系の近くを通ったところ、かすかな声を聴いた。

 

気になって、太陽系に入っていった。

 

 

 

 

そして、とある蒼い星の前に止まる。

 

『————助けて、はるか先、深い闇が訪れる。そうなれば、私や、この世界が…』

 

そして、どこからか女性の声が聞こえた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・ああ!任せろ。助けよう。最後まで守り通す。地球(貴方)も、この星に住む人々も。」

 

『ありがとう。』

 

この女性の声は、この地球自身の声だった。彼は、いろんな星の声を聴くことが出来、会話することができた。

そして、地球に声に頷き、彼は・・ウルトラマンアーザは、光となって、地球の中に引き込まれるように入っていった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「よし、と・・名前は、モリモト・ダイキ。社会人。」

 

かつてのルーキーウルトラマンのように、名前や戸籍を作り、この星に溶け込んだ。

ただ一つ。驚いたのは、人間だった。

人間たちは、彼の故郷の人たちと、そっくりな姿をしていただったことだ。だから、彼等に擬態するわけでもなく、かつての姿を取った。

 

彼の目は澄んだ青色をしていた。

 

 

まぁ、服は人間の服をまねているが。

 

 

「今、は、平和だな。」

 

今は特に怪獣など現れることはなく、町は平和なままだった。

 

 

「これから、どうしようか。RUYS JAPANという地球防衛組織があるらしいけど・・」

 

 

「あ!」

 

「?」

 

信号を待っていた男の人は声を上げた。ダイキは、不思議に思ってそっちを向くと、子供が、横断歩道の真ん中を歩いてて、それをトラックに惹かれそうになっていて、

 

「!!、あぶない!!」

 

ダイキはとっさに、男の子を、抱き上げ、そのまま駆け抜けた。

ダイキと男の子との距離は少し遠かったが、少し力を使ったなんて内緒の話だ。

 

「っ・・・大丈夫か?君?」

「う、うん。お兄ちゃんは?」

「俺は大丈夫。」

 

「あ~なんだよ。勝手に飛び込んできて・・・ひっく・・」

 

「ん?」

(酒、臭いなこいつ。・・・・)

 

「何言っているんだ。お前。」

駆け寄ってきた男の人がそうつぶやいた。

 

「お前こそなにいってんだ?」

おそらく酔っぱらっている男は、不思議そうに言った。

 

「・・・」

 

「そこの坊主がここに飛び込んできてさ」

 

ピキッ

 

ダイキのどこかが切れた

 

「こいつが「もう一回言ってみろ。」・・・あ?もう一人の兄ちゃんか、?」

 

「・・・・はぁ・・・よーくきけ、ここは、ちゃんとした信号がある。そして、横断歩道もだ。信号もちゃんと見えたところにもある。・・・そして今は赤だけど、この子が、わたってた時は青だった。この目でちゃんと見たから確かだ。」

 

「は?」

 

「な?青だったよな?」

 

ダイキは振り返り、そばにいた男の人や、野次馬に聞いた。

「ああ、青だった。」

「普通に青だったよね。おねぇちゃん」「ええ。たしかに信号青だったわよ」

「ていうか、その人酒臭い。飲酒運転じゃ」

 

 

「な?これきいても、さっきの言葉いえるのなら言ってみろ。」

 

笑ってそう言い放った。

目は笑っていながったが、

 

 

「あ、すま、すい、すいませんでした!」

「・・・あーはいはい。どいてどいてー・・君かな?飲酒運転で、子供を引きそうになったってのは?」

 

誰かが通報したらしく、警官がやってきた。そして、トラックの運転手を、飲酒運転などで引っ張っていった。

 

 

「愁!大丈夫!?」

「あ、お母さん!!」

 

連れて行ったあと、男の子の母親と思われる女の人が、走ってきた。

 

 

「ありがとうございます!!本当にありがとうございます!!」

「ありがとう!お兄ちゃん!!」

 

「・・・ありがとう?。そうかありがとう。」

驚いたかのように、言葉を繰り返すが、最終的には微笑んだ。

 

(・・・人間にもいろいろな人たちがいるんだな・・知りたい。な・・)

 

その親子と話してるうち彼はそう思った。

 

 

 

 

 

 



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第一話 再び現れた脅威 

本当に申し訳ありません…・



これからは頑張りたいです…!


本当にごめんなさい…
よろしくお願いします!!


 

 

 

 

「……。今日も、平和だな。」

 

地球の頼みを受け、人間に溶け込んでから、はや一年。自分からしてみれば、大した月日ではないが、人間にとっては長い月日となる。

そんな中、彼は、私服を着こなし、街の中を歩いていた。

 

「…それでさー」

「えーあれ?結構よかったじゃん」

 

「お母さんあれかってー」

「だめよ、前買ったでしょ。」

「けちー」

 

そしてこの一年間、怪獣は全く現れず、平和そのものであり、この通りこの町は人が集まりにぎわっていた。

 

この地球防衛隊であるCREW RUYSも、入るつもりで調べたが、平和だからか、今はメンバー募集などは取り扱ってはいなかった。

 

それもそのはず

闇が訪れるという予言がなされてはいるが、ウルトラマンメビウスの最後の戦いから15年経ったが怪獣は一つも現れず、平和となっていた。予言もまたこれはダイキ本人にしか知りえないものだった。

 

「にぎわかだなぁ、まぁ平和が一番だ。…これが続けば一番なんだけどな」

ダイキ本人もこのたくさんの人が集まり、楽しそうに暮らす話し声や賑やかさが好きであり、街を歩きながらそれに浸っていた。

 

どんな脅威がこの地球が襲っても、なんとしてでも自身を犠牲にしてても地球を、この人々を守りたいと思っていた。それほどまでに、彼等の人間たちの優しさに触れていており、この星を第二の故郷にしてもいいかもしれないとすら思った。

 

 

と、一息ついたその時

 

 

「うわっ」

「なんだ!?地震か!?やばい逃げろ!!」

 

 

とてつもなくでかい地震が起き、多くの建物が大きく揺れ、時には崩れた。

突如起きた地震に、人々は逃げ走った。

その中、ダイキだけはその場にとどまり、険しい顔で、ある方向を見ていた。

 

「…これは‥この気配…まさか・・っ!」

 

とある可能性にいたり、次の瞬間には走り出していた。

 

人々が走って逃げている方向とは逆の方向へと、

 

「かっ、怪獣だ――――っ」

 

 

ぐGAおおおおおおおおOOOOOおおおおおおおおお!!!!!!!

 

 

 

 

一際大きい怪獣の咆哮が響き渡り、空から怪獣が、降りてきた。

降りてきた瞬間、怪獣は暴れまわり、まさにすべてを無に還さんと建物を破壊し始めた人がいるのもお構いなしに、地響きみたいな恐ろしい咆哮をあげながら

 

 

 

「あれは…!くそっついにきたのか、この星に!」

 

 

この宇宙を旅するなかで、何度か交戦し、打倒してきた存在であり、闇の力を受けた怪獣。

予言はこのことなのだと、察した。

 

 

「暗黒染体怪獣…!!!」

 

この星を守ろうとするこの星の人間たちが、ピンチに陥っているのを見て、

そしてどこか故郷に似ている、大切なこの地球()を、奪わせてたまるものか、と彼を引き留めようとした声を無視し、走り出した。

 

 

そして、ウルトラマンの姿に変身するためのアイテムを構え、

 

「もう二度と失わせやしない!絶対に守ってみせる!」

 

 

そして、

 

 

「アーザーーーーーっ!!!」

 

 

天に向かって掲げ、彼の体は、光に包まれた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

ぐGYOOOOOOおおおおおおおおああああああ!!

 

怪獣が吠える。そして、それに比例するかのように、そばにあった建物を破壊し、その破片が落下する。

 

「うわぁああああ!?なん、なんでだよ。」

「逃げろ!!!」

「嫌だっ俺は死にたくねぇ!!なんで今更怪獣なんて15年も出てこなかったのに!!」

 

人々が走り、逃げ続ける。

 

「どうして、どうしてだ。なんでまた、せっかく彼らが取り戻してくれた平和を‥」

 

 

どうしてまた奪われなければならないんだ…ッ!!

 

そんな悲痛な叫びが、人々から聞こえた。

 

 

◆◆

 

 

 

『ヒナザキっ!クルジマっ!なんとしてでも撃破するぞ!!これ以上被害を出さないために!!』

 

「「GIG!!!!」」

 

突如現れた怪獣を撃破するために、地球防衛隊であるCREW RUYSの基地から二つの戦闘機が空から飛んできた。

 

「まったくもう!!この眼が嫌になるわ!ほんとに怪獣がやってくるなんて!!この15年はなんだったのよ!!」

「それ言っても仕方ない!!今は目の前の敵をなんとかするぞ!ヒナザキ!」

 

戦闘機を操縦し、文句を言うヒナザキにクルジマが激を入れる

「分かってるわよ!何のために今まで訓練してきたわけ!こいつらを倒すためよ!!」

「その息だ!!!」

 

飛んできた戦闘機を撃ち落とそうと、怪獣の口から光線が発射されるが、戦闘機…ソリューションストライカーは、それをよける。

 

「隊長!横から来てるっ!!」

「分かっている!避けるぞ!!」

 

隊長と呼ばれた男はその手腕で、怪獣からの攻撃をよける。

 

「寿命が縮むと思ったぁ~」

「それくらいで縮んでどうする。先が思いやられるぞ。タカミヤ!」

隊長が激を入れた矢先

 

「隊長!メテオール使用許可をっ!!!きゃあっ!?」

「うわぁあ!?」

『ヒナザキ!クルジマ!大丈夫かっ!!』

 

彼女たちが乗るソリューションストライカーに怪獣の攻撃があたり、その翼から、煙が出ている。

 

「操縦が効かない!やられた!」

「落ち着け!!ヒナザキ!」

いまにも墜落しそうな彼等を見た隊長は、

 

『ヒナザキ!クルジマ!今すぐ脱出しろ!!』

 

「しかし!!やり切れませ『隊長命令だ!』っ‥GIG!」

「GIG!…早くするぞ!」

 

墜落する一歩手前、二人は戦闘機から脱出した。

 

「脱出したか…。」

「……アイハラ隊長…これ俺たちでやらなきゃならない感じですよね‥」

「…そうだな。だが、やらなきゃではないやるしかないっ!!」

 

アイハラ隊長と呼ばれた彼は、戦闘機を操縦するハンドルを強く握り、何かを意を決したように

 

「メテオール解禁!」

「りょ、りょうかいです!」

 

隊長の宣言に、後ろに乗り込むタカミヤが、慌ててパネルを操作させる。

 

次の瞬間には、機体が金色のオーラに包み込まれ、今までの移動速度がぐんと駆け上がった。だが、この力は、使い方を間違えれば、最悪な事態を招くため、使用時間はたったの1分。

そして、怪獣の光線、攻撃を避けながら、怪獣にダメージを与え、その行為にイラついているのだろうが、怒りが込められた雄叫びをあげた。

 

「隊長いまです!」

「ああ!…『メテオールストリームショット』!!!!」

 

僅か無防備となった怪獣に、強力な光線に竜巻が巻き付いた攻撃が、遅い、それは、怪獣に命中した

 

「!!やったか!?」

 

先ほどの攻撃に土煙が立ち込めて、怪獣の姿は見えない、そして、一分間が経ったのか、機体からメテオールの効力から消え、普通の状態に戻る。

 

「!?いやまだだ!!!」

 

土煙から晴れ見えた怪獣の姿はある程度のダメージは受けてはいたが、ほぼ無傷(・・・・)の状態だった

 

「う、うそだろ‥!?」

 

そのような現状に、タカミヤは絶望的な顔をする。

そして、その現実を突きつけるかのように怪獣の攻撃が当たってしまった。

 

 

「くそっ、ハンドルが…!」

 

「……。タカミヤ。」

「なんでしょう!?」

「お前だけでも、脱出しろ!!」

「却下!!!!!何言ってるんですか!?」

後ろのタカミヤだけでも脱出させようとするが、それも間に合わず次の攻撃が襲おうとしていた。

 

「!?くそっいいから脱出しろ!!!」

「隊長ぉおおお!!!間に合いません!!!!!」

 

タカミヤを強制脱出させようするが、間に合わずあきらめず攻撃を避けようとする。

「くっそぉおおおおおお!!!」

(諦めてたまるか―――!!!死ぬわけにはいかないんだ―—!!)

 

 

怪獣の腕が機体にあたろうするときに、隊長―—アイハラ・リュウは頭をかばうように腕を頭の上に持っていき、衝撃に耐えようとするが、

その攻撃が届くことがなかった。

 

彼等が乗っていたその機体は光に包まれ、

 

「…!ウ、ウルトラマン…‼‼」

 

その光から、彼らが乗っていた機体を守るように持つ、赤い体をもつ、光の戦士。ウルトラマンがそこにいた―――。

 

 

 




戦いにまでは要らなかった…



これからは頑張りたいです…


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第二話 希望の光

二話は、現れたウルトラマンの戦闘


オーブ見たいです‥!

遅くなって申し訳ないです…

登場怪獣

 暗黒染体怪獣・ダラス


突如現れた怪獣から守るように現れたウルトラマンを目にした人々は

 

「ウルトラマンだ!ウルトラマンが来てくれた!助かったんだ!」

と喜びの声をあげた。

 

 

―—…ウルトラマンアーザと変身したダイキは、やられそうになっていた戦闘機をそっと、地面に卸し、その機体から人が降りてきて無事なのを確認して、軽くうなずいてから、怪獣と向き直る。

 

(これでよし、大丈夫だな。この星の人間勇敢な人がいるんだなぁ。)

 

(だけど、今は、目の前の怪獣を、倒す!)

 

「デアッ!」

 

アーザはゆっくりとしかし、力強く怪獣に向かって、左手を怪獣に向け、右手を頭の近くに持っていき構えた。

 

 

 

「ミライじゃない。新たなウルトラマン…。」

「…。そうですね。アイハラ隊長‥」

 

その様子を、見つめる。

 

 

 

 

 

 

突然現れて自分の邪魔をした自分の敵に、苛立ちながら雄叫びをあげ、突撃してきた。そして、その鋭い爪を持った腕を振り上げる。

 

「っ!!デェアっ!!!!!」

それを自分の腕で受け止め、抑え込み、そのまま蹴りを数発食わらせた

 

『GYAOOOOOおおおおお!!!!!』

 

その衝撃で、怪獣は、一歩、二歩、下がる。

「デアッ!」

まだまだという感じで、すぐに近づき、パンチを繰り出す。

 

『!?ぐGYAAAAAああおお!!!』

 

そして次の瞬間。怪獣の背中から、禍々しい光線が放たれ、アーザを襲う。

 

「!?」

 

そしてそれは命中しているかに見えた。

 

「ウルトラマン!!」

 

「落ち着け、ちゃんと防いでいる。」

 

戦闘機から降り、アーザが戦う様、二人はみていた。

光線があったことにより巻き上がった砂煙が立ち込めている。当たったから砂煙がでているんじゃないかといいかけて、やめた。

 

砂煙が晴れたそこには、青いシールドを張ったウルトラマンアーザがそこにいた。

 

『!?』

 

ふさがれていると思わなかった暗黒染体怪獣は、驚きの雄叫びをあげる。それによって生まれた隙を狙って、追撃を

 

「デュアッ‼‼‼‼」

 

怪獣の腕を掴み、力まかせに投げ飛ばし、そしてまた反対の方向へとたたきつけ、そして、爆発しても大丈夫であるような開けた広い場所に投げ飛ばした。

 

『GYUGYAAAAAAAAあああああ!!!!』

 

ふらふらであるが、それでも立ち上がった怪獣に、向かい合ったとたん、胸のカラータイマーがピコンピコンとなり始めた。

 

「!……はぁぁ…」

 

腕を胸の前に交差し、力をためる。怪獣を倒すために大地の力を借り入れる。大地に触れている足元から力が流れ、胸の前で交差した腕の周りにたまるのを確認し

左腕を上に持っていきそしてゆっくり横に持っていき、右腕を下に持っていきゆっくり横に、持って行った。そして胸の前にエネルギーが収束し、

 

「デアァア!!!!!」

 

そして、また胸の前に腕を交差して、紅い光線…アーザストリームシュートを放った。

 

『GYUGYAAAAAAAAあああああ!!!!』

 

命中した怪獣はそのまま、爆発し、その爆発に紛れたまるで闇を表すような禍々しいものが噴き出し、そして集まってはじけるように消えた。

 

(終わった…ん?)

