夜空の守護者は護りたい (新月暁)
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プロフィール

主人公を始めとしたオリジナルキャラ達の細かい設定です。

キャラが増えるたび此処の設定も増えます。

原作の時代ではオリキャラは主人公以外は創ろうとは思っていないので、プリーモの時代でのオリキャラばかりです。
もしかしたら番外編として投稿するかもしれない細かいオリキャラの人生(という名の設定)も書いています。
 
後、原作との大きな相違点も書いています。





名前  神楽美琴

所属  ボンゴレファミリー(仮)

肩書き 十代目夜空の守護者

    夜空のアルコバレーノ

使命  何色にも染まることなく大空を側で支える夜空

    人知れず大空に仇なす者を消す影

武器  ナイフ グローブ

炎   夜空の炎 大空の炎 雨の炎 

匣   夜空の狼(イル・チェーロ・ディ・ノッテ・ルーポ)

    天空ライオン(黒)(レオネ・デイ・チエーリ)

    雨の鷹(ピオッジャ・ファルコ) 

 

口癖  特になし

性格  穏やかで面倒見の良い性格

    仲間には甘いが、敵には冷徹

    自己犠牲が激しい

容姿  少し癖のある黒髪を腰まで伸ばして首の下辺りで結んでいる。髪の一部が生まれつき白くその部分は三つ編みにしている。

目は黒色でたれ目。

 

 

この小説の主人公。

原作の主人公の沢田綱吉の幼なじみ。

文武両道の優等生。 

 

ボンゴレ初代夜空の守護者、シェーラ・ルノアールとして生きた前世の記憶がある。

それもあり、綱吉がボス候補になった時、力になろうと決意した。

 

基本的に誰に対しても敬語で話すが、感情が大きく高ぶったり、激しい怒りに我を忘れると敬語じゃ無くなる。

 

本人に自覚こそ無かったが、夜空の守護者であると同時に生まれながらの夜空のアルコバレーノでもある。リボーン達と違い、赤ん坊にこそなっていないが、夜空の炎の大部分や力を封印され、そのせいで雲雀恭弥ほどの力しか出せない(十分強い)

 

未来では夜空のリングの力で体調が悪い(熱がある等)だけで済んでいた。

 

匣兵器は未来の美琴が持っていた雨の鷹(名前:露草(つゆくさ)Aランク)、そして入江正一が未来の美琴に託されていたボンゴレ匣の夜空の狼(名前:黒金(くろがね)Aランク)と天空ライオン(黒)(名前:濡羽(ぬれば)Aランク)

夜空の匣は黒金以外存在しない。

実は夜空の炎は大空の炎が突然変異して生まれた物なので大空の炎と同じように他の属性の匣を開ける事が出来る。

しかし大空の炎が匣の力を最大限に使えないのと違い、匣の力は最大限に使えるが、夜空の炎の力に耐えきれず、大空の匣以外はAランクすら一度か二度使うと壊れてしまう。

美琴が元々微量だが波動を持っていた雨の匣はAランクなら壊れない。

 

夜空のリングは大空のリングと同じ形状で、水色の石の代わりに黒い石が嵌められており、石の中には金色でボンゴレの名と逆さになった王冠と王冠を貫くように剣が彫られている。

 

ボンゴレギアは綱吉と同じリング状で黒金が彫られていて、細かい装飾は全く違う。

 

武器はナイフやグローブで近距離特化型。しかし銃や鞭などだいたいの物は扱えるので、実質オールラウンダー。

グローブはレオンが沢田綱吉の手袋と小言弾吐き出した時に一緒に吐き出された。普段は指先の出る黒い皮のグローブだが、夜空の炎を灯すと、綱吉の物よりシンプルな鉄のグローブになる。

攻撃より、高速で移動するために使う。

 

一度死んだのであまり生への執着が無く、無意識に自分の事は疎かにしているため前世以上に自己犠牲が激しい。

 

夜空の炎の性質は消去。

嵐の炎や憤怒の炎以上の攻撃力を持っている。

しかも破壊の消去だけでなく様々な消去ができる。

意識の消去や五感の消去、はてには炎でドームを作り、その中の酸素の消去や重力の消去、はたまた死ぬ気の炎という存在の消去などができる。

しかし意識の消去以外の消去はアルコバレーノの封印を受けているのでかなり体力を使う。最悪命の危険も…

美琴自身意識の消去以外の消去を使うのは嫌がる。

 

 

    

名前  シェーラ・ルノアール

所属  ボンゴレファミリー

    独立暗殺部隊ヴァリアー

肩書き 初代夜空の守護者

    独立暗殺部隊ヴァリアー初代ボス

武器  大剣、ナイフ、銃 グローブ(右手のみ)

炎   夜空の炎

口癖  特になし

性格  穏やかで面倒見の良い性格

    仲間には甘いが、敵には冷徹

    自己犠牲が激しい

容姿  少し癖のある黒髪を腰まで伸ばして首の下辺りで結んでいる。髪の一部が生まれつき白く(美琴とは場所が違う)その部分は三つ編みにしている。

目は金色でたれ目。左目の周りには黒い刺青が入っていて、右目には大きな傷跡がついている。

 

この小説の主人公の原点であり、プリーモの時代の主人公でもある。

 

ジョットとGの幼なじみだが、二人を庇い浚われてしまい、一度離れ離れになるが、それから1ヶ月程たった時、再会した。

 

基本的に誰にでも敬語で話すが、ジョットとG、シモンの前だと時々タメ口になる。 

戦闘は基本的に背中にいつも背負っている大剣を使う。(大剣だが小さめで片手で振るえる。)

大剣には一つ一つが小さな刃になっている鎖が仕込まれていて、持ち手と刃の部分が分かれ、振り回す事も出来る。

大剣の振り回しづらい狭い所や暗殺をする時はナイフや銃、そしてグローブを使い武術で闘う。

 

ジョット達と共に自警団を立ち上げた。

 

ジョットとGを庇い浚われて、下町の地下にある非人道的実験をしている研究施設で、様々な実験という名の拷問紛いの事を受けていた。(顔の刺青はその名残)その時、実験対象であったジョットやGの事を聞き出そうとした研究者に本当の拷問もかけられ、左腕を失った。

しばらくたった時、破壊兵器を造るのに必要な薬品の適性がシェーラにだけあり、破壊兵器として覚醒させるため、シェーラの目の前で同じ様に浚われて来た人達を皆殺しにされる。

皆が自分のせいで死に、目の前にいながら何も出来なかった自分に【絶望】し、シェーラは後に夜空の炎と呼ばれる大空の炎が突然変異した黒い炎を暴走させた。

その場にいた研究者を全員【消去】しても未だ暴走するシェーラのもとに研究施設の事を知ったジョットやGにシモンが駆けつけ、二人のおかげで暴走は収まった。

 

このような事があり、無意識に人と一定の距離をとるために敬語をつかうようになった。

自己犠牲が激しいのもこの事が原因

 

 

 

名前  カルロス・レーダ

所属  独立暗殺部隊ヴァリアー

肩書き 独立暗殺部隊ヴァリアー作戦隊長

武器  無し

炎   憤怒の炎

口癖  「消し飛ばす」「クズ」

性格  一言でいうなら暴君。

    基本誰に対しても上から目線で話したり、自分のペースを崩されるのが大嫌いであったりとプライドが高い。

    シェーラ限定でツンデレな所がある

容姿  黒い髪に赤みを帯びた黒いつり目をしていて、特徴はしっぽ髪と長いもみあげ。

 

後のボンゴレファミリー二代目ボス。

下町出身で、ボロボロな体で倒れていた所をシェーラに拾われた。

警戒心がかなり強く、同じヴァリアーの人間でもすぐには信用しない。しかし、生まれ持ったカリスマ性で慕われやすく、その実力の高さもあり若くして作戦隊長の座までのし上がった。 

 

赤みを帯びた目のせいで親や周りから腫れ物のように扱われていたのが、憤怒の炎に覚醒した事で実の両親にすら化け物扱いされ、理不尽な暴力を受け続けた。

そんな時シェーラに拾われて初めて自分を、カルロス・レーダという人間を真っ直ぐに見てくれたシェーラに無意識のうちにに依存、執着していて、一週間以上シェーラと会っていないと精神的に不安定になる。

基本的にシェーラの言うことしか聞かない。

 

その境遇からか、自他共に認めるかなりの口下手。そして口調も荒く口より手が出やすい。それはシェーラに対しても同じなので、思わずシェーラを叩いたり、(他の人なら殴るか蹴るか物を投げるかする。)酷い暴言を吐いてしまった時は後で一人で自己嫌悪に陥る。

 

何だかんだ自分がシェーラに頼っている自覚があるので、シェーラにも頼られたいと常日頃から思っている。

 

彼がボンゴレリングを引き継く事が出来たのはセピラの計らいから。

 

名前  メデューサ・ハート

所属  表:ボンゴレファミリー

    裏:ローゼファミリー

肩書き 特になし

武器  レイピア タロットカード

炎   無し

口癖  表:特になし

    裏:「馬っ鹿みたい!!」(嘲笑)

性格  表:天真爛漫で、いつもぽわぽわと笑っていて誰に対しても平等に接する穏やかな女性

     人が傷つくのが嫌い

    裏:誰に対しても馬鹿にするような話し方をして、嘲笑を浮かべている。

     人が傷つくのを見るのが大好き

容姿  ウェーブのかかった濃い緑の髪をお尻辺りまで伸ばしていて、黒いカチューシャを付けている。

目は少しつり目で鮮やかなオレンジ色をしていて眼孔が蛇のように細い。左目の下に逆三角形の黒い刺青をいれている。 

 

エレナの紹介でボンゴレに入ったデイモンと肩を並べる実力を持つ幻術使い・・・・というのは仮の姿。

 

本性はボンゴレを乗っ取ろうとしているローゼファミリーのボスの娘。ファミリーの所有地で偶然見つかった魅了の鉱石の欠片、魅了の石を使いジョット達を魅了し、乗っ取ろうとした。

しかし、シェーラが本体である魅了の鉱石を砕いた事で魅了が解けてしまい、ジョットによってボンゴレに敵対するマフィアへの見せしめとして、無惨に殺された。

 

しかし、残留思念が強く、ボンゴレファミリー、そして自身が死ぬ原因となったシェーラ・ルノアールに強い憎しみを抱き、様々なボンゴレファミリーの関係者に憑依して、現世に止まった。

 

原作のデイモン・スペードの位置にいる女でもある。

 

 

 

原作との相違点 

*エレナが死んでおらず、デイモンがジョットを追い出していなく、二代目霧の守護者にもなっていない。

*原作より力を重視しており、敵にはかなり容赦が無いが、ファミリーを守るためなら何でもする、原作よりマフィアらしいファミリーになっている。(シェーラの死が原因)

 

 



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夜空の終わりと新たなる始まり前編

「……はぁ…はぁ…はぁ…ケホっコホッ、はぁ…はぁ……」

 

草木も眠る丑三つ時。イタリアのとあるビルの最上階で、一人の女が壁に背を預け座り込みながら荒い息をはいていた。

 

そんな女の周りには、一種の地獄絵図が出来ていた。 

 

部屋には見るからに屈強な男達がたくさん転がっている。・・だが男達は皆、息絶えていた。

ある者は四肢がバラバラになっており、

またある者は首があらぬ方向を向いている。

様々な殺され方をしている男達の顔は皆、恐怖に歪んでいた。そんな男達の血は壁や床だけでなく天井までも、どす黒い赤に染めていた。 

しかもそれはこの部屋だけではなく、ビル全体が全てこの様な状態になっている。

 

言わずもがなこの惨状は座り込んでいる女が造りだしたものだ。だが、その女は既に虫の息だった。

その薄い腹には風穴があき、、体中のいたるところに切り傷や銃弾を受け、まだ血を流し続けており、顔は青を通り越して白い。・・・もう永くないのは明白だった。

 

「……はぁ…はぁ…ッ……ケホ…ケホ、コフッゴホ、ゴホッ!かはっ!……はぁ、はぁ……あはは………さすが、にそろそろ、げん、かい、ですかね……ケホッ…」

 

そう言って吐血をしながら女、シェーラ・ルノアールは薄く笑った。

少しずつ体からは力が抜け、顔には死相が張り付きつつある。

死が直前にまで迫っているというのに、シェーラはまったく違う事を考えていた。

 

(……ジョット達はちゃんと、正気に戻ったんでしょうか………)

 

そもそも何故彼女がこの様な所にいるのか。

それは、彼女の大切な仲間を正気に戻すためだ。

 

シェーラ・ルノアールはマフィアであるボンゴレファミリーの夜空の守護者だ。

幼なじみのジョットが自警団を創った後、もう一人の幼なじみであるGと共にジョットを支えてきた。

 

時がたち、大切な仲間も増え、自警団からマフィアになっても、守護者やファミリーの皆で協力して少しでも市民が平和に暮らせるよう尽力を尽くした。時に辛い事はあっても、彼女、シェーラは幸せだった。

この幸せがずっと続いて欲しい。そう、願っていた。

 

だが、そんなささやかな願いはある女のせいで粉々に砕かれた。

 

その女の名前は、メデューサ・ハート。

 

シェーラの親友であるエレナの紹介でボンゴレに入ったこの女は、幻術の使い手で、その腕は霧の守護者であるデイモン・スペードと張り合う程だった。

さらにその天真爛漫な性格でどこか加護欲をそそる女に守護者達はよく面倒を見ていた。

 

シェーラも最初こそあのアラウディやデイモン、Gまでもが、女と話しながら穏やかに微笑んでいるのを見て驚き、皆と過ごす時間が減り、少し寂しく思いながらも、皆が楽しそうで、幸せだった。

 

だが、それはこれから始まる彼女にとってとても辛い日々の、ほんの序章だった。

 

最初はほんの小さなズレだった。

 

いつもは、市民や街の事を話す事の多いジョットの話のほとんどがメデューサ・ハートの話になった。 

時に我が儘こそ言うが、適度は守っていたランポウの我が儘の回数が増えた。

 

この時は新しく入ったファミリーを嬉しく思い、浮かれているからだと多少の違和感こそ感じたが、そう思った。

 

しかし、ズレは少しずつ、だが確実に大きくなっていった。

 

ナックルが女に聞かれ、自身が現役のボクサーだった頃の話を嬉々と語っていた。

デイモンが女にせがまれ、高度な幻術を披露していた。

アラウディが女を連れて出歩く事が増えた。

 

ナックルは試合中に相手を殺めてしまった事で現役を辞め、神父になった。そんなナックルが聞かれたこととはいえ嬉々として現役の事を語るのは可笑しい。

デイモンは自分の幻術に強い誇りを持っている。そんなデイモンがせがまれた程度でここまで高度な幻術を見せるのは可笑しい。

時には他の守護者と出掛ける事はあっても、誰かと行動することの少ないアラウディが自分から何度も同じ人間を誘い、共にいるのは可笑しい。

 

そして、シェーラ以外の守護者が仕事をしない事があるようになった。  

 

ここまで来るとシェーラも大きな違和感を感じた。部下にも余りにも女と共にいる守護者やプリーモに疑念を持つものも現れ、何度もしっかり仕事をし、守護者とプリーモである以上、一人の部下を極端に構うのは止めるように訴えた。

 

だが、皆が皆その場では適当に言葉を濁し、結局は仕事もしないし、女を構うのも止めなかった。

 

……そして、ズレはとても大きな物になった。

 

Gは自身の大切な武器である銃と弓を女に触らせ、使わせていた。

雨月は何よりも大切な笛をG同様触らせ、あろうことか女が笛を吹く事を容認した。

 

Gはジョットやシェーラにさえめったに自分の銃を使わせない。それに銃を扱った事もない人間には絶対に触らせない。

そんなGが銃を使ったことのない女に武器を触らせ、使わせるのは可笑しすぎる。

雨月も笛はめったに他の人に触らせることも無ければ、吹かすなど絶対に有り得ない。

そんな雨月が笛を触らせ、吹かすのを許すなど、可笑しすぎる。

 

…………そして、シェーラ以外、誰も仕事をしなくなった。

 

確かにしっかりと噛み合っていたはずの8つの歯車は、入り込んだ小さな石で、たった1つを除いて全てが少しずつズレていき、そしてついには・・・壊れた。

 

守護者とプリーモが仕事を完全にしなくなったことにより、部下の疑念は不満に、そして女への憎みへと変わった。

 

幸い、ジョット達の様子が急変したのはメデューサ・ハートがボンゴレに来てからだったので、今までの人望もあり、ジョット達が軽蔑されることは無かった。その代わり、女に対する憎みは増える一方で、ボンゴレには険悪な雰囲気が漂っている。

 

人思いに殺してしまいたいが、女のそばには守護者かプリーモが必ずいる。女を殺すには彼らと殺りあう必要があるのだ。

そんな事が出来るのはシェーラぐらいだが、シェーラが彼らに刃を向けれる訳がないのだ。

だからこそ、皆が皆プリーモと守護者達を変えてしまった女を憎しみ、何も出来ない自分に憤りを感じていたのだった………。

 

そんな部下達の様子に気づかず呑気にお茶会をしている仲間をシェーラはどこか虚ろで悲しい光を宿した瞳に、写していた。

 

誰も仕事をしないせいで守護者やプリーモでなければ出来ない仕事を全て一人でこなしつつ、ボンゴレ全体の動きを指示しているシェーラは元気とはいえなかった。

頬は痩け髪はボサボサで服装もシワがあったりとだらしない。目の下には濃い隈ができていた。

 

ボスであるジョットがあんな状態で、シェーラが何とか指示を出しているが、ボンゴレはほぼ機能停止している。今はとにかく今のボンゴレの状態を敵マフィアに知られないようにするのに必死だ。 

もし今のボンゴレの状態が知られてしまえば確実に抗争になる。

その時犠牲になるのは一般市民だ。だからそれだけは絶対に避けないといけない。

 

そしてそれとは別にシェーラは自身の直属の部下達には別の事を調べさせていた。

・・・シェーラはボンゴレの守護者だが、少し他の守護者とは違う所がある。それはシェーラがボンゴレとはまた違う部隊のボスをしていることだ。

所属しているのはボンゴレだが、ボンゴレが不利にならない他の依頼も受けるその組織は、ボンゴレが機能停止している今でもある程度は動く事ができるのだ。

その組織の名前は………

 

 

 

独立暗殺部隊ヴァリアー

 

 

 

 

 




  
書いていたらどんどんグダグダになってきたので一度ここで切ります!

