遊戯王5D's Power of Fellows (ダーク・キメラ)
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プロローグ:物語は自己紹介から

どうも、すぴばるで投稿していた物です。


俺は村上鉄也(むらかみてつや)

年齢25歳。

学力は平均。運動能力は常人以上。

就職なし。彼女なし。

友達はいるが殆どが常識人ではない。

大学を追い出されて以来、料理屋でバイトをしながら日々を過ごしていた。

暇さえあればテレビを観たり、体を鍛えたり、友人とゲームをしたりしていた。

だが、何故か偶に犯罪者や怪事件に絡まれたりする事もある。

ある意味カオスな日々を過ごしながら俺は生きている、それが俺の人生。

 

 

そんな俺は気がつけば何故か「遊戯王5D's」の世界にいた。

いわゆるトリップだという事か。

とりあえず俺はサテライトという街で暮らす事になった。

これは俺が黒金鉄也(くろがねてつや)として生まれ変わり、「遊戯王5D's」の世界で新しい仲間と共に戦っていく物語である。

 まあ、どうしてこうなったのは以下の通りだ。

 

-Side/???-

 

 

「此処は何処だ……」

 

 俺は一体何をしていたんだ……覚えていないな。

 まさか別の次元に飛んだりしてないよな。

 おいおい勘弁してくれよ……これで3度目じゃねえか。

 

「どうやら気がついたみたいだね。」

 

「……!!」

 

 振り向くとそこには白い長髪に黒いキャップ帽を被った背の高い青年がいた。

 

「誰だお前……」

 

「始めまして、<r村上鉄也:むらかみてつや>君。私は管理局のユウトと申します。あなたを迎えにきました。」

 

「俺を迎えに……何故だ?」

 

「何故ならあなたは……死んでしまったからです。」

 

「そうか……俺は死んだのか……」

 

「そのとおりです。」

 

「………え?」

 

 俺は死んだ……?

 え゛え゛え゛え゛ぇ゛!?

 

「俺、死んだのかよ?」

 

「はい、3時間頃前に死んでいました。」

 

「3時間前って……」

 

 俺に一体何があったんだ……

 

「まあ、死ぬ前の記憶は覚えていますか?」

 

「う~~~ん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずい……このままでは核ミサイルが発射されてしまう!」

 

「ちくしょう……何としても止めないと!!」

 

 

 

「どうした……撃つなら撃てよ。」

 

 バン!ババババン!

 

 

 

「ゾヒィイイイイイイィーー!!」

 

「何言ってるんだ、鉄也。ゾヒーだぞ。」

 

「あ、そうか。」

 

「フォフォフォ……これから地球は我々バルゴン星人の物となる。」

 

「そんな事……させてたまるか!!」

 

 

 

 ピピピピピ…

 

『鉄也、赤い線を切るんだ!』

 

「赤い線って……全部赤じゃねえか!!」

 

『テヘッ……ごめんなちゃい。降参です。』

 

「ちくしょおおおおおおぉ!!」

 

 ドッカーーーーーーン!!!

 

 

 

「おいお前、今ノートに俺の名前書いてなかったか?」

 

「いや、全然。」

 

「いや書いてただろ!絶対書いてただろ!!」

 

「(残り25秒……)」

 

「無視するなオイ!!」

 

「書いてて何か問題でも?死ぬわけじゃあるまいし。」

 

「まあ、それもそうだが……」

 

 

 

「うっ……」

 

「て、鉄也……」

 

「嘘……」

 

「な、なんだ……なんじゃこりゃああああああぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目だ、思い出せない。」

 

「いや、どれも死にそうな状況だったんだけど。それにしてもよく生きていましたね。逆に死んでしまった事に驚きますよ。」

 

「自分でもそう思う。」

 

「まあ、簡単に言えばあなたは怪物と戦っていましたね。」

 

「怪物と……俺の世界観だと何時も通りじゃねえか。」

 

「いかにも。あなたは怪物に勝つ事が出来ました。しかし…」

 

「その代償に俺は死んだのか……」

 

「…はい。」

 

「……で、ここは何処だ?死の世界への道のりか?」

 

「いえ、違います。だから僕はあなたを迎えに来ました。」

 

「………」

 

「あなたの事は調べておきました。村上鉄也、年齢25歳。住まいは寮。学力は平均以上。運動能力は超人、いやそれを凌ぐ存在ともいえる。落ち着いた性格だが、感情の動作が激しい。ある大学を途中で降り、就職は無く、普段はアルバイトで稼いでいる。特に一番多くやっているバイトは料理屋に家政婦と警備員、そして時々怪物や怪人と戦ったりする。」

 

「……相当調べたみたいだな。」

 

「ググってみたら簡単に出た。」

 

「ググれたのかよ。で、何の為に迎えに来たんだ?」

 

「あ、話がずれましたね。あなたはデュエルモンスターズ……いや、遊戯王は知っていますよね?」

 

「俺の事調べたんだろ?まあ知っているが。」

 

 一応中3の頃に始めたな。

 暫くやってたけど大学に入ってからやめたな。

 その後、大学降りてからまた始めたけどな。

 まあ、地元からカードショップへの距離が遠いから滅多にカードを買わないし、アルバイトしかしてないから金も少ないがな。デッキは悪くないが大会での優勝できる程の構築ではないな。

 そういや二次創作サイトで良くあったな、ある人物が遊戯王の世界へ転生して主人公と共闘したり原作の世界観を滅茶苦茶にしたり……

 あれ?これってもしかして……

 

「一応聞くが……まさか俺をその遊戯王の世界に転生するという展開か?」

 

「鋭いですね。そのとおりです。我々の管理局の都合であなたをその遊戯王の世界へ転生する事になりました。」

 

「やはりそうか。」

 

「いや、何かリアクション低くない?」

 

「別次元に飛ばされる経験なんて2回くらいあったしな。」

 

「確かに資料によるとそうですね。それで転生の事なんですけど……」

 

「転生か……」

 

「まあ、そちらで言う5D'sという世代ですね。」

 

「5D'sか……」

 

 5D'sか……俺が二次創作の検索を見たときはGXが多かったな。

 正直、GXの時代でシンクロモンスターを出す主人公は悪くは無いと思うが自重が無さ過ぎる。

 まあ、逆に5D'sにすると比較的使用されるスターダスト・ドラゴンやブラック・ローズ・ドラゴンなどが使えなくなってしまうという事になるケースが多い。

 まあ、俺は主役のカードはスターダスト・ドラゴンとレッド・デーモンズ・ドラゴンしか持ってないがな。

 スターダストは高かったが、レモンはジャンプに付いてた。

 ちなみに最近の5D'sは主人公、クラッシュ・タウンでの戦いが終わったところだったな。

 

「あ、無理やり転生する訳ではありません。断る権利はありますよ。」

 

 どうする………確かにこのまま死んでおけば二度と関わることは無いだろう……

 

「………」

 

 ……まあ、このまま死ぬのはもっと嫌かもな。

 人生のチャンスと言っても良い機会だ、これは受け入れるべきかもな。

 まあ、デュエル脳になる危険性があるが。

 

「……分かりました、転生します。」

 

「それじゃあ始めるよ……」

 

 そう言ってユウトという男はポケットからスマートフォンを出した。

 スマフォとか羨ましいなオイ!

 

「それでは、転生開始……」

 

 こうして俺の人生の新たなページが開かれる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「ひぐっ……ひぐっ……お兄さん……」

 

「……?」

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

 目を覚ますとそこは少女が近くで泣いていた。

 

「お、おい…」

 

「ひっ!?」

 

 …ってよく見たら俺、血塗れじゃねえか

 何があったんだよ?

 

「……とりあえずまあ、まずは落ち着いてくれ」

 

「あっ……」

 

 とりあえずまあ、こうして俺の第2の人生が始まるわけだ

 

 



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第1話 物語は意外なところから始まる

鉄也「久しぶりの投稿だったな」

望美「知っている人いるかな…」

鉄也「まあ、誰か感想でも書いてくれると嬉しいがな」


「ひぐっ……ひぐっ……お兄さん……」

 

「……?」

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

「お、おい…」

 

「…ひっ!?」

 

「……とりあえずまあ、まずは落ち着いてくれ」

 

「あっ……」

 

「……何があったか知らないが辛い事があったんだな。思い切り泣いてくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

~サテライト編~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピピピピピ……

 

 

「うぅ……」

 

 

ピピピピピ……ピッ!!

 

 

「もう朝か……」

 

う~~~ん、太陽の光が………朝なのにまったく無い。

 

『おはよう、鉄也。』

 

帽子を被ってメガネをかけたオレンジ色のロボットが俺に話しかけた。

 

「ああおはよう。」

 

此処はサテライト……身分の低い者達が彷徨うスラムの街だ。

犯罪者も此処へ送られる事もあるので外の者からは評判が悪い。

 

「さて……まずは軽くトレーニングだ。」

 

俺は毎朝腕立て伏せと腹筋をする。

 

ユウトという奴が俺を転生させて以来1年……俺はそのサテライトという場所に転生された。

時系列は新聞によるとジャック・アトラスがデュエルキングになったばかりらしい。

俺はまだアニメが始まっていない時系列にいる様だ。

サテライトの周りを見ると柄の悪い野郎達が沢山いる。

 

『ガンバレ鉄也!』

 

俺の傍で話しかけているロボットは俺のカードの精霊だ。

こいつは《ジャンク・シンクロン》、シンプルにジャンクと呼んでいる。

転生して以来、俺にはカードの精霊が見える様になっていて俺の話相手になっている。

俺のデッキはこいつが主軸になっている、基本的にこいつは俺の相棒だ。

 

「よし、次は左腕だ。」

 

『今の片腕立て伏せだったんすか?』

 

絵の無い小説だとわからないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて……あいつを起こすか……」

 

俺はトレーニングの後、テントの向かい側のカーテンを引いた。

 

「お~い望美、起きてるか?」

 

「う、うん……おはよう、お兄さん。」

 

茶髪のボーイッシュな髪型をした女の子が寝袋の中から顔を出した。

この子は黒鉄望美、13歳だ。

その、一応……俺の妹らしい。

俺は転生した時、この子が「お兄さん」と泣き叫んだ声を聞いて目を覚ました。

転生した時の俺は体が17歳に若返っていた。

つまりこれは転生でも俺の魂がこの子の兄の体に転生されたというわけだ。

この世界の俺は<r黒鉄鉄也:くろがねてつや>になる。

つまり俺はこの子の兄の代わりをやれという事だ。

「それどんなギャルゲー?」とか聞くなよ?俺そういう趣味ないから。

 

「ほら、朝食だ。」

 

俺は手持ちの材料で朝食を作った。

と言ってもカップラーメンに野菜を切った物を入れただけだが…

 

「…ありがとう…お兄さん…いただきます……」

 

「……」

 

「ズズズ…美味しい…」

 

望美は美味しそうに食べてくれるが正直、朝食がカップラーメンとか涙が出るよ。

自分もカップラーメンは好きだが栄養が足りないのは俺も解っている。

 

「……」

 

「…どうした?」

 

「…食べないの?」

 

「俺はいい」

 

「……一緒に食べようよ」

 

 そう言って彼女はカップラーメンを分けてくれた。

 

「あ、ありがとう」

 

「……」

 

「あ、今笑ったな」

 

「え……」

 

俺は一人っ子だったが従兄弟を兄妹なりに接してきた事がある。

その経験が活きたかもしれないな…妹萌えというつもりはないが今の俺には妹の癒しがわかる。

しかし望美はまだ素直になり切れない部分があるようだ…

 

「ご馳走様…」

 

「望美、俺は今から市場にいくがお前はどうする?」

 

「……私も行く」

 

俺はスカジャンを身に着け、俺達は市場へ行く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新聞をくれ。」

 

「あいよ。」

 

どうやら最近の情報によると次のフォーチュンカップは1ヶ月後に開催されるらしい。

フォーチュンカップは遊戯王5D'sの主人公、不動遊星が初めて人々の前に姿を現してサテライトの運命を変えるきっかけを作る展開だ。

因みにサテライトだが主人公と会ったことはない。

どうやら場所が遊星とは結構離れた場所だったらしい。

俺はこのまま何もしなければ原作の流れに任せてサテライトも差別から開放されて俺もこの場所から自由になるが……この世界はアニメの世界ではなく、世界観のみ同じ世界だ。

その通りになるとは限らない。

 

「これ持ってくれるか?」

 

「うん……」

 

今日は何とか缶詰が詰まったダンボールを手に入れる事ができた!

これでインスタントとはしばらくおさらばだ。

 

「何か欲しいカードは見つかったか?」

 

「………」

 

俺達はカードを手に入れられる市場にいる。

望美は自分のデッキを眺めながら使えそうなカードを探していた。

はっきり言って彼女は強い。

デッキ構築のレベルが高いとは言えないが以外と強い。

何度かデュエルした事があったが、俺のデッキがそこまで強くないとはいえ結構やられた。

 

「……じゃあおじさん、俺は地獄の暴走召喚を買う」

 

「あいよ。」

 

他にも使えそうなカードを探すか……

 

「きゃあ!」

 

「ん、望美?」

 

振り向くとそこには不良が3人くらいいた。

見るからにして望美はそいつ等に突き落とされたらしい。

 

「へっ、いい物持ってそうじゃねえか…」

 

不良の中からモヒカンの男がデッキを持っていた。

何かこいつがボスっぽいな。

此処はサテライトだぞ、世紀末じゃないぞ。

 

「か、返して……」

 

「大丈夫か!」

 

「デッキが……私のデッキが……」

 

あのデッキ……あいつらが望美から奪ったのか。

 

「そのデッキは望美の物だな。返してもらおうか?」

 

「へ、俺がこのデッキを貰ってやろうってんだ。女は家に帰って人形とでも遊ぶんだな」

 

そのセリフいつの時代だよ。

何かこいつに言える言い返しはないか……

 

「こんなとこに人形もねえよ。お前ら小さい子から物取り上げて恥ずかしくねえのか?」

 

「おーおー正義の味方気取りですか。邪魔すんならてめえも容赦しねえぜ?」

 

喧嘩で勝つことは容易い。

だが騒ぎを大きくする可能性がある。

とりあえずデッキだけは返して貰おうか。

 

「おい、世紀末のモヒカン……」

 

「誰が世紀末のモヒカンだ!!」

 

「……デュエルしろよ。俺が勝ったら大人しく諦めろ。お前が勝ったらそのデッキを持っていくがいい」

 

普通ならカードゲームせずに力ずくの方が早いだと思うだろう?

 

「ふん、お前は負けても失うものはねえじゃねえか」

 

でも乗って来るんだよなぁ、デュエル脳。

てゆうかお前の方こそ負けても失うものねえだろ。

 

「じゃあ俺が勝ったら望美のデッキは返してもらう。だがお前が勝ったら俺のデッキをくれてやる」

 

「ほお?この俺に勝てるとでも?」

 

正直、大会とかで優勝した事ないから保障はない。

でも自信はある。

 

「いいだろう。てめえを倒してカードは俺のモンだ」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

鉄也 VS モヒカン

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!俺は《ジェネティック・ワーウルフ》を召喚する!」

 

こら待て、何でお前が先行なんだよ。

ジャンケンかコインはねえのかよ

相手のフィールドに4本の腕の狼男が現れた。

 

 

ジェネティック・ワーウルフ

☆4

ATK/2000

 

 

「いきなり下級アタッカーか……」

 

「更に装備魔法、《デーモンの斧》を発動!《ジェネティック・ワーウルフ》の攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

 

ジェネティック・ワーウルフは不気味な顔をした斧を持った。

 

 

ジェネティック・ワーウルフ

☆4

ATK/2000→3000

 

 

「ターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP4000

手札4枚

【モンスター】

《ジェネティック・ワーウルフ》(ATK/3000)

【魔法・罠】

《デーモンの斧》対象:《ジェネティック・ワーウルフ》

 

 

「俺のターン……」

 

まずは下準備か……正直、メインデッキに強いモンスターなんてあまりないんだよなこのデッキ。

 

「俺はモンスターをセットする。」

 

とりあえずまずは防御だ。

 

「そしてカードを2枚セットし、ターンエンド。」

 

 

鉄也/LP4000

手札3枚

【モンスター】

裏守備表示モンスター×1

【魔法・罠】

セット×2

 

 

「俺のターン!俺はブラッド・ヴォルスを召喚する!」

 

今度は巨大な剣を持った妙な怪物が現れた。

 

 

ブラッド・ヴォルス

☆4

ATK/1900

 

 

「バトルだ!《ブラッド・ヴォルス》でセットされたモンスターを攻撃!」

 

《ブラッド・ヴォルス》は俺のモンスターに切り掛かった。

しかし俺のモンスターはモモンガである。

 

 

素早いモモンガ

☆2

DEF/100

 

 

「《素早いモモンガ》の効果を発動!このモンスターが戦闘で破壊された時、ライフを1000回復する!」

 

 

鉄也 LP4000→5000

 

 

「何かと思えばライフの回復だけかよ」

 

「更に《素早いモモンガ》の効果でデッキから《素早いモモンガ》2体をセットする!」

 

「何だと?だったら《ジェネティック・ワーウルフ》で《素早いモモンガ》を攻撃だ!」

 

「じゃあ回復だ」

 

 

鉄也 LP5000→6000

 

 

「ちっ……俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP4000

手札3枚

【モンスター】

《ジェネティック・ワーウルフ》ATK/3000

《ブラッド・ヴォルス》ATK/1900

【魔法・罠】

《デーモンの斧》(ジェネティック・ワーウルフに装備)

セット×1

 

 

「俺のターン。俺は《調律》を発動。デッキから《シンクロン》と名の付いたモンスターを手札に加え、デッキトップを1枚墓地へ送る。俺は《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップを墓地へ送る。」

