遊戯王ARC-X (ココロココ)
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異次元への訪問

シンクロ次元で大活躍を遂げた我らのネオ・ニュー・リ・沢渡さん。
デニスの正体を暴き、トップスとコモンズを和解させ、ジャックとのデュエルにも勝利し、マジすごすぎっすよだったがロジェの陰謀で次元転移に巻き込まれ、別次元に飛ばされてしまう。
飛ばされた先はエクシーズ次元

ではなく、アイマス次元だった!?どうなる、我らの沢渡さん。


 

「・・・はて、これは。」

「ん?どうしたんだ、貴音ー」

「・・・またどなたかが、いらっしゃったようです。」

「どなたか、って?そもそも、誰がどこに来たんだよー」

「いえ・・・ただの妄言です、気にしないでください響」

「えー、何かそんな言い方されると余計気になるぞー・・・ってあれ?ちょ、ちょっと!おいていかないでよ貴音ー!」

 

(・・・いくつもの世界からこの世界に訪問者が・・・一体この世界で、何が起きようとしているのでしょうか・・・)

 

 

 

「・・・う、うーん・・・ってて・・・」

痛みに腰をさすりながら起き上がる。

「つってー・・・あれ、どこだよここ。」

あたりを見渡すと、そこにあるのは見渡す限りのダンボールの箱だった。

「ダンボール?あれ、確か俺は・・・」

とりあえず冷静な状況把握の為に自分の記憶をさかのぼる事にする。流石俺、ランサーズの次期リーダーなだけはある冷静な思考だ。

「そうだ、俺はシンクロ次元にいたんだ!遊矢がジャックとデュエルして、そしたら柚子がロジェに捕まってるっていうから今度はロジェを追って、で治安維持局まで行って・・・そしたらロジェの奴がいきなり次元転移装置だかなんだかを起動させて・・・

で、気づいたら見知らぬ場所に・・・」

ん、って事は・・・

「おいおい、俺様次元転移しちまったわけ?」

あたりをもう一度見まわしてみる。商品の名前が書かれたダンボールに何かの備品。そして窓のついたドアから差し込む明かり。成程、ここはショッピングモールかどこかのバックルームってわけらしい。

「まあ少なくとも治安維持局でねえ事は確かだな・・・」

 

「ちっくしょー!ロジェの奴めんどくせえ事しやがって!この沢渡様に面倒かけさせやがった事絶対後悔させてやる!」

なんだか怒りが湧いてきたので近くのダンボールをとりあえず蹴っ飛ばす。すると

「うぁー!」

絶妙なバランスを保っていたダンボールが一斉に崩れて俺の方にのしかかってきた。

たちまちとてつもなく重いダンボールの下敷きになってしまう俺・・・

「ち、ち・・・ちくしょー!!」

 

 

「ふー、酷い目に遭ったぜ・・・」

とりあえず俺は職員に見つかって片づけを押し付けられる前にバックルームを抜け出した。

今はこのショッピングモールをふらつきながらどうしようか考えている所だが・・・

(まずここはどの次元なんだ?シンクロ次元・・・じゃなさそうだな。どいつもトップス、コモンズって感じじゃねえしな。)

すると真っ先に思い浮かぶのはスタンダード、俺達の次元だが・・・

(何かそれも違う気がするな、なんかこう・・・空気が違う。)

まあ次元の空気なんてわかるのかなんて話にもなってくるが、何となくはわかる気がする。

慣れない空気が漂ってる感じがここにはある・・・気がする。

(エクシーズ・・・はちげえよな、赤馬零児の話じゃ侵略されたって話だし。となるとここは・・・融合次元?)

途端に少し身構える。まさかここはアカデミアの拠点でこいつら全員デュエリストだったりするかもしれないなんて考えが頭をよぎって、少しあたりを見回してみる。

子連れではしゃぐ家族、服屋に入ってくカップル・・・いたって普通の眺めだ。

(なーんかそれも違う気がするんだよなー、じゃあやっぱここはスタンダードか?)

するとその時

「さあ、これで終わりです!」

前の方から大きな声が響き渡った。

ふとそっちの方に目をやると何やら大きな人だかりができている。

興味を持った俺はその人だかりによっていき、近くにいる男に話しかけてみた。

「おい、こりゃあ一体何なんだ?」

「何だって、あんた知らないの?あのただいまブレイク中の人気デュエルアイドル・如月千早ちゃんのデュエルイベントだよ!選ばれたファンが千早ちゃんとデュエルできるんだ!」

「はあ、デュエルアイドル?」

「ほら、もう決着がつくよ!」

その男の視線の先に目を向けると、一人の少女と男がデュエルをしている最中だった。

「行きなさい!≪幻奏の華歌聖 ブルーム・ディーヴァ≫、リフレクト・シャウト!」

「うわあああああああ!」

LP1500→0

男の悲鳴とともにディスクがライフが0になった事を告げる。

「決着!千早ガールの勝利デース!」

そう審判と思わしき銀の長髪の男が告げる。それを合図にして会場から歓声が沸き起こる。

「さすが千早ちゃーん!」

「歌だけじゃなく、デュエルも一流だ!」

(へっ、あんくらいの相手なら俺だって1キルできるぜ)

心の中でそう呟くがもちろん口には出さない。何故なら今、俺には使命があるからだ。こんなとこで道草食ってる場合じゃない。

ランサーズの次期リーダーとして迷えるあいつらを見つけだ・・・

「まさに千早ちゃんのデュエルはエンタメだよ、エンタメ!」

ん?エンタメ・・・?

「本当!千早ちゃんのデュエルは最高よ!千早ちゃん以上のエンタメデュエルなんてないわ~!」

エンタメ・・・

俺以上のエンタメ・・・?

 

な・ん・だ・と・ぉ~?

 

 

「では、これにて如月千早のファンデュエルイベントを・・・」

「待て待て待てぇーーーい!!」

声を張り上げながら一度人だかりから距離を取る、そして・・・

 

≪アクションフィールド クロス・オーバー≫

 

アクションデュエルの醍醐味たるアクションフィールドの発動を告げるシステム音がする。勿論発動したのは俺だ。

「てやっ!」

巧みにクロス・オーバーのフィールドに設置してある青ブロックに飛び移りながら、ステージに降り立つ。

「まだ挑戦者は残ってるぜ、俺の挑戦を受けてもらおうか!」

青髪のデュエルアイドル・如月千早の正面に立ち、俺は言い放つ。

「ちょ、ちょっと困ります。もうイベントは終わりましたしそれに・・・何なんですか?これ・・・」

如月千早が困惑気味に言う。これ、とはどうやらアクションフィールドの事を言っているらしい。

「お前、アクションフィールド知らねえのか?」

「アクションフィールド?」

「そうか、という事はアクションデュエルも知らねえんだな?」

「は?アクション・・・デュエル?」

成程、やっぱりここはスタンダード次元じゃなかったって事か。俺らの次元なら物心ついたばっかりの子供でもアクションデュエルは知ってるからな。

「やっぱりデュエルして正解だったな、流石俺」

「ちょっと、お客さん!いい加減にしてください、いい加減にしないと・・・」

ステージの袖から上がってきたスタッフが文句を言いながら俺の方に詰め寄ってこようとする。

だがその瞬間

 

「いいえ、待ちなサーイ」

 

俺の後ろからの制す声がした。

「ぺ、ペガサス様?」

「せっかく挑戦者が来てくれたのデース、デュエリストたるもの挑戦を断るのは失礼デース」

「で、ですが・・・」

「千早ガール?この後、スケジュールに差し支えは?」

ペガサスが千早の方を向いて尋ねる。

「い、いえ。特に問題はありませんが・・・」

「ならば、このボーイの挑戦を受けてあげなさい。この未知の技術とともに現れたボーイの挑戦を!」

「は、はあ・・・まあ、ペガサスさんがそういうのなら」

どうやらこの怪しげな銀髪のおっさんは相当偉い人だったらしい、このおっさんの鶴の一声であっさり俺のデュエルは承認されることになった。

「話がわかるじぇねえか、ありがとよおっさん!」

「お、おっさ・・・」

何やら抗議をしようとしたスタッフをペガサスとかいうおっさんが制す。

「いえいえ、デュエリストの嗜みデース・・・さて、少年。千早ガールに挑む勇敢なあなたの名前をぜひ聞かせてくだサーイ」

「へっ、言われずとも名乗ってやるぜ。おい、お前!」

千早に声をかける。

「え?わ、私ですか?」

「ちょっとマイク貸してくれ」

「は、はあ・・・」

困惑気味にマイクを差し出した千早からマイクを受け取り、俺は思いっきり名乗った。

「俺の名は、沢渡シンゴ!この次元、いや全次元に将来名前をとどろかす事になるエンタメデュエリストだ!」

「では・・・沢渡ボーイ!早速始めマース!」

後ろからペガサスがノリよくテンポよく俺に訪ねてくる。

ギャラリーも最初は俺にブツブツ文句を言っていたが、千早のデュエルがもう一度見れるという期待のせいか今では全員まだかまだかとステージ上の俺らに目をこらしている。

「おう、そんじゃ始めるか!

・・・戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

しーん・・・

「あれ?おい、ちゃんと言えよお前!」

「な、なにをですか?」

困惑したまま千早が言う。

「だから~・・・あ、そっか。言うの忘れてた。いいか、ゴニョゴニョゴニョ・・・」

「ええ!?わ、私も言うんですか?」

「当たり前だろ、ま、アクションデュエルするわけじゃねえが、景気づけにだ!ほら行くぜ!戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

「も、モンスターとともに地をけり、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る・・・」

「見よ、これがデュエルの最終進化形!アクショーン、

 

「「デュエル!!」」

 

 





次回からは沢渡さんが魔界劇団でマジ強すぎ・・・になるかもしれません。
あ、アイマスのキャラ達はOCG仕様でオリカは使用しませんよ。

沢渡さんの魔界劇団は、私の独断で9期仕様に魔改造したオリカになっておりますので苦手な人はご注意をば。


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魔界劇団・開演!

