東方異形頭 (憂鬱な者)
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第一章
【第一話】二つの異形


この作品にはグロテスクな表現、暴力、キャラ崩壊等が含まれます。
苦手な方はお控えするのをお勧めします。
※作者は東方Projectに何の恨みも持っていません。むしろファンです。


「グサリ」

 

何かが何かに刺さる音。

 

「グシャぁぁぁぁぁ!!」

 

何かが豪快に潰れる音。

 

一方は三角形の鉄の頭が。

もう一方は四角い鉄の頭が。

 

三角頭は槍で串刺しに。

四角頭は棘のついた天井らしき物にそれぞれ殺された。

 

だが彼らは死なない。

いや、死ねない存在だった。

 

彼らは実在するものではなく、「精神の世界」に生きる実体はあるが存在はしないものなのだ。

 

だが、忘れ去られた場合。

その時は彼らにとって「死」を意味する。

 

彼らが存在できるのは相手が「精神の世界」に来るからだ。

そのため、相手がいないことは「精神の世界」が形成されないということだ。

 

忘れ去られたその時、彼らにとっては「世界の終わり」なのだ。

だが実在しないものがいつまでも覚え続けられる事は無い。

「知ってるものが死ぬ」からだ。

 

その知ってるものが死ぬ日がやってきた。

 

数十年が過ぎた頃だ。

 

彼らのいる世界が崩れ始めた。

「知ってるものが死んだ」のだ。

 

彼らを覚えてるものが消えたのだ。

 

彼らはなす術も無く、ただ崩れ終わるのを待つだけだった。

 

だが、彼らの前に「隙間」が出来た。

 

中には眼の様なものが幾つも見える「隙間」だ。

 

彼らは何が起きたのかわからなかった。

 

だが彼らは、「同じ匂い」を感じた。

その「隙間」に入れば安心できるような気がした。

 

そう思うと彼らは一目散に「隙間」に飛び込んだ。

 

 

飛び込んだ彼は何処までも落ちてゆく。

何処までも何処までも。

底の見えない世界を落ちてゆく。

 

 

何時間経っただろうか?

彼らは次第に考えるのをやめていった。

 

何時までもただひたすら落ちることしか出来ないため、何もすることが無く、何も出来ないのだ。

 

考えるなどただ疲れるだけだった。

 

彼らは次第に意識を閉ざしていった……

 

 

ふと気がつくと見たことも無いところにいた。

 

三角頭は暗い何処かに。

四角頭は竹が何処までも生え茂る竹林にと。

 

彼らはこの妙な光景に暫く呆然としていた……

 

彼らが現れた場所。

いや、彼らが現れた世界。

 

彼らは違和感を感じていた。

「精神の世界」とは異なるが何処か似ている。

何処かが似ているのだ。

 

だが彼らはそんなことを考えることをすぐにやめた。

今、何処にいるのか。

今、どんな体調か。

危険は無いか。

今どんな空間にいるのか、身体の安否を確認することで精一杯なのだ。

 

三角頭はとても暗い場所にいるため、何も見えない。

四角頭は、頭だけであった。

 

見たことが無い場所、感じたことの無い空気。

彼らの頭の中は「不思議という感情」でいっぱいだった。




ある世界に現れた二つの異形。
次回、あの男に何かが起こる!?


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【第二話】金庫と幻想郷

暫くあの方サイドです


竹林の中にぽつんと落ちている一つの箱。

その箱は鉄で出来ており、大小のダイヤルが二つ。

金庫である。

だが奇妙なのは「有刺鉄線」でぐるぐると巻かれていること。

金庫は血などで赤黒く錆び付いており、とても不気味だ。

 

そんな金庫の前に一人の少女が。

 

「何これ?」

 

彼女は「因幡 てゐ」

この竹林の住人だ。

散歩中に偶々この金庫を発見したのだ。

 

「これは……金庫ってやつかな?」

 

幻想郷には金庫がほとんど無いため、金庫を知っている者は少ない。

だが、彼女は金目のものの知識は妙にある。

 

「確か、これってお金を入れるものだった筈……。

だとしたら中身があるかも!!」

 

そう思った彼女はすぐさまその金庫を持ち上げる。

ズシッ……

かなり重たい。

 

「結構、重いな〜。

音がしないあたり、中身はお札かな?」

 

その金庫は彼女の頭よりかなり大きい。

やや小柄な彼女にとってはかなりの大きさだ。

人の頭ぐらいすっぽり入ってしまう程大きい。

 

「う〜ん、開かないな〜。」

 

ガチャガチャと左右にダイヤルを回すが一向に開かない。

当然である。

金庫の番号の通りは何千何万とある。

あてずっぽうで当たるなどまず無理だ。

 

「こじ開けてみるかな。」

 

あてずっぽうじゃ開かないと思った彼女は力ずくでこじ開けるつもりだ。

彼女は近くに転がっていた大きな石を持ち上げる。

人の頭より一回り程大きな石だ。

普通の少女なら持ち上げるのは無理な重さだ。

だが彼女は人じゃない。

妖怪の一種なのだ。

人間より力があって当たり前なのだ。

そして、彼女は金庫の真上に石を構え、思い切り叩きつける。

 

「ゴァァァン!!」

 

金庫は重々しい音を立て、衝撃で一瞬僅かに跳ねたがビクともしない。

当てた石の方が砕けた。

鋼鉄。

ただの鉄ではない。

鉄より遥かに頑丈な鋼鉄製だ。

幻想郷に復旧している金属製品の殆どは鉄製。

鉄製はかなり昔に作られ、現在は殆ど無いため、幻想郷には多い。

だが鋼鉄は別だ。

鉄の2〜3倍の強度を持つ鋼鉄は技術が進歩して出来た代物だ。

現在でも多く使われている為、鋼鉄製のものは幻想郷には殆ど無いのだ。

一部では作っている所もあるらしいが。

彼女は鋼鉄を知らなかった。

 

「あれ〜?鉄ってこんなに硬かったっけ?」

 

もちろんただの鋼鉄ではない。

「焼き入れ」を施された鋼鉄だ。

焼き入れをすることで金属などは遥かに強度を増す。

金庫や刀のように頑丈さが取り柄のものなどによく行われるものだ。

 

「う〜ん、こじ開けるのも無理かな〜?」

 

彼女は悩んだ挙句にあることを思いつく。

 

「えーりんの薬で何とかならないかな?」

 

そう言うと彼女は金庫を抱え込み竹林の奥に消えてゆく。

 

「ゴトン」

 

無人になったその場にさっきと同じ金庫が落ちてくる。

一つ、二つとゴトゴトと落ちてくる。




持って行かれた金庫。
そして複数現れる金庫。
この金庫は一体!?
次回、異変か!?


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【第三話】無数の金庫

最近、金庫を見ると被りたくなってきます。
精神病院に行ってみようかな。


とある山奥。

そこには一つの建物が。

 

「う〜ん、最近面白いネタが無いな〜。」

 

椅子の背もたれに寄りかかり、椅子を前後に揺らし難しい顔をしている少女。

彼女は「射命丸 文」

幻想郷のちょっとした新聞記者だ。

最近、事件も何も無くて困っているらしい。

 

「平和で良いじゃないですか。」

 

悩んでいる彼女の隣で白髪の少女が言う。

彼女は「犬走 椛」

彼女の部下であり友人でもある。

 

「といってもね〜。

新聞記者にとっては困るのよね〜。」

 

確かにそうだ。

記事を書けない記者などただの無職と同等だ。

 

「何か、こう、面白いネタでも降ってこないかな〜。」

 

そう彼女が言い終わった直後。

 

「ガサッ、パキパキ、ゴトッ」

 

近くで草木が揺れ、枝が折れ、何かが落ちた様な音がした。

 

「何の音でしょう?」

 

椛が外を見渡す。

 

「何か見つかった?」

 

文が聞くと。

 

「文さん、来てください。」

「どうしたの?」

 

彼女に呼ばれ、見に行く。

そこにあったのは。

 

「これって、あれですよね?」

「う〜ん、金庫?」

 

金庫だった。

錆付き、有刺鉄線が巻かれたそれは、文の気を引く。

 

「むむむ、何か特ダネの予感!!」

 

彼女はそう言うと懐からカメラを取り出し、金庫を撮影する。

 

「これはきっと神様が私に与えてくれた特ダネかもしれない!!」

 

文はさっきとは別人の様なやる気に満ち溢れた顔になり、記事を猛スピードで書く。

椛は暫し唖然としていたが、正気を取り戻し手伝いをする。

 

数時間後

 

「出来た!!」

 

文は成し遂げた様に両手を突き上げガッツポーズをする。

 

「どれどれ?「空から謎の金庫が出現!?これは一体!?」ですか。」

 

出来立ての記事を見る椛。

 

「謎の金庫が出現って、そんなことあります?」

 

文に聞く。

 

「少しぐらい盛っても良いじゃない。

最近ネタが無かったんだし。」

 

記者としてどうかと思うが、それが彼女の面白いところなのだ。

だが彼女の脚色は現実となる。

 

「ゴトン、ゴトン、ゴトゴトン」

 

また外から音がする。

 

「まさか、また金庫でしょうか?」

 

椛がまた見に行く。

そこにあったのは。

金庫。

それも一つや二つではない。

5〜6個は転がっている。

 

「むむむ、これは一体……。」

 

文はカメラを持ち、椛に告げる。

 

「少し周辺を見てきますね。」

「え?あ、はい。」

 

文は猛スピードで飛び立ち、何処かに消えてゆく。

 

暫くして、彼女は帰って来た。

 

「予想通り、同じ金庫があちこちで見つかりました。

それも何百と。」

 

彼女はこの「金庫の大量出現」について考えていたのだ。

 

「外の世界で生産中止にでもなったのでしょうか?」

 

椛がそう彼女に聞く。

 

「いえ、これはきっと。

異変ですよ!!」

 

彼女は自信満々にそう言うが。

 

「たかが金庫が大量出現しただけで異変になりますかね〜?」

 

文にジトーっとした目を向ける。

 

「き、きっと誰かしら動きますよ!!

ほ、ほら、あの博麗の巫女なら動きそうじゃないですか!?」

 

彼女はきっと「彼女は金に絡んだものなら動くだろう」と思っているのだろう。

 

「とにかく、このことを記事にして、公開しますよ!!」

 

彼女はそう言うと、夢中で記事を書き続けた。

 

『幻想郷中で謎の金庫が大量出現!!これは異変か!?』

 

完成した記事の見出しには大きくそう書かれていた。




いたるところに金庫、金庫、また金庫。
これは一体!?
次回、あの方が動き始めるか!?


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【第四話】狂気の金庫

キーパーさんの設定は原作重視ですが、場合によっては変わるかもしれません。


ふと気がつくと見たことも無いところにいた。

 

金庫だけの身体になっている今、周りを見渡すことは出来ない。

 

彼は「ザ・キーパー」

精神の世界の人ならざる存在。

金庫で出来た頭を持つ異形の存在だ。

 

今、彼がいるのは竹林の中に建つ屋敷。

「永遠亭」の中にいる。

 

妙に薬品臭い。

嗅覚は無いのだが、なんとなく感じるのだ。

 

「ギシッ…ギシッ…ギシッ…」

 

扉の向こうから誰かが来る。

床は木製なのか、きしむ音がよく聞こえる。

 

「ガチャ」

 

誰か入って来た。

 

「これが貴女の言っていた金庫ね。」

 

「そうそう。何とか開けてよ。」

 

長い白髪に二色に分かれた服を着た女性。

彼女は「八意 永琳」

この永遠亭の医者だ。

もう一人は彼を運んで来た「てゐ」だ。

 

「見た所、鉄の一種みたいね。

酸でもあれば溶かして開けられそうね。」

 

彼女は酸を使って開けるつもりらしい。

彼にとってこの金庫は「本体」である。

つまり、金庫をこじ開けるということは彼にとっては、人間が頭蓋骨を無理矢理こじ開けられるのと同じようなものだ。

何としてでも防がなければいけない。

 

今すぐにでも身体を出現させて逃げたいが、相手は二人。

下手に動けば返り討ちにされる可能性がある。

 

「あら、此処には無いわね。

倉庫から取ってくるから大人しく待ってるのよてゐ。」

 

どうやら薬品を取りに行くらしい。

ラッキーだ。

今は相手は一人。

これなら何とかなりそうだ。

そう思い、彼は行動に移した。

 

「ゴトゴトッ。」

 

「ん?」

 

金庫がひとりでに揺れる。

てゐは気のせいだと思いつつも金庫を見つめる。

 

すると目を疑う光景を彼女は目にする。

金庫が浮き上がった。

 

「え?なに?」

 

困惑するてゐ。

そして、その直後。

 

視界がセピア色に染まり、コマ送りのように視界がかくつき、錆び付いた歯車を回す様な不快な金属音がなる。

 

「な、なに!?」

 

数秒程するとその奇妙な現象は収まるが、更に奇妙なものを目にする。

 

目の前にさっきの金庫を被った大男が立っているのだ。

 

左手に巨大な棘付きのハンマーを持ち。

右手には棘やフックの様なものが幾つも突き出した頭陀袋を持ち。

背中には妙な箱を背負い。

至る所に血シミが付いた肉屋の様な服装をしている。

 

彼が「ザ・キーパー」だ。

 

「な、な、ななななな!?」

 

驚きのあまり震えが止まらないてゐ。

 

そんな彼女にキーパーは歩み寄りハンマーを振り上げる。

殺す気だ。

彼は目に止まる者を殺しまわって生きてきたのだ。

彼に「殺さない理由」というものは無い。

まして、殺す理由も無い。

ただ、本能的に殺すのだ。

 

彼女にハンマーが降り下ろされんというその直後。

 

「バァン!!」

「一体何の音!?」

 

扉を勢いよく開け、現れたのは「鈴仙・優曇華院・イナバ」

さっきの「キーパーの出現音」を聞き、駆けつけて来たのだ。

 

「……!?」

 

「まずい。」と思ったキーパーは壁を蹴り破り、外に飛び出した。

2vs1では分が悪いからだ。

現状をあまり把握出来ていない彼には逃げた方が良いのだ。

 

キーパーは竹林の奥へと消えてゆく。

 

「鈴仙!!

よかった〜。」

 

「てゐ!!

一体何があったの!?さっきのは一体何なの!?」

 

二人が身の安全を確かめる中、永琳が帰ってきた。

 

「これは一体何の騒ぎかしら?」

 

彼女達にてゐはさっきのことを説明する。

 

「成る程ね。

これは調べてみた方がよさそうね。」

 

そう永琳は言うと自室に向かう。

 

「まぁ、あの竹林に一人で入っちゃったし平気かな。」

 

「如何かしら。

ほったらかしにするのはまずいと思うけど。

 

そう言うてゐに鈴仙は言う。

確かに迷いの竹林から案内人無しに出るなど普通の人間には無理だ。

だが、本当に大丈夫であろうか?




何とか人の姿に戻ったキーパー。
だが、迷いの竹林に一人で入ることに。
キーパーの運命や如何に!?

次回、あの方サイドに行くか!?


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【第五話】紅い館と赤い頭

▲様の容姿は映画版の姿という設定にしてます。
個人的にあっちの方が好きだからです。
▲様の筋肉、超セクシー。


真っ暗な場所。

部屋なのか外なのかすらわからない。

動こうにも下手に動くと何が起こるかわからない。

そのため彼は小一時間ほど動かずにいた。

 

「…………。」

 

彼はレッド・ピラミッド・シング。

「罪の意思」や「暴力の象徴」として生まれた異形の存在。

筋骨隆々の身体に巨大な鉄兜を被ったとても個性的な姿が印象的だ。

 

 

しばらく彼は考え、ある方法を思いつく。

彼は立ち上がり、大鉈を床に立てる。

すると彼の足元から大量の「何か」が出てくる。

 

「カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ。」

 

何か虫が走るような音がする。

その何かが出てきてしばらくすると。

 

「ガチャ。」

 

扉が開いた。

彼はその何かを使い扉を開けさせたのだ。

 

開いた扉から光が差し込み、その何かがはっきり見える。

 

人の足程の大きさを持つ「ゴキブリ」だ。

これらは「クリーパー」

レッド・ピラミッド・シング(以後、三角頭)が引き連れている「人面ゴキブリ」だ。

 

いくら虫といえども、大量に集まれば扉程度は開けられる。

 

ついに彼は暗闇から出る事に成功した。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

真っ赤な床、真っ赤な壁、真っ赤な天井。

隅から隅まで真っ赤な屋敷「紅魔館」

この屋敷にはメイドがいる。

だがほとんどが「妖精」だ。

その妖精メイドの中の一人が廊下で遊んでいた。

 

「〜♪〜♪

仕事も終わったし何しようかな〜♪」

 

鼻歌を歌いながらご機嫌で掃除道具を片付けに行く。

 

「キュッ!」

 

「きゃあ!!」

 

「ドテッ。」

 

スキップで歩いていた彼女は床との摩擦で躓き、転ぶ。

手に持っていたバケツには水が入っていたため、派手に水を撒き散らかす。

 

「いててて。

やだ〜、ビショビショになっちゃった〜。」

 

彼女にも水がかかり、上半身はびしょ濡れに。

 

「メイド長に怒られちゃう…。」

 

しょんぼりしながら水を雑巾で拭き取る。

 

「あ、あんなところにまで雑巾がとんでってる!

も〜。」

 

バケツに入れていた雑巾の一つが4〜5m程先の廊下の角にまで飛んでいったのだ。

 

取りに行こうと立ち上がった直後。

 

 

ギギギギギッ ドスン ギギギギギッ ドスン ギギギギギッ ドスン

 

 

「な、何の音?」

 

何か硬いものを引きずる様な音がしては、ドスンという地響きがする足音の様な音が聞こえる。

次第に音はどんどん近づいて大きく聞こえる。

 

 

ゴリゴリゴリッ ズシン ゴリゴリゴリッ ズシン

 

 

曲がり角から何が見えた。

 

尖った何かが。

 

その直後に。

 

「カサカサカサカサカサカサカサカサ。」

 

大量のクリーパーが壁や床一面を埋め尽くす様に湧き出てくる。

 

「ひっ!?」

 

驚くのも無理は無い。

だが本当に恐ろしいのはその後だった。

曲がり角から現れたのは、天井に届きそうな程の身長の筋骨隆々の大男。

頭には巨大な赤黒く錆び付いた三角形状の鉄兜を被り。

片手には彼女の倍程もある巨大な大鉈。

 

さっきの音の正体は彼だ。

 

巨大な大鉈を引きずる音と、巨体と鉄兜の重みによる足音。

その禍々しい覇気は彼女を硬直させた。

 

「ーーー!!ーーー!!」

 

恐怖のあまり悲鳴すら出ない。

失禁しかける程彼女は怯えていた。

だがそれは逆に彼女を良い方向へと導いた。

 

三角頭は彼女に気付いておらず、そのまま反対の曲がり角へと消えてゆく。

 

安心した彼女は一気に緊張が解けたためか。

貧血の様にその場に気絶した。

 

この出逢いは彼女にとって最恐の思い出になったであろう。




圧倒的なオーラを放つ▲様。
ついに▲様サイド!!

