デート・ア・ライブ 鏡ワールド (二元論)
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プロローグ

初投稿です
駄文で国語力0のような自分の作品ですが暇潰し感覚で見ていただけたら幸いです


私の最初の記憶はとても残酷なものだ

雪が降り積もり家族や恋人同士が騒ぎ楽しく過ごしているだろうその頃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んだ

 

 

 

 

 

 

 

その日はクリスマスで私は友人の家でクリスマスパーティーに行く途中にいきなり後ろから襲われて

目が覚めると複数の男が居て私の服を破き、そのまま寒い外で何の抵抗も出来ずに犯され、男達の慰み物にされた。

男達はそのまま満足そうに帰って行った

 

 

 

 

 

 

私を置き去りにして

そして私は死んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだったのに

 

 

 

 

 

 

「私、何で生きてるの?」

 

まるで意味がわからないまさにそんな感じだ

寒い外に裸で置き去りにされて私は、死んだのに何故か生き返っている。

余りに意味不明なこの状況に混乱していると

 

「やあ、目は覚めたかい」

 

というノイズのかかった声が後ろから聞こえてきてわけもわからず振り返ると

全身モヤがかかった人のような何かが居た

 

「あなたは...誰ですか?」

 

と黒い人?に質問をしたが

 

「今はそんな事どうでもいいよそれよりも調子はどうだい?」

「.....はい、特に問題は無いと思います」

 

質問を無視されて少し腹がたったが無駄だと思い相手と質問に答えると

 

「それは良かった、さすがに死体に霊結晶(セフィラ)を上げるのは初めてだったから少し不安だったんだ」

 

.....どうやら私が生き返ったのはこの黒い人のおかげらしい

でもセフィラって何?

 

「あの~」

「うん?」

「あなたは何者ですか?」

 

色々と気になるが黒い人に特に気になることを聞いてみると

 

「私が何者か.......か、私はファントムと呼ばれているらしいから、君もファントムと呼んでくれて構わないよ」

「わかりました、ではファントムさん、次も質問してよろしいでしょうか」

「私が答えられることだったら、構わないよ」

 

なるほどこの黒い人の名前はファントムとっていうんだと心の中で納得し次に最も気になる質問をする。

 

「何で、私を生き返らせたんですか?」

 

そう、これが気になってしょうがない

私を生き返らせたってファントムに何のメリットも無いからだ、しかも、やっていることがただペンを貸すようなことなら気にも止めないだろうがやったことは死者の蘇生だ

現代の医学でも死者の蘇生は不可能のはずなのに........だ

するとファントムは

 

「正確には生き返ってはいないよ、

ただ霊結晶(セフィラ)が生み出す霊力を使って、擬似的に心臓を動かしているだけみたいだ

理由に関しては、ちょっとした実験ってところかな」

 

...なるほど私は実験で生き返ったのか~

と訳が分からず半ば放心していたが、いつまでもそうしているわけにもいかないので次の質問をすることにする

 

「さっきも言ってたましたが、霊結晶(セフィラ)ってなんですか?」

「簡単に言うと、人を精霊にすることの出来る力の塊だね」

 

.....何か話してもわけのわからないことばかりで全然分からない、けどここからが重要な所だと、私は直感的に感じた

 

「精霊?」

「人類の敵で、超常的な力を持った少女達のことだ、

とそういう認識がされているね。

彼女達は普段隣界というところで過ごしているんだけど、コッチの世界に来る時に起こしてしまう空間震が危険だと、精霊達を殺そうとする組織もあるからね」

 

.........?!

なんということだ!

私は眠っている間に人類の敵になっていたらしい

だがそれよりも

 

「何でそんなに、精霊に詳しいんですか?」

 

と薄々だが答えの分かる質問をしてみる

 

「何でって、それは私も精霊だからだよ」

 

やはりかと内心うなずいていると

 

「そろそろ時間かな?」

「何の時間ですか?」

「君が隣界に眠りに行くだろう時間さ」

 

すると

 

「!?」

 

急に体が何かに引っ張られる感覚と強烈な眠気に襲われる

 

「最後に1つだけ」

 

とファントムが言っている

私は聞き逃さないと眠気をこらえる。

 

「次に目を覚ましたら、全然別の場所にいるかもしれないし、君を攻撃してくる人たちもいるかもしれない、けど、精霊達と対話して共存しようとする人たちもいるんだ、だから、人類全員が君の敵というわけじゃない、それだけでも覚えておいて」

 

その言葉を最後に、私は、意識を手放した。




ご視聴ありがとうございました
誤字、感想などお待ちしてます。


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隣界

コメントしてくれた天魔九天さんありがとうございました
皆さんと協力してこの作品を完結できるよう頑張っていきたいです。
それでは2話目ですどうぞ


私が目を覚ますと、水の中にいるような感覚があったが、それは冷たい水ではなく、まるで、母のお腹の中にある羊水のような感じだ、そのままボーッとしていたらまた眠ってしまいそう.........Zzz

 

「って寝たらダメ」

 

私は自分を叱りつけるようにそう言い眠気を吹き飛ばしたそして自分がどこに居るのか此処はどこなのかと自分が眠ってしまう前の記憶を思い出す

 

(あぁ、此処が隣界か)

 

と、私はここに来る前にファントムが言ってたことを思い出した

 

(私がここに居るっていうことは、ファントムが言っていたことは全部本当だった、ていうことかな)

 

そう私はあのファントムという人のことを全部鵜呑みにしていたわけじゃない、いきなり自分が人類の敵だと言われてそのまま信じる人はまずいないだろう

だが、ファントムが言ってたことが全て本当だったのなら、かなり大変なことになる

 

(まず、ファントムは普段、精霊は隣界で過していると言っていたけど、普段っていうことは生活の全てをこの隣界で過ごしているわけじゃない、つまりいつかはあっちに行くことになるかもしれない)

 

そう、そしてファントムは精霊がコッチに来た時に起こす空間震のせいで人類の敵と認識されると言ってた

 

(このままあっちの世界に飛ばされたら、空間震が起きる。そして私があっちに行ったら、精霊と敵対している組織と戦うことになるかもしれない)

 

そして最悪また死んでしまう《ころされてしまう》かも...

 

(嫌だそれだけは嫌だ私は死にたくない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)

 

「カッ...アァ」

 

どうやら過呼吸気味になっていたようで、まともに呼吸できず息苦しさから強制的に思考をリセットさせられる。

 

「はぁはぁはぁ...スーッ...ハー...」

 

ゆっくりと深呼吸をして呼吸を整える

 

(そうだ大丈夫だファントムは言ってた人類の敵になるって、そんな簡単に死んでしまうようなら人類の敵になりえないから簡単には死なないはずだ、うんきっとそうだ)

 

と、私は自分に言い聞かせ冷静になる。

 

(それに精霊は超常的な力を持っているって、言ってたんだからその使い方さえ分かれば...!)

 

と精霊の力について考えていると私の頭に鋭い痛みが走った

 

(痛い痛い痛い!!)

 

だが痛みと同時にある知識が自分の中に入り込んで来るのが分かる

多分その知識を処理しようとしているのでこんな痛みが走っているんだろうな、と頭のどこかで他人ごとのように考えていると、だんだん痛みが収まってきた

 

(おぉ!!)

 

痛みが収まり頭の中の入ってきた知識を早速整理すると自分か知りたがっていた力の全てがあった

 

(これはありがたい!しかもこの力...いや、天使があれば戦うことも、逃げることも簡単にできそうだ)

 

と、満足していると自分の今後のことについて安心したのかだんだん眠くなってきた

 

(今日は疲れたしまぁ、寝ちゃってもいい、よね?)

 

と誰に問うわけでもないことを、心の中でいいそのまま泥のように眠った

 




というわけで2話目でした。
この話は彼女の力を自覚させたり気持ちを整理させるために必要かと思い書かせていただきました
そして申し訳無いのですが彼女の名前はまだ出てきませんでしたが、次の話か、その次の話には原作主人公とともに出す予定ですので気長に待って頂けたら幸いです
それではご視聴ありがとうございました


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現界と戦闘そして出会い

遂に彼女の名前と容姿が出てきます!
ですが、容姿に関しては国語力のない作者が皆様に彼女の姿を思い浮かんでくれるような文が書けたかとても不安なのでアドバイスなどは受け付けております
あと、初戦闘?です
それでは3話目どうぞ!


何かに吸い込まれる感覚を感じ、私は目を覚ました。

私は訳もわからず、吸い込まれる感覚に身を任せていると

 

「!?」

 

突然、閃光が走り慌てて腕で顔を隠した。

 

 

 

 

閃光が収まると、そこには、なにもいなかった

 

 

 

-天宮市-

私は顔を覆っていた腕をどかし周りを確認する。

 

(え?)

 

私の目に真っ先に飛びこんできたのは窓ガラスが全部割れたビルの無残な姿でも、まるでスプーンのようなもので抉り取られた地面でも、雲1つない青空でもない。

白い髪を腰の辺りまで伸ばし、紅い瞳と少しふっくらした顔が特徴的で、黒い生地に3頭ほどの紫色の大きい蝶が刺繍してある着物を身にまとっている、金で縁取られた楕円形の鏡に写っている自分の姿だ

 

(おかしい、絶対に、おかしい)

 

鏡が何でこんなところにあるかは、理由が分かっているので疑問はないだが、着ている着物については全く心当たりは無いし、そもそも精霊にされる前の記憶で私の服は破り捨てられていたので、服を着ているわけがないのだが...

 

(ああ、これが私の霊装か)

 

と、私がここに来る前に与えられた(刷り込まれた?)知識を思い出す。

その知識は精霊が持つ力、天使や霊装、空を飛んだりすることができるなど様々な知識だ

 

(そして、目の前にある鏡が私の天使)

 

そう、彼女の前にある彼女の全身を写すことが出来るほどの大きさをもった楕円形の鏡が彼女の天使だ

 

(あと、空に見えてきた黒い人型の点が精霊と敵対している組織の人たち.....かな?)

 

彼女が色々と考えている間になにやら武装した人がこちらに近づいていた

 

(もし、違ったとしてもあんな武装した人たちと話なんてしたくないし、あちらさんはなにやら殺す気《やるき》満々だし、天使の力と霊装の強度も確認したいからな~あと、敵の脅威になりそうな戦力も知っておきたいし)

 

これから彼女がやることは争いなどではなく、

 

(じゃあ、遠慮なくやりますか!)

 

ただの戦力調査と実験でしかないのだ

 

 

 

-side AST 日下部 燎子

 

久々に私たちに出動命令が出た

最近はDEMの手伝いや、待機命令ばかりだったが今回はそんなことも無く私たちは出動する。

 

(もう、DEMや精霊の好きにはさせない、私たちの街は私たちで守ってみせる!!)

 

と、そういき込んでいると本部に居る隊員から通信が入った

 

『今回の霊力を解析した結果、過去にこの霊力に該当するデータはありませんでした。おそらく、新たな精霊だと思われます。敵がどんな力をもっているかなどの情報は一切無いので細心の注意をはらって行動して下さい。それでは皆さん、ご武運を』

 

そう言い残し、通信が切れる。

そして、私は通信先をこれからともに戦う隊員たちに繋ぐ

 

『いい、これから戦う精霊は新たな精霊よ、相手がどんな手を使ってくるか分からない以上気を引き締めていきましょう!』

『『『『『『『『『『はい!』』』』』』』』』』

 

そう言い部隊の皆の気を引き締めていると精霊が出現した場所に到着した。

そこには、鏡を見て呑気に立っている黒い着物を着た白髪の15歳くらいの少女《精霊》がいた

 

『全員、攻撃用意!!』

 

私たちは先手必勝とばかりに攻撃を開始する。

 

『撃てェ!!』

 

相手が躱す暇も与えないようなミサイルや銃弾で弾幕を張る、普通の人間にこんなことをやれば蜂の巣どころでは無いだろうが相手は精霊こんな攻撃では、致命傷にもならないだろうが、少しでもダメージを与えられるはずだ!っとそう思っていると

 

「【表裏鏡界】《アブディエル》、【転写】《トランファー》」

 

精霊がそう言うと、精霊の前にあった鏡が動き出した

あの鏡が天使か!

と思ったが同時にあんな鏡で何ができるとそう思っていると、突然、鏡が光だした。

余りの眩しさに目を瞑ったが、ほんの一瞬のことだったので直ぐ目をひらくと、そこには半径5mになろうかというほどまでに巨大化した円形の鏡があった

だが、でかくなったからっていったい何が!!

