俺の個性が知られたらヤバイ。 (サイヤマンZ)
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プロローグ







光る赤子の誕生を発端に特殊能力を持って生まれる子供たちが

爆発的に増加し、人口の八割が特殊能力者となった現在。

 

特殊能力は『個性』と呼ばれるようになり、勇気と己の力を示したい人々

がヒーローとして活躍するアニメのような世界で俺は生活をしている。

 

これは、俺が偉大な三大ヒーロー『サイヤマン』と呼ばれるまでの物語である。

 

 

・・・

 

俺の名前は斉藤(さいとう) 武(たける)。

 

中学二年生の男子中学生。

 

個性は『成長』丈夫な肉体と筋肉がつきやすいという周りと比べるとかなり地味で

泥臭い個性を持つ。

まあ母は黒髪が金髪へ、黒い瞳が青くなるだけの変身が出来るだけだし、父に関しては

地形を歪めるほどの凄い個性を爺ちゃんの代から遺伝しているのだが、発動条件がとても残念な個性で、なんと…悲しみの感情によってパワーが高まるというものだ。

 

つまり、パワーを使うたびに悲しい思いをしなくてはならないという事であり

ヒーローとして活動するにはあまりにストレスの溜まる使えない個性という事だ。

 

ただ、この個性はどうやら遺伝した人間によってパワーが発現する感情が違うらしい。

何故なら父が悲しみに対して、爺ちゃんは喜びだったのだ。

そう、俺の爺ちゃんは喜ぶ度に超人的な力を振るい若い頃はよく、田舎の道にクレーターを

作っていたらしい。

 

そして、未だに強力な身体能力を発揮したことのない俺は、

感情を使いこなせば最強になれる個性と母のしょぼい変身の個性が変な風に混ざり合って

変化したのが、俺の個性である『成長』だと専門医には言われた。

 

悲しみの感情をコントロール出来ず、ヒーローという夢を諦めた父としては

少し残念だったらしいが、特に気にすることはなく努力すれば強くなれるいい個性じゃないか

と喜んでいた。

母は、息子の俺と金髪になった状態でプリクラを撮って見たかったと悔しそうだった。

 

そんな父と母に囲まれ平穏に過ごしてきた俺だったが……。

 

 

 

「斉藤……ちょっとゲームしたいから金貸してくれね?五万でいいからさ」

 

「い、いやー。今持ち合わせがなくて貸すのは無理だよ?」

 

今、クラスメートの中で最も強い個性を持つ不良の火野に脅迫を受けています。

欲しい漫画を買う為に、本屋に向かっていた所で偶然に出会った不良の火野。

彼はゲームセンターから出てきた所で偶然視界に入った俺の元にやって来て

金を出せと脅迫をして来たのだ。

ここで金を出してはいけない。

出せば最後、味を占めたこのクズ野郎は再び俺から金を巻き上げるに違いない。

ここは勇気を持って断るのが一番だ。

 

「持ってないなら丁度あそこに銀行があるから、降ろしてこいよ。

なんなら着いて行ってもいいぜ。な?」

 

ガン!!

 

「はい」

 

『な?』と言いながら睨みと彼の鋼となった拳が電柱に拳のあとをくっきりと刻み付ける。

彼の個性は自身の体を鋼と変え、指をナイフに変形させたり腕を剣に変形させる能力を

持っている。

心がボッキリとへし折れた俺は、火野に睨まれながら一人で銀行の中へと入っていく。

 

しかし、ただではやられない!見てろよ社会のゴミめ!!受付のお姉さんに事情を話して

警察を呼んでやるぜ!!

 

意気揚々と銀行の中に入った俺は並ぶ受付を決める為に職員を見た。

おお!!さすがこの街一番の銀行!!受付は全員美人だぜ!!

俺はポニーテイルの美人な受付譲のカウンターにウキウキしながら並び

自分の番になるまで順番を待った俺はついに受付のお姉さんの前に辿りついた。

 

「○○銀行へようこそ。本日のご用件はなんでしょう?」

 

ニコニコと営業スマイルを浮かべるお姉さんに対して

俺は深刻な表情を作り、お姉さんに話しかけた。

 

「警察を呼んでください」

 

「へ?」

 

いかん。はしょり過ぎた。

緊張のあまり理由を喋らず要求だけを言ってしまった。

お姉さんも突然の要求に困惑している。

俺は落ち着いてもう一度、お姉さんに話そうとした瞬間。

 

「動くな!!小僧、な、何で俺が強盗だとわかった!?」

 

「は?」

 

後ろに並んでいた男に抱きつかれたと思ったら、黒くて光る冷たい金属の塊

を頭に突きつけられる俺。

突然の事で状況を理解出来ず困惑する俺にいらだった男は怒声を上げる。

 

「とぼけるな!!警察を呼べと言っただろう!!?」

 

「へ?」

 

強盗?マジで?

 

「キャーーー!!」

 

「逃げろーー!!」

 

黒光りする拳銃を見て逃げ惑う利用客と受付のお姉さん達。

逃げないで!!ヘルプ!!ヘーールプ!!

誰か助けてーーーー!!!

 

 

数十分後、銀行内は拳銃を持った男に占拠され、俺と取り残された利用客と受付譲

のお姉さんは人質にとられた。

警察は俺達に被害が出ないように男を説得するがまるで効果がなくヒーローたちも

駆けつけるが、やってくるのは戦闘に特化したヒーローばかり。

 

まさに絶対絶命だ。

 

ちくしょう!!

 

まだ、やりたい事は沢山ある!

ゲームにマンガに友人達と行く修学旅行。

しかし悔しがっても状況は変わらないし、時間は巻き戻らない。

くそ!!父さんの個性が遺伝していればこんな奴!!

 

そんな事を思っていると銀行内に一人の女性ヒーローがやって来た。

助かるのか!?

そう淡い期待を胸に膨らませた俺だったが女性ヒーローのコスチュームに

度肝を抜かれた。

 

「アレは十八禁ヒーロー『ミッドナイト』!!」

 

そう、人質の一人が呼んだ女性ヒーローは……。

殆ど裸のような扇情的なコスチュームを堂々とさらけ出していて片手にはムチを

持っていた。

ヒーローなんだよな?夜のお店の女王様じゃないよな?

というツッコミ満載のとんでもない格好に俺は人質であることを忘れて

彼女の格好……特に胸に視線が集中した。

 

彼女も居らず、子供の内から贅沢はしてはいけないという親の方針で

少ない小遣いでパソコンもエロ本も持って居ない俺にとって彼女の姿はとても

衝撃的で、今までに感じたことのない熱いマグマのような物が俺の中から

湧き出てくるのを感じる。

 

これは一体なんなんだ?