次回、▲様闘う!?


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【第六話】鉄と銀

読みやすいように台詞の前に名前を入れるようにしますね。
▲様まじイケメン。


三角頭「……♪」

 

真紅の廊下を歩く三角頭。

 

一面真っ赤で窓が少なく薄暗い。

 

彼は中々ここが気に入ったみたいだ。

 

「ずっとここに居たい」そう思う三角頭の前に一人の少女が。

 

咲夜「随分と変わった侵入者ね。」

 

銀髪にメイド服を着た少女。

彼女は「十六夜 咲夜」

この紅魔館のメイド長である。

 

三角頭「……。」

 

せっかくご機嫌だった時に最悪の展開だ。

 

咲夜「事情はどうあれ、無断侵入は許さないわ。」

 

銀色に輝くナイフを取り出し、三角頭に向ける。

 

三角頭「……。」

 

咲夜「何か言ったら如何かしら?」

 

三角頭「……。」

 

三角頭は黙ったまま。

いや、そもそも彼に「言語」を喋ることは出来ないのである。

 

咲夜「大人しく立ち去れば危害は加えないわ。」

 

三角頭「……。」

 

「せっかく良いところを見つけたのに…。」そう思う三角頭。

 

咲夜「……。」

 

三角頭「……。」

 

沈黙が続くばかりだ。

 

彼は「罪の象徴」という存在、いわば「断罪人」「処刑人」といえる存在のため、罪を持たない者には危害を加えられないのである。

そのため、彼女を今ここで殺害することは出来ないのである。

 

そんなことも知らずに彼女は行動に出た。

 

咲夜「出て行かないということは覚悟は出来ているわね?」

 

ナイフを構える。

 

咲夜「悪いけど少々怪我をしてもらうわ。」

 

そう言うと彼女は三角頭の脚を目掛けてナイフを投げた。

 

避けるか我慢するかすればよかったものの、彼は大鉈でそのナイフを弾いたのだ。

その行為が彼女には誤解された。

 

咲夜「へぇ、私とやる気ね?」

 

三角頭「……!?」

 

喋れないため弁解出来ない。

 

咲夜「そうとわかれば遠慮なく行かせてもらうわ!!」

 

ナイフの束を三角頭を目掛けて投げる。

 

またも大鉈で防いだが、数本逃した。

 

三角頭「……。」

 

片脚に2本程刺さったがビクともしない。

 

咲夜(随分と浅く刺さったわね。あの筋肉、一筋縄ではいかなさそうね。)

 

三角頭「……。」

 

ギギギギギッ ドスン ギギギギギッ ドスン

 

流石に痺れを切らしたのか三角頭が動く。

 

咲夜「……。」

 

咲夜のすぐ目の前に立つ。

 

咲夜(近くで見ると本当にデカいわね…。)

 

圧倒的な体格差だ。

背丈だけでも彼女の1.5倍近くある。

 

すると三角頭は突然彼女の腹部にブローを叩き込んだ。

 

咲夜「!?」

 

「ゴッ!!」

 

ガードは間に合ったもの5〜6mも吹っ飛ばされた。

 

咲夜「……っ!!」

 

咲夜(想像より遥かに強烈ね。まともに食らっていたら危なかったわ。)

 

三角頭は彼女を気絶させて何とか戦いを免れるつもりだが、これのせいで戦いの火蓋が切られてしまった。

 

咲夜「お返しさせてもらうわ!!」

 

そう言うと彼女は懐から1枚のカードを出し、宣言する、

 

幻符『殺人ドール』

 

すると一瞬にして三角頭の周囲に無数のナイフが現れ、彼を襲う。

 

三角頭「……!?」

 

全身に大量のナイフが突き刺さる。

 

咲夜「これは効いたかしら?」

 

三角頭「……!!」

 

咲夜「え?」

 

キレた。

流石にこの一方的な攻撃に三角頭はキレた。

「何もしてないのに突然襲われた」

つまり彼は明らかに無罪であるのに、こんな目に遭ったのだ。

キレてもおかしくない。

 

三角頭は大鉈の峰を使い、思い切りフルスイングした。

 

三角頭「……!!!!!」

 

「ブォォォォォン!!」

 

凄まじい風を切る音だ。

 

咲夜「!?っ!!」

 

直撃を食らった彼女は壁を突き破り、外に吹っ飛ばされる。

 

今のうちに彼は何処か逃げ道を探す。

 

そして地下に通じる階段を見つけた。

 

その奥には物々しい鉄の扉が。




可哀想な▲様。

逃げた先には怪しい扉が。

次回、▲様と「あの娘」が戦う!?


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【第七話】三角頭と小さな悪魔

夜中に、しかも1日2作品書いてるので最近少し寝不足気味です。

意見があったので台詞の出し方を戻します。


「はぁ〜、暇だな〜。」

 

ベッドでゴロゴロしながら呟く1人の少女。

彼女の名前は「フランドール・スカーレット」

この紅魔館の当主「レミリア・スカーレット」の妹だ。

 

彼女は普段は地下に幽閉されてるのだ。(偶に外に出てるらしいが)

 

「そろそろ夜か〜。外に行こうかな〜?」

 

そう言い、彼女はベッドから降り、扉に向かう。

次の瞬間。

 

「ギシィィィィィ!!」

 

巨大な大鉈が耳を劈くような金属が擦れる音を出しながら「鉄」の扉を貫いたのだ。

 

「ふあっ!?」

 

大鉈は彼女のすぐ「目の前」で止まった。

 

 

ー数分前ー

 

 

逃げ道を探す途中に地下に続く階段を見つけた三角頭。

その先には大きな鉄の扉が。

 

「……!!」

 

「この先に外に出る道があるかもしれない。」そう思った三角頭は扉を開けようとするがビクともしない。

 

如何やら内側から閉じられているようだ。

(一応人様の部屋なのでプライバシー的な問題ということでそういう設定にしてます)

 

困った三角頭は閃く。

 

すると彼は大鉈を持ち上げ扉に突き刺したのだ。

 

 

そして今に至る

 

 

目の前に巨大な大鉈が飛び出してきて驚き、尻餅をつくフラン。

 

大鉈は引っ込み、また扉を貫く。

するとこじ開ける様に大鉈を動かし、穴を広げ、また引っ込む。

 

「な、なんだろう?」

 

気になったフランは穴の先を覗きに近寄る。

 

すると、巨大な腕が穴から飛び出したのだ。

 

「ひゃあ!?」

 

驚き、またも尻餅をつく。

 

「バン!バン!」

 

腕は何かを探す様に扉を叩く。

 

そして閂を掴むや否や、その「鉄」の閂をひん曲げたのである。

 

「ギンッ!!」

 

閂はほぼ折り畳んだ様に曲がり、外れる。

 

扉がゆっくりと開き、暗闇から出てきたのは巨大な大鉈を引きずりながら歩く大男、三角頭だ。

 

「だ、誰?」

 

三角頭に問いかける。

 

「……。」

 

しかし、喋れない彼は如何することも出来ない。

 

彼は無視した。

 

そして彼女の部屋を探り荒らす。

出口を探してるのだ。

 

しかし、そんなものがあるわけがない。

 

「……。」

 

肩を落とす三角頭。

 

「落ち込んでる」と思ったのか彼女は彼に聞く。

 

「一緒に遊ぶ?」

 

「……?」

 

ピクリと反応する三角頭。

 

「一緒に遊ぼう」

初めて言われた言葉だ。

 

しかし、彼は今は脱出したいのだ。

遊ぶ暇など無い。

そもそも遊びをよく知らないのだ。

 

断ろうとした彼に気付かず彼女はこう言う。

 

「ちょうど夜だし、お外で一緒に遊ぼう?」

 

「……!!」

 

「外で」一緒に遊ぶ。

 

「これはチャンスだ!!」そう思った彼は「脱出目的」でわかったと頷く。

 

「遊んでくれるの?」

 

「……。」コクリ

 

「やったー!!それじゃあ早く早く!!」

 

彼の腕を掴み、引っ張って行く。

 

しかし、彼を待っていたのは「楽しい遊び」では無かった……




脱出ついでにフランちゃんと一応遊ぶことになった▲様。
さぁ、如何なる!?

前回の予告とは予定が外れました。(というより区切りがいいと思うから切りました)

次回、▲様とフランちゃんの激闘!!


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【第八話】激闘

▲様の大鉈はサイヒルHCのバージョンです。
あのアーミーナイフっぽい方が個人的に好きなので。
一応「G」を召喚出来るという設定にしてます。

サイヒルHCの▲様をイメージしてもらえれば大体わかると思います。


フランに引っ張られて外に出れた三角頭。

 

外は彼の知っている光景ではなかった。

 

夜になり始めて薄暗くなってきているが、とても空が綺麗だ。

空気も澄んでいる。

彼が今までいた町「サイレントヒル」とは全く違う世界だ。

 

だが景色を楽しんでる暇は無かった。

 

「それじゃ一緒に遊ぼう!!」

 

そう言うと彼女は何処からか杖のような奇妙な形の棒を取り出すと高々と宣言する。

 

禁忌『レーヴァテイン』

 

するとその棒から炎の様な火柱が伸び、まるで剣のようになる。

 

「……!?」

 

見たこともないものを目にし、驚く三角頭。

 

そんなことも御構い無しに飛びかかるフラン。

 

「そりゃぁぁぁぁぁ!!」

 

兜割りの様にレーヴァテインを振り下ろす。

 

「ガキィィィィィン!!」

 

三角頭はそれを大鉈で弾き返した。

 

「うっそ〜!?」

 

驚くフラン。

当然だ、今まで止められたことのないレーヴァテインの攻撃を真正面から防がれたのだ。

しかも片手で。

 

「んんんんん!!面白くなってきた!!」

 

そう言うとフランは猛スピードでレーヴァテインの連撃を三角頭に浴びせる。

 

「ガキィン!! ガキィン!! ガァン!! ガキィン!!」

 

三角頭はそれを全て防ぎきった。

 

「とりゃぁぁぁぁぁ!!」

 

レーヴァテインをフルスイングする。

 

「……!!」

 

三角頭も大鉈を思い切り振った。

 

「ガァァァァァン!!」

 

轟音が鳴り響く。

 

お互い弾き返された。

 

彼女は小さいといえども「吸血鬼」なのだ。

その腕力は尋常じゃない。

 

「よいっしょぉぉぉぉぉ!!」

 

またも思い切り振り下ろす。

 

「……!!」

 

三角頭も負けずと迎撃する。

 

「ガキィン!!」

 

打ち合い、押し合いになる。

 

「ギ、ギギギギギ、ギギ!!」

 

火花が飛び散る。

 

フランが少しずつ押される。

 

当然だ、三角頭はこの鉄塊の様な大鉈を軽々と片手で振り回すのだ。

その腕力は計り知れない。

 

「やらなきゃやられる」そう思い、どんどん押していく。

 

「ん〜!!おりゃあ!!」

 

大鉈を斜めに押し、逸らして脱出する。

 

「ゴォォォォォン!!」

 

地面が砕ける。

 

押し合いで溜まった力で一気に地面に叩きつけたのだ。

 

「よ〜し、これならどうだ!!」

 

そう言うと彼女は三角頭の土手っ腹にミドルキックを打ち込む。

 

「ゴン!!」

 

岩を叩く様な音がする。

三角頭はビクともせず、蹴りを入れた彼女の脚を掴み、持ち上げる。

 

「ひゃ!!」

 

フランは逆さまに吊るされた状態になる。

 

すると三角頭は彼女をまるでタオルの様に軽々と振り回し、放り投げる。

 

「わぁぁぁぁぁ!!」

 

「ドゴオォォォォォン!!」

 

屋上の時計塔に突っ込む。

 

「……。」

 

勝ったと思い、出口の門へ向かおうとした瞬間。

 

禁弾『スターボウブレイク』

 

三角頭の背中に無数の巨大な光弾が直撃する。

 

「……!?」

 

ダメージは浅いが、衝撃で蹌踉めく。

 

「へぇ〜、耐えた人は初めて見たよ。」

 

彼女は大分ボロボロになっているが、まだ大分元気だ。

 

「……。」

 

振り返り、身構える。

 

「凄く楽しかったよ。でもそろそろ終わりにするね。」

 

そう言うと三角頭に手を向け、「何か」を握る。

 

「キュッとして〜ド—————。」

「ガァァァァァン!!」

 

彼女が何かを言い終わる直前に彼女の頭頂部に何かが落ちてきて直撃する。

 

「パタッ…」

 

彼女は倒れ、ピクリともしない。

気絶しているようだ。

 

落ちてきたものを見るとそれは金庫だった。

 

彼はハッと気づき、今のうちに紅魔館から脱出した。

 

すぐ近くにあった森へ駆け込む。




▲様、紅魔館から見事脱出!!

森に逃げ込んだはいいが如何なる▲様!?

次回、キーパーサイドか!?


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【第九話】迷う金庫

相変わらず寝不足気味です。
キーパーさんの金庫1つぐらい欲しいな。


永遠亭から逃げて大分経った。

だが、幾ら走っても竹林が続く。

いや、同じ場所をぐるぐる回っているようだ。

 

「……。」

 

日が暮れてきた。

「このまま永遠に出られないかもしれない。」そう思い肩を落とすキーパー。

 

そこで、ふとアイディアが浮かぶ。

 

「ハンマーで竹に傷を付けて目印にすればいい。」そう思い浮かんだ。

 

早速実行しようとしたその時。

 

「こんな所で何をしてるのよ?」

 

背後から突然声が聞こえる。

 

見るとそこには白髪の少女がいた。

彼女は「藤原 妹紅」

この竹林の案内人だ。

 

彼は直ぐに身構えるが。

 

「そんなに警戒しなくていいよ。

迷ってるみたいだったからさ。よければ案内するよ。」

 

そう言われ少し困惑する。

 

「……。」

 

「ここを脱出出来るならついて行こう。」そう思い彼は彼女について行く。

 

「何しに此処に来たの?」

 

「……。」

 

「もしかして喋れないの?」

 

「……。」

 

そう、彼に声を発する器官など無いのだ。

 

「何か色々持ってるみたいだけど、竹取…じゃないみたいね。」

 

それはそうだ。

竹取が金庫を被ってハンマーや何かが入った頭陀袋なんか持たない。

 

「大分暗くなってきたわね。ちゃんとついてきてる?」

 

「……。」

 

もう日が沈んできている。

もう数分もすれば夜だろう。

 

「貴方のその格好、もしかして外来人かしら?」

 

「……?」

 

「外来人」初めて聞いた言葉だ。

 

 

色々話を聞いているうちに夜になった。

 

 

「暗いけど大丈夫?見失わないでよ?」

 

「……。」

 

彼にとってこの程度の暗さは普通なのだ。

彼は何時も薄暗いところにいたのだ。

夜の暗さなど大した暗さではなかった。

 

しばらく歩いていると。

 

「ガツッ」

「きゃっ!!」

「バタン」

 

彼女が何かに躓いたようだ。

 

目を凝らしてよく見てみるとそれは金庫だった。

 

「いてて、誰よこんなところにゴミなんか捨てたのは〜。」

 

「……。」

 

少しイラッとした。

 

「あれ?この箱、貴方が被ってるものとそっくりね。」

 

そう、その金庫は彼の「本体」なのだ。

 

「ごめんなさい、別に貴方のことじゃないのよ。でも、なんでこんなところに?」

 

確かに不思議だ。

彼だけが来るならまだしも、彼のいた世界にあるものがあるのだ。

 

だが、深く考えることをしない彼は直ぐやめた。

 

だが、彼は奇妙な気配を感じた。

 

その金庫と同じ気配が近くに何十とある。

 

「……。」

 

やはり、気になる。

 

だが、再び考えるのをやめ、脱出に専念する。

 

だが、彼女が急に止まった。

 

「随分と珍しい奴等が来たものね。」

 

そう言うと彼女は身構える。

身構えた先から出てきたのは…。




迷子の迷子の金庫さん。

そんなキーパーさんに救いの手が!!

しかし、キーパーさん達を襲うものが!?

次回、処刑執行!?


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【第十話】EXECUTIONER

サイブレExecutionerのキーパーさんの物語をみて
(`;ω;)こうなった


イイハナシダナー


彼らの前に現れたのは…。

 

「人?」

 

現れたのは人だった。それも何人も。

しかし。

 

「ウウゥゥゥ…。」

 

奇妙な呻き声を上げている。

目を凝らして見てみるとかなり以上だった。

 

肌は死体のように白く、荒れており。

目は青白く光っている。

 

彼らは「ホーンテッド」

『ある世界』にいるはずの亡霊達だ。

 

「なんなの此奴ら…。」

 

するとホーンテッドの1人が彼女に飛びつき、首を絞めようとしたその瞬間。

 

「ドゴォ!!」

 

キーパーがホーンテッドを蹴り飛ばした。

 

吹っ飛んだホーンテッドは竹に衝突し、竹が折れる。

 

「……!!」

「ガァン!!ガァン!!」

 

キーパーはハンマーで頭を叩いて威嚇する。

「さっさとここを出たいから邪魔をするな」とでも言いたげに。

 

ホーンテッド達が彼の方を見る。

 

その中の1人が彼に向って銃を発砲した。

 

「カァン!!」

 

しかし弾は頭部の金庫にはビクともしなかった。

 

「……。」

 

ゆっくりと歩み寄り、見下ろす。

 

見上げるホーンテッド。

 

彼は230cmもある巨漢だ。

その身長差は圧巻である。

 

すると彼はハンマーでホーンテッドの頭を殴り砕いたのだ。

 

血が妹紅の顔まで飛び散った。

 

「え……?」

 

突然の殺人現場になにが起きたかわからず開いた口が塞がらない。

 

すると砕けた頭を引き金にホーンテッド達が彼に襲いかかる。

 

「ヴォォォォォ!!」

 

斧を持ったホーンテッドが背後から襲いかかる。

しかし。

 

「ブゥン!!」

「ゴシャァァァ!!」

 

勢いよく振り返り、腰にかけてあった頭陀袋でホーンテッドの頭を吹っ飛ばしたのだ。

 

すかさず他のホーンテッドが背後から襲いかかるが。

 

「ブン!!」

「グシャァァァァァ!!」

 

ピッケル状になってるハンマーの反対側でホーンテッドの頭を突き刺す。

あまりの勢いにホーンテッドが一瞬浮いた。

 

直ぐに彼は他のホーンテッド達を蹴散らしにゆく。

 

弾ける肉片、飛び散る精血

 

彼女はただ呆然とその彼の無双劇を眺めるしかなかった。

 

「ヴォァァァァァ!!」

 

そんな彼女にホーンテッドの1人が襲いかかる。

 

「え?ちょっ…!!」

 

「ガシィッ!!」

 

飛びかかったホーンテッドの首をキーパーが掴む。

 

するとホーンテッドを何mも放り投げたのだ。

投げられたホーンテッドはさっきの折れた竹に突き刺さる。

 

「あ、ありがとう…。」

 

「……。」

 

彼はチラッと彼女を見ると直ぐに次のホーンテッド達を蹴散らしに行く。

 

あるものは殴り殺され。

あるものは投げられ。

あるものは踏み潰される。

 

まさにそこは殺戮劇場と化していた。

 

しばらくするとホーンテッド達は全滅していた。

 

「……。」

 

大量の死体が散らかる中にポツンと立つ大量の返り血を浴びたキーパー。

 

まさにその姿は処刑人と言える姿だった。

 

「……あ、えっと、その…。

行こうか。」

 

そう言われ彼女について行く。




キーパー無双炸裂!!

