ルーミア航海録 (グランド・オブ・ミル)
しおりを挟む

私、ルーミア

 

 

 

プカプカ・・・フワフワ・・・

 

「うっ・・・ううん。」

 

不意に聞こえてきた音に私はゆっくりと目を覚ます。すると私の目にそこらじゅうに浮かぶシャボン玉が飛び込んできた。

 

「あれ?ここどこ?」

 

私の目覚めの第一声がこれでも仕方ないと思う。なぜ私はこんなところで寝てたんだ?確かいつも通りマンションのベッドで寝てたはずなんだけど・・・

 

ん?マンションのベッド?それってどこのマンションだよ?あれ?その前に私って誰?あれれ?記憶がこんがらがってきたぞ?とりあえず落ち着け。素数を数えるんだ。2、3、5、7、11、13、17、19・・・

 

ふぅ~、落ち着いた。今の私の状況を一言で表すなら『転生』、もしくは『トリップ』というやつかな?友達がなんかそういう系の小説を読んでいた記憶がちょっとだけある。ていうか自分のことはほとんど覚えていない。かろうじて日本人だったことは覚えてる。

 

それにしてもさっきから自分の目線に違和感を感じる。確かに身長は低いほうだったけどこんなに低かったっけ?あ、鏡が落ちてる。ちょっと割れてるけど問題ない。どれどれ・・・

 

 

 

・・・え~っと・・・これは・・・『ルーミア』?

ブレザーみたいな服に胸には赤いリボン、黒いスカートにショートカットの綺麗な金髪。極めつけは頭の大きな赤いリボン・・・うん、間違いなくルーミアだ。

 

どういうことかな?もしかして私、妖怪になっちゃった?

でも俗に言う妖力みたいなのを感じないし、ジャンプしたり、念じてみても空を飛んだりできない。容姿だけなのかな?

 

そういえば私の名前なんていうんだろう?前世の名前は綺麗さっぱり忘れちゃったみたいだしな・・・ん?あ!ポッケのハンカチに名前書いてあるじゃん!え~っと・・・

 

『ヴィーナス・D・ルーミア』

 

・・・か。やっぱルーミアなんだ!ってことは私はこの子に憑依?的なことをしてしまったのか?うわ~、だとしたら申し訳ないな。この子の人生を横取りしたようなもんだもんな~。ごめんね、ルーミア。せめてあなたの分まで人生謳歌させてもらうから。

 

とりあえずお腹すいたな~。どこかに食べ物落ちてないかなぁ。

 

こんな感じで始まった私、『ヴィーナス・D・ルーミア』の人生。これからどんなことが待ち受けているのか、それは私にも分かりません。

 

 

 

 

 

 

ザクザク・・・

 

ここはグランドライン前半最後の島「シャボンディ諸島」。その30番グローブをルーミアは歩いていた。

 

「う~ん、ここがワンピースの世界ってことは分かったけど・・・何だかな~。」

 

ルーミアはこの島から出るシャボン玉とこの諸島を形作る「ヤルキマン・マングローブ」に書いてある番号を見て自分がいるのがワンピースの世界だと分かった。が、ルーミアはそこからが問題だった。

 

「私、原作全然知らないし・・・」

 

これである。ルーミアは前世、朝テレビをつけたらワンピースがやっていて暇だから見るくらいしかしていなかった。そのため、ここがワンピースの世界だと分かっても何をしていいか分からないのである。

 

「なんとかキャラクターは何人か分かるんだけど・・・ストーリーは全然だし、原作知識なんてあってないようなものだね。」

 

もはやルーミアにとって原作知識はちょっとした有名人が乗ってるリスト程度の役割しかもたなかった。

 

「それにしてもお腹すいた。さっきから意味もなく歩いてるけど、食べ物全然見つからない・・・ん?」

 

不意に足下を見るとルーミアはあるものを見つける。

 

「ドリアン?・・・でも色変だし、なんか模様も可笑しいんだけど・・・」

 

それは見た目こそ果物の王様ドリアンだが、色は水色で全体的にぐるぐる模様が入っている。ワンピースファンなら一目で分かるであろう「悪魔の実」である。しかしルーミアには分からない。

 

「食べたら間違いなくお腹壊すよね・・・う~、でも腹ペコにウソはつけないし・・・えいっ!」

 

ガブッ!

