Evolve!! (プラハ市民)
しおりを挟む
Evolve StageⅠ
暇つぶし程度にどうぞ。
主人公はStage3の状態からです(つまり最初からクライマックス)
―――――――――――ザザッ
風に煽られ棚引く木の枝の葉は、大きく音を立てて自身を強調する。
周りには木々が生い茂って、巨大な
地面を覆いつくす深緑色の草と奇妙な事に発光している苔は、ジャングルのようにツタが壁沿いに垂れ、人類が未だに立ち入ったことのない未開の土地を思わせる、幻想的な自然の雰囲気を見事に醸し出していた。
本来はこの世界の食物連鎖の頂上には、現在ガストレアウイルスに感染し遺伝子を書き換えられた存在が頂点に君臨しているにも関わらず、この渓流には豊富な数の生物が生息していた。
二足歩行を行う小型の恐竜のような生物を始めとした、見た目がカモノハシのような中型の生物や、獲物に向かって駆け出した背中に棘のある豹のような生物を飲み込んでしまった、近くの岩に擬態していた巨大なカエルなど特徴的な面子だ。
それでいて素晴らしいのは、この渓流では生息している生物がガストレアではなく、元来ここにいた生物が自然の摂理や循環を乱すことなく生命の営みをしているということだ。
無論この渓谷にも自然の循環の一環としての、食物連鎖と言う物は存在している。
一概にどういう食物連鎖のピラミッドが形成されているかは定かではないが、恐らく
「グルルルッッッ・・・・」
四足歩行の人間の何倍もあるような巨体を屈め、大型の草食獣はシダ植物を咀嚼する。
詳しくは分からないが、彼はこの渓流に生息する草食獣の中でもずば抜けて大きな体を有していると思われる。
彼自身の根は臆病で、他の生物を襲うような事はしないが自身より巨大な存在や何故か人間に対しては積極的に攻撃を仕掛ける変わり者である。
いくら肉食獣と言えども、その巨体から繰り出される攻撃を受ければ一たまりもないはずである。
――――――――――――最も此奴が自身を狙う
「シャアアアアァァァァァァァァァァ!!!」
突如草食獣の真後ろから、一言で表すと某映画のエイリアンのような容姿の巨大な生物が突如として現れ、コンマ数秒で
草食獣は始め数秒は抵抗して見せたものの、最終的には辛うじて動いていた前足の動きすら止まり、完全に屍と化した。
「グオオオオォォォ・・・・」
最後に彼が出した声は、空しさを残しながらその場に小さく響く。
巨大な生物は獲物が息絶えた事を確認すると、下部と上部の四本の腕を一気に引き抜きすぐ様おこぼれを貰おうと群れ始めるハゲワシのような鳥を上部の腕を振り回して追い払う。
獲物の無残にも上下から突き抜かれた喉元からは多量の血が流れだし、その土地の養分となる。
寄ってきた鳥を追い払った巨大な生物は、ようやく食事を始めたと思ったらその鋭利な歯が幾つも生えた口で獲物を食らうのではなく、獲物の皮を剥ぎ血肉をまるで水を飲むかのように額を発行させながら啜って食事を始めた。
そして何かから身を隠すかの如く音を立てずに獲物を食し、残った骨を移動を始めると同時に
蛇のように這って進みだした巨大な生物は一瞬白くなったかと思いきや数十メートルも離れていた場所に瞬間移動しながら早々とその場から離脱していった。
今数分にも満たない時間で狩猟を行い、目立つような食事の痕跡すら残さずにこの場を去った巨大な生物こそ、この渓流での食物連鎖のトップに君臨する見た目通りの
何も無い所からいきなり現れた周りに完全に溶け込む隠密性と、狙った獲物は逃がさない
しかしそれほどまで狩りに特化していて不気味とも言える姿でありながら、婦人のようにスレンダーで美しい胴体やそこから生える数本もの尖状的な棘も併せて特殊ながら一種の美を感じさせるようだ。
―――――――――――そんな生物の名は”
―――――――――――まるで魂が身体から抜け出て動く
―――――――――――生きている生物の怨霊で祟りをするもののように狩りを行い
―――――――――――ガストレアとは異なる存在ながら人々を恐怖のどん底へと誘う
Evolveはいいぞ(露骨な勧誘)
最近は過疎っちゃってるから仕方ないね。
というわけで一話というよりはプロローグみたいな感じになってしまいました。
これから本格的に話に入っていきますが、基本的に戦闘はパパッと終わらせます。
キーポイントとなる場面ではちょっと長くなるかもです。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
Evolve StageⅡ
どうもプラハ市民です。
やっぱりレイスを使ってて思うんですけど、レイスはゴーゴンみたいな奇襲型というよりは火力があってアビリティも攻撃向きなんで強襲型だと思うんですが違うんですかね?
開幕特攻でハンター全滅させることも可能なんですけどねぇ・・・。
あ、後もしかしたら今後Evolveのモンスター同士での大怪獣バトルがあるかもしれません。
・・・・・・バッ!!
