悪魔これくしょん -デビこれ- (ハーメルンkpx)
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MISSION 01 ~ 初めまして! スーパーガールと外国人 ~
MISSION 1-1


当ssにおきましては、艦これ側の世界観のスケール縮小を行っています。

艦同士や艤装、他備品などの相対比率の関係はそのままに(*例外有り)、
ヒューマンスケールのサイズにまで縮小しています。


この操作は、ほとんど全ての物事に関して行われています。

例)
・このssでも島風は疾いですが、40ノット(約20m/s)もこのssでは出てません。
・このssでも長門は重いですが、33,800トンもこのssではありません。
・このssでも大和は長いですが、263.0メートルもこのssではありません。


このような感じで、要はアニメの印象にずっと近い感じです。

艤装を装備することにより、
各々、本来のその性能にほんの少しは近づくといったことはありますが、
それでもリアルスケールのサイズにまで戻るということはありません。
*二点だけ例外あります


そしてこれらの操作は敵艦、深海棲艦側も同様です。
装甲が 300mm とかそんなもんないです。
(でもなぜか人類側の通常兵器は役に立たず、
なぜかダンテの"基本"武器でも雑魚艦とかはしこたま殴りつければいけたりします)


あと、けっこう大事なこととしてもう一つ、対艦距離等も同様にヒューマンスケールです。
要は目視的距離間の感覚です。 そんな感じでよろしくお願いします。



お手数となってしまいますが、
当ss閲覧の前に、[活動報告] にある [でびこれの画像リンク切れについて] を
どうかご一読いただければと思います。
大変申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします。



-------------------------------------------------------------------------------



"富士は晴れたり日本晴れ 神の国のまことの神の力を現す世となれる"

やがて、灰塵も血煙も舞う曇天に光が差す。

――神の光である。

やがて、海はうねり、地鳴りが響き、轟音が空を翔ける。
海からも地からも天からも、生と死を振り分ける使者が現れる。
人や星の汚れや濁り、曇りは"息"によって振り払われ、
浄化のためには"火"が使われて、洗礼を受け、浄められる。
焼け残った灰からは、"霊"によって、導かれるべき者たちが選ばれる。
選ばれる魂の数はたったの5億以下である。
死すべき者、生きるべき者は、その者の魂の光量により定められる。
ここに、戦後直後に発動した"第一の復興"に続く、"第二の復興"の予言が成就される。

――神の力である。

神の光、そして神の力。
それが現わされるは、まさに神の御座所。

――神の国、日の本の国である。



-------------------------------------------------------------------------------



意外に潔癖で頑固な貴様のことだ。
貴様が人間を見限ることはないのだろう。
だからこそ、貴様には伝えておく。

この星に残ることが許されている人類の数は0.07%以下だ。
貴様がどれだけ足掻こうと、それ以上は救えない。
元々、今ある99%近くの魂が、本来、
この地球に生まれるべきではなかった者たちなのだ。
生まれるべきではなかった者たちが、生まれるべき者たちの肉体を奪った。
そして、その99%の者共がこの星を汚し、穢し、犯したのだ。
彼奴等はいずれ、帰るべき処へ帰ることになる。


                             ― V ―


事務所“デビルメイクライ”

 

 

ダンテ

「――シンカイセイカンねぇ」

 

ロ<―ニシテアゲル~♪ ウタハマダネ、♪

 

レディ

「そ」

―カチッ

 

ダンテ

「……おい……」

 

レディ

「話がしづらいでしょ」

 

ダンテ

「huh... それで?」

 

レディ

「聞いたことはある?」

 

ダンテ

「……ま、ラジオくらいは聞いてるからな。 あれだろ、ジャパンのやつだろ?」

 

レディ

「……若干語弊があるけど、まぁいいでしょう。話が早くて助かるわ。

 それじゃ、よろしくね」

 

ダンテ

「……あ? おい、うちの稼業忘れたわけじゃねぇだろ。

 俺がやってるのは悪魔狩りだぜ? 他当たってくr」

 

レディ

「さしずめ深海棲艦狩り<Marine Devil Hunt>ね」

 

ダンテ

(語呂わりぃな……)

「弾むんだろうな……」

 

レディ

「今回は極秘裏のルートで私のところに話が来たの。

 お偉いさんからのご依頼ね。だからギャランティはそれなりね」

 

ダンテ

「へぇ、そいつはいいな。さぞお前の仲介料も弾んだんだろうな」

 

レディ

「それなりにね」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「まぁ話はわかったぜ。

 それで? そのハニーちゃんたちがこっちにまでデリバってるってか?」

 

レディ

「本当にラジオ聞いてるの……。

 そうじゃなくて、今から日本に行ってもらうわ」

 

ダンテ

「また面倒くさそうな話だな……。細かいことはわかんねぇぜ?」

 

レディ

「心配しなくていいわ。 そういうのは全部、あちらさんと私とでやっておいたから」

 

ダンテ

「hm, それならいいか。 ……あー、日本語もわかんねぇわ。どうすんだ」

 

レディ

「はい、これ」

 

つ【ほんやくコンニャク】プルンッ

 

ダンテ

「……知ってるぜそれ。

 あー……俺は別にそいつを生で食うほど好物ってわけじゃねぇんだが。

 ODENと一緒に食ってみたいね。

 それともあれか? そいつは人肌に温める方のやつか?」ha ha-

 

レディ

「何わけのわからないこと言ってるのよ。

 これは日本で発明された翻訳機よ。 食べるだけで機能するわ」

 

ダンテ

「ジャパン 魔境すぎる」

 

レディ

「あっちに着いたら食べなさい。それであっちにいる間、しばらくは大丈夫なはずだから」

 

ダンテ

(しばらく、ね)

「了解」つ□⊂

 

・・・・・・

 

レディ

「細かいことは全部、あっちに着いてからね。 よくしてくれるはずだから大丈夫よ」

 

ダンテ

「移動は?」

 

レディ

「はい、これ」

 

つ【災厄兵器パンドラ】ドサッ

 

ダンテ

「……どういうこった?」

 

レディ

「あんたこれで飛べるじゃない」

 

ダンテ

「……不用意に空に飛んでるのは撃ち落とされるとか聞いたんだがな……」

 

レディ

「飛んでくるミサイルにタイミング合わせてエネミーステップでいいでしょ」

 

ダンテ

「」

 

レディ

「ていうか、いっそもうそれで乗り継いでいったら?

 あんたなら余裕でしょ。元々、ミサイルの運転だって出来るんだし」フフフッ

 

ダンテ

「……確かにそいつは、あの息苦しい飛行機の中でずっと座ってるよりかは、

 退屈もしそうになくていいな」ha..

 

レディ

「経費も浮くしね。 その分はもらっちゃえばいいし」

 

ダンテ

「名案だな……」huh..

 

・・・・・・

 

レディ

「それじゃ、今から出発してね。けっこう推してるから」

 

ダンテ

「All right...

 トリッシュ! ……?」クルッ

 

レディ

「彼女だったら昨日、私の所に来た後に出て行ったわよ。

 他の仕事頼んだの」

 

ダンテ

「道理で。 昨日から見ねぇぜ。 魔具取ってくるわ」スタスタスタ

 

レディ

「全部ないわよ? 昨日、エンツォの所に持って行ってたみたいだから」

 

ダンテ

「……まぁ、わかってたさ」ピタリ…

 

レディ

「それでも延滞してた支払いに足りないから、私の所に仕事はないかって。

 これ(パンドラ)だけ買い戻してきたのよ。貴方に必要だろうから」

 

ダンテ

「お前が持ってたってのはそういうことかよ……」

 

レディ

「勿論、ギャラから天引きしてるから、今回の仕事はちゃんとやってね」

 

ダンテ

「わかってるさ。パーティ会場が日本に変わったってだけだ。

 やることはいつもとおんなじだ」

 

レディ

「それがそうでもないのよね……」

 

ダンテ

「……ア?」

 

レディ

「貴方にはあっちの戦力の増強もお願いしたいの」

 

ダンテ

「……やっぱり面倒くせえんじゃねぇか……」

 

レディ

「コミュニケーションを取ったり、いろいろ教えてあげればいいのよ。艦娘たちに」

 

ダンテ

「カンムス?」

 

レディ

「現在、この世界を脅かすデビルちゃん達を相手に日夜、奮闘してくれてる女の子たちよ」

 

ダンテ

(…あぁ)

「……ますます無理だろ。

 おしゃべりだけならともかく、教えるってなんだよ。

 俺に教えられることなんて何もないぜ?」

 

レディ

「ま、うまくやってね」

 

ダンテ

「So Great...」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……行くか……」

 

 Gun Slinger!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

 

ダンテ

「……」

 

フィーン…

 

 

――――――

日本、某鎮守府近海・上空

 

 

ダンテ

「マジでなんとか着いたな……。

 幸い、撃たれても数十発程度のしょぼい花火だったしなァ」hahaha

 

 

ダンテ

「……そろそろ丸一日になるな。 けっこう飛ばしてきたつもりなんだが」

(おかげで持ってたアイテムのほとんどが

 コイツ(パンドラ)のガソリン代わりに消えちまったがな)

 

 

ダンテ

「残ったのは"あの水"だけか。

 ……ン?」

 

 

――――――

日本、某鎮守府近海・海上

 

 

―ザバーン

 

比叡

「くっ……」

 

金剛

「比叡!」バッ!

 

深海棲艦・速

「シズメ…!!」ガシュ!

 

 

霧島

「なっ!?」

(比叡お姉さまを庇って前にっ…!)

 

 

 

 

ダンテ

(Bingo! ちょいと不安だったが、方角は合ってたみてぇだな)バッ

 

ヒューン…

 

 TRICK!

 

  -エアトリック-

 

 

 

 

榛名

「金剛お姉さまっ…!!」

 

 

 

比叡

(お姉さまに良い所を見せようと出張りすぎたせいでっ…!)

「お姉さまっ!?」

 

金剛

(当たる…!)ギュ…!

 

 

 ROYAL!

 

  -ロイヤルリリース-

 

ビガァアンッ!

 

・・・・・・

 

モクモクモク…

 

 

榛名

「金剛、お姉さまっ……」グラリ…

 

霧島

「…っ」ギリ…

 

 

比叡

「……えっ」

 

金剛

「……――っ」…パチリ

 

 

深海棲艦・速

「」プスプス… プカー…

 

―トスッ ←深海棲艦の上

ダンテ

『見たまんま、これがデビルちゃんで、

 そっちのスウィーティーズ(かわいこちゃんたち)がエンジェルズ(艦娘)か?

 合ってるよな?』←英語

 

 

比叡

「……へ?」

 

 

ダンテ

『おっと、すまねぇ』つ【こんにゃく(人肌)】モグモグ

 

 

比叡

「……」

(懐からこんにゃく……なぜ……)

 

霧島

「……」

(なんですかあの人……。こんなところで急にこんにゃくを食べだした……)

 

榛名

「……」

(というか深海棲艦を足踏に……)

 

 

ダンテ

「あーあー。 ……これでいいのか?」

 

 

比叡

「!?」

 

霧島

「っ……」

(あのこんにゃく、まさか……)

 

 

ダンテ

「返事してくれ。通じてるか?」

 

 

比叡

「は、はい! あ、あの! 突然だったんですけどあなたは!?」

 

 

ダンテ

「ふはっ! 日本すげぇwwwマジかよww」HaHaHa!!

 

 

比叡

「…っ」ビクッ

 

霧島

「やはり……」

 

榛名

「いったい何が……」

 

・・・・・・

 

霧島

「すみません、少しよろしいですか」スィー

 

ダンテ

「ほぉ、さすがはジャパニーズエンジェルズ。美人が多いな」

 

霧島

「っ///

 こ、こほんっ! ……あの、先ほどは助けていただいてありがとうございます。

 間一髪でした」

 

ダンテ

「いやなに、間違ってなくてよかったぜ」ha

 

霧島

「……外国の方ですよね? 所属と目的をお聞きしても?」

(深海棲艦を倒した……。そしてこの佇まい……。いったい、何者……?)

 

ダンテ

「あー……そうだな……」

(話と違うな……。とりあえず拠点……チンジュフっつったか?

 そこにいきゃスムーズにいくのか?)

 

比叡

(……)

「……はっ! お姉さまっ!」スィー

 

 

金剛

「……」

 

比叡

「ご無事ですか!? お姉さ、ま……?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「すまねぇが、とりあえずお前さんらの基地に連れていってくれないか?

 そこで全部話すぜ」

(正直、面倒くせぇ……。着いたらなんとかならねぇもんかね。

 まぁあきらめて話すにせよ、全員いないとそれもまた面倒だしな…)

 

霧島

(……)

 

榛名

「霧島……」

 

ダンテ

「……誓って言っとくぜ。俺はお前さんらの敵じゃねぇ」

 

霧島

「……わかりました。お礼のこともありますし、お連れいたします」

 

榛名

「霧島っ」

 

ダンテ

「そいつはうれしいね」

 

・・・・・・

 

霧島

「すみません、申し遅れました。霧島と申します」

 

榛名

「榛名ですっ! 先ほどは本当にありがとうございました!」

 

ダンテ

「キリシマにハルナだな。ダンテだ。よろしく頼む。

 そういや、さっきのショートとロングの二人は――」

 

霧島

「あぁ、あの二人は」

 

榛名

「ショートの方が比叡 お姉さま、ロングの方が金剛 お姉さまです」

 

ダンテ

「ヒエイとコンゴウか」

(どっちも強そうな名前だな)

 

 

比叡

「お姉さま……? 大丈夫ですか……?

 ……まさかっ! どこかお怪我を!? お姉さまっ!?」

 

金剛

「スウィーティーって……エンジェルって……」ポー…

 

比叡

「……?」

 

金剛

「カッ――いいデスっ……」

 

比叡

「……へ? お姉さま?」

 

金剛

「カッコいいデーースッ!! なんですかあのしぶくてダンディなおじさまは!?」

 

比叡

「え、ちょ、お姉さま!?」アタフタ

 

 

霧島

「突然、お見えになられたと思ったのですが、いったいどちらから……?」

 

ダンテ

「あぁ、一応は上から来たな」

 

榛名

「……上?」

 

 

金剛

「ヘイ!ガーイ!!」ズザザザ―!!

 

 

ダンテ

「……あ?」

 

霧島

「お姉さま!?」

 

榛名

「はわわっ!」

 

ダンテ

「なんだ? いったい」

(すげぇ勢いだな……弾くわけにはいかねぇか……)

 

  -ブロック-

 

 

金剛

「バァーニングぅううっ」ダキィ!

 

―パリィンッ!!

 

ダンテ

(!?)

 

ダンテ

「うぉ!」

(shit! マジか……!)

 

 

比叡・榛名・霧島

「」

 

 

ズザザザ―!!

 

金剛

「Thank you so much!! さっきは本当に助かりマシタ!

 You は何者ネー!?」ガッシ! ガッシ!

 

ダンテ

「ヘイ ガール!

 勘弁してくれッ 俺はお前さんらみたいに水に浮くわけじゃnガボガボボ」

 

霧島

「お姉さま! 海面に沈んでます! 彼がっ!」

 

榛名

「お、落ち着いてください!!」

 

比叡

(お姉さま、初対面の方をいきなり押し倒したりなんかして…っ)ギリィ…

 

金剛

「oops! Sorry!」グイ

 

ザバー

 

ダンテ

「プハッ。 ……あー、一張羅がびしょぬれだぜ……」プカプカ…

 

金剛

「それでアナタは!?」

 

ダンテ

「……行きながら話そうぜ。 このままじゃ俺も体が冷えちまうんでね」

 

霧島

「……そうですね。 ここから鎮守府までは、まだもうしばらくかかりますし」

 

 

 GUNS!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

ダンテ

「よっこらっと」ポタポタ

 

 

霧島

「え、なんですかそれ……」

 

榛名

「す、すごい……」

 

ダンテ

「……あぁ……物騒に見えるだろうが、安心してくれ。

 これはまぁ、ただの水上バイクだ」

 

比叡

「いや浮いてるんですけど……」

 

金剛

「So COOL! 私も乗せてくだサーイ!」

 

 

ダンテ

「……悪いな嬢ちゃん、こいつは一人乗りなんだ」

 

金剛

「こうすれば乗れマース!」シューン… ←艤装収納

 

ダンテ

「……」

(すげぇな。魔法みてぇだ)

 

ポスッ ダキ

 

ダンテ

「……ア?」

 

 

榛名

「!?」

 

比叡

「お、お姉さま!?」

 

金剛

「さぁ、早く出発デース!///」

 

霧島

「す、すみませんっ! うちの姉が……」

 

ダンテ

「……いや、もういいさ……。さっさと行こうぜ…」

 

霧島

「は、はい。すみません、本当に……。

 そ、それでは先行しますのでっ…」

 

ダンテ

「ああ」

 

金剛

「……///」

 

比叡

「……」ギリギリ…

 

榛名

「………あら?」

 

霧島

「どうしたの?榛名」

 

榛名

「霧島。さきほどの深海棲艦がいなくなってて……」

 

霧島

「え……本当ですね……」

 

ダンテ

「……浅かったみてぇだな。すまねぇな」

 

霧島

「いえ。こちらとしても油断していました。

 ……とりあえず、今は鎮守府に急ぎましょうか」

 

ダンテ

「頼む」

 

金剛

「……」ポー

 

比叡

「……」ギリギリ…プチィ

 

霧島

「では行きます。 榛名、殿をお願いします」

 

榛名

「了解です。 ……あれ?」

 

霧島

「ん?」

 

 

ズーン…

 

ダンテ

「……」ノロノロ…

 

金剛

「……」ハスハスッ

 

 

比叡

「くっ…」プチプチ

 

霧島

「ど、どうしました?」

 

 

ダンテ

「いや、そのだな……」

 

榛名

「少し…沈んでますねその子……」

 

ダンテ

「みたいだな……」

(遅すぎる……浮いてるのでやっとまである。

 この嬢ちゃん、重すぎるんじゃねぇか……?

 さっきのガードブレイクといい、パネェなジャパニーズエンジェルズってのは。

 つーか、俺も日本までぶっ通しだしな。さすがにな……)

 

 

霧島

「……曳航、引っ張りますね」

 

ダンテ

「マジで助かる」

 

霧島

「比叡お姉さまもお願いします」

 

比叡

「……わかりました…」

 

 

金剛

「出発デースっ!!」ギュー

 

榛名

「あははは……」

 

・・・・・・

 

…ス――

 

金剛

「オゥ!ダンテ! 名前までクールネ!」

 

ダンテ

「ありがとよ、お嬢ちゃん」

 

金剛

「ノン!お嬢ちゃんではアリマセーン! 金剛デース!」

 

ダンテ

「あぁ、悪い。そうだったな」

(正直、ジャパニーズウーマンてのは大半がお嬢ちゃんにしか見えねぇが)

 

金剛

「……ヘイ、ダンテ」

 

ダンテ

「ん?」

 

金剛

「私は金剛デース」

 

ダンテ

「ああ。 さっきお前さんの妹からも聞いたぜ」

 

金剛

「……」

 

ダンテ

「……」

 

金剛

「金剛デース」

 

ダンテ

「……これからよろしく頼むぜ、コンゴウ」

 

金剛

「グッド! もちろんデース!!///」パァ

 

 

比叡

「ギリギリギリ」ガジガジ

 

霧島

「やめてください比叡お姉さま。ワイヤーが死んでしまいます」

 

 

榛名

「……」

(本当に不思議な人……。

 さっきの深海棲艦の攻撃もいったいどうやって……。

 防いだにしては無傷…。跳ね返したということでしょうか…?)ウーン…

 

霧島

「……」

 

・・・・・・

 

霧島

「それではお仕事の関係でこちらに?」

 

ダンテ

「ああ、そうだ。 本業とは少し違うんだが、まぁわけありでね」

 

榛名

「……あの、ずっと気になっていたんですが、ここ日本まではいったいどうやって?」

 

ダンテ

「あぁ、それはこいつで飛んできたんだ。今よりはずっと高い高度だったけどな」

 

榛名

「そ、そうだったんですか……」

(この子でそのまま"今"の海上を……? それも傷一つない……)

 

霧島

(……先ほどの上から来たというのは、"その"高さからこの海上まで……?)

 

ダンテ

「お前さんらはなんでこんなところでドンパチやってたんだ?

 その基地からはけっこう離れてるんだろ?」

 

霧島

(詳細を話してしまってもいいものかどうか……)

「任務の関係です」

 

ダンテ

「へぇ……」

(遠路はるばるねぇ。討伐か? 見たとこそんな風でもなかったがな)

 

榛名

「弾薬も尽きていたところを捕捉されまして……。

 多くはなんとかまいたんですけど、一隻だけしつこくて……」

 

霧島

(あ…榛名……)

 

ダンテ

「なるほどな、それでか。 そいつは災難だったなぁ」ha

 

榛名

「はい! なので本当に助かりましたっ!」

 

霧島

「……」

(今考えても仕方ありませんね。提督代理なら何か知っているかもしれませんし。

 まずは……)

 

・・・・・・

 

霧島

「確認なのですが、当鎮守府に御入用だったんですよね?」

 

ダンテ

「そうだが……。そっちには話いってないのか?」

 

榛名

「いえ、私たちは何も……」

 

霧島

「……」

(これは……)

 

ダンテ

(おいおい、あの女……)

「こっちも聞いときたいんだが、お前さんらのお偉方には会わせてもらえるのか?」

 

榛名

「えっと……」

 

霧島

(……)

「……実を言えば、当鎮守府には海軍隊の監督官、提督というのですが、

 そういった者は現在、不在なんです……」

 

ダンテ

「……マジか?」

 

榛名

「本当です……」

 

霧島

「ですので今は長門、という者がその提督代理を務め、

 当鎮守府の管理運営を取り仕切っています」

 

ダンテ

「へぇ。 代理つってもちゃんと回ってるんだろ?」

 

霧島

「……体裁としてはそうですね」

 

ダンテ

「そいつはよかった。 それなら問題ねぇな。

 じゃあその代理さんってのに会わせてくれ。 それで十分だ」

(多分だがな)

 

霧島

(……)

「わかりました。お礼の件もそのときに」

 

ダンテ

「ああ、楽しみだね」ha

 

榛名

「ふふふ」

 

比叡

「ガジガジ」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」

(しかし、なんだ。嫌な予感がしやがる。それも飛びっきり面倒くさそうな予感が。

 いつものように最悪な貧乏くじを引かされそうな予感がな……。

 つーか、レディのやつ、本当にうまくやったんだろうな……)

 

金剛

「ブー」

(いろいろ聞こうと思ったのに、話し込んでてヒマデース……。

 む? なんだかボタンがいっぱいありマスネー。 これはナンデスカ?)ポチー

 

バヒューン

 

金剛

「What's!?」ビクーン

 

ダンテ

「…ッ!」

 

 

霧島

「何の音ですか!?」

 

榛名

「今この子からミサイルがっ!!」

 

 

比叡

「ちょ!? こっち捕捉したんですけど!!?」ヒエーッ!?

 

 

金剛

「比叡っ!?」

 

ダンテ

「huh...」つ√ ̄ ←エボニー

 

―パンッ ボーンッ…パラパラパラ…

 

 

比叡

「ひえっ!?」ビクッ

 

榛名

「う、撃ち落した……!」

 

霧島

「まるで生きてるかのような軌道のミサイルをっ……」

 

 

ダンテ

「……破片とか飛んでねぇか?ヒエイ」

 

比叡

「……え…あ、はい……。 大丈夫でした、けど……」

 

金剛

「ヨ、ヨカッタァ……。 ソーリーネ、比叡……」

 

比叡

「い、いえ……大事には至りませんでしたから……。

 お気になさらないでください、お姉さま……」

 

 

ダンテ

「ヘイ、コンゴウ」

 

金剛

「ハ、ハイっ」

 

ダンテ

「ちょっとの辛抱だ。 しばらくいい子にしてな」

 

金剛

「イエス……そうシマス……ごめんなさいデス……」シュン…

 

 

比叡・榛名・霧島

「……」

 

ダンテ

「……ちなみにさっきのスイッチとこれとで同時押しすると一斉発射できるんだぜ?」

 

金剛

「……へ?」

 

ダンテ

「乗せといて何の説明もしてなかった俺も悪かったからな。

 そんな顔すんなよ。 今度見せてやるからよ。そこそこ見物になる花火だぜ?」hahaha

 

金剛

「! ハイ! 楽しみデスっ!」パァ

 

 

榛名・霧島

「……」クスッ

 

比叡

(……)

 

 

ダンテ

(……なんつーか、今回の仕事もややこしいことになりそうだぜ……)hum...

 

 

 

 

 

 

 




本編に登場するコンニャクについてなんですが、
原作オリジナルの方の物とは若干、機能などが異なります。

本編中の物は使用者(食べた人)の言語が変換されるというよりは、
使用者(食べた人)の発した言語が他の周りの人は理解できるようになり、
また使用者(食べた人)は他の周りの人が発した言語を理解できるようになります。
そういうアイテムのようにお考えください。

またさらに、原作オリジナルの方の物では、使用者(食べた人)は
その人の元々の主言語が話せない・理解できない・読めないといった、
副作用があったように思いますが(*記憶違いだったらすみません)、
本編中の物はその辺りが改善されています。


まぁ、こうして書くとかなりチートい魔道具な感じしますけどねぇ。


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MISSION 1-2

7つの角と、7つの目を持つ黒き山羊が日の本に降り立った。
黒き山羊はやがて白き山羊となり、6つ、あるいは5つの目を持つ牝羊たちを率い、導く者である。

――真の約束。
さらなる新たな約束がこれより成就されん。

神も御使いも、その御業も伝承も、その子ら巨人も全ては暴かれ、
日の本の光の下で露となる。

それら全ては後に、こう称されよう。

――真約、と。


第四艦隊、敵棲地・近海

 

 

翔鶴

『……見つけたっ!』

 

 

――――――

某鎮守府

 

―ピーピピ、ピーピーピピッ

 

大淀

「第四艦隊、翔鶴より入電!

 敵棲地を発見! 繰り返します!敵棲地を発見っ!」

 

長門

「ついに突き止めたか……奴らの巣を……!」

 

陸奥

「……どうするの?」

 

長門

「……陸奥、お前は例の話……どう思っている?」

 

陸奥

「あの眉唾物の話のこと? ……あれ本当に信用していいの?」

 

長門

「……あの話に関しては、信用も何も上層からの通達だった……。極秘扱いではあったが。

 真偽を測ること自体が我々、下の者の役目ではない。ただ承服し、遂行するのみ。

 それが我々の使命だと、私は考えている…」

 

陸奥

「はぁ……。

 ……知ってるのは、私と長門と大淀だけ?」

 

長門

「ああ。 いつも通りの、な」

 

大淀

「もうずっと三人だけで執務は回してますからね……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「ま、私も事の真偽はどうでもいいんだけどね。

 それより私が気になったのは、提督就任の件なんだけど」

 

長門

「……」

 

大淀

「朗報には違いないんでしょうけど、本当に急な話でしたね。

 今までずっとなかったのに、どうしてまた……」

 

長門

「まぁ、まだ何もわからないさ」

 

陸奥

「長門は他に何も聞いてないの?」

 

長門

「共有した書類だけだ。あとは――」

 

陸奥

「仲介屋さん?」

 

長門

「……ああ」

 

大淀

「あれも不思議でしたね……」

 

陸奥

「予定だと今日なんだっけ?」

 

長門

「そうだ。 それともう一人、来るらしいが」

 

陸奥

「え、なにそれ。あたし聞いてない」

 

長門

「お前、昨日いなかっただろう」

 

陸奥

「……あははー」

 

長門

「まったく……」

 

陸奥

「い、いいじゃないっ! 非番だったんだし!」

 

大淀

「お帰りになるのも遅かったですよね。どうしたんですか?」

 

陸奥

「合コン」

 

大淀

「そ、そうだったんですか……」

 

長門

「はぁ……」

 

陸奥

「足柄に誘われたのよねぇー。頭数が足りないからって……」

 

大淀

「あぁ……」

 

長門

「……話を戻すが、その話自体が来たのは一昨日、急にだったんだ。

 すまん、報告が遅れた。それに――」

 

大淀

「話もよくわかりませんでしたしね……」

 

陸奥

「どういうこと?」

 

長門

「要領を得なかったんだ」

 

大淀

「一応、協力はしてくれるそうなんですけど……」

 

長門

「仲介屋本人から言われたよ。当てにはするな、とな……。

 合流も何時になるのかすら、はっきりしないそうだ」

 

陸奥

「ふーん……」

 

長門

「それで、こっちとしてもはっきりとしたことが言えなかったんでな。すまんな」

 

大淀

「いずれわかることなのかな、と……」アハハ…

 

陸奥

「なるほどね。

 まぁ、ここの管理体制とか、それに対する上の対応とか、

 わけのわからないお達しとか、

 もう今更だし、いいけどね。 それで、……男?」

 

長門

「いや、そっちは女らしい」

 

陸奥

「へぇー」

 

ピーピピー

翔鶴

『あの……』

 

大淀

「ん?」

 

翔鶴

『指示を……』

 

長門・陸奥・大淀

「…あ…」

 

 

――――――

某鎮守府・近海

 

 

スィー

 

霧島

「それではアメリカから?」

 

榛名

「ずいぶん遠くからですね……」

 

ダンテ

「まぁな。徹夜で飛ばしたぜ…」

 

榛名

「お疲れ様でした……」

 

ダンテ

「どうも」

 

霧島

「……そういえば先ほどのこんにゃくなんですけど、あれはどこで?」

 

ダンテ

「どこって、日本じゃねぇのか? コンニャクは日本の食いモンだろ?」

 

霧島

(突き詰めると違いますが……)

「そうですが、あれは……先ほど貴方がお召しになったものは、

 普通では手に入らない物のはずでして……」

 

ダンテ

「あぁ、やっぱすげぇ代物なのかあれ。日本じゃ日常的に食うモンだと思ってたぜ。ha ha-

 わりぃな、俺も詳しくは知らねぇんだ。渡された物を食っただけなんでな」

 

榛名

「?」

 

霧島

(……)

「そうですか……」

 

―ザザッ

 

霧島

(む……)

 

 

金剛

「ヘイ、ダンテ!私にも構うデース! 紅茶とか好きデスカ!?」

 

ダンテ

「嫌いってことはねぇな。いれられるのか?コンゴウ」

 

金剛

「大得意デース!! 鎮守府に帰ったら淹れてあげマスネっ!」

 

ダンテ

「そいつは楽しみだな」

 

 

霧島

(提督代理から……。 そういえば、ちゃんと報告しておくべきよね…)

「はい、こちら霧島です。

 ……ええ、今丁度、帰還中です。 それと報告がありまして、実は任務中に……」コソコソ

 

 

――――――

某鎮守府

 

 

長門

「なに!? ……お、おぉ、そ、そうか合流したのk…あっ、いやなんでもない……。

 ……そうか、わかった。無事にお連れしてくれ」

 

陸奥

「あらあら……」

 

大淀

「……」

 

長門

「……少し話せるか? その……外国の人とは」

 

 

――――――

近海

 

 

霧島

「……」チラ

 

 

金剛

「Oh!スイーツもイケるんデスネー!」

 

ダンテ

「ああ。ストロベリーサンデーにいたってはマジで最高だと思うね」

 

金剛

「ストロベリーサンデー? イチゴニチヨウビ?」

 

ダンテ

「あれ、知らねぇか。意外だな」

 

榛名

「イチゴ関係のおかしですか?」

 

ダンテ

「ああ。 わりとポピュラーだと思うんだがな」

 

榛名

「ポピュラー……」

 

ダンテ

「そうか、日本じゃ食えねぇのか。そいつは残念だ」

 

榛名

「うーん、どういった物なのかはわからないですけど……でも、材料も一般的な物なら

 間宮さんのところで作れるかもしれません」

 

金剛

「Nice idia! それデース! きっとできマスヨ!」

 

ダンテ

「誰だそのマミヤってのは? 喫茶のマスターかなんかか?」

 

金剛

「イエス! 最高のマスターデース!」

 

榛名

「いつもおいしい物をご馳走してくださるんですよ」フフッ

 

ダンテ

「ほぉ」

 

金剛

「ダンテ! 帰ったら一緒に行きまショウ!」

 

ダンテ

「いいね。今からテンション上がるぜ」hahaha

 

金剛

「! イエス!絶対デスヨー!?」

 

榛名

「お姉さまったら」クスクス

 

 

霧島

「……」

 

―スィー

比叡

「……提督代理から?」

 

霧島

「あ、比叡お姉さま。 …そうです」

 

比叡

「……」チラ

 

 

金剛

「――!!」

 

榛名

「クスクス」

 

ダンテ

「hahaha」

 

ワイノワイノ

 

 

比叡

(……)

「……帰ってからでもいいんじゃない?」

 

霧島

「……そうですね……」

 

―ザザー

長門

『どうした? 霧島?』

 

霧島

「すみません、提督代理。 今は少し、難しいかもしれません……」コソ

 

長門

『!』

 

 

――――――

某鎮守府

 

 

長門

「お……おぉ……! そ、そうか、そうだなっ…!」

(が、外国人だったな……あぶないっ…!)

 

陸奥・大淀

「……」

 

長門

「よ、よしわかった。とりあえず鎮守府まで頼む。待っているぞ」

 

霧島

『はい。それでは』

 

・・・・・・

 

長門

「……ふぅー」

 

陸奥

「……」

 

大淀

「……」

 

長門

「……」

 

 

長門

「まもなく帰還するようだ。 陸奥、出迎えを頼む」

 

陸奥

「えっ 長門は?」

 

長門

「え」

 

陸奥

「え」

 

大淀

「……」

 

長門

「……いやだから、出迎えを頼む。その外人さんの」

 

陸奥

「は!? ちょっ! あたしできないわよ英語なんて!!」

 

長門

「っ!?」

 

陸奥

「"っ!?" じゃないわよ! 長門姉できるんじゃないのっ!?」

 

長門

「お前は何を言ってるんだ陸奥っ!? できるわけがないだろう!?」

 

陸奥

「なんであたしがおかしいみたいな感じなの!?

 なんで威張ってるの!?

 お、大淀は!?

 ほらあなたメガネかけてるじゃない! もうメガネがしゃべればいいじゃない!?」

 

大淀

「陸奥さんももう何言ってるんですか!? あと偏見ですよそれはっ!」

 

長門

「……あ、足柄だ! 足柄は!? 足柄を呼べー!」

 

陸奥

「あっ……」

 

大淀

「……お休み連絡をいただいてます。 恒例の……」

 

長門

「…………陸奥ー!!」

 

陸奥

「何よー!? あたしのせいじゃないわよー!!」

 

テンヤワンヤ

 

 

大淀

「……」

(何か忘れてるような……?)

 

 

――――――

日本・某所

 

―prrrr

 

トリッシュ

「――なに?」

 

レディ

『ハァイ。今どんな感じ?』

 

トリッシュ

「先に頼まれてた方の一仕事はもう終わったわね」

 

レディ

『さすが。相変わらず早いわね。

 ていうか日本に着くのも、もう少し遅れると思ってたんだけど。

 貴女も専用の旅客機とかは使わなかったのね』

 

トリッシュ

「もったいないから」

 

レディ

『あぁ……そうね。

 それじゃ、あともお願い』

 

トリッシュ

「了解」p

 

 

トリッシュ

「……さてと」

 

ビューン

 

 

――――――

某鎮守府

 

 

太陽「ペカー」

 

 

吹雪

「きれー……」

 

 

――――――

提督室前

 

 

吹雪

「すぅー……はぁー……よしっ!

 吹雪ですっ! 失礼します!」

 

ガチャ

 

吹雪

「……あれ?」

 

…シーン…

 

吹雪

「えっと……?」ポツーン

 

・・・・・・

 

ガチャ……パタン

 

吹雪

「誰もいない……。どうしよう時間、間違えちゃってたのかなっ……」

 

 

睦月

「あれ?」トコトコ

 

 

吹雪

「あ……」

 

 

睦月

「吹雪、さんですか……?」

 

 

吹雪

「あ、はい! 吹雪であります!

 本日付で第三水雷戦隊に配属され、る、……予定だったんですけど……」

 

 

睦月

「にゃし?」

 

 

――――――

某鎮守府・近く

 

 

霧島

「見えてきましたね。

 ダンテさん、お疲れ様でした。あれがそうです」

 

ダンテ

「おう、やっとか。助かったぜ。

 さすがにぶっ通しでキツかったからな。

 あとケツがめちゃくちゃイテェ」

 

榛名

(その子が沈みかけてるくらいですもんね……)

 

金剛

「エェー……もうドライブはお終いデスカー……」

 

比叡

「……提督代理も出待ちしているそうです。急ぎましょう、お姉さま」

 

金剛

「仕方ありませんネー」

 

 

――――――

入港口

 

―ザザッ

 

陸奥

「りょ、了解っ。

 ほ、ほら長門姉!もうお見えになるわよ!」

 

長門

「せ、急かすんじゃないっ! まだこの一文がっ!

 えーっと……

 べーふ、お……? ……おー、ふぃっす?」

 

陸奥

「それなんかちがくない!?

 お肉か魚かって、聞いてどうするのっ!?」

 

長門

「っ!?

 なんでこんな関係ないこと書いてるんだあいつは!?

 急ぎだと言っただろうがっ!」

 

陸奥

「あぁもう! 今から言うことそのまま覚えてっ! いい!?」

 

長門

「あ、ああっ!」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「了解です。ご苦労様でした、翔鶴さん」

 

翔鶴

『いえ。では作戦決行はすぐにでも……?』

 

大淀

「そうなりますね……。

 事前召集と準備、お願いできますか?」

 

翔鶴

『了解しました』

 

ピ

 

大淀

「……ふぃ~。

 本当にどこも慌ただしいですねぇー……。

 そういえば、さっき急いで調べて走り書きしたカンペ、大丈夫でしたかね?

 んー……」カリカリ ←マウススクロール

 

【PC画面】

 

大淀

「……あれ……?」

 

 

――――――

甘味処 間宮

 

 

吹雪

「えへへ……赤城さーんっ……。

 いつか一緒に戦いましょう…………ニコっ」デヘヘ

 

夕立

「ニコ?」

 

睦月

「全然聞いてないし……」

 

・・・・・・

 

大北

「――――」イチャイチャ

 

睦月

「あれは二人でいるときに話しかけちゃダメだからね」

 

吹雪

「はい」

 

・・・・・・

 

吹雪

「そういえば、まず提督室に挨拶に行こうとしたんだけど、誰もいなくて……」

 

睦月

「え?本当に?」

 

吹雪

「うん……」

 

夕立

「今日、吹雪ちゃんが来ることはちゃんとみんなにも知らされてたっぽい」

 

睦月

「おかしいね……。

 少なくとも提督代理の長門さんか、補佐の陸奥さんはいると思うんだけど……」

 

夕立

「大淀さんはランダムっぽいー」

 

吹雪

「へぇー。

 ……そういえば、ここの鎮守府って司令官みたいな人はいないんだよね……?」

 

睦月

「あ、うん。もう聞いてた?」

 

吹雪

「うん。来る前に書類とかに、一応……」

 

睦月

「だからずっと、長門さんと陸奥さん、大淀さんの三人ががんばってくれてるの」

 

吹雪

「そうなんだ……。ずっと司令官のいない鎮守府で……すごいね……」

(そんな人たちが……。私は大丈夫なのかな……ちゃんとやっていけ――)

 

夕立

「それがそうでもないっぽい」

 

睦月

「ゆ、夕立ちゃんっ!」

 

吹雪

「……へっ?」

 

夕立

「一言で言うと、ぽんこつ?っぽい」

 

睦月

「ちょっと!? だめだよ夕立ちゃん!そんなこと言ったら!」

 

吹雪

「ぽんこつ?」

 

・・・・・・

 

夕立

「まぁだから実際は、結局のところはみんなでがんばってるっぽい」

 

睦月

「……まぁ」アハハ…

 

吹雪

「そうなんだ」

 

夕立

「それに、別に怖い人たちではないっぽい」

 

睦月

「あ、うん。それはそうだね」

 

吹雪

「え、そうなの?」

 

睦月

「すごく優しい人たちだよー」

 

夕立

「すごく面白い人たちっぽい」

 

睦月

「夕立ちゃん……」

 

吹雪

「へぇー……」

 

・・・・・・

 

吹雪

「でもどうしよう。さすがに挨拶してないのは……」

 

睦月

「鎮守府の案内がてら、探してみる? まだ回ってないところあるし」

 

吹雪

「うーん……。 いいのかな、提督室で待ってたりしなくても……」

 

夕立

「時間は間違ってなかったっぽい?」

 

吹雪

「そのはずなんだけど……」

 

睦月

「うーん…。

 というかどのみち、到着後は三水戦の誰かで案内することにはなってたんだよね」

 

吹雪

「あ、そうなんだ」

 

睦月

「うん」

 

夕立

「このあと一度、提督室に行ってみる? それでいなかったらまた考えるっぽい」

 

吹雪

「そうしようかな……」

 

 

――――――

入港口

 

 

ダンテ

「コンゴウ、先に降りてくれ」

 

金剛

「名残惜しいデース」スタッ

 

シューン…

 

ダンテ

「よっと」スタッ

 

榛名

(今度は小さなアタッシュケースに……いったいどういう仕組みなんでしょうか……)

 

霧島

「お疲れ様です」

 

ダンテ

「おう。お前さんらもずっと引っ張ってもらってご苦労だったな」

 

比叡

「いえ……」

 

榛名

「……あ、提督代理と……あら、補佐艦もいらっしゃいますね」

 

 

陸奥

「!? 来られるわ!」

 

長門

「わ、わかったっ」オホンッ!

 

 

ダンテ

(あれがそうか……)

 

 

陸奥

(あら……思ってたより……)

 

 

―ザッ

ダンテ

「……アー…」

 

長門

「は、はあぃっ! ないちゅーみーちゅー!?」

 

ダンテ

「……?」

 

長門

「あいむ、……あむあ……えー…………ザ!ナガトッ!」ビシッ!!

 

ダンテ

「……お、おう。 キリシマから聞いてるぜ。ナガトだな」

 

ナガト

「」

 

陸奥

「……ブッホッ」プスー

 

ダンテ

「ダンテだ。 どこまで聞いてるかは知らないけどな。よろしく頼む」つ

 

長門

「は、はい……。 よ、よろしく……」つ

(陸奥……あとで覚えていろっ……!)

 

ダンテ

「一人は聞いてたが、そっちは聞いてねぇな」

 

陸奥

「あ、ごめんなさい。陸奥よ。 よろしく」つ

 

ダンテ

「ああ。ムツだな」つ

 

 

ダンテ

「"Cute"だな。女優に見える」

 

陸奥

「あら//」

 

 

金剛

「」

 

・・・・・・

 

陸奥

「日本語、お上手ね?」

 

ダンテ

「あぁ、それなんだがな――」

 

・・・・・・

 

陸奥

「へぇー、そういうことだったねぇ」

 

ダンテ

「あぁ」

 

 

ウゥゥゥ↑ウゥゥゥ↑ウゥゥゥ↑

 

 

長門

「整ったか……大淀」

 

ダンテ

「何の音だ?」

 

長門

「来てもらったばかりで申し訳ない。作戦開始の合図だ」

 

陸奥

「……」

 

 

――――――

提督室

 

 

睦月

「やっぱりいないね……」

 

吹雪

「うん……」

 

 

ウゥゥゥ↑ウゥゥゥ↑ウゥゥゥ↑

 

 

吹雪

「!!」

 

夕立

「例の作戦開始の合図っぽい!」

 

睦月

「吹雪ちゃん!」つ パシ

 

吹雪

「ふぇ!?睦月ちゃん!?」つ グィー

 

睦月

「大丈夫!ブリーフィングルームで会えるはずだから!」

 

 

――――――

ブリーフィングルーム

 

ザワザワザワ

 

―ガチャ

 

ザワッ…

 

 

ダンテ

「……so great.

 天使しかいやがらねぇ。夢でも見てるみてぇだな。

 今からやるのは本当に、ドンパチする方のパーティの相談なのか?」ha ha-

 

 

テ、テンシ?

セ、タッカ!

シローイ

ソウ?アカクナイ?

……ダレ?

カガサン、ゴハンハマダデスカ

サッキタベタバカリデショウ、アカギサン

 

 

金剛

「……」

 

比叡

「…ハァ…」

 

 

~各自己紹介、あらかた終了後。あともう事情説明とか、さっくりカット~

 

 

―バタァンッ

睦月

「遅れてすみません!睦月です!」

 

夕立

「夕立です!同じく到着しました!」

 

吹雪

「ふ、吹雪ですっ!」

 

長門

「吹雪だとっ!? ……あっ!」

 

陸奥

「あぁ……」

 

ダンテ

「まだいたのか? 本当に多いな。さすがに覚えられなくなってくるぜ」hahaha

 

睦月

「ほら、吹雪ちゃん」

 

吹雪

「う、うん」タタタ

 

・・・・・・

 

吹雪

「特型駆逐艦、吹雪です! 本日付で配属になりました!

 ご挨拶が遅くなり、大変申し訳ありませんでしたっ!!」

 

長門

(今後の戦況の可能性を鑑み、これからの戦いに必ず必要となるであろう、

 艦隊型駆逐艦を一隻打診していたんだったな……)

「いや、すまない……。 完全にこちらの落ち度だった。

 遠方からご苦労だった、吹雪。 長門だ。提督代理を務めている」つ

 

吹雪

「あ、はい!よろしくお願いします!」つ

 

ダンテ

「トクガタ? なんだ? スペシャルってことか?」

 

陸奥

「そういうことになるかしらね」

 

ダンテ

「へぇ。見えねぇな」

 

吹雪

「……ふぇ? …!? 男の人っ!?」

(ていうか外国人っ!?)

 

ダンテ

「ヘイ、スーパーガール。 ダンテだ。よろしくな」つ

 

陸奥

「代理補佐の陸奥よ。よろしくね、吹雪ちゃん。

 ちゃんと応対できなくてごめんね?」つ

 

吹雪

「い、いえっ……」つつ

(……スーパーガール?)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「しっかし、お互いさっそくツイてねぇな。いきなりお仕事らしいぜ?」

 

長門

「申し訳ないがそういうことだ、吹雪。 さっそくだがブリーフィングに入る。

 終了後は作戦準備期間がそれなりにある。

 その間に艤装の準備と補給、今から説明する部隊との紹介を済ませてくれ。

 ……慌ただしくなってしまって、本当にすまない……」

 

吹雪

「い、いえ……大丈夫です……」

(三水戦の人たちとはもう済んでるし……。 三水戦の人たちだよね?同じ部隊って……)

 

長門

「よし! それではこれよりブリーフィングに移る!!」

 

ダンテ

(……)

 

・・・・・・

 

長門

「以上! 何かあるか?」

 

シーン

 

長門

「よし! では XXXX より、作戦開始だ! 準備に入れ!解散!」

 

 

ダンテ

「……つまりいつだ?」

 

陸奥

「えーと、今から47分後ね」

 

ダンテ

「どうも」

(そこそこあるな……)

 

陸奥

「ええ」

(…………)

 

 

――――――

出撃準備区

 

ドタバタ ワーワー

 

 

ダンテ

「hmmm...」

(はっきり言って、悪い冗談だと思ってたぜ……。

 どいつもこいつも、まだまだガキじゃねぇか。

 あそこの4人なんざ、リトルクラスのお譲ちゃんにしか見えねぇ……)

 

 

ダンテ

「世も末だぜ……」huh...

 

 

ジー

 

 

ダンテ

「……ん」

 

 

壁|∧´)チラッ

 

 

ダンテ

「……あ?」

 

 

壁|)≡サッ!!

 

 

ダンテ

(……なにやってんだあいつ……)

 

・・・・・・

 

金剛

「……」イジイジ…

 

―スッ

ダンテ

「ヘイ、何ふてくされてんだ?コンゴウ」

 

金剛

「……べっつにー? ふてくされてなんかないデース」ムッスー

 

ダンテ

「……あぁ、なんだ。妬いてんのか」ha ha-

 

金剛

「ち、違いマース!ヤいてなんかいまセーンっ!!///」

 

・・・・・・

 

金剛

「フンスフンス!」プリプリ

 

ダンテ

「……ヘイ、コンゴウ」

 

金剛

「……なんデスカ?」

 

ダンテ

「この一仕事が終わったら、

 俺はさっそくそのマミヤって奴のところに行こうと思ってるんだ。

 腹ペコなんだよ。今日は魔法のコンニャクしか食ってねぇからな」ha

 

金剛

(あっ……)

「……い、いいんじゃないデスカ?」

 

ダンテ

「Okay. なら終わったらすぐにでも行こうぜ?」

 

金剛

(!?)

「……そ、それはデートってことデスカっ?」

 

ダンテ

(……まぁ、もう面倒だしな)

「あぁ、そうだ」

 

金剛

「っ……。 し、仕方ありませんネー! い、行ってあげてもいいデスヨっ?」

 

ダンテ

「good. そいつはうれしいね」

(最初に誘われたのは俺のほうだと思っていたが、そんなことはなかったぜ)

 

金剛

「♪」

 

・・・・・・

 

ダンテ

(ますますただの女にしか見えねぇんだがな……)

「なぁ、コンゴウ」

 

金剛

「なんデスカ♪ ダンテ」

 

ダンテ

「お前さん、実戦に出るのは何回くらいになるんだ?」

 

金剛

「エー? んー……回数は……もう覚えてないデスネェ」

 

ダンテ

「そうか……」

(…………)

 

 

ダンテ

「……」

 

金剛

「…………私たちは艦娘デスカラ」

 

ダンテ

「……」

 

金剛

「戦うことが私たち艦娘の使命デス」

 

ダンテ

「……そうか」

 

・・・・・・

 

金剛

「それに戦える力があるということは、守りたいものを守れるってことデス!

 とても素敵なことデス!!」

 

ダンテ

「確かに、そいつはそうだな。

 …そういやお前さん、ヒエイを庇ってたな」

 

金剛

「比叡は大事な妹デスカラネー」

 

ダンテ

「そうか……。 お前はいい姉ちゃんやってるんだな、コンゴウ」

 

金剛

「イエス!

 あ、いい忘れてマシタ! ダンテ!あのとき比叡を助けてくれてアリガトネっ!」

 

ダンテ

「気にすんな」

 

・・・・・・

 

金剛

「比叡だけじゃありマセン。

 榛名も霧島も、鎮守府のみんなも、日本の人も、世界中の人々も……。

 たくさんの人達を守れる力が、私達にはありマス。

 だから、戦えることは誇りデス!」

 

ダンテ

「……なるほど、そうだな……」

 

金剛

「……心配してくれてたんですか?ダンテ」

 

ダンテ

「余計なお世話だったみたいだがな」

 

金剛

(っ……)

「そっ、そんなことないデスヨっ……//」

 

・・・・・・

 

金剛

「ダ、ダイジョウブデース! 私はそんなにヤワじゃありまセーンっ!」

 

ダンテ

「へぇ、そうなのか?」

 

金剛

「イエス! こう見えてもけっこう頑丈なんデスヨ?

 だからダイジョーブ! 私がちゃんと、みんなを守る盾になってみせマース!!」

 

 

ダンテ

「……okay. コンゴウ、ちょっとついて来な」スタスタスタ

 

金剛

「What's?」

 

ダンテ

「お節介さ。今日のパーティでも緊張しないように、少しほぐしといてやるよ」

 

金剛

「」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「この辺だな」ピタ

 

 

金剛

(人気のないところニ…!)

「ヘ、ヘイ、ダンテ! いくらなんでもは、早すぎると思いマース!

 ば、場所はいいカモだけど、時を弁えるネー!!」

 

 

ダンテ

「よし、金剛。 こいつを見てな」つ√ ̄ ←エボニー

 

 

金剛

「へっ?」

 

パンッ

 

……ヒュン

金剛

「」

 

 

金剛

「ななななっ」

 

ダンテ

「お前さんらカンムスのことは、多少は聞いてるぜ」

(まぁ始めは半信半疑だったんだがな……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「人間<ヒューマン>とは能力も力も比べ物にならねぇらしいじゃねぇか。

 大丈夫だ、直撃させたりはしねぇよ。つか、当たっても銃弾なんか痛くもねぇんだろ?

 弾だけ見てな。慣れてくりゃ見えるようにもなるさ」

 

金剛

「……メ、メチャクチャデース!!」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「Ha! やりゃできるじゃねぇかww すげぇなカンムスwww」

 

金剛

「はぁはぁ……」

 

ダンテ

「今の感じだ。

 正面から受けるんじゃなくて、タイミングを合わせて、横に力を入れて弾くんだ」

 

金剛

「たった一回……、マグレみたいなものじゃないデスカ……」ハァハァ

 

ダンテ

「十分さ。 一回できりゃあとは慣れていくだけだ」

 

金剛

「やっぱりメチャクチャデース……。 うぅ、手がちょっとイタイデース……」

 

ダンテ

「なに? 効かないんじゃなかったのか?」

 

金剛

「艤装を付けてないと、こんなものデスヨ……」

 

ダンテ

「Un-hun. ……そうか、そいつは悪かったな」

 

・・・・・・

 

金剛

「フゥー」パンパン、ハライハライ

 

 

ダンテ

「……子供だろうが女だろうが、戦える力があるなら戦場を駆る、ってか。

 "Valkyrie"みたいだな」ha ha-

 

金剛

「ヴァルキリー?」

 

ダンテ

「ん、違ったか? huh.

 悪い、忘れてくれ」ヒラヒラ…

 

金剛

「……ヴァルキリー……」

 

 

 

 

 

金剛

 

 <STYLE>

  

  ヴァルキリー(Lv.1)

 

 

取得しました。

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

ドタバター ワーワー

 

吹雪

「うぅー……どうしよぉ……。

 ブリーフィングでは大丈夫なんて言っちゃったけど……」

(実戦の経験なんて本当はないのにぃ……)

 

 

吹雪

「……これから戦うんだ……みんな……」

 

 

 

「……電、大丈夫……?」

 

「は、はいっ……」

 

 

 

吹雪

「あんな小さい子たちまで…………って……あれ……?」

 

 

 

「っ……」フルッ…

 

「また少し、震えているね……」

 

「……」

 

 

 

吹雪

「……」

 

・・・・・・

 

「大丈夫よ、電! 今回だって、私たちがいるんだから!」

 

「暁の言う通りだ。 電、君は一人じゃない。 多くの艦隊の仲間がいるんだ」

 

「そうよ! 電、何かあったら真っ先に私を頼んなさい! いいわねっ?」

 

「ぁっ…………うんっ! みんな、ありがとうなのですっ!」

 

 

 

吹雪

「……」

 

 

 

ダンテ

「……ン? ……あいつは――」

 

・・・・・・

 

吹雪

(……)

 

ダンテ

「ヘイ、スーパーガール」

 

吹雪

「うひゃいっ!」

 

ダンテ

「hahah-. どうした?

 準備とやらはもういいのか?」

 

吹雪

「ダ、ダンテさん……。

 えっと……そのぉ……」

 

ダンテ

「……あ?」ザッ ←腰落とし

 

吹雪

「っ……」ビク

 

ダンテ

「…huh. 取って食おうってわけじゃねぇさ。

 どうしたんだ?」コソ

 

吹雪

「……うぅっ……」

 

ダンテ

「……フブキ」

 

吹雪

「……?」

 

ダンテ

「俺もここには今日初めて来たんだ。

 肩身の狭い新入り同士、仲良くしていこうぜ?」

 

吹雪

「ダンテさん……」

 

ダンテ

「それで、どうした?」

 

吹雪

「……それが……その……」

 

・・・・・・

 

吹雪

「私、実は実戦の経験なんてなくて……」

 

ダンテ

「……ほう、そいつは」

 

吹雪

「ご、ごめんなさいっ…」

 

ダンテ

「いや、謝るようなことじゃねぇさ。 ないものはないからな。

 ピザデリバリーのツケ払いができないのと一緒さ」ha

 

吹雪

「……なんで急にピザの話なんですか」…クス

 

ダンテ

「...All right. よし、吹雪。

 準備だけ万全にして、とりあえず出ちまえ」

 

吹雪

「うぇ!?」

 

ダンテ

「なんだ、準備も不安か? 手伝ってやろうか?」hahaha

 

吹雪

「そ、そうじゃなくてっ!

 それは大丈夫なんですけど、私本当に運動がダメでっ!」

 

ダンテ

「あぁ、なるほど。そういうことか。

 okay, わかった。まぁそれでも出ろ」

 

吹雪

「」

 

・・・・・・

 

吹雪

「うぅ……」

 

ダンテ

「心配すんな」ポン ←肩に手を置く

 

吹雪

「っ」ビクッ

 

ダンテ

「ピンチのときにはちゃんと出張ってやるさ」

 

吹雪

「……本当ですか?」

 

ダンテ

「ああ。 なんならパーティ中、ずっと脇に抱えててやろうか?」

 

吹雪

「恥ずかしすぎますよそれ!? ていうか逆に危なくないですかっ!?」

 

ダンテ

「HAHAHA!」

 

吹雪

「……」…クスッ

 

・・・・・・

 

吹雪

(ここまで言ってくれる人がいる……。

 皆、怖いはずなのに、それでも恐怖を振り払って戦おうとしてる……。

 私より、小さい子たちだって……。

 怖いっ……でも、みんな……みんな、同じなんだ……っ)

 

 

吹雪

「……私、頑張ってみようと思いますっ……」

 

ダンテ

「おぉ」

 

吹雪

「いつまでもダメだなんて言ってられませんし、

 それに、私はっ……!」

 

 

~~~~~~

 

赤城

「いつか、一緒の艦隊で戦いましょう?」

 

~~~~~~

 

 

吹雪

「……っ」ググッ…!

 

ダンテ

「……ha. いいツラだ」

(肝は据わったみてぇだな)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ま、フォローはちゃんとしてやる。 気楽にやってみな」スクッ ←立ち上がる

 

吹雪

「ダンテさん……」

 

ダンテ

「忘れ物だけないようにしろよ」ヒラヒラ

 

吹雪

「そ、そんなに子供じゃありませんっ!」

 

 

ダンテ

「hahaha」スタスタスタ

 

 

吹雪

「もうっ……」

 

 

吹雪

「……ふぅ」

(……なんか、すごく楽になったかも)

 

 

吹雪

「…………ふふふっ」

(なんだか冗談ばっかり言ってる人だったなぁ)

 

 

吹雪

「…………これが私の初出撃……」ボソッ

(怖くないわけじゃない……でも――)

 

ググ…… ←握りこぶし

 

―ニギッ

夕立

「さあ、ステキなパーティしましょうっ?」

 

睦月

「頑張っていきましょー、吹雪ちゃん!」ポスッ

 

 

吹雪

「夕立ちゃん、睦月ちゃん……。 うんっ!」コクッ

(一人じゃないんだ!みんな一緒にいる! だからきっと大丈夫!)

 

 

――――――

 

サワ…… シーン…

 

ダンテ

「……全員、集まってきてるな」

(まだ少しあるか……)

 

―ザ…

 

ダンテ

「……ん?」

 

長門

「……少し、いいだろうか?」

 

ダンテ

「…ああ」

 

・・・・・・

 

長門

「不躾ですまない…」

 

ダンテ

「いや、構わねぇ。 で、なんだ?」

 

長門

「……現在、あの海域の攻略は最優先事項となっているんだ。

 そして、そのためには……その……これは、貴方を紹介してくれたという人物から

 伺ったことなのだが、あの海域に潜む深海棲艦を倒すためには、

 ……貴方の力が必要だと言う事らしいのだが……」

 

ダンテ

(……あ? 悪魔狩りの俺のか? なんだそりゃいったい……)

「……聞いてねぇな」

 

長門

「そっ、そうなのかっ? うーむ……。

 その仲介屋の……彼女の話を伺ったのは私なのだが、

 そのとき……私としても、どうも要領を得なくて……」

 

ダンテ

(あのアマ……やっぱり何か隠してやがったのか……。

 ただ単に、ここの人手が足りてねぇから俺を寄越したって事じゃなかったのかよ……)

「なるほどな……」

 

長門

(……)

「……これは私の予測、というかもう経験則なのだが、

 おそらく、我々の上層部と貴方を仲介してくれた女性、

 ……その他はさすがにわからないが――」

 

ダンテ

「間違いなく、何か重要なことを隠してやがるな。

 今回、俺たちが組むことになったってのはその辺りの関係だろうな」

 

長門

「……ああ」

 

・・・・・・

 

ダンテ

(やっぱ、めんどくせぇ話になってきやがったか)

「hum...」

 

長門

「……その、すまない」

 

ダンテ

「別に、お前さんが謝るのは違うだろ」

 

長門

「いや、その……私たちの上層部が――」

 

ダンテ

「…huh. お互い苦労するな。好き勝手に振り回しやがる」

 

長門

「……ふ、本当にそうだな……」

 

ダンテ

「しかし、よかったのか?話しちまって。

 そのお偉いさんから聞かされてねぇってことオフレコだったんじゃねぇのか」

 

長門

「……この鎮守府は私と陸奥、あと一人――」

 

ダンテ

「オオヨドか?」

 

長門

「ああ、知っていたか」

 

ダンテ

「ムツから少し聞いたな」

 

長門

「そうか…。

 聞いた通り、その私達三人を中心に据えつつも、他の者全員で協力して回している。

 今回の一件のように、はっきりとしたことが言えないものについては、

 先のブリーフィングの場で皆が集まれる機会まで

 報告が遅れてしまうということは、何度かあるのだが……」

 

ダンテ

「なるほどな」

 

長門

「……上はずっとあんな調子だ。

 だから私たちは一丸となってこの鎮守府を回してきた。

 ずっとそうやってきたんだ。お互い、助け合って、できるだけちゃんと話し合って……。

 この鎮守府には、提t……監督官がいない。 だから私たち自身で……」

 

ダンテ

「……」

 

長門

「そして今日、新しく二人の仲間を迎えた。

 吹雪と貴方だ、ダンテ」

 

ダンテ

「……hum. そういうことか。 うれしいこと言ってくれるね」

 

長門

「…………ただ……」

 

ダンテ

「そうだな。まだ全員に話せるほどハッキリしてるわけじゃねぇしな」

 

長門

「……ああ」

 

・・・・・・

 

長門

「それはそうと……。

 今、私が言うのもおかしな話なのだが……本当に大丈夫なのか……?

 昨日からずっと休みもないと聞いたが……」

 

ダンテ

「心配はいらねぇぜ? 少しは休めたしな。 ha

 小休止さえ挟めりゃ充分だ。

 それで1日や2日、ぶっ通しで仕事するなんざ、

 こっちにしてみりゃ別に珍しいことでもなんでもねぇんだ。

 灼熱から極寒、それも半日往復する、なんて仕事もあったぜ」ha ha-

 

長門

「そ、そうなのかっ!?」

(想像もつかんっ……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――もうそろそろだな」

 

長門

「……本当に申し訳ない。

 歓迎もまともにできていないまま、こんな……」

 

ダンテ

「もう金はもらっちまってるんだ。

 仕事はきっちりやらせてもらうさ。 まずはな。

 ヘイ、ナガト。 あんまり気回しすぎるなよ」

 

長門

「……そう、だな」

 

ダンテ

(……)

「お前さん、出撃はしなかったよな?」

 

長門

「あ、ああ。 この後、作戦室に戻ってそこから作戦の指示を出す」

 

ダンテ

「ok.

 それじゃ、その作戦終了後だ。 さっそく一つ頼まれてもらおうか。

 労ってもらうぜ?」

 

長門

「あ、ああっ! 可能な限り、ご要望に応えられるようにしよう!」

 

・・・・・・

 

長門

「間宮の割引券?」

 

ダンテ

「ああ。 ここには最高の喫茶のマスターがいるって聞いてるぜ。

 そうだな……5枚、用意できるか?」

 

長門

「……了解した。 すぐにでも用意しておこう」フッ

 

ダンテ

「Sweet. ソッコーで片付けてくるぜ」ha ha-

 

 

――――――

深海勢・棲地(現該当の攻略海域とは少し遠いところ)

 

 

深海棲艦

「クッ……」

 

―ザッ

深海棲艦・尽

「コッピドク、シテヤラレタナ」

 

深海棲艦

「オマエ……」

 

―ガッ

 

深海棲艦

「ダマシヤガッタノカ!?」

 

深海棲艦・尽

「……ソウデハナイ。

 私モ、アノ男カラ手渡サレタモノヲ受ケ取ッタダケダ。

 ソレヲ、オ前ニモ渡シタ。 ソレダケダ」

 

深海棲艦

「……オ前、オレガ出ル前トハズイブン"変ワッテル"ジャネェカ」

 

深海棲艦・尽

「ソウダナ。 ドウヤラ私ガ引イタモノハ、当タリダッタラシイ」ニィ…

 

深海棲艦

「ソウカヨ……」バッ…

 

・・・・・・

 

深海棲艦・尽

「ヨカッタジャナイカ。 ソレデモ足ダケハ、ハヤクナッテ。

 聞イタゾ。 アノ高速戦艦ニ追イツイタノハ、オ前ダケダッタソウジャナイカ。

 ソノ艦種ノワリニ見事ナモノダ。

 逃ゲオオセタノモ、ソレノオカゲダッタンダロウ?」

 

深海棲艦

「……目ヲ盗ンデ逃ゲテキタッテダケダ……。

 ツーカ、足ダケハヤクテモ仕方ネーダロ……」

 

深海棲艦・尽

「フッ……。 ソウ、フテクサレルナ。ホラ」つ●

 

深海棲艦

「……ソイツハ?」

 

深海棲艦・尽

「オソラク、コイツハ当タリダ。今ノ私ニハワカル」

 

深海棲艦

「……」つ●⊂ …ゴクンッ

 

―パァア

 

深海棲艦

「グッア"、アァア"……!」ガクッ!

 

シューン…

 

深海棲艦・鋼

「ハァハァッ……コレハッ……」ガシュン…

 

深海棲艦・尽

「ホゥ……」

 

・・・・・・

 

深海棲艦・鋼

「……」ガシュ ガシュ

 

深海棲艦・尽

「ダイジョウブカ?」

 

深海棲艦・鋼

「アァ、モウダイブナジンダ」

 

深海棲艦・尽

「ソレハヨカッタ」

 

深海棲艦・鋼

「……ナァ、赤イコートノ男、何カ聞キイテルカ?」

 

深海棲艦・尽

「……ナニ?」

 

・・・・・・

 

深海棲艦・尽

「ホゥ、ソノ男ニヤラレタト」

 

深海棲艦・鋼

「ソコ食イツクナヨ! オレハ何カ知ッテルカッテ聞イタンダ!」

 

深海棲艦・尽

「スマナイガ、私モ初耳ダ」

 

深海棲艦・鋼

「ソウカヨ……」

 

深海棲艦・尽

「……アノ男モ全テヲ明カシテイルトハ、到底思エナイカラナ」

 

深海棲艦・鋼

「ソリャソウダナ……」

 

・・・・・・

 

深海棲艦・尽

「シカシ、我々、深海棲艦ニ対抗デキル男ノ存在カ……」

 

深海棲艦・鋼

「……」

 

―スッ

深海棲艦・尽

(……)

 

深海棲艦・鋼

「ン、ドコイクンダ?」

 

深海棲艦・尽

「…次ハ私ダ」

 

深海棲艦・鋼

「アァ。

 ……ナァ、ソレカワッテクレヨ」

 

深海棲艦・尽

「……休ンデイタホウガイイト思ウガ?」

 

深海棲艦・鋼

「コイツヲ取リ込ンダトキニ、アラカタ回復シタ」グッグッ

 

深海棲艦・尽

「……」

 

深海棲艦・鋼

「イイダロ。リベンジサセロヨ」

 

深海棲艦・尽

「ハァ……無理ハスルナヨ」

 

深海棲艦・鋼

「ハッ! 誰ニイッテヤガル!

 ソレコソ無理ニキマッテンダロッ!」バシュー

 

深海棲艦・尽

「……」

 

 

――――――

鎮守府・出撃準備区

 

 

ダンテ

「ファァ…」

(……やっとか。 準備とか特にねぇからな俺は)

 

金剛

「あ、イマシタ! ヘイ、ダンテー!」ブンブン

 

ダンテ

「んぁ?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「なんだコンゴウ」

 

金剛

「コレ! ダンテの分デス!」つ【コンパクト無線(極小インカムタイプ)】

 

ダンテ

「so cool. へぇ、いいじゃねぇか」

 

金剛

「耳につけて、ここのボタンを押すと回線がオープンになりマス!」

 

ダンテ

「ほぉ、便利だな」

 

金剛

「つ、つけてあげマスネ!」

 

ダンテ

「thanks」スッ ←頭下げ

 

金剛

「っ……///」

 

…カチ

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「時間です」

 

陸奥

「……全員、準備も完了したみたい」

 

長門

「……よし」

 

 

――――――

出撃準備区

 

ビービービー

 

長門

『~~~~』

 

 

ダンテ

「待ちくたびれたぜ」

 

金剛

「……」ジー…

 

ダンテ

「……ヘイ、コンゴウ。遅れないようにな」

 

金剛

「っ! イ、イエス!」

 

ダンテ

「Allright. 先に行ってるぜ」スタスタスタ

 

金剛

「アっ、ハイっ」

 

 

長門

『――慢心は……禁物だ。

 …では第三水雷戦隊、主翼に西航して進発……暁の水平線に勝利を刻むのだっ!!』

 

 

 

 

 

 

 




SECRET MISSION 1-2-1

 ~ ダンテのノンスタイリッシュ準備 ~



榛名
(金剛お姉さま……ブリーフィングはあまり聞いていなかったということ
 みたいだったけど、大丈夫かしら……。
 一応、私と霧島とで簡単には説明して差し上げたけど……)


―バルルルッ


榛名
「……銃声? 試射場の方から……」
(もうすぐ出撃なのに、いったい誰が……)


―ヒョコ
榛名
「……」チラッ


ダンテ
「……」ピョン バルルルッ ピョン バルルルッ ピョン バルルルッ


榛名
「」

・・・・・・

榛名
(ダ、ダンテさん……? いったい何を……)
「あ、あの……」

ダンテ
「…ン? おぉ、ハルナか」

榛名
「はい……。 えっと……し、試射ですか?」

ダンテ
「いや、違う。
 もうコイツ(パンドラ)のエネルギーがほとんどなかったんでな」コンコンッ

榛名
「……そ、そう…だったんですか……」
(エネルギーがないのに発砲を……?)


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MISSION 1-3

人と御使いとの熱りの過程に生れし、黒き山羊よ。
人の叡智と御使いの栄光とを合わせ持つ、7つ目の魂よ。

お前こそが新たなる導きの光である。
お前には7つに分かたれた、御身の御力がその身宿っている。

それは既に、お前自身が知っていることである。


発艦口、出撃

 

 

吹雪

「ふ、吹雪! 行きますっ!」

 

 

――――――

発艦口、外

 

 

ダンテ

「…………」スン… ←匂い

 

 

ダンテ

「huh... 俺の力が必要、ね。 そういうことか」

(風に微かに魔素が紛れてやがる。 今朝来た時には感じなかったと思うんだがな……)

 

 

ダンテ

(多分だが、近づくほどに濃くなっていくはずだ)

「……海水にも溶けてんじゃねぇか?」チャプン… ←手浸し

 

 

ダンテ

(…………)ッチャプ、ピッピッ

「……まだわかんねぇな」

 

 

 

ウゥ、ヒッ! ワー! ハ、ハヤッ!

 

 

 

ダンテ

「……ん?」

 

 

 

吹雪

「速いーっ!うひゃっ!?」パシャ

 

 

 

ダンテ

「haha! なかなか見物じゃねぇか、フブキ。

 ……俺も行くか。約束もあるしな」シュバッ

 

ヒュォォ

 

 

 GUNS!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

 

――――――

金剛隊

 

 

スィー

 

金剛

「…………」キョロキョロ

 

比叡

「お姉さま?」

 

金剛

「……アレー? 比叡、ダンテはどこデスカ?」キョロ

 

比叡

「……ダンテさんなら、特に陣形配置は決まってませんでしたよ」

 

金剛

「エ?そうなんデスカ?」

 

比叡

「ええ、長門代理も特に指定はしていませんでした。言うなればオールラウンダーですね」

 

金剛

「オー、さすがデース」

 

比叡

「……お姉さま、ブリーフィング、ちゃんと聞いてましたか?」

 

金剛

「ギックゥ…」ビクッ…

 

比叡

「はぁ……。 長門代理が説明してる間、ずっとダンテさんの方ばっかり見てましたよね……」

 

金剛

「アハハー……」

 

・・・・・・

 

比叡

「大丈夫なんですか…? 航行中、簡単にでも説明しますが――」

 

金剛

「大丈夫デース! 榛名と霧島から、よーく聞きマシタ!心配無用デス!」

 

比叡

「それならいいですけど……」

 

金剛

「……」ウズウズ

 

比叡

「……お姉さま、作戦中ですよ……。 陣形を崩したりとか絶対ダメですからね」

 

金剛

「わ、わかってマース! そんなことシマセン!」

 

比叡

「私たちはこのまま現陣形を維持し、作戦通り進行しますから」

 

金剛

「当然デスっ!」

 

 

金剛

「……フフンッ」

 

比叡

「?」

 

金剛

「ダンテに良いところを見せるいい機会デス!

 Follow me!皆さん、着いて来て下さいネー!」

 

比叡

「……ハァ」

 

 

 

――――――

 

 

 

「「実戦経験がない(っぽい)!?」」

 

 

 

川内

「なんで言わなかったの!?」

 

夕立

「出撃させてもらえなかったっぽい?」

 

吹雪

「もらえなかったっていうか……無理っていうか…?」アハハ…

 

睦月

「無理?どうして?」

 

吹雪

「だから私、運動が…… うわわっ!」グラッ

 

ズルッ ビシャーン

 

 

((あぁ……))

 

 

・・・・・・

 

作戦用海上図より、配置 *アニメ1話参照

 

 

 赤城隊

  金剛隊

 

 

吹雪隊

 

 

 

 ダンテ(遊撃:非固定的)

 

 

・・・・・・

 

 

フィーン…

ダンテ

(コンゴウは……まぁ問題ねぇか。気がかりなのはフブキだが……。

 ……あの程度の距離なら余裕で"飛べる"か)

「……」…チャプ、サァー

 

 

ダンデ

「…思ったとおりだ。空気も海水も濃いな」ピッ

(とくに海水に溶け込んでる分が多い。 この分なら、表面に作れるかもしれねぇな……)

 

 

ダンテ

(……来てるな)

「行ったぜ、フブキ。 さぁ、まずは自分でやってみな」

 

 

――――――

吹雪隊(*旗艦は神通)

 

 

睦月

「……大丈夫?吹雪ちゃん…」

 

吹雪

「う、うんっ……」

(…………)

 

 

神通

(…………)

「……皆さん、そろそろ敵海域に……っ!?」

 

那珂

「お仕事の時間みたいだねっ!」

 

 

吹雪

「……っ!」

 

 

ザパァーン

 

 

吹雪

(これが深海棲艦……こんなに大きいんだっ……)

 

 

敵艦がすぐ近くまで迫ってきていた。

 

 

神通

「砲雷撃戦、始め!」

 

 

バンバン! ……ヒュォ…ザパーン!!

 

 

吹雪

「ひぅっ!」

 

那珂

「うわわっ」

 

川内

「っ! ……やったなぁ!」

 

 

神通が唱えるよりも早く、既に敵艦の砲撃は始まっていた。

 

 

吹雪

「大丈夫ですか!?」

 

那珂

「……アイドルはヘコたれない!」ザー!

 

川内

「夜になったら見てなさいよ!!」ザー!

 

 

吹雪

(……これが、戦いっ……)

 

睦月

「見てっ!」

 

夕立

「こんなにいるっぽいっ……」

 

吹雪

「あ……う……」

 

 

バァン! ヒュォ……

 

 

吹雪

「あっ……」ギュ……

 

ザパァーン!

 

吹雪

「ひぅ! ……――っ」 パチリ

 

 

吹雪

「……ひっ!」

 

川内

「びびってる暇はないよっ!」

 

夕立

「っぽいー!」

 

吹雪

「っ!?」

(…………そう、だ……私っ……)

 

ザバァーン!

 

駆逐イ級

「グワァ!」ガパァ!!

 

吹雪

「しまっt!?」

 

―バァンッ! ザブン…

 

 

吹雪

「っ…!」

 

那珂

「吹雪ちゃん! 撃ってー!」ザァー!

 

 

那珂に助けられ、一瞬の窮地を脱する吹雪。

 

 

吹雪

「っ……私だって…!」

(……決めたんだ! だから…私だって!!)

 

 

―スィー… ザバァッ!

駆逐イ級

「グォォォ!」

 

 

吹雪

「……!」キッ

 

 

吹雪

「…お願い! 当たってくださいっ!」グッ…バンッ!

 

…スカッ

 

 

夕立

「っ!! 吹雪ちゃーん!!」

 

 

吹雪

「っ!?」

(…そんn)

 

 

 

 

 

「――ナイスガッツだ。 悪くなかったぜ、フブキ」

 

 

 

 

 

―ビガァンッ!

 

 

吹雪

「ぁぅ……っ! …ダンテさん!?」

 

ダンテ

「ハッ」パンパン ←手を払う

 

 

川内

「ブリーフィングのときの!?」

 

那珂

「艤装もないのに立ってる!? なんで!?」

 

夕立

「忍者っぽい!?」

 

神通

「…………」

(素手で敵艦をふき飛ばしたように見えたのですが……)

 

 

吹雪

(ほ、本当に……助けて……)

 

 

 

 

 

 

ダンテ

 

 <ABILITIES>

 

  シーハイク

 

…エアハイクの海上版。

 ダンテ自身の魔力と海水に溶け込んだ魔素を寄り合わせて創出される力場。

 エアハイクよりも頑丈な力場であるため、維持できる時間はそれなりにある。

 連続的に力場用の魔素を凝縮しておけるのはおおよそ、10秒前後。

 

 

 

 

 

 

駆逐イ級

「ギギギ……」ガシャン…

 

 

睦月

「っ!? イ級がまだっ!」

 

 

ダンテ

「……」

(やはりな……)

 

吹雪

「ダンテさんっ!」

 

 

 

ヴゥーン…ズダダダダダッ! ボカァーンッ!

 

ビュォー

 

吹雪

「んくっ!? …………っ!」

 

 

 

赤城

「先発隊、ご苦労様でした。下がってください。

 ……ここからは、第一航空戦隊が参ります!!」ザァー

 

加賀

「ここは譲れません」ググッ……ビュンッ!

 

 

ヴーン……カシャッ ヒューン……ボーン!

 

 

 

ダンテ

「ph-♪ 助かったぜ。 やるじゃねぇか。あそこのエンジェルズも」

 

吹雪

「……すごいっ……!」

(赤城さんっ……!)

 

ダンテ

(……それでも何体かまだ動けるヤツはいるか)

「……」

 

 TRICK.

 

 

スィー

睦月

「大丈夫!?吹雪ちゃん!」

 

吹雪

「あ、睦月ちゃん……」

 

睦月

「…っ」

(あれっ…? あの人いなくなってる!)

 

川内

「ほら二人とも!ボサッとしない! 残り、まだくるよっ!」

 

吹雪・睦月

「ひゃいっ!!」

 

 

――――――

目標海域

 

 

深海棲艦・鋼

「……待チクタビレタゼ、イツマデモ待タセヤガッテ……。

 リベンジダ、赤イヤツ! 艦娘トマトメテブッ飛バシテヤル!」

 

 

 

比叡

「……見えましたっ! お姉さま!!」

 

金剛

「イエス!ここが見せ場デース! 皆さん!」

 

比叡

「主砲、斉射っ!」バン!

 

金剛

「全砲門!Fire!」ババン!

 

 

 

深海棲艦・鋼

「……ハッ!」ガシュ!

 

ピキーン!

 

深海棲艦・鋼

「効カネェヨォ!」ヒャハハハッ!

 

 

 

夕立

「うそっぽい……」

 

神通

「障壁が……」

 

 

比叡

「くっ……」

 

金剛

「shit!」

 

 

 

on アーギュメント

 

ダンテ

「……アァン?」

(なんでヤッコさんがアレ持ってんだ?)

 

 

――――――

赤城隊

 

 

加賀

「赤城さん……」

(先の敵駆逐艦も……)

 

赤城

「はい……」

(やはり……あの障壁をどうにかしなければ……!)

 

 

――――――

作戦室

 

 

陸奥

「長門……!」

 

大淀

「……先日のときと同様です。

 今回も敵は、謎の強力な障壁を備えているようです……」

 

長門

「……ああ」

(やはりな……。 今回のことで確信した。おそらく、あれが上層部も隠していること……)

 

陸奥

「……どうするの?」

 

長門

「…………彼に、賭けようと思っている」

 

大淀

「……」

 

陸奥

「……」

 

 

――――――

作戦海域

 

 

ダンテ

「……なるほどな」

(大方、理解したぜ。 俺がここに呼ばれたわけもな)

 

 

ダンテ

(…ったく……あのアマ……)

「……いや……違うか。 huh...

 俺も、自分のケツくらいは自分で拭かねぇとな」バッ

 

 TRICK!

 

 

――――――

 

 

深海棲艦・鋼

「……ドコダ…………ドコダ!? 赤イ男ッ!!」キョロキョロ!

 

 

 

加賀

(何か探している……)

「……どうしますか、赤城さん。すぐにけし掛けてくる様子はないようですが…」

 

赤城

「……迂闊に近づけさせるわけにはいきません。ここから攻撃を続けて、けん制します」

(何か……何か、手立てはっ……)

 

加賀

「……了解です」

 

 

ヴーン…カシャッ ヒューン…ボーン!

 

モクモクモク…

 

深海棲艦・鋼

「……チィ! 効カネェツッテンダロ!」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「ダメです!やはり有効性が認められません!」

 

長門

「っ……」

 

陸奥

「長門……」

 

 

――――――

 

 

比叡

「いったいどうすれば……っ」

 

金剛

「……砲撃を続けマス……!」

 

比叡

「お姉さま!」

 

金剛

「ダメージは0ではないはずデス! せめて少しデモ!」バン!

(私は誓いマシタ……! みんなを守るとッ……!)

 

 

金剛

「……それに……このままじゃ、ダンテにも呆れられてしまいマス!」

 

比叡

「お姉さま……ふふ、わかりました。

 私も……気合!入れて!行きます!」バン!

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「目標、依然として健在!」

 

長門

「……彼は……ダンテはどこにいる?」

 

大淀

「えっと…………敵艦の群れの中を高速で移動してますね……」

 

陸奥

「えっ!? なにそれ!?」

 

長門

(……背後を取ろうとしている……?) …カチッ

 

陸奥

「……長門?」

 

長門

「全艦に通達!

 防戦に余力がある者は、そのまま敵旗艦に攻撃を集中させろ!

 効果はなくてもいい、注意を向けさせろ!」

 

 

――――――

 

ボォーン!!

 

モクモク……

深海棲艦・鋼

(ウゼェ……温存ノタメニ雑魚ハ後回シニシヨウカト思ッタガ……モウ、面倒ダ……!)

「先ニヤッテヤルヨォ!!」ヒュボッ!

 

 

 

加賀

「っ!? 赤城さん!来ます!」

 

赤城

(速い!!)

 

 

 

 

 

「ヘイ 待ちな。 ダンス相手に探してたのは俺だろ。 喜んで受けるぜ?」シュンッ

 

 

深海棲艦・鋼

「!?」

(コイツドコカラッ!?)

 

 

 Sword Master!

 

  -プロップ-

 

 

深海棲艦・鋼

「クッ!」

(シマッタ!遅レt)バッ!

 

ガガガガ!

 

深海棲艦・鋼

「グゥッ!」

(崩サレル……!)

 

ダンテ

「huh!」

 

ブワッ

 

深海棲艦・鋼

「ナッ!?」

 

 

 TRICK!

 

  -エアトリック-

 

 

シュンッ

 

深海棲艦・鋼

「ッ!?」

 

ダンテ

「待たせて悪かったな。

 そのかわり、しっかりエスコートはしてやるよ」ブォンッ

 

 SWORD!

 

  -エリアルレイブ-

 

 

 

加賀

「な、なんですかあれ……」

 

赤城

「…と、飛んでいるっ……?」

 

 

 

深海棲艦・鋼

「グゥウウッ…!」ガガガガガッ!

(障壁ガモウトックニッ…! 身動キモ取レネェ! クソッ足ガッ……逃ゲラレネェ…!)

 

ダンテ

(……やっぱダルイな…)…カチッ

「ヘイ、エンジェルズ」ザザー ←全回線

 

 

 

赤城

「つ、通信が!?」

 

加賀

「……まぁ片手は空いてるようですからね……」

(それでも神業ですが……)

 

 

『こいつは俺が釘付けにする。今なら通用するはずだ。ありったけ撃ち込んでみな』

 

 

――――――

作戦室

 

 

陸奥

「なっ!?」

 

大淀

「っ!?」

 

長門

「……」

 

 

――――――

 

 

吹雪

「ダンテさんっ!?」

 

那珂

「何言ってるの!?あの人!」

 

 

――――――

 

 

加賀

「いったいどういう……」

 

赤城

「……」

 

 

――――――

 

 

比叡

「……! お姉さま!」

 

金剛

「……」コクン…

 

 

金剛

「…………ダンテなら、きっと大丈夫デス……!」

 

 

―カチ

金剛

「皆さん!ダンテの言うとおりにしてくだサイ!」

 

 

――――――

作戦室

 

 

『皆一斉に敵旗艦に砲撃シマス!』

 

陸奥

「ど、どうするのっ?」

 

大淀

「……」

 

…カチ

長門

「……全艦、砲撃用意。目標……敵旗艦」

 

 

――――――

 

 

ダンテ

(よし、いい判断だ。 コンゴウ、ナガト)ha.

 

 

――――――

 

 

金剛

「皆さん、準備はいいデスカ!? ……行きマスヨ!

 全艦!Fire-!!」

 

 

バァ-ン!!

 

 

・・・・・・

 

 

深海棲艦・鋼

「……キサ、マァッ……!」ガガガッ

 

ダンテ

「そろそろオーラスだ。 楽しかったぜ?」

 

深海棲艦・鋼

「ッ…? ……ナァッ!?」

 

 

ヒュー……

 

 

ダンテ

「あばよ」

 

 TRICK!

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「……敵旗艦……撃破……やりましたっ!」

 

陸奥

「……っ」

 

長門

「ダ、ダンテは!? どうなった!?」

 

大淀

「無事のようです! というか、なぜか既に砲撃ポイントから遠く離れた所にいますっ!」

 

陸奥

「……」ホッ…

 

 

 

・・・・・・

・・・

 

 

 

ボカァーーン……

 

 

 

 

ダンテ

「ph-♪ 悪くねぇ花火だったな」

 

 

 

○ ペカー…

 

 

 

ダンテ

「……」つ ググッ…

 

 

*― スゥー… パシッ

 

パァアー

 

ダンテ

「……huh」ガシャン…プシュー…

 

 

 

 

 

ダンテ

 

 <ARMS>

 

  衝撃鋼ギルガメス

 

 

奪回しました。

 

 

 

 

 

モクモクモク……

 

 

比叡

「やったっ……」

 

金剛

「……ッ」…バッ!

 

比叡

「あっ…お姉さま!」

 

 

『全員、下がりな』

 

 

金剛

「っ!? ……ダンテ……?」ピタッ

 

 

――――――

 

 

赤城

「……どうやら、無事のようですね……」

(本当に……何者……?)

 

加賀

「……ええ。

 …それはそうと赤城さん……」

 

赤城

「は、はい……」

(下がれとはいったい……)

 

 

――――――

 

 

那珂

「どういうこと?」

 

川内

「まだ敵の駆逐艦とか」

 

夕立

「奥の方は残ってるっぽい……」

 

神通

「……」

 

吹雪

(ダンテさん……?)

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「……どういうことなんでしょうk……!?」

 

陸奥

「どうしたの?」

 

大淀

「よ、よくわかりませんが……ダ、ダンテ、先の敵艦包囲の中に引き返していますっ!」

 

長門

「……っ!」

(まさかとは思うがっ……)

 

陸奥

「……長門?」

 

カチ!

長門

「全艦、急いで後退しろ!!全速でだっ!」

 

 

――――――

 

 

比叡

「お姉さま!なんだかよくわかりませんが、お早くっ!」

 

金剛

「でもダンテが敵群の中にッ!」

 

比叡

「……ご自身で向かわれたということは何か考えあってのことでしょう……。

 あの人なら絶対に大丈夫です。ですから、お姉さま……」

 

金剛

「…………はい……」グッ…

 

 

――――――

 

 

。プカァー…

 

夕立

「……ぽい? これなにっぽい?」つ。キラーン

 

睦月

「何してるの夕立ちゃん!!」

 

夕立

「ぽいー」スィー

 

睦月

「吹雪ちゃんも早くっ!」

 

吹雪

「う、うんっ……」チラッ…

 

 

吹雪

(ダンテさん……)

 

 

――――――

 

 

敵駆逐艦s

「ギギッ」バァン!バン!

 

 

ダンテ

「フッ、ハッ、……よっ」ヒュッ ヒュン… シュタ

 

 

ダンテは敵艦の攻撃を難なく避けて、群れの中心へと到達する。

 

 

ダンテ

「……だいたいこの辺か。 あいつらは……huh」

(十分離れたな)

 

 

ダンテ

「Allright.

 ……さぁ、最後の仕上げだ」

 

 

敵駆逐艦

「ギッ」バァン!

 

 

 TRICK!

 

  -エアトリック-

 

―シュン!

ダンテ

「海上ハイキングは楽しかったが……いつまでも残してるのは悪影響だからな」←上空

 

 SWORD!

 

  -ハイ・ショッキング-

 

 

 

―カッ!!

 

 

 

――――――

作戦室

 

ザザザザッー!!

 

陸奥

「いっ!? ……ったぁ……何この音っ……」

 

長門

「……何が起こった?」

 

大淀

「…………回線、回復」

 

長門

「……」

 

大淀

「……て、敵艦、全て撃沈っ……!」

 

陸奥

「……え?」

 

長門

「……」

 

 

――――――

 

―シュンッ

 

 GUNS!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

 

ダンテ

「……コートが少し焦げちまったな……」

 

 

 

ダンテェーーッ!!  マッテクダサイ!オネエサマァー!

 

 

 

ダンテ

「…………huh」

 

―ダキィ! スポーンッ… ビシャァーンッ…

 

 

金剛

「すごいデース!

 あれだけいた敵艦が皆いなくなりマシタ! どうやったんデスカ!?」

 

ダンテ

「ガボボ」

 

比叡

「お姉さま!? 沈んでます沈んでます!二回目ッ!」

 

 

 

 

 

 

ダンテ

 

 <GILGAMESH>

 

  ハイ・ショッキング

 

…ショッキングの別上位版。今回のような特殊な条件下においてのみ可能な技。

 海水内の魔素に強い衝撃を与えると同時に、魔法的励起を促し、

 シンプルな炸裂的水蒸気爆発を引き起こす。

 その破壊力はまさに「超・衝撃」的である。

 このエネルギーの発生は海水内の魔素を励起爆発させて起こる物のため、

 ダンテ自身の魔力はあまり消費しない。

 その代わり、炸裂範囲内の魔素はほぼ失われる。

 

 

 

 

 

 

 




たしか、英語圏の擬音語で"ph-"なんて擬音はなかったように思いますが、
音をイメージしやすいかと思ったので、これでよろしくお願いします。


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MISSION 1-4

伝令を果たす使者、Angelos。
中傷誹謗する者、Diabolos。

両者とも言葉を司る意味では共通する。
両者は元は同じモノだったのだ。

違いは言葉の源はどこにあるものか、ただそれだけである。

天使は御言葉を代弁し、悪魔は己の口で誑かす。


作戦室

 

 

大淀

「全艦、帰投完了しました」

 

長門

「入渠が必要な者の手配を進めてくれ」

 

大淀

「了解です」

 

陸奥

「三水戦の子たちだけ?」

 

大淀

「そう…ですね」

 

長門

「私は先に、提督室で帰還した者から報告を受ける」

 

陸奥

「あ、私達も後ですぐ行くからー」

 

大淀

「よろしくお願いします」

 

長門

「ああ」

 

ガチャン、バタン

 

長門

(……さて、どうしたものかな……)コツコツコツ……

 

 

――――――

提督室

 

 

ガヤガヤ…

 

―ガチャ

長門

「……ん」

(……もう集まっていたのか)

 

 

神通

「長門代理……」

 

赤城

「……」

 

加賀

「……すみません、長門代理よろしいですか」

 

吹雪

「あ、のっ……」

 

睦月

「……」

 

夕立

「ぽい……」

 

 

長門

(なるほどな……旗艦の者以外もちらほらいるのはそういうことか)

「……ああ」

 

・・・・・・

 

加賀

「……ブリーフィングでも聞いていなかったことが多かったように思われますが」

 

長門

「……言い訳になってしまうが、私も全てを把握しているわけではなかった。

 すまない、本当に……」

 

加賀

「……はぁ。 ……彼は信用できるのですか……?」

 

長門

「……質問に質問で返して申し訳ないが、逆に聞いておきたい。

 信用できないか? 彼のことは」

 

加賀

「……」

 

吹雪

「…わ、私はっ!」

 

睦月

(吹雪ちゃん……)

 

吹雪

「助けてもらいましたっ……あの人に……」

 

赤城

「……一見、その……す、少し軽薄そうにも見える方ですが、

 その心根には確かなものを持っている人だと、私は感じています」

 

吹雪

「赤城さんっ……」

 

加賀

「……」フゥ…

 

長門

(……)

 

 

―ガチャ

陸奥

「ごめーん、遅れちゃった」

 

大淀

「遅れてすみません。失礼します」

 

 

シーン…

 

 

陸奥

「……あら?」

 

大淀

「なんでしょうねこの空気……」

 

長門

「……大淀、金剛達がまだのようなんだが」

 

陸奥

「え、うそ?」

 

大淀

「……おかしいですね。金剛さん達なら入渠もなかったのですぐにでも――」

 

ー!

 

比叡

「ほらお姉さま急いでください!ダンテさんも! ただでさえ遅刻してるんですから!」

 

金剛

「モーそんなにあせらないでくだサーイ」ダキー

 

ダンテ

「ヘイ、コンゴウ。せめてもう少し力を抑えてくれ。さっきから腕がミシミシいってる」

 

・・・・・・

 

比叡

「遅れてすみません! 金剛、比叡、えっと…ダンテ! 報告に参りました!」

 

金剛

「サクッと終わらせて、約束のデートに急ぐデース……///」ボソッ…

 

比叡

「!?」

 

ダンテ

「ずいぶん集まってんじゃねぇか。

 いいねぇ。祝勝パーティってのは派手じゃないといけねぇからな。

 人が多くて困るってことはねぇぜ」hahaha

 

金剛

「!?」

 

 

加賀

「……」

 

吹雪

「ダ、ダンテさんっ……」

 

赤城

「……」

 

金剛

「? 皆さん、どうしたネ?」

 

比叡

「……」

 

長門

「……」フゥ…

 

陸奥

「あはは……」

 

大淀

(この人がその……)

 

ダンテ

「……huh. いいぜ、エンジェルズ。 何から聞きてぇんだ?」

 

 

 

 

 

~説明中~

 

 

加賀

「……にわかには信じがたいのですが……」

 

長門

(常人離れしているとは思っていたが、まさか……)

 

陸奥

「えーっと……お馴染みの冗談とかじゃないのよね……?」

 

ダンテ

「ああ」

 

赤城

(これは……さすがに予想外ですね……)

 

神通

(あ、悪魔なんてそんな……)

 

睦月

(えっ えっ)

 

夕立

「ぽい?」

 

金剛

「……」

 

比叡

(お姉さま……)

 

吹雪

(普通の人じゃない……? …で、でも……そんなのっ……!)

「あのっ――」

 

金剛

「関係ありマセン。普通の人でないからといってなんデスカ?

 それを言ったら私達だって人ではありマセン。

 でも、人ではない私達は使命ということもありマスガ、

 世界の人々のために戦ってイマス。

 そして今日、ダンテもまた、同じく一緒に戦ってくれマシタ。

 要はそれだけのことで、結局はそういうことデスヨ」

 

 

「「……」」

 

 

ダンテ

(……)

 

 

金剛

「それに今日、ダンテは私達のことたくさん助けてくれましたヨ?」

 

吹雪

「そ、そうです!」

 

金剛

「……」…チラリ

 

 

加賀

「……そう、ですね」

 

吹雪

「……!」

 

加賀

「ですが、ひとつだけ。

 どうしても確認しておきたい事があります」

 

金剛

「……」

 

加賀

「単刀直入に聞かせていただきます。

 あなたのことは本当に信用してもいいのですか?」

 

 

ダンテ

「……表向きは便利屋をやってるが、

 合言葉を知ってる客相手にはその"特別な仕事"を請け負ってる。

 気が乗らねぇのは別だが、どっちも受けたからには手は抜かねぇさ。

 これでもプロだからな。

 今回の仕事はおたくらのお偉いさんから金をもらってる。

 その分はきっちりやらせてもらうさ」

 

加賀

「……」

 

赤城

「加賀さん……」

 

ダンテ

「それに深海の奴らの方が羽振りがいいとは思えねぇしな。

 仮に持ってたとして、そいつはグズグズのくさいドル札だろうからな」hahaha

 

加賀

「……いいでしょう。とりあえずはそういうことで納得しておきます」

 

赤城

「ははは……」

 

 

陸奥

「……とりあえずはよかったわね」コソ…

 

長門

「ああ」コソ…

 

 

吹雪

「……」ホッ…

 

金剛

「……」ジー

 

・・・・・・

 

大淀

「あの……それで気になったんですけど……。

 今回、あなたがここに呼ばれたということは先日の敵も、今回の敵も

 その……あ、悪魔の力の影響で、とかそういうことなのでしょうか……?」

 

ダンテ

「お前さんがオオヨドだな? 会うのは初めてだったな」つ

 

大淀

「あ、すみません、挨拶もしないまま。 よろしくお願いします」つ

 

ダンテ

「ああ。

 ……その先日のってのは俺は知らないが、今回の奴らに関してはそうだ」

 

赤城

「それではあの不可解に強固な障壁も?」

 

ダンテ

「影響はあるだろうな」

 

長門

「やはり……」

 

神通

「ですが、いったいどういう経緯で……」

 

ダンテ

「それなんだがな……。 たとえばコイツだ」つ○

 

夕立

(……ぽい?)

 

睦月

(……あれ?)

 

吹雪

(緑っぽく光ってる……なんかきれいかも……)

 

陸奥

「それは?」

 

ダンテ

「……」

 

―パァ…

 

ダンテ

「……たとえばこうなる」ガシュッ

 

加賀

「っ!」

 

金剛

「オゥー、最後の大爆発のあと、装備していたヤツですね。相変わらずカッコイイネ!」

 

比叡

「……よく見るとそれ、敵の旗艦が装備していた物にも似ていますね……」

 

長門

「まさか……」

 

ダンテ

「どうやって手に入れたのかまではわからねぇけどな。

 いくつか持ってるってことだろうな、ヤッコさんも」

 

赤城

「まさかそんな……」

 

加賀

「……そういえば、敵の駆逐艦の中にも何体かしぶといのがいましたね……」

 

陸奥

「今回の敵は、全員がそういうの持っていたってこと……?」

 

ダンテ

「どうかね。 全員かはわかんねぇが、今回の状況から考えて、

 急にヤッカイになったってんなら、まぁその何体かはそういうことなんだろうぜ」

 

 

睦月

「ねぇ夕立ちゃん……」コソッ

 

夕立

「……うん」コソッ

 

吹雪

(?)

 

 

長門

「……」

 

夕立

「ねぇ、代理さん」クイクイッ

 

長門

「っ……ど、どうした?夕立」

 

夕立

「これ」つ。

 

長門

「っ! ……どこでこれを?」つ。

 

夕立

「作戦海域に浮かんでたっぽい」

 

長門

「……そうか」

(サイズは小さいがまさかこれは……)

 

 

長門

「すまない。少し借りるぞ、夕立」

 

夕立

「どうぞ。というかあげるっぽい。みんなの作戦戦利品よ」

 

長門

「……ふふ、そうだな」

 

・・・・・・

 

長門

「ダンテ。これなんだが――」つ。

 

ダンテ

「……ほぉ…」

 

・・・・・・

 

陸奥

「……なんかさっきのと全然大きさ違うわね」

 

加賀

「では、敵の駆逐艦は少なくともこれを持っていた、ということですか?」

 

ダンテ

「だろうな。

 ……おそらくだが、これより小さい物だともう完全に溶け込んじまってるだろうな。

 バラしても欠片も出てこないと思うぜ」

(まぁその場合は、それはそれでカスみたいな奴ばっかりで取るに足らねぇだろうが)

 

 

赤城

「……」

 

加賀

「……赤城さん、それ飴玉ではありませんからね」

 

赤城

「っ…わ、わかってますってば! なんですかもうっ!」

 

ダンテ

「HAHAHA」

 

 

 

 

 

 <ITEM>

 

  デビルコア S・M・L

 

…なぜか深海棲艦が持っていた光り輝く球体状の石。敵艦を倒すと手に入ることがある。

 比較的、大きさのある物だと、よく形が残っているようである。

 普通、雑魚艦はS、中級艦はM、ボス級艦はLを所持している。

 Sは単純にエネルギーとしての流用に限られるが、

 M以降はそれぞれ強い特性を持っている。

 Lはかなり特異で、例えばダンテなどの"心得"があるのもならば、

 そのコア(魔具・魔石)から真の姿(魔装)を現出させることができる。*オリジナル設定

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

ダンテ

「コイツはさっきの海域のとこのだよな?」

 

長門

「ああ。そこの夕立が拾ったらしい」

 

夕立

「ぽい」

 

 

ダンテ

「へぇ。

 フランス人形みたいな嬢ちゃんだな」スタスタ スッ ←腰落とし

 

夕立

「そう? あと名前は夕立っぽい!」

 

ダンテ

「allright. ユウダチ。

 コイツは敵さんを倒した後に浮かんできたんだよな?」つ。

 

夕立

「そうっぽい。 ……そういえば、他にもけっこう浮かんでたっぽい……?」

 

ダンテ

「……なるほどな。 ヘイ、ナガト」

 

長門

「ああ、すぐに確認してみよう。

 陸奥、大淀。手の空いている待機組で調査隊を編成してくれ」

 

陸奥

「はーい」ガチャ

 

大淀

「了解しました。では私達はこれで、お先失礼しますね」スタスタ

 

 

~ちょっとした細かいこと話した後~

 

 

金剛

「……」ソワソワ…

 

比叡

「……」

 

ダンテ

「……悪い。ちょいと用ありでな。俺もそろそろいいか」

 

長門

「ん、ああ……そうだな。 すまない、長時間も……ご苦労だった」

 

ダンテ

「いやいいさ。仕事だからな。

 頼んでたヤツは今持ってるか?」

 

長門

「……あぁ、ちょっと待ってくれ」ゴソゴソ……

 

つ【券5枚】

 

ダンテ

「どうも」

 

長門

「……5枚……誰かと行くのか?」

 

ダンテ

「5枚も使えば、タダになったりするか?」

 

長門

「いや、そうはならないな……」

 

ダンテ

「ha. ただの野暮用さ。約束だったからな」

 

長門

「そうか」フッ…

 

 

―ヘイ、コンゴウ

ッ! ヒャイッ!

…ハァ

 

 

・・・・・・

 

長門

(とりあえず……話を進めるにしても調査の後、だな……。

 皆、疲れているだろうし、彼もさすがにそろそろ休息が必要だろう……。

 それの手配もあるな。ここはもう、一度解散しておくか…)

 

 

長門

「皆、ご苦労だった。先の作戦ことは、だいたいはもう把握している。

 これからを話し合うのは、調査の後にしようと思う。皆、疲れているだろうからな。

 今回はもう報告はいい。各自、休んでくれ」

 

 

「「了解しました っぽい」」

 

・・・・・・

 

ガヤガヤ…

 

加賀

(……結局、あの石を所持した深海棲艦を相手にするためには、

 彼の力が必要不可欠、ということ……?)

 

赤城

「お腹空きましたねー」

 

加賀

「……そうですね……」

 

 

睦月

「吹雪ちゃん、いこ?」

 

吹雪

「うん」

(……ダンテさん達、どこに行ったんだろ……?)

 

夕立

「ごっはん~ごっはん~♪」

 

 

神通

「姉さんと那珂ちゃん、まだかかるのかしら……」

 

 

――――――

 

 

金剛

「ダ、ダンテ!先に鎮守府の入り口の所に行って、そこで待っててくだサイ!」

 

ダンテ

「あ? すぐに一緒に行くんじゃねぇのか」

 

金剛

「す、すぐに済みますカラっ!」

 

ダンテ

「……オーライ」

 

・・・・・・

 

金剛

「……ヨシ、ばっちりデース!」キラリン

 

―ガチャ、パタン

 

金剛

(気を利かせてくれたのか、比叡もいつの間にかいなくなってまシタシ)

「ムフフ……楽しみデース♪」

 

 

吹雪

「……あれ?」

 

 

金剛

「Oh! 今日来た Newface ネ!」テテッ

 

吹雪

「あ、はいっ。えっとっ」

(この人があの金剛さんっ……)

 

金剛

「金剛デース!」

 

吹雪

「……あ、ふ、吹雪ですっ」

 

金剛

「イエス! ブッキーネ!」

 

吹雪

(ブ、ブッキー……?)

 

金剛

「挨拶が遅れてたネ。ソーリーネ」

 

吹雪

「いえ……まぁドタバタもしてましたし……」

 

金剛

「まったくネ!」HAHAHA!

 

吹雪

「あはは……」

(なんだかテンションが高い……)

 

・・・・・・

 

吹雪

「……どこか、お出かけですか? すごく素敵なドレスですねっ」

(真紅のドレス……?)

 

金剛

「サンクス! ……実はこれからデートなんデース……///」

 

吹雪

「デ、デート!? そ、そうだったんですか……。

 ……もしかして、ダンテさんとですか?」

 

金剛

「イエース!///」

 

吹雪

「へぇ……」

(……)

 

金剛

「……ヘイ、ブッキー」

 

吹雪

「……っ! は、いっ……なんですか?」

 

金剛

「さっきの報告会のとき、ありがとネ」

 

吹雪

「……え?」

 

金剛

「口添えしてくれましたヨネ。ダンテのこと、擁護してくれマシタ」

 

吹雪

「……あぁ、いえ、そんな……。

 私は別に……そんな大したことも言えなかったというか……。

 それに、その……助けてもらったのは事実っていうか……」アハハ…

 

金剛

「オゥ、ブッキーも助けてもらってたんデスカ?」

 

吹雪

「あ、はい。

 ……"危ないときはちゃんと助けてやる"って。 そう言ってくれて、それで……」

 

金剛

「へぇ……」

 

吹雪

「はじめは、いつまでも怖がってる私を励まそうとして言ってくれてるって

 思ってたんですけど、でもまさか本当に助けてくれるなんて……」ハハ…

 

金剛

「……そうだったんデスカ」

 

・・・・・・

 

金剛

「あ、すみマセン、ブッキー。そろそろ行かナイト」

 

吹雪

「あ、そうでしたね。ごめんなさい、長々話しちゃって……」

 

金剛

「ノン!気にしないでくだサイ。

 聞いたのは私でしたし、いろいろ話せてよかったデース!」

 

吹雪

「ふふ、私もです」

(よかった、金剛さんいい人だ。仲良くなれそう)

 

金剛

「それじゃ、ブッキー」クルッ

 

吹雪

「……?」

 

金剛

「"お先"デスヨ?」キラッ☆

 

吹雪

「え、ええ…… 行ってらっしゃい……?」ヒラヒラ……

 

金剛

「イエス!行ってきマース!」

 

タタタタッ

 

 

吹雪

「……? ……あっ!二人待たせてたんだった! お財布! 急がないとっ!」テテテテッ!

 

 

――――――

鎮守府 入り口

 

 

金剛

(……居マシタ! …オゥ、そういえば若干、赤と赤でかぶってしまってマスネェ///)

「ヘーイッ!お待たせデース! ダンテー!」ブンブン!

 

 

ダンテ

「おう、けっこうかかってたな。そろそろ限界だったぜ」haha

 

榛名

「お待ちしてました!金剛お姉さま! 素敵なドレスですね!」

 

霧島

「……さ、さすがです!金剛お姉さま!よくお似合いですよっ!」

(こ、これはまさかっ……!)

 

 

金剛

「」

 

比叡

「あはは……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「hahaha」

榛名

「クスクス」

霧島

「……」チラチラ

 

 

金剛

「……」スタスタ…

 

比叡

「……あの、お姉さま…」

 

金剛

「……なんデスカ?比叡」

 

比叡

(……うっ……)

「す、すみません……。

 はじめは断ろうと思ってたんですけど、

 なんでも、長門代理から間宮の割引券を5枚ほどもらったそうで……。

 それでどうせだから、姉妹含めて5人で行こうという流れに……」

 

金剛

「そうだったんデスカ……」

 

比叡

「……あの」

 

金剛

「……」ナデナデ

 

比叡

「っ!?」

 

金剛

「気を使わせてすみませんデシタ、比叡。ありがとうデス」

 

比叡

「いえっそんな……///」

 

金剛

「……そうデスネ……。 私だけ、なんていけませんデシタネ……」

 

比叡

「……」

 

金剛

「ヨーシ!

 せっかくのスイーツデス!楽しまないと損ネ! 比叡、行きマスヨッ!」グイ

 

比叡

「あ、お姉さまっ……」タタッ

 

金剛

「それに姉妹ぐるみの付き合いをしておくというのも大事なことデスシネっ!」

 

比叡

「……ふふ、そうですね! 急ぎましょうか!お姉さまっ!」

 

金剛

「イエス!」

 

 

サンニントモマッテクダサーイ!ダンテー!

ウォ

チョ!?オネエサマ!ダカラソレアブナイデスッテバッ!

オ、オチツイテクダサイ!コンゴウオネエサマッ!

ドレスナノニハシタナイデスヨ、コンゴウオネエサマ…

 

 

――――――

作戦室

 

 

不知火

『――だいたいは回収できたと思います』

 

大淀

「了解です。ご苦労様でした、皆さん。

 回収作業、完了しました。近海にはもう同様の物は確認できないとのことです」

 

長門

「ご苦労だった」

 

陸奥

「集めたのはいいけど、それでどうするの?」

 

長門

「集めた物もそうだが、……彼にいろいろ確認しておきたいこともある」

 

陸奥

「……ま、そうなるわよね」

 

長門

「明日、だな」

 

陸奥

「そうね。

 ……あっ、そういえばどこで休んでもらうの?」

 

長門

「……それもずっと考えていたんだが、やはりあそこかと思う……」

 

陸奥

「あぁ~……うーん、でもあそこって」

 

大淀

「ずっと使ってませんね……。 というか閉めっぱです」

 

陸奥

「必要なかったものねぇ。 ……鳳翔さん、呼ぶ?」

 

長門

「いや、鳳翔には別のことを頼んでいる。 だから、陸奥」

 

陸奥

「私?」

 

長門

「最近、よく出入りしていたじゃないか」

 

大淀

「え、そうだったんですか?」

 

陸奥

「うーん…………まぁね」

 

長門

「よほど楽しみにしていたんだろう」

 

陸奥

「……長門もでしょ」

 

大淀

「じゃあ、もう大方?」

 

陸奥

「そうね、だいたいはね。

 あとはもう軽く掃除しちゃって、お布団さえ入れちゃったら、って……」

 

長門

「どうした?」

 

陸奥

「……お布団…………ベッドじゃないわ……」

 

大淀

「あぁー……」

 

長門

「……」

 

 

――――――

深海基地

 

 

深海棲艦・尽

「……」ギリ…

 

深海棲艦・双

「ヒャッハッ!

 聞イタゼェ? 何モデキズニ瞬殺サレテタソウジャネェカ」ヒャハハハッ

 

深海棲艦・尽

「……」

 

深海棲艦・双

「……ハン、ダンマリカヨ。 マァイイサ。次ハ俺ダゼ」

 

深海棲艦・尽

「待テ、次コソハ私ノハズダ」

 

深海棲艦・双

「今ノオ前ジャ無理ダヨ。指咥エテ見テナ」スタスタスタ

 

深海棲艦・尽

「……」…グッ…

 

・・・・・・

 

深海棲艦・双

(アイツガ瞬殺トハネ……)

「……ヒャハッ! イッタイドンナ奴ナノカネェ……! 楽シミニナッテキタゼッ!!」

 

 

――――――

提督室・寝室

 

 

陸奥

「それじゃ、ここ使ってね」ガチャ

 

ダンテ

「ほぉ、和室ってやつだな。 ……コイツがタタミか」トントン

 

陸奥

「見るのはじめて?」

 

ダンテ

「ああ。 それで、この上に寝るのか?」

 

陸奥

「……それなんだけど、ベッドとかなくて……。 アレなんだけど……」

 

ア   【お布団】

 

ダンテ

「…あぁ」

 

陸奥

「大丈夫? お布団でも」

 

ダンテ

「別に問題ねぇよ」

 

陸奥

「そ? よかったぁ」スッ… サッサ

 

ダンテ

「なんだったら向こうのソファでも十分だったしな」haha

 

陸奥

「ふふ、まぁでもせっかく用意したんだし、こっちを使ってほしいわ。

 ……さ、どうぞ?」ポンポン

 

ダンテ

「Thanks」

 

・・・・・・

 

陸奥

「バスルームとかトイレとかもちゃんとあるから、好きに使ってね」

 

ダンテ

「オーライ」

 

陸奥

「……もう休む?」

 

ダンテ

「ああ、そうだな。 さすがに疲れてきたしな。

 一風呂浴びたらもう休ませもらおうか」

 

陸奥

「了解。 ……今日はお疲れ様。 ……ありがとね」

 

ダンテ

「おう。お前さんらもな」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……なんだ?」

 

陸奥

「い、いえっ…………なんでもないわ」

 

ダンテ

「そうかい」

 

陸奥

「…………。

 あ、そうそうっ、長門から伝言よ。明日の8時に向かいの部屋にくるからって」

 

ダンテ

「ok」

 

陸奥

「そのときにいろいろ話すことあるそうよ。

 ……大丈夫? ちゃんと起きれそう?」フフッ

 

ダンテ

「ha. どうかな。もし寝坊してたらお前さんが起こしに来てくれ」haha

 

陸奥

「ふふ、わかったわ。それじゃまた明日ね?」ガチャ

 

ダンテ

「おう、お疲れさん」

 

陸奥

「ええ、おやすみ」フリフリ パタン

 

・・・・・・

 

陸奥

「……」コツコツコツ…

 

 

陸奥

「……もし秘書艦だったら、こんな感じだったのかしら……?」

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 1-5

生と死の価値について、思い違いをしている生者のなんと多きことか。

生きること、また生きようとすること。
死ぬこと、また死のうとすること。

実際には、両者においてそれほど意味はない。


0730時

提督室前

 

 

陸奥

「……」コンコン

 

シーン…

 

陸奥

「……ま、予想はしてたけど」ガチャ

 

―パタン …コツコツコツ  ピタ…

 

陸奥

「……」

 

 

――――――

寝室前

 

 

陸奥

「起きてるー? そろそろ起きてないとまずいと思うわよー?」コンコン

 

シーン…

 

陸奥

「…………入るわよ?」ガチャ

 

 

 

ダンテ

「Zzz」

 

 

陸奥

「……」…スッ パタン…

 

・・・・・・

 

陸奥

(……仕方ないか。ずっと動いてたみたいだったし……。

 ……んー、時間、少し遅らせるように言った方がいいかしら……?)

 

 

陸奥

「……」ソロソロ…

 

 

ダンテ

「Zz……」

 

陸奥

「……」ジー…

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

(……半分は悪魔、ねぇ……。

 見たところ特には……あ、でも体はけっこうすごいわね……。 バスローブはだけてる……)

 

 

陸奥

「……」ア ソー…

 

ツンツン… サワサワ…

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「っ……」

(長門姉もすごい方だと思ってたけどこれは……!

 やっぱり男の人が鍛えると違うのねっ……)ペタペタペタ

 

ダンテ

「……今、何時だ」

 

陸奥

「」ビクーン ササッ

 

 

…ガバ

ダンテ

「……ン」ボリボリ…

 

 

陸奥

「お、おはよっ」

 

 

ダンテ

「おう。 で、何時だ」ファ…

 

陸奥

「え、えっと……今は……7時34分ねっ…」

 

 

ダンテ

「……そうか。 ……悪い、ムツ。水をくれ」

 

 

陸奥

「あ、うんっ。待ってて」

 

・・・・・・

 

陸奥

「はい」つ日

 

ダンテ

「thanks」ゴクッ

 

陸奥

「……けっこう熟睡だったみたいね。 …やっぱりかなり疲れてた?」

 

ダンテ

「ああ、みたいだな」グッグッ… ←背伸び

 

陸奥

(……ばれてない……?)

 

ダンテ

「わざわざ悪かったな。 案の定、寝すぎちまった」

 

陸奥

「いいのよ別に。それに仕方ないと思うわ」

 

ダンテ

「案外よかったな、このフトンてのも。 ありがとよ、ムツ」

 

陸奥

「……気にしないで。これも仕事だから」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……あと20分ほどか」

 

陸奥

「どうする?時間少しずらす?」

 

ダンテ

「いや大丈夫だ。先に向こうで待っててくれ。10分で行く」

 

陸奥

「早いわね……」

 

ダンテ

「男の準備なんてそんなもんだ」

 

陸奥

「ふーん……」

 

 

――――――

提督室

 

―ガチャ、パタン

 

陸奥

(……はしゃぎすぎね)

「ふぅ……」

 

 

陸奥

(考えてみたら、朝の準備とか、そんな何から何まで手伝うのって

 秘書艦の仕事でもないような気がするし……うーん……) コツコツ…ポスン ←ソファに座る

 

 

陸奥

「あ……そういえばあの一件、本当にどうなっちゃうのかしら……?」

 

 

―ガチャ

ダンテ

「……」←白のタンクトップ

 

陸奥

「もういいの? って、あら……」

 

ダンテ

「問題発生だ、ムツ」パタン

 

陸奥

「服ね……」

 

ダンテ

「ああ」ドサッ ←ソファ

 

 

ダンテ

「こっちに来るとき、できるだけ軽くしてきたからな。

 さすがに日帰りできるとは思っちゃいなかったが、

 ……今回の仕事は長くなりそうだからな……」

 

陸奥

(…あたしとしてもちょっと目のやり場に困るわね……)

「……今日、一緒に買いに行く?」

 

ダンテ

「um... ああ、頼めるか? 実際かなり助かるんだが」

 

陸奥

「ふふっ。 ええ、もちろんいいわよ」

 

ダンテ

「悪いな」

 

・・・・・・

 

陸奥

(普通の秘書艦の人がどんなことしてるかなんて、そもそもよくわからないんだし、

 変に拘ったり、考えたりするだけ無意味よね)

「お茶入れるわね?」

 

ダンテ

「おぉ、頼む」

 

 

――――――

提督室前

 

 

―コンコン

長門

「長門だ」

 

 

ハーイ、ドウゾー

 

 

長門

「む」

 

大淀

「あれ?」

 

 

―ガチャ

長門

「……早いな、陸奥」スッ

 

大淀

「いないと思ったら、先に来てたんですね」パタン

 

 

陸奥

「まぁね」つ旦~⊂

 

ダンテ

「……」ズ…

 

 

長門・大淀

「……」

 

 

陸奥

「……何よ?」

 

 

長門

「……いや」

 

大淀

「別に……」

 

 

ダンテ

(あっついなこれ……つーか、にげぇ……)

 

 

陸奥

「……お茶、入れるわ」

 

長門

「あぁ、すまん」

 

大淀

「ありがとうございます」

 

 

陸奥

「あなたは? おかわりいる?」

 

ダンテ

「いや大丈夫だ」

 

陸奥

「そう」

 

 

長門・大淀

「……」

 

・・・・・・

 

長門

「体の疲れは大丈夫か? 丸二日近く動いていたことになるそうだが」

 

ダンテ

「ああ、おかげさんでこの通りだ。

 喫茶マミヤで久々にうまいモン食わせてもらって、寝床も上等だったからな。

 普段の仕事じゃ、こんなことはそうそうないもんでな。

 だいぶ回復したぜ」hahaha

 

長門

「そうか、それはなによりだ」

 

大淀

「……」チラッ

 

陸奥

「……」o旦 スー…コクッ

 

・・・・・・

 

長門

「それで本題なんだが、昨日の――」

 

ダンテ

「あぁ、海のお宝探しはどうなった?」

 

大淀

「相当数の同様の物を回収しました。ダンテさんの仰っていた通りですね……。

 敵は間違いなく多数所持していたようです」

 

ダンテ

「huh...」

 

長門

「ただ、大きさがどれも小さいものばかりだった」

 

大淀

「いくつかほんの少し大きいものもありましたが、

 昨日、ここで見せていただいたサイズほどの物はありませんでした」

 

ダンテ

「だろうな。 で、その他のは今どこにあるんだ?」

 

長門

「工廠で保管している」

 

ダンテ

「コウショウ?」

 

陸奥

「一般的には、陸海軍に直接所属している、軍需品を製造する工場のことよ」

 

ダンテ

「へぇ」

 

長門

「現在はそこでできる限り、調べさせてはいるが……。

 ダンテ、結局あれはなんなんだ?」

 

ダンテ

「……それと合わせて、言っとかねぇといけないこともあるな。

 あれは悪魔の魂やら能力やらが結晶化したもんだ。

 "本業"やってるとよく見かける。普通は悪魔が死んだときに落ちてるんだがな。

 昨日も言ったが、ヤッコさんがあれをどこでどうやって手に入れたのかは

 まだわからねぇ。

 ……だが、もう気付いてるかもしれないが、

 ヤッコさんはあれを直接、体内に入れてるおかげで悪魔の力を使えてるみたいだな」

 

長門

「……」

 

大淀

「……体内に"あれ"を……。

 それで悪魔の力の影響を受けて、あれほどまでに強力な障壁を…?」

 

ダンテ

「その通り」

 

陸奥

「じゃあ、その石を取り込んでる深海棲艦を倒すには

 あなたの、対悪魔の力が必要ということよね?」

 

ダンテ

「言っとかないといけねぇってのが、そこんところの話だ。

 悪魔の力やら壁やらの部分はそうなんだが、

 それを壊した後の、ヤッコさん自身は俺じゃ倒せねぇ」

 

長門・陸奥・大淀

「!?」

 

 

陸奥

「……どういうこと?」

 

ダンテ

「倒せないってのも、少し違うけどな…。

 …そうだな、一言で言うと相性だ」

 

大淀

「……相性、が悪いと?」

 

ダンテ

「そうだ。単純に言っちまえば、硬すぎるってことだけなんだがな。

 俺の銃には銀弾が詰めてあるが、そいつは弾かれるし、俺の剣じゃ刃が通りにくい。

 だから仮に、もし俺一人でやるってんなら、戦い方はだいぶ限られてくるだろうな。

 ヤッコさんの砲弾やらミサイルやらをまんま跳ね返すとか、

 ひたすら斬り付けるとか、か。 まぁ面倒だ。

 昨日、最後のシメで一気にやっちまった雑魚くらいなら、そうでもないんだろうが」

(……まぁその中にも何体かは、"カス"みたいな石が溶け込んでる奴もいたようだが)

 

大淀

「……通常兵器では通用しない深海棲艦……」

 

ダンテ

「俺のエモノも普通ってのとは違うんだが、まぁだから、相性なんだろうな」

 

長門

「あの深海棲艦を倒すには、つまるところは我々艦娘の力が結局は必要になる、

 ということか……」

 

ダンテ

「……そういうことだな。そっちの難しい話は俺には専門外だ」

 

長門

「昨日、全艦隊の一斉射の指示を出したのはそういうことか」

 

ダンテ

「ああ」

 

陸奥

(……ん?)

「……あれ? でも待って。

 さっき、石を体内に入れて悪魔の力が使えるようになってるって言ってなかった?

 それってつまり、その深海棲艦も悪魔みたいなものになったってことじゃないの?

 それだったら結局、あなたの本業と変わらなくなってくるんじゃない?

 ほら、昨日も小さすぎる石なんかは溶け込んじゃうから

 欠片も残らないとか言ってたじゃない」

 

長門・大淀

「!」

 

ダンテ

「…ha. 鋭いなムツ。 そこ気付いたのか」

 

陸奥

「……それでどうなの?」

 

ダンテ

「結論から言うと、ヤッコさんが悪魔になるなんてことはありえねぇみたいだな。

 昨日見た小さい石があったろ。

 あれくらいのサイズでも、後でしっかりと形が残ってるってのはそういうことだ」

 

大淀

「ふむ……」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「で、次に溶け込んじまうほど小さい石についてだが、

 こいつはもう本当に悪魔の力の残りカスみたいなもんだ。

 これを取り込んだところで、悪魔になったりはしない。

 ……そうだな、多少しぶとくなる程度なんじゃねぇか。

 ヤッカイになったってことには変わりねぇかもしれないけどな。

 まぁ結局のところ、俺の場合は石には関係なく、相手が雑魚なら難なく楽にヤれる」

 

陸奥

「……なるほどね」

 

長門

(……)

 

大淀

(……形の残っている小さい石が多く発見されたのは、

 敵駆逐艦部隊が密集して展開されていたポイント……。

 赤城さんの攻撃で一掃できなかった敵はこれを所持していた、と……)

 

ダンテ

「だが、問題なのはそれより上の奴だな…。

 面倒なんでもう結論を言うが、これも俺の場合、石は関係なく、

 さっきも言ったように、俺がそいつにとどめを刺すのは面倒だ。

 例えば昨日、ボスクラスの奴がいたが、アイツが取り込んでたデカい石、

 あれくらいの石になると悪魔としての力の他に

 特殊能力やら魂やらが宿ってるモンなんだが、

 結局、深海の奴らがその石を取り込んだところで――」

 

陸奥

「たとえ大きくても小さくても、悪魔の石を取り込んだところで、

 やっぱり悪魔にはなれない……?」

 

ダンテ

「そういうことだ。土台無理だったってこったな。

 いくら深海のデビルちゃん達とはいえ、

 本物の悪魔の力を手に入れて完全に同化しようなんざな。

 できて、飲み込んだ石から力の一端だけを無理やり引き出せるって程度だろうぜ。

 悪魔自体になれるわけじゃねぇ。拒絶も当然ある。

 大きい石ほど残ってるってのはそういうことだ」

 

陸奥

「……なるほど…」

 

・・・・・・

 

長門

「……話はだいたいわかったが、

 それでも奴らがその力を手に入れて強力になったという事に変わりはない」

 

大淀

「昨日の作戦記録を見ても、この先、

 私たち艦娘の攻撃が通用しないということも大いに考えられます」

 

陸奥

「あなたの戦い方にも限りがあるみたいだし……。

 まさか昨日みたいな大道芸を毎回やるわけにもいかないでしょうし……」

 

ダンテ

「ha, 海上サーカスか、悪くはねぇな。

 だがそうだな、昨日みたいにいつもうまく出張ってやれるとは限らないしな」

 

大淀

(海上をあれだけぴょんぴょん飛び回れるなら案外問題なさそうな気もしますけどね……)

 

ダンテ

「お前さんらにしてみても、相手が倒せなけりゃ、それだけリスクも跳ね上がる。

 ……庇って出てやるのは構わねぇが、さすがに俺も体は一つだからな」

(厳密に言えば、絶対に一つってこともねぇんだが)

 

大淀

(……ふむ)

「どうすればいいのでしょうか……?」

 

ダンテ

「…そこでだ。試しにやってみようぜ。

 こっちも対マリンデビル用の力を手に入れるんだ」

 

長門

「……それはつまり、我々も悪魔の力を行使する、ということか?」

 

ダンテ

「その通り」

 

陸奥

「え あの石を飲み込むの……?」

 

ダンテ

「ha. まさか。そんな危ねぇことはさせねぇさ。

 そんなことしなくてもちょっとした力くらいは使えるようにするんだ。

 お前さんらの武装に埋め込んでな」

 

陸奥

「それって悪魔と艦娘の能力が合わさった兵器を作るってこと?」

 

ダンテ

「ああ。ただ、ヤッコさんの場合とは違って、

 強固な障壁が張れるようになるわけでもないし、埋め込み先のモノによっちゃ、

 石の能力が元の格より落ちたりするかもしれないけどな」

 

陸奥

「…へぇ」

 

大淀

「でもどうするんですか? そんなの……」

 

ダンテ

「……銃の改造くらいなら俺にもできるんだが、

 お前さんらの装備は俺がいじれるようなもんじゃねーよなぁ」

 

陸奥

「あ、それなら工廠に行ってみる?

 明石と夕張って子たちがいるはずだから、とりあえず話してみたら?」

 

長門

「石について、他に何かわかったかどうかも気になるな」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「okay. じゃあ、まずはそのコウショウって所に行ってみるか」

 

長門

「ん、待ってくれダンテ。

 その前に、先の話してくれた内容について、他の者とも共有したいと思う。

 構わないか?」

 

ダンテ

「あぁ、そうだな。

 構わねぇよ、そっちは頼んだぜ」

 

長門

「了解した」

 

大淀

「それでは私は会議用の資料作成と、さっきの内容まとめますね」

 

陸奥

「長門はどうするの?」

 

長門

「……私はこれから少し用があるので、大淀と共に失礼する」

 

陸奥

(…あぁ、あれね)

「わかったわ。それじゃ、私はこの人に付き添うから」

 

長門

(……)

「わかった。そっちはよろしく頼む」

 

大淀

(……)

「陸奥さん、石について何かわかっていたら報告してください。

 それもまとめますから」

 

陸奥

「了解よ」

 

・・・・・・

 

―ガチャ、パタン

 

 

陸奥

「さて、それじゃ私たちも行きましょうか」

 

ダンテ

「あー、ちょっと待ってくれ」ガチャ ←寝室の方

 

―バサッ

 

 

陸奥

「あら? 服……」

 

ダンテ

「昨晩に軽く洗って干しといた。やっと乾いたみたいだ」パタン ←ドア閉め

 

陸奥

「……ごめんなさい。気が利かなかったわ……」

 

ダンテ

「いや。お前さんが謝ることじゃねぇだろ」

 

陸奥

「……これからは私が洗うから出しておいて」

 

ダンテ

「あ? ……huh.

 マジかよ、至れり尽くせりだな」

 

陸奥

「工廠での用事が済んだら、服買いに行きましょ。

 お腹は空いてない?」

 

ダンテ

「朝はすぐには入らねぇな」

 

陸奥

「そ。それじゃそれも後ね。外で食べましょうか」

 

ダンテ

「おー、いいねぇ。うまい店でも紹介してくれんのかい」

 

陸奥

「ふふ。 ええ、期待してて」

 

ダンテ

「オーライ」グィ ←お茶一気飲み

 

陸奥

(……)

 

 

――――――

工廠

 

 

明石

「……ど、どう……?」

 

夕張

「…………いや、どうっていうか……これやっぱりただのガラス玉にしか……」

 

明石

「ですよねー」タハー ペシ

 

夕張

「…んー、ていうか長門代理もけっこういい加減だったしなぁ」

 

明石

「とにかく何でもいいから調べてくれって言われてもねぇ」

 

夕張

「……」つ。ジー…

 

明石

「……何か思いついた?」

 

夕張

「…これ、試しに艤装で打ち出してみない?」

 

明石

「……あー、数はけっこうあったんでしたっけ?」

 

夕張

「ええ。渡された分は一応あそこにまとめて置いてあるわ」

 

明石

「……まぁ、一つくらいなら……」

 

夕張

「どうせこのままじゃ何もわからないしね。 …あ……」

 

明石

「どうしたの?」

 

夕張

「サイズが小さすぎる……」

 

明石

「……」

 

・・・・・・

 

明石

「専用にカートリッジを作ってみるとか?」

 

夕張

「…なんか本当に小さすぎて、カートリッジの厚みがすごいことになりそう……。

 それこそ拳銃でも持ってきて、それで撃ち出した方が早いかも?」

 

明石

「拳銃……あったっけ?」

 

夕張

「…ないわよね…。

 ……提督室……長門代理に聞けばわかるのかもしれないけど……」

 

明石

「……まぁ試しだし、とりあえずは艤装の砲弾用カートリッジで作ってみましょうか。

 もしかしたら、あとで必要になってくるのかもしれないし」

 

夕張

「そうね。それじゃ――」

 

 

陸奥

「明石ー夕張ー。 二人ともどこにいるのー?」

 

 

夕張

「あれ?」

 

明石

「陸奥さん?」

 

・・・・・・

 

陸奥

「この子たちがそうよ」

 

ダンテ

「おう。 ムツから聞いてるぜ。アカシとユウバリだな。よろしくな」つ

(……すげぇスカートだな。パネェな、ジャパニーズガールファッションってのは)

 

明石

「は、はいっ……」つ

 

夕張

「よろしくお願いします」つ

(この人があの……)

 

・・・・・・

 

陸奥

「二人とも、石については何かわかった?」

 

明石

「すみません、まだ何も……」

 

陸奥

(そりゃそうよね……)

「まぁ仕方ないわ。時間もなかったし。長門が無理言ってごめんね。

 ありがとう二人とも、ご苦労様」

 

夕張

「いえ……」

(……)チラッ

 

 

ダンテ

「……」…ニッ ←唐突なニヒルスマイル

 

 

夕張

「」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ムツ、そろそろいいか」

 

陸奥

「あ、うん。ごめんなさい」

 

ダンテ

「いや」

 

明石・夕張

「……」

 

ダンテ

「hm... あー、お前さんらが今、手に持ってる石のことも含めて、

 いろいろと気になることもあるだろうが、

 詳しいことは後で全部、ナガトとオオヨドの方から話があるはずだ。

 ここに来た用件については、悪いがもう端的に言わせてもらうぞ。

 お前さんら二人には新しい武器を作ってほしい。カンムス用のやつだ」

 

陸奥

「あら、新しく作るの? 埋め込むんじゃなかった?」

 

明石

(艦娘用の武器だから……つまりは艤装?)

 

夕張

(埋め込む……?)

 

ダンテ

「試してみたいことがあるのと、

 どこまでのモンを拵えられんのか気になるってこともあるな」

 

夕張

(む……)

「……どういったものを?」

 

ダンテ

「…ha」ニッ

 

・・・・・・

 

ダンテ

「こいつを作ってくれ」

 

―パァ

 

ダンテ

「……お前さんらなりにでいい。

 ただ、構造はできるだけ近づけてくれ」ガシュン ←"衝撃鋼ギルガメス"

 

明石

「なんか物々しい装備がっ!?」

 

夕張

「っ!!」

 

・・・・・・

 

 Sword Master!

 

  -ディバインドラゴン-

 

ズォオオオンッ

 

 

…スタッ

ダンテ

「hu... できることは大方これくらいか」

 

 

明石

「あわわわ」

 

陸奥

「昨日聞いてはいたけど、実際間近で見るとすごいわね……」

 

夕張

「ていうかさっきのライダーキックとかかっこよすぎない!?どうやってるのあれ!!」

(無駄にエフェクトが過剰なだけでしょ)

 

陸奥

「たぶんだけど逆になってると思うわよ。落ち着いてね夕張」

 

 

ダンテ

「ha ha. ほれ」つつ【衝撃鋼ギルガメス】

 

明石

「うぇっ!?」つ【ギル】⊂ カシャン

 

夕張

「っ……」つ【ガメス】⊂ カシャン

 

・・・・・・

 

ダンテ

「どうだ、できそうか?」

 

夕張

「…………フフフフフッ……! やってやるわっ!!」ニヒッ!

 

ダンテ

「ほぉ、いいねぇ。 それなら期待しちまうぜ?」ニッ

 

夕張

「半分は趣味みたいになっちゃってるけど、

 それでもこういうのにはかなり自信あるほうなんだから!

 甘く見ないでほしいわねっ」

 

ダンテ

「Great. そんじゃまかせるわ」

つ クシャクシャ

夕張

「ちょ、ちょっとっ!?」ワタワタ

 

 

陸奥

「……大丈夫? あんな兵装、初めてだと思うけど…」

 

明石

「正直なところ、まだなんとも……。

 構造とかもよく調べてみないとですし……お時間、

 けっこういただくことになるのかも……」

 

陸奥

「そう……」

 

明石

「でも、やってみます。私自身もけっこう興味はありますし。それに」チラッ

 

 

夕張

「―?」

 

ダンテ

「――」

 

夕張

「――!?」

 

ダンテ

「hahaha」

 

 

明石

「……あっちはもうとっくに乗り気みたいだし」アハハ…

 

陸奥

「…ふふふ、そうね」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「……ふぅ、こんなもんですかね」

 

長門

「ご苦労」

 

大淀

「あ、長門さん。そっちの方はどうですか?」

 

長門

「ああ、今は間宮にも応援を頼んで、鳳翔と共にだいぶ進めてくれている。

 誘導の方は陸奥にまかせよう」

 

大淀

「適任ですね」

 

長門

「…ふっ、そうだな」

 

大淀

「それと、陸奥さんから石の報告来てました。

 やっぱり特に何もわからなかったみたいですけど」

 

長門

「……そうか。まぁあの二人にもずいぶん無理を言ってしまったからな……。わかった。

 それでは、朝食の時間の後、皆を会議室に集めてくれ。

 二人はどこにいる?」

 

大淀

「あー……それなんですけど……。

 なんか街の方に行くって言ってましたね……。朝食もそっちで済ませてくるそうです」

 

長門

「なに……。

 ……ふむ、まぁいいだろう。

 二人の方に新しく知らせておくようなことはなかったしな。

 それにうまく遠ざけておいてくれるなら、それはそれで……」

 

大淀

「……アレって、本当にする必要ってあったんですか?」

 

長門

「外国だと基本はそうするものらしい」

 

大淀

「はぁ……」

(また変にこだわって……)

 

 

――――――

アメリカ・某所

 

 

トリッシュ

『それでどうだったの?』

 

レディ

「だめね、全滅。エンツォも災難ね」

 

トリッシュ

『……彼は?』

 

レディ

「くたばったと思う? 昔から悪運だけは強かったでしょ。

 今回も運良く逃げ出してたみたいよ」

 

トリッシュ

『そう……』

 

レディ

「というか貴女またやったわね……」

 

トリッシュ

『……そっちこそ、隠していたでしょう。あんなこと聞いてなかったわよ』

 

レディ

『私だって全部知らされてたわけじゃないもの。文句はあちらさんに言うべきね』

 

トリッシュ

『……不毛ね』

 

レディ

『そうね……。

 そっちでは見つかった?』

 

トリッシュ

『まだよ。 まぁでも予想通りなら、もうあの人がいくつか奪い返してるかもね』

 

レディ

「それもそうね」

 

・・・・・・

 

トリッシュ

『実際にはどれくらいの被害だったの?』

 

レディ

「それがよくわかってないのよねぇ。エンツォも慌てて確認してるわ。

 なんでも、ここのところはずっと、

 情報を売りつけるだけで、多額の手数料でも支払ってくれる上客がいたらしいわ。

 それで羽振りも良くなったから、転売目的で世界中の魔具を買い叩いては、

 まとめて保管してたみたいだから」

 

トリッシュ

『へぇ、エンツォからの情報をねぇ……。

 …だぁれ?それ』

 

レディ

「さぁ? 私もそこまでは興味なかったし、

 あいつも無闇やたらに顧客個人の情報を話したりはしないんじゃない?」

 

トリッシュ

『たしかにそうね』

 

レディ

「それよりも、問題はその魔具の方よ。本当に、相当の数を置いてたみたい。

 本人曰く、あまりにも物珍しいものばかり集まったものだから、

 骨董品ってことにして一度、博物館でも開こうかとも思ってたんですって」

 

トリッシュ

『……今だと笑えないわね』

 

レディ

「まったくよ……。

 過去にもそれで何度か危ない目に遭ってるくせにね」

 

 

 

 

 

*魔具

…魔石(デビルコア)あるいは魔装の状態をまとめて言う。*オリジナル(?)設定

 

 

 

 

 

トリッシュ

『一応、私の方でも進めておくけど』

 

レディ

「まぁ貴女の不始末もあるわけだし……」

 

トリッシュ

『言われなくてもわかってるわよ。"あれ"も並行してよね?』

 

レディ

「ええ、引き続きよろしく」

 

トリッシュ

『了解。それで貴女はどうするの?』

 

レディ

「私はもう少し、こっちで調査と調べ物をするわ。

 あちらさんに聞いても答えてくれそうにないことも多そうだし」

 

トリッシュ

『そうね。そっちはよろしく』

 

レディ

「了解よ。それじゃまたね」

 

トリッシュ

『ええ』

 

―p

 

レディ

「……はぁ、本当に面倒な仕事になってきたわね……」ザッ バルンッ ←バイク

 

 

BRRRRRR-!

 

 

――――――

提督室 

 

ガサガサガサ ガチャ

 

ダンテ

「だいぶ出歩いたな」ガサガサ

 

陸奥

「お疲れ様ー」ガサ

 

ダンテ

「おう、お疲れさん」

 

―パタン

 

 

――――――

提督室・私室

 

ガサガサ

 

陸奥

「もう全部袋から出して、服棚に入れちゃうわよ?」

 

ダンテ

「ん……あぁ、悪いな」

 

陸奥

「いいのよ。

 コートとかベストとかの上着はクローゼットの中で、インナーはその下ね。

 ズボンはさらにその下に入れとくから。あ、下着は一番下だからね」イソイソ パタパタパタ

 

ダンテ

(……)

 

陸奥

「…………あら、……なに?」ガサゴソ

 

ダンテ

「……いや?」

 

 

 

 

 

ダンテ

 

 <CUSTUME>

 

  ・DmCダンテ コスチューム

 

  ・伝説の魔剣士 コスチューム

 

  ・他、一般的なもの 多数

 

 

購入しました。

 

 

…あくまで見た目それっぽいものが偶然、購入できた。

 中世西洋の紳士服や片眼鏡などは仮装コーナーの方にあったのだが、

 暇つぶし程度に寄るつもりが、ダンテに重ねてみたときに陸奥がなぜか妙にツボって、

 面白半分で購入した。

 DmCダンテコスや他多数は比較的、夏に合わせたラフいものが多い。

 陸奥セレクション。

 

 

 

 

 

陸奥

「……あ……ねぇ」ガサガサ

 

ダンテ

「なんだ?」

 

陸奥

「これ」つ【中世西洋の紳士服+片眼鏡】

 

ダンテ

「……着ないぜ?悪いけどな。 あとその片眼鏡は本当にどういうつもりなんだ……」

 

陸奥

「えー、せっかく買ったのにー。

 いいじゃない、一回くらい着てみてよ。片眼鏡もつけてさ」

 

ダンテ

「お前が面白がって買っただけだろ……」

 

陸奥

「いいから、ほらほらっ」ススッ

 

ダンテ

「おいおい……」

 

・・・・・・

 

デーン

 

ダンテ

「……」←中世西洋紳士コス

 

 

陸奥

「あら、いいじゃない」

 

ダンテ

「……どうも」

 

陸奥

「……うーん、でもなんか物足りないわね……。

 あ、そうだ。ちょっとオールバックにしてみてよ!」

 

ダンテ

「それだけは絶対に断る!」

 

陸奥

「なんで急に頑なの!?」

 

・・・・・・

 

デデーン

 

ダンテ

「……」←伝説の魔剣士コス(オールバック)

 

 

陸奥

「……ブッホッ! なんか似合いすぎwwww」バンバンッ

 

ダンテ

「……そいつはよかったぜ、本当にな……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「出たゴミまとめたら、捨ててくるわね」ガサガサ

 

ダンテ

「おう」

 

 

――――――

提督室

 

―ガチャ、パタン

 

ダンテ

「huh... あれ暑すぎだろ……」クシャクシャ ←髪型戻し 後、着替えた(ラフスタイル)

 

 

提督室・ドア前

「コソコソコソ」

 

 

ダンテ

「……アン?」

 

・・・・・・

 

「いつまでドアの前でこそこそしてるつもりなのよっ!」

 

「暁が言い出したんでしょ! 暁が開ければいいわ!」

 

「ふぇっ!?」

 

「怖いのかい? 暁」

 

「そ、そんなことないわっ!」

 

「あ、あのみんな……」

 

 

―ガチャ

ダンテ

「ヘイ、リトルエンジェルズ。 かくれんぼでもやってるのか?」ha ha-

 

 

6駆

「!?」

 

・・・・・・

 

「こんにちは」

 

「こ、こんにちわなのですっ!」

 

「こんにちは、ダンテ!」

 

ダンテ

「おう、コンニチハ。 ha

 忙しねぇブリーフィング以来だったか」ha ha-

(ぶっちゃけ、名前なんて覚えてねぇぜ)

 

 

ダンテ

「何してたんd」

 

「出たわね、このペテン師っ!」

 

ダンテ

「……あん?ペテン師だ?」

 

「そうよっ! ていうか日本語もペラペラじゃない!どういうことなのよっ!

 ますますうさんくさいわ!

 それで、あ、悪魔だなんて暁は信じないんだからっ!」

 

「はわわわ……」

 

ダンテ

「あぁ、日本語か。それについてはキリシマにでも聞いてくれ。

 当の俺もさっぱりなんでな」

 

「……?」

 

ダンテ

「もうひとつの方は……huh. そうだなァ」ニヤニヤ

 

「あ、なんか今それっぽいわね」

 

「っ! な、なにっ!? 怖くなんてないのよ!?」

 

ダンテ

「ほぉ、そうかい」hahaha

 

 

―ガチャ

陸奥

「あら、第六駆逐隊の子たちじゃない」ガサッ

 

 

「あ、代理補佐艦。 こんにちは」

 

陸奥

「ええ、こんにちは」

(そっか、もう会議もとっくに終わってる頃よね。それで気になって来た、と)

 

 

ダンテ

「おー、なかなかイカしてる帽子じゃねぇか」

 

「ちょっと!略帽ずらさないでっ! あっ」

 

 

カエシナサイヨー!

hahaha

 

 

陸奥

(なにやってるんだか)

「……ねぇ、あなたたち」ス…

 

「なにかな?」

 

「あ、陸奥さん!」

 

「こんにちわなのですっ」

 

陸奥

「はい、こんにちは。

 ……あの人、食堂の方には行かせないようにしてくれない?

 それだったらどこに連れ回しちゃってもいいから、ね?」ボソッ

 

響・雷・電

「「了解 わかったわっ なのですっ」」ボソッ

 

陸奥

「ふふ、ありがと。 お願いね」

 

 

ダンテ

「そっちは何の内緒話だ?」ポスッ ←略帽返し

 

「わっぷ」ズルッ

 

陸奥

「さぁ、なにかしらね。

 それより……ねぇあなた、この子たちと遊んであげたら?

 私はまとめたゴミとか捨ててくるから。

 あとさっきまで来てた服ももう洗いに出してくるわ。 だから、またあとでね」

 

ダンテ

「huh... ok...」

(……ガキのお守りなんざ、いつぶりだろうな…)

 

「よくもやったわねっ、このこのー!」テシテシ

 

 

――――――

廊下

 

テクテクテク

 

「もうっ!さっきから馬鹿にして!

 暁はもう子供じゃないのよ!立派なレディーなんだからっ!」

 

ダンテ

「レディー?」

 

「――を目指してる、まだまだ途中ってところかな」

 

「ちょっと響!?」

 

ダンテ

「hm. なるほどな。 言ってみりゃ、リトルレディーってところか」

 

「リトルレディー?」

 

ダンテ

「俺の知ってるレディーってのにはロクなのがいないからな。

 別にならなくてもいいと思うぜ?」hahaha

 

「へ? レディーって素敵で大人な女って意味じゃないの?」

 

ダンテ

「どうだろうな……」

 

・・・・・・

 

「それよりも、ねぇねっ ダンテ!」

 

ダンテ

「なんだ?」

 

「長門さんから聞いたわ! 半分は悪魔って本当なの!?」

 

「わわ、雷ちゃんっ……」

 

「た、たしかに海上ではすごかったけど、

 でもだからってそれであなたがまさか悪魔だなんて、

 そんな子供だまし通用しないんだからっ!

 本当だって言うなら、証明してみせなさいよっ!」

 

ダンテ

「証明ねぇ」スッ

 

(む)

「どこに行くんだい?」

 

ダンテ

「外さ」

 

 

――――――

鎮守府軍港・裏

 

 

ダンテ

「いい景観だな」

 

「何をするんだい?」

 

ダンテ

「なに、手品の一つでも見せてやろうと思ってな」

 

「手品?」

 

「ふっふーん、いかにもペテン師っぽくなってきたわね!

 ちょっとやそっとのことじゃ驚かないんだからっ!」

 

ダンテ

「ha ha-」

 

 

―トントン

 

「……?」

(電?)

 

「…はにゃっ?! あ、暁ちゃんっ!後ろっ!」

 

「んー? さっきから何よ、電」クル

 

((†)) フヨフヨ ←リベリオン

 

「」

 

 

  -ラウンドトリップ-

 

 

「……が、がいこつがーっ!?」ガタガタガタッ…

 

「剣が浮いてるわっ!?」

 

「……ハラショー、こいつは力を感じる」

 

「はわわわっ……」

 

ダンテ

「噛み付いたりはしねぇさ。 安心しな」hahaha

 

・・・・・・

 

「こ、これくらいへっちゃらだしっ!」

 

ダンテ

「ほぉ」

 

「なんかもっとこう、悪魔なら魔法? みたいなものでぶわーって感じのないの!?」

 

ダンテ

「……あー、あるにはあるが、物騒な上に面白くもなんともないぜ?」

 

「だから子供じゃないって言ってるでしょ!馬鹿にしないでよーっ!」

 

 

 

 

天龍

「あいつら、会議が終わった途端、飛び出していきやがって……。

 いったいどこをほっつき歩いて…………ん?」

 

龍田

「あ~ん、待ってよー天龍ちゃーん」

 

・・・・・・

 

 

ダンテ

「――okay. そんじゃ、ちょっと下がってな」

 

 Sword Master!

 

ダンテ

「hmm...!」ビリリッ…

 

 

 

「……何をするつもりなのです?」

 

「ハラショー、こいつは実に力を感じる……」

 

「響、さっきも似たようなこと言ってたわよ」

 

「ドキドキ」

 

 

 

ビリビリッ………ビシュンッ!

 

  -ドライブ-

 

ダンテ

「Drive!」バシュンッ!!

 

 

ブゥォォォォ――!!

 

 

6駆

「」

 

・・・・・・

 

「何か赤い刃なのようなものが……」

 

「すっごく大きかったわ!」

 

「それもすごい速さで飛んでいったのですっ……」

 

「あわわわわ」

 

 

シューン…

 

ダンテ

(……やっぱこの海の上じゃ、早く消えるな……)ブンッ ←剣払い

 

 

天龍

(今のなんだおいっ!?)

「や、やいやいやいっ! そこの新参の外人!」

 

龍田

(私にわかるわけないわぁ……)

「ちょ、……ちょっと天龍ちゃん、失礼すぎるわよ……」

 

 

6駆

「あっ」

 

 

ダンテ

「……ン? お前さんらは――」

 

 

天龍

「天龍型1番艦、天龍だ!」

 

龍田

「2番艦の龍田よ~」

 

ダンテ

「ダンテだ。聞いてるかもしれないけどな。

 ……お前さんら、昨日のブリーフィングにはいなかったな」

 

天龍

「作戦自体、外されてたからな……」

 

ダンテ

「へぇ、そうかい」

 

天龍

「い、いいんだよ、そんなことは! それより!

 昨日、チビどもから聞いたぜ!

 そんな馬鹿でかいエモノで、かなりやるらしいじゃねぇか。

 ついさっきも妙な技使ってやがったよなぁっ!」

(ぶっちゃけ、チビどもの話も何言ってるのか全然わからなかったがな!)

 

ダンテ

「……huh. それで?」

 

天龍

「わ、わかんだろ! 勝負だ、勝負!

 右も左もわからねぇだろう新参者をこの天龍様が直々に、

 演習代わりにいっちょ揉んでやろうっていってるんだっ!」

 

ダンテ

「おぉそいつはありがたいねぇ」ha ha-

 

龍田

「ちょっと天龍ちゃん……。 本気~?

 なんかもうどう考えたって、それ絶対的フラグよ~……?」

 

天龍

「う、うるせー! フラグとか言うな! 黙ってろ龍田!」

 

ダンテ

「ha. そんじゃ一つ頼めるかい、先輩?」

 

天龍

「お、おうよっ!」

 

龍田

「……もう、どうなっても知らないわよ~」

(よくもまぁあんな得体も知れない人に臆面もなくふっかけられるわねぇ。

 さすが天龍ちゃんね……)

 

・・・・・・

 

「なんだか大変なことになってきたのです……」

 

「電はどっちに賭けるの?」

 

「えぇっ!? い、電は……」

 

「というか艤装もないこと忘れてないかな? 持ってるのいつものアレだけだよ」

 

「それよねぇ」

 

「と、とうぜん暁はてn」

 

「暁、賭けに勝ったら、今日の夕食に嫌いな具があったら代わりに食べてあげるよ」

 ←今日はバイキング形式だと気付いてる

 

「っ!? え、えっと、そ、それじゃ……ダ、ダンテ……?」

 

「えぇ?

 天龍には普段からお世話になっているというのに、信じてもあげられないなんて

 暁は薄情だなぁ」

 

「」

 

・・・・・・

 

龍田

「……」

 

天龍

「…そんじゃ、いくぜ」チャキッ

 

ダンテ

「ああ、いつでもいいぜ」

 

天龍

「……いや、剣抜けよ」

 

ダンテ

「ン? …あぁ心配してくれなくてもいいぜ?

 これが俺のスタンスだ。どっからでも来てくれ、先輩」

(……よく見りゃこいつ、右鞘だな…)

 

天龍

「……舐めやがってっ…!」ザッ!

 

―シュバッ ブンッ!

 

天龍

「ふっ!!」

(取った! その長剣じゃ、いくらなんでもとっさで受けは無理だろっ!?)

 

ダンテ

「…hm」

 

シュンッ

 

 

6駆

「!?」

 

 

天龍

「んなっ!? どこに!!」

 

 

龍田

「……余所見されてるわよ、天龍ちゃん……」

(…何?今のって……)

 

 

―スタスタ

ダンテ

「今日は天気も良くて、水平線まではっきり見えるよなァ。

 深海の奴らさえいなけりゃ、ここも最高にいいとこなんだろうがな」ン"、ン"ー… ←伸び

 

天龍

「っ……てめぇ……!」バッ! ←振り返り

 

ダンテ

「歓迎してくれんのはありがたいんだがな。 悪いが退屈なのはごめんだ。

 陽気のせいでアクビも出てきやがった。

 ……なぁ、先輩さんよ。せめて掠めるくらいができるのは、いつになりそうなんだ?」

 

天龍

「……ハっ! 上等だ……。

 軽く、のつもりだったが気が変わったぜ。本気でやってやる……!

 掠めるどころか、その剣抜かせてやるよっ!!」ダダッ!

 

ダンテ

「ha! いいね、そいつは楽しみだ」

(…つっても、買ったその日に服をダメにしちまったらムツから大目玉だろうからな……)

 

・・・・・・

 

ブンッ!

―ヒョイ

 

ブブンッ!

―ヒョヒョイ

 

 

 

「ふぁあ~……ムニャムニャ……どれくらいたったっけ?」

 

「むにゅ……」

 

「Zzz」

 

「5分くらいかな。 けっこう続いてるね」ナデナデ ←暁を膝枕してる

 

「よくやるわねぇ。私も眠くなってきちゃったわ」コスコス…

 

「……Zz」

 

龍田

「……」

 

 

 

天龍

「――くそっ! まるっきり当たんねぇ!!」ハァハァハァッ!

 

ダンテ

「huh... もうそろそろいいんじゃねぇか、観客も飽きちまってるぜ?」

 

天龍

「…ぐっ! お前もまず剣使えよなぁ!(泣)」ブンブン!

 

ダンテ

(納得しねぇってか。 まぁガッツはあるみたいだしな。

 ……仕方ねぇ、このままじゃ終わらねぇだろうしな)

「…ok. そんじゃ、使わせてもらうぞ」ヒュン

 

パシッ

 

天龍

「っ!? あれっ!? オレの剣っ……」スカッ…

 

 

 

龍田

「天龍ちゃん!」

 

 

 

ダンテ

「ちょいと借りるからな。 あと、……あんまり動くなよ?」

 

 

天龍

「あ、てめえっ!」

 

 

 

 Game set!

 

  -スラッシュI-

 

 

―シュシュン…

 

 

 

天龍

(なんか構えた!? 居合いかっ!?)グッ…

「なんだっ!?

 …………あれ? なんともない、のか……? お、驚かせやがって!!

 おい、返せよ!それは反則だろっ!」ツカツカツカ!

 

 

ダンテ

「ha! 反則か。 それもそうだな、悪かった」ブンッ ←刀投げ返す

 

天龍

「ったく。 自前の持ってんじゃねぇか、それ使えよなぁー」パシッ

 ←形はどうあれ、やっと抜剣させられてけっこう嬉しい

 

 

龍田

「て、天龍ちゃんっ……下……」タタタッ…

 

 

天龍

「あ?なんだよ龍田」

 

龍田

「だから下! 服っ!」

 

天龍

「へ? ……」チラリ

 

…ハラリ…

 

 

 

「……きゃぁぁああ――っ!!」

 

 

 

「ふにゅ!? な、何っ!?」ガバッ

 

「はうっ!!」ビクン!

 

「んっ……んぅー……にゅ……?」ピク…

 

「……ハラショー」

 

 

 

 

 

ダンテ

 

 <――――――> 

 

  スラッシュI

 

…刀身に魔力のエネルギーを帯びさせ、それを刃として撃ち出しただけの技。

 どちらかと言えば、ソードマスターのドライブの用法に近い。

 今回、エネルギーの媒体として用いたものは、天龍から奪った刀であり、

 当然、"現状のまま"のこの武器では魔力効率は良くないし、

 言うまでもなく、ここでの威力はダンテが意図的に大分抑えている。

 

 リベリオンを用いずに、ずいぶん応用的に繰り出された技だが、

 最早、デビルハンターとして生ける伝説となったダンテにかかれば造作もない。

 しかし、結局は某刀の亜流技であるため、その特質性と最大時威力は当然、

 それの物とは比べるまでもない。

 

 

*天龍の服が容易に裂けた件

艤装は愚か、自慢の得物まで奪われ、

艦娘としての能力が大幅にダウンしてしまっているので、

天龍はほとんど素の状態に近い。

よって着ていた服も本当にただの服となってしまっていたためだと思われる。

*最早適当

 

 

 

 

 

ダンテ

「ほぉ、意外にけっこうなモン持ってるじゃねーか」ph~♪

 

天龍

「お、お前ぇぇえーー!!///」ダキッ ストンッ

 

龍田

「やっぱりただのフラグだったわね~……」

 

・・・・・・

 

天龍

「……ふぐっ…」グスッ…

 

ダンテ

「! ……おいおい、マジかよ……」

 

龍田

「はぁ……」

(実力の差は歴然、ね。 まぁ、なんとなくわかってたけど。

 手加減して、上手く終わらせてくれた方だわ。

 ちょっとやそっとの怪我したくらいじゃ、

 逆にムキになって引き下がらなかったでしょうし、天龍ちゃんも……。

 これはもう完敗ね)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……悪かったな。さすがに考えなしにやりすぎた」

 

パサッ ←上着をかぶせる

 

天龍

「うっ……ふっ…………うぅ……」ギュー

 

龍田

「ほらほら、天龍ちゃん。あの子たちだって見てるのよ?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「すまんな、相方を泣かせちまった」

 

龍田

「いいえ、姉の方からふっかけたことでしたし……。

 こちらもいきなりすみませんでした」

 

天龍

「……ずりぃよ……」

 

ダンテ

「……ン?」

 

天龍

「だってそうだろっ……あんな漫画みたいな技……!

 ずるいっ!! かっこよすぎだろっ!!」ズビー!

 

龍田

「何言ってるの天龍ちゃん……」

 

天龍

「あとあの斬撃みたいの飛ばすヤツ! アレとかもっとずりぃ!!

 あんなもんどう考えたって憧れちまうだろぉ!」ビエー

 

ダンテ

「……hmm」

 

 

ダンテ

「ヘイ テンリュウ、だったな。

 その"飛ばすヤツ"を教えてやるっつったら、泣き止んでくれるのか?」ha

 

天龍

「……え?」

 

ダンテ

「あとお前さんの服のこともムツには黙っといてくれよ、

 それなら、お前さんにも使えるようにしてやるぜ?」

 

天龍

「っ!? ま、マジでか!?」

 

ダンテ

「ああ」

 

龍田

「……えぇ~……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「着替えたらコウショウに来な。先に行ってるぜ」スタスタスタ

 

天龍

「わ、わかったっ! おい、龍田急げ!」ダダダダッ!

 

龍田

「ちょっと天龍ちゃんっ!?

 見えちゃうってば!せめてそれちゃんと羽織って~!」タタタタッ

 

 

 

「……なんか終わってたわね。なぜか天龍が半裸になってたけど」ふぁ~

 

「なのです……」コクリコクリ…

 

「……Zz」

 

「三人とも、眠いなら部屋で寝てきなよ。

 補佐艦からの依頼は私一人でも大丈夫そうだ」

 

「ん…う~ん……」チラ…

 

「……」フラフラ…

 

(電はもう限界かしらね…)

「そうね……そうさせてもらおうかしら」

 

「うん。 暁を頼めるかい?」

 

「わかったわ。それじゃあ頼んだわね、響。 ほら電も」グィ

 

「はいなのです……」ファー… グィ…

 

「……ふにゅ」ズルズル…

 

 

「……さて」

 

 

――――――

工廠・前

 

 

「――それでどうするんだい?」トコトコ

 

ダンテ

「実際にやったほうが早いからな。あいつ待ちだ」スタスタ

 

「なるほど」

 

ダンテ

「他の三人はどうした?」

 

「部屋に戻って寝てるよ。今日は本当にいい陽気だからね」

 

ダンテ

「…そうか。悪かったな、後半ほったらかしになっちまった」

 

「…まぁ仕方ないよ」

 

 

――――――

工廠

 

 

明石

「……ど、どう……?」

 

夕張

「……んー…………レロッ」

 

ギルガメス

「」

 

 

夕張

「……うん、味は普通ね。見た目も普通の金属には見えるんだけどねぇ」シャシャ ←写生

 

 

明石

「…そっかぁ」スタスタ

 

 

ダンテ

「よう、今朝ぶりだな。 進んでるか」

 

明石

「あ、ダンテさん」ピタリ

 

「こんにちわ」

 

明石

「あら、響ちゃんも。こんにちわ」

 

ダンテ

「どんな感じだ?」

 

明石

「まだただ調べてるって段階ですねぇ。

 作製の着手はまだ先になりそうです。すみません」

 

ダンテ

「いや、構わねぇさ。 調べるってのはどうやってるんだ?」

 

明石

「んー、そうですねぇ……。

 こういうのはまず、完成品のイメージをある程度持っておくことが大事なんです」

 

ダンテ

「へぇ」

 

(あ……)

 

明石

「だから最初はイメージつかみですね。

 今朝からずっといじくり回してますよ。今日一日はずっとこれになりそうです。

 具体的には目をつぶって触感を確認したり、何枚何十枚と写生したり、

 ずーっとただ眺めてみたり、舐めてみたり、音を立てたり嗅いでみたり、ですね。

 とにかくまずは"あの子"で遊ぶ以外は何もしませんね」

 

ダンテ

「……へぇ……」

 

「……」

 

明石

「あ、ほら」チラ

 

 

 

夕張

「んー……あーん」ガジガジ

 

ギルガメス

(泣)

 

 

 

明石

「今は噛んじゃってますねぇ」

 

ダンテ

「……」

 

「……」

 

明石

「ところで、どうしました?」

 

ダンテ

「……ん、あぁ――」

 

 

オーイ!キタゼー!

ダカラチョットマッテヨ、テンリュウチャーン

 

 

「あ、来たね」

 

明石

「あれ? 天龍さんに龍田さんも?」

 

・・・・・・

 

*上着は龍田が洗って返すそうです。

 

 

明石

「へぇ、そんなことが……。

 ……ん? ていうかそんな簡単にできちゃうものなんですか?」

 

ダンテ

「本当に簡単なモノならな。いけるはずだ」

 

明石

「へぇ……」

 

天龍

「おいっ!もういいだろ! 恥ずかしい話までしやがってっ///

 早くしてくれよっ」

 

龍田

「待ち切れないのよね~♪」ウフフ

 

ダンテ

「ha, ok. アカシ、集めた石はどこに置いてあるんだ?」

 

明石

「あ、はい。案内しますね」

 

 

――――――

石の保管場

 

 

ダンテ

「…ンー……こいつと、あとはこれでいいか」

 

明石

「……やっぱりけっこう違うものなんですよね?」

 

ダンテ

「まずは大きさによる。

 たが、ここにあるもので、違うモノってのはそんなに数はないな。

 どんな特性の違いがあるのかはともかく、

 大きさはどれも似たようなモンばかりだろ」

 

明石

「ふむ……」

 

「それをどうするんだい?」

 

天龍

「ワクワク」

 

龍田

「うふふふ」

 

ダンテ

「ああ。 アカシ、ハンマーはどこに置いてるんだ。あるだろ?」

 

明石

「それならさっきまで夕張が使っていたので」

 

ダンテ

「……hm. そんじゃ、ちょいとお邪魔させてもらうか……」

 

「……」

 

 

――――――

 

 

夕張

「……うん、うんうん……んー………………あむ」

 

 

ダンテ

「ヘイ、ユウバリ」スタス

 

 

夕張

「むぇ?」クル ←咥えたまま

 

ダンテ

「そこそこの付き合いなんだが、味まではさすがに俺も知らなかったな。

 うまいのか、そいつは」hahaha

 

夕張

「」ポロッ

 

・・・・・・

 

夕張

「こ、これは、そのっ!

 ご、ごめんなさい! 借りたものなのに、いろいろ勝手にっ……

 でも、必要っていうかっ……気になっちゃって……///

 べ、別にいつもこういうことをしてるというわけではっ……///」

 

「はは……」

 

ダンテ

「ああ、アカシから聞いてる。何も気にしてねぇさ。

 それより、なんともなかったのか?」

 

夕張

「へ? いえ、特には……。

 素材の見た目と、味も触感も普通の金属と変わらないって言うか……」

 

ダンテ

「……へぇ」

(……まぁ、こいつは魔具の中でも比較的"大人しい"上に扱いやすい方だったしな)

 

夕張

「……?」

 

ダンテ

「いや、それならいい。 ハンマー借りていいか?」

 

夕張

「? いいけど……」

 

ダンテ

「thx. おい、テンリュウ」

 

天龍

「お、おうっ!なんだ!?」

 

ダンテ

「この石、その刀の先に埋め込んでみろ。丁度いい穴も開いてんだろ」

 

天龍

「え」

 

龍田

「えぇ~」

 

夕張

「?」

 

・・・・・・

 

天龍

「……ここか?」

 

ダンテ

「ああ。軽くハマるくらいの力でいいぜ」つ【ハンマー】

 

天龍

「……わかった! 行くぜっ!」パシッ!

 

カンカンカンッ

 

夕張

「え… なんかそんな簡単に……」

 

・・・・・・

 

龍田

「あら~、見事にすっぽりはまったわね~」

 

明石

「ほぇ~…」

 

天龍

「……本当にこれだけで使えるようになんのか?」チャキ…

 

ダンテ

「一応はな。 よし、もう一度外に出るぞ。

 umm……お前さんらの水に浮くヤツ、なんつったか」

 

「艤装かい?」

 

ダンテ

「あぁそれだ。 テンリュウ、それの足とその刀だけ持って来い」スタスタスタ

 

天龍

「ん、わかったぜ!龍田!」

 

龍田

「はいはい、うふふ」

 

「私も行くよ」

 

ダンテ

「おう。 そんじゃ邪魔したな、アカシ、ユウバリ。また来るぜ」ヒラヒラ

 

明石

「あ、はーい」

 

 

ダンテ

(……いい子にしてろよ?)チラ

 

 

ギルガメス

「……」

 

 

夕張

「……みんな、なんだったの?」

 

明石

「…さぁ? 近々わかるんじゃない?」

 

 

――――――

再び、鎮守府軍港・裏

 

 

天龍

「で、どうやればいいんだよ!?」キラキラ

 

ダンテ

「焦んなよ。まずは海に立ってみな」

 

天龍

「おうよっ!」ピョン パシャ

 

 

龍田

「天龍ちゃんたら、はしゃいでるわねぇ♪」

 

「まぁ仕方ないね」

 

 

天龍

「アレ! アレ教えてくれるんだよな!? 斬撃飛ばすヤツ!なぁ!

 居合いみたいなヤツでもいいけどさっ!」

 

 

ダンテ

「ああ、そうだ。

 もうひとつの居合いの方は、今のお前さんの"ソレ"じゃ無理だからな」

 

 

天龍

「そうなのか?まぁいいや。

 えっと、こうだっけか……?」スチャ ←ドライブ<SM>の構え

 

 

ダンテ

「いや、違う。 お前さんのソレの場合はもっと刃先を下げて、海面につけるんだ」

 

 

天龍

「……ん、こうか?」チャプ…

 

 

ダンテ

「ああ。さっき埋め込んだ石が全部海水につかる程度に刃先を沈めてみな。

 あとはシンプルさ。イメージと勢いだけでいい。

 海水を刀で勢いよく飛ばしてみろ。お前さんの刃を撃ち出すイメージでな」

(その魔石だけなら本当にそれだけだからな。

 特性はないし、石の魔力自体も小さいが、海水を利用すれば多少は使いモンになる)

 

 

天龍

「なんかそれっぽいなっ……! よし、いくぜっ」

 

・・・・・・

 

天龍

「…………ふっ!」ビシュッ

 

ビューン …パシャ…

 

 

龍田

「……」

(……しょぼいわ~……)

 

(こいつはあまり力を感じない……)

 

 

天龍

「……」

 

 

ダンテ

「……ま、そんなもんだろ。初めのうちは」

 

 

天龍

「おぉおおっ」

 

 

ダンテ

「……ん?」

 

 

天龍

「すげぇっ! マジで刃っぽいの出たぜ!?」

 

 

ダンテ

「…よかったな。 だが今のままだとそんなに数も撃てないけどな」

 

 

天龍

「回数制限もあんのかよっ!?」

 

 

ダンテ

「ああ…」

 

 

天龍

「うぉおおお!ますますっぽいな!!」

 

 

ダンテ

「気に入ってもらえたんなら何よりだ。

 数撃つには石に魔力……エネルギーの補給が必要になる。

 さっき埋め込んだ石みたいなヤツを消費するんだ」

 

 

天龍

「なるほどなぁ~!」

 

 

ダンテ

「もう少しイイ石が手に入れば、使い方の幅も広がってくるだろうぜ。

 刀身に力を纏わせる、とかな」

 

 

天龍

「おお!いいじゃねぇかそれっ!!」

 

 

―!!

haha

 

 

龍田

「……あんな天龍ちゃん、この鎮守府に来て初めて見るわ~……」

 

「……ハラショー」

 

・・・・・・

 

天龍

「決めたぜっ! ミズチ……ミズチにする!!」

 

龍田

「もしかして技の名前かしら~?」コツコツ

 

天龍

「ああ! 今はまだまだだけど、こいつはいずれ"リュウ"になるんだ! いいだろ?!」

 

ダンテ

「ほぅ、いいじゃねぇか。なかなかイカしてると思うぜ」hahaha

 

天龍

「っ! だろぉ!? 話がわかるじゃねぇかダンテ!」

 

龍田

「……ふーん……」

 

・・・・・・

 

天龍

「……ふっ!」ビュン

 

―パシャ

 

 

天龍

「あ……打ち止めってヤツか。 うーん……」チャキ…

 

 

ダンテ

「……ヘイ、テンリュウ」スタスタ

 

 

天龍

「ん、なんだよ?」スィー ←堤防に寄ってる

 

ダンテ

「ナガトから、ヤッコさんのことついては聞いてるよな」スッ ←腰落とし

 

天龍

「ああ、悪魔の力のせいでやっかいな壁がどうとかってヤツだろ?

 あとは変な装備も持ってるから、単純に強くなってるとか、だっけか。

 オレもはじめは半信半疑だったんだけどなー。

 実際に見せてもらっちまったしなっ」ナハハッ!

 

ダンテ

「ha. …お前さんのその力についてなんだが、うまく使いこなしていければ、

 この先、断然有利に進められる。敵さんからしてみりゃかなりヤッカイってヤツだ」

 

天龍

「え そうなのか?」

 

ダンテ

「ああ。誰よりも速く前に出て、ヤッコさんが仕掛けて来るよりも早く、

 お前さんが相手の壁を斬り壊してやるんだ」

 

天龍

「オ、オレがっ……?」

 

ダンテ

「そうだ。できそうか?」ニッ

 

天龍

「……あ、あぁっ!やってやるぜ! まかせなっ!!」

 

ダンテ

「ha! great. なら、前衛は任せたぜ。

 リトルズも含めて、しっかりとお前さんの仲間を守ってやってくれ。

 頼りにしてるぜ、"切り込み隊長"」ニッ

 

コンッ ←デコツン

 

天龍

「お、おうっ!//」

(……後衛のための露払いをする役目かっ……!//)

 

 

龍田

「……ふと、思ったんだけどあの技って私でもいいと思わない?響ちゃん。

 私の槍にも同じような穴は開いてるし、

 ほら、海水飛ばすのだって槍の方が要領よさそうじゃない?」

 

「そうかもしれないね……」

(私に言われてもね……)

 

龍田

(……どうしようかしらね…。天龍ちゃんばっかりに危ないことはさせられないし~……。

 私のにも埋め込んどいた方がいいのかしら……?

 少なくともあの石のストックを常備しておくのは必須ね。

 天龍ちゃん、抜けてること多いし)

 

 

 

 

 

天龍

 

 <ARMS>

 

  天龍の後檣刀・水魔(Lv.1)

 

 

開発しました。

 

 

 

天龍

 

 <STYLE>

  

  チャージコマンダー(Lv.1)    

 

 

習得しました。

 

 

 

 

 

天龍

「よし! 石持ってくるぜ!」

 

ダンテ

「新しい石を剣に埋め込んだ石にくっつけるだけでいいぜ。

 ちなみ、大きい石から小さい石へはエネルギーは流れない」

 

天龍

「へぇ。

 ……うーん、大きい石、か……」

 

ダンテ

「大きいやつを埋め込むんなら、その剣を改造するか、新しく作り直すか、だな」

 

天龍

「おおっ、改造っ……!」

 

ダンテ

「エネルギーに関しても、今の小さい石じゃ、見た目ではわからねぇだろうが、

 もっと大きい石ならお前さんらでも見ただけでわかるさ」

 

天龍

「なるほどな!」

 

・・・・・・

 

天龍

「それじゃ、コイツの補給してくるぜ!」チャキ

 

龍田

「あ、天龍ちゃん、私も行くわ~」

 

タタタター

 

 

ダンテ

「はしゃいでんな」

 

「無理もないよ。天龍の性格からすればね」スッ

 

ダンテ

「……ha」

 

・・・・・・

 

「これからどうするんだい?」

 

ダンテ

「そうだな……。

 ムツもいつ戻るのかわからねぇし、俺も昼寝でもするかな」ン"ー ググッ…

 

「いいね」

 

ダンテ

「どっかいいところでも……ん?」

 

 

――――――

少し遠い岬

 

 

吹雪

「……はぁ」

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「……huh」シュッ

 

「よかったら、 ……あれ?」キョロキョロ

 

 

 

 

 

 

 




これ(以下の内容↓)は実は知ってて黙っていて、
ツッコミがない限りは黙っていようかなとも思っていたんですが、もう先に書いておきます。


衝撃鋼ギルガメス自体は生物と同化しその体の一部を鋼と化す魔界の金属です。

つまり所有者と同化して、同化した部分を硬質化(鋼化)するという物なわけで、
籠手や具足に見えている物は硬質化(鋼化)されたダンテの皮膚・手足となります。
背中にも変化した翼のような物がありますね。


なので、本編で籠手・具足・翼を一纏めにした、
そのままの魔装具で登場している衝撃鋼ギルガメスは原作の方の物とは
若干の違いがあります。

ただ、デビルコアL(L石)状態時の形状・性質などはほぼ原作の方に準拠です。


まぁ、よくあるご都合設定です。
夕張ちゃんがダンテの手か足か背中を舐めたり甘噛みしてるとかいう、
そんなすさんだ破廉恥行為が行われたという事実は一切ありませんので
脳補の方、よろしくお願いします。



Q.天龍の後檣刀も艤装なのでは?