キーパーさんイケメン!!

しかし突如現れたホーンテッド達。
これは一体どういうことだ!?

次回、キーパーさん脱出!!


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【第十一話】異変

最近近所で鴨の親子を見ました。
超可愛いかった←愛鳥家


もう何十分か経った。

既に日は完全に沈み、真っ暗だ。

 

「大丈夫?もう少しだから頑張ってね。」

 

「……。」

 

そしてようやく竹林を抜けた。

 

暗くてよく見えないがかなり開けた場所のようだ。

 

「ふぅ、もう案内人無しに入るんじゃないぞ。」

 

「……。」

 

「こんなところはもう懲り懲りだ」とでも言いたげなキーパー。

 

そして彼は直ぐに何処かに向かっていく。

ただ真っ直ぐと。

 

そんな彼を見送りながら彼女が一言。

 

「さっきはありがとう…。」

 

「……。」

 

一瞬立ち止まったが直ぐ歩きだす。

 

彼は初めて「感謝」されたのだ。

 

妙な感情に彼は戸惑うが直ぐに忘れようとした。

 

ただひたすら真っ直ぐと夜の闇に消えてゆく。

 

 

 

夜が明けた。

 

気がついたら森の中にいた。

 

大きな三角形の頭をした彼は悩んでいた。

 

「……。」

 

あの居心地のいい館から出たのもだが、脱出して夜道を歩きまわっていたら森で迷子になってしまったのだ。

 

ここは「魔法の森」紅魔館の近くにある大きな森だ。

 

「……。」

 

道もわからず彷徨っていると…。

 

「号外だよー!!」

 

空から声が聞こえた。

 

見ると人が飛んでいた。

 

すると彼の頭に何かが落ちてきた。

 

「コンッ。」

 

見るとそれは新聞紙だった。

 

しかし彼には見たこともないものなので何かわからなかった。

 

開いてみるとそこには。

 

『幻想郷に異変!?無数の古びた金庫と不審者が!!』

 

見出しに大きくそう書かれていた。

 

写真も載っていた。

 

「……!!」

 

その写真に写っていたのは、フランと戦っていた時に落ちてきた金庫と同じものが写っていたのだ。

更に写っていたのは。

 

彼にはとでもよく見慣れたものが写っていた。

 

ナース服に顔の無い頭。

「バブルヘッドナース」だ。

 

この怪物は彼がいた世界の住人だ。

 

この世界にいるはずが無いのである。

 

しかし新聞にはハッキリと載っている。

 

わけがわからずも彼はまた彷徨い出した。

考えるのは嫌いなのだ。

 

ただひたすら歩いていたら開けた場所に出た。

 

そこには1つの建物が。

 

とりあえず彼はその建物に入りに行った。

彼には人の家などどうでもいいのだ。

 

 

「え〜っと、何処にやったのかしら?

確かにここに仕舞っておいた筈なんだけど〜。」

 

本棚をごそごそと探る1人の少女。

彼女は「アリス・マーガトロイド」

魔法使いだ。

 

彼女は何かの本を探してるみたいだ。

 

「はぁ〜、やっぱり見つからないわ。

魔理沙に貸したきり返してもらってないんだわきっと。」

 

溜息を吐く。

魔理沙とは彼女の知り合いの名前だ。

 

「はぁ〜、今度まとめて返してもらおうかしら。」

 

…ィィィ …ィィィイイ ギィィィイイ

 

何かを引きずるような音が外から聞こえてくる。

それもだんだん近づいてくる。

 

「何の音かしら?」

 

気になった彼女は玄関に行き、ドアノブに手をかける。

 

「音が止まったわ。一体何かしら?」

 

玄関を開ける。

そこにいたのは。

 

「……。」

 

赤錆びた三角形の鉄兜を被り、彼女の身長よりあろうという巨大な大鉈を片手にもった筋骨隆々の大男だった。




ある日扉を開けたら▲様が。

こんなことあったらぶっ倒れるな。

次回、▲様無双か!?


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【第十二話】静かな森

サイレントヒル=静岡を考えていたら▲様が茶葉を収穫しているのが浮かんだ(謎)

因みに▲様のキャラはいろんな作品のを取り入れてます。


扉を開けた先にいたのは三角頭だった。

 

「な!?」

 

突然の出来事に困惑する。

 

「……。」

 

ギィィィィィ ドスン ギィィィィィ ドスン ギィィィィィ

 

そんな彼女も御構い無しに大鉈を引きずりながら入る。

 

「ち、ちょっと!!誰よ貴方!!」

 

「……。」

 

問いかけても無駄である。

彼に言葉は無いのだから。

 

「……。」

 

家の中を見渡している。

何かを探しているようだ。

 

「……!!」

 

ハッと何かに気付く。

 

彼は如何やらこの家を目印に進むつもりらしい。

目印と直線になるように進めばいつかは出られる筈だからだ。

 

そうとわかり、家を出て行く。

 

「ちょ、ちょっと何なのよ!!」

 

彼女も追いかけて行く。

 

「……!?」

 

しかし、外に出ると妙な光景が目に入った。

 

灰だ、霧のように真っ白になる程の灰が降っていたのだ。

 

「え?何かしらこれ、灰?」

 

「……。」

 

彼には見覚えがあった。

それもとてもよく覚えているものだ。

 

この灰も彼がいた世界にあったものだ。

 

しかし、彼には大した問題ではなかった。

 

むしろ懐かしく、落ち着くのだった。

 

「……。」

 

森へ入ろうと思った彼にまた『見覚えがある」ものが見えた。

 

「……。」

 

「な、何あれ?」

 

いたのはナース服を着た顔の無い女だった。

そう「バブルヘッドナース」だ。

 

しかも何人もいた。

 

「……。」

 

カクカクと動きながら彼女に近付く。

その手には『メス』が握られていた。

 

「え?ちょっと…、きゃあ!!」

 

戸惑う彼女に襲いかかった。

 

ブゥゥゥン カチンッ!! グシャァァァァァ

 

瞬間、バブルヘッドナースの首が飛んだ。

 

「……。」

 

三角頭の大鉈により、振り下ろした『メス』ごと切断されたのだ。

 

そんな彼に彼女らが反応する。

 

「……。」

 

「……。」

 

両者とも向かい合ったまま沈黙だけが続く。

 

「……。」

ギィィィィィ ギィィィィィ ギィィィィィ

 

彼が先に動いた。

耳を劈くような大鉈を引きずる音を立てながら。

 

森の奥にも何十といる。

 

そこで彼は、片っ端から斬りまくっていった。

 

「……。」

ブゥゥゥン ゴォン!!

 

ブゥゥゥン ガァァァン!!

 

巨大な大鉈を片手で軽々と振り回す。

 

そんな彼に彼女らも反応し、襲いかかる。

 

1人が彼の背中にメスを突き刺そうとするが。

 

カチンッ!!

 

メスが折れたのだ。

 

彼の身体には全く効かなかったのだ。

 

彼女は彼に首を掴まれ、持ち上げられる。

 

「……!!」

 

ジタバタと暴れるが、万力の様な怪力により全く振り解けない。

 

「……。」

 

そんな彼女の服を剥ぎ取り。

『皮を剥いだ』

 

「……。」

 

無惨な姿になった彼女を無造作に放り投げ、他のナース達を斬って行く。

 

巨大な大鉈により、木ごと切断される者や、押し潰される者、頭を握りつぶされる者も。

 

いつの間にか灰で白く濁っていた周辺は血で真っ赤に染めあがっていた。

 

「な…。」

 

あまりの出来事に理解が追いつかず、アリスはその殺戮劇場をただ眺めることしか出来なかった

 

 

「……。」

 

殲滅した。

 

彼は1人も残さず彼女らを葬り去ったのだ。

 

やることを終えた彼は森へと入って行く。

 

「ちょ、ちょっと待って!!」

 

彼女が呼び止める。

 

しかし彼は真っ直ぐと歩いて行く。

 

「さ、さっきは助けてくれてありがとう!!」

 

そう森に消えてゆく彼に叫ぶ。

 

「……。」

 

彼は一瞬振り返り、直ぐに森の奥へ消えていった。

 

彼もまた初めて『感謝』されたのだった…。




う〜ん、漢は背中で語るとか言うけど、▲様とかがやったら男でも惚れるな(確信)

次回、遂に最恐のコンビ結成!?


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【第十三話】異形と異形

GWなのにあまり休みが無い私

おのれ現代社会め


そういえばキーパーさんってルヴィクの怒りの念とかの象徴なんだよな〜
随分とイケメンな怒りだこと


彼らはただ当ても無く真っ直ぐ歩いていた。

 

真っ直ぐと。

 

しかし違和感を感じていた。

 

確かに真っ直ぐ歩いているのだが真っ直ぐではない気がするのだ。

 

そう、『何か』に真っ直ぐ歩いている気がするのだ。

 

 

気がつくと開けた場所にいた。

 

さっきまでとは違い、少しちゃんとした『道』だ。

 

ふと遠くを見ると誰かがいた。

 

四角い頭をしたものが。

三角形の頭をしたものが。

 

「……。」

「……。」

 

そう、彼らは会ってしまった。

 

いや、運命が巡り合わせたのかもしれない。

 

さっきまでの『何か』に引き寄せられるような感覚は彼らを結びつけていた。

 

「……?」

「……?」

 

近寄り、2人共首を傾げる。

 

「何かが一緒」「共通点を感じる」そう2人は思う。

 

彼らは喋ることが出来ないが、彼ら同士では不思議と気持ちが伝わった。

 

以心伝心とでもいうのだろうか。

 

「お前は一体なんだ?」そう2人は感じあった。

 

「……。」

 

キーパーが三角頭に指を指し、自分にも指を指す。

 

「仲間」「同業者」そう感じた。

直感的にそう感じたのだ。

 

「……。」

「……。」

 

沈黙が続く。

 

そこで三角頭が彼に『握手』を求めるように手を出した。

 

「……。」

 

「同業者同士一緒に行こう」そう言いたげだった。

 

そして彼は手を取った。

 

「……。」

「……。」

 

今此処に『最恐』の出会いが誕生した。

 

 

しかし、彼らは2人木下で座り込んでいた。

 

そう、彼らには『目的』が無い。

 

生物とは目的無しに行動は出来ないのだ。

 

「……。」

「……。」

 

そこでキーパーが何か提案を思いついたようだ。

 

三角頭の頭を叩き、呼ぶ。

 

そして彼はなんとか伝えようと念じる。

 

(とりあえず此処が何なのか一緒に調べ回ろう。)

 

テレパシーなのか、彼らは『言葉無し』に伝え合う。

 

(わかった。)

 

そう『思い』2人共立ち上がり、一緒に出発する。

 

 

道中彼らは色々と思い合っていた。

 

(竹だらけの所で変な人間に会った。)

 

(そうか、こっちも変な人間に会った。)

 

彼らは竹林でのことや森でのことなどを思い合っていた。

 

(亡霊共が邪魔をしてきたから葬りさったらその人間に「ありがとう」と言われた。)

 

(こっちもマネキン共が邪魔をしてきたから葬りさったらその人間に「ありがとう」と言われた。)

 

すっかり2人は意気投合していた。

 

(「ありがとう」とは何だ?)

 

(わからない。だが言われて変な気分になった。)

 

(こっちもだ。)

 

(だが悪い気分ではなかった。)

 

(確かに悪い気分にはならなかった。)

 

(「ありがとう」とは何だ?)

 

(わからない。)

 

彼らは感謝というものを知らない。

 

2人は道中それに悩まされた。




やっとキーパーさんと▲様が合流!!

次回、新章になります!!

キーパーさんと▲様の異形コンビの冒険が始まります!!


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第二章
【第一話】異形の訪問


今章から▲■コンビ(カクカクコンビ)の幻想郷ライフが始まります。
キャラ崩壊しますが生暖かい目でどうか見ていってください。


2人共何処に行くか当てもなく彷徨っていると建物を見つけた。

 

長い石の階段の先に古惚けた建物が。

 

(あれは何だ?)

 

2人共見たことがない建物に興味を示し、そこに行ってみる。

 

キーパーは多少身軽な為、苦もなく登れる。

 

しかし三角頭は巨大な大鉈を持っている為中々登れない。

 

(早くしろ。)

 

そう思ったキーパーだが、テレパシー的なもののせいで伝わってしまった。

 

(身軽でいいなお前は。)

 

そう思う三角頭であった。

 

 

——————————

 

 

「はぁ、相変わらずお賽銭が無いわね。」

 

「これだけボロボロだったら人も来ないぜ?」

 

「ボロボロだから人が来ないんじゃなくて、人が来ないからボロボロなのよ。」

 

神社らしき建物の前で2人の少女が話している。

 

彼女らは「博麗 霊夢」と「霧雨 魔理沙」

 

2人共友人であり、巫女と魔法使いだ。

 

そしてこの建物は彼女の建物『博麗神社』だ。

 

どうやら賽銭を入れてくれる人がいなくて困っているらしい。

 

「あ〜あ、誰でもいいから入れてくれないかしら。」

 

「霊夢、ちょっといいか?」

 

「何よ?」

 

「なんか、凄い不気味な気配がするんだぜ。」

 

「不気味な気配?そういえば感じる気がするわね。」

 

そう言い、ふと鳥居の方を見る。

 

 

……ツ ゴリゴリ …ガツ ゴリゴリ ガツ ゴリゴリ

 

 

何かが一定のリズムでぶつかったり、擦れたりする音が聞こえた。

 

「い、一体なんの音?」

 

「さ、さぁ?た、多分人が来たんじゃないか?」

 

「なら、歓迎しないとじゃない!!」

 

「ちょっ!!れ、霊夢!!」

 

そう言い彼女は鳥居の方に駆け出す。

 

だが、彼女が見たものは…。

 

「いらっしゃ…。え?」

 

彼女の前に現れたのは2人の大男。

 

両者共2mは越える背丈をもっており。

彼女が2人の影にすっぽり入ってしまう程だった。

 

そう、彼女の前に現れたのはキーパーと三角頭だった。

 

彼らが目指していたのは博麗神社だったのだ。

 

「……。」

「……。」

 

「え、あ、その、い、いらっしゃいませ…。」

 

今まで感じたことも無い威圧感の前に戸惑う。

 

(人がいたな。)

 

(敵意は無いみたいだが。)

 

彼らは一瞬顔を見合わせ、再び彼女を見下ろす。

 

「れ、霊夢?だ、だだ、大丈夫か?」

 

「え、えぇ、ち、ちょっとお、おど、驚いただけよ。」

 

2人共激しく動揺しており、まともに呂律が回らない。

 

「……。」

「……。」

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

彼女は耐えきれず遂に神社の中に逃げ込んでしまった。

 

「あぁ!!霊夢!!ま、待って!!」

 

霊夢は1人だけ中に入り、彼女だけ外に置き去りにした。

 

「れ、霊夢!?あ、開けて!!」

 

必死にこじ開けようとするが何か引っかかっているようで開かない。

 

「……。」

「……。」

 

その光景を彼らはただ、見つめているだけだった。

 

(どうする?)

 

(あの子供は困っているみたいだが。)

 

(なら助けるか?)

 

(それもそうだな。)

 

何やら見つめ合い、そして彼女に2人共歩み寄る。

 

ギィィィィィ ギィィィィィ ギィィィィィ

 

「ひえっ!?」

 

三角頭の大鉈を引きずる音のせいで彼女を余計に不安にさせてしまった。

 

「ご、ごご、ごめんなさい!!何か悪いことでもしました!?」

 

足が竦んで動けない彼女の前に2人は立つ。




この物語は残酷な描写とちょっぴりハートフルの2つがブレンドされた物語です。(今更)

次回、魔理沙と霊夢はどうなる!?

因みに▲様とキーパーさんにはちょっぴりお茶目が入ります。


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【第二話】新生活

キーパーさんって体重300kg以上もあるから木造建築だと床が抜けそう(笑)


「……。」

「……。」

 

三角頭とキーパーが彼女の目の前に立つ。

 

「あ、その…。」

 

彼女は彼らの圧倒的な威圧感の前に腰が抜けてその場に座り込んでしまう。

 

するとキーパーが突然障子を蹴り飛ばしたのだ。

 

「ひえっ!?」

 

彼女の頭上をキーパーの脚が掠め、驚く。

 

障子は見事に吹っ飛び、部屋の奥の襖まで貫通している。

 

「……。」

 

「開けてやったぞ。」と言わんばかりの態度で彼女を見下ろす。

 

「ち、ちょっと!!何人ん家の障子と襖を壊してんのよ!!」

 

中に逃げた霊夢が顔を出す。

 

どうやら障子などを壊されたことに腹を立てているようだ。

 

「近頃お金が無くて困ってるのに!!どうしてくれるのよ!!」

 

「……?」

首を傾げる。

 

「?じゃないわよ!!」

 

さっきまでビビって逃げていたのにこの態度である。

 

「弁償してもらうわよ!!」

 

「……?」

「……。」

 

「何か悪いことしたか?」と言いたげに三角頭を見つめる。

しかし三角頭は全くの無視。

 

「払えないならここで働いてもらうわよ!!」

 

「……!」

「……!」

 

その言葉に反応する。

 

彼らは居場所が無かったのでむしろ好都合だったのだ。

 

「ち、ちょっと待て霊夢!!