はっきり言って初代ボンゴレの事は余り詳しくないので、ん?と思う事があってもスルーしてくださいm(_ _)m

・・・なるべく早く続きが書けるようがんばります。(まず文章が全く纏まっていない)



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夜空の終わりと新たなる始まり中編

独立暗殺部隊ヴァリアー

 

シェーラの立ち上げたこの部隊はその名前の通りボンゴレファミリーに所属こそしているが、ボンゴレに影響の無い依頼を受けたりとほぼ独立している。

 

そんなヴァリアーに所属している隊員の殆どはジョットではなくシェーラに忠誠を誓っている。

それこそシェーラが死ねと言ったら彼らは喜んでその命を捧げるだろう。

何故そこまで命を賭けれるのかと聞いてきたボンゴレの人間に彼らは皆一様に同じ言葉を返した。

 

「「「ボス(シェーラ様)は自分達に居場所を作ってくれたから」」」

 

ヴァリアーは荒くれ物や変わり者の集まりでもあった。

 

血の気が多く戦狂乱だったため他のボンゴレの隊員に蔑まれていた剣士

 

特殊な性癖を持っていたため人に拒絶された格闘家

 

両親からの愛が貰えず虐待を受けその両親を殺す事で、人を殺す事に楽しさを覚えてしまった少年

 

とある屑貴族の家で奴隷として働かされていた棒術使い

 

その強すぎる力を恐れた両親に化け物として監禁されていた双子の男の子

 

他にも色々な事情や異常を持った人間の集まりがヴァリアーである。

自分の独立した部隊を持つだけならまだしも、余りにも異常の持つ者が多い事にジョットやGだけでなく他の守護者も反対した。

 

もしシェーラに何かあったらどうするのかと。

 

それでもシェーラは頑なに譲らなかった。

ボンゴレも何か事情があったり精神に異常のあるものを保護、そして可能ならば治療をしていた。

だが、それだけでは駄目なのだ。確かに保護も治療も必要である。だが、その後は?

一度人の温かみを知ってしまうと、人はとても弱くなる。

そんな状態でまた一人になればすぐに壊れてしまうのは明白だった。

だからこそシェーラは居場所になろうとした。言い方は酷いかもしれないが、訳ありの人間が表で平穏に暮らせるのは不可能に近い。

だから、裏の、血なまぐさい場所でも彼らの居場所を作ろうとした。それがヴァリアーだった。

ただの独りよがりだと分かってはいる。それでも何もしないのは嫌だと必死に訴える彼女に、ジョットも渋々とはいえ、首を縦にふった。

 

こうして、独立暗殺部隊ヴァリアーは生まれた。

 

皆が皆大なり小なり何かを抱えているのもあり、打ち解けるのは早い。そしてだからこそお互いに支え合う。

耳が聞こえず喋る事が出来ない隊員には、人の感情を読み取るのが上手すぎる隊員がパートナーとなり彼の気持ちを代弁し、ほんの一握りの大切な事以外一日二日で忘れてしまうメイドには、記憶力が良すぎる執事がフォローに周り、右手の無い隊員は左手の無い隊員と共に闘い、お互いの弱点を補いあった。

 

そんなヴァリアーの絆はボンゴレのものより上と言えた。

 

だからこそ今のボンゴレの状態に一番激しい怒りを持っているのはヴァリアーの人間だった。

当たり前だ。彼らの居場所となってくれた唯一無二の自分達のボスがボンゴレの馬鹿共のせいでボロボロなのだから。

それこそシェーラが止めていなければ彼らはとっくの昔にボスを苦しめる原因である蛇女やプリーモにその守護者。はてはボンゴレそのものを潰しているだろう。

そしてそれが出来ない以上彼らは自分達のボスの為に文字通り世界中に飛び回っている。

 

・・・プリーモや守護者を惑わしている物の居場所を、その物を使い彼らを惑わしている女の正体を暴くために。

 

その事にシェーラが気づいたのはジョット達が仕事をしなくなった頃だった。

 

ジョット達はメデューサ・ハートに様々な物を贈っていた。洋服やカバンに宝石などを大量に。

もちろんその中にはアクセサリーもあり、特にペンダントの類は多かった。

女は貰った服やアクセサリーを毎日コロコロ変えながら着ていたが、どんな服やアクセサリーを身に付けようと、あるペンダントだけは必ず首にかけていた。

そのペンダントは女がボンゴレに来た日から付けていた物で、細い革紐の先にピンク色の石がくくりつけられたお粗末な物で、いくらジョット達がいくら言おうが、他のペンダントを付けようが女はそれを外す事は無かった。

 

シェーラはそのペンダントに付いた石が皆を可笑しくしている原因だと、自分の部下達にその鉱石について、人を惑わす石について調べさせた。

 

その石が原因である証拠などない。だが、シェーラの直感はそれが原因だと訴えている。

 

ただの直感なら馬鹿馬鹿しいと思うだろう。

だが、シェーラの持つジョットと同じ超直感ならばそれはほぼ当たっていると言える。

ジョットの超直感には劣る所の多い彼女の超直感だが、仲間に関する超直感だけは時にはジョットを上回る。

そして、そんなシェーラの感は当たった。 

 

一人の部下がある情報屋から有力な話を聞いてきたのだ。

 

───昔、とある貴族に魅了の石を持つ物がいた。

その桃色の輝きに見出された者は、ことこどく、その持ち主の意のままとなった。

その力でその貴族は多くの人間を魅了し、その人間達を使い、非人道的な事をし続けた。

時には抗う者もいたが、その家の地下にある魅了の石を削った源であるとても巨大な魅了の鉱石には抗えなかった。魅了の石を砕いた者が一人いたが、すぐに鉱石が削られ、新しい石が作られた。

誰もその貴族を止める事ができず、魅了こそされなかったが、年老いた老人や重い病を背負った者は自分達の無力に嘆いた。

そんな時、一人の男が現れた。旅人であり、剣士でもあったその男は老人達の話を聞き、激昂した。

そして老人達が止めるのも聞かず、貴族の屋敷に乗り込んだ。

男は罪の無い魅了された者達に手を出せず、捕らえられたが、魅了の石は男には効かなかった。

そこで貴族は男を地下に連れて行き、魅了の鉱石を見せた。

石とは比べ物にはならない魅了の輝きに男は膝をつきかけた。

だが、男は魅了されなかった。

剣で自身の左腕を切り落とし、その痛みで魅了から逃れると、唖然とする貴族の横を走り抜け、その剣を鉱石に叩きつけた。

貴族が我に返った時には鉱石には罅が入りそして、

砕けた。

鉱石が壊れた事により、魅了が解け、魅了されていた者は解放された。

その後、貴族は処刑され、巨大な鉱石が砕けて出来た大小様々な鉱石は貴族の屋敷の地下の更に地下に封印され、英雄となった剣士がその屋敷に住み、鉱石の封印が解けぬ様、残りの生涯を捧げた。

それから長い時がたち、その屋敷が今どこにあるのか、そもそもこの話が真なのか、それはだれにも分からない────

 

  

この話を聞いてシェーラはあの石は封印されていた魅了の鉱石の一部だと確信した。

 

そして同時にあの女がどこかのマフィアの回し者の可能性がある事にも気づいた。

 

何故ジョットと守護者達だけなのかは分からないが、皆があの様な腑抜けな状態である以上今ボンゴレが襲撃されたら大打撃をくらうのは明白だった。

だが、それを狙い敵対マフィアがこの女を送り出したとしたら、何故まだ襲撃してこないのか。

それは恐らくヴァリアーを警戒しているからだろう。 

 

ヴァリアーは戦闘集団だ。

 

あまり戦いや殺しを良しとしないボンゴレと違いヴァリアーの隊員達は血の気が多い者が多く、受ける依頼も貴族などの権力者の護衛以外は暗殺部隊というだけあって暗殺や抹殺の依頼が多い。

 

そんなヴァリアーの隊員一人一人の戦闘能力はボンゴレの隊員より高く、メイドや執事も隊員同様ボンゴレのメイドや執事より、場合によっては隊員より強い。

 

そんなヴァリアーはボンゴレ最強の名を背負っている。

 

ボンゴレは機能停止しているが、ヴァリアーは動いている。だからこそ簡単に手を出せないのだろう。

 

(…………相手が手を出してくる前に早くファミリーと鉱石のある場所を特定しなければ………)

 

シェーラはそう考えながらヴァリアーの執務室で仕事をしていた。

元々今はヴァリアーよりボンゴレを優先にしているので、ボンゴレの執務室で仕事をしていたのだが、メデューサ・ハートとジョット達が仕事もしないのに執務室でくつろぎ始めたので仕方なく彼女はヴァリアーの執務室で仕事をしているのだ。

 

(今はまだ何とか組織の形は保てていますがこのままでは崩壊するのも時間の問題ですね…………。

早くしないと本当に手遅れになってしまう……)

 

「おい、シェーラ。」

 

(メデューサ・ハートを殺してしまえればいいのですが、それで洗脳が解ける確証が無い以上リスクが高すぎます……)

 

「………………おい。」

 

(エレナも魅了を受けていた以上、エレナから手がかりを聞くこともできませんし……本当にどうすれば。)

 

「………おいっつってんだろうがクズが!!!!」

 

「痛っ?!」

 

スパーンッと良い音を立てて何かがシェーラの頭を叩いた。

いきなりの事にシェーラが慌てて叩かれた事で下がった頭を上げると、不機嫌そうな顔が間近にあり思わず大きく仰け反った。

 

「うわっ?!」

 

「これぐらいの事でビビってんじゃねーよ。それに俺の気配に気づかねぇたぁなめてんのかクズが。」

 

「カ、カルロス?」

 

「俺以外の何に見えるんだクズボス。』

 

どう考えても自身のボスに対して酷すぎる言葉遣いで話している青年はカルロス・レーダ。

独立暗殺部隊ヴァリアーの作戦隊長、つまりはヴァリアーのNo.2であり、シェーラの右腕だ。

そんな彼の手には書類らしき紙束が握られており、それでシェーラの頭を叩いたのだろう。

 

ただでさえ険しい顔付きをしているのがさらに不機嫌な事で子供が見たら泣きそうな顔付きになっている。

 

そんな自分の右腕にシェーラは苦笑した。

 

「あはは、ごめんなさい。それで、どうしたんですか?」

 

「…………………」

 

「カルロス?」

 

「………良いか。今から言うことは一度しか言わねぇ。

ぜってぇに一字一句聞き逃すな。」

 

「え?」

 

「返事。」 

 

「あ、はい。」

 

不思議そうな顔をしたシェーラを一瞥して、カルロスは口を開いた。

 

「俺はボンゴレの奴らが大嫌ぇだ。」

 

「えっ。」

 

いきなりの爆弾発言に絶句するシェーラをそのままにカルロスは言葉を紡いだ。

 

『特にクズ蛇女にクズプリーモにクズ守護者は今すぐに存在ごと消し飛んでしまえばいい。これはヴァリアー全員の考えだ。」

 

余談だが、ヴァリアーの人間はメデューサ・ハートの事を蛇女と呼んでいる。

そんなどうでもいい事は置いといて、その言葉にシェーラは眉を寄せた。

 

「……カルロス。メデューサ・ハートはともかくジョット達をその様に言うのは………ジョット達はいわば洗脳されている状態なんですから。それにヴァリアーは一応ボンゴレ所属なんですけど………」

 

ジョット達を庇うシェーラにカルロスは更にその顔を険しくさせた。

 

震えるほど強く握り締められたカルロスの手に球体の炎が現れた。

カルロスはジョットやシェーラと同じ様に死ぬ気の炎を持っていた。

ただその炎はシェーラ達の炎以上にカルロスの感情に左右される炎だった。

この炎はカルロスが激しい怒りや憎しみを持った時のみ現れた。その威力はとても高く、ジョットの大空の炎と同等、またはそれ以上だった。

死ぬ気の炎と似て異なるその炎を、シェーラは【憤怒の炎】と名付けた。

 

そんな憤怒の炎がカルロスの手から出ている。という事は今彼は激しい怒りや憎しみを持っているということだ。

 

「えっ、ちょっ、カ、カルロス落ち着いて下さい。とりあえず炎を消しましょうね?」

 

先ほどの爆弾発言になかなか大きい憤怒の炎。

このままでは本当にボンゴレを文字通り消し飛ばしてしまいそうなカルロスを、シェーラは必死に諫めようした。

しかしカルロスは炎を消さず、俯きながら言葉を紡いだ。

 

「てめぇはいつもそうだ………」

 

「え………?」

 

先ほどまでの苛立ちの混じった声音では無く、彼らしくもないどこか悲しげで苦しげな声音に、シェーラは固まった。

 

「てめぇはまるで地獄みてぇな所から、俺を連れ出してくれた。親にすら化け物と怖がられたこの炎を怖がるどころか綺麗だと、自分とお揃いだと笑ってくれたのに、どれだけ俺が、救われたと、助けられたと思ってやがる。

それだけじゃねぇ。居場所も生きる意味も持っていなかった俺に、ヴァリアーという居場所をくれた。その居場所を、仲間を守るという生きる意味もくれた。

俺だけじゃねぇ。他の奴らだってシェーラにいろんなものを貰って、助けられた…………なのにっ」

 

そこでカルロスは顔を上げ、勢いよくシェーラの胸ぐらを掴んだ。

その顔には激しい怒りが浮かんでいると同時に今にでも泣き出しそうに、歪んでいた。

 

「どうしててめぇは俺達を頼らねぇ!!

俺達だってシェーラの助けになりてぇのに、てめぇは俺達を助けるだけで、俺達に助けられようとしねぇ!!

・・・どうせてめぇの事だ。今あの蛇女や魅了の鉱石とやらを調べるのを助けられているとか言うんだろ!

そうじゃねぇんだよそれはボンゴレのため、クズプリーモ達のための事でシェーラ自身を俺達は全く助けてねぇ!!!

今だってそうだ!体がもうボロボロなのにっ死にそうな顔でクズ達の分の仕事もたった一人でやって、ヴァリアーの仕事もやって、どうして俺達を頼らねえ?!そんな仕事ぐらい俺も手伝える!!

なのになんで一人でしようとするんだよ!!

俺達だって、っ俺だって、シェーラを、助けてぇのに、なんで、なんで!!俺を頼ってくれねぇんだよ!!