大自然の中に流れている川から巨大なワニ型の生物が、ちょうど頭上を通り過ぎた小さな鳥たちを纏めて口に捕らえる。
川岸ではカモノハシ型の生物が数匹横一列に並んで、朝日を浴びている光景は中々愛らしさを感じさせる。
その愛らしさとは反対に、ジャングル内に自生している食虫植物は不用意にも上を通りかかった猿型の生物を丸呑みにして内部で生成される特殊な液体でじっくりと溶かしていく。
今日も今日とて渓流の朝は何時もと変わりなく、多種多様な生物が自由気ままに生活して生命の循環を繰り返す。
もちろん自由気ままに生活するというのはこの渓流の主も同じで渓流の早朝は、ある意味活気付いてるとも言える。
・・・・ズルッ・・・・・ズルッ
蜘蛛の巨大な巣が近くにある洞窟から、二足歩行の小型の恐竜のような生物が群れとなって逃げだすようにぞろぞろと出てくる。
それの原因と思わしき不気味な音が断片的ながらも、洞窟内で木魂しホラー映画のような雰囲気を出していた。
それは何か巨大な生物が地面を這う音だと普通は考えるが、この一つ一つごとに特徴的な部分が多いこの渓流ではそんな普遍的なことはあまり正しいとは言えない。
この渓流は他の自然環境から幾つもかけ離れていて、全ての生物が独自の進化を遂げ、本来の生物進化の枠から
ならば、この不気味な音はこの渓流での捕食者の位置にあたる生物が食事を行っていると考えることが適切だ。
最も
――――――――――――――――――――――――――――
突然だが、聞いておきたいことがある。
皆さんが『輪廻』という言葉を聞いたことがあるかどうか、だ。
この事についての知識は、人それぞれ・・・・いや主に趣味や宗教の奥深さを研究したりする人ならば確実一度は聞く単語だろう。
『輪廻』という言葉は、文字通り車輪のように永遠に回り続ける事。
何が回るのかというと、仏教やヒンドゥー教においての人間が死しても転生し、また死に転生をする・・・・・・要するに何度もこの地球上に存在する生命に生まれ変わることである。
インドでは限りなく生と死を繰り返す輪廻の生存を苦と認識し、2度と転生をしないことである解脱を至高と考える。
加えてヒンドゥー教などでは前世での行いによって、次の生が決まる。
簡単に言えば、因果応報の法則が古くから高度な理論として根付いていたのだ。
・・・・おっと、これではヒンドゥー教の輪廻について延々と話し続けてしまいそうだ。元の話に戻そう。
『輪廻』については今ほど話したが、何故私がこの事を皆さんに聞いたかを考えてもらいたい。
私の趣味で『輪廻』に関係する物があるから、それともそういうものを研究する仕事の人、他にもetc・・・・・。
皆さんが考えることは千差万別であり、どんな事を考えたのかは把握しきれないかもしれない。
―――――――では、何故?
答えは簡単。
今この話をしている張本人である私が『輪廻』、そう『輪廻転生』をしたからである。
頭が可笑しいと笑うか、興味深いと思って耳を傾けるか、それは自由にしてもらっていい。
これから話す内容は、私が経験した非常に奇妙で絶対にありえないという訳ではない世界が私を中心として狂いだした話なのだから。
なんかぐちゃぐちゃとした内容になってしまった感が否めない。
文も少し短くてすいません。
次からはちゃんとするんで許してくださいっ!
それと主人公のようなEvolveのモンスターは基本的に人類に友好的ではありませんが、敵対的でもないです(要は中立)
しかし作者の気分次第でどう転ぶかわからないので、現状は上記の通りで・・・。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
Evolve StageⅢ
最近クトゥルフ(クラーケン)での勝率がダダ下がりしてます・・・。
やっぱり電撃波ガン振りでの、StageⅠ強襲は無謀だったのかな?
メディックとトラッパー確殺できてもサポートががががが。
それと今回から本当の意味で本編開始です。主人公は転生してから四日程度経ってます。
え?じゃああの転生物語後の語りみたいなのはって?
それは今後わかります、はず。
渓流全体を温かい自然の恵みである、朝日が照らす。
そんな中俺は陰気臭い大きな空洞の中で目を覚ます。
自身の寝ていた場所の近くには昨日夕食として頂いたマンモスバードの骨が、まるで博物館にある化石さながらの整った状態で放置してあった。
他にももう既に土に埋もれて何の動物の骨かも分からない物があったり、空洞の壁には何か鋭い物で傷を付けたような切り傷もあり、ここに捕食者の地位にいる存在が住んでいる寝床だと確信させられる感じとなっていた。
俺は未だ慣れない地べたでの睡眠に、痛みこそ感じないが硬くて寝心地が良くないと不機嫌そうな唸り声を上げて、この身体になってから得た人間とはかけ離れた凄まじい嗅覚と蛇のピット器官に相当するモノを使って、周囲に異変がないか確認する。
ということで、身の回りを確認していたら自己紹介が遅れました。
俺、性を上杉、名を葵と言う者です。
・・・・女っぽい名前だって?
それについてはあまり言及しないでいただきたい。何故なら俺はこの名前と前世の身体の所為で結構面倒な目に遭ってきたからですよ。
この身体になる前の身体は、中性的であんまり筋肉も付きにくく流線的なボディの所為で、よく女に間違わられて小学校から高校まで何度か男子に告られた事がある程。
俺に同性愛の気なんてないっつうの!って言っても「え?お前女だろ」と返されるのがオチで、最も酷かったのは「俺は男でもお前が好きだァァァ!!」って叫んだ友人。
もちろん絶交はアカンので、友人としての付き合いはしっかりやったけど、積極的に絡みはしなかったなあ。
だって男なのに俺が好きって目の前で叫ばれたら、恐怖を感じるのは当然でしょ?
また話が逸れてしまった。この話をしている時に話を逸らしちゃう癖どうにかなんないのかね。
さて気を取り直して、次は俺の転生について話したいと思います。
俺こと上杉葵は、前世では高校を三年間きっちり過ごし、成績では高校二年生までは例外である保健・体育を除いて全教科評定4~5、高校三年生では全部5を取れていたのですが、やはり保健・体育では実技の方が足を引っ張ってしまい、3という悔しい評定で終わってしまった。
それでも、俺海外の大学から入らないかって勧誘来るくらいにはブイブイ言わせてたんですよ?本当ですよ。
まあ大学の勧誘はほとんど断りましたけどね。
え、なんでって?