 

最初こそ迷ったルーミアだが空腹には勝てず、結局かぶりつく。

 

「~~~~~~~っ!!!!」

 

味は相当不味いようで涙目になる。

 

「カプッもぐもぐ・・・カプッもぐもぐ・・・」

 

しかし現状食べ物はこれしかないので仕方なく食べる。

 

「うぷっ、食べた食べた。味はともかくお腹はふくれたのだー。」

 

だんだんと精神が体に引っ張られ、性格もルーミアっぽくなってきたが、彼女はそれに気づいていない。すると・・・

 

シュルルルルッ

 

「わっわっ!何!?」

 

突如ルーミアの両足首から2本の青いコードが伸びる。そしてそのコードはルーミアの右肩辺りでハートを描き、胸の前辺りで連結して球体の「目」を作る。

 

「えっ!?ナニコレ!?なんかこいしちゃんみたいになっちゃったけど!!・・・あっ!?さっき食べたのって悪魔の実!?」

 

ワンピースは詳しくないのに東方のことはよく知ってるルーミアはやっとこさ悪魔の実に気づいたようだ。

 

「だとしたらこれは何の実なんだろ・・・『サトサトの実』?・・・違和感がすごい、多分違うな。う~ん、なんだろ?」

 

自分が食べた悪魔の実について考えるルーミア。思いついた名前を口にしてみるもどれもピンとこない。唸りながら歩いていると・・・

 

「君、こんなところで何をしているのかね?」

 

「え?」

 

初老の男性に話しかけられた。ルーミアはその男性の顔を見て目を見開く。

 

「?私の顔に何かついているかな?」

 

「あっ!いえ!」

 

なぜなら・・・

 

「?まぁいい。私は『シルバーズ・レイリー』だ。君の名は?」

 

ルーミアでも知ってる海賊王の右腕その人だったから・・・

 

 

 

 

 




レイリーの口調がイマイチよくわかりません。もし変だったらスミマセン。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悪魔の実とおじいちゃん

うぅ・・・本当は10000文字くらい書きたいのに、スマホだからできない(ToT)・・・パソコン欲しいなー。


 

 

 

 

 

チュンチュン・・・

 

「うぅ・・・ん。ふわぁ~。」

 

朝から元気に鳴くスズメの鳴き声と共にベッドから抜け出した私は洗面所の鏡の前で顔を洗う。そして寝巻きからいつものルーミアスタイルに着替えて寝室を後にする。そして二階から降りてお世話になっているあの人にあいさつをする。

 

「シャッキー!おはようなのだー!!」

 

「あら、おはようルーミアちゃん。今日も早いわね。」

 

早いもので、私がこの世界に来てもう2年たった。あの時海賊王ロジャー海賊団の副船長『シルバーズ・レイリー』にあった私は、彼に捨て子だと思われたのか彼の孫娘にしてもらった。まあ、シャボンディ諸島のはずれのゴミ捨て場みたいなところで寝てたんだから多分本当に捨て子なんだろう。

 

それであれよあれよとレイリーに拾われた私はこうして目の前にいる「シャッキー,sぼったくりBAR」の『シャッキー』にお世話になっているのだ。おじいちゃんはしょっちゅうギャンブルに出掛けるからここに帰ってくるのは稀だ。

 

あ、そうそう。あの時私が食べた悪魔の実が分かった。実の形を言ったらおじいちゃんが詳しく教えてくれた。確かこのBARに着くなり外に連れ出されて・・・

 

 

 

 

 

 

2年前

 

シャボンディ諸島16番グローブ(無法地帯)

 

私はシャッキーのBARに着くなりおじいちゃんに連れ出されてここ、16番グローブに来た。このシャボンディ諸島は79本の「ヤルキマン・マングローブ」で形成される島で、その1本1本に番号が書かれている。ちなみに1~29番グローブは政府の目が行き届かない無法地帯で、私が今いるここもその枠の中である。

 

なぜこんなところに連れてこられたかと言うと私の悪魔の実の解説のためらしい。

 

「いいかい?まず君の食べたのは「シスシスの実」という超人系の悪魔の実だ。」

 

「シスシスの実~?」

 

「そう。星座や幻獣の力をその『瞳』に召喚し、操る力だ。超人系でありながら、自然系に匹敵する攻撃力を持つ。」

 

「そうなのかー。」

 

「試しに使ってみるといい。」

 

「どうすればいいのだー?」

 

「まず手を地面におきなさい。」

 

言われた通りに地面に手をつく。

 

「こうかー?」

 

「そう。そして瞳に天秤座『リブラ』を召喚し、そこら一帯を砂に変えるんだ。」

 

ん?天秤座?リブラ?なんかどこかで聞いたことがある。確か・・・

 

ビカッ!ブィィィ・・・ン・・・

 

「わっわっ!」

 

私がおじいちゃんの言葉に疑問を抱いているとこいしちゃんの第三の目のような閉じていた『瞳』がカッと開いて私から半径10メートルくらいの地面が砂に変わった。そして私の『瞳』にはある紋章が浮かび上がっていた。ってこれは

 

 

 

メタルファイトベイブレード!?