 

知らない感覚に戸惑っていると強盗が持っていた拳銃の銃口を俺の頭に強く当てた。

 

「はっ!!知っているぞ!!アンタは特殊なフェロモンを放って相手を眠らせる個性

を持っているんだろ?やってみろよ!!だが、少しでも俺が眠気を感じたらこの小僧

の頭をブチ抜いてやる!!」

 

強盗の宣言に後ずさりするミッドナイト。

だが俺の頭は後ずさりした事で揺れた、巨乳に視線が離せず、

湧き上がる衝動が我慢の限界を超えようとした。

 

「はははは!!ヒーローなんて人質さえ居れば役立たずだな!!

そうだ!!いい体してんだし、ここで脱いでくれよ。」

 

「なっ!?」

 

「何て奴だ!!」

 

「最低よ!!この変態!!」

 

「はぁはぁ」

 

ヒーローを手玉にとってよっぽど気分がよくなったのか強盗は上機嫌でミッドナイトに

裸を見せろと要求し、見ていた人質達も驚愕と批判の声を強盗に浴びせる。

しかし、この時の俺は自分の命が掛かっているのに犯人を刺激するなという正常な思考は

出来ていなかった。

湧き上がる感情を抑えるのに必死だった所に強盗の脱げという言葉を聞いてもう頭の中が

おかしくなりむき出しの目の前の大きなおっぱいを妄想し、

 

 おっぱい  と言う単語に染め上げられた。

 

おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい

 

おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい

 

おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい

 

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おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい

 

 

―――――体は……おっぱいで出来ていた。

 

 

「ッッだあああああああああああああああッ!!」

 

 

我慢の限界を迎えた俺は衝動を解き放った。

そして解き放った後、正気になった俺が見た光景は自分の周りに出来たクレーターと

後ろに吹き飛ばされて転がっている強盗。

そして、助かったと喜ぶ人質達と、何故かニヤリとこちらを見ているミッドナイトだった。

 

これは後で知ったことだが、この時の俺の姿は

全身から金色のオーラをガスバーナーのように噴出し、黒髪だった俺の髪は逆立った金髪へ、

東洋人特有の黒い瞳は鋭い緑色の目へと変貌し全くの別人へと姿を変えたそうだ。

 

ちなみにその後は、めちゃくちゃ筋肉痛になった。

 

 

斉藤武。

 

おっぱいフェチ。

 

個性は≪ムラムラによって超戦士に目覚める≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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1話 進路

 

「と、言うわけでして斉藤君には是非!我が校に来ていただきたいんですよ」

 

全身筋肉痛から復活して、細マッチョな体となって学校に復帰した俺に待っていたのは

ヒーロー科が存在する高校からの激しい勧誘だった。

まだ三年生にもなって居ないのに……。

それに俺はヒーローになるつもりはない。

何故なら俺の個性は性欲という感情をエネルギーとして力を発揮する。

世間にばれたらかなりキツイ個性だし、ヒーローになったとしてもエネルギーが切れた時、

災害時や犯人を確保する途中でムラムラしないとエネルギーが回復しないのはさすがに

無理だし不謹慎すぎる。

しかし、世間では何故かミッドナイトに破廉恥な要求をした犯人に怒りを爆発させた

俺が事件を解決!という事になっていて誰も本当のことをしらない。

 

だから俺はバレる前に勧誘に来る学校の職員に対して丁重にお断りをしているのだ。

 

「斉藤君すごいよね!今日はわざわざ北海道から来たんでしょ?」

 

「本当よね。さすが正義の怒りで目覚めた超中学生!」

 

「有名になったらサイン頂戴」

 

勧誘を断り自分の教室に帰ると女子達が騒ぐ。

今まで特に意識される事無く話す機会も授業以外には存在感がなかった自分だが、学校に

復帰した途端にまるでアイドルのような扱いを受けるようになったのが未だになれない。

そしてこの反応は女子だけでもなく男子や教師までも似たような反応をする。

 

特に仲良くないクラスメイトがいつの間にか親友になっていたり、担任の先生が

『俺の教育の賜物だな!』と師匠気取りしていたりと環境がガラリと変わった。

そして好印象な反応ばかりではなかった。

一部の男子達は俺を妬み、今も殺意を乗せた鋭い視線を送っている。

 

特に激しいのは峰田というクラスメイトだ。

彼は『性欲魔人』『変態の王者』と呼ばれ、エロ本を常に鞄に潜ませている童帝であり

女子に毛虫の如く嫌われている男である。

そんな彼が、ミーハーな女子に囲まれている俺の現状を快く思わないのは当然だ。

とりあえず、時間が解決してくれる事を祈ろう。

そのうち、俺の話題を吹き飛ばすような事件をNO1ヒーローのオールマイトが解決することで

すっかり世間から忘れ去られる事だろう。

 

周りの反応は変わってしまったが、特に事件が起らず、俺に対するテレビの

取材やマスコミの取材はやなりを潜めた頃。

 

朝のホームルームで先生がとても興奮した様子で俺に放課後残るようにと言ってきた。

何でも雄英から職員が俺の勧誘にやってきたらしい。

 

日本で一番有名なヒーロー育成機関『雄英高校』。

平和の象徴として今もNO1ヒーローとして活躍しているオールマイトの母校だ。

職員は全員プロヒーローであり、日本で最も入試最難関の学校である。

そんな有名校から職員である現役ヒーローがこんな平凡な中学にやってきたのだ。

担任の興奮具合も納得がいく。

 

そして、放課後。

俺はいつものように勧誘してくる職員がまっている応接室に入ると……。

 

「ひさしぶり。あの時はありがとう」

 

「…ミッドナイト」

 

中にいたのは仮面をつけたスーツ姿のミッドナイトだった。

しかも胸の谷間が見える素敵使用だ。

 

「斉藤 武君。単刀直入に言うわ。特待生として雄英に来なさい」

 

「はい」

 

あれ?

 

「即答ね。なら雄英で貴方を待っているわ」

 

 

 

 

おっぱいで覚醒した俺は、今度はおっぱいで人生の選択を誤ってしまった。

ミッドナイトが置いていったパンフレットを自室の机の上において考える。

今からでも連絡すれば取り消しできるだろうか?