そりゃあ、自身の母親が病気で苦しんでるのに一人置いて大学に行ってられませんよ。
父親はいないのかと言われると非常に答えにくいのですけどあの糞野郎、母さん残して蒸発しやがったんです。
マジありえません。俺が母さんを少しでも手助けできるようにと、奨学金狙って勉強したりピンポイントでの株とかやってなかったら今頃俺は餓死、母さんは病死してたね。まあすぐ死ぬんですけど。
あの糞野郎、後で絶対地獄すら生温い所にぶち込んでやったのによ、俺は母さんを病院まで車で送って行こうとした時に起こったトンネルの崩落事故に巻き込まれて二人とも即死。
母さんは治るか分からない病魔に蝕まれていて糞野郎の蒸発という事にショックを受けていたから、あの苦しみから解放されたのだと思うと母さんは天国で今度こそ幸せに暮らせるのだろう。
だが俺は何があったのか死後の世界に行くのではなく、元居た世界と違う世界へと転生した。
種族が人間からエイリアン的なモンスターへと変化して。
始めは理解できなかった。
崩落したトンネルの天井の破片で車ごと潰されて死んだと思ったら、意識が暗転して数十秒後にはよく分からん所で目が覚めたのだから。
排気ガス臭くビルの多く立ち並ぶ現代的な街の近くのトンネルから、いきなり自然の満ち溢れる渓流へと景色が変わったら誰もが放心するはず。
理解できなかった点は他にもいくつかあって。代表的なのは身体を起こした時の目線が高くなっている事や、自分のすぐ隣を横切った二足歩行の恐竜みたいな生物と、それを見て身体が瞬時に両腕を動かしていたことだ。
恐竜のような生物を見たときに、一瞬赤外線で物を見たときみたいな視線に変化したと思ったら、瞬く間の間に誰のかも分からない二つの鋭利な鎌が恐竜を仕留めていた。
そして恐竜を切り裂き、血で真っ赤に染まった二つの鎌を見ても恐怖心も抱かず、吐き気すらしなかったのに加え、逆に獲物を仕留めたという高揚感が湧き出てきた自分に頭が混乱して情報整理ができなくなり、両腕を動かして獲物の皮を剥ぎ、得体の知れない能力を使って血肉を屠っていたことをはっきりと認識できなかった。
数刻ほど経って、何とか混乱から立ち直った俺だが、俺はこの可笑しくなった身体は生物本来の本能に従って行動をしたのだと完結できたのは殺した獲物の姿を思い出してからだった。
これで転生初日は終了。
数多くの未知なる体験をして、疲労がピークに達していた俺は彷徨う様に身体を休める場所を探し、最適な場所を見つけたと同時に眠りについた。
ここまでが、俺が転生するまでと転生してすぐの事。
転生二日目からは冷静に物事を判断し、”転生した俺がどんな状況に置かれて”、”俺自身の身体がどう変化したのか”、”人間でなくなってしまった自分自身の本能を制御できるのか”などの今後の生命活動に重要な点を重点的に解析していった。
始めに俺が今どんな状況下にあるかだ。
まず要点を摘まんで言えば、俺は一度死に、人外へと転生を果たし、進化の枠から外れた生物で溢れかえる渓流で目を覚ました。
そして大自然のど真ん中で、野生の生物として生きる術を知らない。
寝床となる場所は確保したが、食料については一切の貯蓄が不可能。
よって食料は現地調達で補い、それに伴う狩猟方法の確立。
捕食者として生きる上での心得や、この渓流の食物連鎖のピラミッドの調査。
生息する原生生物の種類と、自身の脅威と成り得る存在の対処法。
その他にもすることが山積みだが、次の事柄に移る。
二つ目に俺自身が人外へと変化し、身体が根本的な部分から変わったのかどうかだ。
まず身体能力と身長の高さ、体重、四本ある腕の内形状が鎌型になっている二本のレンジ、食事の時見た超能力といったところを調べる。(もちろん体感なので違うかもしれないが)
身長:6m弱 体重:16t弱 鎌のレンジ:約5m
瞬間最大速度:286km/h 背中に生えている棘:約3m
次の記録は俺が使えるようになった超能力とも言える「限定的な異次元の操作」によって可能となった技の射程及び攻撃法だ。
自分を中心として発生させれる衝撃波の届く範囲:336m弱
神隠し(離れた敵を捕らえて元居た場所まで戻る技):空間を弄って速度を上げているので105mを四秒で移動できる、検証によって1000mまでなら何とか届く模様。
囮:これまた空間を弄り、人間の細胞の480倍も早く全体の細胞を分裂させることを可能とし、七秒間だけ分裂させた細胞を戦闘対象を欺く道具として使用可能、どうやら細胞は私の動きを記憶しているようで対象への攻撃まで行ってくれる。
加えて、自身のクローンを囮として分裂させた際に、俺自身は数秒だけ透明になれる優れた技。
亜空間:限定的ながらも異次元を操れる俺の奥の手みたいな物。空間を操って周囲を自分自身が強化される空間に変換できるため、全体的な身体能力が向上、更に身体能力が向上したことに伴って腕の鎌を振りまくれるようになる。(乱舞状態)
囮との併用で、クローンにも亜空間の強化が適用されると判明。
以上が俺の変化した身体と扱えるようになった超能力だ。
完全に人間のにの字もないほどに変わってしまった。
正直ゲームでいうチートとかいう代物と大差ない気がするのは気のせいだろうか?
自然界でこんな
それについては次の事柄でだ。
最後にどしっと腰を据えているのは、こんな捕食者としてトップに君臨できそうな技と能力を保有しているこのモンスターの本能を俺が抑えることができるのかだ。
そもそも本能は、動物が生まれつき持っていると想定されている、ある行動へと駆り立てる性質であり、これに抗うことは不可能だ。
ではどうする?