そう思っていると、鏡の中から何かが飛び出し私たちが放ったミサイルや銃弾を全て撃ち落としてしまった

いったい何がおこったの!?と私が驚いていると

また鏡が光だした

今度は何んなのよ!とやけくそ気味に心の中で叫んでいると、鏡がだんだん小さくなっていってまた元の姿身くらいの大きさになっていった。

私は、何もおこらないことにほっとしていると、突然後ろの方から、隊員の短い悲鳴が聞こえてきた慌ててそっちを見ると、精霊がこちらに近づいてきていてなんと、隊員たちを殴りとばしていた!

 

(いつの間に!?)

 

おそらくは最初に鏡が光だした時には、私たちの後ろに周り込んで居たのだろう

 

(クソッ!!)

 

精霊が天使を囮にして周り込むことは予想できただろうが!私はそんなことにも気付かなかった自分を殴り飛ばしたかったが、そんなことよりもこれ以上隊員たちを傷つけさせるわけにはいかない!と精霊に斬りかかるが

 

「【表裏鏡界】《アブディエル》」

 

精霊がそう言うと今度は手鏡よりも一回り大きい円形の鏡が私と精霊の間に出現した

 

(馬鹿な!?)

 

あの姿見の形をした天使は少し遠いがちゃんとあの場に佇んでいる。だが、私の目の前にもあれよりは小さいが同じ名前をもった天使が出現した。

つまり、この精霊は最低でも2つの天使を操れることになる。1つでも強力な力を発揮する天使が2つもあるそれだけでも最悪なのに、しかも、罠だと分かっていても勢いが付きすぎて攻撃を止められない

 

「【反射】《リフレクション》」

 

そのまま天使を、攻撃してしまった。

しかし、何の抵抗もなく粉々に砕け散った天使に、呆然としていると、激しい衝撃と激痛が私の全身に走った。

 

(い...ったい...なに...が...)

 

私は余りの激痛にそのまま意識を失った

 

-side out

 

 

 

(こ...怖かった~)

 

私がいま倒した人がいきなり斬りかかってきた時は驚いた。

天使にミサイルなどの処理を任せて先に後ろから倒していこうと思い、後ろの銃のようなものを持った人たちから殴り倒していたのだが、突然、彼女が斬りかかってきたときは驚いて咄嗟に、切り札にする予定だった天使の複数の召喚を使ってしまった。

 

(けど、まだ全部は出し切ってないから大丈夫だよ、うんきっとそうだ)

 

私は自分を正当化する為にわけもなく言い訳をする

 

(さて、あと残ってるのは霊装の防御力の実験だけだけど、これはまた今度にしよう簡単に斬られたらシャレにならない、怖いし)

 

それに痛めつけられて喜ぶ変態じゃないし、と心の中で言いながら次々と敵を殴り飛ばしていく

 

(それにしても、こうしていると本当に人じゃなくなったんだなって思えてくるな~)

 

そう、何の構えも、力の込め方も知らない少女のテレホンパンチなのだが、ただ当てているだけなのに、それだけで面白いように飛んでいく、しばらくそうしていると、全ての敵を倒していた

 

(まぁ、殺してはいないし、そのうちこの人たちも誰かが回収しに来てくれるでしょ)

 

と、そう思いこの敵の応援にきた敵まで相手をしたくなかったので、さっさとその場から離れることにする

 

 

それからしばらくだいたい10分くらい隠れながら走っていたのだが、誰もいないことに違和感を覚える

 

(あの人たちが直ぐに来たから此処は結構都会の方だと思ったんだけどな)

 

何でこんなに人が居ないんだろ、と心の中で愚痴る

原因はまだ空間震警報が解かれておらず、街の皆はシェルターの中に居るからなのだが、彼女はそれを知らず、人を探し歩いていると

 

(おぉ!第一街人発見!)

 

なんと、彼女の前に藍色の髪の少年が近づいてきた

そして少年はいきなり

 

「俺の名前は、五河 士道、君の名前は?」

 

と、なんと初対面の人(精霊?)に向かって自己紹介をし始めた。そのことに何だか可笑しくなって彼女は笑いだした

 

「アッハハハハハ!」

 

そのことに少年は不思議そうにしている

 

「ヒィヒィ...フゥ...いやぁ、ごめんね、なんか初対面の人にこんな道のど真ん中で、いきなり自己紹介を始める君が可笑しくってさぁ」

 

少年、士道は恥ずかしいのか、顔が赤くなり始めた

しかし、ここで士道に帰られては困るので、彼を引き止める為に話を続ける

 

「それで、私の名前だっけ?いいよ教えてあげる、私の名前は.......」(あれ?私の名前って、何だったっけ?)

 

そう、彼女の記憶はかなり穴だらけで、一般常識のようなものなら覚えているのだが自分のことはほとんど覚えておらず、覚えているのは最初の記憶と自分が何かの病気にかかっていたらしいこと、そして、そのときに読んだであろう本の知識だけだ

そして、普通そんな状況ならパニックを起こすが

 

(まぁ、過去のことなんかどうでもいいよね)

 

彼女は、思い切りがとても良かった、気にしないと言えば本当に気にしなるくらいには

 

(じゃあ、新しい名前考えないとな~)

「おい、どうしたんだよ、急に黙り込んで」

「うん?あぁちょっとした考え事だよ」

「そうか、なら良いんだけどさ」

 

と、何故か士道は安堵したような表情を見せるが、そんなことより今は自分の名前だ

 

(そうだな~、よしここは私の天使つながりで、何故か覚えてた三種の神器のあれを少しもじっていこうかな)

 

「私の名前は、八咫姫 鏡 (やたひめ かがみ)。好きなように呼んでいいよ」

 

こうして、精霊に愛せれた少年と死んだ少女は出会った。




戦闘シーンで不満をもった人もいるかもしれませんが作者にはあれが限界です。
あと、苗字のことなんですがやはり丸パクリはいけないよなと思い少しだけもじらせてもらいました不快に思ってしまったのなら謝ります申し訳ございませんm(_ _)m
それでは皆さんまた次回お会いしましょう
感想や誤字、アドバイスはいつでも受け付けております。それでは皆さんご視聴ありがとうございました


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五河 士道

今回は士道目線の話なので彼女は余り出てきません
あと、折紙さんの家って彼女が精霊になった後は精霊マンションのほうに移住したんでしたっけ?
そこの記憶が曖昧なのでとりあえず精霊マンションのほうに住んでもらっていますが、違う場合は、感想欄のほうにどこに住んで居るかなどお書き下さい
それでは4話目どうぞ


これは彼女が現界する数時間前の話-

 

 

-side 五河 士道

 

「お兄ちゃん!朝だよ起きて~」

 

俺が寝ていると、妹の声が聞こえてきた

 

「ふあぁー、おはよう、琴里」

「おう!おはようなのだ!お兄ちゃん」

 

今日は学校なので2度寝というわけにはいかず、しっかりと意識を覚醒させると、白いリボンでツインテールに髪を結んだ琴里が、俺の部屋の扉の前にいた

 

「待ってろよ琴里、顔洗ったら朝ご飯つくるから」

「うん、待っているぞ!お兄ちゃん」

 

そう言うと琴里は、部屋を出ていく

 

(俺も、顔洗いに行くか)

 

そう思いまずは洗面所に行こうと、ベットを降りた

 

 

 

「「いただきます」」

 

顔を洗ったあと、キッチンに向かい、簡単な朝食をつくり琴里と一緒に朝ご飯を食べる。

今日は、ベーコンと目玉焼き、ジャムトーストだ

それらを、琴里と会話を交わしながら平らげる

 

「「ごちそうさまでした」」

 

そして、皿を洗い制服に着替え学校に行く用意をしていると

 

「お兄ちゃん、先に行ってるからね~」

「あぁ、気をつけてな」

 

玄関のほうから、琴里の声が聞こえてきた、俺も急いで用意を済ませ、家の鍵をしっかり閉めたのを確認していると

 

「シドー、おはようなのだ!」

 

後ろから声をかけられ振り向くと、そこには長い黒髪を風になびかせて、満面の笑みを浮かべている十香の姿がいた

 

「おはよう、十香」

「うむ、それでは士道よ、一緒に学校に行こう」

「ああ、一緒にいこう」

 

十香は、俺の家の隣に立っている精霊マンションに住んでいる精霊で、俺が最初に出会った精霊だ。

何でも、俺には自分に心を通わせてくれる精霊の霊力をキスによって封印する事ができるらしい。

何でこんな能力をもっているかは、俺にも分からない。

ただ、俺は、こんな可愛らしい笑顔を見せてくれる精霊たちが、人類にとって脅威だからと、命の危険に晒されている。そんな現実を認めるわけにはいかなかったし、俺にはそんな精霊たちを救えるかもしれない、と言われれば、俺は精霊たちを救いたかったから、ラタトスクに協力してもらっている。

ラタトスクとは、簡単に言えば、精霊とは対話ができるだから敵対なんてせず共存していこうという思いの下集まった人たちがつくった組織だ。そしてラタトスク協力の下、7人の精霊を、俺は封印した。

封印した精霊は、アイドル活動をやっている美九と、あと1人を除いて皆、隣のマンションにいるのだが...

 

「なぁ十香、他の皆はもう学校に行ったのか?」

「う...うむ、皆は既に学校に行ったのだ。だから私たちも急いで学校まで行くのだ!」

 

と、何故か十香は慌てている。まあ学校を遅刻するわけにはいかないので、学校まで行こうとすると

 

「士道」

 

また後ろから声をかけられた。

 

「むむ、鳶一 折紙!」

 

振り返ると、クラスメイトで、つい先日封印した精霊である折紙がいた。折紙は、これまで両親と過ごしていた家を離れたくないと、マンションでは無く自宅に住んでいる

 

「おはよう、折紙」

「おはよう、士道」

 

彼女は、元々は普通の人間だったのだか、ファントムと言う精霊によって人から精霊になった精霊だ

 

「それで、何で夜刀神 十香と一緒にいるの」

「私が2人で学校に行こうと言ったからだ、2人っきりでな!」

「2人っきりである必要性が分からない、特に理由が無いのであれば士道を置いて学校に行き理由を考えてくること」

「な、なにぉ~!!」

 

と、2人が玄関前で言い争っていると

 

「フハハハハ!貴様らそんなところで何をしているのだ!」

「疑問、マスター折紙と十香は何をしているのでしょう」

 

蜂蜜色の髪をした瓜二つの顔をした2人の少女がマンションから出てきた

 

「おはよう、耶倶矢、夕弦」

「あぁ、おはよう、士道」

「挨拶。おはようございます、士道」

 

と、素に戻った耶倶矢と夕弦が挨拶してくる

 

「問、マスター折紙と十香は何をしているのでしょう」

「なんか、誰が俺と一緒に学校に行くかでもめてるらしい、皆で行けばいいのにな」

 

と、夕弦が質問してきたので答えると

 

「フッフッフッ、愚問だなぁ、士道は我ら颶風の巫女の所有物だぞ」

「肯定。士道は、私たちの共同財産です。」

 

と、耶倶矢と夕弦もあの争いに参戦する意識を見せはじめた

 

「あぁもう!言い争いは止めろ!せっかく皆いるんだから一緒に学校に行くぞ」

 

俺がそう言うと、皆は顔を見合わせ

 

「うむ、そうだな。士道がそれで良いのなら良いのだが」

「士道が良いなら、私も構わない」

「ふん、たまには言う事を聞いてやるのも所有者の努めよな」

「肯定。では行きましょう」

 

と、皆も納得してくれたようで良かったが、時間が危なかったので急いで走っていった

 

 

 

 

 

 

学校には、無事に遅刻する事なく辿りつくことが出来た

そして、クラスが違う耶倶矢と夕弦と別れる

クラスメイトで、友人でもある殿町から嫌味を言われてしまったが、そのあと1人でかってに傷付き席に戻ってしまった。

HRの時間になり、タマちゃんのから連絡を聞いていると、突然、サイレンが街中に鳴り響いた!

 

(これは、空間震警報!?)