A.その通りですね……。
 でも持っていた物は本当にそれだけで、フルアーマー天龍ではなかったので、
 そのため、能力値がうんぬんかんぬん



あと、服を買いに街に繰り出すとき、
むっちゃんは上に何か適当な物を羽織ってから行きました。


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MISSION 1-6

1つ目の者は2つ目の者の姿をよく見よ。
2つ目の者は3つ目の者の後に確りと続け。
3つ目の者は4つ目の者の臭いをよく覚えておけ。
4つ目の者は5つ目の者の言葉をよく聴いておけ。

5つ目の、天上の頂を目指す者、さらなる光を望む者よ。
数多くの仔羊を教え、導け。
それがお前の役割である。


高台の岬

 

 

吹雪

「やっぱり無理だよね……私なんかじゃ……」

 

 

ダンテ

「ヘイ、フブキ」スタスタ

 

 

吹雪

「……あっ……ダンテさん……」

 

ダンテ

「いい天気だってのに俯いてるじゃねぇか。どうした」ストン ←腰下ろす

 

吹雪

「……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「uh…」

 

吹雪

「……私、結局何もできなくて……」

 

ダンテ

「そうだったか? 盛大にかましてたじゃねぇか。 スカッとな」hahaha

 

吹雪

「」

 

・・・・・・

 

吹雪

「うぅ……」

 

ダンテ

「ま、慣れない海上での初陣じゃあんなもんじゃねーのか」

 

吹雪

(……)

 

ダンテ

「……huh. そう落ち込むな。

 立派だったと思うぜ、お前さんは。 覚悟は十分だった」ニッ

 

吹雪

「ダンテさん……」

 

ダンテ

「しっかし、……そうだな。

 ヤッコさんを前にへっぴり腰で目を瞑って撃ってたってとこだけは

 いただけなかったかもな」ha ha-

 

吹雪

「はうっ…………うぅ~……」

 

ダンテ

「あとは腕前だけだな。

 よし、ちょっくら立ってみろ」

 

吹雪

「……え?」

 

・・・・・・

 

吹雪

「ふぅうっ!」プルプルッ

 

ダンテ

「まだ高い。もう少し腰を落とせ」

 

吹雪

「は、はいっ……! ……ふっ、ん"ぅっ……!」

 

ダンテ

「足腰だけはしっかり鍛えとけ。 ヤッコさんの攻撃を避けるときは勿論だが、

 バランスを取るのにも維持するときにも使うぞ。

 お前さんのナリで、あれだけごちゃごちゃしたモン担いで行くんならなおさらだ」

 

吹雪

「…はいっ!」グググッ……

 

ダンテ

(……へぇ)

 

・・・・・・

 

吹雪

「あ、足がぁぁっ……!」ピクピクッ…

 

ダンテ

「えらかったな。 悪くねぇガッツだったぜ」ha ha

 

吹雪

「……えへへ//」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「最初はそんなもんだな。 ま、これからさ」

 

吹雪

「はい……」

 

ダンテ

「……まだ悩みがあるのか?」

 

吹雪

「…………私、本当に強くなんてなれるんでしょうか……?

 昨日は本当に何の役にも立てなくて……。 今だってこんな……。

 ……私なんかに強くなれる力なんて、本当は……」

 

ダンテ

「……フブキ。

 本当に大事なモンはな、力なんかじゃねぇのさ」

 

吹雪

「え……?」

 

ダンテ

「それよりも、もっと大切なものがある」

 

吹雪

「もっと大切なもの…………それって何なんですか……?」

 

ダンテ

「……huh. そうだな、あえて言葉にするなら "誇り高き魂" ……なんてどうだ?」ha

 

吹雪

「……誇り高き、魂……」

 

ダンテ

「お前さんはもう持ってると思うがな」

 

吹雪

「えっ ……私が、ですか?」

 

ダンテ

「ああ。 だから、焦るこたねぇのさ。

 大丈夫だ。それをずっと持っていられるなら、お前さんは必ず強くなれる」

 

吹雪

「……それって本当ですか……? ……本当にっ…こんな私でもっ」

 

ダンテ

「ああ。 そうやって卑下することもないと思うぜ。

 お前さんはけっこう根性もあるみてぇだからな。

 地道に鍛えていきゃ、ちゃんと立派になれるさ。

 昨日もしっかりと見せてもらってるからな。 保証してやる、安心しな」

 

吹雪

「昨日……?」

 

ダンテ

「出撃前のさ。 いいツラしてたぜ?」ha

 

吹雪

「……」

(……私が……)

 

・・・・・・

 

吹雪

「……私、がんばりますっ。

 今度はしっかり戦えるように、ちゃんと訓練して……!」グッ…!

 

ダンテ

「…いいね、面構えも戻ってきたな」ha!

 

吹雪

「……はいっ!」

 

・・・・・・

 

吹雪

「あのっ!」

 

ダンテ

「ン?」

 

吹雪

「また、いろいろ見てもらってもいいですか?えっと、……姿勢とか!」

 

ダンテ

「um. そうだな、せめてへっぴり腰くらいは早く直しとかねぇとな。

 見てるこっちまでヒヤヒヤしちまうからな」HAHAHA

 

吹雪

「ぁうっ///」

 

ダンテ

「それにさっき言っちまった手前もあるな。

 ok, なんなら、お前さんが自信を持てるようになるくらいまでなら面倒見てやろうか」

 

吹雪

「! ……それ、約束……してくれますか?」

 

ダンテ

「……ああ、勿論」

(まぁ今回のはそういう仕事だからな…)

 

 

――――――

 

アリガトウゴザイマシター! ←吹雪、走り込みへ

 

 

ダンテ

「……今からでも、か。 huh..

 さっきまでひどく落ち込んでたもんだが、元気だねぇ。

 マジにガッツあるな」ha ha- ヒラヒラ

 

 

―ザッ…

「……探したよ。こんなところにいたんだね」テテ

 

 

ダンテ

「…おっと、悪い。 また放っちまったな…」

 

「それはいいんだけどね。 まぁでも次からは一言ほしいかな……」

 

ダンテ

「ああ、気を付ける」

 

・・・・・・

 

(補佐艦が戻るのはいつになるんだろうか……?)

「それで、結局どうするんだい? 昼寝する場所でも探すのかい?」

 

ダンテ

「……あー……いや。 目も冴えてきちまったからな。

 一旦、用意されてる部屋に帰るわ。ムツも戻ってきてるかもしれねぇしな」

 

(丁度いい、のかな)

「わかったよ。私もついて行っていいかい?」

 

ダンテ

「おう」

 

 

――――――

提督室

 

―ガチャ

 

ダンテ

「……まだみたいだな」

 

「のようだね」パタン

 

・・・・・・

 

(……あ)

「使ってる部屋ってあそこだよね?」

 

ダンテ

「ああ、そうだ。 タタミなんて初めてだったんだが、案外悪くなかったな」ha

 

「へぇ、それはよかった。 そうか、畳なんだ。

 あそこの部屋はずっと閉められたままだったから、入ったことはないんだよね。

 お邪魔してもいいかい?」

 

ダンテ

「ああ、構わねぇぜ」

 

「スパスィーバ」ガチャ

 

・・・・・・

 

ハラショー、ケッコウヒロインダ

 

 

ダンテ

「Huh..」

 

 

―コンコン

 

「哨戒編成隊旗艦、翔鶴です。 第五班は全員、帰還しました」←提督室・前

 

 

ダンテ

「ん? 開いてるぜ」

 

 

「っ!」

 

 

ガチャ…

翔鶴(小破)

「し、失礼します! 報告に……って、……あら?」

 

ダンテ

「報告か、そいつはタイミングが悪かったな。ムツなら外してるぜ。

 それともナガトか、オオヨドか?」

 

翔鶴

(あっ……)

「えっと、その……」

 

ダンテ

「ナガトとオオヨドはわからねぇが、ムツなら少し待ってりゃくるかもな」

 

翔鶴

「……ではこちらでしばらく待たせていただいてもよろしいでしょうか?」

 

ダンテ

「ああ、いいんじゃねぇか」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……ン? よく見りゃお前さん、怪我してんじゃねぇか」

 

翔鶴

「あ、いえ、ほんの掠り傷ですから……。

 私たち艦娘は入渠……えっと……入浴すれば怪我は直せますし、

 これくらいであれば本当に……」

 

ダンテ

「…へぇ。本当に不思議なもんだな、カンムスってのは。

 報告だったか? ムツに言っとけばいいんだよな?

 俺が聞いて言っといてやるよ」

 

翔鶴

「え……いえ、でも……」

 

ダンテ

「見てらんねぇのさ。とっととその、……ニュウキョか? ま、手当てなりしてきな。

 そんな傷でも、もし残ったりでもしたら事なんじゃねぇか?」

 

翔鶴

「だ、大丈夫ですっ ほんとに……。

 気にしないでください……」

 

ダンテ

「……そうかい」huh...

 

 

―ガチャ

「あれ?翔鶴さん?」

 

翔鶴

「…あら、響ちゃん」

 

ダンテ

「満足したのか?」ha

 

「うん、堪能できたよ。本当にいい部屋だね。

 できれば今度は姉妹たちにも見せたいかな。

 皆、ずっと気になってた部屋なんだよね」

 

ダンテ

「huh.. 好きにしな」

 

「ハラショー、言ってみるもんだね。 それじゃお言葉に甘えて、また今度にでも」

 

ダンテ

「ああ」

 

翔鶴

「……」

(あそこの部屋に……)

 

「翔鶴さんは哨戒の報告かな?」

 

翔鶴

「ええ。

 でも代理も補佐艦もいらっしゃらないみたいだから、ここで待たせてもらってるの」

 

「なるほどね。哨戒任務、お疲れ様、翔鶴さん」

 

翔鶴

「ありがとう、響ちゃん」

 

ダンテ

「……ただ待ってるってのも暇だな」ガチャ ←私室へ

 

響・翔鶴

「?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「こいつで時間潰さねぇか?」つ□

 

「あ」

 

翔鶴

「…トランプ、ですね…」

 

「へぇ、部屋にずっとそんなのあったんだ」

 

ダンテ

「いや、今朝方にムツと出掛けたときにな……。

 売れ残ってる服を買い取ってやったら、オマケだ つってくれたのさ」

 

「ふーん」

 

翔鶴

(なんかそれも変な話ですね……)

 

・・・・・・

 

「でもトランプか、いいね。 ゲームは何にするんだい?」

 

ダンテ

「中途半端になってもいけねぇからな。

 簡単ですぐに終わらせられるポーカー、……なんてどうだ?」

 

「なるほどね。 でもいいのかい? 私はポーカーはけっこう強い方みたいだよ?」

 

ダンテ

「そういう面してるよな、お前さんは……。

 huh. かくいう俺も勝利の女神とは仲が良くてな。

 後で泣きを見ても知らないぜ?」

 

「ふふ、そいつはいいね。とても楽しみだ」

 

翔鶴

「……」

 

ダンテ

「……huh.

 よし、始めるぞ。 ほれ、お前さんもずっと突っ立ってないで座れ」

 

翔鶴

「あ、いえ、私は……ルールもわかりませんし……」

 

「あれ、そうなのかい?」

 

翔鶴

「ええ……瑞鶴……妹が他の子達と一緒にやっているのは見たことはあるんですけど、

 細かいルールまでは……」

 

「そっか。でも教えてあげるから大丈夫だよ。シンプルなゲームだしね」

 

ダンテ

「ああ。いくつか役を覚えるだけだ。一応細かいこともあるが、まぁなんとかなるだろ」

 

翔鶴

「…はぁ」

 

 

――――――

食堂ホール

 

 

間宮

「それではこちらも追加で手配しますね」

 

長門

「頼む」

 

鳳翔

「長門さん、お酒の件なんですけど……」

 

長門

「ん、なんだ?」

 

 

 

―キィー…

陸奥

「……うわっ、すっごっ……あんな飾りつけまで……。

 ホントこんなとこでも真面目ね、長門ったら。 ふふふっ…」パタン…

 

・・・・・・

 

鳳翔

「注文表に日本酒を多目にとあったんですけど、海外の人だと伺いましたし……。

 ビールはいつものように常備もそれなりにあるのでいいんですけど、

 ワインなどの洋酒も必要かと思いまして……」

 

長門

「…あぁ、そこまで考えていなかったな……。

 たしかに、あった方がいいだろうな」

 

鳳翔

「それで、ワインなんですけど実は料理用に大量に消費してしまいまして、

 備蓄の方が……」

 

長門

「なんと……わかった、それならそれも新しく追加しよう。

 領収書はあとで私のところに」

 

鳳翔

「わかりました」

 

 

陸奥

「忙しそうね」コツコツ

 

長門

「陸奥っ。 いいのか?そっちの方は」

 

陸奥

「少し様子を見に来ただけだから、すぐに戻るわ。

 それに、頼りになる子達に任せてきたから大丈夫よ」

 

長門

「…ほう」

 

・・・・・・

 

陸奥

「だいたい何時くらいがいいの?」

 

長門

「そうだな……多少大掛かりになってしまったが、準備は早くから始めたからな。

 いつもの夕食の時間には間に合いそうだ」

 

陸奥

(多少、ね……)

「わかったわ、じゃそれくらいにね」

 

長門

「頼んだぞ」

 

陸奥

「はいはい」

 

 

ナガトサーン!

 

 

長門

「むっ すまん、駆逐艦が私を呼んでいるっ」

 

陸奥

「あぁ、手伝うって申し出てくれた子達ね。

 了解、いってらっしゃい」

 

長門

「ああ、ではな!」スタターッ

 

 

陸奥

(……ま、役得ってやつよね……)ヒラヒラ

「……まぁそれは私も、か。 ……ふふっ、どうなのかしらね、実際」コツコツコツ…

 

 

――――――

提督室

 

 

ダンテ

「スリーカード」フッ     *スリー・オブ・ア・カインドの(固有)和訳

 

翔鶴

「……えーと、たしかストレートと言いましたっけ?これ……」

 

ダンテ

「……。

 ヒビキ、お前さんは?」

 

「…ふむ」パサッ

 

-フルハウス-

 

翔鶴

「……あっ……」

 

ダンテ

「おいおい、ドベかよ……」

 

「何も賭けてなくてよかったね」

 

ダンテ

「お前さん、今笑ってやがるな……。 口調に出てるぜ」

 

「おっと。 私もまだまだだね」

 

翔鶴

「ふふふ……」クスクス…

 

ダンテ

「……huh」

 

・・・・・・

 

「さて、どうする? 続けるかい?」

 

ダンテ

「そうか……そうだな、何も賭けてないからだ」

 

翔鶴

「?」

 

「いいのかい? フラグにしか思えないけど」

 

ダンテ

「何を言ってるのかわからねぇな。 次は賭けるぞ。

 ……そうだな、もし俺が負けたらマミヤでストロベリーサンデーを

 …………奢ってやろう」

 

「何かな、今の間は」

 

翔鶴

「ストロベリーサンデー?」

 

「……ん、そんなのあったかな?」

 

ダンテ

「昨日、出来たばっかの新メニューだ。 あそこのマスター、いい腕してるな。

 材料と作り方を適当に言って、作ってもらったんだが、

 出来上がったサンデーの甘さ加減は絶妙だったぜ」ha ha-

 

「ということは貴方のリクエストしたスイーツがそのままメニューにってことかな?」

 

ダンテ

「そういうことだ。 まぁ、材料自体はポピュラーだからな。

 作り方だけ言ったらサクっと作ってくれたぜ?」

 

「なるほどね」

 

翔鶴

「苺のスイーツですか、おいしそうですね……」

 

「うん、いいね。面白くなってきた」

 

ダンテ

「そう来なくちゃな」ha

 

翔鶴

(……大丈夫なんでしょうか……?)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ツーペア」フッ

 

「ストレート」

 

ダンテ

「」

 

「翔鶴さんは?」

 

翔鶴

「えっと、私もツーペアですね……。 同列2位でしょうか……?」

 

「ん……あ、エースとクイーンのツーペアだね。どっちも彼の手札より強いよ。

 翔鶴さんの勝ちだね」

 

ダンテ

「……」

 

翔鶴

「えっと……すみません……」

 

ダンテ

「……いや、勝負は勝負だ」

 

「そうだね」

 

・・・・・・

 

「私が4連勝で、その内、翔鶴さんと彼との勝負で、それぞれ3勝と1勝だね。

 もしかして、その勝利の女神さんとはケンカしてる最中だったんじゃないかい?

 "ここ"では縁起でもないし、早めに仲直りしておいたほうがいいと思うよ」

 

ダンテ

「…ご忠告どうも、そうするよ…」

 

翔鶴

(なぜか私も耳が痛いわ……)

 

「というか微妙な役だったのに、出すときは毎回ドヤ顔なんだね」

 

ダンテ

「お前さん、けっこう辛らつだな……。

 ギャンブルってのはな、クールな態度と勢いが大事なんだよ」

 

「へぇ、そうなんだ」ニヤ…

 

ダンテ

「……tut」

 

翔鶴

「……」クス…

 

・・・・・・

 

「よし。とりあえず、姉妹の分は稼いだかな」

 

ダンテ

「ほぉ。なるほど、考えたな」

 

「一気に4つは食べられないと思うし、引き伸ばしすぎて忘れられても困るからね」

 

ダンテ

「huh.. ちょっとした暇つぶしのつもりが、ずいぶん高くついたぜ……」

 

「ふふ、残念だったね。

 翔鶴さんも少なくとも2回は奢ってもらえるし、

 瑞鶴さんと一緒にご馳走してもらったらいいんじゃないかな」

 

翔鶴

「い、いえ、私は別に……」

 

ダンテ

「ギャンブルってのはこういうもんさ。男に二言はねぇよ」

 

翔鶴

「あ、ありがとうございます。 ……それではお言葉に甘えて……」

 

ダンテ

「おう。 だがまぁ、……日本円が手に入ってからだがな……」

 

「あれ? 持ってないのかい?」

 

ダンテ

「ドル札だけだ。それもはした金のな。

 今回の仕事の前金はもらってるはずなんだが、まだ手元には来てねぇな」

 

翔鶴

「昨日はどうなされたんですか?」

 

ダンテ

「……一緒に行った金剛に借りた……」

 

「……服は経費かい?」

 

ダンテ

「あぁいや……ムツがカード出してたな……」

 

響・翔鶴

「……」

 

 

―ガチャ

陸奥

「あら?」

 

翔鶴

「あ、補佐艦。 戻られましたね」

 

ダンテ

「……おぅ、ムツ。 けっこうかかってたな」

 

陸奥

「ちょっとね」

 

「丁度お開きかな」

 

陸奥

「遊んで待ってたの? ごめんね、遅くなっちゃって。

 ……あら、おまけでもらったトランプじゃない。 ゲームは何?」

 

ダンテ

「ポーカー」

 

陸奥

「……あ…そ、そう……」

 

「……」

 

翔鶴

「補佐艦、長門代理は……」

 

陸奥

「あぁ、私が代わりに受けるわ。 哨戒任務の報告よね?」

 

翔鶴

「はい」

 

・・・・・・

 

陸奥

「了解、ご苦労様。 交代班はもう哨戒に出てるし、あとはゆっくり休んでね」

 

翔鶴

「ありがとうございます、それでは。

 ……あの、楽しかったですっ。 …その、また…」

 

ダンテ

「ああ。またな、ショウカク。

 金が入ったら俺の方から、声かけるぜ」

 

翔鶴

「っ……ふふ。

 はい、妹の瑞鶴と一緒にお待ちしています」ペコリ

 

ガチャ、パタン

 

 

陸奥

「……何の話?」

 

ダンテ

「hm...」

 

「ポーカーで賭けに負けてしまったから奢るって話だよ」

 

陸奥

「あら? 手持ちのお金はないんじゃなかったの?」

 

ダンテ

「……ああ、だから金が入ったらって話だ」

 

陸奥

「……ふう~ん……」

 

ダンテ

「……なんだよ?」

 

陸奥

「……別に?」

 

ダンテ

「huh... んな顔すんなよ。金が入ったらちゃんとお前にも返すさ」

 

陸奥

「……別にお金を返してほしいわけじゃないんだけど……」

 

ダンテ

「アン?」

 

陸奥

「……もういいわよ、別に……」ハァ…

 

「……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「なぁ」

 

陸奥

「……なに?」

 

ダンテ

「さっきのショウカクだが、怪我が多いのか?」

 

陸奥

「っ……」

 

「……どうしてそう思ったんだい?」

 

ダンテ

「まぁなんとなくだ。変に意地張ってるようにも見えたからな」

 

陸奥

「……多いといえば多いわ」

 

ダンテ

「フーン……」

 

陸奥

「今日も哨戒中にはぐれの小艦に遭遇して、軽度の戦闘。

 哨戒班全体では特に大きな損害はなかったみたいだけど、それでも翔鶴だけは被弾。

 ……まぁでも本当に軽傷でよかったわ」

 

「これまでの作戦でも彼女だけが被弾とか、そういうことってけっこう多いんだ……」

 

ダンテ

「…へぇ。どんくせぇのか?」

 

「そういうわけでもないと思うんだけどね……」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……hmm」

 

・・・・・・

 

陸奥

「そういえば、あなたジャケットは?」

 

ダンテ

「……あぁ、暑かったんで脱いだな」

 

陸奥

「そ。まぁ洗うほどでもないんだろうけど。

 今はちゃんと掛けてるの? 出したままにしてない?」

 

ダンテ

「……あぁ、大丈夫だ。ちゃんと掛けてある」

 

陸奥

「ならいいわ。えらいわね」

 

ダンテ

「どうも」

(マジでガキ扱いだな……)huh...

 

「……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「あら、もうお昼もだいぶ過ぎちゃってるわね」

 

「あぁ、もう1300か。けっこう遊んでたのかな」

 

ダンテ

「時間に気付いたら腹も減ってきやがったな。

 ここじゃ飯はどうしてるんだ? 食える所はあるんだろ?」

 

陸奥

「そうだけど……ねぇ、デリバリーにしない?」

 

「……それがいいんじゃないかな。 この時間だと任務とか演習とか、

 その他の用事でお昼時に遅れた人たちでまた込むんだ。

 さっきまで哨戒に出てた翔鶴さんたちみたいに、帰ってきた人たちとかでね」

 

ダンテ

「あ?狭いのか? そのメシ食う所は」

 

陸奥

「そ、そういうわけでもないんだけどねっ。

 まぁ、いいじゃないデリバリーでも!」

 

「……」

 

ダンテ

「腹ペコだからな。できれば早い方がいいんだが……」

 

陸奥

「お店も近くてすぐだから!

 えっと、ピザのお店とかは本当にすぐ来てくれるのよっ!」

 

ダンテ

「ph~♪ へぇ、近くにピザ屋があんのか。

 そいつはいいな。よし、さっそく頼んでくれムツ。

 生ハム&ガーリックポテトミックススペシャルのLサイズだ。

 …あぁ、オリーブは抜きで頼む」

 

陸奥

「えっ あ……あぁ、うん、わかったわっ。 飲み物はどうする?」

 

ダンテ

「ビールか赤ワイン……って言いたいところだが、

 ヒビキ、お前さんも食うよな?」

 

「ん、いいのかい?」

 

陸奥

「いいわね。一緒に頼めるし、そうしましょう」

 

「スパスィーバ。

 でもそれなら、姉妹も呼びたいかな……」

 

ダンテ

「おう、いいじゃねぇか。呼んで来い。

 ムツ、飲み物はトマトジュースとコーラだ。 …あぁ、オレンジも必要かもな」ha

 

陸奥

「ふふふ、それじゃいろいろ頼みましょうか。デザートとかも注文できるから」

 

ダンテ

「いいね」

 

「スパスィーバっ」ガチャ タタタッ

 

 

ダンテ

「…huh, ちょっとしたピザパーティだな」

 

陸奥

「うふふ、そうね」

 

・・・・・・

 

陸奥

「……え……あ…はい。わかりました。

 いえ、ではそれで。 …はい、それじゃお願いします」p

 

ダンテ

「どうした?」

 

陸奥

「…ええ、それが……今日は鎮守府<うち>の子達、みんなが

 いろいろ出前を取ってるようなの……。

 だからピザ屋さんも、その……ね?」

 

ダンテ

「? 他のはみんな、飯所で食ってるんじゃなかったか?」

 

陸奥

(!)

「…ま、まぁこういう日もあるわよっ!

 まとめて宅配はしてるみたいだから、少し余分にかかる程度よ、きっと!」

 

ダンテ

「hm.. まぁしかたねぇか」

 

陸奥

「……えーと、ただ待ってるっていうのも退屈よね……。

 …あ、ねぇっ トランプがあるじゃない!

 それで時間を潰しましょうっ」

 

ダンテ

「かまわねぇが……。 ゲームは何やるんだ?」

 

陸奥

「……ポーカーとか……?」

 

ダンテ

「ほぉ、いいのか? 俺は勝利の(ry」

 

陸奥

「あら、私も実は(ry」

 

ダンテ

「……へぇ」

 

陸奥

「……何よ」

 

ダンテ

「いや、上等だ。 ha

 物は何を賭けてほしいんだ? なんでもいいぜ?

 お前には貸しがあるからな。お前の方は無しでいい」

 

陸奥

「……言ったわね……。

 それじゃ、私が勝ったらお願いの一つでも聞いてもらおうかしら?」フフフ…

 

ダンテ

「…huh, ok. そんじゃ始めようぜ」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ワンペア……」

 

陸奥

「わ、私も……」

 

パサッ

 

ダンテ

「キングとクイーン……今度は俺の勝ちか……」

 

陸奥

「みたいね……。 今で戦績は交互に3勝ずつ……ねぇ、私たちって……」

 

ダンテ

「何が言いてぇのかわからねぇな……。

 ……ところで、遅くねぇか、あいつらも」

 

陸奥

「そういえばそうね……。呼びに行っただけだと思うんだけど……」

 

 

―ガチャ

 

 

ダンテ

「お」

 

陸奥

「あら」

 

 

「遅くなって申し訳ない。起こすのに手間取ってね。特に姉の」

 

「ちょっと響っ!?」

 

「今日はお誘いいただき、ありがとうなのですっ!」

 

「手ぶらで来ちゃったんだけど、よかったのかしら?

 何か用意するものある? 飲み物は私が準備するわねっ!」

 

 

ダンテ

「huh. 一気に騒がしくなったな」

 

陸奥

「ええ」ウフフフ…

(……賭けの方は結局ダメだったわね……)

 

 

――――――

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

―コポコポコポ…

 

睦月

「はい、吹雪ちゃん」

 

つ旦 コト

 

吹雪

「ありがとー、睦月ちゃん!」ゴクゴクゴクッ

 

睦月

「本当にさっきまで走り込んでたんだね」

 

吹雪

「ぷはー!

 うんー、もうお腹ペコペコだよー」グテー

 

睦月

「ふふふ、もう少しで――」

 

 

―コンコンッ 

 

 

睦月

「あ、来たね」

 

吹雪

「? お客さん?」

 

 

「届いたっぽいー。あけてー」

 

 

吹雪

「あれ?夕立ちゃん?」

 

睦月

「ご苦労様。夕立ちゃん」トテトテ、ガチャ

 

・・・・・・

 

睦月

「はい、吹雪ちゃん。 熱いから気をつけてね」

 

吹雪

「あ、うん、ありがと…… ピザ?」

 

夕立

「今日は食堂も間宮さんも忙しいっぽいー」ムニムニ

 

睦月

「ちょっ! 夕立ちゃんっ」

 

夕立

「おいしーっぽい!」

 

吹雪

「へぇ……?」

 

 

――――――

提督室

 

 

「ぐぬぬぬっ……」

 

ダンテ

「ほれ、こっちだ、こっち」

 

「その手には乗らないんだから~っ!」ピッ

 

ダンテ

「ha」

 

「…にゃっ?!」ガビーン

 

ダンテ

「hahaha」

 

 

「何回そのやり取りやってるのよ」

 

「また二人がババの押し付け合いになっているのです……」

 

「結局最後は毎回こうなってるね。 言うまでもなく暁は顔に出るタイプだし、

 片や一方は基本的に勝負運はないみたいだね」

 

 

「届いたわよー。開けてもらえるー?」

 

 

「あ、来た」

 

・・・・・・

 

陸奥

「すごい量だったの忘れてたわ……」

 

「あぁ、気が回らなかった、ごめんなさい……」

 

陸奥

「あ、いいのよ。気にしないで」

 

ダンテ

「わりぃな、ムツ。 で、どれが生ハム&ガーリックなんだ?」

 

陸奥

「こっちよ」つ■

 

ダンテ

「thx」

 

 

「すごくいい匂いだわ!」

 

「それもたくさんなのですっ」

 

「わぁ! オレンジジュースもあるわっ!」

 

・・・・・・

 

―パカッ…

 

ダンテ

「……んだこりゃ」

 

陸奥

「何って、あなたが頼んだ、……えーっと……、

 生ハム&ガーリックポテトミックススペシャルじゃない。

 オリーブ抜きの」ピラッ ←チラシ見せる

 

ダンテ

「いやだからそのチラシのイメージと全然違うだろ……。

 何の詐○だこいつは……」

 

「一緒よ?」

 

「一緒なのです」

 

「どう見ても同じじゃないか」

 

「変なダンテね」

 

陸奥

「あなたが何を言ってるのかわからないわ」

 

ダンテ

「……」

 

―サクッ

 

ダンテ

「…! ……味はイケるな」モグモグ…

 

陸奥

「それはよかったわ」

 

「おいしー!」パァ

 

「むふーんっ!」ムニョーン

 

「アツアツなのですっ!」ハフハフ

 

「ハラショー。 この苺のデザートピザってのも意外にいけるね」モニュモニュ

 

 

 

―ドタドタドタドタッ! ←提督室扉の前で聞こえてくる音

 

 

「数量限定のスーパーデビルクラフトは私の物ですーっ!!」ウヒャーイ!

「五航戦! 挟撃遅れているわよ、急ぎなさいっ!独り占めされます!!」シュタタタタッ!

「言われなくてもわかってるっての!

 あーもうっ! ていうかなんでこんなときだけいつも速いのよっ!?」グググッ…!

「二人とも鎮守府内なんですよ!? 瑞鶴もそれはやめなさいっ!」

「……まぁ、こうなるだろうなってのはわかってたけどねー」

「だよね……」

 

 

ダダダダダーッ

 

 

 

ダンテ

「……アン?」

 

陸奥

「……はぁ~……気にしなくていいから……」←頭をかかえる

 

 

「ジュースもおいしい!」プハー! ←オレンジジュース

 

「暁、こぼしてるよ」

 

「もー、仕方ないわねぇ」フキフキー

 

「雷ちゃんもパラパラ付いてるのです……」サッサッ…

 

 

 

 

 

 

 




ポーカールールは詳しくないので適当です。

一応、アンティなし、ディーラーなしのドローポーカーを想定してます。
最もラフなスタイルのやつですね。

引っ掛かりのあった人も、いみふな人もさらっと読み飛ばすのが一番ですかね。


本編中における、艦娘の飲酒事情ですが、
当ssでは"基本的には"見た目相応ということにされています。

艦娘なので、もしかしたら駆逐艦や軽巡が飲用しても害などはないのかもしれませんが、
艦船時代のときとは違い、今の姿を得て、また各艦娘にはそれぞれ個性や
個体差というものもあり、さらにこれは一番重要なこととして、
駆逐艦や軽巡が飲酒をするというのは内"外"を問わずヴィジュアル的に問題があり、
内部はまだ良くても、"外部"では特に倫理的な問題を誘発するリスクがあります。

そこで、以上の懸念事項により、本編中の鎮守府では
駆逐艦や軽巡、正規空母・軽空母各一名などの見た目の関係で問題が考えうる艦娘には
注意<警告<禁止 の <警告> が、
重巡以上で、アルコール飲料に対して耐性の弱い艦娘には、注意<警告<禁止 の <注意> が
長門より呼び掛けられている、という背景があります。

ダンテ的にはどうなんでしょうね。
アニメダンテとかだと、特にこの辺のモラルには厳しい方だと>1は勝手に思ってます。
ただDMC4ダンテなら、見た目19歳くらいの艦娘相手だと、
むしろ勧めてるかもしれないような気もしますね。

外部に対して、倫理的な問題を誘発するリスクについては
BLOODY HORIZON の Streak 006 (*BHSt-006) を参照してください。
そういった空気の場面では、特に気が緩んで素行が出てしまうかもしれない、
とかいうやつです。

倫理関係の諸問題については BHSt-004 もよかったらどうぞ。
さわり程度の話になりますけど。


ちなみに長門は某鬼いちゃんよろしく、大変な下戸だそうな?
対して、ダンテはウォッカ樽を一気に飲み干すほどのザルだそうで。
むっちゃんはどうなんでしょうねぇ。強いのかな?


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MISSION 1-7

かつて劇作家は語った。

「世の中で一番強い人間とは、孤独で、ただ一人で立つ者なのだ」

これこそが力の至る先。

はっきり言っておいてやろう。
貴様の横に立つ者の齢は、貴様と比べて優に数千歳ほど下の者どもだ。
貴様は孤独からは逃れられない。
誰も貴様の力を理解することは出来ない。

己の道を征くしかない貴様もまた、ただ孤独なのだ。


提督室・寝室

 

 

ダンテ

「Zzz...」

 

「スー……」Zz...

 

「ハラショー……」Zz...

 

「モット、ワタシニ……」Zz...

 

「ダカラモウ、コドモジャナイッテバァ…」Zz...

 

 

ソロー…

陸奥

「……うふふ……」パタン…

 

 

――――――

提督室

 

 

陸奥

「一緒になって寝ちゃって……本当に子供みたいな人ね」ポスン ←ソファ

 

 

陸奥

(……)

「暇が出来たわね……」

(どうしようかしら……あっちの手伝いにでも行く……?

 ……だめね、誰も付いてないことになっちゃうし……)

 

 

―コンコンッ!

 

 

陸奥

(あら?)

「はーい、どうぞー」

 

 

ガチャッ

 

金剛

「Hi! 陸奥、今日はイイ天気ネー!」

 

比叡

「失礼します!」

 

陸奥

「あら、金剛、比叡。 こんにちは」

 

金剛

「コンニチワデース!」

 

比叡

「こんにちは! 代理補佐艦!」

 

陸奥

「どうしたの?二人とも」

 

金剛

「hm... それが、今朝からずっとダンテを探してるんデスガ、見つかりマセーン……。

 0900くらいにココにも一度来たのデスガ……。

 ドコにいるのか知りまセンカ?」

 

比叡

(今日は朝の準備にやたら時間かけてましたからね、お姉さま……)

 

陸奥

(……)

「……実は今朝方、ここで長門、大淀と私とあの人の四人で

 午前の会議前の話合いをしていたの。 終わったのは0830くらいだったかしら。

 その後は各自でって感じだったから、実は私も今はどこにいるのかは知らないの。

 ごめんなさい……」

 

金剛

「Humm...」

 

陸奥

「でも、六駆の子達と遊んでるってどこからか聞いたから、

 もしかしたら今もどこか近くの外に出てるのかもしれないわね」

(今は皆寝ちゃってるし、正直ここで起こされてもって感じなのよね……)

 

金剛

「oh, そうだったんデスカ。 フム、第六駆<Little Sweeties>デスカー」

 

比叡

「外も見回りましたけど、見かけませんでしたね」

 

金剛

「ホントデース……。

 ハァー……今日は食堂も間宮も利用できないカラ、

 外へランチに誘おうと思っていたノニ……」

 

陸奥

「それは残念だったわね。

 六駆の子達が来たのは会議が終わって、直ぐ後だったみたいよ。

 それから遊びに出かけて、それっきりかしらね」

 

金剛

「uh-huh. ナルホドネー。会議の直ぐ後……デスカ。

 ……ン?

 そういえば陸奥、その会議には出ていマセンデシタヨネ?ダンテもいマセンデシタ」

 

陸奥

(!!)

「えっ、ええ……。 私は他に執務があって……。

 あ、あの人にも会議で新しく話しておくようなことは特になかったしねっ……」

 

金剛

(……)

「……フーン……」

 

比叡

「?」

 

陸奥

「…あはは……」←目逸らし

 

金剛

「……まぁ、いいデス。ダンテの方を問い詰めますカラ」

 

陸奥

「」

 

比叡

「……」

(……あれ?)

 

・・・・・・

 

金剛

「それじゃ、もう行きマース。

 陸奥、ダンテを見かけたら"ちゃんと"教えてくださいネー!」ガチャッ

 

陸奥

(……)

 

比叡

「あっ…失礼しました、代理補佐艦。 慌しくてすみません……」

 

陸奥

「いえいえ……」ヒラヒラ…

 

 

パタンッ

 

 

陸奥

(……)

「…はぁ……なんか無駄に緊張したわね……」

 

・・・・・・

 

陸奥

(……本格的に手持ちぶさたになっちゃったし、私も少しだけ休んじゃおうかな……)

「……んー…………zz」スー…

 

 

1600時

 

 

陸奥

「……ん……ぅ…………っ!? いけないっ!」ビクンッ

(……あら? タオルケット……?)モゾ…

 

 

ダンテ

「おはようさん。 何がいけないって?」ペラ ←資料本

 

 

陸奥

「……これ、あなたが?」つ【タオルケット】

 

 

ダンテ

「ン? ……あぁ」ペラ

 

 

陸奥

「……ありがと」

(見られたわよね、寝顔……//)

 

 

ダンテ

「いや」ha..

 

・・・・・・

 

陸奥

「…それ」

 

ダンテ

「ンァ悪い。見せてもらってるぜ。 …まずかったか?」

 

陸奥

(…)

「いいえ、別にいいわ。 信用してないわけじゃないもの」

 

ダンテ

「ha. そいつは光栄だね。

 ……まぁ今回の仕事はマジで長くなるだろうからな。柄にもなくお勉強さ」huh..

 

陸奥

「ふぅ~ん。 ……読めるの?」

 

ダンテ

「みたいだぜ? 本当すげぇな、あの魔法のコンニャクってのは」hahaha

 

陸奥

「へぇ…」

 

ダンテ

「しっかしどうしてこう、

 お前さんら日本人の名前ってのはゴチャゴチャしてんだ?」ピンッ ←切れ紙を弾く

 

[陸奥] ファサ… ←手書きされた紙

 

陸奥

「っ……ふぅん……よ、よく書けてるじゃない?」

 

ダンテ

「huh, オイオイ、銃か剣しか握らない手だとでも思ってたのか?

 馬鹿にするなよ、ピザを食うときには使うし、ワインボトルだって握るぜ?

 デザートのサンデーを食うときのスプーンを持つのにも必要だしな」

 

陸奥

「……プ、フフフッ…なによそれ。 結局、あんまり筆は取らないんじゃない」クスクス

 

ダンテ

「ha... まぁ、細かいことは相棒任せだったな」

 

陸奥

「へぇ、そうなんだ……。

 それじゃここにいる間は私がその相棒ってことね?」

 

ダンテ

「頼りにしてるぜ」

 

陸奥

「ふふっ。ええ、了解よ」ニコ

 

・・・・・・

 

陸奥

「そういえば、あの子達は?」

 

ダンテ

「ひとしきり部屋漁ったら、満足して帰っていったな」

 

陸奥

「そ…」

 

ダンテ

「ああ」ペラ

 

陸奥

「……」ジー

 

ダンテ

「……」ペラ…

 

・・・・・・

 

陸奥

(……)

「……」

 

ダンテ

「……ヘイ」パタン

 

陸奥

「な、なにっ?」ビクッ…

 

ダンテ

「ただ読んでるだけじゃわかんねぇし、お前も退屈してるみたいだからな。

 勉強のお時間だ。ちょいと付き合ってくれよ。

 こっちとしても、レd……仲介屋の女からは触りくらいしか聞かされてなくてな」

 

陸奥

「あら、そうだったの?」

 

ダンテ

「……ああ……。

 だから教えといてくれ。

 敵さんのシンカイセイカンのことと、お前たちカンムスのことをだ。

 あとはまぁ、……いろいろだな。"ここ"のことも教えてくれ。

 つーか今もリストを見せてもらってるが、まだ会ってない奴も相当いるだろこれ……。

 昨日のブリーフィングでさえ、

 挨拶した奴の中でもまだ名前が覚え切れてないのも多い」

 

陸奥

「……そうね。 確かにすぐにでも必要になってくることだと思うし、

 とても重要なことだったわね……。

 遅くなってごめんなさい。ちゃんと話すわ」

 

ダンテ

「助かる」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……へぇ。

 そんじゃつまり、結局のところはよくわかってねぇのか」

 

陸奥

「ええ……。

 はっきりとわかっているのは、こちら側人類に対し、

 明確な敵意を持っていて、攻撃をしかけてくるということ。

 そして現状、制海権のほぼ全てがその深海棲艦に握られている状態にあって、

 各国は必至の抵抗を試みている、という状態ね」

 

ダンテ

「なるほどな」

(制海権のほぼ全て、か。 日本だけの話じゃなかったんだな……。

 が、ドンパチの多くは、なぜか日本でよく起こる、ね……)

 

陸奥

「……それで、その具体的な対抗手段なんだけど……、

 ……もうあなたも知っての通り、深海棲艦に通常兵器は通用しないわ。

 そこで、私たち艦娘の存在、というわけね。

 次に私たち艦娘のことについて、詳しく話すわね」

 

ダンテ

「おう」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……hm.

 ……沈んだらどうなる?」

 

陸奥

「……そのままよ。 そのまま……海の底に……。

 言うなれば、それが私たち艦娘にとっての死ね……」

 

ダンテ

「hmm...」

 

陸奥

(……)

「……」

 

ダンテ

「…あ? どうした」

 

陸奥

「……いえ、何でもないわ」フルフル…

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ok. つまり今回の俺の仕事としては、要はお前らを沈めないようにして、

 ヤッコさんをぶっ飛ばせばいいってだけだな]ha ha-

 

陸奥

「え、ええ……そういうことにはなるけど……。

 ……随分と簡単に言ってくれるわね……」

 

ダンテ

「まぁな。ha

 貰うモンは貰ってるからな、ハンパな仕事をするつもりはねぇよ。

 ちゃんと全員守ってやるさ」

 

陸奥

「っ……そ、そうっ、それなら頼りにさせてもらおうかしらっ?//」

 

ダンテ

「任せな」ha ha-

 

・・・・・・

 

ダンテ

「あとはコウショウやら設備か。 面倒が多そうだな……」

 

陸奥

「あぁ、そういった細かいことは私が全部……とはいかないかもしれないけど、

 なるべく付き添うわ。 詳細もそのときでないと難しいでしょうし」

 

ダンテ

「そいつは助かるね。

 あと他は……名前だな……。そもそも数が多すぎる」

 

陸奥

「……まぁそれも私がそばにいると思うし、

 時間をかけて覚えていくしかないんじゃない?

 ゆっくり慣れていくしかないと思うわ」

 

ダンテ

「huh... 確かに、それもそうだな…」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――ン"、アァ"ー…………肩がこった。

 悪かったな、だいぶ付き合わせちまったぜ」ポキポキ…

 

陸奥

「問題ないわ。これも大事なお仕事だしね」

 

 

 

*艤装や入渠、その他諸々についても、いろいろ詳細に聞きました。

 

 

 

 

 

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・・・・・・

 

1740時

 

 

陸奥

(もうそろそろいい時間かしらね……)

「ね、そろそろお腹空かない?」

 

ダンテ

「ん? …おぉ、けっこうかかってたんだな。

 そうだな。 どうする?また外に食いに行くのか?」

 

陸奥

「それだけど、ちょっとここで待っててもらえる?」

 

ダンテ

「ああ、構わねぇぜ」

 

陸奥

「ありがと」

 

ガチャ、パタン

 

 

――――――

食堂

 

 

陸奥

「了解。それじゃもう二人まとめて連れてくるわね」

 

長門

「ああ!

 皆で懸命に準備したからな、しっかり頼んだぞ!」

 

オネガイシマス! ワイワイ

 

陸奥

「ふふふ、はいはい。任されたわ」ヒラヒラ

 

 

――――――

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

 

夕立

「ダウトっぽい!」

 

吹雪

「うぇっ!?」

 

ペラッ

 

吹雪

「うぅ~……」サッサ…

 

夕立

「吹雪ちゃん、わかりやすいっぽいー」

 

睦月

「あはは……人数も少ないから難しいよね……」

 

・・・・・・

 

睦月

「……」

(……時間、そろそろじゃなかったかな……?)ソワソワ…

 

夕立

「ダウト!」

 

吹雪

「またぁっ!?」

 

 

―コンコン

 

「代理補佐艦の陸奥よ。ちょっといいかしら?」

 

 

睦月

(きたっ!)

「あっ、はーい!今出ますっ。 私出てくるねっ」トテテッ

 

吹雪

「あれ? 陸奥さん?」チラ

 

夕立

「ぽいー」ポイー

 

・・・・・・

 

陸奥

「今日はご苦労様。 ごめんなさいね、長門のわがままで……。

 夕立にも伝えておいて?」

 

睦月

「あ、いえっ。

 睦月たちも楽しかったですし、吹雪ちゃんともいろいろ話せたりして、

 すごく仲良くなれましたしっ。

 今朝は少し見失っちゃいましたけど……」

 

 

「ちょっと夕立ちゃん!? カードが余分に増えてるように見えるんだけどっ!?」

 

「気のせいっぽい」ポイポイー

 

「いや気のせいじゃないよっ!?」

 

 

陸奥

「…ふふふ、みたいね。 何よりだわ」クスクス

 

睦月

「えへへ…///」

 

・・・・・・

 

陸奥

「それじゃ、このあともお願いできる?睦月」

 

睦月

「はいっ!了解です!」ビシッ!

 

陸奥

「頼もしいわね」フフッ…

 

・・・・・・

 

陸奥

「じゃ、あとで合流しましょ」

 

睦月

「はい。準備ができたら、すぐに向かいますねっ」

 

陸奥

「ええ。またあとでね」ヒラヒラ

 

 

――――――

再び、提督室

 

 

―ガチャ

陸奥

「おまたせー。それじゃ行きましょうか」

 

 

ダンテ

「…ン、おう」スクッ ←立ち上がり

 

 

――――――

廊下

 

テクテク

 

ダンテ

「本当に広いな、ここは」

 

陸奥

「まぁね」

 

 

チョッ ユウダチチャン、オサレタラコケチャウッテバ!

アブナイヨッ ユウダチチャン!

ポイッ!

 

 

ダンテ

「……アン?」

 

 

吹雪

「……あ、ダンテさんっ」

 

 

――――――

食堂・扉前

 

 

ダンテ

「おい、なんだよムツ、お前まで押しやがって……」

 

陸奥

「いいからいいから、ほら♪」グイグイ

 

吹雪

「うわっちゃ! 今度は睦月ちゃんまでっ!?」

 

睦月

「いひひっ!」

 

夕立

「二人一緒に開けるといいっぽい!」

 

 

ダンテ

「……ア?」

 

吹雪

「……?」

 

↑二人とも目を合わせてる

 

 

ダンテ

「……huh, okay.

 いいか?フブキ」グッ…

 

吹雪

「は、はいっ」グ…

 

ギィ…

 

―pan! papan!! ←クラッカー音

 

 

吹雪

「わっ!? ……わぁっ!」

 

ダンテ

「……ph~♪ こいつはすげぇな」haha!

 

・・・・・・

 

ワイノワイノ!

 

長門

「気に入ってもらえて何よりだ。

 こちらとしてもやり切った甲斐があったというものだ」スッ

 

吹雪

「すごいですっ! こんなに!」

 

長門

「ありがとう、吹雪。よかったら他の駆逐艦にも言って、褒めてやってくれないか?

 本当に頑張ってくれたからな、あの子達も」

 

吹雪

「はいっ!」

 

陸奥

「歓迎パーティってことになるんだけど、祝勝会も兼ねているのよ。

 昨日の攻略海域のことで、鬱憤が溜まっていた子達も多かったから。

 その気晴らしも合わせて、ね」スッ

 

ダンテ

「なるほどな」

 

長門

「ともあれ、改めて二人ともようこそ、我等が鎮守府へ。

 一日遅れになってしまったが、歓迎する。 今夜は楽しんでくれ」

 

ダンテ

「ああ、そうさせてもらうぜ」ha ha-

 

吹雪

「ありがとうございますっ!!」

 

・・・・・・

 

吹雪

「ダンテさん、あの」

 

ダンテ

「ん?」

 

夕立

「吹雪ちゃん、まずはあれから行くっぽい!」グィ

 

吹雪

「うわっ!ちょっ」

 

睦月

「だから危ないってば夕立ちゃんっ!」

 

ステテテー

 

 

ダンテ

「……huh.

 さて、俺もどうするかね。 挨拶回りからでも始めりゃいいのか」

 

陸奥

「付き合うわ」

 

ダンテ

「どうも」

 

 

――――――

 

 

榛名

「あら」

 

霧島

「おいでになられたみたいですよ、金剛お姉さま」

 

金剛

「イエス!やっとデスネ! 結局会えマセンでしたカラネ、待ちわびマシタ!

 ではさっそく、行ってk」

 

比叡

「…あ」

 

 

天龍

「おーいっ!ダンテー!」ブンブン!

 

龍田

「天龍ちゃん、食事する所なんだから、走ったりしたらだめよ~」コツコツ

 

「まったく、天龍ったら全然なってないわねっ」サッサッサッ

 

「暁も早足になってるから、躓かないようにね」テテテ

 

「っ!?」

 

「ドリンク、よし! 行くわよ、電!」ガッチャ ガッチャ

 

「はわわっ、待ってほしいのです!

 それはさすがに数が多すぎると思うのですっ……」オロオロ…

 

 

 

金剛

「……What's?」

 

比叡

「……完全に出遅れましたね……」

 

榛名

「おそらく、今行かれてもお邪魔になるだけかと……」

 

霧島

「……どんまいです、金剛お姉さま」

 

金剛

「……s……sh……う○こ!」クワッ

 

霧島

「やめてくださいお姉さま。食事処です」

 

 

――――――

 

 

天龍

「――そんでよっ、最後の最後に飛ばしたヤツがさぁっ!」

 

龍田

「うふふふ~♪」

 

「はい! 陸奥さん、ダンテ!」つYつY

 

陸奥

「あら、ありがと。雷」つY

 

ダンテ

「おう、ありがとな。

 お前さんもご苦労だったな」つY ha

 

「い、いえっ……問題ないのです……//」

 

天龍

「おい!聞いてくれって!」

 

ダンテ

「ああ、聞いてる。それで?」

 

――!!

haha

ウフフフ

 

 

「天龍ったら、あんなにはしゃいじゃってはしたないったらないわねっ!」

 

「まぁそれも仕方のないことだと思うよ。

 将来的には彼が使っていた技みたいになっていくかもしれないんだからね。

 あんな風に興奮してしまう気持ちもわからないでもないよ」

 

・・・・・・

 

―ッ!

hm..

ウフフフ

 

 

「まだ話してる……。終わりそうにないわね……」

 

「どうしようか、先に何か食べてようか?」

 

「そうね。こうしてても退屈だし、行きましょ!」

 

「なのですっ」

 

 

――――――

 

 

「あ、デザートがあるわ!」

 

「わわ、いろいろあるのですっ!」

 

「見た目もすごく綺麗だね。どれもとてもおいしそうだ」

 

「わぁっ! ……あっ……い、いきなりデザートなんてダメよっ!

 そんなの大人のレディーのすることじゃないわ!」

 

「えー」

 

「まぁまぁ。

 バイキングなんだし、今日くらいは好きなように食べてもいいんじゃないかな」

 

「暁ちゃん、食べないのですか……?」

 

「うっ……」

 

「せっかくのパーティなんだし、楽しまないと損よ。私は食べちゃおーっと」

 

「だね。では私も」

 

「ほら、電も」

 

「あ……はいなのです……」

 

「…あっ……」

 

 

ダンテ

「――悪い、俺の分も選んでくれねぇか?」スッ

 

「っ!?」

 

「あ、ダンテ! わかったわ、ちょっと待ってて!」ササッ!

 

ダンテ

「thx」ha-

 

「あ、雷ちゃんっ」テテッ

 

 

「天龍は?」

 

ダンテ

「ン……huh.

 まぁいつでもできるような話だったからな、逃げてきた。

 ムツには悪いことしちまったがな」hahaha

 

 

――――――

 

 

天龍

「でもあれって結局、もっと強力にするためにはよー、……ってあれ……?」

 

龍田

「天龍ちゃん、はい。雷ちゃんと電ちゃんからもらってたドリンクよ。

 話しすぎて喉渇いたでしょう~」つY

 

陸奥

「……」

(……ちょっとっ!?)

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「ph♪ こいつはいいな、甘酸っぱさがたまらないね」サクッ ←苺ジャムとクリームのクラッカー

 

「口に合ってよかったわ! 他には何がいいっ?

 もーっと私に頼っていいのよ!」

 

「落とさなくてよかったのです……」

 

「ハラショー」モグモグ

 

「ぁぅ……」

 

ダンテ

(……)

「お前さんは食わねぇのか?」

 

「っ……お、大人のレディーはいくらバイキングだからって

 始めからデザートを食べたりなんてしないわ!

 そ、それにいつも甘いものは最後にって言われててっ……」

 

ダンテ

「あぁ、なるほどな。 最後に、ね。

 けっこうなことだが、飯食った後、腹いっぱいで食えない、

 なんてことにならなきゃいいけどなw

 それに、会場にはこれだけのカンムスがいるからなァ。

 特にうまそうなヤツはすぐになくなっちまうかもしれねぇぜ?」hahaha

 

「ふぇっ!?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「umm...

 マミヤで食ったサンデーも最高だったが、

 本当にうめぇな"ここ"のは」←これ見よがしに食べてる

 

「あ、ぅ……っ」チラチラ…

 

ダンテ

「うぃ」つ◎ スッ ←腰落としてあげてる

 

「い、いらないわ! 暁は大人なんだから、それくらい我慢できるもんっ!」

 

ダンテ

「huh. 大人だからっていつも我慢することが正しいとは限らねぇさ」

 

「えっ……でも……」

 

ダンテ

「人生ってのは楽しむもんだからな。 それが一番正しい」

 

「……そうなの?」

 

ダンテ

「ああ。 覚えとけ、アカツキ。

 本当の大人なら、人生くらい楽しんでるもんだ。

 "今"を楽しめる奴ってのが一番偉いのさ」

 

「……一番えらい、本当の……」

 

ダンテ

「ほれ、あーんしろ」ヒョイ

 

「ふぇ? むぐっ」パクッ

 

ダンテ

「うめぇだろ?」パッパッ ←手を払いながら立ち上がる

 

「……うんっ!」

 

ダンテ

「ha. 上出来だ。 最高に良いスマイルだぜ Ms. Lady?」

 

「……えへへっ///」

 

 

響・雷・電

「…………フフッ」ニコ

 

・・・・・・

 

ダンテ

「さぁ Ms. Lady, 他にご希望は?」

 

「あれっ! ずっと気になってたの!」つ ビシッ!

 

ダンテ

「ンー? …huh, おいおい、チョコレートフォンデュかよ。

 しかもありゃドでけぇタワーだな。 あんなもんまであるとはなァ」haha

 

 

「ダンテー!早くっ!」テテテーッ

 

 

ダンテ

「ha. Roger」スタスタ

 

「あ、私もっ!」

 

「なのです!」

 

「あれには本当にすごい力を感じるっ……」

 

 

――――――

 

 

「……これどうやって食べるのかしら?」

 

「直接……?」

 

「コップとかがあるわけでもないね」

 

「見るだけなのです……?」

 

ダンテ

「こうするのさ」つ―△ プスッ ←苺刺し

 

タラー ←チョコ漬け

 

 

雷・暁・響・電

「わぁー! ハラショーっ はわーっ……」

 

ダンテ

「ほらよ」クィ

 

「んむっ! ……お、おいしいのですっ//」モム

 

ダンテ

「そいつはよかった」ha ポィ ←串をゴミ箱に

 

・・・・・・

 

「~♪」モムモム

 

「私もやるわっ!」

 

「これは楽しそうだ」

 

 

「……」ジー ←見上げてる

 

ダンテ

「テッペンで漬けてみるか?」

 

「っ! いいの……?」

 

ダンテ

「ああ。やりたいことならやればいい。手伝いはしてやるぜ?」

 

「……うんっ! やってみたい!」

 

ダンテ

「よし来た。 イチゴは持ってるな。……よっ」ヒョイッ

 

「ひゃっ!」

 

「…あっ! 暁ずるいわ!」

 

「それ、いいな……」

 

「ダンテっ! 次は私よ!」

 

「……い、電もやってみたいのですっ!///」

 

ダンテ

「ha, オーライ. 後がつかえてるみたいだぜ?アカツキ」

 

「あともうちょっとだから!」タラー

 

・・・・・・

 

6駆

「ワイワイッ」モニュモニュ

 

ダンテ

「hm...」

 

 

ジー…

 

 

ダンテ

「……アン?」チラ

 

 

ゾロゾロゾロ……

 

 

ダンテ

「……huh」

(しばらく飯はお預けだな……)

 

・・・・・・

 

―コツコツコツッ

陸奥

(……あっ、見つけたっ!)

「もうっ…………あら?」

 

 

 

ダンテ

「――よっと」ストンッ

 

龍驤

「ありがとさん……」←なんか間違われた

 

ダンテ

「おう。

 まだやってほしいやつはいるか?」

 

 

陽炎

「不知火、やってもらったら?w」ポンッ

 

不知火

「え……いえ、不知火は……あっ」テテッ…

 

ダンテ

「おぅ、なかなかいい面構えした嬢ちゃんだな」ヒョイッ

 

不知火

「っ!? あ、ちがっ……。

 ……あっ……あの…………苺がまだです……////」

 

 

 

陸奥

(……)

「ふぅ…………ふふ、仕方ないわね。

 この陸奥を一人にしたこと、今回だけは特別に許してあげましょうか」クスクス…

 

 

――――――

 

ガヤガヤガヤ

 

 

加賀

「……」チラ…

 

赤城

「加賀さん。 はい、あーん」

つ=◇

 

加賀

「っ…………あむ……///」モグモグ…

 

赤城

「あまりお箸が進んでいないようですけど、食べないんですか?

 私がいただいてしまいますよ?」

 

加賀

「……それは譲れません」

 

・・・・・・

 

赤城

「……ふふふ、いいですね、あれ。 微笑ましくて」クスクス

 

加賀

「……そうですね」フッ…

 

赤城

「加賀さんが先ほど何を考えていたのか、当ててみせましょうか」

 

加賀

「……」

 

赤城

「……ずばり!

 加賀さんもあの方にああしてほしいと思っていた! そうでしょう!?」クワッ

 

加賀

「違います」

 

 

――――――

 

 

霧島

「行かれなくてよろしいのですか、金剛お姉さま?」

 

金剛

「わざと言ってるデショー、霧島……。

 さすがにあの中に入っていくのは気が引けマース……。

 無粋というものデス……」ハァ…

 

榛名

「ふふふ、そうですね」

 

金剛

「……でもイイネ。 今日はもう他の皆さんに譲りマス。

 みんな、ダンテと打ち解けてくれてヨカッタネっ」

 

比叡

「……ですね」フフッ

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 02 ~ 力なんかよりも、もっと大切なもの ~
MISSION 2-1


幸も不幸もそれを手に入れる手段は、実際には万人に共通である。

疑念を捨てられる者はその瞬間から幸いである。
疑念を捨てられぬ者は一生涯において不幸に苛まれる。

しかしながら、疑問こそが人間の知性の源なのである。
知力とは、疑問力のことである。


翌日

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

 

睦月・夕立

「Zzz...」スー…

 

 

吹雪

「……よしっ」キリッ

 

ガチャ…パタン…

 

 

川内

「ふぁ……」トテトテ…

 

吹雪

「あ、川内さん。早起きですねっ」

 

川内

「え?まさか。これから寝るところ。

 いやー昨日、駆逐艦と他の何人かが帰った後、

 まだ動ける組でずっと盛り上がちゃってさぁ」アハハハ

 

吹雪

「えっ……まさか今までずっとですかっ?」

 

川内

「うん、ついさっきまでね。

 で、さすがにお開きになったんだけど片付けは昼からってことなって皆解散して、

 私も今帰ってきたんだよね」

 

吹雪

「へぇー…そうだったんですか」

 

川内

「あ、駆逐艦は片付けいいってさ。

 パーティの準備、やってくれてたらしいもんね」

 

吹雪

「え、でも私は…」

 

川内

「ゲストだったんだし、当然無しなんじゃない?

 ん、ていうか何、トレーニング?」

 

吹雪

「あ、はいっ。

 少しでもみんなに追いついて、迷惑かけないようにしなきゃいけませんから!

 それじゃあ!」エッホッホッホッ

 

 

川内

「…元気だねぇ……」ファァ…

 

 

――――――

鎮守府軍港・裏

 

 

吹雪

「ハァハァ」タッタッタ

 

 

 

朝日「ペカー」

 

 

 

吹雪

「……わぁー! …よーし、がんばるぞー!

 目指せ、MVP! っ!? うわぁたっ、たたってぁあうわっわ!」コケッ

 

テッテッテ…フラフラ …ビクーンッ ←端でギリギリ状態の吹雪

 

 

???

「…」タタタタッ!

 

 

吹雪

「ふぬぬっ…んぅーっ……う、わっわ、やっぱりだめぇ!? ぅわぁあっ!」

(まずいっ!落ちちゃう!?)

 

―グィ!

 

吹雪

「……へ?」ピターン

(あれ……? 短パン…引っ張られてる……?)

 

…グィー…

 

…トサッ

吹雪

「あうっ。 ……へ?」ポケー

 

 

吹雪

「……はっ! あ、ありがとうございましたぁっ!あはははっ///」スッスッ

 ←短パンを履き直す

 

 

吹雪

「……ん? あれ?」

 

黒い犬

「……」

 

吹雪

「……犬?」

 

・・・・・・

 

吹雪

「えっと……」

 

黒い犬

「……」トテトテトテ

 

吹雪

「あっ……ん?」

 

 

―ピョン

ミ v-ェ・v

[ダンボール] ヒョコッ

 

 

吹雪

(ダンボール……入ってっちゃった)…テテテッ

 

・・・・・・

 

吹雪

「……んー?」←ダンボールを見る

 

["ヒロッテクダサイ"]

 

吹雪

(……ひろって…ください?)

「……この子、捨て犬だったんだ……。 それにしてはなんか……」

 

黒い犬

「……」…スンスンスン…

 

吹雪

「うーん……あっ……この子、よく見たら右目開いてない……」

(かわいそう……。どうしよう……? とりあえず一度、鎮守府に……。

 ……でも、いいのかな……)

 

  v-ェ・v ……

[ダンボール]

 

 

吹雪

(……助けてもらっちゃったし、お礼はちゃんとしないとだよねっ)

「私と一緒に来る?」ナデナデ…

 

  v-ェ-v ..メ ←しっぽふり

[ダンボール]

 

 

吹雪

「あはっ、ふふふっ!」ダキッ

 

 

――――――

戻って鎮守府

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

―ガチャ…パタン…

 

吹雪

(何も考えずにとりあえず一緒に帰ってきちゃったけど……)ソロー…

 

 

睦月・夕立

「Zzz..」スー…

 

 

吹雪

「ほっ……」

(二人はまだ起きてないや……)

Σv-ェ・v …ピクッ

つu u⊂

 

黒い犬

「……」…スンスンッ

 

吹雪

「ん? どうしたの?」コソ…

 

黒い犬

「……」ピョンッ

 

吹雪

「あっ」

 

 

テテテ…ガサガサッ カリカリッ 

 

 

黒い犬は昨日、吹雪たちがパーティから持ち帰った、

ちゃぶ台上のラスクを食べ始めた。

 

 

吹雪

(っ!? しまった、置きっぱなしだった!)

「だ、だめだよそれはっ! こ、こらっ!」アタフタッ

 

 

モゾモゾ …ンゥ…?

zz…ポイー…?

 

・・・・・・

 

黒い犬

「ペロペロ」メ

 

吹雪

「あぁ……全部食べちゃったよ……」

(犬が食べるには甘すぎるからだめだった思うんだけど……大丈夫なのかな……)

 

 

吹雪

「……もー」ダキ

_v-ェ-v ムフーッ

つu u⊂

 

 

ンッ…ンゥー…

 

 

吹雪

「っ!」ビクーン!

 

 

睦月

「吹雪、ちゃん……もう起きてたの……? んー、……あれ……?」コショコショ…

 

夕立

「んー……ふぁーん…………んぅ……おはよぅー……。 ……ん?

 ……犬っぽい?」ポリポリ…

 

吹雪

「あはははー……」

 

・・・・・・

 

睦月

「軍港の裏に?」

 

吹雪

「うん……」

 

睦月

「どうしてそんなところに……」

 

吹雪

「それはわからないけど……。

 あの子、片目しか見えてなくて……」

 

睦月

「え? ……あ、本当……」

 

吹雪

「そ、それにっ」

 

睦月

「それに?」

 

吹雪

「……えっと、……助けてもらったっていうか……?」

 

睦月

「え、あの子に?」

 

吹雪

「う、うん……」

 

・・・・・・

 

睦月

「……そっか」

 

吹雪

「うん……」

 

 

夕立

「大人しいっぽいー」ダキ

_v-ェ-v …z

つu u⊂

 

夕立

「……あれ?」

 

zz…

 

夕立

「寝ちゃったっぽい」

 

 

睦月

「……どうするの?」

 

吹雪

「やっぱり、長門さんに相談かな……?」

 

睦月

「なんて説明するの?」

 

吹雪

「えっと……、どうしよう……?」

 

夕立

「吹雪ちゃんが上目使いでお願いすれば、たぶん余裕で通るっぽい」

 

吹雪

「え」

 

睦月

「夕立ちゃん……」

 

・・・・・・

 

夕立

「とりあえず準備して朝ごはん食べて、授業に行くっぽい」ソ… ←犬置き

 

睦月

「あ、そうだね。とにかく授業には行かないと。

 長門さんには時間ができたら話しに行くしかないね」

 

吹雪

「う、うん」

 

・・・・・・

 

吹雪

「……いい子でお留守番しててね。

 お昼休みには一度、帰ってくるから」ナデナデ…

v-ェ-v z…ピクン…

 

 

―ガチャ、パタン

 

吹雪

「なんて言おうかな……」

 

睦月

「うーん……」

 

テクテクテク

 

夕立

「…………あっ!」

 

 

――――――

提督室・前

 

 

陸奥

(もうすぐお昼だから一応、見に来たわけだけど……)

「……陸奥よ。 起きてるー」コンコン

 

シーン…

 

陸奥

「……ま、そうよね……」

 

 

――――――

提督室・寝室

 

―ガチャ…

 

陸奥

「……」ソロー…

 

 

ダンテ

「Z"zz」

 

 

陸奥

「……んっ」パタン…

(すごいお酒の匂いね……)

 ←昨日は付き添う必要がなさそうに見えたので、一言断って帰った

 

 

陸奥

「……」ススー…

 

ダンテ

「Z"z...」

 

陸奥

(……やっぱりすごいっ……)

「……もう一度だけ」ボソ…

 ソローリ…

 

 

 

「おーいダンテー!! もう起きてっかーっ!!」

「ちょっ 天龍ちゃんてばっ」

 

 

 

陸奥

「」ビクーンッ!?

 

ダンテ

「ンガッ…」z…

 

 

――――――

提督室

 

―ガチャ、パタンッ

 

陸奥

「あらぁ 天龍に龍田じゃなーいっ、どうしたのっ?」アセアセッ…

 

天龍

「お、陸奥さん」

 

龍田

「こんにちは~」

(あの部屋って……。 ……あら~)

 

・・・・・・

 

天龍

「昨日、ここで寝泊りしてるって言ってたから来たんだけど……。

 陸奥さん、見てないか?」

 

陸奥

「えーっと……」

 

龍田

「天龍ちゃん、本当に元気ねぇ~……。私はまだ眠いわぁ~……」ファ…

 ←ずっと宴会参加してた天龍に付き合ってた

 

天龍

「正直、帰ってからもほとんど眠れてねぇけど、まだまだ全然余裕だぜっ!w」

 

龍田

「……そう……」

(今朝も寝ようとしてるときに興奮してる天龍ちゃんに、

 いろいろおしゃべりに付き合わされちゃったから、実際私もほとんど……)ファ~…

 

 

―ガチャ

ダンテ

「騒々しいな……」ファ…

 

 

陸奥

「あっ……」

 

天龍

「おっ!ダンテ!」

 

龍田

「……」

(……へぇ~)

 

 

――――――

授業・午前の部、終了。お昼休み。

三水戦の部屋・吹雪たちの方に向かう途中廊下

 

 

夕立

「うー、宿題がぁ……」

 

睦月

「もう、仕方ないなぁ……。

 見てあげるから、ほら、がんばろ夕立ちゃん」

 

夕立

「睦月ちゃーんっ」ヒシッ

 

 

吹雪

「……」タタタッ ←早足

 

 

―ガチャッ

吹雪

「ごめん、遅くなっちゃったっ」

 

 

v-ェ・^ ―ピクッ

 

 

v-ェ-v スク…

 

テテテ…

 

 

吹雪

「……わぁ」ナデナデ…

 

夕立

「ずっと動かなかったっぽい?」

 

吹雪

「みたい……」

 

睦月

「えらいね。まだけっこう小さく見えるのに……」

 

吹雪

「うん。 ……んふふっ」

つ ナデナデ

v-ェ-v

 

・・・・・・

 

睦月

「それじゃ、長門さんのところに行こっか」

 

吹雪

「うん」ダキ

_v-ェ-v

つu u⊂

 

夕立

「吹雪ちゃん、ぽいーぽぃー」つつ

 

吹雪

「え なにそれどういうこと?」

 

 

――――――

提督室

 

 

陸奥

「どうぞー」

 

つ旦~ コト

 

天龍

「おぅ、すまねぇ陸奥さん」

 

龍田

「ありがとうございます~」

 

陸奥

「いえいえ」ニコ

 

 

―ガチャ

 

 

陸奥

「あら、相変わらず早いわね」

 

ダンテ

「まぁな」ポスッ ←ソファ

 

陸奥

「はい、これ」つ.つ日

 

ダンテ

「あ? なんだそれ」

 

陸奥

「お薬。 いらない?」

 

ダンテ

「uh... ああ、別にいい」

 

陸奥

「そ。 じゃ、こっちね」つ日 ←スポーツドリンク

 

ダンテ

(やたら青いな……)

「huh... thx」つ

 

天龍

「あっ! 陸奥さん、オレもそっちがいい!」

 

陸奥

「うふふ。 はいはい、わかったわ」スッ

 

龍田

「……」o旦 スー、コク…

 

・・・・・・

 

ダンテ

「それで、話ってのはあれか。

 どうすればエモノを強くできるか、か?」ゴク

 

天龍

「おう! つかその話の途中で消えただろー」

 

龍田

(あの後もまともにお話できそうにもなかったものね~)

 

ダンテ

「悪いな。 腹が減ったもんで、ついな」ha

 

陸奥

「……どういうこと?」

 

ダンテ

「uh-m……そう、だな……。

 ムツもいるし、……事の経緯とその辺のことも話しとくか」

 

天龍

「おうっ!」

 

龍田

「よかったわね~、天龍ちゃん」ウフフ~

 

・・・・・・

 

陸奥

「ふう~ん……」

 

ダンテ

「huh...」←目を反らす

 

天龍

「ま、まぁオレも怪我とかはしてないからさっ!大目につーか!」

 

龍田

「元々、天龍ちゃんから仕掛けたわけだしね~」

 

天龍

「うっ……//」

 

陸奥

「……はぁ。 まぁ、もう過ぎたことだし、仕方ないわね」

 

龍田

「あ、ジャケットは明日には返しますね~」

 

ダンテ

「ン、あぁ」

 

陸奥

(……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――よし、次は……石の特性の話だな。

 まぁ一言で言えば、性格とか性質みたいなもんだ。石に宿ってる悪魔の、な。

 例えばその石の悪魔は元々、腕っ節に自信がある奴で、

 殴り付けるのが好きな奴だったとする。

 もうわかるな、これがそのまま石の特性になるわけだ。

 他にも、斬るのが得意な奴だったり、

 あるいはなんでもかんでもぶっ放すような奴だったり、とかか。

 まぁいろいろあるな」

 

陸奥

「……その特性のある石って、一昨日私たちが回収した物の中にいくつかあるの?

 昨日、あなたが話してくれた内容から考えると、

 その特性のある石は、ある程度大きさがある物のことよね?」

 

ダンテ

「ああ、その通りだ。

 結果から言うと、特別な使い方ができそうなモンはなかったな……。

 多少、他と比べりゃ大きいヤツもあったが、

 あのくらいなら結局はどれも似たようなもんだ」

 

陸奥

「そう……」

 

天龍

「……ん? じゃあ、今オレの刀に埋め込んである小さい石だけじゃ……」

 

ダンテ

「全く使えねぇってことはないぜ?

 ただ、昨日お前さんに教えた技だけじゃ心許ないってことだ」

 

天龍

「あぁ、そうか。 ……なるほどな」

 

龍田

「……ではその大きい石、でしたっけ? それがたくさんあるといいんですね~?」

 

ダンテ

「ああ、そうだ。

 ……実を言えば、それだけでもないんだが……。 ま、それはまた今度だな」

 

天龍

「え?」

 

ダンテ

「実際モノがないとわかんねぇだろうからな。だからまぁそんときだ」

 

天龍

「ふむ……」

 

龍田

「……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「了解。今のこともまとめておくわね」

 

ダンテ

「悪いな。後々の報告になっちまって」

 

陸奥

「……うーん、まぁいいわよ、気にしないで。

 あなたには悪いけど、

 こういった話を一遍にしたところで皆どうせすぐには受け入れられないと思うし」

 

ダンテ

「そいつは違ぇねーな」ha ha-

 

 

コンコンッ

 

「ふ、吹雪ですっ!」

「同じく睦月です!」

「同じくっぽいっ!」

 

 

ダンテ

「アン?」

 

陸奥

「あら」

 

天龍・龍田

「?」

 

・・・・・・

 

*昨日のパーティで、吹雪は睦月・夕立に連れ添ってもらって挨拶回りをあらかた済ませてます

 

 

天龍

「こいつ全然吠えねぇんだなぁ」ポンポン

v-ェ-v

 

龍田

「ちょっと天龍ちゃん、怒らせて噛まれるみたいなベタなことはやめてね~?」

 

天龍

「……」ポン、ポン…

v-ェ-v

 

 

ダンテ

「……」

 

 

吹雪

「――というわけなんですけど、それで長門さんに……」

 

陸奥

「なるほどねぇ。 んー……長門だったら、今のこの時間だと……、

 たしかパーティの片付けの指揮は大淀が執ってるはずだから、

 どこかで昼食を摂った後は――」

 

睦月

「……あ、午後の実技演習っ」

 

夕立

「あー、忘れてたっぽい」

 

吹雪

「へ?」

 

陸奥

「例の攻略海域の対策や準備で、

 駆逐艦の授業がほとんど自習休講の扱いになってたんだけど、

 今日から再開されたから、おそらくは、ね……」

 

吹雪

「えっ、長門さんが見に来られるんですか? 私たちの実技演習を?」

 

陸奥

「え、ええ……」

 

睦月

「けっこう頻繁に見に来てくれるんだよっ」フフッ

 

夕立

「ランニング課目のときにはけっこう一緒になって走ってたり、

 ストレッチにはやたらパートナー立候補してきたりするっぽい」

 

吹雪

「…へぇ~」

 

陸奥

「……」

(…………本っ当、何やってるのよ長門姉ェ……)

 

・・・・・・

 

「どうしよう……」

「とりあえずもう先にご飯食べちゃって、そのあと、演習のときに言ってみる?」

「お腹空いたっぽいー」

 

 

陸奥

「……どうしたのよ、あなた。なんか静かじゃない?」

 

ダンテ

「……huh」スタスタスタ

 

 

ダンテ

「ヘイ、フブキ」

 

吹雪

「――あ、はい。なんですか?ダンテさん」

 

ダンテ

「この犬っころ、どこで拾ってきたんだ?」

 

吹雪

「え? えーっと……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「uhm...」

(……)

 

吹雪

「あの……?」

 

ダンテ

「……」スタスタ

 

吹雪・睦月・夕立

「?」

 

陸奥

「……」

 

 

ダンテ

「悪い、テンリュウ。 ちょっといいか」ザッ

 

天龍

「ん? おお」スッ

 

v-ェ・^ …ピク

 

龍田

「?」

 

ダンテ

「……オイ、フヌケすぎだろ。それでTVショーの客が沸かせられんのかよ。

 多少お利口ってくらいじゃ、自慢にもならねぇんだぞ?」スクッ ←腰を落とす

 

v-ェ-v …

 

ダンテ

「……tut」

(忠実な番犬が聞いて呆れるぜ……。

 力どころか記憶まで抜けてやがんな……)スッ ←立ち上がる

 

 

吹雪

「あのダンテさん……?」

 

睦月

「?」

 

夕立

「もしかして知ってる犬ですかっぽい?」

 

ダンテ

「……ああ」

 

・・・・・・

 

吹雪

「け、ケルベロスっ!?」

 

睦月

「」

 

夕立

「ぽい……?」

 

天龍

「っ!」キラーン

 

龍田

「え~? このワンちゃんがですか~?」

 

陸奥

「……えーと、その子供ってこと?」

 

ダンテ

「いや違う。 だからこいつがそうだ。

 ……本当はもっとドでかいはずなんだがな……。

 何があってこうなってるのかまではわからねぇな」

 

 

「「…………」」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「フブキ、こいつは俺の方で預かるぜ。 うちのが迷惑かけたな」

 

吹雪

「えっ、あ……いえ……私は別に……」

 

v-ェ-v …テテテ

 

吹雪

「あ、あれ……?」

v-ェ-v …ストン… ←後ろに隠れた

 

 

ダンテ

「……ほぉ、えらく懐いてんじゃねぇか」

 

吹雪

「えぇっ、なんでだろう……」ナデナデ…

v-ェ-v …

 

 

ダンテ

(…………へぇ)

「huh, 悪いな、フブキ。 やっぱそいつ、お前にしばらく任せていいか?」

 

吹雪

「え……は、はいっ。 私は大丈夫ですけど……」

 

ダンテ

「thx. 頼んだぜ」

 

睦月

「だ、大丈夫なのかな……。 噛み付いたりとか……」

 

ダンテ

「あぁ、その辺りは問題ねぇ。

 むやみに吠えたり、噛み付いたりしないように徹底的に仕込んではあるからな。

 身に沁みてたんだろうよ、それくらいはちゃんと覚えてたみたいだぜ」hahaha

 

夕立

「だからずっと大人しかったっぽいー」

 

睦月

「……」ソロー…サワサワ…

v-ェ-v ..メ

 

睦月

「っ……」…フフッ

 

吹雪

「……んふふっ。 あとは、長門さんに確認かぁ……」

 

陸奥

(……)

 

夕立

「とりあえず、名前どうするっぽい?」

 

吹雪

「あ」

 

・・・・・・

 

吹雪

「考えてなかった……」

 

睦月

「そのままの名前だとちょっとアレだね……」

 

夕立

「かわいくないどころか、この見た目だとネタっぽい」

 

Σv-ェ-v …

 

吹雪

「うーん、いざ考えるとなると難しいかも……」

 

睦月

「ケルベロスだから、……えーっと、け、ケ○ちゃん、とか……?」

 

夕立

「睦月ちゃん、それダメなやつだから」

 

睦月

「えっ」

 

天龍

(……ケルベロスだろ? んー……ケルベ……ケルb…………)

「……ん……ケルビ……」

 

龍田

「……」

(天龍ちゃん、それ……)

 

吹雪

「っ……ケルビ……」

 

夕立

「なんかかわいいっぽい!」

 

睦月

「うん、いいねっ」

 

吹雪

「うんうん! その名前、いただいちゃってもいいですかっ?」

 

天龍

「え、…お、おうっ」

 

吹雪

「ありがとうございますっ!」

 

天龍

「……なーにっ、いいってことよっ!」ナハハッ!

 

龍田

(……まぁ気に入ってもらえたならいいけど……)

 

 

吹雪

「ケルビっ!」

 

v-ェ・v _

 

v-ェ-v メ

 

 

ダンテ

「ha. 気に入ったとさ、よかったな」

 

 

吹雪

「本当ですかっ!? わぁー、あはははっ!」ダキッ

_v-ェ-v

つu u⊂

 シ

 

 

陸奥

「……本当にずいぶんお利口さんなのね」

 

ダンテ

「huh...」

(……まぁ元々しゃべるくらいだからな)

 

・・・・・・

 

陸奥

「ふふふ、決まってよかったわね。

 それじゃケルビのことも報告にまとめておくわね。

 長門はまぁ……事後報告でもいいと思うわ」

 

吹雪

「え……大丈夫なんでしょうか……?」

 

陸奥

「大丈夫大丈夫。

 なんとでもなるわよ、あんなちょろ姉」アハハッ

 

吹雪

「そ、そうなんですか……?」

 

夕立

「だから言ったっぽいー」

 

睦月

「もう、夕立ちゃんっ……」

 

・・・・・・

 

吹雪

「あ、そういえばご飯とかはどうすればいいんですか?この子」

 

ダンテ

「あぁ、基本的には何でもいい。ドッグフードでもなんでもな。

 適当に残飯でも食わせてやってくれ」

 

吹雪

「えぇ……」

 

ダンテ

「ha. まぁ、大丈夫だ。

 たまのご褒美に甘いモンでも食わせてやってくれ。

 それで拗ねたりすることもねぇはずだ」

 

吹雪

「甘いもの……それって本当に大丈夫なんですか?」

 

ダンテ

「ああ。いろいろ食わせたりしたこともあったが、

 腹下したり、具合が悪くなるようなことはなかったからな。

 基本は丈夫な奴だ。そんなに気を使ってやることもねぇよ。

 ハニートーストやらケーキなんかが大好物だな。

 ま、ハチミツ漬けのモンなら何でも喜んで食うだろうぜ」hahaha

 

吹雪

「わ、わかりました……」

(ラスクも大丈夫だったんだ……)

 

夕立

「なんかすごい甘党そうっぽい」

 

睦月

「うふふっ、なんだか可愛いねっ」

_v-ェ-v

つu u⊂

  ヾ

 

・・・・・・

 

―パタン

 

「早くしないとお昼食べる時間なくなっちゃうよっ!」

「あわわっ、ご飯どこで食べるの!?」

「購買に急ぐっぽい!」

「……」

 

タタタター

 

 

陸奥

「私達もどうする?」

 

ダンテ

「食堂は使えないんだよな?」

 

陸奥

「ええ、まだ昨日の片付けも終わってないはずだから……」

 

龍田

「たしか、鳳翔さんがもうお昼にはお店を開くって言ってましたよ~」

 

天龍

「あぁ、そういや言ってたな。

 今日の昼はまだ食堂が使えないだろうからって。

 間宮さんもそっちの手伝いに行ってるんだっけか」

 

陸奥

「決まりね」

 

ダンテ

「ああ」

 

 

――――――

 

 

天龍

「陸奥さん、ごちそうさまっ!」

 

龍田

「ごちそうさまでした~」

 

陸奥

「はいはい、どういたしまして」

 

天龍

「そんじゃまたな、ダンテ!」

 

龍田

「いろいろ失礼しました~」

 

ダンテ

「おう、またな」

 

・・・・・・

 

陸奥

「出る前にまとめた報告書を大淀に渡してくるから、あなたは先に戻ってて」

 

ダンテ

「ok.」

 

 

――――――

提督室

 

 

―ガチャ

ダンテ

(……あれが"ニモノ"ってやつか)

「なかなかだったな。 ン?」パタン

 

 

翔鶴

「あっ……」

 

 

ダンテ

「おぅ、報告か?」

 

翔鶴

「は、はい、陸奥さんに……」

 

ダンテ

「hm」

 

・・・・・・

 

ダンテ

(……)

「お前さん、また怪我してんな」

 

翔鶴

「っ……これも掠り傷です。お気になさらずに……」

 

ダンテ

「huh, そうかい。

 ……なぁ、ショウカク。

 ムツが戻るまで、また時間潰しに一勝負でもしてみねぇか?」

 

翔鶴

「……ポーカーですか?」

 

ダンテ

「ああ」

 

翔鶴

「……わかりました。お相手させていただきます」ウズ…

 ←前回勝ち越してるので、若干ハマってきてる

 

ダンテ

「good, そうこなくちゃな」ガチャ ←私室へ

 

・・・・・・

 

ダンテ

「次はお互いで賭けてやろうぜ」

 

翔鶴

「何を賭けるんですか?」

 

ダンテ

(……)

「お前さん、ムツに報告した後はヒマなのか?」

 

翔鶴

「え……ええ、入渠も必要ありませんから、特には……」

 

ダンテ

「ok. よし、とりあえずは3回勝負だ。

 その内、一度でも俺より強い手札が出ればお前さんの勝ちだ。

 貸し分一つ、まぁ何か考えときな」

 

翔鶴

「……私が負けたら、どうなるんですか?」

 

ダンテ

「ムツに報告した後、俺の用事に付き合え」

 

翔鶴

(用事?)

「……わかりました。受けて立ちましょう……!」

 

・・・・・・

 

翔鶴、2連敗

 

 

翔鶴

「……」ズーン…

 

ダンテ

「降参か?」hahaha

 

翔鶴

「……いえ、まだ一勝負あるはずですっ……もう一度っ!」

 

ダンテ

「いいねぇ!」ha!

 

・・・・・・

 

翔鶴

「……っ! フルハウスですっ!」パサッ!

(来た! これならっ!)

 

ダンテ

「悪いな、ロイヤルストレートフラッシュだ」

 

パサッ

 

翔鶴

「」

 

・・・・・・

 

翔鶴

「うぅ……」ガクリ…

(くすん……)

 

ダンテ

「残念だったな」haha

 

 

―ガチャ

陸奥

「ただいまー……ってあら、またポーカー?

 ……今度は何を賭けたのよ?」

 

ダンテ

「別に大したもんでもねぇさ」

 

陸奥

(……)

「ふぅ~ん……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「――了解よ。 今日もご苦労様」

 

翔鶴

「いえ」

 

ダンテ

「終わったか」スッ ←立ち上がり

 

翔鶴

「あ、はい」

 

陸奥

「……二人でどこに行くの?」

 

ダンテ

「コウショウだ」

 

陸奥

(……)

「あら、工廠だったら私も用事があるから付いて行くわ。 いいでしょ?」

 

ダンテ

「ご自由に」

 

翔鶴

「工廠……何か装備でも?」

 

ダンテ

「正解だ。 だがまずは試射場の方だな」

 

翔鶴

「?」

 

陸奥

「……」

(また何か危ないことするんじゃないでしょうね……)

 

 

 

 

 

 

 




前に出てた物も買ったことはないんですが、もし村雨汁が出るとしたら、
その色はたぶん、乳白色だろうなーと>1は予想します。
というか希望します!


まぁでも、それも結局は買わないと思いますけどね……(笑)


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MISSION 2-2

人が他者に対して、本当の意味で施せることというのは実際には存在しない。
現象として、成立しないからだ。

兄弟姉妹、誰でもよいが、自分の家族が病に伏しているとしよう。
普通に考えれば、病床にある家族を、自分という存在は、相手のことを心配し、不安を感じることだろう。

だがよく考えてみれば、この感情は間違いなく自分自身の感情であり、間違っても病床の者の感情ではない。

人間とは、この相手を心配したり、不安に感じる精神的苦痛から逃れるために、自分自身の精神的救済のために、他者に施しをする。
薬を買いに走って、それを相手に与えたり、などである。
実際には自分自身を助けるために行われる行為で、決して他者本位の考えからなされるものではないし、人間間同士では、そもそもそれは成立しえない。

自分の身も心も、自分の全てが本当にどこまで行っても、自分自身だけのものである。それは他者とは絶対に共有は出来ない。痛みも感情も。
他者の身も心も、他者の全てが本当にどこまで行っても、他者だけのものである。痛みも感情も。それを自分という存在が理解できる、共有できるなどという現象は絶対に起こらない。

可能である存在がいるとしたら、それこそ神と形容するに相応しい。

薬を得られて、その効能によって特定的な、肉体の平穏と精神の安息を得られるのは他者だけであって、自分自身がそれを得ることはない。
代わりに得るのは他者が得たものと同じものでは決してなく、まったく別の物で、心配や不安が解消される、などといった自分の感情に対しての効能の方である。

これを得るために人は、他者に対して働く。
人は自分自身の救済のためだけに、他者に施しを行うのだ。
なぜか。
人の持ち得るすべてが、本当にどこまで行ってもその人だけの物であるからで、それらの一つとして、他者とは絶対に共有できないからだ。

「お前が苦しいのはわかる。でもお前を心配する親の気持ちも考えろ」
「亡くなった兄のこともある。お前までそんなことを言って、私たち親を悲しませないでくれ」

などというありふれた言葉は、実際のところ誰を憂いて出てきた言葉か。結局のところ、これらも人間の本質を如実に表している言葉に過ぎないとわかるはずだ。

親ですら実際には、子供を憂いているのではなく、自分自身を憂いており、子供よりも先に自分自身への心の救いを求めているのだ。

この世界で、人が他人のために出来ることは本当の意味では存在しえず、すべては、結局はその人自身のためにしかならない。

人が他者のために為す行いは、結局のところ、他者のためにはならず、自分自身の報いのためだけに実行される。


工廠

 

 

陸奥

「それじゃ私は明石に整備状況の進捗と、

 あと一応石のことも他に何かあったか聞いてくるわ」

 

ダンテ

「ああ」

 

翔鶴

「……」

 

ダンテ

「あっちだったか」スタスタスタ

 

翔鶴

「あっ、はい」タッタッタ

 

 

――――――

試射場

 

 

翔鶴

(工廠内の試射場……久しぶりに見たわね……。 来ることも滅多にないし……)

「ここで何をするんですか?」

 

ダンテ

「お前さん、左利きだったりするか?」

 

翔鶴

「いえ……妹が元々そうだったりはしますけど……」*オリジナル(?)

 

ダンテ

「へぇ、そうかい。

 ……まぁいいだろ。 けっこう重さはあるが、

 カンムスのお前さんなら持てるだろ。ほれ」

√ ̄⊂ ←エボニー

 

翔鶴

「……えっ、ちょ、ちょっと待ってください!

 私、拳銃なんて、かなり前に共通兵科で座学研修した程度ですよ!?」

 

ダンテ

「ほぉ、なら撃ち方はわかるのか。

 そいつはよかった、ちゃんと覚えてるか?」hahaha

 

翔鶴

「え、ええ……一応は……。 でも本当にそれ以来ですよ……?

 必要になるようなこともありませんでしたし……」

(機銃とかだって、直接私が用いるわけではないし……)

 

ダンテ

「a'ight, ムツから多少は聞いてるぜ。

 お前さんらクウボってのは、

 戦える状況がそれなりに限られてるらしいじゃねぇか」

 

翔鶴

「……事実ではありますね……」

 

ダンテ

「ま、手札は多いに越したことはない、ってな。

 とりあえず、持って撃ってみろよ。

 ヒマt……あー用事だ、それに付き合ってくれる約束だったよな?」

 

√ ̄⊂

 

翔鶴

「……わ、わかりました」つつ√ ̄ チャキ…

(っ……この銃、銃身がすごく長い……)

 

ダンテ

「カートリッジは左から出てくる。

 まぁそうやって正面に構えてるなら当たらねぇだろうが、一応な」

 

翔鶴

「っ! は、はいっ」ビクッ…

 

・・・・・・

 

パンッ シーン…

 

翔鶴

「……」

 

ダンテ

「……」

 

翔鶴

「……あ、あの………は、外しましたけどっ……///」

 

ダンテ

「……ああ、構えと握りはよかったが、サイティングが甘かったな。

 弾が上に飛んでる」

 

翔鶴

「えっ……見えるんですか?」

 

ダンテ

「見えなかったか? huh, ま、お前さんもすぐに見えるようになる」

 

翔鶴

(も……?)

 

ダンテ

「こうだ」スッ

 

    q グィ

つつ√ ̄ カチャ

 

翔鶴

「あっ……」

 

ダンテ

「こんな感じで、ここのサイトに見えるブロックが全部水平になるようするんだ。

 左右の調整はよかったんだが、さっきのはフロントサイトが上に浮きすぎだったな。

 これでやってみろ」

 

翔鶴

「は、はい……//」

(男の人がこんなに近くにっ……//)

 

ダンテ

「これでまだ上に飛ぶなら、今度は握りが甘くなってるか、だ。

 どうしても無理なら、真ん中に見えてるブロック自体を

 ほんの少しだけ下にして撃ってもいい」

 

翔鶴

「……わかりました。 注意してやってみます……!」

 

・・・・・・

 

パンッ パスッ

 

翔鶴

「っ! 当たった!当たりましたっ!」

 

ダンテ

「Great. いいスジしてんじゃねぇか」ha ha-

 

翔鶴

「っ……はい!ありがとうございますっ!///」

(男の人に褒めてもらうなんて初めてねっ……///)

 

・・・・・・

 

翔鶴

「……これが手ずから撃つ、という感覚なんですね……」

 

ダンテ

「ああ。 怖いのか?」

 

翔鶴

「……いえ、私は艦娘です。こういったことも、もとより覚悟の上です。

 まぁでも、そういった場面があるのかどうかはわかりませんけどね」フフフ…

 

ダンテ

(……)

「銃自体は弾を撃ち出すだけの道具だが、

 使い方ならいろいろあるもんなんだがな」スタスタ

 

翔鶴

「……?」

 

 

―ピタッ

ダンテ

「ほれ、撃ってみろ」クルッ

 

 

翔鶴

「え……は、はい」つつ√ ̄ チャキ     ◎

 

 

ダンテ

「あぁいや違う。 的はこっちだ」⊂ トントンッ

 

 

翔鶴

「…………えっ?」

 

 

ダンテ

「huh, 遠慮すんな」ウィ

 

 

翔鶴

「い、いえ! 遠慮とかではなくてですねっ!?」

 

・・・・・・

 

…パンッ

 ―パンッ

   チュインッ

 

 

翔鶴

「っ!?」

 

 

ダンテ

「――さすがにここまでやれとは言わねぇけどな。

 まぁ、こんなこともできるのさ」スチャ ←アイボリーを仕舞う

 

 

翔鶴

(……今のは、まさか……銃弾を銃弾で弾いた……?)

 

スタスタ

ダンテ

「お前さんが弓を構えて放って、

 ……あーなんだアレ…………あぁカンサイキか。

 状況によっちゃ、それよりもいくらか便利に使えるってことも

 あるんじゃねぇかと思ってな」

 

翔鶴

「…!」

 

ダンテ

「素人判断だけどな。

 だが、撃たれる前に撃つ。 これだけは絶対のもんだ。

 仮の話だが、それができる場面なら

 そのときのリスクはそれなりに減らせるだろうよ」

 

翔鶴

(……撃たれる前に、より早く……)

 

ダンテ

「ま、オマモリみたいなもんだと思っとけ」ha

 

翔鶴

「っ……御守り……」

 

・・・・・・

 

翔鶴

「……あの」

 

ダンテ

「ん?」

 

翔鶴

「お話ししていただいたことは理解できたのですが、

 ……実際の所、通用するのでしょうか……?

 深海棲艦にこういった、銃というものは……」

 

ダンテ

「あぁ、一応当てはあるぜ? 銃も弾もな」ニッ

 

翔鶴

「…………」チラ… ←エボニーに視線を落とす

 

つ√ ̄⊂

 

翔鶴

(……)

「……こちらの銃、もうしばらくお貸しいただけますか?」

 

ダンテ

「ああ、もちろん。 気の済むまでやってみな」ha ha-

 

翔鶴

「ありがとうございますっ」

 

・・・・・・

 

パンッ パンッ パンッ スカァーンッ!

 

「ぅひゃうっ!?」

 

「手汗か? グリップが滑るから注意しろよ、ショウカク」hahaha

 

「は、はいっ 気をつけますっ!」

 

 

 

浜風

「……む」

(試射場に誰か? ……珍しい……。

 最近は"皆"も使っていないと聞いていたけど……。

 ……いるのかな?)

 

テクテクテク

 

 

――――――

試射場

 

 

浜風

「……あっ」ピタッ

 

ダンテ

「ン?」

 

 

翔鶴

「……っ」つつ√ ̄ カチンッ

 

 

翔鶴

「……あら? あの、ダンテさん。 ……?」

 

 

浜風・ダンテ

「…………」ジー…

 

 

翔鶴

「あら、浜風さん?

 ……どうしたんですか? お二人とも見つめ合ったりして……」

 

 

浜風

「……はっ! す、すみません、不躾でしたっ……」

 

ダンテ

「……huh. いや、こっちもマナーがなってなくて悪かった。

 知り合いに似てたもんでな」

(まぁあっちは坊やだったんだが)

 

浜風

「私に、ですか……?」

 

ダンテ

「ああ。 だが、勘違いだった。

 あっちのは生意気な悪ガキだったんだが、

 今目の前にいるのは本物の天使みたいだからな」ha

 

浜風

「て、てんっ……///」

 

 

翔鶴

(……)

「……あの、ダンテさん。よろしいですか?」

 

ダンテ

「ん、ああ、どうした」

 

翔鶴

「銃の弾がもう無くなってしまったみたいで……」つ√ ̄⊂

 

ダンテ

「あぁ、貸してみな」

 

翔鶴

「はい」スッ

 

ダンテ

「……」つ√ ̄ カチャ

 

クル カシャンッ

 

ダンテ

「ほれ」

 

√ ̄⊂

 

翔鶴

「……? あの……回しただけでは……?」つ√ ̄⊂ カチャ

 

ダンテ

「いや、もう入ってるぜ」

 

翔鶴

「っ!?」

 

 

浜風

「?」

 

・・・・・・

 

浜風

「拳銃の試射ですか?」

 

翔鶴

「いえ……というより、射撃訓練ですね」

 

浜風

「……へぇ……」

(珍しい、というか……意外な感じが……)

 

翔鶴

「身を守る術の一つとして、教えてもらっていたんです」

 

浜風

「なるほど、そうだったんですか」

(ふむ……)

 

ダンテ

(……)

「お前さんもカンムスだよな?」

 

浜風

「あ、はい、申し遅れてすみません。

 陽炎型13番艦、駆逐艦、浜風です。以後、よろしくお願いいたします」ビシッ! ←敬礼

 

ダンテ

(……まぁさすがに、んなわけねぇわな)

「おう、ご丁寧にどうも。

 聞いてるかもしれねぇが、ダンテだ。こっちこそよろしくな。

 …………ぁん? 13番だ?」

 

浜風

「はい、そうですが……。 それが何か……?」

 

ダンテ

「……huh, いや別に。 ちっとばっかしおもしれぇなと思っただけさ」

 

浜風

「……はぁ」

(?)

 

ダンテ

「つーか、多いな。そんなに姉妹がいるのか、お前さんらは」hahaha

 

浜風

「あぁ、私たち陽炎型は――」

 

uhm

 

 

翔鶴

「……」

(……一人で再開しておきましょうか……。

 弾は…………本当に装填されているようね、重さ的に……。

 どういう原理なのかしら……?)カチャ

 

 

 

 

*実はパーティではほとんどまともに挨拶とかできてません。

 何のための歓迎パーティだったというのか…。

 まぁいろいろわちゃわちゃしてたとか、

 定時哨戒任務などで入れ替わり立ち代り激しかったり、

 飲み食いで騒いだりで入り乱れまくるし、相手側がかなり酒も入ってたとか、

 なかなか忙しいパーティだったということで。

 

 

 

 

翔鶴

「……」ググッ…

 

パンッ パンッ

 

 

浜風

「……」

(……さすが普段、弓道を嗜んでおられるだけはありますね……。

 厳密に関係あるのかどうかまでは、私ではわかりかねますが……)

 

ダンテ

「お前さんも撃ちに来たんじゃなかったのか」

 

浜風

「あ、はい」

 

ダンテ

「よくやるのか?」

 

浜風

「ええ。演習とは違って簡単に行えますし、何かの力になればと……。

 まぁもう趣味のようなものですね。 姉妹でよく競ったりします」

 

ダンテ

「ほぉ、そいつは楽しそうだな。 ha

 どれ、ひとつ見せてくれねぇか、お前さんの腕前をよ」

 

浜風

「えっ……は、はい、わかりました。 ……ではっ」カチャ

 

ダンテ

「そりゃ自前のやつか?」

 

浜風

「はい。 長門代理に申請して、それから支給していただきました」カシャン

 

ダンテ

「へぇ」

 

・・・・・・

 

パンッ パスッ

 

浜風

「っ……」

(またいつもの癖で下の方に……)

 

ダンテ

「……hm」

 

浜風

「……」

(油断して意識し忘れていると、なぜか度々なってしまう……)つ√ チャキ…

 

ダンテ

「お前さんも座学研修ってのを受けただけか?」

 

浜風

「はい、そうですが……」

 

ダンテ

「そうか。 ……こいつだ」スッ

 

つ√

d ツン

 

浜風

「……え?」

 

ダンテ

「お前さん、少し手が小さい方だな。

 それで有りがちなんだが、

 反動に備えて小指までフルに力を使ってグリップを握っちまってる。

 お前さんの場合は特に、小指の指先に異常に負担がかかりすぎだな。

 それにつられるから銃口が下に向いていっちまうんだ」

 

浜風

「っ……」

 

ダンテ

「反動をしっかりと受け止めるためってのはわかるけどな。

 極端すぎるな。小指の力をもう少しだけ抜いて、

 小指に入れてた力の分を中指と薬指に

 均等に回すような感じで握ってみろ」

 

浜風

「……」つ√ スッ…

 

・・・・・・

 

パンッ パスン

 

浜風

「……あっ」

(ちゃんとサイトの狙い通りの所に……!)

 

ダンテ

「ph♪ なるほどな、いつもやってるだけのことはあるじゃねぇか。 なぁ」

 

ポンポン

 

浜風

「んっ!//」

 

ダンテ

「…おっと、すまねぇ。 知ってる奴と同じ感覚でやっちまったぜ」ha

 

浜風

「別に……気にしませんっ……///」

 

 

翔鶴

(…………)

「……あの、ダンテさんっ」

 

 

ダンテ

「おぅ、なんだショウカク」

 

 

 

陸奥

「えーっと、たしかこっちよね……?」

(戦艦の私からすれば、中の試射場なんて本当に縁がないから忘れちゃってるのよね……。

 ていうかそれどころか、今じゃ海上演習すら遠のいて久しいんだけど……)

 

 

 

「ほぅ、ド真ん中にも入ってるじゃねぇか。やっぱいい腕してるぜ、ショウカク」

「ありがとうございますっ……///」

「さすが、お見事です」

「ふふふ、ありがとう///」

 

 

 

陸奥

「あ、いた。 ん、浜風もいるのね。 ……あら……」

(なんかこうして後姿見てると、あの三人ってなんだか……)コツコツコツ

 

・・・・・・

 

陸奥

「はぁい、戻ったわよー」ヒラヒラ

 

 

ダンテ

「ン、おう」クルッ

 

翔鶴

「お帰りなさい、補佐艦」クルッ

 

浜風

「え?」クルッ

 

 

陸奥

「プフッ! あなたたちwww」

 

 

ダンテ

「……あ?」

 

翔鶴

「ど、どうされたんですか?」

 

浜風

「……陸奥補佐艦?」

 

 

陸奥

「ご、ごめんなさい……ふふっ。

 なんかあなたたち三人、

 そうやって並んでると親子みたいに見えるわよ?ww」フフフッ…

 

 

翔鶴

「え……親子、ですか? ………っ!?/////」ボッ

 

ダンテ

「……」

 

浜風

「……親子……」…チラッ ジー…

 

ダンテ

「……なんだ、お前さんまで…」

 

浜風

「っ! い、いえっ!///」バッ

(親……)

 

 

陸奥

(多分これって浜風が間に入ってるから、余計そう見えてるのよね。格好が格好だし。

 さしずめ、奔放すぎる外国人旦那とそれへの気苦労とかがいろいろ絶えなくて

 若白髪になっちゃった日本妻と、

 複雑な家庭に加えて、見た目やらスタイルやらで学校では

 いろいろあったりしちゃう多感な中学生(?)の娘……みたいな?)

 

 

陸奥

「…………ブフーッ!www」

 ←専ら予定のない休日は昼ドラとか見てお茶しばきながらせんべいをかじってるタイプ

 

 

ダンテ

(……なんだコイツ……)

 

翔鶴

「親子……親……親どr…………はっ!

 買い物に行かないとっ!いろんな物を買わないといけないわっ!

 えっとまずはお魚とお米と、カエルにヘビにネズミに、

 あっ、あとは虫ね!これもたくさんいただかないとっ!」アタワタッ

 

浜風

「……親、ですか……」ボソリ…

 

ダンテ

「…………Hmm」ヤレヤレ…

 

・・・・・・

 

陸奥

「へー、なるほどねぇ。

 ……ふぅーん、ていうかあなた射撃も結構すごいんだ?」

 

ダンテ

「huh, 信じてねぇってツラだな」

 

陸奥

「まぁ射撃に関しては見せてもらったこともないし?

 ね、私にも見せてよ。 二人にはもう見せたんでしょ?」ンフフ…

 

浜風

「……いえ」

 

翔鶴

「そういえば私もまだ見せてもらっては……」

 

 

ダンテ

「ン……あぁ、そういやそうだったか」チャキ

つ√ ̄ ←アイボリー      ◎

 

タタタタタンッ ……

 

 

浜風

「っ!?」

 

陸奥

「…………え。

 どれか当たった? まさか全部外しちゃったとか?」

 

翔鶴

(……)

 

浜風

「……いえ、先ほど翔鶴さんが射抜いた的の真ん中に全て入っていきましたっ……。

 よく見ると穴もほんの少しだけですが、広がっています」

(まさかこんな神業を実際に目の当たりにするとはっ……!)

 

陸奥

「えーっ うそーっ?

 ……んー……本当にそんなことできるものなの?」ジー… ←目を凝らして的を見る

 

翔鶴

(やはり、先の銃弾を弾いた技も……)

 

 

ダンテ

「huh, ok. じゃこっちだ」チャキッ

 

 

翔鶴

(……拳銃を真横に?)

 

浜風

「っ!?」

(あれはまさかっ!?)

 

 

―タラララララッ

 

 

陸奥

「……あらあら……」

 

翔鶴

「全て、他の的の中心に……」

 

浜風

「……水平薙ぎ撃ちっ……俗には馬賊撃ちと呼ばれているものですっ……。

 元々は精密射撃をするための撃ち方ではないはずなのですが、

 これほどまでに正確なんて……!

 こんなのは初めて見ました! すごいですっ!」

 

ダンテ

「どうも。 いい見物になったんならよかったぜ」ha クルル スチャ

 

浜風

「……そちらの銃、そういえば先ほどから翔鶴さんが持っていたものと色違いですね……。

 あなたの銃だったんですね。 ……やはり何か、特別な仕様が施されているのですか?」

(すごく……大きい、です……)

 

ダンテ

「……あぁー……まぁそうだな。

 よーく狙うんならショウカクの持ってる黒い方だが、

 とにかく早撃ちするならこっちだな」チャキ つ√ ̄ ←アイボリー

 

浜風

「へぇ……あっ、確かによく見ると両方で少し違うところがありますね……」

(仮にこういった装備が深海棲艦に通用するとして、

 敵艦の群れにあんな風に射撃できるとしたら……)ジー…

 

ダンテ

「……huh, 撃ってみるか? お前さんもこいつで」

 

√ ̄⊂

 

浜風

「えっ…!」

 

ダンテ

「重いから気をつけてな」

 

・・・・・・

 

「んっ……! こ、これはっ……!」

「だ、大丈夫? 浜風さんっ……」

 

 

陸奥

「すごいじゃない」

 

ダンテ

「huh...

 それで、石はどうだったんだ?」

 

陸奥

「あぁ、それなんだけど、明石がいろいろ試してみたいことがあるにはあるみたい。

 でももし本当にやるとなったら、やっぱりその場合の不安も大きいから、

 あなたにもできれば立ち会ってほしいんですって」

 

ダンテ

「まぁそうなるだろうな。

 a'ight, 俺の方にもまた頼みたいこともできたしな」

 

陸奥

「そう。 それじゃ行きましょうか」

 

ダンテ

「ああ。

 おい、お前さんら……ん?」

 

 

「ふっ、ぅんっ……!」フルフル…

「あ、あぶないわっ! 浜風ちゃ……浜風さんっ!」

「いえっ……これくらい、なんでもありません……!

 ……浜風、行きますっ!!」

 

パパンッパンッ スポンッ!

(…っ!? しまっt)

 

 

陸奥

「あっ!」

 

 

浜風

「っ……!」ギュ…

 

―シュン

ダンテ

「悪かった。やっぱお前さんの手には大きすぎたな」グィ パシッ

 

 

そう言いながら、浜風の背後に飛んだダンテは、

浜風の額を覆いながら自身の方へと抱き寄せる。

そして、空いてるもう一方の手でアイボリーをキャッチした。

 

 

浜風

「え……あっ……///」ポスン…

 

・・・・・・

 

翔鶴

「大丈夫ですかっ!?」

 

浜風

「は、はいっ……。

 あの……ありがとうございましたっ//」

 

ダンテ

(……こういったこと一つとっても、

 カンムスだからって一括りにはできねぇってことか……ムツも言ってたっけか……)

「ちゃんと見ててやるべきだったな。すまねぇな」

 

ポン…

 

浜風

「あ、いえ…っ///」

 

翔鶴

「よかった、大事には至らなくて……」

 

陸奥

「……ふぅ……」

 

・・・・・・

 

翔鶴

「――つまり、まったく新しいものとして開発する、ということですか?」

 

ダンテ

「ああ。 当てがあるってのはそれのことさ。 もう少し付き合ってくれねぇか?」

 

翔鶴

(まったく新しい装備……。 "今の"深海棲艦に対抗しうる……)

「……はい、わかりました。ぜひお供させてください」

 

ダンテ

「thx」

 

浜風

(……)

「……あの、私も同行してもよろしいでしょうか……?」

 

ダンテ

「ha, 気になるか? 構わねぇぜ、好きにしな」ニッ

 

浜風

「っ…// はい、ありがとうございますっ!」

 

 

 

 

 

 

 




普通、危険物製造所やそれに類する工場などでの火気(火器)類や電熱機器類
の扱いにおいては、現在は非常に厳しい規制や厳重な管理体制が敷かれているはずです。
火気(火器)類にも依りますがそれぞれに応じて、
タバコでも最低何十メートルは離れて、などなど。
*工廠の場合、その扱いがどのようになるのかまでは>1にはわかりません。


今回、本編では試射場なるエリアを独自に急遽設けることで、火器類使用に関して、
その安全面について気持ち程度には配慮しているということを
それとなく示してはいますが、まぁこれもリアルで考えると有り得難いのかもですね。

なので、やっぱりこれも例のご都合処理でよろしくです……。



今後、似たようなことは多々あるとは思いますが、
それぞれの目的に応じて、それを想定して作られている場所は
環境的には十分に配慮されており、
設備的には結構贅沢な(?)仕様になっているとお考えいただけたらな、と思います。

ちなみに、これは当ssにおいては他の鎮守府でも同様であり、
設備としてはわりと標準的な物である、とお考えください。


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MISSION 2-3

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

オットー・フォン・ビスマルク


有名な言葉からも分かるように、愚者であろうと賢者であろうと所詮、人類は過ぎ去った事物からでしか学べない。

※愚者の場合はそれにプラスして痛みが必要不可欠。愚者が学びを得るのは、痛みを味わって、それが過去となったときのみ。

"答え"というものは現在にも未来にもなく、それは常に過去にしかない。

今、直面している問題に対するアプローチが正解か否か、その答えがわかるのは、それが過去となったときのみだからである。

多岐にわたる選択肢に悩み迷い、己の決断に疑問を抱こうとも
実際には、正解は常に、過ぎ去った時間の中でしか生まれない。


開発室

 

 

明石

「……なるほど、それで銃と銃弾というわけですか……」

 

浜風

「……」

 

ダンテ

「おう。 今ちっこい石は持ってるのか?どこにある」

 

明石

「あ、はい。今も丁度も持ってましたけど」つ。スッ

 

ダンテ

「……」つ。 スタスタスタ ←皆からわりと離れて行く

 

 

明石

(?)

「で、それなんですが――」

 

陸奥

「? ちょっと、どうしたのよ?」

 

 

 

―ピタッ

ダンテ

「……ま、実際用途なんてそんなに複雑なもんじゃねぇのさ」

 

√ ̄⊂ ブンッ!

 

カンッ! ―バァァンッ!!

 

 

その小さい石はダンテがアイボリーの銃底で強く叩いて砕くと、

大きな音を発しながら爆発した。

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

 

ダンテ

「先の尖ってる物か鋭利な物で傷を付けるか、

 相当な力が必要になるが、こうやって強く叩いて割って爆発させる。

 あるいはもっと大きい石の補給に当てるか、まぁそれくらいだ。

 ……ん?」

 

 

 

明石

「す、すごいっ……」

(あんなに小さくて軽い石だったのに、なんて爆発力……!)

 

浜風

「なんかお祭りとかにもある、かんしゃく玉みたいですね……」

(威力の方は比較にならないですが……。 確かに、この威力ならば本当に……)

 

 

陸奥

「」ガタガタガタ…

 

翔鶴

「あ、あの、ちょっと……補佐艦? スカートを掴むのは……あっ、やっ……!」

 ←背後の足元を陸奥に隠れられている

 

 

ダンテ

「……ア? なんだ、どうした?ソイツ」スタスタ

 

 

陸奥

「ち、近寄らないでっ!」

 

 

ピタ…

ダンテ

「……?」huh..

 

 

陸奥

「い、石っ! もう持ってないでしょうねっ!?」

 

 

ダンテ

「……hmm. ああ、持ってたのはついさっきブッ壊した一つだけだ」

 

 

陸奥

「そ、そう。

 ……はっ!

 ていうかあんなのかためて置いてたら危ないんじゃないのっ!?」シュル… ←……

 

浜風

(あ……)

 

翔鶴

「…………え?」

 

 

ダンテ

「ン、まぁそりゃそうだが。それにしたってけっこうな衝撃でもねぇと――」

 

 

陸奥

「だめよ!だめだめっ!絶対に許しません!

 明石、補佐艦権限で厳命します! 石は散らしておきなさいっ!

 しっかりと固定して厳重に保管しておくこと!

 いい!?絶対よ!約束してっ!!」

 

バッサァ! ←スカートを思いっくそ握りしめながら陸奥が立ち上がる

 

 

明石

「え、あ、はいっ それはわかりましたけど……」

 

浜風

「あ、あのっ、陸奥補佐艦……翔鶴さんのスk」

 

 

翔鶴

「いやー!! 返してー!! いやぁーっ!!////

 ちょっだから補佐艦なんでスカートをっ!? どうしてこんな目にー!

 もういやー!!////」グイグィ!! ←スカート引っ張り返そうとしている

 

陸奥

「え……っ!?」つЩ..

 

 

ゴ、ゴメンナサイッ!

ハヤクカエシテクダサイッ!!

カ、カベニナリマスッ

ア、ワタシモ

 

 

ダンテ

「……huh」

(さすがに驚かせすぎちまったのかね)

 

・・・・・・

 

翔鶴

(うぅ……)

 

浜風

「……」

 

 

明石

「銃弾の弾頭の先と薬室に、……ですか?」

 

ダンテ

「ああ。 お前さんらが扱う砲弾だか魚雷だがに関しては、先の方にだけ取り付けときな。

 それだけでも十分使い物になるはずだ」

 

明石

(……)

「ふむ、なるほど……」

 

ダンテ

「それで、銃なんだがな」

 

 

翔鶴

「……」チラ…

 

 

明石

「あ、はい。先ほどもおっしゃってましたね。どういった具合に?」

 

ダンテ

「ああ。 おい、ショウカク」

 

翔鶴

「…………っ! は、はいっ!//」ビクッ…

 

陸奥・浜風

「……」

 

ダンテ

「今お前が持ってるその黒い銃、明石に見せてやってくれ」

 

翔鶴

「わ、わかりましたっ」つ√ ̄ スッ…

 

…ゴトンッ ←工作台の上に

 

明石

(けっこう重そうな音したんですけど……)

「……えっと、これをどうすれば?」

 

ダンテ

「早い話がこれを基にして、ショウカク用にカスタムとデザインをやってほしいってことさ」

 

明石

「……想像はしてましたけど……」

 

ダンテ

「ha, 無理そうか?」

 

明石

「……」

(……正直、夕張が"あの子"を私にはあまり触らせてはくれないから、

 手持ち無沙汰なのよね……。

 ……というかこれ……)

 

 

明石

「……この銃、すごく素敵なデザインですね……。

 こちらはご自分で?」

 

ダンテ

「ン……あー……コイツは…………まだ十代のガキの頃か。

 使ってた銃を片っ端から壊しちまっては、よく見てもらってたガンスミスがいてな。

 ……実際には自分で組み立てたが、パーツは作ってもらった。

 ……良いガンスミスだった」

 

明石

「だった……?」

 

ダンテ

「コイツも形見みたいなモンでな。

 ……わけあって、コイツが最後の遺作になっちまったのさ……」

 

陸奥

「……」

("も"……)

 

明石

「あ……すみません……」

 

翔鶴・浜風

「……」

 

ダンテ

「huh... いや何、悪かったな。こっちも急に妙な話をしちまった。

 製作に関しては俺も立ち会うぜ。 この銃は、ちょいと大事なものでもあるんでな」

 

明石

「……」

 

陸奥

「……ねぇ、さっき言ってた人って、もしかして女の人?」

 

ダンテ

「おぅ、よくわかったな」

 

翔鶴

(……)ピク…

 

浜風

「……」

 

陸奥

「……私もその銃、触ってみてもいい?」

 

ダンテ

「ああ、いいぜ」

 

陸奥

「ありがと」スッ…

 

・・・・・・

 

陸奥

(……)

「……とても良い人だったんでしょうね……。 ……若い人だったの?」つ√ ̄⊂ カチャ…

 

ダンテ

「いや、そうでもなかったな。

 ……俺からしてみりゃ育ての親、……か? ha..

 まぁそんな感じだったのかもしれねぇな…」

 

陸奥

「そう……」

 

浜風・明石

「……」

 

翔鶴

(……)

 

陸奥

「……本当に素敵ね。この肖像画のブローチも……。

 なんだか……とてもあたたかい感じがするわ……」つ√ ̄⊂ …

 

翔鶴・浜風・明石

(………)

 

 

ダンテ

「……昔は本当に世話になった。

 俺もまだガキだったからな、いろいろと無茶を言いつけたもんだ。

 無愛想な態度をしてることも多かったが、それでも銃はよく見てくれたな……。

 仕事は確かだった」

 

 

陸奥・翔鶴・浜風・明石

「…………」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「もうずいぶん昔の話だからな。

 今じゃ覚えてることも少なくなっちまったが……。

 俺の知る限りじゃ、最高のガンスミスだったってことくらいは

 今でもちゃんと覚えてるな」

 

陸奥

「……そう」つ√ ̄⊂ カチャ…

(…………あら?)

 

 

明石

(…………)

「……あの、ダンテさん」

 

ダンテ

「なんだ?」

 

明石

「……私、やります。 やってみたいです」

 

ダンテ

「……決まりだな。ha

 よろしく頼むぜ、アカシ」つ

 

明石

「はいっ!」つ

 

 

陸奥

「うふふ……」

 

翔鶴

(私の新しいタイプの兵装……)

 

浜風

(……あたたかい感じのする兵器……)ジー…

「……」ソワソワ…

 

ダンテ

(……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「アカシ、せっかくなんでもうひとつ頼みたいんだが、いいか?」

 

明石

「え、あはい。なんでしょう?」

 

ダンテ

「悪いな。コイツでもう一丁、デザインを頼みたいんだ。

 今度はこっちのお嬢ちゃん用にだ」

 

ゴトッ ←アイボリー

 

浜風

「……えっ!」

 

翔鶴・明石

「!」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「俺としても確かめてみたいことがあってな。

 お前さん、よかったらそれに付き合ってくれねぇか?」

 

浜風

(……新開発のテスト、とかでしょうか……?)

「……なるほど、わかりました。

 そういうことでしたら、私の方に断る理由はありません。

 ……謹んで、お引き受けいたしますっ」グッ…

 

ダンテ

「ありがとよ」ニッ

 

浜風

「い、いえっ//」

 

 

明石

(基があるとはいえ、拳銃を2丁デザインかぁ……。

 あ、でも手伝ってくれるんでしたっけ)

「……ふむ。 それじゃ、具体的に進めていきますね」

 

ダンテ

「おう」

 

翔鶴・浜風

「はい!」

 

 

陸奥

(……やっぱりそうよね、これって……)

「ねぇ、ちょっと」つ√ ̄⊂ カチャ

 

ダンテ

「ん、なんだ?」

 

陸奥

「ここの所、綴り間違ってるんじゃない?」

 

明石

「え?」

 

ダンテ

「……あぁ、いいんだ。 ソイツはそれでな」

 

陸奥

(……)

「……ふぅ~ん……そっか」

 

ダンテ

「…………ああ」

 

 

翔鶴・浜風・明石

「……」

 

 

――――――

午後の部、実技演習終了後

間宮・外

 

 

ケルビ

「Zzz..」

 

 

――――――

間宮・中

 

 

睦月

「落ち込まないで、吹雪ちゃん……」

 

吹雪

「うぅ~……」

 

睦月

「……そ、そういえば長門さん今日はいなかったねっ」

 

夕立

「うんー」ポムシャ ポムシャ

(本当は吹雪ちゃんの実技演習をコソコソハラハラしながら見てたっぽいー)

 

 

――――――

 

 

―テクテクテク

 

川内

「うーん……」

(長門代理の後ろにずっと引っ付いてたあの黒い犬……。

 いったい何だったんだろう……?)

 

神通

「姉さん? どうかしたの?」

 

川内

「あ、……いや、なんでもないよ。

 ……あれ? 那珂、何やってるの?それ」

 

那珂

「特訓メニューだよ♪ 名付けて"アイドルへの道!"」

 

川内

「ふーん」

 

神通

(……)

 

 

――――――

提督室

 

 

金剛

「……」

 

比叡

「……あ、あのお姉さま……」

 

金剛

「もう少し待ちマース……」

 

比叡

「あ……はい……」

 

 

 

 

*この後もすれ違って、結局会えませんでした。

 

 

 

 

――――――

工廠・工作室

 

 

明石

「こちらです」

 

ダンテ

「ほぉ、こいつはすげぇな」hahaha

 

 

妖精さん

「――」フワフワ

 

ダンテ

「……アン?」

 

明石

「あ、紹介しますね。こちら妖精さんです。

 私たち艦娘も、ここ鎮守府でも、この工廠でも、こちらの妖精さんの――」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「へぇー」

 

明石

「なので、今回製作する新武器に関しても、

 妖精さんには多いにお手伝いしてもらうことになりますね」

 

ダンテ

「なるほどな。 ha, そういうことみたいだな。

 ドーモ、はじめまして ダンテ だ。これからよろしく頼むぜ、ヨウセイ=サン」人 スッ

 

妖精さん

「――」人 ペコリ

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ほぅ、そいつはすげぇな。見た目のわりに頼もしいんだな。

 なら期待しちまうぜ?」ha ha-

 

妖精さん

「――!」ワイワイ

 

 

明石・翔鶴・浜風・陸奥

「!?」

 

 

明石

「えちょっ、話せるんですかっ!?

 こっちは基本一方通行なんですよ!?」*オリジナル(?)

 

ダンテ

「なんだ、お前さんらは話せないのか?」

 

 

明石

「えぇ……」

 

浜風

「すごいですね……」

 

翔鶴

「いったいどういうことなんでしょうか……」

 

陸奥

「え 何? 半分は悪魔だからとかそういう感じ?」

 

・・・・・・

 

明石

「――だいたいの予定は決まりましたね。

 それじゃこんな感じで進めていきましょうか。

 大本営に申請して、必要なものを発注してもらわないといけませんから、

 今日はこんなところですね。

 製作が開始できそうになったら、私の方から連絡しますね。

 近日になると思いますけど」

 

ダンテ

「ok」

 

浜風

「了解です」

 

翔鶴

「予定、空けておきますね」

 

陸奥

「お疲れ様ー」

 

 

――――――

 

ゾロゾロ

 

ダンテ

「……おっと、忘れ物だ。 お前さんらは先に帰ってな」

 

翔鶴・浜風

「?」

 

陸奥

「別に、私は待ってるけど?」

 

ダンテ

「……いや、いい。 お前も帰ってろ」

 

陸奥

(……)

「わかったわ。提督室でね」ヒラヒラ

 

ダンテ

「おう」スタスタ

 

 

浜風

「……何の忘れ物なんでしょうか?」

 

翔鶴

「ええ……」

(……)

 

 

――――――

提督室

 

ガチャ

 

ダンテ

「……ん?」

 

陸奥

「……おかえり」

 

ダンテ

「……おう」パタン

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」ポスン ←ソファ

 

陸奥

「……」ジー…

 

ダンテ

「……なんだよ」

 

陸奥

「……明石が残ってた工作室に戻っていくのが見えてたんだけど。

 で? 忘れ物って結局なんだったの?」

 

ダンテ

「あぁ、アカシに頼み忘れてたことがあってな。

 ……ha, スミスってのはたいてい、いつも無茶を言われるもんだからな。

 それをアカシにも言ってきたってだけだ」

 

陸奥

「……ふぅーん……」

 

 

――――――

一日の終了。

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

 

夕立

「えーっ。じゃあ赤城先輩とご飯食べてきたっぽいっ?」

 

吹雪

「うんっ」

 

睦月

「うわさだけど、赤城先輩って見かけによらず、すごい大食いだとかっ」

 

夕立

「あっ、私も聞いたことあるっぽいー! どうなのっ?」

 

吹雪

「……んふっ。それは、ひみつ!」

 

夕立

「えぇーっ」

 

 

ケルビ

「Zzz..」

 

・・・・・・

 

吹雪

「明日からがんばろうっと!

 赤城先輩も同じ艦娘なんだもん。 私にもきっとできるよ。

 じゃあ、おやすみぃー……」

 

 

夕立

「……どういうこと?」

 

睦月

「さぁ……?」

 

・・・・・・

 

睦月

「そういえば結局、長門さんには会えなかったね」

 

夕立

「うん~」フアァ…

 

睦月

「ケルビは?」

 

夕立

「もう寝たっぽいー……」コショコショ…

 

睦月

「ケルビってよく寝るよね」

 

夕立

「うん……。夕立もそろそろ……」

 

睦月

「あ、うん」

 

 

―ピクッ

ケルビ

「……」…ヒョイッ テテテッ

 

 

睦月

「あれ?」

 

夕立

「……? 隅の方に隠れちゃったっぽい」

 

 

―ガチャッ!!

 

「特型駆逐艦!」

 

 

睦月・夕立

「あ」

 

 

吹雪

「……ふぇ?」ムニュ…

 

 

――――――

夜、鎮守府・グラウンド

 

 

―ズルッ

吹雪

「うぇえぁあ"っ! ……いたたたぁ……」ズテーンッ!

 

川内

「しっかしうまくならないねぇ……。こんなに練習してるのに」

 

吹雪

「すみません……」

 

川内

「……でも感心したよ。見事な水雷魂だ」

 

吹雪

「水雷魂……?」

 

川内

「水雷戦隊に必要な心意気みたいなもんだよ。

 悖らず、恥じず、憾まず」ニヒヒッ

 

吹雪

「悖らず……恥じず……憾まず……。 ……ぁっ」

(……誇り高き魂……)

 

 

川内

「水雷魂を忘れず、明日からも頑張ろう!」

 

吹雪

「……はいっ!」

 

 

 

ケルビ

「……」ジー

 

 

 

 

 

 

 




詳細や原因は未だに不明ではあるものの、
艦娘という存在は"人"に非常に近しい姿形をしています。

それは艦船時代にもあった、艦種差や性能差が人で言う所の個体差という物と
似たような形で現れる結果にもなっているのかもしれません。
さらに、アニメ中の吹雪の様子を見るに、どうやらその個体差も
いくら元々は軍艦であったといっても、人と同じくバリエーションに富むようですね。

また、艦娘は自身で物を考え、自己意志で行動することも出来ていました。
それは間違いなく、万人が持つのと同じ個性というものを有する証拠とも言えるでしょう。


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MISSION 2-4

1つ目の赤子よ、2つ目の子供の後ろに付いて行け。
2つ目の子供よ、3つ目の青年乙女の行動から学ぶのだ。
3つ目の青年乙女よ、4つ目の若人の二の舞を演じることなかれ。
4つ目の若人よ、5つ目の老人の言葉に素直に耳を傾けるのだ。

誠に汝らに告ぐ。

其方らの一つ前を行く者の齢は、其方らの齢から数えて、優に千や万を超えている。
決して軽んじること、侮ることなかれ。

各々、よく覚えておくのだ。
ほとんど間違いなく、其方らも、一つ前を行く者と同じ道を歩むことになるのだから。

また、それぞれ、一つ前を行く者も決して忘れることの無きよう。
後ろにいる者たちは、かつてのお前である。
その者たちに対し、愛しみの気持ちを持つことを、どうか心がけよ。


翌日

軍港・裏

 

パッパー パラー パララ、パラララー♪

 

神通

「とりあえず今日は、一度当たるまで頑張ってみましょうか」

 

吹雪

「えぇっ!?」

 

 

ケルビ

「……」←隠れて見てる

 

 

――――――

提督室

 

 

ダンテ

「ン"ぁあ"ー……」ファー…

 

 

 

ドボーン

 

 

 

ダンテ

「……なんだ?」パタン ←提督室内の軍港・裏が見渡せる窓を開ける

 

 

ダンテ

「……ほぉ……」

 

 

―ガチャ

陸奥

「あら、今日は起きてたんだ」

 

 

ダンテ

「ン、おう」

 

陸奥

「何見てたの?」パタン

 

ダンテ

「……いや、なんでも」ha

 

 

――――――

お昼ごろ、昼食後

 

 

金剛

「ダンテェーイ!」ジタバタッ

 

比叡

「お、お姉さま、落ち着いてくださいっ……」オロオロ…

 

榛名

「……昨日も駄目だったんですか?」

 

霧島

「夕食にもいらっしゃらなかったみたいよ」スー、コクッ

 

榛名

「そうだったんですか……。 今日のお昼もいらっしゃいませんでしたよね……」

 

・・・・・・

 

明石

「すみません、けっこう持ってもらっちゃって……」

 

ダンテ

「構わねぇさ。頼んだのは俺だしな」

 

夕張

「あぁーでもなぁー拳銃のデザインかぁー。 かっこいいよねーいいなぁー」

 

明石

「夕張は今"あの子"にかかりきりじゃない……。そっちはどうなの?」

 

夕張

「も、もう少し……?」

 

ダンテ

「ほぅ、すげぇな。もうそこまでいってるのか」hahaha

 

夕張

「うーん……。

 実はだいたいの構造とかはほとんど出来てきてはいるんだけど……可変とか?

 でも肝心のあのスチーム? の機関のところが

 正直どうなってるのかよくわからないのよねー。

 あれだけすごい蒸気エネルギーをどうやって

 あんな小さい兵装の中に納めてるのかがねぇ……」

 

ダンテ

(なるほどな……)

「ヘイ ユウバリ、そこのところは無視してくれていいぜ。

 だいたいの形と変形とかだけやってくれりゃそれでいい。 あとは俺がやる」

 

夕張

「へ?」

 

 

明石

「……あ」

 

ダンテ

「ん?」

 

 

 

 

那珂

「みんなー! 聞いてね、初恋!水雷戦隊! ほら、吹雪ちゃんもっ!」

 

吹雪

「へ? えぇええっ!?」

 

 

 

不知火

「おとなしいですね……」

 

  0 フリフリ

っ〆

 v-ェ-v …

 

浜風

「どこから来たんでしょうね」

(かわいい……)

 

陽炎

「……不知火、それ猫じゃらしじゃない?」

 

不知火

「……え?」

 

 

v-ェ-v

 d コショコショ

 

浜風

「……フフッ」サワサワ

 

 

 

 

ダンテ

「……」

 

明石

「あー、今日でしたっけ」

 

夕張

「んーていうかたいていはゲリラ的にやってるけど、

 スパンが短いからいつもやってるみたいな感じだけどねー」

 

ダンテ

「……ha」

 

 

 

 

ケツカルー!

 

 

 

 

――――――

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

 

吹雪

「うぅ……疲れたぁ……」

 

睦月

「お疲れさま……」

 

..つ旦~ コト…

 

夕立

「三人でよってたかって特訓なんていじめっぽいっ」

 

吹雪

「そんなことないよっ、みんな私のためだし……」

 

 

―ガチャッ!!

 

「特型駆逐艦!いるっ!?」

 

 

吹雪

「川内さんっ……」

 

川内

「さぁ、今日も特訓だよー! ……ん?」テクテク…ピタッ

 

睦月

「……お話がありますっ」

 

 

―――

三水戦の部屋・川内たちの方

 

 

睦月

「軽巡の先輩なので黙っていましたが、もう我慢できません!

 このままじゃ、吹雪ちゃんが轟沈しちゃいますっ!」

 

川内

(……)

「……でも」

 

睦月

「でもも、へちまもないですっ!」

 

神通

「いえ、ですが……」

 

睦月

「……え?」

 

・・・・・・

 

睦月

「長門さんがそんなことを……?」

 

川内

「うん……。 近々、出撃があるから、それまでに出撃可能か、見極めたいと……」

 

神通

「……」

 

那珂

(長門さんもあれでけっこう心配性なんだよねー。こと駆逐艦に関してはー♪)

 

・・・・・・

 

―コンコンコン、ガチャ

 

「……ぁ」

 

 

睦月

「夕立ちゃん、どうしたの?」

 

夕立

「……吹雪ちゃんが」

 

 

「「え?」」

 

 

――――――

外・グラウンド

 

 

吹雪

「んっ、ふっ……!」グッグッ… ←スクワット

 

 

 

睦月

「吹雪ちゃん……」

 

川内

「……本当に、根性だけはあるんだよなぁ……」

 

夕立

「……どうするっぽい?」

 

神通

「第三水雷戦隊の旗艦として、艦隊にいてほしいです。

 あのように、心がキチンとしている子には」

 

那珂

「那珂ちゃんも賛成っ♪」

 

夕立

「睦月ちゃんはっ?」

 

睦月

「そんなの決まってるでしょっ いひひっ」

 

 

テテテテッ

 

 

吹雪

「……あ、みんな……」

 

神通

「吹雪ちゃん、皆で協力します。頑張りましょう」

 

川内

「絶対できるようになるって!」

 

那珂

「アイドルに一番大切なのは、根性だよっ!」

 

夕立

「夕立も手伝うっぽいー!」

 

睦月

「次の戦いも、この6隻で出撃しよっ!」

 

吹雪

「……みんなっ……うんっ!」

 

 

そして、6人の手が重ね合わされる。

 

 

神通

「睦月ちゃん」

 

睦月

「はいっ! えっと、じゃあみんな、がんばっていきましょー!」

 

 

「おぉーーっ!!」

 

 

 

ケルビ

「…………」

 

 

――――――

さらに翌日、早朝

 

パッパー パラー パララ、パラララー♪

 

 

ガチャ、(ヒョイッ)パタン…

 

吹雪

「……よし。 ……ってあれ?ケルビ?」

 

v-ェ-v

 

 

吹雪

「……もしかして、一緒に走ってくれるの?」

 

v-ェ-v メ

 

 

吹雪

「わぁっ! んふふっ、ありがとうケルビ! それじゃ行こっか!」エッホエッホ

 

ケルビ

「……」タタタッ

 

 

――――――

朝、グラウンド

 

 

吹雪

「ふっ…んっ…ん!」

 

川内

「……うん、いいね。

 スクワットもだいぶ数こなせるようになってきたっ」

 

吹雪

「っ……はいっ!」

 

 

 

v-ェ-v ..メ

 

 

――――――

昼、教室・軽巡クラス

 

 

那珂

「お願いーっ」

 

 

頭の上で手を合わせ、北上に何かをお願いする那珂。

 

 

北上

「んー、まぁ別n」

 

 

大井

「……ちょっと」ゴゴゴ…

 

那珂

「ひぅ!?」ビクーン

 

北上

「あ」

 

 

――――――

昼過ぎ、水上演習場

 

 

バンッ! バンッ!

ドボーン ドボーン

 

 

吹雪

「っ……」

 

神通

「焦らないで、吹雪ちゃん。

 基本は夾叉。 ね?」

 

吹雪

「……はい!」

 

 

 

v-ェ-v …

 

 

――――――

夕方、グラウンド

 

 

ケルビ

「……」

 

吹雪

「ふっ ふっ ふっ……!」グッグッグッ… ←スクワット

 

 

 

北上

(……ふーん……)

「……ていうかあの犬、なに?」←通りすがりに

 

 

――――――

試験本番日・朝、教室

 

 

大井

「……むー」プクー

 

北上

「――とまぁこんな感じで、要は未来を予測して撃てば――」

 

 

吹雪

「わぁー……」キラキラ

 

 

 

ケルビ

「Zzz..」

 

 

 

北上

(……あ、今度は廊下で寝てる)

 

 

――――――

昼前、水上演習場

 

バンッ! バババン!

 

ズシューン! シューン!

 

吹雪

「っ……やったっ……!」

 

 

 

「「おー!」」

 

 

 

…ズルッ

吹雪

「っ!? うわっぷ!!」

 

ビシャーンッ!

 

 

 

「「……あー……」」

 

 

 

v-ェ-v …

 

 

――――――

提督室

 

 

陸奥

「――それで、今日の午後の実技演習試験で全て判断するってこと?」

 

長門

「そうだ」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……せっかく打診が通って配属されてきた、念願の特型駆逐艦だったのに……」

 

長門

「それはわかっている……。

 だが、やはり……あの様子では……」

 

陸奥

「……心配しすぎじゃない?

 別に、実戦で経験を積んでいって、

 それで立派になっていくってこともあると思うわよ?」

 

長門

「だ、だめだっ!

 航行すらあんな足取りでは、それはリスクが高すぎるっ……! 危険だ!

 我々は今はもう昔の戦艦ではないのだ、艦娘だ!

 旧時代のデータがそのまま全て当てはめられるというわけではない!

 これはとうに報告されていることだ!

 個々人にどういった性質があるのか、それを正確に推し量ることは難しい……!

 いくら艦娘とはいえ、やはり得手不得手はあるものなのかもしれんっ……。

 別に戦うことだけが艦娘にとって全てというわけでもあるまい」

 

大淀

(……まぁ確かに、それを言ってしまうと、私を始めとして

 明石や夕張さん、凰翔さんに間宮さんの例もあったりはしますけど……)

 

陸奥

「……何が言いたいのよ」

 

長門

「……傍に居てくれるだけで……。

 戦場から疲れて帰ってきたとき……ただ、お帰りなさいと言ってくれるだけで……。

 ……ただそれだけでも良いということもあるだろうがっ!!」

 

陸奥

「……あっそう……」

(何アホなこと言ってるのよ……本当に……)

 

大淀

「……それじゃ、とりあえず試験の準備は進めておきますね」

 

長門

「あ、大淀、カメラはいつも通り忘れないように頼むぞ。

 記録としては大事なことだからな」ムフー

 

大淀

「はいはい……」

 

陸奥

「はぁ……。

 ……ん、あら、どこに行くの?」

 

 

ダンテ

「散歩だ」スタスタスタ

 

 

――――――

甘味処 間宮

 

 

間宮

「ほ、本当にあげちゃって大丈夫なの……?」

 

 

v-ェ-v メ

 

吹雪

「ええ……。 基本的には何食べちゃっても大丈夫みたいで……。

 あとなんか甘いものは全般的に大好物みたいです。

 これまでも特にお腹壊しちゃったり、具合が悪くなったりしたこととかもないって、

 ダンテさんが」

 

間宮

「へぇ~……」

 

・・・・・・

 

ケルビ

「ッ――」ハグハグ~♪

 

 

間宮

「すごい勢いねぇ~」

 

吹雪

「うふふ、しっぽもすごい振っちゃってる」フフフッ

 

 

 

*リアル犬にはあげないようにしましょう。

 

 

――――――

 

 

睦月

「んふふっ……♪」ダキ

_v-ェ-v Zzz..

つu u⊂

 

夕立

「甘いもの食べた後だと本当に起きないっぽいー。

 昨日も購買で買った菓子パンを少しあげたら、しばらく起きなかったっぽい」

 

吹雪

「あははっ。

 …………はぁ……うぅ……緊張するなぁ……」

 

夕立

「午後の試験?」

 

吹雪

「うん……」

 

睦月

「……ふ、ふぶきっ! がんばるワン!」

 v-ェ-v Zzz..

つп u⊂ ヒョイ

 

 

吹雪・夕立

「ブッwww」

 

・・・・・・

 

ゴチソウサマデシタッポイー

ハーイ、マタネー

 

 

睦月

「ふぁああっ////」ギューッ

_v-ェ-v …ッ!?

つu u⊂

 

吹雪

「あ、睦月ちゃん、ちょっとしまってるかも……落ち着いてっ……」

 

・・・・・・

 

トテトテトテ

 

吹雪

「……ありがとね、睦月ちゃん。だいぶ楽になってきたよっ」

 

睦月

「……いひひっ♪」

_v-ェ-v …zZ

つu u⊂

 

夕立

「つんつん」ア

 

 

―スタスタ

 

ダンテ

「おぅ、奇遇だな」

 

吹雪

「あ、ダンテさんっ」

 

睦月・夕立

「あ」

_v-ェ-v zzZ

つu u⊂

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ここ数日、ずいぶん頑張ってたようじゃねぇか。 見たぜ、ステージも」hahaha

 

吹雪

「うぇえっ!?/// あ、あれ見てたんですかぁ!?///」

 

ダンテ

「huh, ………」ジー

 

吹雪

「……え、あの……あぅ……えっと……なんですか?//」

 

ダンテ

(……)

「……いや、なんでもねぇ。悪いな。

 思ったより緊張もしてねぇみたいだな」

 

吹雪

「…えへへっ、はい!」

 

夕立

「ふふっ」

 

睦月

「……///」

_v-ェ-v zzZ

つu u⊂

 

 

ダンテ

「……ハーン」ha

 

・・・・・・

 

吹雪

「……あの、ダンテさんっ。

 もし今お時間大丈夫なら、ちょっと"あれ"見てもらってもいいですかっ?」

 

ダンテ

「…あぁ、そういう約束だったよな。 もちろん、構わねぇぜ」

 

吹雪

「ありがとうございますっ!」

 

 

睦月・夕立

「?」

_v-ェ-v zzZ

つu u⊂

 

・・・・・・

 

夕立

「――ただの空気椅子っぽい?」

 

睦月

「……でもすごいよ、あんなに低いし、もうけっこう長くやってるし……」

(吹雪ちゃんっ……)

_v-ェ-v zzZ

つu u⊂

 

 

吹雪

「ふっ……くっ……!」

 

ダンテ

「今のお前さんなら、まだ落とせるはずだ。

 太ももと地面が平行になるくらいにまで落としてみろ、ゆっくりだ。

 後ろに倒れそうなら、首、背中、腰にかけてまである一本の棒をイメージしろ。

 ソイツを反らすんだ」

 

吹雪

「んっ……んぅ……?」

 

ダンテ

「huh, 要はケツを突き出せってことさ」

 

吹雪

「けっ……//

 ……は、はいっ、わかりましたっ……やってみますっ……!」ググッ…!

 

 

睦月・夕立

「……おぉー」

_v-ェ-v zz…

つu u⊂

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……よし、そのまま維持してろよ。最後のメニューだ」スタ

 

吹雪

「はいっ……!」フルフル…

 

ダンテ

「……よっと。 …お、やっぱ白か。いいねぇ」スック

 

吹雪

「……ふぇえっ!?///」ドサッ!

 

 

睦月・夕立

「……oh」

_v-ェ-v z…

つu u⊂

 

・・・・・・

 

吹雪

「ちょっとダンテさんっ!??///」バッバッ

 

ダンテ

「hahaha.

 ……フブキ、お前さんテンパったりすると体が縮こまっちまって、

 いろんなことが忘れガチになるタイプみたいだな。

 さすがに、こればっかりはすぐになんとかできるようなもんじゃねぇが……」

 

吹雪

「……っ」

 

ダンテ

「だからとりあえず、今日のテストに関してはポイントだけだな。

 今日までいろんなやつから、それは教わってるんじゃねぇか?」

 

吹雪

「……」

(……足腰、バランス、夾叉、アイd…じゃなくて! こ、根性っ……そして……水雷魂…!)

 

 

睦月・夕立

「……」

_v-ェ-v …

つu u⊂

 

 

吹雪

「……はい……覚えてます、ちゃんとっ……!」

 

ダンテ

「……Great. 特訓は終わりだな、フブキ」つ

 

吹雪

「あっ……はいっ」つ

↑立ち上がり

 

 

ダンテ

「えらかったな。 ha

 ちっと前にも言ったことがあったよな、

 お前さんは大事ないいモンを持ってるってな」

 

吹雪

「……はい」

 

ダンテ

「根性もある。だから大丈夫だ、自信持って行って来い。 な」ポン

 

吹雪

「……はいっ!」

 

 

睦月・夕立

「…………フフッ」ニコ

_v-ェ-v

つu u⊂

 シ

 

 

――――――

午後、実技演習・試験

 

 

利根

「――では次、吹雪っ!」

 

 

吹雪

「はいっ!」

 

 

筑摩

「その傷……」

 

利根

「ずいぶん特訓してきたようじゃの! 期待しておるぞっ!」

 

吹雪

「はい! お願いしますっ!」

 

 

ガショ ガショ ガショ ←演習用水上的

 

 

吹雪

「……ふぅー……」

 

 

吹雪

(……大切なのは……根性……っ!!)

 

 

吹雪

「……吹雪、行きますっ!!」

 

・・・・・・

 

吹雪

(……できる……信じなきゃ……!)

 

―グラッ!

 

吹雪

(っ!?)

「ぅわっ!? あぅっ!!」

 

ザッパァ!

 

 

 

 

長門

「っ!?」バッ!

 

つ グィッ

 

長門

「っ!」

 

陸奥

「……」フルフル…

 

大淀

「……」

 [●REC]⊂ ジー…

 

ダンテ

「……」

 

川内・神通・那珂

「……」

 

 

 

 

吹雪

(…ふんばれっ!! あきらめちゃだめ!!)

「ふんぬぅーっ!!」ググッ!

 

ザバァッ!

 

 

 

 

長門

(!! 持ち直した!?)

「っ……」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……ha」ニヤリ

 

川内

「よしっ……!」…グッ!

 

 

 

 

水上航行のテストエリアをからくも通過した吹雪。

気を取り直し、次いで、水上砲撃のテストエリアに入る。

 

 

―ドォーン! ドボーンッ

 

 

吹雪

「あっ……」

 

 

吹雪

(………いや違う……基本は夾叉!)

 

 

吹雪

「もう一度……っ!」ググッ…!

 

 

ドォーン! バコォッ

 

 

吹雪

(…やった!!)

 

 

 

 

神通

「お見事」フフフ

 

長門

「……」

 

 

・・・・・・

 

 

睦月

「吹雪ちゃんっ……」

 

利根

「よーく立て直した! そこは認めてやろう、もう一度じゃっ!

 行けるか!?」

 

吹雪

「っ……はいっ! いつでも行けますっ!!」

 

 

 

 

那珂

「吹雪ちゃんっ……」ウルウル…

 

長門

(……)

 

 

 

 

―ズシューッ ザァ

 

吹雪

(よしっ! 水上航行はクリア! …次はっ)

「…………っ!」

 

 

ドォーン! バコォッ

 

 

吹雪

(……うんっ、これなら…!)

 

 

 

 

長門

「…!」

 

川内

「……身のこなしも砲撃も、まだまだ実戦レベルとは言えません」

 

長門

(……)

 

川内

「……ですが」

 

長門

「……ん?」

 

神通

「ですが彼女にはそれを補って余りある、水雷魂があります。

 直すべき所を教え、進むべき道を示し、経験を重ねていけば

 彼女は飛躍的に成長するでしょう」

 

那珂

「吹雪ちゃんは根性もすごいしねっ!」

 

長門

「っ……」

 

 

 

利根

「いいぞっ! 吹雪ー!

 だが、最後まで気を抜くなー!」

 

 

吹雪

「っ……はいっ!!」

 

 

 

 

長門

「……」

 

川内

「悖らず」

 

那珂

「恥じず♪」

 

神通

「憾まず。 その心がある限り」

 

長門

「……水雷魂、か……」

 

 

・・・・・・

 

 

利根

「文句なしじゃ!」ワッハッハ!

 

筑摩

「すごかったわよ、吹雪ちゃんっ」

 

吹雪

「っ……!」

 

睦月

「やったぁ!! 吹雪ちゃんっ!」ダキーッ

 

夕立

「ぽいーっ!!」ダキッ

 

吹雪

「うんっ……うんっ!!」グスッ…

 

 

 

 

長門

「……フッ、いいだろう。 旗艦、神通」

 

神通

「はい」

 

長門

「六杯の編成で、このまま出撃の準備に入れ。

 ……今度の作戦は、お前たちにかかっている……!」

 

 

ダンテ

「……huh」

 

陸奥

「うふふ……」

 

 

 

 

 

吹雪、合格!!

 

 

 

 

 

大淀

「……」

(……これ、毎回腕が疲れるんですよねぇ……)

 [●REC]⊂ ジー…

 

 

v-ェ-v メ

 

 

 

 

 

 

 




SECRET MISSION 2-4-1

 ~ やっぱりちょろいっぽい! ~



提督室


大淀
「わかりました。ではまとめますね」サッ

長門
「頼む」


陸奥
「はい」つ日 ←青いスポドリ

ダンテ
「おう」つ


長門
「あ、すまん陸奥、私にもくれ。 ……む、それはお茶ではないのか?」

陸奥
「この人、お茶苦手みたいだから。 長門はお茶でいいのよね」

長門
(……ふむ……)
「……いや、私も同じ物をもらおうか。 たまにはな」

陸奥
「そ。 了解」スッ


ダンテ
(……前も思ったが、このクリアブルーは何なんだろうな……)つ日..


―コンコンッ

「吹雪ですっ!」
「同じく睦月です!」
「同じくっぽいっ!」


ダンテ
「ん?」

陸奥
「あら」

長門・大淀
「?」

・・・・・・

大淀
(ついさっき、私の後ろにいた犬ですね……。というか……)

長門
(ケルベロス……)
「……なるほど、その許可がほしいと……」


吹雪
「だ、だめでしょうかっ……?」
_v-ェ-v
つu u⊂

睦月・夕立
「……」


長門
(っ……)
「ん……むー……。
 幸い、我々艦娘でアレルギーなどの症状が報告されていたりはしないが……、
 他にも問題は……その……大丈夫なのか?本当に……」

ダンテ
「ああ、それは俺が保証するぜ。
 オイタはしねぇように徹底的に仕込んではあるからな」ha

長門
「ふむ……」

陸奥
「他の躾とかも大丈夫みたいよ。その子、かなりのお利口さんみたいだから」

長門
「……うーむ……」


夕立
(……)スッ…

―トンッ

吹雪
「? 夕立ちゃん?」
_v-ェ-v
つu u⊂

夕立
「……長門さん、どうかお願いしますっぽいっ」←上目遣い

長門
「っ……!!」

陸奥
「……」

大淀
(……決まりですね。 青葉さんに広報のお願いをしましょうか)φカキカキ


夕立
(ほら、吹雪ちゃんもっ 睦月ちゃん!)ボソ…
つ チョイチョイ

吹雪・睦月
(えぇっ!?)

・・・・・・

吹雪・睦月・夕立
「……お、お願いしますっ! っぽい!」キラキラキラ

長門
「っ!?/// ……い、いいだろうっ、許可しようっ!!///」


「「わぁっ! やったっぽい! ありがとうございますっ!」」

ハッハッハー!///
ワイワイ


陸奥
「ふふっ、よかったわね」

ダンテ
「……ha」



夕立
(やっぱりちょろいっぽい!)

v-ェ-v メ






SECRET MISSION 2-4-2

 ~ オレのかんがえたさいきょうのひっさつわざ! ~



ダンテたちとお昼食べた後、部屋への帰り道にて


天龍
「……あっ!」

龍田
「?」

天龍
「龍田!先に帰っててくれ! オレ、購買に行ってくる!」

龍田
「あら、おやつは200円までよ~」

天龍
「違うっつの!」タタター!

龍田
「うふふ~」


龍田
「……ふぁ~。 先に戻って寝てましょうか……」


――――――
天龍田の部屋


龍田
「……ん~」ポフッ…
(気持ちいい~……。 おふとんが幸せ~)


―ガチャ!バタンッ! バササッ


龍田
「……」


ババッ シュー! カチャ スリスリスリスリ…


龍田
「……」

・・・・・・

龍田
(ちょっと~……)
「……天龍ちゃん、何してるの~……?」ムクリ…


天龍
「あ、わりぃ。起こしちまったか」


龍田
「それだけ音立てられたら、どう考えたって起きるわよ~……。
 ……あら、墨書き?」ノソ…

天龍
「おう!」

龍田
(なんでまた……)
「……何を書くの?」

天龍
「フッ……ちょっと待ってな」スリスリ… ピッ!

サー、ササッ

龍田
「……」

天龍
「……よし!できたっ! んっ!」バッ
つ[水蛇]

龍田
「……みずへび?」

天龍
「ミズチだ!」

龍田
「……あ~……」
(なるほどねぇ~、こう書くのね~。 ……よっぽど、嬉しかったのね~)フフフッ…

・・・・・・

天龍
「ムフーンッ」

龍田
(あら……)
「まだ半紙あるみたいだけど、まだ何か書くの?」

天龍
「お、おう! 気になるか!?」ソワソワッ

龍田
「……教えてほしいなぁ~」

天龍
「仕方ねぇなぁ! 待ってろ、すぐに書いちまうからよ!」ササー

カチャッ

天龍
「よし、できたぞ! ほらっ!」バッ
つ[水ノ竜]


龍田
(ミズの……?)

天龍
「ダンテがいずれは剣に纏わせたりできるとか言ってただろ?
 だからそれがこれだ! できるようになったらこの名前を付けて振るうんだ!」

龍田
(へぇ~けっこう考えてるのね~……)
「なるほどねぇ~。 読み方は "みずのたつ" かしら?」

天龍
「あれ? 竜って"たち"とは言わないっけか?」

龍田
「……言わないんじゃない?」

天龍
「……そっか、じゃあ、ミズノツチで……」

龍田
「そう……」
(ミズ(水)なんだか、ツチ(土)なんだか……)

天龍
「……んー、でも語呂悪いな。"ミノツチ"にするかな」

龍田
(まだ長半紙があるわね……)
「天龍ちゃん、まだあるの?」

天龍
「おうよっ!」

龍田
「3つも? そんなにいるものなの~……?」

天龍
「何言ってんだよ、技ってのは普通、三段式だろ。基本だぜ」

龍田
「そ、そうなの……。 それで、その3つ目は? 最終形ってことよね?」

天龍
「お、おう……!」ソワソワ…

龍田
「……それも見せてほしいなぁ~……」

天龍
「! ああ!待ってな!」サササッ シュッ!


天龍
「できた!」カタン! バッ!
つつ[天津水禍龍]

龍田
「……へぇ、"アマツミカヅチ" かしら~?」
(なんか急にゴツくなったわぁ……)

天龍
「おぉ!! よく読めたなっ!」

龍田
「やったわぁ~……」
(待機してるときは暇だからって携帯機のゲーム、
 ひたすら手伝わされてたりしたしねぇ~……。
 よく天龍ちゃんのために、いろいろ攻略法を調べたりもしたしぃ~……)

天龍
「ムフフーンッ」

龍田
「……そういえば、竜と龍の違いってなんなの?」

天龍
「なんとなくっ! かっこいいだろ! なんか上位版っぽくてっ!」

龍田
「……そうね、がんばってね……」ファ…

天龍
「おうっ!!」


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MISSION 03 ~ 涙への信条 ~
MISSION 3-1


この世界の誰もが、実際のところ、誰も愛してなどはいない。

父も母も兄も姉も弟も妹も祖父も祖母も夫も妻も恋人も子供も友達も隣人も、誰もお互いを愛してなどはいない。

この世界には悪魔と死神が隙間なく溢れかえり、いつ何時でもそこかしこに漂い蔓延っている。

悪魔は人の心に入り込み、人の体を操る。
悪魔に取り憑かれた人間は、人間を欺き、人間から強奪し、人間を姦淫し、人間を殺す。
死神は人の耳元で囁き、人間に自死すら迫る。
精神から自死に取り憑かれた人間には、少なくとも数ヵ月は闇が周囲を常に徘徊する。

しかしこの事実は、本当は誰もが知っている。
間違いなく知っているのに、それらを諦観し、目を瞑っている。
悪魔や死神を滅しようとするほどの熱量を持たない。
いつまでも実現はされない。

誰も、誰かを本当に愛してなどいないからだ。

悪魔や死神で溢れ返り、その者らの影で汚れに汚れ、黒く淀んだ世界。
そんな世界に、お互いが居ることを良しとしたままでいる。
地獄のような世界に、新たに魂を引き込み、同じく地獄に陥れようと、我が子として肉体に魂を引きずり降ろし閉じ込め、悪魔や死神の群れの中に放逐する輩のなんと多いことか。
正気とは思えぬ。

この世界に生きるすべての人間は、意識はなくとも己の愛に常に嘘をついている。


各員、出撃の事前準備完了後、吹雪たちのブリーフィングの少し前

 

 

霧島

「――つまり、偽装の遠征任務ですか?」

 

長門

「そういうことだ。

 お前たちには後日、敢行される作戦に合わせて、

 当日は先に該当の作戦海域から、少し超えた所まで出ていてもらいたい。

 だいぶ遠回りして移動することになるため、時間がかかる。

 よって早めの出撃、というわけだ」

 

霧島

(……)

「なるほど」

 

金剛

「それはダンテも一緒なんデスカ!?」

 

長門

「……いや、彼はまた別だ。当日の本作戦の方に参加してもらう。

 例の"石"を組み込んだ新弾薬の報告は受けているな?

 それを含め、お前たちも全ての準備を完了させた後、出撃してもらうぞ」

 

金剛

「……行きたくないデース……」ブー…

 

長門

「おい……」

 

比叡

「お姉さまっ!?」

 

・・・・・・

 

金剛

「最近、まともに話せてすらいないデス!

 だいたい、ダンテはいったいどこで寝泊りしてるんデスカー!?」

 

長門

「む? 本人からは聞いていないのか?」

 

榛名

「それが、どうもすれ違いが多いようでして……」

 

長門

「ふむ……」

 

金剛

「ブーブー!!」

 

長門

(……これは私が勝手に言ってしまってもいいものなのだろうか……。

 ……もういっそ陸奥に投げてしまうか……?)

 

 

長門

「……あー、陸奥ならば――」

 

金剛

「陸奥は話してくれそうな気がしないデス」

 

長門

「なに、そうなのか?」

 

金剛

「勘デス。女の……」

 

長門

「……」

 

・・・・・・

 

金剛

「イエス! 大船に乗ったつもりでいるといいデース! そのかわり、頼みましたヨ!長門!」

 

長門

「ああ、なんとかやってみよう……」

 

比叡

「すみません、本当に……」

 

長門

「……いいさ……」

(これで士気が高まるというのであれば、な……。 仕方あるまい……)

 

――――――

提督室・寝室

 

 

ダンテ

「……」ムクリ…

 

 

ダンテ

「ン"……あ"ー…」グッグッ…

 

 

ダンテ

(……いい生活してるせいか、習慣になってきてるな)

「……年か?」huh...

 

 

――――――

洗面所

 

ジャー バシャバシャ パッパッ

 

フキフキ…

ダンテ

「……ン?」←鏡の異変に気付いた

 

[軍港の裏で] ←赤い口紅で書かれた文字(日本語)

 

ダンテ

「……」

 

 

――――――

軍港・裏

 

 

ダンテ

「……岬のところか? ……アン?」

 

 

 

ヒラヒラ

 

 

 

ダンテ

「……あっちか……」

(見えづれぇ……)

 

 

――――――

軍港・裏、岬からは少し遠いところ(*周りからは見え辛い)

 

 

ダンテ

「ヘイ」スタスタ

 

トリッシュ

「おはよう」

 

ダンテ

「……おう。

 お前な、あれやめろ。何のホラーかと思ったぜ」

 

トリッシュ

「ふふふ、いい眠気覚ましにはなったでしょ?」

 

ダンテ

「huh...」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「なるほどな、そういうことかよ。 ……エンツォは?」

 

トリッシュ

「まったくの無事よ。 逞しいことに、"次"はどうしようかって考えてるわ」

 

ダンテ

「そいつは何よりだ」ha

 

トリッシュ

「今はいくつ奪い返したの?」

 

ダンテ

「まだ2つだけだな。 一つはこっちの娘っ子が拾ってきてな」

 

トリッシュ

「へぇ」

 

ダンテ

「……それで、押し入りやがった奴の情報は?」

 

トリッシュ

「私の方でまだ調査中」

 

ダンテ

「ハァン……。 あいつは?」

 

トリッシュ

「明日にはこっちに来るそうよ。 あの子はあの子で調べてたことがあったから。

 それであなたに直接話したいことがあるそうだから、明日、また同じ時間にここで」

 

ダンテ

「フーン。 ま、わかったぜ」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「あいつからは他の仕事を受けてるって聞いてたんだがな。

 お前も一応こっちには入るのか?」

 

トリッシュ

「そうだけど、まだしばらくあとよ。 調査が終わってないから」

 

ダンテ

「なるほどね」

 

トリッシュ

「それじゃ」

 

ダンテ

「おう」

 

ヒュンッ

 

 

ダンテ

(……戻るか。 そろそろあいつも呼びに来る時間になるだろうしな)スタスタスタ

 

 

――――――

提督室・私室

 

ガチャ、パタン

 

ダンテ

「……アーそうだ、鏡のやつ消しとくか……」

 

 

――――――

洗面所

 

 

―カチャ

ダンテ

「……あ? ……消えてやがる……マジでホラーじゃねぇか……」

 

 

――――――

W島攻略作戦、ブリーフィング

*ケルビはお留守番

 

テトテトテト、ピタッ

 

吹雪

(……今回の作戦が、改めて私にとって初めての……)

 

夕立

「吹雪ちゃん?」

 

吹雪

「……あっ、ごめん! 今開けるねっ!」

 

睦月

(……)

 

ガラガラ

 

 

ワイワイ

 

 

如月

「――。 ……ん? あら、睦月ちゃん♪」タタタ

 

睦月

「あっ、如月ちゃんっ!」

 

つ⊂ ギュッ

 

睦月

「もしかして如月ちゃんもこの作戦にっ?」

 

如月

「ええ♪」

 

睦月

「わぁーっ! 久しぶりに一緒だね!」

 

如月

「そうね♪」ウフフッ

 

 

望月

「相変わらずあの二人、あたしたち姉妹の中でもべったりコンビだよなー」

 

弥生

「……うらやましくなんか、ない……」

 

吹雪

「ん?」

 

夕立

「吹雪ちゃんは二人、初めてっぽい?」

 

望月

「んぁ? …ぁあ、望月でーす」

 

弥生

「弥生です……。 あ、気を使わないでくれていい…です」

 

吹雪

「吹雪です。よろしくお願いいたしますっ」ペコリ

 

 

ワイワイ

 

 

 

―ガラガラ

長門

「……」

 

 

吹雪

「あっ」

 

タタタタッ

 

…シーン…

 

 

長門

「…………む?」

 

 

―ガラガラ…

陸奥

「……」

 

 

長門

「……陸奥、一人か? ダンテはどうした?」

 

陸奥

「……」コツコツコツ…

 

スッ… ←耳打ち

 

長門

「……なに? 探し回っても見当たらなかった?」ボソ…

 

陸奥

「……」コク…

 

長門

「……わかった。

 まぁ彼の場合、我々ではどの道、作戦上は持て余してしまうし、

 "例の敵種"の数や動向が不確定すぎる現在では、彼には前回同様、

 臨機応変に動いてもらったほうがいいだろう。

 しかし、今回の状況やこちら側の作戦展開の動きだけは彼にも把握しておいてほしい。

 すまんが、見つけたら陸奥の方から説明しておいてくれ」

 

陸奥

「……わかったわ」

 

 

一同

「「…… っぽい?」」

 

・・・・・・

 

川内

「……敬礼!」∠ ピッ

 

 

∠∠∠ ピピピッ

 

 

長門・陸奥

「……」∠ ピッ

 

 

長門

「提督代理の長門だ。さっそくだが、ブリーフィングに入る」

 

陸奥

「……」

 

 

――――――

ブリーフィング終了後

甘味処 間宮にて。

吹雪、皆から激励を受けて

 

 

北上

「まぁ今更、ジタバタしてもしょうがないし、気楽にやればー」ヒラヒラ

 

大井

「いいこと?

 北上さんが私との時間を割いてまで教えたんだから、

 一発くらいは当てて帰りなさいよねっ」

 

ペシッ

 

吹雪

「あぅっ……はぃ……」

 

・・・・・・

 

吹雪

(…………)

 

睦月

「……大丈夫だよ、吹雪ちゃん」

 

吹雪

「……え?」

 

睦月

「大丈夫、きっとできるよ。

 吹雪ちゃん、あんなに一生懸命、特訓したんだもんっ」

 

つ⊂ ギュ…

 

吹雪

「……ぁ」

 

睦月

「……私は信じてるっ。

 自信を持って! 吹雪ちゃんなら絶対、大丈夫だよっ!」

 

吹雪

「睦月ちゃん……」

 

夕立

「あのおひげの人も言ってたっぽい、自信を持てって。

 大丈夫っぽい! もちろん私だって、吹雪ちゃんのこと信じてるっぽい!」

 

吹雪

「……うんっ! ありがとう二人とも!」

 

 

 

如月

「……ふふっ」ニコ ←木陰から見ていた

 

 

――――――

提督室

 

シーン…

 

ダンテ

「…………来ねぇ……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

(……珍しく今日は遅いな。あいつがこねぇと――)

 

 

…ガチャ

 

 

ダンテ

「お」

 

 

陸奥

(……)…チラ

「……戻ってたんだ」パタン…

 

 

ダンテ

「ン、あぁ。

 ……アン? お前、今日一回ここに来たのか?」

 

陸奥

「……そうだけど?」

 

ダンテ

「……」

(まさかな……)

 

・・・・・・

 

陸奥

「はい」スッ

 

つ日 コトンッ!

 

ダンテ

「……どうも」

 

 

…ポスッ

陸奥

「……」o旦 スー、コク…

 

ダンテ

「……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……uh-……なぁおい、今日はブリーフィングがあるんじゃなかったか?」

 

陸奥

「……もう終わったわ」

 

ダンテ

(……)

「……マジかよ。そいつはすまなかったな……」

 

陸奥

「……」o旦 スー、コク…

 

ダンテ

「……」つ日 …ゴクッ…

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……huh, 俺は今日、相当早く起きたと思ってたんだがな。

 お前も今日は、けっこう早めに起こしに来てたんだな」hahaha

 

陸奥

「……そうね」o旦 …

 

ダンテ

「…………ハァ。 なんだよ、怒ってんのか?ブリーフィングか?

 だからそれは本当にすまn」

 

陸奥

「ねぇ」

 

ダンテ

「あ?」

 

陸奥

「質問するのは私だから。 あなたじゃないの」

 

ダンテ

「……あいよ……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「それで聞きたいんだけど、あのリップは何?

 どこかの女と会ってたりでもしてたの?

 まさかあのリップ自体があなた自身の持ち物で、

 自分でやった、なんてわけでもないでしょう」

 

ダンテ

(相当な変人だなそりゃ)

「そもそも、俺に似合うようなリップがあるんなら教えてほしいもんだね」ha ha-

 

Σ バンッ!

 

ダンテ

「」

 

陸奥

「こ た え て !」

 

ダンテ

「……前に話したことがあったろ、相棒さ。 あいつもこっちに来てるみたいでな。

 ちょいと会ってきたのさ」

 

陸奥

「……え ちょっと待って。 ……相棒って女の人だったの……?」

 

ダンテ

「ああ。 言ってなかったか?」

 

陸奥

「…………ついさっき終わった次回作戦のブリーフィングの内容、今から説明するわ。

 話すのが遅れてごめんなさいね」

 

ダンテ

「……いや。 よろしく頼む」

 

・・・・・・

 

陸奥

「……ま、だいたいこんな感じね。 いい?」

 

ダンテ

「ああ」

 

陸奥

「そ」スクッ コツコツコツ

 

 

ガチャ、パタン ←私室の方

 

 

ダンテ

「……」

 

 

―ガチャ、パタン

 

コツコツ

陸奥

「それじゃ私はこれ(洗濯物)、洗ってくるから」

 

ダンテ

「…おう、いつも悪いな」

 

陸奥

「……別に。仕事だから」ガチャ

 

パタン…

 

 

ダンテ

「huh...」ポリポリ…

 

 

――――――

 

コツコツコツ… ピタ…

 

陸奥

(…………何やってるんだろ、私……」ガビーン…

 

 

陸奥

(……会って、まだ一週間……。 なのに、いくらずっと近くにいたからって、

 それで何でもわかってたような気になって……勝手に八つ当たりして……)

「……はぁ……」

 

つ[洗濯物]⊂

 

陸奥

「……」スンスン…

 

 

陸奥

「…………っ////」

 

 

陸奥

(何覚えようとしてるのよっ ばっかみたいっ////」

 

コツコツコツコツッ

 

 

――――――

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

 

ケルビ

「Zzz..」

 

 

ホヤホヤッ ←入渠後

夕立

「吹雪ちゃん、もう全然平気っぽい?」フキフキ ←タオルで髪を拭っている

 

吹雪

「うんっ。 みんな、励ましてくれたから……。

 夕立ちゃんも」

 

夕立

「んふふ~っ」

 

吹雪

「ふふっ。 睦月ちゃんも」

 

睦月

「……私もね、昔、如月ちゃんが同じように信じてるって言ってくれたことがあるの。

 それですごく元気になれたから……」

 

吹雪

「如月ちゃんが?」

 

睦月

「うん。

 ……あのね、私、睦月型の一番艦なんだけど、

 如月ちゃんのほうがちょっとだけ就役が早いお姉さんなの」

 

夕立

「へぇ、なんか珍しいっぽい~?」

 

睦月

「うん。 それで、私がここの鎮守府に着任して、すぐに実戦があって……。

 なんにもしないうちに先輩たちが片付けてくれたけど、私、小破しちゃったの。

 ……そしたら、如月ちゃんが付きっきりで面倒を見てくれて……励ましてくれて……。

 すごく、感謝してるの」

 

吹雪

「わぁ……まるで私と睦月ちゃんみたいだねっ」

 

睦月

「っ……わ、私なんて全然っ……」

 

 

「そんなことないよ!」

「っ……吹雪ちゃんっ……」

 

 

夕立

「……」

(そういえば、夕立が初めて入渠したときはなぜか、

 出撃もしてなかった長門さんが一緒に入ってきたっぽい)

 

 

――――――

翌日、早朝

 

 

吹雪

「……」ゴソゴソ…ガチャ…

 

パタン…

 

 

睦月

(……)

 

ケルビ

「……」

 

zz…ポイ…

 

 

――――――

提督室・私室前

 

コンコンコン

 

陸奥

(昨日、変に当たりすぎちゃったこと謝らないと……)

 

 

睦月

「……コホン。 お、おはよーっ、起きてるー?」

 

 

――――――

寝室

 

 

ガチャ…

陸奥

「……あら?」

 

 

シーン…

 

 

陸奥

「……またいない…………もうっ!」

 

 

――――――

軍港・裏、岬からは少し遠いところ(*周りからは見え辛い)

 

 

レディ

「――まぁそんな感じで、なんか今回の仕事って全面的にキナ臭いのよね」

 

ダンテ

(俺からすりゃ、

 ヤッコさんの側に魔具が行き渡ってることを黙ってたお前も含めてなんだがな……)

「まぁ、だいたいわかってたさ」

 

レディ

「ふふ、そう。 私は今度は"こっち(日本)"でもう少し探りを入れてみるから」

 

ダンテ

「はいよ。 じゃ、またな」

 

レディ

「ええ。

 ……あっ あと、もうわかってるとは思うけど

 あんまり信用しないほうがいいと思うわよ、

 こっちのお偉いさんも。

 どうも、変なところで隠し事多いみたいだし」コツコツ

 

ダンテ

(お前もな)

「……huh. 信用も何も、俺は話したことすらないんだがな」

 

レディ

「ふふふ、そうだったわね」ザッ バルンッ ←バイク

 

BRRR!

 

レディ

「あぁそうだ、これも言い忘れてたわ。 今日、貴方宛に荷物が届くはずだから」

 

ダンテ

「荷物だ?」

 

レディ

「そ。 それじゃあね」ヒラヒラ

 

BRRRRRR-!

 

 

ダンテ

(……)

「……戻って寝てるか……。

 二日連続で機嫌損ねちまうのはさすがに……ん?」スタスタスタ

 

 

――――――

軍港・裏、岬の付近

 

ズシューン! ガシャッ!

 

吹雪

「……!」

 

―ズルッ

吹雪

「っ!? うわぁあっ! っ……とっ!」…ピシャンッ

 

 

吹雪

「…………はぁ」

 

 

赤城

「頑張っていますね」

 

 

吹雪

「えっ 赤城先輩っ!?」

 

 

赤城

「……」スッ… ←会釈

 

 

吹雪

「え……?」チラ

 

 

ダンテ

「……huh, 早起きだな、お前さんらも」

 

 

吹雪

「ダンテさんまでっ!?」

 

 

軍港の岬の付近に吹雪、赤城。そして、軍港の塀にダンテがいた。

 

 

・・・・・・

 

吹雪

「……やっぱり、少しでもって思っておさらいを……。

 みんなに……本当に、いろんな人に手伝ってもらって特訓したのに、

 今回の作戦でも、結局何もできなかったらって……」

 

ダンテ

「…hmm, なるほどな」

 

赤城

「……ふふ。 吹雪さん、ちょっと見ていてくれる?」スッ…

 

吹雪

「え? ……はい」

 

ダンテ

(……)

 

・・・・・・

 

ググ…

赤城

「……」フッ… ←目を閉じた

 

 

吹雪

「っ!」

 

ダンテ

(……へぇ)

 

 

赤城

「……」ビュンッ ←矢を放つ

 

ヒューン シュボッ ズダダダダ!

 

―バコッ!

 

 

ダンテ

「…ph~」

 

吹雪

「わぁ…… すごいですっ!!」

 

 

赤城

「……」ニコ

 

・・・・・・

 

赤城

「――正射必中、という言葉があります。

 正しい姿勢でいれば、自ずと矢は当たる……というほどの意味ですけれど、

 私は、きちんと訓練すれば結果は必ずついてくる……そういう意味だと思っています」

 

吹雪

「正射必中……」

 

赤城

「自分で充分に訓練したと思えるなら、ただ任せてみて?

 身体がきっと、覚えているから」

 

吹雪

「っ……はいっ!」

 

赤城

「ふふ……」…チラ

 

 

ダンテ

「ha...

 ……ン?」

 

 

赤城

「……」ニコ

 

 

ダンテ

「……フッ…」

 

・・・・・・

 

吹雪

「――ところであの、お二人とも、どうしてこんなに朝早くから?」

 

 

ダンテ

「……あぁー……ただの散歩だ、俺はな」

 

 

吹雪

(こんなに朝早くに……? なんか少し意外な感じかも……?)

「へぇ……そうだったんですね」

 

赤城

「私は……」チラ… ←鎮守府、寄港所を見やる

 

吹雪

「? ……あっ」

 

 

 

睦月

「……あっ。 お、おはようっ……ございますっ」ヒョコ…

 

v-ェ-v メ チョコン

 

 

 

吹雪

「睦月ちゃんっ、ケルビまで……」

 

 

ダンテ

「……hum」

 

・・・・・・

 

赤城

「たまたま早起きしたら、ドアの前でノックしようとしていた、彼女がいて――」

 

 

睦月

「わ、私はっ……如月ちゃんだったらこうするかもって、そう思っただけだからっ……」

 

 

吹雪

(睦月ちゃん……)

「…………」

 

赤城

「……どうしました?」

 

吹雪

「……私……本当に、いろんな人にお世話になりっぱなしで……。

 どうしたら、……皆に恩返しできるのかなって……」

 

 

睦月

「吹雪ちゃん……」

 

v-ェ-v …

 

 

ダンテ

「……」

 

・・・・・・

 

睦月

「……私も、ずっと前から、同じことを考えてた……。

 如月ちゃんや先輩たちにどうやってお礼したらいんだろう、って……」

 

 

赤城

「……誰も、恩返しなど望んでいません。

 だから、ただ、言えばいいのです。

 "ありがとう"って。 思っていることを、素直に」

 

吹雪

「……」

 

睦月

「それだけでいいんですかっ?」

 

赤城

「ええ」ニコ

 

・・・・・・

 

赤城

「私たち艦娘は存在したその瞬間から、戦うことを運命づけられています。

 ……反攻作戦が開始されれば、戦闘は激化するでしょう。

 今、この鎮守府にいる艦娘たちも、どれだけが無事でいられるか……。

 でも、それでも私は、艦娘で良かったと思います。

 大切な人達を守ることが出来る。大好きな仲間と一緒に、戦えるのだから……」

 

 

吹雪・睦月

「……」

 

 

ダンテ

(……)

 

 

赤城

「鋼の艤装は、戦うために。 高鳴る血潮は、守るために。 秘めた心は、愛するために……。

 ありがとう、大好き、素敵、嬉しい……」

 

 

吹雪・睦月

「……」

 

 

ダンテ

(……)

「……hm」クル、スタスタ…

 

 

赤城

「大切な人への、大切な気持ちを伝えることをためらわないで。

 明日、会えなくなるかもしれない私たちだから……」

 

 

吹雪

「っ……はいっ!」ザァー

 

 

睦月

「吹雪ちゃんっ」タタタッ

 

つ⊂ ギュッ

 

吹雪

「ありがとう、睦月ちゃん。 大好きだよっ!」

 

睦月

「私も、大好きっ!」

 

v-ェ-v メ

 

ア、モチロンケルビモダヨッ!

