ストライクウィッチーズ 天翔ける皇女 (純菜)
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第1章 我は転生してしまったのじゃ
1-1 俺が転生?


環境のせいで1ページが400字ちょっとしかありません
読み難いとは思いますが我慢してやってください
1話毎に同時更新するので、目次から飛んだ方が読みやすいかも?
サーバーに負担が掛かってしまうのはすみません

この物語は扶桑皇国と言いながら帝とか出て無いなぁ、と思って姫を出してみました
オチを決めて無いのでどこまで書けるか
取り合えず二期までは書く予定です



1-1 俺が転生?

 

車のブレーキ音と供に大きな衝撃を全身に受け俺は意識を失った

それが俺のこの世界との別れだった

 

*****

 

気が付くと俺は病室の様な所に居た

体の自由が効かない

息が苦しい

苦しくなって、大きく息を吸い、叫んでみる

「おぎゃー」

俺の出す声は赤ん坊の鳴き声になっていた

って俺が赤ん坊!?

 

*****

 

俺は一歳になった

名前は結音(ゆね)と付けられた

黒目黒髪の美少女だ

いや、まだ美少女になるかどうかは分からないが

どうやらTS転生というものをしたらしい

とはいえ、神様に会ってチート能力を貰ったわけでもないので、ごく普通の再出発だ

まだ体の自由が効かないので、女の子としての実感はない

家族は両親と三つ上の姉が一人

それと親戚に、叔父さん一家がいるらしい

どうやら身分の高い人間らしく執事や侍女らしき人たちが世話してくれる

両親も相当忙しい人達らしく、あまり家に居る事が無い

愛されて無い訳じゃ無いのは、帰ってくると溺愛されてるのでよく分かる

ともかく新たな人生を謳歌するとしようか

 




神様チートはありません


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1-2 俺の家族を紹介しよう

1-2 俺の家族を紹介しよう

 

俺は二歳になった

まだ歩くには苦労するが、自分で出来ることが増えたのは有り難い

そして衝撃の事実が分かった

 

俺の家は分家で父親の兄が本家を継いだらしい

子供は娘が二人

つまり俺の従姉妹になる

そして、その奥さんと、うちの母さんは現在、揃って妊娠中だ

つまり兄弟が増えるということだ

そして衝撃の事実は、叔父さんが帝(みかど)と呼ばれてた事だ

どうやら俺は王族に生まれ変わったらしい

 

*****

 

あれから暫く経って、帝の子供が無事生まれた

男の子だったので、皇太子が生まれたと、国中が祝賀ムードだった

一方、我が家に生まれたのは女の子だった

名前は鈴音(すずね)と付けられた

そうそう、俺達のお姉ちゃんの名前は織音(おりね)だ

皇太子以外は見事に女系家族となってしまった

まあ、つまり俺は姫と呼ばれる身分だった

姫か

俺に女の子は務まるのだろうか?

しかも姫ということは結婚相手を決められてしまうということ

俺が男と結婚!?

不安だ

かなり不安だ

 

後、この国の名前は扶桑皇国と言うらしい

つまり俺は王族じゃなくて皇族と呼ばれるらしい

ん? 扶桑? どっかで聞いた名前だな

 



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1-3 人生設計をしようじゃないか

1-3 人生設計をしようじゃないか

 

さて、まだこの世界について分からないことだらけではあるが、今後のことについて考えよう

前世の知識が役にたつかもしれないし

 

まず、俺のやりたいことが出来るかどうか

俺のやりたいことは、前世の趣味である空を飛ぶこと

と言ってもパイロットをやってたわけじゃない

フライトシミュレーターで飛ぶんだ

小さい頃から空に憧れてたんだが、目が悪かったせいでなる事が出来なかった

整備士とかになるより、俺は飛びたかった

おかげで趣味が講じて会社まで起ち上げてしまった

独学で、航空力学や流体力学、強度計算やら機体設計まで学び、その全てをぶち込んだシミュレーターが完成した

そこそこ人気が出て、オンライン版は世界中のプレイヤーと対戦出来る様になった

 

そこでは無敵のエースパイロットであり頼れるチームリーダーでもあった

ゲーム内の飛行時間は誰よりも勝っていた

でも本当はリアルな空が飛びたかった

本当の空に憧れていたんだ

 

生まれ変わったおかげでパイロットになれるかもしれない

憧れのパイロットに

皇族の姫の立場では難しいかもしれない

でも諦めずに頑張ってみよう

まだ俺は生まれたばかりなんだから

 



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1-4 状況を整理しよう

1-4 状況を整理しよう

 

俺は五歳になった

俺は姉と一緒に勉強している

前世の記憶があるので、中学位なら問題ないレベルだ

ただ、この世界の常識や歴史なんかは学び直さなければならない

前世の歴史と混ざらなければいいんだが

まだ幼児なので歴史の授業は無い

 

初めは玩具なんかにに興味を示さなかったせいか、頭の悪い子と思われていたみたいなんだが、うっかり代数計算を見られたら、天才だと騒がれてしまった

おかげで姉と一緒にお勉強だ

姉も年の割には聡明で、人の気遣いも出来る優しい子だ

俺も真面目に勉強をする

いつ前世と違う内容になるか分からないからだ

まぁ、算数や数学、物理なんかは同じだと思うが油断は出来ない

 

そして皇族特有の修行がある

そう、修行である

三歳位から始めたんだが、祝詞のような呪文を覚えさせられたり、滝に打たれたり

皇族は神事の長であるから色々な儀式や祭りを取り仕切ったりしていた

それはもう一年中行事があって大変なのだ

 

そして俺は覚えさせられた呪文に意味があるのを知った

この世界には魔法がある

 



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1-5 口調が変えられてしまったのじゃ

1-5 口調が変えられてしまったのじゃ

 

いきなり口調が変わって申し訳ないのじゃ

普段は猫を被って姫らしく話していたのじゃが、どうやら一人でいるときに独り言でオレと言っていたらしく、それを侍女が聞いていたらしいのじゃ

感の良いねえ様は「もっと普通に話しても良いのよ」と言ってくれたのじゃが

皇家の姫が男言葉は無いじゃろうと思って、猫を被り続けていたんじゃが、ついにバレてしもうた

おかげで口調を矯正されたんじゃが、魂にまで矯正が行き届いたのか、この有り様じゃ

これはきっと、死んでも直らんと思う

 

さて、皇家というのは魔力の高い一族らしく、吾(われ)もねえ様も相当な魔力らしいのじゃ

魔力が高いから皇家が生まれたのかもしれぬのじゃがな

妹のすずはまだ魔法を使った事が無いので、分からぬのじゃ

 

修行を続けるうち、我は式神を使える様になったのじゃ

あらかじめ札(ふだ)や人形(ひとがた)に魔力を込めておけば、いつでも使える優れ物なのじゃ

式神に何が出来るかと言えば、プログラムの様に命令を仕込んだり、直接コントロール出来るのじゃ

まぁ、今の所簡単な事しか出来ぬのじゃが

元プログラマーの血が騒ぐのじゃ

 



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1-6 魔法について考察するのじゃ

1-6 魔法について考察するのじゃ

 

吾が今魔法を習っているのは、陰陽寮という機関で妖怪退治や怪異等に対処するための部署らしい

いわゆる陰陽師という奴じゃ

一般には戦巫女と言うらしい

この世界では陰陽師の使う力とは魔法の事の様であるのじゃ

陰陽師達は古来よりずっと妖怪やモノノケといった類に魔法で対処して来たのじゃ

何故、皇家の姫がそんな物を習っているかと言えば、魔力が桁違いであるからじゃ

古来より、皇家の姫が国の守護をして来たらしいのじゃ

本家の姫達も一緒に修行しているのじゃが、ねえ様の魔力が一番大きいらしいのじゃ

ねえ様には、あまり危ない事をして欲しく無いのじゃがな

魔力は有っても、ねえ様は優しすぎるからのう

吾が手伝えれば良いのじゃろうが、我にも夢があるでのう

 

修行を続けるうち、色々な情報に触れる事が出来たのじゃが、モノノケの事を西洋ではネウロイと言うらしいのじゃ

ネウロイと言えば、ストライクウィチーズの世界なんじゃが、まさかのう

空を楽しく飛ぶと言うわけには行かぬようじゃ

吾がウィッチになってストライカーに乗らぬと駄目かもしれぬのう

 




ちょっと強引ですね
陰陽寮関連は独自設定です


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1-7 この世界にはネウロイがおるらしいのじゃ

1-7 この世界にはネウロイがおるらしいのじゃ

 

この世界にネウロイがいるらしいと分かってから、吾は情報集めに力を注いだのじゃ

皇家の姫として、今まで世間から隔絶された暮らしをしておったのじゃが、新聞が読みたいとわがままを言ってみたのじゃ

何とか通り、新聞を読み始めたのじゃが、言い回しが古くて大変なのじゃ

今年は1935年で吾が今5歳じゃから、我は1930年生まれとなるのじゃ

第一期の始まりが1944年で宮藤芳佳が14歳であるから、生まれたのが1930年

つまり芳佳とは同い年になるのじゃ

友達になれると良いのじゃが

 

20世紀初頭、ネウロイとの大戦があり、世界は混乱したのじゃ

つまりは、前世の第一次世界大戦にあたるのじゃ

この世界はストライクウィッチーズの世界とみて間違いないじゃろう

まぁ、吾というイレギュラーがおるから、全てが同じとは限らないじゃろうがな

 

吾の記憶が確かなら、1937年に後に扶桑海事変と呼ばれる事件が起こり、ネウロイと戦うことになるのじゃ

この時、ストライカーが使われ大いに活躍、世界に注目されたのじゃ

ネウロイに対抗できるのは、ウィッチしかいないと吾は考えておるのじゃ

 



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1-8 今後の事を考えるのじゃ

1-8 今後の事を考えるのじゃ

 

別に戦いたい訳では無いのじゃが、吾はウィッチを目指そうと思うのじゃ

このまま何もせずにおれば、戦にも関わり無く暮らして行けるじゃろう

皇家の姫として何不自由無く、人形のように

じゃが、それでは我は何のために生まれたのじゃ?

転生し、前世の記憶は何の役にもたたぬのか?

ここまで考え、吾はウィッチを目指す事を決心したのじゃ

原作組に会いに行くのじゃ

 

さて、吾が501にブリタニアに行くにはいくつかのハードルがあるのじゃ

 

1 ウィッチになる事

ウィッチになるには使い魔が必要じゃ

アニメ版ではそこの所は描かれていなかったのじゃ

じゃからどうやって使い魔を手に入れるのか分からぬのじゃ

修行仲間達はペットでも良いとは言っていたが、ウィッチになりたいのでペットが欲しいとは言えぬし

困ったものじゃ

 

2 軍に入隊する事

皇家の姫が軍に入隊なぞ前代未聞じゃ

相当な反発があちこちより出るじゃろう

自分一人ではどうにもならぬ

誰か偉い人に頼むしかないのじゃ

吾が頼めるのは父様と帝位じゃが、何の材料も無しでは反対されるのがオチじゃ

何かあればよいのじゃが

 



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1-9 ブリタニアへ行くためには……なのじゃ

1-9 ブリタニアに行くためには……なのじゃ

 

3 ブリタニアに行く事

吾が入隊出来たとして、皇家の姫が簡単に行ける訳も無いのじゃ

国外に出る事すら難しいじゃろう

外交問題であるからなのじゃ

これには帝の許可が必要じゃ

エリート部隊である501へ行くにはそれなりの能力が求められるじゃろうしな

吾はマニューバには自信があるのじゃが、実際に飛んだ事は無いので、どうなるかはまだ分からんのじゃ

後は前世の知識と歴史位のものじゃ

これも説得材料が無いのじゃ

 

後、7年の内にこれらをクリアしないとならないのじゃ

なかなかに厳しいのじゃ

まずは使い魔か

どうしたものかのう

 



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第2章 タマちゃんは使い魔なのじゃ
2-1 静養に来たのじゃ


2-1 静養に来たのじゃ

 

今日は京都からの帰りに静養に来たのじゃ

ここは、とある山の宿坊の様な所じゃ

精進料理が意外に美味しかったのじゃ

両親の公務の帰りに静養する事になったのじゃ

久ぶりに家族揃っての休みにすずも甘えておるのじゃ

吾もねえ様に甘えておる

勿論ねえ様も上機嫌じゃ

前世では家族に恵まれていなかったので、今の家族がいとおしいのじゃ

 

すずは、はしゃぎ過ぎたのか、まだ昼間だというのに、寝てしまったようじゃ

吾は庭を眺めながら、鼻歌を歌っておった

前世で覚えた歌じゃから、今の人間には聴き慣れ無いと思うのじゃが、今はご機嫌なのじゃ

洋楽やポップス、アニソンまで、思いつくままに歌ったのじゃ

まだこの世に生まれていない歌もあったのじゃが、気にしてもしかたないのじゃ

 

いつの間にかねえ様が傍にいたのじゃ

 

「とっても素敵な歌ね。上手だわ。どこで覚えたの?」

なんと答えたものか

ねえ様には嘘を付きたく無いのう

「うーむ。前世なのじゃ」

正直に答えてみたのじゃ

 



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2-2 化け狐が出たのじゃ

2-2 化け狐が出たのじゃ

 

前世では気分がノッて来ると、歌ってしまう癖があったのじゃ

フライト中は特になのじゃ

戦意を鼓舞したり、気分を落ち着けるために、わざと大声を出してみたり

一緒に飛んでいた仲間達には不評で、うるさいといつも言われておったのじゃ

そんな話をねえ様にしてみたのじゃ

 

「まあ。素敵ね結音。私にも教えてくれる?」

「勿論なのじゃ」

 

吾が最近悩んでいる事を察したねえ様が、気分を変えようとしたのが分かったのじゃ

ねえ様はやっぱり優しいのう

吾が教えた歌を二人で歌っていると、目を覚ましたすずが一緒に歌うと言ってきたので、教えながら歌ったのじゃ

すずは子供なだけあり、アニソンがお気に入りになったようじゃ

 

その夜、眠っていると妙な夢を見たのじゃ

 

「なんとも楽しそうな歌じゃったな」

「狐?」

「いかにもわしは狐じゃ。しかも九尾じゃぞ。すごいじゃろう」

「どうして九尾の狐が? 妖怪?」

「いかにも。わしは祟り狐じゃ」

「吾を祟るのか。祟られたくは無いのう」

 

それが、吾と生涯の相棒との出会いじゃった

 




祟り関連の話はもっと突っ込みたかったんですけど、あまり長くなると原作組に会いに行くのが遅くなるので、端折りましたw


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2-3 祟り狐との出会いなのじゃ

2-3 祟り狐との出会いなのじゃ

 

その狐は美しい黄金色の9本の尻尾と耳があったのじゃ

 

「ところであの聴いた事の無い歌は何じゃ」

「何じゃ聴きたいのか? 歌いたいなら教えてやっても良いぞ。ただし祟られては困るのう」

「本当か? 嘘ではないな?」

 

我の歌に興味があるのか、祟り狐と名乗った者は身を乗り出してきたのじゃ

 

「祟らずに傍におれば、たまには歌ってやっても良いのじゃ。ただし我も忙しいでな、いつもと言うわけにはいかんがそれで良いか?」

「おう、おう。それで良いのじゃ。よろしゅうな」

「来るんじゃったら、もう少し小さくなって来るんじゃぞ。皆がビックリするのじゃ」

「大丈夫じゃ。抜かり無い」

「そう言えば、名は何というのじゃ。吾は結音と言うのじゃ」

「わしは玉藻(たまも)。九尾の玉藻じゃ」

 

そう言うと狐はすうっと消えてしもうたのじゃ

変な夢じゃった

 

目が覚めると、布団の中に子狐が寝ておったのじゃ

正夢か?

 



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2-4 子狐が目を覚ましたのじゃ

2-4 子狐が目を覚ましたのじゃ

 

玉藻をまだ布団の中でぬくぬくさせたまま、どうしたものかと考えておるのじゃ

それに外が何やら騒がしいのじゃ

 

警護役が父様と何やら相談しておったのじゃ

母様に聞くと賊が進入したらしいのじゃ

心当たりのあった我は、まだ寝ている玉藻を起こさない様にそっと抱き上げ、母様に見せに行ったのじゃ

「母様、騒ぎの原因はこの子の事では無いじゃろうか?」

そう言って、腕の中の子狐を見せる

「まあ、子狐かしら?」

「可愛い~」

「結音。この子どうしたの?」

すずとねえ様も見に来たのじゃ

玉藻は、人の気配を感じたのか目を覚ましたらしく、大きなあくびをくあ~とやったのじゃ

「もしや、お前は玉藻か? あれは夢かと思っておったのじゃ」

「何じゃユネ、あの約束をたがえる気か?」

「夢では無かったか。もちろん覚えておるのじゃ。歌を教えるので良いのじゃな?」

「うむ。わしも祟らないと約束しよう」

突然、子狐が喋ったので母様達はビックリしてしまったのじゃ

 



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2-5 友達が出来たのじゃ

2-5 友達が出来たのじゃ

 

「きつねさんが、はなしてるのねえさま?」

すずは狐が話すのが不思議な様じゃ

「この狐は九尾の狐。妖狐の玉藻じゃ。そうじゃろう?」

玉藻はその場でクルリと宙返りをしたかと思えば、子狐サイズの人型に変化したのじゃ

「わしは玉藻、九尾の狐じゃ」

そう言うとえっへんと胸を反らしたのじゃ

「なかなか面白い事が出来るのう」

「きつねさんかわいい」

すずは玉藻の事を気に入った様じゃ

 

「のう玉藻。吾と友になってくれんか? 吾はまだ友が一人もおらんのじゃ」

「友? わしで良いのか? わしは祟り神じゃぞ?」

「祟らぬと約束してくれたのじゃ、吾の傍にいれば誰も祟らぬじゃろう? 吾の傍におるのじゃ」

そう言ってねえ様の真似をして、とびっきりの笑顔をして見せたのじゃ

やっておいて何じゃが、とても恥ずかしいのじゃ

すると、玉藻は何故か泣き出してしまったのじゃ

「今までそんなことを言ってくれた者は居なかったのじゃ~」

しばらくして泣き止むと

「わしの友になってくれ」

と懇願されたのじゃ

吾も友が出来て嬉しいのじゃ

 




文字数が足りないのでちょっと強引です
もうちょっとタマちゃんの話が書きたかった
でも長くなると原作組に会いに行くのが遅れる
しかたないので色々端折りましたw


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2-6 タマちゃんと呼んでも良いかのう

2-6 タマちゃんと呼んでも良いかのう

 

「たまもちゃん、どうしてないてるの」

すずも悲しくなったらしいのじゃ

「吾と友になったのが嬉しかったのじゃ。すずも仲良くしてやってほしいのじゃ」

「はい、ねえさま。すずもともだちになるっ。ねっタマちゃん」

「た、タマちゃん!?」

玉藻はタマちゃんと呼ばれて驚いているのじゃ

今まで恐れられ、憎まれて来た妖狐が初めて親しみを込めて呼ばれたのじゃ

「嬉しいのじゃ~」

また泣き出してしまったのじゃ

 

騒ぎを聞きつけ父様達もやって来て、タマちゃんを見て驚いていたのじゃ

「父様、もしかして騒ぎの原因は、タマちゃんにあるのかのう」

そう言ってこれまでの経緯を話したのじゃ

父様の話では、妖狐を封じた岩が割れて、封印が解かれたので警戒していたそうなのじゃ

妖狐玉藻と言えば大妖怪じゃ

解放されたとなれば、陰陽師達が大動員されるはずじゃ

「タマちゃんは吾の友になってくれたのじゃ。父様、どうにか出来ぬものかのう。吾は一緒に居たいのじゃ」

「お前が言っていた一緒に居れば悪さをしないと言うのは良い考えだね。私に任せておきなさい」

やはり父様は頼りになるのじゃ

 




父様理解が早すぎw
長くしてもしかたないので端折るー


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2-7 タマちゃんが使い魔になるのじゃ

2-7 タマちゃんが使い魔になるのじゃ

 

「結音。お前の使い魔にするというのはどうだろう。主が居れば無茶も出来まい」

使い魔!

吾が欲しくてたまらないものじゃ

じゃが、吾一人の問題では無い

「タマちゃん、吾の使い魔になる気はあるか? そうすれば一緒に居られるらしいのじゃ」

「使い魔になればユネと一緒に居られるのか? ならばその使い魔とやら、なってみせよう」

 

こうして吾とタマちゃんは使い魔契約を結び、吾はウイッチになることが出来たのじゃ

吾がタマちゃんの主として大妖怪を抑えようと言う事じゃ

もっとも、長い間封じられたせいか、魔力が随分と失われていたのじゃ

タマちゃんの扱いについては、父様が万事手配してくれたので、陰陽師達が調伏しに来る様な事は無かったのじゃ

吾が友としてタマちゃんには、人と共に暮らすすべを教えねばならないのじゃ

吾が死んだ後も、タマちゃんが人と共に暮らせる様にじゃ

 

何にせよ、吾は使い魔を得たのじゃ

条件の一つをクリアじゃ

次は軍に入隊するのじゃ

 



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2-8 家族に前世の事を話してみたのじゃ

2-8 家族に前世の事を話してみたのじゃ

 

吾は家族に自分の前世の話をしてみたのじゃ

自分が約40年後の生まれである事

ネウロイが侵攻したこと

対抗手段はウイッチが有効な事

扶桑海事変の事

それに吾が未来のマニューバや戦術を知っている事

吾が航空機の設計が出来る事も

そして扶桑が負ける可能性があることも

父様に、何か役にたてないものかと聞いてみたのじゃ

吾の技術と前世知識があれば、何か出来るはずなのじゃ

 

父様は疑問に思ったことを聞いて来た

「結音、扶桑が負けるとは、どういう事かな?」

「可能性があるのじゃ。前世では敗戦したのじゃ。物量と技術差によってな。この世界ではそれらをネウロイでなぞっておる。故に何もせねば扶桑はネウロイに占領される可能性がある」

「可能性というのは?」

「吾の前世と違いが有りすぎるのじゃ。前世ではウィッチもネウロイもおらんかったしのう」

「ネウロイに占領されるというのは?」

「前世では戦に負け一時的じゃが占領されていたのじゃ。それが同じなら、その可能性があるのじゃ」

父様は一息ついて切り出してきた

「それで結音はどうしたら良いと思う?」

それは……

 



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2-9 父様にやりたい事を言ってみたのじゃ

2-9 父様にやりたい事を言ってみたのじゃ

 

「ストライカーの開発、それと新兵器の開発じゃな。後は人材発掘と育成じゃ。新たな戦術も必要じゃな」

「うむ。でも軍でも同じ事をやっているはずだね」

「ストライカー開発には消極的じゃろう? そこに力を入れたいのじゃ。吾には幾つかアイディアがあるのじゃ」

「あいでぃあ?」

 

聞き慣れない言葉を聞いて父様は首をひねる

 

そこで吾は庭に出て、懐から札を二枚取り出したのじゃ

一枚を起動すると蝶になったかと思うとひらひらと飛び始めた

二枚目を起動して投げると、札は蝶めがけて真っ直ぐ飛び、ぶつかると共にバンと消滅した

 

「対モノノケ用の札に改良を施した物の試作品じゃ。ネウロイもモノノケの一種と考えれば有効なはずじゃ。これをストライカーに装備するのじゃ。優秀な術師がおれば作れるように、術式は公開しようと思うのじゃが。どうかのう?」

 

父様は感心しながら

 

「うむ。これを量産するのか。術師の確保が大変になるね」

「じゃから人材発掘と育成なのじゃ。今からやらねば間に合わんじゃろう。その間ストライカーの開発にも関わりたいのじゃ」

 

吾の要望を話してみたのじゃ

 



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2-10 父様に色々頼んでみるのじゃ

2-10 父様に色々頼んでみるのじゃ

 

「父様、吾がストライカー開発を手伝う事は出来ぬ物かの」

「わかった。何とかしてみよう。でも、すぐにと言うわけには行かないよ。分かるね」

「分かっておるのじゃ。それとの、軍に入隊し扶桑のウィッチとしてブリタニアへ行きたいのじゃ。ブリタニアにウィッチの部隊が設立されるのじゃ。そこでネウロイと戦う術(すべ)を学びたいのじゃ」

「そのストライカーと言う物がどういう物か良く分からないが、それが有ればネウロイに対抗できるんだね?」

「そうじゃ、二年後には実証出来るじゃろう。ただ詳細はあまり覚えておらんのじゃ。我が開発に加わる事で、開発を前倒ししたいのじゃ」

 

父様は、吾のわがままを笑いながら聞いて、何とかしてみると言ってくれたのじゃ

帝に話すんじゃろうか?