前回までのあらすじ。

あまりに瑠璃から離れすぎた結果、突如倒れ病院に搬送される黒咲。
ユートの必死の腹パンもむなしく、瑠璃を求め病院のベッドでもがき続ける黒咲。
そんな中、黒咲は病院で瑠璃にそっくりな少女「柚子」に出会う。
彼女は瑠璃ではない、と脳裏でユートの腹パンが響くも黒咲は思いを抑えきれず、柚子との交際が始まる。
あくまで瑠璃の代わりとして始まった関係だったが、そのうち黒咲は瑠璃の代わりとしてではなく、柚子その人に惹かれ始めていく。
しかしそんな中、瑠璃が再び黒咲の前に現れる。
柚子と瑠璃、二人の間で揺れる黒咲。
果たしてこの恋の行方は・・・




はい、嘘です


「見よ、これぞデュエルの最強進化形!アクショーン、」

 

「「デュエル!!」」

 

高らかに俺と千早の声が響き渡る。うん、今日もしっかり決まったぜ。

「先攻は俺が貰うぜ、俺のターン!」

「俺はスケール8の≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫と、スケール1の≪魔界劇団-デビル・ヒール≫でペンデュラムスケールをセッティング!」

ソリッドビジョンで、質量をもった≪ファンキー・コメディアン≫と≪デビル・ヒール≫が出現する。

ステージ上に二本の光の柱が発生し、その柱とともに二体の魔界劇団が出現するのだ。

「P(ペンデュラム)スケール・・・Pデッキですか」

「ん?なんだ、ペンデュラムはわかるんだな」

「そりゃあわかるも何も、基本ルールじゃないですか。でも・・・」

 

「これは・・・ソリッドビジョン?でも、今までのモノよりももっとリアル・・・」

千早が現れた二体の魔界劇団に目を凝らす。なるほど、リアルソリッドビジョンも初めてってわけだ。

「リアルなだけじゃねえぜ、ちゃんと質量もあるんだ。質量をもったモンスターと協力して、縦横無尽に動き回りながらデュエルするってのが、アクションデュエルの醍醐味さ。」

「し、質量?つまり、実体があるという事ですか?」

「ご明察、その通りさ。」

「・・・それって、危なくないんですか?」

あ、そういう事聞いちゃうのね。

「そりゃあ、まあ多少はあぶねえかもな・・・だが安心しろ!俺はケガした事ないし、してもすぐに治った!」

「・・・そうですか」

なんだその不服そうな顔は、畜生。

「ええいとにかく!これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!行くぜ、P召喚!」

 

「来い、≪魔界劇団-ビッグ・スター≫、≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫

星7/ATK2500

 

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫

星4/ATK1700

 

「一気に上級モンスターをP召喚ですか・・・」

「まだまだ、俺様の劇団員達の本領はこれからだぜ!俺は≪魔界劇団-ビッグ・スター≫の効果を発動!」

 

「≪ビッグ・スター≫は1ターンに1度、デッキから≪魔界≫魔法カード1枚を手札に加えることができる!俺はデッキから≪魔界舞台「七福神の宝船」≫を手札に加える!

そしてそのまま≪七福神の宝船≫発動!」

俺が≪七福神の宝船≫を発動するとステージ上に巨大な宝船が現れる。

金銀財宝で光り輝き、その光を更にステージライトが照らし実にきらびやかな光景になる。

「おお、すげー!」

「すっごくきれいだわ・・・!」

「これ、本当にソリッドビジョンかよ!」

おうおう、いいねえいいねえ。客もしっかりノってきたな。

「よし、いい具合にあがってきたじゃねえか!更に盛り上げてやるぜ!俺は≪七福神の宝船≫の効果を発動!1ターンに1度、俺の魔界劇団1体をエクストラデッキに表側表示で加える事で、≪七福神の宝船≫に≪七福神カウンター≫を一つ置く!俺は≪ビッグ・スター≫を宝船に乗り込ませるぜ!」

俺が宣言した瞬間、≪ビッグ・スター≫が待ってましたと言わんばかりにマントをたなびかせ、優雅に宝船に乗り込む。その様に見ている観客からも黄色い歓声が上がる。

「おお、素晴らしい!なんとドラマティックなパフォーマンス!」

ペガサスのおっさんも大分ご満悦らしく、宝船を見上げている。客の心をつかむっていうのはうまくいったらしい。

「へへ、そしてこの効果を使用した後、俺は次のドローフェイズに2枚ドローできる!」

「二枚のドロー、ですか・・・」

「そう、宝船に乗り込んだ≪ビッグ・スター≫がドローって宝を持って帰るって寸法だ。俺はこれでターンエンド!さあ、次はお前が盛り上げる番だぜ?」

「ふふ、面白い人ですね・・・わかりました、私も全力でいきましょう!」

 

1TURN END

 

【沢渡】

LP8000

手札:1

 

Pスケール

≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫ スケール8

≪魔界劇団-デビル・ヒール≫ スケール1

 

モンスターゾーン

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫ 星4/ATK1700

 

魔法&罠ゾーン

≪魔界舞台「七福神の宝船≫ 永続魔法 ≪七福神カウンター:1≫

 

エクストラデッキ 1枚

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫

 

「私のターン、ドロー!」

(! これはいいカードを引けました)

「私は手札から魔法カード≪独奏の第一楽章≫を発動!

 このカードはデッキからレベル4以下の≪幻奏≫モンスター1体を特殊召喚します!

 来て、≪幻奏の音女ソプラノ≫!」

 

≪幻奏の音女ソプラノ≫

星4/DEF1400

 

(まだまだ、更にここから・・・!)

「私は≪ソプラノ≫を対象に、魔法カード≪同法の絆≫を発動!」

千早がそのカードの発動を宣言した瞬間、ギャラリーも湧き立つ。

「おいおい、千早ちゃん早速あのカードを使うか!」

「大分飛ばしてるなあ」

一体なんだ?客の反応見る限り結構なカードらしいが・・・

「このカードは、2000LPを払う事で対象にしたモンスターと同じレベル・属性・種族でカード名の異なるモンスター2体をデッキから特殊召喚します!」

「んなっ、2体だとぉ!」

「来なさい、≪幻奏の音女アリア≫!≪幻奏の音女タムタム≫!」

 

≪幻奏の音女アリア≫

星4/DEF1200

 

≪幻奏の音女タムタム≫

星4/DEF2000

 

千早

LP8000→6000

 

「そしてこの瞬間、≪幻奏の音女タムタム≫の効果を発動します!≪幻奏≫モンスターが存在するときに≪タムタム≫が特殊召喚された時、デッキから≪融合≫1枚を手札に加える!」

「融合・・・!」

「ですが、≪同胞の絆≫の効果でこのターン、私はこれ以上モンスターを特殊召喚できず、バトルフェイズも行えません。私はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

2TURN END

 

【千早】

LP6000

手札:4

 

モンスターゾーン

≪幻奏の音女ソプラノ≫ 星4/DEF1400

≪幻奏の音女アリア≫ 星4/DEF1200

≪幻奏の音女タムタム≫ 星4/DEF2000

 

魔法&罠ゾーン

伏せカード 1

 

「なーんだ、何が来るのかと思えば結局はレベル4のモンスターが棒立ちになってるだけじゃないか」

「ふふ、そうでもありませんよ」

千早が不敵に笑って見せる。

「≪幻奏の音女アリア≫が特殊召喚されている時、私のフィールドの全ての≪幻奏≫モンスターは戦闘では破壊されず、効果の対象にもできません。」

「なっ、て事は・・・」

「そう、私の場の全ての≪幻奏≫は≪アリア≫の効果で強固な壁になってます。・・・これを崩せますか?沢渡さん」

「へぇ、おもしれえじゃねえか!いいぜ、やってやるよ!俺のターン!」

 

俺がターン宣言をすると同時に、宝船の≪ビッグ・スター≫が俺に財宝を投げて渡してきた。俺がそれを受け取るとそれはすぐにカードに変わる。

「≪七福神の宝船≫の効果で、俺の通常のドローの枚数はこのターン2枚になる!2枚ドロー!」

引いてきたカードを見て思わず顔がほころぶ、中々いいカードが引けた!

「俺は手札から≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫を召喚!」

 

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫

星4/ATK1600

 

(P召喚できるのに、通常召喚・・・?)

「なんで通常召喚するのかって顔だな、なーにすぐにわかるさ。

 俺は≪七福神の宝船≫の効果を発動し、≪ワイルド・ホープ≫をエクストラデッキに加える!これで≪七福神カウンター≫は2つになり、次のターンも俺は2枚ドローできる。

だが真の狙いはこの先だぜ!」

「!≪ワイルド・ホープ≫と入れ替わって・・・≪ビッグ・スター≫が!」

千早が突如フィールドに現れたビッグ・スターに驚く。

「俺は≪ワイルド・ホープ≫の効果を発動したのさ。まず第一の効果、≪魔界劇団≫の共通の効果を使わせてもらった。≪魔界劇団≫はエクストラデッキに送られた時、エクストラデッキに存在する自身以外の≪魔界劇団≫を特殊召喚できる!その代わり、そのターン自身及び同名カードはそのターンには特殊召喚できなくなるけどな。」

「なるほど・・・ステージからハケても、別の役者を呼び出すという事ですね。」

「え、ああうん!その通りだ!」

クソっ、それ俺がかっこよく説明しようと思ってたのに!

「だ、だが!これだけじゃないぜ、≪ワイルド・ホープ≫にはもう一つ効果がある!

 ≪ワイルド・ホープ≫がエクストラデッキに加わった時、デッキから劇団員を呼び込む!

 俺はデッキから≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫を手札に加える!」

 

「そして更に≪ビッグ・スター≫の効果を発動!デッキから≪魔界台本「ファンタジー・マジック」≫を手札に加える!そしてそのまま≪ファンタジー・マジック≫発動!」

俺が≪ファンタジー・マジック≫を発動した瞬間、フィールドの劇団員達の衣装が様変わりする。≪ビッグ・スター≫黒いマントを羽織り仮面を装着し、≪サッシー・ルーキー≫はカボチャを頭に被る。

「これは・・・?」

「俺のデュエルは脚本一個で様変わりするのさ!台本を読んだ≪魔界劇団≫達は自分達の役割を演じる!