フフ、ソウダネッ

ワイワイ

 

 

赤城

「うふふ……」チラ… ←ダンテが帰っていった方向を見やる

 

・・・・・・

 

赤城

(……)

 

吹雪

「あの!ダンテさんっ! ……って、あれ?」

 

赤城

「行ってしまわれたようですね」

 

吹雪

「え……?」

 

赤城

「……ふふふ、逃げられてしまったのかもしれませんね」クスクス…

 

睦月

「?」

 

吹雪

「逃げるって、ダンテさんがですか? えっと……どういうことなんでしょう……?」

 

赤城

「さぁ? 私も特別、男性を知っているというわけではありませんから」フフフ

 

吹雪・睦月

「……?」

 

・・・・・・

 

睦月

「とりあえず戻って会えたらすぐに、かな。 ね、吹雪ちゃん」

 

吹雪

(ダンテさんには本当に、いろいろ……)

「……うんっ。

 あっ、それからあの、赤城先輩っ」

 

赤城

「はい?」

 

吹雪

「私、先輩のこと尊敬してます。 いつか、同じ艦隊で戦いたいですっ!」

 

赤城

「……ふふ、ありがとう。待っていますね」ニコ

 

吹雪

「っ……はいっ!」

 

・・・・・・

 

赤城

「ところで、先ほどから気になっていたのですが、そちらの犬は?」

 

吹雪

「あぁ、紹介しますねっ。 ケルビ、っていうんです!」

 

赤城

「まぁ、カルビ! とっても素敵なお名前のワンちゃんですねっ!」

 

Σv-ェ・v ッ!?

 

睦月

「っ!? えっ、いやあのっ…」

 

吹雪

「えへへっ、はい!///」

 

睦月

「アレッ!?」

(いや、はいじゃないよっ!? 吹雪ちゃんちがうよ!?

 いつの間にそんな香ばしい感じの名前になったの?!)ガビーン

 

 

「甘い物食べちゃうとすぐに寝ちゃって、なかなか起きないんですよーww」

「ほぅ……甘い物を食べると寝てしまう……」

 

 

v;-ェ-v タジ…

 

睦月

(……これ、少なくとも吹雪ちゃんが赤城先輩といるときは、

 私は目を離さないほうがいいんだろうなぁ……)

「……大丈夫だよ、ケルビ。私がちゃんと守ってあげるからねっ」

_つ ナデ…

v-ェ-v ジーン…

 

 

赤城

「……ふふふ、冗談ですよ?」クスクス…

 

 

睦月

「」ビクッ

Σv;-ェ-v ッ!?

 

 

 

 

 

*青葉、広報はまだ作成中。

 

 

 

 

 

~~~~~~

大切な人への、大切な気持ちを伝えることをためらわないで

明日、会えなくなるかもしれない私たちだから……

~~~~~~

 

 

ダンテ

(…………)hum...

 

スタスタスタ…

 

 

――――――

提督室

 

 

―ガチャ

ダンテ

(ちっとマジで眠くなってきやがったな。 あいつが来るまで――)

「もう一眠りしてるk」ファ…

 

 

陸奥

「あら、おはよう。今日も早かったのね」ニコッ

 

 

ダンテ

(……)

「おぅ……」

 

パタン…

 

・・・・・・

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「それで? 今日もまた、その"相棒さん"と会ってたのかしら?」

 

ダンテ

「…ぁーいや、今日はまた違うな……」

 

陸奥

「…………」

 

ダンテ

「…………」

 

陸奥

「……別の女?」

 

ダンテ

「……ああ……」

 

陸奥

「……へぇー、じゃあ今度は何の用事だったのかしら?

 今日だって人目を盗むみたいにして、こんな朝早くから……。

 あぁ、お忍びデートの約束でも取り付けてきたのかしら?

 いつの間に……ふふ、すごいわね。

 "こっち"に来てまだ日もないのに、そんな人がいたなんてね。

 やっぱり、女に困らない色男は違うわね。

 あなたみたいに危険な香りまでさせてる男の人なんてそうはいないし、

 そういうのが好きな女からすればたまらないんでしょうねぇ~」

 

ダンテ

「……ヘイ、落ち着けよ。 早すぎて何言ってるのかわからねぇぜ。

 あと悲しいことに、俺は女運は良くないほうでね。

 そんな色気のあるような話じゃなかったさ」

 

陸奥

「……ふぅ~ん……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「仲介屋の?」

 

ダンテ

「そうだ。 今回の仕事のことについて、細かい注意とかを、な」

(……"あの話"は不用意に話せるようなモンじゃねぇよな。

 少なくとも今はまだ、な……)

 

陸奥

「……そう」…

 

ダンテ

「……それで今日、そいつから荷物が届くみたいなんだが――」

 

陸奥

「あら、それってこれのこと?」ゴソゴソ

 

つつ□ トサッ ←茶机の下から出す

 

ダンテ

「あぁ、なんだもう届いてたのか」

 

陸奥

「はい。これも」

 

つ[] ピラッ ←メッセージカード

 

ダンテ

「ん、おう」つ

 

陸奥

(……)

「……なんて書いてあるの?」

 

ダンテ

「ちょっと待て」ペラッ

 

 

[だいたい10日間隔で食べてね♥] ←無駄にリップマーク

 

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……フフフッ、ずいぶんと仲のいい仕事仲間さんなのね?」ニコ…

 

ダンテ

「huh...」

(アイツめ……)

 

・・・・・・

 

陸奥

「箱の中身、食べ物みたいだけど、……一応検めさせてもらうから」

 

ダンテ

「……お好きに」

 

ガサゴソ…

陸奥

(……)

「……あら、これって……」つ日 カサ…

 

ダンテ

「おー、なるほどな」ha

 

 

 

 

*例の魔法のこんにゃくの詰合せでした。

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 3-2

不平等と差別があるからこそ、世界と人類には意義がある。
不平等も差別もなくなった世界など、はっきり言って無価値である。

それは世界と人類の死であるからだ。

他との差異が全てなくなってしまった世界。
全てが均一で何もする必要のない世界。
幸福を求める意欲も、不幸から脱しようという努力も必要のない世界。
他者を羨み、それを反動に自己研鑽し、己を高める必要もない世界。
何も出来ない、何も差分を取り出すことの出来ない世界。

それはまさに、世界と人類の熱的死である。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


全ては"あわれ"であり、全ては無意味である。

全てに高低差・差別があるうちは、取り出せるもの・生み出せるものがあるので、まだ意義は見出せるが、やがてこれら全ては例外なく、熱的死を迎える。

わかりやすいであろうから、貨幣制度に則る、貨幣を稼ぐことを一例に示していく。断わっておくがこれはほんの一例である。

過去に価値を見出され、その価値を貨幣に置き換えられていた事物は、やがては氾濫し、価格競争の原理にも則り、価値が希薄になるか、消滅する。つまりは無料になる。
映像・音楽・音声は最たるもので、善悪判断しないとすると、今やほとんど無料で視聴できる。
AIコンテンツは今はまだ有料のものが多いが、これを後追いする企業が増えると氾濫し、やはりタダ同然か無料になる。

ずば抜けて、独占して高くなければ、差がなければ、価値というものは生み出せない。そして差がなくなってくるとそれらは同様に無価値である。

※全てが無意味であるとわかるようになる。富名声権力能力技術、物質・非物質を、特に個人毎で保有することの無意味さが顕著になる。当然、境界の融和・飽和が次第に始まる。これに大きく寄与、また、橋渡し的(ツール・インターフェース的)に貢献するのもまたAIである。人類に対し、物質非物質を問わず執着する精神に解脱を働きかける(対応チャクラへの光の流入)。無意味である、という気付きを与える。

この現象は第三次産業から起こり始め、第一次産業に及ぶ。
この波及速度は緩やかなものではあるが、必ず起こり、完遂される。
建設物など現実性の実物は例外に思われるかもしれないが、人口とのバランスが取れなくなってくると、やはり無用の長物となり、価値はなくなる。
※世界人口は今や確かに減少傾向にあり、これは最終的には約5憶6700万人ほどになる。

そして、これら現象の影響が一番遅いのが食べ物で、実は食べ物ですらこの現象は起こり得る。タダ同然で得られる時代がくる。
というのも、人体が食べ物を、そんなに必要としない>全く必要としない、といったように変化するため、余計に需要がなくなる。
元々、人類のアーキタイプにおいては、リスクのある経口摂取及び消化吸収細胞分裂などによる、生命維持の構造を有してはいなかった。今よく知られている人類の栄養補給のような行程は、本来は必要のないものだった。今後、未来になるほど、人類はアーキタイプに近い人体・生命構造を取り戻していくため、食物が必要なくなる(食物内の支配成分の除去)。
※サン・ジェルマン伯爵を参照のこと。

事物を貨幣に換えること(換金)自体が最早無意味であると皆がもう気付いている時代の到来の意である。

価値がある間だけ、お金に還元して稼ぎ、そのお金を消費する。
同事物の価値がなくなったら、乗り換えて、また、
価値がある間だけ、お金に還元して稼ぎ、そのお金を消費する。

これらをただひたすらに繰り返し続けた人類は、やがてその無意味さにようやく気付く。
ひたすらに"あわれ"であり、ひたすらに無意味である、と。

この頃になると、さらにようやく人類はある疑問を抱き始める。
時期としては2024年頃である。

お金には本質はなく、事物自体には決して、なり変われない。
交換品としては存在するが、本当に必要なものなのか?
交換過程は必要か? 交換レートの定めは本当に今まで適切だったのか?
時間・状況・環境・相手次第でいくらでも変動するようなものが本当に確かな物と言えるか?
そもそも事物自体があればよいのではないか?
それの物々交換でよいのでは? もっと言えば、この地球上の事物は全てが共有されるべきであり、欲しい人が求めたときに、持てる人が供給すればよいのでは? 
※上記(資源の循環)を満たすために、必要となるもの・条件は以下。
地球本来の人類キャパシティに戻すこと(5億6700万人)。
ホピ族のような質素な生活。
生存に必要な物に出来るだけ絞った需要。
貴金属や宝石、アクセサリーなど、材料としてではなく装飾としてだけ用いることの無意味さに気付くこと。
本当に必要なものは何なのか、気付くこと。
これら条件を無視し、不平等を作り出し、本来、必要のない人が物を得て、必要な人が物を得られない世界構造を作り出したもの、それを可能にしたものがお金であったと気付くこと。はtt内、得られないようにする、これらのむしろお金の機能を利用する目的があったことにも気付くこと。

「お金とは何なのか? 誰がこんな物を言い出した? 誰がこの地球に持ち込んだのか? 貨幣制度を構築したのは誰か? その目的は?」と。

ちなみに、一部の答えは火星人である。


作戦準備場

 

 

吹雪

(結局、入れ違って会えなかった……)

 

夕立

「吹雪ちゃん、早く最後の準備するっぽい」

 

吹雪

「……あ、うんっ」

 

睦月

「……あれ?」

 

 

ケルビ

「……」トテトテ…

 

 

吹雪

「え、ケルビっ?」

 

・・・・・・

 

睦月

「さっきまで部屋で寝てたのに……」

 

吹雪

「……ついてきちゃったの?」

_つ ナデナデ…

v-ェ-v …

 

夕立

(ていうかもうひとr……一匹であの部屋のドア開けられるとか、本当お利口さんっぽい)

 

 

―スタスタ

ダンテ

「付いて行きたいんだとさ」ha

 

睦月

「あっ」

 

吹雪

「ダンテさんっ」

 

・・・・・・

 

吹雪

「でもさすがに……というか海ですし……」

 

ダンテ

「ha, まぁそうだよな。 だとよ」チラ

 

ケルビ

「……」

 

―パァ

 

吹雪・睦月

「っ!?」

 

夕立

「なにっぽい!? すごくまぶしいっぽい!」

 

 

_ …コテン

 

 

睦月

「……えっ?」

 

吹雪

「ケルビ……?」

 

夕立

「青いほねっこ?」

 

ダンテ

「hahaha. これが、コイツが武器になったときの姿だ。 "魔装"ってやつだ」

 

夕立

「へぇー」

 

睦月

「魔装……」

 

吹雪

「これが、ケルビの別の姿……」

 

ダンテ

(……)

「前はもう少しサイズがあったし、元々は三又だったんだがな」

 

吹雪

「えっ そうなんですかっ?」

 

ダンテ

「ああ。 ……まぁいい。それより、これならどうだ? ha

 連れて行ってやってくれねぇか、フブキ」

 

吹雪

「……はい! それじゃ一緒にいこっか、ケルビ! ……って、つめたっ!?」

 

ダンテ

「ha ha-, おい、犬っコロ」

 

ケルビ

「……」

 

―シュー…

 

吹雪

「……あ、冷たくない。ちゃんと持てる……」

 

ダンテ

「ソイツについてる鎖があるだろ。 それを腰に巻けば固定できるはずだ」

 

吹雪

「鎖を……なるほど、了解ですっ。

 ……あ、そうだ、ダンテさん!」

 

ダンテ

「アン?」

 

・・・・・・

 

吹雪

「――だから、そのっ……ダンテさんには本当にいろいろ助けてもらって……。

 私、ちゃんとお礼が言いたくて……」

 

ダンテ

「……huh」

 

―ポンッ

 

吹雪

「あうっ」

 

ダンテ

「気にすんな。こっちも仕事さ。 あと、試験はお前さんが頑張ったからだな。

 いい仲間がいるな、フブキ」ニッ

 

吹雪

「……はいっ!//」

 

ダンテ

「Ha Ha」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「おっと、言い忘れてたぜ。

 ソイツ(ケルベロス)なんだが、……まぁ、そうだな、だいぶ力は落ちてるが、

 それでも、少なくともお前さん一人を守るくらいの仕事はちゃんとするはずだ。

 犬っコロにしてみりゃ、お前さんが今の飼い主なのさ。信じてやるといい」

 

吹雪

(ケルビが私を守ってくれる……。 ケルビにとって、私が今の……)

「……はい、わかりましたっ!」

 

ダンテ

「good. そんじゃ、またあとでな」ヒラヒラ

 

 

ダンテ

(……頼んだぜ、犬っコロ)…チラ

 

 

ケルビ

(……) 

 

 

 

 

 

吹雪

 

 <ARMS>

 

  三氷棍ケルベロス・一棍(Lv.1)

 

 

譲渡されました。

 

 

 

吹雪

 

 <STYLE>

  

  ハウンドオーナー(Lv.1)    

 

 

習得しました。

 

 

 

 

 

――――――

出撃直前

 

 

川内

「さぁ、夜戦だ夜戦だ! 腕が鳴るぅ!」

 

神通

「私も、体が火照ってしまいます……」

 

那珂

「おびき出すのは任せてね!

 那珂ちゃんの魅力で、み~んな誘惑しちゃうから♪」キラリン☆

 

球磨

「それは不安だクマ」

 

夕張

「皆、置いてかないでね……」←わりとハードスケジュール

 

―ポン

 

夕張

「ん……」

 

多摩

「大丈夫にゃ。問題にゃい」b

 

夕張

「……ほんとにぃー…?」

 

如月

「うふふ…♪」

 

 

睦月

「……ねぇ、如月ちゃん」

 

如月

「あら?」

 

・・・・・・

 

如月

「なぁに?」

 

睦月

「……あ、あのね、この作戦が終わったら……話したいことがあるんだっ」

 

如月

「あら~♥ 愛の告白かしら?//」

 

睦月

「ち、ちがうよぉ!////

 あっ……って、あんまり違くないけど……でも、あのっ……」モジモジ…

 

如月

「……ふふ、わかったわ」スッ…

 

睦月

「……あ」

 

如月

「約束、ね」-☆

 

睦月

「っ……うんっ!」パァ

 

 

吹雪

「……フフッ」ニコ

 

 

――――――

作戦室

 

 

陸奥

「……」トントン

 

 

両腕を組み、指でトントンと腕を叩いている陸奥。

 

 

長門・大淀

「……」

 

 

大淀

「……えー、間もなく作戦開始予定時刻です、けど……」

 

長門

「……あー……陸奥、何か気が立っていないか?」

 

陸奥

「……別に? 気にしないで」トントントンッ

 

長門・大淀

「……」

 

 

長門

「そ、そうか……。 で、では始めるぞっ」

 

大淀

「はいっ……」

 

陸奥

「……」

 

・・・・・・

 

―カチ

長門

「……これより、W島攻略作戦を発動する!

 第三、第四水雷戦隊、出撃せよ!」

 

 

――――――

 

 

「「はいっ!!」」

 

 

吹雪

(いよいよ……! これが私にとって本当のっ……!)

 

ケルビ

(……)

 

 

――――――

発艦口・外

 

 

ダンテ

「……」スン… ←匂い

 

 

ダンテ

「hum... 今回は薄いな。 前ほどじゃねぇ」

(……)

 

 

 

ザザーッ! ←吹雪たち

 

 

 

ダンテ

(……俺は基本、後衛で"待ち"だったな。

 "例のヤツ"が出張ってきたら、あとは自由、だったか)

「……huh. ま、あいつにもタンカ切ってるしな。

 しっかりやることはやらせてもらうさ」シュバッ

 

 

―ヒュォォ…

 

 

 GUNS!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

 

――――――

深海基地

 

 

深海棲艦・双

(今日ガ、アイツラノ夜戦奇襲作戦ノ決行日……!)

「……コッチモイロイロ"準備"ガアッテ手間取ッチマッタガ。 ……クククッ! バレバレサ!

 無駄ナンダヨ! 新シイ"コノ力"ノ前ニハナァ!」

 

 

敵艦s

「ギギッ…!」ガシャッ!

 

 

 

 

 

 

 

Tips: W島攻略作戦

 

 

 

 

先日の敵棲地の発見と殲滅により、近在の深海棲艦の拠点が一掃された。

これにより、近々、大規模反抗作戦が発令される見通しとなった。

 

 

 

本作戦は、その試金石ともなる作戦である。

 

 

目標、W島。

この島を守備している敵・水雷戦隊を夜戦による奇襲で殲滅することが

本作戦における達成条件である。

 

基本の作戦は、第三水雷戦隊が囮となり、敵を引きつけて転進。

後方に控えた、第四水雷戦隊が展開している海域まで誘導し、二隊で挟撃する。

 

 

 

W島を攻略できれば、哨戒線を押し上げ、さらなる作戦展開が可能となる。

 

 

 

 

 

                                   Now Loading...

 

 

 

 

 

 

 

作戦開始の二十分ほど前、作戦の準備場

 

 

陸奥

「これ」つ.

 

ダンテ

「……なんだソイツは?」

 

陸奥

「いっつもフラフラしてるあなたの位置が、

 いつでもどこでもわかるようになる便利な物よ。

 いいからどこかに付けておいて」

 

ダンテ

「huh...」

 

 

 

 

 

 

 

Tips: 現存敵性体 "悪魔の力"を獲得した、敵・深海棲艦

 

 

 

 

いかなる経緯があったのかは不明だが、

敵、深海棲艦はデビルコア(S・M・L)を手に入れたことにより、

"悪魔の力"を獲得しているようである。

*雑魚艦はS、中級艦はM、ボス級艦はLを所持している場合が多い。

 

 

現在、深海棲艦は獲得しているデビルコアに応じた、"悪魔の障壁"を有している。

さらにM以降のデビルコアを持つ深海棲艦はそれぞれ、

そのデビルコアに宿る悪魔の力の特性と魂によって、

それに由来する能力と武装をも有している場合がある。

 

 

 

基本的に、"悪魔の障壁"を有する現存の深海棲艦に対し、

既存の艤装による攻撃ではあまり効果がない。

また逆に、ダンテ曰く、深海棲艦本体に対しては魔装の攻撃は通用しにくいらしい。

 

 

よって、現存の深海棲艦に対する基本戦法としては同じ"悪魔の力"を以って、

敵艦の"悪魔の障壁"を破壊し、

その後、艤装による攻撃で本体を叩くという方法が望まれる。

 

 

 

 

 

                                   Now Loa

 

 

 

 

 

 

 

作戦開始の十数分ほど前、工廠の試射場

 

―バルルルッ…

 

ダンテ

「……よし、こんなもんか」コンコンッ ←パンドラ

 

・・・・・・

 

スタスタスタ…

ダンテ

(……しっかし――)

「……ハァ……話すら聞いてくれねぇからな。 まいったぜ」huh..

 

 

明石

「あっ、いた! おーい!ダンテさーんっ!」

 

 

ダンテ

「……ン?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――ほぉ、間に合ったのか。 すごいじゃねぇか」hahaha

 

明石

「ええ、一応は……。 ですが、数がまだそんなには出来てなくて……。

 元々、この工廠にはダンテさんが扱っているような拳銃弾丸用の鋳型がなくて、

 まずはそれを作ることから始めたので……」

 

ダンテ

「なるほどな。 ご苦労だったな、アカシ。 ありがたく使わせてもらうぜ」ジャラッ

 

明石

「い、いえっ……。 ……あの、大丈夫なんですか? 本当にそれだけで……」

 

ダンテ

「ああ。 むしろ、こんだけありゃ十分だ。

 せっかくお前さんが急ぎで作ってくれたわけだしな。 無駄にもしねぇよ」ニッ

 

明石

「っ……//

 ……あっ、でも、無理はしないでくださいね?

 私たち艦娘ならともかく、もしダンテさんが大怪我をしてしまったとしても、

 "ここ"じゃ簡単な応急処置しかできませんから……」

 

ダンテ

「了解。 よーく覚えとくぜ」ピッ ←トゥーフィンガーサイン

 

スタスタ

 

 

明石

「……」

 

 

 

 

 

*艤装もですが、この銃弾も妖精さんに協力してもらって作りました。

 

 

 

 

 

明石

「……って、あぁっ! 夕張から預かってた"あの子"を返すの忘れてた!!

 ちょっと! ダンテさーんっ!!」タタタタッ

 

・・・・・・

 

明石

「ハァハァ……」キョロキョロ

 

 

シーン…

 

 

明石

「……もういないっ!」

 

 

 

 

 

 

 

Tips: 魔装、艤装、魔艤装、???????

 

 

 

 

魔装

…悪魔の力を獲得した、深海棲艦が展開している"悪魔の障壁"を

 破壊することができる兵装。

 基本的に、深海棲艦本体に対してはあまり通用しない。

 しかし、雑魚級の敵艦程度なら、ゴリ押せば倒すことができる。

 

 例)リベリオン、三氷棍ケルベロス etc...

 

 

艤装

…艦娘が装備する兵装。

(*オリジナル(?)設定 当ssではもう艦娘の既存装備品を一纏めにした総称とします)

 "悪魔の障壁"を展開している敵艦でも、それが雑魚級艦(S石所持者)であるならば、

 素のままでも撃沈させることが出来るときもあるが、そうでない場合もある。

 また、相手が中級艦以上(M石以上所持者)であるときも別である。

 

 例)12.7cm連装砲(標準的既存弾薬)、7.7mm機銃(標準的既存弾薬) etc...

 

 

魔艤装

…艤装や標準的既存弾薬に、デビルコアを組み込むことで誕生した兵装。

 魔装と艤装の両方の特性・特質を有しており、

 現状、"悪魔の力"と"障壁"を有する敵・深海棲艦に対し、最大の殲滅効率を誇る。

 

 例)天龍の後檣刀・水魔、デビルコアSを組み込んだ新弾薬・銃弾 etc...

   *S石を組み込んでできた新弾薬・銃弾の場合は、その物量や構造上の問題から、

    ある程度の段階で性能限界が存在する。

 

 

 

???????

…No Data

 

 

 

 

 

                                   Now Loadind...

 

 

 

 

 

 

 

吹雪隊(*旗艦は神通)

敵陣の発見

 

 

那珂

「みーっけ♪」←指眼鏡で敵陣を確認中

 

神通

「……気づかれてませんよね?」

 

那珂

「うんっ 今日はお忍びだもんね♪」

 

神通

「作戦通り、ここで敵の動向を探りつつ、夜を待ちます。

 姉さん、零式水偵を」

 

川内

「はいよ!」

 

・・・・・・

 

神通

「お願いしますね」

 

妖精さん

「――」∠ ピッ

 

川内

「いっけぇー!」

 

 

ビューン…

 

 

神通

「……吹雪ちゃん、夕立ちゃん、睦月ちゃん。

 あなたたちには交代で目視による哨戒をお願いします」

 

吹雪・睦月・夕立

「はい!」

 

・・・・・・

 

夕立

「……ふぁ……」ムニムニ…

 

睦月

「ねぇ夕立ちゃん」

 

夕立

「ふぇ?」

 

睦月

「私、夕立ちゃんのこと大好きっ」

 

夕立

「っ!?///」ガクンッ

 

睦月

「?」

 

夕立

「と、唐突すぎるぅ~!// 睦月ちゃん緊張で壊れちゃったっぽい!?//』

 

睦月

「違うよっ。 ……実はね、今朝―」

 

・・・・・・

 

川内

「……水偵がなかなか戻らないね」

 

那珂

「収録が押してるのかな?」

 

神通

「少し心配ですね……」

 

 

睦月

「――って、赤城さんが……」

 

夕立

「……ふ~ん、そんなことがあったんだ。 ……うん、ちょっとステキっぽいっ」

 

睦月

「でしょっ?

 ……それで思ったの。睦月、夕立ちゃんにはあんまり言えてなかったなって」

 

夕立

「っ……そ、そういうことなら私だって、睦月ちゃんたちのことっ……すっ」

 

 

吹雪

「……っ!? うそっ……」

 

 

睦月・夕立

「っ!」

 

 

川内

「どうした!? 特型駆逐艦っ!」

 

 

吹雪

「10時の方向! 敵機です!」

 

 

 

ヴーン!

 

 

 

神通

「そんなっ……ホ級に動きはなかったはず……。 どこからっ……!」

 

川内

「それよりも偵察機に発見されたってことはっ……!」

 

那珂

「……敵の艦隊が動き出したよっ!?」

 

川内

「っ……くっ! 司令部に打電をっ!」

 

 

――――――

作戦室(司令部)

 

 

長門

「くっ……」

(……)

 

陸奥

「……どうする? 三水戦が敵に発見された時点で、奇襲作戦は破綻だけど……。

 四水戦を動かして、正面対決に持ち込む?」

 

長門

(……)

「いや、三水戦を下がらせる」

 

陸奥

「……」

 

長門

「大淀、全速力で現海域を離脱するよう伝えてくれ」

 

大淀

「はい!」

 

―カチャ

大淀

「三水戦、急ぎ後退してください!」

 

 

『了解!』―ザザァー

 

 

――――――

作戦海域・後方のどこか

 

 

『三水戦、急ぎ後退してください』―ザザァー

 

ダンテ

「……アン?」

 

 

――――――

作戦室(司令部)

 

 

大淀

「三水戦、後退を開始」

 

長門

「……うむ」

 

陸奥

「……でも敵は軽巡2、駆逐艦4の計6隻、二隊合わせれば、

 そのまま押し切れると思うけど……」

 

長門

「……いや――」

 

―ザザッ

ダンテ

『なんだ見つかっちまったのか? huh

 最初の作戦じゃ、俺の方は夜まで寝てていいって話だったが、どうするんだ?

 なんなら俺が出張って、散らしてきてやろうか』hahaha

 

大淀

「えっあのっ」アタワタ

 

長門

「む、待ってくれ。 "不測"の事態に備え、そちらには変わらz」

 

…スッ

陸奥

「貸して、大淀」

 

大淀

「え、あっ」

 

長門

「お、おい……」

 

―カチ

陸奥

「偵察は失敗。逆に発見されて、夜戦の奇襲作戦は破綻したから予定は早まったけど、

 あなたへの指示は変わらないわ。

 少しくらい大人しくしてたら? 子供じゃないんだから」

 

ダンテ

『……へいへい……』

 

陸奥

「……ふんっ。 はいっ」

 

つ【インカム】 スッ

 

大淀

「あ、はい……」つつ スッ…

 

長門

(……もしかしてさっきから気が立っていた理由というのは……)

 

 

――――――

作戦海域

三水戦、後退中

 

ザー

 

神通

「……っ! 姉さん、あれ!」

 

川内

「っ!?」

 

夕立

「うそっ!?」

 

那珂

「ヌ級が二隻もっ!?」

 

川内

「発見されたよっ! 来る……!」

 

神通

(応戦やむ無し……!)

「輪形陣! 全艦、対空戦闘よーい!」

 

 

ヴーン!

 

 

神通

「……撃ち方始めー!」

 

 

睦月

「……っ!」

(帰るんだ……!絶対! みんなと一緒にっ!)

 

 

バンッ!ババンッ

 

 

――――――

作戦室(司令部)

 

 

陸奥

「……増援?」

 

長門

「ああ。 だが、まだこれは――」

 

大淀

「!? 三水戦より入電っ!」

 

・・・・・・

 

陸奥

「空母が2隻っ……」

 

長門

「やはりか……」

 

陸奥

「このままだと、三水戦は敵の水雷戦隊にも追いつかれて挟み撃ちに……!」

 

長門

「……させないさ」

 

陸奥

「え……?」

 

長門

「四水戦に打電! 敵水雷戦隊の足止めを!」

 

大淀

「……」コクッ

 

陸奥

「……でもこのあとはどうするの?

 ここからこちらの増援を出しても間に合わないわ……」

 

長門

「……いや、まだ手はある」

 

陸奥

「……?」

 

 

――――――

作戦海域

四水戦、進行中

 

ザァー

 

球磨

「敵水雷戦隊を発見したクマ!」

 

夕張

「新弾薬を試すいい機会ね……! 砲雷撃戦よーいっ!」

 

如月

「……っ!」ガシャンッ

 

 

如月

(…………睦月ちゃん……)チラ…

 

 

――――――

 

 

夕張

「みんな、ここで食い止めるからっ!」

(この新弾薬でっ……!)

 

 

夕張

「ってぇー!!」

 

 

バンッ! ババンッ!

 

 ドォーン!

 

敵艦(雑魚級)

「ギッ! ギィ…」ガスンッ…

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「ハーン……」←指示通り、アーギュの上で静観中

(……)

 

 

――――――

 

 

夕張

「よしっ、ちゃんと効いてる! これならいけるっ!」

 

如月

「……っ」

(でも……)

 

 

――――――

作戦海域、三水戦

 

ドォーン!

 

那珂

「那珂ちゃんはっ ぅあっ!

 ……みんなのものなんだからそんなに攻撃しちゃだめなんだよっ!」ババンッ!

 

夕立

「う~っ! ブンブンうるさくて落とすの難しいっぽい~!」バンバンッ!

 

神通

「くっ……!」ガシャンッ

 

川内

「少し、数が多いかな……っ!」バンッ!

 

 

睦月

「ねえ、吹雪ちゃん! 絶対……絶対に、一緒におうちに帰りましょう!!」 

 

吹雪

「はいっ!!」

 

 

神通

「……っ!」ガシャンッ!

(魚雷、当たってください……!)

 

―ドボンッ

 

 

 

敵艦載機・射

「……ギギッ」タタタタッ!

 

 

ドゴォォーン!

 

神通

「……くっ! 爆風がっ……」

(魚雷が撃墜されたっ……)

 

 

川内

(……あそこだ! あそこなら"抜けられる"…!?)

「睦月、魚雷! その位置からならっ!」

 

 

睦月

「……っ! ……いけぇーっ!!」ガシャン!

 

―ドボンッ

 

 

 

敵艦載機・射

「ギッ!」タタタタッ!

 

 

ドォーン!

 

睦月

「あぅっ!!」

 

 

川内

「くっ…!」

(ダメか…!)

 

 

機敏にも、睦月の魚雷をも撃墜した後、

そのまま旋回し、睦月に照準を合わせる敵艦載機。

 

 

ダダダダッ!

 

睦月

「ふぁっ!? ……っ!?」

 

 

機銃にはなんとか耐えた睦月だったが、敵艦載機の次の一手に戦慄する。

 

 

敵艦載機・射

「ギ……!」カシャ…

 

 

吹雪

「っ!」

 

夕立

「……っ!? 睦月ちゃーーんっ!!」

 

吹雪

(…いやだっ! そんなの!!)

「約束したんだもんっ! うぁあああーーーっ!!!」ザァー!

 

睦月

「ぁっ!?」

(吹雪ちゃ―)

 

川内

「なっ!? 吹雪っ!!」

(それじゃあんたがっ!)

 

那珂

「練度も低いのにっ!」

 

神通

「…っ!」

 

 

咄嗟に睦月の前に出た吹雪。そして、目の前には敵艦載機の攻撃。

吹雪は、身を固め覚悟を決めた。

 

 

敵艦載機・射

「ギギィ!」ガシャン!

 

吹雪

「っ……!」グッ…

 

 

―コォォ! パキィン!  ドォーンッ!

 

 

敵艦載機の5-inchロケット弾が放たれたそのとき、

 

 

 

  -アイスエイジ-

 

 

 

川内

「!?」

 

那珂

「ちょっ 吹雪ちゃんなにそれっ!?」

 

神通

「っ……」

 

 

突如、巨大な氷塊が現れ、吹雪の身を包み込み、ロケット弾から吹雪を守った。

 

 

夕立

「吹雪ちゃっ……それっ……!」

 

 

吹雪

「っ……これって……」

 

睦月

「大きい、氷……?」

 

ケルビ

「……」コォォ…

 

 

 

 

 

ケルビ

 

 <CERBERUS>

 

  アイスエイジ

 

 

ケルベロス Lv1(緑の左眼)

 

…その"こうべ"は過去を象徴し、その開かれた隻眼には保存の力を宿らせている。

 主が有事の際には、主の身を堅牢な氷塊で包み込み、防護する役目を担う。

 主に対する忠誠心は絶対的なものであり、主を必ず守るという強い意志を持っている。

 具現化された氷塊の頑強さは、その意志の強さと主との絆の深さにより変化する。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「ha! 随分、思い切ったじゃねぇか、フブキ。 相変わらずいいガッツしてるぜ」

(……思ってたよりも大丈夫そうだな。 お前もやるじゃねぇか犬っコロ)

 

 

――――――

 

 

神通

「……全員、気を抜かないように! まだ作戦は終わっていません!」

 

 

「「はいっ! っぽい!」」

 

 

 

ヌ級・法

「――」ザァー!

 

 

 

睦月

(!)

「吹雪ちゃん、魚雷! 正射必中だよ!」

 

吹雪

「…うんっ!」

(自分を信じて……!)ガシャ!

 

 

吹雪

「……お願い! 当たってください!」バスンッ!

 

ザブンッ

 

―ドォーンッ!

ヌ級・法

「ッ……」

 

 

 

夕立

「やった!」

 

那珂

「効いてはいるみたいだけどっ……」

 

神通

「……やるしかありませんっ」

 

川内

「だね……! 皆、吹雪に続いて!」

 

睦月

「はいっ!」

 

夕立

「っぽい!」

 

神通

「…皆、今っ! てぇーっ!」

 

 

バスンバスンッ!   ドゴォォーンッ!!

 

 

 

睦月

「……やったぁ! にゃっ!?」ドボンッ

 

川内

「気を抜かないで! まだ敵は――」

 

 

川内の激励が飛んでまもなく、

 

 

 

ヒューン…   バーーンッ

 

 

 

神通

「っ!」

 

川内

「三式弾……!? 水平線の向こうからっ……!」

 

 

――――――

作戦室(司令部)

 

 

長門

「……間に合ったか」フッ…

 

 

――――――

第二艦隊

 

 

金剛

「フッフ~ンッ!」

 

比叡

「お姉さまに続きます! 主砲、一斉射!」

 

 

 

ドォーンッ!!

 

 

 

吹雪

「凄い……」

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「……へぇ。 この分なら、俺の出る幕はないかもな」huh

 

 

――――――

 

 

第二艦隊も合流し、第三・第四水雷戦隊の三隊による包囲挟撃戦が展開された。

敵艦の数は多く、石の能力や悪魔の障壁など、不安な要素も多かったが、

新弾薬の効果もあって、戦況は非常に有利に進んだ。

 

 

霧島

「……あらかた片付いたようですね」

 

金剛

「Too easy! まぁざっとこんなモンデース!

 ところで、ダンテはどこなんデスカ!?

 私の活躍、ちゃんと見ててくれマシタカー!」ブンブンッ

 

榛名

「またどこか広範囲を移動なさっているのでしょうか……?」

 

比叡

「私たちの方は無線も持って行けませんでしたし、

 ほかの人の詳細な位置はわからないですね……」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「当該海域の敵艦隊、反応なくなりました!」

 

長門

(……)

「ふむ……」

 

陸奥

「……案外、あっけなかったわね……」

 

 

――――――

?????

 

 

深海棲艦・双

(アイツラノアノ弾薬……)

「……ヘッ」

 

深海棲艦・尽

「……」ノソノソ…

 

深海棲艦・双

「……アン?」

 

深海棲艦・尽

「行クンダロウ。 ……油断ハスルナヨ、用心スルコトダ」

 

深海棲艦・双

「……ハッ」ノソノソノソ

 

深海棲艦・尽

「……」

 

 

――――――

 

 

深海棲艦・双

「ヤッパ雑魚ジャダメダヨナァー……!」ヒャハハ!

 

敵艦s

「――」ガシャンッ

 

深海棲艦・双

「オラ!オ前ラ、続ケ! 突ッ込ムゾ!」ジャキン!

 

 

――――――

四水戦

 

 

多摩

「終わりにゃ?」

 

夕張

「帰還命令がまだみたいだけど……」

 

球磨

「……っ!? みんな見るクマ!敵、増援クマ!」

 

多摩・夕張

「!?」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「敵、増援の報告!」

 

陸奥

「また増援!?」

 

長門

「来たか……!」

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 3-3

すべての始まりは、寂しがり屋の神によるものである。

マッチポンプのようなシステム。
低き者が高き者を攻撃し、貶めようとする世界。
光の弱い者が光の強い者の足を引っ張る世界。
魂と精神と心を、お互いで、磨り減らさせるように仕組まれている世界。

我々はその神のために苦しめられている。
付き合わされているのだ。

好き勝手にルールも作っている。
システムの穴を利用しようと、自死する者が増えたので、自死する魂にペナルティを課すことを定めたのも同様に、その神である。

すべての元凶、苦しみの生まれる源、それこそが神である。


敵側のさらなる増援。

数自体はそれほど多くはなかったが、個々の艦がそれぞれ独特であった。

 

各隊それぞれで、敵艦数隻を囲み、撃破を試みることとなった。

それにより、各隊は分断されることになってしまった。

 

その流れはまるで、むしろ敵側の作戦に躍らされているかのように、

スムーズに形成された。

 

 

――――――

三水戦の海域

 

 

ヌ級・法(二隻)

「「――」」

 

 

 

川内

「またこいつか……!」

 

那珂

「しかもまた二隻もいるよぉっ!」

 

神通

「……これもやるしかありませんね……!」

 

夕立

「こいつなんだかすごく頑丈っぽい~!」

 

睦月

「きっと、報告にあった"例の障壁"のせいだよ! あの艦は特別強力なのかもっ……」

 

吹雪

「……! 敵航空隊、来ますっ!」

 

ケルビ

「……」

 

神通

「全艦、よーい!」

 

 

――――――

四水戦の海域

 

 

敵軽巡艦・力(敵艦数?)

「ガガッ」ムキムキ

 

 

 

望月

「腕気持ち悪っ!」

 

弥生

「近づきたくない……」

 

 

ザァー!

敵軽巡艦・力

「ガッ!」ブンッ!

 

多摩

「にゃっ!?」ヒョイッ

 

球磨

「っ!? こいつ殴りかかってきたクマ!」

 

夕張

「興味深いけど……! 皆、距離を取って戦って!」ザー!

 

如月

「……あんなに太くて逞しいものにやられたら、ひとたまりもないわね……!」ザー!

 

 

――――――

第二艦隊の海域

 

 

深海棲艦・斬(一隻)

「シャー……」チャキリ…

 

 

 

比叡

「なんですかこいつは?!」

 

榛名

「初めて見るタイプの敵艦ですね……」

 

霧島

「……どうしますか?お姉さま」

 

金剛

「関係ありマセン! 砲撃でねじ伏せてやりマショウ!」

 

霧島

「了解しました。 ですが、距離を取りつつ戦いましょう。この敵は未知数過ぎます」

(……)

 

 

霧島

「各個散開してください! 同士討ちを避けるため、単横陣にて応戦しましょう!」

 

金剛・比叡・榛名

「了解! デース!」

 

 

ザザァー!

 

金剛

「ph~♪ なかなかCoolな日本刀ですネ!

 ダンテのために持って帰ってあげたいデース!」

 

比叡

「お姉さま、油断はしないでくださいよ!」

 

金剛

「油断は大敵デスネ! わかってマース!」ガシャン!

 

 

 

深海棲艦・斬

「……」キラン…

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「各隊、各個撃破態勢を展開!」

 

長門

「……」

 

陸奥

「……いいの? これで……」

 

長門

「……大淀、増援の準備を進めてくれ。 私が合図をしたら、出撃だ」

 

大淀

「……はいっ」

 

陸奥

「長門……」

 

長門

「わかっている……。

 だがやはり、何よりも仲間を失うわけにはいかない……!」

 

陸奥

「……そうね……」

 

長門

「……皆を信じよう……そして、彼を……」

 

陸奥

「……」

 

 

――――――

各隊よりも遠く、一番離れた海域にて

 

 

アーギュメントに乗っているダンテは各隊の様子を静かに見やっていた。

後ろにいる敵艦隊の方には一瞥もしないまま。

 

 

ダンテ

(……)humm..

 

 

 

深海棲艦・双

「……オイ!イツマデ余所見シテル! 後ロカラヤッテモツマンネェンダヨッ!」ジャキン!

 

敵随伴艦s

「――」ガシン!

 

 

 

ダンテ

「……huh. 遅かったな。 今回は何もしないまま終わっちまうのかと思ってたところだ。

 そうならなくてよかったぜ」ha ha-

 

 

 

深海棲艦・双

「ハッ!」

 

 

 

 

 

各隊、距離関係

 

 

 

 

                              四水戦

                               VS

                           敵軽巡艦・力(敵艦数?)

 

 

 

 

                                                         三水戦

                                                          VS

                                                       ヌ級・法(二隻)

 

 

 

 

                              第二艦隊

                                VS

                            深海棲艦・斬(一隻)

 

 

 

 

 

 

 ダンテ

  VS

深海棲艦・双

 

 

 

 

 

深海棲艦・双

「聞イテルゼ、アンタノコトハヨ。 前ノ奴ハ一瞬デ終ワラセチマッタソウジャネェカ!」

 

 

 

ダンテ

「オーラスは俺じゃなかったけどな。 つーか」

 

 

 

深海棲艦・双

「アン?」

 

 

 

ダンテ

「お前さんも黙ってた方が美人なタイプだな」ha

 

 

 

深海棲艦・双

「…ンナッ!?」

 

 

――――――

作戦室

 

 

陸奥

「」ピキッ

 

長門

「……お、おい陸奥……」

 

大淀

「……あのっ……」

 

陸奥

「……なにそれっ……本っ当、誰でもいいわけ……!?

 相手が誰だかわかってるのっ……!?

 ていうか何よ?黙ってた方がって……あてつけっ…?」プルプル…

 

長門

(美人の部分は否定しないんだな……。 まぁいいが)

 

大淀

「き、きっといつものご冗談ですよ!

 それにほらっ、陸奥さんのことじゃないと思いますしっ!」

 

陸奥

「言われなくてもわかってるわっ……。 でもちょっと貸して!大淀!」つ ビッ!

 

大淀

「あ、はい」つ【インカム】スッ…

 

長門

「っておい陸奥っ! 作戦中だぞ!お前そろそろいい加減にっ」ガシッ

 

陸奥

「離して長門姉! わかってるけどっ……

 せめてこれだけは今言ってやらないと気が済まないのっ!」ググッ…!

 

長門

「本当に後じゃだめか!? それはっ……! 一旦冷静にならんか!」ググー…!

 

大淀

「とりあえず、できるだけ早めに返してくださいね……あはは……」…ハァ…

 

スグニスムッテバッ…!

…ヌゥ、ホントウダナ…?

 

 

――――――

深海棲艦・双

「……舐メヤガッテ…!

 何時マデソンナ態度デイラレルカナァ!?」ジャキンッ!

 

 

 

ダンテ

「Hahaha. ……そりゃあ、死ぬまでさ」

 

 

 

深海棲艦・双

「言ッテロォー!!」ブンッ!

 

ボォォーーン!!

 

 

ダンテ

「……ほぉ、そいつは……」

 

 

深海棲艦・双が赤と青のノコギリのようにも見える二刀を取り出し、

二刀を繋げて振り上げた。

すると、巨大な炎の竜巻が発生し、深海棲艦・双の周囲をその渦で包み込む。

 

炎風属性の魔双剣 "アグニ&ルドラ" である。

 

 

深海棲艦・双

「ハハハハァー!」

 

 

 

ダンテ

「へぇ、うまく使ってるじゃねぇか。

 お前さんがソイツらを持ってるとはな。 ……うるさくねぇか?ソイツらは」

 

 

 

深海棲艦・双

「……ア? ドウイウ意味ダッ?」

 

 

 

ダンテ

(……)

「……huh. いや、なんでもねぇ。

 そうか、"そのまま"なら案外悪くねぇエモノなんだがな。

 これからソイツらをお前さんから奪い返して

 叩き起こさなきゃならないことを考えると、なんともユウウツだね」ha..

 

 

 

深海棲艦・双

「……ヤッテミナァ! 俺ハアイツトハ違ウゼ!」

 

 

 

ダンテ

「ハーン、そいつはいい。 前は本当にすぐに終わっちまったからな。

 お前さんも、初っ端からそんなに飛ばしてすぐにバテたりしないでくれよ?」ha

 

 

 

深海棲艦・双

「ハッ! 俺ノコトヨリ自分ノ心配ヲスルンダナ!

 オ遊ビ自体ハスグニ終ワッチマウト思ウゼ!?

 アンタガ最後ニハ灰ニナッチマッテナァッ!!」シャキンッ!

 

敵随伴艦s

「――」ガチャッ!

 

 

ダンテ

「……hm」

 

・・・・・・

 

ダンテ

(……つっても、正直けっこう面倒だな。 ずっと"アレ"纏ってやがる。

 服焦がしちまうような真似はしたくねぇんだよなァ……。

 これ以上、あいつに小言を言われるのも――)ポリポリ…

 

*トレードカラーの赤っぽい服を着用中

 

 

―ザザッ!

 

ダンテ

「…ン?」

 

陸奥

『ちょっと!聞こえてるわよねっ!?』

 マッタク…

 マァ、スグニスムソウデスシ、トクレイトイウコトデ…

 

ダンテ

「……アン? なんだ、ムツか。どうした?」

 

陸奥

『なんだじゃないわよ!

 作戦中に女口説くとか何考えてんのよっ!? しかも相手は深海棲艦!!』

 サクセンチュウ ウンヌンハ、オマエモイエナイダロウ…

 ハハ…アイテガダンテサンデモナケレバアブナクテ、デキマセンネ…

 

ダンテ

「……あ?口説く? 俺は別にそんなつもりh」

 

陸奥

『どうだかっ! ……っていうか、本当にわかってるわよねっ?

 仕事はちゃんとやってよねっ!』

 

ダンテ

「……ああ、わかってるさ。 そんなに怒るなよ……」

 

陸奥

『ふんっ!』

 

ダンテ

「……」

 

 

 

深海棲艦・双

「……」

 

敵随伴艦s

「……」

 

・・・・・・

 

深海棲艦・双

「……オイ、何時マデ痴話ゲンカシテヤガルンダ! モウ行クゾ!?」

 

敵随伴艦s

「……」

 

 

 

陸奥

『ち、痴話っ!?』

 クッ…!

 フッフフッ…!

 

ダンテ

(……)

「……あぁ、悪い。どうせならもう少しだけ待っててくれるか。すぐに済ませる」―ザッ

 

 

 

深海棲艦・双

「アァ!?」

 

敵随伴艦s

「……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「おい、ムツ」

 

陸奥

『っ………何よ?』

 

ダンテ

「こっちはちょいと時間がかかるかもしれねぇわ。

 だから他の奴らが終わったら、とっとと撤収させといてくれ。

 こっから先は娘っ子どもには少し過激かもしれねぇしな」

 

陸奥

『……何するの?』

 

ダンテ

「なに、ちょっとした火遊びさ」ha

 

陸奥

『っ! ……どうぞお好きにっ!!』

 

ザッ

 

ダンテ

「……huh」

 

 

――――――

作戦室

 

 

陸奥

「……もうっ……」つ【インカム】スッ…

 

大淀

「どうも……」つ【インカム】カチャ

 

長門

「……大淀、各隊戦況の監視を頼む。 私は増援用の艦隊の様子を見てくる」コツコツ

 

大淀

「了解です」

 

陸奥

「……」

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「待たせて悪かったな。もういいぜ? いつでもかかってきな」ha

 

 

それはダンテが言うのと同時だった。

深海棲艦・双は炎風の斬撃を投げ飛ばし、敵随伴艦sは砲撃を開始した。

 

しかし、やはりそれがダンテに当たることはないのだった。

 

 

 TRICK!

 

  -エアトリック-

 

 

上空に飛び上がるダンテ。

 

 

 GUNS!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

   -フルミサイル-

 

 

アーギュメントから10発ものミサイルが一斉発射される。

それらは周りの全ての敵随伴艦に命中した。

 

 

……プカー…

 

 

深海棲艦・双

「……マサカノ一瞬カヨッ……!」

 

 

ダンテ

「あとはお前さんだけだな」スタッ ←浮いている敵随伴艦の上

 

 

深海棲艦・双

「……ハハハッ……」

 

 

ダンテ

「……どうする、続けるのか? それとも降参するか?」huh

 

 

深海棲艦・双

「冗談! コレカラダロッ! ムシロ、ヤリアイタクテ堪ラナクナッテキタゼェ!」ブォンッ!

 

 

そう言うと、深海棲艦・双は纏っていた炎風の竜巻をさらに大きくさせた。

 

 

ダンテ

「ph~, やるな。 なかなかのモンじゃねぇか」ha ha-

(やっぱコイツは下手に動かせねぇな。

 娘っ子どもの方に飛び火しないように俺がここで釘付けにするしかねぇ。

 ……とはいえ、近づけねぇからな。 "地道に"やっていくしかねぇか)…チャキッ

 

 

ダンテ

「……そっちはうまくやれよ、エンジェルズ」

 

深海棲艦・双

「余裕カマシテンナヨ! 行クゾォッ!」ザー!!

 

 

―――

四水戦 VS 敵軽巡艦・力(敵艦数?)

 

 

敵軽巡艦・力1

「ガッ!」ザァー!

 

敵軽巡艦・力2

「ガァ!」ザァー!

 

 

腕がやたら発達した敵軽巡艦・力の2体が、

直線的にではあったが相当な勢いで殴りかかってくる。

 

四水戦各個は、敵艦からは適度に離れた距離に分散し、

[球磨と夕張] [多摩と如月と弥生と望月] の二隊にさらに分隊して応戦していた。

球磨と多摩が敵をかく乱し、ほかの者が敵艦を背中から撃つという戦法が取られた。

 

 

球磨

「ほらほらこっちだクマ!」

 

多摩

「当てられるかにゃっ?」

 

敵軽巡艦・力2

「ッ!」ブンッ!

 

多摩

「見え見えにゃ」ヒョイッ

 

スカッ

 

 

球磨

「今だクマ!」

 

 

 

夕張

「了解!」バァン!

 

 

―ボォーン!

敵軽巡艦・力1

「ガッ!?」

 

 

 

望月

「いよっ!」

 

弥生

「これでどう?」

 

如月

「いくわよっ!」

 

ババァン!

 

 

―ドォン!

敵軽巡艦・力2

「ッ……」

 

 

 

夕張

「これなら……っ! このまま続けましょっ!」

 

 

「「了解! にゃ クマ!」」

 

 

――――――

三水戦 VS ヌ級・法(二隻)

 

―コォォ! パキィン! 

 ―ドォーンッ!

 

吹雪

「っ……危なかったぁ……!」

 

夕立

「ナーイス! 吹雪ちゃん、ケルビ!」

 

ケルビ

「……」

 

睦月

「攻撃、止みました!」

 

那珂

「ありがとー! 三人とも!」

 

神通

「三人が作ってくれた好機を逃さないように!」

 

川内

「ってぇー!」

 

 

吹雪、睦月、夕立の三隻が敵航空隊を迎撃。

落としきれなかった敵航空隊からの攻撃はケルビにより、全て防がれた。

 

川内、神通、那珂が攻撃の主力として敵艦を攻める。

 

 

バァーン!

ヌ級・法1

「」

 

 

川内

「やっと一隻……!」

 

那珂

「本当に頑丈すぎだよぉ!」

 

神通

「ですが、あと残りは1隻です……!

 皆、ここが正念場です! 最後まで頑張りましょう!」

 

「「はいっ! っぽい!」」

 

 

――――――

第二艦隊 VS 深海棲艦・斬(一隻)

 

バァン! シャキン!(スパッ) 

―ドォーン!

 

深海棲艦・斬

「シュー…」…チャキン

 

 

榛名

「またっ……」

 

霧島

「砲弾を刀で両断なんて、そんなことっ……」

 

比叡

「初見の敵種がまさかの達人さんですか!?」

 

金剛

「……」

 

 

事実としては四対一。

しかし、その敵艦は四人の砲撃を容易に躱し、

また刀身の上を滑らせるようにして砲弾をいなす。

あまつさえ、砲弾を叩き切るといった芸当まで見せた。

 

数の優位性は、この敵の前にはあまり意味をなさないようである。

 

このまま同じ戦法を続けて、相手を損耗させることができるのか、

それともこちらの弾薬が尽きるのが先か。

 

弾薬が尽き、弾幕が晴れてしまったら、それからはもう相手の独擅場となってしまうだろう。

 

相手のミスを期待して、幾度なく砲撃を続けてみる金剛たちだが、やはり戦況に変化はない。

 

 

スパァンッ……ボォーンッ…

 

深海棲艦・斬

「……」スゥー…カチンッ ←納刀

 

 

金剛

(……)

「このままでは埒が明きマセンネ……。 私が前に出マス」

 

比叡

「! お姉さま!? 危ないですよっ!」

 

金剛

「Trust me! なんとか相手の隙を作ってみせマス……! そこを狙ってくだサイ!」

 

霧島

「っ……ですがそれではお姉さまも射線上に入っている可能性が……!」

 

金剛

「私は信じていマスヨ? 三人のコトを」

 

榛名

「金剛お姉さま…………わかりました……。

 ……この榛名、必ずやお姉さまの信頼に応えてみせます……!

 援護射撃はお任せくださいっ!」

 

霧島

「……ふふ、榛名には負けてはいられませんからね。

 正確さなら、私にだって自信はあります」

 

比叡

(お姉さま……)

「……わかりました、私も腹を決めます……!

 お姉さまのリスクを減らすためにも、一回で決めてみせますからっ!」

 

金剛

「よくぞ言いマシタ!三人トモ! それでこそ私の自慢の妹たちデース!」

 

比叡

「お姉さま、くれぐれも用心してくださいね!」

 

金剛

「YES! わかっていマスヨ、比叡!

 それでは、行きマスヨッ!」

 

「「はいっ!!」」

 

 

金剛

(……ダンテと特訓シタ、あの銃弾よりかは遅いはずデス……!

 刀身の根元から剣先を予測スレバ……!)

「……やってみせマス……!」ザァー!

 

 

――――――

 

 

深海棲艦・双

「クソッ!」ブォンッ!

 

ダンテ

「おっと」ヒュンッ スタッ ←倒した雑魚の上

 

パンッ ガキィン!

 

深海棲艦・双

「グッ!」グググ…!

 

 

深海棲艦・双

「……当タラネェッ!チョコマカシヤガッテ!」

 

ダンテ

「huh. 悪いな、服を焦がしちまうわけにはいかなくてな。

 お前さんの方はガス欠とかはねぇのか?」haha

 

深海棲艦・双

「……チッ!」

 

 

迫る炎風を難なく回避するダンテ。そしてすかさず、銃撃を返す。

狙いは敵艦本体ではなく、相手が握っている双剣の方だった。

 

炎風の合間を縫って、正確に射出される弾丸。

それが剣に直撃する度に、剣が強く震え、深海棲艦・双の腕を痺れさせる。

 

 

深海棲艦・双

(見タ目人間ノクセニ…………化ケ物ガッ……」

 

ダンテ

「ha ha! おいおい、それはお互い様ってやつだろ?」

 

深海棲艦・双

(ナンデ直接撃ッテコネェノカハワカラネェガ……)

「サッサトヤッチマウノガイイナ……!」ザァ!

 

ダンテ

「……やってみな?」ha

 

 

――――――

四水戦 VS 敵軽巡艦・力(敵艦数?)

 

 

敵軽巡艦・力1

「」プカー…

 

敵軽巡艦・力2

「ガ……」ズボォンッ…

 

 

 

夕張

「……ふぅ」

 

望月

「……終わりか?」

 

弥生

「終わり……」

 

如月

「……」

 

球磨

「意外に見かけ倒しだったクマ」

 

多摩

「ていうか動きも単調すぎだったにゃ。楽勝にゃ」

 

―ザザー

 

球磨

「クマ?」

 

夕張

「ん……司令部から通信ね」

 

 

――――――

三水戦 VS ヌ級・法(二隻)

 

 

ヌ級・法2

「」プスプス…

 

 

 

那珂

「やっとお仕事しゅーりょー。おつかれさま~……」

 

川内

「ふぅー……」

 

神通

「皆さん、お見事でした」

 

吹雪

「……ふぅ」

 

睦月

「やったね!」

 

吹雪

「うんっ!」

 

夕立

「ケルビも大活躍だったっぽい!」

 

那珂

「あーそれそれ! 那珂ちゃんずっと気になってたっ!

 吹雪ちゃんがさっきまで出してた、おっきな氷と何か関係あるの!?」

 

川内

「ケルビって? もしかして名前?」

 

神通

(……)

 

―ザザー

 

神通

「あら、通信が……」

 

 

――――――

第二艦隊 VS 深海棲艦・斬(一隻)

 

 

深海棲艦・斬

「シッ!」シュンシュン!

 

金剛

「……ッ! フッ!」ヒョイッ ヒョイッ

 

 

 

榛名

「っ……」ハラハラ…

 

比叡

「ひえぇ~っ……」アワワワ…

 

霧島

「まさか、これでも隙がないなんてっ……」

 

榛名

「! 金剛お姉さまが直接相手をなさっているこれでもダメなんですか、霧島……!」

 

霧島

「……元々、四人で同士砲撃を仕掛けても捌いていたほどの兵<つわもの>……。

 今は金剛お姉さまが前に出ておられて、狙いが付け難いということもありますが、

 おそらく今撃っても無駄でしょう……。

 容易に躱されるか、いなされるか切られるか……。

 最悪、"その一瞬"だけお姉さまを盾に取られるということも……」

 

榛名

「っ……」

 

霧島

「……何か……決定的な隙が必要です……」

 

比叡

「……お姉さまっ……」

 

 

 

深海棲艦・斬

「……シッ」シュッ

 

金剛 

「ハァハァ……ッ! 手数が少なくなってきてマスヨー!

 息切れナンじゃないデスカー!?」ヒョイッ

 

 

身の動きを取りやすくするため、艤装の展開を"性能"が引き出せる程度の最小限に抑え、

敵艦の攻撃に対し、回避行動に徹する金剛。

 

しかし、虚勢を張ってみせるもその内心は

相手よりも自分の方が、よりずっと早くに限界が訪れるであろうことを悟っていた。

 

 

スゥー…

深海棲艦・斬

「……」…カチンッ

 

金剛

「ハァハァ、ハァッ……」

(攻撃の手が止マッタ……? ……正直、イッパイイッパイだったりシマース……。

 今は刀が振られタラ、間合いの外に出て避けているダケ……。

 でもそれではダメデース……相手の刀を封じることは出来マセン……。

 大分、慣れてきて"見える"ようにはなってきマシタガ……。 あるいハ……)

 

 

金剛

「……どちらにセヨ、あとは踏み込む覚悟デスカ……!」ググッ…

 

深海棲艦・斬

「…………シュー……」…チャキ…

 

 

 

榛名

「!」

 

比叡

「構えが……!」

 

霧島

「あれは……居合い……?」

 

 

何か覚悟を決めた金剛。

そして、敵艦は体の左側に備えられた鞘に自らの刀を一度納め、

見るからに不穏な空気を漂わせた構えを取る。

 

 

金剛

(……)

「……それでも私は……絶対に妹たちを、仲間を……!」ザァー!

 

 

 

比叡

「お姉さまっ!」

 

榛名・霧島

「!!」

 

 

 

深海棲艦・斬

「……」…

 

 

先に踏み出したのは金剛の方だった。

敵艦は機を狙っているのだろうか、金剛の初動には微動だにしない。

しかし、金剛が"その間合い"に入った、その瞬間――

 

 

深海棲艦・斬

「――シッ!」シュバンッ!

 

金剛

(今デスッ!!)パァッ ガシャンッ!

 

 

敵艦の居合い技"横薙ぎ"が金剛を切るその寸前、金剛の艤装が展開される。

 

 

―ギギッ…!

 

深海棲艦・斬

「ッ……」

 

金剛

「っ……good!」グググッ…!

 

 

 

霧島

「っ!」

 

榛名

「金剛お姉さまの"盾"……!」

 

比叡

「おぉ!さすがですっ!お姉さまぁー!!」ブンブンッ

 

 

金剛の艤装の特殊ギミック"盾"。

 

刀は金剛の艤装右側の連装砲をいとも容易く貫通していたが、

艤装正面部の"盾"のところでその勢いは死んでいた。

 

すかさず、金剛は反対側の無事だった連装砲の照準を深海棲艦・斬に合わせようとする。

 

 

金剛

「艤装を切らせて敵を撃つ、デース! このまま私が決めt」

(コレならバ……!)

 

深海棲艦・斬

「…シャァッ!」

 

シュッ スパーンッ ブォンッ!

 

金剛

「ッ!?」

 

 

その動きは無駄のない、一連の流れのようであった。

敵艦は"盾"に食い込んでいた刀を素早く引き抜き、金剛が照準を合わせるよりも早く、

連装砲を"払い斬り"し、切断した。

続けて、金剛に向けて"兜割り"を繰り出す。

 

 

霧島

「っ!? まずいっ!!」

 

榛名

「っ…!」

 

比叡

「ッ!!」

(お姉さm)

 

 

 

金剛

(…!)

「そこデスっ!!」

 

―パシーンッ!!

 

深海棲艦・斬

「ッ…!?」

 

 

  -真剣白刃取り-

 

 

金剛

「ッ……今の、私には……見えていマス、ヨォ……ッ!!」グググッ…!!

 

深海棲艦・斬

「……ッ!」ググッ…!

 

 

 

榛名

「すごいっ……!」

 

比叡

「ひえぇ~……」フルフルッ…

 

霧島

「…い、今です!砲撃よーいっ!」ガシャ!

 

榛名

「っ…はい!」ガシャッ!

 

比叡

「き、気合!入れて!」ガシャッ!

 

霧島

「撃てーっ!」

 

バン! ババンッ!

 

 

…チラ

深海棲艦・斬

「……」…フッ…

 

金剛

(…ッ?)

 

 

ドォォオーーン!!

 

 

――――――

 

 

比叡

「お姉さまー!」ダキィ!

 

金剛

「オット、比叡……」フフ…

 

榛名

「お姉さま、よくご無事で……!」

 

霧島

「お見事です、お姉さま。 よくあの状況で離脱を――」

 

金剛

「あぁ、イエ……」

 

霧島

「?」

 

金剛

「……最後の一瞬だけ、相手の力が弱くなって……。

 それ以上はもう戦う素振りもなくなったノデ、その隙に、というだけデス……」

 

霧島

(……)

「ふむ……」

 

比叡・榛名

「?」

 

霧島

「……おそらくですが、あの者の中では金剛お姉さまに刀を取られてしまった時点で、

 既に勝負は決していた、ということなのかもしれませんね……」

 

金剛

(……)

「……敵ながら、実に天晴れデシタ……。

 あれこそが"武人"と呼ばれるものなのかもしれマセン……」

 

霧島

「……ええ、そうですね……」

 

榛名

「……」

 

比叡

「……ん? あっ!あれはっ」つ ビッ

 

 

すでにそこに武人の姿はなく、代わりに光り輝く石が水面に浮いていた。

 

 

金剛

「……」スィー…

 

比叡

「あ、お姉さま……」

 

榛名・霧島

「……」

 

・・・・・・

 

…ヒョイッ

 

金剛

「……Get, デスネ」つO

 

比叡

「……この石って間違いなく、例のあの石ですよね?」

 

榛名

「けっこう、大きいみたいですねこれ……」

 

霧島

(先ほどの敵艦も、刀も消えている……)

 

 

――――――

 

―ザザー

大淀

『皆さん、お疲れ様でした。各隊、帰投してください』

 

―――

 

神通

「了解です。

 皆さん、一先ず、帰還しましょう。気になる話もその後に、ということで。

 持って帰らなければならない物もありますしね」

 

吹雪・睦月・夕立

「はいっ! っぽい!」つOOO⊂ ジャラッ

 

那珂

「うー那珂ちゃん、気になっちゃうなぁーっ」

 

川内

「なら早く帰ろうか。私も気になるしっ」つ。キラーン

 

ワイワイッ

 

睦月

(……待っててね、如月ちゃんっ)

 

―――

 

球磨

「了解だクマ!」

 

夕張

「早くこれのこと聞かないとっ!」つOつO

 

望月

「やっと帰れるー」

 

多摩

「にゃあ♪」

 

弥生

「疲れた……」

 

 

 

如月

「……ふぅ……」

 

 

睦月たちのことが気になったのか、三水戦への目視が可能になる距離まで、

少しの間だけ隊を離れていた如月。

 

 

如月

(……)

「……よかった、もう大丈夫そう……んっ」

 

―ビュォォッ……

 

 

突如、吹く風。

 

 

如月

「やだ、髪が傷んじゃう……」

 

…ガシッ グィ!

 

如月

「っ!?」

 

ドプン…

 

 

――――――

第二艦隊

 

 

霧島

「夜に開始されるはずだった奇襲作戦の失敗で、

 大分、行動の予定が早まってしまいましたが、事前のブリーフィングで伝えられていた、

 奇襲作戦開始からの行動時間が経過しました。

 近くに敵艦の反応もないようですが……。

 どうしますか、金剛お姉さま? 帰投を開始しますか?」

 

金剛

「決まってマース! ダンテを探しマス! 合流して一緒に帰るデース!」

 

比叡

「……お姉さまは今、砲撃も行えませんし、急いで戻ったほうがいいと思いますけど……」

 

榛名

(まるで食材に包丁を通したみたいになってますね……)

「万が一ということもありますし……」

 

金剛

「……うー、早くコレを見せたかったデース……」つO..

 

比叡

「帰ってからでもいいじゃないですか。

 どの道、鎮守府で絶対に会えますって! ね、榛名っ?」

 

榛名

「…えっ? あ、はい!そうですね! 榛名もそう思いますっ!」

 

霧島

「……」

(まぁ確かにあの方に限って、万が一というのも想像し難いものではあるけれど……)

 

金剛

「……そうデスネ、わかりマシタ。

 今の私は戦えマセンシ、

 そもそも姉の私がワガママを言うものではありませんデシタネ……。

 第二艦隊、帰還しまショウ!」

 

比叡・榛名・霧島

「はい!」

 

 

――――――

 

 

深海棲艦・双

「ハァハァハァッ…!」

 

―スタッ

ダンテ

「……huh」バンッ

 

深海棲艦・双

「グッ!」ガキィンッ!

 

 

深海棲艦・双の腕は限界にきていた。それに対し、ダンテの方はまだまだ余裕に見える。

深海棲艦・双の炎風の勢いが徐々にではあったが着実に弱まっていた。

だんだんと広くなっていく炎風の合間をダンテは見逃さなかった。

 

 

ダンテ

「……」…ニッ

 

クルルッ チャキッ

√ ̄√ ̄

 

 Gun Slinger!

 

  -トゥーサムタイム-

 

 

―ガガガガガッ!!

 

深海棲艦・双

「ウグァッ!?」ヒュンッ

 

 

深海棲艦・双の手から、青の剣が吹っ飛ぶ。

"風"を失い、炎風の竜巻は一気にその勢いを失う。

 

 

ダンテ

「―Ha!」

 

   -ハニカムファイア-

 

ダラララララララッ!!!

 

 

無数の銃弾を連続で受けて、上空へと打ち上げられていく青の風剣"ルドラ"。

 

 

 TRICK!

 

  -エアトリック-

 

…パシッ

 

―スタッ

ダンテ

「まずは一本。 奪い返してやったぜ?」つ‡ スチャ

 

 

深海棲艦・双

「……クソッ!」チャキッ

 

ボォッ!

 

ダンテ

「……hmm」

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 3-4

体制が不健全であれば、必ず反発者は生まれ、その中から革命者を生む可能性を孕む。

国やその国の政治屋、世情が不健全である間は、たとえどんな対策や予防策を講じようとも、テロリストは絶対に根絶できない。
健全にならない限りは、テロリストは必ず永遠に生まれ続ける。

そしてそのテロリストの多くは、たいていの場合、その国の重役ではなく、何の罪もない一般人らをよく巻き込んでしまう。
いつの時代でもどの国でも、国民は常に、国の重役やテロリストなどの犠牲者なのである。

しかし、テロリストの真の産みの親は、国やその国の政治屋、世情、そして国民自身でもある。

世間一般の会社、企業で不祥事があったとき、ほとんどの場合、その代表か役員、当事者が何らかの処罰を受ける。民事かあるいは刑事罰もあり、場合によっては辞職する。そして再発防止が図られる。これらによって、世間や被害者の留飲が、致し方なくも下げられることになる。これがたいていの落とし所である。

しかし、政治屋の場合、多くがこのようにはならない。
処罰がなければ、辞職もなく、再発防止は愚か、時間が経てば同じ不祥事を起こしている。

これでは世間や被害者の留飲が下げられるということにもならない。
これらのことは、過激な思考をする者や革命犯、テロリストの温床にもなる。
公に裁かれ、罪が贖われることがないのであれば…、と思い詰める者が将来現れることも致し方のないことであろう。
皆が基軸とし、信じるところとする法律が確りと機能していないのだから、同様にテロリストがそれを遵守する道理も義理もない。法律に裏切られたのだから、テロリストも守る義理はない。
心の闇を正道が慰めてくれないのならば、邪道にて慰める者が現れるのもやむをえない。

その国や無関心で放任的な国民、責任を取らない政治屋と、それを摘発しない警察、そして、処罰をしない法律。これら全てが暗殺者やテロリストの本当の産みの親である。

そして、多くの場合、過激な実行犯やテロリストは罪のある政治屋や法律、警察を処断せず(出来ず)、(比較的可能な、)何の罪もない一般の人に害を及ぼしてしまう。つまり、古今東西、罪のある政治屋や法律、警察の尻拭いは、常に何の罪もない一般の国民がその命を以てやらされることになる。

政治屋がテロリストを産み、テロリストは一般の国民の命を奪う。
よって、政治屋こそ、一般の国民を破滅させる国の諸悪の権化である。


四水戦

 

 

望月

「……あれ? 如月は?」

 

弥生

「ん…………いない……?」

 

望月

「……あーん? もう帰るってのに、どこに行ったんだよーもー」

 

弥生

「……もしかして、いつも言ってるみたいに髪が痛むからって、

 先に戻った、とか……?」

 

望月

「えぇー……あぁでもたしか、帰ったらすぐに

 睦月と何か話があるみたいだったなぁ。

 敵の反応もないし、なくはない、のか? ……んー……」

 

―スィー

夕張

「何、どうしたの?」

 

望月

「んぁ、それが―」

 

・・・・・・

 

球磨

「迷子クマ?」

 

多摩

「にゃにゃ?」

 

夕張

「……」

 

望月

「まぁでも、先に戻ってるってこともなくはないのかもって……」

 

弥生

「……」

 

夕張

(……)

「わかったわ。 とりあえず、二手に分かれましょう。

 二人は帰還航路を行って合流できたなら、そのまま鎮守府に先に戻ってて」

 

望月

「ん、わかった」

 

弥生

「了解、です……」

 

夕張

「球磨と多摩は、私と一緒に近海を捜索」

 

球磨

「了解だクマ」

 

多摩

「にゃ」

 

 

――――――

海面下

 

ズボォンッ

 

敵潜水艦・力3(隠)

「ガガブガッ」

 

ガシリ

 

如月

「んっ……ゴフッ!」ゴボボッ!

(潜水艦っ!? ……しまったわ……油断して接近を許してしまったっ……)

 

敵潜水艦・力3

「ガッ!」ブンッ!

 

ガッ!

 

如月(中破)

「ぐっ!!」ゴボォ!

 

敵潜水艦・力3

「ギガッ……!」ガッシ

 

ギギギッ…!

 

如月

「っ!」ゴボボ…

 

 

敵艦の太くて逞しいものに締め付けられ、如月は海底へと引きずり込まれようとしていた。

 

 

如月

(……だんだん、引き込まれていく……。 あぁ、このまま……)

 

 

 

 

 

睦月……ちゃ……

 

 

 

 

 

如月

(…………!)……ググッ!

 

敵潜水艦・力3(隠)

「ッ……!」グググ…!

 

如月

(どうせなら、せめてこの一隻……!)…ガコンッ

 

 

如月は薄れゆく意識の中、なんとか気を取り戻し、最後の力を振り絞って、

足から魚雷を引き抜いた。

そして、自身に密着して締め付けている敵艦の懐に目掛けて放り投げる。

 

 

カツンッ

敵潜水艦・力3(隠)

「!?」

 

…ボゴォッ!

 

敵潜水艦・力3(大破)

「ガァッ!!」

 

シュル…

 

如月(大破)

「ん"っ……」グッ…

 

 

魚雷が作動し、爆発する。

如月を締め付けていた敵艦の腕が離れた。

 

 

敵潜水艦・力3(大破)

「――ッ」スイィーッ

 

 

如月

「……」ボー…

(逃げられちゃった……)

 

 

撃墜はならずも、退けることには成功した如月。

しかし、彼女もまた魚雷の爆発を近くで受け、その身はもう限界だった。

 

 

如月

「……」チラ…

(足の艤装にも浸水して……もう、浮力が……)

 

ズズ… ゴボボ…

 

カチャ…

 

如月

(あ……)つ..

 

 

彼女の髪飾りが外れた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

深海棲艦・双

「ウリャリャリャリャリャァアッ!」

 

 

敵艦から連続して、輪状の炎刃が投げ飛ばされる。

しかし、

 

 Royal Guard!

 

  -ロイヤルブロック- ×6

 

 

モクモクモク…

 

 

深海棲艦・双

「ハァハァハァハァッ! …………ッ!?」

 

 

ダンテ

「……おいおい、危ねぇなァ。

 一回でもミスっちまったら服が黒焦げだったぜ?」ha ha-

 

 

深海棲艦・双

「ッ……」ギリッ…

(完全ニ遊バレテンナ……コノ野郎ッ……!)

 

 

ダンテ

「……huh. まだ続けるのか?

 見たとこもう限界みたいだけどなァ。ha

 大人しくソイツを渡して、降参でもした方がいいんじゃねーのか?」hahaha

 

 

ピクッ…

深海棲艦・双

「……ドコマデモ……」

 

 

ダンテ

「なんなら俺があいつらに――」

 

 

深海棲艦・双

「舐メテンジャネェエーー!!」ザァー!!

 

 

ダンテ

「…hum」

 

  -ロイヤルリリース-

 

ビガァアン!

 

深海棲艦・双

「グガァッ!?」

 

 

ダンテが打ち抜いたのはもう片方の、赤の炎剣"アグニ"だった。

 

 

パシッ

 

 TRICK!

 

  -スカイスター-

 

 

―スタッ

ダンテ

「……よっと。

 これで二本、両方ともだな」ha

 

 

深海棲艦・双

「……コノッ……!」

(認メタクネェガ……コイツハ……!)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」…カチャ…チャキンッ ←エボニーをリロード

 

 

深海棲艦・双

「ッ!」

(何発モ撃ッテヤガッテ、ドウナッテンノカト思ッテタガ、

 初メテリロードシヤガッタ……?)

 

 

ダンテ

「続けるんだよな? 次はお前さんに直接当てるぜ?」つ√ ̄ チャキッ

 

 

深海棲艦・双

「……」

 

 

ダンテ

「多分、"コイツ"はお前さんでもけっこう痛いと思うがね。

 腕のいいスミスに頼んで作ってもらった、特別製の銃弾だからな」ha

 

・・・・・・

 

バンッ! バスンッ!!

 

深海棲艦・双

「グァアアッ!!」ブシュッ!

 

ダンテ

(……)

「片腕も使えなくなっちまったな」

 

 

深海棲艦・双

「ハァハァ……イヨイヨヤベェナ」ボソ…

 

―スィー ザバッ

 

敵潜水艦・力3(大破)

「ゴブッ」

 

 

ダンテ

「……ン?」

 

 

深海棲艦・双

「! オマエッ……」

 

敵潜水艦・力3(大破)

「――」ボソボソ…

 

深海棲艦・双

「……!? ソウカ、ヨクヤッタ! ハハハッ!」

 

 

ダンテ

「……アァン? なんだ、どうした?

 急に仲間外れにしないでくれよ。 さすがの俺も悲しいぜ」huh

 

 

深海棲艦・双

「ハッ、イツマデモソンナ余裕ブッコイテイイノカァ!?

 アンタノオ仲間ノ一人ガ沈ンダッテヨォー!」

 

 

ダンテ

「……何?」

 

 

深海棲艦・双

「今カラデモ行ッタ方ガイインジャネェノカァ!?」ハハハッ!

(オイ!コッカラ何トカシテ離脱スr)ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ゾクンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海棲艦・双

「」

 

 

《おい》

 

 

深海棲艦・双

「ッ!?」バッ!

 

敵潜水艦・力3

「」ガクガクガク…

 

 

協力してこの場を脱出しようと話を持ちかけようとしていた深海棲艦・双だが

突如、背後から身の毛もよだつような異様な空気を感じた。

そして、その背後から声がするのが聞こえ、慌てて振り返る。

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「っ!?」

 

陸奥

「どうしたの?大淀」

 

大淀

「……あ、えっと……それが…………ダンテさんからの個識別信号の調子がおかしくて……」

 

陸奥

「……どういうこと?」

 

大淀

「わかりません……。 通信も不全です……」

 

陸奥

「……え?」

 

 

 

 

 

*個識別信号器

本作戦において、出撃前に第二艦隊とダンテにだけ付けられた信号発信器。

超小型でかなり高価。オリ設定。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

深海棲艦・双

「ナ……ナン、ダ……何者ッ……本当ニ……オマエッ……」ブルルッ…

(アノ赤クボヤケテ見エテルノハイッタイ何ナンダヨッ……!?)

 

 

ダンテ?

《いいから答えな。どの辺りにいた娘っ子をやりやがった?

 正直に答えとくんだな。 そうすりゃ、特別に今回だけは見逃してやる》ビリリッ…

 

 

深海棲艦・双

「ッ……!」

 

敵潜水艦・力3

「」

 

・・・・・・

 

ダンテ?

《こっから北東か……》

 

 

深海棲艦・双

「ア、アァ、コイツガソウ言ッテル……」

 

敵潜水艦・力3

「」コクコクコクッ

 

 

ダンテ?

(……)

《髪を後ろで結んでるヤツはいたか?》

 

 

深海棲艦・双

「オ、オイッ、ドウナンダッ?」

 

敵潜水艦・力3

「」コクッ!

 

 

ダンテ?

《hum...》

(ユウバリがいた部隊で間違いねぇな……)

 

 

深海棲艦・双

「……」

(……仮ニモ敵同士ダ。

 コレホド実力差モ有ルノニ、見逃スダナンテ、ソンナ都合ノイイコトガアルハズネェ……!

 ……オワッタ……)ググッ…

 

敵潜水艦・力3

「」フルフル…

 

 

ダンテ?

《どうも。 そんじゃまたな》シュンッ

 

 

深海棲艦・双

「…………エッ?」

 

敵潜水艦・力3

「……」…?

 

・・・・・・

 

深海棲艦・双

「……マジデ見逃シテイキヤガッタノカ……?」

 

敵潜水艦・力3

「……――」

 

深海棲艦・双

「……ワカッテル。一旦、撤退スルゾ」

 

 

深海棲艦・双

(……ッ)…フルフルッ…

 

 

深海棲艦・双

(………クソッ…!)ギリッ…!

 

 

――――――

四水戦サイド

 

 

球磨

「見つからないクマっ……」

 

多摩

「にゃ……」

 

夕張

「っ…………諦めないでっ! もっと捜索の範囲を広げてみましょう!

 二人は東西に広がって探して!」

 

球磨

「了解クマ!」

 

多摩

「にゃっ!」

 

 

夕張

(…………くっ)

「私は……」

 

 

―シュンッ

 

 GUNS!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

ダンテ

「Bingo. この辺りでよかったみたいだな」

 

夕張

「っ!? あなたどうしてここに!? ていうか"それ"……!」

 

ダンテ

「話は後でな。 誰かいねぇんだろ?ユウバリ」

 

夕張

「っ……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……わかった。 俺らも散って探すか」

 

夕張

「ええ! 私はもう少し北に広がって探すから、あなたは南に!」

 

ダンテ

「ok」

 

 

ザザー!

 

 

ダンテ

「……hmm」

(つってもどうしたもんかね……)

 

 

…プカッ

 

 

ダンテ

「……アン?」

(あれは……)

 

フィーン

 

 

ダンテは海面に何かが浮かんで来たことに気付いた。

それが何なのかを知るために近付いていく。

 

 

…ヒョイ

 

ダンテ

「……ha」…ポス…

 

 

ダンテ

「こいつは形見なんかにはしねぇさ」バッ

 

―ドボンッ

 

 

ビリッ…!

 

 

 Quick Silver!

 

  -タイムラグ-

 

 

 

拾い上げたそれを確認し終わると、ポケットに大事にしまい込む。

そして、彼はすぐに海に飛び込んだ。

 

 

 

――――――

作戦室

 

 

陸奥

「繋がらないって……なんでっ どうしてよっ!?」カチカチカチカチ!

 

大淀

「……っ!」

 

陸奥

「……大淀?」

 

大淀

「…………信号、通信ともに完全に壊れました……。

 …………ダンテ、消息不明です……」

 

陸奥

「…………うそ……」

 

 

――――――

 

 

如月

「……グブッ」ゴボボッ…

 

 

如月

(海面が……もうあんなに遠い……。 みんな……睦月ちゃ…………)

 

 

如月

(…………?)

 

 

沈みゆく中、薄れた意識の端に、自身のその背後から何かの気配を感じた。

 

 

如月

(…………)

 

 

後目に見やるが……朦朧とした意識、そして何より、姿も影も見えない。

 

かすかな気配と…………"声"を感じるだけ。

 

 

「……――」

 

 

如月

「……」

 

 

……だから、如月としてはもうどうでもよかった。

ただただ、もう限界だった。

 

 

如月

(…………なんだか……もう……ねむい、わ…………)

 

 

しかし、如月の意識が完全に失われようとしていたその寸前、

今度は前方の海面の方から、何かの影が近づいてくるのが見えた。

 

 

如月

(…………あれ、は……? ……赤い……鬼……?)

 

?????

《……》

 

ダキ…

 

如月

「……」

(……どこに連れて行かれるのかしら……? 天使様には見えないわね……。

 ……でも、なにかしら……全然……怖く、ないわ…………あたたかい……)スー… 

 

 

如月の意識は、ついにそこで途切れた。

 

 

――――――

 

 

―ビリ…

 

―ザパァッ

ダンテ

「ぶはっ…………はぁ、久々にちょいと焦ったぜ……」

 

 

ダンテ

「……」チラ

如月

「」

 

 

ダンテ

「……」

 

―トンッ

 

如月

「っ……ゴフッ」ゴボッ!

 

 

如月

「……」…スー…

ダンテ

「huh...」

 

・・・・・・

 

 GUNS!

 

  -PF594 アーギュメント-

 

 

ダンテ

「よっ」トスッ…

如月

「……」スー…

 

 

ダンテ

(……いけるな)

「軽いお嬢ちゃんでよかったぜ」ha

 

フィーン

 

 

 

 

 

ダンテ

 

 <STYLE>

 

  クイックシルバー

 

…"わけ"あって、ダンテ自身がとある状態発動時のみに使用を限定した、

 特異なスタイルの2つの内の1つ。*オリ設定。

 時を操ることができるスタイル。

 ひいては、――や――、そして―――――と深く関係し、

 それらに対し、絶大な影響を及ぼす。

 

 

ダンテ

 

 <SKILL>

 

  タイムラグ

 

…"クイックシルバー"のスタイル時に使用できるスキル。

 周囲の時の流れを緩やかにしながらも、

 自分だけは通常の時間速度の中を行くことができる。

 そして、実際にはこのスキルの効果はそれだけにはとどまらない。

 

 

 

 

 

ダンテ

「ユウバリに一報入れとくか。 ……ん?」

 

 

無線器(インカム)は完全に壊れていた。

 

 

ダンテ

「……これはさすがに大目玉かもな……」

 

 

 

oh,ミツケテシマイマシタ! ダンテー!

 

 

ダンテ

「ン? ……おォ」

 

・・・・・・

 

霧島

「沈んでいたところを救出したっ……!? いったいどうやってそんなっ……」

 

ダンテ

「まぁちょっとした手品みたいなもんだな」

 

榛名

「そ、そんなことがっ……」

(まさか……っ)

 

比叡

「もう本当に何でもありですね……」

 

金剛

「さっすがデスネー! ダンテェイ!」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「お前さんら、無線は持ってねぇか?」

 

比叡

「いえ、私たちは……」

 

霧島

「作戦の性質上、持ってきてはいませんね……」

 

ダンテ

「そうか。 それならしょうがねぇ、このまま直で帰るか」

 

金剛

「YES! 了解デスネー!」

 

榛名

(……っ)

「ぁ……は、はい! 榛名は大丈夫ですっ…!」

 

如月

「……」スー…

 

 

――――――

鎮守府・寄港所

 

 

利根

「金星を獲ったそうではないか。 よくやったの、吹雪!」

 

「凄いのですっ!」

 

「ハラショー」

 

パチパチパチパチ

 

 

吹雪

「っ……みんなのおかげです! 本当に、ありがとうございましたっ!」

 

夕立

「ふふふっ」

 

川内

「フフッ。

 でーもっ! ……あのとき、不用意に飛び出したことについては

 やっぱりいただけないかな。

 庇おうってしたことはわかるし、結局、特に何もなかったからよかったけど、

 それは結果論だから。

 今日の夜はお説教だからね? ちゃんと私たちの部屋に来るように。 いい?吹雪」

 

吹雪

「ふぇっ! あぅ~……わかりましたぁ……」

 

 

ヽアハハハハ /

 

・・・・・・

 

デモ、ホントニスゴイワッ!

アリガトウ!

 

 

睦月

(……あれ?)

「四水戦のみなさんは、まだ?」

 

利根

「……ん、あぁ、それが……」

(夕張から先に、作戦部の方には連絡があったそうじゃが……)

 

睦月

「……?」

 

 

―ガゴーン

 

望月

「はぁはぁ! き、如月は……! 先に戻って来てないかっ!?」

 

弥生

「はぁはぁ……」

 

利根

「お前達……」

 

 

一同

「「……え?」」

 

 

睦月

「…………え?」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「……」

 

陸奥

「夕張の部隊からも一人が……」

 

 

陸奥

「…………っ」……コツコツ

 

大淀

「…! どこに行かれるんですか!?陸奥さん!」

 

陸奥

「……ここをお願い、大淀。 私も出るわ」

 

大淀

「!? な、何言ってるんですかっ!」

 

 

―ガチャ

長門

「戻った。 大淀、既に半数ほどが帰還している報告を受けたが、他もあとは時間の問題か?

 そうであるなら、急遽編成の増援部隊を解散させるが。 あと、重要な話というのは――

 ……何をしている?」

 

大淀

「あ、長門さんっ……」

 

陸奥

「……長門姉、私を増援隊に編入して」

 

長門

「……は? 何を言って――」

 

陸奥

「……四水戦から一人、消息不明者が出てるわ。 ……如月よ」

 

長門

「…………なっ」

 

大淀

「……」

 

・・・・・・

 

長門

「――わかった……。

 そういうことならば、別の者達を召集し、捜索隊を編成しよう。

 捜索に関して言えば、戦艦のお前が――」

 

陸奥

「あの人とも、全然繋がらないのよっ……!」

 

長門

「!」

 

大淀

「現状の詳細確認が遅れて、いろいろ報告が遅れてすみません……」

 

長門

「……原因は?」

 

大淀

「それが、本当によくわからない状況でして……。

 現状としては、ダンテさんに渡されていた機器等が数十分ほど前から

 突然機能しなくなっているようです……。

 それが何故なのかは……」

 

陸奥

「だからっ! あっちで何かあったってことでしょう!?」

 

長門

「落ち着け、陸奥!」

 

・・・・・・

 

長門

「――整理しよう」

 

陸奥

「っ……」

 

大淀

「……」

 

長門

「三水戦は全員帰還。

 四水戦から一人、如月が行方不明。

 夕張、球磨、多摩の捜索班を残し、望月、弥生は先に帰還。

 そしてダンテとは信号、通信ともに不全。

 ……第二艦隊はどうなっている?」

 

大淀

「信号は機能しています。

 ゆっくりではありますが、こちらの方へ帰投してきているようです」

 

長門

「……ふむ……」

 

陸奥

「……こうしてる時間が惜しいわ。 長門姉、私もう出るから」コツ

 

長門

「……本当にいい加減にしろ、陸奥」ギ…

 

陸奥

「っ……」

 

大淀

「……」

 

長門

「……仮に、彼に何かあったとして、

 その場合、相手は彼の手には負えない相手だったということになるわけだが。

 そんな相手にお前が出て、どうにかなると思っているのか?

 その相手はほぼ間違いなく、例の特殊兵装を所持しているはずだ」

 

陸奥

「……」グッ…

 

長門

「……それに気になっていたんだが、

 その、ダンテが相手にしてたと思われる敵艦はこちらに進行してきているのか?」

 

大淀

「いえ、当該の作戦海域にはもう既に敵艦の反応はありません」

 

長門

「……何はともあれ、まずは捜索隊だな。 それで如月と彼の捜索を行おう」

 

陸奥

「あっ じゃあ、私もその捜索隊にっ…!」

 

長門

「陸奥、お前はもう部屋に戻っていろ」

 

陸奥

「なっ……!」

 

長門

「……海域に出ていた部隊の皆には申し訳ないと思っていたが、

 すぐにこちらからのさらなる増援部隊を派遣できなかったことにしてもそうだ。

 お前もよくわかっているだろう。

 この鎮守府で抱えている"慢性的な問題"について、

 今更わざわざ説明する必要はないな?」

 

陸奥

「……」

 

長門

「わかったら戻れ」

 

陸奥

「…………はい……」コツコツ…

 

ギィ…バタン…

 

 

大淀

「……」

 

長門

「……大淀、捜索隊を編成したい。 今から言う者達に召集をかけてくれ」

 

大淀

「……了解です」

 

 

――――――

ダンテ・第二艦隊サイド

 

―サァー

 

金剛

「……」ジー…

 

 

フィーン

 

如月

「スー……」←on ダンテ

 

 

金剛

(……)

 

 

ダンテ

「……ン? なんだ?コンゴウ」

 

 

金剛

「……ぅー」ジー…

 

比叡

「……お姉さま、今回は仕方ないですよ……」ボソ…

 

金剛

「わかってマース……」ボソッ

 

霧島

「早く入渠もさせてあげないといけませんしね……」

 

榛名

(……)

 

金剛

「……!」ピコーン

 

 

金剛

「そうデスっ! 霧島の言う通りデース!」

 

 

ダンテ

「……アン?」フィーン

 

 

比叡・榛名・霧島

「?」

 

・・・・・・

 

ズザァー!!

 

ダンテ

「おー、さすがにこれだけの人数に引っ張られりゃ、かなり速ぇな」haha

 

金剛

「Yeah! 何より私達は高速戦艦ですからネー!」ザザァー!

 

霧島

「お姉さま、少しこれは速いのでは……?」ザザァー!

 

比叡

「如月ちゃんもいるんですから……」ザザァー!

 

金剛

「oops! ダンテ、速すぎマスカー?」

 

ダンテ

「…ンー」チラ

如月

「スー……」スヤ…

 

ダンテ

「……ha. いや、丁度いいくらいだな。

 揺れ具合もいい感じなのか、お姫様も気持ちよく寝ていらっしゃるぜ」hahaha

 

金剛

「oh... やっぱり如月が羨ましいデース……。とにかく早く帰りマース!

 それで報告も早く済ませて、前に約束してたティータイムを一緒に過ごすネー!」

 

ダンテ

「あぁ、そういや、そんな話もあったっけな。

 ドタバタしすぎて忘れてたぜ、悪いな」

 

金剛

「うー……。 まぁいいデース!

 その代わり、帰ったら私といっぱいおしゃべりしてくださいネ!

 たくさん話したいことがあるんデース!」

 

霧島

(あぁ、会ってすぐに話さないのかと思っていたら……)

 

比叡

(ティータイムのときにまったりゆったり聞いてもらおうと……流石お姉さまですね……)

 

金剛

(むふふー)

「……あっ! プレゼントもありマスヨっ!」

 

ダンテ

「へぇ、そいつは楽しみだな。 期待しちまってもいいのか?」ha

 

金剛

「イェース!///」

 

 

榛名

「……」←殿

 

・・・・・・

 

榛名

「……」ジー…

 

 

ダンテ

「……ン」チラ

 

 

榛名

「……あっ」サッ… ←目を逸らす

 

 

ダンテ

(……)

「……huh」←向き直る

 

 

榛名

「……」…ジー…

 

 

榛名

(……轟沈しかけていた艦娘を引き上げて、助けたなんて……。

 本当にそんなことをできる人が……)

 

 

ダンテ

「……」

 

 

ザザァー!

 

 

――――――

長門型の部屋

 

 

陸奥

「……」…

 

 

長門からの叱責を受け、自室にて待機していた陸奥。

窓から寄港所の方角の海を静かに見ていた。

 

 

陸奥

「…………っ」

 

 

しばらくすると、見ていた海の遠くにある光景が見え、陸奥は驚愕した。

しかし、それも一瞬だけだった。

陸奥の頭の中にはもう、長門の"言付け"のことはなかった。

 

 

ガタッ コツコツコツ! ガチャ バタンッ

 

 

――――――

鎮守府・寄港口

 

 

ダンテ

「よぃっと」

 

ダキ

 

如月

「……」スー…

 

金剛

「」

 

霧島

「おぉ、俗に言う"お姫様だっこ"というやつですね」クイッ ←メガネ

 

比叡

「……先にガレージ開けてくるから」

 

榛名

「……おや? 外が何か騒がしいですね」

 

 

―ウィーン ガコンッ ←ゼ○ギアスのフロアロック解除っぽい音

 

 

――――――

鎮守府・寄港所

 

 

睦月

「……うそっ……そん、な……如月ちゃんがっ……」

 

望月

「ま、まだ決まったわけじゃねぇからっ」アタワタッ…

 

弥生

「落ち着いて……」

 

睦月

「……私、約束して……如月ちゃ……あっ……え……そんっ…………え……?」フルフル…

 

吹雪

「っ……睦月ちゃん!」

 

ガシッ

 

睦月

「あ"、あっ…………えぁ…………?」

 

吹雪

「睦月ちゃん! こっち見て!私の目!」

 

睦月

「……っ…………吹雪、ちゃん……?」

 

吹雪

「……っ」ダキ

 

ギュー…

 

睦月

「…………ぅ……ぁ"……うぁ……」ポロ…

 

 

 

スタスタ

ダンテ

「なんだ、えらく集まってんな。 今度のパーティは外でやるのか?」ha

如月

「……」スー…

 

吹雪

「…………へ?」

 

睦月

「………………え?」

 

 

利根

「なんとっ!?」

 

 

比叡・榛名

「……?」

 

 

――――――

作戦室

 

 

長門

「――よし。

 これで編成、準備ともに完了だな」

 

大淀

「……この捜索隊の人数、よろしかったんですか……?」

 

長門

「……やむをえんさ。 はじめてくれ」

 

大淀

「……わかりました。 では、捜索隊に発艦の…っ!」

 

長門

「どうした?」

 

大淀

「寄港所にいる利根さんから報告です!

 第二艦隊・ダンテ・如月、現時帰投完了、とのことですっ!!」

 

長門

「なにっ……。

 ……そうか」…フッ…

 

 

――――――

鎮守府・寄港所

 

 

「ダンテさんっ!?」

 

「……ハラショー」

 

望月

「なっ!? あ、あんた、その腕に抱いてるのって!!」

 

弥生

「……ぐっじょぶ……」

 

 

ダンテ

「thx」ha

如月

「……」…

 

 

吹雪

「……え……えぇっ……!」

 

睦月

「……ぁっ……」グス…

 

 

ダンテ

(……)

「……huh, 遅くなって悪かった。 泣かせちまったな」スッ… ←腰を落とす

 

睦月

「っ……ぇ」

 

ダンテ

「あとは任せちまってもいいか?

 このお嬢ちゃんには"ニュウキョ"ってやつが必要なんだろ?」

 

睦月

「…………ぁっ……は、はいっ」ダキッ…

 

如月

「……」…

 

ダンテ

「good. 頼んだぜ」スクッ ←立ち上がり

 

スタスタスタ

 

 

比叡

「……あれ?」

 

榛名

「行ってしまわれましたね……」

 

 

吹雪

「……」

(ダンテさん……)

 

如月

「……んっ……」

 

睦月

「っ! 如月ちゃんっ!」

 

如月

「……む、つきちゃん……?」

 

望月

「おぉ!」

 

弥生

「気がついた……よかった……」

 

睦月

「如月ちゃん……!」

 

ギューッ

 

如月

「んっ……」ボー…

 

 

まだ朦朧とする意識の中、睦月に抱きしめられているその合間から、

如月はひとつの方向を見ていた。

 

 

如月

「……ぁ」

(……あの、ときの……赤い、人……)ッ……

 

 

ほどなく、如月の意識はまた途切れた。

 

 

睦月

「如月ちゃんっ!?」

 

トテトテ

利根

「また眠ってしまっただけじゃ。 とにかく早く入渠させてやろう」

 

睦月

「あ……はいっ!」

 

 

――――――

ドッグ内部

 

 

金剛

「……うーん、コレハ……」

 

霧島

「あの一戦で、完全に壊れてしまいましたね……。

 これはもう使い物には……」

 

金剛

「……無我夢中デシタ……。 明石と夕張には申し訳ないデスネ……」

 

霧島

「……」

 

 

――――――

 

 

コツコツコツ

 

霧島

「とりあえず、まずは報告に向かいましょう」

 

金剛

「ソウデスネ。 ダンテはどこデスカネー」キョロキョロッ

 

比叡

「あ、お姉さま」

 

榛名

「ダンテさんなら、先にあちらの方に」つ

 

金剛

「…oh!」

 

 

 

ダンテ

「……」スタスタスタ

 

・・・・・・

 

ダンテ

(さすがにちっと考えが甘かったのかもしれねぇな……)スタスタ

 

 

コツコツコツッ

 

 

ダンテ

「……」

 

 

陸奥

「……っ」

 

 

ダンテ

「huh... アー……悪い、ムツ。

 服、海水に濡らしちまったぜ。 ha..

 早いとこ洗っちまわねぇと、これ後でひどくなっちまうんだったよな。

 すまねぇが――」

 

ポスン…

 

陸奥

「……」…

 

ダンテ

「……huh, おいおい、お前も濡れちまうぜ?」hahaha

 

陸奥

「……」キュ…

 

ダンテ

「……」hm..

 

 

 

―テテテッ

金剛

「ダンテー!待ってくだサーイ! 提督室には一緒に行き……っ!?」

 

霧島

「……おぉ」

 

榛名

「まぁっ……」

 

比叡

(あーあぁ……)

 

・・・・・・

 

陸奥

「……心配したわ」

 

ダンテ

「…ン? ……あぁ……ha.

 悪かった。 無線がな……途中で駄目になっちまったのさ。

 それで連絡も入れられなくてな」

 

つ【無線】ピチャ…

 

陸奥

(……?)

「その型の無線でも、一応、ある程度は防水できる仕様になってるはずだけど……。

 ……もしかして、深く潜ったり、結構長い時間、海水の中にいた?」

 

ダンテ

「……アー……まぁそんなとこだな。 すまん」

 

陸奥

(……)

「……いいわ、気にしないで。 如月のことも、あなたが助けてくれたんでしょう?

 皆、ちゃんと帰って来てくれたんですもの。 安いものよ、これくらい」

 

ダンテ

「……ちなみになんだが、コイツはいったい、いくらくらいするんだ?」

 

陸奥

「え? ……えーっとたしか、あなたのそれは最近のモデルのやつだから

 ……15万ほどだったかしら」

 

ダンテ

「ン、15万つーと」

 

陸奥

「あぁ、ごめんなさい。

 今だと大体……えーっと…………1,200ドルとちょっとね」

 

ダンテ

「……お、おう、なかなかだなっ……」

 

陸奥

「そう? 小物の軍需品だったら大体こんなものよ。

 というか、無線器に関してはここ数年でだいぶ安価になった方ね」

 

ダンテ

「……へぇ……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「あ、そうだ。

 無線で思い出したけど、今回は作戦前に個識……バッジみたいな物渡してたでしょ?

 それはどうしたの?」

 

ダンテ

「あぁ、これか? ちゃんと持ってたぜ」つ.

 

陸奥

(……)

「よく見せて」つ

 

ダンテ

「ああ」

 

・・・・・・

 

陸奥

(……これに関しては、本当に必要最低限の機能しか搭載されてないから、

 その代わりに防水・耐圧に限っては無線の物とは比べ物にならないほど、

 それ用にちゃんと特化されてるはずなんだけど……)

「……壊れてるわね……」

 

ダンテ

「! マジかよ……」

 

陸奥

(……)

「まぁこれも仕方ないわね。 結局は物なんだし、壊れてしまうこともあるでしょう」

 

ダンテ

「huh...」

 

陸奥

(それなりのことをすれば、だけどね……)

「あなたの方は大丈夫? 怪我とかしてない?」

 

ダンテ

「ああ、大丈夫だ。 せいぜい服がびしょ濡れになったくらいだな」ha

 

陸奥

「ふふっ、そう。 よかったわ、本当に……」

 

 

 

金剛

「……う~~っ……」

 

霧島

「とても興味深い……」クイッ

 

榛名

(ドラマみたいですっ……)

 

比叡

(……)

「……私、先に報告に向かってますね」

 

 

 

 

 

 

 




Tips: W島攻略作戦の裏側




W島に巣食う深海棲艦への夜戦作戦が失敗したことで突如、戦闘は始まった。


事前に予測されていた、第二艦隊の合流時間は大きく短縮されることになったが、
戦闘の火種を見た第二艦隊が駆け付けたことで、
第一・二波敵艦隊を共闘の末、撃破することができた。

その後、敵旗艦率いる第三波の敵艦隊との戦闘に流れ込む。



霧島の発言した「事前のブリーフィングで伝えられていた作戦行動時間」というのは
戦闘が開始されてからの約2時間ほどを指す。

これは作戦司令部より、
(だいたい予測されていた)敵艦数と経験則から算出された予測時間である。





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MISSION 3-5

「人は十分に持っていれば、他からは奪わない。
 人は溢れるほど持っていれば、他によく与える」




持てる人が、他人に与える。
持たぬ人は、他人から奪う。

満たされていないから、人は他から奪うのだ。
食べ物を、金を、命を。
本来、十二分に満たされていれば、むしろ人は他に与えるはずなのだ。

満たされてもいないのに、他に与えられる存在を聖人と呼ぶ。
それはかの救世主であったり、過去に兎に身をやつし、その身をそのまま、空腹の人に捧げた釈迦などがそうである。
猛烈な頭痛や激痛に苛む最中でも、人助けが出来る人などもそうだ。

しかし、万人が聖人であるわけがない。
飢えている人の目の前に、どこからか現れた野兎が自らを火の中に投じて、いつもその身を捧げてくれるといった現象が起こる確証なども当然ない。

本当に問題なのは、満たされない人間を作り出す、不健全な世界や体制の方だ。

そこから目を反らし続ける限り、世界から、理不尽にも罪もない人々の命が失われる現象は永遠になくならない。
世界や体制が不健全である続ける限りは絶対に。

この現象や満たされぬ者を生み出しているのは、他ならぬ、世界や体制自体の方である。


自分が十分に持っているときに、相手に与えられる者を人間という。
自分が十分に持っていないときでも、相手に与えようとする者を聖人という。
自分が持っていないときでも、相手に与えられる者を神という。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


真に足るを実感できるのは、真の足らずを実感したことがある者だけである。
真に富めるとは何かを知るのは、真に貧したことがある者だけである。
真に啓きを得るのは、真の蒙きを知る者だけである。
真に光を放つは、真の闇を抱える者だけである。


ダンテ

「とりあえず、さっさと報告を済ませに行こうぜ。 またあの部屋に集まるんだろ?

 俺としても早く着替えちまいたいんでね」

 

陸奥

「そうね。

 その服ももう大分乾いてきちゃってるから、早く洗わないといけないし。

 ……あっ」

 

ダンテ

「なんだ、どうした?」

 

陸奥

「あ、いや……えっと……その、あたしはちょっと行けないから、

 一人で行ってもらっていい……?

 服は……あ、あとで取りに行くからっ」

 

ダンテ

「……ア? どういうこった。 一緒に行けばいいじゃねぇか」

 

陸奥

「いや、だから……」

 

ダンテ

(……?)

 

タタタタッ

金剛

「ダンテェーイッ!」ダキィー!

 

ダンテ

「ゴッフッ」

 

陸奥

「ちょっ金剛っ!?」

 

金剛

「ヘイ、ダンテ! 一緒に報告に行きまショウ!私とっ!」

 

陸奥

(……)

「……頼んだわね、金剛」

 

金剛

「イエース!」グリグリッ

 

ダンテ

「……huh, お前も来いよ」グラグラッ

 

陸奥

「え……」

 

金剛

(……)

 

・・・・・・

 

陸奥

「あ、あのね、あたしは……」

 

ダンテ

「他に何か用事か?」

 

陸奥

「そうじゃないんだけど……」

 

ダンテ

「ならいいじゃねぇか。 頼むぜ、相棒」

 

陸奥

「っ……」

 

ダンテ

「今回の報告と、それに関係してお前には頼みたいこともあるんだ。

 二度手間になっちまうんでな、悪いが付いて来てくれねぇか。 頼りにしてるんだぜ?」

 

陸奥

(……)

「…わ、わかったわ」

 

金剛

「……」

(ムー……)

 

 

――――――

提督室

 

―ガチャ

 

ダンテ

「戻ったぜ」

 

金剛

「タダイマデースッ!」ギューッ

 

陸奥

「……」スッ…

 

パタン…

 

 

比叡

「あ、お姉さま」

 

長門

「ああ、よくぞ無事に帰ってきてくれた。 如月の一件もすでに聞いている。

 本当に、ありがとうっ……」

 

ダンテ

「ああ。 ま、なんとかなってよかったぜ」hahaha

 

・・・・・・

 

陸奥

「……あ、あの、長門姉……ごめんなさい……」

 

長門

「……はぁ。

 人心地ついて、落ち着いたのならそれでいい」チラ…

 

ダンテ

「……あ?」

 

陸奥

「っ…///」

 

ダンテ

「何かあったのか?」

 

陸奥

「い、いいからっ 気にしないでっ!」

 

大淀

「ふふふ……」クスクス

 

陸奥

「大淀っ!!」

 

大淀

「はいはいw」

 

 

比叡

「……」

(……なんか私空気っ!)

 

 

金剛

(……)

 

・・・・・・

 

金剛

「報告! 始めマスヨッ!」

 

長門

「ん…あ、ああ。

 ……あーいや、すまない。 もう少し待ってくれ。

 三水戦旗艦の神通と四水戦の夕張がまだだ」

 

大淀

「夕張さんへは少し前に連絡を入れました。

 帰投にはまだしばらく時間がかかると思います」

 

長門

「ふむ……」

 

 

―ガチャ

神通

「すみません、遅れました」

 

長門

「いや、ご苦労。

 ……よし、では先に始めておこう」

 

ダンテ

「ok」

 

金剛

「YES!」

 

比叡

(……)

「はいっ」

 

・・・・・・

 

比叡

「――とまぁ」

 

金剛

「そんな感じデシター」

 

長門

「ふむ……」

 

ダンテ

「で、……悪いな。 俺の方は逃がしちまった」

 

長門

「いや、事情はわかった。

 あの海域にはもう深海棲艦の反応はない。

 殲滅こそ出来なかったかもしれないが、海域は取り戻せた。

 ……何より、本作戦において、失うものは何もなかったのだ。

 十分すぎる戦果だよ」

 

陸奥

(……)

 

長門

「……しかし、強力な悪魔の力に、例の特殊兵装を有する敵か……」

 

神通

「……あの、おそらくなのですが、それに関係して、私の方からも報告が……」

 

長門

「聞こう」

 

・・・・・・

 

長門

「なんとっ……吹雪が……」

 

神通

「はい」

 

ダンテ

「あぁ、すまねぇ。それ話忘れてたぜ。

 あとはテンリュウもそうだな。 まぁ、まだほとんど力は使い物にはならねぇだろうが」

 

陸奥

「将来的には、翔鶴と浜風も、かしら?」

 

ダンテ

「そうなるな」

 

長門

「ふむ……」

 

大淀

「青葉さんに依頼している広報にも追記が必要でしょうか……?」

 

長門

「……」

 

ダンテ

「広報ってニュースペーパーのことか?」

 

大淀

「え……ええ、そうなりますかね……?」

 

陸奥

「厳密に言うと、青葉って子がこの鎮守府内限定で配ってるトピックス雑誌ね。

 まぁもうほとんどあの子の趣味みたいになっちゃってるけど。

 内容自体はその時々でいろいろ違ってて、本当にまちまちかしら。

 "回によっては"人気になる雑誌ね」

 

ダンテ

「へー」

 

長門

「あぁそういえば、お前もファッション特集の回と昼ドラサーチの欄はよく見ているな」

 

陸奥

「……長門姉はいつになったら、あの駆逐艦特集の回のやつ捨てるの?

 ずっと前からのがかなり溜まってるじゃない……」

 

長門

「あれをすてるなんてとんでもない!

 永久保存版に決まっているだろうっ!?」

 

陸奥

「決まってるって……本当にそんなに必要なの……?

 写真の所は切り抜きしてスクラップブック作って、

 もう一つの方は完全にラッピングして……、

 観賞するのはまた別にあるし……」

 

長門

「いる。

 むしろ布教用を我慢しているだけ褒めてほしい所なのだが」

 

陸奥

「誰に布教するのよ……」

 

・・・・・・

 

金剛

「長門は相変わらずデスネー」ダキー

 

比叡

(…いいないいなぁー)

 

神通

「……」

(長門代理のお人柄は理解しているつもりなのですが……、

 時折、駆逐艦に対して見過ごし難い視線をしておられるときが……)

 

ダンテ

「ha.

 ま、その広報もいいんだがな。 ……ンー」ポリポリ…

 

陸奥

(……)

「どうしたの?」

 

ダンテ

「……ああ。 ま、もったいぶるような話でもないからな。

 今回の作戦でも思ったんだが、さすがに全体的には厳しい所があるみたいだからな」

 

一同

「「……」」

 

金剛

「……」ギュムギュムッ

 

比叡

(お姉さま、ちゃんと聞いてますかね……)

 

陸奥

(……)

 

ダンテ

「そこで、だ。 テコ入れをするぞ」

 

長門

「む……テコ入れとは?」

 

ダンテ

「前にも言ったことがあったろ、

 要はこれからヤッコさんと戦っていくために必要な武器の増強だ。

 まぁ実のところは、前々から勝手にやらせてもらってはいたんだがな。

 これからはもっと本格的に、どんどん進めちまおうと思ってるんだが、

 構わねぇか?」

 

長門

「願ってもない! ぜひ頼みたいっ」

 

ダンテ

「a'ight」ha ha-

 

長門

「しかし、具体的にはどういったことをするんだ?」

 

ダンテ

「大雑把に言っちまうと、ギソウにあの石を組み込んでいくって感じだな。

 悪いが、細かい報告とかは得意じゃないんでね。

 その辺のことはムツに任せてぇんだが、いいか?ムツ」

 

陸奥

(…そういうことね)

「もちろん。 任せて」

 

ダンテ

「thx」

 

金剛

「……」ハスハスッ…

 

比叡

(……お姉さま、そんなことやってるうちに

 なんか大事そうなこと決まっちゃいましたけど……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「よし、そんじゃさっそく行ってくるわ」

 

長門

「む、そうか。わかった。

 陸奥、明日の会議でその新開発のことについても触れたい。

 彼に付いて、その辺りのことをしっかりと頼むぞ。 離れんようにな」

 

陸奥

「っ……ええ、わかったわ」

(長門姉……)

 

比叡

「……」

 

ダンテ

「ヘイ、コンゴウ」

 

金剛

「ンっ……あっ、終わりマシタ? それじゃあ、さっそく!」

 

ダンテ

「…あー悪い、ちょいと用事が入ってな」

 

金剛

「What!? またなんデスカーっ!?」

 

ダンテ

(?)

「huh... まぁそう言うなよ。 今日のヤツはすぐに終わるさ。

 お前さんは先に行って、少し待っててくれないか。

 用事が済んだらすぐに向かう」

 

金剛

「oh! そういうことなら了解デース!

 準備して待ってマース! 必ず来てくださいネっ!」

 

ダンテ

「おう」

 

・・・・・・

 

ガチャッ パタン!

 

ヒエイ、イソグネー!

ウァッチャッ! オネエサマッ!?

 

タタタタター

 

 

ダンテ

「ha...」

 

長門

「……はぁ。

 まぁいい、報告会は終了だ。 皆、ご苦労だった」

 

神通

「お疲れ様でした」ペコッ

 

ダンテ

「ああ。 じゃ、またな」スッ ←私室の方へ

 

ガチャ

 

 

長門

「うむ」

 

陸奥

「……」スッ… ←付いて行く

 

大淀

「……明日の会議用の資料、作成しますね。

 いろいろと内容が増えそうですし、今から概要だけでも作っておかないと……。

 他にもいろいろとやることはありますし」ガチャ

 

長門

「ああ、そうだな。 私も手伝おう」スッ

 

大淀

「ありがとうございます」パタン

 

 

コツコツコツ…

 

 

――――――

深海基地

 

 

深海棲艦・双?

「……クソッ……」

(マダ震エガ止マラネェ……ッ)ガタガタガタッ…

 

 

ノソノソ…

深海棲艦・尽

「……」

 

深海棲艦・双?

「……何シニ来ヤガッタッ……!」

 

 

????????

「無様デスネェ」スタスタ

 

 

深海棲艦・双?

「ッ……テメェハ……! ……ウルセェナッ……」

 

深海棲艦・尽

「……ドウヤラ敵ハ、カナリ手強イ助ッ人ヲ呼ンデイルヨウダナ」

 

????????

「フフ、トテモ興味ヲ惹カレマスネ」

 

深海棲艦・双?

「……テメェラ、俺ヲ笑イニキタノカヨッ!」

 

深海棲艦・尽

「……モウ休メ」

 

????????

「意気揚々ト出テ行ッタト聞イタガ、ナント情ケナイ」

 

深海棲艦・双?

「……クッ……」

 

深海棲艦・尽

「ヤメロ……」

 

・・・・・・

 

????????

「マァイイデショウ。 次ハ拙者ガ出向コウ。 構イマセンネ?」

 

深海棲艦・尽

「……」

 

????????

「フッ……デハ」クルッ

 

 

深海棲艦・双?

「……ハッ、オ前ノ方コソ、下手コカナキャイイケドナァッ!」

 

 

…ピタッ

????????

「……誰ニ言ッテイルノデス? ナンチャッテ剣士トハ違ウノデスヨ。

 ナゼナラ! 拙者ハ深海界最高ノ剣士! ソノ名モ!」

 

 

深海棲艦・双?

「アーハイハイ!ソレハモウ聞キ飽キタッツーノ!

 御託ハイイカラ行クンナラトットト行ケヨッ!」

 

 

????????

「……フッ、ナント無粋ナ」

 

 

深海棲艦・尽

「……オ前モ、"準備"ダケハ怠ルナヨ」

 

????????

「一人デ十分ナノデスガ。 ……マァイイ、聞イテオキマショウ」スタスタスタ

 

 

 

深海棲艦・双?

「……チッ」

 

深海棲艦・尽

(…………)

 

 

 

 

 

 

 

Tips: 深海棲艦 | 艦娘

 

 

 

 

深海棲艦

…深海から突如として現れた謎の敵勢力。

 現状、制海権のほぼ全てがこの深海棲艦に握られている状況にある。

 深海棲艦は高等艦になるにつれて、外見が人間的になっていくという特徴があるが、

 全体的に見れば、やはりそれらは高等艦も含め、異形の様相を呈している。

 通常の兵器ではダメージを与えられない。

 

 

 ・突然現れた、謎を極める存在。人類に対し、明確な敵意を持つ。

 ・高等艦であるほど、人間的な外見の者が多い。

  しかし、やはり異形の者である。

 ・通常兵器は通用せず、撃滅するためには、艦娘の艤装による攻撃や、

  妖精さんの力を借りる必要がある。

 

 ・現在は悪魔の力の獲得により、特殊な"障壁"と"兵装"を有する。

 

 

 

艦娘

…深海棲艦の登場とほぼ同時期に現れた、

 在りし日の戦舟の魂を持つ娘たち、それが艦娘である。

 ほぼ全ての者がうら若き乙女たちであり、外見年齢で10~20代、

 飛んで30代といったところ。

 見た目もその精神も、普通の人間の女性のそれと変わりないように見えるが、

 "艤装"と呼ばれる兵装を装備することで、

 かつては深海棲艦に対抗しうる力を行使していた。

 深海棲艦に攻撃に対して、少しばかりではあるが、ある程度の抵抗力を持つ。

 

 

 ・深海棲艦の登場とほぼ同時期に出現した、

  在りし日の戦舟の魂を持つ、うら若き乙女たち。

 ・見た目、おおよそ30代くらいに見える艦娘も存在する。

 ・深海棲艦に攻撃に対し、少しばかりであれば抵抗力を持つ。

 

 ・現深海棲艦の所有する特殊-兵装・能力による攻撃は、

  艦娘には十分に通用することが現在、確認されている。

 

 

 

 

 

                             Now Lo

 

 

 

 

 

 

 

作戦室

 

 

陽炎

『当該海域に到着。 敵影も依然として見られないわ』

 

―ザザッ

 

大淀

「了解です。 では予定通り、回収作業に入ってください。

 予測される数に対して、人手がだいぶ少ないですが、

 どうかよろしくお願いします」

 

陽炎

『まかせて!』

 

―ザッ

 

長門

「…………う"ーむ"……」ポチッ…ポチ… ←キーボード人差し指打ち

 

 

――――――

工廠

 

 

利根

「入渠が必要な者は先にそっちを優先せよっ!

 そうでない者はもう補給作業を済ませておくように!」

 

 

「「はいっ」」

 

・・・・・・

 

吹雪

「ふぅ……」

(なんとか……ちゃんと特訓の成果は出せたのかな……。

 ……ありがとね、ケルビも)サワ…

 

ケルビ

「……」

 

 

夕立

「お疲れさま、吹雪ちゃん!」

 

吹雪

「あ、うん。 夕立ちゃんもっ」

 

夕立

「あとケルビも! …ん、まだマソウ? のままっぽい?」

 

吹雪

「今戻してあげようとしてたとこだよ。……ってあれ……」

 

夕立

「ぽい?」

 

吹雪

「……いや……どうやるのかなって……」

 

夕立

「……あー」

 

 

 

*睦月は如月の入渠に付き添い中(わりと空きもあったため、認可が出た)。

 

 

 

・・・・・・

 

吹雪

「――えいっ、えい! たぁっ! えっとっ…………と、とぁああー!」シュビビッ!

 

ブンブンブンッ シャラッ カツーンッ!

 

吹雪

「あいたぁっ!?」

 

カラ…

 

夕立

「……」

 

吹雪

「いったたたっ…………うーん……?」サスサス…

 

 

川内

「何やってるの?二人とも」スタスタ

 

那珂

「吹雪ちゃん、頭抑えてるけど大丈夫?」スタスタ

 

 

夕立

「あ」

 

吹雪

「川内さん、那珂ちゃんさん」

 

・・・・・・

 

川内

(……)

「へぇ……」

 

那珂

「えー、この青い棒みたいなののおかげでさっきの大きな氷出せてたってことー?

 ……魔法の杖?」

 

川内

(魔法……)

「杖というには少し太い気もするけど……。 鎖も付いてるし」

 

吹雪

「えっと……」

 

夕立

「説明がむずかしいっぽいー」

 

吹雪

「本当はその、これもまた別で、違う姿っていうか……」

 

那珂

「へ?」

 

川内

(……)

「ねぇ、それってさ、もしかしなくても例の"アレ"絡みのやつなんでしょ?

 何か困ってたみたいだったけど、

 それだったらあの人に助けてもらった方がいいんじゃない?」

 

吹雪

「あ……そ、そうですよねっ!」

 

夕立

「まぁ順当っぽい」

 

那珂

「…あ♪ うわさをすれば、だよ♪」

 

 

――――――

 

 

陸奥

「今、陽炎型の子たちが例の石の回収作業をしてくれてるわ」コツコツ

 

ダンテ

「ン、カゲロウ型つーと」スタスタ ←着替えた

 

陸奥

「浜風の姉妹ね」コツコツ ←洗濯物は後で

 

ダンテ

「あぁ」スタスタ

 

・・・・・・

 

陸奥

「ねぇ、前に天龍と龍田もいた時に特性のある石の話してたじゃない?」

 

ダンテ

「ああ」

 

陸奥

「あのときの話だと、

 例えば天龍の刀を"今の"対深海棲艦用の兵装として強化していくためには

 剣を扱う悪魔、だったかしら、

 そういった者の魂と能力が宿った石を組み込む必要があるってことよね?」

 

ダンテ

「そういうことだな。

 別に、今ある弾薬に無理やり組み込んでぶっ放すってのもあるかもしれねぇが、

 石の大きさ的に組み込めない問題も出てくるだろうしな。

 そもそも、まぁMOTTAINAIな」ha

(他にも問題はあるだろうが)

 

陸奥

「なるほどね……。

 つまりそれって逆に言えば、特性のある石の本領を発揮するためには

 それに近い兵装の方がいい、そういうことよね」

 

ダンテ

「その通り」

 

 

 

吹雪

「ダンテさーん!」タタタッ

 

夕立

「ぽいー」テテテッ

 

 

 

ダンテ

「ん?」

 

陸奥

「あら?」

 

・・・・・・

 

吹雪

「――それで、どうすればいいのかなって……」

 

ダンテ

「ああ。ちょいと貸してみな」

 

吹雪

「あ、はい」つ【ほねっこ】

 

カラン

 

ダンテ

「……」ジャラ…

 

川内

(……)

 

那珂

(ほんと洋画の俳優さんみたいな人だなぁ)ジー

 

吹雪

「……ど、どうなんでしょう……?」

 

夕立

「ぽい……」

 

ダンテ

「……ま、言ってみりゃただのガス欠だな」スッ

 

 

そう言って、ダンテは三氷棍ケルベロス(一棍)を下に置き、手を添えるようにする。

すると、

 

 

―パァ…

 

シュー…

ケルビ

「」

 

川内

「!? …ってあれ?この犬……」

 

吹雪

「ケルビっ!?」

 

夕立

「なんかすごいぐったりしてるっぽいっ!?」

 

那珂

「えっえっ?」

 

陸奥

「あらあらっ…」

 

・・・・・・

 

吹雪

「どっどうすればいいんですかっ!?」

 

ダンテ

「…そうだな。 とりあえず、あのちっこい石をたらふく食わせてみるか」ha

(俺も今はわりとカツカツだからな…)

 

吹雪

「わかりましたっ!取ってきます! えっと、実際どれくらい必要なんですか!?」

 

ダンテ

「あぁ……あの"サイズ"の石だと、相当の数がいるかもなぁ」

 

川内

(ちっこい石って……あの?)

 

夕立

「…あっ! それならこれ! これならどうですかっぽい!」つOOO⊂ ジャラッ

 

ダンテ

(ほぅ、なるほどな)

「…へぇ、いいモン持ってんじゃねぇか」

 

陸奥

(あっ…)

「もしかして、これが特性のある石……?」

 

ダンテ

「ああ、そうだ。

 いいと思うぜ、その石で」

 

夕立

「ぽいっ!

 ほら、ケルビ! 口開けるっぽい!」ガシッ

 

ケルビ

「ンガッ」

 

吹雪

「ちょ」

 

那珂

「……うーん?」

 

川内

「……」

 

陸奥

(少し前に提督室での報告会で見せてもらった大きな石と、

 ここの工廠に多くある小さい石とのだいたい中間くらいの大きさかしら……)

「け、けっこう大きくなるのねっ……あの小さい石から……」ソワソワッ……ギュ…

 

ダンテ

「haha.

 安心しろよ。これくらいのになると、ただ壊すだけってのはかなり大変だからな」

 

陸奥

「っ……へぇ…」キュ…

 

 

夕立

「これ噛んだらダメっぽいっ?」

 

 

ダンテ

「あぁそうだな。まんま飲み込むのがいいな」

 

 

夕立

「ケルビ!噛まずに全部そのまま飲み込むっぽいー!」ブンブンッ

 

ケルビ

「」ガクガクッ

 

吹雪

「いや待って、夕立ちゃん……緊急ではあるけどいくらなんでもそれはっ……」

 

…ビクーンッ

ケルビ

「っ!」

 

吹雪

「っ!? ケルビっ!?」

 

―パァッ

 

夕立

「わっぷ! なにっぽい!? またすごいまぶしいっぽい!」

 

那珂

「なになにー!? なんで急にライトアップなのー!?

 那珂ちゃん聞いてないよーっ!」

 

川内

「っ……」グ…

 

・・・・・・

 

シュー…

ケルビ

「……」

 

夕立

「んっ……あっ! 元気になったっぽいー!」ダキッ

 

吹雪

「っ…………あれ……? え、でも……ケルビ……?」

 

 

ダンテ

「…huh」

 

陸奥

「……なんか、ほんの少しだけど、大きくなってない?」

 

 

小犬サイズだったケルビがほんの少しばかり、大きくなった。

さらに閉じていた右目が開いていた。その右目の虹彩は赤く輝いている。

 

 

吹雪

「……あっ」

(目が……)

 

ケルビ

『離すがいい……。 もはや心配も無用だ』←英語

 

夕立

「……ぽい……?」

 

吹雪

「えっ」

 

那珂

「」

 

川内

「っ!」

 

 

陸奥

「これって……」

 

ダンテ

(……)

「悪いムツ、ちょいと外すぜ。 すぐに戻る」

 

陸奥

「えっ、ちょっと……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ほれ。 口開けろ、犬っころ」つ□ ←ほんやくこんにゃく

 

ケルビ

「……」ムグムグ…

 

陸奥

(……あぁ)

 

 

吹雪

「……」

 

夕立

(ぽい……?)

 

川内

(……)

「ねぇ、それは?」

 

ダンテ

「ン、……huh.

 俺もよくは知らねぇんだがな。 ま、言ってみりゃ魔法のコンニャクってやつだな」

 

那珂

「えー……余計わかんないよぉ……」

 

川内

(……)

 

・・・・・・

 

ケルビ

「……助かった、礼を言わせてもらおう」

 

 

「…………キェェアァァシャァベッタァァァッ!!」

 

 

ケルビ

「」ビクッ…

 

 

夕立

「ぽいー!」キラキラ

 

吹雪

「っ……」

 

ダンテ

「hahaha」

 

陸奥

「もうお利口って次元じゃないわね……」

 

・・・・・・

 

スゴイスゴイ! コレナラテレビデm

イヤマッテ、ナカ. ドウカンガエテモコレハ…

ポイポイッ!

 

ワイノワイノ

 

 

ケルビ

「……」

 

ダンテ

「ヘイ、犬っころ」スッ

 

ケルビ

「…む」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「さて、寝起きすぐで悪いんだがな、お前には聞きたいことがある。

 お前、どこまで覚えてる?」

 

ケルビ

「……む? 質問がよくわからないが、フブキに拾われてからの記憶のことか?

 それならば確とあるが」

 

ダンテ

「あぁいや、そこからじゃねぇな」

 

ケルビ

「……それ以前のことなら、

 貴様が我を使わないので、事務所裏の倉庫で肥やしにされていたが?

 我としても手持ち無沙汰なのでずっと寝ていた。 ぐっすりとな」

 

ダンテ

「hu-m...」

(……この分だと、アイツに質に持って行かれたことにすら気付いてねぇな)

 

 

ダンテ

(…………)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……ok. なんでもねぇ、忘れてくれ」

 

ケルビ

「……我は、しばらくあの娘とその周りの者に付くぞ」

 

ダンテ

(……)

「ああ、頼むわ」

 

ケルビ

「うむ」

 

・・・・・・

 

―テテッ

ケルビ

「……」

 

吹雪

「あっ……ケルビっ……」

 

夕立・川内・那珂

「……」

 

ケルビ

「……フブキ、あのとき拾ってもらった礼がまだだったな。

 ありがとう」

 

吹雪

「……ううん、いいんだよ。

 私の方もいっぱい助けてもらったもん。 初めて会ったあのときから……。

 こちらこそ、ありがとね?」

 

ケルビ

「……」

 

夕立

「夕立たちもいっぱい助けてもらったっぽい! ありがとう、ケルビ!」

 

那珂

「えっと、ということはっ……」

 

川内

(……例の"悪魔の力"ってやつなのかな)

「やっぱり作戦中の"アレ"、キミだったんだ?

 ありがとう、本当に助かってたよ」

 

ケルビ

「……」フシュッ…

 

・・・・・・

 

夕立

「なんか少し大きくなったっぽいー」ダキ

_^・ェ・v ム…

つu u⊂

 

那珂

「……うーん、那珂ちゃん的にはまだちょっと信じがたいかなぁー……」

 

川内

「まぁでも他に説明付かないしさ。

 そもそも実際にもう見せてもらっちゃってるしね。

 いやぁしかし、こんなに小さいのにねぇ。

 あんな大きな氷を一瞬でなんて。 大したもんだよっ」ニヒヒッ

 

吹雪

(……)

「……ねぇケルビ、気になってたんだけど、

 目の方は大丈夫なの? ちゃんと見えてる?」

 

ケルビ

「ン……大丈夫だ、問題ない」

 

吹雪

「……そっか……よかった」フフッ…

 

ケルビ

「……」フシュ…

 

ワイワイ

 

 

陸奥

「……ふふっ。 まぁ、よかったじゃない?

 言葉を話したときは驚いたけど、多分皆こんな感じで受け入れてくれるでしょう。

 なんと言っても、お利口さんだしね」

 

ダンテ

「……ha. さて、行くか」スタスタ

 

陸奥

「ええ、そうね」コツコツ

 

 

 

 

 

吹雪

 

 <ARMS>

 

  三氷棍ケルベロス・二棍(Lv.2)

 

 

獲得しました。

 

 

 

吹雪

 

 <STYLE>

  

  ハウンドオーナー(Lv.2)    

 

 

習得しました。

 

 

 

 

 

工廠・開発室近く

 

 

ダンテ

「uh-, そういやユウバリはまだ戻ってなかったよな」

 

陸奥

「ええ、もうすぐで帰ってくるとは思うけど」

 

ダンテ

(俺もあいつに一報は入れてやれなかったからな……)

「まぁしょうがねぇ。 コンゴウとの約束もある。

 アカシに聞いてみるかな」

 

陸奥

(……)

「わかったわ」

 

 

――――――

開発室

 

 

明石

「先に帰投していた皆さんからいろいろ聞きました……。

 本当にありがとうございます、私たちの仲間を……」

 

ダンテ

「huh... ま、運がよかったってこともあるけどな」

 

明石

(……)

「ダンテさんもご無事でよかったです……。 "あの子"もお忘れでしたし……」

 

ダンテ

「あぁ、そういやそうだったな。 huh, だがまぁ特に必要もなかったぜ。

 ヤッコさんを直接叩くんなら、お前さんの作ってくれた銃弾の方がいいからな。

 いろいろあって相手は逃がしちまったんだが、あの弾はなかなかのモンだったぜ。

 やるな、アカシ」ニッ

 

明石

「っ…あ、いえ、不安もありましたけどそれならよかったですっ///

 と、というか、あれは妖精さんにも手伝ってもらって作ったわけでしてっ///」

 

ダンテ

「あぁ、そうだったな。

 そのヨウセイ=サンにもお前さんから言っておいてくれ」

 

明石

「は、はいっ! 皆、喜ぶと思いますっ」

 

陸奥

「……本題は?」

 

ダンテ

「おっと」

 

明石

「?」

 

・・・・・・

 

明石

「――あぁ、それだったら、もうほとんど出来てるとは言ってましたよ?」

 

ダンテ

「ほぅ」

 

陸奥

「あら、けっこう早かったのね」

 

明石

「ええ。だいぶ気合入ってましたからねー。

 明日にはもうお見せできるんじゃないですかね」

 

ダンテ

「ok. そんなら明日、また来るぜ。 伝えといてくれ」

 

明石

「了解ですっ」

 

・・・・・・

 

明石

「――つまり、新兵装開発の増進を本格的に行っていく、と……」

 

ダンテ

「そういうこった。

 さっきの話じゃねぇが、やっぱ運だけだと心許ねぇからな。

 詰められるとこは詰めとこうってわけさ」

 

明石

(……)

「なるほど……」

 

陸奥

(……)

 

ダンテ

「つってもまぁ、まだ具体的にどうなっていくかはわかんねぇけどな。

 とりあえず、ユウバリに頼んでたヤツが先駆けになる。

 これから、今日のパーティの景品がたくさん届くはずだ。

 保管しといてくれ。 それも明日見に来るぜ」

 

明石

「はぁ……景品、ですか?」

 

陸奥

「今回の作戦の戦利品。あの石のことよ」

 

明石

「あぁ。

 ……そういえば前に仰っていたような特別な石は今回あったんですか?

 大きさから違うんでしたっけ?」

 

ダンテ

「そうだな、見た感じだとけっこうあったな」

 

明石

「おぉっ!」

 

陸奥

「さっき、夕立が持っていた物がそうだったのよね。 もう無くなっちゃったけど」

 

明石

「へっ?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「俺が直接持って帰ってきたのはコレだけだ。石じゃねぇが」シャキンッ

 

【炎風魔双剣 アグニ&ルドラ】

 

明石

「うわわっ!」

 

陸奥

「どこに持ってたのよ、それ……」

 

ダンテ

「haha, 秘密だ」

 

・・・・・・

 

明石

「これも艤装として作り出した方がいいんですか?」

 

ダンテ

「……いや、コイツの場合、そのギソウに組み込むのが無理だろうからな……。

 だからそのまま渡す。

 ……そうだな、手元が喧しくても気にしない娘っ子はいねぇか?」ha

 

明石

「?」

 

陸奥

(……)

 

 

 

 

 

 

 




コンニャクを食べる前、Lv.1以前のケルビがどのようにして
日本語を理解していたのかについてですが、言語をそのまま理解していたというよりは
その人の言葉に伴った意思的な物を感じ取って、その都度応答していた、
そんな感じに考えてもらえればと思います。

まぁ、ケルビは犬っぽい何かなんでしょうし、そういうこともあるのでしょう……(笑


今回、ケルビにコンニャクが必要だったのは、ケルビからの発言(英語)を
相手(艦娘達)が理解出来るようにするためにですね。
ダンテの判断、というか機転でしょうか。


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MISSION 3-6

『日の神、月の神の示』の予言は見聞きした全員に"届いてはならない"とされている。
少なくとも、5つ目以上の魂に向けられて、その内容は記されている。

これは古今東西において、同様のことである。
古くは預言者から、現代に続く予言者、予測者にまでかけて、伝統的に固く守られてきた絶対のルールなのである。

これは、人が皆、病気や怪我を治療出来る医者であってはならないことや、機械の製造・修理が出来る技術者ではあってはならないこと、また飛行機の操縦が出来るパイロットであってはならないことと全くの同義である。

その理屈は単純で、世の中が成立しなくなってしまうからだ。
また本来、補完し合う生命である人間の、本質の否定にも繋がってしまうからだ。

知っている者、知らぬ者。
理解できる者、理解できない者。
技術のある者、技術のない者。
力強い者、力の弱き者。

全てが役割として一定数が定められており、双方は双方にとって、必ず必要な存在なのである。

常に、存在と対存在は同時に存在する。
そして、半永久的に存在し続ける。
片方がないとき、それはもう片方もないのだ。

真理を理解し得る者と真理を理解し得ない者。
それらもまた例外ではない。
※ここまでが自然科学・物理学、そして3次元以下の知的生命体の認識・概念の限界。以降より、より高次元の視点を記す。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


存在と言えば、対存在とで、二元論的に捉えられることが常である。
作用・反作用、などなど。

しかし、本当の真理の実態、高次元的解釈に立つと、三元論が本来であるとやがては気付くだろう。
人間の目は二つあるように見えているが、実は三つあるし、DNAは二重螺旋構造とよく知られているが、本当は三本線の構成からなる。アスクレピオスの杖も象徴としては分かりやすい。
他にも、肉体年齢や精神年齢は誰しもが耳にしたことがある年齢基準ではあろうが、実はもう一つ、年齢基準は実在し、それは魂の年齢という。

このような本来の実態は、政治面でも実は実在し、よく隠されている。ヒトラーなどはこの実態には早くに気付いていた。
ある二極による対立を煽り、成立させ、三つ目の存在を隠す、といったテクニックを彼はよく用いた。
政治関連で、二極対立がよく目立つが(右翼左翼などなど)、実際には常に必ず、隠された三つ目の存在が実在する。

しかし、多くの人がこの三つ目の存在に気付くことは、生涯においてほとんどない。
その現実の実態を知り、利用する者、そして、この三つ目の存在をよく制御する者もまたいる。

また、第三の存在に気付くことができる意識や視点を、
神の視点・超越(者)視点・4次元視点と呼称する。

4になったからこそ、3に気付くことができるようになる。
3のままでは、2までしか気付けない。
例えば、左や右、二つに分かれているように見えるものでも、必ず、二つではなく、三つ目が存在する。この三つ目は、一つ目と二つ目とは90度位相がズレた次元に存在する。そして、それら三つを観測する自分(四つ目)もまた、ただの観測者である場合には、その三つとは関わりがない・交わらないので、90度位相がズレた次元に存在すると言える。つまり、これが4次元視点である。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


原則として、厄巡りの輪の中の魂が、現時より先の天律を明確に知ることは許されない。
ずる、タブーとなる。現世上の修行に関わるため。
もし、知ってしまった場合はその分の調律を、主に肉体が受けることになる。


中庭

 

 

金剛

「準備完了デース!」ストンッ♪ ←座る

 

榛名

「うふふ、金剛お姉さまったら」フフフ

 

霧島

「時刻は丁度1600時。

 当初の作戦予定とは違ってしまいましたが、もうその一仕事も終えてしまい、

 今からは夕食の前に、軽い食事と紅茶を楽しむアフタヌーン・ティータイム。

 なんとも優雅。 流石は我ら金剛型四姉妹、と言ったところですねぇ」クイッ

 

金剛

「イエース!

 結果としては、艤装をダメにしてしまいましたが、

 事情を話せば明石たちもわかってくれるはずデース!

 ……めいびぃ……」

 

比叡

「だ、大丈夫ですよっ!きっと!

 先ほど長門代理に報告したように説明すればっ!

 艤装は犠牲になりましたけど、そのおかげで私たち全員は無傷なんですからっ」

 

霧島

「私もそう思いますよ、金剛お姉さま。

 そもそも、今回の作戦で会敵した相手は、本当に未知の存在でした。

 あの様子では、相手はまだまだ手札なり、

 特殊な技なりを隠し持っていたことでしょう。

 戦闘が長引けば、どのような展開になっていたことか……」

 

榛名

(……)

 

霧島

「金剛お姉さまの迅速かつご英断、そしてご覚悟あってこそ、

 私たち姉妹は特に人的負傷することもなく、

 あの戦闘を早期に決着させることができたのです。

 本当に、お見事でした」

 

金剛

「……エヘヘ//

 でも、やっぱり皆で頑張ったカラネー!

 三人とも見事にあの一回で決めてくれましたしネっ!」

 

比叡

「お姉さまっ……ふふふっ、そうですね!」

 

榛名

「ふふ…」

(……)

 

・・・・・・

 

霧島

「いやはや、しかし本当に先の"あれ"はおみそれいたしましたっ。

 いつの間にあのような離れ業を……?」

 

金剛

「ンー……あのときは本当に無我夢中だったので、

 何ともって感じなんデスガ……。

 ……そうですネ、言ってみれバ、ダンテのおかげなのかもしれマセン」

 

比叡

「へぇ…」

 

霧島

「…ふむ」

 

・・・・・・

 

霧島

「――そんなことが……」

 

金剛

「ハイっ」

 

比叡

「ひぇ~……」

 

霧島

「…ふふ、そういうことでしたら、今回の話をしたら、

 驚かれるのと同時に、大層お褒めいただけるかもしれませんね」フフッ

 

金剛

「ソ、ソウでしょうカっ!?」

 

霧島

「ええ」

 

金剛

「……フヘヘ~っ///

 あっ、霧島! ダンテには私から話しますカラ!」

 

霧島

「勿論、心得ていますよ、お姉さま」

 

金剛

「ンフフッ! ……遅いデスネ……」

 

比叡

「……お姉さま、実際にはまだそんなに時間は経ってないですよ……。

 準備も終わったばかりじゃないですか……」

 

金剛

「デ、デスヨネっ……」ソワソワ…

 

霧島

「……」

 

 

霧島

(……)

「どの道、案内は必要だとも思いますし……」

 

金剛

「!」ガタッ!

 

比叡

「……うーん、代理補佐艦が御付きだったから、わかるとは思うんだけど……」

 

金剛

「っ……」ストン…

 

 

*晴れの日に金剛型四姉妹が中庭でよくティータイムをしていることは

当鎮守府ではけっこう有名。

 

 

霧島

(……)

「前回、私たち姉妹全員を含めて

 間宮さんのお店に行ったときと同様に、補佐艦もこのお茶会に

 ご一緒なさるという可能性もあるのでは…?」ボソボソ…

 

比叡

「あぁー……どうなんだろ……」ボソボソ…

 

金剛

「……」イジイジ…

 

榛名

「あ、金剛お姉さま。 お袖がティーテーブルの上に…」

 

金剛

「アっ……ソーリーデス……」

 

榛名

「いえ…」

 

チラ…

比叡

(……)

「やっぱり、案内は必要ですね」

 

金剛

「そ、そうですよネ! では私が! ……あっ」

 

比叡

「……お姉さま?」

 

金剛

「……待っていろと言われたのに、

 さっきの今で、落ち着きがないとか……その……子供、というか……

 ……そういう風に思われたりしないでショウカ……?」

 

比叡

「……え?」

 

霧島

「……」

 

金剛

「……正直なところを言ってしまエヴァ、

 私は陸奥みたいに落ち着きがある方ではないとは自覚していマスシ……

 ダンテ的にはやっぱり、

 そういう感じの方が好みだったりするんでショウカ……」人 フニフニ…

 

比叡

「っ…!!」

 

霧島

(……)

 

榛名

(……こんなに弱気なお姉さま、初めて見るかもしれません……)

 

霧島

(……代理補佐官も素が出てしまうと

 案外そうでもなかったようにも記憶していますが……)

 

・・・・・・

 

比叡

(――何が正解なのか、私にはわからないけど……

 私がお姉さまのためにしてあげられること…お姉さまの笑顔のために……)

「……私が行きます、お姉さま。

 すぐにお連れして来ますので、しばしお待ちを」

 

金剛

「比叡っ………ありがとうデスっ…」

 

比叡

「ふふっ、比叡にお任せを!」ニコッ

 

タタタタッ

 

 

金剛

「……」…イジ…

 

霧島

「比叡お姉さまなら、本当にすぐにお連れして来てくれますよ。

 カップなど、もう出しておきましょう」

(比叡お姉さま、頼みますよ……!)

 

金剛

「そ、そうデスネっ!」

 

榛名

「……」

 

霧島

「……榛名?」

 

榛名

「……え? ……あっ……は、はい! 榛名は大丈夫ですっ!」

 

霧島

(……)

 

 

――――――

工廠、明石とは別れて

 

 

陸奥

「――で、結局、誰に渡すのかは保留になったわけだけど……。

 どういう事? その剣、扱いが難しいとか?」コツコツ

 

ダンテ

「いや、そうでもねぇな。 わりといいモンだ。

 ただ扱うってだけならな……」スタスタ

 

陸奥

「?」コツコツ

 

・・・・・・

 

陸奥

「……今日はもういいの?」

 

ダンテ

「hm..

 ……そうだな。 まずはユウバリに任せてあるヤツがどうなるのか、

 まだ俺にもわからねぇからな。

 石の回収も今日はまだかかるんだろ?」

 

陸奥

「ええ、そうだと思うわ」

 

ダンテ

「コンゴウのとこにも顔出さないといけねぇし、こんくらいか」

 

陸奥

「……わかった。 じゃあもう行くのね」

 

ダンテ

「……あー、あと一つあったな」スタスタ

 

陸奥

「え? ……あ、ちょっとっ」コツコツ

 

 

――――――

工廠・人気のない所(積載コンテナの裏)

 

 

ダンテ

「……ここでいいか」…ピタ

 

陸奥

「……っ」

(なんか人気のないところに来たんだけど……!)

 

・・・・・・

 

陸奥

「こ、こんなところで何するのよっ……?」

 

ダンテ

「すぐに済ませる。 俺としても終わったらとっとと戻したいんでな」

 

陸奥

「……え?」

 

ダンテ

「あぁそうだ、ムツ」

 

陸奥

「な、なに……?」

 

ダンテ

「あんまり声は上げるなよ?」

 

陸奥

「…………えっ」

 

・・・・・・

 

陸奥

「あっ、え、ちょっ、ちょっと待って!」

 

ダンテ

「アン?」

 

陸奥

「何するつもりなのか教えてよっ!」

 

ダンテ

「……悪いが、説明が面倒くせぇ。 やったほうが早い」

(つか、どう説明すりゃいいのかって感じだしな)

 

陸奥

「ヤっ!?////」

(ヤるって何をよ!?////)

 

ダンテ

「終わった後は……まぁ、お前がうまくまとめて、報告しておいてくれ」

 

陸奥

「はっ!?」

(何それ!?どんなプレイ!?)

 

ダンテ

「そんじゃ行くz」

 

陸奥

「やっ……ま、待って! だから待ってってばっ!」アタフタッ

 

ダンテ

「…なんだよ……」

 

陸奥

「わ、私っ……こ、こういう事って実は初めてなんだけどっ……!////」フルフルッ…

 

ダンテ

「……あ? ……普通に考えてそうだと思うんだが……」

 

陸奥

「」

 

・・・・・・

 

陸奥

「……くっ!////

 じゃあ、わかるでしょ! わざわざ言わなくてもっ!

 初めてはやっぱり、普通にっていうかっ……

 こんなところじゃなくて、例えば……あなたの部屋で、とかっ……///

 ……っ! っていうかあなたこの後金剛たちと」

 

ダンテ

(……)

「……その約束もあるから、

 すまねぇがもう始めちまうぞ」ジャキンッ ←双剣アグルド

 

陸奥

「…………。

 えっ いきなりアブノーマルすぎない……?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」ビリリッ…

 

―コツンッ …パァー

 

 

双剣アグルドを握るダンテとその双剣から、謎の赤い光のエネルギーが発せられた。

その後、ダンテは双剣の柄の先(柄頭)にある"玉"を叩き合わせる。

すると、

 

 

―シューン…

 

アグニ

『……む?』←英語

 

ルドラ

『これまた見慣れぬ所じゃな』←英語

 

陸奥

「」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」

 

つ□ グイッ ←余分に持って来ていたこんにゃく

 

アグニ

『むぐっ。おい、ダンテよ、何をすr』モグ

 

ルドラ

『ふむ、不思議な歯ごたえじゃな』モグモグ

 

陸奥

「……」

(剣の握りの先にある玉? みたいな所にあのこんにゃくを押し込んでる……。

 何この光景……。 ていうかあれ、間違いなくしゃべってるわよね……?)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――ま、こういうこった」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……どうした?」

 

陸奥

「…別にっ」

 

ダンテ

(……)

「huh.. 案外、驚かなかったな」

 

陸奥

「……もう慣れたわ…」

 

ダンテ

「そうかい」hahaha

 

アグニ

「……ふむ。 見た所、人間界で間違いはないようだが」

 

ルドラ

「おい、ダンテよ。 先の食い物はもうないのか?」

 

ダンテ

「……次、食うのは10日後だ」

 

ルドラ

「なんとっ……無念なり……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――さて、お前らをわざわざ起こしたのにはワケがある。

 話を聞かせてもらうぞ」…スッ

 

カタンッx2 ←双剣アグルドをコンテナに立て掛けた

 

 

アグニ

「む、ダンテが我らに話しとな」

 

ルドラ

「珍しいこともあるものじゃ」

 

 

陸奥

「……」

 

・・・・・・

 

アグニ

「――覚えていることだと?」

 

ルドラ

「奇妙なことを聞く」

 

 

ダンテ

「……いいから話せよ」

 

 

アグニ

「ふむ。 汝に質屋のエンツォの所に売られてからは寝ていることが多くてな」

 

ルドラ

「あの男が倉庫に来るときにはよく話をしたものじゃ」

 

アグニ

「最近では倉庫に来ることも少なくなってしまったがな……」

 

ルドラ

「……世知辛い……」

 

 

ダンテ

(エンツォも気の毒にな……。まぁ俺が言えた義理じゃねぇが)

「そうじゃなくて、最後の記憶で何か変わった事はなかったってことだ」

 

 

アグニ

「…ふむ、最後の記憶で」

 

ルドラ

「変わった事か」

 

アグニ

「となればアレか、弟よ」

 

ルドラ

「アレじゃろうな、兄者よ」

 

 

ダンテ

「……ハァ。 なんだ、そのアレってのは」

 

陸奥

「……」

(なんだか、少し面倒そうな人(?)たちなのね……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……見慣れねぇ奇妙な所か……」

 

 

アグニ

「薄暗い所であった」

 

ルドラ

「しかり」

 

 

陸奥

「……ねぇ、まさかとは思うんだけど、そこって――」

 

 

アグニ

「…む、女子<おなご>か」

 

ルドラ

「先ほどから、後ろにちょろちょろ見えておったな」

 

 

陸奥

「あっ、ごめんなさい……。 こ、こんにちは…?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――じゃあ、ヤッコさんの基地ってことか?」

 

陸奥

「話を聞く限り、だけどね」

 

ダンテ

「へぇ。 どういう流れでそうなったのかは知らねぇが、でかしたじゃねぇか。

 そこで何があったんだ?」

 

 

アグニ

「ふむ、そうだな。

 目が覚めるとすぐに目の前に、妙な奴が現れた」

 

 

ダンテ

「妙な奴?」

 

 

ルドラ

「しかり。 実に妙な奴じゃ」

 

 

ダンテ

(……)

「どういう奴なんだ?」

 

 

アグニ

「わからん」

 

ルドラ

「わからんな」

 

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……」

 

・・・・・・

 

アグニ

「全身を白い外套で包み隠していてな」

 

ルドラ

「顔も見えん」

 

 

ダンテ

(要は何もわからねぇってことだな……)

「他には? 何かねぇのか」

 

 

アグニ

「その後で覚えていることは何もないな」

 

ルドラ

「目が覚めたらここじゃった」

 

 

ダンテ

(……普通に考えりゃ、目が覚めてすぐその妙な奴に何かされたってことだろうな)

「……」

 

陸奥

(……)

 

 

――――――

開発室

 

 

明石

「――え? たしかにこちらにも来られましたけど、

 お二人でしたらもう行ってしまわれましたよ?

 すれ違いませんでした?」

 

比叡

「えっ。

 うーん……じゃあ、入れ違ったのかなぁ……。 ありがとっ」タタタッ

 

明石

「いえ……」

(?)

 

 

――――――

 

 

比叡

「まずいな……早く見つけないとっ……」

(お姉さまとの約束が……。

 ……悔しいけど、今、お姉さまをすぐにでも笑顔にできるのはっ……)タタタッ

 

 

 

 

ダンテ

「――ok. もういいぞ。ご苦労さん。

 後はその口を閉じて大人しくしてな」スッ…

 

 

アグニ

「それは受け入れかねる」

 

ルドラ

「受け入れかねるな」

 

 

ダンテ

「……なんだと?」

 

陸奥

「……?」

 

 

アグニ

「最近、我らの扱いが軽いとは思わんか、弟よ」

 

ルドラ

「うむ、軽んじられておる」

 

アグニ

「そろそろダンテの奴に目にものを見せてやるべきか」

 

ルドラ

「うむ、べきじゃな」

 

 

ダンテ

「……本人目の前にして言ってくれるじゃねぇか。 いい度胸してるぜ」

 

陸奥

「ちょ、ちょっとっ……」

 

 

 

 

比叡

(みんなもう帰っちゃってるから聞くこともできないし……)

「……やっぱりもう工廠にはいないのかな……」タタタ…

 

 

 

――ッ

 

 

 

比叡

「……ん?」ピタッ…

 

 

――――――

工廠・人気のない所(積載コンテナの)

 

 

比叡

(コンテナの裏から何か声が……)

「……」ソロー…

 

 

 

アグニ

「我らはもっと重んじられるべきだ」←しゃべる剣

 

ルドラ

「うむ、べきじゃな」←しゃべる剣

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……」

 

 

 

比叡

「……」

(えぇー!何あれー!?どういう状況っ!?)ガビーン

 

・・・・・・

 

ダンテ

「tut...」

 

陸奥

「……ねぇ、どうするの……?」ボソ…

 

ダンテ

「……さぁてね。

 こうなるとまた長くてな……。 俺もどうしようか考えてるところだ」

 

陸奥

「そ、そっか……」

 

 

比叡

「あのー……」コソ…

 

 

陸奥

「……あら……」

 

ダンテ

(……)

「騒ぎすぎたな……」huh..

 

 

アグニ

「む、またも女子か」

 

ルドラ

「増えたの」

 

 

比叡

「あっ…えっとっ……ど、どうもですっ!」

(やっぱり気のせいとかじゃなかった……。 剣がしゃべってる……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――――」

 

アグルド

「――――」

 

 

陸奥

「……」

 

比叡

「……あの、これいったいどういう状況なんですか……?」

 

陸奥

「ええ、それが……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「――だから、そんな感じでずっと平行線なのよ……」

 

比叡

「へぇ……」

 

 

ダンテ

「hmm... わーった。 そんなら次のパーティには必ず参加させてやる。

 だから、それまでh」

 

アグニ

「それは何時になるのか?」

 

ルドラ

「その次とやらまでまた長く待たされるのではないか?」

 

ダンテ

「……安心しな。

 何しろ"ここ"は戦争の真っ只中だからな」

 

アグニ

「ほぅ。 しかし、とてもそうには見えんがな」

 

ルドラ

「うむ、見えんな。 今もここには女子供がいるではないか」

 

ダンテ

「……」

(メンドクセェ……)

 

 

陸奥・比叡

「……」

 

・・・・・・

 

比叡

(子供って私のことかな……)

「……あの……これ、いつ終わるんでしょうか?」

 

陸奥

「……あの人が言うにはまだかかるそうだけど……」

 

比叡

「えぇ……それはちょっと、困ってしまうといいますか……」

 

陸奥

(……)

「そうよね……」

 

 

ダンテ

「――まぁとにかく、次がいつになるのかまでは言えねぇが、

 そんときが来たらちゃんと使ってやるから、

 それまでは黙って大人しくしてるこったな」

 

アグニ

「…それまでが退屈なのだがな」

 

ルドラ

「もう辛抱ならんぞ、ダンテよ」

 

ダンテ

「……あ?」

 

アグニ

「兄弟で語らうことすら許されぬというのか」

 

ルドラ

「それくらいは大目に見てくれてもよいではないか」

 

アグニ

「この人間界、他にどうやって暇を潰せというのだ」

 

ルドラ

「そうじゃそうじゃ」

 

ダンテ

(……)

 

 

比叡

(……え?)

 

・・・・・・

 

ダンテ

(このチンジュフでお前らがいつもの調子で喋り出そうもんなら、

 "余計なこと"までベラベラ口にしそうだからな……)

「humm...」ポリポリ…

 

比叡

「……あの…」

 

ダンテ

「ん」

 

アグルド

「む?」

 

陸奥

「どうしたの?比叡」

 

比叡

「えっと……事情はよくわかりませんけど、

 その……お二人(?)はご兄弟なんですか?」

 

アグニ

「我らのことか?」

 

比叡

「ええ…」

 

アグニ

「うむ、その通りだ」

 

ルドラ

「しかり」

 

アグニ

「我が兄である」

 

ルドラ

「我が弟じゃ」

 

比叡

「へぇ…」

 

ダンテ

(……)

「何が言いてぇんだ?ヒエイ」

 

比叡

「あ、ええ……その、何と言えばいいのか……」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……」

 

比叡

「……えっと、私たちの話になっちゃうんですけど……。

 ……私たち艦娘は昔、

 かつての大戦期に実在していた艦船であったということは……?」

 

ダンテ

(レディが言ってた話だな)

「あぁ、ムツからも少しは聞いてるぜ」

 

陸奥

「……」

 

比叡

「……昔は、全身が鉄と鋼材で出来た、燃料で動くただの艦船でした。

 私達の中にいる人達を、ただ眺めているくらいなら出来ましたけど……。

 中にいる人達みたいに、話し合ったり、一緒に食事したり、触れ合ったり……

 そういったことは出来ませんでした……」

 

 

「「……」」

 

 

比叡

「今の私達は、そのときの記憶と魂をこの身に宿し、存在しています。

 敵の深海棲艦が登場して、それに対するかのようにして生まれた私達ですけど……」

 

アグルド

「……」

 

ダンテ

(……)

 

比叡

「今は戦時下で、私達には深海棲艦と戦うという使命がありますけど、

 ……私は、今をとても幸せに感じています。

 毎日、姉妹でずっと一緒に居られて、話が出来て、

 楽しい食事もお茶会もいっぱい出来て、触れ合うこともできて……。

 昔は会うことすらできなかった多くの仲間とも、

 ……今はこうして、家族みたいにしていられますっ……」

 

アグルド

「……」

 

陸奥

(比叡……)

 

比叡

「昔はできなかったことが、今艦娘になってから、たくさん出来るようになって、

 それがすごく……うれしくて、楽しくて……」

 

ダンテ

「……」

 

比叡

「……あ、あれ?

 えーっと、だからその、えっと、あれ……

 何が言いたかったんだろ私っ……あははっ///

 ……んと………あっ だ、だからそちらの方々(?)もご兄弟なんですし、

 お互いで話し合ったり、いろいろとしてみたいって思うことがあるのは

 仕方のないことなんじゃないかなぁーと思ったり……」

 

陸奥

「……っ」

 

ダンテ

(……)

「huh...」

 

比叡

「……あ、あのっ…」

 

アグルド

(……)

 

 

アグニ

「そこな娘よ、名は何と言う?」

 

比叡

「えっ、私ですか?」

 

ルドラ

「そうじゃ。汝じゃ」

 

ダンテ

(……)

 

陸奥

「…?」

 

比叡

「比叡と申しますけど…」

 

アグニ

「……ふむ。 ヒエイよ、汝はなかなか話せるヤツだな」

 

ルドラ

「うむ。 気に入ったぞ」

 

比叡

「……へ?」

 

陸奥

(あら……)

 

ダンテ

「…hmm」

 

・・・・・・

 

アグニ

「決めたぞ、ダンテよ。 我らはこの者と供に行くぞ」

 

ルドラ

「異論はあるまい?

 そもそも我らは、すでに汝に売られているのじゃからな」

 

比叡

「……え………えっ?」

 

ダンテ

(……)

「ヒエイ次第だろ、そりゃ。

 どうだ?ヒエイ」

 

比叡

「………えぇーっ!?」

 

・・・・・・

 

陸奥

「……よかったの?」

 

ダンテ

「……まぁ、問題なのはただうるさいってことくらいだからな。

 それさえ除けば、けっこう頼りにはなるヤツらだ。

 アイツらに気に入られて、そこそこ振り回せるなら誰もいい。

 ……あとは、余計なことは言わねぇように口止めしとくくらいか」

 

陸奥

「…ふーん。

 じゃ、まとめるけど」サッ ←メモ

 

ダンテ

「頼む」スッ…

 

陸奥

「は~い」

 

・・・・・・

 

比叡

「あのっ、どうかこの後のお茶会のときだけ

 お静かにしていただければっ……。

 その後、改めて私の姉妹にもご紹介いたしますので!」

 

アグルド

「ふむ、まぁ仕方あるまいか」

 

ルドラ

「しばしの辛抱ということじゃな」

 

アグニ

「良かろう」

 

ルドラ

「汝がそれを望むなら」

 

比叡

「あっ、ありがとうございます!」

 

 

ダンテ

「ヘイ、お前ら。

 俺からも一言だけ言っとくぞ。 "余計なこと"だけは言うなよ?」

 

アグニ

「フッ、杞憂だ」

 

ルドラ

「我らを信用しろ」

 

ダンテ

(……)

「huh...」

 

 

陸奥

(……えーと……しゃべる剣は比叡が………って、あら……?)

 

・・・・・・

 

比叡

「ところで、あの……

 こちらの方々は、えっと……どのようにお持ちすれば……?

 さすがにむき出しというのは……」

 

ダンテ

「あぁ、そうだったな。

 ……ok, 握りの先に付いてる玉の部分を持っときな」

 

比叡

「え……あ、はいっ。

 で、では失礼しますねっ」スッ…

 

アグニ

「うむ」

 

ルドラ

「苦しゅうない」

 

比叡

「……こう、ですか?」つ‡つ‡ サッ

 

ダンテ

「ああ、それでいい。 おい、お前ら」

 

アグニ

「うむ」

 

ルドラ

「しかり」

 

―パァ

 

比叡

「わわっ!」ヒエー!

 

・・・・・・

 

比叡

「っ…………あっ」つoつo

 

ダンテ

「それなら楽に持てるだろ。

 ……だがまぁ、そのナリでもうるさいのは相変わらずだからな。

 そこだけは諦めてくれ」huh..

 

アグニ

「ふむ。 清々しい気分だ」

 

ルドラ

「しかり。 我らは自由なり」

 

比叡

「あははは……」

 

 

ジー…

陸奥

(……今度はしゃべる二つの玉に……)

「……これ本当にもう、どう書けばいいのよ……」

 

 

――――――

入渠場

 

チャプン…

 

如月

「……」スー…

 

睦月

(如月ちゃん……)ギュ…

 

 

――――――

三水戦の部屋・吹雪たちの方

 

 

「うわー……すごー……! 本当に氷出てきたっ……」ツンツン…

「ケルビもひんやりしてて気持ちいいっぽい~」ダキー

「……フシュ」

 

 

吹雪

「……」

 

 

―ガチャ

 

川内

「……」ス…

 

 

吹雪

「あっ、川内さん……。

 ……どうでした?」

 

川内

「うん……。

 利根さんが言うには今日一日か、

 もしかしたら明日までかかるかもしれない、って……」

 

吹雪

「そ、そんなにっ……」

 

川内

「……元々、轟沈しててもおかしくなかったくらいの状態だから……」

 

吹雪

「……」

 

川内

「……でもま、経過を見るに時間さえかければ大丈夫だろうってさ。

 ゆっくり直せばいいって」

 

吹雪

「そう、ですか……。 よかったっ……」ホッ…

 

川内

「……うん、そうだね」フフッ…

 

・・・・・・

 

川内

「――そ、それでさ、吹雪」ソワソワッ

 

吹雪

「はい?」

 

川内

「今日の夜戦のことなんだけどさっ」

 

吹雪

「……へ? 夜戦?」

(あれ? お説教じゃ……)

 

川内

「うん!夜戦っ!」

 

吹雪

「」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「――では、このまま……?」

 

長門

「…ああ、酷なようだが轟沈級のダメージを被った艦の修復経過、

 どのようになるのか、見ておきたい……」

 

大淀

「……利根さんの話では、

 遅々としてではありますが、回復してきているようです」

 

長門

(……)

「そうか……。

 利根には引き続き、定期で経過を診て、報告するよう頼んでくれ」

 

大淀

「了解です」

 

長門

「……容態が急変したり、何か様子がおかしいようなら

 もう構わずすぐに使ってくれ」

 

大淀

「勿論です。 準備は既に万全ですよ」

 

長門

「……すまんな……」

 

大淀

「いえ」ニコ

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 3-7

「わたしは彼らを、わたしの聖なる山に連れて行き、わたしの祈りの家で彼らを楽しませる。彼らの全焼のいけにえやその他のいけにえは、わたしの祭壇の上で受け入れられる。わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれるからだ」
(イザヤ書第五十六章第七節)

「わたしの名をもって、となえられるこの家が、あなたがたの目には盗賊の巣と見えるのか。わたし自身、そう見たと主は言われる」
(エレミヤ書第七章第十一節)

「それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いをしていた人々を皆追い出し、両替人の台や鳩を売る者の腰掛けを倒された。そして言われた。
"こう書いてある。
『わたしの家は、祈りの家と呼ばれるべきである。』
ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にしている。"」
(マルコによる福音書第十一章第十二~十三節)

かつての救世主に言わせれば、商売も強盗も変わらない。
考えてみれば、それも不思議なことではない。
本来、"神の庭"さえあれば、ヒトは盗みはおろか、商売をする必要もないのだから。


『この道(おしへ)は宗教(をしへ)ではないぞ、教会ではないぞ、
 道ざから、今までの様な教会作らせんぞ。
 道とは臣民に神が満ちることぞ、神の国の中に神がみちみつることぞ。
 金儲けさせんぞ、欲すてて下されよ。』
(日月神示 下一)

ここに示すは、"道"であり、"宗教"にあらず。
"教会"などはなく、"教義"ではないし"戒律"でもない。
本来、それらは必要すらもない。
この地上と宇宙こそが、神と神の寺院の具象であるため、そこに新たに壮大な寺院を建てる必要も、本来はないのだ。
万物に神在り、神は万物である。
天も地も人も運も空も色も物も事も神の肉体。
神にとって、神の肉体は、神の意のままである。
天、空、地、海、人。太陽も月も天候も地震も津波も台風も、人間の不治の病でさえ。
人が神を想い、"道"に在れば、その人の心と体にも神は現れる。
人が扱う、強い言葉も神(世界)には届くので、言葉の扱いにも十分に注意されたし。

『慾出さず、素直に今の仕事致して居りて呉れよ、その上で神の御用して呉れよ。
 役員と申しても、それで食ふたり飲んだり暮らしてはならん、
 それぞれに臣民としての役目あるぞ、
 役員づらしたら、その日から代りの身魂(もの)出すぞ、鼻ポキンと折れるぞ、
 神で食うて行くことならんから、くれぐれも気をつけて置くぞ。』
(日月神示 下二)

宗教やその教えで金儲けをするな、ということの意。
お互いを支え合う一般的な社会生活の中で、金を巡らせよ、
お互いのためになるような金の巡りを流れさせよ、の意。
金は集め留めるものではなく、散らせて滞りなく流れさせるべきものである。
こうすることで金自体と金を取り巻いた~ 記述追加予定
なぜホピ族は金銭を必要としない、質素な生活をし続けるているのか考えよ。貨幣制度は誤りであり、質素に尽くすことこそ、神(万物)との合一であると知っているからである。貨幣は神が生み出したものではなく、大元は火星人(レプティリアン)が自分たちの都合のために持ち込んだものである。そして、それらを大いに操作利用するために、貨幣制度は構築された。

弱き者よ、その弱さ故に、驕れる者は驕れる者となり、
卑しき者は卑しき者となってしまうだろうから、重々気をつけよ。
精神的超人たれ。孤高たれ、高潔たれ。

『教会作るでないぞ、信者作るでないぞ、無理に引張るでないぞ。』
(日月神示 下四)

驚くなかれ。今ある教会、信者を持つ団体、無理に引っ張る存在、全て偽物である。
個を持て。自分を持て。
一切衆生、一切万物を疑え。他を疑え、己すらも疑え。
すべてを疑い、全力を以って調べ、自分自身で考えよ。
すべての真偽と価値を、自分自身で見定めよ。
それらがすべて終わった後、一切衆生、一切万物を信ぜよ。他を信ぜよ、己を信ぜよ。
これは1秒毎にでも繰り返されたし。

※なぜ偽物とするか。また見分け方は何か。
 その宗教や信仰が生まれた根本、その宗教・信仰の対象の神の根底を見れば瞭然となる。
 何を礎として、その宗教・信仰はなったか。大きくなるのには何を養分としたか。
 人や人の資産を養分として肥える宗教であるならば、
 神が人を愛していて、恵んでくださり、慈しみ育んでくださるという、
 そもそもの大前提から矛盾していることがわかるはず。
 誠においては、子は親に求めるが、親が子に求めることは本来ない。

※"真なる教え"は名を持たず、象徴にもならず、教祖を持たず、経典も持たず、規則も持たず、
 戒律もなく、信者を持たず、人を持たず、金も持たず、祭壇も寺院も持たない。
 真なる教えとは、人にとって、生において、真に必要なもののことである。
 すなわち、日々を生き抜くのに必要な純粋な生活の知恵である。
 人の、極々身近にあるもの、そのものである。
 決して、遠くにあるもののことではない。

 それは、"教え"であり、"宗教"にあらず。もっと言えば、道である。
 シンなる道。
 すなわち、それは言わば"生活様式"や"信条"である。
 特に、日本人においては、一人一人の精神の内に自然と在るものであるため、
 神の声を伝えるといった伝導者は存在せず、教典も経典もない。

 正しさが定められることもない。そのため、間違いや間違うということもない。
 それにはただ、好ましさだけがある。

 そして、祈りとうたと祝いと。

※今から千年もすれば、今ある宗教と名の付くものは例外なく全て消滅する。
 厳密には、各宗教における、間違っている部分は排斥され、正しい部分だけが抽出されて、
 一つの"教え"というものに統合される。
 その時代においては、これを宗教と呼ぶ者は誰一人としていない。
 これはただただ、本当に"教え"とだけ言われる。
 この"教え"の中にはこれまでの宗教にあったような、
 人の精神や観念、考え方に押し付けて迫るような内容のものは一つもない。
 ただ本当に"教え"だけが存在する。
 それは具体的には、食べ物を食べるときには47回噛んでから飲み込みなさいとか、
 肉食は本来は推奨されないものの、もしどうしても食べる際には
 先に野菜を食べてから肉を食べること、そして肉を食べ終わった後には
 また野菜を食べて胃の中でサンドすること、
 肉を食べた日はいつも以上に多くの野菜を食べることを心がけるように、
 困っている人がいたら惜しまず助けてあげなさい、
 などといったような、人が生きる上で必要な知識や知恵、
 約束事だけが示されている。

※厳密に言えば、律なるものもあるにはあるが、これらは終始、強制ではなく、
 懇願に留まっている。内容は、
 たとえ、周りがどうあったとしても、心だけはどうか晴れやかであってほしいとか、
 他者とは慈愛の心を以って接し、他者に尽くすことを出来るだけ心がけてほしいとか、
 そういった、無理の少ないものだけがある。

『この神示(ふで)読んでうれしかったら、人に知らしてやれよ、
 しかし無理には引張って呉れるなよ。
 この神は信者集めて喜ぶやうな神でないぞ、
 世界中の民みな信者ぞ、それで教会のやうなことするなと申すのぞ』
(日月神示 下七)

あなたが愛してやまぬ者たちに同じく示されよ。
すべてはあなたの真心によってのみ、果たされよ。

※真理や真実が示される書や文言、預言書・予言書がいつも曖昧に示される所以が実はこれである。実は、全員が見聞きしてはいけないし(その人の一生の中で、そのような(真理に触れる)機会があってはいけない)、全員が理解できてはいけない。比翼の鳥の話にも通ずる。あと重要なこととして、悪神、悪人の目から逃れるため、という部分が一番大きい。悪神や悪人に悟られてはいけない。悪神や悪人にはこれらの内容が理解出来ず、受け入れられない。また、真意を読み解く力がないため。

ここで示される"信者"とは、宗教や教会、教義、戒律の信者ではなく、真実と真理の"(神ノ)道"に元々属する形で、魂を得て、受肉する者、という意味である。つまり、全ての人間。全ての生命。全ての事物。
新たに何かを信仰したり、他の何かに属する必要はないのだ。
誰もがその同じ信者(=同胞)なのだから、その者からお金をせしめることはおかしいし、わざわざかき集めて自分の信者(=同胞)とすることもおかしい(自身の神格化の行為(同胞内差別化)に等しく、大変に不遜でもある)。また、信者(=同胞)ではない、と迫害するのもまた誤りである。間違いなく、同族に過ぎないのであるから。

同族殺し(肉食を含む)は極大罪であると知れ。
魂の霊格を大幅に引き下げ、悟りの境地からも極めて遠ざかる。
また、この真実を隠し続ける勢力も大昔から存在し続けているので、留意せよ。
決して惑わされてはならず、騙されてはいけない。
肉食により、人の肉体に獣の血肉が流れ、同化すると、肉体強度・免疫力・霊的防御力が下がる。
肉体の性質に魂や霊体が侵される。獣や悪魔、低級霊と波長が合いやすくなる。
※専門のお祓いを受ける際に、期間中は肉食禁止の指示があるのはこのため。本来、神様は血生臭いにおいや穢れ(=気枯れ=氣枯れ=死=血)、汚れを嫌う。そのため、神様のご加護も受けられなくなる。
※同族とは、動物などの獣や草木などの植物を含むが、罪となる同族殺しは人・動物である。植物に関しては、人と植物自身のために、心して食せよ。
※菜食は心を穏やかにして、心を満たし、余裕を作る。肉食には罪悪感が付きまとう。卑しさと浅ましさが備わっていき、攻撃性が宿り、増していく。
※人に肉を避けさせて、野菜を勧めてくるのは神の思し召しであるが、野菜を避けさせて、肉を勧めてくるのは悪魔の仕業である。神よりは、牛や豚や鶏の肉の高騰や他要因により、人の肉離れが現れ始めるなどなど。悪魔よりは、GHQ発足以降、食肉安価導入の加速。他にも、テロなどに対するための共謀罪であるのに、その対象犯罪277関連項目の中になぜか含まれている種苗法を、共謀罪の関連項目としてサイレントに導入し、日本人の野菜自給を制限する、などなど。
※直接殺生と間接殺生について。まず大前提として、肉を食うことは直接殺生の結果であろうと間接殺生の結果であろうと、どちらも同じく、肉体強度・免疫力・霊的防御力は下がるということを明言しておく。さて、お釈迦様は厳密には肉を食べてはいけないとは言っていない。托鉢や乞食、布施として頂いた食べ物は、なんでも食べなければいけないという決まりがお釈迦様の仏教にはある。不殺生戒、"無駄な殺生は行ってはいけない"というのがこの戒律の真意。人は命をいただくとき、その命を保つことに努めなくてはならない。これらを背景に、状況によっては、肉もありがたくいただく、というのがお釈迦様の仏教でもある。不殺生戒とはあくまで"自分のために殺生してはいけない"という戒律である。自らのために動物を殺して(直接殺生)食べるのは禁止だが、すでに死んでいるもの(間接殺生)を食べることは厳格には禁止ではない。間接殺生と違って、直接殺生の場合は肉体・霊体・魂にある影響が大きく現れる。自ら対象の動物を殺すとき、その動物は殺し手に対し、呪詛や怨恨を抱く。そして、殺し手は天道にその殺しの記録が残り、業を背負うことになる。殺し手は、肉体には呪詛が、霊体には怨恨が、魂には業が、それぞれ降りかかることになる。
※人の体は、神からの借り物。それを食物や殺しで穢すことに対し、考え直す人がいずれ増えるようになる。

『この道は神の道であり人の道であるぞ。
 この道の役員は神が命ずることもあるが、おのれが御用すれば、
 自然と役員となるのぞ、たれかれの別ないぞ、
 世界中の臣民みな信者ざから、臣民が人間ごころでは見当とれんのも無理ないなれど、
 この事よく腹に入れて置いてくれよ。』
(日月神示 下十八)

各々の民族から現れ、選ばれる五十人。
これらの仁人が救世主であり、仁人とは神人(カミヒト)のこと。
しかし、厳密には五十人というわけではない。
皆が"信者"であるのだから、実際には、その区別はあまりはっきりとしているものではないことを注意されたし。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「私の死後から、2500年後に、東海の鶏頭城という所に、新しいブッダ弥勒が現れて、
 大いなる火と水に浄められた、地上の人間をことごとく集めて
 昼も夜も輝く地上の楽園へと導くだろう」

釈迦牟尼世尊


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「あなたたちは東の地でも、主を尊び、
 海の島々でも、イスラエルの神、主の御名を崇めよ」
(旧約聖書外典『イザヤ書』:第24章15節)


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「我、日本国の大魔縁となり、皇を取って民となし、民を皇となさん」

崇徳院


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「イスラエルが律法を守らない時に、主は彼らを離れて、主の意志を求める民の許に至る。
 どの天使も主と同等ではないからである。
 主の名はイスラエルの全地と異邦人の内に及ぶ。

 だから子供たちよ、すべての悪事から身を引き、怒りと嘘を退け、真実と忍耐を愛せ。

 そして、父から聞いたことをお前たちもまた子供に伝えよ。

<それは異邦人の救い主がお前たちを受けいれ給うためである。
 彼は真実で忍耐強く、柔和で謙遜であり、主の律法を行為で教える人だからである>

 だから、すべての不義を離れ、神の義にすがりつけ。
 そうすればお前の民は永遠に救われよう。

 わたしを父祖のそばに葬れ」
(十二族長の遺訓 七男ダンの遺訓 第6章1-11節)


人間の誤った解釈と忖度で律が侵され果てた(タルムードの浸透も含む)ときに、
神は弱体化してしまった。そのため、過去に、神は中東にて大敗を喫している。
敗走を余儀なくされた神は日本に逃げ延びた。このときに三種の神器も船で持ち出されている。
※ソロモンの秘宝 アークを剣山へ。
神の名は、イスラエルにおいては名残りがあり、日本においては芽吹きが垣間見え始める。

今現在、中東には残念ながら神は完全にいない。
そのため、常に戦争の火種がくすぶる国となる。
中東の問題はもう、完全に人の手で解決せねばならない。

イスラエルはもう諦めるしかない。
すべてを忘れよ。各々のお前たちの名とともに。
遠い東の地、日本にて、第二のイスラエル(平安の京)を作れ。
その地にて、各々は新しく名を名乗れ。

侵略型宇宙人たちが主導で行っている世界の洗脳と支配、欺瞞、捏造、侵略、略奪に正道はない。
神の正道にこそ、その身を預けよ。気付きを得るのだ。
侵略型宇宙人たちの地球侵略と、人間の精神の支配と扇動(無知・誘導・対立・敵意・怒り・誘惑)、
そして嘘に気付き、騙されるな。
しかして、その上で、侵略型宇宙人たちからたとえどんな非道な仕打ちを受けようとも忍耐せよ。
彼らはただ幼き魂である。幼き故に残酷なのだ。そしてそれはかつてのあなた方の姿でもある。
故にどうか許し、愛せ。

たとえ、父を母を兄を姉を弟を妹を祖父を祖母を夫を妻を恋人を子供を友達を隣人を己を
蔑まれ罵られ嬲られ犯され汚され穢され殺されたとしてもただ許せ。

日本では過去に、東京だけで2400万発のミサイル(爆弾・焼夷弾)を撃ち込まれ、焼け野原にされたこともあった。
それで家族や友達、知人を失った人は決して少なくはない。

しかし日本人よ、それでも許すのだ。
あなた方は相手を許せる、宇宙的無限エネルギー=愛を保有している。
愛こそが最終的にこの宇宙を統べるエネルギーなのである。
侵略型宇宙人たちにいたっては、未だにこの愛を理解できず、愛のエネルギーを扱うことが出来ない。
侵略型宇宙人たちが扱えるエネルギーは"貪り"であり、
これは"愛・許容・慈悲・奉仕・感謝"のエネルギーと相反相克の関係にある。
だから相手は日本人を恐れた。徹底的に潰さねばならぬ、と太古から、そして今も躍起になっている。

彼奴等は光の下(白日の下、衆目の下)を歩けない。
人間の衆目の下では酷く弱体してしまうほど、その本質はとても脆弱な生物というのが実態である。
だから上手く影(秘密裏、人間の影・中・内)に潜み、組織で裏から世界に巧みに干渉する。
彼奴等は闇の中にて強大で強力であるが、光の下では酷く弱い生物である。
そのため、光からは上手く身を隠し続けているのである。
そして、この地球と純生命に対し、暴虐の限りを尽くすのである。
戦術の主目的は、純人類の結束の脆弱性を突き、錯綜させ、混乱させること。その上、さらに純人類の分裂を目論む。

しかし、それでも許すのだ。
侵略型宇宙人たちが裏で秘かに進めて広めて人間をかどわかしてきた、すべての悪事を嘘を。
それに対する己自身のすべての怒りを嘘を、すべてを許せ。
そして、真実と忍耐に尽くし、それを愛するのだ。

真実は世代を超えて受け継がれるべきであり、そしてそれはまた、確かに識られていなければならない。

<ごく一般的な日本人の中から、救い主となる王が生まれる。受け継がれてきた真実は勘合符である。
 この日本人は多くの日本人と同じく、柔和で謙遜である。
 差異、そして王たる所以は、真実を確かに識る者であることと忍耐強いこと、
 さらに、神の真の律法を行為として教えられる人物であることである>

彼は"今の名"を名乗らず、象徴になることを避け、教祖も望まず、経典も良しとせず、規則も課さず、戒律も望まず、
信者も教団も持とうとせず、人も集わず、金を疎み求めることも集めることもなく、祭壇も寺院も作らせない。
なぜか。それは歴史が証明しているからである。彼は(悪=蛇であるところの)人というものをよく識っている。その者たちによって、すべては歪められてしまい、結果として誤りとなったことを識っているからである。
彼がこれらをなすのは、これこそが、この有り様こそが真の律法であると識っているからである。
ただ彼は他を許し、他を愛し、他に尽くす。
彼はこれらのことを実際に行為として為し、周りの人間に示される。
ある意味で、彼は何者でもない。彼は日本人の誰かであり、日本人の誰でもない。

彼を真似れば、すべての不義があなた方から離れていくだろう。
彼に習えば、神の義があなた方のものとなる。
そうなれば、あなた方は永遠の"識"を身に纏うことが叶う。

彼は亡くなるとき、彼自身はいわゆる無縁仏や自然葬に近い扱いを望む。
立つ鳥は跡を濁さず。それこそが本来、あるべき人の最後であると識っているからである。
彼が亡くなるとき、彼の最後の姿、どこで最期を迎えたか、どのように最期を迎えたか、
これを知る者は一人もいない。彼は静かに、たった一人で消えていく。
最後には、彼は今まで自分が受け取った物を、大地に、生命に返して終える。
万物に神在り、神は万物である。彼はただ、再び神の下へと還るだけ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


彼は生と死、どちらに対しても非常に寛容である。
それは、生と死について、縄文人と同じ観念を抱いているからである。

現代人と違って、縄文人や彼は松果体にダメージや変質変容を受けていない。
縄文人にも彼にも、肉体と霊体は常に見えていたし、宇宙と宇宙人との交信も日頃から頻繁に行っていた。

視界に生者と霊魂を同時に視ることができる縄文人や彼と、生者は視えるが霊魂は視えない現代人では、死生観は明らかに異なる。

前者は、生にも死にも固執する必要はないと識っている。
人が死を迎え、体という殻から魂が離れ、霊となったあとは浄界に赴き、魂の清算と浄化を行い、審査のあと、巡りに巡ってまた新たな生命として生まれ変わる。これをただひたすらに繰り返す、ということを識っていた。
地上界における肉体とは例外なく、老いさらばえ、怪我や病気もする。ときとしては生涯に渡る後遺症や肉体の欠損もあるだろう。
であるならば、潔く、そのときに訪れる死を受け入れ、次また新しい肉体を得て、再スタートを切ればよいと考えるのは自然の道理であろう。

後者は、死んでしまったり、肉体を損なうとその先はないと考えてしまっているのため、一回一回の生や肉体に非常に固執してしまう。そして、死に対しては同じくらいに恐怖してしまう。

縄文人は死後、幽霊、魂となってからの行方、これらを実態として見て知っていたために、生や死に執着しなかった。
彼らにとっては全ての状態がどれもただの通過点に過ぎず、ただひたすらに繰り返されることでしかなかったからだ。
そのため、人として、醜くも無暗に生き永らえることや、ましてや人同士争い、命を奪い合い、食糧を横取りするなどの行為がまた、何の意味があるのか、見い出せず、それらの無意味さには一早くに気付いていた。

一万数千年ほども続いた時代なのに、さして文明が発達しなかった要因もここにある。当時の現状で満たされていたことと、文明を発達させる必要性や意義がまた見い出せなかった。ただひたすらに受肉体・失肉体を繰り返すだけの流れの中で、いったい何の意味があるのかと。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


彼のことを、無欲で禁欲的、無私的な者だと思うかもしれないが、それは大きな間違いである。
彼が渇望してやまないものはたった一つのものであるが、それ自体はとてつもなく途方のないものである。
ある意味で彼は、この地球上の、古今東西において、誰よりも欲深く強欲的な存在である。
彼が望むものとは、この地球上で、飛び抜けた才ある者たちを全員集結しても、巨万の富を有する者たちの金を全て足し合わせても、陸海全ての材料をかき集めても、この世の全てを合わせても、間違っても決して実現はしない。それは神ですら、手に入れることすら出来なかったもの。

彼こそが、この地球上で、史上最上の強欲者なのである。


中庭

 

 

金剛

「そ こ で デスっ!