 

送ったカードはモンスターか。

 

『俺に任せるっすか?』

 

まあ、今此処でお前を出しても意味が無いな。

温存しておこう。

 

「俺は《素早いモモンガ》をリリースし、《聖騎士イシュザーク》をアドバンス召喚する!」

 

 

聖騎士イシュザーク

☆6

ATK/2300

 

 

「行くぜ!《聖騎士イシュザーク》で《ブラッド・ヴォルス》を攻撃!」

 

 

モヒカン LP4000→3600

 

 

「そして《聖騎士イシュザーク》が戦闘で破壊した相手モンスターは墓地へは行かず除外される」

 

「チッ……」

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP4000

手札2枚+《ジャンク・シンクロン》

【モンスター】

《聖騎士イシュザーク》ATK/2300

【魔法・罠】

セット×2

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は《ライノタウルス》を召喚だ!」

 

 

ライノタウルス

☆4

ATK/1800

 

 

「バトルだ!《ジェネティック・ワーウルフ》で《聖騎士イシュザーク》を攻撃!」

 

「そうはいくか。俺は《聖なるバリア-ミラーフォース》を発動!これでお前の攻撃表示モンスターは全滅だ!」

 

「へっ、そんなもんに引っかかると思ったか!俺はライフを1000払い、《盗賊の七つ道具》を発動!罠の発動を無効にし、破壊だ!」

 

 しまった、相手が馬鹿だと思ったら対策があったか。

 

 

鉄也 LP5000→4300

 

 

「更に《ライノタウルス》でダイレクトアタックだ!」

 

「これは受ける…」

 

 

鉄也 LP4300→2500

 

 

「俺は手札から《トラゴエディア》の効果を発動。戦闘ダメージを受けたとき、手札から特殊召喚する」

 

「何?」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/0

 

 

「《トラゴエディア》の攻撃力・守備力は俺の手札1枚につき600ポイントアップする。今の手札は2枚」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/0→1200

 

 

「何かと思えば攻撃力たったの1200か。俺はこれでターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP2600

手札3枚

【モンスター】

《ジェネティック・ワーウルフ》ATK/3000

《ライノタウルス》ATK/1800

【魔法・罠】

《デーモンの斧》(ジェネティック・ワーウルフに装備)

セット×1

 

「おいおい、油断か?俺のターン、ドロー。俺は《ザ・カリキュレーター》を召喚する」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/0

 

 

「なんだその弱そうなモンスターは?」

 

「何の考えもなしにカードを出すと思ったか?《ザ・カリキュレーター》の攻撃力は俺のモンスターのレベルの合計の300倍となる。トラゴエディアがいることにより…」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/3600

 

 

「攻撃力3600だと!?」

 

「さあ、《ザ・カリキュレーター》で《ジェネティック・ワーウルフ》を攻撃だ」

 

 

モヒカン LP2600→2000

 

 

「くそっ…」

 

「お兄さん…」

 

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/600

 

 

鉄也/LP2500

手札0枚+《ジャンク・シンクロン》

【モンスター】

《ザ・カリキュレーター》ATK/3600

《トラゴエディア》DEF/600

【魔法・罠】

セット×2

 

 

「俺のターン、ドロー!丁度いい、俺は《激昂のミノタウルス》を召喚だ!」

 

 

激昂のミノタウルス

☆4

ATK/1700

 

 

「げ、貫通モンスターかよ…」

 

「激昂のミノタウルスがフィールド上に存在する限り、俺の獣戦士族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、攻撃力が守備力を超えていれば貫通ダメージを与える!」

 

 正確に言えば獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターだがな。

 まあ、獣戦士族モンスターしかいなかったからそう言ったんだろう。

 

「更に装備魔法、《デーモンの斧》を発動!こいつをライノタウルスに装備だ!」

 

 

ライノタウルス

☆4

ATK/1800→2800

 

 

「またかよ!」

 

「俺は《ライノタウルス》で《トラゴエディア》を攻撃だ!」

 

 確かライノタウルスには2体以上のモンスターを戦闘で破壊したターンに2回攻撃できるんだったな…トラゴエディアを守らないとな

 

「俺は《ドロー・マッスル》を発動!守備力1000以下のモンスターを選択し、カードを1枚ドローしてこのターンそのモンスターは戦闘破壊されない!」

 

「何?だが貫通ダメージをくらえ!」

 

「手札が増えたことによりトラゴエディアの守備力がアップする」

 

 

トラゴエディア

☆10

DEF/1200

 

 

鉄也 LP2500→900

 

 

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ!」

 

 

モヒカン/LP2000

手札1枚

【モンスター】

《激昂のミノタウルス》ATK/1700

《ライノタウルス》ATK/1800

【魔法・罠】

《デーモンの斧》(《ライノタウルス》に装備)

セット×1

 

 

「お兄さん……大丈夫?」

 

「大丈夫だ。お兄さんを信じろ」

 

「さすが荒木さん!」

 

「相手を押しているぜ!」

 

 あのモヒカンは<r荒木:あらぎ>って名前か……そろそろ行くか。

 

「俺のターン!俺はチューナーモンスター、《ジャンク・シンクロン》を召喚する!」

 

『とおぉ!』

 

 

 ジャンク・シンクロン

 ☆3

 ATK1300

 

 

 頼んだぞ、ジャンク。

 

『俺っちに任せるっす!』

 

「ジャンク・シンクロンの効果を発動!このモンスターが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚する!俺は墓地から《素早いモモンガ》を特殊召喚する!」

 

素早いモモンガ

☆2

DEF/100

 

 

「この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効になる。」

 

「チューナーだと!?まさか……」

 

 そのまさかだ。

 こいつマジ優秀だよな。

 何でサテライトに捨てられたりするんだ?

 まあ、スターターで手に入るくらいだから捨てる程余ってしまうという意味でもあるのか?

 てゆうかカードを捨てるのはやめろよ、カードはただじゃないんだぞ。

 使えない雑魚でもお金がいるんだぞ!

 少なくとも俺の世界での話だが。

 

「行くぞ、ジャンク!」

 

『おお、アレっすね!準備OKっす!』

 

「俺はレベル2、《素早いモモンガ》にレベル3、《ジャンク・シンクロン》をチューニング。鋼の戦士が同志の力を集結させ今、ここに現る!結束の拳で打ち砕け!!」

 

 

☆2+☆3=☆5

 

 

 さて……決めるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!!」

 

 

 

 

 

 

 

『ハアアァ……トアアアァ!!』

 

 スカーフを巻いて背中にジェットエンジンが付いた紫色のロボットが現れた。

 ジャンク・アーチャーとは違って右腕が大きく、体格も大きく見える。

 

 

ジャンク・ウォリアー

☆5

ATK/2300

 

 

「何を出すかと思えば攻撃力たったの2300じゃねえか!」

 

「《ジャンク・ウォリアー》の効果を発動。このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分、攻撃力をアップする!パワー・オブ・フェローズ!!」

 

『ハアアァ……!!』

 

 

鉄也のフィールド

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/3600

 

 

ジャンク・ウォリアー

☆5

ATK/2300→5900

 

 

「こ、攻撃力5900だと!?」

 

 そうだ、俺のデッキはこいつの効果を活かす構築でもある……わけではないな。

 

「バトルだ!ザ・カリキュレーターで《激昂のミノタウルス》を攻撃!」

 

「俺は《魔法の筒》を発動!相手モンスターの攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレーヤーに与える!」

 

「甘いな!」

 

 

 鉄也 LP900→450

 

 

「俺はライフを半分払い、神の宣告を発動!モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚、または魔法・罠カードの効果を無効にし破壊する!」

 

「な、何!?」

 

「さあ、派手にぶっ飛べ!!」

 

『トアアアアァ!!』

 

「うわああああぁ!!」

 

 

 荒木 LP2000→0

 

 

 鉄也 WINNER

 

 

「お疲れ、ジャンク。」

 

 デュエルが終了したと同時にジャンク・ウォリアーのソリッドビジョンは消えた。

 

「お兄さんが勝った……」

 

 どうやら俺の勝利のお陰で望美は笑顔になってくれた。

 

「約束どおり、デッキは返してもらおうか。」

 

「大丈夫ですか、荒木さん!」

 

「まさか荒木さんが負けるなんて……」

 

「くっ……」

 

 荒木は悔しそうな顔をして膝を突いた。

 

「ヘ…ヘヘヘ……」

 

 悔しそうな顔から急に不気味に笑い始めた。

 

「どうした?さっさとデッキを返せ。」

 

「確かに俺は負けた……だが、約束を守るなんて必要ないよな、力ずくならな!」

 

 相手はそう言ってポケットからナイフを取り出した。

 

「はあ……」

 

「!?」

 

「そうだ、相手はガキ2人だけだ!」

 

「問題ねえ!」

 

「あ、あの……やめた方がいいですよ」

 

 モヒカン達の態度に望美が慌てだす。

 

「へへへ、今更命乞いか?命が惜しけりゃてめえのデッキもよこしな…」

 

「いや、そうじゃなくてお兄さんは…」

 

 そう言って取り巻き2人もナイフを取り出した。

 そんな展開読めてたよ。

 

「知らねえな、約束なんて!」

 

「はぁ……」

 

 これだからサテライトの評判が……

 

「お前のデッキも中々強そうなのあるしな。」

 

 おいおい、俺のデッキの殆どは1枚100円200円で買えるぞ。

 

「そりゃ良いっすね……」

 

「大人しく寄越しやがれぇ!!」

 

 3人一斉に襲って来た。

 

「お兄さんを怒らせたら…」

 

 

 

 

 

 

 俺は敵を殴った

 

 

 

 

 

 

「い、いでででで……」

 

「………?」

 

 そして俺は荒木の腕を強く握っていた……「強く」な。

 

「な、何だ貴様は……は、離せ!いででで!!」

 

「俺は鍛えてるんだ、お前等には想像できない程にな。」

 

 毎日肩腕立て伏せを500回出来る俺がナイフにびびるとでも思ったのか?

 俺は手を離した。

 

「き、貴様……!」

 

 荒木は怒って取り巻きのナイフを拾い、もう1度刺そうと構えた。

 

「はぁ……まだ分からないのか?」

 

 俺は近くのコンクリートの壁に向いた。

 

「おりゃあああぁ!!」

 

「いっ!」

 

「!!」

 

 俺は何をしたのかと言うと、拳を壁にぶつけたのだ。

 そしてその壁は大きな穴が開いていた。

 

「あ…あぁ……」

 

 荒木はあまりにも驚いてナイフを落とした。

 

「なんなら一日中付き合ってやろうか……?」

 

「ひいいいいいいぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして大人しくデッキを返してもらった。

 ついでにナイフを没収して二度と来るなと警告しておいた。

 俺達がテントに戻る最中、望美はデッキを手に収めながら、嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

「……」

 

「ありがとう、お兄さん……」

 

「どうって事ねえよ……」

 

 俺はその為に鍛えていたんだからな……自分にとって大切な者を守る為に。

 そう、大切な者の為に……

 

「なあ、望美……俺に提案があるんだが。」

 

「提案……?」

 

「此処を……サテライトを出ないか?」

 

「え……?」

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued………




-次回予告-


鉄也「望美にとってこんな所は危険すぎる。彼女をこの地獄から連れ出す事……それが今の俺に出来る事、いや、せめてそれだけはしたい。だから俺は……サテライトを出る。」


次回、「旅に出よう」


鉄也「次回も見てくれよ。」



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第2話 自由を求めて第一歩

 前回のあらすじ

 村上鉄也はある日死んでしまった。
 しかし、ユウトという謎の男の手によって彼は「遊戯王5D's」の世界へ転生する事になった。
 そして彼は黒鉄鉄也はとして生まれ変わり、妹の望美と共にサテライトで暮らす様になる。




ーSide/鉄也ー

 

 

「此処を……サテライトを出ないか?」

 

「………」

 

 お前はどう思うんだ、望美。

 

「えっ……あ、あの…その……」

 

 俺の提案を聞いた望美は戸惑い始めた。

 相当悩んでいるみたいだな。

 

「今答えなくても良い、時間を取ればいいさ。」

 

 そうだ、別に行かなくてもいい、原作に任せて俺達が救われるのを待つ事だって出来るさ。

 

「考えておく……」

 

 

 

-Side/望美-

 

 

 

「ぐぅ……」

 

 あの人は寝ている……

 あの時私は思っていた……あの人は何れ此処を出ようと考えていたのではないかと。

 でも、急に聞かれたら……

 

「……」

 

 私はデッキケースを開いた。

 あの人が取り戻してくれたデッキ……

 私は彼を感謝している……

 そして彼は此処を出ようと思っている……

 

「お兄ちゃん……私、どうしたらいいの?」

 

 私は怖い……あの時の事がまた起こるのが……

 

「………」

 

 もうちょっと考えさせて……

 

 

 

-翌日-

 

 

 

-Side/鉄也-

 

 

 ここは工場……サテライトで唯一稼げる場所だ。

 俺達サテライトの市民はシティが捨てたゴミをリサイクルして新しい機械を作り上げるのが仕事だ。

 そして俺と望美はベルトコンベアーで動いている機械に部品をつけるのが仕事だ。

 

 カチャカチャ……

 

「よしっと……」

 

 

 ちなみに俺は手先が器用だ。

 テレビやエアコンを直していた経験はあるのであまり難しくなかった。

 関係無い事だが友人に1/100スケールのガン◯ムを組み立てて欲しいと頼まれた時は2分で完成した。

 

「あっ……!!」

 

 望美は少しペースに遅れたらしい。

 

「大丈夫だ、任せろ。」

 

 俺は望美の遅れへのフォローに入り、部品を付けた。

 

「ありがとう……」

 

「どういたしまして。」

 

 さて、次へと……

 

「おい、お前達……」

 

「ん?」

 

 俺を含めて10人の業員が工場長に呼び出された。

 

「お前達は廃品置き場へ行って廃車を崩してこい。」

 

「「「はい……」」」

 

 廃車崩しか……仕方ないな。

 周りは見張られているし望美は大丈夫だろう。

 

「悪いが望美、ちょっと行かなきゃ駄目だ。」

 

「私は大丈夫……頑張って、お兄さん。」

 

 

 

-廃品置き場-

 

 

 

 俺と呼ばれた者達は廃車を解体して部品を集める事になった。

 それにしてもガラクタが多いな……世界が発展するとゴミが増えるな。

 

『何か此処は居心地いいっす。』

 

 お前も<rガラクタ:ジャンク>だからな。

 お前の故郷みたいなものか。

 

「解体難しいな……」

 

「シティも人使い荒いぜ、素人にやらせるなんて。」

 

「仕方ねえんだよ、俺達の様なサテライトが食っていくにはこれしかねえんだよ。」

 

 俺と一緒に解体している者達は愚痴をこぼしていた。

 まあ、気持ちはわかるが。

 

「愚痴を言うのは自由だが少しは口を謹んだ方がいいんじゃ無いのか?聞かれるぞ。」

 

 俺だってこんな所にはいたくはない。

 出来れば此処から出ているさ。

 だが、そうもいかなくなった。

 今は置いておけない人が側にいる……

 彼女はここにいるべきではない。

 絶対ここから連れ出すんだ……俺はそう確信した。

 

「そ、そうだな。」

 

 こうして俺達は車を解体した。

 

 

 

-5時間後-

 

 

 

 凄い時間が掛かった……

 5台も解体するとは聞いてないぞ。

 

「ようし、今日はこれで終了だ。」

 

「疲れた……」

 

「これで休める……」

 

 他の者は皆帰って行った。

 俺は平気だがな。

 お前ら体力なさ過ぎるだろ。

 

『じゃあ、帰りましょう。望美も待ってるだろうし。』

 

「そうだな。今日の晩飯は何にしようかな……」

 

 そう思ったその時……

 

「ん?」

 

 ……俺はある物と目が合った。

 

「こ、これは……」

 

 面白そうな物を見つけたな。

 廃品置き場に来た甲斐があったな。

 

 

 

 

 

-Side/望美-

 

 

 お兄さんそろそろ戻ってくるかな……

 私はテントで待つ事にした。

 

「……!」

 

 こんな所にカードが……

 

「可愛い……」

 

 貴方は一人ぼっちなのね……

 安心して…私が引き取ってあげる……

 

「確かこの子のサポートカードを拾ったかな……私のデッキにこの子を組み合わせてみようかな……」

 

 そう思った私は心が弾み、テントに戻った。

 

「~~♪」

 

 あ、これも入れようかな?

 いざという時の切り札が使えなくなった時に使えるかもしれないし……

 

「楽しそうだな、望美。何かいい事でもあったのか?」

 

「お兄さん……」

 

 デッキの改造を楽しんでいたらあの人が帰ってきてた。

 

「うん……遅かったね、お兄さん。」

 

「ああ、帰る前に面白い物を見つけたんだ。」

 

「面白い物?」

 

「それはな……」

 

「木島さん、こいつ等です!」

 

 

 

-Side/鉄也-

 

 

 

 俺が帰ると望美が既に帰っていた。

 彼女は楽しそうにデッキをいじっていた。

 丁度良い、望美に拾ってきた物を見せよう。

 

「木島さん、こいつ等です!」

 

 ……誰かが急に割り入ってきた。

 振り向くと……昨日、望美にちょっかいを出してきたモヒカン野郎が現れた。

 

「俺達のテントに何しに来たんだよ?」

 

「へ、昨日の借りをたっぷり返そうと思ってな。俺様の用心棒を読んで来たのさ」

 

「へへへ、舎弟が世話になったようだな」

 

「他力本願かよ。いい加減にしろよ、昨日自ら望美に手を出して俺にボコボコにされて警告されたのに次の日にまた手を出してくるとかどんな神経持ってんだよ。反省してねえだろ」

 

「うるせえ!とにかくてめえにリベンジしに来たんだ!」

 

「あのさあ、今日は仕事からの帰りが遅かったんだよ。重い物運びながら帰って来たんだから疲れてるんだよ。また今度にしてくれない?」

 

「駄目だ!とりあえずお前が同意するまで俺達は帰らねえからな!」

 

「はぁ……仕方ねえな、やってやるか。」

 

 俺は机からデュエルディスクを取った。

 

「やっとやる気になったか。ルールは簡単だ!お前が負けたらデッキ全部もらうからな」

 

「おい、俺達が勝ったらどうすんだよ?」

 

「二度と手を出してこねえ」

 

「じゃあ、やるか…」

 

 普通に力づくで断れればいいなどとは言ってはいけないだろうか

 

「待って、お兄さん。」

 

「ん?」

 

 いたんだ望美……

 

「私はずっとここにいたよ、お兄さん。」

 

「すまん……何か影が薄い扱いになって。」

 

「いいよ、正直この空気でどうすればいいか分からなかったし。それよりここは私にやらせて……」

 

 望美からデュエルをしたいと言うのは意外だな。

 俺以外の相手とデュエルするところを見たことないしな。

 望美の実力?