 

空間震とは、精霊がこちらの世界に現界する時に起こる現象だ

 

「シドー!」

「十香!俺はこれから令音先生のところに行ってくるからお前は、シェルターに避難してくれ!」

「分かった」

 

俺はそう十香に言い、急いで令音さんがいるであろう物理準備室に向かう

 

「シドー!」

 

が、十香に呼び止められる

 

「気を付けて行くのだぞ!!」

「おう!!」

 

十香から激励の言葉をもらい改めて物理準備室へ急ぐ

 

物理準備室に着くと、そこには既に、令音さんと黒いリボンをした琴里の姿があった。

 

「遅いわよ、士道」

 

黒いリボンをした琴里は厳しい言葉を言い放ってくる

 

「これでも...ゼェ...全力で...走って来たんだぞ...」

「そんなことはどうでもいいわ。それより、令音!」

「あぁ、シン、まずはこれを見てくれ」

 

令音さんは、目の下にできた隈と胸ポケットに常に熊のぬいぐるみを入れているのが特徴的な人で、琴里のサポートをしてくれているラタトスクの人だ

そして、令音さんに言われてモニターを見る

 

「これはフラクシナスの観察機の映像だ」

「え、待って下さいフラクシナスは今、修理中のハズじゃあ...」

 

フラクシナスとは、士道たちがいつも使っている空中艦なのだが、反転体と化した折紙と戦った時に落されてしまって、現在、修復作業中なのだが

 

「あぁ、フラクシナスの船体はまだ修復中だが、観察機は使えるのがあったからそれらを使っているのさ」

「なるほど」

 

そう納得し映像を見ると、

そこには、空間震によってできたクレーターと、その中心にいる黒い着物を身に纏った少女と、その少女の前にある鏡が映っていた。

 

「この映像は、今からほんの数分前に現界した精霊を映したものだ、この精霊の霊力を解析したのだが、過去に確認された精霊の霊力のどれとも一致しなかったことから、新たな精霊だと思われる」

「新しい精霊ねぇ...」

 

琴里と令音さんがなにやら話をしているが、俺は気にも止めずモニターの映像を見ているとASTの人たちが現れた。

そして、ミサイルや銃弾を精霊にめがけて撃ち出した。しかし、彼女は何もせずただ立っているだけだったが、

 

『【表裏鏡界】《アブディエル》、【転写】《トランファー》』

 

彼女がそう言うと、彼女の前にあった鏡が動き出し、彼女とミサイルと銃弾の間に割り込み、鏡が突然光だした。光が収まるとそこには、巨大化した円形の鏡があった。そして鏡の中から何かが飛び出したと思ったら、ミサイルや銃弾を全て撃ち落としていた

 

「この映像を見るからに、彼女の天使は映したものを現実に持ち込むことができるようだ」

 

令音さんはそう言い、ミサイルが撃ち落とされたところまで戻し、スロー再生をすると、確かに鏡の中から出てきたのは、ASTが撃ったミサイルと瓜二つのものだった(銃弾に関しては分からないがおそらく同じものだろう)

ミサイルが撃ち落とされたところにきたので、普通に再生するとまた鏡が光だし、元の大きさに戻ってくが近くに彼女の姿がない

 

(いったい何処に?)

 

疑問に思っていると映像が切り替わり、ASTの人たちを殴り飛ばしている姿が映された

そして、ASTの一人が彼女に斬りかかるが

 

『【表裏鏡界】《アブディエル》』

 

彼女が天使の名前を呼ぶと、そこには小さい円形の鏡が現れた。そこで令音さんが一旦映像を止める

 

「今この精霊は、天使を確かに呼び出したが、この画像を見てくれ」

 

そう言って違うモニターに画像を出す。そこには最初からあった鏡が変わらずそこにあった

 

「この画像は、彼女が天使を呼び出した時のものなのだが、彼女の天使は、その場から一切動いていない。このことから彼女は、最低でも2つの天使を扱うことができると考えた方がいい」

「天使を2つもですって!?」

 

琴里が驚きの声を発する。それはそうだ、天使とは精霊が持つ最強の矛。それが2つもあるというだけでも驚きなのだから。そして、令音さんは映像を再生すると、ASTの人が天使に斬りかかるところから始まった

 

『【反射】《リフレクション》』

 

ASTの人が天使を粉々に砕くと、斬りかかった人は何故か倒れて落ちていった。そのあとはただ精霊がASTを殴り飛ばすだけの映像が続いた

 

「これが今回現れた精霊と天使の力だ」

「そう、これはまた、厄介な精霊が現れたわね」

 

琴里が疲れたように言う。まあ仕方が無いことだ、俺も少し驚き疲れてしまったのだ、部下を持つ琴里からしたら、もし敵対してしまった時のことを考えると疲れたどころの話ではないのだから

 

「琴里、君が心配するような事態には、多分ならないと思うよ」

 

と、令音さんが琴里に声をかける

 

「あら、どうしてそう思うのかしら」

「あの天使の能力は、どう見てもこちらから攻撃しない限りは無害だからだよ」

 

そう指摘されて初めて気がついた。確かに、今の映像を見た限りではあの天使はどう見ても自分から攻撃など出来そうにも無いからだ

 

「なるほどねぇ、じゃあ士道」

「何だ」

「これからこの精霊に接触してほしいんだけど」

「ハァ!?」

 

イヤイヤ、いくら何でも急過ぎるだろ!と思い、口に出そうとするが

 

「シン、行くのなら早くした方が良い、既に戦いを終えた精霊はとっくに移動を開始しているのだからな」

「いやいや、まず場所も何処にいるかも分からない精霊とどうやって会えって言うんですか!」

「あぁ、それなら心配はない、シン、これを」

 

そう言って令音さんが渡して来たのはインカムだった

 

「私たちがここから、精霊のいる場所までそれを使ってシンに道を知らせるし、精霊が移動している場所も、ここからそう遠く無いから、今から行けばきっと会うことができるはずだ」

「.......ハイ」

 

俺は観念して、精霊がいるであるだろう場所まで走る

 

 

 

令音さんに道を教えてもらいながら移動していると、遂に、映像に映っていた精霊の少女を見つけた

 

(やっと...見つけた...)

 

移動中はずっと走っていたので、少し息を整える為に立ち止まっていると、インカムから琴里の声が聞こえる

 

『士道、彼女に警戒されないように、少しでも彼女のことを聞き出しなさい』

「んなこと言われたってどうすりゃいいんだよ」

『こういうのは第一印象で決まるわ。出来るだけおっちゃらけた感じて「僕の名前は五河 士道」とでも言っておけばいいのよ!』

 

という琴里のありがたいアドバイスをもらい、出来るだけ笑顔をつくり彼女に話しかける

 

「俺の名前は、五河 士道、君の名前は?」

 

すると、彼女は突然笑い出した

そのことを不思議に思っていると

 

「ヒィヒィ...フゥ...いやぁ、ごめんね、なんか初対面の人にこんな道のど真ん中で、いきなり自己紹介を始める君が可笑しくってさぁ」

 

そう言われると、確かに、いきなり自己紹介するのは少し、いや、かなり変だと思うと、だんだん恥ずかしくなってきた

 

「それで、私の名前だっけ?いいよ教えてあげる、私の名前は.......」

 

と、俺が恥ずかしがっていると、彼女も自己紹介をしてくれるようなので、名前を聞こうとしたのだが、何故か、彼女は口を噤んで、困ったような顔をしていた

 

「おい、どうしたんだよ、急に黙り込んで」

「うん?あぁちょっとした考え事だよ」

「そうか、なら良いんだけどさ」

 

彼女が急に、黙りこんでしまい、聞いてはいけないことだったかと思ったのだが、杞憂だったらしい。そして彼女はまた口を開いて自分の名前を言った

 

「私の名前は、八咫姫 鏡 。好きなように呼んでいいよ」

 

こうして、俺は初めて彼女...鏡と出会った




と言うことで4話でした
正直、耶倶矢の口調が不安なところですが作者にはこれぐらいしか思いつきませんでした。もっとこうしたらいいなどアドバイスがあればぜひ、教えて下さい
それではご視聴ありがとうございました

折紙は、マンションには住んでいないとのことでしたので少し修正させていただきました


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対話

今回はデート回というよりは、鏡の質問回といった方がいいかもしれません

それでは、5話目どうぞ


「私の名前は、八咫姫 鏡 。好きなように呼んでいいよ」

 

私は目の前の少年...士道に向けてそう言った

 

(貴重な第一街人なんだし、色々と聞きたい事もあるし、せめて、この街の地理ぐらいは聞いておきたいかな~)

 

鏡は完全に士道のことを、案内人のようにしか見ていなかった

 

「分かった、じゃあ鏡って呼ばせてもらうから、俺のことは士道って呼んでくれ」

「何か初対面なのにかなり馴れ馴れしい感じがするけど...まぁ、すきなように呼んでっていったのは、私だから文句は無いけどさ、それで士道は何でこんなところにいるの?」

 

と、鏡が士道に聞くと、士道は

 

「いや、ここにきたのは、そう!たまたまなんだよ。たまたまここを通ってたら君がいて、せめて名前だけでも聞きたいと思ってな!」

 

何故か、士道は慌ててそう言った

 

(なんか、怪しいな~)

 

だが、特に気になるわけでもないので、話を続ける

 

「ふーん、まあいいや。じゃあさ、どこかゆっくりできる場所はないかな?色々と聞きたいことがあるんだけど。立ちながらだと疲れるでしょ」

「あぁ、それもそうだな。けど、今は多分どの店もやってるわけが無いからな~...」

「そうだ、何で今この街には人がいないの?」

「今はまだ、空間震警報が発令されたままだからな。皆シェルターの中に避難してるんだよ」

「なるほどねぇ、じゃあどうして、士道は外にいたの」

 

さすがに、そんな危険な時に外に居るのは、怪しいと思い士道を問い詰めると、

 

「いや、家が無事なのか気になってな、警報が発令されてから結構時間もたったし、こっそりシェルターを抜け出して家に行く途中に君がいたんだよ」

 

と、もっともらしいことを言うが、なんとなくそれだけが理由では無いような気がしたが、今回はそれで納得することにした

 

「あの、なあ、鏡、もし君がよかったらなんだけど、俺の家に来ないか?色々と聞きたいことがあるんだろ」

 

士道がそう言う、ここで普通の少女ならこんな怪しい人を信用せずに、走って逃げるのだろうが、鏡は普通の少女ではない

 

「別にいいよ」

(いざとなったら、【表裏鏡界】《アブディエル》を使えば、簡単に逃げられるし)

「そうか、ならついてきてくれ。案内するから」

 

そう言われ、大人しくついていくことにする

そして、自分が先程から感じている違和感について考える

 

(何で、あんな事があったのに、男の人が怖くないんだろう)

 

そう、鏡の記憶では自分は男に強姦され、そのまま息を引き取ったはずなのだが、全然男である士道を見ても恐怖などは感じなかったのだ

 

(何でだろう。あれかな、自分が死んだとき精神も死んじゃってて、生き返った時に新しい人格も精神もつくったから、とか?いや、それはないかな。そうだとしても全く恐怖を感じない理由にはならないし)

 

もし、仮にそうだとしても、そんな記憶があれば、士道に恐怖を感じなくても、かなり警戒しているだろうが、今の彼女は士道を一切警戒していない

 

(でも、これが一番近い気がするんだよな~。この記憶は

、思い出したくないほど、とっても不快なものだけど、逆に言うとそれだけなんだよな~)

 

そう、なんと言うかこの記憶は、自分のことではないかのようなものなのだ、言うなれば、自分の目線で第三者の視点から自分を見ているかのような、そんな感じがするのだ

だからか、その記憶を思い出しても、自分のような別の誰かが、強姦されたようにしか思い出せない、その時の自分の心情、その時、感じたであろう恐怖を、思い出せないのだ

 

(あとは、この力を手に入れて、かなり心に余裕が出来たからかな?それとも、士道はあの男たちとは全然違うって、思ってるからかな)

 

記憶の中の男たちは、かなり体格のいい男たちだったのだが、士道にはそんなに力があるようには見えず、人間だった頃でも、逃げようとあがけば逃げられそうなだと思えるぐらいにしか見えないからだ

そんなことを考えていると、士道が声をかけてきた

 

「鏡、おい鏡!もうついたぞ」

「うん?あぁごめんね。また考え事してたよ」

 

家についた士道は、早速、鍵を開け家の中に入ったのだが、鏡がなかなか入って来ないので、鏡を呼びに行くと家の前で難しい顔をしている鏡がいたので、名前を呼ぶと、鏡はしっかり反応し、家の中に入ったのだか、今度は玄関で靴を脱ぐために座ってそのまま動かなくなってしまった

 

「今度は、どうしたんだ?」

「いや、私は下駄を履いたことは無いはずなのに、何で下駄を履いているんだろうと思ってね」

 

そう言われ士道が鏡の足元を見てみると、全体が光沢の黒で覆われ、赤い緒がしてある。かなり高そうな下駄があった

 

「さてっと、リビングは何処にあるの?そこでゆっくり話をしたいのだけど」

「リビングはこっちだ」

 

そう言われついていくと、結構な大きさのリビングがあった

 

「そこのソファーに座っていてくれ。今、お茶を入れるから」

 

そう言われ少し待っていると、士道がお茶の入ったコップを持ってきた

 

「ほら」

「ありがとう」

 

そのコップを受け取り、お茶を飲むと、精霊になってから何も食べていないことに気づく

 

(そう言えば、死ぬ前もご飯は食べてなかったのに全然お腹も減ってない、便利な体ね)

 

と、精霊になってから空腹感を感じていないことに気がつき、感心した

 

「じゃあ、士道、質問してもいいかな」

「あぁ、だけど、俺も聞きたいことがあるから、そっちの質問が終わったら、俺の質問にも答えてくれ」

「OK、いいよ」

 

そして、鏡は士道に、質問をしていく

 

「此処はなんて言う街?」

「此処は天宮市って言うところだよ」

「今日は何月の何日?」

「?、今日は11月25日だけど」

 

私は絶句した。それはそうだ、たった2回寝ていただけなのに、自分が精霊になってから1年が経とうとしていたのだから

 

(ウッソだ~)

 

私はそんな現実を信じたくなかったが、そんなことをしても意味はないので気持ちを切り替える

 

「じゃあ次の質問。この街の地理を知りたいのだけど、地図ってある?」

「ごめん、家に地図はないんだ。君が良ければ今度案内するよ」

「あれ、それって、デートのお誘い?」

 

と、からかうように言っみたのだが

 

「あぁ、そうだ。良ければ俺と、デートしてくれないか?」

 

なんと、士道はそう言い返してきたのだ!