……頼むから………頼むから俺を、頼ってくれよ…………シェーラ……」

 

胸ぐらを掴んでいた手はいつの間にかシェーラに縋りつき、怒鳴っていた声は懇願する弱々しい声に変わった。

 

かすかに震えながら自分に縋りつくカルロスにシェーラは声を掛けようとした。

 

「………カルロ「シェーラ様!!」っ……!ど、どうしました?」

 

その時バーーンと勢いよく扉を開け息を切らした隊員が飛び込んできた。

扉が開くと同時にさっと自分から離れたカルロスを気にしながらシェーラは部下に声を掛けた。

 

「はい!ついに、ついに分かりましたよっ蛇女のファミリーが、魅了の鉱石の場所が!!!」

 

「なっそれは本当ですか?!」

 

「はい!!」

 

「それで鉱石はどこに、そしてファミリーはどこのファミリーですか?!」

 

「鉱石はあるファミリーが所有するビルにある事が分かりました!そしてそのファミリーも蛇女のファミリーと一致しました!!

そのファミリーは・・・・・

 

 

ローゼファミリーです!!!」

 

 




長くなったのでここで切ります!

可笑しいですね………ここで終わらすはずがグダグダと長くなり終わらなかった………。

で、ですが次には終わります!(……多分)

そして今回主人公以外のオリジナルキャラが出てきました!
下はその設定です 

名前  カルロス・レーダ
年齢  18才
所属  独立暗殺部隊ヴァリアー
肩書き 独立暗殺部隊ヴァリアー作戦隊長
武器  無し
口癖  「消し飛ばす。」「クズ」
容姿  黒い髪に黒いつり目
    特徴はしっぽ髪に長いもみあげ


………はい。皆さん気づいたでしょう。
カルロスは私の考えた模造二代目です。
原作に詳しい情報が無いことを良いことに好き勝手に設定を考えました。
反省はしていますが後悔はしていません!(どやぁ)

ザンザスがあんなに二代目に似ているのにプリーモの血を引いていないのは可笑しいと思い、二代目も炎こそ持っていたがジョットの血縁じゃない設定にしてみました!

…………え、じゃあなんで二代目になれたかって?

………………ま、まぁあれですよヴァリアークオリティってやつですよ!

まあこんな矛盾がこの後も続くでしょうが、それでも良い方は読んでください(`・ω・´)

………さて、次の話はいつ投稿できますかねぇ………


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夜空の終わりと新たなる始まり後編

ローゼファミリー

 

規模こそそこまで大きくは無いが、銃を始めとした様々な武器を所持しており、そちらの方面との繋がりならボンゴレに肩を並べていて、つい最近ボンゴレの傘下に入ったばかりのファミリーだ。

そんなローゼファミリーが魅了の石を使いジョット達を魅了しているのだ。

 

それを聞いたシェーラは重い溜め息をついた。

 

「確かにローゼのボスは初めて会った時から少々きな臭いとは思ってはいましたが………まさかこのような事を仕出かすとは思いませんでしたね…………」

 

「はっ。小せぇクズファミリーが随分ふざけた真似してくれるじゃねえか………消し飛ばす。」

 

「カルロス、貴方は落ち着いてください。憤怒の炎を出したくなる気持ちは分かりますけど………それで、魅了の鉱石のあるビルの詳細は?」

           

そう言ってまた憤怒の炎を灯し始めたカルロスを頭を軽く撫でて諌めると、シェーラは報告に来た部下に訪ねた。

 

「はい!ビルはローゼファミリーの所有する小規模な森の中に建っており、六階建ての最上階に魅了の鉱石があるようです!」

 

「その情報は確かですか?」

 

「はい。アレス様とアルス様の幻術でビルの内部に侵入したのでこの情報は確かです。ただ、最上階、魅了の鉱石がある部屋には幻術の使い手がいるらしく不用意に動くことが出来ず、様子は分かりません。ですが、ビルの中の構造は分かりました。これがその見取り図になります。」

 

「ありがとうございます………構造自体はシンプルなようですね。しかし窓が一つ一つ大きいうえに多い、それに中の死角も少ない…………これは変に隠れて侵入しようとするより正面突破したほうがましですかね。どれくらいローゼファミリーの奴らがいましたか?」

 

「確か一階に約百人ずつ、計六百人はいたはずです。」

 

「ふむ……それならいけますね。」

 

「……………おい、シェーラてめぇまさか一人で乗り込もうなんて考えて無ぇだろうな。」

 

………気付かれちゃいましたか。

そんな事を思いながら自分の事を睨みつけている勘の鋭い自身の右腕にシェーラは苦笑いを零した。

 

「ふふ、そのまさかですよ。」

 

「………ふざけてんじゃねぇよクズボスが一人で乗り込むなんてふざけた事言ってんじゃ無ぇまず一人で行くメリットなんて無いに等しいだろうが一人で乗り込むより大人数で行った方がすぐに終わるだろそもそもわざわざてめぇが行く必要も無ぇだろうなんなら俺が「カルロス。」………っ。」

 

息もつかずにまくしたててきたカルロスを名前を呼ぶ事で止める。うん、どれだけ興奮しててもちゃんと黙れるのはカルロスの良いところですね。(※シェーラ限定である。)

さて、取り敢えずカルロスを説得しないと一人では行けなさそうだな。

 

「今ボンゴレはほぼ機能停止しているような状態です。ヴァリアーの人間は少しでも近くにいたほうが良いでしょう。」

 

「だったら尚更シェーラは行ったらダメだろうが。」

 

「そこは大丈夫ですよ。アレスとアルスに幻術で私を創ってもらいますから。二人の力なら十分な戦力になりますよ。」

 

「だからそこまでしてなんでてめぇが行こうとする。利点が無ぇだろうが。」

 

………利点、か。

 

「確かに、利点は無いですね。」

 

「……なら。」

 

「ですがはっきり言って今利点があるとか無いとかどうでもいいんです。…………ジョット達を洗脳したんだ。徹底的に潰す。それには一人で行った方が楽だからな。」

 

「………てめぇ。」

 

カルロスが目を見開いて私を見ている。いけない、つい口調が昔のものになっていた。

 

「……だから私一人で乗り込みます。カルロス、貴方は此処に残ってください。良いですね?」

 

「……………………分かった。」

 

「よし、それじゃあ「ボス!!ローゼファミリーに不穏な動きがありました!恐らく襲撃してきます!!」なんですって?!」

 

息を切らし駆け込んできた部下の報告に目を見開く。

 

「ローゼファミリーに潜入していた隊員から内部が不穏な動きをしていて、どこかに攻め入りそうだという連絡があったのですが、通信の途中に銃声が聞こえてそのまま通信が途絶えました………。」

 

………敵に見つかって始末されましたか。

 

「………分かりました。カルロス、任務に出ていない幹部や隊員達とボンゴレ本部に向かってください。現場の指示は貴方に任せます。ですが市民の安全が最優先に行動してください。後アレスとアルスに私の幻覚を造らせてください。私はこのすきに魅了の鉱石を壊しに行きます。」

 

「………ちっ。分かった。おいてめぇら、今すぐ幹部や隊員を集めて伝えろ、クズローゼが攻めてくるってな。………俺もすぐに向かう。」

 

「「はっ!!」」

 

よし、私も早く鉱石を壊しに行かないと………

 

「…………シェーラ。」

 

「ん?」

 

「ぜってぇ生きて帰ってこいよ。死んだら消し飛ばす。」

 

「………分かっていますよ。帰ってきますから、約束です。」

 

「………ふん。」

 

 

 

 

 

 

それが、四時間前の話………

 

 

(……………カルロスとの約束、守れそうにないですね………。)

 

そういえばカルロス、消し飛ばすと言っていましたが、死んだ私をどうやって消し飛ばすつもりだったんですかね………身体を消し飛ばすという意味か………?

 

(………駄目です。何だか眠くなってきた。)

 

同時に頭に今までの思い出が浮かんでは消える。………走馬灯というやつか。 

 

体はどんどん冷たくなり、目からも光が消えつつある。そんなシェーラの表情は………笑顔だった。

 

(こんな終わり方になってしまったけど、思い出だって凄く嫌なこともあったけど…………)

 

シェーラは笑った。これから死にゆく人がしないであろう、とても綺麗な笑顔で笑った。そして、

 

 

「…わた…しは……たし…か…に……しあ……わ…せ…だっ………た……」

 

 

本当に幸せそうな声でそう呟くと、シェーラは動かなくなった。………その顔はとても穏やかな笑顔だった。

 

 

 

 

こうして、シェーラ・ルノアールの長いようで短い物語は幕を閉じた。そして、

 

 

 

 

 

「………これが、でいもんがいっていたてんせいというものですか………。」

 

「?みーちゃん、どうしたの~?」

 

「いえ、なんでもないですよ………つなよし。」

 

 

日本の並盛で新たなる物語が幕を上げた。

この物語が喜劇か悲劇になるかは、誰にも分からない・・・。




これでプロローグは終了です!(長い)

次からは原作に入ります。  
………といっても投稿できるまで時間がかかるでしょうが………

ですが20巻までだけど漫画も買いましたし、できるだけ早く投稿出来るようがんばります!(漫画片手に)


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第一話

指摘を受けたので3点リーダーを使い、夢主のセリフのかっこも皆と同じにしました!

少しでも見やすくなっていたら嬉しいです。


※設定に神楽美琴の設定を加えました。


綱吉said

 

「おまえのせいで負けたんだからなーっ。」

 

「…ごっごめん。」

「とゆーことでおそうじたのめる?オレ達貴重な放課後は遊びたいから。」

 

「えっ。」

 

「んじゃたのんだぜーっ。」

 

「ファイトだダメツナ!!」

 

「ちょっ、まってよっ」

 

体育の授業のバスケが俺のせいで負けたからって俺一人に掃除押し付けるなよ!……なんて俺なんかが言えるはずなく、

 

「テストは?」

 

「入学以来全部赤点!!」

 

「スポーツは?」

 

「ダメツナのいるチームはいつも負け!!」

 

……ヘイヘイどーせオレはバカで運動おんちですよ。

こんなダメなオレが何故学校に来るかといえば、

笹川京子を見られるから。

なんたって可愛くて、無邪気な笑顔はサイコー!!

 

「あっ、美琴も一緒にいる……」

 

神楽美琴。

この学校ではちょっとした有名人だ。

容姿端麗で文武両道。それに誰に対しても優しく人望があり、絵に書いたような優等生だ………そして俺の幼なじみでもある。

 

「やっぱり美琴と京子ちゃんって仲良いよな~。」

 

俺も京子ちゃんと話してみたい…。

ってあれ剣道部の主将の持田先輩?!…やっぱり京子ちゃんとできてたんだ……美琴とは家で会えるしもう学校にいる意味ねーなー……帰ろ。

 

 

 

美琴said

 

「神楽。悪いが沢田にこのプリント届けてくれないか?あいつ途中からサボったみたいでな…。」

 

綱吉、まあさぼったんですか…。

 

「…はい、分かりました。綱吉に渡しておきますね。」

 

「おう、頼むぞ。」

 

先生からプリントを貰って綱吉の家に向かう。

今日は綱吉の家で夕飯を食べる日だからちょうど良かったです。

 

……ピンポーン

 

「はーい。ってあら、みーちゃんじゃない!どうしたの?夕飯までまだまだ時間あるけど…。」

 

「こんにちは奈々さん。綱吉にプリント届けにきたんですけど…綱吉いますか?」

 

「ええ、ツっくんなら部屋にいるわよ。いつもありがとね~みーちゃん。」

 

「いえ、良いですよ。私もいつも美味しいご飯ご馳走になってますからね。」

 

「ふふ、嬉しい事言ってくれるじゃない♪今日のご飯も期待しててね。ああそれと、今家庭教師の方もいらっしゃってるのよ。」

 

「家庭教師?」

 

奈々さん綱吉に家庭教師をつけるんですか…

 

「ええ、しかも住み込みで家庭教師をしてくれる契約だから今夜はご馳走にしようと思って今から夕飯の材料を買いに行くの♪みーちゃん戸締まり頼んでも良いかしら?あ、後テーブルに軽食があるからツっくんと家庭教師さんと食べてね。少し作りすぎちゃったから…。」

 

「分かりました。」

 

「それじゃあ行って来るわね。」

 

そう言って奈々さんは鼻歌を歌いながら買い物に行った。…つまり今夜の夕飯は家庭教師の方も一緒に食べるんですね。

 

「だったら尚更挨拶はしておいた方が良いですね…」

 

家に入り二階の綱吉の部屋に向かう。

 

「綱吉、入りますよ。」

 

そう声を掛けながらドアを開ける。

そこで私が見たのは…  

 

「えっ!ちょ、美琴?!」

 

やけに慌てている綱吉と、 

 

「ちゃおっス。」

 

黄色いおしゃぶりを付けた赤ん坊………赤ん坊?

 

「えっと…ボク、どこの子ですか?」

 

赤ん坊に視線を合わせるためしゃがみこむ。

その時、赤ん坊から匂いがした。

【今】は殆ど嗅いだことがないが【昔】はよく嗅いでいた慣れ親しんだ匂い、これは…

 

(火薬の、匂い?)

 

こんな赤ん坊から?そう考えている美琴の目と赤ん坊のつぶらな目が合う。

そのまま動かずにいると、赤ん坊が口を開いた。 

 

「俺はリボーン。ツナの家庭教師だ。」

 

「…家庭教師?」

 

家庭教師って奈々さんが言っていた家庭教師?この火薬の匂いを纏った赤ん坊が?

 

「それだけじゃねぇ、俺はツナを立派なマフィアのボスにするために来たんだ。」

 

「ちょ、おい?!」

 

「……マフィア?」

 

ちょっと待ってください。まさか…

 

「…なんて言うマフィアなんですか?」

 

「美琴?!なに聞いて、「ボンゴレファミリーだぞ。」おい!!」

 

「……!!」

 

何やら綱吉と赤ん坊、リボーンが言い争いを始めたが、美琴はそれどころじゃなかった。

 

(綱吉がマフィアのボス……?それに、そのファミリーがボンゴレ…?)

 

かつての幼なじみに性格こそ違うが、見た目がそっくりな今の幼なじみ。

そんな彼をマフィアのボスにするために来たという火薬の匂いを纏った赤ん坊。

…ここまでくると確信せざるをえない。

 

(…ジョットは、綱吉の、祖先、ということですか……!?)

 

まさかの展開にさすがの美琴も驚き、固まってしまった。

……美琴が固まっている間に綱吉とリボーンの言い争いも終わったようだ。……何故かリボーンは銃を持っているが。

 

誰も動かない沈黙のなか、それは唐突に破られた。

…リボーンのお腹の音によって。

 

「腹が減ったな。」

 

「あ…それなら奈々さんがテーブルに軽食があるって言っていましたよ。」

 

「そうか、ありがとな。」

 

そう言ってリボーンは部屋を出て行った。…食べに行ったんですね。

そう思っていると綱吉が慌てたように私の肩を掴んできた。……力が入りすぎてて少し痛いです。

 

「美琴?!お前なにあいつに普通にそんな事教えてるんだよ?!てかなんでそんな冷静なの!」

 

「綱吉、少し肩痛いです。」

 

「あっ、ごめん…じゃなくて!!なんだんだよあいつ!!赤ん坊なのに家庭教師とか、俺をマフィアのボスにするために来たとか、意味わかんねーよ!!」

 

肩から手を離してはくれたけど、綱吉は自分の頭をかきむしりながらそう叫んだ。

 

…今まで裏と全く関わりの無かった一般人である綱吉をボスにするということは、他にいたであろうボス候補がほとんど、または全員死んだんでしょうか…

しかも候補に挙がるということは、奈々さんはともかく家光さんは裏と通じてるということですか…

まあ、今は取り敢えず、

 

「綱吉、とりあえず私達も下に降りて奈々さんの作ってくれた軽食、食べませんか?」

 

 

 

 

 

軽食を取ったあと、綱吉と食後の運動もかねて外にでる……リボーンも当たり前のようにくっ付いてきましたが。というか何故私の肩の上に乗るんですか…

ついて来た事と私の肩に乗っている事に綱吉が文句を言っているが軽くあしらわている。

いや乗ってきた時は驚きましたが別に良いんですけどね。

そう言うと綱吉には良くないと叫ばれ、リボーンはニヤリと笑った。…何でですか?