 まあ、少なくとも俺とデュエルしていた時は意外と強かったな。

 

「自信あるのか?」

 

「うん……」

 

 まあ、こいつ等が不審な行動を起こしたら俺が動けばいいだけの事だから問題ないか。

 

「わかった、お前に任せる。」

 

 俺はデュエルディスクを彼女に渡した。

 

「ふざけんな、このガキが相手だと!?」

 

 彼女に任せてもいいのは俺が彼女の強さを理解しているからだ

 

「まあ、俺は別に良いけどな。その子は強いのか?」

 

 望美は腕にデュエルディスクを装着した。

 

「「デュエル!!」」

 

 

 望美 LP4000

  VS

 木島 LP4000

 

 

「私のターン!私はモンスターをセットします。」

 

 私のフィールドにカードがセットされた。

 

「そしてカードを2枚セットし、ターンエンドです。」

 

 

 望美/LP4000

 手札4枚

 モンスター/裏守備表示モンスター1体

 魔法・罠/リバース×2

 

 

「俺のターン!俺はジャイアント・オークを召喚する!」

 

 木島の場に棍棒を持った太っ腹のゴブリンが現れた。

 

 

 ジャイアント・オーク

 ☆4

 ATK/2200

 

 

「バトルだ!ジャイアント・オークでセットされたモンスターを攻撃!オーク・スマッシュ!」

 

 ジャイアント・オークは望美のセットモンスターを攻撃した。

 望美のモンスターは青い両肩にキャノン砲を装備したロボットであった。

 

 

 マシンナーズ・ディフェンダー

 ☆4

 DEF/1800

 

 

「マシンナーズ・ディフェンダーの効果を発動します。デッキから督戦官コヴィントンを手札に加えます。」

 

「俺はバトルフェイズを終了する。攻撃したジャイアント・オークはバトルフェイズ終了時に守備表示となる。」

 

 ジャイアント・オークは腕を組み、防御体制に入った。

 こういうモンスターはかえってデメリットがあるんだよな。

 まあ、デメリットがあってもナチュル・ビーストを倒せるなら大歓迎だ俺は。

 

 

 ジャイアント・オーク

 ☆4

 DEF/0

 

 

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ。」

 

「このエンドフェイズに私は神の恵みを発動します。このカードが存在する限り私がドローする度にライフを500回復します。」

 

 

 木島/LP4000

 手札4枚

 モンスター/ジャイアント・オーク(DEF/0)

 魔法・罠/リバース×1

 

 

「私のターン。このドローによってライフを回復します。」

 

 

 望美 LP4000→4500

 

 

「私はマシンナーズ・ソルジャーを召喚します。」

 

 望美のフィールドに右腕が剣となっている緑色のロボットが現れた。

 その外見は正に<r軍人:ソルジャー>を思わせる。

 

 

 マシンナーズ・ソルジャー

 ☆4

 ATK/1600

 

 

「このモンスターは召喚に成功した時、手札からマシンナーズと名のついたモンスターを特殊召喚できます!私はマシンナーズ・ピースキーパーを特殊召喚します!」

 

 車型の赤いロボットが現れた。

 

 

 マシンナーズ・ピースキーパー

 ☆2

 ATK/500

 

 

「バトル!マシンナーズ・ピースキーパーでジャイアント・オークを攻撃。」

 

 マシンナーズ・ピースキーパーは防御体制に入ったジャイアント・オークに突撃した。

 守備力0だからどんなモンスターでも倒せる。うまくいけば…

 

「守備力0な所を狙ったか……だが甘いな!俺は永続罠、最終突撃命令を発動!このカードが存在する限り表側守備表示モンスターは攻撃表示になるぜ!」

 

「!!」

 

 

 ジャイアント・オーク

 ☆4

 ATK/2200

 

 

「うっ……」

 

 

 望美 LP4500→2800

 

 

「幸いライフを回復したおかげで痛手は少ないな。」

 

「私はマシンナーズ・ピースキーパーが破壊された時、効果を発動。デッキからユニオンモンスター、マシンナーズ・ギアフレームを手札に加えます。」

 

「ほお。ダメージを受けたとはいえ、サーチに繋げたか。」

 

「私はこれでターンエンドです。」

 

 

 望美/LP2800

 手札3枚

 モンスター/マシンナーズ・ソルジャー

 魔法・罠/神の恵み、リバース×1

 

 

「俺のターン!俺はジャイアント・オークをゴブリン陽動部隊を召喚する!」

 

 このデュエルという戦場の中で何故か踊っているゴブリンの集団が現れた。

 

 

 ゴブリン陽動部隊

 ☆4

 ATK/1000

 

 

「さらにフィールド魔法、ダークゾーンを発動!このカードが存在する限りフィールド上の闇属性モンスターは攻撃力が500ポイントアップするぜ!」

 

 

 ジャイアント・オーク

 ☆4

 ATK/2200→2700

 

 

 ゴブリン陽動部隊

 ☆4

 ATK/1000→1500

 

 

「レベル4で攻撃力2700!?」

 

 しかもデメリット効果は最終突撃命令の効果で打ち消されている。

 

「さて、ジャイアント・オークでマシンナーズ・ソルジャーを攻撃だ!」

 

「私は和睦の使者を発動します。このターン私のモンスターは戦闘によって破壊されず、戦闘ダメージも受けません」

 

 望美の場に修道女が現れ、ソルジャーの周りにバリアを張った。

 ジャイアント・オークはバリアを壊す事ができなかった。

 

「そう来たか……ターンエンドだ!」

 

 

 木島/LP4000

 手札3枚

 モンスター/ジャイアント・オーク(ATK/2700)ゴブリン陽動部隊(ATK/1500)

 魔法・罠/最終突撃命令

 フィールド/ダーク・ゾーン

 

 

「私のターン、ドロー。」

 

 

 望美 LP2800→3300

 

 

「私はマシンナーズ・ギアフレームを召喚します。」

 

 今度はオレンジ色のロボットが現れた。

 

 

 マシンナーズ・ギアフレーム

 ☆4

 ATK/1800

 

 

「マシンナーズ・ギアフレームの効果を発動します。デッキからマシンナーズと名のついたモンスター1体を手札に加えます。私はデッキからマシンナーズ・スナイパーを手札に加えます。」

 

 スナイパーって確かゲスト出演してたよね、5D'sで。

 何か被ったりしないかな……

 

「(これで手札のこのモンスターと合わせれば……)私は手札からレベル4のマシンナーズ・スナイパーとレベル7のマシンナーズ・フォートレスを墓地へ送り、墓地からマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚します。」

 

 望美のフィールドに青い巨大な戦車型のロボットが現れた。

 

 

 マシンナーズ・フォートレス

 ☆7

 ATK/2500

 

 

「墓地から攻撃力2500ものモンスターだと!?」

 

「マシンナーズ・フォートレスは手札から合計レベル8の機械族モンスターを墓地へ送る事で墓地から特殊召喚することが出来ます。これは手札からフォートレス自身を墓地へ送った場合でも召喚できます。」

 

「だが、攻撃力はジャイアント・オークの方が上だ。」

 

「バトルです。マシンナーズ・フォートレスでジャイアント・オークを攻撃!フォートレス・マグナム・キャノン!!」

 

 ピピピピ……

 

 マシンナーズ・フォートレスは狙いを定めた。

 

『ターゲット……ロック・オン!!』

 

 マシンナーズ・フォートレスは肩に装着されている巨大なキャノン砲からビームを放出した。

 

「!!血迷ったか!?」

 

 ジャイアント・オークはビームを棍棒で弾き飛ばした。

 何か格好いいぞ、ゴブリン!

 そしてゴブリンはマシンナーズ・フォートレスに飛び掛り、叩き壊した。

 

 

 望美 LP3300→3100

 

 

「マシンナーズ・フォートレスの効果を発動。このモンスターが戦闘によって破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールド上のカードを1枚破壊します。」

 

「何だと?それが狙いか!?」

 

「私はジャイアント・オークを破壊します。」

 

 マシンナーズ・フォートレスは爆発し、ジャイアント・オークを巻き込んだ。

 

「くっ……」

 

「続けてマシンナーズ・ソルジャーでゴブリン陽動部隊を攻撃。」

 

 爆風の中からマシンナーズ・ソルジャーが現れ、腕の剣でゴブリン陽動部隊を切り裂いた。

 

 

 木島 LP4000→3900

 

 

 全く役に立ってなかったな、陽動部隊。

 陽動という名の壁にはなったけど。

 

「そしてマシンナーズ・ギアフレームでダイレクトアタックです。」

 

 マシンナーズ・ギアフレームは相手に向かって目からレーザービームを放った。

 

「くっ……」

 

 

 木島 LP3900→2100

 

 

「私はマシンナーズ・ギアフレームの効果を発動します。このモンスターはユニオンモンスター。機械族モンスターへの装備カードとなります。」

 

 マシンナーズ・ギアフレームは体を分離させ、ソルジャーの鎧となった。

 

「サーチ効果を持って下級アタッカーのユニオンモンスター……強すぎるな」

 

 それは当時俺も思った事だ。

 

「私はカードを1枚伏せ、ターン終了です。」

 

 

 望美/LP3300

 手札2枚

 モンスター/マシンナーズ・ソルジャー(ATK/1600)

 魔法・罠/神の恵み、マシンナーズ・ギアフレーム、リバース×1

 

 

「俺のターン!俺はミストデーモンを召喚する!」

 

 霧が浮かび上がり、中から悪魔の様なモンスターが現れた。

 

 

 ミストデーモン

 ☆5

 ATK/2400→2900

 

 

「こいつはレベル5だが、リリースなしで召喚する事ができる。但し、エンドフェイズに破壊される。更に俺は装備魔法、愚純の斧を発動!このカードを装備したモンスターは攻撃力が1000ポイントアップし、効果が無効となる!俺はミストデーモンに装備する!」

 

 ミストデーモンは巨大な斧を手に持った。

 

 

 ミストデーモン

 ☆5

 ATK/2900→3900

 

 

「ミストデーモンでマシンナーズ・ソルジャーを攻撃!」

 

 ミストデーモンは斧を振り下ろした。

 

「装備カードとなっているマシンナーズ・ギアフレームを身代わりにする事でマシンナーズ・ソルジャーは破壊されません。」

 

「だがダメージは受けてもらう!」

 

「私は罠カード、ガード・ブロックを発動します。自分が受けるダメージを0にし、カードを1枚ドローします。」

 

 マシンナーズ・ソルジャーの周りにバリアが現れ、ミストデーモンの斧を受け止めた。

 しかし完全には耐えられず、鎧となったギアフレームが破壊された。

 

 

 望美 LP3300→3800

 

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ。このエンドフェイズにミストデーモンは破壊され1000ポイントのダメージを受けるが、愚鈍の斧の効果でその効果は無効だ。」

 

 

 木島/LP2100

 手札2枚

 モンスター/ミストデーモン(ATK/3900)

 魔法・罠/愚鈍の斧(ミストデーモンに装備)最終突撃命令、リバース×1

 フィールド/ダークゾーン

 

 

「私のターン。」

 

 

 望美 LP3800→4300

 

 

「私はサイクロンを発動し、最終突撃命令を破壊します。そしてマシンナーズ・ソルジャーを守備表示に変更し、モンスターをセットします。ターンエンド。」

 

 

 望美/LP4300

 手札1枚

 モンスター/マシンナーズ・ソルジャー(DEF/1500)裏守備表示モンスター1体

 魔法・罠/神の恵み

 フィールド/ダークゾーン

 

 

「俺のターン!このスタンバイフェイズ、愚鈍の斧の効果により俺はダメージを受ける。」

 

 

 木島 LP2100→1600

 

 

「俺はマッド・デーモンを召喚する!」

 

 今度は体が……衣装がとりあえずシャーマンっぽいモンスターが現れた。

 

 

 マッド・デーモン

 ☆4

 ATK/1800→2300

 

 

「バトルだ!ミストデーモンでマシンナーズ・ソルジャーを攻撃だ!」

 

 愚鈍の斧が今度こそソルジャーを破壊した。

 

「更にマッド・デーモンで裏守備表示モンスターを攻撃!」

 

 マッド・デーモンが攻撃したのは壺の中に不気味な目を出しているモンスターであった。

 

 

 メタモルポット

 ☆2

 DEF/600

 

 

「メタモルポットの効果によりお互いのプレーヤーは手札を全て捨て、カードを5枚ドローします。」

 

「メタモルポットか、丁度いい。だがマッド・デーモンには貫通ダメージがある、それを受けてもらうぜ。」

 

 

 望美 LP4300→2600

 

 

「そしてメタモルポットの効果でドロー……神の恵みの効果で回復します。」

 

 

 望美 LP2600→3100

 

 

「あまりダメージが大きくなってないな。俺はメインフェイズ2に入り、カードを3枚セットする。ターンエンド。(伏せカードの2枚は奈落の落とし穴と聖なるバリア-ミラーフォース……どんな状況でも突破できる。さあ、掛かって来い!!)」

 

「お前、心の中で説明しただろ。」

 

 

 木島/LP1600

 手札2枚

 モンスター/ミストデーモン(ATK/3900)マッド・デーモン(ATK/2300)

 魔法・罠/愚純の斧(ミストデーモンに装備)、リバース×3

 

 

「私のターン……」

 

 

 望美 LP3100→3600

 

 

「私は大嵐を発動します。」

 

「何!ここで大嵐だと!?」

 

「やっぱり説明してたな。」

 

「くっ……対応できるカードがねぇ……俺は大嵐にチェーンして神秘な中華なべを発動!俺はミストデーモンをリリースし、その攻撃力分ライフを回復する!」

 

 

 木島 LP1600→5500

 

 

 巨大な大嵐がフィールド上の魔法・罠カードを全て破壊した。

 まさか此処で装備カードとフィールド魔法が最後の役目を果たすとはな。

 攻撃力の上昇がのライフの回復量を上げたな。

 

 

 マッドデーモン

 ☆4

 ATK/2300→1800

 

 

「私は使者蘇生を発動。墓地から督戦官コヴィントンを特殊召喚します。」

 

 今度は細身の指揮官の様なロボットが現れた。

 

 

 督戦官コヴィントン

 ☆4

 ATK/1000

 

 

「そして私はギアギアーノを召喚します。」

 

 可愛らしい顔をした歯車のモンスターが現れた。

 

 

 ギアギアーノ

 ☆3

 ATK/300

 

 

「攻撃力300って……何をするつもりだ?」

 

 そう来るか……

 

「私はギアギアーノを対象に機械複製術を発動!このカードは自分フィールド上の攻撃力500以下の機械族モンスターを選択し、デッキから同名モンスターを特殊召喚します!」

 

 

 ギアギアーノx2

 ☆3

 ATK/300

 

 

「来るか……」

 

 ギアギアーノを出したという事はアレを召喚する気だな。

 

「私はギアギアーノをリリースして効果を発動します。墓地からレベル4以下の機械族モンスターを特殊召喚することが出来ます。私は墓地からマシンナーズ・ソルジャーを特殊召喚します。」

 

 

 マシンナーズ・ソルジャー

 ☆4

 ATK/1600

 

 

「そして私は2体のギアギアーノの効果を使います。蘇れ、マシンナーズ・スナイパー!マシンナーズ・ディフェンダー!」

 

 

 マシンナーズ・ディフェンダー

 ☆4

 ATK/1200

 

 

 マシンナーズ・スナイパー

 ☆4

 ATK/1800

 

 

「チューナーでもないモンスターを呼んで何をするつもりだ……」

 

「私は督戦官コヴィントンの効果を発動します!自分フィールド上のマシンナーズ・スナイパー、ディフェンダー、そしてソルジャーを墓地へ送る事で手札・デッキからマシンナーズ・フォースを特殊召喚することが出来ます!集結、マシンナーズ・コール!!」

 

『ピィーッ!!』

 

 コヴィントンはホイッスルを鳴らした。

 3体のロボットはバラバラになり、1体の巨大ロボとして合体した。

 因みに召喚条件はコストなのでエフェクト・ヴェーラーとか使われたら悲惨になる。

 

「起動せよ、マシンナーズ・フォース!!」

 

 望美の背後にソルジャー、スナイパー、ディフェンダーが組み合わさった巨大なロボットが現れた。

 

 

 マシンナーズ・フォース

 ☆10

 ATK/4600

 

 

「攻撃力4600のモンスターだと!?」

 

「マシンナーズ・フォースは強力です。しかし代償としてライフを1000ポイント払わないと攻撃することが出来ません。」

 

「召喚条件があれなのにそこまでしないと攻撃できないって……それって超アド損じゃねえか。」

 