少し驚いたが、士道の顔が、少し赤くなっているのが見えると、やっぱり恥ずかしかったのかと、なんだか、微笑ましい気持ちになった

 

「フフフ、いいよ、じゃあ、今度デートしようか」

 

それに、少しだけあなたに興味がわいてきたしねと、恥ずかしいので口には出さずそう思っていると

 

「良かった。じゃあ、明後日の日曜日の昼頃に、俺の家に来てくれないか?」

「分かったわ、ここ以外の場所を言われても、何処にあるか、分からなかったし」

「ところで、士道、あなたは私に何を聞きたかったの?」

 

私は、士道が何を聞きたかったのか気になり、そう聞いた

 

「いや...ただ俺とデートしてくれないかって、聞こうとしただけだ」

 

と、士道は顔を真っ赤にして言う

 

「そっか。じゃあいつまでもお邪魔しちゃ悪いし、そろそろ行くわ」

「もう行くのか。もう少しぐらいゆっくりしてもいいんだぞ」

「いや、もしかしたら、あの人たちが来て、士道に迷惑かけるかもしれないからさ、もう行くことにするよ」

「...分かった、理由は聞かないでおく。日曜日にまた会おう」

「うん、それじゃあ、日曜日にまた」

 

そう言って、士道の家を出ると、鏡は走り出す。人が寄り付かないような路地裏に入り、さらに奥の方に走って行くと、袋小路にあたったところで天使を呼び出した

 

「【表裏鏡界】《アブディエル》、【転送】《ムーブ》」

 

そう言うと、天使と共に彼女の体も光だし、彼女の形をした光が天使に吸い込まれ、跡には何も無くなり、天使も光となって、天にのぼるように消えていった

 

 

 

 

-side 士道

 

「で、琴里、これでよかったのか?」

『えぇ、上出来よ。特に次のデートの約束ができたところが良かったわね』

 

そう、俺は鏡と話をしている時に、ぼろをだしそうになる度に、琴里や令音さんに助言を貰い、何とか、ぼろを出さずにのりきることが出来た.....途中かなり恥ずかしい目にあったが

 

『だが、今回のシンは本当によくやってくれたよ。今日の会話だけで、彼女の好感度は少しだが上昇した。シンがデートに誘った時に、顔も知らない人から、顔見知り程度には、思ってくれるようになったよ』

 

と、令音さんが、俺の恥ずかしかったところを掘り返してくる

 

「ちょ、止めて下さいよ!あれ、かなり恥ずかしかったんですから」

『フフ、あれは傑作ね「良ければ、俺とデートしてくれないか」なんて今どき、キザな人でも、言う人はいないでしょ』

「ぐ、ぐおォォォ」

 

俺は激しい自己嫌悪にみまわれる。仕方ないじゃないか。あれはその場で言わなければ!と思い無意識にそう口にしていたのだから

 

『まぁ、そのおかげで精霊とのデートの約束を取り付けられたんだから、良しとしようじゃないか』

 

と、令音さんが言う

 

『確かにそうね。それじゃあ今日の夜に、あの精霊とのデートプランを練りましょうか』

『あぁ、それが良いだろう』

「分かったよ」

 

そう言って、インカムを耳から外そうとするが

 

『ところでシン、もうすぐ授業が始まるのだが、君は学校に来るのかい?』

「はい?」

『先程、空間震警報が解除されてね、もうすぐ授業が始まるのだが、来るのなら急いだ方がいい。走って行けばぎりぎり間に合うはずだ』

 

俺はそれを聞くと、迷わず学校に向けて走り出した

 

-side out

 

 

 

-side ???

 

「こんな時間に呼び出しなんて、どうしたのですかアイク」

「いや、日本でまた新しい精霊が出現したのでね、君に頼みたいんだよ。エレン」

「それはわかりましたが、私はその精霊をどうすれば良いのですか」

「出来れば、捕獲してもらいたいが、次の計画に支障が出るようだったら殺してくれても構わないよ。出来るかい」

「もちろん、貴方の期待に応えてみせます。」

 

-こうして世界最強の魔術師《ウィザード》は、日本にやってくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------彼女を、殺す為に




というわけで5話目でした。
正直、今回の展開には納得出来る人は少ないでしょうが、作者にはこうする以外、鏡が士道とデートしてくれる道のりが思い浮かばなかったんです。許して下さい、
そして次回は、《アブディエル》の新能力の解説と、士道たちのデートプランの話をしたいと思っています。
それではご視聴ありがとうございました。

感想やアドバイス、誤字の報告は、何時でも待ってます。

あと、活動報告があります


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鏡の世界

6話目です。
そしてこの話に出てくる【表裏鏡界】《アブディエル》の能力が、タイトルの元になっていますが、正直余り話に出てくることはないかも知れません。
そんな感じですが、よろしければ見ていってください。
それでは、どうぞ。


私が目を開けると、そこには何も変わっていない路地裏があった

 

(いや、結構変わってるね)

 

そう、【表裏鏡界】《アブディエル》を使う前に入った路地裏を思い出すと、そこは確かに、さっきまでいた路地裏なのだが、ありとあらゆる物の左右が逆転していた

 

(これが、【表裏鏡界】《アブディエル》のつくった世界)

 

そう、これが【表裏鏡界】《アブディエル》の最大の能力、自らが創り出した世界...いうなれば鏡の中の世界を創り出し、そこに転移することが出来る能力だ

 

(本当、天使って何でもありね)

 

と、【表裏鏡界】《アブディエル》のあまりの便利さに一周回って呆れてしまう

 

「さて、ここには誰もいないし、まずは食事にしましょう」

 

精霊はお腹が空かないが、人間だった頃を覚えている彼女は、何か食べたいと思い、商店街を目指すのだが...

 

(しまった。誰もいないから、料理を作ってくれる人もいないんだ)

 

そもそもお金が無いから、飲食店などで食事など出来ないのだが、その飲食店の中には人などおらず、もちろん料理人もいなかった

 

「しょうがないなぁ、じゃあ、作るとしますか」

 

そう言い、材料を手に入れる為に、鏡はデパートに向けて歩きだす

 

 

 

鏡は、昼食に必要な材料を手に、先程の飲食店の厨房に入り、早速調理を始めながら考える

 

(にしても、さっきのあれは、びっくりしたなぁ~)

 

そう、デパートに入ると、なんとカートが勝手に動いていたり、食材などが宙に浮き、カートの上のかごの中に入っていくという、すごく奇妙な光景が、目の前に広がっていたのだ。その光景を目にした時はお化けでもいるんじゃないかと思い混乱したが、ふと思い、【表裏鏡界】《アブディエル》を呼び出した

 

「【表裏鏡界】《アブディエル》、【投影】《プロジェクション》」

 

鏡がそう言うと、天使の表面が波打ち、鏡の顔ではなく、このデパートで買い物をしている主婦たちの姿が映し出された

【投影】《プロジェクション》とは、何かを映しているものもしくは、何かを見ているものを媒介として、【表裏鏡界】《アブディエル》に映しだす能力だ。今回の媒介は監視カメラのようで、上から見下ろしている感じだ。

【表裏鏡界】《アブディエル》の能力は、全部で5つある。映したものを射出して攻撃する【転写】《トランファー》、天使を攻撃した相手に、自動的にその攻撃の倍の力の衝撃を与える【反射】《リフレクション》、そしてこの世界に来るために使う【転送】《ムーブ》と、【投影】《プロジェクション》、その他にあと1つだけ能力があるのだが、どの能力も戦闘向きじゃあない。

【転写】《トランファー》は使いどころがかなり限られているし、【反射】《リフレクション》は天使を攻撃してくれなければ意味がないし、他の2つは逃げる為にしか使えないし、最後の1つはどんな能力なのか知識になく、試していないから分からない。攻撃系だったら助かるんだけどなぁ、とそんなことを思う

話が逸れた。【投影】《プロジェクション》を使って、カートが勝手に動いている謎を解決したあとに、またふと思って、【投影】《プロジェクション》によってデパートの中を映し出している【表裏鏡界】《アブディエル》を見ながら、近くにあった卵を取ってみる。すると、【表裏鏡界】《アブディエル》に映っていた卵がそのままあった。その時はホッとした。もし映っていた卵が動いてしまったら、卵が勝手に浮いて店の外に出ていくということが起こって、あっちで騒ぎになるかもしれないからだ。まぁ、騒ぎになったところで全然関係ないし、絶対に私のことがバレることはないのだが、私の良心が痛むことになるかもしれないからだ。

と、そんなことを考えていたら、昼食は完成していた。ちなみに、昼食は親子丼だ

 

「いただきます」

 

そう言い親子丼を食べる。白米は厨房にあった炊飯器から頂戴した。そして食べながら、明後日のデートについて考える

 

(まずは普通の服をみて、その後に、この街にはどんなところがあるか、見て回らないとなぁ~)

 

どんな服が良いか、どんなところがあるかなど考えながら食べていると、あっという間に食べ終ってしまった

 

「ごちそうさまでした」

 

と、お腹も膨れてきたら、今度はだんだん眠くなってきてしまった

 

(あぁ、やばい、眠くなってきた。これからやりたいことがけっこうあるのに...)

 

だが、精霊と敵対している組織の人と戦い体を酷使したせいか、眠気に勝てそうにない

 

(デートの予定は明後日だし今日は、寝てもいいかな)

 

と、そう思い。鏡はデパートの家具コーナーまでわざわざ歩いて向かい、そこに到着すると、今度はベットコーナーへ行き、ベットに横になってすぐに、眠ってしまった

 

 

 

 

 

 

そうして、夜に鏡は起きる

 

「ふぁぁぁ。うーん、よく寝た~」

 

鏡は起きるとあくびをして、体を伸ばして眠気を覚ます

 

「うわ、まだこんな時間かぁ」

 

近くに時計があり見てみると、左右が逆転しているがそこには、19:57とあった

 

「こんな時間に起きても暇だしなぁ」

 

と、少し考え

 

「そうだ、士道の家を見てみよう」

 

そう思い天使を呼び、【投影】《プロジェクション》を使う。【投影】《プロジェクション》は人や動物を媒介に使った時は、媒介が聞いた音も聞くことが出来るため、今回は士道の視界を媒介にする

 

「【表裏鏡界】《アブディエル》、【投影】《プロジェクション》」

 

鏡は最初は、ただ士道がどのようなデートプランを立てるのか気になり、少しだけ覗いて見ようかなと、そんな軽い気持ちだったのだが、

 

「え?」

 

そこには紅い髪のツインテールの少女と、目の下の隈が特徴的な女性と共に、鏡の今後に関わることついて、話し合っている3人の姿が映し出された。

 

 

-side 士道

 

あの後、俺は急いで学校に行き、何とか授業に間に合うよう無事に学校につくことができた。午前の授業は、眠くなりながらもしっかりと乗り切った。昼休みは皆で騒ぎながらご飯を食べた。午後の授業も無事に乗り切り、皆で家に帰ってくる。折紙は自宅に帰っていった

 

「それで、士道よ。晩餐はまだなのか」

「待ってくれ。まだ琴里が帰ってないんだ。そもそも準備も出来て無いんだから」

 

 

俺の家につくと耶倶矢が早速聞いてくるが、まだ琴里と令音さんが来ていない。なので、琴里たちが帰ってくるまで待っているようにいって、晩飯の支度をしようとすると、後ろから誰かに抱きつかれた