良いのか?こんな奴らを泊めて!?」

 

「良いのよ、上手く使えば金稼ぎになるかもしれないもの。」

 

彼女は自分が働きたくないため、彼らをこき使う気らしい。

 

(やっと落ち着ける場所が見つかったな。)

 

(そうだな。)

 

彼らは見つめ合い、思い合っている。

 

「まぁ、それより貴方達は何者?」

 

「……。」

「……。」

 

「なぁ、霊夢。

此奴ら喋れないんじゃないか?」

 

「……!」

 

彼女の発言に反応し、「それだ!!」と言いたげに2人共指を指す。

 

「や、やっぱり喋れないみたいだぜ?」

 

「そう、見た目からして力仕事なら出来そうね。」

 

「その前に霊夢。

こっちの方の奴の頭。

これって金庫じゃないか?」

 

「……?」

 

彼女が突然キーパーの頭の金庫を指差す。

 

「あら、そういえばそうね。

何なのそれ?」

 

(何なのと言われても困る。)

 

そう思うキーパー。

 

すると突然彼女は彼の頭にしがみつく。

 

「ちょっと開けてみなさいよ!!

お金が入ってるなら払えるだけ払ってもらうわよ!!」

 

「……!?」

 

彼女は彼の『頭をこじ開ける』つもりだ。

 

しかし彼の腕力の前には彼女はほぼ無力だった。

 

彼は彼女の後ろ襟を掴み引き剥がす。

 

「ちょ、ちょっと離しなさいよ!!」

 

「……。」

 

彼の方が腕は長いので暴れても届かない。

 

「霊夢、いくら何でもそれはないぜ?

人の頭を無理矢理こじ開けるなんて。」

 

「わ、わかったわよ。諦めるわ。」

 

それを聞くと彼は手を離す。

 

「……。」

 

ふぅ、と肩を下すキーパー。

 

(大変だな。)

 

そう彼を見つめる三角頭だった。




新居が決まり、2人の幻想郷ライフが始まります!!

次回、▲■コンビ働く!!


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【第三話】就職〜道中〜

▲■コンビって意外と仕事出来そうだよな〜。
主に土木とか(邪魔そうだけど)


やっとこさ居場所が決まった2人。

 

一息ついた2人に早速も彼女が彼らに言う。

 

「それじゃ、働いてもらうわよ。」

 

「……?」

「……?」

 

2人共首を傾げた。

 

(働くってなんだ?)

 

2人共そう思った。

 

「霊夢、もしかして此奴ら働くって意味を知らないんじゃないか?」

 

「まったく、面倒くさい連中ね。

とにかく言われたことをやればお金がもらえる。

大体そんな感じよ。」

 

「適当すぎるぜ霊夢…。」

 

(なるほど。)

 

2人共納得した。

 

「なんか納得したっぽいぞ霊夢。」

 

「わかったなら早く働いてきてちょうだい。」

 

(何処で働くんだ?)

 

「2人共外来人みたいだぜ?

働きに行けと言っても何処に行けばいいかわからないんじゃないか?」

 

「世話がやけるわね〜。

魔理沙、あんたが連れて行ってやりなさい。」

 

「私がか!?」

 

「そうよ、文句ある?」

 

「えぇ…。」

 

そして彼女は渋々と2人と一緒に働くところを探しに出た。

 

 

「はぁ…、落ち着かないな〜。」

 

巨漢2人を背にとぼとぼと歩く彼女。

 

確かにこんなコンビがいたら落ち着きなど出来ないだろう。

 

「そういえばお前ら名前はあるのか?

喋れなくても意思表示ぐらいは出来るだろ?」

 

「……。」

「……。」

 

2人共どうするか見つめ合う。

 

(お前が通訳してくれ。)

 

三角頭がキーパーにそう伝える。

 

(わかった、やってみる。)

 

そう応えると彼は手を指でなぞって何とか伝えようとする。

 

「え〜っと何だ?K E E P E R?

えっと、キーパーか?」

 

「……。」

 

こくこくと頷く。

 

「じゃあそっちの方は?」

 

(レッド・ピラミッド・シングなんて呼ばれていた。)

 

彼はまた同じように指でなぞり、伝える。

 

「えっとなになに?R E D・P Y R A M I D・T H I N G?

長くてわからないぜ…。」

 

「……。」

 

(それって赤い三角形って意味だよな?)

 

(そうだ。)

 

(よし、じゃあわかりやすく変えよう。)

 

彼が提案を思いつく。

 

彼は手の形で伝えようとした。

 

「何だ?何だそれ?おにぎりか?」

 

「……。」

 

首を振る。

 

(おにぎりって何だ?)

 

「違うのか?え〜っと、三角?」

 

「……。」

 

頷く。

 

そして今度は頭を指差す。

 

「何だ?頭か?」

 

「……。」

 

頷く。

 

「三角…、頭…。

三角頭か?」

 

「……!」

 

指でOKサインをする。

 

「キーパーと三角頭か。

私は霧雨 魔理沙よろしくな。」

 

「……。」

「……。」

 

2人共頷く。

 

 

数十分程して。

 

 

「ふ〜、やっと人里に着いたぜ。」

 

「……。」

「……。」

 

2人共見たことがない光景に呆然とする。

 

「ここなら仕事とか見つけやすいと思うぜ?」

 

そう言い3人共仕事場所を探し始める。




さてさて、▲■コンビの仕事場所は見つかるのか?

次回、▲■の楽しいお仕事探し。

コミカルな2人は書いていて中々楽しいです。


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【第四話】就職〜仕事場〜

最近暑くなってきたから虫が増えてまぁ大変。

家にまで入ってきた。
いや〜んばっか〜ん(裏声)


働く場所を探して数十分程経った。

 

そして彼らは気付いた。

人里の人々の視線に。

 

(凄い見られてるな。)

 

(そうだな。)

 

「な、なんか恥ずかしいな…。」

 

そりゃあこんな禍々しい大男2人を連れて歩いていれば目立つだろう。

 

「なんだあれ?」

「妖怪じゃないのか?」

「気味悪いな。」

 

そんな言葉がヒソヒソと聞こえる。

 

そんな中、キーパーに1人の男性がぶつかった。

 

「いって!!どこ見て歩いてんだボケぇ!!」

 

「……。」

 

イラッときた。

 

「あ、ごめんごめん、此奴ら此処初めてだから許してやってくれよ。」

 

魔理沙が代わって謝るが遅かった。

 

「……。」

 

「うげっ!!」

 

キーパーが男性の首を掴んで持ち上げていた。

 

彼の言動にムカついたのだろう。

 

「ま、まてまて!!そのおっさんをどうするんだ!?」

 

彼女が必死に止めさせようとする。

 

「……。」

 

すると彼は男性をゴミの様に『ポイ捨て』した。

 

「殺しても意味無い」そう思ったのだろう。

 

「まぁ、うん、放したのはいいけどさ…。」

 

反応に困る彼女だった。

 

しばらくすると一つの建物が目に入った。

 

「此処なんていいんじゃないか?」

 

彼女が指差したのは『大工』の仕事場だ。

 

(なんだあれ?)

 

(家を造ってるんじゃないか?)

 

「とりあえず体験程度にやって、気に入ったらちゃんと仕事としてやればいいんじゃないか?」

 

「……。」

「……。」

 

顔を見合わせる2人。

 

「……。」

 

するとキーパーが親指を立ててgoodのサインをした。

 

「そっか、じゃあ私はそこらへんを回ってるから。」

 

そして2人は仕事場に入る。

 

 

2人は1人の男性の肩を叩く。

 

「ん?何だあんたら?

此処に何か用かい?」

 

「……。」

「……。」

 

2人共頷く。

 

「そうか、何だ?」

 

2人は作業している人達を指差して何とか意識を伝えようとする。

 

「ん〜?仕事がしたいのか?」

 

「……。」

「……。」

 

2人共頷く。

 

「ん〜、雇いたいのは山々だが、素人にいきなり仕事をさせる訳にはいかないんだよな〜。」

 

「……。」

「……。」

 

2人共肩を落とす。

 

(どうする?)

 

(他を探すか?)

 

(そうするか。)

 

そして2人はあっさり建設現場を去っていった。

 

しかし、2人共出てすぐ立ち止まった。

 

(どうするか。)

 

(手当たり次第に探そう。)

 

そして2人は別々に仕事場所を探し始めた。

 

 

キーパーサイド

 

(困ったな。)

 

とぼとぼと歩き、ふと横に目をやると一つの建物に気が引かれた。

 

「……。」

 

そこにあったのは『肉屋』だった。

 

しかしその店は既に閉店していた。

 

「……。」

 

そこで彼は考えた。

 

(ここを手に入れて自分の店に出来ないだろうか。)

 

そう思うと彼は早速店の扉をこじ開けて入った。




キーパーさんって肉屋の雰囲気バリバリですよね〜。
ていうかもろ肉屋でしたし。

キーパーさんの肉屋とかどんななんだろう。

レ○ーフェイスみたいな店だったら凄いよね(色々と)

次回、キーパーサイドです。


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【第五話】就職〜キーパーサイド〜

「……♪」

 

勝手に潰れた店の中を探索するキーパー。

 

(中々良いところだな。)

 

そう思い、いろいろ漁る。

 

「……?」

 

彼は何か見つけたようだ。

 

「……。」

(これは俺の頭…。)

 

見つけたのは彼の頭と同じ金庫だった。

 

「……。」

(そういえば今までところどころ金庫の気配を感じたような…。

まぁ、どうでもいいか。)

 

そう言うと彼は金庫を背中の箱に一応入れておいた。

 

「……♪」

 

なかなかご機嫌なようだ。

 

「すみませ〜ん。誰かいるか〜?」

 

入り口から声が聞こえた。

 

「……?」

 

取り敢えず彼は入り口に向かった。

 

「あの〜、ここって閉店したんじゃないのか?って、うわぁ!?」

 

入り口にいたのは魔理沙だった。

 

「おまっ、何やってんだよこんなところで!?」

 

「……♪」

(良い仕事場を見つけたぞ。)

 

キーパーはハンマーを手の上でパシパシと叩き、彼女に気持ちを伝える。

 

「ま、まぁ様になってるかもしれないけどさ…、勝手に元人の家を使うなよな〜、怒られるぜ?」

 

「……!」

(その時はぶっ殺す。)

 

キーパーはハンマーをブンブンと振り回す。

 

「もう、好きにしろ…。」

 

彼女は呆れた態度でキーパーに背を向ける。

 

「あ、ちょっと待て。三角頭の方はどうしたんだ?」

 

「……?」

 

両手をくいっと上げて「知らね」という風な態度をとる。

 

「えぇ…、しょうがないな〜、取り敢えず探してくるから変にどっか行くなよ〜?」

 

「……。」

 

こくこくと頷き、彼女を見送る。

 

 

キーパーは取り敢えず店内を整頓して色々用意する。

 

「……♪」

 

背中の箱から色々取り出す。

 

ロケットランチャー、火炎瓶、ダイナマイト、有刺鉄線トラップ、チェーンソー、刀などなど

 

何処に入っていたと言わんばかりの量が出てくるが気にしてはいけない。

幻想郷は不思議なのだ。

 

「……!」

 

ここで彼はピクッと気付く。

 

(売る肉が無い。)

 

肝心なものに今更気付いた。

 

「……。」

(肉って何処だ?)

 

彼はキョロキョロと周りを見渡すがな……あった。

 

彼はじーっと通行人達を見る。

 

するとキーパーは早速チェーンソーのエンジンを唸らせる。

 

「……♪」

(収穫収穫って…、さすがにまずいか。)

 

商売をするのに客を商品にしてどうする、と思ったキーパーだった。

 

 

体育座りをしながら頭をポリポリと掻き、考え込む。

 

(困った。)

 

しばらく考え込むが何も案が思いつかない。

 

まじまじとハンマーを見つめたりして考え込む。

 

(何かないか。)

 

立ち上がって同じ場所をうろうろ回ったり、素振りをしたりするも思いつかない。

 

試しに頭をハンマーで叩いて鳴らしてみるが通行人が逃げるばかり。

 

(なんだかむしゃくしゃしてきた。)

 

考えるのが好きではないため、最早イライラしてきたキーパー。

 

そんな時に遠くから騒ぎが聞こえた。




キーパーさんは肉屋というより送り人(強制)が似合う気がするね(本業だけど)

さてさて次回は▲様側です。


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【第六話】就職〜▲サイド〜

▲様には日本家屋は似合わないだろうな〜。
狭いし。


数十分前三角頭は。

 

 

ギィィィィィッ ギィィィィィッ ギィィィィィッ

 

 

人里で大きな金属を引きずる音が響く。

 

「……。」

 

ギィィィィィッ ギィィィィィッ ギィィィィィッ

 

三角頭が歩く度に鳴る大鉈が地面と擦れる音だ。

 

「……。」

(仕事場…。仕事場は…。何処だ?)

 

ものの2〜30分程人里を彷徨うが一向に仕事場は見つからない。

 

おまけに人々がジロジロと見てくる。

そりゃあ、こんなものが彷徨いていたら人の目にもつくだろう。

 

(諦めようか…。)

 

そう思い、立ち止まると。

 

「あ、やっと見つけたぞ三角頭ー!!」

 

「……?」

 

来たのは魔理沙だった。

 

どうやらずっと探していたらしい。

 

「ふぅ、見つかってよかったぜ。

で、仕事は見つかったか?」

 

「……。」

 

三角頭は静かに首を振った。

 

「そうか〜、キーパーの方は見つかったらしいぞ?」

 

「……!!」

 

それを聞き、三角頭は大鉈を強く握り締める。

 

「そ、そんな怒るなよ…。

お前だっていつかきっと見つかるよ。な?」

 

「……。」

(わかった。)

 

そう言われ三角頭はこくりと頷いた。

 

その時。

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

何処からか悲鳴が聞こえた。

 

それも一つではなかった。

何十人もの悲鳴が聞こえたのだ。

 

「な、なんだ!?あっちみたいだぜ!?」

 

「……。」

 

2人は悲鳴が聞こえたところに行く。

 

 

 

「おい、早くしろ!!」

 

「……。」

(無理言うな。)

 

三角頭を急かしながら悲鳴の元に彼女は走る。

 

曲がり角を曲がろうとしたその瞬間。

 

 

ドンッ

 

 

「いてっ!!」

 

彼女は曲がろうとした瞬間、誰かにぶつかった。

 

彼女は衝撃でその場に尻餅をついてしまった。

 

「いてて…。す、すまん、急いでいたから…って、は!?」

 

彼女が見上げた先にいたのは2mを越えるであろう巨漢が立っていた。

 

汚れたタンクトップに巨大チェーンソー。

そして顔には異様なヘッドギアの様なものを着けている。

 

そしてそのヘッドギアの下には悍ましい変形した顔が。

 

そしてその男は彼女を見るや否やチェーンソーを唸らせ、振り上げた。

 

「わ、わぁぁぁぁぁ!!??」

 

振り上げたチェーンソーが彼女に振り下ろされたその時。

 

 

ブゥゥゥン!!

ガチィィィィィン!!

 

 

彼女の頭を何かが掠め、振り下ろされたチェーンソーを弾いたのだ。

 

「へ、へ?」

 

何が起きたかわからずにいるところ、彼女の身体が浮いた。

 

「うわぁ!?」

 

そのまま彼女は『誰かに投げられた』

 

「いって…。ってお前!?」

 

彼女の視線の先にいたのは三角頭だった。

 

彼は彼女の後ろ襟を掴み、後ろに投げたのだ。

 

「……。」

(下がっていろ。)

 

彼は彼女をチラッと見ると直ぐ男の方に向き直った。

 

「お、お前、まさか…。

私を守って?」

 

「……。」

 

しかし彼は答えなかった。

 

「グゥルルルルル…。」

 

男は唸り声を上げながら三角頭と向き合った。

 

この男は『サディスト』

ここには存在しないはずのクリーチャーだ。




突如現れたサディスト。
一体何故!?

次回、▲様達の運命や如何に!?



それより最近鼻炎が辛いです。


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【第七話】乱闘

「グルルルルル。」

 

「……。」

 

サディストと三角頭が睨み合う。

 

「ヴォォォォッ!!」

 

ギュイイイイイン!!

 

サディストはチェーンソーを唸らせ三角頭に振り下ろす。

 

「……!!」

 

ガァン!!

ギギギギギギギギギギ!!

 

それを三角頭は大鉈で防いだ。

 

響く金属音。

飛び散る火花。

 

しかし三角頭はサディストに力で押し返した。

 

「ヴォォォォっ!?」

 

チェーンソーがサディストの顔にじわじわと近付く。

 

チェーンソーがサディストの顔に触れる直後。

 

 

バシュッ!!

 

ドォォォォォン!!

 

「……!?」

 

三角頭の背中が爆発した。

 

いや、正確には『爆撃』された。

 

三角頭はサディストを一旦弾きとばし、後ろを振り返った。

 

すると2〜30m程先にサディストがいた。

 

しかしそのサディストは今側にいるサディストとは違った。

 

そのサディストは『RPG』を持っていた。

 

「……。」

 

三角頭はそのサディストに近付く。

 

そのサディストは三角頭をRPGで迎え撃つ。

 

バシュッ!!

 

ドォォォォォン!!

 

バシュッ!!

 

ドォォォォォン!!

 

しかし三角頭はビクともしない。

 

遂に三角頭はそのサディストまでたどり着き、大鉈を振りかぶった。

しかし。

 

「ヴォォォォッ!!」

 

ガキッ!!

 

ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!

 

さっきのサディストがチェーンソーを振り下ろしてきたのだ。

 

チェーンソーは三角頭の鉄兜に直撃し、火花をあげる。

 

「……!!」

 

三角頭はすぐさま振り払ったが直後。

 

「ヴォォォォァァァ!!」

 

ガツッ!!

 

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ!!

 

RPGを持っていた筈のサディストがチェーンソーを三角頭の脇腹にフルスイングしてきたのだ。

 

「……!!」

 

そしてそこにさっきのサディストがチェーンソーを振り下ろしてきた。

 

三角頭はそれを大鉈で受け止めるが。

 

ギギギギギギギギギギギギギ!!

 

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ!!

 

正面のチェーンソーを防いだせいで脇腹がもろにがら空きになり、後ろのサディストのチェーンソーが容赦無く三角頭の脇腹をじわじわと抉っていく。

 

「……!!!!」

 

挟み討ちだ。

 

このままではマズい。

 

そう思った瞬間。

 

後ろから気配がした。

 

「ヴヴゥゥオ!?」

 

後ろのサディストのチェーンソーが三角頭から離れた。

 

「何だ?」そう思った瞬間。

 

 

ゴシャァァァァァ!!