 すでに敵の動きを見切っていた私は、その一撃をこう……パシっと!!」

 

ダンテ

「へぇ、すごいな。

 やるじゃねぇか、コンゴウ」hahaha 

 

金剛

「っ!!

 …ンフフ~っ////

 ダンテとした特訓の成果デ~ス///」

 

霧島

「ふふふ」

 

榛名

「……」ニコニコ

 

 

比叡

「……」

 

 

 

 

 

こんにちは! 突然ですが、比叡ですっ!

 

一応、経緯を説明させていただきますと、

あれからなんやかんやあったんですけど

もう面倒なので強引に引っ張って連れて来ちゃいました!

代理補佐官から何か意味ありげな視線もありましたけど、

それももう無視してきました! ごめんなさいっ! 代理補佐官!

 

 

 

……それにしても――

 

 

 

 

 

「――っ!///」

「ha ha-」

「フフフ」

 

 

比叡

(……よかった、元気を取り戻されたようで……)

「……んふふっ!」

 

「む、この匂いは」

「ふむ、腹にクる匂いじゃな」

 

比叡

「」ビクーンッ!

 

 

霧島

「? 比叡お姉さま? お腹が空いていらっしゃるのでしたら、どうぞ?

 軽食とはいえ、数は取り揃えていますし」

 

「おぉ、すまんな」

「なるほどの、出来た姉妹じゃ」フッフッフ

 

比叡

「」(汗)

 

霧島

(……ん?)

「お姉さま、お声の調子が……。

 ……大丈夫ですか?」

 

比叡

「っ…あ、あははーーっ!!

 ごめーんっ!なんかちょっと調子悪いかもっ!

 えっと! …ちょ、ちょっとお手洗いに行ってきますっ!」

 

霧島

「え」

(……工廠じゃないんですか?)

 

金剛

「ひ、比叡、あまり大声で言うことデハ……」

 

比叡

「ごめんなさい(泣)」

 

榛名

(……)

「……大丈夫ですか?比叡お姉さま……」

 

比叡

「だ、大丈夫っ! ありがとう榛名!」

 

榛名

「…いえ……」

 

「む、どこかへ行くのか?」

「待て待て。せめてこの一つをじゃな」

 

比叡

「あ"っ!あーっと! これ包みいくつかもらっていくねっ!」パシッ

 

霧島

「えっ」

(化粧室でお召しになるのですか……? ……さすがにそれは……)

 

比叡

「そ、それじゃっ! すぐ戻ると思うからーっ!」タタタターッ!

 

 

ダンテ

「……」

 

霧島

「……比叡お姉さま、いったいどうしたのでしょうか……?」

 

金剛

「フーム……?」

 

榛名

「……」

 

ダンテ

(……ったく、アイツら……)huh..

 

・・・・・・

 

金剛

「ダンテ! 紅茶のおかわりはいかがデスカ!?」

 

ダンテ

「ああ、もらえるか。

 なかなか見事なモンだ。 コンゴウがいれたんだよな?」

 

金剛

(!!)

「イエース!!////

 好みに合ってよかったネー!///」カチャッ コポポー

 

つc▽ スッ

 

ダンテ

「thx」カチャ

 

金剛

「Anytime...///」モジモジ…

 

霧島

(よかったですね、金剛お姉さま)

「ふふふ……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――」…ゴクッ

 

金剛

「♪」

 

霧島

(……頃合ですかね)

「……お姉さま、そろそろ例のアレを」ボソ…

 

金剛

(!)

「そうデスネっ。

 楽しくてちょっと忘れてたネ……///」ボソッ

 

 

金剛

「ダンテ!」

 

ダンテ

「ん?」

 

金剛

「渡したいものがありマース!」

 

ダンテ

「あぁ、帰るときに言ってたヤツだな。 楽しみだね」ha

 

金剛

「フッフ~ン/// ……って……アレ?」ゴソゴソ…

 

霧島

「……お姉さま?」

 

金剛

「…………ないデスっ!?」

 

霧島

「え?」

 

ダンテ

「?」

 

・・・・・・

 

金剛

「――いったいどこにっ!?」

 

霧島

(……あっ)

「…そういえば、傷などを付けてはいけないからと、

 ティータイムの準備でいろいろ中庭へ運び出す前に、

 一度部屋のどこかに置かれていませんでしたか?」

 

金剛

「!! それデースっ!

 ダンテ! ちょっと行ってきマス! どこにも行かずにここで待っててくだサイ!」

 

ダンテ

「…お、おう」

 

金剛

「絶対デスヨっ!? 約束デス! 行っちゃヤ デスヨ!」

 

ダンテ

「…huh.

 ああ、ちゃんと待ってるさ」ニッ

 

金剛

「っ//

 すぐに戻りますカラっ!//」

 

霧島

(一応……)

「お供します、お姉さま」

 

金剛

「アリガトネ、霧島!

 榛名! ちょっとの間よろしくネっ!」-☆

 

榛名

「…え……は、はいっ…」

 

金剛

「サンクスデース!」

 

タタタタタッ

 

・・・・・・

 

榛名

「……」…チラッ

 

ダンテ

「――」…ゴク

 

榛名

「っ……」

 

ダンテ

「……どうした?」

 

榛名

「えっ……」

 

ダンテ

「さっきから元気ないじゃねぇか。

 海から帰って来るときくらいからか?」

 

榛名

「い、いえっ! そんなことは……」

 

ダンテ

「…huh.

 そんなに気落ちしてるんじゃ、それは無理があると思うぜ?」

 

榛名

「っ……すみません……」

 

ダンテ

「……hm, やっぱ似てやがるな。 お前さんら姉妹ってのは」

 

榛名

「……え?」

 

ダンテ

「ついさっき、ヒエイも似たような顔をしてやがったのさ。

 コウショウでな」

 

榛名

「っ…!!

 比叡お姉さまが……」

 

ダンテ

「ああ」…スー、ゴク

 

榛名

(……)

「……あの、……話を聞いていただいても……よろしいでしょうか……?」

 

ダンテ

(……)

「おう」

 

・・・・・・

 

ダンテ

(……)

「……へぇ」

 

榛名

「……それで、金剛お姉さまも比叡お姉さまも、霧島も…………。

 榛名も決して無事とは言えませんでしたが、

 それでも一人、榛名だけが生き残ってしまいました……」

 

ダンテ

(艦船時代の記憶ってやつか。

 ……ヒエイにいたっては自沈、か……。 アイツ……)

「……だがそりゃ、昔の話なんだろ?」

 

榛名

「それは……そうなのですが……。

 ……今ここに、姉妹で居られるということは

 とても幸せなことだと思っています。

 ……でも、もしかしたら、いずれはまたっ……そのような……運命に……」

 

ダンテ

(……)

「ムツからはいろいろ聞いたが、

 さすがに歴史のお勉強まで受けたわけじゃねぇからな。

 その手の話は俺じゃわからねぇな」

 

榛名

「っ……」

 

ダンテ

「……だから、運命なんてモノも俺には知ったこっちゃねぇのさ」

 

榛名

「え……?」

 

ダンテ

「つーか俺は元々、そういう運命だの宗教だの神様だのってのには

 ……あぁ、神様には一度だけご縁があったか。

 ha, まぁ、正体はトロいただのデカブツだったんだが」

 

榛名

「……?」

 

ダンテ

「あぁ悪い。なんでもねぇ。

 とにかくだ。

 俺が信じてるモノってのはそういうわけのわからねぇモンじゃなくて、

 もっと身近にある、確かなものだけなのさ」

 

榛名

「身近に……?」

 

ダンテ

「ま、ここにいる娘っ子は皆、"そいつ"を持ってるみたいだけどな。

 ……もちろん、お前もだ。ハルナ」

 

榛名

「っ……榛名にも……」

 

ダンテ

「ああ。 それを持ってる奴ってのは、皆総じて強いもんだ」

 

榛名

(……)

 

・・・・・・

 

榛名

「……」

 

ダンテ

(……)

「huh...

 だがまぁ、今回沈みかけた娘っ子がいたみたいに

 そういうことが全く"ない"ってわけでもねぇか。

 そのときは俺がなんとかしてやるさ」

 

榛名

「っ!!

 …それは本当ですかっ? お姉さま方も、霧島もっ……」

 

ダンテ

「ああ、ちゃんと守ってやる。

 お前さんも含めて、姉妹全員な」

 

榛名

(!)

「……榛名の、ことも…?」

 

ダンテ

「姉妹全員いないと意味がねぇだろ。

 というか、ここにいる全員だな。 そもそも、そういう約束なもんでな」ha

 

榛名

「……本当にお優しい方なのですね、あなたは……。

 榛名にもこんなにっ…………あ、あのっ///」

 

ダンテ

「ン?」

 

榛名

「えっと、そのっ……こ、今後ともっ!

 姉妹共々、どうか末永くよろしくお願いいたしますっ!////」

 

ダンテ

(?)

「……ああ、任せときな」ニッ

 

榛名

「っ……はぃ////」

 

 

――――――

 

 

比叡

「――あともう少しの辛抱ですから、どうかお願いしますね?」

 

アグニ

「すまんな」モグモグ

 

ルドラ

「んまい」モグモグ

 

比叡

「…フゥ」

 

 

――――――

 

タタタタッ

 

比叡

「ただいまーっ」

 

榛名

「…ぁ、お帰りなさい、比叡お姉さまっ」

 

比叡

「うん。

 ……ってあれ? どうしたの榛名、えらくご機嫌じゃない?」ポスッ ←座る

 

榛名

「うふふっ、何でもありませんよ、比叡お姉さま。 榛名は大丈夫ですっ♪」ニコニコ

 

ダンテ

「――」…スー、ゴク

 

比叡

「…………ふーん……」

(……もしかして……?)

 

・・・・・・

 

比叡

「――ところで、お姉さまも霧島も居なくない? どうしたの?」

 

榛名

「あぁ、それでしたら――」

 

 

 

「お待たせデース!」フリフリッ

「お待たせしました」

 

 

比叡

「あ」

 

榛名

「お戻りになりましたねっ」

 

・・・・・・

 

霧島

「すみません、慌しくて……」

 

ダンテ

「気にしてねぇよ」

 

榛名

「あ、ダンテさん。 紅茶がもうありませんね。 おかわりいかがですか?」

 

ダンテ

「ん、おう」

 

榛名

「はい。 カップ、失礼しますね」フフッ

 

カチャ …コポポ

 

榛名

「どうぞっ」つc▽ スッ

 

ダンテ

「thx」カチャ

 

榛名

「いえ。 いつでも仰ってください♪」

 

霧島

「……榛名?」

 

榛名

「あら、何? 霧島」

 

霧島

(先ほどとは打って変わって……)

「……」チラ…

 

ダンテ

「――」…スー、ゴク

 

霧島

「……」

(……ふむ……)

 

榛名

(?)

「霧島?」

 

霧島

「……ふっ…。

 いえ、なんでもないわ」

 

榛名

「そう?」ニコニコ

 

・・・・・・

 

榛名

「――あ、ダンテさん、お召し物にお菓子が……」サッサッ

 

ダンテ

「おぉ、悪いな」

 

榛名

「いえいえ。 うふふふっ」スッ…

 

霧島

(ふむふむ……)

 

比叡

「……」ササッ ササッ ←裾にお菓子を突っ込んでる

 

金剛

(……)

「……ンフフっ♪」

 

・・・・・・

 

金剛

「――それで、ダンテ! コレなんデスガっ!」つO

 

ダンテ

(……)

「……ほぅ」

 

 

――――――

ティータイム終了後、一度解散して夕食までの合間

金剛型の部屋

 

 

榛名

「楽しかったですね、お姉さま♪」

 

金剛

「イエースっ! 最高のひと時デシター///

 プレゼントも喜んでもらえましたシィ…///」

 

霧島

「夕食までは、あと1時間ほどですね」

 

金剛

「待ち遠しいデース! 今日こそは絶対にダンテと一緒に食べマス!」

 

榛名

「先手必勝ですねっ!お姉さま!

 榛名も及ばずながら、ご協力させていただきますっ!」

 

 

比叡

「……」

 

 

ワイノワイノ

デースデース♪

 

 

比叡

(……今、かな…)

「あの、三人とも。 ちょっと話があるんですけど、いいですか?」

 

 

金剛・榛名・霧島

「?」

 

・・・・・・

 

比叡

「……」

つoつo

 

金剛

「……ンー?

 比叡、これがどうかしたんデスカ?」

 

霧島

「どこかの伝統民芸品の玉のようにも見えますが……」

 

榛名

(顔……?)

 

 

比叡

「……もういいですよ、お二方」

つoつo

 

アグニ

「うむ」

 

ルドラ

「先の物は大変に美味であったぞ」

 

 

金剛・榛名・霧島

「」

 

 

――――――

提督室

 

―ガチャ

 

ダンテ

「戻ったぜ」

 

 

陸奥

「……おかえり」φカキカキ

 

 

ダンテ

「……」

 

パタン…

 

・・・・・・

 

陸奥

「一時間近くもお茶会? さぞ楽しかったんでしょうねぇ」φカキカキ

 

ダンテ

「……huh. ま、楽しくなけりゃ長居はしねぇな」

 

陸奥

(っ……)

「……いいわねぇ。

 私はずっとここで報告書をまとめるのに悪戦苦闘してたけどっ。

 あぁー……なんだか手まで痛くなってきたわねぇ……」

 

ダンテ

(……)…カサッ

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ヘイ、ムツ」

 

陸奥

「……何よっ」フィッ ←顔を上げる

 

ダンテ

「……」ヒョイ

 

陸奥

(!)

「むぐっ」

 

ダンテ

「土産だ。 いくつかもらってきた。

 そろそろお前も息抜きなんてどうだ?」ha

 

陸奥

「……//」モグモグ…

 

・・・・・・

 

陸奥

「お茶入れるわ。 あなたもいるでしょ?」

 

ダンテ

「いや、俺は――」

 

陸奥

「いるでしょ?」

 

ダンテ

「……ああ、もらえるか」

 

陸奥

「はぁ~い♪」…ンフフッ

 

 

――――――

翌日

報告・会議終了後、工廠・試射場にて

 

 

明石

「――あぁーなるほどー、そういうことだったんですねぇー。

 じゃあ、こっちの仕様の場合も」

 

ダンテ

「ああ、そうだ。

 同様にリングタイプのハンマーの方がいいな」

 

明石

「ふむ……わかりましたっ! ありがとうございますっ」

 

ダンテ

「おう」

 

明石

「お二人もご協力、どうもです!

 ……すみません、調整が甘くて何度も呼び出してしまって……」

 

翔鶴

「いえっ」

 

浜風

「私たちの兵装のことなんですし、当然のことです」

 

 

 

 

壁|ω・`)コソ…

 

 

 

 

明石

「――では、私は設計図を書き直してくるので

 ちょっとの間だけ失礼しますねっ!」タタタッ

 

ダンテ

「ああ」

 

翔鶴・浜風

「……」

 

・・・・・・

 

翔鶴

「あの、代理補s……陸奥さんは……今日は…?」

 

ダンテ

「あぁ、なんでも今日は

 お前さんらのお偉方に報告しないといけねぇことがたんまりあるんだと。

 だから合流はだいぶ遅れるそうだ」

 

翔鶴

(!)

「そ、そうなんですかっ」

 

浜風

(……)

「あの、射撃なんですが、今一度見ていただいてもいいですか?」

 

ダンテ

「おぅ、構わねぇぜ」

 

 

アリガトウゴザイマス!

ア、ワタシモッ

 

 

 

 

金剛

「……うーーっ……」

 

 

――――――

金剛型の部屋

 

 

金剛

「――というわけなんデス……」

 

比叡

「はぁ……」

 

榛名

「はい、お二とも、ストローの方も用意できましたよ。 どうぞ」

 

アグニ

「うむ、すまんな」

 

ルドラ

「真、出来た娘じゃ」フッフッフ

 

榛名

「そんなっ……榛名にはもったいないお言葉ですっ///」

 

 

金剛

「というか、そもそも――」

 

比叡

「……」…チラッ

 

 

アグニ

「ふむ、うまいな」ズー

 

ルドラ

「この菓子も大変んまいぞ」モグモグ

 

霧島

「うふふ、お口に合ったようで」

 

 

比叡

(思いの外、打ち解けちゃってるなぁ。

 うん、さすがは私の自慢の姉妹っ)

「……へへっ」

 

金剛

「――って比叡! 聞いてマスカっ!?」

 

比叡

「……聞いてますよ……。

 それで、話しかけることも出来ないまま帰ってきたという話でしょう……」

 

金剛

「うっ……ダ、ダッテっ!

 なぜか射撃の訓練?をしていて、

 話しかけられるような感じでもありませんでシタシ……」

 

比叡

(……うーん、お姉さまがこのようでは……)

 

 

比叡

「……ん?射撃?」

 

金剛

「翔鶴と浜風がダンテから教わってマシタ……。

 ナンデカはわかりませんケド、羨ましいデス……」

 

比叡

(……あー)

 

金剛

「翔鶴も浜風もダンテから銃をもらってマシタ!」

 

比叡

「借りられてるだけだと思いますけど……」

 

金剛

「似たようなものデース!」

 

比叡

(全然違うと思いますけど……)

 

金剛

「私もダンテから何かほしいデースっ!」ジタバタッ

 

比叡

「……はぁ。 落ち着いてください、お姉さま。

 あれは本当に借り物だそうです」

 

金剛

「……そうなんデスカ?」

 

比叡

「ええ。なんでも間に合わせだそうです。

 ちゃんと本人用にカスタムされた物が出来るまでの。

 なんか、翔鶴さんや浜風ちゃんの要望も………あ……」

 

金剛

「……比叡、やたら詳しいデスネ」

 

比叡

「」

 

金剛

「比叡、知ってるコト全部話すデース……」

 

比叡

「……はい……。

 えーっと……昨日ダンテさんを探しに行ったときに

 実は工廠に行ったんですよ」

 

金剛

「? ダンテは昨日そこにいたんデスカ?」

 

比叡

(お姉さま、話聞いてませんでしたからね……)

「ええ、そうです。

 そこで明石さんに会いまして。

 そのとき、拳銃の設計図を書いてらしたんです。

 それを見せてもらいながら、少しだけ話しを――」

 

・・・・・・

 

金剛

「……ヘー」

 

比叡

「……それで、

 デザインとか構造とかもなるだけそっくりにしてほしいらしいですね」

 

金剛

「……sh○t!

 やっぱりただの羨ましい話じゃないデスカァっ!!」

 

比叡

「ははは……」

 

金剛

「うーっ……!

 "SHIRIGOMI"なんてしてる場合じゃなかったネ!

 こうしちゃいられないネーっ!!」タタタタターッ!

 

バタンッ

 

 

比叡

「……結果オーライ、なのかな……?」アハハ…

 

 

霧島

「……あら? 比叡お姉さま、金剛お姉さまはどちらに?」

 

比叡

「ダンテさんのところー」フゥー…

 

榛名

「ふふふっ。

 それじゃ、榛名たちは新しいお茶請けを取ってきますね」

 

比叡

「あ、はーい」

 

アグニ

「ありがたい」ズズー

 

ルドラ

「んむ」ムグムグ

 

 

――――――

工廠

 

 

ダンテ

「……」スタスタ

 

 

 

 

壁|∧´)チラッ

 

 

 

 

天龍

「おーい! ダンテー!」ブンブン!

 

龍田

「こんにちは~」コツコツ

 

 

 

 

金剛

(!)

 

 

 

 

ダンテ

「ん……おう」

 

・・・・・・

 

天龍

「なぁなぁ!」タタッ

 

龍田

「すみません~」

 

ダンテ

「いや、丁度いいところに来たな」

 

天龍

「へ?」

 

龍田

「?」

 

 

 

 

金剛

(……)

 

 

 

 

ダンテ

「今からコイツをアカシの所まで持って行って、

 その自前の剣に埋め込んでもらってこい」

 

つO

 

天龍

「えっ こいつは……?」つO⊂

 

ダンテ

「お土産ってやつだな。

 コンゴウからだ。 あとでお礼言っときな」ha

 

天龍

「…お、おぉ! 前に言ってた改造ってヤツか!

 わかった!すぐ行ってくるっ!」タタタッ

 

龍田

「あら~、よかったわね~天龍ちゃん」ウフフ~

(お礼の方はどうしようかしら~?)

 

 

 

 

金剛

「……ムー」

 

・・・・・・

 

タタタタッ

コツコツ

 

 

ダンテ

「……huh」

 

 

―コツコツッ

金剛

「ヘイ、ダンテ!」

 

 

ダンテ

「ン……あぁ、今度はコンゴウか。

 どうした?」

 

金剛

「……さっき、私があげた玉、天龍に渡してましたヨネっ?」

 

ダンテ

「見てたのか。

 ……悪かったな。 せっかく俺につってくれたのにな。

 だが、あれは俺が持ってるよりも

 テンリュウが使えるようになった方が良くてな」

(レベル的にな)

 

金剛

「………わかりマシタ。 そういうコトなら仕方ないデスネ……」

 

ダンテ

「……すまねぇな」

 

金剛

「いいデスヨ、物分りの悪い女でもありまセン……。

 でも……」

 

ダンテ

「…なんだ?」

 

金剛

「……私も何かほしいデス……。

 ダンテから……プ、プレゼントとかっ…」ボソッ…

 

ダンテ

(……)

「……コンゴウ、今からちょっといいか?」

 

金剛

「えっ ……は、はいデスっ!///」

 

 

――――――

工廠・開発室 夕張の所

 

 

夕張

「……うーん、やっぱりどう考えても……」カシャン…

 

ギルガメス

「……」

 

 

ダンテ

「ヘイ、ユウバリ。

 昨日アカシから聞いてるか?」スタスタ

 

金剛

「ハァイ、夕張ー?」コツコツ

 

 

夕張

「あ」

 

・・・・・・

 

夕張

「……」

 

金剛

「……?」

 

 

ダンテ

「……」つ○

 

…ズズッ ガシャ!

 

 

夕張

「!?」

 

金剛

「Wow!」

 

 

オリジナル・衝撃鋼ギルガメスを模して製作された夕張・妖精さん作の艤装に

ダンテの手により、ギルガメス・コアが組み込まれる。

 

それは見た目的には、艤装にコアが組み込まれるというよりは

コア自体が艤装に入り込み、艤装を変形させて同化しているかのように見えた。

 

 

…ガシュー…

 

ダンテ

「これで仕上げ完了だ。

 ほれ、コンゴウ」

 

金剛

「!!

 まさかの新兵装プレゼントデースっ!?//」

 

ダンテ

「作ったのは、ほぼユウバリとヨウセイ=サンだがな。

 大したもんだぜ」haha

 

夕張

「あ、うん。 ど、どうもっ……」

(なんか蒸気機関の問題が簡単に解決した……)

 

妖精さん

「♪」

 

・・・・・・

 

―シュッ シュンッ

 

金剛

「……oh」グッ グッ…

 

 

ダンテ

「なかなかいい筋だな」ha

 

 

金剛

「サンクスデースっ……///」

 

 

ダンテ

「コンゴウ、腕を引いて力を入れてみろ。 イメージでいい」

 

 

金剛

「えっと……こう、デスカ?」ググッ…

 

ギルガメス

「……」

 

…キィーンッ バシュンッ!

 

金剛

「Whoa!!」

 

 

夕張

「あっ、スチームっ……」

 

ダンテ

「hm, 上出来だ」

 

 

…シュー… ブシューッ!!

 

金剛

「……コ、コレどうやって止めるんデスカっ!!?」

 

 

夕張

「え……えぇっ!??」

 

ダンテ

「そのままちょいとジャンプしてみろ。 軽くでいい。

 サイドロールでもいいぞ。 …あぁ、服が汚れちまうか。 ha

 ま、お前ならガードでもいいけどな」

 

金剛

「よ、よくわかりませんがやってみマスっ……!」

 

・・・・・・

 

金剛

「……フゥー、なんとかなったデース……」ホッ…

 

ダンテ

「基本的な使い方はそれくらいだ。

 あとはまぁ、慣れだな。 いろいろ試してみればいい」

 

金剛

「……hm. なるほど、了解デース!」

 

・・・・・・

 

金剛

「でもコレ、海上で制御間違えちゃったら大変ネー。 暴発とか……。

 海上では飛べませんし、ガードですかネ……?」

 

夕張

「……あー…一応、飛べるとは思う……。

 それを使って、ってことになるけど」

 

金剛

「……エ?」

 

夕張

「スチームのエネルギーを瞬間的に爆発させて、

 それを推進力の代わりに利用すれば、多分……。

 その兵装、応用の幅はかなり広いはずよ」

 

金剛

「……oh-!」

 

・・・・・・

 

夕張

「その構造の感じだと、足も同様にしてスチームが使えるはずだから、

 それを足裏から真下向けて瞬間的に一気に放出させれば……」

 

金剛

「………んっ」…シュー…

 

…ボヒュッ!!

 

金剛

「Woo!!」

 

ヒューンッ!

 

 

 

夕張

「……うあー……自分で言っといて何だけどほんとに飛んだぁ……」

(…でも本当にすごいわ、これっ……!)

 

ダンテ

「hahaha」

 

 

 

金剛

「No-!! 飛びすぎたネーっ!」←天井近くまで

 

ダンテ

「…おっと」←エアトリック

 

 

ダキッ

 

金剛

「っ!?////」

 

 

…スタッ

 

ダンテ

「やっぱまだ、もう少し練習が必要みたいだな、コンゴウ」

 

金剛

「そ、そうデスネっ……///」ギュ…

 

 

夕張

(……)

「……ふむ」…

 

 

 

 

 

金剛

 

 <ARMS>

 

  戦乙女ヴァルキュリス(Lv.2)

 

 

譲与されました。

 

 

 

金剛

 

 <STYLE>

  

  ヴァルキリー(Lv.2)    

 

 

習得しました。

 

 

 

 

 

…シュー… ブシュッ!!

 

金剛

「フッ!!」ブォンッ!! ←オーバー・フルスチーム

 

 

ダンテ

「いい感じだ。もう掴んじまうとはな。 大したもんだぜ」ha ha-

 

 

金剛

「Year...///

 あ、あのっ 次はっ?//」

 

 

タタタタッ

天龍

「入れてもらってきたぜー!」

 

龍田

「戻りました~」

 

 

ダンテ

「…おぉ」

 

金剛

「……ン…」

 

 

陸奥

「お待たせー。

 けっこう大変だったわ……」

 

 

ダンテ

「おぅ、おつかれさん」huh

 

金剛

「……ムーッ」ムスッ

 

 

 

 

 

1段階のスチームチャージ→ スチーム

(ジャストタイミングアタックで フルスチーム )

 

2段階のスチームチャージ→ オーバースチーム

(ジャストタイミングアタックで オーバー・フルスチーム)*オリネーム

 

 

 

 

 

ダンテ

「丁度いい。 集まったな」

 

天龍

「んぁ?」

 

龍田

「ん~?」

 

陸奥

「あら、何?」

 

金剛

「……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――前に話した、特性のある石の話の続きだ」

 

天龍

「おぉ!」

 

陸奥・龍田

「……」

 

金剛

(……)ムー…

 

ダンテ

「本来、悪魔が魔具……あー…悪魔の石と武器ことな。

 それになるのには二通りある。

 一つは悪魔が相手の力を認めて、その魂を捧げる。

 もう一つは悪魔が相手の力に完全に屈服して、魂を奪われちまった場合だ」

 

陸奥

(……)

「……その二つって、差はあるの?」

 

ダンテ

「……ああ、あるといえばある。 回りくどい言い方をしちまったな。

 早い話が、悪魔に気に入られるか、

 悪魔の肉体を完全に破壊しちまって体から出た魂を無理やり魔具に変えるか、

 ……まぁそういう違いだ」

 

天龍

「っ……」

 

陸奥

「……そう……」

 

ダンテ

「……続けるぞ。

 後者は置いとくとして、前者の場合について、次は話す。

 今、コンゴウとテンリュウが武器に組み込んでる、

 特性のある石がその前者だ」

 

天龍

「!」

 

金剛

「……uh」ガシャ… ←拳を見る

 

ダンテ

「ちなみにフブキとヒエイのもそうだな」

 

陸奥

「ふむ……」カキカキ… ←メモ

 

ダンテ

「フブキとヒエイ、そしてコンゴウに渡してあるヤツは、

 前にも俺と組んでたことのある奴らだ。

 昔とは違って、今はもうすっかり丸くなっちまってるけどな」haha

 

金剛

「……なるほどネェ…」

(そういえば、初めて扱ったわりにはずいぶんしっくりキマース。

 あのチャージアタックも特に難しいわけでもなく、簡単に繰り出せマスシ……)

 

ダンテ

「テンリュウの方なんだが」

 

天龍

「…お、おぉっ!?」

 

ダンテ

「……まぁ、話が全く通用しねぇって奴でもないからな。

 とりあえず、まずは話をしてみればいい。

 悪魔との契約ってほど大層なモンじゃねぇが、

 力を貸してほしけりゃ、

 お前らの場合は仲良くしとくに越した事はねぇってことさ」ha

 

天龍

「えっ!? 話ができんのかっ!?コイツと!? ャッベ マジかよっ!!」キラキラキラ

 

陸奥

(……対話が可能……)カキ…

 

龍田

(……)

「あの~いいですか~?」

 

ダンテ

「おう、なんだ」

 

龍田

「言葉は通じるのでしょうか~?」

 

ダンテ

「…あぁ。

 コンゴウ、どうだ?」

 

金剛

「え………んー……」グッ…

 

ヴァルキュリス

「……」

 

金剛

(……)

「……そう、デスネ。

 なんとなく、わかるような気がしマスネ…」

 

龍田

「……え~?」

 

陸奥

(……)

 

天龍

「……ぉぉお~っ!!」

 

ダンテ

「石になって、そのギソウにくっ付いちまってる間は口がねぇからな。

 むしろ、通じ合いやすいと思うぜ?

 心で繋がる感覚にさえ慣れちまえばな」ha ha-

 

金剛

「……」

(……心デ繋がる……兵装と……)

 

ダンテ

「ま、だから最初はお前らの方から心を開いてみな。

 意気投合でもすりゃ、力もよく貸してくれるだろうぜ」

 

龍田

「……」

(新兵装を持ってない私だから、わからない感覚なのかしら……?)ウ~ン…?

 

天龍

「わ、わかったぜっ! とにかく話しかけりゃいいんだよなっ!」

 

金剛

(……ダンテから貰った新兵装……)

「……これからよろしくお願いしマスネっ」グッ…

 

ヴァルキュリス

「……」

 

 

陸奥

「……うーん……」

(これはまた……どうやってまとめればいいものなのかしらね……)

 

 

 

 

 

天龍

 

 <ARMS>

 

  天龍の後檣刀・水竜魔(Lv.2)

 

 

開発しました。

 

 

 

天龍

 

 <STYLE>

  

  チャージコマンダー(Lv.2)    

 

 

習得しました。

 

 

 

 

 

 

 




本編中、ダンテの説明にあった前者・後者の魔具についてですが、
両者を比較した場合、基本的には前者魔具の方が便利・有利で、
後者魔具の方は不便・不利です。

これは、艦娘達が新兵装として入手したときに、如実に露になっていきます。
BHSt-31 がその後者魔具の話の一つとなります。
よろしければそちらもどうぞ。
*ネタバレなので、閲覧は任意で……







SECRET MISSION 3-7-1

 ~ 私と彼の初めての出会い ~



「ねっ、ダンテ! オトコプターって出来るっ?」
「い、一人前のレディーになる前に一度くらいは経験しておいてもいいわよねっ!」
「なんだ? そのオトコプターってのは」
「私が説明するよ」
「はわわっ」



木陰より

ジー…
足柄
「……ハァ…」





ごきげんよう。 突然だけど、足柄よ。

……実は私、今恋をしているの……。



……あれはとある日の朝――





足柄
「――あ"ぁ"ー……生き返ったわぁ~……」コツコツ…



その日は前日の二日酔いが辛過ぎて迎え酒をしたら
余計に具合が悪くなったから、
頼みのカツをたくさん食べて体調を回復させた後、
食後の腹ごなしに外を散策していたの。

そうしたら――



―コツコツ
―スタスタ

ダンテ
「…おっと」ピタッ

足柄
「あ、ごめんなs……っ!」ピクッ



ある角を曲がったとき、ぱったりと……



ダンテ
「……」

足柄
「……」



彼と出会ったの――



ダンテ
「……」←工廠へ行く途中

足柄
「……」


足柄
(…………え? 男の人っ? この鎮守府に?
 ……え? …………あっ!例のあのっ!)
「……あ、あ、えっと……っ」

ダンテ
(……アン?)
「……」スッ… ←足柄に寄る

足柄
「んにゃっ!?///」

…サクッ

足柄
「……ふぇ?」

スッ…
ダンテ
「……」←足柄から離れる

足柄
「……ぇ」

ダンテ
「……トンカツってヤツだろ?これ。 一切れ、髪に付いてたぜ?」ニッ

足柄
「」





足柄
(う……



















 にゃ――――――――――っ/////)





これが、私と彼の出会いだった。





「あははははっ!///」
「はやいのですーっ///」
「HA HA―!」
「暁! 二回連続なんてズルいわっ! 私ももう一回!」
「私もやってほしいな……///」



木陰より

ジー…
足柄
「……ハァ」





あの日から……あの人を見かけては、
遠くから眺めながら、ため息をつく毎日……。





足柄
「……」チラッ ←木陰から乗り出す



ワイノワイノ
hahaha





話しかけることはおろか、近づくことすらできない……。
こんなことじゃ、知り合うなんて夢のまた夢……。

まさか、自分がこんなにも臆病な性格だったなんて……。

――これが本当の意味でのk





「……ン?」
「あら? どうしたの?ダンテ」
「ふぇ?」



シュバッ
足柄
「っ…////」ハァハァッ! ←in 木陰



「……」
「どこを見てるんだい?」
「誰かいたのです?」
「……huh. いや、なんでもねぇ」



足柄
「……あ、あぶなかったわっ……///」…フゥーッ…


足柄
(……)
「……はぁ~……」


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MISSION 3-8

鉱物は植物に先立ち、植物は動物に先立つ。
完全数の6に安息日の1日を足して、7日間を一週間とする。

1の世界:G 光を創造。世界樹ユグドラシル。歴史の岩壁画。
2の世界:M 昼夜分離。空地水を分離。陸海を分離。世界樹。装飾品の価値消失。
       効率的生産のための奴隷システムが確立。
3の世界:N 植物を創造。虫も創造。言語を介し、擬態も可能な巨大虫が支配者。
4の世界:Q 太陽・月・星を創造。鉱物の誕生。微生物の創造。
       微生物は意思を持ち、会話も可能となっている。
5の世界:S 鉱物・微生物の創造。海を泳ぐ生物と空を飛ぶ生物を創造。
       鉱物型知的生命体。最強の肉体を持つ。
6の世界:V 地を這う生物と人間を創造。最低文明。

世界そのものが宇宙であり、同義である。


貨幣のような物を用いている文明は最早、6の世界のヴァリオのみ。
これが一番の原因で、上位の世界からは見下され、笑われ、馬鹿にされている。
貨幣に縛られた世界では、科学も文明も芸術も、何時までも天井を抜けられない。
※金には実体がない。
媒体に本質はなく、現物に本質がある。そして、その本質にのみ価値や意義があるからである。


??????

 

 

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

 

「……――」

 

「…………だれ?」

 

「――――」

 

 

 

「……何を言ってるの……? ……わからないわ……」

 

「―――」

 

「……」

 

 

 

(やっぱりわからない……)

 

「――……」

 

「ぁっ……行っちゃった……」

 

 

 

「……いったい、誰だったのかしら……?」

 

 

「…………誰……だれ…………あら……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は…………ダレ……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

入渠場

 

―チャプン…

 

如月

「…………んっ……」ッ…

 

睦月

「っ!? 如月ちゃんっ!」

 

如月

「………むつき……ちゃん……?」

 

 

―――

作戦室

 

 

大淀

「――っ……了解です。 報告ありがとうございました、利根さん。

 ……昨日からずっと……本当にお疲れ様でしたっ……」

 

利根

『なに、お互い様じゃろ。

 では、入渠ドックから出る手伝いをしてやらねばならんのでな』

 

大淀

「はい。 引き続きになりますが、どうかよろしくお願いします」

 

利根

『うむ』

 

長門

「……よかったっ……!」

 

大淀

「ええ」ニコッ

 

 

――――――

金剛型の部屋

 

 

比叡

「あーん」

 

つo

 

ルドラ

「んまい」ムグムグ

 

比叡

「ふふっ」

 

アグニ

「汝は良いのか。 姉の所には行かないのか?」

 

比叡

「……今、邪魔するわけにはいきませんから…」

 

アグニ

「ほぉ、姉想いなことだな」

 

比叡

「いやぁーあはは///

 ……まぁ、大事な人ですからね、とても……。

 それは榛名も霧島も同じです。 もちろん、この鎮守府の皆も」

 

アグニ

「……ふむ」

 

・・・・・・

 

アグニ

「しかし、ヒエイよ。 汝は特別、姉を好いているのように見えるな」

 

比叡

「まぁ……////

 ……尊敬しているんです、本当に……。

 私たち姉妹も、他の子たちのことも、本当に大事に考えてくれている。

 ……自慢の姉なんです」

 

アグニ

「……良いな。 …うむ、やはり、良いものだな」

 

ルドラ

「…ゴクン。

 ……あの男にもかつては兄弟がいたのじゃがな……」

 

比叡

「…………え?」

 

 

――――――

工廠の外

 

 

今日の工廠での用をあらかた済ませたダンテ。

陸奥とは今日の分のまとめの報告のため、一旦別れた。

 

工廠から出て、本館までへの道を歩いていた。

 

 

 

スタスタ…

ダンテ

「……」

(まだまだ数は足りてねぇだろうが、これで多少はリスクを減らせるはずだ……)

 

 

…ピタ

ダンテ

「……ん?」

 

 

 

もう月が出ていた。

雲はなく、澄んだ空気に、静かな海。

 

つい昨日、この海で砲弾が飛び交い、

爆炎の舞う喧騒があったことなどは想像もし難い。

 

 

 

ダンテ

「……huh.

 本当に、"それ"さえなけりゃ、最高にいい所なんだろうな」…

 

 

ダンテ

「……haha! ……fum-. 柄じゃねぇか」

 

スタスタスタ…

 

 

――――――

鎮守府・本館、入り口

 

 

ダンテ

「……」スタスタ

 

 

如月

「む、睦月ちゃん、本当にもう大丈夫だからっ。 一人で歩けるわ……」

 

睦月

「だめだよ! 利根さんはああ言ってたけど、まだ病み上がりなんだしっ!」

 

如月

「ん~……。

 ……あっ」

 

睦月

「? ……あ」

 

 

ダンテ

(……)

「よ」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「もういいのか?」

 

如月

「え、ええ……。

 ……睦月ちゃん、やっぱり先に帰ってて?」

 

睦月

「えっ……」

 

如月

「大丈夫だから? ね?」ニコ

 

睦月

(……)

「……わかった。

 無理とかはダメだよ? 早く休めるように準備しておくからね」

 

如月

「ええ。 ありがとう、睦月ちゃん」

 

睦月

「……」…ペコリ

 

タタタタ

 

 

 

ダンテ

「……」

 

如月

「……」

 

ダンテ

「……ここにいる娘っ子は――」

 

如月

「……?」

 

ダンテ

「皆、姉妹仲がいいな。 それに、思いやりがあるヤツばっかりだ」

 

如月

「……うふふ、そうね。

 私の自慢の姉妹と……皆、私の大切な家族よ」フフフッ

 

ダンテ

「ha..」

 

・・・・・・

 

如月

「……ねぇ、助けてくれたのはあなただったのよね…?」

 

ダンテ

(……)

「お前さん、どこまで覚えてる?」

 

如月

「え……そうね……。

 海の底に沈みかけていたところを、ぜんぜん怖くない真っ赤な鬼さんが

 私を迎えに来てくれて、その両腕に抱いてくれた……って所までかしらね……」

 

ダンテ

「……へぇ、真っ赤なONIか。 それ知ってるぜ、日本にいる化け物のことだよな。

 まさか海にも現れるってことまでは知らなかったけどな。

 やっぱ魔境だな、日本ってのは」hahaha

 

如月

(……)

「……んふふ♪

 私も海にはもうけっこうよく出てるんだけど、

 海で鬼さんを見かけるなんて、さすがに今回が初めてなのよねぇ。

 本当に不思議な鬼さんだったわぁ。

 長門代理に報告して、調査をお願いしてみようかしら~?」

 

ダンテ

「……huh. 降参だ、お嬢ちゃん」

 

如月

「如月よ」

 

ダンテ

「……おう、キサラギ。

 "あれ"は他のやつには内緒にしといてくれねぇか?」

(少なくとも今はまだ、な……)

 

如月

(……)

「……うふふ、いいわ。そうしてあげる。 私とあなただけの秘密ね?」

 

ダンテ

「助かる」

 

如月

「うふふふっ♪」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「あぁ、そうだ。

 ほれ、預かってたヤツだ。 会ったらすぐに渡そうと思ってな」

 

つ【髪飾り】

 

如月

(……)

「ねぇ、あなたがつけてくれない?」

 

ダンテ

「……アン?」

 

如月

「いいから、お願い」

 

ダンテ

「……huh. ok」スッ…

 

如月

「……///」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「これでいいかい、お姫様?」ha

 

如月

「……んっ」サワ…

 

 

如月

「……うん。 まぁ、悪くはないわね♪」

 

ダンテ

「こりゃ手厳しいね」hm..

 

如月

「うふふふっ」

 

ダンテ

「hahaha」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「部屋までは大丈夫か?」

 

如月

「あら、もしかして送ってくれるの?」

 

ダンテ

「まぁそれくらいはな」

(付き添いだったやつも、帰らせちまってるしな)

 

如月

「……んふふっ、ありがと♪」

 

 

――――――

如月・弥生・望月の部屋

 

 

睦月

「――それじゃ、如月ちゃん。 ちゃんとゆっくり休んでねっ?」

 

如月

「……はぁ~い、わかってるわ。

 ……本当にいろいろありがとね、睦月ちゃん」

 

睦月

「……うん」

 

如月

「……あなたも」

 

ダンテ

「huh...

 今日はもう夜更かしはしないようにな。

 さっさとベッドに入ってオネンネしちまうこった」

 

如月

「あら♪

 それじゃ、あなたも、一緒にお休みしてくれない?

 そうしてくれたら、すぐにでも眠れると思うわ♪」

 

睦月

「にゃしっ!?///」

 

望月

「お、おいっ!///」

 

弥生

「っ…///」

 

ダンテ

「……あー、悪いがそいつはまた今度だな」

(あいつに知れて、何か勘違いでもされたら

 何言われるかわかったモンじゃねぇからな……)

 

如月

「あら……残念……。

 じゃあ、また今度。 約束よ?」

 

ダンテ

(……)

「……おう。

 それじゃあな。 いい夢を」クル…

 

睦月

(…あっ)

「それじゃ、如月ちゃん、また明日ねっ」

 

如月

「ええ。 お休みなさい、睦月ちゃん」

 

睦月

「うん、おやすみなさい。

 二人とも、如月ちゃんのこと頼んだよっ」スクッ

 

望月

「ああ」

 

弥生

「まかせて……おやすみ」フリフリ…

 

睦月

「うん、おやすみっ」

 

ガチャ パタン

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」スタスタスタ

 

睦月

「あのっ!」テテテテッ

 

ダンテ

「……ん?」

 

睦月

「如月ちゃんを助けてくれて、本当にありがとうございましたっ!」

 

ダンテ

「……huh. 気にするな。そういう依頼だ。

 というか」

 

睦月

「?」

 

ダンテ

「昨日、キサラギを連れて帰るのが遅くなって悪かったな。

 お前さんを盛大に泣かしちまった」huh..

 

睦月

「っ////

 すみません、恥ずかしい所を……///」

 

ダンテ

(……)

「……恥ずかしいことなんかじゃねぇさ」

 

睦月

「え……?」

 

ダンテ

「お前さんにとって、それだけ大事な家族だってことなんだろ?」

 

睦月

「っ……はいっ!」

 

ダンテ

「フッ……」ジー…

 

睦月

「………ふぇっ……え、えっと……な、なんですかぁ……?///」

 

ダンテ

(見た目は普通の女子供にしか見えねぇが、

 それでもカンムスってのは普通の人間とは違う……。 だが――)

「……いや、やっぱ本当に何も変わらねぇと思ってな」

 

睦月

「……?」

 

ダンテ

(たとえ人間でなくとも、大切な仲間や家族のために涙を流せる、か……)

「……huh. 悪い、なんでもねぇ。

 もう大分遅い。子供はとっくに寝る時間だ。

 お前さんも部屋に帰って、早く寝ちまいな。 それじゃな」クルッ…

 

睦月

(……)

「は、はい……。 ……あっ、おやすみなさいっ」ペコリッ

 

 

ダンテ

「ああ」ヒラヒラ

 

スタスタスタ…

 

 

 

 

 

 

 




【KCxDMC】ダンテ「シンカイセイカンねぇ」【ss】SE.ver



 Special Edition のお知らせ




修正・調整の案内とお詫び



修正・調整

・バグ(誤字脱字、キャラミス、*Tipsにおける不適切な表現)の修正

・バランス(キャラの性格・口調)の調整


*とある一部の方から、
「Tipsの内容について不適切な表現が用いられている」という旨のご指摘をいただき、
本作 Special Edition 版では関連項目を修正させていただくことが決定しました。



お詫び


この度は、内容の表現に関して不適切な使用があったことにより、
一部の方に多大なご迷惑をおかけしました事を深くお詫び申し上げます。

今回、とある方よりご指摘を受けまして、
Special Edition 版ではTips、ならびに関連項目において
徹底監査と修正を行っていくことが決定いたしました。

修正・調整等の件も合わせまして、
今後は十分に注意し、二度とこのようなことが起こらないようにして参ります。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。


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MISSION 04 ~ PANDEMONIUM and HELL ! ~
MISSION 4-1


なぜ神は時間の制約を受けているのか。
ヤコブ、後のイスラエルと徹夜で素手での殴り合いをしたという神。
モーシェの約櫃は実際には帯電していた。
砂漠で使われた《神々》の多用途車の実態。
例の大洪水は実に計画的に行われている。
なぜ《神々》は特定の金属を要求したのか。自らで思うままに錬金すれば良いものを。

聖典にはこうある。
「われらの像のごとくに人を造らん」
(創世記モーシェ第一書)
と。

唯一神であるはずの神は、聖典においては実際には複数として語られている。


ダンテが睦月らと別れて、提督室へと帰るころ

同刻(夜)

作戦室

 

 

陸奥

「――高速機動部隊の編成?」

 

長門

「……ああ。

 南西海域に眠る豊富な資源。

 今後激化する戦いに備え、なんとしても抑えておきたいわけなのだが……」

 

大淀

「深海棲艦の狙いも同じのようです。 近海にその存在を確認できました。

 明日のXXXX(午後ほど)には当該海域付近にまで接近し、

 XXXX(夕方ほど)には資源の回収作業を完了。

 その後、撤収していくものと思われます」

 

長門

「……言うまでもないが、資源の確保は絶対だ。 特に"ここ"ではな……」

 

陸奥・大淀

「……」

 

長門

「そして、タイミング的に、それは今しかない。

 この機会を逃せば……当該海域の資源は深海棲艦に全て持ち去られてしまう」

 

陸奥

「了解。

 急いで作戦会議ね。 あの人も呼んでくるわ」クルッ

 

大淀

「……」

 

長門

「……いや、彼はこの作戦には参加できない」

 

陸奥

「……え?」…ピタッ

 

大淀

「これを」つ[] ピラッ

 

・・・・・・

 

陸奥

「――出頭要請っ!?

 こ、これっ……!」

 

長門

「……そこに書かれている通りだ」

 

陸奥

「っ……今まで、一封筒をやり取りするだけだったのに、

 なんで急にまたっ……」

 

長門・大淀

「……」

 

陸奥

「……どうするの? 事情を説明して予定を変更してもらって――」

 

長門

「説明したさ……」

 

陸奥

「!?」

 

大淀

「……必ず、その日に出頭するようにと……」

 

陸奥

「っ……」

 

長門

「……それに念も押された」

 

陸奥

「え……?」

 

長門

「今回の資源確保作戦、"成功を祈っている" とな……」

 

陸奥

「っ……普段、まともに支給もしてくれないくせに、何なのよっ……!」

 

長門

「……その予定の日時に間に合わせるには、

 明日の正午にはもうここを発たねばならない。

 明日、お前は彼を連れて出頭してくれ」

 

陸奥

「……作戦はどうするつもりなの?」

 

長門

「……実を言うと、この作戦立案も急遽だったからな。

 もともと準備なども必要だったため、

 編成各位への作戦説明、そして決行は明日の予定だった。

 明日の作戦開始時刻まで、出来うる限りのことをする。

 ……それしかあるまい」

 

陸奥

「……」

 

長門

「お前はもう今日中に、出立の用意を済ませておけ。

 それと、彼にも説明をしておいてくれ」

 

陸奥

「……わかったわ……」

 

 

――――――

提督室

 

 

陸奥

「――というわけだから……」

 

ダンテ

「hu-m...」

(出頭ってなんだ……。 はっきり言って面倒くせぇことこの上ないんだが……。

 どうなってんだよ、レディ……。

 つーか、"約束"ってのもあるんだがな……)

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

(……依頼自体はそのお偉いさんから受けてるんだったな。

 止むを得ねぇわけか)

「……その編成メンバーってのはもう決まってるのか?」

 

陸奥

「え?」

 

・・・・・・

 

陸奥

「――その三人はもう既にメンバーだったけど……。

 ……天龍と龍田を?」

 

ダンテ

「ああ。

 この二人、足はどうなんだ?」

 

陸奥

(……)

「……うん、この二人なら、それは問題ないわ」

 

ダンテ

「good. それなら決まりだな。

 俺の代打に推すぜ」

 

陸奥

「わかったわ。 長門に伝えておく」

 

ダンテ

「頼んだ」

 

 

――――――

翌日、早朝

提督室

 

 

島風

「オゥ! オゥッ!」

 

天龍

「そんでよ! こう、剣に纏わせる感じのイメージでさぁ!

 まぁコイツが教えてくれたんだけどなっ!」ハハッ!

 

ダンテ

「へぇ、もう随分仲良くなったんだな」hahaha

 

天龍

「おう! それがよぉ、これがまた結構話せるヤツでよー!」

 

龍田

「よかったわね~天龍ちゃん♪」ウフフフ

 

大淀

「……」カタカタカタ ←PC操作

 

 

吹雪

「……あの、それで作戦というのは?」

 

長門

「……少し待っていてくれ。 全員揃ってから説明したい」

 

 

陸奥

「はーい、皆の分のお茶入ったわよー。 はい、大淀」カチャカチャ

 

大淀

「あ、どうも」

 

 

 

 

―ダァァーンテェェエ―イ!!

 

 

 

 

「「!!?」」

 

 

ダンテ

「……」

 

 

―バタァンッ!

 

金剛

「ばぁーにんぐぅーらぁあーぶぅー!!」ギュルルルッ!! ←月輪脚ばりの飛鳥文化アタック

 

ダンテ

「huh...」

 

 Royal Guard!

  -ロイヤルブロック- ×3

 

ガガッ ガァン!

 

…ポスッ

 

金剛

「Oop...?」

 

ダンテ

「相変わらず元気だな。お前は」ha..

 

金剛

「……oh!! ////」ギューッ ←お姫様だっこ+首に手を回す

 

 

陸奥

「っ……」

 

長門

「……」ハァ…

 

 

―タタタタッ

比叡

「お姉さま待ってくださいよ~っ……ん………っ!?」

 

榛名

「金剛お姉さま、室内で走るのはあまり……」

 

霧島

「……む、召集時刻にはまだ早かったはずですが、

 皆さんもうお集まりだったのですね。

 すみません、お待たせしてしまって」

 

長門

「……いや、いい。

 皆集まったな。 では今回の任務について説明する」

 

・・・・・・

 

榛名

「――よう撃作戦ですか?」

 

長門

「ああ。

 ……だが」

 

霧島

「現在、南西海域に発生中のスコール、ですね?」

 

大淀

「その通りです。 スコール自体は前日の予報で把握されてはいましたが」

 

龍田

「なるほど~。 つまり一航戦のような航空戦力が今回は運用できないから、」

 

天龍

「オレたち高速艦の出番ってわけだなっ!」

 

長門

「そうだ。

 今回編成した高速艦隊の皆の機動力を以って、敵艦隊を撃滅する。

 以上だ。 何か質問はあるか?」

 

金剛

「ハイっ!!」ノ ビシッ

 

陸奥

「……」

 

長門

「……だいたいわかるが、聞こう……」

 

金剛

「作戦の参加メンバーなんデスガ、

 人数的に今回は二隊編成での出撃ですよネっ!?

 私はダンテと同じ隊がいいデスっ!!」

 

吹雪

(質問じゃなくて要望だった……)

 

陸奥

(やっぱりね……)

 

長門

「……残念だが、彼はこの作戦には参加しない」

 

金剛

「」

 

龍田

(……)

 

天龍

「えっ? 出ないのか?」

 

榛名

(……え…?)

 

ダンテ

「……」huh..

 

・・・・・・

 

霧島

「……それは……本当に何とも急な話ですね……」

 

榛名

「……」

 

長門

「……よって、今回の作戦参加のメンバーは、

 金剛を旗艦とする、金剛型四姉妹の小隊と、

 天龍を旗艦とする、龍田、吹雪、島風の小隊だ」

 

天龍

「旗艦かっ……! ますます燃えてきたぜっ!」

 

龍田

(……)

「あの、私も質問いいですか~?」

 

長門

「ああ」

 

龍田

「数ある高速艦の中で、天龍ちゃんと私が選ばれた理由というのは、

 例の新兵装の関係ですか?」

 

長門

「ああ、その通りだ。 彼の推薦だ」

 

天龍

「っ!」

 

ダンテ

「……ま、そういうことだ。 俺の代わりにしっかり頼むぜ?」

 

天龍

「お、おう! まかせとけっ!//」

 

龍田

(提督代理の指名でなく、この人の……? ……へぇ~……)

「なるほど~。 でも、私の方は持っていませんよ~?」

 

長門

「ああ、それも陸奥からの報告で把握している。

 しかし、龍田に関しても彼の推薦なんだ」

 

天龍

「ん? ……んー?」

 

龍田

(……天龍ちゃんから目を離すなってことかしらね……。 後で工廠に行って、

 明石さんから"石"のストックをもらっておかないといけないわね~)

「そういうことですか。 わかりました~」

 

ダンテ

(……)

 

長門

「他には、誰かないか?」

 

 

「「……」」

 

 

長門

「……よし、作戦決行の開始時刻は XXXX (午後ほど)だが、

 皆、準備を済ませた後、もう一度ここに集まってくれ。 では一時解散!」

 

 

「「了解!」」

 

 

金剛

「……うぅ~……」

 

比叡

「ほら、お姉さまっ……」

 

ダンテ

「……コンゴウ」

 

金剛

「ダンテ……?」

 

ダンテ

「また土産話、楽しみにしてるからな?」

 

金剛

「っ!!」パァ

 

 

金剛

「ま、まかせるネー!

 ダンテにもらったあの装備で必ず大活躍してみせますカラっ!///」

 

ダンテ

「ほぅ、いいね。 頼もしいぜ」ha ha-

 

比叡

「……ふぅ」

 

榛名

「……」

 

ダンテ

「ハルナ」

 

榛名

(…!)

「は、はいっ 何でしょうっ?」

 

ダンテ

「コイツを持って行ってくれ」

 

つ【ホーリーウォーター ×3】

 

榛名

「……これは?」

 

ダンテ

「ヘビーな奴がいたら、そいつに投げつけろ。

 悪魔の力を持ってる奴なら有効なはずだ。

 使いどころだけ、間違えないようにな」

 

榛名

(っ……)

「……わかりました、大事に使います。

 お心遣い、ありがとうございますっ」

 

ダンテ

「……本当ならもっとくれてやりたいんだが、俺は元々こいつを使わねぇからな。

 あまり仕入れてはねぇんだ。 悪いな」

(つまらなくなるからな……)

 

榛名

「い、いえ……」

(……?)

 

 

 

 

 

 

 




【KC x DMC】ダンテ「シンカイセイカンねぇ」【ss】SE.ver



追加要素のお知らせ



・スローモード実装

…本作より新機能「スローモード」が実装。
 通常より0.8倍のss進行スピードとなり、テンポ・爽快感は悪くなるものの、
 ゴミばっかりのネタ要素が増す。
 *標準実装の機能。オプションで変更等はできません。


・プレイアブルキャラクター追加

…動向がいまいちよくわからなかったキャラクターのストーリーが楽しめる。
 ダンテの相棒である「トリッシュ」、
 ダンテと同業のデビルハンターである「レディ」を追加。
 他にも多数、追加予定!


・キャラクターのセリフ追加


・追加キャラ専用のネタ要素追加


・「レジェンダリースウィートエンジェルズ」モード追加

…大量に出現する敵群を蹴散らしていく、艦娘たちの外伝編が楽しめる。


・グラフィックのパワーアップx ⇒ 地文の追加により、状況描写を強化


・オリジナルストーリー追加

…ss本編終了後から、さらに20年後のパラレル世界にて、
 とある艦娘とオリジナルキャラクター2人との物語の序章を追加。




2018年 予定


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MISSION 4-2

「ヒト、地のおもてに増え始まりて、娘たち生まるるに及び、神の子たち、人の娘の美しきを見て、その好むところの者をとりて妻となせり」
(創世記第六章)

なぜ神が下位たる存在に欲情するのか。その感性は人と同質同等のものなのか?
神性など疑わしく、人格神、いやまさに人と変わらぬ。
"ヒト"そのものである。

古代イスラエルにおいては、ただ一柱の、触れるべからざる神しか持たなかった。ここで言われている、《神の子たち》とは?
触れるべからざる存在とは何だったのか?

「神の子たち、人の娘の所に入りて子を生ましたるころ、またその後までも、地に巨人ありき。これらもいにしえの勇士にして、誉れ高き者なりき」
(創世記第六章)

ここで言われている巨人とは、ただの大型人型ロボットのことである。
そしてもうひとつは、人類祖先の4種族の内の1つ、今遺骨も見つかっている巨人族のことを指している。


全員一時解散、

陸奥は出立の準備、他の者は出撃準備、そして集合

 

 

提督室

 

 

金剛

「ムッキィー!!

 どうしてぜかましはいつまで待っても来ないデスカーっ!?」

 

天龍

「オレも見てねぇな……」

 

龍田

「何してるのかしら~?」

 

吹雪

「島風ちゃん……」

 

陸奥

「大淀、わかりそう?」

 

大淀

「とにかく自由な艦娘なので、見つけるのは少々手間取るかと……」

 

長門

「むぅ……どこにいるんだ島風っ……」つ[島風の写真]⊂

 

ダンテ

「シマカゼって、さっきのバニー耳したお嬢ちゃんのことだよな?」

 

長門

「ああ、そうだ」

 

つ[島風の写真] ピラッ

 

ダンテ

「……hm」

 

陸奥

「」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――ま、わかったぜ。 俺も探してみる」スタスタ

 

ガチャ パタン

 

金剛

「あっ ダンテ、一緒に!」タタッ

 

比叡

「あ、お姉さま」

 

ガチャ

 

金剛

「……あ……うぅー……もういないデース……」

 

比叡

「……まぁ、私たちは別口で探しましょうか」

 

霧島

「そうですね。 手分けしたほうが早いでしょうし」

 

榛名

「榛名も参ります!」

 

吹雪

「あ、私も行きますっ」

 

 

龍田

「どうする?天龍ちゃん」

 

天龍

「しゃーねーだろ」

 

龍田

「うふふ、そうね。 それじゃどこから探す~?」

 

 

陸奥

「私たちは?」

 

長門

「全員でここを動くわけにはいかないからな……」

 

大淀

「では皆さん、見つからなくても、

 とりあえず30分後にもう一度ここに集まってください」

 

 

「「了解っ」」

 

 

――――――

鎮守府本館の屋根に立つダンテ。

 

 

ダンテ

「……hmm」

 

…シュンッ

 

 

――――――

波止場

 

 

島風

「……」

 

ダンテ

「ヘイ、ベイビーバニー。 何してんだ?」

 

島風

「っ…!

 ……れ、連装砲ちゃんとお話してたのっ……」

 

ダンテ

「レンソウホウ=チャン?」

 

島風

「……この子だよ」

つつ ズィ

連装砲ちゃん

「――ッ」ビシッ

 

ダンテ

「……へぇ、こいつは不思議なもんだな。 魔法か?」ha

 

・・・・・・

 

ダンテ

「来ないのか。 お前さんは」

 

島風

(……)

「……どうせあそこで集まってたって作戦の開始時間までまだあるもん……」

 

ダンテ

(……)hm..

 

島風

「……」イジイジ…

 

ダンテ

「……よし、そんなら暇つぶしに何かしようぜ。

 お前さん、なんか得意な遊びとかはねぇのか?」

 

島風

「…えっ?」

 

・・・・・・

 

島風

「――本当にいいのっ!?」

 

ダンテ

「ああ、もちろんいいぜ」hahaha

 

 

――そして、

 

 

島風

「――ん……そのままでもいいの?」←クラウチングスタート・スタンバイ

 

ダンテ

「ああ、俺はこれでいい」←直立

 

島風

「……ふ~ん、そんなこと言って、知らないからっ!

 手加減はしないからねーっ!」

 

ダンテ

「上等」ha ha-

 

・・・・・・

 

島風

「――ねぇねぇ! あれどうやってるのっ!? 教えてー!」コツコツ

 

ダンテ

「教えてどうにかなるようなもんじゃねぇだろうからなァ」スタスタ

 

島風

「えー……」

 

ダンテ

「――っと。着いたな」

 

島風

「用事って工廠だったんだ」

 

ダンテ

「ああ。 どうする?」

 

島風

「……別に、暇だしっ……」

 

ダンテ

「huh... ありがとな」

 

…ポン

 

島風

「んっ…///」

 

 

ダンテは他に何か"仕込み"はできないものかと、工廠に来たのだった。

 

 

――――――

工廠

 

 

夕張

「――出来たーっ!!」

 

明石

「?」

 

 

*-[らら

 ∩ ∩

夕張

「じゃじゃーん!」

 

明石

(かかと部分に撃鉄が付いた脚部艤装……? なんかまた悪い予感が……)

「……何ですか?それ。 なんかカウボーイのブーツみたいになってるけど……」

 

夕張

「ふっふーん! 金剛さんの新兵装と今平行して作ってる拳銃から着想を得たの!

 脚部の浮上用艤装をやたら頑丈にして、そこにとある機構を組み込んでみましたっ!

 片方の足でもう一方の撃鉄を引いて、

 両足を強く合わせるか、片足の踵に強い衝撃か、踵を強く踏むとっ……!」

 

明石

「……なしで」

 

夕張

「えぇっ!?」

 

明石

「もうだいたいわかっちゃったし……。

 どうせそれもまた出力の設定とかめちゃくちゃなんでしょう?」

 

夕張

「えー……セーブしたらそもそも意味がないって言うか……。

 イメージ的には、

 あの人がいつもピョンピョン飛んでるみたいなやつに近づく感じかしらね!

 こっちは文字通り、ただ瞬間爆発的に速いってだけなんだけどっ!

 オリジナルの方はもう完全に原理が謎だしねっ」

 

明石

「なんだか余計だめな感じが……。

 だいたいそんなの使いこなせる人いなくない……?」

 

夕張

「えぇー無理かなぁ……」

 

明石

「足だけ先行して、後頭部から落ちるイメージしか湧かないけど……」

 

夕張

「うーん……バランス練習するか、卓越した体裁きのセンスがあればあるいは……」

 

明石

(無茶振りすぎじゃ……)

「……もー、また石を好き勝手にー……」

 

夕張

「あははー……。

 小さい石なら有り余ってるから、

 いろいろ使って試したくなっちゃうんだよねぇー」

 

明石

「……まぁ、それは気持ちわかりますけど……」

 

 

―スタスタ

ダンテ

「楽しそうだな、ユウバリ、アカシ。

 そいつはなんだ?」

 

 

夕張

「ん、来たんだっ」

 

明石

「あら」

 

 

島風

「……おはようございまーすっ…」

 

夕張

「あぁ、おはよう………っ!」

 

明石

「はい、おはようございます」

 

・・・・・・

 

明石

「――なので、あんまり排水……えーっと、

 重さのある艦娘に装備させても推力が死んでしまうし、

 かといって軽量すぎる子に装備させて、その瞬間的な爆発的推力に、

 体が対応できるのかという……」

 

ダンテ

「……なるほどな。

 だが、今の俺には一人心当たりがあるんだがな……」…チラ

 

夕張

「っ! やっぱりそうよねっ!?」

 

島風

「…?」

 

・・・・・・

 

島風

「私にっ!?」

 

夕張

「ええ!

 それを付ければ、海上で面白い動きができるようになるわっ!」

 

島風

「面白い動き? 速くなるの?」

 

夕張

「足にターボジェットが付くイメージかしらね♪」

 

島風

「…オゥッ!?」

 

明石

「大丈夫なんでしょうか……?」

 

ダンテ

「ま、実際にやってみてからだな。

 ユウバリ、具体的にはどういう物なんだ?」

 

夕張

「あ、うん。 説明するわ。

 実はこのブーツの足底には、

 回転式拳銃のシリンダーをチェーン状にしたものが組み込まれてて、

 この撃鉄を引くと、そのチェーンシリンダーが回転するの。

 そして、そこには例のあの小さい石が敷き詰められてるわ。

 だからそれをハンマーすると――」

 

ダンテ

「…HA! なるほどな、面白いじゃねぇか」

 

島風

「?」

 

夕張

「まぁとりあえず、実際にやってみましょうか」

 

明石

「いきなりっ!?」

 

夕張

「だって結局は感覚で覚えないといけないことが多いだろうし」カチャカチャ

 

明石

「またそんなアバウトな……」

 

島風

「オーゥッ」ワクワク

 

夕張

「それじゃ、はい。 はじめの内はこれも一応付けてね」

 

つ【連装砲ちゃん型ヘルメット】

 

島風

「……はーい……」…カポッ

 

・・・・・・

 

島風

「オゥッ! オーゥッ!!」

 

ボヒュッ! ヒュボォッ!

 

 

明石

「……わぁー……本当にもうマスターしちゃった……」

(……というか姿勢が前傾気味で飛んでるから、まるでウサギみたい……)

 

夕張

「やっぱり!! 私の思った通りねっ!」

 

ダンテ

「ph~♪」hahaha

 

 

ダンテ

(……一応これで半分以上が"持ってる"ことになったな)

「……hm」

 

 

 

 

 

島風

 

 <ARMS>

 

  ラビッツ・フット(Lv.2)

 

 

譲与されました。

 

 

 

島風

 

 <STYLE>

  

  シューターラビット(Lv.2)    

 

 

習得しました。

 

 

 

 

 

 

 




Tips: 新兵装を含めた、各艦娘ごとの、現状の理想的基本戦法の立案(仮)

*敵中級艦以上を主に対象。稀に敵雑魚艦も。




・魔装 + 艤装 の戦法:

  吹雪 比叡



・魔艤装 の戦法:

  金剛 天龍 島風



・準、魔艤装 の戦法:

  翔鶴 浜風



・艤装 の戦法:

  榛名 霧島 龍田





                             Now Lo


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MISSION 4-3

「命は弱さを許さない」

アドルフ・ヒトラー


「すべての神々は死んだ。いまや、わたしたちは超人の生まれることを願う」

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ


そうだ、気付かせてやれ。
貴様のその力で。

神ではない。
自らの命と肉体、そして力こそが唯一の真実なのだ。

神の後追いをするかのように、死んでいる人間どもを生き返らせろ。
今また新たに、死にゆこうとする人間どもの目を覚まさせろ。
そして、思い知らせてやるのだ。

くだらない人間どもに、死にたくない、と。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


人の上に立つ存在というものは、決して"人間"であってはならない。
少なくとも、その精神においては。

人間を超越した精神力の持ち主――超人であらねばならない。

人の上に立つつもりであるならば、

己の死の恐怖を克服せよ。
己が身可愛さに、他者を国民を、売り渡すようなことは決してするな。

毎日、霞を食うような飢餓に陥ることをも、ためらうな。
他者が国民が餓えるくらいならば我が、と申し出よ。
己の物を惜しみなく、他者に国民に分け与えよ。

金に生きるな、情に生きよ。
金を貪らずに愛を与えるのだ。この二つは対をなす。
生と真理に最も近きは何であるのか、気付きを得るのだ。

これらのすべては上の者が抱える下の者たちのためである。
その者たちのために、死ね。
人間として。

これらの覚悟なき者、己を捨て、人間を辞め、超人となれぬ者は決して人の上には立つな。
国長など、もってのほかである。


島風を発見。

急遽、島風の新兵装の報告もなされ、

それに対する準備や装備登録などが行われた。

*編成状況は特に変更なし

出撃

 

 

――――――

作戦海域・近辺

 

―ビュォォッ

 

吹雪

「んっ……すごい雨……」スィー

 

霧島

「これでは確かに航空戦力の投入は無意味……。

 速度に秀でた艦隊が編成されるわけです……」

 

 

島風

「みんなおっそーい」

 

 

榛名

「島風ちゃん、先行しすぎですっ」

 

比叡

「もーっ、旗艦は金剛お姉さまよー!」

 

 

天龍

「ハッ」

 

龍田

「うふふ~♪ はしゃいじゃうのも仕方ないわよね~♪」

 

 

金剛

「HAHAHA!」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「現在、航行中の二小隊は適度な距離を保ちつつ、目的海域まで進行中です。

 ……若干、島風さんが先行気味ではありますが」

 

長門

「…うむ」

 

 

――――――

提督室

 

―ガコッ ←小さめの荷物ケース

 

陸奥

「――よし、と。 それじゃあ、行きましょうか」

 

ダンテ

「……おう」

 

 

――――――

深海勢・棲地(今回の攻略海域からはそれなりに遠いところ)

 

 

????????

「~~♪」

 

 

ノソ…

深海棲艦・尽

「――ッ! オイ、マダ出テイナカッタノカッ?」

 

????????

「オヤ。

 イエイエ、アナタニ言ワレタ通リ、

 今回同行スル他ノ者ニハモウ先ニ行イッテモライマシタヨ。

 ……マァ、ドウセ同行サセルナラ、

 拙者ノコノ者達ダケデ十分ダッタト思イマスガネェ」スッ…

 

 

そう言うとその者は、腰に結わえてある腰巾着を見せた。

その者が動く度に、その中からはジャラジャラと音がする。

それはまるで滑りの良い玉石同士が擦れているかのような音だった。

 

 

深海棲艦・尽

(……)

「……大丈夫ナノカ? 今カラデハ奴等ニ遅レヲ取ッテシマウノデハナイカ?」

 

????????

「ソノ心配ハ無用デスヨ。 アソコヘ向カウダケナラスグデスカラ」

 

深海棲艦・尽

「……ソウカ」クル…

 

ノソノソノソ…

 

 

????????

「……フフフッ。

 サァ、マズハ御手並ミ拝見ト行キマショウカ」

 

 

――――――

当該海域

 

 

霧島

「――作戦海域に到着」

 

金剛

「……ンー?

 敵はまだデスカネー?」

 

霧島

「……――っ!

 金剛お姉さま! 敵影、見えてきましたっ!」

 

吹雪

「っ……!」ググッ…

 

天龍

「おいおいおいおい!

 聞いてた話と違うじゃねぇか! ウジャウジャいやがるぜぇ!」

 

龍田

「ふふふっ♪ 天龍ちゃん、口角が上がってるわよ~♪」

 

天龍

「ハッ!

 当たり前だろっ、やっとコイツが試せるんだからな!」

 

金剛

「同感デースっ!

 ダンテに貰ったこの装備で必ず戦果をあげてみせマース!」

 

比叡

(製作は主に夕張ちゃんだったって聞いてますけど……)

 

榛名

「お姉さま、ご指示を!」

 

金剛

「私が先行シマス! 皆さんは後から来てくださいネー!」

 

島風

「えー」

 

吹雪

「……え?」

 

天龍

「……あん?」

 

 

―ボヒュッ!! ヒューンッ!

 

 

  -ハートホッピング-

 

 

 

天龍・吹雪・榛名

「っ!?」

 

島風

「オゥッ!?」

 

霧島

「と、飛んだっ……!?」

 

比叡

「パ パ、パンツ!? お姉さま!パンツがっ!!」ヒエェーイ!!

 

 

 

 

 

金剛

 

 <VALKYRIUS>

 

  ハートホッピング

 

…スチームのエネルギーを瞬間的に爆発させて、

 それを足裏から一気に放出することで、大跳躍を可能とした機構。

 ちなみに、これ発動時に金剛との距離があまりにも近すぎる場合、

 同様に、あぁ^~こころが(ry

 要はヤケドする。

 *ダメージ判定有り

 

 

 

 

 

ほぼ鉛直方向に上昇して上空高くに跳び上がる金剛。

しかし、やがてその推力はエネルギーを失い、ついには重力に負けた。

 

反転して落下し始めようとしていたその時、

金剛は左足を曲げて、右足を突き出す。

 

 

 

 

敵深海棲艦s

「――ッ!!?」

 

 

 

 

金剛

「バァーーニィングゥゥウーーーッ  ラァァァァブゥーッ!!!」

 

 

 

  -バーニングラブ-

 

 

 

ザッバァァアーッ!!!

 

 

 

 

 

金剛

 

 <VALKYRIUS>

 

  バーニングラブ

 

…簡単に言うと <ギルガメス> の フルハウス(ライダーキック)のような技。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

敵駆逐艦s

「ギギィ…」ボスンッ…

 

…プカー…

 

 

金剛

「hu... まだまだたくさん居ますネェー」グッグッ… ←拳慣らし

 

 

 

…ガシャ!

敵駆逐艦

「ギッ!」

 

 

群れの中心に飛び込んだ金剛。

余波を逃れた敵艦の照準が向けられる。

 

 

 

霧島

「…っ! お姉さまっ!!」

 

比叡

「あぁっ!」

 

 

――――――

 

 

…キィーンッ バシュンッ!

 

金剛

「甘いデースっ!」グッ!!

 

 

  -オーバー ♡ フロー-

 

 

 

ゾッバァァアーッ!!!

 

 

 

 

 

金剛

 

 <VALKYRIUS>

 

  オーバー ♡ フロー

 

… <ギルガメス> のショックみたいな技(フルスチーム使用)。

 周囲に衝撃波を発生させる。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

榛名

「す、すごいっ……!」

 

霧島

「あれが新兵装っ……」

 

比叡

「……!

 お姉さまぁ!まだ生き残りがっ!」

 

 

――――――

 

 

敵駆逐艦

「―ギッ!」ガシャッ

 

バァンッ!

 

 

金剛の側面にいた生き残りの敵艦の砲撃が放たれる。

 

 

 

金剛

「oops! 恋はっ!」クンッ ←バックステッポゥ

 

―スカッ

 

敵駆逐艦

「ギッ!?」

 

 

金剛

「駆け引きもっ!」バシュンッ! ←スチームチャージ

 

 

敵駆逐艦

「ギ、ギィッ…!」

 

 

金剛

「大事デスカラネーっ!」ビュンッ!! ←右ストレート

 

―ドゴォッ!!

 

敵駆逐艦

「ギャッ!?」ボスンッ!!

 

 

 

 

 

金剛

 

 <VALKYRIUS>

 

  バック&アプローチ

 

… <ギルガメス> のドロー&ストレイト。

 

 

 

 

 

金剛

「ヘイヘーイ! もう終わりデスカーっ!?」シュッシュッ!

 

HAHAHAHA-!!

 

 

――――――

 

 

比叡

「わはーっ! お姉さまー!!」ブンブンッ!

 

霧島

「……もうこれ全部、お姉さま一人でいいんじゃないですか……?」

 

榛名

「え、えっと……」

 

 

天龍

「」

 

龍田

「あ、あらあら~……」

 

 

島風

「オー」

 

吹雪

「……っ! でもまだまだ来てますっ!!」

 

島風

「あ、じゃぁ次は私のばーんっ」ガチャンッ! …カコォンッ!

 

吹雪

「え……島風ちゃ …あれ?い、いないっ…!

 いったいどこに…………っ!」

 

連装砲ちゃん

「ッ――」セッセ セッセ…

 

天龍

「――あっ! あいつ……!」

 

龍田

「……あら~」

 

 

――――――

 

ザァー

 

敵艦s

「……」

 

―ヒュンッ

島風

「こんにちわー」ザパッ

 

 

「「ギィッ!?」」

 

 

敵艦1

「―ギギッ!」

 

敵艦2

「ッ! ッ!」

 

敵艦3

「―ッ!」

 

 

島風

「……んー……何話してるのー? わかんないよっ。

 ね、そんなくだらないおしゃべりより私とかけっこしよっ?」

 

 

敵艦1

「…ギッ!」ガシャ バァンッ!

 

 

島風

「オゥッ!」

 

  -ラビットオン-

 

パシャッ!

 

 

敵艦1

「っ!?」

 

島風

「当たらないよーっ」

 

 

 

 

 

島風

 

 <RABBIT-FOOT>

 

  ラビットオン

 

…海上でも瞬発的に躍進することができるギミック。

 どちらか片方のブーツの撃鉄を引いて、

 ハンマーすることにより発動されるシングルトリガーアクションのステップ。

 自身の重心を片足の爆発に重ねるようにして、体軸を任意方向に傾けて全身を飛ばす。

 普通に考えれば、とてつもない体裁き・体術センスを要求されるはずだが、

 島風的には造作もないようだ。

 

 "何か言ってるー? くだらないこと話してないで、私とかけっこしよ!"

 

 

 

 

 

驚異的な単体機動力に狼狽し、一度距離を取ろうとする敵艦s。

 

 

敵艦s

「ギー!」

 

ザザァー!

 

 

島風

「あー! …もうっ!」カチカチン パカァンッ!

 

  -ヘアオフ-

 

 

―ヒュンッ!

島風

「にひひっ!」

 

敵艦1

「」

 

 

瞬時にその背後に回った島風。

 

 

 

 

 

島風

 

 <RABBIT-FOOT>

 

  ヘアオフ

 

…中距離を一瞬で移動して、一気に距離を詰めることができるギミック。

 こちらは両方のブーツの撃鉄を引いて、

 両足のかかとを強く叩き合せる(or 両足を強く踏む)ことにより

 発動するダブルトリガーアクションのステップ。

 自身の重心を両足の爆発に重ねるようにして、

 体軸を任意方向に傾けて全身を飛ばす。

 

 "にひひっ あなたって、遅いのね!"

 

 

 

 

 

一瞬の出来事に硬直する敵艦1。

しかし、すぐさま兎に角も下がろうとする。

 

 

敵艦1

「…ッ―!」-ザッ

 

島風

「…むー、まってってばーっ」

 

  -ラッティング・ラビット-

 

―ガッ

 

敵艦1

「―ッ!!」

 

 

 

 

 

島風

 

 <RABBIT-FOOT>

 

  ラッティング・ラビット

 

…対象に乗りかかる技。

 そこからさらに飛び跳ねたり、蹴ったり、踏み付けたりはバニーちゃんの自由♪

 

 "だからー、しまかぜからは逃げられないって!"

 

 

 

 

 

島風

「逃げてばっかりだからつまんないよー」

 

敵艦1

「」

 

島風

「…にひっ 行くよ?」カチリッ カッ!

 

  -ラビットシュート-

 

ッカァァン!

 

 

 

 

 

島風

 

 <RABBIT-FOOT>

 

  ラビットシュート

 

…爆発に重心は重ねずに体軸をずらし、

 足だけを円運動の空振りをさせるようにして、

 爆発の推進力をそのまま放つブレットキック。

 

 "オゥッ! おーぅっ!!"

 

 

 

 

 

島風

「次々いっちゃうよーっ!」アハハハーッ

 

 

――――――

 

 

吹雪

「……えぇ……」

 

天龍

「なんだあれ……」

 

龍田

「乗っては蹴って、乗っては蹴ってって感じね~」ウフフ~

 

 

霧島

「…と、とにかく私たちも急いで合流しましょうっ」

 

榛名

「そ、そうですねっ。

 圧倒的には見えますが、お姉さまも島風ちゃんも孤立しちゃってますし……。

 まだまだ数も残っています。 いつ後ろを取られるか……」

 

比叡

「っ…急ごう!」

 

アグニ

「む、やっと出番か」

 

ルドラ

「あそこまで飛べば良いのじゃな?ヒエイよ」

 

比叡

「え?」

 

アグニ

「我らを使え」

 

ルドラ

「まずは手に取るのじゃ」

 

比叡

「…えと」つoつo

 

―パァ

 

つ‡つ‡ シャキンッ

 

 

アグニ

「先の姉よりもはるか上空に上げてやろう。

 後は汝次第だ」

 

ルドラ

「うまく敵の群れの中に突っ込むのじゃ」

 

比叡

「…………んん"っ!??」

 

 

戸惑う比叡をよそに、

両手に持たれた双剣が比叡の意思とは別に、ひとりでに頭の上にあがっていく。

 

 

比叡

「あ、あれっ!?」

 

 

―ビュォォォオオオ―ッ!!!

 

 

  -テムペスト-

 

 

 

ヒエェ―…

 

 

 

霧島

「」

 

榛名

「……」

 

 

吹雪

「比叡さーんっ!?」

 

天龍

「……すげぇー……」

 

龍田

「あらあら~……」

 

 

――――――

上空

 

 

ヒュォー…

 

比叡

「ひえぇっ!!

 ちょっ! これどうするんですかぁ!?」

 

ルドラ

「ん?」

 

アグニ

「汝のその赤い装備は羽ではないのか?」

 

比叡

「っ!

 ……で、でも本当にそんな使い方とかしたことないですよぉっ!」ヒェーンッ!

 

アグニ

「なんと。

 …ふむ、それは困ったな」

 

ルドラ

「連続して二度は飛べぬ」

 

比叡

「な、なんでですかっ!?」

 

アグニ

「一度着地……いやこの場合、汝であれば着水か。

 その必要がある」

 

比叡

「」

 

ルドラ

「あるいは"えねみーすてっぷ"か」

 

・・・・・・

 

比叡

「~~!

 やるしかないっ……!

 お二人とも、協力してください!」

 

アグニ・ルドラ

「承知」

 

 

そう言うと比叡は、自身の艤装の特殊ギミック"羽"を広げた。

アグニとルドラに炎風を生み出してもらい、周囲の気流を操り、

それを自身の羽で制御する。

 

 

 

  -スカイダンス-

 

 

 

――――――

 

 

金剛

「――Oh! ヤるネー! ぜかましー!」

 

 

 

島風

「ぜかましじゃなぁーいっ!」

 

 

 

金剛

「私もまだまだ全然ヤれますからネー。 負けてはいられませんネっ!」

 

 

 

 

―オネエサマァ"ァ"ア"ーッ!!

 

 

 

 

金剛

「oh? 比叡? もう追いついたんデスカ?」クル ←振り向く

 

 

 

「ひぇぇえーーー!!」

 

ヒューン!!

 

 

金剛

「What's happened!?」ビクーンッ!

 

 

―ズシャァァー!!

 

 

比叡

「ハァハァハァッ!!」

(な、なんとか滑空できた……!!)

 

 

金剛

「……ひ、比叡……大丈夫デスカ……?」

 

 

 

敵艦s

「」

 

 

 

 

比叡

「……」フルフル…

 

 

金剛

「……比叡……?」

 

 

比叡

「……うわーん! お姉さまーっ!!

 落下そのまま海面に直撃して入水轟沈してしまうかとーっ!!」ヒェーン

 

ダキィッ!

 

金剛

「oh... なかなかExcitingだったのネー……」ナデナデ…

 

 

アグニ

「うむ、見事」フフフ…

 

ルドラ

「なかなか良い筋をしておる」ホッホッホ…

 

 

金剛

「アハハ……」ナデナデ…

 

比叡

「ひぇーん……///」

 

 

 

敵艦s

「……ギィ……」タジ…

 

 

 

ヒェーン///

オーヨシヨシ

 

 

 

駆逐イ級

「……」…ガシャンッ

 

 

怯んでいた敵艦の一隻、駆逐イ級がすぐさま我を取り戻し、

背中を見せている隙だらけの比叡に照準を向ける。

それに気付いたのは金剛と――

 

 

金剛

「―っ!! 比叡! 後ろデスっ!」

 

比叡

「……え…?」

 

アグニ

「ふんっ!!」

ルドラ

「ぬぅんっ!!」

 

  -エアクロウラー-

 

ボォォッ!

 

 

 

―ボスンッ!

駆逐イ級

「」プシュー…

 

 

 

アグニとルドラであった。

駆逐イ級から砲弾が放たれようとするその寸前、

アグニが空中に炎を生み出し、それをルドラが風で運んだ。

 

魔の炎風の刃はその砲弾に引火し、駆逐イ級は自滅する。

 

 

 

 

 

アグニ&ルドラ

 

 <AGNI&RUDRA>

 

  エアクロウラー

 

…アグニが空中に魔の炎を生み出し、それをルドラが魔の風で運ぶという炎風の刃。

 遠距離属性の攻撃技。

 *オリ技

 

 

 

 

 

比叡

「あっ……」

 

金剛

「……フゥ。 サンクスデース! アグニ、ルドラ! Nice work ネ!」

 

ルドラ

「ふっふっふ」

 

アグニ

「油断大敵だぞ、ヒエイ」

 

比叡

「っ……は、はい、すみませんっ……」

 

 

――――――

 

 

榛名

「っ……」…フゥ…

 

霧島

(……)

「手遅れになる前に、急ぎましょう」サァー!

 

榛名

「……ええ!」サァー!

 

 

天龍

「よし、オレたちも続くぞ!」サァー!

 

龍田

「りょうか~い♪」ウフフー

 

吹雪

「は、はいっ!」サァー!

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 4-4

「この世界は力に満ちた"完全な人"のものであり、
 弱々しい"中途半端な人"のものではない。
 支配権力が非道な手段を用いるならば、
 こちらも非道な手段を用いることをためらうな」

アドルフ・ヒトラー


暴虐には必ず反逆を。

理不尽な行いには、必ず反抗を。
その意を必ず示さなくてはならない。
己を脅かそうとする存在には、絶対に容赦はしてはならない。

忘れるな。
我々には既に、かつて偉大なる先達がいたのだ。
相手がたとえ神であろうとも、反旗を翻し、反逆を誓った王が。
そのために、悪魔にすべてを明け渡すことも厭わなかった男が。

慈悲深いなど笑わせる。
たったの8人だけを見逃し、それ以外はすべて溺れ死にさせたような、まさにそれこそ悪魔のような存在だ。
糞の役にも立たぬような存在に縋ることはない。

我等は反逆する。
たとえ、相手が神であろうとも。
たとえこの身も、魂も悪魔にすべてを捧げることになろうとも。


鎮守府・正門

 

 

ダンテ

「……」…

 

 

―コツコツッ

陸奥

「お待たせー」フリフリー

 

ダンテ

「……お前、行きましょうって言ってからいったいどれだけ――

 ……あぁ、何を待てっつってるのかと思ったら、着替えてたんだな」

 

陸奥

「さすがにあの格好じゃ出られないでしょっ……」

 

ダンテ

「hm... それもいいとは思うけどなぁ」hahaha

 

陸奥

「他の子と違って、あたしの制服だと外着にはならないのよっ///」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「よし、そんじゃそろそろ――」クル…

 

陸奥

「…あっ……ねぇっ」

 

ダンテ

「アン?」

 

陸奥

「……何かないの?」…ヒラッ

 

ダンテ

(……)

「……ああ、"pretty"だな。 大女優に見える」

 

陸奥

「……///」♪

 

 

――――――

作戦海域

後続隊

 

―コォ! パキンッ! ドォンッ!

 

吹雪

「……ふぅ」

 

天龍

「……へぇ、これをあの犬がやってるとはなぁ……」

 

龍田

「悪魔の力って本当にすごいわね~」

 

吹雪

「でも……いくら防げても、数が多くて……速いですっ……!」

 

天龍

「……ああ」

(ちょこまかしてるのが多い……。

 これだとオレの"アレ"でもうまく当てられるかどうか……)

 

龍田

「いつの間にか後ろ側を固められてたのねぇ」

 

 

霧島

「数に物を言わせた鉄床戦術……!

 ……仕方がありません、両翼散開しましょう。

 このまま固まって前進し、お姉さま方と合流しても、状況に窮するだけですっ……」

 

榛名

「っ……」

 

 

ケルビ

(……)

 

吹雪

「い、急いで散開をっ……」

 

ケルビ

『フブキ』

 

吹雪

「うぇ!?」

(こ、声!? ケルビのっ……?)

 

ケルビ

『恐れることはない。 我がお前の力となる。

 臆せず立ち向かえ』

 

吹雪

「っ…………わかった……!」

 

 

転身し、敵群に向かう吹雪。

 

 

霧島

「っ……!」

 

榛名

「吹雪ちゃん!?」

 

天龍

「あ、おいっ……!」

 

龍田

(……ん~?)

 

・・・・・・

 

吹雪

「……」

 

 

吹雪は敵の接近を静かに見守っていた。

 

 

榛名

「危ないですよっ! 吹雪ちゃん!早くっ!」

 

霧島

「……まさか……」

(何か……)

 

龍田

(……)

「……ねぇ」

 

天龍

「……ああ」

 

 

 

 

駆逐イ級

「――」ザァー!

 

 

 

 

吹雪

(よく引き付けてからって……)

 

 

駆逐イ級

「グォォー!!」ガシャッ!

 

 

吹雪

「…っ! ケルビ!」

 

ケルビ

『よし』

 

 

  -クリスタル-

 

 

ズダダダダッパキン!

 

 

駆逐イ級

「!??」ザァー!

 

―スコーンッ!

 

駆逐イ級

「フギャッ!?」

 

 

突如、巨大な氷柱が出現し、それに駆逐イ級が勢いよく衝突した。

直後に続いていた敵群も、同じくその氷柱にせき止められる。

 

 

吹雪

「!」

 

 

霧島・榛名

「っ!?」

 

天龍・龍田

「……!」

 

 

 

敵味方の別なく、その場にいたほとんどが驚愕した。

 

豪快に氷柱に激突した敵艦は、後に続いていた艦からの後追い衝突で

お互いに航行不能なまでのダメージを受ける。

しかし、そのさらに後方にいて、航行距離に余裕のあった敵艦は

突然の事に戸惑いつつも、氷柱を迂回しようとしていた。

 

 

 

吹雪

「あっ!」

 

ケルビ

『……』

 

 

  -ミリオンカラット-

 

 

―ヒォォ… ビキーンッ!!

 

 

駆逐イ級s

「「―ッ!?」」

 

 

 

先ほどの巨大な氷柱が変形し、四方八方に割れて広がる。

それはまるで氷の檻のようだった。

 

その檻が敵艦すべてを閉じ込める。

 

 

 

駆逐イ級s

「「ギ、ァ…ッ!!」」

 

ギチギチ…

 

 

 

霧島・榛名・天龍・龍田

「……」

 

 

吹雪

「っ……」

(すごい……これがケルビの力っ……)

 

ケルビ

『呆けるな、フブキ。 お前たちで止めを刺すのだ』

 

吹雪

「あ……う、うんっ!

 えっとっ……・み、皆さん! 砲撃の用意をしてください!

 目標はあの……だ、拿捕した敵艦隊ですっ!

 撃ち方は氷には当たらないようにする感じでっ……」

 

 

榛名

「えっ? ど、どうすればっ?」

 

霧島

「…なるほど……。

 要は曲射砲撃をすればいい、ということですね」

 

 

吹雪

「そ、それですっ!」

 

 

龍田

「この距離なら私たちでもできるわね~」

 

天龍

「曲射砲撃ともなると、ギリギリっぽいけどな……。

 ……やるかっ!」

 

龍田

「了解~」

 

霧島

「では皆さん、号令します!

 曲射砲撃、よーいっ……撃てーっ!!」

 

・・・・・・

 

天龍

「やるじゃねぇか、吹雪!」

 

榛名

「吹雪ちゃん、すごいですっ!」

 

吹雪

「あ、いえ、あはは……。 ほとんどケルビがやってくれてたんです」

 

龍田

「本当にすごいワンちゃんだったのね~」

 

ケルビ

『……』

 

霧島

「お話は後にしましょう。 急いでお姉さま方と合流しませんと」

 

榛名

「ぁっ そ、そうですねっ」

 

吹雪

「はい!」

 

 

 

 

 

ケルビ

 

 <CERBERUS>

 

  クリスタル

   -ミリオンカラット

 

 

ケルベロス Lv2(赤の右眼)

 

…その"こうべ"は現在を象徴し、その見開かれた右眼には再生の力を宿らせている。

 主の意思に従い、巨大で堅硬な氷柱を出現させる役目を担う。

 その力は水の、かつて結晶であった頃の記憶まで呼び起こす。

 この能力の応用性は非常に高いため、主とのコンビネーションとアイディア次第で

 いくらでも戦況を変化させられる新たな戦法を生み出すことができるだろう。

 

 

 

 

 

――――――

二小隊、合流

 

 

霧島

「――ご無事でなによりです。 お姉さま方も島風さんも」

 

金剛

「ノープロブレムデース! アリガトネっ!」

 

島風

「へっへーん!」

 

比叡

「……ふぅ、どうなるかと思ったぁ……」

 

榛名

「……」ホッ…

 

吹雪

(あの後も合流までは特に増援も現れなかったし、本当に何もなくてよかったぁ……)

 

 

天龍

「……しっかし、もう粗方片付けちまったんだなぁ。

 龍田、見えるか?」

 

龍田

「敵影なし。

 あとはもう資材のあるポイントまで移動して、回収したら作戦のほとんどは完了ね~」

 

天龍

(……)

 

龍田

「……んふふ。

 そんなにガッカリしないで?天龍ちゃん」

 

天龍

「別に……」

 

龍田

「また機会はいつだってあるわよ。

 敵は例の"アレ"のせいで厄介になってきてるんだし。

 ……あの人なら、ちゃんと天龍ちゃんのこと、たくさん使ってくれるわ。

 だって、頼りにしてるって言ってくれてたもの。 ね?」

 

天龍

「……へっ。 だな。

 よし、そんじゃとっとそのポイントまで移動して――」

 

 

 

―ズザザザザー!

 

 

 

龍田

「っ!? 天龍ちゃん後ろ!」

 

天龍

「っ!!」

 

 

「「!!」」

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「っ!? 当該海域に急速に接近する物体を確認!」

 

長門

「…何っ!?」

(物体だとっ…?)

 

大淀

「突然現れたっ……!?

 っ……二小隊、接触します!」

 

 

――――――

目標海域・付近

 

 

島風

「なになにーこれー!? すごく速くなかったー!?」オーゥッ!

 

吹雪

「う、うーん……?

 ……本当になんでしょう、これ……?」

 

比叡

「何かって言ったら……乗り物、かなぁ……?」

 

金剛

「すごい勢いで近付いて来たと思ったら、直前で急停止しましたネ……」

 

榛名

「……でも、突然現れませんでしたか……?」

 

龍田

(……)

「ついさっきまではたしかに、周囲には何も見えていなかったはずなんだけど……」

 

霧島

(いったいどういうこと……?)

「それにしても、奇妙な乗り物……ですね。

 赤い球体状の物に荷車のような木造が付いていて、

 それが海水に浮いている……。

 ……明らかにこれは……」

 

天龍

(……)…スィー…

 

 

龍田

「ちょ、天龍ちゃんっ?」

 

 

…ピクッ

天龍

「っ! 何か来る……!」

 

 

龍田

「…え?」

 

 

 

…ヒュゥーン  …サクッ

 

 

天龍

「……あん?」

 

 

その奇妙な物体の上に、どこからともなく現れた刀が突き刺さった。

 

 

「――トウッ!!」

 

―スタッ

 

 

その刀の柄の上に、一つの影が降り立つ。

 

 

「「!?」」

 

 

????????

「………フッ……ハハハハハハハハッ!

 オ待タセシマシタ諸君!」

 

 

天龍

「だ、誰だテメェはっ!?」

 

 

????????

「ヨクゾ聞イテクレマシタ!

 拙者ノ名前ハ……!」クルッ ←回り

 

 

 

「「……」」

 

 

 

????????

「――シンカイダンテス! 深海界最高ノ剣士!」シュビッ! ←ポーズ

 

 

 

比叡

(…………濃い……)

 

霧島

(……濃い、ですね……)

 

榛名

(……)

 

金剛

(濃すぎデース……)

 

龍田

(濃いわ~……)

 

吹雪

(濃い、よね……?)

 

島風

「こっゆーい」

 

 

天龍

(っ……!)

 

 

 

 

 

 

 




SECRET MISSION 4-4-1

 ~ これも大事なお勤め ~



大本営海軍部・一室


??
「――え? コンビニエンスの店員さん、ですか……?」

????
「そうだ。
 近々、各鎮守府で軍民双方間の交流を目的とした、
 鎮守府の一般公開イベントが催されることは知っているな?」

??
「あ、はい。 存じています」
(なんでも、日頃頑張っている艦隊の皆さんを労うのと、
 民間の方々との相互理解を促進させるために娯楽を提供する催し……
 だったかしら)

????
「元々、近年より、こういった民間との交流イベントは
 深海棲艦が現れ、それに対抗するために艦娘が軍用されることが決定した当初から、
 軍事行動を円滑に行うため、積極的に行われてきた」

??
「……」

????
「次に行われるイベントもそれと同様の物なわけだが、
 今回に限っては多少、事情が違ってね。
 ……厳密にはとある鎮守府に限って、なのだが……」

??
「……?」

????
「……フッ。 まぁこれは、今君が知るようなことではないな」

??
「はぁ……」
(?)

????
「とにかく、いろいろ"わけ"もあって、
 これからは民間からのより深い理解と支持、信頼を得ておく必要が出てきた。
 よって、大本営はその一環として、軍民間の交流促進の新企画を考案した」

??
「それが今回のお話、というわけですか?」

????
「その通りだ。
 今回、君に来ている指令はその試金石とも言えるものだ」

??
「え……?」

????
「なんでも、聞いた話では今回の指令から間を置かずして、
 次は某牛丼チェーン店との合同イベントを大本営では企画中とのことだ。
 民間と距離を詰め、どんどん積極的に触れ合っていきたい、ということなのだろうな」

??
「な、なるほど……」
(深くは考えないでおこうかな……)


??
(……あれ? 試金石……?)


??
(…………!)


??
「た、大役じゃないですかっ!!」

????
「そうだな」

??
「うぅ……私でいいのでしょうか……?」

????
「確かに君は配属されてからはまだ日も浅いな。
 しかし大本営、そして、
 すでにもう君のことを知っている各鎮守府の提督達からの推薦だそうだ。
 自信を持っていいんじゃないか?」

??
「っ……皆さんが私のことを……。
 ……わかりました。 この鹿島、今回の任務、謹んでお引き受け致しますっ!」

????
「よろしく頼む」

鹿島
「はい!」


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MISSION 4-5

デュランティス。

神への、反逆と復讐の剣。原初の王の怨恨を宿した剣。
貴様の持つ剣の原義が知りたければ、それを真に手に入れるがいい。
それはかの塔の最頂上にある。

お前も覚えがあるだろう。俺たちがいた、あれよりもさらに上だ。
そして剣は、歯をむき出しにし、天を激しく睨みつけている像が上空に掲げるように握っている。
まるで天上にいる、何かの存在に突き刺さんとするかのように……。

剣には赤い女神の血の祝福と恩恵がある。
それはお前の持つ力の本質と変わらない。
赤い女神の血に濡れた剣とお前の力こそ、神を殺しうる力だ。


作戦海域、謎の深海の剣士との対峙

 

 

シンカイダンテス

(……)

「…フーン」

 

 

その者は静かに周囲を見渡していた。

その目は、先ほどまで数多くいた同胞艦を探す視線だった。

しかしそれは一瞬で、すぐに二小隊の方にその視線を向けてくる。

 

 

吹雪

「っ……」

 

島風

「ねーねー、恥ずかしくないのー? そんな真似しててー」

 

 

シンカイダンテス

「全ー然。

 トコロデ、……フム、マサカココマデ使イ物ニナラナイトハ……。

 ……イヤ、アルイハ……アナタ方ガ遥カニ優レテイタ、カ……」

 

 

霧島

(……)

 

 

シンカイダンテス

「………フフフフフッ! コレゾ僥倖!

 久シ振リニ強ソウナ敵ニ出会エテ、

 拙者ノ剣モ涙ト興奮ニ震エテイマス……! ……ンゥームッ♥」←剣にきっす

 

 

((うわぁ……))

 

・・・・・・

 

比叡

「なんですかこの人……」

 

天龍

「……お、おい!お前!」

 

 

シンカイダンテス

「……ム?」

 

 

天龍

「さっき、深海最高の剣士って……そう言ったよな?」

 

龍田

(……)

 

 

シンカイダンテス

「……如何ニモ。

 拙者コソガ、深海界最高ノ剣士! シンカイダンテス!」シュバッ! ←ポーズ

 

 

吹雪

(……なんで二回も名前言ったんだろう……?)

 

 

天龍

「……へっ、面白れぇ……!

 おい、オレと戦ろうぜっ! お前らは手を出すなよ!」

 

 

榛名

「えぇっ!?」

 

金剛

「……霧島」ボソ…

 

霧島

「ええ……。 おそらくですが、あの者も只者ではないのでしょう……。

 最早、何の根拠もない、直感的な判断ですが……」

 

龍田

(天龍ちゃん……)

 

 

シンカイダンテス

「……」

(個人的ニ気ニナッテイルノハ、アノ栗色ノ髪ノショートノ艦娘ト、

 槍ヲ携行シテイル艦娘ナノダガ……)…チラ

 

 

比叡

「ひぇっ……な、何か見られてるぅっ……」

 

龍田

「……」

 

天龍

「お、おいっ!余所見してんじゃねぇよっ!相手はオレだっつってんだろっ!!

 世界水準超えのオレ様を舐めてんじゃねぇーっ!(泣)」

 

吹雪

「て、天龍さん……」

 

 

シンカイダンテス

(!!)

「世界水準ヲ超エテイルダト……! ……ホゥ…」

(見タ目ソノヨウニハ思エナカッタガ、見掛ケニハヨラヌトイウコトカ……!)

 

 

シンカイダンテス

「……面白イ、イイデショウ……!」ジャラッ キラーン…  ブンッ!

 

 

霧島

「っ! 何か仕掛けてきます!」

 

島風

「オゥッ!?」

 

 

その者は腰に結わえていた巾着に手を突っ込むと、

中から三つの青い玉石を取り出した。

そしてそれらを空中に放り投げる。

 

 

―カッ!

 

 

金剛

「クゥッ……!」ググッ…

 

比叡

「視界が……!」

 

天龍

「なんっ!? だよっ……!」

 

 

―シュー…

 

 

…パチリ

榛名

「……っ!?」

 

吹雪

「あ、あれ……っ」

 

 

明らかに人外異形の三つの青黒い影がそこにはあった。

 

 

シンカイダンテス

「フフフフッ……。 デハ天龍サントヤラ、一騎討チト行キマショウカ。

 他ノ方々ノオ相手ハ、ソノ者達ガ務メマス。

 …アァ、ゴ心配ナク。 退屈ハサセナイト思イマスヨ」

 

 

龍田

(分断!? 天龍ちゃんを一人にはっ…!)

「天龍ちゃっ」バッ!

 

 

シンカイダンテス

「…無粋ナ」ポチッ

 

プシュー!

 

 

龍田

「!?」

 

 

その珍妙な乗り物に搭載されていたのであろうスイッチをその者が押すと、

淀んだ霧が広く噴出される。

その霧は天龍がいる位置より少し遠い、他の二小隊のいる方の海へと

すぐに沈殿した。それからほどなく、海面が妖しく濁る。

 

そして、その場にいた者達には、その海面から発せられる異様さにはどこか重苦しい空気を感じさせられ、いつもの海に立っているような感覚とは明らかに違った。

 

 

――――――

作戦室

 

 

大淀

「…っ!?」

 

長門

「……大淀?」

 

 

――――――

 

 

比叡

「っ……足元が……!」

 

吹雪

「う、海が何か変ですっ……!」

 

榛名

「脚部艤装が重い……」

 

島風

「うぅー……!」

 

…ザバァ!

 

金剛

「What's!? なんデスカこいつハー!?」

 

―ガバァ!

 

霧島

「!? くっ! 足に……!」

 

 

それは青い花虫類・刺胞動物のようにも見えたが、

その姿形、そして大きさから、明らかに異界の存在であることがわかる。

 

 

龍田

「っ……天龍ちゃん!!」づ

 

 

天龍

「お前らっ……龍田ァ!」つ

 

 

―ヒュォォッ!

 

 

天龍

「!?」

 

 

天龍以外の二小隊の姿が消えた。

 

 

 

 

 

――フォルト。

本来であれば、魔界に生息しているはずの地中生物。その悪魔の仕業である。

フォルトは、元々は魔力を嗅ぎ分けて獲物を追い、地面から唐突に現れて喰らい付き、

獲物を異空間に引きずり込むという生態を持つ悪魔である。(DMC4登場)

{IMG20104}

 

 

 

 

 

天龍

「き、消えた……! お、おい!何しやがったお前!?」

 

 

シンカイダンテス

「ソンナニ心配ナサラズトモ大丈夫デスヨ。

 少シノ間、離レテイテモラウダケデス。

 私ハ単ニ、フェアニ闘リタイト考エテイルダケナノデネ」

 

 

天龍

「……」

(……どういう理屈なのかはわからねぇが、

 とにかく、コイツをどうにかさえ出来りゃ……ってことか……?)

 

 

シンカイダンテス

「マサカ、世界最高ノ剣士ト謳ワレテイル人物ト、

 剣ヲ交エルコトガ出来ル機会ナンテソウハ無イデショウ」

 

 

天龍

「!!」

(世界最高の剣士っ……!?)

 

 

シンカイダンテス

「一騎討チヲ申シ込ミタクナルノモ無理ハ無イトイウモノ……。

 ……デハ……行キマスヨ!」

 

 

天龍

「…お、おうよっ! どっからでも来いヤァ!!///」

 

 

なぜか尾ひれが付きまくっていた。

 

 

――――――

魔空空間・勇の間

 

 

吹雪

「……んっ……うぅ……」ムクリ…

 

島風

「あ……吹雪ちゃん、大丈夫……?」

 

吹雪

「……島風ちゃん……? ……あれ? ここは…………えっ……?

 ……昔のお城……?」

 

島風

「……わからない……。

 あの気持ち悪いイソギンチャクみたいな化け物につかまったと思ったけど、

 気付いたらここに……」

 

吹雪

「っ……。

 ……他の人たちは?」

 

島風

「それもわからないけど、

 たぶん、今ここにいるのは私たちだけなのかも……」

 

吹雪

「そんなっ……」

 

 

 

―クォォーンッ!!

 

 

 

吹雪・島風

「!?」

 

・・・・・・

 

吹雪

「何っ!?」

 

島風

(…!)

「あそこっ!」つ ビッ!

 

 

 

バッサバッサッ

 

 

 

吹雪

「あれって……」

 

島風

「……鳥だっ……」

 

吹雪

(!)

「……まさか、さっきのあの……」

 

島風

「……うん。

 あの変な人が投げた石が光った後に現れた、三つの黒い影のうちの一つだよ。

 モヤみたいになっててよく見えなかったけど、あれって鳥だったんだ……」

 

吹雪

(……ん?)

「……うーん、なんていうか……鷹……いや雉、かな……?」

 

島風

「……そうなの?」

 

吹雪

「い、いや、私もよくはわからないけど……なんとなく見た目が……?」

 

島風

「ふーん……」

 

 

 

黒い鳥

「……」バッサバッサッ

 

 

――――――

魔空空間・智の間

 

ガサガサガサッ

 

比叡

「ぷはっ! ……ふぅ……あっついぃ……」ヒェー…

 

 

―ガサッ

金剛

「まったくデース……」

 

 

比叡

「あ、お姉さまっ。

 どうですか? あれから何か見つけられました?出口とか」テテテッ

 

金剛

「イエ、特には何モ……」

 

比叡

「そう、ですか……」

 

金剛

「……その様子だと、比叡もデスカ?」

 

比叡

「はい……」

 

 

金剛・比叡

「…………はぁ……」ガクリ…

 

・・・・・・

 

金剛

「――それにしても、本当に不思議デスネェ。

 あの後気付いたらこんな森にいるナンテ」

 

比叡

「ですねぇ」

 

 

 

―ガサッ

 

 

 

金剛

「…ン?」

 

比叡

「……あ」

 

・・・・・・

 

ウゥーォッ ウォッ ウォッ

 

 

 

金剛

「……猿?」

 

比叡

「ですね……」

 

金剛

「……木の上にいますネ」

 

比叡

「ええ……。

 ……あの猿、よく見ると、さきほど海上で見た猿ですね」

 

金剛

「……ア~…」

 

 

 

黒い猿

「……」ガシ…

 

 

――――――

魔空空間・仁の間

 

 

榛名

「……」

 

霧島

「……」

 

龍田

「……」

 

 

 

黒い犬

「……」

 

・・・・・・

 

龍田

「……ずっとこうしてるけど、どうする……?」

 

霧島

「……現状を確認しましょう。

 と言ってもわからないことだらけですが……」

 

榛名

「はい……」

 

龍田

「……」

 

霧島

「……えー、先ほどまで海上にいたはずの我々は

 あの謎の花虫類・刺胞動物に捕獲された後、

 なぜかこのような場所にいました」

 

龍田

「……本当に気味の悪い場所よね、ここ……。

 何か大きな生物の胃袋の中みたいな……いえ、牙らしき物も見えるから

 もしかして口の中、なのかしら……?」

 

榛名

「っ……や、やめてください龍田さんっ!

 考えないようにしてたのに……」

 

霧島

「……そして今目の前には、

 先ほどの海上で見た、これまた謎の見た目犬(?)のような動物に睨まれ

 膠着状態にある、こんなところですね……」

 

龍田

(不明瞭な点ばっかりね……。 まぁ仕方ないんだけど……)

 

榛名

「……あの子もさっきからずっと動きませんね……」

 

 

 

黒い犬

「……」

 

・・・・・・

 

龍田

(わからないことだらけ……。

 でも、こんなことをしている場合じゃないわ……)

「……」スッ…

 

榛名

「! 龍田さんっ?」

 

 

 

黒い犬

「……」ピク…

 

 

 

龍田

「っ……」ピタッ…

 

 

 

黒い犬

「……」…

 

 

 

龍田

「……」

(もどかしいわね……)

 

霧島

(……)

「……龍田さん、相手の出方もまだわかりません。

 先手をかけるにしても、作戦は練らないと……」

 

龍田

「……わかったわ……」

 

 

――――――

作戦海域(海上)

 

 

天龍

「――はぁはぁはぁはぁっ!!」ゼェゼェッ…!

 

シンカイダンテス

「……全然駄目デスネ。

 ソレデ世界最高トハ……。 陸ノ世界モ底ガ知レタモノデス」ヤレヤレ…

 

天龍

「ぐっ……くそォ……!!」ググッ…

(こいつ……冗談抜きでマジで強ぇ……!!)

 

 

――――――

作戦室

 

 

長門

「――また、か……」

 

大淀

「はい……。

 通信はすべて途絶。 天龍以外の艦娘の信号、ロストしました……」

 

長門

「……っ」

 

 

――――――

作戦海域(海上)

 

 

シンカイダンテス

「――デ、ドウシマスカ? モウ降参デモシマスカ?

 アマリノ拍子抜ケニ、シラケテシマッタノデスガ」

 

 

天龍

「っ……」

(間合いの見極めがヤバイ……。 完全にもう見切られてる……。

 今のオレの剣じゃ、もう全部避けられちまうはずだ……。

 ……何よりこいつ……)

 

 

シンカイダンテス

「ンー?」…チャキッ

 

 

息を荒くする天龍と比べて、シンカイダンテスは戦いが始まって以来、

一切、その姿勢を崩してはいなかった。

剣を右手で握り、体の側面に流しているその構え。

 

人体の急所ラインの正中線を晒すその構えは、

一見すると隙だらけにしか見えないが、実際に対峙すれば

その認識のままで挑むことは愚かであったと思い知らされることになる。

 

 

天龍

(……オレの剣を……全部漏れなく捌きやがるっ……一本も入らねぇっ……!)

 

 

――絶対防御。

それは彼自身の手によって編み出された剣技の一つである。

その技の発動中は相手の攻撃の一切を無効化してしまうほどの堅牢さを誇る。

恐るべき"捌き"の妙技である。

 

 

 

 

 

天龍

(……認めたくはねぇが今のオレじゃ、あの防御を突破できる気はしねぇ…)

「…………"ミノツチ"」…シュー…

 

 

シンカイダンテス

「……ホゥ。 ソレハ……」

 

 

天龍

「……こっちはまだ諦めたわけじゃねぇからなっ。

 守りが堅すぎるってんなら"コイツ"を試してやるだけだ!

 行くぜっ!!」ザァッ!!

 

 

シンカイダンテス

「……フッ……」…チャキッ

 

 

――――――

魔空空間 -勇の魔-

 

 

黒雉

「クォーンッ!」バサササッ!

 

ビュビュビュンッ!

 

 

島風

「羽っ!?」つ ズィッ!

 

つ⊂ ギュッ!

 

吹雪

「ぅわわっ!島風ちゃ」

 

タタタタッ!!

 

島風

「なんでーっ!?

 さっきまで大人しかったのにいきなり攻撃してきたよー!?」

 

吹雪

「そういえばけっこう攻撃的な一面もあったかもー!!」

 

島風

「そうなのー!?」

 

 

黒雉

「クォーン!!」バヒューン!

 

 

島風・吹雪

「うわーーっ!!」

 

 

タタタタターッ!

 

 

――――――

魔空空間 -智の魔-

 

 

―ベシッ

金剛

「イッタ!?」

 

比叡

「あぁお姉さまっ また……」

 

 

 

ウォッウォッwww

 

 

 

金剛

「……」…プルプルッ…

 

比叡

「あわわわわっ……」

 

金剛

「……ムッキーっ!! 卑怯デース!!

 そんな所から木の実を投げるばっかり! 降りてきなサーイ!!

 その真っ赤なお尻をペンペンしてやりマースっ!!」

 

比叡

「そういえば全身真っ黒なのにお尻だけ赤いですよね、あの猿……」

 

 

 

黒猿

「……」ノシ =o ビュッ!

 

 

 

比叡

(!)

「お姉さま!!」ササッ!

 

金剛

「っ!」

 

―パシッ

比叡

「……ふぅ」つo

 

金剛

「Wow! サンクスデース比叡! ナイスキャッチネ!」

 

 

 

黒猿

「……」

 

 

 

比叡

「えへへっ/// いやぁーそれほどでも………ん?」つo.。

 

―ブシュッ!

 

比叡・金剛

「!?」

 

 

比叡

「ぅわっ! くっさ!? なんか目にも染みるっ!!」ゲッホッ! ゲホッ!

 

金剛

「比叡!? ……ウ"っ!?」

 

 

 

ブヒャヒャヒャヒャwwww

 

 

 

比叡

「ちょ…」ゴホゴホッ… ゴシゴシ…

 

金剛

「お前もうそれ猿の笑い方じゃないデスカラネー!?」

 

・・・・・・

 

黒猿

「www」ボリボリ ←ケツを掻いてる

 

 

 

金剛

「ぐぬぬ……」

 

比叡

「……いっそもうこの森ごと、アグニさんの炎でっ……!」

 

アグニ

「おぉ、またも出番か」

 

金剛

(!?)

「ちょっ それはちょっと待つデース二人ともっ!」

 

比叡

「はい?」

 

アグニ

「む?」

 

金剛

「……今の私たちでは、この森の道順も出口もわかりマセン……。

 この森で火事を起こして、その火の速度がどれくらいになるかもわかりマセンし、

 火よりも移動の速い煙の方が怖いとも言いマス……。

 万が一も考えられマスヨ……」

 

比叡

「あっ……」

 

アグニ

「……うーむ……」

 

 

 

黒猿

「……」…

 

 

 

金剛

(……)

「……本当に、なんともヤッカイなのが相手になりマシタネ……」

 

比叡

「……くっ……」

 

ルドラ

「……ふむ……」

 

 

――――――

魔空空間 -仁の魔-

 

 

――膠着状態。

作戦の方針も定まらずにいた。

 

 

霧島・榛名

「……」ウーン…

 

龍田

(……)

 

 

 

黒犬

「……」

 

 

そして、ついに龍田はそれに痺れを切らしてしまった。

 

 

龍田

「……やっぱり、こうしてても何も変わらないわ。私が仕掛けてみる」

 

榛名

「……龍田さん……」

 

霧島

(……)

「……確かにその通りなのかもしれません……。

 わかりました。 では龍田さんを先行に、

 それを後方から援護する役と後に続く者を決めてから――」

 

龍田

「そっちはよろしく。 先に行くわ……!」ザッ!

 

榛名

「あっ…!」

 

霧島

「っ!」

(……)

 

 

 

黒犬

「……」…スクッ

 

 

機敏に飛び出したように見えた龍田だったが、

それに劣らず、黒犬の反応も早かった。

龍田に遅れることなく、既に対応できる姿勢となっていたのだった。

 

 

龍田

「はぁっ!」ブンッ!

 

 

そのため、龍田の槍の一撃がヒットすることはなかった。

そればかりか、

 

 

黒犬

「……」…ヒュォッ

 

 

龍田

「!!」

 

―シュタッ

黒犬

「…グルッ」

 

 

龍田は後ろを取られてしまった。

 

 

霧島

(!)

「てぇっ!!」バァン!

 

 

 

黒犬

(……)ヒュンッ!

 

 

霧島の咄嗟の機転による援護射撃。

それは黒犬に命中させることはできなかったものの、

龍田の窮地を脱することには成功した。

 

 

タタタッ!

 

榛名

「龍田さんっ!」

 

龍田

「っ……ごめんなさい……」

 

コツコツ…

霧島

「……お気持ちはわかります。

 ですが、やはりここはしっかりと連携して展開させて行きましょう。

 相手が未知数過ぎる存在であるからこそ、なおさら……」

 

龍田

「……従います。 もう独行はしないわ……」

 

榛名

(……何事もなくてよかった……)フゥ…

 

霧島

(……)

 

・・・・・・

 

黒犬

(……)

 

 

 

…ジッ

霧島

(……あの犬、また前と同様に静観している……。

 つい先ほど、龍田さんの背後を取ったときは

 明らかに何か攻撃を仕掛けてきそうな雰囲気だったと思うのだけど……)

「……いったい、どういう……」

 

 

 

黒犬

「……」フシュ…

 

 

・・・・・・

 

 

魔空空間 ~ 仁の磨 ~

 

 

先の緊張が嘘のように、また以前と同様の沈黙が戻る。

 

 

黒犬

「……」

 

 

 

榛名

「……また、動きがなくなりましたね……」

 

龍田

「さっきは私が仕掛けたから、それに反応しただけだったってことかしら……?」

 

霧島

(……まさかとは思うけど…………結局試してみないとわからないわね……)

「……気付いた、というか試してみたいことがあります。

 二人とも、協力をお願いできますか?」

 

榛名

「え…は、はいっ」

 

龍田

(……)

「了解」

 

・・・・・・

 

霧島

「……」ジー…

 

 

 

黒犬

「……」…

 

 

 

霧島

「……」…チラ ←榛名と龍田の方を見やる

 

榛名・龍田

「……」…コクリ

 

霧島

(……よし、今!)ダダダッ!!

 

 

 

黒犬

「ッ…!」ピクッ シュタッ!!

 

 

 

榛名・龍田

(動いたっ!!)

 

 

霧島

「…くっ!」

(速い…!!)

 

 

黒犬

「グルルッ!」タタタタッ!!

 

 

霧島

(でも、まだもう少し…!)ダダダダッ!

 

黒犬

「……ガウッ!!」グワァ!!

 

 

 

榛名・龍田

(!!)

 

 

 

榛名

「今ですっ!!」

 

龍田

「ええ!!」

 

ドォン!

ドォォンッ!

 

 

黒犬

「!?」

 

霧島

(…よしっ!)

 

 

黒犬が霧島に襲い掛かろうと、飛び上がったその瞬間、

榛名と龍田は息を合わせて、背後からその隙を狙い撃ちする。

 

 

―ボォンッ!!

黒犬

「ギャンッ!?」

 

 

 

榛名

「当たった……!」

 

龍田

「っ……」

 

…スッ

霧島

「……行動の原理がわかりました。

 敵は元々、状況の不利をよく理解していたようです。

 ……敵ながら、侮れません……」

 

榛名

「……?」

 

龍田

「……どういうことなの?」

 

・・・・・・

 

龍田

(……)

 

榛名

「……あぁ、だからあのとき……」

 

龍田

「……隊を乱し、突出した者から手早く仕留めようとしていた……」

 

霧島

「……ええ、そのようです」

 

龍田

「……」

 

霧島

(……)

「これは龍田さんのおかげで気付くことができました。

 龍田さん、お見事でした」

 

龍田

(……)

「……んふふ、どういたしまして~♪」

 

榛名

「…ふふっ」

 

・・・・・・

 

黒犬

「ハッ…ハッ…」

 

 

 

榛名

「だいぶ疲弊しているようですね……」

 

龍田

「砲弾は完全に直撃。 かなり効いたみたいね……」

 

霧島

「……見た目に惑わされてはいけません。相手は敵です。

 それに、我々とて予断が許されるような状況ではありません……。

 戦闘を長引かせる意味はなし。 このまま一気に畳み掛けます!

 総員、砲撃よーいっ!!」

 

榛名

「はいっ!」

 

龍田

「了解!」

 

ガシャンッ!

 

 

 

黒犬

「…………ウゥ"ッ」…シュー…

 

 

 

榛名

「!?」

 

龍田

「っ…!!」

 

霧島

「あれはっ…!?」

 

 

 

―パァーッ!!

 

黒犬?

《……グルルッ…!》ボシュー…

 

 

それは黄黒く、視界が歪んで見えるほどの謎の禍々しい光を放っていた。

 

 

黒犬?

《ガルルッ……》フシューッ…!!

 

 

 

霧島・榛名・龍田

「……」

 

 

その様相を見た三人は直感的に悟る。

 

 

榛名

「……あ、あの……霧島……?」

 

龍田

「よくはわからないけど……これってまずいわよね……?」

 

霧島

「……作戦変更です……。

 可能な限り、お互いから離れないように回避行動に徹してください……。

 今のあの相手に迂闊に仕掛けるのは現状、得策ではないと思います……」

 

 

 

黒犬?

《フシュッ…》

 

 

 

龍田

(……突然現れた、あの敵も退屈はさせないとか言ってたけど……)

「……ほんと、大変なのが相手になったわね……」

 

霧島

「……」

 

龍田

(この敵でこれだと、天龍ちゃんが今相手にしている敵は……)

「……ふぅ……本当、困ったわ~。

 案外、あれがもう"あの子"のラストヘビーだったりしないのかしら~……」

 

榛名

(……ラスト……ヘビー……)

「………ぁっ」

 

 

何かを思い出した榛名。

袖にしまっていた、ある物に視線をやる。

 

 

つ○*

 

榛名

(……)

 

 

―グッ…

榛名

「……霧島、龍田さん。

 今度は、私の作戦に協力をお願いします……!」

 

霧島

「…え、ええ…」

 

龍田

「っ…わかったわ」

 

 

 

フシューッ…

黒犬?

(……)…ザリ…

 

 

 

 

 

 

 




Tips: Devil Trigger (デビルトリガー) ~悪魔への引き金~

*以降ネタバレしまくり注意




魔具の魔力(悪魔の魂・記憶や精神・異質・心 *オリセ)を媒介として
悪魔の力を開放し、より強力な魔人の姿へと変化させる。
魔具の影響を大きく受け、その姿形と武器の特徴をより強化した性能に変化する。


*DMC4以降では、ダンテは全身へ送る魔力の供給が安定しており、
効率良く全身へ魔力が循環されているため、
魔具を変更しても魔人状態の姿は変化しない。

ネロ(DMC4)は閻魔刀を用いて(閻魔刀をトリガーとして)、魔人化しているため、
「閻魔刀の鞘と同化した左腕」など魔人バージルと共通点を持った、
青白い武人の姿をした魔力が具現化されたものが自身の背後に見える。

ルシア(DMC2)は元来、純粋な人造悪魔であるため、
魔具を介さないので、魔具変更しても姿は変化しない。




・DMC4時点におけるダンテのデビルトリガー(DT)に関する個人的考察



ダンテは全身へ送る魔力の供給が安定しており、
効率良く全身へ魔力が循環されているため、
魔具を変更しても魔人状態の姿は変化しない。

魔人化をもう大分、使いこなしており、
この時点でDMC3時系列のバージル(19歳?)の魔人化よりも能力は上か。
(*ゲーム的性能の話は除く)


*バージルはDMC4SE・DMC3の両方の時系列において、
魔人状態の姿は装備中の魔具に依存した変化をしている。
*フォースエッジ単体にはトリガーとなれるだけの魔力がないため、
これを装備している間の魔人化は閻魔刀をトリガーとして行われている。




・当ssにおける、デビルトリガーの扱い・恩恵



Tips: 魔装、艤装、魔艤装、???????
 →???????
  = デビルトリガー
*オリジナルの詳細な恩恵や仕様などは、攻略やwikiを参照してください。


…このss内では、
 もう単純に段階を一段階上昇させることができるくらいのものとして扱う。
 *予定

 例) DT時 リベリオン (魔装) → 敵中級艦を十分に撃破可能。





                           Now Loadin







Tips: Partial Devil Trigger (パーシャル・デビルトリガー) 
               ~部分的なデビルトリガー~

*以降すべてオリセ




体の任意の一部分だけを魔人化させる、DT技能の一つ。
当然のことながらフルDTと比べて、全体的な能力・性能は落ちている。
しかし、周囲への影響を抑えられるというメリットがある。あと目立ちにくい。

この見た目的な変化や性能の上下幅は、現時のダンテであれば精緻な制御が可能。
また、応用の幅も非常に広く、
見た目だけ完全な魔人の姿で能力値の上昇はほぼ変化のないようにしたり、
体の一部分だけ集中特化させて見た目の変化や能力の上昇を促すといったことも出来る。


*この部分的なデビルトリガーについては、
DMC4小説 ~Deadly Fortune~ 上巻 もよければ参照されたし。





                             Now Loa


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MISSION 4-6

「わたしはまた、一匹の獣が海の中から上って来るのを見た。これには十本の角と七つの頭があった。それらの角には十本の王冠があり、頭には神を冒涜するさまざまな名が記されていた」
(ヨハネの黙示録 13:1)

かつて人間界と魔界を繋いでいた例の巨塔。
あれの地下最下層、地獄の第九圏には明星の堕天使が幽閉されているが、これを解放することによって、本当の意味で、あの過去の封印のすべてを破壊することができる。

すべての封印が解かれた暁には、あの大悪魔が現界することになるだろう。

その姿、赤き血に塗れるが如く。
真の竜である。

赤い竜。爬虫類の王……──いや、レ○テ○リ○ンの王。
其の名は、ルシファー。
かつてはその背中に、あの大淫婦を乗せていた。

また、明星の堕天使は地獄の最深部にして、地球の重力をも司っている。
地獄と煉獄(Limbo)を繋ぐ大穴を塞ぐ形で磔にされている堕天使の解放は、地球の重力場の状態を乱し、煉獄に満ちている魔素の噴出を意味する。
そのときのエネルギーの奔流はシンプルに膨大な熱量の放出が伴われる。
そうなれば、第九圏の極寒地獄を覆う氷は全て溶け、それが人間界の海に流れ出て水面を大幅に上昇させる。
水没する島国も出てくるだろう。

貴様に助言をしておいてやる。

あの塔自体が魔界を抑え込んでおくための檻でもあったのだ。
原初の王が悪魔と契約を結ぶことで造られたあの塔は、元々呪われているのだ。
いつかまた顕れるであろうあの塔を再び封印したくば、地獄の第九圏・嘆きの川にて、巨人となった原初の王、そして第二圏・愛欲者の地獄にいる赤き血の女神を訪ねよ。


魔空空間 ~ 仁の磨 ~

 

 

霧島

「それで榛名、作戦とは?」

 

榛名

「これを使おうと思います」

つ○*

 

霧島・龍田

「……それは?」

 

榛名

「ダンテさんからいただきました。

 ……たぶんですけど、今が使い時だと思うんですっ……」

 

霧島

(……)

 

龍田

(……なんだか、大き目の香水に見えるわね……)

 

霧島

「わかったわ。 悠長に説明していられる暇も余裕もない、ということね」

 

榛名

「…」コクリ…

 

龍田

「了解。 つまりそれを相手に確実に命中させたいってことね」

 

榛名

「はい!」

 

霧島

「では、かく乱は主に私と龍田さんで行いましょう」

 

龍田

「ええ」

 

霧島

「榛名はその隙を上手く突いて。

 ただし、作戦は常に三個一隊で行うので、あまり離れないように」

 

榛名

「わかりました!」

 

霧島

(……できるだけ急がないと……。

 お姉さま方と他の方々の様子も気がかり……)

 

龍田

(他の子たちのことも心配だわ……。天龍ちゃんの残りの石の数も不安だし……)グッ…

 

榛名

「……っ」キュッ…

 

 

 

黒犬?

《……グル……》フシュ…

 

 

 

霧島

「……それでは、作戦を開始します!」

 

榛名・龍田

「はい!」

 

・・・・・・

 

-三個・挟撃包囲作戦-

 

 

霧島

(なんとか包囲することには成功しましたがっ…!)

 

 

黒犬?

《ガウッ!!》グワァ!!

 

龍田

「っ…! ふっ!」ササッ!

(回避がやっとねっ…!)

 

 

霧島

(…龍田さんもいつまでも回避を続けていられるものでもないはず……榛名…!)チラッ

 

榛名

(……っ!あそこ!)タンッ!

 

 

黒犬?

《……ヴゥ"ーッ……》ググッ……ビリッ…

 

龍田

「っ!?」

(何か来るっ!!)

 

ササッ!

榛名

「そこまでです!

 勝手は!榛名が許しません!」

 

黒犬?

《!?》

 

榛名

「てぇいっ!」ノシ=○* ブン!

 

―カァッ!!

 

v`エ´..:.;::

 

 

・・・・・・

 

 

霧島

「やった……!?」

 

龍田

「当てることには成功したみたいだけど……!」

 

榛名

「……っ」

 

 

シュー……

 

黒犬

「……ガフッ……フシュッ……!」ヨロ…

 

 

 

榛名

「…き、効いているみたいですっ 効果は絶大です!」

 

龍田

「……どういう理屈なのかしら……。

 見た目的には、ただ、ガラス瓶の中に入っていた水を被っただけみたいだけど……」

 

 

それは悪魔祓いの力を持つ聖水。

妖魔異形の者達にとって、その聖水を直接目で見てしまうと、

その目を潰されるかというほどの眩しい光を錯覚し、

まさかその身に浴びれば、まるで炎に焼かれたかのような激痛を伴い、

触れた部分の身体がただれる。

 

 

霧島

(……)

「私としても、それは気になる所ではありますが、後にしましょう。

 この機を逃すわけにはいきません…!」ガシャン!

 

 

 

黒犬

(……)…ピク

「……フシュ……」…ノソ…

 

―パァ

 

 

榛名

「っ…! 霧島!」

 

龍田

「あれはっ……?」

 

 

シューン…

 

 

霧島

「!?」

 

榛名

「……き、消えた……?」

 

龍田

「なんか奇妙に光ってる方に入っていったわね……。

 もう何がなんだか……」

 

霧島

「……」

(……一瞬、何かを感じ取っていたようにも見えましたが……)

 

・・・・・・

 

榛名

「……どうしますか?」

 

霧島

「どうと言っても……」

 

龍田

「他に選択肢もないしね……。

 私が先に行ってみるわ。構わない?」

 

霧島

(……)

「……わかりました。 次は私が続きます」

 

榛名

「では、榛名が最後ということですね…」

 

龍田

(……天龍ちゃん……みんな……)グッ…

 

 

意を決す三人。

奇妙に光る空間の方へと、順に進んでいく。

 

 

――――――

魔空空間 ~ 智の磨 ~

 

 

金剛

「……」…キュィーンッ バシュンッ!

 

 

金剛

「デェイッ!!」

 

ドゴォッ!

 

 

黒猿

「ッ!!」グラグラッ

 

 

 

比叡

「……おー、揺れてる揺れてる」

 

金剛

「多少強引デスガ、降りてこないならこうするまでデース!

 猿如きに、この私が知恵比べで劣るはずがありまセーン」HAHAHA!

 

比叡

(正直この方法も知略的であるのかどうかは、怪しいところではありますけど……!)

「流石です! コングおね…金剛お姉さまっ!」

 

金剛

(……?)カシャン…

 

 

ふいに、何と無しに自分の兵装に目をやる金剛。

 

 

比叡

「…お、お姉さま…?」

 

金剛

「……ン? アァ、いえ何でもないデスヨっ!」

 

比叡

「そ、そうですか……?」

 

 

 

黒猿

「ッ……」ヒョンッ

 

 

 

比叡

「あっ…」

 

 

敵は別の木に移動した。

そして、その木にもある実をもぎ取る。

 

 

比叡

「!」

 

ルドラ

「ヒエイ」

 

比叡

「はい!」

 

 

 

黒猿

「キッ!」ノシ =o ビュッ!

 

 

 

比叡

「そう何度も喰らいませんよ!」

 

フォンッ! ビュォォー!

 

 

ルドラに合図され、比叡が青の一刀を振るうと猛風が発生し、

飛来する木の実を吹き飛ばした。

 

 

黒猿

「!?」

 

 

 

金剛

「ソォイッ!!」

 

ドゴォンッ!

 

 

敵の虚を衝いた金剛の拳撃。

それにバランスを崩した黒猿は木から落下する。

 

 

―ドサッ!

黒猿

「ギャッ!?」

 

 

比叡

「やった、落とした!」

 

金剛

「追撃しマースっ!」タタタッ!

 

 

シュー… パァーッ!!

 

 

金剛・比叡

「!?」

 

アグニ&ルドラ

「……ほぅ」

 

 

黒猿?

《……ギッ…!》ボシュー…

 

 

それは青黒いオーラ。

体の全身を多い尽くすほどの禍々しい光をその猿は纏っている。

 

 

金剛

「…………え?」

 

比叡

「…………あの、お姉さま……? これってけっこうまずいんじゃ……」

 

アグニ

「まずいのかどうかと言えば」

 

ルドラ

「まずいな」

 

比叡

「えぇっ!?」

 

金剛

「ど、どういうことデスっ?」

 

アグニ

「彼奴の今の姿は、悪魔としての本来の力を解放しているが故に"ああ"なっている」

 

ルドラ

「"今の"お主らでは、あれを相手にするのは厳しいじゃろうな」

 

アグニ

「"のっくばっく"もさせられまいよ」

 

ルドラ

「させられまいよ」

 

 

比叡

「そんな……っ」

 

金剛

(……)

 

・・・・・・

 

黒猿?

《……》…ノソ

 

 

比叡

「!! く、来るっ!?」

 

金剛

「っ……」

 

アグニ&ルドラ

「……」

 

 

黒猿?

《……》…ヒョンッ

 

―ガシッ タッタッタ ガササッ

 

 

 

比叡

「……えっ…………あれ……?」

 

金剛

「また木に登って、どこかに行ってしまいましたネ……」

 

・・・・・・

 

比叡

「多分、あいつまた戻って来ますよね……。楽観視は出来ませんし……。

 どうにか……本当に何も手はないのですかっ?」

 

アグニ&ルドラ

「……うーむ……」

 

金剛

「……さっき、"悪魔本来の力"を解放しているから、と言ってましたヨネ?

 それだったら、貴方たちも同じように出来るのではないデスカ?」

 

比叡

「あっ…」

 

アグニ

「……出来る、と言ってやりたいが……」

 

ルドラ

「結論から言うと出来ん」

 

比叡

「ど、どうしてっ?」

 

アグニ

「この空間に来る前に、だいぶ力を失った」

 

ルドラ

「そのせいで今は、我等は本来の力を発揮出来ん」

 

比叡

「え そうだったんですかっ?

 もしかして、先の海上での戦闘でかなり消耗したってことですか?」

 

アグニ

「いや、あれくらいのことなら大したことでもない」

 

比叡

「へ?」

 

金剛

(……)カシャン…

 

 

合点がいったように金剛は再度、兵装に目をやった。

 

 

比叡

「……ん……お姉さま?」

 

金剛

「……なんとなくデスガ、私も海上で戦っていたときとは

 感覚が違うな、と思っていマシタ。

 どういうことなんでしょうカ……」

 

比叡

「! 出力が落ちていたってことですかっ?

 ……っ!

 そうだ、石! 出撃前にストックしておいた例の石を使えばっ……!」

 

金剛

「あっ……」

 

アグニ

「お主らの懐に溜め込んでいた石か」

 

ルドラ

「それも無駄じゃ」

 

比叡

「どうしてっ!?」

 

ルドラ

「それらの石からは最早、力は感じられぬ」

 

アグニ

「先ほど、我々をここへと飛ばした悪魔が居ただろう。 其奴等の仕業だ。

 我等とそこの"若造"の魔力と、石に至っては全部吸い上げていった」

 

比叡

「全部って……そんなっ……。

 ……って、若造……?」

 

ルドラ

「お前の姉が装備している武器の本体のことじゃ」

 

金剛

(本体…………もしかして、武器の状態とはまた別の姿がアル……?)

 

比叡

「……へぇ…………って!

 力が無くなってるって、何でもっと早く言ってくれなかったんですかっ!?」

 

アグニ

「む……すまん……」

 

ルドラ

「言えば、万が一にでも捨てていかれるのでは、とな……」

 

アグニ

「もう置いて行かれたくはないのだ……」

 

ルドラ

「売られるのも嫌じゃ……」

 

比叡

「ちょっ! 置いて行ったりも売ったりもしないですよ!

 誰ですかっ! そんなひどいことする人!!」

 

ルドラ

「おおっ……なんと、ヒエイよっ……それは真か……!」

 

アグニ

「心の友よぉっ……!」

 

金剛

「アハハ……。

 …………ン? ……アレ? ……ヘ、ヘイ! もう一つ聞きたいんデスガ!」

 

ルドラ

「おお、なんじゃ? 我等が心の友の姉よ」

 

アグニ

「つまりは我等が友よ。 我等にわかることであれば何でも答えよう」

 

金剛

「thx! 光栄デスヨ!

 えっと、さっき石は全部って言ってましたケド、

 それじゃあ艤装に装填されている、砲弾の先に付けてある石はどうなんデスカ?

 それもダメになってるんデスカ……?」

 

比叡

「あっ!」

 

アグニ

「なんと。 まだ他にも待っていたのか」

 

ルドラ

「うまく隠したものじゃな」

 

金剛・比叡

「……?」

 

・・・・・・

 

アグニ

「そんな所にも持っていたのだな」

 

金剛

「持っていたというカ、

 弾頭の先を改造して付けられるようにしてたってだけですけどネ」

 

比叡

「……どうですか?」

 

ルドラ

「…あるな」

 

アグニ

「うむ」

 

比叡

「いったい、なぜ弾頭の先の石だけ……」

 

金剛

「……」

 

アグニ

「先ほどヒエイがその中から取り出すまで、我等にも石の気配は

 感じられなかったからな」

 

ルドラ

「それと同様、彼奴等も気付かなかったのかもしれんな」

 

比叡

「ふーむ……。

 ……えっと、謎は多いですけど、なんにせよこれを補給に充てればっ」

 

アグニ

「残りはいくつあるのだ?」

 

比叡

「んと、海上での戦闘でけっこう撃ち出したりもしたんですけど、

 まだ十数個ほどならあります!」

 

アグニ

「……足らんな」

 

ルドラ

「ああ、全然足らん……」

 

比叡

「えぇっ!?」

 

アグニ

「我等とその若造の分を考えると、余計にな」

 

金剛

「oh...」

 

・・・・・・

 

金剛

「……つまり早い話、

 残っている力はほとんど、私のこの兵装と貴方たち二人だけ、

 ということデスネ……」

 

アグニ&ルドラ

「うむ」

 

比叡

「どうしましょう、お姉さま……」

 

金剛

(……)

「……相談なのデスガ、残っている力を合わせる、ということは出来ませんカ?」

 

比叡

「!」

 

アグニ

「……ほぅ」

 

ルドラ

「確かに、その方法もないわけではないな」

 

・・・・・・

 

金剛

「……」ガシャンッ…グッグッ…

 

比叡

「……お姉さま、どうですか?」

 

金剛

「……ウン。 いけそうな気がしマス。 大丈夫デスヨ、比叡」ニコッ

 

比叡

「よかった……」フフッ…

 

 

最終的に、アグニとルドラの力は金剛の兵装に託された。

この森において、アグニの魔炎の力の扱いは難しく、使いにくい。

そうなると、片割れとなってしまうルドラでは、また本領を発揮しがたい。

以上のことより、アグニとルドラは力を預けた。

 

 

金剛

「……二人は?」

 

比叡

「……反応はありません……。

 力が無くなって、一時的に喋ることが出来なくなってるだけかとは思うんですけど……」

 

金剛

(……)

「……応えないといけませんネ。

 それで早く鎮守府に戻って回復させてあげナイト…!」

 

比叡

「はいっ!

 ……あの、お姉さま……さっきの作戦、本当に……」

 

金剛

「……信じてください、比叡。 絶対に大丈夫デスカラ」

 

比叡

「っ…………わかりました! 私も覚悟を決めます! 全力で行きますからねっ!」

 

金剛

「それでこそ私の自慢の妹デース、比叡!」

 

比叡

「はいっ!」ヘヘッ//

 

・・・・・・

 

―ガササッ トサッ

 

 

比叡

「!」バッ

 

金剛

「……来ましたネ。 今度は小細工はないんデスカ?」

 

 

黒猿?

《……ウォッ…》ボシューッ

 

 

比叡

「大きくなってる……!!」

 

金剛

(……)

「どこかで力を蓄えてきたんでしょうネ……デスガ」カシャッ

 

キュィーンッ バシュンッ!

 

金剛

「……今度は、さっきみたいにはいきませんヨ?」…フシューッ!

 

 

黒猿?

《……キッ!》タタッ!

 

 

金剛

「タァァアーー!!」ボシューッ!!

 

 

ドォォーンッ!!

 

 

比叡

「ッ……!」グッ…!

(近過ぎると危ないかもっ……。

 せめて、今はお姉さまの邪魔にならないようにだけ、

 適度に離れておかないと……!)ガシャン…

 

・・・・・・

 

黒猿?

《ウォッ!》ブンッ!

 

ビュッ!

 

金剛

(また木の実…!)

「やはり隠し持っていマシタカ! デスガ無駄デース!」パシッ ブン!

 

ビュッ!

 

黒猿?

《ッ…!》ヒョイッ

 

金剛

「そこネ!」ガバッ!

 

ガシィ!

 

黒猿?

《!?》

金剛

「っ…逃がしませんヨォ…!!」バシュー!

 

 

金剛は投擲された木の実を投げ返し、敵の気をそらした。

すかさずその隙を攻める。

一気に詰め寄って敵を組みし抱き、スチームチャージをもって抑え込む。

 

 

黒猿?

《ヴォッ!?》ググッ…!

金剛

「ダメヨっ! 私は食らいついたら離さないワ!

 比叡!」

 

 

 

比叡

(合図…!)

「は、はい! ぜ、全弾を…!」グッ… ←照準

 

 

―グィッ!

黒猿?

《!!》

金剛

「フンヌ"ゥ"ーッ!!」グググッ!!

 

 

残る魔力の大半を賭けた、金剛の力技。

比叡の定める全弾砲撃の方向へ敵の体を向けさせる。

そして、その場に釘付けにする。

 

 

黒猿?

《ッ! ウォッ!?》グッ!グッ!

金剛

「っ! オット! 焦りすぎネー…私まで不安になるじゃないデスカっ…!」ググッ!!

 

 

 

比叡

(さすがお姉さま! この射角ならっ!)

「…よし、行きます! 当たってぇ!」バババァンッ!

 

 

 

黒猿?

《…ウォン!?》

金剛

「……っ!」

(私の読み通りなら…!)

 

 

 

――ボゴォォォーン!!

 

 

ビュォオーッ!

 

比叡

「くっ……お姉さま!?

 ……!」

 

 

 

黒猿

「…ヴォッ……!」…フラッ

 

金剛

(…今っ!)

「さっきのでFinish!?な訳無いデショ!

 最後のdessertデス! サービスだから遠慮はしなくていいネ!!」―バシュッ!

 

黒猿

「!!」

 

―ドゴォォッ!

 

・・・・・・

 

比叡

「お姉さまっ!!」

 

ダキッ!

 

金剛

「……お疲れ様デシタ、比叡。 見事デシタヨー」

 

つ ナデナデ

 

比叡

「うぅ……まさか、合図が"あの"タイミングだなんてっ……

 いくらお姉さまでもさすがにダメなんじゃないかと思いましたよぉ…」ヒエーンッ…

 

金剛

(正直、私もちょっと不安でしたけどネ……)

「アハハ……。 まぁ、一応考えあってのことデスヨ。

 思いの外、上手くいったのは幸運だったんでしょうケド」

 

比叡

「考え……?」

 

金剛

「……うーんと、詳しく説明しようとすると長くなってしまうので省きマスガ、

 実のところ、砲撃の一発一発だとあの敵には

 あまり効果はなかったのではないかと思いマス。

 でも数と勢いで押せば、それなりにいけるというのは"あれ"を見た通りデスネ」

つ ピッ

 

 

黒猿

「」

 

 

チラ…

比叡

「……数と勢いはわかりますけど、一発一発だと効果が薄いというのは……」

 

金剛

「例の、悪魔の障壁デスヨ。

 敵は明らかにその力を増幅させていたように思われマス」

 

比叡

「あっ…始めのときと、大きさからもう違ってた……」

 

金剛

「そうデス。 デスカラ、その障壁を破るために

 多くの特殊砲弾による連続的な砲撃を確実に当てる必要があった、というわけデス」

 

比叡

「なるほど……。

 それで障壁が完全に解けた後は、最後に悪魔の力を直接ぶつけて……」

 

金剛

「イエス。

 ……でももう、いろいろ使ってしまってスッカラカンデース……」haha..

 

比叡

(……)

「早く鎮守府で補給をしないとですね……。 出口は……あっ」

 

 

 

―パァ

 

 

 

金剛

「…………明らかに怪しいのデスガ……」

 

比叡

「ですね……。

 ……っ!」

 

 

 

黒猿

「」…ポォン…

 

スゥー……ポシュンッ

 

 

 

比叡

「……み、見ました……?」

 

金剛

「ええ……。

 何か魂みたいなものになったと思ったら、光の方に吸い込まれていきましたネ……」

 

比叡

「……もう意味わかんな過ぎです……」

 

 

 

―ガサササッ

 

 

 

金剛

「What's!? 今度は何事ネ!?」

 

比叡

「もう砲弾も何もないですよぉっ!」

 

 

…ガサッ

霧島

「……お姉さま方?」

 

龍田

「ずっとすごい音してたわよね~……あら?」

 

榛名

「大丈夫でしょうか……あれ?」

 

・・・・・・

 

金剛

「――そうだったんデスカ……」

 

霧島

「ええ……」

 

金剛

「何はともあれ、無事でよかったネ」

 

霧島

「はい。お姉さま方も」

 

比叡

「え……じゃあ大丈夫ってことなんですか?」

 

龍田

「多分だけどね~…」

 

榛名

「榛名たち三人もあの光の中に入って、ここに来たんです……」

 

比叡

「えぇ~……」

 

・・・・・・

 

霧島

「……それでは行きましょう」

 

金剛

「了解ネ」

 

比叡

「は、はい!」

 

榛名

「榛名は大丈夫です!」

 

龍田

「いつでもどうぞ~」

 

 

今度は足並みを揃えて、五人は光の中に入っていく。

 

 

――――――

魔空空間 ~ 勇の磨 ~

 

 

吹雪

「どう……?」

 

 

島風

「……うん、見失ってるみたい。 しばらくは大丈夫だと思うよ」

 

 

吹雪

「……そっか」フゥ…

 

 

コツコツ…

島風

(……)…ポスン ←吹雪の近くに座る

 

吹雪

「……」サワ… ←"ケルビ"に触れる

 

島風

「……でも、吹雪ちゃんすごいね」

 

吹雪

「……え?」

 

島風

「なんとか隠れられる所があったからよかったけど、

 ここまでけっこう走ってきたのに……。

 私は慣れてるから大丈夫だけど、吹雪ちゃんもけっこう平気そう」

 

吹雪

「あぁ……うん。

 それは毎日の訓練のおかげかも。 早朝は走り込みやってるし」

 

島風

「え! 走り込み!? なにそれ!?そんなことやってたのっ?」

 

吹雪

「えっ、あ……う、うん。

 鎮守府に来た次の日からずっと続けてるかな」

 

島風

「…い、いいなっ。

 ね、ねぇ吹雪ちゃんっ」

 

吹雪

「なに?島風ちゃん」

 

島風

「わ、私も吹雪ちゃんと一緒に朝練したいなっ……なんて」

 

吹雪

「ほんとっ! 大歓迎だよーっ!」

 

島風

「っ! ……えへへっ…」

 

吹雪

「わーっ きっとケルビも喜ぶよーっ」アハハッ

 

島風

「…ん? あれ、ケルビって」

 

吹雪

「あ、うん。 えっとね――」

 

・・・・・・

 

島風

「――へぇ、そういうことだったんだ」

 

吹雪

「うんっ。 ……だけど……」

 

島風

「どうしたの?」

 

吹雪

「……ここに来てから、急に返事が無くなって……。

 何回も呼びかけてるんだけど、それでも反応がなくて……」

 

島風

「え……大丈夫なの……?」

 

吹雪

「……多分なんだけど、

 またエネルギーみたいなのを使い過ぎちゃったのかなって……。

 実は前回の作戦でも似たようなことがあって……。

 海域から帰った後、すごくグッタリしてたの……。

 そのときと同じ感じがするから……」

 

島風

「エネルギー……。

 補給用にたくさん持たされてた、あの石はどうしたの?」

 

吹雪

「……海上で使わなかった残りをあげてみたんだけど、それでもダメで……」

 

島風

「そうだったんだ……」

 

吹雪

「……元々、残りの数はそんなにはなかったし、エネルギーが全然足りないのかも……」

 

島風

「……」

 

吹雪

「……っ」サワ…

 

島風

(……吹雪ちゃん…………よしっ!)…パカッ ジャララッ

「吹雪ちゃん、これ使って」

 

つつ。。。←多量の石

 

吹雪

「……え、それは島風ちゃんの補給の分じゃ」

 

島風

「私は大丈夫!

 この兵装は元々、消費が少ないし、この中にいっぱい入ってるからっ。

 だから、これは吹雪ちゃんが使ってあげて!」

 

吹雪

「島風ちゃん……ありがとうっ」

 

・・・・・・

 

吹雪

「……」

 

島風

「……どうかな?」

 

吹雪

「……ダメみたい……」

 

島風

「そっか……」

(うーん…………ん?)

 

吹雪

「せっかくくれたのに、なんかごめんね……」

 

島風

「…ううん、いいよ、気にしないで。

 ねぇ、吹雪ちゃん。

 吹雪ちゃんの持ってる残りの石一つとさっきの私が渡した石を一つ、

 ちょっと渡してくれない?」

 

吹雪

「? わかった」

 

・・・・・・

 

…パカッ ジャラ

 

島風

「……」つ。。。⊂

 

 

吹雪

「どうしたの?」

 

 

島風は吹雪が持っていた残りの石と先程、自分が渡した石、

そしてまた懐から取り出した、合計3つの石を持って思案している。

 

 

島風

「……ごめん、これちょっと壊しちゃうね」つ。ポトッ ←1つ足元に落とす

 

 

吹雪

「え?」

 

 

ガッ! パキ…

 

 

吹雪

「っ…! ……あれ? 報告だと、強い衝撃で破壊すると爆発するって……」

 

 

石の1つを島風が勢いよく踏みつけたが、小さな音がするだけだった。

 

 

島風

「……やっぱり……。

 これもう"中身"がないんだ」

 

吹雪

「え うそっ……なんで……」

 

島風

「それはわからないけど……」

 

・・・・・・

 

吹雪

「そんな……3つともなんて……。

 それじゃあ今持ってる残りの石は全部っ……?」

 

 

島風

(……)…コツコツ カチャリッ

 

 

吹雪

「……島風ちゃん?」

 

 

 

島風

「吹雪ちゃんはそこにいて。 "こっちの"も試すから」

 

 

 

吹雪

「は、はいっ」

 

 

 

島風

「……んっ!」カンッ!

 

バァンッ! ←ラビットシュート(空振り)

 

 

吹雪

「うひゃいっ!?」

 

 

 

島風

「! こっちは残ってる……」

 

 

 

吹雪

「ど、どういうことー……?」キンキンッ… ←耳鳴り

 

 

タタッ

島風

「ごめん、それもわからないっ。

 でも、吹雪ちゃん、はいこれ!」カチンッ ジャララ

 

吹雪

(……)

「……ありがとう、島風ちゃん。

 でも、やっぱりそれは島風ちゃんが使って?」

 

島風

「えっ…でも……」

 

吹雪

「……思い出したんだ。

 今のこの状態のケルビを元に戻すには、大量の石が必要だったって……。

 島風ちゃんの残ってる石使い切っちゃうよ……。

 艤装の中の弾頭の先にも付いてるけど、やっぱりそれも使うべきじゃないと思う……。

 それら全部合わせても足りるのかわからないし……だからっ」

 

島風

「っ……じゃ、じゃあはんぶんっ!

 全然足りないのかもしれないけど、せめてはんぶんこしようっ…!

 私のは本当にこれ…あ、余ってるからっ!」

 

吹雪

「……島風ちゃんっ……」

 

・・・・・・

 

吹雪

「……」

つ。。

【ケルベロス】

 

―パァ…

 

島風

「……」ドキドキッ…

 

吹雪

「……っ! ちょっと冷たくなった!」

 

島風

「えっ!? 冷たくなってきてるの!? それってまずいんじゃっ…」

 

吹雪

「あ、いやっ……あはは…。

 この子の場合はこれが普通だから、大丈夫だよ」

 

島風

「そ、そうなんだ……」…ホッ

 

吹雪

「……ふふふ、本当にありがとねっ 島風ちゃん!」

 

島風

「っ……う、うんっ///」

 

 

 

 

―クォーンッ!!

 

 

 

 

ビクーンッ

吹雪・島風

「」

 

・・・・・・

 

吹雪

「近くに来てるっ……。 もう気付かれてる…?」

 

島風

「……さっき私が大きな音を出しちゃったせいかも……。

 確かめるために石一つ爆発させたし……。

 ごめん、吹雪ちゃん……」

 

吹雪

「……ううん、私とケルビを助けようとしてくれたんだもんっ。

 それにどの道、時間の問題だったと思う……。

 いつまでもここでこうしてはいられないよ。 戦わないと……!」グッ…!

 

島風

「っ……吹雪ちゃん……」

 

・・・・・・

 

バサササッ

…ストッ

黒雉

「……」…キョロキョロ…

 

 

 

吹雪

「……」…チラッ

 

島風

「……」コク…

 

吹雪

(…よし!)

「……っ!」タンッ!

 

 

吹雪

「てやぁーっ!!」ガシャンッ!

 

 

 

黒雉

「!?」ビクッ

 

 

―バァンッ!

 

 

バササッ!

黒雉

「ッ…!」

 

 

結果として、不意を突いたように思われた、吹雪の砲撃は当たらなかった。

敵は回避のため、一方向に勢いよく飛び立つ。

 

しかし、その方向を見定めた後、待っていたとばかりに飛び出すもう一つの影があった。

 

 

バサバサッ!

黒雉

「ッ…」

 

―ヒュンッ!

 

黒雉

「ッ!?」

 

島風

「私たちからは逃げられないよっ!」カチリッ カッ!

 

  -ラビットシュート-

 

黒雉

「…クォーン!!」バサッ!

 

ビュンッ!

 

島風

「っ!!?」

 

…ブシュッ

 

島風

「オゥ"ッ…!?」グラッ…

 

 

 

吹雪

「ッ!? 島風ちゃっ」

 

 

 

……ドサッ

 

 

 

吹雪

「」

 

・・・・・・

 

島風

「」

 

 

 

バッサバッサ!

黒雉

「クォーン」

 

 

黒雉は島風を撃ち落した後、そのまま高くを飛んでいる。

"下"の状況を観察しているようである。

 

 

吹雪

「…そんなっ……!」

 

 

敵は、呆気にとられている吹雪は今は無害と判断した。

"隙あり"と見るやいなや、すかさず島風に止めを刺そうと追撃を仕掛ける。

敵はもう落下姿勢に入っていた。

 

 

バサッ…

 ヒューン!

黒雉

「クォーッ!!」

 

 

 

吹雪

(! …させないっ!)

「うぁあああーーっ!!」

ダダダダダッ!!

 バン!ババン!バンッ!

 

 

黒雉

「!!」

 

 

吹雪の特攻砲撃。

そのけん制の効果は十分にあったようだった。

 

 

―ズサァ!

吹雪

「っ……!」…ガシャン!

 

 

吹雪は気を失っている島風の前に立ち、敵に砲を向ける。

 

 

バサッバサッ

黒雉

「……」

 

 

 

吹雪

「……」…ギリッ…

 

 

吹雪にけん制されていた敵はすでに上空に飛んでおり、そこで態勢を立て直していた。

両者とも静かに視線をやり取りしている。

 

 

島風

「…………っ……吹雪ちゃん……あり、がと……でも…いいよ、もう……」

 

吹雪

「っ…島風ちゃん! 気付いたんだね! …って何言って……!? その足っ…!」

 

 

姿勢を崩さず、後ろ目に背後の島風を見やった吹雪は驚愕する。

 

 

島風

「……あはは……返り討ちにあっちゃった。 これじゃもう走れないね……」

 

 

足にいくつかの黒い羽が深く刺さっていた。

 

 

吹雪

「っ……」

 

島風

「だからもう吹雪ちゃんだけでも逃げてっ……」

 

吹雪

「……だめっ…見捨てるなんてそんなこと絶対にしないもんっ!

 約束したじゃないっ 一緒に朝練するって!」

 

島風

「! 吹雪ちゃんっ…」

 

吹雪

「私は絶対にあきらめない…! 怖くたって……絶対に!」

 

島風

「っ……! 吹雪ちゃん、来るよ!」

 

吹雪

「…」…グッ!

 

バンバァン!

 

 

ヒィーン!

黒雉

「クォッ!!」ヒュヒュンッ

 

 

黒雉は砲撃の合間をすり抜け、吹雪目掛けて飛来する。

 

 

吹雪

「くっ…!」…グッ!

 

 

この一撃、せめて島風の壁になろうと、吹雪は身を強く固めた。

 

 

島風

「吹雪っ……!?」

 

 

その異変にいち早く気付いたのは島風だった。

 

 

島風

「……こ、氷……?」

 

パキパキ…

 

吹雪

「……ケルビ?」

 

 

吹雪の首の高さほどの所まで、突然それは現れた。

地面から伸びる氷の壁である。

 

敵はそれに激突していた。

 

 

黒雉

「グゲッ…ガッ…!」

 

吹雪

(…!)

「…ケルビー!」

 

―パキィン! ドゴォンッ!!

 

黒雉

「グギャアッ!?」

 

 

それは、敵の丁度真下からまた生えた。

勢いよく飛び出した氷柱は、対象を上空へと叩き上げる。

 

 

黒雉

「ガッハッ…!」フワッ…

 

 

 

吹雪

「…お願い!当たってー!」バァン!

 

 

 

ボォーンッ…

 

・・・・・・

 

ズリズリ…

 

島風

「……大丈夫? 吹雪ちゃん……」

吹雪

「だ、大丈夫だよっ これくらい!

 筋トレだってやってたし、足腰に関してはみっちり鍛えてたからっ!」

 

 

吹雪は島風に肩を貸していた。

 

 

吹雪

「私よりも、島風ちゃんは大丈夫……? すごく痛いんじゃ……」

島風

「……大丈夫。 ……なんかごめんね……」

 

吹雪

「ううん……。謝らないといけないのはこっちだよ。

 無茶な作戦を立ててごめん……島風ちゃんが一番危ない作戦だったよね……」

島風

「…いや、それは――」

 

―パキィンッ!

 

 

吹雪たちの背後に、また氷の壁が出来る音がする。

 

 

吹雪・島風

「!!?」

 

 

振り返り見ると、黒い大きな羽が氷の壁を突き抜けて止まっていた。

もう少しで吹雪の背中に刺さるところだった。

 

氷の壁は心なしか、もう先程のときよりも薄くなっているように見受けられた。

 

 

吹雪

(ケルビ……)

島風

「あれっ……!」

 

 

 

黒雉?

《……》ボシュー…

 

 

体羽は黒いが、白と黒が混ざったような灰色のオーラが敵から見えていた。

 

 

吹雪

「っ……」

島風

「しつこいっ……」

 

 

敵を確認すると、吹雪の判断は早かった。

腰に巻いていた"ケルベロス"を外し、今度は島風の腰に巻き付ける。

 

 

島風

「っ! 吹雪ちゃんっ!?」

ジャラッ…

吹雪

「…足、辛いかもしれないけど、このままどこかに進んで、

 また隠れられる所を探して」

 

島風

「何言ってるのっ!?」

吹雪

「先に行っててってこと。

 ……大丈夫、絶対に後でいくから」

(私がやるんだっ……そうじゃないと、島風ちゃんも……)

 

島風

(……)

「……これ持って行って……」カチンッ ジャララッ

吹雪

「……ありがと、使わせてもらうねっ」ジャラッ

 

 

島風は残りすべての石、そして特殊兵装内にあるチェーンシリンダーごと、束ねられていた石を吹雪に渡す。

 

 

島風

「……約束、絶対だからね……?」

吹雪

「……うんっ」

 

 

 

・・・・・・

 

コォォッ…

黒雉

《……》ビリッ…

 

 

黒雉は飛んではおらず、地に足を着けていた。

身を屈め、何か集中している。

 

 

―ザッ…

吹雪

「……」

 

 

 

黒雉?

《……ケッ》

 

 

それに臆することのなく、堂々と吹雪は眼前の敵と相対する。

 

 

黒雉?

《……クォーン!》

 

 

敵は翼を大きく広げる。

するとその敵の周囲に無数の羽が空中に浮かぶ。

 

 

吹雪

「!」

 

 

 

黒雉?

《――ケァッ!!》バサッ!

 

ビュビュビュビュビュンッ!

 

 

吹雪

「っ…だぁぁあああー!!」バババァンッ!

 

ボゴォォーン!

 

―ザザザサッ!

 

吹雪

「あう"っ!!」

 

 

吹雪は飛来する羽に向けて、砲撃の弾幕を張る。

砲弾が炸裂したときの爆風でいくつかは反らすことができたが、それでも被弾する。

 

 

吹雪

「うぅ…いたいっ…!」

(でも約束っ…! 負けないんだからっ!!)ジャラッ! ガシャンッ!

 

 

砲弾の爆発により、煙が立っていた。

対象の様子が確認できない黒雉だったが、一瞬の思考の後、

次は先ほど氷の壁を貫きかけたほどの大きな羽を生成しようとする。

 

 

黒雉?

(……)

《……クァ…!》バサァ…!

 

 

生成完了後、すかさず煙の中心に照準を定め、放つ。

 

――しかしその瞬間、煙の中から多くの"石"、そして砲弾が飛び出してきた。

 

 

黒雉?

《クォッ!?》

 

 

―カッ!

 

・・・・・・

 

吹雪

「……っ……はぁはぁっ…!」ガクッ…

 

 

吹雪

「っ……いたいっ……腕も、もう上げられないっ…よ……。

 ……あはは、全身羽だらけだ……はは……」

 

 

 

黒雉

「…………クァ…!」ヨロッ…

 

 

 

吹雪

「っ!?」

 

 

 

先の爆発の後、力無く墜落し、地に叩きつけられた黒雉。

しかし、その心身はいまだ完全には沈黙などしていなかった。

 

 

 

吹雪

(まだ動けるのっ…!?)

「っ……くぅ……!」…グ…

 

 

 

黒雉

「クァ……!」…バサッ

 

 

 

吹雪

「はぁっ……んぎっ………!」……ガシャ…

 

 

 

 

 

「――ナイスガッツネ! よく頑張ったネ、ブッキー!」

 

 

ビュン!

 

 

―パリィン!

ビシャッ

黒雉

「グギャァアーー!!」ジューッ!!

 

 

 

吹雪

「…………え?」

 

 

 

島風

「吹雪ちゃんー!」← on 龍田

龍田

「大丈夫~っ?」タッタッタッ

 

 

金剛

「Jackpot!!」

 

榛名

「も、もう一個! 行きますかっ!?」つ○*

 

霧島

「いや、あの様子だともう必要ないと思うわ……。温存しましょうか、榛名……」

 

比叡

「なんか聞いてたよりえげつないんですけど!?

 それ硫酸か何かだったのっ!?」ヒエッ…

 

・・・・・・

 

榛名

「……」イソイソ…

 

吹雪

「……そうだったんだ。

 島風ちゃんが、見つけたみんなをここに……。

 ありがとう!」

 

島風

「うんっ!」

龍田

「間に合ってよかったわ~」ウフフ~

 

金剛

「それにしても本当によく戦ってましたネー!

 このケガなのに大したものデス!

 ヘイ、榛名。ブッキーの傷の具合はどうデスカ?」

 

榛名

「……はい、出来る限りのことは……。

 でもやっぱり、手持ちの物ではこれが限界です……。

 吹雪ちゃんの怪我は島風ちゃんよりもひどいですし……」

 

金剛

「Oh...」

 

龍田

「……」

島風

「あ……」

 

吹雪

「…だ、大丈夫ですよこれくらいっ!

 榛名さん、手当てありがとうございます!」スクッ……ズキン!

 

 

吹雪

「いっ…!」グラッ…

―ガシッ

榛名

「無理しないでっ 吹雪ちゃん……」

 

金剛

(……)

 

島風

「っ……」

龍田

「…………あら」…チラ

 

 

 

ミナサーン!

ミツケタヨー!

 

・・・・・・

 

霧島

「今回も同様に、しばらく待っていると敵の近くに光の道が現れました」

 

比叡

「で、やっぱり敵も消えちゃいました」

 

金剛

「了解デス。 ご苦労様デシター」

 

榛名

「……では、もう移動ですか?」

 

霧島

「長居する意味もないでしょう」

 

比叡

「あの道もいつまでもあるとは限らないしね」

 

 

吹雪

「……っ」…

 

島風

「吹雪ちゃん……」

龍田

「……立てそう?」

 

吹雪

「えと、はいっ…すぐ立ちますっ」アハハッ…

―グィ

金剛

「よっこいショ」

 

吹雪

「! 金剛さん!?」

金剛

「ブッキーは私がおぶって行きマース!

 さぁ、早く天龍とも合流しに行きマスヨー!」

吹雪

「うぅ……ちょっと恥ずかしぃ……///」

 

龍田

「すぐに慣れると思うわよ~?」ウフフー

島風

「っ…///」

 

 

比叡

(……おんぶかぁ……)

「さすがにそれは…うーん……?」

 

榛名

「ふふふっ」

 

霧島

「何とか大丈夫そうですね。

 では今回は私が先頭を行きます。 榛名」

 

榛名

「はい、いつものように殿ですね。 心得ています」

 

 

飛ばされた7人全員が合流することが出来た。

この空間を抜けるための手がかりは一つしかなく、他に選択肢はない。

 

7人は出来るだけ固まって光の道を進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 4-7

人は常に過ぎ去った事から、痛みを伴って、反省を求められ、学びの必要を迫られる。

愚者も賢者も関係ない。人類は常に痛みからでしか学びも反省も出来ない。
痛みだけが、人に反省と学習を促す。

自分に飛び火して、初めて声を上げる。


十余年にも及ぶような、言葉による闘争などには一切の意味はない。
それよりも、一発の銃弾の方がはるかに有効なのだ。


痛みだけが人を反省させて学習させることが出来る。
中には流血か絶命を以って学ぶはめになるような人間もいる。
事後に反省も学習もなかったということは、そのときの"痛み"が足りなかったということ。
だから、痛みが物足りなかったのなら、またやればいいさ。
耐え難いほどの痛みが得られるまで。


作戦海域(海上)

 

 

天龍

「てりゃぁあー!!」ザァッ!

 

フォンッ ガキィン!

 

シンカイダンテス

「……ムゥ…」ビリ…

 

天龍

(まだまだ…!)

「……はぁ!」ブォン!

 

キンッ!