信じてくれると良いがのう

 




父様、滅多にわがままを言わない結音が、わがままを言うので嬉しいようです
子供に甘い父様でした


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2-11 式神に出来る事を考えるのじゃ

2-11 式神に出来る事を考えるのじゃ

 

まずは、式神について考えてみるのじゃ

式神には動物霊を使うものとそうでない物があるのじゃ

扱い安さから、動物霊を使うのが一般的じゃな

簡単な指示をするだけで、自律的に判断してくれるからじゃ

じゃが、吾のやろうとしているのは、追尾ミサイルの制御等、つまりは使い捨てじゃ

動物霊の調達の大変さや倫理的な障害があるのじゃ

吾は死んだ者まで使いとうは無かったのじゃ

家族の様に暮らしたペットを使役するのはどうかと思うのじゃ

 

そこで一から制御プログラムの様な物を組まないといけないのじゃ

初めはまともに飛ばすことも難しいじゃろう

先程の札は式神の蝶に向かって飛ぶようにした、デモンストレーション用の手抜き版じゃ

吾のやろうとしているのは、ロケット弾や追尾ミサイル、誘導弾

偵察用のプローブ、あるいは無人偵察機

少ない魔力で使えるバリア

機雷の様なトラップ

前鬼後鬼の様な護衛

これ等を簡単に使えるFCS(火器管制システム)じゃ

 

それにシミュレーションや設計に使えるパソコンも式神で作れるかもしれないのじゃ

試しに電卓を作ってみるのじゃ

 



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2-12 電卓を作ってみるのじゃ

2-12 電卓を作ってみるのじゃ

 

電卓に必要な主な要素はキー入力、計算、表示じゃ

式神で作るので電池の代わりに魔力で動かすのじゃ

魔力式電卓と言う訳じゃな

いや、電気を使っておらんのじゃから、魔卓になるのかの?

 

操作部が有った方が初心者にも使い易いかと思い、電卓の様なキーを用意した札に書いてみるのじゃ

表示部はやはり電卓と同じ様な位置に枠を書いてみるのじゃ

これだけだと落書きと変わらないのじゃ

これに魔力を通し式神にするのじゃ

試作なので余計な機能を付けずにシンプルかつ省エネにするのじゃ

 

出来上がったので早速試してみるのじゃ

魔力を通し、起動してみると電卓の様にちゃんと動くのが確認できたのじゃ

調子に乗って吾は電池のような物を作ってみたのじゃ

札に魔力を貯められるだけ貯めて、電卓の下に重ねるのじゃ

すると電卓は吾の魔力供給無しに動き出したのじゃ

後はこの電池がどれだけ保つのかテストせねばならないのじゃ

魔力の無い者にも使ってみてもらわねば

 

これを応用すれば一般人でも魔道具が使える様になるのじゃ

ストライカーの設計技師たちにも使えるコンピュータが作れるのじゃ

 




式神開発が始まります


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第3章 開発ツールを作ってみたのじゃ
3-1 ストライカーの開発に来たのじゃ


いよいよ開発が始まります
先ずは開発ツールから

式神便利すぎw

書き方をちょっと変えてみました



吾は、10歳になったのじゃ

さすがに入隊にはまだ早いので陰陽寮からの出向という事になっておる

ここは埼玉の所沢で航空機関係の研究機関や工場が沢山あるのじゃ

空港もあるのでテスト飛行も何時でも出来るのじゃ

吾はストライカー開発の手伝いをしておる

 

3年前ネウロイがやってきて国中が大騒ぎになったのじゃ

吾の警告を無視した軍部は何の準備もなく開戦になり醜態をさらしてしまったのじゃ

結局、ストライカー部隊の活躍で何とかなったのじゃがな

お陰でストライカーの開発の予算が増額したのじゃ

1年前には欧州にネウロイが居座って各国が開戦状態となった、前世における第二次世界大戦じゃ

対抗手段であるストライカーの開発は急務なのじゃ

 

ここは扶桑のストライカー開発拠点なので宮藤博士や坂本美緒とも知り合うことが出来たのじゃ

宮藤理論のお陰でストライカーも飛行脚型に出来たのじゃ

彼らは欧州の研究所で新型の開発をしておる

吾は止めたんじゃが決意は堅かったのじゃ

 




wikiによると宮藤博士はすでに死んでるみたいです
でも占いでははっきりしてないので、ここでは生きてる事にしました
原作ではぼかしてるので、この辺の設定は原作から離れます


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3-2 PDAの開発をしてみたのじゃ

以前作った電卓を応用して関数電卓を作ってみたのじゃ

これは関数機能とメモリー機能を追加しただけなので簡単じゃった

札のままじゃと使い難いので、薄い木箱に貼ってみたのじゃ

箱は持ち運びしやすいように、ポケットサイズにしたのじゃ

箱の中には魔力符を入れて、電池やバッテリーの様に魔力が切れたら、交換出来るようにしたのじゃ

 

これを開発部に行き渡るようにしたのじゃが、大変好評じゃった

計算尺や三角関数に四苦八苦しておったからの

魔力が切れたら、開発部に出向しているウィッチに充電? して貰えば良いのじゃ

 

吾はこれにメモ機能や時計機能、スケジュール管理機能等を盛り込んで、PDAにしてみたのじゃ

勿論、カメラ機能や録音、録画機能も標準装備じゃ

 

ボタンか多くなって使い難くなってきたので、タッチパネル式に変えてみたのじゃ

スマホの様にアプリをインストール出来ないのが難点じゃな

これは、本格的にネットワークを構築せねばならぬのう

 



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3-3 PDAを魔改造してしまったのじゃ

吾はつい調子に乗って、PDAに魔改造を施してしまったのじゃ

猫耳、猫尻尾、黒い子猫サイズの式神にしてしまったのじゃ

人型と猫型にチェンジ可能じゃ

勿論機能はそのままに、自律して行動できるように、歩くPDAになったのじゃ

吾の後をちょこちょこ付いてくるのが可愛いのじゃ

音声認識機能でPDAを口頭で使えるようになっのじゃ

ここまで作ったら、次はスマホまで進化させたいのう

それにはネットワークを構築せねばならんのじゃ

まずはそれからじゃな

 

PDAの名前はクロにしたのじゃ

センスが無いのは分かっておるのじゃ

アバターはいつでも換えられるしの

 

所内のウイッチ達に見られたら何故か皆、欲しがったのじゃ

ウィッチと言うても女の子と言う事じゃな

ウィッチ達には量産型を渡す約束をしたのじゃ

まだ盛り込みたい機能も有るでの

 

あまりクロを構いすぎると、タマちゃんが拗ねてしまうようになったのが困ってしまったのじゃ

クロに○ォーカロイド機能を入れて三人で歌ったら機嫌が良くなったのじゃ

やっぱり歌が好きなのじゃな

 




調子に乗って魔改造してしまいました
式神だからこんなのも有りかなと


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3-4 メイドさんが来たのじゃ

さて吾がこんな所に一人で来れるのは、専属メイドが二人も付いたからじゃ

二人共、陰陽寮出身で現役バリバリの戦巫女じゃ

凪(なぎ)は我の三つ年上の13歳で武勇に秀でてカッコ良いのじゃ

朔夜(さくや)は我の一つ上の11歳で物静かなお姉さんじゃ

勿論、二人共家事や警護も完璧な頼りになるお姉さんじゃ

こんなに幼い時から頼りになるなんて、一体どんな修行を積んだのじゃろうの

 

凪は表立って常に側にいて、吾の使いをする役目で、朔夜は裏方に回りフォローする役目の様じゃ

大抵は凪が我に付いており、朔夜は家事をこなしておる

 

早朝はいつも二人と共に修行をするのが日課になったのじゃ

体力も魔力も付けねばならんから大変なのじゃ

吾も神様にチート能力でも貰えておれば、楽が出来るのじゃがな

 

今は凪に薙刀(なぎなた)を習っておる

戦巫女は刀を用いる者が多いのじゃが、接近戦に自信の無かった吾に薙刀を薦められたのじゃ

前世でもそんなスキルの無い吾は、大変苦労しておるのじゃ

 




ハイスペックメイドの凪と朔夜です

何故かミニスカメイド服にインナーは海軍仕様のスクール水着になってます
開発中のため結音の服装を書く暇がありませんが、巫女服風の白衣にミニスカ風緋袴になってます
5章位で書けるかなぁ


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3-5 クロとシロを繋げるのじゃ

陰陽の術の一つに通信符と言う物があるのじゃ

味方に持たせて作戦の指示を出したり、現場の状況を確認したりするのじゃ

じゃが、相手に知られずに付ける事が出来れば、相手の様子が丸分かりになる、ストーカー御用達の様な札じゃ

これを応用してネットワークを作ろうと思うのじゃ

 

通信符が術者と繋がるのは、札と術者に魔力のパスが繋がるからじゃ

パスの繋がった札を魔力的に半分に裂くと二枚の札にはパスが繋がったままになるのじゃ

これをまず二組作り、札の半券を箱に電池符と共に入れ、中継点とする

つまり基地局じゃ

札の片方をクロに仕込む

もう一方をクロと同型の白猫PDAを作り仕込んだのじゃ

白猫はシロと名付けたのじゃ

これでクロとシロが中継機を通して通信出来るかテストするのじゃ

タマちゃんにシロを持って貰って、離れた場所から通信じゃ

 

「はろはろー。タマちゃん聞こえるかの」

「はろ? 何じゃそれは?」

「どうやら繋がった様じゃな」

 

データ通信も出来たので、次はネットワークを構築するのじゃ

 




クロとシロが揃いました
良い名前を思い付かなかった

クロ、シロと言うと○イバスターw


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3-6 ネットワークを構築するのじゃ

ネットワークを作る為に基地局を幾つかと、モニタ用に簡易PDAを幾つか作ったのじゃ

基地局同士を繋ぎ、それぞれにモニタを繋ぐ

基地局にはサーバー機能も追加じゃ

その内の一つをデータセンターとして使うのじゃ

大容量のストレージと電池符を入れ、アップデートされたデータを保存出来る様にしたのじゃ

前世の物と違って、放熱が要らないので随分とエコになったのじゃ

 

元々通信符の有効距離は数kmはあったので、大分離れた所からも通信出来るようになったのじゃ

サーバーも作ったので混線も無しじゃ

ネット同士が繋がっておれば、どの基地局の札で接続しても有効距離外でも使える事が分かったのじゃ

つまり登録はどの基地局でやっても大丈夫な様じゃ

 

吾は大量の通信符のラインを作り基地局に仕込み、半券を手元に置いておいたのじゃ

いわゆるSIMカードの様なものじゃ

新しく加入する度いちいち基地局を開けなくて済む様に、SIMカードを渡すだけでネットに接続出来る様になるのじゃ

 

艦隊同士の通信や戦闘機、ストライカーに標準装備すれば連携も楽になるのじゃ

 



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3-7 パソコンを作ってみるのじゃ

まずコンピュータに必要な物と言えば、入出力装置、マザーボード、CPU、OS、アプリといった処かの

マザーボードに必要なパーツを付けて出来上がる、パソコンを作るのじゃ

パーツは最新の物に差し替えられるしの

OS等がバージョンアップ出来る様にするのじゃ

 

入力装置の代表格といえばキーボードとマウスじゃな

キーボードは板切れにキーを書いた札を貼って終わりじゃ

マウスは握りやすく削った板切れに札を仕込むだけじゃ

通信符と電池符を入れられる様に細工もしてある

通信符の半券を本体に入れればワイヤレスキーボードとマウスの完成じゃ

この世界は進んでおるの

 

ディスプレイは同じ様に板切れに札を貼って作ってみた

勿論、電池符と通信符も入っておる

 

マザーボードは引き出しの付いた箱を使ったのじゃ

引き出しの中に、CPU、OS、内部ストレージ、キーボード等の通信符、アプリの等札を入れて完了じゃ

CPUやOSは前世の物とほぼ同じ機能じゃ

アプリは複数入れられ、同時に動作出来るマルチタスクになっておる

内部ストレージはメモリやハードディスクの様な物で、データを記憶しておく所じゃ




かなり強引ですねw

USBの様な外部ストレージでデータをやり取りしようかと思ったんですが、ネット有るなら要らないかなって事で省きました

式神良いなぁ
家にも欲しい


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3-8 ネットワークを管理してみるのじゃ

ネットに繋げる事が出来ても、相互にデータをやり取り出来なければ意味は無いのじゃ

サーバーでやり取りするには端末に一つずつアドレスが必要じゃ

そこでアドレス管理用パソコンを用意し、そこのストレージに個人情報とアドレスを記録し、サーバーに接続先を通知する仕組みを考えたのじゃ

いわゆるドメインという奴じゃな

ネットワークは専門では無かったので、怪しい処ではあるがの

 

ネットワーク管理は誰かに委託するかの

新規加入者は、新規加入のホームページで個人情報を記入し、アドレスを決めて、SIM符を貰う

それをスマホやパソコンにセットすれば完了じゃ

 

これでメールや電話、ホームページ等が作れるのじゃ

検索エンジンも必要じゃな

それが終わったらwikiでも作るかのう

wikiにヘルプでも入れておくのじゃ

 

次はブラウザやワープロ等のアプリを作らねばならぬのじゃ



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3-9 開発ツールを作ってみたのじゃ

それから吾はブラウザやエディタ、ワープロ等、基本的なアプリや設定等、必要と思われる物を各種作ったのじゃ

それに加え本来の目的である、ストライカー開発に使えるCADやシミュレータ等も作ったのじゃ

技術者達にはスマホに加えてタブレットも作ったのでペーパーレスで仕事が出来るようになったのじゃ

 

技術者達は、まだ皆若かったのじゃが、紙媒体以外受け付けない人もいるので、プリンタも作ったのじゃ

トナーもインクジェットも無いので、光の魔法を絞り込み、紙に焼き付けてみた

サーマルプリンタもどきじゃな

印画紙を使えば青焼きも出来る優れ物じゃ

これで図面も印刷出来るのじゃ

 

宮藤博士にも大使館を通じて一式送っておいたのじゃ

ブリタニアとはまだ回線を繋げていないので、ちゃんと使って貰えるか分からなかったのじゃが、手紙が来て絶賛してくれたのが嬉しかったのじゃ

新型エンジンが出来れば良いのう

 




宮藤博士、まだ生きてるw


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3-10 開発ツールを発表したのじゃ

世界中の技術者に向けて、開発ツールを発表したのじゃが、世界中で大反響があったのじゃ

○ンドロイドの様にオープンソースにしたので、爆発的に増殖したのじゃ

ウィルスが流行らなければ良いのじゃが

 

開発ツールのおかげで、開発期間が大幅に短縮出来るようになったので、各所で開発競争が激化し始めたのじゃ

ジェットストライカーが出来るかもしれないのじゃ

夢が膨らむのう

 

海軍の造船所にも導入されて、戦艦の設計にも使われ始める様になったのじゃ

 

そこで吾は新たな構想を建てたのじゃ

それは扶桑国内や海外とのネットワーク構想じゃ

すでに国内でも、電線や電話網が出来始めていたのじゃが、スマホによるネットワークのインパクトは大きかったのじゃ

首相官邸や軍の司令部から、中継機を使えば、前線に直結出来る様になったからじゃ

 

先ずは艦隊と戦闘機、ストライカーをネットワーク化するメリットをプレゼンするのじゃ

前世で磨いたプレゼンの腕、見せてくれようなのじゃ

 



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3-11 ネットワーク構想をプレゼンしたのじゃ

プレゼンの結果は、成功であり失敗でもあったのじゃ

海軍はメリットを十分理解してくれたのじゃが、陸軍はメリットを感じてくれなかったようじゃ

この時代、前世の日本軍の戦車は貧弱じゃった

それは陸軍の想定し戦いでは戦車が必要無かったからじゃ

欧州と事情が異なっていたからじゃ

こちらでも事情は同じじゃった様じゃ

 

政府の反応も良く、軍の工場や軍司令部、首相官邸に導入される事になったのじゃ

 

吾はこっそり既に実家にも導入していて、毎晩家族と話しておる

すずは6歳でスマホデビューじゃ

既に使いこなしておるのが、末恐ろしいのじゃ

ねえ様と話すのが、吾の癒しになっておるのじゃ

なぜこっそり導入したかと言えば、プライベートを分けたかったからじゃ

吾のクロはアドレスを複数持っており、使い分けておる

クロは秘書としても優秀なのじゃ

 




3章終了です

4章は兵器開発
5章でやっと原作組に会いに行く予定です

ストックが無いのでしばらく更新があきます


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第4章 新兵器を作ったのじゃ
4-1 ウィッチの映画を見に来たのじゃ


4章スタートです



今日は映画館へ来ておる

貸し切りじゃ

以前から、強請っておった扶桑海事変の映画じゃ

そう、ウィッチが大人気になる“あの”映画じゃ

初めはフィルムを借りて、一人で見ようと思ったんじゃが、実家には映写機も無いので、父様に相談したら皆で見ようと言うことになったのじゃ

どうやらすずも評判を聞き付けていたらしく、家族に話していたらしいのじゃ

 

父様が手配しているのを聞き付けたか、帝一家もご一緒にという運びとなったのじゃ

おかげで、天覧映画になってしまったのじゃ

警護が大変だったり、撮影した監督が挨拶に来たりと、なかなか落ち着かなかったのじゃ

親族がこうして集まるのは、久しぶりなのじゃ

吾も従姉妹達と交流を深めるのじゃ

 

皇太子はヤンチャに育ったようじゃな

なぜか吾の傍を離れないのじゃ

懐かれたか?

特に何かした覚えはないんじゃがのう

 

すずはどうやら、吾に憧れを持っているらしく、吾を見る目がキラキラしておるのじゃ

吾の話を一言も聴き逃すまいとしておるのじゃ

憧れられるのは嬉しいんじゃが、どうしたものかのう

 

映画の内容は、とても感動してしまったのじゃ

お約束のシーンが沢山詰まっておったのじゃがな

 



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4-2 近況を報告するのじゃ

映画のおかげか、人材発掘は上手く行っている様じゃ

ウィッチの素質がある者が沢山集まったのじゃ

じゃが、元々陰陽寮は少数精鋭を育成する機関じゃったから、学校教育の様には行かなかったのじゃ

そこで、女学校等にウィッチを臨時講師として派遣する事になったのじゃ

普通の学校でウィッチの教育が受けられるのじゃ

これが根付くと良いのじゃが

上手く行けば、電池符等の量産が出来るのじゃ

 

吾の周りも騒がしくなってきておる

皇族でウィッチ、しかも近々軍へ入隊する予定と、色々話題に事欠かない我に取材が来ておるのじゃ

勿論、皆断ったのじゃが

 

現在ストライカーの開発の方は、原作より2年程先を行っているという状況じゃ

ネウロイを圧倒する性能とまではいかん様じゃ

何より魔導エンジンの出力が足りないのじゃ

例えば、リベリオンの燃費の悪いハイパワーエンジンじゃと、扶桑のウィッチでは息切れしてしまうのじゃ

やはり扶桑製のエンジンは軽量、低燃費、高い信頼制でないといけないのじゃ

これでパワーも有れば言う事無いんじゃが

エンジンチームも開発ツールのおかげで効率も上がり、頑張っているのじゃ

いずれ成果が出るじゃろう

 



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4-3 ミサイルを作ってみたのじゃ

陰陽の術に爆砕符という物があるのじゃ

魔力による爆弾じゃな

これを使って、まず兵器開発の基本となる、爆弾を作ろうと思うのじゃ

弾頭部分と信管に分けておけば、色々なタイプを使い分けることが出来るのじゃ

 

弾頭は威力で数種類に分けるのじゃ

信管は時限式、遠隔式、近接式に分けるのじゃ

時限式は信管にタイマーを付けて指定した時間で起爆するタイプじゃ

ネウロイに接近して張り付ける事を想定しておる

遠隔式は好きなタイミングで起爆出来る優れ物じゃ

近接式は空中機雷に使う予定じゃ

ネウロイの先に飛び、機雷をばらまくのじゃ

 

この爆弾を飛翔体に付ければ、ミサイルや誘導弾が作れるのじゃ

ミサイルは自動追尾するロケット弾じゃ

誘導弾はウィッチやコンピュータの指示で操作出来るタイプじゃ

飛翔体は式神を飛ばせば良いのじゃ

 

これらを操作するために、ストライカーにはFCS(火器管制システム)が必要じゃな

コンピュータは既に作ってあるので、後はソフトを作れば良いのじゃ

 

一般兵用にバズーカも作れるのじゃが、ウィッチではないのでネウロイの障気には耐えられないじゃろう

これは御蔵入りじゃな

 




誤字について
障気
ショウキの表記でショウの字が入力出来ませんでした
辞書によると障と同意とあったので、本作品ではこちらで表記します


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4-4 FCSを作ったのじゃ

FCS(火器管制システム)とは複雑化した戦闘機の操作を簡単にするシステムじゃ

多くのストライカーは武装の切り替え等は無く、ウィッチが持ち替えて対応しているのじゃ

これをストライカーに搭載したFCSにやらせようと言うのじゃ

 

主にやるのは武装の切り替え、ミサイル等のロックオン、誘導ミサイルの操作、チャフやダミーの自動射出、バリアの自動展開等じゃ

スマホで使った音声認識機能で操作するのじゃ

タッチパネルも付けておいたので好きな方で操作出来るのじゃ

ネットワークにも対応しているので一緒に飛んでいればインカムが不要になるのじゃ

 

HUD(ヘッドアップディスプレイ)も作ってみたのじゃ

通信符は式神の見た物が見えるのじゃが、これを応用してFCSに処理させた内容を追加して見せるのじゃ

具体的には敵機までの距離やロックオンマーカー、高度計や速度計等の計器、魔力残量等を表示するのじゃ

クルーズ(巡航)モードでは目標までのナビゲーションをしてくれるのじゃ

天気予報や整備スケジュールも管理してくれる秘書機能付きじゃ

 



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4-5 ストライカーの装備を色々作ったのじゃ

陰陽の術に結界と言う物があるのじゃ

これを使って、バリアと言う物を考えてみたのじゃ

ネウロイのビームを一度だけ防ぐ札じゃ

スケープドールとも言うのじゃ

 

ネウロイのビームが当たりそうなとき、FCSが自動的に射出してくれるのじゃ

電池符で動くので魔力が切れていても使えるのじゃ

魔力切れのウィッチのための最終手段として考えたのじゃが、戦闘機や戦艦に積めばウィッチでは無い者でも防御が出来ると気が付いたのじゃ

アニメ版の一期で沈んだ艦を救えるかもしれないのじゃ

海軍に打診してみるのじゃ

 

他に防御手段として考えられるのはチャフの様な目くらましじゃ

魔力を感知するネウロイには使えるかもしれぬのじゃ

それと、精巧なダミーを飛ばしたらどうじゃろう

陰陽の術に本人そっくりの式神を出す術があるのじゃ

ダミーはそれで行くのじゃ

 

遠くの者と通信したり、遠くを偵察したり出来るプローブも作るのじゃ

これは適当な飛翔体に通信符を付けた物で、戦巫女が偵察用によく使う奴じゃ

あまり飛ばしては使わないのじゃが

これが有るとネットワークの有効距離が延びるのじゃ

 



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4-6 戦闘機と海軍の装備を考えてみたのじゃ

ストライカー装備開発でノウハウが貯まって来たので、他の装備を考えてみるのじゃ

 

戦闘機にはミサイル、FCS、バリア、ダミー、ネットワーク等が使えるのじゃ

電池符方式ならウィッチで無くても使えるのじゃ

戦闘機なら障気にあたる時間が少なくて済むのじゃ

 

戦艦にはミサイル、FCS、バリア、ダミー、ネットワーク、主砲、着弾観測等が使えるのじゃ

ネウロイに対して、ウィッチの機銃弾が有効なのは魔力を帯びているからじゃ

戦艦の主砲に魔力を通す事が出来れば、主砲は最大の武器になるのじゃ

海軍軍人にとっては主砲が使えないのは屈辱じゃろう

主砲に魔導エンジンを付けて、海軍ウィッチが履くのじゃ

また砲門毎にFCSを付ければ、着弾観測が正確になるのじゃ

元々コンピュータと言うのは米軍が弾道計算をするために開発した物であるのじゃが、当時の性能では実現出来なかったのじゃ

 

艦隊旗艦にはCIC(戦闘指揮所)を付けるつもりじゃ

レーダーやネットワークからの情報から戦闘を指揮する場所じゃ

艦隊司令の仕事場じゃな

ここでは海軍ウィッチにネットワークの監視をさせるつもりじゃ

これはいわゆるイージスシステムという奴じゃな

 



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4-7 イージスシステムをプレゼンしてみたのじゃ

陸軍にも開発ツールや新兵器の事を打診してみたんじゃが、独自でやるとつっぱねられたのじゃ

式神が監視されている様で、気に入らないらしいのじゃ

確かに管理者権限で吾が監視をしているのじゃが、システムチェックのためのログを見るだけなのじゃ

後ろ暗い事でもしておるのかの?