 

 

そんな音が聞こえた。

 

そして後ろから声が聞こえた。

 

「キーパー!!」

 

魔理沙が叫んだ。

 

そして後ろからゆっくりと三角頭の視界に現れたのは。

 

「……。」

 

キーパーだった。

 

(待たせたな。)

 

キーパーがそう三角頭に伝える。

 

「……。」

 

ガキィン!!

 

三角頭はサディストのチェーンソーを弾く。

 

(遅かったな。)

 

そう三角頭はキーパーに返す。

 

「ヴヴゥゥゥ!!」

 

サディストが唸った。

 

「……。」

(此奴は俺に任せろ。)

 

キーパーが三角頭の前に出た。

 

「……。」

(なら俺はあいつだな。)

 

三角頭はさっき後ろにいたサディストに向かう。

 

キーパーがハンマーで頭部を殴ったのかそのサディストは頭から大量の血を流している。

 

三角頭とキーパーは背中を向かい合わせて身構えた。

 

(さぁ、反撃だぞ相棒。)

(さぁ、反撃だぞ相棒。)




▲様とキーパーさんの協力プレイ!!

次回、▲■コンビvsSコンビ



最近、鉄柱で正拳突きの練習していたら拳が擦り切れました。


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【第八話】反撃

今朝物凄い頭痛になりました

もう、翻筋斗打つぐらいの激痛でした

やべぇ、群発頭痛だったらどうしようとか思いました(笑)


サディストがチェーンソーを振り上げて突進してきた

 

そしてそれをキーパーが迎え討つ

 

「ヴァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」

 

不気味な雄叫びをあげてチェーンソーを振り下ろした

 

「……。」

 

それをキーパーは身体を極限まで後ろに捻り

全身の力を使ってハンマーを振った

 

ゴギャァァァン!!

 

チェーンソーとハンマーがぶつかり合い激しい火花と轟音をあげた

 

「ヴァ゛ァ゛ァ゛!!」

 

弾かれて仰け反ったがすぐさま次の攻撃を仕掛けてきた

 

「……。」

 

ガキィン!!

 

その攻撃をハンマーで弾いた

 

弾いては打ち合い

弾いては打ち合い

 

何度もこれが繰り返された

 

両者共に引けを取らない

 

「ヴォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛!!」

 

またもチェーンソーを振り下ろしてきた

 

それをまたハンマーで受け止める

筈だった

 

「……!!」

 

受け止める筈のチェーンソーはぶつかる直前に後ろに下がり、外した

 

そしてそのチェーンソーは腕を振り上げて胴ががら空きになったキーパーの胴体に突き刺さった

 

「ヴォ゛ォ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」

 

「……!!!!」

 

キーパーの腹にチェーンソーが突き刺さり、激しく血飛沫を撒き散らす

 

「キーパー!!」

 

遠くで見守っていた魔理沙が叫んだ

 

 

ズブッ…

 

 

そしてチェーンソーは引き抜かれ

 

頭上に振り上がった

 

「……!!」

 

ふらつき、キーパーはその場に両膝をついた

 

「ヴァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」

 

そのキーパーにサディストは容赦無くチェーンソーを横に振った

 

「……!!」

 

刹那、金庫が宙に舞った

 

頭だ

キーパーの首が飛んだのだ

 

首を失ったキーパーはその場に倒れた

 

「ヴゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛…。」

 

仕留めたと思い、サディストは三角頭のところに歩み寄る

 

「キ…キーパー…。」

 

魔理沙は完全に事切れたキーパーの死体を呆然と見ていた

 

「ヴゥ゛ゥ゛ゥ゛…ヴァ゛!?」

 

キーパーの死体を通り過ぎた直後

サディスト達に奇妙な感覚が走った

 

 

ギ ギ ギ ギギギギギギィィィィィィィィィ

 

 

視界がセピア色に染まり、視界がコマ送りの様にかくつき、錆びた歯車を無理矢理回した様な金属音らしき音が聞こえた

 

「な、なんだあれ!?」

 

遠くで見ていた魔理沙が目にしたのは

 

サディストの背後でキーパーの頭と同じ金庫が宙に浮き上がり

その金庫から男の身体が徐々に現れたのだ

 

「あ、あれは!!キーパー!?」

 

「ヴゥ゛ァ゛!?」

 

サディストが振り返るがそこにいたのはハンマーを高々と振り上げたキーパーの姿だった

 

 

ゴジャ!!

 

 

鈍い音が響いた

 

キーパーの目の前にいるのは頭が潰れたサディストの姿が

 

サディストはその場に力なく倒れた

 

「……。」

 

ゴリッ

 

倒れたサディストをキーパーがひと蹴りするがピクリとも動かない

 

完全に死んだのだ

 

 

 

 

 

 

サディストが三角頭に飛びかかった

 

「ヴァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」

 

チェーンソーを振り下ろす

 

「……。」

 

ガキィン!!

 

それを三角頭は大鉈で防いだ

 

ガキッ!!

 

互いに弾き、距離をとった

 

サディストは様子を伺うように三角頭の周囲を回る

 

三角頭は大鉈を真後ろに振りかぶり、狙いを定めている

 

瞬間サディストが三角頭に飛びかかった

 

そしてそれと同時に三角頭が思い切り大鉈を振り下ろした

 

しかしサディストはチェーンソーを頭上に構え、ガードの体勢をとった

しかし

 

 

ゴキッ!!グジャァァァァァ!!

 

 

サディストは『チェーンソーごと両断された』

 

地面にめり込んだ大鉈の周囲にはよくわからない赤い塊が撒き散らかされている

 

圧倒的な怪力と大鉈のとてつもない重量の前にチェーンソーは力なく破壊されたのだ

 

「……。」

 

その赤い塊を見て三角頭は踵を返し、キーパーの元に戻った




▲様の大鉈とかカイ○ズホームとかで売ってないかな〜(無理)


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【第九話】異変の疑い

「2人共大丈夫か?」

 

「……。」

「……。」

 

こくりと頷く

 

「ごめんな…。

ただ見ているしか出来なかった…。」

 

「……。」

 

「気にするな」と言いたげにキーパーが彼女の頭に手を置く

 

「あはは…。

それにしても何だったんださっきの奴等は?」

 

「……。」

「……。」

 

「なんか変だよなぁ。

霊夢のところにちょっと戻ってみようぜ?」

 

「……。」

「……。」

 

2人共頷く

 

 

 

 

 

「霊夢ー!!霊夢いるかー!?」

 

「何よ、五月蝿いわね〜。

仕事は如何したの?」

 

「いや、お前に仕事とか言われてもなぁ…。

それより気になることがあったんだ。」

 

「気になること?」

 

「あぁ、なんか変な奴等が人里で出たんだ。

此奴らと同じ外来人みたいだったんだが。」

 

「ふぅ〜ん、で、貴方達はその変質者達から逃げてきたわけ?」

 

「いや、2人が殺した。」

 

「殺した…ねぇ…。

そういえばつい最近も変なことがあったわね。」

 

「え?霊夢も何か見たのか?」

 

「えぇ、見たというよりも知ったって感じだけど。」

 

「何があったんだ?」

 

「ちょっと待って。」

 

そう言うと彼女は神社の中に入り、しばらくして戻ってきた

 

「はい、これ。」

 

「新聞か?何々?

何だこれ?金庫か?それと変な人がいるな。」

 

「えぇ、つい最近あの天狗が新聞を大急ぎで配ってたから見てみたけどそんなのが載ってたのよ。」

 

「ちょっとまて、この金庫ってほら、キーパーの頭のと同じだぜ?」

 

「あら、確かにそうね。」

 

2人の会話にキーパーが割り込む

 

「ん?何だ?何か言いたいのか?」

 

「……。」

 

こくりと頷く

 

「何だ?え?

この金庫は自分の世界にあったのと同じ?」

 

「……。」

 

頷く

 

そこに三角頭も割り込んできた

 

「何だ?お前も何か言いたいのか?」

 

「……。」

 

頷く

 

「え〜っと?

この不審者は自分がいた世界にいた奴で、此奴にここで遭ったことがある?」

 

「つまり貴方達の世界のものってことね。」

 

「……。」

「……。」

 

2人共頷く

 

「ふ〜ん、同じ世界の外来人や外来物が大量にここ幻想郷に現れた…。

それもほぼ同じ日に…。

いくら幻想入りしたといってもこの量は異常ね。」

 

「そうだな。

あのスキマ妖怪の仕業じゃないのか?」

 

「う〜ん、紫がこんなものを幻想郷に入れるかしら?」

 

「それもそうだな〜。

じゃあこれって…。」

 

「そうね。これは…。」

 

「「異変かもしれない。」」

 

「異変だとしたら私が動かないといけない…んだけど。」

 

ぐぅ〜

 

彼女の腹が鳴った

 

「腹が減っては戦は出来ないわね〜。」

 

「霊夢…。」

 

「……。」

「……。」

 

「あ〜あ、誰かお金を稼いでくれないかしらね〜。」

 

「自分で働けよ…。」

 

「嫌よ面倒くさい。」

 

「はぁ〜…、私達が代わりに稼がないと動いてくれそうにないな〜。」

 

「……。」

(どうする?)

 

「……。」

(聞かれても困る。)

 

2人共顔を見合わせる

 

そんな時に悩む3人の元に1人の人影がやってきた




次回、まさかのあの娘が▲■コンビの元に現れます!!


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【第十話】出会い

鳥居の向こうから少女がやってきた

 

ピンク色の長い髪にお面をつけている

 

「……!」

「……!」

 

その少女に2人共反応した

 

文字通り『気を引かれた』のだ

 

その2人にその少女も気付いた

 

「…えっと、誰?」

 

「……。」

「……。」

 

2人はその少女をじっと見つめていた

 

すると2人はずいっとその少女に顔を近づけた

 

「ひっ!?な、なんですか?」

 

その少女は『無表情』のまま驚き、軽く後ろに仰け反った

 

彼女は『秦 こころ』

付喪神である

 

「貴方達何してんのよ。」

 

霊夢が2人に問いかける

 

しかし2人は彼女を見つめたまま動かなかった

 

「……。」

「……。」

 

2人は感じていた

この少女と自分達とで何か『似ている』そう感じていた

 

「全く何見つめてんのよ。」

 

「そうだぜ、怯えてるじゃないか。」

 

2人が彼らに言ってやっと2人ははっと気付いたようだ

 

「……。」

 

キーパーが2人に何か伝えようとする

 

「え?そいつが何者かって?

本人に聞けよな〜。」

 

「……。」

「……。」

 

そう言われ2人は彼女の方に振り向き同じように伝える

 

「え?自己紹介?私は秦 こころ、よろしくね。」

 

「……。」

「……。」

 

「あの2人なんであんなに見つめてんだ?」

 

「さぁ?好意を抱いてるってわけでもないようなあるような。」

 

「あ、もしかして彼奴が付喪神だからか?」

 

「あ〜、ありえるかもね。2人共付喪神っぽいし。」

 

「……。」

「……。」

 

「え〜っと、どちら様で?」

 

 

 

なんやかんやで自己紹介が済み、彼女が来た理由を話す

 

 

 

「というわけで能楽をやりに来たの。」

 

「そういえば最近来てなかったよな。何してたんだ?」

 

「ちょっと表情の研究を。」

 

「あ〜。」

 

「……。」

「……。」

 

「まぁ、そんなことよりも貴女が来てくれてよかったわ。

これで参拝客が増えて御賽銭ももらえるわ。」

 

「とことん自分で稼ぐ気がないんだな霊夢。」

 

「……。」

「……。」

 

「あの…、その人達が凄い見つめてくるんだけど…。」

 

「あ〜、お前が付喪神だからじゃないのか?似てるし。

仲間だと思われてたりして。」

 

「え〜…、こんな怖いのと一緒にされても…。」

 

「……。」

「……。」

 

「う…、よ、よろしく…。」

 

「……。」

「……。」

 

「ん〜、表情に困るよ〜。」

 

「確かに困るな、まぁ、似た者同士仲良くしてやってくれ。」

 

「え…?」

 

「流石に私も疲れるからさ。似てるし、気を引いてるお前の方が適任だと思うぜ?」

 

「え…あの…ちょっと…。」

 

無表情のままオロオロとする

 

「……。」

「……。」

 

「う…、付喪神じゃないですよね?」

 

「……。」

(付喪神ってなんだ?)

 

「……。」

(多分俺たちみたいな奴らのことだろう。)

 

「……。」

(俺たちは付喪神だったのか。)

 

「ま、まぁ、よろしく…ね?」

 

「……。」

「……。」

 

そう言い2人共握手をした




※▲■コンビは付喪神ではありません


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【第十一話】付喪神と異形頭

正直、こころちゃんの性格が読めん

こころちゃん性格がころころ変わるからな〜

こころちゃんころころ(極寒)

こころちゃん可愛くて好きよ


「……」

 

「……」

「……」

 

「(やることは終わったけどどうしよう…

この人達喋らないし、何考えてるかわからないし、そもそも怖いし…)」

 

「……」

(どうする?)

 

「……」

(とりあえず何かやってみたらいいんじゃないか?)

 

3人共居間に座って何十分と沈黙が過ぎていた

 

能楽を済ませたのはいいが話が出来ず、気不味い状況に陥っていたのだ

 

そこでキーパーが話題を始めようとした

 

「……」

(付喪神って何だ?)

 

「え?付喪神っていうのは使われなくなった物などに取り憑くことで生まれる神様…というより霊みたいなものかな」

 

「……」

(なるほど)

 

「……」

(ん?まて、何で言葉を話していないのにこんなに正確に伝わったんだ?)

 

「え?そういえば2人共喋ってないのに意思が通じてるね」

 

「……」

(お前も聞こえるのか?)

 

「うん」

 

類は友を呼ぶとでもいうのか、不思議と彼女とも意思が通じていた

 

 

 

 

 

「お〜い、2人共仲良くしてるか〜?」

 

襖を開け、魔理沙が入ってきた

 

「お、随分と和気藹々としてるな、何か面白いことでもあったのか?」

 

「あ、この人達結構面白いよ〜」

 

「え?話でもしてたのか?」

 

「うん、何だか私と話が通じるみたいで」

 

「ふ〜ん、それより霊夢がお使いに行ってきてくれってさ」

 

「……」

(また歩くのか)

 

「……」

(面倒くさいな)

 

「そんなこと言わないで一緒に行こうよ

話しながら行けばいつの間にか着いてたりするよ〜?」

 

「……」

(そういうものなのか?)

 

「……」

(まぁ、ここにいても暇だしな)

 

「じゃあ行く?」

 

「……」

(わかった)

 

「やった!!じゃ、早く行こう!!」

 

「私には何も聞こえないからよくわからないけど、行ってくれるみたいだな」

 

「じゃ、早速レッツゴー!!」

 

 

 

 

道中にて

 

「ふ〜ふふ〜ん♪」

 

「……」

「……」

 

3人共仲良く(?)人里に向かって歩く

 

「ねー、しりとりでもしない〜?」

 

(しりとり?)

 

(尻を取る趣味は無いぞ)

 

「いや、お尻を取るわけじゃないけど…

何か言ってその言葉の最後の文字に繋げていくんだよ〜

例えば、きのこ、腰、しりとり

っていう感じに」

 

(なるほど)

 

「わかった〜?じゃあ私から行くね〜『しりとり』」

 

(リンパ管)

 

(ンガウンデレ)

 

「れ、れ〜…

え?なに、ンガウンデレって?」

 

(どっかで聞いた地名)

 

「へ〜、ってしりとりは『ん』がついたら負けなの!!」

 

(なんで?)

 

「なんでって、『ん』で始まるものが無いからだよ〜」

 

(でも『ん』で始るものあったぞ)

 

「いいから『ん』はついちゃ駄目なの!!」

 

(わかった)




ンガウンデレはカメルーンのアダマワ州の州都名です
ヌガウンデレとも呼びます

誰得知識だよ


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【第十二話】お使い

主の自慢
筋肉の『密度』がおかしい

体積に対しての質量が妙に高いのです
感触は『自転車のタイヤ』に近い感じです
押すと押し返されるような感じです
※脱力時


しりとりをしながら歩いているうちに人里に着いた

 

「え〜っと、何を買うんだっけ?」

 

(知らん)

 

(食物じゃなかったか?)

 

「そうそう、食べ物食べ物

で〜、何を買えばいいのかな?」

 

(聞いてない)

 

「え〜、どうしよう…」

 

(食えるものならなんでもいいだろう)

 

「それもそっか〜

じゃあ、とりあえず野菜でも見よっか」

 

そう言い、人里を見て回る

 

 

 

 

「う〜ん、これでいいかな〜?」

 

野菜を適当に取り、悩む

 

(野菜は特に悩まなくてもいいだろう)

 

「え?」

 

キーパーが言う

 

(所詮は植物

繊維さえ取れれば適当に食べても問題無いだろう)

 

「そういうものかな〜?

ま、いっか

あの巫女結構丈夫そうだし♪」

 

(おいおい)

 

三角頭が心配気に見る

 

「次はお肉とかかな〜」

 

そう言い肉屋を探す

 

 

 

 

 

「どれがいいかな〜?」

 

(これがいい)

 

キーパーが肉を指差す

 

「え〜?こっちの方が色は綺麗だよ?」

 

(そっちは薄すぎる、血色の良いこっちの方が良い)

 

「ふ〜ん、詳しいの?」

 

(知らん

だが、なんとなく知識がある気がする)

 

(肉屋っぽいもんな)

 

「なるほど」

 

 

 

 

「さて、お使いも済んだし帰ろっか〜」

 

(今日は歩き疲れた)

 

(まったくだ)

 

少しぐったりした2人をよそに彼女は軽快に歩く

 

「あ!!」

 

突然彼女が叫んだ

 

(今度は何だ?)

 

彼女の視線の先にいたのは1人の少女

 

ひらひらとした服装に翠色の髪、黒い帽子をかぶった小さい少女

 

彼女は『古明地 こいし』

地霊殿と呼ばれる場所に住む悟り妖怪である

 

彼女の声に彼女が気付いた

 

「あ〜、確か貴女は〜…」

 

「ここで会ったが100年目!!

我が宿敵よ!いざ勝負!!」

 

そう言うと彼女は何処からか『薙刀』を出した

勿論ただの薙刀ではなく、何か妖力的なもので作ったものである

 

ジリジリと睨み合う

 

(なんだなんだ)

 

(宿敵とか言ってたぞ)

 

(如何する?)

 

(ほっといて帰るか)

 

(そうだな)

 

そう言い、2人はそそくさと彼女を後にする

 

「この前の様にはいか無いぞ!!」

 

「それよりお連れの2人行っちゃったよ〜?」

 

「騙して逃げるつもりだな?そうはいかんぞ」

 

そう言いつつもチラッと振り返る

 

「ほら何も無い…ん?」

 

「だから行っちゃったよ〜?」

 

「え、え!?