「………」

 

 それは言わない約束だろ…

 

「バトル、督戦官コヴィントンでマッド・デーモンを攻撃!」

 

「マッド・デーモンは攻撃対象になった時、守備表示になる。」

 

 

 マッド・デーモン

 ☆4

 DEF/0

 

 

 コヴィントンはピストルで守備表示となったマッド・デーモンを射殺した。

 

「マシンナーズ・フォースでダイレクトアタック!」

 

 ピピピピピピ……

 

 マシンナーズ・フォースはレーザーを放ち、相手に当てた。

 どうやらレーザーはポインターの様だ。

 

『Target...Opponent...Missiles, ready...Launchers, ready... Cannons, ready......』

 

「マシンナーズ・アームズ・フルバースト!!」

 

 

 望美 LP3600→2600

 

 

『Fire It All!!』

 

 マシンナーズは全ての銃器から一斉に発射し、ミサイルや銃弾、そしてビームが木島を襲った。

 

「ぐあああぁ!」

 

 

 木島 LP5500→900

 

 

「ぐおぉ……ライフを回復してなかったら負けていた……」

 

「私はこれでターンエンドです。」

 

 

 望美/LP2600

 手札2枚

 モンスター/マシンナーズ・フォース(ATK/4600)督戦官コヴィントン(ATK/1000)

 魔法・罠/---

 

 

「こいつはまずいな……俺のターン!こいつはいい、俺は悪夢再びを発動!墓地に存在する守備力0のモンスターを2体手札に加える!俺はジャイアント・オークとマッド・デーモンを手札に加える!更に闇の誘惑を発動!カードを2枚ドローし、手札の闇属性モンスターを除外する。手札に闇属性がなかった場合、手札を全て墓地へ送る!俺はジャイアント・オークを除外する!」

 

 なるほど、そういやこれまで召喚されていたモンスターは全て守備力0だったな。

 木島のデッキは基本的に悪夢再びで回収出来るモンスターが主軸のデッキという事だな。

 スキルドレインあれば強いな。

 

「俺はパワー・インベーダーを召喚する!このモンスターはレベル5だが相手フィールド上にモンスターが2体以上存在する場合、リリースなしで召喚できる!」

 

 筋肉質なエーリアンの様なモンスターが現れた。

 

 

 パワー・インベーダー

 ☆5

 ATK/2200

 

 

「でもコヴィントンを攻撃されてもライフは残ります。」

 

「俺は装備魔法、魔界の足枷を発動だ!このカードをマシンナーズ・フォースに装備する!このカードを装備されたモンスターは攻撃力・守備力が100になるのさ!」

 

 

 マシンナーズ・フォース

 ☆10

 ATK/4600→100

 

 

「そんな……」

 

「バトル!パワー・インベーダーでマシンナーズ・フォースを攻撃!」

 

 

 望美 LP2600→400

 

 

「俺はこれでターンエンドだ!」

 

 これはまずいな……相手の手札には悪夢再びで回収されたマッド・デーモンがある。

 コヴィントンを守備表示にしても場凌ぎにはならないな。

 次が決め手になるな……

 

 

 木島/LP900

 手札1枚

 モンスター/パワー・インベーダー(ATK/2200)

 魔法・罠/---

 

 

 

-Side/望美-

 

 

 

 私の切り札が倒された……相手の手札にあるマッド・デーモンは貫通能力があるからコヴィントンを守備表示にしても負ける……

 

「私のターン……」

 

 このドローにデュエルの結果がかかっている……

 お願い、私のデッキ……

 

「ドロー!!」

 

 引いたカードは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クリクリ~~~!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-Side/鉄也-

 

 

 

「ん……?」

 

 何だ、急に俺のカードが反応し始めた。

 

『どうしたんだ、急に?』

 

 俺はデッキから1枚のカードを取り出して話しかけた。

 その中のモンスターは何か騒いでいた。

 

「急に嬉しそうになったな、相棒。あのドローカードに精霊がいるのか?」

 

 そしてイラストのモンスターは嬉しそうに頷いた。

 

 

 

-Side/望美-

 

 

 

「このカードは……」

 

 来てくれたんだ……

 手札のと合わせて……勝てる!

 

「私はハネクリボーを召喚します!」

 

『クリ~~!』

 

 望美のフィールドに名前の通り羽が生えたクリボーが現れた。

 

 

 ハネクリボー

 ☆1

 ATK/300

 

 

「ハネクリボー……成る程、通りで俺の相棒も嬉しいわけだ。」

 

「……何だそのモンスターは?」

 

「このモンスターは自身が破壊されたターンに自分が受ける戦闘ダメージが全て0となる効果を持っています。」

 

「だが、その効果だと自身が戦闘に参加した時の戦闘ダメージは避けられないな。攻撃表示に出してどうするつもりだ?」

 

「この効果とデュエルの勝利は関係ありません。バトル!ハネクリボーでパワー・インベーダーを攻撃!」

 

『クリイィ~~~!!』

 

 ハネクリボーは相手のモンスターへ向かって突撃した。

 

「血迷ったか!?」

 

「速攻魔法発動、バーサーカークラッシュ!!」

 

「バーサーカークラッシュ!?」

 

「やはりそいつを持ってたか……」

 

「このカードは自分の墓地に存在するモンスター1体除外する事でハネクリボーはこのターンの間、そのモンスターの攻撃力と同じになります!」

 

「何!?確かお前の墓地には……」

 

「私は墓地のマシンナーズ・フォースを除外!!」

 

『クリイイイィ!!』

 

 マシンナーズ・フォースの幻影が現れ、ハネクリボーが光り出した。

 

 

 ハネクリボー

 ☆1

 ATK/300→4600

 

 

「一撃必殺!バーサーカークラッシュ!!」

 

 ハネクリボーがパワー・インベーダーにぶつかって爆発した。

 

「ぐあああああぁ!!」

 

 

 木島 LP900→0

 

 

 望美 WINNER

 

 

「やった……」

 

 こうしてデュエルが終わり、ソリッド・ビジョンは消え始めた。

 

『クリクリ!』

 

 あれ?今、ハネクリボーが消える前に私に微笑んだ様な……

 

 

 

-Side/鉄也-

 

 

 

「上出来だ、望美。さて、お前達には出て行ってもらおうか。」

 

「……」

 

「まさか木島さんまで負けるとは……」

 

「まあ、俺の負けだ……約束通り、ここを退くぜ」

 

 あ、この人意外とまともだった。

 

「それにしてもお嬢ちゃん中々やるね……久しぶりに楽しませてもらったぜ」

 

「は、はい…私も楽しかったです。」

 

「まあ悪かった、詫びにこのカードをやるよ。」

 

 そう言って木島は1枚のカードを望美に渡した。

 

「ファントム…オブ・カオス……?」

 

 結構いいカードじゃねえか!

 なんでサテライトに落ちてんだよ。

 

「じゃあ、邪魔したな……」

 

 そう言って木島は去ろうとした。

 

「おい……木島だったな。」

 

「何だ?」

 

「またデュエルしようじゃねえか。今度は俺が相手になるぜ。」

 

「……ああ、また会おうぜ。」

 

 そう言って木島はモヒカンを引きずって去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもハネクリボーか……意外だな。拾ったのか?」

 

「うん……」

 

 おいおい相変わらず声小さいな。デュエルの時はテンション上がって、必殺技出していた時は声大きいのに。

 

「まあ、嬉しそうで何よりだ。」

 

 やはり望美は精霊が見えない様だな。

 まあいい、そいつはお前と一緒で嬉しそうだぜ。

 良いコンビになれそうじゃねえか。

 まあ、俺とこいつ程ではないがな。なあ、『相棒』。

 

『クリッ!』

 

「あ、そうだ。車の解体していた時に面白い物を見つけたんだ、見たいか?」

 

「………」

 

「これを見ろ……!!」

 

 俺が見つけた物……それは捨てられたバイクであった。

 これは案外使えるかもしれないと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued………




次回予告


鉄也「さて、バイクを見つけたのはいいが……全然上手く直せねぇチクショー!!一体どうしたら良いんだ、俺の知識じゃ不十分だしサテライトでバイクの作り方知っている奴とか……いや、1人いるじゃねえか。しょうがない、あった事がないが探しにいくか。ここからの活路……絶対に見つけてやるぜ!」

 次回、「サテライトのD・ホイーラー」


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第3話 サテライトのD・ホイーラー

言っとくけどこの小説にはエクシーズまでね。


5D'sも3作前の物語かぁ
5D'sは個人的に好きだけど信者とかじゃないからね?


-Side/鉄也-

 

 

「お兄さん……それはD・ホイール?」

 

「いや、バイクだ。デュエルディスクが付いてない上に燃料タンクがあるからにしてモーメントではなくガソリンで動いてるんだろう。このバイクを直せば使えるかもしれないぜ」

 

「お兄さん、それ直せるの?」

 

「まあ、プロじゃないが知識はそれなりにあるぞ。ある程度直せるかもな……」

 

そう言って俺はバイクを直し始めた。

 

 

「……」

 

さて、直したのはいいが…

 

「…ま、D・ホイールではないがただのバイクとしては動かせるな。だがガソリンがない」

 

こんなスラムな土地でガソリンがあるのかさえ疑問だ

 

「お兄さん…」

 

「…望美、俺はちょっとガソリンを探してくる。お前は外へ出る時は気をつけろよ」

 

俺はガソリンを探すことにした。

そして探し回っているうちに別の地区にたどり着いた。

 

「着いた……」

 

 さて……あの男、不動遊星は何処にいるんだろうな……

 適当にモブに聞いてみるか。

 

 

「すいません、聞きたいことがあるんですが……」

 

「やべえ、今すぐ工場に戻らねえと給料が抜かれる!」

 

「あの、ある人を探しているんですが……」

 

「ああ?誰だお前は?さっさと職場に戻れ!」

 

 

 うーん、簡単には見つからない

 

 

「痛ててて……」

 

「おい、大丈夫か?」

 

「悪い悪い、足が引っ掛かっちまった」

 

「ん?あれは…」

 

絡んでる側と絡まれてる側の人間達がいがみ合ってるらしい。

そして周りに機械の部品が散らばっていた。

絡まれている側の人間は……結んだドレッドヘアに眼鏡の男、背が低い筋肉質の男、それからバンダナに顎鬚の男か……その3人がマーカーが付いた青い髪の男とその取り巻きっぽい人に絡まれているらしい。

 

「……って、こいつらじゃねえか!」

 

確かこいつ等原作にいたよな、ラリー以外名前忘れたけど。

だってダグナー編の後なんて出番まったくないし。

 

「やけにごみ貯め臭え匂いが付いてると思ったら、サテライト育ちかよ」

 

マーカーの男は嫌味をつけた。

 

「そう言うあんたも頬っぺたに付いているマーカーは何だよ」

 

バンダナの男はその言葉に対して言い返した。

 

「……!!教えてやろうじゃねえか」

 

どうやら今の言葉が余程気に障ったらしい。

マーカーの男はバンダナの襟を掴んだ。

そして殴りかかる。

 

「おっと…」

 

「!?」

 

俺が間に割り入り、拳を受け止めた。

 

「すいませ~~ん、人を探しているんですが……」

 

「誰だお前は?」

 

俺は手を離した。

 

「あ、自己紹介遅れましたね。俺は黒金鉄也と申します。血液型はB型、15歳です。好きな食べ物はうどんで…」

 

「何真顔で自己紹介してるんだ?お前も一緒に殴られたいか?」

 

「暴力はいけません」

 

「ナメてんのかお前?勝手に割り言っておきながら…」

 

「いやいや、本当に暴力はやめましょうよ。だって…」

 

 俺はそう言いながら落ちていたボルトを拾った。

 

「…結果は見えているじゃないですか」

 

そう言いながら俺はボルトを指で曲げた。

 

「「「!?」」」

 

「い゛ぃっ!?」

 

「まあ、そちら方がそこまで喧嘩をしたいのなら仕方ありませんね…」

 

と言いつつ指の骨を鳴らす。

 

「こ、今回はこの辺にしておいてやる…」

 

「シィーッ!」

 

そう言って相手は去って行った……

 

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

「あ、ありがとう」

 

「お前凄いな」

 

「本当に曲がってる……」

 

やっと見つけた……これで不動遊星に会える。

 

「すいません、ちょっといいですか…?」

 

 

 

 

 

 

-Side/???-

 

 

以前と比べてスピードが大分上がったな……だが念の為もう少し調整しておくか……

 

「ただいま、遊星」

 

帰ってきたか……

 

「ナーヴ、タカ、ブリッツ、お帰り!あれ、この人は?」

 

ラリーが挨拶に来た。

この人とは……他に誰か来ているのか。

 

「ああ、さっき瓜生に絡まれてさ、こいつに助けてもらったんだ。」

 

「でさ、遊星。こいつがお前に会いたいんだってさ。」

 

「俺に客……?」

 

ナーヴが何が起こったのかを説明した。

俺に会いに来た客はスカジャンを着たバサッとした黒い髪の少年であった。

どうやらこの子に助けてもらったのか。

見かけは少年だが、とてつもない何かを感じる…

 

「始めまして、不動遊星。俺は黒金鉄也と申します。」

 

「どうして俺を…」

 

「あんたの噂を聞いて探していました、あなたがサテライトで唯一D・ホイールを作った人だと」

 

「そうか…」

 

「あんたにお願いがあるんです。実はガソリンを探しているんですが…」

 

「ガソリン?今やモーメントで動いている時代にしては珍しいな」

 

「俺の地区の裏ルートにも見つからなくてな…お前はここらへんで有名だろ?力貸してくんねえか?」

 

「…いいだろう」

 

「遊星、何を言ってるんだよ。遊星はジャックとの決着をつけるために…」

 

「お前達を助けてくれた義理があるしな。出来ることなら手伝ってやろう」

 

正直、ガソリンが手には入れるとは思えないが協力してもらえるのなら何でもOKだ。

 

 

 

 

「よお、見つけたぜ……礼をしに来たぜ」

 

 

 

 

 俺達をしている最中に誰かが来た。

 

瓜生(うりゅう)瓜生……」

 

 さっきの不良っぽい背の高い男に取り巻きらしき眼鏡をかけた太い体系の男と小柄の男の二人が俺達の所に来た。

 

「さっきの奴じゃねえか」

 

「あいつは瓜生。元々シティで犯罪を犯してサテライトへ送られたらしい。今はサテライトの住民に仕打ちしている評判が悪い男だ」

 

「なる程」

 

「俺達は昼間の騒ぎできつ~くお叱りを受けちまって!おまけに給料を引かれちまって!」

 

「シシーーーッ!」

 

「それはお前等の所為だろ」

 

「きっちり礼をしないとな……そいつはD・ホイールか」

 

「お前には関係のない事だ」

 

「サテライトが持つには持ったいねえな」

 

「宝の持ち腐れってやつっすね」

 

「……」

 

「腐っちゃ物体ねえ。俺に迷惑をかけた詫びはそいつでチャラだ」

 

「……断わる」

 

「ほお、お前はデュエリストか。デュエルできんのか?」

 

「……」

 

「だったら俺が教えてやろうか?そのD・ホイールを賭けてデュエルしようじゃねえか」

 

「いや、お前は負けても失う物ねえじゃねえか」

 

「……」

 

 俺はベルトからデッキを取り出した。

 

「遊星……あんな奴の相手なんか……」

 

「こいつは俺の夢を笑った」

 

「夢だと?サテライトの分際で。来い……」

 

 ここで奴の根性を叩き直す……

 

「待ってください、ここは俺に任せてくれませんか?」

 

「!!」

 

「!!」

 

「おいお前…何勝手な事を言ってんだ!」

 

「そうだぞ、遊星のD・ホイールがかかってんだぞ!」

 

「………」

 

「結構いるんだですよ……こういう人間は世界中に。キリがないくらい。でも仕方ない。

そういう奴は思い切り叩きのめさないと駄目なんです。

だから俺にやらせてませんか?」

 

「黒金鉄也だったな…」

 

「はい」

 

「いいだろう、お前に任せておく」

 

「おい遊星!」

 

 やはりこの子からとてつもない何かを感じる……彼を信用してもいいだろう。

 

 

 

 

 

 

ーSide/鉄也ー

 

 

 ようし、遊星からの許可を貰ったのでここはあいつを叩きのめすついでにポイントを稼ぐ!

 

「お前が相手か?別にいいぜ、俺のデッキの恐ろしさを見せてやるぜ」

 

「おい、お前は負けても失う物ねえじゃねえか。お前は負けたら1ヶ月俺達のパシリだ」

 

「別にいいぜ、俺が負ける事なんてないしな」

 

 それ負けフラグ。

 

「「デュエル!!」」

 

 

鉄也 LP4000

 VS

瓜生 LP4000

 

 

「俺のターン!」

 

先行は俺だ、先ずはこれだな。

 

「俺はゴブリン突撃部隊を召喚する!」

 

俺のフィールドにゴブリンの集団が現れた。

 

ゴブリン突撃部隊

☆4

ATK/2300

 

 

「レベル4で攻撃力2300!?」

 

「凄え……」

 

「あのモンスターは攻撃力が高い代わりに攻撃すると守備表示になる効果がある。まあ、先行で出せばプレッシャーをかけられるな」

 

誰でも知っているだろうがこのモンスターは攻撃すると守備表示になるデメリットがある。

だがこの攻撃力なら俺にとって厄介なナチュル・ビーストやライオウを倒せるので入れている。

前は友人の厄介なナチュル・バンブーシュートを倒す事に成功した。結局負けたけど。

それに攻撃力2300もあれば相手も動きづらいだろうしな。

原作はあまり覚えてないが昆虫族で簡単に倒せるはずが無い……

 

「更にカードを2枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

鉄也/LP4000

手札3枚

【モンスター】

《ゴブリン突撃部隊》ATK/2300

【魔法・罠】

リバース×2

 

 

「俺のターン!このスタンバイフェイズ、俺は手札の黄金の天道虫の効果を発動!手札のこのモンスターを公開し、ライフを500回復する!」

 

文字通り黄金の天道虫が現れ、瓜生に金の粉を降り注いだ。

 

 

瓜生 LP4000→4500

 

 

「更に俺は電動刃虫(チェーンソー・インセクト)を召喚する!」

 

チェーンソーを歯にした巨大な虫が現れた。

 

 

電動刃虫

☆4

ATK/2400

 

 

出たがった!