 

 

 

そう、私の『瞳』に浮かび上がった紋章は前世でかなり好きだったメタルファイトベイブレードの天秤座のベイ『リブラ』のフェイスマークだった。

 

「それが君の能力の一端だ。『リブラ』の力で超振動を起こし、周囲を砂のフィールドに変える。名付けるなら「ソニックバスター」といったところだ。」

 

「・・・そうなのかー。」

 

しかも技の仕組みと名前まで一緒ときた!まぁ、でも良かったかな。ただでさえここは私が知らないワンピースの世界なんだし、下手に知らない能力を得るよりもよく知ってるベイブレードの能力のほうが私にとっては好都合。とりあえず死ぬ確率は下がったと思いたい。

 

「君の能力はこのように強力だが、コントロールが難しい。暴走したりするととても危険だ。しばらくは私と一緒に能力を使いこなす練習をしよう。」

 

「了解なのだー!」

 

 

 

 

 

 

こうして私は約1年半くらい能力の特訓をしたんだっけ。たまに威力調節失敗しておじいちゃんを吹っ飛ばしちゃったりしたけど、なんとか使いこなせるようになったんだ。

 

「じゃあルーミアちゃん、また仕入れお願いできる?」

 

「分かったのだ!任せるのだー!」

 

いつものようにシャッキーに仕入れを頼まれた私は勢いよく店を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

「んしょ・・・んしょ・・・」

 

ここはシャボンディ諸島30番グローブのショッピングモール。そこで私は酒樽や果物、野菜などを山程積んだ台車を引っ張っていた。一応おじいちゃんとの修行で力は上がってるけどそれでも結構重い。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ちょっと休憩なのだ・・・」

 

そろそろ限界が近かった私は台車を止めて地面に腰かける。本当はこの島の住民ならみんな持ってる「ボンチャリ」が欲しいとこだけど、おじいちゃんが「これも修行だ。」とか言って買ってくれない。むぅ~、ケチ!

 

「あら!ルーミアちゃん!今日も仕入れ?」

 

「あっ!おばさん!こんにちはなのだー!」

 

私が休憩をしているとショッピングモールのおばさんが話しかけてきた。

 

「いつも偉いわね。はい、ごほうび。」

 

そう言っておばさんは私にグラマンをくれる。グラマンっていうのはこの諸島の名物のお土産饅頭だ。

 

「わぁ!おばさんありがとうなのだー!!」

 

「ふふっ、頑張ってね。」

 

「もぐもぐ・・・よーし!頑張るのだー!!」

 

グラマンでパワーを注入した私はシャッキーのBARまで全速力で駆けていった。

 

 

 

 

 

 

「ハヒー・・・ハヒー・・・た、ただいまなのだ・・・」

 

調子に乗って全力で走ってヘロヘロになって帰って来た。そんな私を出迎えたのは

 

「おや、お帰り。頑張っているようだな。」

 

「あ!おじいちゃん!お帰りなのだ!!」

 

おじいちゃんだった。珍しく帰って来たらしい。

 

「ルーミアちゃん、ご苦労さま。はい、お水。」

 

「シャッキーありがとうなのだ。ごくごく・・・ぷはぁ!おじいちゃんが帰って来るとは珍しいのだ。」

 

「ハハハ、かわいい孫娘の様子が気になってな。それに大事な話もある。」

 

「?大事な話って何なのだ?」

 

「ルーミア、私がいないこの半年間ちゃんと修行していたかな?」

 

「うん!それはもちろんなのだ!無法地帯の賞金稼ぎとかと戦っているのだ!」

 

「うむ、それは良い心掛けだ。しかし、そろそろこの辺の賞金稼ぎではもの足りなくなってきたんじゃないか?」

 

「む、そう言われればそうなのだ。」

 

確かにおじいちゃんの言う通りだ。最近は賞金稼ぎ程度じゃ満足な修行ができてないような気がする。

 

「そこでだ、私からある提案がある。」

 

「?」

 

「海へ出てみないか?」

私はおじいちゃんの言葉を理解するまで数秒かかった。そして理解すると期待と不安で胸がいっぱいになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




