めっちゃ可愛いショタが行くハイスクールL×G (ロック大佐)
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旧校舎のあ、悪魔たん……
挨拶とQ&Aとプロローグと……


 どうも、皆様初めまして。ロック大佐です。
 ハールメンで投稿するのは初めてなので、生暖かい視線で見守っ(下し)てください。
 ちなみに主人公は少しギャグキャラ気質なので注意です。


 神は死んだ。ついでに猫も死んだ。オマケで国務大臣の毛根も死んだ。

 そして俺も死んだのだー!死因は謎。とにかく死んだ。

 死亡した、命を失った、お亡くなりになった、はずなんだけど……。

 

兵藤母

「イッセー!そろそろ起きなさい!」

イッセー

「わかってるってば!」

兵藤母

「一麻も早く起きなさい、今日から二年生になるんだからね!」

 

 現世よ、私は帰ってきた!

 実際は現世……つまり三次元じゃなくて二次元世界にいるわけだけど。

 何故俺がここにいるのかよくわからん。これが初見殺しってやつか?

 本当に……何故俺は皆の憧れる二次元(ハイスクールD×D)の世界にいるんだろうか?しかも何故か主人公と家族やし。

 さっき扉を少し開けて覗いてみたらイッセーのお母さんっぽい人もいたし……とりあえず自分の部屋から出よう。

 ……ちらりと部屋の扉を見ると『兵藤(ひょうどう)一麻(かずま)の部屋』と書かれていた。ご丁重にルビまで振られてますわ。

 そうかそうか、俺はそういう名前なんだな。さっきイッセーの母っぽい人が呼んでたのが俺の名前かな?となんとなく思ってたから驚きはないです。

 そして違和感もあんまりない。まあ前世の記憶が曖昧だからかもしれないけど。

 そう、前世の自分の名前が思い出せない。前世の親の顔が思い出せない。

 でも死んだことは覚えてる。死因はわからずじまいだけど。

 

一麻

「とりあえず、変な所はないかを確認しに行くか……」

 

 とにかく寝起きなので顔を洗おう。そう思って洗面台に行く……なんで洗面台の場所がわかったんだ?俺。

 洗面台に向かっている最中に都合良く姿見鏡(縦長のあれ)があったので自分の姿を覗いてみる。そして驚いた。

 ショタだ!どこからどう見てもショタだ!超絶めちゃんこ可愛いショタがおるぞ!やっべ涎垂れそう。というかちっちゃい!身長が低いっすね!?だがそれがいい。

 口元を拭う仕草をすると鏡の中のショタも同じ動作をする。やっぱりショタ=俺なのね。

 目つきとか口元とかがかなりいやらしい感じになってるけど女を知ったショタって感じでエロいな。

 そうだ、せっかくめっちゃ可愛いショタになれたんだからあれをやってみるか。

 そう思って姿勢と表情を正常にすると如何にも無垢で純粋そうなショタっ子が現れた。

 よし、この可愛さならいける。絶対いけるって。というわけでせーの!

 

一麻

「お兄ちゃん、いつもお疲れ様!はい、ご褒美のなでなでー♪えへへ!」

 

 ……うん、今晩のおかずは決定ですね。俺はショタだって可愛ければ食っちまう人間だぜ?今は俺自身がショタになってるけどね。

 しかし俺ってかなり演技が上手いな。新特技、ゲットだぜ!まあ元からゲットしてた可能性もあるけど……でも記憶を失ってるっぽいからゲットしてないも同然っしょ。(適当)

 そんなことを考えていたら突然後ろからビタァァァン!という音がなった。

 何事!?と思って後ろを見てみるとそこには……。

 

兵藤父

「ふぇへへへへ……ショタっ子万歳……」

兵藤母

「………………(ゴミを見るような目)」

 

 鼻血を出しながらうつ伏せに倒れている兵藤父であろう男性。

 そしてその男性をとても冷たい眼差しで見つめている兵藤母であろう女性がいた。

 特に兵藤母の目の冷たさがヤバイ。コカビエルがまだコキュートスに行ってないどころか登場すらまだなのに凍り付きそうなぐらいヤヴァイ。

 とにかく兵藤父はせっかくの初登場にも関わらず、即退場となるのは徹底的に明らか。

 俺にできるのは祈ることだけだ。安らかに眠れ、父よ……アーメン。

 

 

 

 

~そんなこんなで数十分後~

 

 

 

 

 朝食を食べていると、両親の私室からやつれた父とツヤツヤな母の姿が!

 父がやつれるのはわかる。でもなんで母がツヤツヤしてるんですかね?(すっとぼけ)

 一体この数十分の間にナニが行われていたのか……。

 しかし、それを気にしている場合ではない。

 何故なら意味深な両親よりも不可解な存在が目の前にいるからだ。

 

イッセー

「はむはむ、むしゃむしゃ……」

 

 そう、我らがハーレム王の兵藤(ひょうどう)一誠(いっせい)。主人公様である。

 原作よりも食い意地が張ってるような気もするが、気にする点はそこじゃない。

 

一麻

「もしもし、イッセーさんですか?」

イッセー

「むぐむぐ、ゴクンッどうした?」

一麻

「突然ですか質問です。貴方は僕ちゃんに何て呼ばれたいですか?」

イッセー

「そうだな……やっぱり()()()()()、かな?」

 

 皆さん、聞きました?お兄ちゃんではなくお姉ちゃんと呼んでほしいそうだ。

 勘の良い皆様ならおわかりいただけたと思われるが、一応説明しておく。

 そう、この世界の一誠は()()である。これは嘘偽りのない真実である。

 まさかあのエロの化身でありハーレム王でもある一誠が女体化(TS)状態になるとは……いや、確か二次創作では少し見かけたような気がするし、実は意外ではないのか?

 というかどうでもいいことだけ前世の記憶が消えてないんだな、なんでやねん。

 

イッセー

「しかし突然どうしたんだ?もしかして遂に俺を受け入れる気になったか!?」

一麻

「なんのこと?」

イッセー

「とぼけちゃってぇ……俺がお前を愛しているのは知ってるだろ?」

一麻

「僕はそんなの知らないよう?」

イッセー

「ならその身体に教えてやるからちょっとお姉さんの部屋にイこうぜ?」

一麻

「一人で逝ってこい」

イッセー

「甘え声ショタからの毒舌ショタ……ハアハア」

 

 しかもこのイッセー、原作以上に変態である。

 どうしてこうなってるんだろう……もしかして異性の姉弟がいるせいなのかな。

 これじゃライザーのことを強く言えなくなってしまっているんだが……大丈夫か?

 まあ、何とかなるだろうからへーきへーき。(楽観視)

 

イッセー

「ハアハア……ハッ!?やっべぇ!このままだと遅刻しちまう!!」

一麻

「マジで!?急がないと!初日で遅刻なんて伝説ものだよ!?」

 

 時間はへーきじゃなかった。

 遅刻するかもしれない時間に登校開始ってある意味王道だよね。

 実際やる側からしたら大変だけど。

 

一麻

「ところで、学園の名前ってなんて言ったっけ?」

イッセー

「駒王学園だ!急ぐぞ!」

 

 やっぱり駒王学園かー……違ってたら逆に驚いたよ。

 やばいね、このままだとイッセーがトラウマを植えつけられてしまう。

 いや、駒王学園に入学しなくても狙われるかも知れへんけど。

 それはさておき、イッセーがTSしたということは多分レイナーレもTSしてると思うんだ。

 つまり何が言いたいかっていうと……。

 「彼氏ができたよ!やったねイッセー!」→「彼氏に殺された」→「男怖い超怖い近寄りたくない」→「男の中でも弟は唯一の癒し」→「結婚しよ」→「弟が思いに応えてくれない」→「もう弟以外の男なんて考えられないのに」→「そうだ、弟を殺して永遠に俺のものに」→「念願の弟を手に入れたぞ!」→「大爆笑!」→「大金持ち!」→「END」

 ……なんてことになりかねない。冗談抜きでやばい。

 今のイッセーの性格を考えるとマジで弟殺害ルートに突入しかねない。やばい。

 せっかく死んだと思ったら生きてたんだからまた死ぬなんて御免だ。

 ……いや、待てよ?確か原作では同級生に松田と元浜という男の友達がいたはずだ。

 こいつらにケアしてもらえばいいんじゃね?最悪の場合には彼氏(犠牲)になってもらう形で。

 あの二人は確か性犯罪者予備軍レベルの変態だが悪人では一応なかったはず。

 よっしゃあ!これで問題は大解決だぜ!これで今夜は、安心して熟睡できるようになったな……。

 

イッセー

「……突然嬉しそうになったな、どうした?」

一麻

「ん?いや、新しい友達ができるかなって♪」

イッセー

「ぐはぁ!可愛いぜ……」

 

 イッセー……もとい姉さんがショタ萌えの犠牲になったが無視☆

 松田!元浜!姉ちゃんを彼女にするなら早い者勝ちだぞ!

 はーっはっはっはっはっはっは!

 

 

 

 

~教室~

 

 

 

 

 バカヤロー!!松田ぁぁ!何故女体化してるぅ!?ふざけるなぁぁぁぁ!!

 完全に予想外だぜ。まさか元浜くんも女体化してるなんて、何気に眼鏡っ子じゃん。

 早速変態四天王なんて呼ばれてるし……四天王?あれ、三人組じゃないの?

 ……ああ、俺も混じってるのか。俺は変態じゃなくて変態紳士なんだけどね。

 ちなみに好物は下着である。そういう意味ではおっぱいもケツも好きだ。

 それはさておき、ここへくる途中でリアス先輩にクリソツな女性を発見した。

 主人公でさえTSの餌食となってるのにTSしてないなんて……メインヒロインだからかな。

 なにこれ、俺はエロゲの主人公か何か?お姉ちゃんの代わりにハーレム築けと?

 無理、俺は悪魔になる気はないし。だとすると異種族間での子作りになっちゃうよ。

 そうしたら問題発生か~ら~の~?面倒くさい祭り開催なのは目に見えてる。

 これは人外達となるべく接点は持たないようにしないと……。

 

イッセー

「綺麗な女性だったな……お近付きになりたいぜ!」

一麻

「百合ホモなの?」

イッセー

「安心しろ、心は弟一筋だからな!」

一麻

「わあ、嬉しいよお姉ちゃん!」

イッセー

「ブーーッ!は、鼻血が……!!」

 

 姉上は犠牲になったのだ、僕ちんの悪戯心の犠牲にな。

 でも主人公が仲良くしたいってのはちっと問題かも?主人公っていえば主人公補正であらゆる望みが叶っちゃう場合が多いし。小さい望みは叶わないことが多いけど。

 友人付き合い程度なら大丈夫やろか?でもそこまで接近したら神器に気付きそうやな……。

 俺は授業中もそんなことばかり考えていた。こればっかりは自分の人生に関わる大事なことだから見逃してほしいよ。

 なお、怒られたもよう。周りの女子はぼーっとしてる一麻くん可愛い♡とか言ってたけどね。

 このショタコンどもめ!純粋無垢で甘えん坊なショタの演技をして萌え殺してくれようか!

 そんな考えが浮かんだ瞬間と授業時間が終わるのは同時だった。

 

一麻

「ぬわあああああ疲れたもおおおおおおおおん!!」

 

 そう叫んだ瞬間、松田と元浜がガタッと立ち上がった。

 シットダウン!いくら美少女化したからって攻略する気はない!

 

松田

「あー暇だなー誰か背負ってあげたいなー(チラ見)」

元浜

「王子様抱っこで家まで送るからさ、お尻を触らせてくれないか?」

一麻

「喜んで……なんて言うとでも思ってるんですかね?このセクハラ猿」

 

 女の子だからって男の子にセクハラしていい理由にはならんよな。

 てなわけで上げてから落とすように罵倒してさしあげると涙を流して喜んでた。

 その様子が気持ち悪いので周りにいる女子生徒の皆さんに成敗に協力してもらおう。

 

一麻

「この変態二人を成敗してくれたら好きな呼び方で呼んであげちゃうよ☆」

松田&元浜

「ちょ、おま……」

 

 哀れ、ショタからのお姉様呼びの為にリンチにされましたとさ。やったぜ。

 うふふ……え?このサドがって?僕はどっちかっていうとマゾです。でもサドもいけるよ。

 さて、変態ショタコン娘を楽に成敗できたとはいえ、参加者全員にお姉様呼びするのは流石に骨が折れました。

 ショタコンがこんなにも多いとは知らなかったよ……自分で自分が怖いわぁ。

 ちなみに姉さんは参加してなかった。きっと次はないってやつだろう……多分。

 

イッセー

「さて、そろそろ帰るか?一麻」

一麻

「さり気なく変態二人はいなかったことにしたね?というわけで帰ろうそうしよう」

 

 俺は姉さんと手を繋いで教室を出た。そしてそのまま進み、上履きをしまって運動靴を履いてから校門を抜けて帰った。

 ぶっちゃけ、ここまで細かく書かなくてもいい気がするけどね。

 帰り道を歩いている最中に僕はイッセーの横顔を見つめる。

 

一麻

「………………」

イッセー

「ん?どうしたんだ?」

 

 やっぱり美人だよなぁ……まあ原作の方も外見は良かったからね。

 そりゃ女体化したら美少女になるでしょうな。でもいずれは堕天使に殺されるんだよな……。

 それは漫画だからこそ平然としていられた。でも今の俺にとっては現実だ。

 だから、イッセーが殺されないように俺が殺しておく!

 ……間違えた、殺されないように努力してみますかねっと。

 ふぅ、ついシリアスへの拒否反応が出ちゃったよ。失敗失敗☆

 俺はシリアスよりもギャグの方が好きだからなぁ……。

 

一麻

「……イッセー姉ちゃん」

イッセー

「なにその呼び方いいなそれ!」

一麻

「……彼氏ができたら教えてね?」

イッセー

「なにぃ!?そ、それはお姉ちゃんをどこぞの男なんかに取られたくないということか!?」

一麻

「そうとも言う……かもしれない」

イッセー

「やだ、今日の一麻めっちゃ素直で可愛いじゃんか!後でなでなでさせてくれよな!」

一麻

「あんまり調子に乗ってると潰しちゃうぞ♡」

イッセー

「何を!?」

 

 さーて、ショタちゃん頑張っちゃうぞー!

 ……真面目にやるとは一言も言ってないけどな!




 これはプロローグに過ぎない……つまり次回からは主人公も遠慮なしではっちゃける……ということ……!!
 というわけで、こんな小説でよろしければ、どうぞご愛読くださいませ。

 以下、Q&Aのコーナー(一部軽いネタバレ注意)

Q:原作はどこまで知ってるの?
A:漫画とアニメと二次創作しか知りません。

Q:ストーリーはどこまで予定してる?
A:今のところディオドラ編まではやりたい。

Q:主人公は悪魔になるの?それとも天使になるの?
A:なるかどうかは未定ですが、主人公はなりたくないようです。

Q:主人公はどれくらい強くなるの?
A:少なくとも肉体的には最弱を貫きます。

Q:主人公の神器は出すの?
A:出します。そして能力も既に決まってます。

Q:主人公の身長ってどれくらい?
A:小猫以上アーシア未満。

Q:主人公ってどのくらい可愛いの?
A:相手がレズだろうと何であろうとショタコンに目覚めさせるぐらい。

Q:原作キャラの死はありますか?
A:ほぼないですが、原作で死んだキャラなどに例外がいるかもしれません。

Q:ヒロインは決まってるの?
A:女性キャラと男の娘キャラ全員かな。(笑)

Q:松田と元浜はヒロインなの?
A:サブヒロインじゃないかな?ノリで出したのでまだ未定です。

Q:女性キャラのTS、つまり男体化はありますか?
A:ありません。

Q:主人公が真面目になる時ってあるの?
A:ほぼありません。ふざけることに命を賭けます。

Q:シリアスは?
A:粉砕するもの。

Q:ギャグは?
A:作り出すもの。

Q:主人公女子に人気っすね。
A:最初は恥ずかしがっていたようですが、今は開き直ってるみたいです。

Q:あのキャラを女体化してヒロインの一員にして!
A:要検証。男の娘になる可能性がありますが、それでもよろしいですか?

Q:あのキャラを男の娘化してヒロインの一員にして!
A:要検証。ただの女体化に収まる可能性があるが、それでもよろしいか?

Q:主人公は俺の婿。
A:イッセー「一麻が欲しければ、俺を倒してからにするんだな!」


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そろそろ原作が始まるそうですよ?

 お待たせしました。第二話です。
 このまま一週間に一回ペースで書けたらいいなぁ……。

 お気に入り数10件突破!初投稿にしては多い……のかな?
 何はともあれ、ありがとうございます!


女子生徒

「ねえ、一麻くん」

一麻

「ん、どうしたの?僕に何か用事?」

 

 返事をすると話しかけてきた女子がガッツポーズをしている姿が見えた。

 何故話かけただけでガッツポーズをするのか?それは僕が今日はぶりっ子の日だからである。

 どうやら一年生の時は子供状態か毒舌状態かが日によって変わってたらしい。記憶はないけど。

 でもなんでそんなことをしたのかはわかる。面白そうだからだな!(確信)

 自然体に振舞っても周りに違和感を与えてないことから、この世界の元々の僕が前世の記憶を持つ俺と同じだったことは何となくわかる。

 そして俺がわざわざぶりっ子モードになる理由……それは面白そうだからに決まっている。

 というわけで今日はぶりっ子モードできてみました!

 ねえ、僕のことどう思う?僕はね、お姉ちゃんのこと好きだよ!ケケケッ!(小悪魔)

 ……なんだかただの性格が悪い人みたいになってる気がする。フリードくんみたいな?

 ぷるぷる、僕は悪い人間じゃないよ。

 

松田

「……なあ、一麻くん」

一麻

「なーに?松田くん」

松田

「俺のことを……一度でいいから松田お姉ちゃんと呼んではくれないか!?」

元浜

「な!貴様、抜け駆けするの禁止ぃ!!」

松田

「一麻みたいな弟が欲しいと何度思ったことか!今がチャンスなんだ、邪魔はさせんぞ元浜!」

 

 ……冷静になって客観視してみると前回も含めてメロメロになりすぎじゃね?

 これじゃあまるでサキュバスならぬインキュバスの魅了(チャーム)ですね……強力スギィ!!

 そういえばレイナーレ……夕麻ちゃんはいつ接触してくるんだろう。確か二年生になってからだったはずだけど。

 正確な時期なんて知らないし、かといって姉をずっと監視するわけにもいかない。

 そんなことをすればストーカーになっちゃうからねぇ。

 

イッセー

「今、一麻が嬉しいことを考えてたような気がする!」

一麻

「気のせいじゃない?」

イッセー

「そっか……(´・ω・`)」

 

 いっそのこと俺を狙いにきてくれたら一発でわかるのに。できれば転生はしたくないけど。

 俺は人間を超越する気はないです。人間として生きたいのだ!

 まあ不老長寿は魅力的だけどにゃー。でもやっぱやだ。

 

一麻

「メリットだけならいいんだけど、デメリットがねぇ……はふぅ」

 

 ところで、俺に神器は宿っているのだろうか?

 原作で誰かが宿っていない人もいるって言ってたような気がするし……。

 どうせならシリアスをギャグに変える能力を持った神器が欲しいです。

 ……まあ、そんな神器なんてないんだろうけどね。

 

一麻

「もしそんな神器があったら即封印ものですね」

イッセー

「ん?なんか言ったか?」

一麻

「別に何も言ってないよー?」

 

 そんなこんなで学校が終わって帰宅することになった。一人で。

 姉様はどうやら女友達と熱い語り合いをしてくるらしい。ナニを語るというのかね?

 それはともかく、まさか同姓の友人がいるのに襲い掛かるとかしないよな?

 面倒くさいから友人ごと殺そうぜ!みたいな?

 登場人物の多くが脳筋族だから心配だ……特に主人公陣営と敵陣営。

 姉さんの無事と一緒に女友達が巻き込まれないことを祈ろう。

 ……そういえばよくよく考えてみたらイッセー姉貴に赤龍帝の篭手が宿ってるとは限らないよね。

 もしかしたら弟である俺の方に宿ってる可能性があるわけで……もしそうだったらどうしよう?

 

 

 

 

~翌朝~

 

 

 

 

リアス

「あら?もしかしてイッセーの弟くん?可愛いわね(野獣の眼光)」

イッセー

「一麻!?いや、これはだな!決していやらしいことをしていたんじゃないんだ!」

 

 ……お姉ちゃんよ、言い訳する前にまずは裸体を隠そうか。目の保養になるけど。

 リアス先輩のことは知らん。この人は裸体を見られても恥らうどころかそれを武器にしてからかったりやる気アップを狙ったりする性格だし。

 つまり全裸であることを指摘しても意味なさそうだから一切触れないよ。

 いや、違う!考えるべきことはそこじゃない!落ち着け、僕。とりあえず情報を整理しよう。

 えっと、母さんにイッセーを起こしてって頼まれたからイッセーの部屋に行ったら全裸の紅髪ロングの女性と我が姉上がベッドの上でにゃんにゃんしてましたとさ。

 どう考えてもイッセーは既に悪魔になってます、本当にありがとうございました。

 くそぅ、一誠悪魔化は予測可能回避不可能だったの?どうあがいても無理だったのか?

 ……どこからか大正解!と聞こえたような気がした。ちくしょう。

 これでイッセーヤンデレブラコンルート確定ですね。もうだめだぁ……おしまいだぁ……。

 過ぎてしまったことは仕方ないので、どうやったら命を守りきることができるかを考えていると、突然俺の後ろのドアが勢いよく開いた。

 

兵藤母

「イッセー!一麻がまだ戻ってこないけど、まさかまた強引に犯そうとしてるんじゃ……」

一麻

「あ……(察し)」

イッセー

「やべ!」

リアス

「……あ、おはようございます」

兵藤母

「…………ナイ、デ……ショウネ?」

 

 そう言い切ると母さんはドアをゆっくりと閉めた。ドタドタっと走っていく音がしたのは気のせいではないだろう。めっちゃうるさかったし。

 何か「3P」とか「一麻の貞操が本気でやばい」とか「イッセーが同性愛に完全に目覚めた」とか聞こえてくるけど、大丈夫かね?

 

イッセー

「………………」

一麻

「姉さん、まずは下着だけでも付けようよ?」

イッセー

「はい……」

 

 その後、すぐに一緒に寝てた理由を詳しくを聞……こうとしたらリアスさんに止められた。

 いや、確かに自分は堕天使と会ったわけではないから色々話せないこともあるんだろうけど。

 これでもうリーアたんとは接点がなくなる……そう考えていた時期が俺にもありました。

 なんでもオカルト研究部にて詳しい説明をするから待て、だそうだ。

 堕天使と遭遇してないはずの僕にも教えてくれるのか……。(困惑)

 やっぱり一誠姉ちゃんと一緒に呼ばれることになるんだろうか?

 もしそうなら俺もオカ研の皆に悪魔として歓迎されちゃうんだろうか?

 疑問は尽きぬまま、俺は姉さんとリアス先輩と一緒にリビングへと急いだ。

 どうせ疑問は後で解決するだろうし、今は遅刻しないことの方が大事や。

 そういうわけで両親には適当な言い訳をして学園へと向かった。

 ……そういえば学園って寮生活なイメージがあるけど駒王学園には寮ってないのかね?

 

 

 

 

~駒王学園にて~

 

 

 

 

木場

「一誠くん、一麻くん、リアス先輩の使いできたよ」

一麻

「あなただぁれ?」

木場

「僕かい?僕は木場(きば)祐美(ゆうみ)。詳しい自己紹介は後でね?」

 

 ……うん、なんとなく予想してたけど、やっぱりお前もか!

 でも髪型はロングでボンキュッボンとかもう誰だお前状態じゃん。

 原作にて爽やかでイケメンでホモ疑惑のある彼なら爽やかイケメン系つるぺたスレンダー女子になると思ってたのに。

 でもよく考えると木場くんが女体化しててよかったかもしれない。

 イケメンがショタを連れて行くとか腐女子が喜んじゃうやばいやばい。

 

木場

「それじゃあ、僕の後を付いてきてほしい」

一麻

「アッハイ」

イッセー

「………………」

 

 こうして僕達は木場くん……もとい、木場ちゃんにホイホイと付いて逝っちゃったのですた♡

 こういうのを両手に花っていうのかな……いや、両手に悪魔の間違いだな。

 

一麻

「ところでイッセー姉さん、何故に木場ちゃんを睨んでるんです?」

イッセー

「いや、何かあいつを見てるとムカムカしてくるんだ……」

 

 イッセーが木場を嫌うのは最早本能レベルなのかー?

 それほどまでにイケメンが、木場くんが憎いのか……。

 

イッセー

「ちなみに一麻を見てるとムラムラするぜ」

一麻

「無駄無駄ラッシュを叩き込まれたいです?」

イッセー

「是非お願いします!ショタの連続パンチハアハア」

一麻

「…………(無言の腹パン)」

イッセー

「ぐほぅ!?せめて、罵倒の、言葉を……」

 

 腹を押さえながら悶絶しつつもひょこひょこ付いてくる様は何とも言えぬ。

 というか普通は蹲っちゃってもおかしくないはずなのに付いてこれるのは俺が予想以上に非力だったのか、イッセーが既に悪魔だからかなのか……。

 そんな姉弟漫才をしていたらいつの間にか旧校舎、それもオカルト研究部の前にきていた。

 ……原作では気にしなかったけど、オカルトな存在がオカルトを研究するって意味がわからんぞ?いや、人間も人間の研究をするから実はおかしくなんてないのか?

 

木場

「部長、連れてきました」

リアス

「入って頂戴」

 

 このやり取りは原作と変わらんなぁ。多分。

 細かい部分で違うところがあるかもしれないけど。そこまで一々覚えてないし。

 木場ちゃんが扉をガララと開けたので遠慮なく進入する。

 

一麻

「お邪魔しまーす」

 

 挨拶は欠かさずに、ね。露骨な僕は侵入者じゃないよアピール。

 まず目に飛び込んできたのは床に書かれた魔法陣。

 これって何か意味があるのかね?人除け効果とか?

 考えてもわからないので一旦床の魔法陣は無視して周りを見渡す。

 するとソファには皆のマスコット、塔城(とうじょう)小猫(こねこ)ちゃんがいました。

 小猫ちゃんも性転換してないっぽいな……まさか男の娘というオチじゃないよね?

 何か水羊羹っぽいのを食べてる、美味そう。そして可愛い。(確信)

 

小猫

「むぐむぐ、もぐもぐ」

イッセー

「何この可愛い生き物、抱きしめたいぜ……一麻ほどじゃないけどな!」

一麻

「姉さん、それはちょっと失礼じゃない?」

イッセー

「だが事実だ!」

 

 いくらショタとはいえ、男の方が可愛いとか言ったら駄目っしょ。

 というかここのイッセーちゃんは小猫ちゃんのこと知らないん?

 あ、小猫ちゃんが投げたカップ(空っぽ)が姉さんの額に直撃した。

 小猫ちゃんのカップ投げ!一回当たった。効果は抜群だ!一誠は倒れた。

 カップがガシャーンと割れたのは見なかったことにする。

 時折ピクピクと動く倒れ伏したノックアウト姉貴は放置してもう一度小猫の方を見ると、なんと手招きしているではないか!……一瞬招き猫を連想したのは内緒だ。

 とりあえず手招きに従って小猫ちゃんに近付いた。

 

小猫

「……名前はなんですか?」

一麻

「兵藤一麻です。よろしく」

小猫

「塔城小猫、悪魔です」

 

 ……ちょっと待て。カミングアウトが早すぎる。

 原作一誠ならまたまた冗談をー♪とか流せるかも知れないが、自分はこれが嘘でも冗談でもないことを知っている。知ってしまっている。

 どうしろと?どう誤魔化せっていうの?適当に誤魔化すよ?

 

一麻

「つまり塔城ちゃんは小悪魔的な可愛さを持つの?」

小猫

「……小猫って呼んでください」

 

 そう言うと小猫ちゃんはそっぽを向く。その顔は少し赤い気がした。

 とりあえずこれで一応は誤魔化せた……かねぇ?自信はあまりない。

 ところで小猫ちゃんって超無表情クーデレキャラじゃなかったっけ?

 口を尖らせてそっぽを向いている顔の何処が無表情だよ?やばいマジ可愛い。

 こんな考えをしているのがバレたら殴られそうだなー。

 いや、流石にショタを殴るほど容赦ない性格ではないはず……。

 あ、そういえばギャスパーくんをニンニク片手に追い回してたな。

 発言に注意しないとハンマー片手に追い回されそうだ。

 

小猫

「……一つ食べますか?」

一麻

「え?あ、ありがとう小猫ちゃん!」

 

 物騒な思考をしていたら羊羹一切れ貰いました。せっかくなのでいただきまーす!

 こういう時はショタで良かったと心から思う……あ、予想以上に美味い。

 羊羹をむぐむぐと食べていると小猫ちゃんがこちらをガン見しているのを発見。

 気のせいか口元が若干緩んでいる気がする。見惚れているのかな?

 ロリの小猫ちゃんと言えどショタの可愛さ(食事中バージョン)に抗う術はないと申すか……!

 まあ小動物の食事風景は可愛いしね。仕方ないね。

 

イッセー

「カーテンに透けるリアス先輩の裸体が物凄くエロいっす!」

木場

「あはは……」

 

 あ、一誠姉さん復活してたのか。

 どうやらカーテンに透けるリーア部長の身体に興奮している様子。

 いや、確かにエロいけどもうちょい見ようとする行為を隠せ。

 バレバレ状態でガン見してるから木場ちゃんが苦笑いしてるやないけ。

 小猫ちゃんにガン見されているのに小猫ちゃんに気付かれずに見てる俺を見習え!

 ……バレてないよね?バレてたらせっかくの好感度が下がっちゃうと思うんだけど?

 

小猫

「……巨乳は死滅すればいいんです。貧乳はステータスで希少価値なんですから」

 

 バレテーラ。直接不潔だの変態だの言われたわけじゃないけど多分バレテータ。

 しかも恐ろしいことをボソボソと言ってますね、地味に怖いよ。

 そもそも貴方子供体型がコンプレックスだったはずじゃなかったっけ?

 開き直ったの?子供の武器を存分に利用するの?ロリコンキラーなの?

 是非その武器を俺に向けて欲しい。存分に甘えてくれ!

 それが駄目なら甘えさせてくださいお願いします。母性ロリ萌え。

 そんなことを考えていたらシャーッという音がした。どうやら風呂から上がったらしい。

 

リアス

「待たせたわね」

 

 今一瞬脳裏に伝説の傭兵がでしゃばってきたような気がした。

 まあ気のせいだろうから放置することにする。ついでにテンションが高い姉貴も無視。

 それよりも今は目の前のことに集中だ。リアス先輩と一緒に出てきた女王様がこちらを犯罪的な目で見ていたことなんて知らない。とにかく集中するんだ。

 

一麻

「いえいえー、女性なら常に自分を綺麗にしておきたいと思うのは当然だと思うからー」

リアス

「ええ、そうよ。女の子はいつでも自分を綺麗にしておきたい存在なの」

一麻

「……誰かさんの布団に全裸で潜り込むからいつ見られるかわからないもんねぇ?」

リアス

「……あら、純粋な子供同然かと思ったら、意外と黒い部分もあるのね?」

 

 俺の本性を曝け出すと少し驚いた様子の小猫ちゃんと木場ちゃんの姿が見えた。

 今のやり取りで俺という人間がどのような存在かは理解してくれたかな?

 時には純真無垢ショタ!アハハ☆時には腹黒毒舌ショタ!ふふふ♪それが僕だ!