 

「ダーリン!!あなたの美九、ただいま帰って来ました~!!」

「うわ!!美九!?何で!まだ仕事があったんじゃないのか?!」

 

俺のことをダーリンと抱きつきながら呼ぶ精霊は、誘宵 美九。アイドル活動をしている精霊で、美九もファントムによって人から精霊になったそうだ

 

「今日のお仕事が早めに終わったので、急いで帰ってきたんですよ~」

 

と、美九が言ってくると、今度は玄関から琴里の声がしてきた

 

「士道、帰ったわよ」

「あぁ、おかえり琴里」

 

琴里が帰ってくると、美九はすぐに離してくれた

 

「あれ?十香は何処に行った?」

「そう言えば、ねぇ誰か十香を知らないかしら」

 

十香の姿が見当たらず、琴里が皆に聞く。

 

「あぁ、十香なら、四糸乃たちを呼びに行くと、マンションに行ったぞ」

 

耶倶矢がそう教えてくれると

 

「ただいまなのだ~!四糸乃たちを連れてきたぞ!」

「お...おじゃまし...ます...」

『ヤッホー!おじゃまするね!』

「.......お邪魔します」

 

と、十香が、四糸乃と七罪を連れて帰ってきた

 

「それで、シドーよ。今日のご飯は何なのだ?」

「あぁ、今日はひき肉があったからハンバーグにしようと思ってる」

「おぉ!ハンバーグか!うむ、それは良いな!」

「ハンバーグ.....ですか...」

『やったね四糸乃!』

「...うん!」

 

十香と四糸乃たちも喜んでくれている

 

「と、言ってもまだ料理の支度もしてないから少し待ってくれ」

 

そう言い、俺は台所に向かうと、

 

「.....私も手伝うわ」

 

そう言って来てくれたのは、七罪だった

 

「手伝ってくれるのはありがたいが...大丈夫か?」

「何よ、こんなチンチクリンの女じゃあ料理もできないだろうとか思ってんの」

「そこまでは言ってないし、思ってもないからな!?」

 

と七罪と話していると

 

「私も手伝うわ」

 

と、琴里が

 

「追従。私も手伝います」

 

そして、夕弦が言ってきてくれて最後には、皆でハンバーグを作り、それぞれ自分のハンバーグを食べ、夕食を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

「ではなシドー!また明日なのだ!」

 

と、夕食を食べ終えた皆は少しの間話をすると、やがてマンションの自分の部屋に帰っていった。そして、みんなが帰るのを見送ると、

 

「士道、早速朝の精霊について、作戦を立てるわよ」

「あぁ、シン、早くしたまえ」

 

リビングには琴里と、いつの間にか令音さんがいた

 

「って令音さん、いつからいたんですか!?」

「今は、そんなことどうでもいいでしょう」

 

と、琴里に言われ確かに今聞くべき事ではないと思いそれ以外口にするのはやめた

 

「それで、士道、あの精霊と話してみてどうだったの?」

「どうって、そうだなぁ、見た目のわりにはどこにでも居るような普通の女の子って感じだったよ」

「なるほどね。それで、デートはどうするの?今、フラクシナスの乗員達は、修理の手伝いとかで今回のデートの応援に行けそうにないから、私と令音がインカムを使って話すしかないのだけど」

「いや、大丈夫だよ。元々はこの街を案内するって言ってあるから、有名所を見て回ることにするよ」

「そう、分かったわ。今回のデートには危険はあまりないと思うけど、私たちも観察機を飛ばして警戒しておくから、貴方はデートに集中しなさい」

「あぁ、分かってるよ」

「本当に?分かってるようならいいけど、ただデートするだけじゃダメなのよ」

「そうだぞシン、相手の好感度を上げなければ、彼女の霊力を封印出来ないのだから」

「分かってますって。俺がやるべき事は、デートして、デレさせて、霊力を封印する。そうですよね」

「分かってるじゃない。なら、問題ないわ」

 

そうして、俺は気持ちを高める。鏡の霊力を封印して、人としての普通の生活を送ってもらいたいから。

そうして、細かいデートプランを3人で練っていく。

 

 

 

 

鏡に見られていると気付かずに




何か最後の終わり鏡ストーカーっぽくなっちゃったなぁ
はい、という訳で6話目でした。
今回の話は、ただ【表裏鏡界】《アブディエル》について書きたかったのですが、それだけでは、味っけない気がしたので、士道サイドの話を入れました
そして、次回は、この話を聞いてしまった鏡がどうするのかを書いて行きたいです。
あ、デートは、しますよきっと

感想やアドバイス、誤字の報告などはいつでも受け付けております。

それでは、ご視聴ありがとうございました


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デート

タイトルどうり、デートすることにしました。
そして、最後の方で急展開があります。嫌いな方は戻ることを推奨します
それでは、7話目どうぞ


私は士道たちの話が終わったのを見計らって、【表裏鏡界】《アブディエル》の【投影】《プロジェクション》を止める

 

「なるほど、私に近づいて来たのは、そういうわけか」

 

いきなりデートとか、わけもなくいきなり言ってくるわけないもんなぁ~と思いそして、士道のことについて考える

 

(まず、士道たちが私の霊力を封印するためには、私の士道に対する好感度を上げる必要があると言ってた。そして好感度を一番上げやすい手段がデートってわけか。だったら明後日のデートに行かず、今後士道と関わらなければ、私が封印されることは無くなる)

 

そう、何故かは知らないが、精霊の霊力を封印するには、士道のことを好きにさせないといけないらしい。だったらデートにいかず、今後士道に関わらなけれればいいのだが

 

(でも、こっちから案内をお願いしたんだし、ましてや約束をスッポカスのは、良心が痛むし)

 

そう思い、結局、鏡はデートには行くことにした

 

(まぁ、デートに行ったあと、士道と関わらなければ、封印されることは無いでしょ)

 

そう結論づけ、鏡はもう一度眠り、明後日のデートの準備は、起きてからやることにした

 

 

 

 

 

 

そして、デートの日

鏡は黒のフリルのついたワンピースを着て、士道の家の前に居た

 

(やばい、何かドキドキしてきた)

 

記憶が所々抜けているので分からないのだが、恋愛経験などの記憶が無い彼女にとって、デートは初めてなのだ。緊張するのも無理はない

 

(でも、いつまでもこうしているわけには、いかないからな~)

「スーッ...ハー...」

 

鏡は深呼吸を一つして、士道の家のインターホンを押すと士道の声が聞こえてきた

 

『ハーイ、どちら様でしょうか?』

「士道、言われとおりきたわよ」

『あぁ鏡か、ごめん少し待ってくれ』

 

そう言われ少し待っていると、士道か家から出てきた

 

「悪い、待ったか」

「ううん。全然大丈夫だよ」

 

そう言い、2人は街へ歩きだす

 

 

 

商店街につくと、士道が話しかけてきた

 

「そういけば、鏡。お前は昼飯食べたのか?」

「いや、食べてないよ」

「じゃあ、ご飯を食べに行こう。いい店があるんだ」

 

そう言い大通りにあるレストランに入る。そこは【表裏鏡界】《アブディエル》の世界で鏡が厨房を借りたレストランだった。鏡はこの店とは何か奇妙な縁でもあるのか、と思いながら入ると

 

「いらっしゃい」

 

そこには、目の下の隈が特徴的な店員が居た

 

(うわ、本当に居た)

 

そう、このレストランは、ラタトスクが精霊とのデート用に手配した店だった。士道たちがデートプランを考えていた時に、鏡は覗き見していたので、ここは敵地だと知りながらも、わざわざ入っていった

 

(本当に、普通に対話して好感度を上げるだけだったら危険はないし、何か怪しいものがあれば【表裏鏡界】《アブディエル》を使って逃げるから大丈夫でしょ)

 

そんな事を、思いながら周りを警戒しつつ目の前のメニューを見て何を食べるか考える

 

「俺は決まったけど、鏡は何がいい?」

「そうだなぁ...じゃあ、このBランチセットでいいかな」

「分かった」

 

そう言うと士道は呼び鈴をならし、店員に注文する

しばらくすると、注文した品が運ばれて来た。ちなみに士道が頼んだのはハンバーグセット、鏡はオムライスのセットだ

 

「「いただきます」」

 

そう言って2人は食べ始める

 

「なぁ、鏡はどんな所を見てみたいんだ?何も無いんだったら俺のオススメの場所があるんだ」

 

と、士道が聞いてきた

 

「うーん、そうだなぁ、私のリクエストは、1人で綺麗な夕日が見られる場所がいいかな」

 

本当は夕日を見たい訳ではないのだが、士道と2人っきりで話をしたいための口実として、そういった

 

「そうか、じゃあ先に俺のオススメの所を案内するよ」

「うん、それがいいかな」

 

そう言って、昼食を食べ終えたあとレストランを出て、私たちは街の中へ歩き出した

 

 

 

 

士道とのデートは、結果を言えばとても楽しかった。

食事のあとは水族館に行き、イルカショーを見た後、商店街で買い物をした。私は買ってもらうのは悪いと言ったのだが、士道がペンダントを私に買ってプレゼントしてくれた。中に写真を入れておけるやつだ。肝心の写真が無かったので、ゲームセンターに行き2人でプリクラを撮ってその写真を中に入れた。その頃には、日が沈もうとしていた頃だったので、私のリクエストした綺麗な夕日が見られる場所まで案内してくれた

 

「どうだ、鏡?ここの夕日はけっこう綺麗だと思うんだけど」

 

確かに、ここから見る夕日は街を赤く照らしていて、とても綺麗だった

 

「うん、綺麗だね」

「そうか、なら良かったよ」

「.......ねぇ士道、あなたに話しておきたいことがあるの」

「話しておきたいこと?」

「えぇ、だけどその前に確認させてちょうだい」

 

そこで一旦話を区切り、言った

 

「あなたは、私を封印するために近づいて来たんでしょう」

「!?え...何で」

 

私がそう聞くと、士道はとても驚いたという表情をして聞いてくるが

 

「何で知ったのかとか、そういうのはどうでもいいからさ。士道、答えてよ、私はあなたが敵なのか、そうでないのか、知りたいだけなの」

「.....あぁそうだ、俺はラタトスクに協力してもらって精霊の霊力を封印してる」

「ラタトスク?」

「あぁ、簡単に言うと精霊と仲良くしたいって人たちが作った組織だよ」

 

なるほど、精霊と対話したがっている組織の名前はラタトスクって言うんだ、とそんなことを思う

 

「ふーん。分かった、その言葉信じるよ。それで私が話しておきたいことなんだけどね。実は、私...1回死んでるんだ」

「.......え」

「去年のクリスマスの日に、私は男たちに犯されてそのまま死んじゃったんだけど、ファントムって人に精霊にされて生き返ったんだよ」

 

とそこで士道の顔を見ると、驚愕を通り越して呆然としていた

 

「ごめんね、いきなりこんなこと言って。ただ私と付き合うんだったら、知ってほしかったからさ」

 

そう言うと話を区切り、独り言のように言う

 

「ホントはさ、このデートが終わったらもう、士道とは関わらないようにしようと思ってたんだけど、士道と居るととっても楽しかった。だからかな、士道と離れたくないって思ったんだけど、私が一方的に求めるのは違う気がしてね。私のことを知って欲しかったんだ」

 

そして、

 

「士道の返事が知りたいけど、急にこんなこと言われて、かなり混乱してると思うからさ。明日、また会いに行くから、そのときに返事を聞かせてよ」

「...........分かった。明日までに答えてみせるよ」

 

そう言って、その場で士道と別れる

 

(...これで、良かったかな)

 

もしこれで士道が私と関わりたくないと言えば、私はこれから先ずっと【表裏鏡界】《アブディエル》の世界で過ごすことに決めている。だが私と関わっていくことを選んだらその時は、とそう考えていると、突然、街中にサイレンが響き渡る

 

(あぁ、これが空間震警報かな)

 

突然鳴り響いてきたサイレンに驚いたが、すぐにその正体が思い浮かび、興味を失った

 

(...そろそろ帰ろうかな)

 

そう思い、霊装と天使をだしたが、

 

(...?)

 

突如、左肩に鋭い痛みが走り、触れてみると濡れている感触があった。そして、触れた手を見てみると、

真っ赤な血の色をした手があった。

 

「アッアァッア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!」

(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!)