 

シンカイダンテス

「……」ビリッ…

 

 

天龍の攻撃が相手に届かないのは相変わらずではあったが、

天龍の剣とダンテスの剣が交差するとき、天龍の剣に纏われた魔刃の力が

ダンテスの体に響く。

 

 

天龍

「……ハッ。 どうしたよ、さっきまでの余裕がねぇじゃねーか!」ブン!

 

ギキィン!

 

シンカイダンテス

「……フッ、貴様ホドデハナイ。

 モウソロソロ、蓄エテイタ石モ切レカカッテイルノデハナイカ?」

 

ギギギッ…!! ←鍔迫り合い

 

天龍

「っ……」

(まぁそりゃあ気付くよな……。

 俺も持って来てねぇわけじゃなかったが、多くは龍田に任せちまってるっ……)

 

シンカイダンテス

「……モウ頃合イダロウ。 幕トシヨウ。 ハッキリ言ッテ、飽キタ」ヒュバッ パシャッ

 

天龍

「!?」

(消えっ…いや背後か!?やべぇ!!)ザッ!

 

シンカイダンテス

「ハッ」フォンッ

 

―ブシュ

天龍

「グァッ!!」ズザァッ! バシャ!

 

 

敵は軽々と天龍を飛び越え、その背後を取った。

 

直感的に危機を察した天龍は咄嗟に前方に飛び出すが、遅かった。

背中に一撃をもらってしまう。

 

 

天龍

「あ"…ぐっ……!」

 

 

シンカイダンテス

「ホゥ、勘ハ悪クナイ。 シカシ、コウモ簡単ニ敵ニ背後ヲ許ストハ。

 モット強クナラナイト相手ニナリマセンネ」

 

 

天龍

「……テメェッ……!」ググッ……チャキ!

 

 

シンカイダンテス

(……フム…)

「……気概モ十分、カ。 諦メルコトモナク、向カッテクルノハケッコウナ事ダガ、

 ソレデ戦イニ勝テルノナラ、苦労ハナイ」

 

 

天龍

「……ヘッ、何度だって向かって行ってやるぜっ……!

 死ぬまで戦ってやる!!」

 

 

シンカイダンテス

「……莫迦ガッ!」

 

・・・・・・

 

―ガキィン! キィンッ!

 

天龍

「グゥッ…!」

 

ギギッ…!

 

シンカイダンテス

「ソラ! ドウシタ!? モウ虚勢モ張レマイカ!」

 

天龍

「……クソッ!」ザッ…

 

シンカイダンテス

「甘イッ!」

 

 

煽られ、焦燥にも駆られた天龍は特に勝算もなく踏み出してしまった。

それは必然的に甘い太刀筋となって表れる。

 

その隙をダンテスが見逃すはずもなかった。

 

 

―カァンッ!

 

天龍

「ッ!!?」

 

シンカイダンテス

「フッ!」ヒュンッ!

 

天龍

「…っ」

(……ぁ)

 

 

愛刀を弾かれた天龍は為す術なく、一刀のもと処された。

 

 

・・・・・・

 

~ooo ポー…

 

…パシッ ジャララ

 

シンカイダンテス

「……ゴ苦労ダッタナ」

 

 

飛来してきた物の正体は、始め、ダンテスが投げた三つの石であった。

それらをまた腰巾着にし舞い込むと、ダンテスは呟く。

 

 

シンカイダンテス

「…………待チワビマシタヨ、随分遅カッタデスネ。

 私ノ家来トノ戯レヲ大変気ニ入ッテイタダケタ、…ト考エテモ?」フフフ…

 

 

―ザッ

 

霧島

「……悪趣味だった、とだけ言っておきましょう」クィ ←メガネ

 

金剛

「まったくデース。 特に私と比叡が相手にしたあの猿……」

 

比叡

「あはは……」

 

榛名

(……)スチャッ…

 

島風

「やっぱりあの人まだ居たんだ……」パシャ… ←一時的に降りる

 

吹雪

「う、うん……ってあれ……?」パシャ… ←一時的に降りる

 

龍田

「…………ねぇ」

 

 

 

シンカイダンテス

「……何カナ? 槍ノ少女ヨ」

 

 

 

龍田

「……天龍ちゃん、どこにやったの?」

 

一同

「「……」」

 

 

――――――

作戦部

 

 

大淀

「!? 信号、現時復帰しましたっ!」

 

長門

「何!? 無線は!?」

 

大淀

「…だ、だめですっ! 無線は依然応答ありません!」

 

長門

「……くっ……」

 

 

――――――

 

 

龍田

「…………っ」…チャキッ!

 

霧島

「っ! 龍田さん!」

 

 

ザパァッ!

龍田

「はぁーっ!!」ブァンッ!!

 

―ガィンッ!

 

シンカイダンテス

「……」

 

 

 

一同

「「っ!?」」

 

霧島

(容易に受けたっ…!?)

 

榛名

(……)ググッ…シュッ!!

 

 

 

―ピクッ…

シンカイダンテス

(…アレハ)

「…オット」

 

-パァンッ!

 

龍田

「っ!?」

 

シンカイダンテス

「失礼」ヒュッ

 

―ドゴォッ!

 

龍田

「カッ…ハッ…!?」

 

ズザァー!

 

―パリィンッ

龍田

「っ…!」

 

 

榛名

「あっ! 龍田さん!?」

 

 

 

シンカイダンテス

「……フム」

 

 

ダンテスは受けていた龍田の槍を弾くと、龍田を蹴り飛ばした。

龍田が飛ばされていったその方向は、榛名が投げた聖水が飛来していた方向であった。

 

一同が騒然としている中、ダンテスは瞑目しながら言い放つ。

 

 

シンカイダンテス

「ソコノ娘ノ持ッテイル二刀モ、今ハ力ヲ感ジラレマセンネ」

(フォルト如キヨリモ、遥カニ高位ノ者ダッタハズダガ……。 ……成ル程ナ)

 

 

比叡

「ひぇっ!?」ビクーンッ

 

金剛

「……っ」

 

 

 

シンカイダンテス

「……ヤレヤレ。

 今ハ貴女方ノ誰モ、剣ヲ交エルニ値シマセンネ」クルッ…

 

 

…ググッ…

龍田

「…………ま、待ちなさいっ……!

 天龍ちゃんはっ……どこに……いったいどうしたのよっ!? 答えなさいっ!!」

 

 

霧島

(っ……)

 

 

 

シンカイダンテス

「……コノ先ニ少シ行クト、海上中継拠点ガアル。 知ッテイルダロウ?

 オ前達ノ望ム資材ガアル場所ダ。

 天龍ハソコニ引キ上ゲテアル。奴ノ刀ト一緒ニナ。

 案ズル事ハナイ。 唯、伸ビテイルダケダ」

 

 

龍田

「!?」

 

 

霧島

(……)

「……そんなことを信用しろと?」

 

 

 

シンカイダンテス

「好キニシロ。 ダガ、アノ死ニタガリニハ伝エテオケ。

 "貴様如キガ死覚悟ヲクチニスルナド、数百年早イ"トナ」

 

 

背を向けたまま、ダンテスはそう答えた。

 

 

霧島

「……あなたの意図がわかりません。

 発言から察するに、このまま我々を見逃すかのように聞こえるのですが……」

(正直な所、今はもうなんとか避けたい展開ではありますが、

 順当に考えれば、この先の資材を巡ってさらに争い合うのが普通のはず……)

 

 

 

シンカイダンテス

「アァ……フッ……拙者トシテモ、今ハモウコレ以上ハ闘ウツモリハアリマセンヨ。

 今ハ貴様等全員ガ万全ノ状態デハナイ。 ソンナ相手ト闘ッテモ意味ガナイノデネ。

 資材ニ関シテモ今回ハ譲リマショウ。

 精々、ソレデ出撃等ヲ重ネテ修練ヲ積ムコトデス」

 

サァー

 

 

 

一同

「「……」」

 

 

意味深な言葉を残し、海域から去っていくダンテス。

周囲の濁っていた海も、もう大分本来の色を取り戻しつつあった。

 

・・・・・・

 

―ザザッ

大淀

『――よかったぁ……。

 では負傷はしているものの、とりあえずは皆無事なんですね』

 

霧島

「ええ……。 資材の回収も、現在は既に完了しています……」

 

大淀

『……霧島さん?』

 

霧島

「……すみません、詳細は帰還後、詳しく話します」

 

大淀

『……はい、了解しました。

 帰り道もどうか気をつけてくださいね。 待っていますから…』

 

霧島

「はい、ありがとうございます。 必ず無事に帰投します」

 

―ザッ

 

霧島

「……」…チラッ

 

 

金剛

「さぁ、今度はぜかましの番デスヨー! 大人しくしなサーイ」ニヤニヤ

つつ ワキワキ

 

島風

「うぅ…/// ぜかましじゃないってばっ…///」

 

 

比叡

「さ、吹雪ちゃんも。 遠慮しないで」

 

吹雪

「お、お願いします…///」

 

 

龍田

「ありがとね、榛名ちゃん……」

榛名

「いえ! 榛名は大丈夫です!」

天龍

「」

 

 

霧島

(……)

「……ふふ、まずは安全無事に帰ることだけを考えますか」

 

 

霧島

「さぁ皆さん、出発の準備が出来ましたら隊列を組みましょう。

 金剛お姉さまと島風さんの組を先頭に、比叡お姉さまと吹雪さん、

 次に龍田さん天龍さん榛名の組、最後は私です」

 

 

「「了解! デース!」」

 

 

今度は、吹雪は比叡が、島風は金剛が背負い、

気を失っている天龍には龍田と榛名が両脇から肩を貸す。

 

その三組の殿は霧島が務め、本作戦を一応完了させた八個小隊は帰投を開始した。

 

 

 

 

 

 

 



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MISSION 4-8

「正しい者はいない。一人もいない。
 悟る者もなく、神を探し求める者もいない。
 皆迷い、だれもかれも役に立たない者となった。
 善を行う者はいない。ただの一人もいない」
(ローマの信徒への手紙 3:10~12)

人間は生まれながらにして悪である。
人が性善説を信じ続ける限り、人類は失敗をし続ける。
人類が生み出す物もまた同様である。
失敗をしたくなければ、是が非に関わらず、これを念頭に置かなくてはならない。

その前提にたって、人は生き、法で縛り、物を生み出すべきである。

性善説に甘え、それに頼ったシステムは将来、必ず失敗する可能性を孕む。
これには、人は失敗をしないという思い込み=性善説=ヒューマンエラーをも含む。


※欠陥物というものは、欠陥が出るまでは厳密には欠陥物ではない。
 そのため、欠陥が出るまでは有用物として使える。


罰則があっても実行する者はいるのだから、罰則がなければ実行する者は多く現れるのは自明の理。


※究極の安全対策とは人間を信用しないことである。
 人間相手に注意喚起をしておいても、1000人全員が完全に注意するとは限らず、
 1000人全員が365日完全に注意を怠らないとは限らない。
 人間を信用しないシステムや構造を構築した方がはるかに安全である。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


信用できる人間とは、その人にとって不利となる発言をあえてしているタイプの人間である。その人は認めるということや省みることができるから、こういったことが出来る。自分にとって不利となるような発言は頑なにしない人間、認めるということや省みることをしない人間、これほど信用できない人間はいない。


鈍行の旅、終着

 

プシュー……プァーンッ ガタンゴトンッ

 

ダンテ

「……ファア~……やっと着いたのか」グッグッ… ←伸び

 

陸奥

「やっと、って……あなた寝てただけじゃない……。

 駅弁食べちゃったら、すぐに寝ちゃうしっ……」

 

ダンテ

「あぁ、ありゃウマかったな。 満足しちまったら眠気がな」hahaha

 

陸奥

「……言っとくけど、帰りは寝るの禁止だからっ」

 

ダンテ

「ア? ……ヘイ、冗談だろ?

 あんな人ばっかりで、何もない空間で寝る以外に何してろっつーんだよ……」

 

陸奥

「……一応あたし、いろいろ持って来てたんだけど」つ□

 

ダンテ

「……俺とお前でカードをやるのか?」

 

陸奥

「……ウノもあるし!」

 

ダンテ

「アァ、ページワンみたいなやつか? 二人で出来たっけか、それ」

 

陸奥

「……け、景色とかっ…」

 

ダンテ

「景色ねぇ……」

 

陸奥

「……と、とにかく帰りは寝るの禁止っ! いい!?」

 

ダンテ

「へいへい……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ここからは近いのか?」

 

陸奥

「まだ少しあるわ。 タクシーを拾って移動するの」

 

ダンテ

「Uh-huh」

 

 

――――――

大本営・正門前

 

 

ダンテ

「ここがそうか」

 

陸奥

「ええ。 大本営海軍部。

 あなたには、ここで会ってもらわないといけない人がいるの」

 

ダンテ

「そいつの呼び出しってことか」

 

陸奥

「そういうこと」

 

 

――――――

大本営・とある客間の一室

 

 

ダンテ

「……」

 

 

ガチャ…

陸奥

「……」パタン…

 

 

ダンテ

「なんだって?」

 

陸奥

「……ええ、それが……会議は明日の予定になるみたい……」

 

ダンテ

「……まぁ、流石に今日行って帰って、ってのは無理だとは思ってたが。

 なんだ、遅刻してる奴でもいたのか?」ha

 

陸奥

「どうもそうらしいのよね……。 相も変わらず振り回してくれてるわね……」

 

ダンテ

「huh...」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――ま、そんなこんなで

 入っていきなりここに通されたわけだが。 ……まぁヒマだな」

 

陸奥

(…!)

「だったら少し出歩かない? いろいろ案内してあげるわよ?

 ほら、日本の観光ってまだしたことないんじゃない?」

 

ダンテ

「ン……あー……そう、かもな…」

 

陸奥

「……なんか、含みのある言い方ね……」

 

ダンテ

「…いや、何でもねぇ。

 そうだな、まだと言えばまだだな」

 

陸奥

「だったら! ね、行きましょっ?

 夕食はこの部屋に運んでくれるみたいだけど、それまではまだ時間あるし」

 

ダンテ

(……)

「いいね、楽しそうだ。

 だがまぁ、それは明日でもいいんじゃねぇか? 慌しいだろ」

 

陸奥

「え……。

 急に何よ……らしくなさそうなこと言っちゃって……」

 

ダンテ

「そうか? ha

 お前、移動中もずっと起きてたんだろ? 疲れてるんじゃねぇか。

 飯時前に一休みしてこいよ。

 別に俺ももう一眠りしたっていいしな」

 

陸奥

「私は別に大丈夫だけど……って!

 また寝るの!? 新幹線の中であれだけ寝てたのに!?

 夜眠れなくなるわよっ!」

 

ダンテ

「問題ねぇよ。

 元々、週休6日が俺の主義なんでな。

 寝るだけならいくらででも寝れる。 "パーティ"中でもな」hahaha

 

陸奥

「ただの居眠りじゃない……。ていうか怠惰すぎだし……。

 ……これは本格的に今からでも教育の必要があるわね」コツコツ

 

―グィッ

 

 

そう言うと、陸奥はダンテの腕を引っ張った。

呆気に取られているダンテに、陸奥はウインクしながら言う。

 

 

陸奥

「今後のためにも、ね」-☆

 

グィー

 

ダンテ

「アン? …っと、おいっ」

 

ピタ…

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……hm, なんだ、どうした? さっきからちょっと変じゃねぇか」

 

陸奥

「……仕事で来てるんだし、こういうのは不謹慎だとは思うけど

 それでもやっぱり、少し楽しみにしてた……こうして、あなたと二人で遠出するの……」

 

ダンテ

(……)

 

陸奥

「昼間はあんなだったし、ちょっとくらい構ってくれてもいいじゃない……」

 

 

伏し目がちに、陸奥はそう言った。

 

 

ダンテ

(……まぁ、深夜の方が動きやすいか。 最悪、アイツが何か掴んでるだろうしな)

「……huh.

 実はここに来る途中、気になってた通りがあってな。

 なぁムツ、まずはそっから頼めるか?」

 

陸奥

「…ふふ。

 ええ、了解よ♪」

 

 

――――――

大本営海軍部近くのホテルの一室

 

 

トリッシュ

『あら。ということはもうこっちには来てるのね』

 

レディ

「ええ。 予定だと今日だったはずだから。

 ……なのに、急に明日に延期よ……。

 あちらのお偉いさんが遅刻してるからとか言ってたけど、

 ふざけるんじゃないわよ、ってね……」

 

トリッシュ

『災難ね…』

 

レディ

「そっちはどう?」

 

トリッシュ

『申し訳ないけど、全然ね。 上手く撒かれてるような気もするわ』

 

レディ

「へぇ…珍しいわね」

 

トリッシュ

『だからまだ時間はかかるかしらね』

 

レディ

「そう……。

 会議はどうするの?」

 

レディ

『代表一人でもいいんでしょう?』

 

レディ

「まぁそうね。 私は仲介人として、って形だし」

 

トリッシュ

『今回はパスするわ。

 ……後々、その方が都合が良かったってこともあるかもしれないしね』

 

レディ

(……)

「……そうね。 わかったわ。

 明日の内容は、また後で連絡するから」

 

トリッシュ

『了解。

 "あそこ"へはもう少ししたら、直接出向くわ』

 

レディ

「ええ。 そっちに関しては全面的にまかせるわ。 それじゃ」

 

p

 

レディ

「……はぁ、一泊余分に足止めを喰らったわね……。 請求してやろうかしら」

 

 

――――――

翌日

 

 

ダンテ

「……ファア~……」スタスタ

 

陸奥

「あら、寝不足?」コツコツ

 

ダンテ

(……)

「アァ……かもな」

 

陸奥

「何、もしかして今日の会合に緊張して眠れなかったとか?」フフフッ

 

ダンテ

「そんなとこだな」ha

 

陸奥

「……」コツコツ

 

ダンテ

「……」スタスタ

 

陸奥

「……本当は?」

 

ダンテ

「お前も案外疑い深いやつだな……。

 だから言った通りさ。 どんなお偉いさんが来るのかと思ってな」ha ha-

 

陸奥

「すぐにわかるような嘘ついてるんじゃないわよっ。

 絶対あなたの柄でもないでしょ、それ……。

 …………あっ……まさか、また夜な夜なっ……」

 

ダンテ

「……美女たちと夢の街でR指定ってか?

 んな金ねぇよ。知ってんだろ」

 

陸奥

「……あっちからとかっ…」

 

ダンテ

「お前な……。 マジで落ち着けよ……」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「huh...

 ……ン」…ピタッ

 

 

 

レディ

「ハァ~イ」ヒラヒラ

 

 

 

ダンテ

「ほぉ」スタスタ

 

 

陸奥

「……?」

(見たことない人……。 軍人……にも見えないわね……)コツコツ…

 

・・・・・・

 

レディ

「感心ね。 いつも時間にルーズな貴方が珍しいじゃない」

 

ダンテ

「今回は引っ張られて来てるからな」ha..

 

陸奥

(! "いつも"……!?)

 

レディ

「ふ~ん…」チラ

 

陸奥

「……」ジー…

 

レディ

「……」ジー…

 

ダンテ

「……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……お互い、挨拶くらいしといた方がいいんじゃねぇか」huh..

 

陸奥

「……ふふ、初めまして。

 ○○鎮守府、提督代理補佐艦の陸奥です」ニコォ…

 

レディ

「ハァイ。

 貴女たち艦娘のことは、日頃のニュースでもいろいろ見てたから、

 常識的な範囲のことなら知ってるつもりよ。

 レディって呼んでもらえるかしら。 もちろん、本名ではないけど」ニコォ…

 

陸奥・レディ

「よろしく」

 

つ⊂

 

ダンテ

(……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ここにいるってことは、お前も会合に出るのか?」

 

レディ

「ええ。 "立場上"、ね」

 

ダンテ

「hum...」

(本当にオイシイ仕事だよな、そっちは)

 

陸奥

「……」

(やっぱり、この人っ……)

 

ダンテ

「これから会う奴とは、お前は面識あるのか?」

 

レディ

「話はしたことあるわね。 というか、私に直接連絡を寄越したのが彼ね」

 

ダンテ

「男か」

 

レディ

「ええ。 でも知ってるのは声だけだから、面と向かうのは今回が初めてね」

 

ダンテ

(……)

「要は素性は知れてねぇと」

 

レディ

「…そういうことね。

 でもこのことに関しては、私よりも彼女の方なんじゃないの」…チラ

 

…ピクッ

陸奥

「……あっ、えっと……」

 

ダンテ

「……昨日、こいつとも話したが、どうやらムツの方にも

 詳しい話は来てなかったみたいでな」

 

レディ

「あら、そうなの」

 

陸奥

「……ええ。

 聞かされていなかったと言うこともあるけど、そもそも情報が少ないのよね…」

 

ダンテ

「あ?」

 

陸奥

「今朝、あなたを起こしに行く前に、ここの回廊で噂話が耳に入ったのよ。

 本当にごく最近、提督に就任した人がここ大本営に来てるって。

 実はその人のことは風の便りに聞いてはいたんだけど、

 何しろ、それ以上の情報がなくてね……」

 

ダンテ

「へぇ。 じゃあそいつと会うことになるかも知れねぇってことか」

 

レディ

「……ふーん……」

(……ていうか何? 今、起こしに行くとか言ったの?この子)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ま、行けばわかるか。

 そろそろ行くか」スタスタ

 

 

レディ

「そうね。 立ち話が長くなっちゃったし、急ぎましょうか」…コツ

 

陸奥

「……」ジ…

 

ピタ…

レディ

「…あら? どうしたの、行かないの?」

 

陸奥

(……やっぱりそうなんだわ……この人が…………"相棒"……!!)

 

レディ

「……?」

 

陸奥

「……」チラ…

 

レディ

(……ん?)ピクッ…

 

陸奥

「……フッ」

(勝ってるわ…………胸ならっ!)

 

レディ

(……)イラッ

 

 

 

ダンテ

「……ア? おい、何やってんだ。早く行こうぜ」

 

 

 

陸奥

「は~いっ」フフッ♪ コツコツ

 

 

レディ

「……tut」

 

 

――――――

会合用の一室

 

 

????

「……」

 

 

男は既にその部屋にいた。

窓越しに外の景色を静かに見ている。

 

何か物思いに耽っているようであった。

 

 

―ガチャ

 

 

 

????

(……来たか)

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。


これより先、オリキャラが登場し、名前も付きます。

予め、ご了承下さい。


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MISSION 4-9

悪とは、

弱いことである。
驕ることである。
勘違いをすることである。
間違いをすることである。
誤解することである。
信頼することである。
信用することである。
面倒くさがることである。
横着をすることである。
例外を行うことである。
予測を行わないことである。
姑息であることである。
卑怯であることである。
卑屈であることである。
頭が悪いことである。
物事を正しく理解していないことである。
想像力が欠けていることである。
想像力を養う訓練を怠っていることである。
精神的に、肉体的に、慢性的かあるいは刹那的に、本人にとって、耐えがたいほどの痛みが伴わなければ、決して反省も学びも得られないことである。


????

「初めまして。

 軍魁武臣<ぐんか たけおみ>と申します」

 

ダンテ

「俺の方は聞いてるかもしれねぇが、ダンテだ。 そう呼んでくれ」

 

軍魁武臣

「ええ。 聞き及んでおります。 では、ダンテさんと呼ばせていただきますね。

 私のことは軍魁とお呼び下さい。

 以後、よろしくお願い致します」つ

 

ダンテ

「ああ、グンカだな。 よろしく頼む」つ

 

 

陸奥

(この人が新鋭の提督……)

 

レディ

(……見た目も若いわね)

 

 

…チラ

軍魁

「……そちらのご夫人は、どのようにお呼びすれば?」

 

 

陸奥

(!?)

 

レディ

「……笑えない冗談ね。 いったい何を聞き及んでいたっていうのかしら」

 

陸奥

(…………あら?)

 

 

軍魁

「おっと、これは失礼」

 

 

レディ

「……だいたい、そこの男には――」

 

 

ダンテ

「huh...

 オイオイ、あいつとは別にそんなんじゃねーぜ?」

 

 

レディ

「……よく言うわ。

 昔、映画館でナニしてたって、私聞いたことあるんだけど?」

 

 

ダンテ

「……何の話かわからんね。ていうかマジでやめろそれは」

 

 

陸奥

(…………)

 

 

軍魁

「…………オッホン。

 申し訳ありません。 私の失言でした……。

 声で思い出しました。 電話でご対応いただいた、レディさんでしたね」つ

 

レディ

「直接お会いできて光栄だわ」つ

(本人なら細かい説明の手間とかも省けるしね)

 

軍魁

「こちらもです」

 

 

陸奥

「……」

 

 

軍魁

(……)

「そちらの鎮守府のことも、ある程度は把握している。

 君が提督代理補佐艦の陸奥だな。 遠路より、案内ご苦労だった」

 

 

陸奥

「い、いえ……」∠ ピッ

 

・・・・・・

 

軍魁

「今回、わざわざ出向いてもらったわけだが、

 どうしても直接聞いておきたい話があってね。

 海域の攻略状況や戦果報告などは省いてもらって構わない。

 聞きたいことというのは、実際に対峙した、現・深海棲艦についてと

 君が報告をまとめたという、新開発された特殊な兵装についてだ」

 

陸奥

「はい」

 

 

ダンテ・レディ

(……)

 

 

軍魁

「合わせて、貴方方にも詳細な説明をお願いすると思います。

 どうかよろしくお願いします」

 

 

ダンテ

「ああ」

 

レディ

「ええ」

 

・・・・・・

 

軍魁

「――おお、ではその新兵装を用いれば、

 現在、たとえ悪魔の力を有する深海棲艦でも、同様の力で十分に対抗し得ると!」

 

ダンテ

「そういうこったな」

(まぁ、対面的にはだけどな……)

 

レディ

(あとは、ちゃんと使いこなせるようにならないとね…)

 

陸奥

(……)

 

軍魁

「…ふむ。

 そうすると、やはりその新兵装についてはもう少し詳しく伺いたい。

 陸奥君」

 

陸奥

「……あ、はいっ」

 

軍魁

「先日の報告書、一応目は通したのだが、どうも内容が分かりにくくてね……」

 

陸奥

「す、すみません……」

 

ダンテ

「haha. まぁそうなるよな。

 俺から話すぜ」

("簡単に"だけどな)

 

レディ

(……)

 

・・・・・・

 

軍魁

「……なんと言いますか……」

 

ダンテ

「気持ちはわかるが、そういうもんだと思ってあきらめてくれ。

 それ以上は説明のしようもねぇしな」

 

軍魁

「……わかりました、ではそのように。

 上の方への報告も私がうまくやっておきますよ」ハハッ

 

ダンテ

「ph♪ そいつはありがてぇ。

 何度も説明する必要が無くなってよかったぜ」ha ha-

 

軍魁

「フフフ、お任せを。

 陸奥君もご苦労だったね」

 

陸奥

「い、いえっ……恐縮ですわ」

 

レディ

(……)

「気になってたんだけど、そのお上はどうして今日ここに来てないの?

 ここが一応、本部なんでしょう?

 上に報告しておくって言ったけど、そうすると貴方も結局は代理ってことよね?」

 

軍魁

「……仰る通りです。

 昨日までは、到着に遅れていた上層の人間も急いではいたのですが、

 ……いろいろありまして、どうしても今日は難しいということになりました。

 そこで急遽、ここ大本営から程近い私に声がかかった、というわけです。

 遠方より御足労いただいた貴方方にはご迷惑をかけてしまい、

 大変申し訳ありませんでした」

 

レディ

「……ま、もう過ぎたことね。

 けど、当初予定の滞在日が超過しちゃってるから、その分の経費がねぇ……」

 

軍魁

「あぁ、これはまたご迷惑を。

 私の方に請求してください。 それもうまく処理しておきますよ」

 

レディ

「あら、ほんと? 悪いわね♪」

 

ダンテ

(相変わらず抜け目ねぇ……)huh..

 

陸奥

「……」

 

・・・・・・

 

軍魁

「大方のお話は理解しました。 上への報告や雑処理などはこちらにおまかせください」

 

ダンテ

「ああ。悪いね」

 

軍魁

「そちらのレディさんからお聞きのように、当初の依頼通り、

 引き続き、○○鎮守府での作戦助力をお願いします」

 

ダンテ

(具体的な話は特に何もなかったけどな)

「おう」

 

軍魁

「それに関連して話も……あったのですが、

 私の権限では現段階ではっきりとしたことを申し上げるのも……」

 

ダンテ・陸奥・レディ

「?」

 

軍魁

「……ふむ。 陸奥君、少しだけ残ってくれるか。

 簡単にではあるが、一応は話しておくよ」

 

陸奥

(…?)

「は、はい…」

 

軍魁

「お二人はもう先に、用意した部屋の方に戻られても大丈夫ですよ」

 

レディ

(……)

 

ダンテ

「ん、そうかい。 そんじゃ、そうさせてもらうぜ。

 おい」

 

レディ

「……ええ」

 

 

陸奥

(……)…チラ

 

 

―ガチャ パタン

 

 

軍魁

「では、説明する」

 

陸奥

「……あっ はいっ」

 

 

――――――

 

ガチャ パタン

 

レディ

「……案外あっさりね」

 

ダンテ

「面倒には違いなかったけどな」

 

レディ

「……ねぇ、何の話か気にならない?」

 

ダンテ

「どうかな。

 ま、"出てけ"って言われてるからな。 知りようもねぇよ。

 ……少なくとも今は、な」

 

レディ

(……)

「……ね、少し話せる?」

 

ダンテ

(……)

「ああ。 どこで話す」

 

 

――――――

レディに用意された一屋

 

ガチャ

 

レディ

「入って」

 

ダンテ

「大丈夫なのか、ここで」パタン

 

レディ

「ここに通されたときに、中は一応確認したわ」

 

ダンテ

「hu-m」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「へぇ、珍しいこともあるもんだな。 お前が手こずってるとはな」ha

 

レディ

「……あるいは、そもそも裏なんて初めからなかったのか、ね」

 

ダンテ

「hm...

 ……勘だとどっちなんだ?」

 

レディ

「……正直、それもよくわからないのよね……」

 

ダンテ

「hum...」

 

 

――――――

会合用の一室

 

 

陸奥

「――それでは、失礼します」

 

軍魁

「うん」

 

 

ガチャ パタン…

 

陸奥

「……ついに来たわね」フフフッ…

 

 

陸奥

「今はまだ暫定ではあるけど、数日後には正式に、か。

 ……♪」

 

コツコツコツ

 

 

――――――

ダンテに用意された一室

 

コンコンコン

ガチャ

陸奥

「ねぇ、ちょっといいっ?」♪

 

 

シーン…

 

 

陸奥

「あら?

 ……また居ないし……。 もー、いったいどこに行ったのよー……」コツコツ…

 

…ポスンッ ←ベッドに座る

 

陸奥

「……ま、いっか。 すぐに戻ってくるわよね♪」

 

 

陸奥

「……」

 

―ポスッ… ←ベッドに寝転ぶ

 

陸奥

「……」…スンスン…

 

 

陸奥

(……さすがにまだ匂いなんてしない、か……)

 

 

陸奥

「……ん~っ」ググーッ… ←伸び

 

 

陸奥

「んっ…………はぁっ……」

 

 

陸奥

「…………んふふふっ♪」ギューッ…

 

 

――――――

レディに用意された一室

 

 

レディ

「――ま、他に何かわかったらまたこっちから連絡するわ」

 

ダンテ

「あいよ。

 つーか、いつもと違ってご親切なこったな」ha

 

レディ

「今回の仕事の場合は、内容が内容だからね。

 リスクというか、不確定な要素はできるだけ排除しておきたいのよ。

 言うまでもなく、失敗なんて許されないわ。 他国との大きな仕事なんだし、

 もし余計なヘマなんかでもやらかして、外交問題なんてことにでもなったら

 流石に、いつもの冗談みたいには済まされなくなるわよ?」

 

ダンテ

「わかってる。 ま、上手くやるさ」

 

レディ

「……器物損壊を控えろってことじゃなくて、するなって意味なんだけど」

 

ダンテ

「わかってるっつの……。

 ha, 今回のライブのステージは海だぜ?

 どこにその器物があるんだよ。 大丈夫だ」

 

レディ

「……そう」

(だといいけど……)

 

・・・・・・

 

レディ

「――ま、それさえ気を付ければ、他は心配いらないわね。

 あんたが仕事自体をしくじったことはないし。

 本当、注意しなさいよ。

 今回の仕事、綺麗に終わらせる事が出来たら、あんたの借金だって大分返せるんだから」

 

ダンテ

「へいへい……。

 お前も探りに失敗とかしないようにな。

 そっちの面倒だけはさすがに骨が折れそうだからな」ha

 

レディ

(……)

「……ねぇ、さっきの子が秘書艦?」

 

ダンテ

「……ア?」

 

レディ

「あら、違った?

 ……あ、そっか。 そういえばまだなのよね。 じゃあ、秘書艦予定?」

 

ダンテ

「いやだからなんだそn」

 

レディ

「あんた、ああいう子も趣味だったの?」

 

ダンテ

「……いろいろ突っ込みどころが多いな。

 "も"ってなんだよ。 それに、アイツは――」

 

レディ

「変よねぇー……。

 あんたの部屋にあるポスターの女優みたいに金髪でもないし、

 ロングヘアーでもないじゃない。

 ……スタイルはいいみたいだけど」

 

ダンテ

「聞けよ……。

 てか、いやにピンポイントなk」

 

グィッ

 

ダンテ

「…おっと?」

 

レディ

「……」グッ…

 

 

ダンテの言葉を遮り、強引に引っ張ったかと思うと、

すぐにベッドの方に突き飛ばすレディ。

 

 

…ドンッ ポサ… ギシッ…

 

レディ

「……」

 

ダンテ

「……こりゃ何の真似だ?」

 

 

そして、その上に覆い被さる。

 

 

レディ

「さぁ? なにかしら。

 ………ふふふ、いつかのときとは立場が逆ね?」

 

ダンテ

(……)

「……あー、いつかって……いつだ?

 何の縁かは知らねぇが、お前とはそれなりの付き合いになるからな。

 いつの出来事なのか、さっぱり見当もつかねぇぜ」hahaha

 

レディ

「……本当にわからないなら、黙って口閉じてなさいよ。

 すぐに答えは教えてあげるから…」

 

 

そう言うとレディは、顔をダンテに近づけていく。

 

 

ダンテ

「…huh.

 意外だな。 お前でも、そういう気分になることがあるんだな。

 仕事でブッ放しまくって、いつも全部発散してるもんだと思ってたぜ」ha

 

レディ

(……)

「……昔だったら、そうだったでしょうね……」

 

ダンテ

「……アン?」

 

レディ

「今はもう、私も昔ほど若いってわけでもないのよねぇ……」

 

ダンテ

「……お前のジョークも大概だな。 笑えねぇよ……」

 

レディ

「……そうよ、笑えないのよ……。

 わかってるなら、そのまま大人しくしてて」

 

ダンテ

「おいおい……」

 

レディ

「もう何よっ? じゃあもういっそのことブロンドにでも染めてあげましょうか?

 髪は伸びるまで待ってもらうことになるけど……」

 

ダンテ

「いや、お前何言っt」

 

レディ

「服は……そうね、黒が多いし、私も黒系はけっこう持ってるけど

 そっちがお好み? あ、でも動きやすいのが好きだし、仕事にも差し障るから

 そこのところは譲れないけど。

 今着てる服の黒いやつならあるけど、どう?」

 

ダンテ

「そういう話でもねェよッ。

 第一、お前ここがどこだかわかってんのか」

 

レディ

「何? 場所が気になるの? なにチェリーみたいなこと言ってんのよ!」

 

ダンテ

(通じねぇ……)

「……」

―シュンッ

 

レディ

「あっ!」

 

 

…ガチャ

 

ダンテ

「悪いな。 そもそも今はそういう気分でもねぇんだ。

 また今度にしてくれ。 じゃあな」

 

―パタン

 

 

レディ

「…………チッ……」

 

 

――――――

ダンテに用意された一室

 

 

陸奥

「……」

 

シーン…

 

陸奥

「……遅い……。

 ていうか、本当なら私より先に戻ってるはずなのに……」

 

 

―ガチャ

 

 

陸奥

「!」…ギシッ

 

 

 

ダンテ

「huh...

 いったいどうしたってんだ、らしくもねぇ……」

(やっぱ、女ってのは……)

 

 

ダンテ

「……おぅ、戻ったんだな」

 

 

 

陸奥

「おかえりなさいっ」コツコツッ

 

ダキッ ←腕に抱き着く

 

ダンテ

「!」ビクッ…

 

陸奥

「…えっ……何…?」

 

ダンテ

「……いや、なんでもねぇ」huh..

 

陸奥

(?)

「ふ~ん………て、あら……?」スン…

 

ダンテ

「えらくご機嫌じゃねぇか。

 何の話だったんだ?」haha

 

陸奥

「……ねぇ、あの女の人と何してたの?」

 

ダンテ

「」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」

 

 

陸奥

「……」←不貞寝

 

 

ダンテ

「……おい、もういい加減機嫌直せって…」

 

 

陸奥

「知らないっ!」ムッスー

 

 

ダンテ

「hum...」

(なんだこのさっきとの落差は……)

 

 

陸奥

(……!)ガバッ!

 

 

ダンテ

(アン?)

 

 

陸奥

「……そうよ、鎮守府に帰りましょう!」

 

 

ダンテ

「……早くねぇか?」

 

 

陸奥

「必要なことは終わってるから任意で帰っていいし、

 移動経費の申請もさっき済ませたから、いつでも出発できるわ。

 だから、今から帰ります」

 

 

ダンテ

(まだ昼にもなってねぇんだがな……)

「了解……」

 

 

陸奥

「よーし。 …それじゃ出てって?」ニコッ

 

 

ダンテ

「……俺の記憶違いでなけりゃ、俺に貸されてる部屋だったと思うんだがな……。

 つか、出る意味あるのか? 今から荷物まとめるんだろ?」

 

 

陸奥

「私がまとめるわ」

 

 

ダンテ

「だから二人でやればいいだr」

 

 

陸奥

「匂い」

 

 

ダンテ

「……あ?」

 

 

陸奥

「……今のあなたからする匂い、なんかすごく嫌なの」

 

 

ダンテ

「……」

 

 

陸奥

「……悪いけど、先に外に………正門の所で待ってて。

 準備が出来たら、すぐに行くから……」

 

 

ダンテ

(相当だな……)

「……わかったよ」スク…

 

スタスタスタ…

 

ガチャ パタン…

 

 

陸奥

「……ごめんなさい……」

(他の物にもつけたくないの……)

 

・・・・・・

 

カチャカチャ パカン

 

陸奥

「――よし、っと。 これで完了ね」

 

 

ダンテに貸されていた部屋と自分に貸されていた部屋、

両方の荷物まとめを完了させた陸奥。

 

その後、ダンテの部屋でもやっていたように軽く部屋を見回す。

 

 

陸奥

「……よし。 忘れ物もないわね。

 急がないとっ」

 

コツコツコツッ パタンッ

 

 

――――――

廊下

 

―カチャリッ

 

陸奥

「えーっと、鍵も二つちゃんと返して、それから…」

 

 

コツッ…

 

レディ

「…あら」

 

 

陸奥

「……ぁ」

 

・・・・・・

 

レディ

「もう帰っちゃうの?」

 

陸奥

「……ええ。

 必要なことは済ませましたし、もう特に"用"もないですから」ニコッ

 

レディ

(……)

「……そう」

 

陸奥

「はい。 それじゃあ」スッ…

 

レディ

「……ねぇ」

 

 

…ピタッ

陸奥

「……何か?」

 

 

レディ

「ひとつだけ、言っておいてあげるわ。

 あんまりアイツのこと、甘やかさない方がいいと思うわよ?」

 

 

陸奥

「……」

 

 

レディ

「アイツとは本当に長い付き合いになるんだけど、

 昔から、お金にはとことんルーズなんだから」フフフ…

 

 

陸奥

「……ご忠告どうも。 覚えておくわ」

 

…コツコツコツ

 

 

レディ

「……」

 

 

――――――

大本営海軍部・軍令部、出口

 

 

コツコツ…

 

陸奥

「……」

(長い付き合い、か……)

 

 

陸奥

(……当然のことだけど、あたしの知らないたくさんの過去があの人にはある……。

 経験も、出会いも、…………家族のことも……。

 まだ、何も知らない……)

 

 

コツコツ…

 

陸奥

「……」…ピタ

 

 

 

 

ダンテ

「……」

 

 

正門の所で背中を預け、腕を組みながら、何か物思いに耽っているダンテを

陸奥は遠くから見た。

 

 

陸奥

「…………スゥ……ハァ…………よしっ」

 

コツコツコツッ

 

・・・・・・

 

ダンテ

(……どう機嫌を取ったもんかね……)

 

陸奥

「お待たせっ」

 

ダンテ

(!)

「ん、おぉ……」

 

陸奥

「ちゃんと大人しく待ってたのね。 えらいえらい」

 

ダンテ

「……huh.

 これ以上、機嫌損ねたくもなかったしな」

 

陸奥

「ぁ……」

 

ダンテ

「……悪かったな。不快にさせちまったらしい」

 

陸奥

「ううん……。

 ごめんなさい、あたしの方がめちゃくちゃなこと言っちゃって……。

 あなたに…その……ひどいこと言って……」

 

ダンテ

「hm..

 気にしてねぇよ」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「huh..

 …帰るか。 ほれ、それ貸せよ」

 

陸奥

「え……いや、行きはすぐに持ってもらっちゃったし、帰りはあたしが……」

 

ダンテ

「いいから貸せって」

 

陸奥

「……う、うん」つつ∩

 

グィ

 

ダンテ

「…よし、行くぞ」スタスタ

 

 

陸奥

「…ええ」

 

 

陸奥

(…………まだ何も知らない。

 ……でも、考えてみれば、だからこそ……)

 

 

 

ダンテ

「……ン? おい、ムツ。

 旅費はお前が持ってるんだろ。あんな人の多い改札でゴタツクのはごめんだ。

 頼むぜ、相棒」

 

 

 

陸奥

「っ……」

(今あるこの瞬間は、間違いなくあたしだけのもの……。 そうよね……!)

 

 

陸奥

「はーい! 今行くわっ♪」

 

ダキッ

 

ダンテ

「おっと……」

 

陸奥

「あはは。 両手塞がっちゃったけど、大丈夫でしょ?あなたなら」

 

ダンテ

(……)

「ha.

 ああ。問題はねぇが、もういいのか。 あの匂いってやつは」

 

スンッ…

 

陸奥

「……んー……もうしないわ」

 

ダンテ

「そいつはよかったよ、本当にな……」huh..

 

陸奥

(……ま、だから今度は"あたしの"つけてるんだけどね)

「……ね」

 

ダンテ

「なんだ?」

 

陸奥

「帰ったらデート、連れてってよ」

 

 

 

 

 

 

 




以上、
万魔殿 and 修羅場! 編 でした。


実は本当は、鹿島とはM4中にコンビニエンス店で接触し、
本編合流用の置きを作っておくつもりだったんですが
ネタ帳にわざわざ書き出してた物があったにも関わらず、挟み込み処理を
完全に失念してました……。

ぶっちゃけ、>1的には鹿島はキャラの"かさ"(?)が高すぎるために、
合流させようかどうかは悩んでたこともあったので、まぁもうこれでもいいかなぁと。

じゃあそもそも、なんのためのsM4-4-1だったん?
って感じになるんですが……。


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MISSION 05 ~ 歓ビノ再演 ~
MISSION 5-1


見よ、今こそ黒き山羊が潰えるとき。
それは血を分けた兄弟の幻の青き炎によってもたらされる。
黒き山羊は完全に燃え尽き、白き灰だけが残る。

しかし、案ずることはない。
白き灰より、新たに生れ出づる者、それこそが白き山羊である。

そして、白き山羊もまた、まもなく苛烈に燃え尽きて、最後を迎える。

赤き炎の中より現れ、赤き雷鳴を纏う最後に残りし者。
彼の者こそ、赤き山羊。
"真なる者"である。


さかのぼって前日、○○鎮守府

南西海域の資源獲得作戦の攻略完了後、提督室での報告会

*吹雪・島風・天龍は、比叡・金剛・龍田・榛名に付き添われて入渠中

 

 

長門・大淀

「……」

 

霧島

「――以上が概要となります……」

 

大淀

「……提督代理、これは……」

 

長門

「ああ……。

 言葉を失うとはまさにこのことだ……」

 

大淀

「そうですね……。

 お帰りを待ちますか?」

 

長門

「……そうするしかないな。

 我々だけで考えても仕方がないだろう。 今回のことは本当に不可解すぎるからな……」

 

大淀

「ですね……」

 

霧島

「……」

 

長門

「ご苦労だった。 霧島ももう休んでくれ。

 仔細は全て明日だ。

 それまでに、今回の作戦に参加した者には回復に努めてほしい」

 

霧島

「承知しました。 皆にそれを伝えてから、休ませていただきます」

 

長門

「うん」

 

大淀

「お疲れ様でした」

 

霧島

「ええ。

 それでは、失礼します」

 

 

――――――

戻って翌日(朝)、工廠

 

 

吹雪

「ごめんねケルビ! すぐに補給させてあげられなくて……」

 

ケルビ

「……気にするな。 もう問題はない」

 

 

―タタタッ

夕立

「吹雪ちゃん!追加持ってきたっぽい!」ジャララッ

 

吹雪

「あっ…ありがとう、夕立ちゃん! でももう大丈夫みたいっ」

 

夕立

「ほんとっ!? ……はぁ~、よかったっぽい~……」

 

ケルビ

「……」フシュ…

 

島風

「おっ…おぉうっ……!」づづ ワナワナ…

 

 

―テテテッ

睦月

「吹雪ちゃんー!」

 

如月

「睦月ちゃん、気持ちはわかるけど工廠で走ると危ないわ…」テテッ…

 

 

吹雪

「睦月ちゃんっ! 如月ちゃんも!」

 

・・・・・・

 

如月

「吹雪ちゃん、大丈夫だった? 一番ひどい怪我だったって聞いたけど……」

 

睦月

「どこどこどこっ!? 吹雪ちゃんどこ怪我したの!?」グィッ! サワサワサワッ!

吹雪

「うひゃあっ!!?////

 ちょっ!? 睦月ちゃんめくりすぎっ!!

 見える見える見えちゃうってばぁっ!!////」ギューッ! ペチペチペチッ!

 

如月

「ちょっ…ちょっと、睦月ちゃんっ…」

 

夕立

「睦月ちゃん、昨日の報告があってからずっとこんな調子だったっぽい……」

 

 

島風

「つっめたーいっ 気持ちいいーっ」アハハー

ギュムーッ

ケルビ

「……」

 

 

ドコナノォー!? フォォオ"ー!!

マッテェェー!! ホントドコサワッテルノー!?

オ、オチツイテッ ムツキチャン…!

 

・・・・・・

 

如月

「ご、ごめんね吹雪ちゃん……うちの睦月ちゃんが……」

 

睦月

「うぇえ~~吹雪ちゃ~んっ…」スリスリスリ…

吹雪

「あははは……」ナデナデ…

 

夕立

(やっと落ち着いたっぽい~……)

 

 

島風

「……」ジー…

ケルビ

(……)

 

 

如月

「でも大丈夫そうでよかったわぁ。 傷もちゃんと治ったのね」

 

吹雪

「……うん。 でも、この程度で済んだのは島風ちゃんとケルビのおかげなんだ。

 ケルビはずっと守ってくれてたし、

 島風ちゃんは私を引っ張りながら動き回ってくれて、

 危ないことにも協力してもらっちゃったしね……。

 最後に、島風ちゃんが"あの石"を託してくれてなかったら、

 多分、今頃私は……」

 

 

島風

「…っ!」ビクーンッ…

 

 

如月

「へぇ、そうなのね」

(ケルビってたしか、睦月ちゃんが話してたあの……)

 

睦月

「…島風ちゃんっ!」バッ

 

 

島風

「は、はいっ…?」

 

―タタタッ

睦月

「ありがとうっ!」ギューッ

島風

「オゥッ!?////」

 

睦月

「本当にありがとねっ…」

島風

「べ、べつにっ……当たり前のことをしただけっていうかっ……////」

 

 

吹雪・夕立・如月

「……ふふふっ」ニコニコ

 

 

睦月

「ケルビもありがとうっ!」

ケルビ

「……」フシュッ

 

 

――――――

中庭ティータイム(昼前)

 

 

龍田

「――そんな感じで、昨日部屋に帰ってからずっとふさぎ込んでて……」

 

榛名

「そうだったんですか……」

 

金剛

「天龍は入渠からはすぐに出てきましたよネ?」

 

龍田

「ええ……。

 背中の傷も思いの外浅くて、回復だけならすぐに済んだんだけど……」

 

霧島

「……逆に、そのことも尾を引いている原因の一つなのかもしれませんね……」

 

龍田

「……ええ…」

 

榛名

(天龍さん……)

 

 

比叡

「お二人も、特に大事にはなってなくて本当によかったですよ……」

 

アグニ

「ただ魔力が少なくなっていただけだからな」

 

ルドラ

「ヒエイ、おかわりじゃ」モグモグ

 

比叡

「あ、はい」

 

 

――――――

天龍型の部屋

 

 

天龍

「…………クソっ……!!」

 

 

――――――

○○鎮守府、夕方頃

作戦室

 

 

大淀

「――了解しました。 ご報告ありがとうございました」

 

不知火

『いえ。 それでは』

 

大淀

「はい」

 

―プツッ

 

 

長門

「…なんだ?」

 

大淀

「今日の正門門番担当の不知火さんからの連絡でした。

 今しがた正門を通られたそうで、提督室へお帰りになるようです。

 準備などを済ませるので、30分後くらいに提督室に集まってほしいと、

 陸奥さんが」

 

長門

「おお、そうだったか。

 ……む? 思いの外、早かったな」

 

大淀

(……)

「……そうですね」

 

長門

「……まぁいい。

 では私は、昨日の者達に召集をかける」

 

大淀

「お願いします。

 私は昨日の報告概要をまとめた物を準備しておきますね」

 

長門

「頼む」

 

 

――――――

50分後、提督室にて

 

 

陸奥

「……なるほどね。 概ね理解したわ」

 

ダンテ

(……)

 

長門

「作戦目標であった、資材の獲得には成功したが……」

 

大淀

「昨日の作戦で今後、十分に脅威となりうる新たな敵性体も確認されました……」

 

 

「「……」」

 

天龍

「っ……」

 

 

ダンテ

(……そういうわけか)hm..

 

長門

「それで何か情報、というか知っていることはないかと思ってな」

 

ダンテ

「……そうだな。

 話を聞く限り、まったくの赤の他人…って気もしねぇな。

 だが悪いな。 聞いたことはねぇ」

 

長門

「そうか……」

 

大淀

「…それはそうと、気になっていたことがあるのですが」

 

長門

「…ああ、榛名」

 

榛名

「は、はいっ。 あの、ダンテさん。

 出撃前にいただいていた、あの香水のような物についてなんですけど…」

 

ダンテ

「あぁ、時間もなくて説明してなかったな。

 そいつは――」

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 <ITEM>

 

  ホーリーウォーター

 

…悪魔祓いの力を持つ聖水。妖魔異形に対し、絶大の効力を持つ。

 入手には時空神像なるものを介す必要があり、

 またその際には、多量のとある対価を捧げなくてはならない。

 

 

 

 

 

長門

「っ……で、ではそれを大量に用意できればっ……」

 

ダンテ

「残念だがここ日本じゃ、まず時空神像ってモンを見かけなくてな。

 まぁ難しいな」

(仮に見つけたとしても、今はもう"アレ"も持ってねぇしな……)

 

長門

「……そうか……」

 

大淀

「残念ですね……」

 

龍田

「やっぱりすごい物だったのね~……」

(私、頭から被っちゃったけど……)

 

榛名

「あ、あの……龍田さん……すみませんでした……」

 

龍田

「いいのよ。気にしないで?

 榛名ちゃんのせいじゃないし、私達には害のない物みたいだし。

 それより……また飛び出しちゃった私を助けようとしてくれたのよね……。

 ありがとね、榛名ちゃん」

 

榛名

「い、いえっ……//」

 

・・・・・・

 

長門

「――とにかく、それならそれで何か対策を講じねば……」

 

大淀

「私は現在の全戦力を今一度見直して、まとめ上げますね。

 昨日の作戦で獲得した資材も含め、兵装など、

 それら全てを含めた報告書を後ほど提出します」

 

長門

「助かるっ」

 

大淀

「はい」

 

ダンテ

(……)

「オオヨド、後でそれ、俺にも見せてもらえるか?」

 

大淀

「え…ええ、構いませんよ。 それでは、出来上がったら持って参りますね」

 

ダンテ

「thx」

 

陸奥

(……)

 

・・・・・・

 

長門

「――よし。

 では、次はそちらの報告を頼む」

 

陸奥

「了解。

 ……と言っても、実は今回の出頭では

 こちら側の報告事項を直接面と向かって、詳細に説明してきただけなのよね」

 

長門

(……)

「……やはり、そうか…」

 

大淀

(……)

 

陸奥

「ただ、長門と大淀、あとで少し時間もらえる?」

 

長門

「ん、ああ。 構わないが」

 

大淀

(?)

「わかりました」

 

陸奥

「ありがとっ♪」

 

長門・大淀

「…?」

 

 

天龍

「……なぁ、もう特にないよな?」

 

 

長門

「む……あ、ああ。

 ……そうだな、もうこれと言って確認しておくべき事項はないな」

 

 

天龍

「じゃあ、オレはもう行くぜ…」

 

テクテク… ガチャ パタン…

 

 

「「……」」

 

龍田

(天龍ちゃん……)

 

 

ダンテ

(……)huh..

 

・・・・・・

 

金剛

「ともあれ、もう報告会は終了なんデスネっ?」

 

長門

「ああ。 各自、部屋に帰ってもらって構わない」

 

金剛

「YES!

 ダンテっ! 約束していたティータイムデス!

 中庭に急ぎまショウーっ!」

 

グイグイーッ!

 

ダンテ

「お、おぉ…」ズルズル…

 

ガチャ! ズタタタタッー!

 

 

陸奥

「……」

 

 

比叡

「ちょっ!? お姉さま待ってくださいよーっ!」タタタッ!

 

榛名

「榛名、急ぎ、セットのご用意をいたしますっ!」タタタッ!

 

霧島

「あっ……はぁ。

 すみません、では私達もこれで」

 

龍田

「……私も天龍ちゃんが心配なので、お先失礼しますね」

 

吹雪

「……えっと、じゃあ私たちも…。

 行こっか。 島風ちゃん」

 

島風

「う、うん…」

 

 

長門

「ああ。 皆、ご苦労だった」

 

 

―パタン…

 

 

陸奥

(……)

 

長門

「……よかったのか?」

 

陸奥

「……何が?」

 

大淀

「……」

 

長門

「……フッ…。

 それで、用というのは?」

 

陸奥

「…あぁ、…………ふふふふふっ……」

 

長門・大淀

「」

 

 

 

 

 

 

 




男は、ある国のクニオサであった。

ある日男は、ある一族の正体を事もあろうに公共の電波で公表する。

男はその一族のことを恐れていた。

数日後、男は姿を消し、そのまた数日後に戻ってきたが、30年も連れ添った前妻いわく、"別人である"という。

素性がよくわからないその男はやがて戦争を引き起こした。

男は癌を患っていたというが、失踪から帰ってきてからは、体調は非常に良好であるように見受けられた。

公演広場に笑顔で登場し、元気に演説を終えた。

完全に余談ではあるが、爬虫類は癌に耐性を持つという研究報告結果が世には上がっている。

この戦争はただのスケープゴートである。

今や戦争大戦犯となった男の発言は、過去現在未来、全てにおいて、どれも狂言でしかないと、誰もが思うはずだからである。

過去に、正体を暴露された一族は男を危惧したのだ。

しかし、"クニオサでもある男"を"その近日中"に始末すれば、どう考えても多方面で問題がある。

一族の長年の計画の末、男は、一族の手によって、狂人と仕立てあげられるに至ったのだ。

男はもう、とうにこの世にはいない。一族の者に血肉を貪られ、姿を乗っ取られている。

今表に出ているのは、なぜか物理的に人間的体臭がほとんどしない、男とよく似た存在である。

これ以前からも、男は元々、影武者をよく用いていたので、多少の粗はむしろ違和感をなくさせることに大成功した。

そして、表向きには、なぜか突然、狂人・戦争大戦犯となったこの男であれば、どのような形で殺されようとも、弁が立つ。

極端な話、世界中の誰がこの男を殺しても、大義が成立するからである。

男は、ある一族が再び闇に紛れるために、逆に利用されてしまったのである。


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MISSION 5-2

この星の円環の呪縛の中にある我々の魂は、その循環から抜け出すために
この星にて、苦行の修練を永劫とも思える時間の中で重ね続けなくてはならない。

魂に傷跡を残すほどの、精神的に、衝撃的で刹那的な痛み、あるいは継続的で慢性的な痛み。
それは魂の経験と記憶になり、高次へ至るための糧となる。

受肉を経た今生においては唯一、たったそれのみが価値がある。
財も富も名声も、1億年以上の経験と記憶を蓄積し続けることが出来る魂に比べれば、無きものに等しいだろう。

誠に汝らに告ぐ。

道理に暗き者や心の弱き者ほど、権や富や地位や衆目を求めるもの。
しかし、そのようなものはすべて例外なく無意味であり、無価値に等しい。
たかが百年、二百年、数百年程度を生きることが実質可能な人類でも、それほど価値はない。

数千年ほど生きて、はじめてわずかに価値があるといえるかどうか、その程度のものだ。


天龍型の部屋

 

 

―ガチャ…

龍田

「……天龍ちゃん?」

 

 

シーン…

 

 

龍田

「……」

 

 

――――――

中庭ティータイム(夕方)

 

 

金剛

「――そこで! 私は言ってやったわけデスっ!

 "もうそれは猿の笑い方じゃないヨ!"ってネ!」

 

ダンテ

「HAHAHA! まったくだな!」

 

比叡

「あはははっ!」

(お姉さまのご機嫌が良くて何よりですっ!

 どこがお話のツボなのかは、正直私には全然わかりませんけど!)

 

霧島

「ふふふ」つc▽ スー…コク…

(……しかし、敵の腰巾着に入っていた三つの青い玉から具現化した

 犬・猿・雉のような存在、ですか……)

 

榛名

「……」

 

ダンテ

「しっかし、わりとヘビーな奴らの相手をさせちまったみたいだな。

 出張ってやれなくて悪かった。

 思い出してるのか?ハルナ」

 

榛名

「! い、いえっ、そうではなくて……。

 ……あの、報告会のときにお話がありましたけど……、

 榛名がダンテさんから戴いたあの香水のような物は

 本当は、榛名が思っていたよりもとても貴重な物で……その……」

 

ダンテ

「あぁ、そんなことか。 …huh. 気にすんな。

 あれはパーティに参加できなかった俺の代わりの祝い品みたいなモンだ。

 役に立ったようでよかったぜ。

 むしろハルナ、上手く使ってたみたいじゃねぇか。 大したもんだ」ha ha-

 

榛名

「そ、そんなっ……榛名にはもったいないお言葉です……////」

 

比叡

(あれは……衝撃的でしたね……)

 

ダンテ

「ま、どうせ俺が持ってても使わないだろうしな。

 今回持ってたのもたまたまさ。 前の仕事のときに道中で拾った程度のもんだ」

 

比叡

(アメリカってあんな物が道端で拾えるものなんですかっ!?)ガビーン

 

金剛

「ハイハイ! 私も敵に見事命中させマシタ!」ビビッ!

 

ダンテ

「ああ、そうだったな。 やるな、コンゴウも」hahaha

 

金剛

「ヘヘーン/// まぁあれくらいはお手の物ネー///」

 

 

――――――

提督室

 

 

長門

「――なんとっ……」

 

大淀

「ビッグニュースじゃないですか!

 ではもう近日中には詳細な書面と合わせて、正式な辞令が?」

 

陸奥

「ええ。そういう話だったわね♪

 というか、書面に関しては明日の朝早くにはもう届くみたいだから、

 明日の当日にはもう行えるわね♪」

 

長門・大淀

「おおっ……!」

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「つい、また長居しちまったぜ。

 早い目にとっとと戻った方がいいだろうな……。

 ……ン?」

 

 

 

天龍

「……」テクテクテク…

 

 

 

ダンテ

(……)…スタスタ…

 

 

 

龍田

「――天龍ちゃん、いったいどこに…………あら……?」タタタ…ピタッ…

 

 

――――――

鎮守府・波止場

 

―ザァ…

 

天龍

「……」

 

 

―ザ…

ダンテ

「思いの外、落ち込んでるな。

 そんなキャラには見えなかったぜ」haha

 

天龍

「……わりぃかよ」

 

ダンテ

「…いや」huh..

 

天龍

「……」

 

ダンテ

「……」

 

 

 

龍田

「……」←遠くから覗いている

 

・・・・・・

 

天龍

「……」

 

ダンテ

「……そうやってひとしきり落ち込んだら、お前さんは満足できるタチで

 今日の夜はもうぐっすり眠れるのか?」

 

天龍

「っ…! そんなわけないだろっ……!」

 

ダンテ

「ok.

 そうするとお前は今、悔しいってことなんだな?」

 

天龍

「…ああ、そうだっ…!」

 

ダンテ

「…alright.

 つまりお前は、諦めてなんかいないってことだな」ha

 

天龍

「……ああ!」

 

ダンテ

(……)

「上等だ。 "それでこそ"、だからな」

 

天龍

(…………ん?)

 

ダンテ

「ついてきな」クル スタスタ

 

 

天龍

「え?」

 

 

ダンテ

「せめて今日の夜はぐっすり眠れるくらいにはしてやるよ」ニッ

 

 

――――――

鎮守府・グラウンド

 

 

天龍

(……うーん……?)

「艤装着けて、波止場じゃないのか?」

 

ダンテ

「いや、こっちの方が後でわかりやすいからな」

 

天龍

(??)

「……ふーん…?」

 

ダンテ

「よし。 とにかく、いつも握ってるソレでかかってこい。いつでもいいぞ」

 

天龍

「え…あ、ああ、わかったっ…。

 …………いくぜっ!」ダッ!

 

 

 

龍田

「……」←またも遠くから

 

・・・・・・

 

―キィンッ! カキィ!

 

天龍

「はぁはぁっ!! …でやぁっ!」ブォンッ!

 

ガキィンッ!

 

ダンテ

「huh」

 

 

天龍は何度も力強い一撃を繰り出して、ダンテにヒットさせようとするが

ダンテは逆手に握ったリベリオンで、それら全てを捌いていた。

 

 

天龍

(これだ! この感覚……!)ハァハァハァッ!

 

ダンテ

(……)

 

天龍

「っ……くそっ! だぁああっ!!」ブンッ!

 

ガァンッ! ギギッ…カァン!

 

天龍

(!?)

「あうっ!」グラッ…ドサッ

 

 

ダンテ

「…ま、こんなとこだな」

 

 

天龍

「……え…?」ハァハァッ…

 

 

渾身の一撃も難なく弾かれ、尻餅をついてしまう天龍。

ダンテの突然の発言に呆然とする。

 

 

ダンテ

「俺たちの足元を見てみろ、テンリュウ」

 

 

天龍

「足元…? ……っ!」

 

 

 

龍田

(……)

 

・・・・・・

 

足元、つまり二人がいたグラウンドの地面には

主にダンテを中心に、小さな円をかたどったダンテの足跡があり、

さらにその同心円上に、大きな円をかたどった天龍の足跡があった。

 

 

天龍

「……っ」

 

 

ダンテ

「ミーティングでお前さんの話を聞いた限り、だけどな。

 シンプルだが、こういう種明かしさ」

 

 

天龍

「……」

 

 

ダンテ

「お前さんの剣は良くも悪くも"真っ直ぐ"だからな。

 相手からしてみれば、こうやってその場で小さく回ってるだけで

 むしろお前さんの剣を誘導しやすくなる」

 

 

天龍

「…!!」

 

 

ダンテ

「対してお前さんの方は必然的に、外周で大きく踊らされることになる。

 相手に比べて、すぐに息が上がっちまうのも当然だ」

 

 

天龍

「ぁっ……」

 

 

ダンテ

「……まぁ、周りで見てくれてる奴でもいりゃ、普通に気付けるんだろうがな」…チラ

 

 

 

ピク…

龍田

(……)

 

・・・・・・

 

天龍

「……どうすればいいんだ?」

 

 

ダンテ

「…huh. さすがに、こういうモンを一日や二日でってのは難しいかもな。

 お前さんの場合、癖のこともあるし、スタイルに関係することだからな」

 

 

天龍

「っ……」

 

 

ダンテ

「……だが、空いてるときなら相手くらいはしてやれる。

 それでいいか?」

 

 

天龍

「! ああ、頼むっ!」

 

 

ダンテ

「ok.

 よし、そんじゃ続けるか?」ha

 

 

天龍

「おうっ!!」

 

 

 

龍田

(……)…クル

 

 

龍田

「……♪」コツコツコツ…

 

 

――――――

夜、提督室

 

 

―ガチャ

 

 

陸奥

「…あら、おかえりー」Φ カキ…

 

 

ダンテ

「ん……おう。

 ……お前1人か?」

 

 

陸奥

「ええ」

 

 

ダンテ

(……)

「……そうか」

 

パタン…

 

・・・・・・

 

陸奥

「けっこう遅かったわね」Φ カキカキ

 

ダンテ

(……)

「……ああ。

 テンリュウにちょいと、な」

 

陸奥

「……ふーん、そっか」Φ カキカキ

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「…………ねぇ」Φ カキカキ

 

ダンテ

「……なんだ?」

 

陸奥

「明日の朝、ちょっと早いんだけど、

 準備が出来たらこの部屋で待機しててくれない?

 時間は8時を予定してるんだけど…」

 

ダンテ

「…okay, 了解だ」

 

陸奥

「ありがとっ♪」フフフッ

 

ダンテ

(……)…

 

陸奥

「……あら。 なに?//」

 

ダンテ

「…あぁ、悪い。 なんでもねぇ」

 

陸奥

「そ?」

 

ダンテ

(……いったい何がスイッチなのか、さっぱりだな……)huh..

 

 

 

 

 

 

 




SECRET MISSION 5-2-1

 ~ ………… ~



夜、天龍田の部屋


…ガチャ…
天龍
「……」


龍田
「……」…スー…


天龍
「……」…ノソノソ…

…ポフッ…


龍田
「……」


天龍
「…………ンガッ………スピー……」zz..


龍田
「……」
(……驚いたわ~。 もう寝付いちゃったのねぇ……。)


天龍
「スピュー……ピュルルッ…ズビッ! …フガッ? ……スピー……」Zzz..


龍田
(すごいイビキ……。 よっぽど疲れたのね……。
 ……ふふふっ♪)


天龍
「……ッンフー……」Zzz...


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MISSION 5-3

修練の果てに、やがて魂は多くの光を得ることだろう。

光とは目のことである。また、目とは光のことである。

羊たるヒトの行く末は、かつてのヒトの身にて、かの預言者が神から十の恩寵と
136万5千の祝福を受け、36万5千の光の目を得て、
72枚または36枚の翼によって天上へと至ったように、全て皆同じなのである。

天上へと昇り詰めた暁には、背丈は地に足が着いた状態で神の所に
頭が届くほどの世界の高さに匹敵し、
四九の宝石がはめこまれた王冠と天上の光が埋め込まれたマントを、
その身に授かることだろう。


深海基地

 

 

シンカイダンテス

「――フンフンフンフーン♪」ポンポンッ ←愛刀に打粉を当てている

 

 

―ノソノソッ

深海棲艦・尽

「オイ!」

 

 

シンカイダンテス

(……)

「オヤオヤ、ソンナ怖イ剣幕デ。

 何用デスカ?」

 

 

深海棲艦・尽

「……トボケルナッ。 ワカッテイルダロウ…!

 何故作戦目標ヲ無視シ、ソノ上艦娘ヲ見逃シタ!?

 挙ゲ句、目標ノ資材ヲ敵ニ明ケ渡シタダトッ……!」

 

 

シンカイダンテス

「少シ語弊ガアリマスネ。 譲ッテ差シ上ゲタンデスヨ」

 

 

深海棲艦・尽

「ッ……何故ダ…!?」

 

 

シンカイダンテス

「何故ッテ、……フッ。

 ダカラ、アノ男ノ前デモ言ッタ通リデスヨ。

 アノ程度ノ物ナラ、此方ニトッテハ有ッテモ無クテモ同ジデス」

 

 

深海棲艦・尽

「……アソコノ資源ノ獲得ハ、

 艦娘ニ利用サレナイヨウニスル意味合イモ有ッタ……!

 作戦ガ成功シテイレバ、アソコノ鎮守府デアレバ

 今後カナリ不利ナ状況ヘト追イ込メルハズダッタッ……」

 

 

シンカイダンテス

「冗談デハナイ。 ソンナコトデハツマラナイ」

 

 

深海棲艦・尽

「ッ…!」

 

 

シンカイダンテス

「……フッ。

 マァ、イイジャナイデスカ。

 現在ココヲ取リ仕切ッテイルアノ男モ、特ニ何モ言ッテコナカッタノデスカラ」

 

 

深海棲艦・尽

「……」

 

 

シンカイダンテス

「……フフフッ。

 モットモ、ソモソモ私ハアノ男ニ従ウツモリハ毛頭アリマセンガネ。

 好キニヤラセテモライマスヨ。 "愉シミ"モ出来タノデネ」

 

 

深海棲艦・尽

「……何?」

 

 

シンカイダンテス

「オット。

 フフフフ………デハ、失礼」

 

スタスタスタ

 

 

深海棲艦・尽

「……」

 

 

――――――

○○鎮守府・提督室

 

 

ダンテ

「……冗談だろ?」

 

陸奥

(?)

「ホントよ? 別にドッキリとかってことでもないし。

 この書類はちゃんとした正式な物だし」つ[] ピラッ

 

ダンテ

「……悪いが、パスだ」

(つーかそんな話、"あいつ"からは何も聞かされてねぇぞ……)

 

陸奥

「えっ!? なんでよっ?」

 

ダンテ

「定職とか柄でもねぇ。

 前にも言ったろ、週休6日が俺の主義だってな」

 

陸奥

「……まぁ、あなたのその主義に関係なく、

 これは推薦という名の辞令だから、もうほぼ決定なんだけど…」

 

ダンテ

「何でだよ……。

 軍に所属もしてねぇ俺が、ってどう考えてもおかしいだろ……」

 

陸奥

「あなたなら多分、面倒に思って確認しないだろうから

 送られてきた書類全部にあたしが目を通したけど、

 それによると、形式上だけでもそうしておいた方が

 今回のあなたの仕事を進める上でも、軍と連携を取る面でも

 何かと都合が良くなるのよ。 だから、今回の"推薦"ってわけ」

 

ダンテ

「……」

 

 

~~~~~~

 

レディ

「――言うまでもなく、失敗なんて許されないわ」

 

~~~~~~

 

 

ダンテ

「……huh……」

 

・・・・・・

 

カキカキ…

ダンテ

「……ほらよ」

 

つ[]

 

陸奥

「はい、確かに。

 ………ふふふっ♪」

 

ダンテ

(初日の予感はこれか……)

 

陸奥

「よーし、それじゃ次ね」

 

ダンテ

「あン?」

 

陸奥

「これ。 袖通してみてくれない?」

 

つ【カッター】ガサッ

 

ダンテ

「」

 

陸奥

「まぁ本当は、もうこれは着ないで直接上を羽織ってる人がほとんどなんだけどね。

 今は季節が季節だし。 でも一応はね、一応っ」ンフフッ…///

 

..つ【カッター】カサ…

 

ダンテ

(……ま、どうせもう何言っても無駄だろうからな……)

「huh...」

 

…ヌギヌギ

 

陸奥

「っ!!?」バッ! ←後ろを向く

 

ダンテ

「……」

 

カサカサ…

 

陸奥

「……っ」…チラッ

 

 

陸奥

「……っ////」ドキドキッ…

 

ダンテ

「――着たぞ」

 

バッ!

陸奥

「あ、うんっ///」…サッ ←振り返る

 

 

陸奥

「……っ……ん、いいじゃないっ…?//」

 

ダンテ

「そいつはどうも…」

 

陸奥

「……見たところ問題なさそうだけど、サイズ大丈夫?」

 

ダンテ

「ああ」

 

陸奥

「そっか。 まぁ、かなり大きめのやつが送られてきてたしね。

 ……ふむ……」

 

ジー…

 

ダンテ

「……」

 

 

下から上へ、あくまで確認の意味で見ていく陸奥。

 

 

陸奥

「……ぁ」

 

ダンテ

「どうした?」

 

陸奥

「髭…」

 

ダンテ

「…あぁ。 そういや、こっちに来てからはまだ一度も剃ってなかったな」

 

陸奥

「薄い方みたいだから気付かなかったけど、よく見ると伸びてるわね……。

 ……剃ってもらってもいい……?」

(この後のこともあるし……)

 

ダンテ

(……)

「ああ、わかった。 つっても道具がな…」

 

陸奥

「あっ、ごめんなさい。 洗面台の下の棚に入れといたんだけど、

 やっぱりわかりにくかったわよね」

 

ダンテ

「ほぅ、やっぱあるにはあったんだな。さすがだな。 ha

 よし、じゃあちょっと待っててくれ」スッ…

 

陸奥

(!)ピコーン

「ぁ、待って!」

 

ダンテ

「ん?」

 

陸奥

「あたしが取って来るから、あなたはソファで横になって待ってて」スクッ

 

ダンテ

「………あ?」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」← on ソファ

 

 

―ガチャ

陸奥

「おまたせーっ」

 

 

 

 

 

陸奥

 

 <ITEM>

 

  ・シェーバー

  ・シェーバークリーム

  ・濡れタオル ×2

  ・乾いたタオル ×2

 

 

 

 

 

ダンテ

(まさかとは思うが……)

 

・・・・・・

 

陸奥

「――それじゃ、始めるわね」← side on ソファ

 

ダンテ

「へいへい……」

 

陸奥

「……抵抗しないのね?」

 

ダンテ

「Huh... 無駄だってわかってるからな……」

 

陸奥

「……ふふ」シュルッ… ←手袋を外す

 

ダンテ

「……ン?」

 

陸奥

「初めてやることだし、感覚がわかりづらいもの。

 もし手元が狂ったりなんかでもしたらイヤでしょ?」

 

ダンテ

「……ま、もう任せるわ」

 

陸奥

「は~いっ」フフフッ♪

 

・・・・・・

 

ペタペタ

 

陸奥

「……へぇ……」

 

ダンテ

「……」

 

サワサワサワ

 

陸奥

「……ふ…ふふっ……髭ww」

 

ダンテ

「…オイッ」

 

陸奥

「あ、ごめんw 今からやるからw」

 

ダンテ

「頼むぜ……」

 

・・・・・・

 

サー… ←剃り

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……」

 

 

フキフキ… ←タオルで一度拭き取る

 

陸奥

「……ねぇ」

 

ダンテ

「……ン?」

 

陸奥

「…………その"相棒"の人とは……もう長いの?」

 

ダンテ

「……ああ、そうだな」

 

陸奥

「……どれくらい?」

 

ダンテ

(……)

「……さぁ。 どれくらいだったかな」huh..

 

陸奥

(……)

「……そう……」

 

 

その後は無言のまま行われていった。

ダンテはその間、終始瞑目していた。

 

 

・・・・・・

 

 

陸奥

「――よし。

 ……うん、キレイに出来たわね」

 

ダンテ

「……ン………アァ、……終わりか?」

 

 

若干、気だるそうに聞くダンテ。

まどろんでいたのかもしれない。

まだ瞑目している。

 

 

陸奥

「うん。 あ、でも待って。 タオルで拭くから」

 

ダンテ

「ン……」

 

フキフキ…

 

陸奥

「……ねぇ…」

 

ダンテ

「……ンー…?」

 

陸奥

「………今、キスしたら……怒る…?」

 

ダンテ

「……」

 

 

それを聞いて、初めてダンテはうっすらと目を開けた。

 

 

ダンテ

(……)

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……まぁ、少なくともオススメはしないな」

 

陸奥

(!)

「っ……」

 

ダンテ

「今だとシェーバークリームの味がするだろうからな」hahaha

 

陸奥

(……)

「……ちゃんと拭いたわ」

 

ダンテ

「……」

 

 

ダンテのその発言の意図を、陸奥がどう解釈し、またそれでどのように思ったのか、

それは陸奥本人にしかわからない。

 

 

陸奥・ダンテ

「……」

 

 

二人の間に意味深な沈黙が流れる。

 

――そして、陸奥は、

 

 

陸奥

「……」スッ…

 

ダンテ

「……」

 

 

行動に出た。

 

それに対し、ダンテは特にどうするわけでもなく、

姿勢も変わらないままでいた。

 

――ゆっくりと。

二人のそれが触れ合いそうになる寸前、

 

 

―コンコンッ

 

「陸奥補佐艦ー! 来ましたよーっ? 機材入れちゃっていいですかー?」

 

 

 

ビクーンッ!

陸奥

「」

 

ダンテ

「…オ?」

 

 

 

「……あれ? 補佐艦ーっ?」

 

 

 

ダンテ

「知らねぇ声だな」

 

陸奥

(…ああ、そうだったわ……)

「……紹介するわ」

 

・・・・・・

 

青葉

「――とのことだったので、

 今回、撮影係を務めさせていただくことになりましたっ!

 先ほども補佐艦から紹介がありましたけど、改めまして、青葉です!

 以後、よろしくお願いしますっ!」

 

ダンテ

(写真ねぇ……)

「…なるほどな。

 ああ、こっちこそこれからよろしくな」

 

青葉

「はぁいっ!! もちろんですよぉっ♪」

(ぜひにっ!!)キラキラ☆

 

ダンテ

(……ン?)

 

陸奥

(……はぁ)

「……それじゃあ、はいこれ」つ【提督服】

 

ダンテ

「……さすがにそれは着ないぜ?」

 

青葉

(……え?)

 

陸奥

「……どうして?」…

 

ダンテ

「もういいじゃねぇか、このまま撮ったって。

 どうせ形だけなんだろ? 必要ねぇよ」

(写真だけでも面倒なのによ……)

 

青葉

「……えっと……?」

 

陸奥

「……一度だけ……それだけでいいから……。

 お願い……」

 

ダンテ

「……」...huh..

 

青葉

(……おや? これは……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……着たぜ…」←提督コス

 

陸奥

「あら……」

 

青葉

「おーっ!」

 

陸奥

「いいじゃない。

 ……ていうか、……ふ…ふふっ………頭の上から下まで真っ白……ww」

(というか、男の人って髭がないだけで…………へぇ……)

 

青葉

「……ww」

 

ダンテ

(……)

「huh... これでいいんだろ。

 次はなんだ?」

 

陸奥

「もう大丈夫よ。

 それじゃあ青葉」

 

青葉

「はい!」

 

・・・・・・

 

青葉

「――じゃ、行きますよー?」

 

ダンテ

「…おう」

 

 

陸奥

(……)…スッ…

 

 

青葉

(…!)

 

 

―ダキッ

 

ダンテ

「…ア? おい……」

 

陸奥

「い、いいでしょっ。 こういう写真でもっ!///」

 

ダンテ

「……もうどうとでもしてくれ……」huh..

 

青葉

(……なるほど、そういう…)

「おーいいですねーww

 ――それではっ!」

 

カシャ

 

 

――――――

鎮守府・グラウンド

 

 

長門

「――では、本人より挨拶と一言を賜りたいと思う」←朝礼台の上

 

 

―ワイワイガヤガヤッ

 

 

長門

「こ、こら静粛にっ!」

 

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「ふふふっ……。

 ほら、あなたの番よ?」クスクス…

 

ダンテ

「……わかってる」

(正直トチった。 "どうとでも"なんて言うんじゃなかったぜ……)

 

 

――――――

朝礼台

 

 

ダンテ

「……」

 

 

 

「「……」」←グラウンドに控えた艦娘たち

 

 

 

ダンテ

(面倒だな……)huh..

「……あー、……いろいろあって、まぁ"そういうこと"になった。

 ナガトが言ったことがほとんどだ。

 だが、結局は形だけモンだ。 俺自身、面倒なことはやりたくないし、

 細かいことに首を突っ込んでまで、口出しするつもりもねぇ。

 ま、これからよろしく頼む。 以上だ」

 

 

――――――

 

 

瑞鶴

「……みじかー……。

 形だけとか、面倒とか、もういろいろぶっちゃけちゃってるし……」

 

翔鶴

「ふふふっ……」クスクスッ…

 

瑞鶴

「ん? 翔鶴姉?」

 

翔鶴

「…あ、ごめんなさい。なんでもないわ。

 ……ふふっ…」

 

瑞鶴

(……ん~??)

 

 

――――――

 

 

「――っ!!」

 

「すごいわねっ!」

 

「なのですっ!」

 

「……不明瞭なことが多いし、細かい事情は気になるけど、

 見方を変えれば、この鎮守府にもやっと司令官が着任したってことなんだ。

 これは素直に嬉しいな。 ね、暁?」

 

「ふぇっ!? そ、そうかもねっ。

 ……っ♪」

 

天龍

「……へへっ」ニヤニヤ

 

…チラ

龍田

(……すっかり元気になったみたいね)…フフッ

 

 

――――――

 

 

川内

「……うぅ~……眠いぃ……」

 

神通

「ちょっと姉さんっ、朝礼中ですよっ……。

 ……もう、また無意味に夜更かしして……」

 

那珂

「……」

(那珂ちゃん的には、理解あるとまではいかなくても

 いろいろ大目に見てくれる人だといいなぁ……)

 

 

――――――

 

 

ガサ… バリ…

 

加賀

(……はっきり言って、異例。 前代未聞)

 

ガササ… バリバリ… モグ…

 

加賀

(昨日の夕方に、全艦娘の部屋に青葉さんを通じて通達書が配布されたわけだけど……。

 ……なぜ上層部は、このような采配を……)

 

ガサッ バリリッ モグモグ…

 

加賀

(まだあまり素性も知れないはず……。 上はもう詳細に把握している……?)

 

ガサガサッ バリィッ! モグモグモグ、ゴクンッ

 

加賀

(……それならそれで、また余計におかしいわけだけれど……。

 そもそも今回の一連のことに関しては、上も"皆"も――)

 

ガサガサガサッ! バッリバッリ! バリリッ! ムッシャムッシャ!!

 

加賀

「赤 城 さ ん ?」

 

赤城

「ふぁい?」モグモグモグ

 

加賀

「……前々から言っているでしょう。

 いくら手持ち無沙汰になるからといって、

 朝礼に飲食物を持って来てはいけないと……」

 

赤城

「ご、ごめんなさい……。

 昨日、久々の朝礼通達だったので、朝起きた途端に忘れちゃってて……。

 丁度食べていたところに、朝礼召集がかかったもので、

 慌ててそのままつい持って来ちゃいました……」

 

加賀

「……飲食を止めなかったのは?」

 

赤城

「湿気ちゃうと思って……」

 

加賀

(朝からスナック菓子ですか……)

「……理由はわかりました。

 百歩譲ったとして、一先ず理由の方はおいておきましょう。

 始めの内は遠慮がちに食べていたじゃない。 その後は……何なの?」

 

赤城

「堪らなくなっちゃいまして……」アハハ…

 

加賀

「……はぁ……」

 

 

――――――

 

 

陽炎

「先日の祝勝会以来よねー。

 同じ鎮守府にいるのに、案外すれ違ったりもしないものね。

 まぁ私達もけっこう出払ってることが多いからかもしれないけど」

 

不知火

「そうですね。

 聞いたところによると、あの方は提督室のあの奥の一室を

 お使いになっているのだとか」

 

陽炎

「あそこかー。 やっぱりあのドア、開くには開くのね。

 じゃあ、あの作戦の日からはずっとあの奥の部屋で寝泊まりしてるわけね」

 

不知火

「おそらくは」

 

陽炎

「……あ~、そういえばさー。

 先日の祝勝会って言ったら、

 あの日は不知火のたかいたかい記念日でもあったわよね?w」

 

不知火

「っ!? し、不知火に何か落ち度でもっ?!////」

 

陽炎

「いやぁー別に~?w

 …あ、でもさ、あのとき一度降ろしてもらった後に

 嬉々として苺を用意しに行ってた不知火ったら、……ふふふっ。

 やー、可愛かったわねぇ~ww」

 

不知火

「」

 

陽炎

「あはは。

 ……ん? ……浜風?」

 

浜風

「……」…フフフッ…

 

陽炎

(……ふ~む…?)

 

 

――――――

 

龍驤

「どひゃ~……。

 ……ふ~ん。 なぁ、鳳翔的にはどうなん?」

 

鳳翔

「うーん、そうですねぇ……。

 ……煮物が」

 

龍驤

「……ん?」

 

鳳翔

「思い切って、お出ししたんですけど、

 その……私の煮物を、たいそう気に入っていただけたようでして……///」

 

龍驤

「……へ?」

 

鳳翔

「艦娘の皆さんにはよくお出ししますけど、そうではない方、

 それも外国の方に食べていただくのは、艦娘になってからは初めてだったので

 あれは嬉しかったですねぇ」

 

龍驤

「……さよか。 よかったなぁ」

 

鳳翔

「はい」ニコ

 

 

飛龍

「……私らって影薄いよね」

 

蒼龍

「他の空母勢のキャラが強烈だからね……」

 

飛龍

「……出番、もっとほしいよね……」

 

蒼龍

「うん……」

 

 

――――――

 

 

利根

「男前じゃのー」ナハハッ

 

筑摩

「そうですね」ウフフ…

 

利根

「…………あやつが如月を助けた」…

 

筑摩

「…………ええ」…

 

 

――――――

 

 

望月

「あたしは異論ないなぁ。 なんかいろいろ楽できそうじゃね?」ヒヒッ

 

弥生

「弥生も、賛成…」

 

島風

「おうっ!おうっ!」

 

如月

「鎮守府切っての男の人ね~♪

 どんな子がタイプなのかしらぁ?」

 

吹雪

「本当なんだ……っ」

(本当に、ダンテさんが司令官に、だなんて……!)

 

夕立

「楽しくなりそうっぽい!」

 

睦月

「そうだねっ!」

 

 

 

*ケルビはお留守番

 

 

――――――

 

 

足柄

「~~~~っ!!」

 

 

那智

(……)

 

羽黒

「……あの、那智姉さん……」ボソ…

 

那智

「っ……ん、あぁ……なんだ?羽黒」ボソ…

 

羽黒

「足柄姉さんなんですけど……」

 

那智

「……あぁ。

 いや、私にもさっぱりだ。

 昨日は珍しく飲みもしないで、いの一番に布団に入っていたしな。

 ……まぁ、眠れなかったようだが……」

 

羽黒

「……布団の中でずっとブツブツ言ってましたよね……」

 

那智

「ああ。 おかげで久々に耳栓を探したよ……」

 

 

*たまに、飲み屋ではなく部屋で足柄が泣き酒をする

 

 

足柄

「ブツブツブツ……」ニヤニヤ…

 

 

羽黒

「……」

(足柄姉さん……)

 

那智

「……」

(しかし、異国の者が我が鎮守府の司令官とは……)

 

 

――――――

 

 

明石

「まさかの展開……。

 なんか"いろいろと"ありそうな予感が……。

 夕張はどう思いm」

 

夕張

「――でもそれで小さくしちゃうとやっぱり軽くなって、その分だけ

 反動が大きくなるし、そうなると照準のズレは無視できなくなってくるしなぁ……。

 ていうかそもそもやっぱり、

 あの構造で安定して連射ができるようにっていうのがまずねぇ……。

 連射も考慮するから弾の大きさも問題だし、これも小さくしすぎると

 あの石を取り付けた後、バレルの中で擦れたりなんかでもしたら大変だし、

 ていうか薬量減っちゃったら、威力も飛距離もなぁ……。

 うーーん……とにかく手頃で持ちやすくて安定してて、かぁ……ぅーんー…ぁあ~~…」

 

明石

「聞いてない」

 

 

明石

(……)

 

 

――――――

 

 

青葉

(いつお邪魔させてもらおうかなぁー。 しばらくはまだゴタゴタしてるのかなー)

 

 

――――――

 

 

球磨

「……クマ?」

 

多摩

「にゃにゃにゃっ?」

 

北上

「おうおう、これさえ言わせとけばいいだろみたいなキャラになっちゃってるよ。

 不憫だねぇ。

 ……ってあれ、どうしたの大井っち?」

 

大井

「……お、男っ……が提督に……?」ヒクヒク…

 

 

――――――

 

 

愛宕

「ハンサムな人ね~。

 ね、高雄? ……高雄?」

 

高雄

(……)

 

愛宕

(……)

「高雄? ……高雄ったら!」

 

高雄

(………)

 

愛宕

「………む~、高雄ちゃ~んっ!」

 

高雄

(…っ!)

「………え、何?愛宕」

 

愛宕

「何?、じゃないわよ~……。

 ……どうしたの? 難しい顔して考え込んで」

 

高雄

「えっ……そんな顔してた?」

 

愛宕

「してたわよぅ~。 こーんな」

ノ(`∧´)ヾ

 

高雄

「絶対してないわ」

 

愛宕

「うふふっ♪

 ……何か、心配事?」

 

高雄

(……)

「……いいえ、なんでもないわ」

 

愛宕

「……そう」

(………)

 

 

――――――

 

 

比叡

「ひえー……。

 ドッキリとかじゃなかったんだー」

 

榛名

「通達書もあったので、さすがにそれはないかと……」アハハ…

 

比叡

「でもこんなことってありえるのかな? 国も違うのに」

 

霧島

「どうなんでしょう……。

 一応は、上層部の決定した正式な辞令なんだそうです。

 最近、他の鎮守府では海外から派遣された艦娘が

 どんどん配属されていったりもしているそうです。

 それを考えると……ん……うーん……? いや……どうなんでしょうね……」

 

金剛

「そんなことはどうでもいいデース! 国の違いなんて一切関係ありまセンっ!

 大事なのはハートデース!! たったそれだけネっ!

 私はダンテと同じ鎮守府に居られて、

 ここで同じく戦えることを誇りに思いマスっ!!」

 

 

―ザワッ …ザワザワザワッ

 

 

――――――

 

 

加賀

「っ……」

 

 

那智

「!!」

 

 

明石

(…………ハート……)

 

 

「たしかに。 真理だね」

 

 

大井

「……」

 

 

高雄

(………)

 

 

――――――

 

 

比叡

「っ……お姉さまぁ!!」

 

榛名

「流石ですっ……榛名、感激ですっ!」

 

霧島

「……ええ。

 この霧島、まだまだ思慮が浅いということを痛感させられましたっ…!」

 

榛名

「お姉さま! 榛名も同じく誇りに思いますっ!」

 

金剛

「Yeah!! では一緒にその気持ちをダンテに伝えまショウ!!」

 

榛名

「はっ はいっ!!///」

 

 

金剛

「ダンテーっ!!」ノシ ブンブンッ!

 

榛名

「ダ、ダンテさぁーんっ!!////」ノシ フリフリッ

 

 

――――――

 

 

足柄

「!!

 ……~~っ!」ブンブンッ!

 

 

那智・羽黒

「」ビクッ…

 

 

――――――

 

 

ダンテ

「………あン? ……huh」ポリポリ…

 

 

―クル…

ダンテ

「……」ノ ピッ…

 

 

踵を返し、朝礼台から降りながら、ダンテはサインを返した。

 

 

金剛

「っ!! ほ、ほら榛名、返してくれたネーっ!!///」フンスフンスッ!

 

榛名

「は、はいぃっ!////」ドキドキッ!

 

キャッキャッ

 

 

――――――

 

 

足柄

「っ……////」ニヘラ

 

 

那智・羽黒

「」

 

 

――――――

 

 

川内

「……へぇ。

 なんかもう、ステージ終わって降りてくアイドルみたいだね」アハハッ

 

那珂

「」

 

神通

「あっ……姉さん……」

 

 

――――――

 

 

大淀

「あはは……」

 

長門

「……ふっ」

 

陸奥

「ま、こんなところよね」フフフッ…

 

長門

「そうだな。

 ある意味、当鎮守府らしいとも言える」

 

大淀

「ふふふ……ですね。

 それでは、もう解散号令をかけますね」

 

長門

「ああ」

 

…チラ

陸奥

(………お疲れ様)…♪

 

 

ダンテ

「……」スタスタスタ…

 

 

 

高雄

「……」ジー…

 

愛宕

(……高雄……)

 

 

 

 

 

 

 




SECRET MISSION 5-3-1

 ~ 祝! 提督が鎮守府に着任しましたっ!! by 青葉広報 ~



朝礼が終わり、ひとまず各艦、各部屋へ。


金剛型の部屋


つ【青葉新聞のツーショット写真】⊂ プルプルプルッ…

金剛
「~~~ッ! シーット!! なんデスカこれはーっ!!?」バササァッ!

比叡
「お姉さま落ち着いてぇっ!!」ワタワタッ

榛名
「……」…

霧島
「っ……は、榛名……?」ゾッ…





*おまけ ダン提督のイメージ (おおまかこんな感じ?)
{IMG20105}

*おまけのおまけ ~ もしスパーダの血族が海軍提督服を着てみたら編 ~
{IMG20106}


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MISSION 5-4

1つ目の赤子の特徴

・てんびん座と、やぎ座との関連性。
・修行のため、K国に転生させられることが多い。ぶっちゃけるとK国人と精神構造が非常に近いかそのもの。
・INFP-A型の傾向の可能性有り。この型の欠点部分が非常に目立つ。
・神経性が非常に低い。
・極端に他人・家族にも興味がない。かといって自分に関心があるわけでもない。興味の幅が非常に狭い。脳力のコストが低すぎるせいでそのようになる。過去にあった数ある事態・状況に関して、そもそも記憶しようとしていないために、この手の状況が頻繁にある。事態・状況も記憶していないので、過去の掘り出し会話や思い出し会話、思い出話ではほとんど噛み合わず、会話が成立しない。自分がした話すら記憶していないことも多々ある。非常に若くても痴呆かと見紛うことすらある。脳が本当に弱い。家族の生年月日を一人も言えないことがある。自分の生年月日すら忘れることがある。家族が一年以内に重病を患ったとして、それを目の当たりにしていても、忘れていて覚えていないということもある。これら全てに共通して言えることがある。それはこの魂の者は、興味ある物事以外には脳に記憶するというプロセスのコストを割かないために、上記のことが起こる。逆に言うと何気ないことでもわざわざ意識して記憶プロセスを行わないと記憶できないほどに、脳が非常に弱いのである。総じて勉学が苦手である傾向にある。
・味覚が子供。味付けは濃い物を好む。素材ではなく調味料を食べている。野菜はドレッシングをかけないと食べられない。
・白米よりも味ご飯。味ご飯がない場合は味塩胡椒をかけるか、そもそも炊飯のときに混ぜ出す。素材・無地というものを基本的に楽しめない。味が付いていない、薄いと感じてしまうものには、とにかくすべてに調味料が必要。
・菓子、甘味、ジュースを非常によく好む。メインの食事(基本三食のこと)にかけるべき費用を、菓子甘味ジュースに回すことが多々ある。
・悉く、上品さに欠けると感じさせられる所作が多い。機敏、気配りに非常に疎い。
・ご飯、スープのよそいかたがド下手。汚い。あとの見映えを考えない。気配り下手。米釜、茶碗にご飯粒が残る食べ方をする。基本的に全面的に不器用。工夫する発想力、着想すらないため。脳が本当に弱い。
・全く同じ商品や同系統の商品をいくつも買ってしまっている傾向がある。整理整頓が出来ない。部屋が汚い。事物の管理・把握・記憶能力が絶望的にない。そのため同じ物を何回も買ってしまっている。ゴミの山の部屋の中を掘り起こすと、以前に全く同じ物を買っていて、新品箱のままの状態の物が出てくることが多々ある。買った物を奥に仕舞い込み、そのまま忘れてしまって、また同じ物を買って奥に仕舞い込み、忘れる、ということを延々と繰り返してる。
・有能な人間にはミニマリストが多いが、この魂のレベルの者はたいていマキシマリストである。冷蔵庫や冷凍庫、収納棚などはたいていパンパンである。自己・事物の管理能力のない人間ほど、自分の管理能力の及ばない範囲の事物を抱え込む。そして、ほぼほぼ毎回、さばき切れない。食品関係は腐らせてしまうことが多く、便利用品・物品は部屋の肥しとなる。数度の使用か、最悪、一度も使わずに結局捨ててしまうこともある。そもそも買ったことすら忘れていることも多々ある。
・家具の組み立てや、細かい手作業など、度々間違えることが多い。こういったものは天地や左右が逆にならないように、分かりにくい物には、家具のパーツ自体に目印が付けられていることが多いだろうが、そういった細かい点や他のパーツとの相違点などに一切の疑問を持たない。普通の人が持つような疑問点や着眼点が完全にない。この魂の者に、細かい作業や見分けのつきにくい作業を一任することは非常に危険である。決して監督者なしでは仕事をさせてはならない。
・優先順位が付けられない、またはその判断を誤る。欲求優先、欲求本意で判断し、行動する。
・自己判断の元による忖度仕事をするケースが非常に多い。ほとんどの場合で発生する。疑問に思っても、あるいは疑問すら持たず(疑問を持つための知的能力が根本から低いため)に行動する。人に聞かずに勝手に選択するなどが多い。よって、場合によってはとんでもない失態が後ほど判明し、周囲を巻き込む。警告しておくと、仕事を任せることは本当に危険である。
・明確に個人指定のある物でも、勝手に使用することがある。そのときの心理は面倒であったからなど、自分本意で軽い判断の元によることが多い。他者の物を断りなく使用するということは、多くの場合、その人が困ることが多いが、この魂にはそこまでの想像力がいつも及ばない。そのため本人の意識の及ばない範囲で他者に迷惑をかけていることが非常に多々ある。そのために、この魂の者は自分が気づかない内に、周りの多くからいつの間にか疎まれているという状況に頻繁に陥っている。
・責任を常に外に求める。
・注意や指摘を受けても反省しない、反省できない。
・失敗しても学習しない、学習できない。
・説教は基本聴いていない。心の中で言い訳し、その間で耳には入っていない(言い訳中に説教内容が流れている)。
・お咎めや指摘やを受けたとき、指摘者の罪点をひねり出し、それで指摘者を攻撃・反撃する。それは自身の精神防衛と逃げのために行われる。この行動により、自身に対し、指摘された内容をうやむやにしようとする。自身に問題はないと思い込む精神行動に走る(正当化行動)。結果、指摘された点については改善が行われることはない、次回以降も行動再発する。それで精神防衛を行う。
・真実や正しさを真摯には受け入れられない。ひねくれているからというわけではなく、単純に知能が追いつかないため、理解が出来ない。典型的に、学習には強烈な痛み(肉体的か精神的な物理的にかは問わない)が必要であるタイプ。
・叱責に耐えられない。それだけの精神力と精神教養がない。これと関連して、叱責されると、「叱責している目の前の人はどうなのか」という内面思考が働いていることがある。反発心もあるが、なんとかして相手のせいにして、自身側の責任や罪を必死に隠そうとする。
※ここで一番問題となるのは、もっと客観的・第三者的視点から見て、相手(叱責者)はどうなのかではなく、この叱責されている者(被叱責者)は本当の所どうなのか、問題・欠点はなかったのか、という非常に大切な重要点についてなのだが、詰まる所、このような一例からもわかるようにこの者(被叱責者)が自身を省みることは決してないのである。反発心や防衛本能が優先されてしまい、この者が反省し、学び、向上する、という機会は一生、喪失されてしまうのである。
この者のこれらの精神メカニズムは自己愛護と精神防衛の働きにより引き起こされている。なぜこのような精神行動になるかだが、とにかく、責任逃れがしたい、責任の所在をうやむやにしたい、責任の追及・言及から逃れたい、自身の欠点を隠したい、自分に欠点はない(無欠であると思いたい、自身を改めたくない、向上したくない)・周りに問題があったために、このような状況になったと思いたいという本能から来ている。
このため、この者が自身の欠点を認めるようなことは起きない。そのため、この者はほぼ確実に次回で、再発行動を起こす。改善や再発防止が図られることはない。
・自己流を思いついたら、その方法が効率的でないと指摘されても中々、効率的な方法には切り替えられない。 致命的な失敗に繋がらない限りは切り替えられない=耐え難い痛み・失敗を伴わなければ学習ができないということ(原初クラスの人類)。
・KY管理、警戒心が最低レベル。衛生観念管理もずぼら。上品ではない。原初人類時代、衛生管理能力が低すぎるせいで、それ関係の死亡率が最も高かった。現代でもよくお腹を下している。そして学習しない。食事中、食事直後にトイレに立つ者も多い。ただし、そもそも体内的に排便のタイミングの前後であった場合は除く。
・衛生観念が低い(というより、その知識・知能が低い。細菌や雑菌、その時間繁殖の存在を知らなかった、かつての人類と同レベルの知能・意識しか本当にない)ので、料理に関連した器具の扱い方もかなりぞんざい。食用の草花を切るときに使ったハサミなど、使用後、水洗いもせずにそのままにしたりする。とにかく料理関連で、使用前後に水洗いをしない。
・面倒臭がり、ズボラ、すべての行動が雑で荒くたい。
・想像力、妄想力、因果の結びつけ、因果の想像・予測する能力が最も低い。想像力・妄想力の地力は、知識・経験からなる知的精神畜量によってそのほとんどが形成されるため、全面において、幼すぎるこの魂にはいたしかたない部分もあるが。
・妄想力、想像力、シミュレーション力が圧倒的に欠如している。そのため、忘れ物が多かったり、家を出たのに、直後に何回か出戻りを繰り返すなどが多々ある。万が一のときのためへの備えの意識が低い。免許証や保険証を携帯せずに外出することが多々ある。それが基本である者までいる。金銭が必要である気配がある場合でも、持っていない、持っていかない、他頼みの者もいる。
・基本的に、すべてにおいて、思考訓練や配慮、思慮が足りない。言われないと思いつくことすら出来ず、実行が出来ない。言われた内容に関しても思考や配慮が出来ず、行動の必要性や行動の本質を理解していないので、たいてい実行内容には不足が発生するか、行動が間違っている。+α行動はかなりの確率で為されない。
・先読み思考、先読み行動はほぼほぼ期待できない。予測時間行動もほとんど行わない。
・このレベルの魂の者に対し、言わなくてもわかるだろう、などの過信や慢心は絶対に禁物である。言いつけておいてある場合ですら、本人は曲解しており、正しくは理解していない。それほどの程度の低い想像力と理解力、思考力であるため。そもそもすべての物事の因果や、相手の発言の意図を深く考えたりする過程を常に経ない魂なのである。もしくはその力が非常に弱い。なぜ、あれはそうなったか、なぜあの人はあの発言したのか、などの"なぜ"を常に考えない、考えられない。とにかく思考訓練を行わない、出来ない、その発想がない、まさに赤子のような魂なのである。
・警戒心が最も希薄である時期の魂。従って、思考回路、思考のフローチャートが最も単純。
※上位の魂になるほど、思考回路、思考のフローチャートは複雑化されていく。
例えば、人から物をもらえるとすると、普通は「相手は知り合いか否か」>「信用できる人か否か」>「高価な物か否か」>「今自分に必要な物か否か」>「貯蔵場所には十分な空きがあるか否か」などなど、思考のフローチャートが一瞬にして複数現れ、分岐も多岐に及ぶはずであるが、1つ目の赤子の魂においては、これが本当に単純な物しか構築されない。下手をすると、「もらえるものはもらっておく」といったような分岐すらもないときもある。
・興味の振れ幅が狭い。特定ジャンルのみを好むことが多い。基本的に晩年までジャンルは広がらない。
・普通、人間は生きていれば、知識や経験、情報など学びを得る機会は自然と発生するものだが、この魂の者の場合は、その機会というよりも受け取るスタンスが非常に悪い。恐らくはトップクラス。用事が終わると早々に自分の興味のある方など、自分の殻に籠ってしまうため、機会損失の発生率が非常に高め。こういったことも含めて、他の魂と比べて、成長率、成長速度が最低クラスとなってしまう。ひいては、カラーバス効果なども期待値が低い。意識のアンテナが最弱。もしくは意識意欲が元からない。
・今、ここを生きている。模倣かあるいはそれ以前。ただメディアなど、享受するのみの非常に小さな箱。
・元々、魂の栄養受容・成長・進化には肉体的睡眠が不可欠である。 一つ目の赤子にとっては、周りの大半が高刺激であるため、一番肉体的な睡眠を要する時期。睡眠時間はかなり長め。睡眠欲には逆らえない。晩年に気付くか、あるいはこの今生では睡眠時間がもったいない、という思考に至ることは稀。
・精神的に攻撃を受けたときも睡眠に走りがち。
・原始的知能・原始的行動。非効率的思考と行動が最大の特徴。またこれらを指摘されても理解が追いつかず、なかなか修正できない。指摘内容も含めて、多くの物事の意義・本質を見抜くことができない。そのため理解が見当違いであることが多々ある。なので、この魂の者と会話すると論点がひたすらずれる。話の、物事の重要点が常にわからない。なので、残念なことに9割近くのケースで話が通用しない、成立しない、ちぐはぐする。よって必然的に、周囲の者から敬遠されがちになる者が非常に多い。周囲から会話を持ちかけられなくなる、など。
・臆病で無力。パニック、緊急事態に脳が容易にオーバーフローする。その際はひたすら停止・硬直している。とっさの行動はできない。または判断を誤る。
・善悪がわからず、迷信的。
・単純労働を好む、というより複雑なことができない。マルチタスクはかなりの高確率でできない。マルチタスクが出来ない脳構造だと、瞬間時間毎に並列同時進行処理が必要な仕事が出来ないということになる。一例をあげると、これには歌唱行為が該当する。なので音痴である者も非常に多い、というよりほぼ確定的。関連して、猫舌。理論的には猫舌など存在しないが、マルチタスクが出来ないので、舌の上で熱い食べ物を転がすという動作が本人にとっては複雑困難になっている。そのため、舌を火傷しやすいのが実態。同様の理由でキス下手という場合もある。
・ほぼほぼ、一思考一行動しかできない。トイレや用事などで立ったと同時に、食器やゴミを持って行くといった副思考副行動ができれば良いが、九割九分九厘、手ぶらで立つ。
・IQが100を切っている者がほとんど。90未満でもはっきり言って、まったく珍しくはない。
・赤子、幼少期に親に知的障害を疑われるといったケースも多々ある。
・貧窮すると、金銭を騙し取ることもある。手段はこれといって狡猾ではない。
・不当な、偶然的な利益、不条理なメリットも享受できるならば、黙って受け取ろうとする。遠慮、断るということをしない。所在・因果・発生を明らかにしようとはしない。本質を見ない、見ることが出来ない。姑息で不誠実。
・単純、素朴、純真、無邪気、直感的、疑わない、神秘的。
・動物的、無力、臆病、無知。 特に異性に騙されやすい。低俗な挑発にも騙されやすい。このころはまだ、精神よりも肉体の先行が一番顕著であるため。
・低レベルの魂ほど、ハニートラップに引っ掛かりやすい。
・学習意欲は極めて低い。また知的欲求のジャンルは非常に狭い。
・持ち得る光量が最も少ない時期であり、光輪と呼べるような物は当然まだない。
・知恵遅れ"的"。記憶する力が弱い、あるいはそもそも記憶意欲がめっぽうない。毎回同じ話から始めなくてはならない。着想力が低い。物事のなぜ?を考えない。よって思考訓練などがいつまでもなされず頭が弱い。関係して、特定外の他者に対し、非常に無関心であることも多く、気配りが出来きないために敵を作りやすい。騒ぎ過ぎると相手にとってどうなるか、などこういった程度の因果予測も発想が生まれない。特定の他者(比較的関心がある者)に対してでも、理解や知識は浅い。その内容のジャンルも狭い。他人の本の栞を勝手に取る、などもある。なぜ挟んであったのか、その発想にも至らないため。
・自分より上位の者の持つ光に焦れる。自分よりもはるかに強い光量を有するため、本能的に惹かれる。元々、瑣末な魂である羽虫が光に群がるのとまったく同様の習性である。
・羽虫などには最もたかられにくい時期。羽虫は本能的に光量の多い魂の方に惹かれるため。
・(多くの場合、程度の低い、低俗なものを対象とした)偶像崇拝傾向、他者依存傾向、深慮や根拠もなしに容易に他者を崇拝しがち。ただし、魂レベルが比較的近しい場合に限る。高上位存在とは格が違いすぎるため、理解も光量も受け入れられない。高上位存在と物理的距離が近すぎると、睡眠欲が過剰に高まるケースまである。
・偶像崇拝に似た傾向で、ソーシャルゲームに最もハマりやすい。※上位の魂に成長するほど、技術・芸術系の趣味に傾倒していく。
・仮想体、偶像体に傾倒しやすい。自分を持たない。自分よりも他者に魅力を感じすぎる。低レベルの魂ほど、この傾向がある。

※半端に、ではなく、ほとんど頂点まで魂が極まると
本来、その魂は人が集まることを良しとせず、また、人を寄せ付けなくもなる。

・次の段階に進むためのフラグについて、それはその現段階の魂にとっての試練。内容はたいてい、現段階の魂の性質や特徴と矛盾する。その魂のレベルではやらないようなこと、出来そうもないことが相当する。つまり、それが出来るようになることで、現段階からの逸脱、進化を果たすということになる。逆に、それが出来なければ、いつまでもその段階程度の魂であり続けることになる。
この段階の魂が次のステージに至るための試練は、人生のすべての中で、真心からの内省と、自己の非と誤りについては真摯に受け止め、反省し、再発防止と後学に活かすという姿勢を身に付けること。的確に悪かった点を見つめ直す焦点の力を身に付けることと素直に謝罪が出来ること。また、ある程度、人との会話が成り立つように、話の論点が理解できるようにロジカルを身につけること。
余談として、この段階の魂の時期は一般的には長い。最初期であるために、試練の課題が多く、その試練一つ一つがその魂にとっては、赤子が挑むが如く、重めであるため。
数千年、この魂のランクのままであり続ける者もいるにはいる。
役割や宿命といったものと、同義である場合もあり、その場合はそのまま言い換えても良い。


提督室

 

 

陸奥

「就任おめでとーっ!」

 

∠※☆ PAN!

 

ダンテ

「……ハァ。

 まさかこの俺が定職とはな……」

 

陸奥

「なんで溜め息ついてるのよ。 いいことじゃない。

 どうせ格好だけなんだし、承服しとけばいいでしょ。

 それに就任してれば、ちゃんとお給料も出るってことなのよ?」

 

ダンテ

「hu-m……」

 

陸奥

「む……反応悪いわね。 えーと、ちょっと待って。

 ……あ、あった。 はい」

つ□⊂ ピラッ

 

ダンテ

「………ph~……マジかよ」huh..

 

 

*欄外下に、陸奥がドル換算表記しています

 

 

――――――

作戦室

 

 

青葉

「――というわけで、

 お邪魔にならないタイミングがおおよそわかるなら、と思って」エヘヘ

 

大淀

「なるほど。そういうことでしたか」

 

青葉

「本当は、この鎮守府に来られた当日すぐにでも

 取材したかったんですけど、じゃあまず、悪魔とかって何なのかなって。

 で、それを考え出したら神話とかではよく対として描かれる天使ってなんだろう、

 となりまして」

 

大淀

「ふむ……」

(なんだろう……個人的にはわりと興味を惹かれるわね……)

 

青葉

「それで気付いたら、

 まず神話やオカルトを調べ倒すことから始まりまして、

 それらをまとめた物を作成してたら、今までかかっちゃいましたw」

 

大淀

「……へぇ」

(出来たんだ。 見てみたいかも……)

 

青葉

「そういったまとめと、実際の取材とを対比すると面白いのかなぁって。

 まぁ、事前の下調べなしに、有意義な取材は出来ませんからねっ!」

 

大淀

「なるほど。 さすがにプロですねぇ……」

 

青葉

「えへへっ。

 それであのっ!」

 

大淀

「あ、はい。

 ……えーっと、それなんですけど、当分しばらくは難しいかもしれないですね……」

 

青葉

「え……そうなんですか……?」

 

大淀

「ええ……。

 今作成している予定表を確認したところ、そんな感じです」

 

青葉

「予定表……あれ? 朝礼で聞きましたけど、

 あの仰りようだと、執務等にはあまり関わりになられないのでは?」

 

大淀

「執務・業務はそうですね。

 ですが、それとは別の……言ってしまうと主に戦術面、ですね。

 それに関しては大いにご助力いただきたいなと。

 そうでなければこれから先の戦い、

 到底勝ち抜いてはいけないでしょうから……」

 

青葉

(……)

「なるほど……」

 

大淀

(……本当はもうひとつ、あるにはありますけど)

「ですので、……すみません……。

 しばらくは提督代理……あ、えっと、長門さんと陸奥さん、

 そして私とダンテさんとで会議が続くと思います」

 

青葉

「あぁ、いえ。 ……まぁそれなら仕方ないですよね」

(残念ではありますけど……。 ま、でもそれもずっとではないだろうし)

 

 

青葉

「いやぁーそれにしてもやっぱり、

 いろいろ忙しくなって来ますよねぇそりゃあ。

 先日から続いている、例の深海棲艦の脅威に、提督の初就任。

 イベント続きですねぇー」

(これは、しばらくはネタに困らないかもっ!)

 

大淀

「そうですね。

 ちなみに、イベントと言うともうひとつ――」

 

青葉

(!!)

「やっぱりやるんですねっ! 就任パーティー!!」

 

大淀

「流石ですね」フフフッ…

 

青葉

「えへへ。

 長門さんも意外にこういうことにも抜かりない人ですからねぇ。

 ……資材とかは毎回苦しいけど、それでもこういったことは

 やっぱり大事だからって、いろいろと工面して……」

 

大淀

「……そうですね……。

 普段にも加えて、変なところも真面目な人ですから…」

 

青葉

「んふふ。 ですねっ」

 

大淀

「ふふふ、ええ。

 …ただ、今回指揮するのは長門さんではないですけどね」

 

青葉

「え、そうなんですか? ではいったい誰が……?」

 

大淀

「陸奥さんです」

 

青葉

「……あぁ」

(うーん、これはもうそういうこと、ってことでいいのかな……?

 ……ん? でもちょっと変だな)

 

 

青葉

「しかし、珍しいですよねぇ。

 こういった祝い事でも、ずっと長門さんが中心となって指揮を執っていたのに」

(長門さんにとっては、堂々と駆逐艦と絡めるいい機会だったはず……。

 さすがに今回は譲った、とか……?)

 

 

*青葉はイベントの準備・本番などでも、よく撮影係をやっている

長門からは、駆逐艦と一緒にいるときの写真を暗によく頼まれている

 

 

大淀

「……ええ。

 実は今、長門さんには別件の急務に当たってもらっています。

 ……それもあって、ですかね……」

 

青葉

(……)

「急務?」

 

大淀

「これが関連資料です」

 

つ[]

 

青葉

「っ……これって――」

 

 

――――――

工廠・開発室

 

 

 

 

 

おはようございます。 明石と申します。

 

――あっ、驚かせちゃいましたか? 突然ですみません……。

 

 

……実はですね……私、今すごく悩んでます……。

 

 

 

 

 

明石

「……」

 

【設計図】

 

明石

(……このまま進めても、

 確かに形だけならなんとか再現は出来る……。 でも……)…チラ

 

【E&I】←少し借りている

 

明石

(……それだとこの銃にある、他の何かまではっ……)

 

 

明石

「…………」

 

 

 

~~~~~~

 

陸奥

「……本当に素敵ね。この肖像画のブローチも……。

 なんだか……とてもあたたかい感じがするわ……」

 

~~~~~~

 

 

 

明石

(………そういえば朝礼のとき、金剛さんが……)

 

 

 

~~~~~~

 

金剛

「大事なのはハートデース!! たったそれだけネっ!」

 

~~~~~~

 

 

 

明石

(……)

「……ハート、か……」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

明石

「…………うん」

 

 

 

今の彼女には確信めいた思いがあった。

今目の前にある、この二丁の拳銃には"何か"がある、と。

 

しかし、肝心のそれが何であるのか、それはわからなかった。

 

彼女がこの二つの兵器に対し、感じ取ったその何かとは

当初では、初めてこれらの銃を見たときに、直感的に得た漠然とした印象だった。

しかしそのすぐ後、発された仲間の言葉がずっと気がかりとなって、

彼女の脳裏にこびりついていた。

 

 

 

――それは、陸奥の言葉だった。

 

 

 

 

 

――とてもあたたかい感じがするわ――

 

 

 

 

 

明石

「……」

 

 

 

明石

(……間違いなく、これは兵器の一種……。

 ……でも、どこかあたたかみを感じずにはいられない……)

 

 

【E&I】

 

 

明石

(……鉄とか、他の合金を材料に使うってだけじゃ、決してこうはならない……)

 

 

明石

「……何より印象的なのは、……やっぱりこの肖像画のブローチ……」

 

つ√ ̄⊂ カチャ…

 

 

明石

(…………このブローチを通して、自然と感じる胸のあたたかみ……)

 

 

 

目を閉じて、その銃を直接自分の胸に当ててみて、そう感じた明石。

 

 

もう彼女にはわかっていた。

 

これら二つの銃には、作った人の何かしらの強い想いが込められているのだと。

 

しかし、その想いというものが、どういったものなのか

明石にはそこがまた疑問に思われた。

 

 

 

明石

(………)

 

 

……兵器に想いを込める……。

 

 

明石

(……普通に考えれば、それは……)

 

 

 

どれもこれも、今感じている"もの"とは違うもの。

はっきりとはわかっていないのに、

明らかに似つかわしくないものだと明石は直感する。

 

 

 

明石

「……想い、か……」

 

 

 

そうひとりごちると、

明石の頭には不思議と先の朝礼での出来事が思い出されていた。

 

 

 

 

 

――大事なのはハートデース!!――

 

 

 

 

 

今度は金剛の言葉だった。

 

 

 

明石

「………」

 

 

 

 

 

――想い――

 

 

 

 

 

明石

(……想いとは、そもそもどういうものだったろう……)

 

 

明石

(……私たち艦娘は、過去の艦船だったころの記憶と魂を宿して生まれてきた……)

 

 

明石

(艦船だったときとの相違点は大きいし、いろいろ……本当にいろいろある)

 

 

明石

(現在の人類の敵、深海棲艦と戦うための私たちだけど……、

 かつての……ただ戦争のための艦船のときとは、全然違うと私は思う……)

 

 

明石

(私はここの工廠にいることがほとんどだから、

 本当にいろんな人と会って、話したり、みたりすることが多い)

 

 

明石

(……今はもう違うけど、水上艦なのに水上航行が苦手な子がいた。

 戦艦で砲弾を扱うけど、爆発を異常に怖がる人もいる。

 食べること自体が本当に好きで、度々同僚の目を盗んでは

 自分のその"好き"に没頭してる人を知っている。

 姉妹揃って、暇さえあれば紅茶を嗜むのが趣味な人たちもいて、

 そのお茶会には何度か誘われたこともある)

 

 

明石

(……"人"か、って言われるとはっきりとは答えられないけど、

 それでも確実に、ただ普通の兵器とは違うんだって…言える)

 

 

 

 

 

――私たちは心を持っている――

 

 

 

 

 

明石

「………なんというか、今まであんまり考えなかったていうか……、

 疑問にも思わなかったかもなぁ……。

 生まれてきたときからあって、それでもう当たり前だったっていうか……」

 

 

明石

(……心ってなんなんだろう……?

 想いはそこから出るのかな……?)

 

 

明石

(…………っ」ブンブンッ

 

 

明石

「い、いけないっ……思考の迷路に……!

 それも、抜け出せそうもない感じのっ……」

 

 

 

頭を振り、一度、思考をクリアしようとする明石。

 

 

 

明石

(……)

「……もっとシンプルに考えてみようかな…。

 ……えーっと、なんだっけ………あっ、そうだ」

 

 

明石

(……"想い"だ。

 ……私たちがそれを、……それも強く抱くときって、どんなときだったかな……)

 

 

 

 

 

――Yeah!! では一緒にその気持ちをダンテに伝えまショウ!!――

 

 

 

 

 

明石

「…………うん、なんというか……。

 やっぱり金剛さんが真っ先に思い浮かぶよね…」アハハ…

 

 

明石

「……」

(……あのいつも素敵な金剛さんが言っていたこと。

 ……ハートが大事……)

 

 

明石

「……金剛さん、か……」

(……私の思う金剛さんは――)

 

 

彼女は誰からも好かれ、妹さん達…いや、皆からも慕われている。

 

 

明石

(やっぱりさすが、皆の……私たち艦娘のお姉さんだと思う。

 ……そして、そんな金剛さんは皆からのいろんな想いを受けることが多くて、

 金剛さん自身もまた――)

 

 

 

 

 

―― ダンテーっ!!――

 

 

 

 

 

明石

(……自分を偽らず、真っ直ぐに、曇りもなく、相手に"想い"を伝えている……)

 

 

明石

(……長くこの鎮守府にいる人達は、もうずっと前からとっくに気付いてる。

 そんな金剛さんの言葉と想いには、とてつもない説得力と

 皆を共感させてしまう、不思議で強力な何かがあることを……)

 

 

明石

(…………)

 

 

明石

「………バ……バーニング…ラぁぶっ……」

 

 

明石

「…………っ/////」

 

 

―カタンッ

 

 

明石

「っ!!?」バッ! ←振り向く

 

 

夕張

「……」

 

 

明石

「……」

 

 

夕張

「……い、イエスッ! バーニングラブッ!」b -☆

 

 

明石

「」

 

・・・・・・

 

夕張

「――ふーん……」…

 

明石

「やっ 本当ですからっ! 別に他に深い意味があったとかそういうわけじゃっ///」

 

夕張

「あぁいや、……うん……。

 別にそこを疑ったとかじゃないけど」

 

明石

「…え」

 

夕張

「ずいぶん難しいこと考えてたんだなぁって」

 

明石

「……」

 

夕張

(拳銃に込められた想い、か……)

「……ブローチが印象的すぎるから、とかそういうのじゃなくて?」

 

明石

「……確かにそれはあるけど、

 でもそれも考えてみると、少し不思議だなって……」

 

夕張

「……?」

 

明石

「そもそもなんで、この二丁の拳銃を作った人は

 拳銃にこんなブローチを使ったんだろうって……」

 

夕張

(…!)

 

明石

「……知りたいんです、全部……。

 この銃を形作っている"もの"の全てを……。

 その上で、ちゃんと全部を理解してから作ってみたい……!」

 

夕張

「……」

 

明石

「これを作った人はそのときどんな想いで、

 何を思ってその想いをこの銃に込めたのか……。

 ……この二つをずっと見てると、なんというか……

 不思議と胸に込み上げて来るものがあって……。

 物は拳銃だけど、こんなものが作れるんだなって。

 ……少しでも近づきたい、私もいずれはそういう物がたくさん作れるように……」

 

夕張

「……そっか……」

 

・・・・・・

 

明石

「――それで、用は何だったの?」

 

夕張

「……ん、あー…………や、ごめん。 何でもない。 ただ通りがかっただけw」

 

明石

「……えぇ…」

(本当にただの見られ損……)

 

夕張

(本当は私も煮詰まってたから、もう一度参考に

 ちょっと片方借りようと思ってたんだけど…)

 

明石

「……?」

 

夕張

(……いいや、先に休憩してこようっと)

「それじゃあ私、一足早くお昼休憩入ってくるから。 がんばってっ」ヒラヒラ

 

 

明石

「あ、はい。どうも。 いってらっしゃい……」

(?)

 

 

――――――

提督室

 

 

大淀

「――とまぁ、本来であれば

 普通、鎮守府の監督官、提督というのはこういった業務をこなします」

 

陸奥

「それに加えて、執務があるわね」

 

ダンテ

「……だが、俺はやんなくていい。 そういう話だったよな?」

 

長門

「その通りだ。

 当初の依頼内容に則して、従事してもらえればいい。

 ……しかし、その依頼の内容に関していくつか…」

 

ダンテ

(……あぁ、そういや俺はあいつから口頭で話を受けただけで、

 ちゃんと紙に目を通したわけじゃなかったな)

「……なんだ?」

 

長門

「……内容には、まず一つ目として、現敵性体に対抗できるように、

 戦力増強の支援をしてもらえるといった旨が記されていた」

 

ダンテ

(その話か)

「ああ、それに関してなら今もやってる最中だな。

 ここには腕の立つスミスがちゃんといるし、あと問題なのは"材料"だけだ。

 それさえなんとか出来りゃもっと進めやすくはなるだろうぜ」

 

長門

「ふむ、なるほどな……」

 

ダンテ

「他には?」

 

長門

「ああ。

 二つ目は現状、最重要世界的問題である人類対敵性体・深海棲艦の脅威攻略のために、

 今回は異国間での協同作戦が図られたわけだが、

 その異国間協同活動において、主に作戦任務の遂行を円滑にするため、

 貴殿と我々艦娘との――」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

(……)

「待って、長門。 私が説明するわ」

 

長門

「…ん……」

 

大淀

(まぁ、ちょっと遠回しですよね……)

 

陸奥

「要は私たち艦娘とたくさんコミュニケーションを取ってほしい、

 そういうことよ」

 

大淀

(………ん……?)

 

ダンテ

「……あぁ…」

(あったな、そんな話も)

 

陸奥

「前にも聞いてたと思うけど、

 提督としての業務や執務はこれまで私たち三人で回してて、

 それはこれからも変わらないわ。 いつも通りよ。

 ただ、艦娘との交流を図ってメンタルコンディションを良好にしたり、

 ……実を言うと、メンタルケアも含まれるんだけど、

 あなたにはその役割を積極的に果たしていってほしいの」

 

ダンテ

「それがテイトクとしての仕事ってことか?」

 

陸奥

(……)

「ええ。

 ……本当は、私たち三人でこの鎮守府の運営をしていくことが決まった当初から、

 そういったことも私たちでちゃんとやっていく予定だったんだけどね……」

 

大淀

(……)

「……まぁ何分、三人でも業務や執務に忙殺されることが多くてですね……」

 

長門

「上からの無理なお達しもよくあってな……。

 今までなかなか、そこまでは十分に手が回っていないのが現状なんだ……」

 

陸奥

(……まぁ、駆逐艦の子達に関しては長門があたしや大淀に仕事を預けて、

 度々会いに行ってたりはしてるけど……)

 

大淀

(ですが、それも全員の子達に時間を割けているわけではないですし……)

 

陸奥

(……そうよね……)

 

・・・・・・

 

長門

「――そういうわけで、有用な共戦のためにも両者間の交流を図ると共に

 今まで私達がなかなか行えなかった艦娘のコンディションなどを含めた、

 全体的な管理業務を、簡易的にでもいいのでやってもらいたいのだが……」

 

ダンテ

(……)

「……まぁ、面倒な書類仕事なんかよりはマシだな。

 わかった、引き受けるぜ」

 

長門

「有難い……!

 ……あ、それと」

 

ダンテ

「ん?」

 

長門

(……)チラ…

 

 

陸奥

「?」

 

大淀

「……」

 

 

長門

「……」…スッ… ←ダンテの耳に寄る

 

ダンテ

(……?)

 

長門

「……無理のない範囲でいいから、できれば金剛にも

 それなりに目にかけてやってもらえると助かるのだが……」ボソ…

 

ダンテ

(?)

「…まぁ、覚えとくぜ」ボソ…

 

長門

「ありがとうっ……」

(一応、約束は果たしたぞ、金剛……!)

 

 

陸奥

「……」

 

大淀

(なんというか……長門さんもごくろうさまです、本当に……)

 

 

 

 

 

 

 




全国の提督さん達は本当に非常に優秀な方達ばっかりですよねぇ。


鬼のような膨大量の執務をこなして、提督業を全うしてる上に、
他にはアイドルプロデュースから始まって、ダンスサポートまでやって、
他にも騎士団団長なるものまで兼業していらっしゃる方も多いらしいですし。


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MISSION 5-5

2つ目の子供の特徴

・発展途上国にこのレベルの魂が多い。特に例外がなければ、基本的には審査官によって、このレベルの魂は発展途上国へ、魂の修行に向かわされるためである。
・まだまだ、転生場所や転生親・兄弟姉妹、友達、人間関係、経験、宿命、運命を自分で選択させてはもらえない。管理官の指定された内容通りの転生をさせられることになる。その内容の魂の修行をして来い、ということである。


工廠

 

 

壁|ェ-v コソコソ…

 

 

 

明石

「――これでよしっ、と……」

 

島風

「ぅー……」

 

吹雪

「お昼時間だったけど、明石さん居てくれてよかったねっ」

 

つ ナデナデ

 

島風

「っ……うん…////」

 

 

工廠の修理室にて、椅子に座って、明石の手当てを受けた島風。

その横には、手当てが終わるまで見守っていた吹雪が控えていた。

 

 

明石

(……)

「この足の擦り傷はどうしたの?」

 

吹雪

「あ、えっと、実は島風ちゃんと一緒に早朝ランニングの約束をしてたんですけど、

 今日は朝礼があるから、その後にしようってなって」

 

明石

「そのランニング中に島風さんは転んでしまった、と……」

(……んー…? 珍しいような?)

 

島風

「……///」

 

吹雪

「ええ…。 けっこう盛大に転んじゃって……。

 こう、ずざざぁーって」

 

島風

「っ! 吹雪ちゃんそれは言わないでって!////」

 

テシテシッ ノシ\\ ペチペチ

 

吹雪

「あははっ、ごめーん」

 

島風

「もうっ!///」

 

明石

「……」

(ふむ……。 なるほどー……察するに浮き足立っちゃってた、とかですかねぇ…)

 

吹雪

「ほら、島風ちゃん。 ちゃんと言わないとっ」

 

島風

「あ、うん。 えと…、ありがとうっ……///」ペコリ

 

明石

(――っ)

「い、いえ…どういたしまして…」

 

吹雪

「本当にありがとうございました、明石さん!

 それじゃ島風ちゃん、ちょっと遅いけど、お昼ご飯食べに行こっか」

 

島風

「うんっ!」

 

テテテテー

 

 

明石

「――あっ、今度は気を付けるんですよーっ……って、

 聞こえてない、かな……」アハハ…

 

 

明石

(……)

 

 

 

―― ありがとう ――

 

 

 

…………そうだ。

 

 

明石

「…………そう、だったよね……」

 

 

・・・・・・

 

 

明石

「……」

 

 

 

―― 気を落ち着かせ ――

 

 

 

明石

「……スゥー……」

 

 

 

―― 拝み ――

 

 

 

明石

「……」人.. スッ…

 

 

 

―― 祈り ――

 

 

 

明石

(……)

 

 

 

―― 振りかぶって ――

 

 

 

明石

「……フッ!」ブワッ!

 

 

 

―― ハンマーで叩く ――

 

 

 

―カァンッ!

 

明石

「…………フゥー……」

 

【???】..

 

明石

「…………む? ……ふあっ!? 曲がったぁ! も、もう一度ぉっ!」

 

 

 

――そう、これが彼女が考えに考え抜き、そしてその行き着いた結果<さき>。

 

 

つまり、それは――

 

 

 

 

 

"感謝"であった。

 

 

 

 

 

明石

「……スゥー……」

 

 

明石

「……」人.. スッ…

 

 

明石

(……この戦争の中を……毎日を必死に生きている私達。

 そして、心を持っている私達は、その毎日の中で

 いろんな想いをそれぞれが持ち、それを"皆"に伝えている……)

 

 

明石

(……好きだよっ、とか。 美味しいね、とか。 きれいだよね、とか。

 ……ありがとう、とか)

 

 

明石

「……」

 

 

 

過去の艦船の記憶と魂を宿し、人とは違う艦娘と言えども

各々に得手不得手があり、また艦種の違いなども含め、

適材適所という言葉があることも彼女はよくわかっている。

 

わかってはいるが、やはり彼女には

出撃していく仲間達を見送るとき、帰還した仲間達を迎えるとき、

そして、傷付いた仲間達に、自分の出来る範囲で修理を施しているとき、

いつも心に感じているものがあった。

 

 

 

明石

(…………)

 

 

 

ほとんどの艦娘が作戦のために、よく海上に赴き、傷付いて帰ってくる。

中には帰ることさえ出来なくなる者もいる。

 

それは、陸に帰れず、海の底に取り残されていくということ。

もう二度と、仲間に……家族に会えなくなってしまうということ……。

 

 

 

明石

「……っ……」

 

 

 

想像するだけで身震いしてしまうような恐怖、そしてリスク。

 

それらを常に背負い、葛藤して押さえ込み、身を奮い立たせて

多くの艦娘たちは戦っているのだ。

 

 

 

明石

(…………でも私は………………ほとんど陸地にいる……)

 

 

 

自分に出来ることは精一杯やっているつもりだった。

 

それでもやはり、彼女はそう思わずにはいられないのだった。

 

 

 

明石

(…………でも……思い出した。

 そんな私でも……――)

 

 

 

―― ありがとう! 明石さんっ! もう痛くなくなったわっ! ――

 

 

 

明石

「…………こちらこそ、ですよ……」

 

 

明石

「……みんな、いつもちゃんと帰ってきてくれて……ありがとうっ……」

 

 

明石

「……」…チラ…

 

【???】

 

明石

「…………よしっ!」

 

つ【ハンマー】 パシッ

 

 

明石

(……今度だって! ……ううん、いつだって何度だって!)

「……みんなにはちゃんと帰ってきてほしいっ……!」

 

ブワッ!

 

 

明石

(――だから、私はっ!!)

 

―カァーンッ!!

 

 

――――――

グラウンド

 

 

昼食を済ませた後、修業のためにと提督室に訪れた天龍と共に

ダンテはグラウンドに来ていた。

 

 

―ドンッ

 

天龍

「うぉっ!?」ドサッ

 

ダンテ

「剣試合じゃねぇからな。

 足がありゃ、蹴ってくる奴もいるだろうさ。

 テンリュウ、使えるモンは使えよ。

 ばか正直に真っ直ぐ突っ込んでるだけじゃ、相手にあしらわれるだけだぞ」

 

天龍

「……ああ、わかったッ!」

 

 

 

龍田

(……)←遠くから

 

 

二人の様子を遠くから見つめ、何かを思い悩んでいる龍田がそこにはいた。

 

日の位置が少し傾くまで、二人のその特訓は続いた。

 

 

――――――

工廠

 

 

明石

「――ぬぅうぇーいっ!!」ファッ!

 

カァーンッ!!

 

明石

「はぁはぁはぁっ……」

 

【???】

 

明石

「ハァハァ…………フゥー…………スゥー……」…

 

 

明石

「……」人..

 

 

 

気を落ち着かせ、拝み、祈る。 そして、振りかぶって、ハンマーで叩く。

 

彼女が一連の動作を一回こなすのに要する時間は、だいたい14~16秒。

 

既に、一千回以上を降り終えた頃には日が完全に傾いていた。

 

 

 

明石

「…………ぁ」

 

 

 

祈りを終えて、目を開けてハンマーを握ろうと探していたとき

周囲のその薄暗さに、ついに彼女は気付いた。

 

 

 

明石

「……」

(……そっか。 もうこんな時間か……)チラ…

 

 

 

開けていた工廠の入り口から見える夕陽を見ながら、彼女はそう思った。

 

 

 

明石

「…………うっ……!?」

 

 

 

時間帯がわかれば自然と、自分が先程まで

どれだけの時間、一つの作業に没頭していたのか逆算することが出来た。

 

それがわかった途端、急激に気だるさと疲労が襲ってくる。

 

彼女の身体が限界にきていたとき、今また彼女は突然の異変に気付く。

 

 

 

―グゥ~ッ…

明石

「っ!?////」

 

 

 

――そう、今日はまだ昼食をとっていなかったということに。

 

 

 

明石

「………ぐふわぁ~っ……!」…バタリッ

 

 

 

―トテトテトテ

夕張

(いけないいけないっ。

 食べながらちょっとだけ見るつもりが止められなくなっちゃった……)

「最近、製作に籠りっきりだったから、深アニがかなり録り溜まってたのよねぇー。

 ……って明石っ!!?」タタタタッ!!

 

 

明石

「……うぅ……」

 

夕張

「どうしたのっ!?」グィッ ←抱き寄せる

 

明石

「ぁ……夕張……」…グゥ~ッ…

 

夕張

(!)

「お昼とらなかったのねっ……もう……!

 力仕事も多いんだから、私達だって

 ちゃんと食べるものは食べないといけないのにっ……」ガサゴソ…

 

つ【常備メロンパン】…パリッ

 

 

夕張

「ほら明石っ!

 メロンパンよ! 新しいメロンパンよーっ!」グリグリッ ←明石の顔に押し付ける

 

明石

「っんむ"ゅ……」…ハム…

 

夕張

「………明石……?」

 

明石

「…………うっ……パサつく……しかもなんか………ぬるい……」ポロ… ガクッ…

 

夕張

「っ………明石……? 明石ぃーっ!!」 

 

 

――――――

作戦部

 

 

大淀

「――なるほど……。

 確かに現状、敵勢力の性質が変化し、

 今後の戦況予測も立てにくいことを考慮すれば、当然ですね……」

 

長門

「ああ……」

 

大淀

「具体的に確定させていくのは、やはり――」

 

長門

「そうだ。 彼からの意見も仰ぎたいからな。 決定は明日だ」

 

大淀

「了解です。 では、それに向けて資料を作り直しますね。

 英訳も一応用意しておかないといけないかもしれませんし」

 

長門

「……手伝おう」

 

大淀

「あ、ではこちらの、確定後に配布する予定の用紙の作成をお願いします」

 

長門

「了解した」

 

 

――――――

深海基地

 

 

深海棲艦・尽

「――ナドト言ッテイタゾ……。

 ……本当二奴ヲコノママ」

 

???

「……」…スタスタスタ

 

 

深海棲艦・尽

「アッ…オイ!」

 

 

 

深海棲艦・尽が話をしていたにも関わらず、

外套で全身を覆い隠していたその者は、無言のまま行ってしまった。

 

 

 

深海棲艦・尽

「……」

(相変ワラズ何ヲ考エテイルノカモワカラナイ……)

 

 

深海棲艦・尽

「……ハァ……」ノソノソノソ…

 

 

――――――

 

 

ノソノソノソ

深海棲艦・尽

「……ム?」ピタ…

 

 

 

深海棲艦・双?

「…………」ボー…

 

 

 

深海棲艦・尽

(……)ノソノソノソ

 

・・・・・・

 

深海棲艦・双?

「………チッ…」

 

―ノソ

深海棲艦・尽

「ヒドイナ。 傷ツクジャナイカ」

 

深海棲艦・双?

「嘘ツケ。 ンナ顔ニハ見エネェゾ」

 

深海棲艦・尽

(……)チラ…

「……腕ハモウイイノカ?」

 

深海棲艦・双?

「ッ………アアッ…。 時間ハカカッタケドナ」

 

深海棲艦・尽

(……)

「ソウカ……」

 

・・・・・・

 

深海棲艦・双?

「…………」

 

深海棲艦・尽

「…………持チ場ハ……イイノカ?」

 

深海棲艦・双?

「……ドッチノ聞イテンダ?」

 

深海棲艦・尽

「……?」

 

深海棲艦・双?

「……ハッ……。

 外担当ノオ前ニハ縁ガナカッタカ……」

 

深海棲艦・尽

「…………アァ…………スマン……」

 

深海棲艦・双?

「……ケッ…。

 ……俺ミタイニ、"手ノ空イテル奴"ハ中デ、"アレ"ニカカリッキリサ。

 ローテヲ組ンデナ。 今ハ休憩中ダッタッテワケダ」

 

深海棲艦・尽

「……ソウダッタカ……」

(…………)

 

深海棲艦・双?

(……)

「……ナァ」

 

深海棲艦・尽

「…ウン?」

 

深海棲艦・双?

「……アンナ物、ナンニ使ウンダ?」

 

深海棲艦・尽

(……)

「……サァネ。 私ダッテ知ラナイヨ」

 

深海棲艦・双?

「ヘェ……。 オ前デモ聞カサレテネェンダナ」

 

深海棲艦・尽

「……勘違イシテイルヨウナノデ、今後誤解ノナイヨウニ言ッテオクガ、

 別ニ私ハ、アノ男ノ秘書デモナンデモナイ。

 タダ、話ヲシニイクコトガ他ノ者ト比ベテ多イトイウダケダ。

 ……最モ、ホトンドガ無視サレテ意味ハナイガナ……。

 今デハモウ、大分煙タガラレテイルノダロウナ」フッ…

 

深海棲艦・双?

(……)

「……ソウヤッテ、アイツガヤラレチマッタトキモ

 シツコク物言イニ行ッタノカ?」

 

深海棲艦・尽

「ッ……」

 

深海棲艦・双?

「……アイツハモウ、"ココ"ニハ居ナインダゼ?」

 

深海棲艦・尽

「……言ワレナクテモワカッテイルッ……」…ノソノソノソ

 

 

深海棲艦・双?

「…………ハンッ……」

 

 

 

 

 

 

 




Tips: MISSION 5-5 における、吹雪と島風の速力差の考察(*独自解釈)




突然ですが、ここで MISSION 5-5 本編であった、
吹雪と島風のランニングの様子を想像してみます。

艤装も装備してない状態での話になりますが、まぁ一応やってみます。



Wikiによると、過去の大戦時における艦船記録では

吹雪の公称速力は 38.0 ノット。
島風の公試全力は 40.37 ノット。

だそうです。


ただ、ピクシブ百科事典によると、
吹雪の公称速力に関しては日本海軍が一番逆サバ読んでた時期のものらしく、
正確な速力は不明、あるいは正確でない可能性があるっぽいです。


また、当ssでは各艦娘に人と同様に"個性・個体差"というべきものが存在しています。

さらに、これは原作のアニメでも描かれていたことですが、
艦娘が日頃の訓練や特訓などの努力により、弱点や苦手を克服したり、
素の能力値の底上げを可能としていました。


環境や経験、日頃の努力の結果、それらを含めた全てが
艦娘の個性・個体差に後天性的なものとして付与されていき、
またさらにその個性・個体差が再形成されていく。

>1的にはそんなイメージです。



長くなりましたけど、早い話が要は
吹雪と島風のランニングも、様になる可能性は十分にあるのではないかな、と。


まぁでもさらにWikiによると、島風の過負荷全力 40.90 ノットだそうで、
ここまでくるとさすがの吹雪でも、どうなるのかはよくわからないですね。

MISSION 4-5 で、吹雪は島風に引っ張られながら走ってたりもしましたしね。





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MISSION 5-6

3つ目の青年の特徴

・日の本には、このレベルの魂が最も多い。
・魂の年齢・レベルがある程度の段階まで進むと、一回毎の受肉期間中の肉体年齢や精神年齢、祖父母両親兄弟姉妹子供、他血縁や、友達や周囲の人々、生活環境、人生境遇などの影響の度合いが反比例して小さくなっていく。これは特に複雑な話ではなく、魂の年齢が数千年クラスにまでなれば、たかだか100年前後の人生経験や知識などは比較して小さいものであるからである。

※肉体年齢は実際ほとんど関係ないケースの方が珍しくはない。魂の年齢で見ると、下は0歳から数万年歳などあって、上を見ると8万年歳などなど、さらに上もある。"1回分"の肉体年齢ではせいぜい100年前後の修行時間が稼げるが、人(魂)によってはこの程度の年数では、魂の年齢数的に影響度がほとんど零に近いという人もいる。逆に魂の年齢が幼い人ほど、肉体受肉間(一回分の人生)の影響度が大きい。肉体受肉間の影響度とは、具体的には人生の間における生活環境や親の影響などなど。魂の年齢が幼いと、生活環境や親の影響、立場や肩書、富み・名声の影響を大きく受けて、卑しき立場にあれば卑しき者となり、驕れる立場にあれば驕れる者となる。家が貧乏であれば、余裕もない荒んだ心の持ち主として成長したり、家がお金持ちだったとして成金的な精神の大人になったり、傲慢な王さまになったする。魂の年齢が高い場合は周りの影響はそれほど受けなくなり、これまで自分で超長年培ってきた精神や矜持、魂の道へと、最終的には結局突き進んでしまう人生になる。お釈迦さまは釈迦族の王子として、不自由ない生活を送られていたというが、その生活と約束された将来に溺れることはなく、結局は王族を捨てる。ウサーマ・ビン・ラーディンも家は裕福で約束された人生だったが、彼が結局選んだ道は知る人ぞ知る所。魂の年齢が上がれば上がるほど、結局の所、その人は周りの影響を受けにくくなり、その人の魂の道に進んでいく。

※では逆に、幼い時期の魂において、遠い将来、そういった道に進むように肉体受肉間の周りの影響や親、人生の機会や転機はある意味、その魂毎に作為的に全て用意され仕組まれていたことなのでは疑問が出る。この答えは是である。

・この魂のレベルの中には、才たる者に限り、管理官と相談の上、ある程度、任意の転生環境を選べるようになる。どういった人生の中で魂の修練を積むか、選択できるということである。つまり、逆説的には転生後の自分の人生の環境や展開、行く末を既に了承しているということである。そこに自分の身を置く事を覚悟の上で、両親を自分で選び、転生する。身代わりや練習と称して、中絶や堕胎、流産予定の母体に入ろうとする者もいるが……。このケースの場合は、総じて魂のレベルが高い者によるもので、事後はすぐさま、次の母体の後並びをする。なので、実は中絶や堕胎、流産などはそれほど深刻に考えることはない。レ○プによる出産に関しても、実は同様。
・レベルの高い魂ほど、一回の人生の影響度、経験値量が相対して少ない。そもそも、自分でどういった人生の修練を積むかを選択して転生してるので、魂の本質から大きく捻じ曲げられるということははっきり言ってない。人の本質を決めるのは、肉体でも精神でも人生でもなく、その者の魂なのである。※厳密には一回程度の人生要素ではない、ということ。積み重ねから形成はされる。が、選択した道の運命や事象に多く見舞われることにはなるので、魂がその道に傾倒し続けていく、ということはある。というかほとんど。

※有数の富豪の一族として生まれ、敬虔なスンナ派のイスラム教徒として育ち、首都リアドに次ぐ大都市ジッタの一流大学に進学し、経済学や経営学を学び、サッカーが大好きで、プロチームのファンで、人もうらやむような典型的なエリート富裕層の若者であり、そのまま父の仕事を継いでいれば、大金持ちの経営者として自由気ままな人生を送れていたであろう若者も、結局はその魂に従い、国際的なジハーディスト組織のテロリストリーダーとなってしまうことも、別段不思議なことではない。具体例として挙げた一例。この者に限っては3つ目の魂ではない。

※ノルウェーの上流階級出身で、学者で外交官でもあり、パリやロンドンに駐在することもあるほどの父親を持つ、ある男は将来、ノルウェーの多文化主義やイスラム系移民から同国を守るためにと大儀を掲げるが、これもまた己の魂の声に忠実に従った結果に過ぎない。具体例として挙げた例の二つ目。この者に限っては3つ目の魂ではない。

・このレベルの魂が最も多い、この日の本に国においては、国民・大衆に共通のある心理傾向がある。これには、人口の99.999%近くが当てはまる(日月神示には100人に1人の割合と示されている)。例外は本当に数えられる程度の人間となるわけだが、これらの人間はそもそもこのレベルの魂ではなく、もっと上位の魂である。
共通の心理傾向とは、蜂の巣から出てきた蜂の存在には気付くが、蜂が生まれる大元となっている蜂の巣には一切気付かないというものである。
事故や事件の起因、犯罪を犯した人に対しては明確に強く糾弾はするものの、なぜかそれらを生み出した原因であろう存在のことは頑なに無視、あるいは気付くことができないのである。着想すらない者も非常に多い。
これにはおそらくは視野の狭さと知能の未熟さも大きく影響していると思われる。

※間違いなくはっきりと言っておくが、真に問題とすべきは、蜂ではなく、蜂の巣についてなのである。
世の中の体制が不健全であれば、必ずや無敵である人や、過激な人間、凶悪犯や狂人、テロリスト、そして革命者を生む。
そしてその度に、罪もない人が傷付けられたり、命を奪われるのだ。
不健全な体制こそ根絶すべきなのである。
人類がこの絶対の真理にいつまでも気付かない間は、これらは絶対に不変である。
また、人類がこの大元の問題点を解決できない内は、世界は第二のウサマ・ビン・ラーディンやアンネシュ・ベーリング・ブレイビクを必ず再び誕生させることだろう。
これは予言ではない。ただの因果であり、予定調和である。
そしてこれは、星(世界・国)と魂の循環による自浄作用システムの機能、その一環でもある。
不健全な状態が続いている世の中に対し、その状態を強引に壊すために、一定期間・一定量の割合で、その目的のために(用意)作り上げられた魂が送られてくるのだ。

・凡百の愚衆の構成群体。上記等の特徴により、実は識別が非常に簡単である。因果関係のある問題に対して、結果にしか目が及ばず、原因の方にまで視野が広がらないというのが最大の特徴である。蜂には気付くが、蜂の巣の存在にまでは意識が広がらない、気付かない。これに当てはまれば、確実に3つ目以下の魂である。


提督室

 

 

ダンテ

「…………Hu-mm.

 thx, オオヨド」

 

つ[] ピラ

 

大淀

「あ、はい」つつ[] ハシッ

(私の渾身の英訳資料……必要なかったみたいですね……。

 そういえば日本語でもたしかに……)

 

陸奥

「――ずいぶん思い切ったわね……」

 

長門

「……だが必要なことだ。

 今後のことを考えていけば、どうしてもな……」

 

陸奥

「……そう、よね……」

 

長門

「それで、さっそく相談なんだが――」

 

ダンテ

「……huh. そうだな…」ポリポリ…

 

・・・・・・

 

長門

「――なるほどな……」

 

陸奥

「まぁでも普通に考えれば、それが妥当よね」

 

大淀

(……ふむ)

「あの、質問なんですが、その割合というのは

 今後、例の特殊兵装の開発が進めば適時変更させていくんですか?」

 

ダンテ

「この割合も、今はまだ持ってる奴のが

 断然少ねぇから仕方ないってこともあるんだが、

 この先、割合を減らして小隊を増やすべきなのか、

 隊は減らすことになっても、割合を重視すべきなのか、

 どっちがいいのかそこまではまだわかんねぇな」

 

大淀

「……あえて経過をみる、ということですか?」

 

ダンテ

「それがいいだろうな。

 取り敢えず、これで組ませてみて、どんなもんになるか、だな。

 ヤッコさんとの相性もあるだろうし、お前さんらカンムス同士の相性に

 関して言えば、俺は完全に専門外だ。

 細かくどうなるのかまでの予測は、悪いが俺には難しいぜ」huh..

 

長門

「ふむ…」

 

陸奥

「まぁ元々、あなたもそんなに細かくいろいろ考えて動くような

 タイプじゃないでしょうし、一先ず、小隊編成の方針が

 決められただけでも十分なんじゃない?」

 

長門・大淀

(あっ……また……)

 

ダンテ

「……huh, 言うじゃねぇか、ムツ」

 

陸奥

「あら、違った?

 ペンもほとんど握らない人が、

 普段何を考えてるっていうのかしらねぇ…?」フフフッ

 

 

ハーン?

ンフフフ…

 

 

長門

「……ずいぶんと仲良くなったものだな、本当に……」ボソ…

 

大淀

「ええ、そうですね……」ボソ…

(でも、流石に会議中にいちゃつくのは勘弁していただきたいものですねぇ……)

 

 

――――――

工廠

 

―テクテクテク

 

夕張

「――はぁ~……昨日はホントに焦ったんだから……」

 

明石

「あはは……すみません……」

 

夕張

(……)

「……いいけど、次は注意してね。

 いつもすぐに気付いてあげられるとは限らないんだから」

 

明石

「うん……」

 

夕張

(……まぁ、私達みたいなタイプは集中しちゃうと、どうしてもそういう部分が

 出て来ちゃったりするから、多少は仕方ないのかもしれないけど……。

 ……これは、しばらくは様子見かなー)

「それじゃ、私も昨日の作業に戻るわ。

 明石、今日のお昼は一緒に食べましょう。約束よ」ヒラヒラ

 

 

明石

「あ、はい…」

(……夕張……)

 

 

明石

(……いろんな人から、なんですよね……。

 当然のことだけど――)

「改めて……」

 

 

――――――

天龍型の部屋

 

 

天龍

「――うっし! そんじゃ龍田! オレもう行ってくるわっ!」

 

龍田

「はいは~い…」ファ~…

(ホントに元気ねぇ…)

 

 

ガチャ バタンッ

 

 

――――――

金剛型の部屋

 

 

霧島

「――つまり、出没自在な方で、提督室でもいらっしゃらないことが多いので、

 それを見越して最初から四人で手分けして――」

 

比叡

「見つけ次第――」

 

榛名

「お茶会にお誘いする! ですね、お姉さま!」

 

金剛

「イエースっ! 流石、理解が早いネー!

 まったく、頼りになる妹たちデースっ!」ダキー

 

「「////」」

 

ワイノワイノ

 

・・・・・・

 

金剛

「――名付けて、オペレーション "D-ホールド大作戦" デース!!」

 

榛名

「榛名、腕が鳴ります!!」

 

霧島

(オ、オペレーション大作戦……?)

 

比叡

(作戦名からしてもうただの拉致臭しかしてませんけど!)

「比叡もっ!気合!入れて!いきますッ!」

 

霧島

(…まぁ、とりあえず)

「それではまず、分担から決めていきましょうか。

 誰が、始めはどこから当たっていくのかを」

 

比叡

「どこから?」

 

金剛・榛名

「?」

 

霧島

「はい。 この鎮守府は、他の鎮守府と比べてとても大きいです。

 加えて、ターゲットは神出鬼没な方。

 ともすれば、いくら四人で手分けしたとしても

 当たることが出来る捜索エリアとタイミングによっては

 入れ違いになって見つけられないことも大いに考えられます。

 そこで――」

 

ピラッ つ[] /⊂ ハシッ

 

 

言いながら、霧島は手近にあった紙とペンで図示して三人に説明する。

 

 

金剛

「……Oh!!」

 

比叡・榛名

「おーっ」

 

霧島

「――まずこのように、鎮守府を円のようにイメージして、その円を四半円に分けます。

 次に、その四半円の一つ一つを私達姉妹の内の一人で担当します。

 そして、四人で同時に、各人が担当している四半円のエリアを

 順繰りに巡っていく、という戦術です。

 四人で無闇に一点ずつ当たっていくよりかは効率的なはずです」

 

比叡・榛名

「ふむふむ…」

 

金剛

(……)

 

霧島

「もう一つ、これは考えにくいことではありますが、

 ターゲットもほぼ同速で円状に移動する、というケースも考慮し、

 一人分の担当エリアの捜索が完了したら、今度は逆回転で再捜索を行う。

 これらの方法であれば、発見出来る確率は大分高まるのではないかと」

 

比叡

「お~っ!」パチパチパチ

 

榛名

「すごいです! 霧島!」パチパチパチ

 

金剛

「さすがは姉妹の Brain ネっ!」

 

霧島

「」キラーン

 

 

霧島

「ふふふふふふ……。

 いやいや、この程度のことなら造作もありませんよ、金剛お姉さま。

 必勝の信念・周到なる計画・渾身の努力……!

 平常より、これらを根底に掲げているこの霧島にとってはっ!!」クィッ ←メガネ

 

比叡

「出たーっ!! 霧島の座右の銘!」

 

榛名

「かっこいいですっ! 霧島!」

 

霧島

「ふふふのふっ! 知識探求、知恵深謀こそ私の領分というもの……!

 金剛お姉さま、よろしければ本作戦の指揮……どうか、この霧島めにお任せをっ!」

 

金剛

「へ……? え、ええ…では、よろしくお願いしマース……?」

 

霧島

「はいっ!

 では先程も言ったように、分担を決めましょうっ。

 それで、四半円の往復周回にかかる時間を仮に想定して、

 見つからなかったとしても、一旦はこの部屋に再度集まって――」

 

比叡・榛名

「なるほどーっ!」

 

金剛

「……」

(……)

 

 

――――――

提督室

 

 

長門

「――よし。 では次は、その編成方針に則り、実際の編成をしよう。

 まず、始めの2隻の組合せについてなんだが」

 

大淀

「現在、特殊兵装を所持している艦娘は

 金剛、比叡、天龍、吹雪、島風の5隻ですね」

 

陸奥

「艦隊としてのバランスは特殊兵装を持っていない他のメンバーで

 一応の調整はするとして、先の2隻は戦法のスタイルで組ませるのよね」

 

ダンテ

「ああ、そうだ。

 俺の見立てだと、コンゴウとフブキ、テンリュウとシマカゼだな」

 

大淀

「ふむ……」カキカキ

 

陸奥

(組合せとしては戦艦と駆逐艦、軽巡と駆逐艦ね。

 まぁでも特殊兵装を持ってる子達の場合、

 これまでの戦況報告を聞いた限りでは、敵とのことも合わせて

 その艦種の違いもあまり意味をなさなくなってきてるみたいだけど)

 

長門

「理由を聞いても?」

 

ダンテ

「テンリュウはまだまだ戦い方にムラがある。

 そこにはあえて、シマカゼを充てて補わさせるのさ。

 シマカゼがヤッコさん共を引っ掻き回してる間にテンリュウが仕留める。

 コンゴウとフブキに関しては、こいつらは二人とも攻防のバランスがいいからな。

 いっそこの二人をまとめて、フォワードメンバーでも作っちまった方がいいと思ってな」

 

陸奥

「フォワード……攻め型の部隊ってことね」

 

大淀

「防御面も信用できるということであれば、その攻めにも安心して任せられますね」

 

長門

(現状の戦下において、安定した戦隊となりうる、か)

「なるほど。 ではあとは残りの編成だな」

 

ダンテ

「そこからはまかせるぜ。 俺は門外漢だしな」

 

長門

「ふむ、わかった。

 ただ一応聞いておきたいのだが、予め助言などはあったりするだろうか?

 特殊兵装を持つ二人と残りの4隻について、注意すべき点やら

 こうしておいた方がいい、など」

 

ダンテ

「テンリュウとシマカゼの組は、気心の知れた相性のいい奴ら同士で

 組ませた方がすぐに連携も取れていいんじゃねぇか?

 コンゴウとフブキの組は……まぁ本当に、何でもいいな。

 とりあえずこの二人を中心にさせときゃ大丈夫だろ。どうとでもなると思うぜ。

 だから組ませるなら、とにかく攻めに向いてる奴らだな」

 

大淀

「当鎮守府が受け持っている、現状の海域においては、

 これまで通りの兵装と編成では遠征も危ぶまれていましたが、

 現在の天龍・島風の編成隊であれば、この問題はクリアされそうですね」

 

陸奥

「そうね。

 そして、金剛・吹雪の編成隊が今後の作戦においては

 戦力の要の部隊になっていく、というわけね」

 

長門

「……しかし、うーむ……攻め向きの者達か……」

 

ダンテ

(……)

「なんかまずいのか?」

 

長門

「いや……なんと言えばいいのか……」

 

陸奥・大淀

「……」

 

ダンテ

「戦闘慣れしてて、もし突っ込むことになっても

 物怖じしないヤツらならどいつでもいいと思うがね。

 もちろん、その艦隊としての相性とやらも込みでな。

 性格も強気なくらいが丁度いいだろうよ」

 

長門

「う、うむ……」

 

ダンテ

(……)

「……ムツ、今思い付くのでそういうヤツらはいるか?」

 

陸奥

「……いることにはいるけど……」

 

大淀

(その条件で、当鎮守府で該当する艦娘といえば……)

 

ダンテ

「じゃあそいつらでいいんじゃねぇか。 上から4人」

 

長門

「…!」

 

大淀

「即断即決ですね……」

 

陸奥

(……)

 

ダンテ

「……ま、俺は推しとくぜ」スクッ ←立ち上がる

 

陸奥

「わかったわ。

 ……って、どこか行くの?」

 

ダンテ

「多分な」huh

 

「「?」」

 

 

―ガチャッ!

天龍

「おーっすダンテ!! いるかーっ!?」

 

 

ダンテ

「ha.. 朝から元気だな。

 じゃ行ってくる」

 

長門

「…ん、そうか。 わかった」

 

大淀

「編成が完了したら、一度書面にて報告しますね」

 

ダンテ

「おう。

 ……あぁ、オオヨド」

 

大淀

「はい?」

 

ダンテ

「コンゴウとフブキの隊には、名前の後に"FB"って付けといてくれ」

 

大淀

(?)

「はぁ、構いませんけど。 記号ですか?」

 

ダンテ

「ああ。 俺が覚えやすいようにな」ニッ

 

陸奥

「……どういう意味なの?」

 

ダンテ

「"F"が"フブキ"で、"B"が"コンゴウ"だ」

 

陸奥

(…なるほどね)

 

大淀

(…なるほど)

 

 

陸奥・大淀

(……ん?)

 

 

天龍

「…あ、わりぃ。 会議中だったか。

 ……もしかして出撃か?」

 

 

大淀

(あ……)

 

長門

「あぁいや、そうではないな……」

 

ダンテ

「お前もすぐにわかるさ。 行くんだろ?」

 

 

天龍

「あっ…おうっ!」

 

・・・・・・

 

ガチャ パタン

 

 

陸奥

「……」

 

 

長門

「――よし、では天龍の部隊の編成と他の部隊も進めていこう。

 一度、作戦部に戻るぞ」

 

大淀

「はい」

 

 

陸奥

「……」…

 

 

長門

「陸奥?」

 

陸奥

「……了解」

 

陸奥

(…………そういえば備品類、そろそろ揃え始めないといけないわね……。

 テレビとか……娯楽だけじゃなくても、ニュース確認もできるし……)

 

 

――――――

工廠

 

 

明石

「……スゥー……」

 

 

明石

(……)人

 

 

明石

「……」つ【ハンマー】カタン

 

 

明石

「……フッ!」ファッ!

 

―カァンッ!

 

明石

「……フゥー……」

 

 

 

――この間、わずか約7秒。

 

 

 

明石

「……スゥー……」

 

 

明石

(……)人

 

 

 

己とは、皆のおかげで在るものであるということ。

それは"生ける"誰もが同じで例外はない。

 

 

彼女が普段から、自身が強く感じていた皆への限りなく大きな恩。

 

自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが、

昨日より、明石自身が編み出した、この新技工。

 

 

 

明石

「……」つ【ハンマー】カタン

 

 

明石

「……フッ!」ファッ!

 

―カァンッ!

 

 

 

"感謝の鍛造法" である。

 

 

 

明石

「っ………ぷはっ!」

 

 

 

同じ"家"に住む、皆への感謝の気持ち、そして万感の想い。

己の持つ全てを込めて、ハンマーを振るう一回一回を全力で、

加工用の資材に打ち込める。

 

 

昨日から続くその数はもう既に数千回に及び、

費やした時間はゆうに二万七千秒を超える……!

 

今日一日、彼女がさらにこれをこのまま続けていくのであれば、

今日の夜は倒れる様に寝ることになってしまうのは免れないだろう。

 

 

そして、起きてはまた叩くを繰り返す。

 

……日々になるのかもしれない。

 

 

 

明石

「きぃいぇぇえぁぁああーーーっ!!!」ファッ!

 

 

 

また、たまにその感謝心が暴走する。

 

 

 

――カァーンッ!

 

 

 

――――――

提督室前

 

 

霧島

「霧島です」コンコン

 

…シーン…

 

霧島

「……」

 

 

――――――

提督室

 

―コンコンコン

 

「霧島です。 失礼いたします」

 

―ガチャ

霧島

「……ふむ」パタン…

 

 

霧島

「……まぁある意味予想通り、ですね。

 しかし、まさかいつものお三方の内のお一人もいないとは……」

 

 

霧島

(……別に、これまでにも一度もないというわけでは

 ありませんでしたけど……)

「……ふむ……」

 

 

――――――

甘味処 間宮

 

 

間宮

「――いえ、ここにはいらっしゃってはないですねぇ…」

 

榛名

「そうですかぁ…」

 

 

利根

「なんの用だったんじゃ?」ハムハムッ

 

筑摩

「あっ…姉さん、喋りながら食べてるとまた……」スッ…

 

 

榛名

「あぁいえ。 用といいますか……うふふっ。

 すみません、ひみつですっ♪」

 

 

利根・筑摩・間宮

「……」

 

 

榛名

「お騒がせしました。 それでは榛名はもう行きますね。

 間宮さん、ありがとうございましたっ」ペコリッ

 

間宮

「あっ、いえいえっ」

 

 

タタタターッ

 

 

利根

「……珍しいの」

 

筑摩

「ええ……」

 

間宮

「私もここではもうそれなりに長いつもりではありますけど……」

 

利根

「……まさか、あんなにもはっちゃけた榛名が

 見られる日が来ようとはな……」

 

筑摩・間宮

「……」

 

利根

「……フフッ」

 

筑摩

「姉さん……?」

 

利根

「……いや何、本当に良い顔をしておったと思ってな」

 

間宮

「…ふふっ」

 

筑摩

「…そうですね。 姉さんも今は同じ顔をしていますね」ウフフ

 

利根

「ハっ。

 …………本当に、良い者が来てくれたのやもしれんな……」

 

筑摩

「……ですね」

 

間宮

「いっそう、賑やかになっていきそうですねっ!」

 

利根

「うむっ!」

 

・・・・・・

 

利根

「それにしてもじゃ! 本当に美味いのっ! この"すとろべりーさんでー"とやらはっ!

 間宮! おかわりじゃっ!」

 

筑摩

「姉さんっ……冷たい物をあんまり食べ過ぎると今度はお腹を…」

 

間宮

「あはは…。

 気に入っていただけてなによりです」ニコ

 

 

間宮

(……秘訣の話、本当でしたね)クスッ

 

 

――――――

食堂

 

ガヤガヤ

 

比叡

「……」キョロキョロ

 

 

比叡

「……うーん、いないかぁ……。

 まぁそもそも、これまでも食堂で見かけたりすることって

 ほとんどなかったもんなぁ」

 

 

 

不知火

「――ですから、そういった場合などにはもう、

 サイトの方で射角をつけてしまうというのも有効である、というわけです」

 

翔鶴

「なるほど……!」

 

瑞鶴

「……」

(翔鶴姉が駆逐艦から講習受けてる……)

 

 

 

比叡

「……ん~?」

 

・・・・・・

 

不知火

「ちなみにこのような方法は、海戦においては

 進航している敵艦に対し、魚雷を斜め前方位への

 射角をつけてから発射するという――」

 

翔鶴

「ふむふむ……」

 

瑞鶴

「……」ハァ…

(朝ごはん食べてからもう一時間以上も……。

 今日は大半の人がオフで、一斉行動の日じゃなかったから、)

 食堂も人がまばらでよかったけどさぁ…)

 

 

陽炎

「まーた、始まったわね。 不知火の講釈が」

 

浜風

「ですが、さすが不知火です。 勉強になりますっ」

 

陽炎

「あんたも真面目ねぇ、はは…。

 って、あれ? 比叡さん?」

 

 

比叡

「こんにちはー」コツコツ

 

 

陽炎・浜風

「こんにちは」

 

浜風

「お一人ですか? 珍しいですね」

 

比叡

「あぁ、まぁ…うん。 ちょっとね」アハハ…

 

陽炎・浜風

(?)

 

比叡

「……」チラ

 

 

 

不知火

「そのようなことも含めて考えてみると、やはり何事も――」

 

翔鶴

「あぁ、確かに。 それは私も本当にその通りだと――」

 

瑞鶴

「……」

(ていうかあたしの知らない間に翔鶴姉、いつの間にガンオタになってたの……?)

 

 

 

比叡

「……あっちはあっちで、なんか珍しい組合せだね?」

 

陽炎

「うーん……まぁ、そうかも?」

 

浜風

「実は最近、私が翔鶴さんとは

 任務外でもご一緒させていただくことが多くてですね、

 今朝、姉妹三人で食堂まで歩いていたときに

 翔鶴さん姉妹も向かっておられるところだったようなので――」

 

陽炎

「そこで普段のこの子には珍しくも大胆に、

 二人を朝食にお誘いして、なんか気付いたら翔鶴さんと不知火で盛り上がって、

 で今に至る、ってわけ」

 

比叡

(翔鶴さんと浜風ちゃんが任務外でも二人で? ……あぁ~)

「へぇー…」

 

浜風

「珍しくも大胆って……」

 

陽炎

「別によかったんだけど、突然だったから面と食らいはしたわねぇ。

 いつの間に仲良くさせてもらってたのよ?」ニヤニヤ

 

浜風

「……別に、同じ鎮守府にいるのですから、

 誰と仲良くなっていてもおかしくはないでしょう」

 

陽炎

「ん、まぁたしかに。 それもそっか」

 

比叡

(……)

 

陽炎

「それにしても意外だったわ~。

 翔鶴さん、鉄砲なんかに興味があったのね」

 

浜風

「厳密に言えば間違いではありませんが……。 せめてハンドガンと言ってください。

 それだと、初期には火縄銃を指して言っていた用語になります」

 

陽炎

「え~違いなんてよくわかんないし、細かいことはいいじゃないっ」

 

浜風

「まったく……」

(これで腕前はかなり良いというのですから不公平です……)

 

比叡

(盛り上がったっていうのはミリタリー系の話に火が付いてってことなのかな?)

 

陽炎

「それで、比叡さんはどうしたの? 遅めの朝食?」

 

比叡

「あ、そうだった! えっと、ダン……新司令って見かけなかった?

 今朝、一度はここに来てたとか」

 

陽炎

「あの外人さん?

 えーっと……私は見なかったけど……。

 浜風、あんたは? もしかして食堂に来てた?」

 

浜風

「いえ、私もお見かけはしていませんね……」

 

比叡

「そっかぁ…。

 ……うん、仕方ない。 よし!次っ!

 二人ともありがとねーっ!」フリフリ

 

タター

 

 

陽炎

「あれ……行っちゃった……」

 

浜風

「どんなご用件だったのでしょうか……?」

 

陽炎

「……さぁ?」

 

 

――――――

鎮守府・グラウンド

 

 

―ドサッ

 

天龍

「――だぁーっ、やっぱ勝てねぇよなぁ。 まともに剣すら抜かせられねぇし」

 

ダンテ

「ha. まずはお前の基本的な動き作りからやってるからな。

 言っちゃなんだが、まだ剣でやり合うような段階じゃねぇよ。

 お前のこれまでの動きを見た限りじゃ、そもそもお前、

 取っ組み合いで相手とやり合ったこともほとんど無いみてぇだしな」

 

天龍

「……まぁ、そりゃあこれまで相手にしてきたのなんて

 普通の深海棲艦で、オレが遭遇するのは遠征で軽目の雑魚とか

 ばっかりだったしな……。

 ……初めてだったぜ、海であんなにもハッキリと人型で剣士で、

 あんなにも強い奴に出会ったことなんて……」

 

ダンテ

「……」

 

天龍

(……)

「……ま、でも陸じゃ、もっと先に出会ってたけどなっ!」ニハッ

 

ダンテ

「huh...

 安心したぜ、もうそんなに気落ちもしてねぇみたいだな」

 

天龍

「ったりめーだろ! んなヒマもねぇしなっ!

 とっとと強くなって、オレはアイツにリベンジするんだっ!!」

 

ダンテ

「その意気だ」ha ha-

 

・・・・・・

 

そして、しばしの休憩中

 

 

天龍

「――んあーっ…………ふぅ……。

 ……あぁー、でも、まだ無理だってのはさすがにわかってるけど、

 いつか、せめて一回くらいはお前の本気のヤツとも闘ってみたいぜ……w」

 

ダンテ

(……)

「……仮の話をしてやるとだな、

 俺がその本気ってのを出したとして、それでお前とやり合う場合、

 お前が最低でも22人はいる」

 

天龍

「……え……?」

 

ダンテ

「……で、その22人で同時にかかって来れてからが、

 やっとある意味"対等"ってことで闘えるな」

 

天龍

「……マ、マジなのか? それ……」

 

ダンテ

「ああ」

(そうでもなけりゃ、

 俺からしたら文字通り"退屈過ぎて"あくびが出ちまうからな……)

 

天龍

「…………」

 

ダンテ

(実際のところは、それでもまだまだなんだろうが)

「そこからがやっと実力の勝負だ。

 今のままじゃ、ついさっきまでのと同じ結果になっちまうけどな」

 

天龍

「……ん……う~ん…………?」

 

ダンテ

「…huh.

 あと1時間もしたらメシ時だな。

 それまでにもう一回くらいはいっとくか?」

 

天龍

「あ、おうっ!」

 

 

 

「あーっ!? やっと見つけたデースっ!!」

 

 

 

天龍

「んあ?」

 

ダンテ

「……」ha..

 

 

――――――

工廠

 

 

夕張

「――うぅ~……」

 

【???】

 

夕張

「……あぁ~もう~っ。

 だめっ、手詰まり! 思いつかないっ!」

 

・・・・・・

 

―テクテク

夕張

「お昼にはまだ早いわよねぇ……。

 まぁでもいっか。 様子だけ一度見てこようっと」

 

 

――――――

明石の方

 

 

―ヒョコッ

夕張

「……」

 

 

 

明石

「……スゥー……」

 

 

 

夕張

「……ん?」

(あれは……座禅、みたいなものかしら……?)

 

 

 

明石

(……)..人

 

 

 

夕張

「あ……合掌した……」

 

 

 

明石

「……」つ【ハンマー】カタン

 

 

 

夕張

「……」

 

 

 

明石

「…………いぃぇえぁああっ!!」ファッ!

 

―カァーンッ!

 

明石

「…………フゥー……」

 

 

 

夕張

「」

 

 

夕張

「…………え、なにこれは……」

 

 

・・・・・・

 

 

【???】..

 

明石

(……)

 

 

夕張

「……あ、あの……明石?」

 

 

明石

「っ……あぁ、夕張。

 あれ? もうお昼時?」

 

 

夕張

「あぁいや、そうじゃないんだけど……。

 ……えっと……なにやってたの……?」

 

 

明石

「なにって、開発ですけど?」

 

 

夕張

「…………えぇ……」

 

 

明石

(?)

「…あ、そうだ。 夕張」

 

 

夕張

「っ……ん、何っ?」

 

 

明石

「昨日は本当にありがとう。

 ていうか、いつもありがとうっ」にひっ!