 

「やっ、やったーーー!!ウルトラマンが勝った!!!!!ありがとうーーウルトラマン!!!」

その様子を見ていたたくさんの人が、大はしゃぎをし、その中の子供が、アーザの方に手を振った。みんな笑顔だ。

 

(…こう、かな?)

その様子にウルトラマンが、模索するように戸惑いつつ、手をそちらに向け、サムズアップを作って、頷いた。

 

「……ディアッ!!」

 

しばらくそうした後、空を仰ぎ、空へと飛び去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

「…行っちゃいましたね隊長…」

「…。ああ。」

 

神妙な顔で、みていた、CREW RUYSの制服を着た二人は、怪獣が倒されたことにより、安堵の顔を浮かべていた。

「知ってる人でした?人というか宇宙人だけど」

「んなわけあるか!、全く新しいウルトラマンだ……・」

 

「すんません!冗談です!」

 

隊長のすごい顔に怒っていると勘違いした、タカミヤは、瞬時に謝る。

 

「いや、怒っていない。…まったく…」

「はいすんません…。この先この地球どうなるんでしょう?」

 

不安がるタカミヤをちらりとみて、

「分からん、帰るぞ。」

 

「あ、はい…って!!!隊長!!!」

「なんだ!?どうした?」

「あんた!普段から自分の命大事にしろっていつもいってるくせに、なんで自分のは大事にしないんですか?!」

 

「な、なんのことだ…?」

 

「身に覚えがないって言わせませんよ!!!さっき、俺だけ脱出させて自分だけとどまろうしたでしょう!!」

 

「~、~~~!!」

「~~~~~~~~~!!」

 

自分の中に巡る不安を押しとどめながら二人は、隊長は、部下からの追求を逃れつつ、速足で騒がしく、二人はその場から去っていった。

 

 

 

暗黒染体怪獣が、現れ、ウルトラマンアーザが、倒したことにより、これから続く激しい戦いが始まったのだった。

 




次回


「えっ、新しい隊員?」

「怪獣がまた新たに現れたことによる、CREW RUYSの戦力の強化、なんちゃらだ。」

「CREW RUYSにスカウトされたモリミヤ・ダイキです!よろしくお願いします!」

「おう、よろしくな新人!」
「はい!!」


「新しいウルトラマン、名前どうする?新しいウルトラマンじゃ長いでしょ」


「ウルトラマンホープとか?」「ださっ」「なんだと!?」



「……。…アーザ。ウルトラマンアーザでどうでしょうか?」






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第三話 ウルトラマン、その名は

ひさしぶりです


がんばりたいです…


   登場怪獣
         
       暗黒染岩石怪獣・ガーディ


「クルジマさんはどう思います?」

 

「お、おれかぁ?すごかったなぁ、さっすがウルトラマンってかんじでな」

 

「分かるぜ…ウルトラマンに戦闘機キャッチしてくれた時には、めっちゃかっこよくて、頼もしかったなぁ、あっという間に怪獣ぶっ倒すしな!くぅ~~サイン欲しいぜ…」

「気に喰わないけど、共感。サインを欲しがるなんて子供ね」

「なにをぉ、ウルトラマンは、男のロマン!いつかウルトラマンと握手して一緒に戦うことがゆめなんだぜ」

ウルトラマンアーザが、突如現れた怪獣を倒した日から、数日たったが、RUYSのディレクションルームで、各自、いまだ覚めることなく、ウルトラマンの話題で、盛り上がっていた。

「おい、あさからウルトラマン談義か?こっちは、朝から忙しいのにな」

 

 

「あ、隊長。朝からお疲れ様です…」

そんな中、隊長であるアイハラ・リュウがディレクションルームに入ってきたため、三人は話を中断させ、各々自分の席に座った。

 

「よし、全員揃ったな。お前たちに言わなければならないことがある。」

隊長のその言葉にみんなが首を傾げた

「なんすか隊長ー、なんならまたメビウスの話聞きたいぜ」

「いい加減になさいよ、筋肉馬鹿」

「おい、もう始まってるから、話聞こうぜ」

 

「おまえらなぁ…ってことで、隊員が増えた!今日から、俺含めて5人がCREWRUYSだ。入ってきていいぞー」

「えっ、新しい隊員?」

いきなりの発表に、固まる三人だったが、それは一瞬でおわり、新入り?!と騒がしくなった。

 

「ああ、怪獣がまた新たに現れたことによる、CREW RUYSの戦力の強化、なんちゃらだ。そんでもってこいつが。」

 

「えっと、CREW RUYSにスカウトされたモリミヤ・ダイキです!よろしくお願いします!」

 

そして、入ってきたのは、真新しい隊員服を着こんだ茶髪の青年・モリミヤ・ダイキは、礼儀正しく、腰を折って深くお辞儀した。

「深い…!」

「そして長い…!」

 

「……ダイキ・・・日本のお辞儀はそんなに長くないぞ…」

 

その言葉に、きょとんと、顔を少し上げて、おずおずと横にいる隊長に尋ねる。

「えっ、そうなんですか…?」

 

「ああ、そうだ。12,3でいいんだ。」

「なるほど、勉強になります。」

 

アイハラ隊長は思った、

ミライと同じ気配がすると、そしてそんなことないかとその考えを振り切るかのように軽く頭を振った。

 

「ま、ともあれ、新入りだ、仲良くしろよー」

「GIG!よっ、新入り!席は俺の隣みたいだな!親睦深めようじゃないか!」

 

勢いよくGIGと返事した男が、ダイキに向かって手招きをする。

「はい!です!!…えっと…」

明るく返事はしたが、すぐに頭をかしげる、相手の名前がわからないのだ。そして、困った顔をする。

 

「あ、自己紹介が先だな!!自己紹介すんぞ!!!」

新人が入ってきたことにより、最大限にテンションが高い手招きした男は、髪をひとくくりにした女性に

「うっさいわよ筋肉バカ!!!!」

「ひでぶっ」

「あー、入ったな…」

 

 

 

自己紹介と叫んでうるさいと殴られた彼は、ぶっ倒れた。

 

 

 

 

その様子を見ていた、ダイキは、当たり前にこの光景に唖然と立っていた。

(こ、こせいてきなひとたちだな‥‥)

 

「ダイキ、だったか?こいつらは、いつもこんな感じだから気にしないでくれ。」

背が高い優しそうな中年男性が、穏やかにそういった。

「え、えーと、仲、悪いのか…?」

「いーや、これは、”喧嘩するほど仲がいい”ってやつさ、」

 

「「仲良くない!!!」」

 

仲がいいという言葉に反応して、二人そろって息をそろえて勢いよく言い放った。その様子に、男性は、ダイキのほうを向き、

「な?」

といったけど、

「…。え、ーと………よ、よくわかりません……」

 

二人に気をされた、ダイキは、よくわからず、その場に立ち尽くした。

 

 

「いてて、なにすんだよ千里眼女…まったく改めまして俺は、タカミヤ・ユウジ。多分パトロールとか俺と組むことになる感じだろうし、仲良くしようぜ!」

「……千里眼女って何よ、私は、ヒナザキ・ユキ。よろしくね」

「俺は、クルジマ・シン。この中だと俺が一番年上かな、よろしく頼む。」

 

そして各々自己紹介し、ダイキも

「改めまして、モリミヤ・ダイキです!よろしくお願いします!」

元気よくそう言って、また深く礼をして、すぐに体を挙げた。

「今度は元気がいいな!よろしくダイキ!あ、それと、俺たちもう仲間だから、そんなかしこまらなくていいぞ!タメでいこーぜ!な、ダイキ、俺のことはユウジでいいぜ?」

ユウジは、ダイキの背中を軽くたたいた後、肩を組んだ。

「…わかった、ユウジ。」

「私たちのことも呼び捨てでいいわよー!あなたいい子そうだし、筋肉バカと違って」

「あ、ああ…」

 

 

そして、差し出された手を握り、握手をした。

 

「そういえば、名前といえばさ、あのウルトラマンの名前どうするよ。」

 

「あ、確かに、これからのことを思えば、一緒に戦うかもしれない仲間でしょ?」

「仲間…」

思いついたかのようにウルトラマンの名前の話へと切り替わっていった。ダイキを除く三人は、しばらく考え込んで黙っていたが、ふとユウジが、顔をあげていった。

「ホープ!ウルトラマンホープとか?」

「ださっ」

「んだと!?」

そんな提案はユキに即座に却下された。また考え込む時間がくるかと思ったが、

 

「………アーザ、ウルトラマンアーザでどう、かな?」

 

元の自分の者である名前をダイキは、提案し、三人は、はっとなった顔でダイキのほうを見て、肯定の言葉を言おうとした瞬間、

 

「!」

「怪獣、出現!!アーカイブドキュメントに存在しない怪獣です!!」

 

怪獣の出現を知らせるブザーが鳴り響いた。

 

 

「ユキはシンと一緒に出撃、ダイキ!お前はユウジと組んで一緒に出撃しろ!ダイキお前の腕前なら問題ない!行ってこい!  RUYS.sally go!!」

 

「「「「GIG!!!!」」」

 

 

 

「初出撃は俺と一緒だな!ついて来いよ!相棒!!」

「はい!!」

 

そして、ダイキとユウジは、ガンフェニックスターに乗り込み、シンとユキはソリューションストライカーに乗り込んで、街に現れた怪獣に向かって出動していった。

 

 

 

 

 

 

 

「あれが怪獣だな、いました!!」

「お前、目がいいなダイキ!あ、確かにあれは怪獣だな…」

 

ガンフェニックスターに乗っている二人が、真っ先に怪獣を目にした。

「なんていうかごつごつしてんだけど…火山っぽいな・・・」

ごつごつした岩みたいな皮膚をもち背中に火山みたいな背びれを持つ四つ足の怪獣がそこにいた。裂け目から暑そうな光が漏れ出している。

 

〈ぎゃおおおおおおお!!!!!〉

 

≪これ以上、暴れさせるな!!!≫

「「「「GIG!!」」」」

そんななか、自分に向かってくる戦闘機二機を見つけたのか、彼らに向かって雄たけびを上げる。

 

気押されそうな威嚇だが、二つの戦闘機は、容赦なく攻撃を加える。

ユキ達が乗るソリューションストライカーに黒く頑丈なしっぽが襲うが、ひらりとかわす。

「あっぶな・・!これでもくらえ!」

 

そのまま顔面にビームをぶつけた。

 

〈!!!ぎゃおおおおおおお!!!!〉

 

『なぁ、ユキ。』

『なによ…』

『なんか怒ってない…?』

 

『怒ってますね!』

 

ダイキがいい笑顔で言い切ったその瞬間怪獣の背中の背びれから、力をためたかとおもうと、岩石が飛んできた。ダイキとユウジが乗る戦闘機めがけて

 

『ちょ、ちょっと飛んできたんだけど、ダイキお前そんな笑顔でいう???うぉりゃあ!!!あ、だめだ。かすった!!!!』

『ご、ごめん…!?ユウジ!!!』

 

『ちょっと筋肉バカ!?脱出しなさいよーー!!!』

 

 

『ダイキーーーー脱出だ―――!!』

『はいーーーーー!!!』

 

 

墜落する戦闘機から、二つの人影が出た瞬間にガンフェニックスターが墜落した…

だが、ダイキは、そのまま変身するアイテムを胸の前にもっていき、片方の手で押し込み、光をためるように腰のほうにぐっと持っていき、そして、そのアイテムを天へあげ手光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

「…アー―ーザーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ディアっ!」

 

岩石を吐く怪獣の前に、赤い巨人。先日現れたウルトラマンが町の中に現れた。

 

 

「ウルトラマン!遅いわよ―――!!」

そう、ウルトラマンに悪態をつくが、顔は、笑顔が浮かんでいる。

 

 

(遅いって言われた…まぁいいか…)

「デュア!!」

そのまま、四つん這いの怪獣にしがみつき、一発二発と、パンチをくらわす、が

 

(いたい・・・!)

「でぃっ・・・!」

頑丈な皮膚に、アーザは、手を痛そうに振る。が気を取り戻して、向かい合うが、体当たりを食らう。

〈ぎゃおおお!!!〉

 

「!!」

体制を崩しそうになるが、持ち直す。後ろには学生がかよう学校があったのを確認して前を向くが、そこには、岩石を吐こうとする怪獣がそこにいて、次には、大きいサイズの岩石がアーザに向かって、勢いよく飛んできたのを、

 

 

「!?でぃあぁ!!」

キャッチした、キャッチしたのはいいが、キャッチした勢いで、後ろに転びそうになる。しかし、後ろには大きい建物の学校があり、今転べば、確実に全壊するだろう。壊すのは憚れたアーザは、精一杯転ばないように、腰に力を入れる。

そして、その努力が実ったのか、転ばすそのまま体制をただすことが出来た。その様子に、安堵し、セーフとうなずいた。

 

「・・・・・・・意外とまじめ?なのね?」

「隊長・・!ウルトラマンを援護していいですか?」

 

≪ああ!ウルトラマンを援護しろ!≫

 

 

 

その様子を見ていたユキは、よくわからないが納得したような顔をとった。そして、隊長からの指示に従い、戦闘機を操縦する。

 

 

その時ウルトラマンは、キャッチした岩石を逆に怪獣を投げ飛ばし直撃させる。

痛がる怪獣に攻撃するが、しっぽがアーザに直撃し、倒れ、のしかかられ、かまれそうになるのを必死に避ける。

 

 

「よし!!!!ウルトラマンから離れろ!!!」

ソリューションストライカーが、ウルトラマンに乗っかる怪獣に向かって、攻撃した。

 

〈!?ぎゃおあああおおおおおおお!!!〉

 

「きいてる・・!」

その攻撃が、偶然怪獣にある熱いまぐまを連想される模様がある裂け目に当たったのである。それにより、怪獣はウルトラマンから転げ落ち、かなり痛がった。

 

(弱点はそこか・・・!!!)