 

そう考えたが恐らくかなり難しいだろう。

雄英の特待生として勧誘を受けたことは既に学校と両親に伝わっていて

とても喜んでいる。

今でも父は酒を片手に電話で同僚に『ヒーロー科で最難関の学校に息子が特待生で

入学する事が決まったと』と、思わず自慢してしまうほどに喜んでいるのだ。

母にもヒーローという職業を心配しながらも人様の役に立つ息子に成長してくれて

嬉しいと言われてしまい、とてもじゃないが断れない状態なのだ。

 

どうしろっていうんだよ……。

 

 

pppp

 

 

頭を抱えて悩んでいると携帯電話に一本の通話が来た。

俺はおもむろに電話の通話ボタンを押して耳に当てる。

 

『おお、武。何か有名な高校に特待生で入学するんじゃろ?おめでとう』

 

電話をしてきたのは爺ちゃんだった。

どうやら母さんに俺の特待生の話を聞いてわざわざ連絡をしてくれたらしい。

 

「爺ちゃん……実は俺…」

 

一人で抱え込みどうしようもなくなっていた俺は全てを爺ちゃんに打ち明けた。

性欲で力が目覚めた事。

この個性ではヒーロー活動は向いていないから特待生をやめたいという事。

 

その話を聞いた爺ちゃんは俺にこういった。

 

『……もし、その個性を制御する修行があったらどうする?

受けるのも受けないのも自由じゃ。

受けるなら全力で応援しよう。

受けないのならわしから二人を説得してみよう。

武の人生じゃ、武が選びなさい。』

 

 

その話を聞いて、すぐに決断できなかった俺は少し時間が欲しいと言って通話を切った。

ヒーローか……。

子供の頃、誰もが憧れる職業。

活躍すれば沢山の人たちから感謝と尊敬を集めるがその一方で助けられなかった時は

無能とけなされる職業。

 

自室にある古いテレビを付けるとヒーロー関連、特に進路関係ニュースが飛び交う。

 

Q『将来の夢は?』

 

A『ヒーロー!』

 

Q『理由はなんですか?』

 

A『モテたいからです!!』

 

チャラそうな若者のインタビューが終わると映像はスタジオに戻された。

 

『最近の若い奴等はヒーローをアイドルと思っているからけしからん!!』

 

『これも時代の変化だと思われます。

かつてヒーローは慈善事業のボランティアのようなもので容姿や人気は関係なかったのですが

最近ではヒーローをアイドルとして扱う企業も増えてきて、CMなどで売り出したり

バラエティなどのテレビ出演に雑誌のモデルなど活動範囲がかなり多くなってきました。

これにより芸能人のように収入が大きくなったヒーローは容姿が酷くなければモテモテに……』

 

……。

 

「じいちゃん。俺、ヒーローになるよ。」

 

 

この時、彼のクラスメイトの性欲の権化も同じニュースを見てヒーローとなる

決意をした。

 

 



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2話 修行

ヒーローになる決意をして、爺ちゃんに連絡を取ってから数ヶ月。

俺は夏休みを使って爺ちゃんの住む田舎で修行を行うことになった。

個性は爺ちゃんが教えてくれるらしいのだが、性欲のコントロールに関しては

爺ちゃんの知り合いが教えてくれるらしい。

 

正直どんな修行をするのか分からないが、この強力な個性をコントロールするための

辛い日々が俺を待っているのは想像出来る。

しかし、どんな修行であろうと耐えて見せるぜ!!

俺は心に闘志を燃やしながら、爺ちゃんの待っている田舎へと旅立った。

 

・数時間後・

 

電車とバスに揺られながら辿り着いた爺ちゃんの住む田舎町。

周りには森と田んぼに畑。

ビルもなければコンビニもない。まさに、ザ・田舎!!で周りを見ても老人が多い。

周りの景色をそれなりに楽しんだ後、ケータイで時間を確認する。

 

「そろそろ、爺ちゃんの迎えが来るはずなんだけど……」

 

ケータイから視線を放し、再び周りを見渡す。

 

すると、一台の軽トラックが俺の前で停車した。

 

「おお、久しぶりじゃな武!元気にしとったか?」

 

停車したトラックから降りてきたのは俺の爺ちゃん斉藤(さいとう) 兼一(けんいち)。

今年で73なのだが筋肉質な肉体を持つ、まだまだ元気なお年寄りである。

 

「ほう?これがお前さんの孫か?」

 

「そうじゃよショゼフ。こやつがお主に話したわしの孫じゃ。」

 

爺ちゃんと旧交を温めていると、カウボーイのような帽子を被った長身の老人が

トラックの荷台から現れた。

恐らく、このショゼフと呼ばれた爺さんが俺の性欲コントロールの先生なのだろう。

 

「わしの名はショゼフ・ジョースター!好きな物はジャパンコミック(エロ漫画)!!

人はわしをショジョ(処女中)と呼ぶ!!お前を立派な戦士(変態紳士)にしてやるから

覚悟しておけ!!」

 

ショジョ?ああ、ショゼフ・ジョースターを略してショジョか。

うん。

アメリカならあだ名で大丈夫かも知れないが、日本だとただの蔑称にしか聞こえない。

 

「じゃあ、ジョースターさん。これからよろしくお願いします」

 

「OK!!じゃあ早速、訓練所に出発じゃ!!」

 

 

それから俺は、二人と共にトラックでジョースターさんが行っていた訓練所に

向かった。

 

 

・数分後・

 

大体五分ほどで森にある小屋に辿り着いた俺達三人。

もしかしてここが訓練所?

 

トラックから降りる二人に習って、外に出る俺。

どうやらここで、バトルマンガのような激しい特訓が……。

 

「よし!武。まずはこれを全て読破してもらう!!」

 

「え?」

 

一人、今後の激しい特訓を妄想しているとジョースターさんが小屋から出て来て

俺の前に大量のエロ本置いた。

 

え?

 

「ただ読むだけではないぞ!読んでいる途中で個性を発現する事は禁止とする!!

もし、個性が発動したら最初から読み直せ!!」

 

「え?」

 

「そして、一冊読み終わったらどのエロ本がよかったのかを書き出せ!!

特訓の第二段階の資料として使う!!」

 

あ、ああ。

個性の発動をコントロールする為の特訓ね。

なるほど、エロ本に度肝を抜かれたが、これは重要な訓練だ。

これはもうやるしかないな!!

 

 

この後、めちゃくちゃエロ本を読んだ。

 

感想。

 

おっぱいが最高でした。

 

 

・一週間後・

 

 

「まさか兼一に借りた小屋を一杯にしていた、わしのコレクションを全て読破するとは…

しかも、巨乳と貧乳を全て愛せる無類のおっぱい好きか……。」

 

「はぁはぁ」

 

最初の頃と比べたら大分馴染んでいたが、あの強力な個性を何度も発動

した俺の体は疲労により限界を迎えていた。

 

「よし!第一段階は終了じゃ!!