ちょっと待ってよー!!」

 

二度見し、2人を追いかけに行く

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…置いてくなんて酷いじゃないかー!!」

 

(面倒くさいし)

 

(疲れたし)

 

((帰りたかったし))

 

「だからって、か弱い乙女を見捨てるなんて酷いよ!!」

 

(知らんがな)

 

(肉が痛むし)

 

「もー!!」

 

プンスカと怒り、キーパーの腹をぽこぽこと叩く

 

(いいから帰るぞ)

 

「ほわ!?」

 

そう言いとキーパーが彼女の後ろ襟を摘み、持ち上げて肩に乗せた

 

「ちょ、ちょっと…子供じゃないんだから〜」

 

少し恥ずかし気にも落ちない様にキーパーの頭にしがみつく

 

その姿は何処となく、娘を肩車した『親子』の様な微笑ましい姿に見えた




東方のキャラの身長って幾つなのかな〜…

こーりんこと森近霖之助の身長をデカく見積もって2mとしても霊夢の身長は推定150〜155だけど…(東方香霖堂参照)

仮にこーりんを200、霊夢を155の比率でこーりんを180に縮小すると霊夢は139.5
魔理沙は霊夢より小さいからそれ以下…

小学生じゃねーかぁぁぁぁぁ!!!!!
ロリコンのお兄さん歓喜ッッ!!

あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~

ちなみにこの比率で霊夢を180cmのナイスバディにすると約232になります
プロレスに出れるな

ちなみに身長比の測り方は、キャラの頭頂部がどの部位に当たるかで考え、自分の体格に当てはめて計算しています
出来ることならパーセンテージで測りたかったけど全体図が…
誰か1人でもいいから身長判明しないかな〜


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【第十三話】貧乏巫女

どうでもいい話ですけど私ってレスリングとかに向いてるかな〜

私は73kgなんですけど中学時代に100kgの同級生をリフトアップしたことあります(暇でやった)

あ、73kgってのは今の体重で当時は60〜65でした

ちなみに技術は見様見真似で体得しました

ひっそりアレクサンドル・カレリンに憧れてます

因みに私の得意技はボディスラムです(レスリング違い)


お使いを終えて帰宅3人は帰宅した

 

「ただいま〜」

 

「お、お帰り

霊夢〜、3人共帰ってきたぞ〜?」

 

「あら、お帰りなさい」

 

「はい、適当に買ってきたから」

 

「お疲れ様、じゃあ早速」

 

そう言い彼女は鞄を受け取り、台所に向かった

 

 

 

 

「ところで何かあったりしたか?」

 

「別に何も無かったよ」

 

「そうか、いつあの変な奴らに襲われるかわからないからな〜

気をつけろよ?」

 

「わかってるって、それにこの2人がいれば結構心強いし」

 

そう言い隣の2人を見上げる

 

「それにしてもどうしてこんな異変が起きたんだろうな〜?

現れたものって全部お前らのいた世界のものだろ?

何か身に覚えとか無いのか?」

 

「……」

「……」

 

2人は首を傾げるだけだった

 

 

 

 

料理を作り終わったのか、霊夢が台所から料理を持って出てきた

 

「ふぅ…、4日ぶりにまともなものが食べれるわ」

 

床に座りながらそう呟く

 

「4日って霊夢…随分とまぁ、なんというか…なぁ」

 

「仕方ないじゃない、御賽銭を入れてくれる人がいないんだから」

 

「それって霊夢に問題があるからじゃ…」

 

「ん?何か言ったかしら?」

 

「な、何も…」

 

ギロっと彼女を睨んだ

 

「で、それより霊夢、何か言うことがあるんじゃないのか?」

 

「何よ言うことって?」

 

食べ物を頬張りながら言う

 

「霊夢お前…ほら」

 

そう言い、3人を指差す

 

「あぁ、わかったわ

そうね、言うことがあったわね

お茶淹れてちょうだい」

 

「おま!!どんだけ図々しいんだ!!」

 

「冗談よ冗談

ありがとう、約束通り異変の解決に力を貸すわよ」

 

「やれやれ、冗談に聞こえないぜ霊夢…」

 

「それどういう意味よ」

 

「さぁ?」

 

目をそらして言う

 

 

 

 

 

食事を終えて食器を片付けて戻ってくる

 

「さてと、じゃあとりあえず情報収集でもしましょう

まず、貴方達はこの異変について何か知ってるかしら?」

 

「……」

(よくわからない)

 

「……」

(ただわかるのは知ってる奴らだということだけだ)

 

「だそうだよ?」

 

こころが通訳する

 

「ふぅん、じゃあその変な奴らは貴方達の仲間かしら?」

 

「……」

(類は似ているが仲間というわけではない)

 

「……」

(存在意義が違う)

 

「そう、じゃあ少なくとも貴方達は私達の味方ということでいいわね?」

 

「……」

(別に味方になったつもりはないが)

 

「……」

(何方かと言えば中立的だ)

 

「つまり、敵でも味方でもない…と」

 

腕を組んで少し俯向く

 

「どちらでもないなら出来れば味方になってくれた方が心強いな」

 

「ねぇ、2人とも味方になってくれる?

私からもお願いするから」

 

こころが2人を見上げ、頼む

 

「……」

「……」

 

しばらく沈黙が続いた

 

そして

 

(わかった)

 

(協力できることは協力しよう)

 

「本当!?やったー!!」

 

「どうやら仲間になってくれたみたいね」

 

「そうだな、あの2人ならかなりいい戦力になるぜ?」

 

「さて、仲間になってくれたところで改めて自己紹介するわ

私は博麗 霊夢

ここ博麗神社の巫女にして、幻想郷の妖怪退治や異変解決を生業としているわ

よろしくね」

 

そう言い、2人と握手をした




次回から異変解決編として新章になります

いや〜、やっと序盤が終わりました
結構長く感じました私は


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第三章
【第一話】捜索


新章となりますん

最近暑くてたまりません←北国育ち


「さてと、まずはこの異変を知ってそうな人に聞いて情報を集めましょ」

 

「そうだな、でも単独だと危なくないか霊夢?」

 

「そうね、相手が誰かわからないものね

なら分かれましょ

私と魔理沙で組んで、貴女とその2人で組んで二手に分かれて行きましょう」

 

「それなら問題なさそうだな

こころ、2人を任せたぞ?」

 

「うんわかった」

 

「決まったところでどこに行くか決めましょ」

 

「やっぱ外のものに関してはあいつが知ってるんじゃないか?」

 

「紫ね、じゃあそっちは〜そうね〜

そっちは貴方達が行けるところを任せたわ

こっちは空とか地霊殿とかに行くから」

 

「……」

(わかった)

 

「わかったって」

 

「じゃあ決まったところで行きましょう

夜になったらここに戻ってきて」

 

「うん

じゃあ行こ?」

 

(わかった)

 

そして全員出発する

 

 

 

 

 

「さてと、どこに行く?」

 

(知らん)

 

(会ったことのある奴に会いに行くのはどうだ?)

 

(なるほど)

 

「会ったことのある人?

どこにいるの?」

 

(竹林)

 

(紅い洋館、森の中の家)

 

「竹林?洋館?森の中の家?よくわからないけど…」

 

(とりあえず適当に行こう)

 

「う〜ん、まぁいっか♪」

 

そうして3人は森の中の家に向かった

 

 

 

 

 

道中

 

「ふ〜んふふ〜ん♪」

 

(ところで聞きたいんだが)

 

「え?な〜に?」

 

(何でずっと無表情なんだ?)

 

(確かに、表情を変えられないわけではなさそうだが)

 

「う〜んと、私はどんな時にどんな表情をすればいいのかわからないの」

 

(例えば?)

 

「う〜ん、どんな時でもかな〜?」

 

(……)

 

(作れないわけじゃないなら作れないよりマシだろう)

 

「そうかな〜?」

 

(ところでその面は何だ?)

 

「これ?これは私の感情、そして表情なの」

 

(?)

 

「私はお面の付喪神、お面は感情や表情を表すものなの

だから私の感情や表情はこのお面が表すの

私は普通に表情豊かになりたくて表情を研究してるんだけど、それがなかなか…

今こう話している時もどんな表情をすればいいのか…」

 

(笑えばいいんじゃないか?)

 

「え?」

 

(親しい相手と話す時は笑顔の方がいいと思う)

 

「そ、そうかな?」

 

(笑顔は色んな時に使える

話す時は笑顔の方がいいだろう)

 

「こ、こうかな?」

 

そう言われ少し微笑んでみた

 

(楽しいか?)

 

「うん…少し」

 

(楽しい時には笑えばいい

怒った時には怒ればいい

どんな感情かわかるならその感情の表情をすればいい)

 

「…うん、ありがとう

これからは笑って話すよ!!」

 

(そうか)

 

「えへ、ありがとねキーパー」

 

そう言いキーパーの腕に抱きつく

 

(イチャつきやがって)

 

そう思った三角頭であった




いやん、キーパーさんイケメン
それより最近不眠気味で辛いっす


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【第二話】七色の人形使い

寝不足のせいか、最近ボケてきたかしら?


歩くこと数十分

 

「ねぇ、こっちで合ってるの?」

 

(知らん)

 

「え…」

 

大分歩いたが未だ目的に着かない

 

「わからないのに進んでたの?」

 

(多分な)

 

「多分って…」

 

ポカンとする彼女の肩をキーパーが指で叩いた

 

「ん?どうしたの?」

 

(この跡を辿れば着くだろう)

 

「おぉ〜、この跡って?」

 

(あいつの鉈だろう)

 

「なるほど、行ったことがあるなら通ってる筈だもんね」

 

そして3人は跡を頼りに進む

 

 

 

 

 

数分後

 

「あ、見て見て、向こうに開けた場所があるみたいだよ!」

 

2人の体を叩いて森の奥を指差す

 

奥からは光が一段と強く差し込んでいた

 

そして3人はそこに向かう

 

 

 

「あ!あれじゃない!?」

 

森を抜けるとそこには1つの建物があった

 

(確かに見覚えがあるものだ)

 

三角頭が言う

 

「早速訪ねてみようよ!」

 

(わかった)

 

そう言い3人共玄関に行く

 

コンコンと彼女が扉をノックする

 

「誰かいる〜?」

 

すると扉が開き、中からアリスが出てくる

 

「あら、いらっしゃ…!?」

 

ふと顔を見上げ、目に入ったのは三角頭とキーパー

 

「(な、なんか見覚えがあるのともう1人デッカいのが!!)」

 

「あの〜?」

 

「はっ!!あ、あぁ、いらっしゃい…

え〜っと、どちら様で?」

 

動揺しながらもなんとか落ち着いて話す

 

「私は秦 こころ

こっちは、三角頭とキーパーね」

 

キーパーが「やぁ」という風に軽く手を挙げた

 

「そう、とりあえず立ち話もなんだから中に入って」

 

「お邪魔しま〜す」

 

 

 

 

「で、何の用かしら?」

 

「うん、ここら辺で最近おかしなことって無かった?」

 

「今、目の前で起こっているのもあるけど、そうね〜…

昨晩変なのを見たことはあったわ」

 

「変なの?」

 

「えぇ、何かこう…幽霊?亡霊?みたいなのが幾つか外をふら〜っと歩いてたわ」

 

「亡霊…2人とも何か心当たりはある?」

 

キーパーが首を向ける

 

(ホーンテッドじゃないか?)

 

「ホーンテッド?」

 

「亡霊のことね?」

 

(そう)

 

アリスの言葉にキーパーが頷く

 

「ホーンテッドって、何かするの?」

 

(主に殺人だな)

 

「殺人!?」

 

「ちょっと、いきなり殺人ってなに?」

 

「あ〜、私はこの2人の言葉が聞こえるの」

 

「なるほど」

 

(俺も元は彼奴らの仲間だ)

 

「え」

 

(今は別にそうでもないがな)

 

「ほっ、よかった

で〜、他に何か変わったことは無い?」

 

「う〜ん、特に無いわね

でも何でそんなことを?」

 

「異変の可能性があるんだって」

 

「異変ね…、巻き込まれるのは嫌ね」

 

「うん、とりあえず気を付けてね」

 

「わかったわ、ありがとう」

 

話し終わると3人共玄関に向かう

 

「それじゃあ、お邪魔しました〜」

 

そう言い彼女に手を振る

 

「えぇ、気を付けて帰ってね」

 

「うん」

 

そう言い終わると3人共外に出た

 

 

 

 

「う〜ん、あまり大した情報は無かったね〜」

 

(いや、少なくともここ周辺に奴等がいる可能性があるということがわかった)

 

「あ、そっか

で〜、次は何処に行く?」

 

(洋館)

 

「洋館ね〜、そこもここと同様に跡が続いているみたいだから辿ればいいね」

 

そして3人は紅魔館に向かった




今更ですけど、私って小説より漫画の方が向いてるかな〜


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【第三話】紅い門番

最近暑くなってきてたまりませんわ
サウナはいいけど、夏の日差しはな〜


鉈の跡を辿り、歩いていたら意外と早く森を抜けた

 

「紅い洋館ってここか〜

あれ?三角頭、どうしたの?」

 

少し嫌そうな態度の三角頭に彼女が気付く

 

(いや、少し嫌なことがあっただけだ、問題無い)

 

「ふ〜ん、じゃあ行こっか」

 

そう言い3人は門の前に行く

 

その門の隣には1人の少女がいた

 

「あ、人がいた

あのー、中に入ってもいいですかー?」

 

「……」

 

「あのー?」

 

「……」

 

「!! こいつ……」

 

(どうした?)

 

「寝ている……!!」

 

(あっそ)

 

「起きてくれないかな〜?」

 

(起こしてやろうか?)

 

そう言いキーパーがハンマーを振り上げる

 

「あ、うん、永遠に起きなくなりそうだからやめて」

 

(じゃあ、どうする?)

 

(いい方法がある)

 

「いい方法?」

 

(こうだ)

 

そう言うと三角頭は彼女のつま先をドシンと踏んだ

 

ポキッと聞こえたような気がするが気のせいだろう

 

「いったぁぁぁぁぁ!!」

 

(起きた)

 

「うわぁ…」

 

「っつ——————!!」

 

彼女はつま先を両手で押さえ、痛みをこらえようとする

 

「あの、大丈夫?」

 

「な、何者だぁ!?いててて」

 

「私は秦 こころ

で、こっちは三角頭とキーパー」

 

「わ、私の足をこんなにしたのは誰だ!!」

 

(私だ)

 

そう言い手を挙げる

 

「こ、この!!」

 

彼を見て、ズカズカと近付く

 

「人の足を踏んで起こすとは非常識にもほどがあ——うぷっ!!」

 

(番人が寝るな)

 

近付いて来た彼女の顔面を片手で掴み、押さえる

 

「——————!!」

 

何か言いたいのか足掻くが、彼の腕の方が長く、押し離そうとするが届かず腕をバタバタさせる

 

「ぷっはぁ!!

こ、こらぁ!!」

 

(めんどくせ)

 

キッと彼を睨むが三角頭は彼女の斜め右下に視線をそらす

 

「それより、一体何の用ですか!?」

 

「あ、そうそう、話があって来たんだった」

 

「話?」

 

「うん、今起きてる異変についてなんだけど」

 

「異変…、そういえば変なことが最近ありました」

 

「え!?聞かせて!!」

 

「あ〜はい、昨日の夜のことでした

昨日の夜、私はいつも通りここで見張りをしていたんですけど

遠目ですが、あっちに大きな人影が見えたんですよ」

 

「人影?」

 

「はい、気のせいかわかりませんけど、木ぐらい大きかったと思います」

 

「木ぐらい大きな人影?まさか」

 

「……」

 

キーパーが少し考え込んでいる様子だ

 

「ん?どうしたの?」

 

(そのデカい人影になんとなく思い浮かぶ奴がいた気がしただけだ)

 

「そう…え?

本当にそんな大きな人がいるの?

どっかで聞いた八尺様ってのより大きいよ?」

 

(さぁ、よく覚えてない)

 

「う〜ん、いて欲しくないな〜

あの、中の他の人にも聞いていいですか?」

 

「あ、はい、どうぞ」

 

そう言い門を開けてくれ、3人共中に入っていった




八尺様と聞いてジャイアント馬場が真っ先に思い浮かぶ私
私そこまで古くないっすよ
精神年齢83才とか診断されましたけど


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【第四話】瀟洒な従者

梅雨になってきましたねー
私の髪の毛がサラサラになる季節です
私くせ毛で、湿気が多いところに行くと髪の毛が真っ直ぐになってサラサラになるんですよね
リンス要らずの髪の毛(微妙に自慢)


紅魔館内に入った3人

 

中に入り、彼らを待っていたのは

 

「あら、何処かでお会いした方がいらっしゃいましたわね」

 

「……!!」

 

「ん?どうしたの?」

 

(以前、此処から脱出する際に揉めた奴だ

生きていたのか…)

 

「ふ〜ん」

 

「あら、その貴女とその背後のは?」

 

「私は秦 こころ

こっちはキーパー」

 

「そう、初めまして、私は十六夜 咲夜

ここ紅魔館のメイド長をやっています」

 

そう言い、お辞儀をする

 

「で、貴女達は一体何の用かしら?」

 

「うん、聞きたいことがあって来たんだけど」

 

「聞きたいこと?」

 

「うん、最近何か変わったこととか」

 

「今、目の前で大変変わったことがありますが」

 

「あ、うん、そうじゃなくて、他の事で」

 

「そうねぇ、この前

そう、貴方が私を殴り飛ばした日のことで…」

 

(根に持っていたか)

 

「屋上に行ったところ、貴方が頭に被っているその箱と同じ

金庫が大量に見つかったわ」

 

(俺の頭…)

 

「ふ〜ん、他には?」

 

「他ねぇ、あ

妖精メイドの1人が化物を見たって言っていたわ」

 

「化物?一体どんな」

 

「え〜っと、三角形の頭で、大量のゴキブリを引き連れていて、大きな刃物を持っていて…」

 

(あ、私だ)

 

「それってこの三角頭のことだと思う」

 

「あ〜、確かにそうね」

 

「他には何か無かったの?」

 

「ん〜、あ

その三角形が何処か行った後に、数分程変な天気になったわね」

 

「変な天気?」

 

「えぇ、何だか雪の様な灰の様なものが降ってきて、霧の様なものに紅魔館一体が包まれたわ

直ぐに消えたみたいだけど

後、その変な天気になっていた時に変な音がわずかに聞こえたわ

何か警報みたいな音だったわ」

 

「う〜ん、2人ともこころあたりある?」

 

(無い)

 

(思い当たるものがある)

 

「お、何?」

 

(私がいた所に当てはまる)

 

「ふぅん、そこってどんなところ?」

 

(名前は『サイレントヒル』という町

そこに来た男の中に私はいた

灰が降り、サイレンが鳴り響く霧に覆われた世界だ)

 

「待って、男の中にいたって?」

 

(私は罪の意識の象徴

罪を裁く存在だ

その男の罪の意識により、私は生まれた

私は精神の世界の住人だ)

 

「へぇ、キーパーは?」

 

(俺も精神の世界の住人だ

だが、そっちとは別の場所だ)

 

「そうなの…他に変わったことはある?」

 

「ん〜、もう無いわね

でも如何してそんなことを?」

 

「うん、異変なんだって

で、情報を集めるためにこうやっていろんな人に聞いて回ってるの」

 

「そう、じゃあお嬢様達にも聞いてみる?