 

痛みの原因を理解するとさらに激しい痛みが全身に走り、鏡は立っていられずその場に倒れ込んでしまった

 

「一撃で仕留めようと思っていたのですが、タイミングが悪かったですね」

 

空から声が聞こえてきたので見上げると、そこには30以上は居るであろう人型の機械と、それらを従えるように飛んでいる美しい女性がいた

 

「まさか撃ったと同時に霊装を展開するとは。しかし、それもあまり意味は無かったようですね。死ぬことに変わりはありませんから」

 

と、空を飛んでいる女性が鏡のことを見ながら剣を向けてきた

 

「あなたに怨みなどはありませんが、怨むのでしたら神でも怨んで下さい」

 

そう言い、鏡に斬りかかってくる。しかし、鏡はうつ向いたままだ

 

(え?私、死ぬの?)

 

このままでは彼女は殺されてしまうだろう。そして彼女を助けてくれる人もいない

 

(いやだ、そんなの嫌だ)

 

当然彼女は死にたくはない。もしかしたら、明日から始まるかもしれないのだ。鏡の精霊《人》としての日々が

 

(死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない)

 

まだ、死にたくない。その思いが彼女に無意識に言わせてしまう

 

「【表裏鏡界】《アブディエル》!!」

 

絶対に言ってはならない。最悪な呪文を

 

「【反転】《リバース》!!」

 

そして、彼女の意識はなくなった




はい、7話目でした
デートの内容が薄いと言う人がいるかも知れませんが許してください作者は彼女いない歴=年齢なのでデートとか分からないんです。もっとこうしたらいいなど意見がありましたら感想欄に書いて下さい
さて、次回は戦闘回ですね。どのようになるかは作者にもわかりませんが絶対に書き上げて見せます(何時とは言ってない)

それでは、ご視聴ありがとうございました

感想やアドバイス、誤字の報告などはいつでも受け付けております。

あと、最終回近いです


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反転

祝お気に入り50人突破!!
皆さん、ありがとうございます!!
正直、こんな小説に、お気に入り登録してくれる人なんているのかと思ってましたが、こんなに登録してくれる人たちがいて、とても嬉しいです!!

今回は戦闘回です。

それでは、8話目どうぞ


-side エレン・M・メイザース

 

私はこの前出現した新たな精霊を殺す為に《バンダースナッチ》を40体程率いてきた。本当は【魔術師】《ウィザード》がいれば良かったのだが、精霊を殺せる力量を持った【魔術師】《ウィザード》が居らず、足手纏いになるものばかりだったので《バンダースナッチ》だけで精霊を殺しに行くことにしたのだが

 

(いったい何が)

 

この精霊に先制攻撃出来たまでは良かった。DEMの監視衛星が捉えていた映像で、この精霊は天使を使い、どこか別の場所へ移動出来る力があるのを知った。だから、それを使われる前に精霊にダメージを与えられたのは良かった。あとは、痛みでのたうち回る精霊の首をはねてしまえばいいからだ。しかし

 

(あれは、いったい)

 

失敗した。精霊の首をはねるため精霊に攻撃を仕掛けたのだが全身に悪寒が走り、反射的に後退した。するとあの精霊の天使からなにやら黒いモヤのようなものが現れ、精霊を覆い隠した。全身を襲った悪寒から、あれは危険だと思いしばらく様子を見ていると

 

「誰だ、お主等は」

 

黒いモヤが弾け、中から真っ白い着物を着た精霊が現れそう言ってきた

 

「...あなたは何なの」

 

と、私は相手の質問を無視して質問をすると

 

「あぁ、喋るな。耳が腐る」

 

人が変わったように、精霊はそんな事を言う

 

「姿を見せるな。目が腐る。妾を見るな。腐ってしまうじゃろう。故に」

 

そして、

 

「疾く失せよ。貴様等」

 

その言葉をきっかけに、殺し合いは始まった

 

-side out

 

 

 

 

-side 士道

 

『士道!』

 

空間震警報のサイレンが鳴りシェルターに向かっている時に、インカムから琴里の焦ったような声が聞こえてきた

 

「どうしたんだよ、琴里」

『何呑気な事いってんのよ!あの精霊がDEMに襲われたのよ!!』

「え?」

 

琴里が何を焦っているのか分からず、琴里に聞くと鏡がDEMに襲われていると言ってきた

 

『おそらく、この空間震警報は嘘ね。こっちは空間震を観測して無いから、精霊と戦っているのを一般人に見られないように出したんでしょうね』

「ちょ、待ってくれ!鏡は無事なのか!?」

『...無事とは言えないわ。観察機の映像では精霊がDEMの【魔術師】《ウィザード》から攻撃を受けたと思ったら、天使から黒いモヤのようなものが出てきて、精霊を覆い隠してしまったの。それからしばらくして精霊が反転したのが確認されたわ』

 

反転とは、精霊が深く絶望した時に、精霊の凶悪な人格が出てきてしまう現象なのだが

 

「なんでだよ。何でそんな...」

『...ねぇ士道、確かあの精霊は1度死んだって言ってたわよね』

「あぁ」

 

何で琴里がそのことを知っているのかというと、フラクシナスの観察機を飛ばして、俺と鏡のデートを見ていたからだ

 

『だったら、あの精霊は他の精霊よりも死ぬことに敏感なのかもしれないわ。それか、あまり当たって欲しくないけど、天使の力で強制的に反転したかね。鏡に映った自分はもう一人の自分だとも言うから。鏡に映ったもう一人の方を反転した時の人格だと考えれば、有り得ないことではないし、そう考えるとつじつまが合うのよ』

「.....」

 

なるほど、そう考えれば反転した理由ば説明がつく。しかし

 

「なぁ琴里、俺はいったいどうすればいいんだ?」

 

そう、反転した理由が分かった所で元に戻す手段を俺は知らない。だから、琴里に聞いてみたのだが

 

『今の士道に出来ることは何も無いわ。今は私たちと合流して作戦を考えましょう』

「.....あぁ、分かったよ」

 

確かに今の俺に出来ることなんてない。

だから俺はラタトスクの基地に向かう。

皆の力を借りるために。

鏡を、救う為に

 

-side out

 

 

 

 

-第三者視点

 

反転した鏡は空を飛び、エレンたちの頭上を取る。鏡がエレンたちを見下ろしているかたちだ

 

「『煉獄鏡壊』《レヴィアタン》」

 

頭上を取った鏡は、手鏡よりも2周り程大きい円形の鏡...魔王を呼び出し、エレンと《バンダースナッチ》を映す

 

「『破滅』《ルゥーイン》」

 

そう言うと突如、魔王にヒビが入る。それを見たエレンは、直感的にあれに映っているのはまずいと思い、魔王に映らないように急いで移動する。そして魔王が割れると魔王に映っていた《バンダースナッチ》が全て砕け散った

 

「何!?」

 

エレンは思わず声を上げる。それだけ理不尽な光景だった。もしあの場に残っていたら訳も分からず死んでいただろうから

 

「ほぅ、避けるか。ならば次じゃ」

 

そう言い鏡は魔王を呼び出す。しかし、呼び出した魔王の数は1つでは無く、何と8つも現れたのだ

 

「!?」

 

エレンは驚愕を通り越し唖然とする。それはそうだ、あんな理不尽の塊は1つだけでも手一杯なのに、それが8つも出てきたとなると、さすがの世界最強の魔術師も防戦一方になるしかない

 

「今度は出し惜しみはなしじゃ。安心して消えるがよい」

 

そう言うと、4つの魔王がエレンと《バンダースナッチ》を捉え、残る4つが鏡を中心として回りだす。それは鏡を守っているかのようだ

 

「『破滅』《ルゥーイン》」

 

そう言うと、エレンたちを映している4つの魔王にヒビが入り始める。するとエレンは魔王に映らないようにしながら鏡と魔王を観察する。そして魔王が割れると、そこに映っていた《バンダースナッチ》が全て砕け散る

 

(やはり、この攻撃には少しのタイムラグがある。ならばその時に攻撃を仕掛ければいい)

 

そう、この攻撃の性質上、魔王が割れなければならない為、どうしてもタイムラグができてしまう

 

(それに、魔王が砕けても、魔王はすぐには復活しない)

 

魔王はすぐに復活しているわけではない。今のところ大体2〜3秒程度の早さで、魔王は復活している

 

(本当はもう少しゆっくり確認したかったのですが、こちらの戦力を考えるならあまり時間をかけていられません)

 

そう40体程いたはずの《バンダースナッチ》は最初の攻撃で10体程落とされ、さらに先程の攻撃で半分程にまで少なくなってしまった

 

(あとの不安要素は、あの精霊の周囲を回っている魔王ですが、それは《バンダースナッチ》に攻撃させて確かめてみますか)

 

そう思っている間に鏡は攻撃の準備を済ませていた

 

「『破滅』《ルゥーイン》」

 

そして魔王にヒビが入ったと同時に、エレンは《バンダースナッチ》を特攻させる

 

(これで何も無ければ、次は私が直接攻撃を仕掛ける!)

 

しかし、鏡を攻撃しようとした《バンダースナッチ》の攻撃を魔王が遮り、攻撃した《バンダースナッチ》は魔王と共に砕けていった

 

(やはり、そううまくはいきませんか)

 

ある程度予想はしていたが、これは最悪のパターンだ。

このまま防戦一方だとジリ貧だし、かといって攻撃を仕掛けるとこちらも砕けてしまう。ならば、《バンダースナッチ》を使い、周りを回っている魔王を全て砕き、エレンが攻撃を仕掛けるのが一番なのだが、

 

(でも、今ある魔王で全てとは限らない)

 

そう、もしかしたらまだ相手が魔王を出し切っていないかもしれない。もしそうならば、エレンが攻撃している時に、魔王を呼び出し魔王を攻撃させエレンを殺すことが出来る可能性もある

 

(さて、どうしましょうか)

 

と、エレンが考えていると、下の方から声が聞こえてきた

 

「かがみぃー!!」

 

そこには、士道が精霊たちを連れて来ていた

それを見たエレンは、分が悪いと思い撤退することにした

 

「《バンダースナッチ》各機に通達、撤退します」

 

エレンはそう言い《バンダースナッチ》と共に撤退する。幸いにも、士道の登場によって攻撃の手が止まっていたためスムーズに撤退出来た。

そして、士道と十香たちは、反転した鏡と対面する

 

「鏡...」

 

と士道は名を口にするが、しかし

 

「誰だ、お主は」

 

鏡は、そう言いった




8話目でした
本来なら最終回だったのですが
区切りが良かった所で分けることにしました。
鏡の能力の解釈の所で色々と言われそうですが作者にはこれが一番だと思いこういう解釈にしました

さて、活動報告にもあるのですが、
明日から部活の試合が3日間続くのでその間更新出来ません

感想やアドバイス、誤字などはいつでも受け付けおりますのでぜひ感想欄にお書き下さい

では、3日後ぐらいお会いしましょう
それでは、ご視聴ありがとうございました!


次回、最終回予定


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戦いの終結

すいません。前回後書きで最終回予定と言っていたのですが最終回ではありません。理由としては書くのが久しぶりだったので書き方を忘れてしまったことと、精神的ショックが原因でなかなか筆が進まなかったことです。ですが読者様方をそんな理由で待たせるわけにはいかず、区切りのいいところで切った結果今回の話が出来ました

それでは9話目どうぞ


-side 士道

 

「誰だ、お主は」

 

鏡にそう言われ、俺の知っている鏡ではないと分かっていても、やはりショックを受ける。

 

『気にするなシン。』

 

すると、耳にしているインカムから、令音さんの声が聞こえてきた

 

『今の彼女は反転している状態だ、君が誰なのか覚えていないだろう。だが、彼女が天使の力によって反転したのなら、元に戻す方法があるはずだ。今彼女の霊力などを全て解析しているから、しばらく時間を稼いで欲しい』

 

と、令音さんがそう言うと通話が切れてしまった。令音さんの言葉を信じ、精霊たちが見守る中、俺は時間を稼ぐ為に反転した鏡に話しかけた

 

「鏡!聞こえてんだろ!今日のデートのこと、忘れたなんて言わせないぞ!」

「デート?デートだと」

 

鏡はデートと言う言葉に反応した。俺はもしかしたらデートのことを覚えているんじゃないかと思い、デートのことを話す

 

「あぁ、そうだ。今日レストランでご飯を食べたり、水族館に行ったり、ゲーセンにもいったよな!そのことを全部忘れたなんて、言わないよな!?」

 

すると、

 

「フッフフッフハハッフッハハハッ!アッハハハハハハハハ!!」

 

鏡は袖で顔を覆い大声で笑いだした

 

「デート!デートだと!あぁ笑わせるなよ道化。我は男が嫌いだ。この身を慰みモノとし凌辱した男など、我は滅べばいいと思っているのに、そんな我が男とデートなど。」

 

そこで話を区切り鏡は顔を見せる。

そこには憤怒に染まった顔があった

 