 

「あ、美琴ちゃん!」

 

「…!京子ちゃん。」

 

友達の京子ちゃんが私の肩に乗っているリボーンを見て目を輝かせる。

 

「肩に乗ってる赤ちゃん誰?可愛いね!」

 

「あっ。えっと…この子は。」

 

「ぼく、どうしてスーツ着てるの?」

 

「マフィアだからな。」

 

どうにか誤魔化そうとする前にリボーンがマフィアだとか言い出して慌てたが、京子ちゃんは子供の遊びだと思ってくれたみたいです。よかった……ていうか綱吉は何で隠れてるんですか?

 

「マフィア頑張ってね。それじゃあ美琴、バイバーイ。」

 

「はい、また明日学校で。」

 

京子ちゃんが去るとようやく綱吉がこっちにきた。

そのままリボーンとまた言い争い始めた。

って綱吉京子ちゃんの事好きだったんですね。知らなかった…

するとリボーンが綱吉に銃を向けて引き金を引いた……えっ引いた?!

 

「綱吉?!リボーン貴方なにやって……!」

 

「復活!!!俺は笹川京子に死ぬ気で告白する!」 

 

「…はい?」

 

額を撃たれて死んだはずの綱吉が額に炎を宿して何故か下着姿になって立ち上がった……いやどういうことですか?!

私が驚き固まっている間に綱吉はどこかに走り去っていってしまった……って

 

「綱吉?!どこに行くんですか!!」

 

「笹川京子のところだぞ。」

 

慌てて綱吉を追い掛ける私の肩に乗ったまま(よく落ちませんね…)のリボーンがそう言った。

京子ちゃん…?そう言えば京子ちゃんに告白するとか言っていたような……下着姿で?

いや、今はそれより…!

 

「リボーン。さっきのは一体何なんですか?」

 

「あれは死ぬ気弾だ。」 

 

「死ぬ気弾?」

 

綱吉を追い掛けながら死ぬ気弾の説明を聞く。

……ボンゴレに伝わる秘弾って私知らないんですけど。私が死んだ後に出来たんでしょうか……?

 

「(ここまで話しながら走ってきて少ししか息が切れていない…なかなかの人材だな。)……ほら、いたぞ。」

 

「あっ本当です。綱吉!!」

 

「み、美琴!!」

 

座りこんでいる綱吉に声を掛ける。

バッと此方を泣きそうな顔でみる綱吉に思わず苦笑いを浮かべる。

 

……明日京子ちゃんに出来るだけ、フォローしときましょう…

 




おまけ 
美琴が夕飯を食べ、帰った後の話

「マフィアのボスになるんだ。まずは部下を集めないとな。とりあえず美琴はファミリーに絶対に入れるぞ。」

「なっなに美琴を巻き込もうとしてるんだよ!」

「なに言ってんだダメツナ。あいつの高い運動能力に頭の回転の速さはお前がボスになるには絶対に必要だぞ。」

「た、確かに美琴は運動神経も良いし頭も良いけど…美琴は絶対巻き込ませないからな!!」

「……!(自分がマフィアになることより美琴を巻き込む事を嫌がった…これは尚更ファミリーに入れないとな…(ニヤリ)」



「くしゅん!……誰か噂でもしてるんでしょうか?」


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第二話

今回は短めの話です。

時々原作を読んで私が思った事を夢主に言ってもらったりします!
あくまで私の意見ですけど……



 

綱吉が下着姿で京子ちゃんに告白した次の日、学校ではその話題で持ちきりだった。

まあ、道のど真ん中でしたし下着姿だったらこうなりますよね。

とりあえず京子ちゃんにフォローいれとかないと…

 

「京子ちゃん。」

 

「あ、美琴ちゃん…」

 

「えっと、昨日の綱吉の事なんですけど…。」

 

京子ちゃんにフォローをいれようとしたが、ちょうど綱吉が教室に入ってきて教室がさらに騒がしくなり言いそびれてしまった。

……綱吉タイミング悪すぎです。

 

そう思っていると綱吉が剣道部の人に連れて行かれてしまった。

…皆見にいくようですし、私も行きましょうか。

 

「私も行きますが…京子ちゃんと花ちゃんはどうします?」

 

「あっ私も行く!」

 

「私も気になるし行くわ。」

 

二人とも行くようなので三人で剣道部の部室に向かう。…今のうちにフォローしときましょう。 

 

「京子ちゃん、昨日の綱吉の事…」

 

「あっツナくんのこと?昨日は怖くなって逃げ出しちゃったけどツナくんってすごいね!なんかただ者じゃないって感じで!」

 

「全くあんたねぇ……」

 

……この様子だと綱吉の事嫌いにはなってなさそうですし、フォローもいらなさそうですね…良かった。

 

剣道部の部室についたら主将の持田先輩が綱吉に勝負を申し込んでいた。

内容はまあ、初心者の綱吉でも勝負に…

 

「賞品はもちろん、笹川京子だ!!」

 

……は?

 

「…なに言ってるんですか、貴方。」

 

騒がしい部室の中でも私の声はよく響き、周りは静まりかえった。

持田先輩の方に歩く。後ろから京子ちゃんや花ちゃんが私の名前を呼んでいるけど、今はそれより…

 

「持田先輩、貴方今京子ちゃんの事、賞品と言いましたよね?…これは貴方と綱吉の勝負のはず、なのに何故京子ちゃんを巻き込んでいるんですか?それに京子ちゃんは物じゃ無いですし、京子ちゃんの意見、聞いてませんよね?貴方に京子ちゃんを好きに賞品にする権利があるんですか?無いですよね?……私の友達を勝手に賞品にしないでください。」

 

 

花ちゃん曰わく怖いぐらい穏やかな笑顔でそう言い放つ。

私の言葉に黙りこんでいた周りが騒がしくなる。

皆が皆持田先輩に軽蔑な視線をよこすなか、いつの間にかいなくなっていた綱吉が死ぬ気になって戻ってきた。

……リボーンですか。

 

「全部本!!」

 

死ぬ気になった綱吉が持田先輩の髪を全て抜いて勝った。

…持田先輩には悪いですけどかなりすかっとしましたね、うん。

 

その後皆に囲まれた綱吉が京子ちゃんと話せて嬉しそうですけど…

 

「綱吉、とりあえず何でも良いから服を着ましょう?」

 

「あっ美琴!ってうわー!!そうだった!?」

 

「…ふふふ。」

 

真っ赤になって慌てている綱吉をみて思わず笑みがこぼれる。 

…これからもっと楽しくなりそうですね…♪

 




おまけ
勝負を見ていた生徒の会話

「にしてもあのダメツナが持田先輩に勝つなんてすげーよな。」

「ああ。でも神楽さんも凄かったよな!」

「確かに!口調も顔もいつもみたいに穏やかなのにめちゃくちゃ怖かった…でもかっこ良かったな~、神楽さん。」

「ある意味男より男前な所あるよな。そういや神楽さんのファンクラブって学年も性別も関係なく色んな人が入ってるんだぜ?ちなみに俺も入ってる!」

「ちょっ。ファンクラブなんてあるのか?!俺も入る!」

「……人望もあるみたいだな…やはり美琴は絶対にファミリーに入れないとな(ニヤリ)」

「くしゅん!…また誰か噂してるんでしょうか…?」


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第三話


神楽美琴の設定に匣の設定を加えました。
いつか書きたい未来編の時に忘れないように書いただけなので結構ぐちゃぐちゃです。 



リボーンが綱吉の家庭教師になってから一週間後、美琴のクラスに転入生がやってきた。

 

「イタリアに留学していた転入生の獄寺隼人君だ。」

 

先生が転入生の紹介をしてクラスメート、特に女子が騒がしくなるなか、美琴は転入生を見て少し驚いていた。

 

(…Gに似てますね、彼。)

 

ジョットが綱吉の祖先なのと同じようにGが祖先なんでしょうか?

そんな事を思いながら転入生、獄寺君を見ていると彼と目があった。

 

「…………」

 

「……?(睨まれてますね…なんででしょうか?)」

 

なぜか睨み付けられたので小首を傾げる。しかしすぐに目は離され今度は何故か綱吉を睨んでいる。

そのまま彼はこちらに歩いてきて綱吉の机を思い切り蹴った。そのまま綱吉から目を逸らした獄寺君と再び目が合い、また睨み付けられた…だから何でですか。

 

「綱吉、大丈夫ですか?」

 

ちなみにこの前席替えして私と綱吉は隣同士だ。

 

「う、うん…」

 

他の席が近いクラスメートが綱吉に声をかけているのを横目に美琴はあることを考えていた。

 

「……(獄寺君からリボーンと同じように火薬の匂いがしました…しかもリボーンより火薬の匂いが強かった所からみて爆弾の類の使い手でしょう。それに加えて綱吉を睨んでいたということは…)面倒くさい事になりそうですね……」

 

「美琴?何か言った?」

 

「いえ、何も言ってませんよ?」

 

念のため今日は綱吉から離れないようにしましょう。

 

……なんて思っていたのですが…

 

「(何でこういう時に限って先生に呼び出されるんですか…!)」

 

おかげで綱吉がどこにいるか分からない。

早く見つけないと…

 

「ツナなら中庭にいるぞ。」

 

非常ベルの下の扉からリボーンが出てきた。

 

「……リボーン、貴方一体どこから出てきてるんですか…」

 

気配はあるのに見つからない訳です…前より勘が鈍りましたかね……

 

「獄寺隼人もいるはずだ。俺達も向かうぞ。」

 

そう言ってリボーンは私の肩に乗ってきた。

…この様子だと獄寺君はリボーンの差し金みたいですね。

リボーンを肩に乗せながら中庭に向かうと獄寺君がちょうど綱吉に爆弾、いえ、ダイマナイトを投げていた。

 

「美琴、耳塞げ。」

 

「…!」

 

リボーンがそう言うと同時に耳元からカチャリと音がなり、反射的に耳を塞ぐ。それと同時にリボーンが発砲し、ダイマナイトの導火線を切った。

 

「……(空中で動いている細い導火線を二つとも的確に撃つとは…Gといい勝負ですね……)」

 

「ちゃおっス。」

 

「大丈夫ですか?」

 

「リボーン!!それに美琴?!(何で美琴も?!てかまたリボーンの奴美琴の肩に乗ってるし!)」

 

「その様子だと無事みたいですね…良かったです。」

 

綱吉に駆け寄り怪我が無いか確認したが、特に無いようでひとまずは安心する。

そのまま綱吉の前に出て獄寺君から庇う。

殺意も込めて思い切り睨まれるが、これぐらい可愛いものです。

 

「ちっ、おいてめぇ邪魔だ。退け。」

 

「お断りします。今退いたらまた綱吉を殺そうとしますよね?」

 

「み、美琴っ……」

 

「女に庇われるとは情けねぇぞツナ。それに思ったより早かったな、獄寺隼人。」

 

「う、うるさいな!ってリボーンこいつと知り合いなの?」

 

 

綱吉と私の肩から降りたリボーンが話すのを聞きながら獄寺君の動きを警戒する。

 

……綱吉を殺したら十代目内定って、そんな簡単にいかないと思うんですけど………何か別の目的でもあるんですかね、リボーン。

 

「ちなみに美琴を殺した場合も十代目内定だぞ。」

 

………え。

 

「おいリボーン!!何美琴を巻き込んで…!!」

 

「はっ!なら貴様らまとめて果てろ!!」

 

綱吉がリボーンに文句を言おうとするがその前に大量のダイマナイトが投げられる。

 

「綱吉!!」

 

「うわあああ?!」

 

反応出来なかった綱吉を突き飛ばす事で爆発から逃れさせる。

そのまま綱吉の手を引いて距離をとり、体制を整えようとするがすぐに次のダイマナイトが飛んできて上手く体制を整える事が出来ない。

綱吉を守りながらこの状態で戦うのは骨が折れますね…

 

「(さすがスモーキン・ボムの異名を持つだけはあるということですか……)綱吉、一度逃げますよ!」

 

「う、うん分かった!!」

 

スカートのポケットにいつも入れている小さな手帳を獄寺君に投げつける。

彼が一瞬怯んだすきに綱吉の手を引いてその場から逃げるがすぐに後ろからダイマナイトが投げられた。

 

「……っ(しまった…)」 

 

「げっ、行き止まり?!」

 

何とかかわしながら逃げていたが行き止まりに来てしまい身動きがとれなくなり、そこに再びダイマナイトを投げられた。

私としたことが…とにかく綱吉は守らないと…!

 

ズガン!!

 

「復活!!!死ぬ気で消化活動!!!」

 

しかし綱吉が死ぬ気になってダイマナイトの火を手で揉み消した。

……手、火傷してませんよね。

 

「消す消す消す消す消す消す消す消す!!」

 

どんどんダイマナイトの火が揉み消されるのを見て慌てた獄寺君が二倍ボムとダイマナイトの量を二倍に増やしてきたが、死ぬ気の綱吉の前では無意味だった。 

 

さらにダイマナイトを増やそうとした獄寺君だが、持ちきれず導火線の点いたダイマナイトを大量に落としてしまったってまずい!?

 

「三倍ボム……!しまっ…!(ジ・エンド・オブ・俺…)」

 

「危ない!!」

 

咄嗟に獄寺君に走り寄りその勢いを使って思い切り突き飛ばす。それとほぼ同時にすぐ真後ろでダイマナイトが爆発し、とっさに獄寺君を抱き寄せ庇うが爆風に煽られ派手に転がる。危機は脱したように思えた。

 

「くっ……!!(まだダイマナイトが…!)」

 

しかし周りには獄寺君が爆風に煽られた時落とした他のダイマナイトが転がっていた。

 

まずい……!!

 

「(このままでは死「消す消す消す消す消す!!」…!)綱吉…」

 

他の火を消し終わった綱吉が私達の周りのダイマナイトの火も揉み消していく…もう、大丈夫ですね。

 

「……おい。」

 

「あ、ごめんなさい獄寺君、今離れますね。」

 

抱き寄せたままだった獄寺君から慌てた離れて謝る。しかし彼は聞いておらず、その視線は綱吉に釘付けでどこかキラキラと輝いていた。

……もしかして

 

「御見逸れしました!あなたこそボスにふさわしい!!!」

 

「!?」

 

「(やっぱりですか。)」

 

綱吉の気持ちはともかくファミリーの仲間が増えましたね。

 

「あ、そうだ!美琴も大丈夫?!」

 

「はい。大丈夫ですよ。助けてくれてありがとうございます。綱吉こそ手、大丈夫ですか?見せてください。」

 

「あ、うん。」

 

…少し火傷をしてる程度ですね、これも死ぬ気になっていたおかげでしょうか?

念のため薬を塗って包帯を巻く。もしもの時のために薬とか持ち歩いてて良かったです。

 

「獄寺君もどこか怪我してませんか?」

 

「してねぇよ。」

 

「そうですか。なら良かったです。」

 

綱吉の手当てが終わったので薬と包帯を片付ける。

これからも持ち歩いときましょう…。

 

「…おい。」

 

「…?何ですか、獄寺君?」

 

「……あの時お前が突き飛ばしてくれなきゃ死んでた……ありがとな。」

 

少し目を反らしながらそう言ってきた獄寺君に私は軽く目を瞬き、笑った。

 

「ふふ、良いですよ。それに結局私も綱吉に助けられましたからね。」

 

「だがお前の咄嗟の行動のおかげで獄寺は死ななかったんだぞ。」

 

「確かに、危なかったけど美琴すごくかっこ良かったよ!」

 

「おや、綱吉の方がかっこ良かったですよ?」

 

「十代目がかっこ良いのは当たり前だ!」

 

「ちょっ。二人共!」

 

皆で和やかに話しているとそこに見るからに不良の見た目をした先輩達が来た。

 

「ありゃりゃ、サボっちゃてるよこいつら。」

 

あ、そういえば授業忘れてました…

 

「こりゃお仕置きが必要だな。」

 

「サボっていいのは3年からだぜ。」

 

「何本前歯折って欲し~い?」

 

そう言って笑う先輩に不快感で眉を顰める。

一言言ってやろうと口を開きかけるが、それより前に獄寺君がダイマナイトをぶっ放した。

 

…ダメな事ですけどなかなかすっきりしましたね。





とってもグダグダなものになりました…。

夢主を活躍させるため少し原作をいじっただけでこのありさまですよ(白目)

もっとましな文を書けるようがんばります…


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第四話

 

「それじゃ、理科のテスト返していくぞ。」

 

根津先生はそう言って理科のテストを返していく。

 

「神楽」

 

「はい。」

 

「あくまで仮定の話だが」

 

…また始まりました。

 

「学年主席でいつも百点を取り、それに加え普段の態度も礼儀正しい生徒がいるとしよう。エリートコースを歩んできた私が推測するにそういう生徒は将来人の上に立つ人間になるだろう。」

 

「…先生、そろそろテストを。」

 

「ああ、すまない神楽。今回も百点だ。」

 

「…ありがとうございます。」

 

根津先生からテストを受け取り席に戻る。

…やはりこの先生は好きになれませんね。いちいち自分が東大卒なのを自慢するのもそうですが、生徒によって態度を変えるのが気に入りません。

 

綱吉がテストの点数を皆に見られ慌てているのを見てそんな事を考える……にしても点数を見せるのはやりすぎですし、今回は言い過ぎです。

 

その事を根津先生に言おうと口を開こうとした時、ドアが乱暴に開けられ、獄寺君が入ってきた。

 

根津先生が遅刻した事を叱るが獄寺君に凄まれ口ごもる。

その後綱吉に挨拶をするのはまぁ良いんですけど…。

 

「獄寺君。人前で十代目と呼ぶのはどうかと思いますよ。」

 

「ああ?何言ってんだ神楽。十代目は十代目だろうが。」

 

いや確かにそうですけど結構目立つんですよ。

そう言葉を繋ぐ前に根津先生が口を挟む。

 

「あくまで仮定の話だが、平気で遅刻してくる生徒がいるとしよう。そいつは間違いなく落ちこぼれのクズとつるんでいる。なぜなら類は友を呼ぶからな。」

 

…今なんて言いました、こいつ。

 

獄寺君が根津を締め上げているの綱吉が青ざめた顔で見ているのを横目に二人に近づく。

 

「獄寺君、一回手を放してください。」

 

「あ?こいつは十代目を侮辱しやがったんだぞ!!十代目!こいつ落として良いですよね!」

 

そう言って獄寺君は良い笑顔を綱吉に向けた。

綱吉を始めとしたクラスの皆に何とかしてほしいと目で訴えられる。

 

「だから駄目ですよ、獄寺君。それでこいつを落として殺してしまったら良くて少年院行きになって綱吉に会えなくなりますよ?」

 

そこかよ?!