やはりここで重要な事は、このモンスターの本能と前世の俺が人間であった時の本能がうまい具合に葛藤を生み出してくれるかにある。
モンスターは自身が生きるためなら何でもする。
それに対して人間の心では仲間意識や、公正、利他主義、嫌悪などの何でもするモンスターとは違いある程度の選択肢が生まれるため、選択による限定的な行動か、とりあえず自身が最善だと思うことを本能的にしか考えずに行動するかで2つの側面ができる。
これが起これば俺としては万々歳なのだが、現実はそう上手くいくほど甘くないので、最悪な事態も想定はしていたい。
俺は今、モンスターの身体になり魂も身体に引っ張られているが、それでも人間の心はあるため、もし言語の通じる生命体と遭遇した時に友好的に接することができるかもしれないという淡い期待を持っての行動になりそうだ。
まあ何はともあれ、転生二日目にここまで深く考えていては雁字搦めになりそうだ。
今日はここまでにして、さっさと狩りをしてこよう。
超能力を活用した狩猟法の確立をすれば、これからの行動の制限をいくらか解消できるはずだからな。
そうと決まれば日も少し傾き始めているから、穴倉から出て行動開始だ。
―――――――――主人公はまだ知らない。
―――――――――この世界の人類は衰退していることを。
―――――――――ガストレアという寄生生物が我が物顔で地上を支配していることを。
―――――――――そして転生して数日後には自分が人類に恐怖される存在と化すことを。
文が途中から迷走した感があるのですが、大丈夫ですよね(震え声)
という訳で第3話(?)終わりました。
完全に主人公のスペック語りになってしまった・・・・。
で、でもいちを主人公の転生までや転生してからの話が入ったからモーマンタイなはず。
※レイスの眼については、原作でも明記されてなかったので勝手にあると解釈しました(目と思わしき物はないとしか表記されてないから)
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
Evolve StageⅣ
更新が遅れたのはWarframeをやってた所為です。
許してください!なんでもしますから!!
ヒュン・・・ヒュン・・・・
真夏の太陽が大地を灼熱の地獄へと変えているさ中、途切れ途切れながらも猛烈な速度で進む巨体が風を切りながら前進する。
渓流から数十キロも離れたこの廃墟が立ち並ぶ荒れ地を、まるで草原を颯爽と駆け抜ける野生馬の如く直進する一匹の
時々身体全体を発光させた後、瞬時に何メートルも離れた場所まで移動する様は忍者のようにも見える。
その巨体には、はっきりと確認することができないが肉食獣に捕食され骨だけとなった生物を連想させるような髑髏マークが背中を中心に入っており、髑髏マークの完成度はモンスターが刺青を入れたと思われる程の出来であった。
俺、上杉葵は太陽がギンギンに輝いてくそ暑い中、涼しく過ごし易い渓流から態々出てきて周りの地形を把握しているところである。
態々渓流からでた理由は追々話すとして、今はこの文化を持つ生物が生活していた痕跡を多く残す廃墟のある荒れ地を念入りに調査しなくてはならない。
渓流から出て数キロの地点には、特に目ぼしいものがなく更に生物らしき存在すら確認できないという絶望的な状況であったが、偶然砂の中から顔を出していた人工物が決め手となりこの世界には知的生命体がいることを確信できた。
しかし残念な事に、人工物の風化が想像以上にひどく、これではまるで核戦争後の荒廃した世界ではないかという考えも生まれたくらいだった。
結局は何故あの渓流が無事だったのかという疑問を解消できなかったので、核戦争後の世界という考えは破棄することになったが、意思疎通の可能な知的生命体の生活の痕跡が多くある廃墟だけでは未だに生き残っているかもわからない存在を見つけることは不可能に近いので、数十キロという空間を弄れば造作もない距離を唯々彷徨い無駄な体力を消耗することになった。
正直この体力の浪費は計算外で、今日の目安としては渓流外での昆虫以外の生命体の確認ができればよしだったが、食事云々については全く考えてなかったのでかなり焦っている。
最悪ここから急いで渓流に戻れば問題は解決されるのだが、やはり一日でも早く文化を有した生命体に会うことの方が俺としては重要なので探索等は継続したい。
「・・・・?」
ちょっと待てよ。
今微かだが、嗅覚という名のソナーに反応があった。
ピット器官は太陽の熱で完全にイカれていると思われるので、使用は不可だが凄まじい嗅覚だけは正常に機能しているので、反応が間違いであることはない。
それに今は腹が少し空いてるから、獲物に対してある程度以上は敏感になっているはずだ。
もし反応した存在が、一定以上の大きさを有しているなら好都合だ。
こんな荒廃した世界にいる生物なんぞ、やばそうな物を持ってそうだが背に腹は代えられない。
さっさと切り刻んで血肉を吸わせてもらおうか。
「・・・シュルルルㇽㇽㇽㇽㇽ」
嗅覚を最大限まで活用し、その場で獲物の位置の確認を急ぐ。
ここで逃げられては貴重な探索時間を浪費して終わってしまうので、出し惜しみはせずに一気に仕留める。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・捉えた。
距離からして約200m付近の廃墟の裏に生命体を確認。
まず初手として亜空間を使用する。
体中を発光させ自身を強化するフィールドを作り出し、囮を併用して透明になりステルス化した状態で近くまで突っ走り衝撃波で強襲する。
「グチャグチャ・・・・ブチッ!!」
不気味で尚且つ気色悪い音を立てながら、自身の分身を瞬時に作り出す。
やはり人間の細胞よりも480倍速く分裂できるのは、大きな利点となる。
俺自身の身体は元の体皮の上に外皮と言う物があるようで、一定以上のダメージなら防いでくれるシールド的存在で、これの回復には細胞分裂で特殊な過程を経なければいけないので分裂の速度を空間を弄って早めれる事が好手となる。
シュッ・・・・シュッ・・・!