これは陸軍に相当な被害が出る事になるかもしれんな

陸軍ウィッチはどうしておるんじゃろう

戦巫女の大半は陸軍所属じゃったはずじゃ

父様に相談してみるのじゃ

 

さて、この前作った艦隊用装備を海軍にプレゼンしてみたのじゃ

海軍将校たちは、これで反撃出来ると泣いて喜んでおった

相当悔しい思いをしていたのじゃろう

対空機銃にウィッチの魔力が使えれば、防空戦も出来るかもしれないと話したら、早速検討すると言われたのじゃ

どうやら戦艦に魔導エンジンを付ける発想が無かった様じゃ

艦その物をストライカーにしようとして、大きすぎたために魔力が足りなかった経緯があったようじゃ

 

潜水ストライカーは無いか聞いてみたのじゃが、びっくりされて、検討しますと答えられたのじゃ

ネウロイは水を嫌うというしの

水中から攻撃出来れば、使えるかもしれないのじゃ

 




イージスシステムは5、60年進んだシステムです
ちょっと先取りしすぎましたかね


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4-8 陸軍ウィッチと接触してみたのじゃ

陸軍の航空ストライカーの開発も同じ場所でやっておる関係で、技術者経由で海軍ストライカーが大変な事になっているのが伝わっていたのじゃ

同じ空の仲間という事で接触してみたのじゃ

 

会ってみると皆、話の分かる奴等で、上層部の扱いに不満を持っていた様じゃ

そこで密かに陸軍機に新システムを導入してみたらどうかと言ってみたのじゃ

陸軍にも優秀なパイロットがおり、無駄に死なせたく無いと言ったのじゃ

戦闘機であれストライカーであれ新システムは使えるのじゃ

ただ新システムはそれなりに訓練が必要じゃ

ミサイルなんて知らないのじゃから

 

この後、陸軍と海軍の技術者達は協力して開発を進めるようになったのじゃ

これで隼や飛燕が新システムで運用できるのじゃ

 

予算の方は父様にお願いしたのじゃ

陸軍の開発予算の一部を陸軍の新システム導入に使うのじゃから、問題無しじゃ

秘密で訓練するのはどうしたものかと考えていたのじゃが、自分達に任せてくれと言って来たのじゃ

吾は協力は惜しまないと約束したのじゃ

 



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4-9 調子に乗ってファンネルを作ってしまったのじゃ

吾はダミーやプローブからミサイルが打てたりしたら、どうじゃろうと思い、試しに作ってみたのじゃ

試作なのでクロとシロにFCSとミサイルを積み込み、試射場でテストしたのじゃ

 

クロとシロはあちこち飛び回りながら目標を打ち抜いていくのじゃ

ネットワークとリンクしているおかげか、周りの状況がまるで○ュータイプの様に“見える”のじゃ

パイロットによってはもっとたくさん操れるじゃろう

オールレンジ攻撃も夢では無いのじゃ

 

ファンネルにはミサイルだけで無くバリアも搭載して、生存性を高めたのじゃ

 

クロとシロは既にスマホ以上の性能を示しておる

吾は自律型に改修する事にしたのじゃ

吾と共に歩む者にじゃ

おかげで普段は猫の様に自由に動ける様になったのじゃ

自我が芽生えてよく遊ぶのじゃ

吾はタマちゃんと、その遊びに付き合うようになったのじゃ

吾とタマちゃんの子供の様じゃ

ある意味それは本当かもしれないと思ったのじゃ

 



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4-10 ストライカー開発を手伝ったのじゃ

吾は式神開発と平行して、ストライカー開発チームとも連絡を取り合っていたのじゃ

式神で開発するのと違って、ストライカーは多くの技術者を必要とするのじゃ

彼らに未来の設計理論を伝えたのじゃ

吾の専門はジェットじゃったが基本は同じじゃ

 

吾は事前に書いておいた要点とメモを見せたのじゃ

技術者たちはそれが自分たちより進んだ技術であると即座に見抜き、吾はそれについて解説したのじゃ

未来に種を蒔くように、いずれ来るジェットの時代に使える様にじゃ

メモには未来の機体の概要と設計思想を書いておいたのじゃ

吾が居なくても開発が続けられる様に、持ちうる知識を全て書き込んでおいたのじゃ

前世では、戦後間もなくジェットの時代に突入したのじゃ

現在の開発スピードならもう間もなくジェットストライカーの時代が来るかもしれないのじゃ

 

現在、現行機には新システムに改修しており、設計中の物も基本装備になる予定じゃ

彼らは一歩進んだ設計を用意している様じゃ

震電がジェットになるかもしれないのじゃ

 

エンジンと言えば、宮藤博士が亡くなったとの知らせを受けたのじゃ

宮藤理論はこの世界ではどうなるのじゃろう

救える者なら救いたかったのじゃ

 




4章終了です

5章から第一期始まります
やっと皆に会える


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第5章 ブリタニアに出航するのじゃ
5-1 横須賀で出発を待っているのじゃ


5章スタートです
歌うウィッチタグの本領発揮です
最初から付けてましたよ?



「暇じゃ~」

 

吾は横須賀の海軍宿舎で溶けていたのじゃ

赤城が入港し今は物資の補給中なのじゃ

 

美緒は芳佳に呼ばれて行ったのじゃ

これは手紙が届いたのじゃな

吾も付いて行けば良かったのじゃ

 

吾の入隊に関しては、人悶着あったのじゃが、帝の一声で許可が出たのじゃ

表向きは、ブリタニア女王に親書を届けるためじゃが、実は、最前線で戦い方を学ぶためじゃ

階級はいきなり少尉さんじゃ

皇族が外国に行くのになめられてはいかん、と言う事らしいのじゃ

 

父様に広島と長崎に大型ネウロイが来る可能性が有ることを話したのじゃ

おかげでストライカーや新兵器、新システムの開発が出来たのじゃ

これは原作にも無い事じゃから、確証は無かったのじゃが、帝は許可を出してくれたのじゃ

吾は最前線でシステムの実証テストをするのじゃ

 

システムはいつの間にか開発コードである“結音式”と呼ばれる様になっておった

OSの起動画面に“結音式 初版0番0号”と出たときはビックリしたのじゃ

何で開発部の連中は、こんな名前を付けたんじゃ

 




二期のビデオ見てたら
ロマーニャ解放が1945年7月って、日本終戦の一ヶ月前!?
映画版どうなるの?

なので、本作では8月に原爆級ネウロイが来ます
映画版は無かった方向でw
そこまで書けると良いなぁ
一応二期までは書きます
こんなの勝てるかな?


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5-2 宮藤博士からの手紙なのじゃ

美緒が芳佳を連れて帰ってきたのじゃ

 

「それで吾に何の用じゃ?」

「実は宮藤博士からの手紙なんだが、札(ふだ)が入っていたのだ。見てもらえないか?」

 

札じゃと?

設計図ではないのか?

 

「クロ、ストレージ ロード」

 

吾はストレージの中身を確認する

出て来たのは大量の設計図とメモじゃった

 

「ストライカーと新型魔導エンジン!? 魔導ジェットじゃと!? 完成したのか!?」

 

吾は驚いたのじゃ

パソコンを渡してそんなに時間が経っていなかったはずなのに、こんなにも……

博士は天才じゃ

吾の予想では二通目の手紙でようやくジェットが完成すると思っていたのじゃ

震電のジェット化計画は前世にもあったからなのじゃ

 

「ど、どうしたんですか? 急に」

 

芳佳はどうしていいか分からずおろおろしだした

 

「すまないのじゃ。博士は天才じゃ。こんなにも早く完成させるとは。これはな、新型ストライカーと魔導エンジンの設計図じゃ。ジェットエンジンじゃ。扶桑の未来を作る設計図なのじゃ!」




ジェットストライカーの登場は二期位ですかね
図面があってもそんなに早く出来たりしないです
原作ですぐ出来たのは、すでに計画や現物があったからですね
あれ、でも、結音が震電計画早めてたかな?
確かエンジン待ちだった?
行けるかもしれない


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5-3 芳佳に自己紹介したのじゃ

「この手紙。借りても良いか?」

「はい。構いません。お父さんの手がかりになるなら」

 

芳佳の心配は博士の行方か

 

「美緒。その事を含めて技術部に調査するよう頼んで欲しいのじゃ。吾が頼むと博士の事が忘れられてしまうのじゃ」

「あー。技術部の連中か。結音様の事となると夢中になってしまうからな。了解した。早速行ってこよう」

「美緒。様はいらんと言ったじゃろう」

「あ、つい癖で。すまんな」

「あの坂本さん、結音様と言うのは?」

 

芳佳は気になった様じゃな

 

「吾の名は結音。海軍の小尉さんじゃ。前はストライカーの開発をしておった。博士との面識もある。芳佳の事も聞いておるぞ。吾と同い年の娘がおるとな。吾の事は結音で良いのじゃ」

「それじゃ、えっと、結音ちゃん?」

「おう。これまでそんな呼び方をした者はおらなかったのじゃ。構わないのじゃ」

「結音ちゃんってもしかして偉い人ですか?」

「むー、美緒、名誉所長と言うのは偉いのか?」

「名誉所長? そんな肩書きが?」

「いつの間にかそう呼ばれておったのじゃ。吾は偉そうにしておったつもりは無いのじゃがな」

 



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5-4 芳佳にメイドさんを紹介したのじゃ

「私は技術部に手紙の事を頼んで来る。宮藤はここで待たせて貰うと良い。結音さ……結音、宮藤の事を頼む」

「心得ておるのじゃ」

 

美緒は技術部へ手紙を届けに行ったのじゃ

 

「クロ、さっきのデータのコピーは取ってあるな? 後で解析してみるのじゃ」

 

クロは海軍式の敬礼でハイと答えた

いつの間にこんな事を覚えたんじゃろう

芳佳は猫耳、猫尻尾の人形に目を丸くしている

 

「これはクロじゃ、そっちで寝ているのはシロじゃ。吾のスマホじゃ。まぁ、式神で作った、あー、魔道具の様な者じゃ」

 

何に分類されるんじゃろう?

 

「そうじゃ、吾のメイドさんを紹介するのじゃ。凪と朔夜じゃ」

 

二人は丁寧なお辞儀をしたのじゃ

 

「結音ちゃんって、もしかしてお嬢様ですか」

「まあ、そうなるのかの」



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5-5 赤城に乗り込んだのじゃ

赤城に乗り込んでしばらくは天気も良く順調に航行しておる

 

芳佳にはスマホを渡し、使い方を徹底的に伝授したのじゃ

今では目隠しでも使える様になったのじゃ

勿論メイドの二人にも渡してある

 

吾は芳佳を誘って、毎朝甲板の上をランニングするのが日課になっていたのじゃ

凪と朔夜も交代で走る

今日は凪と一緒じゃ

ランニングを終えて、部屋に戻り汗を拭いて、いつもの白衣(びゃくえ)に着替える

下はミニスカ風緋袴(ひばかま)に、インナーは芳佳と同じスクール水着じゃ

凪はミニのメイド服にインナーは同じくスクール水着じゃ

芳佳は既に着替え終わっていた

 

「結音ちゃんの服はもしかして巫女服ですか? 戦巫女の服に似てます」

 

軍人が軍服を着ないのが不思議な様じゃ

 

「子供の頃からこれを着させられておる。防御の魔法が掛かっておるそうじゃ。入隊してもこれを着るように言われておる。心配症な者がおるのじゃ」

 

くつろいでいると、突然サイレンの音か鳴り響いた

 

「ついに来たか……」

「結音ちゃん。何か起こったの」

「ネウロイが来たのじゃ。芳佳は船室に隠れておれ。甲板に居ては危ないのじゃ」

 



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5-6 ネウロイの襲撃なのじゃ

結音達は格納庫に向かって走り出した

 

「凪、朔夜、緊急発進。ストライカーの準備じゃ」

「はい、発進準備します」

 

「クロ、艦内モニタ確認」

〈現在大型ネウロイ一体が接近中。偵察プローブに反応がありました。まだレーダー圏内には入っていません。戦闘機隊は緊急発進体制に入りました〉

結音はクロを使い、管理者権限で艦内状況を確認した

 

「クロ、艦長に繋ぐのじゃ」

〈艦橋を呼び出します……接続しました。どうぞ〉

「艦長、結音じゃ。前に説明した通り、バリアの実践テストが済んでおらぬ。回避を優先するのじゃ。戦闘機隊にも徹底させるのじゃ」

「はっ、指示書通り緊急発進が終わり次第、回避行動に移ります。戦闘機隊にも徹底させます」

 

バリアシステムは実際にネウロイのビームを受けて初めて有効かどうかが判る

ウィッチは本能的にシールドを展開してしまうため、テストにならない

かといって、戦闘機や戦艦をテストのために、ネウロイに突っ込ませる訳にはいかなかったのだ

 

「準備が出来次第、吾も上がるのじゃ」

「しかし……



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5-7 吾の初陣なのじゃ

「準備が出来次第、吾も上がるのじゃ」

「しかし御身にもしもの事が有れば……」

「吾は扶桑の姫じゃ。陛下の民を守る務めが有るのじゃ。艦隊の目的はブリタニアへ物資を届ける事に有るのじゃ。ならば吾が出ずしてなんとするのじゃ。軍に入った時から、覚悟はとうに出来ておるのじゃ」

結音の言葉に艦長は敬礼を返した

「ご武運を……」

 

準備の出来たストライカーに乗り込み、手早くチェックを済ませる

「坂本美緒少佐だ、発信する!」

「結音、発進! 凪、朔夜、付いて来るのじゃ!」

 

結音達が上空に上がると、既に戦闘機隊が交戦状態に突入していた

ネウロイの胴体にミサイルが命中して穴が空くがすぐに再生して行く

坂本美緒は、コアを見つけられずにいた

 

「くそっ、打っても打っても再生しやがる」

戦闘機隊の一人が叫ぶ

ネウロイから一機に向けてビームが発射された

「うわーっ!」

だがその時、戦闘機のFCSはビームを感知し、ビームに向けてバリアを射出し、ビームはバリアに当たり消滅した

 

それを見ていた結音は焦る

「無事か!?」

〈該当機はバリア一枚使用。機体に損傷はありません〉

「バリアは有効な様じゃな」

結音は一瞬ほっとした

 



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5-8 芳佳発進なのじゃ

「クロ、戦闘機隊のミサイルの残弾は?」

〈3発です。戦闘継続は難しいでしょう〉

「(クロめ、いつの間にか教えてもおらぬのに、戦況予測まで出来る様になっておるのじゃ)戦闘機隊の隊長に繋ぐのじゃ」

〈了解……繋がりました。どうぞ〉

「そろそろ潮時じゃ。後退するのじゃ」

「しかし……」

「弾がもう無いんじゃろう? 後は吾等に任せておくのじゃ」

 

-----

 

芳佳は船室に居る様にと言われていたのに、気が付くと甲板にいて結音が発進するのを見ていた

戦争が嫌なはずなのに、居てもたっても居られずに、ストライカーの元へ向かっていた

そしてそこに置いてあったストライカーを‘履くと’有りったけの魔力を注ぎ込む

大きな魔法陣が展開した

〈システム起動。結音式 第2版4番1号。正常に作動しています〉

「(飛べる!)」

無理矢理発進した芳佳は結音の後を追うのだった

 

-----

 

「(芳佳はふらふら飛んでおるな。危なっかしくて見ておれぬのじゃ。じゃが今はっ)凪、朔夜、美緒を援護するのじゃ。散開!」

「はいっ!」

結音達は機銃やミサイルで攻撃を加えていくが、ネウロイはミサイルをビームで迎撃し始めた

 




バージョンが上がりましたw
第二版は量産型の正式リリースバージョンです
結音の機体には先行テストのために第三版が載ってます


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5-9 芳佳が合流したのじゃ

ウィッチ達は散開してネウロイを攻撃していく

だか、乱射されるビームに近付けずにいた

 

「凪、ミサイルで牽制しつつ接近するのじゃ。朔夜、直線的に動き過ぎじゃ。旋回も交えるのじゃ」

結音は自らも攻撃しつつ、指示を出していく

美緒もコアを探しながら攻撃するがなかなか見つからない

 

そんな時、芳佳が結音と美緒の所へ到着した

「坂本さーん。結音ちゃーん」

「宮藤!? どうして来たんだ」

「結音ちゃん達を見てたら、じっとしてられなくて」

「無茶をするのじゃ。来たからには手伝って貰ぞ。コアを探す美緒を守るのじゃ。ストライカーに乗れるのじゃ、シールド位使えるじゃろう」

「はい!」

本来上官である美緒が出す指示を全て言われて美緒は苦笑する

「結音、攻撃は同時多重攻撃が有効だ。少し人数は少ないが、出来ない事は無い。私はコア探索に専念する。後を頼む」

「了解したのじゃ」

そう言うと結音はネウロイ攻撃に向かった

 

「凪、朔夜、同時多重攻撃じゃ。タイミングを合わせるのじゃ」

「はい!」

 

「行くのじゃ。3……2……1……今じゃ!」

四方から機銃とミサイルがネウロイに同時に着弾する

 



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5-10 ストライクウィッチーズが到着したのじゃ

ネウロイに大きな穴が空くがすぐに再生していく

 

「もう一度行くのじゃ。3……2……1……今じゃ!」

やはり大穴が空くが再生速度が早い

ミサイルが有るので3人で凌げているが、やはり手数が足りない事を結音は感じていた

 

その時ネウロイのビームが美緒を襲った

「坂本さん!」

芳佳は美緒の前へ出てネウロイのビームをシールドで受け止めた

「くうぅ!」

「宮藤! 無理をするな!」

「まだ大丈夫です! 坂本さんは早くコアを!」

「すまん! ……見つけた! コアはネウロイの先頭だ」

「了解! 凪、朔夜、聞いたな。集中攻撃じゃ!」

「はい!」

ネウロイに穴が空き一瞬コアが見えた

「見えました。あれがコア!?」

 

〈偵察プローブに反応。501戦闘航空団のウィッチです〉

クロが援軍を知らせる

「来たか! 美緒、501到着じゃ」

「ミーナ、坂本だ、援護を頼む。コアは奴の先頭だ」

『美緒なの!? 了解、全機フォーメーション ブラボー。戦闘開始』

『了解!』

 

「(援軍が来たのじゃ。吾は時間を稼ぐかの)」

結音は勝利を確信した

 



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5-11 吾は戦場で高らかに歌うのじゃ

これまた批判の出そうな内容ですね
歌うウィッチタグの本領発揮です



「吾にビームを引き付けるのじゃ」

 

その時結音はふと、前世での戦い方を思い出していた

「(こんな戦い方は吾の戦い方ではない。そう吾は……)」

ネットワークのチャンネルを切り替えると、DTM(デスクトップミュージック)を起動し、結音は大きく息を吸うとオープニング曲を歌いだした

「私に出来ること♪……」

 

結音は歌いながらくるくると複雑なマニューバを連続で使い始めた

航空機は良く見ていると、次にどこへ行こうとしているのか、何をしようとしているのかわかるものだ

前世では、そのスキルを飛び続ける事で特訓し、気配で分かる様になっていた

そして結音は、ネウロイがビームを放つ瞬間の気配を感じていた

 

「(そこっ!)」

ビームが放たれる瞬間、くるりとロールを打ち、ビームをかわす

感覚の鋭くなった結音はビームの狙いを感じ取り、スロットルを戻し、エアブレーキを開いた

その目の前をネウロイのビームが通り過ぎる

再び加速してネウロイの注意を引き付ける結音

機銃を撃っている時にビームの気配を感じた結音は、そのままロールを打ち垂直になると、機銃を途切れさせる事なく落下して、ビームをかわした

 




何で歌うのと言えば、そう言うキャラクターだとしか言えません
皇女にストライカー履かせて飛ばしたら、何故か歌いだしてしまいました

回避スキルですが、私も持ってます
普通の人も待てるスキルなのでありかなと
さすがにビームは分かりませんけど


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5-12 ネウロイ撃破なのじゃ

「(乗って来たのじゃ)」

人はアドレナリンが出ると集中力が増すと言う

結音の場合、それは歌を歌う事であった

 

結音はマニューバの途中、一瞬、間を空ける

するとネウロイはそこへ攻撃し、結音がひらりと交わす

 

「結音ちゃん凄い!」

芳佳は結音の戦い方にびっくりしていた

「なんだアイツ、魔法使ってないゾ」

エイラがシールドも魔法も使わず、ひらひら回避する結音を見ていた

「にゃはー、なんか歌ってる」

ルッキーニは歌に興味がある様だ

「見てないで戦え!」

バルクホルンが叱咤する

 

結音はネウロイの攻撃を自分に集中させ、その間にコアを攻撃させようとしていた

 

ウィッチとストライカーは魔力のパスで繋がっている

そして、ストライカー同士はネットワークで繋がっている

結音は歌を止めずに、美緒にアクセスした

〈美緒、吾が敵の攻撃を引き付ける。その隙に攻撃するのじゃ〉

「結音!? 分かった。あまり無茶をするな!」

 

501の攻撃でコアか露出する

結音にビームが集中して、ネウロイに一瞬、隙ができた

「上ががら空きだ!」

上段から降りかぶった扶桑刀で美緒はコアを一刀両断した

 

ネウロイは真っ白な雪のようにひらひらと散っていった

 



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5-13 芳佳はどうやって着艦するのじゃ

結音は歌い終わると、音楽を止めた

「疲れたのじゃー。久しぶりはこたえるのう。歌の練習も必要かのう」

「結音ちゃーん」

「わぷっ!」

結音の所へ芳佳が飛び込んできた

「こら芳佳、危ないじゃろう」

「えへへ、ごめんなさい」

 

「ミーナ、助かった」

「任務ですから。お帰りなさい美緒」

「ああ」

 

芳佳は赤城の側を飛び、手を振る海兵に両手を振り返していた

結音はそのすぐ後ろを海軍式の敬礼をしながら飛んだ

赤城の艦長は結音に敬礼を返した

 

ウィッチ達が集まってきた

「ストライクウィッチーズ、これより帰還します。また後でね、美緒」

「ああ。我々も帰還するぞ」

 

「ところで芳佳、着艦は出来るのかの?」

「ええっ。どうしよう、やったこと無いよ」

「初めてストライカーに乗ったんじゃから、無いじゃろうなぁ」

「結音ちゃんどうしよう?」

「しかたないのう、タンデムするのじゃ」

「たんでむ?」

「こうするのじゃ」

結音は芳佳を後ろから抱きかかえて、一緒に飛んだ

「美緒達は先に戻るのじゃ、芳佳の面倒は我が見るのじゃ」

「分かった」

 




前から疑問だった
原作ではどうやったんだろう
初めて飛んだ人が着艦なんて出来るか?