 さーて、このままでもいいが心躍るファンタジーなら、かわいらしいヒロインも必要だ。P召喚!

 来い、≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫!」

 

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫

星4/ATK1500

 

≪プリティ・ヒロイン≫も場に出た瞬間≪ファンタジー・マジック≫の衣装に着替える。魔女の帽子にほうきにまたがった魔女っ娘スタイルだ。

「さあ準備は整った、バトルだ!」

「ですが、≪幻奏の音女アリア≫の効果で私の≪幻奏≫は破壊できません!」

「誰が破壊するって言った?」

「!?」

「行け、≪プリティ・ヒロイン≫!≪アリア≫を攻撃だ!」

 

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ATK1500 → ≪幻奏の音女アリア≫DEF1200

 

「≪アリア≫の効果で、戦闘では破壊されません!」

「だがこの瞬間、≪ファンタジー・マジック≫の効果が発動!このターン、≪魔界劇団≫と戦闘を行ったモンスターを、ダメージステップ終了時に手札に戻す!」

「なっ!?」

「これで≪アリア≫は手札に戻る、そしてその効果も消えるぜ!」

「くっ・・・」

続いて≪ビッグ・スター≫で≪タムタム≫を、

 ≪サッシー・ルーキー≫で≪ソプラノ≫を攻撃!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ATK2500 → ≪幻奏の音女タムタム≫DEF2000

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫ATK1700 → ≪幻奏の音女ソプラノ≫DEF1400

 

「ですが、あなたの発動した≪ファンタジー・マジック≫の効果で二枚とも手札に戻る!再利用は利きます!」

「だが、もう≪アリア≫の効果は消えた!≪ファンタジー・マジック≫がある限り、俺にその手は利かないぜ!

 俺は永続魔法≪魔界大道具「ニゲ馬車」≫を発動して、ターンエンドだ!」

俺のターン終了宣言で更に客が盛り上がる。このターンの攻防に夢中で気づいていなかったが、どうやら客も俺達と同じように夢中のようだった。

 

4TURN END

【沢渡】

LP8000

手札:1

 

Pスケール

≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫ スケール8

≪魔界劇団-デビル・ヒール≫ スケール1

 

モンスターゾーン

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ 星7/ATK2500

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫ 星4/ATK1700

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ 星4/ATK1500

 

魔法&罠ゾーン

≪魔界舞台「七福神の宝船」≫ 永続魔法 ≪七福神カウンター:2≫

≪魔界大道具「ニゲ馬車」≫ 永続魔法

 

エクストラデッキ 1枚

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫

 

【千早】

LP6000

手札:7

 

魔法&罠ゾーン

伏せカード 1

 

「行きますよ、私のターン!」

「・・・沢渡さん」

「ん?」

突如、千早が話しかけてくる。デュエル開始前のぎこちなさはどこへやら、今では闘志をたぎらせたデュエリストの顔になってやがる。

「≪アリア≫の効果をあんなに早く破ったのは流石です。でも・・・

 私もまだまだ、全力ではありませんよ?」

「何?」

「行きますよ、私は魔法カード≪融合≫発動!」

(融合!ついにきやがったか・・・)

「ワーオ!みなさーん、注目してくだサーイ!千早ガールの融合召喚デース!」

ペガサスがすかさず煽ると客からも大歓声が返ってくる。

(何で千早の方が盛り上がってるんだ!ここまで俺が盛り上げてきたんだぞ、このネオ・ニュー・リ・コントラクト沢渡様が!)

「その効果で私は手札の≪幻奏の音女アリア≫と≪幻奏の音女ソナタ≫を融合!」

 

 響け歌声!流れよ旋律!タクトの導きにより力重ねよ!

 融合召喚!今こそ舞台へ!

 《幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト》!」

 

《幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト》 星6/ATK2400

 

(こいつが・・・千早の融合モンスター!)

 

「行きますよ、沢渡さん!」

 

 

 




今日のカード紹介コーナー!
今回は、沢渡さんのエースにして今回も大活躍した≪魔界劇団-ビッグ・スター≫です

魔界劇団-ビッグ・スター
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻 2500/守 1800
【Pスケール:青3/赤3】
①:1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」Pモンスター1体を自分のエクストラデッキに表側表示で加え、自分の墓地の「魔界劇団」のカード名が記された「魔界」魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
【モンスター効果】
「魔界劇団-ビッグ・スター」の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
①:自分のメインフェイズに発動できる。デッキから「魔界劇団」のカード名が記された「魔界」魔法カード1枚を手札に加える。
②:自分のPゾーンに「魔界劇団」カードが存在し、このカードが自分のモンスターゾーンからエクストラデッキに加わった場合に発動できる。エクストラデッキから「魔界劇団-ビッグ・スター」以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を特殊召喚する。
この効果を発動したターン、自分は「魔界劇団-ビッグ・スター」を特殊召喚できない。

サーチ範囲広すぎかなこれ…


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この次元のエンタメ

前回までのあらすじ。

黒咲はラストストリクスアレルギー症。
RRを使ってる時に露骨にラストストリクスばっかりサーチする輩を見ると我慢できない思春期の不審者である。
まだRUMでアルティメットファルコンなら多少の我慢は出来るものの、アルティメットすら下敷きにする輩にはもう我慢ができない。
ついに彼は怒りの衝動のままに自分のストレージに眠るセブンシンズを破り捨てる。
ついでに目に付いたヒグルミとモンキーボードも破り捨てると、何だか心が洗われたような気がした。


4TURN

【沢渡】

LP8000

手札:1

 

Pスケール

≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫ スケール8

≪魔界劇団-デビル・ヒール≫ スケール1

 

モンスターゾーン

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ 星7/ATK2500

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫ 星4/ATK1700

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ 星4/ATK1500

 

魔法&罠ゾーン

≪魔界舞台「七福神の宝船」≫ 永続魔法 ≪七福神カウンター:2≫

≪魔界大道具「ニゲ馬車」≫ 永続魔法

 

エクストラデッキ 1枚

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫

 

【千早】

LP6000

手札:5

 

モンスターゾーン

≪幻奏の歌姫マイスタリン・シューベルト≫ 星7/ATK2400

 

魔法&罠ゾーン

伏せカード 1

 

(ついにきやがったか・・・融合モンスター!)

「行きますよ、沢渡さん!」

「どうするつもりだ?お前の融合モンスターの攻撃力は2400、それじゃ≪ビッグ・スター≫は倒せないぜ!」

「確かに、今のままならそうです。」

 

 

「何?」

「リバースカードオープン!速攻魔法≪光神化≫発動!」

そのカードの発動と共にフィールドを眩い光が包む。そしてその光の中から一体のモンスターが出現した。

 

≪幻奏の音女ソプラノ≫ 星4/ATK700

 

「≪光神化≫は、手札の天使族を攻撃力を半分にして特殊召喚します。そして≪幻奏の音女ソプラノ≫の効果発動!特殊召喚成功時、墓地の≪幻奏≫1体を手札に加えます。私は≪幻奏の音女ソナタ≫を手札に!そして≪幻奏の音女ソナタ≫は、自分フィールドに≪幻奏≫が存在する場合手札から特殊召喚できる!」

 

≪幻奏の音女ソナタ≫ 星3/ATK1200

 

「そして、特殊召喚された≪ソナタ≫が私のフィールドに存在する時、私の天使族モンスターの攻撃力・守備力は500アップします!」

 

≪幻奏の音女ソナタ≫ ATK1700

≪幻奏の歌姫ソプラノ≫ ATK1200

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK2900

 

「ちっ、≪マイスタリン・シューベルト≫の攻撃力が≪ビッグ・スター≫を上回りやがったか!」

「バトルです!私は≪ソナタ≫で≪プリティ・ヒロイン≫を攻撃!」

 

≪幻奏の音女ソナタ≫ ATK1700 → ≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ ATK1500

 

「この瞬間、俺は≪魔界大道具「ニゲ馬車」≫の効果を≪プリティ・ヒロイン≫を対象として発動!このターン≪プリティ・ヒロイン≫は戦闘では破壊されず、相手の効果も受けない!」

「ですが、ダメージは発生します!」

「ちっ・・・」

沢渡

LP8000→7800

 

「さらに、≪マイスタリン・シューベルト≫で≪プリティ・ヒロイン≫に攻撃!そしてこの瞬間、≪マイスタリン・シューベルト≫の効果を発動します!互いの墓地のカードを3枚まで除外し、除外したカード1枚につき200ポイント攻撃力をアップ!」

「んだとぉ!?」

「私はあなたの墓地の≪魔界台本「ファンタジー・マジック」≫と私の墓地の≪光神化≫、≪同胞の絆≫を除外!そして≪マイスタリン・シューベルト≫の攻撃力がアップ!」

 

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK3500 → ≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ ATK1500

 

「うああああ!!」

沢渡

LP7800→5800

 

「や、やってくれたじゃねえか・・・!だがただじゃ返さねえ!次のターンでそいつを・・・」

「私は手札から速攻魔法≪瞬間融合≫を発動!自分フィールドのモンスターのみを素材として、融合召喚する!」

「なにぃ!速攻魔法の融合だとぉ!?」

「私は≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫と≪幻奏の歌姫ソプラノ≫を融合!

歌曲の女王よ!天使のさえずりよ!タクトの導きにより、力重ねよ!