今日はゆっくり休んで明日に備えろ!!」

 

「はい…はぁはぁ」

 

 

・翌日・

 

爺ちゃんの家でめちゃくちゃ寝た後、新たな特訓が始まった。

 

「第二段階はコレクションの力を借りず、己の妄想のみで変身してみせい!!

そして変身をしたら……」

 

もしかして変身した状態で爺ちゃんかジョースターさんと戦えと言うのだろうか?

もしそうだったらバトル漫画のお約束……。

 

「パワーをコントロールする為に近所のお手伝いをせい!!

さあ!早速変身せい!!」

 

じ、地味だ……。

ある意味想像していた、どの特訓よりもとんでもない特訓だ。

で、でもこの特訓でコントロールは確実に身に付くと思う。

まあ、とりあえずやってみよう。

 

「もし、成功したらわしの秘蔵のコレクションをやろう」

 

「ッッだあああああああああああああああッ!!」

 

この後、妄想しながらめちゃくちゃ牛乳を運んだり畑仕事を手伝った。

 

 

・さらに一週間後・

 

ご近所の牛乳配達と畑仕事の手伝いによりエネルギーのコントロールを

マスターした俺は無事にジョースターさんの持つ秘蔵のコレクションを

受け取り、新たな修行が始まる。

 

「さすがわしの孫。適応能力が高いわい。

さあ、最後の修行はこのわしと……本気で戦い、奥義を覚えてもらう!!」

 

そう宣言すると爺ちゃんの筋肉は何倍にも膨れ上がった。

俺も修行で高めた妄想力を駆使して変身をする。

 

 

「だりゃぁあああああああああああああああッ!!」

 

「せいやぁあぁぁああああ!!!」

 

最後の一週間。

俺は爺ちゃんから個性について戦いながら学んだ。

俺達の個性は生命エネルギーを感情により増幅させる個性だ。

そしてこの『気』は使い方によっては身体能力の上昇と放出。

生命エネルギーを持つ生物の感知。

それと相手を回復させる譲渡と、使い方は幅広い。

 

そして爺ちゃんから人にはとても向けられない最強の奥義を会得した

俺は、最後にショゼフ・ジョースターの個性による贈り物をもらった。

 

この贈り物は、俺の個性が周りにばれることのない防波堤のような物で

あると同時に、俺の心を後で蝕む諸刃の剣となった。

 




修行編をだらだらやるつもりはないのでかなりのショートカット。
ですか、オリ主が何かやるたびに回想で出てくる予定です。

後、ジョジョファンの皆さんはすみません。
ちなみに師匠候補は何人かおりまして……。

武闘 遊戯

桃 パイ♪パイ

とまあ、こんな感じでした。
次回もよろしくお願いします。


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3話 試験

平穏な中学生活が終わりを告げる頃。

雄英から連絡があった。

内容は筆記試験も実技試験も免除されては居るが初のスカウトによる特待生制度の対象

となった俺の実力を知る為に、実技試験は他の受験者と一緒に受けて

欲しいという要請が来たのだ。

 

そして、連絡が来てから受験シーズンに突入した今月の末に俺は雄英高校

の敷地にある入学試験会場へと足を運んだ。

 

 

『今日は俺のライブにようこそーーー!!エヴィバディセイヘイ!!!!』

 

 

運んだ……はずだよな?

 

実技試験の説明を聞く為に会場に集められた俺達受験生を待っていたのは奇抜な格好をした

DJだった。

 

しかも実技試験の説明がいつの間にか彼のライブになっている。

これには俺達受験生は度肝を抜かれ、DJに対して誰もが反応できない状態が続く。

 

『こいつぁシヴィーーーー!!受験生のリスナー!

実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!!』

 

だが、無反応な俺達受験生に対し、場を盛り上げようとしているのだろうDJは

さらに声を張り上げ、俺達に掛け声を要求するが……。

 

『YEAHH----------!!』

 

だれも反応しない。

DJの大きな声が会場に響くだけ。

やめるんだDJ!!あんたが傷つくだけだぞ!!

俺のそんな心の叫びも虚しく、彼の自称ライブは続行される。

 

『入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の『模擬市街地演習』を行ってもらうぜ!!

持ち込みは自由!プレゼン後は各自の指定の演習会場へ向かってくれよな!!』

 

DJの後ろにある巨大スクリーンから現在地と演習会場であるA、B、C、D、E、F、G

が表示され、DJの『OK!!?』という言葉が虚しく響く。

もはやDJの精神の心配をするのもバカらしくなった俺は、他の受験生と同様に

DJの存在を無視する事にした。

 

『演習場には≪仮想敵≫(かそうヴィラン)を三種・多数配置してあり!

それぞれの攻略難易度に応じてポイントを設けてある!!』

 

バックスクリーンの映像がポイント表示された敵のシルエットに切り替わる。

しかし三種類?

もらったプリントには四種類の敵のシルエットが記載されているのだが…。

何かのミスか?

 

『各々なりの個性で仮想の敵を行動不能にし、ポイントを稼ぐのがリスナー

の目的だ!!

もちろん他人への攻撃などのアンチヒーローな行為はご法度だぜ!?』

 

俺の疑問をよそにどんどん進む解説。

気になる記載について質問をするかどうか迷っていると一人の勇者がビシッと手を

あげてDJに質問をした。

 

「質問よろしいでしょうか!?

プリントには四種の敵が記載されています!誤載であれば日本最高峰たる雄英

において恥ずべき痴態!!我々受験者は模範となるヒーローのご指導を求めて

この場に座しているのです!!」

 

勇者は眼鏡を掛けた優等生タイプの青年だ。

しかもすさまじい気迫を感じる。

真面目で熱血か……。

うん、俺のヒーロー志望の動機や個性の秘密を知ったら明らかにまずいタイプだ。

接触はできるだけ避けて様子見をしよう。

 

「ついでにそこの縮毛の君!!

先ほどからボソボソと……気が散る!!

物見遊山のつもりなら即刻、雄英から去りたまえ!」

 

なんとなくで見ていた眼鏡君だったが、突然質問から後ろの席の受験生に

ビシッと指を刺し、注意をしながら睨み付ける。

厳しい言動であるが間違ってはいないので縮毛の受験生に黙とうを捧げる。

 

『オーケー、オーケー。

受験番号7111くんナイスなお便りサンキューな!