亜空間で強化された分身が、加速を続けて一気に廃墟裏まで突進する。
ここで遅れるとプランAが失敗してしまうので、ステルス化している状態であるにも関わらず音を気にせず進む。
『シャアアアァァァ!!!』
トップスピードに達した分身が獲物の正面から突っ込み切りかかる。
対する獲物は、まさかいきなり強襲されるなんて予想だにしていなかったようで、驚き、死後硬直のようにぴたりと動きが固まる。
当然、弱肉強食の世界での硬直は死を意味していると言っていいくらいまずい事である。
加えてその硬直は、驚きという身体能力が著しく低下する状況を作り出してしまったことが生死を分けた。
獲物は生まれたての小鹿のように足を震わせながらそこから逃亡しようとするが、身体能力の低下というデバフが災いし、消える寸前の囮に一太刀入れられ左前脚を切り降ろされる。
「――――――――!?!!?」
凄まじい痛みに見舞われ、絶対的な捕食者に襲われたという恐怖も相まってその場で身体を痙攣させながら獲物は倒れこむ。
俺は、可能性としては低くとも有り得た囮による攻撃のヒットが起こったことで、大変満足した感じに包まれながら痙攣する獲物に止めを刺す。
横向きに倒れた獲物の頭を鋭利な爪が生えている下腕で、頭をガッチリと地面に固定し動かなくした後に上腕の鎌で気管を突き刺す。
大抵の生物はこれが決定打となって死にゆくのだが、どうやらこの獲物は並外れた生命力があるのかまだ身体を動かそうとしたので、恐らく心臓があると思える部分にもう一本の鎌を突き刺して、今度こそ引導を渡す。
数秒後には獲物の生命活動が停止したと判断し、四本の腕を使って自分でもありえないほどの慣れた手つきで全身の皮を剥いでいく。
獲物の皮を剥ぎ終わった後は恒例のお食事タイムに入る。
上腕の鎌を地面に突き立てて、超能力である空間を弄る力で血肉をストローでジュースを飲むように啜る。
ジュルルルッ・・・・ジュルルルルッ・・・・
気色悪い音を立てながら、全身の皮が剥げた獲物だったものを吸い上げ吸収していく。
この身体は超能力辺りを使用している時は、頭部の一部で発光現象が起こる。
何故かは分からないが、俺は蛍の発光のように体内の酵素が超能力である異次元を操ることによって化学反応を起こし、それによって生み出されたエネルギーを源として光っていると思っている。
まあ本当の意味で調べようと思ったら、こんな超常現象並みの能力を人間の知識で理解することは不可能だろう。
少なくとも人間性を捧げなければいけないと言う事であるのは、身体が変わってからというもの幾度となく考えてきたのだが、如何せんまだ完全に人間性を放棄したくない所もある。
さーて難しい話は後にして、探索再開といこうか!
早速空間を弄って・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
あれっ?なんでこんなに視界がぼやけていってるんだ・・・?
まるでこれじゃあ俺が風邪引いてぶっ倒れたときのような感じn
ドスンッ!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
ムクリ
シャアァァァァァ・・・・・
その時この世で一匹の
どもども、今回はいつも通り変なごり押しで終わりました。
一体主人公の身に何があったのか!? ←大したことない次回への繋がり
次回「化け物のprelude(嘘)」
人類に電撃奔る。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
Evolve StageⅤ
遅れてしまい申し訳ないです。
Evolve Stage2を始めたりhoi2にハマったりという感じにだらけていたことで、テストで見事に爆沈しやばくなったので勉学に集中してました。
これからも不定期ながら投稿させていただきます。
ジュル…ジュルルルル……ジュルル…
ついここ数日間も大地を照らし続け、地上に恵みと滅びを与えていた太陽に陰りができる。
薄黒い色の雲が何重にも重なり合って母なる太陽を隠す様は、第2次世界大戦で敗戦濃厚な時期を迎えた日本の如く、栄光を天から地に落とされることと同じようであった。
そんな鬱そうな空気の中、さらに空気を重くする鈍く、それでいて気色の悪い音が辺り一帯を支配する。
人間の肉眼でも少しは視認することができる距離には、巨大な人工物と思える建造物があり、あの近くなら人間がいるであろうかという、観測もできる場所でこの辺りを支配する音の発信源を見つける。
その発信源には、蛇と蟷螂を足して2で割ったような姿の
時々頭が発光し、少しだけ眩い光が、皮を剥がされ血肉を吸い取られた哀れな獲物の骨を照らす。
我々が見慣れた、いつも身近にいる存在。
霊長類と同じアフリカ大陸のような形の頭蓋骨。
しかし他の霊長類とは違う体格。
そう、この骨はいつも身近にいる存在である生物、すなわち我々と同じ人間の骨だ。
なんとあの巨大な
だが、この世界は今までの平和な世界と打って変わって、汚物は消毒しそうな人物がいそうな世紀末となっており、身の安全に関しての一切の責任は自身へと掛かるので、こんなところをうろついていたのは自業自得と言えるのだ。
まあ死亡し、化け物の食事へとなった男性と推測できる人物は、抵抗という抵抗をできなかったにしろ、骨になっても右手に握りしめていたマグナムは危険を理解して行動していたとも考えれるかもしれない。