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5-14 ファンネルを使うのを忘れていたのじゃ

「クルーズモードで着艦準備状態にするのじゃ。十字が出たら、それを真ん中になる様に動くのじゃ」

「クルーズモード、着艦準備。出た。えっと、こうかな?」

「そうじゃ。ゆっくりな。慣れればホバリングで降りられるのじゃが、基本は大事じゃ」

 

芳佳達は無事着艦し固定具にストライカーを降ろした

「上出来じゃ」

結音は芳佳の頬にキスをすると、自分のストライカーも固定した

「ゆゆゆ結音ちゃん!?」

「ご褒美じゃ、気にするな」

 

結音は落ち着いて、今日の戦闘を振り返っていると

「あーっ!! ファンネルを使うのを忘れていたのじゃ! あれを使えば、一人でも多重攻撃が出来たのじゃ!」

結音は初陣で余裕がなかったようだった

「あー、開発部になんと報告したものか? 成果はバリアが有効だと言う事だけか。はぁ」

 

その日、扶桑艦隊は無事ブリタニアへ到着した

戦艦、戦闘機、ウィッチに被害無し

死者0であった

 




5章終了です
6章は日常編になります


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第6章 吾は女王に親書を届けるのじゃ
6-1 挨拶は大事なのじゃ


6章スタートです
日常編の予定でしたが、雑務編になってしまいました

結音ちゃん忙しすぎ!
何やら色々画策してます


ブリーフィングルームに案内された結音達は501のウィッチと対面していた

「ただ今着任した、結音少尉じゃ。よろしゅうな。そっちの二人は吾のメイド兼護衛の凪と朔夜じゃ」

メイドの二人は丁寧にお辞儀をした

「この子は訳ありでな、宮藤博士のお嬢さんだ」

「宮藤芳佳です。よろしくお願いします」

 

扶桑から来た一行は、ヴィルケ中佐に紹介された

「久しぶりだなあ、ユネ。研修以来か?」

「シャーリーは知り合いなのか?」

バルクホルンは意外な顔でシャーリーを見た

「扶桑のプリンセスって言うから誰かと思ったよ。ユネの事だったのか。ノイエカールスラントで新型の研修を受けたんだ」

「吾が作ったシステムじゃ。人任せに出来なかったのじゃ。急にリベリオンがねじ込んで来ての。そこのシャーリーは人の話を聞かずに、いきなり乗り込もうとしおったのじゃ」

 

びっくりした芳佳が割り込んで来た

「結音ちゃん、プリンセスってどう言う事!?」

「ふむ。吾の父様が皇弟じゃからの。いわゆる皇族と言う奴じゃ」

「ええーっ!? 結音ちゃんがお姫様!? あっ、えっと、結音様?」

「結音で良いと言うたじゃろう。堅苦しいのは苦手なのじゃ。他の者も結音で構わないのじゃ」




シャーリー、座学と転換訓練はしっかり受けた方が良いと思う


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6-2 吾は悔しくなんて無いのじゃ……絶対にじゃ

「にゃ~!」

突然、結音が可愛らしい声を上げた

その後ろでルッキーニが結音の胸を揉んでいる

原作では芳佳が餌食になっていたので、完全に油断していたのだった

「ない~、なんで~」

ルッキーニは非常に残念そうな声を上げた

「うみゅ。他人に無いと言われると悔しくなるのは何故なんじゃろうな。今まで気にした事なんて無かったのじゃがな」

そうなると芳佳より低い身長にまで気になりだした

何だか胸の奥がモヤモヤする結音だった

 

「こらっ! ルッキーニ! 止めないか!」

「にゃはは~」

「きゃあっ!」

油断していた芳佳もルッキーニの餌食になっていた

「う~ん? 残念賞?」

「ええーっ!」

 

次に、気配を殺し朔夜に向かったルッキーニだったが、返り討ちにあい拘束されていた

「きゅ~」

「結音様、申し訳有りません。害意が無かったので止められませんでした」

「仲間なのじゃから気にせずとも良いのじゃ。放してやるのじゃ」

「はい」

結音に言われて朔夜はルッキーニを解放した

 




コンプレックスが芽生えてしまいましたw

本当はここで歌の話をするはずでしたが、ルッキーニの乱入でうやむやにw


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6-3 未来予測は訓練で得た技能なのじゃ

「なぁなぁ、あれどうやったんだ。ネウロイのビームかわしてたダロ」

エイラは魔法を使わずにビームをかわせるのが不思議に思っていた

「別に未来予知が出来る訳ではないのじゃ。吾がやったのは未来予測じゃ。相手の行動パターンを読み裏をかく、ただそれだけじゃ」

「でも、相手はネウロイだゾ」

「ネウロイであっても同じ事、ビームを撃つにも一瞬のタメの様な物があるのじゃ。そこを見切るのじゃ」

「へぇ、そんな事してたのか」

興味かあったのかハルトマンが話に入ってきた

「訓練すれば誰でも出来るのじゃ。ミソはプローブを沢山出しておき、死角を無くす事じゃ。後ろにも目が有ると言う奴じゃな」

「そんなので出来るのカ?」

「後は、わざと動きを止めたり、予測されやすい動きを交えて相手が撃ちたくなる状況を作るのじゃ。来るのが分かっておれば、かわすのは造作も無いのじゃ。まぁ、見切るのは訓練が必要じゃがな。それにエースパイロットなら誰でも持っている技能じゃ。吾は訓練でそれを得たのじゃ」

ハルトマンは感心し、エイラは未来予知があればいいじゃんと思っていた

「私も今度やってみようっと」

ハルトマンは試してみるつもりだ

 




プローブを沢山出して‘見える’状態にする
なので、‘そこだっ’が出来る訳ですね


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6-4 明日の予定と今日の予定なのじゃ

「朔夜、大使館に吾の到着を知らせるのじゃ」

「既に入港時に知らせました。明日、迎えの車か来る予定になっております。歓迎パレードの後、女王への謁見、晩餐会、パーティの予定が入っております」

結音はうへぇと顔をしかめた

 

「ヴィルケ中佐。吾は数日留守をする。女王に謁見して、陛下の親書を渡さねばならぬのじゃ」

「分かりました。それと私の事はミーナで結構ですよ。皆も名前で呼び合ってますから」

「ならば吾も結音じゃ。敬語も無しで良いぞ」

 

「美緒、芳佳、博士の処へ行くなら、吾も連れていって欲しいのじゃ。頼む。今日しか時間は取れぬ様なのじゃ」

結音は明日の予定の話をした

「分かった今から行こうか。大丈夫か宮藤?」

「……はい」

芳佳の表情は硬かった

 

芳佳達は車を出してもらい、研究所のあった場所へ到着した

「ここがお父さんのいた所」

芳佳は何もなくなった跡地を見ていた

「クロ、シロ、探索と記録。何でも良い、変わった所があれば調べるのじゃ」

クロとシロはあちこち動き回り探索を開始した

「結音? 何を始めたんだ?」

「博士の死については幾つか疑問があるのじゃ」

「何だって!?」



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6-5 宮藤博士の行方なのじゃ

このお話は読み飛ばしてもかまいません
本編と関係無いからです
結音は色々言ってますが、伏線では無いので気にしないで良いです



「吾の疑問はブリタニア側の随分とあっさりした死亡報告とそれを詳しく調べもせずに了承した扶桑側の両方じゃ。確かにネウロイの攻撃があった事は事実じゃが、遺体が消滅するのは不自然じゃ。要人である博士の行方を探しもしていないのじゃ」

「それは……」

「本当ですか、結音ちゃん!」

放心していた芳佳が今の話を聞いて、聞き返してきた

「扶桑側でツテを頼ってみたが大した物は出て来なかったのじゃ。こちらで何かあるかと今調べておるのじゃ。あまり期待は出来ぬがの」

 

〈周囲の探索を終了しました。ネウロイのビーム跡と火事の痕跡がありました。建物は人の手で撤去されています〉

「もう一つ疑問がある。ネウロイは何故この施設を狙ったか。工場や市街地、軍事基地をネウロイが狙うのは知られているが、ピンポイントに狙われる理由はなんなのじゃ?」

美緒も芳佳も頭をひねる

 

「吾の推理はこうじゃ。博士は何らかの研究に従事していた。そしてそれを知られてはならなかった。そこで博士を拉致あるいは自分の意志で、姿を消す必要があった。ブリタニア、扶桑両軍内に手引きをした者がおる。でなければ証拠が残るはずじゃ。そしてこの施設にネウロイを誘導して襲わせたのじゃ」

 




芳佳に同行させたら結音が何やら語り始めてしまいました
原作でも博士の行方は放置みたいなので、この作品でも放置の方向でw
映画版で出てたりします?


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6-6 芳佳が入隊を決意したのじゃ

「それじゃ結音ちゃん! お父さんは!」

「遺体が無い以上、生きている可能性が高いのじゃ」

「それじゃどこに!」

「それは判らんのじゃ。吾の開発が、後数年早かったのなら吾も同行出来たのじゃが」

「(原作によると博士の死亡時期は芳佳が四歳の時、死亡通知が来たのが十歳。吾が開発部で会ったのが十歳じゃ。あの時吾も一緒に行けていれば、何か変わったのかもしれぬ。博士が居ればこの世界は変わったじゃろうか?)」

 

「美緒、この辺りに博士の墓があるんじゃろう? 見せては貰えぬか?」

少し落ち着いてきた芳佳を見て、結音が頼んだ

「ああ、こっちだ」

 

「ここだ」

そこは海を望む岸壁だった

そこには小さな墓石があった

「これ、お父さんがいつも言ってた」

墓標にはこう書かれていた

“その力を 多くの人を守るために”

「お父さん……」

 

「坂本さん、私をストライクウィッチーズに入れて下さい!」

芳佳は父の言葉を胸に決意した

「訓練は厳しいぞ!」

「はい! がんばります!」

 




散々推理しておいて、後は投げっぱなしw
折角岸壁に来たのにw


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6-7 国家の代表と言うのは疲れるのじゃ

結音ちゃんの公務ですね
扶桑でマナーやダンスは完璧に練習してあります
扶桑の代表ですから



翌日、結音とメイド二人は女王謁見のため出発した

ロンドン郊外で馬車に乗り換え、宮殿まで歓迎パレードが行われた

遠い異国から来た、扶桑のプリンセスを一目見ようと、多くの人が集まり、歓迎の旗や手を降っていた

 

親書を手渡し、全ての歓迎行事も終えて、結音は501の基地に戻って来た

「疲れたのじゃー。何じゃ、あの王子はいきなりプロポーズしおったぞ。あれでは、カールスラント皇帝と同じではないか! 外交問題を起こす気か!」

「ええーっ!? 結音ちゃん、プロポーズされたの!?」

「何じゃ芳佳。吾はブリタニアに嫁に行った方が良いと言うのか?」

「実際問題、世界中が貴方を欲しがるでしょうね」

「何じゃミーナまで」

「現在、世界中の軍事関係に貴方のシステムが導入されてる。喉から手が出るくらい欲しいはずよ」

「じゃから全てを公開して、自分達だけで作れるようにしたのじゃ」

「それが全てでは無いと思ってるんでしょうね」

「やれやれじゃ。ところでミーナ。そろそろネウロイの出現時期ではないか?」

「ええ。でも貴方のシフトはお休みよ。きっと疲れて帰って来るだろうから」

「助かるのじゃ。吾は今日は閉店じゃ」

 




宮廷の話は無しでw
長いだけで楽しくないし

カールスラントへ行った時、言い寄られた様です

wikiには特に書いてありませんでしたが、幾つ位なんでしょうね皇帝?
きっとお盛んな人ではないかと想像しています


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6-8 取材はお断りなのじゃ

先日地中海においてネウロイとブリタニア艦隊が遭遇し、これを撃破したとの一報が入った

止めは主砲の一撃であった

バリアも有効に機能し、ネウロイに対しウィッチで無くとも対抗できる事が証明された

結音の名声は鰻登りだった

 

結音はリビングでミーナの報告を受けていた

「取材? 断れぬのか?」

「マロニー将軍のお墨付きだそうよ。結音式のおかげでネウロイへの対抗手段が出来た物だから、自分達の手柄が欲しいのね。貴方をイメージアップして、ネウロイに対抗出来る事をアピールしたいのね」

「吾、ウィッチじゃぞ?」

「でも結音式の発明者でしょう」

「扶桑でも取材は断っておったのじゃがなぁ。朔夜、大使館を通じて抗議するのじゃ。本国を通さず勝手をしておると。それでもねじ込む様なら、吾にも考えがあるとでも言っておくのじゃ」

「一体どうするの」

「ブリタニアの結音式を止める。マロニーの部隊だけな。管理者を怒らせるとどうなるのか思い知らせてやるのじゃ。女王にも知らせておくのじゃ。メル友になったのじゃ」

「めるとも?」

「女王にもスマホを渡しておいたのじゃ。扶桑とも繋がるぞ。ホットラインじゃ」

既に扶桑とのネットワークが開通していたのだ

 




本当は取材を受けて新聞にバーンと載るはずだったんですが、マロニーさんの横やりで無かった方向にw
記者のキャラ出したく無かったのも本当ですが

なんと、ネットワークがさりげなく世界中に繋がりました
結音と本国を繋ぐ為、技術部、頑張りました
世界中の首都なら大抵繋がります


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6-9 物資の流れを調査するのじゃ

結音は指令室で扶桑からの補給明細を見ていた

「ミサイルの消費が少ない様じゃが、どうしたんじゃ? 足りなかったか?」

「いいえ。とても有り難いわ。これでやっと一息つける」

「どういう事じゃ? 扶桑からの供給量は減って無いのじゃが」

「おかしいわね。因みにこれがこの基地に届く分よ」

そう言ってミーナは明細を見せた

「何じゃこれは!? これでは戦えぬではないか? クロ、至急調査じゃ。物資の流れを調べるのじゃ」

 

-----

 

数日後、再び指令室で結音は調査結果を報告していた

「まず初めにミサイル等の消耗品なのじゃが、主な輸出国は扶桑、カールスラント、リベリオンなのじゃが、扶桑以外は精度が良くない。ムラが有り過ぎるのじゃ」

「馬鹿な!? 我々カールスラントのウィッチが手抜きなど!」

ハルクホルンがいきり立つ

「早期に人材確保に努めた差じゃな。各国にも通達したはずなんじゃが、無視された様じゃな。まだシステムが確立されていない頃じゃったから無理も無いのじゃが。結音式普及の時に再度通達したはずなんじゃがの」

「全く上層部は一体何をやってるんだ!」

「問題なのは次じゃ。物資の流れが滞っておる。どうやら備蓄しておるようじゃ」



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6-10 ミサイルが届いていないのじゃ

「備蓄?」

「そうじゃ。これは吾のせいかもしれぬ。ミサイルやバリアの規格をストライカーや戦艦で統一した弊害が出ておるのじゃ。ストライカーへの供給が滞っておるのじゃ。シールドが有るから要らぬじゃろうと言う事らしいのじゃ」

「何だって!?」

「そう怒るなバルクホルン。魔力を持たぬ者達が戦える様になったのじゃ。彼らとて戦力を揃えたいと思うのは当たり前じゃ。最もウィッチに届かないのでは問題じゃがな。マロニーの様な者もおる」

「マロニー将軍は何を?」

ミーナは冷静に聞いてきた

彼女からは黒いオーラが出始めている

バルクホルンはそれを見て顔が引きつっていた

「ウィッチに対しての供給を最低限にして、戦闘機や戦艦等に回しておる。戦力アップには違い無いのじゃが効果的とはいえぬ。吾はウィッチの戦力アップの為作ったのじゃがな」

「すぐに怒鳴り込んできます」

ミーナは立ち上がり出かけようとした

「まぁ、待つのじゃ。それには及ばぬ。今回の事は世界中で起こっている事じゃ。吾が対応せねばならぬ。そこで……」



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6-11 女王には既にメールを送ってあるのじゃ

結音ちゃんが何気に黒いです
世界を牛耳る少女w



「そこで新しい通達を出す。ウィッチに物資が届かぬ場合はその国への扶桑からの供給を絶つ。ウィッチを見殺しにする様な非人道的な国とは付き合えぬとな。ウィッチは道具では無いのじゃ」

それを聞いてミーナは椅子に座りなおした

「それで収まるかしら?」

「判らぬ。駄目なら通達通りにするだけじゃ。懸念するのはウィッチを捕まえて強制労働でミサイルを作らせ、男達が戦う。そんな世界を夢見る輩が出る事じゃ。いわゆる魔女狩りじゃ。マロニーはやりそうじゃな」

「何だって!!」

バルクホルンは再び怒り始めた

「まぁ、女王には既にメールを送ってあるのじゃ。どうなるか見物じゃな」

 

-----

 

その後、物資はウィッチ達の元にも届く様になり、物流を止めていた者達には減給や降格等の処罰が下される事になった

マロニー将軍は減給となった

他に人材が居なかった為である

 




結音にマロニーさん駄目な人認定されてますw

6章、終了です
7章こそ日常編になります
日常編だったはずなのになぁ

模擬戦やってない
お風呂入ってない
芳佳のご飯食べてない
次はやります


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第7章 芳佳達の訓練の開始なのじゃ
7-1 芳佳のご飯が美味しいのじゃ


7章スタートです

日常編ですが、訓練ばかりしています
おかしいなぁ



501の食事は基本的に全員が揃って取る

しかも当番制なので世界の家庭料理が並ぶ事になる

今日の当番は芳佳とリーネであった

 

「お代わりまだありますからねー」

今日の朝食のメニューはご飯に味噌汁、焼き魚に漬け物、納豆等、定食の様な内容であった

芳佳は皇族に出す様な料理を知らなかったので、とても緊張していた

朔夜にどうしたら良いか聞いていた程である

「ほぉ~。芳佳のご飯は旨いのう。いつでも嫁に行けるのじゃ」

結音はご機嫌であった

「はぁ、緊張しました」

結音に褒められて芳佳はやっと安心出来た

ペリーヌは腐った豆を出すとは何事かと怒っていた

「結音は納豆平気なのか?」

バルクホルンは顔をしかめながら納豆と格闘していた

「扶桑の皇族は好き嫌いが無いのじゃ。食事も儀式の一部じゃからの。基本的に暖かい食事は食べられないのじゃ。儀式の進行があるでの。毎日が祭日でないのが救いじゃな。じゃから暖かい家庭料理には憧れるのじゃ。扶桑の家庭料理も食べた事が無いのじゃ。芳佳はもっと誇って良いぞ。食べたい物が食べられるのは羨ましいのじゃ」

結音は前世での食事を思い出していた

前世ぶりの和食に涙が出そうになっていた

 




結音ちゃん、相当和食に飢えていた様です
海軍カレーはまだレシピが違う時代
最初は蛙の肉とか使ってたそうな


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7-2 芳佳の訓練が始まったのじゃ

「どいて下さーい!」

盛大に訓練用バルーンに突っ込む芳佳

「宮藤さん!」

芳佳とリーネの訓練に美緒はバルーンを用意したのだが、あまり訓練になっていない様だった

 

どぼーん!

「落ちたのじゃ!」

見学に来ていた結音は、海に落ちた芳佳を救助するため、服を脱ぎインナーになって海に飛び込んだ

結音は海軍入隊時の特訓で泳ぎが達者になっていた

 

芳佳を救助した結音は美緒に切り出した

「芳佳は初心者なんじゃから、基礎からやらぬと駄目ではないのか? 座学も必要じゃ」

「それはそうなんだが、感覚を掴む為には慣れておいた方が良いと思う。それに私はこのやり方で教わってきた」

「美緒、こんなやり方、陸軍を笑えぬぞ? 美緒も知っておるはずじゃ。飛ぶだけなら誰でも出来る。じゃが本物のウィッチになる事は誰も教えられぬ。自らの意志でウィッチになる事が出来ぬのであれば、戦う事、ウィッチとして飛ぶ事など到底出来ぬのじゃ。“真のウィッチ”になると言うのはそう言う事じゃろう?」

美緒ははっとして、結音の言葉に耳を傾けた

「宮藤にその素質が有ると思うか?」

「魔力の強さは想いの強さじゃ。芳佳を育てるのは楽しいはずじゃ」

結音は嬉しそうに笑った

 




活動報告にも書きましたが、エリザベス女王の即位が1948年だそうで、今より少し先になります
どうもイギリスは女王のイメージが強かったので

この世界では女王と言う事にします
王子の年代もおかしいですし
結音はダイアナさんには会えないんですね


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7-3 芳佳と二人でタンデムじゃ

「魔法の才能はウィッチの条件じゃ。じゃが、魔力があるからと言うてウィッチになれる訳でも無いのじゃ。しばらく芳佳を預けてみぬか? 飛ぶだけなら教えられよう。後は芳佳次第じゃがの」

結音の進言によって、芳佳は結音と飛行訓練を始める事になった

 

二人は上空に上がり訓練を開始した

「えっと結音ちゃんこの後どうするの」

「まずはタンデムじゃ」

結音はそう言って芳佳の後ろに回り、腰の辺りに抱き付いた

芳佳の背中に額を付けて、プローブを幾つか飛ばし、視界を確保する

「芳佳、吾の指示通り飛ぶのじゃ。良いな。まずは吾が飛んでみる。吾に合わせるのじゃ」

「はいっ」

二人はふらふらと飛び始めた

芳佳は機体制御に手間取っていた

「風とエーテルの流れを感じるのじゃ。ウィッチなら分かるじゃろう。目を瞑ってみるのじゃ。周りの事は吾が見ておる」

「風とエーテル? やってみます!」

怖々と目を瞑り風を感じる芳佳は、風に流されて傾き始めるのを感じ、立て直そうとしてぐらついた

「わっ」

「飛ぶ為の魔力を必要最低限まで絞るのじゃ。それでは息切れしてしまうのじゃ。まずはそうっと優しくじゃ」

「はいっ!」

 




ストライカーの訓練機ってどうなってるんでしょう?
501にはそんな物無いから密着してます
練習機の教官は大概後席なので結音は後です


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7-4 芳佳に物理の基礎を体感させたのじゃ

芳佳の訓練は次第に難易度を上げていった

 

「よし、次は急旋回じゃ。右90度バンク。引き起こしはグイッじゃ」

「はいっ!」

芳佳は右にロールして機体を引き起こした

「遅い! ロールはキュッとやるのじゃ。ネウロイは待ってくれぬのじゃ」

「はいっ!」

感覚的な表現ではあるが、初心者の芳佳には分かり易かった

幾つものマニューバを感覚的に芳佳は覚えていった

結音は感覚さえ掴めれば座学でも付いて行けるはずだと考えていた

 

芳佳のマニューバに付いて行きながら、結音は芳佳とパスの様な物を感じていた

「(魔力の流れ? 吾と芳佳が繋がる? こんな魔法は知らぬ。どうなっておるのじゃ? ……いかんいかん、今は芳佳に集中するのじゃ)」

 

飛びながら結音の講義は続く

「航空機もストライカーも飛ぶ為に必要なのはエネルギーじゃ。位置エネルギーと運動エネルギーの交換。それが飛ぶと言う事じゃ。運動エネルギーである推進力を位置エネルギーに変えて高度を取る。マニューバを繰り返せばエネルギーを失う。失ったエネルギーは容易には取り戻せぬ。じゃからエネルギーを失う様な飛び方をしては駄目なのじゃ」

「はいっ!」

「感覚的に行くぞ! 次は宙返りじゃ」

 




エネルギー保存則を体感させています
なんて贅沢
頭でっかちになるより、感覚を養おうと言う判断

いきなり乗って大丈夫な辺り、空間識能力は高そうです


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7-5 芳佳の才能が羨ましいのじゃ

二日後、マニューバを駆使してバルーンを次々落として行く芳佳を、結音と美緒は地上から見ていた

「たった二日でこれ程とはな……」

「元々才能があったのじゃろう。感の良い子じゃ。治癒魔法は繊細で制御の難しい魔法じゃ。出来ぬはずが無いと踏んでおったのじゃがな。まあ、まだ飛べる様になっただけじゃ。教える事は沢山あるぞ?」

「ああ。だが、まだまだ動きが甘い」

「それは美緒が教えるのが良かろう。吾では厳しく教えるのは出来ぬからな」

結音は寂しそうに笑った

 

-----

 

芳佳がまた教えていないマニューバでバルーンを撃ち落とした

「やれやれ、天才という者は大した物じゃな。平凡な吾には羨ましい限りじゃ」

「結音が平凡? 何の冗談だ。初陣であんなマニューバが出来る奴は見た事が無い」

「吾のマニューバは努力と訓練のタマモノじゃ。誰でも出来る事じゃ。じゃが吾は誰にも負けぬ自信があるぞ」

「そんな訓練をいつ?」

「それは秘密じゃ。いずれ話す事もあろう」




結音の前世の飛行時間はトップエースを遙かに凌ぎます
ただしシミュレータ上ですが
下手の横好きで練度を上げました
実戦で通用して良かった


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7-6 吾は人間如きに負けぬのじゃ

今日は結音、芳佳、リーネ、ペリーヌは模擬戦を行う為、ペイント銃を持って空に上がって来た

美緒とバルクホルンは地上から監督している

芳佳は結音の特訓の成果で、練度が低いまでもドッグファイトが出来るまでになっていた

色々な組み合わせでやってみても、結音には全員一発も当てる事が出来なかった

 

「何なら、全員で掛かって来るのじゃ。ハンデもやろう。プローブは無しじゃ。吾は人相手なら負けぬ自信があるぞ」

「聞き捨てなりませんわ。わたくし達を馬鹿にしないで下さい。3対1なんて卑怯です」

ペリーヌは顔を真っ赤にして怒っていた

「ネウロイ相手に卑怯も無かろう。吾は皆の訓練の為参加したのじゃ。経験値アップしたいのなら試してみるのじゃ」

 

こうして3対1の模擬戦が開始された

結音は一発も撃たず、ひらひらと攻撃をかわしていた

「どうして一発も当たりませんの! 普通に飛んでいるだけですのに」

「撃つ瞬間にいなくなってる!?」

「狙いが付けられない!」

3人をあざ笑うかの様に、ゆっくり飛ぶ結音

だが何故か一発も当たらない

リーネは結音を追い切れず

初心者の芳佳は付いて行けず

ペリーヌは照準に捉えても撃つ瞬間には目の前から居ない

 




皆の訓練の為、あおります
厳しいの苦手と言ってた割にはノリノリです
飛ぶと性格変わる様ですw


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7-7 ドッグファイトの基本なのじゃ

結音の挑発に乗せられ、襲い掛かって来るペリーヌ達

わざと撃たれ易い様に飛び、撃たれる瞬間にひらりとかわす

「貰いましたわ…… いない!?」

撃たれる瞬間、結音はヨーヨー等を使い、バックを取るといつでも落とせるぞとペイント弾をわざと外す

「いつの間に後ろに!!」

 

そんな事を繰り返していると、初めは翻弄されていた彼女達だったが、少しずつ結音のマニューバに付いて行ける様になって来た

「予測射撃を行うのじゃ。相手の動く先を狙うのじゃ。ドッグファイトの基本は相手の動きを読む事じゃ。止まった的でも無い限り、狙って撃っても当たらぬぞ」

 

-----

 

やがて、彼女達の魔力が減って来たので、結音は戦闘を終了する為、あっさりと全員撃墜すると、基地に帰還した

帰って来ると彼女達は息絶え絶えだった

「模擬戦でこの程度だと実戦では確実に落とされるのじゃ。今まで無事だったのは仲間の援護があったからじゃ。吾はまだ本気になった訳ではないぞ。吾に本気を出させてみるのじゃ」

「はい~」

芳佳は力無く答えた

 