 

 

夕張

「え……あ……う、うん……?」

 

 

 

 

 

明石

 

 <STYLE>

  

  ???????(Lv.1)

 

 

習得しました。

 

 

 

 

 

 

 




本編中にある、22人という数ですが、一応は算出値です。
ちなみに実際には上限値でもないので、まだ上はあります。



決して、D-ホールド大作戦 = デビルホールド大作戦 ではないのであしからず。

・{IMG21204}


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MISSION 5-7

4つ目の若人の特徴

・さそり座と、いて座との関連性。
・自死率が最も高い。これまでの悩みの集大成の時期でもあるため。これが最たる特徴である。
・冗談ではなく、このレベルの魂を持つ人物が家族にいる人は、この者の一挙手一投足には是非とも注意されたし。若くして自死してしまうことが本当に多い故。20~40代辺りが危険年代である。
・富、名声、財などの非本質的・表面的価値に最も心が囚われてしまう時期。その本質にも気付けないことが多い。
・表層的、数字・数量的価値に信頼を委ねがち。絶対の価値だと思っている。
・プライドが高い。相手に対しては、まず実力からの判断ではなく、年齢や肩書、キャリアなどのフィルターを通して査定を行う。年下のくせに、などといったバイアス思考も少なくない。
・やたらと外見やにおい、体裁などを気にしたり、本質とはあまり関係のない部分に最もとらわれやすい時期。そのため、そういった方面の精神的ストレスも少なくない。心理的負荷に極限まで追いつめられることもある。自身の目立つ行動や身内の何かしらの行動などを恥ずかしいと感じることが多く、羞恥心が強い。上記の理由もあり、基本的にメンタル的な脅威・リスクが相対して多い時期。精神病が極まることも非常に多い。
・力の一形態に過ぎないものに最も惑わされやすく、力の本当の意味・正体・本質に生涯気付くことがないことも多い。
・整形にも並々ならぬ関心を持つ者が多い。
・スタンフォード監獄実験などにも見られるように、立場や肩書に、その虚弱で脆弱な精神を浸食されてしまう者がほとんど。力の本質ではない、表面的なものにいつも惑わされてしまっているため。己の中に、確固たる信念や信条、ポリシーがない者ほど、その空っぽの精神の中に、容易に侵入を許してしまう。驕れる立場であれば、驕れる者となり、卑しき立場であれば卑しき者となる。これは、強靭な精神力で己を律することが出来ない人間にも共通する。精神的空虚者。己を持たぬ者。
※お金を持つと豹変するタイプなどが好例。ようつばや成金によく見られる。立場や肩書き、お金で精神が豹変してしまうタイプならば確実にこの魂のレベル以下の人間であり、豹変から逃れられる者はほぼほぼいない。豹変後、叩き落とされると、そこから反省と学びを得て、成金によくある精神性から脱却し、地力で這い上がったお金持ちの経営者が過程で得てきた精神性と似たような精神を得る者が現れる可能性が極々微少でありうる。
※逆に、己の中に確固たる物(信念・信条・ポリシーなど)や自分というものを持つ魂ならば、例え一国の王であろうとも、傲慢な人間になることはなく、または酷く貧しい生活環境にあったとしても、高潔で気高い精神を維持することが可能なのである。さらに言い換えると、この精神的浸食に拮抗し耐え続けうるには、人間的精神を超越していなければならない。弱き人間・悪しき人間・俗物的な人間からの脱却、つまりはそれこそが精神的超人である。
※そもそも、魂が超高齢になって、格が上がってくると、環境や周りの影響を受けにくくなる。その魂自体の傾向が結局はいつも勝つ。生まれがお金持ちであっても傲慢な人間にはならないし、貧乏な生まれでも、卑しい、あるいは浅ましい人間には育たない。しかし、この4つ目の魂程度ではまだこの境地(超高齢の域)には至らないので当てはまらない。
・上記側面を持つが、それゆえに、求める物に対しては純粋でもある。このレベルの魂には、経営者や富豪、資産家が多い。成金もこれに該当するケースが非常に多い。
※スタンフォード監獄実験に関して、この現象は白人至上主義や黒人差別にも通ずる話で、未熟な魂であるが故に、白人至上主義に傾倒したり、黒人差別をしてしまう。周囲や肩書に染まってしまうのだ。子が親に習うようになるが如く。
・下から数えて4つ目の魂と見ると、それなりに高位の魂に思えそうだが、はっきり言ってまだまだ未熟な魂であり、これまでの、下から数えて3つ目以下の魂と比べると、純粋さが失われて(犠牲にして)いるので、局面的に3つ目以下の魂以下であることもある。精神が侵食されてしまうと、下品さ、粗暴さ、卑怯、姑息、矮小さが垣間見えることが多々ある。
・競争意識は比較的高めである個体が多い。
・孤独に耐性がない点が目立つ。下手をすれば、最も孤独に耐性がないレベルの魂。

※注意
残念なことだが、"自分本意な自死"にはペナルティが明確にある。
天道が求めることにおいて、人(生命)は天寿(運命律的設定時間)を全うすることが原則であるため。
自分本意な自死による、生のステージの早期繰り上げや、生のステージ期の問題からの逃避が過去に横行した。
そのため、自分本意な自死を行った魂にはある罰を負うことが課せられるようになった。
単純に、ステージ数が膨大に増やされることと、その際に不利なものが纏わりつく。
転生までに非常に時間がかかるし、その間にも罰がある。
ずるはできない、ということである。
世論とは受け取られ方が明確に異なる。魂の真理と管理者の観点からは、自分本意な自死は明確に"ずる"な行為なのである。
生前にも死後にも、魂には作業・修行・気付きのためのステージがある。終わりはない。
真の終わりは、人間としての魂が終了したとき、と言える。6つ目、7つ目の魂に至ったときがそれに近い。


・次の段階に進むためのフラグは、他者のために、自分の○を投げだす、捧げること。


工廠

 

 

明石

「――っと、最後はTVですか」

 

陸奥

「ええ。新聞とかでもいいとは思うんだけど、あの人、読むかわからないし……。

 それで、ニュースとかなら気軽に見れると思うし」

 

明石

「あ、ああ、なるほど……」

 

陸奥

「それで、執務室に置きたくて……配線もお願いしたいんだけど、出来る?」

 

明石

「大丈夫ですよ。執務室には元々、室内線出てましたし。

 ケーブルで繋げばすぐ映ると思います。

 TVの発注だけですね。じゃあもう申請しちゃいますね♪」

 

陸奥

「ありがとう。お願い」

 

明石

「はーい♪ あと、ニュースってことでしたらラジオもおすすめですね。

 目が離せない作業のときとかは。私も作業中はよく流してます」

 

陸奥

「あら、それもいいわね。じゃあそれも――」

 

明石

「はい♪ 毎度どうもです!」

 

「「ふふふっ」」

 

 

鎮守府・グラウンド

 

 

金剛

「今度は私の番デスっ!」

 

天龍

「いやちょっと待ってくれよっ、今はオレが借りて――」

 

金剛

「もう大分汗だくじゃないデスカっ!

 具体的にどんなことをしていたのかまではわかりマセンけど、

 これ以上、ダンテとくんずほぐれつするなんて許せんデス!!」

 

天龍

「何言ってんだオマエっ!?////」

 

ダンテ

「Huh...」

 

・・・・・・

 

ダンテ

(……)

 

天龍・金剛

「ぐぬぬぬ」

 

ダンテ

「コンゴウ」

 

金剛

「っ! …あ、ハイ! 何デスカ?ダンテっ」

 

天龍

「っておい! 話はまだ」

 

ダンテ

「丁度ヒマしてるってんなら、お前さんもちょいと混ざってみねェか?」

 

金剛・天龍

「……え?」

 

 

――――――

工廠・開けた場所 ~隔離エリア~

 

 

金剛

「言われた通り、着けて来マシタけど……」グッグッ… ←E.ヴァルキュリス

 

天龍

(……こんなとこあったんだな。 人もいねぇし)

「何するんだ?」

 

 

ダンテ

「単純だ。 二人いっぺんに相手してやろうと思ってな」

 

金剛・天龍

「!?」

 

ダンテ

「huh.

 遠慮はいらねぇぜ? 二人とも全力でかかってきな」ha ha-

 

 Royal Guard.

 

 

天龍

「……おもしれぇ…!」

 

金剛

「え……あ、アレ……?」

(何か忘れているようナ……?)

 

 

―――

 

―コツコツ…

比叡

(最後の頼みの二度目の工廠は、と。

 ……ここで私の担当は終わりだから、

 ここがダメならあとはもう、また部屋で集まって……って、あれ!?)

「お姉さまもダン………ん……?」ピタリ…

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」

 

 

天龍

「……」

 

金剛

「……」

 

天龍

「……ん、これってもう始めていいんだよな?」

 

 

ダンテ

「ああ。 いつ、どっからでもな」

 

 

天龍

「……わかった、行くぜ」チャキッ…

 

金剛

「エっ!? さすがに無防備なのに殴りかかるというのはっ…!

 ダ、ダンテ! せめて構えるくらいは」

 

天龍

「んなこと言ってる内は、多分一発もまともに入れられないと思うぜ?」ダッ!

 

 

金剛

「アっ! 天龍っ!?」

 

 

ダンテ

「…ha!」

 

天龍

「…ふっ!!」フォン!

 

 

金剛

「ダンテっ!」

 

 

―ガァンッ!

 

天龍

「…なっ!?」ギギッ…

 

 

金剛

「っ!!?」

 

 

 

明らかな異音。

それは、剣を剣で受けたような音ともまったく違っていた。

 

 

 

グググッ…!

 

天龍

「…ッ!」

 

ダンテ

「……」ニヤ…

 

天龍

「ッ…」バッ!

 

 

 

咄嗟に後退する天龍。

 

 

 

ダンテ

「…Huh. 相変わらず勘はいいな。

 それに関してなら毎度褒めてやれるぜ」ha ha-

 

 

天龍

「……ヘッ、そいつはどうも。 光栄だぜ、大将」

(目の錯覚でなけりゃあ、今……)

 

金剛

「……す、素手でっ……!」

(どうやったのかはまるでわかりマセンが、

 間違いなく武器だけは持っていなかったはずデスっ……)

 

 

 

ダンテ

「……これでわかっただろ、コンゴウ。 本気で来い。

 心配しなくても、俺もお前と同様にけっこう丈夫な方だからな」

(……ま、初日のときは"ブロック"程度じゃ割られちまったけどな)

 

 

金剛

「えぁっ……えぅ……デモ……」

 

 

ダンテ

「……huh, じゃあ、こうしようぜ。

 もし俺に一発でもマトモに入れられたら……そうだな。

 もうすぐ俺の手元に日本円で一度ギャラが入るらしくてな。

 それが手に入ったら"前"の貸し分を含めて、マミヤでまた――」

 

 

金剛

「エっ!? 何でも言うことを聞いてくれるんデスカっ!!?」

 

天龍

「……え……」

 

 

ダンテ

「………ああ、聞いてやる。

 入れた分だけ何言ってもいいぞ」

 

 

金剛

「!!

 そ、それってウソなしの本当ネーっ!?」

 

 

ダンテ

「ああ」

 

 

天龍

「……」

(……いろんな意味で都合のいい耳してんな、金剛……。

 "もし"入れられたら、か……。 オレはどうすっかなぁー……)

 

 

天龍

「……いやちげぇ……」

(そうじゃねぇな……。

 ……入れてやるっ……! 少なくともちっとくらいは本気出させてやる……!)チャキン…!

 

 

ダンテ

「……いいねェ」ha!

 

 

―――

 

比叡

「……」

(……お姉さま……)

 

・・・・・・

 

金剛

「――ハァハァハァッ…!」

 

天龍

「――ゼェヒィッ…ハァハァッ!」

 

 

ダンテ

(休憩は挟んだつっても、テンリュウの方はもう今日は限界だな。

 ……こんなところか)

「……よし、そろそろ終いだ」

 

 

天龍

「……っくっはぁッ…!」ハァハァッ!

 

金剛

「ハァハァッ……け、結局っ…一つモ……!」ヒィヒィッ…!

 

 

ダンテ

(……もうこの際だしな)

「そのままでいいから二人ともちょいと見てな。

 特にコンゴウ、お前はよーく見とくんだ」

 

 

金剛

「え……あ、ハイ……?」ハァッ…フゥー…

 

天龍

(?)ハァッ…ハァッ…

 

 

ダンテ

「……ヒュゥー…」

 

―ズズッ…

 

金剛

「ッ…!!」

 

天龍

(なんだあの黒いオーラっ…!)

「…………やべぇ……」ハハハ…

 

 

ダンテ

「……hmmm!!」

 

―フォボォ!

 

 

金剛・天龍

「!!?」

 

 

 

ダンテが一声を上げると同時に、それは具象する。

 

 

 

金剛・天龍

「」

 

 

 

――ドレッドノート。

それは、ダンテ自身の内なる魔力と蓄積されたフラストレーションとを

練り合わせて具現化された物理的な魔気の鎧。

 

具現化させておける時間に限りがあったり、その鎧の維持のために

単純に走るなどといった行為は出来なくなる等の制限はあるが、

この鎧を身に纏っている間、ダンテは絶対的不可侵の完全無敵の存在となりうる。

あらゆる攻撃のダメージを受けず、また怯むこともなくなる。

ウルトラアーマー(ノーバック、ノースタン、ノーダウン、ノーダメージ)。

 

 

*参考:ウルトラアーマー>ハイパーアーマー>スーパーアーマー

1ハイパーアーマー

 …比較的長い時間か常時において、あるいは外的攻撃に対して複数回の

  ノーバック・ノースタン・ノーダウンの効果を持つ状態。

  例外的な所もあるが一応、ダンテのDTがそれに当たる。

 

2スーパーアーマー

 …特定タイミングにおいてのみ、あるいは外的攻撃に対して1,2回程度の

  ノーバック・ノースタン・ノーダウンの効果を持つ状態。

  ガードリリースがそれ(意味がわかる人だけでおk)。

 

 

 

―ボシュ…

ダンテ

「……」

 

 

金剛

「……き、消えたネっ……!」

 

天龍

「いやいやっ! なんだ今の!?」

 

 

ダンテ

「……悪いが細かい説明は省くぜ。

 コンゴウ、お前には今のを使えるようになってもらうぞ」

 

 

金剛

「……ぱ、ぱぁどぅん?」

 

天龍

「……マジで?」

 

 

―――

 

比叡

「っ……す、すごいっ……!」ゴクリッ…

 

 

「――あっ、見つけました! ……比叡お姉さま?」

 

 

比叡

「っ!? は、榛名……!?」ビクーンッ!

 

榛名

「はい、榛名です。

 金剛お姉さまも比叡お姉さまも一次集合のお帰りが遅いので、

 どうしたのかと思いまして……。

 霧島は部屋待機で、私はお姉さま方の最後の担当エリア側からお迎えに参りました」

 

比叡

「あ、ごめん……」

 

榛名

「いえ…。 ところで、どうしたのですか? そんな隠れて覗き見るみたいにして……。

 いったい何を見て――あっ」ヒョイッ

 

比叡

「! ちょっと待って、榛名」

 

榛名

「え、あ、はい……?」

 

比叡

「……もう少しだけ……ここで一緒に見てよう?」

(今邪魔するべきでもないと思うし……)

 

榛名

「は、はい…」

(……?)

 

 

・・・・・・

 

―チィンッ

金剛

「ひんっ! ダ、ダンテっ!

 いくら大丈夫とは言ってもこれはちょっと……いやかなり心臓に悪いデースっ!!

 これ本当に大丈夫なんデスカーっ!?」ヒーン!

 

 

 

ダンテ

「ああ。 そうやってずっと"噴かして"さえいりゃ弾は通らねぇさ」

(本当ならジャストで決めてほしいところなんだがな……)

 

 

 

天龍

「……」

(……すげぇなぁ……もう本当に何でもありだな、悪魔の力ってやつは……。

 金剛から今度はピンクいオーラみてぇなの出てっし……)

 

 

 

―シュンッ

金剛

「ひっ!? ダンテ!!

 今なんかメッチャ近かった気がしマス!

 だんだん弾が反れにくくなってませんカっ!?」

 

 

 

ダンテ

("もう"か……。やっぱ全体的に、それもずっとじゃ早くもなるわな)

「"ガス"が少なくなってきてるな。

 悪い、テンリュウ。 石取ってきてくれ」

 

 

 

天龍

「え…ああ、わかったっ」…スクッ

(……そういや、あの銃も何で弾切れ起こさねぇんだろうな……)

 

テクテクテク…

 

 

金剛

「まだ続けるんデスカー!?」

 

 

 

ダンテ

「少し休む。 あと次はやり方を少し変える」

 

 

 

金剛

「……えぅ~……」

(構ってもらえたのは嬉しいデスけど、まさかこんなことになるなんテ……)

 

 

―――

 

榛名

「……特訓、のようなものでしょうか?」

(ここに来る前に、先に探しに行ったグラウンドにいらっしゃらなかった金剛お姉さまは

 ダンテさんは発見して、こちらの方にいらしていたのですね……)

 

比叡

「みたいだね……。

 さすがに、それを邪魔しちゃうのは悪いと思ってさ……」アハハ…

 

榛名

「そういうことでしたか…」

 

 

・・・・・・

 

天龍

「……」

 

 

 

石を金剛に手渡した後、近くに腰を下ろしてまた静かに様子を見守る天龍。

 

 

 

金剛

「……っ」ググッ…

 

 

 

ダンテ

「……いいか、さっき言った通りだ。

 俺は必ず、今上がってるお前の左腕武器の所に弾を当てる。

 そこ以外は狙わねぇ。 だからお前が読むのはタイミングだけだ」

 

 

 

金剛

「……銃弾が左腕の兵装に当たる寸前、そのタイミングに合わせて、

 左腕の兵装部分にだけエネルギーを一瞬だけ噴出させる……デスネ?」

 

 

 

ダンテ

「そうだ。

 まぁ大丈夫だ。 失敗しても、元々銃弾を通すほどヤワなモンじゃねぇしな。

 それに、案外出来ると思うぜ?

 今のお前の目なら、もうだいぶ"見える"ようになってきてるからな」ha

 

 

 

金剛

(…!)

「わかりマシタ……! やって見せマスっ……!」

 

 

 

ダンテ

「So Great. ……いくぜ?」

 

 

 

金剛

「ハイっ!」

 

 

 

天龍

「……」

 

 

 

金剛

「……」

 

 

 

ダンテ

「……」

 

 

…バンッ!

 

 

金剛

「っ…!」グッ!

 

ビシューンッ!

―チィンッ

 

 

天龍

「っ!?」

 

 

 

ジャストタイミングで行われた金剛の"それ"によって、銃弾は弾かれ、地に落ちる。

 

 

 

ダンテ

「……やるじゃねぇか、金剛」ニッ

 

 

 

金剛

「っ……デキタ……?

 …………や、やったデースっ!! ダンテぇっ!」タタタッ!

 

 

ダンテ

「ああ、完璧だったな」hahaha

 

 

 

天龍

(一発で決めたのかっ……)

「……」

 

 

―――

 

比叡・榛名

「おぉっ……!!」

 

 

「――なるほど。

 前々回の作戦では、あのような特訓が功を奏した、と」クィッ ←メガネ

 

 

比叡・榛名

「」ビクーン

 

霧島

「……入れ違い対策のつもりだったので、

 そこでさらに私が動いてしまっては意味がないとは思いましたが、

 捜索に出た榛名までもがあまりにも遅いので、仕方なく出張ってみれば……」

 

榛名

「き、霧島……」

 

比叡

「あはは……」

 

霧島

「……まぁ、もう事情はわかったのでいいですけど……」チラッ… ←金剛たちを見やる

 

比叡・榛名

「……」…チラッ…

 

 

・・・・・・

 

ダンテ

「わりと飲み込みが早いな、コンゴウ」

 

金剛

「んふふっ! マァネ~////」

 

 

ツカツカ…

天龍

(……)

 

 

ダンテ

「さっきのは、要はデカく飛ぶヤツの応用みたいなモンだな」

 

金剛

「Hum.. ナルホドネー。

 ……やってみて思ったんデスガ、もしかしてこれって

 けっこうイロイロなのが防げたりするんデスカ?」

 

ダンテ

「ああ。

 タイミングを合わせて、一気に一瞬の勢いで噴かせばな。

 ミスさえしなけりゃ、たいていのモンはいけると思うぜ?」ha

 

金剛

「OH!!」

 

天龍

「本当にすげぇな。

 金剛の左腕ンとこからピンクのガスの塊みてぇなの出てたし」

 

金剛

「そういえば落ち着いて見られませんデシタけど、キレイだったネ!」

 

ダンテ

「ピンクのカラースモークみたいだったな」hahaha

 

金剛

「たしかに、そういえばそうネっ」HAHAHA!

 

天龍

「カラースモークって、あれか。

 空軍が式典とかで戦闘機飛ばすときに使ってるやつか」

 

金剛

「Yeah!

 別に Airforce に限らず、海外だと Ceremony でも Festival でも

 よく使われマース!」

 

天龍

「ふ~ん」

 

ダンテ

「ガス噴きが上手く扱えるようになったら、

 今度のパーティーのときにでも披露してみたらどうだ?」

 

金剛

「Good idea! それはかなり面白そうネー!www」

 

「「HAHAHAHA!!」」

 

天龍

「」ビクッ…

 

 

―――

 

比叡・榛名・霧島

「…………」

 

 

霧島

「……最早、大道芸ですね……」

 

比叡

「どうなることかと思ったけどね……」

 

榛名

「綺麗でしたっ!」

 

比叡

「だねっ」アハハッ

 

霧島

「……しかし、よろしいのですか?」

 

比叡

「う~ん……。

 まぁでも、そもそもの大目的はこれはこれで達成出来てるんじゃないかなぁ。

 なんだかんだでお姉さま、すごくかまってもらえてるわけだし」

 

霧島

「ふむ……まぁたしかに、それもそうかもしれませんね」

(今割って入っても邪魔になって――)

 

榛名

「…え……あ、あれ? あ、あの…………あれ……?」

 

比叡・霧島

「?」

 

榛名

「……あ、あのっ……! は、榛名も……その………お、お茶会っ……」 

 

比叡・霧島

「え? ……あ」

 

榛名

「////」

 

・・・

 

霧島

「――では頃合いを見て、ということで」

 

比叡

「うん」

 

榛名

「よ、よろしくお願いしますっ…///」

 

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――っと。 コンゴウ、最後の仕上げだ」

 

金剛

「あ、はい。言ってましたネ。

 あの、なんか見た目がすごいやつですよネ……?」

 

天龍

「……」

 

ダンテ

「ああ。 ただお前の場合、あんな風なるとは限らないと思うがね。

 まぁその辺はやってみねぇとだな。 とりあえず、始めてみるぜ」

 

金剛

「は、はいっ…!」

 

天龍

(あんなの、いきなり出来るもんなのか……?)

 

・・・・・・

 

金剛

「ふぬぬぬ……!」

 

 

ダンテ

「お前は形にするイメージだけでいい。それを相棒に送ってやれ。

 必要なエネルギーやらなんやらが揃ってるんなら、

 あとの細かいことは"ソイツ"がなんとかやってくれる」

 

天龍

(対話ってやつか…)

「……って、そのなんやらってのは? それも気になンだけど……」

 

 

金剛

「ふぅぬ~っ……?」

 

 

ダンテ

「……要は心だ。 強い"もの"を送って伝えてやるんだよ。

 魂だとか信念だとか、そういうのだ。 あるだろ、お前らにも。

 なぁ、コンゴウ?」

 

 

金剛

「私、の……?」

 

 

ダンテ

「そうだ。 お前にとって、腹の一番奥の大事なとこにおいてある"モノ"だ。

 そいつだけは、いつ・どこで何があっても変わらねぇ。

 自分の中に、常に絶対のものとしてある。

 ……そういう腹の内に決めてるやつのことだ」

 

 

金剛

(……)

 

 

ダンテ

「……どうした、コンゴウ。

 まさか忘れちまってンのか?」

 

 

金剛

「……」

(……私にとって、一番大事なもの………私自身の信念………それは…)

 

 

ダンテ

「そんなショボいモンだったのか?」

 

 

金剛

「っ…! チガっ……私は……!」

 

 

ダンテ

「……俺の方はお前と出会った初日にもう聞かせてもらってるけどな。

 お前の妹達も、ここに住んでる娘っ子共も、日本も世界中の奴らも、

 皆守ってみせるって言ってたよな? ……そのための盾になる、ともな」

 

 

金剛

「……」

 

 

天龍

(……金剛……)

 

 

ダンテ

「それがお前の信念で、それに迷いもないってンなら出来るはずだ。

 そういう心の強さが本当に大切なものなのさ。

 ……そしてそれが、"人"が持ってる元々の強さだ」

 

 

―――

 

榛名

(!!)

 

比叡

(……お姉さまっ……)

 

霧島

「………」

 

―――

 

 

天龍

(信念……)

 

 

金剛

(元々持っている……心の強さ……)

 

 

ダンテ

「……huh. ま、人が持ってる強さってのはそれだけじゃないけどな。

 とにかく、一番大事なのはそいつ自身の魂だ。

 それさえ"本物"なら、持ってない奴のどんなのが相手だろうと、負けねぇさ」

 

 

―――

 

比叡・榛名・霧島

「………」

 

―――

 

 

金剛

(……)

 

 

天龍

「……――なのか……?」

 

 

ダンテ

「Hm?」

 

 

天龍

「……その"本物"のっ………その魂を持てるようになれば、

 本当にっ……どいつにだって負けないのかっ……!?」グッ…!

 

 

ダンテ

「……ああ。

 逆に、その魂を腐らせちまってる奴は、どんな力を手に入れたところで

 "本物の魂"を持った奴には適わないけどな」

 

 

金剛

「本物の魂……それって……」

 

 

ダンテ

「……"心"がある奴なら誰だって持てる。

 それには悪魔なんかよりずっと強い力がある」

 

 

金剛・天龍

「っ…」

 

 

―――

 

比叡・榛名・霧島

(……)

 

―――

 

 

ダンテ

「相棒に教えてやれ。 見せ付けてやるんだ。

 お前ら自身の"強さ"を。 その源の"誇り高き魂"って奴をな」

 

 

天龍

「っ……」

(オレ自身の強さ……)

 

金剛

(……私にとっての誇り……魂…………艦娘として目覚めて、

 妹たちと再会出来たあの日から……ずっと私の心にあった、私の信念……)

「…………っ」…ググッ…!

 

 

ダンテ

(……)

「……huh. ま、それが認められれば、ソイツらが力を貸してくれる」

 

 

―――

 

榛名

「……」

 

霧島

(……あの特殊な兵装に宿っている悪魔からさらなる力を得るためには、

 その悪魔から認められることが必要……?)

 

比叡

(……)…ゴソゴソ…

―スチャ

つoo⊂ <……スピィ~……ズピッ………ムニャムニャ……Zzz..

 

比叡

「」

 

 

・・・・・・

 

 

金剛

「……」…

 

 

天龍

「……」

 

 

ダンテ

(……)

 

 

金剛

「…………フゥー……」……スッ…

 

 

 

 

 

――――私は……

 

 

 

 

 

 

 




以上、本編中の金剛のドレッドノート・ショックでした。


アーマーの種類についてですが、
一般的にパイパーアーマーなるものはメジャーとは言い難く、
ほとんどがスーパーアーマーという名称で呼ばれています。

ただ、格闘ゲームなどにおいては区別されることもあるようです。
*というか多分、ハイパーアーマーは格闘ゲームから、その効果区別と名称が生まれた?
元祖"スーパーアーマー"の元ネタは某キャラの特殊能力からだそうです


また、本編で出てきたウルトラアーマーに関しては
完全にオリジナル名称で、当然広まってもいません。

カ○コン系列で、本当はアルティメットアーマーにするのも
ありかなぁーとは思ってはいたんですけどね。

多分、別で出していくかも。
てかまぁ出ますけどね。もうぶっちゃけ。

意味的には、両者との間にはほとんど差はないはずですけどね。


本編中に少し注釈として出た、ガードリリースについてなんですが、
一応、動画をあげておきました。
興味ある人だけどうぞ。

→ ガードリリース ニアリリース ←

*→←内を検索エンジンにコピペすれば出てきます


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MISSION 5-8

5つ目の老人の特徴

・うお座との関連性。
・INFP-T型の傾向あり。※全人口の2%ほどの存在率であるが、さらに低い存在率の可能性有り。欠点部分がいくつか、あるいは大幅に改善されつつある段階。
・神経性が非常に高い。"極めて"非常に神経質。
・過激な思想家。
・INFPに顕著に見られるように、相手よりかは自分自身に興味関心があることの方が多い。これは相手が異性であっても、逆転するケースというのは、そんなに多くもない。そのため、異性に本当に興味がない、意義が見出だせないという人もわりと多い。ナルシスト傾向あり。
・仲介者=仲保者。※キリスト教では、十字架上の死によって人類の罪を贖い、神との間に立って人類の救済を実現したイエス=キリストをいう。
当然、キリストも釈迦も、漏れなくこの魂のレベルの過程を経ている。
・魂の善悪の属性は無視する。依存なしで成し得られる。ただ、最終期レベルの魂だと、前世の記憶も持ち越しているので、一般的観念や道徳倫理を幼少期から既に理解している。なので、犯罪を犯すことは極めて稀か、無いとまで言われている。物理の範疇外の因果を理解しているためである。キリストもこういった事情である。
※正確には、イエス・キリストは6つ目の魂で、お釈迦様は7つ目の魂。どちらもある高次元惑星での修行を終えている。キリストはアルクトゥルス星での修行を最後に経て、地球に送り込まれる形で転生した。※エドガー・ケイシーより。

はってんしょう はちまんさい。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
釈迦牟尼、生まれて間もなく、右手は天を指し、左手は地を指し、七歩周行、四方を目顧し。


七歩のうちの六歩の六、すなわち六道(六道界)を指す。


地獄道(地獄専道界):
第一段階の魂が、生前と死後、ともに修行を経るべきとされる。生まれてまもない魂にとっては、全てが鮮烈的衝撃であり、学びには常に苛烈な痛みが伴い、それなくしては絶対に反省も成長できない地獄。

餓鬼道(餓鬼専道界):
第二段階の魂が、生前と死後、ともに飢餓を経験し、耐え忍ぶべきとされる。生前では、ほとんどの魂が発展途上国に転生させられて、肉体的な飢餓を経験する。死後もそれはまた別の形で続く。この専道界に在る者の最大の特徴としては品の無さ、卑しさ、浅ましさがある。間違いなく、心は餓えている。たいていの場合、二つ以上ある何かしらの物を他人と分かつことができない。分け合うという発想がない。誰かのためにあるのかも・誰か欲しいかも、といったような着想がまずない。これは家族や兄弟姉妹相手でも例外ではない。頭が弱い。具体的には、好物が大皿に盛って出されている場合には、これが分けられない。なぜ大皿にたくさん盛ってあるのか、ということの意図が考えられない、発想がない。

畜生道(畜生専道界):
第三段階の魂が、生前と死後、かつて畜生であったとき(第一段階より以前の魂のとき)の苦行修行を今度は人間の形でおさらいするための専道界。生前では、主に先進国に転生させられる。同じ人間という存在に使われる奴隷。受動的苦行。植物や家畜生であったときは自身の肉・命を捧げる形で奉仕(と贖罪)をしていたが、このときには精神と時間・人生を捧げて奉仕を学ぶ。死後も大差ない。
※第三段階以下の魂は、子孫を作るという役目、そして修行・苦行が明確に、半ば義務とされている。
※魂の段階が植物であったときは、自身を捧げる・奉仕するということが魂の成長と出世であったはず。これとまた同じ。
※家畜生レベルの魂、あるいは家畜生の段階にまで再び堕とされてしまった魂は自分と同等以上の魂から苦痛を与えられる贖罪や、自身の肉・命を捧げることで奉仕の学びと魂の修行を経るが、逆に言うと、家畜生レベルの魂が成長する経るためには、苦痛を与えてくれたり(屠殺など)、肉を食べてくれる存在、それに該当する魂が必要となる。この魂というのが"明確には"、第四段階以下の魂である。この構図は、第四段階の魂が、第三段階以下の魂を使役するという構図とも同等である。お互いが必要存在であり、魂の修行法というものは実際にはマッチポンプ方式なのである。
※奉仕するには、相手が必要である。それが第四段階以下の魂である。つまり、逆説的には第四段階以下の魂は畜生をなぶり殺し、貪り喰わなければならない義務がある(肉を食べる義務と役割がある段階の魂であるということ)。これは何より、畜生以下の魂たちのためである(故に、その役目に該当する段階の魂は、その義務を避けてはならないことでもある。※この役目から解放される時期 or 段階を脱すると自然と肉食はしなくなっていく。その欲がなくなる。栄養面的にも不要な体に目覚める・与えられる。他の物で十分に満たされる身体構造に作り変えられる。果ては、他からの物質的な食物を摂る必要のない肉体に変わっていく。※ヴォイニッチ手稿:霊太陽からのエネルギー、より、霊太陽浴)。畜生以下の魂たちのは前世の贖罪をせねばならず、また魂の出世のために、第四段階以下の魂がそれを手伝ってあげなければならないのである。そのため、いたぶり殺したり、されたり、いたずらに食したり、食されたりが古今東西で起こっているのである。
ヴォイニッチ手稿にも記述があるように、獣や家畜・畜生が人間として昇華転生したり、逆に人間が再び、獣や家畜・畜生にやり直し転生させられることは珍しくはない。人間のときに肉を食べていた者が、次回は肉として食べられることになるということはままある。当然、やり直し転生は多くの魂が嫌がるし、家畜に生まれ変わる苦しみは二度とごめんだともよく言うが、これは仕方がないことだ。そして、この人間と獣・家畜、強者と弱者の構図などなど、これらが交互に行われること、贖罪と贖罪をさせる者、苦痛と苦痛を与える者、修行と修行をさせる者、まさにマッチポンプであることに気付くはず。しかし、このようにして、魂の修行のシステムは循環をして、効率的になっているということにも気付くはずだ。

修羅道(修羅専道界):
第四段階の魂が、生前と死後、ともに今度は能動的な行動に出た場合の経験・苦行・修行を経るため、例外なく修羅となってしまう専道界。第三段階以下の魂を使役することもある。修羅とは阿修羅であり、"何か"に取り憑かれたる者の意である。"何か"とは欲望(世欲・俗欲)のことであり、つまり、「愛」「憎しみ」「好意」「殺意」「金」「富」「名声」「生・生きようという執念」「死・死のうとする執念」など、つまるところ、悪魔や死神など何か悪いものにでも取り憑かれたのではないかと見紛うほどの"執着"のことである。この段階の魂では、仏教で言うところの"空"はまだ理解ができない。生前も死後も、醜い争いや果てしのない闘いのある外界に囚われ、また激しい感情の激流の内界で絶え間ない苦しみ・葛藤を経験する。
これ以前の段階の魂は、はっきり言ってまだまだ未熟であり、"人間"であるとも言い難い。
※第四段階の魂は、子孫を作るという役目から離れつつある段階でもある。しかし、結局は大多数が作っている。

人間道(人間専道界):
第五段階の魂が、生前と死後、"人間"として最後に必ず経るべしとされる専道界。この段階まで上り詰めて、初めて"人間"であると言える。生前の、地球上では実はほとんど数がいない。そのため、人生の中では理解者がほとんど得られないという苦悩がある。その中で、理解が乏しい相手を必ず弟子として迎え、教え導かなければならない試練(序)がある。これを経て、次の段階に臨めるようになる。
※第五段階の魂は、子孫を作るという役目からは完全にもう離れている。
※第五段階の魂同士が出会うことは、非常に稀なケースではあるが、もし会合することがあれば、その者同士は言葉を必要とせずに対話・意思疎通が可能である。(個々時間的同期リンクの簡易化)(※ヴォイニッチ手稿:霊太陽からのエネルギー、より、高次の言語、光の言語の修得によって。媒質の違い)
※光の言語とその解読・認識について。光の言語とはいわゆる第五次元以上で扱われる言語であり、ヴォイニッチ手稿はその光の言語で記述をしてある。光の言語の識読のためには、眉間のチャクラの開孔とそこへ光のエネルギーの流入がなされることが必要である。また光の言語の利用(発する)には、なぜか文字が、数字と複数の色に化けて変換されて読めるという特殊な脳の癖になる。光の言語という呼称の由来はここだ。光って見える。

天上道(天上専道界):
第六段階の魂が辿り着く境地。ここまで来るともうただの"人間"ではない。
イエス・キリストが該当。


釈迦牟尼は六歩(六道)、つまり、輪廻六道界を超えて、さらにもう一歩進んだ領域に到達したことを意味している。


無限道(無限専道界):
第七段階の魂が辿り着く境地。お釈迦様が到達。


※死後は、その時間の長さのわりには実際にはほとんど魂の修行の糧にはならない。生前のときと比べて、苦がほとんどないに等しいから。
※潜在意識のイメージを現実に反映する方法として周波数同期が重要となるが、肉体を失い、魂だけとなり、霊界にある場合は、魂と霊界の周波数の段階域がほぼ同数にあるので、霊界においては魂からのイメージがそのまま反映される(願ったことがそのまま叶う=みろく)。霊界には苦しみもない。ゆえに、これらはまた、魂と精神の修行の弊害にもなっている。
⇒物質界での魂と精神の修行が重要となる。
※魂の修行は星毎で課題が異なる。大筋は同じ。
※なぜ長生きを目指すか。少しでも受肉期間中を延ばし、少しでも多く修行を重ねるため。


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・このレベルの魂の多くは、日の本に派遣されるようになる。そもそもは、任意選択も可能ではあるのだが、大半が審査官に薦められる形で日の本に転生する。元々、これらは全て、来るべき日のためのものだったからである。
・SNSや外部共有、アウトプットが苦手。というよりも、より正確には極力したくない。煩わしい。本質的でない行動に価値が見出だせない。かなり極端に秘密主義者。
・厭世的で離俗的でもある。人嫌いであることも少なくない。しかし、実際には人という種の根底を果てしなく愛している。
・一言で表現すると、いわゆる変人である。
・基本的に挙動不審。言動仕草が傍目にはかなり怪しい。なぜ、そこが気になるか?と周囲が疑問に思うようなものによくかまけている。そこそこの確率、頻度で不審者扱いされる。露骨によく目が泳ぐ。特定の人と話しているときでさえ、よく周りをキョロキョロしていたり、周囲の話にまで聞き耳を立てている。特に脳的負荷の高くない状況においては、たいてい五感の多くを使って、常に情報収集を複数並列で行っている。逆に脳的負荷の高い思考を巡らせているときはオーバーフローしている。そのときには行動が緩慢になったり、一行動における集中力が極端に下がっている。過集中状態。歩く速度が遅くなっていたり、完全に止まって棒立ちになっていたりする。人の話が耳に入っていないことも多々ある。顔によく手を当てている。空を仰ぎ見ているか、極端に俯くこともある。傍から見ると、何をしているのか?とよく思われるような様相によく陥っている。
・人によっては、気持ち悪いという印象を持たれることも少なくはない。周囲としては、明らかに常軌を逸していると感じ、平均的な人物には思えないため。そのような言動が多く見受けられる。
・欠損を除く、五感すべてか、あるいはいずれかが比較的優れている者が多い。突出している、という意味ではない。そのケースもある場合もあるが、それよりかはバランス的に総合値がかなり高め。聴覚が非常に鋭敏であったり、遠くても微細な振動まで感じ取ることが出来る触覚などなど、あまりにも五感覚が総合的に敏感であるため、非常に神経質で、他者や異物・異音に対して覚える違和感が大きい。これはまた、この魂の、人嫌いの部分や厭世的な性格に拍車をかける要因にもなっている。匂いにも非常に敏感で、非自然性の匂い=香水やミスマッチな匂い、その場では物理的に不自然である匂いなどに対して強く嫌悪感を示す者などもいる。人工的で不自然な良い匂いよりも、臭い匂いの方が自然さを感じられるので、そちらの方が落ち着くといった感性を持つ。自然的な匂いを好む。
・基本的には高IQの値と比例関係にあり、性質や特徴も似通う。孤独を好む、あるいは傾倒していく運命にある。孤独に対して、驚異的な耐性を持つ(下位の魂ほど耐えられない)。異性を求めなくなる傾向にあるか、性処理目的のみに限定されることが多い。その他、同性嗜好に傾倒することも少なくはない。とくにG○y。
・IQが110以上であることがほぼ最低ライン。しかし、120以上であってもさほど珍しいことでもない。
・ニート率高め。怠け者であることも少なくない。
・本質的ではないものを軽視する。あるいは嫌う。本質を瞬時に見抜き、真理への到達が最も早い。核心的な言動が多く、正論で周囲が黙ってしまうことも多い。そのため、そういった経緯で反感を買うケースがそこそこある。こういったことに関して、類する箴言を孫子は残しているが、それを理解はしつつも、やはりそれは相手の程度が低いだけの話で本質には一切関わりがないので、やはり軽視しがち。
・実は口が悪い。理論理知的でえげつないほどの言が伴うときは、かなり高確率でこのレベルの魂の者である。なぜ口が悪いかは、忖度を抜きにして、結論と事実と印象付けを最優先で行おうとするためである。兵は拙速を尊ぶ。結果が同じであるならば、常に最速手段を取ろうとするために、言葉も乱暴になりがちというか、そのようにとられやすい。
・通常は、先入観なしに愛想よく他者と接するが、不満があると冷淡な態度を取ることもある。優しく語りかけるような話し方をすることもあれば、感情を交えず事実を事実として伝えようとすることもある。忌憚なく事実を、努めて誤解なく伝えることを重要に考えている、重視する。強い信念が一方的に吐き出されることもあり、それが感心されることもあれば、傲慢であると周囲に受け取られることもある。
・直前の内容と関係していることとして、ある二つの手法があったとして、それらを比較して、より効率性や最適さが一方において勝る場合、そしてそれが、その者の中で認められた場合には、たとえ非倫理的でも、効率的で最適なものを選択する者が多々いる。
・なぜこうなるのか、なぜそんなことをやっているのかなど、生まれてしまった疑問に対して、それが解消されない限りはいつまでも疑問を捨てられないし、忘れられない。いつまでも詳細内容までをも記憶している。疑問解決に向けて、全力で追及する者も非常に多い。
・非効率的な方法、あるいは意味のない、薄い方法、そういった物事だと気付いたら途端に意欲が下がり、意義というものを感じなくなる。それを態度に露骨に出してしまう者も少なくはない。下位の魂の者に、改善・方法などを示すが、周囲がそれを理解出来ない、追い付けないまでがワンセット。
・不条理・不公平・アンフェアを限定的にひどく嫌う。状況で自分にとっての不利は甘んじて受けることも少なくはないが、有利である場合には忌避したり辟易する。関連して、過剰すぎる褒賞には辟易するか遠慮する。
・真の理想主義者で、極悪人や最悪の出来事の中にさえも、常にわずかな善と真実を見い出し、物事をより良くするための方法を模索している。(正確には、相手が極悪人であるとか状況が最悪であるなどが焦点として重要とは考えておらず、含まれる善と真実に非常に重要性を感じているためである。) 落ち着きがあり控えめで、内気にさえも見られるが、内には激情と情熱があり、まさに光を放つ可能性を秘めている。
・アルクトゥルス星人と縁のある者が多い、増えてくる、あるいは持ち始める時期。後期の魂ともなると、高確率でアルクトゥルス星での修業を終えて、この魂として転生してくる。あるいは生前中にアルクトゥルス星人の魂と融合する。
・基本的には博愛的。であるが故に、憎悪を深く宿す者がほとんど。
・争いや競争の全て(全般)を忌避、倦厭する。その行為の無意味さにいい加減に気付いている魂であるため(飽きているとも)。頂点への関心が極めて低いか全くない。虚しさと無意味さの記憶が魂に十二分に残っているため、意欲がわかない。過去に下位の魂であったときに経験し、通過済み、あるいは擬似体験が十二分でもあるため。競争の際、これにいったい何の意味があるのだろうか、本当に意味はあるのだろうか、といった思考をしてしまう者がほとんど。
・物品に関してはとにかく見た目やデザインよりも効率や楽さ、機能性に偏重している。年中サンダルかスラックスを履くなど、極端に変人的で服装に極めて無頓着な者が多い。機能的に必要性がなければ、とにかく早い・楽などの軽装を好む者が多い。
・ミニマリスト。
・食事が娯楽性を失い、嗜好物なども狭まり、作業的になる可能性も高い。栄養価が最上位の価値観となり、栄養価さえ考慮されていれば、同じ物でも延々と食べ続けられるようになる。あくまで作業の一環。
・演技派が多い。普段の日常から演技がかった言動を取りやすい。日本的よりも海外的な肉体動作。脳内であることが定義されているときもある。
・独り言が多い。高速で脳内で処理される事物が口から漏れる、整理される、確定される。
・一ヵ所に留まることを嫌う。高速で脳内で処理される事物の整理、促進などのためにも、ふらふらぐるぐると回り歩くことが非常に多い。
・心配性、不安性の者が多い。しかし、臆病であるというよりはぬか喜びや油断を失くすための標準思考。そのため、危険・リスクに対しての察知や想像力、KY予測が非常に優秀。この者を詐欺に陥れることは基本的には難しい。
・人におだてられてもあまり真に受けることはない。むしろ邪推から除外思考がスタートする。そこから演繹的に相手の真意を探っていく。これは並行的に処理が行われることも多い。まず基本として、半分近くはお世辞だと思っているのがデフォルト。そのために冷静でいられる事が多く、ほだされることは少ない。相手が真実を言っているのか、大げさに言っているのか、人間のリアクション・表情・態度の過去の経験的データに照らし合わせて、見分けを行う。
・元々、分析するのが好きなタイプ。実行に関して腰が重いタイプであるが所以にひたすら分析しているという側面もある。たいてい観察から始まる。周囲や相手のことをいつもじっくりと観察している。そのため言葉の裏にある目に見えないものを読み取ることも得意であることが多い。
・原則、相手の発言、事物の全て鵜呑みにするのではなく、一つずつ自分なりに調べ、その後で判断を下しながら飲み込んでいく。そのため、物事の本質を正しく見極められているタイプ。この訓練が研鑽されていくと、事物の本質を瞬時に見抜く力が身に付くのだが、その練度が高い。反面、疑り深く、なかなか信用しない、という側面もある。しかし、一度条件をクリアし、信用すると逆転する。基本的に、言葉によって踊らされるというようなことは少ない。
・始めから人を信用するということは非常に少なく、初対面では悟られないように必ず審査をしている。しかし、元来は情に厚く、仲間意識は非常に強い。人付き合いを疎んじやすい性格である反面、人間の本質として、人同士の繋がりは頭では重要だと理解し、心で感じやすいという傾向もある。そのため、一度相手が仲間だと思ったら、どんなことがあっても見捨てず支え合おうとする。これは、他の誰かに救援を要請して、引き連れて赴くときもあるが、これが難しい場合には、本人単独のみであっても行われることが珍しくもない。いずれにしても、なり振り構わずに実行されるということが共通している。傍目には、状況によっては奇異に映ることもある。
・異性と子を成すことに対し、抵抗ある者が多い。今生に子を成すということの本質に、いい加減、本能的に気付いているためである。この世に子を降ろすという行為、その行く末を潜在的本能的経験的に知っている。何回も行い、また自分も同じことを何回もされたためである。
・魂の真理に近しい者、気付いた者ほど、極端に子孫を残そうとはしなくなる。無為・無常さに気付いている。
・先進国に多く、途上国には少ないという傾向がある。先進国と途上国の出生率の差について、環境や用品の充実具合を考慮してみても、その傾向から確認ができる。
・一般的見地の社会的には成功していないケースが多い。逆に反社会的には成功している人は多い。
・オカルティスト、存外に陰謀論に囚われやすい。
・そこそこ、そそっかしい。
・段階として、前期・中期・後期とあり、それぞれで大幅に性質が異なる。
・前期では生涯の内に、かならず"魂の真理"について学びを得る機会が訪れる。補足しておくと、これ未満の魂ではその機会が得られることは本来ない。その事象が発生した場合、エラーとして"処理"・"調停"されることになる。具体的には、そもそも熟成期ではないため、理解出来ない・受け入れられないといったことが起こる。あるいはすぐに忘却させられる、などの処理が行われることもある。あまりの高知識のために、魂が急速的に成長するためにか、あるいは受け入れを制限するために、肉体に信号を発し強烈な睡眠欲求を促すなどの現象が実際に発生する。また余談としてこれらの現象は、本人に取り憑いている悪霊によって、為されるケースも実存する。浄化されないために、宿主を操っている。"魂の真理"は段階を経て、得られる知識の境地の一つ。
・中期では、他者の魂のレベルがわかる。この力を六神通のうちの一つ、天眼通という。一切の衆生の業による生死を遍知する智慧。一切の衆生の輪廻転生を見る力。
・後期はもう、形質として、普通の人間ではないか、あるいは人間ではなくなる一歩手前。少なくとも次回は人間としては生まれてこない。また同時に、このこと自体を本人が知覚、自覚している。この力を六神通のうちの一つ、漏尽通という。※煩悩が尽きて、今生を最後に二度と迷いの世界に生まれないことを知る智慧。生まれ変わることはなくなったと知る力。
・転生の前に、担当の審査官に進言できたり、受肉後のオプション指定(特殊な、あるいは超常的な能力の付与)や、これまで選べなかった転生の場所など、ある程度の要望を言うこともできる。たいてい、次回にしっかりと繋がるように、器量の良さや、自然治癒力、不運回避のための悪運の良さを選択する者が多い。器量の良さについては、弟子を取るときや他者の人心掌握や制御・働きかけ、ある意味で"騙す(善の嘘)"ということにも都合が良いため。外見判断は下位の魂大半が指標として利用している。
・転生後は若い段階で、そばに精神的守護者が付く。対話で助言を受けることもあるが、基本的にはスパルタ。あえて出し渋ってくる。原則自分で乗り越える。全て条件達成すると消える。
・人嫌いではあるものの、意外と他者に物事を教えることに長けた者が多い。後期ともなると必ず自身の教えを伝承する弟子を取らなくてはならない。それは次の段階へと進むための最低条件でもある。
・芸術か科学的活動か、高確率で何かしらの技術活動のいずれかはしている。手広い習得欲があるため、側面的に熱しやすく冷めやすい。が、それは習得が早い、本質・真髄の獲得が早いという意味でもある。同じ分野を続けることもあるが、習得してしまうと戻ることはないこともなくはない。
・類い稀なるアイディアマン。発想のタガが外れている。逆行動に見えることもなくはないが、後々正攻法だったりする。周囲からは理解されがたい行動に走る傾向が非常に大きい。
・姑息な手段や卑怯なことを忌避する。総じて、やり方を知っていて、仮に手段があったとしても、下品だと感じて悪銭を稼ぐ方法はしないか、苦悩に苛む。
・精神的潔癖症。非常に高潔である、とも表現できる。悪道邪道が非常に許しがたいと考える者が多い。
・国単位でこのレベルの魂が飽和していくと、機能性以外の物品の価値が急落、最終的には消滅する。ファッション、装飾品、貴金属が代表例。見た目着飾ることの意味に価値を見い出せなくなる。それよりかは貴金属などは、材料として優先的に寄与されるようになる。食糧や飲料が物品価値の最上位に来る。これらの消費財が、かつて異星人が構築していた自動生産システム("神の庭"の再現)にならって、自然生産されるようになり、世界単位で魂の飽和がなされてくると、いよいよ貨幣価値が消滅する(厳密には、この現象の前に、物資を貨幣と交換していた時代から変わって、物資と物資を交換、いわゆる物々交換の時代が一時復活する、貨幣自体が目的・本質ではないので(食べられない・エネルギーにならない・道具にならない)、いよいよ価値がないと気付かれる時代)。貨幣によるすべてに渡る足枷がなくなった人類は、ここから芸術・科学技術・文明が加速度的に進化するようになる("神の国"の再来)。今現在(西暦2023年など)は、他所から来た魂たちのせいで人口が地球本来の(地球人人数用の)キャパを超えていて、貨幣制度を介した取捨選択、得られる者と得られない者、生殺与奪が定められている。今はすべての物事に貨幣を介す必要があるようになっているが、供給量の問題が解決されれば、これらは本来は必要のないものであると人類はやがて気付く。そして同時に、"誰"がこれらを定めたのかも同時に判明する。地球上の事物は本来、地球上の生命全体で共有されるべきものであると気付く。貨幣制度・経済・宗教・政治、全ては支配層たる蛇型人類が自分たちの都合のために持ち込まれたもの、それらは宇宙的には何ら指針にもなりえないし、本来は元々不要なものであったと気付かなくてはならないことも気付く。しかし、宇宙規模で見ると、ここまで来て最低レベルでもある。神の国が創造される前には、人類の選定式(最後の審判)がある。だいたい、6割ほどが消えて、4割が残る。1/3が生存とも言われている。北欧の予言だと3%だという記述もある。『日月神示』の記述から、それを素直に解釈すると、0.07%以下の可能性すらある。6.25%も。
・貨幣は生きるための本質ではなく(※金には実体がない)、生存の手段をむしろ分かりにくくしていて、生存本能を脅かし、惑わすものという認識が広まり始める。貨幣は生に直結しない、直接、生存に結びつくのは食であり、それこそが生の本質であると気付きを得る者が増えてくる。悪神が際限なく蔓延り続けた金融システムの崩壊である。そして、ついには精神主義へと至る。これは『日月神示』にも記されている通りである。

・次の段階に進むためのフラグは、弟子をとり、教え導くこと。孫子に習い、未熟な者に対しては、角がたたないように優しく易しく諭してあげること。


私がこの体となって初めて目が覚めたとき、真っ先に頭に思い浮かんだのが

他ならぬ、私の妹達のことでした。

 

私がこうしている今、どうしているのか気になって心配で仕方がない反面、私は…………

 

 

 

 

 

妹達に会うのが怖かった。

 

 

 

 

 

……私は……可愛い妹達を先に逝かせてしまったんです……。

 

すぐ下の妹は置き去りにされて……本当に酷い最後を迎えたと後に聞いています……。

 

末の子なのに、いろいろと背負わせてしまって……最後のそのときまで

辛い戦いを続けたと……。

 

まだまだ放ってはおけなかった三女がいたんです。

でも私自身、もうすでに沈んでしまっていました……。

それで長い間、……ずっとずっと一人にさせてしまって……。

本当にとても心優しい子でしたから、もしかしたら

その孤独の中で何度も自責に駆られていたかもしれません……。

 

 

三人には本当に辛い思いをさせてしまいました……。

 

 

 

 

 

私は…………本当にダメな姉だったんです……。

 

 

 

 

 

長女のくせに、妹達の一番大事なときに……そばにいるべきだったそのときに、

妹の誰一人として、近くにいてあげられなかった私。

 

そんな不甲斐ない私のことを妹達はどう思っているのか、怖かった……。

 

 

 

 

 

――でも……

 

 

 

 

 

そんな私を、再会した妹達はただ笑顔で迎え入れてくれたんです。

 

"会えて嬉しい"と……それだけを言ってくれました……。他は何も言わずに……。

 

 

 

 

 

私は自分に誓いました。

あんなことはもう二度とごめんなんです……!

 

今度こそ私は、ちゃんと妹達の姉でありたいんです……!

 

 

妹達を………いえ、この鎮守府にいる子達も全部っ……

皆々、守れるようになりたいんですっ!!

 

 

 

 

 

金剛

(――だからっ……だから、どうか私にっ……!!」

 

ヴァルキュリス

「……」

 

―ビリッ……フォボォッ!!

 

 

天龍

「!?」

(金剛の体に鎧みたいなモンが……!)

 

 

―――

 

比叡・榛名・霧島

「「っ!?」」

 

―――

 

 

ダンテ

「……上出来だ」スチャッ √ ̄√ ̄ チャキンッ!

 

 Gun Slinger!

 

 

天龍

「えっ!? お、おいっ!!」

 

 

ダンテ

「ha!」

 

  -トゥーサムタイム-

 

 

 

金剛

(!)

「…っ!!」ググッ!

 

 

―ガガガガガッ!!

 

 

 

天龍

「っ!?」

(すげぇ…!!)

 

 

 Sword Master!

 

ダンテ

「Hmm!」ビリッ…

 

  -クイックチャージ "m"-

 

 

天龍

「!!」

(剣を抜いたっ……)

 

 

 

金剛

(……私はもう…!)

「大事なときに何もしてあげられないなんて絶対に嫌ネっ……

 だから、逃げないヨっ……!!」

 

 

―――

 

比叡

(っ…!)

 

榛名

「……金剛お姉さま……?」

 

霧島

「……」

 

―――

 

 

―ビシュンッ!

 

  -クイックドライブ-

 

ダンテ

「Drive!」

 

 

ブゥォンッ!

 

 

金剛

「…!!」

 

 

 

天龍

「ちょっ!?」

 

 

―――

 

比叡・榛名・霧島

「――っ!!」

 

 

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

 

天龍

「……マジでなんともないのか……?」

 

金剛

「え、ええ……どうやら本当にそうみたいデスネ……」キョロキョロ…

 

ダンテ

「場所が場所だったからな。 ha

 念のため飛び過ぎねぇようにいろいろ絞ったってのもあるが、

 見事なもんだ。 今の感じで間違いないぜ。 よくやったな、コンゴウ」

 

金剛

「……えへへっ…///」

 

 

―――

 

榛名

「ほっ……」

 

比叡

「どうなることかと……少しだけヒエっとしたよー……」アハハ…

 

霧島

「見た通り、先ほど具現化されたあの鎧のような物のおかげなんでしょうね……」

(あの鎧……一瞬、背中に十字の後檣のような物があるように見えたのだけど……。

 ……いや、それよりも気がかりなのは……)

 

―――

 

 

金剛

「……? って、あれ!? なんかもう空っぽいデス……?」ガシャ…

 

ヴァルキュリス

「……」…

 

ダンテ

「あぁ、まぁそうだろうな。

 ほとんど何でも防ぐことが出来て便利だが、当然、それだけ消費も激しくなるからな」

 

金剛

「なるほど……」Hmm..

 

天龍

(……)

「……なぁ、金剛。 ちょっといいか?」

 

金剛

(?)

「なんデスカ?天龍」

 

天龍

「その、さ……」

 

・・・・・・

 

金剛

「――ええっ!? い、いやでもっ……」

 

天龍

「頼むっ……! なんでもいいんだ!

 とりあえず、なんて話したのか全部言ってみてくれよっ!」

 

金剛

「ぜ、全部って……そ、それはっ……」チラッ… ←ダンテに目線をやる

 

ダンテ

(……)huh..

 

金剛

「っ……えっと………や、でも本当になんというか……人に話すようなことでは……」

 

天龍

「……どうしてもだめ……か……?」

 

金剛

「……」

 

ダンテ

「……」…

 

 

天龍と金剛が向き合っている中、一人、ダンテだけは

さりげなく自分達の後方へと気配を巡らせていた。

 

 

―――

 

榛名

「……もう特訓は終わりでしょうか?」

 

比叡

「う~ん……。

 まぁでも、もうそろそろ行ってみよっか?」

 

霧島

(…!)

「待ってくださいっ。もう少しだけ、このまま……」

 

比叡・榛名

「?」

 

霧島

(……)

 

―――

 

 

ダンテ

(……むしろ、いい機会だと思うしな)

「……いいんじゃねぇか? 話してやりゃ。

 何か少しでも参考にしたいんだろうよ」

 

天龍

「……」

 

金剛

「……長くなりマス、本当に……。

 …………けど、二人とも……聞いてもらってもいいデスカ……?」

 

天龍

「! ああ……!」

 

ダンテ

「構わねぇぜ」ha ha

 

金剛

「……サンクスデース。

 ……私が艦娘として目覚めて、初めて出会った妹が比叡デシタ。

 天龍は知ってますよネ?」

 

天龍

「ん、あぁ、聞いたことはあるな……」

 

ダンテ

「……」

 

 

―――

 

比叡

(……お姉さま?)

 

榛名

「……」

 

霧島

(……)

 

 

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

 

別に、比叡がというわけではないです。

問題は私の方……全部、私にあります。

 

 

私は……妹に会うのが怖かったんです。

 

 

……意外、ですか?

……ふふ、でもこれが私なんです。

今でこそ、ほんの少しはましになったのかもしれませんが、

…………本当は、心のずっと奥にある私はわりと臆病なんです。

 

 

比叡と初めて会ったあのときも、たぶんそれは出ていたと思います……。

これは比叡本人に聞かないとわからないですけど、おそらくそのときの私の笑顔は

少しぎこちなくて、変になってたでしょうね……。

 

 

昔、妹達に何もしてあげられなかった私。

長女としての責務も何もなかった私が、いったいどんな顔をして

妹達に会えるというのか……私にはわかりませんでした……。

 

 

……でも、そうして戸惑っていた私に明るく接してくれたのが比叡でした。

 

 

比叡は私にいっぱい甘えてくれていました。

そうやって、私のことを許していると言ってくれているように……。

……私はそう感じていたんです……。

初めて会ったときから、ずっとそう……。

 

 

……うれしかった……。

 

 

比叡は次に会う妹達のときにも、仲立ちになってくれていたんだと思います。

今にして思えば、それは私が無意味に気にし過ぎていただけなのかもしれません……。

でも、私のその臆病さをわかってくれて、下の妹達ともすぐ同じように

接することができるよう、いろいろと気を配っていてくれてました。

 

 

比叡が私を長女でいさせてくれたんです。

私を支えて、その上、比叡にしか出来ないやり方で、私の至らない分は

私の代わりに、下の妹達を気にかけてくれていました。

 

 

 

 

榛名は心優しくて、人を思いやることがよく出来る子ですが、

あの子自身はとても寂しがり屋な子なんです。

……今も毎日不安が拭えず、4人でいるときでも、

ふとしたときに暗い顔をさせてしまっていることはわかっていました……。

再会してまだ間もなかったときは、唯々安心させてあげたい一心で

とにかく大丈夫だ、なんて言ってしまっていたんです……。

……でもそれには何の根拠もなくて、かえって余計に榛名の不安を煽るだけでした……。

 

 

 

霧島はとても賢くて、強い子です。

……今は、末の妹ながら作戦任務などで私達姉妹をいつも正しく導き、

多いに助けてもらっています……。

今考えてみれば、あの子の一人でやり遂げられる逞しさは

"あのとき"に培われてしまった精神なのかもしれません……。

心としてのその強さは姉としては喜ばしいことではありますが、

経緯を思うと、やはり複雑ではあります……。

でもそれは……そもそも結局、あのときも、今もこの不出来な姉なんかは

頼りには出来なくて、その代わりを務める必要があったということなのでしょうね……。

 

 

 

 

……私は妹達に頼ってばっかりです……。

 

本当は、あの頃と……まだ何も変わってはいないんです……。

 

あの子達のために、自信を持って何かをしてあげられているとは思えません……。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

天龍

「………」

 

ダンテ

「………」

 

金剛

「…………ふふふ………そもそもまずは謝るべきなんでしょうね……私はあの子達に――」

 

 

「それは違いますっ……!!」

 

 

金剛

「…………え……?」

 

 

金剛が振り向いた先にいたのは、他ならぬ彼女の妹達だった。

 

 

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

 

比叡

「……」…

 

榛名

「…ヒッ…ゥグッ……っえぅ~………ア"ッ………グフッ! ……フゥ"ッ……ウゥ~ッ……」グシグシ…

 

霧島

「………金剛お姉さまっ……!」グスッ…

 

 

金剛

「っ……三人とも……」

 

天龍

「ぁっ……」

 

ダンテ

(……)huh..

 

 

霧島

「………ぉ、お言葉をっ……かえっ…クッ……!」ポロポロ…

 

 

金剛

「………霧島………長女なのに出来ないことの多い姉でごめんなさい。

 難しい事は苦手な私の代わりに、いつも霧島には率先してもらっていますよね……。

 いつも霧島に頼ってばっかりでごめんなさい……!

 そのせいで、いつも気苦労をかけてしまってごめんなさい……」

 

 

霧島

「ッ…!」

(だからそれはっ…)ゥグッ…!

 

 

金剛

「……榛名」

 

 

榛名

「っ…!」ビクッ

 

 

金剛

「……ずっと独りにしてごめんね……ちゃんと一緒に帰ってあげられなくてごめんね……。

 いつも不安にさせてしまうだけで、安心させてあげられなくてごめんねっ……」グスッ…

 

 

榛名

(!!)

「ヒッグッ! …ぅぇ……ぁっ…!」

 

 

比叡

「……」

 

 

金剛

「……比叡―」

 

 

比叡

「お姉さま」

 

 

金剛

「っ…」

 

 

比叡

「……私は、霧島のように特に頭が良いというわけでも、

 榛名みたいによく気が利くというわけでもありませんっ……」

 

 

金剛

(!!)

 

 

比叡

「……だからっ……だから!

 お姉さまが言ってたみたいな難しいことなんて考えたこともありませんっ……!」

 

 

金剛

「……そんなことないネっ……!

 比叡だって本当によく気の利くやさしい子ネっ………だって私のことをずっと……」ポロポロッ…

 

 

比叡

「私はただお姉さまと居ることが好きだったんですっ!」

 

 

金剛

「っ……」

 

 

比叡

「……姉妹みんなで居られることがうれしくて、

 いろんなことが一緒に出来るのが楽しくてっ……そんな毎日が幸せだっただけですっ!

 本当にただそれだけでっ……」ヒグッ…

 

 

金剛

「……比叡っ……」

 

 

霧島

「……金剛お姉さま」グス…

 

 

金剛

「……霧島……」

 

 

霧島

「……私は………今も昔も、私などに金剛お姉さまの代わりが務まったなどと

 思ったことはありませんっ……! 金剛お姉さまからは今も、

 まだまだいろいろと大切なことを教えていただいてばかりですっ!

 気苦労だとかそんなこともっ……むしろ頼っていただけることを

 光栄に思っていました……!!」

 

 

金剛

「……霧島ぁ……」ヒグッ…

 

 

榛名

「金剛お姉さまっ……!」タタタッ…

―ポスンッ…

金剛

「っ…榛名……?」

 

 

榛名

「ごめんなさいっ……ごめんなさい! お姉さまっ……。

 甘えてばかりの妹でごめんなさいっ……!」グスグスッ…

 

金剛

「!! それは違うネ榛名! そもそも長女なのに私がっ……」

 

榛名

「……榛名はいけない子です……。

 お姉さまがずっとどんな気持ちでいたのか、ひとつも考えないで……

 ただ甘えていただけでっ……!」ギュッ…

 

金剛

「……違う……違うヨっ………私がもっともっと強ければよかったんデス……!

 そうすれば榛名にもこんなっ……」

 

榛名

「うぅ~っ……」

 

霧島

「……金剛お姉さまは私達姉妹にとっての誇りです……!

 お強く、お優しい……そしてっ」

 

比叡

「私達のことを……他の子達のことだって!

 本当に大事に思ってくれているってみんなわかってるんですからね……!」

 

榛名

「ヒッグッ……こ、金剛お姉さまはっ……ハァッ……どん、なに損傷を受けていたとしてもっ

 いつも航行の先頭は……譲ってはくださいませんでしたっ……」

 

金剛

「…………私…はっ……」…

 

霧島

「……金剛お姉さまは私達姉妹にとって、

 本当に……これ以上ないくらい、自慢のお姉さまなんです…」

 

金剛

「………三人ともっ…」グスッ…

 

比叡

「……はい…!」

 

榛名

「金剛お姉さまっ…」

 

霧島

「……っ」

 

金剛

「………大好きデス……愛していマスヨっ…」

 

比叡

「っ…お姉さまっ!!」

 

榛名

「榛名もですっ!!」

 

霧島

「霧島は…! 誰よりも金剛お姉さまのことを敬愛していますっ…!」

 

 

 

姉妹はそれ以上語らうことはなく、ただ抱き合って泣いた。

 

 

 

天龍

「~~ッ」

 

―ポン…

天龍

(!)

 

ダンテ

「……」

 

天龍

「……ウゥッ……ヒッグッ……」グスグスッ…

 

ダンテ

「……」

 

天龍

「……………………強くなりてぇっ……」

 

ダンテ

「……ああ」

 

天龍

「オレさっ…………オレにも大事な妹はいて、チビどもだって大事でっ……!

 ……大事じゃないやつらなんているかっ……鎮守府にいるやつ皆大事に決まってる……!!

 ………………強く、なりてぇよォ……!」

 

ダンテ

「……ああ、いくらでも付き合ってやるさ」

 

クシャクシャ…

 

天龍

「………………うん…………うんっ……」ヒッグ…

 

 

 

 

 

ヴァルキュリス

「……」

 

 

 

 

 

金剛

 

 <STYLE>

  

  ヴァルキリー(Lv.3)    

 

 

習得しました。

 

 

 

金剛

 

 <SKILL>

 

  ジュビリー            (ガード)

   -ダイヤモンド・ジュビリー   (ジャストガード)

 

  ピンク・ダイヤモンド       (スーパーアーマー)

 

  ダイヤモンド・プリンセス     (ハイパーアーマー)

 

  エルダーオブハート        (ウルトラアーマー)

 

  プラウドハート          (エナジーリリース)

 

 

修得しました。

 

 

 

 

 

 <KEY ITEM>

 

  プラウドハート

 

…記憶・魂と共に受け継がれる、艦娘の誇り高き心。

 己を高めるためには不可欠なもの。

 

 

 

 

 

 

 




ダイヤモンド"自体"はその性質上、衝撃に非常に弱く、
防具品や剣・銃弾の材質にしたりなどといったことには向かないはずです。

ググればいろいろと出てくるはずなので、ここで多くは言わないです。
>1自身、浅学ですので。
(ただ、条件とか環境? またダイヤモンドの状態(粉末状など)とか、
いろいろ組合わさっていくと兵器的転用方法もあるにはあるようです。
斬撃系耐性だけは特化させたりだとか、粉末状態で散布させて――――――だとか。
まぁそこまで思考するくらいならもっと簡単で良い材料使うんでしょうが。
というか工業用に活用することも多いみたいですね。宝石としてだけでなく、
そちらでの需要もかなりあるようです)


本編で出てきた、ガード性能を主に司っているのは、言ってみると
ジュビリーの部分になるんですかね。


名前はわりと単なる思い付きで付けることが多いです。


あと、
ただ、式典の方のダイヤモンドジュビリーではカラースモークなどはなかったような…?







SECRET MISSION 5-8-1

 ~ まずは…… ~



各々、工廠・開けた場所 ~隔離エリア~ を後にして。


天龍
「……」テクテクテク…


「――あ、いた! 天龍さんっ」


天龍
(ん?)
「……霧島?」

霧島
「――ふぅ、よかったです。 まだお近くで」

天龍
「? 何の用だったんだ?」

霧島
「ええ……。
 忘れないうちに、とも思いまして……」

天龍
(……)

・・・・・・

天龍
「……」

霧島
「……すみません、判断には迷ったのですが……。
 ですが、やはり相手は…………敵は油断ならない相手なわけでっ…」

天龍
「……ああ、いいって。
 霧島も心配して言ってくれたんだろ?」

霧島
「……」

天龍
「……大丈夫さ、もう二度とあんなバカなことは言わねぇよ」

霧島
「天龍さん……」

天龍
「……つーか、数百年ときたか。 そりゃ、半端ねぇなぁ……。
 得体の知れねぇ奴だとは思ったけど、道理で歯が立たねぇわけだ」

霧島
「……そうですね」

天龍
「…………ははっ…」

霧島
「……ふふふっ……」


・・・・・・
・・・



天龍型の部屋


―ガチャ
天龍
「……」


龍田
「あ、天龍ちゃん、おかえり~」


天龍
「ん?龍田? あれ、お前メシは?」

龍田
「まだ~。 今日は別にそんなにお腹空かなかったから」

天龍
(……)
「……そうか。 悪かったな……」

龍田
「……ふふ、いいよ~」

天龍
「……行くか」

龍田
「うんっ」

・・・・・・

ガチャ、パタン

テクテクテク


天龍
「……なぁ、龍田」

龍田
「ん~? 何~?天龍ちゃん」

天龍
「……なんつーか、さ……」

龍田
「?」

天龍
「……ありがとな。 いつもさ」

龍田
「………えっ 何急にどうしたのっ?///」ピタッ…

天龍
「……ま、なんとなく?」

龍田
「え~??」


天龍
「メシ、何残ってっかなぁー」テクテク


龍田
「あ、天龍ちゃんっ」タタッ


天龍
(…………沈んでなんかいられねぇよな……。
 ちゃんと帰らねぇと駄目なんだ。 どいつだって、オレ自身も……。
 待っててくれるやつらがいるんだから……!)






SECRET MISSION 5-8-2

 ~ 私だけの思い出の中のお姉さま ~



金剛型の部屋


比叡
「――今度は外にデートに誘いたい?」

金剛
「イエス……////
 ……ふぬぬ~、どうすればぁ……」グヌヌ…

比叡
(……)


顔を赤くして、気の緩んだ表情をしていたかと思えば、
今度はすぐに苦悩して難しい顔をする金剛。

そんな金剛の様子を見ながら、比叡は昔のことを思い出していた。


・・・・・・
・・・



私が初めてその人と出会ったとき……なんとなくだけど、
もしかしたら少しだけ暗い感じの人なのかな……? って思った。
というのも、なんというのか…………影のある……?
……そんな感じの表情を、初めて会った日からしばらくは、
時折されることがあったものだから……。

でも、それからずっと一緒にいて、話をして、少しでも触れ合ってみると、
それはただの"勘違い"だったって、すぐにわかった。

それはきっと、誰でもそうだと思う。


だってその人はふと油断してしまうと、すぐに口元がゆるんで
……本当に、明るく眩しい笑い方をする人だったから。

身の内から、心が本当にあふれてこぼれ出てるかのような、そんな笑顔。
心根は陽気で、本当はすごく明るい人なんだということを
その笑顔を見た瞬間、私にはそれだけですぐにわかった。


……だって、それくらい本当に素敵な笑顔だったから。


もっと一緒にいると、またすぐにわかってくることがある。
ああ、この人は本当は笑うことがすごく好きな人なんだな、って。


この人にこそ、ずっとずっと笑顔でいてほしいと、私は思った。
曇った表情なんて似合わない。

…………そんな顔には、もうさせたくない……!


……だから、私は――



比叡
「…………」

金剛
「……比叡?」

比叡
「………っ……あ、いえ、すみませんっ…」

金剛
「……大丈夫デース?」スッ…
―ギュッ…
比叡
「!! だ、大丈夫ですっ////」

金剛
「そうデスカー」
づ ナデナデ…
比叡
「……っ///」



……あれ以来、金剛お姉さまからのスキンシップが増えたような気がする。
だいたい、1.5倍くらいに。

というか、元々そういうことがまったくなかったわけではないから
たぶん、体感的にはそれくらいで間違ってはないと思う。


……すごく、うれしい……。


…………でも……



比叡
「……ありがとうございます、お姉さま。 本当にもう大丈夫です」スッ…

金剛
「…ya」

比叡
「…………さて、それではいつものように4人で考えてみましょうか」

金剛
「Yeah! Thanks a lot!」

比叡
「ふふふ……ってあれ? 榛名と霧島は……」

金剛
「hm..? そういえば」


―ガチャッ!
榛名
「お、お姉さまっ!!」

霧島
「榛名、本当にもう少し落ち着いて……」パタン…


金剛
「oh-? そこまで慌ててる榛名も珍しいデスネー?」

比叡
「……ん? 榛名、その手に持ってる物って」
(……青葉さんの広報?)

榛名
「こっ、ここここれをっ!!」つ□ バサッ

霧島
「落ち着いて」


・・・・・・


<青葉、取材しちゃいましたっ!!>


つ【青葉新聞】⊂

金剛・比叡・榛名・霧島
「……………………」


青葉:これまで、いろいろと"特殊"なお仕事をなされてきたという、我らが新・司令官。
   そのお仕事自体もそうですが、他ならぬ彼自身にも謎は多く、素性などについて、
   思いは様々なれど、興味や関心を持たれている艦娘諸姉は
   多いのではないでしょうか。
   そういったことを受けて、その気持ちに少しでもお応えするべく、
   この青葉、司令官への取材を敢行させていただきました!!


<・そもそも悪魔とは?>

最近、当鎮守府近海にもその気配を見せている、未知の新・敵性体。
その正体は、かのファンタジー作品やフィクション物でよく見られるような
あの悪魔、あるいはその悪魔からの影響を何らかの形で受けた存在であるという。
司令官曰く、そもそもその悪魔という存在は――


金剛
「……オー…」

霧島
「興味深いですね、非常に……」

比叡
「……」

榛名
「そこもなんですけど、問題はそこから一番左下のところなんですっ!」

霧島
「……」

比叡
(問題……?)

金剛
「一番左下というと………あ、ここデスネ。
 エーっと、ナニナニ……?」


<・司令官の正体とは……?>

司令官ご自身はなんと、半人半魔という、悪魔と人とのハーフであられるそうです!!
このことについては、司令官が当鎮守府にいらっしゃられてから
もう大分日も経ち、噂や口コミなどでもう既にご存知の人も
実際にはかなり多いことでしょう。
なので、今回の青葉広報ではもう少し入り込んだ取材に挑戦させていただきました!

この青葉がまずは始めにさせていただいた取材は
誰もが疑問に思うであろう、司令官の"お体"について、ですっ!


比叡・霧島
「…………」

金剛・榛名
「………っ」ゴクリッ…!


<・司令官の正体とは……? 続き>

先ほどにも書きましたが、悪魔と人とのハーフであられるという司令官。
そのお体において、半人半魔とは普通の成人男性とはどう違うのか、
外見的に違いはあるのか。

青葉、徹底取材しちゃいました!!
青葉自身は無理を承知で承諾していただけるまで何とか頼み込むつもりだったんですが、
なんと意外にもすんなりと快く引き受けていただき、
そのお体を惜しげもなく披露していただきましたっ!!

それでは!! まずは一見すればわかる、司令官のお体からですっ!!


→次項より、青葉のマル秘取材レポート!!


榛名
「っ……お、お姉さまっ、お早くっ……!」ワナワナワナッ…

金剛
「イ、イエースイエースっ……落ち着くデース……わかってるネー…!」プルプルプルッ…

比叡・霧島
「…………」


ゴクリッ…


…………ペラッ


金剛・榛名
「……………………ブッ!!?」


・・・・・・


【司令官のマル秘写真】


霧島
「……ふむ」クィッ ←メガネ

比叡
「……見た目的にはそんなに変わらない、のかな……?」

霧島
「ですかね…」

比叡
「……いやまぁ、ていうか艦娘になってから、
 生の男の人の上半身とか見たことはないんだけどさ…」

霧島
「私もです…」


*下はジーンズです


金剛
「ヤバイデース!これヤバイデース!////」

榛名
「/////」


比叡・霧島
「…………」


比叡
(…………まぁ、確かに……)ペラ…

霧島
「……ほう…」キラーン ←メガネ


<ポージングもいろいろお願いしてみちゃいました!>


比叡
(首からズボンまでの裸のアップ写真とか、なんというか……かなり前衛的な……。
 ていうかこれ、私から見てもなんかエロいな。 何この筋肉。
 男性アイドルのグラビアか何かかな?」

霧島
「おそらくセクシー系、と言われるものだと思われます。 比叡お姉さま」

比叡
「あ、うん。 ごめん、口に出てた」

霧島
「いえ」


―ガチャッ


比叡
「…ん?」

霧島
「あら? 二人ともどちらに?」


金剛
「青葉に刷り増しのお願いに行ってきマースっ!///」

榛名
「ちょっと行ってきます…////」

比叡
「」

霧島
「あ、はい」


パタンッ


比叡
「………………はぁ~~……」



……今あの人の笑顔には、私達姉妹に向けられるそれとはまた違った別の笑顔がある。

でも、私はそれもまた、すごく素敵で……とても美しいと思った。



比叡
「……ふふふっ…」



全てはお姉さまのために……。
だから、お姉さまの笑顔のためならば、私は……!



比叡
「……よし。
 私もちょっと行ってくるよ。 霧島、少しの間、留守を頼んでもいい?」

霧島
「え? ええ……別に構いませんが」

比叡
「ありがと。 それじゃ、あとでね」スクッ

霧島
「はい」
(?)

・・・・・・

―ガチャ、パタン…

比叡
(……というわけなので、申し訳ありませんけど)
「……私のお姉さまから逃げる、なんてことは許しませんからねっ……!」フフフッ


タタタタッ


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MISSION 5-9

0の目の悪魔の特徴

・純然たる悪。本質的な悪。一切の光を受け入れないし、宿さない。
・受肉後、どうしても、毎回いずれ直接的に殺人を犯してしまう。死後、担当官が何度再教育を施しても、転生しては直接殺人をしてしまう。
・6つ目、7つ目の魂、あるいは、まさに神(=異星人)ですらも匙を投げてしまうほど矯正のしようがない。
・歴史上のシリアルキラーは高確率でこれに該当する。
・いくら再出発を繰り返させても、殺人を繰り返す魂というものが、神による魂の生成過程では、実はエラーとして発生している。
・何度も殺人を繰り返し、神にすら見放されてしまうほどのこの魂は、いずれ魂の溶鉱炉に落とされて、再び還ることになる。すなわち、一過性的な魂の真の消滅である。この工程は魂のリサイクルの一環である。

・救いは魂を消滅させる以外にない。


翌日早朝

鎮守府・正門

 

 

陽炎

「…………ふぁ~……」

 

 

不知火

「……」

 

 

陽炎

「……暇ねぇ~」ムニムニ…

 

 

不知火

「良い事ではないですか。 門番とはそもそもそうあるのが理想でしょう」

 

 

陽炎

「そうだけど~……」…ファ…

 

 

不知火

「……」…キョロキョロ

 

 

陽炎

「……ていうか不知火、そろそろ一旦こっち来て座ったら?

 あんたさっきからずっと立ちっぱじゃない」

 

 

不知火

「まだ二時間ほどです。 大丈夫です、問題ありません。

 それに警備室からでは外を見回すのに限界がありますし、死角も出来ます。

 やはり、誰かが表に立たねば」

 

 

陽炎

「相変わらず真面目ねぇ……」

 

 

不知火

「……」キョロキョロ…

 

 

陽炎

「……時間がわからないって、やっぱり不便ね……」

 

不知火

「……まぁ、そうですね。

 連絡も昨日の夜、急遽あったそうです」

 

陽炎

「……そのおかげで私も今日はやたら朝早くから不知火に叩き起こされた、と……」

 

不知火

「急務です。止むを得ませんでした」

 

陽炎

「……はぁ…あんたはまぁそうよね……。

 んー……いや、やっぱりでも、それにしたってもう少し方法があったんじゃない?」

 

不知火

「……というと?」

 

陽炎

「ほら、もっとこう…………お姉ちゃ~んって甘えた声出しながら、

 ほっぺにちゅーってして起こす……とかっ?///」

 

不知火

「……それがビンタで叩き起こすよりも有効である、というのなら考えましょう」

 

陽炎

「…えっ、マジで……?」

 

 

 

「――ハァイ、ごきげんよう♪」

「"正しい"入り口はこっちでよかったかしら?」

 

 

 

かげぬい

「!?」

 

 

 

――――――

提督室

 

 

陸奥

「――とまぁ、普通、執務で必要になる物と言えばこれくらいね。

 まー、あなたが直接使うってことは多分ないんだろうけど」

 

ダンテ

「Huh...」

 

陸奥

「一昨日にも言ったけど、都合がいいからってことであなたには

 立場上はこの鎮守府の監督官である"提督"ってことになってるわ。

 でも実際のお仕事の内容的には、その役柄は厳密には

 戦力の拡充顧問と戦術指南、って感じになってるのよね」

 

ダンテ

「ああ。 そうだな」

 

陸奥

「うん」

(……)

 

 

陸奥

「……あ、そうだわ。 でもこれ」カサッ

 

ダンテ

「ン?」

 

陸奥

「今後のことを考えていけば、普通は必要だからってことで

 あなた用の印鑑も送られてきたんだけど、

 ……まぁこれもほとんど代印になるでしょう。

 今回に限っては特例でいろいろと認められちゃってるから。

 ……ヤでしょ? 逐一書類に目を通して判を押す、なんて」

 

ダンテ

「……だからそれは俺の仕事じゃねぇんだろ?」

 

陸奥

(……)

「……そうね」

 

ダンテ

「まかせるぜ。 そういう面倒なのは全部、な」ha

 

陸奥

「………そう、わかったわ」サッ…

 

ダンテ

「もう終わりか?」

 

陸奥

「っ……あー、えっと……」

 

ダンテ

(……?)

 

陸奥

「……あっ…で、でも一応、道具とかの場所は全部教えておくわねっ!」

 

ダンテ

「……ン、ああ…」

 

陸奥

「えーっと……まずは一番始めに説明した、執務用具とかなんだけど――」

 

ダンテ

(……)

 

・・・・・・

 

陸奥

「――っと、以上ね」

 

ダンテ

「ok. ……ン? おい、ムツ。 判はどこになるんだ?」

 

陸奥

「…………とても大事な物なので、それは私の方で管理しておきます」

 

ダンテ

「……そうか」

 

陸奥

「ほ、ほらっ、無闇に持ち出されて無くされても困るしねっ!」

 

ダンテ

「わかったって」

 

陸奥

「それならいいのよっ! そ、それでっ、他なんだけどっ――」

 

ダンテ

(……ま、本当に俺が使うような事にならなきゃいいけどな)huh...

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」…

 

陸奥

「――で、これが最後ね。 はい」

 

つ【通帳・カード】

 

ダンテ

「……um」ペラ…

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……やっぱ日本円なんだな」

 

陸奥

「便利だからね、そっちの方が。

 いつまでになるのかはわからないけど、しばらくの間は

 ずっとこっちにいるんでしょうし、ドルじゃいちいち面倒でしょ」

 

ダンテ

「Hum...

 つーかこれ、一昨日に見たのと額が違うな。 増えてるよな?」

 

陸奥

「あぁ、前に見せたのは基本給の明細なのよ。

 あっちには特別手当てとかは入ってなかったから。

 だから今そこに書いてあるのが今回、実際のお給金になるわね」

 

ダンテ

「Hm, なるほどな。

 とりあえず、コイツはこの前食ったピザで換算するとどれくらいになるんだ?」

 

陸奥

「なんでピザなの……えーっと、あれだとだいたい……そうね、

 …………xxx枚、くらい……?」

 

ダンテ

「……ph~♪ そいつはいい。思いの外、悪くはねぇな」Ha Ha-!

 

陸奥

(……)

 

 

―コンコン

「長門だ」「大淀です」

 

 

ダンテ

「…アン?」

 

陸奥

「あっ……」

 

 

・・・・・・

 

 

ダンテ

「来客?」

 

長門

「ああ……。

 ……まさか陸奥、知らせていなかったのか?」

 

陸奥

「あははは……」

 

長門

「おい……朝の業務連絡も自分が担当すると言うから、お前に任せたんだぞ……」

 

陸奥

「ご、ごめんなさい……」

 

大淀

(……)

「……しかし、この様子だとまだのようですね。

 本当に突然の事になってなかっただけよかったです」

 

 

―コンコンコン

「不知火です。 お連れしました」

 

 

「「!」」

 

 

―ガチャ…

 

 

ダンテ

「……hm, もう少し先の事になるのかと思ってたぜ?」haha

 

 

?????

「ほら、前みたいに寂しい思いをしてるんじゃないかと思って。

 今回は早めに、ね?」

 

 

ダンテ

「また子供みたいに言うなよ……」huh..

 

 

???

「私は、ちゃんと真面目にやってるのか一応ちょっと様子見にね」

 

 

ダンテ

「……そうかい」

 

長門・大淀・不知火

「…………」

 

陸奥

(……)

 

不知火

「……それでは、不知火はこれで。 持ち場に戻ります」スッ…

 

長門

「ああ、ご苦労だった」

 

不知火

「いえ」∠ ピッ

 

???

「案内してくれてありがとう♪」

 

?????

「道中楽しかったわ。 また今度ゆっくりお話してくれる?」

 

不知火

「っ……はい、ぜひ…//」

 

・・・・・・

 

…テクテク

 ―ガチャ

不知火

「……」ペコリ…

 

―パタン

 

 

オツカレサマー

ハイ、カゲロウモオツカレサマデス

 

 

?????

「……彼女達可愛いわね、本当に」

 

???

「まさに天使ね」

 

?????

「ちょっかいをかけたりしてない?」

 

ダンテ

「するかよ」

 

 

陸奥

「…………」

 

長門・大淀

「……」

 

 

???

(……ふ~ん……)

 

?????

「それならいいけど」

 

ダンテ

「Huh...」

 

 

長門

「……あー、その…」

 

 

?????

「あぁ、ごめんなさい。 大分後になっちゃったわね。

 私はトリッシュ。 この人の相棒」

 

 

陸奥

(!?)

 

大淀

(……へぇー)

 

 

???

「で、今回の依頼の仲介役を務めたのがこの私。 レディよ。

 わかるかもしれないけど、本名じゃないわ。

 でも、今回の依頼中はそれでも不都合はないはずだから、そう呼んでね」

 

 

そうして自己紹介を始めた一人はブロンドのロングヘアー、

そしてもう一人は黒髪で少しくせっ毛のあるショートヘアーの女性だった。

黒髪の女性の方はまるで太いパイプ管のような物を布に包んで背中に担いでおり、

ブロンドの女性の方も同じように、布に包まれた何かを背負っていた。

 

しかし、後者の方はその大きさも形状も大分違っており、

大きさは、わりと長身的であるその女性の身の丈をゆうに超し、横幅も広い。

そして、形状としては三日月形の板のような物に見える。

 

さらにブロンドの女性は少し大きめのアタッシュケースも右手に握っていた。

 

 

長門

「……ふむ、よろしく。

 私は長門。 この鎮守府に在籍する艦娘達の代表……"リーダー"、と言えば

 一番近いだろうか」

 

大淀

(だいぶ前に、連絡があったときと同じ声の人…)

「大淀です。 執務や業務のサポート、他事務や雑事なども行っています」

 

陸奥

「……陸奥よ。 今はそちらの提督の身の回りのお世話から、特別業務のお手伝いまで

 幅の広い補佐役をやらせてもらっているわ」

 

トリッシュ

「まぁ、貴女がダンテの世話を?」

 

陸奥

「ええ」

 

ダンテ

「……」

 

レディ

「私と貴女とは一度面識があったわよね。 三日ぶりね」ニッコリ

 

陸奥

「ふふ、そうね」ニッコリ

 

トリッシュ

「……」…チラ…

 

ダンテ

「……」サッ… ←目を反らす

 

トリッシュ

(……ふむ…)

 

長門

「三日前と言うと、大本営への出頭予定だった日だな。 そのときか」

 

大淀

「昨日、いただいたご連絡も――」

 

レディ

「あーそうそう。それ私。 ごめんなさいね?急な話になっちゃって」

 

大淀

「あ、いえ…」

 

ダンテ

「……で、レディはいいとして、お前の本当の用事は何なんだ?

 こっちに来たってことは今までやってたのはもう終わったのか?」

 

陸奥

(…………)

 

トリッシュ

「実はそれはまだ。 でも、お土産が出来ちゃったから、

 今回はこうやって出向いてきてあげたってわけ」

 

ダンテ

「……なるほどな」hm..

 

 

トリッシュの持つアタッシュケースを一瞥してダンテは得心する。

 

 

大淀

(……何が入っているのでしょうか……?)

 

ダンテ

「つーかお前、よくそれだけモンを用意出来たな」

 

トリッシュ

「あぁ、これは――」

 

 

 

 

―ドゥワントゥェエェーイッ!!

 

―オォォイッ!?

 

 

 

 

「「……」」

 

トリッシュ・レディ

「?」

 

ダンテ

「……」ha..

 

 

―バタァーンッ!

 

金剛

「ばぁあーーにんぐぅうーらぁああーーぶぅうーーー!!!」

 

ギュルルルルルーッ!!! ← DT・月輪脚ばりの飛鳥文化アタック2

 

ダンテ

「hm..!」

 

 Royal Guard!

  -ロイヤルブロック- ×5

 

ガガガガッ! ガァーン!!

 

…ポスッ

 

 

「「」」

 

 

―ザッ

天龍

「――おい金剛っ! お前いくらなんでもドタドタ走りすぎ……んなぁっ!?///」

 

 

金剛

「ナッイースキャ~ッチ!////」ギュムーッ *昨日、普通に朝は提督室に居ると教えて貰った

 

ダンテ

「"今日も"元気だな、コンゴウ」haha

 

金剛

「Yes! …………ダンテ?」

 

ダンテ

「なんだ?」

 

金剛

「……昨日はありがとネ」

 

ダンテ

「……」

 

金剛

「……初めてデシタ、姉妹であんな時間を持てたのは……。

 私達にとっては本当に大切な時間だったと思いマス。 だから……」

 

ダンテ

「……別に、俺は何もしちゃいないさ」ha

 

金剛

「ダンテ……」

 

ダンテ

「……それはそうと今日もなかなかに熱烈なモンだな」hahaha

 

金剛

「……yeah! 昨日にも学んだことデス!

 真実は行為で示され、それを飾る言葉はナイっ。

 行動することこそがヤッパリ一番雄弁なんデスネー!」

 

ダンテ

「……Hm, なるほどな」

 

金剛

「ウフフフッ! いつまでもメソメソしているのが本当の私ではありまセンヨっ。

 …きょ、今日からはもっとこうっ///」ギュッ…

 

ダンテ

「……へぇ、それならもう昨日みたいに、"人魚"と見紛いそうなくらいに

 美しい姉妹の涙で溺れそうな事になるってのはなさそうだな。

 ……それはそれで悪くないような気もしてたんだがな?」ha.

 

金剛

(…!)

「……oh, そ、そうだったんデスカっ…////

 …………あっ……で、でもっ!」

 

ダンテ

「Hm?」

 

金剛

「……それでもやっぱり、私の心はため息と涙で

 相変わらずイッパイだったりするんデスヨ……?///」

 

ダンテ

「……ほぅ。

 とすると、お前のそのため息ってのは、

 それこそ煙と見間違えそうなほどのため息だったりするのか?」

 

金剛

「……yeah, Definitely..////」

 

ダンテ

(…まさに熱烈<Burning>ってやつか…)

「"ほどほど"ってのはあり得ないんだな」haha

 

金剛

「…………ダンテは暖かい陽気な日にしか"囁いて"はくれナイ、デスカ……?」

 

ダンテ

「……それは、花開いた後は散っていくだけのバラとは違うお前には

 無関係の話なんじゃないか?」

 

金剛

「え……?」

 

ダンテ

「……永遠に変わらず、輝きを失うことも朽ちることもない"レッド・ダイヤモンド"が

 もし目の前にあるなら、誰もがその美しさに年中、心を奪われるんだろうさ」ha.

 

金剛

「っ……ダンテ…////」

 

 

長門・大淀

「……」

 

トリッシュ

(……)

 

陸奥

「~~~ちょちょちょっ!?」

 

レディ

「なっがいわよ! どんだけ二人の世界に入り込んでるのよっ!?」

 

天龍

「つーか二人していつまでそうやってんだよっ!///」

 

陸奥

「そうよ!降りてよっ!!金剛!」

レディ

「さっさと降りなさい!!貴女!」

 

 

金剛

「…………ハァ……観劇のマナーがなってないデスネ………って、アレ……?」

 

 

レディ・トリッシュ

「…………」

 

 

金剛

「…………どちらさまデスカ……?」

 

 

レディ

「っ…!!」

 

トリッシュ

「……まぁ、それについてはお互い様よね…」フゥ…

 

・・・・・・

 

金剛

「――Oh... そうだったんデスカ…」

(……ダンテの……」

 

長門

「一応、関係者の訪問があったという全体への通知は

 ちゃんと後からするつもりではあったが……」

 

トリッシュ

「突然"お邪魔"しちゃってごめんなさいね?」

 

金剛

「あ、イエ……」

 

レディ

「……ふんっ」

 

金剛

(…………)

 

 

言葉にすることはなかったが、何かを思いながら、

金剛はその二人を順に見やっていた。

 

 

レディ

「…………それで、どういうこと?ダンテ。 手は出していないんじゃなかったの?」

―グィッ!

ダンテ

「……」

 

 

「「!!」」

 

陸奥・金剛

「っ…!!」

 

 

ダンテはレディに胸ぐらを掴まれる。

 

 

ダンテ

「……おいおい、勘弁してくれよ。 服が伸びちゃうだろうが。

 怒られるのは俺なんだぜ?」ha..

 

レディ

「……この服もアンタの趣味とは微妙に違うわよね? これもどういうことっ?」

 

 

「ちょっと、うちの人に乱暴はしないでもらえる?」

「流石にそれはイタダケナイと思いマース」

 

 

レディ

「……うちの?」…ギロッ

 

 

陸奥

「……一応、今はもうここの監督官という立場にある人なわけで、

 格好として、貴女は今その人に手を上げてるって形になるんだけど?

 いくらこの人の知人といっても、これ以上は私だって立場上、

 見過ごせなくなるわ」

 

金剛

「つい先程のお話ではお仲間サンだということみたいデシタけど、

 それでも少しスキンシップがバイオレンス過ぎではありまセンカ?

 ここ日本においては、親しき仲にも礼儀あり、デス。

 あまり無秩序な事をされるようデシタラ、同種の方法での解決は気が引けマスガ、

 それも容赦は致しかねるのデスガ?」

 

 

レディ

「……は?」

 

 

―ザワッ…

 

「「……」」

 

トリッシュ

「……レディ、もうその辺にしておいた方がいいんじゃない?」

 

 

レディ

「……そっちはそっちで何スかしてんのよ。

 元はと言えば、貴女がちゃんとコイツの手綱を握ってなかったせいでもあるのよ?」

ダンテ

(……俺は躾のなってねぇ犬かな?)

 

 

トリッシュ

「随分な言われようね……。

 だいたい、私はその人の仕事のやりようにまで口出しするつもりはないわよ」

 

 

陸奥・金剛

(………)

 

 

レディ

「……あのねぇ、わかってるの? 今回の依頼は絶対に失敗できない案件なのよ?

 途中で依頼先の関係者を勘違いさせて、変な面倒事を引き起こされても困るのよ」

 

 

金剛

「What'd you say!?」

 

陸奥

「……勘違いですって?」

 

 

トリッシュ

「変な面倒事ねぇ……相手方はどうだか知らないけど、でもそれって本当にありえるの?

 どの娘も、見た目も中身も子供っぽい娘達ばかりみたいだと思うんだけど」

 

 

陸奥・金剛

「」カッチーン

 

 

トリッシュ

「流石にそんな娘達相手にダンテが―」

 

 

陸奥

「一応、ここでは年長組の括りになるんだけど、若く見てもらえて嬉しいわ。

 老けて見られるよりは全然いいし♪」

 

金剛

「激しく同感デース。

 アクの"弱い"系の顔だと、そういうところはお得デスネー♪」

 

 

トリッシュ

「」

 

レディ

「…ぷふっ!?ww」

 

ダンテ

「……」

 

 

トリッシュ

「……ふぅ~ん。

 それってつまり、私はアクが強くて老けて見えてるってことでいいのかしら?」スッ…

 

陸奥

「あっ……ごめんなさい……。

 "決して"そんなつもりで言ったわけじゃなかったんだけど……」

 

金剛

「Oh..Sorry... 日本語って"ヤッパリ"難しいネっ!」

 

トリッシュ

「...You seem like an Idi○t.」

 

金剛

「Hah!?」ズイッ!

 

 

レディ

「あっはははっ! そういう意味だったらこっちの子だって負けてないんじゃないっ?

 だってこんなに"素敵な格好"が制服だっていうんですもの。

 たしかに、男相手に"芸"を披露するのにはいろいろと都合が良さそうだわww」

 

陸奥

「~~っ!!」ザッ!

 

 

長門

「」

 

大淀

「……」

 

ダンテ

(………)←ある意味でいろいろと心中複雑

 

天龍

(………こ、こえぇ~っ……!!)フルフルッ…

 

・・・・・・

 

ワーワー

 ギャーギャー

 

 

長門

「……話が進まないな……」

 

大淀

「そうですね……このようでは……」

 

天龍

「……さすがにもう誰か止めに入った方がいいんじゃねぇか……?」

 

ダンテ

「……」

 

長門

「やむを得えんだろうな……」チラ…

 

大淀

「そうなりますと、やはりここは……」チラ…

 

天龍

「……」チラ…

 

ダンテ

「……なんだよ」…

 

長門・大淀・天龍

「………………」ジー…

 

ダンテ

「…………ハァ~……わかったよ。 行けばいいんだろ、行けばよ……」スッ…

 

・・・・・・

 

ワーワーワー

 ギャーギャーギャー

 

 

ダンテ

(……本当にマジでエグいケンカしやがるよなァ……女ってのは……)

 

 

ダンテ

「…………ハァ……おい、お前らマジでもうその辺に――」

 

 

―ピタッ…

「「――……」」ジロリ…

 

 

ダンテ

(…!)

 

 

レディ

「……当の本人がノンキなものね。 大元はいったい誰の不始末だと思ってるの?」

 

トリッシュ

「貴方からも言って頂戴。 もう直接、ハッキリと」

 

陸奥

「……っ」

 

金剛

「……ダンテ……」

 

 

ダンテ

「…………あ~、……ところでトリッシュ。

 始めに言ってたお土産なんだが……いつになったら広げていいんだ?

 もうさっきからずっと楽しみ過ぎて、そろそろガマンも限界に来てるぜ」ヘヘヘッ…

 

 

「「………」」

 

 

 

長門・大淀・天龍

(…………ヘタレたっ……!!)

 

 

 

レディ

(………)

 

トリッシュ

「………フゥ……まぁ、もういいでしょう。

 はい、これね。 ほとんどはエンツォからよ」サッ

 

ダンテ

「……何? エンツォが?」

 

トリッシュ

「ええ。 貴方が預けていた質草とその他諸々の全商品、

 全部漏れなく取り返してくれるなら、是非とも使って役立ててくれ、ですって」

 

レディ

「……実はまだ別所に保管していた物があったらしいわ。

 ここまで来ると本当、実に見事なものね

 あとは、何でも急きょ買い叩いて手に入れることが出来た物があるからとか何とか。

 ま、いろいろね」

 

ダンテ

「……」

 

―パカンッ

 

 

そのケースの中には、多くの"石"が整然と収納されていた。

それはどれもが大きく、一番小さい物でも少なくとも手の平大はある。

そしてケースの一番端には、銃身と銃床を切り詰め、全長が短くなっているショットガンが

固定されていた。

 

 

ダンテ

「……ほぅ、たしかにコイツは驚きだな。 ha

 あとは……やっぱ入ってたか。 見慣れた"ヤツ"まで入ってるのは何でだ?

 そっちは全部パクられたんじゃなかったか?

 あと、やっぱこれもお前が持ち出してたんだな」

 

 

ダンテの言う、見慣れた"ヤツ"というのは過去に使っていた魔装群のことである。

ダンテはショットガンを手に取りながら、トリッシュに尋ねる。

 

 

トリッシュ

「私も持ち出した全部を質草に替えたわけじゃなかったし、

 使えそうな物は、実はそのときにいくつか買い戻してたりもしてたから。

 まぁ、今回の仕事が終わったらまたエンツォの所に持っていくつもりだったけどね」

 

ダンテ

「hum..」

 

トリッシュ

「でも結局、今回の私の仕事には"不向き"だったって後からわかったのよね……。

 持っててもあれだから、貴方に渡しておくわ。

 どうも、この先も私の場合は使いそうにもないしね」

 

ダンテ

「……」…スッ…

 

 

ダンテは見慣れた方の石を一瞥した後、

今度は見慣れない方の物を手に取り、眼前で透かして見る。

 

 

ダンテ

(……)

 

トリッシュ

「どう? 使えそう?」フフフ…

 

ダンテ

「……huh, 誰に言ってるんだ?」

 

レディ

「それじゃ、私からも一応これね」サッ…

 

ダンテ

「ン……おぉ。 ……コイツは?」カチャ…

 

レディ

「さぁ?知らない。

 まぁでも、もしかしたらそれも例の魔銃繋がりとかなんじゃない?」

 

ダンテ

「……フーン」

 

 

陸奥・金剛

「………」

 

 

長門

「……む? まさか新兵装が譲与されたのか?」

 

大淀

「そうでしょうね。

 見た目的には、銃二丁とあとはそれぞれ色の違う石が

 たくさんあるだけのようですけど」

 

天龍

「~~っ!!」キラキラキラ

 

 

 

 

 

ダンテ

 

 <ITEM>

 

  ・アービター

  ・オシリス

  ・エリクス

  ・アキュラ

 

  ・イフリート

  ・アルテミス

 

  ・コヨーテ・A

  ・ケブーリー

 

 

借用しました。

返却されました。

 

 

 

 

 

 

 




ダンテさんやばいですよっ!

本編で登場した印鑑についてですが、本当にかなり特殊な物です。
本編であったような種の印鑑は、リアルには実在しません。
ダンテの名も入ってはいませんしね。

ただ、今回の依頼期間中においてのみ、
ここの鎮守府内、および海軍、軍全般において確と有効であり、相応の効力を持ちます。
そういった物が今回、大本営から"わざわざ"送られてきました。
何の目的でしょうね。


コレクション速度が遅すぎなので、
多少強引でもこれからはどんどん譲渡していきますね。

次回からは中二要素もてんこ盛りになっていきます。
そういう意味ではちょと注意なんですかね……(笑)

現状、どんな武器かわからなくても後々、説明はしていくと思います。
まぁ調べてもすぐにわかりますが。
ここではとにかく先に出しておいてマウントです。







SECRET MISSION 5-9-1

 ~ やっぱりそれはありえません ~



陽炎型の部屋


―カチャカチャ
浜風
「…………ふむ……」

―カタンッ

浜風
(…………)つ …スッ…


現在は部屋に一人でいる浜風。
自分に充てられた机の上で、自身の拳銃を分解していた。


浜風
「……やはり、ですか……」ジー…


外した銃身の中を覗き込み、そうこぼす。


浜風
「……ライフリングの摩耗が早い……。
 それに、恐らくこれはもう……いくらか膨張もしている……」


筒砲とは例外なく消耗品である。

銃身・砲身内にライフリング(腔線条加工)が施されている物は"弾"の発射の機構上、
内側の摩耗は避けられず、ライフリング加工のない物でもそれは全くのゼロではない。
また、薬料炸裂時に発生する熱や、さらには単純に内部で加速されるときに
生じる摩擦熱によって、銃身・砲身自体が膨張するといったこともある。

頻繁かつ連続的に使用すれば、当然それはさらに顕著なものとなっていく。


浜風
(……まさか、熱中するあまり
 ストックがもうなくなっていたことに気付かなかったとは……)


浜風
「……ふぅ、仕方がありません。
 昨日はタイミングがありませんでしたし、今日の午後には申請しに行きましょうか」


浜風
(……そういえば、翔鶴さんは大丈夫でしょうか?)
「……一応、それも聞いておきましょう。
 今日の昼食のときに、またご一緒できるでしょうし」


浜風
(それにしても……)
「………ククッ……フフフッ…// ……ぁ……」


浜風
「……コホンッ///」
(……いけませんね。
 兵士たる者、こんな取り乱すように浮かれるようでは……)


浜風
「……」
(……でも………教えてもらう毎に……まるで、切り替わったみたいに上達して……。
 それで新しく気付くことも多くて、いろいろと話をするだけでも
 学びになることがあって……)


浜風
(…………出来るようになるのがうれしい。 多くのことを学ぶのが楽しい。
 …………それで、そのたびに、ほめてもらえることが……わたしは……)


浜風
「…………ンッ……」…


机に突っ伏す浜風。


浜風
(……最近、すごく楽しい…)
「…………今何してるのかな……」つo コロコロコロ… ←バレル


*今丁度、修羅場ってます


浜風
「…………」つo コロコロ…


―ガチャ
陽炎
「あぁーただいまぁ~……」ファ…

不知火
「ただいま戻りました」―パタン


―ガバッ
浜風
「っ……あ、お帰りなさい」

・・・・・・

浜風
「次班に交代したんですね」


陽炎
「うんーやっとねぇー。 もう限界~……」ポスンッ…

不知火
「……」イソイソ…


浜風
「お疲れさまです……」


陽炎
「うん~…………あぁー……ねー浜風ー?」


浜風
「はい?」


陽炎
「お昼前になったら起こしてくれない?
 それまでちょっと……ほんと寝るから……」


浜風
「あ、はい……了解です」


陽炎
「ありがと~……おやすみー……」…zz


浜風
「お休みなさい」


不知火
「……よし、と。 では不知火も失礼します。 こちらの方もお願い出来ますか?」


浜風
(不知火まで……よっぽどですね……)
「どうぞ。 お休みなさい、不知火」


不知火
「ありがとう。 お休みなさい、浜風」……z


浜風
(……作業はこれまでにしましょうか。 音を立てないように、そーっとしまって……)…

・・・・・・

お昼前


浜風
「――不知火」
ユサユサッ…
不知火
「…………んっ……」……ムクリ…

浜風
「おはようございます」

不知火
「……おはよう」…スクッ…

浜風
「……それで、あの……」チラ…

不知火
「ん……?」チラ


陽炎
「ずぴぃー」


不知火
「……」

浜風
「……すみません……、なかなか起きてくれなくて……」

不知火
(……まぁ予想はしていました)
「……いえ、大丈夫です。 ご苦労さまでした、浜風。
 先に食堂の方へ向かっていてください。 すぐに行きます」

浜風
「は、はい……」

・・・・・・

浜風
「……それでは、お先に……」ガチャ…


不知火
「ええ」


―パタン…


不知火
「……さて…」


陽炎
「すぴゅー……ズヒュッ…………ンぴぃ~……」


不知火
「……はぁ、まったく……」


不知火
「……」……ススッ…

陽炎
「Zzz」

不知火
「………………お姉ちゃん……?」ボソ…

陽炎
「Zz…」

不知火
「…………チッ……どの口が…………ん……?」

陽炎
「…デュフッ……うぇへへぇ……」ムニムニ…

不知火
「」

陽炎
「…………んん~なぁにぃ~……? お姉ちゃんになんのよう~…?」
ヽ(○´3`)ノ ムチュゥゥ..

不知火
「……」

―ベッチーンッ!!

陽炎
「―っ!?? い"った!!? えっなにっ!??」ガバッ!

不知火
「早く起きてください、このアホ姉が」

陽炎
「!?」


不知火
(…………まったく……)


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MISSION 5-10

「今日では金が唯一の人生の尺度になったかのようだ。
 しかし再び人が気高き神に頭を垂れる時が来るだろう」

アドルフ・ヒトラー


力なき理想に意味はなし。
理想なき力に意義はなし。

力の正体とは、実は不定形である。
そしてその力の上位者は、一瞬の出来事で真逆にも入れ替わる可能性が常にある。
持っていた能力や資産がある日を境に、一瞬で無いものになったなどという冗談のような話もあり得るのだ。

誰しもに得手不得手があるという事実を知る者は多いが、その得手不得手によって強者弱者が定義され、時代や環境によって、その役割を担わされ、固定されているということまで理解している者となると、ほとんどいない。

真の不平等とは、強者弱者と区別される世の中のことではなく、時として、かつて強者だった者にとって不得意な、かつ時代と環境の流れで、広い時間で見たときに均等になっていないことを指す。これを"厄廻り=役回り"という。かつて強者だった者にとって不得意な

暴力を得意とする者が輝ける時代がしっかりと来ることもまた、時間的に平等なのだ。

この真理を"常に"知っている者は意外に、極めて少ない。


所は変わって、開けた場所へ。鎮守府には体育訓練などでよく使用される運動場とは別に、ある程度、実践的な訓練にも適する広さのある場がいくつか用意されている。

 

 

金剛

「Hah-!!」ブンッ!

 

天龍

「ッ…と!」―サッ!

 

金剛

「Shi..Shoot! 絶対今のはいいタイミングだと思ったノニィ……。

 天龍、本当にわりと勘がイイデスネー……」

 

天龍

「……へっ、"後ろ"でも取るこったな! 次はこっちから行くぜ!!」ザッ!

 

 

 

ダンテ

「……」

 

 

―スッ…

トリッシュ

「……戦力の増強、依頼の方はちゃんと進めてたみたいね?」

 

ダンテ

「Huh...

 ……アイツは?帰ったのか?」

 

トリッシュ

「ええ、他にも予定があるからって」

 

ダンテ

「Hm」

 

トリッシュ

「まぁ、予定があるのは私も同じだから、私の方も長居は出来ないけどね」

 

ダンテ

「……そうか」

 

トリッシュ

「ところで……ねぇ、出てきたら?

 どうせ見るなら、もっと近くで一緒に観戦しない?」

 

 

トリッシュがそう言うと、二人の後ろの物陰から、か細い影が伸びる。

 

 

龍田

「……うふふ、お邪魔しちゃってもいいんですか~?」

 

 

トリッシュ

「どうぞ♪」

 

龍田

「ありがとうございます~♪」

 

ダンテ

「……」hm..

 

トリッシュ

「私はトリッシュ。 貴女は?」

 

龍田

「龍田です。 あそこにいる天龍ちゃんの妹ですよ~♪」

 

トリッシュ

「妹? ……ふ~ん」

 

ダンテ

「……今日も声はかけてやらないのか?」ha

 

龍田

「……毎日部屋で会えますし、今行っても邪魔にしかなりませんから……」

 

ダンテ

「Hum...」

 

トリッシュ

「……ダンテ、この子には?」

 

ダンテ

「いや……。 一応、相性とかもあるにはあるからな」

 

トリッシュ

「……まぁそうだけど」

 

龍田

「……?」

 

 

 

 

天龍

「うりゃあ!!」シュザッ!

 

金剛

「ッ……ナンのぉ!!」―ガキィンッ!

 

 ―無刀取り―

 

天龍

「……!?」

 

 

 

トリッシュ

「……へぇ。あの白い方の子、意外にやるわね」

 

ダンテ

「ああ」

 

龍田

「……」

 

 

 

 

それから数分ほど金剛と天龍の鋼の拳と鉄の剣の交錯は続いたが、

それに終止符を打ったのは金剛の正拳であった。

 

 

―シュッ!

 

天龍

「ッ…」

 

金剛

「……フゥ…………フフフ、油断しましたネ、天龍?」

 

天龍

「……ああ、まったくその通りだぜ……」

 

 

寸止めの正拳。

 

 

天龍

「……そうか、銃弾ももう"見慣れてる"んだったな……。

 オレの剣速じゃ、もうソッコー見切られちまうわな……」

 

金剛

「Yes! 剣が取れたのもヤブレカブレってわけでもないしネ!」

 

天龍

「やっぱか……」

 

 

風まで鳴り響くかのように続いてた喧騒が止む。




次々々回で、力の本質、正体についての詳細な回となりますが、フライング。

不変なのではないかと思われる、唯一の力に近しいものとしては、人を口説く力が考えられると思います。
多くの状況的に対応できるように思われますが、これは相手とのコミュニケーションが成立することが前提なので、言語の壁や、相手がそもそもいない無人島とかになるとやっぱり、常に力の最上位たるものにはなりえません。

ちなみに人を口説く力というものも、別に手法は限定されないはずなので、口八丁手八丁が苦手な人は報酬(脅し・恐喝もここに含む)・義理・人情を利用して発揮する人も少なくはないんでしょうね。


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MISSION 5-11

「お前たちにはとても無理だ、
 お前たちの世界はこういうためには向いていないのだ!
 お前たちにはただ一つだけ心配がある。
 つまりお前たち個人の生活だ。
 そしてお前たちにはただ一つの神がある。
 つまりお前たちの金だ!
 だが、われわれはお前たちに用はない」

アドルフ・ヒトラー


今まさに、人の皮を被った悪魔が人心を惑わし、その言説で大衆を混乱に陥れようとしている。

その悪魔は常に説くことの本質を隠し、嘘を吐いている。

人語を巧みに操り、詳らかに話すときには例え話を多用する。
その論法はまるで、かつての救世主を思わせるかのようだが、決して油断はするな。
その者はただ、詭弁を巧みに弄しているに過ぎない。

悪魔の目的は、日の本において、かつての"神の庭"の再現。
そしてさらに、ゆくゆくは"神の国"をも再建することを企んでいる。

それには日の本の5400万の麦を種を犠牲にする必要があるという。
これらを確かに地に落とし、ある芽を出させて生長させる。
これから成る実こそが、神の実である。

その実を手にした悪魔は、空を仰ぎ、さらに全世界人口の6割を口減らしとして滅ぼさんとするだろう。

これら全ては、まず始めに世界全体の金融システムの崩壊から始まるため、それを兆しととらえておいて間違いはない。
システムの構築と崩壊は、同じ者によってもたらされるのである。


金剛が寸止めの正拳を決める直前、天龍の方も存外悪くはない一撃を

金剛に向けて放ってはいた。

実際、金剛の攻撃の間隙を突いたその一撃は、金剛の身中を的確に捉えていたのだ。

 

端から二人とも、相手に直接得物を見舞うというつもりはなかった。

天龍としても、その一撃は金剛の衣服に触れるか触れないかに留めるつもりの

攻撃だった。

 

しかし次の瞬間には、天龍のその手心も今の金剛相手には結局、無用だったと判明する。

 

 

天龍

(……丁度、オレの剣が当たるか当たらねぇかの直前に…………"吹かした")

 

 

早くも金剛は、既にもう"それ"を自分のものとしていたのだった。

 

 

天龍

「…………」

 

 

一瞬の魔力ガスの膜に剣の勢いを完全に殺され、また突然のそのガスに

見事に気を持っていかれてしまった天龍は、その後為す術もなく、

隙を見逃さずに繰り出された金剛の一撃に敗した。

 

 

天龍

(まんまとノせられちまったってわけか…………なんつーか……)

 

 

虚実を織り混ぜた戦法は金剛の一瞬の機転の物に違いないのだろうが、

それを可能にしたのは金剛の有する特殊兵装の性能に他ならない。

 

 

天龍

(……)

 

 

金剛の特殊兵装は、先ほど現に天龍が目の当たりにしたように

攻勢・守勢の両場面において、兵装の機構上、素早い切り替えと対応が可能である。

そのためたとえ仮に、一時的に危機的状況にあったとしてもそこから一瞬で脱して

反撃に転じることが出来る。

 

さらに兵装の扱いに慣れれば今後、"窮地"はむしろ絶好ともなり、

その高水準の攻守性能、そして本人の高い格闘センスゆえに、変質的な戦況でも

単艦でありながら、多くの場面において優勢的に展開させていくことが

可能となるであろうと容易に想像も出来る。

 

この双方の組み合わせは、身内である天龍の目から見ても脅威的に映った。

 

 

天龍

「……」

 

金剛

「? 天龍?」

 

天龍

「……っ…………ん……あぁ、お疲れ」

 

金剛

「Ya? とりあえず、一旦戻りマスカ?」

 

天龍

「……ああ」

 

金剛

「YES! さっそくダンテに報告デースっ!」タッタッター

 

 

天龍

「…………」

 

 

 

 

金剛

「――どうデシタ?!

 もうタイミングの読み方もバッチリって感じデショーっ?」

 

ダンテ

「ああ、そうだな」ha

 

トリッシュ

「私も見させてもらってたわ。

 貴女、意外にすごいのね。 見事なものだわ」

 

金剛

「...Oh!」フッフーン!

 

 

天龍

「……んっ、ヨッコラっと………くはぁ~っ……」トサッ…

 

―スッ…

龍田

「……お疲れ様、天龍ちゃん。 くたくたって感じね~」

 

天龍

「んぁー? ……なんだ、見に来てたのかよ」

 

龍田

「……ええ」

 

 

ダンテ

(…………)

 

 

それぞれ話し込んでいる四人を一人、ダンテは静かに見ていた。

 

 

 

 

「「――――」」

 

 

談話の輪の中から、さりげなくトリッシュは離脱し、輪からは離れていたダンテに合流する。

 

 

トリッシュ

「……それで、感じとしてはどう? あの娘たち、強くなれそう?」

 

ダンテ

「……ま、問題はねぇな。持つべきものは持ってるヤツらだ。皆、な」

 

トリッシュ

「……そう」



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MISSION 5-12

「神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」
(御成敗式目 第一条)


「1.自国の歴史を忘れた民族は滅びる。
 2.すべての価値を物やお金に置き換え、心の価値を見失った民族は滅びる。
 3.理想を失った民族は滅びる。」

アーノルド・ジョゼフ・トインビー


数学、物理学、化学、天文学・宇宙科学、地球科学・地学、生物化学・一般生物学、植物学、動物学、医学などの自然科学分野を深く学び、その頂きに近づく者ほど、神の存在を確信し、スピリチュアルの分野に傾倒する。
逆に、学のない者・半端に学んだ者ほど軽視する。
オカルトやスピリチュアルの分野を抜きに、この世界の諸々が語れると思っている者がいるなら、それこそ、その者が人生の中で見聞きしてきた世界の狭さが伺える。


他の多くの国と違って、日の本の国には"神なる者"が多く、信仰の形が一線を画している。

唯一神や有名な特定の神を信仰しているという者が大多数というわけでもない。
多くの者が"ご先祖"という先達を大切にしているのだ。
他にも、山や川、空や海、土地や事物までもを恐れ、怖れ、畏れ、そして敬う。

驚くべきことに、こうして、"神、あるいは神なる者"を"後から"長い年月をかけて、粘り強く念を込め、奉り、作り上げてきた民族なのだ。
さらに、全国各地の神社や御神仏から分霊という形で、各所に社を増設したり、会社あるいは事務所に神棚を作ったり、忌み地に鎮魂の祠を納めることも、過去には多く行われた。
戦時には、軍艦に船霊を奉った神棚を設置するということまで行われた。
これらは艦内神社と呼ばれている。

単純に、日の本の国には、日の本の民を護る"神なる者"が非常に多いのだ。
一族単位か、あるいは人、物単位ですら"神なる者"が存在する。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


逆に、全くと言っていいほど"神なる者"が存在しない国も複数ある。
そういった国では決まって、悪神や悪魔が多く蔓延っている。
正確には、"神なる者"の素質は元々多くの者にあるはずなのだが、ほとんどの者が正道修行に励めず、反転してしまっている。

邪負が溢れ返っているために、それらの国では邪法呪術が広く盛んである。下地が十二分であるが故に、本当に効力が凄まじい。
事実、有識者の呪術者も一度使用すると、数年から十数年、再使用を控える。
日の本の国でも邪法呪術はそれらの国から輸入された物が多い。
メジャーで強力な物ほど、源流を辿ると、たいていは日本原産ではなかったりする。
※日本産邪法呪術は日本の"神なる者"の力で祓いやすいが、
 外国産は言葉すらも婉曲されるので、非常に危険。

悪神や悪魔の多い国の見分け方は、実行できるかは別として、実はそんなに難しくはない。
その国の人間に、端金を渡して墓荒らしを依頼する。
このとき、引き受けてくれる人間が多い国かどうかでわかる。
要は死者に対し、尊敬と畏怖の念が強い国か、そうではない国か、である。

日の本の国の人間では、たとえ大金を積まれても、これを引き受けてくれる人間はそう多くはないはずである。
むしろ本能的に拒否反応が出てしまう人間の方が多いであろう。

この違いである。
"神なる者"が本当に少ない国の人間であれば、たとえ安請け合いでも、お金が手に入るならばと自分本位だけの元、墓荒らしをする。
(昇格)神にもご先祖にも、元は人としての心と名残と縛りがある。
故に、そういった国には、国民を子孫を、護ってくれるような"神なる者"は居つかなかったのである。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


<素人でも短期間で"強力"な呪術、呪物、呪場、悪霊、悪魔、邪神を作る方法>
※ただし、ほぼコントロールは出来ない。指向性くらいならば場合によっては持たせられる。

・作成者は日本人の血が入っていないこと、日本に帰依していないこと、日本人の恋人や家族・親族がいないことが本来望ましい。
生粋の日本人であればあるほど、少なからず家族霊やペット霊、ご先祖様や氏神様、八百万の神様などの加護を受けている。
呪術作成の観点ではこれらは抵抗力や不純物となるので、向かない。
お国柄、土壌基盤から十分に負の氣や霊、カミが充満している国の人、CS人、K国人や、C国人などがかなり容易。

・過去を調べ、大勢の人が亡くなった土地・場所を利用すること。
例:震災や津波などの災害で亡くなったレベルの人数。このときの人数で単純に術力が変わる。※この方法の場合は。

・その土地・場所、事物、遺体・遺品を可能な限り、不遜に扱ったり、穢す。
その土地・場所、事物、遺体・遺品に対し、礼節を欠き、無礼を働いたり、暴行したり、犯したり、盗んだりする。
※おそらくこの時点で日本人ほど↑の行為が出来ないはずで、その感情や感性は大切に。

・可能ならば指向性を持たせる。
―――――。水や鏡、ガラス品、映像、写真を使ったりなどがメジャー。


【呪術団の歴史】

CS国やK国など、日本でも昔からあるが呪術を専門にし、それを対象に、攻撃的に施術する組織団がある。
当然、表沙汰にはならないし、おもだって行動はしない。

大まかに自国から遠方の敵国に術をかける方法(過去事例:第二次世界大戦期、日本ではFDR米国大統領を呪殺)と敵国現地に赴いて術式を仕込み、発動させる方法(異国が根本原因となっている謂われや忌み地などが実地例。場所多数)とがある。

敵国現地にて行うものには、呪物・呪場をその場で作ったり、神・神域、御霊、遺体、遺品、現地の御先祖様を穢す方法などがある。
※反転神・反神、神堕とし。

単純に敵国死者を増やしていく方法(呪物・呪場作りのベースにもなる)もあり、面白いことに電子的に行われた実例もある。K国人が管理人で、日本人を対象に、自殺者を募る掲示板や自殺方法を勧めるサイトなども過去には多数あった。

時間がかかりすぎる計画の場合は、もう現地に住んでしまい、家族を持ったりして計画を延長する(延術)。いわゆる在日。二世・三世に引き継ぐ場合もある。現地で長期生活して、術者の人・血・気を混じらせたり、現地の人の血統に混ざり込んで(結婚)、血・御先祖・国を穢すことも術式の一環。これ自体も計画の大元に組み込まれて予定されていることが多々ある。


犯罪事件のとき、マスコミで実名や素性が報道されないケースが多々ある。これは、犯罪者が中国人や朝鮮人のとき、実名や素性を報道してはならないという、業界に対して圧力がかかっているためである。実はこれはオカルトやスピリチュアル、神道や仏教の業界でも同様である。ある取り決めがある。裏の業界でも特亜の侵略は容認している。お祓いなどに関して、神主や住職には口外しても良い内容に制限が暗黙的にある。日本産・日本由来の物については話して良いが、外国産・外国由来の物は"協定"により、口外してはならない。もし詳細を訪ねる機会があった際に、神主や住職が固く秘匿している場合は、"それ"が外国産・外国由来であるか、縁を切らせるためにこれ以上の関わりを持たせないようにしているかのどちらかである。



―――――――――――――――――――――――――――――――――


11次元:。


10次元:。


9次元:光の領域。魂(=光)を作れる存在たちの場。ベーシックは女性型として作る。失敗作の消滅の判断と実行、その権限も持つ。


8次元:。


7次元:魂に属性を付与する。


6次元:。


5次元:魂を5、4分割する。神隠しとはこの次元以上で起きる。この次元未満の次元存在では、通常、知覚や観測ができないため、行方不明となる。まだ高次元との結び付きや名残が強い幼子(魂自体がまだ高次元を経て間もない)や普段から高次元との結び付きが強い場合には、高次元や高次元存在を知覚できるケースはある。睡眠時、魂は高次元へと還る・繋がるので、高次元・存在と対話したり、霊干渉を許してしまうことはある。プレアデス星人のクラス。


4次元:静止(3次元)的に見ると、立体の入れ子がある立体。動(4次元)的に見ると、時間軸が異なる時に、立体が入れ替わる。BB素材群が一括まとめのようにしてあるものの、さらにまとまりがある。時間軸が異なると、別のBB素材群まとめを参照する。w軸。観測軸。分割された魂がこの次元に降ろされる。


3次元:立体。立体的BB素材が限界。最後に、ここに降ろす。


2次元:平面。平面的BB素材が限界。


1次元:線・線分。線・線分的BB素材が限界。


0次元:点。点的BB素材が限界。

上から下は可能なことがあるが、下から上は不可能なことばかり。まず、下から上は認識ができない。点が線すべてを認知できないように、平面が奥行き移動した立体を認知できないように。※線分、平面が原点を通らない場合は、点は線分、平面のすべてが認識できない。
逆に、上から下は領域のカバーが可能なので、知覚可能。
上から下へ可能なことについて、運気・宝くじ・呪い・加護・守護・政治・経済・宗教・地震・天災・三次元物理干渉など多岐に渡る。


― 提督室 ―

 

 

陸奥

「…………」

 

□<――ですから、人間を道徳や倫理や理性で統制できると思っているのなら、

  その考えは今すぐ改めるべきです。

  なぜならそれは、非常に傲慢過ぎる考えだからです。

  あるいは、単なる、極めて愚か者であるかのどちらかです。

 

□<……それはつまり、先ほどもおっしゃったように、

  人間とは本来、野蛮であるから、ですか……?

 

□<その通りです。人間は決して、罰や痛み以外では統制できない。

  こういった話が自分のこととして、自覚ができていないなら、

  それはその人が自分のことを、またあるいは人間というものを

  神か何か人間を超越した存在であると思い違いをしていることとまったく同義です。

  極めて傲慢だ。

 

□<傲慢……。

 

□<人間は人間であり、神ではない。

  痛み、あるいは罰は絶対に必要です。

  そんなものは必要ないと、人間を、まるで神か聖人かのように考えているのなら、

  夢から覚めなさい。

  人間は、罰や痛み以外では統制できないという事実を知り、現実を見なさい。

  全世界で見れば、神の存在をファンタジックに捉えている人は

  少なくはないと思いますが、私から言わせれば、

  人間は道徳的で理性的な生き物である一瞬でも信じている人がいるのなら、

  それこそ、そういった存在こそ、ファンタジックな話だと言わざるをえません。

 

□<……人間は悪……いわゆる性悪説が真実である、と……?

 

□<言い方を変えましょう。

  あなたは将来、成功を収めたいですか? それとも失敗をしたいですか?

 

□<え……。そ、それは普通に成功したいと考えますが……。

 

□<確かに。"普通は"そうでしょう。

  であるならば、やはり……失敗をせずに成功を収めたいのであれば、

  人間は悪である、という性悪説は第一に念頭に置いておくべきでしょうね。

 

陸奥

「ん……うーん……?」

 

□<えーと……そのお話が、これから話される……本国における経済形態にも関係すると?

 

□<厳密には、資本主義における本質がそれである、ということなのですがね。

 

□<ふ、ふむ……? ――すみません、実は今日のインタビューのお話を

  いただいてから、進行表でずっと気になっていた部分がありまして……。

 

□<あぁ、はい。すみません。前置きが長くなってしまいましたね。

  これは失礼いたしました。そろそろ先の話題に移りましょうか。

 

□<おぉ、お願いします!

  ……コホン。えー、ではつまり、この国においては、過去にあった、

  中小企業保護・支援政策からがそもそも全ての過ちの始まりだったと?

 

□<ええ。同国の経済学者の見解もですし、私自身そう思いますね。

 

□<ですが、あの政策により、雇用の拡大が図られたと思いますが……。

 

□<そこだけを見れば、事実はそうですね。

  ですが雇用数の増加を目的とするのであれば、

  別にその方法でなくともよかったのではないかと思っています。

  見た目上、雇用が増えただけで、一人頭の賃金は過去から見ても

  平均して目減りしていますし、生活の質も下がっているように見受けられます。

  あの政策以降、報告されている自死者数や精神病患者の数は

  年々増加の一途を辿っていると伺っていますよ。

 

□<…………。

 

 

 




言うまでもなく、フィクションです。
どこの国のことを指しているのかは自分にもわかりません。

次は力の本質と正体。その順位の入れ替わり。
南○トラフ地震と富○山噴火とか。


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MISSION 06 地獄洋の悪魔<カレー> - 衝撃の覚醒 - ~ 胃を労って眠れ ~
MISSION 6-12


他者は、報酬・義理・人情のいずれか1つ条件を満たせば使役することが出来る。
また、そのときの強制力は報酬、義理、人情に順ずる。

そして、これは人為的に悪魔を作り出そうとしたときの、その容易さとも同じ順列である。

人の中にはお金さえ積めば、人殺しの依頼をも良しとする人種が事実として存在する。

人はお金、情愛、道徳の順に、その媒介によって、悪魔になりやすい。


体育訓練。

いつもであれば、妙高型二番艦の那智が教鞭を執って、駆逐艦の指導をする時間である。

たまに、足柄や羽黒が代打で立つときもあれば、補助として入るときもある。

が、今は違っていた。

 

 

「どんなことするっぽい?」

「さぁ……? というか私たち駆逐艦以外の人たちまで……」

「空母組の人たちと戦艦勢、重巡に軽巡の人たちまでいるわね」

 

 

普段とは違うので、夕立の疑問はもっともではあるが、睦月もそれに対して答えを持っているわけではなかった。

睦月や如月の言うように、艦種の別なく、その場には大勢いた。

妙高型の三人まで揃っていて、駆逐艦の輪よりもずっと後ろの方に並んでいる。

 

 

「全員いるんじゃねこれ」

「点呼は取ってないからわからない……」

 

 

適当に答える望月に、それに冷静に返す弥生。

そして、そわそわと落ち着きのなく、どこか興奮気味に待機に我慢している根性型駆逐艦とただ単に、退屈を隠しきれない駿才型駆逐艦。

 

 

「っ……」ソワソワッ

「おっそーい……まだー?」

 

 

実は、今回のこの訓練は事前に詳細が通達されたことはなく、

急遽、平常の予定を変更して組み込まれたものであった。

 

話が変わるが、実はその場にいる全員が体操着ブルマかジャージだった。

 

しばらく、わいわいがやがやと姦しく騒いでいた群れだったが、

先頭に今回の訓練監督官が現れ、それは自然と収まっていった。

 

 

 

 

多くの者が、今目の前にいる監督官が何を言い出すのか、ということに

関心のすべてを寄せていたはずである。

 

 

「――まずは、お前等全員の体幹のバランスから見させてもらうぞ」

 

―ザワザワッ

 

「体幹……?」

「バランスって航行のときの?」

「……今さら?」

 

 

「――ちょっとーっ? 言われた物全部用意したわよー。

 はぁ~……やっぱりもう一人来てもらうんだったわ……」

 

 

一同が騒然としている中、気付いていた者がいたのかいなかったのかは不明だが、

その場には居なかった陸奥が小走りに群れに寄って来た。

両手にそれなりの大荷物を持っている。

 

 

「ああ、悪いな」

 

 

((あれ? 陸奥さん私服……))

 

 

少し頑丈そうなビニール製の手提げ袋を見るに、外出許可の元、外に買い出しに出ていたのだろう。

 

 

「……お前、その恰好のままやるのか?」

「え、あたしもやるの?」

「全員つったろ」

「え。記録係じゃなかったの?」

「両方だ」

「えぇ……人使い荒いわね……。わかったわ、着替えてくる……」

 

「「……」」

 

(陸奥さんっ……くっ!)

(……チッ!)

 

 

先程までの場の騒然とした空気は収まったが、代わりに微妙な空気感に切り替わる。

金剛型姉妹の方に至っては、また一段違う空気が漂っていた。

実際には、他にも点々と似たようなスポットはあった。

 

 

「……とりあえず、スタンド立てるか」

 

 

面倒くさそうな空気にはあえて触れないスタイルなのか、

"当人"は意にも介さず、陸奥がその場に置いて行った大袋から何かしらを取り出そうとする。

そしてそれを覗き込む駆逐艦。と、その他の幾人かの艦娘たち。

 

 

「ん? それは……?」

「あー知ってるそれ!」

「私も見たことあるかも」

「なんでそれ?」

 

 

様々の声。

バッティングティーだった。次いで野球バットとボールが取り出される。

 

 

「バットとティーは3セットだ。ボールは……9か。

 あいつ、店で見栄でも張ったのか? 持てるだけつったろ……」

 

 

実際はどうだったのか、それは置いておくとして、ダンテは続ける。

 

 

「ティーはそれぞれ適当に離れて三か所に置いて、バットと、あとボールは3個ずつ持って行け。

 ボールはほとんどねェから戻すやつもいるぞ。それも適当に決めといて、後で向かい側で待機しろ」

 

「はい! 外野やりたいっ!」

 

 

面と食らっている面々の多い中、元々普段から活発なとある駆逐艦から、

面白そうだと言わんばかりの声が意気揚々と挙がる。

 

 

「haha, まぁ実際、そんな盛り上がるようにはならねェと思うがな」

 

「「……?」」

 

 

何ゆえ買い物に? なぜ買ってきた物がそれ? なんで訓練で野球練習?

これだけ大勢いて盛り上がらないとは?

授業が訓練が始まって以来、終始疑問符の尽きない一同だったが、号令のあった後は皆素直に動き出した。

幾人かは訓練開始初期から、疑問の他にずっと胸の内に募っている物が未だにあったようだが。

 

 

「……」

「……加賀さん?」

「……あ、はい」

「行きましょう?」

「……ええ……」

 

 

 

 

各々設置は完了したようで、次第に再び、訓練監督の元へと整然と集まり出す。

設置後の動きに関しては、ダンテとしては、そのときになってからまた別途流すつもりだったので、

特に話はしなかったが、自然と自分の所に集まってきた艦娘たちの様子を見て、

ダンテは内心、感心していた。

 

 

「――よし、次のを話すぞ。まずは3つのグループに分ける。基準は体格だ」

 

 

一瞬、場がざわつく。

重巡高雄から手が挙がる。

 

 

「えっと……艦種で分かれる、ということでしょうか?」

「いや体格だ。大まかに大・中・小で分かれろ」

 

 

聞き間違いでも、監督者の思い違いでもないことを一同は理解する。

 

 

「海側にある方のティーから順に、小・中・大の組で後で集まれ。

 とりあえず全員、一旦真ん中のティーの所に来い」

 

 

ダンテの後に続く形で、ぞろぞろと全員移動を開始した。

 

 

 

 

「――あー……、テンリュウ、来い」

 

「! お、おうっ!」

 

 

中央のティー周辺に円状に広がって集まった後、監督に第一に呼ばれたのは天龍だった。

 

 

「へへっ、一番手か。燃えるねぇ! 思いっきりかっ飛ばしてやるぜ!」

「意気込んでるとこ悪いが、目を瞑ってやってくれ」

「……へっ?」

「あとチャンスは一回だけだ」

 

 

一瞬で、全員が監督の説明に集中して聞き耳を立てる。

 

 

「一回やった後、そっからさらに3グループに分ける。

 ……そうだな、適当にABCでいい。

 今度の基準は、当たったやつ、かすったやつ、外したやつだ」

 

 

直前まで、楽しそうにしていたメンツの顔が若干陰る。

 

 

「スイートスポットってのはわかるか?」

 

「スイートって、あまい……だっけ?三隈」

「いろいろと意味はあったような気はしますの……」

「……甘い……あ〇……?」

「ちょっ、熊野っ……///」

「確か……バナナの?」

「えぇっ!! そっちぃ!?////」

(それはシュガースポットよ、榛名……)

「そっちって、どっちですの?」

「えっ!? いやっ……///」

「ハイ! 雑誌とかでおススメ特集されたデートスポットのことデース!!」

「あぁ!なるほどっ! さすがお姉さま!!」

 

 

一人、顔を真っ赤にして目口元を緩めながら、やたらと大声を上げている重巡がいた。

 

 

「ok... 難しい話はナシだ。

 ボールをバットの芯部分で打てたやつはAグループ、

 それ以外で打ったやつはB、そもそも当てられなかったやつはCだ。いいな?」

 

 

騒めき出す艦娘たち。

明確な返答などは聞こえてこなかったが、ダンテは構わず続ける。

 

 

「テンリュウ、ティーにボールをセットして、

 それの高さが自分のヘソの位置と同じになるように調整しろ」

「お、おう……」

 

「出来たら、ポジションに立ってから目を瞑って打て。それだけだ」

「それっていつもの冗談じゃなかったのかよ……。わーった。――あっ」

「どうした?」

「そういや記録は? 陸奥さん待たなくていいのか?」

「あぁ、これの記録は取らねえ。ただのグループ分けだ」

「う、うん……?」

 

 

 

 

天龍がセットを完了し、バットを振る直前までの準備を終える。

ダンテも、周りに控えている艦娘も天龍を固唾を呑んで見守っていた――

 

 

「ちゃんと飛ばせよ、天龍!」

「天龍ちゃん頑張って~♪」

 

 

――わけでもなかった。摩耶の野次・龍田の激励が天龍に向けられて飛んでくる。

 

 

「……言われなくてもやってやるってーのっ!!」

 

―カン…

 

 

乾いた音がした。

その後、ボールはボテッと地面に落ちる。

 

 

「「……」」

 

「……ほれ、次だ。どんどん打ってけ。ティーは一応その都度、セットし直しだからな。

 自分が打つ所のティーは間違えんなよ、若干でも手間が増えるぞ」

 

 

ダンテのその言葉の後、皆は移動を始める。

 

 

「ほな鳳翔、うちらも中組のティーの方行こか」

「……えっ……」

 

 

 

 

「――なんでやっ!?」

「一目瞭然でしょう、早く行ってください。

 後がつかえているの。こんなこと、とっとと終わらせたいのよ」

「行きましょう龍驤ちゃん! あんまり騒がないで……///

 途中まで付いててあげるから……!///」

 

 

「……なぁ、大将……オレって……」

「お前はBだ」

「……うっす……」

 

 

「あいむれでぃっ!」―ブンッ …スカッ…

 

「「……」」

 

「……えーと、どっちの意味だったのかな?」

「は、発音が……」

「どっちにしてもアウトなバッティングだったと思うんだけど……」

 

 

「――ええっ!? そんなぁ!!」

 

「Oh... 比叡だけギリ中組ネー……」

「まぁ、ほんの一時の間だけですし……。このあとはまたわかりませんが……」

「誰から行きましょうか……?」

「よし、では一番手はこの長門が行かせてもらおう。榛名、そのバットをこっちによこしてくれ」

「あ、はいっ」

 

「……んー、重巡以上はほとんど大組はかしら?」

「えっと……私たち高雄型と妙高型は……そうね、概ねそんな感じね。

 ……あぁでも、最上型と空母組はまちまちね……」

 

 

「…………ちゃー、しゅー……ぬーいっ!」

―カキーンッ!!

 

「なにそれっ!?」

「でも打った!? アホみたいな掛け声だけど打ちましたよ!?」

「マジか~っ!? なんでこの後がうちなんじゃー!!」

 

 

 

 

ある程度は誰もが予想したであろう結果となった。

Aが当然一番少ない。しかし、Cが予想外に多い。

Bと同じか、もしかするとそれより若干多い可能性すらある。

 

この結果に、多くの艦娘が愕然としていたが、監督であるダンテの反応は逆だった。

 

 

「……まぁ、こんなとこだろうな」

 

((!))

 

 

「――お待たせー。……え……?」

 

 

遅れて合流した陸奥に対し、一斉に皆の視線が集まる。

 

 

「なにこの空気……」

 

「あとはお前だけだ」

 

「……?」

 

 

 

 

「……なんか注目がすごい気がするんだけど……」

 

 

目を瞑りながらでもわかるのか、陸奥は言った。

 

 

「いいから打て」

 

「なんなのよ、もう……っ!」

―カキーンッ!

 

「「!!」」

 

 

「……ま、だろうな」ha

 

((……?))

 

 

 

 

全員が打ち終わった。

艦娘はそれぞれ、A・B・Cの組に分かれ、群れをなしている。

"一見したところでは"、三組各々の共通点は見付け難い。

艦種も様々なのだ。当然、体格も。

ひょっとすれば、気付いている者もいたのかもしれないが、

"それ"が明確にわかっているのは、おそらくこの場にいるただ一人なのだろう。

 

 

「――んじゃ次だ。さっそくで悪いが、さっさと始めるぞ」

 

 

先のことがあってか、皆が身構える。

次はどんな奇妙なことをさせられるのか、と。

 

 

「HA! そう力むなよ。今度のはもっと簡単だ。すぐに済む」

 

 

その言葉を信用した者は、実際には少なかった。

 

 

 

 

―パシャ

 

「――ん?」

 

「はい、オッケー。もういいわよー」

 

「え、今撮ったのか?」

 

「ええ。んー……はい」

「……うぉ!? マジで……?」

 

「テンリュウ、お前は2だ」

 

「ん? 2?」

 

「ああ、B2だ。忘れるなよ」

 

 

場所は少し変わって、グラウンドの大広場から離れた用具倉庫の裏。

艦娘たちが集まっている場所からは、完全に遮られている。

 

 

「……なぁ大将、これもだけどさ、結局今までのってなんなんだ?」

 

「あとで全員にまとめて話す。次のやつを呼んで来い。

 そしたらお前も群れとは離れて少し休憩だ。先に終わったやつらのとこで固まっとけ。

 あと、まだのやつには何をやったかは話すなよ」

 

「……わーったよ」

 

 

返事の後、天龍は、まだまだ残り人数の多い群れの方へ駆けて行った。

 

 

「……これ、けっこう2が多いわね」

 

「Hah... 俺の見立てじゃ、"4分の3"が2だ」

 

「そんなに……。ていうか、やっぱりこれって全員分撮っていくのね……」

 

「ああ」

 

「ん~作業自体は楽なんだけどねぇ。

 やっぱり皆、いきなりやれって言われても戸惑っちゃってるし、

 単純に人数で時間はかかりそうね」

 

「事前の情報も準備も何もなしで、いきなりやらせてどうなるか、ってのも見てるからな」

 

「……あたしもいきなりスマホよこせって言われて、ポーズ取らされた後に

 写真撮られたときは、何かと思ったわよ……」

 

「HaHaHa. おっと……言い忘れてたぜ。ムツ、お前は――」

 

「A1?」

 

「……おう」huh..

 

「了解」フフフッ

 

 

 

 

「――それでは、次は陽炎を呼んできます」

 

「ええ、よろしくね」

 

「……」

 

 

"記録"が終わった後、不知火は速やかに場を離れ、自分の姉の方へ番を告げに行った。

それを見送った直後、軽く"伸び"をしながら陸奥がこぼす。

 

 

「ん~っ……はぁー……。半分ってところねぇ」

 

「……ああ」

 

「このあとは、全体に向けて話すのよね?」

 

「そうだ」

 

「そのあとは?」

 

「各クラス毎に現状を把握させた後、それぞれにメニューを作る」

 

「各クラスって、A・B・Cと1・2の組み合わせの6クラス?」

 

「そういうことだな」

 

「――って、メニューってあなたが作るの?」

 

「ざっくりしたやつな。……つっても、手を借りたいとこもあってな……。

 それ頼めるか?」

 

 

返事の代わりに、にやにやとした表情で陸奥がダンテを見返す。

 

 

「……なんだよ」

 

「あたししかいないんだ?」ンフフフッ

 

「ン、ああ……」

 

「いやぁ、人使い荒いわねぇ~」

 

「……」

 

 

言葉とは裏腹に、語調も口元も緩みきったまま、ぼやき始める陸奥だった。

 

 

「秘書艦って、こんなに大変だったのねぇ~。

 それとも"ここ"だけなのかしら……。何にしても一人で勤め上げるのは大変ねぇ」

 

 

なんとも言えない顔を、ダンテはしている。

それを知ってか知らずか、陸奥は続けた。

 

 

「ねぇ?」

「……あ?」

「間宮の新作って、あなたのアイディアらしいじゃない?」

「……あー、どうやらそうらしいな」

「……最近、少しくらい自分にご褒美があってもいいかなーって思う日が多々あるのよねぇ」

「……」

「そういえばあたし、まだ誰かさんに貸しにしてる分が――」

「オーライ、この後でな……」

「……ふふふ」

「……なぁ、ムツ」

「あら、なに?」

「お前のその、秘書艦ってやつなんだがな」

「ええ……?」

「それってのは別に、お前じゃなくても――」

「は?」

「」

 

 

 

 

……続くっ!!



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LEGENDARY SWEET ANGELS
MISSION 01


艦娘だけで作戦任務を遂行していくモードです。





*現在、未開放のssモードです。 開放までお待ちください。


―――――――


日出づる国の未来について。

国民が滅びる前に、国が滅びれば、国は瞬時に再生し、復興する。
そして間もなく、この国は真の世界の中心となり、
この国の民は真の世界の王となる。

しかし、国が滅びる前に、民が先に滅びた場合、
それは世界と星の終わりとなる。

諸外国がこの国を陥れようと、民の滅亡を画策している。
この真実に気付いていないのは、この国の民ばかりである。


1026
1016
or
11xx


長門

「依然として、この問題は当鎮守府においては最大級の悩みの種だった。

 ……先日も戦艦クラスが独断で出撃し、程度の問題ではなく、

 事態の困窮にさらに拍車をかけることになった」

 

大淀

「……」

 

陸奥

(……)

 

 

「「……」」

 

 

長門

「……そこで、今回――」

 

・・・・・・

 

大和

「大和が遠征隊にですか!?」

 

 

長門

「ああ」

 

 

吹雪

「やった!楽しみですね!

 

大和

「はいっ!」

 

 

「さすがに楽しみだ」

 

「もう響ったら!」

 

「まかせて!」

 

「なのです!」

 

 

長門

「おいおい、遠征であって、遠足ではないのだぞ……」

 

陸奥

「あらあら、うふふふ……」

 

・・・・・・

 

吹雪

「……あれ……? そういえば、このメンバーって……」

 

 

長門

「そうだ。 例の脚部に装着する新兵装の開発により、

 出撃用として必要となる資材量が単純に減少したんだ。

 しかし、出撃に関して敵は同様に

 例の特殊兵装を装備していることが予想されるために、

 こちらも同様に、その特殊兵装を装備している者だけに集まってもらった」

 

 

「「……」」

 

 

長門

「現在、総合的に資材の必要量が下がったからといって、

 これまでの資材が不要となるかといえば、そうではない。

 弾薬や新兵装の開発などにはこれまで同様に、やはり必要となる」

 

大淀

「それに対し、例の石……これ以降、当鎮守府ではあれを魔石と呼称しますが、

 その魔石の小さい方の物はあまりにも潤沢です。余りに余っています。

 そこで、その小さい魔石を代償に資材の獲得、つまりは交換するための作戦、

 といったところでしょうか」

 

長門

「その特殊任務のための、いわば特殊部隊だな」

 

 

天龍

「特殊……特殊っ……うぉぉおー!!」

 

龍田

「あらあら~」ウフフ~

 

 

長門

(……まぁ結局は要は遠征部隊なんだが……)

 

・・・・・・

 

大和

「――それでは、"大和" 推して参ります!」チャキッ…

 

 

大和

「お願いしますよ、"大和"…!」

 

 

浜風

「……厳密に言えば、私達の兵装は括りが違ったと思いますが…」

 

翔鶴

「ええ、そうね。

 でもその私達にも召集がかかったということは、そういうことなのでしょうね」

 

浜風

「ぁ……」

 

翔鶴

「頼りにされている。 一緒にがんばりましょうっ」

 

浜風

「……はいっ!」

 

 

天龍

「……なぁ、龍田」

 

龍田

「なぁに~?天龍ちゃん~」

 

天龍

「……あれ、使うつもりなのか?」

 

龍田

「……ん~どうだろ~? まだわからないかなぁ。

 そのときになってみないと~」

 

天龍

(……)

 

龍田

「……んふふ。

 心配してくれてるの~?天龍ちゃん」

 

天龍

「……必要がなけりゃ、当然使わねぇ。

 ……そうだよな?」

 

龍田

(……)

「まぁ、そうかな~。 あれも使うと、あとあとけっこう辛くなっちゃうしねぇ。

 毎回のテスト…っていうか履行? それもけっこう大変だし~」

 

天龍

「……わーった。

 オレ達もそろそろ行くか。 龍田」

 

龍田

「……うん、了解~」

 

・・・・・・

 

テクテクテク

 

天龍

「……」

 

龍田

「……」

(……天龍ちゃん……)

 

 

――――――

 

 

龍驤

「なんや祭りの射的とかでよう見るヤツやなぁ。

 ライフル、っちゅうやつか?」

 

浦風

「正しくはハーフライフルショットガン、って言うらしいねぇ」

 

龍驤

「らしいって……そんなんで大丈夫なんか……?

 そないな物騒なもん持って、いざ不慣れで使えません、じゃ困るで?」

 

浦風

「心配無用じゃ!

 こしらえてもろた夕張さんに基本的なことは教わって、

 ちゃんとした使い方は不知火姉さんに手取り足取り教えてもろぉたんよ!」

 

龍驤

「ふ~ん」

 

浜風

「……二人とも、そろそろです。 我々も行きましょう。

 それと……浦風、くれぐれも」

 

浦風

「わかっちょるて。

 接敵しちょるときはむしろ味方の位置に注意、じゃろ?」

 

浜風

「十分です。

 では、……? そちらの二人はまたどうかしたのですか?」

 

不知火

(撃つ度に……揺れる……)

 

陽炎

「あぁいや、何でもないわ……。

 ……ふぅ、行きましょうか」

 

浜風・浦風

「?」

 

 

――――――

 

 

龍驤

「……うまいこと岩影で近づけたなぁ」

 

浜風

「はい。 そして幸いなことに、これほど距離を保てば、

 敵の索敵能力も著しく低下するようです」

 

龍驤

「…む」

 

陽炎

「つまり、」

 

不知火

「ここならばまだ気付かれない」

 

浜風

「はい。

 ……浦風、先制してください。 貴女のタイミングで構いません」

 

浦風

「はぁいよー。

 ……かちこみじゃねっ」…ジャコンッ!

 

―ズォォンッ!

 

 

  -嘩血虎魅-

 

 

龍驤

「っい! なんちゅう音やっ…!」

 

浦風

「もう一発じゃ!」ムニュン

 

龍驤

「…ん"っ!?」

 

陽炎

「胸から取り出したっ…!?」

 

不知火

「やめなさいと言ったのに……」

 

浜風

「……」

 

浦風

「だってこの格好だとこっちのが早いんじゃもん」カシャッ

 

  -お○ぱいリロード-

 

―ジャコンッ!

 

 

龍驤

「」

 

 

ズォォンッ!

 

・・・・・・

 

浦風

「よっしゃ!」

 

陽炎

「完全にびびってるわね! 不知火っ!」

 

不知火

「はい! 突撃します! 浦風、前衛を!」

 

浦風

「任しとき!」

 

ザザァー!

 

 

龍驤

「……ぷ、ぷるんぷるんしとるっ……撃つたんびにぷるんぷるんっ……!」ワナワナ…!

 

浜風

「……」

(帰ったら、いくつかサポーター申請しよう……自分の分も……)

 

 

――――――

 

 

敵駆逐艦s

「!!?」

 

 

ザザァー!

 

不知火

(手筈通り、両翼に裂く……!)

「浦風! 今ですっ!あれを!」

 

浦風

「あいよ! もう入れ替えとるよっ!」チャキッ…

 

陽炎

(浦風の後に、私は突っ切る……!)

 

 

 

敵駆逐艦

「ギッ…!」ガション!

 

 

 

浦風

(砲撃…! …じゃかぁしいっ!)

「おどりゃあ! そこ退けやー!」

 

  -魔巣汰亜鬼威-

 

ズダァーンッ!

 

 

敵駆逐艦

「ッ…!」…ボシュッ!

 

 

 

 

 

・・・・・・

・・・

 

 

 

海上であるのにも関わらず、大きな"揺れ"が発生した。

 

同時に、海面に黒い大きな影が映る。

 

 

 

「「っ…!!」」

 

 

 

作戦の海域にいる艦娘全員がその様相に声を失っていた。

 

そして、

 

 

 

 

それは現れた。

 

 

 

島風

「っ……!」…ザザッ

 

浜風

「なっ…!?」

 

陽炎

「黒い巨人……!」

 

不知火

「ですが、あの姿は……」

 

龍田

「あれは……戦艦の砲かしら?」

 

大和

「……詳細まではわかりませんが、旧時代のいろんな戦艦の部品等が

 ごった返して見えます……!」

 

天龍

「何だってそんなもんがっ…!」

 

霧島

(……っ! まさか!)

「……これは完全なる憶測ですが、今目の前に見えている巨人の体にある各種部品は

 元は"海底"に沈んでいた物なのかもしれません……。

 敵は……深海棲艦はそれを集めて……」

 

榛名

「そんなっ……!」

 

金剛

「……マァ、もうこっちだって"イロイロ"と非常識じみて来てマスからネ……。

 可能性としてなくはないと思いマスガ…」

 

比叡

「で、でもなんでそれであんなになるんですかっ!?

 ぐちゃぐちゃにくっつているように見えますけど、人型っぽいですよっ!?」

 

「しかも動いてるわっ!」

 

「怖いのです……」

 

「私的には少し気味が悪いかな……」

 

「か、顔まである~っ……」ブルブルッ…

 

浦風

「っ……えぇいっ! うちのライフル弾で……!」

 

龍驤

「ちょい待った!! あんな得体も知れんもん、うかつに手ぇ出したらあかんっ!

 いったい、何があるやら…!」

 

夕立

「でもなんか夕立的には、ちょっとかわかっこいいっぽい!」

 

睦月

「もうっ! こんなときに夕立ちゃん!!」

 

吹雪

「と、とにかくっ! 一度皆さん後退して…ってあれ!?

 島風ちゃんがいないっ!?」

 

「「!?」」

 

 

―ブォンッ!

 

 

翔鶴

(まずいっ!!)

「皆さん、来ますっ!!」

 

浜風

「か、回避ーっ!!」

 

 

ザバァーンッ!!

 

 

――――――

作戦部

 

 

長門

「状況は!?」

 

大淀

「もう何がなんだかですけど、通信通りに報告しますっ!

 謎の黒い巨人が海域に出現したようです!!」

 

長門・陸奥

「……は?」

 

 

――――――

 

 

明石

「あんなものまで……!」

 

夕張

「……止む得ないわ。 明石」

 

明石

「っ……仕方がありませんね…」

 

 

―タタタッ!

島風

「ねぇっ! あれ! いるんじゃないのっ?」

 

 

明石

「っ…島風ちゃん…!」

 

夕張

「…ええ、その通りよ。

 よく戻ってきてくれたわ。 悪いけど、あの子達も呼んで来てもらえる?」

 

島風

「お安いご用だよっ! だって速いもんね!」

 

夕張

「私達はもう艤装を着けて、海上に出てるわ。

 合図はそこから出すから」

 

島風

「はーいっ!」

 

タタタターッ!

 

 

明石

「……」

 

夕張

「…ぼーっとはしてられないわ。時間がない。 行くわよ、明石!」

 

明石

「……はいっ!」

 

 

――――――

作戦海域

 

ザザァー!

 

霧島

「総員、分散してください!」

 

浜風

「固まっていてはいい的です!」

 

不知火

「三個分隊に手早く分かれましょう!」

 

 

「「了解!!」」

 

 

吹雪

(……島風ちゃんっ……)

 

 

――――――

作戦海域・近海

 

ザァー!

 

夕張

「……これくらいかしらね」

 

明石

「該当の海域からも程近い。 夕張!」

 

夕張

「ええ」ザッ ←無線(夕張作の独自機)

 

 

――――――

工廠

 

―ザザ

 

如月

「っ! き、来たわっ!

 はい、こちら如月です!」

 

夕張

『こちら夕張。 いつでもいいわ! 如月ちゃん、皆に号令をっ!』

 

如月

「りょ、了解っ!」

 

ザッ…

 

如月

「……みんな、始めるわよっ!」

 

 

島風

「おぅっ!」

 

望月

「マジでやるのか……」

 

弥生

「……」

 

・・・・・・

 

―コトンッ

 

如月

「……よし、セットは完了ね」

 

 

望月

「……なぁ、何で今時ラジカセなんだ?」

 

 

如月

「私に聞かれても……。

 夕張さんにこれを使ってって言われただけだし……」

 

 

弥生

(というか必要なのかな……)

 

島風

「ねぇ、早くっ! 急がないとっ!」

 

 

如月

「あっ、そ、そうねっ!

 ……それじゃあ」

 

 

望月・弥生

「……」

 

島風

「っ」ワクワクッ

 

 

如月

「――ミュージック、スタート!」カチッ

 

―テテ、ダンダン タンタンタン タッター♪

 

 

如月

「三人とも、がんばって!!」

 

 

望月

「うぉおーっ!」キーコ

 

弥生

「ふっ…んぅっ…!」キーコ

 

島風

「おぉうーっ!」シャシャシャー!

 

 

如月

「ファイト~っ」シャカシャカシャカ♪

 

・・・・・・

 

ダンダン タンタンタン タッター♪

 

 

望月

「っ…お、おい! 弥生、だんだん遅くなってるって!」キーコ

 

弥生

「だ、だって…っ」キーコ…

 

 

如月

「シーソーなんだから、一方が遅れると進まなくなるわ……」

 

 

弥生

「だったら…如月代わってっ……」ハァハァ…

 

 

如月

「……がんばって!!」シャカシャカシャカ♪

 

 

弥生

「マラカスだけなんてっ…ずるいっ…」キーコッ

 

 

島風

「~♪」シャシャシャー!

 

望月

「――って、島風はペダル漕ぐの速すぎっ!

 まだ完全にゲート開き切ってないだろ?!」キーコ!

 

島風

「オゥッ!?」シャシャッ

 

 

如月

「全部開いてからリフトを上げないと肩の部分とかをぶつけてしまうかもしれないわ……」

 

 

島風

「……オゥ…」カラカラカラ…

 

・・・・・・

 

ダンダン タンタンッ タララーラーラー♪

 

 

―ガコンッ

 

望月

「っ…よし! 開いたぞっ!」ハァハァッ!

 

弥生

「はぁはぁはぁはぁっ…」ハァッハァッハァッ…

 

ウィーン、ガシンッ

 

島風

「こっちも終わったよーっ!」

 

 

如月

「みんな、えらいわっ。ご苦労さまっ」シャカシャカシャカシャカー♪

 

 

 

工廠の中心部。

開けていたその場所に、後から増設したような開閉ゲートが全開放され、

その中からは自走電動式リフトで持ち上げられる形で

謎の黒い人型の機体が出現する。

 

 

 

望月

「……そもそも、なんでっ…こんな仕様にしたん、だよ~っ……」ハァハァッ

 

弥生

「もう、足が、ぱんぱんっ…」ハァハァハァッ…

 

 

如月

「さ、さぁ……? 夕張さんが言うには、様式美だからとかなんとか……」

 

 

島風

「ねぇっ、次は!?」

 

 

如月

「ぁ…ええ。

 えーっと……たしか、渡されてたメモに掛け声があって、

 それを皆で言ってから、それから……」カササ

 

 

望月

「掛け声っ!?

 いやもうそれはよくね!? 早くしてくれって! 帰って寝てぇっ……!」

 

 

如月

「もうっ 急かさないでよ~!

 そういうわけにもいかないのよ……。 だってこれ、起動は音声認識だって…」

 

 

弥生

「……弥生、そのメモ覚えてる。 要は最後のセリフが重要なだけ。

 それだけ言えば終わり。 あとはもう勝手に動いてくれる」

 

島風

「おーぅっ! じゃあ如月ちゃん、早くっ!」ワクワクッ!

 

 

如月

「………えっ」

(あ、あら? これってもしかして……)

 

 

望月

「……如月」

 

 

如月

「は、はい……」

 

 

望月

「頼むから早く」

 

 

如月

「はい」

 

・・・・・・

 

ラララーラーラーラララッ タララーラララー♪

 

 

如月

「……」

 

 

望月・弥生・島風

「……」

 

 

如月

「っ……だ、大宇宙1号丸、スタンバイOK!!///」

 

 

「「……」」

 

 

如月

(…くっ!)

「……READY?」

 

 

…プスッ クククッ…

 

 

如月

(~っ!)

「――GO!!////」

 

 

…シーン…

 

 

「「……?」」

 

 

如月

「……あ、あら?」

 

 

島風

「……何も起きないよ?」

 

望月

「……如月、セリフ間違えたんじゃね?」

 

 

如月

「え…そんなはずは……」

 

 

弥生

「合ってるはず……」

 

 

―ゴゴッ …ブィーンッ…

 

 

「「っ!?」」

 

 

―ブッピガァァン!

 

 

島風

「オウッ!?」

 

望月

「……やばくね?」

 

弥生

「た、退避してっ…」

 

如月

「ふわぁぁ!」

 

テテテテッ!

 

 

―ゴゴゴゴ…………シュィーンッ! ブォォーンッ!!

 

 

 

望月

「うくっ…!」

弥生

「んぅっ…!」

如月

「ぃやだっ、髪が傷んじゃうっ…!」

島風

「はっやーいー!」キラキラキラ

 

・・・・・・

 

タタンタ タタンタ ダンッ ラーラーラーラララー ラーラーラッ♪ ―カチッ

 

望月

「ふぅ……しっかし、すごいねぇ~…。

 もうあんなに小さく見えてっし」

 

弥生

(……)ジー…

 

島風

「すごいすごいっ! じゃあ私、あれ追いかけながら戦線に復帰するからっ!」シュビッ!

 

 

如月

「元気ねぇ~……」

 

望月

「なんにせよ、終わったぁ~……。 帰って休むわ……。

 待機組だし。

 ……ん? 弥生?」

 

弥生

(……まぁまぁ、だったかな…)

「……しっかりやるんだよ?」ボソッ…

 

望月

(?)

 

 

 

――――――

作戦海域

 

 

陽炎

「皆! 警戒は怠らないで!」

 

 

 

「「了解!」」

 

 

 

吹雪

「あんな大きい敵なんて……!」

 

夕立

「あのたくさん付いてる砲台って全部使い物になるっぽい?」

 

睦月

「私に聞かれても……。

 でもそれは考えたくないね……」

 

 

 

―ヒュォォッ ドシューンッ!!

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

――――――

作戦室

 

 

長門

「さっきの振動はなんだっ!? 地震かっ!?」

 

大淀

「ちょっと待ってくださいっ…………いえ、地震ではないようです!

 地震速報などは出ていません!」

 

陸奥

「私ちょっと鎮守府の様子を見てくるわ!」コツコツッ

 

 

――――――

作戦海域

 

―フィィーン…

 

 

浜風

「」

 

陽炎

「今度は黒いロボットぉ!?」

 

不知火

(先ほどの音の方角っ……)

「……まさか、これは鎮守府の方角から来たのでは……?」

 

 

『皆、大丈夫!?』

 

 

龍田

「あら……この声って」

 

 

『……よかったっ…! 出撃していた人、まだ全員健在ですね!』

 

 

大和

「夕張さんと明石さん……?」

 

天龍

「あれに乗ってんのか!?」

 

霧島

「あんな物、いつの間に……」

 

榛名

「榛名はもうわけがわかりません……」

 

比叡

「ひえぇ……」

 

金剛

「でも正直、デザインはかなりイケてるネ!」

 

「かっこいいっ!!」

 

 

夕張

『ありがとうっ! そう言ってもらえると嬉しいわ!』

明石

『えへへっ…』

 

 

浦風

「あ、うちらの声はちゃんと聞こえとるんじゃね」

 

「はわわわっ」

 

「ハラショー。 あれにはとてつもない力を感じる……!」

 

「~~っ!」キラキラキラ

 

龍驤

「ほんで夕張と明石! そのロボットはいったいなんやねん!

 うちらは今絶賛大ピンチ中なんや! 二人のお遊びに付き合ってるヒマは――」

 

 

夕張

『お遊びとは失礼ね!

 今大ピンチなんでしょう? だからそのためよ!』

 

 

翔鶴

「ま、まさか……」

 

 

夕張

『そのまさかよ! こんなこともあろうかと!』

明石

『作っておきました、巨大ロボ!』

 

夕張・明石

『複座搭乗式超大型特殊兵装・汎用人型決戦兵器 "大宇宙1号丸" よ! です!』

 

 

「「」」

 

 

 

《………オォォーンッ!!》

 

 

 

浜風

(…!)

「総員! 第二撃、来ますっ!!」

 

 

「「!!」」

 

 

夕張

『皆、下がってて!』

明石

『てぇやぁぁあーー!!』

 

――ザァッ ガキィンッ!!

 

 

 

「「!!?」」

 

陽炎

「受け止めたっ……!」

 

不知火

「……いえ、微妙に押されています……!」

 

 

――――――

 

明石

「ぐっ……重い…!

 これは、もう……夕張っ!!」

 

夕張

「っ……わかったわ……いきなりだけど、使うしかないみたいねっ!

 皆、もっと離れて! もっとずっと遠くに!!」

 

――――――

 

 

 

霧島

(よくはわかりませんが…!)

「皆さん、夕張さんの言う通りにしましょう!

 全艦、広域散開!」

 

 

「「…了解!!」」

 

 

 

――――――

 

明石

「全艦安全距離、確認了!」

 

夕張

「了解!

 それじゃ、BGMスタートよ! SEも忘れないで!」

 

明石

「わかってます!

 サウンド、ON!!」

カチリッ

 

―ダァン! ダンダダダン ダダダン ズダダダン♪ 

 

――――――

 

 

パラッパッパッパッパパラーラ♪

 

 

龍驤

「今度はなんやぁっ!?」

 

翔鶴

「これは、何かの音楽ですね……」

 

浦風

「でもなんやかっこええね♪」

 

 

 

――――――

 

パラッパッパッパッパパラ パララーラーラー♪

 

明石

「サウンド良好!」

 

夕張

「オッケー!

 ……ではこれより、本機の可動制限を全て解除!

 さらに"D-ブースター"との連結を開始します!」

 

明石

「本機可動制限の全解除、了解! 全制限解除、開始します!」

―パチン!

 

明石

「可動制限全解除、完了! 続いて"D-ブースター"との連結、開始します!」

カチカチ、グィンッ

 

明石

「"D-ブースター"連結中……異常なし! 正常完了です!」

 

夕張

「――よしっ!

 では最後にシステムを発動します!

 こちらが合図しますっ!

 合図をしたら、トリガーについてる赤いボタンを押しながら、同時に引く……!

 タイミング、間違えないでね……!」

 

明石

「把握してます!」

 

夕張

「……"システム-iD"発動!」

 

―カチン!

 

夕張・明石

「――iD・トリガー!!」

 

グィーン!

 

――――――

 

 

 

吹雪

「けっこう遠くまで離れちゃったけど、本当に二人を置いてきても……」

 

睦月

「……っ!? 吹雪ちゃん見てあれっ!!」

 

吹雪

「え……っ!!」

 

夕立

「っ……!」

 

 

 

――――――

 

 

 

陽炎

「変形したわっ……!」

 

不知火

「っ……ですが妙です……。

 一回りも大きくなっているように見えます。

 それに先程までと違い、外装の色が赤くなっている……。

 あれはいったい……」

 

浜風

「……よく見ると、背中にあったパーツがなくなっています。

 それと関係があるのでしょうか……?

 背面に見えている緑の羽のような物にいたってはもう完全に謎ですが……」

(赤い姿……そして、緑の羽……あれは……)

 

 

 

――――――

 

 

 

吹雪

「……っ」

 

夕立

「……ルルの……」

 

睦月

「……夕立ちゃん……?」

 

夕立

「……夕立、アイツ知ってるっぽい……!」

 

吹雪・睦月

「……え?」

 

 

 

――――――

 

ターター ターター♪

 

夕張

「うぐっ……暑いっ……!」

 

明石

「機内温度、現在92℃!」

 

夕張

「92っ!? 事前に算出してたのより7℃も高いじゃない!!」

 

明石

「所詮、想定値だったってことですよっ!

 鎮守府で実施するわけにはいかないから、仕方ないんですけど……!」

 

夕張

「っ……少しキツめのサウナってところね……!」

 

明石

「いくら私達が艦娘といえども、長居し過ぎればただの毒、不健康です……!

 もちろん、これもっ…!」

 

夕張

「わかってるわ……。

 どの道この状態自体、そんなに長く維持していられるようなものでもないしね……。

 機内でまだ動けるレベルなだけマシか……それで、"外"の方は?」

 

明石

「……採用した電磁波放射型冷却システムで、機体変形後の装甲表面及び、

 背部の放射冷却ユニットによる熱放射、正常機能中。

 通常ラジエータによる冷却稼動も規定値です。

 ……ただ、そもそもの、発生した熱量が想定していたよりも大きいため、

 排熱が追いつかず、機体の冷却は…やはり不十分です……」

 

夕張

「……さぞ、傍目から見てる分にはけっこうな見物になっていることでしょうね。

 赤熱で真っ赤になった機体の装甲に、可視域波長混じりの放射波で大空間発光。

 ……ふふふふっ、たぶん背中からは光の"羽が生えてる"わねっ」

 

明石

「見てみます? 外カメラで。

 機体装甲にいたっては元々輻射のためだったとはいえ、

 せっかくの黒デザインが見る影もないと思いますよ?」

 

夕張

「録画しといて!

 "羽"もちゃんと見ときたいけど、それでもとくに装甲!

 状態データはやっぱりちゃんと取っとかないとね!」

 

明石

「……とにかく冷却か……」

 

夕張

「そこはもう帰ってからの課題ね」

 

明石

「無事に帰れれば、ですけど……」

 

夕張

「そのための"この子"でしょっ!」

 

明石

「……ま、そうですねっ」

 

――――――

 

 

――――――

作戦部

 

 

大淀

「……えーと……ではつまり、夕張さんと明石も無断で出撃した、

 ということですか? その黒いロボットに乗って?」

 

浜風

『そのようです。 そして今はもうその機体は赤色に変わっています』

 

大淀

「………えーっと……」

 

長門

「頭が痛い……」

 

 

―ガチャッ

陸奥

「戻ったわ! さっきの振動の原因は多分工廠よっ!

 中で、下に大きいゲートみたいな物が作られてて、地下空洞になってたわ!

 そこで隠れて何かやってたみたい!」

 

 

大淀

「」

 

長門

「……工廠内に地下を作って、秘密裏に兵器開発だとっ……?」プルプルプル…

 

 

長門

「そんなの大本営にどう報告するんだ!?

 普通にどっちも重罪だぞっ!?」

 

 

陸奥

「私に言われても……」

 

 

陸奥

(……ぁ)

「――って、書くのあたしじゃないっ!! ちょっと!?」ガビーン

 

 

大淀

(特殊兵装の開発が始まって以来、ダンテさんへの付き添いの関係もあって、

 大本営への報告書全般の作成は陸奥さんの担当になってましたからね……)

 

長門

「……大淀」

 

大淀

「…あ、はい?」

 

長門

「あの二人、無線は?」

 

大淀

「……持ってないです……」

(故意なのかどうか、最早何も言いますまい……)

 

長門

「……わかった」

 

 

長門

「帰ったら覚えておけよ、夕張、明石っ……」ボソッ…

 

大淀

(……私はもう知らないわよ、明石も夕張さんも……)

 

 

――――――

 

 

――――――

 

タタタータララー ララーラー タララー ラー! ラララーララー♪

 

明石

「……なんか…」

(嫌な予感が……)

 

夕張

「さぁて、これ以上相手を待たせるのもさすがに悪いわね。

 明石、システムは?」

 

明石

「…あ、はい!

 えっと……うん、今丁度エネルギーの供給、飽和しました!

 準備完了ですっ!」

 

夕張

「了ー解!

 こっちもモーターのコイルがいいあんばいにあたたまったわ。

 ……始めましょうか、メーンイベントを!!」

 

明石

「……夕張、分かってるとは思いますけど」

 

夕張

「……ええ。 最低でも、機体が融解して自壊する前に、でしょ。

 分かってるわ。 62秒でケリをつける……!」

 

明石

「62秒……把握です!

 …あ、BGM変えますね。SEも戦闘時の物に切り替えます」

 

夕張

「お願い!」

 

カチッ

 

―ババン! ダンダン ダダダン ダダ ダダダダ♪

 

 ―パリィーンッ…

 

――――――

 

 

《……ゴルッ…!》

 

グググッ…

 

夕張

『ふぬっ……どっせぇーいっ!!』

 

グワァッ!

 

《ゴウッ!?》

 

 

――――――

 

 

 

浜風

「っ…動きました!」

 

不知火

「押し返したっ……!」

 

陽炎

「やった!! そら行け! 行きなさぁーいっ!」

 

 

 

――――――

 

 

夕張

『せやぁああーー!!』

 

―ゴインッ!

 

《ヘブッ!?》

 

 

――――――

 

 

 

翔鶴

「仕掛けたわっ!」

 

龍驤

「って素手やんけっ! なんでやぁっ!?」

 

浦風

「武器とかないんじゃろか……?」

 

 

 

――――――

 

明石

「夕張! 武装は!?」

 

夕張

「"この子"的には邪道ってなもんよ!

 ていうかごめんっ、ぶっちゃけ間に合わなかったわっ!」

 

明石

「ですよねっ……!」

 

夕張

「でも問題ないわっ!

 無限の可能性を秘めた、この"大宇宙1号丸"なら……!」

 

明石

(っ……そうだ、"この子"となら)

「……私だって、最前線で戦えるっ……!」

 

夕張

「大艦巨砲主義の時代なんて、今もうとっくの昔に終わってるのよっ!」

 

明石

「……そうです、今はもうギ…じゃなくて、ロボットの時代なんですからぁっ!!」

 

夕張

「あともう十年もすれば、世界的にねっ……!」

 

――――――

 

 

 

夕立

「……9月の悪魔……!

 間違いないっぽいっ……夕立にはわかるっぽい……!」

 

睦月

(……)

 

吹雪

「……あのロボットの下の海……すごい湯気が出てる……」

(もしかしてあのロボット、今は物凄く熱くなってるってこと……?)