 まあ、そこまで毒を吐き出すわけじゃないけどねー。

 

リアス

「ふふ、可愛いだけじゃなくて面白くもあるのね。貴方……ますます気に入ったわ」

一麻

「一麻って呼んでいいよ」

リアス

「なら一麻くんって呼ばせてもらうわ」

 

 やはりくん付けか、僕を呼ぶ人はほぼ全員がくんを付けたがるからなぁ。

 これもショタの外見だからかな?まあ俺は全然構わないんだけど。

 

イッセー

「じ、自分は兵藤一誠っす!」

リアス

「それじゃあイッセーって呼んでもいいかしら?」

イッセー

「勿論です!」

 

 凄く嬉しそうっすね。姉ちゃん。

 まあ全裸添い寝事件が起きる前から憧れてたっぽいから仕方ないのかな?

 流石リアス先輩。女の子にも大人気やねぇ。

 本人は百合に興味があるのかわからないけど、ありそうなイメージ。

 どうせもう原作の流れからは逃げられないだろうし、とことん仲良くなってしまえー!

 まあ、そこまで必死に逃れようとしてたわけじゃないけどなー。

 

木場

「じゃあ僕達も自己紹介しなくちゃね、悪魔の木場祐美です!よろしく!」

小猫

「……塔城小猫、悪魔です。よろしく」

朱乃

姫島(ひめじま)朱乃(あけの)と申します。こう見えても悪魔ですわ。オカルト研究部の副部長をやっています」

リアス

「改めまして、リアス・グレモリーよ……彼らの主であり、爵位は公爵なの」

 

 さてと、遂に始まってしまった原作。人間をやめたくないどころか、神器を持ってるかさえ不明な俺は、人間として生きることはできるのか?この先生き残ることができるのか!?

 いや、きっと生き残ってみせる!俺達の戦いはまだ始まってすらいないのだから!

 ご愛読ありがとうございました!先生の次回作にご期待ください!

 ……冗談です。まだまだ終わらないぞー!




 主人公の喋り方や呼び方がコロコロ変わったりするのは仕様です。
 それと松田と元浜の出番は当分なくなりそう。哀れ。


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衝撃の新事実

 今回は予想以上に早く書けたので早めの投稿です。
 こら!早漏って言うな!

 それと今回は執筆中小説から投稿するというのを初めてやってみました。
 不安だ~。少し緊張してまいりました。


一麻

「姉さん……」

イッセー

「ん?どうしたんだ?」

一麻

「あのね?姉さんのあれをもう一度見せて欲しいな……」

イッセー

「一麻の頼みならしょうがないな、でもまだ慣れてないから上手く出せるかわからないぞ?」

 

 そう言うとイッセーはあれを出した。なんだ、上手く出せてるじゃんか。

 ちゃんと出せたことを確認すると、僕にそれを見せてくる。

 しかもご丁重に自分に見えやすいように突き出して、だ。

 その心遣いに感謝感謝。

 

一麻

「さっき見たばかりだけど、やっぱり綺麗だね」

イッセー

「……そこまでガン見されると恥ずかしくなってくるぞ?」

 

 そう言われても俺だって見るのは初めて……いや、二回目なんだ。

 恐らく俺以外の人も実物を見たら興奮してしまうだろう。

 つまりじっくりと見続けてしまうのは当然ということだ。

 というか恥ずかしそうにしないでよ。こっちまで変な気分になるじゃん。

 ただでさえ美人なんだし……まあ、残念美人ってやつなんだけどね。

 

リアス

「もう、一麻くんったら。そんなに気に入ったの?」

一麻

「だって初めて見るんだもん」

イッセー

「俺も初めて見るし、確かに綺麗でかっこいいよな……赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)っていう神器は」

 

 ……イッセーのエロい身体でも見せてもらってると思った?

 残念、ブーステッド・ギアを見せてもらってるだけでした!

 アニメも良かったけど、実物はもっといいもんだ。

 やっぱりかっこいいよね。でも白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)もかっこいい。

 どっちかっていうと一誠には悪いけど白龍皇の方が好みです。

 あの青白い翼がかっこいいんだよなぁ……。

 早くヴァーリくん登場しないかな。今度じっくり見せて欲しい。

 まあ、赤龍帝の方は篭手だから身を守るのに便利だけども。

 更に言うと汎用性は赤龍帝の篭手の方が高いよね。

 白龍皇の光翼は使用者が強くないとあまり使えないし……。

 

イッセー

「今、白い色をこの世から滅したくなったような?」

一麻

「気のせいでしょう」

イッセー

「そっか……ところで、赤色は好きか?」

一麻

「うん、大好きSA☆(一番好きとは言ってない)」

イッセー

「はっはっは、そうか!(ご満悦)」

小猫

「私は白と黒が好きです(小声)」

 

 ちなみに一番好きな色は俺の目と髪の色と同じ黒です。

 男と言ったらやっぱり黒でしょ!女性の髪型は黒髪ロングこそ王道ってよく言うし。(力説)

 ……そういえば堕天使も黒いな。主に翼が黒いけど、髪の毛も黒い人が多かった気がする。

 そうそう、堕天使と言えばさっき部長達に悪魔として名乗られた後に説明を聞きました。

 なんと夕麻ちゃん……もとい、レイナーレは女性のままであったらしい。

 凄く意外だ……いや、そもそもリアス部長がTSしてなかった時点で予測しておくんだったね。

 まさかレイナーレが女性のままとは……しかも恋人ではなく友人として接するなんて……。

 くそぅ、レイナーレは恋人として近付いてくるという固定観念に捕らわれていたぜ。

 それはそうと、一体どうやってあの公園に呼び寄せたんだろう?まあイッセーのことだし、おっぱいにホイホイと釣られててもおかしくないよなぁ。

 女体化してもおっぱいに釣られる様はまごうことなき変態。まあただの予測だけど。

 でもあのエロ姉さんなら普通にありえそうで困る。教室でおっぱいとか叫んでるし。

 女性になっても変態は変態のままか……勉強になりました。

 とにかく、レイナーレは女性。つまりイッセーは男性に対してトラウマを持たない。

 つまり俺のBADENDフラグは折られたというわけである!やったぜ。

 ちなみにそういう話をリアス部長から聞いた時に。

 

イッセー

「お姉ちゃん怖かったんだぞー!慰めてくれ~」

一麻

「よーしよしよしよしよしよ(ry」

 

 という感じのやり取りがありましたとさ。もちろんちゃんと慰めました。

 慰め行為は大切。怖がってる女子を慰めないほど僕は鬼畜じゃないよ?

 それはともかく、三大勢力の説明の後にちゃんと神器についても説明を受けました。

 んで、早速姉貴からってことでかめは……じゃなくてドラゴン波の真似事をして発動したよ。

 一誠ちゃんの神器はやっぱり赤龍帝の篭手でした。かっこいいぜ。

 篭手が出てきた瞬間ブーストって声が聞こえたからドライグさんも健在かな?

 試しに篭手に向かって「もしもーし?聞こえまーすか?」と語りかけたけど反応なし。

 やっぱり一誠と会話不可な状態だと周りとの会話もできないのかね?

 ちなみにその時の姉を含む原作メンバーは喋りだした玩具に向かって会話しようとする子供を見守るかのような温かい目(少なくとも哀れみの視線ではなかった)をしていたのが印象的だった。

 なんとなくムカついたのでイッセーにデコピンした。痛がるどころか興奮してたけど。

 まあイッセーがマゾなのはどうでもいい、重要なのは篭手の方ね。

 別に原作知識で知ってはいたけど、実物を見たのは初めてだったのだ。

 つまりちょっとはしゃいじゃったのが逆に違和感を与えなかった……はず。

 だから俺が神器のこととか赤龍帝のこととか知ってたのはバレてない……といいなぁ。(願望)

 ちなみに何故この時点で一誠が己の神器の正式名称を知っているかというと、僕が教えた……はずもなく、なんとリアスさんからネタバレしてきたのだ。

 前回の小猫ちゃんといい、今回の部長といい、ちょっとネタバレし過ぎじゃないですか?

 これじゃあレイナーレが油断してくれなくなって勝てなくなっちゃうやばいやばい。

 まあ原作主人公とその仲間達だし、何とかなるっしょ。(楽観視)

 

リアス

「さて、次は一麻くんの──」

一麻

「……僕だけくん付けは他人行儀な感じがするからやめてよぅ」

 

 この人大体呼び捨てにするのに俺だけくん付けなのが前回から妙に気になってたんだよね。

 年上のお姉さんに呼び捨てされるのは夢だから是非とも呼び捨てして欲しいぜ。

 なお、年の差は一歳しか離れてないもよう。

 

リアス

「……ごめんなさい、辛い思いをさせてしまったわね」

 

 部長は俯きながら謝罪してきた。

 いや、そこまで深刻な顔にならんでも……。

 

一麻

「あんまり気にせんといてください」

リアス

「それでも、よ。これからは一麻って呼ぶわね?」

 

 なにはともあれ……よし!これで問題ないな!

 というかぶっちゃけ、年下をくん付けする部長なんてリアス先輩じゃない気がする。

 大抵年下は呼び捨てにするタイプだよな……原作では。ここでは知らん。

 

リアス

「さて、気を取り直して……次は一麻の番ね」

一麻

「ほえ?」

木場

「イッセーくんの次は一麻くんの神器を見てみたいってことさ」

イッセー

「きっと一麻みたいに可愛くて強力な神器に違いないぜ!」

 

 強力はともかく、可愛いは余計だ馬鹿者。

 しかし、とうとうこの時がきたか……僕の神器初登場回。

 果たしてどんな神器が発動するのだろうか?

 チート神器か?ゴミ神器か?それとも神器は持ってない?

 いや、何かしらの神器は持ってるはずだ。一応俺は転生者のはずだし。

 現代から異世界への転生って大体特典が付いてるじゃないか。

 今のところ転生特典的なものは調べても見つからなかったから、多分神器が特典のはず。

 え?極上のショタとしての身体が特典じゃないかって?

 戦闘の役に立たない特典なんて、俺は転生特典と認めねぇ。

 せめて宇宙一のスピードとかくれよ。それで戦闘時に逃げ出すからさ。

 ……野菜人の王子に膝蹴りで首を圧し折られそうだからやっぱりいらないや。

 

一麻

「えっと、確か強いものを思い浮かべるんでしたっけ?」

リアス

「少し違うわ、一番力が出そうなポーズを取って、一気に力を解放するイメージよ」

一麻

「かしこまり!では早速……」

小猫

「…………(わくわく)」

 

 僕にとっての強いもの……それはエクスカリバーだ!

 約束された勝利の剣!エクスゥゥゥゥ……カァリバアアアアァァァァァァ!!

 ……とある世界では約三億円で売られてる?知らんな。

 というわけでエクスカリバーをイメージしてやってみよう。

 でも木場ちゃんがこの世界でも聖剣に恨みを抱いていたら色々この後の展開に支障が……。

 じゃあ叫ばなきゃいいじゃんってことで無言でやってみる。

 別に言葉とか発さないと発動しないとかじゃないっしょ?

 では、皆さんもご一緒に!エクスゥゥゥゥ……カァリ──!

 

一麻

「バルザミゴズァァァァァ!?!?!?」

イッセー

「一麻!?」

 

 何かが!俺の中から急速に抜き取られていくぅぅぅぅぅ!?

 これやばいパターンじゃね?ぶっ倒れて気絶するパターンじゃね?

 あ、本当にやばい。何だか段々気持ちよくなってきた気がするわよ?うふふ♡

 

リアス

「祐美!」

木場

「当て身!(ズドン!)」

一麻

「ぼぅ!?」

 

 後頭部にチョップを食らって、俺は気絶した……。

 いや、そんなことより色々と突っ込ませろよ。

 何故神器を出そうとするだけであんなに何か(多分魔力?)を消費すんの?

 欠陥品どころの騒ぎじゃないよ?これじゃ禁手どころか神器発動すらできそうにねぇ。

 それと、もうちょっとマシな止め方はなかったのか?

 こんないたいけなショタをどつくとか非常識もいいところやで。

 そしてなんで姫島朱乃副部長さん自己紹介以外で一切喋らないん?

 貴方男嫌いなはずでしょう?ならそんな熱い視線で僕を見ないで!

 そもそも前回から無言で犯罪者みたいな目でこっちをガン見すんのマジでやめろ。

 そんな様々な文句を言う暇は当然なく、俺の意識は闇へと落ちた……ぐふっ!

 ちなみに目を覚ましたらちゃんと木場ちゃんは謝ってくれました。謝罪は大事。

 一誠姉貴からは全力ハグされた。なんでも凄く心配させた罰だそうだ。僕悪くないのに。

 その後すぐに部長から悪魔にならないか?という勧誘を受けたけど丁重にお断りした。

 僕は人間として生きたいのだ!悪魔になりたくないでござる!

 そう必死に説得したら悪魔にならなくてもいいけどオカ研には入ってもらうってよ。

 なんでも姉が狙われたんだから弟も狙われる可能性があるらしい。

 オカ研に入ってた方が他の勢力から守ってあげれるから損はないとか。

 入部自体はそんなに困ることではないはずなので軽くOKしておいた。

 どうせ原作の本筋の魔の手からは絶対に逃れられないだろうしねー。

 それと、僕の神器はどういう能力かがわかるまで使用しないようにしよう。

 

 

 

 

~数日後~

 

 

 

 

 どうやら簡易魔法陣とやらを姉さんが配り終えたらしい。

 あれってダンボール五箱分以上なかったっけ?

 素人目で半月ぐらい掛かりそうだったのに、流石悪魔やでぇ。

 え?手伝わなかったのかって?俺オカ研メンバーだけど悪魔じゃないし。

 とにかく、全部のチラシもどきを配ったイッセーは次のお仕事を頼まれた。

 それは悪魔らしく依頼主に召喚されて契約を取ってこいというシンプルな内容だ。

 ……ただ、ここで問題が一つ。

 

イッセー

「いやです!一麻と一緒に契約をとらせてください部長!」

部長

「駄目よ、そもそも眷属じゃない人間に魔法陣は使えないの」

 

 イッセーの駄々っ子!部長には効果はないようだ……。

 どうも姉さんは僕と一緒に契約を取りに行きたいらしい。

 いや、どうせ魔法陣は使えないだろうから一緒に行けるっちゃ行けるよ?

 でも部長が、副部長が、木場ちゃんが、小猫ちゃんが、嫉妬してしまうぞ。

 こんなところでもショタの魅力は全員を虜にしてしまうのね。ふっ人気者は辛いぜ……。

 おふざけ好きな僕も流石に嫉妬祭り開催は勘弁して欲しいのでお断りするぜぃ。

 ……いや、わざと嫉妬祭りを開催するのも面白いかもしれない。うふふ。

 どうするかは後で決めるとして、まず姉さんを止めないとね。

 

一麻

「こら姉ちゃん!部長を困らせるんじゃありません!めっ!」

イッセー

「しょぼーん……」

リアス

「帰ってきた時に一麻にお帰りを言われるからいいじゃない」

木場

「出迎えがあるっていうのはいいものだと思うよ」

 

 僕の同行を諦めさせる言葉を言い放つオカ研の皆様。

 でも俺知ってるんですよ~?何かと理由を付けて一緒にいようとする君達の姿をね!

 その中でも朱乃さんがダントツでやばい。いや、もうやばいじゃなくてヤヴァイ。

 些細な理由さえ利用して俺と一緒になろうとするからね?

 もうドS(サディスト)じゃなくてドS(ショタコン)になってるからね?

 あの人極度のサドだから俺をいつ虐めようとするのか気が気でならんよ。

 まあ虐められるのはご褒美だけどにゃん。俺は受けも攻めもイける口だよん。

 しかもある意味本物の女王様だからね。これで罵倒があれば完璧。

 それはともかく、説得された一誠姉さんは渋々了解した。

 何か姉貴の刻印を魔法陣にどうのこうの言ってたけど、俺は馬耳東風である。

 どうせ僕には使えないだろうし、聞いて覚えてても仕方ないし。

 あ、一誠は魔法陣の中心に立った。どうやら準備完了したらしい。

 

リアス

「行ってらっしゃい、イッセー」

イッセー

「行ってきまっす!部長!一麻!」

一麻

「木場ちゃんと小猫ちゃんを忘れないであげてください」

朱乃

「あら、私もいますわよ?うふふ♪」

 

 貴方は少し黙っててください。こっちを見る目が本当に怖いんで。

 そのまま依頼主の元へ瞬間移動しようとして、原作通りに失敗した。

 まあ、こんなもんだよね。いくら原作とは少し違うとはいえ、筋書きは同じのはずだし。

 

リアス

「徒歩か自転車で行ってもらうしかないわね……」

イッセー

「……ということは一麻を連れてけるってことじゃないか!棚から牡丹餅!」

一麻

「それを言うなら災い転じて福となすじゃないの?」

イッセー

「あ……こりゃ一本取られちまったな」

 

 結局一誠さんと一緒に契約しに行くことになりました。拒否権はないそうです。

 最初は渋ってた部長達も体験見学だと言われたら黙るしかなかったようで。

 さてさて、最初に出会うのは森沢さんかな?それともミルたんかな?

 小説と漫画とでは最初の依頼者が違うからちょっと不安だよあたい。

 そんな俺の不安を他所に、依頼者の家へ到着しました。扉の前にいるなう。

 

一麻

「緊張するね~」

イッセー

「俺もだ……行くぞ!」

 

 意気込んだイッセー姉ちゃんはインターホンを押す。

 押してから数秒後、ドアの向こうから声が聞こえてきた!

 

????

「開いてますにょ」

 

 ミルたんキタ━ヽ( ゚∀゚)(俺ちゃん)ノ┌┛)`Д゚)(イッセー)・;'━!!

 いかんいかん、興奮のあまり姉様を蹴っ飛ばしてしまった。

 まあ肝心の本人は裸足で蹴ってくれって頼むぐらい余裕あるけどね。

 そんなに蹴って欲しいならいくらでも蹴ろうか。これから毎日姉を蹴ろうぜ?

 まあ蹴る前にまずはミルたんとアニメ鑑賞会しなきゃいけないですがね。

 このまま放置気味はまずいのでドアを開く。

 

一麻

「お邪魔しまーす」

イッセー

「待て一麻!まだ心の準備が……!」

 

 姉さんが準備不足ですが、僕の心の準備は完了してるので問題ありません。

 まあ、あの漢女の実物を見るとなると、相当覚悟が必要だけど。

 何とかなるさ、きっとね。とりあえず吐かなきゃセーフ。

 んで、実際に玄関まで侵入すると、そこには驚くべき光景が!

 

????

「いらっしゃいませにょ、待っていましたにょ」

一麻

「……誰?」

????

「ミルたぁんでぇすにょ♡」

 

 嘘だッ!!!!お前があの世紀末覇者の裸王様なわけないだろ!!

 つーわけで誰だお前は!?……いや、本当に誰ですか?

 俺の知ってるミルたんは王子も絶望する伝説の超漢女人です。

 貴方みたいな黒髪黒目の猫耳ツインテール魔法美女のことなんて知りません。

 どう見ても大人の女性が魔法少女の格好して語尾に「にょ」とか……。

 そんなの可愛いに決まってるだろ!ギャップ萌えってやつ?

 原作との共通点なんてイッセーを軽く凌駕する高身長ぐらいしかないやんけ。

 

イッセー

「うほ、いい女……」

ミルたん

「何を言ってるにょ?」

 

 あ、敬語がなくなった。

 恐らくいきなりの謎発言に呆気に取られたのだろう。

 ここは僕がフォローせねば。

 

一麻

「すいません、我が姉上はオープンスケベなもので……」

ミルたん

「ミルたんは男の子だにょ」

 

 ……前言撤回、性別も共通点でした。二つ目もあったよ……やったね!

 じゃねーだろ!何処からどう見ても大人のお姉さんじゃないか!

 なのにちんちんが生えてるのか……絶望した!現実の非情さに絶望した!

 そしてミルたんがファンタジーパワーをくださいと言ってきたが、当然無理。

 その時に原作との共通点三つ目として圧倒的な威圧感を覚えました。

 その気迫はまさに覇王の如し!正直死ぬかと思ったよ。

 あれならライザーやコカビエル程度はワンパンできるんじゃね?

 その圧倒的な気迫の前で無理だと言い放った一誠を俺は尊敬する。

 とにかく、できないものはできないのでアニメ鑑賞会を朝までしました。

 ミルキースパイラルなんちゃらだっけ?予想以上に面白かったです。

 ああ、モーレツに魔王少女ちゃんと色々語り合いたくなってきたよ。

 ちなみにアニメを見ている間はミルたんの胡坐の上に座ってました。

 椅子としては座り心地が良かったのが複雑……凄い安心感があったし。

 でもお尻に柔らかい感触があったのは気のせいだと信じたい。




リアス
「………………」
朱乃
「どうしたの?リアス」
リアス
「一麻の神器のことで、少しね……」
朱乃
「一麻くんの神器?」
リアス
「一麻が神器を出そうとした時に聖なる力を感じたわ」
朱乃
「ということは……」
リアス
「一麻の神器は聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)かしら?あくまで予想に過ぎないけれど。」
朱乃
「それが正解でしたら祐美ちゃんの魔剣創造(ソード・バース)に匹敵するレア神器となりますわね」
リアス
「少なくとも聖属性の神器なのは確かね」
朱乃
「私は一麻くんに夢中ですけど……一麻くんの神器にも興味が出てきましたわ」
リアス
「一体どんな神器かしら……発動しようとするだけであれだけの魔力消費量。きっと強力な神器に違いないわ」
朱乃
「ですが、あまり一麻くんを戦わせたくはありませんわね……あんなに可愛らしいんですもの♡」
リアス
「とにかく、何とかして一麻の神器の正体を調べなくちゃね」




 ミルたんまさかの男の娘化!無事登場させれたので俺満足。
 これで一つ、目標が達成できたな……。
 漢女を期待してた皆様、すいませんです。

 ちなみに主人公の神器はまだ秘密。
 少なくとも聖剣創造ではありません。


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エッチなのは素晴らしいと思います!

 このサブタイトルのせいで女性ファンが減ることは徹底的に明らか。
 でもすまない。ぶっちゃけ本気でこのタイトルしか思い浮かばなかった。(笑)


 ミルたんとのアニメ鑑賞会が終わり、僕と姉さんは帰宅することになった。

 契約?最初の願いは叶えられなかったので不成立ですが何か?

 でもかなり高評価を貰えたんだって。良かったじゃん。

 姉ちゃん自身はこのまま帰ったら怒られそうだと不安になっているようだ。

 ぶっちゃけ連続で失敗とかじゃなければ怒らないんじゃない?

 それに初めてで高評価を貰えただけでもよしだと思うけど……。

 まあ俺も偉そうなことを言える立場じゃないけど。人間だし。

 ミルたんも不思議がってたよ?なんで人間さんがいるのかって。

 見学させてもらってるって言ったら納得してたけど。

 というかヒント的なものはなかったはずなのに人間だと見破るなんて、マジで何者?

 もしかして悪魔の気配と人間の気配の区別が付くとか……まさか、ね。

 

イッセー

「ミルたん怖いでしょう……」

一麻

「確かに凄い威圧感だったけど、いい人だったじゃん」

イッセー

「それはそうなんだけどさ、でも怖いもんは怖いぞ」

 

 あの圧倒的な威圧はお姉様好きの一誠姉貴ですら怯えてしまうようだ。

 いや、性別的にミルたんはお姉様ではなくお兄様なんだけど。

 う~ん……これで男にトラウマを持たれるのもまずい。

 せっかくレイナーレが女だったことで回避されたフラグが……。

 そうやって色々と考えていた、その時だった。

 

????

「はうわ!?」

イッセー

「一麻!危ない!」

一麻

「ぬ?」

 

 前方から謎の叫び声と共に何者かが俺に倒れ掛かってきた!

 格好からしてシスターかな?てか十中八九アーシアちゃんじゃね?

 やばいな、俺日本語以外喋れないんだけど。困ったな……。

 まあそれは後に回しといて、まずはこの状況をどうするか。

 ここは華麗に受け止め……あ、これ勢い的に受け止められないやつだ。

 というか防御も回避も全部間に合わな──!!

 結局どうすることもできずにドンガラガッシャーン!と倒れてしまった。

 

イッセー

「こ、これは!」

一麻

「……ん?」

シスター

「ひゃう!?」

 

 顔を覆う柔らかい感触。手で触れてみると、まるでマシュマロのようだ。

 その柔らかい物体の中心に突起物があるのがわかる。触ってみると上から声が……て、これどう考えてもおっぱいじゃねーか!やばい、セクハラで捕まってしまう。

 いや、控えめな美乳は本当に素晴らしい感触です。ありがとうございます。

 でもごめんなさい。俺ちゃんまだ警察に突き出されたくなんてないんです。はい。

 そう、野外だから拒否するのである。野外じゃなかったら?いただきます。

 ともかく早く離れないと……とか思うけどさ、体勢があれだから離れられないわ。これ。

 なんで両手は恋人繋ぎされてて、両足はシスターちゃんの足に巻き付かれてるんですか?

 おかしいよね?さっきまで俺の片手はシスターちゃんの胸に触れてたよね?

 一切の身動きが禁止されてるじゃないか!これじゃあ顔しか動かせないよ!ぷんぷん!

 え?身体を回転させて上下を入れ替えれば脱出できるって?

 その場合だと謎のシスターちゃんを押し倒す状態になるから却下で。

 そんなわけで俺は動かないようにするしかないのである。

 だって動いちゃったらシスターちゃんのおっぱいを堪能することになるし……。

 

シスター

「す、すみません!今どきます……!」

一麻

「んん……!」

 

 オイコラ、頼むからもがかないでくれ。顔面に素敵な感触がだな。

 というかわざとやってない?このおっぱい固めといい、わざとじゃないの?

 いや、このシスターは多分アーシアちゃんでしょ?ならこの子に限ってそれはないか。

 ところで、どいてくれるならもうどいてくれへん?

 そろそろ僕の息子が元気モリモリになってしまうんですが。

 今まで押し倒された状態で我慢できたのが奇跡なんですよ。でも本当にもう限界!助けて!

 

イッセー

「よっと、大丈夫か?」

シスター

「あ、ありがとうございます」

 

 救世主誕生!その名はイッセー!

 なんとシスターちゃんを持ち上げ、助けてくれました!

 僕は助かった……いや、でも惜しいなと思ってしまうのは男の悲しき性か。

 こんなショタボディでもやっぱり男の子なのね。よし、今日は赤面ショタで抜くか。

 ……自分をオカズにするって第三者から見たら凄いナルシストですね。止める気はないけど。

 一誠姉貴がシスターを地面に下ろした。うん、やっぱりアーシアちゃんだよね?

 貴方さっきから日本語で喋ってませんか?原作設定はどうしたの?無視なの?

 まあ主人公が女体化してる世界で原作設定も糞もないか……。

 

イッセー

「俺は兵藤一誠。んでこっちにいるのが俺の弟の兵頭一麻。君は?」

シスター

「アーシア・アルジェントです!アーシアって呼んでください!」

一麻

「うん、よろしくねー」

アーシア

「………………」

 

 およ?突然無言になった……しかも俯くというオマケ付きで。

 まだ恥ずかしいのかな?さっきあんなことになったばかりだし。

 すると、アーシアちゃんはガバッと顔を上げた。

 

アーシア

「可愛いです♡抱きしめさせてください!」

一麻

「にょわ!?」

イッセー

「あ、ずるい!」

 

 そこはずるいじゃないよね。というかまたしてもやばい。

 俺の身長はアーシアちゃんよりも低いのです。

 つまり抱きつかれたら顔に胸が当たってしまう……ほど低くはない。

 でもまたラッキースケベが発動して胸に顔が当たりそうな予感がするのだ。

 こんどこそ胸を触ったら一発アウトです。やばいやばい。

 しかし、俺がノー!と言う前にこちらへ駆け寄ってきちゃった。

 突然アーシアちゃんが僕に抱きつこうとしてきた!

 しかし俺はひらりと回避した!目標を失ったアーシアちゃんは──。

 

アーシア

「あわわ!」

 

 どこぞの軍師さんみたいな慌て声を上げて倒れ掛けた。

 ……咄嗟に僕の腕を掴んで。

 

一麻

「え?」

 

 当然ショタみたいな肉体を持つ俺が踏ん張れるはずもない。

 見事、僕達は仲良く倒れちゃったのだ。またかいな。

 しかもまた俺が仰向けなのね……嫌な予感しかしないよ?

 とりあえず反射的に閉じてしまった目を開けると……真っ暗だった。

 

一麻

「(・3・)アルェー?」

 

 ここはどこだろう。少なくとも胸の中ではない気がする。

 とりあえず自分の顔の方に手を伸ばしてみる。

 

アーシア

「あ……!」

 

 すると柔らかい感触が……て、またですか!?

 でもこれはおっぱいじゃないような?

 ……もしかして、お尻?ということは周りが暗いのは!

 

イッセー

「顔面騎乗だと……羨ましいぞ!アーシア!」

アーシア

「すみません!すみません!」

 

 いやん、何か甘酸っぱい香りがすると思ったらスカートの中だったのねん。

 ……何かシスターちゃんのラッキースケベの発動率が妙に高くね?

 アーシアちゃんの前世はラッキースケベ担当のラブコメヒロインか何か?

 

一麻

「アーシアちゃん、謝る前にまず立ち上がろうか」

アーシア

「は、はい……」

 

 アーシアちゃんが立ち上がったおかげで、僕はスカートから脱出できた。

 と言ってもただ寝っ転がってるだけなんだよね。動かなくていいって素敵。

 僕も立ち上がろうとして……スカートの内側とパンツが見えた。

 ……アーシアちゃんじゃないよね?白い下着じゃなくて赤い下着だし。

 ということは、犯人は一人しかいないね。

 

一麻

「姉貴、ナニやってんの?」

イッセー

「俺にも一麻にラッキースケベをさせてくれ!」

 

 姉ちゃんが馬鹿な発言をし出したので拳骨で黙らせておこう。

 そう考えた俺は姉さんの股の下から脱出、頭をゴッスと殴った。

 でもハアハアとうるさくなったから逆効果かもしれないなぁ……。

 まあ僕は肉体派じゃないから、あまり痛くないのかもね。

 とにかく、イッセーはもっと自分を大事にしなさい。

 あんまり誘惑すると……揉みながら吸うぞ?

 

イッセー

「是非お願いします!」

アーシア

「い、いきなりどうしたんですか?」

一麻

「安心して、どうせただの独り言だから」

 

 心を読まないでよ、アーシアちゃんが怖がってるじゃん……。

 お母さ~ん、お姉ちゃんが読心術を習得してて怖いよ~!(幼児退行)

 ……最近ぶりっ子をしてない気がする。これも全部周りがボケるからや。

 いつか完全ぶりっ子モードになれるといいなぁ……うふふ。

 その後も色々とあったけど、ほぼ原作と変わらなかったからカットするね。

 強いて言うなら子供を治癒したんじゃなくてイッセーのタンコブを治癒したことかな。

 つまりアーシアちゃんの神器を見ることになる切っ掛けぐらいしか変化はなかった。

 え?アーシアちゃんにイッセーが嫉妬してたから二人の関係は変わったんじゃないかって?

 確かに一誠とアーシアの出会いがあれだったけど、最終的に二人とも仲良くなった。

 原作と同じように仲良くなれてよかったね。変態でも姉だから友が増えれば喜ぶよ?

 自分?ラッキースケベが発生しないように少し離れてました。だって怖いし。

 だからお願い、近寄ろうとしないでください。多分ラッキースケベが発動しちゃうから。

 ……そういえば、アーシアちゃんと出会うまでは発動してなかったね。

 もしかしてアーシアちゃんって微エロ要員?