「笑えぬぞ。消えるがいい道化よ」

 

そう言って鏡は、魔王をこちらに向けてきた

 

「『煉獄鏡壊』《レヴィアタン》」

「ッ!!士道!!」

 

いきなりのことに呆然としていると、琴里から声を掛けられハッとし、あの魔王に映らないように逃げ出す

 

「『破滅』《ルゥーイン》」

 

しかし、俺が逃げきる前に魔王が割れだしてしまう。すると、後ろの方から四糸乃の声が聞こえてきた

 

「『氷結傀儡』(ザドキエル)ッ!!」

 

四糸乃が天使を呼び出し魔王を凍らせる。その光景を見て俺は安堵し、足を止めてしまう

 

「まだよ、士道!!」

 

琴里が言う。そう、魔王は凍ってもまだ割れ続けている。そして、氷の中にある魔王には俺が映っていた

 

「『贋造魔女』(ハニエル)ッ!!」

 

今度は、七罪が天使を呼び出し氷を布に変える。すると布がいきなり砕け散った。きっと、魔王が布の中で砕けてそのとき魔王に映っていた布が砕け散ったのだろう

 

「チィッ!!」

 

まさかこんな方法で攻撃を無力化されるとは思わなかったのだろう。鏡は苦々しげな表情をしている

 

「シドー!無事か!」

 

十香が心配そうに俺に声をかけてくる

 

「あぁ。大丈夫だよ」

 

十香にそう言い、俺は四糸乃と七罪に向き直る

 

「ありがとう。四糸乃、七罪」

「...いえ...士道さんの為なら...このくらい、大丈夫...です」

「お礼はいいわよ。それより、これからどうするの」

 

七罪がそうが聞いてくる。そうだ、鏡の攻撃を無力化出来ただけで、元に戻す方法が分かったわけではないのだ。だから俺は皆の力を借りる

 

「皆、すまない。こんなことに付き合わせて。だけど、俺はどうしても鏡を助けたいんだ。だから頼む、鏡を戻す為に協力くれ!!」

「うむ。わかったぞシドー」

「分かり...ました...」

『分かったよシドーくん!』

「えぇ、もちろんよ」

「何をみずくさいことを言っている。我ら颶風の巫女はいつでも士道の力になるぞ!」

「同意。夕弦も一緒です」

「ダーリンの為ならいくらでも力を貸しちゃいます〜」

「私じゃあ力にならないだろうけど、手伝ってあげるわ」

「士道の力になれるなら、いくらでも力を貸す」

 

俺が皆に聞くと、皆も手伝ってくれると言ってくれた

 

「それで、私たちはどうすればいい」

 

折紙がそう聞いてくると、琴里が答えた

 

「今、令音があの精霊の霊力とかを調べているわ。だから、私たちは令音の解析が終わるまで時間を稼ぎましょう」

「「「「「「「了解(うむ)(わかりました(〜))」」」」」」」

 

そう言い皆は、天使と霊装を展開して、鏡を止める為に戦う準備をする

 

「あぁ」

 

それを見ていた鏡が何か言ってくる

 

「あぁ、邪魔だ、邪魔だぞ。我はただ、1人でありたいのだ。我以外何も入り込む余地などない世界で、永遠に1人でいたいのだ。それだけなのに、なぜ邪魔をするのだ!」

「そんな悲しいことを言うな!!」

 

俺は反転した鏡にそう言い放つと

 

「うるさい!!我のことを何も知らん奴らが何を言っている!!この身を凌辱し、女としての尊厳を汚した男が、何を知ったようなことを言っている!!1人になればそんなことは無くなるのだ。もう、あんなのはゴメンだ。痛く、冷たい、そして徐々に近づいてくる死。それを知らない奴が何を言っている!!」

「そんなの知るか!!」

 

俺はそう言ってやった

 

「お前のことを何も知らない?当たり前だろ!最近会って一日話しただけなんだから!死の恐怖?俺はそんな死に方したことないからわからん!だけどなぁ、これだけは分かる!」

 

そこで息を整え、

 

「ずっと1人っていうのは、とても寂しいってこと、それだけは分かる」

「...もうよい、『煉獄鏡壊』《レヴィアタン》」

 

俺がそう言うと鏡は魔王をこちらに向けてきた

 

「これ以上の会話は不要じゃ。お主を殺し、この忌々しき記憶と共に忘れ去ることにしよう」

「ッ!皆、頼む!」

 

俺がそう言うと、皆は魔王に映らないように、鏡に向かって飛び出した

 

「ッ!邪魔だてするでない!」

 

そう言うと、魔王は俺ではなく精霊たちを映しはじめる

 

「お主らには怨みなどないが、邪魔だてするのであれば全員を殺すことにしよう。『煉獄鏡壊』《レヴィアタン》『破滅』《ルゥーイン》」

「『氷結傀儡』(ザドキエル)ッ!!」

「『贋造魔女』(ハニエル)ッ!!」

 

魔王が割れ始めるとすぐさま四糸乃が凍らせ、七罪が氷を布にして完全に防ぐ

 

「ッ!!ならばその2人は、我自ら殺してやる!」

 

鏡はそう言うと、四糸乃と七罪に向かって行くが、鏡に突然突風が吹く

 

「これはッ!」

「2人はやらせんぞ!」

「同意。あなたの相手は夕弦たちです」

 

そうこの風は耶倶矢と夕弦が起こしたものだ。そして2人は四糸乃と七罪を守るように前にでる

 

「邪魔だてするなといっておろう!」

 

鏡は苛立ったように言う。おそらく反転した鏡も攻撃出来る能力はあれしかないようで、手をこまねいているという感じだ。そうして皆が魔王に注意しながら、鏡の攻撃を防ぎ時間を稼いでいると令音さんから通信がきた

 

『待たせたねシン。彼女を元に戻せるかは分からないが、少々面白いことが分かってね。彼女の周りを飛んでいる8つの鏡から、反転する前の彼女の霊力が確認出来た。おそらく彼女の意識はあの鏡の中に封じ込められているということなのだろう』

「つまりは、あの魔王を壊せばいいんですか!?」

『いや、ただ壊すだけではダメだ。あの鏡の霊力は互いが共鳴しあい、瞬時に霊力を回復させ復活している。おそらく全てを同時に壊さなければならないだろう。もしこれが成功しても、あの精霊は元に戻らないかもしれないが、何もしないよりはマシだと思う。頑張ってくれシン』

「はい!」

 

俺は鏡が元に戻せるかもしれない方法を令音さんから聞き、皆の力を借りて魔王を壊す為に動き出す

 

「皆!聞こえてるか!もしかしたら周りを飛んでる魔王を全部同時に壊せば、鏡を元に戻るかもしれない!皆、協力してくれ!!」

「「「「「「「「分かったわ(了解)」」」」」」」」

 

俺が皆に頼むと、皆は鏡の周りを飛んでいる魔王に向かって攻撃する

 

「ッ!!させんぞ!」

 

俺たちの狙いに気づいた鏡は、魔王を攻撃させないように全てをバラバラに動かし狙いをつけられないようにする。だが、この反応からあの魔王を全て破壊出来れば何か相手に良くない事がおきることは想像出来た。あとは、破壊出来ればいいのだが

 

「我はまだ何も成せていないのだ!この忌々しい記憶を完全に消し去り、この恐怖を克服し、あ奴らに復讐をしなければ何も始まらないのだ!我の邪魔をするな!」

「それは違う!復讐をしたって何も始まりはしない!」

「黙れ!」

 

鏡は魔王を動かし俺たちを無差別に攻撃し始めた

 

「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!何も知らない奴が、何も知らないくせに!消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ、消えろぉ!!!!」

 

鏡は錯乱しているため動かないが、魔王の速度が速く、鏡に近づくことが出来ない

 

「クソ!どうすればッ」

-お困りのようですわねぇ。士道さぁん

 

と、俺の影から聞き覚えのある声が聞こえてきたので振り返ると

 

「ッ!狂三!お前何でここに!」

 

俺の後ろには、時を操る精霊で霊力を封印できなかった精霊である狂三がいた

 

「えぇ。実は新しい精霊が現れたと聞きまして、一度見てみたかったのですが、どうやら大変なご様子で。そこで提案なのですが、士道さんの寿命を少しいただけるのでしたら私が手を貸してもいいですわ」

「本当か!なら頼む!手伝って欲しい!」

 

俺は狂三の提案に迷わずのる

 

「...全く。自分の寿命を文字通り縮めるというのに即決ですか、まぁ言ったのはわたくしですので協力はしますよ」

「ありがとう!狂三」

「いえ、では早速なのですが、わたくしが『七の弾』(ザイン)を使い彼女の時を止めますわ。そうすれば彼女の意思で動いている鏡も止まるはずです。その間にあの鏡を破壊してくださいまし」

「あぁ!」

「では、早速いただきますわよ」

 

狂三はそう言うと影を伸ばし、俺を影の中に収める。すると、凄まじい虚脱感が俺を襲った

 

「ックゥ!」

 

だが、俺はそんな虚脱感に負けないように皆に聞こえるように言った

 

「皆聞いてくれ!狂三が鏡の動きを止めるから、その間に鏡を割ってくれ!」

「ちょっと!何で狂三がいるのよ!」

 

集中していて狂三が現れたことに気が付かなかったのだろう琴里がそう聞いてくる

 

「あらあら、今はそんなこと言ってる場合ですの?」

「ッ!チィ!後で聞かせてもらうわよ!!」

 

狂三がそう言うと、琴里は悔しそうな顔をして鏡に向かって飛んでいった

 

「さて、それではいきますわよ。おいでなさい『刻々帝』(ザァァァァァフキェェェェェル)!!」

 

そう言うと狂三の後ろに時計のような天使と銃が姿を現した

 

「『七の弾』(ザイン)」

「皆!いくぞ!!」

「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」

 

狂三が銃に弾を込めている間に皆に合図を出す

 

「士道さん。いつでも撃てますわよ」

「あぁ。狂三、頼む!」

「えぇ。では、撃ちますわよ」

 

狂三はそう言うと引き金を引き、『七の弾』(ザイン)を打ち出す。放たれた弾は鏡の周りを回る魔王を全て素通りし、彼女の体に当たる

 

「皆!今だ!!」

「『鏖殺公』(サンダルフォン)!」

「『氷結傀儡』(ザドキエル)!」

「『灼爛殲鬼』(カマエル)!」

「「『颶風騎士』(ラファエル)!!」」

「『破軍歌姫』(ガブリエル)!」

「『贋造魔女』(ハニエル)ッ!」

「『絶滅天使』(メタトロン)」

 

皆は天使を使い、魔王を同時に割っていく

 

「やめろぉぉぉぉぉオオ!!」

 

すると『七の弾』(ザイン)の効果が切れたのか鏡が動き出したが、その頃には魔王は全て割られてしまっていた

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァ...」

 

魔王が全て割られると鏡は意識を失ったのか、そのまま落下してくる

 

「ッ!!」

 

それを見た俺は鏡を受け止める為に走り出し、彼女の体を受け止める。すると鏡の服が出会った時の服に戻り始めた

 

『シン。彼女の霊力が反転する前の霊力に変わったのを確認した。お疲れ様。シン』

 

耳にしたインカムから令音さんの声が聞こえて戦いの終わりを告げる。そうだ、鏡を元に戻せたのだ

 

(良かった)

 

俺は鏡の寝顔を見ながら安堵する。

戦いは、終わったのだと




次回は本当に最終回です!

...正直今回の話は展開が納得出来ない人もいると思いますが作者は速く最終回にいきたかったので少し強引ですがこのような展開にさせていただきました


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「愛してる」

少し遅れましたが最終回です。

ここまでやってこれたのは皆さんのおかげだと思っています。

それでは10話目、最終回。どうぞ!