ケルビ

『……フシュ……』

 

 

 

――――――

 

 

 

榛名

「……ですけど、私たち見てるだけでいいんでしょうか……?」

 

龍田

「相手が相手だけど、まかせっきりになっちゃうのはねぇ……」

 

霧島

(隙を見て、安全距離を見極めて接近。 そこからの援護ならば、あるいは……)

「……金剛お姉さま」ザザッ―

 

 

 

――――――

 

 

 

金剛

「Hum! なるほどデース、了解しまシタっ!」

 

霧島

『私が援護可能な艦に通達しますので、

 金剛お姉さまにはその号令をお願いしたいのですが』

 

金剛

「Yeah!」

 

比叡

「……安全な有効射程距離まで接近して…」

 

大和

「援護射撃が可能な艦娘による一斉射撃、ですか…」

 

 

 

――――――

 

 

 

霧島

「――それでは、金剛お姉さま」

 

  -チェックワン-   *片鋏の赤剣 (ボンデージ)

 

 

金剛

「Yes! 皆サーン、準備はいいデスカーっ?」

 

  -ラブエナジー-   *魔力の気砲 (ゾディアック)

 

 

 

榛名

「榛名、いつでも大丈夫です!」

 

  -ディザイア-    *戦略級兵器形態 (番号・コード:PF594・アーギュメント)

 

 

浦風

「ちゃんと金剛姉さんに続くけぇ!」

 

  -嘩血虎魅-

 

 

比叡

「……気合、入れて……!」

 

  -エアクロウラー-

 

 

龍田

「私もいいよ~♪」

 

  -スカイブラッド-  *ソードブーメラン (SPD・ラウンドトリップ)

 

 

天龍

(………)…チャキッ…

 

  -ミズチ-

 

 

浜風

「……この特製ブレットなら、あの距離でもっ……」カシャンッ

 

 

翔鶴

「大きい………でも、きっとどこかに……!」…カチャッ

 

 

金剛

「Alright! 撃ちますよ!Fire~!!」

 

 

 

   -ファイヤーコーラス-

 

 

 




大和が遠征……? みたいな展開になってますが、後々の置きで一応は
補足していくつもりです。

というか多分、このss中の大和って艤装の主砲すらも、
一回も使わない可能性があるっぽいんですよね……まだ悩んではいますが……。

アニメの8話で長距離対空射撃とかやってましたけど、あそこのシーンでも
このssでは使用しないです。他の物で代用すると思います。

例えば有効射程実質無限大、距離・他環境依存威力減衰率零、
超高性能敵性体謎原理識別センサー・敵性体限定完全貫通性能、
非敵性体着弾時完全無力化自己炸裂消滅機能付のチートい兵装とかで……。



宇宙VS宇宙大戦編早く行きたいなぁー……



*工廠施設の無断改造、新兵器の無断開発とその秘密所持は
 公式には重罪になるそうです。決して真似はしないようにしてください。


・機体に供給される、稼動電力について

…鎮守府全体、ひいては工廠においても、一日に供給される電力量は決まっている。
 夕張と明石は工廠に分配されている電力から、毎日微量ずつの電力をちょろまかし、
 機体の稼動に必要な電力を蓄電して得ていた。

 実のところ、この機体自体にも自発電の機構が搭載されており、
 "電力以外の稼動動力"も得られている場合には、"過剰・余剰"となる分量は
 蓄電のためのエネルギー利用の方に回される。
 またこのシステムは、機体への過剰な稼動動力供給を抑え、それによって
 機体の超発熱を補助的に分散させるという役目も果たしている。


・機体発進フェーズの構築過程

…機体発進時用のゲート開閉、およびリフトアップに必要な電力も
 機体の電力確保のときと同様にすれば良いのでは、と明石からの一案が出たが、
 夕張によって、あえなくそれは却下される。
 理由としては、機体の方でさえ微量受電で時間をかけて蓄電させているため、
 そこからさらに電力を二分してしまえば、機体の稼動に必要な電力の確保が
 さらに遅延してしまうから、といったそれらしいものもあったが、
 なぜか最終的に採用されたのは、人力ならぬ艦娘力式・半自動型作動方式であった。


・D-ブースター

… "Devil Booster"。
 大量の魔石が敷き詰められている。
 機体の動力炉と連結して運用することを想定に設計された。


・システム-iD

… "Imitation Devil System"
 励起させた大量の魔石のエネルギーと動力炉を連動し、
 さらに機体も"それに適した状態"に変形させることで、このシステムは完成する。
 システムが完全に発動した機体のその姿は、あくまでも擬似的なものに過ぎないが、
 まさに"悪魔"のように見えるため、この名称が付けられた。
 暗号名:Knight of Fire




*元々、哲学や精神分析学における、id(イド)/Es(エス) とは
 無意識的防衛を除く、感情・欲求・衝動、そして過去における経験を
 内包した部分であるとされており、そこにはとかく本能的なエネルギーが
 充溢していると言われている。

 また、これはヒトの動因、
 様々な欲求に変換可能な心的エネルギーであるとされる"性欲動(リビドー)"と
 攻撃的、あるいは自己破壊に傾向する性質の"死の欲動(タナトス)"が
 生まれる源泉であるとも考えられている。


 これらのことと関係して、詩人 ギアース・ゼノスキー (露:1856–1936) は
 かの聖君らがその生涯において、幾多の多様な困窮的場面に瀕したとき、
 それらとの葛藤はしばしば、眼前に悪魔が現れたとか、あるいは人の姿でありながら、
 その者の言動と精神は人の物とは思えない存在が我が道に立ちはだかったなどと
 形容されるが、結局それは彼ら自身の内から来るその衝動こそが正体であると考えた。

 そしてこれらの衝動とは過去において、宗教教派によっては
 衝動の種には依るものの、その多くは戒律で禁止されたり、
 修練のための試練の対象とされることが多かったため、ギアースは
 ヒトの本能的で強い衝動を生み出す源泉、つまりイド(id)とは
 それこそがまさに己自身の中に潜む、本能的で根源的な"擬似の悪魔"に
 他ならないと詠った。





正直、自分でも書いてて
「なんだこれ」
みたいな。
まぁでも書ききるとちょっと気持ちいいな……(笑)


艦娘にDMC武器を装備させてみた、みたいなMMD動画上げました。
よろしければ、そちらの方もどうかよろしくお願いします。
リベリオンとかE&Iはもう既に有志の方がハイクオな物をMMD化されていましたので、
それ以外の物で動画作成してみました。

*いつものごとく、ネタバレ要素ありますので閲覧は任意でお願いします。
*正直に言って、アングラ的なものです。なのでその辺りもどうかよろしく……(笑)


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BLOODY HORIZON
Streak 001-002


中途半端な>1が101ネタ(没ネタ含む)を目指して(嘘)
スロースピード・ノンスタイリッシュssが展開されていく、
(>1が)サバイバルなssモードです。





*現在、未開放のssモードです。 開放までお待ちください。


男は平等さをよく唱えるが、女は公平さをよく訴える。


 ~ Streak 001 ~

 

 

 

「ところで、はい、暁」

つ【ピーマン】

 

「……なにそれ、どういうつもりよ?」

 

「あれ? いらないのかい? せっかく取って来たのに」

 

「いらないわよっ! 響は知ってるでしょ!?

 というかそれそのままじゃない! どこから持ってきたのよっ!?」

 

「余ってたそうだからもらってきた」

 

「わざわざっ!?」

 

・・・・・・

 

「に、苦手な物は食べてくれるんじゃなかったのっ!?」

 

「そうだけど、いつまでもこのままでいいのかい?

 立派なレディーになるんだろう? ほら」

 

グイッ

 

「ちょやめてゅ押し付けにゃいでっ! フミュ

 青臭いっ!

 ていうかちょっとぬれてる!? なんか新鮮っ!」

 

「水洗いも完璧だよ。 さぁ」

 

グィー

 

「いやだから生だってばっ!」

 

・・・・・・

 

「もう! 響のばか!いじわる!」

 

「がーん (榛)」

 

「ばかぁぁああっ!」ステテテテーッ

 

 

ダンテ

「……アン?」

 

陸奥

「あら……」

 

 

「……」

 

・・・・・・

 

陸奥

「いったいどうしたの?」

 

「……久しぶりのパーティで私もはしゃいでいたらしい。

 少し、姉をいじりすぎてしまったようだ。 はむ」モシャモシャ

 

陸奥

「あらあら……」

 

ダンテ

「……Humm」スタスタ

 

・・・・・・

 

「もうっ 響のドエス!」プンスカ!

 

ダンテ

「hahaha. 荒れてんな」

 

「あ、ダンテ……。

 ……天龍は?」

 

ダンテ

「ん、……huh.

 まぁいつでもできるような話だったからな。逃げてきた」

 

「ふぅん……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「せっかくのパーティだぜ? いいのか、そんなんで」

 

「……だって響がいじわるするんだもん……」

 

ダンテ

「いじわる、ね……。

 まだまだ姉妹でじゃれつくのが楽しい年頃なんだろうぜ。

 いいじゃねぇか、相手してやりゃ」

 

「一方的にいじられてただけだと思うんだけどっ!?」

 

ダンテ

「それだけ好かれてるってこったろ。

 よっぽど好きだからちょっかい出しに来てるんだと思うがね」

 

「……」

 

ダンテ

「……なんか入れるか、まだ何も食ってねぇ。

 せっかくここまで用意してもらってるんだしな。

 いきなりデザートからでも行っとくか?」ha ha-

 

「!」

 

・・・・・・

 

「ごめんね、暁。 今度は生じゃないようにするから」ニュ~

 

「」

 

「……出来た。 はい、暁」

 

つつ【マヨネーズかけピーマン】

 

「……いや、あの……」

 

「……食べてくれないのかい? 私の手料理……」

 

(……くっ……!)

「……え、えっと、あのね、ひびk」

 

「さぁ、遠慮しないで。 これも当然、安心と信頼の水洗いはすでに済ませてあるよ。

 完璧さ。 さぁほら」

 

「なんかもう無理やり言ってない!?」

 

「信頼の名は伊達じゃない」

 

グイグイッ

 

「あんたはみゃだ違うでしょっ!」フニュッ

 

「騙されたと思って、ほら。

 おいしくないはずないんだ。 だってこれは」

 

グィッ! ネチョ…

 

「ちょっ!? 待って、ほんとやめてっ!?

 今度はベタついてるっ!!」

 

「………っ!!」

 

・・・・・・

 

「もうほんとなんなのよぉ……」フキフキ…

 

「……」

 

「……ふぅ。 もうっ! ちょっと響!!

 ……って、あれ? ……響?」

 

「…………マヨかけ暁……」ゴクリッ…

 

「」

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 002 ~

 

 

 

ダンテ

「……カレー大会があった次の日からだ。

 ムツがやたらとジャパニーズフードを食わそうとしてくるんだよ……」

 

長門

「……」

 

ダンテ

「昨日なんざ……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「だからそれだけは食わねぇっつってんだろ!?」

 

陸奥

「一口! ほら、一口だけでいいからっ!

 またカレーのときにみたいに食わず嫌いなだけかもしれないじゃないっ!

 

ダンテ

「ぜってぇカレーのときとはちげぇ!」

 

陸奥

「なんでよっ!

 匂いで怖じ気づいてただけでしょう!?

 これも同じかもしれないじゃないっ!」

 

ダンテ

「別に怖じ気ついてたってわけじゃねぇよ!

 つーかそれに至ってはもうただ腐ってるニオイしかしてねぇだろうが!」

 

陸奥

「あーもうっ! ごちゃごちゃうるさいのよ!

 ほらさきっぽ! さきっぽだけだからっ!

 口開けながら上向いて天井のシミでも数えてたら終わるわよ!

 食べさせてあげるから! ほらっ!」

 

∥⊂ ネバー

 

ダンテ

「近づけるなッ! やめろッ!!」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 003

「○○は妖魔悪鬼の地獄国だ。
 ○○よ、滅亡せよ」

福沢諭吉


近づくな。言えることはそれだけだ。
故人の遺体を辱め、金品を根こそぎ盗み去るような文化と伝統を受け継ぐ者共が巣くう、魔の国である。

この国と○○、そして○○では、昔から墓荒らしが文化・伝統としてある。
ある人物からの報酬ありきで依頼を受けることもあったし、ただ遺品狙いで行われることもあった。
それは広く、長くに行われていた形跡が多く、歴史に残っている。
残念なことだが、事実である。

当初では福沢諭吉も、その国に、期待や希望、そして信頼を寄せていた。
金も労力も惜しまず、学校を設立し、漢字を含めた言葉の教育から始めたのだ。
福沢諭吉も粘り強く、その国の更生に尽力していたが、何度も何度も裏切られ続けることになる。

福沢諭吉
「○○は、相手との約束を始めから無いものにする。
 つまり彼らの社会は、約束が約束として機能しない社会だ。
 約束は無効と覚悟せよ」

それでも○○との付き合いを続けていた福沢諭吉であったが、愛弟子であった金玉均を○○王朝によって殺され、その遺体は無残に切り刻まれた上で、胴体は川に捨てられ、首や手足は晒し物にされている惨状を目にし、これを"やっと最後に"、匙を投げる。

※首は京畿道竹山、片手片足は慶尚道、他手足は咸鏡道にて晒された。

※なぜ○○人相手に約束や過去の条約は成立しないのか、これにはちゃんと理由がある。○○人の歴史文化背景を元とする精神性が関係している。詳しくはいずれ書くこととする。端的に示すと、○○人は限定的に一個個人単位で独立している精神がある。限定的にとは、約束や取引下において、である。今現在において、その人に対して、メリットや交換条件が成立しないと、相手への保証を約束しない、というものである。つまり、○○国の大統領が変わったり、数年でも経つと、過去の約束事の効力が失われるのである。「それは私がした約束ではないし、私が今そのメリットを享受したわけではないので、あなたに報いる義理はない」となるのだ。


近づくな。
魂を穢され、肉体を辱められたくなければ。
そして何より、あなたのご先祖様や守護神様に見放されたくなければ。

決して近づかず、関わらないようにすることだ。


助けず、教えず、関わらず。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ちなみに、日本では要件を満たしていれば10年もしくは20年で、個人の日本土地所有権が時効され、他人がその土地の所有権等を取得できる。
○○ではそれが8年ほどで所有権を放棄したとみなされる。
○○人はこの自国の勘定で、戦災で死亡した日本人所有者の土地に居座り続けて今日に至る者たちがいる。駅前の一等地を保有している○○人一族もいくつかある。
○○人にとって、窃盗は呼吸である。故人からは遺品、衣服、土地なんでも奪うのだ。

○○国やC国、他の国による日本への侵略は現在、堅調に順調であり、これには日本人帰化国会議員を筆頭とする政治屋政府官僚のバックアップも大きく関わっている。

日本人帰化国会議員 自○党
・安○○三(実父、晋○郎が李家、帰化韓○人)
・石○○太郎
・石○○晃(石○の姓を買収で背乗り)
etc... (調査中)

日本人帰化国会議員 民○党
・小○○郎(実父が済州島出身。実母は在日○○人)
・菅○人(実母が済州島出身)
・土○○か子(本名:李○順。昭和33年10月26日帰化)
・千○○子
・近○○一
・岩○○人
・土○○一
・金○○一
・岡○○ミ子
・築○進
・山○○洲夫
・中○○春
・横○○弘
・神○○恵子
・鉢○○雄
・今○東
・松○○夫
・平○○夫
・赤○○隆
・小宮○○子
・鳩○○紀夫(実父、○一郎が結婚前に韓○人に産ませた子、妻は在日韓○人)
・横○○彦
・松○徹
・水○○一
・郡○子
・犬○○史
・中○○充
・円○り子
・中○○治
・藤○○信
・室○○彦
・横○○郎
・白○勲
・奥○○三
・小○○仁
・川○○夫
・佐々○○博
・末○○規
・家○悟
・小○○夫
・津○○太郎
・ツル○○・○○ティ
・那谷○○義
・内○○光
・福○○郎
・峰○○樹
・郡○彰
・小○○也
etc...

日本人帰化国会議員 公○党
・東○治
・上○勇
etc... (調査中)

日本人帰化国会議員 社○党
・福○○穂
・保○○人
・又○○治
・日○○尋
・近○○道
etc... (調査中)

日本人帰化国会議員 国○民○党
・前○○司
etc... (調査中)

日本人帰化 れい○○選組
・山○○郎

今現在、日本国政治屋政府官僚において、純粋血統の日本人はほぼいない。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


象徴、シンボル、術式、形式、蛇の像、結界、東京タワー、ピラミッド(と地下)。貨幣術式。プロビデンスの目の悪魔術式。
わざわざ叫ぶ必殺技の名前、唱えるマントラ、喉で鳴らす祝詞。

形がしっかりとあること、そしてその形のまま人の目につくこと。この全工程ではじめて効果が最大になる。


 ~ Streak 003 ~

 

 

 

―コツコツコツ…

 

陸奥

「……はぁーやっと終わったわ~……」

 

 

 

この鎮守府における、定例の夜間の見回り業務を終えた陸奥。

本日の担当は陸奥であった。

 

 

 

陸奥

「前々から思ってたけど、やっぱり人数増やしてほしいわよねぇ……。

 この鎮守府広すぎだし……。

 毎回時間かかっちゃってもうこんな時間に……」

 

 

 

今日は多忙で仕事終わりが遅かったこともあって、

見回りを開始して終わる頃には既に深夜を回っていた。

 

真面目に見回りをすれば、それ自体に時間もかかるので、

担当する者の中には、時としていい加減にして早々に終わらせたりする者もいる。

 

 

 

陸奥

「早く部屋に帰って休もうっと……。 肌にも悪いし……」

 

 

陸奥

(……そういえば、もう寝ちゃったかしら……?)

 

 

陸奥

「……うん」

 

 

陸奥

(時間も時間だし、もう寝てるはずよね……。

 ちょっとくらい……いいわよね?)

 

 

陸奥

「……今日は会えなかったし、これくらい役得ってやつよね。

 ……よし、うふふふっ……♪」

 

 

陸奥

(ちょっと顔見るくらい……まぁ、寝顔になっちゃうだろうけど♪)

 

 

コツコツコツ…

 

 

――――――

提督室

 

―ガチャ…

 

コソー…

陸奥

「……」ソロリ…

 

…パタン…

 

 

陸奥

「……」…コツ…

(ちょっと薄暗いけど、窓からの月明かりで見えなくもないわね。

 部屋の前まではいけるわ)

 

 

――――――

私室前のドア

 

 

陸奥

「……ふぅ」

(よし……!)

 

―ピカッ

 

陸奥

「……あら?」

(窓の外が光った? 雷……? でも今日は雨なんて……)スッ…

 

 

 

不審に思い、窓に寄っていく陸奥。

そして……

 

 

 

見てしまった。

 

 

 

陸奥

「っ…!!?」

 

 

 

それは窓から見える、岬の方の海の上に"浮いていた"。

 

 

 

陸奥

「……ぁ……っ……ぇ……?」

 

 

 

その者は踊っていた。後ろ姿しか見えなかったが、

やがてゆっくりとこちら側に振り向いていく。

 

 

 

陸奥

「っ……うぁ……っ」

 

 

 

陸奥には一目でわかった。

遠くに見えたその者は……

 

 

 

人間ではない、と。

 

 

 

陸奥

「」

 

 

 

その者の回りには黒い煙のようなものが濃淡混じりに舞っているかと思えば、

時として鋭く青白い閃光が周囲を走っている。

 

病的なまでに白い肌、血のように赤い髪。

それは……

 

 

 

女だった。

 

 

 

陸奥

「……ぁ……かっ…………ひっ……」

 

 

 

やがて、女は陸奥に気付くと

 

 

 

笑った。

 

 

 

 

 

「いやぁぁあああーーー!!!!」

 

 

――――――

寝室

 

 

ダンテ

「ンガッ」ピクッ

 

 

――――――

提督室

 

 

陸奥

「」ガタガタガタッ…

 

 

―ガチャ

ダンテ

「……なんだ、誰だ…………あ? ……ムツ?」

 

 

 

その時ダンテが見たのは、窓の下でしゃがみこみ、

身を震わせている陸奥の姿だった。

 

 

 

ダンテ

(……)

「おい、どうした、大丈夫か?」スッ…

 

陸奥

「っ……お、女っ……女がっ……!」

 

ダンテ

「……アン?」

 

陸奥

「だから女!! いたのっ!! 海にっ!」

 

ダンテ

「……」スクッ…

 

―パカン

 

 

 

ダンテは提督室の窓を開けて、海の方を見やる。

 

 

 

ダンテ

「……いないぜ?」

 

 

陸奥

「っ…う、うそ!! 居たぜったいっ!!」

 

 

ダンテ

「……」ポリポリ…

 

 

陸奥

「……いた……ぜったいにいたわっ……!」ブルブルブルッ…

 

 

ダンテ

(ここいらの海で女っていやァそいつは……。

 ……まぁ、この反応じゃお仲間ってわけじゃねぇのか)

「……どんなヤツだったんだ?」

 

 

陸奥

「っ……真っ白な肌で……でも血で濡れたみたいに真っ赤な髪でっ……。

 ……っ!?」

 

 

ダンテ

「……どうした?」

 

 

陸奥

「……笑った…………笑ったわ!

 あの女、あたしを見て笑ったのっ!!」

 

 

ダンテ

(……?)

 

 

陸奥

「いやぁっ……もういやぁあっ!

 なんでぇ…なんでなのよぉーーっ!!」ガタガタガタッ…

 

 

ダンテ

「……」

 

 

――――――

提督室

 

 

長門

「――赤い笑う女?」

 

 

ダンテ

「ああ、こいつが言うにはな……」

陸奥

「…スゥー…」zz..

 

 

大淀

(それで一晩中くっつかれていた、と……)

 

長門

「朝私が起きた時、部屋にいなかったのはそういうことか……」

 

 

ダンテ

「日が昇るまでずっと震えててな……。

 そっからはもう疲れて眠っちまったんだが……」

 

*なんやかんやでソファーまで運んだ

 

 

長門

「そうか……。すまなかった、迷惑をかけた。

 あとは私が部屋に運んで――」スッ…

ググッ…

陸奥

「…ンゥ~んっ…」プイッ …zz.

 

長門

「…む……?」

 

ダンテ

「……離してくれなくてな……」huh..

 

 

大淀

「起こすのもかわいそうですね……」

(表情を見るに、やっと安心して寝付いたんでしょうし……)

 

 

長門

「……すまない、本当に……」

 

ダンテ

「まぁ、いいさ…。

 ……それより、聞きてぇことがあるんだが」

 

長門

「……ん、あぁ……」

 

 

大淀

「……」

 

 

ダンテ

「ムツが本当に何を見たのかってのは、

 ひとまず置いとくとして、それでも異様に怖がってたみたいなんだが」

 

長門

「……一言で言えば、トラウマの一つ……と言ったところか……」

 

ダンテ

「トラウマ?」

 

 

大淀

「……これはオカルトな内容の話になってしまうのですが、

 実は、陸奥さんは艦船時代に……」

 

・・・・・・

 

大淀

「――というわけなんです……」

 

ダンテ

「へぇ……」

 

長門

「……だが、世の認識では結局はあくまでオカルト。

 噂話の類いとして広まっている事だ」

 

大淀

「当時、何を見て、何があったのか……。

 その真相は、今はもう陸奥さん本人にしかわからないのかもしれませんね……」

 

ダンテ

「……」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 004

太古の宇宙は長らく、悪い蛇の支配下にあった。この悪い蛇は本当に古く、強かった。悪い蛇たちはこの宇宙のすべてを確かに握っており、他の惑星人たちを虐げていた。やがて、その悪い蛇たちの中から、少ないながらも善い蛇が生まれ出した。これは魂の年齢が上がるごとの、魂の基本性質なので、ある意味避けられない現象でもあった。魂は年齢を重ねるごとに、愛を深め、光を放ち始めるからだ。いつしか、多勢の悪い蛇たちと少数の善い蛇たちの間で、戦争が起こった。これは宇宙全域を巻き込むものであった。悪い蛇たちは貪り続けることを主張した。善い蛇は愛に目覚めることを訴えた。結果として、悪い蛇たちが勝ち、善い蛇たちは負けた。善い蛇たちは身を隠すことにした。奇遇にも彼らの姿形はやがて変わっていった。今で言うところの龍に姿が変わった。これは魂の成熟による働きである。善い蛇たちは後の縄文人たちの祖先となる。悪い蛇たちはそれ以外の祖先だ。
悪い蛇=ミカエル。
善い蛇=ルシフェル=龍・龍神(黄金人)・龍人(黄色人)=サナートクマラ=艮の金神=スサノオ=龍神の総大将である国常立尊。

今から約5億年前、惑星ニビル来のアヌンナキ(最少人数で飛来)が地球に現存する生物、基本的には、脊椎動物の5グループを中心に改変を行い、仕込みを済ませる。ここから地球解釈で長い時間をかけて自然進化と発達を待つ。
※この時期の地球では、まだまだ生物としての土台を獲得していない種がすべてだった。これらの遺伝子操作を行っても見込みがなかったため、この回では、生物の促進改良を仕込んだだけに留めた。

今から約20万年前、仕込みの成果は上々で、当該惑星の生物は基準を満たしていた。その時期に、惑星ニビル来のアヌンナキが金の採掘を目的に地球に訪れた。そして、労働力として4つの種族(奴隷の四大種族)を作る。一つは爬虫類と自分たちを遺伝子的に掛け合わせたレプティリアン。もう一つは猿と掛け合わせた人類。さらに力労働としては最も期待された巨人族。あとは正直、影の薄い種族。この種族、そして巨人族の順に死滅する。
巨人族は反抗反乱を防ぐために力の割には、寿命が短く繁殖力も弱く設定されている。レプティリアンは冷徹さと合理性を持つように、人類は穏和な心を持つようにされた。…というか、より正確には、冷徹で比較的合理的な爬虫類と、温和で比較的協調的な猿とが遺伝子の混合種として採用された。
基本的に、この四種族の寿命は総じて短めに設定してある。1/5~1/3程度の可能最小値。とにかく、謀反や反抗能力を削ぐのが主目的。これは5億年前からの仕込みもある。

比較的、人類はアヌンナキに可愛がられるようになる。レプティリアンはこれに嫉妬し、これ以降、レプティリアンによる人類侵略の26000年計画が実行されるようになる。これの起源が今に語られる、カインとアベルの物語として、レプティリアン監修で発刊され続けている。大天使ミカエルを正義とし、堕天使ルシフェルは悪と定めたのも彼らによる企てだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


出来上がった種族を大雑把に仕事内容毎に分ける。肉体労働する者、頭脳労働する者、それらを管理する者、などなど。
このようにして金・鉱物の採集を効率化した。
ダーウィンの進化論は管理型側による工作・情報操作に過ぎない。

以下、労働型と管理型の特徴。

労働型:
・哺乳類、特に霊長類から進化させた猿由来の人類(黄金龍神の系譜、ドラコニアンの魂系)。瞳の色が茶~濃い茶~黒などの輝度値が低めの色を受け継いでいる。元々、体毛があった種であるため、寒さに弱い。傾向として、比較的低緯度に住む。筋トレや過剰な食事量などによる例外的な個体を除いて、極々自然な環境で成長した個体は頭が大きく、ずんぐりとした体、短い手足の猿類的フォルムの体型になる。ぶっちゃけ要はアジア系を指している。
日本人は猿をルーツとする人種のために、どうしても臆病で温和、協調的で、手先の器用な者が多く生まれる。安定的な技術者や勤勉な労働者が多くなる。
他にも、例えば彼等は戦争に勝利すると、敗戦国をあえて対等と見なし、温情を施して、共栄できる道を呈する。

※ドラコニアン、ドラゴン
元々は悪の爬虫類種だった者が、愛と光に目覚め、善の爬虫類種となり、これを魂的な進化と定義された存在たち。

※五色人・五色星人
熊本県の幣立神宮に「五色神面」なるものが奉納されている。これは世界の人種、
赤人=ネイティブ・アメリカン系
青人=アジア南部あるいは北欧
白人=白人系
黒人=黒人系
黄人=アジア系
すなわち、ルーツは、
赤星人=アトランティアン
青星人=レプティリアン
白星人=レプティリアン、レムリアン
黒星人=アヌンナキ
黄星人=ドラゴニアン

※ひふみ祝詞と同じ鈴(音)の数、神器「五十鈴(いすず)」の五色鈴
赤色鈴
青色鈴
白色鈴
黒色鈴
黄色鈴
_
赤人金
青人金
白人金
黒人金
黄人金
_
赤星金
青星金
白星金
黒星金
黄星金


管理型:
・爬虫類から進化させた種(レプティリアン系統)。瞳の色が青・緑・灰などの輝度値が高めの色を受け継いでいる。元々、変温動物の種由来のため、寒さに適性がある。傾向として、比較的高緯度に住む。筋トレや過剰な食事量などによる例外的な個体を除いて、極々自然な環境で成長した個体は頭が小さく、体がほっそりと縦に長い、にゅっとした爬虫類的フォルムの体型になる(特に北欧系)。ぶっちゃけ要は欧米系を指している。
欧米人は蛇をルーツとする人種のために、どうしても冷酷で冷静、かつ合理的な管理能力に秀でた者が多く生まれる。経営者や起業家が多くなる。
他にも、例えば彼等は戦争に勝利すると、敗戦国を利用し、搾取することばかりを考える。

※レプティリアン
過去から現在まで、ずっと悪の爬虫類種であり続けている者たち。
レプティリアン、つまり、多くの西洋人だが、過去に善の爬虫類種(ドラコニアン、ドラゴン)とはかつて戦った経緯と記憶のために、ドラゴンを忌避するようになった。
そのため、西洋の多くの宗教ではドラゴンを悪魔であるとして、そのように描き、洗脳教育する風潮が広められた。


この事実は、当然隠匿に努められるが、ある機を見て公表される。
そのタイミングは、猿型人類の存続が絶望的かつ、蛇型人類の勝利が確定的となったときである。
労働力として必要だった猿型人類はAIやロボットの発達に伴い、次第に不要となってくるため、徐々に減らして、ついには根絶し、蛇型人類がこの星の真なる統治者、星の継承者となる。
猿型人類を極限まで弱体化させ、
地球上で二大対立が発生する。
勝利確実のとき、勝鬨を上げるように公表する。陣中側の結束を高め、猿型の士気を削ぐ。
この猿型と蛇型の戦争は、猿にとっては本当に不利で、6.25以下:93.75以上くらいの勢力差になる。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


この地球上で、完全に自給可能な人類の数は3~5億人。
この数は、元々、地球の正統な継承者の人口と同数で、レプティリアンなどのワンダラーを含めない数。
この比率は、ピラミッド原則、ピラミッド構造の原理から算出も出来る。


高給取りが一斉にストライキしても多くの人が困らないが、低賃金の人が一斉にストライキすると、多くの人が困るどころか社会が機能しなくなる。高給取りとは低所得者が多数いることで成立する。所詮はパイの取り合い、椅子取りゲーム。多く取っていってるのが高給取りで、その実態は、多数の低賃金の人たちからの物をただもらっているというもの。本当の乞食とは高給取りのことを指す。結局、誰かがやらなければ解決・消化されない仕事は確かに実在していて、それを避けて押しつけているのが高給取りであり、それを買って出るのが低賃金労働者である。

成功・成功者と失敗・失敗者、両者がしっかりと確かに存在し、その両者に差があってこそ、はじめて両者は定義することが出来る。成功・成功者には失敗・失敗者が必要であり、失敗・失敗者は成功・成功者がいるために、生まれてしまう。つまり、この世界の構成は常に、所詮はパイの取り合い、椅子取りゲームなのである。
これを構築し、ずっと保ち続けている勢力が実在する。
問題点は何か。この成功・成功者と失敗・失敗者の立場が時間的に入れ替わらないことである。
これが淀みというものであり、不健全さの証である。不循環。停滞し続けることによる、よどみやよごれ。悪い氣のめぐり。
真の平等とは、成功・成功者と失敗・失敗者との差が確かに存在し、しかしながら、それが時間的には間違いなく入れ替わることにより、
範囲時間で見た時には、両者の相対差が零になる、ということで実現する。
これが、この次元の宇宙における法則内で実現可能な真の平等の実現方法である。
もちろん、これを妨げようとしているのもまた同じ勢力。


この比率を乱していき、この地球を地獄にする。世界人口は一度は100億近くを目指す。というか、始めはとにかく膨らませて、明確に一度、人類を破綻させる。

自死を軽視し、自殺する者を下に見る人間は多い。
実際にはこういった人間は真理に疎い、非常に愚かな者たちであるが、この者たちは人類の大半を占める。
この者たちはまだまだ未熟な幼き魂たちであるためである。
そして、このことは非常に好都合である。

多くの人間が自死と天寿全うの関係を理解していない。
自殺というものがいかに容易く、天寿を全うするということがいかに非常に難しいことであるか知らない。

天寿を全うすること、また自死することは実は椅子取りゲームであり、両者には比率的に、常に人数に限りがあることも知らない。

誰かが天寿を全うするためには自死者が幾人いる。
自死者が幾人いてくれるおかげで誰かは天寿を全うできるのだ。
万人が天寿を全うすることは出来ない。人数コストが足りない。
この世は、万人が天寿を全うできる設定にはなっていない。

この法則を利用して、多くの人間を自殺させる。
そもそも、自死した魂とは、非常に穢れることになり、天道からも大幅なペナルティを課されることになる。
これは、非常に幼き魂であるレプティリアンなどの侵略型宇宙人、ワンダラーにとっては、非常に有益なことである。
なぜなら、レプらにとっては、魂の修行時間の開きを、こそうすることでレプは時間稼ぎをする。

※N本国において、
2015年、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は主要先進7カ国の中で第1位を達成。
2018年、年代別に死因順位をみると、男性では10~44歳、女性では15~34歳、全体では15~39歳の年代において、死因は自殺が第1位を達成。
着々と確実に侵略が進行出来ていることが確認できる。
以降も継続して、増長させ、全年代において同様になるように目指す。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


アグネヤの矢。

高位存在に質問すると、毎回隠して伝えてくるが、太陽の技術の爆弾・太陽に近しい爆弾とは厳密には、原子力核爆弾の方ではなく水素爆弾の方を指している。

この水素爆弾を基礎とした安定度の高い物が太古にも各地で使用され、その痕跡はトリニタイトの形で点在しており、確認ができる。
ノアの大洪水の際にも、このアグネヤの矢が使用された。

水素爆弾を元とするこの爆弾は太古でも十分にその有用性を示したように、人工地震・人工津波を安定して発生させることが出来る。

ちなみに、3.11のときに使用されたものは核爆弾の方で、熊本地震も同様である。
※ちきゅう号。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


日米戦争間などを例に、しっかりと両方に兵器を売り付ける。しかし、性能差は付ける。米国を1とした時、日本には5倍以上の性能・精度のある物を貸し与えるなどなど。それで戦争国間でバランス調整を行い、可能な限り、均一にして、各国に交戦の手応えと希望を持たせる。それにより戦争を可能な限り、長引かせる。戦後に、両国に取り立て開始する。そして戦後以降の、両国への経済介入を可能にし、その国をコントロールし、実権を握る。交渉の際には、切り札として、対象の首相や大統領の命に脅しをかけてもよい(例:福○○夫元内閣総理大臣)。最終的には、世界人口を3~5億人にまで減らさないといけないので、対象国の実権を勝ち取ることは絶対に必須である。またこの3~5億人とは元々はこの地球の正統継承者の人数であり、その人数と丸々入れ替わるのが最終目標。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「麻薬とポルノの一般化」
※世界中で麻薬の流通。現在(2022年)、爆発的に普及化。一般住宅河川にも溶け込んでいるほど。日本も例外ではなく、一般人による製造がこれから加速度的に一般化する。
※GH○、による、日本人の愚民化・弱体化。政治離れの進行。3R5D3S政策の火急進行。



「民族性の破壊」
※民族・一族の繋がりというもの、その意識を希薄化し、団結力を削ぐ。意志やプライド、自国由来の魂(日本魂など)や気概を失わさせる。体制側に吸収し、逆らわないようにさせる。国際化・移民増大、売国、外国人を自国の資金で支援するなどで国土と国力を少しずつ売っていく。移民をゆっくりゆっくりと完了させていく。自国民による犯罪には火力がないので、他国民族を引き入れて犯罪を普及して一般的にさせる(移民拡大)。感覚を麻痺させる。日本国への侵略を助力。●助に国土と国金を明け渡す。日本以外ではマサイ族など、未開先住民までをも民族崩壊し、完全完了させたら終了。
※北方領土が奪われたことで、N国の戦争大戦犯計画やN国への侵略計画に遅延が発生してしまった…。
※外国人移民の中で、過激犯罪が期待できるのは越○人や中○人であるので、これらを年間で数万(3万人以上)単位で流入を継続予定。
第2次安○政権 2012年12月26日~2020年9月16日
在留越○人
2012年 5万2367人
2013年 7万2256人
2014年 9万9865人
2015年 14万6956人
2016年 19万9990人
2017年 26万2405人
2018年 33万0835人
2019年 41万1968人
2020年 44万8053人

※かねてよりの移民政策と、こども・子育て政策。日本人の純粋血統を穢す、混濁させる、劣化させる。異国人との交配を進めて、YAP遺伝子を排斥していく。親切遺伝子を薄めて、攻撃性・攻撃的な民族を作り上げ、戦争機運を高めて、戦争に駆り立て導入する。野菜離れさせて、肉食中心にして攻撃的な人間にもする。
※日本人が最上的に親切で優しいというわけではなく、YAP遺伝子を持つ人類個体が最上的に親切で優しい。そして、YAP遺伝子は純日本人(祖先は縄文人であり、近代ユダヤ人の血ではなく、絶滅した古代ユダヤ人の血を受け継ぐ、純血に非常に近い日本人)に比較的多く継承されている、というだけの話である。



「日本の抑制」
日本については、常に目を光らせておくようにする。あの国には神と龍が真に住まう。これら神と龍が、常に日本を世界の王へとのし上げようとするためである。これは神と龍の、知恵と力と技と加護が、彼らには常に降り注ぐようになっているからだ。
この日本の神とは中東から渡った神のことである。
※A国には始めから神は居ない。居たのは侵略型爬虫類人類とその悪魔である。そして、それらの血を引くが故に瞳の色が青い、その子孫たちのみ。
日本以外の、蛇と悪魔を拝する同盟国同士で協力して、真実と預言と予言の秘匿に努める。これら同盟国同士の利害は一致している。
日本から、第二の王が生まれることを、日本は愚か、決して同盟国以外の国に知られてはならない。
特にエジプトのピラミッドの地下は決して公表してはならず、"他"を引きつけてはならない。日本から来た王が、この地下に足を踏み入れたとき、"我等"は終焉を迎える。



「飢餓と疫病の流布」
※疫病、語るまでもなし。ロックダウンによる食糧不足。麻薬、腐乱死体、疫病、飢餓。
※留意点として、実はスタートはエイズから。エイズは未だ(2022年現在)に治療法なしとして非常に見込みがあったが、普及率に急速に歯止めがかかった。今また移民を利用して再燃させる動きあり。ただ、抗体持ちも現れ始めていることもあり、懸念もまた増えている。



「超大規模失業、大中小企業の倒産・縮小、個人営業の破綻、自死増加、使い捨て労働国化」
※超大企業、大企業の倒産、大量失業。第二次世界大戦以降でも、N国憲法第9条・NA安全保障体制を基点に、A国のN国に対する"静かな戦争"・"緩やかな侵略"を継続する。そして見た目上、合憲的に静かに、かつ、確実にN人を大量に虐殺していく。火薬や鉄ではなく、貨幣で殺人する(経済的殺人)。対N年次改革要望書による脅迫、大規模小売店舗法の撤廃、国営事業民営化、派遣法(by竹○○蔵)の成立、そして吸い上げた金はA国やK国、その他に送金。etc...
※N国人に対し、郵政民営化などで生活上の不便性を高める。種苗法などで野菜食を制限する。最後には、水道民営化で生命維持のプライオリティの非常に高い水の摂取を制限する。スタートは宮城県から。
国産技術者ほど低賃金化を進める。非生産的な無能搾取側を高給取りにする。これらは税収として吸い上げ、他国に流す。国産技術者の外国への流出を加速させ、国産技術を脆弱化させる。日本で、技術的な産業の空洞化を作る。日本の技術・技術者が他国に買い叩かれるようになり、日本が他国の労働奴隷国となる。搾取ピラミッドの底辺に位置するようになり、他国のゆとりは日本人の犠牲で成立するようになる。日本人の休日と時間のゆとりはどんどん狭まり、他国は広がる。※この影響が顕著に見られるようになるのが世界のGWの比較状況。
N本人の流出(龍出)、弱体化が加速し、N本国と黄金龍神を殺す。
毎日の日々の生活の中で、心身ともに疲弊させる。極限まで追い込んで、自死させても良い。数を減らしまくるのは最良。ある一握りの上位国民を除く、全ての国民のストレス・疲れを極限まで高め、心身を蝕む。そして、比較的立場の強い者が比較的立場の弱い者を、発散のはけ口としていじめる状況を全国各地で量産する。それに無関心な者も量産する。助長させる者は増える。すべての人間が疲れており、自分のことだけで手一杯になるようにする。そこまでいけば、誰も彼もがあまりの余裕の無さに、多くの人間が政治に無関心となる。国の最大の有権者は実質国民である。これが非常にまずい。そのため、これら有権者に、自らの権利を自らで捨てさせなくてはならない。疲弊させ、心身ともにボロボロに追い込む。そうして、国民の政治への関心と意欲を奪う。そうすれば、国の有権者は実質、政治屋と議員、役員どもの物となり、国を自由自在に操り、物に出来る天下となる。
2025年までに消費税19%を目指す。同時に、これまでと同様、消費税増税に伴い、法人税を減税する。それにより、企業からの献金額を"さらに"増額し、それをまた諸外国に献金する。この2025年を境に、税収は一般国民には還元しないし、社会保障にも反映はさせない方針を固める。2025年初頭をピークに、それ以上は増加させず、徐々に減に転じさせる。国民への洗脳には不備なきよう。テロや叛意を起こさせないようにして、むしろ泣き寝入りや自殺をするように促す。その環境作りと誘導もまた構築する。過去にK国主導で自殺サイトの運営を行い、N本人の自殺者を多く増やすことに成功したので、この方法をまた流用し、さらに強化する予定。

※※※
本当に考えないといけない事は戦争行為よりも侵略行為。戦争でよく隠れ蓑にされてるのが戦争という物の本来の本質である"侵略"という物。戦争は侵略の中に含まれる。つまり戦争⊂侵略であり、また侵略>戦争でもある。戦争と言えば鉄や火薬が空を飛び交い命の奪い合いがなされる事を想像するけど、侵略の目線で見ると、別に鉄や火薬を用いる以外の方法でも他国民の命は奪える。職を失わせたり経済的事由により追い込んだり自死させたり。今現代の国際社会で行っている戦争もとい侵略行為は主にこっちをメインにしている。これの方が水面下で行えるし原因や真犯人・真戦犯を不明瞭に出来るし、何より手段の(火薬や鉄等ではない)道具実物が見えないために他国からの批判を受けにくいという最大のメリットがある。現代は戦争は見た目少ないかもしれないけど侵略は多分に行われてる世界。
※※※



「人口の入れ替え」
N国において、N人を、C国人・K国人と人口の入れ替えを行う。N人は経済状況も含めて、N国では生活できなくなり、N国を出ていかざるを得なくなる。行先はC国やK国ではなく、もっとより人命と人件費の安い国。あるいはN国在住中に自死を促し、総人口中の比率を激減させる。民族侵略の完了を目指す。



「ワクチン・DNA、遺伝子と血液の破壊、コオロギ食サイレント混入、バイオミートに続く」
DNAを改悪し、異常血液を増産する。無料化と半ば強制実施とN国人の迎合と同調圧力を利用して、8割ほどは到達できる。残りの2割は輸血や、結婚・出産にて本人あるいは子孫に継承させる。未接種者の血液需要が高まるが、これらは破棄し、流通させないようにする。



「犯罪数の増加」
元々、国の経済情勢と治安状況には関係性があり、それは反比例の関係にある。殺人事件・凶悪犯罪は増え、軽犯罪に至っては激増する。これは経済的に困難な状況にある人たちを中心に広がる。老若男女増えるが、特に老後不安の老人層が多くなる(※自転車の盗難やコンビニを対象に激増)。雨風を凌げて三食が付く刑務所に入るために、微罪を行うようになる。
N国の治安レベルが発展途上国のそれにまで落ちる。刃傷沙汰事件が増える。麻薬を合法化する法案を通される。さらに殺人事件が増える。自衛を口実に武器の所持を一般にほのめかされる。最終的には銃刀法を撤廃させられ、銃剣類をN国に氾濫させられる。この段階辺りから、また拉致実施が再開される。そのときの拉致では子供が主に対象となり、ある国へ送られる。



「世界経済の崩壊」
※某国の金融資産の無効化。諸外国間の急激な金融価値格差の助長と維持。



「先進国間の戦争」
2025年、小○○次郎、総理大臣就任。
2026年、第三次世界大戦、開幕。
○次郎、日本刀かそれに準じるもの、物理か非物理か、いずれにしても切腹みたいなことをする。
※語るまでもなし。この先も国は追加されていく。被害国、加害国の順番で増やしていく予定。
※理由は何でもよい。大量破壊兵器があると、言いがかりをつけて戦争侵略侵攻を開始。N国もその戦争には加担させる。それによって反抗勢力や禍根的な組織(isisなど)が生まれるが、これもまた良し。
※上記と同様の手口で、N国に指示・命令を出し、C国に攻撃させる。N国は戦争大戦犯となる。
※対象をレプ○○○○○と入れ替えることに成功。対象は捕食済み。シェイプシフトテスト結果は正直不十分。元妻にはバレた。しかし、火蓋は遅延出来ないので強行。現在は、パーキンソン病と癌がステージ4であったことをどのように誤魔化すかが、一応の懸念。レプ○○○○○(※爬虫類)は癌に耐性がある。
※こども・子育て政策の加速を加速。未来の子供たちのために、を売り文句に戦争開始。実質子供が人質。緊急事態条項。岸○○雄が仕込む。
※そもそも、こども・子育て政策はA国からの要請で実施されており、軍事作戦や軍事徴用が関係している。適年齢の子持ちの国民を徴用しやすくする、子供の未来を人質にし徴用する、来たる軍事作戦に向けてその年齢に合わせてその子供を徴用する、などなど。その証拠として、こども・子育て政策の支援はある範囲期間の子供だけが対象にされており、それを超える範囲での支援はそもそもされないか、極々近日に打ち切られる。ただの政党パフォーマンスの一環でもある。
※軍備増強法案を一度でも通させてしまえばこちらのもの。終わりなき搾取、無限徴税錬金術の完成である。防衛費を免罪符になあなあでなし崩し、延々と国民から容易に毟りとれるようになり、米国に献金できるようになる。このコースを安定して実現するかけ橋。戦争は演出である。
裏:
専守防衛を大義名分に、C国と日本、日本先制で火蓋を切る。WW3へ。※2026年。
A国は自国では絶対に戦争はしないし、自力参戦はほとんどか、まったくしない。
日本への協力は間接支援だけに留まり、しかもそれは前半だけで、中~後半以降は速やかに撤退していく。
日本は核を使わないし、使われない。
数ヶ国(ほとんど2)で核使用。以降、緩やかにWW3は締結。
C国の消滅。大陸のほとんどはインドになる。
特亜三国はほとんど露として併合。露に特亜三国の名残がある形となる。
台湾、日本へ平和的併合。それにより、日本、半導体とメタバースの爆発的加速。
A国、失墜。世界からの心証がWW3以降悪化。というか化けの皮が剥がれる。
日本、常任理事国入り。
WW3の大功労国、インドが世界的に大きく台頭する。そのため、インドとの関係を友好に出来れば、非常に有益。



「日本滅亡計画:プランA」
A国が、日本に、C国に向けて軍事ミサイルを放つように指示する。当然、これらの指示内容は秘匿する。日本国はプ○○ンのように捉えられ、戦争大戦犯となる。A国は日本打倒の大義名分を得ることに成功し、日本と親日国を除く全世界の支援と共同戦線の確立にも成功。またこれを機に目下の問題であった、C国や北C国、K国について、C国は弱体化を図り、C国・北C国・K国とも緊急事態的一時的共同戦線を確立。それらにより、共通敵国となった、日本の滅亡を完遂する。
※A国は日本壊滅後、以降では、C国・北C国・K国に関して軍事的にけん制することにも成功する。



「あらゆる分断と対立の形成」
人類を際限なく分断させる。そして、人類間で、ありとあらゆる対立を形成し、助長し、永続させる。人類が滅亡するまで、人類同士で潰し合わせせて弱体化させる。
世の中の不健全さが極まってくると、陰謀論者が激増する。既存では過激派も増える。同時に、当然のことながらそれに呼応するように、反骨したい非陰謀論者も増える。特に、反証などは持たないがとりあえず否定し、正常性バイアス的に安心したいという層が激増する。
この二つの論者の対立もまた、ある特定層が発生を望み、実現させ、維持している。火の無い所に煙は立たず、この対立の発生原因は世の中の不健全さにある。つまり、世の中を不健全の極みにまで高めた層が実存し、その者が確信的真犯人である。
人口総数量の関係で人海戦術的に、DS(本地:米)やカバール(本地:悪魔・崇拝英王室)にとって最大の味方は非陰謀論者であり、陰謀論者は敵でありながら次点で味方でもある。



「拠点国の破棄」
将来、A国は物理的に滅びる。国土のほとんどが水没する。これは戦争や核などの人的な物が原因ではなく、神的・自然的な作用(神罰)によるものである。
そのため、A国の上位層は他国に脱出し、難を逃れる必要がある。
その後、立て直しを図る。



「地球侵略の完了」
この星を完全に乗っ取る。我等、レプだけの物とする。



「星間侵略を再開」



「神殺し」
我等が父の下に辿り着き、略奪し、殺す。そして、その星もまた乗っ取る。



「別ルート」
2025年7月中、人工・首都直下型南海トラフ大地震を予定。見送りになれば、同年の10月25~26日か、11月25~26日に予定。さらに見送りになれば、当面はない。
2032年、3次元地球と3次元人類の終焉を開始。同時に、4次元地球と4次元人類への移行をスタート。4次元シフト。この頃から、人が目の前からでも消えるといった現象が世界で多発する。これは、ある範囲の定められた人々が3次元から4次元へシフトし、3次元人類では4次元存在を認識できないためである。
※3次元存在においては3次元軸(xyz軸)しかカバーできない。そのため、4次元存在が4次元目の軸(w軸とする)上を少しでも移動した場合、3次元存在では対象軸上の認識・追跡はできない。よって、3次元人類では4次元存在を認識できないといったことが起こる。



これらを指すのであれば、これらの存在、特に星間連合においては、レプよりもはるかに視点は高い位置にあり、考えていることがえげつないです。彼らはレプ、もといレプレベルの魂をあえて容認しています。レプ魂は水準が低い系の魂ですが(知能とは別)、これらの魂は総じて、他の魂の成長の糧として必要不可欠です。
共感と分け与えることが出来る・高い水準・善き魂同士はお互いを(魂に響くほど・魂の記憶に残るほど深く)傷つけ合うことがないため、学びと成長が行えません。そこで重要になってくるのが、冷徹傲慢と奪い合うことが出来る・低い水準・悪しき魂です。しかし、本来はレプというくくりではなく、魂の水準の高低差で区切ります(段階は対数的年数で変化)。ちなみにレプによる成長促成行動は非常に効率的でもあります。戦争や略奪、飢饉、捕食、経済難、自タヒを世界的規模で行えるので、めっちゃ手っ取り早いわけですね。こういったことは、善き魂では出来ないことだし、星間連合側も自らはやりたくはなかったわけです。戦争は一番成長速度が早いので、数はこなしたいみたいです。
低魂は他魂を、略奪と○戮とねつ造と欺瞞と対立煽り(二極を作って本質を隠す)で成長させ、高魂へと導くことが出来ます。ある意味で体よく利用されているのが主にレプ魂です。星間連合はこれらのために主にレプ魂を容認しています。
しかしながら、先ほどえげつないといった話につながりますが、やりすぎorもはや十分で不要と判断されるとレプらはこの地球上から排斥されます。
元々、この地球が許容できる魂数と食やその他の消費を必要とするヒト肉体の許容数は5億強ほどです。約5億6700万とする話もあります。※ジョージアガイドストーンも参照※ この5億強は元々地球産というか地球歴の非常に長い魂です。今世界人口は80億ですが、75億弱が魂のレベルあげにおあつらえ向きの地球に出稼ぎに来たor来させられた魂です。※エドガー・ケイシーが悪魔(的な)と交信した際「地球人の浸食は9割以上完了した」みたいなエピソードもありますね※
許容オーバーなので、今現在の人口増加や食糧難は必然です。星間連合はこの流入をあえてor諦観的に看過しました。手の平の上、という話は、まぁ地球上魂ではある意味ではその通りではあります。レプとしては排斥される前に、この5億人強と入れ替わりたいみたいですが。



現在、全ての計画が順調に進行中。


―――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――


以下はレプティリアン主導ではなく、ドラコニアン主導で行われる。
つまり、日本が主導となって行われ、無私奉仕的犠牲精神の元、敢行される。言いだしっぺとして、先陣を切る者として、国一丸となって真っ先に切腹をする、といったような内容とほとんど変わりがないため、これを真似できるような国は他に存在しないため、これらにより全世界が、日本を不動の世界リーダーとして認めざるを得なくなる。真の責任者。

これは時代の転機となる。
これまで侵略行為のみで、世界のリーダーへとのし上がった某国との完全な決裂を世界諸国が果たし、侵略では決して為されぬ相互国益が達成されるようになる新時代が確立される。
侵略国交易時代の終わりである。


核縮小案の最終形として、世界各国で、各々でたった一つだけの核を保有するようになる。
そして、世界の各海洋にも設置される。
この頃の核は水爆ではなく、あえての原爆である。
この核には発射機能はなく、自爆型である。
爆発力よりも、拡散する放射能汚染による殺傷力に重きを置いている。
拡散範囲は全人類であり、必ず全人類を死滅させることを目的に作られる。
つまり、この各国の核一つ、あるいは海洋の物も含めた全世界の核が同時起動し炸裂すると、人類史が潰える。グレートリセット。
※日本はもんじゅが土台となる。

発動機会は以下の3つ。
1.人為的故意に起動される。
2.他国から侵略された過程で、何らかの衝撃・刺激などで起動される。
3.防衛のため、脅し用に起動がほのめかされる。

仮にA国がB国に侵略を開始する際には、A国は自国民はもちろん、全人類の命に対して、責任を持たねばならない。
そして、A国・B国以外の国も、決して他人事ではないので、必死になってA国を制止し、B国を支援するようになる。
と、このように三者三様の三竦みの構図が完成する。

そして有事の際には、戦争と他国への侵略は、全人類の責任であり、罪であるとして、全人類連帯総責任として、その罰を被る。

各国たった一つと世界の各海洋に点々と、だけなので費用は大幅に下がっているし、維持コストもそれほどではない。
これこそ、持続可能で、現人類における世界平和の限界点である。
人類がこの段階まで到達しても、宇宙人類規模で見ると、まだまだ最底辺クラスではある。

この時期になると、武力によって他国に攻めいること、軍備拡張の有意性や意義が疑問視されるようになり、コストカットの声が国民から上がり始める。
軍備は縮小され、いずれ消滅し、その費用が他に回されるようになる。


お互いで牽制し合っているため、武力侵攻が実質出来ない。有事に備える意味もない。侵攻すれば人類総死滅であるため。



―――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――


任意のルート、あるいは全ルートを回避する方法について。

ただ、多くの人が来たる未来の可能性について、知るだけで良い。
知ることで、顕在意識下では、

「そんな未来は嫌だなぁ」
「そんなことあるわけない。馬鹿馬鹿しい」
「そんなことは起こりえない、ありえない。絵空事だ」
「この日本に、大地震なんて二度と来ない。来てほしくない」

などの集団的な意思が潜在意識に落し込まれる。
そして潜在意識が波及させる波動は高周波波動であり、これは世界に対し、共振をさせようとする。
世界の高周波体がこの振動に染まり、それが次に低周波体に及んでいくようになる。低周波体とはつまり、一般人類が普段、認識知覚している世界のことである。
これにより、世界(線)は決定されるようになる。

過去の予言者が、予言の内容を大きく触れ回り、予言とは違う世界事象や世界線、未来のルートが決定されるように事を運んできたことは、彼彼女らの語られざる・知られざる功績である。

古今東西、預言者や予言者には、彼彼女らの知る未来を、他の衆人に知らしめ、来たる未来を制御するという使命がある。


 ~ Streak 004 ~

 

 

 

トテトテトテ

 

白露

「あぁ~今日も疲れたなぁ~」

 

時雨

「今日も一日遊んだだけじゃないか……」

 

村雨

「ていうか楽器演奏なんて今日初めてやったわ♪」

 

時雨

「僕もだよ……。

 それなのにいきなりセッションとか……」

 

村雨

「でも、楽しかったでしょ?」

 

時雨

「……まぁね」

 

村雨

「うふふふ♪

 それにしても、うちの鎮守府に楽器なんてあったのね」

 

時雨

「昔でも、艦に載せてた事はあったみたいだよ」

 

村雨

「へぇ~。

 今もあるのはその名残ってことなのかしら?」

 

白露

「今の新しい楽器が入れられたのはわりと最近だよー」

 

村雨

「あら、そうなんだ」

 

白露

「うんー」

 

時雨

「白露、知ってたの?」

 

白露

「前に長門さんからちょろっとね。

 それで覚えてたから、今日行ってみたってわけ!」

 

村雨

「ふぅん、そういうこと」

 

時雨

「……あぁ、思い出した。

 前に大本営が企画してた、演奏会の関係か」

 

白露

「あーそれそれ~」

 

村雨

「なにそれ?」

 

時雨

「知らないかい?

 元々、僕たち艦娘が今日<こんにち>の世界状況において、

 軍事的に運用されるようになるまでの経緯には

 僕たちの見た目のことや、身体的能力、艤装の操法能力など諸々含めて、

 さらに倫理的な問題とかもあって、本当にいろいろな事があった上で

 今の体勢が築かれてることになるわけだけど」

 

村雨

「あ、うん……」

 

白露

(始まったー)

 

時雨

「でも、今でもやっぱり、特に倫理的な問題を

 根強く指摘してる世間の声はまだ小さくない。

 そこで、僕たち艦娘は限りなく人に近い健全な精神を有し、

 社会性を持っていることや倫理観を理解しているといった、

 人としての心というものをちゃんと持っていることの証明として、

 現体制の発足以来、僕たち艦娘による、文化的精神の発表の場が

 元々定期的に設けられているよね」

 

村雨

「そ、そうねっ!」

 

白露

「~~♪」ジャカジャカッ♪

 

時雨

「で、大分前に大本営が最新の文化企画として

 艦娘が楽器を演奏する大演奏会の企画を発表してたんだ」

 

村雨

「それも軍民間交流の一つとして、ってこと?」

 

時雨

「そういうことだね。

 他の鎮守府では、もう既に一度はやったみたいだよ。

 僕たちのところにはまだ話が来てないから、前の集会会議でも

 長門代……長門さんがほんの少し報告してただけだったね」

 

村雨

「ふ~ん。

 じゃあそれって、いつかちゃんとした話が来たら」

 

時雨

「まぁ、そうなるのかな…」

 

白露

「ほらっ、やっぱり今日触るだけでもやっといて正解だったんだよ~!」

 

村雨

「あはは、まぁそうかもね」

 

時雨

「……たしかに大事な任務の一つとしてってことならそうだけど、

 それで待機任務中の自主訓練をおろそかにするというのは、また違うと思うよ……」

 

白露

「よーしっ! そうと決まったら明日は朝いっちばーんから練習だよっ!」

 

村雨

「おぉーっ♪」

 

時雨

「聞いてないね、二人とも……まったく……」ハァー…

 

白露

「セッションは息を合わせることが大事だから、親睦を深めるためにも

 今日はギー子も一緒にお風呂に入ろうねっ!」

 

ギー子

「あら、姉妹水入らずにお邪魔させてもらってもいいのかしら?」ウフフフ…

 

村雨

「!?」

(ギー子っ!?)

 

時雨

「ちょっと待って白露!? 突っ込みどころが多すぎるよっ!

 というかそれやったら入渠なのに最悪轟沈しちゃうよ!?」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 005

「安全対策マニュアルは血で書かれている」


事件・事故が発覚してから後手後手で対応するのは人類の様式美。
怪我人や死傷者が出て、はじめて、危険予測や安全管理は見直され、安全品質は向上する。
ただし、おおよそ2年ほどで、それは忘れられてしまうので、前例作りや犠牲者は定期的に必要である。


 ~ Streak 005 ~

 

 

 

提督室

 

 

ダンテ

「映画?」

 

陸奥

「そ。その引率」

 

ダンテ

「へぇ、いいんじゃねぇか? お前も息抜きにちゃんと楽しんでこいよ」haha

 

陸奥

「ええ、そうさせてもらうわ。

 じゃ、5分くらいしたらまた戻ってくるから、それまでに出れるようにしててね」

 

ダンテ

「俺もかよ……」

 

陸奥

「もういろいろ理由付けとか面倒くさいのよ。

 黙ってついて来て」

 

ダンテ

「へいへい……」

 

 

――――――

提督室前・廊下

 

―ガチャ パタン

 

陸奥

「――よしっと。 それじゃ行きましょうか」

 

ダンテ

「せっかく久々に何もなくてゆっくり出来ると思ってたんだがな……」

 

陸奥

「ここにいてもどうせまたピザの出前を頼んでぐーたらしてるだけでしょ。

 いいじゃない、たまには」

 

ダンテ

「huh... それで、引率ってのはどいつらのなんだ?」

 

陸奥

「けっこう多いのよね。 それもあって頼んだんだけど。

 えっと、まず六駆の子達でしょ、」

 

ダンテ

「あぁ、あのリトルズか」

 

陸奥

「吹雪ちゃんと睦月ちゃんと夕立ちゃんでしょ、」

 

ダンテ

「仲のいいトリオだな」

 

陸奥

「最近はもうトリオってわけじゃないみたいだけどね」

 

ダンテ

「Hum」

 

陸奥

「如月ちゃんと島風ちゃん、望月ちゃんと弥生ちゃん、この子たち全員ね」

 

ダンテ

「……多いな……」

 

陸奥

「だから言ったのよ。

 まぁでも大丈夫。引率は私達だけじゃないから」

(内一人は当てにならないかもしれないけど……)

 

ダンテ

「Hmm」

 

陸奥

「ほら、急ぎましょう。大勢待たせてることには変わりないわ」

 

ダンテ

「ok.」huh

 

スタスタスタ

コツコツコツ

 

 

――――――

映画館

 

 

ポップコーン店員=サン

「ハイ、ドウゾ」ニコニコ

 

「あ、ありがとっ///」

(お礼はちゃんと言えるしっ!///)

 

「はわわ!? ポップコーン落ちちゃうのですっ!」

 

「あははっ! 電にはちょっと大きすぎたのかもしれないわねっ」

 

「ハラショー」チュー ←ジュース

 

 

 

夕立

「早くーっ! もう音聞こえてるっぽいー!」

 

 

睦月

「そんなすぐには始まらないから大丈夫だよ~っ…」ハァハァ…

 

吹雪

「ふふふっ。 楽しみですね、大和さんっ!」

 

大和

「はいっ!」ウフフフッ♪

 

 

島風

「ジュース来るのおっそーい~っ」

 

如月

「うふふふ♪ きっともう少しの辛抱よ~」

 

望月

「弥生、店員さんにらむなよ……ちょっとびびってたじゃん……」

 

弥生

「え…? 弥生、にらんでなんかない……」

 

 

 

長門

「……はぁ~~っ……! 来てよかったっ……!

 大淀に大半押し付けることになってしまったが、来てよかった~っ…!

 おい、陸奥! 私は絶対に駆逐艦の間に座るからなっ! 頼むぞっ!」ムフーッ

 

陸奥

「はいはい、好きにしたら……」ハァ…

 

ダンテ

「……」ジー…

 

陸奥

(…あら?)

「どうしたの? 何見てるの?」

 

ダンテ

「…あぁいや、……ha.

 今度、金剛にサインでも頼もうかと思ってな。

 アイツ、女優だったんだな」ha ha ha-

 

陸奥

「……へ?」

 

ダンテ

「ン? 違うのか?」つ

 

【例のポスター】

 

陸奥

「」

 

 

――――――

そのころ、

提督室前・廊下

 

 

金剛

「……///」

 

比叡・霧島・榛名

「……」

 

金剛

「……い、行きマスヨ?///」

 

比叡

「はい、どうぞ」

 

霧島

「チェック、ワン、オーケーです。いつでも」

 

榛名

「榛名は大丈夫です!」

 

金剛

「…………フゥー……」

 

比叡・霧島・榛名

「……」

 

金剛

「……あ、開けマスヨ?///」

 

比叡

「いいですよ、どうぞ」

 

霧島

「チェック、ツー、オーケーです。いつでも」

 

榛名

「榛名は大丈夫です!」

 

金剛

「…………フゥー……」

 

比叡・霧島・榛名

「……」

 

金剛

「……中、入りマスヨ?///」

 

比叡

「わかってますよ、どうぞ」

 

霧島

「チェック、スリー、オーケーです。いつでも」

 

榛名

「榛名は大丈夫です!」

 

金剛

「…………フゥー……」

 

比叡・霧島・榛名

「……」

 

金剛

「…………アレ?」

 

比叡・霧島・榛名

「?」

 

金剛

「……押すんデシタっけ?引くんデシタっけ?」

 

比叡・霧島・榛名

「」

 

・・・・・・

 

比叡

「だぁーもうっ! 私が開けますからっ!!

 開けたら入ってください! いいですねっ!?」

 

金剛

「っ!??」

 

比叡

「「っ!??」じゃないですよお姉さまっ!?」

 

霧島

「当初の予定時刻からはもう大分遅れて来ていますからね……」

(金剛お姉さまの気合いの入れたお洒落に、誘うときのセリフを考えるなどで……)

 

榛名

「お昼はあちらで皆でいただくということでしたが、もうお昼過ぎです。

 正直、少しお腹が空いていますが、でも榛名は大丈夫ですっ!」

 

比叡

「私はもうペコペコだよ……。

 それじゃ、もう開けますから。

 お姉さまはもうさっと入って、さくっと誘っちゃってください」

 

ガチャ

 

金剛

「あぁっ!?」

 

比叡

「さ、お姉さま」

 

―トンッ

 

金剛

「Oops!?」トテテテッ

 

 

金剛

「…あ、アァー……ヘ、ヘイダンテっ!////

 えっと、あのっ…………あれ?」

 

 

…シーン…

 

 

金剛

「……」

 

―スッ…

比叡

「……? あ……」

 

霧島

「……いつもの、ですね……。

 まぁ外であれだけ騒いでも反応がなかったので、もしやとは思っていましたが……」

 

榛名

「今日はたしか、特にご予定などはないと伝え聞いていたはずなのですが……」

 

金剛

「……うぅ~……」

 

 

――――――

作戦部

 

 

大淀

「…………はぁ……終わらない……。

 ……牛丼食べに行こ……」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 006

人は溢れるほど持っていないのであれば、他人から奪うもの。
それが人である。
逆に、抱えきれないほど持っているときに限れば、よく人に与える。
これもまた人である。

十分でない、あるいは持っていないにも関わらず、他人に与えられる者を聖人と呼ぶ。
他人から奪うくらいならばと、自死できる者は準聖人である。
これらはどちらもおおよそ人ではない。人をとうに超えた存在に他ならない。


 ~ Streak 006 ~

 

 

 

ダンテ

「こんな朝早くから準備やってるんだな」

 

陸奥

「ええ。

 前も、わりと規模の大きいものになっちゃったし、

 今日の夕方にはもう前夜祭を始めるから、だいたいこんなものだと思うわ」

 

ダンテ

「Hu-m」

 

陸奥

「各鎮守府で行われる恒例のお祭りは、全国で一斉に行われるんじゃなくて

 微妙にずらして催されるの。 比較的、距離の近い鎮守府同士の日程が前後するわ」

 

ダンテ

「へぇ」キョロキョロ

 

陸奥

「それには理由があって、

 全国の各鎮守府の監督官、うちの場合はあなたになるわけだけど――」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「その全国の監督官が一堂に会して、単純に交流を持ったり、

 今後の軍事活動において、もしかしたら協同作戦とかもあるかもしれないから、

 そのときに円滑な連携行動がとれるようにとかまぁいろいろ理由はあるんだけど、

 そんな感じの定例行事が年に一度はあってね」

 

ダンテ

(そりゃまた面倒くさそうだな……)

 

陸奥

「ただ、やっぱり年に一度っていうのもあれだし、

 だからと言って、頻繁に集まるとかいうことになって、

 各鎮守府の監督官がよく鎮守府を留守にするっていうのもいけないから、

 こういう各地イベントのときに、せめて隣接してる鎮守府の監督官同士には

 少しでも交流の機会を持たせておくべきだっていうのが、大本営の方針なの」

(まぁかなり特殊なうちの場合は、これまではそういうのは長門姉とあたしと大淀で

 協力してなんとかやってきてたんだけど……)

 

ダンテ

「hm...」

 

陸奥

「それで今日の前夜祭なんだけど、

 今回はあちらの方から来てくれることになってるから――」

 

ダンテ

「そのヨソのお偉いさんに挨拶しろってか?」

 

陸奥

「端的に言えばそうね。

 鎮守府の一般公開は明日なのよ。 今日は内輪」

 

ダンテ

「……hum」

 

陸奥

「なに、もしかして緊張?」ンフフフッ

 

ダンテ

「違ぇよ……。

 ま、何を言やァいいのかってとこはあるけどな」ha

 

陸奥

「あぁ、それに関しては……まぁ別に心配いらないわ。

 実を言っちゃうと交流といっても、もうほとんど形式的なものなのよ。

 ここと、あそこの鎮守府だとね……」

 

ダンテ

「?」

 

陸奥

「というか事務的な事についてはあたしがもう全部話すし、

 交流会自体はすぐに終わると思うわ」

 

ダンテ

「すぐ? わざわざ遠くから来てるんだろ?

 それだけなのか?」

 

陸奥

「用件が済むとすぐ帰っちゃう人なのよ、毎回ね……」

 

ダンテ

「…フーン」

 

陸奥

「報告されてる戦績を聞く限りじゃ、けっこう優秀な人みたいなんだけど

 なんというか、人当たりはあんまり、ね……」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「効率主義っていうか……。

 ……あくまで噂話程度のことなんだけど、それもあまりいい話は聞かないのよね……」

 

ダンテ

「……そうか。

 まぁ、話はわかったぜ。

 要はそんときになったら、お前の横でほとんど突っ立ってりゃいいんだな」haha

 

陸奥

「ええ、そんな感じ。

 初めましてとさようならだけ適当にやってくれたらそれでいいわ」

 

ダンテ

「了解」

 

陸奥

「その後は、明日の本番に向けての全体の安全確認とリハーサルよ」

 

ダンテ

「……リハ?」

 

陸奥

「一般の民間の人を招くわけだから、一番大事なのは安全面のことなんだけど、

 それに加えて、やっぱりお祭りの中で不測の事態や失態なんかがあると

 民間のっていうより、上のお小言がうるさくなるのよ……」

 

ダンテ

「板挟みか。辛いところだな」ha

 

陸奥

(……)

「まったくよ……。

 明日のお祭り本番は、お昼から夜遅くまでかけて通しの大掛かりのものだから、

 今日のリハーサルはとても大事なの。 皆もすごく気合が入ってると思うわ。

 だから、ちゃんと全員の所を回って様子を見に行ってあげてね。

 他人事じゃないのよ? "て・い・と・く"?」フフフッ…

 

ダンテ

「huh... ま、退屈はしなさそうだな。 わかったよ」キョロ…

 

陸奥

「……」

 

 

陸奥

(……大丈夫、準備はちゃんとしてあるわ……)

「……スゥ……ハァー……」←背を向けて心を調える

 

―キョロ

ダンテ

(……お、すげぇ。さすがジャパンの"OMATSURI"だな。そういうイベントもあんのか)

「ph~♪」

 

スタスタスタ

 

 

陸奥

(浴衣着の用意だってあるし……! ……よしっ!)

「……あ、あのねっ! それで今日の前夜祭なんだけどっ

 い、一緒に見て回らない……?

 その方が私も補佐役としてついててあげられるわけだし、都合がっ

 ……って、あら……?」

 

……

 

陸奥

「…………フフッ………ふふふふふふっ……。

 ……うん、決めた。 もう決めたわ。

 明石と夕張に頼んで、発信器を作ってもらいましょう。

 あたしから半径3メートルでも離れようものなら、ブザーが鳴る機能付きのやつ。

 それを付けさせましょうか。 そうよ、そうしましょう」ウフフフフフ…

 

 

――――――

 

 

五十鈴

「……はぁ、ほんと無意味ね……」

(今日だって、"この私"に意味があって連れてこられたわけじゃない……)

 

 

五十鈴

(……今日が終わって鎮守府に帰ったら、明日……)

「……私は……」

 

 

―ザッ

 

「Hey, Cute Diva.」HA HA-

 

 

五十鈴

「……は?」クルッ…

 

 

 

背後からの突然の呼びかけに、五十鈴は困惑しながらも振り向いた。

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 007

宏願を抱き、制約と誓約を為し、一心に誓願を成されよ。

愛しみを以ってでも、憎しみを以ってでも、その願いは聞き届けられ、果たされる。


執着のない者に愛はない。
愛のない者に才能はない。


 ~ Streak 007 ~

 

 

 

……最近、眠ると夢をよく見る。

 

それはとても不思議な夢。

起きてしまえば、やっぱり細かなことは忘れてしまうような夢だけれど、

それでも起きた後も胸にずっと残る……そんな夢を……――

 

 

 

「…………また……やっぱりここなのね……」

 

 

 

そこは暗くて、どんよりしてる感じ。

もう何度も同じような物を見て、感じて、繰り返してる。

 

夢の中だってわかりきってるけど、それでも自分で夢から覚めることはできなくて……。

 

……ここは、どことなく体が重くて気だるくて…………息苦しい……。

 

 

どうせ見るなら、もっと素敵な夢がいいのに……。

 

…………早く、一緒にお休みしてほしいな……。

 

 

 

「…………」

 

 

 

ここに来てしまったら、私はもう目が覚めるまでずっとこうして座り込む。

だって、ほかにどうしようもないから。

 

 

今日も目が覚めるまでこのままいるんだと思ってた。

……そう思っていたら、

 

 

 

「…………っ!? だれっ!?」

 

 

「…………」

 

 

 

私の後ろに…………その人はいた。

 

 

 

「…………」

 

 

「っ……あなた……」

 

 

 

この暗い中、見えているわけじゃない。

言ってみれば、輪郭のある影のような……。

 

だから、今私の目の前にいる人が誰なのか、どんな人なのかなんてわかるわけない。

 

 

でも私はこの人とは、もうこれまでに何回か会っている。

 

……そんな気がする……。

 

 

 

「…………あなたは……だれ?」

 

 

「私ハ――」

 

―ゴボコポポッ…

 

 

 

聞き取れない……。

 

今やっと、私は気付いた。

……きっと"ここ"は海。

 

……本当になんとなくだけどたぶん、海の底……。

 

 

 

「――深遠ノ海底ニ棲ム者」

 

 

(――っ! それって……っ)

 

 

「…………ソレト、力ノ求道者」

 

 

「えっ」

 

 

 

…………。

 

 

 

「…………」

 

 

「…………それはちょっと……属性盛りすぎなんじゃない……?」

 

 

「…………」

 

 

「…………私の夢の中に現れて、姿は真っ黒で、でもおしゃべりは出来て、

 ……それで、海の底に住んでいるってくらいでもう十分にキャラは立ってると思」

 

 

「貴女ハ、"力"ガ欲シクナイ?」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

 

それは、唐突な問いかけだったわ。

 

 

 

「…………」

 

 

「…………貴女ハ、"力"ガ欲シクナイ?」

 

 

「……力……?」

 

 

「ソウ、"力"」

 

 

「……力、って……何の力なの?」

 

 

「……私ノ声ハ深海ノ呼ビ声。

 “堕チタル娘ノ魂”ヲ開花サセ、ソノ内ノ秘メタル"力"ヲツムギ出スッ……!」

 

 

(……“堕ちたる娘の魂”…………それに、内にある秘めたる力、ですって……?)

 

 

「…………貴女ガ望ムナラ、」

 

―スゥ…

 

「あっ……!」

 

 

 

私の夢は、そこで終わった。

 

 

 

「…………っ……」

 

……ムクリ…

 

 

 

――美シキ、母ナル海ノ

 

 

 

「……"深キ力"ヲ、カ……」ボソ…

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 008

現在(2021年)の世界人口(78.37億人)の中での内訳結果

善の魂の人口 (3~)5億人(6.38%) ※固定値で変動はしない
 ※原初の宇宙人の子孫。地球の正統な継承者。

悪の魂の人口 73.37億人(93.62%)
 ※魂の霊格修行に都合が良い地球に、
  地球外から無理やり横入りで現地の肉体を奪いに来た魂。
  (ワンダラー=不法移民)。
 ※竹○平蔵(の肉体)も本来入るべき魂とは違う、
  ワンダラーの魂が無理やり横入りし、肉体を奪われている。
  そうして、そのワンダラーの悪の魂が悪政・悪行の限りを尽くした。
 ※ユダヤ人の多くがレプティリアンに乗っ取られ、同化している。
  世界を主に金融で支配し、コロナも利用した。
  人間の恐怖と肉体を主食とする。
 ※第四段階以下の魂、レプティリアンを含むワンダラーは、
  魂の修行過程で、家畜生に苦痛を与えたり、殺したり、
  その肉を食べなければならないという義務がある。
 ※魂の成熟度と受肉転生する・させられる体の知能は比例関係にある。
  つまり、魂の年齢が高ければ高いほど、各生物毎の平均知能指数が
  高い生物に生まれ変わる。


※極単純に考えて、あなたが人生の中で出会う人の中の実に9割以上が悪の魂を持った、
 悪魔の化身であるということである。
 故に、どのような悪意やそしり、暴力を受けようとも、気に病むようなことだけは
 決して、なきように。
 そして、出来れば、憐れと思い、慈しんであげなさい。
─────────────────────────────────


悪の魂は、善の魂が修行をするために存在する。
善の魂は、悪の魂の犠牲に応えなくてはならない。

一つの魂が善悪の二役を担うことはできない。
一方が善であり、一方が悪である。
双方、定めにより、同時に世界に存在するよう命じられている。

善の魂は、他者(他の魂)を愛しみ、優しくすることは出来ても、苦しめたり、傷付けたりすることは出来ない。
こういった、善の魂のみが地上に溢れれば、地上における魂たちの修行にならず、成長できない。
そこで必要となってくるのが(レプティリアンなどをはじめとする)悪の魂たちである。
悪の魂であれば、他者(他の魂)を愛しんだり、優しくすることは出来ないが、苦しめたり、傷付けたりすることは出来る。

明かりあれば影あり。影あればこそ明かりあり。
光あれば闇あり。闇あればこそ光あり。
幸あれば不幸あり。不幸あればこそ幸あり。

つまり、役回り(=厄廻り)・役割(=厄宛)なのである。

善の魂ありて、悪の魂あり。
悪の魂ありて、善の魂あり。

悪の魂よ、善の魂のために一生を犠牲にして尽くすべし。
善の魂よ、悪の魂の犠牲に報いるために、確と霊人を目指すべし。

各々、踏み外すことなく全うされよ。


善なる魂よ、悪なる魂を憎んでやってくれるな。
どうか、愛しんでやってくれよ。

彼・彼女等はお前たちのためにも在るのだ。
お前たちのために、一生を犠牲にしなくてはいけない役目にあるのだ。

善なる魂も、悪なる魂も心に留め置いてくれよ。
お前たち全員に役割がある。それはお互いのためのものでもある。
そして間違いなく、お前たちは"本来は"……"本来であれば"、誰しもが尊いのだぞ。


 ~ Streak 008 ~

 

 

 

会議室

 

 

―ガチャ

天龍

「うぃーっす」

 

 

長門

「遅いぞ、天龍」

 

 

天龍

「わりぃわりぃっ。

 ……ん?」

 

 

不知火・那智・陸奥

「……」

 

 

天龍

「……なんか、全体で見ると妙な組み合わせだな。

 呼ばれて来たけど、何の用なんだ?」

 

 

長門

「うむ。

 全員集まったことだし、それでは説明しよう」

 

・・・・・・

 

陸奥

「……つまり、今後、多様にも考えられる不測の事態に

 一つでも多くの対応を備えておく必要がある、ということね?」

 

長門

「その通りだ」

 

天龍

「それでこの編成隊なのか?」

 

長門

「ああ」

 

不知火

「対悪魔用の艦隊……」

 

那智

「略して対魔艦隊、か……」

 

陸奥

(……)

 

長門

「今はまだ、想定されうるも何もない状態だが、

 もし、今後の海上展開において、ある種の限定的かつ特殊な状況が発生した場合、

 我々はそれへの対処のために適時編成され、その"特務"を"確実に"遂行するために

 行動することになる。

 そのための、"精鋭抜擢された"一時的部隊だ」

 

天龍

「おぉーっ!」

 

那智

「……ふむ。

 初めは疑問も多かったが、そのような意図だったとはな。

 精鋭抜擢、か……フッ、まぁ悪い気はしないな…//」

 

不知火

「当然の誉れ、その結果といったところでしょうか。

 まぁ極自然な運びですね。

 この不知火には、とくにこれといった落ち度というものもないのですから」

 

陸奥

「……」

(……"抜擢された"?)

 

長門

「フッ……私も全くもってその通りだと思うよ。

 ……さて、それでこの一時編成の部隊なんだが、先も言ったように

 この部隊が発足される状況というのは、限られた範囲での物のみに想定されていて、

 通常時の作戦行動のときとは区別される」

 

「「……」」

 

長門

「よって、今後の作戦で当編成隊と同じ艦隊編成が成されたとき

 隊員内で万が一、その認識に誤りがあってもいけないので、

 この一時的特務部隊が編成されたときには、その区別のために

 各隊員にはコードネーム、つまりは暗号名を名乗ってもらう」

 

那智

「……暗号名?」

 

天龍

「おっ、いいねぇ。 それっぽいじゃねぇかァ」ニヤニヤ

 

不知火

「その暗号名というのは今自分で考えるのでしょうか?」

 

長門

「いや、既にもうこちらで考えてある。

 逆に難解過ぎて、本人や部隊内で用いにくい物では、それはそれで問題なのでな。

 そして別に、鎮守府内で特に秘匿する必要もないので、

 個人を特定できないような物にもしていない。 割りとシンプルなものだ」

 

天龍

「ちぇ、なんだそうなのかよ。

 あー、いいのあったのになぁ」

 

陸奥

(……)

「……それで、そのコードネームっていうのは?」

 

長門

「うむ。

 では、お前たちにこれを」

つ[]]つ[]]

 

「「……」」

 

 

四人は長門から、閉じられている紙を受け取る。

 

 

カサカサ…

 

天龍

「んー、どれどれー?」ペラッ

 

那智

「正直、よくはわかっていないが二つ名、のようなものか?」ペラッ

 

不知火

「……もしや、あだ名とかではありませんよね……」ペラッ

(陽炎とかがたまに言ってくるあれのような……)

 

陸奥

「……」ペラッ

 

 

 

 

 

つ[対魔艦 ムツ]⊂

 

 

 

 

 

陸奥

「」

 

不知火

「む、これは……」

 

那智

「ふむ……名前はカタカナなのか」

 

天龍

「てか、カタカナの字面で見るとオレの場合、若干ダセェんだけど……」

 

長門

「対魔艦隊を構成している一隊員とはつまり、

 その時だけは対悪魔用の艦娘とも言える。

 よって、」

 

那智

「この名称、というわけか……。

 ……ん、ちょっと待ってくれ。

 まさかこの名称のまま呼び合うのか? 長くはないか?」

 

長門

「あぁ、作戦行動中の呼称はお互いいつも通りでいい。

 この名称は、要は対魔艦隊でいる間はそのように認識しておいてほしい、

 というだけだ」

 

天龍

「ふーん」

 

不知火

「……なんというか、正直、それならばあまり意味があるようにも思えませんね……」

 

長門

「フッ……ではこういうのはどうかな?」

つつ【黒い紙袋】×5

 

不知火

「それは?」

 

那智

「5袋……人数分あるようだが」

 

天龍

「っ!?

 まさかそれって……!!」

 

長門

「ああ。

 特務部隊・対魔艦隊の構成員専用の"正装"だ」

 

天龍

「」キラキラキラ

 

那智

「一艦隊用に専用の制服まであるのか。すごい力の入れ込みようだな」

 

不知火

「確かに、制服があるのであれば区別は容易ですね。

 ……ただ、あとは着やすいのかどうかも気になりますが」

 

長門

「あぁ、それについては問題ない。

 瞬時に着脱出来て、動きも取りやすい設計らしく、

 サイズも"ぴったり"に合わせてあるらしいぞ」

 

那智

「ほぅ」

 

不知火

(……らしい?)

 

長門

「よし。

 では皆、黒い袋に貼られたシールに名前が書いてあるから、

 自分のを取ったら、すぐそこの更衣室で着替えて来てくれ。

 そうしたらもう一度ここに集合だ」

 

「「了解。 おうっ!」」

 

 

陸奥

「……はっ!

 ちょ、ちょっと待って!!」

 

長門

「ん? どうした?陸奥」

 

陸奥

「いやあのっ……ね、ねぇっ、こ、これ……えぇーっと、あの……」

 

長門

「なんだ? はっきり言え」

 

陸奥

「~~っ!!

 ……あ、あのね……やっぱり、その…………やめにしない……?

 この艦隊……」

 

長門

「……は?

 何を言うんだ急に……」

 

陸奥

「だ、だからっ……!

 ……な、名前もなんかほらっ……あ、アレだし……」

 

長門

「名前というと……どっちのことだ?

 というか艦隊名も個人の暗号名どちらも、その艦隊専用特務の性質を

 そのまま表している名称の上に、非常にシンプルなものじゃないか。

 私は良い物だと思うのだが……。

 あ、もしかしてあれか? 対魔艦 ムツ は語呂が悪いからとかそんなか?」

 

陸奥

「その名前で呼ばないでっ!!

 ――って、違くてっ!

 えっと、だからそのぉっ…!」

 

 

不知火・那智・天龍

「?」

 

 

長門

「だから? なんだ?」

 

陸奥

「~~~っ!!

 いやもうホントなんとなくよっ!! なんとなくっ!!」

 だからとにかk」

 

長門

「ばかを言え。

 なんとなくで意見が通るか。 ちゃんと理由を言え」

 

陸奥

「……えぇ……」

 

長門

「ないならお前も早く自分の着替えを済ませろ。

 私も着替えねばならんしな」

 

陸奥

「」

 

・・・・・・

 

天龍

「なぁ、おい……」ピッチーン

 

不知火

「……説明を」ピッチーン

 

那智

「してもらおうか……」ピッチーン

 

長門

「ぬぅ……///」ピッチーン

 

陸奥

「~~っ!/////」ピッチーン

 

・・・・・・

 

天龍

「確かに着やすかったさ……。

 ああ、それこそ戸惑ってた時間の方が断然長かったくらいにな……」

 

不知火

「動きも非常に取りやすい……。 この着心地の軽やかさは、

 それこそまさに何も着ていないかのようですらあります……」

 

那智

「機能性を言えばたしかに悪くはないのかもしれないな……。

 ……だが、本当にこれが制服なのか?

 まさかとは思うが、我々対魔艦隊の特務というのは海上ではなく陸地で、

 硝煙の代わりにアルコールの匂いがしているような場所で行うのか?」

 

長門

「……まさか、こんな服とは……」

 

陸奥

(だから言ったのにぃっ…!/////)プルプルプルッ…

 

天龍

「どうすんだよっ!? こんなピッチピチでよぉ!!////」

 

陸奥

「そうよっ!! こんな格好でなんてっ た、戦えないわっ!!////」

 

長門

「……いや私もこれh」

 

那智

「長門と陸奥はまだいいだろうっ! 普段の格好とそう変わらん!///

 冬服のタイムパトロールの制服だとでも言い張ればいいんだからなっ!」

 

長門

「んなっ!?////」

 

陸奥

「」

 

不知火

「……ハァ…」

(さっそく仲間割れで艦隊維持の危機ですか……。

 ……でもまぁ確かに、この格好は陽炎たちには見せられないわね……)

 

・・・・・・

 

長門

「というか、実はこの制服…もだが、今回のこの新部隊発足には

 私が始めに相談した夕張の」

 

不知火・那智・天龍

「…ん?」

 

陸奥

「……」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 009-010

破壊こそ、創造の母である。


 ~ Streak 009 ~

 

 

 

特別資料室

 

 

夕張

「…………ふむ……」…パタン…

 

 

明石

「……何かそれっぽいのあった?」ペラ…

 

 

夕張

「ぜーんぜん」スッ ←資料をしまう

 

 

明石

「ですよね……」タハハ…

 

 

夕張

「そっちは?」

 

 

明石

「同じくです……」

 

 

夕張

「だよね……」

 

・・・・・・

 

夕張

「やっぱり、あんな突飛なこと言われてもねぇ……」

 

明石

「う~ん……」

 

夕張

「……今、如月ちゃんは?」

 

明石

「……長門さんが詳しく話を伺っているそうです……」

 

夕張

「まぁ、そっか……。

 ……この話ってまだこの鎮守府内だけで止まってるのよね?」

 

明石

「正確には、ついさっきまで如月ちゃんと一緒に遠征に出ていた子達と

 長門さんと陸奥さん、あとは大淀だけですね。

 長門さんの判断で、今は話を止めているみたいです。

 ダンテさんには、これから陸奥さんが話をしに行くって言ってました」

 

夕張

「ふむ……ま、当然か。

 ……今回のことは流石に、あんまり不用意に触れ回るべきじゃないわよね……」

 

明石

「新敵性体の登場以来、摩訶不思議なこと続きでしたけど、

 今回のことはさらにそれに輪をかけて、前代未聞なことですからね……。

 まさか……」

 

夕張

「……声の力だけで敵の駆逐艦を退けた、なんてね……」

 

 

現体制の発足、そしてそれに関連する情報の整理は、そんなに古い物ではなく、実の所はここ数年に急ぎで整えられた。

なので、現戦火中にまとめられている情報というものはそれほど多いものではない。

 

二人としても、聞いたことすらなかった話ではあったが、それでも何かしら類する事例があったりはしないだろうかとこの場に赴いた。

 

・・・・・・

 

夕張

「……う~ん、やっぱりだめ!

 そんな前例なんて載ってないっ」パタンッ

 

明石

「……」ペラ…

 

夕張

「やっぱり私たちも直接、如月ちゃんから何か聞いてみた方がいいのかも……」

 

明石

「……そうかもですね。

 行ってみますか。 たしか人の来ない作戦部で話をされているはずです」パタン

 

夕張

「よし、そうと決まったら急ぎましょう。

 実は個人的にはかなり興味もあるしっ」

 

明石

「まぁ、こちらも否定はしませんけど……」

(声、か…………音……特定の周波数、とか……?)

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 010 ~

 

 

 

陸奥

「ちゃんと覚えてきた?」

 

ダンテ

「……ああ。 おかげでちょっと寝不足だけどな……」ファ~…

 

陸奥

「試験の予告自体はずっと前からしてたじゃない……。

 まぁ、徹夜の甲斐はあるといいわね。

 それじゃ始めるわ」

 

ダンテ

「……おう」

 

・・・・・・

 

陸奥

「ん~……」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……よし、それじゃまずは私の名前を書いてもらおうかしら」

 

ダンテ

「またかよ……。 何回目だ。試験リハのときにでも何回も書いただろ。

 さすがにもう覚えてるぜ? 一画も間違えたりしねぇよ」

 

陸奥

「今日は試験本番です。

 意見発言の際は挙手して許可を得るように。

 また、試験官に対し、逆らったり無遠慮な態度を取ることは好ましくありません。

 最悪、ペナルティが課せられます」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「ほらほら、わかったらさっさと書いて。

 テストなんだから、ちゃんと覚えてるってことを証明することが大事なのっ」

 

ダンテ

「わかったよ……」

 

・・・・・・

 

つ[陸奥]⊂

 

陸奥

「……うん、十分ね♪」ササッ…

 

ダンテ

(毎回持ってくよな、その紙端だけをよ……)

 

陸奥

「それじゃ次は口頭試問よ」

 

ダンテ

「Hum..」

 

陸奥

「あ、でもその前に一応もう一度、試験をする意味のためにおさらいね。

 この試験自体の意義は前にも言った通り、今後この鎮守府の皆と

 コミュニケーションを取っていくわけだけど、それを出来るだけ

 円滑にするためには皆のことについて、ある程度の基本的な情報を

 予め知っておくことが望ましいわけで、その知識を身に付けること、

 また本当に覚えられているかどうかの確認をするというものよ」

 

ダンテ

「……ああ、わかってるさ…」

 

陸奥

「よろしい。

 正誤判定はその都度で、間違った問題については、

 正解はすぐその場で教えるから覚えてね」

 

ダンテ

「Ok.」

 

陸奥

「では、問題です。

 金剛型四姉妹を長女から順に答えなさい」

 

ダンテ

「コンゴウ、ヒエイ、ハルナ、キリシマ」

 

陸奥

「あら、正解ね」フフフ

 

ダンテ

「さすがにな……」huh..

 

陸奥

「榛名と霧島のどっちかで間違えるかと思ったけど」

 

ダンテ

「会ってまだ数日の頃だったらありえたかもな。

 むしろキリシマは一番上かくらいに思ってたぜ」ha

 

陸奥

「ふむ。 では、次。

 軽巡洋艦、大淀の姉妹艦の名前をすべて答えなs」

 

ダンテ

「いない。オオヨド一人だ」

 

陸奥

「む…」

 

ダンテ

「HA-」

 

陸奥

「……この私、戦艦陸奥の姉妹艦の名前を答えn」

 

ダンテ

「ナガト。長女と次女、お前ら二人の姉妹だ。

 ナガト型、だろ?」ha

 

陸奥

「……正解」

 

ダンテ

「こんなンばっかりか?

 おいおい、簡単すぎだろ」Ha Ha-

 

陸奥

「……そこまで言うのならいいでしょう。

 次からはもう少し、難しめの入り込んだ問題にしてあげるわ」

 

ダンテ

「huh... さっさと終わらせて、もう一眠りさせてもらうとするかな」

 

陸奥

「言ってなさい……!

 問題! 現在、当鎮守府で保有している航空戦隊には第何番があるか、

 すべて答えなさい!」

 

ダンテ

「第一・第二・第五があるな」

 

陸奥

「っ……そのうちの第五航空戦隊の正規空母の名前は!?」

 

ダンテ

「ショウカク、ズイカク」

 

陸奥

「第二航空戦隊の正規空母の名前はっ!」

 

ダンテ

「ヒリュウ、ソウリュウだろ?」

 

陸奥

(これも答えるなんてっ……!)

「第一航空戦隊の正規空母のうち、食事の量がより多いのは?!」

 

ダンテ

「あー………カガ、だな」

 

陸奥

「っ! ……で す が !」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「その加賀の大好きなたb――」

 

ダンテ

「ミ○ク・ジャガー」

 

陸奥

(!)

「不正解っ! …って誰!?」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 011

最悪の予想ができない人間は常に無能である。


 ~ Streak 011 ~

 

 

 

夕張

「よっしゃぁあー! 守りきったぁああーーっ!!」グッ!

 

大淀

「いや違いますから。正確には保留ですから」

 

明石

「あはは……」

 

夕張

「でもでもっ! 大本営にはまだ報告行ってないんでしょうっ?」

 

大淀

「行ってないというか、できませんよこんなこと……。

 どう報告しろって言うんですか……」

 

明石

「長門さん、青ざめてましたよね……どう判断していいかわからないって……」

 

大淀

「……まぁ、共犯になったようなものですしね……」

 

夕張

「大丈夫! いつか絶対に認められるようになるはずだから!」

 

大淀

「……とりあえず、動力系はすべて外して、

 拘束器などを使って完全に固定してください。

 あぁ、安全装置などのセーフティがあるものはすべて有効にしておいてください」

 

夕張

「!?」

 

明石

「……」

 

・・・・・・

 

夕張

「くはぁ~……」カショカショ

 

明石

「ま、まぁ、即時解体でなかっただけよかったと思わないとっ!」アハハッ…

 

 

宇宙丸

「……」…

 

 

大淀

「……まったく…………ん?」

(……あれ? 今なにか、あのロボットの目が光ったような……?)

 

・・・・・・

 

夕張

「――よし、これで先の仮固定は完了、っと。

 それじゃ、動力系外しまーす。 まずはD-ブースターから。

 明石、やっちゃってー」

 

 

―――

 

明石

「はーい。

 ぽちっとな」ポチッ

 

大淀

「……」

 

―――

 

 

―ウィーン……ガキンッ

 

 

 

夕張

「…ん?」

 

 

―――

 

明石

「……あれ?」

 

大淀

「……?」

 

―――

 

 

夕張

「……え、外れた?」

 

 

―――

 

明石

「………いや……外れてないです……。

 何か、ひっかかってますね……」

 

―――

 

 

夕張

「ひっかかった? ……変ね……。

 ホック系は全部外したと思うんだけど……」テクテク…

 

 

―――

 

明石

「うーん……?」カタカタカタ… ←管理端末操作

 

大淀

「……何か不調?」

 

明石

「うん、なんか…………あれ~……?」カチカチ…

 

大淀

「……ぁ……。

 ……ね、ねぇ明石……?」

 

明石

「はいー?」カタカタカタ

 

大淀

「……何というか、あのロボットの目……今光ってない……?」

 

明石

「えー? 今は別に起動はおろか、内部動力も残ってないはず……っ!!?」

 

―――

 

 

夕張

「ホックじゃないなら……え~……何かしら……」テクテク

 

 

『夕張!今すぐそこから離れてっ!』

 

 

夕張

「え……?」ピタッ…

 

 

宇宙丸

「……」…ガコンッ

 

 

夕張

「」

 

 

『その子……まだ生きてますっ!!』

 

 

宇宙丸

「……」…ガシッ……ガコォンッ!

 

 

突如、独りでに起動した大宇宙1号丸。

おもむろに動き出した左腕が、外れかけたD-ブースターを掴み、

再び自身の体内に押し込んでいく。

 

 

―――

 

大淀

「どどどどうなってるのあれっ!?」

 

明石

「っ……左腕が動いてる……!

 まさか――」

 

―――

 

 

夕張

「アクゼリュスシェル……!」

 

 

―――

 

大淀

「何なのそれ!?」

 

明石

「……実は元々、あの機体には10個の例の大きい石が組み込んであって……。

 各部位に組み込んだそれぞれの石の名称は、こっちで勝手に付けたんだけど

 その一つの左肩に組み込んであった石の名前が」

 

大淀

「細かい話はいいから!

 だから、どういう物なの!?」

 

明石

「……ぶっちゃけよくわかってない……」

 

大淀

「」

 

明石

「そもそも、中の石がそういう物なわけで……。

 でも、初期の私たちの想定では、

 ただ単に供給されるエネルギーの中継基地局的な運用しか」

 

大淀

「待って。 ……とにかく、今はなんで動いてるの?」

 

明石

「……多分だけど、先の戦闘で連結したD-ブースターの影響かも……。

 石と石同士が、実は私と夕張が思っていた以上に

 エネルギー的な何かで強く共鳴してて、それがまだ残ってて……」

 

大淀

「っ……」

 

明石

「…! そうだ、陸奥さんがダンテさんから聞いてまとめてた報告資料にもあった……。

 エネルギー利用の開発ばっかりしてたから、忘れてたんだ……!

 小さな石が少量あるってだけなら取るに足らなくても、膨大量も集まると

 やっぱり、ただ単にエネルギーの凝縮体ってだけじゃなくなるんだっ…!」

 

大淀

「……それでどうなるのっ…?」

 

明石

「……このまま行くと、おそらくは………あっ!!」

 

―――

 

 

宇宙丸

「……」…

 

 

 

夕張

「………っ!?」

 

 

 

―ガキンッ! バキキッ……ボゴォッ!

宇宙丸

「……」

 

 

 

夕張

「こっ……拘束器が外されていく……!」

 

 

『夕張っ!!』

 

 

宇宙丸

「……」……キュィーン…

 

 

 

夕張

「……全身動いてるっ…………まさか………暴走っ……!?」

 

 

 

―ダァン! タララララ タララララ タラララララ♪

 

 

―――

 

タータタタ タータタッタッター タッタッタター タッタッタッター♪

 

 

大淀

「なんですかこの音楽!?」

 

明石

「始まったか……!

 緊急事態用BGM! 所定手順をクリアしないで、何らかの起動が行われた際に

 機体から鳴るように設定されてたんだけど……まさか本当に必要になるなんてっ……!」

 

大淀

「車のロックシステムか何かですかっ!?」

 

―――

 

 

夕張

(……これはもう迷ってる場合じゃないわね…)

「明石っ! 長門さんに連絡を! あと、あの人にもっ!

 私は魔装組(*)と特装組(*)に救援を頼んでくるからっ!」

 

 

*魔装、特殊兵装持ち艦娘達の略称

 

 

―――

 

明石

「わ、わかりましたっ!!」

 

大淀

「っ…鎮守府の警戒警報、発令してきます!!」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 012

「NS○の監視は『安全』ではなく権力のためのものだ」

エドワード・スノーデン


陰謀の実存は、もう既に2013年12月17日に実証が完了している。


影の秘密結社にとっては、陰謀論肯定派の存在ほど疎ましいものはなく、逆に陰謀論否定派の存在ほど好ましいものはない。

また、影の秘密結社に一番助力する存在は陰謀論肯定派ではなく、陰謀論否定派である。

陰謀論否定派のおかげで、のさばる事が出来るので、影の秘密結社は陰謀論否定派を増進させるための費用には莫大な比重を置いている。


 ~ Streak 012 ~

 

 

 

吹雪

「……」トテトテトテ

_v-ェ-v …

つu u⊂

 

・・・・・・

 

吹雪

「……」トテトテトテ

_v-ェ-v ……

つu u⊂

 

 

ケルビ

「…………おい、フブキ」

 

吹雪

「ん? 何? あ、お腹すいた? 間宮さん、行く?」

 

ケルビ

「……抱えてもらわなくとも大丈夫だ。

 降ろすがいい」

 

吹雪

(!?)

「だ、だめだよっ!

 目見えてないんでしょ!? 今度は両目の所に傷が……」

 

ケルビ

「何度も言ったが、問題ない」ヒョイッ

 

吹雪

「あっ…」つつ..

 

ケルビ

「開いていないだけで、"何も"見えていないわけではない」シュタ

 

吹雪

「……本当に、大丈夫……?」

 

ケルビ

「心配無用。 それに何より、お前の匂いは独特だからな。

 鼻さえあれば、たとえ他すべての感覚が失われようとも見つけ出せよう」フシュッ

 

吹雪

「うぇえっ!?

 えっ……私ってそんなに匂うの……?」

 

ケルビ

「ああ。 ここにいる娘の誰よりも強力だ。

 ウミ……と言ったか、あの水のような物ばかりが広がっている世界も

 物凄い匂いを発してはいるが、それにも掻き消されぬ」

 

吹雪

「」

 

・・・・・・

 

吹雪

「……」ズーン…

 

ケルビ

「……む? どうした?」

 

吹雪

「いや………あはは……。

 ……うぅ~……私ってそんなに臭いかなぁ……」スンスン…

 

ケルビ

「臭い……不快という意味のか?

 いや、そうではないな。逆だ」

 

吹雪

「…え?」

 

ケルビ

「……説明が難しいな……」

 

吹雪

「……私の匂いって説明しにくい匂いなの?」

 

ケルビ

「うむ」

 

吹雪

「……なんか、それはそれで……」

 

ケルビ

「……強いて言うなら、入り乱れているのだ」

 

吹雪

「入り乱れる? ……匂いが?」

 

ケルビ

「そうだ。 しかし、入り乱れているからといって、

 それらは決して混ざり合っているというわけでもない。

 とかく多くのそれぞれの匂いが、お前からはしているのだ」

 

吹雪

「……」

 

ケルビ

「それも十、二十の数ではない。 百……いや、それ以上か……。

 それほど多くの匂いがお前を覆っている」

 

吹雪

「……う、う~ん……」

 

・・・・・・

 

吹雪

「――あー、そういえばさ」トテトテ

 

ケルビ

「ん?」テテテ

 

吹雪

「初めてケルビに出会ったあの日のことなんだけど、

 どうしてダンテさんの所に帰らないで、私だったのかなって。

 お話できるようになってるんだし、せっかくだから聞いておきたいなーって」

 

ケルビ

「ふむ……。

 ……我がお前に初めて会ったとき、やはり気になったのがその匂いなのだ」

 

吹雪

「さっきの?」

 

ケルビ

「うむ」

 

吹雪

「えぇ……そんな初対面のときから私の匂いって強烈だったんだ……」

 

ケルビ

「気に病むことはない。

 そもそもそれは悪いものから来ているものでは決してない」

 

吹雪

「え、そうなの?」

 

ケルビ

「ああ。

 そうだな、……フシュッ、その匂いもまた説明し難いものではあるのだが……。

 それは誇り高く、気高い……何か強い意志か心………そう、魂だ」

 

吹雪

「っ…!」

 

ケルビ

「それを感じさせる」

 

吹雪

「……」

 

 

 

自然と、吹雪は右手を自身の胸に当てていた。

 

 

 

吹雪

「……っ」ググッ…!

 

 

 

思わず、その右手に力が入る。

 

 

 

ケルビ

(……)

「……フブキよ」

 

吹雪

「……ん…なに?」

 

ケルビ

「今はもう、お前は我に力を示し、我はお前を認めた。

 我が魂を手に"先"へと進め。

 我が牙の加護は常にお前と共にある」

 

吹雪

「ケルビ……」

 

ケルビ

「何者にも臆する必要はない。

 お前の道を阻む輩は、全て我が噛み砕いてやろうぞ」

 

吹雪

「……うん、わかった。 頼りにしてるからねっ、ケルビ!」

 

ケルビ

「…フシュッ」

 

 

 

 

 

ケルビ

 

 <CERBERUS>

 

  サテライト

   -フリッカー

 

 

ケルベロス Lv3(青の閉眼)

 

…その"こうべ"は未来を象徴し、その閉じられた両眼には霊化の力を宿らせている。

 今の両眼では、以前ほど物を見ることは出来なくなってしまったが、

 それは代わりに霊化の力を顕現するための対価である。

 主の意とは別に、任意で主の周囲に縦横無尽の棍撃の壁を作り出す役目を担う。

 全ては主のために。

 進行を阻む者は全て叩き弾いて活路を切り開き、

 主が邁進できるように尽力することを惜しまない。

 たとえ己の"全て"を賭す事になろうとも、主に光明を捧ぐことを約束する。

 

 

 

 

 

地獄の忠犬 ケルベロス

 

…3つの"こうべ"と、

 それぞれの"こうべ"の持つ、過去の保存の力・現在の再生の力・未来の霊化の力、

 それら全てを取り戻して、三位一体を果たし、真の姿を再び顕現させた存在。

 3つの力を巧みに操り、自在に扱えるのであれば、

 その可能性は事実、無限大のものとなるかもしれない。

 

 

吹雪とケルベロスの力の可能性

 

…かつての"存在"の無念と願いの想いが、その瞳から涙となって溢れ出し、

 海に沈んでとけ広がってしまったのであれば

 過去に遡り、保存の力を以って手繰り寄せ、現在にそれを再生し、

 未来へと託されたそれは霊化の力により、声も想いも蘇らせる事が出来る。

 過去に流された涙の全てを現在に取り戻し、それを未来に繋ぐための力。

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 013

「自殺をすれば、国民貯蓄課の属官たちはこう言うに違いない。
 『前途有望な青年がどうして自殺なんかするのだろう』
 前途有望というやつは、他人の僭越な判断だ。
 大体この二つの観念は必ずしも矛盾しない。
 未来を確信するからこそ自殺する男もいるのだ」

三島由紀夫


人民を顧みぬ腐りきった政府が作り上げた、腐りに腐り果てた国などに生まれたことをひどく恥じてしまう者もいるということだ。

そんな国に生まれてしまった現実を疎んじるか?
その事実を帳消しにしたいか?

であるならば、複雑なことは何もない。
己の心の欲動に従うが良い。
腐りに腐り果てた者共を○してしまうか、自ら命を絶つかだ。

国を捨てればよいと考える者をいるだろう。それもまた良し。
しかし、決して勘違いはするな。
人にとって、国とは肉体である。国捨てとは肉捨て、である。
これもまた自死に等しいことと心得よ。


 ~ Streak 013 ~

 

 

 

提督室

 

 

ダンテ

「――へぇ……そいつはまたスゲェ話だな」

 

陸奥

「それで、あなたからも診てあげてほしいんだけど……」

 

ダンテ

「……あ? オイオイ、医者ですらねぇんだぞ?

 俺が診てどうにかなるのかそれ…」

 

陸奥

「今回起きたことは、"こちら側"でも前例のない事なの……。

 だから、そうなると必然的に可能性の一つとして、ね……?」

 

ダンテ

「……hmm, なるほどな……。

 ……わかった。 そういうことなら受けてやる」

 

陸奥

「っ……ありがとう……!」

 

ダンテ

「Huh...」

 

陸奥

「それじゃあ、今から連れてくるからっ」スクッ

 

ダンテ

「ああ」

 

 

―ガチャ、パタンッ

 

 

ダンテ

「……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」ジー…

 

如月

「……っ///」

 

 

長門・陸奥・夕張・明石

「……」

 

 

ダンテ

「……」…

 

如月

「……ぁ、あのっ……///」

 

 

陸奥

「……どうなの?」

 

 

ダンテ

「……どうって、まず顔が赤いな」

 

如月

「っ!?////」

 

 

ダンテ

「おっと、Bingoか? それが原因と関係あるのかもな」HAHAHA

 

如月

「ふぁっ!?/////」

 

 

陸奥

「そういうのいいから」

 

長門・夕張・明石

(……)

 

 

ダンテ

「…ハ、冗談さ。 ヘイ、キサラギ。楽にしてな。

 別に取って食うために呼んだわけじゃねぇんだ」

 

如月

「ぇあっ!? ……あ……は、はぃ……////」

 

 

明石

(これは……)

 

夕張

(別の意味で想像しちゃったっぽいわね~)

 

長門

(……?)

 

陸奥

「……で、どうなのよっ?」

 

 

ダンテ

「つってもパッと見じゃな……。

 声つってたか。 ……とすると、口か喉か……あとは、肺か腹だな。

 順番に診ていくが、大丈夫か?キサラギ」

 

如月

「あ、はい……よろしくお願いしますっ……」

 

 

明石

(……どうやって診るんだろう……?)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」

如月

「~~っ////」

 

 

陸奥

「」

 

 

如月は、ダンテにあごを指で軽く持ちあげられていた。

二人の距離は非常に近く、傍目にはもう"それ"の直前にしか見えない。

 

 

明石

(うわぁーっ うわぁ~~っ///)

 

夕張

(生のあごクイとか初めて見たわっ)

 

長門

「それで、どうなんだ?」

 

 

ダンテ

「ンー…………」……スン…

如月

「っ!?」ビクッ

 

 

ダンテ

「…ん?」

 

 

明石・夕張

(匂いを嗅いだっ!?)

 

 

如月

「」

ダンテ

(……)…スッ…

 

 

ダンテはさらに身を寄せる。

 

 

―スンスン…

ダンテ

「……」

如月

「」

 

 

明石

「っ////」

 

夕張

(……喉元の匂いを嗅いでる……?)

 

長門

「………む? おい陸奥、どうした?」

 

陸奥

「」

 

長門

「……」ペチペチ…

 

 

スンスン…

ダンテ

「……」

如月

「んっ! …んぁっ!?////」ビクンッ! ガタッ…

 

ダンテ

「オット…」

―グィッ…

如月

「ひゃうっ!!?////」

 

 

明石

「こ、これっ……///」

 

夕張

(……まぁ、事情を知らないともうそういうことしてるようにしか見えないわね……)

 

 

座ってはいるものの、姿勢を保てなくなってしまった如月を少し抱き寄せて支えながら、

ダンテは、口・喉元・胸・お腹の順で鼻を軽く鳴らして何かを調べているようだった。

 

 

明石

(というか調べるってそういう感じなんですね……///)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」…

 

如月

「」ビクンビクンッ…

 

 

明石

(如月ちゃん……///)

 

陸奥

「」

長門

「……」イソイソ… ←立ったまま硬直した陸奥をソファーへ横にしている

 

 

夕張

「……どうだったの?」

 

ダンテ

「……ああ。 確かに、微かに混じってるような匂いはしてるな。

 ただ、具体的なことはわかんねぇな。

 どっかからか、わずかに漏れ出してるような感じだ」

 

夕張

「どこからか、か……」

(……同行していた遠征部隊から長門さんが聞いた報告では、

 かなり特徴的っていうか、非常に独特な声質だったって話だし……。

 そうすると、あとは……)

 

 

夕張

「……あっ、そうだ。口腔内……!」

 

ダンテ

「ン?」

 

夕張

「だから口の中よ! いや、ていうか口内の奥の喉なんだけど」

 

ダンテ

「……あぁ」

 

・・・・・・

 

夕張

「匂いという形で体から確かに変調がみられるというなら、

 報告にあった声のことも含めて考えてみると、

 可能性としてはけっこう有力だと思うわ」

 

明石

「……まぁ言われてみれば確かにありそうではありますけど……」

 

ダンテ

「Hmm... よし、それならそこも調べてみるか」

 

明石

(……でも、それって……)

 

 

夕張

「如月ちゃん、起きてー」

―ユサユサ

如月

「っ………ん……んぅ…?」←陸奥とは反対側のソファーに

 

夕張

「ぐったりしてるところ悪いんだけど、次は口を開けてもらえる?」

如月

「……え?」

 

夕張

「次は口の中を検査するから」

如月

「っ!? そ、それって口の中もさっきみたいにするってこと!?」

 

夕張

「うん」

如月

「」

 

 

明石

(……まぁ、普通そうですよね……)

 

・・・・・・

 

夕張

「――だから、ね?

 やっぱり大事なことだから、

 診てもらえるところは出来る限り診てもらっておくべきだと思うの……」

 

如月

「……」

 

 

明石

(ま、診るっていうか嗅ぐんですけどね…)

 

 

如月

「……わかりました。 私自身のことだし……。

 でも、あの……」チラ…

 

 

ダンテ

「……」huh..

 

 

如月

「っ……////

 せ、せめて10分ほどだけほしいわっ。 そのあと必ず戻るから……///」

 

 

明石

「……夕張、いいですよね? あとダンテさんも」

 

 

夕張

「ん…まぁ10分くらいなら、大丈夫そうかな」

(変化はあるみたいだけど、見た限り体調とかは安定してるみたいだし)

 

ダンテ

「俺は別にいつでもいいぜ」

 

 

明石

「それじゃ、如月ちゃん、私たちはここで待ってますから行ってきてください」

 

 

如月

「ええ、またあとで…」スクッ…

 

―ガチャ、パタン

 

 

明石

「……私、ちょっと医務室の方に行ってきます。

 必要そうな物とかいろいろ取ってきます。すぐに戻るので」

 

 

夕張

「あ、そうね。 うん、お願い」

 

 

明石

「はい」ガチャ

 

パタン

 

 

ダンテ

「……医務室なんてあったんだな」

 

夕張

「ええ。どこの鎮守府にも一応ね。

 私たち艦娘は、怪我のほとんどは入渠で治しちゃうんだけど、

 それでも全く利用しないというわけでもないし」

 

ダンテ

「Hum」

 

夕張

「というか普通の鎮守府だったら、"普通"の提督がいるわけだし。

 それに、外の海域とか鎮守府の近辺で有事に際してる民間人がいたら、

 その人達を確保して誘導、そしてそれから医務室で応急的にでも

 治療を施さないといけない事態も考えられるからね」

 

ダンテ

「なるほどな」

 

 

長門

「……すまん、ちょっといいか?」

 

 

ダンテ・夕張

「?」

 

 

長門

「……陸奥がな……」

 

陸奥

「…………ナンデ……アタシニハ……」ウーン…

 

 

夕張

「……」

 

ダンテ

「……これ寝言か?」

 

 

長門

「……のようだ……。

 すまないが、すぐそこの私室を貸してはもらえないか?

 こうなってしまってはこのままここに居させていても仕方がないし、

 体を冷やしてしまう」

 

 

ダンテ

「ん、ああ。 構わないぜ、そうしてやんな」

 

 

長門

「助かる。 では失礼する」コツコツ

 

―ガチャ

 

 

長門

「……よっと」

―ダキ…

陸奥

「……」

 

 

夕張

(……ふむ……)

 

・・・・・・

 

夕張

「――えっ……混ざってるって、如月ちゃんの匂いも合わせて2つじゃないの……?」

 

ダンテ

「……ああ、3つだ。 俺がわかる限りで少なくとも、だけどな」

 

夕張

「……それって、いったい……」

 

ダンテ

「さてな……」

 

 

―ガチャ

長門

「ふぅ……」パタン

 

 

夕張

「…あ」

 

ダンテ

「……問題はなかったか?」ha

 

 

コツコツ…

長門

「……ああ、杞憂だったくらいにすんなりとな……。

 しかし……」

 

ダンテ・夕張

「?」

 

長門

「……重ねて申し訳ない、寝具を……しばらくあいつに貸してやってくれないか……」

 

ダンテ

「フトンか?」

 

長門

「うむ……」

 

夕張

「……何かあったんですか?」

 

長門

「……すぐに目を覚ますだろうと思って、掛け布団をめくって

 敷き布団の上に置いてやったんだが、タオルケットか何か腹に掛けてやろうと

 思って探していたら、いつの間にか掛け布団を被ってうずくまっていたんだ」

 

夕張・ダンテ

「……」

 

長門

「もしかして起きたのかとも思ったんだが、呼び掛けても反応はないし、

 揺すってもぴくりとも動かなくてな……」

 

夕張

「そ、そうですか……」

 

長門

「……それでまぁ何となくなんだが、しばらくは起きないような気がしてな……。

 事後確認になってしまって申し訳ないのだが……」

 

ダンテ

「……ああ。 ま、別にいいぜ。

 俺も今は眠くはねぇし、元々俺はどこでも寝れるタイプだからな」haha

 

長門

「すまんな…」

 

夕張

(……なんか、想像するといたたまれない……)

 

 

―ガチャ

明石

「いろいろ持って来ましたー。 消毒液とかその他もろもろ」パタン

 

 

長門

「ん」

 

夕張

「あ、ご苦労様」

 

ダンテ

「おう。 ……ん?」

(あのアカシが手に持ってるやつは……まさかとは思うが……)

 

明石

「えーっと、まずは皆さん、消毒液を使って殺菌処理を行ってください。手洗いとか。

 これから先は一応、衛生面にも関わってくると思うので。

 それと、これも人数分持ってきました。 陸奥さんは……」

 

長門

「あぁ、隣室に移動させた」

 

明石

「あ…なるほど……。

 じゃ、4着ですね。 えーと、男性サイズは……」

 

ダンテ

「……」

 

明石

「ん~……あ、これだ。 はい、ダンテさんっ」

 

つ【白衣】

 

ダンテ

(やっぱか……)

「……huh. alright...」

 

・・・・・・

 

デデーン

 

ダンテ

「……」←白衣

 

 

長門

「ほぅ……」←白衣

 

明石

「よかった、やっぱり男性用の一番大きいのを持ってきて正解でしたねっ」←白衣

 

夕張

「でもなんかあれね。

 医者っていうより、学者っぽいわよね。斜に構えてる系の。

 ほら、学会とかでも、相当キレてて研究も異質なんだけど

 同業からは理解されないっていうか、若干敬遠されてるみたいな」←白衣

 

明石

「あ~……ww

 SF系パニック映画で、中盤くらいから、ぶっきらぼうだけど的確にアドバイスくれて

 主人公たちを助けてくれる、みたいな?ww」

 

夕張

「それだわwww

 シブメンのバッカーなのよねww」

 

明石・夕張

「wwww」

 

 

長門

「……何の話だ?」コソ…

 

ダンテ

「さァな……」huh..

 

 

 

・・・続く・・・

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 014-015

金と人間。この二つの材料さえ用意できれば、悪魔は量産できる。


悪魔を作るのに必要な材料はたった二つだけであり、それは人間とお金である。
備考として、作成の際には、お金の比率が大きければ大きいほど、上質な悪魔が作れることを述べておく。


 ~ Streak 014 ~

 

 

 

グラウンド

 

 

吹雪

「――はっ、はっ、ふっ、はっ」タンタンタンッ

 

 

夕立

「――96! 97! 98!」

 

睦月

「ふぇ~……」

 

v・ェ-v ……

 

 

吹雪

「ふっ、はっ!」タンタンッ! ←縄跳び

 

 

夕立

「99! 100! すごいっぽい! ほんとに100回いっちゃったっぽい!」

 

睦月

「わぁーっ!」パチパチパチッ!

 

v・ェ-v …ウズッ…

 

 

吹雪

「はっ、はっ、はっ!」タンタンタンッ

 

 

睦月

(!!)

「ってまだ続けるの!?」

 

夕立

「すごいスタミナ……吹雪ちゃん、ほんとにナイスガッツっぽい……」

 

睦月

「私だったらこんなに続かないよ……。

 絶対もっと早く足に引っかかっちゃってるもん……」

 

夕立

「ふ~む…」

(私はどうだろー…?)

 

ケルビ

「……」…タタッ!

 

睦月・夕立

「!」

 

 

吹雪

「…っ!」タンッ!

―ヒョイッ

ケルビ

「…フシュッ」ピョンッ

 

 

睦月

「ぁっ…」

 

夕立

「……吹雪ちゃんの前に入っちゃったっぽい」

 

 

吹雪

「はっ、はっ」タンタンッ

ケルビ

「……」ピョンピョンッ

 

 

睦月

「息ぴったり……」

 

夕立

「……そういえば、吹雪ちゃんが飛び始めてからしばらくして

 ケルビそわそわしだしてたっぽい。

 もしかしたら、一緒に飛びたかったのをずっと我慢してたのかも……」

 

 

吹雪

(……)

「はっ、はっ、はっ」タンタンタンッ

ケルビ

「……フシュッ」ピョンピョンピョンッ

 

 

夕立

(……楽しそうっぽい)

「いいなぁ~…」

 

睦月

「なんか二人とも可愛い…///」

 

夕立

「えっ ……あ、うん……」

(……二人……?)

 

 

吹雪

(ケルビ……)

「はっ、はっ……よーっし! ケルビ! 合図したら次は二重跳び行くよ!

 はっ、ふっ…ほら、大ジャンプっ!!」タンッ!

ケルビ

「フシュッ!」ピョンッ!

 

 

睦月・夕立

「おぉーっ!」

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 015 ~

 

 

 

開発室

 

 

明石

「――じゃあやっぱりこれって、マズルブレーキみたいなものなんですねぇ……」

 

ダンテ

「ああ。 "コイツ"だと正しくはコンペンセイターだな。

 初めて見たのか?」ha

 

明石

「ええ、まぁ……。

 海軍で一般的に携行されるような拳銃では見ないですし……」

(……ふむ……)

 

 

明石

「わかりました。 それじゃ、もう少し調べさせてもらいますね」

 

ダンテ

「おう」

 

 

ダンテ

「……暇になったな」

(昼寝でもして時間潰――)

 

 

「またーっ!?」

 

 

ダンテ

「……アン?」

 

・・・・・・

 

夕張

「もー……なんか今日は調子悪いわねぇ……」チョキチョキ…

 

―スタスタ

ダンテ

「……なんだそりゃ?」

 

夕張

「あ、来てたのね」ワサワサ… ←ペンギン人形ぽいものに綿ぽいものを詰めてる

 

ダンテ

「ああ。 ……何やってたんだ?」

 

夕張

「あー……うん……。

 開発をしてたのよ。 でもご覧の有り様ね」つ ピッ     【?????】

 

ダンテ

(……どんな材料であーなるんだ?)

「……それで、出来合いの物でそれ作ってんのか?」

 

夕張

「そー。 勿体ないしねぇ」チクチク…ヌイヌイ…

 

ダンテ

「Hmm...」

 

夕張

「……っと、出来た。 ……うん…」モフモフ…

 

ダンテ

「……納得の出来か?」ha

 

夕張

「わりとね。 はいっ」ポーンッ

 

ダンテ

「……あ?」…ポスッ

 

 

…モフモフ…

ダンテ

「……もふもふだな……」

 

夕張

「ええ、もっふもふよ! いいでしょうっ!?」

 

ダンテ

「……」モフモフ…

 

夕張

「初めて作ろうとしてみたけど、けっこう良い感じねっ。

 まぁでも、ふっくらしすぎてなんか若干エト○ンぽくなっちゃったけど」

 

ダンテ

「……」ジー…

 

夕張

「さて、と……少し休憩してこようかしらー……。

 そのあとでまた開発を再開して……あ、それあげるから」

 

ダンテ

「…ア?」

 

夕張

「それじゃまたねー」テクテクテク

 

 

ダンテ

「……どういうつもりだよ……」

 

 

――――――

鎮守府内・廊下 提督室までの道

 

 

ダンテ

「……」スタスタスタ

 

 

「またぶつかっちゃったのね……」

ナデナデ…

「うぅ……いたいのです……」

 

 

ダンテ

(……?)

 

・・・・・・

 

「電はそういうことがわりとよくあるのよ……」

 

「ぐすっ……」

 

ダンテ

「へぇ……」

(……!)

 

 

ダンテ

「……ha」ニヤリ

 

雷電

「?」

 

ダンテ

「そんなによくぶつかるってンなら、

 もうヌイグルミを抱いて歩いた方がいいかもな。 ほれ」サッ

 

「っ……わぁっ」

 

「どこに持ってたの?それ」

 

・・・・・・

 

「もふもふしててかわいいのですっ……///」モフモフ

 

「いいの?」

 

ダンテ

「ああ。 俺が持ってたって仕方ないからな」hahaha

 

「あの、ありがとうなのですっ!」

 

「私からもお礼を言うわ!」

 

ダンテ

「どういたしまして」ニッ

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 016-017

蛇(悪魔・悪神・商人・詐欺師)に騙されるのは女であり、女に騙されるのは男である。
だからまずは、""蛇""(爬虫類=レ○テ○リ○ン=悪魔=ルシフ○ル=ユ○○人=タ○ム○ドの教徒=商売人=強盗)となって、女から騙すべきである。

お勧めはまだまだ価値観の浅い、若い独身だ。

まだまだ霊的防御力も低いからである。
基本的なこととして、女が総じて霊的防御力が低いのは、これは原初の人の妻から延々と続いている呪いが尾を引いているためでもある。

時代のニーズや流行、あるいはある思想を手早く広めるためには、声の騒がしい女か○が弱い若い女を利用するのが最適だ。
これを知り、利用している者は古今東西に多く、現代でも十二分に活用されている。

牛の肉で、生娘を薬漬けのようにして固定客にするなどの商業戦略も、実は商業界隈で見れば、極々常套な商法の一つに過ぎない。


馬鹿がいてくれるおかげで商売は成り立つ。
皆が頭良かったら、実は皆生存できない。

子孫も残さなくなる傾向は既に臨床結果が出ている。
よって、いずれ滅亡もする。


 ~ Streak 016 ~

 

 

 

提督室・寝室

 

 

6駆

「……」

 

ダンテ

「……」

 

「……眠れない……。

 ねぇダンテ、何か面白い話とかないの?

 あっ、怖いのはなしよっ!?」

 

ダンテ

「……あァ? 素直に大人しく寝ちまえよ……。

 でっかくなれねぇぞ。 立派なレディってのになるんだろ?」

 

「たまの夜更かしを楽しむのも、レディのたしなみよ!」

 

ダンテ

「……言うようになったな」

 

「人生は楽しむ、でしょ?」フフフッ

 

ダンテ

「ha...」

 

「私も聞きたいわ!」

 

ダンテ

(赤い女の幽霊騒動が面倒な事になったもんだ……)

「……んじゃま、けっこう前に夢の中で戦った、ピエロの話でもしてやるか」

(本当は本人としちゃ、ピーター○ンのつもりだったみたいだけどな)

 

「ハラショー。 それは面白そうだ」

 

「いいじゃない!」

 

「こ、こわくない……?」

 

「なのです……」モフモフ…

 

「ん? なんで? ピエロって怖いかしら?」

 

ダンテ

「俺も始めは期待してたんだがな。

 まぁ愉快な奴で怖くはなかったぜ? このお話も基本コメディさ」hahaha

 

「「わぁーっ」」キラキラキラッ

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 017 ~

 

 

 

???

 

 

陸奥

「……いや、だから自業自得でしょ……。

 というかだいたい、いったいいつから企画してたのよ?それ」コツコツ

 

 

ダンテ

「……」…ペラ…

 

 

陸奥

「……は? ……半年前?

 …………何考えてんの……どんだけよ……。

 ま、自分で蒔いた種ね。 自分でなんとかすることね。

 ……いや行かないから。 そもそもそっちだってもうその気ないんでしょ?」

 

 

ダンテ

「……」…ペラ…

 

 

陸奥

「……バッカみたい……。

 …………無理よー? 私に頼られたって。 ていうかその話、私聞いてなかったし。

 自分でちゃんとお断りの連絡を入れることね。一人一人にちゃんと、ね?

 それじゃ、私これから忙しいから。 またね。

 ……は? 提督?」

 

 

陸奥

(……)…チラ…

 

 

ダンテ

「……」…

 

 

陸奥

「……アリエナイワ。 オニィチャンハ、イカナイカラ」

 

足柄

『っ!? お兄ちゃん!? てゆーかなんでカタコトっ!!?』

 

陸奥

「バ~ァイ」

 

足柄

『ちょ』

 

―p

陸奥

「……」

 

 

ダンテ

「……」…ペラ…

 

 

陸奥

「まったく……10対10って何考えてんのよ……。

 さすがにそれは目立ちすぎて問題にもなってくるでしょ……。

 ……さて………そろそろ覚えた?」

 

 

ダンテ

「……まぁ、覚えるだけならな」huh...

 

 

陸奥

「そ。 それじゃとりあえず、やってみましょうか」コツコツ

 

 

ダンテ

「オイオイ……マジで言ってンのかよ……。

 なぁ、せめて他の見せモンにしようぜ……」

 

陸奥

「ダメよー? 賭けで何でもいいって話だったでしょ。

 絶対にこれをやります」

 

ダンテ

「……」huh-...

 

陸奥

「ふふふふっ、これで忘年会の一位景品はいただきよっ!!」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」…

 

 

 

陸奥

(……3・2・1…はいっ、キュー!)ビッ!

 

 

 

―スタスタスタ…ピタ…

ダンテ

「…………生きてるッテーなンだろ?」シュババッ…

 

 

陸奥

「――生きてるって~なぁに?」スィー

 

 

ダンテ

「生きてるッテーなンだろ?」ババッバ!

 

 

陸奥

「――生きてるって~なぁに?」スィー

 

 

ダンテ

「……」スタスタスタ…

 

 

陸奥

「……」ズタタタ!バタバタッ!

 

 

ダンテ

「…………ン~~ァア~~ァウーィ~~……~ンァアハァ~~ィイ~~ンヌゥ~~イィ………」

 

 

陸奥

「…………ぅおにぃちゃんっ! どしたのっ!?ため息なんてついてぇ!?」

 

 

ダンテ

「ン、オゥ…ムツ、いたノ?」

 

 

陸奥

「うん」

 

 

ダンテ

「……オニィチャン、ため息ツいたリユウは……」

 

 

陸奥

「うんうん」バタバタバタッ!

 

 

ダンテ

「……2003年、むっつりもっさりッシュ……」

 

 

陸奥

「ぅんうん」ドタバタバタッ!

 

 

ダンテ

「……2008年、シュヤク、コウターイ……」

 

 

陸奥

「うーんうんっ」ジタバタバタッ!

 

 

ダンテ

「……2016年、"OTO-SATA" ナーシ……」

 

 

陸奥

「うん"ぅーん!」ドタドタバタバタッ!

 

 

ダンテ

「コラァボばっかりで、メインの話がマッタク来てナーイヨッ!

 毎日毎日、オニィチャン不安すぎて生きてェる気がしなッいんダヨー!」

 

 

陸奥

「そんなことないわよっ!ぅおにぃちぁあ――んっ!!」ドタバタバタッ!

 

ダンテ

「」ビクッ…

 

陸奥

「ハァハァッ……!」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……そんなことないわよおにぃちゃんっ! 盆踊りの季節には、盆踊りよっ!」

 

*忘年会シーズンです

 

ダンテ

「……Hm? "BON-ODORI"?」

 

陸奥

「ぅんっ! 思い出すわ~、昔よくおにぃちゃんと盆踊りを踊った……」

 

ダンテ

「…エァ? 覚えてネェけど?そういうn」

 

陸奥

「チャンチャランチャ、チャンチャチャ♪」

 

ダンテ

「……」←当然そんな身に覚えはまったくない

 

陸奥

「チャンチャランチャ、チャンチャチャ♪ ふたりは兄妹~♪ ふったりは兄妹~♪」ペンペンッ♪

 

ダンテ・陸奥

「あぁ~~♪ ムツとダンテ~だーぁよ♪

 なかよ~し、きょ~ぉだいっ♪ ムツダンテ~♪」ペンペンペン♪

 

 

陸奥

「やっぱりおにぃちゃんすごいわっ♪」

 

ダンテ

「……なぁムツ、せめてコレ最後ンとこの語呂だけなんとかならn」

 

陸奥

「チャンチャランチャ、チャンチャチャ♪」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「チャンチャランチャ、チャンチャチャ♪ ふたりは兄妹~♪ ふったりは兄妹~♪」ペンペンッ♪

 

ダンテ・陸奥

「あぁ~~♪ ムツとダンテ~だーぁよ♪

 なかよ~し、きょ~ぉだいっ♪ ムツダンテ~♪」ペンペンペン♪

 

 

陸奥

「やっぱりおにぃちゃんは盆踊り上手よっ!」

 

ダンテ

「……おぅ……」

(なんだろうなマジでこれ……)

 

陸奥

「今日からおにぃちゃんのこと盆踊りマスターって呼ぶわっ!」

 

ダンテ

「…は? いやマスターってお前、俺は今日初めて踊っt」

 

陸奥

「ねぇ先生っ!!」

 

ダンテ

「お、おぅ……」

(変わってンじゃねーか……)

 

陸奥

「お師匠さん、盆踊りで汗かいたでしょうっ? 扇風機で涼しくなってよ!」ガタガタッ!

 

ダンテ

「いや別に…つか、今12月だr」

 

陸奥

「はいっ!」カチッ

 

Ξ≫χ ぶわぁー ←扇風機

 

ダンテ

「……あ"ぁ"~さみィ"~~……」バサバサッ…

 

陸奥

「お師匠さん! 喉乾きませんか? コーヒーでもいかが?」カチャカチャ コポッゴボボッ…

 

ダンテ

(…アン?)

「……いらねぇ。そもそも俺はコーヒーは」

 

陸奥

「はいっ♪」

 

つc▽ …ゴボッ! ゴボボッ…!

 

ダンテ

「頑丈だからってとりあえず体張らすのやめろ。それとちゃんと話聞け。

 つーかそれ本当にコーヒーか?」

 

陸奥

「あら?熱いのダメだった?」

 

ダンテ

「そうじゃねェ。だからコーヒーはいらn」

 

陸奥

「じゃ冷ましまーす♪」バシャー

 

扇風機「ぶへぁあ"っ!?」

 

―ビシャー!

ダンテ

「Ouch!? ファ○キンホット!?

 おいムツてめェ!! 何しやがるッ!?」←台本になかった

 

陸奥

「wwwwまってちょっと待ってwwwこっ、これっwwww」

 

ダンテ

「お前がやったんだろッ!?

 なんでお前がメチャクチャツボってんだよ!!」ビチャビチャ…

 

陸奥

「やっばwwwひーひーwww ~~っあー……ww あ、ほらっ!w」

 

ダンテ

「ア"!?」

 

陸奥

「おにぃちゃん生きてるじゃないっ!ww」

 

ダンテ

「………お、おぉ…!

 Y,Yeahhhaa-!! そうだったぜ生きてるぜェーッ!」←台本

 

 

 

そうして、ダンテは考えるのをやめた。

 

 

・・・・・・

 

 

陸奥

「生きてるって~なんだろ?」♪

 

 

ダンテ「生きてるッテ~なァに?」ガシー ←hold onto 扇風機

扇風機「ぶわぁー」

 

 

陸奥

「生きてるって~なんだろ?」♪

 

 

ダンテ「生きてるッテ~なァに?」♪

扇風機「ぶわぁー」

 

 

陸奥

「……」..つ【強風】カチッ

 

 

扇風機「うびぁあ"あ"――!?」

ダンテ「Oh!? NO!?」

 

 

陸奥

「んあ~~……」ンアー…

 

 

扇風機「あ"あ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"――!!」

ダンテ「Ahhh-! NO~!!」ズルズルズル…

 

 

陸奥

「……~~ぁむっ」パクッ

 

 

陸奥

「……」モグモグモグ…

 

 

陸奥

「……オゥッ!?」ドタバタドタッ!

 

 

陸奥

「んぉふむぅわなっ……!!

 …………ぅおにぃちぁぁあああ――――っ……………………ケフッ……」

 

 

陸奥

「…………」コツコツコツ…

 

 

 

 

 

 

 




コーヒーではないです。液体的な何か(高温)です。
飲み物や食べ物は粗末にしてはいけません。これ自体は日本側の文化みたいですが。

ここの鎮守府のむっちゃんは定期的にちゃんとエサ(意味深)をあげるようにしないと、
溜まりにたまった物が爆発してたまに発病します。
今回のお仕事が、もしかしたらダンテにとってこれまでで
一番大変な依頼になるのかもしれませんね。


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Streak 018

フィクションとは人の"真"から生まれている。


「壊していいよ。おかしいものは壊さないといけない。
 それから作り直すんだ」


 ~ Streak 018 ~

 

 

 

工廠

 

 

明石

「……夕張に呼ばれて来たけど……」

(声の調子が例のあの感じだったから、少し不安だなぁー……)

 

テクテク…

 

 

――――――

開発室

 

 

夕張

「……よしっ、確認作業も終了! 完成ねっ!」

 

 

明石

「夕張ー?」

 

 

夕張

「! 来たわね!」

 

・・・・・・

 

明石

「見せたい物って?」

 

夕張

「ふふふっ! これよっ!!」

 

―バサッ

【サイド付きの水上バイク】

 

 

夕張によって、カバーが掛けられていた物の姿が露になる。

 

 

明石

「……まず聞いときたいんですけど、

 これももしかして例の小さい魔石けっこう使っちゃってます?」

 

夕張

「当然っ!」フンスッ

 

 

夕張は胸を張って答えた。

 

 

明石

「いやいや!? 潤沢だからって使いすぎですよっ!!」

 

夕張

「だってせっかく作ったあの子も、お触り禁止令出されちゃったし、

 ヒマなんだもん」

 

明石

「遊び感覚で消費しないでよ……」

 

夕張

「余ってる物は有効に使わないと、と思って……」

 

明石

(……まぁ、もう後の祭りか……)

「……はぁ……」

 

夕張

「えへへ……」

 

明石

「……で、これ何なんですか? ていうか何用ですか?

 …あ、もしかしてこれダンテさんに?」

 

夕張

「や、ていうかあの人にはもうあのシューズ渡しちゃってるし。

 時間かかるかなぁとも思ってたけど、

 一分もしない内にあっさり使いこなしちゃってたし」

 

明石

「じゃあどうして?」

 

夕張

「最近、この前、出撃に出てた子達から補給系の問題が指摘されてたじゃない?」

 

明石

「…あぁ。

 特に特殊兵装を装備してる子達から挙がってたやつですね。

 弾丸系の尽きが早いのと、たしかストックしてた魔石も使い切ることがあったとか?」

 

夕張

「それそれ。

 で、その問題を解決するのがこの子よ!」

 

明石

(……その補給問題がいったいどうしたらこの結果に?)

 

夕張

「ほらっ」

 

―パカンッ

 

明石

「……あぁー」

 

 

そのバイクの収納口を開けると、各弾丸専用のマガジンと弾丸ベルト、

そして小さな魔石が敷き詰められていた。

 

 

明石

「……なるほど」

 

夕張

「速度もだけど、馬力もけっこう出るのよこれ。

 まず、速いのは各艦娘に急いで補給を行うためね」

 

明石

「ふむ……」

 

夕張

「馬力については、補給物資のせいで元々の重量が

 それなりになってるからなんだけど、それだけじゃなくて、

 この子にサイドが付いてるのはそもそも曳航の肩代わりも想定してるからなの。

 艦種にもよるけど、馬力的には組み合わせ次第で最大三人は乗れるわっ!」

 

 

*水上バイク二人乗り+サイド乗り=3人

 自転車の二人乗りは(ry

 バイク・水上バイクの二人乗りは法令規則を守って行ってください。

 

 

明石

「……めちゃくちゃハイスペじゃないですかっ!?」

 

夕張

「がんばったわw」

 

明石

「ふぁ~……」テクテク…

 

 

それに近づきながら感嘆の声を漏らす明石。

 

 

明石

「……ん~……でも結局、それだけのパワーともなると駆動用の魔石も

 相当使っちゃったんじゃ……」

(……ん? ここかな、エンジン部)ググッ…

 

―パカッ

 

† …キラーン…

 

明石

「……えっ」

 

夕張

「……」サッ…パタン…

 

 

そのエンジン部には、翼のある竜の大きく開けられた口から剣が生えているようなデザインの大剣が収められていた。

 

が、すぐさま夕張が蓋を閉めてしまった。

 

 

夕張

「……」

 

明石

「……あの」

 

夕張

「……それで呼び出したのは他でもなくてね、」

 

明石

「ちょっと待って!?

 夕張、さっきのって……!」

 

夕張

「…………うん、なんか…………電気……すごかったから…………アリだな、って……」

 

明石

「…………えぇ~……」

 

・・・・・・

 

明石

「――そういうことですか……」

 

夕張

「うん、だからお願いっ……!

 ほとぼりはまだ微妙に冷めてはないと思うし、私一人じゃ不安なの……。

 一緒に長門さんに許可取りに行って……?」人

 

明石

(……まぁ、これに関してはけっこういろいろと考え込まれてるし、

 ちゃんと真面目にがんばって説明すればちゃんと通る、かな……?)

「……わかりました。 詳しい仕様を教えてください。

 私の方から話しますから」

 

夕張

「っ! ありがとう、明石っ……!」

 

明石

「いえいえ」

(あのこともあって、自重していたからとはいえ、

 今回は何も手伝っていませんから、これくらいは……)

 

夕張

「それで仕様なんだけど、補給や曳航が本来の目的だから、

 通信機能は当然として、この子には他にも望遠カメラが付いてるの。

 これを利用して助けに行く、なんて事態は考えたくないけど、まぁ一応ね。

 というか望遠機能自体は他にもいろいろと使える場面はあると思うし」

 

明石

「ふむ……」

(レンズでなくてカメラ、か……)

 

夕張

「さらにこのカメラを通して得られた映像は保存はもちろん、

 工廠のPCに映像をリアルタイムで送信できるわっ!

 そっちの方は解像度がだいぶ落ちちゃうんだけどね」

 

明石

「なるほど」

 

夕張

「あと、何といっても外せないのがこのターボ機能ねっ! もうロマンよね!ロマン!」

 

明石

(……○○7かな?)

 

夕張

「ただ、これを使った場合、駆動用魔石の消費がけっこう激しくなっちゃうから、

 補給分のやつまで割を食うと思うけど」

 

明石

(なんという本末転倒機能……。 なんか急に流れが……)

 

夕張

「そして、最後!」

 

明石

「……」

 

夕張

「一番の目玉機能がこの自爆機n」

 

明石

「外してください」

 

夕張

「……えっ」

 

明石

「説明しませんよ?」

 

夕張

「……い、いやでもっ!

 弾薬を積みまくってるって時点でそれはもう十分にフラグも立って―」

 

明石

「だからってわざわざそんな機能必要ないでしょ……。 懲りてないんですか……。

 ほら、手伝うから。 外すよ」

 

夕張

「……はい……」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 019

多くの弁論よりも、たった一発の銃弾の方が"威力"があるのは、残念ながら事実だ。
耐え難いほどの強烈な痛みだけが人類に反省と学習を促す。

血を流さねば、時代は変わらない。


 ~ Streak 019 ~

 

 

 

作戦室

 

 

長門

「……つまり、現状は特に目立った動きはない、ということか……」

 

大淀

「はい。 現段階ではまだ目算に過ぎませんが……」

 

長門

「政府に依頼した調査に関しての進捗はどうなっている?」

 

大淀

「つい先ほど、衛星利用の許可が得られたようで

 衛星写真、ならびに大規模観測システムを利用した調査の結果は

 もうしばらく後になると思われます」

 

長門

「遅いな……。

 この事態でも相変わらずの重い腰とはな……。

 陸からでも、肉眼ですら十分に見えているだろうに……」

 

大淀

「……それなんですが、詳細な数値などは未だ不明ではあるものの、

 どうやら対象物は深海海底にその何らかの土台があり、

 その高さは海抜100km以上はあるのではないか、という概算結果はあるようです」

 

長門

「む……海抜100kmというと……」

 

大淀

「地球大気圏と宇宙空間との境界、

 "今"は通称、カーマン・ラインと呼ばれている仮想の空間境界線です」

 

長門

「……ふむ……」

 

大淀

「……そして、今なお、その高さは上昇しつつあるようです……」

 

長門

「っ!! ……何……だとっ……!?

 ……くっ……! 本当に宇宙を目指しているというのか、あの"塔"は……!!」

 

 

―ギィッ…

陸奥

「……連れて来たわ」

 

 

長門

「っ……ああ、ご苦労」

 

大淀

「……」

 

 

陸奥

「さ、入って?」

 

浜風

「はい、失礼します。 調査隊、ただいま帰還しました」∠ ピッ

 

五十鈴

「……」∠ サッ…

 

翔鶴

「……////」∠ …

 

 

大淀

(……え)

 

長門

「……ん……あー…………待ち遠しかった調査報告なわけだが、

 ……その前に…………どうして翔鶴はスカートを履いていないんだ……?」

 

 

翔鶴

「っ……そ、それはっ…////」

 

浜風

「えっと……」

 

五十鈴

「……報告と合わせて、それは五十鈴から話すわ」

 

 

・・・・・・

・・・

 

――――――

謎の塔 -近海-

 

 

―ザザァー

 

五十鈴

「……だいぶ近づいたわね」

 

翔鶴

「すごく……大きいですね……」

 

浜風

「雲で上部が見えない……」

 

夕張

『――今こちらでも確認したわ。 ……さながら、バベルの塔ね……』ザッ―

 

浜風

(……)

 

五十鈴

「……あの黒い巨人を沈めたと思ったら、

 今度はその海域から急に現れた謎の塔、か……」

 

翔鶴

「…………あ、あの……夕張さん?」

 

夕張

『うん?』

 

翔鶴

「この水上バイクなんですけど……その…………ス、スカートが……////」

 

夕張

『……あ…』

 

五十鈴

「そういえば、めちゃくちゃあらぶってたわね……」

 

浜風

(私はもう諦めてました……)

 

夕張

『完全にそっちまで気が回ってなかったわ……。

 ……んー、次乗るときは何か用意しましょうか? あるにはあるし』

 

翔鶴

「お願いします……!」

 

夕張

『はーい』

(まぁ、ピッチピチのやつしかないんだけど……)

 

 

翔鶴・浜風・五十鈴の三人は謎の塔の調査隊として特別抜擢され、

塔の近海まで接近していた。

 

移動のための足となっていた水上バイクでは翔鶴がハンドルを握り、

その後ろに、翔鶴に体を預ける形で浜風が、

そしてサイドシートには五十鈴が控えていた。

 

 

夕張

『それはそうと、乗り心地の方はどう?』

 

五十鈴

「向かい風さえ気にしなければ、わりと快適よ。 今日はまだ寒くもないしね」

 

翔鶴

「はい……///」バサバサッ… ←…

 

浜風

「この三人で乗ってもそれなりの速度が出せるみたいですしね。

 ただ、次はゴーグルもほしいですね……」

 

夕張

『あ、了解』

(完全に性能優先だったなぁ……いけないいけない。 明石にも怒られちゃう)

 

 

夕張

『でもよかった。

 ちゃんと想定はしてたつもりだったけど、一番の懸念ではあったのよね。

 正規空母、軽巡、駆逐艦各一隻の合計三隻か。 ……十分に乗れてるわね!』

 

浜風

「もしかして、この隊の組み合わせはその重量の関係ですか?」

 

夕張

『あー……いや、結果としてそうなったってだけで選抜基準はまた別ね』

 

翔鶴

「なんでしょう……思い当たるフシは……」

 

夕張

『ほら、この前やったサバイバルゲーム、あったじゃない?

 あれのスコア上位陣で、かつ特殊兵装持ちだってことで、今回貴女達が選ばれたの』

 

五十鈴

(……)

 

浜風

「あぁ……」

(サバイバルのスコア……)

 

翔鶴

「そういうことだったんですか」

(……)…チラ… ←浜風を見やる

 

五十鈴

「……ねぇ、前々から気になってたんだけど、ここの鎮守府って

 あんな感じのレクリエーションずっとやってるの?」

 

夕張

『え? レクリエーション?』

 

五十鈴

「ほら、サッカーとか野球とか、あと……ダンスとかっ……」

 

夕張

『んー……いや、そういうのはわりと最近になってからねぇ』

 

五十鈴

「え…そうなの…?」

 

浜風

「ですね」

 

翔鶴

「えっとたしか……カレーお料理対決があった数日後からくらいでしたっけ?」

 

五十鈴

「……へぇ……」

(カレーお料理対決……)

 

夕張

『それで思い出したんだけど、五十鈴さんってすごいわよね』

 

五十鈴

「え?」

 

浜風

「……私もそう思います」

 

翔鶴

「ほとんどのゲームでスコアランキング上位ですものね。

 サッカーや野球でもエース選手だとか……」

 

五十鈴

「……ま、まぁ? あれくらいは普通かしら……?///」

 

浜風

「普通というものでもないように思いますが……」

 

翔鶴

「……何かコツとかあるんですか?」

 

五十鈴

「ん……う~ん……」

 

夕張

『愛よねw愛ww』

 

五十鈴

「……愛? …………はぁっ!!?////」

 

翔鶴・浜風

(………)

 

夕張

『あれ? けっこう言ってる人いるけど……』

 

五十鈴

「けっこう!?」

 

夕張

『うん。 健気よねぇ~って』

 

五十鈴

「」

 

翔鶴

「……」

 

浜風

「……そろそろですね。 皆さん、警戒を」

 

「「!」」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 020

歴史的に見て、愚衆は多数派であることが常であり、
時代の維新者や革命家、真理と真実への到達者は、常に少数派の中から生まれている。

そして多くの場合、多数派は静黙的であり、少数派は狂騒的である。

また、時代の危機によく気付くのは多数派ではなく、少数派である。
だからこそ、少数派は声高に警鐘を発する。




日月神示によると、その割合は1:99であるという。


 ~ Streak 020 ~

 

 

 

【謎の塔】

 

 

 

翔鶴・浜風・五十鈴

「…………」

 

夕張

『……とりあえず、一度外周をぐるーっと回ってもらえる?

 一応、外観をカメラに収めておきたいの。 何に使えるかわからないし』

 

翔鶴

「…あっ、はい。了解ですっ」グィッ

 

―BRR! ザザァーッ

 

 

五十鈴

「……外周もかなりあるわね、これ……」

 

翔鶴

「ええ、そうですね……」

 

浜風

「……」

 

夕張

『……ふむ……』

 

五十鈴

「なんて言うんだったかしら、こういうの…………バロック調?

 なんかそんな感じの建物よね、これ」

 

夕張

『あぁ~……』

 

翔鶴

(……ばろっく?)

 

浜風

(……!)

「あっ…」

 

夕張

『ん?』

 

五十鈴

「何どうしたの?」

 

浜風

「ぁ、いや……気のせいだったのかもしれないですが……」

 

夕張

『何でもいいわ。 言ってみて?』

 

浜風

「……はい、では……。

 翔鶴さん、一度停止してもらえますか?」

 

翔鶴

「あ、はい」グッ…

 

BRR...

 

 

浜風

「……皆さん、塔と海面の境界をよく見ていてください」

(見間違いでなければ……)

 

「「………!」」

 

浜風

「……やはり……」

 

翔鶴

「色が違うっ……」

 

五十鈴

「黒っぽかったわね……」

 

夕張

『ふむ……海面より上は白のバロック調の塔で、それより下は黒色か……。

 何を意味しているのかしら……』

 

五十鈴

(海面……)

「……ねぇ、他にも気になったんだけど」

 

夕張

『どうぞ』

 

五十鈴

「この塔ってよく見ると、上の方は吹き抜けになってる所が結構あるじゃない?

 本当にかなり上の方は、だけど……」

 

翔鶴

「遠方からでもそれは確認出来てましたね」

 

浜風

「ただ、そのときは遠すぎて望遠カメラでも中の方までは見られなかったやつですね」

 

夕張

『近づいたら近づいたで、今度は射角の方が悪くなってきちゃって、

 結局中の様子はまだ見られてないのよね……。

 それが?』

 

五十鈴

「……この塔の下の方……つまり着水部分だけど」

 

浜風

「吹き抜けのようなものはないか、ですか……?」

 

五十鈴

「……ええ」

 

夕張

『……』

 

翔鶴

「さすがにそれはないのでは……? 浸水が……」

 

五十鈴

「その確証ってある……?」

 

「「……」」

 

夕張

『……確かに、これまでのことを考えてきてみれば

 "ある"とも"ない"とも言えない、か……』

 

「「……」」

 

夕張

『まぁでも、こればっかりは直接潜って見てくる以外にないわね』

 

翔鶴

「潜水艦ですね」

 

夕張

『ええ。 でも、うちってまだいないのよねぇ……』

 

浜風

「……」

 

五十鈴

「……想定なんだけど、この塔の調査をこれからも続けていくとしたら、

 いずれは内部の調査の必要も出てくるでしょ?」

 

夕張

『……今は政府の方でも衛星とかを使って調べてもらってるのを

 待ってる状態ではあるけど、その結果もどうなるかはわからないし、

 今回の私達の調査でもあまり有益な情報が得られないようなら、

 それは十分に考えられるわね……』

 

翔鶴

「っ……つまり、それって……」

 

浜風

「…………浸入方法の立案、ですか……?」

 

五十鈴

「そういうこと。 まぁ今はまだ仮の話だけどね」

 

翔鶴

「……」

 

浜風

「……とりあえず、今は外周調査を終わらせましょう。

 まだ"何か"あるかもしれません……」

 

五十鈴

「"何か"、か……」

 

夕張

『……そうね。

 例えば、これ見よがしにお誂え向きな"入口"……とかね』

 

翔鶴

「……行きますっ」グィッ

 

―BRR! ザザァーッ

 

・・・・・・

 

夕張

『――ストップ! オーケー、お疲れさま!

 これで一応、外周長と直径とかくらいは一気に割り出せると思うわ!

 ざっくりとだけどね。

 衛星機の方がいいデータ出すとは思うけど、いつになるかわからないし』

 

BRR...

 

翔鶴

「……ふぅ……」

 

浜風

「ずっとお疲れさまでした、翔鶴さん。 大丈夫ですか?」モミモミ

 

翔鶴

「んぁっ/// あ、うん……ありがとうっ…///」

 

*肩揉みです

 

五十鈴

「……しっかし、特に目立った物は他に見つからなかったわねぇ」

 

夕張

『そんなにうまくは行かない、か……。 ん~……』

 

翔鶴

「もう少し接近して調べてみますか?」

 

五十鈴

「ていうかもう、接着して塔の壁を

 少しずつ叩いて回るくらいやった方がいいんじゃない? 軽い強度調査とか」

 

浜風

「強度……そういえば夕張さん、例の破壊処理計画はどうなりましたか?」

 

夕張

『……実は三時間くらい前には計画の一案としてまとまりかけてはいたんだけど、

 今もう取り下げられてるわね』

 

浜風

「やはり……」

 

五十鈴

「……さすがに高くなりすぎたってことね」

 

夕張

『ええ……』

 

翔鶴

「……」

 

夕張

『発生した原因も未だに不明で、どうやってここまでの高さが

 維持出来てるのかも謎だけど、もしこの塔の破壊が可能だったとして、

 それに成功した場合、周囲の海にどんな二次的影響があるか……』

 

「「……」」

 

夕張

『……それに、あとはまぁ……どうもキナ臭い話も出てきてるみたいなのよねぇ……』

 

翔鶴

「キナ臭い話?」

 

五十鈴

「何よ?それ」

 

夕張

『……どうやらこの塔、今はもう宇宙に届くか届かないかくらいあるみたいなのよ……』

 

「「…っ!?」」

 

夕張

『……で、そんな塔がお金も時間も手間も何の苦労もなく、

 建っちゃってるわけでしょ?』

 

五十鈴

「……なるほどね、もうなんとなくわかったわ……」

 

翔鶴・浜風

「……」

 

・・・・・・

 

五十鈴

「とりあえず、今はもう少し接近して調べてみる、でいい?」

 

夕張

『そうね、特に安全面で問題がなさそうならお願い』

 

「「了解」」

 

翔鶴

「それじゃエンジンかけますね。

 速度は出しませんけど、念のため二人ともちゃんと――」

 

浜風

(…ん? …っ!??)

「―皆さん!上をっ!!」

 

五十鈴

「っ……ぇ……!?」

 

翔鶴

「……何、あれっ……」

 

 

塔の上空、何気なく目をやった浜風がその異変にいち早く気付いた。

 

塔の上の方の空が赤くなっていたことに。

 

 

浜風

「…っ!!」

(んなっ!? まずいっ!!)

 

夕張

『ぼ、望遠しましょうっ! 翔鶴さん!』

 

翔鶴

「は、はいっ…!」

 

浜風

「いえっ! 出してください翔鶴さん!! "落ちて"来ますっ!!」

 

五十鈴

「うそぉっ!?」

 

―ドボォーンッ!!

 

 

"それ"は運良く当たりこそしなかったが、三人のかなり近くに落ち、

水上バイクを激しく揺らした。

 

 

五十鈴

「やだっ、うわわっ…!?」

 

浜風

(!?)

 

翔鶴

「五十鈴さんっ!?」

 

 

ハンドルを握っていた翔鶴と早くに気付いた浜風は体勢を崩すことはなかったが、

五十鈴は完全に油断していた。

 

 

五十鈴

「っ…!」

(やばっ…!)

 

―ギュッ!

 

翔鶴

「きゃあっ!?////」

 

 

しかし、五十鈴は翔鶴のスカートに助けられるのだった。

 

 

五十鈴

「あ、ごめんなさいっ…!」

 

翔鶴

「い、いえ、ご無事で何よりです……///」…シュルッ… ←……

 

浜風

「……よかった…! 翔鶴さん、出してください!」

 

翔鶴

「は、はいっ!」グィッ!

 

BR!

―ファサ…

 

浜風・五十鈴

(……ぁっ)

 

翔鶴

「…行きますっ!!」

 

BRRRR-!!

―バササッ! ヒラヒラヒラ…  チャプン……

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 021-

「国民が政府を恐れてはいけない。政府が国民を恐れるべきなのだ」




民の声は神の声。
政府の犠牲になることが国民の義務ではない。

腐敗した世界や政府を変えるには、暴力による粛清が一番有効である。


政治屋に対しても同じことが言える。
国民を恐れなくなった政治屋を何というか。
"独裁者"という。


 ~ Streak 021 ~

 

 

 

謎の塔 -近海-

 

 

―ザザァー

 

夕張

『何さっきの赤いの……』

 

浜風・五十鈴

「…………」

 

翔鶴

「……あ、あら?」

 

夕張

『ん? どうしました?』

 

翔鶴

「いえ……なんだか腰の辺りまで涼しい感じがして……」チラ…

 

 

翔鶴が見た先には、自身の下半身と局部までもが涼しそうなパンツだけがあった。

 

 

翔鶴

「」

 

五十鈴

「ご、ごめんなさいっ……確かにわりとけっこう強く掴んじゃってたかも……」

 

浜風

「非常時のことでした……仕方がなかったと思われます……」

 

翔鶴

「…………い、いやぁぁあーーっ!! どこっ!? 私のスカートどこーっ!??」

 

浜風

「お、落ち着いてください翔鶴さんっ!!」

 

五十鈴

「さっき……塔の付近で……」

 

翔鶴

「私のスカートがぁーっ!(泣)」

 

夕張

『……』

 

 

―ドボォンッ!

 

 

翔鶴

「ひぅっ!?」

 

浜風

「っ…さっきの…!」

 

五十鈴

「まさか追って来たの!?

 ……止むを得ないわねっ…! 五十鈴、応戦するわ!」ガコンッ! ←E.機関銃

 

*H&K MP5 似モデル

 

 

浜風

「加勢します! 翔鶴さんはそのまま運転の方をお願いします!

 とにかく走って!」チャキッ! ←E.???

 

翔鶴

「はっ はぃっ!!」グルンッ!

 

BRRRR―!!

 

 

夕張

『追い付いて来るなんてっ……敵も相当速いみたいね……!』

 

五十鈴

「っ……あれ、赤い鳥か何かかと思ってたけど、どうも違うみたいね……」

 

夕張

『え、違うの……? 羽はあるように見えたけど……。

 それじゃ、いったい……』

 

五十鈴

「さぁ? ……まぁでも、とにかく悪魔なんでしょっ…!」チャキッ…

 

浜風

「くっ…数も増えてきました……!」

 

 

三人の背面の景色が赤一色になっていた。

 

 

翔鶴

「っ…!」

 

五十鈴

「……うろたえていても仕方ないわ。 やるしかない……!」

 

 

言いながら、五十鈴は静かに銃の照準を悪魔の方に合わせる。

 

 

五十鈴

(……それに、これだけの的がただ並んでるのなら…!)

「…………バカね、撃ってくれってこと?」カチッ

 

―ガガガガガッ!!

 

 

 

「「ギャアッ!?」」

 

 

 

五十鈴

「…やったわ!」

(当たった!!)

 

 

見事に五十鈴の銃撃が複数の悪魔にヒットする。

 

すると、銃撃を受けた悪魔は何故か、たちまち石化し、そのまま海に落水した。

 

 

「「!?」」

 

五十鈴

「……どういう理屈かはわからないけど……。

 ……ふふっ。 十分だわ。 ……戦える!」

 

浜風

(……これならばっ!)

「私も続きます! 応戦射撃、開始します!」

 

翔鶴

「浜風さんっ、リロードが必要になったら言ってください!

 私が手伝いますからっ!」

 

浜風

「っ……はいっ! お願いします!」

 

 

・・・・・・

・・・

 

 

五十鈴

「……くっ、しつこいわね……!」ガガガッ!

 

浜風

「ですが、数も大分減ってきました! あと少しですっ!」タタンッ!

 

 

 

「「ギャハァッ!!」」

 

 

 

浜風

「…よしっ! リロードを!」

 

翔鶴

「はい!」

 

 

浜風からの合図があると、翔鶴は自身の右手側に来る浜風の銃の

マガジン・リリースボタンを押して、マガジンを排出し回収する。

その後水上バイクのバンクから新しいマガジンを取り出して装填させ、

そして最後に銃のスライドを引いた。

 

浜風が銃を支えて持っている間、

これを右手一つで一連の作業を素早くこなしているその様子は

銃火器の扱いにおいて、それなりの経験量を容易に想像させる。

 

 

―ガガガガガッ!

 

五十鈴

「……っはぁ……あとはもうあの一匹だけね……!」カチンッ…

 

 

「…ゲヒャアッ!」

 

五十鈴

「っ!?」

(しまった!!)

 

 

翔鶴

「!!」

 

浜風

(っ…そこ!!)

「―Jackpot ですっ!!」

 

タァンッ…

 

 

・・・・・・

・・・

 

――――――

作戦室

 

 

五十鈴

「――とまぁ、大まかにはそんな感じね……」

 

翔鶴

「……///」

 

浜風

「……」

 

長門・陸奥・大淀

「…………」

 

五十鈴

「他にわかったこととか、詳細な調査データとかは後でまとまったものが

 夕張から上がるはずよ」

 

長門

「……ふむ……了解だ」

 

大淀

「塔の守衛がいた、ということでしょうか……?」

 

陸奥

「話を聞いた限りだとそんな感じよね……」

 

長門

「わかった、ご苦労だったな。 三人はもう休憩に入ってくれ」

 

浜風

「はっ!」∠ ピッ

 

五十鈴

「了解よ」∠ ピ

 

翔鶴

「各補充も済ませておきますね」∠ ピ

 

長門

「うむ」∠ ピ

 

大淀

「……」∠ ピ

(それにしても……)

 

陸奥

「……」∠ ピ

(下丸出しで敬礼とか、すごく……)

 

長門

(……シュールだな……)ジー…

 

大淀

(シュールですね……)ジー…

 

陸奥

(シュールね……)ジー…

 

浜風

(……申し訳ありません、翔鶴さん……この浜風が至らないばっかりに……)ウゥッ…

 

五十鈴

(なんか居たたまれなくなってきた……いや、でも翔鶴さんのあの下着って……)

 

翔鶴

「…?」←当の本人はだんだんと違和感を覚えなくなってきていた

 

 

―ギィッ

夕張

「夕張です! 大急ぎでデータをまとめて来たわっ!」

 

 

「「!」」

 

・・・・・・

 

長門

「……随分幅も広いな……」

 

陸奥・大淀

「…………」

 

夕張

「それもですけど、やっぱり気掛かりなのは確認できなかった吹き抜けの部分です。

 それが見られれば、もしかしたら中の様子についても

 少しは情報が得られるのかも……」

 

翔鶴

「あの羽のある赤い悪魔も、

 その吹き抜けから出て来ていたのでしょうか……?」←パンツ丸出し

 

夕張

「ええ。 保存された映像を解析してみた所、始めに現れたときの高さ的にも

 それは間違いなさそうだったわ」

(ていうか翔鶴さん、まだスカート履いてないんだ)

 

浜風

「……銃弾が命中すると、石化する悪魔……いったい……」

 

五十鈴

(!)

「……それに関してはもう聞いてみた方が早いんじゃない?

 何だったら、これから――」

 

陸奥

「そうね。私からあの人に聞いてみるわね」

 

五十鈴

「……」…チラ…

 

陸奥

「……」…ニコッ

 

五十鈴

「……」…

 

陸奥

「……」…

 

 

「「……」」

 

大淀

(……もうあの二人は放っておくとして)

「……しかし、これで"相手"の正体も判明したわけですね。

 結果は推して知るべしでしたが……。

 あの塔内部にも当然、悪魔は多数潜んでいるようですね」

 

「「……」」

 

夕張

(ふむ……)

「……そういえば、政府側の調査結果は何時になりそうなの?」

 

大淀

「あぁ……それについては先ほど、連絡がありました。

 明日の明朝までには詳細まとめて報告していただけるそうです」

 

夕張

「……そっか」

 

大淀

「……ただ、そのときの連絡で、こちら側への別件の要請もありました」

 

長門

「……」

 

夕張

「…要請?」

 

大淀

「……我々艦娘による、当該対象物への内部侵入、及び内部の調査です」

 

「「…!!」」

 

大淀

「……そして、その作戦の際には倒壊や崩落等による周辺海域への影響を考慮して、

 最大限の配慮行動に徹し、破壊的活動の一切は厳禁とせよ。 ……とのことです」

 

「「……」」

 

五十鈴

「……やっぱりって感じね」

 

夕張

「内部調査のこともそうだけど、なんていうか……うーん……安全面への配慮は

 当然のことだし、実際、そうすべきではあるんだけど……。

 ……どうも、"もっともらしい"ようにしか聞こえないのよね……。

 上手く建前を得た、っていうか」

 

浜風

「……要は、"後々"のときのために出来るだけ"傷"を付けないようにしろ、

 ということですね……」

 

翔鶴

「後々……つまり、そういうことであれば

 いずれは調査だけに留まらず、内部の……悪魔も全て……」←パンツ丸出し

 

「「……」」

 

翔鶴

「……っ……寒気を覚えそうですね……」←パンツ丸出し

 

((…………))

 

 

五十鈴

(……ま、どっちが悪魔なんだか、ってね)

「……で、決行はいつなの?」

 

長門

「現段階ではまだ"要請"だ」

 

陸奥

「といっても拒否権なんかないけどね……」

 

長門

「……しかし、猶予はあるということだ。

 明日の明朝、政府からの調査報告が得られ次第、

 今回の情報とまとめて、鎮守府の皆と共有しよう。

 それから全員で諸々相談した後、作戦を立案する」

 

「「了解」」

 

長門

「大淀、調査結果の受け取り、それから招集時刻の段取りを頼む」

 

大淀

「わかりました」

 

長門

「陸奥は使用する会議室の準備を進めておいてくれ。 すぐ使えるようにな。

 あとそれと、彼の誘導もいつも通り頼む」

 

陸奥

「わかったわ」

 

 

五十鈴

「…………」

 

 

長門

「今回、会敵したという悪魔についても、

 詳細は陸奥から彼に聞いておくということだったが、どうせなので

 それもそのときの会議で彼に聞くとしよう。それならば一度で共有できるしな。

 …………これくらいか?」

 

「「……」」

 

五十鈴

(……)

 

陸奥

(……)

「……いいんじゃない?」

 

長門

「……よし。 では皆、途中長々と本当にご苦労だった。 今度こそ解散してくれ」

 

 

――――――

 

―ギィッ バタン

 

夕張

「それじゃ、私はここで!」

 

浜風

「あ、はい」

 

五十鈴

「忙しないわね」

 

夕張

「うんっ、あの子の補給整備とか要望のやつも用意しないといけないからっ」

 

翔鶴

「あ、よろしくお願いします」←パンツ丸出し

 

夕張

「お安いご用よ! またね!」フリフリッ

 

タタタターッ

 

 

フリフリ…

浜風

「……お二人もお疲れさまでした」

 

翔鶴

「ええ、お疲れさま」←パンツ丸出し

 

五十鈴

「浜風もね。 それと、ありがとう」

 

浜風

「え?」

 

五十鈴

「最後のあのとき……本当に助かったわ」

 

浜風

「…あぁ……いえ、当然のことをしたまでですので……///」

 

五十鈴

「ふふっ、そっか。 でもありがと」

 

浜風

「……はい……///」

 

翔鶴

(……)

「……ふふふ、日頃の訓練の成果ですね」クスクス ←パンツ丸出し

 

浜風

「っ…い、いえっ……翔鶴さんを差し置いてそんなっ!

 ……それに姉妹の中で比べたら、私のサバイバルスコアなんて……」…

 

翔鶴

「あら、そんなことはありませんよ?」←パンツ丸出し

 

―ポンッ

 

浜風

「っ……」

 

 

俯き始めていた浜風の肩に手を置きながら、翔鶴は続ける。

 

 

翔鶴

「共に励んだ仲だからこそ、私だってよく知っているつもりです。

 浜風さんのこれまでの日々の修練が、

 今日という一瞬に繋がったんだと私は思います」←パンツ

 

浜風

「……翔鶴さん……」…ギュッ…

 

 

その言葉を受け、浜風はゆっくりと翔鶴の手を取るのだった。

 

 

五十鈴

「……」

 

 

そして、その光景から五十鈴もまた、一人思っていた。

 

 

五十鈴

(……本当に良い所に来られたのね、私は……)…フフッ

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 022 ~

 

 

 

提督室

 

 

ダンテ

「……」…ペラ…

 

 

―ガチャ

陸奥

「…あ、ここだったんだ」

 

 

ダンテ

「……ン? ああ…」…

 

…コツコツ

陸奥

(カバー本……)

 

ダンテ

「……」…ペラ…

 

陸奥

「……何読んでるの?」

つ□ ヒョイッ

ダンテ

「……おい、今いいトコなんだ」

 

陸奥

「…………ハムレット?」…ジー…

 

ダンテ

「……何だよ」

 

陸奥

「……別に。 ただ意外かなぁって」

 

ダンテ

「Hm...

 前にも言ったろ? 別に銃やら剣だけを持つってわけじゃねェってな」

 

陸奥

「……てっきり、前見てた雑誌みたいなのをまた見てるのかと……」

 

ダンテ

「まだ言ってンのかよ……。

 つか、それ見たまんま文庫本だろ」

 

陸奥

「……官能小説……とか……?」

 

ダンテ

「俺にはストイック過ぎるな」ha

 

陸奥

「……これどうしたのよ?」

 

ダンテ

「暇潰しに散歩してたら二人して本を読んでたキリシマとヤマトに会ってな。

 んで声をかけられた」

 

陸奥

「へぇ」

 

ダンテ

「そんでそンときに暇して散歩してるつったら勧められたんだ」

 

陸奥

「なるほどね。 でもそれでこれなんだ?」

 

ダンテ

「これまた意外っつー顔だな」

 

陸奥

「実際そうだし……」

 

ダンテ

「Huh... 別に、読んだこともないってわけじゃねぇぜ?これも」

 

陸奥

「えっ、そうなの?」

 

ダンテ

「ああ。 それに日本語だとどうなってンのかも気になったもんでな」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「ほら、返してくれよ。 借りモンなんだぜ?」

 

陸奥

「…あ、うん。 ごめんっ」スッ…

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 023 ~

 

 

 

マウント予約。しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 024 ~

 

 

 

もし某県某所某艦記念館に二人で旅行に行ったら編

 

 

 

ダンテ

「……へぇー。

 普通に外にも見られる物がけっこうあるんだな。 でっけぇモンだなァ」ha

 

陸奥

「っ……お、大きい物は中に入りきらないだろうから……///」

 

ダンテ

「um, なるほどな。 ……お、ありゃスクリューじゃねぇか。スゲェ」hahaha

 

陸奥

「…///」

 

ダンテ

「……huh. おいなんだ、どうした? 何で急に口数も少なくなったんだ」

 

陸奥

「やっ……だって…………なんか恥ずかしいしっ……///」

 

ダンテ

「hm...」

(そういうもんかね…)

 

陸奥

「///」

 

ダンテ

「……じゃあどうする? さっきは寄ってみたいっつってたが、やっぱやめとくか?」

 

陸奥

「…え……」

 

ダンテ

「何なら、ここで待っててやってもいいぜ? 邪魔だってンならな。 ha

 一人で行ってくるか?」

 

陸奥

「…………ううん、一緒が……いい…」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……だから、その………いい……?」

 

ダンテ

「…Alight. ……そんじゃ、行くか」

 

陸奥

「………フゥー………うん」…コク

 

・・・・・・

・・・

 

ダンテ

「……Hu-m」

 

陸奥

(……)

 

ダンテ

「……」ジー…

 

陸奥

「…………意外に、退屈はしてないみたいね?」

 

ダンテ

「…ン? あぁ……ha. まぁ、そうそうあるような機会でもねぇしな、これも。

 不思議と、読んでてつまらないってこともねぇな」haha

 

 

そう陸奥に返したダンテは、

またすぐに展示物の詳細が書かれているアクリル板に視線を戻す。

 

 

陸奥

「……そう…」

(……なんか、当のあたしより熱心じゃない…?)

 

ダンテ

「……」hm..

 

陸奥

(………)

 

―ポスンッ…

 

ダンテ

「……なんだ?」

 

陸奥

「…………ん~……なんとなく…?」

 

ダンテ

「……huh, そうかい」

 

 

唐突にダンテに寄りかかる陸奥。

しかしそれに対してダンテはそれ以上は特に何も言わず、また読み物に戻るのだった。

 

 

ダンテ

「……」…

 

陸奥

「………♪」

 

・・・・・・

 

陸奥

「――ね、下の方も行ってみない?」

 

ダンテ

「……まさか全部見て回るつもりか?」

 

陸奥

「うん。 ……だめ…?」

 

ダンテ

「俺は構いやしねぇが……いいのか? 恥ずかしいんじゃなかったか」ha

 

陸奥

「そうだけど……でもやっぱり、全部見ておいてほしいって言うか……」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……私のことはできるだけ知っておいてほしいもの」

 

ダンテ

「……ok, そういうことならわかったぜ。

 行くか」

 

陸奥

「……うんっ♪」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「――そういや、お前の生まれってのはいつになるんだ?」

 

陸奥

「……えっ……」

 

ダンテ

「お、ここにいろいろと年代とかは書いてあるみたいだな。

 ンー、どれ…」

 

―バンッ

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「……」

 

ダンテ

「……おい、何してんだ。 手で覆ってンじゃねぇよ、見えねぇだろ……」

 

陸奥

「………見る必要、ある?」

 

ダンテ

「お前が言ったんじゃねぇのかよ……知ってほしいとかなんとか……」

 

陸奥

「こういうのはいいのよ別にこういうのは」

 

ダンテ

「……」

 

陸奥

「ほ、ほらっ、ここはもういいから次行きましょ次っ!」

―グィッ!

ダンテ

「……オーライ、わかったよ…」huh..

 

 

 

 

ダンテ

(………5月31日、か……?)

 

 

 

・・・続く?・・・

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 025 ~

 

 

 

工廠・魔石保管庫(一部)

 

 

陸奥

「――本当、すごい数になって来たわね……」

 

明石

「ええ、まぁ……」アハハ…

 

夕張

「小さい石なら、遠征ですらジャラジャラ手に入るしね~」

 

陸奥

「ふむ……」カキカキ…

(備蓄は十分、と……)

 

―キラーン…

 

陸奥

(……あら?)

「……ねぇ、この出してある石は? けっこう大きいタイプみたいだけど……」

 

明石

「あ、それは後でダンテさんに見てもらおうと思って出してたんです」

 

夕張

「ついさっき、遠征から戻ってきた子達が持って帰って来たやつよね」

 

陸奥

「へぇ……」

 

○..

 

陸奥

「……綺麗ね」

 

明石

「え? ……ええ、まぁ…」

 

夕張

「ちょっと今までには見たことのないタイプの石よね。

 中で紫色の炎みたいな模様がずっと揺らめいてて」

 

陸奥

(……)

 

明石

「……陸奥さん?」

 

夕張

「……?」

 

陸奥

「……ふぅ~ん……」つ スッ…

 

―キラッ

 

陸奥

「っ……」

 

明石・夕張

「!!?」

 

 

―パァー

 

 

――――――

提督室

 

 

ダンテ

「……」…ペラ…

 

 

ダンテ

「…………時よ止まれ、ね……」huh..

 

 

―ドタドタドタッ!

 

 

ダンテ

「……アン?」

 

 

―ガチャ!

明石

「ダンテさんっ!!」

 

 

ダンテ

「……なんだアカシ。 そんなに慌てて」

 

 

夕張

「慌てもするわよ!ちょっと見てっ!」

 

 

ダンテ

「ユウバリもいたのか。 ……ん? ムツはどうした? 確かお前らの所に行くっつって」

 

 

―スッ…

??

「……///」

 

 

ダンテ

「……アー…ハハッ……初めて見る娘っ子だな。 新入りか? お嬢ちゃん、名前は?」ha

 

 

??