 

 

 

 

~教会を後にして~

 

 

 

 

 そんなこんなでアーシアちゃんを教会へ送り届けることに成功。

 アーシアちゃんとお別れした僕達は、部室へ帰るところである。

 予想以上に何もないな……このまま第一章ラスボス戦まで戦いはなしなの?

 それはそれでOKだよ。真面目な戦いはするつもりないし。

 もし始まってしまったら全力でふざけちゃうから♪

 でもいざという時の為に神器を鍛えておきたいな……安全にふざける為にも。

 どういう風にふざけるかを考えていると、イッセーが話しかけてきた。

 

イッセー

「まさか教会に近付くだけであんなに悪寒がするとは……」

一麻

「僕は悪魔じゃないからよくわからないなぁ」

 

 人間で例えるなら虎の巣穴に近寄る感じだろうか?

 それとも今、自分が感じているものだろうか?

 後者が近い気がするなぁ、はっはっはっはっは!

 ……ん?今、僕が感じているもの?

 

イッセー

「一麻、堕天使だ!堕天使が近くにいる!」

一麻

「え、マジで?」

 

 あれれ?ドーナシークとの遭遇はもうしたんだろう?ならあいつじゃないよね。

 他に誰が遭遇してくるってんだい……まさかアザゼルさんか?

 んなわけないよなぁ。あの人って停止教室編で初登場だった……はず。

 とりあえず、こういう時は背後から迫ってくるのが定番なので後ろを振り向く。

 

堕天使

「天野夕麻が存在したという痕跡を消す最中に違和感を感じ、辺り一帯を念入りに探し回ってみれば、予想外の人間がいるな……人違いではなさそうだ」

 

 案の定、黒い翼を生やした人がこちらに歩いてきた……て、ちょっと待って。

 こ、この長身スーツのイケメン系美女は……僕の記憶違いじゃなければ……!

 カラワーナさん!?アニメ版でしか出番がないカラワーナさんじゃないの!?

 間違いない!裸スーツ疑惑のあるアニメ限定堕天使のカラワーナさんじゃないですか!

 ちょっと!貴方アーシアちゃんと接触する前に登場でしょ!遅刻だぞ、まったく。

 最初に一誠を呼ぶのはミルたんだし。カラワーナはアーシアちゃんの後に登場するし。

 この世界の設定滅茶苦茶だよー……もうちょっと統一させようぜ?

 そんな心の中の説教なんて知らぬが如く、どんどんカラワーナは近付いてくる。

 

カラワーナ

「兵藤一誠……何故生きている?貴様はレイナーレ様が確実に始末したはずだが」

 

 カラワーナはこちらを睨みつけながら、右手を構えた。

 光の槍をいつでも放てるようにしているのかな?

 その構えを取ってる暇があったら、さっさと作って投げちゃえばいいのに。

 アニメの展開的にやっちゃいけないことだけどね。

 でもアニメの方でも割と問答無用で攻撃してこなかったっけ?

 まあどうでもいいか、重要なのは姉さんの名前を知っていたことだ。

 確かレイナーレ以外は名前を知らない(覚えてない)んじゃなかったっけ。

 知ってたとしても名前を呼ぶシーンはなかったような。

 

カラワーナ

「む、貴様は……まさか一麻くんか!?」

 

 どうやら俺の名前も知っているらしい。個人情報漏れまくりじゃん。

 ……ん?ちょい待ち、今貴方くん付けで呼ばなかった?

 まさか僕の可愛さは堕天使でさえも魅了してしまうというのか!

 恐るべし、ショタの魅力……!!

 

イッセー

「何で俺と一麻の名前を知ってんだよ……堕天使女!」

カラワーナ

「何故、だと?それを貴様に教えてやる義理はない」

 

 お断りされちゃったね。しかも今にも槍を作って投げそうな感じ。

 普通ならばここで槍をカラワーナが投げて戦闘開始だろう。

 だがしかし、ここにショタがいるじゃろ?つまりこういうことだ!

 

一麻

「カラワーナお姉ちゃん!どうしてイッセー姉さんの名前を知ってるの?教えて!」

カラワーナ

「兵藤一誠は我々の計画における最大の障害となるからだ」

 

 凄いあっさり答えちゃったよ。こういう時って可愛いは便利。

 それはそうと、今さらっと重要なことを言い放ったよね。

 兵藤一誠が計画の障害?リアス部長が、ならわかるけど姉貴が?

 姉さんが殺された時はアーシアちゃんとは赤の他人だったはずだ。

 つまりアーシアちゃんの神器を抜き取る計画の障害にはならなかったよね?あの時点ではイッセーとアーシアは赤の他人だったわけだし。

 ということは神器抜き取り計画以外の計画が作られているの……?

 一体何を企んでいるんだろうか、こ奴らは。

 

カラワーナ

「兵藤一誠……どうやって生き延びたのかは知らんが、生きているならば私が始末するだけだ!」

 

 カラワーナは今度こそ光の槍を形成し、一誠姉貴に向かって投げた!

 あー、もう!俺はこういうシリアスっぽいのは苦手なのに結局こうなるのか!

 そして僕の方にも光の槍が…………投げられなかった。ああん?舐めプ?

 弟は戦えなさそうだから、神器を出せる姉だけを狙い撃ち作戦かい?姑息な手を……。

 とりあえず狙いは姉さんだけみたいだけど、僕はどうするのが正解なんだろう?

 だって自分の神器は発動しようとするだけで魔力を吸いまくる欠陥品だし……。

 

イッセー

「もう堕天使に殺されかけるのは御免だぜ!ブーステッド・ギア!」

 

 流石に三回も襲われると慣れたのか、光の槍を余裕で回避して神器を発動した。

 地味に凄いね、俺だったら余裕で回避とか無理。無様に逃げ回るしかできん。

 そういえば発動と同時にブースト!て鳴るけどこれも倍加の内に入るの?

 今度そのあたりは誰かに聞いてみよう。誰に聞けばいいのかは知らんけど。

 

カラワーナ

「何!?もう神器を使えるようになっていたのか!!」

イッセー

「それもただの神器じゃねぇぞ!神滅具だ!」

カラワーナ

「なん……だと……」

 

 光の槍を避けられたこともあってか、カラワーナは完全に取り乱しているようだ。

 何か神滅具と聞いて驚いてるっぽいけど、危険な神器だってことは聞いてないんか?

 ……あ、よく考えたらこれはチャンス!この隙に一気に逃げることが可能じゃなイカ!

 いや、そもそもカラワーナは姉ちゃんが神器を発動すれば逃げるはず。

 確かレイナーレ様に報告せねば……的なことを言いながらだったっけ?

 とにかく、今しかないぞ!さあ逃げるんだよォ!

 

イッセー

「ちょ?おい、一麻!?」

一麻

「今がチャンス!逃げるが勝ちさ!」

 

 僕はイッセー姉ちゃんの腕を引いて逃げ出した!(問答無用)

 

カラワーナ

「待て!」

一麻

「あららのら?」

 

 しかし、回り込まれてしまった!現実は非情である。

 まったく何の用事だってんだい?これから帰るんでしょ?

 捨て台詞を言う前に去ろうとしたから怒ったの?ぶーぶー。

 それと、あまり飛ばないでください。色々と見えそうなので。

 ちょっとムスッとした俺をガン見しながら、カラワーナは通行止めをし続ける。

 

イッセー

「くそ、一麻のことをエロい目で見やがって……ドラゴン波をお見舞いしてやろうか!」

カラワーナ

「……どうせその神滅具(ブーステッド・ギア)はまだ使いこなせないのだろう?」

一麻

「今さらっと無視したね。無視するってことは自覚してるってことでOK?」

カラワーナ

「貴様が可愛すぎるのが悪い……で、使えるのか?」

イッセー

「………………」

カラワーナ

「沈黙は肯定とみなす」

 

 やだ、イッセーが神器をまだ使いこなせないのがバレてる。

 カラワーナさんこんなに有能だったっけ?よく覚えてないんだけど。

 沈黙によって完全にバレてしまったのか、カラワーナが凄い笑顔でいらっしゃる。

 悪役らしく腕組までしちゃって……でも似合ってるから問題なし!

 これで脚も組んでいれば完璧だった。でも椅子がないから仕方ないね。

 あ、でもノーパン疑惑があるから脚を組むと色々とやばいのか。やっぱ組むな!

 

カラワーナ

「使いこなせないのならば好都合!今ここで貴様を始末してくれる!」

イッセー

「ぐっやばい……一麻を守りながら戦えるか……?」

 

 カラワーナとイッセーは戦闘態勢に入った。

 姉さんは僕の盾になろうとしているのか、僕の前に居座る。

 

一麻

「……僕だけ逃げちゃ駄目かな?」

カラワーナ

「私の目的は兵藤一誠ただ一人。別に一麻くんは逃げてもいいぞ?」

一麻

「聞いてみただけだバーロー!姉を置いて逃げるほど屑じゃないっての!」

 

 あー、どうしよう。本当にこのままじゃ戦闘になっちゃう。

 一誠姉ちゃんは何か感動してるし……まあ、あまりデレてないしなぁ。

 う~ん、何が駄目なんだろう……あ!カラワーナの服を消し飛ばしてない!

 きっとそれが原因だ!なんてこった!こうなったらイッセーに頼むしか……。

 いや、そんなこと頼んだら色々とやばい。おまわりさんがきちゃうから。

 つまり姉さんは使えない。つまり……これは必然的に!僕の神器の出番ですね!

 割と本気で戦いの中でしか発動できない気がする。2ポンド賭けてもいいよ?

 ここで発動に成功しなければ正真正銘の無能神器と俺の中で決定される。

 仮に発動できてもカラワーナが撤退する強さじゃなければこれまた駄目。

 発動に成功し、カラワーナを退ける。両方成功させなきゃいけないのが辛いところだな。

 ……覚悟はいいか?俺は今したところだ。

 

一麻

「機は熟した、今こそ全力で試してみる時……!」

イッセー

「か、一麻が中二病に目覚めてしまった!」

一麻

「ちょっと黙っとけ。カラワーナ!特別大サービスだ、俺の神器を見せてやろう!」

カラワーナ

「何!?一麻くんも神器を持っているのか!!」

 

 そんなに意外だったのか、カラワーナが驚きまくっているが、そんなのは無視!

 さあさあさあ、俺の神器よ!今こそ真の力を見せる時である!

 カラワーナもびっくりするもん(神器)を出してみやがれええええ!!

 その瞬間、俺の手から光が溢れ出した!こ、これが俺の神器の能力か?

 

カラワーナ

「こ、この光は……聖なる力!?」

イッセー

「一麻!魔力の方は大丈夫か!?」

 

 ……よし、これなら大丈夫そうだ。魔力が吸われている感覚は確かにある。

 けれど、精々五分の一程度……な気がするので無問題だ!実際身体に異常ないし!

 試しに指を動かしてみると、何か当たった。細すぎず、長い棒状の何かだ。

 それを掴んでみると、まるで長年の相棒だったかのようによく手に馴染む。

 これは予想以上に期待できそうだ!場合によっては勝てるかもしれない!

 掴み取った影響か、光は段々と収まっていく。

 そして光が完全に消え……俺の掴んでいる物体が正体を現した!

 

カラワーナ

「そ、それは!?」

イッセー

「……何だそれ?」

一麻

「え、何なのこれは……?(困惑)」

 

 俺が掴んでいたもの、それは……ネギ(食材)であった。

 いや、確かにカラワーナもビックリだよ?ビックリだけどさぁ……。

 何でネギなのさ!?俺の神器って聖剣創造じゃなかったの!?

 カラワーナが聖なる力を感じるって言ってたから多分そうだと思ったのに!

 ……ん?聖なる力?ネギ?剣?

 

一麻

「まさかこのネギ、ドンパッチソード?」




 はい、主人公の神器が登場です。前回あれだけもったいぶったけどあっさり風味。
 一麻くんの神器の説明は次回にて詳しくご説明しますん。

 ちなみにアーシアちゃん以外の人にラッキースケベが発動することはほぼありません。
 なお、逆セクハラとかは普通にされるもよう。ショタだから仕方ない。(謎理論)


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シリアスブレイク一麻ちゃん

 今回は原作と全く同じの台詞が入ってしまいました。すいません。
 その代わり、原作の台詞の一部を略しましたん。
 短いならいいんだけど、長いと、ねぇ?
 というわけで長い台詞は極力カットです。


 あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!

 俺は神器を出そうとしたらドンパッチソードが出てきた。

 な……何を言ってるのかわからねーと思うが(ry

 こんなネギ一本でどないせいっちゅうねん。

 ほら見ろ、カラワーナさんは勿論、イッセーさんまで固まってるじゃないか。

 そもそも近接戦闘用の武器というのは強い奴が持ってこそ意味がある。

 俺は人間やぞ?相手堕天使やぞ?近接武器を持っても飛ばれたらアウトじゃん。

 しかもカラワーナさんは俺がネギ(神器)を出した瞬間に上空へ避難しとるし。

 もうこうなったらこのドンパッチソードをエクスカリパーの如く投げるしか……。

 

カラワーナ

「聖なるネギを出す神器……聞いたことがないぞ。一体どんな神器なんだ……?」

 

 あ、もしかしてこの人、予想外のことに弱いタイプ?

 確かアニメでも一誠が神器を出したら撤退してたよね。

 ということはこのまま驚かせまくれば逃げ帰ってくれるかも。

 でもこのドンパッチソードのみではやれることに限界がだな……。

 待てよ?伝説の聖剣ドンパッチソードが出せたということは、もしかして?

 

一麻

「夢の二刀流じゃあああああ!!」

イッセー

「一麻!?」

 

 試しに空いている手の方にあるものを出そうとしてみる。

 そしたらまた手が光り輝いて、出てきた物体を握るとまた収まった。

 チラリと握った物体を見てみれば、そこにはとても立派なダイコンが!!

 どう見てもこれは伝説の魔剣ダイコンブレードですね……間違いない。

 体感的に魔力はネギの分も合わせると……五分の二ぐらい減ってる?

 

カラワーナ

「次はダイコンを出した?しかも魔の力を感じるな……ネギとは正反対だ」

一麻

「……その気になればさとうきびセイバーも出せる!」

 

 タブンネ。でも魔力が足りなくて出せないかもしれない。

 さとうきびとはいえ、聖魔支配剣だぜ?ぶっちゃけると聖魔剣だぜ?

 エクスカリバーを出せない俺が聖魔剣もどきなんて出せるわけがない!

 ……そうなるとなんでドンパッチソードは出せたん?

 確かドンパッチソードってエクスカリバーを超える凄い(ネギ)じゃなかった?

 ……まあ、そこら辺は後々調べますかね。自宅とかで。

 とにかくだ、これだけ意味☆不明な武器の数々を見せれば、撤退すると思うんだけど。

 

一麻

「お鍋の材料にされたくなかったら帰宅することをオススメします」

カラワーナ

「……敵に情けをかけるとはな」

 

 見逃されるという状況が気に食わないのか、俯いてブツブツと呟き始めた。

 聞き耳を立ててみると「やはり」とか「よし」とか聞こえてくる。

 やはりはわかる、何となくわかる。弟の方も神器を持っていたとかそこら辺でしょ。

 でもよしって何だ?何がよしなの?まさか撤退することじゃないよね?

 もう一度ショタスマイルを駆使して聞……く前に、カラワーナは顔を上げた。

 

カラワーナ

「まあいい、一麻くんの新たな情報を手にできたのは嬉しい誤算だったぞ。この情報は大切に持ち帰らせてもらおう」

一麻

「どうぞどうぞ」

 

 別にネギやダイコン、さとうきびが出せるのがバレたからってそこまで困らんし。

 同僚三人に馬鹿にされるか、心配されるかの二択だと思われ。哀れ……。

 僕の言葉に疑問を持ったのか、イッセーは心配そうな目でこちらを見つめてくる。

 

イッセー

「いいのかよ?神器の情報だろ?」

一麻

「いいんだよ」

イッセー

「グリーンだよ!」

一麻

「お前はレッドだろ!」

 

 緑龍帝の篭手なんてコケーフィと同レベルのハズレだろ!私は絶対に認めませんからね!

 ……でもあの子は長時間ずっと見てると結構可愛く見えてくるから不思議。流石ブイズ。

 そもそもドラゴンは基本的に緑色だから全然平気な気もする。

 でも赤の方がかっこいいと思うのでやっぱり緑にはなるな!

 突然始めた姉弟漫才をしていると、もうカラワーナさんはかなり遠くへ行ってました。

 そのまま帰るのかな?と思ったらこっちへ振り向いた。やだ……横顔もイケメン……。

 

カラワーナ

「また会おう一麻くん!」

一麻

「イッセー姉貴は?」

カラワーナ

「知らんな」

イッセー

「ぐはっ!美人のお姉さんに振られた……」

 

 カラワーナさん容赦ないな。そんな堕天使を魅了する自分って凄い。(小並感)

 振られてしまったイッセーは、かなり大袈裟に崩れ落ちた。

 イッセー姉さんも充分美人のお姉さんだけどねぇ。

 特に胸が素晴らしい!あのロケットおっぱいは部長すら凌駕する勢いだぜ。

 あんなにでかいのに垂れない!どんなに強く揉んでもすぐ元に戻る弾力性!

 おっぱいが指に吸い付くという言葉を生み出した人は天才だと思ったね。うん。

 ちなみになんで僕が姉ちゃんの胸の感触を知ってるかというと、揉まされたからです。

 決して自分から揉んだわけではない!俺は自分からは手を出さない紳士(ヘタレ)だからな!

 まあ向こうから揉ませてきたんで、思う存分に感触を堪能しましたがね!遠慮?何それ?

 その時の一誠のおっぱいの素晴らしさといったら、多分原作一誠が見たら手を合わせて拝むんじゃないかと思うレベル。流石、原作で乳龍帝と呼ばれることになる主人公……!

 

イッセー

「くそ、今度会ったら手篭めにしてやるからな!」

一麻

「おまわりさんこっちです。まあそれはともかく、またねー!」

 

 僕は手をブンブン振って別れの挨拶を返した。

 それを見て満足したのか、今度こそカラワーナさんは飛んで帰って行った。

 あ!よく考えたらカラワーナさん脱衣してないじゃん!良かったね!

 ……ところで、見上げる感じで見ていたからさ、その……大事な部分がですね……。

 うん。見えそうだったってレベルじゃない。ぶっちゃけ見えちゃいました。

 前世の記憶はほぼないけど、実物を見たのはこれが多分初めてだと思う。

 でも前世で見てたなら二回初体験をしたという貴重な体験ができたわけだ。やったぜ。

 カラワーナさん、マジではいてなかったのね。裸スーツで出歩くとか凄いね。

 ましてや空を飛ぶんだぜ?よっぽど見せないことに自信がおありで?

 あるにしろ、ないにしろ、やっぱり凄いと思うよアタイ。

 

一麻

「さて、帰ろうか姉さん」

 

 もうこの場に留まっても仕方ないし。会話なら帰りながらでもできる。

 僕はダイコンブレードとドンパッチソードを手品のように消した。

 消せて良かった、出すのに成功したのは初めてだからちょっと不安だったよ。

 お、出した武器を消した途端に何かが入ってくるような感じがする。

 道具を出した時に消費した魔力は消せば帰ってくるのかな?

 それはありがたい。自分の魔力量がどれほどかは知らないけど、エクスカリバーを出せないレベルの魔力量じゃこの先のインフレについてこれない可能性が高いし。

 でも消せば戻ってくるなら戦術の幅が広がるね。まあ戦いなんてしたくないけど。

 

イッセー

「ああ、さっさと帰るか!早くしないと部長に心配されちまう!」

 

 それに関してはもう手遅れだと思う。教会に近付いて、堕天使と接触したんだし。

 姉さんは嘘が下手だからね、きっとバレる。僕も説教されるかな……やだな~。

 その時はショタのウルウル光線で乗り切るか……涙目ショタな自分ハァハァ。

 これで怒られないだろうと思った僕は、意気揚々と部室へ帰るのであった。

 

 

 

 

~部室へ到着~

 

 

 

 

 予想通り、教会に近付いたイッセーが怒られた。

 しかも帰りに堕天使と遭遇しているのでかなりご立腹のご様子。

 あまりにも怒りすぎて髪の毛がふわふわと揺れてる。

 いや、浮いてるのか?どっちが正しいのか……多分浮いてる、かな。

 俺?心配させた罰として朱乃さんに抱っこされていますが何か?

 頬をスリスリしてくるのはいいとして、耳に息を吹きかけるのはやめれ。

 羨ましそうに見てる剣と猫の部員二人は放置安定。触らぬ神に何とやら。

 

木場

「部長、はぐれ悪魔の討伐依頼が届きました」

イッセー

「はぐれ悪魔?何すかそれ?」

 

 ……あり?それを言うのは朱乃さんじゃなかったっけ?

 どんどん朱乃さんの台詞が消えていく……可哀想。(小並感)

 まあいいや。どうせこれから増えるだろうし、気にすることはない。

 むしろ重要なのは朱乃さんの台詞ではなく木場ちゃんの台詞である。

 今の発言から察するに、そろそろバイザーさん初登場か。

 どんな姿で登場すんのかなー……漫画版はやだ!アニメ版がいい!切実に!

 漫画の怪物何かが登場しても誰も得しないじゃん?俺も一誠も。

 だったらチクビームするアニメ版にしてくれよな~頼むよ~。

 俺も男だからね、そう考えちゃうのも仕方ないね。

 それに漫画版のバイザーだとショタの魅力が効かないかもしれないし。

 でも俺が望んだことって大体外れるか、望みの斜め上を行くことが多い。

 まさか男になってたりしないよね?もしそうなら絶望だぞ!?

 頼む!女性キャラを男体化する……それだけはしないでくれ!!

 ……どうせバイザーさん消し飛ばされちゃうからどうでもいいや。(投げやり)

 いずれにせよ、原作通りにバイザー戦を済ますのは少しつまらない。

 テストも兼ねて、ちょっとイタズラしてみるか……クフフ♪

 僕は悪巧みをしながら、はぐれ悪魔バイザー討伐について行くのであった。

 え?転生悪魔じゃないのについて行くのかって?

 堕天使という前例があるから僕一人に留守番させるのは不安なんだってさ。

 一応一人じゃないよ?ほら、ギャスパーくんがいるじゃん。引き篭もってるけど。

 

一麻

「とりま、行きますか」

イッセー

「一麻、どんな危険からも俺が守ってやるからな」

一麻

「うん」

 

 頼もしいことで。でもどっちかっていうと貴方まだ守られる側じゃね?

 でも主人公に守られることほど安心できるものはない。是非守ってください。

 そんなこんなで廃屋に到着ー。予想してたよりボロくはないけどボロいな。

 扉を開くとギィィ……という音がした。地味に嫌な音である。

 

一麻

「ちゃんと油を差しておこうよ……」

リアス

「面倒だったんじゃないかしら」

 

 こういうところはキチンとしとかないと後悔すっぞ?

 まあ開かなくなった扉は悪魔のパワーなら強行突破できるだろうけど。

 でも戸締りは大事よ?いや、本当に。マジでマジで。特に冬場がきつい。

 悪魔なら平気なのだろうか。だったら戸締りしなくてもいいの?

 俺の下らぬ疑問はさておき、廃屋を探索中の僕達は遂に目的の存在を発見した。

 二次創作だと漫画版の口調での登場が多く、かませ犬になりやすい、あのバイザーさんです。

 

バイザー

「不味そうな匂いがするわぁ……」

イッセー

「おお、おっぱい!(テンションアップ)」

小猫

「散滅すべし、巨乳(テンションダウン)」

一麻

「いい胸、けどノーブラか~(テンションプラマイゼロ)」

 

 いきなりおっぱいのご登場。しかし、暗くておっぱいだけしか見えぬ。

 これじゃあただの見せたがりじゃねーか!もっと近付いてきて、どうぞ。

 いや、今はそんなことはどうでもいいんだよ。重要じゃない。

 おっぱいが出てきたということは女性だ。しかもこの喋り方は漫画版ではない。

 そこまで考えた時、遂にバイザーはこちらへ歩み寄り、姿を現した!

 

バイザー

「でも美味しそ(ry」

リアス

「バイザー。主の下を逃げ、自分の欲求を満たす為に暴れまわる不逞の──」

一麻

「容疑者は女性。性癖は逆レ、髪は黒、おっぱいぷるぷる丸出しウーマンの変態だ」

イッセー

「ブッ!?」

 

 イヤッフゥゥゥゥ!アニメ版バイザーだ!やっべ超嬉しいぜ!

 やっと俺の期待を裏切らない展開だよー……本当にやっとだ。

 感激のあまり、何かとんでもないことを口走ってしまったような気がする。

 しかし、イッセーが吹き出した以外に被害はなさげなので問題ありません。

 このバイザーならショタの魅力が通じるかしらね?

 

バイザー

「そこの小さい男の子は今まで食べた者達が霞むほど、特に美味しそう……」

一麻

「いやーそれほどでもー!」

 

 どうやら俺の可愛さはバイザー相手にはとっても美味しそうに映るらしい。

 ということはバイザー俺をマルカジリしちゃうんでしょうか。怖い!

 嘘だよ、美人が美味しそうとか言っても意味深にしかならないから全然怖くない。

 バイザーの後ろに食い荒らされた死体があるわけでもないし。

 

小猫

「……そこでそれほどでもは変だと思います」

一麻

「そうかな?」

木場

「普通は怖がるよ、一麻くん」

 

 小猫ちゃんと木場ちゃんに呆れ顔で突っ込みされちゃった。

 お前達の突っ込みを待ってたんだよ!(歓喜)

 どっちかっていうと俺はボケる方が好きだから、突っ込みされるのは嬉しい。

 今のお前達の芸人魂で、俺のボケに突っ込みまくってしまえー!(ピロロロロ

 

バイザー

「一麻っていう名前なのねぇ……」

 

 俺の名前を覚えようとしているのか、何度も俺の名前を口にする。

 すると、バイザーは僕にとんでもない提案をしてきた!

 

バイザー

「貴方……私のペットになる気はない?一麻のような凄く美味しそうな人間を一食限りで終わらせるのは惜しい……全身を舐められ、しゃぶり尽くされるだけの人生を送りたくないかしらぁ?もしペットになるなら、ご褒美をあげちゃうわよぉ……?」

一麻

「MA☆ZI☆DE!?ハァハァ、伝説の……超ペット性活……!!」

 

 どうやら食料としてだけじゃなくペットとしても魅力的に見えるっぽい。

 下半身がちょっとあれだけど、モンスター娘と思えば問題ない。人外パーツ萌え。

 あれれ?不満点ほぼないじゃん。これはぺットになれという神のお告げですね!

 バイザーのペットに、俺はなる!いざ行かんと俺は足を一歩前へ踏み出──。

 

木場

「今のはちょっと聞き捨てならないね」

小猫

「そんなの許しません」

 

 ──そうとしたが、すぐにやめた。いや、やめさせられたの方が正しいか。

 何故なら木場ちゃんに後ろから抱きしめられたからである。

 更に小猫ちゃんに前からだいしゅきホールドされているのだから前へ進めるはずがない。

 嫉妬か、女性の嫉妬&修羅場は僕が最も恐怖するものだ……。

 男性にとって、これほど怖いものはあんまりないだろうね。本当に怖い。

 

リアス

「バイザーの魔の手が一麻に迫る前に倒しなさい、朱乃」

朱乃

「はい、部長(暗黒微笑)」

 

 木場ちゃんは僕の頭を撫でて小猫ちゃんはクンカクンカと僕の匂いを嗅ぐと、僕をイッセーに預けて戦場(処刑場)へ向かった。

 この後バイザーがどうなったのかは、言うまでもないだろう……。

 

イッセー

「参加できない自分が情けないっすよ!」

木場

「魔剣創造!魔剣を作り出す能力!」

小猫

「当たらないと当てます」

朱乃

「貴方には地獄でさえ生温いですわね?」

リアス

「生き地獄を味あわせてあげるわ、バイザー!」

バイザー

「うぎゃあああああああ!?」

 

 ……原作版は知らないけど、漫画版やアニメ版より酷い状況になっているのは徹底的に明らか。

 結局予定してたイタズラは実行できなかったよ。次の機会に持ち越しだね。

 とりあえず、家に帰ったら僕の神器を調べる作業に入らなきゃ……。

 ちなみに神器チェックの過程はキンクリします。メメタァ。

 なので俺の神器の説明は後書きを読んでください。

 そんな現実逃避をしながら、目の前の地獄をイッセーの腕の中で見続けたのだった。




 というわけで第五話……五話だっけ?はこれで終わりです。
 一麻くんが言ってた通り、主人公(兵藤一麻)の神器について説明します。


 神器名『万物召喚(ツール・ウェアハウス)』
 兵藤一麻が持つ神器。本人は転生特典だと予想している。
 本当に転生特典なのか、ただの偶然なのかは不明。
 能力は以下の通り。

 『触れたことのある道具はいつでも召喚できる(予備動作なし)』
 『道具型であれば神器でさえ出せる』
 『魔力さえ足りれば、理論上は生み出せない道具はない』
 『一度召喚した道具は消さない限り消えない(壊れたりはする)』
 『召喚した道具を消せば消費した魔力が全部送還される』
 『持つには条件がある道具の条件を無視して持てる(一麻のみ)』
 『持つと悪影響を及ぼす道具の悪い効果を無視できる(一麻のみ)』

 と、ここまで見れば最強の神器である。
 しかし、非常に残念なことに決して最強ではない。
 何故なら神器には以下の制限(弱点)がある。

 『一度触らなければ召喚できない(逆に触ればいつでも召喚できる)』
 『召喚する道具が強力であればあるほど魔力消費が激しい』
 『魔力が足りないと倒れてしまう危険性がある(命の危険は何故かない)』
 『道具ではない存在は召喚できない(生物や魔法など)』
 『どんな道具でも必ず手元に召喚される(克服可能?)』
 『一度召喚したものは触れていないと消せない(克服可能?)』
 『一麻以外は持つのに必要な条件と持つことで発生する悪影響を無視できない』

 以上である。
 この神器は魔力量こそが全てなのだ。
 つまり地球破壊爆弾や神滅具といったチートアイテムは出せない。
 ただし、他者の魔力を使用した場合はその場限りではない。
 上記二つの道具もオーフィスかグレートレッドの魔力量なら出せるかも?
 イッセーの譲渡を受けた場合も普段より強力な道具が出せる。
 一応は魔力消費量が少なめでも強力な道具を召喚できる。
 そうやって召喚した道具は劣化品となってしまうのだが。
 今回召喚したドンパッチソードとダイコンブレードも魔力量少なめで出した道具である。
 なので本物よりもかなり劣化した状態となって召喚されてしまった。
 ちなみに別世界の漫画の道具が出せるのは、漫画に触れたからである。
 つまり例え漫画であろうと触れればOKなので漫画の道具も出せるというわけだ。
 ただし、ハイスクールD×Dの道具のみ召喚できなくなっている。
 勿論ちゃんと触ればフェニックスの涙だろうと何であろうと出せるのだが……。
 ちなみに食材などを魔力消費量少なめで召喚できる為、日常での汎用性が凄く高い。
 余談だが、四次元ポケットのイメージ検索機能のような能力もある。
 道具の名前を指定せず、効果だけを思い浮かべると自動で選んでくれるという機能だ。
 しかも魔力消費量を自動的に減らしたり少ない道具を選んだりする親切設計。
 ただし、強力な道具が超弱体化して出てきたりするのでいざという時に頼るのは危険。


 以上になります。
 他に疑問点があれば遠慮なく聞いてください。


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神父様かと思ったら帝王様だった件

 お待たせしましたね……さあ、第六話といきましょうか。

 呪!お気に入り数50件突破!!ありがとうございます!!!
 私のお気に入り数は53です。ですが(ry


一麻

「ちょっとやりすぎてるんとちゃう?」

リアス

「そうかしら?私はまだ足りないと思うのだけれど」

 

 バイザーさんフルボッコ開始から五分経過。流石に可哀想になってきたから止めた。

 さっきから喋ってないどころか、呻き声すら上げてないし。

 それでもまだ生きてるバイザーさんの生命力が尊敬できるレベルですげぇ。

 というか俺みたいな子供に壮絶なリンチとか見せんなコラ。

 

朱乃

「これ以上は一麻くんの教育にも悪そうですし、何よりも一麻くんのお願いですからやめましょうか?部長」

リアス

「仕方ないわね」

一麻

「教育ってなぁ……」

 

 凄く不満顔だったけど、一応攻撃は停止してくれるみたいだ。

 あれだけやって、まだやる気だったのか……やめたげてよお!