「ディア!!!」

 

そこの弱点を突くために、右手の手首あたりに左手を添え、光が集まったかと思えば、そのまま左手をスライドさせ、そこから光輝く光の剣が現れる。

 

「でぃや――!!!」

〈ぎゃおおおお!!〉

苦し紛れにこちらに向かってくるアーザに向かって岩石を放つ。

アーザはそのまますれ違いざまに、裂け目を狙って、向かってきた岩石と一緒に剣で切り込んだ。

 

怪獣は、そのまま固まり、アーザは、すぐざまに振り返り、怪獣に染めこんだ闇を浄化するために、すでに構えた二本の腕から、赤い光線、アーザストリームシュートを放って、それは、そのまま直撃し、

 

 

そのまま、怪獣は、体の中から爆発を起こし、絶命した。そして、その爆風に紛れて闇を表すような禍々しいものが噴き出し、そして集まってはじけるように消えた。

ウルトラマンアーザの勝利である。

 

 

それを見届けたアーザは、空を仰ぎ、空へと飛んで行った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「おーーいダイキ―――!!返事してくれーー!!」

 

ウルトラマンが空へと飛び去って行ったあと、地上では、ユウジが、声をあげて、ダイキの名前を呼んでいた。

なかなか返事が返ってこないことに、わずかに焦りが声に出てきた。

 

その時、

 

 

「おーーーいーー!!ユウジ―――!!!」

遠くから走ってくるダイキの姿を見つけ、笑顔で大きく手を振って、無事を喜んだ。

「ダイキ!無事だったか!かなり遠いところに降りたのか?心配したんだぞ?」

「ごめん!そうみたい!」

「この~心配させやがって!」

 

そういって、ダイキの肩に手をまわて、このこのと頭を撫でまわした。

「ははっ、ごめんって!」

 

 

『タカミヤ!ダイキ!無事か!』

隊長からの通信がはいり、元気よくそれに二人は答える。

 

「はい!!このとおりぴんぴんしてます!!アイハラ隊長!」

 

『それは無事でよかった!怪獣は倒したか!』

その質問には、ソリューションストライカーに乗っていたユキが答える。

 

『問題ありません!怪獣は、私たちとウルトラマン…いえ、ウルトラマンアーザが倒しました!』

 

元気よく誇らしく答える。

 

 

『アーザ?』

聞き覚えない名前に、首をかしげる隊長に、

 

「はい!ウルトラマンアーザです!これから一緒に戦うことになる俺たちの仲間の名前です!」

ユウジが元気よく大きな声で言った。

 

『…。そうか!全員早く帰ってこい!』

 

ユキもシンも、ユウジも、ダイキも、いい笑顔で、元気よく答えた。

 

 

 

「「「「GIG!!!!」」」

 

広い大空を背に、ダイキとユウジは肩を組みながら、各々自分たちの基地に帰っていった。

 

 




次回

「に、にげられた…また…」

「………どっかで見たようなないような…??」


「アーザ?あのウルトラマンは、アーザっていうんですか!!感激です!!この生きている間にウルトラマンを目にすることが出来るなんて!!!!!うわー!これがウルトラマンなんですね!!今日はなんて日だ…サインください!!」

「お前、テッペイみたいなやつだな…・・」

「あの怪獣は、あそこが弱点です!!アーザさん!!!」




「僕も、みなさんみたいにこの世界を守りたいです!!だから、よろしくお願いします!!!」

            
                   第4話 怪獣博士



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第四話 怪獣博士 

四話目です!!!



登場怪獣
 
     地底怪獣 マグラー
   暗黒染体怪獣・地底怪獣 マグラー


「怪獣発見!追撃します!」

 

ある日、怪獣が出現し、CREWRUYSが、出動し、怪獣に向かっていく、だが、それを見た怪獣は戦闘機二機視ただけで怯えるように手を振り回す。

それが数分続き。埒が明かないとおもったのか、

 

「デュアッ!」

 

とある街の中で、早速、ウルトラマンアーザが現れた。そして戦おうとしてファイティングポーズをとるが、

 

<ぎゃ、ぎゃおおおおお!?>

 

ウルトラマンの姿を目視した、怪獣は、慌てて勢いよく地底に潜って逃げて行った。

 

 

「…‥…‥………でゅあ……?」

 

『……こ、こちらシン…目標、地底に潜ってどこかに行きました…」

 

 

勢いよく飛び出したアーザは、戸惑いその場に立ち尽くした…。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「あーーーーまたかよーーーー!!!ふざけんなあの臆病怪獣何回逃げるつもりなんだ!!」

怪獣が”逃げた”あと、RUYSのみんなは、それぞれ基地に戻ってきていた。そして、自分の席につっぶして唸るユウジがそこにいた。

「ま、まぁまぁ、落ち着いてユウジ。次こそは、倒そう。」

「次って、アーザが現れたらすぐ逃げる怪獣をどうやって倒すんだよ…!!」

「うっそれは」

 

そういわれて、自分を見たとたん逃げ出す怪獣を思い出して、ダイキは苦々しく顔をゆがめた。彼の正体を知らないユウジはそんな彼を見て、首を傾げる。

「なんでお前が、苦い顔するんだよ。逃げられてるのはウルトラマンアーザだぜ?」

「そ、そうだね…」

(俺がそのウルトラマンアーザです…)

と名乗れない彼は、苦し紛れに、頷いた。

 

「気が滅入るわよ、怪獣がいるっていう反応はあるんだけど、毎回場所変わるし・・・こんなんじゃ休めやしないじゃない…」

「その気持ちわかるよ…この怪獣は俺たちを休ませてくれない…」

 

そんな会話を繰り広げていた彼らに同意の言葉が入る。今まで数回、先ほどの怪獣が現れては出動を繰り広げては、まだ逃げられるの繰り返しで、ダイキも含めたみんなは疲れ果てていた。

 

「うーん…どっかで見たようなないような…?」

 

そのとき、隊長が画面を見ながら唸る声が耳に入る。気になったダイキは、隊長が座る席に近づき、純粋な疑問をぶつけた。

「?アイハラ隊長?どうしたんですか?難しい顔してますけど」

「ん?あ、ああ、最近現れている怪獣な、どこかで見たような気がするんだが、思い出せないんだ…」

 

といって、手に持ったタブレットをひらひらさせ、また考え始める。

「…今はそっとした方がいいかな?」

そっと隊長席から離れて、自分の席に戻って椅子に座って

「俺たちが先手を取れたら違ってくるんだけどな…」

怪獣の存在を探るセンサーを移す端末をじっと見つめる。いっそのこと怪獣の所在を地球に聞こうとしたその時、机に置いてある通信機が鳴る。

「んん?なんだろう?通報?」

ダイキが通信機の横にある受信機をとり、耳に当てる。

「もしもし、CREWRUYSです。ご用件はなんですか」

用件を聞いた次の瞬間には、

 

 

「えっと貴方はCREWRUYSの隊員さんですか!!!僕はヤマキタ・ユウヘイっていいます!!実は昨日気付いたことがあって話したいんですが!!!!」

「わっ!?あ、はい、まずは落ち付いてください…」

 

受話器を耳を当てたすぐそこにとてもすごくテンションが高いその声に、つい耳から離し、うろたえる。

「だ、大丈夫かダイキ…?」

「だ、大丈夫だよ・・・・はい、ヤマキタさんですね。気づいたことってなんですか?」

気を取り直して、聞く。

「すんません!!!!最近現れた怪獣なんですが、多分うちの近くの裏山にいます!」

「はい!?」

「嘘じゃないです!!!いますって確かめてきてほしいんです――お願いします――――!!!!」

 

そんなやり取りは当たり前たが注目を集め、受話器を持っているダイキ以外の隊員と隊長はその会話に注目していた。

「うぅみみが…本当なんですかその話…?」

「本当なんですってば!皆信じてくれないんですけど、僕は確信してます!」

 

 

 

「…はい、わかりました。……うーん?」

話が終わったのか、受話器を置いた瞬間、ユウジが、ダイキに近づいた。

「そいつなんて?」

「なんかね、怪獣がヤマキタさんの近くの裏山にいるって的なこと言ってた」

「は~~??なんでそんな素人がそんなことわかるんだよ」

「目撃したんじゃない?」

ユウジはそんなわけないと、言い張り、みたのではと邪推するユキに

「いや、なんていうか習性とかなんじゃら、怪獣の正体わかってる感じだった教えてくれなかったけど」

その言葉に隊長席の方から怪訝そうな声がはいる。

「それは本当なのか?」

「アイハラ隊長!これあまり信用できる情報じゃないですよ!」

「ユウジの言うとおりだと思います私も」

 

あんまり信じられないという言葉が次々と出てくる、ダイキは唸るあの音色はうそをついている風ではなかった。

ウソだと断言するには早すぎるのではと考えたその時

 

”その方が言っていることは確かですよ。”

 

(地球(貴方)か、確かって、ヤマキタさんの話?)

地球その人の声が話しかけてきた。

星の声を聴くことが出来る彼だからこそできる事。

”えぇ、もちろん。その怪獣は彼が住んでいる場所の近くにある裏山の山中似て眠ってますよ。”

(……そっか、ありがとうな。)

”構いません。いつでも聞いてくださいね”

 

「あの!隊長!!」

「なんだ、ダイキ」

 

「彼が話したこと本当だと思います!なので調査に行かせてください!」

 

静かに後ろで黙っていた彼の張り上げた声に、ユウジは驚きつつ、聞いた。

「いやいやダイキ。その話が本当じゃなかったらどうする気だよ。」

「その時はその時です!」

ダイキのまっすぐな目を見ながら、アイハラ隊長は冷静に答える。

「その根拠は?」

 

根拠。その言葉に応えようと頭の中で考える。まさか地球に聞いたなんて信じてもらえるわけがない。ダイキは咄嗟に理由になるようなならないような言葉を言った

「こ、根拠はありません!俺の直感です!」

 

 

「…直観か…」

割と苦し紛れな理由を聞いた隊長はそうつぶやいた後に、しばらく考え込んだ。

 

「わかった。お前の直感を信じる。シンとユキはいつでも出撃できるようにここで待機、ダイキとユウジは、そこに調査に迎え。いいな!」

「「「「GIG!」」」」

 

彼ら四人は同時に敬礼した。

「よし!まぁ行くぞダイキ!」

「ああ!…ありがとうございました!アイハラ隊長!」

 

 

ユキとシンは待機のため、警戒しつつ席に座り、ダイキとユウジは、帽子をかぶり、通信で教えられた住所の現地へと向かっていった。

 

 

◆◆◆

 

通信機でのヤマキタさんの言う場所に、二人はいた。打ち合わせの場所でその本人を探していたら、一人の男が勢いよく走ってくるのが見えた。

 

「あーーーCREWRUYSの方たちですか―――!!!僕の言う事信じてくれてありがとうございます!!!!大感激です!!!!」

すぐさま二人の前へと到着するなり、ユウジの手を握り縦にブンブンとふりテンション高い彼が

「あー、お礼ならこいつに言えよ、最初に信じたのはこいつだからな。」

「そうなんですか!!!ありがとうございます!!!!!」

「う、うんどういたしまして!!!!!君がヤマキタさんですか!!!!!」

「そうです!僕がヤマキタ・ユウヘイです!!!!!」

ヤマキタであり、そしてなぜか声が大きい彼に合わせて、ダイキも声を張り上げる。それらを聞いていたユウジは、突っ込んだ

「いやなに張り合ってんだ!そして要件に入ろうか!」

「おう!」

 

・・・

「…なるほど!すごく詳しいですね…怪獣のこと」

「はい!昔から怪獣のことが好きで、研究して役に立ちたいと思ってるんです!」

「立派な夢だな頑張れよ。ってことはその臆病怪獣の名前しってんのか?」

その質問に答えるより先に、ユウジが言った、臆病怪獣に反応した。

「臆病怪獣じゃありません!あの怪獣は、地底怪獣マグラーというんです!」

「マグラー?」

ついにあの怪獣の名前が判明した。ダイキは確かめるようにその名前を復唱した。

 

その時、左肩にあるポケットに入れてあるRUYSメモリーディスプレイから通信が入る。

ダイキはそれを取り出し、ポタンを押し、応答する。そしたら、横から水色の液晶画面が現れ、そこに隊長の顔が現れる。

「こちらダイキです。どうしたんですか?隊長?」

「隊長さん!?」

隊長という言葉を聞き、大きい声を出すヤマキタを牽制するユウジ。

『ん?そこにいるのが、情報提供者のヤマキタか?』

「あ、はい。情報提供者のヤマキタさんです!」

「えっと、僕の名前はヤマキタ・ユウヘイっていいます!!画面越しでも隊長さんと話せるなんてとても感激です!」

画面越しではあるが、彼に押される隊長。

『あ、ああ、俺は、crewRUYSの隊長を務めるアイハラ・リュウだ。情報提供感謝する。』

「あのGUYSの!!今日で死んでもいいかも…」

「だめですよ!?」

憧れの人と会えたのがよほどうれしいのか昇天しそうな顔をしてそんなことを言うので、ダイキは驚いて声を張り上げた。

「それはそうと、隊長!!あの怪獣は地底怪獣マグラーっていう名前だそうです!!」

『そうか!あの怪獣はマグラーっていうのか「そうなんですよ!隊長さんあの怪獣は過去のデータだと身長40メートル体重2万5000トンの怪獣で、本来は太平洋の多々良島に生息したっていうデータがあるんです!」お、おう…』

 

「ヤマキタさん本当に詳しいのはすごいんだけどな、ちょっと会話に入らないでくれ…」

そのヤマキタさんに捲し上げられた隊長は、身に覚えがあるのか、茫然とつぶやいた

『…テッペイ見たいなやつだな‥‥』

とかつての仲間の名前をつぶやいた。彼も怪獣に詳しく好きであったなと思い出しつつ、

「すんません・・・つい…」

『いや、大丈夫だ…マグラーか・・・・あとちょっとで思い出しそうなんだけどな…ダイキ!引き続き調査をしてくれ!』

「GIG!」

 

 

 

 

「ここが裏山ですか?」

「そうです!!ここは子供たちがよく遊んでいて、僕にとっては庭みたいなもんです!」

ヤマキタさんの子の裏山の説明を受けながら山道を案内をされる。案内されながら、怪獣をセンサーで探りながらついていく。

「へぇ、結構大きいのな…怪獣が眠ってそうだz」

 

ゴゴゴゴゴゴゴっ

 

「「!?」」

「怪獣が起きましたね!!」

ユウジがそう言いかけたその瞬間、地響きが起き、三人は軽くバランスを崩しかけるが、何とか持ち直す。

「いや、お前は何でうれしそうなんだ!?」

 

<ぎゃおおおおおお!!!>

 

「マグラー!!!ここにいたのか!ダイキの直感すげーな!!」

「僕は!?」

「ヤマキタさんもすごいですよ!とりあえず離れましょう!」

「あ、はい…」

逃げてと呈すダイキの言葉に従おうとするが、何かを思い出した。

「あっ!!駄目です!!もしかしたら、この山に子供たちがいるかもしれません!!」

「えっそれ本当ですか!?」

「はぁ!マジかよ!?隊長!!怪獣が現れました!!出撃してください!!」

『わかった!…二人とも!RUYS.sally go!!二人は地面から射撃!人里に近づかせるな!』

「「GIG!」」

 

「おい!子供探すぞ!!!なんで止めなかったんだ!」

「だからそういったら、誰も信じてくれ…いやあの子たちは、もしかして怪獣を見つけようと・・!?」

 

森の中をつまずきそうになりつつ駆け抜ける。

「いました!!」

そして、ヤマキタが、怪獣から逃げる子供たちを見つけた。

 

「カケルくん!タマキくん!」

「怪獣博士!!!怪獣がいたよーーー!!いたんだって、信じてもらえるね!!」

急いで、彼らに駆け寄る怪獣博士と呼ばれたヤマキタはその言葉に涙ぐむ。その背後には怪獣…地底怪獣マグラーがそこにおり、自分よりも弱い彼らを狙っていた。

そんなマグラーの意識をこちらに向かせようと、銃を怪獣に向け攻撃する。痛がるそぶりをみせるが、止まらない。

そして、その腕を振り上げる。

「危ない!!!!」

「ユウヘイ兄ちゃん―――!!!」

 

子供二人をうでのなかにかばうように抱きあげて、それでも走る。

間に合わずに振り下ろした――――

 

 

かのように見えたが

 

「デュアッ!!」

 

その腕を、ウルトラマンアーザが止めていた。

「ウルトラマンだ!!!!」

それらを見た、子供たちは感激の声を上げる。

「ウルトラマン・・・っっ!!」

 

「アーザ!!そのまま、押しのけろ!」

ユウジの張り上げたその声に、アーザは頷いて、力を入れるそして、怪獣は、後ろに転ぶ。

 

「アーザ?あのウルトラマンは、アーザっていうんですか!!感激です!!この生きている間にウルトラマンを目にすることが出来るなんて!!!!!うわー!これがウルトラマンなんですね!!今日はなんて日だ…サインください!!」

「ユウヘイ兄ちゃんのいつもの癖だ…あこがれだったもんね…」

「いつもかよ、とりあえず避難するぞ!サインはあきらめろ!」

「そ、そんなぁ~」

 

だが、マグラーは立ち上がってアーザの姿を確認すると、また地中に潜って逃げた。

 

「……あ」

 

(…に、にげられた…また……)

「マグラーはそういえば、自分より強いものからは絶対逃げるへたれでした…」

ウルトラマンアーザは、何気にショックを受け、ヤマキタは思い出したかのように呟いた

「やっぱり臆病怪獣じゃねぇか…なんだあの、禍々しいエネルギーの塊は…」

 

(!?まさか、これは闇エネルギー!いつのまに!)