 

クラスメートの心が一つになった。

しかし綱吉に会えなくなると聞いて渋々とはいえ獄寺が根津を締めるのを止めたので皆ホッと一息をついた。

そんな中、綱吉だけが美琴の言った言葉に目を見開いた。 

 

「(美琴がこいつって言った…?!)」

 

……美琴が人をこいつやそいつ、あいつなどと乱暴に呼んだ時はその相手に強い嫌悪や敵意を抱いている時だ…。

 

「…ところで、根津先生。先程の言動からすると、私もクズということですよね?」

 

「は?い、いや神楽はこいつらとは…「綱吉も獄寺君も私の友達でよくつるんでいるんですからそうですよね?」っ……」

 

美琴は怒っていた。顔こそ笑っていたが怒っていた。

もしこれが前世でジョットやGに対して言われていたら言った奴を誰であろうと問答無用で殺すレベルで怒っていた。

……私の大切な友を見下すだけではあきたらずクズ呼ばわりするとは…許さない。

 

クラスメート達も美琴から漂う不穏な雰囲気に固唾を飲んでいる。根津もそんな美琴を前に顔を青くしている。

 

キーンコーンカーンコーン…

 

そんなどこか緊迫した空気を切り裂くように授業終了のチャイムが鳴り響いた。

 

「で、ではこれで授業を終わりにする!…沢田と獄寺はこの後校長室に来い。」

 

これ幸いと根津は教室から出て行った。……綱吉と獄寺君をちゃっかり呼び出して。

 

「み、美琴…」

 

「…!綱吉…」

 

根津の出て行った扉を睨んでいた私に綱吉が恐る恐る声をかけてきた事で我にかえる。

…いけませんね……

 

「ごめんなさい綱吉…一時の感情に流されすぎました…」

 

「あ、いやいいよ!美琴は悪くないし…」

 

綱吉はそう言ってくれたがそうはいきません…獄寺君も私もですが感情に任せて動いてしまえば、綱吉がボス候補である以上彼が危険な目に合う可能性が高くなってしまいます……気をつけなければ。

 

「…綱吉、校長室に私も行きます。中には入れないでしょうから外で待っています。」

 

私がそう言うと綱吉は渋り獄寺君は拒否したが言いくるめて二人についていった。

 

 

 

「…タイムカプセルですか。」

 

「う、うん…!」

 

校長室からから出てきた綱吉によると十五年前に埋めたタイムカプセルを今日中に見つけないと退学らしい。

 

…中学校は義務教育で並盛は公立だから退学なんて出来ない筈ですけど。

まあ、とりあえずは。

 

「タイムカプセル探し、私も手伝いますよ。」

 

「ほ、ほんと?!」

 

「はい。とりあえず役割を分担しましょう。私は資料室に何か情報が無いか探してきます。」

 

そう言って二人と分かれ資料室で情報をさがす。

毎年埋めているなら多少は情報が残っているはずです。

 

「あ、これですね……ってあれ?」

 

十五年前のタイムカプセルの情報だけありませんね……

 

「…もしかして十五年前だけはタイムカプセルを埋めていないのでは…?」

 

となるといくら探しても見つかるはずありません。…根津はこれが分かっていて二人に探すように言いましたね…絶対。

 

「…とりあえずこれを校長先生に見せましょうか。」

 

見つけた資料を校長先生に見せると、十五年前は例外的にタイムカプセルを埋めなかったのを思い出したらしい…ちゃんと覚えておいてください。

 

「(とりあえず二人の退学は取り消されたことですし、それを二人に伝えなくては…)」

 

ドーン!ドーン!

 

「……まずは獄寺君に伝えましょうか。」

 

何でダイマナイト爆発させてるんですか…

 

 

「獄寺君!!」

 

「あ?神楽か。てめぇも手伝え!!」

 

「あ、いえそれがですね…」 

 

文字通りグラウンドを爆破している獄寺君に近づく。私にもダイマナイトを渡そうとする彼にタイムカプセルの事を話そうとした時、綱吉が死ぬ気になって走ってきた。

 

「ダウンジングゥ!!!」

 

…何故かレオンがダウンジングをするための道具に変わった…レオンっていったい何なんでしょう…

 

そんな事を考えていると綱吉がダウンジングで地脈を見つけたらしく拳を振り上げたってあ。

 

「つ、綱吉ちょっと待って「俺もいきます!!」獄寺君?!ダ、ダイマナイト投げないでください!!

 

結局二人を止められずグラウンドに綺麗な地割れが出来た…

 

「よし!これなら。」

 

「…獄寺君。」

 

喜んでいるところ悪いんですが…

 

「あ?何だよ。」

 

「資料を見たんですけど、実は十五年前だけ例外的にタイムカプセルを埋めなかったらしいんですよ。」

 

「………はぁ?!」

 

「ご、獄寺君?どうしたの?」

 

死ぬ気の解けた綱吉に獄寺君が今私の言った事を伝えているのを聞きながら地割れの中を覗き込むと何かが埋まっていた。

 

「…あれって、タイムカプセル?」

 

 

……私が見つけた四十年前のタイムカプセルに根津の

酷い点数のテストが入っており、根津は学歴詐称で解任された。

 

後、獄寺君頭良いんですね…今度綱吉の為に勉強会でも出来たらいいですね。

 

 




獄寺君の口調がよく分かりません……難しい。

獄寺君は綱吉程ではありませんが自分の事を体を張って助けようとした美琴の事を信頼しています。

後、美琴は綱吉の思いとは裏腹にファミリーに入る気満々、というより入っているつもりです。
まさに綱吉の心美琴知らずです(笑)

今回も呼んでいただきありがとうございます!
次回も是非読んでいただければ嬉しいです!


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第五話

*匣の設定を一部変えました。
*主人公の設定を一部変えました。
*メデューサ・ハートの武器にタロットカードを加えました。

漫画を全て買いましたが…継承式編や代理戦争編、全くネタが思いつかないです。(日常編すら終わってないのに何いってるんでしょう(白目))

相変わらずの駄文ですが、どうぞ!(三人称と主人公サイドの混ざりようが、酷い…)



カキーン!!

 

清々しい程に良い音を立てて打たれたボールがフェンスを越える…ホームランだ。

それと同時に歓声が上がる。歓声は男子だけでなく女子からも上がった。

チームの皆に囲まれているホームランを打った少年、山本武を美琴は感心を込めた眼差しで見ていた。

 

「(相変わらず山本君の野球の腕は凄いですね…さすが一年でレギュラーを取った期待のホープです。)」

 

山本武。美琴と同じクラスで野球部のホープで、運動神経が良い。それに加え人柄も良いので人望もある。

 

彼と同じように人望があるがあまり人と関わらない、というより自分が大切だと思う人間以外にあまり感心の無い美琴が友達でないただのクラスメートである彼を気にしているのはなぜか。それは…

 

「(彼が綱吉のファミリーになってくれたら心強いですよね。)」

 

前世の話とはいえ彼女の幼なじみは国王だろうが軍人だろうが敵対マフィアだろうが気に入った人間なら誰であろうとファミリーに入れていた大空である。

 

だから彼女はクラスメートでもそういう目で見ることができる。

 

それにもう一つの大きな理由は、彼が似ているのだ。初代雨の守護者、朝利雨月に。

獄寺隼人もだが、ただの他人の空似の可能性も有り得る。 

だが美琴の直感、超直感は彼らが初代守護者の血を少しでも引いていると確信している。

 

だからこそ山本武を綱吉のファミリーに入れたい。だが…

 

「(…彼は獄寺君と違いただの一般人。ファミリーに入れることは無理です…彼のような人材を探すしか無いですね。最も、雨月の血を引く者は無理でしょうが。)」

 

…美琴は知らない。

 

「山本、奴の運動能力と人望は美琴共々ファミリーに必要だな。」

 

彼女がそんな事を考えている時に最強のヒットマンも同じように山本武という少年に目を付けていた事を。

 

 

 

その日の放課後、美琴は図書室に本を返しに向かっていた。

 

「おや、あれは…」

 

図書室は第二校舎にあるため第一校舎を出るとグラウンドに見覚えのある人影を見つけた。

 

「山本君、自主練ですか?」

 

「お、神楽じゃねえか!」

 

山本君は私に気がつくと、爽やかに笑った。そんな彼の手には野球のバットが握られている。彼の様子だとだいぶ此処にいたようです。

 

「いつもこんな時間まで自主練してるんですか?」

 

「いや、確かに自主練はしてっけどここまで長くはしてないのな。」

 

ならなぜ今日はここまで長く自主練しているんでしょうか?

 

少し首を傾げながらそう考えていると私の考えている事に気がついたのか、山本君は珍しく苦笑いを浮かべた。

 

「それがさ、最近どんなに練習しても上手くいってなくて、このままじゃスタメン落ちしそうなんだよな。」

 

…スランプですか。

まぁどれだけ野球の腕が良くても一度は起きるものなんでしょうね。

 

「だからいつもより練習量増やしてるのな。ツナも努力しかないって言ってたしな!」

 

「綱吉が?」

 

山本君綱吉と交流ありましたかね?

 

「俺今あいつに赤丸チェックしてるからな!最近ツナの奴色々凄いだろ?俺も負けてられないのな!」

 

「そうですか。頑張ってくださいね。」

 

「おう!」

 

山本君と別れて改めて図書室に向かう。

それにしても山本君は本当に野球が好きなんですね…何か良い野球の本が図書室にあったら教えてあげましょうか。

 

 

 

本を返した後、野球関連の本を物色している内に思ったより時間がたっていた。

そろそろ帰りましょうか…

 

「(山本君はまだ自主練をしてるんでしょうか…?しているならそろそろ帰った方がいいと伝えるべきですね。もうだいぶ遅い時間ですし。)」

 

そう思い校門に向かわずグラウンドに足を進める。

グラウンドには先ほどと同じ場所で山本君が自主練をしていた。やはりまだいたんですね。

 

「(練習のしすぎは逆に体に悪いですし、お節介でしょうが終わらせるべきですよね。)山本く…っ!山本君?!」

 

声をかけようとしたその時、山本君の体が崩れ落ちた。体を丸め右腕を押さえている。まさか…!

急いで山本君のそばに駆け寄ると右腕があらぬ方向に曲がっていた。一体どんな練習をしたんですか…?!

 

「山本君!」

 

「ぐっ…い、あ…っ」

 

「大丈夫ですか?今救急車呼びますから!」

 

腕が折れている以上学校の保健室ではどうしようもない。

すぐに救急車を呼び山本君は救急車に乗せられ運ばれていった……

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「美琴ちゃん?なんだかボーッとしてるけどどうしたの?」

 

「京子ちゃん…いえ、なんでもないですよ。」

 

というのは嘘で、確かに普段よりボーッとしていた自覚はある。その原因は昨日の山本君の事だ。

 

…先生に聞いた所ただの骨折で心配ないようですが…なんだか嫌な予感がします。山本君もまだ来ていませんし…

 

杞憂に終わればいいと願ったが、駆け込んできたクラスメートの言葉にそれは叶わなかった。

 

「山本が屋上から飛び降りようとしてる!!」

 

……早まりすぎですよ山本君!!

 

クラスが騒がしくなるのを横目に教室から飛び出した。

 

 

バン!!

 

 

屋上の扉を力任せに開ける。

今の音で既に屋上に来ていた生徒がこちらを向いた。

 

「あっ神楽さん!!」

 

「…山本君は。」

 

「あ、あそこに…」

 

生徒の一人が指差した方向には、落下防止用の柵の向こう側に佇んでいる山本君の姿があった。

他の生徒の間をくぐり抜け彼に一歩近づく。

 

「山本君。」

 

「神楽か…止めても無駄だぜ。俺は本気だ。」

 

そう話す彼の顔には普段のような笑顔が浮かんでいない。確かに本気で飛び降りようとしている風に見える。だが、

 

「山本君、それは本当に本気で言っているんですか?」

 

「ああ、野球の神様に見捨てられた俺にはなーんも残ってないからな。」

 

「そうですか…………甘ったれないでください。」

 

ザワリと美琴の纏う空気が変わった。

殺気とまではいかないが、威圧感を放つ美琴に山本は息を呑んだ。

 

「野球の神様に見捨てられた?腕の骨がただ折れたぐらいでなにいってるんですか。」

 

「ぐ、ぐらいって、だって俺には。」

 

「野球しかないと?それこそふざけないでください。

…今ここに集まっている人達は山本君に死んでほしくないから此処にいるんですよ。これだけあなたを心配をする友達がいる。それでも野球しかないと言いますか?

……それに、骨が折れただけでそれこそ障害が残ったり、腕が無くなった訳じゃないです…世界には腕が片方無くても野球選手として生きている人もいます。腕を治して、その間のブランクを無くす為にまた練習すれば良いじゃ無いですか。死んだらそんな事も出来なくなります。それに、」

 

山本君の眼を見る。恐らく色々な感情で揺らめいている彼の眼は、まるで

 

「本当は、誰かに助けて、支えて欲しかったんじゃないんですか?今のあなたはまるで、迷子の子供みたいな眼を、していますよ。…だったら助けを求めたら良いんですよ、あなたにはそれに答えてくれる友がたくさんいるのだから。」

 

山本君の目が大きく見開かれる。

 

「うわっ!」

 

その時、綱吉が生徒達の間から私の横に飛び出してきた。

 

「ツナ…」

 

「山本…っごめん!」

 

綱吉が山本君に謝り、そのまま話し始める…自分を偽らず本心を話す所は、ジョットとそっくりです。

 

「…山本君、まだあなたはここから飛び降りようとしますか?」

 

「神楽…はは、そうだな。お前やツナの言うとおりだ。もう、飛び降りる気は無いのな。」

 

そう言っていつもの笑顔で笑う山本君に皆が安堵の溜め息を吐く…もう、大丈夫そうですね。

 

山本君がこちらに戻ろうとした時、強い風が急に屋上を吹き抜けた…っまずい!!

山本君が風に煽られバランスを崩し、後ろに倒れる。

 

「山本君!!」

 

とっさに伸ばしたであろう左手を掴む。よし、これで…

 

バキッ!!