何か知っているかもしれないわ」

 

「うん、そうさせてもらうね

行こ」

 

(はいはい)

(……)




最近、胃下垂になってきた気がするようなしないような
体幹鍛えなきゃ


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【第五話】吸血鬼と魔法使い

私は合気道を体得しているんですが、左足の親指が軽く不自由で完璧に出来ないんですよね
なので現在出血しながら座り技の鍛錬を必死にやってます
超痛ぇ


3人はレミリア達がいる場所に咲夜に案内してもらった

 

「それにしても広いな〜ここ

それに目が疲れるよ」

 

「慣れれば問題無いわよ

それよりさっきから貴方

その鉈を引き摺らないでほしいのだけど?」

 

「……」

(重いのにわざわざ辛い持ち方はしたくない)

 

「だってさ」

 

「床が傷付くのよね」

 

(知るか)

 

「だって」

 

「貴方ねぇ…

それより着いたわよ」

 

扉を開け、案内されたのは大きな図書館だった

 

「わ〜、広いな〜」

 

無表情のまま驚いたような仕草をする

 

「え〜っと…あ、あそこにいたわ」

 

そう言い指差した先には2人の少女が

 

 

 

 

 

 

「お嬢様、お客人です」

 

「ん?ってうわっ!!」

 

彼女は『レミリア・スカーレット』

この紅魔館の主人である

 

彼女はキーパー達を見て驚いた

 

「こんばんは」

 

「あぁ、こんばんは

貴女達は?」

 

「私は秦 こころ

こっちはキーパーと三角頭」

 

「私はレミリアよ、一体なんの用かしら?」

 

「うん、ちょっと聞きたいことがあって」

 

「聞きたいこと?」

 

「うん、今ちょっと異変が起きてて、それで情報収集をしてるの

何か変わったことは無かった?」

 

「そうねぇ、あまり外に出ないから知らないわ

パチェも知らないでしょ?」

 

「そうね、最近は此処から出てないもの」

 

彼女は『パチュリー・ノーレッジ』

ここ大図書館の管理人であり、魔法使いだ

 

「知らないか〜…」

 

「あ、1つあったわ」

 

「なに?」

 

「今朝のことだけど、偶々窓から外を見たら変な人がチラッと見えたわ」

 

「変な人?」

 

「えぇ、よく見えなかったけど何か被っていたかしら?

なんか少しボロい服を着ていたわ

ごめんなさい、よくわからなかったわ」

 

「ううん、ありがとう

情報はこれだけか〜…そろそろ夜だし、帰ろっか?」

 

(あぁ)

 

「ちょっと待って、せっかくだし貴女達を占ってあげるわ」

 

パチュリーが言う

 

「え?いいよ占いなんて」

 

「そう言わずにちょっとだけよ」

 

「う〜ん、じゃあ少しだけ」

 

「じゃあ占うわね」

 

そう言うと水晶玉を取り出し、机の上に置いた

 

そして水晶玉に向かって集中する

 

「ん〜…」

 

「どう?」

 

「これは…

そうね、帰りに注意した方がいいと思うわ」

 

「え?」

 

「少なくともいいことは起こらないと思うわ」

 

「ふ〜ん、まぁありがとう」

 

「えぇ、じゃあ気をつけて」

 

「うん、ありがとうね」

 

そう言い3人は紅魔館を後にした

 

 

 

 

 

 

魔法の森を突っ切り、博麗神社に向かう

 

「大分暗くなってきたね〜、あの占い当たるのかな〜?」

 

(さあな)

 

(とっとと帰ろう)

 

「うん、そうだね

じゃあちょっと早足にするよ〜」

 

そう言い3人はペースを上げ、神社に向かった




最近疲れが溜まりまくりんご


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【第六話】9と10

そろそろヤブ蚊が出る時期ですね
駆逐してやる!!この世から!!一匹残らず!!
そんな蚊嫌いの私が通りますよっと←過去に1日に15ヶ所程刺された人


急ぎ足で帰り、意外と早く神社に着いた

 

「ふぅ、ただいまー!!」

 

返事は無かった

 

消し忘れていたのか神社の中からは灯りが漏れている

 

「まだ帰ってないのかな?」

 

そう言い、襖を開け

首だけ入れて中を見渡した

 

「ん〜、まだ帰ってきてないみたいだね〜」

 

そう言い、振り返ると

 

「お待たせー」

 

「悪い悪い、少し遅れちゃったぜ」

 

霊夢達が空から帰ってきた

 

「お帰り〜、ついさっき戻ったばかりだよ」

 

「そう、何かいい情報はあった?」

 

「う〜ん、変なものや現象を目撃したっていうのばかりだったよ」

 

「そう、それでも十分よ」

 

「うん

あ、そういえば紅魔館付近で昨晩、変な人影を見たって」

 

「ふ〜ん、ここからそう遠くないわね」

 

「うん、だから気をつけた方がいいかも〜…ん?」

 

「どうしたの?」

 

「今、後ろに何か…」

 

彼女は目を凝らしてみるが、神社の中の灯りで、影に隠れてよく見えなかった

 

「何よ、お化けでも見た?」

 

「いや…確かに何か…」

 

パキパキ

 

彼女の後ろの木々の中からそんな音がした

 

その音に彼女も気づいたようだ

 

「なに…?今の音」

 

「ま、まさか…噂の…」

 

嫌な予感がよぎった瞬間

 

彼女の頭上から大きな陰が落ちてきた

 

「危ない!!霊夢!!」

 

魔理沙が霊夢を突き飛ばした

 

そして突き飛ばした彼女との間にその陰が落ち

轟音を上げた

 

「な、なに!?」

 

「と、とりあえず灯りを!!」

 

そう言い、神社に入り灯りを持ってきた

 

そしてその灯りに照らされ、彼女達が見たのは

 

「ヴヴゥゥゥゥ……」

 

不気味な呻き声を上げる大男がいた

 

しかし、その大男

ただの大男ではない

 

デカい

とにかくデカい

 

およそ3mはある大男だ

 

そしてその大男の右手には巨大な何かが

 

金属か何かでできたオブジェだ

 

それもデカい

 

人1人分程はある

 

「な、なに…こいつ…?」

 

「多分…噂の…巨人…」

 

「幾ら何でもデカすぎよ!!

如何するの!?」

 

(やるしかない)

 

(そうだ、やらなきゃやられる)

 

「2人とも…

よし!!私達は2人の援護をしよう!!」

 

「…わかったわ

死ぬんじゃないわよ!!」

 

「……」

「……」

 

それを聞き、2人は武器を強く握りしめた

 

それを見て反応したのか

大男も彼を睨む

 

そしてキーパーが先に動いた

 

彼はそのままの勢いで駆け寄り、ハンマーを振った

 

しかし、ハンマーが命中する直前

 

「……!?」

 

彼は横から来た大きな陰に弾き飛ばされた

 

凄い衝撃だったのか、巨大である彼も地面を転がっていった

 

「お、おいおい…まじかよ…」

 

「2人なんて聞いてないよ…」

 

飛び出して来たのはさっきの大男と同じ大きさの大男

 

頭は袋か何かで覆い隠されている

 

キーパーがよろよろと立ち上がる

 

(まさか…2人いたとはな…)

 

彼らは『ノイン』と『ツェーン』

袋を被っているのがノイン

もう1人がツェーン

 

彼らもキーパーがいた世界の住人だ




ドイツ語でノインは9、ツェーンは10という意味です

如何でもいいけど私は8.8cm砲(アハト・アハト)が好きです
アハト・アハト!!其奴は素敵だ!!大好きだ!!

ちなみに私は大艦巨砲主義です


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【第七話】苦戦

最近、何故か鼻炎が悪化しました

何故に…


突如現れた大男

ノインとツェーン

 

それを見てキーパー達も気を引き締める

 

「こ、こんなデカいのに勝てるのかしら…?」

 

霊夢が冷汗を垂らし、不安そうにキーパー達をチラッと見た

 

(お前は棍棒を持ってる方をやれ)

 

(わかった、お前は黒い頭の方だ)

 

キーパーと三角頭が言う

 

そしてすぐさま攻撃にかかった

 

三角頭の大鉈がツェーンに向かってスイングされる

 

しかし

 

ガキンッっと巨大なオブジェで打ち返された

 

「うそっ!?三角頭のあの大鉈を苦もなく弾き返すなんて!!」

 

「凄い馬鹿力ね…」

 

「私達も何とか援護するぞ!!」

 

 

 

キーパーはノインにハンマーで殴りかかった

 

しかし

 

素手で弾かれてしまった

 

「……!!」

 

弾かれて仰け反った彼に、すかさずタックルを繰り出して来た

 

何とか両腕でブロックしたが、吹っ飛ばされ木に叩きつけられる

 

「……!!」

(速い…!!)

 

300kgを越える彼だが、ノインの巨体には効果は薄かった

 

(接近戦は不利か…)

 

 

 

巨大なオブジェ、風を切る大鉈

 

その2つが何度も打ち合っては火花を散らす

 

(くそっ、このままじゃ埒があかないな…)

 

そう思った直後

 

彼の背後から光弾が飛び、ツェーンの顔面に直撃した

 

「三角頭!!今のうちよ!!」

 

霊夢が叫んだ

 

「……!!」

(わかった!!)

 

すぐさま彼は大鉈を思い切り振った

 

しかし

 

またも防がれた

 

「……!!」

 

光弾の爆発の煙の中からツェーンの顔が出てくる

 

「うそ…効いてない!?」

 

ツェーンはオブジェを思い切り振りかぶり

彼に向かってスイングした

 

彼は何とか大鉈でガードしたが、神社まで4〜5m程吹き飛ばされた

 

(や、やばいな此奴は…力負けするとは…)

 

「さ、三角頭まで…」

 

「ど、如何するんだ!?弾幕を顔面に浴びせてもほとんど効いてなかったぞ!?」

 

「私にいい考えが思いついたわ」

 

こころが言う

 

「な、何だ?」

 

「私達だけで何とか一方を食い止めるの

そして2人にもう一方を戦わせるの

そうすればもしかしたら…」

 

「そうね…それしかないかもしれないわ…」

 

「よし!!

キーパー!!三角頭!!貴方達はこっちをお願い!!

私達はそっちの方を食い止めるから!!」

 

(なる程、そういうことか)

 

(仕方ない、やるか)

 

そう言うと2人はツェーンに向かった

 

そして彼女達はノインの方へ

 

「よし!!何とか食い止めるわよ!!」

 

「おう!!いくぜ!!マスタースパーク!!」

 

そう言い懐からミニ八卦炉を取り出し

巨大な光線をノインに食らわす

 

「夢想封印!!」

 

彼女も一緒に攻撃した

 

 

キーパー達は協力して戦っていた

 

ツェーンが振り下ろしたオブジェを三角頭が大鉈でガードする

 

衝撃で彼の足がわずかに地面にめり込む

 

彼が防いでる間にキーパーがツェーンの膝に思い切りハンマーを振り下ろした

 

ツェーンは膝にダメージを負い、跪く

同時にオブジェを手放した

 

そこでキーパーがオブジェを思い切り持ち上げ

彼の顔面にスイングする

 

するとツェーンは後ろにぶっ倒れた

 

(よし!!)

 

(これならいけるな)




キーパーさんがツェーンのオブジェで攻撃する時の迫力すんごいよね

キーパーさんが重たがるとかどんだけあのオブジェ重いの…


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【第八話】怪しい陰

ここ最近逆剥けが…

何か私って逆剥けによくなるんですよね
何でだろ?


(この調子でいくぞ)

 

(わかった)

 

キーパーと三角頭の連携でツェーンに大きなダメージを負わせることが出来た

 

「ヴォォォォォ!!」

 

ツェーンは唸り声をあげ、再び立ち上がり、オブジェを拾った

 

そしてそのオブジェをキーパーに向かってスイングした

 

(こっちか!!)

 

キーパーは持っていたハンマーで防御したが、殆ど意味は無く

吹っ飛ばされた

 

しかし、オブジェを振って出来た隙を三角頭は逃さなかった

 

三角頭は大鉈を思い切り振り

ツェーンの左脚を切断した

 

「ヴァァァァァ!!」

 

苦しいのかツェーンは叫んだ

 

直後ツェーンの腕が彼に伸びた

 

「……!!」

 

ツェーンは彼の首を絞め、何度も地面に玩具の如く叩きつける

 

「……!!!!」

 

三角頭は必死にもがくが、ビクともしない

 

「ヴォォァァァ!!」

 

ツェーンが彼を思い切り持ち上げ、渾身の力で地面に叩きつけようとした瞬間

 

彼の顔面が爆発した

 

(俺を忘れるなよデカブツ)

 

仰向けになった状態のまま、キーパーがRPGを撃ったのだ

 

ツェーンは頭が吹っ飛び、その場に事切れ倒れた

 

(危ないところだった)

 

三角頭がよろけながら立ち上がる

 

(さて…)

 

キーパーが振り返る

 

「キーパー!!今度は!!」

 

「こっちを頼んだわよ!!」

 

霊夢達が必死にノインと戦っていた

 

(次は彼奴だ)

 

そう言うと2人は彼に向かった

 

「2人が来てくれれば安心ね!!」

 

「あぁ!!私達は下がるぞ!!」

 

そう言い彼女達はノインから距離を取った

 

「ヴァァァァァ!!」

 

ノインは彼らが来たのに感付き、タックルを繰り出した

 

「……!!」

 

三角頭はそれを大鉈を盾にして防御した

 

しかし弾かれた

 

だが直後

 

ノインの背後からエンジン音が鳴り響いた

 

チェーンソーだ

 

キーパーはチェーンソーを唸らせ、彼に斬りかかった

 

「ヴォォァァァァァァ!!」

 

チェーンソーが彼の脇腹に直撃する

 

(くたばれデカブツ!!)

 

そう言い終わると、ノインの胴は真っ二つに両断されていた

 

「……」

(終わったか)

 

そう言い彼は彼女達の元に向かおうとした瞬間

 

「ヴァァァォォァァァァァァ!!!!」

 

上半身だけのノインが彼に飛びかかってきた

 

しかし

 

大鉈が彼の目の前を通過し、ノインの首を刎ねた

 

(斬首だ安らかに眠れ)

 

三角頭が大鉈で彼に止めを刺した

 

(今度こそ終わったか)

 

(やれやれだぜ)

 

そう言い2人は彼女達の元に向かった

 

 

 

 

 

(終わったぞ)

 

「お疲れ様、大変だったわね」

 

「あぁ、お前らの世界の奴らはあんなのばっかなのか?」

 

(まぁな)

 

「それより、一件落着ね

さ、まずは休みましょ」

 

(あぁ)

 

皆んなが神社に入る中キーパーだけが少し残った

 

(……何だ、この胸騒ぎは)

 

そう言いふと振り返ると

 

「……!?」

 

一瞬、木の陰に白いフードを被った男が見えた

 

(まさか…)

 

「お〜い、キーパーどした〜?」

 

「……!」

(いや、何でもない)

 

魔理沙にジェスチャーで伝える

 

「は?まぁいいや、早く入れよ〜」

 

(あぁ…)

 

そう言い彼は少し不安そうな態度で入っていった




怪しい陰……その正体は!?

彼等にさらなる危機が襲うか!?


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【第九話】予想

博麗神社内にて

 

「さてと、貴方達は何かいい情報はあった?」

 

「う〜ん、敵の情報とかは得たけど

さっき倒したのがその情報の1つだと思う

後は、人影を見たのと、変な天気になったとか」

 

「そう、私達は紫に聞いてみたけど

紫が故意に連れてきたわけじゃないみたい

多分、結界に穴があったか幻想になったかだと思うわ」

 

「幻想入りしたんだったら帰れないと思うぜ?」

 

(そうか)

 

魔理沙の言葉に三角頭が少し落ち込む

 

「ところでキーパーは如何したんだ?

さっき呼んだ筈だけど」

 

「あ、キーパーならなんか外を見に行ったよ」

 

「外を?」

 

「うん、なんか険しそうな様子だったけど…」

 

その時、襖を開け、キーパーが戻ってきた

 

(すまない、今戻った)

 

「うん、ところで如何したの?

急に外を見に行くなんて言い出して」

 

「……」

 

「何か言えないことでもあるの?」

 

(いや、べつに)

 

「もう、隠してないで言ってよ」

 

(……わかった)

 

そう言うとキーパーは彼女達の前に胡座をかいて座り

話し始めた

 

(この問題に関係がある奴を見た気がする)

 

「え、それってこの異変の黒幕?」

 

(知らない、心当たりがある奴の人影らしきものを見ただけだ)

 

「むぅ、それってどんな人なの?」

 

(俺がいたところの創造主だ)

 

「創造主…?」

 

(其奴の名前は『ルヴィク』俺のいた世界の創造主

いや正確には其奴の脳内だな)

 

「の、脳内?」

 

(あぁ、詳しくは知らないが

人と人との意識を共有出来る装置によって複数の人間の意識が其奴の脳内に入り込んだらしい)

 

「つまり、貴方がいた世界って

その男の意識?のことなの?」

 

(あぁ、俺は其奴の怒りの念が形となり

入ってきた人間を殺し回る存在だった)

 

「つまり、当時はその男の僕みたいなものだったの?」

 

(まあな

其奴の性格はいたって単純

『狂人』だ

其奴は中に入ってきた人間を殺し回っていたりしていた

目的は知らない

俺には何もわからない)

 

「…わからないのか〜

でも、この異変の黒幕だとしたら、理由は何なんだろう?」

 

「ただ一方的に殺戮をしたいだけの人間とは思えないわね」

 

「目的がわからないんじゃ如何しようもないぜ?」

 

「とりあえず、その人が幻想郷にいるならまず話を聞きたいところね」

 

「三角頭は何かない?」

 

(無い)

 

「無いのか…」

 

「とりあえずはその怪しい男を見つける必要があるわ

もし犯人なら今すぐにでも捕まえないと」

 

「だが、如何やって捜すんだ?