いや、これは危険を理解していただけでなく、男を殺した化け物を討伐する仕事を遂行していたのかもしれない。
判断材料としては、この場にある無数の抉れた地面と近くの廃墟にある弾痕。加えて死亡した男性から数メートル離れた場所にある、半分に折れたビルの麓にぶちまけられたような赤いスプラッタ。
これから考えれるのは、男と身体の損傷が激しく性別が確認できない人物は、二人一緒に行動していて、先ほど男の血肉を吸った化け物と遭遇し戦闘となったが、為す術なく連れが死亡、さらにはなんとか逃げおうせようとした男が完全に拘束され息の根を止められた、大体はこんな感じではないか。
それでは何故、男たちは人間では太刀打ちできそうにない化け物を討伐しようとしたのか。
単純に人間を襲い、食料としていることは人間の観点から考えれば、ウォッチリストに入れられても可笑しくない存在だが、それでも討伐に二人だけで赴くというのは極めて無謀極まりない。人間を襲い、容易く仕留めてしまうような存在はちゃんとした討伐隊を出して行かねば被害が拡大することは一目瞭然である。
正規の討伐任務に就いていないのか、はたまた人を
今、人類にとって重要なのは、人間の2つの命の行方よりあの化け物の情報を手に入れれるだけ仕入れて、少しでも人間側の生存率を上げることなのだから。
この世界に生を受ける前には、女装コンテストでいつも一位を独占し続けた俺、上杉葵は大体一週間ほど、下手したもっと多くの日数意識を失っていた。
最後の記憶は俺が俺以外の知的生命体を探しに行って、予想以上に体力を消耗したから、ちょうど見つけたよくわからん生物を食って、そこから後の記憶がすっぽりと抜けているんだ。
視界がぼやけてきて、ぶっ倒れたのはわかるんだけどな。ほんと不思議なこともあったもんだよ。
まあそのことについてはいいか。俺的にそれよりもこの記憶が抜けていた間に、一体俺はどれほどの距離を移動していたのか、ということが結構重要だったりする。
俺が気を失う前にいた場所はこんなに廃墟の数が多くなくて、空気もかなり乾いていたのだが、今はいる場所は人間が生活した痕跡が比較的新しく、さらには整っている人工物も見えるというかなり探索にはよろしい場所だ。
どうしてこの場所に移動したかは定かではないが、俺が気絶しているときに何者かに運ばれたと考えるのが妥当かも知れない。さすがに気を失っている間に勝手に体が動く
そんなこんなで、あの人工物が見える場所まで行ってみようと俺は思う。
多少の危険は伴うかもしれないが、今の俺はなんだか気を失う前よりも力が滾っている感じで、阿修羅すら凌駕出来そうだ。ならばこの高揚感と力の向上が切れる前に行動してしまえば、良い収穫を得られそうだ。
葵が目を覚ましたのは、人間をくっちゃくっちゃしてから一日経ったくらいです。
なので葵は自身が人間を食ったということは知らず、ウイルスに感染してから半暴走状態になった時の記憶もありません。(半暴走の描写は無しですが)
それと今回も結構ごり押ししました。読んでる人はちょっと雑な文だなと思う人もいると思いますが、多めにみてください・・・・。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
Evolve StageⅥ
今回から人類側との関係が深くなっていく予定です。
でもあくまでも予定なので、色々ずれると思い冒頭に書かせてもらいました。
それと主はあまり人間の会話や感情をうまい具合に書けないので、そこは許してください|ω・`)
ではどうぞ。
ザッザッザッザッ
燦々と輝いていた母なる太陽を陰湿な雲が隠してから早数時間。昼間なのに暗くジメッとした雰囲気を感じるのは十中八九雲の影響だろうし、それの相乗効果として漆黒の巨大な壁が挙げれる。
人の背丈から見れば、天高くにまで届きそうな大きさの漆黒の壁は立ち入ろうとする者を全て拒むかのように佇んでおり、畏怖の念を抱く者もいる。
それもそうだろう。
これこそ、ガストレアという存在を遮断及び追い返す人類の切り札であり希望の象徴とも言える、バラニウムと呼ばれる金属を多量に使って作られた「モノリス」であるのだ。
だが、今この「モノリス」付近では砂利を踏みしめて出る音が大量に、そして騒がしいまでの人間の混乱する声や怒号を含んだ声が聞こえてくる。
この世界では人間を襲う存在は
では何故、人間たちは安心できる「モノリス」が近くにある場所で声を荒げているのだろうか。
ガストレアなら「モノリス」程に多量にバラニウムを使われている物に近付けば、特殊な磁場によって衰弱してバラ二ウム弾を数発受けただけでも倒れる。
つまり今人間たちが警戒及び負の感情を向けているモノは、ガストレアの中でも最も高位な存在である黄道十二星座の名が付けられた「ゾディアック」か、ガストレアとは
それは何の目的を持って、人間たちの追いやられた漆黒の壁の内側に侵入しようとしたのか、その真意を知るものは侵入者のみが知ることかもしれない。
この世界に転生して人外になってからやけに自身の健康管理に気を遣うようになった俺、上杉葵は今現在進行形で非常に焦っている。
前世では殆ど経験しなかった焦りとやらに俺は、一種の感覚を覚えながら全速力、そして囮を併用して逃げに徹する。
え?一体何から逃げているんだって?