 

「……?!しまっ…!」

 

大丈夫だと思った時、私が体重をかけた柵が壊れた。

手を他の柵に伸ばすがその手は空を切り、皆の悲鳴が響くなか、そのまま山本君と共に落下した。

 

「うわあああっ!!」

 

「くっ…!!(山本君は助けないと…!)」

 

落ちた時離れてしまった山本君の手をもう一度握る。前なら簡単でしたが今は上手く着地できますかね…っ。

 

「復活!!死ぬ気で美琴と山本を助ける!!」

 

「…っ綱吉!」

 

「ツナ!」

 

死ぬ気になり駆け降りてきた綱吉が私と山本君を抱える足でブレーキをかけるが、止まらない。

その時、銃弾が飛んできて綱吉の頭に当たった。

すると綱吉の頭からまるでバネのような髪(?)が出てきて、それのおかげで私達は助かった。

 

その後今回の事は綱吉が最後に使ったスプリング弾のこともあり、ワイヤーを使っていたということになった。

そして、山本君は綱吉の親友になった。

 

…また、綱吉とリボーンに助けられましたね…私も綱吉を護れるよう強くならないと!

 

 

 




おまけ
綱吉に助けられた後の二人の会話

「美琴もありがとな!お前の言葉、スッゴい心に響いたのな!」

「いえいえって今、名前…?」

「駄目なのな?(ショボン)」

「(下がった犬耳と尻尾が見える…)いえ、別に良いですよ、山本君。」

「(パアァァ)やったのな♪」

「(凄い尻尾を振っている幻が見える…)………(ナデナデ)」

「?美琴、俺の頭なんか撫でてどうしたのな?」

「…あ。ご、ごめんなさい…(山本君が人懐っこい犬みたいだと思ったなんて言えません…)」

「ん、別に良いのな♪美琴の撫で方気持ちいいし♪(自分からグリグリと頭を押し付ける。)」

「そうですか。(そのまま撫で続ける)(…カルロスも頭を撫でた時はこんな風に甘えてきましたっけ。アレスやアルス、ウェルもよく撫でられがたりましたね…懐かしいです。)」


余談だが、美琴はこの後沢田綱吉や獄寺隼人も含め仲間になった人の頭を頻繁に撫でるようになる。(前世からの癖)



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第六話

*主人公の設定を一部変えました

…主人公の細かい設定変えすぎですよね。話が進んで設定が増える事はあるかもしれませんが、もう設定は変えません!
漫画を全部読まず朧気にしか知らない知識で設定書くんじゃなかったです(´・ω・`)

気を取り直して今回はオリジナルの話です!…といっても主人公が原作のキャラとのぐっだぐだの話ですけど…




ドンッ!

 

「ぐぴゃ!」

 

「おっと。」

 

休みの日の買い物帰り、家に向かって歩いていると勢いよく走ってきた五歳程の男の子とぶつかってしまった。

 

「うぅ~、が・ま・ん…」

 

「ごめんなさい。大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だもんね!ランボさん強いもん!!」

 

そう言っているランボ(?)君ですが目には涙が溜まっている。

…たしかさっき飴買いましたっけ。

 

「そうですか。では強いランボ君には飴をあげますね。」

 

「ほんと?!あっでもランボさん、ママンに知らない人から物を貰ったらだめだって言われたもんね…」

 

そう言うランボ君だが、目線は飴から離れない。

 

「では、自己紹介をしましょう。そしたら知らない人では無いですよ。私は神楽美琴と言います。」

 

「俺っちはランボさんだもんね!それでね~美琴、ランボさんはブドウの飴が欲しいな~。」

 

「分かりました。」

 

ランボ君にブドウの飴をいくつか渡す。

飴を受け取るとランボ君はそのままどこかに走っていこうとした。

 

「ランボ君、ちょっと待ってください。」

 

「?」

 

「人に何かを貰った時はきちんとお礼を言いましょうね。」

 

「うん!美琴、飴ちゃんありがと~。」

 

そう言ってランボ君は去っていった。

…彼とはまた会うような気がしますね。

 

 

 

家に帰り買った食料を冷蔵庫にしまい、改めて日課の散歩に向かった。

…この前京子ちゃんにおばあちゃんみたいな日課と言われましたが、散歩が日課なのはやはりおばあちゃんっぽいものなんですかね…?

 

「あっ、美琴!」

 

「おや、山本君。こんにちは…野球の練習ですか?」

 

バットだけ持っているようですが…

 

「おう!今からバッティングセンターに行くのな。良かったら美琴も一緒に行かねーか?」

 

「良いんですか?」

 

「もちろんだぜ!あ、バットはレンタルもしてるから無くても大丈夫なのな。」

 

「では、行かせてもらいますね。」

 

ちょうど体を動かしたくてランニングをしようとしていた所ですし。

 

 

 

カキーン!!

 

「またホームラン…さすがですね。」

 

十球中八球がホームランとは…

 

「ん~。飛んでくる場所が分かってる球ぐらい狙った所に打ちたいけどな。」

 

「中学生でこれほどの実力を持っているなら十分だと思いますけどね。」

 

山本君なら出来るような気もしますけど。

 

「にしても美琴も凄いのな~。五球もホームランを打つなんて。俺も負けられないな!」

 

「さすがに野球で山本君に勝てる気はしませんよ。実際山本君の方がホームランの数も多いですし的の真ん中近くに球を当ててましたし。」

 

「でも美琴、野球素人だろ?それでこの結果は凄いのな!」

 

そう言って山本君は満面の笑みを浮かべた。

もう一回打ってくるのなー!と走っていった彼を見送る。

…彼の野球に対する情熱は雨月の笛へのこだわりと同じです…喋り方も服装も全くちがうのに、つい彼に雨月の面影を探してしまう。

それは、綱吉や獄寺君に対してもですけど…

…少なくとも学校には後アラウディと似ている人もいますし、この調子だと残りの三人に似ている人がいる気がします。

 

「(…いけませんね。最近過去に執着しすぎです…いくら似ているとはいえ、綱吉達はジョット達では、無いんですから。)」

 

「美琴?ボーッとしてるけど、どうしたのな?」

 

「…っ山本君…いえ、何でもありませんよ」

 

「そうなのな?でも何か悩みがあれば相談してくれよな!友達なんだから。」

 

「…はい、ありがとうございます。」

 

それに、私だってもうシェーラ・ルノアールという人間ではなく、神楽美琴という、全く違う人間なんですから…

 

 

 

その後、一時間ほど球を打っていたが、きりのいい所で終わり、まだ練習するという山本君と別れ、街を歩く。

そろそろ帰ろうとした時、派手な服装をしてピアスなどアクセサリーをジャラジャラ付けた男の人三人に声をかけられた。…花ちゃんの言っていたチャラ男、という方ですかね?または不良。

 

「君可愛いね~。高校生?」

 

「みた感じ今暇だよね?俺達と遊ばね?」

 

…どうやら私を高校生と勘違いされてるみたいですね。というより、遊ぶって…

 

「すいませんが、あなた方と私は初対面ですよね?なぜ初対面の方と遊ばなければいけないのでしょうか?」

 

…これを美琴は何の意図もなくただ純粋に疑問として口に出した。

…彼女の前世は暗殺部隊のボスでもあり、恨みを買いやすかった。それもあり、自身や自分の仲間への殺気など負の感情に鋭い。その代わり、自身に向けられる好意などにかなり鈍かった。それこそ付き合ってくださいと言われ、どこにですか?と本気で返すいわゆる鈍感と呼ばれる部類に彼女は入っている 

それに加え、彼女は普段から自分自身を周りより下に見ている傾向がある。それには訳があるのだが、その話はまたの機会に。

だから彼女はまさか自分がナンパされているとは露ほども思っていないのだ。

 

そんな美琴の様子がチャラ男Aは気に入ったようでニヤニヤとした笑みを浮かべた。

その様子に嫌な予感がした美琴はそこから離れようとした。

 

「まぁまぁ良いから俺らと一緒に遊ぼうぜ。」

 

「…すいませんが、お断りします。失礼します。」

 

「そんなこといわずにさ、遊ぼーよ。」

 

しかしチャラ男Bに腕を掴まれ、チャラ男Cに行く手を阻まれ、美琴は眉を顰めた。

基本的に人当たりの良い美琴だが、自分が友人、大切だと思う者以外に触られるのはあまり好きではない。

それに断った自分を無理やり引き止めた事に彼女は不快感を覚えた。

 

「…離してください。」

 

「一緒に遊んでくれるなら離してあげるよ-。」

 

「ですから見ず知らずの方と遊ぶ気はありません。離してください。」

 

「じゃあ今から知っていったら良いじゃんか。」

 

ああ言えばこう言って全く自分も事を解放しようとしないチャラ男達に美琴は不快感をさらに募らせていく。

チャラ男Bが腕を掴む力はなかなか強く、簡単に抜けそうにない。体術を使えばすぐに解放されそうだが、あまり使いたくはない。

 

…一言ガツンと言ってやりますか。 

 

そう思い口を開いたが、吐き出されるはずだった言葉は、第三者の不機嫌そうな声にかき消された。

 

「何やってんだてめぇら。」

 

「あ?んだよガキ、うっせえな。」

 

「獄寺君…」

 

何だか機嫌が悪そうですね…どうしたんでしょうか?

 

「この子の友達~?悪いけど俺らが先にこの子の事予約してるから帰った帰った。」

 

予約ってなんですか予約って。

 

「どうみてもそいつ嫌がってんじゃねぇか。それにてめぇらそいつの名前知らないだろ。端から見たらてめぇらが無理やりそいつを連れていこうとしてるようにしか見えねぇ。実際そうだろうしな。」

 

「ああ?ガキがピーピー五月蠅いんだよ!!」

 

正論を言う獄寺君に沸点が低いのかチャラ男Cが殴りかかった。

しかし獄寺君はその拳を簡単にかわすとチャラ男Cのお腹に拳を思い切り叩き込んだ。

…あれは痛いでしょうね。

実際チャラ男Cは苦悶の声をあげて崩れ落ちた。

 

「よっちゃん?!てめっよくも!!」

 

「調子乗ってんじゃねぇぞガキィ!!」

 

チャラ男Cことよっちゃん(可愛いあだ名ですね。)がやられた事でチャラ男ABも獄寺君に襲いかかった。いつ出したのかメリケンサックを手につけている。さすがにあれに殴られば軽い怪我じゃすまない。

しかしチャラ男Bが獄寺君に向かったということはつまりは私は解放されたということで。

 

「うおっ?!」

 

獄寺君を殴ろうと振り上げられたチャラ男Bの腕を掴み、体の向きをこちらに向けさせる。そしてそのまま

 

「はぁっ!!」

 

バァン!!

 

「ぐはっ。」

 

一本背負いで道路に叩きつける。もちろん大幅に手加減をして。しかしチャラ男Bは衝撃で気を失ったようだった。…受け身すらろくにとれないとは…

チャラ男Aは獄寺君が顔面を殴り飛ばし伸びていた。

容赦ないですね獄寺君。(※手加減したとはいえ躊躇なく一本背負いをした人)   

 

「おい、大丈夫か。…お前何か武術習ってんのか。」

 

先ほどの一本背負いの事ですね。

 

「あ、獄寺君。はい、大丈夫ですよ。武術は習っていません。独学です。…それにしてもこの方達は何故初対面の私を遊びに誘ったんですかね?」 

 

私がそう疑問を口に出すと、獄寺君になんともいえない目で見られた。…何でですか。

 

「(こいつナンパされてた事に気づいていなかったのかよ…)神楽、これからこういう奴ら見かけたら無視してそいつらから離れろ。」

 

「え?」

この時の獄寺の心境は、こいつ目が離せない、である。

適当に街をブラブラしていたらチャラチャラした男に絡まれている美琴を見つけ、最初は短い付き合いながら彼女が見ず知らずの人間に馴れ馴れしくされるのが嫌いだとわかっていたためすぐに離れるだろうと素通りしようとしていたが、彼女が腕を掴まれ行く手を阻まれたのを見て慌てて近づいたのである。

彼女がかなりのお人好しであることも知っていたから彼女が掴まれた腕を乱暴に外そうとはしないだろう。

それに一番の理由がチャラチャラした男達の目の欲の色が濃くなり、美琴を見る目が舐め回すような目に変わったからである。

しかも美琴はそれに気付いていなかったのだ。

 

「(鈍すぎるだろ…)お前こいつらにナンパされてたんだよ。」

 

「…ナンパ?」

 

首をかしげる美琴はナンパという言葉があまりピンとこないようだが、暫くして理解すると笑ったみせた。

 

「あはは。獄寺君、それは気のせいじゃないですか?私みたいなのをナンパする方はいませんよ。」

 

「…は?(なにいってんだ?こいつ。)」

 

獄寺はあまり容姿に頓着しない性格だが、美琴が世間でいう美人の類に入るのはわかる。ああいう奴らからしたら格好の餌である。 

しかし彼女は自分を私なんかとかなり下にみている。

 

「(意味分かんねえ…)…そんな物好きもいるってことだよ。だがら気をつけろよ。」

 

「はい、分かりました。先ほどは本当にありがとうございました。」

 

そう言って去る美琴の後ろ姿を見て、獄寺は不安を覚えた。…美琴はここにいるのに、ここにいないような、少し目を離したら消えてしまいそうな、そんな不安が。

 




今回は少しシリアス風にしてみました。
よく夢小説では原作の記憶がある前世の記憶をもつ夢主が多いですが、この小説の夢主に原作の記憶なんてありません。 
彼女からしたら転生したこと名前を奪われたようなものです。
彼女にとって前世の仲間の方がまだ大切なのでだからこそ綱吉達にジョット達の面影を探してしまったりします。
獄寺君が彼女に覚えた不安は綱吉がボンゴレのボス候補、加えてジョットの子孫と分かり、前世への執着が無意識の内に前より強くなってしまったからです。
…書いてる内にゴチャゴチャしてきましたが、ようは彼女はまだ前世は前世と割り切れていないということです。

これからも時々こんな感じで彼女の不安定さが出てきます。


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第七話

しばらく投稿だけして情報を見ていなかったらお気に入りが30越えてて思わず変な声出ました…
こんなグダグダな話にお気に入り登録してくれた方々、ありがとうございます!

これからも駄文しか投稿できないでしょうが、よろしくお願いします!




 

 

「ふぁ~、眠い…」

 

「綱吉、寝不足ですか?隈ができています。夜はキチンと寝ないと駄目ですよ?」

 

「う、うん。」

 

そんな会話をしながら綱吉と学校に向かう。

綱吉はまだ眠いのか少しフラフラしながら歩いている。…大丈夫ですか?

他愛もない話をしていると後ろから山本君が歩いてきた。

 

「よぉツナ、美琴。」

 

「山本!おはよ!」

 

「山本君、おはようございます。」

 

綱吉は山本君にも隈の事を指摘されている。

…若干顔色が青くなったような…昨日何かあったんですかね?

 

「(山本や美琴とは普通の友達と幼なじみでいたいんだ…うちにいる殺し屋を他のマフィアの殺し屋が暗殺しにきて泣かれて大変だったなんて言えないよ…)」

 

美琴に関しては既に手遅れな気もするが、綱吉がそんな事を考えているなんて知らない山本と美琴は楽しげに綱吉と話している。

 

「そういや美琴ってすげぇ頭良いよな?今度勉強教えて欲しいのな。」

 

「良いですけど…山本君はまず授業中寝るのを止めましょうか。」 

 

「ん~野球の練習で疲れてつい寝ちまうんだよな。」

 

「せめてノートは取った方が良いと思いますよ。後、良ければ綱吉も勉強する時一緒にしますか?」

 

「あ、良いの?」

 

「もちろんです。」

 

二人が話しているのを横目に美琴は後ろを盗み見た。

先程から自分達三人に視線を送っている相手を見つけるためなのだが…

 

…敵意こそ無いですが、気をつけておいた方が良いと思ったのですが…心配なかったですね。

その視線を送っていたのは獄寺君とリボーンだった。

何か喋っているようですが…この位置からでは読唇術は使えませんね…まあ恐らく綱吉の事を話しているんしょうが。

 

「美琴、どうかしたの?」

 

「いえ、なんでもありませんよ?早く教室に向かいましょうか。」

 

 

 

 

リボーン視点

 

 

神楽美琴。

ボンゴレ十代目候補沢田綱吉の幼なじみ。

両親は既に他界しており母方の祖父母と暮らしていたがその二人も他界。親戚もおらず、現在は一人暮らし。

親も含め裏と全く関係のない一般人のはずだが…

 

「(俺や獄寺に見られているのに気がついた…普通一般人なら気づけねえ。)」

 

気のせいという可能性もあるが、確かにリボーンは彼女と一瞬だが、目が合った。彼女の瞳には普段の彼女と違い、鋭い光を纏っていたが、リボーンと目が合うとその光はすぐに消えた。

つまり彼女は視線の主がリボーンと獄寺と気づき警戒を解いたということである。

 

「(…もう一度情報を洗い直すか…だが、美琴が裏と関わりがあったとしてもファミリーには入ってもらわないとな。恐らくツナを一番支えられる事が出来るのは美琴だ。それに…)獄寺、山本だけじゃなくて美琴もファミリーに入れるからな。」

 

「は?!本気ですかリボーンさん?!神楽は一般人です!」

 

「山本も一般人だぞ。それに美琴は家族を除けばツナが一番信頼しているし、近い所にいる。いつかは巻き込まれる。ファミリーに入れない手は無ぇ。」

 

「…っ、分かりました。」

 

一匹狼で誰にも心を開いていなかった獄寺にツナ程じゃ無いが、心配されるほどに信頼され、山本にもツナと同じように親友に思われている。俺もあいつのそばは居心地よく感じる。

…あいつはツナとはまた違う大空だ。だからこそ、ファミリーには絶対に入れなければいけない。

 

そう考えながらリボーンはニヤリと口角を上げた。

 

 

 

美琴視点

 

「悪いな神楽。教材片付けるの手伝わせて。腰痛めてなきゃ一人で運べたんだが…」

 

「いえ、大丈夫です。それでは失礼します。」

 

準備室を出て教室に戻ると、綱吉がいなかった。

一緒に帰る約束してたんですけど…鞄はあるようですね。

 

「京子ちゃん、花ちゃん。綱吉知りませんか?」

 

「え、ツナ君?」

 

「沢田ならさっきケータイ見てどっかに走っていったわよ。」

 

…綱吉の携帯には私と奈々さんの番号しか入っていないはず…そういえばリボーンに無理やり番号入れられたと言ってました…リボーンでしょうね、恐らく。

ふと教室を見渡すと獄寺君と山本君もいない。

山本君は部活でしょうが、獄寺君は綱吉に付いていったんですかね?