結音ちゃん、鬼教官の様w


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7-8 風呂に入るのはなけなしの勇気が必要じゃ

皆様待望? のお風呂回
でもあんまりはしゃいでないw



「むむむ」

結音は風呂場の前でメイド二人とたたずんでいた

芳佳達に誘われたからである

お互いの親睦を深めましょうとの事であるが、結音は悩んでいた

「(吾は裸を見せるのか? 吾は裸を見るのか? 吾は今は女のじゃから不自然では無いが、しかし……)むむむむ」

いつもメイド達に洗われているのは忘れる事にして悩んでいた

結音は自分の胸元を見てため息をつくと、意を決し勢いに任せて扉をバーンと開けた

「入るぞ!!」

 

-----

 

結音はメイド達に体を丸洗いされ、湯船に浸かり、端の方で小さくなっていた

「(何で皆大胆なんじゃ。恥じらいは無いのか? 吾がおかしいのか? なぜ隠さない、見えてしまうではないか? ……)ぷしゅー」

結音は顔を真っ赤にして煙を吹きそうになっていた

「結音ちゃん大丈夫!?」

「何でじゃろう、芳佳とルッキーニに負けるのがこれ程悔しいとは……」

吾も女の子になったんじゃなぁと感慨にふけっていた

「扶桑のプリンセスは恥ずかしがり屋か? 普段はあんなに偉そうなのに」

ざぶざぶと大きな胸がやってきた

「シャーリー。吾、そんなに偉そうか?」

大きな胸に負け、小さい体を余計小さくしてうつむいた

 




お風呂回はこれで終了w
全員とはしゃいでも良かったんだけど、お風呂だけ長くてもしかたないので終了とします


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7-9 換気は必要じゃと思うのじゃが

風呂から上がり、リビングで朔夜に膝枕をしてもらい、凪に団扇で扇がれながら、結音は皆の事を考えていた

バルクホルンは芳佳を見るたび、挙動不振になっていた

ペリーヌも芳佳には何かと突っかかっていた

二人の様子に芳佳はおろおろしていた

 

結音はシャーリーに聞いてみた

「のうシャーリー、ペリーヌはどうしたんじゃ。芳佳に随分手厳しい様じゃが?」

「あー、あれかー。ペリーヌは少佐の事気に入ってるからな」

「気に入ってる?」

「少佐の傍で親しくしてると誰でもあんな感じだ」

「吾も美緒の傍に居る事が多いが、芳佳の様に何か言われた事は無いのじゃ。何故じゃろう?」

「あー、もしかして、プリンセスだからじゃないか? ペリーヌの奴、貴族だって言ってたし」

「むー。身分で態度を変えるのは感心しないのじゃ。リベリアンやロマーニャ人の様にフランク過ぎるのも困るがの。芳佳が敬語なのは誰に対しても尊敬しておるからじゃ。ふむ。ペリーヌと一度、話してみるかの」

原作知識では放っておいても大丈夫と判っていても、この空気を変えたいと思う結音だった




ペリーヌとのお話はまた今度


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7-10 吾のストライカーは専用機じゃ

結音は格納庫でストライカーの整備をしていた

シャーリーが自分のストライカーの整備を終えて結音の所へやって来た

「なぁ、そのストライカー少佐達のと違わないか?」

振り返る事無く、整備を続けながら結音は答えた

「これはゼロ改結音専用機じゃ。美緒達のはゼロ改じゃな。結音式搭載型の第二世代じゃ。吾のは第三世代の試験機でもある。扶桑は専用機とか無いはずなんじゃが、技術部の連中が吾の為に色々盛り込んだ様じゃ」

「へー、第三世代。何か違うのか?」

「生存性の確保、防御力の強化、燃費向上、不具合の解消、新機能のテスト、新装備の調整等じゃな。もっとも、次に来るのは第四世代じゃろうがな。ジェットになるのじゃ。リベリオンのP-80がそろそろ完成ではないのか?」

「そうなんだよ! いつ来るか楽しみなんだ! でもレシプロも捨て難いしなぁ」

「来るのはカールスラントの方が先じゃろう。扶桑は新素材での制作に難航している様じゃ」

「そうなのか。P-80は音速を越えられるかなぁ」

「宮藤エンジンの出来次第じゃ。理論上は可能じゃが、リベリオンが制作出来るかどうかは分からぬのじゃ。以前のエンジンでは加速性能と燃費に難があったからの」




7章終了です
次回はリーネちゃん、活躍の予定です

出るのはまだ先ですがジェットの予感

登場予定ジェット機体
P-80
メッサーシュミット262
橘花
震電改
全て第四世代ストライカーです
宮藤エンジンで初期の弱点を克服してます

ほかにジェットなんてあったかな?
ロケット機は燃費が悪いのでキャンセルになりましたw


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第8章 吾はリーネを特訓したのじゃ
8-1 吾はファンネルの使い方を講義したのじゃ


8章スタートです

最低文字数が200から1000文字に変更になって、エタらなくてはならないかと思ったのですが、携帯版から更新できる事が判明
携帯版から書いてます
しかも文字数制限が緩和されて、長文が入力出来る様になりました
少しは読みやすくなったと思います



夕食時、皆が集まったテーブルで結音は切り出した

 

「実は新しいシステムを考えたのじゃ。安否確認サービスじゃ。ネウロイ襲撃や災害時にはぐれてしまった家族や友人を探すシステムじゃ。本来なら国家事業なのじゃが、ネットワークなら簡単に早く見つけられるはずじゃ。どうじゃろう?」

「本当にそんな事出来るのカ!?」

 

エイラは勢い込んで聞いた

 

「手書きでお役所仕事をするよりは早いと思うのじゃ。役所や大使館などに端末を置き、名簿を検索出来る様にすれば良いと思う。世界の主要都市とネットワークが繋がったのでな、出来る様になったのじゃ。誰かが開発するかと思っておったのじゃが、まだ誰も作らぬので吾が作る事にしたのじゃ。サーニャの家族とも連絡が付くかもしれぬのじゃ」

 

それを聞いて息を飲むサーニャ

 

「良かったなサーニャ!」

 

エイラの言葉にサーニャは目に涙を浮かべてうなずいた

 

「連絡が付いたらスマホでも送っておけばいつでも話せるのじゃ。一つプレゼントするのじゃ」

「ありがとう。でもどうしてそんなにしてくれるの?」

「仲間じゃからの、気にしなくて良いのじゃ。吾はシステムを作るだけじゃから、訪ね人が見つかるかどうかは、運次第なのじゃ。家族に会いたいのは誰であっても同じ事。見つかると良いな」

「ありがとう」

 

サーニャは涙を浮かべながら笑っていた

 

-----

 

「ミーナおるか?」

 

結音が隊長室に入ると、ミーナは書類と格闘中であった

彼女はしばし手を止めて話を聞いた

 

「実はリーネにファンネルの使い方をレクチャーしようと思ってな。リーネの銃は狙撃銃で乱戦には向かぬ。ファンネルはその弱点を克服出来るのじゃ。リーネなら十分活用出来るじゃろう」

「素晴らしいわ。でもその話は全員で聞いた方が良いのではなくて?」

 

そこでファンネルの使い方の講義をする事になった

 

-----

 

結音はブリーフィングルームに全員集め講義を始めた

 

「ファンネルは簡単に言うとプローブにミサイルとバリアを積んだ全自動防衛システムの事じゃ。ウィッチにビームが当たりそうな時に、自動でバリアを射出してくれるのじゃ。また、ウィッチの指示でロックオンしたターゲットにミサイルを発射出来るのじゃ」

 

そう言うとプレゼン用大型ディスプレイにウィッチを表示し、その周りにプローブを幾つか表示した

 

「まず、プローブを射出して空間把握を出来る様にするのじゃ。ウィッチはプローブにリンクする事で知覚を拡張できる。次にファンネルじゃな。これは同時に射出しても良い」

 

結音はディスプレイにファンネルを追加表示した

 

「ファンネルは射出すると自動モードになる。ミサイルを撃ちたい時はロックオンして発射するだけじゃ。残弾には気を付けるのじゃぞ」

 

ディスプレイではファンネルがミサイルを発射する様子が映される

 

「通常は機銃で牽制し、ミサイルで大ダメージを与える。ファンネルを使えば、一人で多重攻撃も可能じゃ」

 

大型ネウロイに同時にミサイルが当たり爆発する

 

「じゃが、乱戦時ではリーネの様な狙撃タイプには対処は難しい」

 

表示されたウィッチの周りに群がる小型ネウロイの群

攻撃されるウィッチ

 

「そこで、ファンネルで防御しつつコアを攻撃する。自動で反撃させても良い」

 

ファンネルがバリアを射出してビームを防ぎ

ウィッチが射撃でコアを撃ち抜く

消滅するネウロイ

 

「リーネにはファンネルの使い方を学んで欲しいのじゃ。他の者も有効に活用すれば、戦力アップに繋がるのじゃ。元々ミサイルやファンネルはウィッチの負担を減らす為に考えたのじゃ。活用して欲しいのじゃ」

 

一通り講義が終わり、解散となった後ルッキーニが寄ってきた

 

「ねーねー、何でファンネル(じょうご)って言うの?」

 

ルッキーニには不思議な様だ

 

「この名前は伝統なのじゃ。最初に作られた時この形だったのでな。以降、この手の武装はこう呼ばれておる」

 

結音が説明を終えると、大型ディスプレイは金色の毛並みの子狐に変身した

 

「なになに~、この子どうしたの?」

 

ルッキーニが目をキラキラさせて食い付いて来た

 

「名前はコン(金)じゃ。良い毛並みじゃろ? 大型ディスプレイは嵩張るのでな、式神にしたのじゃ。自律しておるので教えれば色々覚えるのじゃ。勿論、クロシロと一緒に吾と出撃するのじゃ」

「えー。良いなー」

「何じゃ。ルッキーニもアバターを変えれば良かろう? マニュアル読んでおらぬのか?」

「読むのめんどー。そんな事出来るの?」

「種類と色、それにサイズを選ぶのじゃ。吾のは特別バージョンで量産型と違うのじゃ。ほれ、スマホを出すのじゃ。吾が設定してやろう」

「とってくるー」

 

そう言ってルッキーニはスマホを取りに飛び出した

 

「はぁ、いつも持っておらぬと役には立たぬじゃろうに」

 

………

 

「とってきたよー」

「どれ、貸してみるのじゃ」

 

しばらくしてルッキーニのスマホのアバターが完成した

ロマーニャ猫の首輪にロマーニャ国旗とルッキーニのエンブレムが描かれる事になった

ルッキーニはペットが飼えて嬉しそうだった

 

それを見た全員が私もと言って来て、結局、部隊全員のスマホがアバターとなった

何故か、そろってそれぞれの出身地の子猫型で首輪に国旗とエンブレムを付ける事になった

皆可愛い物好きな様だった

皆の使い魔は犬型が多いのに使い魔が拗ねないか心配になる結音だった

 




これで2400文字ちょっと
読みやすくなってますか?


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8-2 リネット・ビショップ! 狙い撃つのじゃ!

連続投稿です

リーネちゃんの訓練です



「この辺で良いじゃろう。ターゲットのバルーンまで2km程ある。ここから狙い撃つのじゃ」

 

結音はリーネを連れて狙撃訓練に来ていた

 

「そんな! こんな所から!?」

 

2kmの狙撃と言えば、○ルゴ13がやって見せた神業である

だがウィッチである事、リーネの固有魔法‘鷹の目’と風とエーテルさえ読めれば、可能であると結音は考えていた

プローブがあれば風を読む助けになる

本当はここまでする必要はないのだが、結音はリーネに自信を付けさせたかったのだ

リーネの銃の有効射程を結音は知らなかった

だが、魔力で強化された弾丸なら届くと信じている

もしかしたら、魔力で弾道さえ変えられるのではと考えていた

 

結音はリーネの後ろに回り、腰に手を回し、リーネの背中に頭を付け目を瞑りタンデムの体勢に入り、魔力をリンクさせた

 

「おほ~。リーネの腰は細いのう。胸も尻も大きくて羨ましい限りじゃ」

「ゆ、結音さん!?」

 

狼狽えるリーネを気にせず、結音は構わず続けた

 

「プローブを射出して風とエーテルの動きを感じるのじゃ。吾がリンクでサポートする」

「は、はい」

 

結音に言われてリーネはプローブを射出した

 

「目を瞑れば普段見えていない物が見えて来るのじゃ」

 

プローブにリンクした視界は広大な物だった

そして気流の動きを感じる事が出来た

リーネはエーテルの世界に魅了されていた

 

「風を感じるじゃろう。狙撃するには、ここから風の動く先を予想しなければならぬのじゃ。先ずは良く見て、感じて、そして撃つのじゃ。経験を積めば命中率も良くなる」

「はい!」

 

リーネは目を開き、銃を構え、慎重に狙いを定めて撃った

しかし風に流され弾丸は勢い無く海に落ちた

 

「距離を気にしていては駄目じゃ。的との間を遮るものは何も無い。良く見るのじゃ。的が近くに感じられるはずじゃ」

 

そう言われると視界がきゅうっと狭まり、的が目の前にあるような感覚がした

 

「プローブとリンクしておるからじゃ。感覚が鋭くなっておるのじゃ」

 

リーネは、息を落ち着けてから風を読み、ふと息を止めると、引き金を引いた

 

弾丸は見事バルーンの中心を撃ち抜いた

 

「うそ? 出来た?」

「上出来じゃ」

 

希代の狙撃手の誕生である

 

リーネは何度かバルーンを打ち落とし、感覚を確かな物にして行く

 

「感覚さえ掴めれば一人でも練習できるじゃろう。次はファンネルの訓練じゃ」

「はいっ!」

 

リーネは迷いの晴れた笑顔で答えた

 

「ファンネルを射出するのじゃ。リーネの機体は同時に12機まで制御可能じゃ。もっと増やせるのじゃが、制御が難しくなる。リーネが馴れてくればもっと増やせるのじゃ。狙撃タイプはバリアが頼りじゃ。バリアの残弾には気を付けてな」

「はい」

 

リーネはファンネルを射出した

ミサイルやバリア等もウェポンベイから射出される仕様だ

札なので嵩張らない優れ物だ

結音もファンネルを射出する

 

「吾の攻撃は気にせず的を狙い撃つのじゃ。行くぞ」

 

いきなり結音のファンネルが飛び回ってあらゆる方向から多重攻撃を始めた

いわゆるオールレンジ攻撃である

リーネのファンネルはバリアを射出して迎撃していく

リーネは的を狙撃するが気が散るせいかなかなか当たらない

 

「リンクを信じるのじゃ。風を読む所から始めるのじゃ」

 

リーネは息を整え、的を見ると視界がきゅっとなり、的が目の前にあった

狙い撃つ!

 

ファンネルの猛攻の中で、リーネはバルーンの中心を撃ち抜いた

リーネは息をふぅっと吐くと嬉しそうに笑った

 

「結音さん、出来ました!」

「上出来じゃ。もう一度やるぞ。バリアの残弾は常に気を配るのじゃ。弾丸が尽きれば打つ手が無くなってしまうからの」

 

「(またじゃ。今度はリーネと繋がっておる。この魔力は何じゃ?)リーネ、どこか異常は無いか? 魔力は正常か?」

「はい。特に何も。それどころか、かえって充実してます。あんな遠い所に当たってますから」

「充実? 魔力が高まっているのかの?」

「そんな気がします」

「ふむ。まあ、それは後にするのじゃ。今はリーネの訓練に集中しよう」

 

それから、二人は弾丸の尽きるまで訓練を続けた

 




色々混ざりましたw

2kmの狙撃
ウィッチなら普通にやってそうです
距離、延ばした方が良いですか?

ジェットならあっと言う間の距離
レシプロだから狙撃出来るんですね


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8-3 リーネ危機一髪なのじゃ

基地内にネウロイ襲撃の警報が鳴り響く

501メンバーはブリーフィングルームに集合した

 

「先程、ネウロイの接近を感知しました。対象は小型ネウロイが多数と思われます」

 

ミーナの発言に全員に緊張が走る

数か多いと消耗が激しくなるからである

 

「乱戦になるでしょう。宮藤さん、リーネさんは待機していてください」

「どうしてですか!」

「私も役に立てます!」

 

少し自信を付けてきた芳佳とリーネは不満だった

 

「もし乱戦になったら貴女達を守れなくなるわ」

「そんな! シールド位張れます!」

「私も結音さんに特訓して貰いました!」

「貴女達はまだ経験が足りないわ。今回は待機していて」

 

その時、結音は手を上げた

 

「のう芳佳、リーネ、二人は予備兵力として待機すると言うのはどうじゃな? 守る者も必要じゃ。乱戦ともなれば抜かれる事もあろう」

「う……、分かりました」

 

二人は不満がありながらも結音の言う通りにする事にした

 

「結音さん、ありがとう」

「気にする事は無いのじゃ。お節介じゃったかの」

「いいえ。では出撃します!」

 

-----

 

501航空兵団の出撃である

結音は接敵する前に敵の数を減らそうと考えた

 

「ミーナ、接敵する前にミサイルで敵の数を減らしたい。リンクミサイルを推奨するのじゃ」

 

編隊飛行中、接敵する前に結音は持ち掛けた

 

「その通りね。やってみましょう。全機リンク開始、ロックオン」

 

リンクミサイルは編隊飛行中、全機のミサイルを発射する攻撃である

全機でリンクする事により、同じ目標にミサイルが向かわない様により多くの敵にダメージを与えるのである

 

「発射!」

 

ミーナの指令で一斉にミサイルが発射される

機体の限界までロックしたミサイルの群は多くのネウロイを巻き込み爆発した

 

「ミーナ、もう2射出来るはずじゃ」

 

結音は乱戦を考慮し残弾を考えて進言する

 

「数を減らしましょう。全機ロックオン…… 発射!」

この攻撃で全体の4割程のネウロイの群が消滅した

だが多くのネウロイがまだ残っている

 

「全機編隊を崩すな。孤立したらやられるぞ!」

 

バルクホルンの檄が飛ぶ

乱戦が始まった

 

キューブ型の小型ネウロイがまとわり付く様に、ウィッチ達を囲む

乱戦を考え弾薬を多く持って来た為に鈍重になってしまった一行にビームが降り注ぐ

 

一方、芳佳とリーネは管制室で結音達の戦闘の様子をモニタしていた

結音式が導入された管制室は戦艦のCICの様に詳細な情報が集まる所になっていた

そこへ新たな警報が鳴る

 

「別のネウロイが接近中!?」

「リーネちゃん! 坂本さん達に知らせなきゃ!」

 

早速、新たなネウロイが接近しているのをミーナ達に報告する

 

『こちらは乱戦に……なっていて、足止めされているわ。二人はそちらに行ったのネウロイ……を迎撃して欲しいの。足止めだけで構わないわ。こちらから増援を送ります』

「はい!」

 

ミーナは戦闘中の為、会話が途切れがちになりながらも芳佳達に指示を出す

芳佳達は緊急発進する事となった

 

-----

 

緊急発進した二人が敵ネウロイを発見した

大型ネウロイの周りに小型ネウロイが多数護衛についていた

 

「リーネちゃん、見えた!」

「ヴィルケ中佐、こちらビショップ軍曹です。大型ネウロイと子機を発見。迎撃を開始します」

『大型!? 貴女達では手に余ります。一端引いて!』

「引く前に一撃します。ファンネルがあれば、離脱は可能です」

『分かったわ。一撃だけよ。シャーリー行ってくれる』

『悪い、行きたいのは山々なんだが、抜かせてくれない』

『トゥルーデ!』

『すまん、こっちもだ!』

 

-----

 

「クロ、シロ、芳佳達の援護に行くのじゃ。急ぐのじゃ。コンは吾の援護に残るのじゃ」

 

芳佳達の通信を聞いていた結音はクロとシロを援護に向かわせた

 

「今日はロボットアニメ祭りじゃ!」

 

結音は集中する為、歌を歌い出した

 

「……○万年と○千年前から愛してる~♪」

 

子機の猛攻をファンネルでいなし、オールレンジ攻撃で反撃を始めた

 

-----

 

「中佐、こちらは何とかします。心配しないで下さい」

 

そう言うとリーネは芳佳の側まで飛んで来て、インカムに声が入らない様に内緒話を始めた

 

「宮藤さん、向こうは乱戦になっているわ。みんなを守る為に命令違反をします。責任は私が取るから心配しないで」

 

命令違反と聞いてびっくりする芳佳

 

「リーネちゃん、気にしないで。何でも協力するよ。何をすれば良いの?」

「宮藤さん、ありがとう。まずリンクミサイルで大型を狙います。その後、宮藤さんは子機をお願い。私は大型に集中します」

「分かった、リーネちゃん。最初のミサイルは子機を狙わなくて良いの?」

「大型を狙えば当たりに来てくれるはずです」

「そっか、分かった。やろうリーネちゃん!」

 

二人は、プローブとファンネルを射出し、リンクミサイルの発射体制に入った

 

子機がビームを撃ちながら接近してくる

芳佳はシールドでリーネをかばいつつ、リーネの合図を待つ

 

「リンクミサイル発射!」

 

二人のストライカーとファンネルから一斉にミサイルが発射された

子機の群が本体を守る様に盾になって爆発して行く

 

「もう一回!」

 

発射されたミサイルの半数は子機に阻止されたが残りの半数が大型ネウロイに到達した

芳佳は一瞬コアが露出するのが見えた

 

「リーネちゃん、コアが見えた!」

〈芳佳、マーカーを撃つのじゃ。それでリーネにリンク出来る〉

「結音ちゃん!? 分かった」

 

芳佳達の様子をモニタしていた結音からの指示で、発見したコアの位置にマーカーを付ける芳佳

 

「リーネちゃん!」

 

リーネに群がる子機からビームが降り注ぐ

リーネのファンネルのバリアは子機の猛攻で切れかけていた

恐怖を無視して、ネウロイに集中するリーネ

息を止めると視界がきゅっとなりコアのマーカーが見えた

 

「ミサイル発射!」

 

マーカーに向かって発射されたミサイルがネウロイのコアを露出させる

 

その時リーネのバリアが遂に切れた

芳佳のシールドをかいくぐり、子機のビームがリーネに向かう

 

「リーネちゃん!」

 

芳佳が悲鳴をあげる

その時どこからか、バリアが飛んできてビームを防いだ

 

狙い撃つ!