 

「あっちはレベル4で攻撃力2400だと!?」

 

さっきの考えがフラグを立てたか!?

確かに強いよな、そいつ。相手にドローさせるデメリットあるけど便乗やスキルドレインで補うことが出来るのが強みだな。

それに前にも言ってたがナチュル・ビーストを倒せるモンスターなら大歓迎だ。

 

「さーらーに!永続魔法、蟻地獄の報復を発動!」

 

あ、オリカ出た。

 

 

《蟻地獄の報復》(アニメオリジナル)

永続魔法

モンスターが破壊され墓地に送られた時、

そのモンスターのコントローラーに800ポイントのダメージを与える。

 

 

フィールド上にアリジゴクの巣が現れた。

 

「このカードが存在する限りモンスターが破壊される度にコントローラーは800ポイントのダメージを受ける!さあバトルだ!電動刃虫でゴブリン突撃部隊を攻撃ぃ!」

 

 

鉄也 LP4000→3900

 

 

1ミリも役に立たなかったよ、ゴブリン。

流石モブキャラに使わせるモンスターなだけはある。

 

「そして蟻地獄の報復の効果を発動だぁ!」

 

 

鉄也 LP3900→3100

 

 

「だが電動刃虫の効果で俺はカードを1枚ドローさせてもらう」

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

瓜生/LP4500

手札3枚(1枚は黄金の天道虫)

【モンスター】

《電動刃虫》ATK/2400

【魔法・罠】

《蟻地獄の報復》¥リバース×1

 

 

「(俺が伏せたカードは聖なるバリア-ミラーフォース-……これでどんなモンスターも返り討ちだ!)」

 

「このエンドフェイズに俺はリビングデッドの呼び声を発動!墓地からゴブリン突撃部隊を特殊召喚する!戻って来い!」

 

とりあえず役に立たせてもらうか。

 

 

ゴブリン突撃部隊

☆4

ATK/2300

 

 

「俺のターン!俺はトラパートを召喚する!」

 

俺のフィールドに2人の魔法使いがくっついたモンスターが現れた。

一応戦士族らしい。

 

 

トラパート

☆2

ATK/600

 

 

「行くぞ、俺はレベル4、ゴブリン突撃部隊にレベル2、トラパートをチューニング!誇り高き純粋なる騎士よ、己の騎馬と槍で敵を蹴散らせ!」

 

 

☆4+☆2=☆6

 

 

「シンクロ召喚!駆け抜けろ、大地の騎士ガイアナイト!!」

 

俺のフィールドに馬と合体した騎士が現れた。

 

 

大地の騎士ガイアナイト

☆6

ATK/2600

 

 

「何を出すかと思えば木偶の棒じゃねえか」

 

「木偶で悪かったな」

 

悪かったな、ゴヨウやブリュは高くて前世では買えなかったんだよ。

それにこいつはナチュル・パルキオンを倒せるんだぞ!

これでナチュルの話するの3度目だけどナチュルを潰したい気持ちはわかるだろ!

 

「どちらにしろ今の攻撃力で十分だ。バトルだ、大地の騎士ガイアナイトで電動刃虫を攻撃!螺旋槍殺(スパイラル・シェイパー)!!」

 

ガイアナイトは電動刃虫に向かって突進した。

 

「そうは行くか!俺は罠カード……」

 

 

『ERROR!!』

 

 

「何!?」

 

「無駄だ、トラパートをシンクロ素材にしたモンスターが攻撃を行う場合、相手プレーヤーは罠カードを発動する事ができない!」

 

「何だと!?」

 

ガイアナイトは電動刃虫を槍で貫いた。

 

 

瓜生 LP4500→4300

 

 

「そして蟻地獄の報復の効果によってお前に800ポイントのダメージだ!」

 

 

「しまっ……」

 

 

瓜生 LP4300→3500

 

 

「俺は《電動刃虫》の効果でカードをドローする」

 

来るのが遅かったな……

 

「俺はメインフェイズ2に入り、《おろかな埋葬》を発動。デッキから《ザ・カリキュレーター》を墓地へ送る」

 

後はコンボを待つだけだが……

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP3100

手札2枚

【モンスター】

《大地の騎士ガイアナイト》ATK/2600

【魔法・罠】

《リビングデッドの呼び声》(対象なし)

リバース×3

 

 

「今のは効いたぜ……だがこのターンで仕返しさせて貰うぜ。俺のターン!俺は《黄金の天道虫》の効果を発動だ!」

 

 

瓜生 LP3500→4000

 

 

「手札の《鉄鋼装甲虫》を捨て、《トレード・イン》を発動!カードを2枚ドローする!」

 

《トレード・イン》って結構良いよね。

 

「俺はモンスターをセットし、ターンエンドだ!」

 

 

瓜生/LP4000

手札3枚(1枚は黄金の天道虫)

【モンスター】

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

《蟻地獄の報復》

リバース×1

 

 

「俺のターン!」

 

 ここは一気に攻めるチャンスだ……

 

「俺は《ザ・カリキュレーター》を召喚する!」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/0

 

 

「このモンスターは自分フィールド上のモンスターのレベルの合計分の300倍となる!フィールド上のモンスターのレベルの合計は8!よって2400ポイントだ!」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/0→2400

 

 

「バトルだ!大地の騎士ガイアナイトで裏守備表示モンスターを攻撃!螺旋槍殺!」

 

セットしたモンスターの正体は気味の悪いでかい虫だった。

 

 

人喰い虫

☆2

DEF/600

 

 

「かかったな、人喰い虫の効果を発動!大地の騎士ガイアナイトを破壊する!」

 

人喰い虫は飛び掛かってガイアナイトに喰らい付いた。

現環境では劣化ライコウって言われたりするけど、昔このモンスターの世話になってた人は結構いるだろ。

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

ATK/2400→600

 

 

「この瞬間、蟻地獄の報復の効果を発動だ!」

 

「お前にも影響するがな」

 

 

鉄也 LP3100→2300

 

 

瓜生 LP4000→3200

 

 

「攻撃表示で出した以上、仕方ないな。《ザ・カリキュレーター》でダイレクトアタックだ。デジタル・チャージビーム!!」

 

『ビビビ~~!』

 

「(たった600か……こんな雑魚にミラーフォース発動するまでも無いな)」

 

 

瓜生 LP3200→2600

 

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP2300

手札2枚

【モンスター】

《ザ・カリキュレーター》ATK/600

【魔法・罠】

《リビングデッドの呼び声》(対象なし)

リバース×3

 

 

「俺のターン!来たぜ、これでパワーインセクトコンボの完成だ!」

 

 来るか、あの展開が!

 

「俺は黄金の天道虫の効果を発動!」

 

 

瓜生 LP2600→3100

 

 

「更に俺は代打バッターを召喚する!」

 

バッタが現れた。

 

 

代打バッター

☆4

ATK/1000

 

 

「更に手札の《黄金の天道虫》を捨て、《闘虫仮装》を発動!このカードの効果により、デッキから昆虫族モンスター1体を手札に加えるぜ!俺はデッキから《デビルドーザー》を手札に加えるぜ!」

 

 

闘虫仮装(アニメオリジナル)

通常魔法

手札の昆虫族モンスター1体を墓地へ送って発動する。

デッキから昆虫族モンスター1体を手札に加える。

その後、フィールド上の昆虫族モンスター1体を破壊する。

 

 

「そして代打バッターを破壊する!」

 

「この瞬間、800ポイントのダメージを与える」

 

 

瓜生 LP3100→2300

 

 

「くっ…だが俺は代打バッターの効果を発動だ!このモンスターが墓地へ送られた時、手札から昆虫族モンスターを特殊召喚す事ができる!出でよ、鉄鋼装甲虫!!」

 

「損して得とれって事っすね!」

 

いや、得してるのか。

手札1枚とモンスター1体犠牲にしたんだが…

 

 

鉄鋼装甲虫

☆8

ATK/2800

 

 

装甲の割には守備力低いよなこいつ。

 

「更に俺は墓地の《代打バッター》と《人喰い虫》を除外し、《デビルドーザー》を特殊召喚だああああぁ!!」

 

 

デビルドーザー

☆8

ATK/2800

 

 

 

「出たあぁ!瓜生さんのインセクトコンボだ!」

 

 それ言いたかっただけだろ。

 

「攻撃力2800ものモンスターが2体!?」

 

「大丈夫なのか、鉄也!?」

 

「……」

 

「バトルだ!《デビルドーザー》で《ザ・カリキュレーター》を攻撃!」

 

「この瞬間、俺は《スピリット・フォース》を発動!自分が受ける戦闘ダメージを0にする!」

 

 

俺の周りにバリアを張り、ダメージを防いだ。

 

 

鉄也 LP2300

 

 

「更に俺は墓地から守備力1500以下の戦士族チューナー1体を手札に加える事ができる。俺は《トラパート》を手札に加える」

 

「ちっ……だが蟻地獄の報復の効果で800ポイントのダメージだ!」

 

 

鉄也 LP2300→1500

 

 

「そして《鉄鋼装甲虫》でダイレクトアタックだ!」

 

「この瞬間永続罠、《メタル・リフレクト・スライム》を発動」

 

棘が生えた金属の液体が現れた。

 

 

 メタル・リフレクト・スライム

 ☆10

 DEF/3000

 

 

「守備力3000のモンスターだと!?てめえ、何をしやがった!」

 

「このカードは罠カードだが発動後モンスターカードとなる。」

 

これって結構使えるんだよな。

そして俺のデッキだと防御だけじゃなくザ・カリキュレーターの攻撃力を上げる役割があるからな。

それにしても攻撃することが出来ないと描かれているが攻撃力0だから意味ないよな。

 

「ちっ……ターンエンドだ!」

 

 

瓜生/LP2300

手札0枚

【モンスター】

《デビルドーザー》ATK/2800

《鉄鋼装甲虫》ATK/2800

【魔法・罠】

《蟻地獄の報復》

リバース×1

 

 

「俺のターン。俺は《調律》を発動。デッキから「シンクロン」と名のついたモンスター1体を手札に加え、デッキトップを1枚墓地へ送る。俺は《ジャンク・シンクロン》を手札に加える」

 

墓地へ送ったカード:《カタパルト・タートル》

 

「ジャンク・シンクロンか……」

 

「あれって遊星も使ってたカードだよね!」

 

「俺は《闇の誘惑》を発動。デッキからカードを2枚ドローする。その後手札の闇属性モンスターを除外しなければならない。俺は《トラパート》を除外する」

 

さてっと…

 

「フム…」

 

「どうした、俺のパワーインセクトコンボに適わないか!?」

 

「うるさいぜ、少し黙ってろ」

 

 さて、こいつを出すか。

 

「俺は《ジャンク・シンクロン》を召喚する!」

 

 

ジャンク・シンクロン

☆3

ATK/1300

 

 

「《ジャンク・シンクロン》の効果を発動。このモンスターが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚する事が出来る。出でよ、《ザ・カリキュレーター》!」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

DEF/0

 

 

「そしてこの特殊召喚成功時に地獄の暴走召喚を発動!このカードの効果によって手札・墓地・デッキから同名モンスターを特殊召喚する!」

 

『ビビ~~~!!』

 

 

ザ・カリキュレーターx2

☆2

ATK/0

 

 

「この効果でお前のモンスターも暴走召喚できるぞ。」

 

「(念の為、守備表示で召喚しておくか……)俺は鉄鋼装甲虫を召喚する!」

 

 

鉄鋼装甲虫x2

☆8

DEF/1500

 

 

 3枚積みかよ。

 

「《ザ・カリキュレーター》の効果によって攻撃力がアップする。まあ、《ジャンク・シンクロン》の効果で召喚された方は効果が無効になっているがな。」

 

 

ザ・カリキュレーターx2

☆2

ATK/0→5700

 

 

「攻撃力5700のモンスターが2体だと!?」

 

「なる程、メタル・リフレクト・スライムのレベルを上手く利用したか」

 

「さて……レベル2、ザ・カリキュレーター(最初に召喚された方)にレベル3、ジャンク・シンクロンをチューニング!誇り高き鋼の戦士が同志の力を集結させ今、ここに現る!結束の拳で打ち砕け!」

 

 

☆2+☆3=☆5

 

 

「シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!!」

 

 

ジャンク・ウォリアー

☆5

ATK/2300

 

 

「ジャンク・ウォリアー!!」

 

「あれは遊星も使ってたカード!!」

 

「何を出すかと思えば攻撃力たったの2300じゃねえか……」

 

「いや、あのモンスターには……」

 

「《ジャンク・ウォリアー》の効果を発動。このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、自分フィールド上のレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分、攻撃力をアップさせる。パワー・オブ・フェローズ!」

 

『ハアアァ……』

 

「(鉄也のフィールドには《メタル・リフレクト・スライム》によって強化されたザ・カリキュレーターが2体存在する……つまり攻撃力は……!!)」

 

 

ジャンク・ウォリアー

☆5

ATK/2300→13700

 

 

「攻撃力13700だと!?」

 

「これで決めるぜ」

 

「ちっ…(攻撃力1万には驚いたが俺の伏せカードはミラーフォース。これで返り討ちだ…)」

 

「さて、その伏せカードで凌げるとか考えているんだろう…どうせミラフォのようなカードだろ?」

 

「何!?」

 

「図星か。わかりやすいんだよ、俺が《ガイアナイト》で攻撃しようとしたとき、お前は罠を発動する素振りを見せていたからな。となるとそういう感じのカードだということは明白だ」

 

「だがどうした!つまり攻撃できないということだ!」

 

「俺は《死者蘇生》を発動。墓地からモンスターを特殊召喚する!蘇れ、《カタパルト・タートル》!」

 

 俺の墓地から背中にカタパルトを付けた亀型のロボットが現れた。

 

 

 カタパルト・タートル

 ☆4

 ATK/1000

 

 

「なんだそいつは?いつから墓地に…」

 

「《調律》の効果で落ちたカードだ。これで終わりだ。《カタパルト・タートル》の効果を発動。俺のモンスター1体をリリースし、そのフィールドに存在する攻撃力の半分のダメージを相手に与える」

 

「な、何!?」

 

「ジャンク・ウォリアー、射出!」

 

ジャンク・ウォリアーは巨大な火の玉と化し、大爆発を起こした。

ついでに言っておくとサイクロン持ってたからどちらにしろ勝ってた。

 

「ぎゃあああああぁ!!」

 

 

瓜生 LP2300→0(-4550)

 

 

鉄也 WINNER

 

 

「うぼあああぁ!馬鹿な……まさかこんな負け方があるだと……」

 

「よっしゃ~勝ったぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…この俺がサテライトに負けるだと……」

 

 そりゃあ、防御が薄かったからな。

 

「……俺も昔友に負けたことがあった。」

 

 ……ジャック・アトラスの事か。

 

「この時あいつは言っていた……デュエルに勝つのに必要なのはモンスターではない。魔法でも罠でもない。あの時あいつはそれが何なのかは言っていなかった。だが、今の俺にはそれが何がわかる」

 

「………」

 

「…それはカードを信じる心だという事を。シティであろうとサテライトであろうとデッキを信じればデッキは応えてくれる。鉄也も最後まで自分のデッキを信じていた。だから勝つ事ができたんだ」

 

 まあ、それが現実にでもあればな……

 

「……へ、次は負けねえぜ」

 

そう言って瓜生は帰り始めた。

どうやら少しは考えを改めたようだな。

 

 

 

 

 

 

「あ、ところで遊星……」

 

「まあ、ガソリンを探すのを手伝ってやろう。俺もちょっとバイクに興味がわいてきたしな」

 

「そうか…ありがとうな」

 

これで俺は遊星の信用を得た。

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued………



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第4話 誰だって不安になる事はある

もっと早く投稿できるようになりたい
ていうかさぼり癖がねぇ


-Side/望美-

 

 

「……」

 

私の名は黒金望美……年齢13歳、サテライトで暮らしている暗い女です。

私が物覚えが付いていた頃から父と兄と一緒に暮らしてきました。

その頃からは母はいませんでした、お兄さんによると病気で亡くなったらしい。

とにかく色々事情があって、今はお兄さんと一緒に暮らしています。

 

「……」

 

 

 

【回想】

 

 

 

「お兄さん……お兄さん……ごめんなさい……私のせいで……」

 

大雨の中、私の兄は大量の血を流して倒れていた…

 

 

【回想終了】

 

 

私の兄、黒金鉄也は……正直、よく分からない人です。

サテライトで見る人達と違って彼はいい人です。

行動的で合理主義で……まあ、意志の強い人です。

私は彼の考えがよく分かりません。

 

「………お兄さん、まだ帰ってこないね」

 

そんな兄と私は常に2人で色々な事をやっています。

一緒に工場で働いたり……買い物をしたり……訓練したり……

デュエルをしたり……

そんな彼が傍にいて私は……

 

「……」

 

お兄さんはたまに私をテントに残して1人で出かけたりする、今日もそう。

勿論、私の事が心配で外へは行かせたくなかったと分かっている。

私が1人の時は集めたCDやカセットテープで音楽を聴いたりしている。

 

「……」

 

何だか今は弾いてる気分にはなれない。

 