 

~♪

 

教室で待っておいた方が良いかと考えていると携帯からメールを知らせる音楽が鳴った。綱吉でしょうか?

そう思いメールを開くとリボーンからの呼び出しだった。

…行きましょうか。

 

 

 

 

呼び出された場所に向かうとリボーンと綱吉。それに獄寺君と山本君がいた。獄寺君はともかく山本君はどうしたんですかね?

 

「皆さんこんな所でどうしたんですか?」

 

「美琴?!なんでここに!」

 

「リボーンに呼び出されたんです。」 

 

「んなっ…リボーン!」

 

リボーンから送られてきたメールを見せると綱吉がリボーンと口喧嘩を始めた。

山本君はいつものように笑っていますし、獄寺君は…何で私を見ながら苦虫を噛み潰したような顔をしてるんですか。

 

「美琴も山本同様ファミリーに入るために試験を受けて貰うぞ。」

 

「試験?」

 

リボーンの話によると私と山本君がファミリーに入るには今からする試験に合格しなければいけないらしい。

 

「そうなんですか…私もう入った気でいましたね。」

 

「美琴?!」

 

山本君と話していた綱吉がガーンという効果音が似合いそうな顔で私を見てきた。どうしたんですか?

試験の内容はリボーンの攻撃をとにかくかわすことだそうだ。

 

「んじゃはじめっぞ。」

 

そう言って投げられたナイフを体を少し捻りかわす。

山本君も私同様かわせたようですが…山本君、キチンとマフィアの、ボンゴレの事分かってないじゃないですか。

私がその事に唖然としていると綱吉も試験を受ける事になり、三人で飛んでくるナイフをかわしながら走る。

ナイフをおもちゃと思い、笑っている山本君に声をかける。

 

「…山本君。」

 

「ん?」

 

「今私達が投げられているナイフはおもちゃではありません。本物です。マフィアだって遊びではなく本当の事です。…それでも試験を受けますか?私達と共にいますか?」

 

私の言葉にぱちくりと瞬きをした山本君だが、すぐにニカッと分かった。

 

「美琴もこういう遊びするんだな!」

 

「山本君…」

 

やっぱり分かって…

 

「まあもしこれが本当の事でも俺はツナや美琴と一緒にいたいから、試験は受けるのな!」

 

山本君の言葉に軽く目を見開く。そして、笑った。

 

「(ちゃんと理解できている訳では無い。しかし、先程のは彼の本心、ならば、大丈夫でしょう。)分かりました。山本君、絶対合格しましょうね!」

 

「おう!」

 

「(何か合格する方で団結しちゃってるー!!てかなんで話しながらあんな楽々ナイフかわせるの?!)」

 

リボーンに先回りされ、武器がボウガンに変わる。その時上から聞き覚えのある幼い声がふってきた。

 

「…ランボ君?」

 

ボヴィーノファミリー、ということはあの子もマフィアなんですか…なぜここに?

そんな事を考えていたが、リボーンがボウガンを撃ってきたのでそちらに集中する。

それにしても運動神経が並外れて良い山本君はともかく綱吉もちゃんとかわせてますね…無意識に超直感使ってるんでしょうか…?

 

その後ランボ君がロケットランチャーを撃ってきたり、リボーンの武器がサブマシンガンに変わったりしたが、二人も無事にかわしている。

 

「十代目!!!それに神楽も!(よけてくださいね!)」

 

「え?」

 

獄寺君が綱吉に、後恐らく私にもウインクとハンドサインをしてきた。

綱吉は何のことか分かっていないようですが…彼の手に握られている大量のダイマナイトからして投げるからかわしてほしいんでしょう…すいません獄寺君。恐らく無理です。 

リボーンの構えたロケット弾を見ながらそう考えた。

 

獄寺君のダイマナイト、リボーンのロケット弾、そしてランボ君のロケットランチャーが同時に飛んでくる。ちょっと待ってくださいこれは…!

 

「さすがにまずいですって…!綱吉、山本君!」

 

私が二人の腕を掴むのと山本君が綱吉の右腕を掴むのは同時だった。

 

 

ドガァン!!!

 

 

「(やっべー…調子にのりすぎたかも……)十代目ー!!大丈夫ですか十代目ー!!神楽も大丈夫かー!!」

 

「あそこだぞ。」

 

「!」

 

…本当に危なかったです。山本君と一緒に綱吉を支えながらそう考える。さすがに爆発物三つ同時は危なかったです…

 

「山本と美琴が引っ張ってくれたおかげでた…助かった…」

 

「俺も美琴が最初に引っ張ってくれなかったらヤバかったのな~。」

 

「あはは、二人共無事でよかったです。」

 

試験に関しては私も山本君も合格する事ができ、山本君と獄寺君は仲が良いのか悪いのかよくわからない息の合った(?)口喧嘩をしていた。

 

…嵐は雨や雷を伴う事でその勢いや荒々しさが増す。

 

…Gが銃や弓矢で援護し雨月が敵に斬り込む…そんな時二人の息はピッタリでした。それはランポウがいても同じでしたが…きっとあの二人もいずれお互い背中を任せられるような仲間になれるでしょうね。

その時が楽しみです。

 

 

…それにしても山本君、あんなに派手に爆発したのにまだ遊びだと思ってるんですか…雨月もそうでしたが山本君もなかなか天然ですね。(※美琴はそれ以上の天然、鈍感ともいえる。)

 

 




無事に美琴もボンゴレファミリーに入りました~。
まぁ前世もボンゴレファミリーだったので当たり前とはいえ当たり前ですが…

まだまだ先の話ですがリング戦編でXANXUSと会った時の美琴の反応どうしましょうか…前世自分の右腕だった男にそっくりな人と敵対するんですし。

後、第五話のおまけで書いたとおり美琴はふと人の頭を撫でたりします。…XANXUSどうやって撫でさしましょう。前世よく頭を撫でていたカルロスにそっくりなわけです。ふとやっちゃいそうですよね~最悪カッ消されそうですけど。けど絶対撫でさします!(謎の宣言、そしてまだ日常編である。)
って今回上手くやれば獄寺君撫でされてたんじゃあ…まあ気にせず次の機会に!

今回も読んでいただきありがとうございました!!


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第八話

 
今回原作をかなりいじっています。
そのせいでかなりグダグダです…

書いてて思いましたが獄寺君との会話が一番書きやすいのでこの後も彼との会話が多いと思います。
あ、でもキャラとの恋愛は無しであくまで友情でいきます!




「美琴ちゃん、一緒におにぎり作ろ!」

 

「何人かまとまって作れって言われてるけど三人いればいればいいでしょ。」

 

「京子ちゃん、花ちゃん。ではいっしょに作りましょうか。」

 

家庭科の実習でおにぎりをクラスの女子みんなで作る。

作ったおにぎりは男子にあげるので皆誰に渡すかで盛り上がっているようです。

そんななか京子ちゃんと花ちゃんとニギニギとおにぎりを作る。

 

「そういえば二人は具は何にした?私はシャケだよ。」

 

「あたしは無難に梅干し。美琴は?」

 

「私は昆布の佃煮と梅干しと昆布を混ぜた物とほぐしたシャケと鳥そぼろを混ぜた物です。」

 

「…あんた凝りすぎじゃない?てかその佃煮って手作り?」

 

「はい、そうですけど…それがどうかしましたか?」

 

すると何故か花ちゃんには溜め息を吐かれ京子ちゃんは凄いと目を輝かしていた。

あまり凝っていないと思いますけどね、おにぎりですし。

 

「そういやあたしは自分で食べるけどあんた達はどうするの。」

 

「花ちゃんあげないの?私は誰かに渡すつもりだけど誰かは決まってないかな。」

 

「京子ちゃんのおにぎりなら皆喜ぶと思いますよ?」

 

人伝に聞きましたが京子ちゃんクラスのアイドル的存在らしいですし。

 

「いや美琴のおにぎりも喜ばれるわよ。ていってもどうせあんたは沢田と山本と獄寺にあげるんでしょ?」

 

「そのつもりですよ。おにぎりちょうど三つありますし。」

 

具に関しては三人に選んで貰いましょうか。

その後私達三人はおにぎりを作り上げましたが他の皆はずっと話していてあまり完成していないようですね…

今のうちにお手洗いに行っておきましょうか。

京子ちゃんと花ちゃんに断りをいれてお手洗いに向かい戻る途中階段の影に身を潜めている見るからに怪しい女性を見つけた。

…誰かに似ているような…?

 

「あの、すいません。貴女この学校の関係者ではないですよね?何をしているんですか?」

 

「……っ?!(いつの間に?!気配が無かった…!)」

 

…反応からして裏の人間、恐らく殺し屋のようですね。綱吉を狙っているんでしょうが…

 

「(獄寺君の時の事もありますし…)リボーンの知り合いの方ですか?」

 

「…!リボーンを知っているの?!」

 

「はい。私の幼なじみの家庭教師ですから。」

 

「…っ沢田綱吉…!」

 

…随分憎まれていますね綱吉。

なんとか殺し屋の方を落ち着かせ上手く話を聞き出すと彼女、ビアンキはリボーンの愛人で彼をまた殺し屋として活動させるため綱吉を殺したいらしい。

…なんというか…愛って凄いですね……まあ綱吉を殺させる訳にはいきませんが。

 

「ですがビアンキさん。綱吉を殺したらリボーンに嫌われるのでは?」

 

「なっ。」

 

「だってリボーンにとって綱吉の家庭教師になりボンゴレ十代目ボスにするのは仕事です。

もし貴女が綱吉を殺してしまったら仕事は失敗。

失敗原因となった貴女を嫌うのでは?」

 

リボーンに嫌われると聞いて顔を青ざめさせているビアンキさんには悪いですが今言ったのはただのハッタリです。

恐らくリボーンの性格上綱吉が殺されたら殺させたらでそこまでの器だったと見限りそうな気がしますし。

そんなことを考えながら青ざめたまま何か考えこんでいるビアンキさんを横目に家庭科室に戻った。

 

 

「今日は家庭科実習でつくったおにぎりを男子にくれてやるー!」

 

その言葉に男子が雄叫びをあげる…そんなにお腹空いてるんですかね?

それぞれがおにぎりを男子達に渡し始める。

私も行きましょうか。

 

「綱吉。」

 

「あ、美琴。えとそのおにぎり…」

 

「はい。綱吉達に食べてほしいんですけど…山本君と獄寺君すごい人気ですね。」

 

「あはは、そうだね…」

 

クラスの女子の大半が二人の周りにいますね。

山本君は笑顔で対応していますが…獄寺君は若干殺気立っていて不機嫌なのが手に取るようにわかります。…綱吉に渡したら次獄寺君に渡しにいきますか。

 

「とりあえず綱吉。昆布の佃煮か梅干しと昆布を混ぜた物かほぐしたシャケと鳥そぼろを混ぜた物か選んで貰っていいですか?」

 

「じゃあ梅干しと昆布混ぜたの貰っていい?」

 

「はい。それでは私は獄寺君達にもおにぎり渡してきますね。」

 

周りを女子に囲まれて未だに機嫌の悪そうな獄寺に声をかける。私に気付いた獄寺君が女子を押しのけこちらにやってきた。

 

「なんだよ神楽。」

 

「いえ、おにぎりを渡そうと思ったんですけど、獄寺君。彼女達を無理矢理押しのけて来るのはどうかと思いますよ。」

 

「あいつらが勝手にまとわりついてきたんだろうが。とりあえず渡すんなら早くよこせ。」

 

「私のだけじゃなくて彼女達のも貰ったらどうですか?」

 

彼女達は獄寺君にあげたいみたいですし。

しかし獄寺君は顔をしかめた。

 

「何でよく知らねえ奴から貰わないといけないんだよ。」

 

「人からの好意は受け取った方が良いと私は思いますけどね……獄寺君昆布の佃煮とほぐしたシャケと鳥そぼろを混ぜた物、どちらが良いですか?」

 

「…佃煮?なんだそれ。」

 

不思議そうに少し首をかしげる獄寺君は年相応な顔である。そういえば獄寺君和名ですけど日本に来たのは初めてだと言っていましたね。

 

「まあ簡単にいえば日本の煮物の一種です。結構日本独自の料理ってあるので調べてみたらどうですか?」

 

獄寺君は頷くと昆布の佃煮のおにぎりを手に取った。やはり気になりますよね。

 

「あー!獄寺美琴からおにぎりもらってずるいのな~。なあなあ美琴。俺のは?」

 

「わっ、山本君?」

 

「てめっ野球バカ!いきなり神楽に飛びつくんじゃねえ!!てかお前他の奴から十分貰ってんだろ!」

 

「それとこれとは話は別なのな。やっぱ親友のおにぎりは欲しいじゃん。」

 

「男が口膨らますんじゃねえよ気持ちわりぃ!!」

 

後ろからいつ女子の囲いから抜け出したのか山本君が飛びついてきてそのまま私の頭の上に顎を置いて獄寺君と言い争いを始めてしまった。

…喧嘩するほど仲がいいと言いますし、二人はやはり息は合うんでしょうね。

そんなことを考えている美琴だが周りからみて三人の様子は山本が美琴に後ろから抱きつき密着していて、獄寺がそんな山本に怒鳴っている。端から見たら二人に美琴が取り合いされているように見える。

その事に三人共全く気づいていないが。

 

「もちろん山本君の分もありますよ。といってもほぐしたシャケと鳥そぼろを混ぜた物しか残っていないんですけど…」

 

そう言う美琴の手からおにぎりを取ると山本は口いっぱいにおにぎりを頬張った。

しばらくむぐむぐと口を動かしていたが少しして彼は口を開いた。

 

「ほえふおいふあいは!」

 

「山本君ちゃんと食べてから喋りましょうか。」

 

まだ食べ切れて無かったらしい。

 

「ん、これすごいうまいな!」

 

そう言って笑う彼に私の頬もゆるむ。喜んでもらえて良かったです。

その後綱吉と獄寺君にもおいしかったと言われ更に頬がゆるんだ。

そういえば綱吉は京子ちゃんからおにぎりを貰えたらしくとても嬉しそうだった。

良かったですね綱吉。

 

 

 




おまけ
美琴達の様子を見ていたリボーンとビアンキの会話

「にしてもビアンキ。おめえがあんなその場しのぎのハッタリに引っかかるとはな。」

「ええ…今冷静になって考えればリボーンがそんな理由で私を嫌うはずないわ…でもあの時私はあの子の言葉に呑まれてしまった。」

「それは美琴の生まれ持った才能だろうな。…だが今はそれより気になってることがあるみたいだがな。」

「…あの子何であんな隼人と親しいの…!まさか恋人同士…!?…隼人に釣り合わないようならポイズンクッキング喰らわしてあげるわ…!」

「美琴にも一波乱ありそうだな。」

美琴、ビアンキに獄寺の恋人と勘違いされる。


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第九話

ビ、ビアンキの口調が難しい…何だかこれじゃない感があります。

まあそこはある意味いつもの事なので置いといて(駄目でしょ)お気に入り40人に突入し、感想でも励みになることが書かれ、これからも頑張ろと思います!…まずはもっと上手く文章を書けるようしなければ…


「いらっしゃい美琴ちゃん!今日は何買うんだい?」

 

「果物を買いたいんですけど、お勧めありますか?」

 

家の近所の八百屋で果物を物色する。八百屋ですけど此処果物も多く売ってるし値段も手頃で味も美味しいんですよね。

 

「ん~やっぱ今の季節ならスイカだね。ちょうど今日仕入れたんだ。中身もギッシリだし甘くて美味しいよ!」

 

スイカを軽く叩いて八百屋のおじさんは人好きのいい笑顔を浮かべる。…スイカなら綱吉の家で一緒に食べますか。

そう思いスイカを買おうとした時、八百屋の前を見覚えのある影が通り過ぎた。

ちょうどいいです。

 

「獄寺君!今から何か用事ありますか?」

 

「あ?…神楽か。別に何も無ぇよ。」

 

「だったら一緒に綱吉の家に行きませんか?スイカを買って行こうと思ってるんですけど…」

 

今日は何も用事はないと言っていましたし。

 

綱吉の家と聞いてすぐに頷いた獄寺君に改めて八百屋に入る。

 

「美琴ちゃん友達でもいたのかい?」

 

「はい。あとスイカ一ついいですか?」

 

「はいよ!特に甘そうなの選んどくよ。それじゃ先に代金を…」

 

「神楽まだかよ、早くしろ。」

 

「獄寺君…今買いますから少し待ってください。」

 

せっかちすぎますよ。

急に入ってきた獄寺君に八百屋のおじさんは目を瞬いていたがすぐにニヤニヤと笑い始めた…どうしたんです?