 

リーネの撃った一発の弾丸がネウロイのコアを撃ち抜いた

ネウロイは沢山の欠片となって空に散った

 

リーネはふぅと息を吐き、緊張を解いた

 

「クロちゃんとシロちゃん?」

 

いつの間にか傍にいるクロとシロを見つけ、リーネは戸惑っていた

 

「リーネちゃん! 大丈夫! ビームが当たるかと思った!」

「うん、平気だよ。クロちゃんとシロちゃんか守ってくれたの?」

 

クロとシロは綺麗に敬礼した

 

-----

 

周りの子機が散って行くのを見て、結音は歌を止めた

 

「ミーナ、どうやら乗せられたようじゃな。コアは芳佳達の方だった様じゃ」

「ええ、その様ね。私の失態だわ」

「気にする事は無いのじゃ。フォローはしておいたのじゃ」

「もしかして予想してたの?」

「可能性を考えていたのじゃ。さて帰るとしよう。吾は芳佳とリーネが活躍して機嫌が良いのじゃ」

 

結音は鼻歌を歌いながら、踊る様に基地に帰還した

 




うーん
予定通りとはいえ、歌が目立たないw
もっとカッコ良いシーンを想定してたんだけどw


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8-4 吾はミーナの仕事を手伝ったのじゃ

基地に帰還した結音達を芳佳とリーネが申し訳なさそうに待っていた

クロとシロが主の元へ飛んで行き、結音の前で敬礼した

 

「ご苦労、間に合った様じゃな」

 

そう言って、結音はクロとシロを撫でた

クロとシロは結音に誉められて嬉しそうだった

 

「結音さん、助けてくれてありがとう。クロちゃん達が来なかったらどうなっていたか……」

「そうじゃな、バリアを切らすのは感心しないのじゃ。もう少しうまく立ち回る事じゃ。じゃが今回は良くやったのじゃ」

「ごめんなさい」

「結音ちゃん、私がちゃんと守れてれば……」

 

芳佳は落ち込んでいた

 

「しばらく反省するのじゃ。二人とも、ミーナに報告する事があるじゃろう?」

「そうでした。ミーナ隊長。命令違反をしてしまいました。責任は私にあります。宮藤さんは許してあげて下さい」

「そんな、私もリーネちゃんと一緒だよ」

 

ミーナは二人の様子にため息をついて、処分を言い渡した

 

「二人とも別命の有るまで、自室で謹慎です。しばらく反省していてね」

 

二人は自室謹慎と反省文、報告書の提出を言い渡されて部屋に戻って行った

 

-----

 

結音が報告書を書き上げて隊長室に来ると、ミーナは大量の書類仕事をしていた

前世で小さいながらも社長をしていた為、書類仕事に慣れていた結音は手早く報告書をまとめる事が出来るようになっていた

 

「これは大変じゃな。吾が少し手伝おうか? 機密書類で無ければ、少尉階級でも出来る事はあるじゃろう?」

「ありがとう。助かるわ。それじゃお願いできる?」

「うむ。任せるのじゃ」

 

そうして結音はミーナの書類を手伝った

 

………

 

しばらくして結音の書類整理が終わり、ミーナに報告した

 

「ミーナ、出来たのじゃ。まずこれがすぐに決済が必要な分じゃ。次に、これがサインだけで済む書類じゃな。次は、今すぐは処理の必要の無い物じゃ。後は報告書じゃな。それにこっちの奴は吾が処理しておいた、後で確認するのじゃ」

「ありがとう、おかげで大分はかどるわ」

 

その時、バルクホルンが隊長室に報告書を提出に来た

 

「ミーナ、報告書が出来たぞって、結音!? 何してるんだ?」

「ふがいない部下の代わりに、手伝いをしておった。のうミーナ。これ程忙しいのであれば、秘書が必要ではないか?」

「申請はしているんだけど…… なかなかね」

 

ミーナは上層部の対応に苦笑いをする

 

「ちょっと待て、ふがいないって何だ!」

 

無視されてバルクホルンは憤慨した

 

「上官が忙しいのに手伝わない部下の事じゃ。戦うだけが軍人の仕事ではないのじゃ。文官の仕事を馬鹿にする様な輩は軍人の資格はない。補給を怠っては戦えぬのじゃ」

「あー、いやまぁそのう……」

 

バルクホルンはそう言われてうなるしかなかった

 

「それにここで言う事では無いかもしれぬが、ガンカメラもログも残っておるのに報告書に時間がかかるのもおかしいのじゃ。報告書を自動生成するシステムも作れるのじゃが、そうするとウィッチが成長しなくなってしまうのじゃ。自分の行動を振り返ることに意味があるのじゃ。士官なら分かるじゃろう?」

 

結音の言葉には刺があるがウィッチのゆく末を心配していたのだった

より良くあれと願う結音だった

 




ミーナが余りにも忙しそうなのでちょっとお手伝い


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8-5 吾はリーネと芳佳に式神の作り方の基礎を教えたのじゃ

結音はミーナに許可を取り、リーネと芳佳の謹慎している部屋に来ていた

 

「のう、二人共、式神の作り方を覚える気はないか? 謹慎中は暇じゃろう。役に立つと思うのじゃが」

「式神ですか? でもどうして?」

 

突然の提案に二人は顔を見合わせた

 

「そうじゃな、まずネウロイにウィッチの撃つ銃弾が有効なのは何故じゃ?」

「ええと、魔力をまとっているからですか?」

「うむ。ミサイルも同じ事じゃ。基本的には高密度の魔力をぶつけて破壊する。吾は魔力をまとった銃弾が有効なら可能と考えたのじゃ。そして、それを飛ばす為に、飛翔体を作ったのじゃ。飛翔体はターゲットに向かってビームを避けるためランダムな軌道で飛ぶ。銃弾も式神化で飛翔体となればミサイルの様に一発必中となろう。弾道をリーネの意志で曲げることが出来るかもしれぬ。どうじゃ、やる気はあるか?」

「自分の意志で弾道を曲げる!? そんな事、出来るんでしょうか!?」

「分からぬ。銃弾を式神化するのは難しくない。問題は、学ぶ年月にある。扶桑の札は人材確保のおかげで、幼い頃から修行しておるため、良質な物が作れるのじゃ。リーネが作れる様になるのは数年掛かるじゃろう。出来る頃には上がりを迎えておるかもしれぬ。じゃが、出来る様になれば、どんな的でも撃ち抜ける様になるのじゃ」

「すごいね、リーネちゃん!」

「う、うん」

 

結音の事は信じているけれど、リーネは半信半疑だった

 

「まずは吾が作ってみよう。リーネの銃弾を貰ってきたのじゃ」

 

そう言って、懐から数発の弾丸と筆を取り出した

 

「書く物は何でも良いのじゃ。魔力で書くからの」

 

そう言って結音は弾丸の一つに魔力を込めながら術式を書き始めた

 

「欧州でもかつてはドルイド式等の術式が存在しておったのじゃが、今は失われて残っておるのは扶桑だけじゃ。欧州人は扶桑式の術式に慣れておらぬからあまり精度が出ていない様じゃ」

 

作業を続けながらも結音は話続ける

 

「アフリカ式なら残っておるかもしれぬが、人材確保の方が問題じゃ。ミサイルを理解出来ないかもしれぬ。ふう、出来たのじゃ」

 

そう言って、銃弾をリーネに渡す

銃弾から放たれる魔力にリーネは感動していた

 

「凄い……」

「誘導術式を組み込んだのじゃ。ロックオンして撃てば当たるじゃろう。威力は撃つ時のリーネの魔力次第じゃ。これを作れる様になるのじゃ。吾は幼い頃より修行しておったからの、これ位は造作もないのじゃ。謹慎が解けたら試し撃ちをしておくのじゃ。後でマガジンを3セット程作っておくのじゃ。活用すると良い。式神じゃから本人が作った方が魔力の通りが良い、狙撃ならなおさらじゃ」

 

そうして結音は残りの銃弾を全て誘導弾に変えていった

 

「まずは基礎からじゃな。さて芳佳、この札を持つのじゃ」

 

そう言って懐から今度は札を取り出した

 

「これは魔力符じゃ。あらゆる式神の動力源として使っておる。これに魔力を込めるのじゃ」

「は、はい」

 

札を貰い、魔力を込め始めると突然パンと弾けた

 

「わわっ!」

 

「魔力の込め過ぎじゃ。ストライカーと一緒じゃ。そうっと優しく。95±3%位が理想じゃ。大ざっぱなリベリアンでは±10~15%位なので、大抵弾けておるな。のう芳佳、学校でやらなかったか? 女学校のカリキュラムに入っておるはずなのじゃが」

「あ、はい。戦巫女の方が来て教官をしてました。私、いつも弾けちゃって。魔力を込め過ぎだって。制御ってあんまり得意じゃないんです」

 

芳佳はその時の事を思い出したのか、顔を伏せた

 

「制御の難しい治癒魔法が使えるのに、これしきで音を上げるとは芳佳らしくないの。しっかりするのじゃ。今度は優しくな」

 

そう言うともう一枚札を出し芳佳に渡した

 

芳佳は今度は優しく魔力を込め始めた

 

「もうこれ以上入らないと言う所が100%じゃ。それを寸止めする要領じゃ」

「うーん、もう少し…… わっ!」

 

パンとまた弾けた

 

「ああー。もうちょっとだったのに」

「よし、要領は分かったじゃろう。リーネもやってみるのじゃ」

 

今度は札を二枚取り出し二人に渡した

 

「まずは感覚を掴む事じゃ。制御はそれからで良い」

 

初めは何度も失敗していた二人だが、やがて慣れて来ると弾ける事はなくなっていった

 

「今までどうして出来なかったんだろう?」

 

芳佳は不思議に思った

どれ程練習しても出来なかったのに、制度は良く無いにしても今は作れる様になっている

 

「無理に制御しようとするからじゃ。自然に任せるのじゃ。治癒魔法はどうしておった? 治るに任せてはおらぬか?」

 

はっとした芳佳は結音を見た

 

「思い当たる事があったようじゃな。それで良いのじゃ」

「はい!」

「恐らくじゃが、芳佳は制御の訓練の途中でブリタニアに来てしまったのではないか? もうしばらく続けておれば出来るようになっておったかもしれぬ。戦巫女が気が付かないはずがないのじゃ。才能を見越して丁寧に育てるつもりでおったのじゃろう」

「そう言えば訓練の途中でブリタニアに来ちゃってました!」

「扶桑では学校の授業でそんな事してるんですね」

 

リーネが羨ましそうに言った

 

「人材確保の一環じゃ。今後沢山のウィッチが必要になる。ウィッチの保護と育成を父様に頼んでおいたのじゃ」

「ええっ! 結音ちゃんが考えたの!」

「うむ。ネウロイに対抗するためじゃ。今世界中でウィッチが不足しておる。次世代の人材育成無くして未来は来ないのじゃ」

 

静かな情熱を持って結音は宣言した

 

「さて二人には課題を出しておくぞ。まずは扶桑の術式を覚えるのじゃ。そして芳佳は魔力符とプローブ、それに飛翔体を作るのじゃ。リーネは魔力符を練習して、消耗したバリアを自分で作るのじゃ。自分の命を繋ぐ大事な物じゃ。しっかり作るのじゃぞ。師匠として凪を連れてくる。謹慎中にしっかり学んでおくのじゃ。任務が始まってしまえば、時間は余り取れぬであろうからな。今の内じゃぞ?」

 

結音は二人にイタズラっぽく笑った

 

リーネと芳佳は結音の静かな熱意に胸を打たれていた

結音は次世代のウィッチ達の描く未来にわくわくしていた

 




リーネが“ロックオン 狙い撃つ”が出来るようになりましたw
しかも弾道が曲がるw

式神の講義
矛盾が無いと良いなぁ


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8-6 扶桑の新聞に載ってしまったのじゃ

ちょっと短いです



いつもの時間、結音は家族との通話をしていた

クロの頭上にウィンドウが開く様に姉の姿が映っていた

リンクしているウィッチにしか見えないウィンドウを見ながら姉と会話している

 

本来は軍規違反になるのだろうが、スマホの規定はまだ無いため、結音は全く気にしていなかった

機密漏洩しなければ良いのだし、むしろ漏洩した方が良さそうな相手しかアドレスを渡していない

密かに裏ルートを確保している結音だった

 

「聞いたわ、ようやく戦果を上げたそうね。すずが大喜びしていたわ。やっぱり結音の事が心配だったみたい」

「吾は新人じゃからな、戦果が少ないのは当然なのじゃ」

「まあ」

 

織音はブリタニアでの様子を想像してくすくす笑った

 

「結音は昔からそう言う所は、自重していなかったわね」

「何じゃ、それでは吾が悪い子みたいではないか。手を抜いている訳ではないのじゃ」

「結音は昔から……」

「あー、あー、きーこーえーなーいーのーじゃー」

 

織音はその様子にまたくすくすと笑い始めた

 

「お姉様! ねえ様と通話してるの!?」

 

突然、少女が割り込んで来た

姉の声を聞いて部屋に飛び込んで来たらしい

 

「はしたないわ、すず。あなたも挨拶なさい」

「すずですねえ様! 新聞読みました! 一面よ! 我らが扶桑皇国皇女結音殿下、一度の出撃でネウロイを20機撃墜! 素晴らしい快挙♪」

 

妹のすずは新聞の内容にハイテンションになっていた

スマホのカメラに持っていた新聞を向けて見せた

 

「新聞は大げさなのじゃ。報告書は書いたがどこで漏れたのじゃ?」

「父様は外務省だって言ってたわ。宮内省も戦果が無くて焦ってたみたい。すぐに新聞社に連絡したって。新聞、スキャンしてねえ様に送るね」

「別に要らないのじゃ。きっとろくな事は書いて無いのじゃ」

「しょうがないなあ。それじゃ私がスクラップしておくからね」

「やれやれじゃな。ミサイルを会敵で撃った後は逃げ回ってただけじゃぞ。倒したのは小型ばかりの雑魚じゃし」

 

結音は自分の戦果に対して無頓着だった

 

「もうねえ様ったら! もっと自慢しても良いのに」

「雑魚の数を幾ら自慢してもしかたないのじゃ。のうねえ様、父様と母様は今日は公務じゃったな」

「ええ。今日は抜けられないって。結音と話すのをいつも楽しみにしていたのに」

「父様と母様は忙しすぎじゃ。もう少し休めれば良いのじゃが。気晴らしに今度、休暇で町に出た時に、絵はがきでも買って送るのじゃ。ブリタニアの風景がよかろう」

「ふふっ、楽しみにしているわね」

 

家族との会話を楽しむ結音だった

 




織音と鈴音がやっと喋りましたw


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8-7 吾は機体マークを書き換えたのじゃ……にゃぁっ!?

半日で書いてしまったw
ネットの調子が良い内にアップしておきます



結音はリーネの機体の状態を見るため格納庫に来ていた

バリアの様子を見るためである

 

「おやっさん、リーネの機体はどうかな?」

 

おやっさんと呼ばれたのは扶桑の整備隊長の篠塚である

彼は結音と開発部以来の付き合いで第2世代ストライカーの開発にも携わっていた

整備主任はカールスラントの整備隊長なのだが、大抵は結音式に詳しい篠塚の方に任される事が多かった

結音とは長い付き合いである

コワモテで大きな体をしているせいかおやっさんと呼ばれていた

元ウィッチの妻を持つ愛妻家でもある

 

「おう嬢ちゃん、機体には問題ない。ミサイルとバリアの消耗か激しいな。ログを見たが、なんだいあの戦い方は。ウィッチってのはあんな戦い方も出来るのか」

 

彼は姫である結音を嬢ちゃんと呼べる唯一の人物である

 

「ミサイルとファンネルを使った初めての全力戦闘じゃ。記録に残るじゃろう。今後の戦術の役に立つはずじゃ」

「そうかい。全てのストライカーの整備、点検、補給は完了済みだ。それでリーネ嬢の機体をどうするんだ?」

「装備とセッティングを変える。バリアとファンネルを増やそうと思うのじゃ。リーネの練度次第じゃが、ファンネルは今の倍は行けるじゃろう。バリアは使い切ってしまった。これも増やさねばならぬ」

「換装パッケージは他のと違って専用になっちまうぞ良いのか?」

「狙撃パッケージとして新設するのじゃ。他の部隊にも狙撃タイプのウィッチはいるはずじゃ。ログと一緒に後で公開しておいて欲しいのじゃ。他の者の参考になはずじゃ。吾はセッティングを調整する、装備変更を頼むのじゃ」

「了解、ファンネルは倍で良いな。バリアはどうする?」

「1.5倍で頼む。ファンネルも増えるので総数はたいぶ増えるのじゃ」

 

結音式は装備をパッケージ化し装備変更を簡素化してある

結音はリーネ達、狙撃タイプウィッチのために新たに狙撃パッケージを用意する事にしたのだ

 

結音はリーネの機体のセッティングを変更した

ファンネルは余り多く同時に使うと相互に干渉してうまく動かない時がある

結音は自律型リーダータイプを導入してリーネの負担を減らそうと考えた

6機を1編隊として4編隊24機

12機全てを操作するより楽なはず

オートで操作していてもリンクが繋がっている以上、変化には敏感なのである

 

「後でリーネに名前を付けて貰わねばならぬな」

 

休眠中の四つの自律型リーダーファンネルを大事そうに懐に入れた

 

-----

 

「おやっさん、こっちは終わったのじゃ。そっちはどうじゃ」

「おう、こっちも終わったぞ」

 

おやっさんはコワモテでニカッと笑った

結音はその顔を見て思わずビクッとした

結音は付き合いは長いが、彼の笑顔が苦手なのである

 

「あ、あー、実は相談があるのじゃが……」

「なんだい、傷付くなあ」

「……吾の機体マークを少し変えたいのじゃが。新しい家族が増えたので、入れて欲しいのじゃ。ほれ挨拶するのじゃ」

 

傍にいたコンはおやっさんの前に出るとぎこちなく敬礼した

 

「ほう、機体マークか。白猫と黒猫に追加するのか」

「そういう事じゃ、よい絵師を知らぬか」

「絵師なら前に描いた山本が来てるぞ、知らなかったか?」

「や、山本!? き、気付かなかったぞ。赤城に乗ってたのか!?」

「ああ。ちょうどよかった、おーい、山本、こっちへ来い」

 

結音はまたしてもビクッとなった

山本と呼ばれたひょろりとしたぐりぐり眼鏡の男がやって来た

 

「ゆ、結音殿下、お、お久しぶりです」

 

結音はビクビクしながら挨拶をした

 

「(ぎゃー、何でおるんじゃー。この時代まだマンガは流行っておらぬのに、何でこんなヲタクがおるのじゃ)うむ。じ、実はの機体マークにこのコンを追加して欲しいのじゃ」

 

コンはまたぎこちなく敬礼をすると子狐型に変身した

 

「子狐型で頼むのじゃ」

「わ、分かりました。しゃ、写真撮って良いですか?」

 

山本はどもりながら聞いて来た

 

「(は、早く終わって欲しいのじゃ)うむ。手早くな」

 

山本は色々な角度からコンを撮ってゆく

結音にとっては永遠の様な時間が過ぎた

気が付くと既に山本はいなくなっており、結音はぽつんと格納庫に立っていた

 

「はぁ~。あ奴は苦手なのじゃ~」

 

盛大に疲れた結音であった

 

-----

 

後日、結音の機体マークが新しくなった

扶桑の国旗にデフォルメされた九尾狐と白黒子猫に子狐が描かれた結音のエンブレムが完成した

 

「あ奴、腕は良いのじゃがなぁ」

「な、何か……」

「にゃぁ!?」

 

背後にいた山本に気付かずびっくりする結音だった

 

「(何であ奴は気配が無いのじゃ~)」

 




新キャラ登場

ヲタクが出てしまった
絵も上手い
仕事も出来る
でも変態
結音が大好物です
狙われてますw


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8-8 吾は新たな友を得たのじゃ

とりあえず5~7話を正しい順番に直しておきます



数日前

謹慎中の二人は凪に指導されて、札に魔力を込めながら話をしていた

既に何日も続けた二人は、話しながらでも作れる様になっていた

 

「ねえ、リーネちゃん、やっぱり結音ちゃんに、何かお礼をしたいよね」

「そうだね宮藤さん」

「うーん、私の事は芳佳で良いよ。私はリーネちゃんって呼んじゃってるし」

 

リーネは少し頬を染めて可愛らしく言った

 

「……えっと、芳佳ちゃん?」

「疑問形?」

「えっと、ごめんなさい」

 

二人はお互いに笑いあった

 

「凪さん、結音ちゃんの好きな物って何ですか?」

「そうですね、歌と飛ぶ事でしょうか? 後はご家族を大事にしている事でしょう」

「うーん。それ以外にありませんか?」

「そうですね……そう言えば芳佳様の食事を特に喜んでいました。後は甘い物でしょうか」

「甘い物? お菓子かな。リーネちゃん作れる? 私はオハギ作れるよ」

「私はスコーンかな。でもそれだといつもと変わらないし」

「リネット様のスコーンも喜んでおりました」

 

リーネはその時の様子を思い出して微笑んだ

 

「ありがとうございます。何かないか、実家に手紙を書いてみますね。お母さんにレシピを送って貰います」

 

-----

 

二人の謹慎が解けた日のティータイム

早速二人は、結音のためにスイーツを用意した

勿論、部隊全員の分もある

 

「スコーンが焼けました。それとこれはカスタードプディングです。結音さんに助けていただいたお礼です」

「吾は仲間を助けただけじゃ。当然の事をしたまでじゃ」

「でも結音さん……」

「どうしてもと言うなら、吾と友になるのじゃ。芳佳もな。吾にはまだ友が一人しかおらぬのじゃからの」

 

結音はそっぽを向きながら顔を真っ赤にして言った

 

(これではツンデレの様ではないか。吾はツンデレなどでは無いぞ……)

 

その様子に皆クスクスと笑った

 

「ねー、早く食べようよー」

 

ルッキーニが急かすのでティータイムが始まった

リーネは紅茶を配り始めた

 

(タマちゃん、卵料理は食べられるかの?)

(勿論なのじゃ。大好物じゃ)

「そうかの。おいでませ、タマちゃん!」

 

そう言うと結音の中から金色の九尾の子狐が現れた

皆は、驚いている

 

「吾の生涯の友で使い魔のタマちゃんじゃ。よろしゅうな」

「何じゃユネ。急に呼び出しおって」

「タマちゃんとプディングを食べるのじゃ。半分こじゃ」

「ぷでぃんぐ? うまいのか?」

「卵のお菓子じゃ。どうじゃな?」

「ほほう。卵のお菓子とな。すぐに持ってくるのじゃ」

「その前に、皆に挨拶をするのじゃ。吾の仲間じゃ」

「うむ。わしは九尾の狐玉藻じゃ。タマちゃんと呼ぶが良い」

 

タマちゃんは結音の膝の上でえっへんと胸を張った

 

「可愛いー」

「貴女の使い魔なの?」

「どうやら受けは良い様じゃな。どうじゃ小狐にして正解じゃろう?」

「うむ。それよりぷでぃんぐとやらはどこじゃ? 早く食べたいのじゃ」

 

子供の様に飛び跳ねて催促する

結音は苦笑し、スプーンで一口すくってタマちゃんの口に入れてやる

 

「!!!……うまいのじゃ!」

「お茶もゆっくり楽しむのじゃ」

 

そう言って結音もプディングを一口

結音は顔をほころばせた

 

「リーネはお菓子もうまいのう」

「ユネ、ユネ、もう一口じゃ! 早う早う!」

「しかたないの」

 

そうして皆はお茶とお菓子を堪能した

タマちゃんはご満悦である

 

「ちょうど良い機会じゃった。吾はタマちゃんを皆に紹介したかったのじゃ」

「なぜじゃ」

「家族を紹介するのに理由はなかろう。それに楽しい事は共有する物じゃ」

 

その日、結音は新しい友を得た

なぜかルッキーニまで友達になりたいと言ってきた

そう言えば原作でもルッキーニは早くからウィッチとして従軍していて一緒に遊ぶ者がいなかった

もう少し配慮すべきだったかと結音は考えていた

ともあれ新たな友を得て嬉しい結音だった

 




8章終了です

結音がデレましたw
よっぽど友達が欲しかったみたい

タマちゃんはプリンが大好物になった模様

イギリスのお菓子で検索したらクレームブリュレがヒットしたんだけど、良く調べたらフランスのお菓子でした
そっちにしなくて良かった
そっちだったらペリーヌが喜ぶかな


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第9章 シャーリー、音速への挑戦……なのじゃ
9-1 吾の一日は早いのじゃ


9章スタートです

シャーリー編になると思います
たぶんw



結音の朝は早い

早朝に修行をしているからである

チート能力を持たない彼女は、努力を怠る訳にはいかないのである

日が上る前に起こして貰うのだが、転生して低血圧になったのか、起きた直後はぼーっとしている

しばらくぼーっとした後、顔を洗い、メイド達に着替えさせられ、髪を結い、朝の準備を整えると、結音のスイッチがやっと入る

一端スイッチが入ってしまえば後はゼンマイが切れるまで動き続ける

 

体力を付けるためのランニングや身を清めるための禊ぎなどを行う

朝稽古をしている美緒と時々すれ違ったりもする

修行の後は歌の練習である

ボイストレーニングや音感を養ったりしている

転生してから音域が広がったのか前世では歌えなかった歌も歌える様になっていた

タマちゃんを呼び出し、リクエストに応えたり一緒に歌ったりする

 

修行が終わり、汗を流すため朝風呂に入る

この時間は大抵誰もいないので気を抜けるのだが油断は出来ない、時々乱入する者がいるからだ

まだ女の子との入浴に抵抗のある結音は、誰も居ないこの時間を満喫していた

 

「あー、いたいた。ユネー」

 

ルッキーニは素っ裸になって風呂に駆け込むと、どぼーんと飛び込み結音の所まで泳いで来た

彼女は朝があまり早い方ではないのだが、友達になったせいなのか、たまにこうして早起きした時は一緒に入る様になっていた

女の子のスキンシップに慣れていない結音は天真爛漫なルッキーニなら少しは安心できるのだった

 

「こらルッキーニ、風呂に飛び込むのは感心せぬな。にゃあ!?」

「へへーん…… むー、やっぱりないー」

 

ルッキーニはいつの間にか結音の後ろに回り胸を揉んでいた

彼女との密着でドキドキしながらも、こういう所は止めて欲しい結音だった

 

「……そんなに急に大きくなったりはしないのじゃ。ロマーニャ人は皆大きいのじゃろう? 楽しみに待つのじゃな」

「むふふー。だよねだよねー。早くおっきくならないかなー」

 

顔を赤くしながらも冷静になろうと努める結音だった

ルッキーニの行動は寂しさと母性への憧れではないかと結音は考えている

だからルッキーニの行動を特に止めたりはしないのだった

 

「吾の胸は揉んでも大きくならないのじゃ…… ぶくぶくぶく……」

 

頭では分かっていても心はそうは行かない

急に落ち込んで来た結音は湯船に顔を沈めるのだった

 

-----

 

朝食が終わり、ブリーフィングルームで朝礼になる

朝食時に伝達事項を伝えれば良いのだがミーナはこういう所はきっちりやりたい様だ

 

「以前から測量していた滑走路の件ですが、本格的に拡張工事が始まります。格納庫側から見て左半分から工事を始めます。緊急発進時に作業員の安全には注意してください」

 

ミーナの通達はストライカーのジェット化に対応するため、滑走路を延長する工事が始まる事を意味していた

安全に運用するには、現在の滑走路では少し短いのである

 

「いよいよジェットかー。ワクワクするな」

「シャーリー、玩具じゃないのよ」

「良いじゃないか、楽しみなのは本当だし」

「もう……、最初に来るのはカールスラントのメッサーシュミット262の予定です。バルクホルン大尉、ハルトマン中尉はマニュアルを良く読んでおく様に」

 

そう言って分厚いマニュアルをどさっと皆の目の前に置いた

 