「...がみ、...鏡!」

 

どこからか私を呼ぶ声が聞こえてきたので目を開けると、目の前には士道がいた

 

「...士道?」

「鏡!大丈夫か?」

「...体がだるいけど、それ以外は大丈夫だよ」

 

そう言い私は横になっていた体を起こす

 

「ありがとう、士道」

「え?」

「士道が、私を助けてくれたんでしょ?」

 

そう私は、あの女性に殺されかけ天使を使ったあとのことを全く覚えていないが、士道が助けてくれたってなんとなくわかったのだ。そして、かなり迷惑をかけたことも

 

「だから、ありがとう。あと、ゴメンね迷惑かけちゃって」

「...礼なら皆に言ってくれ」

 

士道がそう言い振り返る。私は士道の視線を追うと、そこには霊装を身にまとった精霊たちがいた

 

「精霊?」

「あぁそうだ。そして、皆俺の大切な仲間だ」

 

士道がそう言うと、精霊たちは照れたような顔をしている

 

「皆さん。ありがとうございました」

「うむ。気にするな。私たちはシドーに頼まれてやっただけなのだからな」

 

と、ドレスのような霊装を身にまとった、長い黒髪の精霊がそう言った

 

「だってよ、士道」

「...あぁ、分かったよ。礼は受け取っておく。それでな鏡、今日デートしたあと俺にした質問のことを、覚えてるか?」

 

そう言われ思い浮かんだのは、私が士道に一度死んでいると告白して、明日質問の答えを聞くと言ったことだ

 

「うん、覚えてるよ」

「そうか、なら今その質問に答えさせてくれ」

「...うん。いいよ。聞かせて」

 

私はそう言うがとても不安だ。士道に迷惑をかけたあとの返事なのだ。けど、怖がってばかりじゃあ何も始まらないので、勇気を出して士道の返事を聞く

 

「鏡。俺はお前を拒絶したりなんてしないし、皆もお前を拒絶なんてしないからさ。面倒事に巻き込まれたりしても皆の力を合わせて解決する。だからさ、一緒にいよう。鏡」

「ッ!!士道!」

 

私は嬉しさのあまり士道に抱きつき泣きだしてしまった。士道に拒絶されるんじゃないかって思ってたのに、士道は私と一緒にいようって言ってくれた。それが嬉しかった。私はいつまでも泣いていては士道に悪いと思い顔を上げると、遠くで私を殺そうとした女性が空を飛んで大きな銃を構えて私と士道を狙っているのが見えた。私はとっさに士道の肩を引っ張り私の後ろに隠し、士道をかばうように立つと、私の胸に凄まじい衝撃がはしった

 

 

-side エレン

 

「...仕留めましたか」

 

私は狙撃銃の構えを解きそう呟く

 

(目標の死亡を確認出来ないのは残念ですが、心臓を撃ち抜けば精霊でも助からないでしょう)

 

流石の私も1人で複数の精霊を同時に相手取ると苦戦を免れないし、その成果が精霊の死亡の確認だけでは割に合わない。私はそう思いながら、五河 士道と精霊たちに見つからないうちにDEMの日本支部に向かって飛ぶ。アイクに良い報告ができそうだと思いながら

 

 

-side 士道

 

俺は突然鏡に肩を引っ張られるとそのまま倒れ込んだ。すると後ろから大きな銃声が聞こえ振り返ると、鏡が俺の方に倒れ込んで来るのが見えてとっさに抱きとめる。抱きとめた時に何やら濡れたものを触った感触があり、手を見ると、その手は真っ赤な血の色をしていた。俺はそこで鏡が誰かに撃たれたのだと思い、鏡に声をかける

 

「おい!鏡!!大丈夫か!?」

 

いや、大丈夫な筈がない。何せ心臓を撃ち抜かれているのだ。鏡の体がだんだん冷たくなっていくのを感じる

 

「う...士道?」

「鏡!!」

「士道...大丈...夫?」

「あぁ、俺は大丈夫だ。少し待っていてくれ。今治療出来る人を呼ぶからな!」

 

俺はそう言い、令音さんに連絡をとろうとすると

 

「いや...たぶん...私は...もう...助から...ない...よ」

 

鏡はそういった

 

「何でそんな事言うんだよ!まだ助かるかもしれないだろ!」

「いや.....わかるよ...自分の...ことは...自分が...よく...わかってる...から.....ねぇ...士道、...かおを.....もっと...近くで...みたいな...」

 

俺はインカムで令音さんと連絡を取りながらながら、鏡に言われたとおりに顔を鏡の前まで近づける。すると、鏡が顔をこちらに近づけ、唇に何か柔らかいものが当たる。

そう、俺は鏡とキスをしていた

 

「ねぇ...士道...私...一回...死んだって...言った...よね...私が生きてる...のって...霊力で...心臓を...動かし...てるから...なんだ...だからさ...士道に...霊力を...封印されても...結局は...死んじゃってた...って...思うんだ...」

「何だよ、それじゃあ...」

 

鏡に、救いはなかったって事じゃないか!!俺はそう思いながら、鏡の霊力が俺に流れ込んでは消えていくのを感じていた

 

「でもね...士道...もう...死ぬのは...怖くないの...私の事を...思ってくれる人がいる...そう思うと...死ぬのが...怖くなくなったんだ...」

「鏡」

 

俺は涙を堪えて鏡の言葉を聞く

 

「士道...あなたは...私を...どう...思ってた...のか...わからない...けど、私は...士道を......愛してる」

「ッ!鏡!!」

 

俺は堪えてきれず、涙を流した

 

「もう...泣かないでよ...そうだ...これ...あげる」

「これは」

 

鏡から貰ったのは俺がプレゼントしたネックレスだった。中を見ると俺と鏡が映っている写真が嵌めてあった

 

「それを...士道に...あげるからさ...泣かないでよ...士道...」

「ッ!!」

「士道...私...少し眠くなって...きちゃった......おやすみ...士道.....さよなら.....」

「鏡?おい!鏡!かがみー!!」

 

鏡がそう言うと、まぶたを閉じ、眠るように静かに息を引き取っていた。俺は鏡の名前を呼び続けた。鏡の死を認めたく無かったから。俺は鏡は眠っているだけだと思い鏡の名前を呼び続けた。

 

 

 

結局、俺は琴里に無理矢理鏡から離されるまで鏡の名前を呼び続けたが、やはり鏡は目を覚まさず、ラタトスクの基地に運ばれ、死亡が確認された。俺はそう言われその場で泣いていると

 

「シドー」

 

十香が声をかけてきた

 

「十香?」

「シドー、鏡は...死んでしまったのか?」

「...あぁ、ゴメンな。皆の力を借りたのに、鏡のことを救え無かった」

「気にするなシドー。私たちはいつでも士道の力になりたいと思っているのだからな。それに鏡のこともあまり思い悩むな。鏡は満足して死んでいったのだろう?それに鏡のことはシドーと私たちが覚えいる限り私たちの中で生き続けるのだ」

「十香...」

「と、本に書いてあったのだが」

「フフッ何だよそれ。でも、ありがとう。十香」

「うむ。シドーに元気が出たようで良かったのだ」

 

そうだ、いつまでくよくよしているわけにはいかない。俺にはまだ救わないといけない精霊たちがいるのだから、いつでも泣いているわけにはいかない。俺は鏡から貰ったペンダントの写真を見ると、俺と鏡が映っていた。俺はその写真を見ながら思う。

 

(鏡、俺はこれからも頑張って生きていくよ。お前が俺たちの中で生きているから、死ぬきはないけど、危ないことはするだろうだから、どこかで俺たちのことを見守ってくれ)

 

すると、写真の中の鏡が微笑んだような気がした。俺はそれを見て安心した気持ちになり、皆のいる場所に向かって歩き出した。

 

 

 

 

-士道、私は見守ってるよ。いつまでも、ずっとね。




ここまで読んで下さった皆さまご視聴ありがとうございました。

この結末を目指し、その場の思いつきで書いてきた作品でしたが、皆さんに読んでいただいてとても嬉しかったです。

前書きでも言いましたが、ここまで頑張って来れたのは皆さんのおかげだと思っています。

それでは、皆さんまたどこかでお会いしましょう。

感想や誤字などはいつでも受け付けております。

それではご視聴ありがとうございました。


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やりたかったけど、時間軸的に無理っぽいネタ。
みんなで貸し切り遊園地


皆さん、お久しぶりです。二元論です。

やっとやること終わって、いざ、艦これを書こうと思ったのですけど、ネタが思い浮かばずこっちを書くことにしました



ただ、久しぶりなので口調少しおかしいかも


ーside 士道

 

「士道、遊園地行こうよ」

 

俺が鏡..この間出会った精霊..とデートをしているといきなり鏡がそう言い出した

 

「って、行ってもこの時間からか?」

 

今の時間は午後5:00、もう夕方だ

 

「いや、今からじゃなくていいよ。そうだなぁ、今度の日曜日夢の国前に集合でいいかな?士道の友達も連れてきてよ」

『いいんじゃない士道。これは好感度を上げる絶好のチャンスよ』

「そうだな、わかったよ鏡。今度の日曜日、夢の国だな」

「うん。それじゃあ士道、日曜日また会いましょう」

 

鏡はそう言うと路地裏に姿を消した

 

ーside end

 

 

 

 

 

日曜日

 

士道は美九以外の精霊達と一緒に夢の国前で鏡を待っていた《美九はアイドル活動があったので来られなかった》

 

「みんな、お待たせ」

「いや、俺達も今来たところだよ」

 

士道と鏡がそう言うと琴里たちが

 

「そんなこといいから、はやく行きましょう。チケットを買うのに時間かかるんだから」

「そうだぞ!士道、私は早く行きたいぞ!」

「そうだな、それじゃあ行こうか」

「そうね。それじゃあ行きましょうか」

 

鏡はそう言い、入り口とは別の方向に歩き出した

 

「おい、鏡!どこに行くんだよ」

「ん?あぁ、みんな並ぶの大変でしょう?私についてきてくれれば並ばないで中に入れるけど」

 

鏡が何を言っているのか分からなかったが、とりあえず士道達は鏡の後について行くことにした。そうして鏡の後についていき、着いたのは、路地裏だ

 

「なぁ、鏡よここからどうやって夢の国に行くのだ?」

「それはね。こうするのよ【表裏鏡界】《アブディエル》【転送】《ムーブ》」

 

鏡がそう言うと、鏡の天使が現れ、士道達を光で包み込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士道が目を開けるとそこは路地裏だったが、先ほどの路地裏とは違和感があった

 

「ようこそ、私の世界へ」

 

鏡の声が聞こえそちらを向くとそこには霊装と天使を展開している鏡がいた

 

「ここは【表裏鏡界】《アブディエル》が作り出した鏡の中の世界。現実からこの世界への干渉はされるけど、こっちから現実には干渉出来ない。例外はあるけどね」

 

鏡はそう言うと、路地裏から出るために歩き出す

 

「何をしてるの?早く行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、鏡。この世界には他に人が居ないのか?」

「えぇ、そうよ士道。ここには私達以外に人は居ないわ。この世界に来るには私の許可がいるからねっと、着いたわね」

 

鏡が歩きながら士道の質問に答えているとすぐに遊園地前に着く

 

「...なんか、不気味ね」

 

そう、遊園地のアトラクションは人が誰も乗っていないのに勝手に動くさまはどこかのホラー映画のようで不気味であった

 

「そんなこと言わないでよ琴里ちゃん。こうすれば貸し切りで楽しめるんだから」

「そうだぞ琴里よ!今はみんなで楽しむ事の方が大事であろう!」

『そうだよ琴里ちゃ〜ん。せっかくの貸し切りなんだからみんなで楽しまなくっちゃね!』

「楽しみ...です」

「そうね。みんなも楽しみにしてるようだし、早く行きましょうか」

 

そう言って、鏡は精霊達を連れて歩き出し、士道もそれについて行こうとすると琴里に呼び止められた

 

「どうした琴里」

「士道、気づいてると思うけど、この世界じゃあラタトスクの支援は受けられないわ」

「...あぁ」

 

そう、この世界にラタトスクの人間はおらず、インカムからは何も聞こえて来ることは無い

 

「士道、ここからはラタトスクの支援無しであの子の好感度を上げるしかないけど、できるわね」

「あぁ、やるだけやってやるさ」

「何やってるの二人とも!早くしないと置いていくわよ〜!」

「あぁ!今行くよ!」

 

鏡に声をかけられた士道達は、鏡の後について遊園地の中に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しかったわねみんな」

「うむ!遊園地とはこんなにも楽しい場所だったのだな!」

『いや〜すごかったね四糸乃』

「うん...すごく...楽しかったです」

「ふはははは!なかなか面白い場所であったな!」

「肯定。確かに楽しいところでした。特にジェットコースターはいいものでした」

「確かにジェットコースターはいい。特に士道のかわいい悲鳴が聞けた」

「ちょっ折紙!?」

「...Zzz」

 

士道達は遊園地の全てを遊び尽くし、遊び疲れたのか七罪は眠ってしまった

 

「さて、もう夕方だね。どうする?このままみんなでバーベキューとか良いと思うんだけど」

「おお!バーベキューか!私はそれがいいぞ!」

 

鏡の提案に十香が賛成し、みんなでバーベキューをすることになった

 

「それじゃあみんなで買い出しだ」

「「「「おお〜!」」」」




遊園地の中の出来事は書けませんでした。なぜなら、作者が遊園地に行ったことが無いんですotz

遊園地にこういうアトラクションと言ってくれれば、簡易ですが書きたいと思います


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