四種目の敵は0P(ポイント)!そいつは言わばお邪魔虫!

各会場に一体!所狭しと、大暴れしている「ギミック」よ!』

 

「有難う御座います!失礼致しました!!」

 

なるほどつまり、0Pは避け、それ以外の敵を倒してポイントを

稼げばいいんだな?

 

『俺からは以上だ!!最後にリスナーへ、我が校≪校訓≫をプレゼントしよう!!

かの英雄ナポレオン=ポナパルトは言った!「真の英雄とは、人生の不幸を

乗り越えて行く者」と!!

≪プルス・ウルトラ≫!!それでは皆、良い受難を!!』

 

こうしてDJの説明を聞き終えた俺たち受験生は、指定の演習場へと向かった。

 

……。

 

俺と同じ演習所に指定を受け、演習場前で集まる受験生達。

周りの受験生を見ていると明らかに学生ではない容姿をした者や

頭部が人間ではない者がストレッチをしたり深呼吸をして開始の合図を待つ。

 

さて、じゃあ俺も…『ハイ!スタートーー!!』

 

は?

 

『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!!

走れ走れぇ!!賽は投げられてんだぞ!!?』

 

マジで!?

 

一斉に走り出す受験生達に遅れないように食らいつく俺。

いや、まずは個性を発現させないと…。

思い出せ!!修行の日々を!!

ジョースターさんの言葉を!!

 

『おぬしとケンイチの個性の発動に大事なのはイメージじゃ。

どれだけ真剣に妄想できるかでおぬしの戦闘能力が決まってくる』

 

『イメージをするんじゃ。あの本の中で最も興奮した乳を……。

貧乳でも巨乳でも美乳でも何でもいい。

脳内で熱いパトスをぶちまけろ!!』

 

『合言葉は≪バースト≫(おっぱい)じゃ!!』

 

ジョースターさんの言葉を思い出し、走るのをやめて妄想を始める。

俺の中にある最もすごいイメージとは……。

 

俺が初めて個性を発動させた日。

 

初めて見た、美人の揺れるおっぱい。

 

彼女が一歩後ずさった時にプルンと揺れたあのお乳だ。

 

俺の脳内で彼女のおっぱいが無限に上下に揺れる。

 

 

 

―――――ああ……脳内は無限のおっぱいで出来ていた――――

 

 

 

「バーストォォオオオオオオオ!!!!」

 

 

おっぱいぃいいいいいいい!!!!

 

 

感じるぞ!!

俺の中の生命エネルギーが上昇し、全身を巡っている事を!!

このまま一気にケリをつけてやる!!

 

※斉藤 武の個性『チェンジバースト!!』

性的興奮を覚えた状態で発動すると生命エネルギーを激しく上昇させ、

金の髪と緑色の瞳を持つ超戦士へと変貌するぞ!!

バースト→バスト→おっぱい!

 

 

個性を発動させた俺はトップスピードで演習場を駆け、拳でターゲットで

ある仮想敵のポイントを確認しないままに撃墜していく。

 

もはや自分が何体倒したのか?どれだけのポイントを取得したのかはわからない

まま、敵を本能のままに駆逐していく。

感覚で40は倒したのではないかと思った所で、そろそろエネルギーが少なくなって

来たのを感じた俺はビルの屋上へ跳躍し、再び妄想をしてエネルギーを回復させようと

したまさにその瞬間。

 

前方で巨大な敵が姿を現した。

 

ドゴォォオオン!!

 

突如姿を現した巨大な敵は演習場のビルを破壊しながら移動を開始する。

おいおい!!エネルギーが切れかかっている時に何で来るんだよ!!

いや、落ち着け!!どんな状況でも妄想できるようにジョースターさんと

訓練したじゃないか!!さっきのようにもう一度……。

 

「オイラを置いて行かないでくれよぉーーーー!!」

 

ん?

妄想を始めようとした俺の耳に飛び込んでくる聞き覚えのある悲鳴。

この声は……。

巨大な敵の近く聞こえるこの悲鳴は、まさか……。

 

「ちくしょーーーー!!」

 

俺は目にエネルギーを集中させて視力を強化し、悲鳴の発生源を見る。

悲鳴の発生源は背の低い二頭身の受験生で頭から引きちぎるボールのような物を

すさまじい形相で敵に投げつけている知り合いが居た。

 

なんで、峰田!?

 

正直、なんであいつが雄英の受験に来ているのかは謎だが、このままだと

敵の進路方向にいる峰田は確実に敵につぶされる。

助けないと!!

 

俺は両手首を合わせて手を開いて、体の前方に構える。

 

爺ちゃん直伝の必殺技。

残り少ないエネルギーだが、敵の進路を妨害することぐらいはできるはずだ!!

 

構えを取りエネルギーを集中させようとした瞬間。

また予期せぬ出来事が発生する。

 

なんと、なんと……!!

 

とっても中華でセクシーな服装の茶髪サイドポニーテイルの女子が峰田を助けようと敵に向かって走り出したのだ!!

しかもそこそこ大きいお乳様ですよ!!

揺れてます!!

もうブルンブルンです!!

 

ブルンブルンブルンブルンブルンブルンブルンブルン

 

ブルンブルンブルンブルンブルンブルンブルンブルン

 

ブルンブルンブルンブルンブルンブルンブルンブルン

 

「バーーーーストーーーーーーー!!!」

 

さっき妄想して得たエネルギーを超えるすさまじい力が全身を駆け巡る。

視覚から与えられる性的興奮とかつてないほどのエネルギーを感じながら、

俺は爺ちゃんの言葉を思い出した。

 

『いいか武。わしらの個性には段階があり、武の状態はまだ1じゃ。

段階を上げればまだまだ強くなれるが、同時に今の武ではデメリットも発生する。

壁を超える時は必ず注意するのじゃぞ』

 

 

爺ちゃん!デメリットは怖いし嫌だよ。

でも!!女の子(おっぱい)を守れないゴミクズ野郎にはなりたくねぇんだ!!

……あと、元クラスメートも!!