「整備班も整備マニュアルを読んでいるはずです。機体が来る前に熟読しておいてね」

「ああ分かった」

 

バルクホルンは、転換訓練はいつもの事だと思い軽く言った

 

「ジェットストライカーは今までと根本的に違うのじゃ、バルクホルン。これまでの経験が役に立たぬかもしれぬ。ナメテかかると命に関わるぞ。しかも実用化を急いだ機体じゃ、試作機ではないとはいえ、まだ何かあるか分からぬ。心するのじゃ」

 

結音はそう言って釘を刺して置いた

 

「ルッキーニはイタズラせぬ様にな。ジェットは出力が高い、下手にいじると危ないのじゃ」

「ええー」

「何じゃイタズラする積もりだったか? 吾はルッキーニを失いたくない。控えてはくれぬか」

「ううー、わかったよー」

 

結音の心配そうな様子に、ルッキーニも従う事にした様だ

 

「262は完成を急いだため、エンジンとOSは最新式じゃが機体の基本設計は古いままなのじゃ。思わぬトラブルがあるかもしれぬ、気を付けるに越した事はないのじゃ」

 

ジェットストライカーについては原作にも無かった事なので、結音にも分からない事ばかりであった

既に原作から大きく離れているので、原作知識はもうあてに出来ない

自分達の手で切り開いて行くしかない

大きな事故の無い様に願う結音だった

 




朝の出来事を書いてみました

お風呂の話、また書いてしまった
予定もなかったのに、なぜかルッキーニが乱入
君は自由すぎですw

滑走路の拡張工事が始まりました
ジェットが来るのは工事が終わった頃の予定です


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9-2 芳佳に課題を届けるのじゃ

その日の午後

ティータイム

今日のデザートには結音はクレームブリュレをリクエストしておいた

リーネが作れると言ったのである

元々ガリアのお菓子だが名前は違うがブリタニアにも伝わっていたのである

ペリーヌが喜ぶかと思い、リクエストしたのだった

 

結音はティータイムになるとタマちゃんを呼び出し、一緒にデザートを取る様になった

リーネはタマちゃんの分も用意している

 

「おほー、おもしろいの」

 

タマちゃんはスプーンでザクザクと表面を割るのが楽しい様だ

表面が割れると焦がした砂糖とクリームの甘い香りがした

 

「うむうむ。うまいのう。リーネ、吾の嫁にならぬか?」

「ええっ!? 結音ちゃんそんなの無理だよ」

「うっ! 初めての告白なのにふられてしもうた」

「ええー!? 結音ちゃんそんな積もりじゃなくて……」

「ふふ、冗談じゃ。じゃが嫁に欲しい位なのは本当じゃぞ」

 

結音は楽しい時間を過ごした

ペリーヌも久しぶりに故郷の味に出会い嬉しそうであった

 

「ところで芳佳、ブリタニア語は学校で習ったのかの?」

「あ、はい。学校ではブリタニアとカールスラントの先生に習いました。オラーシャ語はカールスラント語と選択だったので取れなかったんです」

「そうか、吾は学校に行った事がないのでな、芳佳の学校がどんな様子か知りたかったのじゃ」

「結音ちゃんはどこで習ったの? 家庭教師?」

「うむ。大変だったのじゃ。開発に忙し過ぎてブリタニアでも扶桑語が通じると、勘違いしておったのじゃ。カールスラント制の設計図の文字が読めなくての。やっと気付いたのじゃ。後から大慌てで習っての。ブリタニア、カールスラント、ガリア、オラーシャの言葉を覚えたのじゃ。じゃがすまぬエイラ、スオムスにまで手か回らなかったのじゃ」

「良いサ、こっちでもスオムス語を知ってる奴は殆どいないからナ」

「扶桑で講師が見つからなかったのじゃ。いつかスオムスの言葉も教えて欲しいのじゃ」

 

結音の言葉にびっくりしたのか、目をパチクリした

 

 

「良いヨ。いつでも来ナ」

 

-----

 

数日後

結音はリビングでうなだれた芳佳を発見した

側にいた美緒に様子を聞いてみた

 

「美緒、芳佳に何かあったのか?」

「ああ、扶桑の学校から横須賀基地経由で連絡が来たんだ。今は軍属扱いで休学になっているんだが、さすがに勉強させない訳にはいかん。課題が出ているんだが扶桑から取り寄せるのに時間がかかる。どうしたものかと考えていたんだ」

 

それを聞いて前世でやっていた事を思い出した

購入した本をタブレットで読むため良くやっていたのだ

結音はスキャナを会社に置いて社員と使い回していたのだった

 

「課題は横須賀基地にあるのかの。ならば、全てスキャンして芳佳のスマホに転送すれば良いのじゃ。自炊と言う奴じゃな」

「じすい?」

「そうじゃ。そうすればすぐに芳佳は課題に取り掛かれるのじゃ。開発部の連中に自炊と言えば分かるのじゃ」

「そうか分かった、早速連絡してみよう」

 

開発部ではマニュアルや設計図等をデータ化するために、皆でスキャナを利用していた

おかげで扶桑ではペーパーレス化が進み、重い資料を持ち歩かずに、タブレットだけで済む様になっていた

特に整備班のタブレットは油汚れにも強い特製品である

 

美緒は扶桑に連絡するため通信室に向かった

一方、結音は芳佳に近付き声を掛けた

 

「芳佳、勉強が出来るのじゃ」

「あ、結音ちゃん。私、留年するみたい」

「全く、決まった訳ではなかろう。吾の話を聞いていたか、今美緒が連絡を取っておる、じきに芳佳に課題が届くじゃろう」

「どういう事? 結音ちゃん」

「今、課題をスキャンして貰う様に扶桑に連絡しておる。じきに芳佳のスマホに転送されるじゃろう。出来た課題は実家にでも送って、学校で見て貰えば良かろう。一般家庭にまでスマホが普及しておれば、もっと色々出来るのじゃがのう。さすがに軍の結音式を一般公開する訳にもいくまい」

「それじゃあ私、留年しなくて良いの?」

「ふふ、課題の出来次第じゃがの」

 

結音は芳佳を安心させるため、イタズラっぽく笑った

 

原作ではウィッチが勉強している様子は特に描かれていなかった

一番勉強しないといけない時期に、従軍している

これでは軍を辞めた時に、何も知らない、何も出来ない人間を世間に放り出す事になってしまう

戦時下だからでは言い訳できない

この世界はそれが反映されたのだろうかと、結音は考えていた

自炊システムを世界中に広めれば、従軍しながらも勉強できる環境が手に入るかもしれない

父様と相談しなければと結音は思った

 

-----

 

後日、課題に取り組む芳佳の姿があった

芳佳は勉強、訓練、式神修行、料理当番等、大忙しになってしまった

このままでは倒れてしまうと、美緒と相談して計画的に行動する様に指導するのだった

 




アニメで普通の学生だった芳佳がブリタニアで普通に会話してたので、そういえばと思った訳です
なので学校で習った事にしました
扶桑人は皆バイリンガルです
結音は危うく落ちこぼれる所でした
アニメなんだから別に良いじゃんといえばそれまでなんですけど

自炊
スマホがあるんだから、これ位はと導入しました
引退した後のウィッチが兵隊しかなれないのもどうかと思ったので
その後、ウィッチに資格試験を受けられる道が開けるようになります
手に職という奴ですね


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9-3 吾にも固有魔法が? ……なのじゃ

夕食時、皆が揃っていたので、結音は前から気になっていた事を聞いてみた

 

「実は、前に芳佳とリーネにタンデムした時に魔力が流れる感じがしたのじゃが、そういう例はある物なのかの。プローブにリンクした感じに似ていたのじゃ。じゃが普通は人同士はリンクしない物じゃ。魔法に詳しい皆なら何か知っている事はないかと思ったのじゃ」

 

皆はそれを聞いて顔を見合わせた

そんな話は聞いた事がなかったからである

 

「残念ながら私の知っている限り聞いた事はないわ、芳佳さんとリーネさんは魔力を感じたの?」

 

ミーナは部隊長として最初に聞いてきた

 

「はい! なんだか力が湧いてくる感じでした」

「私もそうです。急に遠くが良く見えたんです」

 

芳佳はその時の事を思い出したのか、胸元で拳を握りながら勢い込んで言った

一方、リーネはなぜか頬を染めた

 

「遠くが見えた? 固有魔法が発動したの?」

「はい。そんな感じでした」

「……人の固有魔法を使う能力かしら?」

「でも力が湧くというのは?」

「……良く分からないわね。ただ何かの能力だとすると、結音さんの固有魔法かもしれないわね」

「固有魔法? 吾の?」

「ええ、魔力に目覚めた時、何か兆候はなかったかしら?」

「うーむ。吾は変なのか? 魔力に目覚めると言うのが分からぬ。魔法は使い魔がおれば使える様になるのではないのか?」

「いいえ。普通は魔力に目覚め、使い魔を得てウィッチになるのよ。今の話だと結音さんは目覚め無しに使い魔を得た事になるわ」

「吾は最初から規格外じゃったか? 使い魔が妖狐なのはそのせいか?」

「分からないわ。もしかすると皇族の血統であるせいかもしれないし」

「皇族の血……そういえばすずが初めて魔法使った時、使い魔はおらなかった。吾の時はタマちゃんを得てからじゃ。すずは修行もしておらぬのに魔法を使えた。皇族は生まれつき魔法が使える一族と言う事か? 後で父様に聞いてみよう」

「そうね、それがいいわ。でもそうすると、さっきの話は固有魔法の可能性が高いわね。でも貴女の能力に似た物を私は知らないわ。もしかしたら貴女だけの能力かもしれないわね」

「……吾だけの固有魔法。他のウィッチに魔力を通す……。芳佳、リーネ、手伝ってはくれまいか? 試してみたいのじゃ」

「何でも言って結音ちゃん」

「お手伝いします」

「二人ともありがとう。ミーナ、明日、飛行許可を出してほしいのじゃ」

「分かりました。但し危ない事はだめよ」

「分かっておるのじゃ」

「はーい、わたしもやるー」

 

急にルッキーニが目をキラキラさせて参加してきた

 

「にひひー、魔法が強くなるんでしょ。わたしもやってみたーい」

「お、そう言う事なら、私もやるかな」

 

シャーリーもニヤニヤしながら参加を表明してきた

 

「シャーリー、貴女まで……」

「良いじゃないか、私は速くなりたいんだ。魔力がアップすれば音速を越えられるかもしれないんだ!」

 

シャーリーは音速へのこだわりを見せる

 

「それは許可できないわ。貴方にもしもの事があったら……」

「ミーナ、シャーリーも許可して欲しい。吾は試したい。じゃがミーナの懸念も最もじゃ。シャーリー、今回は控えてくれぬか? 吾の魔法の確認がしたいのじゃ」

「しかたないなあ、分かったよ。今回は結音の言う通りにしてやるよ」

 

こうして、結音の固有魔法の確認をする事になった

 




固有魔法
魔力に目覚めた時、本人にはどの系統か分かると解釈してます
ただし、何になるか、どんな力なのかは、覚醒してみないと分かりません


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9-4 吾の固有魔法を試すのじゃ

翌日の午後、結音達は格納庫に集合していた

結音は公務中の父様と連絡が取れずメールだけしておいた

後は連絡待ちである

結音はわくわくが抑えきれず一番乗りで発進した

 

「結音、発進する!」

 

上空に上がると、皆を待ちきれずくるくると踊る様に飛んでいた

鼻歌まで飛び出し、はしゃぎ過ぎの結音だった

 

一方、地上ではミーナとバルクホルンが管制塔から観察していた

他の者もそれぞれの場所で見ていた

 

皆が上空に上がると、結音は事前の打ち合わせ通りに芳佳の側に来た

一番手は芳佳である

 

「芳佳、やるのじゃ」

「はい!」

 

初めてなので勝手が分からず、取り合えずタンデム体制に入る事にした

芳佳の後ろに回り込み、腰に手を回し、頭を芳佳の背中に付けて、集中する

魔力が流れる感じがした

 

「どうじゃ。魔力を感じるか?」

「はい! 何か力が湧いてくる感じ」

 

結音は流れる魔力を強めてみる事にした

どの位まで出来るのか分からないので、慎重に、少しずつ

 

「わわっ!? どんどん魔力が高まってきます」

「芳佳、シールドを張ってみるのじゃ」

「分かりました! わっ!!」

 

いつものより大きなシールドが展開した

結音が魔力を増すと、シールドはどんどん大きくなっていった

 

「芳佳、体調に変化はないか? 気分が悪くなっていないか?」

「大丈夫です。ただちょっと魔力で火照る感じがします」

 

いつの間にか、ただでさえ大きな芳佳のシールドが、より巨大になって展開していた

結音は大きさに驚きつつも、冷静に次の行動を指示した

魔力量が上がっているなら、強化も出来るはず

 

「火照る? ふむ。シールドは大きくなるだけか。強化は出来るか? 分厚くするイメージかのう」

「やってみます。……んー」

 

芳佳はお腹に力を入れる様に魔力を込めた

広がっていたシールドがひゅっと縮まると高密度のシールドか出来ていた

 

「凄いよ芳佳ちゃん!」

「ああ、これならどんなビームも防げるぞ」

 

-----

 

双眼鏡で様子を見ていたミーナとバルクホルンは思わず声を漏らした

 

「なんて大きさのシールドなの……」

「はっ! 魔力が凝縮する!?」

 

芳佳の前には高密度のシールドが発生していた

 

「ちゃんと記録をしているな! 魔力を計っておいてくれ」

 

バルクホルンが興奮気味に管制員に指示を出す

彼女もこんな魔力は見た事がなかった

 

「? 二人が離れた?」

 

結音と芳佳が離れてもシールドが消えたりはしなかった

 

-----

 

「芳佳、吾はタンデムを解く、シールドがそのまま維持出来るか試すのじゃ」

「分かった、結音ちゃん」

 

二人が離れてもシールドは維持されたままになっていた

 

「芳佳どうじゃ、きつくはないか?」

「大丈夫だよ、結音ちゃん。結音ちゃんに貰った魔力がみなぎる感じがするよ」

「魔力の残量はどうじゃ? 消費量は増えていないか?」

 

結音は芳佳の周りを飛び、変わった様子が無いかチェックしていた

 

「大丈夫だよ。普通のシールドよりちょっと減るのが早い気がするけど、いきなり無くなっちゃう感じじゃないし。まだしばらく使えるよ」

 

特に変わった所も無いので、芳佳でのテストを終了する事にした

 

「そうか。芳佳、今回は終了しよう。もう良いのじゃ」

「うん。分かった」

 

芳佳はシールドを解除すると、一息ついた

 

「ふう。……まだ魔力が残ってる感じがする」

「何か変に思う事はないか? どんな些細な事でも良い、気が付いた事はないか?」

「別に変わった事は無いみたい。大丈夫」

 

そう言って、結音を安心させる様に抱きついた

 

「わっ、芳佳、何をするのじゃ」

「だって結音ちゃん、心配そうだったから」

「吾の事は良いのじゃ。全く。……次はリーネの番じゃ」

 

結音は芳佳から離れて、リーネとのリンクを試す事にした

芳佳で何となくやり方を掴んだ結音は、リーネの後ろに回ると手を背中に当て、魔力で背中をそっと押した

芳佳の時とは違い、魔力を流すとすぐに離れてみた

密着しなくても出来るかどうか試してみるのだ

 

「わっ。魔力が高まる……」

「リーネ、何か魔法を使ってみるのじゃ」

「はい、やってみるね、結音ちゃん」

 

リーネは固有魔法‘鷹の目’を使ってみた

結音と訓練した時の様に視界がきゅっとなると、いつもより遠くがはっきりと見えた

 

「結音ちゃん、いつもより遠くが見えます」

「ふむ。プローブとのリンクはどうじゃ?」

「やってみます」

 

リーネはプローブをいくつか射出するとすぐにリンクした

もう既に手慣れた物になっていた

 

「凄い…… 前より風が良く見える気がします。あ、エーテルの濃さが違う所がある。……それでエーテルが流れるんだ……」

 

リーネはエーテルの世界に魅了されている

エーテルが湧き出したり、対流したり、幻想的な世界であった

 

「リーネ、射撃テストをするのじゃ。帰って来るのじゃ」

 

リーネは、はっとして結音の方を見た

結音は分かっているという風にうなずいている

 

「ごめんなさい」

「まあ良い、幻想的なのは分かるが、また今度、暇な時にな」

「はい」

 

そう言うと背負っていた銃を手に取った

持って来たのは狙撃用対装甲ライフルである

既にバルーンの準備もしてある

リーネはいつもの訓練と同じ様にチャンバーに弾丸を装填し、的を狙う

まずは通常弾だ

 

狙い撃つ!

 

弾丸は吸い込まれる様にバルーンに当たった

もう2kmの狙撃はかなりの命中率になっていた

 

「どうじゃリーネ、何か変わった事は?」

「威力が上がった気がします。バルーンなので手応えはありませんけど……」

「では予定通りターゲットドローンを射出する」

 

結音は現場で待機させていたクロから20m級ネウロイドローンを射出した

 

ドローンは模擬戦用のダミーファンネルで、あらかじめプログラムされた行動を取る事も出来る。今回はシールドのみ装備して、移動はしない設定だ

ダミーファンネルはネウロイの攻撃をかわすため、幻影符によって、ウィッチの姿を模したファンネルである

これによってウィッチが攻撃されるのを減らすのである

そしてファンネル機能もあるので、ミサイルとバリアは標準装備だ

ネウロイドローンはターゲット用にネウロイの姿を模してある

幻影なので実体はないが、バリアで自動防御するので手応えはある

 

リーネは再びライフルを構え、レバーを引いて次弾を装填する

 

狙い撃つ!

 

弾丸がドローンに当たる寸前、バリアが射出されたがそれを貫通してドローンを破壊した

通常であればウィッチの撃つ銃弾でさえ止められるバリアが、あっさりと貫通したのである

 

「どうじゃ。バリア付きじゃ」

「さっきより手応えはあります、でも……」

「よし、ならばバリア5枚で行くのじゃ」

 

結音はクロからドローンを再び射出した

 

狙い撃つ!

 

今度はバリアを5枚射出したドローンだったが、結音の魔力によって強化された弾丸はあっさりと5枚抜きをした

 

「ふむ。威力は5倍以上と言う事か。威力の測定はまた今度じゃな」

 

後には二人も控えている

結音の魔力にあまり差があっては結果に影響するかもしれない

結音は後ろ髪を引かれつつ次の準備にクロからドローンを射出した

 

「誘導弾を試してみます」

 

リーネはポケットから弾丸を大事そうに一発だけ取り出し、ライフルに装填すると、先程と同じ様に構えた

これは結音の作った式神弾である

無駄には出来ない

まだリーネが作るには修行が足りなかった

 

ロックオン 狙い撃つ!

 

ライフルなのにロックオンマーカーが出ると、視界がきゅっとなった

弾丸は、バリア5枚をあっさり貫通しドローンに吸い込まれる様に当たった

 

「さっきより威力が上がった気がします」

「ふむ。ネウロイのビームを防ぐバリアを貫通するか……」

(あぁ、早く測定したいのじゃ)

 

結音が少し考えていると、暇な間、周りを飛び回っていたルッキーニが乱入してきた

 

「はーい、次はわたしだよー」

「ん? そうじゃの。始めるとするか。ルッキーニ、少しじっとしておるのじゃ」

「早く早くー」

 

結音はルッキーニの後ろに回り、先程と同じ様に、背中を魔力でそっと押した

 

「にゃは~。凄い凄い~。よ~しいっくよ~」

 

いきなり飛び出したかと思うと、高速で飛び始め、くるくると旋回した

 

「きゃふ~」

 

かけ声と共にルッキーニの前に魔法陣が展開した

ルッキーニの固有魔法の‘光熱’である

有効範囲の狭いこの魔法は、自らを弾丸としてネウロイに突っ込む危険な魔法だ

結音は彼女の固有魔法を今まで見た事がないが、魔法陣の輝きが大きいと感じていた

 

それを見て結音はドローンを射出した

 

「ルッキーニ、今度はバリア10枚で行くのじゃ。さあ来るのじゃ」

「わかった~。いっくよ~…… わきゃ~」

 

固有魔法を展開してドローンに突っ込むルッキーニ

その前にバリアが10枚射出された

綺麗に並んだバリアを打ち破り、ルッキーニはドローンを粉砕した

 

「ルッキーニ、どうじゃ。魔力の消費は激しくないか?」

「んー、平気みたい。ずっと使いっぱなしじゃないんだし、これくらい大丈~夫だよ」

「そうか。しかし10枚を打ち抜くか……。ふう。次はシャーリーじゃな」

「おー、待ってたよ。いよいよだな」

「シャーリー、無茶だけはしないのじゃ。良いな」

 

結音は念を押しておく

 

「大丈夫、分かってるさ。心配すんな」

 

待ちくたびれたシャーリーの後ろに回り、魔力でそっと押した

 

「おー、凄いな。じゃあ行って来る!」

 

魔力の高まりを感じて、シャーリーはストライカーを加速していく

 

(約束だからな、無茶はしない。ああでも、めいっぱい跳ばしたいなぁ。音速、超えられるかなぁ)

 

いつの間にか音速には届かないまでも、世界最速記録を超えているのに気が付かないシャーリーである

 

(これは本当に音速を超えられるかもしれぬな。じゃが音速に機体が耐えられるかどうか。送り込む魔力にウィッチがどれだけ耐えられるかも分からぬ。やりすぎには注意せねば)

 

ウィッチもストライカーも壊しかねない力を手に入れた結音は慎重に使おうと決意するのであった

 




結音の固有魔法 アクセル(強化)

対象となるウィッチの魔力を強化する支援系固有魔法
魔力を渡す訳ではないので、魔力切れしたウィッチには効果がない
銃弾やシールドの効果を上げる
特に対象となるウィッチの固有魔法には効果が大きい
魔力の消費量が増えるので諸刃の剣でもある
注入する魔力を増やすと強化率も上がるが、限界を越えたウィッチがどうなるかは分からない
またストライカーのリミッター以上に強化するとストライカーが動かなくなってしまうので注意が必要


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9-5 シャーリーのストライカー改修計画なのじゃ

後日、結音は自分の固有魔法に‘アクセル(強化)’と名付けた

統合軍でも前例がないらしく、希少な魔法となった

支援系と言うのも珍しい

まだ実戦で使う機会もないが、結音は使うつもりは無かった

だがもし危機的状況になったら、ためらうつもりも無かった

 

-----

 

予測班からのネウロイの襲撃予報もなく、待機状態のリビングで、結音達は思い思いにくつろいでいた

結音はスマホで扶桑からの手紙を読んでいる

その結音の頬からいつの間にか涙が落ちていた

テーブルで勉強していた芳佳は、ふと結音を見た時に気付いて驚いた

 

「結音ちゃん、どうしたの! 何で泣いてるの!」

 

結音は手紙から目を上げ優しくふふっと笑った

 

「何でもないのじゃ。各地の戦線より、扶桑に礼状が届いておった。それがまとめて送られて来たのじゃ」

「礼状? 結音ちゃん、何かしてあげたの?」

 

結音は涙を拭いて、笑いながら言った

 

「バリアシステムじゃ。あれで助かった者達が、扶桑に礼状を寄越したのじゃ。墜落して動けなくなったストライカーがバリアを張り続けて助かったとか、ビームの直撃を防いで助かったパイロットとかな。どこに出して良いか分からなかった手紙が扶桑の吾宛に送られて来たのじゃ。開発部で預かっておったのを転送してきたのじゃ。結音式と言えば吾じゃからの」

「結音ちゃん、嬉しかったんだね」

「命を守るためのバリアシステムじゃ。使う方法を知っていて、使わずに放っておく事は出来なかったのじゃ。危機的状況のウィッチを助けるために開発したシステムじゃ。助けられて本望なのじゃ」

「じゃあ、何かお祝いしないと。何が良いかなあ。結音ちゃんは何か食べたい物ある?」

 

芳佳は自分の事の様に喜んだ

どうやら夕食は少し豪華になりそうだ

 

-----

 

「おー、いたいた。ユネー、ちょっと来てくれないか。おやっさんが結音式はユネに聞いた方が早いって。頼むよー」

 

シャーリーは結音を見つけると頼み込んで来た

 

「ストライカーの改造か? 素人が余りいじる物ではないのじゃ」

 

結音は呆れ顔で答えた

 

「そんな事言わずに頼むよー」

「しかたないのう。すぐに行くから待っておるのじゃ」

 

……………

 

格納庫へ向かいながら結音は聞いた

 

「今度は何をしたんじゃ?」

「失礼な! まだ何もしてないぞ」

「まだ?」

「あー、いや言葉のあやで……」

 

シャーリーは明後日の方を向きながら答えた

 

「……それで何の用じゃ」

「おやっさんが結音式をいじったらもう少し速くなるって言うんだ。どうにかしてくれ。頼むよ」

「やれやれ、とうとうソフトにまで手を出すか。業が深いの」

「そんな事言うなよー、ユネだって速いの好きじゃないか」

「吾の好きなのはジェットじゃ、速いだけでは駄目なのじゃ」

 