融合召喚!」

千早が高らかに叫んだ瞬間、会場がどっと湧き上がる。それに呼応するかのようにステージに一輪の綺麗な花が現れる。

そして、その花がゆっくりと開いていき、中から可憐な少女のモンスターが飛び出してくる。

「今こそ舞台に、勝利の歌を!≪幻奏の花歌聖ブルーム・ディーヴァ≫!」

 

≪幻奏の花歌聖ブルーム・ディーヴァ≫ 星6/ATK1000 → 1500

 

「こ、こいつは…」

あまりの眩しさと美しさに一瞬言葉を失う。俺だけでなく、会場の全員が≪ブルーム・ディーヴァ≫の姿に見惚れていた。

「どうです、沢渡さん。これが私の切り札です!」

「・・・なるほど、やるじゃねえか」

「さあ、まだバトルフェイズは続いています!私は≪ブルーム・ディーヴァ≫で≪ビッグ・スター≫を攻撃!」

 

≪幻奏の花歌聖ブルーム・ディーヴァ≫ ATK1500 → ≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK2500

 

「だが≪ビッグ・スター≫の方が攻撃力は上だぜ!」

「≪ブルーム・ディーヴァ≫は戦闘・効果では破壊されず、発生する戦闘ダメージも0にします。そして、特殊召喚されたモンスターと戦闘を行なった場合、そのモンスターとの元々の攻撃力の差分のダメージを与え、そのモンスターを破壊します!」

「なにぃ!」

「≪ビッグ・スター≫を破壊!」

「ぐっ!」

沢渡

LP5800→4300

 

「だがこの瞬間、≪ビッグ・スター≫の効果を発動!エクストラデッキの≪魔界劇団≫を特殊召喚する!

さあ舞台裏から出てこい!≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫!」

 

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫ 星4/DEF1200

 

「まだまだ、こっからだぜ!さあ来い!

「・・・私はカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

4TURN END

【沢渡】

LP4300

手札:1

 

Pスケール

≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫ スケール8

≪魔界劇団-デビル・ヒール≫ スケール1

 

モンスターゾーン

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ 星4/ATK1500

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫ 星4/ATK1700

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫ 星4/DEF1200

 

魔法&罠ゾーン

≪魔界舞台「七福神の宝船」≫ 永続魔法

七福神カウンター:2

≪魔界大道具「ニゲ馬車」≫ 永続魔法

 

エクストラデッキ 1枚

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫

 

【千早】

LP6000

手札:1

 

モンスターゾーン

≪幻奏の花歌聖ブルーム・ディーヴァ≫ 星6/ATK1500

≪幻奏の音女ソナタ≫ 星3/ATK1700

 

魔法&罠ゾーン

≪伏せカード≫

≪伏せカード≫

 

「俺のターン!≪七福神の宝船≫の効果で2枚ドロー!」

(さて、どうするか・・・≪ブルーム・ディーヴァ≫は破壊されねえ、≪ファンタジー・マジック≫で手札に戻してもいいがそうすると俺も≪ブルーム・ディーヴァ≫の効果でダメージを受けちまう・・・なら!)

少しの試案の後、手札のモンスター1体を場に出す。

「俺は手札から≪魔界劇団-エキストラ≫を召喚!」

 

≪魔界劇団-エキストラ≫ 星1/ATK100

 

「そして俺は≪七福神の宝船≫の効果で、≪エキストラ≫をエクストラデッキに加える!」

 

≪魔界舞台「七福神の宝船」≫ 七福神カウンター:3

 

「この瞬間、≪エキストラ≫の効果発動!自身以外の≪魔界劇団≫をエクストラデッキから呼び戻す!戻って来い、≪ビッグ・スター≫!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ 星7/ATK2500

 

「また≪ビッグ・スター≫・・・≪ファンタジー・マジック≫で≪ブルーム・ディーヴァ≫を除去するつもりですか?」

「いいや、もっといい案があるのさ!俺は≪ビッグ・スター≫の効果を発動し、デッキから≪魔界劇団の衣装箱≫を手札に加える!」

「衣装箱?本当にデュエルじゃなく演劇をしてるみたいね・・・」

「≪魔界劇団の衣装箱≫発動!こいつはお互いのメインフェイズに1度だけ、デッキから≪魔界衣装≫を発動できる!俺はデッキから≪魔界衣装「勇者の剣」≫を発動し、≪ビッグ・スター≫に装備!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK2500 → 2800

 

「≪勇者の剣≫を装備したモンスターの攻撃力は300アップする。更に、戦闘を行うモンスターの効果を無効にして、バトルが終わるまで相手はカードの効果を発動できない!」

「なるほど、それで≪ブルーム・ディーヴァ≫を無力化して倒すつもりですね」

「ああ、だが更にダメ押す!俺はPゾーンの≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫の効果を発動!俺の場の≪ワイルド・ホープ≫をエクストラデッキに加え、その攻撃力分ターン終了時まで≪ビッグ・スター≫の攻撃力を上げる!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK2800 → 4400

 

「攻撃力4400・・・!」

「そして、≪ワイルド・ホープ≫の効果も発動する!俺はデッキから、2体目の≪ビッグ・スター≫を手札に加えるぜ!そしてペンデュラム召喚!来い、2体目の≪ビッグ・スター≫!そして≪サッシー・ルーキー≫!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター(2)≫ ATK2500

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー(2)≫ ATK1700

 

「何と、沢渡ボーイのフィールドが5体のモンスターで埋め尽くされていマース!アンビリーバボー!」

「もういっちょ!Pゾーンの≪デビル・ヒール≫の効果を・・・」

俺が意気揚々と≪デビル・ヒール≫の効果を宣言しようとした瞬間、

「罠発動!≪強化蘇生≫!」

俺の声は千早の罠の発動宣言に割り込まれてしまった。

「≪強化蘇生≫は、自分の墓地のレベル4以下のモンスターをレベルを1、攻守を100アップして特殊召喚します!戻ってきて、≪幻奏の音女アリア≫!」

 

≪幻奏の音女アリア≫ 星4/DEF1200 → 1300

 

「≪アリア≫!?って事は・・・」

「そう、特殊召喚された≪アリア≫がフィールドに戻った事で≪幻奏≫は再び対象にとられず、戦闘では破壊されません。」

(ちっ、≪デビル・ヒール≫は対象を取る弱体化効果・・・もう使えねえ。)

「そして、≪ブルーム・ディーヴァ≫は今自身と≪アリア≫の二重の耐性を得ています。これで≪勇者の剣≫を装備した≪ビッグ・スター≫でも破壊できません!」

「だったらまずは邪魔な≪アリア≫から始末してやるぜ!バトルだ!俺は≪勇者の剣≫を装備した≪ビッグ・スター≫で≪アリア≫を攻撃!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK4400 → ≪幻奏の音女アリア≫ DEF1800

 

「≪勇者の剣≫の効果で≪アリア≫の効果は無効にされる!そのまんま撃破だ!」

「っ!≪アリア≫が破壊されたことで≪強化蘇生≫も破壊されます・・・」

「そしてもう一体の≪ビッグ・スター≫で≪ソナタ≫を攻撃!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK2500 → ≪幻奏の音女ソナタ≫ ATK1700

 

「くぅ!」

千早

LP6000→5200

 

(ちっ、≪ブルーム・ディーヴァ≫は倒せねえ・・・≪強化蘇生≫さえなければこのターンで勝てたんだが)

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。そしてターン終了とともに≪ビッグ・スター≫の攻撃力は元に戻る。」

 

TURN5 END

【沢渡】

LP4300

手札:0

 

Pスケール

≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫ スケール8

≪魔界劇団-デビル・ヒール≫ スケール1

 

モンスターゾーン

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ 星7/ATK2800 (装備:≪魔界衣装「勇者の剣」≫

≪魔界劇団-ビッグ・スター(2)≫ 星7/ATK2500

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ 星4/ATK1500

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫ 星4/ATK1700

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー(2)≫ 星4/ATK1700

 

魔法&罠ゾーン

≪魔界舞台「七福神の宝船」≫ 永続魔法

七福神カウンター:3

≪魔界大道具「ニゲ馬車」≫ 永続魔法

≪魔界劇団の衣装箱≫ 永続魔法

≪魔界衣装「勇者の剣」≫ 装備魔法(対象:≪ビッグ・スター≫)

≪伏せカード≫

 

エクストラデッキ 2枚

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫

≪魔界劇団-エキストラ≫

 

【千早】

LP5200

手札:1

 

モンスターゾーン

≪幻奏の花歌聖ブルーム・ディーヴァ≫ 星6/ATK1000

 

魔法&罠ゾーン

≪伏せカード≫

 

「私のターン、ドロー!」

(さて、どうするつもりだ?どうにか≪ブルーム・ディーヴァ≫は守ったようだがもう千早の場に残っているのは≪ディーヴァ≫だけ・・・対する俺のフィールドには≪魔界劇団≫が5体。俺の圧倒的有利だ。2枚の手札と伏せカードでこの状況をひっくり返せるか?)

そう考えながら千早の方を見る。手札を見ながら真剣な表情をしている。が、その目からまだ闘志は消えていない。むしろ、どう突破するかを楽しんでいそうだ。

(念には念を込めるか・・・!)

この状況、次のターンで間違いなく俺は勝てる・・・が、警戒しとくにこした事はねえ。そう判断した俺は伏せカードの発動を宣言する。

「リバースカードオープン!俺の場の≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫1体をエクストラデッキに加え、永続罠≪魔界劇団の欠員≫発動!」

「≪魔界劇団の欠員≫・・・?」

「このカードは、このカードが俺の場に存在する限り、発動するためにエクストラデッキに加えた≪魔界劇団≫と同じレベルのモンスターを特殊召喚の素材にできなくする!

俺がエクストラデッキに加えた≪サッシー・ルーキー≫はレベル4!よって、レベル4を特殊召喚の素材にはできない!」

「くっ・・・!」

「さらに、≪サッシー・ルーキー≫の効果発動!自身以外の劇団員を舞台に呼び戻すぜ!来い、≪ワイルド・ホープ≫!」

 

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫ 星4/DEF1200

 

「さあ、融合召喚にも制限をかけられたぜ?どうするんだ?」

「・・・沢渡さん。」

「ん?」

突如、今までと変わった調子で話しかけてくる千早に俺は少し戸惑って返事をする。

「あなたって変な人ですね。突如イベントに割り込んできて、急にデュエルしろだなんて言って・・・」

おいおい、今更文句か?そう思い、ちょっとばかしむっとした顔になる。

「しかも見た事のないディスクや、変な技術まで・・・」

「そりゃ悪かったな~。」

「でも、ほら。見てください、お客さん達を。」

そう千早に促され、客達を見てみる。すると

「千早ちゃーん、最高だ!今日一番のデュエルだよ~!

