仲間 (峰さくら)
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仲間

次元視点のお話し。
微キャラ崩れしてます。


(クソッ、失敗か……!!)

 

俺達は山奥にひっそりと建つ城に浸入しようとしていた。

ひっそりと建つ…といっても財宝の隠された金庫のあるせいで警備は厳重だ。

下調べはしっかりしているのだが。今回の作戦には少し無理があったようだな。

トラップも半端じゃなく仕掛けられている。

ルパンが先に別経路から侵入してるはずなのだが、合図がなければ脱出することになっている。

予定の時間を5分過ぎたくらいか…まだ合図がない。

俺と五ェ門は山道に身を潜めていた。

 

「次元、そろそろ撤退か?」

 

五ェ門が口を開いた。

 

「ん…、ああ、ルパンからの合図はないな。」

 

その時だった。

城の方から大きな爆発音が聞こえた。

 

「な、なんだ??」

 

俺は辺りを見渡す。

城の方から煙があがっていた。

するとルパンから通信が入った。

 

『次元、五ェ門、撤退だぁ~。作戦Bの場所で待ってるぜ!!』

 

作戦B…つまりは失敗。

俺と五ェ門は撤退のルートを走り出した。

すると、

 

―――――ドカン!!!!―――――

 

「おわっ!!!!」

「む……!!!!」

 

近くの木がいきなり爆発した。

木は真っ黒になり、周辺の土が抉れている。

侵入者を防ぐトラップか。

 

「まずいな…」

 

―――――ドカン!!ドカン!!!!―――――

 

今度は二回爆発が起きた。

いずれもそう遠くはない場所。

 

「五ェ門、急ぐぞ!!!」

 

黙って頷く五ェ門と共に、ルパンと待ち合わせている場所まで走る。

走っている間も爆発音が聞こえていた。

辺りに人の気配もなく、人が住めるような場所ではないため、爆薬の使用量も容赦ない。

 

―――――ドカン!!!!ズズズ…―――――

 

すぐ上の方で爆発音がした。

と同時に地響きのような不気味な音…。

 

「……!……五ェ門、危ねぇ!!!!!!」

 

爆発音がした方に目をやると、五ェ門の方を目掛けて巨大な岩が落ちてくるところだった。

無意識に俺は五ェ門を突き飛ばす。

 

ああ………岩の下敷きか……。

ま、悪くない人生だったか……。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

「いてて…………。あれ?」

 

目が覚めた。

生きてる。

 

「次元!!!!!!!!」

 

俺の顔を覗き込んだのは五ェ門だった。

 

「あぁ…五ェ門…生き「愚か者ーーー!!!」

 

五ェ門が大声をあげる。

俺は驚いて目を丸くした。

すると五ェ門は子供のように泣き出した。

 

「じげ…、拙者には…っ、この、ざ、ざん、斬鉄剣が…あるから、岩なんて…っ、岩…なんてっ…」

 

嗚咽で上手く喋れない五ェ門。

すっかり斬鉄剣のことを忘れていた。

きっと五ェ門なら落下物くらい見事に斬って退けるだろう。

ゆっくりと起き上がり辺りを見ると、ここは洞穴のようだ。

五ェ門が運んできてくれたんだろうか。

 

「悪かった。五ェ門には斬鉄剣があるんだったな。」

 

へらっと笑って見せた。

 

聞けばあのあと、俺が五ェ門を突き飛ばしたせいでよろめいてしまい、斬鉄剣を抜くのが遅れて俺が下敷きになる直前で岩を斬ったらしい。

しかし、直前すぎて岩が落下した風圧で二人とも吹き飛んだそうな。

五ェ門は上手く着地し、衝突しそうだった俺を受け止めてくれたみたいだ。

余計なことしちまったな。

 

「すまねぇ、咄嗟に手が出ちまったんだ。」

 

「無事だったから良いでござる。でも危ないことはもうするでないぞ。」

 

涙はおさまったようだが微かに涙目。

だって…なあ?

大事な仲間を失いたくないじゃねぇか。

でもそれは相手だって同じこと。

 

「ありがとよ。」

 

五ェ門の頭に手を乗せた。

 

 

ガガガ…ピー…ガガ『じげ~ん、ごえも~ん!』

 

通信機から声が聞こえる。

ルパンだ。忘れていた。

 

「こちら次元、ちょっと予定が狂っちまってな。今どこだ?」

 

『俺?ずっと待ち合わせ場所で待ってんだよ~。心配したじゃないの~。』

 

通信機から聞こえたルパンの声も泣きそうな声だった。

 

「今から行くぜ。遅くなって悪い。」

 

『お茶して待ってるぜ~。』

 

俺は一人が好きだった気がする。

でも、こうして仲間ができた。

悪くねえな。

 

「さ、五ェ門、行くか。」

 

「うむ。」

 

 

 

 

 

 

 

Fin.




なんか方向性が…。迷子。


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