「デュっ!!」

 

彼等の前に現れたのは、暗黒染体怪獣が生まれる要因となる闇エネルギーであり、アーザが倒すたびに浄化していたエネルギーそのものだった。

そのエネルギーは、地面の中に入っていき、その次の瞬間には、

 

<ぎゃあおおおおおおおお!!!>

と勢いよく自然を破壊しながら、地上に現れ、臆病な性格は全くなく、狂暴になり、ウルトラマンアーザに向かっていった。

「ぐあっ」

 

そしてそのまま攻撃を受けてしまう。

「うそだろ、狂暴に…強くなってるのか…?」

 

『こちらユキ!こら!!馬鹿ユウジ!これどうなってんの!?』

その時、基地から戦闘機が飛んできて、この状況に混乱した通信を送ってきた。

「しらねぇよ!!あと俺の苗字は馬鹿じゃねぇ!禍々しい塊が現れたと思ったら、臆病怪獣が狂暴化したんだよ!ウルトラマンを援護しろ!俺は地上から援護する!」

「OK!!いっくわよ!!!」

 

戦闘機が攻撃し、アーザを組み引いていた怪獣に命中し、アーザはそこから脱した。しかし、その胸のカラータイマーが赤くなり点滅し始めた。

「くそっ、あと一分間かよ!って、ユウヘイお前なんでいるんだよ!?」

逃がしたはずの彼がいまだにとどまっていることだ。いつ怪獣の攻撃の手がこちらに襲ってくるかもわからないのに、しかもだんだん近づいて、狂暴化したマグラーとウルトラマンアーザとの戦いを観察している。集中しているのか、制止する彼の言葉は聞こえていないようだ

 

「あのエネルギーを闇エネルギーと仮定するならば、闇エネルギーを吸い込んだ怪獣は、あのように本来の性格とかかけ離れた凶暴さを見せている。ウルトラマンが、苦戦しているっていうことはていうことは力も増しているのだろうか、形状も変わっている。考えろあの怪獣の弱点は、……」

 

ぶつぶつと観察して、弱点を導こうといていた。

 

 

「デェアっ!!!」

アーザは、飛翔して、背中に向かって斬撃をくらわすが、マグラーは、すぐさま、アーザの方を向かい合って受け止める。

それをみた、ヤマキタが何かを気づき、顔をあげる。

 

「アーザさんーーー!!!その怪獣は、背中をかばっています!!!背中狙ってください!」

 

 

「あの怪獣は、そこが弱点です!!アーザさん!!!」

 

「!!」

その言葉に驚きつつ、頷いてそして、怪獣の上を飛んでそして、蹴り飛ばす。怪獣は前のめりとなって、倒れ込む。

そして、飛翔したそのまま空中で、光線を放ち、命中。

 

 

<ぎゃあおおおおおおお!!>

怪獣は爆発した。

 

 

「よし!!ウルトラマンの大勝利だ!!!」

それを見た、ヤマキタは全身で喜びを表し、ぴょんぴょんと飛び上がった。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「なぁダイキ、お前いつはぐれた…?」

「え?…いつからだろう…?」

ユウジにいつはぐれたか問われ、ダイキは、ごまかした。

 

「みなさんありがとうございました!これで平和です!」

ダイキとユウジを見つけて、嬉しそうに駆け寄る。そばには、助けた子供二人、

「いや、あんたらが無事でよかった。あんたの慧眼には感服したよ。すげぇな!」

「いや~~そんなことは。こちらこそ、RUYSの皆さんに会えて本当にうれしかったです。僕の言うことも信じてくれて。」

そういって明るく微笑んで頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそ助かったので。信じてよかったです。それにしいても、怪獣の弱点当てるなんてすごいなぁ、」

「確かにな!アーザもぎりぎりみたいだった見たいし、助かったんじゃねぇか?」

「はい!助かりました!」

その返事にユウジは噴き出した。

「プハッなんでお前が返事すんだよ!…それにしても、ユウヘイみたいな人材うちの隊に欲しいわ」

「たしかに!」

「えぇ!?そんな!?」

その言葉にうろたえるように手を振って否定しようとするも、横から聞いていた子供たちが、

口を開く。

 

「いいじゃん、入っちゃえばー!」

「えっ」

「そうだよそうだよーCREWRUYSに入って役に立つんだとか言って、憧れてたじゃん。」

「だから、そんな問題じゃ・・・「ライセンス持ってるの僕知ってるよ?」!?」

 

そんな風景を見ていたダイキは思いいたったように、あかるく言った。

 

「ヤマキタさん!ライセンス持ってるんですよね!ならうちに来ませんか!CREWRUYSに!」

 

「ダイキ!?」

「いやだって、怪獣に詳しい人必要だと思うよ。今回の事もあるし、隊長からは俺が話すよ。」

「確かに必要だよな・・・うん・・・存分に助かったし・・・」

勝手に話を進める二人を見て、何かを決意した顔をする。

 

「あの!!」

 

声を張り上げた、彼に、注目が集まる

 

 

「僕も、みなさんみたいにこの世界を守りたいです!!だから、よろしくお願いします!!!」

 

 

そういって勢い良く頭を下げ、

頭を下げられた彼らは、嬉しそうに笑った。

 

 

ちなみに、すべてが終わったころに、隊長が感じてた既視感は、昔

GUYSの隊員の時に戦っていたと思い出したことで、今更だとみんなで笑ったのだった。

 

 

 




次回

「いや、どんだけだよ…吸い込まれるかのようにカツ丼のスイッチに指が…」

「おいしいじゃないですか!!!カツ丼!!」

「それにしても、入隊おめでとうユウヘイ!これからよろしく!怪獣博士!」



「怪獣を食べる怪獣!?…怪獣も世知辛いな・・」


「誰だ、あの女の人…なんでこんなところに……」


「あっちも狂暴かしてんのに、あっちもか!」


 「これでデータはとれた…!」

 
                    第五話 怪獣の大好物 



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第五話 怪獣の大好物

五話に行きました!
この怪獣達は一緒に出すべきだと思った。



登場怪獣

    暗黒染体古代怪獣・ツインテール
    地底怪獣・グドン
    暗黒染体地底怪獣・グドン



「おはよ~ございま~す…」

 

CREWの隊員が住む寮で…主に寝る場所である部屋の扉が、自動にプシューと音を立てて、開き、まだ朝早いのにもかかわらず、ちゃんと隊員服を着込んで出てくる。まだ眠いのか、寝ぐせのある頭を掻きながら手を口に当て、大きくあくびをする。この時点で、6時。隊員の朝は早いのだ。

 

「あっ、はよ~、ダイキ奇遇だな~俺も今、起きた。一緒に朝飯食いに行こうぜ~」

「…あぁユウジおはよう!行く!」

すぐ向いの近くの扉があき、そこから、隊員服の上のジャケットを手で持ち、肩にかけて出てきた。起きたばかりなのか、寝ぐせもすごい。

「お前、寝ぐせすげぇな。」

「ユウジもそこそこ言えない感じだけど。」

ダイキにそう指摘され、頭を触って初めて気づいて、あっ、やべぇ、と顔をしかめる。

「まぁ、食べたらでいいじゃん。」

「そうだな、男はそこ気にしちゃ生きてられないって」

「そういうもんか…ユウジは何食べる?」

「ん~なにすっかなぁ、あのばっちゃんの料理うまいからなァ悩む…ダイキは?やっぱりカツ丼か?」

 

「えっ?!…どうしてカツ丼なんだ!?」

「いや、お前、カツ丼ばっか頼むじゃん。大、大の大好物じゃん」

 

ダイキはそんなにかと首を傾げたが、モリミヤ・ダイキの好物はカツ丼だった。

理由は簡単、地球にきて初めて食べた料理がカツ丼だったのである。某ウルトラマンと同じはまり方である。

そしてどうこうしてるうちに、食堂に付き、食券販売機の前についた。

 

「よしー・・俺はやっぱり日替わり定食で!」

「おれは・・・・・・やっぱりこれ!」

 

ユウジがちょっと迷った後、日替わり定食を選び、

そして、ダイキは、そのまま吸い込まれるかのように、

 

「いや、どんだけだよ…吸い込まれるかのようにカツ丼のスイッチに指が…」

カツ丼の食券が出るスイッチを押していた。

「……‥。おいしいから、つい…」

 

それを終始見ていたユウジは、呆れたかのように、いつかカツ丼以外のものを食べさせてやるとユウジは心に誓った。

 

 

そして4人座れる席を確保し、提出した食券そのままの料理を貰って、席に座る。ユウジはおさかな定食で、ダイキは見事までにカツ丼だった。

そして、しばらくして、一人の男が近づく。

「あっユウジさん!ダイキさん!早いですね!」

「よっ、ユウヘイ!おはよーさん!」

「ユウヘイ!おはよう!」

その男とは、あの地底怪獣マグラーの件で世話になった怪獣博士で、あのあと、隊長に話を付け、総監にもOKを貰ったことにより、無事CREWRUYSに入隊することが出来たのだ。

「僕も朝ご飯貰いに行かなきゃ・・・どうやって頼めばいいんですかね?」

彼がこの食堂を使うのは初めてであり、ここの仕様がわかららず、二人に尋ねる。

「それなら、あそこにある食券販売機があるでしょ、そこのチケット購入して、あそこのおばあちゃんに渡すといいよ。あっ、販売機の使い方わかる?」

「それくらいならわかりますって!では参ります!」

とカツ丼ほおばるダイキに突っ込みつつ、販売機の方に走っていく

「あの販売機の使い方わからなかったのはお前だろぉこの坊ちゃんめ~」

「それは、えっと、ごめん恥ずかしいからちょっと、坊ちゃんって…」

ユウジがいっていることは本当であり、もともとウルトラマン‥もとい宇宙人で元王族で言うのが原因か世間知らずを発揮したのか、初日に使い方がわからずユウジに頼ったことがある。いまだに、そのことについてなじられ、ダイキはいい所の坊ちゃんなのではと勘違いされている。

 

「いい加減それからかうのやめなさいよ。子供みたいなやつ。」

「ユキ!おはよう!」

「おはようーって貴方またカツ丼飽きないの?」

 

まだカツ丼とか言われて、ふてくされたダイキは開き直るかのようにいった。

 

「おいしいじゃないですか!!!カツ丼!!」

 

「わかったわかった。お前の大好物はカツ丼なわかった。っていうかお前遅くね?準備に戸惑ってやんの?」

「あんたみたいに、隊員服ちゃんと着ないで髪の毛ぼさぼさのあんたと違って、私はちゃんとやってるの!」

 

いつもどおり、がみがみする二人。

「ケンカしないでって……ユキは何食べるの?」

「わかったわよ。…何にしようかしら・・・・」

 

「ただいま戻りましたー、えっとユキさんでしたよねおはようございます!」

「あー、あなたが、CREWRUYSに新しく入った怪獣に詳しい怪獣博士?よろしくね!」

「よろしくおねがいします!!!!!!」

そのとき、ユウヘイがユウジと同じ焼き魚定食を持って買ってきて、ユキを見つけ、勢いよく挨拶をする。

 

「そうだな!、入隊おめでとうユウヘイ!これからよろしく!怪獣博士!」

「ありがとうございますぅ!!!」

「これから怪獣の知識教えてくれよな‼頼りにしてるぜ!」

 

ユウヘイの肩をたたくなり、ユウヘイの入隊を祝った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

「おっ、おはようさん!」

「おはようオトン!」

「おはようございます!お父さん!」

「おはよう。シンさん!」

「おはようございます!」

 

朝ご飯を済ませ、ディレクションルームに入ると、そこには、シンがおり、4人に挨拶をし、各自挨拶を返した。

「そこの二人!俺は2人の父親になったつもりはないぞぉ~!」

「えっ、すいません!」

「いいじゃんオトンなんだから」

各二人に突っ込み、ダイキは素直だ、と笑った。

 

「今日も一日平和がいいな」

 

自分の席と向かい合いながら、ユウジがいった。それらに同意しようと、ダイキが口開いた時、怪獣出現を知らせるブザーが鳴る。

「いったそばからこれかよ…、」

「ユウヘイ」

初めて聞くブザーに少し驚いたのか固まっていたが、隊長が名前を呼び、それで我に返ったユウヘイは

日本で暴れている怪獣を、映し出す。

「っはいっ!!すいません!!この怪獣はアーカイブドキュメントにあります!古代怪獣ツインテールです!」

 

 

「…懐かしいな 総員出動だ!これ以上暴れさせるな!RUYS.sally go!!」

 

「「「「GIG!!!」」」」

 

 

そして、ダイキとユウジは、ガンフェニックスターに乗り込み、シンとユキはソリューションストライカーに乗り込んで、ユウヘイは、現れた怪獣をスキャンし、調べ始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしなぁ尻尾が二つあるから、ツインテールってか?」

ガンフェニックスターに乗り込んで、ツインテールを発見し、頭の方にある二つの触覚を見てぼやく。

「確かにツインテールですね、あれ女のk…「それ以上言うな。」すいません…攻撃します!」

そして、ツインテールに向かってビームを放つ、

 

「よし当たったか?」

「!?当たったは当たった、けど!跳ね飛ばされました!こっちに…!!っつ!!」

が、ツインテールは、それらの攻撃を2本の触覚で打ち返した。

自分たちが放ったそれをすんでのところで避ける

「うわっギリギリだ…って今度はあっちからかよ!」

今度はツインテールからの攻撃が飛んでくる

「ツインテールに遠距離攻撃ってありましたっけ!?」

 

と無数に飛んでくる攻撃を避けて飛びつつ攻撃しているが、なかなか近づけない。今度はユキとシンがそのうちに攻撃した。ガンフェニックスターに気を取られていたのか、当たる。

 

「隊長!メテオール使用許可を!一気に行きます!」

『分かった!メテオールかい『待ってください!!』どうした!何か分かったのか?』

「どうしたんだよユウヘイ!」

メテオール使用許可を得ようとユウジが隊長に仰いで、許可しようとしたらユウヘイが間に入って止める。

『あの悪い知らせが2つあるんですけど!』

「はぁ~よりにもよって悪い知らせがふたつかよ!」

悪い知らせが2つ、その言葉にダイキもユウジも顔を顰める。聞いていたのかシンから質問が入った。

 