「ほんと!千早ちゃんのモンスター本当に華麗で綺麗!」

「千早ちゃんも、千早ちゃんのモンスターも素敵ー!」

会場はすさまじい熱気と歓声に包まれているようだ、誰もが口々に千早に声援を送り、熱狂している。

・・・いや、声援を送られてるの千早だけじゃない。

「沢渡ー!いいぞ、もっと盛り上げてくれー!」

「千早ちゃんの為に、いいデュエルしろよ!」

「でも、千早ちゃんに勝つんじゃねーぞー!」

何と、こりゃあ驚いた。中には俺にも声援を送っている奴らまでいたのだ。いや、そのつもりでずっとデュエルはしていたのだが、本当に貰えるとは思ってはいなかった。

「わかりますか、沢渡さん。・・・会場の皆がこのデュエルに夢中になっているんです、あなたのお陰で。」

「・・・へっ、ま、まあこの沢渡さんのデュエルなんだから、当然だろうよ。」

「ふふ、ありがとうございます、沢渡さん。」

そういうと、千早は深く深呼吸する。

「・・・沢渡さん、私昔はずっと、自分の為にアイドルをやっていました。ステージで踊るのも、歌を歌う事も、こうやってファンの前でイベントをする時も。」

俺をしっかり目で捉えると、千早は今までとは違う雰囲気の真剣さで俺に語り掛けてきた。

「心に傷を負って、弱くて・・・そんな自分を見ないようにする為にずっと歌ってきました。でも・・・友達が、皆が教えてくれたんです。自分の為だけに頑張るのには限界があるって。人が本当に素晴らしい物を生み出せるのは、皆の為・・・自分の為にも、皆の為に努力した時だと。」

そういうと千早は穏やかな笑みを浮かべる。今日見た中で、一番いい笑顔で。

「だから、私はアイドルをやるんです。歌を歌って、ステージで踊って、こうやってデュエルもします。皆の為に、大切な人の為に・・・そして私自身の為に!」

「千早・・・」

そして千早は一歩、客席側に歩み寄り、客に向かって大声で言う。

「皆!今日は本当にありがとう!皆のお陰で、こうして今日最高のデュエルができました!」

「ワアアアアアア!!」

千早の声に客がレスポンスを返す。その様はまさしく圧巻だった。

「すげえな・・・アイドルってのは。」

「恐らく、この1ターンが勝負所です。私もこのターンにかけます!だから、皆・・・最後まで、ついてきて!」

「オオオオオオオオオオオオオ!!」

ファンの声がショッピングモールの一角を揺らす。まさしく、会場が揺れている。

「・・・へっ、いいエンタメじゃねえか。」

「ええ、あなたのお陰で。・・・行きますよ、沢渡さん!」

「ああ、来い!」

「これが私の、ラストターンです!」

 

「バトル!≪ブルーム・ディーヴァ≫で、≪勇者の剣≫を装備していない≪ビッグ・スター≫を攻撃!」

≪ブルーム・ディーヴァ≫が≪ビッグ・スター≫に狙いを定める。

「させるか!俺は≪ニゲ馬車≫の効果を≪ビッグ・スター≫を対象に発動!このカードは、相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに発動でき、対象モンスターはこのターン相手の効果を受けず、戦闘では破壊されない!」

 

 

≪幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ≫ ATK1000 → ≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK2500

 

「≪ブルーム・ディーヴァ≫の効果!戦闘破壊とダメージを無効にします!そして≪ブルーム・ディーヴァ≫の効果発動!1500ダメージを受けてもらいます!」

沢渡

LP4300→2800

 

「ぐああああ!だ、だが!≪ビッグ・スター≫は≪ニゲ馬車≫の効果で破壊されない!」

「私は伏せていた速攻魔法発動!≪融合解除≫!」

「≪融合解除≫!?」

「このカードの効果で、≪ブルーム・ディーヴァ≫の融合を解除し、墓地の融合素材モンスター一組を特殊召喚!戻ってきて、≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫!≪幻奏の歌姫ソプラノ≫!」

 

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ 星6/ATK2400

≪幻奏の歌姫ソプラノ≫ 星4/ATK1400

 

「そして、≪ソプラノ≫が特殊召喚に成功した事でその効果を発動!墓地の≪ソナタ≫を手札に!」

「だが、その二体の攻撃力じゃ俺のライフは削り切れない!」

「それはどうでしょう?」

「!」

「バトル!私は≪マイスタリン・シューベルト≫で≪プリティ・ヒロイン≫を攻撃!そしてこの瞬間、≪マイスタリン・シューベルト≫の効果発動!私の墓地の≪瞬間融合≫≪強化蘇生≫≪融合解除≫を除外して、攻撃力を600アップします!」

 

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK2400 → ATK3000

 

「そのままバトルです!そしてこの瞬間、手札の≪幻奏の音女スコア≫を墓地に送って効果を発動します!」

「何、手札のモンスター効果ぁ!?」

「≪幻奏の音女スコア≫は、≪幻奏≫モンスターと戦闘を行う相手モンスターの攻守をターン終了時まで0にします!」

 

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ ATK1500→0

 

(≪プリティ・ヒロイン≫の攻撃力が!)

「これで終わりです!行きなさい、≪マイスタリン・シューベルト≫!」

 

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK3000 → ≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫ ATK0

 

「おお!決着か!?」

「3000のダメージで沢渡のライフは0・・・千早ちゃんの勝ちだろ!」

(フフ・・・さあ、それはどうでしょう?ねえ、沢渡ボーイ!)

 

沢渡

LP2800→1300

 

「なっ!?そんな、≪マイスタリン・シューベルト≫の攻撃であなたのライフは・・・!」

「ふぅ~あぶねえ・・・お前のモンスターの攻撃力を見てみな!」

「え、こ、これは・・・!」

 

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK1500

 

「こ、攻撃力1500!?そんな、どうして・・・」

「俺は攻撃を受ける瞬間≪プリティ・ヒロイン≫の効果を発動したのさ!こいつは互いのバトルフェイズに1度、相手モンスターの元々の攻撃力をそのバトルフェイズに発生したダメージの数値分下げる事ができる!その効果で俺はこのターン≪ブルーム・ディーヴァ≫の効果で受けたダメージの数値1500分≪マイスタリン・シューベルト≫の攻撃力を下げたのさ!」

「くっ、そんな効果が・・・」

(あぶねえあぶねえ・・・もし≪サッシー・ルーキー≫の効果を早まって使ってたら負けだったぜ・・・)

「そして、エクストラデッキに送られた≪プリティ・ヒロイン≫の効果を発動するぜ!来い、≪エキストラ≫!」

 

≪魔界劇団-エキストラ≫ 星1/DEF100

 

「なら!私は≪ソプラノ≫で≪エキストラ≫を攻撃!」

 

≪幻奏の音女ソプラノ≫ ATK1400 → ≪魔界劇団-エキストラ≫ DEF100

 

「無駄だぜ!俺は≪サッシー・ルーキー≫の効果を≪エキストラ≫を対象に発動!対象のモンスターはこのターン1度だけ破壊されない!」

「くっ・・・流石ですね、沢渡さん。私はメインフェイズ2で手札から≪ソナタ≫を守備表示で特殊召喚!≪ソナタ≫の効果で天使族モンスターの攻守は500アップします!モンスターを1体セットしてターンエンド。」

6TURN END

【沢渡】

LP1300

手札:0

 

Pスケール

≪魔界劇団-ファンキー・コメディアン≫ スケール8

≪魔界劇団-デビル・ヒール≫ スケール1

 

モンスターゾーン

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ 星7/ATK2800 (装備:≪魔界衣装「勇者の剣」≫

≪魔界劇団-ビッグ・スター(2)≫ 星7/ATK2500

≪魔界劇団-エキストラ≫ 星1/DEF100

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫ 星4/ATK1700

≪魔界劇団-ワイルド・ホープ≫ 星4/DEF1200

 

魔法&罠ゾーン

≪魔界舞台「七福神の宝船」≫ 永続魔法

七福神カウンター:3

≪魔界大道具「ニゲ馬車」≫ 永続魔法

≪魔界劇団の衣装箱≫ 永続魔法

≪魔界衣装「勇者の剣」≫ 装備魔法(対象:≪ビッグ・スター≫)

≪魔界劇団の欠員≫ 永続罠

 

エクストラデッキ 2枚

≪魔界劇団-サッシー・ルーキー≫

≪魔界劇団-プリティ・ヒロイン≫

 

【千早】

LP5200

手札:0

 

モンスターゾーン

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK2000

≪幻奏の歌姫ソプラノ≫ ATK1900

≪幻奏の音女ソナタ≫ DEF1500

≪セットモンスター≫

 

(ふふ、沢渡ボーイの≪魔界劇団の欠員≫が効いていマース・・・千早ガールの≪ソプラノ≫には≪融合≫無しでも≪幻奏≫を融合召喚する効果がありますが、≪魔界劇団の欠員≫でレベル4は融合素材にできない・・・≪ブルーム・ディーヴァ≫を呼び出す事も封じられたという訳デース)

 

「さーて、行くぜ!俺のターン!≪七福神の宝船≫の効果で2枚ドロー!

 さあて、楽しい演目だったがいつだって終わりの時間はやって来るもんだぜ!」

「!」

「まず俺はPゾーンの≪ファンキー・コメディアン≫の効果を発動!≪勇者の剣≫を装備していない≪ビッグ・スター≫をエクストラデッキに加え、もう一体の≪ビッグ・スター≫にその攻撃力を加える!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK2800→5300

 

「そして!≪七福神の宝船≫の効果を発動!≪エキストラ≫をエクストラデッキに加え、≪七福神カウンター≫を増やす!更に≪エキストラ≫の効果で、さっきエクストラデッキに加えた≪ビッグ・スター≫を呼び戻す!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター(2)≫ 星7/ATK2500

 

「こいつで最後だ!Pゾーンの≪魔界劇団-デビル・ヒール≫の効果を発動!≪ビッグ・スター≫をエクストラデッキに加え、その攻撃力分≪マイスタリン・シューベルト≫の攻撃力を下げる!」

 

≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK2000→0

 

「今度は私のモンスターの攻撃力が0に・・・!」

「さあこれで終いだぜ!行け、≪ビッグ・スター≫!この最高のステージに相応しいフィナーレをお前が飾るんだ!」

≪ビッグ・スター≫が頷き、装備した≪勇者の剣≫を空高く掲げる。後は俺が指示を下すだけだ。

「バトル!やれ、≪ビッグ・スター≫!≪マイスタリン・シューベルト≫を攻撃!」

その言葉を合図に≪ビッグ・スター≫が飛び上がる、ステージの上、ショッピングモールの天井にまで飛び上がり、そして急降下する!狙いを≪マイスタリン・シューベルト≫に定め、そして・・・

 

勢いよく斬る!