 

俺は今までに出したことのない速度で敵に向かって飛び出した。

 

 

☆審査員☆

 

限られた時間と広大な敷地……。

そこから見えてくるヒーローとして必要な要素が浮かびあがる。

 

状況をいち早く把握する為の『情報力』

 

遅れて登場じゃ、話にならない『機動力』

 

どんな状況でも冷静でいられるか『判断力』

 

そして純然たる『戦闘力』

 

平和を守るための基礎能力がポイントとして形を現す。

 

そしてヒーローとして最も重要な要素が巨大敵で現れる。

 

……。

 

「B演習場はすごい豊作だね」

 

「あのジャージのヤツ、面白いね。

アレに立ち向かってぶっ飛ばすなんて久しくみていないよ」

 

「D演習場も決着つきそうだぞ」

 

 

B演習場の映像が教員たち全員が見ているモニターに映し出される。

 

その映像には巨大なギミックに襲われている背の低いのが特徴の受験生が

転んで逃げ遅れている映像だった。

 

そして、その状況を見た女子が助けに行こうと疾走する。

 

男女は逆だがさっきのシュチュエーションによく似ている。

しかし、女子にはギミックを倒せる力はないようで、救助に専念している。

そんな時、去年に週刊誌やニュース・新聞で見た黄金の戦士。

ミッドナイトが見つけたとんでもない個性を持ち、学校初のスカウトによる特待性として教員達の注目を集めている男が姿を現した。

 

雄英初のスカウト。

より優れたヒーローの原石を見つける為にという、校長とミッドナイトの強い希望により、スカウト制度のテストケースとして彼が選ばれた。

もし彼が一年の間に優秀な成績を残して二年に進級した場合。

スカウト制度を有益と認め、実施する事になっている。

そんな大事な案件に関わっているとは一切知らされていない彼の情報は資料として

我々教員達に配られていたのだが……資料にプリントされた個性発動時の姿と今、画面の

目の前で巨大なギミックを蹴り上げる彼の姿とは異なっていた。

 

資料の写真と違い、現在の彼は全身に時折雷神のごとく稲妻状の火花が散り。

髪型も資料の映像や写真と比べ、髪がさらに細かく逆立っていた。

 

もしや個性を成長させたのか?

一年の間に?高校のヒーロー科に入っていない中学生が?

これがミッドナイトの言っていた原石なのか?

 

 

☆峰田☆

 

ちくしょう!!こんな所で!!

斉藤を超えるモテモテを目指して雄英を受けたオイラだったが

30ポイント獲得したところで近くのおっぱいに夢中になり転んで

足をくじいちまった!!

 

しかも、すぐそばで巨大な敵が!!

 

女体に触りたい!!彼女ほしい!!

 

「ちくしょーーーーー!!」

 

オイラが魂の叫びをあげた時、オッパイが降臨した。

 

「君、だいじょうぶ!?」

 

中華服を着た素敵オッパイが上下に揺れてオイラに話しかけてくる。

ああ、ここがアヴァロンか。

 

「さぁ、捕まって。ここから逃げだすよ!!」

 

つ、捕まる!?

つ、捕まっていいのかい!?

オイラは戦慄した。

まさかその≪ほどよいオッパイ≫に捕まれと言われるなんて!!

 

※誰も言っていません。

 

「さぁ!早く!!」

 

そ、それじゃあお言葉に甘えまして……。

いただきまーす!!

両手をワキワキさせながらオッパイに突っ込もうとした瞬間。

 

ヤツが俺たちの前に現れた。

 

金の髪にオーラみたいなものを噴き出している。

黄金の戦士と女子にちやほやされるあんちきしょうだ。

 

あいつは片腕で仮想敵のキャタピラの動きを止めていた。

なんてパワーだよ!!お前はオールマイトか!!?

 

「俺がもっとも許せないことが一つある」

 

ドウ!!

 

ヤツが言葉を放つと同時にあいつの纏うオーラが激しくなる。

おいおい!なんかやばくね!?

まだ仮想敵に襲われていたほうが安全だったんじゃ!?

悪い予感が脳内で激しい警報となって警告を始める。

 

ここから逃げろと

 

「女に傷をつけようとするクソ野郎だーーーーーー!!!!」

 

しかしもう遅い。

ヤツは…斉藤は怒りの咆哮を上げて、仮想敵の顎の部分まで瞬間移動して

蹴り上げる!

 

ドゴン!という音を辺りに響かせながら巨大な仮想敵は上空へと飛び上がった。

 

「「「「と、飛んだ―――――!!!!」」」」

 

これには避難していた受験生たちも絶叫を上げている。

そして斉藤の攻撃はまだ終わっていなかった。斉藤は上空で静止したまま

独特の構えをとる

 

 

両手首を合わせて手を開いて、体の前方に。

 

「か」

 

腰付近に両手を持っていきながら。

 

「め」

 

両手を完全に後ろにもっていくと同時に手の平に集まる光の塊。

 

「は…め…」

 

突き出される両手から光線が放たれた。

 

 

「はぁああああああああ!!!!」

 

 

辺りが光に包み込まれると同時に、敵は塵に還った。

 

そして……オイラは人の尊厳を失った。

 

じょぉおおお

 

ほどよいおっぱいが見ないフリをしてくれたのが唯一の救いかもしれない。

 

 

 



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4話 入学

短めです。


入試の実技試験が終わった。

 

斉藤武は個性の第二段階に至った事と全力のかめはめ波を使った事による体力と気の大幅な減少に

伴い気を失ったが、膨大な敵ポイントとレスキューポイントによりスカウトの有用性を示した。

 

一方、足首を挫いた上に下半身が大惨事になってしまった峰田は男性教員の処置により

シャワーを浴びる事ができたが、着替えとして雄英のジャージをノーパンで履くことになり

洗浄された服と下着が乾くまで直にズボンに擦れるノーパンの心地よさに心奪われながらも、どこまでも続く青い空を保健室の窓から見つめていたという。

ちなみに峰田は罠として設置した自分の個性が最大限に発揮され、ポイントが無事に合格ラインに届いた。

 

そして峰田に『ほどよいおっぱい』と呼ばれていた彼女もレスキューポイントにより

無事に合格を果たした。

 

様々な受験生に衝撃とトラウマと新たな性癖を目覚めさせた実技試験から数日。

斉藤武は副作用により入院生活を余儀なくされていた。

 

ー斉藤武ー

 

『独り~妄想で遊ぶ~♪』

 

………。

 

『絡み合う女体 女体 ————。』

 

…………。

 

副作用の全身筋肉痛に苦しむ俺にショゼフ・ジョースターが送ってきた。

俺は彼のお気に入りのCDをヘッドホンで聞きながら白衣の天使のお乳を眺め、入院生活をエンジョイしている。

 

そんな入院生活の中、見舞いに来た両親が雄英から届いた複数の用紙を見せてくれた。

 

用紙の内容は想像以上の結果を残したことに対する賛辞と今後、極太の光線。

つまり『かめはめ波』を災害級指定の事件以外での使用を禁止するというものだった。

そして、他の用紙には俺の所属することになるクラスやスカウトによる特待生としての

心構え等が記入されていた。

 

そして月日が過ぎていき、俺の元に雄英の制服が届いた。

 

……。

 

春。

 

進学・就職の季節。

学生たちは未来と今後の学生生活に夢を膨らませ、新社会人となり大人になった者達は

社会の荒波にもまれる事になる。

 

俺もまた、雄英で過ごす新たな学生生活に夢を膨らませ所属することになったクラス

1-Aの扉をくぐった。

 

教室の中に入ると何人かの生徒がすでに指定された席に座っていた。

学生机を見てみると名前が記入された紙が貼っており、俺も先に到達した彼らに習って自分の席に着く。

そして、俺は運命の出会いをした。

 

「初めまして。隣の席の八百万(やおよろず)と申します。」

 

ポニーテイル…。

 

クール…。

 

お嬢様…?