『…何かあったのか?』

『まずは1つ目なんですけど、あのツインテール変質してます!ツインテールをスキャンした結果、怪獣の中に異質なエネルギーが検出されました。おそらく昨日のエネルギーと同質な物です!僕は闇エネルギーと名付けましたが、そのエネルギーによって従来のツインテールよりもかなり強化されてます!気を付けてください!その副作用で本来の性格も変わって凶暴化してますから……ここが陸の上で良かったですよ……』

 

『弱くするには、そのエネルギーを抽出しないといけねえ感じか…』

シンの呟きを聞いて、かなり落ち込んだ音色で話を続ける

『それが出来たら、簡単なんですけど…現時点の技術だと…無理ですね……2つ目なんですけど、その凶暴化しているツインテールに向かって一体の怪獣が近づいてます!』

「ウッソだろお前………増えるんじゃねぇよ…」

あのツインテールで大変なのに増えると聞いて出動している4人は絶句する。

『うぅすんません……おそらく、地底怪獣グドンだと思います。ツインテールがいるところにグドン現れますから。』

「えっなんでですか…?」

 

ダイキはキョトンとした顔で質問する。

『グドンの主食はツインテールです。ツインテールはグドンの大好物なんですよ

「怪獣を食べる怪獣!?…怪獣も世知辛いな・・」

「怪獣の大好物ってこと?」

 

ダイキのその言葉に肯定しつつ、ユキが言ったことに突っ込む

『そうね。要はダイキの大好物がカツ丼と同じって所かな』

「いやちょっと!怪獣と一緒にしないでくれ!!!!!」

 

そして、遂にグドンが現れ、暴れ始める。

 

「!?うおぉ2弾構え!?くそギリギリ間に合わない!ダイキ衝撃に備えろ!」

「ユウジ!?すいません!ユキ墜落する…!!!!」

ダイキの喚く声を聞いてユウジはなんとか攻撃を避けるが、こんどはグドンの攻撃が襲い、避けることが出来なかった2人が乗るガンフェニックスターは何もない所に墜落した。

 

 

「うっ、いてて……ユウジ!ユウジー!!しっかりしろ!ダメだ気絶している…」

墜落して、しばらく、体の随所がちょっと痛いってだけで、意識を保てた、ダイキは、ユウジの安否を確認する。呼びかけても、答えず不安になるが、気絶しているだけだと気づいて

ほっとした思いでそっと息を吐いた。

そして、危ないので、何とか機内から外に出して、寝かせる。

『……キ!…ウジ!…大…夫か!応答…ろ』

「こちらダイキ、二人とも無事です!」

ヘルメットに搭載されている通信機をつかって、安否報告を入れる。

 

そして、変身アイテムを取り出し、アーザへと変身しようとするが、その前に、そこに人がそこにいると気づいた。民間人かと思ったが、女性は、真っ黒いドレスを着込んでおり、怪獣がそばにいるにもかかわらず怯えず、それらを眺めていた。それに、異様な雰囲気を醸し出していて、普通の存在ではないと感じ、警戒を強めた。

 

「誰だ、あの女の人…なんであんなところに……」

 

彼女の存在が気になるが、今はそれどころではない、ダイキは、警戒しつつ急いで

 

「アーザ――――!!!!」

 

ウルトラマンとなった。

 

 

 

 

「デュアっ」

地面に勢いよく降り立ったアーザは、すかさず戦闘機に攻撃を加えようとするツインテールに向かっていく。ツインテールの意識は完全にアーザの方へ向き、ツインテールもアーザに向かっていく。

そして、勢いよくその触手をアーザにたたきつける。

アーザはその触手を受け流し、そのうえで、パンチを二打三打くらわす。

 

「デュアッ!」

そして、その触覚を掴んで、降り飛ばして地面にたたきつける

 

たが、無視されてしびれを切らしたのかグ、もしくは、餌をとられると思ったのかグドンがアーザに向かって、突進してきた

「でゅ、あっ!」

それを側転して回避して、グドンは、勢い余ってそのまま転ぶ。

そして、また向かってきたツインテールの相手をする。

 

襲ってくる触覚をさばいていたが、触手を斬るために、手に、光の剣ーアーザブレードを出し、ツインテールの触手二本きり離した。ツインテールは痛みの声をあげた。

 

(よしっ・・・!)

 

 

 

それらの戦いを見ていたものがいた。先ほどの女だ。

「あらあら、押されてるじゃないの、ウルトラマン()なんかに。しょうがないわね。」

 

女は、グドンがいる方向に手を向け、

 

「さぁ(彼等)が、どこまで(私達)に抗えるかしら?」

 

闇のエネルギーが生まれ、グドンに闇が染まる。そして、謎の女は消えた。

 

 

 

 

 

 

「デュアッ!?」

急に現れた闇エネルギーに驚くアーザ、そしてこの光景をみた、ユウヘイと隊長も驚いた。

 

『昨日現れたものと同じものです!調べます!』

 

 

「あれが、ユウジたちが言っていた…闇エネルギー…」

そして、グドンは、そのエネルギー吸収して、

 

<ぐぎゃおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!>

 

今までのないような雄叫びをあげ、狂暴化してアーザを襲う。

「あっちも狂暴かしてんのに、あっちもか!」

「どっちもこっちも暴走してんじゃないわよ・・・!!」

 

急に襲われたアーザは、襲われ、応戦するが後ろから掴みかかられ、そのまま羽交い絞めにされる。抵抗するが、力が増しているのかあまりびくとしない。そのとき、動けないアーザに向かってツインテールが、遠距離攻撃を何発も命中し、

 

「ヴっ、ぐぅ、でゅあ・・!」

 

当たるたびに苦しみの声をあげ、ついには、カラータイマーの色が赤に変わり、その様子にブチ切れたシンが、

「抵抗できない相手に何やってんだ!俺たちの仲間を離しやがれゴラァ!!!!」

そのまま最大火力にあげた(・・・・・・・・)その攻撃をグドンの頭に命中させる。それに狼狽えたのか、アーザを掴む手の力が弱くなり、好機と見たアーザは、そのまま後ろに足蹴りをする。グドンは、後ろに吹っ飛んだ。

 

「ハァ…ハァ…デュアッ」

(みんなありがとう!!!)

 

闇を浄化して、倒すには、二体の怪獣に光線を当てて倒さねばならない、アーザは、グドンとツインテールを比べる。

 

「……隊長!メテオール使用許可をお願いします!」

「どうするの?」

「ツインテールの動きを止めたいんだよ、まぁそれで倒せればなおいいんだけどな!」

 

『わかった。ただし一分間だけだ!メテオール解禁!』

「GIG!一分間あればいけるだろ!」

 

ユキとシンが乗るソリューションストライカーが金色のオーラに包み込められ、動きが数倍早くなった。

「ツインテール!!!!しばらくそこ動くなっ!」

「喰らえ!『メテオールストリームショット』ぉ!!!!」

 

機体から強力な光線に竜巻が巻き付いた竜巻が出て、それに巻き込まれたツインテールは動けず苦しんだ。これらを保つのは60秒の一分間。

「アーザいまだ、グドンを倒せ!」

 

 

(本当にみんなに助けられてばかりだな、よしやるぞ!)

アーザは勢い良くうなずき、グドンをそのままその手の鞭ごと手を斬り、そのままアーザストリームシュートを放ち、グドンは爆発し、いつものようにその爆発に紛れたまるで闇を表すような禍々しいものが噴き出し、そして集まってはじけるように消えた。

 

 

「こっちはもうもたない!頼んだ!!!」

 

 

「デュアッ!!!!」

そして、一分間攻撃され続けられ、弱っていたツインテールにすかさずもう一度光線を浴びせ、グドンと同じように爆発した。

 

 

肩で息をしつつ、アーザは空に立ち去って行った。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「ユウジ!ユウジ!起きたか?痛いところはあるか?この指何本にみえる?」

「うっ・・・いてぇ…酔っていねぇって」

 

『ダイキ!ユウジ!大丈夫?生きてるわよね??』

 

「体中が痛いけど生きてるわ…怪獣は?」

「大丈夫。怪獣はウルトラマンとユキ達で倒したから。ぜんぶ終わった。帰ろう。本当になんともない?」

 

ダイキは、目を覚ましたユウジを心配し、そっと優しく抱き起した。

「平気だって、ダイキは心配性だなぁ」

「いやだってそうでしょ、相棒なんだから」

 

ダイキのその言葉に、目を見開くが、すぐに照れくさそうにへへっと笑った。それを見た、ダイキも笑う。

「隊長今から帰還します!」

『そうか!よくやった!…ダイキとユウジは念のため診てもらえ!』

「「GIG!」」

 

 

(……あのドレスの女、何者だったんだ…?それに急に現れたエネルギー… まさか関係あったりは…?)

 

ユウジに肩を貸しながら、あんな場所にいた異質な女性の事を思い出し、真顔になる。

「ダイキ?どうしたんだ?」

 

「え?何でもないよ大丈夫。」

すぐにその考えを打ち消し、安心させるように笑った。

 

 

 

「これでデータはとれた…!」

ユウヘイは、今回の戦闘で得た情報を眺めて、軽くガッツポーズをとった。

得た情報をこれからに生かせることが出来ることを願った。

 




次回


「じゃあ、あのウルトラマンの光線は、その闇エネルギーを浄化する作用があるんだとおもいます!実物をとって調べないと分からないんですけどね、」

「見座加山が噴火直前?あそこずっと静かなやまだったじゃねぇか、」


「ふざけるんじゃない!ウルトラマンだって、命懸けで戦ってるんだぞ!」「
…ウルトラマンは万能じゃないんだ。それを覚えておけ」





「火山が…!!怪獣が来ます!」

「……隊長、ウルトラマンは、たったの三分間の命を燃やしてるですね…」



                 第六話  命の炎




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第六話 命の炎

第六話 行きましたわ

謎の女は随所います




  登場怪獣  
 
       暗黒染体火山怪獣・バードン


ユウヘイが報告があるとかで、皆が、それぞれディレクションルームの一か所に集まっていた。

「報告聞こうか、」

そして、報告を聞こうと呈したのは隊長で、ユウヘイはそれを聞いて頷いた。

 

「はい、前の、マグラーの時と、昨日現れたツインテールやグドンに検出されたエネルギーです。それは闇エネルギーと名付けることにしました。」

「闇エネルギーね、確かに禍々しいからな、」

それを聞いてユウジがうんうんとうなずいた。

「それで、それは一体!」

ダイキは、身を乗り出して、聞いた。

今まで、いろんな場所、いろんな星で戦ってきたが、星々が、その怪獣の名前を暗黒染体怪獣と呼んでいるから、エネルギーも同じく自身もなんとなくそう呼んでいたが、それらの実態をあまり知らなかった、この機会に、詳しく知りたくなった。

「そう!それで、実はそれはどこから来たのかわからなく、自然に沸いたのか、誰かが操っているのか、わかりませんが、このエネルギーは、怪獣に染め込むように憑りつき、その怪獣は、例にもれず狂暴化し、その身体能力も強化されることが分かりました。これからさらに詳しく調査して調べます。」

「昨日のツインテールの説明もこんな感じだったな。」

「そうね、かなり強くなってたわよね。」

 

(……そうなのか、暗黒染体怪獣と呼ばれた怪獣は最初から暗黒染体怪獣でなくて、闇エネルギーがそう変質させてたんだ…穏やかな怪獣も、生き物全部。)

ダイキが、新たな情報に今まで戦ってきた怪獣の事について納得した。

「闇に取り付かれた怪獣?…ってなんて呼べばいいの?名前つけましょう、そういう変質した怪獣。」

「そうだな、名前、決めようか。」

 

仲間の中で、そう話が進み、闇エネルギーに取り付かれた怪獣の名称をどうするかの話になった。

そのぼんやり聞いていたダイキがぽつりとつぶやいた。

 

 

 

   「———————————————。暗黒染体怪獣。」

 

 

 

…と小さく呟いたその言葉を聞かれ、

「ダイキ?なんだそれ?知ってんのか?」

「…え!?今何の話?」

考え事していたダイキは、急激に我に返った。周りを見渡すと、皆視線は自分に集まっていて、そんなに声が出てたのだろうか。ごまかすように頭を掻いた。

「だーかーら、今呟いてたじゃん、暗黒なんちゃら、」

「いえ、暗黒染体怪獣ってつぶやいてました。」

ユウヘイの言葉にユキが、それそれ、とうなずいた

 

「ダイキ、何か知ってるのか。」

 

”奴らがなんなのか”を静かに問う隊長の目が射貫く、ダイキは、

「……。いえ、特に何も知りません、話聞いてて、まるで暗黒な闇が染み込んでるみたいだな、と、思ったので、直観で」

「…そうか。お前がそういうならそうなんだな。」

と、何も知らないと嘘を吐き、それ以上追及されなかったことにほっと息を吐いた。

 

「ふーん、かっこいいじゃん。それでいこうぜ!」

「厨二っぽいけど、的に当ててる名前ですよね。」

「じゃあ、それでいくか、ダイキお前ネーミングセンス高いよな。」

 

自分が言ったその言葉を信じてそう言ってくれる仲間に、ずきりと胸が痛くなった。

 

「それじゃあ、対策とか「あっ!対策といえば!」ど、どうしたのよ…」

「はい!あのウルトラマンの光線は、その闇エネルギーを浄化する作用があるんだとおもいます!実物をとって調べないと分からないんですけどね、」

と、ある映像を見せながら説明する。

 

「へぇ、アーザにそんな力が、」

ユウジが言いかけたその途中、揺れた。

 

「地震?最近多いわよね、」

 

「えぇと、震源は、見座加山、あっ通信が入りました、え、見座加山から鳥みたいな怪獣の声がきこえた。と、」

「火山で怪獣?」

 

「火山と怪獣で鳥みたいのっていうキーワードでいけば、やっぱり火山怪獣バードンですね!高熱火炎を吐き、強靭な羽を持ち、強力な毒を持ち、そして、ウルトラマンを殺したといわれて、あのウルトラマンメビウスも苦戦した怪獣です!そうでしたよね!アイハラ隊長!」

「ああ、よく知ってるな。さすがだな、」

 

その興奮したようなユウヘイの説明に、へぇとうなずき、軽く言った。

「その怪獣、強いんだな、まぁ、だいじょうぶだろ、蘇ったりするだろ、なんだってウルトラマンだし、不死身だろ、な、ダイキ」

そんな軽い感じでいい、話を振られたダイキは、実際そんなことはできないので、どう答えればいいのか戸惑って、複雑な気持ちになった。しかし次の瞬間。

 

「ふざけるんじゃない!ウルトラマンだって、命懸けで戦ってるんだぞ!ユウジ!!!」

 

そして、一拍置き、落ち着いてから、そういった。

 

「隊長…‥?」

 

「……ウルトラマンは万能()じゃないんだ。それを覚えておくんだ。ウルトラマンが持っているカラータイマーがある意味を考えろ。」

今までにない隊長の怒った顔に、皆が黙る。

 

「…‥…すみませんでした。俺が軽薄でした。」

怒られらユウジは、怒鳴られた事で落ち込んだ顔で頭を下げる。

 

「……いや、俺こそ、怒鳴って済まなかった。……。ダイキとユウジは現地へ調査、あとの二人は、念のため待機。ユウヘイ、見座加山付近を調べてくれ。」

申し訳なさそうに目を伏せて謝ってから、極めて冷静に、隊員たちに指揮を執る。

「「「GIG!」」」」

 