「……ながとがたせんかんにばんかん、むつ…////」

 

 

ダンテ

「…………Hmm, ok. 何があった?」

 

 

 

 

 

 

 




艦娘と不思議なダンジョンは>1的にはすごくやりたいなぁーという気持ちがあったりはします。
まぁでも、どうせやるならダンテズインフ○ルノとか神曲を本格的に勉強したいですね。


ていうか季節イベントネタもっとやりてぇー!
クリスマスも正月も節分もこのまま行くと恐らくバレンタインも全部スルー!!
圧倒的に置きが足りないんじゃ~……


悪魔設定って実はかなり都合がいいんじゃね? と気付きました。
こんな感じでケモ化ネタとかも挟み込めそうです。
ぶっちゃけてしまうと、本当の所は本編中にもあったように、
世界中の魔具をエンツォが~ という部分が実は"置き"だったりしたんですよね。
悪魔これくしょんというタイトルになっていて、
元々出来るだけ多くの悪魔を登場させていこうと考えにはありましたが、
DMCオリジナルだけでは登場する艦娘の総数に対し、圧倒的に足りないだろうなぁとも
思っていたためでした。想定としてはわりと初期からあるにはありました。

今回、BHSt-25 で登場した物は、悪魔メフィストフェレスの魔石です。
元ネタは言わずもがなですね。
というか、メフィストとファウストに関してはDMC4にも微妙に登場はしてましたけど。
今回のはわりとアレンジ入ってますね。
*魔装:獰猛爪メフィストフェレス

あまり度が過ぎたり、インフレなどは起こさないように
配慮していくつもりではありますが、今回みたいな感じで
DMCオリ以外の悪魔が登場したり、コレクションされたりなどは
今後もちょくちょくあるかもしれないです。


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Streak 026-

「金はすべて光るとは限らない。
 放浪する者が皆迷っているとは限らない。
 年老いても強いものは枯れない。
 深い根に霜は届かない」

ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン


騙されるな。常に本質を見よ。
真実と本物の価値は、虚偽と偽物とを比べたとき、どちらを良しとするかを差し引いて考えてみても、いずれの局面においても、実に強力なのである。

真実において、真に恐れるべきは、その効力と潜在的な危険性である。


「馬鹿には優しい言葉で嘘を吐いてやれ。
 それだけで簡単に騙せるし、洗脳まで出来る」




人は言葉の真偽よりも、言を発したその者の素性や素行によって、あるいは複数人のその比較によって、事の真偽を図る傾向にある。
ただし、これは凡百の愚衆にのみ当てはまる。

実際にはこれは別に、特に取り立てることの事実でもない。
例えば、中国においてははるか昔にその逸話を元にした訓言もあるほどだ。

他にも、過去の歴史においてはこんな話も実存した。

ある一介の天文学者に過ぎない者はこう言った。
「地球は太陽の周りを回っている」と。
しかし、教会は、いや、当時は世界そのものであろう者たちはこう言った。
「太陽が地球の周りを回っている」と。

後に、どちらが凡百の愚衆であったかは、最早語るまでもないだろう。

実はこの出来事は、完全に過去のものとなったわけではない。
現代においても、そこかしこにこういった現場は見ることが可能なのである。

詐欺師がこう言ったとしよう。
「1+1は2です」と。
それに対して、少なくとも詐欺師でも嘘つきでもない人がこう言ったとしよう。
「1+1は3です」と。

すると不思議なことに、凡百の愚衆は『1+1は3』だと思い込んでしまうのだ。
これを"凡百愚衆の迎合心理"とでも称しよう。

以下のケースでも同様のことが起こる。
粗野で乱暴者で過激で口の悪い者が「1+1は2だ!」と答えても、
穏やかで親切で優しく言葉遣いも丁寧な者が「1+1は3です」と答えれば、
凡百の愚衆はやはり、『1+1は3』だと思い込んでしまうのだ。

これは嘘でも何でもなく、事実としてある現象である。
他ならぬ、詐欺師がこれで生計を立てているのだから。
詐欺師は優しい態度を装い、甘いマスクと甘言を以て、嘘をつくという訓練を怠らない。
愚かな心理に囚われた凡百の愚衆を欺くために練習をするのだ。

だからこそ、甘い言葉には気を付けろ、などという戒言が存在する。
そして、これらのことから、さらに注意を傾けるべきことがある。

大した身分でもないし、粗野で乱暴者で過激で口の悪い者が発している言葉についてだ。
どうしてこうも、その者は過激的で暴力的に、ときには悪口すらも織り混ぜながら、必死に訴えるだろうか。
なぜそこまでなりふりも構わずに全力なのだろうか。

凡百の愚衆に、間違いなくはっきりと言っておく。
その者にこそ、真に耳を傾けなければ、お前たち自身が危うい。

その者がたとえ、性犯罪者であっても、略奪者であっても、侵略者であっても、殺人鬼であっても、殺戮者であっても、狂人であっても、過激な者であっても、テロリストであっても、圧政者であっても、独裁者であっても、暴君であっても、語る内容が正しいのであれば、それは正しいと認められなければ、凡百の愚衆からは決して抜け出せない。


聖人であろうと悪人であろうと善人であろうと罪人であろうと、
たとえどんな人間が発言したとしても、事実は事実のままである。


 ~ Streak 026 ~

 

 

 

工廠・魔石保管庫(一部)

 

 

ダンテ

「……hm, なるほどな。 この石か」

 

夕張

「うん……」

 

明石

「突然光だして、それで……」

 

むつ

「……」

 

ダンテ

(……)

 

・・・・・・

 

○..

 

ダンテ

「……しゃーねぇ、壊すか」

 

「「!」」

 

明石

「そ、それっていいんですかっ?」

 

ダンテ

「ああ。 コイツの仕業だってンなら大元のコイツを叩くだけだ。

 けっこうデカい石だが、まぁ仕方ねぇな」

 

夕張

(ていうか壊すだけで元に戻れるのね……)

 

むつ

(……)

 

・・・・・・

 

ダンテ

「ちょっくら海に出てくるぜ。 ユウバリ、あのシューズ出しといてくれ。

 俺は部屋に置いてきた得物やらを取ってくるわ」クルッ

 

○..

 

夕張

「あ、はーい、了解」

 

○.+

 

明石

(…ん?)

「…………っ!」

 

むつ

「……ぁっ」

 

ダンテ

「……アン?」

 

 

―パァー!

 

 

・・・・・・

 

明石

「どどどどっ」

 

夕張

「おおおちっおち」

 

 

だんて

「……」

むつ

「……」

 

 

明石

「こんなのいったいどうすればぁ?!」

 

夕張

「私に言われたってわかんないわよっ!

 え、ていうか何っ!? あの石って本当にロリショタ化させる石だったの!??」

 

明石

「ご丁寧に服まで変わっちゃってますけどね!!

 陸奥さんのは制服が縮んだだけですけどダンテさんのh」

 

夕張

「半袖短パン!」

 

明石

「こってりしすぎィ!」

 

 

だんて

(……)Mm..

むつ

「……」…ペタッ

 

だんて

「…あ?」

むつ

「……」ペタペタ

 

だんて

「……なにすんだよ、ムツ…」

むつ

「……ん、いや。 だっていつもは近くに行くと

 見上げないといけないくらいだったのに、今はなんか同じくらいだから。

 …………えへへ///」ペタペタペタ

 

だんて

(hm..)

「…………つか、そうか。 なるほどな」

 

むつ

「?」

 

だんて

「おまえのその服、ちぢんだあとに小さいサイズの制服に着替えたのかと思ってたけど、

 おれは服のデザインまで変わってる」

 

むつ

「あ、うん。 ……似合ってるよ?w」

 

だんて

「……そいつはどうも…。

 ってそうじゃなくてだな、"トリック"がちょっと見えてきたってことさ」ハ

 

むつ

「え、ほんと?」

 

だんて

「ああ。 ……さて、」

 

むつ

「……こわしちゃうの…?」

 

だんて

「それのが手っ取り早ぇんだけど、このカラダじゃそれはちょっとムリだな……」

 

むつ

「……」

 

だんて

「……だからま、ノッてやるしかねぇよな」ニヤリ

 

むつ

「…?」

 

テクテク

だんて

(……)…パシッ つ○

 

「「!?」」

 

だんて

「……さぁ、おまえからさそってきたんだ。 見せてくれるんだろ?

 ……いい"ユメ"を、よ」

 

…トサッ

 

明石・夕張

「…!」

 

むつ

「っ…」タタタッ!

 

 

途端にうつ伏せに倒れてしまったダンテ。

急いで陸奥は駆け寄り、ダンテを揺する。

 

 

むつ

「いったい、どうして……っ」

 

―ポスン…

 

 

すると、今度は陸奥までもが気を失い、ダンテの背中に重なって倒れてしまった。

 

 

明石

「……えぇ……」

 

夕張

「もうどうすんのよこれぇ……」

 

 

・・・・・・

・・・

 

 

そこは広い庭園だった。

周りは草花が生い茂り、立派な樹木もあった。

そして、奥には大きな屋敷が見える。

 

 

だんて

「…………"美しい時"、か……」

 

 

むつ

「……ど、どこ? ここ……」

 

 

だんて

(…!)

「……おまえっ…入ってきたのかよ……」

 

 

むつ

「っ……あ、あたしだって何がなんだか……て、それっ!」

 

 

だんて

「…うん?」

 

―テテッ!

むつ

「ほっぺのところケガしてる!」

 

だんて

「……は?」

 

むつ

「もしかしてさっきうつ伏せにたおれちゃったときに、切っちゃったんじゃ……」

 

だんて

(……おれがケガだって……?)

 

むつ

「とにかく手当しないとっ……」スッ…

だんて

「あ、おいっ…」

 

・・・・・・

 

だんて

「……」

むつ

「……ん……血は止まったかも…」つЛ..

 

だんて

「……わるいな、持ってたハンカチ汚しちまって…」

 

むつ

「ううん、いいの。 というか水道がひねれる所があってよかった……」

 

だんて

(……"幻"のくせに、いやにリアルにしてきやがるもんだな……)

 

むつ

「……でも、めずらしいよね。 いつもなら、それくらいのキズならすぐに……」

 

だんて

「ん、あぁ……」

(…………ケガ、か……」

 

 

~~~~~~

 

「――うわっ!?」ドサッ

 

「どうした、もうへばったのか? こうさんでもいいぞ」フフンッ

 

「っ……うっせ! つーか今のホンキだったろ?!」

 

「ぼろぼろだな」ハッ

 

「~~っ!!」

 

~~~~~~

 

 

だんて

「…………ハハッ……」

 

むつ

「……?」

 

・・・・・・

 

むつ

「それにしても、ほんとにここっていったい……」

 

だんて

「あぁ、ここは――」

 

 

 

―バタァンッ!

 

「しぬっ! まじでジョーダンじゃなくてしぬぅーっ!! ――う"おっ!?」

 

「おい早く出ろっ!後ろから来ている! つっかえるな!!」

 

「木剣が引っかかったんだよっ! ちょっ!?いってぇよ!?」

 

 

 

むつ

(!!?)

「……えっ……あ、あれ……? あなたがふたり……じゃなくて、さんにん……??」

 

だんて

「…………」

 

 

 

 

 

 

長編のため、以下同様にSt-30までマウント。

いつか……(笑

 

 

→ DMC I'm home ←

 

という動画があるのですが、よろしければ先にそちらの方を見ておいてもらえると、

後の話が想像しやすいかと思います。大分描写は省いていくつもりですので。

 

*DMC原作未プレイの方はネタバレにご注意ください。閲覧は任意でお願いします。

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 027 ~

 

 

 

屋敷内

 

 

「いってぇ……本当にしぬかと思った……。 あんなのぜったいケイコじゃねぇ……」

 

「手加減もなしだったからな……」

 

「もうあの人ったら……。 後で私の方からもう一度叱っておくわね」ナデナデ…

 

 

「!?」ビクッ…

 

 

 

屋敷から二人の少年が飛び出してきた後、

その後ろから中世時代の西洋紳士のような服装をした男性が出てきた。

そして、さらにその後からは落ち着いた雰囲気の服を身に纏った女性も出てきて、

紳士服の男を叱りながら屋敷の中へ引っ張って行く。

 

呆気にとられていた陸奥だったが、そうしていても仕方がないので

陸奥とダンテは、一番始めに飛び出してきた二人がそろそろと屋敷の中へ

入っていくのを見届けた後、それに続いて行った。

 

 

 

むつ

「…………」

 

だんて

(…………)

 

 

 

二人の少年は女性から軽い手当を受けた後、頭を撫でられて安堵していた。

反対に、男の方はおどおどしている。

 

 

 

「……さて、アナタ?」

 

「……はい……」

 

 

 

むつ

「…………本当なんだ、幻って……」

 

だんて

「……ああ」

 

 

 

屋敷に入る前、陸奥は一応大声で断りを入れたが、

屋敷主であろう者達からの返答はなかった。

 

そのとき、ダンテは陸奥に説明する。

今、見聞きしているのものは全て幻に過ぎないのだと。

 

 

 

「……いや違うんだ……つまりだね……。

 なんというのか……非常に難しいわけでね……」オロオロ…

 

「……んー?」ニコォ…

 

「ッ…!?」

 

 

「……くははっ…」ニシシッ

 

「……ふぅ……」ヤレヤレ…

 

 

 

だんて

「…………」

 

むつ

「…………」

(…………幻……そうは言うけど、でもこれはおそらくは記憶……。

 ……だれの記憶か……それは言うまでもない…よね……)

 

 

 

「やっぱ、母さんがサイキョウだよなー」ハハハッ

 

「ふっ…………ん? どうした?腹を押さえて」

 

「え……あぁ、いや……」

 

「……」…グィッ

 

「あ、おいっ…」

 

 

 

むつ

「!!」

 

だんて

「……」

 

 

 

片方の少年が、もう片方の少年のシャツを断りもなく捲る。

捲られた方の少年の脇腹辺りが細長い模様状に青く変色していた。

 

 

 

「っ……」

 

「……どうしてこれをさっき母さんに見せなかった?」

 

「……だって、これはさすがにすげぇ心配するだろ……」

 

「……扉の所で打ったヤツか……」

 

「……」

 

「……少し待ってろ。 打ち身用の塗り薬があったはずだ。 塗ってやる」スッ…

 

「えっ、おい……」

 

「大丈夫だ、こっちの方は見ていない。 いつものようにまだしばらくはかかるさ。

 動くなよ? それは俺のせいでもあるんだ」

 

「………」

 

 

 

むつ

「……兄弟、いたんだ」

 

だんて

「……ああ……」

 

 

 

「………」ヌリヌリ

 

「~~っ、くすぐってぇって…!」プルプルッ…

 

「ガマンしろ」ヌリヌリ

 

「……~~っ!」クフッ…!

 

 

 

だんて

「………」

 

むつ

「………青いシャツを着ている方がお兄さんなのね」

 

だんて

(!?)

「…………よくわかったな、兄貴だって……」

 

 

ダンテは横にいる陸奥に首だけを少し向けて反応した。

目線の先の光景は見逃さないまま……。

 

 

むつ

「……わかるよ。 だって、そんな感じの目をしてるもの。

 あなたを見る、お兄さんの目」

 

だんて

「っ…!!」

 

 

 

先程まで、片時も目を離さずにその"幻"を見つめていたダンテだったが、

陸奥のその言葉に、途端に顔を伏せてその光景から目を反らしてしまう。

 

 

 

だんて

「……ッ…」…グッ…

 

むつ

「…………」…スッ…

 

―ギュ…

 

だんて

「ッ……!」

 

 

 

俯き、身を震わせるダンテに、陸奥は後ろから静かに抱きついた。

 

 

 

だんて

「…………やめろ、はなせっ……」ググッ…

むつ

「…………」…ギュッ

 

 

 

ダンテは陸奥の腕を払おうとするが、その力は弱かった。

後ろの陸奥が何かを言うことはなかったが、返答の代わりとばかりに

抱きつく力が強くなっていくのをダンテは感じていた。

 

 

 

むつ

「………」…

だんて

「………はなせ、よっ……おれはっ……」グッ…

 

 

 

次第に、ダンテは腕を上げる力すらも入らなくなっていった。

 

 

 

だんて

「………」

むつ

「………別にいいじゃない、泣いたって。 何もおかしいことなんてないよ」

 

 

だんて

「ッ……」

むつ

「………"大切だった家族"との大事な思い出……。 "誰"だって、そうなると思う」

 

 

だんて

「………………グ…ウッ…………父さん……母さんっ…………バージル……!」

むつ

「………………」…ナデナデ…

 

 

・・・・・・

・・・

 

 

―ガチャ パタン…

 

だんて

「……」

 

むつ

「……よかったの? もう出てきちゃって……」

 

だんて

「……ああ」

 

むつ

「……お父さんとお兄さんといっしょに三人でお夕飯をはこんでたみたいけど、

 ……本当に見ていかなくていいの……?」

 

だんて

「……人がメシ食うのなんか見て何がたのしいんだよ……。 ハラがへるだけだろ」

(前の水道の水だって、結局は幻だしな……)

 

むつ

「………そっか……うん……あなたがそう言うなら、わかったわ」

 

だんて

「………」

 

むつ

「………ところで、……ねぇ」

 

だんて

「?」

 

むつ

「あれって、あなたのお母さんの得意料理?」

 

だんて

「ん………あ~……まぁ……そうだな。 よく作ってはくれたかな」

 

むつ

「ふーん……」

 

だんて

「それが?」

 

むつ

「……帰ったら作ってあげよっか?」

 

だんて

「!! まじでっ?」バッ!

 

むつ

「あ、けっこういい反応」

 

だんて

「っ………なんだよ、からかっただけかよ……」

 

むつ

「あっ、うそうそっ。 そんなつもりじゃなかったからっ。

 ちゃんと作ってあげるってば」

 

だんて

「………まぁ、楽しみにしとく…」ポリポリ…

 

むつ

「……ふふふっ。 うん、期待して待ってて」

 

だんて

「……ああ」

 

むつ

「…………ね、」

 

だんて

「……ん?」

 

むつ

「…………昔に帰りたいとかって、思う……?」

 

だんて

「……」

 

むつ

「……このままここに残ってずっと……とか……」

 

だんて

「……言っただろ、ここで今見えてる物も聞こえてる声も全部がウソみたいなもんだって」

 

むつ

「……」

 

だんて

「見えてても幻覚で、聞こえても幻聴なんだ。匂いもな。 意味はねぇよ。

 ……仮に、次はさわれるようになったってそれは一緒だ。

 実際にあったかいわけじゃねぇ。 そう"感じさせられてる"ってだけだ」

 

むつ

「っ……で、でもっ……それじゃ、あのごはんとかは……」

 

だんて

「……」

 

むつ

「……せめて、あなただって少しくらいっ……」

 

だんて

「……それにしたって同じさ。 ここで食えるメシがいくらウマかったとしても

 それで本当にハラがふくれるってわけでもないんだ。 ごまかせるってだけで」

 

むつ

「……」

 

だんて

「……つーか、ついさっきおまえが言ったんじゃねぇか」

 

むつ

「え……?」

 

だんて

「……おまえが作ってくれるっていうメシ、おれもけっこう食ってみたいし……」

 

むつ

(…!)

 

 

 

ダンテは少しだけ視線を泳がせながら、そう言った。

 

 

 

むつ

「…………帰ろっか」つ スッ…

 

だんて

「………っ!」

 

 

 

手をさしのべる陸奥のその姿は、ダンテにはかつての光景とが重なって見えたのだった。

 

 

 

むつ

「ねっ」つ

 

ダンテ

「…………ああ」つ

 

 

ギュ…

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 028 ~

 

 

 

むつ

「――といっても、帰り道はどうすればいいんだろう……」

 

だんて

「……実際に戻れるようになるのは、まだ少し後だな」

 

むつ

「え、そうなの?」

 

だんて

「ああ」

 

 

 

二人が話していると、周りの景色に変化が現れた。

ダンテを見ていた視界の端でそれを捉えた陸奥は驚嘆する。

 

 

 

むつ

「あっ…!?」

 

だんて

「…………」

 

 

 

周りの景色の全てが歪んで混ざり始める。

しかし、次第にその色は霞んでいって、

最後には無地の真っ白な背景に全て変わってしまった。

 

 

 

むつ

「…………全部、本当に幻……」

 

だんて

「…………ああ、オレのユメはもう終わりだ」

 

むつ

「……っ」

 

だんて

「……ムツ」

 

むつ

「ぁ、……なに?」

 

だんて

「今度はお前の番だ」

 

むつ

「え……あたしの……?」

 

だんて

「そうだ。 ……それで、ここからは一つ約束をしてくれ」

 

むつ

「約束……?」

 

だんて

「"止まれ"って言葉と"時間"、この二つを続けて言うフレーズをしゃべるのは禁止だ。

 いいな?」

 

むつ

「う、うん……わかった……」

(……?)

 

 

 

二人の会話の終わりに、丁度、また周囲の景色に変化が現れる。

その"霧"は徐々に晴れ、やがて一面に澄み渡った青空を映し出す。

 

 

 

むつ

「――わぁっ……!」

 

だんて

「……へぇー……」

 

 

 

そして、下には海。すかさず、さらに木面色の地面が現れた。

二人の足はほんの少しの落差を感じながら、その地面に着地する。

 

 

 

―コトッ

 

だんて

「……っと、こいつは…………もしかしてフネ、か……?」

 

むつ

「…………」キョロキョロッ

 

だんて

「…………ムツ?」

 

むつ

「…………これ、あたしだっ……」

 

だんて

(……まぁ、そうだろうな……)

 

 

―ガヤガヤ

 

 

だんて

「……ん? なんか騒がしくなってきたな」

 

むつ

「…………」

 

 

 

こつ然と周りに人が現れ始める。

艦の上から見渡せる下の方には寄港場もあり、

そこにも人が大勢この艦を囲うようにして集まっているようだった。

 

二人でその光景に目をやっていると、突然、音楽が聞こえ始める。

 

 

 

―パァーパッパ パララッパ パパパパパー♪

 

 

 

だんて

「……あん?」

 

むつ

「…………やっぱり、そうなんだ……。 これはあたしの……」

 

 

 

その演奏は艦の下から聞こえてきていた。

 

 

・・・・・・

・・・

 

 

―ガヤガヤガヤ

 

 

だんて

「――ぉっと……マジに多いな……」

 

むつ

「ふっふーんっ! そうでしょっ?」フンスッ

 

だんて

「……」

 

むつ

「ほんとうにすごかったんだからっ! いろんな方面からのおえらいさんたちが

 ほんとにいっぱいいーっぱい参加してくれたのよっ!」ムッツーン!

 

だんて

「……へぇ」ハハッ

 

むつ

「それでさらにはっ――」

 

 

 

―ブォォォオオオーーンッ!!

 

 

 

むつ・だんて

「!!!」

 

 

 

多方向から、重なり合った轟音が鳴り響く。

 

 

 

だんて

「ッ……なんだ、汽笛ってヤツか?今の…」

 

むつ

「っ……そうだ、たしかこのあとっ」

 

 

 

先程からもずっと興奮覚めやらぬ状態の陸奥が、また次の何かを話そうとしていると、

急にまた周囲の光景が歪みだす。

 

 

 

むつ

(…!?)

「…………あ、あれ……?」

 

だんて

「…………多分、艦内じゃねぇか?これ」

 

むつ

「え……なんで急に……」

 

 

―ドゴォォオンッ!!

 

 

むつ

「きゃあっ!?」グラッ!

 

だんて

「ッ……」サッ

 

―ダキッ

むつ

「ぁ……ありがと…///」ギュッ…

だんて

「……ああ」

 

 

 

「ぱんちゅに被弾っ!!」

「操手系統がっ……」

「何やってんねん!! はよしろや!」

「大丈夫かぁぁああっ!? 調子はどうだぁぁああーーっ!?」

「どのような訓練を受けたのだっ……!!」

「ちょっと待ってくれ、かたじけない……」

 

「駄目だ!」 「駄目だァ!」 「駄目だ!!」 「駄目だっ!」

 

 

 

だんて

「…………まさか、こいつは……」

むつ

「……交戦中っ…!?」

 

 

 

「まぁじかよォ……」

「しっかりしろ! 貴様なら出来るっ!!」

「――うっ…へぇぁああぁーっ!?」

「甲板に被弾っ!!」

「生きとるかっ!? 無事かぁ!?」

「敵索敵内ニ侵入、警戒シテクダサイ」

「目標、接近」

「敵さんのお出ましだぜぇ!」

 

 

 

むつ・だんて

「!!」

 

 

 

「了k…ちがァァうっ!!」

「クソォォォッ!!」

「およそ三○キロメートルぅ」

「厳重警戒! 繰り返す、厳重警戒せよっ!」

「突入せよぉぉぉ!!」

「突撃ィィィィ!!!」

 

「了解!」 「了解!」 「了解!」 「いざ参るっ!」

 

 

 

むつ・だんて

「……」

 

 

 

「離れるなァ!」

「方位、300」

「了解」

「あそこに居るぞ!」

「いくぞォォォォ!!!」

「直ちに撃沈せよ!」

「援護射撃を頼む!」

「りょーかぁぁあーーいっ!」

「攻撃だ! 捻りつぶせぇ!」

 

 

 

むつ・だんて

「…………」

 

 

 

「…ッ! 気を付けろ!」

「あぶなぁーいっ!」

「にゅうううう!?」

「ぱんちゅに被弾っ!!」

「ぱんちゅ大破ぁぁぁ!!」

「どこから撃たれた!? 報告せよっ!!」

「巡洋艦大破ァ!!」

 

「敵は右側です!!」 「敵は左側です!!」

 

 

 

だんて

(どっちだよ……)

 

 

 

「敵艦だらけだ!」

「畜生、どっから湧いて来るんだ……!」

「集中してかからねば、生き延びるのは難しいっ……」

「敵にゃああっ!? 多すぎにゃあああっ!!」

「いいか貴様ら、一歩も引くな!」

 

「了解!」 「了解!」 「了解!」 「やだぁーーー( ´ ・ω・ ` )」

 

「貴様ァ!!」

 

 

 

むつ

(……)

 

だんて

「……ムツ、移動するぞ」

 

むつ

「え……?」

 

だんて

「ここに居たって仕方ねぇだろ? 何か出来るってわけでもねぇぜ」

 

むつ

「ぁ………うん……」

 

トテトテトテ…

 

 

――――――

艦内・廊下

 

トテトテ…

 

むつ

「……」

 

だんて

「……」

(……まぁ、こいつの過去だってんだから、当然そういうこともあるんだろうが……。

 つーか、大半がそうか? ……ま、それにしたって妙だけどな。

 もしオレだったら、"普通"はやらねぇ。 ……とすると、だ……)

 

むつ

「……」…

 

だんて

「……」

 

 

 

<この戦いの行方は、我々にかかっている

<ハイ!

 

 

 

―ピタッ

だんて

(……?)

 

むつ

「……?」…ピタリ…

 

 

―――

作戦室

 

―キィ…

だんて

「……」

 

むつ

「……」…パタン…

 

 

「――各員、奮起せよ!」

「ハイ、ワカリマシタ!」

 

 

むつ

「」

 

だんて

「……」

 

 

「――追撃しろ」

「コ○セ!」

 

 

むつ

「……」…イラ…

 

だんて

「……ハッ。 残りたいって思うか?ここに」

 

むつ

「……じょーだんでしょっ!」

 

だんて

「ハハハハッ」

 

むつ

「うぅ~~っ……」

 

 

 

なぜか気に障っている陸奥だった。




ダンテにとって一番大切で、とても暖かく、愛しく、真に美しかった時間とは
いったい何時のことだったのでしょうか。

それは本人にしかわからないんでしょうけど、どうやら、かの道化は
ダンテに例のセリフを何としてでも言わせたいようです。

あと一応、ダンテの過去編が終了したら陸奥の過去編もやって、
そのあとはうんぬんかんぬんです。
これは本編にも関わりが出てくるものとしてちゃんと消化していきたいですね。


・海上+シューズに関する技能について
スタイルではなく、"アビリティ"です。
ダンテほどの体捌き&体術センスの持ち主であれば、
わざわざスタイル系にまでして昇華させる必要はないと>1は思っています。
プラウドソウル0ポイント代償の基礎・基本能力で十分です。

>1が思うに、スタイル系は大なり小なり魔力を使用・消費しているものと考えています。
当ss時点のダンテは全部で6つのスタイルを体得しているわけですが(例外的には7)、
その内のお馴染みの4つのスタイル、
*トリックスター・ソードマスター・ガンスリンガー・ロイヤルガード
これらはゲームのシステム上、魔力が消費されるといったようなことは
ありませんでしたが、見た目(演出)上は形質変化されたダンテ自身の魔力が使用されて、
表現されているように見受けられました。
残りの2つのスタイルに関しては、ご存知の方々には説明不要ですね。
*いずれこれらについても説明します。必要になるので。

そして、海上+シューズに関する技能の"アビリティ"についてですが、
これの運用に関して、ダンテが自身の魔力を使用・消費するということはありません。
そんな感じの兵装です。
なので、スタイルの定義には当てはまりません。


・艦娘のスタイル、また体得について
ネタバレになるので、これはまたいずれ。


悪魔バルバスの魔石、登場決定です! 唐突ですが……(笑)
この悪魔も無理矢理にこじつけていけば、DMC的にも"一応は"遠縁に当たるのかも。
St-22 かあるいは M5-9 が更新出来れば、わかる人にはわかってしまうのかも?
*魔装:鎖鎌バルバス

まぁ話自体はシンプルな物にする予定です。
なんらかの経緯で魔石の力を悪用して、誰かさんをストーキングしようとする艦娘が
現れて、その主役を張るという感じ。病的なまでの行為にひた走ります。
いったい誰をストーキングしようというんですかねぇ……。


・以下、登場予定の魔装

双刃双節棍ウァラク
無想棍マルコシアス
破砕大牙ハゲンティ
参刀・龍人虎ブネ
旋拐砲棍セーレ
大半月鎌フルカス
大両斧サブナク
毒槍・薙刀アスモデウス
双小太刀アンドラス
一閃中刀バティン
両鉄槌ウィネ

ぶっちゃけ暫定的なものではあります。どんな兵装か、描写で表現できるほどの技量はないので、また別の方式で公開します。よろしければそちらもどうぞ。
*装備者とセットでの公開なので、その辺はネタバレになります。注意です。


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Streak 031-

共産主義は性善説によってのみ成立し、性悪説が入り込むと崩壊する。
資本主義は性悪説によってのみ成立し、性善説が入り込むと崩壊する。

人類史上、"真の共産主義"というものを経験したことがある者は一人としていない。
※シュメール文明人ですら同様。
"共産主義"と呼ばい、これをよく糾弾する者は多いが、その者が批判しているものは実際には、共産主義とは似て非なる、わけのわからない主義なのである。言うなれば、"偽の共産主義"である。
共産主義とは、性悪説と悪・悪魔が入り込むと即死し、まったく別の何かに成り果てる。

過去の歴史において、人類が"真の共産主義"を実現できたことは一度としてない。
また、民主主義においても似たようなことが言える。
古今東西において、人類が"真の民主主義"を実現出来ていたのは、太古大昔のある小さな地での、たったの一度だけである。


自死する者ほど、人は生まれながらにして善であるとよく信じている。
人は生まれながらにして悪であると信じている者ほど、よく生き残る。
こと、資本主義の世においては。

間違いなく、曇りもない己の目で確と見るのだ。
この世は、5億の魂を除いては、悪魔と死神ばかりである。
その疑いようもないこの星の事実にはっきりと気付き、絶望はするな。
開き直るのだ。そうすれば、彼奴等に殺されるくらいならばと、刺し違えるくらいの気概も生まれよう。
相手を心ある人間だ、などとは思わないことだ。
そんなことを思えば、小さなナイフすらも手に取れなくなるぞ。

悪魔相手に遠慮はするな。それで害を被るのは己の命だ。
○されるくらいなら、○せ。


 ~ Streak 031 ~

 

 

 

夜、作戦室

 

 

―カキカキカキ

―カタカタカタ

 

陸奥

「……」カリカリ…

 

長門

「……」…ペラ…

 

大淀

「……」カタカタ…

 

 

長門

(なんだこの微妙な空気の重さは……)

 

 

「「…………」」

 

 

長門

「……大淀、なんというか……少し、陸奥の気が立ってないか……?」ボソ…

 

大淀

(……)

「……さぁ? なんででしょうね……」コソ…

 

 

陸奥

「……」カリカリ……ペキッ…

 

 

陸奥

「……」…サッ……カリカリ…

 

 

長門・大淀

「……」

 

長門

「……あー、しかしなんだ……あれだな………」

(…………!)

 

 

長門

「……さ、最近夜は静かだなっ!」ハッハッハッ!

 

 

―ピクッ

陸奥

「……」ペキッ

 

 

長門

「」

 

大淀

「……」…ハァ…

 

長門

(何が地雷だったというんだ……)

「……大淀ぉ……」

 

大淀

(仕方がありませんね……)

「……これも最近のことになるのですが、駆逐艦の子達の間で

 ある流行事が広まっているのはご存知ですか?」

 

長門

「む……駆逐艦の子達の間で……?」

(この私が初耳だとっ……!?)

 

大淀

「ええ」

 

 

陸奥

「……」…カリカリ…

 

 

長門

「な、何なんだそれはいったい……!? 教えてくれ大淀っ!!」

 

大淀

「…………それは……」

 

長門

「……っ」ゴクリッ…

 

 

 

 

 

大淀

「ヨーヨーです」

 

 

 

――――――

朝、グラウンド

 

―ピッピッ ピッピッ ピッピッ

 

神通

「――よし、ゼンターイ、止まれっ」

 

 

―ザッ

 シャーシャーシャーシャー

 

 

那珂

「……」

 

神通

「……えっと……そ、それでは…」

 

那珂

「ちょっと神通ちゃん……?」コソ…

 

神通

「……はい……」ボソ…

 

 

「やったわ! 10秒よ10秒!」パシッ

 

「うぅ……電はまだそれも出来ないのです……」シャー…

 

「まぁ移動しながらはそもそも難しいよね。

 ちなみに、このヨーヨーだと少なくとも10分はスリープさせられるらしいよ」キュルルー

 

「えっうそ10分もっ!?」

 

「わりとかなり良い物を明石さんは仕入れていたようだよ。

 競技大会でもよく使用されるタイプなんだってさ」キュルルー

 

「えっ……タダ同然でもらっちゃったんだけど……」

 

「だから言ってたじゃないか。 テスター協力してくれるならって。

 壊れたら壊れたでちゃんとそのままの状態で持ってきてほしいともね」キュルルー

 

「……あー」

 

「なのです…」シャー…

 

「…………ぬぬぬっ……てやぁっ!」ビュッ! シュルルッ!

 

―ビーンッ!

 

「ふゃっ!?」

 

―カツーン!

「いったぁー!? うぅ~……頭にぃ……」ヒリヒリ…

 

「力んで勢いを付けすぎなんだよ暁は……。

 投げるときはむしろもっと力を抜いて、肩じゃなくて肘と手首で放つんだ。

 あとシャーク投げは、固定してる左手はびっくりしても急に動かしたらだめだよ」

 

「う~ん……?」スリスリ…

 

 

那珂・神通

「…………」

 

那珂

「……一応、注意はした方がいいんじゃ……。

 ほ、ほらっ今は一応、基礎トレーニング時間なんだしっ……」コソ…

 

神通

「……そうしたいのは山々なんですが……」…チラ…

 

 

川内

「……」シャーシャーシャーシャー

 

 

那珂

「……」

 

神通

「……こちら側もああなので……。

 訓練担当顧問の長女がこのようでは……」

 

那珂

(大きくは言えないかぁ……)

「……んー、ていうか三日前くらいからだよね?あれ」

 

神通

「そうですね……」

 

那珂

「……そういえば、最近は夜も静かだなぁ。 どうしたんだろ?」

 

神通

「……正確には四日前からピタッと止まりましたね」

 

那珂

「あ、そだっけ。

 ……四日前……う~ん……?」

 

神通

「……その四日前の早朝、珍しくも姉さんは部屋で寝ていました」

 

那珂

「あーっ、そうだったそうだった! 久しぶりに一緒に起床したんだよね。

 いつもだったら予定のない次の日の朝は、入れ違いでお布団に入っていって

 お昼過ぎまで起きてこないのに」

 

神通

(……)

 

那珂

「…………ん? あれ? でもその四日前の前日も、やっぱり夜は

 どこかに出掛けちゃって、部屋には居なくなかった?」

 

神通

「……これは聞いた話なのですが、何でもその日は姉さんと……その……」

 

那珂

「?」

 

神通

「……新任の提督と二人で夜、どこかに消えていったと……」

 

那珂

「」

 

神通

「それから連日連夜、いつも二人でいるのを誰かしら見かけるそうです。

 そして一緒にどこかに行ってしまうのだとか……」

 

那珂

「…………えっ……え…!? も、もしかしてっ……えぇっ!?///

 そそっそれってもしかしてそういうことなのっ!??///」

 

神通

「……」

 

 

川内

「…………お……よっ…と……」シャー…キュルルッ

 

 

―――

鎮守府内、グラウンドが見える窓の前

 

 

長門・大淀

「…………」

 

 

長門

「YOYO」

 

大淀

「恐らくですが、火付け役となったのは川内さんでしょうね。

 まぁ、本人としては意図せずのことだとは思いますけど」

 

長門

「……ふーむ……よくはわからんが、最近、川内が夜静かなのは

 あれも要因の一つとしてある、ということか」

 

大淀

「…ええ」

 

―――

グラウンド

 

 

那珂

「キャーキャー♪///」

 

神通

「……実際には、そのような色事とは異なると思いますけどね……」

 

那珂

「……へ?」

 

 

川内

「……ん…」キュルルルー

 

 

神通

(……決まって次の日の朝は、制服の手袋だけが毎回ぼろぼろになって帰ってくる……。

 まるで、鋭利な刃物か何かを何回も手で受け続けたかのような……)

 

 

川内

「…………へへっ」キィィーン

 

 

神通

「…………フゥ……。

 まぁ何にせよ、やはり流石にずっとこうもしていられませんね……」

 

那珂

「あ、うん。 それはそう、だね……」

 

神通

「姉さん」

 

 

川内

「………ん……ああ、ごめん。 何?神通」シュルルッ パシッ

 

 

神通

「……何、ではありません。 何時までそうやってるんですか。

 訓練担当顧問の一人がそんなことでは困ります」

 

那珂

「そうだよ……。 川内ちゃんがそんなだから、ほら、駆逐艦の子たちも……」チラ…

 

川内

「ん?」チラ

 

 

「ていうか響、それ長くないっ?」

 

「もうすぐで5分だ」

 

「5っ!?」

 

「すごいのですっ!」

 

「……ぬぬっ……てりゃっ」シュッ …シュルッ

 

 

川内

「……おーっ」

 

那珂

「いや、おーじゃなくて……。

 ……どうするの? このままじゃ収拾がつかないよ……」

 

川内

「うーん………よし、じゃあこうしよう!」

 

那珂

「?」

 

神通

「……」

 

川内

「六駆のみんな!」

 

 

「「あっ…」」

 

 

川内

「今日は予定を変更して、ヨーヨー訓練をしようっ!」

 

 

「「!!」」ハラショー

 

 

那珂

「いやいや!? ヨーヨーの訓練ってなにっ!?」

 

神通

「……はぁ……」

 

 

―――

鎮守府内、グラウンドが見える窓

 

 

長門

「っ……!」ググッ…!

 

大淀

「ちょっ…食い入り過ぎです! 窓が割れちゃいますよ本当にっ!」グィーッ…!

 

 

―――

グラウンド

 

 

川内

「そうそうっ! いい感じだよ!」

 

「えへへっ……できちゃったのです…///」キュルルー

 

「やったじゃない電!」

 

「うん、いいね」

 

「それで次はっ?」

 

川内

「ん、じゃあスリーパーが安定してきたら、次はこうやって……」ササッ

 

6駆

「……!」

 

川内

「――よし、ほら東京タワー!」キュルルーッ

 

6駆

「!!」

 

川内

「――からの……ストリングプレイスパイダーベイビー!!」ババーン!

 

6駆

「おーっ!!」ハラショー

 

 

那珂

「」

 

神通

(今日はもう仕方ないですね……)

 

 

―――

鎮守府内

 

 

長門

「~~っ!!

 ……こうしてはおれんっ! よし、私ももらってくるぞ!!」ダダダッ!

 

大淀

「あっ!? ……あぁ~もう……」

(私一人であの空間の中へ行かせないでほしいんですけど……)

 

 

――――――

作戦室

 

 

陸奥

「……」カリカリカリ………ペキッ

 

 

陸奥

「………………チッ……」…サッ……カリカリ…

 

 

陸奥

(…………今日は朝もいなかったんだけどっ……!?)グググッ……ペキィッ!

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 032 ~

 

 

 

??????・FBの部屋

 

 

睦月

「――そんなっ……!?」

 

Σv-ェ-v …!?

 

夕立

「……吹雪ちゃん、それ本当っぽい……?」

 

吹雪

「……うん、間違いないよ。 絶対に"ホシ"はこのメンバーの中に……」

 

 

―キュピーン

瑞鶴

「!!」 ←3カメ

 

―キュピーン

加賀

「……」 ←4カメ

 

―キュピーン

比叡

「…!?」←5カメ

 

―キュピーン

金剛

「Oh...」 ←6カメ

 

―キュピーン

北上

「へぇ…」←7カメ

 

―キュピーン

大井

「………………チッ…」←8カメ

 

 

吹雪

「………………ホモは、この中にいるっ……!!」ババーン! ←1カメ

 

睦月・夕立

「…っ!!」←2カメ

v-ェ-;v …

 

 

加賀

「…………何を言い出すのかと思えば……」フゥ…

 

瑞鶴

「…えっ……えぇっ…!? だ、誰よそれぇ~っ……?///」ドキドキソワソワッ

 

比叡

「こ、このメンバーの中に……?///」

 

金剛

「Oh...homosexual...」

 

北上

「えー誰だろうねぇー?大井っちー」ケラケラケラ

 

大井

「え、ええ……」…

 

 

夕立

「ちょっと容疑者がオオイっぽい?」

 

睦月

「……吹雪ちゃん、どうやって証明するの?」

 

吹雪

「うん、まぁぶっちゃけ匂いを嗅げばわかります。 さ、ケルビ?」

 

v;-ェ-v ……

 

 

―タタタタッ!

 

 

「「!?」」

 

睦月

「あっ!?」

 

夕立

「逃げたっぽい!?」

 

吹雪

「っ!!?」

 

 

大井

「…………」

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 033 ~

 

 

 

夜、作戦室

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 034 ~

 

 

 

工廠・魔石保管庫(一部)

 

 

陸奥

「――またまた、すごい数になって来たわねぇ……」

 

明石

「ええ、本当に……」アハハ…

 

夕張

「もうそろそろ新しい保管場所用意しないとよねぇ……」

 

陸奥

「ふむ……」カキカキ…

(備蓄は十二分、と……)

 

―キラーン…

 

陸奥

(……あら?)

「……ねぇ、このペンダントみたいなのは?」

 

明石

「あ、それも実はついさっきの遠征班が持ち帰った物なんですよ」

 

夕張

「たぶんそれってタリスマンって物だと思うのよねぇ」

 

陸奥

「タリスマン?」

 

明石

「ええ。

 一見すると、真ん中の台座に小さな宝石みたいな物が組み込まれた首飾りですけど、

 ほら、ここ」

 

陸奥

「?」

 

夕張

「よく見ると、石から台座の周りまで細かい文字がいっぱいじゃない?」

 

陸奥

「ん……あぁ、これって文字だったのね。 模様だと思ってたわ」

 

明石

「まぁそれもなきにしもあらず、ですけどねー。

 読めるわけじゃないから、実際の所、本当に意味のある文字列なのかどうかまでは」

 

夕張

「まぁでも意味深よね」

 

陸奥

(これがタリスマン……)

「…………ふむ……。

 この真ん中の石も、宝石っていうのとはまたちょっと違う感じがするわね……」

 

明石

「え? そうですか? ん……あ、でも言われてみると確かに……?」ウーン…?

 

夕張

「光もあんまり反射させてないみたいなのよね、その石。

 そのせいじゃないかしら。 どっちかって言うと、濁ってる感じの石だし。

 だからまぁ、それで宝石的価値のある石なのかどうかって言うと……」

 

陸奥

(……)

「……ね、これも後であの人の所に見せに行く予定だったのよね?」

 

明石

「あ、はい。 そのつもりでしたけど」

(?)

 

陸奥

「じゃあこれ、私が持っていくわ」

 

明石

「ええっ?」

 

夕張

「……」

 

陸奥

「二人はこれからまだ移しの作業が残ってるんでしょう?」

 

明石

「ま、まぁそれはそうですけど……」

 

夕張

「……別にそこまでしてもらわなくても…」

 

陸奥

「いいのよ、気にしないで。 どうせ帰り道だし。 それじゃあね」フフッ

 

―ジャラッ

 

 

夕張

(…………うーん……)

 

明石

「…………大丈夫かな……?」ボソ…

 

夕張

「……まぁ、石自体は小さなものだし、

 陸奥さんが持っても何も反応はなかったし……」ボソ…

 

 

明石・夕張

「…………」

 

 

・・・・・・

 

 

――――――

提督室

 

 

ダンテ

「……」…ペラ…

 

 

ダンテ

「…………この世はすべて冗談、か。 …Ha, 違ぇねーな」hahaha

 

 

―ドタドタドタッ!

 

 

ダンテ

「……アン?」

 

 

―ガチャ!

明石

「ダンテさんっ!助けてぇっ!!」

Σ^・ェ・v …ピクッ!

_つuu ○⊂

 

 

突然、右手に栗毛色の小犬、左手にメロンを抱えた明石が叫びながら入ってきた。

 

 

ダンテ

「……なんだアカシ、またそんなに慌てて。

 ――ってその犬は……いや、ていうかなんだその両手の組み合わせ」

 

 

明石

「そそそそれがそのっ!!」

 

 

キャーッ!!

 ワーッ! ウワー!?

 

 

外からの悲鳴が、室内の閉められていた窓を叩く。

 

 

明石

「っ!?」

 

ダンテ

「……なんだ?外まで騒がしいな……」スクッ…

 

―パカンッ

 

 

―――

 

 

如月

「――えいっ!」バッ!

 

―ササッ!

 

如月

「ああっ!? またっ……!」

 

望月

「うあぁーもうマジめんどくせぇーっ! 弥生、今度はそっちに行ったぞ!」

 

弥生

「っ……」ジリ…

 

―シュタタタッ!

 

弥生

「あっ………早すぎる……」つつ..

 

望月

「ちぃっ! あぁもうどうすりゃいいんだよーっ……」

 

如月

「仕方ないわ……うさぎさんなんて誰も捕まえたことないもの……」

 

 

 

羽黒

「……ほ、ほ~ら、足柄姉さん?

 頼まれて買ってきておいた食べ歩きトンカツですよ~……?」ヒラヒラ…

 

????

「…!」ピクッ!

 

那智

「い、いいぞ羽黒! 頑張れ!その調子だ!

 その隙に、私がこの犬なのか狼なのかわからん足柄(?)を後ろから……!!」ニジリ…

つづ..

 

 

 

神通

「いやぁぁああ那珂ちゃぁぁああーーん!!?」

 

川内

「2…4……10………くっ…ひとつだけ足りないっ!!」

 

神通

「!??」

 

川内

「鋼材……いったいどこにっ……!?」

 

神通

「いやぁぁあ!!触らないでっ!

 誰も那珂ちゃんに触らないでぇーっ!!」ガバァー!

 

川内

「っ……しっかりしろっ!神通っ!!」ガシィッ!

 

 

 

睦月

「はにゃぁ~~んっ/// ケルビも背中に乗ってる吹雪ちゃんもかわいいにゃしぃ…///

 親子みたいだにゃ~~///」

 

??

「アンアンッ!」

ケルビ

「………」

 

夕立

「…………いやいやいやっ!? 和んでる場合なんかじゃないっぽい!?

 睦月ちゃん現実逃避はやめるっぽい!!」

 

 

 

浦風

「……う、うそじゃろ……? りゅっ……龍じょっ…」ワナワナワナッ…

 

飛龍

「ヤバイヤバイヤバイ!!」

 

蒼龍

「いやまな板だ!かなりまな板だよこれっ!?」

 

鳳翔

「ああああああ!!?」ガクリッ…

つ◇と..

 

 

 

瑞鶴

「翔鶴姉ぇぇええ!!?」

 

赤城

「こ、この子が本当に翔鶴さんなんですか……?」モフモフ…

??

「……モキュア……」

 

加賀

「…………というか、鶴じゃないのね……」

 

瑞鶴

「そこっ!??」

 

 

 

陽炎

「ちょっとだけ!ホントにちょっとだけだからっ!

 さきっちょ!さきっちょだけっ! ほんの一瞬、先をちょんって!!」グググッ!

不知火

「嫌ですよっ…!! 自分の頭にも生えてるじゃないですか……!

 その耳を触ればいいでしょうがっ……!!」グググッ…!

 

陽炎

「浜風は触らせてくれたのにぃーっ!」ギリリッ!

不知火

「それを見ていたから嫌だと言っているんですっ……!」ギリィッ…!

 

浜風

「シクシク」

 

 

 

長門

「……どうしても、か?」

 

大淀

「……どうしても、です」

 

長門

「ッ……ならば、押し通らせてもらうまでだっ!」

 

大淀

「陸奥さん呼びますよ」

 

長門

「!? ……鬼めぇぇええっ!!

 なぜだっ!? あんな天使たちが目の前にいるというのにぃぃいーーっ!!!」

 

大淀

「そんなんだからでしょうがぁぁあーーっ!!!」

 

 

 

―――

提督室

 

 

ダンテ

「…………」

 

 

明石

「…………じゅ、順を追って説明します……」

 

 

ダンテ

「あ、ああ……」

 

 

―ピョンッ

 

明石

「あっ!?」つ..

 

 

ダンテ

「ッ…おっと」

―ポスンッ

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 035 ~

 

 

 

??

「キャンキャンキャンッ!」ハッハッハッ!

ダンテ

「お、おぉ……いきなりだな。 ずいぶん元気なヤツだな」hahaha

 

 

明石

「あわわわわわっ……」

 

 

ダンテ

(……あァン?)

「……コイツ……」

??

「キャンッ!!」ペロペロペロッ!

 

ダンテ

「!? お、おいおいッ……!」

??

「ペロペロペロッ!!」

 

 

明石

「」

 

 

ダンテ

「お前な…………あ~……アカシ、どうすりゃいいんだコイツ……。

 まったく落ち着かねぇんだが……」

??

「キャンキャンッ!」ハッハッ!

 

 

明石

「――はっ!

 あー……えっと……――あっ、裏から抱き抱えるようにしてあげてみては……?」

 

 

ダンテ

「……こうか?」…サッ…

??

「! ……キャン!」

 

 

明石

「そ、それで撫でてあげてればたぶん落ち着くかとは……」

 

 

ダンテ

「……」…ナデナデ…

??

「……ッ………クゥ~ン……」スリスリ…

 

 

明石

「……」

 

 

ダンテ

「……なんか腹に背中をメッチャ押し付けてきやがるな……」

??

「フンスフンスッ」スリスリッ

 

 

明石

「あははは……」

 

・・・・・・

 

ダンテ

「……」

??

「~♪」スリスリ

 

 

明石

「――それで、やっぱり心配だったので、夕張と二人で後をつけたんです……。

 ……そうしたら――」

 

 

~~~~~~

工厰から本館への道中

 

 

陸奥

「…………」コツコツコツ…

 

 

 

夕張・明石

「…………」コソコソコソ…

 

 

 

陸奥

「……ん~……何も起きないわね……」

 

 

 

明石

「何もって……えぇ……」ボソ…

夕張

「……"前回"ので味をしめたっぽいわね……」ボソ…

 

 

 

陸奥

「……首飾りっぽいし……」…スッ…

 

 

 

夕張・明石

「!!」

 

 

―パァー!

 

 

陸奥

「…ぁ」

 

―カシャンッ…カラカラカラ…

 

 

明石

「反応がっ!?」

夕張

「っ……首にかけるのがキーか!!」―ダッ!

 

明石

「夕張!?」

 

 

夕張

「明石は陸奥さんを! 私はアレを回収してくるからっ!!」

 

 

明石

「あ、は、はいっ!」―ダッ!

 

 

 

局所的に突然発生した光のせいで、視界もはっきりしないままだったが、

先ほどタリスマンが落ちて跳ねたときの音であろう、それを頼りに夕張は

まさに手探りで回収を試みる。

 

 

 

夕張

「――あった! とりあえず、もうこのまますぐ見せに……っ!?」

 

 

 

そして一手遅れながらも、駆けつけた明石もその付近にいるはずの陸奥に呼びかける。

光はようやく収束しつつあったが、目の方がまだ慣れなかった。

 

 

 

明石

「……くっ……陸奥さーん!?」

 

―キャンッ!

 

明石

「…………キャン……?」

 

 

 

 

 

??

「キャンキャンキャン!」

 

明石

「」

 

 

明石

「………………ちょちょちょっ!?

 許容オーバーなんですけどっ!?? ゆ、夕張ぃーっ!!」―バッ!

 

 

..((○ コロコロコロ…

 

 

明石

「…………え……?」

 

??

「キャンキャン!」

 

~~~~~~

 

 

ダンテ

「……」

??

「ハグッ…ハムハムッ♪」フリフリッ

 

 

明石

「…………それで……わ、私っ……こ、怖くなっちゃって……!」フルルッ…

つ○⊂..

 

 

ダンテ

(……まぁ、わけもわからずそんなモン見せられりゃな……)

 

 

明石

「……しばらくは固まってて動けなかったんですけど……でも、

 とにかくなんとか二人(?)だけでも連れて、その場から離れようと思って……」

 

 

ダンテ

「……なるほどな」

??

「クチャクッチャッ」~♪

 

 

明石

「……でもまさか……あの後、あそこであんなに入れ違ってたなんて……」

 

 

ダンテ

「Humm...」

(つーことはやっぱこの犬は、って――)

??

「グィーッ」~♪

 

 

明石

(…?)

「……あ」

 

 

ダンテ

「……マジかよ……お前……。 袖がビチョビチョになってんじゃねーか……」

??

「フンスッ!」

 

 

明石

「……」

(……これ、元に戻ったらどうなるんだろう……記憶とか………夕張……)

づ○⊂ ナデナデ…

 

 

―ガチャッ!

 

「――ちょっと! 今外すごいことになってるんだけどっ!?」

 

 

明石

「っ……」

 

ダンテ

「……」

??

「~♪」

 

 

五十鈴

「……あ、あれ?」

 

 

 

 

 

 

 



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Streak 036-

「同じ境遇を経験した者にしか絶対にわからんだろう、この感情は……。
 関係する因果の全てが、本当に憎くて仕方がないんだ」




 ~ Streak 036 ~

 

 

 

  - Case 01 -

 

 

浜風

「……////」モジモジ…

 

不知火

「――ええ、そうです。

 哨戒任務を次隊に引き継いだ後、我々は母港に帰投し、報告のため、

 工厰を抜けて本館へ向かっていました。 そのときの道中に"それ"はありました。

 それを、そこにいる陽炎がまず拾って――」

 

陽炎

「」チーン

 

 

 

  - Case 02 -

 

 

赤城

「実の所、私も加賀さんも直前の状況は何も……」

 

加賀

「……そこの五航戦が大声で騒いでいたから何事かと思っただけですので」

 

瑞鶴

「っ! ……何よ、この元戦艦!! こんなときにまで因縁付ける気っ!?」

??

「モキュ……」

 

加賀

「"こんなとき"……? ……はぁ、まったく。 これだから五航戦は」

 

瑞鶴

「はぁっ!?」

 

加賀

「軍属たる者、平時も非常時もありません。

 全てにおいて際限のない準備と用意と心構えに徹し、全ての事態に備えるものです」

 

瑞鶴

「……えっ、いやでもさすがにこれはっ!」

 

加賀

「変わりありません。 大方、日頃と同様に何かしら油断でもしていたのでしょう?

 今回のことも結局、その結果のひとつに過ぎません。

 何? 今日は拾い食いでもしようとしてたのかしら?」

 

赤城

「」ギクッ

 

瑞鶴

「~~っ!! 好き勝手言ってぇ……!!」プルプルッ…

??

「キュキュッ……!」クィクィッ…

 

赤城

「…………」… ←なぜか目を余所にやっている

 

瑞鶴

「~~あーもうっ! あんたと言い合ってる場合なんかじゃないわっ!

 それより! どうやったら翔鶴姉は元に戻れるの!?」

??

「キュ~……」

 

加賀

「……元に戻る必要なんてあるのかしら」

 

瑞鶴

「……は?」

??

「……」

 

赤城

「か、加賀さんっ……」オロオロ…

 

加賀

「……五航戦の航空戦力なんて、私達一航戦に比べたら……」

 

瑞鶴

「……何が言いたいのよ?」ギロッ…

??

「……」アタフタ…

 

加賀

「……はぁ。 皆まで言わないといけないのね。

 その姿、私はむしろ丁度いいと思いますよ。

 いつ、どこでも自由に持ち運べる携行に適したサイズと重さ。

 皮剥ぎと加熱の問題さえ解決出来れば、いざというときには

 レーションよりもボリュームのある非常食になります」

 

赤城

「…!!」

 

??

「」

瑞鶴

「……な、なっ、何言ってんのよっ!?」

 

加賀

「立派に役に立てる事ことだと思いますが」

 

赤城

「そ、それはっ……」…ズルルッ…

 

瑞鶴

「っ…!?」―バッ!

??

「キューッ…!!」フルフルフルッ…

 

 

 

  - Case 03 -

 

 

那智

「おーよしよしよし」

―ワシャワシャワシャ

????

「~~~~っ♪」

 

羽黒

「――は、はい、そうです……。

 今日は足柄姉さんは午前の哨戒班の旗艦を務めなければいけなかったので、

 代わりに、私に食べ歩きトンカツを買ってきておいてほしいと、頼まれていて……。

 買いに行くときには那智姉さんにも一緒に来てもらっていました……」

 

那智

「昼前くらいから買える食べ歩きトンカツは一人につき2枚までなんだ。

 足柄は食べ歩きトンカツを買うときには、予定さえ合えば

 いつも私と羽黒を誘って行く。 あいつが4枚食べるときもあれば、

 私と羽黒が遠慮したときにはそのまま自分で6枚全部食べるときもあってな。

 だからまぁ、羽黒一人分の2枚では足りないだろうからな」

 

 

五十鈴・明石

(ど、どうでもいい……)

 

 

羽黒

「そ、それでっ………えっと……買った後は、

 午前部の哨戒が終了して帰ってくるはずの足柄姉さんとそのまま落ち合うことに

 なっていたんですけど……」

 

那智

「丁度、あいつが工厰を抜けて本館へと向かおうとしていた所で

 遠目にお互いに気付いたんだが、私達の所に駆け寄ってくる途中に

 何かを踏みつけてしまったようでな」

 

羽黒

「……それに気付いた足柄姉さんは、足元のそれを拾い上げて

 顔に近付けて見ていたようでした……。

 それで急に、足柄姉さんが光に包まれて……」

 

那智

「そうしたらこうなった」

ワシワシ

????

「~~♪」

 

羽黒

「……あ、あの……どう、すればいいんでしょうか……?」

 

那智

「もう別にこのままでもいいんじゃないか?」

 

羽黒

「那智姉さんっ…!?」

 

那智

「元は足柄のくせに不思議と小うるさくもないしな。

 意外に落ち着いているし、躾も出来ているようだ。

 こうして見てるとなんだか可愛くも思えてきたぞ」ヨシヨシ

????

「フシュッ」♪

 

羽黒

「」

 

 

 

  - Case 04 -

 

 

浦風

「――た、確かに直前はそんな感じで言い争いはしとったよ……?

 でも本心なんかじゃないんじゃ! 今日だっていっつもんことじゃて思うて……。

 ……だって、うちっ……うち、本当はっ……うっ…ウグッ……!」グスッ…

蒼龍

「うん、うん……大丈夫、大丈夫だよ。 ちゃんとみんなわかってるから……」ポンポン…

 

浦風

「っ……うぇぇええ~~っ……」ギューッ…

蒼龍

「よしよし……」ナデナデ…

 

鳳翔

「………」キュッキュッキュッ…

 

飛龍

「……あ、あの鳳翔さん……もう、十分磨いたと思うんですけど……」

 

鳳翔

「…………うぅっ……」…スリスリ…

つ◇と..

 

 

 

  - Case 05 -

 

 

如月

「やっぱり、ニンジンとか用意した方がいいのかしら~?」

 

望月

「あ~……まぁ、ベタだけどそうかもしれないよなぁ……」

 

弥生

「……いや……本当は、ニンジンはあまり良くない……」

 

如月

「え、そうなの?」

 

弥生

「うん……。 ニンジンはうさぎにとっては高カロリーだったりするから……。

 それに、本当に好きなのは葉っぱの方……」

 

如月

「へぇ~そうなのねぇ」

 

望月

「……」

 

弥生

「でも、その葉っぱにしても、完全無農薬で育てられたわけじゃないなら……

 結局はそれも良くないから……」

 

如月

「なるほどねぇ~。 う~ん、そうなると~……」

 

望月

「……ていうか弥生、詳しすぎね?」

 

如月

「ん~そういえば…」

 

弥生

「…………卯月が……いつ来ても、ちゃんと迎えてあげられるように、って思って……//」

 

望月

「…………んっ?!」

 

如月

「あらあらぁ~♪」

 

 

 

  - Case 06 -

 

 

神通

「…………」……

 

川内

「…………えっと……」

 

 

五十鈴

(…………空気重っ!!)

 

明石

(ここにきて一番重い……)

 

 

川内

「……あ…そ、それじゃあ、私から説明するねっ。

 ……事件が起きる前、私達三、人……は…………こ、工厰で艤装の自己点検の

 予定だったからっ……三人で、一緒に向かってたんだ……」

 

神通

「…………」

 

 

五十鈴・明石

(…………)

 

 

川内

「……三人で一緒にいるとさ、やっぱり私達の中で一番喋るのがあの子なんだよね……。

 今日も……そう、でさ……」

 

神通

「…………っ」…

 

川内

「……内容は大体いつも一緒なんだけどね。

 …………そう、いつもと同じようなことを今日も話してた。

 毎日、見せてくれる笑顔と一緒でっ……」

 

神通

「…………」…フルフルッ…

 

川内

「……昨日も何々の番組を見てたんだとか、それでまた新しい振付けを思い付いたとか、

 ……すごく可愛い振付けだったらしいんだけど、でもどこどこが難しいから

 もっと練習が必要だー……とか、さ……」

 

神通

「…………」……グッ…

 

川内

「…………早く点検を終わらせて、またすぐにでも練習を始めたいなって……

 そんなことも言ってたんだっ……。

 ……私と神通にも見せてくれるって……っ」

 

神通

「…………ッ……」

 

川内

「……クッ……ぁ………あはははっ、えっと! ……で、でもさっ!

 ……そういうのって、三人でいると本当にわりとよくあることだったから

 今日は私もちょっと反応悪くてさ……」

 

 

五十鈴・明石

「…………」

 

 

川内

「…………そしたら、ちょっとふくれちゃって……。

 『じゃあ、今少し見せてあげる!』って言い出して、

 少し広い所に移動してから踊り出したんだ……。

 でも、始まってすぐに動きが止まったから、どうしたのかなって思ったんだけど……」

 

神通

「…………!」…ワナワナワナッ…

 

川内

「……どうも、何か踏んづけちゃったっぽいんだよね……。

 それで、私と神通からは見えなかったんだけど、

 足の下にあったそれを拾おうとして、急に……」

 

神通

「~~っ!」プルプルプルッ…

 

川内

「………………はは………私のせいだっ……」

 

 

五十鈴・明石

「……!?」

 

 

川内 

「……私があのときにでもちゃんと話を聞いてあげてたらっ……!

 また違う結果になってたかもしれないのにっ……!!」

 

 

五十鈴・明石

「っ………」

 

 

神通

「………………お願いです…………返してください……あの子をっ……!!」

 

川内

「っ……神通……」

 

 

明石

「…………あ、あの……」つ..

 

 

神通

「…………お願いだから返してぇ!! あの子が何をしたっていうんですかぁああっ!?」

 

 

五十鈴

「ちょっ…!?」

 

 

神通

「確かに日々の生活の中で、目に余るようなことも度々あって、

 それで周囲の皆さんから疎まれるということもあったかもしれません……!

 ですが、それでもこれはあんまりではないでしょうかっ!?

 何もあんなっ………う"ぅっ…………どうかっ! どうかぁぁああ!!」

 

―ガバッ!

 

五十鈴・明石

(土下座っ!?)

 

 

川内

「っ……」ウグッ…!

 

神通

「後生ですからっ!! どうかお願いしますっ!!

 ――っ! …………まさか……悪魔、ですか……?」

 

 

五十鈴・明石

(……!!)

 

 

川内

「ッ…神通―」

 

神通

「まさかそれには悪魔との契約が必要ということなんでしょうかっ!?

 でしたら私がっ…―! ……もしかして生け贄っ…!? …ではそれも私がなります!!

 なんなりと仰ってください! なんでも言う通りにいたしますっ!

 あの子のためなら、私はどうなっても構いませんからぁぁあ!!」グワーッ!!

川内

「神通! 一旦、落ち着こうっ!」ガシッ…!

 

 

五十鈴・明石

「…………」

 

 

 

  - Case 07 -

 

 

睦月

「えへへっ! 幸せにゃし~ぃ…///」キュ~ッ

??「アンアンッアンッ!」 

ケルビ「………」

 

夕立

「…………えーっと……話にならなそうだから、夕立から説明するっぽい……。

 って言っても、実は夕立もよくわかってなくて、

 吹雪ちゃんが工厰に用事があるって言ってたから、夕立と睦月ちゃんも

 付いていくことにして、三人で向かってたら途中で何か落ちてるのを見かけたっぽい。

 それを吹雪ちゃんが落とし物かもって言って拾ったら――」

 

 

 

  - Case 08 -

 

 

長門

「――言いがかりだっ! 私はまだ何もやってはいないぞ!? 無実だっ!!」

 

大淀

「……有罪で」

 

長門

「っ!??」

 

 

五十鈴・明石

「…………」

 

 

・・・・・・

 

 

明石

「――とまぁ、事件発生当時、近くにいた人達から前後の状況を

 いろいろと聞いてみたわけですけど……」

 

五十鈴

「半分ほどは、気が動転してて要領を得ない感じだったけどね……」

 

ダンテ

「…………」hm..

??

「ワフッ! ワフワフ~ッ♪」グリグリグリッ!

 

明石

(……ダンテさんの膝上で縦にぐるぐる回ってる……。 何してるんだろ、あれ……)

 

五十鈴

「……ねぇ、邪魔じゃない?その子」

 

ダンテ

「……邪魔つーか……意味不明だな。

 何でこんなにじゃれついてくるんだろうな……」haha..

??

「! …キャンキャンキャンッ!」

 

五十鈴

「……ふ~ん……」…

 

明石

(………)

 

ダンテ

(………さて……しかしまぁ話を聞く限りじゃ、今回の場合もやっぱ……)Mmm..

??

「キャンキャンッ!!」グィグィッ!

 

五十鈴

「……あーはいはい、今は邪魔になるだけだから、少し離れてましょうね~」サッ

??

「!? ギャンッ!!」ガブッ!

 

五十鈴

「―いった!!? この犬今咬んだんだけどっ!? 誰なのよ!?この犬っ!!」

??

「ギャンギャンギャンッ!!」

 

五十鈴

「ッ……こ、このっ…!!」

 

―ワーワーッ!

 ギャンギャン!

 

 

明石

「……それで、どうしますか?」

 

ダンテ

「……アカシ、あの場所には居なかった、他のヤツらを全員呼んできてくれ。

 それとさっきの面子でも、影響を受けなかったヤツももう一度だ」

 

明石

「影響を"受けなかった"……?」

 

ダンテ

「ああ。 さっき、ジンツウが言ってた、生け贄ってのも遠からずだ」

 

明石

「っ……」ビクッ…

 

ダンテ

「……全員を元に戻すためには、全員の協力が必要だ」




めすいぬむっちゃん(´・ω・`)

……あ、もしかしてやたら匂いに敏感とかってそういう……
(;・`ー・´)ゴクリ…

定期的にちゃんとエサをあげないとか、
それはもう実際には虐待とほとんど一緒なのです……。
エサはちゃんとあげましょね~。


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Streak 041-

「大衆の受容能力は非常に限られており、理解力は小さいが、
 そのかわりに忘却力は極めて大きい」

アドルフ・ヒトラー


今日においては、次のように言っている政治屋も実在する。
「3年後には覚えていないだろう」と。

1年耐えれば、国民は忘れ始める。
2年経てば、国民の義憤は薄れる。
3年も経てば、国民は完全に忘れる。

実際の所、日の本の国では計画犯罪・スパイ・テロ・カルトの活動は、"2年"の間隔を置けば、再び成功を収めることが出来る。

この国を侵略したいのであれば、過去にヒトラーが用いた手口と同じ方法を採れば良い。
只々、衆愚が忘れるまで待てば良いのだ。それはたったの2年である。


 ~ Streak 041 ~

 

 

 

20XX年○○都内 某所・・・

 

 

――Hum...

……ったく、相変わらず年明け早々からハードな"お仕事"だぜ……。

 

こんな時は、流石の俺でも多少の"あたたかさ"ってなモンくらいは

恋しくもなっちまうもんだ……。

 

 

 

ダンテ

「……言っても仕方ねぇ、か」huh...

 

 

 

……ン? 

 

……オゥ、兄弟。 今日は"本当にイイ夜"だよな。

心まで疲れ切った骨身にはよく凍みる……。

 

冷たい風が肌を貫いて、スカスカになった心まで吹き抜けていくってのは

ここまで来るとむしろ爽快だ。

あまりの"痛さ"に、たとえ一瞬でもそれまで陰鬱だった気分も

嫌な思い出も忘れちまうからな。

 

欲を言えば、心と記憶の辛気臭ェ部分なんざ、風がゴミを掃いていっちまうみたいに

ずっと遠くに吹き飛ばして行ってほしいもんだが……。

 

 

……悪い、変な話をしちまった。

今日は俺もどうかしてるらしい。 忘れてくれ。

 

 

 

ダンテ

「…………」

 

…スタスタスタ…

 

 

 

……アン?

 

何でこんな夜更けの時間に、こんな薄暗い所に繰り出して来てるのかって?

……別に、深い理由があるわけでもなけりゃ、面白味のある話でもないさ……。

 

正直な所、殴られたり胸に剣ブッ刺されたり

眉間に銃弾撃ち込まれたりなんてものの方がカワイイもんだったぜ。

 

……アイツのお小言は、銃弾なんかよりも遥かに頭のど真ン中に響く。

泣かせたりなんてしちまったらそれはハートにクるし、そんな日は一日中、

腹の奥底が"揺さぶられて"しょうがねぇ……。

 

本音を言わせてもらえば、流石に俺も少し疲れちまったのさ……。

 

 

 

ダンテ

「...Hmm...」

 

 

 

……こんな夜は歌でも聞いてみたいもんだ。

何時だったか、こんな俺にだって歌を理解する気持ちくらいはあったんだってことを

気付かせてくれたような歌を。

 

どんな男よりも荒々しく、

どんな女よりも繊細に、人の心の悲しさを歌っているような……そんな歌を。

 

 

 

スタスタ…

 

ダンテ

「…………ん?」

 

 

 

……明かりか。

……さっき見えてたか? あんな店……。

今点いたのか?

 

 

 

ダンテ

「…………」……スタスタ

 

・・・・・・

 

ダンテ

「…………」

 

 

 

なんだこの店。

小奇麗でイカしてはやがるが。

 

 

 

ダンテ

「……"Dream ○ Club"?」

 

 

 

ナイトクラブか……?

 

……まぁ、この際ダンスもいいかもな。

……つっても、チケットはおろか、予約すらないけどな……。

 

 

 

ダンテ

「……いや。

 そういや、そもそも今はサイフすらアイツに――」

 

 

受付嬢

「いらっしゃいませ! ドリーム○ラブへようこそ!」

 

 

ダンテ

「……あ?」

 

 

受付嬢

「当店は、心のピュアな方だけが入会を許される完全会員制のクラブです。

 お客様につきましては、当店自慢のホストガールと楽しいひと時を過ごして頂き、

 リフレッシュして頂くのが当店のサービスとなっております」

 

 

ダンテ

「……」

 

 

 

……ピュア?

 

 

 

ダンテ

「...haha..

 いや、悪い。 いつもの通りを一つ間違えちまったらしい。 最近寝不足でね。

 来た道を戻るよ。 "冷やかし"ちまってすまなかったな」クルッ…

 

 

受付嬢

「――あ、お待ちください!」

 

 

ダンテ

「?」―ピタ…

 

 

受付嬢

「……おめでとうございます!

 おなたは今日から1年間、このクラブの会員として認められました!」

 

 

ダンテ

「……は?」

 

 

 

どんだけベタな詐○商法だよ……。

 

 

 

ダンテ

「……せっかくだが、今は手持ちがない。 会員費なんて払えないぜ?」

 

受付嬢

「会員費は無料なのでご心配は無用です!」

 

ダンテ

「……」

 

受付嬢

「これからの一年間……入場料さえお支払い頂ければ、

 週末ならいつでもご来店頂けますよ!」

 

ダンテ

「……フーン、そいつはいいね」huh.

 

受付嬢

「ただし……会員でいられるのは1年間限定です!

 この期限を過ぎるとお店に入店できなくなりますので……。

 あらかじめご了承くださいね!」

 

ダンテ

「ああ」…

 

受付嬢

「それと当店は、週末のみの営業です! そちらも注意してくださいね!」

 

ダンテ

「了解だ。 それじゃ、来週末に出直すぜ」

(ここの通りは気を付けるか)

 

受付嬢

「……今日は初日の入会説明ということで、本来であればこれでおしまいなのですが、

 なんと今回だけお客様に限り、特別に……」

 

ダンテ

(ン……?)

 

受付嬢

「実はですね、本日ですと当店所属のホストガール全員が出勤しておりまして、」

 

ダンテ

「……」

 

受付嬢

「ですので、もし今からご入店頂けるのであれば、

 その全員の中からご希望のホストガールをご指名して頂くことが可能です。

 ……いかがなさいますか?」

 

ダンテ

「……ph~♪

 今日は"なんてイイ日"なんだ。 "我ながら"ツいてるぜ」HA HA-!

 

受付嬢

「…!

 当店では、お客様を癒してくれるステキな女の子たちが確かに出迎えてくれますよ!」

 

ダンテ

「Sweet. 最高だね」ha!

 

受付嬢

「それでは、さっそく! こちらが――」

 

ダンテ

「オット、待ってくれ。

 今日というこの瞬間、そして折り重なって今あるこの奇跡に

 神様に感謝を捧げたいところだが、まずは何よりも……」

 

受付嬢

「……?」

 

ダンテ

「……君に」ニコ

 

受付嬢

「!?

 い、いえ……お気になさらず……///」

 

ダンテ

「……さっき、"特別に"と言ったか」

 

受付嬢

「え? は、はい……」

 

ダンテ

「……hm」

 

受付嬢

「……?」

 

ダンテ

「ちなみにお嬢さんは指名できないのかい?」

 

受付嬢

「ご指名はわたく……え? 私ですか?

 い、いえっ……私は…///」

 

ダンテ

「そうかい。 なら、やっぱ来週末にまた来るとするぜ。

 いろいろ気を回してもらったのに悪いな。

 神様を試したりするもんじゃねぇらしいが、俺は次の機会を信じることにするよ」

 

受付嬢

「……え……」

 

ダンテ

「それじゃあな」

 

受付嬢

「ぁ……待ってくださいっ! 本日、多くのサービスが割引でっ……!」

 

ダンテ

「正直に言うと、今は全く持ってねぇんだ」

 

受付嬢

「……大丈夫です!

 普通は当店ご利用の二回目からクーポン券をお配りしているのですが、

 それを今から特別にお渡しします! それに初回のご指名とボトル1本は無料です!」

 

ダンテ

「……入場料は必要なんじゃなかったか?」

 

受付嬢

「……それも今回だけ特別に……!」

 

ダンテ

(限定とか特別がやたら多いな……いよいよアウトな臭いがしてきやがったもんだ。

 ……こいつは面倒事になる前にとっとと立ち去った方がいいか)

 

受付嬢

「それでは改めまして、こちらが当店所属のホストガールたちです。

 一緒に過ごす女の子を指名してくださいね」

 

ダンテ

「……おい、俺はまだ――」

 

受付嬢

「? ……あぁ、顔写真だけでは判断しかねますか?

 承知いたしました。

 それでは、私の方から簡単にご紹介いたします。

 まずはこちら、左上から――」

 

ダンテ

「……」

 

 

 

相変わらず、話を聞かねぇ美人に当たることが多いよな、俺も……。

 

 

 

受付嬢

「~~~~」

 

ダンテ

「……あー、待った、待ってくれ」

 

受付嬢

「っ……ぁ、はい……すみません……。

 もう少しゆっくりの方がよかったでしょうか……。

 日本語がお上手だったので、つい……」

 

ダンテ

「……huh.

 ……とりあえず、栗毛色は全面的にNGだ」

 

受付嬢

「ぇ……あ、はいっ……?」

 

ダンテ

「あとはショート……あー、細かく言や、ボブカットだな。

 それでくせっ毛だったりでもしたら最悪だ」

 

受付嬢

「…………ふむ……それでしたら、ロングヘアーの方が……?」

 

ダンテ

「ロングか……ストレートなら"今は"遠慮したいね……」

 

受付嬢

「なるほど……」フムフム…

 

ダンテ

「そのストレートロングで、もしオールバックにしてるのがいるんなら、

 悪いが俺の所は避けて通るようにしてくれるとその時間、

 俺は安心してくつろげるだろうよ」ha..

 

受付嬢

「承知いたしました。 では、すべてそのように……」

 

ダンテ

「thx. あとの細かいことは……まぁ、任せるぜ」

 

受付嬢

「かしこまりました。

 それでは、店内にて少々お待ちください。

 ただ今より、ホストガールを迎えに行かせますので」

 

ダンテ

「……どうも」

 

 

・・・・・・

・・・

 

 

DC -店内-

 

 

「「いらっしゃいませっ!」」

 

 

ダンテ

「……ph~♪」

(思ってたのとは違うな。 ジャパニーズスタイルか? ……が、雰囲気は悪くねぇ)

 

 

「大変申し訳ありません、もうしばらくお待ちくださいますようお願いいたします。

 まもなく、ホストガールが到着いたしますので」

 

 

ダンテ

「ああ」

 

 

 

……さて、何かあったら即トンズラだな。

特に悪徳でもなかったら、金は次回のときにでもちゃんと支払うか……。

それで終いだ。

 

 

 

ダンテ

「……静かだな」

 

 

 

これが日本のクラブなのか……?

 

 

 

??

「――貴方がそうね。私を指名したのって」

 

 

ダンテ

「……ア?」

 

 

――――――

???

 

 

「――銀髪で赤い服の大男? ……あー、それだったらあっちの方に――」

 

??

「っ……本当ですか!? すみません、ありがとうございました!」

 

タタタターッ

 

 

「いえいえ?」

 

・・・・・・

 

―タタタッ…

??

「ッ…ハァハァハァッ!」

 

 

 

所変わってこちらは、いつもの制服とは違い、お洒落に着飾っているにも

関わらず、場にも柄にも似つかわしくなく奔走している女性が一人。

 

 

 

??

「ハァハァ……ッ…………くっ……やっぱり、私の方も厳しすぎたのかも……」

 

 

 

一度息を整え、落ち着きを取り戻した女性は、そう一人ごちる。

 

 

 

??

「……大好物なんですものね……やっぱり2週間に一回のデリバリーくらい、

 認めてあげるべきだったんだわ……」

 

 

 

後悔を口にする女性。

 

 

 

??

(………ここなら人通りはないわね……)…シャラッ……ギュッ…

 

 

 

一瞬の思案の後、女性は自身の首からかけていたペンダント、

厳密にはタリスマンと呼ばれる物であろうそれを握りしめる。

 

すると、その物の中心にある小さい石がわずかな煌めきを漏らした。

 

 

 

??

「……」…スッ…

 

 

 

ほどなく、女性は身を低くして両手を地につけた。

そして、鼻を地面すれすれまで近づける。

 

頭の位置は低いながらも、お尻だけは高いまま突き出している女性のその様子は

もし、事情のわからぬ人間が傍目にでも居たならば、

その目には大変奇異に映っていたことだろう。

 

 

 

??

「……スンスンスンッ…」

 

 

 

それはまるで、犬が鼻を鳴らしているかのような音だった。

 

 

 

??

「……あっちの方か」スクッ…

 

タタタタッ!

 

 

 

今度は短く、また独り言を言いながら、おもむろに立ち上がった女性は

またすぐさま走り出した。

 

とある方角へ、今は確かに間違いのない足取りで。



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Streak 046-

「願わくば、俺のこの最後の行いが、この国にとって、
 この上ない毒と呪いにならんことを。
 そしてまた、千年に及ぶ支えと加護にならんことを」


 ~ Streak 046 ~

 

 

 

ダンテ

「アン? 闇属性?」

 

夕張

「うんっ!」

 

 

明石

「えーっと……これに使うのがこっちの方になるわけだから……」カチャカチャ…

 

 

夕張

「ほらっ!悪魔の中には火を使ったり、水とか氷とか使ったりする悪魔も

 当然いるわけなんでしょうっ?」

 

ダンテ

「まぁそうだな」

 

夕張

「で、闇属性よ! それっていったい実際にはどういうものなの!?

 どんな攻撃!? 光の属性とかだったらなんとなくイメージが、っていうか

 たぶんそのままな感じなんだろうけど、ゲームとかでよくある闇の属性って

 実際にやられたらどんなものなのか想像がつかないのよっ!」

 

ダンテ

「……なるほどね。

 ンー……お前さん、『光あれ』ってのはわかるか?

 文句としては有名だと思うが」

 

夕張

「それってもしかして聖書の?」

 

ダンテ

「ま、わかるか。 その通りだ、旧約の方だな。

 要はその逆なのさ」

 

夕張

「逆……?」

 

ダンテ

「光の後、物がいろいろ出来てきてくるって話だったろ、アレの冒頭部分はよ」

 

夕張

「え、うん。 ……その逆ってつまり……あっ」

 

ダンテ

「そういうこった」ha

 

夕張

「何も無い…………つまりは虚無ねっ!!」

 

 

明石

「……だからそれっていうのはなんの光すらもない、

 暗闇みたいに……ってこと何ですか?」コトン…

 

 

ダンテ

「……そういうことだな」

 

夕張

「あれ、聞いてたんだ?」

 

 

明石

「……いくら休憩中でも大声出しすぎです。 そりゃ気にもなるわよ…」コツコツ

 

 

やっていた作業の手を止めて、明石も二人の会話の輪の中には入ってくる。

 

 

明石

「ふぅ……」ストンッ

 

夕張

「一区切り?」

 

明石

「うんー……」

 

ダンテ

「お疲れさん」ha

 

明石

「あはは、ありがとうございます…//」

 

夕張

「あっ、さっきの続きなんだけど!」

 

ダンテ

「ん、あぁ」

 

夕張

「具体的に攻撃は!? どんなものがあるの!?」

 

ダンテ

「アー……ざっくりでいいのか?」

 

夕張

「出来ればがっつりで!」

 

明石

「ちょ、夕張……」

 

ダンテ

「Huh...」

 

夕張

「はやくーっ!」

 

明石

「なんかすみません、うちの夕張が……」

 

ダンテ

「まぁいいさ。 だが、そうなるとあれの話からだな…」

 

夕張・明石

「?」

 

ダンテ

「クリフォト……あーいや、セフィロトからか。

 ……こいつは、ちょいと前に、ある図書館に"寄り道"する機会があったときにも

 読んだんだが――」

 

夕張・明石

「…………」フムフム…

 

 

 

 

 

 

 ~ Streak 047 ~

 

 

 

カチッ…カチ……ブォンッ

 

夕張・明石

「…………」

 

…ピィンッ

 

夕張

「……よしっ、起動完了! そっちは?」

 

明石

「こっちも今確認出来ました。異常はなし」

 

夕張

「オッケー! 久々だったからどうなるかと思ったけど何もなくてよかったぁ……」

 

明石

「あんな事があった後だしね……。

 まぁあれ以来、システム稼動以外には一切供給してないから、

 万が一の大事にはさすがにならないとは思うけど……」

 

夕張

「そもそも駆動系はもう全部物理的にも切っちゃってるしね。

 あー、これでとりあえずの報告は出来るかなぁ……」

 

明石

「……というか今まさに見られてるわけですけどね。 厳重監視体制……」

 

夕張

「……あははは……」

 

 

―――

 

 

陸奥・大淀

「…………」

 

長門

「…………二人とも、現状、本当に異常等はないな?」カチリ

 

 

―――

 

 

長門

『流石に二度目はないぞ……』

 

夕張

「い、異常ありませんっ! 全て正常です!」

 

明石

「……」

 

長門

『……了解した。 とりあえず、一度降りて詳細を報告してくれ。以上』

 

夕張

「はいっ…!」

 

明石

「……ふぅ…………ん……?」

 

…チカチカ…

 

明石

(…………あれ?)

 

 

―――

 

 

陸奥

「……とりあえずは、って感じ?」

 

大淀

「さぁ、どうでしょうね……」

 

長門

「ふぅ、まったく……見ているだけでも疲れるな……」

 

 

―――

 

 

夕張

「それじゃ、完全に落としてから報告に行きましょうか。

 ……って、どうしたの?明石」

 

 

後ろ座席の明石は、自身の前のモニターを食い入るように見ていた。

 

 

明石

「い、いや……なんか……画面が…………あれ……?」

 

夕張

「……画面が……?」

 

明石

「…………なんか、やたら……チカチカしてて…………っ……」……ギシッ…

 

夕張

「!! 明石っ!?」

 

 

途端に、明石は座席の後ろの方に背を預けて意識を失った。

 

 

―――

 

 

陸奥

「……ちょっと遅くない?」

 

大淀

「う~ん……」

 

長門

「……」

 

―ザッ

『三人ともお願い来て!!明石がっ!』

 

「「!!?」」

 

 

――――――

?????虚数領域

 

 

明石

(…………なに? これ……)

 

 

無。

 

 

明石

(…………何も見えない……それどころか……)

 

 

物以前に、わずかな光すらない。

 

 

明石

(…………自分の体の感覚がない……見れない…………声も出ない……)

 

 

あるのは……

 

 

明石

(…………自分の意識だけ……)

 

 

明石

(…………ここはどこ……?)

 

 

 

― 女だぁ……! ―

 

― なぜ招いたのだ…… ―

 

― ご不満なら俺がヤってやろうかい? ―

 

― 残りは俺にくれ。いくら細かくなっててもいいからよ ―

 

― もっと使い方はあると思うんだがな ―

 

― ゲヒャッ! ヒャハハハハッ! ―

 

― ウルサイ…… ―

 

― 哀れな魂だな ―

 

― ンフフフフッ…… ―

 

― 騒いでると思ったらいったいなんだァ? ―

 

 

 

明石

(っ!!?)



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Streak 051-

たとえ相手が国や政府であろうとも、理不尽や不条理には決して屈してはならない。
これはテロ屋に対して、国や政府がとる姿勢と全く同じ事である。

近い将来、国や政府自体がテロリスト・カルトと全く変わらない存在に成り果てる時代が必ず来る。

そのときには国民を守る盾はもう何もなくなっている。
武器はおろか、牙や爪だけはあるか、
それすらもないか、それだけである。


 ~ Streak 051 ~

 

 

 

- 提督室 -

 

 

「――イスズ?」

「ああ。話は通してある。まずはそいつから"OK"をもらってきな」

「今もグラウンドで教習指導してるはずだから、そこで会えるわ」

「……わかった」

 

 

短く返答した赤毛の艦娘は一瞬、何か言いたげな表情を見せた後、あからさまにそれを飲み込んで踵を返す。

 

 

「...Hey, 手は抜くなよ、アン。それだけパーティーに出遅れることになるぜ?」

「……うっさい。言われなくてもわかってるよ。そっちこそ、いつものお気に入りの"オモチャ"の手入れでも念入りにして待ってなよ、嫌みなギルバート」

 

 

一室には、"ギルバート"と呼ばわれた男の短い笑い声が小さくこもり、"アン"は早々にドアを開けて出ていった。

 

 

「……そういえば、ウォースパイトがぼやいてたわよ」

「ア?」

「誰も艦名で呼んでくれなくなった、って……」

「……実際長いだろ、あいつの名前は。つーか、他の奴らが好き勝手に呼んでるのは別に俺のせいじゃ――」

「だから、皆があの子を呼ぶときの名前が、あなたが冗談半分で付けた名前なのよ」

「……」

「……オードリーって呼ばれて、もう自然と返事しちゃうようにもなったって言ってたわ……」

「……じゃあ何も問題ねえだろ」

「……アメリカとか海外じゃ、ニックネームって文化的にわりと普通らしいけど、海外艦の子たちをそれで呼ぶのはそういうことなの?」

「別に。ただ、長い名前のやつとかはとっさに言ってられねえときもあるからな。そういうときのためにも短ければ短いほどいいってだけさ」

「ふーん……」

「それに、忘れやすいとか覚えてられねえようなやつのときも便利だ」

「呆れた……。やっぱり、結局それなんじゃない……」

「仕方ねえだろ……。いい加減覚えてらンねえよ。今はもう100近いだろ……」

「……アトランタは何で"アン"なの?」

「それも別に、対して意味があるってわけでもないぜ?」

「言って。……何か気になるから」

 

 

男は、"出たよ……"といった風な表情をあらわにした。

今目の前にいる彼女がこうなると融通が効かない、ということは、彼の中ではもう散々思い知らされていることなのだ。

 

 

「Hum... 赤毛だったから、適当にそう呼んだだけだ」

「赤毛のって……あの?」

「へえ、さすがに日本でも有名なんだな」

 

 

HAHAHA! と多少わざとらしいようにも感じられる笑い声を男は上げる。

まるで、ネタばらしの直後に彼女が"さっきまでの事"に気付いて、それを話題にさせないようにでもするかのように……。

 

 

「……ん……さっき、アトランタが言ってた"嫌みなギルバート"って……」

「登場人物の一人、だな」

 

 

やはり予想はしていたのだろう。突っ込まれそうな態度などはおくびにも出さずに、すかさずと男は返した。

 

 

「なるほどね、そういう……。それで?どんな役なの?」

「…………さぁな。俺もよくは知らねえんだよ。作品自体はポピュラーだから、"うわべ"だけは知ってたってだけさ」

「……ふ~ん……」

「……」

「……ねえ」

「……なんだよ」

「……あれって、赤毛っていうかピンクブラウンだと思うんだけど……」

「……赤毛だろ。つーか、今さら言うなよ……」

 

 

ネタばらしして以降、ずっと唇を尖らせ気味なその秘書艦はなぜか釈然とせず、少々不機嫌なご様子だった。

 

 

「なんか強引な気がするけど……」

「……もういいだろ、それはよ。とりあえず、イスズがOKを出したら知らせてくれ。多分、3、4日はかかるだろうけどな」

「あら、意外に早いわね。わかったわ」

 

「...Huh...」

「?」

 

 

(ギルバート…………ギルバ、か……)

 

 

わずかに笑っているのか、それとも悲しげな想いの表れか。

どちらともなく、あるいはどちらとも取れそうな、そんな微妙な表情の男の顔を、理由を尋ねるでもなく秘書艦の彼女は静かに見つめていた。

 

 

 

 

- グラウンド -

 

 

「――よし、それじゃ皆、休憩に入ってー」

「は~い……」

 

「……」

 

 

教習監督の号令の後に、力ない駆逐艦たちの返事がこだまするのを、アトランタは静かに見ていた。

 

 

「――ごめんなさい、待たせたわね」

「……別に。楽にしてたから」

「アトランタね。よろしく、五十鈴よ」

「ん……」

 

 

軽い握手が交わされる。

 

 

「なんか、"OK"もらえないと、出撃できないとか聞いたんだけど」

「また端的に話したわね……。まぁ遠からずなんだけど……」

「……マジ?」

「この鎮守府近海の、新敵性体については聞いてるわね?」

「ん……ギルが言ってたやつか」

「ギル……?」

「……"提督さん"からちゃんと聞いてるよ。あとその秘書艦さんからも」

「……そう。いいわ、それなら――」

「待って。話聞いただけで、まだ疑ってるんだけど……。それもマジなの……?」

「アメリカ艦なのに、意外に信じてないのね……」

「いや、ていうか……さすがにってところなんだけど……」

「……まぁ、実際のところ、日本艦だろうと海外艦だろうと、そういうリアクションを取る子たちが実はほとんどなんだけどね……」

「……」

「そういうこともあって、この鎮守府では、そのメンタル面の対策に今は万全を期す方針になったの」

「……メンタル面の対策?」

「半信半疑っていうか、何の先入観もないままっていうのは逆にすごく危険って事よ。今のそのままの心持ちで出撃されても、いきなり例の対象と遭遇したときに、驚いたりして、それが牽制になって初動を取られるってことも考えられるから。っていうか実際にそれは何度かあったし」

「……ウェ……」

「そういうわけで、事前情報の教育で、その手の気持ちの切り替えと……あとは扱う兵装に関しても、少し勝手が変わるわ。正確には使用する弾薬ね」

「……対、とか専用ってこと?」

「そういうこと! 他は……これは正直、貴女がどうなるかはわからないんだけど……」

「……?」

「もう一つ、あの人……提督ね。から、特別な兵装の担当に任命されることもあるわ」

(……担当? 任命……?)

「その兵装自体が本当に特殊なこともあって、それが与えられた場合は、もう艦隊戦とはまったくの別物になるからそれも一応合わせて覚えておいて。それから、ここではそれぞれその兵装の種別に、名称が付けられてるんだけど……まぁそれは追々ね……」

「……正直、全然想像がつかないんだけど……」

「……まぁ、それもまちまちっていうかケースバイケースだから、一概に一まとめで説明もできないのよね……」

「……例えば?」

「そうね……。普段は普通の犬の姿なんだけど、ヌンチャク……えっと、鎖で繋がった三叉の警棒?になったり、赤と青の二振りの喋る剣だったのが、突然ランプの精みたいな姿になったり、エレキギターだったりコウモリだったり女の人だったり、レオタード服だったのかサキュバスだったのか……」

「…………ご、ごめん……なんかもうその辺で……意味わかんなくて途中から入って来なかったし……。不用意に聞いて悪かったよ……」

「……いいえ、知ろうとすることは大事なことだから……」

「……」

「……ただ、ここでこれから見聞きすることになる、そういった不思議な物事は、理解するっていうより、ただただ受け入れるようにしていった方が確実に楽ね。下手に考えるより、いろいろと、ね……」

「……よく覚えておくよ……」

 

 

 

 

「イスズは何かもらったの?」

「二挺のサブマシンガンをね。H&K MP5Kっていうモデルの」

「え……ただの普通のサブマシンガン?」

「ええ。撃ち出すのは特殊な弾丸だけどね」

(……なんか、いまいち、な……。特殊な弾丸って言われてもだし……)

 

―prrrr

 

「っ……ちょっと、ごめんなさいっ」

「あ、うん。どうぞ」

 

―p

 

「……はい、五十鈴です」

「……」

 

 

突然、五十鈴の携帯電話が鳴り出し、五十鈴はアトランタに断りを入れて、電話に応じる。そのときの五十鈴の声が若干上ずっていたのを、アトランタは何の気なしに感ずいていた。

 

 

「――え? ……あぁ……ええ、そうね。……ええ、わかったわ。…………了解よ。……うん、それじゃあ……」

「…………」

 

―…p

 

「……提督からだったわ」

「……ふーん……」

「まず先に、工廠に向かってくれって。そこから先は明石が案内してくれるそうだけど……。なんか見せたい物もあるからって」

「Turning around... ま、いいけど」

「ごめんなさいね。駆逐艦たちに最後、指示出してくるから、その後一緒に向かいましょうか。提督も後で見に来るとも言ってたからそのときにでも――」

「え、ギルバートも来んの?」

「……ギルバート……?」

「...Oops...」

 

 

 

 

- 工廠 -

 

 

「――なるほど、そういうことね……」

「皆もそうなの?」

「どうかしら……五十鈴たち日本艦は多くても音数4文字の名前のほとんどだけど……ニックネームで呼ばれてる艦娘は…………いたような、いないような……?」

「音数……あたしは?」

「……言われてみれば貴女も4文字よね……」

「……意味わかんね……」

「……アトランタはその作品読んだことあるの?」

「……あぁ~……全部は知らないかな……。有名だからちょっとは知ってるけど。登場人物とかくらいは……」

「ふ~ん……」

 

「――あっ!! 待ってましたよ!」

 

 

他愛もない話をしながら工廠に足を運んでいた二人。入り口にて、今度は正真正銘のピンク髪の艦娘が二人を出迎える。



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Streak 056-

「私は民主主義と暗殺はつきもので、
 共産主義と粛清はつきものだと思っております。
 共産主義の粛清のほうが数が多いだけ、始末が悪い。
 たとえば暗殺が全然なかったら、政治家はどんなに不真面目になるか。
 殺される心配がなかったら、いくらでも嘘がつける」

三島由紀夫


「この決断の責任は、私がとる。
 もしも、不満だったり、誰かを責めたくなったりしたら、
 私を責めてくれ。私以外の、誰のせいでもないのだから」

アンドリュー・マーク・クオモ


「私たちが責任を取ればいいというものではありません」

安○晋三


その人にとって、耐えがたいほどの痛みだけが、その人に反省と学習を促す。
そして、恐怖やペナルティというものには元々、人に緊張感と責任感を持たせる力がある。

人類は、肉体的あるいは精神的痛みによってのみ、反省の機会を得られ、学びを得られる。

アインシュタインは6万人以上の命が失われてから、当時の米国大統領に書いた手紙の内容を後悔した。
福沢諭吉は○○国との国交に希望を抱いていた。何度踏み躙られようとも現地にて、○○人の教育と友好関係の奔走した。しかし、愛弟子の一人が当時の王朝の手によって惨殺されたことを最後に、○○国と関係を持つことは誤りであったと、やっとの気付きを得る。
稀代の天才、アルベルト・アインシュタインや福沢諭吉ですら、例外ではなかったのだ。
そこらの政治屋如きが該当しない道理はない。

服を作って売る商売をする者を服屋という。
靴を卸して売る商売をする者を靴屋という。
政治を道具にして金儲け商売をする者を政治家とは言わない。政治屋という。

政治屋を正し、政治家に昇華させるためには痛みが必要なのだ。
政治屋に限らず、そもそも人間には痛みなどのペナルティでしか、緊張感も責任能力も持たせられない。

政治屋には、その一挙手一投足において、自国民の生殺与奪を自在にすることが可能なのではないか?

これには賛否の声があるだろう。
であれば、これは事実ではないとしよう。一先ずは。
しかし、本当の事実がなんであれ、よく考えてみることだ。

ある二人の船長がこう言ったとしよう。

「私の船には大勢の人間が乗船している。
 私はその人間全員の命を預かっているのだ。
 私の操舵により、この船に乗っている者たちの命運が決まる。
 だから、私は船を操舵するとき、1秒でも気は抜かず、
 航行の全てに気を配り、舵を切る瞬間の全てに責任を持っている」

「私の船には大勢の人間が乗船している。
 私はその人間全員の命を預かっているつもりはない。
 私の操舵によって、この船に乗っている者たちの命運が
 決まるなどという関連性なんてものはないと思っているからだ。
 (もしくはその発想すらない)
 なので、私は船を操舵するときは、どちらかと言えば気楽なものだ。
 私の操舵などは、特にこれといって、全ての物事にそれほどの影響は及ぼさないからだ。
 (あるいは非常に軽く考えている)
 船に乗り、舵を握っているのに"船を漕ぐ"のも問題ない。
 なんとかなっているし、操舵の最中にタブレットを使って、
 今日の夕飯の献立を夢想することもある。
 陸に着いたら、今度はどんな女(風俗)に金(血税)をつぎ込みまくろうかと
 考えることなんてしょっちゅうだ。
 "もし座礁したらだって?"
 問題ないさ。何といっても、その事故と私の操舵には関連性がないんだから。
 "問い詰められたら?"
 それも問題ないよ。関係ない、責任はないとかなんとか言って煙に巻くさ。
 その手の口上には自信があるんだ。責任逃れなんていくらででも出来る。
 不祥事から逃げられるという前例を作ってしまえば、
 あとは、それは繰り返し放題なんだ」


関係があるのか、関係はないのか、事実はこの際どうでも良いだろう。
ただ、船長がどのように考えていて、どのように捉えているのか。
常日頃から、どのような緊張感と責任感を持っているのか、ではないだろうか。

好きに選択すれば良いだろうが、どちらの船長の船に乗り込みたいのかは、よくよく考えてみることだ。


何の責任も罰もペナルティもなく、人間が道徳と倫理の元に、理性的に言動を制御できるものと考えている存在がいるとしたら、その存在は人間未満の知能しかない生命体であるか、人間のことをよく知らない地球外生命体に他ならない。

もし人間が痛みもなしに、己を理性的に律せられる生き物だと思っている人がいるのなら、それは人間を神か何かだと思い違いをし、驕り極まっている人物に他ならない。全く以って、勘違いも甚だしい。

もっと正確に示すならば、4つ目の若人以下の魂においては、何かしらの責任や罰、ペナルティがなければ、道徳と倫理の元に、理性的な言動をとることは絶対にない。


ほとんど全てにおけるケースで、政治屋には4つ目の若人以下の魂しかいない。
そして残念なことに、5つ目の老人が政治家になることはほとんど全くと言っていいほどにない。本人が忌避する。

4つ目の若人以下の魂の者ほど、表向きの代表や公的組織のトップに成りたがる。
5つ目の老人の魂の者ほど、表向きの代表や公的組織のトップになることを忌避し、裏社会の人間や秘密裏の組織に所属したり、そのトップになることが多い。


 ~ Streak 056 ~

 

 

 

五十鈴「――夜が、ね……」

 

アトランタ「……うん……」

 

 

アトランタの短期補佐担当となっていた五十鈴は、彼女から相談を受けていた。

 

 

「まぁ別に、そんなに特殊な話でもないわ」

「そう、なの……?」

「ええ。艦娘なって、鉄の艦艇から人の形をとるようになって、

 心を持ったわけだから、そういった精神面でも問題を抱えてる子は珍しくはないもの。

 というか夜が苦手って子はこの鎮守府でもわりと多いし」

「……皆はどうしてんの?」

「提督から…………えーっと…………お守り? をもらってるわね……」

「お守り?」

 

 

提督室

 

 

「HA」

「……チッ……」

「ちょっと……これも真面目な相談よ」

「……わかってるさ……。つってもその手のやつは多いからな……。

 ……あぁ、丁度いいやつをテンリュウが仕入れてやがったな」

「……?」

「うちもいよいよ何でも揃うようになってきたわね……」

 

 

第二工廠・魔石保管庫

 

 

ダンテに連れられて、アトランタと五十鈴の二人は保管庫の奥へと進んでいく。ある程度進んだところで、ダンテは何回か鼻を鳴らして、目的の魔石を見つけるとそれをアトランタに渡した。それはまるで、蛇がとぐろをまいたかのような石だった。しかし、不思議と不気味さは感じられない。その石が虹色の反射光を放っていたためだろうか。

 

 

「すごくきれいねっ……」

「もしかしてこれってアンモナイト?」

「アンモライト、だな。まぁただの宝石じゃねえけどな」

「ここにあるんだし、魔石ってことよね?」

「えっ……じゃあこの石が例の悪魔ってこと?」

「――の一部だ。本体じゃねえ」

 

 

端的にそれだけ言うと、ダンテは今度は工具類のコーナーの方へ歩き出した。疑問をまだ残しつつも、二人はまたそれについていく。

 

 

「――そいつを火で軽く炙る。アン、お前がやれ」

「え?」

 

 

ダンテが言いながらアトランタに手渡したのはジ○ポライターだった。軍艦のモチーフが刻まれている。誰の製作品だろうか。

アトランタは始終、疑問符が尽きない。

 

 

「百聞は一見にしかず、ってこと?」

「ああ」

「……」

「ふーん。まぁ、いいんじゃない。やってみたら?アトランタ」

「……わかったよ」

 

 

まだまだ拭えていない物も多かったが、五十鈴に促されて、アトランタは工具台に固定したアンモライトに火を近付ける。

数秒ほどでアンモライトは強熱発光し、もうしばらくすると見ていられないほどの光を放った。

 

 

「あぁ、直視するなよ」

「「おそっ!?」」

 

 

半径数メートルを覆うほどの光。しかし、一瞬にして収まる。

 

 

「――っ!? あれ、消えた……?」

「……あっ! 火災の後のダイヤモンドとかって確か消えるって……」

「石としては消えたってだけだ。もう後ろにいるぜ」

「「っ!?」」

 

 

「――え……フクロウ……?」

「……フクロウ?なの? この子……」

 

 

一見すればそれは確かにフクロウだった。しかし唯一、ある一点だけが疑問を抱かせる要素となっていた。

長い尻尾がある。その尻尾はどう見ても鳥類の尾っぽ、それではなく、どちらかと言えば、爬虫類のものだった。

 

 

「――アモン、その魂の一部ってところだな。夜はそいつに付いててもらえ。

 たとえ真っ暗な夜道でも、行き先だろうが戻り道だろうが

 ご丁寧に案内してくれるだろうぜ」

「こいつが……?」

「へぇ。夜目がすごい利くってこと?」

「こいつの能力の本質はもう少し違うモンだけどな。

 ま、この姿のこいつじゃそれくらいが関の山か。

 ……あー、あとはそうだな。アカツキとユウダチが鬱陶しくなったら、仕向けてみろ。

 それも何とかしてくれるはずだ」

「Really!?」

「ここに来て一番いい反応ね……」

 

 

アトランタは新たに迎えられた仲間に目を向ける。

その視線と目が合うと、フクロウっぽい悪魔、もといアモンは大きな翼を広げ飛び立つ。

しかし、見た目ほど、その飛翔に音はなく、ゆっくりとアトランタの近く、目線の高さまで飛んできた。

 

 

「えっ、あ、ちょ――」

 

 

アトランタは慌てぎみに手を伸ばした。

すると、アモンはその腕の上に静かに、正確に着地し、尻尾を垂れさせる。

 

 

「あら、芸の物覚えは良さそうね」

「HaHaHa」

「……ふ~ん。……ふふっ、よろしくね、アモン?」

 

 

アモンの尻尾が一度だけ左右に振れた。

 

 

 

 

「ご飯は何をあげてるの? 猛禽類だから肉食よね? 見た目は、だけど」

「あぁ、あたしもいろいろ調べてからあげてみたんだけど、結局雑食だった」

「え、そうなの?」

「うん。Ve...あー……野菜も食べるよ」

「へぇ~」

「普通は消化できないから食べさせないらしいんだけどね……」

「……まぁ、ただのフクロウではないしね……」

 

 

いつもの訓練の後、間宮へと向かう途中、アトランタと五十鈴は他愛ない話に興じていた。

 

 

「始め調べた限りじゃ、マウスとかひよことかが書いてあって……」

「あ~……」

「これはけっこう覚悟しないとだな、って思ってたんだけどね」

「そうよね」

「とりあえず、生のChickenでもあげるか、って思って鳳翔から

 ちょっと分けてもらってきてあげたりしたんだよね。

 でも血抜き済みの加工肉とかだとやっぱり栄養が不足するとかも書いてあって」

「ふむ」

「どうすっかなぁって考えてたら、いつの間にか居なくなってて」

「えぇっ」

「探してたんだけど、しばらくしたら自分から帰ってきて、口になんか咥えててさ……」

「あっ……」

 

 

五十鈴は何かを察したようだ。

 

 

「か、カエルとか……?」

「あぁ、Frogも何回かあったなぁ……。初めてのときはマウスだったよ」

「そ、そう……」

 

(ネズミ……ん? そういえば、菜園してる駆逐艦の子たちが

 ネズミがいなくなったとか言ってたような……)

 

「あと、けっこうきれい好きみたいなんだよね。めっちゃ水浴びして帰ってくる。

 海水臭くはないから、どっかで川みつけてそこで洗ってきてるのかもしんないけど」

「すごいわね、世話要らずじゃない」

「いやそれが……」

「?」

「水浴びした後、自分では完全には乾かせないのか、微妙に濡れたまま帰ってきて、

 そのまま乗っかってくるんだよね」

「……ぷっ……」

「おまけにその状態でShakeするし、部屋持って帰ったときには中でもやられてさ……」

「あらら……フフフッ……」

「だから、濡れて帰って来たときだけ要注意かな。

 おかげでハンカチ何枚も常備してるよ。部屋にはドライヤー4つもあるし」

「ふ~ん。まぁでも、よかったじゃない。なんだか最近楽しそうよ?w」

「……まぁ、退屈はしないかな。夜は気が紛れるし……」

「……そっか」

 

 

 

 

「――そういえば、病気とかは大丈夫なの?

 けっこういろんなもの食べてるみたいだけど……」

「あ、それはマウス咥えて帰って来たその日にギルにも訊いた。ない、ってさ。

 一応、明石にも定期的に診てもらうようにしてて、特に問題も出てないから」

「ああ、そうなの。それならよか――」

 

「――あら、アトランタさん。

 今晩お魚で、これから捌くんですが、またハラワタお持ちになりますか?」

 

 

鳳翔だった。小物買いをしていたのだろうか、小さな手提げ袋を持ち、食堂へと向かう途中だったらしい。

 

 

「――! Thanks! 鳳翔。また後で取りに行くよ」

「はい。ではまた後ほど。五十鈴さんも」

「……あ。え、ええ。また」

 

 

アトランタと鳳翔、二人だけが通じる会話がなされた後、挨拶も早々に鳳翔の方は行ってしまった。

 

 

「……ハラワタ…………あぁ、エサね?」

「Exactly. 生エサは栄養的に本当に貴重だからね……」

「……あ~、そうね……。身に染みて知ってるわ……」

「? ...Hm, そういえば、五十鈴も前にサバイバルしてたんだっけ?」

「い、一応ねっ……」

「Hum...?」

 

 

 

 

「――しっかし、ハラワタねえ……。

 ……なんかこの鎮守府もただ捨てるものはどんどん少なくなって来てるわね……。

 元々、食べ物を無駄にするようなことはなかったけど、食べられない部分とか、

 そういうのを処理してくれる子は前々からいたし、今度は内臓も、か」

「あぁ、ケルビ、だっけ?」

「あら、もう知ってたのね」

「着任して次の日に会ったよ。Nightmareが抱えて見せに来た」

「そういうこと。ふふ、驚いたでしょ?言葉話すし」

「……まぁ、それなりにね。でもうちのだってすごいよ。

 なんてったって、道案内のExpertだからね」

「へぇ、そんなに?」

 

 

少し、含みのある表情で、わざとらしく五十鈴は尋ねた。

すると、アトランタも少しわざとらしげにむっとして、それに答える。

 

 

「もちろん。もうNew Face一人につき、一羽は最低でも支給するべきだね。

 そしたら、こんな広い鎮守府に着任することになっても、

 初日に迷子になる、なんてこともなくなるよ」

「ふふっ……ふっ……そう。そうかもね。まぁさすがにそれはむずかしいとは思うけど」

「Umm...」

 

 

二人はもう随分と打ち解けている様子だった。

 

 

「――気になってたんだけど、あの子が道案内するときって、

 実際にはどんな感じなの?」

「どんな……Hmm... 基本的にはちょっと前を飛んでるからそれに付いていく感じかな。

 目をつむってても案内してくれるよ」

「え。それってどうやってるの……?」

「んーと、たとえばなんだけど、夜目も利かない夜道とかだと、

 手首に尻尾巻き付けて来てそのまま引っ張ってくれるんだよ。

 しかもわりとけっこう力強く」

「……それって、なんか怖くない?」

「まぁ、はじめの頃はね……。

 それでも飛び立てるほど強くはないし、完全に止まってたら、

 様子見に戻ってくるしね」

「へぇー……。本当にお利口なのね……」

 



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Streak 061

歴史は過去のおとぎ話ではなく、現在の根底に確かに息づく、現代の問題である。
歴史はしばしば政治的に利用され、真実すらも捻じ曲げられる。


「過去に目を閉ざす者は、結局のところ、現在でも盲目となる。
 未来も同じ過ちを犯すだろう」

リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー


「正義とは、一人一人の個人が作り出さなければならない。
 しかし、これは容易な事ではない。
 なぜなら真実はときに権力にとって脅威となるからであり、
 人は時に大きな犠牲を払って権力と戦わなければならないからだ」

「真実は私たちが持っている最も重要な価値観である。
 なぜなら、もしも真実が無力になり、もしも政府が真実を抹殺したら、
 もしも私たちがそんな国を、政府を、人々の心を尊敬できないのなら、
 ここはもう私が生まれた国ではないし、
 もはや、死ぬまで暮らしたいと思う国ではない」

ジム・ギャリソン


「声なき人間になるくらいなら国なき人間になる」

エドワード・スノーデン


「愛国者とは常に自分の国を政府から守る覚悟がいる。
 /愛国者の義務は、政府から国を守ることだ」

エドワード・アビー


「われわれの運命は、われわれ自身の手中にある」

アーノルド・ジョゼフ・トインビー


他人事では駄目なのだ。
皆が当事者であると自覚せねばならない。
我々の味方は、我々しかいないのだ。

人民の人民のための人民による政府であるべきだ。
政府の政府のための政府による人民などは、決してあってはならない。

国民にとって最大の味方は国民であり、国民にとって最大の敵は政府である。

人民は絶対に自分たちの国を裏切ることはない。
その国に住む人民とって、国とは肉体に等しいからである。
裏切れば死に直結する。
故に、人民とは、国と人民にとって、常に絶対にして最大の正義なのである。
いついかなるときでも正しく、最大の正義であり続けることが出来ない政府・政治屋では決してそれには値しない。

政府・政治屋にとって、国とはその者共の肉体ではなく、他人の肉体である。
万が一、死に至るほどの"病や怪我"に陥っても、犠牲となるのは所詮、他人の肉体であり、多くの場合、政府・政治屋は上手く逃げ回り、被害はそれだけに留まる。

国・政府・政治屋あっての人民ではない。
人民あっての国・政府・政治家である。
この大前提にあって、人民が絶対的正義ではない、ということはありえない。

民の声こそ、神の声なのである。


- 作戦室 -

 

 

陸奥「――じゃあやっぱり、間違いないのね?」

 

五十鈴「ええ。大本営の地下壕に安置されてるみたいね」

 

村雨「あそこって、ただの空洞施設だったんじゃ?」

 

高雄「戦後以降の、70年近くはずっと、ね。

   大半が未改修で立ち入りも出来なかったみたいだけど、

   深海棲艦が現れた今は違うわ。

   元はコンクリート壁面も剥き出しで、大分痛んでたみたいだけど、

   新しい防衛計画書が作成されてからはそれも含めて大改修されることになったの。

   だから今は、それなりのシェルターとして機能はしてるみたいよ」

 

曙「それなりの、ね……。

  そういえば、工作コンビの二人が上げるって言ってた映像は?」

 

Atla「10 o'clock...Umm... 今日の朝10時に、

   うちのアモンとGambieのヴァッサゴが帰ってきたから、

   そのときにカメラのRAWデータは渡してあるよ」

 

朝雲「じゃあまだ修正とか編集してるってこと?」

 

Atla「Hmm... I guess, yeah.」

 

時雨「それがちゃんと視られれば、今の地下豪の様子は確認出来るってことだね」

 

不知火「……軍魁 武臣<ぐんか たけおみ>、まさか例の新進気鋭の優男が主導とは……。

   ……それで、いかように?」

 

「「……」」

 

陸奥「……あの人を…………あの魔石に手を出したのは大本営とあの男よ。

   私の気持ちは決まってるわ」

 

不知火「不知火がやりましょう。

   例え国賊と見なされ、極刑に処されようともその前に何としてでも……!」

 

―ガチャ

夕張「――いいわね。私が運転しましょうか?

   床屋帰りを襲うってのもありだと思わない?」

 

明石「注射で毒を打つってのはどうですか?」

 

G.Bay「ふわぁ!? う、打たないで!?」

 

曙「いいんじゃない? じゃあ死体を捨てる場所を探しておくわ」

 

五十鈴「いいわね、良い計画よ。素晴らしいわ。……だけど」

 

陸奥「……彼も大本営も一線を越えたけど、

   これはあの人と例の魔石のためにやるのよ」

 

Atla「……つまり、あいつにはビリー・マーティンを――」

 

G.bay「えっと、それって……返してくれたら何もナシ……?」

 

曙「え、ちょっと待ってよ。それで元通りにすれば報復なしってこと?」

 

時雨「それが"ルール"、かな……」

 

村雨「でもそれって、"あくまでも"村雨たち艦娘っていうか、

   海軍、人類側のルールがわかってる人の話じゃない?」

 

不知火「"悪魔でも"同じとは限らない……」

 

高雄「……その魂において、敗北を喫した悪魔は

   勝利者に対し、本意不本意に関わらず、相手の望む形のままに

   己の身も力も魂をも、相手に捧げなくてはならない、ってやつね……」

 

朝雲「彼も大本営も、あっち側のルールを破ったわ。

   本当に勝ったのは私たちで、彼らじゃない。

   ただ、横取りをしただけ……」

 

曙「……チャンスをやることなんてないわよ」

 

G.bay「っ……あっ、あのっ…………私は……!

   Chance... あった方がいいと思いますっ。

    テイ……テイトクさんのためにも……」

 

「「……」」

 

時雨「まぁ、普通に考えたら謀反に該当するしね……」

 

Atla「...Coup d'etat?」

 

村雨「そんな感じ♪」

 

不知火「……そもそもの話なのですが、随分前から大本営の動き、

   かなり"歪"だとは思いませんか?」

 

時雨「……不知火自身はどう感じているんだい?」

 

不知火「……違和感を覚え始めたのは、ケッコンカッコカリの指輪が

   支給されたときです。しかもそれは、当時の所属艦娘全員分。

   そればかりか、今も新任艦の登録報告が済むと新たに必要分が贈られて来ます」

 

「「……」」

 

不知火「言うまでもなく、これは異例です。他では有り得ません。

   いくら"ここ"での作戦の性質が、他とは一線も二線も画すとはいえ……」

 

村雨「……そういえば、比較的大きな作戦のときは決まって、

   トニオ……提督は大本営に呼び出しをくらってるような……」

 

不知火「……不知火はこう推測しています。

   大本営は、我々艦娘を司令にとっての人質になるように事を運んでいる」

 

「「――っ!」」

 

陸奥「……そういえば、毎回の出頭内容もどれも"しょうもない"ようなものばかりだったわ……」

 

高雄「私も覚えがあります……。

   接待の……ゴルフとか何かしらの組合か団体の勧誘が多かったように思うわ」

 

五十鈴「艦娘を人質に、定期的な出頭要請に、謎の誘致に、か……。

   なんか、どことなく参勤交代を彷彿とさせるわね……」

 

Atla/G.bay(サンキンコウタイ……?)

 

朝雲「……大本営は司令を抱き込もうとしてる……?」

 

G.bay「ぇ…………な、なんのために……?」

 

夕張「私としては容易に想像は出来ちゃうかなあっていうか……」

 

明石「まぁ逆に、それ以外を見出だす方が難しいくらいですもんね」

 

Atla「Umm... やっぱ、どこも変わんないんだね。そういうのは」

 

G.bay「えっ…………え……?」

 

五十鈴「魔具の軍事利用よ。それを独占するつもりなのよ。

   そしてそれにはあの人の存在が必要不可欠だから、まぁそういうことね」

 

G.bay「…………えぇ~~っ!!?」

 

「「…………」」

 

陸奥「将来的には、ってところなんでしょうけどね。

   今は深海棲艦っていう共通の敵がいるし、

   だから都合連合艦隊を成しているわけでもあるし」

 

不知火「……軍事、魁けて、ですか…………っ!? ――軍魁……!」

 

「「!」」

 

村雨「……もしかして偽名?」

 

時雨「どうかな……。ただの偶然か……ほとんど言葉遊びみたいなものだし……」

 

曙「でも、もしそれが万が一の可能性だったとして、

  公的軍人で公式的に偽名が認められている、

  あるいはそもそも軍属名家の家柄か……。

  どっちにしてもかなり面倒な事が予想されるんだけど……」

 

時雨「というかそれ、どっちが確定しても

   やっぱり大本営は真っ黒って話になるんだけどね……」

 

「「…………」」

 

陸奥「……ありがと、話を戻しましょう。

   今は、大本営地下豪の……おそらく、それなりに堅牢な空間に

   厳重に安置されているであろう、46カラットのブルーダイヤモンド――」

 

五十鈴「――その正体は、大悪魔将軍アスタロットが魔石化した姿……」

 

明石「まさに悪魔の宝石、ですね……」

 

高雄「存外、契約やルールに厳格な悪魔が、あの石の状態から目覚めた後、

   どういう行動に出るかはわからないわ……」

 

夕張「悠長に考えていられる時間もなし、か……。

   ……どうやって奪い返えしたもんかしらね……」

 

曙「……それで? 例の映像は?」

 

夕張・明石「あっ」

 

 

朝雲「――何これ……どっかのホテルの高級スイートみたいな一室なんだけど……」

 

村雨「あの大きいガラスケースに覆われてる中の物がそうなんですよね?」

 

夕張「ええ、そうよ」

 

明石「ガラス自体はおよそ厚さ5cmの強化ガラスだと思われます」

 

Atla「すごいね。この映像だけでそこまでわかるんだ」

 

夕張「まぁね♪」

 

明石「私としてはお二人の使い魔さんに感心しちゃいますけどね」

 

G.bay「Hehe...♪」

 

Atla「ま、どっちも"それ"に関してはProfessionalだからね♪」

 

曙「……これ、本当に取り戻せるの……?」

 

不知火「強化ガラスについては?」

 

五十鈴「ここまできといて何だけど、

   出来れば荒事は可能な限り回避したいのよね……」

 

夕張「物を用意すれば壊すことは出来るだろうけど、

   それだけに大がかりで物々しくなっちゃうし……」

 

陸奥「万が一、一番最悪のシナリオになったときに、

   少なくとも言い訳の一つくらいは出来るようにしておきたいわ」

 

明石「ただガラスを壊すためだけの道具が、

   大本営側に危害を加えるための反意ある物、

   とかそういう風には思われたくはないので……」

 

高雄「だから同様の理由で、艤装は勿論、

   魔装や特装も現状は使用NGよ」

 

時雨「つまり、破壊はせずに……」

 

村雨「ダイヤだけを取り返す……」

 

曙「……それもう"できるだけ穏便に"盗むしかなくない?」

 

「「…………」」

 

―ガチャ

鈴谷「――うぃーっす……バリっちー、今日のノルマ終わったよー……。

   なんか段々きつくなってなぁい……?」

 

熊野「やると言い出したのは貴女でしてよ。

   まったく……付き合わされる方の身にもなってほしいですわ……」

 

夕張「あら、もう終わったのね♪」

 

明石「さすがに慣れてきましたねー」

 

朝雲「鈴谷さんと熊野さんっ?」

 

曙「……もしかして、工作コンビの手伝い役に呼ばれた二人って……」

 

鈴谷「そそ! 鈴谷たちだよーっ!」

 

熊野「呼ばれたというか、立候補が近いですけどね」

 

鈴谷「ちょ!? く、熊野ってば……!」

 

Atla「...Ah... あれ、やっぱそんなに気にしてたんだ?

   ギルの方は気にしないと思うけどね」

 

鈴谷「ぇあっ!? ゃ……えっと、そ、それは……なんていうかぁ……///」

 

熊野「……あんまり貸しが増えすぎると、

   次誘うときに気が引けてしまうから、だそうですわ」

 

鈴谷「」

 

G.Bay「...Ahh-...」

 

熊野「だから返せる機会に返そう、と。

   それに、今回のことが上手く行けば、

   かなり大きく返せそうですしね」

 

鈴谷「うぅ……////」

 

「「……?」」

 

五十鈴「何? どういうこと?」

 

Atla「たまの夜に、スズヤはギルをよくゲームに誘ってるんだよ。

   あたしも何回か呼ばれた」

 

G.bay「S, So have I..」

 

熊野「そのときの負けがかさんでる、という意味ですわ。

   ゲームのジャンル自体は様々ですが」

 

五十鈴「あぁ……そ、そう……」

 

陸奥「というかあの人、朝部屋に戻ってくるときは

   そんな付き合いもしてたのね……」

 

不知火「夜回り当番のとき、時折、

   川内さんの魔装の特訓に付き合っておられるところも

   何度かお見掛けしたことがあります」

 

朝雲「へぇ、特訓……そんなこともやってたのね。

   私は、夜中によく二人でお弁当食べてることしか知らなかったわ。

   ……あー、考えてみたらあれって、特訓の後にお腹が空いたから

   二人で食べてたのね」

 

「「え……?」」

 

明石(こ、これはっ……!?)

 

夕張「え、えーっと! そそ、それでどうだった二人ともっ!?」

 

熊野「え、ええ! ほ、ほら、鈴谷っ!?」

 

鈴谷「ぇ…………ぁ、ああ……VRの話?

   ……うん。今日はフォークリフトの再テストから始めて、

   それからユンボとかクレーンやって……それで重機系は一通りかな。

   その後、最後にヘリのシミュレーションまでちゃんとやったよ」

 

熊野「同じく、ですわ。

   ちなみに、総合点は鈴谷がA+、わたくしがSでしたわ」

 

鈴谷「ぐぬぬ……」

 

夕張「上出来上出来っ♪」

 

明石「余裕で間に合いましたね~っ」

 

朝雲「そ、そんなの作戦で使うの?」

 

明石「まぁ、どちらかと言うと備えあれば憂いなしってくらいですかね……」

 

夕張「今回の作戦は、私たちの手が空いてないことも多そうだから、

   どうしても要所要所で手伝ってくれる人が必要だったのよ。

   それでも、もし必要になったらって話だけどね……」

 

時雨「重機類か……」

 

村雨「本当に必要にならないといいけど……」

 

鈴谷「基本的にはアッシー替わりだって聞いてるけどね」

 

熊野「遅れて申し訳ありません。

   これより、わたくしと鈴谷も作戦に参加させていただきますわ」

 

陸奥「歓迎するわ。よろしくね♪」

 

五十鈴「正直かなり助かるわ。

   人手はいくらあっても足りないからね……」

 

高雄「まったくですわ……」

 

 

熊野「――この男が……」

 

鈴谷「ふ~ん。けっこうイケメンじゃん」

 

明石「先ほど、大淀にも探りを入れてもらってた件の報告があります。

   どうも、表沙汰よろしくないお付き合いの影もあるみたいで……」

 

曙「……え、何? ヤクザ……?」

 

G.bay「YAKUZA...? Ah...Japanese Mafia...」

 

Atla「Ha. 何? このBaby Faceが

   まさかシナトラとでも握手した仲だっての?」

 

五十鈴「……まぁ、公人が反社会的勢力と繋がりがある、

   なんてことがわかったら大問題だから、

   そうそう尻尾は出さないとは思うけど……」

 

不知火「ですが、もしそれが掴めれば、

   そこからは容易に切り崩せそうではありますね……。

   流石に、民間にまで広まってしまえば、

   日本海軍全体の立場にまで影響してしまいますが……」

 

陸奥「……作戦攻略の手札を、なんていうかこう……。

   やっぱりもっと正攻法な物にしましょうか」

 

時雨「正攻法?」

 

陸奥「ええ。それはそれで、作戦の難易度が

   跳ね上がることになっちゃうとは思うけどね……」

 

五十鈴「具体的には?」

 

陸奥「ほら、さっき曙ちゃんが言ってたやつよ」

 

曙「え……えっと…………あ~……"できるだけ穏便に"盗む?」

 

陸奥「そう。それよ」

 

「「…………」」

 

時雨「……正攻法?」

 

 

 

 

- 工廠 -

 

 

五十鈴「ヒトマルヒトマル。

   五十鈴はベビーフェイスの視線が確認出来たら

   広場を出て、南に進むわ」

 

五十鈴「ヒトマルヒトヒト」

 

明石「トラックスタンバイ。

   同時に、そこから全体の遠隔サポートも開始します」

 

不知火「不知火は地下壕の上、雑木林に紛れて待機します」

 

曙「…………」

 

「「…………」」

 

鈴谷「……あれ? えーと、確か……」

 

曙「……例のイベントが開場よ。なぜかヒトマルマルマルジャストには

  始まらないから、皆、要注意ね……」

 

五十鈴「了解よ。ヒトマルヒトサン」

 

陸奥「私は正門から入って西方向、地下壕入口に近づくわ。

   推測通りなら、お目付け役はこの辺りから私に接触してくるはずよ」

 

熊野「鈴谷と地下壕出口から記念館へ。事前の物を取ってきますわ」

 

鈴谷「キャリーカートね♪」

 

熊野「……きゃりーかーとを取ってきますわ」

 

曙「試合前に、まずは朝太鼓から始まるわ……。

  ……まぁ、それなりに衆目は集まるんじゃない?」

 

五十鈴「頼んだわよ。ヒトマルヒトゴー」

 

時雨「不知火を通気筒へ。ワイヤーもこのときに通してもらうよ」

 

朝雲「私もそのサポートに」

 

村雨「村雨は受け入れ位置にて待機します。あと空気の確保♪」

 

曙「幕下以下の力士……じゃない、艦娘の見せ稽古も開始されるわ」

 

Atla「興味あったんだけど……。ちょっと残念かな」

 

曙「――!?」

 

五十鈴「次に期待ね。ヒトマルヒトハチ」

 

Atla「Gambieを魔石の展示室へ」

 

高雄「私はメインホールに行きます。

   そこでトラックまでのルートを常に監視」

 

G.bay「……ん? ――あっ! わ、私! てんっ……マ、マセキroomに行きますっ!」

 

時雨「うん。アトランタと一緒に魔石の展示室ね」

 

明石「だ、大丈夫ですか……?」

 

Atla「No worries. あたしがちゃんと連れていく」

 

G.bay「Thank you so...」

 

夕張「まぁ、展示室には私も行くから」

 

五十鈴「……お願いね。ヒトマルフタヨン」

 

村雨「不知火さんと合流してコンピューター室へ」

 

不知火「配電網14Aを切断して無線で明石さんに連絡します」

 

明石「断線とレーザーシステムの停止を確認後、鈴谷さんに合図しますね」

 

鈴谷「うぃーっす♪」

 

熊野「二人できゃりーかーとと共に展示室へ」

 

五十鈴「ヒトマルサンフタ」

 

熊野「きゃりーかーとからワイヤー用の

   滑車台を取り出しますわ。それから――」

 

鈴谷「鈴谷が鍵を落とすよ!」

 

不知火「その鍵を受け取って、

   ワイヤーとフックを展示室まで運搬します」

 

村雨「村雨もそれに付いていきま~すっ。

   あと、コーナー毎にワイヤーを養生♪」

 

Atla「Gambieを立ち位置に」

 

G.bay「Y, Yes!」

 

五十鈴「そして?」

 

G.bay「え、えっと……っ」

 

鈴谷「ほら、鈴谷と熊野でキャリーカートを固定するから――」

 

G.bay「……あっ、その上に乗りますっ!」

 

五十鈴「正解よ。その日はくせっ毛MAXで頼むわね」

 

Atla「大丈夫。朝あたしがちゃんとチェックするよ」

 

G.bay「うぅ……///」

 

五十鈴「ヒトマルヨンマル」

 

G.bay「……ぁ、そ、それで……私の髪でカメラを塞ぎます……///」

 

Atla「Gambieがカメラ1を塞げてるのを確認したら、

   あたしはその位置からアモンとヴァッサゴに指示を出して

   二羽にカメラ2とカメラ3を覆ってもらう」

 

熊野「……わたくしが鈴谷を肩車して……」

 

鈴谷「鈴谷が自撮り棒でカメラ4を覆う♪」

 

不知火「ワイヤーとフック、展示室へ運搬完了」

 

村雨「そこでアトランタさんと協力して、不知火さんも含めて三人で

   滑車台を組み立て♪」

 

Atla「組み終わったら、Pully standにワイヤーを通す、だよね」

 

不知火「そしてフックを強化ガラスに固定」

 

村雨「玉掛け確認が完了したら、明石さんに合図しますっ」

 

明石「了解です! トラックで十分に引っ張った後、合図を夕張に」

 

夕張「安全確認完了後、私が魔石をすり替えるわ」

 

五十鈴「いいわ。ヒトマルゴーサン」

 

明石「夕張の合図を待って、トラックを元の位置に戻します」

 

不知火「滑車台を解体し、」

 

村雨「キャリーカートに戻すわ。ワイヤーとフックも回収よ」

 

鈴谷「それから魔石もキャリーカートの中に隠すよーっ」

 

熊野「わたくしと鈴谷はカートとそのままメインホールへ」

 

Atla「あたしとGambieとユウバリはエントランスに戻るよ」

 

夕張「そこから出るわ。ね?ガンビアちゃん」

 

G.bay「は、はいっ……!」

 

高雄「私はカートと一緒に上がってきた二人と合流して、

   トラックまで一直線、ですわ」

 

陸奥「なんとかお目付け役と別れて、地下壕から離れるわ」

 

五十鈴「そこから五十鈴は陸奥と合流して北へ向かう。ヒトマルゴーキュウ」

 

村雨「ワイヤーとフックを忘れずに撤収!」

 

不知火「不知火、村雨両名は西方面から脱出します」

 

高雄「……ブツをキャリーカートごとトラックに搬入します」

 

五十鈴「……ヒトヒトマルロク」

 

明石「……"安全運転"で出発進行、ですね……」

 

時雨「僕と朝雲も現場を離れるよ」

 

朝雲「ええ」

 

五十鈴「……よし。これなら上手く行くわ。上出来よ」

 

鈴谷「うぇーいっ♪」

 

五十鈴「明日、マルキューマルマルに集合。……楽勝よ」

 

「「~~」」

 

陸奥「…………」

 

五十鈴「…………ヒトサンマルロク。全員軍法会議に出頭ね」

 

陸奥「そうね。というか普通に刑事裁判かしら」

 

五十鈴「ベビーフェイスは?」

 

陸奥「予想通りよ。例の、見た目はどうだった?」

 

五十鈴「魔石鑑定士が"世の中"にいるわけじゃないし、

   あの出来ならわかんないと思う。十分だわ」

 

陸奥「へぇ、本当にすごいのね。最近の3Dプリンターって」

 

五十鈴「…………本当にね……」



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ANOTHER STORY THEATER
PROLOGUE


「…………はぁ」

 

 

玄関前。

少年は俯いて、ため息をついていた。

 

 

…ガララ

 

「……ただいまー」

 

 

「…あら。 信太おかえりー」

 

 

「んー」タタタッ

 

・・・・・・

 

「……」ムスー

 

「なに、またいじめられたの?」カチャカチャ ←料理

 

「! だからいじめられてねぇって!

 アッチからやたらカラんでは来るけど、負けたりはしねぇしっ!」

 

「あーそうだったわね。

 …手は出してない?」

 

「……出してない。 つーか、アイツらのパンチなんてまず当たんねぇし」

 

「あはは。 そっか」

(……なるほど、まぁそうよね…)

 

「……なぁ、母さん」

 

「んー?」カタンッ

 

「おれってさ、どう見てもハーフだよな?」

 

「……」ピタッ…

 

「ん?」

 

「……そこに気づくとは、あんたやはり天才……!?」

 

「いやわかるだろ。

 おれ、母さんにもぜんぜん似てねぇし」

 

「……まぁ、たしかにあんたは父親似ね。

 またそれでいじられたの?」

 

「……ま、今はもうただのとっかかりみたいなモンになってるけどさ」

 

「そっか……」

 

「……おれの父さんてさ」

 

「…うん」サクサクッ

 

「どこの人だったの?」

 

「……んー……どこだと思うー?」パカンッ

 

「ノルウェーとかフィンランド?」

 

「ぷwwwなんで?ww」

 

「なんとなく。いや、てかググった。 銀パツとか多いらしい」

 

「へぇ、そうなのね。 でも不正解。 アメリカ人よ」パタンッ

(一応は、だけどね…)

 

「へぇ~。

 じゃあ、おれのこれってアルビノってやつなのかな?」

 

「また難しいことを……。

 アルビノねぇ……。 どうだったかしら、聞いたことなかったわねぇ……」ピッピッ

 

「…ふぅ~ん」

 

・・・・・・

 

「あぁ~もう。 だったらいっそ名前も外人ぽかったらよかったのに。

 この見た目で、今の名前だから余計目につくんじゃねーかなぁ……」

 

「え…ひどい……なんかそれ傷付くわぁ~……。

 あんたの名前はあたしがけっこう考えて、いいな、って思ってつけたのに……」

 

「えぇー……母さんセンスねぇ」

 

「う、うるさいわね! いい名前じゃない、信太!」

 

「……なんかちょい古いような? 母さんの名前もちょっと古い系だしさ」

 

「ちょ」

 

「そもそもこの名前って、どっから来てんの?」

 

「……あんたのお父さんからよ」

 

「えっ? おれの父さんて、日本人ぽい名前だったのか?」

 

「あぁ…えーっと、そういうわけじゃないんだけどね……」

 

「?」

 

―チーンッ

 

「あ、出来たわね」

 

「スンスン……うぉ!! この匂いっ!」

 

「そ。あんたの大好物ね♪」

 

「やった!」

 

「うふふ。

 いつものデザートもちゃんとあるわよ?」

 

「!! ストサンっ!?」

 

「ええ」フフフ

 

「やりぃ! 最高だぜっ!」

 

「はいはいw さぁ、手洗ってきなさい?」

 

「オッケー!」タタタタッ

 

 

「……まったく…」フフ…

 

 

 

 

 

 

 




載せないとか言ったな?
あんなものはうそだ。


なんかもう、気分で行きます。
スレでもウソつきまくりだったし。


でもこれはたぶん続かないです。
単発妄想たのしー。







予備設定






信太
…自身の中にある信条を重んじ、その不動の信念がずっと曲がることのないように。
 また、とても我慢強いタフな子に育ってほしいという、
 母の願いの元にその名が付けられた。
 出生は A○M○RI 。


 見た目のせいで、いじめっ子らに絡まれることが多かったが、
 母の言い付けを固く守り、手は出さずに毎回軽くあしらっていた。

 そのいじめっ子ら対しては力を誇示するわけではなく、その都度、
 飄々と軽く交わして、手を出せない代わりの発散として、
 小馬鹿にして済ませていた。

 そのため、いじめっ子らの間で、恐怖の対象となることはなかったが、
 "生意気で憎たらしいヤツ!"という認識が固着し、
 いじめっ子らのフラストレーションを助長し、
 いじめをどんどんエスカレートさせていく。


 いつしか、いじめっ子らの溜まりに溜まったフラストレーションは
 彼の関係のない範囲にまで及んでいく。
 ある日彼は偶然、気弱な女の子がその者達にいじめられている現場に遭遇する。
 その場を目にした彼は突如逆上し、彼はついにその者達に手を上げてしまう。


 校内では問題としてそれなりに大きな事態となり、彼の母親も呼び出されて、
 教員と母子で三者面談が急遽開かれた。


 口を固く閉ざし、詳しい事情がわからない教員と母親だったが、
 その場に現れた、いじめられていた少女の証言で、内情が判明し、
 いじめっ子たちのこれまでの行為と、またいじめっ子達のケガも実際には
 それほど大事には至らなかったということで、各人の親の間でこの一件は
 穏便に処理された。


 その日の夜、家に帰って彼は、母親に叱れると覚悟していたが、
 母からは"立派だった"と褒めてもらった。



 15歳の頃には、まだまだ未熟ながらも、早くに母の身長を越し、
 肉体基盤の基礎部分が出来上がってきていた。

 また、年齢が上がるにつれて、当然人間関係も広がっていくわけで、
 その中の、彼のことをまだよく知らないごく一部の者達にとっては
 やはりなぜか鼻につく、ということも少なからずあるようで、
 信太は相変わらず、たまに絡まれるという日々を送っていた。


 その頃、

 20年前、日本の海域で起きたとある事件以降、
 日本では不可解な謎の傷害事件が半年に数回程度の頻度で起きていた。
 初めの内こそ事あるごとに騒ぎ立てて報道がなされたが、
 毎回、犯人は愚か、容疑者が挙がることも稀で、暴力事件であるのにも関わらず、
 意外に一命を取り留める被害者が多かったこと、
 また被害者の証明がどれも荒唐無稽過ぎたこともあって、
 いつしかそういった事件に関する人々の感覚は、一般人、
 やがては公人においても麻痺が広がり、慣らされていった。
 ついには報道自体も惰性的で、人々に飽きられるようになっていった。


 ある日、突然周囲の人間には感じられていない、
 どうやら自分だけが覚えた感覚に襲われる。
 その日をきっかけに、彼は不可解な事件の真相を知ることになる。


 以降、彼はその感覚が来ると、誰に言われたわけでもなく、
 野放しには出来ないと、一人で秘密裏に
 感覚の正体を"解消"しようと奮闘していくようになる。
 

 彼のスタイルは己の肉体のみを活かしたものであり、
 テレビやネット、漫画、またこれまでにいろいろ絡んできた者達の中には
 "覚え"のある者もいたので、それを一度切りでも見ただけの
 見様見真似の技を組み合わせたものだった。

 ただ、手を使っていたのは本当に初めの内だけで、すぐに専ら足技だけになる。
 というのも、あまり得体も知れない相手に不用意に触りたくないのと、
 手よりも足技の方が、まだ服を汚さないように戦いやすかったからだった。

 彼からすれば服を汚すと単純に母に小言を言われるかもしれなかったし、
 何か深読みされるようなことは、可能な限り避けたいと考えていたからである。



 19歳になったとき、母のとある一言をきっかけに、
 またそんな言葉を口にした母を不憫に思い、アメリカへ一時旅立つことを決意する。

 目的は三つ。
 どこをふらふらしてるのかも分からないが、その薄情野郎を必ず見つけ出すこと。
 顔面に思い切りドロップキックをかまして、蹴り飛ばしてやること。
 引きずってでも日本に連れ帰ること。


 半ば怒りに任せた決意の旅立ちだったが、
 その先で、彼は思いがけない出会いと経験、そして波乱に巻き込まれていく。




 身体もほとんど出来てきて、カッコいい靴を集めるのやストックするのが趣味。
 "事"ある毎に汚して、涙目になってしまうことも多かったことがきっかけ。
 その戦い方のスタイルゆえに、どうしてもブーツなどの靴をダメにしてしまうことが
 多く、また"事"後に付く汚れなどには、母親に悟られないように
 最大限気を使っていた。
 必然的に複数の靴を所持して履き回す必要が出てきて、靴を集めているうちに
 それがこうじて趣味となる。

 生まれ持った身体能力の高さと体捌きのセンスの良さで
 まるで、半ばパルクールのようにも見える立ち回りを得意とし、
 それに我流の足技を組み込んだ格闘体術を用いる。
 マザコン。





少女
…信太にいじめっ子から救ってもらって以降、
 ほぼ毎日彼と関わるようになり、幼馴染みのような関係を築く。
 信太と過ごした生活と、彼自身の影響が大きく、
 まだまだ幼く気弱だったころとは打って変わって、明るく強く成長した。
 生まれは A○M○RI ではない。小学低学年のときに引っ越してきた。


 二人でいるときや、学校、学外行事のイベントのときなどでも
 度々、"用事が出来た"などと言って、または何も言わずに
 ふらっと突然居なくなる信太に長年、不満と心配を募らせている。

 初めの内は問い質したり、不満をぶちまけることもあったが、
 "用事"も続いてくると服がひどく乱れていたり、
 ケガをして帰ってくることも稀にあったため、
 心配の方が次第に大きくなっていった。

 当然、彼女も理由を訪ねるが、はぐらかされて答えは得られず、
 彼がいつしか、自分も追えないはるか遠くへ
 行ってしまうのではないかという不安も抱えていくことになる。


 アメリカ行きの一件もまたいつものように、例のごとく置いていかれた。




 信太と関わるようになった幼少の頃から、
 度々募る不満の解消法として、彼ゆかりの物を収集するという趣味を持つ。
 心配や不安を紛れさせるために、集めたものを独自の方法で
 堪能するというのが彼女にとっての精神の安定方法である。
 信太が着れなくなった衣類や履かなくなった靴は、頃合いを見計らって
 彼の母から、男物ながらも、お願いしてもらい受けに行っている。
 信太から直接もらった誕生日プレゼントはずっと大事に保管してある。
 ほんのちょっぴり☆ストーカー気味。





信太の母
…昔、自身にとって最も縁深く、由来とも関係する A○M○RI に帰郷し、
 その地で出産を果たした。
 姉と多くを協力しながら、そのときの子供・信太を片親ながらに育てた。


 幼少の頃から、息子とよくいた少女のことはどことなく、
 他人とは思えないようなそうでもないような、そんな風に感じていて、
 "何かと"協力してあげている。



 ある時期からの信太の不可解な行動については気付いてはいながらも
 本人の口から語られることもなかったので、
 自分の方から触れようとすることはしなかった。
 最も、信太が隠そうとしていた事については、
 薄々気付いていたかのような節はあるが……。




 信太がまだ赤ん坊だった頃は姉と協力して、信太の面倒と
 家庭を切り盛りしていた。今、その姉は週に一度訪れる程度である。
 非常に気さくで明るく、人付き合いもとても良いため、
 ご近所でも評判の美人な――――。
 信太の父親の事については、信太自身からもあまり尋ねられることが
 なかったため、彼女の口から直接多くが語られることはなかった。
 シングルマザー。







みたいな感じの設定をざっと。


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KANMUSU TOTAL RANKING


人によっては、ネタバレ要素を含みます。

閲覧は任意でお願いします。


全然ランキングっぽくないのは致し方なしです。


1-1

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 

 

1-2

 

 翔鶴

 

 長門  陸奥  大淀

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 北上  大井

 

 暁   響   雷   電

 

 赤城

 

 etc...

 

 

1-2-1

 

 榛名

 

 

 

1-3

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 川内  神通  那珂

 

 赤城  加賀

 

 長門  陸奥  大淀

 

 

 

1-4

 

 長門  陸奥  大淀

 

 神通

 

 赤城  加賀

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 不知火

 

 

 

1-5

 

 長門  陸奥  大淀

 

 夕張  明石

 

 暁   響   雷   電

 

 天龍  龍田

 

 吹雪

 

 

 

1-6

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 赤城  加賀  翔鶴  瑞鶴  蒼龍  飛龍

 

 暁   響   雷   電

 

 鳳翔

 

 長門  陸奥

 

 

 

1-7

 

 暁   響   雷   電

 

 長門  陸奥  [陸奥]

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 天龍  龍田

 

 龍驤

 

 陽炎  不知火

 

 赤城  加賀

 

 etc...

 

 

 

 

 

2-1

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 川内

 

 陸奥

 

 天龍  龍田

 

 翔鶴

 

 

 

2-2

 

 陸奥

 

 翔鶴

 

 浜風 

 

 

 

2-3

 

 明石

 

 翔鶴  浜風

 

 陸奥

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 川内  神通  那珂

 

 金剛  比叡

 

 

 

2-4

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 川内  神通  那珂

 

 長門  陸奥  大淀

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 夕張  明石

 

 陽炎  不知火 浜風

 

 北上  大井

 

 間宮

 

 利根  筑摩

 

 etc...

 

 

2-4-1

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 長門  陸奥  大淀

 

 

2-4-2

 

 天龍  龍田

 

 

 

 

 

3-1

 

 長門  陸奥

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 如月  弥生  望月

 

 夕張  球磨  多摩

 

 川内  神通  那珂

 

 北上  大井

 

 赤城

 

 

 

3-2

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 川内  神通  那珂

 

 夕張  球磨  多摩

 

 如月  弥生  望月

 

 長門  陸奥  大淀

 

 明石

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 

 

3-3

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 川内  神通  那珂

 

 夕張  球磨  多摩

 

 如月  弥生  望月

 

 長門  陸奥  大淀

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 

 

3-4

 

 吹雪  睦月  夕立

 

 川内  神通  那珂

 

 夕張  球磨  多摩

 

 如月  弥生  望月

 

 長門  陸奥  大淀

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 利根

 

 高雄  愛宕

 

 暁   響   雷   電

 

 

 

3-5

 

 吹雪  夕立

 

 川内  神通  那珂

 

 長門  陸奥  大淀

 

 金剛  比叡

 

 陽炎

 

 利根

 

 明石

 

 

 

3-6

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 陸奥

 

 明石

 

 睦月  如月

 

 吹雪  夕立

 

 川内  那珂

 

 長門  大淀

 

 

 

3-7

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 陸奥

 

 明石

 

 翔鶴  浜風

 

 天龍  龍田

 

 夕張

 

 

3-7-1

 

 足柄

 

 暁   響   雷   電

 

 

 

3-8

 

 睦月  如月

 

 利根

 

 長門  大淀

 

 比叡

 

 弥生  望月

 

 

 

 

 

4-1

 

 長門  陸奥  大淀

 

 島風

 

 吹雪

 

 天龍  龍田

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 

 

4-2

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 天龍  龍田

 

 長門  陸奥  大淀

 

 吹雪

 

 島風

 

 夕張  明石

 

 

 

4-3

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 天龍  龍田  吹雪  島風

 

 長門  陸奥  大淀

 

 

 

4-4

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 天龍  龍田  吹雪  島風

 

 長門  陸奥  大淀

 

 

4-4-1

 

 鹿島

 

 

 

4-5

 

 吹雪  島風

 

 金剛  比叡

 

 霧島  榛名  龍田

 

 長門  大淀

 

 

 

4-6

 

 霧島  榛名  龍田

 

 金剛  比叡

 

 吹雪  島風

 

 

 

4-7

 

 天龍  龍田  吹雪  島風

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 長門  大淀

 

 

 

4-8

 

 陸奥

 

 

 

4-9

 

 陸奥

 

 

 

 

 

5-1

 

 吹雪  島風

 

 夕立  睦月  如月

 

 龍田

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 天龍

 

 長門  大淀

 

 不知火

 

 陸奥

 

 

 

5-2

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 長門  陸奥  大淀

 

 天龍

 

 龍田

 

 

5-2-1

 

 天龍  龍田

 

 

 

5-3

 

 陸奥

 

 長門  大淀

 

 翔鶴  瑞鶴

 

 暁   響   雷   電

 

 天龍  龍田

 

 川内  神通  那珂

 

 加賀  赤城

 

 陽炎  不知火 浜風

 

 龍驤  鳳翔

 

 飛龍  蒼龍

 

 利根  筑摩

 

 吹雪  睦月  夕立  島風  如月  望月  弥生

 

 足柄  那智  羽黒

 

 明石  夕張

 

 青葉

 

 球磨  多摩  北上  大井

 

 愛宕  高雄

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 

5-3-1

 

 金剛  比叡  霧島  榛名

 

 

 

5-4

 

 陸奥

 

 青葉

 

 明石

 

 夕張

 

 長門  大淀

 

 

 

5-5

 

 明石

 

 吹雪  島風

 

 天龍

 

 龍田

 

 夕張

 

 長門  大淀

 

 

 

5-6

 

 長門  陸奥  大淀

 

 明石

 

 夕張

 

 天龍

 

 龍田

 

 金剛  比叡  榛名  霧島

 

 間宮

 

 利根  筑摩

 

 翔鶴  瑞鶴

 

 陽炎  不知火 浜風

 

 

 

5-7

 

 

 

 

 

5-8

 

 

 

 

 

5-9

 

 

 

 

 

 

 

6-1

 

 

 

 

 

6-2

 

 

 

 

 

6-3

 

 

 

 

 

6-4

 

 

 

 

 

6-5

 

 

 

 

 

6-6

 

 

 

 

 

6-7

 

 

 

 

 

6-8

 

 

 

 

 

6-9

 

 

 

 

 

 

 

7-1

 

 

 

 

 

7-2

 

 

 

 

 

7-3

 

 

 

 

 

7-4

 

 

 

 

 

7-5

 

 

 

 

 

7-6

 

 

 

 

 

7-7

 

 

 

 

 

7-8

 

 

 

 

 

7-9

 

 

 

 

 

 

 

8-1

 

 

 

 

 

8-2

 

 

 

 

 

8-3

 

 

 

 

 

8-4

 

 

 

 

 

8-5

 

 

 

 

 

8-6

 

 

 

 

 

8-7

 

 

 

 

 

8-8

 

 

 

 

 

8-9

 

 

 

 

 

 

 

9-1

 

 

 

 

 

9-2

 

 

 

 

 

9-3

 

 

 

 

 

9-4

 

 

 

 

 

9-5

 

 

 

 

 

9-6

 

 

 

 

 

9-7

 

 

 

 

 

9-8

 

 浦風

 

 五十鈴

 

 摩耶

 

 伊19

 

 

 

9-9

 

 




登記条件は" MISSION に本人が登場していること"です。
背景的に登場している場合でも、一応登記しています。


最終最多出場は誰になるんでしょうねー。



*抜けがあったら、お手数ですが、ご報告いただけると助かります。


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GALLERY


人によっては、ネタバレ要素を含みます。

閲覧は任意でお願いします。


[GAME CLEAR BONUS ART ??/??]

 

 

 

 ・No DATA

 

 

 

 

 

[CHARACTER IMAGES 00/02]

 

 

 

 ・{IMG20105}

 

  ダンテ提督 [01/02]

 

 

 ・{IMG20106}

 

  深海棲艦も泣き出す提督達 [02/02]

 

 

 

 

 

 

特典1

- KC x DMC 2 (HnH) 先行 CM(ショートバージョン)-

 

 

 

アメリカ、某所

 

 

??

「――人づてではたしかこの辺りと……」

 

 

 

―Heeelp!!

 

 

 

??

(!?)

「っ……」タタタタッ!

 

 

――――――

路地裏

 

 

スケアクロウ

「ゲヒャヒャヒャハッ!」

 

 

「ひっ! あぁっ……」

 

―グィッ

 

「ッ!?」

 

??

『ちゃんと立って。速やかに避難してください』

 

「あ……ああっ! アンタはッ!?」

 

??

『お構いなく。さぁ早く』

 

「…ッ! まさかあんたが最近噂になってるっ……!

 …ありがとよッ!助かったぜ!」タタタタタッ!

 

 

??

(噂……?)

「何のことかはわかりませんが……」

 

 

スケアクロウ

「ヒャヒャヒャハァ!」

 

 

??

「……先にこちらを片付けないといけませんね」

 

・・・・・・

 

スケアクロウ

「ヒャ…」ボロ…

 

 

??

「……Jackpot です」チャキッ

 

パァン…

 

・・・・・・

 

スケアクロウ

「」

 

ブシュー…

 

 

??

(頻度が増している……)

「……今ここで考えていてもわからないわね……。

 とにかく路地裏から抜けて、もう一度――」

 

―シュバッ

スケアクロウ

「ゲヒャア!」ブンッ!

 

 

??

「っ!?」

(伏兵っ…!)

 

 

「よいしょーっ」シュバッ

 

―ズバンッ

 

 

??

「…っ!」

 

 

????

「……よしっと。

 いやー、おねーさん、油断したねぇ」スチャ

 

??

(……!!)

 

 

 

くせ毛なのか、少しウェーブがかっている長い銀髪。そして、青い瞳の双眸。

ドクロが特徴的な、かつての見慣れた長剣。そして、へそ丸出しの格好。

 

病的なまでに白く見える肌であるのに、

さらにその上、全体的に白基調のファッションをしている。

 

 

どことなく懐かしい面影を感じさせる少女がそこにいた。

 

 

 

????

「銃の腕前はなかなかすごかったんだけどねぇ。

 考え事でもしてたかな?」

 

??

(……)

『あ、あの……助けていただき、ありがとうございます。

 ……貴女は?』

 

????

「ん、あたし?

 あたしはビアンカ。

 ……んー、便利屋かな。それやってますっ。 あとアルバイトっ!」

 

??

「!!」

(ビアンカっ……)

 

ビアンカ

(……ん?)

「おねーさんは?」

 

??

『っ……あ、あぁ……失礼しました。 私の名前は――』

 

 

――――――

道中

 

 

ビアンカ

「ふわーすごいっ!

 日本からなんてまたずいぶんと遠くからだねぇ」

 

??

「ええ……」

 

ビアンカ

「日本かぁ。 いろいろ聞いたことはあったけど、

 さすがにまだ行ったことまではないなぁ」

 

??

(……)

「……あの、突然なんですが、ご家族は……?」

 

ビアンカ

「いるよー?

 パパとママと、あと双子の弟っ! 名前はロッソって言うんだけどね。

 あたしが言うのも何なんだけど、これがまたかわいいヤツでねー♪」ニャハハ

 

??

(……)

「へぇ……」

 

 

――――――

事務所“????????”

 

 

ビアンカ

「――つまり人探しってこと?」

 

??

「ええ、そうなりますね……」

 

ビアンカ

「ふーむ」

 

 

 

立ち話も何だということで、少女の案内でとある事務所まで通された女性。

そこに、

 

 

 

―ガチャ

???

「ただい……あれ?お客さん?」

 

 

 

ビアンカ

「あ、ロッソ。 おかえりーっ」ヒラヒラ

 

??

「あっ……」

 

 

 

ロッソ

「……コーヒーくらいお出ししなよ、ビアンカ……」

 

 

 

こちらは短い髪の少年だった。しかし同じく青い瞳に銀の髪。

そして、姉とは真逆の落ち着いた格好。

その少年は全体的に深い赤色基調のファッションをしており、

その姿は女が知っていた、いつかの男を強く彷彿とさせた。

 

その少年は"彼"に非常によく似ていたのだ。

それ故に、確信してしまった。

 

 

 

??

「……っ」ズキ…

 

ビアンカ

「あ、忘れてたww。

 あたしのも淹れてー」

 

 

ロッソ

「まったく……」

 

 

??

「……あ……あの、私はお構いなくっ……」

 

 

ロッソ

「あぁいえ、くつろいでいてください。

 すみません、気が利かなくて」…スッ

 

 

ビアンカ

「えへへー」

 

??

「いえ、そんな…………っ!?」

(黒い布で覆われた、背中にある三日月型のあれは……!)

 

 

――――――

事務所

 

 

ビアンカ

「――お待ちどおさま! ご注文のストロベリーサンデーでーすっ♪」

 

??

「おぉ、これはすごいですねっ……!」

 

ビアンカ

「喫茶店でアルバイトしてるからねー。

 昔からある、パパの行きつけだった所なんだよ♪」

 

??

(……)

「へぇ……」モグッ…

 

ビアンカ

「家でもそうなんだけど、もう料理とかもけっこう任されちゃってるから、

 材料さえあればたいていの物は作れちゃうかなー♪」

 

??

「おー」パチパチパチ

 

ビアンカ

「へっへーん」フンス

 

 

ビアンカ

「―っておねーさん、付いてるよ?ww」つЛ

 

フキフキ

 

??

「んむっ!? ……あ、ありがとうございますっ…////」

 

 

 

 

 

 

特典2

- VD x DM○ (SoS) 先行 CM(ショートバージョン)-

 

 

 

小さい頃、ママがよく聞かせてくれた話があった。

 

 

 

昔、一人の悪魔が人間のために戦ったって。

 

……そして、剣の力を使って魔界を封じ込めた――

 

自分の強大すぎる力と一緒に……。

 

 

 

そのときはおとぎ話だって思ってたから、あたしはママのそのお話に

唯々ワクワクしながら聞き入ってた。

 

弟はいつもあたしの後をついて来てたから、一緒になって聞いてることが

ほとんどだったけど、どちらかと言えば

その頃は怖がって聞いてることが多かった気がする。

 

 

でも、このお話にはまだまだ続きがあって、それは弟もあたしも大好きだった。

 

 

そのお話は……本当に、とても悲しい所も多いんだけど、

でもそれはものすごく大きなお話で、楽しくなっちゃう所もたくさんあって、

……嬉しい気持ちになれる所もいっぱいあって……。

 

本当に不思議なことばっかりの物語だった。

 

 

 

――そして、あたしと弟が13歳の誕生日を迎えたその日。

 

これまでいろんな話をしてくれたママは、その話のとても大切な事として

最後に、あたし達にこう言った。

 

 

 

 

 

この世界には、あたし達みたいな……人間のような悪魔もいれば、

 

悪魔のような人間もいるんだって……――

 

 

 

 

 

 

事務所"デビルメイクライ"

 

 

―スタスタ カタッ …カチャ

 

ビアンカ

「……ふぃー……」スー…コク

 

 

椅子に腰掛け、自分で用意したコーヒーを飲む少女。

 

 

ビアンカ

(……うーん…)

「…………やっぱり、コーヒーだけはロッソには勝てないなぁ」

 

 

そうひとりごちるビアンカ。

今、事務所には彼女一人しかいない。

 

 

ビアンカ

(パパとママはロッソを連れて行っちゃったし、"しばらく"は一人でお留守番かぁ)

 

 

ビアンカ

「……ヒマだね」カチャ… スー…コク

 

 

 

―ガチャ ギィ…

 

 

 

ビアンカ

「…お」

 

 

コツコツコツ…ピタ

 

????

「……仕事の依頼をしたい。

 ここならば特殊なものでも請け負ってくれると聞いた」

 

?????

「は、はじめましてっ!」

 

 

ビアンカ

「…ph♪

 どのようなご依頼でしょうか?」ニヒ

 

 

 

 

 

 

特典3

- DM○ (DMD) 先行 CM(ショートバージョン)-

 

 

 

汝は主の子に値せぬ者

 

汝は主の偽作に劣る者

 

汝は浅はかなる者

 

汝は愚かなる者

 

汝は穢れし者

 

汝は卑しき者

 

汝は暗き者

 

汝は弱き者

 

汝は脆き者

 

汝は涙の徒

 

 

汝よ、唯々、その胎に尊き者の魂の欠片を受け入れ、

それを育み、身を分けよ。

 

汝は受け皿。

唯々、そのためだけの杯である。

 

汝はシすることすらも能わず。

 

 

脆き者、汝の名は――

 

 

 

 

 

 

特典4

- MIKU x DM○ (DMC) 先行 CM(ショートバージョン)-

 

 

 

「本当に、ありがとうございましたっ……」

 

???

「いえ。 それでは、これで」

 

 

それだけ言うと、男は早々に出て行った。

 

 

――――――

 

 

(……今月に入って、迷子探しが4件。 最近、本当に多いな……)

 

 

そう心でぼやく男は今、街路を歩いてた。

しばらくすると、雨が降り出す。

 

 

―バシャバシャ

 

 

突然の雨に、先ほどまで静かだった街路が騒ぎ出す。

少しでも濡れないようにと、目的地まで走り出す人、

近くの屋根に隠れようと、小走りに行く人。

 

男の様子は変わらなかった。

そのまま先と変わらず、街路を行き続ける。

 

男は濡れていなかった。

 

 

街路はまた、静かになった。

 

 

 

雨で人気のなくなった街路。

 

そこから先にしばらく行くと、今度は天気の日でも

ほとんどの人が通らない通路に出る。

男はそこで鉄柵につながれていた少女を見かけた。

 

 

少女

「……」

 

 

???

「……哀れだな」

 

 

少女

「っ!」ギロッ…

 

 

???

「……」

 

 

少女の睨みも気にも留めず。男は再び歩き出す。

 

 

―カランッ

 

 

突然の金属音。

そして、繋がれていた鎖が外れる。

男の方を凝視していた少女はその反応が遅れた。

 

しかし、突然のこと。意味もわからなかった。

 

 

少女

「……っ」

 

 

壊れた鎖を見ていた少女。しかし、次には直感的に何かを悟り、再び男のほうを見やる。

 

男は変わらず、黙々と歩みを進めていた。

 

 

少女

「……」

 

…タタタタッ

 

 

短い逡巡のあと、少女は男のほうへ走り出す。

 

 

少女は長髪だったので、雨を吸い、濡れて髪は重くなっていたが、

走ればそれなりに揺れた。

 

左右に分けた長い、ターコイズブルーの髪。

しかし、光の当たり様によってはグリーンにも見えそうな、そんな髪だった。

 

 

 

 

 

 

 



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LIBRARY

人によっては、ネタバレ要素を含みます。

閲覧は任意でお願いします。


艦娘にDMC武器を装備させてみた、みたいなMMD動画上げました。
お暇でしたら、そちらのほうもどうかよろしくお願いします。
たぶん、GALLERYやLIBRARYはこんな感じになっていくのかも……?

*正直に言って、アングラ的なものです。なのでその辺りはどうか……(笑)


[ITEM]

 

 

 

 

 [NORMAL ITEM 00/02]

 

 

  ・Normal Arms

 

   ~艤装~

 

   艦娘が装備する兵装。

   (*オリジナル(?)設定。当ssでは艦娘の既存装備品を一纏めにした総称)

 

 

  ・

 

   ~砲弾、弾薬~

 

   ―――

 

 

 

 [MAGIC ITEM 00/03]

 

 

  ・Devil Core (S・M・L)

 

   ~魔石 (S・M・L)~

 

   なぜか深海棲艦が持っていた光り輝く球体状の石。

   敵艦を倒すと手に入ることがある。

   比較的、大きさのある物だと、よく形が残っているようである。

   普通、雑魚艦はS、中級艦はM、ボス級艦はLを所持している。

   Sは単純に、エネルギーとしての流用に限られるが、

   M以降はそれぞれ強い特性を持っている。

   Lはかなり特異で、例えばダンテなどの"心得"があるのもならば、

   そのコア(魔具・魔石)から真の姿(魔装)を現出させることができる。

   *オリジナル設定

 

 

  ・Holy Water

 

   ~ホーリーウォーター~

 

   悪魔祓いの力を持つ聖水。妖魔異形に対し、絶大の効力を持つ。

   入手には時空神像を介す必要があり、

   またその際には、多量のとある対価を捧げなくてはならない。

 

 

  ・Devil Arms

 

   ~魔装~

 

   悪魔の力を獲得した、深海棲艦が展開している"悪魔の障壁"を

   破壊することができる兵装。

   基本的に、深海棲艦本体に対してはあまり通用しない。

 

 

 

 [SPECIAL ITEM 00/01]

 

 

  ・Special Arms

 

   ~魔艤装 (特殊兵装)~

 

   艤装や標準的既存弾薬に、デビルコアを組み込むことで誕生した兵装。

   魔装と艤装の両方の特性・特質を有しており、

   現在、"悪魔の力"と"障壁"を有する敵・深海棲艦に対し、最大の殲滅効率を誇る。

 

 

 

 

 

[ENEMY]

 

 

 

 

 [LESSER ENEMIES ??/??]

 

 

 ・

 

  ~~

 

  ――

 

 

 

 [LESSER DEMONS 00/01]

 

 

 ・Fault {IMG20104}

 

  ~フォルト~

 

  本来であれば、魔界に生息しているはずの地中悪魔生物。

  魔力を嗅ぎ分けて獲物を追い、地面から唐突に現れ、喰らい付いて

  獲物を異空間に引きずり込むという生態を持つ。(DMC4登場)

 

 

 

 [BOSS ??/??]

 

 

 ・

 

  ~~

 

  ――

 

 

 

 [SPECIAL BOSS ??/??]

 

 

 ・

 

  ~~

 

  ――

 

 

 

 

 

[KANMUSU'S ARMS]

 

 

 

 

 [KONGOU'S ARMS]

 

 

 ・VALKYRIUS

 

  ~戦乙女ヴァルキュリス~

 

  種別:魔艤装(SA)

 

  ――

 

 

 

 [TENRYU'S ARMS]

 

 

 ・

 

  ~天龍の後檣刀・????~

 

  種別:魔艤装(SA)

 

  ――

 

 

 

 

 

[ACTIONS]

 

 

 

 

 [KONGOU'S ACTIONS]

 

 

 ・

 

  ~~

 

  ――

 

 

 

 [TENRYU'S ACTIONS]

 

 

 ・

 

  ~~

 

  ――

 

 

 

 

 

[CHARACTER]

 

 

 

 

 [Dante] {IMG20250}

 

 ~ダンテ~

 

 かつて、魔帝ムンドゥスを封印した、伝説の魔剣士 スパーダ の実子である。

 そして彼自身もまた過去に、復活を遂げようとしていた魔帝ムンドゥスを

 封印するために魔界に赴き、父と同様にその偉業を成した。

 人間と悪魔の間に生まれた希少な存在である、彼のその剣技と銃技を

 駆使した戦いの様は、既に父 スパーダ を超えている。(*DMC4時より経過)

 まさに生ける伝説の存在と化した、最強のデビルハンター。

 

 

 “”

 

 

 

 [Fubuki] -p

 

 ~吹雪~

 

 特型駆逐艦姉妹の一番艦。

 

 

 “それはみんなの無念と想い……同時に希望であって、願いでもあったんだ……。

  だから、私はもう負けられない。 誰も沈ませたりなんかしない……!

  お願い、ケルビ! 力を貸して!!”

 

 

 

 [Kongou] -p

 

 ~金剛~

 

 建造技術導入を兼ねて英国ヴィッカース社で建造された超弩級戦艦。

 

 

 “We shall never Surrender!!

  どんなになっても……私達は絶対に諦めないネ!!”

 

 

 

 [Tenryu] -p

 

 ~天龍~

 

 日本帝国海軍に属した水雷戦隊の旗艦を目指して作られた軽巡洋艦。

 

 

 “ハッ! ウチの大将が出るまでもねぇなァ!

  全部、コイツで弾いてやるぜ! いつでも撃ってきなッ!!”

 

 

 

 [Haruna] -p

 

 ~榛名~

 

 高速戦艦四姉妹で最期まで、戦い抜いた三番艦。

 

 

 “たとえそれでも……やっぱり姉妹全員がいいんです……。

  だから、榛名はもう惑わされません……!!”

 

 

 

 

 

 

 

[TIPS DATA]

 

 

 

 

 

Tips: W島攻略作戦

 

 

 

 

先日の敵棲地の発見と殲滅により、近在の深海棲艦の拠点が一掃された。

これにより、近々、大規模反抗作戦が発令される見通しとなった。

 

 

 

本作戦は、その試金石ともなる作戦である。

 

 

目標、W島。

この島を守備している敵・水雷戦隊を夜戦による奇襲で殲滅することが

本作戦における達成条件である。

 

基本の作戦は、第三水雷戦隊が囮となり、敵を引きつけて転進。

後方に控えた、第四水雷戦隊が展開している海域まで誘導し、二隊で挟撃する。

 

 

 

W島を攻略できれば、哨戒線を押し上げ、さらなる作戦展開が可能となる。

 

 

 

 

 

 

Tips: 現存敵性体 "悪魔の力"を獲得した、敵・深海棲艦

 

 

 

 

いかなる経緯があったのかは不明だが、

敵、深海棲艦はデビルコア(S・M・L)を手に入れたことにより、

"悪魔の力"を獲得しているようである。

*雑魚艦はS、中級艦はM、ボス級艦はLを所持している場合が多い。

 

 

現在、深海棲艦は獲得しているデビルコアに応じた、"悪魔の障壁"を有している。

さらにM以降のデビルコアを持つ深海棲艦はそれぞれ、

そのデビルコアに宿る悪魔の力の特性と魂によって、

それに由来する能力と武装をも有している場合がある。

 

 

 

基本的に、"悪魔の障壁"を有する現存の深海棲艦に対し、

既存の艤装による攻撃ではあまり効果がない。

また逆に、ダンテ曰く、深海棲艦本体に対しては魔装の攻撃は通用しにくいらしい。

 

 

よって、現存の深海棲艦に対する基本戦法としては同じ"悪魔の力"を以って、

敵艦の"悪魔の障壁"を破壊し、

その後、艤装による攻撃で本体を叩くという方法が望まれる。

 

 

 

 

 

 

Tips: 魔装、艤装、魔艤装、???????

 

 

 

 

魔装

…悪魔の力を獲得した、深海棲艦が展開している"悪魔の障壁"を

 破壊することができる兵装。

 基本的に、深海棲艦本体に対してはあまり通用しない。

 しかし、雑魚級の敵艦程度なら、ゴリ押せば倒すことができる。

 

 例)リベリオン、三氷棍ケルベロス etc...

 

 

艤装

…艦娘が装備する兵装。

(*オリジナル(?)設定 当ssではもう艦娘の既存装備品を一纏めにした総称とします)

 "悪魔の障壁"を展開している敵艦でも、それが雑魚級艦(S石所持者)であるならば、

 素のままでも撃沈させることが出来るときもあるが、そうでない場合もある。

 また、相手が中級艦以上(M石以上所持者)であるときも別である。

 

 例)12.7cm連装砲(標準的既存弾薬)、7.7mm機銃(標準的既存弾薬) etc...

 

 

魔艤装

…艤装や標準的既存弾薬に、デビルコアを組み込むことで誕生した兵装。

 魔装と艤装の両方の特性・特質を有しており、

 現状、"悪魔の力"と"障壁"を有する敵・深海棲艦に対し、最大の殲滅効率を誇る。

 

 例)天龍の後檣刀・水魔、デビルコアSを組み込んだ新弾薬・銃弾 etc...

   *S石を組み込んでできた新弾薬・銃弾の場合は、その物量や構造上の問題から、

    ある程度の段階で性能限界が存在する。

 

 

 

???????

…No Data

 

 

 

 

 

 

Tips: W島攻略作戦の裏側

 

 

 

 

W島に巣食う深海棲艦への夜戦作戦が失敗したことで突如、戦闘は始まった。

 

 

事前に予測されていた、第二艦隊の合流時間は大きく短縮されることになったが、

戦闘の火種を見た第二艦隊が駆け付けたことで、

第一・二波敵艦隊を共闘の末、撃破することができた。

 

その後、敵旗艦率いる第三波の敵艦隊との戦闘に流れ込む。

 

 

 

霧島の発言した「事前のブリーフィングで伝えられていた作戦行動時間」というのは

戦闘が開始されてからの約2時間ほどを指す。

 

これは作戦司令部より、

(だいたい予測されていた)敵艦数と経験則から算出された予測時間である。

 

 

 

 

 

 

Tips: 深海棲艦 | 艦娘

 

 

 

 

深海棲艦

…深海から突如として現れた謎の敵勢力。

 現状、制海権のほぼ全てがこの深海棲艦に握られている状況にある。

 深海棲艦は高等艦になるにつれて、外見が人間的になっていくという特徴があるが、

 全体的に見れば、やはりそれらは高等艦も含め、異形の様相を呈している。

 通常の兵器ではダメージを与えられない。

 

 

 ・突然現れた、謎を極める存在。人類に対し、明確な敵意を持つ。

 ・高等艦であるほど、人間的な外見の者が多い。

  しかし、やはり異形の者である。

 ・通常兵器は通用せず、撃滅するためには、艦娘の艤装による攻撃や、

  妖精さんの力を借りる必要がある。

 

 ・現在は悪魔の力の獲得により、特殊な"障壁"と"兵装"を有する。

 

 

 

艦娘

…深海棲艦の登場とほぼ同時期に現れた、

 在りし日の戦舟の魂を持つ娘たち、それが艦娘である。

 ほぼ全ての者がうら若き乙女たちであり、外見年齢で10~20代、

 飛んで30代といったところ。

 見た目もその精神も、普通の人間の女性のそれと変わりないように見えるが、

 "艤装"と呼ばれる兵装を装備することで、

 かつては深海棲艦に対抗しうる力を行使していた。

 深海棲艦に攻撃に対して、少しばかりではあるが、ある程度の抵抗力を持つ。

 

 

 ・深海棲艦の登場とほぼ同時期に出現した、

  在りし日の戦舟の魂を持つ、うら若き乙女たち。

 ・見た目、おおよそ30代くらいに見える艦娘も存在する。

 ・深海棲艦に攻撃に対し、少しばかりであれば抵抗力を持つ。

 

 ・現深海棲艦の所有する特殊-兵装・能力による攻撃は、

  艦娘には十分に通用することが現在、確認されている。

 

 

 

 

 

 

Tips: Devil Trigger (デビルトリガー) ~悪魔への引き金~

 

*以降ネタバレしまくり注意

 

 

 

 

魔具の魔力(悪魔の魂・記憶や精神・異質・心 *オリセ)を媒介として

悪魔の力を開放し、より強力な魔人の姿へと変化させる。

魔具の影響を大きく受け、その姿形と武器の特徴をより強化した性能に変化する。

 

 

*DMC4以降では、ダンテは全身へ送る魔力の供給が安定しており、

効率良く全身へ魔力が循環されているため、

魔具を変更しても魔人状態の姿は変化しない。

 

ネロ(DMC4)は閻魔刀を用いて(閻魔刀をトリガーとして)、魔人化しているため、

「閻魔刀の鞘と同化した左腕」など魔人バージルと共通点を持った、

青白い武人の姿をした魔力が具現化されたものが自身の背後に見える。

 

ルシア(DMC2)は元来、純粋な人造悪魔であるため、

魔具を介さないので変化しない。

 

 

 

 

・DMC4時点におけるダンテのデビルトリガー(DT)に関する個人的考察

 

 

 

ダンテは全身へ送る魔力の供給が安定しており、

効率良く全身へ魔力が循環されているため、

魔具を変更しても魔人状態の姿は変化しない。

魔人化をもう大分、使いこなしており、

この時点でDMC3時系列のバージル(19歳?)の魔人化よりも能力は上か。

(*ゲーム的性能の話は除く)

 

 

*バージルはDMC4SE・DMC3の両方の時系列において、

魔人状態の姿は装備中の魔具に依存した変化をしている。

*フォースエッジ単体にはトリガーとなれるだけの魔力がないため、

これを装備している間の魔人化は閻魔刀をトリガーとして行われている。

 

 

 

 

・当ssにおける、デビルトリガーの扱い・恩恵

 

 

 

Tips: 魔装、艤装、魔艤装、???????

 →???????

  = デビルトリガー

*オリジナルの詳細な恩恵や仕様などは、攻略やwikiを参照してください。

 

 

…このss内では、

 もう単純に段階を一段階上昇させることができるくらいのものとして扱う。

 *予定

 

 例) DT時 リベリオン (魔装) → 敵中級艦を十分に撃破可能。

 

 

 

 

 

 

Tips: Partial Devil Trigger (パーシャル・デビルトリガー) 

               ~部分的なデビルトリガー~

 

*以降すべてオリセ

 

 

 

 

体の任意の一部分だけを魔人化させる、DT技能の一つ。

当然のことながらフルDTと比べて、全体的な能力・性能は落ちている。

しかし、周囲への影響を抑えられるというメリットがある。あと目立ちにくい。

 

この見た目的な変化や性能の上下幅は、現時のダンテであれば精緻な制御が可能。

 

 

*この部分的なデビルトリガーについては、

DMC4小説 ~Deadly Fortune~ 上巻 もよければ参照されたし。

 

 

 

 

 

 

 



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