結音とシャーリーはジェット談義で熱く語った事もある仲である

主にシャーリーはスピードに、結音はパワーと性能にこだわりを見せる

二人の夢が目の前にはもうすぐ手に届きそうな所まで来ていた

 

「クロ、シャーリーの機体の整備記録と部品の消耗記録を出すのじゃ」

 

二人は格納庫に到着しシャーリーのストライカーの所までやってきた

 

「おやっさん、ユネを連れてきたぞ」

「吾に用とは何じゃ」

 

P-51Hのメンテナンスハッチを開けて中を覗き込んでいた大男が、立ち上がって振り返った

 

「おうご苦労さん。実はな、俺がこれ以上の改造は無理だと言ったんだが聞いてくれなくてな。後は結音式をいじる位だと、うっかり言っちまったんだ」

「そんな事だろうと思ったのじゃ。しかし、部品の記録を見たのじゃが、ほとんど損耗しておるのじゃ。一体これはどうしたのじゃ?」

「そこの嬢ちゃんが勝手に新品の部品を使ってくれたおかげで使える部品が無くなっちまったんだ。今あるのは使い倒した奴と精度が悪くて使えなかった奴だけだ」

「だって使えるのが他に無かったんだ! いてっ!」

 

そう言ったシャーリーの頭を大男が殴った

 

「ばかもん! 自分の命を預けるストライカーを玩具にするな! 何だってこんな事したんだ?」

「だってジェットが来るんだろう? 今の内に出来る事をやっておきたいんだ」

 

頭を押さえながら涙目になって言った

 

「やっておきたい事?」

 

結音は首をかしげる

 

「ああ、レシプロで音速を越えたいんだ。そりゃあジェットの方が簡単だけど、レシプロだって出来ない訳じゃない。それにこのノウハウはジェットにも生かせると思うんだ!」

 

シャーリーは身を乗り出し、勢い込んで言った

 

「ふう。なぜそれをミーナに言わぬ? 理由があるなら許可を取れるじゃろうに?」

 

結音はため息をつきそう言った

 

「言ったさ! でも取り合ってくれないんだ」

「やれやれ、日頃の行いじゃな」

 

結音は首を降った

 

「ユネー。お願いだ、頼むよー」

 

シャーリーは結音に抱きつき懇願した

結音はしばらく考え込むとおやっさんに向かってこう言った

 

「おやっさん、今の部品で第三世代への改修は可能か? もしもの時のために予備機は残さねばならぬぞ」

「第三世代だって! 無茶だ! 確かに部品数は格段に減らせるが。新造する部品もあるぞ」

「ユネ、第三世代だと部品が減るのか?」

 

抱きついているシャーリーを引き剥がすと、結音は頭の悪い生徒に向かうようにこう言った

 

「機械部品と言うのは必ず損耗する。高速で動くエンジンやストライカーならなおさらじゃ。結音式を標準装備しておるストライカーには制御に魔導回路を積極的に使用しておる。例えばエンジンのピストンにはカムが必要じゃが、これを魔導制御にする。そうするとカムが不要になると言う具合じゃ。消耗する部品が減れば安全性も耐久性も高くなるのじゃ。第二世代は元々あった機体、第一世代に結音式を乗せただけの機体じゃ。まだ古い機構を残しておるのじゃ。第三世代はそこから古い機構を取り除き、魔導制御にしておるのじゃ。第四世代なら新設計になるのじゃが」

 

そう言うとクロをスマホ化してなにやら文書を書き始めた

 

「おやっさん、どうじゃ出来そうか?」

「可能だ。けどなあ……」

「何じゃ反対か?」

「こいつに無茶させたくないんだよ! 放っとくと無茶するからな!」

「やれやれ、愛されておるのう、シャーリー。よし出来た」

 

そう言うとシャーリーのスマホがピロンと鳴った

シャーリーはそれを見ると怪訝な顔になった

 

「メール? ユネから? なんだいこのメール?」

「第三世代改修計画の申請書じゃ、これを持ってミーナを説得して来るのじゃ。説得材料も無しに話しても失敗するだけじゃ。失敗すれば計画はご破算になる。音速を越えたいなら、説得を成功させるのじゃ! 覚悟があるなら行って来るのじゃ!」

 

シャーリーははっとして結音を見た

 

「ありがとうユネ。行って来る!」

 

結音に抱き付いて頬にキスをするとミーナの所へ走り出した

いきなりの事にびっくりする結音

 

「……ふう。おやっさん、第三世代の資料は持っておるか?」

「ああ、こりゃ大変な事になりそうだな」

 

そう言うと周りの整備員に怒鳴った

 

「おい、おまえら、P-51を第三世代に改修するぞ。必要資料と図面は準備しとけ!」

 

結音の零式改とシャーリーのP-51Hは設計思想から異なる

結音の機体と同じ事をしても駄目なのだ

結音の結音式第3版をコピーしても動かない

ドライバが違うのだ

結音はP-51Hの資料をダウンロードしながら、これは徹夜になるなと思った

まだ14歳の結音には徹夜はきつい

子供の体の結音は夜になると眠くなってしまうのだ

前世では仕事はいつも定時上がりを身上としていたが、これもしかたないかと思った結音だった

 

折角の芳佳の夕食も楽しめなくなるなと、今から憂鬱になる結音だった

 




おやっさん達整備員と結音ちゃんは徹夜になりそうです

改修中にネウロイが来ると出撃出来なくなるので、予備機が必要なのです

徹夜明けにネウロイが来たら結音ちゃんは使い物になりそうもありませんw
ヘロヘロです

シャーリーのストライカーはP-51Hになってます
開発ツールのおかげで完成が早まりました


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9-6 シャーリー、音速を越える時が来たのじゃ

結局、ストライカー改修計画は徹夜せずに済んだ

ミーナが皆の体調を考慮したからである

ネウロイの襲撃予報の時期が重なってしまったので、それを考慮したのだ

そしてなんと、予測通りやって来たネウロイをリーネがたったの一撃で撃墜してしまった

アウトレンジから中心を狙って撃った一発が、ネウロイのコアを撃ち抜いたのだった

何となく魔力の通し方が分かってきた気がします、とリーネは言うのだった

 

ストライカーの改修は予定通りに進んでいる

シャーリーは作戦中ずっと、早く新しい機体に乗りたいとぼやいていた

 

-----

 

「シャーリー、改修内容を解説する。よく聞くのじゃ」

 

シャーリーはブリーフィングルームで神妙な面もちで結音の話を聞いていた

興味があるのか、他のメンバーも静かに聞いている

大型ディスプレイ化したコンに、ストライカーの図解や図面が表示されている

 

「改修された機体は便宜上P-51HSと名付けた。SはシャーリーのSじゃな。いわゆる専用機じゃ」

「おー、なんかカッコいいな」

 

シャーリーはキラキラした目でパチパチと手を叩く

 

「公式に第三世代改修機第二号となったのじゃ。誇って良いぞ。さて、大幅に不要な部品を削除したため、軽量化が実現した。これにより加速性能、速度、旋回性能、航続距離が向上した。と言っても元々軽量なストライカーでは効果は微増と言った所じゃ。一方、機構を魔導制御としたため魔力消費が増加した。これにより戦闘可能時間が減少しておる、注意するのじゃ」

「うーん、それってデメリットの方が大きいんじゃないか? と言うか、改修する意味はあるのか?」

 

シャーリーは腕を組み考え込む

他の者も顔を見合わせる

 

「確かにその通り。じゃが、代わりにソフト制御が可能になったのじゃ。これならセッティングを変えられるのじゃ、いつでもな。例えばシャーリー待望の高速セッティングに飛行中でも変更可能になるのじゃ」

「おおっ! それって今まで戦闘用に諦めてたセッティングを試せるって事か!? スーパーチャージャーのセッティングもいじれるのか!?」

「無論じゃ。気圧、温度、湿度、エーテル濃度、あらゆる状況から最良のセッティングを選択出来る様になったのじゃ。リーネには感じて分かるじゃろうが、エーテル濃度の変化でストライカーの速度が変わってしまうのじゃ。シャーリー、飛んでいる時に突然機体がバタつく事はなかったか? 急に息苦しくなったりはしていないか?」

「あー、なるなる。急に重くなる感じがするんだよ。壊れそうな振動するし」

「それはエーテル乱流に巻き込まれておるのじゃ。それを避ければ安定して飛べるはずじゃ」

 

大型ディスプレイにはエーテルの流れに突っ込むウィッチが表示された

結音の指摘に納得するシャーリーだった

 

「HUDにエーテル濃度を表示すればコース選定も出来よう。プローブリンクの方がなお良いのじゃがな。リーネの様に感じられる様になるまで行けば、フィーリングで飛べる様になる。風になれるのじゃ」

「おお! 風になれる! 良いなそれ!」

 

目をキラキラさせて、今にも飛び出して行きそうなシャーリー

 

「まずは基本セッティングからじゃ。それが済まぬと、まともに飛べぬぞ。それにエンジンその物は変えていないが、セッティングが変わっているのにいつもの感覚で使うと、大変な事になりかねぬ。安定して飛べるまでは我慢じゃ。よいな」

「ちぇー。分かったよ」

 

-----

 

シャーリーは様々なセッティングを試し、慣熟訓練も終了させ、いよいよ音速への挑戦となった

シャーリーはミーナを説得して見せたのである

ここまで来るのは長かった

シャーリーは以前、結音がやって見せた様に、慣れないながらも計画書や資料を作り、ミーナに何度も挑んだ

そうしてついにミーナを説得してのけたのである

ミーナの根負けであった

シャーリーはいつの間にか結音のやり方を学んでいたのである

 

P-51HSは変な振動もなく大きな螺旋を描いて上昇していた

シャーリーが元々音速を越えようとしていた方法は、エンジンの出力アップだった

そのため排気量を上げたり、軽量化のためクランクシャフトを限界まで削ってみたりとかなり無茶な改造であった

素人仕事で精度が出ていないエンジンはバランスを崩していたのである

その崩れはプロの整備員達でも分からない僅かな物であったが、高速で回るエンジンは、それが振動となって現れた

振動する事でロスが生じパワーが上がらなくなり、それを解消しようと更にパワーを上げようとする悪循環であった

 

そこで結音は徹底的にバランスの精度を要求したのだった

振動によるロスを抑えるためである

試運転の時、回り始めたエンジンの音にシャーリーは驚いた

高音で鳴っていたノイズが消えているのである

ノイズか有るのが当たり前と思っていたシャーリーには衝撃的であった

 

「回転する物体から音がするのは大抵ロスを生じておるからじゃ。エンジン音が大きいから気付かなかったのじゃろう」

 

音のしないエンジン

それは理想であった

 

結音達の建てた計画は高高度まで上昇し、弾道軌道で空気抵抗を減らして降下して速度を得る

そこから水平に引き起こし、更に加速する

弾道軌道のままだと地面と激突してしまうからであった

過去に弾道軌道で音速に挑戦した例もあったが、機体強度が持たず、空中分解していたのであった

振動に耐えられなかったためと言われている

 

「こちらシャーリー。降下予定高度に到着」

「結音、了解。エーテルの乱れは許容範囲内。ガイドラインに従って降下開始。GOサインじゃ」

「了解。降下開始する」

 

弾道軌道に乗り放物線を描きながらシャーリーは飛んで行く

速度が上がるにつれ風圧がきつくなって行く

いつもなら躊躇う位の振動が出る速度に達しても、まだ余裕がありそうだとシャーリーは思った

 

「引き起こし高度に到達。水平飛行に移る。異常な振動はまだ出ていない」

「了解。ガイドに従い引き起こすのじゃ。ゆっくりな」

「分かってる。ブリーフィングもリハーサルも散々やったろ」

「心配くらいしても良いじゃろ」

「ありがとな」

 

急に機体を引き起こすと減速してしまうのだ

弾道軌道で助走の終わった機体は更に加速して行く

 

「シールド展開。音速に備える」

 

シャーリーは衝撃波に備えシールドを展開する

機体が少し振動し始めた

しかしシャーリーは自分がこんなにも落ち着いているのが不思議だった

いつもがむしゃらに、ありったけの魔力を注ぎ込んでも、加速しなかったストライカーが今はまだ余裕を見せている

自分はまだ飛べるぞと言っている様だった

 

突然どーんという音がしたかと思うと、嘘の様に振動が消え静かになった

 

「結音、どうなったんだ。振動が消えてる」

「マッハの世界へようこそ、シャーリー。おめでとう。ちゃんと記録しておる。世界初の音速を越えたウィッチの誕生じゃ」

「本当か!? 夢じゃないよな?」

「うむ。さあ帰って来るのじゃ。皆で祝うのじゃ」

 

減速して巡航速度に戻ったシャーリーは気が抜けたのか飛び方がふらふらしている

減速地点で待機していたバルクホルンはシャーリーに近づき肩を貸した

 

「大丈夫か!? 魔力が切れかかってるんじゃないか?」

「ああ、たぶん」

「あ、おいっ!」

「悪い。力が出ない」

 

急に力の抜けたシャーリーを背負ってバルクホルンは帰ってきた

結音も近づき肩を貸す

 

「やはり魔力切れの様じゃの」

「全く無茶しすぎだ」

 

バルクホルンは心配そうにしている

あらかじめ計画段階からこうなるのではないかと考えられていた

そのためバルクホルンは減速地点で待機していたのである

 

「へへへ。悪い」

 

シャーリーは力なく笑った

 

結音はそう言えばこの世界の宇宙開発はどうなっているのだろうと思った

シャーリーのモデルとなったチャックイェーガーはロケット機で世界最速を記録した男である

その技術が後の戦闘機やロケット開発に生かされる事になる

だがロケットが開発されている頃には、シャーリーは上がりを迎えている頃だろう

そしてそれは自分を含めて全てのウィッチにも言える

上がりを迎えるのを二十歳とすると、結音に残されているのは後六年、ウィッチとして自分に何が出来るのだろうかと考える結音だった

 

-----

 

後に、たった数カ月しか乗らなかったP-51HSはリベリオンに戻され、解析にまわされた

凝り性な扶桑の技術者達の成果や結音の斬新なソフト等はリベリオンの第五世代ストライカーに大いに生かされる事になった

その後、スミソニアン博物館で展示される事となった

世界初の音速を越えたレシブロストライカーとして

そしてその横にもう一機

彼女の乗った機体が並んでいた

 




冒頭でリーネちゃんが撃墜したネウロイって、原作でシャーリーが突っ込んだ奴じゃないですかねw

結音のストライカーも当然全機博物館入りです
場所はどこだろう?
どなたか良い場所知りませんか?


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9-7 シャーリー、気合いを入れるのじゃ!

大分、更新が空いてしまいました
ちょっと展開に迷ってました
18禁な展開にも出来たのだけど、まあそれは無しって事で

ではどうぞ



「統合軍本部から連絡がありました。扶桑から従軍記者が取材に来ます。主に結音さんの取材が目的だそうです」

 

朝のミーティングでミーナはそう報告した

 

「軍も宮内省も吾の様子が分からぬと父様に泣き付いての。陛下も吾の状況を詳しく知りたいと言われたのじゃ。報告書は上げておるのじゃがのう。陛下の許可が下りたので、早速送り込む事にした様じゃ」

 

結音は困った顔で皆に告げた

扶桑から統合軍本部へ正式に依頼があった様だ

 

「どんな人が来るのかな」

 

芳佳は扶桑からの客人に興味がある様だ

 

「取材には一人、しかもウィッチにして欲しいと注文を付けて置けば煙にまけると思ったのじゃが、人材を見つけた様じゃな。詳しい事は吾も知らぬ」

 

いささかうんざりした様な表情で結音は言う

実際、そういう人材がいない訳ではない

ウィッチであれば事情を分かってくれるのではないかと期待しているのである

 

「それで、そいつはいつ来るんだ」

「次の扶桑からの補給に同行する予定です。対応は結音さんにお願いするわ」

「はあ、しかたないのじゃ」

 

ミーナはバルクホルンの問いに答える

結音はいやな顔だ

 

「結音ちゃんは取材が嫌いなの?」

 

結音の様子を見た芳佳は聞いてみた

 

「ゴシップが嫌いなだけじゃ。吾の事を祭り上げに来るのが目に見える様じゃ。吾は普通でいたいのじゃ」

 

普通と言う言葉に皆は首を傾げた

 

「何じゃその反応は。いくら温厚な吾でも怒るぞ!」

「ごめんなさい結音ちゃん。でも結音ちゃんお姫様だし。普通とはちょっと違うかな」

「普通のウィッチは結音式なんて作らないだろう?」

「何じゃ、芳佳に美緒まで。吾、拗ねるぞ」

 

部屋の隅で床にのの字を書いている結音

結音の機嫌が直るのにしばらく掛かった

 

-----

 

「シャーリー、ねえシャーリーってば。どうしたの」

「ほへ~」

「ああ~、シャーリーが壊れた~」

 

気の抜けた表情でシャーリーはとけていた

ルッキーニの言う事も聞こえていない

先日の音速越えで長年の夢が叶ったせいか気力が出ない様である

バルクホルンに怒られても気が抜けているので取り合わない

ミーナはそんな様子に困惑していた

 

「こんな事になるなら許可しない方が良かったかしら」

 

ミーナは、ふうとため息をついた

 

「まあ、目の前に餌がぶら下がっておるのじゃ、飛び付かない者はおるまいよ」

「貴女が画策したのではないの?」

 

ミーナは結音に詰め寄る

 

「吾は何もしておらぬぞ。手伝いはしたがの。計画書に書かれた意図に嘘はないのじゃ。真価はジェット化したときに出るじゃろう」

 

そう言うとシャーリーの側に行った結音はその背中をバシッと叩いた

 

「シャーリー、しっかりせぬか。このままだとネウロイが来たら落とされてしまうのじゃ。力が出ない様ならこうするのじゃ」

 

結音は彼女の背中に手を当ててほんの少し魔力を流し込んだ

段々加減が分かってきている

 

「アクセル!」

 

びくんと思わず立ち上がったシャーリーはなぜか頬を染めて体をくねらせた

 

「おおー? なんだこれ? 体が火照る!?」

 

ショック療法のつもりでやってみたのだが、違う効果が出た様だった

ストライカーに乗らない状態で、アクセルを使うのは初めてである

果たしてどんな効果が出るか

 

「どうじゃ元気が出たか?」

「元気が出たか、じゃないよ。魔力が上がって、ムズムズするよ」

「ムズムズ? 具体的にはどうじゃ? それだけでは分からぬ」

「ううっ。全身に魔力が回ってる感じ…… あーもう、シャワー浴びて頭冷やして来る」

「ふふーん、あたしも行ってくるー」

 

シャーリーは部屋を飛び出し、風呂場に走った

口調はそうではないが、心配したのかルッキーニが後を追いかける

 

「シロ、シャーリーに付いて行ってモニタするのじゃ」

 

結音はシロにシャーリーの様子をモニタして来るように頼んだ

シロは敬礼すると、猫型に変化してシャーリーの後を追いかけた

 

「ふーむ。魔法を使ってない時のアクセルは駄目か」

 

結音は今の結果を考察した

 

「結音さん、人を実験台に使わないで!」

「実験台にしたつもりはないぞ。結果を考察するのはいけない事か? 効果があると思ったのじゃがの。別の効果が出た様じゃな」

 

ミーナの追及を軽くいなす結音

 

「はあ…… 扶桑のウィッチはどうしてこう…… それでシャーリーは大丈夫なの?」

「大した事はなかろう。通した魔力もほんの少しじゃし。シロにモニタさせておるが、もう魔力も大分抜けて来ておる。吾が後で様子を観ておくのじゃ」

 

……………

 

その後、すぐにシャーリーの体を巡っていた魔力は抜けて、ようやく落ち着いた

魔力が巡ったせいではないはずだがシャーリーに少し生気が戻って来た様だ

 

「レシプロでこの体たらくだとジェットに乗ったらどうなるやら。魂が抜けて還ってこれぬのではないか?」

「そんな事ないよ!」

 

シャーリーは顔を赤くして反論する

だがシャーリーの足元はまだ少しおぼつかない

 

「魔力をほとんど使い切ったじゃろう。安全面を考えると高速セッティングは禁止じゃな」

「そんなー」

「自重するのじゃ。次やれば死ぬぞ?」

「うっ、でも、いざとなった時に使えないと困る。何とかしてくれ」

「はぁ…… ならば、部隊長権限で解除出来る様にしておこう。使う時は上官の指示でという事じゃな。それで良いか?」

「ああ、分かったよ」

「今回、万全の体制でやったが、戦闘中にやるとなると魔力が減っておる分、危険度が増しておる。魔力の残量には気を付けるのじゃぞ」

「ああ…… なあ、もしかしてアクセル使ったら良かったんじゃないか?」

「ギリギリでチューニングしてある高速セッティングでアクセルしたら、恐らくストライカーが壊れるか、魔力が尽きて死んでおるぞ。出力は上がるが魔力は変わらぬ。調子に乗って吹かし過ぎれば、魔力が尽きる。あまり欲張っては駄目じゃぞ」

「分かったよー。ブーブー」

 

分かったと言いながらブーイングして不満を表すシャーリーだった

 

「むう。もう少し心配する者の身になるのじゃ。もしもの事があったらルッキーニ泣くぞ?」

 

そう言うと、背の高いシャーリーにジャンプして軽く頭にチョップした

結音の身長では届かないのである

 

「あたっ!」

「死んではならぬぞシャーリー。無駄死には特にな」

 

この世界に特攻兵器が無くて良かったとしみじみ感じている結音だった

 




扶桑に特攻機はありません
結音が魔改造して少しは使える機体になってます
ロケット機はちょっと微妙ですけど


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9-8 吾の固有魔法を報告するのじゃ

短いです



いつもの家族通話の時間

今日も相手は織音と鈴音の二人であった

織音はいつものようにニコニコしている

そういえばねえ様の怒った所は見た事がないなと結音は思った

鈴音はいつにも増してハイテンションであった

 

「ねえ様聞きました! 固有魔法が分かったそうですね!」

「うむ。まあ偶然見つかったのじゃがな」

「支援系で良かったわ。攻撃系では心配でしかたないもの」

 

織音は少し暴走気味な妹の事を特に心配していた

ましてや501基地のある場所は最前線である

無茶をしないかと心配なのである

いざとなったら決して結音は躊躇わない事を、織音は良く知っていた

 

「それより、すずやねえ様にも固有魔法があるかもしれぬ。父様に文献を調べて貰っておるのじゃ」

「ええ。父様から聞きました。でも系統が分からないと修行のしようが無いのではないかしら」

「私もピンと来ないなぁ」

「伝説によれば、雲を呼び雨を降らせ龍神に乗る神子がおったらしいの。ウィッチの様に見えぬか?」

「それって昔話でしょう、ねえ様」

「伝説の中に真実があるとは思わぬか?」

「それはそうだけど……」

「古文書を沢山調べないといけないわね。随分時間が掛かるのではないかしら?」

「父様によると大学でそういった研究をしている者がおるそうじゃ。今、協力を仰いでおるらしい。まあ、全ての学説を鵜呑みにする訳にもいかぬがの」

「それで、皇族のご先祖様の中にウィッチが居るということ?」

「あるいは、強力なウィッチの家系が皇族になったか。吾は両方じゃと思うのじゃがな。強い力で支配する。ウィッチの力を精神的なより所にしたのかもしれぬ。皇族の姫のほとんどが魔力を持っておるじゃろう。陰陽寮との関係も深い。吾はこれが真実じゃと思うのじゃ」

 

そこで鈴音がずいっと身を乗り出して言った

 

「……そんな事より、私は自分の固有魔法を知りたいです。ねえ様はどうやったんですか?」

「ふむ。吾の場合は偶然、他の者に魔力を通して見つかったのじゃ。普通は魔力に目覚めた時に知るらしい。生まれつきに目覚めている者には参考にならぬのじゃ。色々な物に魔力を通してみると良いかもしれぬ」

「そっか、ねえ様、私やってみます」

「それなら、私もやってみなくてはね。でも、私は上がりが近いからあまり役には立てないかもしれないわ」

「そんな事はないわ、お姉様。お姉様が頑張ってるの、ちゃんと見てます。それに何が役に立つか分からないわ。やってみなくちゃ」

「うむ。その通りじゃ。試しにやってみて欲しいのじゃ。じゃがあまり無茶な事はして欲しくないのじゃがな」

「あら、それは貴女もよ、結音」

「むー。……努力はしてみるがの」

 

そんな結音の様子に姉妹は笑い合った

 

「それと、本家の姫達にも試して貰いたいのじゃ。可能性があるのなら増やすべきじゃろう?」

「そうね、父様にお願いしてみるわ」

「頼むのじゃ」

 




鈴音の固有魔法を募集します
カッコいいのをお願いしますw
本編にはほとんど出ませんがw

鈴音
魔力は扶桑でも五本の指に入る程
魔力と身長は既に結音を越えている
天才の姉と努力家の姉を見て育ったので、柔軟な発想を持つ頑張り屋
使い魔はオオタカ
魔力が大き過ぎてレシプロ機に乗れない体質
最初からジェットに乗ります


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