メタルファイトベイブレードを知らない人のために解説載せておきます。

・天秤座『リブラ』

元ネタ:フレイムリブラT125ES

天童 遊が使う天秤座のベイ。フリー回転するボトム(軸)により脅威の持久力を誇るスタミナタイプ。

「ソニックバスター」
リブラの超振動で地面を細かく砕き、そこら一帯を砂に変える。リブラの技はこのように超振動を利用したものが多い。


ちなみにルーミアの悪魔の実「シスシスの実」ですが、名前の由来はベイブレードにおけるラスボス『ネメシス』からです。ネメシスは作中で全てのベイの力を使えるという設定だったのでネメシスから取りました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ルーミアと麦わらの一味

 

 

 

 

 

 

グランドライン 海上

 

ザザー、ザザーと波の音だけが響く。360度どこを見渡しても見えるのは水平線のみ。見上げれば青い空に白い雲。時々カモメが飛んでいるのが見える。あ、あのカモメ帽子かぶってカバン持ってる。あれがかの有名なニュース・クーだろうか。

 

さて、海上からこんにちは。ルーミアです。あの日おじいちゃんに言われ海に出てみていろんな事がありました。ある時は町を襲うモーガニアの海賊と戦い、ある時はピースメインの海賊と宴(ただし、私はジュース)をし、ある時は海王類とケンカをし、それはもう海賊ライフを満喫させてもらいました。

 

まあ私の思い出ポロポロはこの辺でいいだろう。今私はかつてない窮地に陥っている。波に揺れる小舟、からっぽの食料庫、そして私は海のど真ん中。

 

そう、遭難だ。

 

おじいちゃんに用意してもらった小舟で海に出て、たくさんの思い出を作ったとこまでは良かった。そこまでは良かった。だが問題はその後だ。これはおじいちゃんも私もすっかり失念していた。

 

シャボンディ諸島には記録(ログ)がない。

 

グランドラインは特殊な海で、通常のコンパスは使い物にならない。そこで「記録指針(ログポース)」という特殊なコンパスに島の磁場を記録させて次の島へ、という具合に地道に航海しなければならない。

 

ところがシャボンディ諸島は前述の通り「ヤルキマン・マングローブ」という樹が集まっただけの諸島であり、磁場は存在せず、記録指針(ログポース)ではたどり着けないのだ。

 

「うぅ・・・そもそもグランドラインを逆走なんてするからこんな目にあうんだ。」

 

シャボンディ諸島はグランドラインの前半と後半の境に位置する島である。海賊達は皆そこで船をシャボンコーティングし、海底1万メートルにある「魚人島」を経由してグランドライン後半の海「新世界」へと旅立っていく。

 

そのため、普通に航海していれば記録指針(ログポース)が機能しなくても自動的にシャボンディ諸島には着くはずなのだが、ルーミアはグランドラインを逆走していた。

 

それというのも、レイリーがそうするように言ったからである。いくらシャボンディ諸島の賞金稼ぎに圧勝できるようになったからといっても1人で新世界に送ろうという気はなかったらしい。

 

だが、そのせいで記録指針(ログポース)がシャボンディ諸島とはまったく違う島を指してしまうようになり、帰れなくなってしまった。

 

「困ったなぁ・・・食料ももうないし、このまま飢え死にするしかないのか・・・ん?」

 

ほとほと困り果てていると一隻の船を見つけた。ルーミアの小舟より何倍も大きく、船主にライオンの顔がついている。海賊旗を掲げているので海賊船だろう。

 

その船を見たルーミアは驚き、そして喜んだ。なぜなら彼女はそれが誰の船なのかを知っていたから。

 

「サウザンドサニー号!」

 

 

 

 

 

ルフィ達「麦わらの一味」はウォーターセブンを出発し、順調に航海を続けていた。彼ら自身は釣りをしたり、お風呂に入ったり実に呑気なものだが、今世界から注目されている海賊のひとつである。

 

「おい!海に誰かいるぞ!」

 

ちょうど釣りをしていた狙撃主のウソップが叫ぶ。

 

「ありゃあ・・・子どもか?」

 

「もしかして遭難者かも!とにかく船に引き上げてあげましょ!」

 

航海士ナミの指示で彼らは海上の子どもを引き上げた。そして食堂へ案内し、コックのサンジが料理を振る舞う。

 

「もぐもぐ・・・ん~♪久しぶりのご飯!美味しいのだ~♪」

 

子ども、ルーミアは心底美味しそうに食べる。

 

「お前、何であんなとこにいたんだ?」

 

船長のルフィの質問にルーミアは修行中に遭難したことを伝える。

 

「修行とはいえ孫娘を海に出すとは・・・とんでもねぇじいさんだな。」

 

「まるでルフィのじーさんみてぇだ。」

 

「あはは、おじいちゃんはスゴい海賊だから鍛え方も厳しいのだ・・・あ!そうだ!この船の船長は誰なのだ?お願いがあるのだ。」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「この船がシャボンディ諸島に着くまで乗せてほしいのだ!」

 

「ああ、いいぞ。」

 

「本当!?ありがとうなのだー!!」

 

ルフィのやけにあっさりとした了承にルーミアはルフィの手をとって上下にぶんぶん振りながら喜ぶ。そんなルーミアの年相応な様子にほのぼのしていると

 

ドン!ドォォォン!!