 

「へぇ~美琴ちゃんにも春が来たんだね~。」 

 

「…春?」

 

春は終わってもう夏ですけど…

獄寺君も同じ事を思ったらしく怪訝そうに眉間にシワを寄せている。

 

「あの、もう春は終わって夏ですけど…」

 

「誤魔化さなくて良いって!いや~美琴ちゃんもやっぱ女の子だね。よし!スイカまけとくよ!」

 

「え?!いやいいですよ!というより一体何の話を…」

 

結局話ははぐらかされ値段はまけられた。

 

「んじゃあ1200円の所を奮発して600円ね。」

 

半額じゃないですかそれ。

そう思いながら財布を出そうとしたとき横から延びてきた腕が受け皿に小銭を乱暴に置きおじさんからスイカを取った…ってえ。

 

「行くぞ神楽。」

 

「は、はい。って獄寺君お金…。」

 

「600円ぐらい安いだろ。早く行くぞ。」

 

「いや確かにスイカ丸々一個で600は安いですけど何で獄寺君が払ってるんですか。せめて割り勘です。」

 

財布から300円出して獄寺君に渡す。彼は少し面倒くさそうな顔をしたがそのままポケットに突っ込んだ。

 

 

 

「そういえば獄寺君綱吉の家に来るの初めてでしたよね?」

 

「ああ。十代目に失礼のないようしなければ…」

 

「よっぽどな事しなければ大丈夫だと思いますよ?」

 

獄寺君と話している内に綱吉の家に着いた。

 

 

ピンポーン、ガチャ

 

チャイムを鳴らして合い鍵でドアを開ける。

…奈々さんに言われてこうしてますけどチャイム鳴らしてすぐにドアを開けるのってどうなんでしょう。

 

「み…美琴、獄寺君どうしたの?」

 

「このスイカ一緒にどーすか。」

 

「味に関しては甘くて美味しいですよ。私がいつも行っている八百屋のスイカなので。」

 

よく八百屋で買った果物をお裾分けしているので美味しいと知っている綱吉は顔を明るくさせたが思い出したかのように顔を少し青ざめさせた。  

…リボーン絡みなんでしょうね、きっと。

 

「す、すごくうれしいんだけど今ちょっと取り込んでて…(う…うそじゃないよな。)」

 

綱吉の言葉に獄寺君がギンと目つきを鋭くする。 

 

「トラブルっすね。なんなら俺がカタつけますよ。」

 

綱吉がなんだか安堵したような顔をしたということはやはりリボーン関連ですか。

 

ドキャ!

 

獄寺君がスイカを急に落とした…見事にバラバラですね。

 

「あー!スイカーーっ!」

 

「獄寺君どうしたんですか?…獄寺君?」

 

何だか顔色が悪いような…?獄寺君の視線の先を辿るとリボーンと見覚えのある女性がいた。

 

「(ビアンキさん?なんでここに…)」

 

「アネキ!!!」

 

「隼人」

 

…姉貴…?あ、ビアンキさん誰かに似ていると思ったら獄寺君に似てるんですよ…つまり二人は姉弟…世間というより裏って狭いですね…

 

私がそんな事を考えていると獄寺君がお腹を押さえながら飛び出していった…すごい音なってましたけど大丈夫ですかあれ…?  

 

「獄寺君とビアンキって姉弟なの~!??」

 

「そーだぞ。腹違いのな。」

 

「綱吉、私獄寺君追いかけてきます。」

 

顔色だいぶ悪かったですし…

 

「あ、俺も行く!」

 

綱吉と一緒に獄寺君を探す。通行人の方に見ていないか尋ねていると神社に走っていったのを見た人がいて向かった。

 

「(いた!)獄寺君…」

 

「獄寺君大丈夫ですか?というより本当にどうしたんですか…?」

 

「…アネキとは八歳まで一緒に住んでいました。」

 

…作る料理が全てポイズンクッキングになるって…つまりご飯を握るだけのオニギリをポイズンクッキングになるんですよね…?ある意味凄い才能のような…

 

ビアンキさんに近づけない獄寺君は綱吉にビアンキさんを町から追い出すよう頼んでいる。

 

「仮にビアンキさんを追い出すとしてどうするんですか?」

 

「仮にじゃなくて絶対追い出すんだよ…作戦はある。」

 

…死んだ彼氏に似ている人って…そう簡単に見つかる訳…

 

「こんな牛男見たことあるー!!!」

 

心当たりあるんですね…綱吉。

 

「えと、俺ちょっと心当たりがあるから家に戻るけど…」

 

「私は獄寺君と一緒にいますね。まだ顔色悪いようですし。」

 

「うん。分かった。」

 

家に向かった綱吉を見送る。

 

「にしても凄いお腹から音なってましたけど本当大丈夫ですか?」

 

「ああ、アネキがいなけれりゃ少ししたら収まる…」

 

「…ポイズンクッキングってそんなに凄いんですね…一回食べてみた「止めろ!地獄をわざわざ見ようとするな!!」わ、分かりました。」

 

獄寺君の剣幕に思わず頷く。

そのまま会話が途切れてしまい、妙な空気になる。

手頃な話題もないし、どうしましょう。

 

「…なあ。」

 

「…?何ですか獄寺君。」

 

何やら目が泳いでいる獄寺君に首を傾ける。何というか気まずい、というより罰が悪いといった感じですかね。

 

「いや、だな…スイカダメにしちまってわりぃ…」 

 

…獄寺君は世間一般でいう不良なんでしょうがこういうところは全く不良じゃ無いですよね。どちらかというと純粋なような…周りの環境からこうなったんですかね?

肩を落としている獄寺君の頭に手を乗せて軽く撫でる。綱吉はふわふわしてて山本君は少しトゲトゲしてましたけど獄寺君の髪はサラサラですね…

 

「別にいいですよ。獄寺君も好きでダメにしたのでは無いんですから。」

 

急に頭を撫でられて固まっていた獄寺君だが、気持ちいいのか目を細めている。

…山本君が人懐っこい犬なら獄寺君は野良猫ですかね。

 

 

その後結局元彼のロメオさんをビアンキさんは愛しているどころか大嫌いでそっくりさんはポイズンクッキングをモロに喰らったらしい。獄寺君曰わくロメオさんの死因は食中毒…ビアンキさんなんでしょうね、多分。

 

 

 




おまけ
ビアンキと綱吉、リボーンの会話

「ツナ、あの女は隼人の何なの?」

「え、あの女ってもしかして美琴?獄寺君の何って…普通に友達だけど…」

「本当に?隼人の恋人じゃ無いのね?」

「んなっ恋人ー?!」

「ビアンキ。美琴と獄寺はお前が思っているような関係じゃねぇぞ。」

「リボーンがそういうなら…でも彼女顔立ちはなかなか良かったし、リボーンの話じゃ性格も良いのよね…しかも隼人が心を開いている…本当に恋人になってくれないかしら?」

「ビアンキ何言ってんの?!」

「美琴はツナのファミリーであると同時に本妻、側室候補でもあるんだぞ。」

「リボーン?!お前も何言ってんだ!美琴は俺にとって家族同然なんだからな!!」

美琴、本人の知らぬ間に獄寺の恋人、綱吉の本妻か側室候補にされる。(※くっつけるつもりはありません。)


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第十話

夏休みに入り暑さもだいぶピークになってきたとある日。私は家でお菓子を作っていた。

 

ちなみに作っているのはゼリーで、商店街の福引きでフルーツ詰め合わせが当たったのでフルーツゼリーが多く、物によっては果肉入りです。

オレンジにりんごにレモンやブドウ、抹茶やコーヒーを使った物など色々とある。

光が当たりキラキラと光る様子はまるで宝石のようで、一部を除いて半透明なゼリーは涼やかに感じられる。

 

しかし色々なゼリーを作ったのは良いですが…

 

「…少し調子に乗りすぎましたかね…。」

 

皿に取り出しやすいようシリコンのカップに入ったゼリーが小さめなテーブルとはいえ天板が見えない程にあるのを見て思わず苦笑いを浮かべる。

 

…綱吉達にもお裾分けしましょう…さすがに食べ切れないです。

 

 

ゼリーを少し小さめのクーラーボックスに詰めて一番近い綱吉の家に向かった。

 

 

 

ピンポーン、ガチャ

 

いつものようにほとんど意味のないチャイムを鳴らして中に入り綱吉の部屋に向かう。

 

「綱吉、入りますね…と、山本君達もいたんですか。ちょうど良かったです。」

 

机の上にプリントが二人分…綱吉と山本君の補習のプリントですか。獄寺君は教えているんでしょうね。

後、知らない方がいるようですが…

 

「はひ~、美人さんです。」

 

「綱吉、こちらの方は…?」

 

「あ!三浦ハルです!」

  

「三浦さんですね。私は神楽美琴と言います。」

 

「はひ、美琴ちゃんですね!よろしくお願いします!」

 

「はい。よろしくお願いします。」

 

裏表の無さそうな方ですね。獄寺君達のように裏の人間では無さそうです。

 

「そういえば美琴どうしたの?後そのクーラーボックスは…?」

 

「あ、これはゼリーです。たくさん作り過ぎたのでお裾分けに。皆で食べませんか?」

 

そう言うと綱吉や山本君、三浦さんの目が輝いた。

 

「うん!食べる食べる!」

 

「美琴が作ったゼリーなら絶対美味しいのな!」

 

「私も食べたいです!」

 

山本君…その自信は一体どこから来てるんですか…?

まあ喜んでくれるならそれで良いです。

 

「では私はお皿とスプーンを取ってきますから、ゼリー選んでいてください。カップに味の書いたテープを貼っているので。あ、獄寺君とリボーンもですよ?」

 

「そうか、ありがとな。」

 

「分かった。」

 

 

私が戻ると綱吉は果肉入りのオレンジ、山本君は牛乳、三浦さんはりんご、獄寺君は抹茶でリボーンはコーヒーのゼリーを選んでいた。

じゃあ私はブドウにしますか。

 

「やっぱり美琴の作る物って美味しいね!」

 

「うまいのな~♪」

 

「こんな美味しいゼリー初めて食べました…!」

 

「…これが抹茶か…うめぇ。」

 

「うまいな。」

 

「ありがとうございます。後、獄寺君それは抹茶というより抹茶風味ですから今度本当の抹茶飲みますか?少し濃いですけど。」

 

「あ、それなら俺も飲みたい!美琴飲み物淹れるの何でも上手いんだよね。」

 

「なら今度コーヒー淹れてくれるか?」

 

「良いですよ。」

 

前世からコーヒーや紅茶はよく淹れてましたし、抹茶や緑茶とかは雨月に教わったんですよね。…最初に淹れたのは失敗して凄く渋くなったのは苦い思い出ですね。

 

「そういえばそのプリント補習の物ですよね?終わったんですか?」

 

「「「………あ。」」」

 

この様子だと終わってなさそうですね。にしてもやけに綱吉の顔が青いような…?

 

「そ、そうだよすっかり忘れてた?!どうしようこのままじゃ落第だよ!」

 

…中学に落第って無いはずですよね。

 

「お、落ち着いてください十代目!おいアホ女早く解きやがれ!!」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「獄寺君女の子にそんな呼び方は駄目ですよ。」

 

「てか、美琴なら解けるんじゃね?これ。」

 

山本君があっけらかんと放った言葉に綱吉が泣きそうな顔でこちらを向いた。

 

「美琴この問題分かる?!」

 

「えと、問7ですか?」

 

コクリと頷く綱吉に問題に目を通す。

……これ少なくとも普通の中学生が解ける問題じゃないですね。まあ解けますかね、これなら。

 

綱吉に紙とペンを貰い計算を始める。

…やっぱりこれ中学生が解ける問題じゃ無いですね。ここの公式高校で習うものですし。

 

「…………っと。出来ましたよ。」

 

「ほんと?!」

 

「はい。答えは4ですよ。ですけど綱吉、この問題は先生が間違えて出した問題だと思いますよ。」

 

「え、そうなの?」

 

「だろうな。それは大学レベルの問題だぞ。美琴もよく解けたな。」

 

「家では高校や大学の問題集してますからね。中学の基礎は終わったので。」

 

やはり前とは違う所もありますからね。しっかり勉強しておかないと。

 

 

 

そんな事を考えている美琴を見ながらリボーンはとある事を考えていた。

 

「(…美琴の使っていた計算式は一番簡単なネコジャラシの公式を使った式ではなく一番ややこしいイヌワラビの公式を使った計算式だった…普通に売っている問題集にイヌワラビの公式を使った計算が必要な問題が書いてる訳がない…なぜ美琴はその式を使える?しかも途中で計算が一瞬でも止まる事が無かった…おかしすぎる。)」

 

一度疑念が浮かぶと様々な疑念がうかぶ。

なぜ幼なじみがいきなりマフィアのボス候補と聞いたり見た目は赤ん坊である俺がツナの家庭教師と言われても殆ど動揺しなかったのか?

なぜダイマナイトをいきなり投げつけられたのに冷静に対処できたのか?

なぜ殺気こそ無かったがあんな威圧感を出せたのか?

なぜ俺から見られていることに気付けたのか?

なぜ殺し屋であるビアンキの行動を言葉だけで抑制出来たのか?

なぜ俺の読心術が使えないのか。

…なぜ裏と全く関係のない人間なのに、これらの事を、出来るのか。

考えれば考える程神楽美琴という人間の謎は深まり、何か大きな秘密をもっているのは明白で、そして危険性も上がる。もし彼女がツナの敵となった時は、とてつもない強敵になってしまうだろう。

 

「(…だがこいつはツナの敵になるような人間じゃない…今は話してくれなくともきっとその秘密を話してくれるだろうな。)」

 

リボーンのこの勘は当たる事になるが、リボーンや綱吉達が美琴の秘密を知るのは遠い未来の話である。

 

 





や、やっと投稿出来ました…私生活で忙しく殆ど書けてなかったです…

さて、最後の伏線(?)ですが、美琴は綱吉達に前世の事バレます。どのタイミングかは皆さんのご想像にお任せします。まぁ直ぐに予想がつくでしょうが…

後イヌワラビの公式はちょっとしたお遊びです((笑))いや、ネコがあるならイヌもあるのでは、と思い真っ先に浮かんだのがイヌワラビ…なんででしょう(笑)
相変わらずの不定期な更新でしたが、読んで頂きありがとうございます! 
いつになるかは分かりませんが次回もよろしくお願いします!


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