詳しいことは後になるが、小銃を持った人間たちにこれでもかと銃弾の雨を降らされて危機的状況になったから逃げている。
正直なところ、小銃の弾がやたらと痛い。人間なら既に死んでいる程の銃弾を受けてもまだ痛いという気持ちで済むならいいほうなのかな。人外になってからのメリットは少なかったが、いくらかのダメージなら外皮で耐えることができることを発見したことは、これからの行動に良い影響を及ぼしてくれるかな。
って、俺は一体何を言ってるんだろう。前世ならそんな銃弾なんかを受けることもなくいちを平和に暮らしていたのに。
「いたぞっ、化け物だ!」
今じゃ人間からは殺意を向けられ、コミュニケーションを取る事すらできない。
・・・そりゃそうか。6m半位の蛇と蟷螂を足して二で割ったような生物を見て、友好的な人間なんかいないもんな。
とりま、この状況を打破したい。囮を何発も連発してそろそろ体力も切れてきた所だし、入ってきた入り口から出たいが、こんな追跡されてる状況じゃ先回りされて封鎖されてそうだし逃げれそうにない・・・・。
しかし人間たちと交戦するということは絶対にするわけにはいかない。物騒な姿してるけど実は話が通じる奴でした的な感じになりたいからな。
元々時間を浪費してまで知的生命体を探してきた意味には、俺だけでは寂しかったという私的な感情も含まれているが、この際にそれは重要な事ではない。
次こそは、という淡い希望をもって俺は壁の外側へと退避する。
外への通路を通る前に自身の分身を瞬時に作り出し、自身は透明になりこれ以上追いかけまわされないように亜空間で身体能力を底上げして離脱。
後ろでは人間たちが囮が反転してきたことで、こちらに戦闘の意思があると思ったのか幾つもの悲鳴が聞こえてきたが、それならば好都合だ。
今回の囮は、文字通りの囮であり戦闘を行えるほど筋力の細胞を分裂させていない。
つまり人間の死傷者が出ることは絶対にない。
完璧だ。少なくとも俺はそう思い人間たちの目が届かないところに移動する。
数キロ先で透明化の切れた俺を見ていた二人組を気づけなかったところ以外は・・・・。
----------------------------
中身が上杉葵である
内容はここ最近に出現した奇妙な姿かたちをしたガストレアの事という、珍しく詳細が一切合切不明なままの呼び出しではないことだ。
それほどまでに急を要する事なのか、などの疑問を民警のメンバーは誰しもが持ったが政府が内容を開示したままの召集ほど異常なことはないと、召集に応じて場に赴いた。
防衛省の庁舎であるビルの中にあるモニターが付設された部屋には数多くの民警に所属している者やその関係者と思える人物が所狭しと待機していた。
その場には民間警備会社の一つである「天童民間警備会社」に所属する”里見蓮太郎”とその民警の社長である”天童木更”の姿もあり、これほどまでに民警が集まる事態を経験したことがないのか、蓮太郎は明らかに周りを見渡していたがモニターに映し出された人物を見てから動きがぴたりと止まった。
それもそのはず。
彼が住まう東京エリアの統治者である「聖天子」中継映像で直接この場の民警に依頼を出したのだから。
異例の事態。蓮太郎や木更も思わず目を丸くするような内容。
他の民警も先ほどまで物静かに話と依頼の内容を聞いていたが、ついに会話を始めざわざわと音を立て始めた。
「聖天子」から直接出された依頼の内容。
それは召集の内容である新しいガストレアについてで「
このガストレアがピックアップされた要因は、目撃された時によって好戦性が段違いなため。
ある時は、裏社会の住人たちによる非合法な採掘現場で労働をさせられていた「呪われた子供たち」を含めた見張りを皆殺しにしたり、今日のように東京エリアに侵入したのにも関わらず、誰一人と人間を襲わずに聖居近くまで接近したと思えば見つかった瞬間に逃亡するなど、謎が深まるガストレア。
人間を襲う点などは他のガストレアと同じだが、バラニウムでできたモノリスの内部に侵入することだけでなく、人間を襲わずに隠密行動を取る知能が非常に不可解だ。
これ故に東京エリアは、警戒態勢を急きょ強化しているのだが、今日みたく逃亡中に自身の分身を作り出し追っ手にぶつけるなどの知的な行動ができるガストレアである「Wraith」を無視できず、調査する事を決定したらしい。
更に、この「Wraith」の目撃情報はかなり少ないので、ただの調査と言っても莫大な額の報酬金が支払われるみたいだ。
・・・・それと件のガストレアが侵入した後のエリア調査では、通常のガストレアとは違い体内から分泌された体液からは一切のウイルスが検知されず、代わりにウイルスと絶妙な感覚で混ざり合い、恐るべき速さで取り込んだ栄養をエネルギーに変え、損傷した箇所を一秒と経たず再生させ、さらには傷つけた物に対する抗体のような物を持つ細胞が発見された。
これは聖天子や天童 菊之丞、そして限られた研究員でしか知らない情報であり、これから聖天子等が向き合わねばらない問題の異常さを物語っていた。
駄文に続く駄文で地の文(なってるか疑問)がまた完成。
はい、というわけで感染後の葵がどうなってるのか少し出ました。
私的には、Evolveのモンスターは基本的に適応能力と、強力なHNA(顆粒球抗原)が遺伝子を書き換えるガストレアウイルスに対応し、ガストレアウイルスによる基盤が細胞に築かれるのと引き換えに、恐ろしいまでの感染力と遺伝子の組み換えが無くなり、うまい具合にモンスターの肉体を補助する物に変異したと考えて書きました。
損傷箇所の高速修復は定番ですが、細胞が傷ついた際にできる抗体は、ガストレアウイルスという存在を弱体化(細菌感染に準ずると妄想)させるバラニウムに対する防御力が損傷箇所だけ爆発的に上がるということです。
エネルギーの変換効率は、高エネルギーリン酸結合の行われる数が遺伝子の混合で可笑しくなり、結果として驚異的なエネルギー変換率になったという感じです。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