「きゃああああああああああああ!」

 

≪魔界劇団-ビッグ・スター≫ ATK5300 → ≪幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト≫ ATK0

千早

LP5200→0

 

千早のディスクがそのライフが0になった事を告げるシステム音を鳴らした。それと同時にリアルソリッドビジョンが終了する。

きらびやかな宝船、衣装箱、そしてモンスター達も消え、ステージには俺等だけが残される。

会場は、先程までの熱気が嘘のように静まり返っていた。

千早が負けた。その予想外の結果に観客はどう反応を返せばいいかわからないでいるようだった。

「・・・ふふ、ふふふふ!」

そんな中、ステージに笑い声が響く。その声の主は千早だ。その声の方に振り向いてみると倒れていた千早がちょうど起き上がる所だった。

千早は起き上がり、軽く衣装についた埃を手で払うと俺に近づいてきた。そして

「私の負けですね、でも楽しかったです。」

そういって手を差し出してくる。

「ま、相手が俺だったからな。・・・だけど、お前もちょっとはいいデュエルしてたぜ。」

そう言って俺はその手を握り返す。

その様子を満足そうに見届けたペガサスが、客席に向かって言う。

「デュエル終了!勝者は・・・沢渡ボーイ!」

その声に待ってましたと言わんばかりに静まり返っていた客達から大歓声が沸き起こった。

「おおー、最高だったー!」

「千早ちゃん、負けたけどいいデュエルだったぜー!」

「もう最高!来てよかったわー!」

「こら、沢渡!空気読めやー!」

そのあまりの迫力にさすがの俺も少し身じろぎしてしまった。

「おいおい、すげえ盛り上がりだな・・・いいのか?勝ったのは俺だぜ?」

「この歓声は、勝者をたたえる為だけの歓声ではないんですよ、沢渡さん。

 ・・・私達のステージ、このデュエルへの歓声なんです。だから、堂々と受け止めてください。」

「なるほど、確かにこれも・・・エンタメデュエルって訳か!」

「・・・沢渡さん。」

「なんだ?」

千早が俺の方を見て言う。

「ありがとうございました。」

そう言って今度は手を掲げる。俺はそれを見て笑うと

「一応礼儀だから言っといてやるよ・・・ありがとう!」

ショッピングモールのイベントエリアの大歓声の中、俺と千早のハイタッチの音が響き渡った。




今回のカード紹介!
今回はPスケールに置かれた2枚と魔界魔法カードをご紹介

魔界劇団-ファンキー・コメディアン
レベル1/ペンデュラム
闇属性/悪魔族/攻 300/守 200
【Pスケール:青8/赤8】
①:1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」Pモンスター1体を 自分のエクストラデッキに表側表示で加え、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、 このカードの発動時にエクストラデッキに加えたモンスターの攻撃力分アップする。
②:このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、自分の「魔界劇団」モンスターが相手のモンスターの効果の対象になった場合に発動できる。その効果を無効にする。
【モンスター効果】
「魔界劇団-ファンキー・コメディアン」の②の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分フィールドの「魔界劇団」モンスターの攻撃力はフィールドの「魔界劇団」モンスターの数×300アップする。
②:自分のPゾーンに「魔界劇団」カードが存在し、このカードが自分のモンスターゾーンからエクストラデッキに加わった場合に発動できる。エクストラデッキから「魔界劇団-ファンキー・コメディアン」以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分は「魔界劇団-ファンキー・コメディアン」を特殊召喚できない。


魔界劇団-デビル・ヒール
レベル8/ペンデュラム
闇属性/悪魔族/攻 3000/守 2000
【Pスケール:青1/赤1】
①:1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」Pモンスター1体を
自分のエクストラデッキに表側表示で加え、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで、このカードの発動時にエクストラデッキに加えたモンスターの攻撃力分ダウンする。
②:このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、自分の「魔界劇団」モンスターが相手の魔法・罠の効果の対象になった場合に発動できる。その効果を無効にする。
【モンスター効果】
「魔界劇団-デビル・ヒール」の②の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力は、自分フィールドの「魔界劇団」モンスターの数×1000ダウンする。
②:自分のPゾーンに「魔界劇団」カードが存在し、このカードが自分のモンスターゾーンからエクストラデッキに加わった場合に発動できる。エクストラデッキから「魔界劇団-デビル・ヒール」以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分は「魔界劇団-デビル・ヒール」を特殊召喚できない。


魔界舞台「七福神の宝船」
永続魔法
「魔界舞台「七福神の宝船」」の①の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:自分フィールドの「魔界劇団」Pモンスター1体を自分のエクストラデッキに表側表示で加えてこの効果を発動できる。このカードに七福神カウンターを一つ置く。(最大7つまで)この効果の適用後、次の自分のドローフェイズの通常のドローの枚数は2枚になる。
②:このカードが相手によって破壊され、墓地へ送られた場合に発動できる。このカードに置かれていた七福神カウンターの数によって以下の効果を適用する。
・1〜3個:デッキからカードを1枚ドローする。
・4〜6個:デッキからカードを2枚ドローする。
・7個:デッキからカードを3枚ドローする。


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ペガサスの招待

前回までのあらすじ。

遊矢はどこにでもいる別の人間が心の中に住み着いているトマト系女子中学生。
ある日好奇心から自分の名前で検索をかけてみたのだが、その検索結果は「遊矢タヒね」とか「臆病者の息子」とか「糞猿の産みの親」とか散々な言われよう。辛い時こそ笑えとは言いますけれども、流石にこれはちょっとキツイわ…なんて思っていると、「ゅぅゃすき」なーんて書き込みが。ちょっと嬉しくなってそのスレッドを覗いてみるもその内容は、「ゅぅゃの眼球舐めたい」「ゅぅゃを虐めたい」「男のゅぅゃに女の喜びを教えたい」…
ネットって怖いと思った遊矢であった。


「うおー!すげえ、ベッドだベッド!」

俺は歓喜の声を上げながら、自分に用意された部屋のベッドにダイブする。何しろシンクロ次元で地下送りにされてからまともな休息なんて一回も取れなかったのだ。ふかふかのベッドに横たわれるというのは何と幸せな事か。

「一応ペガサスのおっさんには感謝しとかねえとな。」

そう、この場所を用意してくれたのはペガサスだ。あのショッピングモールでの千早とのデュエルを主催していたペガサスがあの後俺に声をかけて、是非話を聞きたいと俺を招待したのだ。で、その結果

「中々豪勢なホテルじゃねえか、俺を招待すんのに相応しいホテルだ。」

俺は10階の部屋から下を見下ろす。派手に装飾されたフロントにプール、駐車場が一望できる。部屋も俺一人では持て余す程広く、ルームサービスも充実しているらしい。

「本当ラッキーだったぜ・・・野宿する事になんなくて良かった?。」

そう身にしみて思っていると、部屋の電話が鳴った。

「はい、もしもし?」

「1011号室の沢渡シンゴ様ですね?2階のラウンジにてペガサス様がお呼びです。」

「オーケー分かった、すぐ行く。」

そう返すと受話器を元に戻す。さーて、ついにお呼びがかかったな。

 

 

 

下のラウンジまで行くと、既にペガサスは席につき優雅にコーヒーを飲んでいた。

「おお沢渡ボーイ!待っていましたよ。」

こちらを見つけて声をかけてくるペガサス。

「いやあお見事でした、ユーのデュエル!千早ガールは新進気鋭のデュエルアイドル、飛ぶ鳥を落とす勢いの彼女に勝利してみせるとは、ブラボー!」

ペガサスが興奮気味にまくしたてる。まあ少々大袈裟だが褒められて悪い気はしない。

「まあな、何せ俺はスタンダード次元の最強デュエリスト、沢渡シンゴ様だからな。」

「スタンダード次元・・・?」

ペガサスが首を傾げる。どうやらこの次元の人間は他次元の存在は知らないらしい。

「ああ・・・どう説明すっかな。あのな、この世界は4つの次元に分かれててな。それでカクカクシカジカ・・・」

「つまり、ユーはこことは別の世界から来たと?」

「そういうこった。すぐには信じられねえだろうが・・・」

「やはり、そうでしたか。」

「まあ普通はそういう反応だよな、でもな・・・って、え?」

「どうかしました、沢渡ボーイ?」

「いや・・・信じんの?」

予想外の反応が返ってきた。俺でさえ赤馬零児から初めて別次元の話なんて聞かされた時は中々呑み込めなかったんだが・・・

「まあ私も似たような立場ですから。」

「え?」

「何を隠そう沢渡ボーイ、私も・・・本来はこの世界の住人でないのデース。」

「・・・マジかよ。」

こりゃあ、予想外の展開になってきたな・・・

 

 

「私がこの世界にきてしまったのは今から半年ほど前・・・目が覚めて、気づいたらこの世界にいたのデース。」

「あんたもそんな感じか・・・」

「ええ、突如目覚めると見知らぬ部屋で私は寝ていました・・・しかし、驚くべき事にこの世界の人たちは・・・皆私の事を知っていました。まるで私はずっと前からこの世界にいた存在かのように・・・私はこの世界では、インダストリアル・イリュージョン社を立ち上げ、デュエルモンスターズに関わっていた人間として認知されていたのデース・・・」

「はあ?なんで別の世界から来たあんたの事を知ってんだ?」

「それはわかりまセーン・・・なぜ私はこの世界に来てしまったのか、なぜ私はこの世界の人々に知られているのか・・・」

「ん?でも待てよ、俺はどうなんだ?・・・俺の事は全員知らなかったぞ?」

「ええ、私もそれが気になってあなたが休んでいる間調べてみたのですが・・・この町の住民票にあなたの名前はありませんでした。恐らく、あなたはこの世界の住人として見られていない・・・」

「そうか・・・ま、んな事は別にいい。ペガサスさんよ、あんた元の世界に戻る方法を何か知らねえか?」

「残念ながら、わからないのデース・・・沢渡ボーイ、あなたこそ知らないのですか?」

「一応このディスクに次元転移装置がついてはいるんだが・・・全く反応しねえ。たぶん、俺らの世界でしか使えねえらしい。」

「つまり、互いにこの世界から出る情報がわからずに困っている、という訳ですね。」

「そういうことになるな・・・」

「・・・では沢渡ボーイ、私と手を組みませんか?」

突如ペガサスが持ち掛けてくる。

「手をくむ?」

「ええ、簡単な話です。どうやら私とあなたの目的は同じ、この次元からの脱出。ならば、同じ目的を持つ者同士で協力するという訳デース。」

成程、いい案だ。残念だが俺はこの世界では全くの無名デュエリスト。一方ペガサスはこの世界じゃ大分名が通ってる人間らしいからな。こいつと手をくめばこの次元から出る方法も効率的に考えられる。そしてなにより野宿の心配がない!