 それとさり気なく俺を本気で子供扱いするな!こう見えて年の差はほぼないんだぞ。

 え?さっき自分で自分のことを子供って言ってた?知らんな。

 

一麻

「……形は凄い状態だったけど、これではぐれ悪魔退治は無事終了かな?」

小猫

「はい、終わりです」

 

 結局、俺の企んでいたイタズラは勿論、神器の出番もなしに終わりか……。

 てっきり僕の神器はここら辺で皆さんにお披露目会だと思ったんだけどねぇ。

 このまま神器お披露目はなしで物語が進んだりするのかしら。

 それはそれで一向に構わん!僕ちん痛いの嫌だし。

 

一麻

「じゃあ帰ろうよぅ、地味に疲れたし……見てただけなんだけどね」

リアス

「そうね、後はバイザーを処理すれば帰れるわ」

一麻

「やった☆」

イッセー

「ぐべほぇ!俺の弟が可愛すぎる!」

 

 後はバイザーさんを処理して終了か……悪人のとはいえ、死を見るのはちょっとね。

 しばらく後ろでも向いてようかしら?でも一瞬で消滅するからグロくはないと思うけど。

 でもその心配は無用に終わっちゃったのだ。え?なんでかって?

 バイザーさんが原作通りに消し飛ばされなかったからです。

 え、と思ったでしょう?俺もソーナノ。てっきり死亡ルートだと思ったのに。

 じゃあどうなったのかというと、なんと魔界へ送られました。

 そこでじっくりと罪を償ってもらうとか何とか。やったねバイザーちゃん!生存ルートだよ!

 再登場とかするんだろうか?だとしたらどんなポジで出てくるんだろう?

 そんな些細な疑問を持ちつつ、僕の初めてのはぐれ悪魔遭遇は終わった。

 初めてだったんだから……責任、取ってよね!いや、冗談だから。取らなくていいから。

 さて、次は僕の記憶が正しければ……あのテンション高い外道神父さんかな?

 

 

 

 

~翌日~

 

 

 

 

 目を開けると、そこは部長のおっぱいの谷間の中だった。

 え?ちょ!?おま、何やってんだ!不法侵入ですよ不法侵入!

 ある意味こちらも部長の胸元に不法侵入してるんですけどね。

 部長から抱きついてきてる形だから俺はセーフっしょ。

 首に回された腕を外し、抵抗したという証拠を作ったので偽装も完璧。

 それはともかく、勝手に人のベッドに潜り込むのは関心しませんなぁ。

 これはキツイおしおきが必要ですね……さくらんぼキッスの刑にでも処すか?

 喜ぶ未来しか見えないからやめておこうそうしよう。

 とにかく、目の前に全裸の女性がいるのは目に毒なので部長に背を向ける形で寝る。

 

イッセー

「Zzz……Zzz……」

一麻

「おい」

 

 部長に背を向けて寝たら、そこには下着姿のイッセー姉さんが!

 下着姿って時に裸よりエロく見えるよね。個人的には露出は少ない方が好みです。

 穴の開いた下着でするなら、ずらしてする方が個人的に……むふふ♡

 おっと、現実逃避はこのくらいにして……お決まりのあれでもやるか。

 

一麻

「キャー!イッセーさんのエッチ!」

イッセー

「ぶふぅ!?」

 

 俺の全力ビンタが姉貴にすぁくれつぅ!クリーンヒット!一誠はベッドから落ちた!

 人の布団に勝手に寝る奴があるか!しかもなんで下着姿やねん!

 立ち上がるのはいいけど、もっと隠す努力をしようぜ。襲うぞ?

 まったく、姉さんには女子としての自覚が足りなすぎる。

 いくら僕が可愛らしいショタだからといって、性欲がないわけではないんだよ?

 まあ一誠姉さんにとって、襲われるのはご褒美かもしれないんだけどねぇ。

 

イッセー

「い、いきなり叩くなんて……!」

一麻

「勝手に布団に潜り込む方が悪い。とはいえ、流石に本気出しすぎた──」

イッセー

「ショタビンタハァハァ」

一麻

「──というわけでもなさそう。むしろもう一発やっとこうか?」

 

 このダーメダーメな姉は何とかならんかね……完全にマゾじゃないか。(呆れ)

 もっとこう、節操を持て。そうすれば美人な優しいお姉さんになるんだからさ。

 はぁ、美女二人組のせいで完全に目が覚めちまったい。もう起きちゃおう。

 俺はベッドから起き上がり、思いっきり伸びをする。

 すると部長も目が覚めたのか、目元を擦りながら身体を起こした。

 

リアス

「ん……あら、二人ともおはよう」

イッセー

「おはようございます、部長!」

一麻

「おはよー、リアス部長」

 

 一日の始まりは挨拶から。だから挨拶は大事、これ豆な。

 起き上がった部長はこちらへ向いた。()()()()()()()

 B地区とか花園とか色々と見えちゃってるんですがそれは……。

 当然姉様が反応しないわけがなく、スケベ心を発揮し始めたたり、それをリアス部長は利用して一誠のやる気を上げたりしたのだが、ほぼ原作と一緒の流れだったのでカット。

 あれ?でもこの契約の話って学園のどっかでしてなかったっけ?

 こんな些細なところでも原作との違いが出てるのか……。(困惑)

 まあそれはともかく、僕も準備しよう。できれば死体は見たくないし。

 

一麻

「……部長。今夜の姉さんの依頼主の家ってどの辺でしたっけ?」

リアス

「次の依頼者の家はここよ」

 

 リーアたんは依頼書?を出して教えてくれた。

 なるほど、そこか……大して遠い場所ではないのは幸いだね。

 これならアイツがくる前に到着できそうだ。

 まあ夜になる前に行けば充分間に合うと思うけど。

 

イッセー

「俺の依頼者の家なんて聞いてどうすんだ?」

一麻

「どうせ連れて行かれるんでしょ?なら知っておいた方がいいじゃん」

イッセー

「おお、そっか!」

 

 さてと、住所もわかったことだし、依頼主を救いに行きますかね。

 事前に防げるのなら、防ぐ。これくらいの原作改変は簡単にできると思う。

 別に依頼主が死なないと矛盾が発生するとかないよね?

 バイザーが生存ルートに入ったんだし、助けられるよね?

 助けられなかったら……死体を見るハメになるんだよな。

 ぶっちゃけ死体なんてものを見たら吐く自信がある。

 バイザーが死ぬのを想像しただけで気分が悪くなったもの。

 本物の死体なんて見た日には一日中引き篭もりそうだ……。

 助けが間に合うことを願いながら、学校へ行く準備を始めた。

 

 

 

 

~依頼者の家~

 

 

 

 

 そんなこんなで放課後、俺は一人で依頼者の家にお邪魔しマンモス。

 依頼者救済の仕込みも終了。後は原作通りの流れになれば完璧。

 これで例の外道さんがこなかったら全部無駄に終わる。

 骨折り損のなんとやらというやつですよ。それは勘弁して!

 先に依頼者の家に行くことの説得がどれだけ難しかったか……。

 なので早くきてくれ……できるならきて欲しくないけど。

 ほら、こないなら普通に契約取って終了じゃん。超平和じゃん。

 だからこなくてもいいのよ?仕込みは全部無駄になるけど。

 

????

「おやおやおや~?聞いてたのとは違う人がいますなぁ?」

 

 キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

 皆大好きー!フリィィィドくゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 玄関の方角から聞こえてきたね。てっきり窓から侵入するのかと。

 まあ細かいことはどうでもいいや。暇だったから遊ぼうぜ!

 僕は声が聞こえた方向へ顔を向けた。

 

????

「やあ!可愛い子ちゃん、僕っちはフリーサ・セルゼン。シスター様だYO☆」

一麻

「………………」

フリーサ・セルゼン

「本業は悪魔祓いだけどさ、ちょいとここに用事があってお邪魔してるんですよ」

 

 お 前 も か !

 まあ予想はしてたんだけどね。でも名前まで変えてくるとは思わんかった。

 なんだよ、フリーサ・セルゼンって。ドをサに変えただけじゃん。

 ん?待てよ、フリーサ……?フリーサ!?

 

フリーサ・セルゼン

「さて、悪魔と取引なんてした屑人間さんはどこですかね?教えてちょ♡」

一麻

「う……宇宙の帝王様!?!?」

フリーサ様

「!?」

 

 なんでこんなところに戦闘力53万の人がいるんですか!?

 勝てるわけがない!もうだめだぁ……おしまいだぁ……。

 とか何とか適当なことを言って、相手の動きを止める作戦だ!

 どうっすよ?この完璧な作戦。ほら見ろ!フリーサ様も固まって──。

 

フリーサ様

「……僕ちんの戦闘力は53万なのさ、勿論全力は出さないけどね~」

一麻

「なん……だと……」

 

 まさかの返しがきたよ。これは流石の僕も予想外です。

 そういえばこの世界にもありましたね。例のアレ。

 まあタイトルはドラグソ・ボールなんですが。主人公は空孫悟(そらまごさとる)だっけ?

 じゃあ宇宙の帝王様の名前はどんな風に改名されてるんだろう。

 いや待て、落ち着け。そんなことを考えてる場合じゃない。

 落ち着いて……とりあえず目の前のフリーサ様を観察するんだ。

 容姿は木場ちゃんと違って髪は伸びてない。胸も大きくない。

 原作との違いは服装と中性的な顔ぐらいなもんか?意外と変化がない。

 フリーサ様はスレンダー美少女。はっきりわかんだね。

 まあそんなことがわかったところで意味はないけどな!

 

フリーサ様

「さて、おふざけはこの辺にして……そろそろここの家の人のことについて教えてくれない?」

 

 僕との語りは飽きたのか、フリーサ様は懐から銃と剣の鞘を取り出した。

 あれは原作で使っていた正式名称不明の武器……!

 

フリーサ様

「僕ちゃんそれほど気が長い方じゃないのよ、早く教えてくださいな!」

 

 剣の鞘から光の刃が出てきた。これどう見てもビームサーベルだよね。

 これらを見て、俺が言いたいことはたった一つだぜ……フリーサ様。

 

一麻

「超かっこいい!ねえねえ触らせて!」

フリーサ様

「え?……あ、わかる?この武器の良さがわかっちゃう?流石だね~!」

 

 どうやら触れてもOKらしい。関係者以外触れちゃ駄目だとかはないの?

 まあせっかくなので俺は遠慮なくフリーサ様の持つ武器に()()()

 ……うん、やっぱり外見だけはかっこいいね。量産型の武器だけど。

 充分に堪能したところで、そろそろシリアスになってやるか。

 

一麻

「ところで、貴方はこの家の主の行方を知りたいんだったね?」

フリーサ様

「そうでござんす」

一麻

「フッ……残念ながら教えてあげられないよ。どうしても知りたいのなら、僕を倒すしかない」

 

 ここで契約者の居場所をバラしてしまえば、せっかくの計画が水の泡だ。

 俺は無駄な努力は嫌いなの!だから絶対に教えない。教えてあげない。

 僕の答えに気を悪くしたのか、フリーサ様は再度両手に武器を構える。

 

フリーサ様

「じゃあ半殺しにして聞き出すしかねぇですわ。恨まないでちょーよ!」

一麻

「あら、半殺しで許してくれるの?」

フリーサ様

「そりゃあ僕ちんも美少年を傷付けるのは罪悪感が湧いちゃう~みたいな?」

 

 うわぁ。こんな外道神父……じゃなくて、こんな外道シスター相手にも効果あるんか。

 最近僕自身のショタの魅力が恐ろしくなってきました。自分自身のことなのに。

 このまま順調に行けば、ライザー眷属全員寝返らせるとかも可能かもしれんね。

 やばい、人生ハードモードかと思ったら予想以上にイージーだったでござる。

 

一麻

「フフフ……親切心どうも。意外な部分を見たことだし、始めようか?」

フリーサ様

「僕っちは優しいから先制は…………ん?そういやアンタ誰?」

 

 あれ?自己紹介してなかったっけ?僕ってばうっかりさんだなぁ☆

 フリーサ様だってしたんだし、ここは僕も自己紹介するべきだね。

 僕は姿勢を正し、少し頭を下げながら自己紹介をした。

 

一麻

「兵藤一麻でございます」

フリーサ様

「オッケイ、そんなわけで一麻くんに先制攻撃を譲って差し上げまっせ。レディーファーストならぬボーイファースト♪」

一麻

「ボーイの反対はガールだよ?」

フリーサ様

「細かいことは気になさんな!さあ先制どうぞ!」

一麻

「それじゃあ遠慮なく……」

 

 あーあ。やっちまった。この僕に先制攻撃を許すとはね……愚かな選択をしたよ。

 ならば見せてやろう、超ベジー……じゃなかった。兵藤一麻の圧倒的パワーを!

 

一麻

「いざ、尋常に……勝負じゃーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一麻

「マリオゴルフでーーーーー!!」

 

 僕は両手に64のコントローラーを持ちながら宣言した。

 一体いつから……もうふざけないと錯覚していた?

 そろそろシリアスになってやる。(もうふざけないとは言ってない)

 そもそも勝負の内容なんて元から決めてないし、決めなかった相手が悪い。

 つまりゲーム対決をしてもおかしくはないというわけだぁ!

 ちなみに64本体とかカセットとかコントローラーとかは万物召喚(ツール・ウェアハウス)で出しました。

 

フリーサ様

「……はい?」

 

 流石に帰ってはくれないか。帰ってくれたら凄い楽だったのに。

 まあいい、若干後悔しているが、反省はしていない。このまま押し切る!

 フリーサ様をゲームに誘ってみせる!絶対に!(謎の使命感)

 

フリーサ様

「流石にそれは予想外ですわぁ……無論、却下で」

一麻

「そっか。まあ仕方ないか、こんな子供に負けたとなれば恥だもんねぇ?」

フリーサ様

「あ、挑発しちゃいますか?それじゃあ乗らないわけには参りませんよなぁ!?」

 

 ふはははは!フリーサ様陥落!後は一緒にゲームを楽しむだけだぁ!!

 ……ノリでマリオゴルフ対決にしちゃったけど、あんまりやったことないんだよね。

 これは全力で行かざるを得ない!ぶっちゃけテニスにすればよかったと後悔中。

 今更別のゲームに変えるわけにも行かないので、二人で対戦をしました。

 僕も帝王様も中々の負けず嫌いで、結局姉さんがくるまでプレイしてましたとさ。

 うん、自分でも一誠がくるまで人様の家で外道さんと一緒にゲームしてるのはどうかと思う。

 だが俺は充分満足したので謝らない!いやぁ楽しかった。(笑)




 第六話にしてやっと外道さん登場。
 結構カットしてるくせに遅い気がしなくもない。

 でも信じられるか?
 レイナーレどころか、カラワーナ以外の堕天使3人がまだ未登場なんだぜ?


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大事な部分は凄い簡単に終わる、はっきりわかんだね

 フリーサ様戦を書くのに3~4週間掛かりました……。(小声)
 後半部分を書くのにそこまで時間は掛かってないです。
 原作と違う展開を書くのが、バトルに入った瞬間ここまで難しくなるとは……。

 次回はほぼ完成しているような状態なので一週間後に投稿予定!お楽しみに!


イッセー

「一麻、ちゃんと依頼主さんと遊べて……て、その格好は神父か!?」

フリーサ様

「神父じゃなくてシスターなんですけどぉ?」

一麻

「中世的な顔立ちだからなぁ……」

 

 僕が暢気にフリーサ様(悪魔の敵)と遊んでると、悪魔の姉さんがやっときた。

 イッセー姉さん!もう僕待ちくたびれたよ!

 もうゲームやりすぎて指が筋肉痛だぜ……!(大嘘)

 俺の冗談はともかく、フリーサ様がゲームを止めて立ち上がり、我が姉に体を向けた。

 どうやら楽しいゲームタイムは終わってしまうようだ……。

 

フリーサ様

「気を取り直して……私様はシスター!少女シスタ~♡」

イッセー

「…………」

 

 フリーサ様は突然歌い始めた!イッセーは困惑している!

 現状を説明するとこんな感じかな。

 これでイッセーを一時的に無力化、まともに動けるのは僕だけ……。

 

フリーサ様

「ムカつく悪魔をぶっ殺し~♪キュートな僕が高笑う~♪」

一麻

「僕らと一緒にゲームして~♪仕事を忘れて遊ぼうよ~♪」

 

 まともに動けるからと言って、まともな行動を取る必要はないよね。うん。

 というわけで便乗して歌いまーす!俺の歌を聴けぇ!!

 割り込んできた僕に驚いたのか、フリーサ様は歌を中断した。

 

フリーサ様

「そうしたいのは山々なのですが、私ちゃんは悪魔を殺す仕事があるんだよね~」

一麻

「知るかバカ!そんなことより対戦だ!」

 

 僕は64コントローラー片手にフリーサ様に近寄ろうとした。

 しかし、イッセー姉さんが僕とフリーサ様の間に割り込んだせいで近づけない!

 おのれイッセー、僕の邪魔をするとは……。

 

イッセー

「一麻!早くそのわけがわからないシスターから離れろ!」

一麻

「姉さん……」

フリーサ様

「心配しなくても、一麻きゅんを人質にしたりはしないでござんすよ?まあ例え一麻きゅんの姉でも悪魔ちゃんはぶっ殺し確定だけどねぇ!」

 

 フリーサ様が武器を取り出すと同時に、姉さんも篭手を出した。

 突然のシリアス発生!僕は困惑している!これ完全に戦闘態勢だよね。

 あれ、さっきまでのほんわかギャグ空気はどこに行ったの?

 やっぱりシリアスの魔の手からは絶対に逃れられないの?

 ……いや!まだ諦めるべきではない!今からでも遅くはないはずだ!

 僕は召喚した64を消して魔力を補充してから姉さんに話しかけた。

 

一麻

「姉さん、ここは僕に任せてくれないかな?」

フリーサ様

「ん?一麻きゅんがお相手でしょうか?まあ僕ちゃんはそれで一向に構いませんが?」

一麻

「僕も自分の力を、万物召喚(ツール・ウェアハウス)を試してみたいんだ」

 

 彼女は序盤の敵だ。我が能力の絶好の試し相手となるだろう……。

 とかかっこつけてるけど、シリアスを壊したいだけなんだよねー。

 まあ自分の神器を試したいってのも嘘じゃないけどさ。

 

イッセー

「……わかった。でも危なそうだったらすぐに助けてやるからな」

一麻

「姉さんだってまだまだ初心者でしょうに……」

 

 ぶつくさ言いながら僕はいつでも武器を召喚できるように構える。

 さぁて、初陣は華麗なる勝利で飾りたいものですが……。

 

フリーサ様

「糞悪魔くん殺しの準備体操、始まるよー!」

 

 彼女はよいしょという感じで体を動かしている。

 ……たかが人間一人に体操の必要性はあるんですかね?(疑問)

 あんなギャグキャラ気質な感じでも、中身は戦いの天才だからね。()()()

 まともにやれば瞬殺は免れない……はず。うん。

 何故か適当に戦っても勝てる気がするのは気のせいだと思う。

 

フリーサ様

「さぁ武器を構えて、準備はいいかな~?」

一麻

「いいともー!」

 

 元気よく返事をすると、フリーサ様は素早く間合いを取った。

 さて、僕にとって初めての戦いとなるわけですが……。

 実はもう召喚するものは決まってたりする。

 

一麻

「万物召喚!光剣&祓魔銃(はぐれ神父の武装)!」

 

 右手にビームサーベルを、左に合法銃を召喚した。

 流石にフリーサ様もこれには驚いたようだ。もっと驚け~!

 

フリーサ様

「私様の武器を!?ということは神器所有者か!」

一麻

「そうだよ、僕の神器は触れたことがある物体を魔力を消費することでいつでも取り出せるのさ」

 

 漫画に触れれば、漫画の中の道具でさえ出せるんだからとんでもないよね。

 でも強力な道具ほど魔力の消費が激しいからチートではないな。

 せめて僕の魔力がもっともっと多ければショタ無双とかできたかもしれないのに。

 

一麻

「さあ、先制攻撃と行こうか?」

フリーサ様

「んー……どうぞどうぞ。神器所有者だとしても、結果は丸見えでございますからねぇ」

 

 僕が弱そうな外見をしているせいなのか、遊ぶ前と同じように先制攻撃を許してくれた。

 フリーサ様、君の最大の弱点はその慢心だよ。

 その油断しまくった心のせいで僕に敗れ去る破目になるのさ。

 でも相手がいくら油断してるとはいえ、僕が戦いの素人であることに変わりない。

 魔王がいくら油断しても、勇者以外が勝利を手にするのは難しい。

 だからこそ、弱者である僕は策を弄して強者に勝つのだ!

 

一麻

「じゃあ遠慮なく攻撃させてもらう、よ!」

フリーサ様

「な、何ぃ!?」

 

 ふふふ……驚いてる驚いてる。そんなに僕の取った行動が意外だったみたいだね。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()のが、そんなに驚くことかな?

 ちなみに銃の方は魔力補充の為に一旦消しました。出すのが召喚なら消すのは送還かな?

 召喚したものを送還すれば召喚に消費した分の魔力は帰ってくるのは本当に便利♡

 ……さっきから召喚だの送還だの言ってるけど、実際は魔力を材料に道具を生み出してるようなもんだからこの表現は正しくない気がする……。

 まあいいか、作者がもっと的確な表現を思いつけないのが悪い。俺は悪くねぇ!

 あ、投げた光剣が弾かれた。まあ素人が武器を投げても防がれるのが当然だよね。

 でもでもでも、俺の目の前で弾いてしまったのが運の尽き。

 今、フリーサ様は僕の剣を自分の剣で弾いたことで隙を晒してしまっている。

 投げた時点で僕はフリーサ様に向かって走ってたので、その隙を突く時間は充分にある。

 剣を弾くと同時にフリーサ様が僕の接近に気が付いたようだけど、もう遅い!僕は既にあるものを召喚し、両手に持っているのだ。

 それを全力で振りかぶって思いっきり当てれば勝てる!多分!

 受けてみろフリーサ様!出せないと思ったら出せちゃった強力な武器をォォォ!!

 

一麻

「ホームランンンンンンンンッ!!!」

フリーサ様

「あぎゃあああぁぁぁぁぁ……!」

 

 カッキーン!といういい音を立ててフリーサ様は吹っ飛んだ。

 壁と天井を破壊しながら空の彼方へ消えたけど、これ後で請求書贈られたりしないよね?

 まさかホームランバットがここまでの威力を持っていたなんて予想できんかったよ。

 まあいざとなったらはぐれシスターが壊したってことにしておけば大丈夫でしょう。

 

一麻

「初めての実戦で勝利できたよ!お姉ちゃん褒めてー!」

イッセー

「ぐはぁ!?」

 

 ついでに姉さんもKOした。理由は特にない。

 初めての実戦がこんなあっさりで大丈夫か?大丈夫だって安心しろよ~。(確信)

 ホームランバットを送還して魔力を回復すると、タイミングを見計らったように魔法陣が出現。

 紋章とか見ても誰かわかんないけど……十中八九リアス部長でしょう。

 予想通りというべきか、魔法陣の中から部長とその眷属達が出てきた。やっぱりな。

 

木場

「イッセーくん!一麻くん!助けにきたよ……あれ、敵は?」

イッセー

「外道シスターなら一麻が神器を使って吹っ飛ばしたぜ!」

 

 おいおい、その言い方だと僕が神器をフル活用して俺TUEEEE!したみたいじゃないか。

 あれでも結構ギリギリだったんだからもっと詳しく説明してホラ。

 

朱乃

「あらあら……うふふ」

リアス

「無傷で教会の者に勝てるほど強力な神器なの?」

一麻

「さぁ?そもそも神器自体あまり見たことないから何とも言えない」

 

 能力面だけ見れば神滅具級に強いんじゃない?

 まあ人間の魔力でできることなんて高が知れてるけど。

 でも僕は人間をやめないぞ!リーアたんッ!

 

小猫

「一麻先輩が無事でよかったです」

木場

「助けにきたのに、出番なしで終わっちゃったかな?」

 

 フリーサ様はお星様になってしまったので木場くんと小猫ちゃんの出番はありません。

 まあこれくらいの原作ブレイクなら大丈夫だよね。うん。

 というわけで早く帰宅しよーぜー。もうこの家にいるのも飽きちまったよ。

 玄関へ向かう前に帰宅の挨拶しようと口を開いたその時、朱乃さんが険しい表情になった。

 

朱乃

「部長!堕天使が一人、はぐれ悪魔祓いと思わしき人間が複十数近付いてきますわ!」

 

 ……そういえばそんなのもありましたね。油断してたぜ。

 これはどっちみち逃げるしかないけど……僕はどうなるんだろう?

 だって転移魔法陣って部長とリアス眷属しかジャンプできないはずだし……。

 

リアス

「……朱乃!ここへジャンプする時に使用した魔法陣で戦線離脱するわよ!」

イッセー

「ちょっと待ってください!その魔法陣って人間の一麻は転移できないんじゃ!?」

リアス

「安心しなさいイッセー。帰る時も考えて()()()()()()人間も一緒にジャンプできるわ」

木場

「一回限りの特別な魔法陣なんだ。だから一麻くんも一緒にワープできるよ」

 

 へー、そんなこともできたのか。

 まあ原作でもキャスリングの時にイッセーを連れてってるからできても不思議じゃないか。

 しかし惜しいな、()()()()()()ってのがなれけば万事解決だったのだが……。

 これは腹を括るしかないか。僕は壁にある押入れを開け、そこからあるものを取り出した。

 

一麻

「連れて行くなら、僕じゃなくてこの人を連れてってくれないかな?」

イッセー

「こ、この人は……?」

一麻

「姉さんの依頼主さんだよ。今は眠ってるだけで死んでないから安心してね」

 

 そう、これこそが僕の計画。名付けてモブの依頼主さん救済作戦!

 この依頼主さんが救済されてる二次SSってほぼなかった記憶しかねぇ。

 なんで原作知識で死ぬのわかってるのに皆助けないんだろうね?

 まあ魅了チートもどきを持つ僕でもかなり面倒だったからなぁ……。

 楽したいなら助けない方が断然いいんだろうけど、やっぱり死体を見るのは嫌だよ。

 え?なんで依頼主さんが寝てるかって?どうせ悪魔祓いのことを言っても信じないだろうから寝かしつけました。

 え?ならどうやって寝かせたかって?よくぞ聞いてくれました!

 それはそれは長い話になるのだが……。

 

リアス

「……なんで寝てるのかしら?」

一麻

「僕が眠らせたからです」

 

 ちょうど部長も聞いてきたことだし、依頼主さんのことについて話そう。

 あれは確か三十六万……いや、数時間前だったか。

 

 

 

 

~ 突 然 の 回 想(地の文はほぼないので注意) ~

 

 

 

 

一麻

「ピィィィィンポォォォォォォォォン……」

依頼主

「……口でピンポンなんて言う人は初めて見たよ(困惑)」

一麻

「本物の方も鳴らしたからいいじゃないですか。貴方が一誠さんの依頼主さん?」

依頼主

「そうだけど……君は?」

一麻

「あ、どうも!僕は暇してるだろうから遊びに行けと言われたかずたんです☆」

依頼主

「か、\カワイイ!/」

一麻

「僕を家に入れる意志を見せなければ、僕は貴方を萌え死させるだけだぁ!」

依頼主

「もちろん家に入れるさ!ところで、昼食でもどうだろうか?」

一麻

「イイナァ!というわけでお邪魔しまーす」

依頼主

「自分の家だと思っていいからね」

 

 ぱくぱくもぐもぐ……。

 

一麻

「本当に美味しかったね、依頼主さんの作った昼食ね~」

依頼主

「そう言ってもらえると料理した側としても嬉しいよ」

一麻

「でもちょっと疲れたんとちゃう?」

依頼主

「いやいや、全然疲れてなんかないさ」

一麻

「嘘付け絶対疲れてるゾ。料理は体力勝負だってホモも言ってたし」

依頼主

(ほも?変な名前だなぁ……)

一麻

「というわけで、よかったら僕の持ってきた紅茶でも飲んでください」

依頼主

「ありがとう。疲れてはないけど、ちょっと暑くなってたからね」

 

 ゴクゴクゴク……ぷはぁ!

 

一麻

「いい飲みっぷりですね」

依頼主

「そうかな?」

一麻

「姉さんとも仲良くしてくれると嬉しいです。姉さんがきた時はよろしくお願いしますね」

依頼主

「もちろん!もしかしたら常連にな──」

 

 バタン!

 

一麻

「……よし!(適当)」

 

 ホモの紅茶を飲んでから眠るまでの間、わずか5.20秒!

 

一麻

「やっぱ、出張料理人(中野くん)に飲ませる……ホモコロリを、最高やな!」

 

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

一麻

「──というわけなんだ」

リアス

「え、何それは……?(困惑)」

 

 まあ当然困惑するよね。なんで眠らせたのかが謎だし。

 でも説明はする気はないし、する時間もない。

 いいのかなー?このままのんびりしちゃってさ。襲撃されても知らないぞ?

 ほれほれ~朱乃さんがかなり焦った顔をしてるぜ~?

 

朱乃

「部長!あまり時間はありませんわ!」

リアス

「……そうね、今は一刻を争うわ」

一麻

「さあ早く依頼主さんを連れて行って!」

リアス

「で、でも貴方はどうするの?」

 

 そう!そこなんだよねぇ……はっきり言って襲撃者を全員返り討ちとか夢のまた夢さ。

 僕の魔力量のせいで神器でできることは高が知れている。

 つまり生き延びられる可能性はかなり低いと言ってもいいだろう。

 ……ただし、それは俺以外の人物だったらという話だがな!

 

一麻

「以前、堕天使に襲われた時に僕は攻撃されなかったんだ。つまり堕天使の連中にとって僕は利用価値がある必要な人材である可能性が高い。なら殺される可能性が僕達の中で最も低い!」

朱乃

「部長、一麻くんは殺されませんわ。信じましょう」

 

 朱乃さんにも確信があるのか、説得に協力してくれた。

 その確信の内容が「だって可愛いから」な気がするのはきっと気のせいじゃないはず。

 まあ事実だから仕方ないね!だって僕は俺でもうっとりするほど可愛いし。

 

木場

「部長、気持ちはわかりますが依頼者さんを置いていくわけにもいきません。ここは一麻くんに従いましょう」

リアス

「…………わかったわ。一麻、待っててちょうだい。必ず貴方を助け出してみせる!」

小猫

「私も全力を尽くして助け出します。一麻先輩、グッドラックです」

 

 いやぁ、皆から心配そうな顔で心配されるのは嬉しいものがあるね。

 でもここまで好感度が初期から高いと逆に心配になるな。原作の流れ的な意味で。

 わりとマジで大丈夫かしら、後々この好感度の高さが原因で原作崩壊とかないよね?