何か特徴は無いのか?」

 

(白い薄汚れた服を着ている

全身に火傷などの傷跡がある)

 

「う〜ん、それだけじゃ見つけるのは難しいわね

どこにいるかもわからないし」

 

「しらみ潰しに捜すしかないな」

 

「そうね

じゃあ明日からその男を捜し始めましょう

今日はもう寝て、体を休めましょう」

 

「そうだな、さっきの戦いで疲れたぜ」

 

「うん、じゃあ寝よう

キーパー達も休んでおいてね」

 

(わかった)

 

そう言い、彼女達は寝る準備を始めた




異変の黒幕?は一体…


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【第十話】悪夢

「ん……ふぅ…」

 

夜中、こころは何度も寝返りをうっていた

 

寝つきが悪いのであろうか

 

 

……………………

 

 

しばらくして彼女は目を覚ました

 

「ん……ふわぁ〜」

 

大きく欠伸をして、何気なく周りを見渡した

 

「……あれ?」

 

少し間が空いて彼女は異様なことに気づいた

 

彼女の目に映っていたのは神社の寝室ではなく

 

薄暗く、ボロボロなところだった

 

「どこ、ここ?」

 

彼女は何も無い床に横たわっていた

 

そして起き上がって周囲を調べる

 

「石の壁?窓はガラスで、天井の棒は何だろう?」

 

天井の棒

 

彼女が見ているのは『蛍光灯』のことだ

 

「えっと、この雰囲気…あ、あの館に似てるかも

ていうことはここはどこかの館なのかな?」

 

そう言い、彼女は探索を始めた

 

 

 

 

 

 

しばらく適当に歩いていると、広い所に出た

 

「わ〜、結構広いな〜」

 

周りを見渡す

 

そして彼女がふと視線を横に向けると

 

「ん?誰かいる?」

 

彼女が出ていたのはホールだった

 

そこには大きな椅子がいくつもあり、その中の一つから人の頭が少し見えた

 

それに彼女は気づき、その人影に歩み寄る

 

「あの〜、ちょっといいかな?」

 

人影のすぐ後ろまで近いて彼女は聞く

 

しかし、反応は無かった

 

「寝てるのかな?」

 

そう呟きながら彼女はその人の前に回る

 

そこで彼女が見たものは

 

「あの〜…ひっ!?」

 

死体だった

 

全身血塗れの男の死体だった

 

「な、何これ…?」

 

少し動揺しながら、何気なく周りを見渡した

 

「ひぃ…!?」

 

死体死体死体

 

さっきまでは誰もいなかった椅子にはいくつもの死体が並んでいた

 

血塗れのものや、部位が変形したものなど

 

様々な人間の死体が並んでいた

 

「な、何これ…どうなってるの…?」

 

目の前の悲惨な光景を目にして、彼女は震えだした

 

その時、彼女は背後に気配を感じた

 

気配を感じ、彼女はゆっくり振り向いた

 

そこにいたのは

 

「だ、誰…?」

 

「……」

 

いたのは白い服か何かを着た男がいた

 

顔は酷くボロボロで、縫い合わせている所が所々見えた

 

そしてその男の目は上目遣いで彼女をじっと見つめている

 

「あ、あの…これは一体…」

 

「……」

 

男に話しかけてみるが男は黙ったまま彼女を見ている

 

「(なんなの…この人?

あっ!!こ、この人は!!)」

 

彼女は彼をしばらく見て、あることを思い出した

 

「(白い服に傷だらけの顔

この人がルヴィク!?)」

 

そう思い、彼女は彼に聞く

 

「貴方ってルヴィクって人?」

 

「……」

 

「私を知ってる?」

 

「……」

 

何を聞いても、彼は反応しない

 

そして彼女は諦めたのか、彼に背を向けた

 

「反応してくれないし、他をあたってみよう」

 

そう言って、彼女は彼がいるのとは逆の方向に歩いていった

 

そこで何となく振り返ると

 

「…!?」

 

彼はいなかった

 

彼どころか死体も無くなっていた

 

不気味に思いながら彼女を再び前を向くと

 

「ひっ!?」

 

彼女のすぐ目の前に彼がいた

 

彼は彼女の顔に手を近づけ、彼女の顔に触れた

 

すると

 

「へ?」

 

何かが潰れる様な、千切れる様な音と共に、彼女の視界には彼女の身体が映っていた

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

気がつくと彼女は神社の布団の上に汗塗れで寝ていた

 

「ゆ、夢…?」

 

上体を起こして、汗をダラダラと垂らしながら頭を抱えこんだ

 

「な、何だったんだろう…今の…」



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【第十一話】討伐開始

怪力は古くから英雄の象徴らしいけど
やっぱ怪力って憧れますよね

何処ぞの金髪バーテンダーとか何処ぞのLOVEゾンビとか
ああいう体質って憧れです

まぁ、アドレナリンとかコントロールする方法はあるらしいですけどね


 

「おはよう…」

 

「あら、随分疲れた様子ね?」

 

「いやぁ、ちょっと変な夢を見ただけだよ」

 

こころが少しダルそうな様子で起きてきた

 

「大丈夫、大したことないから」

 

そう言い、居間に座る

 

そこには既にキーパー達も来ていた

 

「おはよ〜」

 

魔理沙もやってきた

 

 

 

 

 

「さて、これからどうしたものね…」

 

「あのデカい奴らもキーパーのいた世界の奴らだろ?

多分他にも来てるんじゃないか?」

 

「だとしたら大変ね

被害者が増える前に殲滅しないと」

 

「でも、どうやって探すかだぜ?」

 

「そうね、そこが問題だわ」

 

3人共頭を抱えて考える

 

「まず、いるとは限らないけど

今までのことから考えて、いる可能性は高いわね…」

 

「どっちにしろ探さないといけない奴もいるからな〜」

 

「いろんな人に協力して貰えばいいんじゃないかな?」

 

こころが何となく呟く

 

「あ〜、確かに多くの人に協力してもらって

分かれて探せばいいわね」

 

「危険な奴らがいることも知らせられるしいいかもな」

 

「じゃあ、早速行く?」

 

「そうね、今回もまた私と魔理沙、その頭でっかち達と貴女ね」

 

「うん、わかった」

 

(頭でっかちって…)

 

「じゃあ私達は妖怪の山や地霊殿とかに行くわ

貴女達は人里とかに行って」

 

「わかった」

 

「じゃあ、朝食食べたら行くわよ」

 

「まだ食ってなかったっけ?」

 

 

 

 

 

 

やることを済ませ、彼女達は今日も行動した

 

「じゃあ、昼になったら一旦ここに集合ね」

 

「うん」

 

「弱い敵がいたら出来るだけ仕留めて

なるべく危険は減らした方がいいから」

 

「わかった」

 

(仕事が増えるな)

 

(俺達にはそれぐらいしか出来ないけどな)

 

「じゃあ、行くわ

無理だと感じたら逃げてね」

 

「うん、じゃあ」

 

そう言い、彼女達は二手に分かれ出発した

 

 

 

 

 

 

「昨晩は2人に頼りっきりだったな〜、ごめんね」

 

(気にするな)

 

「うん…ありがとう」

 

(変な夢って何だったんだ?)

 

「え?」

 

キーパーが少し真剣な態度で彼女に聞く

 

「いや、大したことじゃないよ、本当に」

 

「……」

 

「……あの変な人を見たんだ…」

 

(ルヴィクか)

 

「うん…多分…」

 

(どんな夢だ?)

 

「うん…ちょっとね…

変な館みたいなところでね、いっぱい死体があって…

そこでその人に出会して、逃げようとしたらいきなり

その…首が飛んでた…」

 

(嫌な夢だな)

 

「本当だよ…」

 

(だが、それがただの夢ならいいな)

 

「どういうこと?」

 

(何かの前兆か

将又、ルヴィクの仕業か)

 

「仕業って…どういうこと?」

 

(さぁな

ただ)

 

「ただ?」

 

(もし今いるこの世界が彼奴のものだったらってことだ)

 

「え」

 

(もしかしたら今いるこの世界が彼奴の脳内のものだとしたらかなり厄介だ)

 

「ま、まさか…」

 

(どっちにしろ、今は目の前のことに集中するしかない)

 

「う、うん…」




新しい異形頭キャラとか出ないかな〜

▲■ときたら○とかいいかも

そんなトリオ出来たらいろいろ凄いな


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【第十二話】気になる事件

ここ最近近所で鴨の群れを見て和んでます

鴨可愛いよね


歩いている内に人里に着いた

 

「う〜ん、一見特に異常は無いみたいだね」

 

人里にはいつも通り人が賑わっている

 

まだ朝なのでそこまで多くはないが、特に異常は無かった

 

「とりあえず何か知ってるか聞いて回ろっか?」

 

(あぁ)

 

そう言うと彼女達は人々に変わったことはないか聞いて回った

 

 

「すみませ〜ん」

 

「ん?何だい嬢ちゃん」

 

声をかけたのは家の縁側で寛いでいるそこそこの歳をした男性

 

「ここ最近変わったことって無いかな?」

 

「そうだな〜、あ

ここ最近、あの新聞を配ってる天狗がやけに張り切ってるな

何か面白いネタでも手に入ったんかね?」

 

「ふ〜ん、そういえば最近新聞読んで無いね

おじさん、新聞見せてくれる?」

 

「あぁ、構わんよ

ちょっと待ってな」

 

そう言うと男性は中に入って新聞を持ってきた

 

「ほれ、一昨日から今日までの分だ」

 

「ありがと、え〜っとなになに?」

 

とりあえず一昨日のを開いた

 

「あ、この前聞いたあの変な鋸を持った男のことが載ってる

ふ〜ん、『凶悪な巨漢を2人の異形の頭の持ち主が退治‼︎我々はこの事件の真相に迫る』か〜」

 

「おや、その異形の頭ってそこのお2人のことじゃないか?」

 

「あ〜、そうだね」

 

2人揃ってキーパー達を見る

 

「ふむふむ、次は〜…

ん?『またも大量の金庫が発見‼︎今日で推定千個に達する‼︎』だって」

 

(俺の頭だ)

 

(いくつあるんだよ)

 

「あははは…まぁ、これだけ金庫があるならまだまだ復活出来るね」

 

(復活出来るにしても痛いんだぞ)

 

「だろうね…

で、え〜っと今日の新聞は〜?

え?『妖怪の山の麓にて行方不明者続出。今日で11人が行方不明に』

妖怪の山って…」

 

(彼奴らが調べに行ったところだ)

 

「こ、これ2人共知ってるのかな…?」

 

(さぁな)

 

「う、う〜ん

とりあえずあの2人なら何とかなるかな?」

 

(まずは自分達のことを優先しろ)

 

(情報は多い方がいい)

 

「そ、そうだね

おじさんありがとう」

 

「おう、あんたら何かやってるのか?」

 

「まぁ、その、異変の解決を…」

 

「異変かい、物騒だね〜

あんたらも気ぃ付けてな」

 

「うん、ありがとう」

 

そう言い、別れを告げた

 

 

 

 

 

 

「う〜ん、気になるのは行方不明事件だね

他には何か無いかな〜」

 

「あー!!」

 

「ん!?」

 

突如空から声が聞こえた

 

すると何処からともなく1人の少女がやってきた

 

「ちょっといいですか!?」

 

「な、なに!?」

 

白黒の服に下駄の様なくつを履いた少女

 

射命丸 文だ

 

「そこのお2人は最近噂の異形コンビですよね!?」

 

(異形コンビって…)

 

「まぁ、多分合ってると思うけど…」

 

「ちょっとお話いいですか!?」

 

「アッハイ」



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【第十三話】取材

おはこんばんにちは
3日間アニメを観ていないと禁断症状でバーサーカー化するうp主です

最近少しネタに悩んできました
私、下書きとかしない主義なので
全部その場で本番です
なのでこの作品の制作時間は約30分前後です

文才?知らんがな

読書感想文を嘘で埋める男!!
スパ○ダーマッ!!(事実)


新聞記者の彼女について行き

 

彼らはちょっとした店で話すことになった

 

「え〜、まずは自己紹介をしましょうか

私は文々。新聞の記者、射命丸 文と申します」

 

「私は秦 こころ

こっちの頭が四角いのがキーパー

三角形のが三角頭ね」

 

「ふむふむ、▲■コンビですか

お2人は外来人の様ですが、その前にお2人は人間で?」

 

「人間の域は超えてると思う」

 

「なるほど

お2人共さっきから黙ったままですが?」

 

「2人共喋れないから私が通訳係なの」

 

「ふ〜ん

では、本題に入りましょうか

貴女達はここ最近起こっている奇妙な事件に関わってますか?」

 

「うん、まぁ、解決に向かって色々やってるけど

私達が知ってる範囲では、キーパーが大きく関係していると思う」

 

「キーパーさんの知ってるものなのですか?」

 

(金庫は俺の頭だ

最近見た奴らは俺の世界の住人だ)

 

「だって」

 

「ふむふむ、金庫が頭とはどういう?」

 

(本体だ)

 

「だって」

 

「つまりあの金庫はキーパーさんの本体と

う〜ん、では、貴女達はこの事件をどう思ってますか?」

 

「一応、異変として行動してるよ

今は、ちょっと重要そうな人を探すついでに、強敵の討伐

それらに協力してくれる人を探してる」

 

「なるほど

では、この私にその大役を任せてもらおうじゃありませんか!!」

 

「は?」

 

「私は新聞記者ですよ

そのことを新聞に書いて幻想郷中に配れば、多くの人がこの異変に気づいて動いてくれるでしょう!!」

 

「でも、貴女って信憑性欠けてるんでしょ?」

 

「ギクッ」

 

「噂じゃ脚色とかてんこ盛りとか」

 

「で、でも中には信じてくれる人がいるかもしれないじゃないですか!!

1人でも多く協力してくれる方がいた方がいいでしょう!?

あと、私のネタのためにも!!」

 

(今、さらっと本音出なかったか?)

 

「まぁ、やらないよりかはマシかな?」

 

「そうですよ!!

じゃあ、とりあえず3人の写真を撮っておきましょう

並んでください」

 

「はいはい」

 

そう言われ3人共、横一列に並んだ

 

「じゃあ、撮りますよ〜…

うわ、大きすぎて見切れる

はい、撮りますよー」

 

写真を撮り、彼女は帰る用意をし出した

 

「では、私はこれで

新聞期待しててくださいね〜!!」

 

「うん、別に期待しないけど」

 

「では、また今度!!

サヨナラ!!」

 

そう言い、彼女は猛スピードで空に消えていった

 

 

 

 

 

 

「さてと、私達はどうしよっか?」

 

(念のために協力者を探したらどうだ?)

 

「そうだね、あの記者って評判悪いし

一応こっちはこっちでやっといた方がいいかもね」

 

そう言い、彼女達は再び人里の中を歩き回った




最近、玄関付近に刺蛾が大量発生して大変よ〜
蜂もいたし

まぁ、如何でもいいか←中学時代に熊蜂を素手で叩き落とした人


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【第十四話】協力者

復ッ!! 活ッ!!
うp主復活ッッ!!
うp主復活ッッ!!
うp主復活ッッ!!

足の手術が終わり、傷も塞がり、今ここに復活して参りました

いや〜、足が治ってよかったよかった
さて、今日からまた書いていきます


彼らは協力者を探しにとりあえず山の方に行った

 

特に考えは無く、なんと無くという気持ちで行った

 

 

 

 

 

「ねぇ、こんな山奥じゃ人も何もいないんじゃない?」

 

(案外いるかもしれないぞ)

 

「いればいいけど…」

 

(いた)

 

「え」

 

キーパーが指さしたところを見ると建物があった

 

対して大きくもなく小さくもない

豪華でもない普通の建物だ

 

その建物のすぐ側で1人の少女が箒を掃いていた

 

彼らが近づこうとした瞬間

 

彼女の頭部にある耳がピクリと動いた

 

「!!、何者!?」

 

彼女は箒を投げ捨て、素早く振り向き、腰にぶら下げてる剣に手をかけた

 

「ま、待って待って!!

別に怪しいものじゃないから!!」

 

「明らかに怪しい(妖しい)ものが2人もいるではないか!!」

 

「あ、確かに」

 

(おい)

(おい)

 

銀髪に巫女服の様な服装

頭部に犬の様な耳、そして尻尾を生やしている少女

 

彼女は「犬走 椛」

 

「この様な山奥に一体何の用ですか?」

 

剣を収め、問いかける

 

「私達は手伝ってくれる人を探してるの」

 

「手伝ってくれる人?」

 

「実は…

 

 

彼女は今までのことを彼女に話した

 

 

「成る程、それでは何故わざわざここに?」

 

「気分」

 

「え…」

 

「まぁ、いいですけど…

そうですね、私もなるべく協力したいですけど、私は私で仕事が…」

 

「無理ですか?」

 

「ん〜

私の持ち場からある程度探すことは出来ますけど…」

 

「?」

 

「私は千里眼を持っていて、とても遠くのものでも見ることが出来るんですよ

幻想郷のほとんどを見渡せますけど」

 

「じ、じゃあ、一応協力はしてくれるの?」

 

「まぁ、少しは」

 

「じゃあお願い、何か見つけたら教えてね」

 

「はい

あ、ちょっと待ってください」

 

「如何したの?」

 

「その人にちょっと聞きたいことがあるんですけど」

 

(俺か?)

 

キーパーが自分を指さして首を傾げる

 

「はい、ちょっと待っててください」

 

そう言うと彼女は建物に入り、しばらくして出てきた

 

「あの、これって貴方のものだったりします?」

 

彼女は大量の金庫を持ってきた

 

(持ち物というか、本体だな)

 

「本体?」

 

(俺は金庫が本体だ

首から下はおまけみたいなものだ)

 

「おまけって…」

 

(別に持っててもいいぞ)

 

「え、いや、流石に気持ち悪いですし…」

 

(気持ち悪いとか言うな)

 

「す、すみません」

 

(とにかく、それは俺の本体だが他に幾らでもある

それぐらいやるよ)

 

「え、いや

 

いらねぇ(小声)」

 

(何か言ったか)

 

「何でもないです、ありがとうございます」

 

引き攣った笑顔で応えた

 

「じゃ、そろそろ行くから

何かあったら教えてね」

 

「はい、お気をつけて」

 

そう言い、彼女達は次の人探しに行った




う〜む、こんなノリだったかな?

久しぶりなので勘を取り戻すのに時間がかかるかもしれません


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