「あっユウジ!待って!」

想返事して、すぐにユウジは、椅子に掛けてあった上着をとり、ディレクションルームから出る。それにダイキは急いで後を追おうとするが、ちらりと隊長の方を見て、目が合う。

「…どうした?ダイキ?」

「あ………、いえ、すみません………。行ってきます!」

そういってから、ユウジの後を追って部屋から出て行った。

 

 

「…………。はぁ」

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「ユウジ!早いよ!待ってって」

「あっわりぃ…」

 

ユウジの後を追ってダイキに、

CREWRUYSのマークの入ったいろんな設備が搭載されてる車に、ユウジが運転席に、ダイキが助手席に、座った。

見座加山付近につくまで、ふたりはむごんで、ダイキは心配そうな目で、ユウジを見ていた

 

「ついたな…」

「そうだね…。」

 

明らかに元気がない。目に見えてわかるユウジに、さらに心配になる。

「ユウジ、ユウジ!元気出してって、みんな気にしてないって!」

「はっ……大丈夫、もう元気もりもりだよ、それに、あの発言は、俺が悪いよ、ウルトラマンだってまぁ、」

 

ウソだ、

その返答を見て、そうダイキは思った。めっちゃ気にしている。無理して理解しようとしてる

 

「ユウジは、悪くないよ。ウルトラマン、すごい、もんな。」

 

だってそれは、人間からしたら、ウルトラマンは何でもできる超人で、どんな奇跡でも起こしてくれるだろうと、思ってしまうことだってある。

ダイキはそう理解して、ユウジは悪くないと本心でそうおもっている。

(しょうがないよ、人間にとってウルトラマンはそういう存在だろうから、俺だって…昔は、そう思ってた…っていうか、昔父上にそう言って、隊長みたいに怒られたっけ………今は俺がウルトラマンだけど)

懐かしい記憶を思い出して、泣きそうになったが、すぐに持ち直し、ユウジに返事をした。

「…。ありがとな!ダイキ!気が軽くなったよ。さぁ、仕事しようぜ!」

 

「………。ああ!」

 

(……でも、ウルトラマン()は万能じゃないんだ。そのこと忘れてはいけないんだ。)

そのことを肝に銘じて、そして胸の奥にしまって、見座加山にある森に入っていった。

 

 

 

 

 

「うわこれはひでぇ、全部枯れてるわ…」

「たしか、資料だと、バードンが現れた山の森は枯れていたってかいてあったな。」

「へ?そうだっけか?」

ダイキ達が入っていった森は、本来あっただろう葉っぱは枯れ落ち、立ち枯れを起こし、本来の森の姿よりも悲惨な状態になっていて、しかも夕暮れあたりなので、薄暗くユウジは、うへぇと顔を顰める。ダイキは、冷静に観察して、資料に描いてあったと思いだして、ユウジに言うと、ユウジに「真面目ちゃんか」って言われて、ダイキはなぜ?と首を傾げた

 

「…ってことは、ユウヘイの言う通り、バードンが棲んでるってことだな‥」

「そうだな!やっぱりユウヘイはすごい!」

 

ユウヘイの事をきらきらとした目で純粋に褒めるダイキだった。

そして、しばらくしたら、先に進む。

 

「あっ、そんながつがつ前に行くなって─────……!?」

 

前に進むダイキを引き留めようとするが、不意に、後ろから何か嫌な気配を感じ振り返る

立ち枯れした木々の間に黒い人影がおり、かろうじて女であることがわかった。

 

「なんだ、あの女…?なぜここに、?」

不審になるが、話しかけようとしたその時、地面が揺れ、

 

<くきゃおおおおおお!!!!!>

 

「あれは、バードン!?ダイキ!どこだ!?あの真面目ちゃんめ!……そんな遠くには…!」

目を離したすきに、ダイキの姿を見失い、急いで、探す、が、どんどん町の方向へと、進んでいるバードンをみて、肩のポケットからRUYSメモリーディスプレイを

だし、みんながいるCREWRUYSに通信を繋いだ。

「あーもう!こちらユウジ!!バードンが出現しました!」

 

 

 

『こちらユウジ!!バードンが出現しました!』

「闇エネルギーを検知!暗黒染体怪獣です!!!!」

 

RUYSにて、ユウジからの通信で、バードンが現れたことが知らされる。そして、すかさず、アイハラ隊長は号令をかける。

 

 

「RUYS.sally go!!」

「「GIG!」」」」

言い終わるがいなや、二人は飛び出していった。

「皆さん頑張ってください――!!」

 

 

 

 

 

一方、ダイキは、

「!!バードン!!」

 

バードンを見つけ次第、ダイキは声を荒げる。

そして、アイテムを取り出し、変身しようとするが、

 

”バードンはウルトラマンを殺したといわれる怪獣なんですよ”

ユウヘイの言葉が頭によぎり、一瞬手を止めるが、

 

(そうだ、ウルトラマンは、俺は不死身じゃない、……けど)

「、それでも、俺は、皆を守るんだ…!アーーザ―――――!!!!」

 

 

 

 

「ディアッ!!!!」

 

そうして、もう空は暗くなり、夜空のしたに現れた光は人の形となって現れ、ウルトラマンアーザが現れた。

アーザが目の前に現れたことにより、バードンは憎しみの込めた目で睨みつき、そして、その大きな翼を大きく羽ばたかせ突風を巻き起こしながら、アーザの方へとびかかる。

アーザは、その勢いをかわし、バードンを掴もうとするが、するりと躱される。そして、Uターンしてきたバードンに対応しきれず、突撃され、大きく吹っ飛ぶ。

「ぐぁあっ!!」

 

「ウルトラマンが交戦中、援護します!」

 

ユキ達が、ビームを発射し、直撃してバードンは、怒って、ソリューションストライカーに向かって突風を吹かせる。それによって、彼女たちが乗るせんとうきは、不安定な状態になり、近づけなくなってしまった。

それをやめさせようと、アーザはとびかかるが、押されて、飛び乗られてしまい、苦悶の声をあげつつ抵抗する

 

「デュ、アッ!」

 

 

「くそっ、アーザから離れろ!」

そこから脱しようと苦戦していたその時、枯れた森の中からビームが発射され、アーザを押さえつけるバードンに命中する。

 

「ディアァ!!!!」

そのおかげでその場から脱することが出来、急いで体制を戻す。

「よし、当たった!…えっちょっ!?」

 

(ユウジ…!!!!!)

 

〈くきゃおおおおお!!!!〉

 

邪魔されたことに怒り、射撃された方向を向くと、ユウジがいる森に向かって火炎放射するつもりなのか口を大きく開け、そこに炎が溢れ出して来る。

そして

 

「……!!ダメだ、逃げられな………うわぁあああ!!!」

 

放たれ━━

 

「ディアァアッ!!!!!!」

ることは無かった。アーザが危機一髪バードンとユウジの間に入り、その嘴を押さえ込んで火炎放射を飲み込ませていた。

が、バードンはその手を振り払い、取っ組み合いになるが、

 

 

「!!!っあぐ・・ぐああっ!!………っぁ………」

 

アーザの肩に、バードンの嘴が突き刺さりそこから、猛毒が流れ込みアーザは激痛に数歩下がる。

 

「アーザが…・・・」

ユウジが見ている前で、猛毒を流し込められたアーザは、猛烈なめまいとダメージを受け、膝から崩れ落ちた。

 

「っ!……ハァ……ハァ…グッ…」

(………だめだ……力が…入らない…目がくらむ…)

 

アーザの蒼く光っていたカラータイマーは急速に赤に変わり、激しく点滅し始める。危険な状態で瀕死だ。

アーザは、それでも、立ち上がろうと、足腰に力を入れてるが、膝が浮いたと思えば、すぐに、崩れ落ち、倒れ込んだ。

 

それをみたバードンは近づいて攻撃しようとしてるのをみて、ユキが叫び、後ろから攻撃を加える。

「そ、それ以上!近づかせないわよ!!」

 

それにより、バードンは、一歩二歩とアーザから離れる。

と思ったら、バードンの首が180度回転し火炎放射を放つ

「首が回転したぁ!?」

 

 

「…………。アーザ………くそっ」

基地から見ていた隊長が息をのむ。このような状況はメビウスの時にもあった。だけど、ここまでひどかったか。あそこまでバードンの毒を受けて立ち上がれず動けなくなるほど猛毒であったか、と記憶を探る。

 

「ユウヘイ!今回のバードンは通常と何が違うんだ?」

「今調べてるところです!」

 

 

 

「そんな……アーザが…。」

 

一方ユウジは、アーザに庇われて、毒に倒れるのを呆然と見つめていた。

苦しんでいるアーザを見て、呆然とつぶやく

 

「…………俺のせいだ…俺を、庇ったから……」

 

涙を目に浮かべながら、流さないように堪えつつアーザを見つめる。その拳は強く握りしめていた。

 

 

「!!」

 

 

 

「…デュあぁああアア!!!!!!………ハァ……ハァ…デュアっ!!!」

その時、大きく雄たけびを上げたアーザは、体がつらいのも鞭を打って立ち上がる。大きくふらつくも立ち上がる。

それでも肩で息をしており、辛そうだ。

アーザも頭の隅で死という文字がよぎる。

(……ここで、負けたら………次にやられるのは、ユキとユウジとシンさんたち・・・そして町の人・・・っ・・・もしかしたらおれはしぬかもしれないけど……負けられない…っ!!!!)

 

それでも、アーザは、バードンへと向かう。何度、倒れそうになってもふらついても前を向いて、バードンに向かっていく。

 

 

 

 

「!!…………どうして、………死ぬかもしれないのに、立ち上がれるんだ、誰よりもつらいはずなのに…」

 

自分が呟いた言葉にはっと悟る。

 

 

 そうだ、死ぬかもしれないんだ。

 

そして次の瞬間に走り出した。

 

 ウルトラマンは、生きているんだ。

  生きているからこそ、カラータイマーがある。

 

走り出しながら、通信を繋げる。基地へと、

 

 

   ウルトラマンは不死身じゃない。たった三分の限られた時間で戦っているんだ・・!!

 

 

「隊長!!!!バードンの弱点は、くちばしの横にある毒袋を討てばいいですよね!!!」

 

すぐにつなぎ、隊長の声が聞こえる。

『確かに、そこを撃つことができれば、毒が逆流して逆転を狙えるはずだが…?』

「今やらなきゃ、誰が、やるんですか!今でもアーザは戦っているのに!」

通信をしながら、銃の準備し構える。

 

『ユウジさん!待ってください!あのバードンは従来のバードンとは違うんです!』

「あ?なんだよ!毒袋は効かないっていうのか!?」

ユウヘイの横からのストップに声を荒げる

『そうとはいっていません!あのバードンは、二つの毒袋を同時に(・・・・・・・・・)正確に撃たないと、毒が逆流しないんです!』

 

新たな情報に、一瞬黙るか、すぐに宣言した。

「なんだそんなことか!二つ同時に打てばいいんだろ?…隊長!」

 

『なんだ。』

ユウジがやろうとしていることを確信しているようで、力強い返事が返ってくる。

 

「メテオール使用許可をお願いします!」

 

『……出来るのか?危険だぞ?』

 

「危険がなんだっていうんですか?!今もアーザは自分の命を張って、体を張ってバードンと戦っているんです!」

 

「俺も、体を張るべきです!!隊長!」

 

 

『わかった、必ずやり遂げろ!!!!!メテオール解禁!!!!!!!』

 

 

 

                 「G.I.G!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

そういって、ユウジは、銃にメテオールのエネルギーを込めてあるコアを差し込み、手元から金色のオーラを携えながら、大きく暴れまわっているバードンへと走り出す。

そして、その銃口をバードンに向け、その狙いを、嘴の両端にある毒袋の中心へと合わせる。

 

制限時間は一分。あの毒袋を同時に破壊するにはその時間以内に倒さなければいけない。

しかも、アーザも時間がない。

 

「アーザは死なせねぇぇっっ!!!!!!!!!こっち見やがれバードンッッッッ!!!!!!」

 

そして、バードンとアーザが良く見える森を開けた場所にでると、立ち止まり大きく叫んだ。

ユウジのその声が聞こえたのか、バードンは勢いよくユウジの方へ向き、こちらに銃を向けるユウジの姿を視認する。そして、火炎放射を放とうと口を開ける。

 

60秒まで二十秒。

「よしこっち見たなっ!!」

その圧巻な姿に冷や汗をかき、息をのんだ。それでも、銃を強く握り占める。

 

「当たれぇえええええええええ!!!!!!!!」

 

そして、勢いよく引き金を引いた。

 

 

 

10秒

 

 

 

<くぎゃおおおおおおおおあ””!!!!1!!!>

 

金色のオーラをまとったそのビームは二枝に分かれ、それぞれ二つの袋にあたり、毒袋は同時に破裂した。それによって、毒が逆流し、バードンは、激しく苦しみだした。

 

「今だ!!!!アーザ!!!!!!!!倒せ!!!!!!」

 

 

「!!!はっ、ハァァアア…デュアアアアァア!!!!!!」

 

アーザは、今持てるその力をすべて使い、アーザストリームシュートを放ち、バードンに命中する。そして、今までの怪獣と同じように爆発して死んだ。

爆発のさなか、アーザは膝をつき、肩で息をしながら、そのまま空気に溶けるかのように消えた。

 

「はぁ……はぁ……隊長…ウルトラマンは、たったの三分間の命を燃やしてるですね…」

ユウジは、アーザが消えたその場所をしばらく眺めていた。

 

 

◆◆◆

 

 

 

ユウジは、立ち枯れしている木々をかき分けて、はぐれた地震の相棒であるダイキを探す。

ここら辺は毒素も強いのか、毒々しい霧があり、口元を覆いながら、探す。

 

「!!!!っダイキ!!!!」

そして、木によりかかるように倒れるダイキを見つけて、抱き起す。何度揺さぶっても反応を記さないダイキに、焦りを以てさらに呼びかける。

ダイキの肩には怪我があるのに気づく。

「け、怪我!ダイキ!!!起きろ、起きてくれ死ぬな!ダイキ!!」

 

息はあるが、起きないダイキの名前を、呼ぶ。

 

 

「ダイキ――――――――っ!!!!!」

 

ダイキは目を覚めないままだった。

 

 

 

 




次回

「いいか?ダイキ。勝手に遠くいくなよ?お前めっちゃ無茶するからな、絶対だぞ!!!」

「過保護だよユウジ…」


「最近、地面が陥没して、建物や地面が崩れ落ちる現象が起きている。」


「お前は何者だ!!!」


     「私は闇。アンジェ、貴様どもの敵だ。」


「地下に怪獣が・・・!!!!!」


               第七話 地底の闇


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第七話 地底の闇

第七話始まります


ダイキは目覚めました。

        デデーン


ユウジは過保護にレベルアップしました。


   登場怪獣

         暗黒染体地底怪獣  テレスドン



夜、会社からかいる人、出かける人。様々な人が、出歩くその広い道を闊歩していた。

「?なんだ揺れてる地震k———————!!!!!」

「陥没だーーーーっ!!!!」

一人のサラリーマンの足元に大きく罅が入り、いそいで、その場から逃げるように後ずさって走り出す。

 

次の瞬間にその道路は陥没し、そこには広く真っ暗闇の空間が広がっていた…

 

 

そして、誰も気づかなかったが、怪獣の尻尾がそこにあり、怪獣の鳴き声と妖しい女の笑い声が響いていた。

 

 

◆◆◆

 

 