 

そして……将来性を感じるおおきなオパーイ。

 

俺は彼女に一目ボレした。

 

……。

 

あの後、八百万(おっぱい)に自己紹介して色々と話をしようと試みた俺だったが相手にされることなく撃沈。

心に深い傷を負って意気消沈していると教室が騒がしくなった。

溜息を吐きながら周りを見てみると黒い服を着た無精ひげのおっさんが教室に入ってきた。

誰だ、このもっさいおっさんは?(※やさぐれて性格が少し捻じれています。)

クラスの誰もがおっさんに注目していると、沈黙をしていたおっさんが口をひらいた。

 

「ハイ、静かになるまで8秒もかかりました。

時間は有限、君たちは合理性に欠くね。

……担任の相澤(あいざわ)消太(しょうた)だ。

よろしくね」

 

担任!?

このもっさいおっさんが!?

簡単に自己紹介したおっさん…いや、相澤先生は寝袋から学校指定の体操服を取り出した。

 

「早速だが体操服に着替えてグランドに出ろ」

 

こうして俺たち1-Aの生徒たちは入学式とガイダンスをすっ飛ばしてグラウンドにて初の授業を受けることとなった。

 

 




5月から仕事が忙しくなり投稿が遅れました。
一応、長い残業を終えてチビチビと書いていたのですがとても短い……。

次回はもう少し長めに書いてから投稿いたします。


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5話 個性把握テスト

※印この作品はメモに書き込んだ後、コピペをしているので変な改行があります。


 

「これから三年間。雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。

”更に向こうへ”さ、……全力で乗り越えてこい」

 

グランドにてイケメン化した相澤先生。

俺たち新入生が行う最下位者除籍処分の個性把握テスト。

除籍処分ということで緊張とやる気をみなぎらせるクラスメイト達。

しかし、俺は除籍処分とかどうでもよかった。

そう、俺の頭を支配しているのは……。

 

八百万(おっぱい)の雄々しい姿を見れるかどうかだけだ!!

 

こうして緊張と一部ムラムラが高まる空気の中、除籍処分を賭けたテストが開始された。

 

第一種目;50メ―トル走 

 

足にエンジンを搭載した個性を持つ飯田(いいだ)天哉(てんや)をはじめとする優秀な個性もち達が驚愕の記録や平凡な記録を出していく中。

俺の順番がやってきた。

 

「斉藤……グランドに大穴を開けないようにしろよ。

後片付けが面倒だからな」

 

イケメン化が解けて通常のけだるげな表情を見せながらスタートラインに向かう俺に忠告する先生と先生の忠告を聞いてざわつくクラスメイト達。

そこで俺は考えた。

ここですさまじい記録を出せば八百万(おっぱい)の関心を得ることができるのではないかと。

少なくともさっきのようにツンツンした態度は取らないだろう。

むしろ素敵!とかカッコイイ!!とか思われるかもしれない!!

 

そう思ったら四肢に今まで以上の活力とやる気がみなぎってくる!!

 

妄想するのはクラスメイトの揺れる乳達。

 

体操服に包まれた人類の神秘。

 

みなぎる!!みなぎるぜぇええええええ!!!

 

うおぉおおおおおおおお!!

 

ふるえるぞおっぱい!燃えつきるほど激しい性欲!!

 

「バーストォォオオオオオオオ!!」

 

スタートと同時に全力のダッシュ。

スタート地点をドゴンと音を立て、入試以上のスピードで50メートルを駆け抜けた。

駆け抜けた後振り向くと地面は一直線に軽く抉れ、計測器をなぎ倒していた。

 

『ガガガ……1…秒』

 

俺の記録を告げると共にボン!という破裂音を出して大破した計測器。

俺は壊れた計測器を看取った後、すぐさま八百万を見る。

きっと彼女は驚きと熱い視線を……。

ワクワクしながら彼女に注目する俺。

最初は予想通り、驚愕の表情を見せていた彼女だが俺と視線を合わせると……鋭い目で俺を見てきた。

 

あれ?

 

思っていた状況と違い、唖然としていると先生が俺のそばまでやってきて。

こう言った。

 

「後で穴を埋めとけよ」

 

あれれ?

 

それから握力、立ち幅跳び、反復横飛び、ボール投げと驚異的な記録を八百万の気を引こうと頑張ったのだが……。

ヤベーよめっちゃ俺を睨み付けてくるよ。

俺の一挙一同をめっちゃ睨み付けてくるよ。

 

熱い視線をビシバシ感じるよ。

 

そしてボール投げが終わった後、彼女の近くを通り過ぎようとしたら……。

 

「身体能力が高いだけではヒーローは務まりません。

私は貴方には負けませんからそのつもりで」

 

まさかの宣戦布告!?

 

出会った時以上に最悪の状態に!?

なんてこった!!ツンツンからツンケンにクラスダウン!?

敵認定ですか?ライバル上等ですか?

 

そういうのはバトル漫画で十分なんだよ!!

おれが欲しいのはちょっとエロくて楽しい学園ヒーローラブコメなんだよ!!

恋人がほしいのであって決してライバルが欲しいわけじゃないんだよ!!!