 帰還する準備が終わったらしい皆がさあ帰ろうとなった瞬間、姉さんが叫んできた。

 

イッセー

「一麻!絶対に死ぬなよ!」

一麻

「もちろんさぁ!いってらっしゃーい!」

 

 僕は挨拶付きのお見送りをした。当然手を振るのも忘れない。

 ……彼女達が消える瞬間、朱乃先輩が鼻血を出してたのも忘れられそうにない。

 もしかしなくてもここの朱乃さんは重度のショタコンなのかね……元からなのかこの世界限定なのか。

 原作でもそうだったらもう完全に変態だと思考したその時、ホームランバットで開けた穴からゴスロリ少女が現れた!

 こ、この金髪ツインテールを俺は知っている!このノリがよさそうな堕天使を知っている!

 

ゴスロリ堕天使

「初めまして、私はミッテルトと申しますの。以後よろしく」

一麻

「よろしくー。それと、別に硬くならんでもええで?」

ミッテルト

「あ、そう?ならウチの喋りやすいように喋らせてもらうっスよ」

 

 ミッテルトちゃんキタ━━(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)━━!!

 黒色のゴスロリに堕天使の羽が似合ってて可愛い!

 丁重にお辞儀しながらの挨拶も似合ってるよ!自然体も似合うぜ!

 しかもガーター属性も小悪魔的性格という属性も持っている!これは素晴らしい。

 俺のショタの容姿の可愛さも負けてないがな!僕の可愛さは世界一ィィィ!!

 二人目はミッテルトちゃんだとすると、次に会うのは誰なのかしら?

 やっぱりレイナーレさんだったりするのかな。

 

ミッテルト

「オホン……一麻、アンタにはウチらと一緒にきてもらうっス」

一麻

「ええよ」

ミッテルト

「ちなみに拒否権は……って、そんなあっさりと!?」

 

 いや、だってそのつもりで残ったんだし。何かおかしいかね?

 まあ誘拐すると言ったらOK出ちゃったって感じだろうからビックリもするか。

 

ミッテルト

「……まーいっか。手荒な真似をしないで楽に連れて行けるんならむしろ大歓迎だし」

一麻

「あんまり痛くしないでね?」

ミッテルト

「もっちろん!お姉さんに任せなさーい!」

 

 こうして僕はゴスロリ堕天使のミッテルトに誘拐されちゃったのだ。

 ね、殺されなかったでしょう?僕の目論見は大成功!やったね。

 さてさてさて、どうやって脱出するかねぇ……簡単にはいかないだろうな。

 いっそのことアーシアちゃんと一緒に救出されようか?それが一番よさそうな気がする。

 …………あれ?そういえば結界担当のアーシアちゃんの姿が見えないぞ?どこ行った?




 アーシアちゃんは吹っ飛んだフリーサ様を追いかけて行きました。
 なので今回は出番なし。ラッキースケベを期待してた方はすまへん。

 ミッテルトの語尾である「ス」「っス」がたまに取れるのは仕様です。
 アニメでも語尾が抜けてることがよくあるし……。
 なので基本的にエスカルゴン閣下をイメージしてください。



 前々回と今回召喚した武器一覧

『聖剣ドンパッチソード』
 一麻が初めて召喚した伝説の聖剣?切れ味はエクスカリバー以上。
 ただし、魔力量が足りなかった為に弱体化された状態で召喚されたようだ。
 この世界では魔剣ダイコンブレードの影響か、聖剣となっている。

『魔剣ダイコンブレード』
 封印されるほど強力な魔剣。攻撃力は聖剣ドンパッチソード以上らしい。
 やはり弱体化されていたが、それでも並の魔剣以上の切れ味を誇る。
 外見は完全にただの大根。ドンパッチソードもネギにしか見えないが。

『光剣&祓魔銃』
 とあるシスターの武器に触れて出したもの。召喚時の魔力消費が比較的少なめ。
 特に活躍の場面はなし。これから先、活躍する機会はあるのだろうか?
 ちなみに武器の名前は一麻が命名した。だって本来の名前を知らないんだもん。

『ホームランバット』
 非力な者でもフルスイングで殴れば天の彼方まで吹っ飛ばすことができる。
 ただし、吹っ飛ばせたからと言って倒せたか、殺せたかは別問題。
 根元に当ててもあまり飛ばないが、先端に当てれば凄い吹っ飛ぶ。


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僕の予想してた監禁生活と違う

 実はこのお話、第一話よりも前に書いたものだったりします。
 それを色々調整して矛盾しないようにしたのが今回のお話です。

 ちなみに今回はいつも以上にエロネタが多いので苦手な方は注意!


 この世で最も恐ろしいものって何だろう?

 ある人物は「莫大な金である」と言った。

 またある人物は「己を悪と自覚してない悪」と言った。

 確かにこの二つも恐ろしいとは思う。

 だがそれらが最もかと言われたら、全力で否定する。

 ……え?じゃあ何が俺にとって一番恐ろしいかって?

 

カラワーナ

「今日一緒に一麻と寝るのは、この私だ!」

ミッテルト

「そりゃないっスよ!うちだって一緒に寝るのを楽しみにしてたんスから!」

 

 それは修羅場(女同士の争い)である。

 男はキレた女に逆らえない。これ世の真理ね。

 だからさ、俺のことで争わないでください。

 もうどうすればいいのかが全くわからんので。

 

一麻

「……俺って一様さ、誘拐犯に拉致された被害者だよね?そしてあの二人は加害者だよね?なんでこんなにほのぼのとしてるんですかねぇ?」

 

 そう、こう見えてもカップルに人気がありそうな人気のない寂れた教会に数日前に拉致された身である。

 こらそこ!誘拐されたくせに超余裕そうじゃんとか言わないの!

 最初こそ神器狙いかもしれないという可能性に気が付いてしまい、どこぞの女装吸血鬼の如くビビリまくりでまともに会話もできなかったぞ。

 でもどうやら俺の神器を狙っている訳ではない、つまり殺される訳ではないことがわかった。

 なので俺は安心して警戒態勢を解除した、という訳である。

 今では一緒に寝る時に「やめて!俺をベッドの上で乱暴する気でしょう?エロ同人みたいに!」とかいう冗談を言えるレベルには安心しまくっていた。

 なお、実際は普通に添い寝するだけのもよう。やけに目がギラギラしてたけど。

 ……え?気を抜きすぎ?まあ、いいんじゃないかな。

 

一麻

「結局何のために俺を拉致ったのかがわからずじまいだしな~、何故か教えてくれないし」

ドーナシーク

「いずれわかるさ、いずれな……」

 

 かっこつけマンは帰って、どうぞ。

 それにしても暇だ……姉上達よ、早く助けにきておくれ。

 そしてこの退屈な空間をぶち壊しておくれ。俺が許す!

 なんなら敵さん全員無視でレイナーレを直接叩いて終わらしてもええんやで!

 ……そういえばレイナーレはどこにいるんだろう?まだ会ったことがないんだけど。

 

一麻

「まあいいや、というわけでミッテルトちゃーん!」

ミッテルト

「え?もしかしてうちをご氏名?」

一麻

「SMしようぜ、俺がサンドバッグな」

カラワーナ

「…………ミッテルト、貴様ずるいぞ」

 

 ミッテルトだけ誘ったのが不満なのか、カラワーナがムスッとした顔になった。

 いや、突っ込むところそこじゃないよね?そこはずるいぞじゃないよね!?

 羨ましがってないで突っ込んでくださいよ~。(悲願)

 全くもう、俺はどっちかっていうとボケ役なのに。

 僕のSMやらないか?という言葉にミッテルトは凄い喜んだ。

 

ミッテルト

「ゴスロリが裸スーツに勝ったぁぁぁ!というわけでまずはナニからする?」

一麻

「じゃあ「目の前で美少女がスカートをたくし上げてくれるけど肝心な部分は絶対に見せてくれない。しかもお触り禁止なのでめくりに行くこともできない。でも最後にはちゃんと見せてくれるアメとムチ使いの鏡」という感じのソフトなやつで」

ミッテルト

「イエッサー!じゃあ早速……」

 

 僕のプレイ内容に一切の突っ込みを入れず、ミッテルトは自らのスカートを掴んだ。

 ……いいのか?自分から言ったことだけどいいのか!?

 ひゃっほう!これでゴスロリ美少女の太ももを眺め放題だぜい!やったぜ。

 やっぱ、ミニスカートが織り成す……チラリズムを、最高やな!

 

カラワーナ

「ならば私はミッテルトにはないおっぱいを使うか……」

一麻

「…………誰か突っ込み役をしてよ」

ドーナシーク

「男のくせに突っ込んで欲しいと言うとは……(意味深)」

一麻

「([∩∩])死にたいらしいな?」

ドーナシーク

「すいませんマジ調子こいてました」

 

 ちょっと睨んでみたら全力で堕天使が謝罪してきた件。俺人間なのに……。

 真の人間は目で殺す。つまり眼力こそ強力な武器だってはっきりわかんだね。

 あ、そういえばミッテルトとカラワーナはどっちが先に寝るかで争ってたな。

 ……二人ともすっかり忘れてるっぽいけど。まだ決着は付いてなかったよね?

 

一麻

「せっかくだから、俺はこの赤のドゥーヌァちゃんを選ぶぜ!」

ドーナシーク

「ドゥーヌァちゃんって私のことかな?」

一麻

「嫌なら断ってもよかですよ?」

ドーナシーク

「こんなに可愛いショタっ子と寝れるのが嫌なわけがない!共に一夜を過ごそうではないか」

一麻

「かぁ!気持ちわりぃ……!やだオメェ……!というわけでチェンジ、カラワーナさんと寝るよ」

 

 それを聞いたドーラマーマが崩れ落ちるが、無視☆

 おじさまと一緒に寝るぐらいならフリーサ様と寝た方が遥かにマシやし。

 というかなんでトゥーナイークは性転換してないねん。フリードくんもといフリーサ様でさえしてたのに。

 これは永遠の謎ですね……迷宮入りしそう。(小並感)

 

ミッテルト

「ちぇ、今夜はカラワーナと練るんスか……まあいいか。うちはSMプレイをするし」

カラワーナ

「一麻は私と寝ることになった。だからSMプレイも許してやる。しかし次は私だからな」

 

 ……俺は変態紳士だ。変態だけど、紳士なんだ。

 つまり俺は泣く女性でオ○ニーすることはできるが女性を泣かせるオナ○ーはできんのだ。

 このままだとシリアスが存在しない代わりに暇すぎて、そして何よりも彼女達に手を出してしまいそうで死んでしまう……。

 ヘタレ?何度でも言えよ。二次元万歳!リアル女子テラコワス。あ、ここも一応二次元世界なのか?

 まあそれはともかく、イッセーーーーー!!早くきてくれーーーーーーーーーー!!!!

 

ミッテルト

「ほらほら、見えちゃうっスよ~?あともうちょっと……もう少しで……♡」

一麻

「ぐっ見えそうで見えない……だがそれがいい!」

 

 やっぱり今はこなくていいです。うふふ。

 

 

 

 

~翌日~

 

 

 

 

イッセー

「待ってろよ!今助けに行くぞ!」

 

 キタ━(゚∀゚)━!

 主人公、やっとのご登場ダヨォ。待ちくたびれたぜ。

 あまりに暇過ぎてドナイシータさんの顔に落書きしようとしてたぐらいなんだからね!もう!

 無意識に敵のドーナッツさんまで救うとは……やはりこの世界の主人公は兵藤一誠、貴方しかいません!

 さて、早速我が愛しの姉さんの下へ!行きたいけど行けないんだよなぁ……。

 いつもは普通の部屋のベッドで寝てるはずなんだが、気が付いたら教会の地下室っぽい場所で謎の魔法陣によりベッドの上に拘束されていたのでした、まる。

 ここは例の儀式の場所ですね……間違いない。

 え?なんで地下室っぽい場所なのにイッセーさんの声が聞こえたかって?

 ……ヒューマンイヤーは地獄耳♪ヒューマンアロー?ねぇよ、んなもん!

 ちなみにアーシアちゃんがお隣さんになってますね。これは茶菓子用意して挨拶しに行かなきゃ……。

 まあ動けないから茶菓子も糞もないんだけどねぇ!そもそも茶菓子なんてどこにあるのよ?茶化しなら得意だけどな!

 ……座布団全部持ってかれる幻覚を見た気がした。僕もう疲れてるのかな。

 

アーシア

「ん、うぅ……」

 

 お、一人漫才をしていたらアーシアちゃんがお目覚めになられたようです。

 これはアーシアちゃんを漫才に引きずり込めっていうお告げですね、間違いない。

 

一麻

「よく、眠れたかな?」

アーシア

「か、一麻さん……?どうしてここに?」

一麻

「僕もよくわかんない」

 

 ちなみに説明し忘れていたが、アーシアちゃんは十字架に磔にされています。

 キリスト状態のシスターとベッドに魔法陣で拘束されたギャグキャラが会話って……よく考えてみるとカオス。

 だが俺はシリアスにならない。何故なら俺はシリアスアレルギーだからだ。(大嘘)

 

一麻

「大丈夫?どこも乱暴されてない?」

アーシア

「はい、痛いところはありません。でも鎖が身体にギュッてしてて、少し変な感じがします……」

 

 そう言ってアーシアちゃんは身動ぎした。そのせいで鎖が更に食い込む。

 おい、誰だよ!胸の谷間に鎖通した奴は!ありがとうございます!そして胸以外もやばいんだよなぁ……。

 特に太ももに食い込んだ鎖が曲者だ、おのれアーシア!俺が女子の下半身関係エロスが特に大好きと知っての魂胆か!?

 意外にムチムチとしている太ももが鎖に食い込んでてエロォイ!!

 しかし、この思いをアーシアちゃんにぶちまけたりはしない。僕は紳士だからね!

 変態という名の紳士だけど。でも変態と変態紳士はかなり違うからセーフ。

 少なくともオープンスケベの原作一誠よりはマシだと思いたい。

 

一麻

「そっか、お互い大変なことになっちゃったね」

アーシア

「はい……」

 

 返事をしたっきりアーシアちゃんは俯いてしまった。

 こらシスター!人と話す時はちゃんと相手の目を見なさい!メッ!

 

一麻

「もしかしてさ、アーシアちゃんを教会に案内したから僕が誘拐されたとでも思ってる?」

アーシア

「すみません、教会に案内していただいたばっかりに……」

 

 結構前のお話で迷子のアーシアちゃんを教会へ案内したことがある。

 それが原因で僕が捕らえられていると考えているのだろうか?

 

一麻

「なに、気にすることはない。アーシアちゃんと接触がなくても攫われないわけじゃなかっただろうし」

 

 僕の予想だと多分アーシアちゃんと会わなくても誘拐されたような気がするからなぁ。

 そう言うとアーシアちゃんは何か考えだした。きっと俺が攫われた理由を考えているのだろう。

 う~んとって感じで考える姿が可愛くて癒しやわ~。原作イッセーが妹みたいに思っちゃうのもわかる。これじゃあのエロエロ魔人も罪悪感で手出しなんて不可能だわさ。

 ……それにしても姉貴遅い。かっこよく助けにきたぞとか何とか言っておきながら未だに助けがこないってどういうことじゃい!不貞腐れるぞよ!?

 

フリーサ様

「その通りでございまする!アーシアたんがいなくても一麻ちゃんはここに拘束されちゃいましたぁん!既に決定された運命なのだァァァァッ!!あ、ちなみに糞悪魔御一行様はレイナーレ様とドララシュッラが足止めしてんのよ」

アーシア

「い、イッセーさん達がきてるんですか!?」

 

 なるほど、足止めされてるのか、それなら仕方ないね。でも遅刻厳禁、後でおしおきだ。

 ……そういえば原作でも足止めされてたよな?すっかり忘れてたよ。あれ?でもそれってフリーサ様の役目じゃ?というかいつから居たんだお前。

 気のせいか原作の内容が思い出しにくくなってる気がする。

 まあ主要人物を忘れてはないっぽいし、大丈夫でしょう。未登場なキャラも思い出せるし。

 え?ドーナシーク?誰それ?アタイ知らないよ。そんな謎の人物はどうでもいいっしょ。

 え~っと……確かこの先の展開は……確かアーシアちゃんの神器が抜き取られるんだったっけっか?

 何かの儀式とやらをして……あれ?その儀式担当はフリーサ様ってこと?できるの?

 そういう小難しそうな作業は苦手そうなんだけど。人選ミスってない?

 

フリーサ様

「ところでさ、今暇でしょ?」

一麻

「これで暇じゃない人は放置プレイ好きですね」

フリーサ様

「この教会の玄関にぃ、糞悪魔共が集まってんだけどさぁ……殺ってかない?」

一麻

「んーどうしよっかな~。あ、駄目だやっぱ(即答)」

 

 いくら俺がギャグキャラを目指してるって言っても恩を仇で返すのはよくないよね!

 恩じゃなくて怨を与えられたら話は別だけどな!

 それでもフリーサ様はしつこく勧誘してくる。

 そういえば宇宙の帝王も勧誘しまくってたよね。人材不足だったのかしら。

 

フリーサ様

「やらないか?(悪魔狩り好物)」

一麻

「やらないな!(シリアス苦手)」

フリーサ様

「そんなこと言わずにさ~、わっちといっちょデビルマストダイしようぜ?」

 

 おのれ、どうしても俺をシリアス空間に引き込みたいのか。

 やだ!小生シリアスやだ!こうなったら最後の手段だ!

 

一麻

「君への呼び方をフリーサ様からリーちゃんに変更するから悪魔退治……やめないか?」

リーちゃん

「イエス、マム!はいよろしくぅ!」

一麻

「よろしくね、リーちゃん?」

 

 にっこり笑顔で呼んであげると案の定リーちゃんが吐血しながら仰向けに倒れました。

 本当に便利、僕の萌えショタスマイル♡これを耐え切った者は誰一人としていない!

 え?この腹黒がって?今の時代はあざとい方が可愛かったりするし。(逸らし目)

 

リーちゃん

「一麻くんが可愛い過ぎて生きるのが辛い……」

一麻

「じゃあ、死のうか(無慈悲)」

リーちゃん

「酷いわ!女の子にそんなことを言うなんて!」

一麻

「本気じゃないから安心してくだせぇ」

リーちゃん

「本当に本気じゃないんですの?」

一麻

「いや、本気だったらお前とここまで会話なんてしてないよ(真顔)」

リーちゃん

「お、そうだな」

 

 俺達は笑い合った。はい、正直に言うとリーちゃんと会話すんの楽しい。

 そしてアーシアちゃんが空気な件について。一応メインヒロインの一人だよね?

 これもそれも全部イッセーが遅いせいだ!これはスーパーおしおきコース直行便ですね……。

 とか何とか考えていたら突然扉がバァン!と開いて我が姉上がご登場した。ご近所さんから苦情がこないか心配だ。

 というかこの部屋の出入口ってアーシアちゃんの前にあったんですねぇ。すっかり忘れてたよ。まあ原作でもそうだったはずだからおかしい部分はないね。強いて言うならハアハアしてる姉さんがエロい。

 

イッセー

「一麻!アーシア!助けにきたぞ!」

 

 見りゃわかるって言い返しそうになったけど止めた。グダグダになりそうやし。

 でもこれだけは言っておこうと思う。

 

一麻

「入る時はちゃんとノックをしてから入りなさい!アーシアちゃんが着替え中だったらどうするの!?」

イッセー

「え?あ……その、ごめん」

リーちゃん

「いや、鎖で縛られてんのに着替えとか無理ゲーでござんしょ?」

一麻

「そりゃそうだ」

 

 もしできたのならサーカスに行ってオーディション受けてこい。

 きっと受かると思うよ。受かった後のことは知らん。

 

イッセー

「俺の怒られた意味……」

一麻

「そうそう、助けにくるのが遅かったから後でスーパーおしおきコースね」

イッセー

「ありがとうございます!」

 

 一誠姉さんは怒られて落ち込んでた状態から一転、凄く嬉しそうな状態になった。

 これは完全に変態ですね……間違いない。どこで育て方を間違えたのかしら?

 さて、遂にイッセー姉さんがリーちゃんとご対面してしまったわけですが、これリーちゃん勝てるの?

 だって姉さんは自分の神器をこの時点で正確に把握してるから無理ゲーじゃない?

 というかレイナーレとドーナドーナさんはどうした、まさか撃破したのか?すげぇな。

 

リーちゃん

「ところで、上の堕天使二人組はどうしたんすか?」

イッセー

「二人組?レイナーレしかいなかったけど?ちなみにレイナーレは木場と小猫ちゃんが足止めしてくれてるぜ」

一麻

「あ、倒したんじゃないんだ」

イッセー

「レイナーレを倒せるほど俺は強くない……悔しいけどな」

 

 将来的にはドゥンドゥン強くなっていくんだけどね。主人公の名は伊達じゃないぞ……!

 というかリーちゃんとイッセー姉貴がほのぼのしすぎや。おい、バトルしろよ。

 というかこの場に突っ込み役が俺以外いないじゃん。

 アーシア?天然が突っ込み役をやれるとでも?一応常識人ではあるけど。

 それにしても、よくあの二人を説得できたね。どんなトリックを使ったんだ?

 ……今レイナーレが可哀想なことになってるような気がした。アーメン。

 

一麻

「ところで、助けにきてくれたのなら早く助けてください」

イッセー

「……あ、そうだった!二人共、今助けるからな!」

リーちゃん

「愛しの愛しの一麻くんを渡すわけないじゃーん!一麻くんは私様の婿」

イッセー

「は?寝惚けたこと言ってんじゃねえぞこの糞神父……」

リーちゃん

「調子に乗るの禁止でっせ?糞悪魔くんよぉ……」

 

 やっと俺を救い出す気になったようだな。

 やれやれ、早く動けるようになりたいもんだ。

 台詞だけでボケるのも限界というものがあるからな。

 この調子で俺を助けてほすぃ。はよ!はよ!

 

アーシア

「く、鎖が、食い込んで……」

 

 バトルに今にも入りそうな空気の中、不意にアーシアちゃんの声が聞こえた。

 反射的に首を向けると、そこにはさっきより鎖が食い込んだアーシアの姿が!

 鎖で強調された胸と鎖で捲れたスカートがセクシー……エロい!

 

イッセー

「………………」

一麻

「無言で自分のスカートを下ろそうとすんのやめろ」

リーちゃん

「………………」

一麻

「無言で俺の衣服を脱がそうとすんのマジでやめろ」

 

 バトルする予定だったはずのお二人さんが嫉妬してきた。

 やっぱり女性は男性のエロい視線に敏感なんですねぇ。

 まあ嫉妬したからって拘束されて動けないショタを脱がしていい理由にはならんな。

 警察に通報しちゃうぞ☆意味ないかもだけど!

 ……一体いつになったら戦うんだろう、この人達。




 念のために言いますが、ドーナシシオさんは男の娘化もしておりません。
 フシギダネー、ナンデダロウナー。

 ところで、今まで一麻視点で書いていましたが、別視点も必要ですかね?
 書くかどうか悩んでるんですが……う~ん、どないしよ?


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D×Dの二次創作ではよくあること

 今回はいつも以上にシリアスになったなぁ……まあ仕方ないと言えば仕方ないけど。
 バトルになるとギャグがやりにくくなってしまう……ぐぬぬ!
 今はまだシリアスしてるが、すぐにギャグ祭りに上げてやる……!


 兵藤一麻だお。今回も張り切っていくお!

 前回のマ……あらすじ、ショタコンに脱がされそうだった。以上。

 まったく、こんな可愛いショタを脱がそうとするとは何事だ!

 必殺の拳骨を食らわせることによって脱衣状態になるのは回避できたけどね。

 え?どうやって拳骨を食らわせたかって?実は僕ももう駄目かと思ったんだよ。

 でも二人に脱がされそうな時に俺を拘束していた魔法陣が消えたんだよね。理由は知らん。

 拘束がなくなった僕は容赦なく変態どもに拳骨を繰り出した、というわけだぁ!

 拳骨を食らった二人はおしおきとして正座している状態である。

 正座も美女がすると絵になるような、ならないような。

 それはともかく、無理矢理脱がそうとするのはよくないと思いますよ!アタイ!

 

一麻

「警察に通報してやるからな~?」

イッセー

「すいません許してください!」

リーちゃん

「何でもしますから!」

 

 ん?今何でもするって言ったよね?じゃあこれ以上シリアスするのは禁止で。

 とか言っても無駄無駄なんだろうな~……もう諦めようかな?

 いや、諦めちゃ駄目だ!そこで諦めたらギャグ終了だ!諦めんなよ、お米食べろ!

 

アーシア

「あの……イッセーさん、フリーサさん、大丈夫ですか?」

イッセー

「お、おう。まだ少し痛いけど大丈夫だ」

リーちゃん

「大丈夫大丈夫。僕ちゃんはこう見えても頑丈だから平気のへっちゃんでござんす♡」

 

 ……あ、アーシアのことをすっかり忘れてた。

 未だ鎖に拘束されているのに文句一つ言わないとは、地味に凄い。

 俺なら早く助けて!って文句言っちゃうなー。

 じゃけん思い出したからには救出しましょうね!

 鎖と十字架を何とかしようと、僕はアーシアに近付く。

 そして拘束を外せるような道具の記憶を掘り起こし始めた。

 ……鎖に錠前が付いてるから最後の鍵で開けれるかな?

 試しに召喚……む、かなり魔力を失った気がする。てか失った。(断言)

 戦闘には役に立たないとはいえ、流石に最後の鍵ともなると消費も激しいか。

 そうそう、万物召喚は武器じゃない道具は比較的安価で召喚できる。

 なんで武器になると消費が激しくなるのかは不明だけど……まあ何でもいいか。

 

一麻

「今から鍵を外すから気をつけてね」

アーシア

「はい!」

 

 うん、いい返事だ。良い子のアーシアの為にも早く最後の鍵を使おう。

 錠前の鍵穴に最後の鍵をブスリ♂と挿……入れて、回して解錠……できない!?

 何度鍵を回しても鍵が開く気配がない。まさか特殊な方法じゃないと無理なのか?

 例えば光の玉を使用してから十秒以内に解錠するとか。

 

リーちゃん

「回す方向が逆なだけじゃね?それ」

一麻

「え?…………あ、開いた」

 

 回す方向が逆だっただけかい!畜生、ちょっとだけ恥ずかしいぜ。

 確かに最後の鍵はどんな鍵でも開けれる。

 でも肝心の開け方が間違ってちゃどんなに頑張っても開かないわな。

 

イッセー

「開け方を間違えちゃって軽く赤面してる一麻ハァハァ」

一麻

「ほう、この最後の鍵をケツの穴にぶっ刺されたいと?」

イッセー

「それは勘弁!後ろの初めても一麻に捧げるんだからな!」

 

 後ろでギャアギャア騒ぐ姉さんは無視するに限る。ああいうのはほっとくのが最善の策だよ。

 僕はアーシアを拘束する鎖に未だ引っかかったままの錠前を外した。

 すると鎖は一気にジャラジャラと外れ、アーシアが開放されたのだ。

 ……ちなみにアーシアは地面から離れた状態で拘束されていた。

 そしてアーシアの落ちる先には当然錠前を外した体勢のままポカンとしてる僕がいるわけで。

 つまりこのままだとアーシアのお腹にアイアンヘッドが発動してしまう!

 僕はアーシアを受け止めようと後ろに一歩下がり、両手を広げた。

 今にして思えば、ラッキースケベ持ちのアーシアにこんなことをするのは自殺行為だったけど。

 僕の予測通りアーシアは腕の中にすっぽりと納まったが……ズキュゥゥゥン!!!

 

アーシア

「ん!」

一麻

「む!」

 

 アーシアの顔は僕の顔に突っ込んでくる!その勢いのままに僕は唇を奪われた!

 

イッセー&リーちゃん

「「や、やった!?」」

 

 流石アーシア、僕達にできないこと(ラッキースケベ)を平然とやってのける!

 そこに痺れないし憧れない。よくも僕の唇を奪ってから今度はショタボディを味わう気だな!?

 味わう気がないというのなら早く唇を離しんしゃい!

 

リーちゃん

「はい、そこまでー!私様を差し置いてチュッチュするの禁止ィ!」

アーシア

「ぷはぁ!す、すみません!」

イッセー

「おのれラッキースケベめ……俺も欲しい!」

一麻

「絶対姉さんには与えちゃ駄目なやつじゃん、俺が許さんわ!」

 

 そう言い放つと心底絶望した顔で地面に手を付いた。

 ムシャクシャしたのか、姉さんはチクショー!と叫びながらわざわざブーステット・ギアを出して地面を思いっきり殴り付けた。ズゴォォォォン!!と。

 そのあまりの衝撃に天井からパラパラと砂……埃?が落ちてくる。

 ……ちょっと待って!確かに篭手出してるけど倍加はまだだよね!?

 それで部屋全体を揺らすほどの威力の拳って強化されすぎとちゃう?

 

イッセー

「あれ、こんなに力あったっけ?俺」

リーちゃん

「ブァーカ!今のはどう考えても糞悪魔くんの力じゃねぇだろ!」

 

 ですよねー。この時点でここまで一誠が強かったら堕天使勢涙目ですしおすし。

 一誠自身もびっくりしたまま固まってるしね。これで一誠の仕業だったらビビる。

 となると、考えられる可能性は一つだけかな。

 

アーシア

「で、でしたら今の揺れは?」

一麻

「僕の予想が正しければ、上で何かがあったんだと思う。多分」

イッセー

「ということは、木場と小猫ちゃんの身に何かが!?」

 

 姉さんの発言が正しければ、未登場のレイナーレVS木場&小猫コンビの戦いが繰り広げられているはず。

 さっきの揺れは二人がその戦いに勝利した音なのだろうか……いや、きっと違う。

 イッセー姉さんも僕もまともに戦ってないのに決着が付くはずがない。

 ということは木場ちゃんと小猫ちゃんがやられたというのだろうか。

 いや、そもそも良くて中級の下、悪くて下級の中くらいの実力しか持たないレイナーレが()()()()()()()()()()()を持っているのか……?

 答えは断じて否、神器を持ってないレイナーレにそんなことができるわけがない!

 つまり第三者の介入と見た方が自然だ、この予測が正しければマジで仲間達(木場と小猫)が危ない!

 

一麻

「ただ事じゃあなさそうだ……姉さん!聖堂に行こう!」

イッセー

「おう!……ん?なんで木場と小猫ちゃんが戦ってる場所が聖堂だってわかったんだ?」

 

 ギクゥ!し、しまった。原作知識が仇となったか……。

 こういうところは原作知識持ちの欠点とも言えるな。

 下手すると良くて予言者扱い、悪くてスパイの疑惑をかけられてしまう。

 とりあえず適当な説明で誤魔化しておくか。今は時間をかけられないし。

 

一麻

「カラワーナって堕天使にアーシアちゃんが聖堂のどこかにいるってことを教えてもらったんだよ。イッセー姉貴が乗り込んできたならその聖堂で戦闘になる確率は非常に高いと思ったからね。それより急ごう!」

イッセー

「そうだな!早く行こうぜ!」

 

 よし、上手く誤魔化せたようだ。よかったよかった。

 ……あ、誤解なきように言っておくけど嘘じゃないよ?

 アーシアがどこにいるのか聞いたら聖堂のどこかだって言ってたのは本当。

 地下があることとかは聞かされてないけどな!でも嘘は言ってないでしょう?

 つまり真実を多くは語らずに相手を誤解させる戦法よ!完璧だろう?

 

リーちゃん

「僕チンも行くぜぃ!一麻っちを見捨てるわけにはいかねぇ!」

一麻

ベネ(よし)!二人とも俺に付いてこい!……ただしアーシア、てめーは駄目だ」

 

 それを聞いたアーシアは自分も行くつもりだったらしく、先程のイッセー姉さんと同じように崩れ落ちてしまった。

 いや、だって回復役を前線に連れて行く人がどこにいるよ?