「はぁ……」

 

お兄さん大丈夫かな……

 

「デッキを調整しよう……」

 

私はデッキをチェックした。

 

 

 

 

 

「此処を……サテライトを出ないか?」

 

 

 

 

 

あの時の言葉が私の頭から離れない。

何時かそうなるのがわかってたけど私は心の準備が出来ていなかった……

 

「お兄さんはバイクを直そうとしている……やっぱり此処が嫌なんだ……」

 

…そうだよね、いきなり<rこんな所:サテライト>に住まされる事になるなんて嫌だよね……

 

「はぁ……」

 

私は……不安だった……

 

「……………」

 

…私にそんな資格があるのか…私は寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

-Side/鉄也-

 

 

俺と遊星はお互いの事情を色々話し合った。

そして俺と遊星は2人で俺の住んでいる地区に移動する事になった。

 

「悪いな鉄也、このD・ホイールは1人用なんだ」

 

「構わねえよ」

 

俺は遊星のD・ホイールの後ろに乗って、と言うよりしがみ付いている。

そのデザインだと2人乗りが出来ねえよな。

どっかのぼっちゃまの自慢話の台詞みたいに聞こえるが遊星に悪気は無い。

 

「お前も大変だな……妹と2人でサテライトで暮らしているとは……」

 

「まあな…」

 

「確かにサテライトは色々酷い奴らがいるから苦労が絶えないだろうな」

 

「ああ……探すべき人がいい奴でよかったよ本当に」

 

「俺も同感だ、こんなところ(サテライト)でしっかりしていられる者を見つけるのは滅多にない」

 

「そうか……」

 

「それにしても遠い所から来たな……本当に歩いてきたのか?」

 

「まあな、サテライトの地下通路を渡ってきた」

 

「地下通路か……その歳で出来たな。子供の頃に良くやったものだ、地下通路を通る事は」

 

「あはは」

 

「そういや俺の計画は教えたがお前の計画は聞いてないな。何か考えたのか?」

 

「考えてない」

 

ありません。

正直、サテライトを出た後のプランがありません。

 

「…考えてないのなら計画を立てたほうがいいぞ、妹と共に」

 

「その言葉そのままそっくり返すぞ、お前もジャック・アトラスとの決着を着けた時の後の計画はないだろ」

 

「そうだな……」

 

そうだな……計画は立てよう。

 

 

 

 

 

 

-Side/望美-

 

 

気がつくと周りはガラクタや廃品で埋まっていた。

 

「僕はこれでターンエンドだ!」

 

その瓦礫の中で私はカードを床に置いて男の人とデュエルしていた。

 

「さあ、どう来るんだい、望美?」

 

「私のターン……私はマシンナーズ・スナイパーを召喚するよ。そして永続魔法、機甲部隊の最前線を発動するね。じゃあ、バトルフェイズに入るよ。マシンナーズ・スナイパーで闇魔界の戦士ダークソードを……」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お兄さん……」

 

彼の体が塵になり始めた……

 

「お兄さん、消えないで……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ハッ!!」

 

私はいつものテントの中にいた。

 

「ゆ、夢……」

 

そうだ、これは夢なんだ……

 

「……」

 

私は顔を洗い、机の引き出しを引いた。

その中から1つの小箱を取り出した。

 

「……」

 

その箱の中にはプラスチックのスリーブに収まった1枚のカードが入っていた。

スリーブの中のカードはシンクロモンスターにほぼイラストとテキストが赤く塗られており、カードの中身がわからなくなっていた……

 

「お兄さん……」

 

このカードはお兄さんの宝……お兄さんと共に生きてきた切り札といえるカード……

しかし今はディスクにも反応しないただの紙……

 

「……」

 

あれから一年……彼は私の傍にいてくれた……

でも今は何もかも変わった……

 

「望美ー!!」

 

…帰ってきた。

 

「お帰りなさい……この人は?」

 

お兄さんは誰かを連れてきたらしい。

蟹の様な頭をしていると思ったのは黙っておこう。

 

「紹介するよ、この人は不動遊星。サテライトの別地区に住んでいる」

 

「君が望美か……」

 

「こ、こんにちは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

-Side/鉄也-

 

 

「やっと着いた……」

 

何か長かった……

 

「此処がお前の家か」

 

「まあな。」

 

2つ並んだ仮設テントの下に机や鍋や寝袋、そしてクーラーボックスなど様々な物が置いてある。

そしてテントの傍には洗濯物を干している糸や焚き火の焼け跡がある。

一応、雨には困らなかったが冬を過ごすのが大変だった。

 

「大した物だな……サテライトで暮らしている割には生活の習慣がキチンとされている」

 

まあ、アウトドア生活は得意からな。

此処の場合、食べ物だけ買わないといけないが。

 

「君が望美か……」

 

「こ、こんにちは……この人は?」

 

「バイクを直してもらう為に連れてきた。幸い見つけられて良かったよ」

 

「じゃあ早速見せてもらおうか?」

 

こうして俺は早速バイクを見てもらうことにした。

言っておくけどバイクは決してD・ホイールではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――検診中―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうだ?」

 

「まあ、形は問題ないが色々必要な部品が欠けてるな。特にこれには……デュエルディスクが付いていない」

 

「だからD・ホイールじゃないって。俺、言ってたよね?最初から言ってたよね?これ、ガソリン式でモーメントで動かないから」

 

バイク運転しながらカード遊びするという危険なゲームなんてやってられるか。

 

「そういやそうだったな……まあ、出来る事ならやってやるよ」

 

「……ありがとな、遊星」

 

まあ助かったよ、頼れそうな人見つかって。

ありがとう、蟹えもん!

 

「じゃあ、俺に手伝える事があるか?」

 

「いや、今はいい」

 

「そうか……」

 

 

 

 

 

-Side/望美-

 

 

「どうしよう……」

 

お兄さんは人を連れてきた…

このままだと1年前の事と同じことが起きてしまう…

私がお兄さんを死なせてしまう…

 

「望美……ちょっといいか?」

 

「…!!」

 

お兄さんが話しかけてきた。

 

「……いいけど」

 

「言ったよな、サテライトを出ないかって……お前はどう思うんだ?」

 

「………」

 

この質問を聞いた時、私は戸惑った。

本当の事を言えば私もこの場所から出たい……此処には嫌な思い出しかない。

でも、お兄さんの気持ちも尊重したい……

 

「お兄さん……お兄さんはサテライトから出たいの?」

 

「まあ正直、俺はサテライトに居たくはないな」

 

「そう………じゃあ、私は……」

 

私が口にする言葉は……

 

「……私は……ここに残るよ」

 

 

 

……ごめんなさい。

 

 

 

「………そうか」

 

……ごめんなさい、私はサテライトから出る気にはなれない……

 

「だからお兄さんは私の事は放っておい…」

 

「ならサテライトを出るのはやめるか」

 

「…えっ?」

 

「悪いな…俺が勝手に動いちまって……」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

-Side/鉄也-

 

 

 

やべぇ、これは恥ずい。急かすんじゃなかったな…

まさか望美がサテライトを出る事を拒否するとは思ってなかった。

遊星連れて来ちゃったしどうすればいいんだ…

まあ、遊星の件は何とかするしかないか。

 

「お兄さん……1ついいですか?」

 

「……ん?」

 

「お兄さん……何であなたは私に優しくしてくれるんですか?」

 

「何言ってんだ?そりゃあ、当然だろ……俺はお前の…」

 

「わかっているんだよ、あなたが私のお兄さんじゃない事ぐらい!」

 

「……!!」

 

…知っていたのか、望美の奴。

まあ、確かに俺の演技が下手だったかもしれないが何故今更それを……

 

「1年以上私と付き合わせてごめんなさい……」

 

気まずい……気まずいよこれ……え、ごめんなさい?

 

「お兄さん、あなたの為にもこれ以上、私と関わらないでください……」

 

「おいおい、いきなり何を言い出すんだ……」

 

「ごめんなさい……ひぐっ……」

 

望美は泣き出した…

まずい……泣かせるつもりはなかった……

 

 

 

「……(どうやら何か事情がある様だな)」

 

 

 

 

 To Be Continued......




鉄也「望美の奴……いきなりどうしたんだよ」

ジャンク『相当訳ありっすね、これは』

鉄也「しまったな、保護者としてながら不覚だった……」

ジャンク『保護者?兄じゃなくて?』

鉄也「‘保護者’だ。保護者として子供の悩みをは見過ごせないからな……だがどうすればいいんだ、この状況……」

ジャンク『次回、デュエルはコミュニケーション』

鉄也「どうすればいいんだ……このカードゲームを中心にした世界でどうすればいいんだ……」

ジャンク『カードゲームすればいいんじゃないっすか?』

鉄也「次から早く投稿できるようにします」


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第5話 デュエルはコミュニケーション

-Side/遊星-

 

 

俺は今、D・ホイールの手入れをしている……

 

「参ったな……まだ2人乗りには慣れてなかったか……」

 

俺は黒金鉄也という少年に会い、ここまでやってきた。彼は俺の噂を聞いてはるばる遠くから俺を探しに来たのだ。彼は見かけから少し荒っぽく、何か抜けている様が正義感も強く強い闘志を持っている。鉄也は妹と共にサテライトを出る為に拾った廃品のD・ホイールを直してほしいと依頼してきた。俺の仲間が彼に助けてもらった為、手を貸しに来たのだが……

 

 

「悪かったな、遊星……この件はなしにしてくれないか?」

 

彼の妹、黒金望美はサテライトを出る事を拒否したのだった。

正確に言うとサテライトを出るのなら鉄也のみで彼女自身を置いていってほしいという意味だったのだ。

 

「いいのか……」

 

そして彼女はもう関わらないで欲しいと言ったのだ。

 

「ああ……すまない」

 

いきなりだから俺にもよく分からないが……彼女にも何か事情があるのだろうか?

それはまだマシも鉄也はそれなりにショックを受けたみたいだ。

 

「そうか、なら仕方ないな。まあ、帰ってほしいのなら帰ってもいいが……折角だ、お前のバイクを直してやるよ」

 

「え?まあ、いきなり帰ってもらうのも失礼だしな」

 

鉄也を連れて行った後、俺のD・ホイールが故障したのだ。どうやら一部が不良品だったらしい。幸い鉄也に協力する為に道具を持ってきた甲斐があった。だが、幾つか部品が必要だったので鉄也に取り寄せてもらうように頼んだ。

彼は「取ってくる」と言って去っていったから今は望美と一緒にいるというわけだ。

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

ようし、これで後は部品が必要だ。

鉄也がとってくると言ってたが大丈夫なのだろうか……

因みに鉄也が拾ったバイクを調べてみた結果、今ではあまり見られないが結構いい物だ。

モーメントが使われている今の時代ではあまり使われないガソリンを燃料とする機械だ。

少し興味が沸いてきた……

修理に協力して欲しいと依頼してきたから解体してもいいだろう。

 

「あの……水をどうぞ……」

 

鉄也の妹が水が入ったペットボトルを持ってきた。

 

「ああ、ありがとう」

 

俺はペットボトルを開けた。

 

「確か望美だったな?」

 

「は、はい……」

 

どうやらこの子は気が弱いみたいだな……ラリーより背が高いな。

 

「ふぅ……」

 

「あ、あの……」

 

「どうしたんだ?」

 

「すいません……折角来てもらったのに」

 

「いや、いいさ。それよりお前のお兄さんは大丈夫なのか?あんな事をして」

 

「大丈夫だと思います……いつもの事ですし……

 

「そうか」

 

「…さっきはどうしたんだ?」

 

「え……

 

「本当の兄ではないとかもう関わりたくないとか少し気になったが……」

 

「……」

 

「あ、話し辛い事なら話さなくてもいいが……」

 

「……」

 

 望美は辛そうな顔をした。

 

「あ、あの……少しだけ…付き合ってくれます?」

 

「……ああ、俺でよかったら」

 

 

 

 

 

 

どうも、黒金鉄也です。

小説のペースは遅いですが、皆さん俺の事を覚えていますか?

 

『いきなりメタいっすね……』

 

 いいじゃねえか、ペース遅いんだし。

 

『……それにしても危ない事やっちゃいましたね』

 

「何がだ?」

 

『さっきあそこでやってた事っすよ』

 

「煙玉投げて注意をそらしてカメラを壊して管理人を殴って気絶させ、部品を取って逃げた事か?余裕だろそんなの」

 

俺は両手に箱を持ち、ジャンクと喋りながら歩いていた。

箱の中には「とってきた」部品が入っている。

 

『「とってきた」……てゆうか「盗ってきた」っすよね』

 

「サテライトではよくある事だ」

 

『いや、滅茶苦茶危なかったっすよ!捕まったらマーカー押し付けられていたっすよ!』

 

「心配ねえよ、お前は知らないが俺は幾度の修羅場を潜り抜けてきたんだ、それとくらべればこんなの赤子から飴を取りあげると同じくらいだ」

 

『幾度の修羅場って、それ程の事をやってたんすか?』

 

「やってたぞ、リアルファイトとか宇宙人との決闘とか怪物退治とか戦争とか…」

 

『せ、戦争!?』

 

「とにかくこれくらいの事は朝飯前だという事だ」

 

『(普通、戦争まで言ったら気まずいのに……)』

 

「お、ベンチ発見」

 

 俺は休憩する事にした。

 ポケットからタバコを取り出し、一服した。

 

「ふぅ……」

 

『だからタバコは……』

 

「うるさいな、一服ぐらいさせろ」

 

『尚更駄目でしょ!未成年がタバコ吸うなんて!』

 

「大丈夫だ、俺は元々25歳だし」

 

『望美ちゃんが見たらどうするんすか!』

 

「何故俺が此処で吸っていると思う?」

 

『望美ちゃんが見たらイメージダウンっすね』

 

「そうだな」

 

ちなみに俺は特別だからこの程度でも大した影響にならないが、良い子は真似しちゃ駄目だよ。勿論、悪い子も真似しちゃ駄目だ。

 

 

「ふぅ…」

 

『望美ちゃん、断っちゃったすね…』

 

「ああ…」

 

『鉄也は残るんすか?』

 

「何言ってんだ、残るに決まっているだろ!サテライトから出たいが子供を置いていく程非情じゃねえよ、俺は」

 

『でも、望美ちゃんは自分から何も話さないし関わりたくないと言うし…』

 

「だから俺は彼女から打ち明けてくれるように努力するさ」

 

『鉄也って子供が好きなんすね』

 

「ああ」

 

言っておくが俺は単に子供が好きであってロリコンじゃないからな。

ロリコンは犯罪であって子供好きは正義だからな。

 

「さて、戻るか…」

 

 

 

 

 

「……」

 

「そうか…」

 

私は遊星さんに自分の事情を話した。

自分の事やお兄さんの事、昔から今まで私が知っている事全てを話した。

口下手だったからあまり上手く説明できなかったと思う……でもこの人は最後まで聞いてくれた。

しかし何でだろう、お兄さんには話せなかった事なのに初対面であるこの人には話せた。

この人は何だか安心する…

 

「やっぱり信じられませんよね、そんな話…」

 

「いや、信じよう…」

 

「え?」

 

「お前は真剣に語っていた。鉄也と接していた態度の時もそうだがお前の言葉に偽りを感じなかった。だから信じない理由はない」

 

「信じてくれてありがとうございます…」

 

「しかし信じられない事だな。お前の兄が殺され、そして別世界の同一人物も偶然同じ時間で死んでその魂が今の兄の肉体に移されたという事が…」

 

「……」

 

「本当なのか、お前が謎の男にまだ使命を果たすために生きなければならないと言われていたことは」

 

「はい、そう言われたんです。私も何なのか何のための使命なのか全く分かりませんけど」

 

「しかしそのユウトという者に突然自分さえ知らない事を言われるのも不自然だな。お前と絡んだ元々の兄が殺された理由もそれに繋がるのなら真実としか言い様がない」

 

「そう…ですね……」

 

「じゃあ、本題に入るが「今の鉄也」の事をどう思っているんだ?」

 

「い、今のお兄さんの事ですか!?」

 

「ああ、関わって欲しくないと願ったんだろう?」

 

「…今のお兄さんも私にとって大切な人です。でも彼がこの世界に来たのは私を守る為に転生されたんです」

 

「……」

 

「お兄さんは強くて優しくて勇気もあって漫画のヒーローみたいな人で……私にとって大切な人です。前のお兄さんと同じ目に遭ってほしくないんです。弱い私なんかと一緒にいるより自由になってほしいんです」

 

「そうか。つまりお前は鉄也を自分もわからない使命に巻き込まれてほしくないんだな」

 

「はい…」

 

「…お前は少し勘違いしている」

 

「え?」

 

「お前はまだ子供だ。自分が弱いと思うのも当然かもしれない。でもお前は鉄也と一緒に過ごしてきたんだろう?鉄也はお前を見捨てなかった、そしてお前も鉄也に付いて行った。その気持ちは何だったんだ?」

 

「それは…」

 

「だから本当は自分も変わりたいと思っているんじゃないのか?」

 

「…」

 

「今のお前には自信がないだけだ」

 

自信がない……か……

 

「まあ、子供は成長するものだ。今は弱くてもいい、頑張ればいいんだ」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

「フッ…」

 

「あの、この事は秘密にしてくれませんか……まだ打ち明けるには心の準備が出来なくて…」

 

「そうか。わかった、秘密にしよう」

 

何か少しほっとした……

 

「それでどうだ?やはり気持ちは変わらないか?」

 

「私は……お兄さんの本心が知りたいです」

 

「そうか……なら提案がある」

 

 

 

 

 

 

 

「望美~!帰ってきたぞ!」

 

「帰ってきた……」

 

「丁度いいな」

 

「遊星、お前の必要な部品持ってきたぞ、お前の期待に応えられかどうかは分からないが」

 

「おい、鉄也…」

 

「何だ?」

 

「デュエルしろよ」

 

「何で!?」

 

「望美~!帰ってきたぞ!」

 

本当に何で?