「・・・いいぜ、のってやろうじゃねえか。」

「ふふ、交渉成立デース。これからよろしく頼みますよ、沢渡ボーイ。」

ペガサスが右手を差し出してくる、俺はその手を握り返した。中々胡散臭いおっさんだと思ってたが、案外いいやつで助かったぜ。

「では、沢渡ボーイ。あなたには早速仕事をしてもらいマース!」

「え!?」

唐突にペガサスに告げられる、さっきまでの真面目な雰囲気はどこへやらニマニマ笑ってうさん臭さ倍増である。

「実はですね、近々わがインダストリアル・イリュージョン社は近々この町を舞台とした一大デュエル・イベントを開くのですが・・・実はこの次元ではデュエル・アイドルというのが大流行中なのデース。」

「デュエル・アイドル?ああ、千早の事か?」

俺は先日デュエルをした青髪の少女の事を思い出す、俺には及ばないながらもなかなかいいエンタメをする奴だった。

「千早ガールだけではありまセーン!この世界では空前のデュエル・アイドルブーム!まさにアイドルのデュエル戦国時代なのデース!

そこで、我々インダストリアル・イリュージャン社もその流れに乗り、プロデュエリストだけでなくデュエル・アイドルや幅広いデュエリスト達からも参加者を募る大会を開くのデース!」

「へえ、デュエル大会か・・・!」

中々面白そうな話になってきた。シンクロ次元じゃたった1戦ぽっちだったからな。

「そこで!沢渡ボーイ、あなたのそのデュエルテクニックを評価し、現在わが社と提携しているアイドル事務所のコーチとしてデュエルを指導してほしいのデース!」

「コーチ?俺が?」

「ええ、その提携先の事務所というのが先日あなたとデュエルをした千早ガールの所属するプロダクション・・・765プロデース。個人的な話ではあるのですが、私はこのプロダクションをとても気に入っているのデース。ちょうど、彼女達も人気が出始め話題の人となっているので知名度では問題無しデース。ですが・・・千早ガールや一部のアイドルを除き、デュエルはまだ発展途上といった所なのデース・・・」

「なるほどねえ、それで俺に鍛えなおしてほしいと。」

「その通りデース!沢渡ボーイ、あなたのファンタスティックなエンターテイメント性あふれるデュエル・テクニックをぜひ彼女達にも教えて頂きたいのデース!」

「ふふ、引き受けてやってもいいが・・・一個だけ条件がある!」

「条件?」

「そう、その大会とやらにこの俺も出場させる事。それが条件だ。どうだ、ペガサス?」

「・・・それは」

「それは?」

「勿論、大歓迎デース!いやいや元々、あなたは大会に出場させる気でいたのデース!実によかったデース、ソゥグッド!」

ペガサスが嬉しそうにはしゃぐ、こうしてみると何歳だかわかんねえなこいつ。

「では沢渡ボーイ、早速行きましょうか!」

「え?行くって、どこにだ?」

またまた唐突に切り出してくるペガサス・・・ちょっとマイペースすぎやしないか、こいつ。

「決まってマース!765プロに行くのデース、レッツゴゥ!」

「ええ!?ちょ、今からかよ!」




今回のカード紹介!
「魔界」魔法カードを紹介します。
全部オリカとか把握大変っすよ沢渡さん!

魔界台本「ファンタジー・マジック」
通常魔法
①:このターン、自分の「魔界劇団」モンスターは戦闘では破壊されず、自分の「魔界劇団」モンスターと戦闘を行ったモンスターはダメージ計算後に持ち主の手札に戻る。


魔界大道具「ニゲ馬車」
永続魔法
「魔界大道具「ニゲ馬車」」の①の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに自分フィールドの「魔界劇団」モンスター1体を対象として発動できる。このターンの終了時まで、そのモンスターは戦闘では破壊されず、相手の効果も受けない。
②:自分フィールドに「魔界劇団」モンスターが存在しない場合、このカードを破壊する。

魔界劇団の衣装箱
永続魔法
「魔界劇団の衣装箱」の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:お互いのメインフェイズに1度、フィールドの「魔界劇団」モンスター1体を対象として発動できる。デッキから「魔界衣装」装備魔法カード1枚を選びそのモンスターに装備する。


魔界衣装「勇者の剣」
「魔界劇団」モンスターにのみ装備可能。
「魔界衣装」カードは一体のモンスターに1枚しか装備できない。
①:装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
②:装備モンスターが戦闘を行う場合、ダメージステップ終了時まで相手はカードの効果を発動できず、戦闘を行う相手モンスターの効果は無効化される。


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コーチ・沢渡!?

前回までのあらすじ。

ヒグルミとジャグラーを取り戻す為、KONAMI本社に殴り込むEm達。
傷つきながらも、罵声を浴びながらも仲間を取り戻すと心に誓いKONAMIの地下深くにある禁止牢にまでたどり着くEm達。
しかしそこで出会ったモンキーボードから衝撃の事実が語られる。
ジャグラーの苦悩・・・ヒグルミ出生の秘密・・・そしてEM達の野望。
更に制限牢に投獄されていたはずのラスターPまでもが動き出し、EMEm計画-ナチュビフレシアタイタニックジャイハンプロジェクト-が再始動する・・・
果たしてEm達の運命は・・・





ヒグルミと糞猿しね




「着きましたよ沢渡ボーイ、ここが765プロデース!」

「へえ、ここが・・・」

ペガサスに連れられて俺は、千早の所属する事務所である765プロにまで来た、のだが・・・

「っておいおい、本当にここであってんのか?どう見ても居酒屋じゃねえか。」

目の前にあったのは豪華なビル・・・ではなく、たるき亭と書かれた居酒屋だった。

「ノンノン沢渡ボーイ、ここの上デース、上。」

「上?・・・ああ確かに書いてあるな、”765プロ"。」

・・・なんか想像と違えな。ペガサスが目をかけてるっていうからもっとでかい事務所を想像してたんだが・・・

「まあまあ、とにかく入ってみましょう、沢渡ボーイ!」

「はいよ・・・」

 

 

 

「お邪魔しマース!」

大声で二階の765プロの事務所に入っていくペガサスに続き、俺も入っていく。

「おはようございます!・・・ってぺ、ペガサスさんん!?」

「おぉ、レディ・小鳥!お久しぶりデース!」

「お、お久しぶりです・・・ってペガサスさん、また急にどうしたんですか!?あ、もしかして社長とお話ですか?」

「ふふ、それもありますが・・・765プロの皆さんにぜひ紹介したい人がいるのデース!ねぇ、沢渡ボーイ?」

「お、おう。」

ペガサスに促されとりあえず返事を返す。

っていうかむこうのこの慌てた反応を見るに・・・アポ無しかよ・・・

「えーっと・・・もしかして、ご紹介したい人というのは」

「イエス!この沢渡ボーイデース!彼は何というか・・・そう、我がインダストリアル・イリュージョン社と専属契約を交わした新人プロデュエリストなのデース!」

・・・なんか勝手に話ができてるな。専属契約にプロデュエリストって。

(ま、この沢渡様の実力を考えればおかしい話でもねえか。)

「へえ~・・・この子が・・・」

「まあ、そういう事で・・・レディ小鳥、いまいる方だけでいいので集めてきて下サーイ!」

「は、はい!」

 

 

数分後、ただでさえ狭い事務所のホワイトボードの前は集まった連中でぎゅうぎゅうになっていた。

「えーと・・・真、雪歩、やよい、伊織、亜美、真美、あずささん、響、貴音・・・で、私に社長と小鳥さん、っと。えーっと、いまいる人は・・・うん、全員いるわね」

髪を後ろで結んだ茶髪の眼鏡の少女が全員の点呼を取る。どうやら今いる全員が集まったらしい。

(千早がいねえな・・・仕事か?)

「レディ律子、春香ガールと千早ガール、そして美希ガールは?」

「はるるん達はお仕事だよー!」

「確か春香と千早はライブのリハで・・・」

「美希は雑誌のもでるだったと記憶しております」

ペガサスの問いに右のサイドポニーの少女、黒髪の美少年・・・いや少女、そして銀髪のなにやら如何にも、といった感じの雰囲気の銀髪の少女達が答える。

(・・・見るからにアクが強いな、ランサーズに負けねえんじゃねえか?)

・・・いや、流石に黒咲や月影程じゃねえか。

「なんと!ぜひ皆さんにご紹介したかったのですが・・・まあ、いないのは仕方がないデース・・・」

少し気落ちした様子のペガサスだったがすぐに気を取り直し、

「えー、コホン。それでは皆さん!いきなり本題に入りますが・・・実は私、ペガサス・J・クロフォードはインダストリアル・イリュージョン社の主催の基に・・・この町でデュエル大会”ドリーム・イリュージョンカップ”を開催しマース!」

「「「「デュエル大会!?」」」」

何人ものアイドル達がペガサスのその言葉に反応する。

「そう!名だたるプロデュエリスト達は勿論の事・・・今回はそれだけでなく、分野やジャンルを問わず、優れたデュエリスト達を募った一大エンターテイメントにしたいのデース!