 

「うわわっ!!」

 

「何!?」

 

「おい!海軍の軍艦だ!3隻こっちに向かってる!!」

 

大きな音と共に船が揺れ、それに驚いていると甲板で巨大なダンベルを使ってトレーニングをしていたゾロが叫ぶ。

 

「むっ!それはたいへんなのだ!私がやっつけてやるのだ!」

 

「え!?ルーミアあなた!もしかして戦えるの!?」

 

「何言ってるのだナミ!修行中って言ったでしょ!」

 

ルーミアは甲板を蹴り、大きくジャンプする。そして『瞳』に手を添え構えをとる。

 

キュィィィ・・・ン!

 

「サニー号にいるわけだから・・・召喚!獅子座『レオーネ』!!」

 

ルーミアが叫ぶと『瞳』がカッと開き、獅子の紋章を浮かび上げる。そしてルーミアの背後に勇ましく逞しい獅子のオーラが現れる。

 

「何だ!!あいつの後ろにライオンが出た!!」

 

「すっげ~~~~~!!」

 

「能力者だったのか!」

 

船ではウソップが目を飛び出させて驚き、ルフィは目を輝かせ、船大工のフランキーは驚きつつも冷静に分析する。

 

「獅子王爆風波!!」

 

ビュオォォォォ!!!

 

やがてルーミアは軍艦の一隻に向かって巨大な竜巻を3つ繰り出す。竜巻を撃ち込まれた軍艦はそのエネルギーに耐えきれずに沈んでいく。

 

「まだまだいくのだ!召喚!一角獣座『ユニコルノ』!!」

 

ライオンのオーラが消え、今度は凛々しい1本の角を持ったユニコーンのオーラが現れる。

 

「紫電の一閃!!」

 

ルーミアの叫びと共にユニコーンは角に紫の電気を纏い、軍艦の一隻に向かって直進。縦横無尽に暴れまわり、軍艦を沈める。

 

「最後はやっぱりコレ!召喚!天馬座『ペガシス』!!」

 

最後にルーミアの背後に現れたのは天を駆ける馬ペガサス。神々しい翼をはためかせ、堂々としている。

 

「天馬流星撃(ペガシスシューティングスターアタック)!!」

 

ルーミアから指示を受けたルーミアは白い翼をはばたかせ、一旦上空に舞い上がる。そして軍艦にめがけて一気に急降下し、見事に貫いてみせた。

 

一仕事終えたルーミアが船に戻ると

 

「お前すげぇなルーミア!!」

 

「へぇ、なかなかやるもんだな。」

 

「強ぇんだな!ルーミア!」

 

ルフィ達に囲まれる。褒められて悪い気はするわけもなく、ルーミアは嬉しそうに「えへへ」と微笑む。

 

「あなたも能力者だったのね。」

 

「うん!私はシスシスの実の召喚人間なのだ!海軍が出てきても私がやっつけてやるのだ!」

 

「ふふふ、ありがとう。」

 

ロビンに頭を撫でられ、ルーミアは気持ち良さそうに目を細める。

 

麦わらの一味と行動を共にすることになったルーミア。彼女の冒険はまだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





・獅子座『レオーネ』

元ネタ:ロックレオーネ145WB

獅子王爆風波

荒れ狂う3つの竜巻が襲いかかる技。原作から特に変更点はない。

・一角獣座『ユニコルノ』

元ネタ:レイユニコルノD125CS

紫電の一閃

紫の電気をユニコーンに纏わせ、相手に突撃させる技。相手に着弾した後、少しの間暴れまわり周りにもダメージを与える。

・天馬座『ペガシス』

元ネタ:ストームペガシス105RF

天馬流星撃(ペガシスシューティングスターアタック)

ペガサスが翼をはばたかせ、一旦上空に舞い上がり、急降下で突撃する技。原作から特に変更点なし。





次回から原作沿いになっていきます。スリラーパーク編からです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。