バードンが現れた日から、昏睡状態であったが、目を覚まし、回復したあと、復帰したダイキを囲み、それぞれ復活の祝いの言葉を投げかける。それにダイキは照れくさそうに受け取った。が、次の瞬間、肩を掴まれた。

ユウジにである。

 

「………ユ、ユウジ?」

 

肩を掴むユウジは俯いており、表情をうかがう事ができない。そして、かっとダイキに詰め寄る。

「顔近いよユウ「ダイキッ!!!」はっはいっ!」

いきなり大きく名前をよばれ、声を裏返りつつ返事をする。

「いいか、お・ま・え・の!お前の相棒として言うからな!」

「う、うん…」

「いいか!絶対だぞ!勝手に遠くいくなよ?はぐれるし、お前めっちゃすぐ無茶するからな、絶対だぞ!!!いいな!!!」

 

「じっGIG・・・!!!!!」

その剣幕な表情に頷くほかなかったダイキであった。

その返事に納得したのかユウジは頷いて、肩から手を下した。

「過保護だよ…ユウジ…」

「んーまぁ、ユウジも、ダイキがあんなことになって自分を責めてたから、大目に見てやってくれな。」

ぼやいたダイキにフォローの言葉を入れる。

「そうそう、ダイキが目が目覚めないことに‥ずっと俺のせいだ…って言って暗かったのなんの、ね?」

「ゆ、ユウジ…!!!ありがとう!!!!!」

2人の言葉に、目を嬉しそうに煌かせ、ユウジは、照れてうろたえた。

 

「ダイキ。」

 

その時隊長が入ってきて、ダイキに話しかける。

「あ、アイハラ隊長!」

呼ばれたことに、駆け足で、アイハラ隊長のそばまで走り出す。

「ああ、もう体調の具合は大丈夫か?」

「はいっ!この通り復活しました!」

 

はきはきしたダイキの姿にほほえましく少し笑ってからそうかと答える。

「それならよかった、だが…」

「?」

 

「もう無茶して”戦う”なよ、ダイキ。………みんなもだぞ!」

少し含みのある言い方に違和感を覚えるが、皆と同じように返事をした。

 

 

 

 

「最近、地面が陥没して、建物や地面が崩れ落ちる現象が起きている。」

しばらく、立って静かになったそこから、アイハラ隊長は口を開く。

「陥没って、なんですか?」

「落ち込むこと。沈みくぼむこと。ということだぞ、ダイキ。」

「なるほど。」

湧き出るダイキの疑問にアイハラ隊長は、すかさずその言葉を教える。

ダイキは、勉強になったと頭の中にそれをインプットした。

 

「…それで、最近起きている事故のことですよね、やっぱりただの事故ではない。感じですね。」

「ああ、そうだ。怪獣の鳴き声を聞いたとか、そういうのだ。主に地下鉄の被害が大きく、地下鉄の運営は止めざるを得ない状況となっているそうだ。サコミズ隊…ゴホンっ総監から早急に解決しろと頼まれた。」

 

自分でも直したと思った慣れた呼び方をしそうになるが、すぐに訂正する隊長。そして気を取り直して。

「いつも陥没が起きるのは夜だ。ダイキとユウジ、ユキとシン両名、夜までに陥没が起きた周辺の調査と、パトロールを頼んだ!」

 

「「G.I.G!!」」

 

四名は、隊長の指示に従い、出かけて行った。

 

 

 

 

数時間して、陥没したとされる場所にたどり着いて、すぐに順応し、その道路を治そうとする工事する人に、お辞儀をする。

「あぁ、RUYSの、それじゃあ、やっぱり怪獣関連ですか?」

「いえ、それはまだわかりません。とりあえず調査しますので、失礼します。」

不安そうな工事の人に安心させるように力強い返事を返した。

 

「よし、ここが、陥没した場所だな、うわ、深っ…」

「ユウジ、足場に気を付けなよ、」

「わかってるって、なんか反応でたか?」

意外と深い穴を除くユウジの後ろから、RUYSメモリーディスプレイにある機能で、怪獣の残留エネルギーを感知しようと、くるくると見まわしながら、話しかける。

「…うーん…いまは、まだ、って感じかなぁ、かすかな反応はあるよ。」

「うわっビミョー…」

そういって、ダイキも穴の中を覗く。相変わらずその穴の底は、暗黒の闇に包まれ、見えなかった。

「…よし、ダイキ!別の場所に行こうぜ」

「ねぇ、ユウジ。」

次に行こうと誘うユウジをさえ切って、穴を眺めながらじっと考えつつ話しかけた。そのことにダイキのそばにいく。

「なにかあったのか?」

「いや、なにがある、わけではないけど、この国の道路の地下に空洞なの?」

「んなわけあるか!怪獣が歩くだけで陥没するわっ!………いやまて、この都会の道路の地下にある、空間って言えば、ここら辺は地下鉄が走ってた場所…だったはず…」

「あぁ地下鉄といえばあそこに地下鉄の入り口だね。」

地下鉄という言葉を聞いて、地下鉄の入口の存在に気づいた。

「ちょっとまって、ユキ達にも聞いてみる。」

そういって、RUYSメモリーディスプレイにある液晶パネルを開き、ユキ達のどちらかにRUYSメモリーディスプレイに通信を繋ぐ。

「こちらダイキ、ちょっといいかな?」

『こちらシン、どうした?何かあったか?』

シンと繋がったのかシンの顔が、ディスプレイについてある透明な液晶パネルに移る。その横にユキがいるのか、ちらちらと見えていた。

「そっちって、南町だったよね?近くに地下鉄ってある?」

『…ちょっと待ってくれ…………ほんとだ地下鉄あるぞ!?気づかなかった!良く気付いたな!』

「うんまぁちょっとね。」

「まぁ、それはそれで、ここから南町って地下鉄でつながってたよな?ここの陥没が昨日で、そっちは一昨日だったよな。」

『馬鹿ユウジにしてはいい所につくわね。』

「んだとこらっ!!!」

『はいはい喧嘩しないケンカしない、そうなら、怪獣は地下鉄を通って、だから、地下鉄付近の近くばかり陥没してんだな』

通信を通して、四人で推察をする。

「っていうことは地下鉄の中を調査すればいいんだな!」

『そういうこったな、まぁ、入る前に、隊長に報告しないとけよ。』

「っはいっ!」

そういって、通信を斬り、シンの顔がパネルから消え、そのパネルを閉じて左肩のポーチにしまった。

 

アイハラ隊長に推察したことを報告し、地下鉄を調査するという趣旨を伝えた。

 

 

 

 

 

「運営できないってこういうことかぁ…」

光も届かず、懐中電灯で壁を照らしながら、歩く。照らされた壁は、ボロボロで、壁に怪獣の爪あとらしきものもそこにあった。

「あきらかに、怪獣の仕業だなぁ、何の怪獣だ?」

「ユウヘイに聞く?」

「いあ、思いつくのが地底怪獣くらいだし、これだけじゃ、まだ判断できないだろ…地底怪獣種類多いしな。」

足場に気を付けながら、前に進む。

「そっか…、ん!?誰かいる…女?」

「本当だ?まさかあの時の女か!?追うぞ!」

そうしたら、目の前に妖しい人影があり、シルエットから女とわかり、所々に現れる謎の女だと悟り、ユウジは走り出す。

「あ、ああ!!」

女は、自分たちを追っていることに気づき、走り出す。自然とダイキ達の足も速くなる。

「とんだ足の速さ!?人間じゃねぇな!?」

そして、行き止まりなのか、謎の女は、止まった。

「っはぁ!お前!バードンの時にもいただろ!なにもんだ!!!!」

ユウジは、息を切らしながらも、銃を女に突きつける。

 

「ふふっあはははははは!」

 

急に謎の女は笑い出した。その笑い声が、封鎖された空間に響き渡る。その不穏な雰囲気にダイキとユウジは、息をのむ。

 

 

 

 

    「私は闇、アンジュ。貴様どもの敵だ。」

 

 

「!!!」

女がそう言った瞬間に、ダイキ達がいるその場所が激しく揺れる。

 

「お前たち光のな!!!!!行くがいい!!!テレスドン!!!!」

 

そう叫んだアンジュの後ろに、怪獣が現れた。

「か、怪獣・・!!!逃げるぞ!!!このままだとやばい!!!!」

「あ、ああ!!!」

足止めに光線をぶっばなすが、あまり聞かず、テレスドンは進行を止めなかった。

そのため、二人は自分たちが入った入口に向かって走る。

 

怪獣が現れたことにより、天井から、コンクリートの塊が落ちてくる。それのすれすれを避けながら、待機しているであろうユキ達に通信する。

 

「こちらユウジ!!!!怪獣が現れました!避難を頼む!!!!!」

『わかった!生きて帰ってきなさいよ!!!』

「おうっっ!!!!」

ダイキも、後ろを狙撃して牽制しながら、走りながら、ユウジについていく。

そして、入口である光が見える。

 

「あと少しだ!がんばれ!!ダイキ!!」

「っはい!」

 

あと一歩、その光に届くところで、

 

<ぎゃあおおおおおおお!!!!!>

 

ユウジの真上の天井が崩れ、ユウジをめがけて落ちてくる。

「!!!う、うわぁああああ!!!!」

「ユウジ!!!!」

 

瓦礫に埋もれるその瞬間あたりは光に包まれた。

その光は、地上に移動し

 

 

「デェアァっ!!」

 

 

そして地上にウルトラマンアーザが現れた。

アーザは何かを持っているのか手をゆっくり優しく地面に下した。開いた手の中から、ユウジが下りて、アーザを見上げた。

「…助けてくれたのか、ありがとう!」

そして、お礼を言われ、アーザは、ユウジが生きていることを確認してゆっくり頷いた。

 

<きゃああおおおおおおあおおお!!!>

 

後ろから、テレスドンが地下から姿を現す。そして、アーザの姿を視認するとアーザに向かって体を高速回転させて体当たりする。ダイキとユウジが地下に突入してから数時間、すでに、辺りは暗く夜となっていた。

「でゅ…はぁぁあああ!!デュアぁ!!!!!」

体当たりしてきたテレスドンを受け止め、回転が止まるまで、掴む。そして、動きが止まったテレスドンを遠くへ投げ飛ばす。

投げ飛ばされたテレスドンは、そこから溶岩熱線を吐き、アーザに攻撃した。

「フッ!」

しかし、アーザは、紅いシールドを展開し、一分ほど放たれた熱線をふさぎ続けた。

其れすらふさがれたテレスドンは、イラつくように雄叫びをあげる。そして、地下に潜って姿を消した。

 

(消えた…!!!)

姿は見えないが、怪獣の気配は感じられるので、逃げたわけではない、そのとき

 

”アーザ、後ろから溶岩熱戦ですよ!”

 

「!!デュア!」

という地球の声が、聞こえそして次には”後ろから”溶岩熱戦が地面から放たれるのを教えられその声を信じ側転し、放たれた熱戦を避ける。

”次は7時の方向から熱線です”

「デュアっ!!!」

”!今度は真下です!”

地球が真下と教えた通りにアーザはバックステップで退き襲う熱戦を避けた。

「でゅ、デュアっ!!」

(いい加減に!!地面から出てこい!!!!!)

光の剣を右手からだし、そのまま大きく振りかぶって、そこにいるであろうその場所の地面にその件を突き立てた。

 

<!?きゃおおおおおお!?!?>

 

 

「デェアァ!!!!!・・・・!!っ!?ウッ…ハァ…ハァ…」

(くそっ、ダメージがまだ残って……)

痛みから大きく暴れ、そこの地面が陥没し尻尾が見える。すかさずアーザはその尻尾を掴み、力まかせに、そこから引きずり出し、地上へ地引きずり戻した。そしてそのまま数回地面にたたきつけ、ようとしたが、突如肩を抑え、膝をつく、そのすきを突かれ高速回転の体当たりを食らい、そのまま組み敷かれ、カラータイマーが青から赤に変わったの感じた。

 

「どうした・・・!?まさか、バードンとの戦いの傷まだ癒えていないのか…あんのバカヤロー!!」

 

ユウジは、急いで、RUYSカービクトチェイサーに乗り込み、ユウヘイに通信を繋ぐ

「なぁユウヘイ!テレスドンって怪獣しってっか?」

『もちろん知ってますよ!初代ウルトラマンと戦ったとされる怪獣です地下4万メートルの世界に生息し、地上への侵出を目論む地底人たちの尖兵。地底人たちがウルトラマンを洗脳するまでの間、科学特捜隊の注意を引き付けておくため、夜間に都市部を破壊する。科学特捜隊のナパーム弾にも耐える皮膚を持っているそうです!!!』

「当たり前だよな!さすがユウヘイ!!!!弱点はなんだ?」

『光です!怪獣は極めて暗い闇の中の地下で生きてますから、激しい光に弱いはずです!』

「助かるぜ!サンキューな!!!」

 

通信を斬ったユウジは、そのまま運転し、援護できる距離まで近づく。

 

「激しい光と言えば、照明弾だな!!!!これでも喰らえ!」

そう言って勢いよく発射ボタンを押し、テレスドンの目の前まで飛んでいき、その物体に気づいたその瞬間それは、一瞬にして光を発し輝いた。

急にもたらされた光にテレスドンは目を抑え、アーザから離れ、

 

「!!!フッ、デュア!!!」

そして、テレスドンに向かって、アーザストリームシュートを放ち、禍々しいオーラが染み出て消え、テレスドンは、爆発した。

 

「……。」

(うわ…ボロボロ…ごめん地球…)

”いえ、気にしないでください。大丈夫ですから”

地面がボロボロで、痛そうな状況にいたたまれなかったのか、アーザは、地面に手を向け、光をボロボロになったその地面に当てる。それによって、破壊された部位はたちまち治っていき、綺麗な状態となった。

 

「壊れた建物とか道路とか治っていく……やっぱりウルトラマンすげぇな・・・ さすが俺たちの仲間だぜ…」

 

◆◆◆

 

「ユウジ――――!!!!」

「ダイキ―――!!!おま、お前どこにいってたんだよ!?!?」

ユウジを見つけ、すぐに駆け寄るが、逆に詰め寄られてしまう。

「ウェ!?ど、どっかに消えたのはユウジの方だよ???」

「そういえばそうだった!、でも俺はアーザに助けられたけど、お前は…?」

怪訝そうな顔になるユウジに戸惑い、言い訳を考える。

「俺もアーザに助けられてたよ、ユウジが気づかなかっただけだって」

「まじか」

「まじだ」

「マジで」

「ショータイ厶!」

 

そこまで行ったとき、二人の間に一拍空気が止まる。

「……なんかよくない気がする…でもお前、良く知ってんな。」

「まぁな」

「……まぁ、かえるかー…やっぱり怪獣の仕業だったなー」

「そうだなぁー」

 

2人は雑談しながら、RUYSカーピクドチェイサーαに乗り込み、帰っていった。

 




次回

「なんだろうこの花。」

「あぁ、最近道端に生えてきた花だな。最近人気らしいぞ?」
「そうかなぁ形歪じゃん…臭そう…」


「この花粉には幻を見せる効果があるんです!失ったものとか会いたい人とか、あらゆる幻を見せて誘惑するんです!」


「まるで、食虫植物の怪獣だな…」


「………母上…‥…」



「これは違う!!!!!俺は…っ!!!」



                      第八話 誘惑の花道



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第八話 誘惑の花道

誘惑は誰にでもありますよね


登場怪獣

暗黒染体超古代植物 ギジェラ


地底怪獣テレスドンが暴れたその日から数日、CREWRUYSに二人の姿があり、二人は今からパトロールの担当なのか、RUYS専用の乗用車、RUYSカーピクドチェイサーαが止めてある場所へと向かっていた。