Evolve StageⅦ
それと一日遅れのあけましておめでとうございます。今年もこの小説をよろしく願います。
遅れてしまい、更には文が大分どころかかなり劣化し文の量も減ってますが、そんなのでもいいという方は読んでいってください。
人間の行動は思考の最上の通訳者だ
かの有名なイギリスの哲学者「ジョン・ロック」が言った言葉であるが、俺は全面的にこの言葉を肯定する。
皆は何故、いきなり俺がとち狂ったように格言を言い始めたかのかと思うかもしれないが、これにはちゃんとした訳がある。
大まかな理由としては身の危険が半分で、もう半分はその身の危険に際した精神状態の鎮静化だ。
ちなみに身の危険に関しては説明に少し時間が掛かるかも知れないので保留しt―――――――――――
「ねぇ、よそ見何てしてないでもっと私と斬って殺して斬られて殺しあおうよ!!」
前言撤回。精神鎮静化のために説明するよ。
今このキ○ガイ顔負けの恐ろしい発言をぶっ放したクレイジーな幼女。名前は何て言ってたかな、苗字は
―――――で、このイカれている幼女は一言で言い現わすと黒。服装も性格も存在も全てが黒、真っ黒。
この荒廃してしまった世界故にここまで歪んだ存在になってしまったのかもしれないが、そんなことは重要じゃない。
俺が重要視するのは、この幼女と共に行動していた後ろの瓦礫の上に佇んでいる変な仮面を被ったタキシードにシルクハットのいけ好かない男。間違いなく厄介ごとの類を引き寄せる及び作り出す混沌の根源。流れで見ていけば幼女の保護者辺りなんだろうが、ここまで特別に狂っている幼女の保護者(仮)のことだ、絶対に碌でもない人物である。
「小比奈。相手は知能ある獣、いや獣なんて言う枠では収まらない存在か。兎も角余りはしゃぎ過ぎないほうがいい」
ほら、こんな蟷螂みたいな化け物相手に冷静になんか考えながら”はしゃぎ過ぎるな”と幼女に注意する人物なんてやばい設定盛りだくさんだよ。
「キタぁ!きたキタきたキタッ!!!!」
っと、幼女のテンションがやけに上がり始めて更に小太刀が見た目とマッチして凄く痛いのだが、人外ボディの御蔭でそこまで危機を感じなくなってきたな。出血も外皮の存在があるためか目立っている部分はない。だがここまでやられて黙っているのは癪に障る。
幼女が下に潜り込んできた瞬間に、下腕の爪で対象を切り裂くように相手の行動できそうな範囲を一時的に危険域へと変化させ、それを回避するために跳躍またはバックステップを誘発させて上腕の鎌で首を狙う。
勿論相手がそう簡単にやられるわけもなく、下腕の動作と同時に俺の胴体を蹴って宙に浮き、下腕が一瞬硬直した瞬間にそれを足場にして屈むように上腕の鎌の襲撃を避ける。
その所為で俺はがら空きになった胴体に斬撃を入れられ、外皮を貫通し神経を通って脳に痛みが伝わる。負けじと俺は超能力たる空間への干渉で衝撃波を起こして幼女を吹っ飛ばし距離を取るが、相手は到底人間ではできないような動きで体勢を立て直し狂った笑みを浮かべながら、また俺に肉薄してくる。
だが、同じような方法でやられる程俺も馬鹿じゃない。
本日三度目となる超能力の使用で俺に有利となる亜空間を作り出し、先ほどの数倍化の速度で幼女の進撃を受け流し返す刀で上腕の鎌を相手に振り払い、小太刀でガードされるも二本ある内の一本を宙に弾き飛ばす。これを好機と見た俺は、ガードで小太刀と一緒に弾きとんだ幼女に下腕の爪で刺突を行い息の根を止めようとする。
「面白いィ!面白くて頭がどうにかなっちゃいそうだよォ!!!」
狂った幼女はまたもや変なことを騒ぎながら、俺の刺突を一本の小太刀で流水のように受け流して、先ほどまで宙を舞っていた小太刀が落ちてくると同時に左手で落ちてきた小太刀をキャッチしてくるっと一回転して地面に着地する。この動作だけ見てれば綺麗だし満面の笑みもいい感じなのだが、一戦この幼女と交えてしまうとそんなことはなくなる。最も俺自身、やばいと思ってはいるが美しさや可愛らしさよりもこの戦闘の方が興奮してくる。
初めに決意した人間らしさを残すとはなんだったのだろうか。いや、戦闘などの争い事を見て興奮するのはコロッセオでの戦いで興奮する古代ローマの人間たちと変わらないか。
そうこう短い時間ではあるが、俺が思案をしていた所先ほどまで荒ぶっていた幼女がどこかへといなくなっていた。どうせまた奇襲まがいの事をしてくるだろうと神経をまた戦闘状態に切り替えたところ、どうやら幼女は保護者(仮)の方に戻っていたようで、
「パパ、なんで今日はここまでなの?ここまで楽しい相手初めてだったのに」
ちょっとまで”今日は”ってなんだ今日はって。
「小比奈。彼女にはどうやら我々と同じようにすべきことがあるようだ」
「それ故に流石に私も彼女のような知能ある存在に邪魔をするのは気が引ける」
そして保護者(仮)の男はシルクハットを右手で頭から取り、
「名乗りが遅れましたが、私は
「これから暫くお互いに関わりを持つようになる、と私は思っている知能ある存在よ」
紳士的であるが、それはどちらかというとジョンブル的な紳士さだと本能的に察知した俺は、目かどうか分からない物で男の事をじっと見ながら佇む。
対する男は笑ったような顔が書かれた仮面で表情が分からないが、少なくとも敵対する気はないのか戦闘を行うような雰囲気は感じられないまま、こちらに顔を向ける。
そのまま一刻程の時が経ったであろうか。俺は痺れを切らして蛭子親子に腫を返して近くの森へと進み始める。理由は日没が近い故である。
すると男は俺が進み始めたのを確認して、
「では近い内にまたどこかで会いましょう」
そう言い残して、不満そうな幼女を連れてどこかへといなくなった。
影胤の人物像が意外と書きにくいと感じた。
クレイジー系幼女は普通に行ける。なんでだろ?
次回「新たな出会い(嘘)」
追記:この小説では一刻を30分(1日=48刻)という室町時代頃までの解釈で書かせてもらいます。
読者の方に混乱を招いてしまい誠に申し訳ありません。
目次 感想へのリンク しおりを挟む