 

精神的に激しいショックを受けた俺は変身が解けた状態で全種目を終了。

 

途中で緑なんとか君が先生と何やらやっていたがもうどうでもいいや。

 

「んじゃ、パパッと結果発表。

トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。

口頭で説明するのは時間の無駄なので一括開示とする」

 

もはや記録も除籍もどうでもいい。

早く帰って寝たい。

 

「ちなみに除籍は嘘な。

君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

「はーーーーーーーー!?」

 

「あんなのウソに決まっているじゃない…。ちょっと考えればわかりますわ…」

 

先生の虚偽発言に一部驚愕の表情と叫び声をあげるクラスメイト達と荒ぶるクラスメイトにあきれた表情を見せる八百万。

ああ、敵意ではなくあきれた表情を向けられる眼鏡達が妬ましい。

把握テストが終了し、クラスメイト達は教室へと帰っていく。

俺も彼らに続こうと足を教室へと向けるが……。

 

「斉藤、忘れずに穴を埋めろよ」

 

「あ、ハイ」

 

どうやら俺はまだ教室に帰ることは出来ないようだ。

 

 



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6話 友人

学校の校庭に出来たクレーターを埋める作業を終えた俺は、誰もいない更衣室で

着替えを行い、誰もいない教室で荷物をまとめて学校を出た。

 

一人、自宅に向かって道を歩いていると見覚えのある人物が人気のない通りで

俺の前に現れた。

 

「久しぶりだな。斉藤」

 

「雷門さん……なのか?」

 

雷門(らいもん)電次郎(でんじろう)。

己の電気を操る個性と尻を愛する180センチを超える大柄な大学生。

彼とは本屋で雑誌(エロ本)を立ち読みしていた時に出会った友人だ。

 

しかし、俺はその友人である雷門さんだとは声を聴くまで、誰だか分からなかった。

 

それは、今の彼と最後にあった時の彼の大きな違いがあったからだ。

誰もいない公園で乳と尻について語り合った彼は、明るい表情で優しい雰囲気だった。

 

だが、現在の彼は髑髏の様な仮面を被り、僅かに見える瞳はどす黒い。

雰囲気もとても冷たいものになっており、雷門さんとわからなければ警察に通報するレベルだ。

一体、彼の身に何が起こったのだろうか?

 

「そうだ。俺はとある悲劇によって敵(ヴィラン)となった」

 

呪詛の様な声色で淡々とした口調で敵となった事を語る雷門さん。

俺は彼の二重の意味で痛々しい姿を見ているのが辛くなり、口を開いた。

 

「一体何があったんだ…雷門さん」

 

「そうだな…お前には聞かせてやろう。

俺を狂気に走らせた地獄の惨劇を……」

 

彼は語り始めた。

彼が遭遇した悲劇を……。

 

去年の4月。

 

彼は俺と出会った本屋で一冊の特別な雑誌(エロ本)を購入した。

外見はなんの変哲もない普通の雑誌(エロ本)。

しかし、価値は中にある神秘的な画像ではなく一枚の応募ハガキ。

 

そう、そのハガキは諭吉を支払うことで美少女(抱き枕カバー)が自宅にやってくる特別なハガキだった。

 

購入するには親の目を誤魔化さねばならなかった彼はその黄金と同等の価値を持つ、ハガキを立ち読みを見逃してくれる心優しい同志である本屋の店長『乳仙人』にお金とハガキを託した。

 

店長はそれを受け取り、品物が届きしだい彼に連絡をすると言って快く承諾してくれた。

 

それから彼は彼女……桜(抱き枕カバーの名前)が家に来た時の妄想楽しみながら生活を送った。

 

桜(抱き枕カバー)と食事。

 

桜(抱き枕カバー)と映画鑑賞

 

桜(抱き枕カバー)とお風呂

 

桜(抱き枕カバー)と蜜月な夜の生活。

 

そして…運命の日がやって来た。

 

店長から彼女(抱き枕カバー)がやって来たと知らされた雷門は学校が終わると同時に飛び出し、本屋のある商店街に向かった。

 

彼は実現する桜(抱き枕カバー)との生活に胸をときめかせ、本屋のある商店街に辿り着いた彼が見たものは……。

黒焦げになった商店街と、その入り口に集まる人々と新聞記者とヒーロー……。

そして……新発売の本(エロ本)が店に出る度にワクワクしながら通った思い出の本屋が瓦礫の山となった光景だった。

 

わけがわからなくなった彼は周りの人に事情を聴こうと視線を動かし、見知った人に視線を止める。

野次馬の中に灰を僅かに被った店長を見つけたのだ。

彼は店長の元に走り事情と彼女(抱き枕カバー)について話を聞いた。

 

突如として出現した泥の敵(ヴィラン)…。

 

人質になった子供の個性により炎上した本屋と商店街……。

 

NO1ヒーローであるオールマイトの拳により鎮火する炎と拳圧により倒壊する本屋。

 

そして…これから彼と同棲生活をする予定であった桜(抱き枕カバー)が炎の中で還らぬ人(灰)となった事。

 

彼女(抱き枕カバー)の最後を聞かされた彼はその場で桜(抱き枕カバー)の名前を口にしながらその場で泣き崩れた。

 

生きる希望を失い、大学にも通わず自室に籠った彼。

 

憔悴した彼の目の前に突然、一人の男が現れて、彼に言った。

 

『君の大事な人を奪ったオールマイトに私たちと復讐をしないか?』

 

そしてあの日の事を男に教えられる。

 

商店街の火災はオールマイトのミスで起こった悲劇であると。

 

「こうして俺は、オールマイトを殺す為に敵になり、奴を殺す為に協力者と仲間を集めている。」

 

話を聞いた俺は、この人の言っている事が理解できなかった。

たかがグラビアアイドルの抱き枕カバーで人を殺す?

何言っちゃってんのこの人?

正直彼が真剣に語った悲劇(笑)よりも俺は、彼の頭の中の方が恐ろしい。

 

「さぁ、本題だ。俺の仲間になれ。

友人で強力な個性を持つお前が味方になってくれればとても心強い。」

 

彼の頭に驚愕している俺を置いてきぼりに、自信満々に俺を勧誘する雷門さん(変質者)。

その断られないのが当然のような自信はどこから来るのだろうか?

 

「断る」

 

「……まぁいい。

お前はヒーローの卵…すぐに答えは出ないだろう。」

 

いや、めっちゃ断ってますから。

めっちゃ即答ですから。

まるで映画のワンシーンみたいなセリフを言わなくていいから。

 

「次に会う時までに答えを決めておけ」

 

奴はそう言うと、体に電気を纏ってとんでもないスピードで空を駆けて行った。

 

………。

 

今日の晩御飯なんだろ?

 

今までのやり取りをなかった事にした俺は、夕飯の事を考えながら自宅へと帰った。

 




復活のFを見た後変なテンションで衝動的に書いてしまった為、無理が出てしまいましたので書き直しました。

※感想と評価をお待ちしております。


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