 動けないレベルの重傷者がいる時でもない限り基本的に連れて行かないでしょ。

 その回復役が戦えるなら別の話だけど、アーシアはどう見ても戦えないしねぇ。

 

一麻

「今は逆にここにいた方が安全だと僕は思う。だから付いてきちゃ駄目だ」

アーシア

「…………わかりました、私が行っても足手まといにしかならないのですね」

 

 お、意外に話がわかるじゃん。もっとごねると思ってたんだけどな。

 まあ本人が納得してるなら好都合。このまま地上へレッツゴーしようか。

 さあいざ駆け出そうと足に力を入れると、アーシアが話しかけてきた。

 

アーシア

「必ず、無事に帰ってきてください!」

一麻

「うん、行ってくる!姉さん、リーちゃん、行くよ!」

イッセー

「ああ!」

リーちゃん

「OKOK!」

 

 僕達は地上へと通じているであろう扉を開け、上り階段を駆け上がって行った!

 まあ地上へ通じてるのは確実でしょう。姉さんが入ってきた扉だし。

 というか扉がこれ以外ないのよね。トイレすらないのはどうかと思った。(小並感)

 まあそれは重要じゃないから捨てといて、この階段は長いと思いきや短い。

 十秒も経たぬ内にゴールの出口が見えてきたのだ。ちょっと短すぎない?

 

一麻

「あまりの短さにちょっと拍子抜けですよ……」

リーちゃん

「あんま長いと面倒だし、いいんじゃね?」

 

 それもそうだね。ここは設計者さんに感謝しておくべきか。

 変に長く作られても堕天使達とはぐれ悪魔祓いの皆さんが疲れちゃうもんね。

 出口がかなり近くなったところで、姉さんが警告をしてきた。

 

イッセー

「上では戦いになると思うけど、一麻は戦わなくてもいいんだぞ。悪魔じゃないんだからさ」

一麻

「戦うか、戦わないかは僕が決めるよ。誰に何と言われようともね」

 

 俺の万物召喚で勝てそうになければ全力で帰らせていただく。

 逆に勝てそうなら戦うけどさ。でも人間の俺がどこまでできるか……。

 まあ、全ては敵の強さをチェックしてからになる。そこからどう行動するかを考えよう。

 果たしてどんな敵が待っているのかと少しワクワクしながら、僕達は聖堂へと姿を現した。

 そして、僕達は驚くべき光景を見ることになる!

 

木場

「…………」

小猫

「はぁ……!はぁ……!」

 

 木場ちゃんと小猫ちゃんが追い詰められていた。

 まあこれは予測できていたよ。はっきり言ってさっきの振動は敵のだと思ってたからね。

 流石に木場が戦闘不能になってたのは予想外だけど。

 でも、倒れている木場よりも小猫ちゃんに肩を貸している人物がどう考えてもおかしい。

 何故、()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

レイナーレ

「こうなることは、予想できていたわ……止められなかった私の失態よ……」

 

 レイナーレと小猫は僕達に気付いた様子もなく、視線を一点に集中させている。

 その視線の先には見覚えのある堕天使がいた。

 もしかしなくてもその堕天使こそが先程の地震を起こした張本人だろう。

 

レイナーレ

「やっぱり裏切ったわね……ドーナシーク!」

ドーナシーク

「裏切ったとは失礼な。私はより素晴らしい作戦を思いついただけだ」

 

 ……なるほど。あのアホだけ女体化も男の娘化もしてなかった理由はこれか。

 堕天使糞親父がボス敵になるからだったのか!

 

一麻

「まーある程度は予想してたんだけどねー」

イッセー

「そうなのか?」

一麻

「だって見るからに胡散臭い格好だもん」

リーちゃん

「僕っちにとっては完全に予想外な展開ですわ……一麻くん天才スギィ!」

 

 イーチジークさんは渋いおじ様的な雰囲気だけど、同時に変態の雰囲気も纏ってるし。

 はっきり言って何かを企んでるようなその笑みが気に入らない!男だから尚更!

 つまりこの展開はまたとないチャンスなのだ。あのセクハラおじさんに散々痴漢されそうになったことの復讐が合法的にできるということなのさ!俺におじ様趣味はねぇ。万物召喚の実験台にしてやるから……覚悟しやがれ!

 そんな俺の思いが届いたのか、それとも会話が聞こえたからなのか、この場の全員がこちらを向いた。

 

ドーナシーク

「おっと、これはこれは……主役のご登場というわけか」

レイナーレ

「そ、そのお姿は……まさか一麻様!?」

小猫

「一麻先輩!?こ、こっちへきちゃ駄目です!」

 

 ……おい、一麻様ってなんだ一麻様って。俺はいつ王様になったん?

 とか何とか言ってる場合じゃねぇ!戦闘準備をしねぇと!

 このままいつまでも突っ立ってるわけにはいかないしな!

 ……まあそれはそれで面白そうだけど。今は自重してやろう。(上から目線)

 僕はレイナーレの発言にポカンとしてる二人に喝を入れて神器を出す。

 

一麻

「ツール・ウェアハウス!」

イッセー

「ブーステッド・ギア!」

リーちゃん

「すんごい仲間外れ感~……」

 

 一誠姉さんがかっこよく篭手を出してる中、神器名だけ叫ぶ僕と神器を持たぬリーちゃん。

 おのれイッセー、女性の癖にかっこいいとは何事だ!そのかっこよさを俺にも寄越せ!

 まあ僕の場合は可愛さで勝負しちゃうけどね。それなら女性にも負けない自信があるよ。

 おっと、今は競ってる場合じゃなかった。目の前のシークシーク(メーソメーソ)に集中っと。

 

レイナーレ

「逃げてください一麻様!このドーナシークは人間が勝てる相手ではありません!」

ドーナシーク

「レイナーレの言う通りに逃げてもいいぞ?後で捕まえればいいだけの話だからな」

 

 この変態ストーカーが……その髪の毛を毟ってやろうか……。

 まあ別に追いかけられようが、逃げ切った後に万全の体勢で迎え撃てばいいだけだけどね。

 万物召喚なら倒せなくても逃げ切ることはできそうだし。まあ最後の手段だけど。

 それよりも、聞いておきたいことがあるのよ。自分。

 

一麻

「逃げるかどうかは僕が決めることだよ。それよりも質問いいかな?」

ドーナシーク

「ん?何かな?」

一麻

「さっきの地震だよ、お前がやったんでしょ?一体何をしたのさ」

 

 これだけは聞いておきたかったんだ。この質問の返答次第で僕の行動は決まるからね。

 見たところドコガシンシは目立った武器を持ってるわけじゃなさそう。

 つまり武器を使用せずしてあの振動を起こしたことになる。

 もしそれほどまでに実力を強化されているのなら、勝つのは難しいかもしれない。

 だからこそ聞いておきたい、こいつがどれほど強化されているのかを!

 

ドーナシーク

「ああ、さっきのあれか。あれは確かに私の仕業だよ」

一麻

「もったいぶらずにさっさと教えろ、俺はじれったいのは嫌いなんだ」

リーちゃん

「一麻くんがご立腹でいらっしゃる……」

ドーナシーク

「怖い怖い……でも怒ったお前も可愛いぞ。質問の答えだが、これを使用したのだよ!」

 

 そう言ったドージマヌケ(バーカアーホ)は、どこからともなく小さな杖のようなものを取り出した。

 今の出し方から察するに、原作未登場のオリジナル神器か?

 だとしたら不味い、原作知識なしで戦わなくちゃならなくなる!

 流石にそれはめんどっちいから俺の勘が外れていることを祈ろうと思った。(小並感)

 

ドーナシーク

「これは人工的に生み出された神器でな、名をバーストステッキ(堕落する魔力の杖)という。効果は堕天使の放つ魔力を増大させるというシンプルなものだ……欠点は実力の低い堕天使にしか使えないし、強力になった魔力を放ってからもう一度放つのに杖の充電が必要だから連続使用不可なところだな」

イッセー

「人工的に作られた神器!?そんなもんまであんのか!」

 

 はい、無様にも俺の祈りは誰にも通じませんでしたとさ♪畜生。

 まあご丁寧に説明してくれたから大丈夫そうだが……ん?

 よく考えたら祈る相手がいなかった!神様死んでるし!人間の俺が魔王に祈るのも変だし!

 それじゃあ祈っても祈りは届かないわな……すげぇ納得した。

 祈りについては納得もしたことだし、もう一つぐらい質問しておこうか。

 既にどう行動を起こすかは決まってるけどね。情報は多い方がいい。

 

一麻

「なんで欠点までド親切に教えてくれたのかな?そこまで話すとは思ってなかったんだけど」

ドーナシーク

「どうせレイナーレが話すだろうからな。なら変なタイミングでバレるよりも最初からバレていた方がいいと思ったのだよ」

一麻

「いつバレるかわからないなら、いっそのこと最初からバラしてしまえってことね」

ドーナシーク

「そういうことだ……」

 

 これで知りたいことは一旦聞き終わったよ。

 他にも色々と知りたいことがあるけど、それは戦闘終了後でいいや。

 ……うん、既に準備は整えてある。後は実行に移すだけだ。

 

ドーナシーク

「さて、この話を聞いた一麻はどうするのかな?戦うのなら先手は譲ろう」

イッセー

「だ、大丈夫か一麻?戦えそうか?」

一麻

「ふふん、安心してよ姉さん。既に僕ができる最高の策を考えてある!」

リーちゃん

「なんと!もう作戦を思いついてるんでございますか!?」

 

 リーちゃんの言葉に僕は大きく頷く。この僕が意味もなく質問をすると思うのか!

 ごめんなさい。普通にしますわ……でも今回はちゃんと意味ある質問だったからセーフ。

 この一麻、既に策を練ってある!それも僕が最も活躍できるであろうとっておきだ!

 

ドーナシーク

「流石は一麻だ、既に作戦を練っていたとはな?」

イッセー

「そ、その作戦ってのは?」

リーちゃん

「おせーて!おせーてくれよォ!」

 

 ふふん、そんなに知りたいのなら教えてあげよう。僕も教えておきたいしね。

 聞いて驚け!まさに僕にしかできないであろう最高すぎる作戦をなぁ!

 

一麻

「もちろん教えるとも。僕の考えたとっておきの作戦、それは……!」

小猫

「それは……?」

レイナーレ

「い、一体どんな作戦が……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一麻

「逃げるんだよォ!」

リーちゃん

「ええええええええええ!?!?Σ(゚Д゚;)」

 

 俺は全速力で出口に向かって走り出した。足に手を向け、メタスラブーツを履く形で召喚して逃げられる確率を少しでも上げてからな!

 え?戦わないのかって?無理無理、中級堕天使かもしれないあれが更に神器を持ってるんだよ?

 ただの人間がどう頑張ったって真正面から挑んで勝ち目があるわけないじゃん。

 確かに神器は持ってるけど、あいつだって人工とはいえ神器持ちだぜ?

 神器を持った堕天使に真正面から挑む勇気も無謀さも持ち合わせてなんかいません!

 そして今までずっと我慢してたけど、もうこのシリアス溢れる聖堂になんかいられるか!

 俺はこのままこの寂れた教会を全力で脱出するぞ!

 

一麻

「というわけで戦闘は任せたぞー!俺は弱い人間だから足引っ張りそうだしなー!」

小猫

「………………」

 

 足手まといになるぐらいなら逃げた方がいいじゃろ?そういうことだ。

 小猫ちゃんがこっちをジーっと見つめてくるけど、見つめ返すことしかできないZE☆

 ちなみに何故メタルキングブーツじゃないかっていうと理由は二つある。

 強力だと召喚できるか不安だったのと、速すぎると制御できないかもしれないからだ。

 だからメタル装備の中で一番弱いメタスラブーツにしたのだ。

 俺にもうちょっと魔力があればなぁ……ショタ無双とかできそうなもんなのになぁ……。

 

一麻

「あれ?もうお外に出ちゃったの?速い(確信)」

 

 でもメタスラブーツでも充分だったらしく、もう教会の入口に到着してしまった。

 すげぇなメタルスライム……まあ冒険者が逃がすぐらい速いから当然の結果なのかな?

 …………さてと、ここまでくればドッカイーケが追いかけてくることは多分ないだろう。

 追うにしてもまずは姉さん達を倒してからにするはずだ。つまり()()()()()()()()()()()()

 

一麻

「見たけりゃ見せてやるよ……万物召喚(ツール・ウェアハウス)の真骨頂をな……!」

 

 さっきからシリアスばっかりでうんざりしてるんだ。

 ここから教会の全員をギャグの世界に引きずり込んでやるぜ!




 やっとレイナーレが登場しました!ボロボロの状態ですが。
 何故レイナーレが一麻に様付けしているかは後々説明が入ります。
 それまで色々とゆっくり妄想していってね!



 今回召喚した道具一覧

『最後の鍵』
 鍵穴に合わせて形を変えるというその名に相応しい強力な鍵。
 鍵穴さえあればどんな物でも開けてしまう。不法侵入ですよ!
 形しか変えないので魔力の篭った鍵でしか開かない扉とかは開けられない。

『メタスラブーツ』
 かの有名なメタルスライムの力を宿してるらしいブーツ。
 その速さは並の戦士では追いつけないほど速い。シュイーン!
 ちなみにメタル製なのでかなり硬い。防具としても使える優秀な靴。


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聖堂が広いではなイカ……やれ

 長らくお待たせしました。ドーナシークとの決戦となります。
 バトルを書くのはやっぱり難しいな……。

 最初の方は三人称SIDEかもしれないので注意してください。


ドーナシーク

「むぅん!」

リーちゃん

「ぐわああああーーーーッ!!」

イッセー

「ク……フリーサ・セルゼーーン!?」

 

 ドーナシークのバーストステッキによる一撃でフリーサが吹き飛ばされる。

 ダメージは大きく、フリーサは受け身が取れそうにない。

 このまま聖堂の壁に激突すれば、更なる大ダメージは確実だ。

 

小猫

「ぐ、ううぅぅぅ……!!」

 

 しかし間一髪、先回りをした小猫がフリーサを受け止める。

 だがルークの力でも少しだけ押された。直接攻撃されたわけでもないのにだ。

 つまりバーストステッキとやらはそれだけの威力を秘めていることになる。

 う~ん、これは侮れないぞ……どうする?イッセー。

 

イッセー

「フリーサを簡単に吹き飛ばすなんて、凄いパワーだ……三回倍加しても倒せないかもしれねぇ」

ドーナシーク

「当たり前だ。人口とはいえ神器だからな」

リーちゃん

「気をつけろよ、糞悪魔くん……生半可な倍加だと返り討ちにあっちまうぞ」

 

 まさにフリーサの台詞は()()()()()()という言葉そのものだった。

 もしドーナシークが武器を持っていなかったらここまで苦戦はしなかったはずだ。

 だがドーナシークとバーストステッキの相性が本人の予想以上によかったのが問題だった。

 ある程度戦闘経験を積んでいるのか、ドーナシークは下っ端堕天使とは思えないほどいい動きをするのだ。

 更に下っ端であるが故の決定力不足をバーストステッキが補っている。

 おかげで経験と力を両立させた強敵と化したのである。

 まるで赤い糸で結ばれることが決定事項な恋人同士のようだ♡

 

小猫

「……イッセー先輩、私が敵を食い止めます。その隙に最大まで倍加してください」

イッセー

「小猫ちゃん!?」

 

 数で挑んでも勝てないと踏んだのか、イッセーに限界まで倍加しろと言った。

 このまま戦うには力が足りなすぎる。かといって火力の高い部長と副部長はここにいない。

 きてるにはきてるが小猫達とは別ルートから進入中なのでまだ合流できてないのだ。

 だからこそ一番火力の出せるイッセーを頼るつもりなのだろう。流石主人公。

 

リーちゃん

「お、いいねぇその作戦。じゃあ私様も食い止めてやるからさっさと倍加してちょーだいな!」

イッセー

「だ、だけどさ……大丈夫なのかよ?」

小猫

「心配しないでください。最低でも倍加してないイッセー先輩よりは持ちこたえます」

 

 さり気なく毒を吐きながら小猫はドーナシークに突撃した。

 続いてフリーサも動くが、すぐには近付かずに小猫とドーナシークの周りに待機する。

 恐らく小猫が作ったドーナシークの隙を光剣で突く魂胆なのだろう。

 隙を見せなければ祓魔銃で援護するつもりだろうか。遠距離も近距離も得意なのは便利だなぁ。

 当然少しだけとはいえ、経験を積んでいるであろうドーナシークがわからないはずもない。

 

ドーナシーク

「そうくるか、ならば先に赤龍帝を倒すだけだ!ブラックショット!」

小猫

「あ!」

リーちゃん

「げげ!?」

 

 ドーナシークがバーストステッキで増幅させた光の槍を放つ。

 しかし、槍を放った先は小猫でもフリーサでもなくイッセーであった。

 いきなり本命を狙われるとは思っていなかったのか、二人とも一歩遅れてしまう。

 残念ながら倍加を一切していないイッセーでは槍を避けれるだけの速さはない。

 更にバーストステッキによって強化されているのだから万が一にも回避は不可能である。

 

レイナーレ

「させないわよ!」

 

 ……回避が不可能なら防御すればいいじゃない!まあ肝心のイッセーには防御力もないのだが。

 回避も防御もできないので、結果的にレイナーレに守られる形で戦線離脱を回避した。

 レイナーレもイッセーの重要性は理解しているのだろう。

 そうでなければ恋敵のイッセーなど意地でも助けようとはしなかったはずだ。

 少なからず原作よりもレイナーレは成長しているのだろう。

 

小猫

「すいません、油断しました」

イッセー

「サンキュ、夕麻ちゃん……いや、レイナーレ。助かった」

レイナーレ

「……何度も防ぐのは無理そうだからあまり期待はしないで欲しいわね」

 

 こう見えても堕天使三人を率いてた身なので少し強化した程度の槍ならレイナーレでも弾ける。

 だが弾いた腕が震えているので何度も攻撃されたら危うそうだ。

 しかもイッセー達が聖堂へくる前のダメージも残っているのであまり頼るのは危険すぎる。

 MAXまで強化されたら今のレイナーレではおそらくは弾けない。

 

ドーナシーク

「くそ……意外に厄介なコンビだな?お二人さん」

小猫

「あまり嬉しくないですね」

リーちゃん

「僕っちもそこまで嬉しくはないない感じ?つか褒める暇があんならさっさと死ね!」

 

 小言もそこそこに、小猫とフリーサは今度こそドーナシークを足止めし始める。

 流石に二度もミスを犯すことはなく、イッセーへの攻撃をさせないでいた。

 ドーナシークも何とかチャンスを作ろうとはしているが、中々上手くいかない。

 まあ味方視点から見れば上手くいっているの間違いなんだけどさ。

 

ドーナシーク

「本当にうっとおしい……ならばまずお前達から倒れるがいい!」

 

 遂に我慢が限界に達したドーナシークは限界まで充電されたバーストステッキを解き放った。

 ドーナシークの周りに魔力の波動が放出され、床や祭壇などが破壊される。

 当然近くにいた小猫とフリーサは無事では済まなかった。

 

小猫

「──っ!」

リーちゃん

「ぐ、がぁ!」

 

 元々ダメージを受けていた小猫は勿論、悪いタイミングで近付いてしまったフリーサも痛手を負う。

 そして蓄積していたダメージ、連続で受けた大ダメージによって小猫とフリーサがダウン。

 これで足止めができる者はレイナーレのみ。しかも守りながらの戦いでは分が悪すぎるだろう。

 ……一人で、守りながらの戦いならばの話だが。

 

イッセー

「おっし!これで四回倍加、今の俺のMAXパワーだ!下がってろレイナーレ」

レイナーレ

「悔しいけど、今の貴方にとって私はお荷物ね……まさか貴方に守られる日がくるなんて思わなかったわ」

 

 二人が倒されるのと倍加が限界まで達するのはほぼ同時であった。同時にレイナーレの役目も終わった。

 複雑な思いを胸に抱いたまま、レイナーレは吹き飛ばされた小猫とフリーサを回収してイッセーとドーナシークの戦場から距離を取る。

 勿論逃げる気はない。完全に戦線離脱はせず、最後まで見届けるつもりではある。

 何故なら裏切り者のドーナシークの最期を見届けるのは上司の義務だと思ったから……だと思う。

 

イッセー

「歯ぁ食いしばれ、二人の仇を取ってやる!」

ドーナシーク

「なってしまったものは仕方がない、全力で返り討ちにしてやろう!」

 

 ドーナシークがバーストステッキを構えると同時にイッセーも拳を握って突撃した。

 すかさず牽制用の槍を何本か放つが、全て片手で弾かれる。

 弱い攻撃は無意味と判断したドーナシークは牽制用とは違う特大の槍を投げた。

 流石に弾くのは難しいと判断したのか、槍を受け止めようとはせずに避ける。

 

ドーナシーク

「こいつ……いい判断力を持っている!」

 

 一瞬驚いたが、本気の槍は受け止められないと思ったドーナシークは更に巨大な槍を放ち続ける。

 イッセーも回避に徹しながらも近付くが、流石に主人公といえど全ては避けられない。

 まともに食らってこそないが、何発かは体を掠ったので軽く出血している。

 だが数箇所に傷を負っただけで格上のドーナシークに近付けたのは安い。

 ドーナシークも迎撃用の槍を出そうとするが、今からでは間に合うはずもなかった!

 

ドーナシーク

「槍の生成が追いつかん──!」

イッセー

「ぶっ飛べ!変態糞堕天使!」

 

 イッセーの渾身の一撃がドーナシークを殴り抜ける!

 三回の倍加でも原作のレイナーレが一撃で倒されるほどのダメージになる。

 なので四回倍加された一撃をドーナシークが防ぎきれるものではない。

 攻撃される瞬間にバーストステッキで受けようとはしたが軽減程度にしか効果がなかった挙句、肝心のバーストステッキがバラバラに砕けてしまった。

 これによってドーナシークは火力を失ってしまったことになる。

 しかもバーストステッキで受け止めたにも関わらず、天井に激突するほどの衝撃がドーナシークを襲った。今ので大きなダメージを受けてしまったので、まさにドーナシークにとって絶体絶命。

 ……しかし、残念なことに運命はイッセーばかりに味方するわけではなかった。

 

『RESET!』

 

 突然聖堂に響く声。その瞬間イッセーから力が抜けてしまう。

 そう、パワーアップの時間切れ……タイムアップである。

 

イッセー

「な!?」

レイナーレ

「そんな……!」

 

 赤龍帝の篭手の強化には制限時間がある。

 禁手状態ならば、禁手化が解けるまでパワーアップしたままだが、通常時ではそうはいかない。

 一度リセットされてしまえば、また十秒毎に強化しなければならないのだ。

 幸いなことに後一回は最大まで強化できるほどの魔力がイッセーには残っている。

 しかし……イッセーだけでは限界どころか一回の倍加すら不可能だろう。

 一応レイナーレがまだ残っているので少しなら時間稼ぎができる。

 だが精々一回分、多くて二回が限度だ。それ以上は望めない。

 レイナーレが万全の状態であればまだ違うかもしれないが、レイナーレも結構消耗している。

 バーストステッキが壊れたとはいえ、二回のみの倍加では確実に勝てるとは言いがたい。むしろどちらかというなら難しい方だろう。

 しかも二回というのは運がよければの話。現実的に考えて一回しか無理と思うのが普通だ。

 たったの一回だけの倍加ではドーナシークには敵わない……どう見ても完全に詰んでいる。

 

ドーナシーク

「ふぁあーっはっはっはっは!最後の最後に笑うのは私のようだな!」

 

 今この瞬間、ドーナシークは勝利を確信した。

 確かに火力こそ失ってしまったが、下級悪魔一人程度ならば自分でも充分倒せるからだ。

 他の障害であった三人はダウン。部長と副部長はまだ到着しない。

 オマケに唯一残ってるレイナーレも弱っているときた。

 後は目の前の二人を撃破し、アーシアの神器を頂く。まだこない二人とは戦わずに逃げてしまえばいい。

 一番の強敵とは戦わずに済むのだ。これで勝利を確信しない方がおかしい。

 ドーナシークは最早一麻きゅんをこの手に握ったも同然の気持ちになっていることだろう。

 だがな?ドーナ……じゃない、ドーカシータよ。

 例え勝率99%だろうが、まだ勝敗が確定してないのに勝ち誇った奴は必ず負けるんだよォ!!

 

イッセー

「あ!」

ドーナシーク

「ぐおぉ!?」

 

 突然変態糞堕天使が叩きつけられていた天井が崩れた。

 かなりの衝撃だったので、崩れただけならそれほど驚かない事態だろう。

 イッセー達が驚いたのは天井が崩れたということではなく、天井を崩したと思われる何かであった。

 その物体を一言で表すとコロコロローラー。あの掃除に使う道具である。

 

レイナーレ

「あれは何なの!?身長約183cmのドーナシークが小さく見えるほどでかい!」

 

 一体これは何なのか?偽紳士(ド変態)堕天使を攻撃する為の武器なのか?

 ……はいそうです堕天使のおっさんを叩きのめす為の武器ですよ~。

 多分もうどんな武器かはわかってると思うので、皆さんもご一緒に!せーの!

 

一麻

スプラローラーだッ!

 

 ……三人称SIDEだと思った?残念!()()()()()S()I()D()E()でした!

 このままビッグライトで二倍にまででかくしたローラーでおじ様をぶん殴る!

 

ドーナシーク

「どわああああ!!」

一麻

「イエーイ☆私だよ!」

 

 それと同時に僕、参上!実はずっと天井から様子を窺ってたんだよね。

 上手い具合にナナナシシシが天井にぶつかってきたのでそれに合わせて破壊。ナイスコンビネーション!

 ちなみに聖堂の様子はすけすけゴーグルくんで透視してチェックしてました。

 服が透けないように調整するのは苦労したぜぃ。おじさんの下着姿とか絶対見たくないし。

 

イッセー

「一麻!なんで戻ってきたんだ!?」

一麻

「確かに一度は逃げたけど、姉さん達が心配なんで帰ってきたんだ」

 

 それに姉さん達が負けたら追われるじゃないか……そんなの御免だよ。

 まあ原作主人公とその仲間達なんだから負けることはないとは思うが……。

 世の中には負けイベントというものがある。今回がそれじゃないとは限らない。

 まあ十中八九勝つとは思うけど、過信は失敗の元さね。

 

ドーナシーク

「ぐぅ……私としても、探し出す手間が省けて助かるが……」

一麻

「今は僕を捕まえるどころじゃないって感じ?まともに食らっちゃったもんね」

 

 最早ドコデモナクはまっすぐ立つことすらできず、少しフラついている。

 まあよく考えれば当たり前か。耐久力は不明だけどイカちゃんを確一にできる攻撃力だし。

 むしろまだ倒れない変態紳士の方が凄いのかもしれない。

 

ドーナシーク

「確かにな……だが!絶体絶命なのはそちらも同じことだろう!?」

一麻

「そうだねぇ。姉さんの倍加は消えちゃったみたいだし」

ドーナシーク

「つまり再度倍加する前に赤龍帝を倒してからレイナーレを撃破すれば勝てる!一麻も神器を持っているようだが、神器を使われる前に倒してしまえば済むことだ!」

イッセー

「ぐ……舐めんなよ、すぐに倍加を終わらせてもう一度ぶっ飛ばしてやる!」

ドーナシーク

「もう一度限界まで倍加などさせはせん。諦めろ赤龍帝」

 

 なるほど……確かに僕一人だとかなり危ない状況だ。

 ビッグスプラローラーはでかすぎて近接戦闘をするのに適してない。

 さっきみたいに不意打ちなら勝てるだろうが、もう一度食らってくれるとは思わない。

 そして残念なことに今の僕に強力な武器を出せるほどの魔力は残ってない。

 かといってスプラローラーを送還すれば、その隙を突かれるだろう。

 せめて武器召喚に必要な魔力量が武器じゃない道具並なら召喚できたんだけど……。

 だが、何か勘違いをしているんじゃないのか?この駄目紳士。

 この神器……もとい、俺の真骨頂はサポートにある!

 

一麻

「この僕が、何の作戦も考えずに戦線復帰すると思うの?」

ドーナシーク

「ほう?どんな作戦を思いついたのか、是非教えて欲しいものだ」

レイナーレ

「一麻様なら……一麻様なら一発逆転の策をお考えになられているはず!」

 

 夕麻ちゃんからのプレッシャーが凄いよぉ!流石堕天使のお姉さん!

 その期待に添える最高であり、簡単な作戦を見せてやろう!

 行くぞォォォォォォォォォッッ!!!

 

一麻

「ドーナシィィィィィィィック!」

ドーナシーク

「な、なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一麻

「抱っこぉ!」

 

 僕は思いっきり両手をドーナシークに向かって突き出して宣言した。

 変態なるエセ紳士ならば必ず引っかかるはずだ。何故なら奴はショタコンだからな。

 この可愛いショタからのお願い攻撃に耐えられるはずがない。

 更に引っかかりやすくする為にビッグスプラローラーは送還した。

 え?さっきは送還する隙はないとか言ってなかったかって?なんのこと?

 ともかくどうよ?この完璧な作戦。この作戦を破った者は誰一人としていない!

 そうそう、この作戦を実行するのは今回が初めてじゃんとか言った奴は乳首引き千切るから♪

 

ドーナシーク

「………………」

レイナーレ

「う、羨ましい……駄目よ、飛び込んでは駄目。我慢よ私」

イッセー

「くそ、これが作戦じゃなければすぐにでも止めるのに……俺が弱いばっかりに!」

 

 先程までとは打って変わり、静けさが聖堂を包む。

 静かじゃないものと言えばレイナーレと一誠の呟き、後はブースト!という声(マダオボイス)ぐらいだろうか。

 そんなこんなで数十秒後、黙りこくっていた変態天使が遂に口を開く。

 

ドーナシーク

「こ……こんな見え見えの罠に……罠に……!」

 

 あらやだ失敗?

 

ドーナシーク

「引っかかる以外の選択肢があるはずないだろうがァァァ!!」

 

 一瞬でも失敗したと思った俺が馬鹿だったわ。うん。

 両手を伸ばした体勢の僕に向かってドーナシークが飛び込んでくる。

 顔は完全ににやけまくっており、攻撃や拘束が目的ではないのは明白。

 ここまで上手く行くと自分で自分がちょっと怖くなるけど、まあよし!

 さあ、ここからは俺のステージだ!一切のシリアスは許さんぞ!

 

一麻

「はい顔面ビンタァ!」

ドーナシーク

「ぶふぉ!?」

 

 バチーン!といういい音が聖堂に響いた。流石にこれは予想外だったらしい。

 ビンタの勢いで地面に倒れたドーナシークに僕は追撃をかける。

 まずは足蹴にして動きを封じます。

 

一麻

「あはは!簡単に騙された!変なのー♡」

ドーナシーク

「ぐ、悔しい……でも可愛い!」

一麻

「このポジションだとまるで僕がご主人様、君が奴隷みたいだよね?だから奴隷みたいな君に僕からのプレゼントをあげちゃうよ☆装備魔法カード発動!魔界の足枷!」

 

 踏んでる間に召喚しておいた魔法カードで攻撃力、守備力共に下げる。

 足枷だから動きづらくなっているはずなので、ここからはハードなSMプレイ開始である。

 そういえば道具であれば魔法とかも使えるのかな?一応今のも魔法カードだし。

 まあそれは後でたっぷりと検証するとして、今は踏み続けることに集中だ。

 ……色々ともうすぐ終わりだろうしねぇ?