帰ってきた途端、遊星が俺にデュエルしろよと言ってきた。

確かにこの世界ではデュエルは戦いとコミュニケーションを混ぜた文科系ゲームだけど何で!?

 

「お前に望美とデュエルしてほしいんだ」

 

なんだお前じゃなくて望美か…

 

「別にいいが何で急に?」

 

「彼女がお前の本心を知りたい。」

 

「………」

 

 なるほどそういうパターンか

 

『いや、それ言っちゃだめでしょ!』

 

 どうやら俺は妹と、いや妹じゃないけどデュエルする事になったらしい。

 

「だがデュエルディスクは1つしかないぞ、俺達共有してるだけだし。机でやるか?」

 

「デュエルディスクなら俺のを貸してやる。ほら、望美」

 

遊星は自分のディスクを望美に貸した。

 

「じゃあ、いいが」

 

そして…

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

 

鉄也 LP4000

 VS

望美 LP4000

 

 

「私のターン。私は《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚します」

 

 

マシンナーズ・ギアフレーム

☆4

ATK/1800

 

 

「望美のデッキは【マシンナーズ】か……いいデッキだ」

 

まあ、それは現環境で使われるマシンナーズの話だろうがな。

望美のマシンナーズデッキは普通のとは違う。

因みに彼女のデッキは父親のお下がりらしい。

 

「《マシンナーズ・ギアフレーム》の効果を発動。このモンスターが召喚に成功した時、デッキからマシンナーズと名の付いたモンスター1体を手札に加えます。私はデッキからマシンナーズ・カノンを手札に加えます」

 

マシンナーズ・カノンを加えたか……という事は手札にトレード・インがあるな。

 

「そして手札の《マシンナーズ・カノン》を捨てて《トレード・イン》を発動。カードを2枚ドローします」

 

やはりな。

 

「私は永続魔法、《機甲部隊の最前線》を発動!」

 

「カードを1枚セットし、ターンエンド」

 

 

望美/LP4000

手札4枚

【モンスター】

マシンナーズ・ギアフレーム:ATK/1800

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

リバースx1

 

 

ギアフレームを攻撃したらモンスターを特殊召喚して来るか……かと言ってギアフレームを倒さないとユニオンされて更に面倒な事になるな……

 

「俺のターン。俺は《ゴブリン突撃部隊》を召喚する」

 

頼んだぞ、俺の最強の下級アタッカー!

 

 

ゴブリン突撃部隊

☆4

ATK/2300

 

 

「バトルだ、《ゴブリン突撃部隊》で《マシンナーズ・ギアフレーム》を攻撃!」

 

 

望美 LP4000→3500

 

 

「《機甲部隊の最前線》の効果を発動。自分の機械族モンスターが戦闘によって破壊され墓地へ送られた場合、デッキから同じ属性で破壊されたモンスターより攻撃力の低い機械族モンスターを特殊召喚できます。私はデッキから《マシンナーズ・ソルジャー》を特殊召喚します」

 

 

マシンナーズ・ソルジャー

☆4

ATK/1600

 

 

「《ゴブリン突撃部隊》はバトルフェイズ終了時に守備表示に変更する」

 

 

ゴブリン突撃部隊

☆4

ATK/2300→DEF/0

 

 

正直、突撃部隊を抜いて守備力がより高いエリート部隊にしようかな……とはいえ突撃部隊なら俺も持ってる増援と戦士の生還に対応するし……

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP4000

手札4枚

【モンスター】

ゴブリン突撃部隊:DEF/0

【魔法・罠】

リバースx1

 

 

「私のターン。私は《マシンナーズ・スナイパー》を召喚します」

 

 

マシンナーズ・スナイパー

☆4

ATK/1800

 

 

「バトル……《マシンナーズ・ソルジャー》で《ゴブリン突撃部隊》を攻撃」

 

「俺は《重力解除》を発動!フィールド上の表側表示モンスターの表示形式を全て変更する!」

 

 

ゴブリン突撃部隊

☆4

ATK/2300

 

 

マシンナーズ・ソルジャー

☆4

DEF/1500

 

 

マシンナーズ・スナイパー

☆4

DEF/800

 

 

「なるほど、《ゴブリン突撃部隊》のデメリットから回復するカードが伏せてあったのか」

 

「私はこれでターンエンドです」

 

 

望美/LP4000

手札4枚

【モンスター】

マシンナーズ・ソルジャー:DEF/1500

マシンナーズ・スナイパー:DEF/800

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

リバース×1

 

 

「俺のターン。俺は《切り込み隊長》を召喚する」

 

 

切り込み隊長

☆3

ATK/1200

 

 

「《切り込み隊長》の効果を発動!このモンスターが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる。俺は手札から《ジャンク・シンクロン》を特殊召喚する!」

 

 

ジャンク・シンクロン

☆3

ATK/1300

 

 

確か《マシンナーズ・スナイパー》が存在している限り他のマシンナーズを攻撃できないんだったな……

 

「バトルだ、《切り込み隊長》で《マシンナーズ・スナイパー》を攻撃」

 

「私は《マシンナーズ・スナイパー》が破壊された事により、《機甲部隊の最前線》の効果を発動。デッキから《マシンナーズ・ピースキーパー》を特殊召喚します」

 

 

マシンナーズ・ピースキーパー

☆2

DEF/400

 

 

「俺は《ゴブリン突撃部隊》で《マシンナーズ・ソルジャー》を攻撃だ!」

 

「…《機甲部隊の最前線》の効果は1ターンに1度のみなので効果は発動しません」

 

「俺は《ジャンク・シンクロン》でマシンナーズ・ピースキーパーを攻撃!スクラップ・フィスト!!」

 

「《マシンナーズ・ピースキーパー》の効果でデッキから《マシンナーズ・ギアフレーム》を手札に加えます…」

 

モンスターを排除したとはいえ望美の方が断然有利だな…

 

「俺はメインフェイズ2に入り、レベル4、《ゴブリン突撃部隊》にレベル3、《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

 

☆4+☆3=☆7

 

 

「シンクロ召喚!《X-セイバーウルベルム》!」

 

剣を2本背中に背負い髑髏の被り物をしている剣士が現れた。

 

 

X-セイバーウルベルム

☆7

ATK/2200

 

 

言っておくがこいつはスターターに入ってたカードでエクストラに余裕があったから入れているだけだ。

 

「俺はこれでターンエンドだ。」

 

 

 

鉄也/LP4000

手札3枚

【モンスター】

X-セイバーウルベルム:ATK/2200

切り込み隊長:ATK/1200

【魔法・罠】

---

 

 

ああ!このカードをセットするの忘れてた!

 

「私のターン。私は《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚します」

 

 

マシンナーズ・ギアフレーム

☆4

ATK/1800

 

 

「《マシンナーズ・ギアフレーム》の効果を発動。デッキから《マシンナーズ・ディフェンダー》を手札に加えます。そして手札の《マシンナーズ・ディフェンダー》と《マシンナーズ・フォートレス》を墓地へ送り、墓地から《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚します」

 

来たか…と言っても本来のマシンナーズならもっと早く召喚できたがな。

 

 

マシンナーズ・フォートレス

☆7

ATK/2500

 

 

「《マシンナーズ・フォートレス》、機械族の中で最も厄介なモンスターだな」

 

遊星に激しく同意。

モンスターとの対峙に最も特化したカードだな。

 

「バトル。《マシンナーズ・ギアフレーム》で《切り込み隊長》を攻撃!」

 

 

鉄也 LP4000→3400

 

 

「そして《マシンナーズ・フォートレス》でウルベルムを攻撃!フォートレス・キャノン!」

 

「くっ…」

 

フォートレスのビームがウルベルムを消滅させた。

 

 

鉄也 LP3400→3100

 

 

「私はカードを1枚伏せ、ターンエンドです」

 

 

望美/LP3500

手札4枚

【モンスター】

マシンナーズ・フォートレス:ATK/2500

マシンナーズ・ギアフレーム:ATK/1800

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

リバース×2

 

 

ギアフレームを装備していないという事はフォートレスの破壊された時の保険を狙っているな……

後、フォートレスが破壊された時に《機甲部隊の最前線》の効果もあるし。

 

「俺のターン!俺はモンスターをセットする。更に永続魔法、《強欲なカケラ》を発動。更に1枚セットし、ターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP3100

手札1枚

【モンスター】

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

強欲なカケラ(カウンター:0)

リバースx1

 

 

「私のターン。私はこのままバトルに入ります。《マシンナーズ・フォートレス》で裏守備表示モンスターを攻撃!キャタピラー・クラッシュ!」

 

《マシンナーズ・フォートレス》は俺のモンスターに向かって突進してきた。

その瞬間を待っていた!

 

「罠発動!《次元幽閉》!」

 

「あぁっ!!(除外じゃ私の《ゲットライド!》で対処できない!)」

 

「これで《マシンナーズ・フォートレス》を除外する」

 

《マシンナーズ・フォートレス》の前に次元の裂け目が現れ吸い込んだ。

このカード、結構強力なんだよな、スターダストでも対処できないし。

もっとも、攻撃反応型であるゆえにメインフェイズで除去されたりし易いから完全に使用率が高いとは言えないけどな。

てゆうかウルベルム召喚したターンにセットするべきだったな。

とりあえずその反応だと2枚目のフォートレスをまだ召喚できないようだな。

 

「私は《マシンナーズ・ギアフレーム》でセットされたモンスターを攻撃!」

 

「セットされたモンスターは《ザ・カリキュレーター》だ」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

DEF/0

 

 

「私はこれでターンエンド」

 

 

望美/LP3500

手札4枚

【モンスター】

マシンナーズ・ギアフレーム:ATK/1800

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

リバース×2

 

 

「俺のターン。ドロー!」

 

このカードか……手札のこいつをそのまま出してもギアフレームを倒せるがこのカードとあわせて更なる攻撃力を狙うか。

 

「このドローフェイズにより、強欲カウンターが乗る。」

 

 

強欲なカケラ:強欲カウンター 0→1

 

 

「俺はカードを1枚セットする。ターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP3100

手札1枚

【モンスター】

---

【魔法・罠】

強欲なカケラ(カウンター:1)

リバースx1

 

 

「私のターン。そのままバトル!《マシンナーズ・ギアフレーム》でお兄さんにダイレクトアタック!」

 

ギアフレームが突進してきた

 

「そうはさせねえ!罠発動、《ヒーロー見参》!!」

 

「あれは…!」

 

「このカードの発動により、お前は俺の手札を1枚選択する。選択したカードがモンスターだった場合、そいつを手札から特殊召喚する。違っていた場合は墓地へ送る。だが……」

 

「お兄さんの手札は1枚……」

 

「当然、モンスターカードだ。来い、《神獣王バルバロス》(金)!!」

 

『グアアアアアァ!!』

 

 

神獣王バルバロス(金)

☆8

ATK/3000

 

 

下半身がライオン、上半身がライオンの頭に人間の体をした猛獣が現れる。

 

「神獣王バルバロスか、あれは面白い効果を持つモンスターだ」

 

確かに使い道が色々あるから面白いな。

基本的にスキドレバルバが殆どでもう1つの効果はおまけだろうけど。

因みにこのバルバロスは特別に金色のオーラを放っている。

ゴールドレアだからだろうか。

 

「巻き戻しが入ったので私は攻撃を中止します」

 

そうだ、そうせざるを得まい。

 

「そしてモンスターをセット。ターンエンド」

 

 

望美/LP3500

手札4枚

【モンスター】

マシンナーズ・ギアフレーム:ATK/1800

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

リバース×2

 

 

「俺のターン!このドローフェイズにより、《強欲なカケラ》に強欲カウンターが乗る!」

 

 

強欲なカケラ:強欲カウンター 1→2

 

 

「そしてカウンターが2つ乗った《強欲なカケラ》を墓地へ送り、効果を発動!カードを2枚ドローする!」

 

「バトルだ、《神獣王バルバロス》で《マシンナーズ・ギアフレーム》を攻撃!トルネード・シェイパー!」

 

バルバロスは槍でギアフレームを貫いた。

 

 

望美 LP3500→2300

 

 

「うっ…私は《機甲部隊の最前線》の効果を発動します。デッキから《督戦官コヴィントン》を特殊召喚します」

 

 

督戦官コヴィントン

☆4

DEF/600

 

 

さて、俺の場に攻撃力3000ものモンスターがいるが、この手札じゃな……

高攻撃力モンスターのみに身を任せるのは場持ちが悪い。

そして何より手札のアドバンテージで負けている。

使える内に使っておくか。

 

「俺はメインフェイズ2に入り、バルバロスをリリースし、《アドバンスドロー》を発動。カードを2枚ドローする」

 

悪いなバルバロス、このままじゃ不利なので踏み台になってもらおう。

フム…

 

「俺はカードを2枚セットし、モンスターをセット。ターンエンドだ!」

 

 

鉄也/LP3100

手札1枚

【モンスター】

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

リバースx2

 

 

「私のターン!私は《至高の木の実》を発動!相手よりライフが少ない場合、ライフを2000回復します!」

 

 

望美 LP2300→4300

 

 

「ライフを回復してきたか……」

 

「そして私はモンスターを反転召喚します!」

 

 

ギアギアーノ

☆3

ATK/500

 

 

「《ギアギアーノ》と《コヴィントン》か……来るな」

 

「私は魔法カード、《機械複製術》を発動!《ギアギアーノ》を選択し、デッキから同名モンスターを2体特殊召喚します!」

 

 

ギアギアーノx2

☆3

ATK/500

 

 

「ギアギアーノはリリースする事で墓地のレベル4の機械族モンスターを蘇生させるモンスター…彼女の墓地にはマシンナーズしかいない。まさか!」

 

「ああ、そのまさかだ」

 

「《ギアギアーノ》の効果を発動!このモンスターをリリースし、墓地からレベル4以下の機械族モンスターを特殊召喚します!蘇って、《マシンナーズ・スナイパー》、《マシンナーズ・ソルジャー》、《マシンナーズ・ディフェンダー》!!」

 

ギアギアーノが分解し、3体のロボットへと再構築した。

 

 

マシンナーズ・ソルジャー

☆4

DEF/1600

 

 

マシンナーズ・スナイパー

☆4

DEF/600

 

 

マシンナーズ・ディフェンダー

☆4

DEF/1800

 

 

「確かに全部墓地へ行ってたな……あれだと本当に召喚できるな」

 

「そしてコヴィントンの効果を発動!集結、マシンナーズ合体!」

 

『ピピーーッ!Defender Unit, Ready! Sniper Unit, Ready! Soldier Unit, Ready! All Machina Units Combine!!』

 

《督戦官コヴィントン》がホイッスルを鳴らし、3体のロボットが集まり始めた。

3体のマシンナーズモンスターが分裂し、1体の巨大ロボットとなった。

 

「《マシンナーズ・フォース》、GO!!」

 

 

マシンナーズ・フォース

☆10

ATK/4600

 

 

「来たか……」

 

 

マシンナーズ・フォース

☆10

ATK/4600

 

 

「マシンナーズ・フォースだと!?あれは最高クラスの攻撃力を持っているが召喚条件が厳しいモンスター……まさかそのモンスターを召喚するとは……」

 

遊星も驚いているようだ。俺も最初に見た時は同じ感想だったな。

本来ならフォートレスの召喚コストとしか扱われないモンスターだろう…

読者はオリカなしで召喚に成功した彼女を褒めてあげるべきだ。

 

「(ドキドキ……)」

 

「フッ……」

 

それにしてもフォースを召喚した時の望美の表情…彼女はこのモンスターを召喚するたびに心が躍る。

俺にもあったな、子供の頃に毎週オープニングに手に汗握り、ヒーローの活躍に興奮を抑えられない感覚が…そう、それがいい。

こういった喜びが良い!

 

「それにしても良いモンスターだな……」

 

「そ、そう思います!?」

 

今の遊星の言葉に望美が反応した。

どうやら《マシンナーズ・フォース》を褒めてくれたのを嬉しがっている様だ。

 

「私は《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚します!」

 

最後のギアフレームが来たか……

 

 

マシンナーズ・ギアフレーム

☆4

ATK/1800

 

 

「ギアフレームの効果でデッキからフォートレスを加える!そして《ギアフレーム》を《フォース》に装備します!」

 

装備はともかく2枚目のフォートレスが来たか……

 

「そして私は手札の《コヴィントン》と《マシンナーズ・フォートレス》を墓地へ送り、墓地からマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚します!」

 

 

マシンナーズ・フォートレス

☆7

ATK/2500

 

 

「これはきつい……」

 

「バトル!マシンナーズ・フォートレスで裏守備表示モンスターを攻撃!キャタピラー・クラッシュ!」

 

マシンナーズ・フォートレスは俺のセットしたモンスターへ向かって突進した。

 

「俺のモンスターは…翻弄する《エルフの剣士》だ」

 

 

ロードランナー

☆1

DEF/300

 

 

「《ロードランナー》の効果により、攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘によって破壊されない。コヴィントンなら倒せたもの、今は守備表示だ。このターンは凌いだな」

 

「私はカードを1枚セットし、ターンエンドです」

 

 

望美/LP4300

手札0枚

【モンスター】

マシンナーズ・フォース:ATK/4600

マシンナーズ・フォートレス:ATK/2500

督戦官コヴィントン:DEF/600

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

マシンナーズ・ギアフレーム(マシンナーズ・フォースに装備)

リバースx2

 

 

「どうやら望美のデッキはマシンナーズとしてのコンセプトを活かしたデッキの様だな。見かけによらず面白いデッキを使うじゃないか」

 

「そ、それは…」

 

「ああ見えて望美はこういうロボットが好きなんだよ」

 

「…///」

 

望美は少し顔を赤らめた。

 

「だがそのデッキコンセプトを上手く使いこなせている。良い腕をしているな」

 

「…あ、ありがとうございます!」

 

「(だが合体した事が仇となったな。最も、合体しなければフォートレスを召喚するスペースがなかったか。結果的にセットしたモンスターが《ロードランナー》を予想できなかっただけで本来ならこのターンで勝てたかもしれなかったか。幸い最初にフォースで《エルフの剣士》を攻撃しなかったのが救いか)」

 

望美も甘いな。

フォースを召喚せずに3体で殴れば勝てたというのに…と言っても今の俺は結構不利なんだがんs。

 

「俺のターン!ドロー!(ネクロ・ガードナー)」

 

ネクロ・ガードナーをセットすれば攻撃を2回防げるだろう……

だがそれをやっても場凌ぎにしかならない。

だったら勝負に出るか!