 そして私は・・・ユー達、765プロにぜひ参加して頂きたいのデース!」

「それって要するに・・・私たちに対してのオファーという事ですか!?」

律子が訪ねる。

「いえ、残念ながら大会の出場枠は16・・・そして、その内の5つは既に決定していマース・・・私としても残念ですが、あなた達全員が出場できるだけの枠はありません。そこで、この町でこれから大会までに行われるあらゆるデュエルの内容を加味した上で、私が参加に値すると判断したデュエリスト11名を選出する事にしたのデース!」

なるほど、出場枠が16でその内5つが決定ね。

(その内の一つは俺として、もう4つも決まってんのか)

「ですが、私もぜひあなた達に参加してもらいたい・・・よって私は、あなた達765プロの為に臨時コーチを用意しました、それがこの沢渡ボーイデース!」

「この人が・・・?」

あずさと呼ばれた女がこっちを見て尋ねる。

「俺は沢渡シンゴ、スタンダ・・・いや、インダストリアル・イリュージョン社専属契約のプロ・エンタメデュエリストだ。」

「ほほぅ、エンタメデュエリストとな。」

「エンタメデュエリストって何だ、真美?自分聞いた事ないぞ。」

「エンタメっていうんだから・・・人を楽しませるデュエルをするプロ、って事じゃないかなあ・・・」

「あっ!それって、私達と似てるかもですー!」

どうやらエンタメデュエルというのはこの次元ではいきわたっていない単語らしい。

「まあ知らなくてもしょうがねえ、なんたってエンタメデュエルの開祖はこの俺だからな!」

「・・・それって要するに、アンタが勝手に言ってるだけじゃないのよ。」

伊織とかいうデコ出し少女が俺に突っ込んできた。

「な、なんだとぉ?」

「まあまあまあ!ともかく、社長とも話はつきました!”ドリーム・イリュージョンカップ”出場の為に皆さん頑張ってくだサーイ!沢渡ボーイ、後はよろしく頼みましたよ!」

「えっ?」

「私はこれから別の仕事が入っているので失礼しマース!では」

「お、おい、ちょっと待て!」

俺のいう事を全く聞かず、言いたい事だけ言ってペガサスは出て行った。

「・・・嵐のようにやってきて嵐のように去っていったわね・・・え~っと、まあさっきまでの話を総合すると、沢渡くん、だっけ?あなたが今日から765プロのデュエルコーチ・・・って事でいいのよね?」

律子が俺に聞いてくる。どうやら、この事務所を仕切っているのは律子らしい。

「ああ、まあそういう事だな。」

「ちょっと、あんた本当にデュエル強いの?」

「い、伊織ちゃん・・・初対面なのに、ちょっと失礼じゃないかな・・・」

俺に絡んでくる伊織をたしなめる雪歩。だが、びくびくしてちっともたしなめられそうではない。

「何よ雪歩!だってそうでしょ?仮にもこの伊織ちゃんのコーチになるのよ、実力は確かなんでしょうね?」

「この・・・!さっきから聞いてれば言ってくれるじゃねえか!言っとくがな、俺は千早に勝ったんだぜ?」

「あんたが?千早に?・・・手加減してもらったとかじゃないの?」

「な・ん・だ・と~?だったら、デュエルで俺の実力を見せつけてやるぜ!」

「ふ、二人とも~?そ、そのあんまり熱くならない方がいいんじゃないかしら~?」

「・・・いえ、あずさ。これはいい機会やもしれません。」

「ええ?貴音ちゃん、どういう事?」

「伊織のいう事にも理はあります・・・私達も沢渡殿の実力は見たいですし、何より先程ぺがさす殿が言ってらっしゃいました。”どりいむ・いりゅうじょんかっぷ”の出場には、これからのでゅえるの内容を加味すると。」

「えーっと、それはつまり・・・」

「あ、もしかして!このデュエルもボク達の出場条件に加味されるかもしれないって事?」

「ええ、その通りです真。」

成程、デュエルの内容を加味するといえば、デュエルディスクから情報を送るのが一番手っ取り早い。

そう考えればたとえどんな小さなデュエルでも出場の参考にされてる可能性があるって訳だ。

「ふふん、いいじゃない!俄然やる気になってきたわ~、この伊織ちゃんが大会に出場するために沢渡!あんたにデュエルを・・・」

「あのっ!私にやらせて下さい!」

やる気の伊織の声を遮ったのは・・・小柄なツインテールの少女、やよいだった。

「や、やよい?」

「えっと、伊織ちゃん。私にやらせてもらいないかな?

 ・・・私、アイドルとして頑張ってきたけどまだまだだし、それにデュエルもまだそんなに強くないけど・・・でも、だからこそ強くなる為にデュエルしたい!」

「やよい・・・」

「ダメ、かな・・・?」

「ダメな訳ないよ、やよい」

後ろから真が声をかける。

「ボクは、やよいがデュエルしたいっていうなら構わないよ。やよいが自分から何かしたいっていうの珍しいしね!」

その真の言葉に全員が頷く。どうやら全員、やよいが俺とデュエルするという事に同意したらしい。

「ま、私もやりたかったけど、やよいが言うんならしょうがないわ。」

「うんうん、亜美もまこちんといおりんにドーカンだよー!」

「やよいっち、真美が応援してるからね!えーっと・・・さわっち!さわっちをやっつけちゃえ!」

「さわっちって何だ!俺の事はネオ・ニュー沢渡さんと・・・」

「あの、沢渡さん!」

やよいが俺に向き直って言う。

「えっと・・・私、まだ全然大した事ないですけどっ、どうか強くなるためにコーチ、お願いしますっ!」

元気いっぱいにやよいが俺にお願いしてくる。

(・・・な、なんかちょっとやり辛えな・・・純粋にいい子なんだろうが・・・)

「お、おう!この俺様がビシバシ鍛えなおしてやるぜ!じゃあまずはこれ、この口上から覚えな!」

「こ、口上ですか?」

「そうだ・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・

 いいか、コツは恥ずかしがらずにパフォーマンスのつもりでいう事だぜ?それじゃあ早速・・・」

 

「戦いの殿堂に集いし、デュエリスト達が!」

「はわっ!も、モンスターを従え地を蹴り、宙を舞い、ステージを駆け巡る!」

「これがこの次元流のエンタメ口上だ!

 見よ、これぞデュエルの最高進化形!エンタメ・・・」

 

「「デュエル!」」




本日のカード紹介!
今回は劇団員こと魔界劇団モンスターのご紹介


魔界劇団-サッシー・ルーキー
レベル4・ペンデュラム
闇属性/悪魔族/攻 1700/守 1000
【Pスケール:青2/赤2】
①:1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」Pモンスター1体を 自分のエクストラデッキに表側表示で加え、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。
【モンスター効果】
「魔界劇団-サッシー・ルーキー」の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
①:1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターはこのターンに1度だけ戦闘・効果では破壊されない。この効果は、相手ターンでも発動できる。
②:自分のPゾーンに「魔界劇団」カードが存在し、このカードが自分のモンスターゾーンからエクストラデッキに加わった場合に発動できる。エクストラデッキから「魔界劇団-サッシー・ルーキー」以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を特殊召喚する。
この効果を発動したターン、自分は「魔界劇団-サッシー・ルーキー」を特殊召喚できない。

魔界劇団-エキストラ
レベル1・ペンデュラム
闇属性/悪魔族/攻 100/守 100
【Pスケール:青3/赤3】
①:相手フィールドにモンスターが存在する場合に発動できる。Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。
この効果を発動するターン、このカードの①のモンスター効果は発動できない。
【モンスター効果】
「魔界劇団-エキストラ」の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
①:自分のメインフェイズに発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。
この効果を発動するターン、このカードのP効果は発動できない。
②:自分のPゾーンに「魔界劇団」カードが存在し、このカードが自分のモンスターゾーンからエクストラデッキに加わった場合に発動できる。エクストラデッキから「魔界劇団-エキストラ」以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を特殊召喚する。
この効果を発動したターン、自分は「魔界劇団-エキストラ」を特殊召喚できない。

魔界劇団-プリティ・ヒロイン
レベル4・ペンデュラム
闇属性/悪魔族/攻 1500/守 1000
【Pスケール:青2/赤2】
①:互いのバトルフェイズに1度、自分フィールドの「魔界劇団」Pモンスター1体を 自分のエクストラデッキに表側表示で加え、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの元々の攻撃力は、 そのバトルフェイズで発生したダメージの数値分ダウンする。
【モンスター効果】
「魔界劇団-プリティ・ヒロイン」の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
①:互いのバトルフェイズに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの元々の攻撃力は、 そのバトルフェイズで発生したダメージの数値分ダウンする。
②:自分のPゾーンに「魔界劇団」カードが存在し、このカードが自分のモンスターゾーンから
エクストラデッキに加わった場合に発動できる。エクストラデッキから「魔界劇団-プリティ・ヒロイン」以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を特殊召喚する。
この効果を発動したターン、自分は「魔界劇団-プリティ・ヒロイン」を特殊召喚できない。

魔界劇団-ワイルド・ホープ
レベル4・ペンデュラム
闇属性/悪魔族/攻 1600/守 1200
【Pスケール:青2/赤2】
①:1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」Pモンスター1体を 自分のエクストラデッキに表側表示で加えてこの効果を発動できる。自分のエクストラデッキからこの効果の発動時にエクストラデッキに加えたモンスター以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
「魔界劇団-ワイルド・ホープ」の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
①:このカードが自分のモンスターゾーンからエクストラデッキに加わった場合に発動できる。デッキから「魔界劇団」モンスター1体を手札に加える。
②:自分のPゾーンに「魔界劇団」カードが存在し、このカードが自分のモンスターゾーンから
エクストラデッキに加わった場合に発動できる。エクストラデッキから「魔界劇団-ワイルド・ホープ」以外の表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を特殊召喚する。
この効果を発動したターン、自分は「魔界劇団-ワイルド・ホープ」を特殊召喚できない。


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