 

一麻

「ほらほら、ここかな?ここがええのか~?」

ドーナシーク

「ぐぅ……痛気持ちいいぞぅ……もっと踏んでくれ!」

一麻

「ほいほーい」

 

 そこまで望むのなら仕方ないな。お望み通りにもっと踏ん付けてやろう!(ノリノリ)

 ……と見せ掛けて踏むのではなく思いっきり蹴っ飛ばしてみる。

 流石にかなり痛かったのか、苦しそうな表情を浮かべた。

 

ドーナシーク

「ぐぁ……不味い、このままだと禁断の扉を開いてしまう!」

 

 駄目だこいつ、早く何とかしないと……。

 何かすればするほどパワーアップするとか危険過ぎる。

 それに()()()()はもう充分だろう。俺は足を退けた。

 これ以上は怖くて踏んでられねぇ!こっちから踏み始めたけどもうお断りじゃ!

 そのまま僕は背を向けて歩き始める。

 

ドーナシーク

「何故踏むのをやめる!もっと私を踏みつけろォ!」

 

 突然踏みつけを止められたのが不満らしく、僕を追いかけようとした。

 しかし、魔界の足枷のせいで上手く動けずに僕から距離を離されてしまう。

 

一麻

「もう踏みつける必要はないかなって思ってさ。もう充分稼いだしね」

ドーナシーク

「稼いだ?何を……まさか!?」

 

 今更何の為に僕が足蹴にしていたのかに気が付いたようだが、もう遅い!

 恨むのなら僕ではなく、罠だとわかっていたのにあえて引っかかった己を恨むのだぁ!

 慌ててドナドナークがイッセーの方へ振り向くのと、姉さんの倍加が完了するのは同時だった。

 

イッセー

「よくもあんな羨ましいことを……絶対に許さねぇ!!」

 

 そう叫ぶと同時にイッセー姉貴は飛び出す。

 勝ち目がないと踏んだのか、下級マゾ堕天使も急いで逃げようとした。

 だが僕が装備させた魔界の足枷のせいで移動速度は大幅ダウン。当然空中にも逃げれない。

 仲間を裏切り、バーストステッキも壊した愚か者に最早味方してくれるものはいなかった!

 

一麻

「自制できない変態は害悪だ、赤龍帝様の渾身の一撃を受けて敗北しろ!フナッシーク!」

フナッシーク

「いや、私の名はドーぬがぁぁぁ!?」

 

 わざと間違えて呼ばれた名前を訂正しようとしたのが仇となり、防御行動すらできずに一誠お姉ちゃんの一撃をモロに食らってしまった。

 今まで蓄積されたダメージも合わさったのか、既にフナッシークの瞳に光はなくなっていた。

 姉さんが拳を引っ込めると同時にフナッシークの体も地面へ崩れ落ちる。

 この瞬間、勝敗は完全に決した。僕の、僕達の初めての戦いは勝利に終わったのだ!

 や っ た ぜ 。




作者
最初の方は三人称SIDEかもしれない(断言はしてませんでしたよね!)などと、その気になっていた読者の姿はお笑いだったぜ。腐☆腐」
一麻
「おい作者」
作者
「ん?」
一麻
「今一人用のポッドに乗るとモテモテになるらしいぞ」
作者
「」

 ウィィィィン……カシャン

ミルたん
「……で、このボールみたいなのを潰せばいいにょ?」
一麻
「うん、お願い」
作者
「え、ちょ!?」
ミルたん
「わかったにょ!……ふんぬッ!!」

 ミシミシミシ……メキメキメキ!

作者
「自分の改変キャラに殺されるとは、これも二次小説作家の定めか……」




 はい、茶番はここまで!今回も読んでくださりありがとうございます!
 上手くギャグとシリアスを融合した展開にできていたでしょうか?
 少なくとも予想が当たらないような流れにできていたらなと思う次第。
 まあイッセーがトドメを刺す展開は予想してた人が多そうですが。
 それでも一麻の行動は予測できなかったことを期待しよう!
 次回はもっと早く更新できるといいなぁ……。(ポーヒー

 地味にアーシア生存ルート。悪魔化させるべきか否か……悩むなぁ。
 え?騎士?そういえば完全に空気だったね。
 まあ木場ちゃんはエクスカリバー編で活躍するから許してちょんまげ♡
 ちなみに次の章にて原作では七回は倍加できていたはずなのでこの時点では三回が限界、事前に赤龍帝の篭手であることを知ったので一回分増えて最大四回できるようになった……という設定です。独自設定なので矛盾点があるかもしれませんが、作者は原作の小説を持ってないので笑って許して!




 今回召喚した道具一覧

『すけすけゴーグルくん』
 様々な物体が透けて見えるというエロ漫画に出てきそうなゴーグル。
 実際原作では服どころか下着すら透視してしまっている。
 今回のようにちゃんと使えば普通に便利な道具ではあるのだが……。
 ちなみに人体は何故か透けない。ご都合主義ですねぇ。

『ビッグライト』
 光を当てた物体を大きくする効果を持つライト。
 そのままの召喚は不可能だったので、通常の二倍にしか大きくできないという感じに弱体化して召喚した。
 それでも組み合わせ次第では強力な効果を発揮できる。

『スプラローラー』
 コロコロ転がしたり振ったりすると強力なインクが飛び出すブキ。
 あのゲームで不意打ちと言ったらこれだよね!てとこで召喚された。
 残念ながらダイナモローラーは魔力不足で召喚できなかった……。
 巨大化したことにより攻撃範囲がダイナモ以上に広がっている。
 ただし確一範囲はそのままなのでキル性能はそれほどでもない塗り特化。

『魔界の足枷』
 装備した者を弱体化させるというちょっと変わった装備魔法カード。
 ダメージはコントローラーに行かない代わりに行動制限効果がある。
 当初は召喚する予定は一切なかったのだが、最近作者が3DSにて配信されている遊戯王の無料ゲームにハマった影響で急遽追加で召喚となった。


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よーく考えよー♪○○は大事だよー♪

 早く更新したいと思ってるのに一ヶ月に一回更新すらできなくて悲しい。
 ……というわけで大変お待たせしました。
 やっぱり書きたい時に書くのが一番筆が進みますね。
 こんな小説を読んでくださる読者の皆様に、メリークリスマス。そして明けましておめでとう!

 それと祝!UA10000件!お気に入り100件!
 と書こうとしたら更新サボってる間にUAが3000件以上とお気に入りが11件も増えててビックリしました。フーパの仕業か何か?


 木場!小猫!フリーサ!終わったよ……。

 まあこの言い方だと三人とも死んでることになっちゃうんだけどね。

 生きてる場合はなんて言えばいいのかわからんから許して。

 というわけで前回のあらすじ、偽三人称視点だった。以上。

 ちなみに今回のSIDEも相変わらず(一麻)のまんまだぜぃ。

 さて、フナッシークは完全にダウン。前衛三人も気絶中。

 無事なのは僕と一誠とレイナーレか……とりあえずフナッシークは普通の縄を召喚して縛る。

 後はアーシアに三人を回復させたいんだけど、気絶しないかちょっと心配。死人はいないとはいえ、結構傷だらけだし……あれ?でも逆さ十字に磔にされた死体見ても叫ぶだけだったような?

 いやいや、あれは原作でのお話、こっちではまだ見てないはず。でも気絶だけはしないかな?

 

リアス

「お疲れ様、貴方達ならやれると信じていたわ」

イッセー

「部長!?いつの間にきてたんすか!?」

一麻

「あ、店長」

 

 聖堂の入口からリアス部長と朱乃先輩がやってきた。

 タイミングよすぎない?もしかしなくても狙ってたとか?

 まあそんなことは重要じゃない、今は置いておこう。

 僕は部長が掴んでいるものを見つめる。

 そこにあるのは堕天使の羽が二枚……ではなく堕天使二人だった。

 まさかまさかの生存ルート。どんなマジックを使ったんや?

 可能性としては……一誠姉貴を罵倒しなかったとか?

 それより死ぬよりマシとはいえ、引き摺って連れてくるのは可哀想だからやめたげてよお!

 

リアス

「……店長?」

一麻

「おっと間違えちゃった、部長~それなに~?」

イッセー

「可愛いぜ……」

 

 いつまでも掴まれたままだと可哀想だから指摘してみるのまき。

 カラワーナとミッテルト、生存ルートなるか!?

 ちょっとだけワクテカしてると部長は堕天使二人を無造作に僕達の前へ投げ捨てた。

 扱い悪いっていうか、雑すぎっていうか、もうちっと丁重に置いてあげようよ。

 

レイナーレ

「ミッテルト!カラワーナ!」

リアス

「教会の裏で待ち伏せをしていた下級堕天使よ。下級にしてはそれなりの実力だったけれど」

一麻

「へーそうなんですか」

 

 部長も先輩も傷一つないところは流石上級ってとこかね。下級に毛が生えた程度じゃ相手にならんと。

 上級悪魔が一人だけでも勝ち目薄いのに雷の巫女さんもセットだぜ?完全に無理ゲーじゃん。

 待ち伏せなんてしなければよかったのに……あ、でもフナッシークが無理にでも待ち伏せさせてたかもしれない。

 

レイナーレ

「………………」

 

 無言で堕天使二人に駆け寄るレイナーレ。ペタペタと触ってるのは無事の確認だろうか。

 わざわざ連れてきたんだから十中八九生きてるとは思う。

 案の定生きていたらしい二人にレイナーレは明らかにホッとした顔になった。

 これは絵になりますね……美人は何しても絵になるからいいよね。

 レイナーレがホッとしてる間に部長達が僕達に近付いてきた。

 

リアス

「初めての実戦はどんな感じだったかしら?」

イッセー

「そうっすね……赤龍帝なんて凄そうな神器を持ってても俺は全然弱いことがわかりました。悔しいですが、はっきり言って一麻とレイナーレがいなかったら負けてたと思います……」

 

 姉さんはそう言うと悔しそうに手を握り締めた。

 まあ序盤は最弱だからね。しょうがないね。

 でも近い将来にインフレするから大丈夫だって、安心しろよ~。

 

リアス

「そうね。前にも説明した通り、貴方の持つ赤龍帝の篭手は上手くやれば神をも滅ぼせる代物よ。そこは間違いないわ」

イッセー

「でも倍加する前に攻撃されたらどうしようもないってことですよね」

リアス

「今の戦いで改められたみたいね。偉いわよ、イッセー」

 

 部長はまるで猫をあやすかのようにイッセー姉貴の頭……額?を撫でながら褒めた。

 姉さんからゴロゴロっていう声が聞こえたけど聞こえなかったことにしよう。

 口が小さいオメガ(ω←これ)の形になっているのはどうやってるのかはちょっと気になるけど。

 少しして、部長が姉さんを撫でるのを止めてから今度はこちらに顔を向けて聞いてきた。

 

リアス

「それで、一麻はどうだったかしら?」

一麻

「今回の戦闘でわかったことは、自分の神器はサポート系ということ。近付かれたらどうしようもないね」

イッセー

「え?」

一麻

「あ゙?」

イッセー

「すいません何でもないです!」

 

 なんでそこで疑問を抱くんですかねぇ……?

 確かにドーナシークを踏んづけたり蹴りつけたりしたけど肉体は人間なんだぞ?

 真正面から戦ったら勝ち目ないです。まあ誘惑すればワンチャンあるかもだけど。

 その時は目潰しに股蹴りに悩殺……といった具合に手段は選ばんよ?

 

朱乃

「あらあら、もう神器を完全に使いこなせるようになっていたんですの。まさか堕天使を無傷で倒せるほどとは思っていませんでしたわ……流石一麻くんですわね」

一麻

「あれ?もう完璧に使いこなせるって言ってなかったっけ?」

リアス

「聞いてないわね」

 

 あれれ~?そんなはずは……あ、よく考えたら言ってなかったな。

 えっと、初めての神器使用から帰った時は教会に近付いたことを怒られ、言う暇がなかった。

 バイザー戦では僕がバイザーの提案に興奮したせいで万物召喚のお披露目はできなかった。

 フリーサ戦では神器を使用したけど目撃者はまたもや姉さんしかいなかったなぁ。

 一応姉さんやカラワーナとかから聞いてるもんだとばかり思ってました。

 ちょうどいいのでこの場で説明しておこう……説明中の会話はキャンセルだ。

 

一麻

「──というわけなんだよ」

リアス

「触れた物を召喚できる?しかも漫画の中の道具まで……?」

 

 使い方次第で神滅具級に強力な神器だったのが意外すぎたのか、何やらブツブツと言いながら俯いてしまった。

 魔力がなければ召喚できないっていう欠点があるからそんなに悩まなくてええのに。

 ちなみに朱乃先輩は説明が終わった途端に凄い笑顔になってた。

 ……一体何を想像(妄想)しているのかね?エッチな妄想はやめろぉ!(建前)

 

リアス

「私の予想通り……いえ、予想以上よ!凄いわ一麻!」

一麻

「わぷッ!」

 

 速報。神器自慢した僕、部長の胸の谷間に頭をロックされる。

 どうやらあまりの俺の神器の強力さに大興奮して思わず僕を抱きしめてしまったようだ。

 まあ待て、落ち着け。こんな時は胸の感触を言葉で表現する時はマシュマロとパン生地のどっちがお好みかを語り合おう!(現実逃避)

 

一麻

「……部長部長、僕ショタでも男の子。あんまりボディタッチするとこっちからも触っちゃうよ?具体的に言うとおっぱい揉むぞコラ」

部長

「好きなだけ揉んでもいいわよ、初めての実戦で勝利できたご褒美としてね」

 

 なるほど、ご褒美ですかそうですか。だから好きなだけ揉んでもいいのかー。

 ──いやおかしいだろ!リアスはもっと恥じらいを持てやゴルァァ!!

 個人的に女の子は恥じらわないと魅力が……三分の一ぐらいなくなるんだよ!(謙虚)

 まあ恥じらいが少ないってんなら好きなんですけどね。素直クール素敵。

 

イッセー

「おっぱいが揉みたいなら俺の乳を揉むんだ一麻、触り心地には自信があるんだぜ!」

一麻

「確かに極上の乳の持ち主であることは認めるけど少し自重しようか」

 

 凄い柔らかい癖にどれだけ揉んでも形が崩れない様はまさに乳神様やでぇ……。

 え?いつ揉んだかって?前に布団に潜り込まれた時にですね。

 ともかく、今この状況で揉むのはどう考えてもあれなので却下です。

 ここはまだ敵地でそこに変態がまだ倒れたままなのを忘れてはいけない。(戒め)

 なるべく丁重にお断りすると明らかにガッカリした顔になった……エロめ。

 

イッセー

「なら妥協して……部長!俺にもおっぱい!」

リアス

「イッセーも頑張ったものね、はい」

 

 イッセーにおっぱいをお願いされた部長は一旦僕から離れて姉上を抱きしめた。

 どこら辺が妥協されてるんですかね……。

 まあいいか。ちょっとグダグダしすぎたからいい加減に進めないとアカンし。

 部長に抱きしめられてる姉は一旦放置して、僕はレイナーレ達に歩み寄る。

 その途中で副部長が何か言いたそうにしていたが目で何もするなと訴えたので大丈夫だろう。

 

一麻

「今お話とか大丈夫かな?」

レイナーレ

「一麻様……」

 

 潤んだ目でレイナーレは僕を見上げてくる。

 その表情に少しだけキュンときたのは内緒だ。

 

一麻

「これからどうするの?」

レイナーレ

「その、これから謝罪してみようと思っています。せめてカラワーナとミッテルトだけでも許してくださるように」

一麻

「そっかー」

 

 あらやだ、この子原作と違って悪い子じゃない感じね。

 多分原作だったら自分だけでも助かろうとしたんじゃないかな。

 何にせよ悪い子じゃなくてよかったよ。これで心おきなく助けてあげれる。

 ……悪い子だったら助けなかったと思うし。外道死すべし慈悲はない。

 

一麻

「それじゃあ謝ろうか?僕も一緒にしてあげるからさ」

レイナーレ

「そんな!一麻様のお手を煩わせるわけには!」

一麻

「俺がいいって言うからいいんだよ」

 

 俺はぐずるレイナーレの手を掴んで立ち上がらせる。ほら、ばんじゃーい。

 手を掴んだ時にレイナーレが酷く慌てていたが当然無視。

 完全にクラ……レイナーレが立ったのを確認して僕は部長に向かって歩き出した。

 最低でも死刑だけは許してもらおうじゃないか。レイナっつぁん。

 こうして原作とは大分違うが死者が出ることもなく旧校舎編は終わったのだった。

 

一麻

「ところで、なんで僕のことを様付けで呼ぶの?」

レイナーレ

「一麻様を一目見た瞬間、貴方様に仕えたいと思ったからです!」

一麻

「な、なるほど……つまり俺をご主人様にしたいと申すか」

レイナーレ

「はい!!」

 

 悲報。総督を慕う者が減少したようです。

 あの人を純粋に慕ってくれる人は少ないっぽいのに……。

 まあショタは正義だからね。優先順位が高いのもしょうがない。

 

 

 

 

~黒髪コンビ謝罪中~

 

 

 

 

 頑張ってレイナーレと一緒に謝ってみた結果、軽い罰で済むようになった。

 まあ当然そうすんなり行くはずもなく部長の説得に骨が折れそうになったけど。

 アーシアちゃんを殺してないとはいえ姉さんは殺されてるからなぁ……。

 まあその辺は堕天使の上層部が命令してた事実もあるからいずれは殺されてたんだろうし、末端ポジっぽいレイナーレ達に責任を取らせるのはちょっと違くね?て言ったら納得してくれた。

 姉さんと共闘してくれたりフナッシークを止めてくれたりしたから悪い奴じゃないと思う的な発言で既に悩んでたからちょっと追い討ちだった気もするけど。

 まあそれはさておき、実はまだ問題が一つ残ってる。

 

アーシア

「こ、これは一体どういうことですか!?何故多くの人が倒れているのですか!?」

 

 そう、我らがエンジェルタソアーシアちゃんである。

 神器抜き取る前に決着が付いちゃったから死んでないんだよねー。

 この場合はどうなってしまうのでしょうか?恩義を感じて悪魔化でもすんの?

 個人的には転生天使になって欲しいな。だってアーシアちゃんマジエンジェルだし。

 まあまだ悪魔以外には転生できないはずだからそれまでお預けなんですけどね。

 

イッセー

「アーシア!ナイスタイミングだぜ!皆を治療してやってくれ!」

一麻

「ただし、そこの変態堕天使は治療しちゃ駄目よん」

 

 少し慌てた様子だったが治療をお願いするとすぐさま動き出した。

 ホワワーンとした光で治療する様は聖女そのもの……だと思う。

 ちなみに変態堕天使で通じたのか、フナッシークは治療されませんでした。ナイスでーす。

 でも治療されたからと言ってすぐに目覚めるわけではないのな。

 まあ気絶してすぐに目を覚ますなんて普通は無理だから仕方ないよね。

 

一麻

「これで一件落着……なのかなぁ?」

リアス

「とりあえず帰りましょうか」

 

 これ以上聖堂にいても意味ないだろうからその提案には全力で賛成しよう!

 いやーきつかったですね、今日~。

 

イッセー

「アーシアも連れて行っていいですかね?」

リアス

「放置するわけにはいかないでしょう?連れてきてちょうだい」

 

 あら、てっきりシスターを招くわけにはいかないわ!と言うかと思ったのに。

 まあいい方向に進んでるから余計なことは言わぬが花……仏?ですな。

 

一麻

「地味に疲れたぞ~……」

朱乃

「あらあら、なら私がマッサージでもしましょうか?」

一麻

「遠慮しておきます」

 

 こうして最初の戦いは幕を下ろした。

 この先の未来へ若干の不安を感じつつ、僕達は部室へと帰還したのだ。

 ……堕天使組は罰を受ける為に僕らとは別方向へ行ったけど大丈夫かな。

 レイナーレさん四人も連れてかなきゃいけないから大変そう……頑張れ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後の展開は概ね原作通りだった。

 違う点があるとすれば結局アーシアが悪魔化してなかったってとこかなー。

 眷属にならなかったのに保護してくれるリアスちゃんマジ天使……間違えた、マジ悪魔!

 まあ可愛い眷属達を治してくれたのにポイ捨てなんて普通はできないわな。

 

アーシア

「憧れていた学校へ入学できるなんて……感激です!ありがとうございます!」

イッセー

「よかったな、アーシア」

 

 うん、嬉しいのはわかるけどあんまり激しく動くな。パンツ見えるぞ。

 それともこのパンチラが今回のラッキースケベなのだろうか。

 だとしたらこれ以上のラッキースケベが発動しないように逆にガン見しておくべき?

 見るべきか見ないべきか悩んでいた時、扉が開いたかと思うと残りのオカ研メンバーが入室してきた。

 

木場

「お待たせ!会いたかったよ一麻くん!」

小猫

「一麻先輩、会いたかったです」

 

 前衛二人組は僕を見つけるとこちらへ近寄りながら挨拶してきた。

 そうかそうか、そんなに会いたかったか。

 そりゃあ今まで入院してたんだから会いたいに決まってるよね。

 でも部長と副部長はともかく、イッセーを完全無視とはおでれぇたぞ。

 

イッセー

「おい木場!一麻をいやらしい目で見るな!」

一麻

「どう見ても小猫ちゃんの方がいやらしい目をしているんだよなぁ……」

 

 何故かこの世界でも木場ちゃんが好きじゃない姉貴は木場に威嚇し始めた。

 威嚇と同時に僕の前で立ち塞がるのも忘れない。ディーフェンス!ディーフェンス!

 小猫ちゃんが俺に抱きついてくるのはいいんですかね。姉さんがいいならいいんだけど。

 おお……小猫ちゃんの身体……凄く暖かいなりぃ……。

 

リアス

「さて、全員揃ったところでパーティを始めましょうか」

 

 そうか、これは部長の手作りケーキイベントか。ならば早急に食わざるを得ない!

 僕は小猫の抱擁から抜け出し、素早く席についた。もう待ちきれないよ!早く出してくれ!

 待つこと数十秒、ケーキが切り分けられて配られた。美味しそうだねぇ!

 何故か切り分けはイッセー担当だった為、木場のケーキが残念なことに……薄い。(確信)

 あそこまで薄く切れるのって逆に凄くね?普通崩れるでしょ……凄いな姉さん。

 

一麻

「もぐもぐ……美味しいね!」

リアス

「それはよかったわ」

 

 まあ木場のケーキの薄さは自分には関係ないので食べることに集中する。

 途中イッセー姉さんが自分のケーキを落としたっぽいけど無視。

 ……と言いたいのだが悲しみに叫ぶ姉さんがうるさすぎて集中できない。

 しょうがないにゃあ。

 

一麻

「今度僕がケーキを作ってあげるから元気だしなよ」

イッセー

「マジで!?一麻のケーキやっほぃ!!」

 

 目に見えて元気になった姉さん。立ち直りが早すぎる気がしなくもない。

 …………あれ?僕ってケーキなんて作れたっけ?

 え~と──ああ、そういえば作ってた作ってた!懐かしいなぁ。

 手作りお菓子を作るといっつもイッセー姉さんが喜んでくれたんだよね。

 でもケーキだけはいつも食べた瞬間倒れるんだけど大丈夫なのか?責任は取らんよ?

 

アーシア

「一麻さんはケーキを作れるんですか?」

一麻

「当然!なんて言ったって俺だからね!」

木場

「説得力がないようであるね、もし作るなら僕にもご馳走してくれるかい?」

小猫

「私も食べたいです。一麻先輩の手作りケーキ」

朱乃

「私は一麻くんに食べさせたいですわ」

 

 おお、俺の手作りケーキ希望者が大量発生だ!

 これは作らないといけない使命感が湧いてきそうだな!実際に湧くかどうかは別として。

 

リアス

「その時は私もご馳走していいかしら?」

一麻

「モチのロンでっせ!」

 

 作ったら食わせてやるとも!ちゃんと我が家に招待してね!

 あくまでも()()()()な!いつ作るかは言ってない!

 ……まあ流石にそう遠くない内に作ると思うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?????

「お兄様、もうすぐですわね」

????

「……ああ」

?????

「ちゃんと準備は整えておりますの?」

????

「当然だ、後はリアスを迎えに行くだけだ」

 

 

 

????

「だからお前も祝福の準備をしておけよ、レイヴェル」




~次章予告~


【1】

兵藤父
「アーシアちゃんみたいないい子を居候させたいのは山々だが、ウチにはおっぱい星人の馬鹿娘がいる。十中八九手を出してしまうだろうからアーシアちゃんの為にも他を当たった方が……」
リアス
「大丈夫です、お父様。アーシアは一麻にメロメロですので」
一麻
「……それ関係ある?」
兵藤母
「それなら安心ね」
一麻
「え!?」


【2】

一麻
「ん?な、なんだこの魔法陣!?」
リアス
「一麻……今すぐ私を抱いて処女を奪ってちょうだい!」
一麻
「あ、もしもし朱乃先輩?今自分の部屋に変態、変態紅悪魔が入り込んでるんですけど。今すぐきてください、お願いします」
リアス
「ちょっと待ちなさい!」


【3】

????
「ふぅ~人間界は久しぶ──」
一麻
(トラップ)カード、奈落の落とし穴発動!残念ながらボッシュートです」
イッセー
「……なんだったんだ、今のは」
リアス
「よくやったわ!一麻!」
一麻
「褒めるのか……(困惑)」


【4】

????
「それじゃあレーティングゲームで勝った方が一麻を愛人にできるってことでいいな?」
一麻
「趣旨変わってるじゃねーか、このスカタン!」
リアス
「望むところよ!」
一麻
「部長も了解してんじゃねぇぇぇ!!」


【5】

一麻
「全速前進DA☆」
イッセー
「荷物がないとはいえ、よく走れるな一麻……」
一麻
「当たり前だよ!子供は風の子元気の子!」
朱乃
「元気なのはいいことですわ。うふふ」
一麻
「あ、うん……(怯え)」


【6】

一麻
「修行やってます、いつの日か魔法を使えると信じて」
木場
「身体を動かしたりはしないのかい?」
一麻
「自分は所詮人間だからね、肉体は逃げる体力ぐらいで充分なのよ」
木場
「そっか……」
一麻
「そのガッカリした顔……そうかそうか、そんなに俺を木刀で叩きのめしたかったか」
木場
「違うよ!」


【7】

一麻
「姉さんの洋服崩壊(ドレスブレイク)よりも僕の道具の方が高性能だよ!遠距離からでも服を破壊できるからね!」
ミラ
「す、凄い!」
ネル
「あっちの変態百合女とは格が違うね!」
イル
「一麻お兄ちゃんになら脱がされてもいいかも!」
一麻
「……誰一人として引いてない件について。そこは引くところだよね」


【8】

一麻
「お茶でも飲んで……話でもしようや………………さあ飲みなよ」
?????
「ん……美味しいですわね、かなり上等な茶葉を使用していますの?」
一麻
「そりゃあお嬢様に出すものだからねぇ」
イッセー
「なんで戦闘中に優雅にお茶会をしてるんだ?」
一麻
「お茶会という名の戦闘だよ」
イッセー
「え?」


【9】

イッセー
「俺と一麻がいれば怖いものなしだぜ!最強&最強だからな!」
一麻
「片や神器なしだと最弱悪魔、片や悪魔ですらない弱い人間だけどにゃあ」
イッセー
「そこは言わないお約束、だろ?」
一麻
「違いないね……さあ漫才はここまでだ。兵藤姉弟の力を見せつけよう!」
イッセー
「ああ!」


【10】

一麻
「君の敗因は実に単純(シンプル)だ……()()()()()()()()。たったそれだけだよライザー」




お節介焼きのカズーマワゴン
「信じるなよ、作者の予告を!俺は色んな嘘予告を見てきた。だから嘘かどうかは匂いでわかる!こいつはくせえーッ!嘘予告の匂いがプンプンするぜぇぇぇ!!」

 まあ当然全部が嘘ではないです。でも嘘予告も混じってるから気をつけてね。
 わかりやすく言うと闇雲に予告を信じるのは危険だからもっと情報を集めてからでもってことです。まあこぉんな影の薄そうな警告は無視しても構いませんが。アハッ☆




 今回召喚した道具一覧

『縄』
 何の変哲もないただの縄。別に不思議な力とかも宿ってないです。
 正真正銘普通の縄なので魔力消費は凄く少ないよ!



警告
次の話 >> をクリックするとキャラ紹介や番外編へ飛んでしまいます。

続きを読むにはこのリンクをクリック!


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番外編とかキャラ紹介とか色々?
登場キャラプロフィール(1)


 こんだけ読者様を待たせておいて投稿するのがキャラ紹介って嘘やん……。(絶望)
 というのも色々と事情がありまして、詳しくは活動報告をご覧ください。

 また、嬉しい誤算として予定よりも早く漫画解禁となりそうです。
 いつになるかはわかりませんが、少なくとも来年の5~6月予定だったのが大幅に早くなりそう。
 ちなみに頭の中ではもうとっくに終わり方まで考えてあります。後はどこまでやるか……。
 え?妄想する暇があったら書け?ごもっとも。

 ちなみにキャラ紹介のタイトルに数字が付いてるのは章が進むにつれて新たなキャラ紹介を投稿予定だからです。
 数字が進むほどネタバレ度が上がっていくので注意してください。
 今回はネタバレはほぼないです。あっても精々一章の中盤まで。


名前:兵藤(ひょうどう)一麻(かずま)

種族:人間

性別:ショタ

身長:170cmで、体重は74kgです(本当は142cm)

体重:秘密♡(49kg)

髪型:黒のボサボサヘアー(寝癖が頑固なので直すのが面倒になった)

目の色:結膜は白で、虹彩は茶で、瞳孔は黒(数多くいる普通の日本人と同じ)

一人称:俺(たまに僕)

性格:全力で人生を楽しむタイプ。ボケて突っ込む芸人魂を持つ。結構黒い部分もある。

趣味:演技、人弄り、お笑い

特技:演技、料理、家事、誘惑

能力:『万物召喚(ツール・ウェアハウス)

好きなもの:漫画やゲームなど

嫌いなもの:紳士的じゃない変態

苦手なもの:朱乃先輩?