 

「俺は《闇の誘惑》を発動!カードを2枚ドローし、手札の闇属性モンスター、《ネクロ・ガードナー》を除外する!」

 

てゆうかさっきからドローソースでは俺が勝ってるのにこの状況をどうにもできないってどんだけ絶望的なんだ、俺のデッキ…まあドローしてから考えるか。

よし、これなら望美のモンスターを排除できる。

 

「俺は《ブラック・ホール》を発動!これでフィールド上のモンスターを全て破壊する!」

 

フィールド場に宇宙空間で極めて強い重力を持つ天体、ブラック・ホールが出現した。

いわずと知れたそのあまりの強さ故に長い間禁止カードとなったブラック・ホール!

まさか復帰するとは思わなかったな。

ユニオンを装備しているフォースは倒せないもの、他のモンスターは全滅だ!

 

「私はブラック・ホールにチェーンしてゲットライド!を発動!墓地のユニオンモンスター、《マシンナーズ・ピースキーパー》を《マシンナーズ・フォートレス》に装備します!」

 

「何!?」

 

《マシンナーズ・ピースキーパー》が現れ、《フォートレス》を守る盾となった。

そして《ピースキーパー》と《ギアフレーム》が身代わりとなり、《エルフの剣士》と《コヴィントン》がブラック・ホールに吸い込まれた。

 

「《マシンナーズ・ピースキーパー》が破壊された事により、デッキからユニオンモンスター、《マシンナーズ・ピースキーパー》を手札に加えます!」

 

「《フォース》はともかく《フォートレス》まで生かしてしまうとは……」

 

参ったな……

 

鉄也の手札

 

カタパルト・タートル

光の護封剣

 

そういや望美は神の宣告入れてなかったな……《ゲットライド》ぐらい予想しておくべきだった、判断を劣った俺のミスだな。

おまけに自分が使った《ブラック・ホール》で壁となる《翻弄するエルフの剣士》を破壊してしまった……

 

「俺は魔法カード、《光の護封剣》を発動!このカードは相手の3ターンの間フィールドに残り、このカードが存在する限り相手モンスターは攻撃を行えない」

 

このカードって元々制限だったんだよな……環境が変わるって恐ろしい。

 

「ターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP3100

手札1枚

【モンスター】

---

【魔法・罠】

光の護封剣(残り3ターン)

リバースx2

 

 

「私のターン!私は《マシンナーズ・ピースキーパー》を召喚します!」

 

 

マシンナーズ・ピースキーパー

☆2

ATK/500

 

 

「私は《ピースキーパー》を《フォース》に装備します!」

 

フォースの守りを固めてきたか…

 

「ターンエンド!」

 

 

望美/LP4300

手札1枚

【モンスター】

マシンナーズ・フォース:ATK/4600

マシンナーズ・フォートレス:ATK/2500

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

マシンナーズ・ピースキーパー(マシンナーズ・フォースに装備)

リバースx1

【状況】

光の護封剣(残り3ターン)

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

 

 

ザ・カリキュレーター

 

 

オー・マイ・ガーッド!!(略:オーマイゴッド)

まあ、あるよなそういう時も。

 

「モンスターをセットし、ターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP3100

手札1枚

【モンスター】

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

光の護封剣(残り2ターン)

リバースx2

 

 

「私のターン!ターンエンド」

 

 

望美/LP4300

手札2枚

【モンスター】

マシンナーズ・フォース:ATK/4600

マシンナーズ・フォートレス:ATK/2500

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

マシンナーズ・ピースキーパー(マシンナーズ・フォースに装備)

リバースx1

【状況】

光の護封剣(残り2ターン)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

 

ダークヒーロー・ゾンパイア

 

 

オー・マイ・ガーッド、アゲーン!!(略:再びオーマイゴッド)

何でこいつ入れてんだっけ!?

 

「ターンエンド!」

 

 

鉄也/LP3100

手札2枚

【モンスター】

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

光の護封剣(残り2ターン)

リバースx2

 

 

「私のターン!私はモンスターをセットしてターンエンド!」

 

読者さん、光の護封剣のせいで展開がグダグダですいません。

 

 

望美/LP4300

手札2枚

【モンスター】

マシンナーズ・フォース:ATK/4600

マシンナーズ・フォートレス:ATK/2500

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

マシンナーズ・ピースキーパー(マシンナーズ・フォースに装備)

リバースx1

【状況】

光の護封剣(残り1ターン)

 

 

「光の護封剣は墓地へ送られる…俺のターン!ドロー!」

 

《地割れ》を引いた…今度こそ成功してくれ!!

 

「俺は《地割れ》を発動!《地割れ》の効果は説明するまでもないだろう。これで攻撃力が1番低い《フォートレス》を破壊だ!」

 

「《マシンナーズ・フォートレス》が……」

 

《フォートレス》が立っていた下の地面が割れ、引きずり込まれた。

地砕きじゃなくて地割れで助かった……地砕きだったらどっちも倒せないからな……

 

「通ったか……ターンエンドだ」

 

 

鉄也/LP3100

手札2枚

【モンスター】

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

リバースx2

 

 

「私のターン!私は装備魔法、《メテオ・ストライク》を発動!このカードを《マシンナーズ・フォース》に装備します!」

 

ここで貫通かよ…

まずい、俺のモンスターは守備力0だぞ…

 

「バトル!ライフを1000払い、《マシンナーズ・フォース》で攻撃!マシンナーズ・フルアームズ・バースト!!」

 

『Snipers, ready! Missiles, ready! Cannons ready! Fire it all!!』

 

マシンナーズ・フォースの様々な銃口から沢山発射してきた。

 

 

望美 LP4300→3300

 

 

これをくらったら負けるな……何かこの状況を覆う策でも無いか!?

何でもいい……何か奇策を……………奇策!?

 

「俺は手札の《ダークヒーロー・ゾンパイア》を捨て、罠カード《奇策》を発動!」

 

「えっ?」

 

「《奇策》か…手札のモンスターをコストにその攻撃力分ダウンさせるカードか」

 

「この効果で《マシンナーズ・フォース》の攻撃力を《ダークヒーロー・ゾンパイア》の攻撃力分ダウンさせる!」

 

奇策を求めていたら既に伏せてあったぜ!

モンスターをセットをしなかったのが正解だったか!

 

 

マシンナーズ・フォース

☆10

ATK/4600→2500

 

 

「でもダメージは通る!」

 

 

ザ・カリキュレーター

☆2

DEF/0

 

 

 カリキュレーターが破壊され大爆発が起こった。

 

「くっ…」

 

 

鉄也 LP3100→600

 

 

奇策があって助かった……

でも所詮、その場凌ぎに過ぎないな……

因みに《サンダー・ブレイク》使えよと言う輩が出るかもしれないから言っておくがあのカードは窃盗された。

 

「私はこれでターンエンド!」

 

 

望美/LP3300

手札2枚

【モンスター】

マシンナーズ・フォース:ATK/2500

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

メテオ・ストライク(マシンナーズ・フォースに装備)

機甲部隊の最前線

マシンナーズ・ピースキーパー(マシンナーズ・フォースに装備)

リバースx1

 

 

「俺のターン……」

 

俺の手札はカタパルト・タートルのみ……このドローに全てがかかっている。

 

「ドロー!!」

 

引いたカードは…

 

「俺は《貪欲な壺》を発動!俺は墓地のモンスターを5枚デッキに戻し、カードを2枚ドローする!俺は《X-セイバー ウルベルム》、《切り込み隊長》、《翻弄するエルフの剣士》、《ジャンク・シンクロン》、そして《ゴブリン突撃部隊》を戻し、カードを2枚ドローする!」

 

来い…よし!

 

「来た!!俺は魔法カード、《死者蘇生》を発動!この効果で墓地のモンスターを特殊召喚する!蘇れ、《バルバロス》!」

 

『グアアアアアァ!!』

 

 

神獣王バルバロス(金)

☆8

ATK/3000

 

 

「バトルだ!《バルバロス》で《マシンナーズ・フォース》を攻撃!トルネード・シェイパー」

 

「罠カード、《聖なるバリア-ミラーフォース-を発動》!これでお兄さんの《バルバロス》を破壊します!」

 

「この状況でミラフォだと!?冗談きついぜ、チェーン発動!《トラップ・スタン》!このターンの間罠カードの効果を無効にする!」

 

望美のフィールドにバリアが現れたが一瞬で砕け散った。

そしてバルバロスの槍がフォースに一撃を与えた。

 

 

望美 LP3300→2800

 

 

「うっ……でも《マシンナーズ・フォース》が破壊される場合、代わりに《ピースキーパー》が身代わりになります!」

 

《マシンナーズ・フォース》は体の一部が損傷したが無事助かった。

 

「私は《マシンナーズ・ピースキーパー》の効果によってデッキから《オイルメン》を手札に加えます!」

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

鉄也/LP600

手札1枚

【モンスター】

神獣王バルバロス:ATK/3000

【魔法・罠】

リバースx1

 

 

「私のターン!私は《シュレツダー》を召喚します!」

 

頭に穴が開いた四角いロボットが現れた。

 

「シュレツダーの効果を発動!手札から機械族モンスターを墓地へ送ってそのモンスターのレベル以下の相手モンスター1体を破壊します!私はレベル8の《マシンナーズ・カノン》を墓地へ送って《バルバロス》を破壊します!」

 

『ギュアアアアアァ!!』

 

《バルバロス》は《シュレツダー》の穴に吸い込まれた。

 

「《バルバロス》が破壊されたか……」

 

「バトルです!《シュレツダー》でダイレクトアタック!」

 

「その攻撃宣言時に罠発動!《リビングデッドの呼び声》!この効果で《バルバロス》を蘇生させる!」

 

 

神獣王バルバロス(金)

☆8

ATK/3000

 

 

「折角倒した《バルバロス》が復活した!」

 

「危なかった……」

 

「私は巻き戻しに入って攻撃を中止します。そしてメインフェイズ2に入り、《マシンナーズ・フォース》を墓地へ送ります!この効果によって墓地から《マシンナーズ・スナイパー》、《ディフェンダー》、《ソルジャー》を1体ずつ特殊召喚します!」

 

マシンナーズ・フォースが分離し、3体のロボットに戻った。

 

 

マシンナーズ・ソルジャー

☆4

DEF/1600

 

 

マシンナーズ・スナイパー

☆4

DEF/600

 

 

マシンナーズ・ディフェンダー

☆4

DEF/1800

 

 

「守備に入ったか……」

 

ようし、今度は流れが俺の方に入った…

 

「私はカードを1枚セットしてターンエンドです!」

 

 

望美/LP2800

手札1枚(オイルメン)

【モンスター】

シュレツダー:ATK/1600

マシンナーズ・ソルジャー:DEF/1600

マシンナーズ・スナイパー:DEF/600

マシンナーズ・ディフェンダー:DEF/1800

裏守備表示モンスター1体

【魔法・罠】

機甲部隊の最前線

リバースx1

 

 

「俺のターン!」

 

お、丁度良いのきた。

 

「このままバトルフェイズだ!俺は《バルバロス》で《シュレツダー》を攻撃!トルネード・シェイパー!」

 

 

 望美 LP2800→1400

 

 

「最前線の効果で《スクラップ・リサイクラー》を特殊召喚します……」

 

 

スクラップ・リサイクラー

☆3

DEF/1200

 

 

「《スクラップ・リサイクラー》の効果を発動。デッキから機械族モンスター、《マシンナーズ・ディフェンダー》を墓地へ送ります」

 

《スクラップ・リサイクラー》…次のターンにドローを狙う気か。

だがそうはさせない!

 

「俺はメインフェイズ2に入り手札のカタパルト・タートルを捨て、ライトニング・ボルテックスを発動!相手フィールド上の表側表示のモンスターを全て破壊する!」

 

ブラック・ホールほどの破壊力じゃないがこの状況ではかなり役に立つ!

巨大な落雷が落ち、望美の表側表示のロボット達を一掃した。

 

「モンスターが……」

 

 さて…これで望美のフィールドにはライボルで破壊できなかった裏守備表示モンスター1体のみ…

 

「ターンエンドだ!」

 

 

鉄也/LP600

手札0枚

【モンスター】

神獣王バルバロス(ATK/3000)

【魔法・罠】

リビングデッドの呼び声(神獣王バルバロスを対象)

 

 

「私のターン!私はカードをセット!そしてモンスターを反転召喚します!」

 

 

メタモルポット

☆2

ATK/600

 

 

「《メタモルポット》…手札が増えるのはいいが今は相手のターンか。俺は手札がないからそのままドローするぜ」

 

「私は手札を捨ててドローします」

 

「そして私はセットしていた《貪欲な壺》を発動します!」

 

「メタポだけじゃなく貪欲だと!?」

 

 ただでさえ多い手札が更に増えるな……

 

「墓地の《スクラップ・リサイクラー》、《マシンナーズ・フォース》、《マシンナーズ・カノン》、《マシンナーズ・ギアフレーム》2枚をデッキに戻してカードを2枚ドローします!」

 

 こりゃあまた劣勢になるな……

 

「(お兄さんのバルバロスを倒すにはやっぱりあのカードしかない……)ドロー!」

 

 何が来る…

 

「私は《リミット・リバース》を発動!墓地から攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚します!私が召喚するのは《ギアギアーノ》!!」

 

 

ギアギアーノ

☆3

ATK/500

 

 

「そして《ギアギアーノ》の特殊召喚が成功した時に《地獄の暴走召喚》を発動します!」

 

「この効果でギアギアーノを3体特殊召喚します!」

 

 

 ギアギアーノx2

 ☆3

 ATK/500

 

 

「ギアギアーノを3体…まさか彼女の狙いは!!」

 

「くっ、俺のモンスターは《バルバロス》のみだが1枚しか持ってない」

 

「そして私は《死者蘇生》を発動!この効果で墓地に存在する《コヴィントン》を蘇生します!」

 

 

督戦官コヴィントン

☆4

DEF/600

 

 

「私は《督戦官コヴィントン》の効果を発動!集結、マシンナーズ合体!」

 

『ピピーッ!All Machina Units, combine!!』

 

3体のロボットが再び合体した。

 

「再起動せよ、マシンナーズ・フォース!!」

 

 

マシンナーズ・フォース

☆10

ATK/4600

 

 

「まさかマシンナーズ・フォース2回も召喚するとはな……」

 

遊星はマシンナーズ・フォースの2度目の召喚に驚いているみたいだ。

まあ、ロマンモンスターだし2体目出せるなんて滅多にない。

 

「お前が思うほど珍しくない……望美は最大2回召喚出来る事もある」

 

「それは本当か?凄いな…」

 

正直、初見の時は驚いた。

 

「私は永続魔法、マシン・デベロッパーを発動!」

 

「この効果により機械族モンスターの攻撃力を200ポイントアップします!」

 

 

マシンナーズ・フォース

☆10

ATK/4600→4800

 

 

「今の鉄也には魔法も罠もない……墓地に攻撃を止められるカードもない……この攻撃は絶対に防ぐ事ができない!」

 

「バトル!《マシンナーズ・フォース》で《神獣王バルバロス》を攻撃!マシンナーズ・フルアームズ・バースト!!」

 

 

望美 LP1400→400

 

 

「くっ……」

 

俺の場にはバルバロスのみ、攻撃から身を守るためのカードがない……

マシンナーズ・フォースが放った大量のミサイルやビームがバルバロスを襲う。

そして大爆発が起こった……

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued.........




 次回予告


 望美の猛攻に押されていく鉄也……だが鉄也も徐々に流れを押し返していく!!
 そして……鉄也の猛攻が始まる!


鉄也「やられてばかりなのは性に合わないからな……反撃開始だ!」

望美「お兄さん……」

鉄也「お前に向き合う為にもぶつかってやるぜ!」



 次回、「追い詰められた時は格好良く逆転したい」



鉄也「これが俺の……全力だ!!」






【解説】
鉄也のデッキは基本的にビートダウンです。
ジャンク・ウォリアーを切り札にしたコンボを披露していましたが、実はチューナーが非常に少ない為シンクロ召喚のギミックはジャンク・シンクロンに依存しておりそこまでありません。
基本的にスターターデッキに自分の持っているカードで改良させたデッキです。
鉄也は現実ではデュエルをそこまでやってませんのでガチデッキは作ってません。
彼のシンクロモンスターも殆ど安価で手に入る物を使っています。
現実では勿論事故になります(笑)


望美のデッキは【マシンナーズ】です。
【マシンガジェ】じゃなく【マシンギア】でもなく【マシンナーズ】です。
普通に現環境で使われるマシンナーズのデッキ構築は他の小説でも使われるのが多い為、個性的にマシンナーズのコンセプトを選びました。
後、【マシンナーズ】にした理由は第2話でも使われたハネクリボーのバーサーカークラッシュで高い攻撃力を出したいという理由でもあります。


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