「ダイキーパトロールいくぞー!」

「えっちょっと、だから早いって!ユウジ!!」

 

大声で、ダイキの事を呼ぶユウジに応えてダイキも、多く返事をしてRUYSカーピクドチェイサーαに乗りこんだ。そして、カーピクドチェイサーαは発進していった。

発進してしばらく、街をゆっくり回って走りながら周りを見渡す。

「それにしてもお前とパトロールしてると面白いんだよな…」

「何が?」

「何って、いつも人助けすることになるからかな、お前お人よしだよな、俺そういうとこめっちゃ好きだぜ…」

「ははは照れるなァ」

と雑談としながら、パトロールしていた。

そして、住宅街の道に通りすがる際にダイキが何か気付いた。

「なぁ、ユウジ」

「んー?」

適当に返事をするユウジの腕を引っ張りそこを見るように呈す。

「なんだろうこの花。」

道端にかなりな量の毒々しい花が生えている。ユウジは、それを見てあぁ~と思い出しながら、話す。

「あぁ、最近道端に生えてきた花だな。最近人気らしいぞ?」

急に、いろんな場所に生えてきて、あまりにも人気だから、飾られたりしてるだそうだ、という豆知識も付ける。その説明を聞いたダイキは、表立って嫌な顔をする。

「そうかなぁ形歪じゃん…臭そう…」

「……いわれてみれば、そうだよなぁ、なんだダイキ、気になるのか?」

さらに腕を引っ張るダイキを見かねて、車を止める。

「調べたほうがいいよ。急に生えてきたって時点でおかしいって。」

「確かにな、宇宙人関係か?」

「案外また怪獣かも」

そう花を見つめつつ花をとろうと手を伸ばす。しかし、その時、

 

「やめんか!!その花に触れるな!!!!」

 

「!!お爺さん!?」

老人だと思えないほど大きいお声で叱咤される。そして杖を突きつつもがつがつと二人に近づく

「この花は全部儂のじゃ触るな!!!」

ユウジ達を押しのけ、花から離れたのをみて満足したのか、離れていく。

 

「ほらやっぱりおかしい今のうちに一輪だけ持っていこう。」

「賛成だ…絶対何かある…」

爺さんが見ていないうちに、一凛だけ花を採った。その時、風が吹き、花が揺れて花粉が飛び出した。

「うわっ、やっぱり臭い。」

「いや、全然臭くはなかったぞ?」

「えっ?」

臭くないというユウジに驚いて振り向こうとするが、

 

 

 

『───────、アーザ、そこにいたのですか?』

 

 

「    え?」

懐かしい優しい声が聞こえた気がして、そこを見るがそこには何もいない。

(そんなわけないか、母上の声が聞こえた気がしたけど…ありえない。)

聞こえた声がそこにいるわけないと振り切ってかき消すかのように頭をふった。

だって、遥か昔弟が生まれた時に母は亡くなってしまっていたのだから。

 

「…イキ?…‥ダ…キ……ダイキ!!!!どうした!?」

「うぉあっ!?どうしたんだ!?ユウジ!?」

何度呼び掛けても返事をしないダイキを耳元で読んだ。その声に驚いたのかへんてこな声を上げる。

「どうしたって、お前が返事しないから心配になったじゃねぇか!!!」

「えっ!?ごめん!」

屋っと返事したダイキに安堵の息を吐き、そして、運転席側のドアを開ける。

 

「きゃあああああああ!!」

 

それを妨げるように女性の悲鳴がここまで聞こえてきた。

「ユウジ!あっちだ!!!」

「おうっ!!」

悲鳴をきいて、駆け付けた二人は、野次馬をかき分けて、悲鳴の元を探す。

「CREWRUYSです!どうしたんですか!?」

「RUYSの兄ちゃんたち・・・人が死んでんだ…」

人が死んでいるといわれて、倒れているその人物を見る。

 

「……なぁ、この爺さんってさっきの…」

「ああ、そうだ。さっきの爺さんだ。妙に花に執着してた…」

 

そこに倒れていたのは、先ほど、花を取ろうとしていきおい凄い形相で怒鳴ってきた、あのお爺さんが、道端に倒れ、死んでいた。しわくちゃな顔がさらに青くなっており生気を感じられなかった。その手には強くあの毒々しい花をだれにも渡さないかのように、握り締めて死んでいた。

花がかかわっていることは明らかであった。

 

「と、とりあえず報告。これは只事じゃない!」

「GIG!」

そういって、集まってきた人たちに、近づかないように言って通信をつなげた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

基地に戻ってきたダイキとユウジは、素早く隊長に話に行った。

「隊長!!!報告した通りです、あのお爺さんが死んだのはこの花が関係していると思うんです!」

「そうですあの爺さんめちゃくちゃ花に執着していたそうです!近所の人の話も、妻が死んでから落ち込み気味でしたけど、花が生えてきたあたりからおかしくなったっていう話です!」

勢いよくまくしたてつつ報告する二人に、落ち着いて話を聞くアイハラ隊長。

「あの私達もそれについて報告が!花が生えてきた時期からおかしくなる人たちが増えているようです!花を分けてもらおうと話しかけましたけど、ことごとく激しく拒否されました!」

「えっそっちも?」

「そうよ?やっぱりおかしいわよ。放置してはいけないと思います!」

「そうだな。確かにおかしいと思うな。ユウヘイ!」

「はいっ!」

「ユウジ達が持ってきた花をすぐに調べられるか?」

「お任せください!」

そして、またユウジ達に向き直ると、言った。

「そのほか4人は警戒を怠らないこと!パトロールを続けること!」

「「G.I.G!!」」

 

 

 

 

夜となり、ユウジと別れたダイキは暗い廊下を一人で歩いていた。

「今日は何もなかったな…ユウヘイは急いで調べてるし、こっちでも調べるかな…」

其れよりも花が気になった、母の声の幻聴を聞いたのはあの花の花粉を少しだけだが浴びてしまったからだ。

 

「貴様にできるかな」

「お前は!?」

闇から現れたのはこの前、アンジュと名乗ったその女は、妖しく笑いながら現れた。

 

「その花は、誘惑しかつて失った懐かしい幻覚を見せる効果があるものだ。まぁ、あんな量ではウルトラマンであるお前にはそんなには効かなかったようだが、お仲間は大丈夫なのかな?」

「なに?!何が目的だ!?」

 

その問いかけににやりと笑い、

「ふふっ、わかっているはずだ。闇を齎すには光は邪魔なのだ。邪魔ものには早く退場させ、目的を達成させる。大事なことだろう?」

 

「っ‥」

 

言葉をなくすダイキに、さらに叩きかけるアンジュ。

「ちなみに、この花は本来幸福の夢へと誘い、人を溺れさせるものだが、手を加えた結果、この花は幻覚を見せつつ、人間どもの生気を吸い続ける物と変質した。」

「!!」

 

 

「早く倒さねば、仲間が死ぬぞ?さぁ幸福の夢に溺れて死ぬがいい!さぁ目覚めの時間だ。暗黒染体超古代怪獣・キジェラ!」

 

女はそう言ったとたん地震が起き、ダイキは、バランスを失ってよろける。何とか取り戻すとすぐにそこを見るが、アンジュはそこにおらず、代わりに、CREWRUYSの基地の目の前に現れた植物の形をした視たこともない怪獣が現れた。

 

 

 

 

 

数時間前

 

「この花は、……なんかだるくなってきた…」

ユウジ達が持ってきた一輪の毒々しい花を分析して長時間スキャンしたりして、調べていたユウヘイは、体の不調を感じはじめていた。

「大丈夫か…?なんか俺もだるくなってきたよ…何かわかったか?」

「それがまだ結果がでないんですよね…」

ユウヘイは自身のメガネを上にあげ、目をこする。

「とりあえずこの花の組織は、どの花にもない組織がこの花にあるんですよね…宇宙産かな?」

 

とシンと話していたその時、音が鳴り、スキャンが終わったことを知らせた。

「あ、終わりました…そんな…」

「どうした…?」

 

「この花粉には幻を見せる効果があるんです!失ったものとか会いたい人とか、あらゆる幻を見せて誘惑するんです!」

「まるで幸福の夢を誘うような感じだな…」

 

「あともう一つあるんです。」

そういったユウヘイの顔は、思いつめた表情して真剣そのもので、シンは、ごくりと息をのんだ。

「こちらは、衛星からのスキャンです。この地域辺りに分布されているこの花のすべて、根っこは一つでつながっていて、とある場所に集まってるんです。」

「つまり?」

「その場所に、この花の本体があるんです。それが、」

 

 

「その場所は、ここです!!!この基地の目の前に本体があります!!!」

 

ユウヘイがそこまで特定して言ったその瞬間に大きな地震が襲った。

 

「怪獣出現!アーカイブに存在しない怪獣です…!!!」

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

ダイキは、急いで怪獣が現れそこに向かうために走っていた。

そして、基地を出て、基地の前に現れた球根のような怪獣をその目で見た。

 

”アーザ!お願いです!あの花が咲く前に倒してください!”

「地球!どういうこと!?」

 

”お願いです!!!!あの花が咲いたら、この地球に住むすべてが、人類が、永遠に夢に溺れ、そして死んでいく…お願いです!アーザ!”

「そんな…わかった!任せてくれ!」

 

地球に頼まれ、変身をアイテムを胸の前に持っていくいき、片方の手で手のひらを押し付け、そして、腰にもっていこうとしたところで後ろから、

 

『行くのですか?なぜです?母と一緒にいましょう?』

 

「っ!」

 

また聞こえてきた母の声に動きを止める。

相変わらず声だけだ。

”駄目ですアーザ!聞いてはいけません彼女は、貴方の母君ではありません”

地球が母ではないという。

 

『アーザ?どうしたのですか?さぁ、母とともに逝きましょう』

 

”駄目です!受け入れてはいけません!夢に囚われてしまう!貴方の母君は、そんなことをいいますか?”

 

「………母上…‥…」

体の動きは止まったまま、振り返ることはない。振り返ってしまったら、幸福の夢を受け入れてしまう。そんなことはできない。振り返ったって母はもういない。

 

『母の言う事がきけないのですか?父も待っていますよ?』

 

「!…違う…」

ダイキは、その言葉に、この声は、違うと確信した。父は待たないし、母はそんなこと言わない優しい人だった。だから、”これ”は母の声を借りた”なにか”だ。

 

「父上はそんなことはない!お前は母上じゃない!」

 

だって自分は父に託された。

 

「”これ”は違う!!!!!俺は…っ!!!」

 

動きを止めていたからだが再び動きだす。腰にためていたアイテムに光が集まりそして、真上に腕を突き上げた。母の声の幻覚はその時にはもうすでに消えていた。

 

「ウルトラマンだ!!!!アーザ――――――――――!!!!!!!!」

 

そうして光に包まれた。

 

 

 

「デュアッ!!!!!」

 

夜が更けるRUYSの基地を守るように光が現れ、そこから、ウルトラマンアーザが現れた。

 

そして、そのままギジェラに向かって攻撃をする。

そして、ギジェラの方は、最初からアーザの事を敵として認識しているのか、攻撃される。球根から鞭をだし、アーザに向かって勢いよく伸ばす。

アーザは捕まりそうになるが、たたき起こしながら、空へと飛びあがり、追ってくる触手をアーザスラッシュで切り落とすが、

 

「がっ!?」

 

足を掴まれ、そのまま地面へとたたきつけられる、振りほどこうとするが、振りほどけず何度か叩きつけられる。

 

「デェアァ!!!!」

やっと、アーザブレードで切り離し、そのまま攻撃しようとしたその時、

 

「やめろーーー」

「そうだやめてー!!この花が亡くなれば」

「そうだそうだー!!!やめてくれー娘に会えなくなってしまう。」

 

ギジェラに攻撃するアーザに向かって非難の声が届く。その光景に戸惑うアーザに、町の人は集まってくる。

(な、なんでっ…!)

 

”きっと、花の花粉をすって幸福の夢に囚われた人たちでしょう、だれもが何かを失って、大切な人の幻覚をみているんです…”

(そんな・・・元に戻すには…倒すしかないか…)

 

「デュアッ!!!!」

 

その時、ギジェラがその民衆に向かって攻撃しようとしているのに気づき、その攻撃が、その民衆に当たらないように背中を盾に守り続けた。

「うぐっ…かはっ…っつ…!!!!」

(お願いだ、逃げてくれ・・・!!!)

庇いながら、そこにいるたくさんの人たちに逃げるように仕草で促す。

 

攻撃が止む気配はなく、遂にはアーザのカラータイマーがなり始めた。

 

 

 

「………?なぁ、おれたち何してんだ?」

「なにって、倒すのやめさせようとウルトラマンに…・」

「そのウルトラマンは俺たちを守ってくれてるのにか?」

 

庇っているアーザを見て、疑問をもち段々正気に戻っていき、そして、

「逃げるぞ俺たちがここにいたら、アーザが戦えない!行くぞ!!!」

他の人にも声をかけながら逃げていく。

 

 

すべての人が逃げ切れるのを待って、前を向く。

そして、パリアを張りながら、近づいていく。攻撃が効かないと分かったのか、花粉をまけ散らす。

 

「ぐっ…」

 

 

(ま、負けるかぁ嗚呼ああ!!!!)

「デュアぁああああああ!!!!!!」

大量の花粉に苦しませるが、それでも耐えきって、構え、アーザストリームシュートを放ち、命中する。

当たるたびにギジェラから黒い霧が噴き出し、そして焼き尽くしていく。焼き尽くした後、残った根を引き抜き、消滅させた。

 

 

消滅したのと同時に、町中にあるギジェラの花がすべて消え去った。

肩で息をしながらも見届けたアーザは、飛び去って行った。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

アーザから人の姿に戻ったダイキは、急いで、ディレクションルームに駆け込む。

 

「みんな!!!!!そんな!!!大丈夫か!!!」

 

そこには倒れ伏すみんなの姿があり、焦って駆け寄る。

 

「よう、ダイキ。妙な体のだるさで動けなくてな、ちゃんと生きてるぜ…。これなんでだろうな…」

「花のせいだ…きっと生気とか吸われてたんだよ…」

 

「!?嘘!?その花どこだ!?捨てないと…」

倒れていたのかウソのように勢いよく起き上がったユウジに苦笑いで答える。

「大丈夫だよ。アーザが本体倒した瞬間全部消えたから、もう町のみんなもなんともないよ。」

 

「へぇ、そうなのかよかった。それよりみんな起こさないとな!」

「そうだな!」

 

そうして起きたユウジと一緒にまだ倒れている仲間を起こしていくのをあの花を植えていた植木鉢が見ていた…

 




劇場版 予告


「ツヅジ台?ってなに?なかったような気がするんだけど」

「なにいってんだ?ダイキ?前からあっただろ?」

「新しいウルトラマン…なんでアーザを攻撃するんだ!?」

「嘘言うんじゃねぇ!!!!!!ネタは上がってんだ!闇の使者が!!!」

「!?違う…俺はそんなんじゃない・・・!!!!」

心身ぼろぼろなダイキ。苦しむ大切な人達を心配する零。
そこに黒い姿をしたアーザが現れる。


「お前は誰だ!?なんで俺の姿をしている!?」
「…ふふっ、それじゃあ、私はお前、お前は私、とでも言っておこうか?」


「庇った…?まさか…違うのか?」

                  劇場版ウルトラマンアーザvsウルトラマンザージス 次回公開






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