備考:↓

 ある日突然前世の記憶を取り戻した本来存在しないはずの兵藤一誠の弟。

 とはいえ、前世に存在するはずの家族どころか己の名前まで思い出せない。

 老若男女どころか種族すら関係なく見た者を魅了する極上のショタボディを持つ。

 一度誘惑すればたとえ敵だったとしても思わず一麻の方へ飛び込んでしまう破壊力。

 変態四天王の黒一点。一応性癖を開放的なわけではなく周りからは理性担当だと思われている。

 いつか小猫ちゃんとロリショタコンビを結成したいと思っているとかいないとか。

 朱乃を苦手そうにしているが、演技なのか本当に苦手なのかは不明。

 彼の持つ神器である万物召喚(ツール・ウェアハウス)は触れたものなら何でも(ん?)召喚することができる。

 その代わりなのか小猫ちゃんとは対照的に肉弾戦は非常に苦手。無防備な悪魔や堕天使を蹴り飛ばしても衝撃はともかくダメージがあまり通らない。

 魔力も一般人よりはあるレベルなので神器の連続使用にも強力な道具の召喚にも向いてない。

 強力な効果を持つが使いどころを間違えれば簡単にやられるなど、一麻の強さはムラがある。

 

 

『万物召喚(ツール・ウェアハウス)』

 兵藤一麻が持つ神器。本人は転生特典だと予想している。

 本当に転生特典なのか、ただの偶然なのかは不明。

 触れたものであればどんな道具でも召喚できる能力を持つ。ただし生き物は召喚できない。

 漫画に触れれば漫画の中の道具まで取り出せる為、非常に強力。

 ただし、武器の召喚には普通の道具よりも多くの魔力を消費しないといけない上に魔力を消耗しすぎると倒れてしまうので攻めには向かない。

 一度召喚した道具は自然に消えないので、敵に利用される恐れもある。(破損はするが)

 魔力が足りない場合は召喚する道具を弱体化させるか他人から魔力を貰うことで召喚可能。

 他にも既に召喚した道具を消せば消費した魔力が全部送還される。ただし送還には触れる必要がある為、触れないほど木っ端微塵になったりすると送還できない。

 細かく指定しなくても一応召喚はできるが、強力な武器が超弱体化して召喚されることもあるのでご利用は計画的に。

 基本的に召喚した道具は一麻本人に限って使用条件がある道具の条件を無視して持てたり、持つと悪影響を及ぼす道具のデメリット効果を無視できる。一麻以外は条件とデメリットを無視できないので注意。

 また、道具は必ず手元に召喚される。召喚した道具は手で触れることで送還できる。

 ちなみに魔力消費量超少なめで食材などを召喚できる為、日常での汎用性が凄く高い。

 

 

 

 

名前:兵藤(ひょうどう)一誠(いっせい)

種族:人間→悪魔

性別:女

備考:↓

 今作の一応メインなヒロイン。女体化したのに名前変更なしの可哀想な人。

 原作とはあまり変わってないが、女性になったことで環境はかなり変わっている。

 学園では魂がおっさんな変態という扱いだが、原作ほど嫌われてはいない。

 そして元々自分が女性なので女性に対してトラウマは発生しなかった。

 更になんだかんだでアーシアは死ななかったので心に傷を負うこともなかったのだ。

 原作と比べてみると結構恵まれてる……?まさか性別が変わるだけでこうも変わるとは。

 なお、使用された駒はポーンのまま。まあそれしか使えないから仕方ないね。

 余談だが未来で乳龍帝と呼ばれるからか、素晴らしいおっぱいの持ち主である。

 

 

 

 

名前:松田(まつだ)

種族:人間

性別:女

備考:↓

 何故か女体化してる人その一。主に怒鳴られる役。

 多分こいつの女体化した姿が一番想像し辛いんじゃないかな。

 作者の中では健康的な女性(ただし変態)ということになっている。

 

 

 

 

名前:元浜(もとはま)

種族:人間

性別:女

備考:↓

 何故か女体化してる人その二。こいつの眼鏡は破壊される為にある。

 この世界でも3Sスカウターは健在。でも眼鏡の強度は下がっている。

 ロリコンではあるがショタコンでもあるので一誠からは親友なのに警戒されている。

 

 

 

 

名前:リアス・グレモリー

種族:悪魔

性別:女

備考:↓

 特に変わったところはない感じ。

 強いて言うなら百合属性が追加されたぐらいか。

 あ、そうだ。ショタコン属性も追加されてるゾ。

 

 

 

 

名前:姫島(ひめじま)朱乃(あけの)

種族:???→悪魔

性別:女王様

備考:↓

 リアス眷属のクイーン。基本的に男性が嫌いで女性が好きな百合女王様だった。

 今では一麻の影響で完全にショタコンに目覚めた。今日も明日も彼を見つめ続けるだろう。

 ……ショタコンはショタコンでも恐らく一麻限定のショタコン。

 いつか一麻を拘束してお尻ぺンペンとかディープキスとか逆レ○プとかしたいと思っている。

 おまわりさーん!こっちです早く早くー!

 

 

 

 

名前:塔城(とうじょう)小猫(こねこ)

種族:??→悪魔

性別:雌

備考:↓

 リアス眷属のルーク。重戦車型ロリ。

 初対面だった一麻につい自分が悪魔であることをカミングアウトしてしまうドジっ子。

 隙あらば一麻の膝の上に乗ろうとしたり一麻の匂いを嗅いだりマーキングしようとしてくる。

 いつか一麻にお姫様抱っこされたいとか、逆に一麻を王子様抱っこしたいとか思っている。

 一麻先輩マタタビ説を作った張本人。

 

 

 

 

名前:木場(きば)祐美(ゆうみ)

種族:人間→悪魔

性別:女剣士

備考:↓

 リアス眷属のナイト。おっぱいのついたイケメン。多分くっころはされない。

 原作ではゲイ疑惑のある人だが一章時点でレズの気は見られない。

 ……今のところ未登場のビショップを省けば一番影が薄いのかもしれない。

 

 

 

 

名前:アーシア・アルジェント

種族:人間

性別:聖女

備考:↓

 初登場時にラッキースケベを繰り出してきたエッチな聖女。でもわざとじゃないらしい。

 どんな人でも傷付いていると癒そうとする優しき心の持ち主。

 なんと悪魔に転生することなく一章が終わってしまった。アーシアの明日(出番)はどっちだ!

 ラッキースケベ属性を持ってる理由は()()()()()()()()()()()()()()の処置である。

 そのせいでこれから先も一麻にセクハラしてしまう人生を送ってしまうそうな。許せる!

 

 

 

 

名前:ミルたん

種族:人間?

性別:男の娘

備考:↓

 見た目はとても可愛らしいが、性別は男な魔法……美女もどき?

 性格は男と女のいいとこどりだとか。一麻と一誠はアニメ仲間。

 外見が筋肉の塊じゃなくなったこの小説で原作での強さは顕在なのだろうか……。

 

 

 

 

名前:レイナーレ

種族:堕天使

性別:雌豚(一麻限定)

備考:↓

 初登場時には既にボロボロ状態だった一章に登場する堕天使組のリーダー。

 偽名に使用した夕麻の麻は一麻から取った。夕の方は……?

 普段はお気に入りの格好で戦うが、本気になるとボンテージ姿になる。とてもエロい。

 ある日偶然一麻を目撃したら一目惚れしてしまった。アザゼルの寵愛?なにそれおいしいの?

 作中でもあるように仲間思いな性格。原作と比べるとゲス度も下がっている。

 ちなみに一誠を誘き寄せた最終的な手口は一麻のエッチな盗撮写真。(詳細不明)

 これで釣ろうとするレイナーレもレイナーレだが引っ掛かる一誠も一誠である。

 

 

 

 

名前:カラワーナ

種族:堕天使

性別:痴女

備考:↓

 一番最初に登場したはいてない系堕天使。ついでにつけてないしはえてない?

 はいてないのに短いタイトスカートで上着の下もそのまま裸。おまわりさんこいつです。

 おっぱいがついた紺色長髪のイケメン系で、堕天使四人の中では比較的まとも。

 冷静な性格に加えて更に観察力も備えている。実は戦ってたら原作より厄介だった相手。

 内面は一番まともなのに外見はある意味レイナーレより破廉恥。せめて下着つけろ。

 

 

 

 

名前:ミッテルト

種族:堕天使

性別:淑女

備考:↓

 いまいち口調が安定しないぶりっ子系堕天使。ゴスロリ衣装が特徴。

 普段はアイドルみたいな口調(本人談)だが、冷静さを欠くとギャルチックな口調になる。

 カラワーナのエロ系やレイナーレの美しい系とも違う可愛い系で一麻に迫る。

 もしミッテルトと敵対した場合、アイドルチックなあざとい演技で一誠がキュン死する可能性が高いのでかなり危なかったと思われる。リアス部長なら演技とか関係なく倒しそうだが。

 

 

 

 

名前:ドーなんとか

種族:駄天使

性別:変態男

備考:↓

 消えろ、ぶっ飛ばされん内にな。(一麻のセコム談)




 正直次話を書かないでキャラ紹介だけを投稿していいのかかなり悩みました。
 でも何回も待たせすぎと思ったので投稿することにしました。
 これもそれもスプラ2やポケモンやもんぱらが面白すぎるのが悪いんや!

 ちなみに次の話をクリックして進んでしまうとネタバレが増えたキャラ紹介へ飛んで……は行きませんが、いきなり番外編へ飛んでしまいます。注意してください。


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一麻くんのお悩み相談室

 お気に入り数が53件から一気に64件を突破!64で好きなのは某桃球と配管工パーティ。

 今回は番外編です。本編を期待してた方はすいませんです。
 ちなみに時系列とか全然考えてないです。
 細かいことは気にしないでください。後軽いネタバレ注意。
 次回のお悩み相談室は未定。やるかどうかは作者の気分次第。

 今回は三人のお客さんがご来店したようですよ?


女性生徒A

「最近、お母さんがね~」

女性生徒B

「私なんてさ~」

男子生徒A

「俺は実はこんな悩みを持っててさ~」

男子生徒B

「それは大変だね~」

 

 やあ皆、おはこんばんちは。皆大好き兵藤一麻くんだよ。

 現在つかの間の学園生活を満喫している最中です。やっぱ平和っていいね。

 それはそうと、悩んでる人って意外と多かったんだねぇ……。

 駒王学園の生徒は悩みが少なそうだと思ってました。変態三人組も女性だし。

 そこで僕は、彼女達の話を聞いてる内に閃いたのだ……そう、お悩み相談室である!

 面白いことになると俺の勘が告げている!神は言っている、お悩み相談をやれと……。

 

一麻

「というわけで即席でお悩み相談室なるものを作ってみました」

 

 学園内でやるのもあれだから公園でやることにしたよ。ちゃんと許可は取ったので無問題。

 流石に地声でやるのは後々面倒なことになりそうなので、とあるショタ名探偵が使ってるネクタイ型のボイスチェンジャーを召喚してみました。

 これで準備は整ったぜい。さーて、誰がくるかな~?

 ワクワクテカテカしていると、扉が開いて誰かが入室してきた。

 ちなみに僕から相手の姿は見えるけど、相手から僕の姿は見えない仕様です。

 さあ誰がきたのかな?僕はいつでも誰でもウェルカム!

 

オーフィス

「………………」

一麻

「………………」

 

 うん、ちょっと待て。流石に待て。頼むから待ってくれ。

 確かに俺は誰でもこいとは言ったよ?でもいきなり無限がこなくたっていいじゃない!

 いくら俺でもこんなの予測できるわけがないだろうが!あぁん!?

 大体オーフィスちゃんがどんな悩みを持ってるって言うねん。言ってみ?

 

オーフィス

「我、グレートレッドを追い出したい」

一麻

「……どこから?」

オーフィス

「次元の狭間」

 

 オーケイ、そういやホームシック(笑)だったね。このゴスロリドラゴン(幼女)

 でも僕の力じゃグレちゃんを追い出すことなんて無理だと思ふ。

 いや、待てよ?無限ちゃんの魔力を使えばワンチャンあるか?

 まあ今はそれは置いとこう。

 

一麻

「オホン、えーと……何故追い出したいんですか?」

オーフィス

「我、真の静寂を得たい」

一麻

「なるほどなるほど」

 

 この娘が本当に欲しいのは静寂じゃないはずなんだけどなぁ……。

 でも下手に口出しすると原作崩壊する危険性があるからどうしよう?

 下手に何か言って、オーフィスが敵にでもなったら絶望しかないしね。

 ここは慎重に言葉を選んでいかないと本気でヤバイ。

 僕の発言一つが未来を変える……!本当にどうしてこうなった?

 

オーフィス

「どうすればいい?」

一麻

「んー……とりあえず信用、信頼できる味方が必要じゃないですかね?」

オーフィス

「味方……」

一麻

「利用とか悪用とか不穏なことを考えない……そんな仲間が貴方には必要だと思うのでーす」

 

 実際渦の団(カオス・ブリゲード)にはいないだろうしね。そんな存在は。

 これくらいなら原作が崩壊するレベルに到達はしないだろう、多分。

 ……バタフライエフェクトとかやめてくれよ?

 

オーフィス

「わかった。我、味方を探してみる」

一麻

「頑張れ♡頑張れ♡」

オーフィス

「ん……頑張る」

 

 僕の助言に満足したのか、オーフィスちゃんは帰っていった。

 無表情キャラって何を考えているのかがわかり辛いのが難点だよね。

 まあそこが可愛いんですけどね!無言無表情で擦り寄ってくる姿は癒し。

 さて、日本人みたいな容姿をしたゴスロリ幼女(ドラゴン)のことはひとまず一件落着か。

 次は誰がくるのかなー?もしグレートレッドがきたら店じまいしてやるけどな!

 そんな俺の考えを読み取ったのか、今度はドラゴンじゃないお客さんがきました。

 

ロスヴァイセ

「ある方の手癖の悪さ(セクハラ)を直したいのですが……どうすればいいでしょうか?」

 

 ドラゴンじゃないからって人間がきたとでも思った?残念、ヴァルキリーちゃんでした!

 今さり気なく無理難題を吹っかけられましたね……あれを直すとか無理ゲーでしょう。

 僕は目の前の可哀想な戦乙女さんに非情なる現実を突き付けることにしました。

 

一麻

「全ての生き物は食べず、寝ずに生きることはできません。つまりスケベな性格を直すのも無理です。去勢するか諦めるかの二択しかありません」

ロスヴァイセ

「そ、そうですか……(絶望)」

 

 実際あの高性能スケベ爺さんの性格を直すとか無理じゃろ。

 だから素直に諦めなさい。人生諦めが肝心なのだ……。(無慈悲)

 でもこのまま帰すのは流石に可哀想だな……僕は助言をしてあげることにした。

 

一麻

「大丈夫です。セクハラはやってはいけないこと……今度していたら、その剣の鞘で容赦なくぶん殴ってしまいなさい」

ロスヴァイセ

「え!?いいのですか!?」

一麻

「はい、道から外れそうな者を正しき道へと導くのも人として当然の行為ですから」

 

 だからって剣の鞘で殴っていい理由にはならないという突っ込みは禁止だよ。

 原作イッセーだってキツイ成敗をされてるんだし……あれ?されてたっけ?

 とにかく、オープンスケベは許さないので遠慮なく、やーっておしまい!

 

ロスヴァイセ

「……わかりました、今度からは罰することにします!」

一麻

「その意気ですよ!頑張ってくださいね!」

ロスヴァイセ

「はい!ありがとうございました!」

 

 残念なヴァルキリーお姉さんは満足そうに帰っていった。良かった良かった。

 ところで、ロスヴァイセさんこんなところで何をやってたんだろう?

 今日はオフの日で偶然ここを通りかかっただけなのかな?

 だとしたら、偶然って怖いね……というか運命操作されてるとしか思えん。

 まだ二人だけしかきてないけど、もう原作キャラしかこない気がする。

 そこまで考えたその時、またもやお客様が入室してきた!

 

ミッテルト

「ども~、お邪魔しま~す」

一麻

「どーもどーも東京ドーモ」

 

 今度はお前か!原作と漫画では出番がない堕天使二人組の一人よ!

 作者本人が口調が掴み辛いとか言ってたのに、よく登場させようと思ったな。

 これはあんまり喋らせないように……とか思ったけど、無理か。

 だって喋らせないとお悩み相談にならないしね。

 まあ相手が誰だろうが関係ない。やると決めたからにはしっかりとやるよ。

 

一麻

「本日はどのようなご相談を?」

ミッテルト

「実はウチ、恋の相談をしたいと思ってきたんスよ」

一麻

「そうかそうか」

 

 恋の相談ねぇ~?もう予想ができちゃうけど、まあ聞いてあげましょう。

 さーて、気になるお相手は~?

 

一麻

「して、どのような人物でしょうか?」

ミッテルト

「そりゃもう!抱き枕にしたいぐらいめちゃんこ可愛くて、それに似合わずクールな性格で、マゾ心を擽るような素晴らしい少年、その名も兵藤一麻!」

 

 やっぱりな。惚れた相手は僕以外の何者でもなかったね。

 いや~嬉しいね~。やっぱり美人さんに惚れられるのは嬉しいよ。

 だが、一言だけ言わせて貰おうか……このショタコンどもめ!

 

ミッテルト

「少し前まではよく遊んでたんスけど、最近はあまり遊べてないんスよね~……」

一麻

「それは大変ですなぁ」

ミッテルト

「だから何とかして一麻と一緒に遊びたーい!そりゃもう全力で!」

 

 ミッテルトは興奮した様子で叫んだ。

 なるほど、そういえば最近は遊べて……遊んで?ないね。

 なら今度遊びに誘ってみようかな。どんな遊びがいいかな?

 ツイスターゲームとか提案したらかなり喜びそうだぜ……。

 

ミッテルト

「というわけで、どうやったら一麻を誘えるかを考えて欲しいんスよ」

一麻

「んなもん直接あーそーぼ!でもあ~そび~ましょ。でも何でもいいから誘えばいいじゃん」

ミッテルト

「そんな簡単な……あれ、でもちょっと待って?よくよく考えたらそれで無問題じゃね?」

 

 ……あれか。色々難しく考えてたら簡単な方法が思いつかなくなってたパターンか。

 気が付けてよかったね!これで一麻くんを遊び(意味深)に誘えるお!

 まあエロいことをしようとしたら、肩車で興奮させるの刑に処すけどな!

 

ミッテルト

「灯台下暗しってやつ?アンタのおかげで悩みがスッキリしたよ。あっざーっす!」

一麻

「どういたしましてん!」

ミッテルト

「また何かあったらよーろしくー!それじゃあバイバーイ!」

 

 かなり満足した様子でミッテルトは帰宅していった。

 イエーイ!いいことをした後は気分がイイネ!

 とはいえ、精神的にそろそろ疲れたのでここで店じまいとしようか。

 まあ事実上の閉店になるかもだけどね。次の相談は未定でっす。

 

一麻

「そろそろ姉さんも心配する頃だろうし、帰るかー……ん?あれ?」

 

 帰宅する準備を進めている最中、僕はあることに気が付いた。

 果たしてこの事実に気が付いてた読者様は何人いるだろうか……。

 え?僕が気が付いたことって何なのか、早く教えろって?

 僕が気が付いたこと……それは、とても意外な事実であった。

 

一麻

「人間はともかく、悪魔が一人もきていない!?信じられなーい!」

 

 ……オチ?これだけだよ。




オーフィスの口調が掴み辛い!
ミッテルトの口調がわかり辛い!

というわけで、この小説のオーフィスちゃんはこのような口調になりました。
基本的に「我、元気だ」という感じに喋らせます。
ミッテルトちゃんは基本的にスを語尾に付けるけど、たまに付いてないこともあるって感じでイメージしてみました。
わかりやすく言うとアニカビのエスカルゴン閣下をイメージしてください。


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フェニックスが校舎で戦闘?迷惑だからやめれ
不法侵入ですよ不法侵入!


 正直この機会を逃せばもう数ヶ月は投稿しなさそうなので今投稿することにします。
 文字数はいつもより少なめですが、ご了承くださいませ。

 読者さんを何回も長期に渡って待たせる俺って、本当に馬鹿。


 ども、こんちわっす。一麻です。

 前章のあらすじ。いやあ堕天使は強敵(変態)でしたね……以上。

 現在の俺は早起きしてしまったので登校時間までゴロゴロしてる最中である。

 あれから堕天使さんと悪魔祓いさんは見かけてない。

 リアス部長とソーナ会長が警備体制でも強化したんだろうか?

 何はともあれ平和なのはいいことだ、うん。

 まあどうせすぐに平和じゃなくなるんだろうけどな!主に焼き鳥のせいで!

 ……そんなわけで焼き鳥がいつ来てもいいように心の準備は済ませている。

 地味に少し前から万物召喚で戦の準備もしているがね……ふっふっふ~♪

 でも部長がため息をすることも姉さんが夢から飛び起きることも今はない。

 こちとらいつでも準備はできているというのに、焦らしてくるとは予想外。

 

一麻

「このウズウズをこの一麻はどう処理すればいいというのだ……!」

イッセー

「俺に全部ぶつければいいと思うっすよ!」

一麻

「じゃあ今その腹に思いっきり頭突きしてやるから腹貸せ」

イッセー

「それは勘弁して欲しいぜ……」

 

 この通り()も変わらずなご様子だぜぃ。

 ……実は姉さんの方での確認はあまり期待してないんだけどねぇ。

 姉さんの部屋は俺の部屋の隣とはいえ聞こえ辛いだろうし。

 かと言ってこっちから何度も尋ねたらドライグを知ってたのか疑われかねない。

 原作知識はできる限り隠しておきたいのね。できる限りはね。

 

イッセー

「そうだ、聞いてくれよ一麻」

一麻

「どしたの?」

イッセー

「凄い夢を見てさ、部長と結婚したと思ったら赤いドラゴンが目の前にいたんだ」

一麻

「何それ意味不明」

 

 期待してないとか考えてたらいい意味で予想を裏切られたでござる。

 ごめんね姉さん。意味不明とか言ったけど俺にとっては意味明快なんだわ。

 そうか……もうすぐ戦闘校舎の章が始まってしまうのか……。

 でもぶっちゃけこの章は俺には関係ない気がするのだが。

 だって部長が婚約破棄する為のレーティングゲームでしょう?

 なら人間である僕ちゃんは参加不可能。よって今回は出番なしなのでは?

 ……まあどうせなんらかの理由で巻き込まれるんだろうけどな!

 変態堕天使くんの時は最高にハイッになってたからバトルしたけど。

 でも自ら望んで戦おうとは思わへんな~。暴力反対!ただしSMは省く!

 まあよっぽどのことがない限り俺が戦う自体になんてならないっしょーHAHAHA。

 

一麻

「フラグが立った気がするのはきっと気のせいだよね」

イッセー

「え?俺と一麻の恋愛フラグが立ったって?」

一麻

「ない!そんなものはない!」

イッセー

「なんだと!?そんな馬鹿な!!」

 

 姉さんが少し凹んだが知ったことではない。

 例えそれが手を床に付けるorz状態だったとしてもだぜ。

 この俺は自分が巻き込まれる可能性について考えるのに忙しいのだ。

 まず自分は眷属じゃないから魔方陣で移動はできない問題……これは既に解決やね。

 フリちゃんにぶっ殺されるはずだった依頼主さんの生存が全てを説明している。

 次は俺の参加を悪魔が許可するか……これも半分は大丈夫だな。

 なんだかんだで魔王様ってリアリアに甘々だし、二つ返事でOKしそう。

 ライザーはどこぞの無駄無駄な吸血鬼並に慢心してるし、これも大丈夫でしょう。

 ……だが!他の上層部悪魔の皆様方が許可をするだろうか!?いや、しない。

 最悪魔王様のサプライズだから黙ってろ的な脅しをすればなんとかってところか。

 そして最後の問題は……俺がそこまでやる気はないってところ。

 正直あの変態堕天使は俺にメロメロ状態なので勝つる!って思ったから前線に出てきたんだし。

 婚約者がいるライザーが男である俺にメロメロに……なんて展開はないと思う。

 ないよね?まさか俺に一目惚れしたライザーがゲームの景品として俺を愛人にとかないよね?

 ……………………この話題はまた今度にしよう。うん。

 そもそも、だ。フェニックス編はギリギリOKでもそれ以降は戦えないだろ。身体スペック的に。

 残念ながらこの一麻は人間をやめる気はないぞ!ジョ……だから無理なのだぁ!

 悪魔になると朝気持ちよく起きれないとか嫌すぎる。あのウトウトポカポカがいいんだろうに。

 頑張って起きた後に日光を気持ちよく全身に浴びる……最高やな!

 というわけで結論は俺の戦闘シーンはこの章以降ははない……と予言しよう!

 万物召喚で戦う俺を期待してた読者の諸君、残念だったなぁアハハハハ!

 

一麻

「痛いのは嫌いだし山篭りとかしたくないしわりとマジで参加したくないな……」

イッセー

「一麻?そろそろ学校へ行く時間だ、一緒に行こうぜ」

一麻

「勿論行くよお姉ちゃん……はぁ」

 

 いっそのことライザーも女体化してて婚約イベント自体消えてればいいのに。

 そんなとんでもないことも考えつつ、俺は学校へ向かうのだった。

 これで部長がため息を付いてたら完全にアウアウですけどねはい。

 

 

 

 

~部室~

 

 

 

 

リアス

「はぁ……」

一麻

「はいアウトーーーー!!」

リアス

「ふぇ!?」

 

 今日も姉さんの付き添いで契約を取りに行った。もう帰って来てるけど。

 帰還と結果の報告をしに部室へ入ると、そこには気持ちが沈んだ部長の姿が!

 リアスが椅子に座って頬杖を付きながらため息!これは言い逃れ不可能ですわ。

 もうすぐ種蒔き焼き鳥ホストもどきがやって来るぜ……さあどうしよう。

 俺の突然の叫び声に部長も仕事の報告をしてた姉さんも固まっている。

 というかオカ研メンバー全員が固まっている……でも俺には関係ねぇ!

 明日あたりに間違いなくこの部室にあの焼き鳥がやってくるぞ!

 ……明日だけ学校を休んじゃ駄目かな?かな?

 

リアス

「い、一体どうしたの一麻?」

一麻

「駄目だよリアっさん。ため息吐くと幸せが逃げちゃうよ?」

朱乃

「一麻くんが逃げないなら幸せは逃げませんわ……うふふ」

 

 さり気なく俺=部長の全ての幸せにしてんじゃねぇよ。

 否定しない部長も部長だが……まさか本当に俺が幸せそのものなの?

 ……大部分を占めてるだけだと思いたい。まだフラグも立ててないし。

 まあ立てるつもりはないけどね。貴族の作法とか絶対に面倒じゃないか。学びたくない。

 いや、美しく食事する作法とかに興味はないと言ったら嘘になるけど本格的には、ねぇ?

 

一麻

「それでどうしたの?悩み事でもできちゃった?」

リアス

「……ちょっと家のことでね、私は貴族だから色々あるのよ」

 

 僕にそう告げるなり、部長はしかめっ面のままそっぽを向いた。

 美人なだけあって仕草はかなり可愛いけれど、内心焦ってるんじゃないか?

 今にも指を机にトントンしそうじゃないか。肘付きでも可。

 そんなに鳥と結婚するのが嫌?一応悪い奴じゃないはずだけど。

 貴族としてのリアスではなくただのリアスを見て欲しいという乙女心かね。

 ……悩むのはいいけど俺を巻き込むなよ~?ゲームとはいえ死にかねん。

 

 

 

 

~自室~

 

 

 

 

 夜になったよ。今日は部活動がないらしく、姉さんと一緒に帰宅しました。

 さて、もし本当に明日奴がくるならば準備をしておく必要がある。

 とはいえ眠いのでベッドで準備を進めてる。このボディは夜更かしするのが凄く辛いのだ。

 小学生並のスペックに我ながら呆れますね、実年齢仕事しろ。

 自分の実年齢を疑いながら事を進めていると、突然部屋の中心が光り輝いた。

 その中心に立つのは勿論リアス・グレモリー……何やら複雑そうなお顔。

 

一麻

「……こんな時間にどしたの?」

リアス

「一麻……私の処女を貰って頂戴!対価に貴方の童貞を貰うから!」

 

 その言葉を聞いた瞬間に俺は枕元に置いてあった携帯電話を手に取り、ある番号を押してとある人物に電話をした。

 

一麻

「…………あ、もしもしミルたん?こんな遅くにごめんね?いや、大したことじゃないんだけどさ……助けて」

リアス

「ちょっと一麻!?待ちなさい!!」

一麻

「今自分の部屋にね、変態契約屋が入り込んでてさ。不法侵入だよ不法侵入……今すぐ行くって?ありがとうミルたん!心の友よ!じゃあ犯されないように抵抗しながら待って──」

リアス

「待ちなさいと言ってるでしょう!」

一麻

「わ!?」

 

 ミルたんに助けを求めてみたら部長に押し倒されました。

 俺はベッドの上で電話していたので当然ベッドの上に組み伏せられました。

 怒っているせいかは不明だけど心なしか部長の息が荒い気がする。

 これは完全に事案ですね……よ、このショタコン強姦者予備軍!

 

一麻

「リアスお姉ちゃん……?」

リアス

「う!?」

 

 悪ふざけでお姉ちゃん呼びしてみたら部長が鼻から()を溢れさせた件について。

 溢れた瞬間から自らの手で鼻を押さえたので俺に(鼻血)が降り注ぐことはなかった。

 でも目がちょっと怪しくなってきてるのが気になる。今にも理性が壊れそうやね。

 あれか?俺がパジャマを着ているから可愛くて悶え死にそうなのかな?

 確かに寝るときに着るこのパジャマは可愛い系だよ。でも性的な部分は一切ないんだけど。

 これは例のメイドさんが来る前に喪失することも覚悟しなきゃいけないかもしれない──。

 

リアス

「……貴方が誘うからいけないのよ。そう、悪くない!私は何も悪く──」

一麻

「あ、部長が来た時みたいに部屋の中心が輝き始めた」

リアス

「嘘!?」

 

 ──などと、その気になっていた俺の姿はお笑いだったぜ☆

 突然出現した魔方陣は部長の時と同じく一際強く光輝いた後、その中心に誰かが出現した。

 魔方陣から発せられる光が収まると共に中心にいる人物像が見えてきた。服装からして侍女だ。

 三つ編みが左右対称に二つ、どこかクールな印象を受けるこの銀髪メイドは……!

 間違いない!どこからどう見てもザ・ワールド使いの十六夜咲──。

 

リアス

「ぐ、グレイフィア!」

グレイフィア

「お嬢様……」

 

 ちぇ、別人の名前を言おうとしたら先に本名を言われちまった。

 銀髪メイド改めグレイフィアはこちらを睨むと同時に近づいて来た。

 およ?実力行使なんてしてきたっけか……メイドさんが原作主人公イッセーを下賎な輩とか罵倒してきたのは覚えてるのだが。

 本当に便利、僕の原作知識……♪まあ堕天使編では原作と違う終わり方させちゃったけど。

 それがバタフライエフェクトとなって銀髪メイドが実力行使に?

 俺がそこまで予想した瞬間、グレイフィアは耳を摘み、ベッドの上から引き摺り下ろしてきた。

 ……リアス部長を。あれれ~?

 

リアス

「痛い、痛いわ!やめて頂戴グレイフィア!」

グレイフィア

「いくら婚約を破棄する為と言えど、か弱い少年に襲い掛かるのは如何なものかと」

 

 部長の訴えを華麗にスルーしてお説教をするメイドさん。

 耳がかなり痛そう……大丈夫かね?あれ。まあ悪魔は頑丈だから大丈夫でしょ。(即決)

 でも痛がってる女性を見て興奮する性癖はないので助け舟を出してあげよう。

 

一麻

「メイドさん、僕こう見えてもリアスさんの一個下なんだ。合法だよ多分」

グレイフィア

「なるほど、よくわかりました。そういうプレイですか……お嬢様?」

 

 全然わかってないんだよなぁ……。

 僕の発言を全く信じていないグレイフィアは部長を更に鋭く睨み付けた。

 当然事実を言ってるのに信じて貰えない事態を部長が黙って見ているはずもない。

 リアスちゃんはすぐに反論した。

 

リアス

「一麻の言ってることは本当よ!」

グレイフィア

「あの子のような小さい高校生はいません!」

 

 ……俺の存在を全否定されたかのような発言に流石の俺も若干凹んだ。

 確かに小学生みたいな体型なのは認めるけどさ。頑張れば中学生には見えるかもだろ?

 糞ぅ、今度年齢詐称薬でも召喚するべきか?

 

グレイフィア

「一麻様、大変失礼を致しました。後日に必ずお詫びはします故に……では失礼します」

リアス

「待って!一麻、助け──」

 

 部長の助けを呼ぶ声も空しく、部長は銀髪メイドさんと一緒に魔方陣で帰って行った。

 リアスさん大丈夫かねぇ?少し心配だ……が、まあ過ぎたことは仕方がない。

 今日の準備は終了して、明日以降に向けて英気を養う為に寝るとしよう。

 

一麻

「部長も寝れるといいねぇ……おやすみ」

 

 こうして今日は終わりを迎えた。

 この流れから察するに明日は焼き鳥くん襲来だが、果たして……?

 

一麻

「……あれ?」

 

 はて、そういえば何かを忘れているような?

 まあいいかー。思い出せない=大したことではないだろうしね。

 こうして俺はその何かを思い出すことはせずに眠りについた。

 ……枕元に今さっき通話状態から切れた携帯電話を放置したまま。




 まさかここで携帯電話を放置したせいであんなことになるなんて……。(絶望)


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